国土交通委員会 第18号
- 発言数
- 185 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2006/05/10
会議録
○林委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、参議院送付、海上物流の基盤強化のための港湾法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省総合政策局長竹歳誠君、鉄道局長梅田春実君、海事局長星野茂夫君、港湾局長鬼頭平三君、政策統括官杉山篤史君、財務省大臣官房審議官青山幸恭君及び厚生労働省職業安定局次長高橋満君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○林委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長安豊君。
○長安委員 おはようございます。民主党の長安豊でございます。 海上物流の基盤強化のための港湾法等の一部を改正する法律案の審議でございます。その中でも、外貿埠頭公社の部分、また水先法の部分について御質問させていただきたいと思うわけであります。 もう御存じのように、昨今、アジアの国々の港湾の整備が進み、日本の港湾の相対的な地位の低下というのが進んでいるわけでございます。そういう中にあって、今回、この外貿埠頭公社を民営化することができるように法律を改正するということでございますけれども、まず、アジアにおける港湾間の競争の現状、また、日本の港湾のそういった相対的地位が低下しているという原因についてどのように分析されているのか、大臣から御所見をお伺いしたいと思います。
○北側国務大臣 近年におきまして、特に東アジア地域の急速な経済の発展が見られております。そういう中にありまして、韓国でいうと釜山ですね、中国では上海、シンセン、そして香港、シンガポール、それぞれ非常に港の機能を著しく強化している現状にございます。そういう意味で、経済が特にグローバル化する中で、特にアジアにおける港の間の競争というのが非常に激しくなっているという現状にございます。 それに比べまして我が国の国際港湾の機能というのが相対的に低下しているというのは、そのとおり事実でございまして、その原因は、コンテナ一つ当たりのコストがやはりそうしたアジアの諸国に比べますと高い、さらには、リードタイムを初めとするサービス水準がやはりアジアの諸国に比べると低い、こうしたことが現状として認めざるを得ないという状況にあるというふうに考えております。
○長安委員 ありがとうございました。 今、日本の港湾の問題点、やはりコストが高い、リードタイムが長い、この二点が大きな理由であろうというお話がございました。まさにそのとおりだと思います。日本が相対的に地位が高かったころというのは、これはなぜかというと、やはりアジア諸国より先駆けて経済発展を遂げた、それが理由でなかったのかな。何かしら国策として港湾を整備したからというよりも、偶然と言ったら失礼かもしれませんけれども、国の経済が他のアジア諸国よりも先に発展したがゆえに地位が高くなったというのが事実かな。 これからは、逆に言うと、アジア諸国も経済的に発展を遂げた中で、いかに戦略を持って港湾、こういったインフラを整備していくかということが重要になるわけであります。そういう意味では、国土交通省としては、スーパー中枢港湾というのを指定して、リードタイムをいかに抑えるか、またコストも抑えるかというようなことに取り組まれているというのは、これは私も賛成すると同時に、さらに頑張っていただきたいなと思うわけであります。 これはまさに、例えば国を考えたときの空港というものも同じものだと思うわけであります。私も、この国土交通委員会に所属してはや二年半がたちました。この間、日本の国内の空港というものをいかに整備していくかというのに関心を持って見てまいりました。 一方で、アジア諸国、例えば韓国、シンガポール、また中国、こういった国々は、空港を整備して、人、物、お金のハブといいますか拠点になるべく整備を進めている。 日本の中を見たときには、確かに、日本には一番メーンであります成田という国際空港がある、関西には関西国際空港というものがある。そういう中にあって、関西を見たときに、この関西国際空港は、国際線がメーン、また国内線も飛んでいる、こういった際内乗り継ぎを便利にすることによって競争力を高めるということが、いまいちうまくいかなかったわけであります。これはやはり、関西の中に神戸、伊丹、関空という三つの空港がある中にあって、それぞれがまず経営母体が違う、経営母体が違うがゆえにそれぞれが国内線を取り合いしてしまう。そういう結果、やはりJALと日本エアシステムの合併等もあって、国内線が関空から伊丹へ移動してしまうという流れがあるわけです。ここは、港湾と同じように国益を考えたときに、やはり日本は、成田と関西国際空港というこの二つの空港をいかに整備して、また発展させていくかというのが国益に一番かなうことではないかな、重要なポイントだと思うわけであります。 話がそれましたけれども、今回の法案について御質問をさらにさせていただきます。 今回、この外貿埠頭公社を民営化することができるということが法案の中に書かれているわけでございますけれども、まず、その民営化する背景、理由をお伺いしたいということと、逆に言いますと、民営化でなければ解決できない問題なのか、また、さらには、民営化が果たして最適解なのか、その点について御説明をお伺いしたいと思います。
○鬼頭政府参考人 お答えを申し上げます。 今お尋ねのありました外貿埠頭公社、この公社につきましては、御承知のとおり、昭和五十七年当時の特殊法人改革に伴いまして、当時東京湾と大阪湾に二つありました外貿埠頭公団、この公団が行っております外貿埠頭の整備と管理運営業務を承継するということで、港湾管理者が一〇〇%出資をする財団法人として設立をされたわけであります。その後も、我が国の主要港が国際海上輸送の急速なコンテナ化に対応していく上で、この公社は引き続き大きな役割を果たしているところでございます。 しかしながら、先ほど大臣からの答弁にもございましたように、近年の近隣アジア諸港との国際競争が大変激しさを増す中で、港湾コストの上昇を極力抑える必要があります。そういう意味で、管理運営の効率化によるコスト削減、あるいはサービスの向上が強く求められているところでございます。 また、従来、この埠頭公社が持っておりますターミナル、これだけに認められておりました民間事業者に対する専用使用、専用的に貸し付け、使用させるということですが、今回のこの法律、今提出をさせていただいております法律の中にも盛り込まれておりますように、行政財産の貸付制度を特区制度の全国展開として考えてございますが、一般の重要港湾の公共埠頭でも可能となるようにしたいと思っておりまして、公社方式による埠頭の管理運営の必要性が昔に比べれば薄れてきているという状況にございます。 そういう状況に照らしまして、我が国のコンテナ貨物の約半分をこの公社埠頭が取り扱っているわけでございますが、この公社埠頭の管理運営を効率化させるためには、埠頭公社を株式会社化することが極めて有効でありますし、また、我が国港湾の国際競争力の向上にとっても必要不可欠であるというふうに私ども考えてございます。 なお、こういった民間の会社がコンテナターミナルを運営するというやり方については、先ほど大臣からも御紹介のありました、幾つかの外国の港においてもかなり世界的な潮流になっておりまして、従来のコンテナターミナルがコストセンターという感じでありましたけれども、それはプロフィットセンターという形で、そこからやはり収益を上げて、いかにサービスをよくしていくかということにしのぎを削っている、そんな状況にあることもまた事実でございます。
○長安委員 今、局長からお話ございました、競争力を高めるためにコストの削減、サービスの向上、そういったためには民営化しなければならないというお話、なるほど、納得できるわけであります。 であるにもかかわらず、今回の法律では、すべての埠頭公社を株式会社化するのではなくて、株式会社となるかどうかを選択できるという制度にしているわけですけれども、そういう意味では、サービスの向上、コスト削減ができるのであれば株式会社化してしまえばいいわけなんですけれども、そこを選択制とした理由についてお伺いさせていただけますでしょうか。
○鬼頭政府参考人 お答えをいたします。 先ほど申し上げました外貿埠頭公社の株式会社化につきましては、お話をいたしましたような外貿コンテナ貨物の約五割を取り扱う公社埠頭の管理運営の効率化、大変重要でございますので、私どもといたしましては、すべての公社において速やかに実現をされるということを強く期待しております。 他方、この外貿埠頭公社は、先ほどお答えを申し上げましたように、港湾管理者である地方公共団体が設立をした財団法人でございまして、その組織の変更につきましては、地方自治を基本とする港湾法の体系のもとで港湾管理者の意思を十分尊重しながら進める必要があることから、今回の法案では、埠頭公社の株式会社化を可能とするという枠組みを用意したということでございます。 ただ、国としても、先ほど言いましたように、すべての公社が株式会社化するということが望ましいというふうに思っておりますので、新会社に対する規制緩和でありますとか、無利子の貸付金等の予算措置、あるいは税制優遇措置等々、最大限の支援を行うことによりまして、こういった施策を通じて外貿埠頭公社の株式会社化を促進していきたいというふうに考えております。
○長安委員 ありがとうございました。 株式会社化、やはりこれは私も進めるべきだと思います。ぜひ、これは地方公共団体がメーンプレーヤーになるというお話でございます。これはそのとおりだと思います。しっかりと、国としても地方公共団体に対して綿密に、密に連絡をとりながら、株式会社化できるように指導助言していっていただきたいなと思うわけでございます。 ただ、ここで一つ指摘をさせていただきたいのは、先ほど、専用貸付制度が、行政財産の専用貸し付けができるようになるんだというお話がございました。そのとおりです。だからこそもっと早くしなければならなかったということも言えるわけであります。遅きに失したと言えるのではないでしょうか。これだけ日本の地位が低下した状況で初めてそれに取り組んでいく、もう少し早く予防的措置として取り組んでいくべきではないか。 これは先ほどの空港の話も同じでございます。日本の地位が相対的に低下してから取り組むのではなくて、その可能性があるときにいかに先手を打っていくか、これが今求められているのではないかと思うわけです。防災などでは予防的な措置ということで事前の取り組みをされるわけですけれども、こういったことに関してはやはり後手後手になっていると言わざるを得ないのかなという気がいたします。 次に参ります。 外貿埠頭公社の経営の状況を見させていただきますと、借入金を資金調達することによってコンテナターミナルを建設といいますか、整備してきたわけでございます。一方で、そのターミナルを貸し付けすることによって料金を回収するという整備のモデルをとってきたわけでございます。どの公社もそういう意味では長期の借入金を当然持っているわけでございますけれども、そのうちの六割は基本的には無利子の貸付金だと聞いておりますけれども、残り四割は有利子負債だということでございます。各外貿埠頭公社の決算書類を見てみますと、営業収入を上回る金額の長期の有利子負債を持っているというようなところもあるわけでありますけれども、これは、ちょっと民間の企業で考えた場合には過剰な債務ではないかなとも思うわけであります。 昨今は金利が低く推移しておりました。今後、景気の回復を受けて金利の上昇機運が高まっているわけでございます。そういう中にあって、金利上昇が発生したときの財務状況が悪化する心配がないのかということと、逆に、今回民営化することによって、そういった負債を負わせたまま民営化するわけでございます。 これは、空港の話ばかりで恐縮ですけれども、まさに関西国際空港も同様で、多くの借金を背負わされたまま民営化されるとやはり経営が厳しくなる。経営が厳しくなったときに、これは関西国際空港の話ではございませんけれども、その外貿埠頭公社が株式会社となって、ある意味営利主義に走ってしまう。何とか会社の財務状況を、減らしたい、そうなってくると、本来しなければならない投資もせずに、まずは借金返済ばかりに走ってしまうということになって、先ほどもありました、本来港湾の整備というものは国益に資するものであるにもかかわらず、ただ単にみずからの会社の財務状況をよくするためだけに資金の利用が行われて、戦略的な投資というものが萎縮してしまうのではないかと懸念するわけですけれども、その辺の御所見をお伺いしたいと思います。
○鬼頭政府参考人 お答えをいたします。 今般の制度改正は、国際競争力の強化という戦略的な観点から、管理運営の効率化を実現するため株式会社化を可能とするという枠組みを用意させていただいたものでございますので、今委員の方から御指摘のような懸念は多分ないだろうというふうに思ってございます。 ただ、お話のありましたように、外貿埠頭公社は、コンテナターミナルの整備に当たりまして、整備資金の六割を無利子で、四割が有利子の借入金となってございます。株式会社化された後におきましても、先ほど申し上げましたように、施設整備に当たりましては、公社のときと同じ割合で国と港湾管理者から無利子の貸し付けを適用するということにさせていただこうと思ってございます。 なお、ちなみに申し上げますと、この四割の有利子資金の金利でございますが、これは、変動金利ではございませんで、すべて長期固定金利になっておりますので、今後の金利上昇に伴って支払い利息の増加を招くということは、とりあえずは避けられるだろうということを考えてございます。したがいまして、民営化後の株式会社の経営を圧迫するということにはならないだろうというふうに思っております。
○長安委員 今の抱えている負債というのは、当然、固定ですからリスクはないわけですけれども、これから新たな投資をしていこうというときには、当然、長期金利が高くなっている状況では借入金利は高くなるわけですから、そのときにやはり、いかに国も地方公共団体と協力しながら戦略的な投資をしていくように、これは促すまでしかできないかと思いますけれども、促していくことが重要かなと思うわけであります。 それと、先ほど、こういった外貿埠頭というのは、今まではコストセンターという言い方をされましたかね、コストセンターからプロフィットセンターへ変えていくんだというお話がございました。まさにそのとおりであります。こういった埠頭をいかに効率よくもうかるものにしていくか、もうかることによってまたコストも下げられるんだという、この両輪だと思います。 今回、民営化されるということで、この外貿埠頭公社の中身を見させていただきますと、やはり、よく言われます天下りというのが多いわけであります。国交省からもそうでありますし、地方公共団体からも天下りされている方が経営陣になっている。そういう意味では、会社を民営化したから、その方々が突然民間の精神になって、じゃ、もうけるぞという気持ちになるかというと、なかなかそう一足飛びにはいかないわけでございます。ここはやはり、人的な問題も含めて、本当の意味での民営化を進めていくということが将来的に求められているのではないかなということをつけ加えさせていただきます。 続きまして、時間も大分過ぎてきましたので、水先法に関する御質問をさせていただきます。 まず、水先制度の意義について御説明賜りたいのと、今、どうして今回の法改正によって水先制度改革というのを行おうとされているのか、御所見を大臣からお伺いしたいと思います。
○北側国務大臣 水先とは、船舶がふくそうする水域等で水先人が乗り込んで船舶を導いていく、こういう国際的にも実施をされている制度でございます。その目的というのは、船舶交通の安全の確保、また、運航能率を増進させる、それはもちろんでございますけれども、その水域を航行する多数の船舶の安全や港湾機能の保全、海洋汚染防止等にも資するわけでございます。 この水先制度でございますけれども、現状は水先人のなり手が激減をしております。そもそもこの水先人のなり手である船長経験者が減っておりまして、やはり水先人を確保していくための措置をしっかりと講じていかねばならない、これがまず第一点ございます。 さらに、船舶が非常に今大型化しておりまして、そういう大型化が進展する中で、船舶交通の安全確保を図る必要性は高まっているというふうに思います。 さらに、先ほど来御議論がございますように、港湾自体の国際競争が激化している、そういう中で我が国も国際競争力を維持強化していかねばならない、そういう中でやはりコストを縮減せないけないわけですね。港湾サービスの一つでございます水先業務の運営についても同様でございまして、より一層の効率化、的確化を図っていく必要がある。 こういう観点から、今回法改正をお願いしているところでございます。
○長安委員 今回、この水先法の改定によって、従来は国が省令によってこの料金を設定というか決定していたわけですけれども、まず、その料金設定に当たっての算定根拠というのはいかになされていたのか、また逆に、今回この料金設定を上限認可料金に変えられるわけですけれども、これはどのように算定されるのか、御説明をいただきたいと思います。
○星野政府参考人 お答えを申し上げます。 水先料金の算定根拠でございます。 現在の水先料金は、船舶のトン数及び喫水を標準として全国一律の基準により定める、こういうことで制定をいたしております。 具体的な水準につきましては、水先ボートの整備費用その他のいわゆる水先業務にかかわるコスト、これを勘案しつつ、諸外国の水先料金制度の水準なども考慮をいたしまして関係審議会にお諮りをし、その審議を経た上で決定している。当然、省令料金でございますので、料金の設定に当たっては、幅広くパブリックコメントを求め、関係者の意向を確認しながらその制定をしているというのが現在の手続でございます。 改正後の上限認可料金の設定に当たりましては、能率的な経営のもとにおける適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないかどうか、これを国土交通大臣がチェックするという仕組みにしておりまして、いわゆる上限認可制をとることといたしております。 この上限の設定に当たりましては、私ども、今回、各個々の水先人の業務コストにつきまして、一方で、その費用構成その他透明化をする、外部にはっきりわかるような形で整理するという仕組みを備えつつ、それぞれの平均的な、例えば能率のいい水先人もあれば能率の悪い水先人もあるわけですが、平均的な、標準的なコストというものを前提に上限を設定いたしたいと。 そうした形でセットすることによりまして、より業務の効率化に向かうインセンティブを働かせることができるのではないかというふうに考えておりますし、また、個々の水先人が上限の範囲内で自由に料金を設定できる。そういう意味では、平均以上に効率的な業務運営をできる水先人についてはこの上限認可を下回る料金設定も可能になる、そういう形で効率化を促していきたいというふうに思っております。
○長安委員 この上限認可料金、今の御説明を聞きますと、ああ、なるほど、この地域の水先人の料金は上限幾ら幾らですよと一律に決まるのかと思うと、きのうもお話をお伺いしましたら、いや、違います、水先人ごとに上限の金額というのは違うんだという御説明をいただいたわけでございます。私は、ちょっと通常の上限認可という言い方とは違うのかなという気がするわけであります。 そういう意味で、今回この上限料金認可制度の採用を考えられているわけですけれども、先ほどお話ありましたように、それによって水先料金全体として低減すると考えられておられるのか、ちょっと御所見をお伺いしたいと思います。
○星野政府参考人 ただいまお話し申し上げましたように、上限料金認可制度の中に個々の水先人の業務運営の効率化に向けた一応インセンティブが働く仕組みを確保したい。 それともう一つは、今回、水先業務の全体の引き受け窓口を水先人会というところがまとめてやる形になるわけでございますが、その引き受けのルールというものを私どもはしっかり確認する、行政としてチェックする仕組みにいたしております。そのルールの中に、関係者ともいろいろお話をさせていただいておりますけれども、要は、ユーザーの意向、こういう水先人を使いたいというユーザー側の意向をできるだけ配慮した水先人のあっせんを行うということの仕組みをその引き受けルールの中に取り込んでまいりたいというふうに思っておりまして、そういう形で、個々の水先人が業務運営の効率化に向けて努力した結果が現実に引き受けのあっせんに結びつくような仕組み、これをとってまいりたいというふうに思っております。そうしたことで、全体としての業務の効率化に向けてそれぞれ水先人の方々に取り組んでいただくということが図られるのではないかというふうに思っております。 もう一点申し上げますと、今回、水先人のなり手につきまして、供給者の多様化というか、若い方も水先人になることができるというような仕組みを導入いたします。そういう意味では、より多様なサービスの提供が期待できるのではないか、それは、今の水先料金を引き下げる方向に働いてくるのではないかというふうに期待をいたしているところでございます。
○長安委員 水先人会が、当然、今回法人化されて、その中に水先人というものが所属するという形で、水先人会が窓口となって契約をとっていくというか注文をとっていくという形になるのだと思います。そのときに、やはり水先人同士が上限価格の中で競争するということは必要なことだ、価格低減には欠かせないわけであります。 そういう中にあって、昨今言われます、例えば国の入札でもそうであります、予定価格に対して九五%以上の価格で落札されて、これが正規の入札が行われたか競争が行われたかというと、それはある意味疑問であるわけであります。そういう意味では、水先人の価格が自由化されたのに水先人会の中は全部同じだなんという値段が出てきたときにはしっかりと、これは何かしら談合が行われているんじゃないかという監視が必要かなと思うわけであります。ぜひそういったことも監視していただきたいなと思うわけであります。 また、水先人会、今回は法人化が行われるわけでございます。こういった法人化が行われることによって当然運営の透明化が図られるということが一番の目的だと思います。現在までは不透明な部分があった。やはりそこも、法人化するだけではなくて、今申し上げました透明化がいかに行われているかということも適宜チェックしていただきたい、それをお願い申し上げまして質疑を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○林委員長 日森文尋君。
○日森委員 先ほどの大臣の答弁にもございましたが、日本に入港するコンテナ船の荷物の扱い量が、韓国の釜山であるとか台湾の高雄であるとかシンガポール、香港、シンセンもそうですが、そこに比べて非常に伸びが減少しているというお話がございました。それは我々も大変心配しているところなんですが、その原因ということで、港湾の経費がよそよりも三割方高いんじゃないか、あるいは、水先料金をもっと下げろという声や、タグボート、これを安くしろという話が出ているんだと思うんです。 つまり、今度の法案、国際競争力の確保のためということですが、そのためにはコストの削減要求というのが今回の改正案の背景にあるというふうに考えているわけです。 一方、港湾関係事業というのは日本の物流を支える大きな支えになっていますし、非常に公共性が高いということが言えると思うんです。そうすると、コスト競争力を高めるためにコストを削減し削減しという競争原理だけで本当に大丈夫なのか、安全性は担保できるのかというような問題が出てくると思うんですが、これについて国交省の見解をお聞かせいただきたいと思います。
○鬼頭政府参考人 お答えを申し上げます。 先ほど来お話を申し上げておりますが、アジア域内における港湾間競争が大変激しさを増しておりますが、そういう中で、我が国港湾の競争力を強化するためにコスト低減を図る必要があるということでございます。 このため、私どもでは、先ほど来お話に出ておりますスーパー中枢港湾政策への取り組みを加速しておるところでございますが、この政策におきましては、一定規模以上のターミナルにおきまして効果的に大量のコンテナを取り扱うことによってスケールメリットを最大限発揮させながらコンテナ一個当たりのコストを下げようという考え方に基づいておりまして、これによって、今委員から御指摘のありましたような、港湾関係事業の労働者の雇用とか労働条件の引き下げにつながるものではないというふうに考えておりますし、むしろ、コンテナ貨物を増大させることによって波動性を解消することで雇用の安定に寄与することが期待されるところでございます。 その上で、港湾関係事業が、委員から御指摘のありましたように、日本の物流に果たす役割、大変大きいものと認識をしております。いろいろな施策の推進に当たっては、労働関係の安定等には十分配慮していくべきものと考えております。
○日森委員 関連しますけれども、二〇〇〇年の十一月、主要九港で港湾運送事業の規制緩和、これが行われたわけです。内容は触れません。それは、規制緩和だけしたんじゃ大変だからということで一定の歯どめといいますか、そういう施策が、例えば、悪質な事業者の参入を防止するとか、過度のダンピングはだめだというふうなことが行われてきたわけですが、これが全港に拡大されるということになると思うんです。 恐らく、統計をとられているかどうかわかりませんが、これまで規制緩和されてきた主要九港、先ほど労働者の労働条件が下がることはないんだ、雇用の確保につながっていくんだという御答弁がありましたが、ここで、この九港における規制緩和で、港湾労働者の賃金や労働時間、港湾労働者数、これにどのような影響を与えているのか。それについて、これは厚生労働省ですが、どのように評価をしているのかということについて一点お聞きをしたいと思います。 と同時に、この主要九港での規制緩和が港湾運送の安定化策、セーフティーネットですね、これがきっちり機能しないとだめだというふうに思うんですが、それについて、これは国交省になりますが、政府として行政側でどのような取り組みをきっちり行っていくのかという二点についてお伺いしたいと思います。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。 ただいまお話のありましたように、平成十二年十一月から主要九港におきまして、港湾運送事業におきます事業参入につきまして免許制から許可制に、また運賃・料金につきまして認可制から事前届け出制に移る規制緩和策が実施をされたわけでございますが、この規制緩和策が港湾労働者の賃金なり労働時間なりあるいは労働者数なりにどういう影響を与えてきているのか、こういうお尋ねでございます。 平成十二年以降現在までのこれらの変化、推移を見てまいりますと、港湾労働者の賃金でございますが、一月当たり四十万円前後で推移をしております。また、年間総実労働時間でございますが、これは二千二百時間前後でやはり推移をいたしております。それから、労働者数でございますが、私ども、港湾労働法で規定をされております、九港ではなくて六大港でございますが、六大港につきまして常用の港湾労働者を把握いたしておりますが、これにつきましては二万六千人前後でやはり推移しておるということで、特段大きな変化は示しておらないところでございます。 そういう意味では、この規制緩和策によりまして特段労働環境の悪化といったような影響は見られないのではないかと考えているところでございます。 いずれにしましても、私どもといたしましても、今後ともこの規制緩和策が労働市場さらには港湾労働者に悪影響を及ぼさないような形で、国土交通省とも連携しながら対処してまいりたいと考えているところでございます。
○鬼頭政府参考人 お答えを申し上げます。 港湾運送事業の規制緩和の実施によりまして事業者間の競争が促進されます結果、事業の効率化が図られ、サービスが向上するなど、港湾のユーザーにとっての大きなメリットが期待されますが、一方で、競争が激化することによりまして、労働関係が不安定化し、労働争議が頻発をしたり、再び悪質事業者が参入したりして港湾運送の安定が損なわれることのないように所要の安定化策、今委員も御指摘のありましたセーフティーネットを設けることとしたところでございます。 具体的には、今般の地方港における規制緩和策が実施されるに当たりまして、主要九港と同様に、悪質な事業者の参入防止策として欠格事由の拡充や罰則の強化など、あるいは過度のダンピングによる港湾運送の混乱防止策として、緊急監査制度、料金変更命令制度の導入等の措置を実施するとともに、規制緩和に伴う港湾運送の秩序維持、労働関係の安定化、港湾整備のあり方や方向等について関係者間の意見交換を行う場としての港湾安定化協議会を設置したところでございます。
○日森委員 時間がありませんので、最後にちょっと大臣にお伺いしたいと思うんですが、一部の港湾では、強制水先制度、これが規制緩和されたということで、タグボートの利用が減少している、それから料金を切り下げるという圧力が強まっているという話も聞いています。また、水先同乗基準というのがあるそうなんですが、それも規制緩和されたことによって、航行法規を守らないような、一部ですが、そういう外国船舶がふえているとかいう問題も出ているわけです。 水先制度の抜本改革のあり方というのが出されましたが、これに基づく水先人制度の改正というのは、こうした状況に一層拍車をかけるんじゃないかという心配をしているんです。事実、全体とは言いませんが、そういう現実もあるわけですから、今後、重大事故だとかいうことが起きないようにきっちりしていく必要があると思うんです。 その際、制度改革の具体化が進む段階で、引き続き関係団体、協議会をつくっていくという話がございましたが、十分な協議を行う、その中で安全問題や雇用労働問題、これに支障が生じないような万全な体制をつくっていくべきだというふうに思うんですが、大臣の決意をお伺いしたいと思います。
○北側国務大臣 今回の法案を提出するに当たりましても、水先人の方々はもちろんのこと、関係者の方々の御意見を踏まえながら、今回の法案もまとめさせていただきました。 今後さらにこれを具体化していく中で、今委員のおっしゃっているとおり、関係者の方々の御意見をよく聞きながら進めていくのは当然のことでございまして、特に、水先の目的というのは、船舶航行の安全確保を図る、これが一番大事な目的でございまして、その目的を十分達成できるように、関係者の方々の御意見を十分聞かせていただいて進めてまいりたいと考えております。
○日森委員 ありがとうございました。
○林委員長 糸川正晃君。
○糸川委員 国民新党の糸川正晃でございます。 港湾というものは、我が国の物流ネットワークを支える上で大変重要なインフラであり、経済を支える重要な役割を果たしていると認識しております。 また、我が国の港湾の国際競争力を高めるため、三大湾におきましてスーパー中枢港湾政策を進めていこうとすることは国策としても重要である、こういうことも認識しておるわけでございます。 しかし、我が国の外貿貨物の約八割がばら積みの貨物でございまして、この貨物の約八割が地方の港湾で取り扱われておるわけでございます。このような地方の港湾の背後にも多くの産業が立地しておりまして、地方の港湾というものも、地域経済、ひいては我が国の経済を支える上で非常に重要な役割を果たしているのではないかなというふうに考えております。 このため、このスーパー中枢港湾のような大都市港湾の政策だけではなくて、地方経済を支える港湾の振興も重要な国策であるというふうに考えておりますので、国土交通大臣は、これをどのようにお考えでしょうか。お聞かせいただけますでしょうか。
○北側国務大臣 おっしゃっているとおりだと思います。 三つのスーパー中枢港湾だけではなくて、地方にも非常に大切な港湾がたくさんございます。そもそも港というのは物資を運ぶためにあるわけでございますけれども、背後地に非常に優秀な物づくりの産業を抱えた港というのは全国にあちこち、地方港にもたくさんあるわけでございまして、一つの自動車産業であったりそれから家電メーカーであったり、そういう物づくり産業だって都心部だけにあるわけじゃございません。むしろ、地方の至るところに展開をされているわけでございます。 そういう中で、そういう物づくり産業が物流の効率化を図っていくためにどうしていくか。やはりそのすぐ直近にある地方の港からの物資の輸送ということが非常に大事なわけでございまして、そういう意味で、そういうスーパー中枢港湾だけではなくて、地方の港湾の振興も極めて重要であるというふうに考えているところでございます。 ただ、日本というのは四囲が海に囲まれていますから、港だけでもたくさんの港がいっぱいありますので、そういう意味では、限られた予算の中で、やはり事業評価といいますか、そこをしっかりとしながら、地方港湾の振興にも努めてまいりたいと考えております。
○糸川委員 ぜひ、大臣、地方経済を支えるために、日本の経済は中央だけでなくて地方もしっかり支えているんだということを御認識いただいて、お取り組みいただければなというふうに思います。 大臣、参議院の本会議の時間でございますので、どうぞ退席してくださって結構でございます。 スーパー中枢港湾政策におきましては、港湾コストが約三割削減されるということに加えまして、リードタイムを三日から約一日に短縮する、こういう目標を掲げておるというふうに聞いております。このため、多様な関係者の取り組みや努力によって目標を達成していくのではないのかな、こういうふうに期待をしておるわけでございます。 ただ一方で、二〇〇一年の米国同時多発テロを契機として策定されました改正海上人命安全条約、こういうものの発効への対応ですとか、従来実施している港湾でのさまざまな検査がおろそかになっては、国際競争力の強化の努力も無駄になってしまうのではないかな。むしろ、国際競争力の強化のためには、テロ対策やさまざまな検査も確実に行っていく、厳しい方向に、厳しく厳しくという方向に進んでいく必要がある。 そこでお尋ねしますが、スーパー中枢港湾政策と、こういう政策によって港湾におけるリードタイムを現状の三日からシンガポール並みの約一日に短縮する、これは外貿貨物に対する水際対策ですとかテロ対策に十分な時間を使うことができなくなって安全に支障が生ずることにはならないのか、この辺についての御見解をお聞かせいただけますでしょうか。
○鬼頭政府参考人 お答えを申し上げます。 今委員からお話のありました港湾のテロ対策といいますか保安対策につきましては、先ほど来お話をしております港湾の国際競争力にとって大変大きな要素の一つになりつつあるというふうに私どもも考えてございます。その観点から、日本の港湾におきましては、国際的なテロ等に対応するために、一昨年公布されました国際船舶港湾保安法に基づいて埠頭への出入り管理など保安対策を進めているところでございます。 ただ、この保安対策につきましては、物流の効率性とある意味でトレードオフの関係にある部分もございます。そういう意味で、この物流の効率性を阻害しない形で安全性を確保するということが大変重要で、それの具体的な方法について今実証実験などを通じて関係業界団体の方々と検討を進めているところでございます。 今後とも、港湾の物流の効率性と安全性の両立に向けた取り組みを推進していきたいというふうに考えております。
○糸川委員 そうすると、リードタイムを三日から一日程度に短縮しても国交省は安全であるというふうに、安全に取り組むんだという姿勢があるわけでございますが、ただ、実際に水際で今後対応をされるのは、リードタイムの短縮のためには関連手続の迅速化というものも必要であるわけでございます。 これらの手続については複数の官庁が所管しておるわけでございますから、今おっしゃられたように、国土交通省だけではなくて、関係省庁が連携してその迅速化に取り組んでいかなければならないわけでございます。特に通関手続につきましては、貨物の安全性を確保する観点から重要な手続でございます。一方で、手続が迅速に行われるということが重要な課題であるというふうに考えております。 そこでお尋ねいたしますが、リードタイムを短縮するためには通関手続の迅速化が重要でありますが、財務省において、スーパー中枢港湾政策というものを促進する上でどのような取り組みを行っていくのか。例えば、百本あるコンテナのうち、今までは十本検査をしていた、ところが今度は一本にしなければ、リードタイム一日ですることなんか無理なんじゃないか、そういう話であっては協力体制がとれませんので、どういう取り組みを行っていくのか、お聞かせいただけますでしょうか。
○青山政府参考人 お答え申し上げます。 私ども、財務省関税局におきましては、円滑な国際物流の実現ということとあわせまして、当然のことながら、国民の安全、安心を水際で守りますという社会的な要請がございます。これらにこたえる観点からいたしまして、従来から、適正かつ迅速な輸出入通関の確保ということでやっておるわけでございまして、当然この中に、先生御指摘のような港湾におけるリードタイムの短縮等というものも含まれるわけでございます。 制度面におきましては、第一でございますが、国内の貨物の引き取りと納税の申告を分けて行うことができる簡易申告制度、これは平成十二年度、十三年の三月から導入いたしました。さらに、貨物を保税地域に入れることなく輸出申告を行って輸出の許可を行うことができるというような特定輸出申告、これはことしの三月からやっております。 さらに、ことしの、平成十八年の関税改正でございますけれども、外国貿易船に係ります積み荷目録等がございますが、これの入港前の報告を義務化いたしますが、これにあわせまして、貨物の到着が確認され次第輸入を許可する到着即時輸入許可制度というのがございますが、この運用につきまして、これの改善を図るということで各種の施策をやっているというところでございます。 体制とかあるいは通関手続面におきましては、平成十五年の七月からでございますが、全国の主要港湾、これはスーパー中枢港湾はもちろん入りますが、十四官署、十四港におきまして、税関の執務時間外の通関需要に応じまして、要するに夜もやるということで、一定の時間帯に職員を常駐させる通関体制を整備するということもやっておりますし、さらには、コスト面では、執務時間外におきます臨時の執務を求める場合におきまして必要な臨時開庁の手数料というのがございますが、これを一定の要件のもとで半分にするというような措置をやっております。 さらには、これは電算化の話でございますが、通関情報処理システムの導入、拡充ということでございますが、平成二十年の十月でございますけれども、このシステムをより利用しやすくするということで、システム更改を行うのとあわせまして、平成十七年の十二月でございますが、財務省、私どもと国交省を含めた六府省が連携いたしまして、輸出入及び港湾・空港手続関係業務の業務・システム最適化計画というものを策定いたしております。この中におきまして、平成二十年の十月に、府省の共通ポータルを開発いたしまして、次世代のシングルウインドーをつくろうということになっておるわけでございます。 なお、あわせまして、昨年の十一月の十五日でございますが、総合物流施策大綱が策定されたわけでございますが、この中におきまして、「今後推進すべき具体的な物流施策」という中におきましても、スーパー中枢港湾について、船舶入港から貨物引き取りが可能になるまでのリードタイムの一日程度への短縮ということになっておるわけでございます。 私どもといたしましても、当然のことながら、国民の安全、安心の要請にこたえる、そういう意味での適正な通関とあわせまして、迅速な国際物流の円滑化、この両方の要請を満たしてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○糸川委員 ぜひ、安全で迅速な対応というものに取り組んでいただければと思います。 質問を終わります。ありがとうございました。
○林委員長 渡辺具能君。
○渡辺(具)委員 自民党の渡辺具能です。 最初に、ちょっと報告をさせていただきますが、この連休中に、私は地元が博多で、ここにおられる遠藤さんも博多なんですけれども、博多でどんたくがありまして、例年よりもたくさんの人出がありました。どんたくというのは、知っている人は知っているが知らない人は知らないんですけれども、これは港祭りなんです。このことをまず皆さんに御報告いたしますが、大変なにぎわいでした。そのにぎわいの中心地がいわゆる港であったということです。 それから、福岡市はオリンピックの誘致をやっておるわけでありますが、オリンピックをやろうとする場所も港でございます。ライバルの東京もやはりオリンピックの誘致をやっておるわけですが、東京もオリンピックをやるとしたら港でやろうということでございまして、港というのは物流だけではなくていろいろな機能を持っているということを、この際、ぜひ申し上げておきたいと思います。 そして、質問に入りますが、まず最初に、全体的なことでございますので松村副大臣にお伺いいたします。 物流機能の必要性については、これまで、きょう野党の皆様からもひとしく、必要だ、港を整備しなきゃいけない、港の機能を高めなきゃいけないという話がありました。これは、ひとしくみんながそう思っているところであります。 そういう中で、今回の法律が出されたわけでありますが、今回の法律は四つの法律が含まれているわけです。物流といえば、港湾法と外貿埠頭公団承継法、この二つは非常に関係があるというのはよくわかるんですけれども、この四つの中に、水先法とそれからもう一つ鉄道・運輸機構法、この二つが含まれているということなんですけれども、後者の二つは物流機能とどんな関係があるのかなというのを最初、印象として思うわけでありますが、この四つがやはり必要だと。 物流機能を高める上で、なぜ今回この四つの法律を改正するかというあたりをきちっとわかりやすく説明していただきたいと思います。
○松村副大臣 お答えいたします。 昨年来、港湾の問題、物流の問題につきましていろいろな御検討をいただきまして、法案も通していただいておるわけですが、これを一体的にとらえていただきまして、ぜひ物流、港湾の機能を強化したいということに今回の法案のねらいがあるわけでございます。 我が国の港湾の国際競争力の強化や海運の効率化、安全性の向上は喫緊の課題であるという認識をするわけでございます。このため、地域が一丸となって、平成十六年度から、港湾コストの三割低減やリードタイム一日程度への短縮を目標として掲げたスーパー中枢港湾政策を推進しているところであります。 これらの目標のためには、ソフト、ハードの両面から総合的な取り組みが必要であると考えておりまして、このため、港湾活性化法を昨年成立させていただきまして、コンテナターミナルの機能強化、御承知のように、FAL条約に合わせまして、書類の共通化等の諸手続の簡素化を図ったところでございます。 今回提出させていただきました法律におきましては、まず、港湾法の改正により、埠頭の近傍における物流拠点の整備への無利子貸付制度を創設し、ロジスティクス機能の構築を図るとともに、外貿埠頭公団の解散及び業務の承継に関する法律の改正によりまして、スーパー中枢港湾の七割のコンテナ貨物を扱う埠頭公社を財団法人から株式会社に変更し、コンテナターミナルの管理運営の効率化を図りたいと考えております。 なお、これらの港湾等におきまして水先の制度も時代に合わなくなっている、これを強化することがこれらスーパー中枢港湾を初め重要港湾におきます機能を強化するといった観点から、水先法及び支援機構法の改正によりまして、港湾コストの低減及び海運の効率化、安全性の向上に資するものと考えておるわけでございます。 このように、昨年及び今般の法律措置を行うことによりまして、港湾の国際競争力の強化及び海運の効率化や安全性の向上がなされ、海上物流の基盤強化を行うことができるものと考えているところでございます。
○渡辺(具)委員 それでは、今度は各論に時間の範囲内で入らせていただきます。 まず、港湾法の改正ですが、これは、このたび民活法が廃止される、民活法の中で用意されていた制度を引き継がなきゃいけない、そういう意味で、それを今度は港湾法に盛り込んで引き継いでいこう、こういうふうに認識するわけであります。 民活法は、ただ港湾関係のことだけではなくて、これは私も記憶があるんですが、たしかリゾートが華やかなりしころの法律だったというふうに思いますが、リゾートの関連もあるし、公園とか道路とかいろいろな社会資本分野にかかわっているわけですけれども、民活法が廃止される中で港湾だけがこれをフォローアップするといいますか、そういうことのようであります。ほかの分野ではやっていないんだけれども、そこまで港湾ではやって、今回いろいろな制度を引き継いでいく必要があるということでありますけれども、その辺の背景を、港湾ではなぜそこまでやらなきゃいけないかというあたりを御説明いただきたいと思います。 港湾局長、お願いします。
○鬼頭政府参考人 お答えを申し上げます。 今委員の方からお尋ねのありました民活法につきましては、委員も御指摘のとおり、港湾におきましても物流施設あるいは交流施設、業務施設等々、そういった整備に活用されてきたところでありますが、ことしの五月二十九日をもって廃止をされるということになったわけでございます。 他方、先ほど来お話が出ておりますように、国際水平分業の進展に対応いたしまして、我が国内の中枢・中核国際港湾の国際コンテナ埠頭の近傍において物流拠点の形成を政策的に誘導することが、我が国の国際競争力の強化等の観点から極めて重要であるというふうに考えられますことから、今回のこの法律改正によりまして、流通加工等の高度な荷さばきが可能な中核的な港湾物流施設の整備に対しまして、国、地方合わせて整備費全体の四〇%について無利子貸し付けができるようにしたところでございます。 特に、先ほど来お話をさせていただいておりますスーパー中枢港湾におきましては、国、地方合わせて整備費用の六〇%の重点的な貸し付けができるよう、それによって整備を図るということにしているところでございます。
○渡辺(具)委員 国と地方合わせて六〇%の無利子貸し付けができるということだし、また、中枢港湾以外では、国、地方合わせて四〇%まで貸し付けができるということらしいんですが、この制度は民活法の範囲の中の、民活法でもそこまでは認められていたのかどうか、民活法より一歩踏み出しているのかどうか、そこはどうですか。 そして、スーパー中枢港湾が六〇%で、そのほかのものが四割だ、そこにそういう格差をつけるのはなぜか。私は、地方でも必要なところは必要なので、そういう格差はなくてもいいんじゃないか、むしろ条件が整いにくい地方の方は手厚くやってもいいんじゃないかという気もするわけですけれども、そのあたりはどうですか。
○鬼頭政府参考人 民活法と今回の法律改正では、法律の目的自身も若干違うということもございますので、一対一に対応しているものではありませんが、お尋ねのありました民活法の特定施設整備事業におきましては、無利子貸し付けにつきましては、国から、二五から五〇%の比率で無利子の貸し付けが出ることになってございます。これは、当時NTT—C事業と言っていたものであります。 港湾ロジスティクスハブの場合は、先ほど申し上げたとおりでございます。 このほかに、財政投融資の道も開かれておりまして、民活法の場合は、貸付比率が四〇%以内で金利が1というレベル、今回の場合ですと、同じく四〇%以内ですが金利が2というレベルに今深掘りがされているということになります。 もう一点のお尋ねの、港の対象によって比率が違うのはなぜかということでございますが、スーパー中枢港湾の場合は、我が国の国際海上コンテナ貨物の八割を扱うということで、取扱貨物量がほかの港湾に比べて格段に多いということもございまして、施設自身が大規模なものになるということで、民間事業者が負うリスクも大きいということから貸付比率を高くしているということでございます。 ただ、当面このような運用を考えておりますけれども、今後のアジアを中心とする国際物流の動向等、あるいはそれらがそれぞれの港に及ぼす影響等を勘案いたしまして、今後、その制度の運用に当たっては十分注視をしていきたいというふうに思っているところでございます。
○渡辺(具)委員 民活法よりもさらに一歩踏み込んだという答弁、大変評価したいと思います。それから、後段の方も、格差のところも時代に合わせてぜひ見直しをしていっていただきたいというふうに思います。 次に、外貿埠頭公団承継法のくだりでありますが、外貿埠頭公社を民営化するということは、会社にしていろいろな規制を取り払って、より効率的な、より戦略的な活動をしてもらおうということだと思うんですが、結局は、そういうことによって何を求めているかというと、いわゆる港湾料金を少しでも安くする、荷主にとって負担を軽くしてあげる、それが国際競争力になるということだと思うんです。 民営化することによって本当に料金が下がるというふうにお考えなのか、自信があるのかどうか。あるいは、そのことを役所としても、港湾料金が下がらなきゃ民営化した意味がないわけで、その辺をやはり見守っていく必要があるというふうに思うんですが、民営化した後の民営化会社と当局、政府との関係が今後どういうことになるのか。そのあたりについてお答えいただきたいと思います。
○鬼頭政府参考人 お答えをいたします。 今回の埠頭公社の民営化でございますが、今委員から御指摘のありましたように、規制をできるだけ緩和することによって自由で戦略的な新しい事業への展開を可能にするということ、あるいは管理コストや調達コストの低減を図ることによって結果としてコストが下げられるということを我々として大変期待をしてございます。 ただ、この民営化された会社におきましても、行われる事業そのものは大変、国際競争力の強化、あるいは国にとって重要な業務でございますので、我々としてもその業務について一定の注視をしていく必要があると思います。 そういう意味で、株主としての港湾管理者が二分の一以上株を持つということでチェック機能を発揮するということに加えて、国としても、定期的な岸壁の貸付料等のコストやサービスの実態把握なども通じて、着実にその効率化が進んでいるかどうかについてチェックをしていくということを考えていきたいというふうに思っております。
○渡辺(具)委員 申し上げたように、やはり港湾料金が下がらなきゃ意味がないわけですから、ぜひそのところを当局としても見守って、あるいはそのために必要なことをやっていただきたいというふうに思います。 先ほどの局長の答弁の中に新しい事業展開も可能だという話がありましたが、これまで埠頭公社でやっていた事業ではなくて、今までの埠頭公社ではやれなかったというか、やらなかったことで、今後、民間会社になることによってやれることというのは具体的にどんなことですか。
○鬼頭政府参考人 お答えをいたします。 民営化後の新会社がどのような事業展開をするかについては、当然、今後新会社がいろいろな角度から検討するべきものと考えておりますが、従来からも、埠頭貸付事業にとどまらず、例えばターミナルオペレーター事業への新たな参入、あるいはターミナル周辺の再開発事業、あるいは物流関連施設の運営事業、そういったものについて例えば他の民間企業と連携をするなど、そういった多様な事業展開が考えられるというふうに思っております。
○渡辺(具)委員 それでは、先に質問された方からもう話がありましたが、民営化できるという、これは選択ができるということです。今公社は四つあると思うんですが、この四社のうち、これは昨年末の自民党の税調のときも議論に若干なったんですけれども、四社が必ずしも民営化の方向で足並みがそろっていないんじゃないかというような、そういう意見もあったんですが、民営化を非常に望んでおられるところもあるとも伺っておりますけれども、今後の見通し、四社の公社の民営化の見通しはどういうふうに思っておられますか。
○鬼頭政府参考人 お答えをいたします。 それぞれの公社の民営化の時期、あるいはどんな形に民営化するかということにつきましては、それぞれの公社あるいは港湾管理者において検討をしていただくことになりますけれども、今私どもが伺っているところでは、東京港あるいは大阪港が、市あるいは都の全体の行政改革の中で民営化について検討が進められているというふうに伺っております。 そのほかの公社につきましても、先ほど御質問にお答えをいたしましたように、全体として、日本の港湾の国際競争力の強化という意味で、我々としては、すべての公社が民営化されるということがベストであるというふうに思っているところでございます。
○渡辺(具)委員 また時間があれば港湾のこともお伺いをしますが、次に、水先法のことについてお伺いいたします。 今回の改正は、聞くと昭和三十九年以来の改正だそうで、それまで、では何もやらなくてよかったのかなという気もするんですけれども、今回の改正は、水先人の人材供給が非常に厳しい状況になってきたので、人材供給に当たっての規制を緩和してあげよう、わかりやすく言えばそういうことであると認識しておりますが、私は、本当はこれは少し逆じゃないかという気もするんです。 どういうことかというと、先ほどから港湾料金の話がありましたが、少しでも港湾料金を下げてやらなきゃいけないという状況もある。そういう中では、水先人をつけなければいけない区域、あるいは強制区域とそうでない区域があるようですが、そういうところの規制緩和の方を先にやるべきではないか、そして、それに対して必要最低限の人材供給ができるためにはどうしたらいいのかというのが私は考え方としては順番ではないかと。 例えば、同じ強制水先区域であっても、もう何回も入って、船長さんもそこには何回も来て利用しているわけで、必ずしも水先人が要らないところもあるというような話も聞くわけです。そういうところについては、必ずしも水先人をつけなくてもいいという規則といいますか制度もあるようですけれども、全般的に言って、私は、最初に申し上げたように、本当は考え方として、どこまで今の規制が緩められるか、安全上どこまで緩められるかということを先に考えることが大切じゃないか。 今回の場合は、いきなり人材供給のための規制緩和をやるというところに来ているわけですけれども、その辺の考え方、根本的な考え方のところについて海事局長にお伺いしたいと思います。
○星野政府参考人 お答え申し上げます。 ただいま、水先制度の改正を随分長い間何もやらなかったのかという御指摘もございましたが、今先生がお尋ねであります強制水先の対象範囲の見直しにつきましては、実は、対象船舶の範囲を狭くするという意味での規制緩和というのはこれまで何度か実施をいたしてまいっております。 さらに、先ほど先生からもお話ありましたように、一定回数以上同じ港に出入港をやった経験のある船長さん、こういう船長さんについては、強制水先対象区域であっても、水先人をとらず自力で出入港を認める制度がございます。これについても順次制度を緩和いたしまして、例えば出入港回数の一定部分については、出入港操船シミュレーター、そういった訓練で対応することができるといったような仕組みで、できる限り安全に問題のない範囲で、私どもとしては、対象範囲をできるだけ負担をかけないような仕組みにするという制度の見直しはこれまでもやってまいったわけであります。 ただ、水先制度そのものについては、まさしく諸外国でも行われているように、ふくそうした海域あるいは操船が困難な海域における船舶の安全を確保するために必要な制度ということで認識をされているものでございまして、私ども、その規制についてどこまで強制水先をかけるべきかについては、もちろん、客観的あるいは科学的な安全性についての評価を経た上で範囲を定めるべきものだ。その中で、例えば港の整備、航路の整備で、水先人がなくても安定的に安全に出入港ができる環境が整ったというような環境の変化があれば、当然、それに合わせて制度の見直しは、これまでもやってきたつもりでございますし、これからもぜひ実施してまいりたいというふうに思っております。 そして、そういう意味で、そういった強制水先、水先人の需要、安全の確保をするための役割は、これからもある程度の必要性が当然予想される。そういう前提で、議論が逆立ちしているわけではなくて、私どもとしては、これから水先というのがどれだけ世の中に求められているのかということを踏まえた上で将来の水先人の供給の実態を勘案いたしますと、まさしく人の養成をしていかなきゃいけないということを考えると、そう安穏としていられないほど水先人の供給ルートというのが細ってきている。これにできるだけ速やかに対応しなければ、真に必要な水先人を確保できないのではないかという問題意識で今回法案をお出ししたということでございます。 決して、水先人の確保、仕事の確保がまずありきで私ども議論してまいったわけではございませんので、その点御理解をいただきたいと思います。
○渡辺(具)委員 それでは、一つは、皆さんのところに、当局の方にいろいろな船舶関係者から、海運関係の方から、もう少し水先人の強制区域とかあるいは対象船舶を緩和してほしいというような声は、私は聞いたことがあるような気がするんですが、ないのかどうか。今のお話をお伺いすると、これまでもそういう面の規制緩和も努力してきたということなので、私も改めてそこのところは評価しなきゃいけないなというふうには思うわけですけれども、さらに、そういった面の規制緩和の要望が来てないかどうか。 あるいは、一方で、水先人をつけることによる効果がやはり非常に大きいということを思わせるような情報というものはないですか。
○星野政府参考人 お答え申し上げます。 まず、第一点の規制緩和の要望でございます。 これは、先生おっしゃるとおり、これまでもさまざまな御要望を実はいただいていることは事実ではあります。一方で、やはり安全上に配慮して今の制度を維持すべきだという声もあったということで、実は、今回、法改正の前提として関係者の方に参集していただきまして、水先制度全般にわたる検討を行いました。その中に、強制水先の対象範囲の問題というのもあわせて、学識経験者の方々それから海難防止協会その他、要するに海上災害の防止に見識のある方々にお集まりいただいて、御要望のあった港の航路の実態も含めて調査をし、それについて緩和が可能かどうかということを実はチェックをいたしました。 ただ、その検討の結果、現時点においては実は緩和をするだけの十分な論拠が得られないということで、当面は強制対象については見直しとしては行わないという結論になっているというのが現状でございます。 ただ、一つありますのは、実は、三大湾につきまして、ベイとハーバーと言っておりますが、水路の区域とそれから港の区域ですね、これがそれぞれ別の水先区になっていることによって、港の入り口から奥まで入るのに二人水先人が乗りかわるという、これが不便だという御指摘もございまして、今回の法改正とあわせて、これは政令事項でございますが、ベイとハーバーの統合、一人の水先人で通しで水先業務ができるというような形で制度の見直しは行いたいというふうに思っております。 あと、水先人の効果ですが、これはかつて海難防止協会の調査の結果、水先人がついている船とついてない船の統計的な事故発生率の格差というのを調べたことがございます。そのときの数字では、水先人がついてない方がついているよりも十倍弱、九倍近く、事故発生率が高いという結果が出ておりまして、私どもも、水先人については安全の確保に相当の役割を果たしているというふうに認識しているところでございます。
○渡辺(具)委員 時間が参りましたので、最後に機構法の関係をちょっとだけお伺いしますが、新しい技術を導入した新造船を進めるために今回のようなシステムを考えられたわけだと思いますが、こういう要請が本当にあるのかどうか。あるいは、こういう制度を使って新しい船をつくるということが強く期待できるのかどうか。その辺のことをお伺いして、質問を終わらせていただきたいと思います。
○星野政府参考人 先生の今の御質問にお答えするためには、まず、内航船の現状について申し上げなければいけないのでありますが、要は、現在、大変新しい船、新しい投資がなかなかなされない状況にあるというのが現状でございます。これに対応するためにはやはり投資がなされなければ効率化もできない、そういう意味で、新しい投資をいかに呼び込んでいくか。 その際に、従来どおり同じ船を満遍なくつくっていても意味がないのでありまして、やはりより効率的かつ荷主ニーズに対応した新しい船にしていく必要があるだろう。その際、いわば内航というのは船そのものの船価が大体一隻五億ぐらい、それに新しい機器を乗っけるときにそれなりの技術開発の負担がかかってくるという部分で、なかなか新規の技術が内航の分野では普及しないという現実がございます。ここのところを何とか、今回支援してやることで、新しい技術の導入のイニシャルコストを軽減してやることで、内航の分野においても新しい効率化技術というのが普及できるようにしていきたいということでございます。 現実に外航用にさまざま開発した効率化技術というのがございますけれども、こういうものが内航用にモディファイされたものがなかなか普及しない。そこをクリアしてやることによって、そういう効率化技術が一層推進していくんじゃないかというふうに私どもとしては考えておる次第でございます。
○渡辺(具)委員 ありがとうございました。
○林委員長 伊藤渉君。
○伊藤(渉)委員 公明党の伊藤渉でございます。 ここまで議論がさまざまされてきたとおり、背景として、今回の法改正は、港湾の国際競争力の低下ということがまず一つ大きく挙げられると思います。 アジア、北米、欧州間の海上コンテナ輸送、これが約十年で三倍になってきている。国別に見ると、我が国の取扱量も増加をしておりますけれども、アジア主要港のコンテナ取扱量が急増をしている。例えば神戸港、昭和五十五年には世界で第四位だったのが、平成十五年には三十二位まで落ちてきている。そして、トランシップ率の増加等々、我が国の港湾がフィーダーポート化をしているというような危惧もされている。 まず冒頭、松村副大臣にお伺いをいたします。今回の一連の法改正によりまして、我が国の目指すべき港湾の将来像についてどのようにお描きであるか、御答弁をいただきたいと思います。
○松村副大臣 お答えいたします。 先生御指摘のとおりの状況が進行していると思います。 私も、ことしの一月、釜山新港、巨大コンテナ船が係留できる新港の竣工式に行ってまいりまして、その現状も目の当たりに見てきたところでございます。 近年、香港、シンガポール等のアジアの主要港がコンテナ取扱量を増加させている中で、各外航船社においては、国際海上輸送の効率化のため、基幹航路に就航するコンテナ船の大型化を進め、寄港先の絞り込みが行われる傾向が強まっております。これらの事態が進めば、我が国港湾におきます基幹航路からの、スキップされる、抜港が一層進み、我が国の国際海上コンテナ輸送が過度に海外の港湾に依存することとなります。 このため、アジア経済の急成長に伴い相対的地位を低下させている我が国港湾において、北米、欧州等とを結ぶ基幹航路網の縮小に伴う追加コストの発生により輸出入品の価格上昇が生じる等の懸念がないよう、アジア主要港をしのぐコスト、サービス水準を有し、北米、欧州等とを結ぶ基幹航路網の維持、充実が可能な港湾の実現を目指します。
○伊藤(渉)委員 ありがとうございます。 国内港湾の国際競争力を高めるという点で、平成十六年七月には京浜、阪神、伊勢湾、私の地元であります中部でも、スーパー中枢港湾として指定をされております。このゴールデンウイーク中に現場も見せていただきました。ここでは、アジアの主要港をしのぐコストそしてサービスの実現を目指すと聞いてもおります。具体的には、リードタイムを、現状三ないし四日かかっているものを一日程度に短縮し、またコストの削減もしていく。 世界との比較をした場合に、コストが高くまたリードタイムが長くなっている、この要因について御教示をいただきたいと思います。
○鬼頭政府参考人 お答えを申し上げます。 コストあるいはリードタイムが劣っている要因についてのお尋ねでございますが、まず、コストにつきましては、所得レベルの相違による労働コストあるいは物件費が日本の場合は割高であるということに加えまして、日本のコンテナターミナルの場合、これまでは一バース単位で個別に運営をされておりましたため、運営規模が小さくてなかなか規模の経済が働きにくいといいますか、運営の効率化がおくれてきたこと。あるいは、コンテナ船がますます大型化をしておりますが、それに伴って大水深の施設が要るようになりますが、その施設整備費用が増大してリース料にはね返っていくというようなことが要因として考えられるわけでございます。 また、リードタイムにつきましては、近年関係機関との協力のもとでその短縮に努めてきておりますが、いまだに輸出入・港湾関連手続の簡素化とか効率化、あるいはフルオープン化等がアジアの主要港に比べて劣っているということでございます。
○伊藤(渉)委員 今の御答弁の中で、マスメリットが働かない等のコスト増の要因を教えていただきましたが、このコスト削減、リードタイム短縮に向けての具体的な取り組みの一環として、先ほど申し上げたスーパー中枢港湾の整備、これに取り組んでおられるわけでございますけれども、この指定から一年半が経過をして、現状、そして目指すべき目標に対する達成の状況、新たに浮上をしてきた問題点等について御教示をお願いいたしたいと思います。
○鬼頭政府参考人 お答えを申し上げます。 スーパー中枢港湾プロジェクトにつきましては、おおむね三年から五年でアジアの主要港のコストやサービス水準をしのぐ水準にしようということで、取り組みを加速的にしているところでございます。昨年八月から十二月にかけましては、各港湾管理者において、特定国際コンテナ埠頭の運営事業の認定が行われました。 さらに、昨年の十二月には、横浜港と名古屋港で特定国際コンテナ埠頭、次世代高規格コンテナターミナルと呼んでおりますが、それがオープンをいたしました。さらに、現在、名古屋港の第二バース目、大阪港、神戸港、この三港におきまして、コンテナ船の大型化に対応した水深十六メーター級の岸壁の整備を進めてございます。さらに、港湾間あるいは国内のネットワークとの連携強化を図るための共同デポとか鉄道積みかえ施設等々を整備するなど、ハード、ソフト一体となった総合的な施策を推進しているところでございます。 ただ、現時点では運営事業が開始をされてからまだ一年を経過したところでございますが、現に横浜港、名古屋港、先ほど昨年の十二月にオープンしたと申し上げましたが、これらの港の特定国際コンテナ埠頭におきましては順調にコンテナ貨物の取り扱いが伸びているというふうに聞いております。国際競争力の強化に向けて、具体的な成果を今後とも期待したいというふうに思っております。 さらに、今後は、引き続き国際競争力の強化に向けて、隣接港湾間の広域連携を含む取り組みを総合的に、かつスピード感を持って進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○伊藤(渉)委員 ありがとうございます。 現時点においては、人件費等、我が国は基本的なコストがそもそも高いものですから、同じ次元、要するにコスト削減ですとかリードタイムの短縮ですとか、同じ次元で勝負をしてしまうとなかなか競争力を優位に持っていくというのは難しいところがないかなと思います。 他業種でも見られますように、度を超えたコストの削減の結果、安全性が損なわれてしまったり品質が悪化をしてしまっているケースも散見をされております。我が国は、やはりサービスの質、多少高くても高品質でサービスがよく、限りなく正確である、こういった別の角度での競争力をつけていく必要もあるのではないかと考えております。 そこで、企業的な発想としては、国家の戦略としては少々露骨な、露骨過ぎる考え方かもしれませんけれども、競争相手の弱点を明確に分析していくということも大変大切ではないかと思います。弱点を分析する、こういった観点から何か検討が行われているか。行われておれば、香港、シンガポール等のアジア主要港の弱点というか、競争を勝ち抜く上でピンポイントになるねらい目等々について、調査結果等あれば御教示いただきたいと思います。
○鬼頭政府参考人 お答えを申し上げます。 先ほど委員からお話のありましたスーパー中枢港湾で、京浜港、伊勢湾、阪神港という三つを平成十六年に指定したというふうにしたわけでございますが、それらの港におきましての取扱貨物量を申し上げますと、二〇〇五年の速報値でございますが、京浜港、これは東京港と横浜港を合わせてですが、六百三十五万TEU、二十フィート換算のコンテナ個数ですが。阪神港で三百六十九万TEU。これは、日本の場合は、ほとんどが国内需要を中心としたいわばベースカーゴであるわけです。我が国は、年間貿易額百二十三兆円に達する国内経済活動あるいは消費市場を有しておりまして、こういった安定的な需要のもとで、金額ベースで約七割の海上貨物が取り扱われているわけでございます。 他方、我々のライバルであります韓国の釜山港あるいは台湾の高雄港でございますが、二〇〇五年の速報値で、それぞれ、年間千百八十四万TEUあるいは九百四十七万TEU、こういった取扱規模を持っておりますが、釜山港の場合で約四割、高雄港の場合で約五割が、国際競争によって比較的ほかの港に移りやすいトランシップ、これは、港間の競争によって、今のところはこの四割ぐらい釜山港で扱っているということでございます。そういう貨物があるということ。 もう一つ、日本の港湾の場合は、大変生産性が高いということが優位な点として挙げられると思います。この生産性については世界の最高レベルにあります。特に、コンテナ船から陸上に、あるいは陸上からコンテナ船に積みおろしをするコンテナクレーンの一台当たりの稼働率といいますか、釜山港で平均的に二十八から三十個、高雄港でも二十七から三十個ということでございますが、東京港の場合ですと三十三から三十八個、一番多い横浜港の南本牧埠頭では五十個を超える、大変荷役の生産性が高いということを誇っております。港湾労働者の高い技術力を背景とした荷役の信頼性、これについては、今後とも生かしていくべき優位点であるというふうに考えてございます。 日本の港湾の国際競争力の強化を図るに際しましては、今申し上げたような日本のメリット、言いかえれば他国のウイークポイントということになると思いますが、そういうところを生かしていくことが重要でございます。したがいまして、スーパー中枢港湾政策におきましては、こういった良質なコスト、サービスの提供を実施して、ターミナルの運営の効率化あるいは国内マルチモーダルネットワークとの連携によって、我が国発着コンテナ貨物を効率的に取り扱っていくということを基本的な方針にしていくべきだというふうに考えております。
○伊藤(渉)委員 ありがとうございます。ぜひとも、我が国の長所を伸ばすような政策を進めていただきたいと思います。 ここで若干、水先法の改正に関連してお聞きをいたします。 今回の法改正の背景で、いわゆる団塊の世代が大量に退職をされる中で、水先人の不足が特に地方港で危惧をされているとお聞きをいたしました。条件を緩和して水先人の育成を図ると聞いておりますけれども、入出港に当たっての港湾の仕組みそのものが少し前時代的なところがあるかなということも気になっております。 一時的な措置として今回の法改正はいたし方ないのかなと思いますけれども、国際競争力を高めるという大きな課題から見ると、コスト高の一因にもなっている、水先料だけじゃなくて綱取り料とか、一つ一つの作業にお金がかかってやしないかなというような印象も若干受けましたので、中長期的な戦略として、全体のシステムそのものの改善が望まれると私は考えるに至ったわけですけれども、この点について御答弁をいただきたいと思います。
○星野政府参考人 ただいま、港への入出港のシステムについてのお尋ねがございました。 先生も御指摘のように、技術進歩によりまして、システムそのものについて、より効率的、より安全性を高めたような形でのシステムに組みかえていく、こういう努力は私どもも当然しなければならないと思っておりますし、それに向けた対応というのもしっかり果たしてまいりたいというふうに思います。 ただ、やはり港の出入港、極めて自然条件を相手にしている、そこで安全を確保しつつやっていかなきゃいけない。潮流に流され、あるいは風にあおられといったような、そういった部分をどうやってクリアしていくかというのは、これだけIT技術その他が進歩した状況の中でも、依然としてやはり個々人の能力にかかわる部分というのが極めて大きいというのが、残念ではございますが、今の現状であろうかと思います。 そういう意味で、水先人が実際に船に乗り込んで船を教導するという仕組みというのは、御指摘のように、ちょっと前時代的という御批判もあろうかと思うのですが、人的資質によって安全が守られるという海の上の環境というのは現状においてもやはり変わらないというのが現状でございまして、先進国を含む諸国でも皆同様のやり方で進めております。 そうは申しましても、新しい技術を入れ、それによってより安全かつ効率的な出入港のシステムが構築できるのであれば、それに向けて取り組まなきゃいけないということは御指摘のとおりでございますので、私どもも、諸外国の技術開発の状況あるいは水先制度全体の状況等をしっかり把握して、必要な対応はさせていただきたいというふうに思っております。
○伊藤(渉)委員 ありがとうございます。確かに、コストの削減と安全の確保ということは非常に難しい問題ですので、その辺は慎重に進めていただきたいと思います。 次は、物流という観点でひとつ松村副大臣にお聞きをいたします。 港湾へのアクセスを含めて、この物流というのは非常に重要だと思います。航空、自動車、鉄道、海運を含めた物流全体の戦略について御答弁をいただきたいと思います。
○松村副大臣 お答えいたします。 中国を初め東アジアが生産拠点、消費市場として急成長し、我が国からも多数の企業が進出する中で、こうしたグローバルな経済活動を支える効率的な物流システムの構築が喫緊の課題となっております。 国土交通省といたしましては、発展する東アジアとの経済交流の拡大等に対応し、我が国の国際競争力の強化を図るため、省内にいち早く国際物流施策推進本部を設置いたしまして、荷主企業や物流事業者からの御意見を伺いながら、昨年七月に具体的施策を取りまとめるとともに、昨年十一月には総合物流施策大綱(二〇〇五—二〇〇九)を閣議決定いたしたところであります。 これらに基づきまして、国際拠点港湾、空港の重点的整備と管理運営の効率化、国際、国内の各輸送モードの有機的連携による円滑なネットワークの構築、物流拠点施設のロジスティクス機能の強化などを総合的、一体的に推進しているところでございます。旧建設省、旧運輸省が合併いたしまして国土交通省になっているということも、いろいろな意味でプラスになっている面があろうかと思います。 特に、主要港湾、空港を抱える地域におきましては、国際物流及びこれと一体をなす国内物流の効率化方策を検討する国際物流戦略チームを活用し、地域の実情に応じた施策の推進を図ってまいります。そして、国際物流戦略チームは、具体的には、関西に平成十七年六月、関東十七年十一月、北部九州においては十八年一月、中部地方においては十八年三月、それぞれ国際物流戦略チームを活用いたしまして検討が始まっているところでございます。 今後とも、これらの諸施策をスピード感を持って、総合的かつ一体的に推進し、物流の効率化を通じた我が国の国際競争力の強化に努めてまいります。
○伊藤(渉)委員 ありがとうございます。 特に国際物流ということを今おっしゃっていただきましたけれども、その分野においては若干出おくれてしまった感は否めないと思っております。ぜひとも、国土交通省の威信にかけて追い上げを図っていただきたいと強くお願いを申し上げます。 私の地元の伊勢湾においては、海上輸送の拠点である名古屋港に隣接をして、航空輸送の拠点となる中部国際空港も供用をしております。効率的な物流システムを構築していくためにも、海上と航空輸送の連携、これも重要であると考えております。加えて、名古屋港ではAGV等の最先端技術を導入した自動化コンテナターミナルの実現にも力を入れていると聞いておりました。実際に実物も見せていただきました。国際競争力を高め、我が国の高い技術力を国内に蓄積していくためにも、物流拠点の育成は極めて重要であると考えます。現状認識、今後の見通しについて御答弁をいただきたいと思います。
○鬼頭政府参考人 お答えを申し上げます。 今委員から御指摘のありましたように、伊勢湾地域におきましては、名古屋港と中部国際空港という物流基盤が近接をして整備されております利点を生かしまして、シー・アンド・エアといいますか、海上輸送と航空輸送の組み合わせによりまして、製造業の国際水平分業にも対応した効率的、効果的な物流の仕組みが構築されることが期待をされますし、また、御紹介のありましたAGV、こういった最先端技術の海上コンテナターミナルへの導入につきましては、二十四時間稼働に向けた環境整備や労働力不足、労働環境の改善にも資するものと考えているところでございます。 このような点も含めまして、効率的な物流システムを構築するためには、国、港湾管理者、民間事業者が一丸になってプロジェクトに取り組むことが必要であり、現在、全国各地において産官学から成る国際物流戦略チームが設置をされております。こういった場を通じまして、スピーディーでシームレスかつ低廉な、国際、国内一体となった物流の実現に向けて取り組まれているというふうにお聞きをしておりますし、国土交通省といたしましても、スーパー中枢港湾プロジェクトの推進を初め、物づくり中部圏を支える国際競争力のある物流システムの構築を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
○伊藤(渉)委員 ありがとうございます。 では、ここから各論について二、三お伺いをいたします。 まず、港湾法の五十四条の三の関係で、重要港湾の港湾管理者は、特定埠頭を構成する行政財産を港湾管理者の認定を受けた者に貸し付けることができるようにするというふうな改正案でございました。この貸付料の算定についてお伺いをいたします。
○鬼頭政府参考人 お答え申し上げます。 特定埠頭を構成する行政財産の貸付料についてのお尋ねでございますが、これにつきましては、貸し主である港湾管理者たる地方公共団体において、適正な管理が可能な水準、あるいは貸し付けの対象とする前に得ていた使用料収入、そういったものを勘案して算定いたしまして、賃貸借の当事者間の貸付契約において定められる、そういうものでございます。 ただ、国が整備、所有し、港湾管理者に管理委託を行っている国有財産である施設につきましては、貸し付けを行う等他者に使用させる場合につきましては、国土交通大臣の承認を受けなければならないというふうに港湾法の定めがございます。その際に、港湾施設の適正な管理を確保するといった観点から、貸付料が不適当なものになっていないかについても確認をすることにしております。
○伊藤(渉)委員 ありがとうございます。 では、この行政財産のメンテナンス、これはだれの負担でだれが行うのか、教えていただきたいと思います。
○鬼頭政府参考人 お答えを申し上げます。 特定埠頭を構成する行政財産の貸し付けにつきましては、民法の賃貸借の規定が適用されまして、賃貸借契約の場合は、貸し主は賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務があるというふうにされてございます。したがいまして、特定埠頭を構成する行政財産の貸し付けにおいては、貸し主たる港湾管理者が貸付料収入を財源として当該施設の修繕、メンテナンスを行うことが原則になります。 なお、一般的に貸付契約におきましては、施設の修繕、メンテナンスのうちの一部、具体的には、日常的な施設の目視点検や清掃、小規模な修繕については、施設を借り受ける事業者が行うこととされています。一般的に大家とたな子というような関係で御理解をいただければというふうに思います。
○伊藤(渉)委員 ありがとうございます。 いわゆる上下分離方式のようになると、施設の整備、つまりメンテナンスというものへのインセンティブが働きにくくなるというリスクが、鉄道事業の分野でもよく議論をされてまいりました。これは、最終的には安全の確保にかかわる重要な問題でございますので、今後ともしっかりと合理的なあり方を検討していただきますようお願い申し上げまして、私の質問は以上で終了させていただきます。 ありがとうございました。
○林委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○林委員長 速記を起こしてください。 高木義明君。
○高木(義)委員 民主党の高木義明でございます。 海上物流の基盤強化のための港湾法等の一部改正について、以下お尋ねをしてまいりたいと思います。 私も、実はこの法案審議に当たりまして、先月東京港の大井コンテナターミナルに足を運んでまいりました。既に整備がなされておりまして、耐震強化岸壁三バースを含めて七バース、総延長が二千三百五十四メートル、まさに高規格のターミナルになっておりました。十八基のコンテナクレーンも備えて、八千TEU級の大型コンテナ船の接岸も可能になっておると言われております。 そういう港湾の状況を見ながら、今スーパー中枢港湾構想が進められておりますけれども、何といいましても、これからは選択と集中という観点から、このスーパー中枢港湾を中心として整備をしようとされておりまして、これはまさに国の指導力が問われてくるのだと思っております。 例えば、水深十六メーター級の大型コンテナ船用岸壁の整備計画については、日本のレベルは三地区で七バース、新興著しいアジアでは、釜山で二十七バース、上海が四十七バース、スケールの違いが目につくのでございまして、スーパー中枢港湾構想といっても見劣りがすると私は思いますけれども、名前はいいけれども本当にこれが十分な機能を果たしていくのか、こういう思いがしております。 しかし、やはり港湾整備については、まず海上運送の将来展望といいますか、需要予測というものを十分に立てなければ、まさに後手後手の後追い行政になっていくのではないかと私はそのように危惧をしております。 神戸においても、横浜においても、東京においても、地位低下が目立っておりますし、その中でも名古屋港においてはかなり頑張っておる、こういう実態を承知いたしております。 国として、海上輸送の需要予想、港湾と港湾整備の関係についてどのようにお考えになっておられるのか、まずその辺からお聞きをしていきたいと思います。
○鬼頭政府参考人 国際海上コンテナ貨物の需要予測についてのお尋ねがございました。 今委員から御指摘のありましたように、アジアにおける急激な経済成長に伴って、アジアと北米、アジアと欧州、あるいはアジア域内の貨物が大変大きく増加をしてございます。そういう中で、日本を除くアジアの諸港においては、コンテナの取扱貨物量が大変大きく伸びております。ここ十年ぐらいの数字でございますが、三・五倍ぐらいの伸びになっているというふうに思ってございます。 日本の場合も、国際水平分業の進展等によりましてコンテナ貨物が伸びておりますが、十年間の伸びで一・七倍ということで、アジアの主要港に比べればやはり伸びが小さいというのが現状でございます。先ほど来の御答弁で申し上げておりますように、それによって日本の港の相対的な地位が低下しているというのが現状であろうと思っております。 ただ、私どもの推計によりますと、現在の国際海上コンテナ貨物の日本トータルでの量が約一千六百数十万個というオーダーだと思いますが、この先十年ぐらいでも今までと同様の伸びは多分するであろうということで、たしか二〇一五年だったと思いますが、二千四、五百万個のコンテナ貨物量の扱いに日本全国でなるという推計を持ってございます。 そういった貨物をどこで扱うかということですが、先ほど来お話をしておりますように、委員も御指摘のありましたような選択と集中ということで、できるだけそういう貨物を集中的に扱えるような港を育成していくということで、スーパー中枢港湾の整備、その取り組みを加速的に進めているというのが現状でございます。
○高木(義)委員 いわゆる海外トランシップ率というのがございます。我が国においての主要港湾からその他の港湾に、いわゆる支線輸送、内航フィーダー、こういうふうに呼んでおりますが、まさに世界全体でいいますと、我が国が支線輸送、アジアの諸国の港湾がまさに積み出し港といいますか、我が国の発着のコンテナの貨物のうちにアジア主要港で積みかえられて諸外国へ輸送されるという貨物量が、個々にそれぞれの港湾において増大をしております。 やはり我が国から出た荷物、また我が国に入る貨物、これはやはり直接我が国の港湾からそれぞれの国々に輸送されるということこそが本当の国際競争力ではないか、このように私は思います。したがって、こういう日本の港がいわゆるフィーダー化されておる実態について、どのようにこれを認識され、本当の意味の国際競争力を果たしていくのか。この解決こそまずしなきゃならないのではないかと思っておりますが、この点についての御所見を賜りたいと思います。
○鬼頭政府参考人 お答えを申し上げます。 海外トランシップ率についての御指摘がございました。私ども、財務省の関税局と共同で実施をしております調査によりますと、平成十五年には、海外トランシップ率、日本に発着するコンテナ貨物のうち最終仕向け港へ行く間によその主要港で積みかえられるという貨物の比率でございますが、それが一五%という数字になってございまして、その五年前の平成十年の数字、これは五%でございますが、それに比べて大変急増しておるという状況にございます。 こういう数字、これからどんどんふえていくということになりますと、日本の貨物がアジアの他の港に過度に依存をするということに拍車がかかるということになります。当然、それによって積みかえのコストあるいは積みかえの時間あるいはコンテナ貨物にとって最も重要な定時性ということが損なわれることが大変懸念をされるわけでございます。 これがなぜ起こっているかといいますと、コンテナを運ぶ船が大変大きくなっているということで、寄港地をできるだけ絞り込むという状況が起こってございます。そういう中で、港間の競争が熾烈になっているということではございますが、やはり港湾の、それぞれそこで行われる諸活動に対して、例えばコストでありますとかサービス水準が彼我の港でどういう差があるかということが大変重要なポイントになるというふうに思ってございます。 したがいまして、先ほど来お話が出ておりますように、スーパー中枢港湾におきましては、アジアの主要港をしのぐコストあるいはリードタイムを含むサービス水準に日本の港湾をすることによって、冒頭申し上げました海外トランシップ率を今以上に大きくさせない、できればその数字を下げるということを目標に取り組みを進めているということでございます。
○高木(義)委員 確かに、今申されました三年から五年でアジアの主要港をしのぐという目標は掲げられております。また、私は、これまでもそれぞれの国際競争力強化のための施策というのは進められてきたし、また努力はされておるとは思います。ただ、まだ港湾コストは、既に出ておりますように、釜山港の一・七倍、リードタイムにおいても二・八日、ちなみにシンガポールは一日、こういう国際比較から見ても劣っておる面がございます。 こういう中で、今、特にIT化されまして、港湾もかなり情報化が進んでおりますが、何といいましても、一つ問題は、縦割り行政の弊害がこの点についてもあるのではないか。入港するときには六省庁の手続が必要とされておりますが、入港届の様式一つをとってみても、これはもう少し合理化、統一化する必要があるのではないか。こういう点も私は見ております。 そういう意味で、この縦割り行政、そういった効率化について現実どのようになっておるのか、またどのようにこれを効率化していこうとしているのか、この点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○鬼頭政府参考人 お答えを申し上げます。 今委員から御指摘のありました縦割り行政、特に輸出入手続あるいは港湾手続について関係の各省が大変多くかかわっているということで、それぞれに手続の内容あるいは様式が異なるということが随分以前から指摘をされておりました。そういう中で、私どもあるいは財務省の関税局それぞれが、そういう手続のIT化といいますかシングルウインドー化ということを進めてきてございます。 ただ、これまでは、それぞれの手続の重複等についてまだまだ十分整理ができていなかったという点がございます。昨年の通常国会におきまして、港湾活性化法の中でFAL条約に関連する港湾あるいは輸出入手続の簡素化というものが行われました。それまで関係省庁合わせて六百ほどの手続を二百ほどに簡素化をしたということでございます。ただ、まだまだ完全なシングルウインドー化ということにはなってございません。したがいまして、今、関係の省庁で協力をいたしまして、平成二十年の秋に、第二段階のシングルウインドー化、完全なシングルウインドー化に向けて作業を鋭意進めているという状況にございます。
○高木(義)委員 まさにワンストップサービスというのはこういうところで私は重要になってくると思っておりますよ。したがって、そういう意味では、ひとつ大臣、この点は省庁の横通しといいますか相互調整、これは私はやればできると思うんですよ。この点についてお伺いしておきたい。
○北側国務大臣 おっしゃっているとおりでございまして、私も、このワンストップサービス、シングルウインドー化の問題については早くやれということを関係当局にこれまで申し上げてまいりました。昨年も、ハードの問題もさることながら、やはりこうしたソフトの問題については関係省庁がよく連携をとって早くやろうということで、今港湾局長が答弁しましたように、平成二十年にはもうシングルウインドー化、一つの画面ですべての手続が終わるというふうにさせていただきたいというふうに考えております。しっかりとこれは進めてまいりたいと考えております。
○高木(義)委員 そのようにお願いをいたします。 そこで、この港湾問題というのは長い歴史があり、経緯があり、多くの方々がかかわってこられました。しかし、そういう中で、やはり規制緩和の波の中で、これまでも夜間入港規制の廃止がございまして、今これは労使の合意もあって、二十四時間三百六十五日フルオープン体制ができております。 しかし、二十四時間あけておるんだけれども、実態は必ずしも、荷物の量とか荷物の時間とかそういうものでは、二十四時間フルオープンしておりますけれども、かなりそこにはロスがあるのではないか。私はそう見受けておりますが、この点についての、表向きには二十四時間三百六十五日フルオープンと言っておりますが、実際はそうではないのではないか。その点についてどのように把握をしておるのか。そしてまた、本当の意味の二十四時間三百六十五日のフルオープンにするためには何が必要なのか、どう考えておるのか。この点について当局のお考えを示していただきたい。
○鬼頭政府参考人 お答えを申し上げます。 今委員から御指摘がございましたように、平成十三年の十一月に労使の合意ができまして、正月の元旦を除く三百六十四日二十四時間、ターミナル作業が可能になったというところでございます。ただ、これは、そこに船を寄せる海運会社の関係もございますけれども、やはり夜間の荷役が昼間に比べれば少ないというのが現状であろうというふうに思っております。 ただ、私ども申し上げておりますスーパー中枢港湾プロジェクトは、あるまとまった規模のターミナルを一元的にかつ効率的に単一のターミナルオペレーターが運営することによって、そこに貨物を最大限集めて、規模のメリットを生かそうというものでございまして、そういうことで、スーパー中枢港湾における次世代の高規格コンテナターミナルに貨物がたくさん集まってくることによって、今申し上げましたような時間帯による差、言ってみれば港湾労働の波動性というようなものが解消できるというふうに思ってございます。 そういう意味で、そういうことが実現できれば、ターミナル内での作業だけではなくて、現在、午前の八時半から夜の二十時までというふうに限定をされておりますゲートのオープンの時間についても二十四時間オープンが可能になるということも言えるのではないかというふうに考えているところでございます。
○高木(義)委員 ここで、国際競争力に絡んで、どうしてもやはり神戸港の今後の展望というのも私は重要な課題になろうと思っております。 神戸港は、御承知のとおり、特殊事情がございます。平成七年、あの大地震がございました。まさに壊滅的な打撃を受けたわけであります。その震災前には一億七千万トンの取扱貨物量がございましたが、今ではまだ八千五百万トン、約五割の水準にとどまっておるというのが実態でございます。 復旧するまで二年二カ月かかったわけですが、今、災害復旧については、私どもは、やはり将来を見据えた改良復旧を、こういう要望を当局にもしてまいりました。しかし、やはり原則は原形復旧、こういうことになっておりまして、結局、復旧されたときには、他のアジアの主要港に対して設備面においてもかなり見劣りがする。これでは私は、本当の意味の競争力向上にはならぬのでないかと思っております。 しかし、神戸の関係者も、あるいはたくさんの方々も、神戸港の復権を目指して大きな努力をしておりますので、どうぞ国としても、私は、ある意味では、神戸のみならず日本のスーパー中枢港湾、まさに主要港のシンボルとしてこういった対応をすべきではないかと思っておりますが、この点についていかがお考えなのか、お尋ねをしておきます。
○鬼頭政府参考人 お答えを申し上げます。 今委員から御指摘のとおり、平成七年の一月に、阪神・淡路大震災によりまして、神戸港の国際物流機能、ある意味では壊滅的に打撃を受けたということで、阪神地区はもとより、全国の経済社会活動、あるいは諸外国の経済活動にまで影響を与えたということでございます。 震災後は、被災程度が比較的軽微なコンテナターミナルにつきましては応急復旧を行いまして、例えば、三月には摩耶埠頭、四月末にはポートアイランド、六甲アイランドのコンテナバースの一部、六バースを暫定供用するということで、できる限り神戸港の機能の早期回復に努め、また、全体のターミナルについても二年ですべて復旧を終えるという目標のもとで、港湾管理者とも協力して、国としても精いっぱい御支援を申し上げたというところでございます。 今お尋ねのありました、施設の改良といいますか、復興に当たっての話ですけれども、神戸は、阪神・淡路大震災が発生する前は、地震がない地域だというふうに言われておったわけです。ただ、そこで大変大きな地震が起こったということで、港湾施設の設計に用いる地震外力をその時点で見直しさせていただきました。耐震性を強化した施設も整備をさせていただきました。あわせて、ポートアイランド二期地区の水深十五メートルコンテナターミナルの整備等々、神戸港の国際競争力の維持等に努めてきたというところでございます。 現在は、その後順調に神戸港のコンテナ貨物が回復をしているというふうに認識をしておりますが、委員御指摘のとおり、やはり、日本といいますか関西の経済を支えるという意味で、大阪港と神戸港、大変重要なコンテナポートでございますので、先ほど来のお話にありますようなスーパー中枢港湾として、阪神港という形での指定もさせていただきました。新たに、十七年度から大阪港で、十八年度からは神戸港で、マイナス十六メートルの大水深コンテナターミナルの整備にも現在着手をしているところでございまして、こういった施設の整備とあわせて、さらにソフト面でのいろいろな施策の充実をいたしまして、神戸港を含めた阪神港の今後の発展に我々も精いっぱいお力添えをさせていただきたいというふうに考えているところでございます。
○高木(義)委員 昨年の港湾法の改正の中では、特に港湾の活性化については選択と集中という課題が提起をされております。 同時に、この審議の附帯決議においては次のようなことが出ております。「港湾が地域の経済活性化や産業再生など重要な役割を担っていることにかんがみ、指定特定重要港湾以外の港湾についても、引き続き機能強化に努めること。」こういうことがございます。 今、スーパー中枢港湾というのが出てまいりましたが、以前から指定特定重要港湾、これは八つ、特定重要港湾十五、重要港湾百五、合わせて百二十八、重要港湾と名のつくものがあるんですね。この中にスーパー中枢港湾というのが出てまいりまして、一体、今の時代、こういう港湾にこれだけの名称と種類といいますか、これが本当に必要なのだろうか、もっと、それこそ見直しをして、集中的に投資をすることがベターではないのか。総花的な投資というのは今の時代には合っていないと私は思っております。県でも一つか二つだと思うんですよ。そういうところを私は集中して、やはり重要港湾と言われる港湾についてはレベルアップを図る、こういったことがこれから求められているんじゃなかろうかと思っておりますが、こういう財政逼迫の中で、地方港湾についての対応、考え方について、この際お示しをしていただきたいと思います。
○鬼頭政府参考人 今委員から御指摘のありました港の核というんでしょうか、それもいろいろな名称がございます。 今お話のありました名称は、港湾法の中で定義をされているものでございます。百二十八の重要港湾、重要港湾といいますのは、国際あるいは国内の物流ネットワークの拠点というふうに位置づけをしておりまして、当然、外国貿易の拠点もございますし、離島などでフェリーの基地になっている港、そういうものもこの重要港湾の中には入ってございます。 その中で、二十三港、特定重要港湾というものを位置づけております。これは、重要港湾の中で特に外国といいますか、国際の物流ネットワークの拠点になるというようなことで、先ほど来の議論に出ておりますコンテナ貨物もございますし、さらに、日本が資源をたくさん輸入をする国であるということで、例えば千葉港でありますとか徳山下松港、そういった、バルキーな貨物を諸外国から大量に輸入し、日本の経済、貿易を支えているという港もその中には入ってございます。 それと、一方で、今議論をさせていただいておりますスーパー中枢港湾、あるいは中枢・中核国際港湾というものにつきましては、特にコンテナ貨物の取り扱いということに関して日本を代表する、あるいは世界と伍して勝負をしていく港として位置づけをしているというふうに我々としては考えておりますので、その点、まず御理解をいただきたいと思います。 こういう港がいろいろございますが、今御指摘のありました地方の港湾につきましては、当然、地域の経済と雇用を支える基盤として大変重要な役割を担っている港湾が多うございます。こういう港湾について、需要に応じまして適切な港湾整備を、選択と集中というお話ございましたが、厳格に事業評価を実施しながら、今までも行ってきておりますし、これからも行っていくということでございます。地域のそういう港湾、当然、国内各地の物流コストの削減でありますとか雇用創出などにも大きく寄与をしてございます。 先ほどお話のありました前通常国会での附帯決議の趣旨も、我々、重く受けとめさせていただきまして、限られた予算の中で需要動向に適切に対応した整備を進めてまいりたい、かように考えているところでございます。
○高木(義)委員 港湾法等の改正は当然にして国際競争力、コスト低減ということにありますが、その一方にあるのは、そういうところで仕事をされておる方々のことです。当然にして本改正は労働環境の悪化をしたり労働者にしわ寄せをするということはない。私はそういうふうに思っておりますが、特に、今回のスーパー中枢港湾構想によってターミナルを集約する、そういったものが出てまいりますと、どうしても働く者にとっては仕事の場、そういうものが本当に確保されていくんだろうか、こういう懸念が当然出てきます。 私は、行政施策によって出てきた問題についてはきちっとした責任を持って対応していく、雇用の確保も図るという意味では、港湾運送事業法第三条の事業の種類について、これから拡大をしていくこともあっていいんじゃないか、このように思っておりますが、この件について、ぜひそういうことを進めていただきたい、このことを強く申し上げて、その見解をただしておきたいと思います。
○鬼頭政府参考人 お答えを申し上げます。 スーパー中枢港湾プロジェクト、先ほど来申し上げておりますように、あるまとまった規模のターミナルにできるだけ貨物を集めるということで、言ってみれば、それによって職域を奪うということではなくて、むしろ港湾労働の波動性などを吸収して、港湾労働者の皆さんにとってよりよい環境づくりをしていこうというものでございます。 さらに、スーパー中枢港湾がアジアの主要港と競えるという状況になりますれば、現在、地方の港から例えば韓国の釜山に運ばれて、そこでトランシップをされる貨物についてもスーパー中枢港湾に持ってくる、それによってスーパー中枢港湾の貨物がさらにふえる、そういうことが結果的にまた、アジアのよその地域からも日本のスーパー中枢港湾に運ばれてくる貨物もふえてくる可能性がある。 そういうことで、言ってみれば、いろいろな効果を相乗的にスーパー中枢港湾で我々としては実現し、それを期待もしているところでございます。
○高木(義)委員 港湾労働者の雇用労働条件をいかにして保護していくかということも重要な国としての責務だと私は思っておりますが、いわゆる二〇〇七年問題、団塊の世代が大量に定年を迎える時代になりまして、港湾労働者、約五万人と言われておりますが、五十歳代が四〇%弱、こういう実態がございます。 これから国際競争を図っていくことになる港湾の従業員、従業者が、この団塊世代の大量退職によって、これから本当に担い手として十分に確保できるのか、この辺が私はやはりこれからの大きな問題点と思いますが、この点について、どのように認識をされておりますか。そしてまた、どのように手を打とうとしていますか。
○鬼頭政府参考人 お答えを申し上げます。 今委員より御指摘のありました港湾運送事業の労働者の件でございますが、全産業と比較をいたしましても、その年齢層が高く、今後団塊の世代、実は私も団塊の世代でありますが、を中心とする高齢層の労働者が退職をしていくときに、今の少子高齢化の影響、すなわち若年層の労働者の確保は大変大きな問題になるというふうに私どもも認識をさせていただいてございます。 このために、港湾運送事業におきましては、事業規模の拡大による経営基盤の強化、そういったものに努めていただくとともに、労働環境の改善や福利厚生の充実などを通じまして職場の魅力をできるだけ高めていただいて、若年層の労働者の確保を図っていただくということも事業者の方にお願いをしたいというふうに思っています。 さらに、現在、名古屋港で導入が始まりましたAGV、いわゆる自動搬送システムの導入、これの社会実験を名古屋港で実施をしておりますが、こういったターミナルの自動化というものが、ターミナルの国際競争力の強化だけではなくて、作業の省力化や夜間作業の安全の確保など、労働環境の改善にも資するというふうに期待をしておりまして、将来の労働力確保問題の一つとして検討していくべき課題であろうというふうに考えております。
○高木(義)委員 港湾についてはたくさん問題点がありますけれども、最後にいたしますが、先ほどからも議論がされております、今回の法案では特定外貿埠頭の管理運営主体を財団法人から株式会社に変更できる、これは、株式会社にできるという、あるいはそれを選択する道が開かれた。 株式会社によって、いわゆる民営化されて、私はそのメリットは多くのものがあろうと思っておりますし、まさにそういうことも今必要であろうと思っておりますが、一点だけお尋ねしたいのは、株式会社になって公共性はどのように担保していくのか、この点については、ぜひこの際、明確にしていただきたいと思います。
○鬼頭政府参考人 お答えを申し上げます。 今回の埠頭公社の株式会社化ということで、経営をいかに合理化していただくか、あるいは自由で戦略性のある事業を展開していただくかということで、できるだけの規制緩和をするというふうにさせていただこうと思っています。 ただ、新しく民営化された会社が行う業務というのは、大変公益性の高いといいますか、日本にとって重要な業務でございますので、それについては、しっかりとそういった業務を遂行していただくというために、今回の民営化に当たっては、港湾管理者が二分の一以上の株を保有するということと、あわせまして、国が最小限の、重要な決定等については一応国の方にも報告をしていただくということで、今委員が御指摘の公共性というものについては担保をさせていただこうというふうに思っております。
○高木(義)委員 ぜひ、その点については重要な案件と思いますので、きっちりお願いをしておきたいと思います。 次に、水先制度についてお伺いをしておきます。 この問題につきましては、これは私どもも東京湾を見ていまして、普通は余り、国民は海に立つ機会はなかなか少ないものでありますが、あの浦賀水道は大変な混雑の状況であります。大型の原油あるいは天然ガスのタンカー船を初めコンテナ、あるいは旅客船、そしてまた漁船も通っております。 こういった海域において、今、大型化されておる船舶と同時に、外国人の船員の操縦する船もどんどんふえておる。地域の海域の事情に疎い外国人の船員がこの海域を本当に安全に通れるのか。私は、やはりこの問題は、コストか安全か、こういったことのある意味ではほどよい協調といいますか調和といいますか、この問題であろうと思っております。 無駄なことはなくしていかなきゃなりませんし、それから、客観的に見てそのことが社会通念上大きく道を外れておるというものであれば、私はどんどん改革、改善をしなきゃならぬと思っておりますが、やはり水先というまさに海上運航の安全を担保する一つの役割というのは、海洋国家日本にとっても私は大事なことであろうと思っております。 もちろん、これまでも対象水域を見直してこられました実績はかなりあります。承知をいたしております。今、法案の中では、人材の供給に今後問題点が出てくるからこれを広く広げようということでありますけれども、これはこれで結構でありますが、そこに忘れてはならないのは、やはり日本人の船員の減少というのも、別の角度から見ると、これは一つの政策課題であろうと思っております。 そういう意味で、今大事なのは、水先法というのがありますけれども、これをまさに透明化していく。そして、それぞれのチェック機能は、報告や検査義務はありますけれども、これが本当にやられておるのか、実効あるものにされておるのかということが私は大事だろうと思っておりますが、この辺についての実情と取り組みについてお聞きをしておきたいと思います。
○星野政府参考人 お答え申し上げます。 現状において、水先制度が本船の安全のみならず、我が国の経済活動にとって必要不可欠な港の地域、そういうエリア一帯の安全あるいは環境保全に極めて大きな役割を果たしていると私どもは認識をいたしておりまして、その水先人がまさしく期待される役割を適切に果たせるように、私ども、今、国による監督体制をしいておるわけでございますが、それに基づいてしっかり管理監督をしていかなければいけない、あるいは水先人の技量そのものも一定レベル以上のものをしっかり維持するように制度としてやっていかなければいけない、そういう思いで取り組んでおるところでございます。 今回の法改正におきまして、私ども、今回水先制度を変えるに当たりまして、ある意味で、若い人でも水先人になれるような道を開くという意味での規制緩和でございますが、これによってやはり安全レベルが落ちてはならないということは当然のことでございます。 そういう意味で、安全第一に、やはりその確保を前提に、しっかりした技術水準あるいは技能レベルを維持するよう、法の運用においてもしっかり対応してまいりたいというふうに思っております。
○高木(義)委員 この点について、重要なことでありますから、大臣、この水先についてどのように認識をされておるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○北側国務大臣 東京湾にしろ伊勢湾にしろ大阪湾にしろ、これは空から見たらよくわかるんですけれども、すごい船の量ですよね。最近もちょっと海難の事故が起こっておりますけれども、やはり船舶の交通の安全の確保を図るということは極めて重要なことでありますが、それをまさしく担っていただいているのがこの水先人の方々であるというふうに思っております。 実際問題、水先人が乗られている船の事故というのは極めて少ないわけでございまして、この水先人の高齢化の問題、今後の養成の問題、これは、我が国は本当に海からさまざまな物資が入ってき、また海から出ていっているわけでございまして、そういう意味で、この海上輸送の安全性を確保していくということは我が国にとって非常に大事な課題、それを担っていただいているのが水先人であると思っております。この水先人の養成についてはしっかりと取り組みをしていかねばならないと考えております。
○高木(義)委員 次に、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構についてお尋ねをしてまいりたいと思います。 ここの船舶勘定については債務超過という状況が言われておりますが、その実情と改善の見通し、改善策についてどのように認識をされておりますか。
○星野政府参考人 独立行政法人鉄道・運輸機構の船舶勘定についての御質問でございます。 御承知のとおり、鉄道・運輸機構につきましては幾つかの勘定が分かれておりまして、その中の一つとして、船舶の共有建造というものを実施いたしております船舶勘定が御指摘のようないわゆる債務超過、その勘定単独で見た場合には債務超過の状況になっておるというのは御指摘のとおりでございます。 私ども、これにつきまして、やはりしっかりした経営的な基盤を確立せねばならないということで、平成十六年十二月、一昨年の十二月でございますが、独立行政法人の経営内容全般をしっかり見直すに当たりまして、この機構の船舶勘定についても、将来的にこの債務超過解消に至る道筋を一応計画として立てさせていただきました。船舶勘定見直し方針というのを策定、公表し、平成十七年度から五年間を重点集中改革期間として、業務改善等の施策を集中的に今実施をいたしておるところでございます。 具体的な中身につきましては、共有建造対象や金利の大幅な見直し、不良債権の回収強化や発生防止のための新たな措置、組織のスリム化、一般管理費の削減、それから、スーパーエコシップ普及促進のための支援原資といたしまして一般会計からの出資金を受け入れることにいたしておりまして、この確保に努めるということで、自己資本、財務体質の改善、こういったことをこの期間中に実施するという計画を立てて、現在、実施中でございます。 改革期間初年度の実績につきましては、現在、決算内容を取りまとめつつある段階でございますが、私どもとしては、おおむね計画で見込んだ実績は上がっているものというふうに承知をいたしておりまして、場合によっては少し計画以上の改善が進むのではないかというのを今期待しているところでございます。
○高木(義)委員 この機構というのは、特に内航船は我が国の国内輸送の四割を担っておる、大変重要な輸送手段だろうと私は思っております。しかし、老朽化も大変進んでおる。しかし、この内航船の船主は、御承知のとおり、いわゆる零細な業者、一杯船主と言われておりますけれども、建造資金の手当てに大変苦労をしておる。そういう意味で、船を新しくつくりかえ、船を持つという意味において、この機構の融資制度というのは重要であろう、このように私は思っております。もちろん、近代化船あるいは環境に配慮した船舶の建造、こういったことにも寄与していくわけでございますし、ぜひ、この制度につきましては、経営の安定化を含めて努力をしていただきたいと思いますが、この点について御所見をいただきたいと思います。
○星野政府参考人 ただいま御指摘いただきましたように、この機構は、基本的には内航船の船の建造を支援する仕組みでございます。そういう意味で、実は私ども、内航船の現状については極めていろいろな問題があるということで、それをクリアして、何とか内航船の経営が、経済活動が我が国の経済にきちっと対応するようにやっていかなければいけないというふうに考えておるところでございますが、そのためには、やはり新しい船、より効率的、環境に優しい新しい船を現に投資していただく、そういう環境をどうやってつくっていくかというのが極めて大きな政策課題であると思います。 そういう意味で、この機構の持っているいわゆる船の資金調達を補完する機能というのは、これは、船そのものを新しくしていく上では必要不可欠な制度であるというふうに認識をいたしておりまして、先生御指摘のように、財政的には極めて厳しい状況ではございますが、その改善を図りつつ、なおかつ、この機構の本来の使命を果たせるように、運営の効率化に最大限努めてまいりたいというふうに思っております。
○高木(義)委員 この機構の一つの事業に、電気推進船普及事業というのがございます。いわゆるスーパーエコシップ・フェーズ1というものでありますが、これは、やはりこれからの日本の中小船も含めた造船技術の向上のためには挑戦するべき重要な課題だと私は思っております。 ただ、補助制度があるものの、まだ実態は非常に厳しいものがあると私は聞いております。したがって、もっともっとこの制度で本当に建造意欲がわくか、こういうことについて検証すべきだろうと思っております。 同時に、内航船や漁船では初めから採算性をとるのはなかなか難しいと言われる声もありますので、ぜひ、こういうものこそ官公庁船で実用化をしていけばどうなのかな、私はそのように思いますけれども、この点について。 それからまた、契約方式については責任問題等も課題としてございますので、このスーパーエコシップ・フェーズ1普及促進事業についてのこれからの展望について、取り組みについてお聞かせをいただきたいと思います。
○星野政府参考人 ただいまスーパーエコシップの普及についてお尋ねがあったわけでございますが、スーパーエコシップ、いろいろな技術要素を組み合わせてございますけれども、基本としては、電気推進システムということで、従来、タービンとプロペラが接続していた部分を、電気でプロペラを動かすという意味で、要するに、そこの配置関係をかなり自由度を高めるというのができるというのが一つのみそでございます。 これによって、抵抗の少ない新型船型が導入可能、あるいは電気推進の発電の効率を上げることによってエネルギー効率を高めることができる、そういったさまざまな利点を活用し、すぐれた環境性能と高い経済性を有する、要は、今までエンジンルームがあったところに荷物も積める、同じ大きさで余分に船が荷物も積めるという意味では、経済合理性にもかなう船型であるというふうに考えて、私ども、平成十三年度より技術開発を進め、平成十六年度までの技術的発展を取り入れた、いわゆるスーパーエコシップ・フェーズ1、こう申しておりますが、これについて普及促進に現在取り組んでいるところでございます。 鉄道・運輸機構の共有建造制度に乗っけていくと同時に、環境性能が高いということを評価いただきまして、いわゆる省エネ船としての認定もいただき、一定の御支援をいただける、そういう船になった関係もございまして、一応、既に宮島航路に就航するフェリーがこのスーパーエコシップの形で実現をいたしておりますし、個々の貨物船の建造契約も今徐々に成立しつつある、そういう現状でございます。 この船そのものの今後の普及でございますが、私ども、この船の一番の売りは、設計の自由度が相当高まるということでありまして、どれだけ荷主ニーズに適合したいい船を造船サイドで企画開発していただけるか、その開発にどれだけ機構として支援をさせていただけるか、この辺がこれから大きな普及への一つの起爆剤になり得るのかなというふうに考えておる次第でございます。 今、それぞれの船主さんから、あるいはオペレーターの方々からの引き合いも非常に多うございまして、当面、スタートしたばかりですのでこの程度の実績でございますが、これからさらに普及推進が図られるものと期待しているところでございます。
○高木(義)委員 時間も参りましたので最後にいたしますが、大臣、私は、この法案の審議に当たって、いろいろな方面で声を聞いてまいりましたが、やはり、我が国として、海上物流の比重、役割をどのように評価しているのかということがまず大事ではないかと思っております。 かつて、我が国は、海運国家、海洋国家、こういう自負のもとで、国民挙げて努力をしてきたわけでございますが、今、海運においても港湾においても、国際競争力からすると、かなり地位低下が目立つということでございます。 そういう中で、何といいましても、日本人の船員も、商船隊というものが三万五千人おられます、いわゆる船乗りさんがおりますが、その中で日本人はわずか千六百五十人になりました。約五%という状況です。このままずっと推移をしていきますと、日本人の船乗りさんはいなくなる、こういう危惧さえ各方面から寄せられておるんです。 私たちは、海上物流を担う我が国の日本人船員の育成そして確保、これを、企業のコスト第一主義という観点とは別に、やはり国家として進めていかなきゃならぬと思います。そういう意味では、我が国には理念をきっちりした海運基本法というものがない。イギリス、ノルウェーの欧州先進国、海運先進国、また、隣の韓国だって、自国の船員を確保するためにそれぞれの先進的な制度を設けておる。やはり、これは一つの基本法というものがあって、それから出てくるものだろうと私は思っております。 いわゆる海上物流についての評価と、それから日本人船員の育成確保について、大臣の御所見をお聞きしておきたいと思います。
○北側国務大臣 先ほども申し上げましたが、我が国は、今も輸出入の貨物量では九九・七%は海から出入りをしております。私たちの生活そのものが、また私どもの国のさまざまな経済活動そのものがまさしく海上物流に依存をしているわけでございます。 我が国の港湾の機能、相対的地位が低下をしている。これは、最近の東アジア経済、中国を中心とする東アジアの国々の急速な経済の発展、またそれぞれの国における港湾機能の著しい強化、そういう中で相対的地位が低下しているわけでございます。 一つ視点として、この連休、ちょっと私、港湾局長も同行していただいたんですが、香港、シンガポールの港の視察もさせていただきました。まあ、すさまじいわけでございますけれども、シンガポールに行ったときに、同様に民営化された港湾のオペレーターの企業、そこに行ってまいりました。 いろいろなお話を聞いてまいりまして、ただ、それも最近、そんなに昔からそうではなくて、最近民営化されているわけでございますけれども、私ども、その方のいろいろなお話を聞いていて思いましたのは、我々、港湾については、これまではどちらかというと港湾を管理するという意思が非常に強かったと思うんです。もちろん、これからも適切に港湾というものを管理、整備していくことは非常に大事なわけでございますけれども、私は、そのシンガポールの会社でいろいろな方からお聞きした話の中で非常に感銘を受けましたのは、港湾というのはサービス事業だ、サービス。 ですから、海運業者の方々さらにはその背景にいる荷主の方々、そういう方々というのは多様なニーズを持っているわけですね。その多様なニーズに対して、しっかり耳をそちらの方に向けて、さまざまな、そうした荷主の方々、海運業者の方々の、もっとこうしてもらいたい、こうしたいというふうなことを一つ一つ聞かれて、それに非常に丁寧に対応しているんです。しょっちゅうミーティングをやっています。目がそちらの方を向いているわけなんです。 私は、これからの港湾の事業というのは、もちろん管理ということは大事なんですが、これだけ国際競争が激しくなっている時代に、我々の港湾におけるさまざまな事業につきましても、そういう意味で、これはサービスであって、港を使ってもらいますと。港を、これまでは、使わせてあげると言ったらちょっと語弊があるかもしれません、そうじゃなくて、港をぜひ使ってください、使ってもらうためにぜひいろいろなニーズをおっしゃってください、やはりこれぐらいになっていかないと、とてもじゃないけれどもアジアの主要港にはかなわないなということを改めて私は実感したんです。 そういう意味では、今回のこの法律改正というのは、民営化の問題であったりさまざま提案をさせていただいているわけでございますが、そういう根本的な考え方をやはり大きく転換をしていかないといけないなと。相対的地位の低下という問題を考えたときに、機能強化を図っていくためには、そうした物の考え方についても大きな転換をしていく大きなきっかけになる法案であるというふうに私は思っているところでございます。 若い方々が船員等々についていただけるよう、やはり魅力ある職場にしていかないといけないわけでございまして、若い方々が、船員を初め水先人を初め、船での仕事に魅力を持っていただけるように、しっかり取り組む必要があると考えております。私、決して若い方々も海を敬遠しているわけじゃないと思うんですよ。やはり、日本の若い人たちというのは海に対するあこがれ、願望というのはありますよね。そういう意味で、本当に魅力ある職場にしていけるかどうか。 魅力ある職場にしていけるかどうかというのは、まさしく、前段申し上げた港におけるさまざまな事業についてやはり活性化をしていかないといけないわけでございまして、そういう意味でも、海の物流、海上物流の機能強化のためにも、今回の法案というのは非常に大事な法案でありますし、今後とも海上物流が機能強化されるようにしっかり取り組みをさせていただきたいと私は考えているところでございます。
○高木(義)委員 終わります。 ありがとうございました。
○林委員長 穀田恵二君。
○穀田委員 岸壁、防波堤等、港湾施設の技術基準変更の問題について、まず大臣に聞きたいと思います。 安全問題は耐震強度偽装事件を通じて国民的関心事になっています。新しくつくる登録確認機関に対する国土交通省の指導監督の体制はどうなっているのか、明確にしていただきたいと思います。 そしてまた、二つ目に、登録確認機関が行った確認に関し不備が起こった場合の責任の所在はどこにあるのか、明確にしていただきたいと考えています。
○北側国務大臣 今回の法改正におきまして登録確認機関制度の創設をお願いしているわけでございますが、これにつきましては、公共の安全その他の公益上影響が著しいと認められる施設のうち国土交通大臣が定める設計方法を用いない場合について、従来は港湾管理者により実施される技術基準との適合性の審査があったわけですが、これに加えまして、国または技術力のある登録確認機関が適合性を確認することとしているところでございます。これによりまして、適合性のダブルチェックを今回の法改正でさせていただくということになるわけでございまして、港湾施設の安全性が適切に確保されるものと考えているところでございます。 また、確認行為に不備があった場合の責任はどうなんだというお話でございますが、まず、指導監督の手段としては、登録要件に適合しなくなった場合には適合命令、確認業務を適切に行っていない場合の改善命令等を発出することができるわけでございますし、また必要な報告だとか立入検査も行うことができるわけでございまして、こうした権限を今回の法律には明記をしているところでございます。こうした指導監督を通じて、確認業務が的確に行えることを担保してまいりたいと考えております。 不備があった場合、万一不備があったとしても、登録確認機関は適合性の評価を行うのみでございまして、工事の許可を最終的に出しているのは港湾管理者でございまして、港湾管理者が一義的には責任を負うことになるというふうに考えております。
○穀田委員 二重チェックといっても、建物の場合でも、最終的には地方自治体、特定行政庁が負うという形式になっているんですよね。しかも、それは四枚のペーパーでやるということに一応なっているんですよね。ですから、私は、それだけでは保障する体制というのは安心できない。しかも、問題は、その体制と質にあるということだけは大事だと思うんです。 これは、私どもは参議院でもその問題を質問しましたが、やはり、全体の港湾管理の職員数が減っているという問題もあわせまして、現実に、最終的には、先ほどありましたように、港湾責任者が万一の場合負うんだということになっているわけですから、そこの体制とそこの質の強化ということを根本的にやればいいわけで、新しくそれをやったからといって何になるんやという話だけは、私は改めて提起だけはしておきたいと考えています。 次に、行政財産である特定埠頭を、重要港湾の港湾管理者が認定を受けた民間事業者に貸し付けできる措置を全国展開することなど、港湾施設の利用、そして管理運営の民間開放を促進する問題について聞きたいと思います。 国や地方自治体が税金でもって整備した埠頭、公共コンテナターミナルは、これまで、公共性を担保するために、港湾管理者である行政が管理運営してきました。 まず、港湾施設の公共性とは何か。第二に、管理運営を公共団体が担うべき理由は何か。第三に、今回、民間開放を促進するメリットとデメリットは何か。この点について、局長の方からお答えいただきたいと思います。
○鬼頭政府参考人 お答えを申し上げます。 まず、公共性ということについてのお尋ねがございましたが、港湾法の第十三条という規定がございまして、港湾管理者は、「何人に対しても施設の利用その他港湾の管理運営に関し、不平等な取扱をしてはならない。」という法律の規定になってございます。したがいまして、公的資金で整備された港湾施設については、地方自治体等が港湾管理者として条例に基づいて適正に管理運営を行う、そういう必要があるということが一点目のお答えになります。 もう一つは、今回、特区の全国展開ということでございますが、運営事業者に埠頭施設を一体的に貸し付ける、これによりまして、運営事業者にとっては、土地や建物の使用について法的な位置づけが明確化をされます。そういう意味で、長期的な視野に立った設備投資が可能になる、あるいは、使用頻度に応じて使用料を支払う使用許可制度と異なって、一定額の借料のもとに埠頭施設の貸し付けを港湾管理者から受けることができるようになる、そういうことから、安定的かつ効率的な埠頭の運営が促進できる。そういうことから、今回、全国展開にすることにしたわけです。 さらに、十五年の制度化以降、岡山県の水島港、福岡県の博多港、沖縄県の那覇港、この三港において、既に特区の制度としてこの貸し付けが実施をされておりますが、特段の弊害がなく、いずれも効率的に運営されているというふうに聞いているところでございます。
○穀田委員 その一、二はわかってんけどね。その話はわかったんやけど、要するに弊害はないというだけで、メリットがあったという話も別に、効率的運用がされたという言い方だけでは、それは私は納得できないんです。 この間の一連の考え方の中心は、昨年もスーパー中枢港湾の中で議論をしましたね。それで、簡単に言えば、国際競争力の確保ということですわな、キーワードは。そこで、先ほども大臣もそう言ってはりましたし、そう言わないと……。 私、そのときに言ったんです。コンテナ貨物が日本の港に戻ってくるのか、それから、日本に直接入港する国際基幹航路は維持できるか、そして三番目に、巨大貨物が日本の港に入港する確約があるのかという疑問を出しました。まだ一年しかたっていませんから、その辺はまたおいおい、次の機会があれば、ほんまかいなということについて、お互いに確かめたいと思うんです。 ただ、結局のところ、効率的運用ということで、結局、行政財産である特定埠頭を、メリットというのは、コスト削減、低減できるということだ、効率的にやれる、長期にやればそういうことができるんだ、そして、一体的に貸し付けることによってできるんだ、こういう趣旨ですわな、簡単に言えば。 私は、だとすると、公営ではそれができない、民営ではそれができるというその理屈が、どこが違うのかということで聞きたいと思うんです。つまり、そもそも公営だとなぜコストが高くて、コストの中身は何で、何をどうすれば安くなるのか。こういうあたりについてどうお考えなのか、局長に答弁を求めます。
○鬼頭政府参考人 お答えを申し上げます。 先ほどの御答弁の中でお答えをすればよかったんですが、先ほど御答弁の中でもお話をしました先行的に実施しております三港において、私が申し上げたような効果が現実の形で出てきてございます。 例えば、水島港の場合ですけれども、ガントリークレーンの利用料の引き下げが、三十分当たり、もともと県が港湾管理者ですから、県が管理していた時代は三万円だったのが、この制度を使うことによって二万五千円に下がった。あるいは、薫蒸庫、例えばバナナなんかの消毒をする薫蒸施設ですけれども、その利用料金が、条例などで二十四時間という単位で決まっていたのが、この制度を使うことによって一時間単位に変更ができることになりました。これによりまして、二十四時間で幾らというのが、一時間だと当然安くなりますから、その薫蒸施設の利用時間によって安くできるというようなことがございました。博多港におきましては、コンテナ修理場などの整備、あるいは管理棟のテナント料の低減というようなことで、一平方メートル当たり二千円のものが千九百円というふうになってございます。 先ほど委員が御指摘になりました、公共ではなぜできないかということですが、やはり公共の場合は、条例でこういう料金なり時間というものがしっかり決まっておりますので、なかなか弾力的にやりにくいという面があろうかと思います。
○穀田委員 それは皆聞いていてわかるように、弾力的に活用すればいいというだけの話じゃないですか。それじゃ弾力的にでけへんという話をしているだけで、何らその理屈になってへんというのは、いつもこれは思うわけね、私。そういう弾力的に運用するように話し合いをしてやればいいじゃないかと思うんですよ。ただそれだけの話ですやんか。 そこで、いつもこういう場合に私は聞いているんだけれども、時間がないので、労働条件の影響について聞きたいと思うんです。 埠頭の経営者が行政であろうが民であろうが、労働者の雇用条件などを守れるかどうか、それが問題なんですね。したがって、先ほどもいろいろ質問が出ました。私は、端的に言って、労働者、労働組合との事前協議等の調整が必要だと思うけれども、この辺の仕組み、手当てはどうなっているのか、簡潔にお答えください。
○鬼頭政府参考人 簡潔にお答えを申し上げます。 今回のこの措置は、行政財産の使用形態を変更させるということにすぎませんで、行政財産を利用する立場にある船社や港運労使の間における民間同士の取り決めに対しては、何ら変更を与えるものではございません。
○穀田委員 最後に、臨海部の未利用地の有効利用について聞きます。 それで、具体的に言いますと、例えば、大阪市港湾局が大正区鶴町に保有している鶴浜沖埋立地を株式会社のアークランドサカモトに売却して、超大型ホームセンターや外食チェーンを誘致しようとしているんです。それで、地元商店街や小売市場にとどまらず、消費者、市民も、町が死ぬということで危機感を燃やして、反対の声が広がっています。 今、国会では、まちづくり三法見直しで、都市計画法を改正し、大型店の郊外立地を規制しようとしている。臨海臨港地区、埋立地というのは、総じて、中心市街地から見れば郊外なんですね。こういう政策転換方向と矛盾するんじゃないか。これも端的に。
○鬼頭政府参考人 今回の法律の埋立処分について、十年というものを五年に短縮をするということになってございますが、少なくとも公有水面埋立法の世界では、相手方に対してそれを縛るということは特にありません。別の、都市計画法とかそういう世界での話になると思います。
○穀田委員 十年から五年にしたというのは、約束事でこれまで十年できないというやつを、これから、それが過ぎたら自由にできる、まあ自由じゃないけれどもできる、それを五年に縮めたというだけの話だから、それはわかっているんです。 問題は、処分の方法なんですよ。そういうことが、例えば大正区などの今言いました大型店が出てくる、それは大正区全体の商店街の八割を占めるぐらいの規模なんですよ。とてつもない規模が処理される、しかもそれが、大阪市がやるようなことになっている。こういう事態になっているわけですね。だから、私は、この処分の方法も問題だと思うんですよ。大阪市側は売却を予定しているけれども、大型店側は、買い取りはできない、賃貸しかできない、こう対立しているんですよ。だから結局、賃貸というのは、いずれ撤退するときの布石で、買い取ってまで進出すると採算がとれなくなる、こういうことなんですね。結局、こんなことをやっていたらまた未処分地になって、最終的には市民にツケが回る。だから、こういうやり方は私は問題だと思うんですね。 これは私は、少なくとも、どこに処分してもいいだとか、それから処分のやり方については規制を加えるということも含めてしっかり見守らなくちゃならぬということだけ言っておいて、時間が来ましたので終わっておきます。
○林委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十二分休憩 ————◇————— 午後一時二分開議
○林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。三日月大造君。
○三日月委員 民主党の三日月大造です。 午前中の同僚委員の質問に引き続きまして、海上物流関連法案の質問に立たせていただきます。 私は、滋賀県選出でして海上物流ということでは縁がないのですが、しかし、琵琶湖の水上交通、水上物流ということには恩恵を受けていますし、海上物流で運ばれた九九・七%もの輸出入の物品、これを時にはつくったり、県内総生産工業比、四十七都道府県の中で一位である滋賀県ですし、また、交通の要所として、そういう海の交通を使って運んできたもの、運んでいくものを運ぶ要所として滋賀県あることも含めまして、何点か、そういう観点からの質問をさせていただきたいと思います。 まず初めに、資料をお配りしています。二十ページ物ですね。昨今、原油価格の高騰が非常に進んできておりまして、この原油価格高騰の影響、日本の物流全体に与える影響について、また、今、今回この法案で議論している海上物流に与える影響について、国土交通省としてどのように見積もり、試算をしていらっしゃるか、お聞かせをいただきたいと思います。
○竹歳政府参考人 原油価格高騰の特に海上物流に対する影響のお尋ねでございますが、内航海運やトラックなどの運輸業界におきましては、原油価格の高騰により燃料油のコストが増加する一方、運賃への転嫁がなかなか行えないなど、厳しい経営状況にございまして、運輸業界は原油価格高騰の影響を大きく受けていると認識しております。 このような状況につきまして荷主に理解を深めていただくため、国土交通省としては、大臣が直接、日本経団連や日本商工会議所への働きかけを行うとともに、各地方運輸局でもそれぞれの地域の経済団体への働きかけを行ってきており、こうした取り組みにより、運輸業界の苦境について荷主の理解が深まってきつつございます。 具体的に、海上物流について、海上物流を担う内航海運について見ますと、運賃転嫁について、運賃転嫁割合が五割を超える事業者は三分の一程度ございます一方、この転嫁割合が一割未満の事業者も四割を超えるということで、運賃転嫁がなかなか十分行えている状況ではない、厳しい状況にあると考えております。 一方、トラックにつきましては、約五五%の事業者が運賃交渉を実施しまして、約二五%の事業者について一部の転嫁を含め運賃転嫁がなされてきておりますが、こちらにつきましても、運賃転嫁が十分になされているとは言えず、引き続き厳しい状況にあります。 内航海運やトラック業界につきましては、脱石油、省エネ体質の強化を図る必要もございまして、内航海運につきましては、スーパーエコシップの普及促進などの省エネに対する支援等を行っているところでございます。 原油価格高騰問題につきましては、これまでもこのような努力を行ってきているところでございますけれども、最近再びまた上がっているということから、引き続き、この動向を注視いたしまして、しっかりとした取り組みをしていきたいと考えております。
○三日月委員 今おっしゃっていただいたように、中国を初めとするアジアの需要の増加ですとか、供給する側のリスク、投機も一部入ってきてこの原油価格が上がっている。上がってきたものを価格に転嫁できない内航海運もトラックもまだまだという状況の中で、もう既にお聞き及びだと思うんですけれども、車に依存しなければならない割合が高い例えば地方部ですとか、また、価格の転嫁がなかなか荷主にもそもそも言い出しにくい中小の運輸事業者、こういったところの原油価格高騰によるいわゆる負のインパクト、このことが非常に深刻になってきていますから、ぜひ実態把握をきちんとしていただきたいと思いますし、荷主の方々に対して大臣みずから理解を求める取り組みもしていただいていますけれども、その後、またさらにこの価格が上がっているという状況の中ですから、強く、その動向について注視をしていただきたいということを冒頭申し上げておきたいと思います。 そもそも、価格に転嫁できるようになってきたとはいえ、石油、原油が従来よりも高い価格で推移をするという状況は、もうここ数年変わってないように思うんですね。そうしますと、エネルギー価格が高いということを前提にした物流体系、物流システム、交通、物流インフラをつくっていく必要があるという観点から、以下の質問をさせていただきたいと思うんです。 まず、資料の三ページをごらんいただきたいと思います。これは国内です。海外から海上物流で運ばれてきたものが国内の貨物輸送においてどれぐらいの比率で輸送分担されているのかという表なんですけれども、ごらんのとおり、鉄道が三・九、自動車が五七・五、内航海運が三八・四、航空は〇・二という状況なんです。 こういったものを、二〇〇一年、一枚めくっていただいて四ページ、地球温暖化防止もしくは省エネ等々の観点から、モーダルシフトをしようと。モーダルシフトというのは何だといえば、五百キロ以上の雑貨輸送、これを鉄道、内航海運の利用率五〇%にしていこう、二〇一〇年までにということでやってきたモーダルシフトというのがあると思うんですけれども、これは四ページ目を見ていただければ、二〇〇一年の七月に閣議決定された新総合物流施策大綱では、二〇一〇年までに五〇%を超えて鉄道だとか内航海運で輸送分担していこうと言っていたものが、二〇〇五年十一月に閣議決定されたものでは、いろいろな表現があるんですけれども、若干略していますが、しかし、モーダルシフトの促進ということで、非常に何かトーンダウンをしたような、こういう表現になっています。 この新総合物流施策大綱、二〇〇一年の大綱を出したときには、アクションプランまで国交省として二次にわたりつくられていたと思うんですが、その検証ですとか評価をどのようになさっているのか。五ページ目を見ていただければ、国を挙げて、大綱にも書き、目標も定め、アクションプランまでつくっていた割には、ずっと思うように輸送分担が鉄道と内航海運にいっていないというこの状況を国交省としてどのように見られているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○杉山政府参考人 先生今御指摘がございましたように、いわゆるモーダルシフト化率という数字につきましては、お示しの資料のとおり、最近では低下傾向にあるわけでございます。 ただ、これは率の問題でございまして、いわゆる鉄道、海運の実際の輸送量そのものは、平成十三年度六千三百九十九万六千トンから平成十四年度は六千五百二十六万九千トンということで、量としては実は増加しているわけでございますが、一方で、自動車の方が約一億百八十万トンから一億三千七百八十万トンということで、非常に大幅に増加したわけでございます。こういったことで、自動車輸送の大幅な伸びが、結果といたしまして、率で換算いたしましたときには、このモーダルシフト化率としては減少という数字にあらわれたわけでございます。 この背景といたしましては、私ども、やはり荷主の側の多頻度小口輸送の増加、あるいはジャスト・イン・タイムの要請等々の社会的な要因が推測されるのではないかと思っておる次第でございます。
○三日月委員 余りにも簡単に、答弁のほとんどを私の示した資料に基づいてお答えいただいたんですけれども、違うんですよ。 ですから、二〇〇一年に、二〇一〇年までに輸送分担五〇%にするんだ、京都議定書の目標もあるからということでやられて、アクションプログラムまでつくられて推進してきたけれども、自動車の輸送が格段に伸びて、鉄道貨物と内航海運はふえたけれども伸びなかった、その原因をどのように分析されているんですか。しかも、昨年十一月につくられた新しい物流大綱ではもう目標は定めないんですか。二〇一〇年までにという目標はどうするんですか。
○杉山政府参考人 モーダルシフトの目標値のお尋ねでございますが、確かに、前回の物流大綱では、いわゆるモーダルシフト化率を二〇一〇年までに五〇%を達成するということで定めたわけでございます。実は、今回はそういう数値は大綱では定めておりません。御指摘のとおりでございます。 これはどうしてかということでございますが、先ほど申し上げましたように、モーダルシフト化率というのは、一つは相対的な指標でございまして、絶対量がふえましても、例えばトラックの方が非常に大幅にふえた場合には、それは率として換算いたしますと、内航海運、鉄道が減っても……(三日月委員「それはそうです。それはわかっています」と呼ぶ)はい。 したがいまして、今回は、そこで、数字といたしましては、鉄道に関しましては鉄道コンテナ輸送量というものをふやす、それを平成二十二年度までに二百十七億トンキロ、それから、フェリー等の国内貨物輸送につきましては、これをコスト低減させまして輸送量をふやしていこうということで、平成十九年度までに平成十四年度の四%減、こういう目標値を立てることによりまして、貨物鉄道及び内航海運の利用拡大に向けていきたい、こういうことでございます。
○三日月委員 与野党問わず、今聞かれている委員の皆様、いかがお感じになられましたか。 違うんです。モード別の絶対量について言ってきたわけではなくて、モード間の相対的な比率について改善していきましょうというのがこのモーダルシフト化であり、そこに目標を定めて二〇一〇年までにやろうということで、二〇〇一年からやっていたんですよね。そのことの評価、検証なく、こんなに簡単に、いや、絶対量でやることにしましたなんて、そんないいかげんなことでいいんですか。大臣、答弁を求めます。
○北側国務大臣 トラック輸送であれ、それから鉄道輸送であれ海上輸送であれ、これはすべて物流でございます。 物流というのは、荷主のニーズに応じて物を運ぶというのがこの物流でございまして、先ほど杉山統括官が申しておりましたが、荷主の今のニーズは何かといいますと、もう委員もよく御承知のとおりで、小口のものをしっかり運んでよ、また、まとまったら運んでよというのではなくて多頻度で運んでください、何度も運んでくださいね、ジャスト・イン・タイムでやってくださいね、こういうニーズが非常に強くなっている中で、内航海運とか鉄道輸送の場合は必ずしも、そうした小口多頻度、ジャスト・イン・タイムという荷主側の要請にこたえられるかというと、十分にこたえられないという問題点があるわけですね。 そういう中で、先ほど来申し上げているとおり、このモーダルシフト化率というのは全体の物流の中での船と鉄道の比率でございますので、全体が大きくなってしまうと、幾ら船や鉄道がふえてもモーダルシフト化率そのものは相対的には低くなってしまう、こういうことになっているというところでございます。 したがって、これは、大事なことは地球温暖化対策でございまして、その一つの指標としてモーダルシフト化率ということは掲げているんですが、それだけではなくて、一つは、内航海運や鉄道の輸送をさらにふやしていくということはしっかりと取り組む必要がありますし、また、自動車によるトラック輸送についても、例えば省エネ、脱石油等々がしっかり図られるようにさらに推進をしていくということがやはり大事なのではないかというふうに考えているところでございます。 したがって、モーダルシフト化率について、全くこれをやめてしまったということではございませんが、また別の指標として、鉄道や船の方でそれぞれどれぐらいふえていったのか、そういうこともきちんと指標にしていきましょうというふうにさせていただいているところでございます。
○三日月委員 そうしたら、モーダルシフト化率はやめたわけじゃないということは、どうするんですか。絶対量と相対的な比率と双方で、今おっしゃったCO2の削減であるとか地球温暖化防止のための運輸部門の、物流部門の指標管理をやっていくということですか。
○北側国務大臣 大切なことは、運輸部門におけるCO2の排出量を抑制していくことでございます。ここが一番の目標です。 今、二割あるわけですね。これを小さくしていくことが目標でございまして、その中の、小さくしていくためのいろいろな指標として、モーダルシフト化率というのも大事です、トラック輸送から鉄道へ、トラック輸送から内航海運へというふうにシフトしていくのも大事ですが、それだけではなくて、いろいろな指標をつくりましょうと。 それは、それぞれ内航海運や鉄道をふやしていくことがやはり大事ですし、トラック輸送はトラック輸送で省エネ、脱エネの方向に進めていくことが大事であるというふうに考えております。
○三日月委員 ということは、二〇一〇年までのこの五〇%という目標はまだ生きているんですね。
○杉山政府参考人 現時点で申し上げればこの数値は生きているわけでございますが、ただ、先ほど来から申し上げておりますように、この数値が、大臣の御答弁にもございましたように、最終的には、モーダルシフトの目的というのはCO2の排出削減につなげていく、つまり環境の浄化に向けていくということでございますので、そういった意味で、もっとより直接的にそういった例えばCO2の削減量に結びつくような指標というものがないかどうかということは、並行して今後検討し、分析をして、あるいは新たな指標があれば、それはそれで新しい指標の設定というものを検討していきたいというぐあいには考えております。
○三日月委員 ということは、まだ生きているんですね、この目標は。生きているんですね。生きているし、当然のことながら目指しているんですね。うなずいていただくだけで結構です。 大臣、ちょっと答弁を求めます。
○北側国務大臣 ですから、捨てたわけではございません。この目標というものは今も残っております。維持をしております。
○三日月委員 その中で、私がいただいた資料をもとに示したように、これはまだ数値をとるのが非常に難しいということで十四年までの数字しかありませんけれども、三二・一、目標からかなり乖離をしていくという状況。そして、国交省は、この目標がありながら、いや、相対的な数値ではなくて絶対値で比較し始めているんだ、結局はCO2が削減されればいいんだということをもとに、このモーダルシフト化率という指標に対する取り組みについてはやや腰が引けた感が、非常に今の御答弁を見ても明らかであります。 この議論ばかりしていても二時間、三時間かかります。ちょっと違う観点でお伺いしますが、次の資料、七ページ。 大臣がおっしゃったとおり、荷主のニーズ、ジャスト・イン・タイムであるとか少量多頻度、これはわかります。そのことにこたえようと思って、例えばグリーン物流の取り組みだとか、何とかしてこのモーダルシフトが進めばいいということでやられていることも理解をいたします。しかしながら、そのいわゆる荷主のニーズを満たしていくための投資規模、予算規模にしてみますと、モーダルシフト、モーダルシフトと言って旗を掲げてきた割には、いろいろなとり方があるんでしょうけれども、この予算規模の比率ですね、輸送分担の比率と直してみても非常に偏りがあり過ぎるのではないかと思うんです。 見ていただければわかるとおり、十八年度、一貫してですけれども、道路関係の投資は三兆円に比して、鉄道関係、物流関係の鉄道投資でいけば二億円、多いときでも三億円、港湾で一千七百億円、そして空港で三千七百億円。この数字、比率についてどのようにお感じですか。
○杉山政府参考人 お示しの物流関係の予算の表でございますが、実は、道路、空港、港湾関係は、物流と人流というものを予算として分けることができないわけでございます。したがいまして、その総額という形で実はここに記載をさせていただいているということでございます。ただ、鉄道に関しましては、山陽線の鉄道貨物輸送力増強事業ということで、これは分けることができるということで、その部分を計上したわけでございます。したがいまして、この数字だけをもちまして偏りがあるかどうかというのは、なかなか難しいところではないかと思っております。 ただ、いずれにいたしましても、非常に厳しい財政状況の中で、私どもは物流というものを非常に重視しているわけでございますので、その中で、よくニーズを十分に把握しながら、重点的、効率的な投資に努めてまいりたいというふうに思っております。
○三日月委員 統括官、それでいいかな。何か今の御答弁は非常に逃げられているような気がします。 物流と人流、道路は一緒くただから、鉄道は分けられたからこんな数字になっていると言われましたけれども、では、人流も含めて鉄道をやってみてくださいよ。それなりの輸送分担に合う比率になりますか、ならないですよ。別に、限られた予算をやりくりしていただいているのもわかります。しかし、環境のためにモーダルシフトをやろう、CO2削減のために地球に優しい物流体系をつくっていこうという政策を掲げられていて、そのための投資がきちんと見合うだけのものになっていますかという検証をしているんです。余りにも偏り過ぎてはいませんかという私の指摘なんです。 もちろん投資の規模だけじゃないでしょう。先ほど大臣がジャスト・イン・タイムと言われましたから、若干お聞きをしたいと思うんですけれども、例えば、この数字はお示ししていないですけれども、貨物鉄道ですね、海上物流で運ばれてきたものを国内で輸送するときの貨物鉄道の定時運行率というのは御存じですか。 どれぐらいの割合できちんと時間どおりに運べたかという比率が、御存じだと思うんですけれども、十三年度、十四年度、十五年度、十六年度、十七年度とずっと一貫して下がっているんです。要は定時で運べなくなっているんです。なぜか。線路を自前で持っていないですし、そして、災害が起こった場合、事故が起こった場合に、どうしても後回しになってしまう等々の問題点があって、貨物鉄道の定時運行率が下がってきているこの現状をどのようにお感じになられますか。
○梅田政府参考人 鉄道、先生の御指摘の点でございますが、定時運行ができないというのはいろいろな原因があります。 それは、一つは車両が非常に古い。これは以前にもこの委員会で申し上げたと思いますが、法定耐用年数を超える車両、これはもう大体、大部分の車両がそうです。これはやはり車両に対する投資不足があります。機関車それから貨車、コンテナ、すべてでございます。私ども、この点、機関車がぼろになれば故障しますから、定時運行はできません。 それからもう一つは、先生御指摘になると思いますけれども、貨物の輸送、この基盤になっている輸送容量の問題があります。これは両方ありまして、基盤そのものの線路の容量が一つあります。それからもう一つは、これは車両とも関係しますけれども、牽引する力ですね。機関車の持っている牽引力ですね。これが、古い車両だと少ししか引っ張れませんので、やはり新しい車両にして強い力を持った機関車にかえないといけない。このためには変電所を変えないといけません、電力供給がまた変わってきますから。それに関連して必要なまた架線の張りかえなんかもやらぬといかぬようになります。 そういうようなことが定時運行を阻害する原因の一つだと思います。そのほかに定時運行ができない理由は、人為的な原因とかいろいろございます、あるいは自然的な原因もございます。ただ、我々としては、今申し上げた点を直していけば、かなり定時運行は達成できるのではないかというふうに思っております。
○三日月委員 今局長が言われた車両が古い、そしてもう一つおっしゃった変電所の問題、これはいずれも国交省が今の時点でやられていることだけをとらえられておっしゃいましたけれども、一点、ちょっとお聞かせいただきたいと思うんです。 貨物の輸送について私が示しました十二ページ、十三ページ、十四ページですね。海上物流で運ばれたもの等々が鉄道でどのように運ばれているのかということについて、これぐらいの比率で今国内で輸送されていますという状況についてお示しをしています。 北海道、この中にも北海道選出の議員の方々はいらっしゃると思うんですけれども、北海道に関する物流というのは鉄道貨物によるところが多いんです。では、その北海道に関する物流がどこを通って行われているかというと、御案内のとおり青函トンネル、そしてそこに至る江差線、津軽線。例えば、今おっしゃった車両が古いとか、そして変電所の設備を増強しなくちゃいけないということ以外に、やはり貨物鉄道が通る線路のあり方としてどのように施策を講じられるおつもりか。 今申し上げました北海道と本州との物流のやりとり、いや、本州だけではなくて九州、四国にわたる物流のやりとりという意味において、非常にボトルネックになってしまっている青函トンネルと、そして単線区間、江差線と津軽線をどのように増強されていくおつもりか、お聞かせいただきたいと思います。
○梅田政府参考人 まず、青函トンネルでございますが、青函トンネルにつきましては、御承知のとおり、昭和四十六年からつくりまして六十三年に開業しております。かなり古くなってきておりまして、そういう点で今改修に入っております。改修に入る中身でございますが、信号だとか変電の設備だとか、さまざまな火災関係あるいは排水ポンプの関係とか、こういうような改修をやってきているところでございます。 現在のところ、この青函トンネルを使って輸送されている貨物につきましては、本州と北海道の間、これは大部分ですね、かなりの比率を占めているものでございますので、私どもといたしましては、青函トンネル、このままいきますと、これまたトンネル自体が湿度が高くて非常に湧水が多いという悪条件のところでございますので、使えなくなるということになると大変でございますから、この改修を図りながらできるだけ能力のアップも図っていきたいと思っておりますし、また、これにつきましては新幹線の鉄道を併用して走らせるということにしておりますので、そういう工事との調整を図りながら、貨物についても、これからできるだけ、今以上に能力が発揮できるようにしていきたいというふうに思っているところでございます。 なお、その他、山陽線、東海道線等々、こういう点につきましては、私ども過去十年ぐらいにわたりまして補助も差し上げ、牽引力を含めた貨物設備の更新、増強に努めているところでございます。ただ、残念なことに、東海道線につきましては旅客線と共用している部分がかなり多うございますから、自由にダイヤを張り直すというようなことがなかなかできないという問題がございますけれども、よくJR相互間の調整を図りながら、貨物につきましても、現在果たしている役割が十分達成できるように努力してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○三日月委員 せっかくの機会ですから端的にお答えをいただければと思うんですが、現時点のもので結構なんですが、今局長が答弁の中で、貨物鉄道の持っている役割が十分に発揮できるようとおっしゃいましたけれども、今、現時点で、承継特例等、国鉄時代からJR貨物に移ったことに伴って、改革に伴って、固定資産税の税制特例措置がとられています。貨物を応援しよう、厳しいけれども応援しようということでやられています。これが期限切れになるんですね、今年度。今、現時点での国交省の考え方、そして検討状況、今後の見通しについてお答えをいただきたいと思います。
○梅田政府参考人 JR貨物の近年の経営状況といいますのは、増収に向けまして会社も従業員の方々も一生懸命やっていただいています。したがいまして、営業努力あるいは要員の削減、コストの削減等しっかりやっていただいておりますので、十三年度以降四期連続で経常黒字を達成してきております。 しかしながら、この黒字の幅といいますのは、例えば直近で申しますと、十六年度でございますが、経常黒字で十三億円でございます。これは全体としては基調がかなり定着してきてはおりますけれども、物流業界というのはなかなか厳しい業界でございますので、運賃は下がる、あるいは事故や災害があるということで安定輸送ができないというようなことで、経営環境は非常になかなか厳しいものがあります。 私どもとしましては、JR貨物の経営基盤の安定に向けまして、御指摘のような、旧国鉄からの承継資産につきましての固定資産税あるいは都市計画税等の減免措置につきまして、いわゆる承継特例というものを講じているところでございます。ちなみに申しますと、承継特例でJR貨物が恩恵を受けているのは十五億円でございます。承継特例がなくなれば、経常黒字は経常赤字に転換してしまいます。 こういう状況でございますので、私どもは、JR貨物の経営に与える影響、あるいは今後の貨物の経営の見通し、こういうようなものを踏まえながら、今年度の予算要求に向けまして現在検討している状況でございます。
○三日月委員 日本の物流全体、そして海外から運ばれてきたもの、海外に運んでいくもの等々、トータルで考えた貨物鉄道への支援策についても早急に検討をしていただきたいということを求めておきたいと思います。 大臣の決意もぜひお伺いしたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○北側国務大臣 鉄道貨物輸送はこれからも大変重要であると思っております。そういう意味で、鉄道貨物がさらに荷主の方々のニーズに応じられるようにさまざまな工夫をしていただく必要もありますし、また鉄道貨物の方がふさわしい貨物輸送というのもたくさんあるわけでございまして、そういう意味で、鉄道による貨物輸送については、さらに進展できるように国土交通省としてはしっかり取り組みをさせていただきたいと考えております。
○三日月委員 国内だけではなくて海外との関係ということで質疑をしたいと思うんですけれども、午前中から質疑をされていますとおり、資料の十七ページに示しましたとおり、コストが高くなってサービスが悪くて、伸びていくアジアの港湾に対して日本の港の相対的な地位が低下してきているというデータ、指標は枚挙にいとまがないんですけれども、結果、右側に書かせていただいているとおり、我が国の港に寄港してくる基幹航路が減ってきている。 この状況を何とかしなくちゃいけない、日本を素通りして物が運ばれるということがないようにしようということでいろいろな施策を講じてこられていると思うんですけれども、このあたり、日本の港の相対的地位が低下してきたことの原因は、コストが高くサービスが悪い、リードタイムが長い。その原因は何だと総括をされていますか。大臣、いかがでしょう。
○北側国務大臣 コストが高い要因は、一つはやはり人件費の問題があると思います。労働コストが高い。それから物件費についても割高でございます。それから、一バース単位で個別運営されているということも、運営規模が小さいわけですから、効率化という観点からはやはり我が国はおくれてきたというふうに言えると思います。それから、船そのものが大規模化しております。そういう中で港の水深を深くしないといけないわけでございますから、この水深化に伴う施設整備費用の増大がなかなかコスト面で大変である、こういう問題もあります。 それから、リードタイムの問題につきましては、きょうも午前中議論されておりましたが、まずは、手続が非常に錯綜しておって、これをもっと簡素化、効率化していく必要があると思いますし、またフルオープン化等のおくれもあるというふうに考えております。
○三日月委員 私なりに総括をすれば、日本のこれまでの海上物流政策、特に港湾をめぐる政策というのは、港湾をどうやって整備するのか、そこのお金をどうやって予算を確保していくのかということは一生懸命とられてきたかもしれませんが、その中で、例えば公社、公団、そして港湾関係者の方々がどのように経営をされたり運営をされたり、時間を短縮されていくのか、価格を下げていかれるのかということに対する支援が若干おろそかだったのではないかというふうに総括をさせていただいています。 今大臣がおっしゃいましたリードタイムを削減していく、効率化していくということに非常に大きな効果を発揮すると思われる税関の効率化について、特に私は、今、通関、税関のところで錯綜するとおっしゃいましたけれども、ならば、港で錯綜するんだったら、内陸税関の役割を、機能をもっと強化していけばいいんじゃないかというふうに思って、これまでもやってこられたと思うんですけれども、まず財務省にお伺いをいたします。 内陸税関の活用に向けた効率化や規制緩和、これまでどのような対策をとられてこられましたか。
○青山政府参考人 お答え申し上げます。 税関におきましては、港あるいは空港から離れました内陸地域におきます国際物流の効率化等に寄与するために、従来より、例えば群馬県の前橋市、栃木県の宇都宮市、茨城県のつくば市、長野県の諏訪市、あるいは滋賀県の草津市等の内陸地に税関官署を設置しておるわけでございます。 最近におきましては、国際物流の一層の増加あるいは迅速化に伴い、さらに道路交通需要の変化ということを踏まえまして、内陸地域におきます通関業務に対応すべく、保税地域の有効活用を図ろうということで、平成十五年十月より、構造改革特別区域法に基づきますいわゆる距離基準の延長によります保税蔵置場の設置促進事業、これは特区の七〇六と言っております、これをやっておりまして、内陸地域におきます保税蔵置場の設置を促進できるように、保税蔵置場の許可基準を、周辺地域におきます交通施設の整備を条件といたしまして、管轄の税関官署から二十五キロメートルというふうに言っておったんですが、これを百キロ以内ということに規制緩和を図ったわけでございます。 この特区の制度でございますが、これは十五年の十月から十七年の四月までやりましたが、これは八カ所、新設は二カ所でございますが、八カ所が新たな保税蔵置場の許可ということになっているわけでございます。これを昨年の五月以降全国展開いたしまして規制緩和を図ったところでございまして、昨年の五月以降、ことしの五月まででございますが、新規分で二十七カ所、拡大分で二十四カ所、これで五十一カ所、前の特区ベースと合わせますと五十九カ所という形になってございます。 こういう保税蔵置場の距離基準の緩和によりまして、全国で新たな保税蔵地場の新設等が行われておりまして、今後とも、こういう観点から国際物流の効率化に寄与できるよう対応してまいりたい、かように考えております。 以上でございます。
○三日月委員 内陸税関を効率化することによってリードタイムを少なくしていこうということについては、国交省として、そうだと、ぜひ財務省と一緒にやっていこうということに異論はないと思います。 これまでもいろいろとやってこられたと思います。これまでの成果を検証されながら、さらに今回の法改正とあわせて、税関の、特に内陸税関の機能強化、体制強化ということについてぜひ取り組んでいただきますように強く要望しておきたいと思います。私が別に内陸に住んでいるからといって言っているわけではなくて、国全体の課題として指摘をしておきたいというふうに思います。 さらにお伺いをしたいと思うんですけれども、今回の法改正、外貿埠頭の法律の四条、株式の保有条件、午前中の長安議員初めほかの委員の皆様方の議論の中でもありました。株式会社化はするんだけれども、半分は港湾管理者が持っていなくちゃいけないようにするんだと。これは、先ほど御答弁がありました、公共性、公益性があるからだということだと思うんですけれども、出資だとか株式を持つことの比率を規制することについての考え方をぜひお伺いしたいと思うんです。 特に、昨今、阪神鉄道の株の持たれ方についていろいろ世間をにぎわしていますけれども、例えば、航空法では株を持つことについての外資の規制があります。しかし、鉄道事業法にはそれがありません。今回、港湾の株式会社化に当たっては、港湾管理者が半分持っていなくちゃいけないということにしようとしています。いわゆる公共性、公益性、また安全性が問われるこういう運輸事業者、港湾事業者の株式の持たれ方について、外資規制だけではなくて、どのようなお考え、御認識をお持ちでしょうか。大臣、お伺いしたいと思います。
○北側国務大臣 今回、法案では二分の一以上を港湾管理者が保有するというふうにさせていただいております。 私も先般シンガポールへ行きまして、非常に先進的な取り組みをしている民営化された会社、PSAというのですけれども、これは政府全額出資なんですよ。完全民営化していないんですね。政府全額出資なんです。逆に言うと、シンガポールにとっては、港、港湾というのは最大の売りの社会資本ですから、それだけ非常に大切にしているんだなということは一面私は感じたわけでございますが、これからも民間に株式を売却するようなことについては、どうも現時点ではまだ予定はないようなんですね。政府全額出資でやっているということでございました。 鉄道においても株式保有に関する規制が必要ではないかという問題意識での御質問かというふうに思いますけれども、確かに、航空の場合には外資規制がございます。それから内航海運、放送・通信、こうしたものにはあるわけでございますが、逆に電力とかガスはないんですね。鉄道事業は、もちろん民間がやっているとはいうものの、これは公益性の高い事業でございます。しかしながら、今申し上げたように、外資規制、株式保有の規制というのはありません。 なぜ株式保有の規制がないかというと、一つは、株式の上場、公開によって株主から広く資金を調達する、これがそもそも上場の目的でございまして、それと整合しないのではないか。それから、株式保有規制によらないとそもそも行政目的が達成できないのか、ほかに方法があるんじゃないのかということだとか、それから鉄道の場合は、特に難しいのは、鉄道事業だけではなくて、鉄道会社というのは鉄道以外の不動産だとか流通だとか、そうした事業もやっている場合が多いわけですね。そういうことを考えると、少しやはり株式保有規制をやりますと過度な規制にならないのか。こうした問題点があるというふうに認識をしているところでございます。 ただ、冒頭申し上げたように、鉄道というのもやはり極めて大事な、公共性の高い事業でございます。安全性の確保というのは特に要請をされるわけですね。そういうことを考えたときに全く野放しでいいのかどうかということですね。そこはよく研究をしないといけないというふうに私も思っておりまして、実を申し上げますと、私の方から、鉄道局に対しましては、よく勉強してくれ、海外の事例だとかそういうことも参考にしながら、また、すぐ直ちに株式保有規制というふうになるかどうかわかりませんが、やはり公共性の高さ、また運送の安全性の確保というようなことを考えたときに野放しでいいのかどうか、そこは一度よく勉強してもらいたいというふうに申し上げているところでございます。
○三日月委員 確かに、株式保有規制によらずに、今大臣の御答弁にあったように、安全性だとか公共性、公益性を担保することができるでしょうし、鉄道事業者の場合、鉄道事業だけじゃなくて、他の不動産だとかいろいろな事業をやっていることとこの規制とがどう絡んでくるのか等々、幅広い議論をしなければいけないということで、検討を指示されたということでいいのであれば、ぜひその検討内容の推移を見守りたいと思います。 別に情緒的に言うわけではありませんけれども、阪神タイガースがどうだということだけではなくて、やはり安全を確保するに当たって、外資に限らず、株をどなたが持たれているのかということに対して行政がどう監視するのかということのあり方は、我が国においてもぜひ検討をしなければいけないというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いをしたいというふうに思います。 さらに、公有水面の埋め立てについてお伺いをいたします。 資料の十八ページ、十九ページのところでお示しをしているんですけれども、埋め立てたはいいけれども、しかしなかなか処分されない土地もあるので、用途変更できるように、また処分できるようにということで、十年から五年という規制緩和をされるということでいいと思うんです。 しかし、私、皆様方と議論をする中でおかしいなと思ったことがあるんです。十九ページ目を見ていただければと思うんですが、公有水面なんですね、公の海なんです。勝手に埋め立てちゃだめなんです。貴重な海をむやみやたらと埋め立てて、しかも、埋め立てたはいいけれども、土地はつくったけれども、売れない、使えないということがあってはならないと思うんです。今回はそのための法改正だと思っているんです。 しかし、埋め立てられて使われていない土地が千二百六十ヘクタールある。制度をよくよく見てみると、埋め立てていいですよという免許権者、免許を出す人と埋め立ててよろしいやろかという埋立権者が同じであるという、法制度上、埋め立ててよろしいですかとお伺いを立てる側と埋め立ててよろしいよという人たちが、主体が同じであるということがあって、しかも、今回、この千二百六十ヘクタールある未処分地、現時点で、平成八年から平成十七年までに埋め立てをした土地のうち、未処分になっている土地の約八九%に当たる千百二十ヘクタールで、非常に高い比率で、埋め立てていいという人と埋め立てさせてほしいという人が同じという、この公有水面の埋め立てのあり方、これはおかしいと思われませんか。
○鬼頭政府参考人 お答えを申し上げます。 今委員の御指摘がございましたように、公有水面埋立法の免許権者である港湾管理者または都道府県知事みずからが埋立権者である場合もございます。そういう場合におきましても、公有水面埋立法に基づきまして、当然、同法に規定されている公衆への告示、縦覧、地元市町村長への意見徴取、利害関係者からの意見書の受け付け等々の手続がきちっとなされなければいけないということに加えまして、国土の利用上適正かつ合理的であること、もう一つは港湾計画に違背するものでないというような、いろいろな縛りがかかっているという中で厳正に審査が行われているというふうに我々は思っております。 ただ、埋め立ての中で、港湾の種類、例えば重要港湾であれば一定の規模以上とか、そういうものにつきましては、知事または港湾管理者が免許を付与するに際して国土交通大臣の認可が要るということになってございます。そういう意味で、免許権者の審査が適正であるかどうかをもう一度国がチェックするということにもなってございます。 さらに、埋立免許に関する事務というのは地方自治法に規定する法定受託事務になってございまして、港湾管理者あるいは都道府県知事の事務の処理が不適切な場合は、国土交通大臣が必要な指示なり勧告ができるということにもなってございます。
○三日月委員 いや、それでいいと思われますか。 今局長がおっしゃったように、私が十九ページに示した表で、免許を出す人と埋め立てしますという人とが同じ主体であることの疑問を投げかけました。同じ主体でやっているとはいえ、ちゃんとやっています、かつ、右側にある、必要であれば国も見ているんですとおっしゃったんですね。 しかし、では、この一番右の数字、四千百八十ヘクタール、二千百七十ヘクタール、二千十ヘクタール、千百六十ヘクタール、いわゆる国が見ているんだというこの土地は、左側がすべて含まれていますか。含まれていないんですよね。要は、免許を出す人と埋め立てをするという人が同じ主体であることに、例えば、もう一段階国でも審査しているんですというならともかく、同じ主体である埋め立ての土地がきちんとダブルチェックがかけられていないということに対して、私は疑問を呈したいと思っているんです。 現状、これだけ処分をされていない土地があって、それをもっと短い期間で処分できるようにしようということも一つかもしれませんが、しかし、そもそも免許を出す時点で、埋め立てていいか悪いかということの判断をする時点で、もっと厳しいチェックだとか管理があってしかるべきではないかということについて、ぜひ国交省としても踏み込んで調査をしていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○鬼頭政府参考人 今お示しをいただきましたこの十九ページの表でございますが、未処分地の千二百六十ヘクタールのうち、免許権者と同じ主体が今委員が御指摘の八九%の千百二十ヘクタール、また、千二百六十ヘクタールのうち、大臣の認可にかかわるものが千百六十ヘクタールでございますので、若干のあれがあるかもしれませんけれども、ほとんどは大臣がきっちりとチェックをしているというふうに思っております。
○三日月委員 ほとんどはじゃないんです。私は、そのチェックの仕方も含めてぜひ検証してくださいと言っているんです。単に規制緩和をして、短い期間で用途変更ができる、処分ができるということだけではなくて、そもそも、公有水面を埋め立てることに対する審査のあり方について、そのほとんどを、こうやって同じ主体で申請をし免許を出すというこのあり方にも未処分地がふえてしまう原因があるんではないかという指摘に対して、ぜひ調査をしていただきたい。 大臣、うなずいていただくだけで結構なんですけれども、御認識を伺えたらと思います。
○北側国務大臣 未処分地がこのように多いという理由と、免許権者と埋立権者が同一であるということと、私は必ずしも相関関係があるとは思っていないんですけれども。行政手続においては、この手の話というのはよくあるんですよね。ほかにもあります。 ただ、きちんと手続に乗っかって、市町村の意見を聞いたり、告示、縦覧をしたりとか、そういう手続をきちんと経ているかどうかというのが大事なわけであって、免許権者と埋立権者が同じ知事であるなんというようなことは、これはほかの行政手続の場合でもあることで、大事なことは、手続にきちんと乗っかってやっているかどうか、適正にされているかどうかというのが大事だと思っています。 未処分地が多いということは、当初の処分、埋め立てをするときの認識、見通しと合っていなかったということが多いんだろうと思います。これは、やはり経済情勢が、バブルの崩壊の後、非常に厳しい経済情勢が長く続いた、そういうことを必ずしも予測できなかったということもあったと思うんですが、これ自体は、こういう未処分地がいつまでも長くあるということ自体は、これはやはりいいことではないことは確かだと私も思います。
○三日月委員 今ある処分地を一日も早く有効に活用されるように処分するということのために今回の法改正があることは理解したとしても、しかし、これからも、埋め立てていい悪いという判断をする、審査をする、免許を出すということに対して、よくあることなんですよねとか、いやいや、経済情勢を読み誤ったのかもしれませんなんということで済まされることがないように、ぜひ審査のあり方についても点検をすべきではないか。厳正に行われているというのであれば、その結果でも結構です、ぜひチェックをしていただきたいというふうに思います。 最後に、水先人の関係で短く質問したいと思うんですけれども、資料の最後の二十ページ。この国会は、安全ということに対してどう国として、行政として取り組んでいくのかということも大きな課題だと思うんですけれども、今回の水先人規制のいわゆる緩和、このことによる安全確保について、そもそも、現状、この海域、水先区でどれだけの事故が起こっているんですかということの把握はされていますか。
○星野政府参考人 お配りいただいた資料にも掲載されてございますが、海難の発生状況等につきましては、海難統計に基づいて、その原因として解明されているような部分を含めて確認をいたしております。 それから、水先人が実際に乗船して事故を起こしたケースについては、私ども、個々の水先人から事故の報告をいただいておりますので、この実態に基づいて把握しているということでございます。
○三日月委員 いや、局長は今実態を把握していると言われたから、私は数値がありますかと聞いたら、全体の数値がなかったんです。出てこなかったんです。 ですから、今回、水先人のあり方について改革をするときに、安全性についてはちゃんと担保されます、免許の等級区分をつくります、養成機関もつくりますということの前提として、そもそも水先人が絡んだ事故がどこでどのような形で起こっているのかということの把握なり、国会での説明が必要ではないかということで求めたんですけれども、この程度の資料しか出てこなかったんです。そのことの問題点を私は指摘させていただいて、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○林委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○林委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。穀田恵二君。
○穀田委員 港湾は、海上輸送と陸上輸送の結節点として物流や人流を支える交通基盤であるとともに、陸域と水域とが一体となった臨海部の空間であり、公共のスペースとして、これまでも国民の生命財産の安全に重要な役割を果たしてきました。社会経済が変化しようとも、港湾の持つこの役割は変わるものではありません。国際競争力の強化の名のもとに、港湾施設の管理運営などを民間任せにするやり方には多くの問題があります。 以下、本法案に反対する理由を述べます。 第一の反対理由は、重要港湾における岸壁等、行政財産の民間大企業への長期貸し付け、未利用地、埋立地の処分制限期間の短縮などが、港湾地区の公平な利用、住民本位の利用に混乱を招くことになるからです。 第二の理由は、外貿埠頭公社の株式会社化が、埠頭という公共施設の管理運営事業をもうけの対象にすることによって、岸壁など港湾施設の利用上で特定企業にだけ利益をもたらすケースも想定されることなどにより、港湾施設利用者の公平性、透明性がゆがめられるからです。 反対の第三の理由は、自治体の港湾管理の技術と体制を拡充することなく、民間確認機関の検証任せにして港湾施設整備に性能基準を導入することが、水域につくられる港湾構築物の安全確保の後退につながるおそれがあるからです。 以上です。
○林委員長 次に、日森文尋君。
○日森委員 私は、社会民主党・市民連合を代表して、海上物流の基盤強化のための港湾法等の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。 反対の理由の第一は、本案の背景に、日本の港は港湾の経費が三割高い、水先料金を下げよ、タグボートを安くしろなど、港湾における国際競争力の確保のため、コスト削減要求があることです。こうした値下げ圧力がかかれば、港湾海事労働者の雇用労働条件が引き下げられ、また、安全性の確保にも懸念が残ります。 反対の理由の第二は、外貿埠頭の管理運営主体の民営化が公共性の後退につながるおそれがあることです。 反対の理由の第三は、重要港湾の埠頭を構成する行政財産の貸し付けは、民間営利企業のもうけのために国民、住民の財産を提供しようとすることにつながりかねず、国民、住民のコントロールが届かない民間開放に疑問が残ることです。 反対の理由の第四は、水先制度の規制緩和の問題です。 水先人は、船舶交通の安全、海洋環境保全、運航能率増進に不可欠ですが、既に一部の港湾では、タグボートの利用の減少や料金切り下げ圧力が強まっています。また、航行法規を守らない一部の外国船舶が無謀な運航を繰り返している実情もあります。水先料金も、省令料金から上限認可料金になると、上限だけ決められて、あとはダンピングの不安があり、今回の法改正の方向は、重大な海難事故や港湾機能麻痺のおそれを払拭できません。 港湾関係事業は、日本の物流を支え、国民経済の大きな柱として非常に公共性が高い事業です。競争原理、コスト削減だけで割り切ることはできないことを強調し、反対討論といたします。
○林委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○林委員長 これより採決に入ります。 海上物流の基盤強化のための港湾法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○林委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○林委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、衛藤征士郎君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び国民新党・日本・無所属の会の四会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。高木陽介君。
○高木(陽)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 なお、お手元に配付してあります案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。 海上物流の基盤強化のための港湾法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。 一 我が国港湾の国際競争力を強化するため、港湾整備に関する施策を効率的かつ集中的に実施すること。また、リードタイムの縮減及びコストの削減に関する取組みのスピードアップを図り、良質かつ低廉なサービスが早急に実現されるよう、必要に応じ実態を把握し、他国の港湾とも比較しつつ、適切な措置を講じること。 二 港湾の施設の技術基準の性能規定化に伴い、技術基準への適合性を的確に評価できるよう、人材の育成に努めること。また、登録確認機関については、確認員のレベルの向上、港湾建設等関係者からの独立性の確保等を図り、港湾の施設について技術基準が遵守されるよう、適切な指導を行うこと。 三 港湾区域内の埋立地について、権利の移転若しくは設定又は用途の変更の許可に当たり、審査が厳正に行われるよう、適切な指導を行うこと。 四 指定会社が特定外貿埠頭の管理運営を行うに当たり、円滑に業務を遂行できるよう、適切な指導を行うこと。 五 水先人に関する資格要件の緩和を踏まえた海上交通の安全確保の必要性にかんがみ、養成教育の充実及び免許の更新制度の見直しが円滑に実施されるよう、適切な措置を講じること。また、水先料の認可に当たり、原価及び利潤の適正性の審査を厳正に行うこと。 六 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の船舶勘定については、債務超過の状態であることにかんがみ、透明性を十分に確保しつつ、抜本的な改善を図るよう努めること。 以上であります。 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
○林委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○林委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣北側一雄君。
○北側国務大臣 海上物流の基盤強化のための港湾法等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝を申し上げます。 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、委員長を初め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。 大変にありがとうございました。(拍手) —————————————
○林委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○林委員長 次に、内閣提出、建築物の安全性の確保を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案及び長妻昭君外四名提出、居住者・利用者等の立場に立った建築物の安全性の確保等を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 順次趣旨の説明を求めます。国土交通大臣北側一雄君。 ————————————— 建築物の安全性の確保を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○北側国務大臣 ただいま議題となりました建築物の安全性の確保を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 今回の構造計算書偽装の問題は、多数のマンション等の耐震性に大きな問題を発生させ、多くの住民の安全と居住の安定に大きな支障を与えただけでなく、国民の間に建築物の安全性に対する不安と建築界への不信を広げております。 また、今般の問題では、構造計算書の偽装を、元請設計者、指定確認検査機関、建築主事、いずれもが見抜けなかったことから、建築確認検査制度等への国民の信頼も大きく失墜しております。 かかる問題の再発を防止し、法令遵守を徹底することにより、建築物の安全性の確保を図り、一日も早く国民が安心して住宅の取得や建築物の利用ができるよう、早急に制度の見直しを行う必要があります。 このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第です。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一に、建築確認検査の厳格化を図るため、一定規模の建築物について第三者機関による構造計算適合性判定を義務づけるとともに、三階以上の共同住宅について中間検査を義務づけること等としております。 第二に、指定確認検査機関の業務の適正化を図るため、その指定要件を強化するとともに、特定行政庁が立入検査を行えるようにするなど、指定確認検査機関に対する監督を強化することとしております。 第三に、建築士等の業務の適正化を図るため、建築士に対して構造安全性の証明を義務づけること等とするほか、構造規定違反等の重大な違反について最高で三年以下の懲役または三百万円以下の罰金を科すなど、建築士等に対する罰則を大幅に強化することとしております。 第四に、建築士、指定確認検査機関等の情報開示を徹底するため、処分を受けた建築士の氏名の公表や、指定確認検査機関の業務、財務の状況に関する書類の閲覧等の措置を講ずることとしております。 第五に、住宅の売り主などによる瑕疵担保責任の履行に関する情報開示を徹底するため、宅地建物取引業者に対し、契約締結前に保険加入の有無などについて相手方への説明を義務づけることとしております。 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。 以上が、この法律案を提案する理由でございます。 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願いいたします。
○林委員長 次に、提出者長妻昭君。 ————————————— 居住者・利用者等の立場に立った建築物の安全性の確保等を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○長妻議員 私は、民主党・無所属クラブ提出の、ただいま議題となりました居住者・利用者等の立場に立った建築物の安全性の確保等を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案につきまして、提案者を代表して、提案理由及び内容を御説明申し上げます。 一生に一度の何千万円もする、人生の希望を託した買い物。このマンションが、耐震偽装の発覚により、一夜にして価値がゼロになってしまう。絶望のどん底に突き落とされた多くの被害者が眠れぬ夜を過ごしております。姉歯物件以外でも、耐震性を満たさない建物が全国各地で次々に見つかっています。 衣食住の住の安全が脅かされ、国全体に社会不安に近い状態が広がっています。建物の安全をいかに確保するか、国家百年の計として国挙げて取り組む重要課題です。 私たちの法案は、居住者、利用者、購入者などの立場に立って、安全な建物を支える、政府案にはない三本の太い柱を用意いたしました。 まず一本目の柱は、設計、施工分離の促進です。 姉歯元一級建築士は、国会の証人喚問で、偽装のきっかけとして、建設会社から厳しいコスト圧力があった旨の証言をしました。現在、構造設計士を含む一級建築士の多くの方々が、ゼネコンや建設会社、ディベロッパー等の下請的立場に置かれています。 本来、建築士は、良心に従って、法令を遵守した設計をすると同時に、工事監理者として、建設現場で、建設会社の現場監督を指導する立場で、手抜きや手抜かりがないか厳しくチェックし、防止する役割を担っています。 しかし、立場の弱い建築士が、設計段階で厳しいコストダウンの要求を繰り返し突きつけられた場合、本来のあるべき安全な設計が本当にできるでしょうか。また、建築士が建設現場で図面どおりに工事がなされているか等厳しい指導をすることは、建設会社やディベロッパー等にとってコストアップにつながり、立場の弱い建築士が現場で工事監理を徹底できないという事情があることも事実です。 設計が施工の下請になっていては、チェック機能が働くはずもありません。設計と施工を分離し、厳しいチェックを実現するには、建築士の地位と独立性を高めていくことが重要です。 民主党案では、すべての建築士を建築士の会に御加入いただき、自治組織としての運営を図り、独立性を向上させます。その中で、建築士同士の情報交換を密にし、構造を初めとした専門建築士育成のための研修、検定などを充実させてまいります。実際に、弁護士、公認会計士、税理士、行政書士、司法書士等にも全員に加入義務のある自治組織があります。 また、現在、建築士の資格を持っていない建設会社やディベロッパー関係者が建築士事務所を開設し、資本金を拠出して、株式会社として建築士を雇うケースが多く見られます。 民主党案では、建築士事務所の開設者を建築士に限定して、株式会社とは異なる建築士法人制度を新設し、独立性を高めます。同時に、建築士に無限責任を負わせるなど、責任も強めてまいります。 二本目の柱は、保険加入の促進です。 現在、住宅の十年間瑕疵担保責任を保証するための保険がありますが、加入しているのは、平成十六年度、新築一戸建ての二八・四%、マンションに至っては新築のたった一・一%にすぎません。売り主が倒産しても保証される保険の普及が不可欠です。 民主党案では、すべての一戸建て及びマンション販売の広告に、その住宅が保険に加入しているか否かを表示させることを義務づけています。保険に加入していない場合でも、加入していないことの表示を義務づけ、文字の大きさや体裁も規定し、違反には罰則を科します。 これによって、消費者が保険加入の有無を事前にはっきりと知ることができるようになります。同時に、保険に加入できない物件は売れ行きにマイナスの影響が出ることになり、保険加入の促進が期待できます。保険に加入する際には建物が保険会社の査定を受けることになり、多角的なチェックがなされます。 また、保険が普及すれば、売り主が支払う保険料は、より安全な建物に関してはより安くなります。逆に、手抜きをすればするほど保険料が上がれば、手抜きは経済的にも割に合わない行為となります。 三本目の柱は、建築確認の確認済証は、民間確認検査機関の物件であっても、最終的には特定行政庁が発行するというものです。 官から民への流れの中で、責任までもルールなく民間に丸投げしたツケを、ざる検査として今私たちは払わされているのです。 民主党案では、特定行政庁に苦情や内部告発の窓口の設置を求め、民間確認検査機関が手がけた物件でも、不審情報が寄せられたものや不自然に早過ぎる建築確認に関しては、特定行政庁が済み証発行をストップさせることができます。車検でも民間が検査しますが、合格証である自動車検査証は、行政が発行しています。 さらに、建築主事登録に設計や現場監督経験を要件とすること。すべての建物に中間検査と完成二年後検査を義務づけること。罰則の強化。一定規模以上の建物の建築確認に専門家同士による相互チェック、つまりピアチェックの体制も整備いたします。 民主党案は、法案名にもあるように、あくまでも居住者、利用者、購入者の立場に立ち、役所や業界に厳しくても、安全な住宅を確保する制度です。しかし、政府案は、この期に及んでも、あくまでも役所や業界の立場に立って、余り厳しくない、従来の制度を取り繕ったびほう策にすぎません。 政府案と民主党案とは、提供者側に立つのか、生活者側に立つのか、どの立場から制度を組み立てるのか、この立ち位置が百八十度異なるものです。 役所や業界に差しさわりがない政府案は、国民の皆様にとっては大いに差しさわりがあります。居住者の安全を二の次にしていると言わざるを得ません。政府は、ざる検査を放置した責任ばかりか、再発防止の責任までも放棄しております。 お集まりの議員各位の良識に訴え、何とぞ成立させていただくことを切にお願い申し上げ、私の趣旨説明を終わります。
○林委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○林委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 両案審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、来る十二日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時十九分散会