厚生労働委員会 第13号
- 発言数
- 7 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 2006/04/07
会議録
○岸田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、健康保険法等の一部を改正する法律案、良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律案、小宮山洋子君外四名提出、小児医療提供体制の確保等のために緊急に講ずべき施策の推進に関する法律案及び園田康博君外三名提出、医療を受ける者の尊厳の保持及び自己決定に資する医療情報の提供、相談支援及び医療事故等の原因究明の促進等に関する法律案の各案を議題といたします。 順次趣旨の説明を聴取いたします。川崎厚生労働大臣。 ————————————— 健康保険法等の一部を改正する法律案 良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○川崎国務大臣 ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案及び良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 まず、健康保険法等の一部を改正する法律案について申し上げます。 我が国は、国民皆保険のもと、だれもが安心して医療を受けることができる医療制度を実現し、世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきました。しかしながら、急速な高齢化など大きな環境変化に直面している中、国民皆保険を堅持し、医療制度を将来にわたり持続可能なものとしていくためには、その構造改革が必要であります。このため、医療費適正化の総合的な推進、新たな高齢者医療制度の創設、都道府県単位を軸とした保険者の再編統合等の措置を講ずることとしております。 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、予防を重視しつつ、生活習慣病対策の充実や平均在院日数の短縮といった中長期的な医療費適正化対策を計画的に進めるとともに、現役世代並みの所得のある高齢者の患者負担の引き上げや療養病床に入院する高齢者の食費、居住費の負担の見直しなど短期的な対策を講ずることにより、医療費適正化を総合的に推進することとしております。 第二に、七十五歳以上の後期高齢者を対象とする新たな医療制度を創設することとしております。この制度においては、七十五歳以上の高齢者の心身の特性等を踏まえ、それにふさわしい医療サービスを提供するとともに、保険料、現役世代からの支援及び公費を財源とし、都道府県単位ですべての市町村が加入する広域連合が運営することとしております。また、六十五歳から七十四歳までの高齢者の医療費について、国民健康保険及び被用者保険の加入者数に応じて負担する財政調整制度を創設し、超高齢化時代に備えた安定的な高齢者医療制度を創設することとしております。 第三に、都道府県単位を軸とした保険者の再編統合を進めていくこととしております。このため、国民健康保険においては、都道府県内の市町村国保間の保険料の平準化を図るための共同事業の拡充を行うこととしております。また、政府管掌健康保険を公法人化し、都道府県ごとの医療費を反映した保険料率を設定することとしております。 以上のほか、中央社会保険医療協議会について委員構成の見直しや団体推薦規定の廃止等を行うとともに、介護保険法における介護療養型医療施設の廃止等の所要の改正を行うこととしております。 最後に、この法律の施行期日は、現役世代並みの所得のある高齢者の患者負担の引き上げなどについては平成十八年十月に、医療費適正化計画の策定や新たな高齢者医療制度の創設などについては平成二十年四月にするなど、改正事項ごとに所要の施行期日を定めることとしております。 次に、良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律案について申し上げます。 我が国の医療提供体制については、国民の健康を確保し、国民が安心して生活を送れるための重要な基盤となっております。一方で、高齢化の進行や医療技術の進歩、国民の意識の変化など、医療を取り巻く環境が大きく変わる中、だれもが安心して医療を受けることができる環境を整備するための改革が不可欠となっております。このような観点から、国民の医療に対する安心、信頼を確保し、質の高い医療サービスが適切に提供される医療提供体制を確立するため、患者の視点に立った制度全般にわたる改革を行うこととし、本法律案を提出することとした次第であります。 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。 第一に、患者、国民による医療に関する適切な選択を支援するため、都道府県を通じた医療機関に関する情報の公表制度の創設や広告規制の大幅な緩和など、医療に関する情報提供を推進することとしております。 第二に、医療計画制度を見直し、医療機能の分化、連携を推進することを通じて、地域において切れ目のない医療の提供を実現し、質の高い医療を安心して受けられる体制を構築することとしております。 第三に、僻地や、小児科、産科などの特定の診療科における医師の偏在問題に対応し、地域における医師確保の推進を図ることとしております。 第四に、地域における医療の重要な担い手である医療法人について、非営利性の強化などの規律の見直しを行うとともに、救急医療、小児医療など地域で必要な医療の提供を担う医療法人を新たな社会医療法人として位置づけることとしております。 第五に、医療従事者の資質を向上し、国民の医療に対する安心を確保するため、医師、歯科医師、薬剤師、看護師等の医療従事者について、行政処分を受けた者に対する再教育制度の創設など行政処分のあり方を見直すこととしております。 以上のほか、医療安全支援センターの制度化など医療安全の確保の推進、在宅医療の推進のための規定の整備等を行うとともに、外国人臨床修練制度の対象として新たに看護師等に相当する海外の資格を追加するなどの改正を行うこととしております。 最後に、この法律の施行期日は、一部を除き、平成十九年四月一日としております。 以上が、健康保険法等の一部を改正する法律案及び良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。 何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○岸田委員長 次に、柚木道義君。 ————————————— 小児医療提供体制の確保等のために緊急に講ずべき施策の推進に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○柚木議員 昨日の本会議でも趣旨説明をさせていただきました民主党提出の小児医療提供体制の確保等のために緊急に講ずべき施策の推進に関する法律案について、提案理由及び法案概要を御説明申し上げます。 小泉政権のもと格差拡大が指摘されておるわけですが、とりわけ小児医療、この分野における医療格差についても、地域間格差、診療科間格差として指摘されております。解消されない医師の不足、偏在や、ふえ続ける医療事故、さらには当直を挟んで連続三十二時間労働も珍しくない、そういった労働環境のもと、小児科医の過労自殺という現実も看過できないわけでございます。子供が病気になった際に、何時間も待たされたり、救急車でたらい回しにされたあげくに、かけがえのない命を医療体制の不備によって失われてしまう、そういった現状にございます。我が国は、大変残念なことに、一歳から四歳の乳幼児死亡率が先進十四カ国の平均を約二割も上回るという現状にございます。 こうした問題点解決に向けて、本法案を提出させていただきました。以下、概要を申し上げます。 第一に、基本理念といたしまして、地域事情に配慮しながら、いつでも安心して小児救急医療が受けられる体制をつくり、小児医療にかかわる医療従事者の養成や確保、配置、労働時間の管理などを適切に行い、良質で適切な小児医療体制をつくります。 第二に、国と自治体は、小児医療提供体制施策の策定と実施責務を負います。 第三に、厚生労働大臣は、小児医療体制整備を総合的に進めるためにその基本方針を定め、都道府県は、その方針に沿って医療計画の中での体制確保を定めます。 第四に、国及び地方公共団体は、緊急小児医療提供体制として、中核小児科センター、地域小児科センターの整備、さらに小児医療連携体制整備などを行い、小児救急医療にかかわる医療従事者の人材養成、確保のための施策をとります。 第五に、国は、小児医療計画を達成するため、都道府県に対し、小児医療計画による事業費についても必要な助成を講じます。 第六に、小児医療提供施設管理者は、適切な労働時間を設定し、勤務交代制をしくなどの必要な措置を講じます。 第七に、小児医療では、夜間、休日の診療が強く求められ、他の診療科に比べても多くの時間と労力の必要性があることを踏まえ、健康保険等の診療報酬の見直しを行います。 なお、本法案は、平成十九年四月一日施行といたします。 さらに、平成二十年度以降、小児医療費について、義務教育就学前は被保険者等の負担をゼロとし、義務教育の間は同じく負担割合を一割とするために必要な措置を講じます。 以上が、本法案の提案理由及びその概要です。 昨日の質問、答弁にもございましたような、まさに危機的な状況にある小児医療に関しまして、本委員会における慎重な御審議をお願いを申し上げ、私からの法案の説明、概要といたします。
○岸田委員長 次に、岡本充功君。 ————————————— 医療を受ける者の尊厳の保持及び自己決定に資する医療情報の提供、相談支援及び医療事故等の原因究明の促進等に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○岡本(充)議員 ただいま議題となりました医療を受ける者の尊厳の保持及び自己決定に資する医療情報の提供、相談支援及び医療事故等の原因究明の促進等に関する法律案、通称医療の安心・納得・安全法案について、提出者を代表し、その趣旨及び概要を御説明申し上げます。 本法案は、第百五十四回常会に提出した医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律案、通称患者の権利法案を基礎として、現在の医療提供体制に必要な項目を法案化したものでございます。 良質かつ適切な医療が提供されることは大前提でありますが、今まさに、医療に対する安心感、医療を受ける者の納得感、そして医療の安全性をどのように高めるかは喫緊の課題となっております。 今回、政府が提出されました医療制度改革関連二法案は、医療財政改革が中心的課題となっています。健康保険法を改正し、さらなる負担を求めようとする前に、過去の医療制度改革の総括を行い、置き去りにされてきた医療の質の向上という大きな課題に対し、この機会にきっちりと結論を出すことが政治の大きな責任だと思っています。 そもそも、医療とは、医療を受ける者と医師との共同作業で行われるべきものであります。現在、ようやくインフォームド・コンセント、説明に基づく同意という概念が広がり始めました。医療を受ける者のうち、求める者に対してはさらに自己選択や自己決定ができるという、インフォームド・チョイス、説明に基づく選択、そしてインフォームド・デシジョン、説明に基づく自己決定といった概念もあります。医療を受ける者の主体性が尊重されていく必要があるわけであります。 また、医療事故を未然に防ぐ体制整備も求められています。万が一医療事故が生じた場合においても、徹底的な原因究明とその報告が行われ、同じ事態が繰り返されないようにすることは、医療の安全性を高める重要な要素です。 この法案を成立させ、医療を受ける者の安心、納得、安全を確立することで、医療の質を高め、医療財政改革のみでは得ることのできない満足感を医療を受ける多くの国民の皆様方に与えることができると考えています。 以下、法律案の概要を申し上げます。 第一は、医療を受ける者に対する医療に関する情報の提供について、基本的な事項、医療機関等に関する情報の開示、報告を定めるとともに、広告規制について、原則自由化の方向性を示しています。 第二は、医師等は診療について十分な説明を行うこと、説明、報告に当たって医師と医療従事者間の連携がとられること、さらに、薬剤師においては調剤に関する説明を十分に行うこととしています。 第三には、カルテなど診療記録の開示等です。 医療機関の管理者は、医療を受ける者等から請求があれば、医療を受ける者に悪影響を及ぼす場合などを除き、診療記録を開示しなければならないとしています。また、医療を受ける者等の申し出があれば、医療に要した費用の内容の詳細な内訳がわかる書面を交付することとしています。 そして、第四に、医療機関における相談対応のあり方を規定するとともに、都道府県が相談支援機関として医療相談支援センターを設置することを定めています。 第五に、安全かつ適正な医療確保のための体制整備として、医療機関に医療安全委員会を設置すること及び医療事故等の報告の規定を置き、第六に、医療技術に関する評価及び医療機関に関する評価について定めています。 これらの諸施策を実現することで、医療を受ける人の尊厳が保持され、医療を受ける人の理解と自己決定に基づいた良質かつ適切な医療の提供が促進され、日本の医療の信頼性の確保と向上がなされること、医療を受ける人々の権利利益の擁護を行おうとするものでございます。 以上が、本法案の提案理由及びその概要でございます。 医療はお金の問題だけではないことを、先日の本会議でも皆様方にお話をさせていただきました。そういった中で、不幸にして不治の病を患った皆様方も、安心、納得、安全な医療を受けて、満足していただける、そういった体制を整えることは大変重要だと思っております。 そういった中で、民主党は、ただいま柚木議員から御説明がありました小児医療緊急推進法、そしてまたこの医療の安心・納得・安全法、この法律、そしてさらにはがん対策基本法と、三つの法律を大きな柱として皆様方に御提案をさせていただいております。今回、残念ながらがん対策基本法が審議にまだ付されておりませんが、一刻も早い御審議入りをお願いする次第でございます。 ぜひ、この法案に対しましても、趣旨を十分に御理解賜り、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げまして、私の提案理由及び説明とさせていただきます。ありがとうございました。
○岸田委員長 以上で各案の趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十分散会