厚生労働委員会 第29号
- 発言数
- 279 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2006/06/09
会議録
○岸田委員長 これより会議を開きます。 古川元久君外四名提出、がん対策基本法案及び鴨下一郎君外三名提出、がん対策基本法案の両案を一括して議題といたします。 この際、お諮りいたします。 両案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省医政局長松谷有希雄君、健康局長中島正治君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岸田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○岸田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高橋千鶴子君。
○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。 がん対策基本法案について、与党案、民主党案それぞれについてお伺いをしたいと思っております。 初めに、まず、この基本法案を出されるに当たっての認識といいましょうか目的ということが、やはりまず一番大事なことだと思っておりますけれども、与党案に伺いたいと思います。 第一条「目的」の中で「多くの成果を収めてきたがん対策について、高齢化の進展等に伴い、」と書かれております。私は、この表現は、どうもがんが、いろいろな要因がある中で、高齢化によってふえているという認識が前に出ているということを非常に感じまして、がん対策基本法案というあえて基本法をつくる目的としてはちょっと希薄に感じました。 あわせて、第六条「国民の責務」、これは基本法という性格上、同様の基本法の形式に倣ったものではないかと思われますけれども、「喫煙、食生活、運動その他の生活習慣が健康に及ぼす影響等がんに関する正しい知識を持ち、がんの予防に必要な注意を払うよう努めるとともに、必要に応じ、がん検診を受けるよう」云々という記述は、専らがんの要因は生活習慣であり自己責任だという印象をぬぐえません。 もちろん、喫煙と肺がんの関係など、明らかに生活習慣に起因するものが大きいのは当然でございますが、一方、今日の働き方の問題、長時間労働やストレスなど、こうした現状の働き方の問題が引き起こす病気であるという要因もある。あるいは、環境悪化や食品添加物など、本人が気をつけるだけではどうにもならない外的要因があると思います。 この点についてどうお考えになっていらっしゃるか、与党に伺いたいと思います。
○福島議員 高橋委員の御質問にお答えさせていただきたいと思います。 「目的」の中で、高齢化に伴ってがん患者が今後ふえていく、そして、そうした多くのがん患者さんに対して適切な医療がいかなる地域においても受けられるようにしたいということが、このがん対策基本法の提案の一つの理由でございます。 若干希薄ではないかということでありますが、現に多くの国民の方が、私の受けている医療というのは最高の医療なんだろうかとさまざまな思いを持っておられるわけでありまして、そうした思いを受けとめて日本のがん医療の水準をさらに前進をさせるためには、基本法の制定が必要だというふうに考えたわけであります。 そして、「国民の責務」の問題でございますけれども、委員御指摘ありましたように、がんを初め生活習慣病は、個人の生活習慣というものが密接に関係しているものもあります。そしてまた、必ずしもそうでないものもあるという御指摘はそのとおりであろうというふうに思っております。 例えば、近年大変注目されておりますアスベストの問題でありますとか、環境因子に由来するがんの増加も指摘をされているわけであります。当然、生活環境についての問題も大切だと私は思っておりますが、ただ、がんの発生について、みずからの力で変えることができる、そういうことについてはやはり国民もひとしく努力をすべきであろうという考え方があると思いますし、そしてまた、今後のがん患者の増加ということを考えれば、国民自身ががんに対して正しい知識を持つことによって、少しでもその発生を予防していく、こういうことが求められているのではないかというふうに思っております。 そうしたことから、国民の責務の規定で、生活習慣病等についての知識を普及すること、そしてまた、早期発見、日本のがんの検診の受診率は決して高いわけではありません。これも早期に発見すれば治るがんもあるということについての知識が十分に浸透していないということの結果ではないかと思っております。そうしたことから、この国民の責務にがん検診についても規定をさせていただいたところでございます。
○高橋委員 ありがとうございます。 同じ趣旨で政府にも伺いたいと思うんですが、医学が進歩し、検診の技術や遺伝子の解明などが進んでいるにもかかわらず、がんによる死亡率がワーストワンになって以来二十年以上も経過している。そして、十カ年戦略が今二回目のタームに入っているわけですけれども、依然としてこういう状況にある。その要因の背景なるものをどのように受けとめていらっしゃるのか、政府の見解を伺います。
○中島政府参考人 ただいま御指摘の点でございますが、がんは高齢で発生する頻度が若年に比べましてより高くなってくるという生物学的特徴がございます。我が国におきましては、これまでに例を見ない高齢化に現在突入をしているということなどがありまして、がんによる死亡者数は年々増加傾向にあるということでございます。また、その一方で、人口の年齢構成の影響を除きました年齢調整死亡率について見ますと、人口十万人当たり、男子では約二百人、女子では約百人ということでございまして、ここ数年ほぼ横ばいというような状況でございます。 また、がんの種別に見まして、胃がん、子宮がん等による死亡につきましてはこの間減少してきておりますけれども、大腸がんや乳がん等のいわゆる欧米型のがんが増加をしてきているということなど、がんの部位別の動向の違いもありますため、がんが昭和五十六年以来死亡原因の一位であることについて、一面的に評価することはなかなか難しいというふうに考えてございます。 いずれにいたしましても、我が国での国民の健康を脅かす疾病であることには変わりがございませんで、引き続きがんの罹患率、死亡率の激減を目指して、がん対策を一層推進してまいりたいと考えてございます。
○高橋委員 今の答弁は、欧米型の種類が出てきている問題ですとか、高齢化に伴う特徴ですとかお話をされました。私は、依然として一位であるということはしっかり受けとめなければならないと思っていますから、それが悪いとかという話ではないんです。そうではなくて、その背景を聞いたのですから、先ほど与党案に対しても質問をしたように、社会的要因というのもしっかり受けとめるべきだと思っておりますが、その点についてお答えがなかったなと思っているんです。 もう一度、認識としてどのように考えていらっしゃるのであるか、伺えればと思います。
○中島政府参考人 先ほど統計的な分析のところを中心にお話を申し上げましたけれども、がんの原因というような観点から見ますと、御指摘のような点も十分にありますので、そういったものも含めて、これからがん対策に総合的に取り組んでいく必要があると考えております。
○高橋委員 やはり、要因というものがどこにあるのか、一つではない、さまざまあるということをしっかり受けとめなければ克服への道が始まらないだろうと思いますので、あえてもう一度伺わせていただきました。 それで、「厚生労働」五月号においてがん特集が組まれております。その中で、国立がんセンターの垣添総長に聞くというページがございましたけれども、垣添総長は「がんで亡くなる人を減らす上で、亡くなる十六万人の半分が検診を受けていただければ助かる可能性があるわけです。」「もう一つ、ある試算では、均てん化を進めることによって、四万人から七万人ぐらいの救命ができるのではないかという話もあります。」「毎年がん死が一万人ずつ増えているところを半分ぐらいにできる可能性もあります。」と述べておられます。今ある技術のもとで、検診さえ徹底されれば亡くなる人を減らすという効果が生まれる、この提起は非常に説得力があるものではあるかと思います。 国が本気で取り組むならば、九八年以来一般財源としてしまった自治体のがん検診について、やはりここに立ち返るべきではないか、再度見直しをするべきではないかという気がいたしますけれども、見解を伺います。
○中島政府参考人 がん検診につきましては、当初、老人保健事業として行っておりましたところ、一定の地域における同化定着が見られるということで、地方一般財源という形で現在行われているところでございます。これは、そういった状況でこの間推移してきておりますので、現在そのような状況になっておりますけれども、今後、これをどのような形で、がん検診を一層普及、定着、さらに拡大していくかということについては、今後の課題であるというふうに考えております。
○高橋委員 今後の課題であるというお答えがありました。 今回の医療法の見直しの中で、保険者に健診の義務づけということもございましたので、効果の高いもの、緊急性があるもの、こうしたものに対しても、国がやはり支援するということが求められているのではないかと思っております。 例えば、女性のがん罹患の第一位である乳がんは、年間三万五千人が発症し、約一万人が死亡しておりますが、早期発見で助かるがんであること、しかも検診を毎年、できれば半年に一回というように受ける方が望ましいと言われております。私の知っている先輩なども、その年だけたまたま検診を受けなかったために発見がおくれて亡くなってしまったという非常に残念な思いがございました。 また、その一方で、今マンモグラフィーを取り組んでいる自治体がふえておりますが、私も受けたことがございますけれども、触診ではわからない、本当に小さな塊を発見するという点で非常に精度が高く、発見率が、触診が〇・一一%であるのに対して〇・一九%と高くなっている。死亡率減少効果も証明されております。これに対して、やはりエビデンスのはっきりしたものに対しては思い切った支援をするべきかと思いますけれども、この点での見解を伺います。
○中島政府参考人 マンモグラフィーにつきましては、緊急整備事業ということで、健康フロンティア戦略の一環として、平成十七年度、十八年度の二カ年で五百台のマンモグラフィーを整備するということを目指しまして、平成十七年度三十九億円、平成十八年度につきましては二十三億円の予算を計上して取り組んできているところでございます。 こういったものの普及状況、その活用状況等の評価もございます。ということもあり、現時点におきまして、十九年度について継続するということは、今のところ想定をしておらないところでございます。
○高橋委員 五百台のことは承知をしておりますが、その後の取り組み状況などを見て拡充していっていただくようにお願いをしていきたいと思います。 そこで、民主党さんに伺いたいと思いますが、最初に質問した目的の問題については、先般の提案理由説明の中で本当に丁寧な説明を受けましたし、法案の中にその問題意識も盛り込まれておりますので、趣旨は非常に理解をできたところでございます。 そこで、まず伺いたいのは、民主案が、施行に伴う費用について、財源、財政として、かかる予算として五百億円という試算も聞いておりますが、その算定根拠、どのように算定したのか、伺いたいと思います。
○山井議員 高橋議員、御質問ありがとうございます。 我が党のこのがん対策基本法提出というのは、仙谷議員がみずからの体験をもとに、がん医療のおくれを痛感したことがきっかけでありますが、具体的には、病院間、地域間での格差が大き過ぎる、そしてその根本は、コメディカルを含めたがんの専門医などの人材が圧倒的に不足している、そういう問題意識でございます。 そこで、お尋ねの五百億円の内訳ですが、具体的には、まず、がん対策の総合的推進体制の整備のために五千万円、また、がん医療の地域完結ネットワーク百カ所に、相談センターや情報センターの運営費などのイニシャルコストなどとして一億円ずつ投入する。さらに、レジデント研修やコメディカルを含めたがん専門医の研修などの専門的な人材の養成とネットワークの構築のため百五十億円、がん情報ネットワークの構築とがん登録制度の創設のために三十億円、そして、いやされる緩和医療の充実に十億円、最後に、がんの早期発見と予防の推進のため、これは一都道府県大体二億円平均で、がん検診のレベルアップや良質化を図るという趣旨で、合計百億円などを想定しております。 以上です。
○高橋委員 ありがとうございました。具体的な提案をいただきました。 民主案の「基本理念」には、その一として、「がん患者に対し、その病状、治療方法等についての適切な説明がなされることにより、がん患者の理解と自己決定に基づいたがん医療が提供されるようにすること。」と明記をされております。私は、基本理念の最初にこのことが据えられたということが大変重要なことであると評価をするものであります。 同時に、与党案ではこの部分が若干弱いという印象を持っております。患者の理解と自己決定、この点について与党に伺いたいと思います。
○福島議員 今回の与党案には、患者の自己決定ということについての考え方を「基本理念」の中に盛り込ませていただきました。今までのさまざまな医療関連法制の中で、この自己決定が大切であるということについて踏み込んで規定した事例は今までなかったのではないかというふうに私どもは思っております。 そういう意味では、今回のこの与党案も、私の目からいたしますと、こうした基本理念を盛り込むことができたということで、一つの大きな前進であろうというふうに思っております。 委員御指摘のように、がん治療につきまして、近年、例えば乳がんの治療にしましても、乳房を全摘すべきなのかそうでないのか、どちらが本当にいいのか、こういったことについて、患者の自己決定というものが非常に大切だということがとみに言われているところでございます。当然その前提として情報提供が必要である、こういう御指摘もそのとおりだと私どもは思っておりまして、こうした点についても法案の中に盛り込ませていただいたつもりでございます。 委員御指摘のように、情報提供にのっとった患者の自己決定、選択、こうした医療が普及するということを、この法案の成立を通じて目指していきたいというふうに考えております。
○高橋委員 同じ趣旨が盛り込まれているという答弁であったかと思います。できれば言葉で自己決定というふうにやってほしかったということは訴えたいなと思っております。 先ほど山井委員から、コメディカルの部分ですとか、やはり人的配置にしっかり予算をつけているという提案がされたと思うんです。そういう点では、政府が今進めているがん対策ではどうかということが問われていると思うんですけれども、例えば、地域がん拠点病院に設けられている医療相談室の機能を強化して、新たに相談支援センターの設置を上げております。このことは、当然患者や家族の不安に適切にこたえる、情報を提供するという意味でも非常に大事なことかと思っております。 そこで、配置されるスタッフの資格はどう考えているのか、あるいはそれに見合うだけの財政措置がされているのか、政府に伺いたいと思います。
○中島政府参考人 地域のがん診療拠点病院の機能でございますけれども、これにつきましては、予算といたしまして十三億円ということで、二次医療圏に一カ所程度の地域がん診療拠点病院を整備するということで整備を進めておりまして、そのスタッフといたしましては、看護師等ということで、その相談に当たる者の確保を図るということをお願いしております。
○高橋委員 ですから、それに見合う財政措置がされていますか。
○中島政府参考人 先ほど申し上げました予算の積算といたしまして、相談員の雇い上げ経費ということで、その必要な額を計上するということでやっております。
○高橋委員 きちんとした相談体制が必要である、別枠で、診療報酬で評価をするべきだと思うんですね。これについては、説明を受けたときに、初診料みたいな扱いで、二千円ですか、一ベッド二千円、それが唯一の財源であるかのように説明を受けておりますので、それでは非常に貧弱ではないかという指摘をさせていただいたところでございます。 先ほど紹介した垣添総長のインタビューの中で、がん医療水準均てん化の推進に関する検討会の発端は国民からの要望であったという紹介をされた後で、「後で反省したのですが、均てん化の検討会のとき、本来はメンバーに一人か二人患者の代表が加わるべきであったのに、完全に失念していました。」と述べておられます。完全に失念したというのは、正直大変驚きました。私は、やはりそれは事務局である厚生労働省の姿勢が反映しているのではないかなと思っております。 今後、がん対策に患者の声を適切に反映する仕組みをつくるべきだと思います。これは指摘をして、今後の、この与党案と民主案に対し、患者の声を適切に反映する仕組みをどのように盛り込まれているのか、一言伺います。
○福島議員 患者の声を反映するということは極めて大切なことだというふうに思っております。 推進基本計画、これを策定するということが法案に明記をされているわけでありますが、そのプロセスにおいて、患者の声を適切に反映できる、そういう体制をつくるということが私どもは必要だ、提案者としてそのように考えております。
○仙谷議員 御質問ありがとうございます。 民主党は、このがん対策問題について、患者さんの声が大変大きくなってきた、従来は患者さんが患者会という格好で、それぞれ専門の先生の下にというか、その先生を中心にして、会は今も多くあるわけですが、それがある種の普遍性を持った政策要求というふうになってきたのは、この三、四年だと思います。 今にして思えば、これは私どもがお世話をさせていただいて、当時の坂口厚生大臣のところに、昨年がん患者大集会を成功させた三浦さんや佐藤さん、あるいは広島の新山さんとおっしゃいましたか、そういう方々をお連れして陳情をさせていただいたところが初めてだったのかなという記憶を今持っております。 それがここまで進んできて、民主党の法案では、二十条に、がん対策本部の中に「がん患者及びその家族又は遺族を代表する者のうちから、内閣総理大臣が任命する者」というふうに記載してございまして、これからのがんの対応策といいましょうか、がん対策の推進については、患者さん、あるいは患者さんを代表する方、家族の方、この方々の意見が大きく反映されなければならない、そういうふうに考えているところでございます。
○高橋委員 ありがとうございます。 最後にそれぞれに伺いたいと思うんですが、最初に民主党さんに伺いたいと思います。 海外認可の抗がん剤などを一日も早く利用したいという患者さんの声はまさに切実であります。四月二十五日の参考人質疑で、患者団体の山崎参考人に対して私も混合診療について質問したわけですが、欧米で承認されている、日本で使えない、それを使うと、これまでは一割、三割負担だったのが、全額自費になるのはおかしいということは主張してきた、しかし、この主張の根本というのは、あくまでも緊急避難的にやっていただきたいということで、基本的にはフリーアクセス、均一料金、それでよい医療を受けたい、これは自分たちも堅持したいとおっしゃっておりました。いつかはがんで亡くなる、しかし、薬害で亡くなるというのも認めているわけじゃありません、がんで一年闘病できる方が薬害で半年で亡くなってしまうのは本末転倒というお話をされておりました。 本当に私は大事なことだと思っているんです。政府は、よく、混合診療解禁の理由に、患者団体が望んでいることだというふうにおっしゃいますが、望んでいることは、安全な医療であって、そして一日も早くということと同時に、それが引きかえになってはいけないということだったのかと思うんですね。 ですから、こうした抗がん剤などを早く取り入れたいという問題と安全確保の仕組みについてどのようにするべきとお考えか、民主党さんに伺いたいと思います。
○仙谷議員 私も素人でございますけれども、今までの見聞きしてきたところを総合しますと、結局のところ、海外先進国での標準治療、あるいは標準治療薬というものが日本では使えない、こういう問題であるとすれば、日本が専門家あるいは専門医の養成を早急にする、そこで例えば抗がん剤適正使用のガイドラインというようなものを仕上げる、標準治療を確立していくということを通じて、その内側であればといいましょうか、その基準のもとではこれが早急に保険適用になるような施策を講じていく、そのプロセスの中では、特定療養費制度を使わなければやむを得ないケースというのは、これは使っていくべきだろうというふうに思います。 結局は、専門医の養成をした後も、インフォームド・コンセント、それと患者さんのいかに生きるかという選択の問題で治療法が決定されていかなければ、薬の問題、とりわけ抗がん剤という、よく効けば効くほど一方では危険性も全くなくはないという薬を使用することができないと思っておりますので、結局のところ、もう一遍返ってくるのは標準治療というキーワードをどうつくっていくかということだと思います。
○高橋委員 ありがとうございます。賛成であります。 与党にも伺いたかったんですが、残念ながら時間が来ましたので、これで終わります。ありがとうございました。
○岸田委員長 次に、阿部知子君。
○阿部(知)委員 社会民主党の阿部知子です。 本日は、四月に始まりました医療制度改革論議の冒頭から、本会議質問においても、民主党の皆さんが、ぜひ、国民的関心事でもあり、また私ども一人一人も決して無縁ではないがんという、私どもの、現在、我が国において死亡原因の第一位を占める病態に関して、いわば国民的な、がんの治療について求めるもの、そのことにおいて基本法を、民主党も出され、また与党にもそうした提出を求めるという流れの中で今日まで参りました。本会議で小泉総理も、みずから与党案も示しながら審議をしたいというお考えでありましたし、成案を見て、本日、与党案を含めた提案の趣旨を伺うことになってございます。 とりわけ、冒頭、与党案ということに関してお伺いいたしたいですが、今、国は、実は昭和五十九年度から対がん十カ年総合戦略というのを開始されて、平成十六年度からは第三次対がん十カ年総合戦略、すなわち平成二十六年までに向けて十カ年戦略の途上であります。厚労省の書かれたもの等々もお読みいたしますと、第一次、第二次の成果を踏まえて第三次にかかっているという中であります。 その中にあって、このたび与党案が提出された、では今までの総合戦略において欠けたるものがあったのか。この点は、例えば、先ほど高橋委員の御質疑で福島提出者がお話しされましたが、患者さんの自己決定、そういう言葉は使っておられませんが、御自身で選び取っていく治療ということを重く見たというお話もございました。 冒頭、お伺いいたします。欠けたる点はあったのか。さらにです。それから、では、大きな成果だと言われる大きな成果とは何であるのか、二点、お願いします。
○福島議員 お答えいたします。 冒頭、一言申し上げておきますと、民主党案の提案を受けて、それに対応して準備したということではなくて、私ども公明党は、昨年来、がん対策基本法をつくるべきだということを申し上げてまいりました。まず、この一点でございます。 欠けたるところというのは、私どもも主張してまいりましたけれども、例えば放射線治療の領域、放射線治療の専門家というのは五百名しかおりません。これから、今後、高齢化がさらに進んで、がん患者がふえていく中にあって、放射線治療というものは一つの非常に大きな柱でございますけれども、それを支えるに足るだけの体制がない、こういった点も指摘をしなければいけないというふうに思っております。 そしてまた、緩和ケアの問題。ホスピスも非常に二十年前と比べればふえたと私は思います。しかしながら、一般的な治療の現場でどこまでそうした点に配慮がされているか、こういう指摘もあるだろうと思います。 そしてまた、先ほど高橋委員から御指摘もありましたけれども、例えば乳がんの治療にしましても、この病院に行ったら乳房を全摘されてしまう、この病院に行ったらそうではない、こうしたことも実は患者さんが選択、選択という言葉を使っておりますけれども、選択できるような環境にあるんだろうか、セカンドオピニオンの話もまだまだ入り口に入ったところだろうと思います。 こうした点では、やらなければいけないことがたくさんある、そういう認識はあるわけでございます。 一方で、大きく前進したということも事実だというふうに私は思っております。 私も医師でございますが、消化器の分野におきましても、私も内視鏡をやっておりましたけれども、内視鏡自体も非常に進歩しました。最近は飲む内視鏡というようなものも開発されてきた。治療においても世界で最高の水準にあるだろうというふうに私は思います。内視鏡だけで、初期の、早期のがんであれば切り取ってしまうことができる。 また、日本人は大変肝臓がんが多いわけでございますけれども、この領域でも世界をリードしてきたというふうに思います。血管の塞栓術から始まりまして、内科的な治療でも、最近はラジオ波で焼くというようなことも、ようやく高度先進医療から保険適用という話になってまいりました。 こうした点を考えると大きく前進したことも事実だ、しかし一方で国民の求めるさまざまな要望というものもある。そういうことを考えると、今まで政府で十カ年戦略を繰り返してまいりましたけれども、新たにそれを基本法として、日本の構築すべきがん医療というものの基本的な方向性を示す。と同時に、計画そのものを法律で定まった計画にするということが必要だというふうに考えたわけでございます。
○阿部(知)委員 細部にわたってまでるる御説明がありました。そして、私があえて伺いたかったのは、福島先生は公明党ですから、公明党がこうした考えをお持ちであったことは知っております。しかし、このたびは与党案という形での御提出ですから、その双方を踏まえてできれば御答弁もいただきたかった。 そして、治療の均てん化とか、放射線治療の問題とか、疼痛緩和とか、あるいは早期診断における技術進歩とか、それから治療における技術進歩というものは、日本の医療総体のレベルの向上とともに今日もたらされていると私も思うのです。 でも、今回の与党案を拝見いたしましても、実は六条に「国民の責務」ということは明記されておりますが、これは成人病と同じように生活習慣病でもあるから、例えば喫煙とか肥満とか、いろいろな因子となるものについて注意をしなさいと個人管理に帰されておりますが、日本のがん対策の中において最も欠けたるものは疫学の調査だと私は思っております。これが、国民の責務という片っ方には重い責務をかけられながら、果たして国や地方公共団体あるいは厚生労働行政の中でどのように考えられてきたか。 恐縮ですけれども、時間の関係で具体的な質問にちょっと移らせていただきますが、これは民主党案の中にも見られる登録制度の問題でもございます。 福島委員もよく御存じのように、今、厚生労働省は地域がん登録というものを研究班として推進してございますが、実はこのたび提出された与党案にも、このがん登録をどのようにこれまでの、地域ごとしかないわけです。それから、正直申しまして、このがん登録のことに関して最も詳しい資料と思う、厚労省も一部監修におかかわりと思いますが、がん研究振興財団のお出しになったものを見ても、我が国のがん登録の制度は国際的に見ればまだまだ問題が多いという指摘がされております。 この点についてはどうお考えで、そして、与党としてどのようにこの法案の中に盛り込まれたのか、あるいはこれからなのか、お願いします。
○福島議員 委員御指摘のように、疫学的な情報というものはがん治療を考える上において極めて大切であると私も思っております。それは、発生の状況を知るということだけではなくて、果たして我が国のがん治療がどういった水準に達しているのか、例えば五年生存率はどう変わってきたのか、こういったことを把握するということが必要だと思います。 例えば、大阪府で行っておりますがん登録の事業は、WHOでも評価をされている非常に水準の高いものでございます。そのデータから得られることは、例えば、さまざまな医療機関で成績がどのように違うのかという具体的な信頼に足るデータもそこから得られるわけであります。今後、がんの専門的な医療機関を整備していくに当たりまして、その水準がどうかということを把握するためにはこうしたデータが私も不可欠であるというふうに思っております。 しかしながら、与党の中で検討する過程で、日本人の意識として、自分のがんに関しての情報というのはすぐれて個人的な情報である、そうした個人的な情報が一方的に収集されるということについてさまざまな思いというものが国民の中にもあるのではないか、その点についてはより慎重な理解を求めるプロセスというのが必要ではないか、こういう御指摘があったことも事実でございます。 そうしたことから、与党案の中では、がんの罹患率等について情報を収集する取り組みについて支援をするという形で、誤解のないような形で規定をさせていただきました。実質的には、現在行われておりますところの地域のがん登録事業というものを支援していく、現にこういう体制はあるわけでありますけれども、そういったことを意味するというふうに考えております。 そして、アメリカのがん登録法もそうでございますけれども、基本的には、アメリカのがん登録法も、修正がん登録法ですが、州ごとの取り組みというものを評価し、そしてまた一定の水準に達したものについてきちっとこれは支援をする、こういう枠組みになっているわけであります。 現在のがんの情報を収集することについての国民の理解ということを踏まえれば、こうした一つ一つの取り組みを支援する体制というものを今後もきちっと続けていくということが大事だと思っておりますし、その中で、全体としての制度の見直しをすべきだという御意見があれば、これはまたしっかりと受けとめて、進めていかなければいけないというふうに思っております。
○阿部(知)委員 これは先ほど高橋委員と福島提出者の間でのやりとりにもございましたけれども、がんは、体内因子だけではなく環境、労働環境も含めた環境、アスベスト問題を御提示でございました。アスベストは、これから労働環境だけでなくて普通の環境の中にも出てまいります。あるいはダイオキシン等々の問題を考えたとしても、やはりきちんとした、どこに何がどのように発生し、どういう治療によってどういう転帰をもたらしていくかということは、非常にこのがんということを考える根本であると思います。 その意味では、今提出者がおっしゃったように、各地域ごとの登録システムの精度を上げ、そのために国が何ができるかということと同時に、やはり日本という国全体として見て何が課題なのか。例えば、九州地方には白血病関連の疾患が多うございます。また、もちろん被爆に関係する、原爆等々の発症も遺伝子に変異を起こすがんでもあるわけです。そうした全体を見通すための疫学並びに登録ということについては、さらに与党としても御検討を加えていただきたい。 同じ質問を民主党にいたしますが、実は福島提出者の選出県である大阪でも、私は神奈川ですが、一応がん登録は地域的には進んでおります。ただ、私どもの場合は川崎市が個人情報保護の観点からこれに加わっておられないということで、かなり進んではおるが、さっき提出者のおっしゃったような懸念の点もある。民主党案にあっては、このがん登録ということを重く見て御提案でございますが、個人情報保護の観点との折り合いというかすり合わせということはどのようにお考えでしょうか。
○仙谷議員 大変日本においては難しい問題を今御提起いただいたというふうに思っております。 このがん対策基本法では、八条で、とりわけ八条二項で、がん患者に係る個人情報の保護が図られるようながん登録制度の、あるいはがん情報ネットワークの構築についてはそういう制度設計がなされなければならないというふうに考えております。 一般論としても、先ほどアメリカの州法の話、それからドイツにおいても州法で、がん登録法を個人情報の保護という観点からも、だから法律をつくらなければならないんだということで登録法をつくっておるようでありますが、もう少し一般化しますと、どうも先進国では、とりわけインターネットといいましょうか、IT化された個人情報の保護についてはいろいろな枠組みをつくっておるようであります。つまり、プライバシーコミッショナーとか、日本でいえば情報公開審査会というのがありますけれども、そのような仕組みを、個人情報保護の観点からチェックができたり差しとめができたり、そういう機関をつくっておるようでございます。 この個人にかかわるがん情報というのは、個人がコントロールすべき極めて重要な情報だと思いますけれども、それと、これががん登録制度によって標準治療確立のための、あるいは疫学調査としての重要な資料になる、そういう公益性、公共性を持つとすれば、その折り合いといいましょうか兼ね合いというのは必ずつくし、この両立をさせることのできる制度設計というのは必ずできる。早くこれに取りかからなければ、いつまでたっても、標準治療とか、それから一般的な病気と保険制度の関係でいいますとDPCなんということを厚生労働省は言っておるわけでありますが、そんなことは絵にかいたもちというか、夢のような話でどんどん先送りされていってしまう、こういうふうに思います。早急に制度設計ができるような方向で取り組むべきだと我々は考えております。
○阿部(知)委員 ぜひそのようにお進めいただきたいと思います。 社会保険庁等々でこの間の所得情報の勝手な流用もございましたが、これから健診等々のデータもみんなオンライン化されるわけです。このがん対策のみならず、個人情報をどうきっちり守りながらデータに入力されたものを生かしていくかということはもう時代の課題でございますので、これは与党も民主党の皆さんも挙げて妙案を練っていただきたいと思います。 次に、私は政府に、厚生労働省の方にお願いがございます。 実は、私は小児科医で、子供と申しますと、がんということで第一に浮かぶのが白血病でございます。この法案の審議の中で、高齢化に伴ってがんが死亡率の第一位というお話はよく出てまいりますが、実は、いまだに我が国の多くの子供たちにとっても大変に痛ましい病態ということで小児がんがございます。もちろん、小児だけでなくても、白血病等々はいろいろな遺伝子の損傷で、今成人でも問題になってございますが、この白血病等々の治療においていわゆる骨髄移植ということは、我が国の患者さんたちに大きな光をもたらしたと私は思います。 一九九一年の十二月に、こうした骨髄移植を取り扱うための骨髄移植財団というものができて、今日までドナーの登録がおよそ二十三万人、目標三十万人ですが、ドナーのプールを持っていればいるほど適合した患者さんが治療を受けやすいということで、骨髄バンクを介して既に七千例が骨髄移植を受けておられます。 私は、実は昨年度も問題にさせていただきましたが、この骨髄財団の運営方式について、もっともっと患者還元ができるんじゃないか。すなわち、患者さんに自己負担少なく骨髄移植を受けてもらえるのではないかと思う点がございますので、特に川崎厚生労働大臣に、待ち望む患者さんのためにもちょっとお話をさせていただきたいと思います。 私が昨年問題にいたしましたのは、十六年度の決算で、財団の中の内部留保金というのがいわゆる規定上の三〇%を上回っておって、こういう財団は補助金を受けてやっておりますから、内部にお金をため込んで、患者さんや必要な方に還元されないというのはいかがなものかというので、この留保金の適切な額ということをめぐって厚生労働省の方からも指導をしていただきました。 そして、明けて、では大分よくなったかなと本当は思いたいのですが、ところが、皆さんのお手元の資料の三枚目をあけていただけますでしょうか。ここには骨髄移植財団の収支状況というのが十三年度から十七年度にわたって書いてございます。実は、平成十三、十四と見て十五年度、ここに国庫補助金収入というところが、それまでの二億二千万から三億八千万と増額されております。これは、坂口前厚生労働大臣の御尽力で、骨髄移植を患者さんの負担少なく受けていただくための私は一つの英断であったと思います。現状、その流れを受けて、十七年度では約四億四千二百万、補助金が入ってございます。 そして、その下でずっと見ていただきまして、私がシャドーのようにいたしましたが、ことしの財政を見てみると、例えば十六年度と十七年度の大きな違いは、四億の補助金をいただきながら、患者負担金積立金とか情報システム更新積立金とか、みんな積立金というところにたまり込んで、結果的に見れば、一番下の次期繰り越し収支の差額は一億九千万で、実は内部留保金は三〇%を欠けるようには表面上はなってございますのですが、実にこの網をかけた部分全体で四億二千数百万という形になって、入っている補助金と同じ額だけ内部留保にされているわけでございます。 私は、これでは、わざわざ補助金を入れて患者さんの負担を少なくしようと思ってこられた坂口大臣の意思もどこかに飛んでしまう。もちろん、何がしかの積立金はあってよろしゅうございますが、例えば、こんなに二億三千万も患者負担金の積立金をするくらいであれば、お一人の患者さんの自己負担、保険医療以外に今二十七万円ございます、これを五万円当たり軽減してさしあげても五千万円しかかかりません。内部留保金がこうした形で表面上消されても、たまり込んでは意味がないと思います。 この点について、実務サイド並びにそれを受けて大臣の御答弁をお願いいたします。
○中島政府参考人 骨髄移植財団の運営の件でございますけれども、この骨髄移植財団というものの行っております事業が、いわゆる骨髄移植についての仲立ちをするということで、そこに発生いたします諸経費の関係を処理しているということで、通常の公益法人とはやや違った特殊な事業を行っているというような面もございます。 私どもとしても、この内部留保金につきまして、これがただただ留保をしていく、膨らましていくという趣旨で行っているものとは当然考えてございませんけれども、十七年度決算の状況や患者負担金軽減積立金の状況を見ながら、財団といたしましても、来月を目途に患者負担金のあり方について検討しているところと聞いておりまして、厚生労働省としましても、財団バンク事業の適正な運営を図る観点から、適切に指導してまいりたいと考えております。
○阿部(知)委員 大臣にもぜひこれはお目通しいただきたいです。私は、こんなに何とか名目の積立金ばかり積み立てていって、投入した補助額と一緒が積み立てられるのでは、厳しい財政の中でやっている意味がございませんので、大臣に認識していただけたかどうか、御答弁をお願いいたします。
○川崎国務大臣 資料を見させていただいて、患者負担金軽減積立金ということで、二億三千万ですか、積ませていただいている。これはもう少し明確なメッセージを出すべきだろうと。 それから、要は、物事が決まるまでになかなか官僚体質というのは物事を発信できない。しかし、患者さんの気持ちを思ったときに、我々は今こういう方向で議論しているんですよということをやはりできるだけ出していくことが必要なんだろうと。 確定的なことは今申し上げられませんけれども、できるだけメッセージを早く出させるようにさせます。
○阿部(知)委員 よろしくお願いいたします。 最後の質問に移らせていただきます。 これは先ほど高橋委員との御質疑でも出てまいりましたが、老人保健法の中で行われていたがん検診が、健康増進法にのっとって一般財源化されました。その中で、多々案じられるものはありますが、私が特に問題にしたいのは、先ほど福島提出者もおっしゃいましたが、肝臓がんの問題であります。 我が国はなぜか、皆さんのお手元の資料にございます一枚目を見ていただきますと、カラーを白黒にいたしましたので、ちょっとわかりづろうございますが、男性でも胃がんは減りましたが、大腸がんと肝臓がんがふえておる。女性においてはそれほど肝臓がんの動きは顕著ではなく見えても、これは下から四段目の波線でございます、やはり決して少なくない。 次のページをおあけいただきますと、がん死亡割合の国際比較、ちょっとこれも細かくて恐縮ですが、これを見ていただきますと、我が国は、男性においても女性においても非常に肝臓がんの占める比率が他の諸国より多うございます。左側が我が国でございます。これは、福島委員が先ほどおっしゃってくださったことのそのままをデータ化したものでございます。 この肝臓がんの発症要因というものも、例えば農薬とか有機溶剤とかいろいろなものがあるのも事実ですが、もう一方で、慢性化する炎症、すなわち肝炎、特にC型肝炎からくる肝がんというものが大きな時代的な問題になっていると思います。 厚生労働省として、今後、がんについて検診のあり方を検討するとおっしゃっておりましたが、老人保健法が廃止され、健康増進法の中で一般財源化されて、はてさて、どのような形で、我が国に特異的に多い肝がん、特にC型肝炎との兼ね合いもございましょう、こういうものに対してどんなお取り組みをなさるのか。 ちなみに、時間の関係で私自身の考えを申せば、もちろん地域健診の中でもきちんと肝炎ウイルスの有無はチェックされるべきですし、老人保健法では五年置きでございました、また職場健診においても、こうしたC型肝炎ウイルスの存在、見つかれば、治療に結びつき、発がんが予防される。明確なこれは進歩のあるものでございます。 この双方についてどんなお取り組みをお考えか、最後の御答弁をお願いいたします。
○中島政府参考人 肝炎対策、特に肝がんとの関係においてということでございますが、肝炎対策につきましては、厚生労働省において、これまでも、国民に対して普及啓発、研究開発、検査体制の整備など、さまざま取り組んでまいったところでございます。 しかしながら、新たな治療法が種々開発をされるなど、肝炎診療を取り巻く状況もいろいろと変化をしてきているということから、平成十七年三月に専門家会議を開催いたしまして、さらなる推進方策について御議論いただき、昨年の八月に報告書が取りまとめられたところでございます。 現在、この報告書に基づきまして、肝炎ウイルス検査体制の強化、診療体制の整備、治療方法の研究開発などの総合的な治療水準の向上、そして感染防止の徹底、普及啓発、相談指導の充実というようなことを柱といたします総合的な肝炎対策を行っているところでございまして、今後とも一層の推進を図ってまいりたいと考えております。
○阿部(知)委員 私は、具体的に職場健診とか地域健診の項目にきっちり位置づけてくださいとお願い申し上げたので、今の中島局長の御答弁をさらに深化させていただきますことをお願い申し上げて、質問を終わります。
○岸田委員長 次に、糸川正晃君。
○糸川委員 国民新党の糸川正晃でございます。 がんによる死亡というのは、昭和五十六年から死因の第一位、こういうことになっておりまして、その後も年々増加傾向にある。平成十六年には約三十二万人の方ががんによって亡くなられておるわけでございます。死亡率を見ましても、国民の三人に一人はがんで亡くなられているわけでございまして、がんは我が国において最も対策が必要な疾病となっておるわけでございます。 そこで、まず、これまで政府として取り組んできたがん対策と、その評価について、厚生労働副大臣にお尋ねさせていただきます。
○赤松副大臣 今、糸川委員の方から、がんの死亡が大変ふえている、三人に一人が亡くなられた、こういうお話がございました。きょうも朝新聞を読んで、私たちの同僚議員が胃がんで亡くなられたという報を聞いて、本当に愕然としたわけでございます。 政府の今日までの取り組みでございますが、御承知のように、一九八四年から九三年まで対がん十カ年総合戦略、また、一九九四年から二〇〇三年までがん克服新十カ年戦略、こういう二次にわたる対がん戦略をやり、そして今現在、第三次の対がん総合戦略の状況の中にあるわけでございます。 こういった一連の、政府の言い方で総合戦略という呼び方をしておりますが、これによりまして、がんは遺伝子の異常によって起こる病気である、こういった概念が確立するなど、がんの本態解明というものが進展をしてきた、あるいはまた、診断、治療技術が目覚ましい進歩を遂げて、胃がんや子宮がんの死亡率は減少する、こういった成果をおさめてきている、こういうふうな認識をいたしております。 今後、一層の医療技術等の研究開発や予防対策の推進に加えて、一部の地域や施設等での導入にとどまっている、つまり地域差という問題がございますけれども、そういった問題、あるいはまた、もう既にいろいろな角度で議論されております放射線治療のような問題、さまざま、まだ課題を残しております。そういったことについてしっかり取り組んでまいりたい、そういうふうな状況にあります。
○糸川委員 そうすると、今回、民主党さんも法案を出されたわけでして、政府の今までの対応がどうだったのかということと、がん対策の今までの評価について、提出者の山井先生に御質問させていただきたいというふうに思います。
○山井議員 糸川議員、一番核心をついた質問をありがとうございます。まさに与党案では、この点について、がん対策は大きく進展し、多くの成果をおさめてきたということが書かれておりまして、まさにこれが、政府・与党は全面的に今までのがん対策を評価している、もちろん課題も認めながらも、かなり評価していると思うわけでありますけれども、私たちは現状認識に対して、これとは異なって非常に危機感を持っておりまして、今までで十分評価できる結果であるならば、わざわざ法案をつくる必要もないわけでございます。 具体的に言うならば、先ほども少し話が出ておりましたが、乳房を切除する手術を受けたけれども、ほかの病院に行ったらその手術はしなくてよかったのにと言われてしまったりとか、あるいは、片やアメリカではがんによる死亡率が減っているのに、なぜ日本ではまだまだふえているのかという問題もございます。 具体的に言いますと、施設間、地域間の格差、それで全国で一定レベル以上の治療が受けられないということで、よりよい治療を求めてさまようがん難民がどんどんふえていっているという問題がございます。 また、外国で利用できる抗がん剤が日本では利用できない。また、WHOの基準では、がんの治療が始まったときには緩和ケアが同時にスタートせねばならないということですのに、まだまだそういう緩和ケアも日本では非常におくれております。 こういう人の命にかかわる、最も国民病と言っても過言ではない、重大ながんという病気に対して、投入している財源、そしてコメディカルを含めた専門医の方々が余りにも数少な過ぎる、こういう危機的な状況であるという現状認識をしております。 以上です。
○糸川委員 ありがとうございます。 では、大臣にお尋ねをさせていただきたいんですが、これまでのがん対策を踏まえて、今後どのような分野に重点を置いて対策を講じていく必要があるというお考えがあるのか、お聞かせいただけますでしょうか。
○川崎国務大臣 昨年、アクションプラン二〇〇五を策定したところでございます。この中で、がん予防、早期発見の推進、がん医療水準の地域格差の是正、がんの在宅療養、緩和医療の充実、がん医療技術の開発振興を大きな目標として進めてきております。 本年度からは、相談支援体制の拡充等を含むがん診療連携拠点病院のさらなる機能強化とともに、国立がんセンターのネットワーク化による情報提供体制や診療連携体制の強化に取り組むことにいたしております。 実は、この拠点病院一つにいたしましても、四十七都道府県の中でたしか四十都道府県しか昨年までは設置できていなかったという問題がございます。やはり、すべての都道府県にそうしたものを理解し進めてもらわなきゃならない。そういう意味では、国と県、また市町村が重層的に役割を担いながら考えていかなければならない、このように思っております。 また、もう一つは、やはり大学病院との連携が極めて重要な柱でございますので、そういう意味では、文科省、経産省、他省庁との連携をしっかりやりながら進めてまいりたい、このように思っております。
○糸川委員 また、先ほど山井委員がこの対策の予算が少ないというふうに言われたわけでございます。 そこで、平成十八年度のがん対策予算が約百六十一億円ということでございますが、今後対策を講じていく上では、これはまだまだ不十分だと今指摘があったわけでございます。十分な対策を講じていくためにはさらなる増額が必要であるというふうに思うわけでございますので、その点について厚生労働省の御見解をお聞かせいただけますでしょうか。
○中島政府参考人 がん対策につきましては、平成十八年度予算におきまして、がん対策情報センターの設置等を行いますために、前年度予算に、百四十四億円でございましたが、これに比べまして十七億円増の百六十一億円の予算を確保したところでございます。 今後とも、都道府県等と連携をしつつ、がん対策の充実を図るとともに、効果的な対策を講ずるために必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
○糸川委員 まあ、それでもまだまだ少ないなというふうに感じるわけですので、しっかりと取り組んでいただきたい。 また、がんは生命を脅かす疾病であるということから、画期的な治療薬の開発というのはあまねく国民の希望するところであります。すぐれた新薬が速やかにがん患者の手に届くような治験の一層の推進等が必要だというふうに考えておりますが、これも厚生労働省の御見解をお聞かせいただけますでしょうか。
○松谷政府参考人 国民にとっての大きな脅威でございますがんのための抗がん剤を迅速に国民に提供できるよう、治験環境の整備は御指摘のとおり大変重要だと思っております。 このため、厚生労働省におきましては、文部科学省とともに、平成十五年に治験活性化三カ年計画を定めまして、治験に参加する医療機関の確保をするための大規模治験ネットワークを構築する、それから、医療上必要でありながら市場性等の理由によって開発の進んでいない医薬品に関しまして、医師主導治験による開発の推進をする、さらには、治験を実施する医師を補佐する治験コーディネーターの養成をするなどの施策を進めているところでございます。 これらの施策によりまして、大規模治験ネットワークの構築につきましては、平成十八年五月現在では千百七十施設が登録されました。医師主導治験につきましては、十二件を採択いたしまして、そのうち、二つの抗がん剤の治験も含めまして六件について治験届を提出したところでございます。治験コーディネーターの養成につきましては、平成十七年度末で約四千五百人が研修修了などの成果を上げているところでございますが、さらに、今年度より、治験を含む臨床研究基盤の整備推進を図るための研究事業を開始したところでございまして、国立がんセンターにおきまして当該事業を実施しているところでございます。 今後とも、これらの取り組みを通じまして、すぐれた医薬品を迅速に国民に提供できるようさらに努める必要があると思っておりまして、これを進めていきたいと思っております。
○糸川委員 では最後に、大臣に今後のがん対策の推進に向けた決意というのを聞いて、終わりたいというふうに思います。
○川崎国務大臣 先ほど、アクションプラン二〇〇五、そしてことしの対策について少し御説明申し上げましたけれども、今、与野党でがん対策基本法を提出されて、御議論をいただいているところでございます。一つの考え方がまとまってきて基本法として制定されましたならば、私ども、そうしたものもプラスアルファをしながらしっかり頑張っていきたい、このように思っております。
○糸川委員 増加傾向にあるがん患者をしっかりと食いとめるというのが、これは国の責任だと思いますので、しっかりと対策を講じていただきたいというふうに思います。終わります。 ――――◇―――――
○岸田委員長 次に、内閣提出、参議院送付、職業能力開発促進法及び中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣参事官宮野甚一君、文部科学省大臣官房審議官山中伸一君、厚生労働省職業安定局長鈴木直和君、職業能力開発局長上村隆史君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岸田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○岸田委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷畑孝君。
○谷畑委員 自由民主党の谷畑孝でございます。 昨日、私の友人でもありました西田議員が胃がんで亡くなるということで、心より冥福を祈るものでございます。 また、先ほどは、議員間同士でがんの対策基本法ということで、真摯な議論をされておりました。やはり政治家たるもの、おぎゃあと生まれて死んでいくこの人生に対して、しっかりと、やはりできる限り健康で生きられて、しかも世の中がいかにして喜怒哀楽を含めて楽しいものであるか、こういうことに光を当てていくことが私どもの仕事だと思っております。とりわけ、がん患者ということになりますと、やはり転移ということが心配だし、五年間生き延びられるか、そしてどう生きたらいいのか、そういうさまざまな問題があろうかと思いますが、ぜひ、今後とも政党間でさらに議論をしながら、いい法律ができることを心より願う者の一人であります。 せっかく十分の質問の時間をいただきました。小泉政権の最後、まさしくもう来週でこの厚生労働委員会も閉じるだろうし、そういう意味では、質問できることを我が理事の皆さんに心より感謝を申し上げたいと思います。 さて、最近、バブルがはじけて、景気がようやく回復基調に入ってきた、こういうことがよく言われております。そういう中で、グローバル社会ということで国際競争が非常に厳しくなってきた。そこで、経済成長というのをどう見るか。ある人は、名目四%の経済成長が必要であると。いや、それは高い、三%だと。もちろん、これから金利も上がってくるだろうし、少しのインフレもあるだろう。しかし、日本が社会保障等を含めて継続発展可能なものにしていく、そして我々がやはりそれなりに生活が豊かということを感じる、そのためにはやはり経済成長、四%は私自身も必要だ。 そうした四%にするには何が必要なのか。少子高齢化で、これから労働人口は減ってまいります。今、外国人労働者の問題も議論がありますけれども、実はこれも国論を二分しております。そういう状況の中で、私は、科学の技術をいかにして高めていくか、このところは非常に大事だと思います。それと同時に、人材だと思います。日本は、何も資源がない中で、まさしくすばらしい教育力と人材によってここまで豊かにしたんじゃないか。私は、そういう意味では、この日本の社会が今後とも発展していくためには、いかにして人をつくるか。そういう意味では、今回のこの法律は、まさしく職業能力の開発をどうしていくのか、こういうことでありますから、非常に大事な仕事であるんじゃないか、私はこう思っているわけであります。 そこで、大臣にぜひ、この能力開発、このことの基本認識についてひとつお伺いをいたします。
○川崎国務大臣 我が国が人口減少社会に入って、労働力人口、今六千六百万人、一番頂点が六千七百八十万人ぐらいだったと思うんですけれども、既に減り出してきていることは事実でございます。十年後を見ましたときに、この労働力人口を維持していくために何をしていかなければならないか。一番ウエートの高いのは女性の雇用、それから我々団塊の世代の雇用、しかし、若者の雇用を三番目にしっかりしなきゃならぬ、こうした切り口があろうと思います。 それから、若者の雇用を考えるときに、谷畑さんや私の時代と大きく変わりましたのは、我々の時代は、中学を出た方、高校を出た方が、多くものづくり現場に入っていかれました。そのウエートが極めて高かった。ところが、今の時代になりまして、高校を卒業して、就職をされる方は二十万人、専門学校を選択される人は三十万人、大学を選択される人は五十万人、こういう大きな社会変化を迎えております。 そういった意味では、中学、高校を卒業した方々を企業がしっかり育てながらものづくりを将来目指してやっていくという時代から、企業がどうしても即戦力を求める時代に変わってきている。高校、また専門学校、こういうものに対して私どもがしっかりアプローチをしていかなきゃならないだろう。そういう意味では、高校における職業教育というものも極めて重要な局面でございますけれども、一方で、高校を卒業した以降の問題というのが出てまいりまして、今回この法改正をお願いしておるということでございます。
○谷畑委員 もっと時間があると思ったら、もう五分前だということなので、本当にちょっと寂しいなと思っております。 青年に対して、今まで、青年塾というものをフリーター、ニート対策でつくってみたり、あるいは日本版デュアルシステムというものをつくってみたり、あるいはトライアルということで試し就職とかをつくってみたり、いろいろとやってきたと思うんですけれども、今回は、そういう意味では、現場における実習と教育訓練機関における座学、これを併用しながら、非常に大規模になっていくと思いますので、ここはやはりしっかりと光を当ててやってほしいな、こう思っています。 それと、時間がありませんので、もう私、一方的にしゃべりたいと思っております。 一つは、最近、高等学校普通科に行って、出ますとすぐにもう大学に行く、こういう傾向になっています。しかし、よく考えてみたら、工業高校だとか商業高校だとか、あるいは専門学校とか、いろいろあります。私は、ぜひもう一度、工業高校だとか商業高校だとか、私は大工さんになりたいんだとか左官になりたいんだとか、もっとそういう人たちに光を当てることが大事じゃないか。だから、ワンエレベーターやなくていろんなエレベーターをつくって、しかも、時には、大学など、スポーツ選手で優秀な人だけ入れるんじゃなくて、技能オリンピックに優勝した人は中卒であったって、ぜひ、いろんな意味で大学に入る機会をつくるぐらいの、そういう光をどんどん当てる必要があるんじゃないか、私はこういうように思っておりますので、職業能力開発機構というのは唯一それを担っていくことだと思うので、ぜひお願いしたいと思います。 それともう一つ、最後に、これは私の地元で陳情を聞いたりして、私も心を痛めております。それは、雇用促進住宅、結構大きな団地があるわけなんです。これは皆さん御存じのように、いわゆる炭鉱が閉鎖されて、そして集団就職で来るわけですけれども、そのときにつくった住宅なんですね。もう長い時間がたってきています。老朽化しています。それをともかく市町村に買ってほしいといったって、市町村だってもう堪忍してくれ、こういう感じで、しかも出ていきなさいとかこうだとか。こういう状況の中で、住んでいる人にとってみたら、本当にそこで子供を育てそして地域社会に生きてきた。公営住宅も、当時の建設省を含めて、建設型ということで長期借款制度をつくったり、いろんな多面的なものを研究して実践していこうとしています。 ぜひここは、温かいはずの厚生労働省が紙切れ一枚ですぐに追い出していくということじゃなくて、そのときは私は体を張って頑張るでと言うてますのですけれども、ぜひそこらはしっかりといろいろと考慮していただくことを、これ一つだけ回答をもらって終わりにします。
○鈴木政府参考人 雇用促進住宅の御指摘でございますが、いずれにしても、これから雇用促進住宅を処理するに当たりましては、入居者の方の御理解を得ながら、それから転居のための支援を実施しつつ進めていくことが基本でございますので、御指摘を踏まえて対応したいと考えております。
○谷畑委員 どうもありがとうございました。
○岸田委員長 次に、杉村太蔵君。
○杉村委員 自民党の杉村太蔵です。本日は、貴重な十分の時間をいただきまして、ありがとうございます。 早速、大臣にお伺いしたいと思います。 今、若い世代でフリーターという働き方を余儀なくされている人たちが二百万人いると言われています。大臣は、どうしてこれだけフリーターがふえたとお考えでしょうか。その原因についてどのようにお考えか、教えていただきたいと思います。
○川崎国務大臣 そういう切り口で御質問をいただきましたから、まず、ニート問題というのは切り分けなきゃいけない。ニートはやはり社会の連帯、社会生活の中に入ってきてもらうということがまず第一だろう。フリーターの方々は、実はそういう方々ではない、労働意欲はまず持たれておるという前提に立たなければならないだろうと思います。 私が各所でお話し申し上げておりますのは、例えば、私が勤めておりました松下におきましても、大きな自動車メーカーにおきましても、実は大幅なリストラをした時代がございました。この十年の時代でございます。当然、今お勤めをしていただいている方でもそうした状況になったわけですから、当時、高校を卒業した、大学を卒業した人たちが就職をしたいといっても、チャンスが狭過ぎた、したがってなかなか正規の雇用というものが得られなかった、こういう方々が、二百万人全体とは申し上げません、かなり多くのウエートを占めているだろう。この景気回復を受けて、企業の皆さん方に、そういう人たちにもう一度機会を与えてほしい、再雇用のチャンスというものをしっかり開いてほしい、いや、日本の雇用制度全体が、大学を卒業して、高校を卒業して採るということじゃなくて、他の経験を踏まえた人も入れていくという時代に目を開いてほしい、こういうお話をずっとしているところでございます。 実は、企業は随分変わってきているわけです。それをもっと進めていくためには、我々も動かなきゃならぬ。そういった意味では、中野副大臣に行脚してもらいまして、いろいろな形で訴えをさせていただいているところでございます。企業自体も、全体に若い者を雇おうという意識が芽生えてきているというふうに感じております。
○杉村委員 まさに、大臣おっしゃっていただいたその点なんですね。 企業は、新規学卒採用主義をとっているわけですよ。今、フリーターになってしまったら、一たんフリーターとして働いてしまったら、なかなかフリーターから脱却できない現実があります。それは、今おっしゃったように、採用条件で、新卒しか採りませんよ、その三月まで大学で勉強して卒業した人間だけしか採りませんよ、これが今企業のやっている新規学卒採用主義です。 これをぜひ撤廃していただいて、改善していただいて、年齢、性別、学歴、そんなものは募集要項の段階では一切問わないよ、そういうことをぜひ強く御指導いただきたいと思いますし、現にこの点に関しては、中野副大臣とはずっとこの春から議論させていただいて、大変御理解いただいております。実際に企業を回っていただいて、この点の反応というのはいかがでしょうか。
○中野副大臣 今御質問ございましたけれども、杉村議員が若者の声を本当に若者として代弁されていることについては深く敬意を表しますし、過日の予算委員会でもお話がございました。今御質問の点でございますけれども、今大臣がおっしゃったとおり、大臣の御指示によりまして、また委員の御質問もございましたから、経団連に三月三十一日に、また日商の山口会頭のところには四月十三日に、若者にいわゆるチャンスを与えてくれという意味で、応募機会の拡大について要請を行いました。 内容につきましては、例えば今おっしゃった新規学卒の問題でございますけれども、それを、ただ単に一時期じゃなしに、通年採用でやってもらいたい。それからまた、いわゆる氷河期に学校を卒業したときに、なかなか就職できなかった、そういう方に対しても新規学卒の採用の枠の中で応募をしてもらうように、取り組みの拡大をしてもらいたい。それから、中途採用についても前向きにやってもらわにゃ困る。 特に、フリーターなんかについては、履歴書だけでレッテルを張るのは困るということを強力に申し入れました。また、もし最悪の場合には正規社員でなくてもいいから、トライアル雇用でも何でもいいからぜひやってもらいたいということを申し上げまして、これは大臣の強い希望でもあるし、また、あなたを初めとした若者の希望でもあるということを申し上げてまいりました。 日本経団連も日本商工会議所も、同じ認識を持っているという言葉でございまして、その後直ちに、日本経団連におきましては、会長に報告の上、機関紙等を通じて傘下の企業への働きかけがございましたし、日本商工会議所も、やはり機関紙とかホームページにも出しましたし、また、各地の会頭が中心でございますから、その会頭にもお話をしております。また、これからも、例えば経団連においては、雇用委員会等で各企業に対してそれを働きかけたいと言っておるわけでございます。 ですから、今、氷河期の時代なんという言葉がやっと一般的になってきまして、そこに大変な問題があると。これは、やはり委員が今まで若者の声を代弁したということが大きな意味があると私は考えております。ですから、これからも引き続き、頑張っておりますけれども、どうか委員におかれましても、若者の代表として、この厳しい現状、また、事実、御自分の御経験も通したいろんなことも大いに訴えていただき、国政の中で我々にも御指導賜り、反映していただきまするようお願いを申し上げまして、私のお答えといたします。
○杉村委員 そこまでおっしゃっていただけると、僕も頑張らなければならないなと思うんですが。 この新卒採用から通年採用へ企業が考え方を変えていただければ、大臣、フリーターだけじゃないんですよ、子育てを終えたお母さんにだって非常に希望が見えてくるんですよ。そういう意味では、この新卒採用から通年採用、中途採用への拡大、厚生労働省、中野副大臣を初め、ぜひとも企業に訴えていただきたいなと思います。 きょう僕が申し上げたかったことは、この新卒採用撤廃、通年採用への切りかえ、このことだけでございます。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○岸田委員長 次に、高木美智代君。
○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。 貴重な十分間の質問時間をいただきましたので、簡潔に質問をさせていただきたいと思います。 本法案にありますフリーターまたニートの課題につきましては、我が党の青年局も長い間取り組んでまいりました。ジョブカフェ、またジョブパスポート、若者自立塾、また若者のトライアル雇用等々、多くの提案をさせていただきながら推進をさせていただいております。本改正にございますとおり、日本版デュアルシステムをさらに強化し、フリーター化、ニート化を防いでいくというこの提案は、大変貴重なものと評価をさせていただきたいと思います。 現在、雇用をめぐります状況につきましては、バブル崩壊後の団塊ジュニア以降の世代は、正社員としての雇用機会の制約から、非正規労働者が三割にも達し、失業率も他の世代に比較して高い水準にとどまり続けており、失われた世代とも言われております。十五歳から二十四歳層に限りますと、非正規雇用者の割合は、この十年間で二〇%から四〇%台へと急上昇をしているという状況があります。 この正規、非正規雇用の格差の問題は、少子化の要因の一つでもあり、我が党の、先般出させていただきました少子社会トータルプランでも指摘をさせていただいておりますが、今後の社会保障制度を初め、我が国を支える上で大きな課題でもございます。 二〇〇三年の統計によりますと、千五百万人が、派遣社員、フリーター、パートタイマーなどの非正規社員であり、正社員としての仕事につけない若年層においては、結婚に踏み切れず未婚化が進んでおり、二十歳代後半の場合、男性の有配偶率五〇%を超えるのは年収が五百万円以上の層とも言われております。一方、企業では、二〇〇七年問題、団塊の世代の退職に伴います技能継承等の問題も抱えており、若い世代の確保、育成の重要性が増してきているところでございます。 こうした課題に対しまして、均等処遇に向けての大臣の御見解をまずお伺いいたします。
○川崎国務大臣 今、雇用の問題として、有効求人倍率、また失業率等、数字が改善の方向に向かっていることは事実でございます。特に高齢者の雇用については、ある程度安定した数字になってきた、このように理解もいたしております。 一方で、委員が御指摘いただきましたように、一つは、正規雇用が弱く、非正規雇用の供給が多い。それからもう一つは、若者の失業率が残念ながらまだ八・七%、大変高いところにある。この問題をやはり解決していかなきゃならないというのが雇用政策の中の大きな課題だと思っております。 まず、フリーターと言われる若い人たちでございますけれども、何とか正規雇用へ方向づけをしていきたい。今までハローワークで約二十万という目標でやってまいりましたけれども、どうやら達成できそうでございますので、来年の目標は二十五万人正規雇用化ということで進めていきたいと思っております。 一方で、もう一つの課題は、もちろん、いろいろな形態の仕事、これは企業側も働く側もあるわけでありますから、そういった意味では、パート労働者の均衡処遇に取り組む事業主への働きかけ、すなわち支援強化をしなければならないだろうと思っております。もう一つは、公正な処遇が確保される短時間正社員制度の普及、こうした問題に取り組みたい。 若者をなるべく正規雇用に進めますと同時に、いろいろな形態の働き方がありますので、その働き方の中において、正規、非正規雇用、同じ仕事をしていながら大きく賃金に格差があるということは是正を求めていかなければならないだろう、このように思っております。これは経営者側と、私ども、粘り強く議論を進めていきたいと思っておりますし、また、来年に向けてパート労働の問題について検討をさせていただいているところでございます。
○高木(美)委員 ありがとうございます。 続きまして、我が国産業の基盤を支える製造業におきましても、企業内における正社員と非正社員の教育訓練の実施状況に大きな格差がございます。例えば、単純な繰り返し作業であると認識する請負労働者、また派遣労働者は八割に達しております。また、OJT、オフJTの実施率におきましても、それぞれ、正社員約六〇%に対して行われているのに対しまして、パート、アルバイトにつきましては二〇%強というデータでございます。 当然、均衡処遇をめぐる議論は多くございますが、やはり人材を基盤とする我が国におきまして、こうした能力開発の機会を今後どのように与えていくか。教育訓練のあり方につきましても、それぞれのパート、契約、派遣、請負といったような働き方ごとの現状を把握した上で政策対応を考えるべきと思います。 教育訓練、能力開発の実態に関する調査への取り組み、また、調査を踏まえての研究、検討の場を今後どのようにお考えになるのか、質問をさせていただきます。
○上村政府参考人 パート、アルバイト、派遣労働者、それから請負労働者といったいわゆる非正規労働者につきましては、委員からただいま御発言がございましたように、職業能力開発の機会についてはかなり少ないというような状況にございまして、キャリア形成が十分なされないのではないかという懸念がございます。 こういった非正規の労働者につきましては、その就労実態、それから、本人や企業のニーズも多様でございますので、その詳細を把握する必要があるのではないかというふうに考えておりまして、毎年度、能力開発基本調査というのを実施しておりますが、今年度、この能力開発基本調査におきましては、非正規労働者の能力開発等の状況について、より詳細に調査したいというふうに考えております。 そして、この調査結果を踏まえまして、研究会等を立ち上げることによりまして、さらに今後の政策対応等について検討していきたいというふうに考えております。
○高木(美)委員 ぜひ迅速な対応をお願いいたします。 最後の質問になりますが、若者にとりましては、ものづくりの職場を魅力あるものとするためには、労働時間、賃金、そしてやりがいといった点への企業努力も大事であると思います。これまでも、事業協同組合等の取り組みによりまして、雇用管理の改善、また労働時間の短縮、休暇のことにつきましても、さまざま実効を上げている例も伺っております。 特に、やりがいにつきましては、ものづくり分野における熟練労働者が持つ高度な技術、技能、ノウハウを評価して、その評価を処遇の向上にもつなげていくという取り組みが大事ではないかと思います。職業能力評価制度の普及促進に向けまして、どのような取り組みが今後行われるのか、お伺いをいたします。
○上村政府参考人 御指摘いただきましたように、ものづくりの職場を魅力あるものとするためには、いろいろな観点からの取り組みが必要だというふうに思っております。中でも、委員御指摘のございましたように、ものづくり分野における熟練労働者が持つ高度な技術、技能を適正に評価し、それが処遇に反映するようにしていくことが重要であるというふうに思います。 こうした観点から、これは、労働者が持つ技能の程度を公証する制度でございますが、技能検定制度というものがございますが、そういった制度を初めとする職業能力評価制度の整備充実に努めているところでございますけれども、この技能検定制度に合格した方々の積極的な活用について、関係省庁や業界団体への働きかけを行っているところでございます。 それから、こうしたすぐれた技能者に対する社会的な評価を高めていくために、高度熟練技能者の認定、それから活用、また、卓越した技能者の表彰、これは毎年行っております。それから、十七年度から経済産業省等と共同で、ものづくり日本大賞、総理大臣賞でございますが、こういった賞を創設するなどの取り組みを行ってきておりますけれども、今後とも、すぐれた技能を有する労働者の社会的評価の向上、処遇の改善等が進むように努めていきたいというふうに思います。
○高木(美)委員 最後に、これはお願いでございますが、先ほどもニートのお話がありました。チャレンジする意欲のある非正社員の方には、均等処遇への試みが大事であると思います。一方、ニート、引きこもりに対しましては、対人関係がうまく結べない発達障害との関連も指摘されており、いわば心のミスマッチというこの課題に対しまして、今後、ぜひ国としても多くの取り組みをしていただきますことをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○岸田委員長 次に、柚木道義君。
○柚木委員 民主党の柚木道義でございます。 本日は、職業能力開発促進法及び中小企業の人材確保についての法案、この審議をさせていただきたいのですが、その前に、ねんきん事業機構法案に引き続いてこの能開法の審議の前提までも、またしても覆されかねない大変遺憾な事件が、昨日夕方のニュース「スーパーJチャンネル」、またけさのニュース「やじうまプラス」でも報道されておりました。報道には、大阪で年金不正、本人に無断で署名した証拠、実物を入手とございます。 具体的に後ほど幾つか質問をさせていただきますが、大臣、そもそも、本日審議する能開法改正によって能力開発をより積極的に推進することで、若年失業率の低下あるいはキャリアアップ、また若年層のフリーター、ニート化の低減にもつながるはずなのですが、彼らにとってみれば、今回、不正免除手続で問題になっているこの国民年金、もちろん厚生、共済の場合もあるでしょうが、そういった年金をきちんと定職についた上で納められる環境を、みずからの能力を向上させながら頑張っていくことで、将来の安心を確保したいというのが実情なのです。 にもかかわらず、そうした若年層の将来の最低限の保障であるこの国民年金を勝手に免除し、きちんと納める意思のある者の将来の保障までも勝手に奪い取ることになる今回の不正免除行為を行っていたことが、まさに今回の報道によれば、その実物と、そして被害を受けられた御本人、テレビには御家族も出ていらっしゃいましたが、明確になってきたということは、この法案、今回の能開法にあるような、能力開発を自己努力で行おうとする若者たちの意欲そのものを根底から裏切る行為ではないでしょうか。 さて、昨日夕方のニュースでの報道ですが、皆さん、これはごらんになったことがあるでしょうか。これは年金の免除申請用紙でございます。ここに実際に、大阪の天王寺社会保険事務所で、本人に無断で署名をした免除申請書の実物がニュースにされ、この部分に署名が勝手に入って、本人の筆跡と並べて報道もされていました。先ほど申しましたように、番組に本人及びその両親も出演し、偽造された本人は刑事告訴を検討しているとの報道です。 そこで、まず大臣にお伺いいたしますが、今回、報道には実名が出ていましたけれども、Iさんと言いましょう。そのIさんですが、この方の名前を職員が本人に無断で勝手に署名したことは、明らかに刑法百五十九条、私文書偽造であり、これははっきりと刑事罰に当たると思いますが、いかがでしょうか。明確にお答えください。
○川崎国務大臣 これは、この委員会の中でも、仙谷委員と法務省も含めていろいろな議論があったと思っております。私から断定的に申し上げることはできませんけれども、そうしたものも含めて十分検討しなければならないだろうと思っております。
○柚木委員 先日、我が党の内山委員の質問の中でも法務省刑事局長が御答弁されておったと思いますが、こういった行為は、これは一般的には私文書偽造であり、また、国に対して損害を与えるという意味では背任罪になるというふうな御答弁もあったかと思います。これは、今後、十六日の集中審議もございますから、しっかりとそのあたりを明確にしていく必要があるものと存じます。 ところで、きょう、資料を今お配りさせていただいたと思いますが、今回の大阪天王寺の例にさらに加えて、兵庫県で、本人に無断、かつ購入した印鑑を勝手に押印して書類を作成したと。六月七日付で、これはアサヒ・コムの記事をきょうは配付をさせていただいておりますが、こういうケースも起こっております。 ところで、先月の全国社会保険事務局長会議の後、今全国調査をされていらっしゃいますよね。この調査項目には、当然、今回のように本人に無断で、この部分です、職員が勝手に免除申請書を書いたケース、これが入っているかどうかというのがまず一点、大臣。 それから、もう一点は、今申し上げました兵庫県の須磨の事例で、署名に加えて、ここに一番右側に印鑑を押すところがございます、この印鑑を押すところまでも勝手に捺印をしてしまった、そういうことが、これは当然調査項目に入っていると思われますが、これについてお答えいただけますでしょうか。
○川崎国務大臣 先日、各県の事務局長を集めて、内部調査の第一段階、自主申告をさせました。局長も、全所長を集めて各県で会議を終えた後、調べた結果を持ち寄った。その結果については公表をさせていただいたところでございます。 しかし、一方で、私が再三申し上げておりますし、また委員の皆さん方からも、判こというものがあったかどうか、だれが名前を書いたかどうか、どういう形で断りを入れたかどうか、一つ一つの案件について調べろというお話もいただきましたし、また私もそのように思いますので、きのうまでが自主申告の最終申告とさせていただいて、きょうから各事務所へ入りまして、社会保険庁が二百七十四万の書類一件一件の確認作業に入ったところでございます。国会でもいろいろ御質疑をいただいた件を特に銘記しながら調査を進めているところでございますので、今お話しいただいたことは、そのとおりの作業手順に入ってまいります。 一方で、大阪のことを申し上げますと、このことについては第一次調査の段階で御報告させていただいた案件でございます。そして、その後の措置といたしまして、まず、本人に謝りの手紙を出すこと、そして訪問をして謝ること、そこまでの段階は終えた事案でございます。そういった意味では、本人にも、こうした事案を起こした社会保険庁の不祥事についておわびを申し上げたわけでありますけれども、おわびではだめだという形でこのような事案になったと思っております。 いずれにせよ、勝手に社会保険庁がやったことでありますので、その一人一人の皆さん方におわびを申し上げると同時に、免除手続等をしていただけるならお願い申し上げたいという行為を、六月、続けてまいりたいと思っております。
○柚木委員 今大臣、本人に直接おわび、謝るとおっしゃられたんですが、もうそんなレベルの問題じゃないですよね。私文書偽造というのは、御承知のとおり刑事罰に当たるわけですから、更迭とかそういう次元の話ではないというふうに思います。 念のために、先ほど調査のスケジュール、流れを説明していただいたわけですが、これは十六日の集中審議の前までに、きょうからまた一つ一つの調査に入ったというふうにおっしゃられましたが、その結果を集中審議の前日までにお出しいただくことが、当然これは集中審議の大前提だと思いますが、これをきっちりと出していただけるかどうか、確認の意味も込めて御答弁をお願いいたします。
○川崎国務大臣 長官がどういう御答弁をしたかわかりませんけれども、きょうから二百七十四万の署名を全部チェックするわけですから、そのすべての結果が十五日までに出るということは物理的に難しいと私は思っております。途中経過なら出ようと思います。
○柚木委員 こんなので集中審議になるんでしょうか。十六日に集中審議をやり、それまでに調査結果を出すというふうな御答弁を長官もしておられました。しかも、これはひょっとしたら、大阪の場合は四万とか五万とか、あの全国会議では幾つか不正を類型化されていましたけれども、今回のような報道が出てくるということは、もっともっとこんな私文書偽造が出てくる可能性があるわけですよね。仮にそうなったら大変な話ですよね、大臣。 こんな悪質な事例が出てきている状況の中で、その結果が集中審議の前日までにどの程度出てくるかどうかわからない。もちろん途中までのものは出すと言われますが、そんなことで本当にその審議が実効性のあるものになるのかどうなのか、私は大変疑わしいと思いますが、この点、大臣、いかがですか。
○川崎国務大臣 いや、私どもは実態をしっかりつかまなければならない、こう再三申し上げております。 第一段階は自主申告で出してもらう。しかしながら、それは私ははっきり申し上げて信用できないから、二百七十四万について全部見させていただく。一方で、委員会でも出ましたように、社会保険庁の内部捜査で全部上がってくるんですかという御質問もいただきました。私もそのように思いますので、民間の皆さん方も入れた第三者の検査もさせる、それは社会保険庁の組織も含めてさせていただくということで、手順を追ってやりたいと申し上げておりますので、それを十五日までにお出しするといったことは、私、答弁をいたしたことはございません。
○柚木委員 では、大臣、仮に、十六日の集中審議までにはもちろん全部が間に合わないということだとした場合に、二百七十四万件一つ一つをチェックして、点検をして、それを、では、一体いつまでに結果を出していただけるのか。そして、その項目についても、今申し上げましたような代筆あるいは無断での印鑑、こういった項目をきっちりと含んだ形でいつまでに出していただけるのかを明確に御答弁いただけますか。
○川崎国務大臣 これはまさに今作業に入ったところですし、今の手順からいえば、おわかりのとおり、判こが押してあっても、これが本人のものか、まさにどっかで買ってきてやったか、一つ一つを調べなければならない。しっかり調べなさいと言って、一方で、しりを切るから出せと言われても、なかなか私も御答弁しにくうございます。正直言って、きょうから入っておりますので、状況を見ながら理事会に適宜御報告させていただきます。(発言する者あり)
○柚木委員 今後、いつ出るかというのをきっちり、今、閉会中審査という声も出ましたけれども、やはりこれはその前提がないと、調査をすると言ったがいつまでたっても出てこないというような、ある意味、これまでも委員会にとって必要なデータがなかなか出てこないという前例が多々あるわけですから、これはある程度の見通しですよね、大臣。例えば秋の臨時国会までにはとか、何らかの見通しを述べていただくことぐらいはできるんじゃないですか。いかがですか。
○川崎国務大臣 少なくとも私がやっている間に出します。秋の臨時国会ということはありませんし、できるだけ早くやりたいと思っているのは同じ気持ちでございます。 国民の皆さん方におわびを申し上げなければならない話でありますから、できるだけ早く出したい、その誠意だけは御理解賜りたいと思います。
○柚木委員 今の御答弁、私も深く心に刻み込みましたので、ぜひよろしくお願いします。 今回こういった事例が出てきて、本当に、これまでは、不適切だが違法ではないとかいったような次元の答弁もあったりしたわけですが、もはやこういった生ぬるい状況ではなくなってきていることを私は大変残念に思いますし、捜査機関が捜査をされるのかどうなのかというところまでは、私ははっきり言って、この場で申し上げたくはないんです。やはり、大臣を中心として、しっかりとその責任の所在の明確化、再発防止のための取り組みをきっちりと示していただくことが、私は何よりもまず、第一義的なものだと思っておりますので、それをかたくお願いさせていただきたいと思います。 私、本来、能開法の審議をしっかりとさせていただきたいので、今回の問題は、十六日の集中審議にまたしっかりと改めて行わせていただくことにして、能開法の方に移らせていただきたいと思います。 まず最初に、実習併用職業訓練制度についてお伺いをさせていただきたいと思います。 これまで文部科学省や厚労省などが進めてきた日本版デュアルシステムというものがございますが、これと比較して、今回のこの実習併用職業訓練制度、これがどの程度、従来のシステム以上に効果が上がると考えていらっしゃるのか。 ちょっと今時間が押してきていますので、もう一点、あわせて実習訓練制度について伺いますが、これはニート対策でもフリーター対策でもそうなんですが、まず、どこにニートの若者がいるのか、フリーターの方々がいるのかを捜し出すことが大変必要になってまいります。 今回、この職能開発法で新たに実習併用職業訓練制度が制度化されますが、この取りまとめ先がハローワークや職能開発校、職業能力を行う各種専門学校等となっております。 しかし、この制度を実際知らなくて、また、ハローワークや職能開発校などにアクセスしようとしない、そういう若者たちにとってみれば、この制度が実際あっても無意味だと言わざるを得ない面があります。この実習併用職業訓練制度が、本当にそれを必要としている人たちをリクルートしていくことがどのようにして可能となるのかどうか、一問目のデュアルシステムの違いとを含めてお答えをいただけますでしょうか。
○中野副大臣 まず、実習併用訓練制度につきましては、御承知のように、事前に面接を申し込んだ上で、訓練希望者が企業実習を組み込んだ訓練に入るという点で、これは正規採用についても非常に効果があると考えております。 また、現場におきましても、実技を通じまして仕事への興味や問題意識を喚起することで、理論面での学習にも取り組ませるということでございます。この実習併用訓練制度というものによりまして、企業におきましては、いわゆる実践的な資質を持った若者が中核的な正社員として、しかも、いわゆるミスマッチというものがなくなってくるだろう、これは今までのいわゆる日本版デュアルシステムとは目的とか対象が違っておりますので、新卒だということですね、その点があって、ミスマッチがなくなるだろうということで効果があると思っております。 それで、今委員が、この制度を知らない若者にどのようにこれを勧誘するかという話でございますけれども、これは今、御承知のように、今までの日本版デュアルシステムというのは、これは対象が、例えばフリーターとかそれからまたいわゆる若年失業者、そういうことだったんですけれども、いわゆる新卒の学生でございますから、高校生の進路として、今までは就職と進学と二つの道があったわけでございますけれども、それが第三の道がここにあるんじゃないかということを十分わかっていただいて、その点については、就職担当の先生とか、また就職を希望したりする学生に対しても十分理解させるということが今大事だと思っております。
○柚木委員 今、副大臣の御答弁だと、デュアルシステムの方がある程度ニート、フリーター向け、そして、今回の実習併用の方が新卒対象というふうなことなんだと思いますが、いずれにいたしましても、その制度の周知というのが大変重要になってまいります。 先ほど高木委員もおっしゃられたと思います。そういう横の連携、ネットワークというのも、情報網というのも、しっかりと構築をしていただくこともあわせてお願いをしたいと思います。 それでは、この実習併用職業訓練制度、企業側にしっかりとマッチングのための周知というか徹底が必要だということは、これは参議院の方でも附帯事項にも書いておったと思います。これは、実際に十月施行になる場合に、企業とのマッチング、企業だけでなくていろいろな団体、組合、どこまでそういうマッチングが進んでいるのかというのがもう現段階である程度わかっていないと、これは施行したってどこまで実効性が上がるかどうか大変疑問に思われるんですが、どの程度その見通しが立っているのかお答えいただけますでしょうか。
○中野副大臣 今の委員の御指摘は本当にもっともだと思うんです。ただ、問題は、今この国会で御審議いただいておるものでございますから、国会の御意思がない以上はなかなか言いづらいというのはございますけれども、御決定いただければなるべく速やかにやらせていただく。 おっしゃるとおり、この問題については、ただ単に学校のいわゆる就職担当だけじゃなしに、先ほど杉村委員もおっしゃいましたけれども、いわゆる若者の中でこういう第三の道が開けてくるということについては、できる限りそういう意味も含めまして努力させていただきますことと、それから、おっしゃるとおり、これが就職が決まってからという話じゃ意味がないわけでございますから、できるだけ早くやらせる、そういうこともお誓いをしたいと思います。
○柚木委員 ぜひよろしくお願いいたします。 この施策なんですが、実際、これはちょっと考えていただければおわかりになると思うんですが、東京とか大都市であれば、さまざまな専門学校があり、さまざまな学校と連携をしてということも含めて、実習併用職業訓練制度を実施するのに問題ないと思います。しかし、地方都市にはそういった能力開発を行う場が公共の職業訓練校以外になかなかないという現状もございますよね。 若年層が能力開発を行うにも、ここには地域間格差というものが生まれてくるのではないか。大都市に住む若者とそうでない若者との間に、これはある意味では能力の差、開発能力の差が助長されるおそれがあると思うんですが、その格差、まさに拡大ですよね、こういうことが実際に起こってきた場合に、政府はどう対処されるでしょうか。
○川崎国務大臣 問題意識もよくわかりますし、大きな課題であることは事実だろうと思います。 例えば私が三重県に住まいをいたしているところの現状からいえば、高校を卒業した子で、大学へ行く子、それから専門学校へ行く子、みんな名古屋、大阪、東京の専門学校、大学を目指していることは事実です。現実に、そういうところを目指した子供たちが名古屋の専門学校へ行きながら企業で仕事をしていく、そういう形態はかなりの数になるだろう。柚木議員のところですと、大阪へ来てしまうという人もいるだろう。これは、当然世の中全体の流れとして、それをすべてとめる、全部自分の地域でやり遂げるというのは無理だろうと思っております。 一方で、そうした専門学校がない地域におきましても、全国各地で実施されております認定職業訓練や公共職業訓練もその研修として明記いたしておりますので、その組み合わせをしながらやっていく。したがって、必ずしも専門学校だけではないという位置づけの中でやらせていただきますので、その中で地域における体制も充実していくように努力をしてまいりたいと思います。
○柚木委員 ぜひよろしくお願いをいたします。 この格差の問題、実は、御承知のとおり、今回内閣府がまとめられた再チャレンジ推進会議の中間報告にもさまざまな取り組みがパッケージとしてまとめられているわけでございます。しかし、この再チャレンジ推進会議の中間報告を私も全部丁寧に、ある程度見させていただきましたが、具体的な数値目標、年次目標、そういったものがまだ全く盛り込まれていなくて、これで本当に、例えば格差問題の、ある意味で核心的な部分、フリーター、ニート対策、非正規労働者の存在、こういったものの解消につながるのかどうか、私は大変怪しいものがあると思います。 時間がもうございませんから、これはぜひそういったものを盛り込んでいただくことをお願いして、最後の質問に移らせていただきたいと思います。 今回の職能開発促進法、これは、個人の自発的な能力開発といえば、実は、これまでの経緯からすると、アウトプレースメント、リストラのある意味前段階というような言われ方もされていますが、つまり人員整理の対象となった社員に転職を支援することにつながるケースが多々あった、そういう実情を聞いております。 今回のこの開発促進法が間違っても個人のアウトプレースメントにつながらないように、これはきっちりとした配慮が必要だと思われますが、この点について明確な御答弁をお願いできますでしょうか。
○川崎国務大臣 確かに、先ほどから議論いたしておりますとおり、企業が、大きなリストラをしていた時代に耐え、変わってもらいたいという思いの中でやられた時代があっただろうと思っております。ただ、今日を見ますと、逆に企業だけでは社内で教育をやる余裕がなくなってきた、したがって、他のシステムと組み合わせながらやっていこうというニーズは逆に強くなってきているんだろうと私どもは思っております。 それは、経営自体が良化してきて、少しずつ若者の雇用を進めていこう、正規雇用を進めていこうという意識と、しかし一方で、社内においてしっかりとした研修制度をつくるということについてはまだちゅうちょされておる部分があるんだろう。現実に減っていますね、会社の中において。したがって、そこをうまく組み合わせたいという企業の意識、特に中小企業にとりましてはそうした思いが強いと思いますので、そういった意味では、今のニーズとしては御懸念みたいな形にはならないんだろうなと思っております。 しかしながら、そういうことにならないように、我々もしっかり、委員の御提案のとおり制度自体を積み上げてまいりたい、このように思っております。
○柚木委員 今、最後に大臣にお答えいただきましたように、いろいろなシステムとの組み合わせ、これは中小企業労働力確保法、今回ちょっとお尋ねできませんでしたが、そういったものを含めて、技能五輪の問題やあるいはマイスター制度、いろいろな施策を通じて、頑張った者が報われる、あるいは、製造業への就職が減っていると聞いていますが、ものづくり立国日本、そういったものをきっちりとこれからも大事にしていく、そういう取り組みが今回の法案改正によって実現することをここで確認させていただいて、私からの質疑を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○岸田委員長 次に、菊田真紀子君。
○菊田委員 民主党の菊田真紀子でございます。 きょうは限られた時間の中ですので、幾つかポイントを絞って御質問をさせていただきたいと思っております。 まず最初に、日本版デュアルシステムはどのような成果を上げたのか、お答えをいただきたいと思います。
○上村政府参考人 日本版デュアルシステムでございますが、企業実習と一体となった教育訓練を行うことによって、若年の失業者それからフリーターなどの早期再就職を支援するものとして、十六年度から実施しているものでございます。 その実績でございますが、公共職業訓練を活用したデュアルシステムの実績につきましては、まず、短期の標準五カ月間の訓練につきましては、十六年度は約二万三千人が受講しております。その就職率は六八・四%でございました。これは、座学のみによる若年者向けの委託訓練、これは十五年度が六割の就職率でございましたが、それと比べて高いものになっております。 また、一年から二年間の長期訓練、これにつきましては、十六年度は二十八都道府県で四十六コース、五百人強が受講されておりますけれども、その就職率は九三%ということでございました。 十六年度、短期訓練を修了し就職した方については約五割、長期訓練については約九割が正規雇用ということでございます。
○菊田委員 今ほどお話がございましたけれども、それでは、受講者、就職率、当初の目標設定と比べて、これはもうほぼそこに到達したというふうにお感じでしょうか。
○上村政府参考人 受講者数それから就職率等についてもかなり効果が上がっているものというふうに理解しております。
○菊田委員 この事業は私の地元の新潟でも進めているところでございますけれども、地元の方を調査いたしました。新潟版のデュアルシステムでは修了生の七割が就職をすることができました。主にNC加工の技術者を求めている地元の企業とうまくマッチングできたところは非常に成果が上がっているわけでございます。おおむね好調ということでございますけれども、しかし、その一方で、やはり若者や、それから受け入れ企業への周知が徹底されていない、ほとんどの人がよくわからないということでの募集の苦労もあるようでございますので、これは引き続きしっかりと成果を上げていくための努力をしていただきたいというふうに思っております。 それから、日本版デュアルシステムという大変すばらしい名前がついておりますが、この受講者数、私はまだまだ大変に少ないと思っております。今のニートの現状、あるいはまたフリーターの現状、その総数を考えたときに、ごくわずかな方々しかアクセスしていないという現状をもう少ししっかりと把握していただきたいと思いますし、また、文部科学省の取り組み、これを厚生労働省としてはどういうふうに把握されているのか。厚生労働省の成果については文部科学省はどういうふうに把握をされているのか。省庁が違うから、そのことについては文科省ですとか、そのことについては厚労省ですというようなことがないように、お互いに連携をしながら取り組んでいかないと、これは十分な成果が上がらないというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
○山中政府参考人 まず、文部科学省の方で実施しております、工業高校などの専門高校在学中の高校生に対しまして、学校で教育、それから企業での実習、これを組み合わせた形での、日本版デュアルシステムと私ども呼んでおりますけれども、専門高校の高校生の方のモデル事業について御説明させていただきたいと存じます。 今、モデル事業、これは二十地域二十五校でございます。研究指定校という形で、どういう形でそういう実務的な職業訓練ができるかということを研究しているところでございます。平成十七年度におきましては、二十五校で約九百人の生徒が企業実習をしながら学ぶという形をやっているところでございます。 現在、十六年から実施しているところでございまして、まだ三年目ということでございますので、大体、学校は一年、二年、三年とプログラムを組むということでございまして、一年次からこれを経験した生徒の卒業が来年の三月ということでございますので、まだ就職等の状況のデータはないところでございますけれども、例えば、本事業の指定校の一つでございます東京都にございます六郷工科高校、ここでの生徒の意識でございますと、このデュアルシステムを体験した生徒につきましては、ほかの生徒に比べますと、職業選択に対する非常に前向きな意欲が生まれた、あるいは、実践的な技能、技術が身についた、どういうところに就職したいかということについての具体的な目標が持てたといった形で、非常にいい成果が上がっているというところでございます。これが具体の就職といったものに結びつきますように、私どもとしても頑張ってまいりたいと思っております。 また、厚生労働省の方で実施しておりますデュアルシステム、これは専門学校の方で実施しているものもございますし、私ども、厚生労働省と、その情報につきましても、あるいは実施に当たりましても、連携しながら進めさせていただいているというところでございます。
○上村政府参考人 ただいま文部科学省からありましたように、文部科学省の方では専門高校等の学生を対象にしてやっておられる取り組みでございますが、私ども厚生労働省では、フリーターや若年失業者、そういった方々の就職支援策として実施しているということで、対象層の違いはございますが、いずれにいたしましても、連携を図りながら、効果的な、それこそ早く就職につながるようなことになるように取り組んでいきたいというふうに思います。
○菊田委員 ぜひしっかりやってください。頑張ってください。 続きまして、若者自立塾の成果についてお伺いしたいと思います。 平成十七年度に若者自立塾を創設しましたが、その成果についてどうだったか、お答えください。
○上村政府参考人 委員御指摘の若者自立塾につきましては、ニートの対策ということで、平成十七年度から、合宿形式による集団生活の中での労働体験、そういったものを通じて働くことへの自信等を持ってもらい、就労等へ導く事業として実施しているところでございます。 この実績でございますが、十八年三月三十一日現在の数字でございますけれども、卒塾者が三百十四名、この中には卒塾後間もない者が含まれておりますけれども、そのうちの就労者数は百五十名、就労率は四七・八%でございます。就労者数のうちの正社員は五十二名、アルバイト等が九十八名ということでございます。 この事業は、就労に困難を抱える若者、いわゆるニート状態にある若者の対策でございますが、その約五割が働く意欲を持ち、現実に就労につながったということでございますので、一定の成果を上げているものではないかというふうに考えているところでございます。
○菊田委員 委員の皆さんのお手元にも資料を配らせていただきましたので、ぜひごらんになっていただきたいと思いますけれども、この若者自立塾、平成十八年三月三十一日現在で、今ほど御答弁ありましたように、卒業者数が三百十四名、就労できた方は百五十名、五割弱の方が就労できたということで、一定の成果を上げたという御答弁でありましたけれども、当初はどのような目標を設定しておられましたか。入塾者数、卒塾者数、そしてまた就労率、どのくらいに設定をしておられたのか、目標をどの辺に定めておられたのか、お答えをいただきたいと思います。
○上村政府参考人 入塾者につきましては、予算では千二百名を想定してセットしたところでございますが、スタートがおくれた塾等がございまして、先ほど申し上げたような状況でございます。 それから、事業の目標、就労率についての目標については、卒塾後六カ月を経過した後の就労率、これを七割にすることを目標にやってきたものでございます。
○菊田委員 私は、こういう事業をやるときに、やったからいいというような考え方では、やはり政府の真剣な思い、あるいは本気さというものが伝わってこないと思うんです。目標を定めて、そして、もしその目標に到達しなかった場合は、それは一体何が足りなかったということを絶えず検証して反省をして、そしてその次の年の事業につなげていくということ、これはとても大事なことだと思います。 これは中身を見せていただきましたけれども、やはり実施された二十団体で思ったほどの入塾者が集まらなかったというようなこともあるかと思いますし、また、就労者数も、一人しか就職できなかったというところもあるようでございます。 この予算ですけれども、九億八千万投入されて行っているわけですが、これは決して少ないお金ではございません。それなりのお金をかけてやっているわけです。私は、これはたくさんの税金を使ってやっていて、これだけの効果しか上がっていないのはとんでもないとか、税金の無駄遣いだとか、そういうことを言うつもりはないんです。でも、これだけの予算をかけてやったんだから、先ほど申し上げたように、やはり目標を定めて、何が足りないかということを十分検証していかなければならない、こんなふうに思うわけですね。 九億八千万ですから、単純計算しただけでも参加者一人当たり約三百万円の投資をしているわけですし、一人一カ月約百万円です。そしてまた、これは三カ月の合宿をやるということでございますので、一日当たり約三万円以上の投資をかけてやっているわけでございますから、私は、このプログラムをやってどういう成果を上げたのか、そしてまた就労できなかった方々へどういうふうにこれからフォローしていくのかという、その姿勢が大変大切だというふうに思っております。 ぜひ、やったからいいとか、成果が上がらなくても仕方がないというようなことではなくて、もっと国としての真剣さ、本気さを示していただきたいと思いますけれども、この事業に対する、これを継続していくわけですね、平成十八年はさらに拡大をして二十五団体にするわけですし、予算も十一億円に拡大するわけですから、それなりの成果を上げていただきたいと思います、次の目標設定はいかがですか。
○上村政府参考人 施策をフォローアップしてより適正なものにするということは、全く委員のおっしゃるとおりでございますので、何がうまくいかなかったのか、どういうふうな場合がうまくいったのかとか、そういった点、十分フォローアップをして、若者の就労支援がはかどるように、進むようにしていきたいというふうに思っております。 それから、予算額は十億でございましたが、これは、実績に応じて精算することになっておりまして、十七年度について言えば、まだ締まっておりませんけれども、約二億六千万ぐらいの見込みでございます。それから、今年度につきましては、委員から御指摘がございましたように、塾を五つふやしてスタートをすることにしたところでございまして、同様に、就労率七割に向けて努力をしてもらうように、頑張っていきたいというふうに思います。
○菊田委員 私、この若者自立塾の皆さん方の取り組みをこれからもしっかりと見守っていきたいと思っておりますので、ぜひ頑張ってください。成果を上げていきましょう。 それでは、引き続きまして質問を続けていきたいと思います。もう先ほどからいろいろ言われておりますけれども、全国のニート、約六十四万人、フリーターは二百十三万人、失業者や派遣社員を加えれば、約四百万人の人々がさまよっているという状況です。政府はいろんな政策に取り組んでいますけれども、わずかな人たちしかアクセスできていません。やらないよりは、もちろんやった方がいいですけれども、しかし、こうした若年層の大量失業という流れを大きく改善させる決定打にはなっていないのではないか、そんな感じがしてなりません。 各国の例を見ますと、例えばイギリスの取り組み、ブレア政権の目玉政策として、若年層の失業問題に九〇年代から取り組んでいます。しかも、中高年層の雇用よりも優先して、若年層の失業問題に取り組まれました。 ニューディール政策、これは九七年度から続いたわけですけれども、二〇〇三年度までに、日本円で約二千九百六十億円、年平均四百二十三億円が投入されました。また、九八年から二〇〇五年五月までに、このニューディール政策に百三十六万人が参加をしました。そのうち百二十四万人がこのプログラムを終了して、五十二万人が就職したということです。 また、政府の趣旨に賛同して、訓練生として採用した雇用主は約八万人ということで、私は、まさに、日本と比べたときにこれだけの違いがある、予算も、手間も、また企業を含めて国民の皆さんの関心も違うということで、大変勉強になり、参考になりましたけれども、日本は、どうも、少ない予算でちまちまと、申しわけ程度に、まあ一応やっていますという政策ではないかなと率直に思います。 私は、ニートのために対策を行っていく、そのために税金を使っていくということは、無駄遣いだとかけしからぬだとか、そういうふうには思いません。でも、やる以上は、思い切ってやっていただきたいと思っていますし、先ほどから繰り返しになりますけれども、政府の真剣さを思い切って示していただきたい、こんなふうに思うわけです。 今のままの中途半端な取り組みでは、政府が掲げられたフリーター二十五万人常用化プランの実現はかなり難しいのではないか、こんなふうに思っております。もちろん、抜本的な対策は、やはり社会経済構造を大きく変えることです。年金や医療制度、あるいは雇用のあり方など、社会保障制度の改革を決して先送りしてはならないということ、このことも申し上げたいと思います。 それでは、先ほど杉村議員も質問されておりましたけれども、なぜ日本はこんなにもフリーターやニートがふえたと考えるか、なぜ彼らは社会とアクセスせずに引きこもってしまうのか、大臣、お考えをお聞かせください。 〔委員長退席、谷畑委員長代理着席〕
○川崎国務大臣 先ほど杉村委員の御質問にも答えましたけれども、私どもとしては、まず、フリーターとニート、一口で言いますけれども、分けてほしい。 ニートの方々、六十四万の中で半分ぐらいの方は就職はしたことがないと思います。今委員が使われた、引きこもりの状態が多い。そして、その問題が発生をいたしましたのは、中学、高校等の学校の現場で起きているケースが多い。したがって、先日も、大阪へ私と文科大臣が行きまして、ニート問題、タウンミーティングをいたしましたけれども、起きた理由としては、学校現場の問題が一つの問題としてありますね、こういう認識は一致したところでございます。 しかし、そのニートに対してどう働きかけをしていくかということになりますと、私どもの責任が多いだろうという切り口をいたしております。原因については、やはり教育現場でもう少し取り組んでほしい。そして、私どもは、現実にあるニートの方々が社会参加をしていただくような働きかけをしていかなければならない。そして、実は、引きこもりですから、我々が話をしましょうと言ってもなかなか出てきていただけませんので、場合によってはお父さん、お母さんでもいいですから、専門家と議論をしながら、社会参加をしていただけるような雰囲気をつくっていかなきゃならないだろう、その上で、教育の現場で団体行動をしていただくとか、これが課題だろうと。 フリーターにつきましては、今、二十五万人は無理だろうとお話しいただきましたけれども、ことしの二十万人の目標、五月までの目標数値でございますけれども達成できると思っております。経済環境も変わってきておりますので、来年の二十五万人も、必ずやり遂げられるという形で目標を立てさせていただいたということでございますので、そこは御理解賜りたい。 フリーターの問題は、先ほど杉村委員ともお話ししましたように、この十年、我が国の経済が大変厳しいときに、就職の門戸が極めて狭かった、そのときに就職を失敗された方々の問題が第一番目としてある。これはやはり、再チャレンジができるような企業の対応をお願いしたいということが一つでございます。 もう一つは、高校を卒業して就職する人が二十万、専門学校等へ行かれる人たちが三十万を超えます、そして大学へ行かれる人が五十万、さあ、この大学に行かれた人たちが、卒業するときに、もしくは三年生ぐらいのときに、自分はどういう仕事をしたいという意欲をしっかり形づけられているかとなると、なかなか弱いものがありますね。そういう意味では、やはり大学教育の中において職業教育というものをどう考えていくかというのも大きな課題であろうと思います。 私、経済界の皆さん方ともお話ししているんですけれども、経済界はもっと、教育現場に対して、また我々に対して、大学教育を経てどういう人材が欲しいんだということを明確にメッセージを出してほしい。どうも、企業が求める人材と、我々が大学教育を通じて供給するものとはかなり差がある、はっきり言ってミスマッチがある、それがゆえに、どうも大学を卒業した後うまく自分の進路と合わないという中の問題が生じている。 したがって、そういう意味では、企業と教育現場という問題もありますので、私どもは、そこを橋渡しをしながらしっかりとした方向づけをしませんと、この六十四万おりますニート問題というのは解決できない、このように思っております。
○菊田委員 企業との橋渡しという話がありましたけれども、まさに、産業形態、企業の変化ということもその背景にあるわけでして、ものづくりの現場でも、専門知識を持った中核労働者と、そしてもう一つは、マニュアルどおりに働く単純労働者に二極化されてしまったという背景が一つにはあるわけでございます。そうした中で、一つの課題として、非正規労働者の全体の地位をどうやって引き上げていくか、どうやって底上げをしていくかということ、これはとても大事なことだというふうに思っております。 このことについてお伺いします。 非正規雇用の安定度を高める、収入格差を縮小するために、政府はどのように取り組んでいくのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○中野副大臣 今の菊田委員の問題意識にお答えしたいと思います。 御承知のように、今現在、有効求人倍率は一・〇四でございますけれども、特に正社員に対しては〇・五八倍だという厳しい現実がありまして、その中で、私ども厚生労働省といたしましては、ジョブカフェ等で働く意欲、自信の向上のための専門サービス窓口の設置ということ、それからトライアル雇用の推進を通じました実践的な能力開発の実施、また専門職員によりまして一人一人の相談、助言をして、そういうことをハローワークにおいてやりまして、フリーターの常用支援事業の実施というようなことで、今大臣もお答えいたしましたけれども、二十五万フリーターの常用化を推進するプラン、これがいわゆる非正規からの正規に対する取り組みだと思います。 また、ハローワークにおきましては、そのほかに、正社員といいましょうか、これに重点を置いた求人開拓とか、それから、募集をしてもなかなかできないのがいわゆる非正規の社員でございまして、だから、そういう募集の仕方については、むしろ正規の正社員の方に転換してもらいたい、そういう働きかけをしたり、それから今度は、求職をする方に対しましても、正規求人に対する積極的なマッチングといいますか、今委員もおっしゃいましたけれども、本当に企業が求めているものと、求職する人が求めているものは違うということがございますので、そういう点をきちっとやった上で、正社員としての就職の促進をしたいと考えているわけでございます。
○菊田委員 同じ部署で同じ労働をしているのに賃金格差がどんどん大きくなっている。職場における不平等が放置されたままでは、会社に貢献しようとか、自分を高めようというモチベーションは上がらない。私は、このことを放置しておくことは政府の怠慢だというふうに思うんです。ですから、民主党は、同一労働同一賃金を実現させるために、パート労働者の均等待遇推進法案を出させていただいたわけです。 やはり、法律の中できちんと明記をさせて、努力から義務へと転換させて、少しでも非正規労働者が安定をして、そしてモチベーションを持って働けるように、その環境づくりに、政府からより一層力を尽くしていただきたいと思っているところでございます。 時間が参りましたのでこれで質問をやめますけれども、いろんな取り組みをやられているわけですが、しかし、砂漠に水をまくかのような、本当に小さな小さな一歩しかありません。やはり私は、時代の流れの中で、もっと総合的にスピーディーに、各省庁挙げて、先ほどの繰り返しになりますけれども、検証、反省を繰り返しながら、そして目標数値を定めて取り組んでいきたいということをお願いしまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○谷畑委員長代理 次に、園田康博君。
○園田(康)委員 民主党の園田康博でございます。 本日は、この後本会議が控えておりますので、これから、いただきました時間でございますけれども、端的に私も質問をさせていただきたいというふうに思います。 職業能力開発の促進法の改正ということでございます。申しわけございません、先ほどからお話があった中で、ちょっとニート、フリーターのことについて一問だけ前段に、これは質問通告しておりませんので、事務方の方でお答えをいただける方がいらっしゃったら、どうかお答えをしていただきたいと思います。 ちょっと誤解があるかもしれないなということで私は心配をいたしました。つまり、先ほど杉村議員もこの場で質問に立たれたわけでございますけれども、どちらかというと、フリーターですとかニートといいますと若者をイメージしてしまうというところがございます。 財務省から報告書にも出てきたわけでありますけれども、いわゆる三十五歳以上のフリーター、ニートと言われる方々もかなり今ふえていると。つまり、どういうことかといいますと、二十代に、くしくも私もきょう三十九回目の誕生日を迎えましてですね……
○谷畑委員長代理 おめでとうございます。
○園田(康)委員 ありがとうございます。恐縮でございます。 三十九回目を迎えまして、あと一年で四十の大台に乗るわけでありますけれども、そういった面で、恐らく私の大学時代、二十前後のころに、同じくやはり就職に立てなかった人間がそのままずっと今日まで来てしまっている、高齢化しているという状況が散見されるのではないかという報告書を私も見させていただいたわけでありますけれども、それに対する、決して若者だけではない、そういう中年に達するフリーター、ニートに対する対策というものを何かお考えでしょうか。 ごめんなさい、まず最初に一言だけ、もしお答えできましたらお答えをしていただきたいと思います。 〔谷畑委員長代理退席、委員長着席〕
○鈴木政府参考人 フリーター、ニートの問題、今は若年層の問題でございますが、これまでも議論の中にございましたように、今フリーターと言っておりますものは、三十五歳未満までを対象にして対策を打っております。ただ、その中で、やはり年齢の高い層、その若い方の中でも年齢の高い層が課題になっている。それから、将来に向けてそういった人たちの対策がうまくいかないと、だんだんそういった層が中高年齢化していくということがございます。 そういったことも踏まえて、ハローワークの現場で、一人一人のいろいろな問題点、それを十分聞きながら対策を講じていきたい、中高年齢層も含めて必要な就職ができるようにしていきたいと考えております。
○園田(康)委員 ぜひお願いを申し上げたいと思います。やはり、この部分が少し抜けていると、ずっとこのまま職につくことなく過ごしてしまうという形になって、大臣、これでおわかりだと思いますけれども、恐らくこれは、年金であるとかそういった社会保障全体の問題にかかわってくる話になる。つまり、労働力としての人材確保が、資源的な人材確保もできなくなり、それによって、いわば保険の分野で立ち行かなくなる一つの要因にもなっていく、つながっていくものであるというふうに思いますので、ぜひこの点も御留意をしていただいてお取り組みをいただきたいと思うわけであります。 さて、私が通告をさせていただいている質問が何点かあるわけでございますが、先ほど来から多少重なっている部分もありますので、その点は少し省きつつ、そして、できましたら答弁もその部分に関しては省いていただいて、簡潔にお答えをいただきたいと思っております。 まず、現状の日本版のデュアルシステムの中で、評価については先ほど局長から御答弁をいただきました。その中で、いわば採用した場合の助成金制度というのがございました。いわゆるキャリア形成促進助成金制度でありますけれども、これについてはどのような現状があったでしょうか。お答えください。
○上村政府参考人 委員御指摘の助成制度でございますが、就職困難度の高い若年者を雇い入れ、デュアル訓練を実施した場合に、キャリア形成促進助成金による高率の助成を実施するという内容になっておりますけれども、雇い入れ対象者の要件の厳しさ等があってか、利用が限られたものとなっておりまして、訓練計画の申請件数が九件、訓練計画の認定件数が三件、それから支給の申請件数が三件、これが平成十六年十月から直近の、現在までの実績でございます。
○園田(康)委員 そうしますと、この助成金制度そのものが、制度が周知されていないというのも一方ではあるのかもしれませんけれども、しかしながら、いわば余り企業のニーズに合っていなかったという反省も、ある面あるのではないかという思いが私はいたしております。 そういった形であるならば、今回の改正法案の中においてこういった制度がどういう形で生かされていくのか、あるいは、ほかに新たな制度をこの中で構築していくのか、そのことについてはどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
○上村政府参考人 キャリア形成促進助成金、このデュアルシステムの関係では、オフJTの部分のみを助成の対象としていたので、そこの部分が不十分であったのではないかという御指摘も受けまして、この四月からデュアル訓練の場合のオフJTの部分についても助成の対象とするということで見直しをしたところでございます。
○園田(康)委員 どうせ制度をつくるわけですから、ぜひ使い勝手のいい形にしていただかなければならないのではないかというふうに思っております。 そこで、きょう、文科省さんにもおいでをいただいております。先ほど高校生に対する日本版デュアルシステムのいわば文科省版という形を御紹介いただいたわけでありますけれども、ここからちょっと、私は、いわゆるキャリア教育といいますか、本来我が国においてきちっとしたキャリア教育というものがなされてこなければならなかったのではないか。 それも、しっかりとした理念とそれから概念に基づいて、この教育とそしてそれに基づく能力開発というものが、いわば、失礼な言い方になるかもしれませんが、明確な方向づけがなされてこないままに、やれニートだの、やれフリーターだのという形のときに、それに振り回されてしまった。根本的な、筋の通った、子供のころからしっかりとキャリアの教育というものを行っておくことによっていわば就業意欲あるいは就業に対する考え方をしっかりと身につけることによって、そういうフリーターやニートを教育面のものから私は解決できたのではなかったのかなというふうに思うわけであります。 その点も踏まえて、文科省さんから、今の小中高一貫としてどのような取り組みをされているのか、簡潔にお答えをいただきたいと思います。
○山中政府参考人 先生御指摘のとおり、ニート、フリーター問題等、いろいろ家庭の問題とかございますけれども、やはり学校教育の中でしっかりと子供たちに職業観あるいは勤労観ということを身につけさせていく、それを一つの教育の目標にするということが非常に大事なものだと思っております。従来の学校教育においてそういうところが十分に行われていたかというところは、私ども反省するところがあると思っております。 例えば、現在、小中高におきまして、例えば小学校でも、今でも職場見学ということも行われております。あるいは中学校でございますと、キャリア・スタート・ウイークという形で、平成十七年度からでございますけれども、公立の中学校で一週間職場体験をする、あるいは職業体験をするという形でのモデル事業というものを全県で実施していただいているところでございます。あるいは高等学校の段階になりますと、インターンシップというものも多くの学校で行われております。大学におきましても、インターンシップを行う、あるいはそれぞれの大学での職業進路指導と申しますか、こういうところの充実、カウンセラー機能の充実といった点にも努めているところでございます。 若者が働くこと、生きること、そういうことについて真剣に考えるという時期、まさに幼、小、中、高、大学、こういうものを通じまして、しっかりとした勤労観、社会人としての意識というものが培われますよう、教育の充実というものを図ってまいりたいと考えております。
○園田(康)委員 私も実体験として地元で、これは議員に当選する前であったと思っておりますけれども、大学の教員という立場で、ある中学校に招かれて、子供たちに政治とは何かというものを伝え、そして私が携わっている部分において、子供たちにより実践的にこういうことを政治というものは行うんですよということを語った思い出があります。 そうしますと、子供たちが、今までテレビ等しか見たことない、あるいは、あのときは候補者でしたから、政治をこれから志す生の声を子供たちに実際に聞いてもらって、そしてそれで、いわばもっと政治に関心を持つようになった、毎日のようにテレビだけではなくて新聞を読むようになった、そういうようなすごくうれしい手紙を後でいただくような状況がございました。 ぜひ、これは政治だけではなくて、近所の例えばケーキ屋さんであるとか、あるいは消防士であるとか警察官であるとか、そういったものは幾らでも連携がとれて、さまざまな職種、職業に対してのより実践的な触れ合いを持つことによって、かなりの勤労観といいますか、そういう職業選択の知識、能力がだんだんこれによって広がっていくのではないかと私は思っております。 ぜひ、文科省さんにおかれましてもこれを進めていただきたいと思いますし、これを厚生労働省としてはしっかりと受けとめていただいて、そこから今度は新卒者、いわゆる今回の改正案に係る、新卒者を対象としたそういう日本版デュアルシステムといいますか、その能力開発というものに対して結びつけていくということを、連携を強めていただいて施策を講ずること、これが私は大切だということを指摘させていただきたいというふうに思います。 そして、今回の実習併用職業訓練制度の中におきまして、いわば私の法律の理解の仕方が誤っていたら後で御指摘をいただきたいと思うわけでありますが、訓練中であったとしても、これは労働法の適用という形になるんでしょうか。つまりこれは、私は、最初に雇用契約を企業と結んだ後にいわばこの訓練を行うと伺っておりますので、しからば、当然のごとく労働者として扱われるものでありますので、関係法令についてはすべて適用されるものではないかというふうに解釈をするわけですが、この点はいかがでしょうか。
○上村政府参考人 ただいま委員から御指摘がございましたように、この実習併用職業訓練につきましては、企業における実習は事業主と訓練生が労働契約を締結した上で実施するということにしておりまして、訓練生はそういう意味で労働者でございまして、労働基準法、最賃法あるいは労災保険法等の労働関係法令の適用を受けるということになります。 それから、恐縮でございますが、先ほど助成金の見直しの中で、OJT部分について追加という説明をしたつもりだったんですが、私はオフJTというふうに間違っていましたので、訂正させていただきます。
○園田(康)委員 そうですね。雇用契約を結ぶわけでありますので、当然のごとくこれは労働者であります。 ごめんなさい、しかしながら、ちょっとわからないことがございました。教育訓練機関における理論的な学習、いわゆる座学については、いただいた厚労省からの資料でいきますと、これは訓練生が費用を負担という形になっておりまして、そうしますと、この部分に関しては自己責任という位置づけになっているのかなというふうに見受けられるわけでありますが、いいですか、座学にこの労働者を派遣している最中に例えばけがをしたという場合においては、労災の認定の範疇に入るものでしょうか。その点はいかがでしょうか。
○上村政府参考人 座学の部分についての労災保険の適用の有無の話でございますが、個別の事例で判断される話だろうと思いまして、一義的な回答は困難だろうというふうに思っております。
○園田(康)委員 そうですね。恐らくこれは個別的にいろいろ検討しなければいけない部分であろうかと存じますけれども、多少これはグレーゾーンの部分がありまして、完全な適用ということも言い切れないし、かといって、完全な適用にはならないんだということも言い切れない部分があるというふうに私も伺いました。本来ならば、時間があればもうちょっとこの辺は法的に詰めたいなと思っていたわけでありますけれども、これは次回のときにとっておきたいと思います。 では、ちょっと大臣にお伺いをしたいと思います。 今回のこの法改正によりまして、いわゆる能力開発の今のこの現状を大臣は一体どのようにとらえていらっしゃるのかなと。資料の中に、いろいろ見ますと、いわば企業が主体となって行う能力開発においては、いわゆる選抜型と言われておりますけれども、より強い能力を磨いていくということもある面見受けられる、そういう傾向が見受けられるのではないのかなという思いも持っているわけでありますけれども、そういう指摘も含めて、大臣は今の我が国における現状において、能力開発についてどのように見ていらっしゃいますか。ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○川崎国務大臣 経済環境がかなり立ち直ってきたと思っておりますけれども、このことについては、実は下がってきているという意識をいたしております。 オフJTで、平成二年が企業調査で七〇%やっている、十五年は五八・三%ということで一一%ほどの低下になっているんですけれども、それではこれを、従業員の方々にやっていますかという問い合わせをしますと、平成二年が七五%で平成十五年は二九%、四六%落ちている。したがって、企業の中ではやっている、しかしながら、全員対象でないかもしれない。一方で、労働者に聞いてみると、やっていないという回答がうんとふえているということは、言われるとおり、どうも一部の人たちにやっているのかな。それからもう一つは、先ほどから議論が出ていますように、正規雇用ではなくて非正規雇用がふえてきているからこういう形になってきているのかもしれない。 これは私ども、問題意識として感じておりますので、今度経団連のトップに御手洗さんがなられましたけれども、しっかり話し合いを続けてまいりたい、このように思います。
○園田(康)委員 ありがとうございます。 いわば、非正規雇用の部分をしっかりと底上げをきちっと行っていくというのが日本全体の経済力を強めていく原動力になっていくのではないかなと私は思っておりますので、期待を込めてお願いをしておきたいというふうに思います。 それから、ちょっと時間がなくなってまいりましたので、予定をしていた質問を少し飛ばさせていただいて、今の大臣の御発言に絡めて、本日、どうやら能力開発の基本調査が厚労省から発表されるというふうに伺っておりますけれども、非正規労働者に対する能力開発の実態というものを今までどのように把握し、今後どのようにこれに対して対処をされていこうとお考えなのか、もし御回答いただければお答えをいただきたいと思います。
○上村政府参考人 先ほどの委員からの質問でも御説明させていただきましたが、能力開発の機会の状況について、今年度、能力開発基本調査というのを行って、その数字が先ほどの答弁の中でも説明、あるいは委員から発言があったかもしれませんが、オフJTについて言えば、正社員が六割、非正社員は一七・四。それから、計画的なOJTが、正社員四八・九、非正社員は一八・三というように、正社員と非正社員の間で能力開発の機会の差がかなり大きくなっている状況が見てとれます。 先ほどの答弁でも説明させていただきましたが、今年度、さらに詳細な調査を行いまして、実態の解明を進め、施策への反映等を考えていきたいというふうに思っております。
○園田(康)委員 もう一つさらに、済みません、局長、それに対する参議院の方での御答弁の中で、そういった非正規雇用に対する調査に関して具体的な研究会を今後立ち上げて行いたいというふうな御答弁もあったように聞いておりますが、その点はよろしいのでしょうか。
○上村政府参考人 委員からお話がございましたように、研究会を立ち上げて取り組んでいきたいというふうに存じます。
○園田(康)委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いを申し上げたいと存じます。 残りあとわずかになってまいりました。きょうは、本来ならば、担当副大臣であります中野副大臣に御質問をしなければならないのかもしれませんが、あえて私は赤松副大臣を御指名させていただいた次第でございます。 と申しますのは、このキャリア教育の中で、私は、実は今、この議論の中では出てきませんでしたけれども、キャリア権というものがある種出てきている議論の中に、学界の中でも取り組んでいらっしゃる、法政大学の大学院の教授の諏訪先生なんかも御主張しておられるわけでありますけれども、このキャリア権というものも私は大変これから大切な理念、理論になってくるのではないかというふうに思っております。 すなわち、いわゆる憲法学的な観点からこれをきちっととらえて、しかも、いわば労働基本権、二十七条及び十三条の幸福追求権あるいは二十二条の職業選択の自由等々がございますけれども、これを統括するような概念としてこのいわばキャリア権というものが今後確立されてくれば、あるいはそれをもっときちっと正確な理念としてとらえていくことができれば、今までの政府が行ってきたあるいは厚労省が行ってきたその施策に対して、根本的に大きく変えていく概念になっていくのではないかというふうに私は思うわけであります。 その点について、私がずっと、議員になる前からいろいろ憲法の御指導をいただいておりました赤松副大臣、そしてその前は憲法調査会の中でいろいろ議論をさせていただいた副大臣に、ぜひこの辺は、憲法学的な観点からキャリア権というものをどのようにとらえて、今後どのようにされていこうと思っておられるか、御答弁をいただきたいというふうに思います。
○赤松副大臣 日本の昨今の国会における憲法議論で非常に大事な五年間、大半御一緒させていただいた、そして憲法調査会で鋭い意見を毎回披瀝されていた園田さんからこういう御質問をいただいて、大変に感激をいたしておる次第でございます。私がここで申し上げるよりも、委員御自身がキャリア権については大変に造詣の深い方でいらっしゃいますけれども。 人が職業キャリアを準備して、そして開始し、展開し、終了する一連の流れを総体的に把握し、これら全体が円滑に進行するように基礎づける権利、そういった格好でさっき御指摘の法政大学の諏訪さん等を中心にしてキャリア権というものが今主張されている、こう理解しているところでございます。 ただ、現状では理念の域をまだ出ていないということがございまして、御指摘の憲法との関係を含め、キャリア形成を促進する政策を促進していく根拠づけといった点で、これから幅広い議論がなされていかなくちゃいけない。ですから、憲法の総合的な議論の中で、大きな目指すべき目標としてのキャリア権というものは、私はこれから大いに注目され、脚光を浴びていかなくちゃいけない、そういうことであろうと思います。 ただ、現実生活というものを考えたとき、身近な生活を考えたときに、そういったことよりも、むしろもう少し身近な問題で私たちが意識を変えていかなくちゃいけないことが多いなと思います。 そういった点で、つい最近、ある新聞の中で、女性の人事関連のコンサルタントをしておられる方が、育児休業という言葉遣いではなくて育児専業、育児は休業という言葉を使うと、要するに遊びながらというイメージが惹起してくると。そういう格好で、子供を育てるというのは仕事を休んでやるというんじゃなくて、子育てというのは非常に重要な人生のキャリアなんだということで、しっかりととらえていくためにも、むしろ言葉遣いとして育児休業ではなくて育児専業、育休じゃなくて育専、こういった意識変革が大事だ、こうおっしゃっておりましたので、憲法上の論議は非常に大事ではございますけれども、日常的な意識変革として私は非常に大事な提案だな、そんなふうに思ったような次第でございます。
○園田(康)委員 ありがとうございます。 ぜひ、今後、この概念を幅広く議論していきながら、さらに深めていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。 大臣に何問か用意させていただいておりましたけれども、ちょっと時間が来てしまいましたので、これで質問を終わらせていただきます。恐縮でございました。ありがとうございました。
○岸田委員長 この際、休憩いたします。 午後零時二十九分休憩 ――――◇――――― 午後一時十七分開議
○岸田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。高橋千鶴子君。
○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。 若年者の失業あるいはフリーターなどと呼ばれる不安定な雇用の状態、それが今委員会でも午前から話題にされてきておりますし、政府におかれても大変重要な課題となっていると思われます。 本法案に先駆けて、平成十六年度より導入された日本版デュアルシステムも、若年失業者やフリーター対策として、教育訓練機関を活用して常用雇用化を目指す取り組みの一つであろうと思っております。 私がきょうぜひお話をしたいのは、若い皆さんの置かれている今のような状態、四百万人とも言われる失業者、フリーターなどと言われる方たちが、やはり若い人だけの責任ではないということ、また、現場が実際には無法地帯であるということ、この認識をまずしっかり持つことが大事なのではないかと思っております。 私どものところには、若い皆さんからインターネットを通じてさまざまなメールをいただいております。それを見ておりますと、既に一度のチャンスを逃したためにずっとフリーターだと呼ばれる、あるいは、私はニートじゃないのにそう呼ばれる、そういう声が本当に切実に寄せられております。 例えば、ことしで二十八歳だという方。もう未経験では雇ってもらえるところはないとハローワークに言われ、まるで死の宣告を受け、現在、将来の不安で精神科に通院中です。結局は自業自得だが、大学在学中の就職活動から、就職することがスタート地点のはずなのに、今やゴール地点になってしまっている自分がいる。 もう一人の方は、二十二歳です。失敗した人はみんなフリーターやニートになる。一度失敗しただけでだめ人間と見下され、ずっと就職活動して落ち続けていると精神的にぼろぼろになるし、私は体調も崩した。そうしてニートになってしまった人もいると思う。求人については、経験者のみばかりで、未経験者にとってはいつ経験者になればいいのと思う。 こうした声がたくさん寄せられております。 私は、まず、そういう青年の置かれている実態をしっかり受けとめていただいて、若者の職業意識が問題である、そうしたことだけに矮小化してほしくない、このことをまずお話をしておきたいと思うんです。 同時に、今、大変な無法地帯である。法律がある、制度がある、しかし実際にはそうなっていない、こうしたことがたくさんございます。例えば、ある事務所に張り紙がありました。十五分の遅刻は罰金二千円、無断欠勤は罰金二万円。明らかに労働基準法違反だと思います。こうしたことがまかり通っているけれども、青年がきちんとした権利や労働法制を知らなければ、それをただすことなく、それにおびえるような状態が実際は起こっています。 一つ、まず具体的に伺いますが、三十七歳の男性です。以前働いていた会社が会社の倒産により、ハローワークの紹介で今の会社で働いていますが、試用期間三カ月、その試用期間中は社会保険、厚生年金、雇用保険の加入は認めませんとの項目があり、試用期間三カ月と言いながら実際は一カ月ごとの更新になっているということであります。一般論で結構ですので、こうした試用期間というものは、今、認めませんと言われているけれども、本来これらの制度はすべて条件を満たしていると思いますが、いかがでしょうか。
○鈴木政府参考人 今、試用期間についてのお尋ねでございますが、試用期間中であっても労働契約は結ばれているものでございます。 したがいまして、労働契約が結ばれている以上、労働保険、社会保険等については、それぞれの要件で被保険者になるかならないかというものが決まる、そういうような原則でございます。
○高橋委員 ですから、今の場合は本来の正規雇用でありますので、当然対象になるということでよろしいですよね。
○鈴木政府参考人 労働保険、社会保険、特に雇用保険とか社会保険の場合にはそれぞれの被保険者になるための要件がございます。それを満たしている限りそれぞれの保険の被保険者になる。これは、試用期間中か否かということとは直接関係はございません。
○高橋委員 ありがとうございます。 今、試用期間中かどうかは直接関係ないと言ってくださった。そのこと自体をやはり知らずにいて、自分は試用期間だからそうなのかなと思っている方がいらっしゃる。ここはぜひ徹底していただきたいなと思うんです。 それで、今回提案されている実習併用職業訓練制度は、教育訓練機関を使っての理論的な学習、いわゆる座学と、企業における有期雇用による実習、オン・ザ・ジョブ・トレーニングの組み合わせになるわけですが、これについては、先ほど園田委員の質問の中でも、労働法制の適用になるというふうなことがお話をされておりました。それでもちろん最賃などはクリアされるだろうと思うんですけれども、今のこととちょっと関連して考えてやったときに、組み合わせですので、その時間、一体週のうち何時間働いているかとか、要するに働く時間といわゆる訓練機関に行っている時間との関連ですね。今のようなことで雇用保険に入れないとか、社会保険の適用にならないとかいうことがあってはならないなと思うんですが、いかがでしょうか。
○上村政府参考人 実習併用職業訓練における労働保険あるいは社会保険制度の適用でございますが、OJTの期間中における労働時間等が各保険制度の適用要件に合致するか否かによってそれぞれ判断されることになるわけでございまして、当然、訓練生がその適用要件に合致すれば被保険者になるということでございます。 ただ、したがいまして、OJTの時間によっては被保険者にならない場合もあり得るということでございます。
○高橋委員 そうなんですよね、時間によっては、組み合わせ方によっては被保険者にならない場合があるということですよね。 雇用保険で言うと、短時間労働被保険者としての要件、一週間の所定労働時間が二十時間以上三十時間未満、一年以上引き続き雇用されることが見込まれることというのがあると思うんですけれども、例えば、週二日だけの勤務ですよとか、週五日だけれども三時間ずつですよとか、幾つかのぎりぎりのライン次第では対象にならないということがあり得るだろうと思うんですね、今の話を聞いていると。 本人がそれを望んだら別ですけれども、ただ、なるべくそれはするべきではない、そういう時間をうまくくぐり抜けて無保険者、無資格者というふうなことがないように本来はするべきであると私は思っております。 雇用保険の対象になるかならないかで、その後に職をかわったときのさまざまな制度、訓練制度なども含めて、受けられる受けられないという大きな違いがありますし、まして、社会保険などは言うまでもありません。そのようなことがないように企業に対しても指導していくべきだと思いますが、大臣の見解を伺います。
○川崎国務大臣 御本人の問題でございますけれども、高校の段階において労働関係の法律をしっかり勉強する機会、学校で、場合によってはハローワークの所員が出向きながら、また労働基準監督署から出向きながら、制度というものをしっかり理解した上で社会に出ていただくようなシステムをつくり上げなければならないということがまず第一にあるだろうと思います。これは、たしか参議院で小池委員から御質問をいただいたなと思っております。 一方で、今度は雇用者側でございますけれども、やはりしっかりしたルールを本人に説明していくということが必要であろう。特に、若い方々に対して、採用する側がやはり温かい目で雇用というものを考えてもらわなきゃならぬ、そういう社会をつくっていくように我々は努力をしていかなければならないだろう、こう思っております。 そういったものも含めて、法律的に違反をしておる企業に対してはやはり厳しく対応をしていかなければならないな、企業に要請をいたしますと同時に、ルールに照らしておかしなことがあれば、私どもの方から厳しく追及をしていかなきゃならない、こういった姿勢で臨んでまいりたいと思います。
○高橋委員 今お話ししてくださったように、厳しく対応してくださることをぜひ求めたいと思います。 そして、訓練の期間が終わった後に能力評価の実施というものがございます。本採用に向かうわけですが、それに当たっては、もちろん義務づけという形ではできないと思うんですが、基本的に雇用するという見通しがやはりあるべきではないかと思います。 先行して行われた日本版デュアルシステムでは、先ほど来の質疑の中で、七割、九割の就職率ということも紹介されておりました。しかし、実際には、委託訓練活用型で見ても、常用雇用に結びついたのは四九・五%にすぎません。派遣が一五・八%、パートやアルバイトが三四・七%。残念ながら、訓練をしても結局派遣やパートになってしまう。本来ならば、やはり常用雇用というところに結びつくのが望ましいと思うわけですね。ですから、なるべくそういう見通しを持てるようなシステムとするべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○川崎国務大臣 実習併用職業訓練は、青少年を対象として、その実践的な職業能力の開発及び向上を図り、修了後の安定した就業を目指す取り組みであって、こうした趣旨について事業主に周知徹底することがまず重要であると考えております。 同時に、今回の改正法案においては、実習併用職業訓練の実施計画について、厚生労働大臣の認定制度を取り入れており、こうした制度の運用を通じて、安定した就職につながる質の担保された訓練の普及、定着に努めてまいりたいと思います。 特に、訓練実施事業主に修了後の職業能力評価をしっかり行っていただき、訓練生が身につけた職業能力を証明することにより、いわゆる正社員への円滑な移行が図られるように努力してまいりたいと思います。
○高橋委員 やはり今回の制度が企業に都合のいい人手の確保策ではだめだという点で、今お話しされたように、円滑な雇用の道につながるような努力をしていただきたいと思います。これまでいろいろな制度がございましたが、例えばトライアル雇用制度、三カ月若年者を雇用した企業に対して五万円という、これはちょっとわずかな額だなと思いましたが、三カ月雇用してまたリストラをしていくというような実態も現実にございました。そうしたことがないようにお願いをしたいと思っております。 資料の一枚目をごらんいただきたいと思うんですけれども、内閣府の「青少年の就労に関する研究調査」、平成十七年の七月を見ますと、就職していない方たちのいろいろな事情をグラフにしておりますけれども、就職希望なしというという方が四十二万人に対して、潜在的な就職希望ありという方が四十三万人ということで、就職の気持ちを持ってはいるけれども、さまざまな条件で仕事につくことができない、そういうことが実際には多いということをまず見ていきたいと思います。 その下にある「フリーター、ニートの採用について」、これは企業に対しての調査でございますが、企業がどう思っているかということで、一番多いのは、「正規従業員としても、非正規従業員としても採用するつもりはない」四一・八%、「正規従業員として採用するつもりはないが、非正規従業員として採用する」というのが二三・三%という形で、企業にとっては、本当に採用するつもりはない、採用したとしても、もともと非正規よと。ですから、非正規の方たちが非正規を繰り返すという仕組みがここからも出てくると思うんですね。 そして、平成十六年の七月二十六日、第十七回労働政策審議会職業能力開発分科会、日本版デュアルシステムの実施状況などを討議しておりますが、その中を見ますと、なるほどな、いかに、企業などが青年をどう見ているのかなということを感じてしまったわけなんです。 埼玉の中小企業団体中央会の役員の方が、こんなふうに言っております。 高校生よりもすでに出来上がった人間を採用するほうが楽であるという声を聞くわけです。今回、要件の中にキャリア・コンサルティングを受けてデュアル訓練実施が望ましいと認められた者、それが一つの事業主に六カ月以上継続雇用されたことがない者、一定かつ三回以上離職経験がある者、一年以上無職であった者。 これが要件ですね。 これを見た限り、私どもの傘下の企業の社長が嫌がるケースです。そのような人たちはとても雇う気がしない、気力がない、働く意欲がない、働く意味がわかっていない、そのような声を聞くわけです。先ほどのこの要件を見ただけで、果たして乗ってくるだろうか、そのような疑問を私は感じました。 私は、この発言を見ていて、まさに若い皆さんに対してレッテル張りをしている、そういう印象を受けました。 東大の助教授の方がこんなことを言っています。 先ほどの発言の趣旨は大変よくわかります。なぜ、このような人たちのために助成をしなければならないのか。いちばん雇いたくない人のために、なぜ社会はお金を出さなければならないのか。逆に言えば、このような人たちをほっておいて本当にいいのだろうか。原則は個人の負担であります。 ある程度国民全体に理解してもらえるような説明がないと、なぜこの人たちばかりを優遇するのですかという声になる危険性があると思います。 このように、若い皆さんが今フリーターやニートだと呼ばれている状況を、レッテル張りをして、そんな人たちを会社は雇いたくないし、そのためにお金を使うのが無駄だと言わんばかりの議論がされてきました。 このようなあり方に対し、出席している厚労省から、ちゃんとしたそれに答える言葉がなかったなと残念に思うわけですけれども、その点について、一言御意見を伺いたいと思います。
○上村政府参考人 今手元にその資料がございませんので、当時の状況がつまびらかではございませんが、日本版デュアルシステムをスタートさせる際の率直な議論の場で出たんだろうというふうに思います。 しかしながら、そういった難しい問題等も俎上に上げて議論していただいた上で、先ほど来御説明させていただきましたように、二万数千人の方々がデュアルシステムに参加され、先ほど委員も御発言されましたが、就職に結びついたというような状況にございます。そういった点も、いろいろな問題点等を議論した上でスタートさせたことの一環だろうというふうに思いますので、御理解いただければと思います。
○高橋委員 今私が指摘をしたのは、このときの審議会の中であなたたちが何を言ったんですかということを言っているのではありません。今紹介したような声は常に起こっているわけですよね、それに対して厚労省としてはどう受けとめますかと。若い人のせいだ、そういうのを受け入れたくないと言う企業に対して、そうではない、働く意欲もあるし、もっと能力開発のチャンスさえ与えられれば、機会は雇用に結びつくんだよ、そうした声が聞きたかったんです。そういう立場に立っておりますか。
○上村政府参考人 若年のニートあるいはフリーターの層につきまして、いろいろな事情にあることはそれぞれ区々だろうと思いますが、それぞれの状況に応じてきめ細かな対策をとることは当然のことでございまして、一概に、委員の言われるようなレッテルを張ってどうこうということではなく、きめ細かな対策を進めることは当然のことであるというふうに思っております。
○高橋委員 ありがとうございます。 この委員会の中では、このような意見ばかりではなくて、使用者の代表の中でこんな発言もございました。中村さんという方ですが、 受け入れて、一年間トレーニングして、企業がデュアルシステムの修了書を出したときに、彼らが再就職で子どものところに行きたいと言ったとき、 これは保育園だと思いますが、 いまの日本の認可保育所というのは、最低基準の中で保育士資格を持っている者を八〇%から九〇%雇うようになっていて、デュアルシステムの修了書を持っていながら、再就職で引っかかってしまう。要するに、修了書は一体どの程度の価値があるのか、もしくは彼らの就職先がまだ規制のある分野で、彼らを受け入れるような余裕がなければ、私たちがいくらトレーニングをしても、そのあとのところを同じように改革していかなければ彼らの行き先がなくなっていくと感じるのです。 こういう指摘もございます。 これもやはり厚労省の所管でございますので、個別に今保育所をどうしろという話はいたしません。やはり受け入れ先の企業においても、本当に必要な人材をしっかりと確保する、つまり、それは質だけではなくて量的にも、きちんと労働基準も満たすように、労働条件も満たすようにやっていくという努力をしていかなければならないと思っております。この点は、時間がないので指摘にとどめたいと思います。 そこで、公共職業訓練校、私たちは高等技専などと呼んでおりますけれども、その役割というのは非常に大きなものがございます。資料の二にありますけれども、平成十六年度の訓練実施状況、学卒者の訓練受講者数が一万六千五十六人で九〇%の就職率です。離職者の訓練は、施設内が七一・七%、うち委託が五六・九%と、委託は少し減りますけれども、このような形で大きな効果を上げております。 私も地元の学校によく顔を出したことがございますけれども、やはり授業料が無料のところが多いですし、中退者あるいは中卒の者、あるいは不登校で学校に途中で行かなくなった者など、さまざまな困難に遭った子供たちも受け入れて社会に旅立たせていくという、大変重要な役割を果たしていると思っております。 ところが、めくっていただいて資料の三を見ていただきますと、平成八年には職業能力開発校は二百三十校あったのが、平成十七年で百八十五校というように、非常に統合が進んでおります。私は、これは逆ではないのか、少なくとも今ある制度をしっかり維持拡充、そして活用すべきではないかと考えますが、見解を伺います。
○上村政府参考人 都道府県立の職業能力開発校につきましては、今委員から御指摘がありましたとおり、厳しい財政事情等を反映して、施設の整理合理化、それから老朽化による建てかえに伴う統廃合等によりまして、先ほど委員からお話があったような数へと減少しているところでございます。 一方、これも委員から御指摘がございましたが、職業能力開発校における就職率は、学卒者訓練で九割、離職者七割というような効果のあるものとなっているところではございます。 これらの施設の設置、運営に関する事務は、基本的には都道府県の自治事務でございますが、国といたしましては、都道府県への交付金あるいは補助金等による財政支援、それから、職業訓練についての取り組みの先進事例、そういった情報提供など、職業訓練の内容の質的向上あるいは効率化のための支援などを行うことによって、都道府県の職業訓練校の活用が適切になされるように支援はしてまいりたいというふうに思います。
○高橋委員 ありがとうございます。 平成十五年九月三十日、総合規制改革会議の構造改革特区・官製市場改革ワーキンググループの資料で、厚生労働省が出した資料でございますが、その中で、「能力開発事業に関して、」ちょっと飛ばして、「国や地方自治体が職業訓練を行なうよりも民間に委ねてその費用を助成することの方が効率的ではないか。」こういう指摘に対して、厚労省は、民間の委託訓練の受講者が就職率四二%に対して、公共の場合は六七%ということを紹介しながら、「公共職業能力開発施設で実施する訓練については、我が国の製造業等を担う中小企業が求める高度技能者の養成のうち、高額な設備・機器や高度な技術・技能に係るノウハウを要するために民間では対応できない訓練を実施している。」このように厚労省自身が述べております。 私は、この立場に立って、今もお話をされましたが、県の自治事務であるというそこだけではなくて、やはり公共が果たしている役割はしっかり握って守っていくんだよという立場に立っていただきたいと思いますが、もう一言お願いいたします。
○上村政府参考人 まず、公共と民間との役割分担について言えば、公共については、事業主等による職業訓練を支援する、あるいは、ニーズがあっても民間部門では実施が期待しがたい、あるいは実施していないような分野、そういった分野をみずから訓練として実施するというのが基本的な役割という上で取り組んでいるところでございます。 また、国と地方との関係では、国においては、一連の雇用対策の一環として失業者等の早期再就職を図るための職業訓練を行い、また、高度先導的な教育訓練を開発し普及させるということを行っている。それから、地方公共団体につきましては、地域産業の人材ニーズや職業訓練ニーズをきめ細かく把握して、それに対応した訓練を行うんだ、そういったことで役割分担をしております。 地方の公共職業訓練施設の活用につきましては、先ほど申し上げましたように、可能な支援を行って、活用が進むように考えていきたいというふうに思います。
○高橋委員 よろしくお願いいたします。 厚労省の所管でしっかりと就職に結びつく分野があるので、そこはしっかり守っていくという立場に立っていただきたいということを重ねて要望しておきたいと思います。 きょうは文部科学省にもおいでいただいているんですが、大変時間が迫ってまいりましたので、簡潔に一言ずつお願いをしたいと思っております。 一つは、高校生のインターンシップがどの程度取り組まれ、どういう成果があったのかということ。 それからもう一つは、担当が違うんですけれども、だんだん今インターンシップが中学生にまでおりております。資料の四枚目にあるように、新キャリア教育プラン推進事業ということで、平成十八年度の予算は八千八百万円、「小学校段階から児童生徒の発達段階に応じたキャリア教育の推進が必要」であるというふうなことが書かれております。 私は、小学校からのキャリア教育を否定するものではありません。しかし、あくまでも行き過ぎてはならないと思っております。 この理由が書いてありますけれども、「進路意識が希薄なままとりあえず進学したり就職したりする者の増加」、そうしたことがあるから、だからキャリア教育は必要なんだという構図であります。 しかし、それは、希薄なままでも、学業を積んでいく中で自分の個性や可能性を見出して、本当に自分が行くべき道を発見するということがいつの段階で起こるかということは、必ずしも小学校、中学校のときからもうそれを迫る必要はないわけで、小学校のときはまだまだやわらかい心を、まず人格の完成という目的に沿って育てていくのが本当に大事なことであって、行き過ぎてはいけないと私は思っています。 この点について見解を伺います。
○山中政府参考人 まず、高等学校のインターンシップの状況でございますけれども、平成十六年でございますけれども、農業高校八四%、工業高校八〇%と、職業に関する学科を持つ学校では八一%程度でございます。また、普通科の高校でございますと四五%程度でございまして、高校全体では六〇%程度の実施率ということになっております。 インターンシップの効果といたしましては、学校では学べない実際の職場について学ぶということで非常に有意義である、あるいは、実際に職についてからでなければわからないようなことが、インターンシップで就業体験をすることでわかるということで、将来の進路を考える上で非常に参考になったというような評価を得ているところでございます。 また、先生今御指摘の点でございますけれども、小学校あるいは中学校段階、そういうものを通じた形で、子供たちに職業意識あるいは勤労観を養成していこうということに取り組んでいるところでございますけれども、これは御指摘のとおり、発達段階に応じた形で実施していくということでございまして、小学校段階でございますと、いろいろな職業がある、あるいは、保護者の方の職場に行ったりして職場見学をするという中で、いろいろな職業があり、そういう中で大人が働きながら生きていくんだ、そういう姿を見るというものが中心でございます。 それから、中学校段階ということでは、また、高校の進学というものを控えております。自分の能力とか適性あるいは興味、関心といったもの、そういうものを考えながら、将来の自分はどうやって生きていこうか、そういうことを考えるような、そういう取り組みというものが、例えばキャリア・スタート・ウイークというものを実施するというような形で行われているところでございます。 それぞれの子供たちの発達段階に応じた形で、職業意識あるいは勤労観というものを養っていきたいというふうに思っております。
○高橋委員 私があえてこのことを指摘させていただいたのは、やはり、経団連などの提言を見ていますと、今の若年失業者の増大、フリーターの増大などが本当に経済に対して大変な影響を与える。そして、それがあたかもキャリア教育が非常に不十分だったというふうな言い方になって、教育の現場で、もっともっと下の段階から職業意識を育てよ、そういう形に外から上がってきた背景があるということをあえて言わせていただきたかったんです。 先ほどお話をしたように、若者の置かれた実態を、意識が低いからとか、あるいは小さいころからの教育が悪かったとか、そういう話には決してしないんだということで、しっかりと条件整備をしていっていただきたいということを大臣に重ねてお願いして、時間が来ましたので終わりたいと思います。ありがとうございました。
○岸田委員長 次に、阿部知子君。
○阿部(知)委員 社会民主党の阿部知子です。 本日は、主に若い人たち、若者の働き方あるいは雇用状況について、今我が国が直面している若年者の失業率の増大、あるいは若年無業者の中でも、また求職を希望しない、職を求めない、いわゆるニートと呼ばれるような状態の若者のあり方も含めて、一体政治は何ができるのか、何をしなければいけないのかということを論議する場だと心得ております。 思い起こせば私がまだ初当選のころに、民主党におられた水島さんという、現在はアメリカ留学中と伺っておりますが、彼女が、精神科医でもあり、イギリス等々で問題になっているこのニートという状態、就職もしていないし、何らかの教育訓練を受けているわけでもない若い人たちの存在について、英国の例を引きながら問題を喚起されたということを私も現在思い出しております。 そして私は、この国会中に、いわゆる青少年委員会におきまして、このニートの中でもさらに引きこもりというような状態になった若者が、いわゆる宿泊訓練施設に連れていかれ、縛られ、手錠をはめられ、その中で受けた暴行によって亡くなったという事件を取り上げて、ひたすら若者をびしばし訓練すれば、あるいは、引きこもった者を引っ張り出して、そしてある精神的な訓練も含めて仕事をさせればよいのだというふうなやり方が行き過ぎれば、結局は見えないところで非常に不幸な事件を生むんだということを青少年委員会でも取り上げさせていただきました。 事ほどさように、この若年無業者の問題は非常に幅がございます。日本ではこれを何という命名ですべきかということについても、実は私は、余り合意がない、あえて言えばフリーターという言い方で若年無業者ということをとらえさせていただきたいと思います。 その中で、実は、平成十八年の一月に、各省庁が連合する形で若者の自立・挑戦のためのアクションプランというものの改定がなされました。川崎大臣もこの中に入っておられますのでよく御存じと思いますが、今、内閣府を初め各省庁を挙げてこの若い人たちの、次世代の就労はどうあるべきかということが考えられているという形態はとっておりますが、私自身は、やはり非常に日本の若者に対する援助なりあるいは就労に向けたさまざまなオプショナルなチャンスというものは限られておるように思っております。 そこで冒頭お伺いいたしますが、まず、今回の直接の法律の改正にかかわります実習併用職業訓練制度と申しますのは、一体、このフリーターと言われます若年無業者のうち、どこにフォーカスを当てた政策であるのか、このことをまず冒頭、お願いいたします。
○上村政府参考人 今回御議論いただいております実習併用職業訓練につきましては、基本的には新規高校卒業生を中心に考えておりまして、そういった方々が実習を併用した訓練を経ることによって、現場に入職することが促進され、そういったことを通してフリーター化の防止に資するという観点で進めようとするものでございます。
○阿部(知)委員 その点に関して先ほど杉村委員からも御質疑がありましたが、恐らく今度の法律は、新たに新卒の、主に高校卒業段階で、例えば専門学校等に行きながら、一方で中小企業等々で求められる人材があれば、この方たちを半分は教育、半分は仕事という枠の中にはめていこうというものだという御説明だと承ります。 もちろん先ほど来お話にありますように、若年無業者のプロフィールというのはさまざまでございますので、今おっしゃったように、ここで勤めて将来離職してフリーター化することを防ぐための新卒者に対する政策と限定して見た場合にもでございます、いろいろ問題が私はあるように思います。もちろん他の手だてがいいようなプロフィールをお持ちの方もおられると思いますが、新卒で、他に例えば学校、専門学校等々に行っておられる、あるいは行きながらOJTをなさるというコースを考えてみた場合に、先ほど高橋委員の御質疑にもございましたが、この方たちは、いわゆる教育期間中なのか、あるいは労働者なのかということにおいて、極めてあいまいな身分に置かれます。 先ほどの御質疑を承っておりますと、例えばこの方たちが、労働三権あるいは社会保障における年金の問題、あるいは医療保険の問題、あるいは最も大きいのは失業保険と思いますが、こういうものを持つか持たないかということにおいてもケース・バイ・ケースであるような御答弁でありました。となると、実は、六カ月から二年間にわたって、逆に、極めて若者にとっては気持ちの不安定な状態にもなりかねません。 後ほど申し上げますが、我が国で失業していながら失業保険を受けられない方々が、特に若い人で多くなっている現状のある中で、あえてこの身分ということにおける均等待遇やあるいは社会保障の問題をきちんと明示されない理由はおありでしょうか。
○上村政府参考人 先ほども申し上げましたが、実習併用職業訓練を受ける訓練生につきましては、企業との関係では有期の雇用契約を結んで実習についてもらうわけでございまして、その面では当然のことながら労働者ということになります。
○阿部(知)委員 先ほどの御答弁と多少は違いますよね。労働者であれば労災の適用とか、私が最も懸念するのは失業保険でございます。 例えばこのコースの途中で失業したといたします。そうした場合に、この若者が失業保険を持っているかどうかは再チャレンジするときの収入の保障にもかかわってまいります。そういう点についてお考えになったことはあるのかどうか、お願いいたします。
○上村政府参考人 これも先ほど高橋委員の御質問にお答えしたところでございますが、労働保険それから社会保険につきましては、それぞれ各制度の適用要件に合致するか否かによってその訓練生についての判断がされるわけでございまして、その要件に従って被保険者であるかどうかが判断されるわけでございます。 なお、労災保険につきましては、業務災害であれば、当然のことながら対象になるということになるわけでございます。
○阿部(知)委員 これまででも、その当然、当たり前のことがなされてこなかった。地域で再チャレンジプラン等々で企業に何がしかのお金を出す、その企業、当事者が例えば労災保険にちゃんと加入させているかどうかの要件チェックも、厚生労働省は残念ながらやってこられませんでした。私はあえて、そういうことがあるので、今回この件はすごく懸念をいたします。しっかりした指導、特に労災保険はもう当たり前ですが、当たり前すらちゃんとされない。 そして、私が大きく取り上げたいのは失業保険の問題でもあります。これはまた別途、後ほどやらせていただきますが、そうした視点がないままに、こういう働く現場に、もしかして二コース、二重構造を取り入れることになるかもしれません。一方は、正規に雇用され将来を嘱望されるコース。一方は、この訓練と職場での教育を併用しながら、有期でぶつ切り細切れに働いていくようなコース。これは若者にとりましては、何が一番やる気を失うかということは、職場内の差別という問題でございます。 私は、きのう何時間も、申しわけないけれども現場サイドの若いお役人の皆さんにも伺いましたが、差別される側に立つかどうか、わかるかどうかということが、こういう行政においては極めて重要であります。そもそも今、「「ニート」って言うな!」という本があるくらいで、やはり呼称一つにいたしましても、社会的に見れば、やる気のない人、あるいはプータロー、あるいは気持ちの持続がない等々の言い方をされがちであります。 就職の冒頭に親御さんや御本人によく話しますとおっしゃいますが、あなたはどうもそういうコースみたいだから教育しながら実習訓練も受けなさいよというふうな形に言われれば、最初からやる気がやはりなくなります。見る見る若者は仕事の中で変わっていく、そのくらい仕事というのは本来重要な、生活の一部であり、成長の一部であると思います。 そうした点について、二コースに分かれがちな意識と、そしてこういう雇用形態の問題点については、大臣はよく御承知おきと思いますから、この政策をとるに当たってのお覚悟のほどをお願い申し上げます。
○川崎国務大臣 私は何回も申し上げていますのは、一つは、ニートとフリーターを同じ使い方をしない方がいい。フリーターという問題とニートという問題、この言葉がいいかどうかも含めて、もう少し仕分けをして考えるべきであろう。 ニートの問題は、やはり六十四万の中で三十万を超える方々が一度も就職したことがない。また、中学から高校へ行く段階、また、高校から上を目指した途中の段階で、実は学校の途中で起きたケースの方が多うございます。そういう人たちがもう一度社会連帯の中に入ってくる、そういうきっかけをどういう形でつくって、結果として、もう一度学校へ行くか、職業という道を選ぶか、いろいろな多様な道が実はニートの皆さん方にはある。 そして、実は、この話し合いというものはまず親子の間で行われるべきだけれども、残念ながら親が言ってもなかなか子供は聞いてくれぬ、こういう事情も出てくる。そういった中で、地域の専門家の人たちが、でき得れば御本人に語りかけたい、また、同じ活動をしたい。しかし、それが無理な場合は、親御さんだけでも出てきてくれて専門家の意見を聞いてくれ。そういう中で、みんなで協力し合って、一部引きこもりという人たちもいるでしょう、社会の中に出てきてもらう。そこで、もう一度勉強し直してもらうか、もしくは職業という道を選ぶか、こういう切り口だろうと思うのです。 フリーターの皆さん方というのは、基本的には私は労働意欲のある方という思いでおります。どういうきっかけで、実は就職のチャンスがなかったか。先ほどから申し上げているとおり、極めて我が国が厳しい状況の中でそういうところに追い込まれてしまった人たちもいる。それから、自分が学生時代に思っていたものと社会というものに随分差がある。自分はこれを目指したかったんだけれども、社会はそういうものではなかった。したがって、そこをどうミスマッチを解消していくか。 いろいろなことがあろうと思いますけれども、少なくともフリーターの皆さん方は意欲を持っておられる方々ですので、私どもしっかり支えながら、仕事をしていってもらいたい。これが一つです。 それから、今の話の中でもう一つ違ってまいりましたのは、高校から就職をされる方、工業高校とか商業高校の方が多うございますけれども、この方々は高い率でそのまま職場の道に歩まれます。 実は、普通科を選ばれる方々の方が、先ほどのニートの方にもありましたけれども、少しよそへずれてしまう。普通科の多くの方々が、実は大学へ行かれるか、もしくは専門学校。大学へ行かれる方が五十万、専門学校へ行かれる方が三十万ぐらいの数になっておりますので、この三十万という数に着目しながら、高校でそのまま就職する人と、高校からもう一段階勉強もしてみたいんだというところへ着目したのが今回の一つの制度であろう、こう思っております。 高校で就職しようとする人は、ある意味でははっきり自分の目標がしっかりしている。実は、専門学校へ行かれる方の中で、例えば私は看護師さんになりたいという人たちは、これはかなり職業意識が高いんですけれども、高くない方々もいらっしゃいますので、そこと企業現場というものをうまく結びつけたいなというのが今回の制度でございます。 そういった意味では、確かにいろいろな切り口があって、社内の中において、ああ、おまえは勉強しながらか、おれはもう仕事一本だ、こういういろいろな会話が出てくるんだろうと思いますけれども、そこは委員の御指摘もあり、我々しっかりウオッチしながらやってまいりたい、こう思います。
○阿部(知)委員 先ほど、イギリスのこのニートという言葉の発祥の歴史、そして、政治の中でどのような政策が打たれてきたかということを多少お話し申し上げましたが、サッチャー政権の後にブレア政権が誕生したときに、いわゆる教育、教育、教育と、教育を三つ並べたのは、もちろん、初等中等教育、義務教育におけるいろいろな学力の差。そして、日本と同じように、いわば職場でそれまで訓練されていた職業訓練における長期の自分のキャリア形成における教育が、やはり企業の状況が厳しい、あるいは非正規雇用等々で寸断されていく。そういう場における教育の問題。そして三つ目は、福祉政策としての教育にあると言われております。三つ目は、いわゆる今は貧困の再生産といって、御家庭の収入の少ないおうちに、やはり、例えばニートや、あるいはホームレスになってしまう子供たちが多いという社会問題を抱えて、三つの観点からアプローチしようということでありました。 今、大臣の御答弁にもありましたが、今回の施策はあくまでも、例えば、高校を卒業して専門学校に行こうか、そのまま就職しようか。専門学校に行った方の方が、もしかしてそのまま就職した方よりも離職する率が高いのであれば、フリーターになる、あるいは、もっと言ってニートになるのを予防するための施策であろうという位置づけでありましたが、事ほどさように、どういう対象に向けてどういう施策を打つかは非常に綿密でなければならないと思います。 私が指摘した、例えば、現在二百万人の若年無業者のうち、大臣もおっしゃいましたように三人に一人は全く就職したことがない、あるいは、家庭の年収においても三百万円台、四百万円台の方がふえている、中卒の皆さんがふえているという形でございます。 もちろん、中卒だろうと高卒だろうと、その子がやっていければそれで十分いいのですけれども、やはりそれなりの支援をして、働くことと自分の人生をマッチさせてほしいというのが政策でありますから、そういう観点から見ると、やはり私は、個々に、政策目標と、どういうターゲットに何をしたらどんな効果があったかは、きちんと点検していかなければいけないと思います。 その意味で、先ほど来の御答弁を聞いて、例えば、若者自立塾、ジョブカフェ、日本版デュアルシステムのおのおのが、例えば何名の就労を生んだ。でも、例えば若者自立塾の場合は、三百十二人の卒塾を出したが、そのうち何と正規雇用に移った方は極めて少ないとかいう結果は出ております。 結果の前に、まず、どんな方がそのコースに入られたか。入ったプロフィール、どんな人たちがそのコースに入ったかということを分析すべきと思いますが、ずっと高橋さんの御質疑とか承りながらも、ほかの委員もそうです、どんな方がそのコースを受けて、日本版デュアルシステムもそうです、どんな成果があったかということを、一切厚労省はおまとめではありませんよね。いかがでしょうか。 私は、これはやはり政策的には評価が難しくなってしまいますから、今後は、そもそもどんな方がそのコースを受講されているのか、例えば、極端な話、学歴、御家族のもしかして年収、あるいは御本人の持っているいろいろな制約などもきちんとある程度把握した上で、最も適切なコースを準備されるべきと思いますが、いかがですか。
○上村政府参考人 例えば若者自立塾でございますけれども、それぞれどういう経路で入塾するに至ったか、例えば、多くは家族、母親が多いんですが、そういった経路ですとか、状況ですとか、事情等はどうなっているかということは、それぞれの塾で十分把握し、それを踏まえた対策をとっているところでございます。 それらをすべて詳細に集計したものが手元にはございませんけれども、それぞれのところでは、今申し上げましたようなことを踏まえてきめ細かな対策をとっているところでございます。
○阿部(知)委員 それを厚労省が把握していなければ政策的評価もできないんです。 先ほど、予算も未消化だという菊田委員の御指摘がありました。日本版デュアルシステムについても、では、どんな人が受講されてどんなふうになっているのか。やはり正直なところ、この政策は、もともと高卒あるいは大卒でどこかで仕事をされたけれども、ちょっとうまくいかなくてという方の場合と、高校を中退されて、その後の職業経験もほとんどなくてだと、違ってくると思います。それは相手を差別することではなくて、私は、その方に必要な施策のありかを有効に組み立てていくための政策努力だと思いますから、いま少しの御尽力をいただきたいと思います。 それから、さらにもう一点。この政策についてもそうですが、例えば、いろいろな訓練校に行き、OJTで仕事をするという場合、この訓練校にかかわる費用は、今度の法案でも全部自前になっております。でも、大臣、御存じでしょうか。今、例えば専門学校に行っていらっしゃる方の中にも、奨学金を受けないと続けられないという方の数がどんどんどんどんふえております。もちろん、大学に行っている方もそうです。とすると、日本の国において、若い人が十分な職業能力を身につけるときに、もっと教育部分に公費支出をしてもしかるべきではないか。 これは、いろいろなデータ、OECDデータなどと比べましても、若者が荒れていたフランスでは、対GDP比が多分〇・四%、それでも彼らはやはり納得しなかった政策があったわけです。日本においては〇・〇一%と、きのう伺いました。 要するに、若者の就労に向けての財源のあり方、特に教育支援のあり方について、大臣のお考えを伺いたいと思います。
○川崎国務大臣 今回のシステムでございますけれども、基本的には雇用ということでございますので、賃金を支給されるものだと考えております。賃金を支給されて、その上でこのような訓練を受ける、こうした収入を得ているということから考えますと、実際、専修学校へ、それのみに行っている人たちとのバランスということになると、当然、必ずしも不適切な状況ではないのではないかと思っております。 しかし、一方で、例えば、企業が応援してくれるという場合もあります。もう一つは、費用を自己負担することが困難である、今委員が想定されたようなケースにつきましては、日本学生支援機構による奨学金も十分使えるということになります。 それから、先ほど柚木議員の御質問にありました、大都会のみの専門学校になってしまうのではないかというお話がございましたけれども、各地域にあります公共職業訓練を活用する場合は、技能者育成資金の貸し付けによる支援を行うということでございますので、状況に応じながら、いろいろな支援策を考えているところでございます。
○阿部(知)委員 大臣の御答弁の一点目は、企業から賃金が出ているからいいじゃないかと、簡単に言えばそういうことかと思いますが、ただ、例えば、労働時間がいろいろな社会保障の適用にもならないような短い時間という場合も想定されます。フルに働いてフルに学校に行ったら、もうこれは体がもちません。となると、果たしてここで得られる賃金というのが、その方がもう一方で、教育のための自己投資をしなきゃいけない賃金を上回って余りあるかどうかというと、生活のための賃金が今度は出てこないというふうなことになりかねません。 私は、やはりこの段、日本は本当に大事な、未来は若者にしかないのですから、中でも、学習意欲があってそこで学びたいという方々についてのさまざまな奨学金というのは、もっともっと、角度を変えて援助していってしかるべきだと思います。 ちなみに、昨日いただきました専修学校における第一種、第二種の奨学金の現状を見ましても、平成十四年度が、第一種が約一万二千人お受けでありますが、これが平成十六年度では二万人と、ふえております。第二種についても五万六千人から八万三千人と、専修学校に行っていても、途中で御家族の問題やさまざまな問題があって奨学金を受ける。もちろん大学に行っている子供たちの奨学金の額も、今増加しております。 しかし、私は、最も資本投下して、すなわちお金を入れて惜しくない部分だと思いますので、大臣にあっては、前段の御答弁は、では、果たしてこれは十分な賃金なのか、親のところでパラサイトしていれば別です、賃金をもらって、そして、学費を出して、残りで生活できるのかどうかということについては、このスタートとともに、よくよく御検証をいただけますようにお願い申し上げます。 最後の質問に移りたいと思いますが、若者の失業問題を考えます場合に、先ほど高橋委員が非常によい資料で御提示でございますが、いわゆる公的な職業訓練機関に通い、就労する率は依然として高いのに、公的機関は少なくなっているという現状がございます。公的機関が少なくなり、では、どこで、どのような形でスキルアップしていけるかといったときに、先ほど言った奨学金の問題と同時に、その人が生活をしていかなければなりませんが、失業保険のあり方は、三十歳未満だと、わずか三カ月ということになります。運よく次々仕事をかわるのでなくて、あるところに就職し、失業保険がもらえるようなところに就職して、失業したとして、三カ月、九十日でございます。 そうすると、これが再チャレンジできない大きな要因になっている。自分が、お金がないから、その日にお金が入るような仕事しか見つけられない、つくことができない、こういう現実がございます。こうした者に対して、ヨーロッパ諸国、イギリスもそうですが、求職手当、職を求めている間の手当という別枠をもって、いわゆる失業手当とはまた異なる枠組みで、本当に求職を支援していこうという考え方もある現在でございます。 日本の失業手当の支給のされ方、さっきのこのOJTに入っても、失業手当のない方も、これから生じるやもしれません、全体に、本当に若い人の就労を支えようと思ったら、極めて根本的見直しをしないといけないと思いますが、いかがでしょうか。
○鈴木政府参考人 雇用保険の失業給付についてのお尋ねがございました。 この失業給付、これは、今まで働いていた人は当然収入がございます、その人が、保険事故、失業によって収入がなくなった場合に補てんするという仕組みのものでございますので、それに該当しない方に手当というのは困難でございます。 ただ、いずれにしても、そういった人、雇用保険の受給資格者だけじゃなくて、若い方が職を求めているということになりますと、先ほどから二十五万人プランとか、いろいろ施策のお話がございましたが、そういった施策については、そういった若い方も当然対象にして、その人のいろいろな状況をお聞きしながら、就職の促進に努めております。
○阿部(知)委員 大臣に最後に確認の御答弁をお願いしたいですが、今、一千七百万人が非正規雇用という形になり、果たしてこの中のどのくらいの方が、失業保険が受給できるような要件をお持ちなのか。これがないと、もちろんいろいろな施策はありますが、やはり、まず生活していくことができないから、その日のお金が入るような仕事に次々流れがちにもなると私は思うのです。厚生労働行政の施策において、もちろん、雇用保険は雇用保険会計があり、それに加入された方たちでやっているという現状があるのは知ってございます。しかし、一方で、これだけ多くの若い人たちの非正規化を生んだ今日、就労のあり方を支えるいま一つの仕組みということについても、もっと鋭意、英知を絞っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○川崎国務大臣 確かに、今お話しいただいたのは私の問題意識と一緒でございまして、非正規雇用というものをもう少し分けて見なければならない。総理もよく言われるんですけれども、やはり、若者を正規雇用にしっかり導いていかなきゃならぬ。 一方で、六十を超えて、例えばトヨタに勤めていてあと三年延長ですよと、これは雇用延長というより、再雇用システムで三年間の契約社員、これは一年ごとのようですので、これもやはり非正規雇用なんですね。しかし、六十を超えた人が今まで勤めていた会社にいて一回退職金をもらって、その場合にどうだかと言われれば、それはそれなりの形がとられているんだろうと思います。 したがって、言われましたとおり、非正規雇用という中をしっかり分析していかなきゃならぬ。非正規雇用の中に、やはり雇用保険を初め、社会保険がしっかり適用できるような方向にしていかなければならない。 また、再三御答弁申し上げていますとおり、非正規雇用と正規雇用がほとんど同じ仕事をしていながら、余りにも賃金等の待遇が違い過ぎるという問題についても、やはり私ども、しっかりしていかなきゃならぬと。したがって、今ちょっと分析させていますので、もう少しお時間をいただきたいと思います。
○阿部(知)委員 私どもは、どんなに短時間でも、働いた方については必ず社会保障政策を企業が責任を持ってつける、それを企業の社会的責任という考え方で、年金や医療政策も提案させていただいています。今の大臣の御答弁も伺いながら、ぜひ本当に、労災保険や失業保険がない人たちはどうなるの、どうするの、どう支えるのということについて、もっともっと明確な政治のメッセージをお願いしたいと思います。 ありがとうございました。
○岸田委員長 次に、糸川正晃君。
○糸川委員 国民新党の糸川正晃でございます。 職業能力開発促進法の改正に関する件についてでありますが、まず、職業能力開発に関する私の問題意識を述べてまいりたいというふうに思います。 近年、ニート、フリーターといった若者の増加が大変大きな社会問題となっておるわけでございます。こうしたものを放置することは、本人にとっては、若年期に必要な技能ですとか知識を身につけることができないこととなって、また、我が国としても、経済社会を支える人材の育成が図られない、こういうことになるわけで、さまざまな若者の就職支援策を進めていこう、こういう姿勢については一定評価するものでございます。また、前向きに能力開発に取り組む若者を支援しよう、こういう今般の法改正につきましては、非常に時宜を得たようなものであるというふうに思います。 そこで、質問をさせていただきたいというふうに思うわけでございますが、今回の職業能力開発促進法、これを改正して、実習併用職業訓練を法律に位置づけて推進していこう、このようなことでございますが、実習併用職業訓練の仕組みについてまずお聞かせいただきたいなと。そしてまた、現在、フリーター等の就職促進対策として推進している日本版デュアルシステムとの違いも含めて、端的にお答えいただけますでしょうか。
○上村政府参考人 まず、今回御審議いただいております実習併用職業訓練につきましては、現場の戦力となる人材の育成を図るため、企業が主体となりまして、主に新規の高校卒業者を対象として、企業におけます雇用関係のもとでの実習を組み込んで行うという内容のものでございまして、こうした訓練を行うことによって、企業における雇用のめどを立てた上で、仕事の現場における実技を通じて、仕事への興味や問題意識を喚起しつつ、理論面での学習にも取り組ませるという特色を有したものであるというふうに考えております。 それから、いわゆる日本版デュアルシステムとの違いでございますが、座学と実習を組み合わせているという点では全く一緒でございますけれども、日本版デュアルシステムの方は、専門学校等の教育訓練機関が主体となりまして、若年失業者やフリーター等に対する就職支援策として、企業実習については基本的には雇用関係を伴わない形で実施しているという点で違いがございます。
○糸川委員 今、職業能力開発局長から御説明がありました実習併用職業訓練、これは、体を動かしながら物をつくり上げたり、自分で工夫してサービスを提供する、こういったことが好きな実践的なタイプの若者に新しい選択肢を提示する、そういうものであって、うまく制度化できればよい仕組みになるんじゃないかなというふうに考えます。 そこで、今回課題となる点についてお尋ねをさせていただきますが、まず、主たる対象者として、高校等の新規卒業者、こういうものを募りたいということでしたが、どのようにして高校生等の若者に働きかけて、そして、その適性や希望に即した実習先へと導いていくのか、そこを御説明いただけますでしょうか。
○上村政府参考人 委員からお話がございましたように、実践的な資質を持った高校生の参加を大いに促進するということが重要でございますが、そのため、高校の進路指導担当教員に対しまして、訓練を実施する企業や業界の団体が訓練内容を説明し、卒業予定者、本人でございますが、それや、保護者に対する周知や勧奨を依頼する機会づくりを行っていくことが必要であるというふうに思っております。 また、この訓練への参加を希望する若者と訓練を実施します企業との面接を円滑に進める上でも、学校や本人、それから保護者への説明と協力が不可欠であろうというふうに考えております。 そのため、法案を成立させていただいた暁には、速やかに、文部科学省と連携した学校教育現場への周知啓発、学生生徒はもとより、その保護者への周知啓発、訓練を実施しようとする企業の情報が学校に十分伝わり、そして学生生徒に伝わるような体制づくり、そういったことに努めていきたいというふうに思っております。
○糸川委員 本省レベルはもとより、現場のレベルでも関係行政の連携が円滑に進むよう、これは要望をさせていただきたいというふうに思います。 次に、OJTを実施する企業と、知識や資格の習得に向けて座学を行う専門学校等の教育機関、これをうまく結びつけて、カリキュラムの作成ですとか訓練生のフォロー、こういうものを一体的に実施していく必要があるというふうに考えておるわけでございます。 こうした教育訓練の現場における産と学の連携についてどのように進めていくのか、お聞かせいただけますでしょうか。
○上村政府参考人 実習併用職業訓練の円滑な実施が図られるためには、まさに委員御指摘のとおり、企業と教育訓練機関とを結びつけるための働きかけや工夫が不可欠であるというふうには考えております。 そのため、現在行われております日本版デュアルシステムの経験、成果を踏まえまして、業界団体における教育訓練機関関係者を入れてのモデル的な訓練カリキュラムの作成、そういったものを促すとともに、中小企業の団体と教育訓練機関、専修学校等とのコーディネートの促進のための事業、そういったものを推進してまいりたいというふうに考えております。 こうした連携の取り組みを進めることによりまして、実習併用職業訓練が円滑に普及、定着するように努めていきたいというふうに思っております。
○糸川委員 さらに、例えば、企業が面接等によって訓練生の選考を行うわけですから、本人がこの企業で何とかOJTを受けようという意思を持って参加した場合、仮にそのOJTを実施している企業が倒産してしまうと、今度はこの訓練生に対するきめ細かいフォローというものが不可欠になってくるんじゃないかなと思うわけでございます。 そうした場合の対応についてきちんとした考えがあるのかどうか、お聞かせいただけますでしょうか。
○上村政府参考人 委員からお話がありましたような、企業が倒産を余儀なくされたような場合についてでございますが、事業主団体や教育訓練機関に配置を考えている、コーディネーターを配置することを予定しておりますが、そういったコーディネーターが、訓練を受けられた訓練生について、習得した職業能力や資格を活用することのできる同様の事業所への就職を図られますような働きかけを行っていく、そういったことをしてもらうとか、加えて、その企業の所属する業界団体あるいは教育訓練機関の協力を得て、そのネットワークを活用しまして新たな受け入れ先を探す、そういったことが考えられるところでございます。 また、ハローワークにおきましても、若者ジョブサポーター等を活用いたしまして就職支援をあわせて行うこと等、まさにきめ細かな対応をすることとしております。
○糸川委員 ということは、関係行政のしっかりとした対応というのが必要になってくるわけです。やはり、問題が起きたときにどう対応できるかというのがよい仕組みの制度だと思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。 あわせて、訓練修了者がきちんと能力を身につけた、こういうことを評価する仕組みを制度の中に盛り込んで、仮にOJTを実施した企業に就職しない場合であっても、ほかの企業に就職しやすいようにする必要があるのではないかなというふうに考えるわけでございますが、対応はこういう場合はいかなるものなのか、お聞かせください。
○上村政府参考人 委員御指摘のとおり、訓練修了後における職業能力の評価、これによって訓練生が習得した知識や技能の蓄積を証明できるようにすることは、まさに訓練生の訓練意欲や就職意欲を向上させ、また、仮にでございますが、訓練修了者がOJTを実施した企業に就職しないような場合でありましても、他の企業への就職の可能性を高めることとなるものですから、重要なものだというふうに考えております。 このため、御審議いただいております改正法案におきまして、厚生労働大臣から訓練実施計画の認定を受ける際には、職業能力の評価の方法を明記しなければならないということとしているところでございます。 さらに、事業主による評価が円滑に行われますよう、技能検定制度、作成をしております職業能力評価基準あるいは民間資格も含めた資格制度等の活用を促すとともに、職業能力開発総合大学校におきまして訓練分野別の評価方法マニュアル等を作成しておりますが、その普及にも努めてまいりたいというふうに思います。
○糸川委員 ここまでの局長の答弁を聞いておりますと、OJTを実施する企業、これもさることながら、実践的な教育に熱心に取り組む専門学校、こういうものをいかに見つけて、発掘して、制度に乗せていくことができるか、こういうところが大きなポイントになるわけでございます。聞くところでは、そうした学校の例、こういうものも少なくはないということでございます。昨今、フリーターですとかニート、こういう若者が大きく取り上げられておりますが、今回のこの制度を契機として、実践教育に熱心に取り組む関係者の輪を広げて、実践的な資質を持った若者が汗を流しながら仕事に取り組む環境づくり、こういうものを進めていっていただきたいなというふうに思うわけでございます。 そうした観点から、今後の職業能力開発施策というものを推進するに当たっては、今回の制度に限らず、実践教育に取り組むさまざまな民間教育訓練機関、こういうものとしっかりと連携をとって、また、そうした機関を積極的に活用していくべきだろうというふうに思います。 こうした民間教育訓練機関と連携しての人材育成施策に関する今後の取り組み、こういう方針についてお聞かせをいただけますでしょうか。
○上村政府参考人 職業能力開発施策を推進していきます上で、公共職業能力開発施設が民間の教育訓練機関と連携をしてその活力を活用していくことは大変重要であるというふうに考えております。 公共職業訓練機関におきましては、そういった観点から民間教育訓練機関への委託により実施するなど、民間の活力やノウハウを積極的に活用して、平成十六年度からは離職者訓練の六七%、これを委託訓練により実施しているところでございます。 また、労働者が民間教育訓練機関の提供する一定レベル以上の教育訓練を受講しやすくするために、みずから、自分で費用を負担して一定の教育訓練を受けた場合に、その教育訓練に要した費用の一部に相当する額を支給する教育訓練給付制度というものが雇用保険制度の中に設けられておりますが、この対象となる講座として約八千の講座が指定されているところでございます。 こういった取り組みをより積極的に展開することによりまして、官民が連携した職業能力開発の基盤整備を進め、幅広い選択肢の中から適切な能力開発に取り組めるようにできるように努力していきたいというふうに思います。
○糸川委員 最後に、大臣にお尋ねいたしますが、今、人口減少の社会の中で、国民一人一人が個性を生かして能力を十分に発揮できる、こういう社会づくりというものが不可欠であるというふうに考えております。 そこで、これまでの質疑内容を踏まえて、きょう半日の審議を踏まえて、今後の職業能力開発施策の推進に向けた大臣の決意、これを最後にお聞かせいただきたいと思います。
○川崎国務大臣 今回こうした法律を出させていただいた背景に、一つは、若者の失業率がまだまだ高い。全体的には四%でございますけれども、若者の失業率が今八・七%。それから、非正規雇用が多いという問題があります。一方で、私ども団塊の世代がそろそろ六十、定年を迎えつつある。したがって、次の現場における仕事の継承者というものをしっかり育てていかなきゃならない。こうした側面から、より職業能力を持った若者、これを育て、そして現場でしっかり働いてもらう、こういう社会をつくっていかなきゃならない、そうした中で今回の法律を御提案させていただきました。 これのみならず、さまざまな切り口で若者の雇用、若者の能力アップというものに全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
○糸川委員 今回のこの制度、これはニート、フリーターの増加に何とか歯どめをかけようというところからだと思います。しっかりとこれが制度として確立できるように要望させていただいて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○岸田委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○岸田委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 内閣提出、参議院送付、職業能力開発促進法及び中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○岸田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○岸田委員長 この際、本案に対し、北川知克君外五名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党、社会民主党・市民連合、国民新党・日本・無所属の会の六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。北川知克君。
○北川委員 私は、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び国民新党・日本・無所属の会を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 職業能力開発促進法及び中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。 一 実習併用職業訓練の実施に当たっては、実習に従事する訓練生は労働者であることから、労働者災害補償保険法、最低賃金法、労働基準法等、労働法の適用があることについて、事業主等に対し、周知、徹底すること。 二 職場での非正規労働者に対する能力開発の実態についての調査を行い、非正規労働者に対する能力開発の適切な方法と支援策について研究会等により検討すること。 三 政府は、実習併用職業訓練の周知、普及に努めるとともに、各種助成制度の活用等により、その促進を図ること。 四 団塊の世代が職業生活からの引退過程に入ることに伴う二〇〇七年問題に的確に対処するため、技術・技能の円滑な継承について積極的に取り組むこと。 五 「二〇〇七年ユニバーサル技能五輪国際大会」の成功に万全を期すとともに、同大会を契機として、技能とものづくりの振興に積極的に取り組むこと。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○岸田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○岸田委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付すことに決しました。 この際、川崎厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。川崎厚生労働大臣。
○川崎国務大臣 ただいま御決議のありました本法案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存でございます。 ―――――――――――――
○岸田委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岸田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
○岸田委員長 次に、内閣提出、参議院送付、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案は、参議院で修正議決の上送付されたものでありますので、まず政府から趣旨の説明を聴取し、引き続き参議院における修正部分の趣旨について説明を聴取いたします。川崎厚生労働大臣。 ――――――――――――― 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○川崎国務大臣 ただいま議題となりました雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 我が国の人口が減少局面を迎える中、労働者が性別により差別されることなく、かつ、母性を尊重されつつ、その能力を十分発揮することができる雇用環境を整備することは、極めて重要な課題となっております。 こうした状況に対応すべく、政府といたしましては、男女雇用機会均等のさらなる推進を図るため、本法律案を作成し、ここに提出した次第であります。 次に、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、女性であることを理由とする差別を禁止している募集、採用、配置、昇進等について、男女双方に対する性別を理由とする差別を禁止することとし、新たに降格、退職の勧奨等についても性別を理由とする差別を禁止するほか、いわゆる間接差別を禁止することとしております。 また、妊娠、出産、産前産後休業の取得を理由とする解雇の禁止に妊娠または出産に関するその他の事由を理由とする解雇の禁止を加えるとともに、これらの事由を理由とする不利益な取り扱いを禁止することとしております。さらに、妊娠中または出産後一年を経過しない女性労働者に対する解雇は、事業主が妊娠等を理由とする解雇でないことを証明しない限り無効とする規定を整備することとしております。 第二に、職場におけるセクシュアルハラスメント対策として、事業主は、雇用管理上必要な措置を講じなければならないこととし、男性労働者もその対象に加えることとしております。 第三に、調停制度の充実を図るとともに、公表制度の対象の拡大等を行うこととしております。 第四に、女性の坑内労働に係る規制について、妊産婦が行う業務等を除き緩和することとしております。 なお、この法律は、平成十九年四月一日から施行することとしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要でありますが、この法律案につきましては、参議院において修正が行われたところであります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○岸田委員長 次に、参議院厚生労働委員長山下英利君。 ――――――――――――― 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案の参議院修正 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○山下(英)参議院議員 参議院における修正部分の趣旨を御説明申し上げます。 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案に対する参議院の修正部分につきまして、その趣旨及び内容を御説明申し上げます。 男女雇用機会均等のさらなる推進を図るという本法律案による改正の趣旨をより確実なものとするためには、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律に係る改正事項について、その実効性を検証し、性による差別的取り扱いの是正状況、とりわけ間接差別禁止規定の適用状況や判例等の動向、女性の雇用をめぐる環境の変化等を踏まえつつ検討を加え、必要な措置が講ぜられることが求められております。 修正の内容は、附則第五条を修正し、政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律による改正後の雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の規定の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、当該規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることを規定するものであります。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願いを申し上げます。
○岸田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○岸田委員長 この際、本案に対し、小宮山洋子君外四名から、民主党・無所属クラブ、日本共産党、社会民主党・市民連合、国民新党・日本・無所属の会の四派共同提案による修正案が提出されております。 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。小宮山洋子君。 ――――――――――――― 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○小宮山(洋)委員 ただいま議題となりました、民主党、日本共産党、社会民主党、国民新党提出の雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案に対する修正案について、提出者を代表して趣旨説明をいたします。 政府案では、男女双方に対する差別の禁止、雇用ステージごとの差別禁止内容の拡大等一定の前進がありましたが、雇用をめぐる性差別をなくし、真の男女平等を実現するためには、さらなる法改正が必要です。 修正が必要と考える点は、間接差別禁止の対象が限定列挙される上、賃金差別が対象とされていないこと、仕事と生活の調和が基本理念に盛り込まれなかったこと、ポジティブアクションに関する義務規定がないことなどです。 以下、修正案の概要を説明いたします。 第一に、男女双方に対する差別が禁止されることから、法律名を男女雇用平等法に改めます。 第二に、働き過ぎと言われる男性労働者の働き方に女性労働者の働き方を合わせることで雇用の平等を図るのではなく、男女ともに仕事と生活を調和させた上で雇用の平等が図られるようにするため、法の基本理念に仕事と生活の調和を加えます。 第三に、間接差別について、政府案のような省令での限定列挙をやめるとともに、禁止の対象に賃金の差別を加えます。 第四に、職場におけるセクシュアルハラスメントの対象に、性別による固定的な役割分担などの意識に基づく言動を加えます。 第五に、雇用の場における男女間の実質的な格差を解消するため、女性の積極活用等を推進するポジティブアクションの措置に関する計画の策定と実施を義務化します。 第六に、改正法施行から三年後に見直しを行うとともに、雇用における性差別等に関する紛争の解決機関として男女雇用平等委員会を設置すること、労働基準法に性差別禁止規定を設けることを検討することとします。 委員各位におかれましては、本修正案の趣旨を御理解の上、御賛同くださいますようお願いいたします。(拍手)
○岸田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 ――――◇―――――
○岸田委員長 次に、小宮山洋子君外五名提出、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。西村智奈美君。 ――――――――――――― 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○西村(智)議員 ただいま議題となりました短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案について、提出者を代表して趣旨を説明いたします。 今や、パート労働者は一千二百万人を超え、基幹的、恒常的な労働力として重要な役割を果たしています。しかし、その処遇については、労働時間や仕事の内容が正社員とほとんど同じでも、賃金や労働条件において均等な待遇を受けていないことが問題となっています。パート労働者の約七割が女性ですが、女性パート労働者の平均賃金は男性一般労働者の約四五%にとどまると言われており、格差が解消されていません。 こうした処遇の格差については、国際的にも批判を受けており、短時間労働者と通常の労働者との均等な待遇の確保を図るための法改正が必要であると考えます。 以下、本法案の概要について説明いたします。 第一に、事業主は、その雇用する短時間労働者について、均等待遇の確保等を図るために必要な措置を講ずることにより、短時間労働者がその有する能力を有効に発揮することができるように努めることとします。 第二に、事業主は、賃金その他の労働条件について、労働者が短時間労働者であることを理由として、通常の労働者と差別的取り扱いをすることを禁止します。 第三に、事業主が短時間労働者に所定労働時間を超えて労働させること、所定労働日以外の日に労働させることを原則として禁止します。ただし、短時間労働者の過半数で組織する労働組合等との書面による協定を厚生労働大臣に届け出た場合は、その協定に従って労働させてよいこととします。 第四に、事業主が通常の労働者を募集、採用する際は、既に雇用していて同種の業務に従事する短時間労働者であって、通常の労働者として雇用されることを希望する者に対し、応募の機会を優先的に与える等の措置を講ずるよう努めなければならないこととします。 短時間労働者と通常の労働者との待遇の均等を図ることは、男女の賃金格差の解消のみならず、若年者や高齢者の雇用や生活の安定、ワークライフバランスの実現に寄与するものと考えます。こうした趣旨を御理解いただき、本法案への御賛同をお願い申し上げて、趣旨説明を終わります。(拍手)
○岸田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○岸田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 内閣提出、参議院送付、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案及びこれに対する小宮山洋子君外四名提出の修正案並びに小宮山洋子君外五名提出、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、来る十三日火曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岸田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――◇―――――
○岸田委員長 この際、お諮りいたします。 古川元久君外四名提出、がん対策基本法案及び鴨下一郎君外三名提出、がん対策基本法案につきまして、それぞれ提出者全員より撤回の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岸田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――◇―――――
○岸田委員長 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として文部科学省大臣官房審議官磯田文雄君、厚生労働省医政局長松谷有希雄君、健康局長中島正治君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岸田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○岸田委員長 がん対策基本法案起草の件について議事を進めます。 本件につきましては、鴨下一郎君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、国民新党・日本・無所属の会の四派共同提案により、お手元に配付いたしておりますとおり、がん対策基本法案の草案を成案とし、本委員会提出の法律案として決定すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。仙谷由人君。
○仙谷委員 がん対策基本法案の起草案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び国民新党・日本・無所属の会を代表して、その提案の趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。 本案は、我が国のがん対策がこれまでの取り組みにより進展し、成果をおさめてきたものの、なお、がんが国民の生命及び健康にとって重大な問題となっている現状にかんがみ、がん対策の一層の充実を図るため、がん対策に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体等の責務を明らかにし、がん対策を総合的かつ計画的に推進しようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。 第一に、がんの克服を目指し研究を推進するとともに、その成果を普及、活用し発展させること、がん患者がその居住する地域にかかわらず、科学的知見に基づく適切ながん医療を受けることができるようにすること等をがん対策の基本理念として定めること。 第二に、政府は、がん対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、がん対策推進基本計画を策定することとし、厚生労働大臣は、基本計画の案の作成に当たり、関係行政機関の長と協議するとともに、がん対策推進協議会の意見を聞くものとすること。 また、都道府県は、がん対策推進基本計画を基本とするとともに、都道府県におけるがん患者に対するがん医療の提供の状況等を踏まえ、都道府県がん対策推進計画を策定するものとすること。 第三に、基本的施策として、がん予防の推進、がん検診の質の向上等のために必要な施策を講ずること、がんの専門医等の育成、拠点となる病院や連携協力体制の整備、がん患者の療養生活の質の維持向上及びがん医療に関する情報の収集提供体制の整備等のために必要な施策を講ずること、並びにがん研究の促進、がん医療を行う上で特に必要性が高い医薬品、医療機器の早期の承認に資する環境整備のために必要な施策を講ずることを定めること。 第四に、厚生労働省に、がん対策推進基本計画の案の作成に際し意見を聞くため、がん患者等を代表する者、がん医療に従事する者及び学識経験者から構成されるがん対策推進協議会を設置すること。 なお、この法律は、平成十九年四月一日から施行すること。 以上が、本案の提案の趣旨及びその内容の概要であります。 何とぞ速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手) ――――――――――――― がん対策基本法案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○岸田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本起草案について発言を求められておりますので、順次これを許します。冨岡勉君。
○冨岡委員 自由民主党、長崎の冨岡勉でございます。 がん対策基本法案、民主党法案と自民党法案の歩み寄りによる新しい提案がなされたところでございます。 今仙谷委員からもその趣旨についてはお聞きしたところではありますが、今国民は、この法案に接しまして、今までになされてきた、例えば医療制度改革、健康増進法、そして対がん戦略、対がん戦略に至っては、十年ごとでしたけれども、一応その成果を見、現在、第三次対がん十カ年総合戦略が施行されているところでございます。 これらの政策が既に施行されている中、今般、あえてこのがん基本法案が提出され、今、可決されようとしている、審議されているわけでございますが、今までなされていた政策と今回なされました提案の中でどこがどのように違うのか、明確にお聞かせ願いたいと思います。すなわち、何が今までに欠け、これから何をしようか、それが今回の基本法案では、いま一つ、我々現場でがん戦略を練ってきた者にとって、ちょっとどこがどう違うのか、かみ砕いて説明をしていただきたいというふうに思うわけでございます。まず、その点についてお聞かせ願いたいと思います。
○岸田委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○岸田委員長 では、速記を起こしてください。 それでは、もう一回、冨岡勉君。
○冨岡委員 私が思うに、一言で言うなら、これは今までのものをまとめた法案じゃないか、そのように解釈するんですが、しかし、やはり国民はその法案が出てきたからには一体何なんだということで、新聞紙上にも基本法案成立というふうになると、五年ごとにそういういろいろな統計をとったり、やはり政策を練り直して、従前と違う、そういう点で解釈してよろしいんでしょうかね。一歩前進したものではないかと私は感じるわけでございます。 ただ、その中でも、法律というのはやはり一つか二つは目玉がなくてはいけないと思います。一つだと一つ目小僧でおさまりません。二つあれば人並みか、それくらいをやはり言うべきかなと思っておりまして、今回、私、がんに対しましては、診断、治療、そして予防、さらにはそのメカニズムを研究するというのが四本柱としてあるわけなんですが、中でも今注目を集めているいわゆる放射線治療というのについて、ちょっと触れてみたいと思います。 お手元に一枚だけですけれども資料をお配りしておりますので、ちょっとそれを見ていただけますでしょうか。 今までだと、放射線治療というのは皮膚の上からかけるわけで、エックス線それからガンマ線、そういったものは皮膚が焼けたりやけどをします、あるいは、造血機能等を傷害してやはり非常に副作用が強かったんですが、今回新たに、十年ぐらい前からやられた政策として、陽子線それから重粒子線ですね、炭素線というんでしょうか、これが今から非常に脚光を浴びてくるのではないかというふうに思っております。 つまり、どういうことかというと、この一枚の絵の中の左の「放射線の生体内における線量分布」という図がございますが、これを見てわかるように、ブラックピークといって、エネルギーを調整すると深部に届いてそこで効果を発生するという性質がわかっておりますので、それを利用して、脳腫瘍とかあるいは肉腫類、肝臓がん、肺がんの小さいのを手術をしなくて治療ができる。 私は、外科をしておったんですが、これができたら困るなという気持ちで見ているんですけれども。ただ、それは個人的な見解で、非常に多くの患者さんにとっては福音になることじゃないか。こういった政策をこれからこの対がん戦略の中で強力に進めていくべきではないかというふうに思います。したがいまして、このがん対策基本法案の中でも、こういった重粒子線や陽子線を使った新しい治療を推進するというようなことを第一義的にアピールすることも必要ではないかと思います。 ちなみに、この装置は百メートル四方ぐらいの土地が今まで必要だったんですが、これがほぼ十分の一の大きさにまでなっています。したがって、各都道府県に一台ずつ備えつけることもできるような装置です。つまり、対がん戦略を練ると同時に、厚生労働行政は非常に後手後手の政策に回る場合が多いんですけれども、やはり戦略的な産業として、厚生労働分野のいろいろな機材そしてテクノロジーを使った新しい産業に結びつけることが、このがん対策基本法の中で、その裏側にある、奥にある基本戦略の中に、そういった先端技術を使った新しい産業の育成を視野に置いたような政策も含まれていることを国民の皆様方にも知っていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。 それから、ちょっと気づいたんですけれども、第二節第十五条二項の「国立がんセンター」云々という条項がございまして、これは何か、普通は基本法案とかそういった場合には固有名詞というのはほとんど出てこないのが通例でございますが、国立がんセンターといったらほぼ固有名詞になってしまいます。したがって、この場合は、がんセンター、がんセンターになりますと、都道府県を含めて多分二、三十カ所あるんじゃないかと思いますが、そういった配慮も必要ではなかったかなというふうに思いますが、これは聞くわけにはいかないんです。何か感想は。担当の方はおられますかね、政府参考人の方に。
○中島政府参考人 この十五条におきまして、国立がんセンターという固有名詞がここに掲示されておりますことにつきましては、私どもといたしましては、この国立がんセンターというものが、いわゆる我が国のがん診療ネットワークにおきまして、その中心的な組織として位置づけられているというような観点からここに記載をされているのではないかというふうに考えてございます。
○冨岡委員 普通は、これは基本法案だから、こういうのは名前はむしろ出さない方がいいです。組織機構も変わるかもしれぬし、国立でなくなるかもしれないし、どう変わるかわからない。基本法案ですから、それは細かいところは政令か何かで記載すればいいのであって、その点を申し添えまして、私の質問を終わります。質問というか、所見を述べました。
○岸田委員長 次に、高木美智代君。
○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。 このたび、与党、民主党・無所属クラブ、そして国民新党・日本・無所属の会、四会派取りまとめられまして合意に至ったことは、すばらしいことと高く評価をさせていただきます。また、その中で、長年公明党が主張してきたことも盛り込んでいただき、感謝申し上げます。 今までのがん対策を踏まえまして、国民の側からもさまざまなお声があります。そのお声をしっかりと受けとめていただき、今後迅速に推進すべきと思っております。 そこで、今後のがん対策につきまして、政府に何点か確認の質問をさせていただきたいと思います。 まず、がん治療でおくれている専門医の育成につきまして、特に放射線治療医の不足が懸念をされております。一日も早く、より多くの大学医学部に放射線治療や同診断学の講座を設けるべきと認識をしております。この点につきまして文部科学省にお伺いをいたします。また、あわせまして、大学病院における放射線治療教育を整備するなどのことも今後必要になるかと思います。そうしたことも基本計画で対処するということになりますけれども、その際の対応につきまして、この二点、まず文部科学省にお伺いいたします。
○磯田政府参考人 放射線腫瘍学講座など、がんの放射線治療について専門的な教育研究を行う組織を設置している大学は、七十九医学部中十八大学程度と承知しておりますが、大学の医学教育においては、放射線診断及び治療につきまして学習の到達目標を定めました医学教育モデル・コア・カリキュラムを踏まえたカリキュラム改革が進められておりまして、これに基づき各大学において放射線診断及び治療に関する教育が行われております。 また、大学病院におきましては、二年間の卒後臨床研修を修了した医師を対象に日本放射線腫瘍学会認定医の資格を取得できる専門医研修を行っているところもあると承知しております。 大学における講座等の教員組織の編制は各大学の主体的な判断により設計されるものではございますが、放射線医療の重要性を踏まえ、放射線医療の教育の充実や教育体制の整備が図られるよう、各大学に促してまいりたいと考えます。 また、放射線治療医の養成のためには、今申しましたような医学教育における放射線治療に関する教育の充実、大学病院等における専門医研修の充実を図ることが重要な課題と認識しておりまして、基本計画の内容につきましても、このようなことを踏まえ検討してまいりたいと考えております。
○高木(美)委員 厚生労働省にお伺いいたします。 ただいまの放射線治療医等の不足する専門医の育成についてですけれども、具体的には基本計画でしっかりと行うという与党のコンセンサスがありましたが、そのとおり盛り込まれるのかどうか、確認をさせていただきます。
○川崎国務大臣 法案におきましては、がん対策の総合的かつ計画的な推進を図るために、政府はがん対策の推進に関する基本的な計画を策定することとされており、この計画においては、放射線治療、抗がん剤治療、緩和医療等に係る専門的な医師等の育成及び研修の機会の確保等を含め、今まで政府として取り組んできた施策、法案において示された基本的施策の内容や法案審議の中で御指摘いただいた事項を反映した施策を明確にしていくことになるのではないかと考えております。
○高木(美)委員 続きまして、緩和ケアに関して伺いますが、現在、緩和ケアはがん末期の患者の終末期医療として行われていることにかんがみ、法案にありますとおり「早期から」、つまり、がんと診断されたところから治療と並行して緩和ケアが行われるという認識になりますが、この点につきまして確認をさせていただきます。
○川崎国務大臣 がん治療においては、患者と家族が可能な限り質の高い療養生活を送れることが大切であり、終末期だけでなく、治療の初期段階から積極的な治療と並行して痛みの除去等を行うことが重要と考えられております。 このため、治療の早期から麻薬等を用いた痛みの除去を含めた緩和ケアを実施することの重要性について、医療従事者の認識を高め、医療の現場において適切に実施されていくことが必要と考えております。
○高木(美)委員 続きまして、その際に、一つは、例えば平成十七年度からスタートした岡山大学の緩和医療学以外は大学病院に緩和ケア講座がないと聞いております。こうしたところについて緩和ケア教育を進めること、また、もう一つは、医師や看護師等に対しての研修の機会を確保して緩和ケアを徹底するということになりますが、文部科学省、厚生労働省、それぞれの見解を求めます。
○磯田政府参考人 お答え申し上げます。 緩和ケアに関する教育につきましては、先ほど御紹介がございました岡山大学の授業科目として緩和医療学を設けている例や、緩和医療センター等を設置しているがん専門病院等において実習を実施している例が見られるほか、緩和ケアに特化した講座としては置かれていないものの、関連する講座の中で、すべての国立大学及び多くの公私立大学において関連する教育科目を設けて教育が実施されているところでございます。 がん治療に関連して、身体的、精神的苦痛に対する早期からの緩和ケアの重要性にかんがみ、緩和ケアについての教育が充実されますよう、各大学の取り組みを積極的に促してまいりたいと思います。
○松谷政府参考人 がん患者に対する緩和ケアは、麻薬等を用いて患者さんの身体的苦しみや精神的苦しみを緩和し、療養生活の質の向上を図っていくという上で有効であるとされているわけでございます。 このため、厚生労働省としては、先生御指摘のとおり、医師、看護師を初めとした医療従事者等に対する研修事業の実施、さらには、医師臨床研修制度において基本的な緩和ケアができることをその到達目標の一つとすること、がん緩和ケアに関するマニュアルを作成し普及すること、在宅医療における緩和ケアに必要な麻薬が適切かつ円滑に提供される体制の整備などを通じまして、緩和ケアの普及と医療従事者の知識、技術の向上に取り組んでまいりたいと考えております。
○高木(美)委員 そこで、基本計画の決定につきましては法律が施行となってからでございますが、当然がん対策は急がれるだけに、本法案が成立すれば早速下準備を始めていただき、早い段階で決定するという流れをお願いしたいと思います。着々と準備を進めていただくという認識でよろしいかどうか、答弁を求めます。
○川崎国務大臣 本法案においては、政府が策定することとされているがん対策推進基本計画については、議員の御指摘のとおり、法施行後、早い段階で決定し、具体的な施策の推進につなげていくことが重要と考えております。 また、各都道府県において、国の基本計画を基本とし、それぞれの地域におけるがん医療の現状を反映した都道府県がん対策推進計画を策定することとされており、そのためには、政府はできるだけ早急にがん対策推進基本計画を策定する必要があると理解しております。 このような考え方から、厚生労働省としては、法案成立後できるだけ速やかに計画策定のための準備に着手する考えでございます。
○高木(美)委員 ぜひとも同時並行で準備をお願いしたいと思います。 また、協議会の設置につきましては法施行後早急にということですが、協議会を設置後、直ちに基本計画の素案のようなものを提示し、協議会の意見を聞き、また関係行政機関と協議して調整し、その上で基本計画を決定する、このような段取りになると認識しておりますが、その点につきまして、いかがでしょうか。
○川崎国務大臣 来年四月の法施行後、できる限り早くがん対策推進協議会を開催し、がん対策推進基本計画の案についても御議論いただけるように努力してまいります。
○高木(美)委員 緩和ケアのおくれの象徴例がモルヒネ等の消費量の少なさ、これは周知のとおりでございます。それは、国民の方たちに対しましても、麻薬中毒になるといったさまざまな誤認識を正すことも大事かと思います。そうしたことに当たりましての行政の取り組みはどのようになされるのか、お伺いをいたします。
○川崎国務大臣 御指摘のように、緩和ケアを推進していくためには、モルヒネ等の使用に関して国民に正しく御理解をいただくことは重要であると考えております。 このため、厚生労働省としては、これまで、研修等を通じてモルヒネ等の使用について医療従事者の認識を高めるとともに、インフォームド・コンセントの理念に基づき、医療従事者が診療中の患者やその家族に対し十分に説明を行い、正しい理解を得られるように取り組んできたところでございます。 今後は、こうした取り組みをさらに推進するとともに、国立がんセンターのホームページ等を活用して、直接国民にわかりやすく情報提供をしていくように努めてまいります。
○高木(美)委員 ありがとうございました。 以上で質問を終了させていただきます。
○岸田委員長 次に、山井和則君。
○山井委員 それでは、二十五分間、確認答弁をさせていただきたいと思います。 まず最初に、五月二十二日の参議院本会議でも、山本孝史参議院議員が、みずからのがんを告白されながら、一日も早いこのがん対策基本法の成立ということを訴えられました。本当に、まさにこの山本議員の発言というのは、全国のがん患者の方々、またその御家族の思いを代弁しておられるのではないかと思います。 山本議員の演説の中にも、命を守るのが政治の仕事であるという言葉がございました。そういう意味では、今議論されております医療制度改革の法案、この法案に関しましては、与野党で非常に評価が分かれておりますし、私たちは、まさにこれは命を縮める法案だと批判をしているわけでございますが、そういうある意味で厳しい状況の中で、このがん対策法案に関しては、超党派で合意ができて、この国会で成立ができるのではないか、こういう状況になりつつあることに対しまして、関係された方々に本当に感謝をせねばならないと思っております。 我が党に関しましても、四年前に、仙谷議員が病床から復帰して初めての質問でがん対策の飛躍的前進というものを訴えられてから、四年がたちまして、がん対策の議連を民主党が仙谷座長、古川事務局長ということで立ち上げて、四年間、ずっと今日まで取り組んでまいりました。四月四日に我が党案が出てから少し時間がかかりましたが、こうやって、本日、一本化ができましてこういう議論ができていることを非常に感慨深く思っております。 まさに国民の命のかかった非常に重い法案だと思っております。昨年の四月、五月の連休のNHKスペシャル、そしてことしの一月冒頭のNHKスペシャル、この中でがん特集が行われまして、私たち民主党の議員もみんなこれを見させていただきましたが、やはりこの中でも、このままではだめだ、救える命がもっと救えるはずだ、まさに国民病と言っても過言ではないこのがんというものに対して、余りにも日本は立ちおくれていたのではないか、そういう反省もあったのではないかと思っております。 そういう中で、今回は一本化ということになりましたので、質問をさせていただきたいと思います。 まず、最初の質問に関連して、民主党の法案に入れておりましたがん対策推進本部と、それに対応する、一本化されました法案のがん対策協議会について少しお話をして、質問したいと思っております。 民主党案では総理大臣を長とするがん対策推進本部を内閣府に設置するとしていたが、これは、国民病とも言えるがん対策は、省庁横断で、一元的な体制のもとで取り組む必要があると考えてきたからです。例えば大学病院でのがん専門医の養成は文部科学省管轄であり、厚生労働大臣がトップの推進母体では省庁間の連携及び実効性に欠くおそれがあると考えたわけであります。 与党案では特に政府とするだけで特定はしておられなかったわけですが、公明党の骨子案は民主党案と同じだったと聞いておりますけれども、このような点がどうなるのかというのが一つの協議のポイントでありました。そこで、与党と民主党との協議においては知恵が出されて、がん対策推進本部とは異なるものの、がん対策の一元的な取り組みと省庁間の連携を推進するため、法案において、がん対策推進協議会を厚生省設置法に基づいて創設することとしました。このことについては、山本孝史参議院議員も非常に御尽力をいただいたわけでございます。 具体的には、この協議会では、がん患者やその家族または遺族を代表する者をも含む二十人で構成する。がん対策推進基本計画の作成に当たっては、この協議会に意見を聞く。基本計画は閣議決定事項とする。基本計画は国会に報告されるとともに、インターネット等により公表される。厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対して、がん対策推進基本計画の策定のための資料の提出、またはがん対策推進基本計画において定められた施策であって当該行政機関の所管に係るものの実施について、必要な要請をすることができるというふうに法案の第十条に入っております。 そこで、まず一つ目。大臣に確認答弁をお願いしたいと思います。 法案第十条の関係行政機関の長には政府の関係省庁の大臣がすべて含まれるものと理解しているが、厚生労働大臣の見解はいかがでしょうか。
○川崎国務大臣 御指摘のとおり、政府の関係省庁の大臣がすべて含まれるものと理解しております。
○山井委員 このことに関しましては、まさにコメディカルを含むがん専門医の育成というのが非常に重要でありまして、文部科学省や総務省、あるいは財務省との連携が当然重要になってまいります。ぜひともよろしくお願いしたいと思います。 次には、がん対策推進基本計画の内容についてお伺いしたいと思います。 今提案されております法案にはその具体的な内容は書かれておりませんでしたが、民主党案では以下のとおり列記をしておりました。 少しだけ述べさせていただきますと、民主党案では推進計画と名づけておりまして、「推進計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。」「がん対策を推進するために政府が総合的かつ計画的に実施すべき施策に関する基本的な方針」、二つ、「がん医療を提供する医療機関の整備の推進に関し政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策」、このように、一つ一つは読み上げませんが、十一項目を書いているわけでございます。 そこで二つ目、川崎大臣に確認答弁をお願いしたいと思います。 政府が策定するがん対策推進基本計画には、法案第十二条から第十八条に掲げられている各種の施策を盛り込むべきであると考えますが、基本計画の案を作成することになる厚生労働大臣の見解はいかがでしょうか。 また、基本計画には、がん医療を提供する医療機関及びそれが提供するがん医療に関する客観的な評価の実施に関し政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策も盛り込むべきであると考えていますが、この件についての見解はいかがでしょうか。
○川崎国務大臣 本法案第九条において、政府は、がん対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、がん対策の推進に関する基本的な計画であるがん対策推進基本計画を策定しなければならないとされております。 ここで言うがん対策の推進にかかわる具体的な事項とは、がんの予防及び早期発見の推進、がん医療水準の均てん化の推進、がんにかかわる研究の推進等から成るものと考えられることから、本法案における第十二条から第十八条までの項目は基本計画の記載事項に含まれるものと理解しております。 また、がん医療水準の均てん化を推進する上で、居住する地域にかかわらず適切ながん医療を受けることができるよう、専門的医療機関の整備を進めることが必要であるが、これらの医療機関に関する客観的な情報提供をいかに行っていくかは重要な課題の一つであると考えており、今後検討を進めてまいります。
○山井委員 ありがとうございます。 それでは次に、一つ、これは一番大きなテーマとなりましたがん登録についてお伺いしたいと思います。 我が党案にはこのがん登録が入っていたわけでございます。民主党案では、国、都道府県が中心となって、すべてのがん患者を対象としたがん登録を実施することとしていたわけであります。もちろん、民主党案では、個人情報保護に配慮しつつ患者の診療内容を政府がデータベース化し、治療研究に役立てるという意味でがん登録が必要と考えておりました。 がん登録は、がん治療の地域間格差、施設間格差をなくし、全国どこに住んでいても、患者が、その時点で最も効果が高いと科学的に証明された質が高く安全な標準治療を選択できる体制をつくるために、不可欠な制度であると考えております。この標準治療のために、やはりこのがん登録が必要だと我が党は考えているわけであります。 実際、厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会に提出されたがん医療水準均てん化の推進に関する検討会報告書においても、現在行われている院内がん登録制度、地域がん登録制度の現状を分析した上で、地域がん登録制度の法律上の位置づけのあり方を検討すること、登録方式の標準化を推進すること等々が示されておりまして、そのような趣旨を酌んで、民主党の法案では第八条にがん登録を規定しておったわけであります。 そこで、川崎大臣に確認答弁をお願いしたいと思います。 法案第十七条第二にある「がん患者のがんの罹患、転帰その他の状況を把握し、分析するための取組」とは地域がん登録事業を指すと考えるが、厚生労働省の見解はいかがでしょうか。また、今後、地域がん登録事業を全国的に展開していくためには新たな立法措置が必要と考えるが、この点の見解はいかがですか。
○川崎国務大臣 御指摘のとおり、法案第十七条第二項にある「がん患者のがんの罹患、転帰その他の状況を把握し、分析するための取組」とは、現在一部の自治体で行われている地域がん登録事業を含むものと理解しております。 地域がん登録事業を全国的に進めていくに当たっては、登録事項や分析方法等についての調整が必要であり、広く関係者の理解と協力を得ていく必要があります。今後、これらの状況を踏まえ、立法の必要性の有無についても検討していきたいと考えております。
○山井委員 ぜひこのことに関しては、標準治療の確立のためにも必要なことでありますので、積極的に進めていっていただきたいと思っております。 それで、次に法案の施行日についてお伺いしたいと思います。 民主党案では、がん対策推進を求める国民の要望と、その緊急性、とにかくこれは待ったなしの問題だ、本当に一週間でも一日でも早く成立して施行した方がいい、そのような思いを、患者の方々のせっぱ詰まった思いを反映して、民主党案では「公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。」と規定をいたしました。 そこで、大臣の確認答弁をお願いしたいと思います。 今回の法案の施行日は来年四月一日となっていますが、法案の成立後速やかに所要の施行準備作業に着手し、がん対策協議会を来年度早々に立ち上げるなど、がん患者の期待にこたえるべきだと考えております。この点について厚生労働大臣の見解はいかがでしょうか。
○川崎国務大臣 本法案が成立した暁には、速やかに所要の施行準備作業に着手し、来年四月の法施行後できる限り早く、がん対策推進基本計画を策定するべく、がん対策推進協議会を開催し、がん対策推進基本計画の案についても御議論いただけるように努力してまいります。
○山井委員 今、私から、民主党としての四つの確認答弁をさせていただきました。 そして、この後はちょっと確認答弁ではないのですが、少しお伺いをさせてもらいたいと思っております。 冒頭申し上げましたように、やはり命を守ることに、救うことに政党の壁はないということで、今回、超党派でこのがん対策基本法が審議され、成立の方向に向かって進んでいるわけであります。 審議の最中から、川崎厚生労働大臣は、このような法案の取り扱いについては各党間で調整をしてほしいというふうなことを発言しておられました。こうやって一本化された法案がいよいよ審議をされ、成立の方向に向かってきたということに関して、川崎厚生労働大臣の御感想をお伺いしたいと思います。
○川崎国務大臣 与野党間の真摯な話し合いにより、こうして提案されたことに対して、私、担当する者として重く受けとめたいと思っております。 この法案の趣旨に沿ってがん対策が進んでまいりますよう、全力を挙げてまいりたいと考えております。
○山井委員 ぜひとも川崎大臣を先頭に、厚生労働省一丸となって、もっと言えば、この法案の一つの趣旨でもあります、日本の政府を挙げて、死因のトップであるがん対策のために、そして、どこに住んでいても一定レベル以上の治療が受けられるように、そして、先ほどもお話がありましたように、診断された時点で緩和ケアもしっかりと受けられるように、そういう対策をしていただきたい。また同時に、コメディカルや専門医という人材育成が圧倒的におくれてしまっている、このためにも力を尽くしていただきたいと思います。 この法案をこの国会で成立させるべく私たちは精いっぱい頑張っているわけですけれども、一つだけ私が気になっていることを申し上げたいと思っております。 それは、先ほどの冨岡議員の質問にもありましたが、この法案を成立させて何が変わるのか、どのように変わるのかということが次の問いとして、がん患者の方々から、当然私たち議員も政府も問われてくるわけであります。 私たち民主党も、この法案をつくる過程で、仙谷議員を先頭に、四年間、がん患者の方々と意見交換をし、また、がん患者の大集会にも我が党の議員も出席させていただき、思いを酌み取ってまいりました。そして、参考人で医療制度改革のときに出席してくださったがん患者の会の代表の山崎さんからも、一日も早くこの国会でがん対策基本法を成立させてほしいという要望が聞かれました。 そしてまた、アメリカで、一九七一年にニクソン大統領の当時、キャンサー・アクト、がん国家法というものが成立して、それがやはり大きな契機となってがん対策が進んで、今アメリカでは、がんによる死亡者が減っている。しかし、日本ではまだまだふえているということになるわけです。 つまり、この法律が成立したことによって、やはり、がんによる、がんを死因とした、お亡くなりになる方がやはり減っていく、そういう契機とならなければ、この法案をつくった意味というのがある意味で果たせないではないかと思っております。 がん患者の方々は、この法案が成立したら当然喜ばれると思います。しかし、次の瞬間、では、自分の治療はそれでどうよくなるのか、また、御家族の方からしたら、自分の家族のこの治療はどう変わるのか、やはり一日千秋の思いで待っておられる方々であるわけですから、そのことは当然問われると思います。 そのときに、法律はできたけれども何も変わらないということが万が一あったら、これはがん患者の方々に対する私は裏切りであると思います。決して、このような命を守り救う法律というのが、政治家や政党の自己満足や点数稼ぎであってはならない、そのことは、私も、自分自身への戒めとして感じなければならないと思っております。 まず、これから私たちがせねばならないのは、法律をつくったとしても、どうやって魂を込めていくか、本当に患者の方々にとって喜ばれるものにしていくか。そういう意味では、これからこそ、本当に政府も議員も、党派を超えて力を入れていかねばならないと思っております。 そこで、川崎大臣にお伺いをしたいと思います。お伺いであり、要望でありますが、今回、特別国会や来年の国会ではなくて、やはりこれはこの国会で通さねばならないという思いの一つの理由は、来年度に対する概算要求で、この法律ができたことによって大きな弾みがつく、つけないとだめだ、そういう思いをみんな持っているわけであります。これはまさに要望となりますが、ぜひともこの法律を一つの根拠として、ばねとして、契機として、来年度の概算要求に対して、がん対策へ大幅な予算をつけていただきたいということをお願いしたいと思いますが、川崎厚生労働大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
○川崎国務大臣 四月施行でございますから、まず、推進計画をどのように書き上げるか、これは皆さん方の御意見を聞きながら、しっかりしたものをつくらなきゃならないだろう、一方で、そろそろ私ども、歳入歳出計画、約五年間の流れを書きます、その中でがん対策というものをどう位置づけるかも含めて、しっかり与党内で議論しながらやってまいりたいと考えております。
○山井委員 まさにこのことは、ある意味で、党派を超えて、概算要求のことについても、各政党、議連があったりしますから、そういうところも連携して、力を入れてやっていきたいと思います。 そして、何よりも重要なことは、私たち民主党は、とにかくがん対策にだけ予算がついたらいい、がんの患者の方々だけのために政策をしようというわけじゃありません。日本の医療の貧困さ、おくれというものが、専門医やコメディカルの方々の人材不足に集中的に象徴されているのががん対策である。ですから、このがん対策基本法を突破口に、日本の医療をやはり前進させようという思いがこもったのがこの法律であると思っております。 患者大集会を成功させました、実行委員長であった三浦捷一先生も、情報センターの設立、そして、抗がん剤の治験を早期にする運動など、ずっと署名活動をされたり、二千人規模のがんの患者大集会もされて、運動をしてこられましたが、昨年の末に、残念ながら、天国に召されたわけであります。佐藤先生も、運動の先頭に立っておられましたが、今はこの世におられませんし、そういう多くの方々の思いがこもっている。 私たち、政府、国会、一丸となってその思いを受け継がねばならないわけですし、今の大臣の答弁にありましたように、法律ができた後の方が、私たち国会議員や政党の責任というのは、ある意味で、重いと思っております。 我が党におきましても、医療制度改革チームの座長をされておられました今井澄先生も、まさに医療をよくするために国会議員になられたわけでありますが、志半ばで、がんの病を患われて、逝ってしまったわけでございます。 そういう意味では、山本先生も、今、参議院の方で、がん対策基本法、これを衆議院で一日も早く通して、参議院でも通すという思いで頑張っておられますし、仙谷議員も、ことし、年明けてから、ずっと中心になって、このがん対策法の成立のために、私たち民主党議員を引っ張ってくださっておりました。 最後になりますが、本当に多くのがん患者の方々や、また、きょうもお越しいただいておりますが、法制局の方々にも、本当に無理を言いながら、与党案も野党案も、本当にお世話になりました。 また、我が党のことになりますが、秘書団の方々や、また、政調のハーバーマイヤー乃里子さんや、坂上直子さんや、美濃部卓也さん、こういう方々にも、本当にお世話になりました。 多くの方々、まさに全国のがん患者や御家族の方々の思いを私たちが受けとめて、この法案がきょうの日の審議まで来させてもらったということに改めて感謝をし、そして、この法律が成立することによって、がん治療が大幅に前進し、一人でも多くのがん患者の方々の救える命を救っていける法律となることを心よりお祈りし、また、この法律によってがん対策を進めていくという決意を改めて申し上げて、私の質問とさせていただきます。 どうもありがとうございました。
○岸田委員長 次に、高橋千鶴子君。
○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。 提案されました、がん対策基本法案について、意見を述べさせていただきます。答弁は要りません。 先般の健康保険法審議の中で参考人からも意見があったように、がん対策基本法については、患者や家族、関係団体からも強い要望があり、私自身も、今国会で成立させるべきと考え、そのために、各党の一致点を探るべきだと主張してまいりました。与党、民主党の協議が調わず、結果として、別々に案が提案されるという経過をたどったわけでありますが、そうであるならば、それぞれの案について十分な審議がなされ、その上で、一本化への合意を形成することが、本来のプロセスであったろうと思われます。 残念ながら、今回の経緯は、少数野党への配慮を欠いた対応がされたと指摘せざるを得ません。がん患者、家族の強い要望を受けてここまで歩んできた経緯を踏まえれば、このような事態は極めて残念なことであります。今後も、さまざまな課題について、国民の要望にこたえ、党派を超えて決議を行う場合があり得ます。あえて一言申し上げさせていただきました。 がんは、依然として、死亡原因の最も高い疾病であります。この疾病から国民の命と健康を守るために、原因の究明、予防、治療の前進、早期発見、早期治療の体制、そのために、必要かつ適切な医師や看護師等の確保、病院や施設の整備、地方自治体と医療機関の連携など、さまざまな施策を総合的に推進することが強く求められています。この推進に当たっては、国が責任を持つべきことは言うまでもありません。全国どこでも適切ながん医療が保障され、最新の医薬品や治療法情報についても、受けることができるように十分配慮されるべきであります。 とりわけ、がん患者、家族の意見を施策に反映することが重要であります。抗がん剤の使用、最新情報の収集と公開、高度な医療機関の整備、緩和ケアの充実などは、患者、家族にとって切実な要望となっております。 今回、一本化された基本法が、厚生労働省内にがん対策推進協議会を設置し、がん対策推進基本計画の案の作成段階において、関係行政機関だけでなく、がん患者、家族、遺族など、当事者の意見聴取を行うとしたのは、評価できるものであります。 がん対策の前進にとって配慮されなければならないことは、インフォームド・コンセント、自己決定の権利の尊重であります。これは医療の大原則であり、深刻な病であれば、なおさら尊重されるべきであります。 また、先進医療への期待と混合診療の拡大によって、経済的負担が増大することは避けなければなりません。本法案の大きな目的でもある地域格差が克服されていっても、所得のあるなしによって命に格差が起きることは、あってはならないと思います。 また、薬害によるがんの発生など決して許してならないことも、言うまでもありません。 我が党は、がん対策が不十分な現状と国民要望の広がりを念頭に、今回のがん対策基本法案が、おくれているがん対策を少しでも前進させ、患者や家族の深刻な現状を改善する一助になるものと考え、賛成したいと思います。 以上述べて、意見とします。
○岸田委員長 次に、阿部知子君。
○阿部(知)委員 社会民主党の阿部知子です。 午前中の審議に引き続き、両案の提案者の皆さんにおいて合意がなされ新たな提出の案件ができ、この場をおかりいたしまして、厚生労働大臣初め行政にかかわります皆様に確認の答弁をさせていただきます。 この法案の誕生の経緯と申しますものは、もともと命には色も党派もないにもかかわらず、先ほど来共産党の高橋委員が御指摘のように、少数政党には配慮を欠く運営がなされました。このことは、この法案の中身のすばらしさとは別途に、やはりもっとちゃんとしたやり方があったのではないかと私は思っております。 しかし、その一方で、この法案の成立を待ち望む患者さんがおられるということも事実でございますので、そういう観点からは、この法案の趣旨自身には賛成をさせていただくものであります。 以後、三点にわたって確認をさせていただきたいと思います。 午前中の審議でも申し上げましたが、厚生労働省並びに政府にあっては、昭和五十六年、がんが我が国の死亡者統計の一位になりましたときから、三次にわたる計画、十カ年計画、新十カ年計画、そして現在、第三次対がん十カ年総合戦略ということで取り組みを進めておられます。 その第三次がちょうど平成十六年度から始まってございますが、この第三次の計画の中でも、例えば推進体制においては、企画運営会議を設けるというふうなことも書かれております。今般できてまいります新たな協議会とこの企画運営会議との整合性はどのように図られるのか、この点について大臣にお願いいたします。
○川崎国務大臣 法案の内容を私、よく承知しておりませんので、今やっていることを申し上げますと、基本的に、まず私どもは、経産省、文科省と私どもによります三省のがん対策に対する連絡会議がございます。それがある意味では内閣の中に位置づけられた組織でございます。 一方で、昨年、尾辻さんが先頭になっておつくりいただいた、大臣を中心とした推進体制というものが厚生省の中にあるということが今日までの体制でございますけれども、新しい体制ができ上がりましたときに、一つは、先ほどからお話がございましたように、がん患者等の方々が参加して、我々、その意見を聞きながら最終的にまとめていくというステップになるのであろう。それから、多分、先ほど私が申し上げた、経産省、文科省との連携、これを法律的に位置づけたという解釈を私どもはいたしております。多分総務省等も入ってくるんだろう、このように考えております。
○阿部(知)委員 私がお伺いしたかったのは、今度、推進協議会は、厚生労働省の審議会の一つとして、例えば中医協、社会保険審査会とか、あるいは中央最低賃金審議会とかと並ぶ一つの大きな審査会、協議会として発足するわけです。それはそれで大変に前向きですし、患者さんの声もそこに反映されるということで、こうした案を御提案くださった皆さんの英知は非常に私は前向きに評価するものでありますが、一方で、これまでの体制というものとどう絡み合わせていくのか。やはり幾つものヘッドクオーターがございますと、物事がなかなか推進していかなくなる場合もございます。その辺のかじ取りは厚生労働大臣が鋭意御尽力いただきますことを一点お願い申し上げたいと思います。 二点目は、今大臣の御答弁にもございましたが、これまでの十カ年計画等々でございましたならば、既に経産省、昔は科学技術庁と申しました、そして文科省、厚生労働省、あるいは他の省庁も含めての内閣を挙げての取り組みということも考えられておりました。 ちなみに、例えば予算面で申しますと、今、厚生労働省関係のがん対策予算が百四十一億で、文科省関係の予算が百二十九億、合わせて、総計、三次十カ年計画では二百七十億という予算が計上されております。 私は、今後さらに、先ほど山井委員の御質疑の中にも、どのくらいの予算が今後このがん対策についていくのかという観点からも、あるいは、他の省庁と挙げた取り組みをしていくためにも、それなりの論議の場というか受け皿と申しますか、考え方を詰める場が必要と思いますが、それはどのような形でなされるのでしょうか。大臣に御答弁をお願いいたします。
○川崎国務大臣 予算の実額については、きょう法律を取りまとめていただいたところでございますので、正直言って全く見当がついておりません。 それから、経産省でも科学技術関係予算ということで研究費が入っておると思いますので、三省の予算を合わせながら、もちろん総務省の交付税もあるわけですから、もう少し膨らみは、実は地方を足しますと大きいんだろうと思いますけれども、それを合わせながら、そういう数字もしっかり掌握しながらやっていかなきゃならないな、このように思っております。
○阿部(知)委員 この点についても、ぜひ厚生労働大臣のリーダーシップ並びに内閣挙げてのお取り組みをお願いしたいと思います。 ちなみに、私がこれまでいただきました文科省と厚生労働省の予算等々の内容の中にも、最も問題になります医師の育成、これから放射線治療にしろ疼痛緩和治療にしろ、もっと言えば、これから外科医が少なくなっている等々の基本的な医療構造の問題にしろ、何せこれからの世代が、がんを避けたり、当直やきつい勤務は嫌という声が上がっている中でございますが、果たして医師の教育ということにおいてはどんな計画をお持ちで、どんな予算立てをお考えであるのか。少なくともそのくらいはお考えを披瀝していただかないと、医療を支えるのは人でございます、医師でございます。器はできても中で支える人が育ってこなければ、実際には患者さんたちに納得のできるいい医療は提供できません。 これは医療制度改革論議のさなかにも最も問題になりましたことでありますので、本日のこのがん対策基本法の新たな成立を見るに当たって、大臣としてのお考えをお願いいたします。
○川崎国務大臣 これは、正直言って、今回初めて、先ほども冨岡委員の中で議論がございましたけれども、がんセンターを拠点としながら、各地域の拠点病院をつくっていく、県のシステムをつくり上げていく、その中核はやはり大学病院に入っていただきたい、こういうシステムをつくっているわけですけれども、現実は、余り大学病院の参加もいただいてまいりませんでした、去年まで。ことしは文科省から通達を出してもらいまして、各県の拠点というものに、まず中核的に入ってもらうということから今整備を進めているところでございます。 そういう意味では、各県が大学病院を中心としながら、病院関係者としっかりとしたネットワークを組んでいく、その情報というものの掌握は、がんセンターが行う。場合によっては研修等もそういう形でやっていくという中で、まず進めることになるだろうと思います。 しかし、その他の問題で、文科省とまだまだこれから実は話し合いを始めなきゃならない問題が極めて多うございます。正直申し上げて、まだしっかりとした道のりができ上がったわけではございません。しかし、法案でも示されているとおり、それを大きな問題意識としてやっていかなきゃならないと思っております。
○阿部(知)委員 一人のいい臨床医を育てるにも、指導医にかかわる給与、あるいはさまざまな教育にかかわる経費というものは、これは非常に重要なファクターでございますから、また鋭意お取り組みをお願いしたい。 そして、最後に、私は、このたび民主党の仙谷委員あるいは亡くなられた今井先生、そして今御尽力中の山本孝史先生などの、本当に命をかけてのこの取り組みを高く評価するものですが、また同時に、同じ働く仲間からがんが出るということ、それは私自身も含めて可能性のあることです。そうした場合に、こういう、この場にいる者の、議員の健診はさておき、ここでお働きの職員の皆さんの健診がどうであるかということも、ちょっとちなみに手元にデータを取り寄せてみました。受診率ももちろん低く、正直申しまして健診の内容についてもまだまだ問題があるかなと思います。 私どもの院の仕事を支えてくれる大事な職員ですから、ぜひこの点も大臣が先頭になって、ここの、私どもを支えてくださる仲間の健康をきっちりと守っていただけますようにお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。
○岸田委員長 以上で発言は終わりました。 お諮りいたします。 お手元に配付いたしております草案をがん対策基本法案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○岸田委員長 起立総員。よって、そのように決しました。 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岸田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、来る十三日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時二分散会