国土交通委員会 第16号
- 発言数
- 165 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2006/04/28
会議録
○林委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、住生活基本法案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省土地・水資源局長阿部健君、住宅局長山本繁太郎君、防衛庁防衛局長大古和雄君、総務省大臣官房審議官岡本保君、厚生労働省大臣官房審議官御園慎一郎君、厚生労働省職業安定局次長高橋満君及び厚生労働省社会・援護局長中村秀一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 引き続き、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、参考人として独立行政法人都市再生機構理事長小野邦久君及び独立行政法人都市再生機構理事松野仁君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○林委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土肥隆一君。
○土肥委員 民主党の土肥隆一でございます。 住生活基本法について質問をさせていただきます。 この住基本法を読むにつけ、まことによくできておりまして、というのは、いわば旧建設省あるいは国土交通省になってからは、建設局など関係していらっしゃる方から見れば、画期的な基本法だと私は思っております。余り立派過ぎて、これがうまく実行されるのかということになりますと、強い疑問もまた持つ次第でございます。 したがって、基本法の審議でございますから余り細かいことは言わない方がいいと思いますけれども、ここに第八期の住宅建設五カ年計画を持っておりますけれども、これが平成十三年に閣議決定されたものでございまして、いわば、これをもって八期もやってきた住宅建設五カ年計画が終わって、今度は基本法に基づいて住宅の総合的な建設が実行される、これは官民ともにこういう法律に支配される、こういうふうに考えるわけでございます。 八期まで出ておりますが、全部見たわけじゃございませんけれども、八期だけを見ますと、八期においても、「二十一世紀の豊かな居住を実現するため、国民一人一人が多様な選択肢の中からそれぞれの人生設計にかなった住まい方を選択し、実現できるよう、」こうなっておりまして、そして、「国民の住生活の質の向上を目指した住宅政策を積極的に推進する。」と。 いわゆる住宅建設計画というのは、量的な拡大ということを目指したものだろうというふうに思うんです。それが、もう既に五カ年計画において、質の向上をうたい、そして、それぞれの人生設計にかなった住まい方を選択するんだというわけでございまして、平成十三年にどういう審議がなされたかは存じませんけれども、しかしながら、もう既に今日の住生活基本法の姿が見えてきているんだと思うのでございます。 質問をされる委員の皆さんも、みずからの住宅を公表して、住生活に対する思いをそれぞれの委員が述べているようにも思います。 実は私は、神戸の、公団がつくった分譲住宅に住んでおります。公団生活、団地生活を今しているわけでございますが、これはなかなかたくさん問題を含んでいて、もうそろそろ逃げ出した方がいいのではないかと思うくらいの問題をはらんでおります。 賃貸住宅の皆さんも同じような思いをお持ちではないかと思いますが、賃貸と違いまして、分譲の場合は、管理運営のための管理組合というのをつくっております。実に情けない話ですけれども、五階建てです、エレベーターもないんですけれども、階段ごとに毎年役員がかわるわけですね。私は四階に住んでいますから、今当たっているんです。四階に住んでいる人がみんな集まりまして、全部くじを引きます。理事長はだれにするか、副理事長はだれにするか。私は、運悪く財務部長をしておりまして、第一土曜日は必ず七時から、あらゆる政務、業務、私の仕事を変えまして、その理事会に出なきゃいけない。 そういう生活をしながら、いろいろ問題を感じます。高齢化でありますとか、あるいは、現在住んでいるお年寄りが暮らしていけない団地になっていて、そして、エレベーターのある、そしてもっと住み心地のいいマンションなどにどんどん移っていくわけでございます。 そして、分譲ですから、完全な市場原理に従って、不動産屋が何社も入りまして、そして価格を決定していくわけです。ですから、その団地に住んでいて、何で公団がこんな分譲住宅をつくったんだろう、何の目的でつくったんだろうと思うわけでございまして、公団が、つまり公的機関がつくったとすれば、もう少し違った団地運営や経営の指針があってもいいのではないかと思うわけでございます。 まず、デザインが極めて貧弱です。箱ですね、箱でございます。何の化粧もない箱でございます。私の団地の向かい側に、阪神・淡路大震災で復興住宅が建ったんですね。これは、公団がつくったもの、県がつくったもの、市がつくったものありますけれども、実にバラエティーに富んでおって、見てくれも大変ようございます。それから、環境の、庭のつくりだとか通路だとか、実にうまくできておりまして、私、公団の分譲住宅に住んでおる者は、ますます何か情けなく思う次第でございます。 まず、エレベーターがついていないということですね。これは決定的なダメージでございます。その次に、やはりもう高齢化が進んで、いよいよ建てかえなどというときに、その管理組合のメンバーはみんな年をとっております。理事会も、大体定年退職している人たちが出てまいります。そういう人たちが、では、この団地をどうしようかというときに、本当に建てかえなどというものができる体力があるのか。今は若干あると思いますけれども、ますます体力が落ちていって、この分譲住宅というのは、だれも目をつけない、いわば完全な市場原理に任された物件だと私は思うわけでございます。 まず、建てかえとなれば若干の持ち出し金があるわけでございますけれども、資金能力も落ちてしまっている。昔は、中級サラリーマンが一生懸命お金をためて、戸建ての住宅に移っていったんですね。移っていって、その後に私も入ったんですが、売り主もよく知っているわけでございます。バブルの真っ最中でございまして、うまく売り抜かれたわけでございます。今、資産価値は三分の一ですね。ローンがまだ残っているということでございます。 そういう、いわば公営住宅にしましても、収入制限があるなどの地方の公営住宅から住宅公団がつくった団地に移って、そして、それをも脱出して一戸建てをつくりなさいというような、何か、不自由なものを残しながら、いわば最終の、戸建ての住宅に入りなさいというふうなインセンティブによってつくられているんじゃないかというふうに思うわけでございます。 そうなると、一体日本の住宅政策、特に公的な住宅政策は何だったのかということでございまして、その点について、やはり私、ちょっと管理組合でも報告をしなきゃいけないと思っておりまして、なぜこんなものを大量につくられて、今回やめてしまった、やめたわけですけれども、今回というかもう既に何年か前から建築をとめておりますけれども、分譲を中止なさった理由について当局の御回答をお願いします。
○松野参考人 お答えいたします。 都市再生機構は、その前身でございます日本住宅公団が発足いたしました昭和三十年以降、大都市圏を中心として二十八万二千戸の分譲住宅を供給してまいりました。これは、国の住宅政策の実施機関として、賃貸住宅とともに分譲住宅の建設、供給を推進してきたところでございます。 昭和三十年に発足いたしました日本住宅公団の当時は、住宅の量的不足の著しい地域におきまして住宅に困窮する勤労者のための住宅供給を行う。さらに、住宅公団を引き継ぎまして昭和五十六年に発足しました住宅・都市整備公団、この時代におきましては、大都市地域等におきまして良好な居住性能及び居住環境を有する住宅供給を行ってきたというところでございます。 なお、今お話がございましたとおり、その後、分譲住宅業務につきましては、民間住宅市場が成長してきたということ、それから良好な居住環境を備えた住宅が民間によっても供給が見込まれる、そういう時代になってきたこと、それから平成九年に「特殊法人等の整理合理化について」という閣議決定がございまして、そのことを踏まえまして、再開発等に伴うものを除き撤退したところでございます。 こうした時代時代におきまして、それぞれの社会経済状況に対応して住宅の供給を行ってきておりまして、国民生活の安定に資する役割を果たしてきたものと認識しているところでございます。
○土肥委員 その時々の時代ニーズに応じて建設してきた。しかし、第八次、これはもう分譲住宅をつくっておりませんけれども、それぞれの人生設計にかなった住まい方の選択とか住生活の質の向上とかいうのを言っているわけでございますけれども、公団は、分譲住宅をつくるということで、販売あるいは取得に応じて相当の利益を上げたのではないかというふうに思っておりますが、何か分譲をつくるということの最終的なゴールが見えない。 つまり、先ほど私が言いましたように、すごろく型の上がりは、個人住宅を確保するというまでの一プロセスにすぎないような建て方ではないかというふうに思うのでございまして、分譲住宅で二十八万二千戸とおっしゃいましたけれども、相当な収益を上げられたというふうに思うんですが、これは収益の目的のためではなかったんですか。
○松野参考人 お答えいたします。 先ほどお答えいたしましたとおり、住宅公団の時代あるいは住宅・都市整備公団の時代を通じまして、国の住宅政策の実施機関として分譲住宅の供給を推進してきたものでございます。分譲住宅業務を行う目的は、収益の確保ということではなくて、やはり政策の遂行にあるというふうに考えてきたわけでございます。
○土肥委員 国の言うとおりにやってきたということだと思いますので、これ以上は申しません。 しかし、問題は三十年代から始まっているわけでありますから、これからどうするかということです。これについて相当な支援をしなきゃいけない、そのように思うのでございます。いわゆる都市再生機構ができてからいろいろなことをなさっていると思いますが、分譲住宅の改築あるいは増築あるいはエレベーターの設置などについて、どういうことをしようとしていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
○松野参考人 お答えいたします。 委員が先ほどから御指摘になっておられますように、全国の分譲マンション、老朽化したマンションが急増するということがございます。建てかえ等による再生が重要になってくるというふうに考えておりますが、都市再生機構では、昨年十一月に、全国八つの支社におきましてマンション再生支援の窓口というのを開設いたしまして、マンション建てかえのコーディネートの支援を開始したところでございます。 現在、都市再生機構がこれまで培ってまいりました賃貸住宅の建てかえあるいは再開発のノウハウを生かしまして、マンション管理組合あるいは民間事業者による建てかえが円滑に進みますよう、コーディネートの相談等を積極的に展開しているところでございます。昨年度、平成十七年度におきましては十地区程度で相談を受けております。 今後とも、このようなコーディネートを通じまして、分譲住宅の建てかえ等が円滑に進むよう、支援に努めてまいりたいと考えております。
○土肥委員 私、ここに建てかえや増築の、皆さんがなさったことの歴史というか結果が出ておりますけれども、全部で九カ所、九団地しかやっていないんですね。やや遅きに失したんじゃないかと思うのでありますけれども、都市再生機構がこういうお世話をするということは大変結構なことだと思います。 それにしても、いわゆるコンサルタント料がかかってくるわけですね。それはやはり、極端なものであれば、それぞれの団地、それだけのコンサルタント料。そして、コンサルタントとして最後までどういうふうに見てくれるかというようなことになりますと、大体増改築の何%ぐらいを考えていらっしゃるんでしょうか。数字があれば教えてください。
○松野参考人 何%ということは、今直ちに手元に資料があるわけではございませんが、やはり、建てかえを真剣にコーディネートするということになりますと、それなりに精査した資料をつくらなければいけないということがございますので、非常にわずかな経費で我々がコーディネートできるというようなことではございません。やはり必要な実費はいただくというような原則でいきたいというふうに考えております。
○土肥委員 では、きょうはそのくらいにしましょう。 したがって、これは非常に大事な緊急の課題でございまして、例えばエレベーター一個つけるだけでも大問題ですね。それから、建てかえ、増築なんということになりますと大工事になるわけでございまして、かなり、管理組合はそういうことのためにお金はためておりますけれども、しかし、全面的な改築とかということになりますと到底それは追いつかないわけでございまして、融資制度なども含めて、ぜひとも都市再生機構の、いわば真摯なというか、まじめな対応をしていただかないと、団地自体が分裂してしまいます。 第一、管理組合が全部抽せんで決まるなんということは、自分の団地を愛していないということなんです。嫌々みんなやるわけですね。嫌々やって一年過ぎるとほっとするということでございまして、こういうコミュニティーはいいのかどうかということです。だから私は、団地というのは、よほど工夫しないとコミュニティー活性化のために役に立たない、むしろ孤立化する。鉄の扉で閉め切って、そしてのぞき窓から相手を見るような住まいをしているわけでございますから、いかがなものか。 今回、民間事業者も入れてという話でございまして、今は完全に地元の不動産業者がいわば価格形成を一方的にやっているわけですね。そのときに、その不動産業者は、この団地が将来どうあるべきかとか、どうしたらこの資産価値が上がるかというようなことは一切考えないわけでございまして、その値段が刻々ビラで入ってくるわけです、ここの部屋があきましたよ、一千三百万円ですとか。もうみんなそれを見るたびにため息をついて、いよいよ団地から抜け出られないということになるわけでございます。したがって、都市再生機構は本当に真摯に考えていただかないと、コミュニティーが破壊されるというふうに思っております。 次に参ります。 今度の基本法を読みますと、先ほど言いましたように、よくできているなと思うんです。三条は、居住者の負担能力を考慮すると書いてあるんですね。これなんかは、へえと思うわけですね、こんなことまでやってくれるんでしょうかと。あるいは第四条は、住民が誇りと愛着を持つことのできる良好な居住を提供する、これもすばらしい話です。これを実現するために一体どうするんだろうと拝みながら心配するわけでございます。 そして、この第六条が極めて秀逸な条項だと私は思っておりまして、六条は、「低所得者、被災者、高齢者、子どもを育成する家庭」、こう書いてあるわけです、「その他住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定の確保」。こんな立派な条文があるわけでございまして、この基本法をきょう採決するわけでございますけれども、これはきっちりと申すべきことは申しておかなきゃいけないなという感じがいたします。 居住の安定の確保をするんだ、そのとおり、結構でございます。低所得者や被災者、阪神・淡路大震災を経験している私どもでも壮大な被災者復興住宅をつくりましたけれども、これもたくさん問題があるんです、一々挙げたら時間が足りませんから申し上げませんけれども。 要するに、旧住宅地、特に長田や須磨区の南部の地盤の脆弱な、しかも建築基準法上昔の基準によって建てられている木造住宅、これが一斉につぶれるわけですね。そして、八、九割は圧死だと言われております。そういう人たち、しかし非常に下町風の和やかなコミュニティーをつくっていた人たちがどんとその復興住宅に入ってくるんですね。そうすると、過去の人間的つながりが全部切れてしまって、そして多いところでは一千戸ぐらいの大集合住宅をつくるわけです。 これで、大地震だから、自然災害だから仕方がないといえばそうですけれども、一応デザインというか意匠は満足のいくものでございますけれども、コミュニティーに対する配慮も若干ございます、集会室だとかありますけれども、本当に住民が行き来するようなそういうつくりにはなっておりませんで、みんなかたくかたく鉄の扉を閉めている。そういう暮らしをしたことがない人たちが大部分なんですね。ぐるぐると回せばあくようなかぎの木戸で住んでいた人たちが、チェーンのついた鉄筋の扉で住まいをするわけであります。それはまたそれで考えていただきたい。 高齢者。これは皆さんの国土交通省でも高齢者に対する施策が何回か省令、政令でもおやりになっているようでございますけれども、それを読みますと、高齢者というのは大抵車いすまで対応、こうなっているんですね。ごく最近のものは、トイレにいたしましても浴槽にいたしましても、高齢者が使いやすくなりつつありますから、それは結構です。 それから、子供を育成する。私、団地に入りまして、部屋数を見れば、ああ、ここは子供は二人だけね。それしか部屋がないわけですよね。もう一人というと、中高生になったら部屋を与えるのは無理ねというふうな話にもなりますし、それから、子供をたくさんもうけたいというような、なかなかそういうインセンティブは、部屋の形では、ないですね。もう高校生ぐらいまで育ったら早く出てもらうみたいな感じのつくりになっております。そういうことを考えると、子供を育成する家庭をどう見ているのかというのは、例えば子供の数は何人ぐらいと考えているのか。事業を推進するためのいろいろな政策も行われておりますけれども。 そして、ここに障害者が入っていない。障害者のことについては後で厚生労働省にも聞きますけれども、障害者が入っていないというのはどういうことか、局長、お答えください。
○山本政府参考人 基本法案の第六条におきまして「住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定の確保」ということを記しておるわけでございますけれども、この「住宅の確保に特に配慮を要する者」に、御指摘いただきました障害者が含まれることは無論のことでございます。 この例示として掲げている中に、高齢者などとあわせて障害者を規定すべきではなかったかという御指摘でございます。これにつきましては、若干技術的になりますけれども、これは住宅政策の基本法でございます、その性格に照らしまして、基本法案の立案に際しまして、個別法で施策対象者として具体的に明示されているものを列挙いたしました。 まず、低額所得者はもちろん公営住宅法で施策対象として記しております。被災者につきましては、被災市街地復興特別措置法で公営住宅の入居資格を定めております。それから、高齢者につきましては、高齢者の居住の安定確保に関する法律で定めております。それから、子供を育成する家庭につきましては、昨年立法していただきました住宅金融公庫の後継法人、独立行政法人住宅金融支援機構法案の中で、引き続き、賃貸住宅に建設資金とか改良資金を供給する対象として、子供を育成する家庭及び高齢者のための賃貸住宅資金を供給するということが具体的に明記されております。 このことから、今回法案ではこのような例示としたわけでございますけれども、法案で例示されているもの以外につきましても、御指摘いただきました障害者のほか、ドメスティック・バイオレンスの被害者など住宅困窮者が非常に多様化してきておりますので、これらを幅広く対象として居住の安定の確保を図る旨規定しているものでございまして、公的賃貸住宅の公平かつ的確な供給は無論のことでございますが、それだけでなく、民間賃貸住宅の活用も含めまして、重層的で柔軟な住宅セーフティーネットの構築、それからその機能の向上を図る施策を強力に進めてまいりたいと考えております。
○土肥委員 厚生労働省にお聞きします。 今日の福祉は、高齢者にいたしましても、障害者にいたしましても、なるべく自立した生活を行い、そして地域になるべく住み、そして大規模な隔離施設というか収容施設は、もうその時代は終わった。つまり、一人一人が人間として、社会人として独立した生活をする、特に就労部門が大変強調されていると思うのでございますけれども、ことし成立しました障害者自立支援法もそうでございます。 今後の高齢者、障害者増を見ますときに、個別法で措置するんだという住宅局でございますけれども、そうではないんじゃないか。つまり、老老介護もあります、お年寄りが障害者を見なきゃならない家庭もございます、障害者同士の夫婦もおります。つまり、非常に多様な住宅ニーズがあるわけでございまして、そのことについてはやはりよく明記しておかなきゃいけない。特に厚生労働省側の福祉的な側面というものをきっちりと、この基本法をつくられた段階及びその後の実定法の中で強調していただきたいと思うんですが、今の福祉状態がどうなっているか、御説明ください。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。 高齢者、障害者等の福祉施策におきます住居あるいは地域に住むことの重要性につきましては、今委員から御指摘があったとおりでございます。 昨年におきます障害者自立支援法においても、障害を持っても普通に地域で暮らせるような施策を進めていく、あるいは、平成十二年に制定され昨年改正させていただきました介護保険法においても、地域密着型サービスでございますとかそういったことを新たに取り入れまして、できるだけ自宅に住み続けられるように、また、自宅に住み続けられない場合、直ちに施設ということではなく、新しい住まいというようなもの、例えばケアもつきながら、ケアで補完しながら普通の住宅あるいは普通の住宅にできるだけ近いグループホーム等に住み続けられるようにする、そういう方向で政策をいたしているところでございまして、その意味で、国土交通省における住宅政策とともに福祉施策を進めていかなければならない、こういうふうに考えております。 第六条の点につきましても、私ども、そういう観点から、国土交通省の方に法案立案の段階から、障害者についてこの条文で確実に読めるということを、技術的な問題については山本局長から御説明いただきましたが、そのような説明を私どもも受けておりますし、障害者につきましては列挙されていないが、特に配慮を要する者として対象にしている、含まれるものであるという回答も得ておりますので、そういった認識のもとに、障害者、高齢者の住生活の安定の確保、向上の促進に関する施策が図られますよう、国土交通省と十分に私どもも連携してまいりたいと考えております。
○土肥委員 ということでございますので、国土交通省側もよほど知恵を働かせて、そして、本当にそこで住み続けることができる条件をみんなでつくっていきたいというふうに思うのでございます。 私の経験したところを一つ申し上げますと、神戸市の市営住宅で、六畳二間しかないところに車いすの御夫婦が住んでいらっしゃるんですね。もうそれは大変なものですよ。福祉の方から施設があるから施設に移ったらどうと言っても、二人は、一緒に暮らしたい、暮らせないなら一緒に死なせてくれ、こうおっしゃるわけですね。では、そういう夫婦のきずなをどうするのと。そのころはまだケアサービスも十分じゃなかったものですから、介護保険もまだありませんでしたから、民間のボランティアによるグループでつくった在宅福祉サービスのところから私が訪問したわけです。私の目で見てもこれは無理だなと思うくらいでございますけれども、しかし、この夫婦の愛情、そして、一緒に死なせてくれと言われたらどうにもならない。では、どうしようかということでございました。 そういう状況というのは、何か日本の住宅政策というのは、先ほどから言っておりますように、低所得は低所得者並みに非常に貧困な住サービスだし、中堅どころになると次は一戸建てというふうなインセンティブを働かせていくような、こういう時代じゃないと私は思うのでございます。 それは、お金がたまって一戸建てを建てたいと思う方はそれでいいんですね。だけれども、貯金をもっと自分の老後の生活の充実のために回したいというなら、それも結構です。多様な選択ができて、しかし、だからといって、今ストックが余っているときにこれ以上新築をするというのはどうかとも思いながらも、やはり質というものを、今回、量から質へという着目をしたいわゆる基本法ができたわけでございまして、ぜひともこれは国民生活の安定のためにも配慮すべきだというふうに考えます。 次へ参りますけれども、この住生活基本法というのは、まさに量より質への時代でございますと。八次にわたる住宅政策を導入されて、数だけはふやす、ちょっと極端な言い方ですけれども、それでよかった。その方が気安い、楽なんですね。何万戸つくれつくれといってどんどんつくっていく。この時点に及んで質だと言われると、私、もう途方に暮れちゃうんですね。今までやってきた住宅政策の中で、これを質的に転換するというのはどういうことなんだということを考えざるを得ないわけであります。 質の向上のためにいろいろとやってこられたということは認めます。しかし、量より質へといったときに、例えば今ある家庭の子供の育成する環境などと言われても、中身がなかなか見えてこないし、障害者についても、あるいはお年寄りについても今申し述べたとおりでございまして、これから質を高めるというのはまず何から住宅局は始めるんですか、それをお聞きしたいと思います。
○山本政府参考人 まず認識の出発点でございます。 認識の出発点につきましては、戦後の復興過程あるいは経済成長の過程を通じて、我が国の経済の力自体は西ヨーロッパとか北米に比べて遜色ないというところまで来ている。したがって、そのことについては共通の認識だろうと思うんですが、しかし、その上に立って、国民の生活、生活の質についてどのような認識をするかということから出発しているわけでございます。 具体的には、生活の質を規定する衣食住について見ますと、衣も食も、経済力の向上に伴って、進んだ諸国と比べて遜色ないところまで来ているけれども、住生活についてはそうではない、経済一流、住生活三流ではないかという国民の認識があると思うんです。 今回提起しております基本法では、その認識に立脚しまして、国民の住生活を真に豊かにする、そのためにどういう取り組みがあるのかということで法律の整理がなされております。 御指摘いただきました六条は配慮を要する部分についての居住の安定の確保でございますけれども、このほかにも三条、四条、五条と、それぞれ、住宅の質を高める、どの観点から住宅の質を高めていくのかということを規定しております。こういうことを通じて、国民の住生活を豊かにするということを企図しているということでございます。
○土肥委員 理念的な方向性はわかりました。 だけれども、何から取り組むのかということになると、今までつくったものはどうするの、余っているのは七十万戸か何かある、これはどうするの、今私が言いました分譲にいたしましてもどうするのと、もう課題ばかりですね。だから、これについてやはり、まさに国土交通省挙げて質への転換とは何なのかということを明快にしていただきたい、このように思うわけでございます。 私は、一つ御披露したいのは、住宅の住みかえが日本では進まない。例えば私の団地で五階に住んでいるお年寄りが、病院に行くのも大変なんですね。そして、タクシーを呼んでおりまして、入り口にはチェーンがつけてあって、コインを入れて、タクシーの会社に後で本人が払うんです。そして、ようやくタクシーに乗って病院に行く。五階の方と一階の方と住み分けるような、住みかえるような、それは値段が違いますからその辺の格差は考えながらも、そういう、必要としていらっしゃる、生活困難をきわめていらっしゃる方に住みかえをするというふうなことですが、全く起こらないですね。 それから、高齢者の緊急ベルがあります。神戸市もあるんですけれども、それを、今度、受けとめる側の、ベルを聞いて助けに行く人がいないんです。お年寄りはそのベルをつけたいと思うけれども、隣近所の人が駆けつけてこられない、断られるというようなこともありますね。 それから、もうコミュニティーというのは全く、先ほどの管理組合の役員でも全部くじ。そして、地元の行事はほとんど何もない。よそへ行けば盆踊りとかなんとかやりますね、もう一切ない、ほっといてくれと。子供が棟と棟の間で野球なんかして遊んでいるとうるさいと言うとか、もうとにかく団地住まいというのは大変なんです。 そういう中で、もっと住みかえを頻繁にというか積極的にやるような施策はないものだろうかということを考えるわけですけれども、国土交通省、どうでしょうか。
○山本政府参考人 新しい政策体系の中で、具体的に課題に取り組むために何をするのかという御指摘でございます。 高齢者に対する課題では、先ほどちょっと言い忘れたので申し上げさせていただくんですが、具体的に一つ挙げろと言われれば、やはりストックのバリアフリー化、これは、持ち家、借家を問わず、どうやって進めていくのかということが一番大きな課題であろうと思います。 子供を育成する家庭に対する課題については、今御指摘いただいた住みかえによってきちんとニーズに合った住宅を使っていただけるようにするということが非常に大きな課題だろうと思います。これは高齢者のニーズにも的確にこたえるためにも、この住みかえを進めることは非常に大事だという認識でおります。 ただ、これにはいろいろな課題、バリアがありまして、現に住宅を所有したり住んでおられる方々の意識の問題もありますし、私どもの政策的な課題としては、住みかえを進める市場の条件をどうやって整えるかというような課題もございます。 こういったことを全部並行して取り組まないとこの仕事は進まないというふうに思っておりまして、この観点から、実は、子育てを終えた高齢の御夫婦が割合広い住宅に住んでおられて、世帯を形成したばかりの若い夫婦が、これから子供を産んで育てる時期にあるんだけれども、狭い住宅に住んでいるという現実がございます。 このあたりの非常に典型的な住宅ストックのミスマッチを解消しようという観点から、今年度から、子育ての終わった高齢者の持ち家を借り上げまして、子育て世帯に貸し付けるという、モデル的に対応できるような仕組みも導入させていただきました。当初はモデル的取り組みということになると思いますけれども、最終的には、消費者の皆さんがそういう認識を持ち、市場もそういう形で動いていくんだということを目指して取り組んでいきたいと考えているところでございます。
○土肥委員 厚生労働省に聞きます。 グループホームとかケアハウスだとか小規模の老人ホームだとか、割に大きな個人住宅を持っていらっしゃる方に家を提供していただいて、もちろん家賃も払いますし、そういうことが進んでいると思います。しかし、今の住みかえ論、これは心のバリアだというような、まさにバリアフリーをしなきゃいけないわけでありますけれども。しかし、やはり民間の中にそういう御意思を持った方がいらっしゃるものでございます。家を提供した方がケアをしていらっしゃる方もいらっしゃいます。 そういうと、あらゆる住宅が基本的なバリアフリーでなきゃいけないわけです。また工事をして、大工事をやって移り住んでもらうなんということはナンセンスですし、それから需要がなくなれば撤退もあるわけでございますから、そういう意味では、厚生労働省的に見て、今後の在宅福祉、あるいは先ほどの個人生活がどうしても不可能な方、あるいは若干生活指導が必要な人を預かるグループホームなどを含めて、どういう住宅政策が今後とも望ましいのか、お答えください。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。 委員の御指摘ございます障害者、高齢者等、福祉サイドから見た住宅政策のあり方についてでございますけれども、御指摘いただきましたとおり、また山本局長からも答弁いただいたとおり、基本的にはバリアフリーであるということが高齢者、障害者にとって重要であると思います。身体障害者の方の実は六割以上が既に六十五歳以上の方でございまして、そういった意味では、高齢者、障害者と区分することなく、バリアフリーということが重要であると思っております。それが第一点でございます。 第二点目は、今、これも委員から御紹介ございましたけれども、特に農村部などでは大きな家がございまして、そこのところに高齢者の方が住んでおられる。その高齢者の方が一人で住み続けられなくなって、例えば特別養護老人ホームに入所される、こういうケースがございます。施設の方は生活的な色彩がないものですから、それを求めるには、その方が住んでおられた広い民家、これが実は、デイサービスとか、場合によってはグループホームとして適しているということで、入所されている方も自分の家に帰れるということもあり、そういった意味で、広い民家が福祉の拠点あるいは新しい住まいの拠点として活用される、これは都市部でも、あいた商店街とか、そういったことで資源の活用の余地があると思います。 第三点は、これは、国土交通省の施策に限らず、私どもの施策でもあると思いますが、バリアがある家、手すりがない家などについて住宅改造といったようなことを進める、あるいは手すりをつけるというようなこと、これは、介護保険の中でも住宅改造の費用を介護保険から給付いたしておりますし、日常生活用具ということで車いすとか手すり等も給付されるというようなことがありますので、そういった意味も含めまして、住宅政策と福祉施策、手を携えて障害や要介護になっても普通の家に住み続けられるようにしてまいりたいと考えております。
○土肥委員 まさにこれから、緒についたという感が強くいたします。 最後になります。 九条でございますけれども、関係者相互の連携及び協力ということが出てまいります。私は、これに居住者が入っているということ、そして保健医療サービスとか福祉サービスが入って、そして住宅政策をこういう多くの人の意見を入れて政策を進めていこうというわけでございまして、大変結構だと思います。ただ、具体的になりますと、これが一体どういうふうに展開されるのかということになりますと、ちょっと想像がつかないという感じもいたします。 「基本理念にのっとり、現在及び将来の国民の住生活の安定の確保及び向上の促進のため、相互に連携を図りながら協力するよう努めなければならない。」これは、居住者というのは、実際に利用していらっしゃる、住んでいらっしゃる人も含めるというふうに考えてよろしいんですか。ちょっと答弁をお願いします。
○山本政府参考人 住宅を使用してそこで生活を営んでいる方々という意味でございます、居住者というのは。
○土肥委員 それに、保健所だとかあるいは福祉事務所だとか公的な機関のみならず、民間でいろいろな病院もありますし、老健施設もあるし、特養もあるし、いろいろな人材が、もう今や町じゅうに満ちあふれているんです。 特に、介護保険が入ってまいりまして、介護保険従事者というのが急速に伸びておりまして、これは福祉の専門家なんですね。今度の自立支援法になれば、今度は在宅の支援に回る。例えばジョブコーチなんというのは、自宅に行って、寝ていたら会社よと起こして、着がえさせて、朝御飯を食べさせて、手を引っ張って会社に連れていって、それで会社に行ってどんな仕事をしているか見て、三カ月ぐらい見て、これで就労できるだろうというようなことにもなるわけでございまして、つまり、多種多様な暮らしがある中で、地域の人たちが集まって相談をする、大変結構なことです。 どういうふうなイメージを持ったらいいのか、局長、ちょっとお答えください。
○山本政府参考人 やはり、住宅は個人資産でございますけれども、単なる個人資産としての性格にとどまるものではなくて、都市とか地域社会で一つの構成要素として、地域における居住環境に大きな影響を及ぼす、地域に住んでいる方々全体に非常に大きな影響を及ぼすという意味で社会的性格を有するというふうに考えていまして、その点に立脚したいろいろな施策を講じていくということでございます。 具体的な例を挙げますと、例えば中古住宅を通じて、先ほど住みかえのお話がありましたけれども、これは、従前の居住者とかこれからの居住者、みんなが住宅を生かして使うということでございますので、そういう協調、共同関係が必要ですし、さらに、例えば、一つ一つの住宅がきちんとした防火性能を持っていなければ、町全体が火事とか地震に対して非常に強い町になれないという意味もありますし、さらに、都市における普遍的な居住の様式でございますマンションですね、マンションについて、特に分譲マンションについては、区分所有者がきちんと協力して進めていくのでなければ適切な管理さえ実施できないわけでございますので、具体的にそういったようなことを踏まえて、住宅の社会的な性格に立脚した施策を充実する必要があると考えているところでございます。
○土肥委員 最後に、大臣にお聞きします。 今、ごく一部を取り上げて議論いたしました。これだけ立派な基本法をつくったんですから、これは、私、今教育基本法の改定が問題になっていますけれども、それくらい大事な、国民生活に関係のある具体的な問題だと思うんですね。やはり政府を挙げて、特に国土交通省が中心になって、特に厚生労働省などとも十分協議しながら、本当に国民の生活が安定する、私、団地に住んでおりまして満足した経験がないんです。団地生活というのはこんなものかと思っておりまして、ぜひこれは、やはり国の政策としても安定したものにしていただきたい。大臣の決意と指導をよろしくお願い申し上げます。どうぞ。
○北側国務大臣 おっしゃっているとおりだと思います。 今回、住生活基本法案を今御審議いただいているわけでございますが、これは基本法でございまして、ここに含まれている理念というものを個別の、これからの具体的な施策の中で具体化していかないといけないわけでございまして、そこをしっかりと私ども、厚生労働省やまた地方団体と連携をよくとらせていただいて進めさせていただきたいというふうに思っております。 この法律、成立をさせていただきましたならば、公布即施行でございまして、この秋には、地方計画等々の具体的な計画が措置をされてきます。そういう中でも、そうした計画の中で、特に厚生労働省だと思いますが、厚生労働省とよく連携をとって、きょう土肥議員の方からさまざま御指摘があったことをよく念頭に置いて、具体的な施策を進めさせていただきたいと思っております。
○土肥委員 終わります。 ありがとうございました。
○林委員長 古賀一成君。
○古賀(一)委員 土肥議員に引き続きまして、民主党、古賀一成でございます。 住生活基本法につきまして質疑をさせていただきたいと思います。 先ほど土肥委員の方から、住生活基本法、立派な基本法であると最後にお褒めの言葉といいますか、あったように聞きましたけれども、私自身は、この二十二条の条文を見まして、果たしてこれで本当に、これからの国民が期待する住宅行政、とりわけ住宅の供給あるいは住宅の政策の運用というものができるだろうかということを感じました。大変少ない条文の基本法で、かつ、抽象的な感じがいたします。かつての住宅公団あるいは住宅金融公庫と、住宅政策を戦後支えてきました柱というものがいわゆる行政改革という名のもとにかなり変質をし、あるいは改組をされ、いわば大きいエンジンというか柱を奪われたような形の中にこの住生活基本法という二十二条の条文の法律が提案されてきたわけですね。 問題は、この法律を運用するに当たって、何を住宅政策の今後の課題とし、何が国民から求められているか、そういうものをしっかり踏まえないと、今後の住生活基本法における住宅政策というのは非常に柱を失った弱々しい政策にとどまってしまうのではないか、こう心配をいたします。 それで問題は、住宅建設計画法というものが今回廃止をされまして、かつまた、その背後にある公団あるいは公庫というものも改組をされてきた中に、新しい旅立ち、新しいスタートを切ろう、これが今度の基本法だと思うんですね。それでは、新しいスタートを切るに当たりまして、これまでの住宅建設計画法による住宅建設の成果、そして、何が足らなかった、何がまずかった、こういう反省点も必ずあろうかと思うんですけれども、これが私はスタートだろうと思うんです。この点につきまして、局長からの説明、御認識をお伺いしたいと思います。
○山本政府参考人 我が国の住宅政策は、終戦直後の四百二十万戸という非常に深刻な住宅不足を出発点といたしまして、御指摘いただきました住宅金融公庫、昭和二十五年でございます、公営住宅の制度、昭和二十六年、日本住宅公団の制度、昭和三十年という、住宅政策の直接供給の手法を柱といたしまして進めてまいったわけでございます。 戦後二十年を経て、昭和四十一年に住宅建設計画法が制定されました。昭和四十一年から五年ごと、住宅建設五カ年計画をもって、住宅の量の確保のため、特に新規の供給に重点を置いた施策を展開してまいりました。これは、四十一年の第一期それから四十六年につくりました第二期は、まさにそういう形で五カ年計画がつくられたわけでございます。 昭和四十年代、昭和四十三年の住宅統計調査で、全国で見ると世帯数を住宅ストックが上回る、しかし、東京とか大阪の大都市ではまだストックが足りないという状態。五年後の昭和四十八年の住宅統計調査で、大都市も含めてすべての都道府県で住宅総数が世帯数を上回るという事態を踏まえてつくられたのが、昭和五十一年につくりました第三期の五カ年計画でございます。 第三期の五カ年計画を立案するときの諸先輩は、建設計画法を改定して基本法を制定すべきではないかという議論も、国会の御審議もありましたので、論議をしながら進めて、三期は五カ年計画の枠組みのもとに、しかし、計画の中に中長期的な目標も掲げまして、住宅の居住水準の目標を掲げました。世帯規模ごとにどの程度の床面積を追求するかという住宅床面積についての居住水準の目標等を掲げまして、その後、質の向上にも努力を進めてきたわけでございます。したがいまして、昭和五十年代以降は、住宅建設計画法の枠組みのもとではございますけれども、新規供給の中で質を高めていく、特に広さを確保していくということは努力してきたわけでございます。 そういう努力を通じて、住宅の絶対的不足の解消とか、床面積を中心に居住水準の向上には成果を上げてきたと考えているわけですけれども、しかし、西ヨーロッパとか北米の国々に比べてまだまだ水準が低い。特に、一つだけ挙げますと、借家の床面積規模の水準が非常に低いというようなこともございますし、住宅の質に着目しましても、耐震性の問題、それからバリアフリーなどの対応といったような質の面での課題が多々残っているわけでございます。 そういったことを踏まえまして、今回お願いしております住生活基本法のもとに、これからの少子高齢化の急速な進展とか、あるいは人口、それから世帯自体も十年後には減少に転じますので、そういう社会の到来を踏まえまして、市場を重視し、ストックを重視するという方向に住宅政策のかじを本格的に転換を図りまして、国民が真に豊かさを感じられる住生活の実現に向けて取り組んでまいるという所存でございます。
○古賀(一)委員 局長、現時点におきまして、いわゆる供給過剰というか、空き家と言ってもいいんですけれども、世帯数を上回る住宅戸数の数というものは幾らでありましょうか。
○山本政府参考人 一番直近の住宅調査ですけれども、平成十五年に行いました。総世帯数が四千七百二十五万世帯でございます。それに対して、住宅総数が五千三百八十九万戸でございます、およそ五千四百万戸ございます。空き家の数は六百五十九万戸でございます、約六百六十万戸ございます。それに、さらに一時現在者のみの住宅とか建築中の住宅がございますので、広義の空き家としましては七百万戸近くありまして、ストックとの関係では一三%となっております。
○古賀(一)委員 戦後、要するに住宅が足りないということで、公団、公庫、公営ということ、そして、先ほどお話がありましたように、いわゆる直接供給主義、あるいは中央集権主義、政府主導主義と言ってもいいと思うんですよ、これで突っ走ってきたわけですね。 それで、昭和四十年代からもう既に戸数が上回ったという現象がありながら突き進んで、七百万戸のいわゆる空き家あるいは供給過剰というものが出て、今なおまだ最低居住水準が達成できない人、あるいは、サラリーマンが転勤を命ぜられて地方都市に行ったときに、簡便にライフステージに合った家を探すのが大変難しい、そして数年後にまた本社への転勤を命ぜられたときに、それまで持ち家だったものを貸したりするのにも苦労したし、戻してもらうのにも苦労する。 住宅をめぐる状況というものは、要するに、七百万戸の空き家がありながら、生み出されながら、まだ国民にとっては、まあラビットハッチとまでは言わないけれども、総体として見れば、日本の居住環境というものは満足されていない。 先ほど、まだ解決されていない問題が多い、戸数主義で来ました、途中から床面積についてもいわゆる住宅政策の目的にしてきました、こうおっしゃるんだけれども、問題は、今現実として七百万戸の空き家のみならず、居住をめぐる、住宅をめぐる国民の悩み、ニーズ、困難性、とりわけ高齢者の問題がありますよ、それから低所得者の問題がある。そういうものを、やはり戸数主義とかいうものをもう一切捨て去って、原点に戻って分析するところに実は新しい住宅政策のスタートが私はあるんだと思います。 そういう面で、きょうは一時間という割とたっぷりした時間をいただきましたので、新しいそういう切り口というものを皆さんにぜひ私もお伝えしたいし、それについて政府としてはしっかり受けとめて、今後、基本法のほかに個別法の体系あるいは個別政策の立案というものが恐らくあるんだと思うのですね、これにぜひ生かしていただきたい、そういう思いできょうの質問を申し上げたいと思います。 私は、この居住環境というか新しい住宅政策のスタートに当たっては、今言いました最低居住水準とか空き家の問題とか高齢者の問題もありますけれども、もっともっと広い視野で考えるならば、いわゆるこれまで住宅局を中心に行ってまいりました住宅政策、持ち家主義、戸数主義、新規建設主義、そして中央主導主義、こういうものの結果、国民はそれに追従をした。その結果何が生まれたかというと、個人だけの問題じゃないんですね。この東京の都市の外延化、こんな大きい都市は世界じゅうにありません。これだけ直径、半径が長いというか、広い首都は全世界にございません。この結果、サラリーマンは毎日二時間あるいは往復四時間の通勤を強いられ、くたびれ、そして、持ち家主義だということでみんな都心はあきらめた。 戸建て主義、郊外主義というのも、やはり政府が裏で推してきたような気もする。その結果、みんなサラリーマンは買った。そして、この不況でリストラに遭い、地価神話の崩壊により地価は半減をした。自分が大学を出て東京で就職したときは、お父さん、お母さんも、うちの息子は一流会社に行ったと言って喜んでいたけれども、時たって、母親が亡くなり、父親が一人で田舎にいる。田舎に帰りたいんだけれどもローンが残っている、売ろうにも借金が残る。 そういう状況の中で、持ち家制度というものは、ある面で非常に社会流動性、難しい言葉で言えば社会流動性ですね、わかりやすく言えば、田舎に帰って親の面倒を見たいという人間の本能をやはり妨げる結果にもなっているんです。そういう面で、そういったところを深く、日本の社会というものを踏まえて私はこの住宅政策の再構築というものをしっかり考えるべきではないか、かように思います。 それで、この法案を私は読ませていただきました。まず一番最初に気になったのが、住生活基本法という法律の名前でございます。これまで建設中心、住宅をつくっていく、戸数をふやしていくということに突っ走ってきたのに、それにかわる法律が今度は住生活基本法、もう全く違う印象を受けるわけでありますけれども、どういう経緯でこういう法律の名前になったのか、その背後にはどういう理由があったのか。それをぜひこの際、新しい法律のスタートに当たりまして、確認をさせていただきたいと思います。
○山本政府参考人 今回の法律の目的が、本当に質のいい住宅のストックの形成を通じて国民の豊かな住生活を実現するんだというところにあるわけでございますけれども、まず、住宅ストックは量的に充足されてきたという御説明をいたしましたけれども、これから人口それから世帯数も減少していくという社会を見通しますと、このような経済社会情勢の変化を踏まえて、今後の住宅政策は、住環境を含む住宅ストックの質の向上を図らなければならないという認識でございます。 したがいまして、今回お願いしております法案におきましては、基本理念として、まず第一に、住宅が現在及び将来の住生活の基盤となるということに立脚して、良質な住宅の供給をする、質のいい住宅を供給するということを第一に掲げておりますし、第二に、住民が誇りと愛着を持つことのできる良好な居住環境を形成するということを掲げております。三番目に、民間の力あるいは既存のストックを生かすという意味で、市場を整備するあるいは消費者利益の保護をするということをうたった上で、最後に、低額所得者などの居住の安定の確保をするんだ、この四点を基本理念として位置づけているわけでございます。 このことを一言で言いますと、本法案におきましては、住宅を一つ一つの単体としてだけ見るのではなくて、住宅市街地における居住環境を含めた質のいい住宅のストックとして形成していくんだ、それによって国民の豊かな住生活の実現を図るんだということをうたっているわけでございます。 あわせまして、施策の推進については、住宅の供給あるいは管理に関連する事業者とか、あるいは居住者、そのほかの、生活サービス、医療、福祉を含めまして、関連する者が連携協力を図る必要があるんだという方針もうたっているところでございます。 したがいまして、いろいろぐだぐだ言いましたけれども、この法律が、住宅一つ一つよりも広い概念を対象といたしまして、国民の豊かな住生活の実現を図る趣旨であることから、それを端的にあらわす名称として住生活基本法としたところでございます。
○古賀(一)委員 今、ぐだぐだととおっしゃいましたけれども、実はそれは条文に書いてあるわけですよ。ということは、この基本法そのものは実はこういう構成になっているわけですよ。 第一条において、「この法律は、住生活の安定の確保及び向上の促進に関する施策について、」この言葉がしょっちゅう出てくるんです、「基本理念を定め、」こう書いてあるんですね、以下略。基本理念とは何かというと、第三条、第四条、第五条、第六条と、こう書いてあるんです。何かというと、第三条は基本理念を定めている一番目の条文ですよ。要は、ここには、急速な少子高齢化の進展に対応する、生活様式の多様化に対応すると。これが基本理念なんですよ。第四条は、地域の自然、歴史、文化その他の特性に応じて、環境との調和に配慮します、あるいは、住民が誇りと愛着を持つことのできる、そういう居住環境をつくりますと。 それは確かに基本理念だとは思います。しかし、これは、ある面では当たり前のようにも読める言葉でありまして、むしろ、こういう法律をつくるまでもなく、当然、住宅行政に内包したはずだったと私は思うんです。 したがって、これが基本法として出てくるというところに、余りにも今までの住宅行政が、先ほど言いましたように戸数主義とか中央の直営における供給主義とか、こういうものにこだわり過ぎていた珍しい行政分野でなかったかとも言わざるを得ない。これが地方分権であれば、当然、地方主体で、もっと地方にお金とそして裁量と権限があったならば、もっと環境に配慮した、ここの理念として掲げてあります、環境であるとか住民が誇りと愛着を持つとか生活様式の多様化とか、こういうものも私はもっとできていたんだと思うんです。 そういう面で、この七百万戸に及ぶ空き家が出た今日において新しいスタートを切らざるを得ない、その背景には、やはり直営主義にこだわって、持ち家にこだわって、中央集権的な手法にこだわってきたけれども、ついに財政的にもいろいろな意味においても破綻というか行き詰まった、そこに市場原理主義を基調とするいわゆる改革、公団をぶっつぶせ、金融公庫も廃止、改組、こういう流れが加わって、抜け殻と言ったら失礼ですけれども、本当に骨を抜かれたという中に、私は、この現在の住宅行政がきつく言えばあるように思えるんですよ。 だから、スタートを切るならば、課題は多い、国民の期待も地域の期待も多い物すごく重要な行政分野だけに、しっかりここで、基本法が通った、よかったと緩むことなく、これを埋めていく個別法、戦略的政策の柱、こういうものをやはり立ててもらわないといけないと私は思っております。 これは答えられるかどうかわかりませんけれども、この基本法の後にどういう個別法、どういう政策体系というものを、これからお考えになるのかもしれませんけれども、でも今、現段階でもある程度はイメージがあると思うんですけれども、ここら辺のところはどうお考えでありましょうか。
○山本政府参考人 基本法を踏まえての個別の住宅政策を規定する個別法についてのお尋ねでございますけれども、先ほど来御説明しておりますように、第八期住宅建設五カ年計画に至りますまでの四十年間、特に昭和五十年代以降の第三期以降、住宅建設計画法の枠組みのもとにではありますけれども、新しい政策課題を踏まえていろいろな取り組みを進めてきております。 土肥先生に先ほど御指摘いただきましたけれども、第八期五カ年を規定するときには、今回の基本法制定を見越して、その政策的な中身を先取りする形で八期五カ年計画は先輩たちが策定してくれたというふうに思っております。八期の策定のときに、住宅建設計画法に基づく五カ年計画は八期をもって終わりにする、だから五カ年計画期間中にいろいろな議論を尽くして、十八年度からは新しい枠組みで進んでいくんだという方針を立ててこの五年間進んできたと思います。 そういうふうな事情ですので、今度基本法ができたから、個別政策を規定する法律は全部これから新しくなるということではないと御理解いただきたいと思います。特にこの直近の十年間は、五カ年計画でいえば第七期五計、第八期五計期間中は、今回基本法にお願いしておりますような政策的な物の考え方に立脚していろいろな制度を立案してきております。 例えば、一番根幹的な制度ですと、第六条に関連する制度ですと公営住宅法がございますけれども、これは平成八年に枠組みを抜本的に改正しまして、供給方式を自由化すると。今まで、土地を用意して建物をつくって、建物に補助金を投入して、安い家賃で低額所得者に提供するという一本やりでしたけれども、できた住宅を買い取ってもいい、今ある住宅を借り上げてもいいということで、供給方法を多様化しましたし、家賃政策についても改善いたしました。それからさらに、市場重視という観点からは、品確法を制定して住宅性能表示制度なども導入して、今改善に努めているところでございます。 そういうふうな形で、個別法はそれぞれ、今回うたっていただきました理念あるいは基本的な施策の方向に照らして、順次その方向に沿って年々改定していくというような考え方を持っているところでございます。
○古賀(一)委員 それでは、これから新しい住宅政策のスタートに当たりまして、私は、こういうベクトルでしっかり政策を推進してもらいたいという方向性について御指摘をさせていただきたいと思います。 まずは、今話が出ましたいわゆる公営住宅の問題であります。 これについては、もちろんここに条文でさらっと公営住宅の定義規定等があるわけでありますが、私は、今後この公営住宅について、新しい基本法のもとでしっかりと位置づけして強化をしていくべきだと。公営賃貸、つまり、やはり世の中には住宅のアローアンスは要ると思うんですよ。民間住宅で全部分譲分譲、完売じゃなくて、それは地震が起こるかもしれない、やはり一定のアローアンスがあって、いいマンションは今金がないから買えないけれども、あるいは転勤を命ぜられて今すぐには一番いいところには住めないけれども、でも住まなきゃならぬ。そういうふうに、やはり公的な一つの受け皿というものがある社会というのは私は重要だと思うんです。 そういう面でも公的住宅の意味というのはあるだろうし、先ほど言いましたように、私は、分譲分譲、持ち家持ち家ときていたところに、最近の社会流動性が大変損なわれていると思うんですよ。家を買ったからもう引っ越しできない、転勤は困りますと。随分昔から私も体験したんです、私の部下から。当時、某所の課長だったんですけれども。いやいや、地方勤務ですよ。課長、家を買いましたから、今度転勤を命ぜられるならば、私の実家のあるところに家を建てましたから、そこの署長をさせてくださいとかね。最近家を買ったから転勤はしたくないとか、そういう社会流動性はいろいろ厳しくなっていますよ。 その最後の姿が、さっき土肥議員から住宅すごろくの話がありました、最後は一戸建てで持ち家、ハッピーエンドと思いきや、さっき言ったように、おやじが病気、おふくろは死んじゃった、要介護だ、持ち家に借金が残って親の面倒も見られない。これが案外、超高齢化社会の住宅すごろくの最後の姿みたいだ。 これもやはり賃貸であれば私は救えたと思うんです。今度の耐震偽造の問題もそうです。もちろん、マンションを建てたその家主さんは困るだろうけれども、賃貸であれば、入居者という最終消費者というものは、出ていきます、それで済んだんです。日本における持ち家持ち家よりもやはり賃貸というものは、いろいろな社会的意味においても私は意味を持つものだと思うんです。 これについては今後強化されるのか。一部では、新しいこの法律のもとで、もう公営住宅あるいは公営賃貸というものは時代にそぐわないということで縮小していくのではないかという懸念もなくはありません。この点について、はっきりとした方針をお示しいただきたいと思います。
○山本政府参考人 新しい基本法の体系のもとで、住宅のストックを重視する、あるいはストックの価値を生かし切るために市場の機能を重視するという政策、もちろん正面に来るわけでございますけれども、それとあわせて、住宅のセーフティーネットをきちんと構築して運用していくという施策の分野は車の両輪だというふうに認識しております。 このために、六条で、低額所得者、被災者、高齢者、子供を育成する家庭等住宅困窮者に対する居住の安定の確保を図るべきだということをうたっているわけでございまして、この基本理念に基づいて国と公共団体が協力して講ずべき基本的施策として、公営住宅の供給を掲げているわけでございます。これは、新規の供給、建設だけではなくて、改良あるいは借り上げによる供給ももちろん含むわけでございますけれども、これを規定しております。 またさらに、住生活基本計画に関連いたしまして、都道府県が全国計画に即して定めます都道府県計画には公営住宅の供給の目標量を定める、これについて、国土交通大臣と協議して同意した上でこれを進めていくという仕組みを掲げているところでございます。 そういう考え方でございますので、新しい政策体系の中では、これらの規定を踏まえて、公共団体と十分な連携のもとに、セーフティーネット機能を確保するためのかなめといたしまして、きちんと運用していきたいと思います。 方針を一言で言えば、このセーフティーネットに関する従来の政策は堅持するということでございます。
○古賀(一)委員 わかりました。 それでは、通告した順番とは違いまして、ちょっと具体の問題に入りたいと思います。 私自身は、住宅に関して、転勤転勤という経験の中から本当に関心を深く持っております。 その中で、今の日本の社会の実態を見ますと、これからの最大の問題はやはり高齢化社会、とりわけ介護世帯が物すごく多くなること。これが対応を誤れば、家族あるいは地域、あるいはもっと言えば社会全体がぎくしゃくとした大変嫌な日本の社会になってくる可能性もあると思います。介護保険料も各地域で今どんどん値上げが行われております。本当にこれでもつんだろうか。 そうした中で、人生の大半はやはり自分の自宅で過ごすんですよね。寝る時間が八時間弱であっても、飯を食う時間、トイレに行く時間、日曜日、もう人生の半分はいわゆる家にいるんです。それは、公園もバリアフリー化するとか、駅の階段をエレベーターをつける、こういうバリアフリー化は大変重要です。でも、何といっても、住んでいるその空間が人間にとって、親子のきずなもそう、レクリエーションもそう、疲れをとるのもそう、教養もそう、いろいろな意味で、住宅局が所管するこの居住空間のあり方というものは物すごく重要なことだろうと私は思っております。 ところが、先ほど来何度も言うようで恐縮でありますけれども、戸数主義だ、面積だ、この二点において割り切って住宅行政が進められてきて、その居住空間がどういう意味を持つか、どうしたら社会の、国民のニーズあるいは悩みに対応できるかという発想で住宅行政は進んでこなかったんだと私は思うんです。 そこで、私は具体的な提案を申し上げたいと思うんです。 自助、自分で助ける。ある程度の要介護であれば、自分でトイレに行ける、自分で昼を過ごせる。あるいは親子で、いわゆる共助ですね。 うちのお母さんは要介護一だ、二だ、しかし共働きだ。だから、そうなると、トイレに行けないおじいちゃん、おばあちゃんは、今、結局施設に入ってもらうしかないんです。そうじゃなくて、昼御飯は、車いすで冷蔵庫をあけて、ほかほか亭の弁当でもいいし、奥さんがつくった御飯でもいい、チンをすれば食べられる。これは全く問題がない。問題はトイレなんです。トイレを間口を広くして、私の持論ですけれども、やわらかなわっぱをかけてボタンを押せば、トイレにある手すりでちょっとすれば自分で用が足せる。 そして、実は今、モニターの、安いカメラというのは幾つもあるんです。それを居間とか寝室に一つか二つ設置しておれば、要するに、昼休みになってインターネットで、携帯で、あ、おばあちゃん昼御飯を食べている、元気にしている、安心だ。勤めに出ている娘さん、息子さんというか、もちろんコンピューターでそれは見られるんです。 そうしますと、そういう映像、介護型のトイレ、そういういろいろなハイテク技術というのはもう世にあるんです。自助、共助ができる、親子で、子供が親の面倒を見られる、共働きでも一緒に住める、私は、そういう住宅というものをなぜ住宅行政が取り組まないんだろうと。私は、本当に前から、これは住宅公団のときに実は提言しに行ったことがあるんです、これをやりましょうと。 ある会社が、タッチパネルで、コンピューターで、キーボードなんか押さなくていいんです。このくらいのタッチパネルがありまして、おばあちゃんが、昼御飯食べたいな、インターネットでぴっと押す。はい、中華ですか洋食ですか。中華食べたいな、ぷっと押す。次の店が出る。お店屋さんで、はい、メニュー。ぷっ、はい、中華どん。出るんですよ。タッチすれば注文の品が届く、こんなシステムがもうできるんです、もう十年前からあるんです。 私は、これからの日本社会を見たときに、介護社会、介護に伴う国費の負担、個人の負担、そういうものは、日本の社会をぎすぎすさせるだけじゃなしに日本の財政を極めて窮屈にしている。ならば、人間にとって一番長く住む幸せの空間は家の空間ですよ、居住空間ですよ、そこにそういう技術なりシステムというものを組み込んでいくことは、今後の住宅行政の担うべき分野だと私は思う。面積と戸数じゃないんですよ。 私は、そういう面で、何としてでも、こういうことを導入する、そういう新しい機能を持った国民の課題に直接対応できるものを取り込んでいく、そういう住宅政策を展開していただきたい、こう思うんですけれども、今一つの事例を申し上げましたけれども、そういう新しい住宅行政の出発にする、大臣のそういうやる気あるところをぜひお示ししていただきたいと思います。
○北側国務大臣 今回の法案につきましては、量から質へ、明確に大きく転換をしていく法案でございます。 まさしく、本格的な高齢社会はこれから到来をいたします。人生八十年、九十年時代。会社を定年退職してからも二十年、三十年と生活がある。これは本当にすばらしいことで、世界一の長寿国日本、その高齢の時代に、いかに豊かに、また安心して暮らしていただけるようにするかどうか、ここが本当に政治の、私どもの一番大きな課題である。 住宅政策においても同様でございます。今委員のおっしゃったように、高齢者の方々がこれからはやはり住宅の中でできるだけ自立した生活ができるようにしていくことが極めて重要であるというふうに思っておりまして、その意味で、住宅政策の果たす役割は大変大きいものがあるというふうに私も考えております。 先ほど土肥先生からバリアフリー化の話がございましたが、バリアフリー化の推進はもちろんでございますけれども、それだけではなくて、今先生がおっしゃった多様な居住サービスが提供されるような、高齢者向けのそうしたサービスが提供されるような利用環境を整備していくということは非常に大事なことであるし、今おっしゃったように、それだけの技術が進展してきているわけでございますので、こういう技術の進展を生かしていくべきだと私も考えておるところでございます。 また一方で、少子化の話が言われております。この少子化の問題も、住宅政策の今後のありようによっては大きくその環境を変えていくことができる問題ではないかというふうに私は思っております。 今やはり、若い人たちが結婚して子供が生まれて、特に都会に住んでいる方々が大半でございますから、都会で若い人たちが子供を持って住もうとした場合に、もちろんそんな持ち家なんか持てないわけですね、普通は。そうすると賃貸住宅。賃貸住宅といっても、非常に狭い住宅にしか住めない。そういう意味では、子供たちを育てていく環境としては非常に大きな課題、問題があるわけでございまして、私は、安心してお子さんを産み、育てられる社会にしていくためにも、住宅政策の持っている役割というのは大変大きいものがあるというふうに考えているところでございます。 今後とも、こうした時代の大きな変化の中で、その時代にマッチした、時代に適応した住宅政策、住生活を、本当に、この法律に書いてありますとおり、そうした理念が実行できるような住宅政策をしっかり実施していく必要があるというふうに考えております。
○古賀(一)委員 大臣から前向きの御答弁をいただきました。 さらに追い打ちをかけるわけじゃありませんが、ちょっと私のアイデアというか、前から思っていることをもう一点申し上げたいと思うんです。今は住宅の中での話でありましたけれども、今度は、都市計画ともリンクをして、連携をして、高規格介護住宅というのか、いわゆる介護社会に対応する建築行政、住宅行政をやってもらいたいと私は思うんです。 それを具体的に言いますと、案はこうなんです。先ほど言いましたように、家族であるいは三世代で介護をする、そういう居住空間が公的に、あるいは民間でもいいですよ、用意をされた。モニターテレビがある、トイレも自分でできる、そういう居住空間がある。その建物に、一階部分でも二階でもいいんですが、いわゆるコミュニティーホールというか、そういう空間というものを附置させて、あるいはそういう空間を附置した集合住宅には容積率をアップしてやる。 例えばこのマンションに、賃貸でも分譲でもいいです、二百世帯が入っている。そこには恐らく介護を要するおじいちゃん、おばあちゃんがいる世帯というものが相当あるんです。ところが共働きだ。まあ、そういう施設のおかげでトイレは自分で行けるようになった。しかし、おじいちゃんを毎日毎日九時間も十時間も一人っきりというのはかわいそうなんです。 そこにコミュニティーホールというものを附置した、建物全体でいわゆるコミュニティー介護というものができる空間を住宅行政が誘導するなら、そのマンションの中には、いや、私は専業主婦で、いいですよ、一週間に五回ぐらいなら、それぞれ二時間ずつぐらいならお世話してもいいですよ、じゃ、組合から、些少ですけれども一月二万円ぐらいのそれは差し上げますと。そういうことで、コミュニティーホールにいわゆる老人が集い、同じ建物に、マンションに住む若い奥さんが、他人ではあるけれども同じ建物に住むそういうおじいさん、おばあちゃんを昼に面倒見る。一緒に遊戯をすることもあるだろうし、トレーニングを手伝うこともあるだろう。 そういうコミュニティー空間というものがあるなら、先ほど教育の問題が出ましたけれども、少子化の話が出ましたけれども、学校から帰ってきた子供たちは、うちのお母さんはあの三階上のおばあちゃんの面倒をいつも見ていると。これの教育効果というか、これはもうお金にかえがたい意味を持つんだろうと私は思うんです。 今は、共働きだ、おじいちゃんおばあちゃんは一緒に住みたい、孫である僕もおばあちゃんと住みたい、しかし、お父さんお母さんは共働きをせざるを得ないから会社に出ている、したがって施設にやっている、こういう構造なんですよ。それが一転して、ちょっとしたそういう居住空間なり建物の機能のあり方、コミュニティーホールを備えているかどうかということによって、今度は逆に、子供たちがうちのお母さんは立派だとなれば、それはまさにコミュニティーの復活であり、私は、子供たちにとっては今本当に欠けている人間性の復活だと思うんですよ。 そういうものが、私は住宅行政の進ませ方によってはあり得ると思うんです。私は、そういう広い視野、これからの時代の要請、ニーズ、社会の問題、そういうものを含めて、これは緊急に鋭意検討を開始してほしいテーマであります。 再度この点について、局長、どうですか。
○山本政府参考人 非常に大事な御指摘をいただいたと思っております。まちづくりの政策とか都市政策との連携をきちんと強化して取り組む必要があると思います。 都市政策といいますと、業務の市街地とか商業の市街地が派手ですので、ついついそれに目が行きがちでございますけれども、ほとんどの都市の市街地は、居住空間であります住宅市街地から成っているわけでございます。人が住まないから、中心市街地の疲弊というのも起きているという認識もございます。 この観点から、お願いしております法案の中で、地域における良好な居住環境の形成についての理念と施策を掲げていただいておりますし、あるいは、今、国会で審議していただいております中心市街地活性化の法律の中でも、町中居住をきちんと進めるということで、都市政策と住宅政策一体になってこれに取り組んでまいります。この中で、中心市街地共同住宅供給というのを住宅政策の中で施策として掲げておりまして、御指摘いただいたような試みも十分対応可能でございます。 法律は法律、もちろん法律の規定でございますから、これらの規定を踏まえた上で、まちづくりと一体となって、住宅政策としては地域住宅交付金なんかも駆使できますので、これらを活用して、公共団体がきちんとした問題意識と自主性を持ってこういった取り組みができるよう、総合的に応援したいと考えております。
○古賀(一)委員 今、住宅行政と都市計画との絡みを申し上げました、容積率ですけれども。このほかにもあるんです。 例えば土地区画整理事業も、住宅あるいは住宅群というか、こういうものを前面に戦略的に出していくなら、日本全国のあちこちで隘路に立ち至っている土地区画整理事業にも一つの突破口を開けると私は思うんです。 土地区画整理がどうなっているか。実は私の地元にもあるんです、立ち往生しているのが。今度新幹線が来るんです、久留米という私の地元に。ところが、筑後川沿いの空間というものは、古い建物、小さな家、ぼろな家、余り言うと怒られますけれども、小さい工場等々があって、恐らくこれは再開発をしなきゃ、もう新幹線の玄関口としてはまずい、古い古い状況になっているんです。 ところが、区画整理をやろうとしても、これはなかなか、もうこの年になって、息子は東京に行っておる、ここの土地を一〇%か二〇%とられて、立ち退いて、もう余計なことはせぬでいいと。大体こういうことで、とりわけ高齢化社会はこれが進みにくい。そうしたときに、ところがその反対をしておる、ごねておるというか、区画整理は反対だ、困りますと言っておる人にとっても、実は、自分が死んでしまったら、この家、この土地はどうなるんだろうと。あっちではたった八十坪、七十坪、東京では広いでしょうけれども、この土地はどうなるんだろう、売るにも売れぬと。こういうイメージなんですよ、地方都市の。 そうしましたら、結局町はよくならない、売らない方々も将来について本当にこのままでいいかどうかと思っている。そんなときにこそ、まさに、おじいちゃん、こういう区画整理をした後、すばらしい街路を生み出した後、これが法律の組み立てどころなんですけれども、要するに、立派なオートロックの高規格介護住宅で、あなた自身が自分で、今はおじいちゃんも元気だからいい、しかし、五年後、自分は要介護になるんじゃないかとみんな思っていますよ。今は元気だけれども、そんなオートロックで、近代的で、そして自分でもトイレに行ける、これならそっちでよかよ、いいよと。そうしたら、自分が死んでもそれは息子の家賃収入にもなる、財産にもなる、こういう状況だと私は思うんですよ。 ところが、そこをただ立ち退けと、一戸建てであんたは今まで百坪の土地に住んでいるけれども、七十坪でというような補償でやるからみんな反対なんです。むしろそれを集合化して、住宅がそういう高規格介護型、ハイグレード何とか共同住宅というのかな、そういうメニューを何とか法制的に組み立てていけば、全国の袋小路に至っております土地区画整理事業も、私は相当前に進んでくると思っております。これはもう答弁は求めません。提案として申し上げます。 それで、時間もなくなりましたが、ちょっとくどいようでありますけれども、住空間が持つ意味というものは、住宅局の皆さん方が考えておられるよりもっと大きい、そしてもっと付加価値の高い多様な住空間が知恵を出せばあるということを、私は一つ申し上げたいと思います。 まず、私の地元には大川という家具の町がありまして、これは何度か申し上げたことがあるのですけれども、今は置物家具が売れない。倒産、倒産で、家具の町というのはもう大変です。首をつった中小企業の社長さんが本当にもう何人もおられますよ。それほど家具産地というのは今かわいそうでひどい状況にあるんです。 これなんかも、私は彼らにも言うんですけれども、例えば間仕切り家具という概念があるんです。これは一回言ったことがあるんですけれども、これは社会にとっても物すごい重要な意味を持つ家具であります。子供が中学生、小学生のときには、その勉強部屋を仕切る。今までは壁ですよ。それを本箱、あるいは水屋、あるいは衣装だんすで間仕切りをする。そして、各子供たちは二人勉強部屋を持つ。しかし、ライフステージに応じまして、子供たちは大学に行き、やがて結婚していなくなる、そうしたときに、一つの居住の中で家具を移動させられる、車つきですから。今度は、子供たちが孫を連れてくるときには、その居住空間が、例えば三世代で話し合いをする一つの広い居間になる。 こういういわゆる間仕切り家具の活用というのもあるし、あと、もう長くは申し上げませんけれども、屋上緑化というのも住宅行政の一環に組み込んでもいいんじゃないかと私は思うんですね。省エネになる、CO2削減になる、都市緑化になる。 だから、屋上緑化とか間仕切り家具とか、あるいは和風建築の再見直しであるとか、そういういろいろな課題というもの、知恵というものがこれからの居住空間に、住宅行政が強制はできませんけれども、一つの道を示すという面で、私はあり得ると思います。 私は、こういう広い視野を持った新しい住宅行政の展開という件について、再度大臣に、ちょっととっぴだった部分もあるかもしれませんけれども、ああ、住宅行政では今まで聞いたことのない議論だなと恐らくお思いだと思うんでありますけれども、こういう展開を目指していくということについて、大臣の一つのやる気をお示しいただければ幸いに存じます。
○北側国務大臣 量から質へ、量というのは数で示されますのでいいんですけれども、質というのは極めて多様なんですね、ニーズが。若い人たちのニーズ、そして高齢者になってからのニーズ等々、また、高齢者の方々の中のニーズも非常に多様になっています。そういう意味で、量から質への転換というのは、言うのは簡単なんですが、これは、多様なニーズに対してきちんとこたえられていくような住宅政策をこれからしっかりと実施しなければならないという意味で、非常に多くの課題があるというふうに思っているところでございます。 私自身も、自分自身のことを振り返りますと、結婚してから八回引っ越しているんですよね、八回も。そのときはそんなに引っ越しするとは思っていなかったんですが、引っ越しをせざるを得ないような状況が続きまして、八回。結婚してからでも八回ですから。そういう意味では、本当にその時々のライフステージに適した住宅を選択できるような、一つはやはりそういう市場をしっかり整備していくというのが大事だと私は思います。 また、先ほど来委員からおっしゃっています、これからのさまざまなニーズ、特に、高齢者の方々が本当に安心して住宅を中心に生活ができるようなインセンティブを、さまざまな場面で発揮していかねばならないというふうに思っております。 この国会で、この国土交通委員会ではさまざまな重要な法案を御審議いただいているわけでございますけれども、都市計画法、それから道路運送法、そして、これから審議していただきます新しいバリアフリー法とこの住生活基本法、これはそれぞれ、今のこういう人口減少社会、また本格的な高齢社会の到来にふさわしいまちづくりや住生活ができるようにしていくための、その手段としての制度の改革を、見直しをさせていただいているところでございまして、これからまさしくしっかりと地方団体や事業者の方々、また住民の方々とよく連携をとって、これからの時代のニーズに本当にマッチした具体的な施策が実行できるように、しっかり頑張らせていただきたいと思っているところでございます。 きょう委員からございましたさまざまな具体的なお話についても、そうしたアイデアといいますか、しっかりインセンティブが働けるような施策がとれるように、しっかり頑張ってまいりたいと思います。
○古賀(一)委員 最後に結論を申し上げまして、終わりたいと思います。 要するに、これまでの住宅行政は、私は仮住まいの思想で来たんだと思うんです。日本の文化にはすべてあるんですけれども、恒久的な都市、恒久的な住宅をつくるという概念は日本人には薄いです。だから、仮住まいの思想、とりあえず二十年ぐらいというような仮住まいの思想で数を追い求めてきた。その結果、七百万戸のいわゆる空き家が生まれかねない、もっとふえていく、こういう状況でありまして、まさに質、そして恒久的な住宅の住まいは、あるべきはいかがなものなのかというものを真剣にもう一回問い直す、そういう広がりを持つ、深みを持つ住宅行政に転換する法律、そしてその運用であっていただきたいと強くお願いを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
○林委員長 この際、休憩いたします。 午後零時二十三分休憩 ————◇————— 午後二時五十八分開議
○林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。三日月大造君。
○三日月委員 民主党の三日月大造です。 引き続き、住生活基本法案につきまして、質疑に参加をさせていただきます。 長時間の審議、お疲れさまでございます。また、この住生活基本法案、多くの方々の関心、そして、これからどうなるんだろうかという期待も、ある意味では不安も入りまじりながら、連日多くの皆様方に傍聴もいただいています。インターネット等ではこの審議の行方に注目をいただいている方々も多いのではないかと思いますが、まず大臣にお伺いをいたします。 今、予定の時間を超えて審議をしました本会議でも、建築基準法の改正が行われました。十一月十七日に耐震強度偽装問題が発覚以来、省庁も、そしてこの国会も、ある意味では捜査本部も、この真相解明、再発防止のために今鋭意尽力そして検討をしてきているところなんですけれども、まず、この住生活基本法案の中で、住宅の安全性について、どこに、どのように定められているのかということについてお伺いをいたします。
○北側国務大臣 何よりも住宅の安全性というのは、例えば耐震性であったり、防火性であったり、防犯性であったり、この安全性の確保というのは、豊かな住生活を実現するために必要不可欠な大前提であるというふうに考えております。 この法案の中におきましても、国、地方公共団体は、安全性、耐久性などの住宅の品質、性能の維持及び向上のために必要な施策を講ずる旨の規定を例えば第九条、第十一条等で規定させていただいておりますし、また、住宅関連事業者につきましては、その事業活動を行うに当たりまして、みずからが住宅の安全性その他の品質または性能の確保について最も重要な責任を有していることを自覚して、住宅の安全性その他の品質、性能を確保するために必要な措置を適切に講ずる責務を有する、このような規定を第八条で規定させていただいているところでございます。 この法案の趣旨に沿いまして、国としましては、地方公共団体と連携をし、また住宅関連事業者等ともよく連携協力をいたしまして、建築確認検査制度の抜本的な見直しや耐震診断、耐震改修の促進等々の各種の安全対策をしっかりと推進させていただきたいと考えております。
○三日月委員 今お述べいただいたようなことは、この間、この審議の中でも、例えば豊かな住生活を実現しましょう、もしくは居住環境を含む住宅ストックの質の向上をしようと思っていますとか、また住生活の安定の確保と向上の促進という言葉であったり、今大臣が述べられた法案の中でも、例えば第一条のところに「住生活の安定の確保及び向上の促進」、そして第三条に「良質な住宅の供給、建設、改良又は管理」、これを供給等といいますという言葉で、また八条のところにも「安全性」という言葉が出てきています。 しかし、これはよく委員の方も見ていただければと思うんですが、良質な住宅の供給、建設、改良、管理なんですね。しかも、第八条のところは、住宅関連事業者の責務としてしか安全性という言葉を出していないんです。私は不十分じゃないかと思うんです。 当然のことながら、安全という言葉は入っていますということをもしかしたら述べられるかもしれませんが、九月二十六日に社会資本整備審議会の答申がまとめられて、それを受けての法改正だと勘案いたしますが、それ以降の、十一月に耐震強度偽装問題が発覚をし、住宅の安全というものがこの国においても非常に問われ、不安に思われる方がふえたという現状をきちんと踏まえて、住宅の安全性という言葉をもっと明確に国、地方公共団体の責務としても規定すべきではないかと思うんです、言葉として出して。その点についての見解をいただけますでしょうか。
○北側国務大臣 むしろ、耐震強度偽装事件を受けまして、この第八条なり第十一条なりをより明確に規定をさせていただいたというふうに認識をしているんです。 住宅関連事業者についても、一義的に、住宅を供給する側の事業者の方々が住宅の安全性について一番重要な責任を負っているんですよということをあえて明文化をさせていただき、そして、十一条でも、国及び地方公共団体は、住宅の地震に対する安全性の向上を目的とした改築の促進等々、住宅の安全性、耐久性の向上に必要な施策を講ずるものとするというふうに規定をしているわけでございまして、当然、今回の耐震偽装事件についてもよく念頭に置いてこの住生活基本法案についてはつくらせていただいたというふうに思っております。
○三日月委員 これ以上は言わないでおこうと思ったんですけれども、大臣が耐震強度偽装問題も踏まえてこうしたんだと言われるから、なお突っ込みますけれども、今の八条は、あくまで住宅関連事業者の責務だけなんです。今二つ目におっしゃった十一条は、これはよく読んでいただければわかると思うんですけれども、「国及び地方公共団体は、」で始まっていますけれども、「住宅の地震に対する安全性の向上を目的とした改築の促進、」ということになっているんです。あくまで耐震強度を高めていこうという、先般議論しました住宅耐震の改修促進法案、この精神がうたわれているだけなんです。 今回の住生活基本法、これは基本法ですから、ほかの基本法についても見てみました。 これは、ずっと議論されています衣食住というところの住です。そして、食はどうなっているのかという観点で食品安全基本法というものを見てみると、衣食住の食と住ですから、ある意味比較検討しやすいと思って食品安全基本法というものを見てみると、第一条の目的のところに、当然のことながら「食品の安全性の確保」とまずうたっているんです。もっともなことだと思いますね。そして、第三条には基本的認識ということまでうたって、その項に何と書いてあるかというと、「食品の安全性の確保は、このために必要な措置が国民の健康の保護が最も重要であるという基本的認識の下に講じられることにより、行われなければならない。」回りくどい言い方ですけれども、しっかりとまず基本的認識を示しています。 もし耐震強度偽装問題も受けて今回のこの法案が提出されているのであるならば、もっと明確に安全という言葉が前面に出てきてもいいのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○北側国務大臣 第七条で、国及び地方公共団体の責務を規定しているんですね。第七条では、第三条から前条までに定める基本理念にのっとって、住生活の安定の確保、向上の促進に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する、こういう規定を設けている。第三条から前条までの基本理念、これは、第三条で良質な住宅の供給と言っているわけですから、安全な住宅、住宅の安全性の確保というのは大前提の話であるというふうに思っております。ですから、当然のこととして責務を負っているということですね。
○三日月委員 恐らく、大前提だと言われるとも思いました。しかし、先般の四月二十五日に一年を迎えましたあの鉄道の事故でもそうでしたけれども、残念ながら、いろいろな構造的な圧力や問題点によって、その安全が損なわれてしまうような事例が多々起きているんです。そのときに国は、国土交通省は何をしたかというと、運輸の安全性の向上の法案、この国会で委員会で議論しましたけれども、安全は最大のサービスである、安全は大前提ですと言われた安全という言葉を鉄道事業法に入れたんです、第一条の目的のところに。そういう改正をされているんです。 その精神は、安全が大前提であるこの住宅、そして、十一月以来、耐震強度偽装問題でその安全性が大いに揺らいでしまっているここの法案、基本法なんですから入れてもしかるべきではなかったかというふうに思うんですけれども、大臣、それは違いますか。恐らく、内心、聞いてみればそのとおりだなと思われることもあるかもしれませんけれども、首をかしげられておりますので、答弁を求めたいと思います。
○北側国務大臣 三日月委員の御意見は御意見として承らせていただきたいと思いますが、今回の住生活基本法案を提出した経緯というのは、これまでも何度も論議されておりますが、まさしく、住宅の供給をしていく、住宅の量を確保していくんだという政策から、住宅の質の向上、そこに明確に政策転換をしていくというところに一番大きな意義があるわけですね。 住宅の質といったときには、安全性はもう大前提としましても、バリアフリー化なり、さまざまな多様なニーズがあるわけですね。そうした多様なニーズにしっかりこたえていく質の向上をしっかり住宅政策としてやっていきましょうというのが今回の法律の眼目でございまして、そういう意味で、この第一条の目的規定も書かれているというふうに思っております。
○三日月委員 いや、量から質への転換を否定しているわけではありません、それは大いにやりましょう。当然のことながら、セーフティーネットとしての住宅政策も、後で少し議論をしたいと思いますけれども、当然やるべきです。そして、市場をきちんと整備していくこと、これも重要だと思います。だからこそ、その大前提となる安全性について、私は明確に規定すべきだという問題提起を強くしておきたいというふうに思います。 もう一点、安全性に関係してお聞きしますけれども、先般、四月の二十五日ですか、都市再生機構における「構造計算書保管状況及び安心確保の取組みについて」ということが出ました。前回、長妻議員の質問のときにも、この都市再生機構における構造計算書の紛失があったという事例について指摘、報告等がありましたけれども、この点について都市再生機構理事長よりお答えをいただきたいと思います。
○小野参考人 前回お答えいたしましたのは、管理組合から御照会のあった件数についての調査結果でございました。 今回私ども、全体の数について調査をしたわけでございますけれども、御案内のとおり、平成十七年度までに私どもが設計、建設をいたしました分譲住宅は全部で一万一千六百棟ほどございます。これにつきまして、文書管理上保存を要する構造計算書というのは大体六千棟弱、正確には五千九百六十八棟でございますけれども、その保管状況の調査を悉皆調査で行ってまいりました結果、二十五日に発表させていただいたわけでございます。 それで、本日、二十五日までに存在が確認できた構造計算書というのは四千八十九棟分、約七割でございまして、三割につきましては残念ながら見つけることができませんでした。端的に申し上げて、そういう結果になって、それが私どもの分譲住宅を買っていただいたお客様に大変不安を与えたということで、これは大変申しわけないことというふうに思っているわけでございます。 およそ七割しかない、三割紛失をしたということでございますけれども、これにつきましては、私どもは、現在紛失の状況等を克明に調査をいたしておりますけれども、実際には、構造図あるいは意匠図等の設計図書が大変重要なものだと考えていたということで、構造計算書等につきましては、やはり、計算過程の問題ということで、重要な意識がなかったということに尽きるというふうに思っております。 これにつきましては、今後、文書管理をさらに徹底いたしまして、特に北側国土交通大臣からは、先般来、再三にわたって構造計算書の紛失問題について御注意と厳しい叱責をいただきました。今後二度とこういうことが起こらないように、今後の文書管理につきましても、さらに徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。 また、紛失をしてしまった具体的な棟でございますけれども、機構住宅の棟数がこれだけ多いということがございまして、これにつきまして、居住者の方々に安心を持って住んでいただくために、構造計算書の再計算でございますとか、あるいは具体的な、それぞれ棟ごとの御相談に応じるとか、あるいは簡易な耐震診断というようなものも、既にこれは大臣認定でそういう方法がございますので、それによってできる限りの耐震診断の実施をしてまいりたい、御安心をしていただきたい、こういうふうに考えております。
○三日月委員 いや、理事長、何棟なかったんですか。(小野参考人「はっ」と呼ぶ)いや、はっじゃなくて。今の御答弁だと、五千九百六十八持ってなくちゃいけなかったと。今の御答弁では、この発表文書でもそうですけれども、四千八十九棟分、約七割、存在が確認できたのは約七割ですと。なかった方を言わなきゃいけないんです。何棟ないんですか。千八百七十九棟ですよね。 なぜこういう紛失が起こったのかということについて、これに記されています。今お持ちですか、理事長。これはインターネットで発表された資料ですけれども、これを読んで、皆様方もお聞きいただきたいと思うんですけれども、なぜなくなったのかということで、当機構内部の文書管理規程におきましては、構造計算書の保存期間を永年、これはずっと保存しておけということにしていましたと。から、一たん官公庁の最長保存期間に倣って三十年とした後、三十年に期限を区切られたんですね。後、権利関係消滅後五年、現行のものに再度変更を行いましたが、その内容を現場に十分徹底できてなかったために廃棄に至ったものが相当にありましたと。理由になっていますか。 要は、ずっと永久に残しておかなあかんと言っていたんです、最初は。そう決めていたんです。それを三十年にしました、最後は五年にしました、だんだん短くしてきているんです。そのことが十分徹底できてなかったためにということは、最初の永年から徹底できてなかったということじゃないですか。その変更内容が徹底できてなかったんじゃなくて、そもそも保存しなくちゃいけないという観念がなかったんでしょう、都市再生機構には。いかがですか。
○小野参考人 お答え申し上げます。 住都公団の発足以降は永年でございました。平成十二年になりまして、官公庁の文書管理規程等の変更がございまして、最長は三十年になりました。したがいまして、平成十二年に私どもも、構造計算書につきましても三十年にしたわけでございます。機構になりましたのは平成十六年の七月でございました。そのときに権利関係消滅後五年と。 この権利関係消滅後五年というのは、五年にしたということではございませんで、私どもの機構の住宅を買っていただくお客様、割賦の方が大変多いわけでございます。割賦の方の場合、最長の期間は三十五年でございますので、三十五年プラス一応残りの五年、余裕期間を見て五年、これが四十年になるわけでございますが、通常のお客様は、繰り上げ償還等をされる場合にはこれは最低の十五年になるわけでございます。 内部の文書管理規程の期間が、構造計算書についての期間が最初永年、これは恐らく四十年という内部規程で運用しておりまして、それが三十年になりまして、それから、再度、機構発足と同時に、最長で三十五年プラス五年、十五年から四十年の間ということで変遷をいたしたものでございますから、この間についての十分な説明を職員にしていなかったということも紛失の原因の一つではないかということでございます。 ただ、いずれにいたしましても、三日月先生お話しになりましたとおり、構造計算書というのは設計図書をつくる大変重要な文書でございますから、そういう目で管理をして保存をしていかなければいけないわけでございますが、それについて落ち度があったことは、大臣からも御指摘がございましたけれども、そのとおりでございまして、今後、こういうことのないように十分注意してまいりたいというふうに考えております。
○三日月委員 今理事長も御認識いただいているとおり、だんだん短くなったことが周知徹底されていなくてなくなってしまったのではなくて、もともとそういう御認識がなかったということなんです。もともと永久に保存しておかなければならなかったものが、なかったんですから。だんだん短くなってきているのに、ないんでしょう。 いや、だから、そのあたりの安全性に対する御認識をぜひ強く持っていただきたいと思いますし、そしてこれは管理組合にもお渡ししてあるんですよね。ですから、当然、都市再生機構としてなくても、管理組合にあれば、同じもので耐震性についての検証、チェックができるということでいいですよね。 そうすると、千八百七十九のうち幾つかは管理組合にきちんと残っていて、当然、偽装がないことがまず前提です。そして、耐震強度の面で劣っているということがあってはなりません。しかし、そのことに不安を覚えられる住民の皆さんが、うちは大丈夫だろうかということでチェックをするときに、そのものがある状態にあるのかないのかということについて、一言、御答弁をいただけますか。
○小野参考人 構造計算書を現在、御要求のございました管理組合には、確認できましたものをお渡ししているわけでございますけれども、具体的に、当時、構造計算書そのものを管理組合にお渡しをするかということになりますと、構造物の設計図書等はお渡しをするわけでございますけれども、必ずしも構造計算書をお渡しするような内容になっておりませんでした。また、お渡ししても、それは管理組合で預かるのはいかがなものか、機構の方、当時の公団でございますけれども、公団で持ってくれというようなお話もございまして、それで私どもで保管をしたと。 それと、設計図書の場合には、これはお渡しすると同時に、原本は私どもがマイクロフィルム化いたしまして保存をするのでございますけれども、構造計算書の方は、これは原本を保管するという形でやってまいりまして、デジタル化をしていないのでございます。それが今回こういう大きな紛失事件を招いた最大の原因じゃないかというふうに思うわけでございます。 いずれにいたしましても、私ども、管理組合から御要求があれば、現在の構造計算書のあるなし、あるいは具体的なそれによる耐震性の問題等を十分に御説明をして御理解をいただくようにいたしております。 既に紛失が明らかになっております構造計算書、管理組合から御照会をいただいたものもございますけれども、これはすべての御問い合わせいただいた管理組合に事情をお話をいたしまして御理解をいただきました。
○三日月委員 御理解をいただいたからいいという問題でもないと思うんです。そして、確かに分厚いんです。保存に場所もとるんです。でも、残しておかなくちゃいけない、残しておこうと取り決めていることについてはきちんと残していただく。ないのならないなりに、今の建っている建物が構造上問題ないのかということのチェックを、今鋭意進めていただいているということですけれども、早急にやっていただくということについて、強く抗議とともに申し上げておきたいというふうに思います。 そして、時間も限られておりますので、セーフティーネットとしての住宅政策という観点から、三点お伺いをいたします。 まず一つ目は、これは質問通告はしていないんですけれども、大臣が以前、馬淵さんの質問、そして他の委員の方々の質問の中でも答えられています。要は、憲法二十五条、憲法十三条とこの住生活基本法案がどうなのかということについて、このように答えられているんです。 馬淵委員の、要は、住む人の権利としての規定をもっと明確にすべきじゃないかという問い、提案に対して、憲法二十五条そして憲法十三条、当然踏まえてこの法律ができているというふうに私は考えていますと述べられた上で、国民の皆様の住生活の安定そして向上、これを国、地方公共団体が責務としてその施策を推進していくことを明記させていただいているわけであって、要は、具体的施策を明記しているからそれでええやないか、当然踏まえているしと。そしてさらに、そういう意味で、いわゆる法律上の居住権というような形で権利性を付与しなかったということだというふうに理解をしていますというふうにおっしゃっているんですね。 これがやはり基本法である以上、セーフティーネットとしての住宅というものをきちんと明確にする意味においても、法文上にこの憲法十三条、二十五条の精神を言葉として明記すべきではなかったかという問いに対して、大臣、いかがお考えになりますか。
○北側国務大臣 ちょっとお答えになっているのかどうかわかりませんけれども、先ほど委員も引用されました第六条、この法案の第六条で住宅のセーフティーネットについて規定をさせていただいておりまして、それを基本理念の重要な一つというふうに位置づけさせていただいております。 この第六条に基づいて、さまざまな具体的な住宅に関するセーフティーネット政策、住宅困窮者の方々というのはこれからも当然いらっしゃるわけでございまして、そういう困窮者の方々に対する居住の安定を確保していくというのはやはり国の重要な責務だというふうに考えております。
○三日月委員 なぜそういうことを重ねて、そして質問通告もしていないのに聞くかといえば、長年温められてこられた割には、議論してきた割には、そしてまた、先般来新たにいろいろな問題が発覚して住宅の安全性が多くの面で問題になっている割には、この権利の部分であるとか先ほど申し上げました安全の部分というのが、せっかくつくるこの基本法の中に、もちろん、何条を見れば書いてある、どこどこを見れば書いてあると言われるかもしれませんけれども、明確に、例えば目的の項目であるとか基本理念の部分に言葉として明記されていないという不安を私は禁じ得ません。 さらに、若干データ的なことについてお伺いをいたします。 一昨年ですか、新潟中越地震がありました。あの山古志村の村長をなさっていた長島先生も、今国会議員として御活躍ですけれども、昨年は豪雪で多くの家が大変な目に遭っています。自然災害に被災して、仮設住宅を含めて住宅困窮の状態にある方々は国全体で今どれぐらいいらっしゃるんですか。
○山本政府参考人 大変恐縮ですが、今仮設住宅の戸数は手元に持ってきていないんですが、中越地震の被災者向けの公営住宅の建設計画がございます。計画戸数が三百三十五戸となっております。
○三日月委員 仮設住宅しか国土交通省などでは把握できていないということなんでしょうけれども、一回自然災害が起これば多くの方々がいわゆる住宅困窮の状態に置かれるという状況の中で、我々がかねてからずっと主張させていただいています、住宅本体、住宅を再建する際の本体部分に公費を投入して、いわゆるセーフティーネットであるところの住宅に対して公費を投入して再建を支援すべきだという考え方に対して、大臣、繰り返しになりますけれども、お考えをお聞かせいただきたいと思いますし、この住生活基本法案が議論される過程において、ぜひ踏み込んだ御見解等をいただければと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○北側国務大臣 仮設住宅等については、当然国の予算も使ってやらせていただいておるわけでございますし、これは国土交通省というよりも内閣府の問題でございますが、被災者の生活支援制度についてもこの国会で何度も論議をいただき、改正もして、少しずつ充実をさせていただいているところでございます。 また、従来ある、既存の制度がございます。例えば、共同住宅で共有部分についての支援制度を活用するだとか、そういうのは阪神の震災の際も活用をしているわけでございまして、そうしたさまざまの制度を活用してこれまでもやってまいりましたし、これからもしっかりとやらせていただきたいと考えております。
○三日月委員 もう一点、福祉政策としての住宅政策の側面からお伺いしたいと思うんですけれども、大臣が選挙区となさっています大阪府では非常に熱心に取り組まれておりまして、グループホームとして公営住宅の利活用がされている状況、先ほど、午前中には土肥先生の方からも福祉政策としての住宅政策という位置づけからの御指摘がありましたけれども、今、例えば大阪府では平成十年から十七年度の累計で二百七戸、四百七十九名の方々がグループホームにお住まいだ、こういうケースは国全体でどれぐらいありますか。
○山本政府参考人 平成十六年度末現在で四百戸となっております。
○三日月委員 体が不自由であってもそうでなくても、住むということは国民にとって、人間にとって非常に大切な権利であって、そのことがなかなか御自身でかなわない状況にあるならば、こういう公営住宅こそグループホームとして活用していくべきだと考えます。 そういうものが平成十六年度末現在で四百戸とおっしゃいました。これはちょっきりの数字で、何かつくられたような数字のようにも思いますけれども、しかし、この公営住宅がグループホームとしてなかなか利活用されないことについては、どのようなハードル、問題点があるとお考えですか。
○山本政府参考人 平成八年度の法改正で、こういうことが可能となるような道を開いたわけでございますけれども、そのような措置を講じたことにつきましては、御指摘いただいたような認識で取り組みたいということでございますが、現実には、特に大都市において公営住宅に対するニーズが非常に高い、応募倍率も高いといったようなこともございます。そういったような事情があること。それから、公営住宅団地に居住している方々が、必ずしもなかなか御理解がいただけないというような事情も現場ではあるというようなこともあって、公営住宅事業者が積極的にこの問題に取り組んでいない。 そういう事情があるというふうに私どもは受けとめているわけでして、八年度改正の趣旨をきちんと踏まえて、もちろんいろいろな事情はあるでしょうけれども、前向きに取り組んでいただくようにお願いしてまいる考えでございます。
○三日月委員 午前中以来述べられています。書かれていることは立派で、このとおりいけばいいなというこの住宅政策、そして大きな転換点を迎えるこの住宅政策が、具体的施策についても、特にこのセーフティーネットの部分、安全性の部分についてきっちりと担保された具体的施策が行われることを心から切に求めて、そして今後もきっちりと検証していくことを誓い、私の質問を終わらせていただきます。
○林委員長 小宮山泰子さん。
○小宮山(泰)委員 民主党の小宮山泰子でございます。 この基本法についての質疑をさせていただきます。 基本法が成立した後になりますけれども、やはりこの法律、先般から指摘をさせていただいておりますけれども、住生活というのは具体的にどのようなものなのかというのが、なかなかイメージがしづらい。量から質という点、また住宅建設計画法のもとからある部分と、環境をよくするという、そういう枠を広げた新しい部分と、二種類が混在をしているという意味においても、ある意味非常に、朝土肥先生もおっしゃっていましたように画期的な法律かもしれませんし、基本法だからふんわりしているんだという表現をされる方もいらっしゃいますが、逆に、だからこそわかりづらく、そして問題もある、しかし否定もしづらい法案なんだなという思いがしております。 しかし、成立の後、やはりこれは、国民の皆さんにどのように現実に、この目的にあるように、安心、安全な住宅を保障していくのか、国民の皆様の住居権やセーフティーネットというものをどう保障していくのか、その基本の理念となるものでもあります。なので、少し明確にしていかなければいけないんだと思います。住生活基本法制定に伴う今後の計画について伺わせていただきます。 住生活基本計画について、法案の第十五条で全国計画の条文があります。これまでの住宅建設計画法の住宅建設五カ年計画と特に異なる点はどんな点なのか、そして、国の役割という点は変わりがあるのか、この違いについてお伺いしていきたいと思います。 そして、今回の基本法案で、住宅建設の目標及び公的資金による住宅建設の事業量が規定されておりません。他方、都道府県計画に関する法案十七条二の五で、都道府県は、公営住宅の供給の目標量を定めることになっております。地方に住宅供給の義務を課しておりますけれども、それでは、この関連で国は直接的にはどのような役割を果たしていくのか、お伺いしたいと思います。 地域住宅交付金制度が平成十七年度から始まっておりますけれども、この基本法案が成立した後は、国交省の中心的な役割というのは、地域住宅交付金による財政支援というものが中心になっていくのか、この点に関しても明確にお答えいただきたいと思います。簡潔にお願いいたします。
○山本政府参考人 従来の住宅建設五カ年計画では、公的資金による住宅建設の事業の量を定めておりました。住宅の量の確保から質の向上への本格的な政策転換を図る趣旨から、今回の住生活基本計画におきましては、良質な住宅や良好な居住環境の形成を図るための質に係る目標を定めることとしておりまして、目標の達成度合いを具体的な数字で計測できる成果目標を掲げてまいります。 その中で、特に住宅困窮者に対する居住の安定の確保という課題につきましては、住宅政策の非常に大事な使命の一つでございますので、本法案でも基本理念としてそのことを掲げております。第六条でございます。この基本理念を受けて、国と公共団体が協力して施策を進めていくわけでございますけれども、その中核に公営住宅の供給というものがあるわけでございます。 従来の五カ年計画では、国土交通大臣が都道府県ごとの五カ年の公営住宅整備の事業量を通知するというトップダウン型の計画制度としておりました。新しい住生活基本計画におきましては、地方分権推進会議の提言も受けまして、公営住宅制度に係る地方分権の推進を図る観点から、都道府県が計画期間内における供給目標量を定めまして、国土交通大臣と協議して同意した上で、国と公共団体が協力してこれを進めていくという方針としております。 こういう考え方でございますので、特に地域の住宅事情を踏まえて的確に住宅政策を進める観点から、今引用していただきました昨年の地域住宅特別措置法に基づく地域住宅交付金、これが地域住宅政策を推進する推進力になります。その中で、本当に困った人に公営住宅を供給する公営住宅制度がその中核にもちろんあるわけでございますけれども、交付金をベースにして主体的な地域住宅政策を進めていただきたいという観点から支援してまいります。
○小宮山(泰)委員 しっかりと支援をしていただきたいと思います。やはり、きちんとしたセーフティーネットというものは国で責任を持つべき部分も多いかと思います。 それでは、実際に対応するのはやはり都道府県、現場でありますので、現行の地域住宅交付金の要綱を見ておりますと、その第九で、地域住宅計画の提出を自治体に義務づけるとなっております。ここに言う地域住宅計画と住生活基本法案にある都道府県計画とはどのような関係になっていくのか、変わりがあるのか、それとも全く変わらないのか、変わらないんだったら、どうしてという部分もいろいろ出てはきますが。 それともう一点は、地方自治体が積極的に地域住宅計画を策定して、住環境の向上のために施策を推し進めることができるように制度を運用していただきたいということをお願いしたいと思います。そういった要望の立場から、法案の十七条にあります都道府県計画はもとより、市町村の地域住宅計画策定を促進する必要があると思うのですが、その場合、政府はどのように対応されていくのかという点も伺わせていただきたいと思います。
○山本政府参考人 新しい政策の体系を具体的に進める上で非常に大事なポイントを御指摘いただいたと思います。 この基本法案に基づく都道府県計画でございますが、都道府県の区域における総合的な、計画的な施策の推進のための道具立てでございます。国は、全国的な観点から各都道府県を通じた具体的な課題について全国計画をつくりますけれども、これに即して都道府県が、地域の実情を踏まえて、なおかつ管内の市町村と協議した上で定めていただくわけでございます。 一方、指摘いただきました地域住宅計画は、都道府県だけでなく市町村も含めて、地域の住宅政策上の多様な課題を的確に進める、特にそれを、公的住宅政策を通じて課題解決を図るという観点から地域住宅計画を定めて、この計画の事業を進めるために地域住宅交付金の措置が講じられる構造となっているわけでございます。 したがいまして、具体的には、住宅政策全般を計画的に進める都道府県の住生活基本計画を踏まえながら、市町村が具体的にいろいろな施策住宅を進める枠組みとして地域住宅計画がきちんと策定されるように、国としても支援していかなければならないと考えております。
○小宮山(泰)委員 都道府県計画は義務となりますし、また、市町村の中では大きなところ、政令市とか中核市などは、実際に計画というのがもうできているというところが多いかと思います。しかし、実際、日本の統計でいえば、高齢者世帯の生活保護世帯というのもふえている現実を考えますと、高齢化率が高いというのは、どちらかといえばやはり大きな都市ではありません。そういった意味で、各市町村、そういったところに関してもきちんといろいろな支援をしてもらいたいと思います。 そして、都道府県の計画が実際できているとはいいますが、ここで問題が出てきていると思うのが、当然、土地の上に住生活というものは成り立つわけです。ということは、関連して質問させていただきますが、国土交通省は、国土調査法及び国土調査促進法に基づいて国土調査を実施していらっしゃると思います。国土調査の中で主要な事業が地籍調査と聞いておりますが、地籍調査の中で、土地の所在、地番、地目、地籍、所有者名義などを明確にしていくというものでありますけれども、法務局に備えてある地図と実際の所有関係が違ったままの、この表現が適切なのかちょっとあれなんですが、地図混乱地域や、所有関係不明の筆界不明の土地が多く残っているために、土地境界を公正な立場で確認し、土地の境界の確定図を作成しなければいけない立場にある、特に不動産の売買に多くかかわっております土地家屋調査士の皆さん方からも、この問題に関してはもっと早く進めていかなければいけないという指摘を受けております。 そこで、地籍調査の、隣との境界がやはりごたごたをする、ある弁護士さんに言わせれば、そういうのが出てきたらなるべく受けたくないというようなこともあります。身近なところではあります、自分の住んでいるところ、個人の所有の問題、そういったものもありますが、やはり、こういった筆界の問題というのは早急に整理、調査して解決をしていくということも、住生活を良好に、そして、各地域が定めた計画というものがスムーズに実行されるという上では非常に重要な点だと思いますので、地籍調査の進捗状況及び地籍調査事業の今後の目標について伺わせていただきたいと思います。 また、もう一点、続けてよろしいでしょうか。地籍対象面積のうち宅地でも平成十六年の達成率四九%と、対象の半分に達していないということも聞いておりますので、今後の目標についてまず伺わせていただきます。 〔委員長退席、渡辺(具)委員長代理着席〕
○阿部政府参考人 地籍調査の進捗状況でございますが、調査対象面積であります二十八万六千平方キロのうち、平成十六年度末現在では、実績面積は十三万三千平方キロメートルになっておりまして、その進捗率は、全国ですが四六%となっています。特に都市部では一九%ということで、非常に進捗がおくれております。 昭和二十六年以来地籍調査が行われてまいりまして、現在は、平成十二年度から二十一年度までの十カ年、これを計画期間といたしました第五次十カ年計画に基づきまして、調査を実施いたしております。 この計画におきましては、計画事業量は三万四千平方キロとなっておりまして、これに対しまして、平成十六年度末現在の実績面積は八千九百平方キロとなっておりまして、折り返し点を迎えた時点におきまして、その達成率は二六%ということでございます。
○小宮山(泰)委員 なかなか本当に達成率が低い。まだ四六%にしか達成率がいっていないという答弁をいただいてしまいました。 特に都市部は一九%とありますけれども、私の住んでおります埼玉県は二九%でまだいいんですが、千葉一二%、東京一八%、神奈川一二%と、首都圏でもかなり低い状況が続いております。 本当にこの点に関しては、この委員会、都市計画法、そしてまちづくり三法に関連して中心市街地活性化法、これから市街地に関しての活性化をしていこうと、先般、衆議院ではこの法案が通過をしたばかりでもあります。こういったまちづくりの障害となって、特に中心市街地でこの地籍調査が進んでいないということ、この点に関しては、なかなか法務省が腰が重くて、国土交通省の方が頑張っているという評価も一部には聞こえてまいります。 この点に関して、国土交通大臣、どのように今後していくのか、意気込みを伺いたいと思います。
○北側国務大臣 委員のおっしゃったように、私も弁護士の時代に、土地の境界確定の訴訟というのは一番嫌だったですね。登記所の公図と全く違う。また、登記所にある登記簿の面積と実際上の面積が全然違う。これはもうざらなんですね。 先ほど、首都圏だけ御紹介いただきましたが、私の地元の地籍調査の進捗率は何と二%でございます。大阪は二%なんですよ。私も地元だからよくわかりますが、権利関係が極めて錯綜しておりますので、大阪というのは。 なかなか地籍調査というのは大変なわけでございますが、ただ、この地籍調査というのは、地味なんですけれども非常に大事なことでして、土地一筆ごとの境界だとか面積を明らかにするんですけれども、それによって、土地取引が円滑化する、また個人資産がきちんと保全される。災害が起こったときに、これがなかったらどこが一体境界であったのかわからなくなるんですね。災害復旧にも必要ですし、また公共事業のコストの縮減という観点からも、その意義は極めて大きいものがあると思っております。 おっしゃったように、都市部においては進捗率が特に低い状況でございまして、今、平成十六年度から三カ年事業で都市再生街区基本調査というのを実施しております。この調査が地籍調査の進捗という形に実を結ぶように、しっかりそのフォローアップに努めてまいりたいと思っております。 この地籍調査の意義について積極的に国民の皆様に周知を図り、また、法務省初め関係省庁、地方公共団体と一体となってその推進に努めてまいりたいと考えております。
○小宮山(泰)委員 ぜひお願いいたします。 この点に関しては本当に、森本委員もこちらで地味な仕事なんだとおっしゃっていました。特に、大臣の地元が二%ということになればやはりゆゆしき問題でもございますし、この点に関しては、日本の国土の健全な発展という意味においても、早急に進捗率を上げるということで頑張っていただきたいと思いますし、この点はやはり国が責任を持って実行していただきたいと思います。 それでは、この法案の続きでございますけれども、私、先般から、都市計画法の中でも質疑のときに指摘させていただいておりました。今まで、日本の住宅や、そして土地の利用という中においては、高度利用という言葉がたびたび使われました。しかし、人口減少という中において、高度にするばかりが集客の対象になるまちづくりができるわけでもないということも指摘させていただいております。 そうやって考えますと、昨今、観光立国というタイトルが今盛んに出てはおりますけれども、現実にどういったところに多くの人たちが集まり、そして見ているかといえば、何といっても、やはり日本の古来からの歴史をたたえ、そして伝統的につくられた町並みというものに注目が集まっていっているんではないかなと思いますし、その点に関しては、やはり上に上に伸びるばかりの、コンクリートで上に伸びるばかりが日本の風土に合った建築とは思えない。 今、空き家とかそういったものも、人口減少はもう始まっております、そういった中では、上に高度に多くの人が住めたり、人がふえないのにそういった高度で多くの人を収容したような建物というものばかりがクローズアップされるのはいかがなものかと思いますし、高齢化になれば階段や、そして電力の問題、温暖化の問題を考えても、エレベーターがなければ上に上がれないような建物ばかりではなく、もっと平家であったり二階ぐらいの木造住宅というものが、やはり日本のこの湿度の高い、まあ関東近辺はそうですけれども、そういった風土に合った、そういう歴史から生まれた、ある意味本当に自然と共生をする、新しい意味でこの価値観というものは守っていかなければいけないし、促進をするべきであるという思いがございます。 そこで、法案の七条に、「木材の使用に関する伝統的な技術の継承及び向上を図る」とございます。住宅全体に占める木造建築の割合は現状はどのようになっておりますか。お聞かせください。
○山本政府参考人 最近、特に都市部におきまして、共同住宅に住むというのが非常に普及してまいりましたので、木造住宅の着工戸数は少しずつ減ってきているというのが現実でございまして、最近の住宅着工に占める木造住宅の割合で見ますと四五%ぐらいです。ただ、国民の皆様にどういう住宅に住みたいですかと伺ってみますと、内閣府の調査なんかでも、八割の方が木造住宅に住みたいと希望しておられますし、戸建てだけに限って見ますと、今現在でも、供給される新築戸建ての八割は木造住宅でございます。 そのことを前提での議論なんですが、供給サイドで見ますと、大工の人数が次第に減ってきておりまして、その高齢化も目立つようになってきているということで、そういう問題意識に立って、今御指摘いただいた条文で明確に国の責務を規定していただいているということでございます。
○小宮山(泰)委員 恐らく、そのアンケートをとっているというのは、本当に多くの人がやはり自然の素材のもとで暮らしたい、それが人間として安心して、そして豊かに暮らせるということが、皆さん多くの人が共通で持っている認識なんだと思います。 特に、今アトピーの問題とかもあります。化学物質であったりとか、いろいろな問題もありますけれども、先般、耐震偽造の問題の中で、やはり技術がなくても建築ができてしまう、あの中で、熟練した人であれば、こういった鉄筋が少なかったらわかるんじゃないかという大きな話題もございました。 職人がしっかりと技術を持って家を建てる、やはりそういった点というのは非常に尊重もされるべきだと思いますが、鉄筋コンクリートやツーバイフォーや、いろいろな工場で組み立てたのを現場で組み立てるだけ、技術が要らなくても巨大なホッチキスみたいなのでばんばんばんととめていけるような、そういった職人というんでしょうか工事をする人ばかりでは、この技術の継承や、今までのいろいろな日本建築、本当にいろいろな技術がありますが、そういったものが実際には伝承されていないという一面もあるんだと思います。 この点に関して、「木材の使用に関する伝統的な技術の継承及び向上を図るため、これらの技術に関する情報の収集及び提供その他必要な措置を講ずる」とはっきり書いていらっしゃいますが、具体的にはどのようなことを考えていらっしゃるのか、御説明ください。
○山本政府参考人 まず、供給サイドといいますか担い手ですね、伝統的な木造工法技術者がだんだん少なくなってきている。これをやはり政策的にてこ入れして育てていくという観点から、基本的には、国費を使いまして、大工技能者の育成という事業を進めております。平成十五年から開始しておりまして、毎年およそ百人近くの新人が大工の棟梁のもとで三年間訓練を受けるという仕組みでこういったことに取り組んでおりましたり、あるいは工務店等の団体を通じて技能講習をやる、そういったことを応援するといったようなことをこれまでもやってきております。 それから、やはり消費者の方々にも伝統的な木造住宅のいいところをきちんと理解してもらって、現実に住宅行動にあらわしていただくということが大事ですので、いろいろな催しを通じてそういった努力もしております。 今まで、供給サイド、需要サイドでそういうことをやってきておりますけれども、こういったことを踏まえて、さらに施策を積極的に展開したいと考えております。
○小宮山(泰)委員 積極的にぜひ展開をしていただきたいと思いますし、実際にその施策をしながら木造住宅が減るという現実を見ると、これは、厚生労働省で少子高齢化対策をしていますと言ってずっと減り続けたようにも見えないでもありません。ぜひ、実行できる、そして現実的な、実際に施策の効果が上がるような、そういった方向転換、きちんと見直しをしてやっていただきたいと思います。 時間が大分なくなってまいりましたので、最後になりますけれども、先ほどから、ずさんな管理というのでしょうか、運営上お粗末だなと思っております独立行政法人都市再生機構、これについてお伺いしたいと思います。 この機構法案を審議した際、平成十五年五月十四日の衆議院国交委員会で附帯決議が採択されております。前のですけれども、扇国交大臣は、趣旨を尊重して任務に当たる旨を答えていらっしゃいます。その実施状況についてお伺いしていきたいと思います。 附帯決議の四に、「機構は、賃貸住宅の家賃の設定及び変更に当たっては、居住者にとって過大な負担とならないよう家賃制度や家賃改定ルールに対する十分な配慮に努めること。」とあります。しかし、ことし二月には、きょう大勢の方、ずっとこの法案の最中、皆さん連日来られておりますけれども、全国公団住宅自治会協議会から、今回の家賃値上げを見合わせ、中止するべきだという要望書が出されているかと思います。 附帯決議の趣旨が尊重されるように要望していきたいと思いますが、その点に関してはいかがでしょうか。答弁を、御見解を伺います。
○山本政府参考人 機構の賃貸住宅の家賃でございますが、都市再生機構法の定めによりまして、近傍同種の住宅の家賃、市場家賃を基準とするということとされております。民間市場との均衡の確保の観点から、機構において定期的に改定が行われているところでございます。 市場家賃を基準として比較した上で、家賃を引き下げる場合もございますし、引き上げるものもあるわけでございますが、家賃の引き上げを行うに当たりましては、激変緩和措置を講じるなどの急激な家賃上昇とならないような算定方法をとった上で、特に低所得の高齢者世帯に対しましては、家賃上昇をさらに抑える特別措置が実施されております。居住者の居住の安定に十分配慮がなされているものと考えております。
○小宮山(泰)委員 再生機構に独立行政法人化してというよりも、その前からではありますけれども、量から質への転換というものがこの法人、ございました。その中においては、それまでは本当に生活困難の方々や低賃金の方々のための住宅であるというのはわかっていたんですが、ある意味、私の住んでいます埼玉においても非常に豪華な住宅に建てかえが進み、昔からのそういう人たちが住めないような家賃に変貌していく、そういった姿を目の当たりにいたしますと、本当に、公営住宅法などございますけれども、この点に関して今きちんとこたえられているのかなという思いがしてなりません。 そして、何よりも、このときの扇大臣の答弁の中に、またそして附帯決議の中にもありますが、機構の理事長そのほか役員選出においては、適切な人材を広く活用するよう十分配慮することというふうにうたっております。 役員名簿を比べてみますと、平成十六年七月一日付のもの、これはちょうど独立行政法人化したときもそうですが、このときはほとんどは、理事長初め皆さん、もともと建設省の方であったり、もちろん都市基盤整備公団からそのまま引き継がれた方。二人だけ、理事長代理と監事の人だけが民間から来ている。 そして、平成十六年七月十六日、現在の役員を見てみますと、役員数はふえたにもかかわらず、民間の方は理事長代理そして監事が一人ずつという意味で構成的には変わりないんですが、理事がふえた分、それまでは都市基盤整備公団に行ってからとか、ほかの財団へ行ってからこの機構の理事になった方ばかりなんですが、今はもう既に直接国税庁からとか内閣官房審議官から、国土交通省の住宅局長さんもいますが、直接この法人の理事になるという意味において、なかなか適正な人事がされているとは思えない。どう見ても天下り団体としか思えないようなことになって、そして、その中において、あの構造計算書が紛失されたままになってしまう。 これはいかがなものでしょうか。本当に適切な人事をされているんでしょうか。 大臣、そのときも、「審議中に賜りました委員各位の御高見、また、ただいま附帯決議において提起されました都市基盤整備公団から継承する賃貸住宅」、これは家賃のことですね、「居住の安定、一層の経営基盤の強化等につきましては、今後、その趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。」と、本当に大臣も宣誓とか公約と言ってもいいような発言をきちんとされています。 こういったやり方では、なかなか多くの人たちの声というものが届かないんじゃないかという懸念がしてなりません。ぜひ、この点に関して改善をされていくのか、そして、やはりこういった住宅建設計画法というものをある意味内包した状態のこの住生活基本法が基本法に発展していくという中において、扇大臣が言ったことではありますけれども、今現在の大臣、北側大臣の今後のこの点に関しての御見解、そして御決意をお聞かせください。
○北側国務大臣 この附帯決議に関する件ですね、機構の役員の選任の問題。 これにつきましては、機構というのは独立行政法人になったわけでございますけれども、今は、全国にある賃貸住宅、公団時代に建設をされました賃貸住宅の管理をしっかりやっていただく必要があるわけでございますし、また、都市再生業務について、この都市再生機構がさまざまなところで業務を担っていただいているわけでございます。そういう意味で、非常に公共性の強い仕事を今もやっていただいているところでございまして、国家公務員の出身者、そういう経験とか専門性をしっかり活用することについてもこれはぜひ御理解いただきたいと思うんですが、ただ、それが何か任用を固定化していくのではなくて、やはり適材適所で判断をしていかないといけないというふうに思っております。 そういう意味で、この衆議院でのかつての決議の趣旨というのをよく踏まえて人事をしていく必要があると考えておりますし、また、やはり独法になったわけでございますので、民間から今二人しか入っていないんですね、おっしゃっているとおり。民間からもう少し活用されてもいいのではないかというふうに私は考えております。
○小宮山(泰)委員 ありがとうございます。 やはり基本法でありますので、きちんとその趣旨が反映されるように私どももしっかりチェックをし、そして何よりも、本当の意味で国民が安心して暮らせる日本をつくっていきたいと思います。 ありがとうございました。
○渡辺(具)委員長代理 逢坂誠二君。
○逢坂委員 民主党の逢坂誠二と申します。 北側大臣初め政府参考人の皆さんにはお世話になりますけれども、よろしくお願いいたします。 まず、冒頭にでございますけれども、北側大臣には、行政改革の中での、いろいろ総人件費の抑制など、随分御苦労されていると。特に、私の出身は北海道でございますので、北海道開発局、北海道局の問題については、北側大臣から、それぞれ地域の実態、実情というものも勘案しながら総人件費改革というようなことも進められるべきとの発言もいただいておるところでございまして、まさにそのとおりだなと私も思っております。 実は私も、地元は北海道のニセコというところですが、大臣と同じ党派、政党の方からも随分御支援をいただいておりまして、非常にありがたく思っているところであります。ありがとうございます。 さて、それはともかくといたしまして、今回議論されております住生活基本法案でございますけれども、基本法案でございますから具体性というものは余りないんだということで、私もそれはそれで理解をできるわけですが、基本理念があって、責務があって、基本的施策がある、そして住生活基本計画というものがあるということでございます。 まず最初に大臣に軽くお伺いしたいんですけれども、この基本法を具体的に実務的に実行して効果を上げていくためのポイントというのはどこだというふうにお考えになりますか。私は、これは多分、最後の基本計画の部分じゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○北側国務大臣 おっしゃっているとおりでございます。 都道府県計画、都道府県で計画をつくっていただくわけでございます。もちろん国が全国計画をつくって都道府県計画ができるわけでございますが、住宅に対するニーズというのは当然地域によって全然違うわけでございます。大都市部と地方ではまた違いますし、また委員の地元の北海道は、こういう豪雪の地域でもまた違うわけでございまして、そういう意味では、最も大事なのは、この住生活基本法の中に書かれている基本理念等につきまして、全国計画さらに都道府県計画の中で具体的施策として書き込んでいくというところが最も大事なところだと思っております。 これについては、この法律を通していただきましたならば、この秋から具体的な作業が始まってまいるというふうに思っておりますので、ぜひ御理解のほどよろしくお願いしたいと思っています。 〔渡辺(具)委員長代理退席、委員長着席〕
○逢坂委員 大臣から、やはり最後の、計画というところが非常に大事だという話をいただきまして、私も全くそのとおりだというふうに思います。 この基本法につきましては、私が今ここでくどくど申し上げるまでもなく、国会でもいろいろ議論をされ、これまでにもいろいろな話が出てきた中で、今回やっと制定される方向に向かってきた。その前段として、社会資本整備審議会の答申に基づいてこの法案をつくっているんだということでございますけれども、この審議会のあり方について少し政府参考人の方からお話を伺いたいと思うんですが、この審議会を設置している理由というのはどういうふうにとらえていますでしょうか。よろしくお願いいたします。
○山本政府参考人 国土交通省、特に社会資本整備審議会でございまして、住宅・社会資本整備に関連する基本的な事項について、行政内部だけではなくて、広く関係する事業者の団体あるいは学識経験者等から客観的な意見を忌憚なく御審議いただいて基本政策の将来に誤りのないようにするという趣旨で、審議会で御審議いただいているというふうに理解しております。
○逢坂委員 それは、一般論として、私も全くよく理解をできるわけですね。物を始めるためには、やはりなるべく広く意見を聴取して、多角的な観点から考えていくということは非常に重要なことだというふうに私は思います。 しかし、局長、私は、どうもこの答申を読んでみて、役所の内部だけではなく外の意見もということなのでありますけれども、どこが外の意見でどこが内部の意見なのかということが全くよくわからないといいましょうか、要するに、どうもこれは、役所の中に専門家がいるのかいないのか、どうなっているのかというところが全くわからぬですね。 要するに、答申を受けて法案をつくったということではありますけれども、そもそも主体的になる原動力というのは役所ではないかというふうに思うわけですが、審議会というものと役所との関係というのはどうなっていますか。このあたり、お教えいただけますか。
○山本政府参考人 社会資本整備審議会一般ではなくて、住宅政策についての審議会での御議論だという御質問でございますので、中央省庁改革で社会資本整備審議会に統一される前は、住宅宅地審議会という形で、住宅建設計画法に基づく五カ年計画を改定するたびごとに非常に大きな見直しをしていただくという観点から、大臣から基本的な方向を諮問し、御審議いただくというような形で進めてきたわけでございます。 もちろん、御審議いただく際のいろいろな課題意識、問題点といったようなものも当然御審議の材料として必要になりますので、これは事務局でございます住宅局の方が日常的に五カ年計画の実施に関連して持ちます問題意識、あるいは、国土交通省本省だけではなくて公共団体と一緒に施策を進めておりますので、特に、例えば公的賃貸住宅政策なんかにおきましては、地方公共団体あるいはそのほかの公団とか公庫の問題意識も整理した上で定期的に、大臣の諮問にあわせて、問題意識を審議会にお諮りをして論議を尽くしていただいて方向を出していただく、こういうことを繰り返してきていた。 そういう経験を踏まえて、今回、社会資本整備審議会の分科会にこれからの住宅政策のあり方について大臣から諮問した、こういう流れになっております。
○逢坂委員 一般的な流れとしては、私も役所におりましたのでそれは非常によくわかるわけでありますけれども、責任の所在という観点、あるいは、実際にだれが、こうした決断をしているのか、こうした内容についてアイデアを発しているのかという、政策の発生源といいましょうか、そういう観点からいいますと、役所が事務局を担って審議会を持っていろいろ議論をしていくというやり方は、どうも不透明なのではないか。 すなわち、役所そのものが本来どう考えているのかというのが、まずこの答申書を見てもよくわからない。そして、いろいろな委員の方がしゃべった、総合的な結果としてこの答申書は出ているけれども、委員の皆さんは具体的にどこの部分を役所と違う意見を出してこの答申を出したのかということもわからないわけでありますね。 すなわち、この審議会方式というのは、広く意見を聞くという意味では非常によい方法だというふうに私は思うのですが、内部と外部との責任の所在が全く明らかにならないという点で極めて不都合ではないかというふうに私は思うわけですが、局長、いかがでしょうか。
○山本政府参考人 責任の所在についてのお尋ねでございますけれども、住宅政策を具体的に実施する、実施するために、例えば、公営住宅政策を運用するために、年々公営住宅に関する財政措置を講じていくということは、もちろん立案については住宅局が責任を持って立案し、財政当局とやりとりをした上で予算という形で、政府の案として国会においてこれを認めていただく、認めていただいた上で、その許された権限の範囲内で具体の公営住宅主体とやりとりをしながらこれを実行していく、補助金の交付決定も含めてですね。ということで、これは明確に、政策の実施主体として住宅局の責任に属する事柄でございます。 そういう具体の施策の実施にかかわる責任ですね、行政責任の問題と、施策の体系をかなり抜本的に定期的に見直していくという審議会の御議論と、若干分けて考える必要もあると思います。 先ほどの御質問を繰り返すようになりますけれども、具体的に、今回答申に盛り込まれているような基本的な考え方が、だれの頭から出てきて、なぜこういう答申という形で結実したのかということについては、それはさまざまな論議の過程であらわれてきておりますので、答申を見ただけで、これは八田分科会長のアイデアだということにはならないわけでございますけれども、そういう意味では、施策体系のあり方の方向を定めていただくということでございますので、事柄の性格上、そういうことなのかなと理解しているわけでございます。
○逢坂委員 極めてそれはあいまいだというふうに私は思うわけですね。役所が具体的にどうしたいんだということをやはりきちっと明確にする、だけれども、審議会で議論した結果、役所の思いとは違うものが出たんだ。それを、では、役所として、最後は実行の責任を持つ役所として、どれをとるかとらないか、これを明確にしないと、審議会がいろいろな意味で隠れみのになっていたり、やはりあいまいなものになるのではないかという気が私はしているわけであります。 きょうは余り時間がありませんので、もうこの部分はこの程度にしますが、局長にちょっともう一つお伺いしたいんですけれども、この審議会にかかったコスト、それから、外部団体、多分これは審議会をやるために外部団体をお使いになっていると思うんですが、いろいろなデータをつくるとかという話を、基礎データを出すというような話もしておりましたけれども、これはどの程度のコストがかかっているのか。あるいは、この審議会、この住宅の分科会でよろしいんですが、これをやるためにどの程度の外郭団体からデータを集めてつくっているのか、自分たちでやったものとやらなかったもの、これをある程度明確にできますでしょうか。
○山本政府参考人 まず、審議会の運用経費でございますが、手元に数字は持ってきておりませんが、基本的には、諸謝金とか委員等旅費とか、そういう庁費系統になりますので、大きな金額ではないというふうに思っております。 具体的に、住宅政策の体系を見直すという観点からは、一番大きな道具立ては統計調査でございます。五年ごとに行っております住宅・土地統計調査は、これは、内閣府の統計部局で国勢調査の調査区を抽出して調査していくという仕組みでございますので、そういう形で、最も基本的な調査として政府の内部で進めているものでございます。 あと、需要実態調査とか、住宅局プロパーの問題意識で調査が必要なものは、調査費で計上していただいております。これもやはり五カ年に一回とか、年々やるものもございますけれども、そういった調査で出てきたものを分析しながら、審議会の御議論に付しているというのが実態でございます。 外郭団体に政策体系を御審議いただくために調査したものというのは、直接的にはございません。ただ、関連団体が独自にみずからの問題意識で、今回の基本法の議論はかなり広範な議論を巻き込んでおりますので、例えば、経済団体では日本経団連、それから住宅生産団体連合会、それから労働団体の連合からも御提言をいただいておりますし、それぞれの団体が独自の調査を踏まえて提言いただいているということはございます。
○逢坂委員 いずれにいたしましても、実は、この法案にかかわることだけではないのでありますが、諮問、答申、いわゆる審議会方式によるいろいろな問題解決の手法というのは、日本においてはもう限界に来ているというふうに私は理解をしております。 それは、私自身もいろいろな審議会などに参加をさせていただいて、やはり役所と参加している委員との関係もあいまいでありますし、最終的に責任をだれがどう果たすのかという点もあいまいであります。それから、答申された内容のどの部分をどういうふうに法案化しているのかというのも、これも関係がよく見えません。この答申も昨晩読ませていただきましたが、答申が全部これは法案として網羅されているものでもないわけですね。 すなわち、審議会方式を使うということは、実は、役所の恣意性というものが高くなっている。恣意性を高くするんであれば、役所がこうしたんだということをやはり明確にすることが私は重要だと思いますが、北側大臣、この審議会方式ということについて、どうお考えでしょうか。
○北側国務大臣 これは、住宅宅地分科会だけの問題ではありません、恐らくもっと一般的な審議会の問題ということでおっしゃっていらっしゃるんだろうというふうに思います。 一般的に、審議会制度というものをどう活用し、また、それをどう透明化等の見直しをしていくのか、これは大事なテーマだと私も思っております。しっかり今後とも論議していきたいと思っております。 この審議会の答申に関して申し上げますと、これは私自身が諮問しているんですね。平成十六年の九月の二十九日に私自身が諮問をさせていただいて、その諮問の際に、当然、諮問する理由についていろいろ述べさせていただいているわけなんですね。その理由の中に、今、住宅政策というものが、従来の住宅政策からやはり大きく転換しなければならないのじゃないか、そういう問題意識については書かせていただいた上で、今後の新たな住宅政策について御議論いただいたということでございます。 それで、答申をいただきました。答申いただいたものを、では、そのまま全部法律に反映できるかというと、これは、法律事項でないものも当然ございますし、それから、法律にすべきものも、これがまた大変でして、内閣法制局との調整はもちろんでございますけれども、厚生労働省を初め関係省庁と連携をとって、法文の表現そのものを検討していかないといけないわけでございまして、これはもう当然、責任といたしましては、審議会の方々に責任があるわけではなくて、私ども政府、国土交通省にすべて全責任があるというふうに考えております。
○逢坂委員 いずれにいたしましても、この審議会方式というものは見直すべき時期にもう来ているというふうに私は思いますので、そのことを強く主張したいと思います。 次に、この法案の第十七条に、都道府県計画の策定が位置づけられているわけですが、まず局長にお伺いしたいんですが、都道府県計画、これはいつまでに策定する予定でおりますでしょうか。
○山本政府参考人 まず、全国計画に即して都道府県計画をつくっていただくという仕組みになっておりますので、全国計画は、この基本法案をお認めいただいて成立しました暁に準備を進めまして、秋口には決定したい、そういう段取りで進めたいと思いまして、それから都道府県計画を決定していただくということになります。
○逢坂委員 この法案は予算関連法案というふうに位置づけられているわけでありますけれども、計画の中には、公営住宅の整備戸数が入ることになっているかと思います。これは、十八年度、十九年度の公営住宅の整備戸数、整備に対する国の支援というのは、この都道府県計画に盛り込まれる必要があるのでしょうか。もしあるとするならば、十八年のものは間に合わないはずですし、十九年のことについてはどのように考えているか、局長からお知らせください。
○山本政府参考人 法律上、この都道府県計画にきちんと盛り込まれる必要がございます。したがいまして、年度内にはどうしても都道府県計画を策定していただく必要があります。 そのために、事実上の計画調整の事実行為はいろいろやりとりをしております。都道府県においても、どのような都道府県計画を策定するか、その中でも、特に公営住宅についてはどういうふうに取り扱っていくかということについてシミュレーションはしていただいていると思います。そのシミュレーションを踏まえて、十八年度の公営住宅の計画についても出してきていただいているというふうに私どもは理解しております。
○逢坂委員 今、ちょっと何か聞き捨てならない発言があったんですが、事実上やりとりをしている、これは一体どういうことなんでしょうか。法案は今ここで議論をしているんですよね。事実上やりとりをしているということは、もう既に法案が決まったというようなことでやりとりをしているんでしょうか。いや、ちょっとお待ちください。 それから、これは十七条の三項を見ますと、都道府県は、計画を定めようとするとき、あらかじめ、インターネットなどその他の利用により、要するに、意見を聞くんだとか、当該都道府県内の区域の市町村に協議しなければならないということも書いてありますね。それから、地域住宅協議会を組織している都道府県は、そこの意見を聞かなければならないということも書いてあるわけですね。 先ほど、秋口までに国の計画ができると。秋口というのは、多分九月か十月だというふうに私は理解をするわけですが、それで十八年の戸数だとか十九年の戸数だとか、この法律の趣旨は、量じゃない、質だという話をしているわけですね。これまでの住宅政策を抜本的に見直すんだと言っているにもかかわらず、しかも、先ほど大臣の御答弁にもあったとおり、この基本法を動かす具体的なもとはこの計画にあるんだ、都道府県計画にあるんだという話をしているんですが、こんな短期間にこの日本の住宅政策を抜本的に量から質へ見直すような計画ができるというふうにお考えでしょうか、局長。
○山本政府参考人 まず、公営住宅の建設戸数についての考え方でございますけれども、公営住宅の建設は継続的に行われておりますので、十七年度までにどういう考え方で公営住宅を整備し、十八年度以降どういう考え方で整備する考えかということについての意思疎通を、事実上、公営主体と住宅局とでやりとりはさせていただいているという事実を申し上げました。 しかし、計画ができませんと公営住宅の戸数の根拠はできませんので、今年度どうしても都道府県計画を策定していただく必要があるということを申し上げました。 それから、これほど政策を抜本的に改革する住生活基本計画がそんな短期間にできるのかという御指摘でございます。 これは、先ほど来申し上げましたけれども、答申を策定していただく過程でも、審議会の答申が出る過程で公共団体と率直な意見交換をする場を設けておりますし、答申が出た後、内閣の法律案ができました段階でも、いろいろな機会をとらえて、公共団体と意見交換、こちらから説明し、意見を徴するという場を積極的に設けてきておりますので、全国計画が形式的に閣議で決定された時点ですべて動き始めるわけではないということを御理解いただきたいと思います。 各住宅政策主体と意思疎通を図りながら、ここまで来ているという実態を御理解いただきたいと思うのであります。
○逢坂委員 実態を御理解いただきたいという言葉がございましたけれども、実態を理解していないのは私は国土交通省じゃないかと思うんですね。 と申しますのは、これは大変局長には失礼な発言になるかもしれませんが、この件に関しまして、事前に国土交通省の職員の方に、具体的に都道府県とどの程度やりとりをしましたか、どういう文書を発していますか、どういう意見を聴取しましたかということを聞かせていただきました。 そうしたところが、パブリックコメントはとっていると、要するに審議会の答申のときに。それはお話をいただきました。あとは説明会を一回開いただけで、電話等のやりとりで特段の意見というようなのはないというようなニュアンスの話だったんですね。私は、それではないはずだろう、だから、きちっと事前にやっているんだったら、やっているということをもっと明確にしておいた方がいいのではないかという話だったんですが、まあ、これは事務方と局長のことですから、食い違うこともあるかもしれませんけれども。 これも、実は大臣、大変恐縮なんですが、こういう法律ができると、都道府県、市町村の現場は、ほとんど実態は間に合っていないのが現実なんですよ。秋口に国の方針が出る、それに合わせて計画をつくり始める。当然年度末には間に合わないんですよ。 そのときに何が起こるか。やっつけ仕事をやるしかないんです。となれば、せっかく基本法をつくって、魂は計画の部分だ、ここが動かなければ実際にうまくいかないということであるにもかかわらず、ほとんど現場では突貫工事で何とか間に合わせて、とりあえず出しておけやということになってしまう。 したがいまして、この法の考え方、これは今回の法だけではないんですけれども、国土交通省でいろいろやられている法律にはほとんどこういう方式が多い。国が方針を決めて、都道府県が計画をつくる、市町村がその下の計画をつくる。今回は市町村の計画はございませんけれども、この方式も破綻している。この現実をしっかりと見ていただきたい。局長は、現実はもう既にやっているんだと言いましたけれども、そうじゃないんですよ。ここのところをつぶさにチェックしないと法律は動きませんよ、これ。 その点、大臣、いかがでしょうか。
○北側国務大臣 冒頭申し上げましたように、住宅政策、量から質へ転換をしていく。その質というのは、地域によってやはりニーズが違うと思います、状況も違うと思います。もちろん財政状況も違うわけでございまして、そういう中で、やはり大事なのは、この都道府県計画で何を規定していくのか、何を計画していくのか、大事だと思います。 そういう意味で、今委員のおっしゃった、この法案が成立の暁には、しっかりと地方公共団体とよく連携をとらせていただいて、この法案の考え方、思想というものをしっかり議論をさせていただきたいと思っておりますし、本当に内実の伴う地方計画ができるように、しっかり取り組みをさせていただきたいと思います。
○逢坂委員 大臣から力強い言葉をいただきまして、私の趣旨を理解していただいたと思います。 とにかく、きめの細かい、きちんとした、地域の実情に合う計画をつくることがこの法を動かすもとでありますので、単に来年の予算が間に合わないとか、早く出さないと住宅の交付金を出さないよみたいなことで、都道府県計画を慌ててつくらせるなどということのないように、きめの細かい対応を切にお願い申し上げます。そうしなければ、どんなにここで苦労して法律をつくっても、魂のあるものにはなりません。 そこで、次でございますけれども、実は、公営住宅の家賃対策補助の関係でございますが、これは、平成八年度以降につきましては家賃対策補助、それから平成七年度以前の公営住宅の家賃については家賃収入補助というようなことで、国から支援をして、実は自治体も相当これはよかったなというふうに思っております。私も、かつていたニセコ町で、この家賃収入補助、家賃対策補助を活用して、本当に困っている皆さんに住宅を確保することができたというふうに思っているわけです。 これは、今回、三位一体改革の中でいわゆる一般財源化がされたわけですが、まず局長にお伺いしたいんですが、これは十八年度以降はどんな見通しになっているんでしょうか。お知らせいただけますか。
○山本政府参考人 三位一体改革の考え方を踏まえまして十八年度予算で決定されましたことは、十七年度までに供給されました公営住宅に係る家賃対策補助については、廃止して税源移譲するというものでございます。十八年度以降、新規に必要となる公営住宅の供給については、地域住宅交付金でもって所要額を、税源移譲では足りない部分を措置する、そういう形となっております。
○逢坂委員 税源移譲をするということになれば、当然税源は地域にばらつきがあるわけでございまして、これはどういう方式で、もうばらつきが出て、とても困っている自治体も多分あるというふうに思うんですね。これは交付税で何とかばらつきを見直すんだということでありますけれども、総務省からも参考人に来ていただいておりますので、この点いかがでしょうか。簡単にお願いします。
○岡本政府参考人 今先生御指摘のように、交付税の基準財政需要額に、今議論になっております補助金の額を適切に入れるということになるわけでございます。 具体的には、国土交通省に各地方団体が報告されております調査数値、いわば国庫補助負担金の算出基礎と同じような額を私どもにも御連絡いただきまして、これを基礎数値にいたしまして、個別の団体ごとに基準財政需要額にそれを算入するという形で遺漏なきを期したいというふうに思っております。
○逢坂委員 質問時間が終わりましたので、これで発言を最後にしたいと思うんですが、山本局長、三位一体改革でいわゆる一般財源化をした。でも、先ほどの答弁によりますと、十八年度以降、これは交付金の中で、さらに十八年、十九年と、今の予定では、制度を今度はまた延ばしていくわけですね。これは、制度を延ばさざるを得ない理由というのは、やはりこの対策が非常に重要だからではないかというふうに私は理解をするわけですが、こういうものは三位一体改革での要するに一般財源化になじむものなのかどうか。 私は、これは国がやったって、地方がやったって裁量権を振るえないんだから、国ががっちりと財源を確保すべき性格のものではないかと思うんですね。こういうことを含めて三位一体改革と言っているところに私は問題があると思うのでありますけれども、最後に、局長と大臣から一言ずつお願いして終わりたいと思います。
○山本政府参考人 真に住宅に困窮する方々に対するセーフティーネット、責任を持って国が運用するという観点から、一般財源化には問題があると認識しておりますということを政府内部では主張し続けてきたところでございます。
○北側国務大臣 委員のような御意見を去年の三位一体改革の論議の中でもっと強く言っていただいたらよかったなというふうに思うんですが、率直に申し上げて。 これは、なぜこうなったか。地方団体からの提案なんですよ。全国知事会、全国市長会、地方六団体からの要請として中に入っていたわけなんです。そういう中で、我々も非常に問題意識を持ちました。問題意識を持って、特にこれは都道府県によって全然違う。大変なのは、北海道と私の地元の大阪だったんですよね。もう全然、入ってくる税源移譲額と使っている額とに差がある。北海道知事にも大阪知事にもこれは大変ですよということも伝えました。 ただ、そういう論議の中で、先ほど来住宅局長が述べたように、できるだけ支障がないようにしようということで地方交付税措置、さらには、今後のものについては地域住宅交付金制度で、問題がないように、従来の措置に支障が生じないように、住宅のセーフティーネットというのはやはり国の責任ですから、しっかり地方と連携をとってやっていこうということで、あのような、今述べたような措置をとらせていただいたところでございます。
○逢坂委員 地方はこの件で相当混乱を来すということだけを申し上げて質疑を終わりたいと思います。 どうもありがとうございます。
○林委員長 穀田恵二君。
○穀田委員 防衛庁に聞きます。日米防衛首脳会談で合意されたとされるグアム移転経費に関連して、二点だけ聞きます。 日本側負担とされる米軍用家族住宅の費用の内訳を、日本円で幾らか、何世帯分つくるのか、お教えください。
○大古政府参考人 お答えいたします。 今回、先般の日米防衛首脳会談で合意されました沖縄の海兵隊のグアム移転経費の中で日本側負担とされている家族住宅の経費でございますけれども、これについては、ドルでは二十五億五千万ドル、あくまでもドル建てで合意したわけでございますが、十八年度予算の支出官レート、一ドル百十一円でございますけれども、これで計算いたしますと、日本円にして約二千八百億円ということでございます。 それから、戸数につきましては、現時点で三千五百戸ということで理解しておりますけれども、最終的に沖縄からグアムに移転する海兵隊員の階級構成とか家族構成などに変更があり得るため、あくまでもこれは現時点での見積もりでございます。
○穀田委員 では、住宅局に聞きます。 二〇〇四年度の公営住宅の供給実績と建設費等補助の予算額は幾らか。
○山本政府参考人 平成十六年度の公営住宅の供給実績は、二万千二百七十八戸でございます。建設費等補助の予算額は、千五百七十二億六千三百万円でございます。
○穀田委員 今わかったように、米軍の家族住宅については、三千五百戸建てて二千八百億円使う、予定されている。日本の公営住宅に使う予算は、二万一千二百七十八戸つくって千五百七十二億六千三百万円だ。 こういうものだということで、日本全国でつくる公営住宅の予算よりも、米軍のグアム移転経費の家族住宅分が多い。全く情けないし、驚きだということを言っておきたいと思うんです。何せ住宅の議論をしている最中にこういうことをやられる、全くとんでもないことだと思っています。 そこで、二十一日、参考人質疑で、本間参考人は、本法案には居住者の視点がないと指摘しました。とても大切な指摘だと私も同感でした。これに関連して少しお尋ねします。 簡単に言うと、本法案が既存居住者の居住の安定確保、向上を促進するものかどうかということを最初に聞きます。法案の第一条には、住生活の安定の確保、向上の促進ということを目的にしています。この場合、既存居住者の住生活の安定確保も対象になる、当然、公的賃貸住宅の居住者も居住の安定が確保されるべきであって例外ではないと考えますが、そう確認して間違いないですね。
○山本政府参考人 御指摘のとおりでございます。
○穀田委員 指摘のとおりだと。 そうすると、私は、昨年の四月、地域住宅交付金など住宅関連法案の審議でやりとりしました。その際、民間を含めた住宅は空き家の数など量的には充足しているように見える、しかし、最低居住水準以下が百九十五万戸、国土交通省が目標としている誘導居住水準以下が二千万世帯、新耐震基準を満たさずに改修が必要な既存不適格が千百五十万戸あるなど、質的に満たされた住宅というのは極めて不十分だということを指摘しました。 さらに、公営住宅を初めとする公的住宅は量的にも不十分だと。自力では適切な居住水準を確保することが困難な世帯は百七十六万世帯。要するに、政府が公的賃貸住宅を提供しなくてはならない数字が百七十六万戸となるわけですよね。 ところが、実際は、建てた住宅が少ないものだから、応募の倍率というのは十倍から二十倍だという点だと思うんですけれども、そういう百七十六万世帯、また百七十六万戸ということについて確認するが、間違いないですね。
○山本政府参考人 第八期住宅建設五カ年計画を策定しました時点で、平成十三年三月に決定したものでございますが、この時点で、公営住宅等の公的賃貸住宅の施策対象となり得る世帯として、自力では適切な居住水準を確保することが困難な世帯数を百七十六万世帯と推計していたことは事実でございます。
○穀田委員 それで、私はいつも言うんですが、最低居住水準というのはどれだけかという問題なんですよね。きょう防衛局長が来ておられるからあれですけれども、アメリカなんかの住宅に提供しているのでいうと、おふろが三つもあるとか四つもあるとかというのを提供しているわけだけれども、日本の最低居住水準というのは、一人でいうと約五畳、畳五枚なんですね。そういう低水準だということを、ほんまにつましい基準だということをお互いに心に刻まなくてはならぬと思うんです。 今までの答弁でも、その百七十六万戸というのに対してどう言っているかというと、入れかわりがある、だから、公的賃貸住宅というのは大体七十六万戸ぐらい供給する必要があるとしていたわけですよね。 そこで、当時、第八期ということで先ほどありました、策定した時点の数字、根拠を出されて、その後、入れかわりがあるからということで大体七十六万戸ぐらい建てなくちゃならぬなとお考えだというのは去年議論したんですね。ところが、そのときも議論したんだけれども、高齢者などがふえていて、住宅困窮者はふえている。なのに、新規の供給数というのは一万以下だということを私は指摘しました。 そこで、もう一度確認の意味で、年々減少しているんじゃないか。したがって、二〇〇〇年度から二〇〇四年度までの公営住宅の新規供給戸数は一体幾らか、述べてください。
○山本政府参考人 今、公営住宅のストックは非常に老朽化したものが多いものですから、老朽化した公営住宅ストックを建てかえる、あるいは改善するといったような努力をしております。 したがって、公営住宅の新規供給という概念が的確かどうかはともかく、各年度の公営住宅の供給から建てかえを除いたもの、全体の供給量から建てかえを除いた数字で申し上げます。 平成十二年度が五千六百四十六戸、平成十三年度が五千九百二十七戸、十四年度が五千八十一戸、十五年度が三千三百九十六戸、十六年度が三千五百十戸でございます。
○穀田委員 防衛局長、もういいですよ。 くしくも、アメリカに建ててやるのは三千五百戸ということで、〇四年度は三千五百十戸ということなんですけれども……(発言する者あり)文句があるんやったらアメリカに言うたらどうやねん。公営住宅が足りないのは明白なんですよ。 国土交通省は「公営住宅管理の適正な執行について」という通知を出しています。これを見ますと、その第二のところに「入居承継に係る承認の厳格化について」として「公営住宅の入居名義人が死亡し、又は退去した場合において、入居承継が認められる者は、原則として、現に同居している配偶者」、こうなっているんですね。 これまでは、同居者による入居承継というのは三親等まで認められていました。ところが、この通達でどんなことが起きているか。例えば、入居名義人であるお年寄りの介護をしながら一緒に暮らしている子供が、お年寄りが亡くなれば出ていかなくてはならない、あるいは、ミスマッチの解消などといって、お年寄りの夫婦の相方が亡くなって一人になると一Kに強制的に転居させる、こういうことが東京の都営住宅で起こっている。現に住んでおられる方々が、今後どうなるのかという大変な不安を抱えておられるわけですね。 通達でこういう事態が起こっているんだけれども、こういう事態が起こっても当然と考えるのかということが一つ。それから、現に住んでいる方々が追い立てられて、どうして住生活の安定、居住の安定と言えるのか。このような通達は押しつけるべきではないと思うけれども、どうか。
○山本政府参考人 公営住宅の目的との関連で、本当に住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃でこれを賃貸するという目的でございますので、この施策対象に公平に、的確に供給するというのが公営住宅供給の真髄であるわけでございます。 ところが、現実を見ますと、公営住宅の応募倍率が大都市を中心に非常に高くなっていることに見られますように、多数の住宅困窮者が一刻も早い入居を待ち望みながら、現実にはなかなか入居できないという状況があることは事実でございます。そういう中で、長年にわたって同一の親族が居住し続けたり、あるいは入居後に単身となった方が引き続き広い公営住宅の住戸に住み続けておられるといったようなことは何とか是正をして、本当にこの住宅を必要としている方にこれを御利用いただきたい、そういう観点から昨年の通達は出しました。 先生は先ほど引用していただけませんでしたけれども、「原則として、現に同居している配偶者及び高齢者、障害者等で特に居住の安定を図る必要がある者とする」という通達としておりますので、公営住宅管理者において的確にこれを運用していただきたいと考えております。
○穀田委員 後半の方に、ではもう少し読みますと、「高齢者、障害者等で特に居住の安定を図る必要がある者とする」だと、どうせ言うんだったらそこまで言っていただかないと。 それで、それは確かにそうだけれども、今おっしゃったように倍率が高いといっても、もともとちゃんとつくればいいわけで、それをやらぬといて、とにかく追い出してそこを埋めようとするからそういうことが起きるんだということを何回も私は言っているわけで、同じ議論をしちゃあきまへんで。 大体、公営住宅というのは実際足りないからこういうことが起こっているわけで、その中で、住宅困窮者の入居を促進するということになると、比べると、当然、今住んでいる方々を追い出さざるを得なくなると。しかし、実際には、いわゆるあなた方がおっしゃっている収入超過者などが退去したとしても、その数は一〇%に満たないんですよ、数%なんですね。だから、ここにも公営住宅の絶対量が足りないということが明白だと。 私は、今あったように、倍率は高い、入る人はいたい、そして実際にはまだ、住んだ方も、しかも、広いところから狭いところへと、そんなうんとこさ広いところを言っているんじゃないんですよ。先ほど言った話を言うとまた文句が出るから言わぬけれども、そんな大きな広い家に入れると言っているんじゃないんですよ。それは知っているんですよ。だから、今後も新規住宅を供給してこそ住生活の安定の確保となると思うんですけれども、どうかな。
○山本政府参考人 公営住宅のストックは十六年度末で二百十万戸でございます。昭和三十年代、特に四十年代、五十年代に供給したものが非常に多いものですから老朽化している、これを何とかしなきゃいかぬという課題がございます。 したがいまして、住宅困窮者の居住安定を確保する観点から、まず第一に、この公営住宅の二百十九万戸のストックを最大限に生かしてセーフティーネットとして機能させるんだという観点から、老朽ストックの建てかえあるいはバリアフリー化といったような改善によってストックを再生させていくという点にまず重点を置きます。それから、今引用していただきましたけれども、入居者の八%を占める収入超過者について自主退去を促進するということなどによりまして、公営住宅の管理を適正化する。この二点に重点を置いて取り組んでいるところでございます。 こうした取り組みとともに、さらに民間を活用した効率的な供給方式であります借り上げ方式の公営住宅の供給、あるいは高齢者向けの優良賃貸住宅などの公的賃貸住宅の供給も図ります。加えまして、民間賃貸住宅で住宅弱者の入居を受け入れるあんしん賃貸支援事業なども導入いたしまして、中核は公営住宅でございますけれども、さらに民間賃貸住宅も生かして、重層的な柔軟な住宅セーフティーネットとして構築して活用していくということを考えているわけでございます。
○穀田委員 重層的と言うんだけれども、いつも周りの話はいっぱいするんだけれども、新規についてはきちっとやりまっさという話はいつも出えへんわけね。それでは、重層的といっても肝心かなめのものが抜けていると言っておきたいと思うんです。 というのは、全住宅に対する公共賃貸住宅の割合というのは、イギリスや、それからドイツ、フランス、イタリアに比べても少な過ぎるんですね。これは客観的事実なんですよ。だから、私は、省の計算だって先ほど言ったように七十六万世帯ないしは七十六万戸というものも含めて必要じゃないかと言っておるわけだから、建てかえについてあれこれやめろと言っているんじゃないんですよ、それはきちんとしろと。まして、今八%の話をしたけれども、要するに移ってもらってなんと言うけれども、追い出そうと図っているのは問題だということを言っておきたいと思うんです。 では、次に、公団賃貸住宅はどうかということを聞きたい。 この間、当委員会で山本局長は、既存の七十七万戸は維持、ストックとして活用するということで答弁された。ところが、居住者の方々がそのまま安心して住み続けられるかというと、ここでも大変な不安がある。 公団自治協が行ったアンケート、第七回団地の生活と住まいアンケート調査、これですよね。これがあるんですけれども、これは大体、後でも言いますが、高齢化の問題や、それから収入の減っている問題などを言っています。結局、高家賃にたえられなくて出ていかざるを得ないと。 ところが、先ほど来いろいろお話ししているけれども、実際に民間では高齢者の賃貸というのは厳しいという現実はだれもが知っているんです。一番それを受け取る側の人たちも含めて、それはかなわぬと言っているわけだから、だから、そういう現実からしますと、不安を抱えておられるのに、機構は三年に一回近傍同種とするなどといって家賃の値上げをぐっとやる、それで不安は募るばかりなんです。だから、まさに居住の安定がこの分野でも侵されている、脅かされている。こういう実態、既存居住者の不安について把握していますか。
○山本政府参考人 都市再生機構の賃貸住宅に住んでいただいております七十万世帯近くの世帯のうち六十歳を超えた方々、六十歳代の前半で六万九千ですか、六十歳代の後半で五万九千、七十歳以上が七万五千で、合わせて二十万世帯おられます。ですから、機構の賃貸住宅に住んでおられる方々の三割が六十歳以上だということを認識しております。 その上で、法律に基づく機構の賃貸住宅の家賃でございますけれども、市場家賃との均衡を図る必要があるために定期的に改定しているものでございます。直近は、本年これを改定しまして、引き下げは一月一日から、引き上げについては四月からこれを実施したところでございます。全体を加重平均すると、戸当たり百円程度の引き上げになったというふうに聞いております。 市場家賃との均衡を図るために家賃の引き上げが必要となる場合に激変緩和を講じる、そういった措置をとることで、急激な家賃上昇とならないような算定方法をとった上で、低所得者の高齢者世帯については、家賃上昇をさらに抑える特別措置が実施されているところでございますので、機構も居住の安定のために配慮して努力しているというふうに考えているところでございます。
○穀田委員 私はとてもそうは思いませんね。 まず実態ですけれども、この全国公団自治協のそういうアンケート調査によりますと、私はこれは本当に深刻だと思うんですよ。ちゃんと聞いてね。 世帯主の高齢化について言えば、六十歳以上が五五・三%、過半数を超えているんですよ。第二に、世帯の収入の低下が続いていて、三人に二人、三分の二、六七・五%が第一分位、四百四十六万以下ですね。私、感心したのは、このアンケートの中で、収入の欄の中に、自治協が書いていますけれども、収入の質問であるにもかかわらず九三%の人が答えている、この回答を。この意味は、ほんまにこの実態を見てほしいということのあらわれだと思うんですね。そして第三に、収入の中心は年金という世帯がついにトップを占めるというふうになっています。 まさにここの三つ簡単に言いましたけれども、公団の多くの方々の生の実態を反映したものだと言えると思うんです。だから、先ほど何万世帯というふうにありましたけれども、三割どころか、実際は極めて深刻な事態が生まれているということに目を背けて、どうして安定と言えるのかと私は思うんです。 そこで、七十七万戸の箱、これを維持するだけでは現に住んでいる人の居住の安定は図れない、中に住んでいる人こそ守らなくちゃならぬ。このアンケートにも、七割の人が公団に住み続けたい、値上げや高家賃で払えなくなるという声が出ているわけです。だから、収入が減少しても家賃減免や家賃補助などの制度によって住み続けられるようにしてこそ、本当の意味で居住の安定を図り、公団住宅を維持するということに初めてなると私は思うんです。 居住者の実態を踏まえた公団住宅制度を守る必要がある。その点はいかがですか。
○山本政府参考人 今回の家賃の改定で、低所得の高齢者世帯に対して、一般世帯より引き上げを抑制する特別措置を講じているんですが、対象が五万五千世帯ある中で、家賃を据え置いたというのが五万世帯、減額措置を講じた上で引き上げたというのが五千世帯でございます。引き上げ世帯は、この五千戸の平均は千四百円の引き上げとなっておりまして、一般世帯の引き上げ額に比べますと二千八百円の減額となっている、これが平均値でございます。 法律に基づいて制度を運用する、大都市の賃貸住宅市場のいろいろな課題にこたえていくという機構の役割を果たす中で、居住者の、特に低所得高齢者の居住の安定のためにできるだけの努力をしているという結果がこの数字にあらわれているというふうに思っているわけです。
○穀田委員 やはり政府を代表して言っているわけで、個別のそういうことでいうとそれは二千円とかという話になるでしょう。だけれども、大事な問題は、年金の控除だとか定率減税の廃止だとかで、それを基準にして税金をかけられる、さまざまなことでいうと、もう雪だるま式に上がっているわけだから、そういうものを全体として見なくては、二千円減らしたなんて何かえらい自慢げに言うのは、全く実態を見ないものの最たるものだというふうに言っておきたいと思うんですね。そこの苦しみがあるからこそ、こういう声が上がっているんだということを見なくてはだめですよ。 そこで、次に行きますと、本法案には居住者の視点がないと先ほど言いましたけれども、これをよくあらわしているのが定期借家制度です。 もともと借地借家法で、家主が借家人に対して明け渡しを求める際には正当事由がなければならなかったわけです。これは、あくまでも基本的に力が弱い借家人の権利保護の観点からの規定でした。権力を持った公的団体が家主である公営住宅や公団賃貸住宅などにこの定期借家制度を導入しようとしているというのは、私はだめだと思うんですね。 特に、公社住宅などは三年から十年などの期限つきが導入されていて、もう既に公営住宅でも東京都は実施されている。だから、居住者の居住の安定を確保するという法案の目的、趣旨とこの期限つき並びに定期借家制度というのは矛盾するんじゃないですか。簡単に。
○山本政府参考人 公営住宅における期限つき入居でございますけれども、住宅に困っている方の事情といいますか、態様をつぶさに見ますと、例えば子育て世帯とか事業を再建する途上の方といったように、一時的に住宅に困窮するという世帯、しかも非常に困窮しているという世帯があることも事実でございます。住宅困窮者全体の入居機会の公平を確保する観点から、この期限つき入居の制度を活用することとしているわけでございます。 ですから、住宅に困っておられる方の態様を見てそういうことを努力するということでございますので、公営住宅の公平、的確な供給による国民の居住の安定の確保を推進するための手だてだというふうに考えております。
○穀田委員 いつも大体言う言葉というのは、困窮者の事情、それから公平に、こういうキーワードなんですね。 でも、結果として何が起こっているかという現実、それから、公社にお住まいの方、公団にお住まいの方、公営住宅にお住まいの方、これらの今の生活実態、事実上追い出しが図られているということに対して本当に何の痛痒も感じないのでは困るんですよ。 だから、その根本のところでいえば、それはきちんと物を建てる、ふやすという以外に全体を満たすことはないんですよ。だから、私、一番最初に、どの程度の金をかけるんだという話をして、どの程度つくっているのかという話をしたわけですよ。そこの一番の基礎をつくりもせんといて、ふやしもせんといて、それで金はほかのところで使って、それで追い出しを図るというのは全くけしからぬと私は思っているんですね。 だから、結局のところ、公営も公団も公社も見てきたけれども、進行しているというのは追い出しの路線であって、居住者の安定になっていないということで、しかもこの法律ではその担保がないということだと思うんですね。 そこで、では、この法律は何を言おうとしているかというと、簡単に言えば市場任せにしようというわけですな。これまで、公営、公団、公社といういわゆる三本柱で住宅政策を進めてきた、曲がりなりにも公的住宅の供給をしてきました。しかし、バブル崩壊以後はどうだったかと見ると、民間の活用と称して公的関与の縮小が顕著だと言えます。 例えば、公営住宅でいえば、建設の縮小、近傍同種家賃の制度の導入、九六年ですよね、これで住民追い出しを事実上図る。それから、住宅公団について言えば、都市整備公団になって、分譲住宅からの撤退、そして賃貸住宅も新規建設をやめて、都市再生機構になり、今や仕事の中心は都市再生と土地有効利用、開発にシフトしている。住宅金融公庫を廃止して、公庫ローンは縮小され、民間銀行の証券化支援になった。こういうふうに民間任せの方向が実際に進められている、そういうもとで今回の法案は出されている。 今後、住宅供給や居住環境の形成というのは民間活力、市場整備によって推し進めることを中心にする。一言で言えば、住宅に関する国の責任を大きく後退させて、これまで以上に民間任せにするものだと言えるんですが、違いますか。
○山本政府参考人 今の御指摘は非常に大事なポイントで、大きな誤解をいただいていると思いますので、ぜひ理解をしていただきたいと思うんです。 と申しますのは、考え方として、最近における需要が非常に高度化、多様化しているので、住宅のストックの質をよくする、よくすることを通じて、それをきちんと使い切るという観点から、ストックを重視し市場の力を生かす、そういう政策が正面の課題になってきておりますということなんですね。 具体的に、その観点から力を入れてやっておりますのは、例えば、市場の制度インフラであります住宅性能表示、この制度をつくって普及するとか、あるいはいろいろな住宅関連事業者についての情報提供とか、あるいは住宅取得者について税制、金融で応援するとか、あるいは住宅取引紛争に関連して紛争処理体制を充実する。そういったような制度インフラを拡充していくということが一つの政策の正面に立つんですが、一方、住宅の市場で、自力では的確な住宅を確保できない住宅困窮者に対して、きちんと居住の安定を確保するということがもう一つの非常に大事な政策の課題でございます。 したがって、この両者を車の両輪として位置づけて、住生活基本法のもとに的確に推進するという考え方で取り組んでおりますので、国の役割が後退するという御指摘は当たらないと考えております。
○穀田委員 先ほど述べた事実からして、明確に、この間、国の役割は後退してきた、しかも、建設コストもずっと減ってきたということは紛れもない事実じゃありませんか。 そして、現実の、この間の本間参考人も言っていましたように、山本さんもいてはったわな、住宅というものが市場化になじむかということで、例えば、昨今話題になっております建築確認業務が市場化された、その結果、町じゅうの至るところで建築基準法、都市計画法違反の建築物がふえて、町が壊れてしまっている。住宅金融公庫の業務が民間に全面移管されることになった、その結果、公庫が定めていた戸建ての住宅基準でなくなったことによって、法により水準の高い設定をしていた住宅が全く姿を潜めることになった。安かろう悪かろうの戸建ての新築住宅がふえてきているという陳述までしているじゃないですか。 そして、結論として、ここが大事なんですよ、住宅というのは商品じゃない、環境というのは商品じゃない、これはある程度秩序立てて供給され形成されなきゃならぬ。だから、ここに公的な役割というのは非常に重要なものがあるということを言っていたわけですね。 だから、民間に任せるということは、金がある人はそれは市場で買えるだろう。そうじゃない者を、本来、権利としてそれを保障するというところがイスタンブール宣言にもある。これは、この間議論してきたわけですよ。私は、この間もそれを主張したわけです。 だから、ここは大臣に聞きたいんですね。公的役割の重要性は、今いささかも後退していないどころか、本来増すべき話だということの原理論はいかがですか。
○北側国務大臣 住宅のセーフティーネット、これについては今回の住生活基本法案の中でも第六条で規定をさせていただいて、これは、これからも、国の責務としてしっかりこのセーフティーネットを確保していく役割は果たしていかねばならないというふうに考えているところでございます。
○穀田委員 そう聞くと、必ずセーフティーネット論にすっとやるんですね。しかも、その場合、住宅困窮者の、こうくるわけですよ。違うんですよ。 イスタンブール宣言、しかも、この間も議論になって、先週も議論になりました。この住宅の住生活基本法になぜ憲法二十五条に定められた精神が入らないのかといったときに、入っているんだという話をしたんですよ。入っているんだとすると、大事なのは、イスタンブール宣言にわざわざ規定された内容は何かということにやはりさかのぼらなけりゃいけないんですね。 それは、国民が適切な住居を手にする居住の権利、と同時に政府は、政府の住宅保障責任について、しかもそれは住宅困窮者でセーフティーネットというんじゃないですよ、より適切な、適正な、そしてより満足できるものを供給する義務があるということを言っているんですね。そこの精神が私は大事だと思うんですね。そこはいかがですか。
○北側国務大臣 まさしくそういう趣旨で、住宅の質の向上をこれからしっかりと図っていこう、これからまさしく本格的な高齢社会がやってくるわけでございますし、また、住宅に対するニーズというのは昔と違いまして、さまざまな、多様なニーズが生まれてきているわけで、そうした多様なニーズに適合できるような、さまざまな選択ができるような、そうした住宅市場を整備していく、環境整備をしていくというのは非常に私は大事なことだというふうに思っております。今回の法案につきましては、こうした時代の社会経済情勢の大きな変化に応じた適切な法案であるというふうに私は認識をしておるところでございます。 穀田委員の質問の御趣旨は、昨年の住宅二法のときもお聞きをさせていただいておりますので、大体理解をしているつもりでございますが、どうなんでしょう、穀田委員。穀田委員も団塊の世代でございますので、私どもの子供の時代、また若いころと比べたら、どうなんでしょうか。住宅事情は、もちろんまだまだ問題点、課題はありますけれども、あの当時に比べたら本当によくなってきたんじゃないでしょうか。これからは、そういう面で、よりよく、この高齢社会にふさわしい、またさまざまな時代の要請に合わせた住宅政策をしっかり発揮していくことが私は大事だと思っておりまして、ぜひ御理解をいただきたいと思っております。
○穀田委員 懐古趣味じゃないんですよ。世の中はそれこそ前へ前へ行くというのが本来の筋だ、そういう趣旨からいって、例えば憲法二十五条に決められている基本的人権というのはあるけれども、あのイスタンブールの宣言のときに、日本政府の代表はこの居住の権利を入れるということに反対したんですよ。それを全世界が説得をしてわざわざ入れた。それは、常にそういったものをしなければ、為政者が必ず行うということに対してくぎを刺し、それをやったわけなんです。その趣旨を私は体して言っているんです。そこに根本的な違いがあるということも改めてわかりました。 ですから、私は、何度も言ってきたといいますが、お互いに理解していますよ。私は、憲法二十五条の精神に基づいてよりよきものを、そして、それが政府の果たすべき責任であるということを言っている。あなた方は、セーフティーネット、そしてニーズの多様、市場化、こういうベースで来ているということの違いが相変わらずよくわかったという点ではよかったなと思っています。 そこなんですよね、大きな違いはそこなんですよ。しかも、それの中に何があるか。違いがあるわけじゃない。現実があるんだ。それは、住宅の、やはり公社や公団や公営住宅に住んでいる実情があり、そして全世界のそういう考え方があるということも私は背景にあってしかるべきだと思っています。 そこで、最後に……(発言する者あり)まだ、慌てなさんな。本当に情けないな。まあ、終わりますけれども……(発言する者あり)私はいつも守っているでしょう。 そういうことで、お互いに違いがわかって、私はその意味で本当の住宅の生活を安定させるために今後も頑張りたいということをお話しして、質問を終わります。
○林委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○林委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。穀田恵二君。
○穀田委員 住生活基本法案に対する反対討論を述べます。 政府の住宅政策は、既に、公営、公団住宅の新規建設の抑制、公庫融資の縮小など市場任せを強め、国、自治体の公的責任を大きく後退させてきました。この背景にあるのが、アメリカや財界の圧力のもとに進められた住宅分野の規制緩和政策です。耐震強度偽装事件に見られるように、住宅政策を市場任せ、民間任せにすれば、国民の命、安全すら守れなくなるのは明らかです。 本法案は、基本的考え方において市場重視を掲げ、住宅の供給や居住水準などを市場任せ、民間任せにするとともに、住宅に対する国、自治体の公的責任を後退させることを追認し、固定化するものであり、賛成できません。 法案には、居住者団体などが求めてきた居住の権利や安全な住宅に居住する権利が明文化されていません。住生活の安定の確保、向上を目的としながら、住居費負担や居住水準など重要な要件も明示されていません。これでは、住生活の主人公である居住者の視点が欠落していると言わざるを得ません。 今、耐震強度偽装事件を初め、自然災害、ホームレスの増加など、住まいに対する国民の不安と不満は深刻です。民間任せや自己責任を基調とした現在の住宅政策を、住まいは人権という立場に立った住宅政策に転換することを求め、討論とします。
○林委員長 次に、重野安正君。
○重野委員 私は、社会民主党・市民連合を代表し、住生活基本法案に反対の立場で討論を行います。 反対の第一の理由は、政府案は新しい住宅政策の憲法とまで位置づけられていますが、単に理念をうたっただけで、人権としての居住の権利を保障するものとはなっていない点であります。一九九六年に開催された国連人間居住会議が、国民の適切な住まいに住む権利を確認するイスタンブール宣言を改めて採択していることにも照らして、国際水準に達しているものとはなっていません。 第二の理由は、政府案は、目的に「国民経済の健全な発展に寄与」が加わり、また、施策の推進の基本に「民間事業者の能力の活用及び既存の住宅の有効利用」が盛り込まれるなど、ディベロッパーやハウスメーカーの要望である、民が主体の住宅市場の開拓、住宅ストックの流動性向上、住宅産業への規制緩和に重点が置かれている点であります。 第三の理由は、公的な関与やセーフティーネットも最小限にすぎず、住宅政策を市場原理にゆだね、自助努力任せにする方向性が強い点です。 第四の理由は、政府案はお題目ばかりで、現在の高家賃や重い住宅ローン負担の軽減、公共住宅の充実、高齢者や障害者等に対する居住差別の是正、住民参加のまちづくりといった国民の切実な要求にほとんど触れていない点であります。さらに、都市部中心の発想が色濃く、住宅政策面の地方分権や住民とつくり手の共同などの視点に乏しいといった問題もあります。 以上の論点を指摘し、反対討論とします。
○林委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○林委員長 これより採決に入ります。 住生活基本法案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○林委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○林委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、衛藤征士郎君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び国民新党・日本・無所属の会の四会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。古賀一成君。
○古賀(一)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 なお、お手元に配付してあります案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。 住生活基本法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。 一 二十一世紀にふさわしい新たな住宅政策の推進のため、本基本法のもとで必要な法律、制度等の整備により総合的な住宅政策体系が構築されるよう、また、個々の施策が効率よく適切に実施され、ゆとりある豊かな住生活が実現するよう、関係機関が最大限努力すること。 二 構造計算書偽装問題、悪質な住宅リフォーム詐欺、相次いで発生する自然災害と逼迫する大規模地震の可能性等により、住まいの安全性に対する信頼が揺らいでいることを踏まえ、国民の不安を解消し、信頼を回復するよう、政府として取り組むこと。 三 住宅事情は地域によって様々であり、その改善・向上は住民の生活に密着した課題であること、また、市町村合併が進展していること等を踏まえると、市町村の役割は大きいものと思料されることから、市町村が地域の住宅政策に主体的・積極的に取り組めるよう、都道府県との連携協力のもと、十分な配慮を行うこと。 四 住生活基本計画の全国計画の策定に当たっては、我が国の国土における気候風土、歴史文化の多様性を尊重・活用するよう、十分に配慮するとともに、目標の設定に当たっては、国民の住生活の安定と向上が効果的に推進されるよう、分かりやすい指標とアウトカム目標の設定に努めること。また、都道府県計画の策定に当たっては、市町村との十分な協議を行うとともに、地域の住民の意見の反映に努めるよう、必要な措置を講ずること。 五 住宅建設計画法のもとで居住水準・住環境水準の向上が図られてきたが、住宅の量から質へと追求すべき政策対象がシフトすることも踏まえ、最低居住水準未満世帯の早期解消を含め、居住水準、住環境水準の向上に一層努力すること。 六 住生活の安定の確保及び向上の促進に関する施策の推進を図るため、交付金・補助金、税制等財政上の支援の充実に努めるとともに、住宅政策の実施機関として重要な役割を果たしてきた住宅金融公庫、独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社等について、これらが担うべき役割を踏まえ、その機能を十分発揮させていくこと。 七 住宅弱者を救済するためのセーフティネット機能を確保する上で、公営住宅等公的賃貸住宅の役割は依然として重要であり、需要に対応した供給等が今後も継続して適切に行われ、住生活の安定の確保が図られるよう、十分に配慮すること。 八 住宅に対するニーズと、中古住宅を含む住宅の供給等の間のミスマッチを解消し、ストックの有効活用と、居住水準、住み手の満足度の向上を図るため、市場の整備、流通の促進のために必要な施策の推進に努めること。 九 良好な居住環境の形成を図る一環として、大都市圏を中心に大量に存在する密集市街地の早期解消に向けて、一層積極的強力な取組みに努めること。 以上であります。 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
○林委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○林委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣北側一雄君。
○北側国務大臣 住生活基本法案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝を申し上げます。 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されましたゆとりある豊かな住生活が実現されるよう、関係機関が最大限の努力をすること等につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、委員長を初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。 大変にありがとうございました。(拍手) —————————————
○林委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○林委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十二分散会