経済産業委員会 第6号
- 発言数
- 166 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2006/03/22
会議録
○石田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律案、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法及び輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法を廃止する法律案、工業再配置促進法を廃止する法律案の各案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 各案審査のため、本日、政府参考人として公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長舟橋和幸君、公正取引委員会事務総局審査局長松山隆英君、金融庁総務企画局参事官山崎穰一君、総務省大臣官房審議官岡崎浩巳君、財務省大臣官房審議官佐々木豊成君、文部科学省大臣官房審議官布村幸彦君、文部科学省科学技術・学術政策局次長下村和生君、厚生労働省大臣官房審議官草野隆彦君、厚生労働省職業安定局長鈴木直和君、経済産業省大臣官房政策評価審議官高橋英樹君、経済産業省大臣官房地域経済産業審議官奥田真弥君、経済産業省大臣官房商務流通審議官迎陽一君、経済産業省大臣官房審議官大辻義弘君、経済産業省経済産業政策局長北畑隆生君、経済産業省貿易経済協力局長石田徹君、経済産業省製造産業局長石毛博行君、中小企業庁長官望月晴文君、国土交通省自動車交通局技術安全部長久米正一君及び日本政策投資銀行理事荒木幹夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○石田委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。近藤洋介君。
○近藤(洋)委員 民主党の近藤洋介でございます。質問の機会をいただき、感謝を申し上げます。 本日は、工業再配置促進法、そして民活法、輸入・対内投資促進法の三法案廃止についてまず最初質疑をいたしますが、その前に、本委員会でも指摘をされてまいりました電気用品安全法の運用について、幾つか伺っていきたいと思います。 電気用品安全法は、電気用品の安全性を確保するために中古製品にPSEマークを取るよう義務づけた法律でありますが、この四月一日から、五年間の経過措置を経て制度が本格導入されるということであります。しかしながら、中古電気用品につきまして、とりわけ電気・電子楽器や音響機器などいわゆるビンテージ物と呼ばれる分野について、制度の周知徹底が一部でおくれているという指摘を受け、経済産業省は、このたび中小事業者の負担を軽減するということから、特別の措置を発表されております。 委員長のお許しを得て資料を配付させていただいておりますが、この一枚目に、経産省が三月十四日付で発表されたその骨子をそのまま記載しております。内容はごらんのとおりですが、全国で中小事業者を対象に検査機器の無償貸し出し、さらには、六カ月間無料で出張の検査サービスを行う、全国五百カ所で検査を受けられる体制を整える、さらには、いわゆるビンテージ物について検査を必要としない特別承認の制度を設ける、また、百万枚のビラも配布するというような措置も公表されておるわけであります。 そこで、最初にお伺いいたしますけれども、これらの一連の措置について、最低でどの程度の費用がかかるのか、また、全体で最終的にはどれぐらい見込まれるのか、おおよその数字でも結構でございますので、現時点でのコストにつきまして、事務当局でも結構でございます、お答えいただければと思います。
○迎政府参考人 お答え申し上げます。 今回の対策の内容につきましては、現在、関係各方面とも意見を調整しながら詳細を詰めておるところでございまして、これにかかる具体的な費用の額については、現在そういう状況でございますので、検討中の段階ということでございます。
○近藤(洋)委員 検討中といっても、今発表されていることを実施するにはどれぐらいかかるのかというのは当然積算して当たり前だと思うのですが、もう一度、現時点でどの程度見込まれるのか、お答えいただけないのですか。お答えいただけないような理由でもあるのですか。積算できて当たり前だと思うのですが。
○迎政府参考人 例えば、手続の簡素化ですとかルールを変えるですとか、費用のかからないものもございます。それから、広報関係ですとかそういうことで、通常の印刷費等かかるものもございますし、それから、無償の貸与なんかになりますと、機器を幾らぐらいで調達するか、これはまたいろいろ関係機関の協力も得ながらやってまいりますので、国の費用としてどれぐらいのものが必要かというのは、ちょっと現段階でははっきりしたことを申し上げられないということでございます。
○近藤(洋)委員 くどいようですが、では、百万枚のビラを印刷し郵送するのでどれぐらいかかるのか、さらには、機器を無償貸し出しするとおっしゃっていますが、機器を購入する額というのはどれくらいなのか、人件費の部分を除いても結構ですからお答えください、通告をしておりますので。
○迎政府参考人 広報の費用でございますと、例えば、ビラの印刷とかそういうことになりますと、五百万円とかそういうふうな数字がかかるわけでございます。それから、機器の調達につきましては、一般の市価ですと十万円ぐらいのものから二、三十万かかるものもあるわけでございまして、これは私どもが直接調達をするというふうなことではなくて、関係の機関で調達をするということなので、おおむね一台につき十万というふうなことでございますので、例えば百台を調達するということであれば一千万、千台を調達するということであれば最低一億とかそういうオーダーの費用がトータルではかかる、こういうふうな目安でございます。
○近藤(洋)委員 ここで数字をぎりぎり詰めるつもりはないのですけれどもね。ただ、要するに、こういった措置をやるに当たって最低でも数億円単位のコストがかかるのだろうということをやはり明らかにしていきたい、それを踏まえていきたいと思っておるわけであります。 大臣、この電気用品安全法につきましては、私たち民主党もさまざまな方面から意見を伺ってまいりました。既に新制度に向けて準備を進めていらっしゃる事業者もあるわけでありますから、この制度を、新たな措置を加えるということについて悩ましい部分も、正直、私ども民主党内にもさまざまな意見があったところでございます。ただ、行政の対応がすべて万全であったかというと、必ずしもやはりそうでない部分もあったのかな、不十分な点もあったんだろうなということを踏まえて、我々民主党としては、法律の施行を延期するという考えを含めた法案の準備も進めてきたところでございます。 経済産業省がこのたび当初の考え方を改めたということは、私は、賢明な政治判断を大臣、部局がされたのだなと思って、一定の評価をしたいと思うわけでございます。 そこで、大臣、やはりこれは、金額の問題ではなくて、一つの制度をやるということをこの時点において変えた、見直したということでありますから、この政治判断を下した理由を改めてお伺いしたいということと、こちらでさまざまな施策を出されておりますが、状況に応じて、この打ち出されている施策に加えて柔軟な対応をほかにもとられるお考えがあるのか、どのようにお考えなのかお伺いしたいのです。
○二階国務大臣 ただいま近藤議員から大変御理解のある御質問をちょうだいしたわけでありますが、ほかにも各党からもいろいろな御意見をちょうだいいたしております。 きょうは、閣議の懇談といいますか閣議のために集まってきておる閣僚の間でも話をしたんですが、七年前にこの法律がスタートした、そして、十一本の法律が一つに束ねられての審査であったということでありますが、それはそれなりの理由があるわけでありますが、いずれにしましても、今日、世間にこのような御心配を与えているとすれば、このことに対してかたくななことを主張しておるよりも、現実を踏まえて柔軟に対応することが大事だ。 ただ、一点、既に御承知のとおりでありますが、御理解いただきたいのは、この電気用品安全法というのは、漏電等によって火災を発生し人命に影響を及ぼすというような案件が年間二千件を上回る状況になっております。うち半分以上は家電商品が原因であります。ならば、やはりいつまでもいつまでも漏電の可能性があるかもしれないというものを使用し続けることに対して何らかの注意を喚起するということは、これは行政当局として当然のことであった。したがって、当時おやりになった関係者の皆さんに対して、今、何か特に意見を述べるとか、非を打ち鳴らすというつもりは私にはありません。 ただし、今こういう、いよいよ実施の段階でいろいろな御意見が政府に寄せられておれば、このことに対して最小限、我々が何か対応することによって円満な施行ということにつながれば、新制度が国民の皆さんの御理解を得て出発することができるだろう。したがいまして、残された期間はもうあと全くわずかになってまいりました。この新制度が円滑な実施ができるように、今後、懸命の努力をしていく。 ですから、やれることは何でもやれという、私もそういう指示を事務当局にも申し上げたわけでありますが、その結果、今、議員の御質問に対して十分なお答えになっていないかもしれませんが、これは近くきちっと精査をして国民の皆さんにも、国民の皆さんの側からも、あれもやれこれもやれ、それを周知徹底しろ、日本国民全部に知らせろということを法律施行のごとに一々そういう御意見が出ても、幾ら費用をかけてもいいんだよといえば毎日テレビのスポットでもやりますが、そんなことが許されるだろうかということも常識の問題として判断しなけりゃいけない、そういう難しい問題もあります。今度の問題はそういうことにも一つのテーマを投げかけた、このように私も思っております。 しかし、今、御質問に対しては、もっときちっとこたえるように私どもの方も対応していきたいと思っておりますが、とりあえず緊急避難的にやれるものは何でもやれ、こういうことで懸命に努力をした、このことだけはぜひ御理解をいただきたい、このように思う次第であります。
○近藤(洋)委員 大臣がおっしゃるとおりでございまして、すべての法律のごとにこの対応をしていては切りがないわけであります。今回については、さまざまなことを勘案して政治判断をされた。ぜひ、コストがかかる作業なわけですから、やはりその費用対効果ということは、もちろん行政の問題点があったからこういう形になったわけでありますが、その点も考えながら、かつ柔軟に対応していただきたいと思うわけであります。 あわせて、今回の問題については、私は行政のみに責任を押しつけるつもりはないわけであります。この制度改正を盛り込んだ改正案、大臣も御答弁いただきましたように、七年前に審議をされたわけですが、我が民主党もこの法案には賛成しておるわけであります。 ただ、問題点は、この法案の審議のあり方といいますか、にあったのかなと思うわけであります。このPSEのマーク、さらにはビンテージ物の点について、全く議論がされておりませんでした。私も議事録を見ましたが、ほとんど議論されていない。議会が法案の最終責任者でありますから、議会が賛成してこの法制度が通っているわけでありますので、もちろん行政の対応もありますが、やはり議会もこの点について見落としたという点については責任の一端があるのだろうと思うわけであります。 その上でなのですが、二ページ目をごらんいただきたいのですけれども、この法案、七年前通産省の基準・認証制度等の整理及び合理化に関する法律案といういわゆる束ね法案の中で十一本、ここにございますように消費生活用製品安全法から航空機製造事業法に至るまで、ガス、電気用品、高圧ガス、火薬等々さまざまなものの基準・認証について一本にこれをまとめて提出しているんですね。審議時間を調べますと、三時間十一分、こういうわけであります。 これだけの法律を三時間十一分で審議したということでありますけれども、この法案の審議のあり方、法律の出し方については当然、与野党国会対策委員会及び議会運営委員会が判断したわけでありますから、一義的には院の責任でありますが、実際には、法案のくくり方、出し方というのは、役所がシナリオを書かれて、こういうことでいかがでしょうかということをやって、政府、与党が一体となって提案をし、野党も含めて合意して議論するということでございます。 大臣は議会人として大変御経験が豊かであり、とりわけ議会運営については大変御造詣が深いと伺っておるわけでございますが、やはり私は、こうした法案の提出の仕方にも一つの問題があったのではないか、議会として監視がきかなかった要因ではなかったかと思うわけでございます。今回の件を教訓に、こうした法案の提出のあり方、束ね方、基本的には慎むべきではないかと思うわけであります。 今国会を見ましても、国土交通省関係で十一本の法案を束ねたというケースが出ております。厚生労働省でもそういった束ねのケースが出ております。もちろん、限られた時間の中での審議でありますから、さまざまな工夫が必要なのは、私も実は今国会から国会対策委員会の副委員長をやらせていただいていますので、理解はしているつもりでございます。 しかしながら、こうした束ね方が、後々考えてみますと、やはり議会のチェックが不足したということになるわけでございますから、少なくとも、大臣、経済産業省においては、こうした束ね方、束ね法という出し方は、極力というか原則やめるのだというこの大原則に立ち返る必要があるかと思いますが、大臣の御見解をお伺いしたい。
○二階国務大臣 近藤委員御指摘の点につきまして、私も考えてみないわけではありませんでした。第一、当時は、だれが大臣で、だれが局長であったかということも知りたいと思いました。大臣はわかりました。けさ大臣に直接話をしてみましたが、大体私の予測のとおりでありますから、これ以上はここで申し上げません。 しかし、国会の法案を御審議いただく立場にある私どもが、束ねがいいとか悪いとか、これはやはり慎むべきで、私の側から申し上げるのではなくて、委員長初め理事の皆さん、先ほどお話がありました各党の国対や議運等で御審議いただく、そして、その命令に従って、私どもはそれに応じて対応していくというのが今日のならわしであります。 私は、今おっしゃったようなことについて、重要な法律を十一本もまとめて審議して、その際にビンテージが何かというようなことに関しても何の御審議もなかったということは、これはいささか残念だなという思いも私は一議員として持っておりますが、私の今の立場で国会の審議に対して意見を述べるべきものだとは考えておりません。 しかし、参考までに申し上げますと、複数の法改正を一つに束ねるというのは、いわゆる束ね法ということで、政府共通の基準があるようであります。政策が統一的なものであること、あるいは各法案の条項が相互に関連していること、できる限り同じ委員会の所管に属すること等の基準で判断しておるようであります。お尋ねの法案も、この基準に照らし束ね法とした経過があるようであります。 このような取り扱いは、関連する法律の一覧性を高め、総合的かつ効率的に御審議いただくことに資するものであるようで、いい点もあるわけであります。国会審議においては、それぞれの改正内容について御審議と御精査をお願いしたいと経済産業省としては考えておる次第であります。 他方、政府としても、法案提出に当たっては、個別法の改正内容について、関係者の意見徴収を含め、これまで以上に十分な検討をしてまいりたいと思っております。 今、この十一の法案を振り返ってみますと、ほとんどは経済産業省に属するような関係でありますから、私どもも、今後、いわゆる後日のために、この法案が今日どういう影響を持って国民の皆さんに理解をされ御協力をいただいておるかということなど、勉強してみたいと思っております。
○近藤(洋)委員 大臣がおっしゃったとおり、これは役所がどうのこうの言える立場にないというのは十分承知しておるわけでございますが、その上であえて申し上げました。 委員長におかれましても、これは委員会の問題でもございますので、この件をひとつ教訓に、基本的には一つ一つ審議するんだというこうした姿勢を委員会運営においてもしていただきたいということを、あえて発言させていただきたいと思うわけでございます。 次に、工配法、民活法等の廃止法案の議論に移りたいと思います。 まず、工業再配置法の廃止法案でございますが、この法律は、つくられた大臣はだれかということでございますが、故田中角栄首相の肝いりでできた法律であります。田中内閣の発足時、昭和四十七年、田中元首相が書かれた「日本列島改造論」の中で、この工業再配置法のことがまさに列島改造論の目玉として打ち上げられておるわけであります。 この点については、本委員会におきまして、私、過去指摘してまいりました。最初にまず伺いたいんですが、田中角栄元首相は二階大臣の何代か前の通産大臣の経験者でもあるわけでございますが、二階大臣は、政治家として、田中角栄氏が我が国の産業に与えた影響をどのように評価されているか。それがなかなか言いにくいのであれば、二階大臣なりに、田中角栄元首相という政治家をどのように評価されているのか、お伺いしたいのです。
○二階国務大臣 田中角栄先生は、「日本列島改造論」を世に問うに際して、いわゆる最初の序文において「水は低きに流れ、人は高きに集まる。」と。それぞれの国の発展の経過等を顧みながら、また国土開発、都市開発という観点から、ちょうど永年勤続二十五年の表彰を受けられたそのときに、自分は今後の日本の経済のあり方について考えてみたいということが発想のもとであったように私ども承っております。 田中先生は、御承知のように、あの雪深い新潟の地でお生まれになって、そして、私どもに常におっしゃっておられたことは、例えば、東京でも雪が降って道路でみんな滑って、つまり転んで、足を折って病院へ大勢詰めかけるというふうな、そんな状況になったときもあります。たまたま私は目白のお宅でその日の昼ごろお会いをしたことがあります。そのとき、私は国会議員の仕事をさせてもらっておって、つらいとか苦しいとかきついとかということを思ったことはない、何となれば、もし自分が今新潟におれば、今ごろ屋根に上って雪かきをしている、男の働き手は近所で雪をおろすことのできないようなおうちの分もするから、やりかけたら一日雪かきをしている、そのときのことを思えば、国会議員として今働かせてもらっておって、今のこの仕事が大変だ、きついというふうなことを思ったことはないと言って、私どもに言い聞かせるようにおっしゃっておられたことを今思い起こすわけであります。 そして、日本のいかなる地域に生まれても人間は皆平等だ、そこでお互いに地域の発展を目指して政治家が頑張ると同時に、国民の皆さんもその恩恵を受けてお互いの生活の水準を高めるということが大事ではないかと。 したがって、新潟に新幹線を引っ張られるときの胸の高まりの一端をおっしゃったときには、こう言われました。新潟の人が新幹線に乗って東京でもどこでも働きに行くことができる、会社が定期券を払ってくれる、ですから、働きに行く人に特別の負担はない、そして、会社もそれは経費で落ちるわけでありますから、これも特別の負担ということにならぬだろう、そういう中で循環してみんながいい生活ができるように、そういう思いを込めて私はこの新幹線の問題に力を注いできた、こんなことを言われておりました。 「日本列島改造論」、その後いろいろな問題が指摘をされておりますが、私は、この最初の発想というのはすばらしいものだと思います。そして、その声に促されて全国各地で列島改造の道を歩んだ。一部御批判をされる向きもないではなかったんですが、ほとんどはその方向に向かって日本国じゅうが走った。その恩恵を受けて随分発展した地域もあるわけでありますが、そこにひずみもある。そして、急激なそうした進歩といいますか発展に基づいて、地価の高騰を招いた。もう日本国じゅう、田舎のがけっ縁でも値段がするような、すべての人たちが総不動産屋だということをやゆされるくらい、そういう時期もあったわけであります。 私は今、近藤議員の御質問にお答えさせていただくとすれば、発想の中ですばらしい視点というものは、これは大いに評価をしなければならない。しかし、どなたの発想であろうが、どんな政策であろうが、やはりその政策からまた別の問題点が出てくる場合だってあるわけですから、そこはそこで修正を加えながら英知を結集していくということが大事だと思っております。 もう一つ言わせていただければ、日本の財政を何とか立て直さなきゃいけないということは、これは事実だ。しかし、長い間かかって積み上がった日本の国の借金を、今直ちに解消するというふうな方法なんかあるわけがない。つまり、税金でもうんと高くすればそれは別でしょうけれども、そんなことできるわけがない。それならば、もっとみんなが知恵を出さなきゃいけない。 例えば、大蔵省、昔の名前で言いますとそう呼びました、今の私どもの通産省、こういうところも何もあの場所にいる必要はないではないか。こういうのは率先して埋立地へ移動するなどをして、あの地域を総合的に開発して、民間の手によって大きく市街化を活性化させる、その利益を国庫に納めて国の借金を少しでも減らしていくというふうなことを、各地でそういうことを考えていくなどということは大事だ。 役人は、私がそういうことを言うと一生懸命メモをとって帰る。メモをとって帰るけれども、だれも実行した者はいない。私にそういうことをしゃべらせるだけしゃべらせて、だれも実行しない。そういう思いがあったであろうと思いますが、私は大変尊敬もし、評価もしております。
○近藤(洋)委員 二階大臣の大胆な構想も今おっしゃっていただきましたが、私は、田中角栄総理大臣、やはり同じ雪国の代議士ですから、あの思いはよくわかるわけでございます。 列島改造論を何度か読み直しておりますけれども、あそこの一節に、この工業再配置計画、さらには高速交通網の整備等々が行われれば、田中角栄総理はこう書いているんですよね。これらの構想が実現されれば、冬の間、出稼ぎでお父ちゃんがいないと寂しがる出稼ぎの苦労がなくなるのであるということをうたっているわけであります。まさにこの原点は政治家としてやはりしっかり見習わなければいけない点であろうと、私も、時代は全く異なりますが、党も違いますが、思うわけであります。 しかし、その上で伺うんですが、この田中角栄先生の一丁目一番地としての工業再配置法、これに基づく産業再配置補助金が実行されてまいりました。三枚目に記載させていただきますとおり、これまで総額で、トータルの額は書いておりませんが、千六百三十億円の税金が、この工配法一つについてだけでありますけれども千六百三十億円の税金が投入されてまいりました。その成果、数値目標の達成度合いはどうであったか、簡潔にお答えくださいませ。
○片山大臣政務官 この工配法では、移転を促進する、要するに三大都市圏の中で工場はこれ以上集積してもしようがないからそこから出て行っていただく地域と、それから来ていただく方の地域の誘導地域が大きくあるわけでございますが、工配法制定前の一九七〇年には、こちらの前者の大都市の側が約三、それから誘導地域の地方の側が二であった工業出荷額の比率が、平成十二年において約一対三と逆転しておるというわけでございます。 この数字に申し上げられましたように、そういう意味では、ある程度、職場、事業所の移転は進んだということは言えると思いますので、工業再配置政策は、この点では一定の成果を上げて、地域経済の振興ですとか雇用の問題ですとか国土の均衡ある発展という、その法律の当初期した目的はある程度は達成、貢献したというふうに認識しております。
○近藤(洋)委員 十二年に実現できたと。私も一定の成果はあったと思うわけですが、裏を返せば、平成十二年の時点で工配法の役割は終えたと言ってもいいわけだと思うんですね。それにもかかわらず、現在まで五年間続いてきたということだと思うわけであります。その意味においては、田中角栄氏の一丁目一番地であった工配法の役割は、少なくとも平成十二年には完全に終わった。ところが、その後も続いてきた。あえて言えば、この法律は、時代おくれのまま五年間続いてきたと言えなくもないわけであります。 このことは、財源の措置にもあらわれております。表三に記しておりますが、この工配法の補助金の財源は、昭和四十八年には一般会計からスタートいたしましたが、平成三年から、電源開発促進特別会計、こちらの方から使われております。こちらから流入が始まっているわけですね。 これまで、十五年間で、合計で三百五十二億円のお金が電特から流れている。一方で、一般会計からは、平成十四年から激減をして、平成十七年度には二億八千万円にまで減っているわけですね。すなわち、平成十七年度で見れば、全体の九割が電源開発特別会計に依存している。目標を達成した以降十二年から、一般会計は素直でありまして、目標を達成したんだから一般会計はぐんと減らされているわけです。だけれども、その分、電特で補っているという構図が見えておるわけでございます。 この補助金のあり方については、既に、参議院の方で民主党の松井孝治参議院議員、そして、本院においては、私が八月の委員会でもこの使い方について繰り返し指摘をしてまいりました。改めて伺いますが、この補助金制度はこのたび廃止をされるわけですが、少なくとも、廃止に当たって、五年間の財源の使われ方というのはやはり大いに問題があったのではないか、総括すべきだと思いますが、いかがでしょうか。政治家答弁で、どなたでも結構ですから。
○西野副大臣 近藤先生の御指摘の点について、私は、産業再配置促進の補助金の観点からも、今お示しの点が数字の上では出てきておるように思っております。 特に、電源開発促進対策特別会計法に基づきまして、電源地域への企業立地を促進するための補助金であるわけでございます。ただ、私が今申し上げております産業再配置促進の点から答えれば、その地域は、電源開発地域というのは、比較的、他の地域と比べますと非常に過疎的な地域でもあります。それだけに、企業立地というものに対しては、積極的に取り組まなければ、強力に推進しなければならぬ、こういうふうに思うわけであります。 そういう点から、例えば、自治体等におきましては、公園だとか図書館だとか運動場だとか、そういった点にも補助をいたしておりますし、立地企業にとりますと、立地企業の独身寮だとか、福祉施設でございますね、そういう点だとか、あるいは物流の施設だとかいったものにも実は補助をいたしておるわけでございます。 確かに、先生がお示しをされましたとおり、この産業再配置促進の点から考えても、この近年、補助率が上がっておるところは事実であるわけでございますが、しかし、そういったものが、その予算措置を通じて電源地域への工業立地推進という意味で大いなる貢献をしたこともこれまた事実であるわけでございます。そういう両面にわたりまして貢献をしておるということを、認識を改めて申し上げておきたいと思います。
○近藤(洋)委員 副大臣、お言葉でございますが、その趣旨はわかるんですけれども、ただ、やはり電源特会は、素直に、エネルギー庁関係の、まさにエネルギーの電源の開発、環境整備でございますから、この趣旨にのっとって使われるべきだと思うわけですね。 ですから、そういった体育館なりなんなりつくるというのは、これはもちろん電特でもやっておりますけれども、それは電特のエネルギー関係だというのが全面に出ているから許されるわけで、産業再配置補助金で使われるというのは、やはり私はやや趣旨を逸脱しているのではないかと思うわけです。だからこそ、きれいにこの制度がやめられた、逆に言えば、指摘を受けておやめになったのは、そういうことを認識されているからおやめになったんだと思うわけでございます。 改めて伺うんですけれども、やはり、こういった電源開発特別会計からエネルギー庁以外のところの制度に、通産省内でも、私に言わせると流用に近い形で使われている部分があるのではないかと思うわけであります。こういった特別会計のあり方、まさに行革特別委員会でも議論されてまいりますけれども、経済産業省として、電特のこういった使い方について、ほかの分野の、少なくともエネルギー庁以外の部局が所管する法律等々に使われるケースをもう一度チェックされて、やめると、基本的には本旨に戻すということを、特別会計の見直し論とあわせて考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○西野副大臣 お示しのとおり、電源特会から支出されます事業というものは、当然ながら、特会の目的あるいは歳出規定に対して、適合、合致しておらなければいけないわけでございます。 先生、今具体的にはおっしゃっておりませんが、既に措置をとりました例を申し上げますと、ジョブカフェ事業等々は実は一般会計と重複をいたしておったわけであります。したがいまして、本年、平成十八年からは、この特会の事業を現実に廃止いたした予算の計上案を今お示しいたしておるところでございます。さらには、過去に、新規コンピューター開発プロジェクトというのは既に平成十三年にその事業を終了いたしておるところでございます。 したがって、それは、例を挙げたわけでございますが、本来、この特会の支出というものに対しましては、その目的に合致いたしたもの、今後とも、よく精査をいたしまして適切に運営をしていくことに努力していきたいと思います。
○近藤(洋)委員 ぜひ、全面的な洗い直しを進めていただきたいと思うわけであります。 電特につきましては、我々民主党、この委員会でも徹底的にこれまで調べてまいりまして、既に、数年間で十億円以上のホームページ作成費という信じられないような広報予算等々について指摘をしてまいりました。エネ庁もそのことを踏まえて、広報予算八十億円を半減に今予算で組み直しておりますけれども、やればできるわけでありますから、徹底的に見直しをしていただきたいと思うわけであります。 民活法と輸入・対内促進に関する臨時措置法の廃止法案について伺います。 この民活法というのは、制定されたのは今から二十年前の昭和六十一年であります。工配法が田中角栄総理の一丁目一番地であるとするならば、この民活法は中曽根内閣の、まさに中曽根民活の象徴的な法律でございました。当時の通産大臣は渡辺美智雄通産大臣であります。また、FAZ法、輸入・対内促進法律は、これは宮沢内閣、当時の日米構造協議を受けての、日米摩擦を受けての輸入促進という、これまた宮沢内閣の一つの大きな目玉の法律、それぞれ一つの歴史を示した産業政策の法律だったわけであります。とりわけ民活法は、今も小泉内閣で続いています。同僚議員は、一種の信仰とまで表現しましたが、官から民への象徴的な流れをつくった法律だと思うわけであります。この成果については、時間がないのではしょりますが、一定の成果があったという報告を受けております。 民活法についても経済の投資効果があり、さらには輸入促進についても、日米摩擦が今このように顕在化しておりません。その背景には、当然、日本の製品輸入の比率も大変ふえたというデータはいただいておりますので、質問を省略いたします。 ぜひお伺いしたいのは、この資料の四枚目も一部ごらんいただきながらと思うわけです。例えば、民活法につきましては、この数年間、五年間、やはり同じように、ほとんど実績がないんですね。実績が随分少なくなっている。民活法の認定件数は、平成十年以降、年間で二、三件のとき、さらにはゼロのときもある。この五年間はほとんど機能しなかったと判断してもいいわけであります。輸入・対内投資法も同様でございまして、ここ数年間、四、五年間は事実上休眠していたと言ってもいい。この法律はそれぞれ、平成七年に一部改正ということで延長措置をとっておりますけれども、私は、この民活法の精神または輸入・対内促進法の精神、最初のスタートは大変すばらしかったと思うけれども、やはりこの五年間は休眠していた。やめてもよかったんではないかと思うわけです。 あの平成七年の時点で、ある意味で、廃止を含めて検討してもよかったと思うわけですが、この点について経産省はいかがお考えですか。
○片山大臣政務官 委員大変よく御存じのように、その当時、平成七年の時点でも、見直しも含めていろいろな検討がなされたのでございますが、民活法を七年に改正いたしましたときに、支援対象に、リサイクルの関連施設というのと、それから大規模スタジアムというのを追加いたしました。その当時、環境関連への新しい需要も見込まれたものですから。その後、平成七年の改正にのっとって、埼玉県を初め十一件のリサイクル関連施設が民活法の関連でつくられております。 ですから、七年の時点に改正された民活法にその後全くニーズがなかったかというと、確かに、御指摘のように、数字が減ったりしている部分はございますが、それはなくはなかったんですが、十一年当時に、一連の行政改革の流れ、官から民への流れの中で、イギリス等さまざま、国会でも視察を行って、御承知のようにPFI制度がようやく我が国でも入った。 これは新しい制度でございまして、より柔軟に公共施設を整備することができ得るものなので、ある意味で民活法の発展なんですが、非常にその定着には時間を要するのではないかというふうに考えられていた部分があるわけです、初めての概念ですから。それが、その後比較的順調にPFIの方に移ってきたので、民活法のある部分は余り使われなかったが、七年に改正されて入った部分の環境関連なんかで使われた部分もあるということで、それらを総合的に勘案して、今回役割を終えましたということで民活法の方の廃止をお願いしている、こういう経過でございます。
○近藤(洋)委員 ニーズは、片山政務官、それはあるわけでございますね。常に制度があればニーズは出てくるわけでありますが、問題は、指摘したいのは、やはりかじをもっと早く切る必要があったのではないかということなんですね。 もう時間がないのではしょりますが、要は、例えば対内・輸入促進について言えば、小泉純一郎首相は、平成十五年一月の通常国会の施政方針演説で、日本への外国からの直接投資を平成十三年末の六・六兆円から五年後には倍増させて十三・二兆円にふやすということを打ち出している。このことは何度も何度も総理はおっしゃっている、その後の施政方針演説でも。ところが、現時点でその数字を見ると、十・数兆円でしょうか、平成十七年末で。若干数字が、間違いがあったら後ほど訂正いたしますが、少なくとも十三・二兆円の目標達成は、現時点では、これは相当無理だと言わざるを得ないんですね、対日投資一つとっても。 この点、こういった法律、今までのFAZ法をそのまま温存した結果、政策転換が実はおくれていた。PFIのことをおっしゃいましたが、民活法の一部の裏で第三セクターの赤字問題というのも、これも随分顕在化しているわけです。 その一方で、PFIとおっしゃった、PFIというのは議員立法です。経済産業省が積極的にこのPFI法をつくったという形跡は、少なくとも私は感じられない。当時私はこの問題を取材しておりましたから、よくわかるんです。経済産業省が裏でこそこそやっていたかどうか知りませんが、少なくとも、国土交通省が中心になってつくったのが議員立法のPFI法であって、経済産業省ははっきりした政策は打ち出さなかった。あえて言えば、かつて工配法をつくり、そして民活法をつくりFAZ法をつくった経済産業省は、この五年間産業政策としては目玉のものをつくってこなかったというのがこの五年間の総括だと思うんですね、小泉政権においては。随分元気がなくなったなというのが、これは正直なところであります。 そこで、最後にお伺いします。 一連の法律なんですが、やはり私は、制度はずっと残ってしまうんです、法律がある限りは。だから、一度チェックをして、すべて時限立法で見直す必要があるんじゃないか。 経産省は、このたび二つのレポートを出しています、政策評価。きょう聞こうと思いましたが、聞けないのは残念ですが、いいレポートを出しています、この二つの法律について。やはりやめるとなったらちゃんとしたレポートをつくるんですよ。やめるとなった、決まった途端にいいレポートをつくるんです。ちゃんと評価しているんです。 ですから、法律というのはすべて基本的にはサンセット方式というか、少なくとも憲法とかそういった基本的な法律を除けば、すべて時限立法にして、五年なり十年、廃止を前提に見直すということが必要ではないかと思うのですが、経済産業省、現在百八十二本ある法律のうち、廃止、失効の定めのある法律はわずか五本であります。検討期限が示されている法律はわずか二十八本。残りのほとんどは未来永劫続いていくということを前提にしているのですが、そうではなくて、法律の立て方を、経済産業省がもし新たな政策を打ち出すとしたら、こういうことで打ち出されたらどうか。すべて法律は時限立法と考えるべきかと思いますが、最後に大臣、この点について御検討するお考えはございませんでしょうか。
○二階国務大臣 御意見十分わきまえて、我々も今後の検討の課題にさせていただきたいと思います。
○近藤(洋)委員 ぜひ、検討せずに、もし政府がしないのならば、我々民主党が、政権交代した暁には、すべての法律は時限立法として見直していきたい。このことを申し上げ、終えたいと思います。ありがとうございました。
○石田委員長 午後三時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前九時五十三分休憩 ————◇————— 午後三時三十分開議
○石田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。佐々木隆博君。
○佐々木(隆)委員 民主党の佐々木でございます。 ものづくり基盤の法律に関して、きょうは三十分の時間をいただきましたので、ものづくりの人材育成についてのみ質疑をさせていただきたいというふうに思います。 最初に、関係各省庁の協力のもとに設置をされたというふうに聞いておりますが、私的諮問機関として設置をされたものづくり懇談会というところが二〇〇〇年にまとめた提言があるんですが、その中では、ものづくり産業は二十一世紀において我が国の生命線ともいうべき経済の源泉というふうに提言をして、そして、人の空洞化こそがものづくりの最大の危機である、ものづくりの基盤は人づくりであるということが提言としてまとめられております。 そして、もう一方で、〇五年版のものづくり白書でありますけれども、ここの第二章の冒頭で、ものづくり技術の伝承というところで、一つには、教育訓練による伝承や技術、ノウハウ等の人材育成、そして二つ目には、若い時期から基盤技術を具体的に理解するための、国民全体でものづくりに親しむ社会の形成が必要というふうに、ものづくり白書の中でもあるいはものづくり懇談会のいずれでも、人材育成の重要性について提唱しているわけであります。 しかし、その一方で、同じこの白書の二章一節のところでは、若年、いわゆる二十九歳以下の求人と求職にはミスマッチがあり、依然として管理・事務労働者と生産労働者の間には賃金格差があるというようなことについても指摘をしているわけであります。 そこで、人材育成と人づくりについて議論をさせていただきたいわけでありますが、先日来、このものづくり基盤法の中で、山の七合目とかあるいはトップ下とかいう論議がよく言われておりましたけれども、よく政策をつくるときにも言われるんですが、山は結局すそ野が広くなければ頂上は高くならないというようなことがよく言われます。そういったところでいいますと、きのう、WBCで日本が優勝したわけでありますが、あの日本が優勝したというところでも、やはり、少年野球というすそ野の広さがあったから、選手のレベルがずっと上がっていって世界一になることができたんだというふうに思うんですね。そういったことからいうと、まず、すそ野を広げるという意味でいうと、やはり人材ということが非常に重要になるのではないか。 そういうことから、まず大臣に、ものづくりの人材育成についての大臣の認識をお聞かせください。
○二階国務大臣 佐々木議員も御承知のとおり、我が国のものつくりを支えているのはまさに人だというふうに考えております。特に、近年、我が国の経済、産業をリードしております元気な企業の中に、ハイブリッド自動車あるいはまた薄型のテレビ、デジタルカメラなど、まさに最先端の製品を生み出したのは、やはり斬新で柔軟な発想を持つ研究者たちの努力の結晶であると思っております。また、世界最高水準の工場の生産性を実現したのは、現場で誠実に働く労働者の方々が日々知恵を絞った結果だろうと思っております。 私も中小企業の現場にもしばしば出向いてまいりましたが、本当に、中小企業の現場で、第一線で働く技術者の皆さんの御苦労のほど、そしてみずからの製品に対する自信、誇り、そして近ごろでは、私たち中小企業のもとにどんどん大企業が御相談に見えるようになった、そういう蓄えてきた経験と知見が今や大企業と対等に話し合えるような状況になったということは、私は大変すばらしいことだと思っております。 私も、就任以来、ものつくりに携わる多くの皆さんの御意見を機会あるごとに伺ってまいりましたが、それぞれの人たちは、人づくりこそ製造業の競争力の源泉である、こういう御指摘があります。また、社内教育の徹底などが大事なんですよ、我々は、社員一人一人、もう受付から衛視のような仕事を担当していただく人たちにまで、我が社の基本方針はここにあるということを徹底して、繰り返し繰り返し浸透させる努力を今日までしてまいりました、今大企業として隆々やっておられる会社の幹部が先般そのようなお話をされておりました。こういう人材育成に特段の配慮を払ってきたからこそ我が社の今日がある、こういう言い方をされておりました。 私は、まさに人こそ我が国の宝であり、中小企業、大企業を問わず、ものつくりの源泉は人にある、したがって、人材の育成が大事だと思っております。 今佐々木議員からもいみじくも言われましたWBCの栄誉は、世界一というこの栄冠、日本国じゅうが今沸き返っておる、このことは、もとをただせば少年野球から来ているんだというお話をいただきました。私は大変すばらしいことだと思います。 私も、十数年前からでありますが、今の王貞治監督がジャイアンツをやめられたときであったかと思いますが、これから、世界少年野球ということを自分はライフワークとして取り組んでいきたいというお話がございました。そして、世界の各国の少年少女たちを日本に招いて大会をやる。毎年毎年おやりになっておるわけでありますが、その中には、少女ということを私が申し上げたのは、女の子が野球に来ておるわけですが、こういう国では女性も野球をやっているのかなと思ったら、そうではなくて、全く初めてだという子供たちが来ているわけです。これを、世界の大リーグの選手、あるいはまた王さんの顔、王さんのそういうことに共感する人たちがみんな手助けに来るものですから、超一流の人がそういう初めての人にも教えるものですから、一週間もしますと、みんなちゃんと習って帰るわけです。私は、今だれもその話は、今度の大会の裏話にも出ておりませんが、王さんが常々そんなこともなさっておったということを、今佐々木議員のお話を聞きながら、そういうことも大事な積み重ねだなと思いました。 我々はそれを受けて、日本の新しい産業を導いていくためには、それぞれすそ野の小さい企業、かじ屋さん、鉄工所さん、みんな立派な企業でありますから、我々経済産業省は、そうしたことにもしっかり目を向けて支援をしてまいりたい、支援をするとか指導するとかという立場じゃなくて、ともに手を携えて頑張っていきたい、こういう考えでございます。
○佐々木(隆)委員 ありがとうございます。 大臣の思いというものを聞かせていただきましたが、時間は三十分しか与えられておりませんので、よろしくお願いを申し上げます。 今大臣もお話がございましたけれども、社内教育のお話もありました。白書の第二節のところで団塊世代のことに触れられていまして、全産業で大体一一%、それから製造業ですと一二・六%ぐらいを団塊世代が占めているというような状況で、いわゆる〇七年問題というのは、技能の継承という点からも極めて重要課題であるということもその中で提起をしているわけであります。ところが、経営者の方ですが、これはまた、指導する人材が不足をしている、人材育成を行う時間がない、それから人材を育成してもやめてしまうなどなどの問題があるということも提起をしているわけであります。 そこで、経済産業省として、ものづくりの人材育成に今日までどのように取り組んできたのか、また今後の展開など、あわせてお伺いをいたします。
○石毛政府参考人 お答えいたします。 ものづくり人材の育成策でございますけれども、私たち、従前からいろいろ努力をしてきておりますけれども、特に平成十七年度からそれを強化しております。 具体的に幾つか申し上げますと、一つは、地域の産業界とそれから大学が連携をしまして、金型とか鋳造とかそういう分野で、ものづくり現場の中核となる高度の専門人材、そういうものを育成する事業を全国三十六カ所で開始しております。それから、ものづくり現場の魅力を伝えるということが非常に重要だと思うわけでございますが、そういうものづくりの中核を担う優秀な人材をものづくり日本大賞ということで表彰する、そういう制度をつくって開始しております。 それから、来年度からでございますけれども、地域の産業界と、いわゆる国立高専と言っていますが工業高等専門学校、そういうところと連携をいたしまして、若手技術者を育成する、そういう事業を開始することにしております。一例を申し上げますと、ICの基盤技術研修の例ですと、平日の夜間だとかあるいは土日だとか、そういうものを活用して、実習の設備としては高専のクリーンルーム、そういう設備を使いながらやっていくということを計画しているところでございます。 ものづくり人材の育成というのは非常に重要な課題でありますので、引き続き積極的に推進していきたい、かように考えております。
○佐々木(隆)委員 ありがとうございます。 今のお答えの中にもありましたが、今の中には他の省庁と連携してやっておられるものもあると思いますね。ものづくり大賞なんかはそうだと思うんですが、その各省庁との連携、取り組みについてちょっとお伺いをしたいというふうに思うんです。 厚労省では例えば技能振興あるいは人材育成などなど取り組んでおられるわけでありますが、これは、大畠先輩委員が質疑をいたしましたので割愛させていただきます。 人材育成には、一つには時間がかかるということ、それと、これは白書の中でも提起をされているんですが、国民全体の評価形成、いわゆる評価をするシステムが必要だというようなことを指摘されているわけであります。人材育成ということになれば文部科学省の役割は極めて大きいというふうに思うんですが、文部科学省として、技能人材育成の取り組みについてお伺いをいたします。
○下村政府参考人 お答え申し上げます。 科学技術関係の人材の質と量を確保することは、我が国が、高い付加価値を創造するものづくりや技術に立脚した持続的な発展を遂げていく上で、最重要の課題でございます。特に、技術者の養成につきましては、二〇〇七年以降、団塊の世代が順次定年を迎えていくに当たりまして、今後とも、すぐれた技術、技能を維持、継承していく観点から、喫緊の課題として取り組んでいく必要があると認識しております。 このため、文部科学省では、技術者が誇りと生きがいを持って活躍できるよう、科学技術に関します高等の専門的応用能力を有する技術者を認定する技術士制度を運用しております。技術士登録者数は毎年着実に増加しておりまして、平成十六度末現在で約五万六千人と、五年前に比べまして約三三%増加しております。 技術士制度につきましては、このように多くの技術者の目指すものとなっておりますが、今後とも、必要に応じた制度の改善、それから、アジア太平洋経済協力、APECでございますけれども、その域内での技術者の資格でございますAPECエンジニアプロジェクトなどの国際的な技術者資格制度におけます活用の促進、それから広報活動等によりまして、その普及拡大と活用促進を図ってまいりたいと考えております。
○佐々木(隆)委員 もう一点お伺いしたいんですが、今お話をいただいたわけでありますが、人材育成を図っていくときに、例えば学位とか資格とかいう形で誘導をしていくというような方策が一つ考えられるわけでありますが、私は、もう一つ大事なことは、職業観とか勤労観というものを若いときからどう教えていくかということがやはり大切なのではないかというふうに思うわけであります。 きょう、そこに資料を用意させていただきましたが、私は、ドイツのマイスター制度というものに学ぶべきだというふうに思っております。 言うまでもなく、ドイツは、自動車、刃物、万年筆、カメラなど、それぞれ世界に有名な企業がたくさんあるわけでありますが、自動車は大企業と言えるかもしれませんが、そのほかは余り大企業ではない企業ばかりであります。そういったところが世界にも有名な製品をつくり出しているわけであります。 私は、〇四年の九月にドイツを訪問いたしまして、手工業会議所と訳すのかなと思うんですが、ハンドワークカマーというんですが、そこの職員のクリスさんという方と指導官であるジェイラーさんという方とお会いをして、調査をさせていただいたことがございます。 マイスター制度というのは、皆さん方も御存じだと思いますので余り深くは申し上げませんが、手工業会議所という、ある程度政府からその認定を任されている半官と言えるような組織だというふうに思うんですが、そこが国家資格を認定するわけであります。資格がないと経営者になれない、マイスターという資格を持っていないと開業することもできないというぐらい厳しい制度だったわけでありますが、EUの統合などがありまして〇三年から少し緩められておりまして、資格者を雇い入れたというような会社形式をとれば設立も可能というふうに、少し制度が緩くなっているようであります。 そこにありますように、十二歳までの基礎学校、これは小学校に当たるんだというふうに思いますが、そこから十二歳で基幹学校という上の方へ行くわけです。右側の方の三つぐらいが基幹学校と言われるところなんですが、左側の方は、ずっと上の方に、大学だとか専門単科大学だとかに進む人、こちら側に進む人が大体二五%ぐらい、技術系の方で、技術を学びながら中学校のところへ進む人が大体七五%ぐらいというふうに言われているわけです。 そこで、雇用契約は、働きながら、ある程度実地訓練をしながら中学校に通うような形をとるわけですが、そこは国と企業が契約をするという形で、子供たちが直接お金をもらったりなんかするわけではないんです。そういう形で技術を覚えていくというような形をとっていって、最終的には、左側の二五%の方々は政府高官になられたりなんかする方で、マイスターの資格を持たなくてもいい方も何人かいるわけでありますが、ほとんどは、マイスターという資格を持っていないと企業を開業することもできないし勤めることもできないというようなことに、まあ勤めることはできますが、開業することはできないということになるわけであります。 このマイスター制度は、一部、学者によってはもう古い制度だということを言う人もいるんですが、私は、ここのマイスター制度のポイントというのは、単に技能教育というだけではなくて、一人一人の能力をどう発揮させるかということで、この十二歳あたりからしっかりとそういうことを勤労観教育と一緒に進めているというところを参考にすべきではないかというふうに思っています。 そこで、文科省なんですが、勤労観とか労働観の教育、特に初等教育について、どんなことを実施されているのか、お伺いをいたします。
○布村政府参考人 お答えいたします。 小中学校における職業教育、職業観の育成についてでございますが、まず、小学校では、三、四年から、身近な地域の生産や販売の仕事でありますとか、人々の生活に必要な飲料水、電気、ガス、廃棄物の処理の仕事、あるいは災害や事故から人々の安全を守る仕事などについて学んでおります。また、五年生の段階では、各種産業と国民生活とのかかわり、あるいは従事者の方々の工夫や努力というものを学ぶようにしております。 また、中学校におきましては、社会生活における職業の意義と役割ということを取り上げながら、また、あわせまして、今後は全国の中学校において、二年生の段階で五日間以上の職場体験を全国的に推進したい、そういう体験も含めまして、中学生が自分の進路の選択あるいは将来の設計ということのかかわりについてしっかり学べるように取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○佐々木(隆)委員 今お話がありましたけれども、このマイスター制度などを含めて言えることは、体験というよりは、まず一人一人の能力をどうやってみんなで引き出すかということだと思うんですね。そういったところにすごく時間をかけているというところがポイントだと思うんです。 そういった意味で、子供たちがみずから興味を持つということを待つだけではなくて、それは親ももちろん一緒に協力をしてもらわなければならないんですが、そういう視点でぜひやっていく必要があるのではないかということを申し上げておきたいというふうに思います。 人づくりという観点で論議をさせていただいているわけでありますが、私は、二つポイントがあるのかなというふうに思っております。 一つは、団体などで取り組んで、特に技能士会というところがありますけれども、これは厚労省の所管ですけれども、全技連、技能士会の全国組織で、全技連マイスター事業というのをやっておられます。それは、彼らが、社会的な評価と地位を向上させたいということが目的でそういう取り組みをやっておられます。それから、これは労働組織からの要望でありますが、ここでは、仮称ですが、日本技能院というようなものを設立して、熟練技術・技能労働者に対する評価を高めるためのシステムを確立すべきではないかというような要望もあるわけであります。 こうした要望を踏まえるならば、例えば厚労省で技能士とか文科省で技術士といった制度があるわけでありますが、これ、ぜひ経産省も一緒に参加をしながら、総合したような何か称号をきちっとつくって、社会的な地位の向上、さらには企業がそのことを職能評価につなげていくというようなシステムを考える必要があるのではないかというふうに思います。 もう一つは、先ほどのマイスター制度というものを参考にしながら、いずれ子供たちというのは必ず社会人になっていくわけですから、学校はそういう意味では社会人になるための訓練をしていく場所ということになるわけでありますが、初等教育の早い時期から、一人一人の能力を発揮させると同時に、勤労観といいますか労働観といいますか、そういったものを一緒に教えていく必要があるのではないかというふうに思うわけであります。 村上龍さんの「十三歳のハローワーク」という本がベストセラーになっているそうで、何かこのごろは再版もされたようであります。その「十三歳のハローワーク」の出だしは、「「いい学校を出て、いい会社に入れば安心」という時代は終わりました。 好きで好きでしょうがないことを職業として考えてみませんか?」というところがその出だしでありまして、これは私も、絵本のようになっておりまして読みやすい本なんですが、読ませていただきました。実に、どうやって調べたのかわかりませんが、五百十四種類の職業が紹介をされておりまして、非常に興味があるのは、その五百十四の次のページに「何も好きなことがないとがっかりした子のための特別編」というのまでありまして、その五百十四に当てはまらなかった子供たちのことまでいろいろと親切に書いているわけです。そういった意味で、この本は非常に興味のある本だというふうに思いました。 この村上龍さんの本が、「十三歳のハローワーク」というぐらいですから、小学校六年生ぐらいをターゲットにしているわけですね。先ほどのマイスターも十二歳から十三歳、中学校に行くところあたりを一つの大きな転機に考えているわけです。ある意味で、この十二歳から十三歳というところが、子供たちにそういうものを学ばせる非常に大きなキーワードではないかというふうに思うわけであります。 そういったことを踏まえて、早い時期からどうやって労働観というものを教育していくのか、あるいは、各省との連携などによる評価システムを構築していくということも必要ではないかというふうに考えるんですが、大臣のお考えをお伺いいたします。
○西野副大臣 佐々木先生の御質問を拝聴しておりまして、まさしく野球で見る、今日あるは子供のリトルリーグの時代からの幅広い養成があって初めてなし得たというお話、あるいは、今お話のありました村上先生の本でございますか、それによりますと、十三歳からのハローワークということで、例を挙げて御質問の素材にされたわけでございまして、まさしく先生の考え方を、非常に示唆を得るものが多くあるわけで、傾聴して拝聴したところでございます。 昔から言われておりますとおり、企業は人なり。今大臣から、人財立国という答弁がございました。その人財の財は財産の財であるわけでございます。それらの人財を育成していくためには、やはり仕事に対する一つの魅力あるいは働きがいというもの、そういうものを養成する必要があると思いますし、個人個人、人によって個性もありますし異なるところがありますから、それぞれが夢といわば一つの大きな意欲を持って、その持てる能力を存分に伸ばしていく、そして実社会で活躍ができる仕組みをつくること、そういうことが非常に大事ではないのかなというふうに思っておるところでございます。 つきましては、経済産業省としては、文科省とも連携をいたしながら、キャリア教育というものを推進いたしております。これは、若い時代からものづくり体験をやってもらおうということでございまして、今日まで、数でいいますと、全国で既に二百校、生徒の数にいたしまして約三万人がこの体験を得ているところでございまして、さらにこういう分野を伸ばしていく必要があるというふうに思っております。 現に今、さらに考えておりますことは、全国にあります各工業高校、そういうところから卒業しまして一たん社会に出ます。社会に出ますが、改めて、再度いわゆる大学院で学ぶような機会を提供してはどうか、こういうことを考えておるところでございまして、さらに高度な技術を改めて社会人になってから学ぶという、そしてそこで、先生が例を挙げられましたとおり、新たな技術的な資格を取得する仕組み、そういうものもぜひ取り入れていくべきである。 それを、間もなく中間的な発表をいたしまして五月に皆さんの前に提示をいたそうとしております新経済成長戦略の中に、それらの仕組みをしっかりと取り入れていく必要があるのではないか。先生のお示しの中から、この新経済成長戦略の中にもきょうの御質問の趣旨が取り入れてきつつある、こういうふうに私の方から申し上げておきたいと思います。
○佐々木(隆)委員 どうもありがとうございました。
○石田委員長 次に、後藤斎君。
○後藤(斎)委員 民主党の後藤斎でございます。 きょうは、三法について御質問をしたいと思います。 三十分という限られた時間なので、早速質問に入らせていただきます。 先ほども近藤委員の方から御指摘がありましたように、工業再配置促進法、三十二年たって、ようやくめどがついて廃止をされるということであります。ただ、この三十二年間に、先ほども御答弁の中にありましたように、一千六百億強を補助金という形でお使いになり、ある一定の全国一律のレベルアップがされたということ、さらには、工業の再配置も進んできたという片山政務官がお答えになったとおりの部分は確かにあると思います。ただ、それが地域経済の活性化にどう対応されているかというような評価もきちっとしておかなければいけないと思っております。 毎年、工場立地動向調査というのが経済産業政策局で出されております。これを見ても、まだまだ工場立地のいろいろな地域的なアンバランスもございますし、事実、地域と都市とは、いわゆる地方の格差ということで、まだまだ、東京と、よく言われる沖縄では、一人当たりの所得水準も倍近い形であるというふうな話もございます。 まだそういう地域経済格差があるということも踏まえて、本法が、これまでの三十二年間、どんな形で地域経済の活性化という視点と工業の再配置ということで役立ったのかということを、簡潔に、まず冒頭、お尋ねをしたいと思います。
○奥田政府参考人 お答えいたします。 午前中、片山大臣政務官からもお話ございましたように、まず、工業出荷額でございますけれども、移転を促進していくべきとされておりますいわゆる大都市と、工業を誘導していく地域とされております地方の比率が、工配法制定前の一九七〇年、昭和四十五年でございますけれども、その時点では約三対二ということで、大都市が圧倒的に大きかったわけでございますけれども、これが平成十二年には約一対三ということで、大きく逆転をするという形になっております。 また、事業所数とか従業員数の推移を見てまいりますと、法制定後、大都市部では一貫して減少をしてきておりますけれども、地方は、一九九〇年のいわゆるバブル崩壊前までは基本的には増加基調ということでございますし、またバブル崩壊後も地方の減少割合は大都市の減少割合ほど大きくなかったということでございまして、この法律、工業の再配置とかあるいは地域の活性化に対して効果を上げてきたというふうに理解をいたしております。
○後藤(斎)委員 確かに、かなりの部分では評価があるというふうに私も思っております。 ただ、昨年の十二月に、経済産業政策局が、審議官の私的研究会ということで七回の地域経済研究会というのを、今、昨年から日本全体の人口減少という時代に突入した、そういうふうな時代背景を踏まえて、「人口減少下における地域経営について」という報告書を出されました。 これは、二〇三〇年ですから、あと二十三年ほどたってからの地域経済のシミュレーションということですが、この数字を見させていただいても、東京を除いてすべての地域で人口がまず減少する、そして、大都市を中心とする三十五都市圏を除いて域内総生産も縮小する。さらには、人口一人当たりの域内総生産も伸び悩むというふうなことがあり、今後の地域経営のあり方には、選択と集中による地域経営が必要である、さらには、経済社会圏という一つの圏域を設けて取り組むことが必要だということ。そして、国に求められる役割は、経済社会圏単位での取り組みを各省連携してやる、そして地方とさらに協働してやるというふうな報告書が出ています。 先ほどお話があったことは、確かに一定の役割をこの工業再配置法は終わりましたが、これからの地域経済社会をどんな形で対応していくかという部分が正直言って見えない部分がございます。このシミュレーションは二〇三〇年をめどにやっている数字で、大変興味深い数字が細かく検証していくと出てきます。あえてその細かい点には触れませんが、この人口減少という時代背景に入った部分で、この工業再配置法が廃止をされるという部分の後の地域経済の活性化という手法は、大臣、どんな形で対応されていくのか。その時代背景が大きく変わってきたということも踏まえて、大臣の御見解をお尋ねしたいと思います。
○片山大臣政務官 御指摘のレポートは、十二月に発表させていただきましたところ、各方面で非常に反響もあったわけでございますが、まさに少子高齢化に対応する地域経済の構造改革ということで、広域市町村圏の自立的発展のためのいろいろな取り組みを促進しなければいけないといった認識を一つの柱の中にして、今現在策定中の新経済成長戦略は、産業競争力の強化とともに地域の活性化を二大柱の一つにしておりまして、そういった部分を十分強化していくということを検討しております。 具体的には、どちらかというと、日本全国一律という発想ではもうなくて、各地域の特性を生かして創意工夫して、その地域の歴史、文化、伝統をも含めました固有のさまざまな資源がございますので、これを活用いたしまして、既に一部の地域で始まっておりますが、地域ブランドですとか観光資源をこの地域の産業競争力に結びつけられるように、できるだけ具体的な策をも生み出していけるようにということで検討を行っているところでございます。
○後藤(斎)委員 確かにそうだと思いますし、この三月以前の委員会でも御指摘をさせていただきましたが、その地域経済の対応の仕方も新経済成長戦略の中で触れられるというお話は十分承知をしております。 きょうが三月二十二日であります。中間報告はもうすぐ出ると思うんですが、ぜひその中できちっと、四月以降の方向性が見えるということは特に地域の方々にとってみれば、どういう形で連携をすればいいかという模索をしながら対応している点もたくさんあると思いますので、ぜひその点の明確な中間報告の取りまとめをお願いしたいと思います。 次に、民活法。 午前中も若干触れられておりましたが、この民活法の政策評価研究会の報告、ことしの二月に出ております。これを見させていただいても、たくさんの課題を六十一年以降対応し、全国で百八十五件、経済産業省所管の施設では八十五件ということで、この研究会では経済産業省の施設等が中心になっておりますが、総投資が一兆四千億、国内の投資拡大、雇用創出にも大変貢献をしたと。その以降で、民活法が先駆けになって公共事業に民間活力を活用する方式が確立した、確かにそうだと思います。その後、PFIという制度が導入されて、もうそろそろこれもいいだろうという指摘もわからないわけではございません。 この投資というのは、経済産業省が実際の補助金ということで交付された実績は、交付総額として、七十一件の施設で、この十二ページによりますと、百二十六億円であります。融資実績も、日本政策投資銀行からの融資の総額が約二千六百十六億円ということで書いてございます。 それで、全体で一兆四千億の総投資額があるというのは、ある意味では、非常に乗数効果というか波及効果が大きい事業だったんではないかなというふうに思います。この研究会の報告がまとめている中で、さらに波及効果、建築時、運営も含めてですが、産業連関分析だと三兆三千七百三十六億円の経済波及効果があったというふうに二十二ページに指摘がされております。 ということで、PFIに引き継げばいいんだということにそこは私はならない。これは多分、片山政務官が先ほどお話しになられたように、一律方式から選択と集中でめり張りをきかせたというお答えなんだと思いますが、これだけ波及効果があって、頑張ってきたというこの制度が廃止をされる。 もう一度ここの点については確認をしておきたいんですが、その理由と、波及効果の数字を除いてで結構ですから、どんな形で役に立ってきたかという評価を経済産業省としてなさっているのか、お尋ねをしたいと思います。
○北畑政府参考人 民活法の成果と評価ということについての御質問かと存じます。 支援をした措置の実績、それからそれによってでき上がった施設の投資額、そういったものについては、委員御指摘のとおりでございます。 民活法の目的が、国あるいは地方自治体ではなくて、民間の資金やノウハウを効果的に活用することによって内需の拡大と地域経済の活性化を目指すという趣旨でございましたので、確かに波及効果の多い実績を上げたと思います。 数字以外のところで効果を申し上げますと、施設整備に伴う波及効果として、今お挙げになった数字の外枠として、例えば関連の周辺の商業施設の整備に対する投資、あるいは地域の雇用創出効果といったものを含めますと、今お挙げになった数字以外にもいろいろな地域活性化の効果があったんだと思います。 それから、具体的な例で申し上げますと、例えば研究開発・企業化基盤施設というものが指定されておりますけれども、この制度によりまして十四の施設が整備されまして、四百社以上のベンチャー企業が創出をされたということでございます。また、幕張メッセ等の国際会議場につきましては七施設が整備されまして、年間七百四十万人ぐらいの人が来ているということで、こういったベンチャー創出とか地域に人を呼ぶという効果は非常に大きなものがあったと思います。 ただ、御指摘のとおり、やや使いにくい部分があるとか、第三セクター方式によっていたという問題点もございました。こういった欠点を改善したのがPFI方式だと思います。PFI方式によりましても、同じような効果、あるいは民間の活力を活用した波及効果の大きな施策が現に進められているのだ、このように理解をしております。
○後藤(斎)委員 今お答えをいただいた最後の部分で、確かに、PFI方式が平成十一年から件数がふえ、民活法が制定された六十一年から十七年度の百八十七件と、PFI事業が実施をされた平成十一年から十七年度、七年間の二百二十五件ということで、ほとんど地方自治体の事業の主体はこのPFI事業になっています。 これはある意味では、国の補助金をつける仕組みとか、特にこの数年間で大変厳しくなってというか、PFI事業をまずしなさい、そこへの補助金の認定というものが前提ですよ、どうしてもだめな場合は従来の税方式ないし、多分民活法もあったんだと思いますけれども、他の事業でやりなさいよという指導を国がしているはずであります。 そして、これは御答弁ができたらぜひお願いをしたいんですが、少なくとも私が知る範囲では、PFI事業でほとんどの実施主体は、いわゆる大手コンサル、建設業者、銀行を中心とした、ある意味では非常にPFI事業にノウハウがある事業体であります。ほとんどの地域では多分そうだと思いますが、地方のコンサルや建設業者や銀行がやるといっても、正直言って、なかなかノウハウがありません。むしろ、特にこの委員会の主目的でないかもしれませんが、ある意味で中小企業という事業者の育成という視点がこの委員会の大変大きな意味であるという中で、大手の企業体だけが事業の主体になるというこのPFI事業、これは、申請とか手続とか運営も含めると、かなり長期にわたっての事業収支の計算や計画が求められています。大変使いにくいというお話をよく聞く事業であります。 その点について、今お答えになったように、確かにこの事業体が、PFIという事業の制度がこれからのもし主流になるのであればそこの、経済産業省としてもう少し中小企業にも、配慮をしろとは言いませんが、きちっとその事業主体になれるようないろいろな支援的な、これは知的支援だというふうにも思いますが、その点についてぜひ検討やこれから支援をしていただきたいと思うんですが、その点についてお答えをお願いしたいと思います。
○北畑政府参考人 委員御指摘のとおりでございまして、民活法は第三セクター方式に限定をしておった。したがって、この第三セクター方式以外に民間企業が直接参加できるような方式に改まったのがPFI方式だと思います。PFIの参加方式として入札応募という形をとりますので、大企業も中小企業も参加ができるということでございます。 それから、実績として、大企業と組みながら中小企業がこのPFIに参加をしてみずからノウハウを身につける、こういった動きもございます。この運用につきましては、関係の省庁とも相談しながら、中小企業もこの制度が利用できるようにいろいろ考えてまいりたいと考えております。
○後藤(斎)委員 今局長が御答弁をいただいたように、大臣もぜひその辺をウオッチしていただきながら、やはり、大手の事業主体だけが集中をするような事業の仕組みや、確かにノウハウもあるし資金力もあるかもしれませんが、地域経済の振興という視点では私は必ずしもそうではないという思いもございますので、その辺のウオッチの方も、お忙しいと思いますが、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。 続きまして、いわゆる対内投資法でございます。 この対内投資法についても、本年の一月に輸入・対内投資法政策評価研究会の報告書が出ております。これについても、たくさんの今までの実績が高く評価をされ、そして、これも多分、一律制度から少しめり張りを絡めた制度に切りかえるというお答えにまたなるというようには思っております。 確かに、この法律はある一定の評価が僕はあったというふうに思っていますし、やはりこれがなくなってから、ある意味では、ジェトロの有効利用であるとか、政府の各省庁が地方自治体と連携をしながらこの趣旨を踏まえながらやっていくという部分になると思うんですが、実質、対日投資という部分では、平成十五年の、小泉総理がお話しになられた五年間での対日投資倍増計画、これはこの十八年の末ということであと一年ありますが、なかなか思うとおりにはいっていない現状もございます。 そして、この部分でいえば、今、産業の空洞化が久しいと言われて、確かに、地域間競争から中国やアジアの全体の国々も含めて、先ほど触れさせていただきました工業再配置促進法ということではなく、もっとグローバルに考えなければ、中小企業や地域経済の育成の視点はないというふうにも思っています。 この対内投資法も全く同じだと思うんです。やはり、国内にお金が潤沢でない。ただ、中小企業やその立地が外国の企業から見れば非常に魅力的だという部分はあると思うんです。それをある意味では地域と連携をしてこの対内投資法が進められてきたと思っているんですが、この法律を廃止するというのが一方であり、そして、これから小泉総理がおっしゃられた対日投資の倍増計画、これは要するに、ふやせばいいということではなくて、海外からの資本もきちっと有効に使いながら、地域経済の活性化や雇用の拡大に資するという思いが当然あったはずであります。 ですから、仮にこの対内投資法という対内投資を促進する法律がなくなった部分、どんな形でこれから支援を地域経済にしていくのかという部分で、これは簡潔で結構ですから、お答えをいただきたいと思います。
○西野副大臣 御指摘のとおり、輸入・対内投資法に基づく支援措置は、現実にその実効性が低下をしていることは午前の委員会でも申し上げたところでございまして、今回廃止することになったわけでございます。 しかしながら、一方では、対日の投資は大変重要なことである、私どももそう思っておりますし、ことし一月の総理の施政方針演説の中にも、GDP比に対しまして五%を目標にするという新たな目標を設定いたしたわけであります。 したがいまして、これも総理の言葉でありますけれども、むしろ、日本に対する投資が脅威だというとらえ方ではなくて、投資を歓迎する、こういう受けとめ方の方が必要であろう。そのためには、やはり先生もお示しのように、受ける側の我が国の総合的ないわゆる環境整備、そういうものの必要性があるというふうにも思っておるところでございます。 既に経産省におきましても、構造改革特区等々を活用していただきまして、自治体に対して強力な支援体制をとっていくとか、外国企業がさらに投資をしていただきやすいように、税制を含めた投資環境の整備というものも、具体的に魅力あるものに取り組んでいく必要があるというふうに思っておる次第であります。
○後藤(斎)委員 ぜひそんな形で、確かに、ある一定の時期が来ると法律や制度というのを変更したり廃止しなければなりません。これは、時代に合ったものが制度としてなければいけないということは当然でありますが、やはり一抹の不安や望郷感がついつい出てしまう部分もありまして、ここにいる委員の皆さんや大臣初め経済産業省の皆さんはそういう思いは、いやいや、当然だよというふうにおっしゃるかもしれませんが、やはりそういう制度の中で今まで対応なさってきた方に、午前中、近藤委員が御指摘をされて、この委員会でも何度もお話があったPSEの話もそうですが、やはり周知徹底ということでは、もう廃止をするからいいやということではなく、これからまたこういう形を経産省はしっかり支えていくということは、廃止するこの三つの法案について、私は、自治体や関係者の皆さんにはきちっと対応していただくことを要望しておきたいと思います。 次に、中小ものづくり高度化法という法律の中身に入っていきたいと思います。 これは、先ほど佐々木委員からも二〇〇七年問題について触れておりましたが、この四月一日から、六十五歳までの雇用を企業に義務づける改正高齢者雇用安定法が施行をされます。そして、中小企業白書やものづくり白書を見させていただくと、確かにいろいろな事業を経産省は今までも、十七年度から特にやられておって、なおかつ、これからのあり方としてその部分も支えるという御答弁が先ほどございました。 これは中小企業白書の中にも触れられておるように、実際もう中小企業では大企業よりもはるかに、年齢を区切れば、ある意味で高齢者の方を継続雇用している。特に、この基準が最高雇用年齢ということで、三十人から九十九人という中企業の部分しか昨年の中小企業白書では載っておりませんが、その三十人から九十九人の雇用の規模の企業体では、最高雇用年齢というものを定めていないという企業が既に五五%あるというふうな御指摘がございます。 確かに経営資源ということでは、先ほども触れておられましたように、要するに、今までも企業の中で経験を積んできた方とこれから社会に入っていくであろうという若い、高校生も含めてですが、特にこれから育成をする高校生はこの二十年間で、半減まではいかないと思いますが、かなり減少したというふうに言われておりますし、やはり工業高校の生徒さんがこれから、中小企業だけではなくて地域経済の全体の、大企業も含めて、ある意味では非常に貴重な部分になるというふうに思っております。 その点については、いわゆる高齢者の方の、技術をもう持っている方、そしてこれから若い、工業高校、高専だけではなくて、そことの連携も含めて、中小企業庁としてこれからどんな施策を講じていくのか、簡潔にお答えを願いたいと思います。
○望月政府参考人 先生御指摘のように、中小企業においては、定年制とかそういうことはありながらも、大変弾力的に高齢者の方、必要な方は引き続き勤めていただくという会社が多うございますので、結果としてそういう雇用実態になっていると思います。 ただ、そういう方々も、やはりどこかで若者に技術を伝承しなきゃいかぬということがあるわけでございまして、この点については、マンツーマンで例えばそれを伝承するにしても、そのために大変コストのかかる話でもございますので、そういった面について、中小企業にとっては一つの悩みがあることも事実でございます。 こういった悩みを含めて、地域においてそういう人材問題を解決しようということで、先ほど来お話が出ておりますけれども、工業高専だとかいうところを中心とした、地域中小企業と手に手をとって、地域ぐるみでそういう人材問題の解決をするという動きが出ておりますので、私どもとしては、それをぜひ取り上げて支援をしたいということでございます。
○後藤(斎)委員 中小企業は、実際ものづくりをするにしても、運転資金がないとなかなかできない。これは、平成十三年に鳴り物入りで売り掛け債権担保融資保証制度の本格的な導入というのが中小企業でもなされました。この時点では中小企業庁の思いはどうだったかわかりませんが、当時ほとんど一千億程度であったものを一年以内に二兆円、二十倍くらいに売り掛け債権担保の融資の保証を見込む。要するに、不動産の価格が下落する中で、不動産と同じくらいの債権担保があるというふうに言われているものに着目をしたりと、実際、今だと一兆円をまだ切る状況であります。 あわせて、月曜日の日経新聞に、信用保証協会の行っている連帯保証を原則廃止するという記事が一面に載っておりました。 売り掛け債権担保の問題がまだ十二分に当初の目的を達成しない部分と、あわせて、信用保証協会の四月一日から連帯保証制度を原則廃止するというこの二点は、もっと積極的にぜひ対応していただく必要があると思うんですが、その方向性をちょっとお伺いしたいと思います。
○望月政府参考人 先生今おっしゃいましたような、中小企業が不動産担保やあるいは人的保証に過度に依存しない融資をぜひ推進したいというのが、中小企業金融に関しましては、私ども、ここ数年来の政策目標でございました。 その売り掛け債権担保融資制度は、おっしゃいますように、平成十三年末に制度を創設して以来、着実に実績は伸ばしているわけでございます。 ただ、これは、時間がございませんからるる申し上げませんが、そういうものを活用しなければ融資が受けられないのかというような、風評被害の問題であるとかあるいは官公需における制限であるとか、そういったものがいろいろございましたけれども、これは一つ一つ解決をしながら、この制度の実績を上げていきたいと思っております。今やっと一兆円弱のところまでたどり着きましたが、最近、件数が非常にふえております。ということは、小口でもそういうことを非常にやり始めたということでございますので、これはぜひ、引き続き、手を抜かずにやっていきたいと思っております。 それから、第三者保証人の問題は、これは保証協会の保証の中でどうしてもなければならないという話もございますけれども、私どもとしては、この第三者保証人の持つ大きな問題点の方をむしろ問題にし、政府の関与する制度であるからこそそれを積極的に廃止するように、この四月から通達を発してやることにいたしております。
○後藤(斎)委員 済みません、大臣、一点だけ。 今の連帯保証の部分も売り掛け債権の話も、中小企業者の持っている資産や能力というものを引き出す制度、これは今お答えいただいたように、ぜひそれを後押しするような施策を、平成十三年からもう五年たっています、もっともっとやっていただきたいなと。 そして、今回のものづくり高度化法の中で、実際認定される企業は、二十六の政令で決めている技術から、それを組み合わせて対応していく部分であります。そして、ややもすれば、この六十四億という一つの予算に盛り込まれた事業、一件当たり幾らになるかは別としても、これは国から直接行くお金ですから、ある意味では、例えば一億円であっても、その企業にとってみれば非常に重要性が高い事業であります。 例えば、そこの認定を落ちた企業は、同じ業種であっても、審査の基準がどうなるかこれから詰めるというお話だと思いますが、これが透明性があってある意味では採点がされたとしても、例えば一点差でおりた。隣近所のA社とB社であった。ではB社は、基準が低いのではないということであると、これは、ものづくり基盤技術振興基本法の第五条で、地方公共団体の責務としても、ものづくり基盤技術振興を図るための自主的な施策を策定する責務というものはございます。そして、あわせて、経済産業省としても、この高度化法の研究事業だけではなく、ほかの施策もございます。 私は、先ほど何回も言われたPSEの問題もそうですが、やはり、今回、人員は増加をせず、現行の体制で経済産業省は中小企業庁を主体にやると。それで、地方との連携も含めて、これから、窓口をきちっとして、もし落ちても、あなたはこういう支援のあり方がありますよ、地方自治体はこうですよと、やはりそこの連携を地方自治体ときちっとやっていただく必要があると思うんです。 やはり技術に確かに能力の差はあるかもしれませんが、それが絶対客観的に、この六十四億円の限られた原資の中で事業体を指定するというのは、かなり至難のわざだと私は思っているんです。ですから、差が仮にあったにしても、その差というものがほかの支援事業で救えたり、国で救えないものは例えば地方自治体がこういう事業があるよという、その連係プレーがないとまた同じような、あいつはいい、私はだめ、あいつはよかった、ブーイングだという、例えば同じ商工会議所の中でも起こり得るわけですよね。 そういうことがないように、審査の問題やほかの事業の支援の仕組みがたくさんあるはずですから、地方公共団体との連携も含めてぜひお願いをしたいと思うんですが、最後に大臣の御見解をお願いしたいと思います。
○二階国務大臣 ただいま、地方公共団体の支援策との間でよく連携をとれ、こういうお話でございますが、大変時宜に適したといいますか、重要な御指摘だと思っております。 地方公共団体では、ものづくり基盤技術振興基本法の第五条を踏まえて、地域特性を生かしたものつくり政策に取り組んでいるわけであります。例えば、地域の産業ビジョンの策定や公設の試験研究機関を活用した研究開発などを実施しておるわけでありますが、今後、中小企業のものづくり技術の高度化についても、国の政策を踏まえ、御主張のように、地方公共団体で積極的な取り組みが行われることを私どもも期待をいたしております。ともに努力をしてまいりたいと思います。
○後藤(斎)委員 どうも長時間ありがとうございました。
○石田委員長 次に、松原仁君。
○松原委員 民活法及び輸入・対内投資法廃止法案ということでありますが、長い間行われてまいりましたこれが、今回、こういったことで、歴史的使命を終えたという認識かもしれません。このことの評価と総括を簡単にお伺いいたします。
○北畑政府参考人 民活法の目的は、民間の持っておる能力、資金を活用して社会的な基盤施設を整備するというものでございました。その法律によりまして多くの施設が整備され、地域の活性化も含めて、大きな効果を発揮したと考えております。
○松原委員 そうした中で、具体的には、日本政策投資銀行を通して、大きな金額がさまざまなこの民活法による施設整備等に融資されたわけでありますが、これはどれぐらいの額、どのように融資されたのか、お伺いいたします。
○北畑政府参考人 民活法による措置の中で、日本政策投資銀行による融資というのは大変大きな役割を果たしてきたものと受けとめております。金額で申し上げますと、経済産業省所管の施設につきましては、出融資額が、七十八件、総額で四千百四十八億円でございます。これを関連の五省庁所管施設全体で申し上げますと、百六十七件、六千七百十一億円でございました。
○松原委員 大変な金額がそこに拠出をされているわけでありますが、私は、もちろん政策的に民間活力を生かすということも必要でありましょうし、また、輸入をふやすというふうなこともこの当時においては求められていたことではないかと思っております。 しかし、その総括というのに照らし合わせて言うならば、では実際、ここで特に融資をされたお金がどのように戻ってくるのか、その融資したお金が戻ってこないようなケースがどれぐらいあるのか、こういったことも総括をする中ではきちっとチェックをする必要があると思っておりますが、大体概略、これはどのようになっておりますでしょうか。
○北畑政府参考人 融資案件につきまして、政策投資銀行の融資が大きな役割を果たしたということは、先ほど御答弁したとおりでございます。 多くの事業は順調に返済等が行われていると思いますけれども、確かに、一部について返済が滞っているというのがあるという事実は承知をしております。具体的な金額は、政策投資銀行の方にお尋ねいただければと思います。
○松原委員 大体平成六年度がこの融資のピークだった。最終は平成十五年度、最終融資が行われた。大体十年から十五年でこの返済というものが行われるとなれば、平成六年から十五年たつと平成二十一年であります。そろそろ、そういった一つの目安、どのぐらいが厳しい環境なのか。リスク債権というふうに言ってもいいでしょう。 こういうふうなことになっているわけでありますが、政策投資銀行の方もきょうはお越しいただいていると思います。今の政策投資銀行のサイドとしては、どれぐらいがリスク債権といいますか、この民活法に基づく、特に、できれば経済産業省所管分ということでも結構でありますが、どれぐらいが回収できないというふうな見通しなのか、お伺いいたします。
○荒木政府参考人 お答えを申し上げます。 民活法関連の特定施設の整備に関する私どもの融資についての今後の回収の見通し等のお尋ねというふうに理解をいたしましたので、その観点でお答えをいたしたいと思います。 先生御指摘のとおり、私ども、昭和六十二年、民活法が制定されましたのが六十一年と承知しておりますが、その翌年から融資業務を開始いたしまして、先生御指摘のとおり、平成の五年、六年、七年、このあたりが融資のピークということでございます。これが今は回収期に入っているという状況でございまして、大体、当初貸付元本の合計額に対しまして、現在、残高ベースで約半分ぐらいまで減じてきておるという状況にございます。 先生御指摘のとおり、民活法プロジェクト、初期投資が非常に大きゅうございますし、収益性が本来高くない事業でございますので、もともと低収益かつ投資回収に長期を要するということは想定されたわけでございまして、厳格な審査によって案件を選択しながら対応してまいりました。 その後、バブルの崩壊等の経済事象の大きな変換等もございまして、御指摘のように、一部に、その回収といいますか事業性そのものがかなり困難な状況に陥っているプロジェクトがあることは確かでございますが、大方の案件につきましては粛々と回収が今進んでいる、そういう状況にございます。 お尋ねの数字でございますけれども、これは、私ども、銀行全体の債権につきましてのリスク管理債権比率、これはディスクロージャー誌でも出してございますけれども、これが今二・九%、三%弱の水準にございます。今、手元に民活施設のみという数字はございませんけれども、基本的に民活法特定施設の整備は第三セクターにより整備をされるケースが多うございますので、第三セクターのみを切り出した場合の当該リスク管理債権の比率、これはディスクロージャー誌等にも毎年開示をいたしておりまして、こちらの方が、直近の十七年三月末時点におきましては一四%ぐらいの数字、こういうことになってございます。 ただ、いずれにいたしましても、これらの債権につきましても、事業計画の見直しでございますとか、関係団体、例えば自治体を中心とした出資者あるいは関係の金融機関等との協議のもとに、今後の返済計画等につきましてもきちっと整理をいたしまして、時間をかけても収益弁済が可能なものも当然ございますし、担保、保証等によってカバーされているというものもあるということでございますので、最終的には相当の部分は回収可能というふうに依然考えさせていただいております。
○松原委員 一四%、こういうことであります。一四%というのはどれぐらいの数字ですか。
○荒木政府参考人 実額で申し上げますと、二千百五十三億でございます。
○松原委員 二千百五十三億、これがリスク債権、こういうことだろうと思いますが、こういったものを例えば融資をして行うようなものは、三セクでありますから、当然、他の民間が独自にやるものよりは、ある意味ではさまざまな特典がある可能性があるわけですね。例えば容積率がちょっとそこだけ上がるとか、いろいろなことがそれはケースとして考えられる。しかしながら、今言った二千億円を超えるリスク債権が発生した。 これは、お伺いしたいわけでありますが、やるときにおいては、当然、このお金を融資する段階では取りっぱぐれがないという前提でやっているわけですよね。
○荒木政府参考人 まさに先生御指摘のとおりでございまして、とりわけ民活法特定施設等あるいは第三セクターが行う事業はもともと官的色彩の強い事業でございますので、本来が低収益、事業性は非常に厳しいということはもう明らかでございますので、一件一件きちんとした審査をいたしまして、さまざまな前提条件のもとで将来収支を見通した上で融資をいたしたところでございます。
○松原委員 民間の金融機関であれば、融資を担当して実行した長というんですか責任者、融資したものが戻ってこないよ、それは経済の変動とかあるでしょうが、しかし、あんたが融資した物件、すごい金額が焦げついちゃったよとなれば、その人間はその会社ではなかなか出世はもうできませんわ。 私がお伺いしたいのは、おたくの日本政策投資銀行で、このとき融資をする人間は例えばどういう判断で融資をしたのか。判断として、どういう判断で、融資したものに関して結果としてそれが今厳しいリスク債権になってしまったのか。なかなか具体的なものは答えられないということですが、抽象的に、どういうイメージか、ちょっとイメージをおっしゃってください。
○荒木政府参考人 お答え申し上げます。 基本的には、民活法の特定施設の施設性格から申し上げますと、建築物、大きな不動産物件を建てて、そこにさまざまな目的を持った皆さんが入居をされたり利用されたりして、その使用収入、使用料をもって収入となすというのが基本的な収支構造でございます。 この民活法が成立をいたしましたのが昭和六十一年、私どもが支援融資制度をつくりまして御融資を始めましたのが昭和六十二年でございますが、ちょうどその当時はバブル前の状況でございまして、さまざまなプロジェクトの企画立案は、その後のバブル崩壊前の時期に行われたものが時期的には多うございました。 その後、主務大臣によります基本指針の作成をベースに各自治体、事業者が計画を出して、認定を受け、事業主体を構築し、プロジェクトの計画をつくり、着工をし、工事をし、完成をし、開業するとなりますと、数年の時間が経過をいたします。 民活法の特定施設の場合、とりわけでございますけれども、企画立案段階と完成時点における経済環境とが大きく激変をしたという事実がございまして、先ほど申し上げましたような収支構造でございますから、結果においては、プロジェクトの規模がバブル崩壊後の基準から見れば過大であったり、これは施設の規模の面においてもそうでございましょうし、工事費の面でもそうだったと思いますが、そういった格好で投資が過大になった、結果として負債も大きくなった、収入の源となるべき売り上げ収入は当初想定をなかなか達成できなかった、こういった構造がございました。 その後、バブル崩壊後、自治体の財政事情が逼迫化したり、あるいは、民間金融機関の方も金融再生プログラム等で不良債権処理を加速化する等、事業環境としてはより一層厳しいものになった、こういうのが客観的な事情かと思います。 ただ、私どもといたしましても、バブル崩壊の影響が、どれぐらいの長さで、どれぐらいの深さでその後影響を及ぼし続けるかという点について、見きわめにおいて見通し切れなかったという点につきましては、これは反省材料というふうに思ってございます。
○松原委員 私は、これは、実際にこの融資をするというときの前提条件で、さまざまな数字が上がったと思うんですよ。 例えば、この辺はこれだけの人がいるから、地下鉄だって何だってつくるときはそうですよ。ここにこう駅をつければこれぐらいの人が集まりますよとか、そういうデータがあるわけですよ。確かに一方においては景気の上がり下がりや浮き沈みがあっただろう。しかし、そのデータ自体が、言葉は悪いけれども、実態ではなくてつくられたデータ、まさに箱物をつくらんがためにつくられたデータのような、そういったものに沿って、そのデータの前提条件が違っていれば、それはつくった瞬間から収益が上がるはずないわけですよ。そういうふうな箱物がありませんでしたかというのが私の質問の趣旨なんですが、そこまで具体的な答えができないんだろうし、今も材料がないと思うので、これからそれは調査していきたいと思っております。 これに関しての総括と責任というのはどうなっていますか。
○荒木政府参考人 私どもが融資に当たって審査をする際に前提といたしました提出していただいた事業計画、これはもちろんございますのと、いろいろな環境を考慮しての私どもなりの見方、数字の整理をあわせて行った上での判断でございますので、提出されたものをそのまま前提にしてということではございません。 それと、そこの総括とその後への反映ということでございますけれども……(松原委員「責任」と呼ぶ)はい。責任につきましては、これは、今取り組んでございますプロジェクトの当初想定いたしました政策的な目的でございますとか、あるいは事業の効果といったものができるだけ維持、発現し続けられる、そのような側面的な支援を今後ともきちんととっていく、関係者一同でそれをやっていく、これが何よりも一の責任だと思ってございます。 それともう一つは、このような形での考え方で御融資を申し上げたその融資手法なり事業手法なりといったものにやはりいろいろな変革を求めていかなくてはいけないと思ってございまして、公共的事業を行うものとして、最近でございますと、例えば事業手法としてのPFIでございますとか、金融手法としてのプロジェクトファイナンス等のストラクチャーの構築といった、いわば責任とリスクをきちんとシェアできるような、それを明確に行うような形をこれらの反省の上に最近多く導入する努力をしているところでございます。
○松原委員 いろいろとおっしゃるわけでありますが、簡単に言えば、民間企業だったら、やはりその融資した人間は基本的に責任をとるんですよ。個人に責任は帰せられるかどうかという議論も含めて、そういうそれに携わった人間、それは普通責任をとるんですよ。それはどういう責任をとるのかと聞いているんです。
○荒木政府参考人 お答えいたします。 個人的な責任という点につきましては、私どもの場合には、それが直ちに明示的な形であらわれるという形では今やってはございません。 それと、もう既にかなり時を経たプロジェクトでもございますし、そういった中で、むしろ、今後の政策金融機関としての対応のあり方でございますとか、今後の融資についての知見でございますとか手法でございますとか、そういったところに誤りなきを期していくという形で社会的な責任を果たしていきたい、このように考えてございます。
○松原委員 その理屈は、民間では通用しない理屈だと思います。 特に、二千五百億ですか、大変な金額であります。やはりこれは、責任をトップがとるというだけではなくて、そのときそのプロジェクトをリードした人間がその後のうのうと、例えば年間二千万とか千五百万とか、わからないですよ、多額の給料を取り続けているというのは、これは民間的には考えられないことだと思うので、私は、そういった部分もきちっとやはりけじめをつける、責任をつけるということが、なかなかそれはしたくないという気持ちはわかるけれども、そうしない限りにおいて、やはりあのとき同じように大きな赤字をつくったけれども責任は問われなくて済んだ、前例踏襲だから、今回も赤字をつくったけれども責任は問われない、こういうふうなことは今後つくってはいかぬので、どこかで私はけじめをつけていただきたいというふうに思うわけであります。 次の質問に移ります。 一つは、今回の工業再配置促進法を廃止する法律案が出ました。この法律が廃止される、こういう法律案ができた。私は都市型製造業のメッカの大田区の方におるものですから、この大田区では、やはり何とかこの法律をやめさせてくれと。東京都議会議員時代も、工業三法というんですか、こういった三法に対して何とかやめてくれという陳情書を随分と国に出した経緯がありました。なかなか当時は聞き入れてもらえなかった。大田区、品川区の中小企業、首都圏の中小企業にしてみれば、こういった法律があって、なかなかリニューアルもままならないということを具体的には聞いたわけであります。どこがどうだというんじゃなくて、結果としてリニューアルもままならないような状況だと。そこにさらに降ってかかってきて、いわゆる事業承継の税金というのはどんとかかる。そのことによって大変に都市型の製造業は大きなダメージを受けてしまったわけであります。 ここで、特に中小企業庁になるんですか、お伺いしたいと思うのは、都市型製造業と地方の製造業との差異というのを考えているのか、感じているのか、ちょっとお伺いしたい。
○望月政府参考人 先生の御意見の御趣旨に合うかどうかわかりませんけれども、消費地に近いところにおける工業施設と地域における工業施設は、そのメリット、デメリットは相当違うものと思います。 特に大田区のように、そのもともとを言えば産業集積に連担としていた京浜工業地帯の一部にあったということのメリットは非常に大きいものがあったというふうに思っております。
○松原委員 製造の仕方も、大田区、品川区は多品種少量生産というのがメーンなんですよね、多品種少量生産。少ない量、高いものだけれども付加価値があるものをつくる。これがアセンブリーラインでだあっと流れるというような、この間も私、この委員会で、大田区、品川区は母工場機能だと言いましたが、そういうものがある。 この多品種少量生産の強みというのは何かというと、一業に秀でたおやじさんがここにいる、また隣にいる。そういうのが、プレスだったらおれに任せてくれ、板金だったらおれに任せてくれ、メッキだったらおれに任せてくれ、さまざまな人がいて、その一芸に秀でた人間が百人集まると、これは何でも来いよ、こういう話なのであります。 何が言いたいかというと、その一芸に秀でた人間が一人だけではどうしようもないのであります。つまり、くしの歯が抜けるように一芸に秀でた人間がいなくなってしまえば、それは母工場機能を失う。 今言われているのは、アメリカで設計図はつくれる。今も昔も言われている。唐津一さんがよく言うんですよ、アメリカは設計図はできる、設計図をつくってもアメリカじゃつくれませんよと。設計図ができてそれをこの品川、大田、もしくは京浜工業地帯、都市圏の工業地帯に持ってくると、設計図一枚であっという間に、極めて短期間で製品ができると。これは、ほかの例えば発展途上国に持っていってもそれができないと。 都市型製造業の強みというのは、それぞれの分野分野のプロがいる、プロがいてわあっと集まってコンポーネントして製品をつくる、これが強みだということはもう間違いないと思うのです。設計図があっても物ができないのに対して、日本はそれができるんだと。 私は、そういう意味において、この都市型製造業は、この部分の希少価値というのは、まさに、これをまず私は中小企業庁長官には認識してほしいんですよ。
○望月政府参考人 今まさに先生おっしゃいますような多品種少量生産をやっている中小企業が、このグローバル化したものづくりの環境の中で日本国内で生き残っている最大の理由だろうと思っております。 したがって、今回、私どもはそこにまさに着目をし、先端産業を支えているそういう中小企業のものづくり技術というものを大切に伸ばしていきたいと思っております。
○松原委員 大臣にお伺いしたいんですが、私は、今回この工業再配置促進法を廃止するというのは、単にこれを廃止するというだけではいかぬと思うのですね。つまり、これを廃止してほしいという声は首都圏の中小企業からどんどん上がってきていたわけであります。しかし、私は、これを廃止するというのは、単純にこの成果が上がってから廃止するのではなくて、ここまで来ると、首都圏の今言ったたくさんの一芸に秀でた中小企業のおやじさん、そういったまさにその集積、ホロニックな集積とアーサー・ケストラーだったら言うかもしれないけれども、このホロニックな集積を維持するために、逆に今度は、これを維持する、守るという判断に移っていかなければいけないと思うのですね。 先般も私は事業承継のことは質問しましたし、我が党の大畠先生もこのことを質問いたしました。もう一回お伺いしたい。 これを大臣にお伺いする前にちょっと、財務省になりますか、事業承継で、農業の下における承継の特例というのはどういうことか、おっしゃってください。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。 現在、農家の事業用資産でございます農地につきまして、相続税の納税猶予の特例が設けられております。この措置は、農業政策の観点から、農地の利用、転用、譲渡が法律上厳格に制限されていることや、農地はその耕作者みずからが所有することを最も適当であると認める農地法上の制約などを踏まえまして、みずから農業経営を継続する相続人を対象に設けられている極めて異例の措置でございます。
○松原委員 なぜこの措置は工業には考えられないんでしょうか。もう一回、財務省。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。 その点につきまして、実は政府の税制調査会の報告がございまして、農地の納税猶予制度と同様の措置を事業承継一般にも拡大すべきとの指摘についてということでレポートが出されておりますが、そこで述べられておりますのは、農業の制度自身が非常に法律上厳しく規制されたことを踏まえた措置であって、それ自体が異例であって、そのあり方も見直す、今後検討していく必要はあると、時代とともに。それから、一方、事業の承継をそのように要件とするような特例を設けますと、一般の事業にありましては自由な事業転換の妨げとなって、産業構造の改革を阻害するおそれがあるなどが指摘されております。
○松原委員 僕はそれは答えになっていないと思うんですよ。やはり農業においては今あるんだから、これを将来なくすということですか、今のは。今の局長のお話というのは、じゃ、農業における猶予措置は将来なくすということですか。ちょっと答えてください。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。 政府税制調査会の平成十四年度税制改正に関する答申におきまして、「納税猶予制度は農地に係る財産権が法律上厳しく規制されていることなどを踏まえた異例の措置であり、そのあり方について検討が必要である」と、「検討が必要である」ということを指摘しております。
○松原委員 であるならば、それは簡単に言えば続くんですよ。簡単には終わらないんですよ。 農業をそうやって、ある意味で、日本の食料安全保障から、そういった方向というのは実は必要なんじゃないかと私は思いますよ。逆に言うならば、製造業に対しても、工業再配置促進法等もあったし、十分に今まで事業承継でどんどんと工場が廃業させられてきて、もうがけっ縁まで来ている。だから、ここにおいて、私は、そういった意味で、いろいろな条件を課していいと思うんですよ、条件を。 例えば、相続されたその事業用地が事業用として使われていて、マンションにする場合はさかのぼって、農業もそうですよね、農業も僕はそう聞きましたよ、さかのぼってそこから固定資産税その他全部払いますよと。それでいいんですよ。マンションにするときは当然さかのぼってやってもいいんですよ。少なくとも工場として稼働させ続けようとする場合は、そういった工業に対しても農業並みの事業承継に対する特例措置というのを、私は、特に二階大臣という大変にらつ腕な、やり手な経済産業大臣を迎えている今、これはぜひともつくっていただきたい。 この間も同じような質問をしたし、大畠さんも同じような質問をしましたが、あえて、三顧の礼ではないですが、三度目の質問になりますが、お伺いいたします。
○二階国務大臣 中小企業の事業承継の円滑化のために、先般も大変御熱心な御質問がございました。検討をお約束したところでありますが、今後とも、御質問の趣旨を体して、経済産業省として検討してまいりたいと思っております。
○松原委員 続きまして、同族会社の役員報酬給与所得控除損金不算入についてお伺いいたします。 これはどんな制度でしょうか、簡単に教えてください。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。 同族会社の、いわゆるオーナー企業におきまして、オーナーがみずからの役員給与を法人段階で経費として計上する、損金に算入するという一方で、その当該役員給与につきまして、個人段階で給与所得控除を受けるということが現在可能となっております。こうしたいわゆる経費の二重控除につきまして、個人事業者との課税上の不公平をもたらすということと、それからオーナー企業における課税所得の操作の余地を与えるものということになっておりまして、法人の経費のあり方として問題があるということでございます。 こうした中で、新しい会社法がことし五月施行予定でございますが、そこで、一人会社の全面的解禁あるいは最低資本金制度の撤廃などによりまして法人の設立が容易になるというような事情もございまして、個人事業者が租税回避を目的として法人形態を選択する法人成りが増加するなど、法人形態と個人形態の課税上の不公平がさらに増大するおそれがあるという事情もございます。 そこで、十八年度税制改正におきまして、オーナーによる支配の度合いの高い実質的な一人会社のオーナー役員への役員給与につきまして、法人段階で給与所得控除相当部分の損金算入を原則として制限するということとしたものでございます。
○松原委員 これによって、この網にかかる中小企業はどれぐらいだというふうに財務省は考えておられるでしょうか。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。 今般の実質的な一人会社のオーナー役員への役員給与の損金算入制限措置につきましては、この対象となります法人の数を五万社から六万社程度というふうに推計をいたしております。もちろん、その要件であります持ち分構成とか役員構成、さらに所得の水準などによって、ある程度そういうものに仮定を置いての推計でございます。
○松原委員 私がさまざまな税理士会の方々に話を聞きますと、その十倍ぐらいの数字をおっしゃるわけですね。つまり、パーセンテージでいうと二%、こういうことですよね。二%の中小企業がこの税制で捕捉される、こういうことであります。私の地域の税理士さんとか、税理士さんというのは具体的に持っているわけですから、こうやると二パーというのはあり得ない、二〇パーはいきますよと。つまり、五万社ではなくて六十万社。六十万社いくと。 こういう話については、それはやはり五万社なんだ、こういうことですか。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたように、当然ながら一定の仮定を置いた推計でございますが、そのもとになりましたものは、入手可能な精度の高い統計、承認統計あるいは税務統計といったものを用いて推計したものでございます。 また、税理士会の、六十二万社でございましょうか、その推計につきましては、幾つか、私ども実態はよく存じませんけれども、精度そのもの、適用除外の要件に関する誤解があるとか、あるいは対象につきまして無作為抽出でないとか、あるいは所得とか地域とかそういう偏りなどもある可能性はあると思います。
○松原委員 私のところに、ある税理士事務所の通信があるんですよ。 昨年十二月十五日に平成十八年度自民党税制改正大綱が発表されました、その中に、特定の同族会社に対しては、業務を主宰する役員給与の給与所得控除相当部分を損金不算入とするという条項が盛り込まれております、こう書いてあります。第三十五条となるだろうということでありますが、この三十五条にいろいろと書いてある。それに、これは大変難しい条文ですねとつけた後、これを説明すると、業務を主宰する役員とその同族関係者などが発行株式総数または出資の九〇%を保有し、かつ役員の過半数を占める場合は業務を主宰する役員への給与所得控除相当部分の損金額を算入しないと。 実際、多くの中小企業というのはほとんどこの条件に該当する、この部分に関してはほとんど該当すると私は思うんですよ。該当するところは多い。私の知っているところも多い。 そうしたときに、これはもう八百万円、こういう数字ですね。金銭的な面で適用対象になるかどうかですが、直前三年以内に開始する各事業年度の所得等の平均額が年八百万円以下である場合、または年八百万超三千万以下で、かつ主宰する役員への給与がその五〇%である場合は適用除外となると。これは適用除外だから、逆に言えば、八百万以上の場合等は適用に入る可能性がある。これで対象となる会社は、この税理士さんは六十二万社、こういうふうに言っているわけであります。 これは経済産業省にお伺いしますが、財務省が中小企業に対して課税強化をする、同族に対して。ほとんどの中小企業は父ちゃん、母ちゃん、兄ちゃんでやる三ちゃん企業とか、これはここに入るわけですが、経済産業省は、このことによってどれぐらいの影響をこうむると考えているんですか。
○西野副大臣 松原先生はたしか、東京は大田区と……(松原委員「品川と大田です」と呼ぶ)品川と大田ですね。中小企業の町の中からこういう御質問も出ておるのかなというふうに思いますが、実は、私は大阪の中小企業の町であります。実はものづくりの企業だけでも、現在でも一万社近く数える町であります。 今お示しの点は、法人による役員給与の総額を損金算入する場合と、さらには一人オーナーが個人の所得に対する給与所得控除と、いわばダブルで課税除外措置があるわけでありまして、そういうことになりますと、現に一定の方は節税目的のためのこういう法人設立を抑制できないではないかということになりますので、今回の税制改正によって除外制度が設けられたわけでございます。 その数は、確かな数字のところは今私が申し上げるわけにはまいりませんけれども、関西においては必ずしもそんなに多いと私は承っておらないところでございまして、しかも、中小企業に対してはいろいろな優遇措置を設けておるところは先生も御案内のとおりであります。それは、今八百万という数字をお出しになりましたが、それ以下のところにつきましては、これは適用除外になっておるわけであります。さらには、同族会社の留保金課税の抜本見直しもあわせてやったわけで、これは相当な効果が出るというふうにも思っております。さらには、こういう時代でございますから、設備投資の減税の拡充等につきましても取り組んだわけでございますし、さらには、定時定額の賞与につきましては損金算入が認められるという仕組みも新年度から取り入れることになったわけでございます。今例を申し上げましたとおり、中小企業にはさまざまな税制措置を講じておる、いわゆる優遇措置を講じておる、このようにも理解をしておるところでございます。 したがいまして、今後とも中小企業の育成のために、先生の御危惧はありますけれども、必ずしも私はそんなに多く影響が出るものではない、このようにも思っておる次第であります。
○松原委員 副大臣も中小企業の町、こういうことでしたが、これ、地元でお話しになって、どうですか、そういうふうに御理解いただけましたか。私の地元で話すと、こっちのこれだけぼんと話をすれば、これは大変だ、何でこんなふうに、せっかく今景気がよくなってきて、極めて単価も切り下げられた中で頑張っておるのにと。単価は一回下がったらなかなかもとに戻らない、そういう中で頑張っているのに、八百万という数字も、大体、サラリーマンでも給与所得が高いのは一千万取っているじゃないか、何で八百万からいくんだ、こういうふうな話もあるぐらいでして、なかなか理解を得られないと私は思うんですが、副大臣のところは理解を得られる、こういうことですか。
○西野副大臣 お答えします。 理解を得られるということよりも、確かに、この案が出ましたときは、税理士さんを初め一部の方々が、わあ、これはえらいことになったな、こういう雰囲気もありました。しかし、内容を十二分に説明いたしますと、ああそうか、いわばダブルで、表現は悪いかもしれませんが、個人所得の控除と法人の損金算入とダブルでしているという点については、これはもうやむを得ないなと。しかも、八百万以下の零細企業についてはそれを除外する。それよりも大きいのは、反応が出ましたのは、この留保金課税を抜本的に見直す、こういう仕組み、これに対してで、ああこれはよかった、これはありがたいという評価でございまして、今の御質問の問題については、さほどの問題はなく御理解をいただけたというふうに思っております。
○松原委員 例えば配偶者のさまざまな特典の控除を外すとか、そういう一連の流れがここにあるんだろうと私は思うんですよ。 ただ、問題は、中小企業の存在をどういうふうに日本経済の中で認識するかという議論ですね。私は、中小企業というのは景気のオピニオンリーダーだと。もちろん、サラリーマンはサラリーマンで、財布のひもを緩めるかかたく締めるかというのはあるけれども、中小企業というのは、景気がよくなるとか新しい勝負をしようとなれば、自分を個人保証して命をかけて金借りて勝負に出るんですよ。それが景気をがっと浮揚するんですよ。要するに、中小企業の景気浮揚における意味合いというのは物すごく大きい。 私は、やはり、言ってみればそこの近衛軍団じゃないけれども、これを温存して大事にしなければ日本の景気は浮揚しない。一般のサラリーマン、もちろん、サラリーマンと中小企業で同じように、こっちも扶養者のこれを排除したんだからこっちもなくそうというのは理屈は理屈であるけれども、今この段階で、少し景気がさらにテークオフしてからでもいいじゃないかというのが私の発想なんですよ。 私は、その意味で、これは結果として中小企業のやる気をなえさせる要素が極めて大きい。恐らく五万社じゃないですよ。五十万社から減るでしょう、みんな対応策を練りますから。株を分けるとかいろいろとやるでしょう。しかし、五万社どころではなくて、はるかに大きな中小企業がこの網にかかるというのはやってみればわかりますよ。私は、そのことが日本経済にどれだけマイナスか。特に、少なくとも中小企業庁を持ち、中小企業の味方である経済産業省は、このことについて、財務省に対して、おれらは経済産業省として中小企業を守るんだと言ってほしいんですよ。この辺、大臣、いかがですか。
○二階国務大臣 ただいま西野副大臣から、特定支配同族会社の役員給与の損金不算入の問題につきましては詳しく御説明を申し上げたところであります。 この問題等につきましては、財務省とは、十八年度の税制改正の検討過程で幅広く意見交換を行っております。今般の措置は、十八年度税制改正全体の中で受け入れ可能な適正化措置であると考えております。
○松原委員 最後に一問だけ、簡単に。次の質問の近藤さんが待っていますので。 償却資産というのがありますね。今、中小企業では、使わなくなって、鉄屋だったら十二年で減価償却が終わる、終わった後、それは一〇%が償却資産で乗っかってそこにまた課税がかかると。これは大変に、人員も十人から例えば三人に減っているような中小企業ではこういったことも見直してほしいという声があるんですが、これを簡潔にお答えいただいて、質問を終えたいと思います。
○岡崎政府参考人 古い資産に係る固定資産税のお尋ねと思いますので、お答え申し上げます。 償却資産に係る固定資産税につきましては、資産の保有ということと行政サービスという関係に着目しまして、事業の用に供することができる償却資産につきまして、資産価値に応じて毎年課される物税であるということでございます。 したがって、償却資産がたとえ相当古くなったといたしましても、事業の用に供されている限りは一定の価値があるということで、一番古いものは当初取得価額の五%分という価額を最低の価額としまして、その額にかかる固定資産税の負担をお願いいたしておるという仕組みになってございます。
○松原委員 終わりますけれども、こういった税制もやはりかなり問題があるんじゃないか、そういったものを改めていかないと都市型製造業の復活にはなかなかつながらないということを申し上げまして、時間が終わりましたので質問を終えます。 ありがとうございました。
○石田委員長 次に、近藤洋介君。
○近藤(洋)委員 民主党の近藤洋介でございます。 同僚議員の気合いの入った質問が続いておりますが、私も、ダブルヘッダーになりますが、気合いを入れて質問をしていきたいと思います。 とりわけ中小企業、私も先週末地元に戻りまして、連休を挟んだものですから、製造業の経営者の方、中小企業の経営者の方々の悩み、苦しみ、そして懸命に努力されているお姿、意見交換を続けてまいりました。そうした現場の声を踏まえて伺っていきたいと思います。 委員長のお許しを得て、再び資料を配付させていただいております。最初、人材の話を伺いたいと思っておったんですが、同僚の佐々木議員の方から大変深みのある質問がございました。重複を避けたいと思います。 しかし、あえてその上で、この場で御指摘をしておきたいのは、資料一にございますが、下の段で完全失業者数の推移というのがございます。ここで注目したいのは、三十五歳未満の完全失業者、下の段の表ですが、三十五歳未満で百三十九万人であります。この百三十九万人、完全失業率に直しますと七・八%、全年齢平均の五・六%を大変上回る水準である、三十五歳未満が。さらに、フリーター二百一万人、ニート六十四万人を加えますと、三百七十九万人の若い方々が今しっかりとした定職を持てないでいる、こういう現実があるということなんですね。 その一方で、景気はよくなったと小泉総理はおっしゃるけれども、では、雇用はどうなんだといえば、からくりがあるわけでありまして、上の表、派遣労働者の数であります。この数年間、少なくともこの五年間で、それぞれ派遣労働者は倍増しているということなんですね。要するに、正規雇用はどんどん減って、そしてニート、フリーターはどんどんふえて、派遣労働者は倍増しているというわけであります。このことは、要するに日本経済全体で見ると、三百七十九万人の方々が浮いている、人材が浮いているという、これを放置すると手おくれになってしまう。能力を、仕事を、手に職をしっかり持たないで、能力開発をされない方、三百七十九万人の方々がいるというのは、日本経済全体にとっては大変なマイナスだということであります。 今回の中小企業ものづくり支援法の中で、経済産業省の施策で、文部省と連携をして高校、高専の教育をする、きょうも同僚議員の中で文部省との議論の話がありました。私は、むしろ問題にすべきなのは、もう学校を卒業した方々、三百七十九万人のこれをどうするんだと。言葉は悪いですが、放置すると経済にとっては大変大きな、不良債権と言うと、人材のことを言っては大変問題が不規則になると思いますので、ただ、大変大きな足かせになるわけでありまして、この既に存在している三百七十九万人の対応が日本経済にとって極めて重要、あえて言えば、小泉政権の私は影の部分であるかと思うわけです。 そこで、厚生労働省の方に来ていただいております。 この職業訓練、能力開発、今までも職訓、職業訓練学校、それぞれありますけれども、少なくとも、結果としてこの三百七十九万人が発生しているということは、今までの職業訓練、能力開発行政が、一定の限界があるのではないかと私は思うわけです。思い切った手だてが必要かと思いますけれども、能力の、技能の評価制度等も含めて、労働省の施策をまずお伺いしたいんです。
○草野政府参考人 お答えします。 お話がございましたように、三百七十九万人の方が、若い方を中心に就職していない状態にあるということは事実でございます。 これまでは、平成十五年の、経産省さんなどとも連携しました若者自立・挑戦プランということで、フリーターの方を対象とするキャリア支援ということで取り組んできておりまして、この中には、日本版デュアルシステムという形で、企業と一緒になりながら就職に持っていく、そういうシステムなどを中心にやってきたところでございます。 現在、雇用情勢が若干回復してきておりまして、失業者、フリーターの方は少し減りつつございます。ですから、これまでの対策と合わせまして、今後は学卒者の方を対象に、いかに現場に、とりわけ中小企業の現場力を支えていただく人材になるか、こういうことが非常に重要な課題であるというふうに考えております。 このため、今般、職業能力開発促進法を改正いたしまして、中小企業に現場力の中核となる学卒者の人材を誘導して、実践力をつける能力開発システムというものを立ち上げようということを考えております。具体的には、実習併用職業訓練制度というものでございまして、これは企業が主体となりまして、教育訓練機関におけます理論面での学習と、企業自身が直接雇って賃金を払いながら実施するもの、これを組み合わせた訓練でございます。 こうした訓練、能力開発システムを第三の選択肢、いわば就業、就学に次ぐ第三のシステムとして定着させたいということで考えてまいりたいというふうに思っております。 こうした新しい政策だけでなく、既存の政策についても、私どもとしても見直しをしてまいりたいと思っておりまして、例えば公共職業訓練につきましては、大体千三百九十億の予算でやっておりますが、最近は公共職業訓練といいましても民間に委託する、例えば専修学校でありますとか大学とか、そういうところに委託するものが七割を占めております。 その結果、就職率も大分上がってきておりまして、例えば、訓練修了後、離職者に関する訓練、三カ月の状況で見ますと、平成十二年度におきまして五九%でありましたが、平成十六年では七六・六%になっているという実績でございます。それから、民間教育訓練に委託して実施しております離職者訓練につきましても、平成十二年の四六%から、五九・八%に上がってきている、こういう状況でございまして、民間の委託分についても、実績を評価して委託する、こういう形をやっております。 今後とも、雇用保険事業の効率的な実施を図る立場から、訓練修了者の就職率などについて目標を定めて、厳しい目標管理に基づく訓練を実施してまいりたいと思っております。 それから、能力評価制度につきましても、能力評価基準というのを今つくっておりますので、こうしたものに基づきまして中小企業や業界で能力評価制度をつくって、技能者の地位の向上などに寄与していただけるよう努力してまいりたいと思っております。
○近藤(洋)委員 今いろいろ御説明ございました。ぜひ一つ一つの政策を、行政の目標値も設定しつつ、きちっと進めていただきたいと思うんですね。 この能力評価制度、職業訓練等、学校の運営については、既に毎年一千億円を超える予算を投入しているわけですね。さらに、先ほどもお話ございましたけれども、数百億のお金を順次投入するということで、大変なお金を投入するんです。今回の経済産業省のこの法律では、わずか数十億円ですよ。それに比べれば、何倍ものお金を厚生労働省は投入しているんですね、この分野に。 でありながら、一方で、あえて指摘をしますが、悪名高いと言っていいのかどうか、私のしごと館とかああいったものを特別会計でつくったりされているわけです。こういうものは至急やめて、本来の必要な分野にしっかり予算を投入して、かつ行政の方も訓練を行っていただきたいという気持ちであります。 三百七十九万人の人がいるわけでありますから、この三百七十九万人の職業訓練、政府を挙げて取り組んでいただきたい。ぜひ経済産業省も、この分野は関心を持って、政府を挙げて取り組んでいただきたいということを指摘するだけにして、この場では終えておきたいと思います。どうぞ厚生労働省の方々、結構でございます。 次の問題に移りたいと思います。 人と同時に重要なのは資金繰り、お金であります。中小企業にとって、何といっても、人と、そして資金繰りが最重要課題なわけであります。 二枚目をめくっていただきたいんですけれども、ここに、中小企業向けの貸出残高というグラフに示した表を添付させてもらいました。これを見ていただくとわかるんですが、上のグラフは国内の銀行の合計であります。ごらんいただくとおり、一九九七年から坂道を転げ落ちるように融資残高が減っております。九九年、いっとき盛り返すんですけれども、小泉政権になって、また坂道を転げ落ちるように融資残高が減っているわけです。その額、何と八十四兆円であります。いっとき二百五十兆円あった融資残高が、八十四兆円も減っている。これは、いろいろな理屈はあるんでしょうけれども、やはり大変な貸しはがしがこの十年間行われてきたんだなという、数字の客観的な事実なわけですね。片っ方で、政府系金融機関、下のグラフ、三角の表は政府系金融機関ですが、二・七兆円の減少にとどまっています。 まさに、民間銀行による中小企業向け貸し出しが大変減ってきている、巨大な貸しはがしが行われてきたというこの表なわけですけれども、こうした銀行の姿勢について、二階大臣はこういった問題にも大変思いをお寄せだと伺っておりますが、この事実について、大臣、中小企業担当大臣として、銀行の姿勢についてどう評価されますか。
○二階国務大臣 民間の金融機関は、バブル崩壊後の金融システムの改革の中で、中小企業向け貸し出しを大きく減らしてきたことは事実であります。そのような中で、政府系金融機関は安定的な資金供給を行ってまいりました。特に、貸し渋り、貸しはがし、本当に嫌な言葉でありますが、こういうことが頻繁と行われたということは、国会議員ならだれでも耳にしておることであります。そういう時期に、政府系金融機関、特に商工中金などの政府系金融機関は、その中小企業の危機的状況の中で随分バックアップをして、おかげで大きく成長することができたというふうな感謝の言葉さえちまたで聞かれるわけであります。 したがって、新しく統合される政府系金融機関においては、中小企業金融が重要な機能の一つであるわけであります。このため、中小公庫や国民公庫の主要な機能は、改革後もきちっと残るようにしていかなくてはならないと思っております。また、商工中金につきましても、完全民営化後も引き続き中小企業向けの金融機能という根幹は維持されることとされております。 しかし、これからいよいよの制度設計に入るわけでありますが、この点を十分留意しながら、政府系金融機関、中小企業の方々にとって、改革をしてよかったと後々思われるようなしっかりした取り組みを行いたいと決意しておるところであります。
○近藤(洋)委員 大臣、前段にございましたように、やはりこういった民間銀行の貸しはがし姿勢といいますか、こういった事実として、これだけ八十四兆円が減ってきたということはゆゆしき事態だと認識されているというふうに私は解釈をしたいと思うわけであります。 そこで、こういう中で見逃せない事件が起きております。資料の三枚目をごらんいただきたいんですが、こちらの方に書いてありますとおり、公正取引委員会が昨年十二月、三井住友銀行に対して、中小企業に対する融資で不公正な取引、すなわち、銀行としての優越的地位の濫用を行ったとして排除勧告を行っています。 内容は、三井住友銀行と取引があって、そして他の金融機関から借り入れが困難な中小企業に対して、融資の際に、変動金利の金利スワップ、金融デリバティブというか派生商品ですが、このスワップ商品を購入することを条件にした。平たく言えば、銀行の融資、中小企業に対して、要するに押しつけ販売をしたということですね。この低金利下に変動金利のスワップの購入を求めるということは、本来なら必要のない金利を支払えということでの押しつけ販売をした、押し込み販売をしたという事案でございます。 このことにより、この被害を受けた中小企業は、本来の融資の返済が終わったのに金利の支払いが続いたであるとか、さらには、本来必要がない巨額な元本の金利の支払いを迫られた、そうでなければ融資を引き揚げるよ、こういうことを言われて泣く泣くこの取引をしてしまったという事件でございます。 この件について、この排除勧告を受け、三井住友銀行は、公正取引委員会の勧告を受け入れております。 私は、この事件、銀行としてはあるまじき事件、まさにこの資料にも書いておりますが、大銀行に対してのこの排除勧告措置はほぼ五十年ぶりということでありますが、この事件につきまして、金融庁、きょうは金融担当副大臣、お忙しい中いらしていただいておりますが、監督官庁として事実関係をどこまで把握しているのか、そして三井住友銀行に対してどのような措置をとられたのか、お答えいただきたい。
○櫻田副大臣 お答えさせていただきます。 昨年十二月に三井住友銀行が公正取引委員会より排除措置命令を受けたことは、まことに遺憾なことだと思っております。 一般的に、金融機関は、取引先に対して優越的地位に立ちやすいと考えられることから、金融機関自身がその立場を濫用して独占禁止法上の問題が生じることのないような適切な業務運営体制を確保することは、取引先の保護を図るものであり、金融機関への信頼性確保の上からも極めて重要であると認識しているところでございます。 こうした観点から、金融庁では、これまでも金融機関に留意を促してきたところでありますが、今回、同行が排除措置命令を受けたことについては、まことに遺憾なことと考えているところでございます。 昨年十二月十二日、三井住友銀行が公正取引委員会の排除勧告を応諾したことを踏まえ、同行に対して、銀行法第二十四条に基づく報告徴求命令を発出しているところでございます。 同行に対するその後の対応につきましては、報告の内容を精査した上で検討することとなることから、お答えすることが困難であるということを御理解いただきたいと思います。 なお、一般論として申し上げれば、事実確認を経た上で、必要に応じて厳格な対応を行うこととしているところでございます。 以上であります。
○近藤(洋)委員 二十四条に基づく報告命令を出されて、まだ報告が来ていないということだと認識をしたいと思うわけであります。 あわせて伺いたいんですが、この問題は三井住友銀行だけの問題なのか、いろいろ中小企業の方の話を聞くと、必ずしもそうでない、さまざまな銀行でも同じような話があるという話も聞いております。他の銀行に対して、金融庁として、監督官庁として、今回の事件を踏まえ、どのような措置をとられたのか、お伺いします。
○櫻田副大臣 昨年十二月二十六日に、三井住友銀行に対し、公正取引委員会より排除措置命令が発出したことを踏まえ、預貯金を取り扱う各金融機関に対して、優越的地位の濫用として独占禁止法上の問題が生じることがないよう、金融取引、金融商品・サービス販売等の適切性に万全を期すべく、本年一月五日、次の内容の要請を行ったところでございます。 すなわち、一点目として、金融機関が融資等を通じ取引先に影響力を及ぼし得る立場となることを踏まえ、取引等の適切性が確保されているか、二点目といたしまして、特に、当該機関に融資に関連して寄せられている相談、苦情について、一点目の観点から、迅速かつ適切な分析、検討、改善が行われているかの二点についてみずから態勢面を含め検証を行うとともに、問題があった場合にはその是正を行うことにより適切な対応を図ることを要請したところでございます。 金融庁といたしましては、取引等の適切性に万全を期す観点から、各金融機関がこうした取り組みを行ったことを前提に、通常の検査監督のサイクルの中で、必要に応じ対応を行っていくこととしているところでございます。
○近藤(洋)委員 他の銀行に対しては、それぞれのその注意を喚起する措置を出されたということでございますが、十二月初旬の事件であります。もうかれこれ三カ月間たっているんですね。二十四条に基づいて報告命令を出されても、三カ月間たって、さて、返答しない銀行も銀行ですが、催促しない監督官庁も監督官庁ではないかという気がするわけでございます。 そこで、公正取引委員会にお伺いしたいのですが、委員長、お忙しいところ来ていただいております。 本件は、この三井住友銀行の問題ですね、四件で優越的地位の濫用が認められたということでありますが、伺いますと、本件は一支店だけの業務ではなく、一支店で行われたわけではなくて、幾つかの複数の支店でそもそも行われたこと。さらには、二十件以上の報告はあったんだけれども、事案はあったんだけれども、こういう形で、銀行にこういうことをされましたということで借り手側の中小企業側が認めて、認めてといいますか、表に出てもいいですというふうな形で、名前を出すことを応諾したのが四件で、この三井住友銀行の事件についても、ほかにもまだまだ多くの同じようなことで事件があった。たまさか銀行に、ここはもう腹をくくって名前を出していいというのが四件だったというふうに伺っております。公表されなかったものも同様の強要が行われた、複数の支店でも行われたということを聞いておりますが、事実関係、公正取引委員会、いかがだったんでしょうか。 〔委員長退席、桝屋委員長代理着席〕
○竹島政府特別補佐人 公正取引委員会が調査をいたしまして把握して、これは独禁法の優越的地位の濫用に当たるということで把握した個別事例というのは二けたのケースがございまして、四件というのは、その中で、言ってみると、特に皆様方に御披露するのにふさわしいといいますか、そういうものとして、代表選手として掲示しているわけでございまして、全体はもっとたくさんの数でございまして、その四件については、各借り手が名前を出してもいいとか、そういうことは関係ございません。残りの件数についてもそうでございます。 我々は、どこかの支店だけでやったということではなくて、三井住友銀行が銀行として、要するに組織としてこういうことをやった、したがって、独禁法の事業者として違反行為を犯したということで排除命令を出したということでございます。
○近藤(洋)委員 まさに、四件だけではなくて、二けたであった。複数の支店で行われた。こういうのは組織的に行われた。だから、独占禁止法違反として、事業者として排除勧告を出されたということでございます。 さて、金融庁にお伺いしたいのですが、そうなりますと、この問題は少なくとも組織的に行われた事案でありますから、銀行法第二十六条、業務の健全かつ適切な運営を確保するために必要があると認められる場合は、改善計画の提出を求め、改善計画の変更を命じ、またその必要限度において、中略しますが、いわゆる業務停止を命じ、さまざまな必要な措置を講ずることができると書いてある。 この二十六条、明らかに事業者として、複数で行われた問題でありますから、報告というよりも、今の公正取引委員会の認識だけで業務改善命令の対象になるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
○櫻田副大臣 一般論といたしまして、金融当局による行政処分を検討するに当たっては、公正取引委員会で指摘のあった個々の問題、事案のみをとらえるのではなく、同様事案発生の可能性を含む業務運営体制の問題の所在などを金融当局の立場から総合的に判断することとしており、したがって、公正取引委員会の指摘に対して三井住友銀行が事実を認めていることから、直ちに処分を行い得るということではないということを御理解いただきたいと思います。
○近藤(洋)委員 では、銀行法というのは、これはざる法なんですか。副大臣、お立場もつらいのはわかりますが、やはり理解できないんですね。 事実、この三井住友銀行は二〇〇〇年に、旧住友、さくらの両行合併当時、こういった押しつけ販売のおそれがあるということを公正取引委員会が危惧をされて、こういった独占禁止法の違反がないように最尽力するといいますか、注意するということを公取に文書で出されてもいるんですよね。文書でも出している。にもかかわらず、今回の事案が起きた。 さらに言えば、資料の四枚目をごらんいただきたいのですが、金融庁が出されている主要行等向けの総合的な監督指針、この監督指針の中に、ちょっと字がつぶれていて読みにくくて恐縮ですが、業務の適切性等というところで、不公正取引、独占禁止法上問題となる優越的地位の濫用と誤認されかねないように防止する態勢が整備されているかとちゃんと書いているんです、金融庁の指針の中に。 そして、この中に、上の1を読みましたが、ロには、融資先企業に対して、要請に応じなければ融資等に関し不利な扱いをする旨を示唆して、自己の提供するファームバンキング、デリバティブ商品等を要請すること、こういうことをしないようにということを丁寧に金融庁の出されている指針の中に明示しているんです。 三井住友銀行は、このことを少なくとも二けたの事案で違反を行ったんです。違反を行ったんですね、二けたの事案で、複数の支店で。これは明らかに、こういうことをしないよということを二〇〇〇年に宣誓しておきながら、二〇〇一年からこの事件が起きているということは、体制に問題があったと言わざるを得ない。いかがでしょうか。大臣がお答えにくければ、官僚の方でも結構ですよ。体制に問題があったんじゃないんですか。
○山崎政府参考人 お答え申し上げます。 副大臣からも御答弁いただきましたように、同行に対しましては、現在、報告徴求命令を発してございます。それで、一般論として申し上げますと、その報告の内容を精査した上で処分というものを検討するということになります。 処分の内容について今からどうのこうのということは今申し上げられませんが、一般論として申し上げれば、事実確認を経た上で、必要に応じて厳正な対応を行うということでございます。
○近藤(洋)委員 答えていない。今の時点で体制に問題があったのかということを聞いているんですよ。複数の支店で問題があったのか。 あともう一点。三カ月間たっているんです、繰り返しますが。金融庁の時間軸というのはそんなにゆっくりしているんですか。では、いつまでに報告を出させるんですか。いつ処分をするんですか。期限を切って、お答えください。三カ月たっているんですよ。
○山崎政府参考人 まず、体制としてどうであったかということでございますが、これは繰り返しになってまことに恐縮でございますが、そういう点も含めまして、報告の内容を精査した上で検討し、結論を出すべき問題であるというふうに考えてございます。 それから、時間がかかっているではないかということにつきましては、これも、具体的に報告期限等につきましては、個別金融機関に関する事柄でありまして、答弁を差し控えさせていただきたいというふうに思いますが、全く一般論として申しますと、調査につきましてある程度の時間がかかるということではないかというふうに考えてございます。
○近藤(洋)委員 これは通告にはありませんが、簡単な事実関係なのでお答えください。 当時の三井住友銀行の最高経営者はどなたであり、その方は今政府のある役職につかれていますが、どの役職につかれているのか、お答えください。
○山崎政府参考人 当時ということでありますれば、今般、日本郵政の社長に就任されております西川氏がかつて三井住友銀行の頭取でございました。
○近藤(洋)委員 金融庁の今の大変、このまま見過ごすのではないかと誤解されかねないような今回の悠長な検査の対処の仕方を見ると、今政府の関係の要職につかれている方をおもんぱかったかというふうに誤解されかねないと思うんです。ぜひ、しっかり期限を切って、この問題に対処していただきたいと思うわけであります。 公正取引委員会委員長にお伺いします。 こういった金融の、銀行の問題につきまして、公正取引委員会、今までほえない番犬というふうに悪口を言う人もいましたけれども、今回きっちりほえた、きっちりほえたんですね。大変すばらしいことだと思うわけです。 今まで表面化されなかったケースもあるかと思うんですが、他の銀行でも行われているかどうかにつきましてしっかり調査をすべきだと思うわけでありますが、公正取引委員会、いかがでしょうか。
○竹島政府特別補佐人 金融機関につきましては、平成十三年に、先ほど委員お話しになられた、貸しはがしとか貸し渋りとかということが言われたときに、優越的地位の濫用等が行われていないかどうかについて調査をいたしました。 それで、やはり個別のケースについて問題ありということもあったものですから、時の公正取引委員会が、独禁法上問題になる行為ということで整理をいたしまして、こういうことをやれば独禁法上違反ということになりますよということで、十三年の夏に世の中に発表いたしまして、あわせて、全国銀行協会とか信用金庫協会等、それぞれの団体を通して、傘下の会員に周知してくださいということを言ってございます。 これからにつきましても、まあ、そのころに比べると金融情勢が落ちついていると思っておりますが、しかるべき時期に、今いつとは申し上げられませんし、その必要性があるとも正直今思っておりませんが、実態調査みたいなことはやっていきたい。 いずれにしても、今回の事件を他山の石として、他の金融機関は、当然、平成十三年度に示された公正取引委員会の考え方というものも改めて読んでいただいていると思いますし、それを踏まえたコンプライアンスも考えていただいていると私は期待をいたしております。ですから、これから先は、具体的な事例に接した場合には、まさに厳正に対処していくというのが一番大事なことかなというふうに思っております。
○近藤(洋)委員 この問題は大変重要な問題だと思いますので、私、引き続き、さまざまな場所で指摘をし、金融庁がいかなる対応をとるのか、しっかり注視をして、指摘をしていきたいと思うわけでございます。ここで二階大臣の御所見もお伺いしたいところでしたが、次の話題に移りたいと思い、またこの問題については機会があると思いますので、次の機会に譲りたいと思います。 中小企業向け融資では、もう一つ、大きく問題視されなければいけない点があると思うんです。中小企業の立場から大変重要な問題、これは、信用保証協会による保証つき融資の金利の、金利といいますか貸し出し実態の問題であります。 資料五をごらんいただきたいと思うんですが、これは民間金融機関の金利水準のグラフでございます。ちょっと見にくくて恐縮ですが、上の三角印、これが保証つきの貸出金利であります。保証つき貸出金利は一番高いわけですね。貸出約定平均金利、国内銀行が丸でありますから、これに比べて非常に高く設定されています。 保証つきというのは、大抵中小企業でありますから、リスクがあるから高いのかなと一見思ってしまいますが、実は、御案内のとおり、保証つき金利というか、中小企業による、各地の保証協会は一〇〇%全額を保証しているんですよ。全額を保証している。すなわち、貸し倒れのリスクがない。貸し倒れのリスクがないのに高く設定されている。不思議なことだと思います。 しかも、借り手の立場からいえば、中小企業は保証料としてさらに一・二五%払っているわけであります。すなわち、実際の支払い金利というのは、企業側から見ると、高い金利の上、さらに保証料も一・二五%上積みしている、こういうことなんですね。少なくとも、金融機関は、一〇〇%保証されているわけですから、貸出金利一・二五%分、保証料分は差し引くというのが道理なんですよ。安くするというのが道理なんです、物事の。だって、貸し倒れリスクがないわけですから。ところが、逆になっている。こういうことを世間ではぼったくりと言う人もいるわけでありますけれども。 ここまで中小企業に対して高い金利を設定している、しかも、保証がついているにもかかわらず高い金利を設定している、こういう姿勢、こういう融資実態というのは、まず公取委員長、これは優越的地位の濫用に当たるんじゃないですか。いかがでしょうか。
○竹島政府特別補佐人 それは必ずしも優越的地位の濫用の問題と関係ない話でございまして、それは、保証は保証、融資金利は融資金利、期間は期間ということで、それらの制度を前提に、当事者同士で話し合いをされてそういう条件が決まっているわけでございますので、それは優越的地位の濫用ではない。 ただし、何らかの、まさに先ほどの銀行の例のような立場にあるところに、非常に他と比べても不当に不利益になるような条件を、融資を続けてあげるためにはこれが必要ですよというようなことでやった場合は当然問題になりますけれども、そうじゃない場合には、保証料を払っている、それに金利が幾らだ、それがほかと比べてどうだという議論は、独禁法とは別な話であるというふうに思います。
○近藤(洋)委員 委員長、それはしゃくし定規に解釈すればそうなんでしょうけれども、個別の案件でいけば、やはり中小企業は銀行に逆らえないわけですね。しかも、過去において、政府一〇〇%保証というこの保証枠の設定の中で、銀行が、貸し出しを過去、保証つきにわざとつけかえさせて、そして融資を実行してきた、こういう実態もあるわけであります。こういう実態もある。しかも、保証料一・二五%は銀行が貸す。その分の金利も取っているわけですよ、一・二五%分の保証料も。これは、四年分、五年分まとめて払えということですから、その分上積みされるわけですよね。中小企業の立場に立ちますと、これは納得いかないという方が大変多いんです。 これは、公取の立場はわかりました、二階大臣、こういう一〇〇%保証にもかかわらず、保証料も取られてかつ金利も高いという実態について、大臣、中小企業担当大臣としてどうお考えですか。私は、問題だと思うんですが、政府として是正するよう取り組むべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○二階国務大臣 一般的に、第三者保証人について、この保証人となった経営に関係のない第三者まで取り立てを受けるということから、連鎖倒産等のさまざまな問題を引き起こし、社会的な問題として今日まで取り上げられてきておるところであります。 そこで、経済産業省としては、保証人などに過度に依存しない融資の推進という観点から、経営に関係のない第三者に対して保証人を求めないよう取り組んできており、その一環として、各保証協会に指導してきたところであります。しかしながら、依然として、第三者保証人を求めている場合が二割程度あるとされております。今般、第三者保証人の原則廃止について、保証協会に対し、一層徹底を図ることにしたものであります。 経済産業省としては、ただいま御指摘のように、引き続き保証人などに過度に依存しない融資の推進について、取り組んでまいりたいと思います。 〔桝屋委員長代理退席、委員長着席〕
○近藤(洋)委員 大臣、先を見通して次の質問にも答えていただきまして、ありがとうございます。 まさに、その第三者保証の世界も含めて、こういった、銀行が、一〇〇%保証協会がついているにもかかわらず、金利を高く設定している。一〇〇%貸し出しに保証がついているわけですから、貸し倒れのリスクがないのに、金利を普通の金利よりも高く設定しているというのは、中小企業に対して、これは、私は、優越的な地位の濫用、大変問題だと思うわけでございます。 その意味で、大臣、もう一点伺いたいんですが、そもそも全額保証をするという信用保証制度というのは、私は銀行にとってみればこんなにおいしい仕事はない。だって、貸したら全部返ってくるわけです。こういう制度は、私は、一部問題であって、ある意味で、部分保証というんでしょうかね、部分保証の制度を入れるべきだ、そうしないと、銀行にとって、これは究極のモラルハザード、こんなぬるま湯の融資はないんですね。これは、信用保証制度の問題だと思いますので、中小企業庁長官、いかがですか、見直すべきだと思うんですけれども。
○望月政府参考人 先生御指摘の信用保証制度は、昭和三十三年に制度創設されてから中小企業の資金調達の円滑化に大変寄与してきた根幹的な制度でございます。しかしながら、三十三年以来、実は抜本的な見直しが行われないままに来たものでございますから、いろいろなところでひずみが起こっていることも事実でございまして、そのひずみの一つは、必ずしも市場の原理を適切に反映したような格好での融資の運営は行われていない。 今の先生最初の御指摘の金利水準の話も、これはマクロの統計でございますので、個々にはいろいろな事情の積み重ねがあろうかと思いますけれども、そういったところでもちょっと不思議だなというような統計になっているわけでございまして、私ども、この統計も見ながら、中小企業政策審議会の中で、信用補完制度のあるべき姿、むしろ、これから引き続き持続的な制度として中小企業を支えていくためには、基本的なところはきちっと見直していかないといけないだろうということで、昨年六月までに、その前一年間ぐらい検討を行いまして、制度見直しの基本的な方向を取りまとめたわけでございます。 方向の取りまとめ、いろいろございますけれども、一つは、この信用補完制度は、中小企業にとって非常に基幹的な制度であるがゆえに、今の金融機関と借り手との間でいろいろ行われている、例えば、再生支援などを含めた新しいニーズに金融機関としても協力していくという中身に立ち至って経営協力するというような意味での前向きな話。それから、制度全体が大変大幅な赤字になっております。これは、バブル崩壊後のいろいろな事態がございましたから、それを背景に赤字になっておりますけれども、これを持続可能な制度に直していかなきゃいけない。 こういう二つのことから今取りまとめが行われたわけでございますけれども、その取りまとめの中の一つに、金融機関が貸し手責任をきちんと果たし、保証協会と連携して中小企業に対するきめ細かい支援を行うということと同時に、部分保証等の保証協会と金融機関とが適切な責任分担、責任共有を図るという制度、この二つの大きな提言を前提にして改革を行っていかなければいけないという状況に今はございます。
○近藤(洋)委員 今、望月長官からも、この貸出金利状況について、不思議だなという御答弁がございました。 副大臣、ここは意見だけにしておきたいと思いますが、副大臣も、中小企業政策、よくお詳しい方でございます。ですから十分中身は御理解いただけると思うんですが、政府部内でも、やはりこの銀行の貸し出し姿勢、不思議だなと思われている方がいるわけでございますから、金融担当副大臣としても、金融庁のお役人に踊らされないで、ぜひ中小企業の立場に立って、この貸し出し姿勢がいかがなものかというのを是正するように頑張っていただきたいという要望だけ申し上げたいと思うわけでございます。 その上で、最後に、公正取引委員会の委員長、やはり、いずれにしろ、だれも銀行に物は言えないんです。私も銀行に借金をしています。銀行の悪口を言うということは大変勇気の要ることなんですよ。だれも銀行に物は言えません。しかも、金融庁も、きょうの質疑でも明らかになったように、大変甘い今回の対応です、三井住友に対して。 ですから、ぜひ今回の不公正な取引について、独占禁止法の改正、罰則を入れる。勧告ではなくて罰則を入れる、課徴金を入れる、刑罰を入れる、こういう独禁法の改正が必要だと思いますが、最後に簡単に一言だけお答えください。いかがでしょうか。
○竹島政府特別補佐人 御指摘の点は、去年通していただきました改正独禁法の当委員会の附帯決議でもうたわれておりますし、それを受けて附則でも検討するということになっておりまして、検討項目、三つ大きなテーマがあるうちの一つが、その不公正な取引方法に対する課徴金ないしは罰金の対象にできるかどうか、する場合にどうすればいいか、そういうことでございますので。 昨年の夏から開催されております内閣府における独占禁止法基本問題懇談会、この議論が今進んでおります。来年の夏までに最終的な取りまとめをなさるというふうに伺っておりますので、その検討結果も踏まえて私どもとしては対応していきたいと思っております。
○近藤(洋)委員 終わります。
○石田委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。 ものづくりの法案とも関係しますが、工業再配置法、民活法、FAZ法の廃止の法案が出されております。 地域経済の振興をどう図っていくのかという点でも、この間、大手メーカーの国内工場立地がふえていると聞きます。その立地動向がどうなっているのか。その点で、最初に、国内回帰と言われておりますけれども、大手メーカーの立地動向は今どうなっているのか、その理由は何なのか、簡単で結構ですからお答えいただけますか。
○奥田政府参考人 お答えいたします。 経済産業省は毎年、工場立地動向調査を行っておりますけれども、それによりますと、平成十四年を底に、工場立地件数は、平成十五年、平成十六年と増加傾向にございます。この傾向は平成十七年上期においても続いているということでございます。 また、地域別に見ますと、静岡県とか福岡県、兵庫県、北海道、群馬県、これが過去五年の上位の立地の県でございまして、東京、大阪、名古屋といった大都市周辺だけではなくて、地方でも工場立地が進みつつあるというふうに理解をいたしております。
○塩川委員 その理由は何なのかという点で、いかがでしょうか。
○奥田政府参考人 お答えいたします。 一つにはやはり工場の国内回帰というものがございますけれども、それに加えまして、やはり景気回復ということで、工場のいわゆる設備投資意欲が企業におきまして高まっているということが理由ではないかというふうに考えております。
○塩川委員 私は、よく国内回帰と言われる際に典型的な例として紹介をされますシャープの亀山工場を現地で視察してまいりました。シャープの亀山工場で実際に役員の方にお話をお聞きしたときに、生産拠点としての国内立地の利点は何なのか、なぜ国内なのかということをお尋ねいたしました。その際に、九〇年ごろからノートパソコンが普及をして液晶パネルの需要が急速に伸びた、海外での生産がその中で拡大をした、そうしますと、九四、五年ごろから海外工場の製造装置を通じて技術が流出するようになった、そのために、ノウハウの流出を防いで技術のブラックボックス化を図るために国内立地をしたという説明でした。 その上で、なぜ三重県の亀山なのかとお尋ねしましたら、これは、ちょうどシャープの場合には奈良県の天理に工場もあります。研究開発施設もあり、関連する下請中小企業など、技術などの集積がある。また、三重県の南部の方の多気町のあたりにやはり液晶パネルの工場が、テレビ工場がありまして、そういう点では、それぞれが一時間の距離で結べるこの亀山というのは立地的にも大変いいということのお話がありまして、物流コストのコストダウンも図れるし、技術者の有効活用も図れるという点であります。 そういう点では、国内回帰と言われていますけれども、やはり多国籍化をしているような大手のメーカーにとってみれば、国内につくることによって技術流出を防ぐ、コストダウンを図るという点では自分の都合で立地をしているというのが実態だと思うんですけれども、大臣の率直なお考えをお聞かせいただけますか。
○西野副大臣 お示しのように、高い技術力を持ちました部材産業等の国内集積等を背景としまして、特に工場立地が増加をしておるところでございます。 そういう動きの中で、国内産業の高付加価値化に資するものである、このように理解をするわけでありまして、経産省としては、そういう動向にあわせて、さらに戦略的な取り組みをしていく必要がある、このように思っておる次第であります。
○塩川委員 現地はどうなっているのかというのがあるんです。もちろん、このシャープの亀山工場ができるということで、波及効果というのは当然地元としては望んでおられたわけであります。三重県としては九十億円の補助金の支出をした、それから、亀山市としては固定資産税の減税という形を通じての奨励金を支出して、これは四十五億円を支出するということでの税金投入が行われたわけであります。 では、地域社会、地域経済への波及効果はどうだったのか。市役所にも伺いましてお話も聞かせていただきましたけれども、これによって一万二千人の地元雇用創出効果をうたっていたわけです、地元としては。どうだったかといいますと、これは、先日、参議院の経済・産業・雇用に関する調査会にシャープの人事本部長さんが見えられまして、参考人としてこの説明をされました。亀山工場での雇用の状況はどうですかという問いに対して、全体で三千四百名の工場です、そのうちシャープの正社員が千六百名、それ以外の請負会社、協力会社の社員、これがだから派遣や請負になるわけですけれども、それが千八百人という説明でした。私が先日、三月に入ってから伺ったときに、現地の工場の説明では、四千人の従業員の方がその工場全体にはいて、大体半々ぐらいという言い方はしていましたけれども、シャープの正社員と、それ以外に外部人材である請負や派遣が占めているという説明だったわけであります。 それなのに、この亀山工場でのシャープの地元の新卒の採用、これは、ですから、大卒ですと全国から採りますから、高卒などの地元採用、新卒採用がどの程度かというと、四年間で二百二十五人だということでした。実際の地元の亀山市での採用となると大体その四分の一ぐらいだろうかという説明で、そういう点では、一万二千の地元雇用創出効果といっても、本当の意味で地元の雇用という点では、極めて限定的なものというのが実態だということでした。 それから、四千人の職場ができたのに住民登録がふえない。つまり、定住をする人がほとんどいない。シャープの社員の方はほとんどが単身赴任で、奈良の方からいらっしゃる、こういうこともありましたし、あとは、請負会社、協力会社の雇用というのは契約社員などの短期雇用の形が多いものですから、住民登録をしないという形のものが実際には多数だということなんですね。ですから、住民としてお見えになってその地域に根づいていかれるという方は現時点ではごくごく一部というのが実態でありました。 それから、地方税収がふえるといっても、先ほど申しましたように、四十五億円の上限まで固定資産税の九割相当額を毎年交付する産業振興奨励金というのを亀山市がつくりました。ですから、税金で固定資産税が入ってきても九割はお返しをするという形になるわけですね。そうすると、当面税収がふえないどころか、額面上地方税収がふえるものですから、今まで交付税の交付団体だったのが不交付団体になってしまいまして、税収が入らない上に交付税ももらえなくなってしまう。ですから、当面、市財政がかえって圧迫されるような現状になっているということでもありました。 加えれば、いろいろなインフラ整備も必要で、第一工場に加えて、シャープが第二工場を建設します。水を使うようになる。工業用水道が現状では確保できないという点での新たなインフラ整備が地元自治体に求められてくるという点でも、なかなか現状では、新たな財政負担の発生についても難しさがあるというふうに感じました。 ですから、こういう現状を見たときに、かつてのような企業城下町、大きな企業が立地をしていって、その地域に雇用としてたくさんの方がいらっしゃる、そういう方々が結婚をして、子供も生まれて、家族が生まれてその地域に根づいていく、それが地域社会を支え地域経済を担っていく、関連中小企業への波及効果もある、そういう状況と、今のこういう多国籍化した大手企業の国内の立地の状況に大きな違いが生まれている、こういう現状認識が必要ではないのか。かつての企業城下町のような実態と今は違うという認識が必要ではないかと思うんですけれども、大臣、どうでしょうか。
○西野副大臣 先生、今、具体にシャープの亀山の例をお出しになりまして、恐らく、当初考えておった地方公共団体のメリットが必ずしもメリットでなく、誘致はしたものの、現状は、雇用に至っても税収に至っても等々の問題があるということの御指摘がありました。 私もこの亀山のことをある程度わかっておりますのは、実は、大阪のある部分、大阪府とこのシャープの誘致で競争した事実を覚えておるわけであります。結果は亀山の方に決まったわけであります。これだけの条件はとても大阪府はよう出さなかったわけであります。 そんなことでございますが、結果的に、今御指摘のような効果が必ずしも雇用創出等で上がっていないということも事実であろうかというふうには思いますが、しかし、この地域は、例えばインフラといいますか、アクセス等々を見ますと、車による通勤、そういうものが非常に便利な地域でもございます。それだけに、地元民の採用が非常に少ないとかいうところも、少し遠隔の方があったのではないかな、そういう地域条件があったのかなというふうにも思っております。 逆に、このシャープの亀山以外に、他の団地において非常に成功しておるといいますか、当初の思惑どおりといいますか思いどおりに成功している実例も全国にはあるわけでございまして、当シャープの亀山については、御指摘の点、受け入れ側の地方公共団体では効果が必ずしも出ていない、こういうことは言えると思いますが、すべてが、全国においてそうであるとは認識をしておりません。
○塩川委員 経済産業省も、大企業が国を選ぶ時代だという話をよくされます。大企業にとっては、工場の国内回帰というよりは、むしろ適切な地域に立地をし投資を行うという、最適立地、最適投資といいますか、そういう状況が進みつつあるのではないかなと思うんです。開発から生産までのタイムラグを短縮するですとか、物流、輸送コストのコスト削減などが立地選定の大きな理由になってきている。そういう点では、もともと企業にとって集積をしているような地域につくり出していくというのがかなり共通しているんではないのか。先ほど紹介した全国一伸びているというのも、もともとものづくりで、製造業でかなり企業の立地のあるところですから、そういう優位性を生かしてということになってくるわけです。ですから、全国一律に、同じように企業立地が進められるような現状ではないというのが率直なところだと思っています。 それなのに、今資料で配付をしましたように、企業誘致目的の補助金、助成金限度額のランキングということで、これは日経グローカルがまとめたものですけれども、去年の八月時点での十億円以上の補助金、助成金を出している自治体の一覧表であります。一番が先ほど紹介しました三重県の九十億円。二番が神奈川の八十二億円。三番以降を見ますと、右側の括弧のところというのが、一昨年、一年前の限度額、それが去年の限度額という形で、新潟でいえば、一昨年二十億円が昨年の八月時点では七十二億円、岐阜県が五億円から七十億円、岡山が五億円から七十億円、千葉が一億四千万円から五十億円というように、大きくこの間で上乗せをしているんです。いわば三重県にあおられるように皆さんどんどんどんどん引き上げている。大臣の地元の和歌山県も百億円というのが出されたということも、つい最近報道で知りました。 そういう点では、現状は企業の誘致合戦というふうになっているんですけれども、それは、従来、今までやってきた地域間競争と同じ話で、そもそも、それはもう古い、時代に合わないような状況になっているんじゃないのか。ですから、大企業の地域を選ぶ理由に左右をされない地域経済振興策こそ必要なんじゃないかと率直に思うんです。 ですから、大臣に重ねてお伺いしますが、かつてのような企業城下町のような状況と今の企業の国内立地というのは大きな違いがあるという認識の上に対策を立てる必要があるのではないか。二階大臣、いかがでしょうか。
○二階国務大臣 シャープの亀山工場のことにつきまして詳しく御説明をいただきました。我々も改めてこの問題に対しては関心を持っておりましただけに、私どもとしても、ただいまの塩川委員の御指摘を踏まえて、現状はどうなっているかということを関係者にお尋ねしてみたいと思っております。 そして、今までの企業立地そして企業城下町と現状とはやや異なっておるのではないかという御指摘でありますが、異なっておる地域あるいは異なっておる企業というものは当然今お示しのとおりおありでありますが、そうでない場合もあるわけでありますから、これらはすべて、ケース・バイ・ケースといいますか、それぞれの企業の実態等を勘案しながら評価をしていかなくてはならないと思います。 我々は民間企業が立地をする場合に特に意見を差し挟む立場にありませんので、今塩川議員が御指摘になっている点なども、これからの立地政策を推進していく上において大いに参考にさせていただきたいと思います。
○塩川委員 ぜひ、大企業の都合に左右されない地域経済振興策こそ求められているということで、対策の具体化が必要だと思っております。 あわせて、大手企業の国内立地の工場において起こっている問題の一つに、雇用の非正規雇用化が大きく進んでいるという問題があります。 これは、亀山工場でも、液晶パネルそのものの生産の工程というのは、ほとんどがシャープの社員の方なんですね、正社員の方。それはブラックボックス化を図るということもありまして、そこは正社員の方しかいらっしゃらない。その後の、液晶パネルにいろいろな部品をつけるようなパネルの後半工程ですとか、さらにテレビを組み立てする、その工程におきましては、ほぼ二つの協力会社の方に全部お願いをしている。そこでの雇用が非正規雇用の派遣、請負が中心となっているということでありました。栃木県の宇都宮のキヤノン工場なども、五千人の規模だそうですけれども、三千人が非正規の方という話もお聞きしました。 こうなると、技能、技術の継承にとってこの非正規雇用というやり方が障害となってくるんではないか、このことを強く懸念するわけであります。 そこで、御紹介をしたいのが、トヨタグループの子会社にもなります、徳島県にあります光洋シーリングテクノという会社であります。ここは、トヨタ系列のトランスミッション、変速機の部品メーカーでありまして、資料の四枚目に、これは自動車部品工業会の資料で、今、出荷額を見ましても、部品の欄のところ、上から四番目に「駆動・伝動・操縦装置部品」というのがあります。この中に「トランスミッション用部品」というのがありますけれども、こういう部品を生産している会社であります。この間、九八年と二〇〇三年を見ても、構成比が一六・八から一九・五%になるように大きく、いわば、今、車においての中核的な部品となっているところでもあるわけです。お金を一番かけるという場所ですね。そういうのをつくっている会社です。 私もよく承知していないんですが、オイルシールといいまして、オイル漏れを防ぐ、あるいは外からのほこりが入るのを防ぐ、こういった、機械類の軸受けなどから油や水漏れを防ぐというのが製品らしいですけれども、最近の主流製品というのは、オートマのトランスミッションのピストンシールをつくるということだとお聞きしています。 こういう一番の中核的な部品をつくる工程を請負会社の契約社員の方が担っているという問題があるんです。ピストンシールというのは、金属の輪っかに合成ゴムを張りつける。その際に、当然のことながらプレスが、ホットプレスという形、二百度の温度でプレスをかけるわけです。そういう工程の中で、金属の輪にゴム材をくっつけるという作業なんですけれども、でき上がった上で目視をして、ばりがないだろうかとか、きちんと成形されているかとか、そういうことをチェックするそうなんですけれども、そういう作業そのものも重要なんですが、金型が複雑になればなるほどその工程も複雑になってくる。こういう製品をつくっている労働者の多くが、外部人材の請負会社の契約社員であるわけです。特に、今言ったピストンシールという中核的な部品をつくっているのが、請負会社の契約社員の方がほとんどを占めております。 こういった請負会社の契約社員の方は、六年、七年、八年と同じ仕事に従事をしているわけですね。そういう点では、非常に熟練をしている、技能に習熟をしている方が中核になっているわけですけれども、そういった方の雇用形態がどうかといえば、三カ月契約の雇用の更新だというわけです。六年とか八年とか勤めていても、その間に十回とか十九回とか二十六回という契約更新をする。そういう意味では先が見えないような雇用形態のもとに置かれている方であり、では時給がどうかといえば、大体千七百円ぐらい。これは、正規の社員の方は、いろいろな保険の負担なんかも含めますと、正社員の方が時間当たり大体三千四百円ぐらいといいますから、半分の負担で仕事をしている。 熟練が必要ですから、今、増産体制の中で、ラインといいますか、工場の製造工程に応援が必要だ。そうしますと、そこに、人手が足りない中で管理職の方が入ってくる。管理職の方が入ってくるとかえってうまくいかなくて、金型を壊してしまうとか、こんなことというのが現実に起こっているわけです。 ですから、私、ものづくりの現場というのが、本当にその中核的な部品をつくるところにおいて非正規雇用が担っている、こういう現状を大臣は率直にどういうふうに受けとめておられるのか、これで本当に未来があるのかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○西野副大臣 ものづくりを初めとする企業の労働力確保という点については、それぞれの立場でその価値観が変わるわけであります。 企業側にとっては、非常に繁忙になりましたら、こういう非正規職員でありましょうとも便利でございましょう。逆にまた、契約社員という表現をされましたが、この場合は、一つの雇用を創出するという意味では、これまた一つの方策としてはいいものがあるというふうにも思いますから、その価値観はそれぞれの状況によって変わるわけであります。 ただ、委員が御指摘をされました、ものづくりの中核になる人たちがそういう非正規雇用者であった場合には問題があるのではないかという御指摘でございますが、私も、それはそうだろうなと。当然ながら、ものづくりというものにつきましては、やる気と技能と、そして能力と経験、こういうものがある程度蓄積されて初めてそこにすばらしい技術が発生をするというふうに思っておりますだけに、その点につきましては懸念があるということにつきましては、私も全く同感でございます。
○塩川委員 大臣に重ねてお伺いしますけれども、請負会社の社員の方であっても、ものづくりという現場に行けば意欲を持ってされているわけですよね。ものづくりの職場で、働く意欲を持って取り組んでおられる。 お聞きした話の中でも、仕事を覚えた最初のころは、仲間とプレスを打つ回数を競い合っていた、本当に楽しかったと言っていました。ですから、いろいろな工夫をしよう、あるいは不良品を出さないようにしよう、こんな思いで仕事をしているわけですけれども、しかし、請負会社の社員である以上は、基本的な請負の金額が決まっていますから、どんなに努力をしても、何年働いても、賃金も変わらない、待遇もよくならない。例えば有給休暇をとろうと思っても、その分の穴埋めの要員が必要になります。しかし、その穴埋めの要員分の請負の費用はつかないんですから、結果的に、有給をとろうと思っても、それもかなわないという実態というのがあるわけです。 労働者の人の能力が向上する。しかし、そのことは正当に評価をされないわけですよ。技能の向上が請負としての売り上げの金額に反映されないですから。そういう点では、例えばこんな話もお聞きしましたけれども、金型がきちんとできていないので、ここをこういうふうにしたらいいんじゃないかということを言うと、残念ながら社員の方から、社外工の人が何を言うのかというようなことも言われてしまう。こういう声というのがどれだけやはり意欲をそいでいるのか。幾ら頑張っても報われない、自分がくさっていく、そういう思いになっている。 非正規雇用というあり方がものづくり労働者の意欲も奪っている、こういう状況については、大臣、率直にいかがでしょうか。
○二階国務大臣 企業の成功のためには、正規雇用者や非正規雇用者、それぞれの協力がやはり必要であると思うわけであります。 いずれにしましても、同じ職場の中で働いておられるわけでありますから、会社全体としてのチームワークということを考えれば、非正規雇用者の立場というものも十分に経営者として考えていかなくてはならないことは当然でありますが、この辺について、現状がどのようになっておるのかなどもこれから特に注意を払って調査をしてまいりたいと考えております。
○塩川委員 厚生労働省にお尋ねします。 光洋シーリングテクノにおきまして請負会社が入っております。請負というのは名ばかりで、実際は労働者派遣事業というのが実態であります。労働者は、派遣先の光洋シーリングテクノで、係長や班長の指導のもと、ほかの従業員と一緒になって同じ職場で自動車部品に使うオイルシールをつくっております。作業は正社員と混在をし、職場の仕切りもありませんでした。その後、別の請負会社に労働者の方が転籍をしましたが、その請負会社自身も違法状態が継続をしたままであります。 こういう現状を踏まえて、光洋シーリングテクノとその請負会社に対しどのような指導を行ったのか、行っていくのか、直接雇用が労働者の要求であります、その声にどうこたえるのか、この点をお願いします。
○鈴木政府参考人 光洋シーリングテクノの事案でございますが、これは、働いている方の申告がありまして、その中で、業務請負という形で行われていたものが労働者派遣法に抵触するのではないかということが明らかになった事案でございます。 これについては現在指導中でございますので、一般的なお話で申し上げますが、こうした場合の行政の対応を申し上げますと、まず、事実関係を把握するための調査を行いまして、その結果、請負または労働者派遣において派遣法に違反する労働者派遣が行われている、そういう判断がされる場合においてはこれを是正する、そういった指導を行うことになります。 その指導の具体的内容、これは個別具体的な事案に対応してそれぞれ異なるものでありますが、一般的に言いますと、派遣元それから派遣先の双方に対しまして、まず、労働者の雇用の安定のための措置を講じることを前提とした上で、派遣法に違反するそういった違法状態を速やかに是正する、そういった指導を基本にしております。
○塩川委員 ものづくり基盤技術振興基本法におきましては、ものづくり労働者の雇用の安定をうたっております。先ほど申し上げましたように、この現場での非正規の労働者の皆さん自身が、仕事を覚えたときには本当に意欲を持って仕事をされていた、それが、何年たっても待遇が変わらない中で自分がくさっていく、こういうことを訴えておられたわけです。 ですから、こういうものづくり労働者の雇用の安定という立場からも、こういった直接雇用を求める労働者の声にこたえていただきたい。大臣としての一言、その皆さんへの声、これだけお願いします。
○二階国務大臣 もとより企業自身がお決めになることでありますから、経済産業省としてそれぞれの企業に一々注文をつけるわけにもまいりませんが、今議員御指摘のように、非正規雇用の方々が長年その職場で働き、そして技能を習得し、立派に活躍されているという方々の将来に希望の持てるような道を開いていくためにはいかにすればいいか、これは、経営者の皆さんともいろいろな話し合いの場を通じて御相談をしてまいりたいと思います。
○塩川委員 経済産業省がまとめた新産業創造戦略では、将来の雇用構造の展望として、非正規労働者比率が二〇二五年には四〇%近くまで上昇するというのを掲げているわけですね。現在が三二%ですから、さらに非正規雇用がふえるということを前提にしているわけです。 ですから、こういった非正規雇用の拡大を目指すような政策そのものの転換が必要だ、このことも強調して、質問を終わります。
○石田委員長 これにて各案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○石田委員長 これより各案について討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、内閣提出、中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○石田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○石田委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、増原義剛君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び日本共産党の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。松原仁君。
○松原委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、中小企業のものづくり基盤技術の一層の振興を図ることが、我が国製造業の国際競争力の強化や新事業の創出に特に資するものであることに鑑み、その効果的な実施を図るため、次の諸点について適切に措置すべきである。 一 我が国の中小企業のものづくり基盤技術の一層の高度化が図られるよう、関係省庁が密接に連携して、中小企業施策のみならず雇用や産学連携などと一体となった効率的かつ効果的な取り組みに努めること。 また、特に人材育成、取引慣行の改善等中小企業を取り巻く厳しい状況を踏まえ、ものづくり基盤技術の振興に係る諸施策の効果的な実施に努めること。 二 特定ものづくり基盤技術高度化指針の策定に当たっては、その策定過程等において中小企業者の積極的な参画を図るとともに、その具体的な内容について、わかりやすい表現を用いるなど中小企業者の立場に立った十分な情報提供に万全を期すこと。併せて教育現場に配付するなど当該指針の効果的な普及に努めること。また、特定研究開発等計画の認定に当たっては、可能な限りその基準を明確にするものとし、関連の中小企業者の理解を得るよう努めること。 三 認定計画に係る支援措置の実施に際し、コンソーシアム等の大企業が参画する事業形態を選択した中小企業者については、大企業から不当な取扱いなどを受けることがないよう特に留意すること。 また、予算を伴う支援措置が、より多くの中小企業者に等しくその機会が得られるよう留意するとともに、支援措置に係る制度の運営状況等、事後の評価に資する積極的な情報公開を行うこと。 四 中小企業を取り巻く依然として厳しい経済環境を踏まえ、引き続きセーフティーネットの整備に努めることとし、併せて中小企業信用補完制度の見直しや金融機関による不公正な取引の是正を含めた中小企業金融政策に万全を期すこと。 また、地域経済において中小企業が果たしている役割を踏まえ、地域の中小企業の再生に向けた支援の充実を図るとともに、新たな事業の創出や地域経済の活性化等に資する諸施策の総合的な推進に努めること。 以上であります。 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じておりますので、詳細な説明は省略させていただきます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
○石田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○石田委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、二階経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。二階経済産業大臣。
○二階国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。 —————————————
○石田委員長 次に、内閣提出、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法及び輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法を廃止する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○石田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、内閣提出、工業再配置促進法を廃止する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○石田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○石田委員長 次回は、来る二十四日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時三十九分散会