文部科学委員会 第4号
- 発言数
- 222 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2006/03/08
会議録
○遠藤委員長 これより会議を開きます。 理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 それでは、理事に藤村修君を指名いたします。 ————◇—————
○遠藤委員長 内閣提出、国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房知的財産戦略推進事務局次長藤田昌宏君、総務省自治財政局長瀧野欣彌君、自治税務局長小室裕一君、文部科学省大臣官房文教施設企画部長大島寛君、初等中等教育局長銭谷眞美君、高等教育局私学部長金森越哉君、スポーツ・青少年局長素川富司君及び文化庁次長加茂川幸夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○遠藤委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。秋葉賢也君。
○秋葉委員 おはようございます。自由民主党の秋葉賢也です。 きょうは、小坂大臣初め政府の皆さんに、義務教育費の国庫負担法の一部改正法案などにつきまして何点か質問をさせていただきたいと存じます。 御案内のとおり、義務教育費の国庫負担制度については、世界的に見ましても、多くの国で、基本的に国が責任を持って運営しているところが多いわけでございますが、我が国では、三位一体改革の流れの中で、とりわけ地方六団体からは交付税措置を求める声が相次ぎました。しかし、その実態をつぶさに見てみますと、すべての六団体が一枚岩になって交付金化を求めたわけではなくて、やはり国が責任を持つ分野も必要ではないのかという意見も一方では根強かったと思います。 そんな中で、今回は従来の二分の一の負担から三分の一という負担になりまして、正直私もこの三分の一での決着というのは予想しておりませんで、二分の一が交付金化されるのか、あるいは現状維持なのか。引き続き、中教審の答申なども現状維持というような答申だったわけでありまして、改めて、なぜ三分の一ということで決着したのか、まずは大臣のお考えを率直に伺っておきたいと存じます。
○小坂国務大臣 ただいま秋葉委員が御指摘をいただきましたように、義務教育費の国庫負担の制度につきまして中教審から御答申を賜り、また、地方六団体のそれぞれの御意見が、地方六団体としての御意見はありましたが、実際には、今委員が御指摘のような状況の部分も、私ども拝聴した部分もございました。また、PTAを初めとした保護者の皆さんの御意見、そして政府・与党の合意というものも踏まえて、まずは中央教育審議会の答申を真摯に受けとめる中でこれらについて考えたわけでございますが、義務教育費の国庫負担制度そのものは、地方公共団体の財政力の差にかかわらず、全国すべての地域においてすぐれた教職員を必要数確保する、そして義務教育の機会均等と水準の維持を図るために極めて重要な制度であると認識をいたしているわけであります。 今回の措置は、政府・与党として、昨年十月の中央教育審議会答申を踏まえつつも、また内閣としての三位一体の改革を進めるという視点に立って、広く国民の意見を慎重に聞き、丁寧に問題に取り組んだ結果として、義務教育費国庫負担制度を堅持するとの方針のもとで、八千五百億円の税源移譲、これを実現するために国庫負担率を三分の一に引き下げることとし、そしてこれと並行して、市町村及び学校現場における裁量及び責任の拡大を今後図っていきたい、こういうこともお伝えをする中で、関係の皆様の御理解を得る努力をしたところでございます。
○秋葉委員 ありがとうございます。大臣の御答弁にもございましたとおり、やはり初等教育、中でも義務教育については、国がしっかりと責任を持って今後とも運営していくということが必要だと思っております。 さて、三位一体改革の本質は何かと申しますと、やはり地方分権であり、地域主権の確立、地域がみずから自律的に運営できるような制度にしていくということだと思います。文部科学省は、中教審の答申などを受けまして、義務教育の構造改革を進めていくということで、具体的には四つのポイントを柱に改革を進めようとしているわけでございますけれども、中でも、やはり目指していくのは、分権の最も中心的な担い手である基礎自治体、いわゆる市町村に教育のさまざまな権限を移譲していくという分権改革が必要ではないかなと思っております。 国そして都道府県中心の運営から、市町村の自由度、自律度を高めていくという分権改革が今後柱になっていかなければならないと思っておりますけれども、これからの改革の方向性あるいは進展の中で、具体的な権限移譲の中身と今後の実施時期等のプログラム、予定について、大臣の御見解を伺っておきたいと存じます。
○小坂国務大臣 教育の地方分権ということに関しましては、都道府県から市町村、教育委員会から学校、この権限移譲をすることを重点としておりまして、これは、教育現場に近いところに権限を移譲して、各学校、市町村が創意あふれる教育に取り組むことを可能とするということを考えるわけでございます。 都道府県から市町村への権限移譲は、例えば教職員の人事権につきまして、都道府県から義務教育の実施主体であります市町村に移譲する方法が考えられます。昨年十月の中央教育審議会答申におきまして、当面、中核市を初めとする一定の自治体に人事権を移譲し、あわせて、都市部と離島、山間部等が採用や異動において協力し、広域で一定水準の人材が確保されるような仕組みを新たに設けることが提案をされております。文部科学省といたしましては、こうしたことごとを踏まえまして、教職員の人事権の移譲につきましては、教育関係団体との協議を行い、その理解を得た上で制度改革を行うことを検討してまいりたいと思います。 また、学校における裁量権の拡大につきましては、平成十七年九月現在で、例えば教育課程の編成に許可、承認を求めない教育委員会が都道府県、市町村ともに約八割を超えて、また学校提案型予算の導入も、都道府県で約五割、市町村で約二割になるなど、各地方公共団体において着実に取り組みが進んでおりまして、今後ともこの取り組みを拡大させてまいりたい、このように考えるところでございまして、こういった地方分権改革を順次進めて、現場の創意工夫というものを引き出してまいりたいと存じます。
○秋葉委員 着実に分権の改革に向けての権限移譲の実施とそして今後の検討が図られているという答弁をちょうだいいたしましたので、本当に我が意を得たりだと思っておりますけれども、やはり履いている靴のどこがきついか緩いかというのは、履いている当人が一番よくわかるわけでありまして、今後とも基礎自治体を中心とする教育の主体運営ということになお一層意を用いていただきたいと思うわけでございます。 さて、私も三期十年間、地方議会に籍を置いてまいりましたけれども、とりわけその中でも、平成十四年度に施行されました新学習指導要領は、もう導入の時点から賛否両論がございました。とりわけ、ゆとり教育という大義名分の中で、新しい学習指導要領の中での授業時間数の大幅な削減による学力の低下を懸念する声等々、非常に賛否両論がございまして、ことしは、はや施行されて五年目、高校が一年おくれでの実施だったと思いますので四年目ということになるわけでございます。 今、さまざまな舞台、分野におきましてこの見直しの議論もされているところではございますけれども、私は、やはり早期に見直しを実施して、さまざまな課題あるいは保護者の不安の声等々にこたえていく必要があろうかと思っておりますけれども、いわゆる現在の学習指導要領の見直しの方向性やあるいはその時期というものについて、大臣はどのようにお考えになっていらっしゃるのか、伺っておきたいと存じます。
○小坂国務大臣 現在の学習指導要領、平成十四年に完全実施をされたわけでございますが、この中で導入をされた、いわゆるゆとり教育の中での総合学習時間の活用といった問題についていろいろな御意見があります。しかし、私は、総合学習で導入をした、教科にまたがる分野についての取り組みということに対して、福祉だとかあるいは環境問題に対する教育とか、こういったものは、特別の教科でやるよりも、またがる課題でございますので、この総合学習というところでしっかりやっていくことが必要だ、このように考えておりまして、しかし、そのように考えていた方は文科省のプランの方でございまして、実際に現場で取り組みがそのとおりに行われたかというと必ずしもそうではなくて、その辺に、具体的な取り組みの指針が明確でなかったという反省があると思うんです。 こういった学習指導要領の趣旨は間違いないが、現在の子供の課題を踏まえて、その理念を実現するための具体的な手段の確立という観点から今後の見直しを行うこととして、具体的には、言葉や体験を重視した学習や生活の基礎づくり、また、国語や理数教育が、学力が低下しているという御指摘もあります、これらの充実。そして、全国的な学力調査の実施をすることによりまして、現在どのような状況にあるかということをしっかり把握して、そうして、そういったプランの中からこれをどのように実現していくか、そして、実現したものをまたチェックして、再度それに対応するべきアクションをとるという、いわゆるPDCA、プラン・ドゥー・チェック・アクションというサイクルを学校教育の質の保証として導入をしていくことが必要だと考えております。 こういったことを重視しながら、今後、引き続き中央教育審議会でしっかりと議論を行っていただき、早ければ平成十八年度末までに学習指導要領の改訂を行いたい、このように考えているところでございます。 それでは、もう少し時間数をふやした方がいいのではないかというお考えもあるわけでございます。時間数の増加につきましては、今後、中央教育審議会でしっかり議論をしていただきたいと考えておりますが、私としては、小学校の低学年というのは非常に吸収力の大きな子供たちでございます。こういった吸収力の大きな子供たちのその時間を、まあ、最近、いろいろ学校の安全という中でも指摘をされる魔の十時間というような話もあります、そういったものも踏まえながら、こういったところに何か解決策がないんだろうか、こんなことも今後検討してまいりたい、このように考えております。
○秋葉委員 御答弁ありがとうございます。本当に小坂大臣からは歯切れのよい御答弁をちょうだいしました。十八年度中に見直しをして、十九年度から新しい学習指導要領でやっていくということだと思います。 その中で、大臣からも言及がありました。確かに総合的な学習の時間というのは大変理念的にはすばらしいわけでございますが、しかし、教育の現場から私どもに伝わってまいってきております声というのは、やはり教員の能力によっておのずと教え方あるいは内容に格差が生じているという問題もございまして、教科をまたがって体験的なものを含めながらやっていくということは非常にすばらしいことではございますけれども、教員の質の確保ということ、あるいは、すばらしいものについては普遍化していくということも今後必要ではないかと思っております。 また一方で、やはり新しく、学力も全国的に精査をしておくということの必要性から学力調査の実施という言及がございましたが、ここに関連して一つだけ伺っておきたいのは、サンプリング的にこれまでも学力調査をやってきたわけでございますが、必ずしも、地域的な結果というんでしょうか、全体的な結果は当然公表されるわけですが、各都道府県の学力状況がどうなのかという個別的なことのデータというのはこれまで公表されておりません。私は、今後、いい意味で、プラス思考で考えたときに、やはりそれぞれの都道府県あるいは自治体、自治体までいくといろいろと当たりさわりがあるかと思いますが、しかし、都道府県レベルでの学力の実態については公表も踏まえて調査を行うということが大事だと思っておりますが、その点について、ちょっと大臣のお考えを伺っておきたいと存じます。
○小坂国務大臣 全国的な学力調査を実施する以上、それに対してフィードバックをして、それぞれの教育に携わる分野が、自分たちの反省材料あるいは前向きに評価をする、そういった指針になるようなものでなけりゃいかぬと思うんですね。そういった意味で、都道府県としての大きなくくりですから、都道府県レベルで一つの傾向を出すとか、あるいは、もっと大きなブロックで、全国を幾つかのブロックに分けてこういう傾向があるというふうに示すとか、こういうことはまず必要だと思っております。 その上で、それでは、もっと砕いて言えばどうだといえば、やはり大都市と、指定都市とか中核都市レベルではどうだとか、あるいは全国の市町村レベルでどうだとか、あるいはもう一段言うならば、過疎地域もあるけれども、そういうところはどうなんだとか、個別の市町村ではなくて大きなくくりの中で、大都市としての傾向値とかそういったものをやはり公表していくことで、日本全体はどういう構図になっているかということをお互いに認識するというぐらいの公表の程度はまずもって考えなきゃいけないことだろうと私は思います。 ただ、細部につきましては、専門家の皆さんにしっかりと、有識者の皆さんの意見を聞きながら今後検討して、公表のあり方というものについて慎重に進めながら、そして、学校現場を初めとした皆さんの十分な理解が得られるように、そして、全国の取り組みに積極的に参加していただけるように、理解を深めるような御説明をしてまいりたいと存じます。
○秋葉委員 どうもありがとうございます。本当に、大臣の方針どおりに私も期待をさせていただきたいと存じます。 さて次に、市町村立学校の職員給与負担法の一部改正も今回上がってきているわけでございます。現在、小中学校の教職員につきましては、御案内のとおり都道府県が給与を半分ずっと負担してきたわけでございますが、今回の改正によりまして、新たに、市町村が給与を負担して独自に教職員を任用できるということでございますので、分権改革の流れからいっても評価できることだと思っております。しかし、現実的には、それぞれの自治体も大変厳しい財政状況の中でございますので、すべての自治体でこうした独自採用というのがどれぐらい進むのかなと。今、特区を活用して幾つかの自治体では成果を上げているようでございますけれども、財政との絡みでいいますと、広がりに欠けるのではないかという不安もあるわけでございます。 基本的には、自治体のやる気次第で可能になるということで評価をさせていただいておりますけれども、文部科学省として、この制度の活用をどう見込んでいるのかということを伺っておきたいと存じます。
○銭谷政府参考人 御説明を申し上げます。 今回の制度改正は、あくまでも、国が標準的な規模の教職員数を定め、その教職員給与費の全額を国と都道府県が負担するという基本的な制度を前提としているわけでございます。義務教育の水準維持のための標準的な教職員数を県費負担教職員により確保した上で、さらに市町村が実情に合わせて独自に教職員を任用することを可能とするものでございます。現在、特区で実施をしております三十一の自治体はすべてが財政的に豊かというわけではございませんで、首長初め自治体全体の教育にかける熱意や意欲に基づいて、特区としてお取り組みをいただいているわけでございます。 私どもといたしましては、こういった県費負担教職員制度を前提に、さらにプラスアルファの取り組みとして、より多くの自治体がこういうことを考えていただくということを奨励していきたいというふうに思っているところでございます。
○秋葉委員 ありがとうございます。 教職員の任用に関連して一つだけちょっと伺っておきたいのは、今学校現場において、いわゆる指導力不足教員というのが自治体それぞれ大変問題になっておりまして、それぞれの市町村でも、表現が悪いかもしれませんけれども、何というんでしょうか、そういった問題教員をたらい回しにするといいますか、そういった実態も認められているところでございます。 例えば、仙台市の教育委員会からの指導力不足教員の実態調査などを伺いますと、子供たちの目を見て話ができないとか、あるいは子供たちに平気で暴言を吐く、教員以前の人間としてのモラルが問われるような信じがたい教員の実態というものが一方でございます。もちろん、ほとんどの先生方は、額に汗して、大変頭の下がる熱心な指導をいただいているわけでございますけれども、しかし一方で、こうしたいわゆる指導力不足教員については厳格な姿勢で臨んでいくことが必要ではないのかなと。 文部科学省からちょうだいしました資料を見ますと、いわゆる指導力不足教員の認定者数、平成十二年度の六十五人から平成十六年度には五百六十六人ということで、飛躍的に認定数がふえているのは評価させていただきますけれども、恐らく急にふえたのではないと思うんですね。以前から問題教員というのはいたんだけれども、いろいろな制度が整う中で顕在化してきたということではないかと思っております。 今後、やはり問題教員については分限免職や懲戒免職を含めて厳しい姿勢で臨んでいただきたいと思っておりますが、今後の取り組み方針と、それから十七年度の見込みなんかもわかっていれば伺っておきたいと存じます。
○銭谷政府参考人 お話のございました、指導を適切に行えない教員が指導に当たらないようにするということは、子供たちの教育を考えたときに非常に大事なことだと思っております。この点につきましては、平成十三年に法律改正を行いまして、指導を適切に行えない教員を他の職に転任させる道を広げるとともに、文部科学省として各都道府県及び政令指定都市教育委員会に委嘱をいたしまして、指導力不足教員の対応システムについて構築、運用を進めていただいているところでございます。 このシステムによりまして、各教育委員会として、指導力不足教員としての認定というものが最近進んでまいりまして、先ほど先生からお話のありましたように、平成十二年度の六十五名から十六年度には五百六十六名という認定数になっているということでございます。また、認定をした教員については、研修を行ったり、場合によっては必要な措置をしなきゃいけないわけでございますけれども、指導力が不足をしている教員のうち、退職等した者についても、平成十二年度の二十三名から平成十六年度には百九十名となるなど、各教育委員会において年々このシステムの厳正な運用が図られてきていると思っております。 ただ、私どもとしては、まだ取り組みが必ずしも十分でない教育委員会もございますので、この点については、指導力不足教員の対応システムについて一層適切な運用が図られるように、さらに十分指導してまいりたいと思っております。(秋葉委員「十七年度はどうなっていますか」と呼ぶ)十七年度の数については、これから年度が終わりまして集計するわけでございますが、今まで私どもが各県からいろいろ聞いている状況では、やはり十六年度と同じように、指導力不足の教員というのはかなりの数が認定されているというふうに把握をいたしております。
○秋葉委員 わかりました。 また、今回の一部改正の中には、義務教育諸学校施設費国庫負担法の改正ということもございます。この改正の趣旨は、より効率的な学校施設整備に資するように、改築や補強あるいは大規模改造などの耐震関連経費を中心に、一括して交付金が交付できるようになるわけでございまして、そういう意味では、事業間の経費の流用が可能になったことから、それぞれの自治体でも事業選択の自由度が増すという意味で評価できるものだと思っております。 この今回の法案の措置では、文部科学大臣による施設整備基本方針を策定することとされておりますけれども、具体的にどのようなことを定めようとしているのか。これまでの耐震化の整備状況の取り組み、進捗実績とあわせて伺っておきたいと存じます。
○大島政府参考人 お答え申し上げます。 まず耐震化の方の状況からでございますが、まさしく公立学校の耐震化は喫緊の課題、その安全性の確保は極めて重要と認識しております。平成十七年四月のデータで申し上げたいと思いますが、一つは、五十六年以前のいわゆる旧耐震基準、これでつくられた建物耐震診断率、これは現在五六・三%となっております。もう一つ、耐震化の進捗状況ということで耐震化率ですが、これは全体の建物に対しまして五一・八%の進捗状況、こうなっているわけでございます。 こういったことから、今回の法案でございますが、ただいま先生御指摘ございましたように、改築や補強それから大規模改造事業等耐震関連事業を中心に交付金化を図る、こういうことで地方の自主性、裁量性を高めまして、耐震化等の事業の効率的な執行を可能とする、こういうことをねらっているわけであります。 御指摘のございました文部科学大臣が定めます学校施設整備のための基本方針ということでございますが、この基本方針におきましては、現下の最大の課題でございます耐震化の推進に重点を置くということがまずございまして、これとともに、具体的には、地方公共団体に整備計画期間中における耐震化の目標の設定を求めるなど、公立学校等の施設整備の目標に関する基本的な事項等を定めることとしているところでございます。 地方公共団体におきましては、この基本方針等に基づいて施設整備計画を策定することになるわけでございますが、これによりまして、地方公共団体における耐震化の取り組みが一層促進されるものと考えているところでございます。
○秋葉委員 ありがとうございます。 本当に全国的に我が国は地震による災害が多発をしておりますので、災害時を想定して、計画的に着実に耐震化を中心とする学校の補修、強化が進んでいかなければならないと思っておりますので、今後とも着実な施策の展開をよろしくお願いしたいと思います。 時間もなくなってまいりましたけれども、質問の最後に、この通常国会も予算が先週成立をいたしましたけれども、この後は、それぞれの所管の中で幾つかの重要法案の審議が予定をされてくると思うわけでございます。 私どものこの文部科学委員会におきましては、やはり教育基本法の改正をどうするのかということがこれから大きな争点あるいは議論になってくるものと期待をしているわけでございますけれども、教育基本法の改正について、小坂大臣の基本的な考え方、そして、何よりも、その改正案をこの通常国会に提出をする考えがあるのかどうか、大臣の御決意を含めて御見解を伺っておきたいと存じます。
○小坂国務大臣 秋葉委員が御指摘のように、教育基本法の改正という問題は、今国会でもそれぞれ重要な法案が提出予定されておりますけれども、その中でも大変重要な法案の中での上位にある、むしろ私としてはトップと申し上げたいところでございます。 昭和二十二年の教育基本法制定以来、半世紀以上にわたりまして経過をしているこの基本法でございます。その間に社会情勢は大きく変化をいたしておりますし、昨今この教育に対してのさまざまな課題が指摘をされております。 教育の根本にさかのぼった改革をする必要が今こそあるのではないか、そのことについて平成十五年三月に中央教育審議会の答申もちょうだいをいたしておりまして、それ以来議論を重ねておるわけでございますが、人格の完成や個人の尊厳などの普遍的な理念は今後とも大切にしていく必要があると思うわけでございますが、伝統、文化の尊重、郷土や国を愛する心、そして公共の精神や学校、家庭、地域社会の連携協力といった今日的な課題、今日重要と思われる理念や原則を明確にするために教育基本法の改正が必要である、このように答申は言っておるわけでございます。 私といたしましては、この中教審の答申や与党や関係の皆様の御意見をしっかり踏まえ、与党における議論、そしてまたこの世論というものをしっかり把握して、教育基本法の速やかな改正を目指してしっかりと取り組んでまいりたい、このように考えておりまして、そういった意味で、与党の皆さんの御議論を単に見守るだけじゃなくて、こちらから出向いていろいろな御意見も聞くぐらいの、そういう積極性を持って、この教育基本法の改正という問題が、今国会に提出が、環境が整うように、ひたすら私も努力をさせていただきたい、このように考えております。
○秋葉委員 どうもありがとうございました。力強い御答弁をいただきました。 私も、そうした大臣の姿勢、方針というものを心から評価をさせていただきまして、法案の提出を心から期待して、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○遠藤委員長 藤田幹雄君。
○藤田委員 自由民主党の藤田幹雄でございます。本日は、私にとって、委員会での初めての質問をさせていただく機会でございます。何とぞよろしくお願いを申し上げます。 さて、きょうは、国の補助金の、義務教育費国庫負担法を中心に、今回提出されます三法案を中心に質問をさせていただきたいと思います。先ほどの秋葉委員と一部重複する点もあると思いますが、まず第一点目として、義務教育費国庫負担法の一部改正について最初にお尋ねさせていただきたいと思います。 これは、皆様御存じのとおり、国庫負担が二分の一から三分の一になる、昨年これも同じ法案があって、その移譲分が四千二百五十億というのが、大変厳しい審議の内容になってしまった。ことしは、それをさらに上回る金額として八千五百億、そしてそれが当然あるわけですけれども、まず第一点目、お伺いしたいんですが、義務教育費国庫負担制度というものが今日まで果たしてきた役割といいますか、どういったメリットがあるのかというところからお伺いさせていただきたいと思います。
○銭谷政府参考人 お答えを申し上げます。 義務教育費国庫負担制度は、地方公共団体の財政力の差にかかわらず、全国すべての地域において、すぐれた教職員を必要数確保して、義務教育の機会均等と水準維持を図るために極めて重要な役割を果たしてきた制度でございます。基本的には、国と都道府県が教職員給与費の全額を保障する、そういうシステムとしてこれまで運営されてきたわけでございます。
○藤田委員 ありがとうございます。 三位一体改革という波が教育の場にも着実に浸透しているなと感じるわけでございますが、単純に、二分の一から三分の一になるということは、税源移譲をするにしても地方の負担が大きくなるというところで、私は先日文科省の方に資料をいただきまして、三分の一負担とした場合に実際各都道府県はどのぐらいの負担が生じるのかというところを、一つリストをいただきました。そうしたところ、ほとんどの都道府県において、現段階においては過不足分が、税源移譲を差し引いても結構発生するという事実がございます。 現状はそんな状況でありながら、三分の一に今回変更するというふうに踏み切られたところで、大変単純に不安を感じるところがあるわけでございますが、現在考え得る支障といいますか問題点、文科省でお考えのところをお尋ねしたいと思います。
○小坂国務大臣 今局長から答弁申し上げたように、義務教育費の国庫負担制度というのは、地方における格差を生まないという意味でこれを堅持すべきものとしているわけでございます。 今回、負担率が三分の一になったことで地方の財源確保に格差が生じるのではないかという懸念を持たれる方もいらっしゃって、それを踏まえて藤田委員から御質問をいただいたことと思うわけでございます。 負担割合を二分の一から三分の一に引き下げることによりまして、若干数字は細かくなりますが、わかりやすく説明するつもりでお話しいたしますが、都道府県に交付される義務教育費の国庫負担金が減額となるわけでございます。その減額分の八千四百六十七億円につきましては、十八年度において所得譲与税として地方に税源移譲される、これが今回の決定でございます。地方ごとに配分される所得譲与税は、十七年度分の税源移譲予定特例交付金の額、すなわち四千二百五十億円、この半分の四千二百五十億円と、もう一つは、税源移譲見込み総額の各都道府県ごとの案分額、これも総額で四千二百十七億円になるわけでございますが、この合計額としての八千四百六十七億円を譲与する、こういうことになるわけでございます。 この額を各都道府県ごとに見てみますと、三分の一の国庫負担金の額に所得譲与税を加えた額は、従来の二分の一の国庫負担金の額と比べて三十七府県で不足が生じる、こう推計されます。この不足分につきまして、そのままにしておけば御指摘のように格差が生じてしまうことになる。これは地方交付税により措置されるということになっておりまして、そのように承知をいたしております。 文部科学省としては、義務教育の水準が維持されるように、必要な教職員給与費を確実に予算措置すること、また、義務標準法を踏まえた適正な教職員配置を行うことについて周知そして指導しているところでありまして、来年度における都道府県の必要予算は確保される見込みでございます。 私、先ほど三十七と申しましたでしょうか。三十九府県で不足が生じるものと試算をされております。
○藤田委員 御答弁ありがとうございます。 確かに、トータルですとプラス・マイナス・ゼロということで八千五百億円が帳消しになるという計算ですけれども、三十九都道府県におきましてはまだ過不足が生じる。この三位一体改革というのは、各分野においても大変地方の負担が現状まだ大きい、地方の体制がまだそれに対応できるほどになっていないという声が多々あるのは周知の事実でございまして、ぜひ各都道府県が速やかに対応できるような対応を文科省の方にはお願いを申し上げたいと思う次第でございます。 さて、では次の質問に移らせていただきますが、同じ義務教育費国庫負担法のところで、小中学校と養護学校の国庫負担制度を統合するというところも入っておりますが、これはなぜ統合するのか、そのメリットというところをまずお伺いしたいと思います。
○銭谷政府参考人 今回の改正案では、現行が小・中・盲・聾学校と養護学校の二つに分かれております教職員給与費に係る国庫負担制度を統合することといたしております。これによりまして、いわば学校種を超えて、地域の実情に応じた教職員配置が一層可能になるというふうに考えております。 現在、国庫負担制度は、いわゆる総額裁量制ということで、その県の平均の給与に標準法上の定数を掛け合わせた給与費総額の範囲内で、各県がいろいろと教職員の配置に工夫できるようになっておりますけれども、その総額裁量制を、小・中・盲・聾学校と養護学校の学校種を超えて、これからは措置ができるということになるわけでございます。 例えば、教職員全体の給与費を活用して、養護学校など特別支援学校の教職員配置を充実させるとか、あるいは養護学校の教職員定数を活用して、通常の小中学校におけるLD、ADHD等の発達障害などの子供に対応する教職員配置を充実させるとか、いろいろな工夫が可能になると思っております。
○藤田委員 ありがとうございます。 義務教育における地方分権というのが、この二つの法案を見ても大変進んでいくということでございますが、大きいところから見て、義務教育というものの地方分権が進んでいくというのは、どのように今後取り組もうとしているのか。今後一層これを推進していく方向性なのか。それとも、様子を見ながら、問題点を洗いながらというところなのか。今後の大きいところでの方針をお聞かせいただければと思います。
○小坂国務大臣 具体的詳細は局長の方から答弁させていただきますが、端的に回答から申し上げれば、これから拡大をして分権を進めていくという方向でございます。
○銭谷政府参考人 ただいま大臣から大きな方針についてお話がございましたが、私どもも、教育における地方分権というのは、あるいは地方の裁量権の拡大ということは、進めていく必要があると思っております。 基本的には、教育、とりわけ義務教育は、実際に教育を実施するのは、学校を設置し管理運営する市町村と実際に教育活動を行う学校なわけでございまして、この市町村、学校がそれぞれ地域や学校の実態に応じた創意工夫を発揮できるような、そういう教育体制をつくっていくということが今後ますます必要になってくると思っております。 その上で、国は、そういう市区町村、学校が活動しやすいような条件整備とか、あるいはどういう基本的な方向で教育活動を行っているのかという方向性とか、そういうものは示した上で、結果についてもよくチェックをしていくということが必要ではないかと思っております。
○藤田委員 ありがとうございます。 それでは、次の質問に移らせていただきます。 市町村の学校の教職員の給与負担法の一部改正の法案でございますが、まず最初にお伺いしたいのは、市町村の教職員というのは、そもそも都道府県が今までは負担していた、今回それを市町村に落としていこうというような法案だと思うんですが、まず、そもそもなぜ都道府県が負担していたのかというところの理由といいますか、今までのいきさつをお聞かせいただければと思います。
○銭谷政府参考人 公立の小中学校の教職員は、市町村立の学校でございますので、市町村の職員なわけでございますけれども、市町村には非常に財政的にいろいろ課題がありますので、その職員については県費負担教職員として、財政力のしっかりした県が経費負担と人事を行って、それについて国が今までは二分の一をしっかりと負担しているというのが今までの県費負担教職員制度の仕組みでございます。これによりまして、国と県が全額を保障することによって必要な数の市町村立学校の教職員を確保していたということでございます。
○藤田委員 ありがとうございます。 教職員の質を落とさない、そういうところを都道府県が主導となってやることによってということでよろしいんでしょうか。わかりました。 それで、今回の法案では、特区を中心に、まず市町村で教職員の給与を負担していくというところから全国展開をしていくという内容だと思うんですが、まず特区における現在の状況、かなりいい状況であるから今回こういうふうになってくると思うんですが、そのところをお聞かせいただければと思います。
○銭谷政府参考人 この特区による、市町村が教職員給与を負担して独自に教職員を任用する制度は、平成十五年度から始まったものでございます。平成十八年一月現在においては、三十一の市町村におきまして特区の認定を受け、二百二十人の教職員が任用されているところでございます。 これは、各特区になりました市町村において、自分の市町村において地域社会と密接に関連した教育を充実したいとか、例えば、ふるさと学習というものをやってみたいとか、少人数学級を導入してきめ細かな指導をさらに図りたいとか、あるいは自分の町では英語学習を推進したいとか、それぞれの地域の実情に応じたいろいろな取り組みをやってきたところでございます。これまでのところ、おおむねそれぞれの市町村において成果は上がっていると認識しております。ただ、一部の市町村においては、人事管理あるいは給与の定め方等において課題があるという事例もあったところでございます。
○藤田委員 ありがとうございます。 いろいろ工夫を凝らして、それなりのいい効果があったというのはわかるんですが、この一部都道府県のやり方で、いい効果はあると思うんですが、当然、この特区のところで一般的に言われますのは、お金のある、大変財政的に裕福な市町村に関しては、教職員をいっぱい採用したりとか、大変質のいい教職員を採用することはできると思うんですが、財政が苦しい市町村に関しては、その逆の問題が起こり得る。市町村においての格差が当然広がってくるという問題があると思うんですね。そこのところについての対応はいかがお考えなんでしょうか。
○小坂国務大臣 この格差論は、総理もよくおっしゃっているように、努力をして環境その他を改善して、そして人よりも前へ出ようと努力した者が前へ出ることは、これは格差とは言わないのではないのか、そういう意味の差があるのは当然ではないかと。 むしろ問題なのは、努力しようとしても努力できない環境にあったり、そういうようなことから、本来あるべきところまで引き上がることができない、上がることができない人たちをどう守っていくかということが必要なんだというお話の中で、市町村ごとに独自の教員を任用することができるという制度は、特区として運用するときにも、今局長が申し上げたように、地域の社会と密接した内容の授業をやりたいとか、ふるさと授業ですね、あるいは不登校児童の対策を特に地域として推進したいとか、英語教育をやりたいとか、あるいは少人数学級の導入を私のところはやりたいという市町村の意向を踏まえてやるためのものですから、国が標準的な規模の教職員数を定めてその教職員給与費の全額を国と都道府県が負担をして保障する、これをベースにした上で、その上に積んでいくわけですので、市町村が実情に合わせて独自に任用することは、教育条件の悪化となる格差を生み出すものではなく、むしろ一定の水準から上へ行くための努力であるというふうに考えております。
○藤田委員 大変御丁寧な答弁、ありがとうございます。 それでも大変苦しい市町村、もう全然体制も整わない、お金もないというようなところに対しては、国から何か特別な補助なり施策みたいなものは今お考えなんでしょうか。
○銭谷政府参考人 大臣からもお話がございましたように、教職員の配置の基本は県費負担教職員制度でございます。この県費負担教職員制度は、国がいわゆる標準法というのを定めまして、各学校に必要な教職員数をはじいた上で、それについてその全額を県と国で負担しているという制度でございますので、私どもとしては、県費負担教職員制度に基づく教職員定数の改善充実ということをずっと今まで心がけてやってきたわけでございます。 第七次の定数改善計画まで進めてきたわけでございますが、この中では、学校の置かれた状況というものに配意しながら、いわゆる教職員の加配というものもこの県費負担教職員の中に入っておりまして、最もよく実情を知る都道府県が、その県のいわば標準法に定められた教職員数の範囲内で、それぞれの学校の実情に応じた教職員の配置というものをまた考えていくことができるわけでございますので、まさにベーシックな、あるいはスタンダードというべき教職員配置は、この県費負担教職員制度の中でしっかりとこれからもやっていきたいというふうに思っております。
○藤田委員 ありがとうございます。 都道府県というのは、ほかの三位一体改革においても周知のとおり、大変格差が現状あるのが事実だと思いますので、ぜひそこのところの対応をきめ細かくお願い申し上げたいと思います。 それでは次の、施設費国庫負担法の一部改正についてお尋ねを申し上げたいと思います。 今回の改革案では交付金制度というものが導入されるというふうにお伺いしているのですが、まず交付金化することによるメリット、そして今考えられるデメリットをお聞かせいただきたいと思います。
○大島政府参考人 お答え申し上げます。 まず、交付金化のメリットということでございますが、一つは、地方公共団体が作成する施設整備計画の範囲内で自由な事業選択が可能になるということだろうと思います。それからもう一点、地方公共団体内におきます事業間の経費の流用が可能になるということがあります。したがいまして、地方の裁量が高まりまして効率的な執行に資することができる、これもメリットと言えると思います。 一方、デメリットとおっしゃいますが、あえて交付金化路線の懸念といった観点で申し上げた方がよろしいかと思いますが、そういう意味から申しますと、これまで細かく使途を特定して交付した補助金とは異なりますから、今度は地方公共団体の裁量責任が非常に大きくなります。 一方、そうなりますと、場合によりますと、地方公共団体の判断で事業を執行していくときに、もしかすると必ずしもその計画に沿っていないような事業になってしまったりする、これは困るな、こういうような感じがちょっとありまして、そういう場合、こういった懸念を解消するということのために、国が交付金を交付した後にも地方公共団体が作成する施設整備計画ごとに事後評価を行う、こういったようなことなどを今検討しているところでございます。
○藤田委員 ありがとうございます。 全くおっしゃるとおりで、大変自由度がふえて、かつての、以前の事業ごとの区分ですと、その都度申請等も出さなきゃいけない等々、大変デメリットがあったわけで、その点は大変喜ばしいと思うんです。 その一方で、地方の裁量に任せるときに、国から監視するところが、施設整備計画というのを提出するというところなんですけれども、これがしっかりとつくられたものなのか、本当に計画どおりなのかというところがこの法案に対する大変なリスクだと私は思うのでございますが、そこのところはどのような対応をお考えなのでしょうか。
○大島政府参考人 お答え申し上げます。 今回、交付金化に当たりまして、まず、文部科学大臣が公立学校等の施設整備のための基本方針等を定めることとしております。地方公共団体におきましては、この基本方針等に基づいて施設整備計画を策定する、こういうことになっております。さらに、先ほども触れましたけれども、事業実施の客観性それから透明性、これを確保するために、この施設整備計画をもとにいたしまして事後評価を行う、こういったことを検討しているところでございます。
○藤田委員 ありがとうございます。 この施設整備計画というのは、以後何年ぐらいの計画で、本当にきめ細かく対応できて、計画の変更等も本当になくて、しっかりと運営されるものなのかどうかというところはいかがでございましょうか。
○大島政府参考人 お答えいたします。 ただいまの施設整備計画の期間でございますが、迅速な整備を行うという観点から、三年間というのを一つのめどとして考えているところでございます。
○藤田委員 ありがとうございます。 三年間ということですけれども、これで本当に十分かどうかというのは今後また議論があるかもしれませんが、その辺の対応と、あと、やはり悪意を持って考えたときには、地方が全く違う計画を立てて、それに沿って一括して交付金をもらった後に、計画とは異なるような内容で運用していくというような地方が、都道府県が、市町村が出てくるというリスクがあるなというふうに私は感じるところでございます。そのところの管理体制をきちんとしていただければというふうに考えるところでございます。 そして、今回の法案ですけれども、この内容の中で、最近ちまたで大変話題になっております耐震強度について、耐震補強というところも、対応がスムーズにいくところなのかなというふうに感じるところでございます。耐震強度というのが、今全国的にもう一回見直さなきゃいけないというようなムードになってまいりましたけれども、これに関しての対応、全国的にこれが今後進むとお考えかどうかというところを聞かせていただきたいと思います。
○小坂国務大臣 今回の法案では、交付金の交付のためには、国は学校施設整備のための基本方針を定める、このようにしております。この基本方針において、耐震化に重点を置くというふうに定めておりますので、地方公共団体における計画的な耐震化の取り組みが一層促進される、こういう論法になっていくわけでございまして、このように期待をするところでございます。 地方の自主性、裁量度を高めるための地方公共団体に対しての一括しての交付金交付をすることによりまして、効率的な事業執行を図り、一層の耐震化の推進に努めてまいりたい、このように考えております。
○藤田委員 ありがとうございます。 本日は、私は、初めての質問だったので、ちょっとスムーズでない点も多々あったと思いますが、大変丁寧な御答弁を本当にありがとうございます。 最後に、大臣にお伺いしたいんですが、これらの三つの法案に関しまして、地方への権限の移譲等々ございますけれども、大所高所からごらんになられて、今後の教育の方向性、そして、これらの三位一体改革についての今後の方針等々をお聞かせいただければと思います。
○小坂国務大臣 ありがとうございます。初めてとおっしゃいますが、充実した質問をいただきまして、ありがとうございます。 今回の法改正による義務教育費の国庫負担金の負担割合の変更ということ、これ自体は構造改革あるいは教育の改善に直接的な意味合いを持つものではないかもしれませんが、国庫負担制度を堅持し、そして教職員の給与費の全額を保障する、このことを改めて確認した点で意義があると思っております。 今回の法改正に合わせて、小・中・盲・聾学校と養護学校の負担制度の統合を図ったこと、それから市町村による教職員の任用を可能とする措置を拡大したこと、それから公立学校等の施設整備に係る交付金の創設をしたこと、これらは教育現場の創意工夫を促す制度改革として実施しているものでございまして、今後とも、中教審答申を十分に踏まえた上で、国が確実な財源確保などの基盤整備を行った上で、できる限り市町村や学校の権限と責任を拡大して、そして、教育の結果の検証と、これを国が責任を持って保障していくという義務教育の構造改革を進めて、義務教育の質の向上に努めてまいりたいと存じます。
○藤田委員 ありがとうございました。 私の質問は以上でございます。本日はありがとうございました。
○遠藤委員長 西博義君。
○西委員 公明党の西博義でございます。 議題となっております国の補助金等整理合理化等に伴う義務教育費国庫負担法一部改正法案に関して質問をさせていただきます。 初めに、国庫負担制度に関連して、大枠のところから質問をさせていただきます。 教職員の配置に関しましては、平成十六年度から総額裁量制に移行いたしております。そのことによって地方の自由度を高める、こういうことだったわけですが、その後、この教職員の構成に関して何か特徴的な動きは見られるのかどうか、まずお伺いをしたいと思います。
○銭谷政府参考人 お話がございましたように、平成十六年度から新たに総額裁量制という制度を国庫負担制度に導入いたしました。 この総額裁量制のもとでは、例えば、各都道府県における給料、諸手当の抑制によって生じた財源を活用して、少人数学級や習熟度別指導の実施のために教員を増員したり、あるいは、教員の能力、実績に応じた給与支給を行うなど、地域や学校の実情を踏まえた、特色をより生かした教育施策の展開が可能となっております。具体的には、例えば、ある県では、複式学級、中学校の免許外教科担任の解消や専任司書教諭の配置など、きめ細かな教育の実施のための教職員配置を行っております。 また、総額裁量制導入前は国庫負担の対象とならなかった少人数学級実施に伴う教員増について、これを国庫負担の対象として活用できるということになりましたので、現在、四十五の道府県で、そのやり方は対象学年とかいろいろありますけれども、少人数学級を実施しているといったような成果がございます。
○西委員 種々の工夫がなされているようですが、まだ全体的に見て、そう大きな変化はないというふうに私は今のところ認識をしております。 続きまして、義務教育諸学校定数配置改善計画それから公立の高等学校の教職員の定数配置改善計画、このことについてお伺いいたしたいと思います。 昨年末の財務大臣との合意で、平成十八年度においては、第八次定数改善計画、これは策定をしないということで決着を見たということでございます。そんな意味で、定数、配置の改善計画そのものが今大きな曲がり角に来ているのではないかというふうに私は思っておりまして、さらに、行政改革それから公務員制度改革等が現実に進んできておるんですが、今後、文部科学省として、特に大臣として、教職員の配置改善計画、このことについて、どう取り組まれようとしているのかについてお伺いをしたいと思います。
○小坂国務大臣 西委員には日ごろから教育改革、大変熱心にお取り組みをいただいておりまして、感謝申し上げます。 政府・与党の方針として総人件費改革が進められておるわけでございますが、平成十八年度の予算案において、今日的な教育課題への対応のために、教職員配置の見直しにより特別支援教育や食育の充実に必要な教職員定数の改善を図ることとしているわけでございます。この検討の過程におきまして、児童生徒の減少に伴う自然減を上回る純減を確保するとされました。 私どもといたしましては、教育現場全体を見回す中で、教育に携わる全体の中での見直しをこの方針に従ってさせていただくということで、給食調理員の方やあるいは用務員の方を含んだ、全体の教職員数というのは確かに人数的に大きな規模でありますので、そういったものに総人件費改革の中で協力をしていくべきと考えたわけでございます。 しかしながら、教職員の資質の向上や習熟度別の少人数指導に必要な教職員を確保するという、このことについては、私どもとしても、何としてもこれは推進していく、こういう立場でございますので、私としては、総人件費改革に取り組みながらも、教育水準の維持向上のためにこれをなすということで、特別支援教育の充実、食育の充実のための必要な定員改善を、三百二十九人、これを確保することとし、そして一方で、合理化等による減でこれを賄っていくということで全体の維持を図り、今後、さらにこれの向上を目指すということといたしたわけでございます。 第八次というような、明確な継続性をここで打ち出すことはできませんでしたけれども、今後、そういった方向性を持って取り組んでまいりたい、このように考えております。
○西委員 時代の流れに沿って、強化すべきところは強化するという原則はそのとおりだと思いますが、同時に、やはり教員だけで学校が形成されているわけではなくて、職員全体のチームワークの中で学校の教育が行われているということにかんがみまして、これからまた、公務員制度改革等で種々議論があると思いますが、十分に、教育の質を落とさないで学校運営ができるように、格段の大臣の御努力をお願い申し上げたいと思います。 それから、加配の件について御質問申し上げたいと思います。 これまで種々の加配措置が行われてまいりました、この評価でございます。 振り返ってみますと、第六次の定数改善計画、これはチームティーチングに力点が置かれて加配が行われた、平成十三年から十七年までの第七次の定数改善では少人数教育に力点が置かれて加配が行われたというふうに承知しております。このことにつきまして、国立教育政策研究所からそれぞれ報告が出ておりまして、例えば、「ティーム・ティーチングによる指導の効果に関する研究」、それから「指導方法の工夫改善による教育効果に関する比較調査研究」、かなり詳細な報告書が出ております。 これに限らず、それぞれの加配措置についての評価を、どう分析をしているのか、また、今後このことを政策にどのように反映させようとしているのか。つまり、一つ一つのねらいが結果としてどういうふうになっていったのかということを検証しながら次の段階に進んでいくということが大事なことではないか、こういう趣旨から、御質問をさせていただきたいと思います。
○銭谷政府参考人 ただいま西先生からお話がございましたように、第六次の定数改善計画ではチームティーチング、第七次の定数改善計画では少人数教育に力点を置いて教職員の加配を進めてきたところでございます。 先生お話のございました国立教育政策研究所の研究におきましては、まず、チームティーチングについては、一人の教師による一斉指導よりも、学級を解体し、学年チームティーチングによるグループ指導による授業が非常に成績向上に効果があるといった報告がなされております。また、少人数指導や習熟度別指導についても、学力向上において有効であるといった報告もなされているところでございます。 私どもといたしましては、こういったチームティーチングあるいは少人数教育ということについては、一定の評価をしていいのではないかというふうに思っているところでございます。とりわけ、昨年、文部科学省に今後の教職員配置のあり方について調査研究会を設けましていろいろと検討していただいたわけでございますが、その中でも、少人数学級あるいは少人数教育によりまして、子供同士の学び合いがより深まって、学習指導の姿がより効果的なものへ変わる、特に小学校低学年など、学校生活になれ親しむ段階において効果的だとする意見も多く出されているところでございます。 私どもといたしましては、第六次、第七次の改善計画で措置をいたしましたチームティーチングあるいは少人数教育のための教職員定数の確保に今後とも努めるとともに、その効果につきまして引き続き検証し、また指導法の一層の工夫を促してまいりたいというふうに思っております。
○西委員 ありがとうございます。 次に、市町村費負担の教職員の任用についてお伺いをしたいと思います。 先ほども若干議論がありましたけれども、特区において試行されております市町村費負担の教職員につきまして、ちょっと資料を拝見しますと、終身雇用、それから任期つきの採用、それからその他の採用という形で、何種類かの採用の形態が試行されているようです。それは、その特区特区のお考えがあってのやり方なんだろうというふうに思いますが、その任用形態のそれぞれの割合をお示しいただきたい。 それから、任期つきで雇用されているケースがあるんですが、どの程度の任期を採用されているのか、このことについてもあわせてお願いをいたします。
○銭谷政府参考人 現在、構造改革特区で任用されております市町村費による教職員二百二十名につきまして、任用形態について御説明を申し上げます。 まず、任期なしの任用、いわゆる通常の任用は二名でございます。それから、任期つきの任用が二十四名でございます。さらに、臨時的任用が百四十八名で、いわゆる非常勤という方が四十六名という任用形態でございます。 お話のございました任期つきの任用につきましては、地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律に基づきまして、最長五年の範囲内で任命権者が定めるということになってございます。
○西委員 最長五年、その範囲の中でということで、この方が二十四名というお話がございました。 印象としては、市町村費で負担する教職員の場合には、その自治体自治体の事情によって、ある程度の期間を定めて必要に応じて採用をする。任期なしでずっと採用するというのは、当初段階では二名という結果でございます。任期つきの採用ないしは臨時的な採用が大部分を占めているということが現状かと思います。 先ほど答弁がありましたように、地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律に基づいて最長五年で採用しているということですが、この法律では更新は認められておりまして、その場合に、一回更新、もう一回ということを繰り返すということはできるのか、限度があるのかないのかということについて一つ。 それから、一番多い臨時的任用、これはどんなふうに雇用しているのかということですが、もう少し詳細をお聞きしたい。 それから、市町村費負担の教職員、短期の方が多いわけですが、社会保険等の適用についても、あるのかないのか、これについてもお答えを願いたいと思います。
○銭谷政府参考人 幾つかお尋ねがございました。まず、任期つき任用の更新の問題でございますけれども、任期つき任用の方が法定の期間、最長五年でございますけれども、これを超えた場合に自動的に任期の更新がなされるわけではございませんが、改めて選考を経て、同一の方が再度任用されることについては、法律上特段の制限はないところでございます。 それから、臨時的任用の方につきましては、六カ月を超えない期間で任用することができるわけでございますが、一回の更新が可能でございますので、大体最長で一年間の任用ということになってございます。 これは、先ほど申し上げました臨時的任用の方が比較的多いというのは、特区の実施市町村におきまして、非常に試行的な取り組みとして市町村費による任用を始めたわけでございますので、まずは柔軟に対応することが可能になるということから、臨時的な任用としているケースが多いように承知をいたしております。 それから、社会保険の問題でございますが、任期なしあるいは任期つき任用の場合は、地方公務員共済に入るということになります。臨時的任用の方は、いわゆる健康保険、厚生年金保険ということになります。
○西委員 ありがとうございました。 現在は任期なしでずっと採用するという方は少ないんですが、ある程度、これは特区での試行的な採用ということで、先ほど答弁がありましたように、若干短期でやってみるという傾向が強かったんではないかという感じもいたします。ただ、財政的に、ずっと長期に採用するということの負担は当然当該市町村が負うわけですから、少子化の傾向もあり、慎重になっていくんだろうな、こんな気がしておりますが。 そんな中で、採用が市町村であり、長期に採用となりますと、当然、人事異動等のことにも関係してくるわけでございまして、将来的には、都道府県の教育委員会等との人事交流についても、これは行う方向で考えているのかどうかということについてもお答えを願いたいと思います。
○銭谷政府参考人 市町村任用の教職員の異動ということになるわけでございますが、基本的には、任用される市町村内で異動が行われるということが当然基本となると思っております。 ただ、今、先生お話ございましたように、今後、ほかの市町村あるいは都道府県との調整によりまして、広域での人事交流ということも考えられるわけでございます。その場合、もちろん都道府県等と市町村任用の教職員の処遇の問題も含めていろいろな協議をよくした上で交流ということになると思いますので、こうしたことにつきましては、事業が円滑に運営されますように、そういう交流もあり得るということをよく周知を図っていきたいというふうに思っております。
○西委員 ありがとうございました。 採用された職員が能力の向上、またいろいろな機会を最大限に生かせるような柔軟な取り扱いをお願いしたいと思います。 次に、学校耐震化について御質問申し上げます。 学校施設の耐震化につきましては、四年前の平成十四年七月三日の当委員会で、公立学校施設の地震対策特別措置法の制定をしたらどうかという提言を申し上げ、また、議員立法等で法律をつくる努力もした時期がございました。避難所となる体育館など屋内運動場の補助率が現行三分の一ということで、校舎の二分の一と比べて低い補助率となっているということを改善したい、こういうことと、それから、計画的に耐震化を進めるということを意図して努力をした経緯がございます。現在、体育館の補助率引き上げを盛り込んだ地震防災対策特別措置法改正の動きが進んでおります。さらに、今回の法律改正によって計画的に、着実に耐震化が進むように心から望んでいるところでございます。 そこで、文部科学省では、施設整備の基本方針、これで学校施設の耐震化を進めていこう、こういう方針のようでございますが、定める目標、これについて、全国的に進めていくわけですので優先順位が当然できてくると思いますが、この基本方針の内容ですが、どのようなことを想定しているのかということについて御質問を申し上げます。
○小坂国務大臣 今回の法案では、交付金の交付のために、国は学校施設整備のための基本方針を定めるということにしております。基本方針において耐震化に重点を置くというふうにしたいと思っておるわけでございまして、この耐震化に重点を置くとしたことによりまして、地方公共団体におきましても、この基本方針に基づいて施設整備計画を作成することとなるわけでございますが、これにより、地方公共団体における耐震化の取り組みが一層推進される。そういう意味では、耐震化に重点、プライオリティーを置いたということになります。 また、学校の耐震化促進のためには、まず耐震化の診断をしなきゃいけないわけでございますけれども、この診断の促進に関しては、北側国土交通大臣が、私も協力しましょう、こう言っていただきまして、北側大臣と御相談の結果、本年内に、十八年内にすべての耐震化診断を終えようじゃないか、こういう基本的な取り組みを進めるようにいたしました。その旨、各設置者に対しても通知をして、国土交通省とも十分に相談をしてくれ、このように指針を出したところでございます。 また、地方の自主性、裁量度を高めるために、地方公共団体に対して一括して交付金を交付することによりまして、このことで、効率的な事業執行が図られると考えております。 なお、施設整備基本方針等の詳細な内容につきましては検討中でありますが、最大の課題である耐震化に重点を置きつつ、耐震化以外の施設整備上の課題、例えば防犯対策とかバリアフリー化等、これについても必要な配慮をしてまいりたいと考えております。
○西委員 ありがとうございます。早急に実現ができるように努力をお願いしたいと思います。 そこで、具体的にもう少し御質問申し上げたいんですが、この文部科学省の施設整備基本方針に基づいて、今度は各自治体が施設整備計画、これを定めるということになるわけですが、この目標には耐震化率というものを定めるのかどうか。また、計画期間については、これは学校施設をたくさん持つ自治体で計画を策定する場合に、どの程度の年限をめどに計画を策定することになるのかということについて御質問申し上げます。
○大島政府参考人 お答えを申し上げます。 今御指摘ございましたように、施設整備計画は、文部科学大臣が定める施設整備基本方針等を踏まえて策定されるということになります。この施設整備計画には、施設整備の目標等を記載することということを考えておるわけですが、耐震化が喫緊の課題であることを踏まえまして、計画期間後の耐震化率の目標値等の設定を求めることについて、検討を進めているところでございます。 また、今御指摘の施設整備計画の計画期間でございますけれども、緊急の課題を迅速に進めていくという観点から、おおむね三年以内の期間を定める方向で検討しております。 ただ、御指摘ございましたように、学校をたくさん抱えていると、これは三年ではなかなか厳しいというところもございます。そういった場合には、当初の施設整備計画期間終了後におきましても学校施設等の整備が引き続き必要なものについては、その場合には、地方公共団体において新たな整備計画をさらに策定していただく、こういうことになろうかと思います。
○西委員 ありがとうございます。それぞれの実情に応じて対応を検討していただきたいと思います。 それから、今構造計算書についていろいろ、マンションとかホテルとかの議論がございますが、学校施設に関係する校舎とか体育館とかの構造計算書というのは保存されているのかな、これが一つの疑問になってまいりまして、学校の職員室にあるのかな、校長室にあるのかな、教育委員会にあるのかなと、そんなこともちょっと気になっております。 一般的に、構造計算書を初めとして、設計書、それから修繕のときの履歴というようなことについて、保管の義務について特に法的には定めがないんじゃないかと思うんですが、今後、修繕をしたり、それから、リフォームしたりということが多く起こってくるんじゃないかと思うんですが、そのときに、どこに鉄筋が入っているのかとか、ここの構造はどうなっているのかというようなことは大変重要な資料だというふうに思います。特に、今回、耐震という構造設計の最も根幹をなすことの改良をしていくというわけですから、これは傷みや損失のないようにきちっと保管すべきと考えますが、現状とそれからお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○大島政府参考人 お答えを申し上げます。 今御指摘の、まず、学校施設に関する構造計算書でございますが、御指摘のように、法的には義務はないわけですが、公立学校の場合ですと、一般的に、各設置者におきまして必要な期限を定めて適切に保存されているというふうに聞いているところでございます。 例えば、具体に申し上げますと、東京都あるいは川崎市、こういったところですと、設計図書、構造計算書はその建物が取り壊されるまでの間、つまり一応永久といいますか、取り壊されるまでという意味ですが、その間は保存する、保管する。それから、修繕履歴というお話もございましたが、こういった書類についても五年といったような定めをしているというところでございまして、いわゆる大きな都市あるいは政令指定都市、そういったところではしっかりやられているのではないかと見ております。全国的な、すべての町で、悉皆で状況をとらえているということではございませんが、そういった大きなところではしっかりやられているというふうには聞いているところでございます。 今御指摘のように、設計図書あるいは修繕履歴情報というのは、まさに修繕工事等を行う際の非常に有効な書類となります。そういうことから、私ども、できる限り保存することが望ましいと考えているところでございまして、このため、文部科学省では、耐震に関しましては、これまで、学校施設耐震化推進指針、こういうものを出しておるわけですが、この中では、所管する個々の学校の設計図書や構造計算書等の保存について確認しましょうということをそこの中でも述べているところでございまして、今後とも、各教育委員会等に対しましては、会議あるいは研修会等の機会をとらえまして、引き続き設計図書等の適切な保管管理について指導してまいりたいと存じます。
○西委員 最後の質問になります。 盲・聾・養護学校の耐震化についてでございます。 現在、養護学校には認められておりますけれども、盲学校、聾学校には前向き整備という考え方が認められておりません。この前向き整備というのはちょっと聞きなれない名前ですが、新築したり増築したりというときに、児童生徒の増加が見込まれる場合に、工事費の算定基準日を前に設定して、先行的に整備する、先のことを考えて整備をするという考え方のことでございます。 来年度から、この盲・聾・養護学校が、特別支援学校ということで、制度が変わります。当然そこには定数等についての異動もあり得るということでございます。そういう意味では、学校整備にゆとりを持って対応できるように、この前向き整備を、この際、充実させる必要があるだろうと私は考えておりますが、このことについてお考えを最後にお伺いして終わりたいと思います。
○大島政府参考人 お答え申し上げます。 いわゆる前向き整備についてのお尋ねでございますけれども、養護学校の義務化が盲・聾学校よりも遅くなったということから養護学校の整備を急いでいたということで、従来、養護学校についてはその前向き整備が認められていたということでございます。 今回、別途提出しております学校教育法等の一部改正法案におきまして、現在、障害種別ごとに分かれている盲学校、聾学校、養護学校を改め、平成十九年度から障害種別を超えた特別支援学校に一本化するということにしているわけですが、これに伴いまして特別支援学校全体について前向き整備を認めることとしているところでございます。このことによりまして、従来の盲・聾学校についても地方公共団体による選択の余地も広がるわけでございまして、地方の自主性による計画的な整備が促進されるものと考えておるところでございます。
○西委員 しっかり対応していただきたいと思います。終わります。
○遠藤委員長 藤村修君。
○藤村委員 民主党の藤村修でございます。 本委員会には二年半ぶりぐらいに戻ってまいりました。久々に本委員会での質問をさせていただきます。 ただいま議題になっております義務教育費国庫負担法の一部改正ということで、一番基本的なことについてのみ、きょうはわずか三十分でありますので、小坂大臣にのみ、一部総務省に聞きたいと思っておりますが、お願いを申し上げます。 まず、おとといでしたか、参議院の予算委員会基本的質疑の中で、この件に幾つかの質問がありました。今回の義務教育費国庫負担法は、枠組みが堅持されたことで安堵の胸をなでおろしている部分が多分あると思います。しかし、一方で、その補助率が二分の一から三分の一になったという大きな変更点、これに対して小坂大臣は、苦渋の決断をした、そういう答弁をされたように聞いておりましたが、何が苦渋であったのか、この点をお聞かせ願いたいと存じます。
○小坂国務大臣 藤村委員にはいろいろな場面で御指導をいただいてまいりましたが、引き続きこの文部科学委員会において御質問を通じ、また、いろいろと御示唆に富む御意見を賜りたいと存じます。 十月の三十一日、私は文部科学大臣に就任をさせていただきました。それまでに、この義務教育費の国庫負担制度の問題につきましては、党の部会あるいは新聞等によりまして自分なりの考え方を整理してきたところでございますが、それはすなわち、いろいろな意見がある。文部科学大臣に就任するということになりますと、まずもって、中央教育審議会答申というのは大臣に対する答申でございますから、これを真摯に受けとめないといかぬ。 また同時に、就任をいたしましたときに小泉総理からは、義務教育費国庫負担しっかり頼むぞ、こう言われました。それはすなわち、三位一体改革を進める中でこの問題にしっかり取り組んでくれ、しっかり調整力を発揮して結論を出しなさい、こういうことだと認識をいたしました。 したがって、中央教育審議会の答申を真摯に受けとめ、単に文面を読むだけではなく、行間にあるものは何かということも、会長にお聞きをしたりいろいろな形で確認をしながら、またPTA全国連合会の皆さんから、署名をいただいたその背景についてお伺いをしたり、文教関係の皆さんからの御意見をいただき、また地方六団体の御意見を聞く、そういう中で、どの御意見にもそれぞれに今日的な課題があり、そのすべてが同時に解決できるならばそれにこしたことはない、しかし結論は何らかの形で出さにゃいかぬということで、昨年の十一月の末までに結論を出そうということを申し上げて、最終的に三分の一という負担割合の変更を一つの結論として得たわけでございまして、そこに至る経緯等を振り返ると、まさに苦渋の決断だった、このように申し上げたところでございます。
○藤村委員 多分、昭和二十八年ぐらいから、この義務教育費国庫負担法が、もう五十年を超える、半世紀を超える中で、大変大きな役割を果たしてきたということは、私は認めております。ただ、五十年たっていますので、当然、その基本的な考え方から、あるいは根底から見直していく、このことは間違ったことではないと思っております。 そこで、今回は、ずうっと二分の一補助率で来たわけですが、これを三分の一にした。過去五十年、二分の一でやってきた。三分の一にいたしましたが、この負担率変更というのは、恒久措置なのか、恒久的措置なのか、臨時措置なのか、これは文科大臣と総務省からも聞いておきたいと存じます。
○小坂国務大臣 まず、私はそれぞれの場で、国と地方の負担により全額を保障するという仕組みに変更はないという意味で、恒久的なものである、このように認識していると申し上げました。 義務教育費の国庫負担制度は、十六年末の政府・与党合意によって、中央教育審議会答申を得て十八年度に恒久措置を講ずる、このようにされておりました。これを踏まえて昨年末の政府・与党の合意がなされたわけでございまして、このときも、義務教育費国庫負担制度を堅持するということが確認をされた。したがって、今回の措置は恒久的なものと認識をするに至ったわけでございます。委員の御質問に対して率直にお答えするならば、そういった意味で、恒久的なものと認識している、こう繰り返し申し上げるところです。
○瀧野政府参考人 今回、義務教育国庫負担金につきましては、先ほど文科大臣からのお話がありましたように、昨年十一月の政府・与党合意におきまして、制度を堅持するという方針のもとで、国の負担割合を三分の一とするということをされたわけでございます。その意味で、今回の決着は、暫定措置ではなくて、十八年度までの三位一体の改革の結果の一つの区切りであるというふうに考えております。 一方、この政府・与党合意におきましては、「与党において、義務教育や高等学校教育等の在り方、国、都道府県、市町村の役割について引き続き検討する。」というふうにされておるところでございますし、また、御案内のように、道州制等の議論も開始されたというような状況にあるわけでございまして、今後とも、真に地方の自立と責任を確立するための取り組みは行っていくんだということもあるわけでございます。 したがいまして、財政負担のあり方についても、今後、国と地方の役割分担の見直し、こういったものに応じまして検討の対象になっていくということだろうというふうに考えております。
○藤村委員 小坂大臣は恒久的とおっしゃいましたので、定率減税の話が大分前にございまして、恒久的というのは割に四、五年で、では変わるのかなと、というニュアンスなのか。ただ、そんなに茶化すつもりはございません。その御覚悟というか、今の答弁の中にあったのは、つまり義務教育費というものは、基本的に、その財源について国が全部見ていくんだというお話はきちっとされたので、私はそのことをきちっと守っていただきたいと存じますが。 実は、これは義務教育費のみの平成十五年度の決算ベースで、義務教育費というのは無償とされ、そして一体どういう分担でお金が出されているかといいますと、もう文科大臣はよく御承知のとおりと思いますが、年間で義務教育にかかる総費用というのは、十兆二千七百四十八億円が十五年度決算でありました。非常に大ざっぱに言って十兆円。そのうちの、国が二兆九千三百六十億円、都道府県が四兆三千八百二十億円、さらに市町村が二兆九千五百六十八億円。非常に大ざっぱに言いますと、国が三、都道府県が四、そして市町村が三という分担を持って、この十兆円という義務教育にかかる総額を、まさに担保し、確保している。そういう意味では、国は三ですから、今回この教員の給与の問題について二分の一から三分の一になったということは、この数字からいうと別にそんなにおかしいことじゃないんです。苦渋の選択でも何でもないと思うんです。割に自然なことではないかと、私は数字の面からは申し上げたいと思います。 ただ、今回問題なのは、すなわち、教員の給与を国が責任を持つという部分で、今までは二分の一がこの法によって補助金で出された、残り二分の一、文科省流に言うと裏負担という言い方、裏か表か知りませんが、これは地方交付税手当てであった。ということは、今後は国が三分の一で、残り三分の二が地方交付税手当てになる、こういう理解でよろしいですね。
○銭谷政府参考人 これからの教職員給与費につきましては、国の負担割合は三分の一でございますので三分の一は国が支出をする、残り三分の二につきましては、地方の税収あるいは交付税措置等々、地方において財源措置をするということでございますので、それは、三分の二の内容というのは県によっていろいろある。いずれにしても、三分の二は都道府県において財源措置をしていただくということになります。
○藤村委員 今、地方交付税交付金は東京都以外が交付されておりますが、東京都は不交付団体であります。 すると、東京都にとっては、今まで二分の一は国から来ていた。残り二分の一は、まさに東京都は富裕県ですから、自前でやっていた。今度それが三分の一になりますと、東京都はえらい負担がふえるのではないか、つまり六分の一分ふえるのではないかという見かけ上の問題がありますが、そこでお聞きしたいのは、地方交付税部分ですね。これは、ですから総務省になると思いますが。三分の二部分について不交付団体の東京都はどうするのか。あるいは、それ以外はいわゆる交付税交付金で手当てされているのか。その辺、ちょっと確認したいと思います。
○瀧野政府参考人 今回の改革に伴います財源措置についてのお尋ねでございますけれども、基本的に、今回の改革に伴いまして国庫負担金が二分の一から三分の一になるわけでございますけれども、地方の負担がふえる部分については、マクロベースでは税源移譲で対応するということでございます。したがいまして、不交付団体の東京都につきましては、基本的に、所得税から住民税への税源移譲での対応になるわけでございます。 その場合に、現在の仕組みの中では、東京都の住民税のウエートは高うございますので、税制改正を伴わなければ東京都には補助金の削減額以上の税源が帰属する見通しでございましたが、今回、税法を現在国会に提出して議論させていただいておりますけれども、住民税の税率をフラット化することによりまして、全体としての調整をさせていただく。それとともに、昨年度、事業税につきまして一部地方税法の改正をしてございますので、そういった税法のいろいろな手だての中で、東京都につきまして補助金の削減と税源の帰属というもののバランスをとる方向でございます。 一方、東京都を除きます交付団体につきましては、税源移譲をマクロでいたしましても、個別の団体によりまして税源の遍在があって区々になりますので、その点につきましては、交付税の中に税源移譲部分を一〇〇%収入としてカウントする一方、義務教育関係の所要額を全額交付税に算入することによりまして、税源移譲と実際の所要額との不一致を交付税で埋め合わせていくということによりまして、全体として、個別の団体におきましても影響がないようにしていきたいという考えでございます。
○藤村委員 今のは割に難しくお答えいただいたんですが、東京都は税源移譲によって三分の二負担部分以上に実は増収になるので、それはもう三分の二ぐらいにとめるように税制改正をやる、一方で、地方は税源移譲だけでは三分の二負担が足りないので、ここは交付税で手当てする。すなわち、いずれにせよ、きょうまでどおりの教員の給与は全額きちっと、まさに国が責任を持って、これは文科省だけではありません、国が責任を持って行う、こういうことだと思うんですね。 となれば、今回は、二分の一から三分の一に変更することで一体何がどのように変わるのか。いや、私は何も変わらないという考え方を持つんですが、何がどのように変わるのか、教えていただきたい。
○銭谷政府参考人 先ほど来、先生の方からもお話がございますし、また大臣からも答弁申し上げておりますように、今回の措置は、国と地方の負担により教職員給与費の全額を保障する仕組みを維持しつつ、義務教育費国庫負担金の負担割合を変更するものでございまして、そういう意味でいいますと、教員の人事とか待遇とか、そういうものについて変化をもたらすとか、そういうものではないというふうに認識をいたしております。 そうすると一体何がどうなるのかということだと思いますけれども、私ども、先ほど来御説明しておりますように、都道府県の給与費の負担が二分の一から逆に三分の二にふえるわけでございますので、先ほど総務省からもお話がございましたように、その三分の二分についてきちんと都道府県において財政措置をしていただく、予算措置をしていただくということがやはり非常に大事になってまいりまして、その都道府県の予算措置と国の三分の一の負担金を合わせて全額保障するわけでございますから、都道府県の方で三分の二をきちんと予算措置していただくということについて、従前以上に、私ども、しっかり都道府県の状況について把握をして、措置をしていただくように努める必要があるという認識を持っております。
○藤村委員 今、答えになっていませんね。何がどのように変わるんですかと聞いているんです。それで、何も変わりませんという答弁でしたけれども。いや、変わらないなら変わらないと言っていただいていいんですが、変わるところはありますか。
○遠藤委員長 小坂大臣、変わるのか変わらないのか、答弁してください。
○小坂国務大臣 負担率の変更そのものが変化になるのか、制度全体の、義務教育の改革という点でどのようになるのかといえば、端的に言えば、そんなに変わりません。
○藤村委員 ところが、ちょっと違う観点なんですが、これは新聞の大きな一面の記事でありまして、ちょっと見えにくいと思いますが、見出しは「交付税増額分を「流用」」。これは案件が違います、「児童福祉司の補充目的なのに」。全国「自治体六割にも」、その配置基準が未達成と。 つまり、東京都は関係ないですけれども、交付税というのは使途が限定されない。もう御承知のとおりと思います。だから、そういう意味では、都道府県によっては、三分の二に交付税部分がふえた、つまり自由度のあるお金がふえたと言えますね。そうすると、必ずしも教員に充てる必要もないのではないかと。 今局長の答弁では、給与なども何も変更ないようなおっしゃり方でしたが。いや、給与は今や都道府県単位でそれぞれ決められるんです。例のこの前の、国立学校を廃止したときに。それまでは、国の基準として、それぞれ国立学校の附属の小学校、中学校に倣った給与が一つ基準であったんです。今や給与は都道府県で、勝手にとは言いませんが、ある意味では決めていいことになっている。ということは、この差はどんどん出てくるんじゃないか。 つまり、何がどう変わるかというときに、このことを言わないと、ちょっとごまかしになるのではないかと思いますが、つまり、変わる点をはっきりと言ってください。
○小坂国務大臣 詳細はまた局長の方からも答弁させていただきたいと思いますが、義務標準法がございますので、ですから、定数そのものはそこで出てまいりますし、三分の一という数字が国の方で確定をしてまいりますので、したがって、それに対応して交付税は使途が限定されてくるということになる。 そういう意味からすると、委員の御指摘の部分で、では、この制度が変わって何が変えられるのか、自由裁量の部分というのはそこにないじゃないかということを踏まえて、先ほど、そういった中で、負担割合が変わったことによって何が変わるのかといえば、制度的な部分での、制度的というのは、定員等の裁量の部分では変わりません。しかし、それ以外の改革部分、それは、今回の普通学校と養護の一体的な範囲とか、地方裁量はそういった意味で教員の配置について、全体の枠内での配置については裁量がふえますよと、そのところは少し違ってくるけれども、それ以外の部分では基本的には変わらない。先ほどそう答弁したつもりでございます。
○藤村委員 大きく言うと変わらないという考え方は間違ってはいないと思いますが、しかし、ここはやはりこの法案を審査するにはきちっと点検していく必要がある。 実は、そうして、さっき局長の答弁で、何も、給与も変わりませんとおっしゃったけれども、これは変わりますね。事実上、例えば、ある県で、教員の給与については四十五歳で頭打ちにして、そこから昇給しない。そうすると、それから上がっていくと仮定したその部分を若い人の採用に充てられるとか、こういう工夫ができるようになる。これはこれでいいことだと私は思うんですよ。つまり、細かく言うと、やはり教員の給与、待遇面では相当変わってくる部分があると思うんです。 それに加えて、今おっしゃった義務標準法、確かに一つの縛りとしてあります。ただ、これはいわばミニマムの、最低の縛りで、都道府県は皆その上に県費負担の先生を出しているわけですから。しかし、全体として圧縮されている。地方交付税交付金の総額も減っているとなれば、ここは減りますよね、県費負担の部分。やはり県も財政が苦しいから。つまり、こういう変わり方もある。 やはり、一つ一つ見ていっていただいて、大きくは変わらないけれども、こういうふうに変わってきます、こういう説明をきちっとこの委員会でしていただかないといけないと思うんです。 加えて、これは昨日の経済財政諮問会議。きょうの新聞報道、朝刊ですので、まだ内容的にきちっと把握しているわけではないんですが、そこでは、一つの提案として、いわゆる地方交付税の不交付団体、これは全国で言うと、今九四%ぐらいが交付団体で、残り六%程度が不交付です。都道府県でいうと、さっきの東京都以外は全部交付団体。これを今後五〇%に高める数値目標を掲げやっていきたい、こういう話が出ています。提案の段階です。 となれば、義務教育費の国庫負担分を二分の一から三分の一にする。残り三分の二は地方交付税、そして税源移譲で、それぞれ地方が独自に考えてやるという部分が半分から三分の二にふえるわけですから、そういう意味では裁量がふえるわけです。 となれば、きちっとそれが義務教育に充てられるのか。先ほどの例は厚生労働分野の児童福祉司でありますが、交付税増額分あるいは税源移譲分は県の裁量で使えるわけですから、義務教育にきちっと使うか使わないか、まさに県知事の裁量ではないでしょうか。県知事の裁量によって、今後は県によって義務教育にかける費用に相当ばらつきが出てくるという見解は認められますか。
○小坂国務大臣 それは、都道府県のみならず、ある意味では市町村もそうなんですけれども、最低限が決まっていて、その上に上積みしているものに対して、今後枠組みの総額が、来るものが変わってくるから、その使い方についてどう判断するかという点でいえば、ボトムが決まっていて、上積み部分が変化するという点では、当然変わりますから、それによって、格差というよりも差が出てくるというのはあると思うんですね。 では、格差と差とは何なんだ。格差というのを悪い意味で言うと、マイナスの面が生じるような差を悪い格差というふうにするならば、そのボトムよりも下に下がってしまうような差が生じたら、これはいけない格差なんですね。やってはならない格差。だけれども、努力して上に出てくるような、知事や、そういった地方自治体の長が独自性を発揮して、その上積みなり、前向きの取り組みをして、そこに他の自治体との差が出てくるということは、私どもは否定はいたしません。 そういう意味で、そういうような変化が出てくることは、むしろ、今後の地方分権の中で出てくる差としての期待値の部分だと思っております。
○藤村委員 今の議論は、まさに光と影の光の部分をおっしゃったんですよ。でも、全体のパイは減ってくる、地方財政が厳しいとなれば、必ずしもプラスの部分だけの議論では済まない。マイナスになる可能性はないのか。これは、文科省は、例えば人材確保法、そして義務標準法できちっと押さえていますという今の現状の認識であろうけれども、しかし、今、三大臣合意の中での議論は、義務標準法も人材確保法も廃止しろとがんがん声が出ていますよ。 では、一体、どこで義務教育費は国の責任として最低限縛るか、私どもの考え方をちょっと述べます。 私どもは、義務教育費、先ほどお示しした、とにかくトータルで、国公立の小学校、中学校、その他の学校、義務教育分野においておおむね十兆円、これだけ要るわけですね。これでも足りないという声はいっぱいあるんだけれども、しかし、現状、平成十五年度で十兆二千七百四十八億円は出しているわけです。これを国とか都道府県とか市町村、今の割合でいうと三対四対三ですが、この割合が問題なのではなくて、この総額をどういうふうに確保するかということが問題だと思うんです。 そこで、私たちは、今、財源をきちっと確保するんだという法律をずっと検討してまいりました。つまり、五十年になる義務教育費国庫負担法は、ある意味では役割を終えて、この法律は廃止していい、そのかわり、しかし、全体の財源はしっかりと確保する法律。教育に不熱心な知事がいれば、さっきのマイナスに落ち込みますよ。熱心な知事ばかりで、プラスの、光の部分だけを議論するのは楽なんですが、やはりマイナスになるのをどこで食いとめるか。義務教育はこれだけ金がかかる、これだけ出しなさい、だからこれだけ確保しましょうという法律を、我々は今検討し、間もなく出したいと思っております。 そういう考え方を持たないと、小坂大臣は今文部科学大臣ですが、ひょっとしたら、先で総務大臣になられたり財務大臣になられて、また別な見解を持ってこられても困るので、ここは小坂大臣が文科大臣のときに、本当に、総額でいうと義務教育費十兆は国できちっと確保する。もちろん、子供がうんと減っていって、それは若干の変動があるにしても、これだけのものは最低限確保する、こういう仕組みを、むしろ、義務教育費国庫負担法の一部改正なんかじゃなしに、つくっていただきたい、出していただきたい、それに対してお考えをお聞きしたいと思います。
○小坂国務大臣 藤村委員の御質問自体は、方向性は私どもと一致していると認識をいたしております。 教育は、国家百年の大計の中での最も重要な部分で、人が国をつくっているという以上、すぐれた人材を得ることは必要だ。そのために、義務教育にかかる費用というものは、今後、充実することこそあれ、削ることはあってはならない。削るというのは、合理化だというものはあるかもしれない。しかし、教育内容を充実するということのためにお金を惜しんではならぬというお考えでありますし、それは、小泉内閣もその基本線は一致していると思っておりますし、私自体、藤村委員とそういった意味での考え方は同じと認識をいたしております。 義務教育の諸学校の職員の人件費は将来どうなっていくのか、こういうことを考えますと、義務教育費の国庫負担制度の負担割合が二分の一から三分の一になったことによって減額分が八千四百六十七億出ちゃったわけですが、これは所得譲与税で補てんする、これも話はしました。したがって、国と地方の財源措置によって従来どおり義務教育のための経費は確保されるんだ。ただし、人件費の将来推計において、給与費そのものが十九年度まで増加するけれども、退職手当その他は平成二十八年度、共済費の長期給付等は平成三十年度、人件費全体では平成二十六年度がピークになるというような試算があります。こうしたことから、義務教育の費用全体での推計は行っていませんけれども、義務教育費の流れとしては増加の方向に行くんだ。したがって、人件費も増加の方向に行って、充実を図っていくんだ。 問題が少し、ちょっと横にずれてしまいましたけれども、藤村委員が言っているように、今後とも、そういった意味で、人確法を維持するということもそうですし、また標準法もしっかり守っていくということもそうでありますし、私の立場としては、これらの法律を、既存の法律の枠組みというものを今後とも維持するということに全力を尽くして、そしてそういった格差が生じないようにするということに力を尽くすと、私としての決意を申し上げるということでただいまの委員の御指摘にお答えしたい、こう思います。
○藤村委員 きょうは本当にさわりの部分だけでございますが、ここにいらっしゃる委員の皆さんは多分、義務教育費をきちっとお金を手当てして守っていくことはだれも反対されないと思うんです。ですから、その中身、どんな形でどういう法律でやっていくかということを、小坂大臣は改革の先頭に立つ大臣だと思いますので、過去五十年やってきたこの国庫負担法にこだわらずに検討していただくことを望みまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○遠藤委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二分休憩 ————◇————— 午後一時一分開議
○遠藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。牧義夫君。
○牧委員 民主党の牧義夫でございます。 大臣並びに委員長、午前中から引き続き御苦労さまでございます。 ここへ立たせていただいて、ちょうど去年の今時分のことを思い出すわけでございまして、衆議院で予算が通過をして、そしていよいよ四千二百五十億円の税源移譲予定特例交付金の扱いについてどうするかという議論が、ちょうど一年前、この委員会でなされたわけでございますけれども、そこに、この間も私申し上げましたけれども、日本国の総理として、実に四十七年ぶりに小泉総理がここにお出ましをくださったわけであります。 そのときの経過を簡単に説明させていただくと、予算委員会の総括質疑の中で、私の質問に対して小泉総理が、とにかく地方の意見を尊重したんだというふうに繰り返し述べられるものですから、ではどこが地方の意見を尊重したのですかと申し上げたところ、地方案のとおり、中学校分の教諭の分を地方に移譲したんだというお話でしたから、これは当時の法案とはちょっと中身が違うんじゃないかということで、この委員会にわざわざおいでをいただいて、法案の中身との整合性をもう一度しっかりとってもらおうということで、おいでいただいた経過でございます。 事ほどさように、私が疑問を挟まざるを得ないのは、この議論というのはとにかく三兆円の税源移譲、この数字が初めにありきで、後で理屈はいかようにでもくっつけられるんだと、教育論というものがなおざりにされる中で、とにかく最終的に数字を合わせよう、そういったお考えが見え隠れするものですから、やはりこれじゃいけないなということで、議論を積み重ねてまいったわけであります。 そういった意味で、前回、大臣の所信に対する質疑の中でも、義務教育の果たすべき役割等について、大臣のお言葉をしっかり聞かせていただいたわけでありますし、やはり教育論に根差した議論をここでしっかりしておかなければならないなと改めて私自身思っておりますし、そういった観点から大臣にも御答弁をいただきたいと、冒頭、お願いをする次第であります。 まず、この間、大臣からも、今申し上げたようなお話を伺いました。大臣が求める、あるいは、我々委員一同大体同じ思いであると思うんですけれども、こういったあるべき日本の義務教育の姿、これを実現するための、そもそもそのための財源であるわけでございまして、その上で、地方と国との役割分担はいかにあるべきか、あるいは支出の担保というものはどうやってとられるんだということ、そういったことがその議論を踏まえて出てくると思うんです。 その大前提になるのは、そもそもこの国の義務教育に係る費用、これは午前中の藤村議員の質問の中にも、今、総額およそ十兆円というお話がございましたけれども、果たしてこれが本当に適正な水準なのかどうなのか、我が国のあるべき義務教育の姿をしっかりと実現するためのあるべき支出というものは大体どんな水準なのかということを、まず大臣の認識からお伺いをしたいと思います。
○小坂国務大臣 牧委員の御指摘は、まさに基本的、かつ、将来の方向性というものも考えた中で真摯に答えようとすると本当に頭を抱えるような、大変難しい課題をいきなり切り込んでいらっしゃいまして、おっしゃるとおり、これに対する回答を得ることができれば、この教育行政に対して明確なステップというものが出て、それに向かっていける、こう思うわけでありますが、一方で国の財政というのは常に動いてまいります。国の経済全体も動いていくわけでございます。また、時間の経過とともに、教育の目標というものも変化をするのが、大きな時代の流れの中ではそういうこともある。 そういう中で、今、適正水準はどこにあるのか、こう聞かれると、非常に答えに窮するのが実情でありますが、それでは現在のところからいろいろ解きほぐしながらいきますと、先ほど藤村委員の御質問の中にありました、平成十五年度会計の決算ベースで約十兆円だと。これが直近の決算ベースの数字ということで申し上げるならば、そのうちの給与費は五兆四百億であり、このうちの国庫負担分は二兆五千二百億。そして、退職手当、共済費長期給付等、これが一兆六千二百億、国庫負担分二千四百五十億ですけれども、退職手当ということで。市町村費の教職員等、用務員あるいは調理従業員等の費用が一兆七百億。学校施設費等施設用地、債務の償還、これで一兆三千八百億、そしてこのうちの国庫負担は施設で千九百億で。また、そのほかの学校運営費、すなわち、特に教材費とか学校図書館の図書費とか教育のコンピューター整備費等については、学校運営費として一兆一千七百億。これを全部足しまして十兆二千八百億、こういうことになるわけでありまして、このうちの人件費については、学校の基幹的職員である教職員の給与費、これは義務標準法及び義務教育費国庫負担法によって財源保障で必要な総額を確保しているんだと。また、学校施設については、公立文教施設整備費負担金によって、必要な財源の支援を行っている。そして、学校運営の先ほど申し上げたようなものについては、文科省がこの整備計画を策定した上で地方財政措置ということで措置をする。 したがって、これだけ複雑な構造の中で、この義務教育費の総額がどの程度であれば適正な水準と言えるのかという御質問、これには、はっきり申し上げて一概に言えないというのが結論でございまして、国と地方の財源措置によって全国どこにいても一定水準の教育が保障できる、これが文部科学省として最終的に常に考えに置かなきゃいけないことだと思っております。
○牧委員 確かに大臣がおっしゃるような、いわばナショナルミニマムですね、教育の機会均等だとか無償制だとか、今の水準を維持向上するというミニマムの部分についてのお話はわかるんですけれども、ちょっと観点を変えて、例えば公教育費の財政支出、これが、この数字だけで十分とは言えないと思いますけれども、例えば対GDP比で二・七%という数字は、これはOECD諸国と比べても最低水準じゃないかという指摘もあるわけですけれども、その辺についてはどういうお考えをお持ちですか。
○小坂国務大臣 二・七%が低いか多いかと言われると、ではその数字はどうやって割り出されたかということを考えざるを得ません。 そこで、OECDと日本と比較した場合に、日本の場合には高等教育における私学の割合が非常に高い、八割。また幼児教育においても私学の比率が高い。こういうことから、まず、公と私の割合で言うならば、私の負担が多いのが日本の形なんですね。そして、GDPに対する公財政支出そのものがどうかといえば、これは小さい政府を目指している我が国の場合には、当然その総額も小さくなってまいります。それから、児童生徒が総人口に占める割合というものを見ますと、これも小さいんですね、少子化の中で。 したがって、これらの要因から、GDPに占める公財政教育支出の割合で比較して、二〇〇二年の数字を見ますと、OECD平均が五・一%、日本は三・五%、こうなっておりますけれども、こういった形の中で、必ずしもこれを指標として判断することは適切ではないと思いますし、一つの傾向としても、それだけで劣っているという評価にはつながらない、このように思っております。
○牧委員 わかりました。劣っているとは言い切れないということは私もわかります。ただ、やはり文部科学大臣として、もっと追い求める理想はあると思いますから、少なくとも、今ので十分なんだと言い切ってしまうのは、私はどうかなと思うことだけちょっと申し添えさせていただきたいと思います。 引き続いて、基本的な部分での質問を、きょうは一日目ですから、させていただきたいと思うんです。 先ほどの藤村委員の質問にもございました、つまりは、国庫負担率を二分の一から三分の一に引き下げて、その分当然、都道府県の新たな税源による手当て、あるいはそれで足りない分は交付税措置というお話であります。そういう中で、一体何が変わるのかというお話がございました。銭谷局長からの御答弁があったわけですけれども、ちょっと言葉をかえて、これの何が一体構造改革なのか、その点について、大臣の言葉でお聞かせをいただきたいと思います。
○小坂国務大臣 先ほどのお話の中の、どこが十分かということであれば、これは多いにこしたことはありませんし、文部科学大臣としてはさらに充実をしたい。その意味において、委員が御指摘になったのと考え方は一緒でございます。 それでは、なぜこれが改革に資するのかといえば、負担割合の変更自体が改革そのものに直接的に影響を与えるものではない、そういう意味では、構造改革に直接当たるものではないというふうに申し上げざるを得ないと思います。しかし、昨年の政府・与党の合意というものに基づいて、結論として負担率を引き下げるということをしたわけでありまして、改革に直接的に資するものとしては、今回あわせて、小中学校等と養護学校の負担制度の統合を図ったこと、それから、市区町村による教職員の任用を、特区制度から全国に拡大するということで、可能にするということ、それから、公立学校等の施設整備に係る交付金の創設をしたということで、地方の自由度を高める制度改革をあわせて行っている。そしてさらに言うならば、プラン・ドゥー・チェック・アクションというPDCAのサイクルを教育という分野に入れて、そして、この効果をしっかり検証して保障していく、そういうことを導入してきた。こういった改革をあわせてやっていることを評価していただきたい、こう考えております。
○牧委員 ちょっと質問の仕方を変えようと思います。というのは、今の御説明ではよくわからないものですから。 というのは、今回のこの措置によって、国民の負担というのはさほど変わらないわけですよね。地方税にせよ国税にせよ、国民の負担であるわけで、変わらないというとちょっと語弊があるかもしれません。定率減税の廃止ですとか、国民の負担はこれからまだふえていくわけですから、変わらないという言い方は変なのかもしれませんけれども、いずれにせよ、百歩譲って、これは変わらないとしても、そういう中で、改革と称するんであれば、教育的な見地から、教育環境がどのようにこの措置によって改善されるのか、そういう質問の仕方に変えたいと思うんですけれども、いかがですか。
○小坂国務大臣 なかなか難しいんでありますが、国が二分の一から三分の一に減ったということは、国が引き続き発言できる余地は確保する、しかし、比率からすれば三分の二は地方に行っているわけでございますから、地方にそれなりの責任を持っていただくという、方向性として、分権の方向性を示した。また一方で、先ほど申し上げたような改革を推進することによって、市区町村、教育の本元である学校における裁量権を拡大した。こういったものをトータルで見ていただいて、なるほど、国が根幹的な責任は持つんだけれども、我々地方も、一生懸命アイデアを生かし、創意工夫を生かしながら取り組まにゃいかぬのだな、こういうことがメッセージとしてしっかり伝わってくれることを、あわせてこの数字の中に読み取っていただければと。大変苦しい中での結論ですから、お察しはいただけると思いますが、そういうふうに思っております。
○牧委員 苦しい中での選択ということは十分私も理解をしているつもりです。ただ、やはりここはきちっと、わかりやすく、国民の皆さんにも説明をされておく方がいいかなと思ったものですから、私もあえて質問をさせていただいているわけです。 今度は事務方の回答で結構です。 今のところでもうちょっとはっきり教えてほしいなと思うのは、つまりは、地方がそれなりの自覚をより持ってもらえればいい、国としてのそういうメッセージ性もあるんだというお話はよくわかりますけれども、では実態として、例えば学級編制というのは義務教育標準法があり、また学習内容については文科省の学習指導要領もあり、さらには人確法等もあって、おおよそそれぞれの地域における教育のスタイルというものは、やはり中央集権的におのずから定まっているというのが私の認識なんですけれども、そういう中で、一体、教育環境が具体的にどういうふうに変わるのか、ちょっと銭谷局長、教えてください。
○銭谷政府参考人 ただいま大臣の御答弁の中で、国の負担が二分の一から三分の一になり、地方の負担が二分の一から三分の二になったことによって、広い意味での地方分権ということに一つは資するんではないかというお話がございました。 ただいまは牧委員の方から、そうはいっても、国がいろいろな基準をつくってそれで教育を行っていく、そういうこと自体どういうふうに変わっていくのかというお尋ねだと思いますけれども、私どもとしては、昨年の中央教育審議会の答申の中でも言われているんでございますけれども、全体として地方分権に向けた教育の構造改革を進めていこうということにいたしております。その主たる内容としては、できるだけ子供たちに近い、いわば教育の実践の場である学校や市町村に、本当にある意味では生き生きと活動していただけるような分権を進めていきたいということでございます。そのためには、都道府県から市町村への権限の移譲、それから、教育委員会と学校の関係でいえば、できるだけ学校がその裁量の幅を広げるように、そういうことを考えていかなきゃいけないと思っております。 都道府県と市町村の関係でいえば、一つには人事権の問題、これは、方向性は出ておりますけれども、実施に向けてよく検討していかなきゃいけないと思っておりますし、学校と市町村の関係でいえば、学校裁量予算の拡充でございますとか、それから、いわゆる学校運営協議会など、学校が主体的な活動ができるシステムの構築でございますとか、こういったことを進めていかなきゃいけないと思っております。 なお、国としても、学習指導要領、今見直しの作業を行っておりますけれども、その中で、各学校がそれぞれ、各学校としての教育課程がしっかりと編成できるような、そういう国としての基準のあり方というものについて今検討もしているところでございます。
○牧委員 今の答弁は私の質問には的確に答えていないと思います。 私が聞きたかったのは、今局長のお話の中にも地方の裁量という文言が出てきましたけれども、私の質問は、つまりそういうことなんですよ。これによって地方の裁量はどのように拡大したのか、そこを聞きたいんですね。じゃないと、これは何のための地方分権、三位一体の改革なのか、そこがわからないわけですから。子供たちに近いところでとか、生き生きとと言うけれども、税源が移譲されてどうして子供たちが生き生きするのか、私はわかりませんし、そこら辺の、地方の裁量がどのように拡大したのかというところをぜひ教えてもらいたいと思うわけですよね。 前回、私の質問でも、これは、二分の一から三分の一になったということは、制度の堅持とは言えないんじゃないか、一つの方向性が示されたということで、これは必ずしも私は制度の堅持とは言えないよと。大臣は堅持堅持とおっしゃいました。大臣のお名前が憲次だからなのかもしれませんけれども。 冗談はともかく、私は、意味合いがもう従前の制度とは違ってきているというふうに理解をいたしております。そのときの大臣の御答弁は、いずれにせよ、国が責任を持って教員の給与の全額が保障される、恒久的に全額が保障されるという仕組みが残っているということが堅持なんだというお話でございましたけれども、では、逆に、全額が保障されるのであれば、出どころはともかくとして、どこに地方の裁量権が拡大されたのか。そこら辺のところをやはり説明していただかないと、午前中の御回答でも、また今の局長の御回答でも、まだ、いま一つすとんと落ちないものがあるんですけれども、いかがでしょうか。
○小坂国務大臣 これは大分繰り返しの議論になってしまいそうなんですが、再三申し上げているように、国と地方の負担によって義務教育の教職員給与費の全額を保障するということが、まず安定につながるわけですね。今回の議論は、昨年度からずっと引き続きの議論でございます。一方、教育現場では、一体どうなるんだろうという不安もあったと思います。そういった意味で、一つの方向性をしっかり出していかなきゃいかぬ、それは大臣の責任だろうと思ったわけであります。 そういう中で、制度の根幹というのは、教職員の給与費の全額を保障するということ、これはもう絶対に譲れない部分だなと、私はこう考えたわけであります。その上で、地方分権、三位一体改革というものを推進している以上、税源移譲をしっかりやっていかなきゃいかぬ。数字合わせと言われるのかもしれません。それはそちらの見方かもしれない、それぞれの方の。牧さんがということじゃなくて、いろいろな見方をされる方はいるでしょう。しかし、今も再三申し上げましたが、二分の一から三分の一に国は減らしましたよと、そして、その二分の一から三分の一に減らしたことによって、地方の負担は今度三分の二という形になりますが、それはちゃんと措置しますよ、そうして、お互いにそういう枠の中でしっかりとした義務教育をやっていきましょうと、このメッセージを伝えたかったことと、それによって地方が、それではそのほかに一体何が我々の方に与えられたんだと。小・中・盲・聾学校と養護学校をあわせて負担制度が統合された。また、市町村でも教職員の任用が可能になった。また、公立学校の施設整備に係る交付金が創設をされて、交付金全体として自分たちの取り組みができるようになった。こういったものを、それじゃ、我々もそういった方向性を踏まえてしっかり取り組んでいこうと思っていただくことに、やはりここに改革の意義が出てくるんだと思うんです。 ですから、数字そのものが改革に直接的にではありませんと申し上げたのはそこにありまして、そういった全体の中から地方が意識を改革していただいて取り組んでいただくこと、私どもとしてはこれに期待をしたいと思います。
○牧委員 方向性については私もよく理解できますし、間違っていないと思います。 今、私が冒頭から申し上げてまいったことは、やはり地方分権というからには、本当に地方に裁量をもう少しゆだねて、実際に納税者の目が届くところで、あるいは声が届くところで納税者の税金が適正に使われる、それがあるべき地方分権の姿だと私は思うわけで、そういった観点からすると、この義務教、これは、教員の給与に限らず、全体でいえばもう既に七割以上が地方の負担で賄われているわけで、そういう中で、では、今までそういった地方の意識があったのかなかったのか、そこら辺はわかりませんけれども、そこでさらに二分の一から三分の一という、私から言わせれば小手先の数字をいじくっただけで、果たしてそんなメッセージ性があるのかなと私は疑問に思わざるを得ないわけで、私は、もう一歩踏み込んで、改革というのであれば改革の名に値することをしていただきたかったな、そういう観点から申し上げた次第です。 本来の、では、地方自治体の意識あるいは納税者の意識ということを考えたときに、例えばアメリカなんかでは、州によっては教育目的税みたいな、そういった地方税を取っているというようなお話を聞きますけれども、例えば一つの考え方として、これはちょっと質問通告になかったかもしれませんけれども、お考え方として、大臣、いかがですか。余り考えたことないですか、そういうこと。
○小坂国務大臣 教育を充実するために多様な財源でこれを保障することができれば、それにこしたことはございません。ですから、日本では私学助成というものがようやく認められて、あるわけですけれども、私学の果たす役割は非常に大きいです。それに対して、私は、個人的には、私学助成というのはもっと拡大してほしい、こう思っている一人でございますから、税制の中でもっと民間の活力といいますか、民間の意思を税制の上でもそれを拡大するような、後押しができるような税制の導入を初めとして、税金をいろいろ導入して取るんじゃなくて、むしろ、民間の皆さんが寄附してくれることによって税金が結果として少なくて済むという、いいサイクルをつくり出して、教育を充実させることも考えていきたい、そういうふうには思いますが、今の御質問のお答えになるかどうかわかりませんが、財源ということからいえば、これから一つの方向性として、私は、民間の支援というものをもっと生かせるような仕組みが考えられればと、今後も検討していきたいと思っております。
○牧委員 せっかく大臣にそこまでおっしゃっていただいたので、私も全く同感です。私学助成ももっと充実させなければいけないし、税制上のいろいろな措置もやはり考えるべきだと思います。 ついでですから申し上げるんですが、例えば私学に対する個人あるいは企業からの献金というのは今、これは事務方で結構ですけれども、税制上、どういうふうな扱いになっているんでしょうか。
○金森政府参考人 お答えを申し上げます。 学校法人に対する企業等の法人からの寄附につきましては、日本私立学校振興・共済事業団を通じて学校法人に寄附する、受配者指定寄附金の制度を活用することによって、寄附金の全額を損金算入することが可能となっております。 この受配者指定寄附金につきましては、平成十六年度より審査手続の簡素化など抜本的な改善を図ったところでございます。また、個人からの寄附金につきましても、平成十七年に寄附金控除の限度額を総所得の二五%から三〇%に引き上げましたほか、平成十八年度税制改正におきましては、控除の適用下限額を一万円から五千円に引き下げることといたしまして、今国会において所要の法案を御審議いただいているところでございます。 文部科学省といたしましては、これらの税制上の優遇措置を十分に活用していただくよう各学校法人等への周知を図るなど、今後とも私立学校の振興に努めてまいりたいと存じます。
○牧委員 ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。 それから、今回の国庫負担率引き下げの意義について、これまで質問させていただいてまいりましたけれども、今度はちょっと懸念される部分について何点か申し上げたいと思います。 先ほど来の御説明にあるように、支出の減額を余儀なくされるような県についてはどう措置するかという問題があると思います。これは地方交付税によって措置をするという回答だと思うんですけれども、中教審の議論の中で、この制度、二分の一の国庫負担という制度そのものをぜひ堅持してほしいという市町村が三分の二に上ったというふうに私は聞いております。やはり、独自財源の少ない地方で、教育費確保が困難になるという懸念をした方たちの御意見が、ここに反映されていると思うんですけれども、この辺について、実際に市町村における教育費の支出がその市町村の教育の基準財政需要を上回るという場合、その保障というのは一体どこかにあるんですか。
○銭谷政府参考人 例えば教材費というのは、市町村の講ずる学校教育のための経費として基準財政需要額に計上されているわけでございますけれども、全体として見ますと、かつては基準財政需要額を上回った財政措置が市町村でなされていたわけでございますけれども、近年は、率直に申し上げまして、市町村財政厳しい中、基準財政需要額を下回っているといったような状況がございまして、いわゆる地方交付税措置は使途が限定されている措置ではございませんので、それぞれの市町村によって支出が異なってくるということがあるのは否めないと思います。
○牧委員 今の答弁を簡単に要約すると、やはり税源移譲によっては、実際に教育環境を整備する、あるいは現状をしっかりと守っていく、その担保はないということですね、今のお話からすると。それでよろしいですか。
○銭谷政府参考人 基準財政需要額等で計算をしたものにつきましては、必ずそのとおり措置されるという担保は必ずしもないということだと思います。
○牧委員 もう一つついでに聞きますけれども、地方交付税法においていろいろ是正措置だとか是正勧告、これに従わない自治体からの地方交付税の返還という規定もありますけれども、この返還の前例というのはあるんでしょうか、ないんでしょうか。
○銭谷政府参考人 文部科学省について申し上げますと、過去に地方交付税法に基づく文部科学大臣による勧告、これを行ったことはございません。
○牧委員 図書整備費のお話がよく引き合いに出されます。学校図書館整備五カ年計画、平成十四年から始まって、五カ年計画で、一年度当たり八百万冊、五カ年で四千万冊という計画で、これで四年間経過したんですね。この進捗状況についてちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○銭谷政府参考人 学校図書館の図書整備計画は、十四年度から十八年度までの五年間で毎年約百三十億円、総額約六百五十億円の地方財政措置を講ずることによりまして、学校図書館図書標準まで各学校の図書の整備を図っていこうというものでございます。 現在の進捗状況でございますが、学校図書館図書標準までに図書を整備するには、当時、大体約四千万冊図書をふやしていかなきゃいけない、こういうふうに計画をしたわけでございまして、これは年間では約八百万冊ということになるわけでございますけれども、現在までの進捗状況を見ますと、大体その半分程度、年間で四百万冊前後の増加冊数というところにとどまっておりまして、現時点で、目標としております学校図書館図書標準を達成している学校数の割合は、小学校で三六%、中学校ではまだ三〇%という低い水準にあって、今後とも、十八年度が最終年度になりますので、私ども、図書整備を各市町村において一層取り組んでいただくように努めてまいらなきゃいけないと思っている状況でございます。
○牧委員 努めていかなければならないというお話は、もう去年もおととしもたしか聞いたと思います。 今、進捗状況が、十七年度末で三千二百万冊に至っていなければならないところが、実は半分の千六百万冊でしたというお話でございますけれども、交付金がこういうふうに使われるということは、どこへ行っちゃったんでしょうか、このお金は。これは返還請求するんでしょうか。やはりこういうところをきちっと詰めていかないといけないと思うんですね。 今回の、全部国が財源を保障するといったって、こういう実例があるんですから。また、今回の法改正でも、施設費の国庫負担、これはかなりの部分が交付金化されるわけで、これが本当に文科省が求める用途に供されるのかどうなのか。これは一つの例ですけれども、一事が万事こうじゃないんですか、どうなんでしょう。
○銭谷政府参考人 まず、最前から申し上げておりますように、いわゆる基準財政需要額の算定というのは各市町村の標準的な経費を算定するための計算の基礎でございまして、それによる交付税措置は使途が特定をされていないということがあるわけでございますので、先ほどの学校図書館の図書の整備のように、私どもの計画どおりにいかないという実情が出てくることもあるということでございます。もちろん、その場合、他の経費に回されているのかどうか、そこは私どもとしてはそう考えざるを得ないところがございますけれども。 一方、教職員の給与費につきましては、これはこれまでは二分の一、これからは三分の一国庫負担をするわけでございまして、これについては、国と地方の双方の負担によって教職員の給与費の全額を保障する、こういうシステムでございますから、いわゆる負担金等のない交付税措置とは事情は異にしているということを申し上げたいと思います。
○牧委員 よくわかります。これは、要は負担金とは違うからということですよね。 ただ、教員の給与については担保されるかもしれませんけれども、先ほど来出ている十兆円という、今の我が国の義務教育、この教育環境というのはどうあるべきか。すべて総合して、きちっと国がその財源は確保しなければいけないし、その使い道についてはやはり未来を担う子供たちのために使われてしかるべきなわけで、そのために国民の皆様方の税金を行政の方は預かっているわけですから、きょうは時間がないのでここで終わりますけれども、そういった観点からもう一度、掘り下げた、そもそも我が国の公教育に対する支出はどうあるべきかという根本の議論を、最初に戻ってしまいますけれども、これからもまた続けていきたいと思います。 以上で質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○遠藤委員長 松本大輔君。
○松本(大)委員 民主党の松本大輔です。 義務教育費国庫負担制度については、文科省さんはこれまで、堅持堅持と、口癖のように、もしかしたら、竹中大臣あたりに言わせればうわ言のように、ずっとひたすら言われ続けてきたわけでありますけれども、先日小坂憲次大臣のもとに荒川静香選手が来訪されたときの発言について大臣がおわびをされるという報道もある中で、きょうこうして、大臣、ケンジはピンチじゃありませんかと、こういう形で初質問をさせていただくことについては、私、実は多少なりとも気がとがめておったんです。といいますのも、おわびをひたすらするしかない状況の中で、いろいろな方から、ピンチじゃありませんかと聞かれるときのつらさというのは、ここ数週間、私たち民主党も身にしみて痛感しておるからなんでございます。 ただ、きょうの特に午前中の藤村委員との質疑を私、聞いておりまして、大臣は幼少のみぎりからケンジという言葉に非常に親しんでおられる割には、苦渋の決断とおっしゃる割には、実は堅持にはそれほど御執心されていない、御執着はないんじゃないかなというような認識を、印象を私は持ちました。少なくとも、私、これまでの河村元大臣それから中山前大臣と義務教の問題について意見を闘わせていただいたときとは違った印象を持ちましたし、その意味では、省内不一致であるとか、あるいはひょっとしたらこの文部科学委員会の委員、与野党の委員とも大臣の認識は実はちょっと違うんじゃないかなという印象を私は持ちました。どういうことかといえば、ある意味で胸のつかえがおりたんですね。これで遠慮なく大臣の胸をしっかりかりて、きょうはぶつかっていきたいな、このように思っております。 さて、きょうの議題なんですけれども、義務教育費国庫負担、七十万人と言われる公立小中学校の教職員の方々の給与を国と都道府県で折半する、この仕組み、国の負担率を今の二分の一から三分の一に引き下げようということなんですが、一体何がうれしくて文科省はこんな法改正をするのか、私には、提案理由説明を熟読はさせていただいたんですが、ついぞわかりませんでした。 そこで、ちょっと、丁寧に大臣に確認をさせていただきたいと思いますけれども、提案理由説明の三行目から「特に義務教育は、子どもたちが社会の一員として将来の日本を支えていくための基礎的資質を培うものであり、政府としては、その充実を目指し、義務教育の構造改革を推進しているところです。」と、義務教育の充実を目指しているんだというふうに書いてあるわけです。大臣にぜひお伺いしたいんですが、今回こういった形で義務教の国庫負担比率を引き下げることは義務教育の自立を目指した取り組みの一環である、こういう理解でしょうか。
○小坂国務大臣 所信で御説明申し上げたのは、義務教育に取り組む姿勢、それから今回のこういった負担制度の改革、また教育基本法の改正等が議論されておりますが、そういった今日までの教育のあり方に対しての取り組みの方向性、そういったものを全体的に述べたつもりでございます。 義務教育の充実というふうに申し上げたのは、子供たちがよく学び、よく遊び、そして心身ともに健やかに育つことを目指して、質の高い、資質の充実というのもおかしいんですが、資質の高い教職員の育成と、そういった教員による取り組み、そして、そういった中で、学校が生き生きと活力のある活動を展開して、質の高い義務教育が実現されるんだ、そういった意味で義務教育の充実という言葉を使わせていただいたわけでございます。
○松本(大)委員 今の御答弁を聞いていても、国庫負担比率を引き下げるこの法案が、なぜ義務教育の充実を目指した活動の取り組みの一環なのかというのは、私にはやはりわからないんですね。 今、全国各地では確定申告が行われておりまして、私もつい先日、行ってまいりました。「所得税の確定申告の手引き」というものの一番最後のページを見ますと「国の歳出千円当たりの使いみちは、次のようになっています。」というふうに書いています。平成十七年度一般会計当初予算で幾らかといいますと「教育や科学技術をさかんにするために」というところには「七十円」と書いてあるんですね。多分、確定申告に行かれた方は、そうか、自分が払っている所得税千円当たり教育に使われている予算というのはたった七十円ぽっちかよと。自分のお子さんあるいは知り合いの方、こういう方、人材への投資に使われているお金はたった七十円ぽっちかよと。こんな印象をきっと持たれていると思うんですね。 そんな中で、今回、十八年度予算がどうなっているかといいますと、これは計算したところ、六十六円に下がります。十八年度予算は、総額が七十九兆七千億円に対して、文科省予算が五兆三千億になるからですね。こういう形で、七十円が六十六円に来年下がったとして、だれもこれを充実だというふうには多分思わないと思うんですね。 文科省が充実を目指していますというふうに提案理由説明でもおっしゃっていますけれども、国庫負担比率も今回引き下げられるし、額としても教育予算というのは下がっているわけですから、だれも、文科省は、あるいは国として、教育の充実を目指しているというふうには思わないというふうに私は思うんですね。 今年度中に学習指導要領の見直しを行う、そのときに際して、キーワードとして言葉というものが大事なんだ、言葉の力ということを文科省さん自身がおっしゃっているにしては、何とこの言葉というものは軽いものなんだな、実に責任なく言葉というものが使われていないかと。充実を目指していると到底思えないような取り組みをしておきながら、充実を目指すんだというようなことを言っていらっしゃるというのは、私は、多分納税者のだれ一人として納得をされないんではないかなということを、まずは申し上げておきたいと思います。 質問通告をしてありますので、それに沿ってお話をさせていただきたいと思います。 まず、提案理由説明の「国庫補助負担金の改革」ということですけれども、ここをまた引用しますと「国庫補助負担金の改革としては、義務教育費国庫負担制度を堅持するという方針の下、その国庫負担の割合を改めるほか、」というふうに書いてあります。改革をとめるなと叫ぶ自民党さんとしては、やはり今後も国庫負担割合を引き下げ続けるということでしょうか。
○小坂国務大臣 まず、松本委員が先ほどからおっしゃっておられますが、義務教育の充実ということに対して、今回の負担金の割合を変更したことは充実ではないではないかと、こうおっしゃるんですが、私が申し上げているのは、あくまでも所信の中で申し上げたのは、この義務教育国庫負担法のこの審議に関して申し上げたわけではなくて、所信でございますので、全体的な考え方を述べたものであって、この負担制度そのものが改革そのものではないということは、他の委員の御質問の中でもたびたび申し上げたところでございます。 また、充実という点、さっきここで申し上げたところで、まだ十分御理解いただいていないように思いますので申し上げるならば、その充実を図る部分の改革というのは、すなわち、小・中・盲・聾学校と養護学校の負担制度の統合をしたとか、あるいは市町村による教育職員の任用を可能とする措置を拡大したとか、あるいは公立学校の施設整備に係る交付金の創設をしたという、こういったことが地方の裁量を拡大することにつながり、教育の現場における創意工夫というものが活性化されて、そして改革に資する、そして義務教育の充実に資する、こう考えて申し上げたところでございます。したがいまして、今回のこの負担割合の変更というもの、そのものが改革というもの、私はそう申し上げたつもりはないわけでございます。
○松本(大)委員 義務教育の充実というのは所信で申し上げたものだ、全体について述べたものだということなんですが、この法案の提案理由説明にも繰り返されている以上は、私はその言いわけは通じないんではないかなというふうに思います。 それから、国庫負担割合を引き下げるのかどうかという点については、実は御答弁をいただいていないというふうに思いますので、この点について改めてお伺いしたいと思います。
○小坂国務大臣 今回の措置は、義務教育費の国庫負担制度の根幹であるところの国と地方の負担によって教職員給与費の全額を保障するという、この根幹を守ったということでありまして、そして、昨年の政府・与党合意において恒久的な措置というふうに述べられているわけですので、それを踏まえた上での、今回の政府・与党合意というものも、したがって恒久的な意味合いを持つ、このように考えているところでございます。
○松本(大)委員 その恒久的という言葉が私はくせ者だというふうに思っておりまして、先ほどの藤村委員とのやりとりを聞いていても、実は大臣、非常に優秀な大臣は恒久的という言葉を確信犯的に使われたんじゃないのかなというような疑いを、印象を私は持っておりまして、したがって、ちょっとこれは総務省さんとも一緒にやりとりをしたいので、通告の順番とは違いますが、三番、四番、五番は時間があれば後でやるということにしまして、ちょっと六番に進んでみたいなというふうに思います。 その恒久的とおっしゃった言葉の意味についての確認をまずさせていただきたいと思いますが、お手元に配付させていただきました資料の二なんですけれども。済みません、資料の一は飛ばしましたが、さっき大臣も義務教育の根幹という言葉を出されていますけれども、この根幹という言葉がだんだん時とともに変わってきていないか、意味することが変わってきていないかということについては、後で時間があれば取り上げたいと思います。 とりあえず資料二なんですけれども、二月二十八日の本会議の我が党の奥村委員の、今回の負担率三分の一は、暫定措置なのか、あるいは恒久措置なのかという質問に対して、小坂大臣は「今回の措置は恒久的なものと認識しておるわけであります。」というふうに御答弁をされています。 先ほど藤村委員は、定率減税のときの例も引き合いに出しながら、自分としては茶化すつもりはないんだと、大変人格者でいらっしゃる藤村先生ですからそのようにおっしゃるわけですが、私はもう少ししつこい性格でございますので、そこはねっちょりと確認をさせていただきたいと思うんですけれども。 この「措置は恒久的なものと認識しておる」。これは、奥村委員は、負担率三分の一は暫定措置なのか恒久措置なのかというふうに尋ねているのに、あえて措置というものを主語にして、「措置は恒久的なものと認識しておるわけであります。」というふうに答弁をされています。先ほどの藤村委員の質問の繰り返しになってしまうかもしれませんが、措置は恒久的なものという本会議での大臣の御答弁は、恒久措置であるという意味で御答弁をされたのでしょうか、それとも、的なものということがつくことによって、恒久措置とは意味合いが微妙に違うんだということで、意図的に言葉の使い分けをされたのか、その点について御答弁をお願いします。
○小坂国務大臣 そもそも奥村議員の御質問が、どういう措置かと聞かれたものですから、措置はと申し上げたわけですね。暫定措置か恒久措置かというお尋ねでございましたものですから、十六年末の政府・与党合意において、中教審の答申を得た上で、十八年度に恒久措置を講ずることとされておりましたので、今回の措置は恒久的な措置でございますと申し上げた。 この恒久措置と恒久的な措置の違いは何かと聞かれれば、私の観念ですよ。私は、どのような法律も、どのような施策も未来永劫変わらないということはないというのを常に思っております。改革の精神というのは、一つの改革の方向性は、時間の流れ、そしてまた社会の変化に対応するという意味において、その時々にまた見直されることはあり得べしというふうに考えるのが改革の精神だと思っておりますから、そういう意味で、恒久という言葉そのものは、未来永劫変わらないというものを私は思っておりましたものですから、恒久的な措置と申し上げたわけでございまして、この措置は十六年度末の政府・与党の合意を踏まえたものですから、十八年度に恒久措置を講ずることとされておりましたその措置でありますということを申し上げたつもりであります。
○松本(大)委員 今、非常に率直に御答弁をいただいたので、ある意味では多少驚きを感じつつ、再度確認をさせていただきたいと思うんですが、要するに、恒久措置とは違うんですよ、未来永劫変わらないという意味での恒久措置ではないんだ、どんな政策であれ、未来永劫変わらないというものはないんだ、見直しもあり得べしというのが改革であり、その意味で恒久的というふうに答弁したという理解でよろしいですか。今、うなずいていただきました。 ということは、これはやはり、藤村委員は定率減税の例を出されたわけですが、恒久減税と恒久的減税は違うんだというふうにおっしゃられたときに、野党や国民が感じたあの徒労感といいますか、何だよそれという感じを、恐らく今静かにメモをとっていらっしゃる後ろの文科省の官僚の方々も、ああそうなのかと、ちょっとびっくりされているのかいないのか、気になるところではあるんですけれども、そもそも、この恒久措置というものが政府・与党合意においてということなんですけれども、その本文を見る限りは、そこには書いてないですね。資料三としておつけしたんですけれども、十六年十一月二十六日の三位一体改革についてという政府・与党合意ですが、このどこを見ても、恒久措置というふうには書いてありません。 恒久措置と、恒久的なもの、恒久的な措置というのは違うんだという大臣のお話でしたが、では、恒久措置なのか、恒久的なものなのかは別としまして、恒久的なものとする根拠は何であるというふうにお考えでしょうか。
○小坂国務大臣 答弁が若干繰り返しになってしまうかもしれませんが、政府・与党の合意を踏まえてと先ほど申し上げたように、十六年末の政府・与党の合意において、十八年度に決められる措置というのは恒久措置として決めるんだよ、こうされているわけでございます。そこで、どういう意味で恒久措置という言葉を使ったかは、私としてはちょっと、私の解釈が全く同じ意味ということになるのかどうかという点においては、私自身ではないものですから申し上げられませんが、今回の措置はそれに基づいて行ったわけでありまして、今回の一連の議論を踏まえたその中で、今後、引き続き、それじゃこの議論が重ねられるのかという点においては、今回は結論であるというふうに思っております。
○松本(大)委員 結論であるという部分については、後ほどまた突っ込んでいきたいと思うんですが。 私がなぜ今質問を大臣にしたかといいますと、恒久措置だというふうに政府・与党合意に入っていないものはやはり恒久措置じゃないんじゃないかと。だからこそ、大臣も恒久的な措置というふうに答弁をされているんじゃないかなということをちょっと検証していこうかなと思ったからなんですが、きのう質問取りのときに文科省の方にお伺いしましたら、何で恒久的なものというふうに答弁されたんですかと聞いたら、資料四としておつけしましたけれども、十六年十一月二十六日の政府・与党合意の際に、それとは別に六者合意というものを交わしたんだと言って、資料四のようなペーパーをいただきました。 その四の中には、「十八年度において恒久措置を講ずる。」というふうに書いてあるんですが、この文章はタイトルもなければ日付もないんですね。官邸のホームページにも、政府・与党合意の中身としては、これは載っけられていないんですね。したがって、載せなかったことというのがやはり重要なんじゃないかなと。つまりは、恒久措置ではないんじゃないかなという印象を私は持ったものですから、大臣の恒久的とされた答弁を繰り返し御質問させていただいたというわけです。 さらに資料五としてつけたのは、十七年十一月三十日の政府・与党合意なんですが、これの「税源移譲について」のところでは、(2)として、「所得税から個人住民税への恒久措置として行う。」とはっきり書いてあるんですね。ところが、国庫補助負担金の「文教」のところに関しては、このような恒久措置という文言はありません。 十六年においては、政府・与党合意の本文にはなくて、タイトルも日付もない六者合意の中にひっそりとたたずんでいた。一年たって、十七年の政府・与党合意については、所得税から個人住民税への税源移譲というものについてははっきりと恒久措置としておきながら、この文教関係の義務教の国庫負担制度については一切記述はない。そして、十六年と違って、六者合意のような文章も存在をしていない。これは余りに対照的ではないかと。すなわち、これはやはり恒久措置じゃないんだ、大臣が答弁で恒久的なものとおっしゃったように、未来永劫変わらないものではないんだと。つまりは、国庫補助負担制度の見直しは今後も続いていくということなんじゃないのかなというふうに私は思っております。 ですから、先ほど大臣は結論だというふうにおっしゃっていたんですが、これは政府としては、あくまで最終形に向けた一里塚という位置づけではないかなというふうに私は思っております。 そこで、ちょっと視点を変えて、今度は、せっかくきょうは総務副大臣にもお越しいただいておりますので、確認していきたいと思うんですけれども、先ほど取り上げた二月二十八日の奥村委員とのやりとりの中で、竹中大臣の答弁ですね。国庫負担制度、「その割合を三分の一とすることとされました。その一方で、義務教育や高等学校教育等のあり方、国、都道府県、市町村の役割については引き続き検討するとされたところでございます。さらに、政府・与党合意においては、地方分権に向けた改革に終わりはないとの立場で、今後とも、真に地方の自立と責任を確立するための取り組みを行っていくとされたところでございます。」というふうに御答弁をされております。この答弁の中には、もちろんですけれども、恒久措置という言葉は一言も出てきておりません。要するに、今後の検討次第だというふうにおっしゃっているんではないかなというふうに思います。つまり、総務省の認識としても、これは暫定措置、経過措置なんだということでありまして、そこで確認なんですが、副大臣にお伺いします。 先ほど引用しました竹中大臣の御答弁、「その一方で、義務教育や高等学校教育等のあり方、国、都道府県、市町村の役割については引き続き検討する」という中身には、これは義務教育費国庫負担制度の見直しも含まれるんでしょうか。
○山崎副大臣 総務副大臣でございます。 今お尋ねの件でございますけれども、総論として、すべての課題について再検討する、見直していくということで改革には終わりはないという中で、そのすべてのことにという意味であれば含まれると解釈してよろしいかとは思いますが、具体的にそこの一つの政策課題といいますか、そういった制度について、これを恒久的なものであるのか、暫定的なものであるのかという判断をしたものとは私どもは解釈しておりません。
○松本(大)委員 なかなかはっきりおっしゃっていただけないんですが、むしろ、何か総務副大臣と文部科学大臣の答弁が逆だったら、私には理解が、今までの理解は進むんですけれども、何となく総務副大臣の方が御遠慮なさっているのかなというふうな印象も受けます。総論としては、すべてのことという意味でいえば、これは国庫補助負担金の改革というのも、さらなる見直しというのも含まれているということだったわけでありますけれども、これは文部科学大臣の御認識としても、この竹中大臣の御答弁の、引き続き検討という対象の中に国庫負担制度が入るんだという御認識は、文科大臣も同じでいらっしゃいますか。
○小坂国務大臣 これは委員と私の立場の違いもあってあれなんですが、暫定措置なのか、恒久措置なのかという議論があったわけですね。そういう点については、先ほどから再三申し上げているように、この政府・与党合意の中で、これは恒久的な措置を十八年度に講ずるんだと言っているんですから、十八年度に対して出した結論はそういう意味合いを持っていると解釈しております、この一連の暫定、恒久的というような流れの中で言えば、これは一つの結論ですと、こう申し上げたんですね。 では、今後どうなるのかということに関して言えば、総務大臣のお立場からすれば、地方自治のあり方というものを、今後、全般的な見直しというのもある、そういう中で、議論は道州制というようなものの導入とか、いろいろなことが幅広く議論されている。そういった全体的なものを恐らく総務大臣としては視野に入れた上で、お考えを述べられているんだと思うんですね。ですから、立場上、内閣としての考え方に差異はない、今回の結論は今回の結論として決まったもの、私はこう考えております。
○松本(大)委員 私もきょうのこの文部科学委員会の質疑を、特に藤村委員とのやりとりを聞くまでは、いや、閣内不一致なんじゃないかなと思っていたんですが、聞いて、このやりとりを進めていくうちに、大臣が今まさにおっしゃったように、いや、閣内不一致ではなくて総務省も文科省も認識は一致していて、これは恒久的なものなんだと。つまりは、未来永劫変わらないということではないんだ、改革はこれで終わりではないんだと。改革に終わりはないんだという竹中大臣の答弁のとおりということなんだろうなというふうに理解をしております。 さっき、文科大臣は一つの結論とおっしゃいましたが、午前中の審議で、総務省の官僚の方は一区切りという表現を使われたと思うんですね。「その一方で、」という竹中大臣のお言葉がありますとおり、一区切りついたけれども、これは結論じゃないんだよ、これからもやっていくんだよという意味合いのことを答弁されているし、それは文科省と総務省との間で認識のそごはないんだというふうに私はこれまでのやりとりをしていて思いました。そういうふうな印象を持ちました。 では、一体全体、その方向性で改革が、改革なのか改悪なのかわかりませんが、それが進んでいけば一体どうなるのかということについて、ちょっと御質問をさせていただきたいなというふうに思います。 要するに、三位一体改革の第二期改革というものは一体どういうものが起こり得るのか、平たく言えばそういう話なんですけれども、私はこれは、やはり最大の被害者は、我が国の地域で未来を担おうとしている子供たちではないかなという懸念を非常に強く持っております。文科大臣は午前中の質疑の中で、差が出てくることはあってもマイナスの悪い格差ではないんじゃないかなというようなニュアンスで、期待している部分もあるんだという御答弁をされていたわけですけれども、私はそれは余りにも楽観的過ぎる予想ではないかなという懸念を持っております。 これまでの第一期の三位一体改革は、四兆円の補助金削減と三兆円の税源移譲、内容はともかく数値目標だけは達成した、こういうことだろうと思うんですが、そうすると、第二期改革の柱となるのは当然これは交付税改革ということになってくるんだと思うんですね。その次の焦点となる地方交付税改革がどうなるかというところが当然注目を集めるわけですが、午前中の質疑の中で、大臣みずから今後の地域における教職員の人件費の負担にあえて触れていらっしゃいましたけれども、私もきょう、ちょっとその資料を使ってみたいと思いますが、資料六としてお配りをしたものであります。 これは、東大の苅谷教授が、今後各地域で教職員の人件費というものはどのぐらい伸びていくのかという推計を行ったものでありまして、昨年六月の中教審特別部会でも取り上げられた指摘であります。これを見ますと、平成二十五年から二十六年ごろをピークとして、平成三十年ごろまで累計で四兆円ぐらい、これは中位推計をとっても低位推計をとっても累計で四兆円ぐらいの人件費負担増に直面するであろうという指摘であります。 地方六団体は、その特別部会では、これは十分吸収可能なんだという言い方をしているわけですけれども、それは交付税が措置されるんだという前提に立った議論であって、交付税が措置されるというのは、第一期改革について当てはまっても、三位一体改革の第二期改革、交付税改革に着手された場合は、この交付税というものが将来削減されていく可能性というものは私は否定できない。交付税が今後も措置され続けていくならば、地方六団体が反論されているように十分吸収可能という議論も成り立つのかもしれないけれども、それはあくまでも第一期改革についての話じゃないですか。三位一体改革が第二期に移ってターゲットが交付税改革になった場合、こういった人件費の負担増に果たして各地域は耐えていけるんだろうかという問題意識を私は持っていまして、ちょっとこの点について大臣の御見解を伺っていきたいと思います。 教員の年齢構成というものは、私は第二次ベビーブーマーですけれども、この第二次ベビーブーマーが小中学校に入学したときに大量採用が行われていた。というわけで、今、年齢構成がかなりいびつになっているんではないかということが言われております。たしか四十五歳だったと思いますが、四十五歳以上が全体の四割以上を占めているというわけで、今後十五年間で小中学校の教員の半分が入れかわろうとしている。つまりは、退職手当が今後どんどんどんどんふえていくし、その一方で、退職する教員が多いので、それを補うための新卒の採用をこれからどんどんどんどんやっていかなきゃいけない。退職手当の負担増が地方財政を圧迫している一方で、深刻な教員不足も同時に起こってしまう。 その中で、なぜこうなるかといえば、苅谷教授の指摘によれば、平成二十年以降十年以上毎年二万人を超える教員の採用というものを行っていかなきゃならないだろうというふうに推計されているんですね。ところが、大臣よく御存じのとおり、今の教員養成課程の定員というのは多分その半分ぐらい、九千人程度だと思うんですね。つまりは、各地域で教員獲得競争が激化する。そのときに、質の高い教員を、量ともにですけれども、確保するためには、当然財政力というものが求められていく一方で、同時に退職手当の増加という財政の逼迫した状況に各地域は直面してしまうことになる。とすれば、これは財政力の弱い地域においては、教員を質、量ともに確保していくことが将来的に難しくなるんではないか。 そうなれば、文科省が義務教育の根幹とされている水準の維持あるいは機会均等といったものが、これは将来的に損なわれてくる可能性があるのではないか。このまま改革が進められていけば、そういった懸念がぬぐい去れないのではないかなという印象を私は持っております。 この点について大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○小坂国務大臣 さすが、松本委員は将来を見据えて、いろいろな角度から検証の必要性を訴えていらっしゃいまして、私どももそういった共通の問題意識を持ってこれからの教育を考えなきゃいかぬと思っております。 ただ、議員がおっしゃっている部分に幾つかの固定した観念があるんじゃないかと思ったんですね。すなわち、新卒者が新しい供給源だと考えていらっしゃること。これからの高齢化時代においては、高齢者の活用をいかにするかということが、この高齢社会を乗り切る一つのキーワードじゃないかと思うんですね。それはもう委員も御存じなんだと思うんです。ですから、その考えをやはり教育の分野でも活用することが一つのかぎだろうと私は思います。 今、教員採用は、実際には新卒者の割合が二六・九%、したがって約三割は新卒者で賄っておりますが、それ以外の部分は既卒者あるいは民間企業の経験者等、こういった方々で補って、そして構成されているわけですね。具体的に申し上げれば、受験者数が十一万一千、採用者数が一万六千六百二十二。そのうちの新卒者の割合が二六・九で、民間企業経験者の割合が一〇・七で、採用倍率が、小学校四・五、中学校十一・七。そして、新規の小中学校免許取得者数全体が六万二千四百九十二というふうになっております。 今後考えるべきは、都道府県、指定都市教育委員会では受験年齢の制限を緩和していただく。これは私どもからもう既に指示を出しておるところでございますけれども、それと同時に、社会人経験者を対象とした特別選考の実施をしていただきたい。特別免許の交付に当たって、そういった経験をされている、ぜひとも教壇に立っていただきたいような方々をリストアップして、各教育委員会がためて持っておいて、そういう方に、今度特別選考を行いますけれども受験なさいませんか、教員として社会のお役に立っていただけませんか、こういった働きかけをいただくようなことも私は考えております。 こういった工夫、改善を行って、これらの取り組みを私どもは各都道府県、指定都市の教育委員会に働きかけて、そして、おっしゃったような教員採用と新卒者との需給バランスというものを調整していこう、こう思っているところでございまして、問題意識は共有するものの、そういった創意工夫をまた委員からも御提案をいただきながら、私どもも対応していきたい、こう考えているところでございます。
○松本(大)委員 創意工夫というのは、確かに私も否定するものではありません。しかしながら、例えば小学校の教員の方の年齢構成が今ただでさえこのような状況にある中で、一回定年を迎えた方の再雇用ということになれば、担任の方と実際に受け持ちされる生徒の方の年齢の差というのはまた一層広がっていく方向になっていくんじゃないかな、それは果たしてその状況でよしとしていいのかなというのは、私は少し疑問に思うところであります。しかも、その採用についての創意工夫で、財政面での逼迫状況まで本当にカバーできるのかというのは疑問ではないかなという印象を私は持っております。 大臣は、ケンジというよりは小泉さんの言うところの改革派ではないかなというふうに私はきょうの質疑を通じて思っているわけですが、改革ということについて、通告はしていませんが、持ち時間の最後を使って、ちょっと大臣の御見解を伺いたいというふうに思います。 大臣は、ホームページに堺屋太一さんのお言葉を引用されて、とにかく、変えるという決意が重要なんだ、このようにおっしゃっておられます。しかしながら、私はやはり、とにかく変えるではまずいんじゃないかなというふうに思っている者の一人なんですね。変えればいいだろうというのは少し違うんではないかなという印象を私は持っております。 私は、元銀行員でして、企業の事業再構築に向けた、主に財務面からのアドバイスをしてきました。しかしながら、財務リストラとか企業の改革についても、やはり順番というものがあると思うんですね。まずは、やはり役員報酬を引き下げる、経営陣の待遇の見直しを図る、その後は、例えば遊休不動産とか不稼働資産の売却をするんだ、さらには、過剰投資とか調達コストを見直していくんだと。やはり、知識社会と呼ばれる世の中にあって、その競争力の源泉である知を生み出す人材への投資に手をつけるのは、これは従業員の給料も含めてですけれども、それらの改革を全部行った後、最後に手をつける分野だと思うんですね。 ところが、我が国の政府はどうかといえば、財政状況が厳しいとはいえ、議員年金、国庫負担比率が七割に達する、この特権は温存された。しかも、二万二千人の官僚OBが四千カ所の公益法人に天下りをして、そこに五兆五千億円ものお金がつぎ込まれている。あるいは、防衛施設庁の官製談合に見られるように、天下りを条件として、九五・九%という異常とも言えるような高い落札率で税金の無駄遣いが続けられている。 こういったものを放置しておきながら、人に対する投資から、国の教育予算からまずは削り込んでいく。その中で、今後は交付税改革も行われることによって地域を兵糧攻めにしていくというのは、私は、国家経営のあり方として根本的に間違っているんではないかと思うんですね。 大臣は、我が国の人材育成の最高責任者の一人だと思いますから、ぜひこういったことについて、国家経営として間違っていないかという私の認識について、ちょっと時間を大幅にオーバーして申しわけないんですが、御見解を伺いたいと思います。
○小坂国務大臣 議員がおっしゃったように、私のホームページには堺屋先生のお言葉を引用しております。私は、自分は保守的な人間だと思っているんですよ。どちらかというと、一生懸命自分で固定の概念にとらわれないように、既成の固定観念や既成の概念にとらわれないように自分で努めようと努力しているんです。そういう意味であの言葉をわざと表に出して、まず変えるという気持ちを自分の中に持たないかぬのだと。ですから、我々は、どうしても現状維持になりがちなんですよ。ですから、それをまず変えるという視点から物を見直さなきゃいけないんだというふうに思って、あえてああいう言葉を書かせていただいているんです。その点は多分、議員も御同感をいただけるんだと思うんですね。 議員が今おっしゃった中で一つあれなのは、教育費からまず切り込んでいくのは間違いだとおっしゃっているが、決して教育から最初に切り込んだわけじゃなくて、種々の改革をそれで進めておりますし、義務教育というものについての予算を切り込むということは基本的にやっていないんですよ。 人件費の削減においても、合理化によってひねり出した人数をそっくりそのまま、今度は新たなものに投資をしている。すなわち、特別支援とか食育の担当とか、そういったものに投下をして、教育現場における水準は維持していく。できれば向上したい。向上するにはもっとお金が要る。ですから、先ほど申し上げたように、私は教育にもっとお金をつぎ込むべきだということの考え方は委員と共通ですよ。やはり、もっと投下したい。だけれども、やはり今この財政改革という大きな命題があって、そしてまた小さな政府を目指して、そして効率を向上させるということでやっていかなきゃいかぬという命題も、今の内閣において負っているわけです。 そういう中で、ではその中で何ができるかということで、今申し上げたようなことを私どもはやっていこうと思って、これがやはり改革の方向性だと思っているわけでございます。ただ、改革を進める中で、シビルミニマムを切り込むことのないような、そして上向きの改革であるような、先ほど藤村議員にもお答えしたような、そういったことを注意しながらやっていこう、こういうふうに思っているところでございまして、これに対して何か御意見があれば、また御示唆を賜れればと思います。
○松本(大)委員 また胸をおかりしたいと思います。 総務副大臣、御足労いただきましてありがとうございました。終わります。
○遠藤委員長 川内博史君。
○川内委員 民主党の川内博史と申します。 きょうは、与野党の理事の先生方及び委員長、そして委員の皆様方にお許しをいただきまして発言の機会をいただいたことに、心からまず感謝を申し上げさせていただきたいと思います。ありがとうございます。 まず、私も昨年の国会で文部科学委員会の民主党の理事を務めさせていただいておりましたので、きょうは昨年の義務教育費国庫負担法の改正のときの審議などを振り返りながら、小坂大臣とやりとりをさせていただきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 まず、法案の審議に入る前に、小坂大臣の最近の発言についてちょっと申し上げておきたいことがございますので、申し上げさせていただきたいと思います。 トリノのオリンピックで荒川静香選手の金メダル、先ほど松本大輔議員からもお話がありましたが、日本国じゅうのすべての方たちが感動した試合であったというふうに思います。私も、あの日の朝は、朝四時から起きまして、安藤美姫選手の四回転に挑戦をする勇気に感動し、荒川選手の完璧な演技に感動し、村主選手の芸術的な演技に感動したという一日だったわけですけれども、文部科学省にもその後、荒川選手が金メダルの御報告にお見えになられた。ところが、そのときに大臣が、三位になられたスルツカヤ選手に関してのちょっと失礼なコメントがあったということで、文部科学省のホームページ上で、大変失礼があったということで、素早い謝罪のコメントを載せていらっしゃいます。 失言に対して素早い謝罪のコメントをするというのは私たち民主党が学ばなければならないことだなと、そういう点では小坂大臣の素早い謝罪に大変敬意を表するところでございます。ただ、あの謝罪のコメントの中にも、残念なことに、「荒川選手及びスルツカヤ選手に対してお詫びを申し上げます。」というふうにコメントが記載してございまして、本来であるならば、小坂大臣の御発言というのは、スルツカヤ選手に対してのある種の失礼な発言があったというふうに承っておりますので、選手の並び順が、「スルツカヤ選手及び荒川選手にお詫びを申し上げます。」というふうにコメントを訂正された方がより適切ではないかなというふうに考えますが、大臣の御所見を承りたいと思います。
○小坂国務大臣 まず、委員の御指摘があって、だからというわけじゃございませんが、素早い対応をしたのは、私が本当にそう思っているということなんですね。 当日、それよりも前、競技が行われたときに、私は二時ごろまで起きておりまして、それから一時間ちょっと寝まして、また起きて、ずっと委員と同じように見ておりました、安藤美姫さんの、村主さんの、そして荒川選手の。荒川選手があのパーフェクトな、本当にパーフェクトな演技をされたときに、本当に涙がにじんでまいりました。 そして、私は、それまでもオリンピックの放映を見ておりまして、例えばアルペンの皆川さんの滑りを見て、やった、これは確実に金だと思った。ところが、後発の選手たちがそれまた頑張られて、一人一人がまた追い越していく、残念ながら四位に終わってしまった。及川さんも同じだった。また、パシュートもそうでしたし、スピードもそうでしたよ。みんなそれぞれが、ここだ、ここだと思うときに、残念ながら四位なんですよ。 それで、荒川さんのときも、何とか金になってほしい、こう思っておりましたものですから、つい、ロシアのスルツカヤ選手が残念ながら転んでしまった、そのときに、本当にあってはならないことと思いながらも、その瞬間ですよ、テレビのところで、やったと思ったんですよ。これは正直なことなんです。それが気持ちにありました。 それで、荒川選手においでをいただきました。まず最初に、おめでとうございます、八年間精進をされて、困難を乗り越えて、輝く金メダルを獲得された、国民に大きな勇気とそして希望を与えていただいた、夢を与えていただいた、このことにまずもって心から感謝をしますと申し上げた。そして、今回のオリンピックで、それぞれ、いろいろな競技で活躍された皆さん、本当に御苦労さまだったということを遅塚団長にも申し上げた。 そして、懇談をしましょうということで、席を改めまして、いわゆる公式の記者会見の部分が、記者発表の部分ですかね、カメラ撮りが終わりまして、懇談の席に入りまして最初に話したのは、やはり荒川さんの活躍ぶりはすばらしかったということと、それに合わせて、今後、やはり荒川さんと同じように後に続く人を養成しなきゃいかぬ。今後の選手育成、それから、残された、例えば、私の出身の長野でいえばエムウエーブとかスパイラルとか、施設があるのに夏は使えない。スパイラルは使えないですよ。でも、エムウエーブは屋内ですから使えるんです。でも、氷が張れない。こういうことに対して、九八年のオリンピックの基金で何とかやりくりしているけれども、これはもうすぐ底をついてしまう。そういうことに対して、ちょうどJOCの竹田会長がおいででしたので、竹田さん、一緒になってこれからの選手育成とその施設の整備に努力しましょうよと言って、握手もしました。 そして、私は、やはり選手育成というのは、才能に恵まれた人というのはあちこちにいる。でも、その人の中で、幸運な人は周囲の人の努力と家族の理解があって、そして夏場にも北半球から南半球へ飛んで練習をしたり、あるいは遠征をして練習をしたり、いろいろな環境の中でリンクを借りられたり、そういうことがある。でも、残念ながら、そういった環境に恵まれない人はそこで断念をしなきゃいかぬ、そういうことがある。これはやはり残念なことで、国民みんなで金メダルをとりに行く、こういうことが必要じゃないですかねということをお話ししました。 その後、話題が皆川選手の惜しかったという話になったんです。それで、後から、次から次へ追い越されたという話になった。それで、荒川選手の金メダルということになって、そこの話で、ほかの方から、いや、荒川さんも危なかった、後の方が転んだときにはやったと思いましたと。そうですと私もそこで乗っかっちゃったんです。乗ってしまって、そうだったんですよ、あのとき私もついつい、いけないことだと思いつつ、思わず喜んでしまいましたと申し上げた。 それで、私は、深く反省をしたのであります、その後、あれは失敗だったと。話している相手は別の方だったけれども、荒川さん、そばにいらっしゃった。何か、私の発言が、荒川さんが実力でとられた金メダルに傷をつけることになったんじゃないかと。同時に、病気をして頑張ってこられたスルツカヤさん、この選手の努力に対して、本来やはり健闘をたたえるべきところが、あのような表現で終わってしまっている。 これに対して、私は、放送の内容というものが、できればということですよ、できれば、安倍官房長官が施設整備を訴えられ、総理も施設整備や人材育成を訴えられ、それに対して文部科学大臣はということでありますから、少なくとも取材がそこで同じビデオテープに入っていたはずですので、私の、竹田会長とともに施設整備や人材育成に頑張りましょうと言ったこの部分も合わせて報道し、それに加えて私の非をとがめていただいて叱責していただければありがたかったと思う期待はあります。 しかし、現実はそうではないし、私の発言は事実でありますから、私はそれをまず率直におわびすべきだ。これは本当に深く反省をいたしております。
○川内委員 大臣に随分長く釈明の時間を私がつくってさしあげたような形になってしまいましたが、いずれにせよ、荒川選手の演技というのは、だれがどういう演技をしようとも恐らく金メダルが間違いがないというぐらいにすばらしい演技であった。スポーツのあらゆる評論家も恐らくそういう評価であろうというふうに思いますし、スルツカヤ選手あるいはサーシャ・コーエン選手も、それぞれに最善を尽くされた結果であろうというふうに思います。 また、謝罪のコメントも、私は、やはり対外的なことを考えると、まず変なこと言ってごめんねとスルツカヤ選手に先に謝って、その次に荒川選手に、いや、でも、あなたはもうどんなことがあろうと金メダルだったんだね、済みませんということになるんじゃないかなということを申し上げておきたいというふうに思います。 さて、昨年も、小坂大臣が自民党の国対にいらっしゃったときでありますが、法案審査をさせていただいたわけであります。私は、当時、先ほども申し上げたように、筆頭理事としてこの文部科学委員会におりました。 この義務教育費国庫負担法というのは子供たちの教育に係る財源を保障する法律であるということで、さまざまな方々に恐らく今国会でも参考人質疑をされることであろうというふうに思います。 そこで、私は、昨年の法案審査の中の参考人質疑で、与野党が合意をした参考人として中教審の鳥居会長、それから自民党の先生方からは岡山県の石井知事、この石井知事は義務教育費国庫負担全額を一般財源化すべきだという地方案を代表する方であります。私ども野党としては、小坂大臣の御地元の知事でいらっしゃる田中知事、この方は、義務教育費国庫負担法というのは何としても守るべきである、これは子供たちの教育にとっては生命線であるということを地方六団体の案の中でもきちっと意見としてお述べになっていらっしゃる方でございますが、私どもが参考人としてお呼びしたいということを申し上げました。しかし、参考人質疑は全会一致が原則でございますので、この田中知事については、与党側の先生方から、反対だ、田中知事はお呼びすることができないという方針が示され、結局参考人質疑ができなかったというのが去年の経緯でございます。 そのときに、私は筆頭理事でございましたから、当時の与党の自民党筆頭の先生に、なぜ田中知事ではだめなんですかということをお尋ねしました。そうしたらば、そのときに、与党の筆頭が国対の方針である、自民党国対の方針であるというふうに理由をおっしゃられました。そのときに、国対の方針とはいかなるものですかということをお聞きしたんですが、明確な御説明がなかったんです。 私は、今回せっかく質疑の機会をいただきましたので、ずっとこの一年間、何でだろう、何でだろうと思っていたものですから、当時国対の責任あるお立場にいらっしゃった小坂大臣であるということで、改めて、昨年の参考人質疑、長野県の田中知事はなぜ参考人としてお呼びすることができなかったのか、その理由について、先ほどの荒川選手について語っていただいた、なるほどなとここにいるみんなが納得するような御説明をいただきたいというふうに思います。
○小坂国務大臣 今、昨年を振り返ってのお話でございますが、確かに、当時私は自民党国対におりました。振り返りますと、今御指摘のように、委員会の理事会においてそういう話が出たという話を聞きました。 そこで、国会対策の方に上がってきたときには、鳥居会長が中教審の会長としてお出になる、それから、石井知事の話はまだ入っておりませんで、残り二人呼ぶということになっているが、合意ができているのは石井知事である、もう一人、田中知事という話があるが、これは合意に至っていないと聞きました。 では、なぜ合意に至らないかといったら、これは、党の全体的な中から、党の組織ですから、どこどこと余り細かいことはそちらの方に申し上げる必要もないんだと思うんですが、党の中でのそれなりの意思決定をされる機関の方から、党の方で、そういう意味では今回合意に至る形ではない、なぜならばというところで、田中知事は知事会を代表する者ではないという見解が述べられました。私どもの国会対策としては、そうであるならば全会一致の原則を守ってくださいというふうに現場の理事さんに指示を出したわけであります。 はっきり申し上げて、私は地元の知事である田中知事さんに対して特異な感情は持っておりません。時々、知事さん御自身が私に対しての御批判のようなことを全国放送を通じてされたことがあります。ただ、私はそういうところは意外と鈍くて、それに対して直接的に変な感情は持たないんです。私は、そういう意味で、その時点でも中立的に思っておりました。できるだけ自分としても常に中立に務めたいと思っておりますから、そういう中で原則は守ってくださいと。 それでは、これは全会合意が原則であって、合意されていない人に打診がなぜ行ったんだと。一方で入ってきた話は、もう既に知事さん御本人は出られるということを川内理事さんの方に回答していらっしゃるという話が入ってまいりまして、それはなぜかと。 というのは、本来、理事会で協議されるときは、候補者をお互いに挙げて、そして、合意された方に対して出られるかという打診をするのが、これが流れでありまして、筋であります。にもかかわらず、合意がされていない方にだれが委員会の権威をもって打診をされたのか。本来、委員長から打診をすべきものが、なぜそれが、打診が行ってしまったのか、ここが合点がいかないということを申し上げて、私どもとしては、原則に従っていただきたいと。 そして、知事会を代表するということであれば、宮城県の浅野知事が全国知事会の社会文教委員会の委員長であられて、したがって、知事会を代表する形としてお呼びするならば、まず浅野知事に打診をすべきではないのだろうか、その辺は理事会でお決めになることだから理事会で御協議いただきたいということで、理事会現場にお戻ししたわけでありまして、それ以上の指示は私どもは一切行っておりません。
○川内委員 今、大臣の方から私にまた問いかけがあったやに思いますので、昨年の経緯をこの場で私も御説明を申し上げておきたいというふうに思います。 当時の与党の稲葉筆頭とは、鳥居中教審会長については与野党双方でお招きをしましょうということで話をいたしました。さらに、岡山県知事の石井知事については稲葉筆頭の方から御推薦があり、そして、川内さん、あんた、どうするねということだったので、では、私は田中知事、要するに知事会を代表する意見としては石井知事にお述べをいただいて、しかし、知事会の中で全く違う、知事会と真っ向から反対をする、いわゆる義務教育費国庫負担制度については何としても守らなければいけないんだという論陣を張っていらっしゃる田中康夫知事を参考人として、私ども野党サイドとしてはお招きをいたしたいと思いますということで話がついたと。 さらには、では、私の方で、実際に話がついても、当日、知事が日程があいていなければ国会にいらしていただくこともできませんので、では、私の方から、田中知事の方には、日程があいていらっしゃるかどうか、来ていただけるかどうか打診をしてみますということで話がずっと進んでいたということでございます。 小坂大臣、この件できょう余り議論をする気は私はないのでございますけれども、あえて、大臣が、田中知事に対して私は特別な感情は抱いていないと言わなければならないぐらい特別な感情を抱いていらっしゃるのかなというふうにも思ったりするわけでございます。 そういう意味では、私は、民主主義の原理原則というのは、お互いに認識は違う、考え方が違う、全く政治的立場が違う、もう全然好きじゃない、しかし、相手が言うことはきちんと聞こう、あるいは、相手の主張については、おれは右だと思うが、あんたが左だと言うんであれば、あんたが左だと言うことの自由は死んでも守るよというのが、これから大臣もますますお偉くなられるであろうというふうに思いますので、そのことだけ、また私の意見として聞いておいていただければというふうに思いますし、本委員会については、参考人質疑でぜひ田中康夫知事をまた御招致いただけるようにお願いをしておきたいというふうに思います。 それでは、法案の中身の質問に移らせていただきますが、昨年の十月二十六日、中教審の答申が発表された日でございますが、この「新しい時代の義務教育を創造する」という答申に対して、当時の文部科学大臣である中山文部科学大臣からコメントが発表されております。このコメントの最後の部分で、「今後、我が省としましては、今回の答申の趣旨を最大限尊重し、必要な制度改正の準備に着手するなど、義務教育の構造改革の推進に向けて最大限の努力を行ってまいりたいと考えております。」というふうにコメントをされていらっしゃいます。 この答申では、二分の一国庫負担、これは義務教育費にとっては最低限守らなければならないものであるというのが答申の結論部分であったというふうに思います。この答申に対するコメントとして、最大限尊重する、この趣旨を尊重するというふうに文部科学省としてコメントを発表されていらっしゃいます。 この趣旨を最大限尊重するという言葉の意味、さらには、最大限の努力をするという言葉の意味について、これは初中局長から御説明をいただきたいと思います。
○銭谷政府参考人 十月二十六日の中教審答申に対する大臣コメントの中で、今回の答申の趣旨を最大限尊重し、義務教育の構造改革の推進に向けて最大限の努力を行ってまいりたいという、この最大限尊重、最大限努力という部分でございますけれども、この大臣コメントは、今回の中教審の答申が新しい義務教育の姿とともに義務教育の構造改革の方向性を明らかにしておりますので、その中央教育審議会答申が示す理念や具体策について、その趣旨を踏まえた取り組みを行おうという決意を示している、そういう意味で、決意の重さを示す意味で、最大限尊重、最大限努力ということを当時の中山大臣がお話しされたということでございます。
○川内委員 今の初中局長の御説明を、文部科学大臣として、最大限尊重、最大限努力というのは今の説明のとおりであるということで、大臣、御確認をいただけますか。
○小坂国務大臣 先ほどの議論はそこまでということで。 この義務教育の答申について、私どもとしましても、昨年の十月二十六日の中山前文部大臣のコメント、これは中央教育審議会答申が示す理念や具体策につきまして、その趣旨を踏まえた取り組みを行おうという趣旨である、したがって、義務教育費国庫負担制度の重要性についての考え方については変わっていない、このように認識をしております。
○川内委員 初中局長、いいですか。昨年の私の質疑の中で当時の中山文部科学大臣は、まさに、この二分の一という根幹を堅持できるかどうかという問題に直面すると。「まさに、この二分の一という根幹を堅持できるかできないかという問題に直面する」というふうに大臣として答弁をしていらっしゃいます。 国庫負担割合が二分の一であるということが、義務教育費国庫負担法、まさに、それはそうだと思いますよ。義務教育費国庫負担法の第二条でしょう、負担割合が書いてあるのは。目的があって具体策があるということですから、まさしく、国庫負担法二条の負担割合二分の一を堅持できるかどうかということがこの義務教育に係る財源保障の根幹であるというふうに、中山文部科学大臣は政府見解として昨年の委員会質疑の中でおっしゃっていらっしゃいます。 しかし、今般、三分の一になったということで、根幹が崩れている、崩れたんだというふうに文部科学省としては答弁をせざるを得ないというふうに私は思いますが。だって、中教審の答申だって二分の一を堅持するんだということが義務教育にとってはどうしても必要であるというふうに書いていらっしゃるわけですよね、その答申の中で。それが政府・与党合意の中で三分の一になった、すなわち根幹が崩れたというふうに言わざるを得ないと思いますが、もう一度、初中局長、どうですか。
○銭谷政府参考人 一昨年来、文部科学省では、義務教育費国庫負担制度についてはこれを堅持したいということでずっと主張してまいりました。当時の中山文部科学大臣も国庫負担制度堅持ということでお話をずっとしてまいったわけでございます。また、中央教育審議会の十月二十六日の答申においては、「国と地方の負担により義務教育の教職員給与費の全額が保障されるという意味で、現行の負担率二分の一の国庫負担制度は優れた保障方法であり、今後も維持されるべきである。」という答申をいただいております。 それで、文部科学省といたしましては、義務教育費国庫負担制度については二分の一堅持ということでずっとやってまいったわけでございますけれども、最終的な政府・与党合意の中では、中教審答申を踏まえつつ、三位一体の改革を進めていくという中にあって、最終的に三分の一という結果になったということでございます。 私どもとしては、中教審の答申にも書いてございますが、中教審答申どおりではないけれども、国と地方の負担により義務教育の教職員給与費の全額を保障するという義務教育費国庫負担制度の根幹、趣旨、目的は維持されたというふうに考えております。
○川内委員 いや、銭谷さん、私が申し上げているのは、文部科学省が、昨年の委員会での文部科学大臣の発言は文部科学省としての省を代表する、あるいは政府を代表する、文部科学部門を所管する大臣としての政府見解でありますから、それをもとに申し上げているわけでございますが、この二分の一、国庫負担割合が二分の一であるということが制度の根幹であるということを中山文部科学大臣はおっしゃっていらっしゃいます。議事録を確認しますか。それを、三分の一になったことが、根幹は崩れていないというふうにおっしゃられるのは、私はちょっと違うというふうに思いますが、根幹は崩れて、新しい根幹をつくったんだというふうになるんですか。
○小坂国務大臣 昨年の委員会でのやりとり、議事録のとおりでありますから、その発言そのものを変える必要はないと思いますが、当時の中山文科大臣がおっしゃった意味合いも、これは二条を踏まえてのものなんですよね。 今委員がお引きになった義務教育費国庫負担法の第二条に、その中に、すなわち義務教育諸学校のことについてですが、「に要する経費のうち、次に掲げるものについて、その実支出額の二分の一を負担する。」この後に「ただし、」というのがくっついていますね、「特別の事情があるときは、各都道府県ごとの国庫負担額の最高限度を政令で定めることができる。」すなわち、これは法律上、この二分の一という数字が根幹だということではないわけですね。二分の一は原則であるけれども、例えば、豊かな県がオントップして払った、その給与の二分の一を負担しなきゃいけないということではないという意味もあるわけですから、これは、原則二分の一。 したがって、中山文科大臣が当時その根幹と言った、根幹の部分はどこに係るかといえば、国と地方において全額を保障するというこの理念、この義務教育費負担法のこの理念の部分が根幹だ、そういうふうにおっしゃったんだ、私はそういうふうに理解しておるのでございます。
○川内委員 いや、小坂大臣、ちょっと先ほどの荒川選手のときの説明のような明快な説明ではないというふうに思いますね。 二分の一国庫負担することが制度の根幹なんだというふうに、中山文部科学大臣は昨年の委員会で繰り返し繰り返し、さまざまな質問に対してお答えになっていらっしゃいます。 例えば、先ほど松本大輔委員がお配りになられた資料の二ページの右下にも、百六十二回衆議院文部科学委員会七号平成十七年三月十七日というところの議事録が採用されておりますけれども、ここでも、アンダーラインを引いてありますが、「その根幹というのが教員の給与の二分の一である、」というふうに御答弁をされていらっしゃいます。 では、局長、これは中山文部科学大臣の個人的な発言、ひとり言であって、文部科学省としての発言ではないということになるんですかね。
○銭谷政府参考人 ただいまいろいろお示しをいただいた議事録の中で、二分の一が根幹だという発言があるわけでございますが、当時から、義務教育費国庫負担制度というのは、負担率は二分の一という制度でございます。 ですから、中教審の答申にも書いてございますけれども、国と地方の負担により義務教育の教職員給与費の全額が保障されるという意味で、現行の二分の一の国庫負担制度は維持されるべきであるというのがずっと、これはたまたま今答申を読みましたけれども、文部科学省の中山大臣以下、当時の文部科学省の基本的な考え方であったことは事実でございます。
○川内委員 制度の根幹が二分の一だということが文部科学省の方針であったと今局長がおっしゃられました。大臣、確認してください、そのとおりだと。
○小坂国務大臣 私は私なりの読み方をしておりましたけれども、今の局長の説明を聞きますと、当時の文部科学省としてはそういう考え方だったんだな、こう思います。
○川内委員 そうしますと、局長、私は別にここは、変わったじゃないかとか、何で変えたんだとか、そんな責める気は一切ないわけですよ。教育改革というのは子供たちのために改革しなきゃいけないわけですよね。だれのための改革なのか、何のための改革なのかということが改革をする場合に一番重要で、教育改革をする、あるいは義務教育費国庫負担法を議論するというのであれば、子供たちのためにこうするんだということでなければならない。 であるとするならば、義務教育費国庫負担法についても、私も二分の一を維持した方がいいと思うし、維持できるのであれば維持した方がいいと思うし、さらに、民主党が提案をする義務教育費財源確保法のように、教育にかかわるものは全額きちんと国が面倒見るんだ、子供たちに、一生懸命勉強してくれ、一生懸命運動してくれというような施策というものが必要だというふうに思うんです。 ですから、文部科学省は、昨年、政府・与党合意に至る経緯まで、二分の一が制度の根幹だ、絶対死守するんだというふうに思っていた。しかし、三分の一にされた。文部科学省としては戦いに敗れたわけですよ。子供たちのためには二分の一でなければならないと思っていたわけですから、そう信じていたわけですから、それが三分の一になってしまったというのは、文部科学省としては戦いに敗れたということを素直に認めて、しかし、今後はこうするんだというところがなければならぬというふうに思いますが、局長、どうですか。
○銭谷政府参考人 国の負担割合が二分の一でないという点では、昨年十月二十六日の中教審の答申どおりではないということは事実だと思います。また、当時、それまで文部科学省として指導してきたとおりでもないというのも事実だと思います。 ただ、政府・与党合意におきましては、「義務教育費国庫負担制度を堅持する。」というふうに明記をされて、しかも、今後、義務教育費国庫負担制度という安定した財源保障のもとで、すなわち、国と地方の負担によって義務教育の教職員給与費の全額が保障されるという安定した財源保障制度のもとで、教育関係者が安心して義務教育の推進を図れるというふうに結果を考えるわけであります。 ここに至りますまでの間、文部科学省として、中教審の答申を真摯に受けとめ、また、地方分権の推進は重要な課題であって三位一体を確実に実施する必要があること、あるいは、国民の間のさまざまな意見、こういうものを真摯に受けとめて、丁寧な議論を関係方面としながら、最終的に文部科学省としてこのような結論になったということでございます。
○川内委員 何だかわかったようなわからないような説明でしたけれども、銭谷さん、三位一体改革についての政府・与党合意は私も読ませていただきました。 それでは、その政府・与党合意、昨年の十一月三十日、この合意文書、「義務教育制度については、その根幹を維持し、義務教育費国庫負担制度を堅持する。」というふうに書いてあります。今、局長の御答弁の中には、「その根幹を維持し、」というところが、多分わざと抜かして、義務教育制度については国庫負担を堅持するというふうにお述べになられたんだと思いますね、根幹を崩されているから。二分の一という根幹を崩されて、文部科学省としては根幹が崩れたという思いがあるから、政府・与党合意の中で「その根幹を維持し、」と書いてあるけれども、何が根幹を維持しかという思いがあるわけでしょう。 では、この政府・与党合意の中の根幹というのは何ですか。政府・与党合意の中の根幹。
○銭谷政府参考人 政府・与党合意の中に、義務教育制度について、その根幹を維持、こう書いてあるわけでございますけれども、この義務教育制度の根幹というのは、憲法の要請による義務教育の機会均等、水準の維持向上、無償制というふうに考えております。
○川内委員 だから、文部科学省が考えていた二分の一国庫負担をするという制度の根幹は維持されなかった。政府・与党合意で言う根幹は維持されたが、二分の一は維持されなかった。三分の一になってしまったということだというふうに思います。 私がなぜこんなことを申し上げるかというと、平成十年から始まるこの義務教育費国庫負担制度に関する議論、文部科学省はずっとずるずるずるずる後退を続けてきているわけですよ。それで、三分の一になった。先ほどの議論でも、恒久的措置であると。だって、政府・与党合意ではわかりませんけれども、閣議決定文書では、まだ生きている閣議決定文書では、義務教育費国庫負担全額を一般財源化することを検討するという閣議決定文書は多分まだ生きているんだと思うんですよね。どうですか。それはもう否定されていますか、別な閣議決定文書で。
○銭谷政府参考人 かつての閣議決定の中に、義務教育費国庫負担金全額の一般財源化について検討するという記述があるのは、事実でございます。 ただ、この問題につきましては、先般の十一月三十日の政府・与党合意、これによりましてすべて決着した話だと私は思っております。
○川内委員 政府・与党合意は政府・与党合意であって、閣議決定文書ではないので、その辺が甘いんですよ、文部科学省は。閣議決定を消すには閣議決定させなきゃいけないわけで、政府・与党合意文書があるからとか言って満足しているから、全部財務省や総務省に押し切られて、今まで、子供たちにとってよくない改革が今進んでいるわけですよ。だって、お金が減らされちゃうわけですからね。 大臣、いいですか。いや、まだいいです、答弁は。(小坂国務大臣「いや、今のことについて」と呼ぶ)はい。
○小坂国務大臣 閣議決定は閣議決定でリバイスというお話はそうだと思いますが、今回、この義務教育費国庫負担法を閣議決定して出しておりまして、この時点でその以前のものはリバイスされているというふうに私は認識をしております。
○川内委員 だから、大臣、この三分の一についてはそうだが、しかし全体については、それを否定する、もうこれで終わりだという閣議決定が出ない限りこれは生きているわけですよ。それが政府の方針というものだというふうに私は内閣法制局に教わりましたけれども、ちょっと私の認識が違っていたら、今教えてください、ここはみんな多分興味があると思いますから、ぜひ。局長、どうですか。
○銭谷政府参考人 ちょっと先ほどの説明が舌足らずで、結論、思いだけ申し上げたかもしれませんが、ちょっといきさつを振り返ってみますと、一昨年、平成十六年の十一月二十六日に三位一体の改革についての政府・与党合意ができました。これに基づきまして、義務教育制度について、費用負担のあり方、あるいは義務教育のあり方について平成十七年秋までに中央教育審議会において結論を得るということが政府・与党で合意をされております。それで、その年の十二月二十四日の閣議決定におきまして、三位一体の改革につきましてはこの十一月二十六日の政府・与党の合意を踏まえて取り組むということが閣議決定されておりまして、したがって、その閣議決定に基づいて、昨年の十月二十六日に中央教育審議会において結論を得て、それを踏まえて、昨年の十一月三十日に政府・与党の新しい合意が成りまして、それで、先ほど来お話がございますように、三位一体の改革につきましては、義務教育費国庫負担制度は堅持をして、その方針のもとで、小中学校を通じて国庫負担の割合を三分の一とするということでこの問題には決着がついたというふうに私どもは理解をいたしております。
○川内委員 いや、局長、文部科学省が理解をされるのは、それは御自由に理解をされればいいと思うが、しかし、実際に政府が発表をしている閣議決定文書だけを追いかけると、私はその理解は若干甘いのではないかということを御指摘申し上げておきたいというふうに思いますし、今後また、先ほどからも議論が出ておりますけれども、第二期改革なるものが議論の俎上にいつ上るともしれない。 実際に、大臣いいですか、平成十七年六月十八日、昨年の六月の財政制度審議会の文書の中には、教育の質的向上を図るには、安易に予算の量的拡大に走らないことが重要であると、これは意味不明ですけれども、意味不明でしょう。財政制度審議会が、教育の質的向上を図るには金を使うなと言っているわけですよ。一体何を言いたいのかよくわからないが、多分、財政制度審議会はとにかく教育に係る予算を削りたいんだということだろうというふうに思うんですね。 それで、さらに続けて、「公務員の給与水準をさらに上回る給与を確保する優遇措置や少人数学級編制等のため教職員を増員することを教育水準の向上と同視するといった安易な発想は排し、」と書いてありますよ。少人数学級をふやすために教員を増員するということは安易な発想だと財政制度審議会は指摘しているわけです。要するに、国の金を管理する側は、教育をそういうふうに見ているということですよ。 そういう中で、では子供たちの未来に責任を持つ文部科学省として、あるいは文部科学委員会として、総務省や財務省に対してどう闘っていくのかというのは、いやいや、政府・与党合意でこう書いてありますから理解していますとか、そういうことでは私はないんだろうというふうに思いますし、世界的な教育の流れというものを見たときも、今、二十一世紀は知識、知恵、情報の時代だということで、教育予算というのはとにかくふやそうというふうな方向に向かっているんだというのが世界の流れだというふうに思うんですね。 小坂大臣はイギリスを御視察になられたというふうにお聞きをしておりますが、そのイギリスについての、教育の現場をごらんになられた御報告、並びにイギリスがどう変わったのかということをお聞かせいただきたいというふうに思います。
○小坂国務大臣 今川内委員のおっしゃった昨年六月の、財政を担当される皆さんとしての考え方であって、私どもが反論すれば、いや、それはすべて否定しているんじゃないですよ、だから、そういう少数教育があったりいろいろなことがあることは認めますよ、だけれども、それを金科玉条のようにかざして、すべてイエスと言えと迫ってくるのは気をつけにゃいかぬと言っただけですよ、多分そのような反論をされるんでしょう。ですから、逆に見れば、そういった皆さんも、財政を担当される皆さんも、そういうことが必要なことは認めますよ、だけれども、それを理由にされてすべて押し切られるのは我々としても警戒しますよ、こういう姿勢なんだろうと思いますね。 だから、そういう意味では、私どもは、そういった正当な理由をかざして、やはり教育の理想に向かって今後とも予算の獲得に努める、これは同じ方向性だと思いますので、御支援をお願いしたい、こう思います。 さて、イギリスに行きまして、これはたまたまそのときに、イギリスの教育大臣から教育大臣会合というものの出席要請がございました。それでイギリスへ行ったわけでございますが、ちょうどそのときにICT、英国教育技術省がやっておりますインフォメーション・コミュニケーション・テクノロジー・フェアというのもやっておりましたので、それも見てまいりました。あわせて、現地の小中学校、幼児教育、それぞれの現場も実際に見てまいりました。それは、一つは、自分が駐在をしておったときに自分の子供を通わせたところ、そこで受けた印象と、今日の、文部科学大臣に就任してからのそれなりに得た知識をもとにもう一回見直してみよう、そんなことを思って見てまいりました。 結論を一言で申し上げれば、保守党のサッチャー政権からブレア政権に移っても、教育に関しての基本的な考え方は余り変わっておらぬですね、あの国は。常に政権の重要課題としてとらえて、人材育成が国の発展の基礎である、こういうところの視点はぶれていない。 そして、ナショナルカリキュラムによる目標の設定というのを行っております。ICTの充実ということで、義務教育費の全額国庫負担という制度を本年の四月から導入して基盤の整備を図る、こういう改革を行っておりますし、学校の裁量の拡大ということによる分権改革というものもやっておられます。 全国の学力テスト、学校評価、そしてその結果の検証ということをやっておりまして、標準に二年連続して達成しない学校は廃校ということもその権限の中に入っている。経営者を入れかえるとか、そういったことまでも、強制的な措置までも持っている。そういう意味で、インプット、それからプロセス、そしてアウトカムという、私どもで言うところのPDCAのサイクルを、義務教育の質を保証するシステムとして、彼らはもう既に確立しているように思いました。 そういった印象から、各般にわたって参考とすべきものは多いな、そう考えてきたのが印象でございます。
○川内委員 今大臣から御報告がございましたとおり、イギリスでは、二〇〇六年度から義務教育費が全額国庫負担になる、しかもその財源、ではどこから持ってくるんだというと、地方交付税、地方交付税を大幅に削減して教育の予算に振りかえるというふうに聞いておるんですが、私の理解でよろしいでしょうか。
○小坂国務大臣 基本的にはそのとおりでございます。 ルース・ケリー教育・技能大臣、それからジャッキー・スミス学校教育担当大臣、これらの皆さんとも会談をいたしましたが、女性の、非常に意欲的な大臣でいらっしゃって、教育に対する取り組みの積極性というものが会談の中にもあらわれるような、非常に能弁で、非常に説得力のあるお話でございました。今後の英国教育の推移をしっかり見守っていく必要がある、こう思っております。
○川内委員 大臣、せっかくすばらしい制度をごらんになられてきたわけでございますから、今、日本でやられていることは、イギリスで行われている教育の改革と全く逆方向のことが行われているわけでございまして、そういう意味では、子供たちのための改革、教育改革でなければならないというその原点についてはお互いに認識を共有するわけでございますし、そのために、これからも教育にかかわる議論を詰めてやらせていただきたいというふうに思います。 きょう、せっかく小坂大臣にお話ができるので、たくさん質問を用意してまいったのでございますが、もう私の時間が既に切れてしまいますし、馳副大臣にも、何か途中からお運びをいただいてありがとうございます。せっかくですが、御答弁いただく機会もなくて恐縮でございます。 最後に、私は、今回の、三分の一に国庫負担割合が削減をされる、これは、文部科学省の方針とも中教審の答申とも相入れない、文部科学省にとっては本当に厳しい結果であったというふうに思います。しかし、それを厳しい結果だと受けとめて、ここからどうやっていくのかということについて、私も議論に参加をさせていただいて御協力を申し上げたいというふうに思いますが、小坂大臣は、中教審の鳥居会長を初め委員の先生方に、今回のこの一連の経緯を何と御説明されたのかということを最後にお尋ねさせていただきたいと思います。
○小坂国務大臣 鳥居会長を初め中教審の委員の皆さんには、審議会に出席をいたしまして、先ほど来申し上げたように、中教審の答申は真摯に受けとめさせていただきます、一方、三位一体改革を推進する小泉内閣の閣僚としての責任を持って、この問題、幅広く国民の意見も聞く中で、最終的な結論を出したいと思っております、その結論を出す段階において皆さんの御理解を賜りたい、こういうふうに申し上げて、その後も、進展状況等、それなりに情報交換をさせていただきました。 最終的に結論を出したことに対して、やむを得ないという私どもの、非常に厳しい中での結論だということを御理解いただいたように思っております。
○川内委員 では、時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。
○遠藤委員長 石井郁子さん。
○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。 提出の法案について質問をいたします。 ただいまも義務教育の根幹とは何かということをめぐってのやりとりがございました。私は、これはやはり大変大事な問題だと思いますので、はっきりさせなくてはいけないというふうに考えております。 その点からでございますけれども、先日の委員会で牧議員とのやりとりがございまして、それを聞いていて思ったんですけれども、現在、文部科学大臣の姿勢が、これまでの文部科学大臣の答弁からも大幅に後退しているんじゃないか、そう言わざるを得ないわけであります。 小坂大臣の御答弁ですが、二分の一から三分の一に引き下げるという、数字はいじらせていただきましたけれども、義務教育費の国庫負担制度というこの安定した財源保障制度は堅持するということを表明させていただく、この構造改革を推進する上で、結論を出させていただいたということだったと思います。 そこで、端的に伺いますが、二分の一から三分の一に引き下げたというものは、教職員の給与費なんでしょうか、確認させてください。
○小坂国務大臣 これは、義務教育の教職員の給与費でございます。
○石井(郁)委員 そのような御答弁なんですね。 では、その給与費ということについていえば、当委員会でこれまでの大臣がどのような答弁をされていたかということなんですね。私はそこを大変こだわりたいというふうに思っております。 二〇〇三年度、この年には、教職員の共済費の長期給付、公務災害補償基金負担金が一般財源化されました。その際に、遠山文部科学大臣でございましたけれども、このようにおっしゃっていたんですね。義務教育の根幹は守る、根幹とは教職員に支払われる給与費ということになる、その根幹である給与費についてはしっかりと守っていきたい、給与費はしっかりと守っていきたいと。翌年、二〇〇四年には退職手当と児童手当が一般財源化されました。そのときは、河村文部科学大臣でございましたが、このようにおっしゃっていたんです。給与費、これが根幹で、この根幹を守ることによって基本理念を貫くことができる。給与費はしっかり守っていく。以上が、二〇〇三年、四年、文科大臣の御答弁でございました。 ですから、そういう御答弁をいただいて、国会としては、当委員会としては、あるいは国民も、給与費は守られるものだ、こういう理解をするわけですよ。ところが、この給与費を二分の一から三分の一に削減した。これは守ったことにならないんじゃないですか。これまでの答弁に反することを大臣が行ったんだというふうに言わざるを得ないんですが、いかがでしょう。
○小坂国務大臣 全くぶれていないんじゃないでしょうか。義務教育の教職員給与費の全額を国と地方の負担で保障しているという、この全額保障制度は維持されているわけですよね。どこが削減したことになるんでしょうか。
○石井(郁)委員 だって、二分の一から三分の一に国が減らしたんですから。給与費の国の負担二分の一を守るというのがこれまでの大臣の御答弁じゃないんですか。その意味で、削った、これは守ったことになりませんよ。単純な話じゃないんでしょうか。
○小坂国務大臣 御指摘のように、二分の一から三分の一と数字は変化をいたしました。しかし、では義務教育の教職員の給与費が引き下げられたのかといえば、そうではないですよね。これは御理解いただいていると思います。では、それをどこが負担するかということにおいての負担割合は変わりました。しかし、義務教育の教職員給与費の全額を国と地方で保障する、このことは変わっていないわけですので、おっしゃるものには当たらないと思いますが、いかがでしょうか。
○石井(郁)委員 これだけでやりとりをしていたら、何かレトリックのようなものになってしまって、ぐあいが悪いなと思うんですけれども。 確認をいたしますが、昨年十月二十六日の中教審答申は、国は、その責務として、義務教育の根幹、機会均等、水準確保、無償制を保障する、国家、社会の基盤がいささかも揺らぐことのないようにしなければならないと。その上で、義務教育制度の根幹を維持する、国の責任を引き続き堅持するためには、国と地方の負担により義務教育の教職員給与費の全額が保障されるという意味で、現行の負担率二分の一の国庫負担制度はすぐれた保障方法である、今後維持されるべきだというのでございました。 ところが、先ほど来出ている十一月三十日の政府・与党合意では、費用負担については、小中学校を通じて国庫負担の割合は三分の一とする、八千五百億円程度の税源移譲を確実に実施することになったわけですね。 そこで、中教審の鳥居会長が、これは三月五日の毎日新聞だったと思いますが、このように述べておられます。「そこには何の教育論もない。」「残念な結果であった。」と。私は、文部科学省としてこういう中教審の答申を覆す結論を導いたわけですから、一体どのような教育論的検討を行った上でのことなのか、お答えいただきたいと思います。
○小坂国務大臣 私、ずっと申し上げております。中教審答申の数字をそのまま守ることはできなかったことは認めております、二分の一から三分の一と変更したわけですから。 しかし、中教審答申の中でも言われている、このすぐれた制度の根幹というものは全額を保障するということでありまして、国と地方がそれぞれに分担をして全額を保障するというこの制度の根幹は守ったというふうに思っておりますし、鳥居会長もその三月五日の新聞のコメントの中で、「ただし、政府と与党が、負担率を引き下げても「義務教育費国庫負担制度を堅持する」と合意したのは、せめてもの良識であった。」ということで、大変苦しい中だったんだろう、しかし、これを守ってくれたことはそれなりに評価するというふうに言っていただいていることからも、御理解いただけると思っております。
○石井(郁)委員 しかし、鳥居会長はこうも言っておられるんですね。「政府内の議論は中教審答申が出るやいなや迷走した。「三兆円の税源移譲を実現するためには、義務教育費を外せない」という数字合わせが先行し、もともと「暫定」だった義務教育費八千五百億円の削減が、いつの間にか既定路線となって、国庫負担率の引き下げが決まった。」というふうに述べていますね。 このように、三兆円の税源移譲のために義務教育費国庫負担が使われたということではないんでしょうか。教育論というのが見えない中で、教育の機会均等や全国の水準の維持、確保という、本当に将来困難をもたらすような結果を導いたのではないかと言わざるを得ないわけです。 そこで、地方が一体どういう声を上げているかなんですね。これは地方の声だ声だというふうに言われるわけですから、改めてお聞きしたいんですけれども、昨年、ことしでもいいんですが、義務教育費国庫負担堅持を求める意見書を出した自治体はどのくらいあるでしょうか。昨年度以降の場合は幾らなのか。何%の自治体がやはり堅持してほしいという意見書を出しておられるのか。これをお尋ねします。
○銭谷政府参考人 義務教育費国庫負担制度をめぐりましてさまざまな意見が寄せられているわけでございますが、地方議会からの地方自治法に基づく義務教育費国庫負担制度堅持を求める意見書は、平成十六年度は、十四都道県、千三百六十四市区町村から出ております。平成十七年度は、三月七日現在で、十二県、千六十五市区町村から提出をされております。 これを十六年、十七年で通算してみますと、三月七日現在で、四十七都道府県の三六%に当たる十七都道県、それから市区町村では、市区町村数全体の六五%に当たる千二百九十四市区町村から提出をされております。
○石井(郁)委員 今お示しいただきましたように、市区町村でいいますと、全国の六割を超えているということですよね。大変な数だというふうに思うんです。だから、ここには、国の負担削減によって、独自財源の少ない地方では、本当に大丈夫なのか、教育費確保が困難になるのではないか、この懸念がやはり表明されているというふうに思うんですね。 そこで伺いたいのは、文科省はさきに、義務教育費の国庫負担金を廃止した場合、つまり税源移譲を、全額移譲した場合、四十道府県で財源不足が生じる、ある県、高知県の場合は四五・五%も減少するというような試算を発表されました。それは大変な驚きだったんですよね。 それでは、国庫負担金を二分の一から三分の一に削減した場合はどのような影響が出るのか。これはシミュレーションなり試算なりしているでしょうか。
○銭谷政府参考人 今回、義務教育費国庫負担金の負担割合を二分の一から三分の一に引き下げることによりまして、各都道府県に交付される義務教育費国庫負担金が減額となるわけでございます。この減額分の八千四百六十七億円につきましては、十八年度においては所得譲与税として地方に税源移譲されるわけでございます。 いろいろ計算をいたしまして、シミュレーションしまして、この税源移譲額を各都道府県ごとに見ますと、三分の一の国庫負担金の額に所得譲与税を加えた額、これが一つの額でございますね、それと二分の一の国庫負担金として各県に行く額、これを比較いたしますと、三分の一の国庫負担金の額に所得譲与税を加えた額は二分の一の国庫負担金の額と比べて三十九府県で不足が生ずるものと推計をされております。 なお、この不足分については地方交付税により措置されるものと承知をいたしております。
○石井(郁)委員 三十九府県でマイナスとなるということのようですね。 もう少し具体的に、例えばプラスになる県もあるんだと思うんですよ。しかし、大幅にマイナスになる、特に大きくマイナスになる県、二、三の例を挙げてお示しいただけませんか。
○銭谷政府参考人 所得譲与税と三分の一の国庫負担金として各県に参ります金額が二分の一の国庫負担金と比べましてふえる県でございますけれども、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、大阪府、兵庫県、こういった県がふえる県でございます。これ以外の県は減る県ということになります。 減る額については、いろいろございますけれども、やはり北海道、東北、九州、四国などの県ではかなりの減額になるということでございます。
○石井(郁)委員 私は、やはりこういう試算を出していただかないときちんとした審議ができないというふうに思いましたので、文科省にお願いをしました。やっと私も、けさいただいたんですよ、このペーパー、何度も請求をして。 私は、こういうのは当然、試算をしていると思いましたし、出してほしかったわけですけれども、それを見ると、今お話しのように、東京都では三百十一億円もプラスになるんですね。ところが、北海道ではマイナス五十六億円だ、青森二十七億円マイナス、岩手も二十九億円マイナス、九州長崎二十七億円、熊本も二十八億円マイナス。だから、本当に御答弁でわかりますように、大きな県、まさに都市部ではプラスに行くけれども、いわば地方では本当にマイナスになるという結果が出ているんですね。 私は、こういう資料は本当に委員会で全部配付をしていただきたいということもお願いしたいと思いますが、まさに、全額移譲した場合に四十道府県で税源不足が生じるという結果に驚きましたけれども、結局、三分の一削ったということでも三十九の府県にこういうマイナスの影響が出る。しかも、格差が非常に大きい。プラス・マイナスはこんなに開いている。来年度でこれだけ広がっていけば、この先これはどんどん拡大するんじゃないでしょうか。 まさに、今、教育の格差ということが、地方間格差ということが大問題になっているときに、本当にこういうことをやっていいのかということを思わざるを得ないんですが、この点では、大臣はいかがでしょうか。
○銭谷政府参考人 二分の一から三分の一に引き下がることによりまして、所得譲与税として税源移譲される額にこういう県による差がございますので、その不足分については地方交付税により措置されるわけでございます。 私どもとしては、平成十八年度、実際に、教職員の給与費について、各県がどういう予算措置をしているのかをやはり確認する必要がございますので、各県に対してずっと確認を続けていたわけでございますけれども、これまで私どもが承知している範囲では、二分の一から三分の一になったことによりまして、大幅な教職員給与の減とか、そういうことをした県はございませんで、いずれも必要な教職員給与費を確実に予算措置をし、標準法を踏まえた適正な配置について現在確保される見込みであるという報告が来ております。 今後とも、私どもとしては、義務教育の水準の維持向上のために、各都道府県における予算の措置状況等について把握をしつつ、必要に応じて指導助言を行っていきたいと思っているところでございます。
○石井(郁)委員 先ほど来、不足分については地方交付税で措置される、地方交付税がある、この御答弁一本やりなんですけれども、では地方交付税というのは本当に確保されるのか。 これ自身も三位一体改革でしょう。これは実際、平成十六年では、三位一体改革で、二十一兆円が、一二%もマイナスですよ。平成十七年度も二十兆円のマイナス。十八年度も十八・八兆円のマイナスですよ。地方交付税はどんどん減り続けるじゃないですか。この影響は本当にもろに地方にかぶさるわけでしょう。どうして義務教育の財源が確保されるという保証があるんですか。これは大臣、いかがでしょうか。
○小坂国務大臣 この改革は、地方交付税を減額はいたしますが、一方で税源移譲を行ってまいります。また、財政力の格差を是正するための交付税的な措置というものは、今後ともこれを維持していくということについては総務大臣もおっしゃっております。 そういう意味で、地方の財政力の差による本来の標準法が確保できないという状況は絶対生まないように対策をとっていく、こういうことだと思っております。
○石井(郁)委員 もう時間になりましたので、審議は始まったばかりですし、これからもしっかりとしたデータに基づいて審議を進めていきたいというふうに私は思います。 それで、先ほど出ておりましたけれども、今後の推計ですね、向こう十年間どうなっていくのか、教職員の人件費というのは急増するんじゃないか、それからまた退職金や共済手当金もふえていくんじゃないか、それをみんな一般財源化する、本当にどうしていくのかという問題についてもぜひお尋ねしたかったわけですけれども、それは次回に回すことにいたします。 どうもありがとうございました。
○遠藤委員長 保坂展人君。
○保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。 小坂大臣にまず伺いたいんですけれども、二年前、二〇〇四年の知事会では、義務教育費は削減すべき優先度が最も低い九番のバッターだと呼ばれていた。ところが、去年の、先ほど来の議論で、繰り返しになりますけれども、義務教育費はむしろ廃止、削減のトップバッターとしてねらわれてしまった。これはなぜだったかという大臣の所感、お願いします。
○小坂国務大臣 決してトップバッターという認識は持っておりません。
○保坂(展)委員 当時、初中局長以下、文部省挙げて、この問題は省を挙げて異議申し立てしようということで、顔のない官僚じゃなくて、ちゃんと顔を出して、雑誌に寄稿したりしているわけですね。 これは、初中局長、いかがですか。あろうことか義務教育費が廃止、削減のトップバッターに押し出されて、死球を見舞われようとしている、当時こういう認識はあったんじゃないですか。
○銭谷政府参考人 三位一体の改革につきましては、一昨年、地方六団体から補助金の廃止、縮減案を提出していただき、それを踏まえて、政府として、平成十八年度までの補助金の廃止、縮減、税源移譲を検討しよう、こういうことになったわけでございます。 一昨年の八月に全国知事会を初めとする六団体が、私どもが担当しております義務教育費国庫負担金についても、相当の議論の後に出してきたということだと思っております。
○保坂(展)委員 何を言っているかよくわかんないんですけれども、もう一回、大臣に聞きますね。 例えば、公共事業のように、政官業のもたれ合い体質が強い分野ではなくて、教育や児童福祉という抵抗が少ない、特に義務教育の直接の受益者は子供たちである、選挙権もない、こういう政治的に弱いところがねらい撃ちされたんじゃないか、こういう認識は、当時、文科省はあったと思うんですが、大臣、いかがですか。
○小坂国務大臣 私はそういう認識を持っておりませんで、やはり教育というのは、みんなが充実していくべきだ、こう考えている中でそれなりの配慮が行われている、このように思っております。
○保坂(展)委員 質問に先立って、これは、初中局の教育企画課長さんが力を込めて書いている論文ですよ。大変よく書けて、すっきり、あ、なるほど、ここまで文科省きちっと言ったんだと大変高く評価しますが、それはもうよくないということですか、大臣。その立場、もう清算して、今一切知らぬ、こういうことですか。いや、大臣に聞いているんですよ。大臣。
○銭谷政府参考人 先ほど話が途中になってしまいまして失礼いたしましたが、地方六団体から補助金の廃止、縮減案が出てきまして、その中に、義務教育費国庫負担金について、最初中学校分、最終的に一般財源化という案が出てきたときに、私どもといたしましては、義務教育費国庫負担金の必要性というものについては、これはきちんと主張してきたところでございます。その一環として、ただいまお示しの課長の文章もあるということでございます。
○保坂(展)委員 つまり、あるわけですよね。あるということを、そこは今大臣がどのように引き継がれているのかどうかちょっと、後ほどまた聞きますけれども。 総務省の方に来ていただいていると思うんですが、これはもう端的に、昨年、いわゆる国庫負担率の二分の一から三分の一という、これは恒久的な結論であるというふうに認識しているのかどうなのか、恒久的な結論というふうに見ているかどうか、これは明確に答弁してください。
○瀧野政府参考人 今回の国庫補助負担金の見直しにつきましては、三位一体改革について一応の区切りということでございまして、そういった中で、義務教育国庫負担金につきましても制度の根幹を維持するということでございますから、そういう方向での結論を得たものというふうに考えております。 ただ、今後、地方分権につきまして、いろいろな議論もありますし、また教育のいろいろな地方団体あるいは国との役割分担についても議論をするということでございますので、そういった中で、当然この財政負担のことも検討の対象にはなるだろうというふうに考えております。
○保坂(展)委員 次にもう一回だけ総務省に聞いてから、また大臣に聞きます。 今の答弁だと、一つの区切りだった、去年はですよ。恒久的な結論だとは言わないですね、総務省はね。国と地方の財政のあり方についてもなお検討していくと。では、総務省、もう一回聞きますが、恒久的に検討していくという感じですか。ずっと検討していくということなのか。
○瀧野政府参考人 これは国と地方の役割分担というのが基本にあると思うわけでございます。義務教について、国の責任はどうなのか、地方の責任はどうなのかという基本的な議論が根っこにあって、その上で、負担金の負担率をどういうふうにするか、こういう議論だというふうに我々も考えておりますので、国と地方の役割分担をどういうふうにするかという議論がいろいろな局面で今後出てくると思いますけれども、そういう議論が出てくれば、それと表裏の関係として、負担率をどうするかという議論は常に出てくるものだろうというふうに考えています。
○保坂(展)委員 今二回やりとりをしたように、大臣、いかがでしょうかね。私たちは今の答弁を聞いて、一つの区切り、それはまたことし区切りがあるのかな、こういう感じにも受け取れるんですが、いかがですか。
○小坂国務大臣 この一連の議論、すなわち暫定という議論が昨年度あって、そして今年度、中教審の答申を踏まえた上で今後の恒久的な措置について結論を得るとされている中で議論をしてまいりました。 先ほども他の委員の方に申し上げたんですが、私は、まさに小泉総理が改革に終わりなしとおっしゃっていますが、未来永劫この制度は変わらないとか、負担制度も未来永劫負担率も含めて何も変わらない、こういうことはないということは委員もお認めになると思いますし、そういう視点に立った上で、今後の国と地方のあり方というのはいろいろなところでなされてくるだろうと思うんですね。 道州制度議論というものもありますし、道州制のその道州というのはどういう位置づけになるのかというのはまだこれからの議論を待つところでありますが、これは常に、国と地方の中間的な位置づけということになってくると、では、ここに対しては国の権限を渡すのか、地方の権限を吸い上げるのか、どういうふうになるのかという議論もこれからあるわけですから、それをすべて否定してしまっては、これは議論にならないということを総務大臣も頭に置いておっしゃっていることだろうと思いますので、そういった議論を否定するわけではありませんが、今日までの引き続き行われてきた負担論議論というものについては、今回の結論が恒久的な意味合いを持つものだというふうに私どもは理解しております。
○保坂(展)委員 当然それは議論はしなければいけない。それで、議論を深くしなければいけないと思います。 先ほど同僚議員からも出ていましたけれども、子供の数がずっと減っているわけですね。そうすると、教員需要も、人件費も、子供が減るんだから減るのかなと表面的には見えるわけですけれども、ところが、それは全く逆になっている。これから十年以上にわたって財政の事情が国も地方もよくない中で、義務教育費も負担増が続いていく、そして教員も大量に足らなくなる、こういう問題があります。 教員の年齢構成、先ほども出ていましたけれども、一般社会では〇七年問題、いわゆる団塊世代が大量にこれから退職するという問題が社会問題ですが、教員の世界では団塊ジュニアの学齢期、このときに大量に採用された先生方が四十五歳を中心にしながら大きな塊をつくっているわけですね。この方々がこれから十年後ぐらいから大量退職の時代を迎える。二〇一六年ぐらいには退職金だけで全国的に四千億円のレベルに膨れ上がるんじゃないかという指摘もあります。 大量に退職する、これに対して、先ほど小坂大臣は、新採だけじゃなくて人生のベテラン、いわば年配の方も、あるいは社会人も登用してということをおっしゃいましたけれども、大変教員の年齢構成がいびつで、二十代、三十代、余りいないわけですね。教員採用、非常に控えられていた。今ここへ来て、首都圏中心にどんどん倍率が下がっている。教員のなり手が少なくなっている。教員養成学部を出た人全部丸ごと教員になっても足らないんじゃないか、こういう事態があると思います。 このあたりのことについて、大変、財源的にもこれから厳しい時代に入るということを踏まえた認識、これから地方が抱えなければいけない、いわゆる大量退職問題について大臣の見解を伺いたいと思います。
○銭谷政府参考人 今後の教職員の退職あるいは採用の見通しでございますけれども、今後退職者数それから採用者数とも少しずつ増加をしていくというのは今先生御指摘のとおりでございます。ちなみに数を申し上げますと、例えば現在は退職者数が一万七千人ぐらいですが、これがあと数年いたしますと二万人ぐらいになります。それから、採用者数も一万六千人ぐらいでございますが、これも数年、二十二年を仮に置きますと一万八千人ぐらいになるということで、これからの退職者数と採用者数は少しずつふえていく傾向にあるのは間違いございません。 ただ、私どもといたしましては、先ほど他の委員の方に大臣の方からもお答えを申し上げましたけれども、受験者はまだまだたくさんいるということ、それから新規卒業者の採用の割合は三割以下であること等々から、今後採用が必要な数を確保できないような教員不足を生ずることはないというふうに考えているところでございます。
○保坂(展)委員 今、聞く前に数字を答えていただいたんですが、大臣にもう一度ぜひやっていただきたいということなんですけれども、いわばこの退職金の問題とかは、もうわかるわけですね、試算ができる。そうすると、義務教育の人件費をこれからこの国はどのぐらい準備、手だてをしなければいけないのか。これに対するきちっとしたシミュレーションを出していただいて、その上で国と地方の分担のあり方もきちっと議論すべきじゃないか。教育論として、三位一体改革の中での国庫負担全廃はよくないという話が前面に出ましたけれども、財政の話からしっかりしていった方がいいんじゃないかということも含めてお答えいただきたいと思います。
○小坂国務大臣 もう既に私が答えたいところは局長の方が先に答えましたが、一番答えにくい部分なんですが、はっきり言うと。 シミュレーションをやってと一言で言われましても、給与水準というのは、総額裁量制を導入したことによりまして、水準を都道府県で決めるということが可能になっておりまして、それを踏まえると、私どもの方で一律的に推計をして決めるわけにはなかなかいかぬ。したがって、各都道府県のそれぞれの考え方に基づいて、今後の採用動向、そういったものも踏まえて、すなわち上積みをするとかそういうこともあるわけですから、そういうものも踏まえて、各都道府県別にそういった将来の退職金需要等も計算して準備をしていただく、これが必要なんだと思うんですね。 ですから、国全体で云々ということもさることながら、まずはそれぞれの都道府県がこれからの将来展望の中でそういう意識を持っていただくように、私どももそれを督励していかなければいかぬと思いますし、そういった考えの中で、残された時間は非常にわずかになってまいりました。先ほど説明をさせていただいたように、平成二十一年に退職者数が四千人増、また二十二年には二千人増になるということもありますので、こういったことを踏まえて準備をしていくということは、御指摘のとおりだと思っております。
○保坂(展)委員 先ほど来、教員不足ということは客観的に予想できるし、もう始まっていることですね。 教員不足になっていく、そして、では財政の方は逼迫している。現に二〇〇三年の国庫負担金の教員一人当たりの比較を見てみると、一位は大阪で四百三十三万円で、最下位が鳥取で三百二十二万円、かなり差があるわけですね。年収ベースだと二百万円ぐらい、もう差があるわけですね。これが、さらに地方の責任ということを増していきますと、当然、大都市圏のような税収がしっかりあるところでない地方、ここは非常に厳しい条件しか出せないだろう。そうすると、均等な教育ということが非常に難しくなっていく。教員自体が売り手市場になりますから、いろいろなところで募集をしている、以前と逆ですね、どこを受けてもなかなか採ってくれないというのから、全く逆に、いろいろなところで募集があるといえば、やはり経済的にいい条件を出してくれる方に人材は流れてしまうということは十分考えられるわけですね。その点をどう考えられているのか。 特に、市町村負担の教職員ということも今回の制度でつくられます。というと、ますますそういった地域間格差がこの大量退職と教員不足問題を背景に生まれてこないか、生まれてくるんじゃないかと思いますけれども、大臣、いかがですか。
○小坂国務大臣 物にはいろいろな考え方がございますし、シミュレーションというのはいろいろなシミュレーションをやらなきゃいけませんから、ただいまの保坂委員が御指摘になったことを全面的に否定するつもりは毛頭ございません。しかし、新卒教員が減って教員需要が逼迫するということについては先ほど申し上げましたけれども、既卒の教育学部を出た方々、あるいは特例の特別選考を行って特別免許を与える等のこういった施策もありますし、期間、任期つきの採用ということもありますし、そういった制度を活用しながら有為な人材を集めて、そして教育現場に当たっていただくということもあります。若い人が、年が近い人が子供の、小学校低学年を含めて、そういった児童の担任に当たることがベストだということについては、若干議論があるんだと思うんです。 そういったことを踏まえて、いろいろなバリエーションというものをシミュレーションとして考えていくと、教員の数の逼迫ということの問題は、ある程度知恵を出せば道はまだつくと思っておりますし、また、財源問題についても、今後地方財政を強化していく中でどういった財源を求めるか、そういったことによってこの退職金の手当てというものも、地方自治体においてそれを考えて措置をしていただく、そういう問題意識を持っていただくことが大切だと思いますし、委員の御指摘によって、またそういったことも私どももさらに検討の歩みを速めたい、こう考えております。
○保坂(展)委員 市町村費負担教員と従来の県費教員の間で、同じ学校に行っていると条件がどうなのかとか、これはむしろ市町村費の負担教員の方がこれからメーンになっていくのかとか、非常に重要な問題をこの法案は含んでいると思います。 残念ながら時間になってしまいましたので、また続きをやらせていただきたいと思います。ありがとうございました。 —————————————
○遠藤委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本案審査のため、来る十四日火曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、来る十日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時七分散会