法務委員会 第4号
- 発言数
- 264 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2005/10/11
会議録
○塩崎委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案及び最高裁判所裁判官退職手当特例法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。 この際、お諮りいたします。 各案審査のため、本日、政府参考人として法務省大臣官房長小津博司君、法務省大臣官房司法法制部長倉吉敬君、法務省民事局長寺田逸郎君、法務省刑事局長大林宏君、法務省矯正局長小貫芳信君、法務省保護局長麻生光洋君、文部科学省大臣官房審議官徳永保君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○塩崎委員長 次に、お諮りいたします。 本日、最高裁判所事務総局園尾総務局長、山崎人事局長及び大谷刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○塩崎委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉野正芳君。
○吉野委員 おはようございます。自由民主党の吉野正芳でございます。きょうは、特別国会で初めて質問をさせていただきます。 公務員の給与構造改革が十八年、大幅になされました。これは昭和三十二年以来の約五十年ぶりの大改革だそうでありまして、民間の給与と公務員の給与を比較して、今度は民間の一番低いところに公務員の基本的な給与を置き、民間の給与が高いところ、東京みたいなところは地域手当をつくっていく、こういう形で地域間の格差を是正していくというのが第一点の大きな改革だと思います。 もう一つは、今まで年功序列という考え方で給料を上げていった昇給制度、これを仕事ぶり、職務、職域、そんな観点から昇給というものを上げていく、そういう意味で給与カーブをフラット化していく、これが第二の改革であります。 三番目として、これが私は一番大事なのかなと思うんですけれども、昇給を勤務実績、勤務評価というものをきちんと評価して、普通昇給と特別昇給というものを統合して、今まで一号俸を上がっていたんですけれども、それを四段階、ある意味では、昇給ゼロの人もいるわけですから五段階に分けて、ゼロの人から満額もらえるという形のいわゆる勤務評定制度をつくった、こういう形で約五十年ぶりの大改正をこれから行っていくわけですけれども、こういう改正についての大臣の御感想、御所見を賜りたいと思います。
○南野国務大臣 先生今お話しになられたとおりでございますが、根本から見直す改革でございますので、この成果が期待されるものと思いますが、このたびの人事院勧告は、人事院が公正中立な立場からなされたものでありますので、これは尊重していくべきものであろうかと思っております。 政府といたしましても、去る九月二十八日に、同勧告どおりの給与改定を実施する方針を閣議決定いたしました上、所要の法律案を今国会に提出しているものと承知いたしております。
○吉野委員 そういう形で、三番目の勤務評定ですね。勤務評定をこれから公務員の方々にはきちんとして、それなりの、一生懸命やる方、余りやらない方という形で勤務評定していくわけなんですけれども、裁判官と検察官にその勤務評定をどんな形でしていくのか。 例えば、裁判官も検察官も事件の扱い件数なのか。それとも判断、裁判ですから裁判結果なんで、その裁判の判断がよかったか悪かったか中くらいかという、それはなかなか難しいと思うんですけれども、そういう判断で評価をしていくのかというと、なかなか難しいのではないのかなと私は思うのです。一般の公務員のこういう勤務評定を裁判官とか検察官にもきちんと当てはめていく改革なのか、その辺を御当局にお伺いしたいと思います。
○山崎最高裁判所長官代理者 裁判官の関係で申し上げますが、裁判官につきましては、裁判官の人事評価制度というのを整備いたしました。これは平成十六年のことでございまして、私ども、その新しい人事評価制度に従って裁判官の人事評価をやっております。その人事評価の中身といいますのは、評価権者あるいは評価の基準を明確にいたしまして、それに従って、それぞれの評価期間、これは一年ということになりますが、一年ごとにその裁判官の勤務ぶりを評価するということをやっておるわけでございます。 したがいまして、一般の国家公務員と少し違った形で裁判官の場合は人事評価制度を運用している、こういう実情でございます。
○倉吉政府参考人 検察官についてもお尋ねでございましたので申し上げます。 検察官の勤務評定につきましては、一般職の国家公務員と同様でございまして、国家公務員法に基づいて実施されております。御指摘の処理事件数とか個々の事件に関する判断ということがございましたが、そういったことの当否を直接に評価の対象とするということはございません。一般的に申し上げますと、捜査、公判に関する実務能力や管理者としての管理能力、こういったものを総合的に評価しているということでございます。
○吉野委員 裁判官とか検察官の仕事は物すごくきつい仕事だというふうに聞いているんです。普通のサラリーマンの方々の生活と比べて、裁判官の生活、また検察官の生活というのはどんなものなのか、その辺のところ、現状をお伺いしたいと思います。
○山崎最高裁判所長官代理者 現在、我が国の社会は、行政を中心とする事前規制調整型社会から、みずからの責任で行動し、事後的なチェック、救済にゆだねようという事後チェック救済型社会に変わりつつあると言われております。このような社会の変化は、とりもなおさず、司法の機能に期待し、その役割を増大させようということでありますから、裁判所といたしましても、国民に身近で早くて頼りがいのある司法の実現を目指して、裁判官を初めすべての裁判所職員が日々努力を続けているところでございます。 こういった状況にありますものですから、裁判官は、一言で言うと大変多忙な毎日を送っておりまして、率直に申し上げますと、仕事中心の生活と言わざるを得ない状況でございます。 民事訴訟事件を担当している裁判官の例をとって申しますと、法廷が開かれる日は、開廷前に担当書記官とのミーティングから始まりまして、ほぼ終日、間断なく法廷に入って審理を行うなどしておりますし、それ以外の日も、弁論準備手続という一種弁論の準備をする手続がございますが、そういう手続を行ったり、あるいは和解を行ったりということで、一日仕事をしているというのが通常でございます。 勢い、記録を精査したり、判決を書いたり、あるいは判例等の調査を行うというのは執務時間外になってしまうわけでございまして、執務時間外とか休日を使ってそういうことを行っているわけでございます。裁判官は、平日帰宅した後も、夕食を済ませてからまた、記録を持ち帰りまして、その記録の検討を始めるということで、それが深夜に及ぶということも少なくございません。 さらに、裁判官の場合は、御承知だと思いますが、夜間の令状当番というものもございまして、これは月に何度か夜間待機いたしまして、逮捕状の請求ですとかそういった令状の請求があると、それを審査して、チェックをして令状を発付したり却下したり、こういう作業をしたりすることもございます。 さらに、例えばマスコミ等で大きく取り上げられました新株予約権発行差しとめに関する仮処分事件のようなものがございます。こういった事件を担当することになりますと、社会の注目も集めますし、市場への影響力も大きい重要な問題について迅速に判断を示し、解決することが求められますので、まさに、通常の勤務時間という概念を超えまして、集中的にそういったものに取り組まなければならない、そういう状況もございます。 いろいろ申し上げましたが、このように担当事務はさまざまではございますが、概しまして、裁判官の繁忙さというのは相当なレベルにあるというふうに認識しているところでございます。
○大林政府参考人 検察官の仕事について申し上げますと、我が国においては、人を起訴するかどうかという、その人の一生を左右する重大な権限を検察官が行使するということになっておりまして、有罪の確実な心証がある場合に限って公訴を提起しております。 したがいまして、検察官は、警察等の第一次捜査機関が収集した証拠にのみ頼ることなく、みずから被疑者や参考人を取り調べるとともに、必要に応じて犯行現場に赴き、あるいは捜索、差し押さえを行っております。また、被疑者の情状についても捜査を行い、事件の処分や求刑に反映させております。特に、被疑者が逮捕、勾留されている事件では、限られた時間の中でこれらの捜査を遂行しなければなりません。また、公判においても、捜査記録を熟読して的確な立証方針を立てた上、公判に立会するわけでございますが、公判の立会のない日でも、証人等の打ち合わせや重大事件を中心に各種起案に従事しております。 したがって、検察官が休日に出勤することも珍しいことではなく、残業についても常態化している現状にございますが、刑事司法のかなめとしての自負を持って日々の職務に従事しているところでございます。
○吉野委員 どちらも大変多忙で、特に日曜日に子供と一緒に遊ぶ時間なんかは我々普通のサラリーマンよりは少ないのかな、今のお話を伺ってそう思います。本当に御苦労さまでございます。 次に、裁判官とか検察官が取り扱っている事件の数、これからいわゆる事後チェックの社会に入って、かなり多いかと思います。特にその中身ですね、知的財産の問題とか医療過誤の問題とか、先ほど言った新株予約権の問題とか、まさに裁判官イコールその道のプロ、専門家というところも要求されてくる時代に入ったと思います。そういう中で、どんな内容があるのか、事件数があるのか、また、専門分野の研修というのはどんな形でしているのか、そんなところもお聞きしたいと思います。
○山崎最高裁判所長官代理者 裁判官は多種多様な事件を担当しておるわけでございますが、全般的に申しますと、事件数は高い水準にございまして、しかも、今お話のございました、複雑で困難な事件が増加している状況にございます。 主要な事件について、若干その動向を御説明申し上げます。 まず、地方裁判所の民事事件、民事訴訟事件でございますが、この新受件数、平成三年以降増加基調にございまして、平成十六年四月は人事訴訟が家庭裁判所に移管された関係で若干件数は減ったわけでございますけれども、ここ数年のところは過去最高水準域を上下しているという状況でございます。 その内容でございますが、近時、医療関係訴訟あるいは建築関係訴訟等、専門的な知見を必要とする事件を初めとする複雑困難な事件がやはり増加しておりまして、特に医療関係訴訟事件の新受件数は、平成二年と比べると約三・二倍という高い伸び率を示しているところでございます。 それから、もう一つ専門的な訴訟として知的財産権関係訴訟というのがございますが、こちらの事件数につきましても、平成六年に比べますと約一・三倍というふうに増加しているほか、内容を見ましても、エレクトロニクスやバイオテクノロジーといった科学技術分野の極めて専門的な知識を要求する事件が増加している、こういう状況にございます。 次に、地方裁判所に提起される刑事訴訟事件でございますが、こちらの方も平成五年以降増加傾向でございまして、平成十四年には約十万件を超えまして、平成十六年には約十一万三千件という非常に高い水準にございます。 内容的にも、殺人、強盗殺人等の凶悪事件、あるいは組織犯罪、外国人事件等の複雑困難な事件が増加しているという傾向でございます。 裁判所の場合は家庭裁判所というのがございまして、こちらの方の事件を見ますと、少年事件につきましては、これは事件数を見ますと長期的に減少傾向にあるわけでございますが、時折マスコミ等でも大きく取り上げられておりますとおり、資質や環境に根深い問題を抱えた少年の事件、あるいは社会的な関心を集める重大事件など、内容的には極めて困難なものがふえているという状況でございます。 家庭裁判所の事件でもう一つは、家事事件、それから先ほど申し上げました人事訴訟事件ということでございますが、これはここ十年一貫して増加傾向にございまして、特にここ数年は史上最高の値を更新し続けているという状況でございます。特に、平成十二年四月からスタートいたしました成年後見制度がございまして、その関係の事件を見ますと、旧制度当時に比べまして約五倍以上の事件の申し立てがございます。 家庭裁判所の事件の内容面でも、親族間の感情的対立が激しい事件と、家裁特有の、解決が困難な事件というのがふえている、こういう状況でございます。 以上でございます。
○大林政府参考人 検察庁における刑法犯の受理件数は近年増加を続けておりまして、公判請求数も急増している状況にございます。平成十四年と同十六年を比較いたしますと、受理事件数は約九十六万件から約百二十七万件と三割以上増加しております。また、公判請求件数は約十万五千件から約十五万件と四割以上増加している現状にございます。 事件の内容を見ましても、凶悪事件や外国人犯罪等、捜査が困難で時間や労力を要する事件が急増しているほか、経済事件や脱税事件も後を絶たない上、悪質、巧妙化している状況にございます。 他方、政府として推進している司法制度改革に適切に取り組んでいくことも必要であり、検察官は、迅速かつ充実した公判の実現を図る必要がある上、新たに導入される裁判員制度への対応も求められているところです。さらに、現在、政府において犯罪被害者等基本計画を策定しておりますが、検察官も犯罪被害者に対して今まで以上に適切な対応をしていく必要がございます。 このように、検察官が取り扱う事件は質量ともに増大していると考えられます。 次に、研修についてでございますが、法務・検察においては、複雑高度化する犯罪情勢に対処するため、各検察官の法律知識、捜査、公判等の実務能力の向上を図るべく、日常の執務の中で個々の検察官に対する指導を行うとともに、経験年数に応じた各種研修において、事件の捜査、公判に必要な専門的知識、技能を習得させるため各種情報を提供し、あるいは専門家を招くなどして研修を実施しています。 特に、任官後おおむね七年ないし十年の経歴を有する検事を対象として、主として知能犯罪などの捜査及び公判に関する専門的知識及び技能を習得させることを目的とした研修を実施し、また、任官後おおむね四年を経過した副検事を対象として、交通事犯、薬物事犯などの捜査及び公判に関する必要な高度の知識及び技能を習得させることを目的とした研修を実施し、ほぼ全員の検事及び副検事がこうした研修を受講しております。
○山崎最高裁判所長官代理者 研修のお尋ねについてお答えしなかったものですから、追加させていただきます。 判事、判事補につきましては、司法研修所におきまして、経験年数別の研修というものをやっておりますのと、それからテーマ別の研修として、その時々のニーズに応じたテーマを設定して研究会を実施する、こういったことをやっておりますが、そうした研修の機会等を活用しまして、先ほどお話のございました専門的な事件、知的財産、医療、行政、労働、こういった分野に関する研修を行っておりますし、あわせて情報の提供も行っている、こういう状況でございます。 特に、知的財産権関係につきましては、平成十六年から、そういう訴訟を担当する裁判官を国内の理科系の大学院及び研究機関に各一人ずつ派遣する派遣型研修を開始したところでございます。そのほか、司法研修所におきまして知的財産権訴訟に関する専門的知識を習得させる特別研修コースを設けたり、あるいは、これは外国への派遣でありますけれども、世界的に名高いドイツのマックス・プランク研究所あるいは米国のロースクールの知的財産セミナーに若手判事補を派遣するといった研修も行っているところでございます。
○吉野委員 憲法七十九条の六項と八十条の二項に、裁判官の報酬について、「この報酬は、在任中、これを減額することができない。」という規定が書かれております。この規定を設けた理由と、そして憲法に裁判官の報酬は下げられない、こう書いてあるわけでありまして、今度のこの法案は裁判官の報酬を下げるという法案でありますので、私、素人として、これは憲法違反になるのではないか、こういう心配をいたしております。大臣政務官から御答弁をお願いします。
○三ッ林大臣政務官 御質問ありがとうございます。 ただいまの吉野議員の質問の中には、この憲法の規定が何ゆえになされているか、また今回は、それは憲法違反ではないかというふうな二つの質問がございますので、あわせて答えさせていただきます。 裁判官の報酬の減額につきましては、憲法第七十九条第六項及び第八十条第二項が、「在任中、これを減額することができない。」と規定しております。 法務省としましては、憲法の解釈一般について政府を代表して見解を述べる立場にはございませんが、当省なりの考え方を申し上げますと、これらの憲法の規定は、裁判官の職権行使の独立性を経済的側面から担保するため、相当額の報酬を保障することによって裁判官が安んじて職務に専念することができるようにするとともに、裁判官の報酬の減額については、個々の裁判官または司法全体に何らかの圧力をかける意図でされるおそれがないとは言えないことから、このようなおそれのある報酬の減額を禁止した趣旨の規定であると解されます。 ところで、今回の国家公務員の給与の引き下げは、国家公務員の給与水準を社会一般の情勢に適応させるために国家公務員全体の本俸を引き下げるべきであるとして、その旨の人事院勧告を受けて行われるものであります。このような国家公務員全体の給与水準の民間との均衡等の観点からされた人事院勧告に基づく行政府の国家公務員の給与引き下げに伴い、法律によって一律に全裁判官の報酬についてこれと同程度の引き下げを行うことは、相当額の報酬が保障されている限り、裁判官の職権行使の独立性や三権の均衡を害して司法府の活動に影響を及ぼすということはありません。 したがいまして、今回の措置は、憲法第七十九条第六項及び第八十条第二項の減額禁止規定の趣旨に反するものではなく、同条に違反するものではないと考えております。 なお、同趣旨の引き下げは、平成十四年及び十五年にも行われております。 以上です。
○吉野委員 憲法違反ではないということで安心をいたしました。 次に、ちょっと時間もないものですからはしょりまして、最高裁判所裁判官、十五人おられるわけですけれども、どんな経歴の方々でしょうか。
○山崎最高裁判所長官代理者 最高裁判所の裁判官は、長官を含めて十五名おりますが、そのうち、下級裁判所の裁判官出身者が六人、弁護士出身者が四人、そのほか学識経験者ということで五人いらっしゃいます。
○吉野委員 退職金の考え方なんですけれども、私は、老後、仕事がなくなって、収入がなくなって、その老後の備えとしての退職金という位置づけが一つ。もう一つは、労働しているわけですから、働いているわけですから、労働の対価、それを給料、報酬という形で今受け取るのではなくて、繰り延べをして、退職するときにいただく、いわゆる給料の繰越金というような考え方が第二点、私は退職金のあり方といいますか、意味合いだと思います。 近年、民間会社のある社長さんとお話をする機会がございまして、この社長さんがこう言っていました。これからはもう退職金はなくする時代だ、その期間期間で全部給料という形で、いわゆるボーナスもなくして、年俸幾らという形でこれからは給料というものを考えていく、老後の生活は年金を充実していく、公的年金プラス三階建ての四〇一k系統の年金でこれを充実していくんだ、こういう方向で、退職金はこれからなくす方向に民間としては持っていく、これはかなり相当の会社の方なんですけれども、こんなお話を聞きました。 それで、今最高裁判所、十五人の裁判官の方々はそれぞれの分野で、ある意味で功成り名を遂げた最も優秀な方々が最高裁の判事についておられるわけです。そういう意味では、いわゆる第一ステージの分野で退職金ももらい、年金も十分受給資格を獲得した方々であります。 その方々に今回また退職金を、三分の一に減額をするわけでありますけれども、平均在任日数を聞きますと六年半という形です。減額する前は六千数百万円、減額して二千二、三百万円というふうに聞いているんですけれども、この辺はもっと、退職金を出すか出さないか、退職金とは何ぞやというその原点からとらまえて、最高裁の判事の方々に退職金を出すか出さないかというところも含めた議論をこれからもっとするべきではないのかと思うんですけれども、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○南野国務大臣 先生の御意見、お伺いさせていただきました。 最高裁判所の裁判官につきましては、広く各方面からの識見の高い人材を集めるといいますか、得る必要がございます。その地位や役割にふさわしい処遇がこれは不可欠であるというふうに思っております。 最高裁判所裁判官の退職金につきましては、最高裁判所裁判官の担う使命と責任の重大性やその任命の実情などにかんがみ、勤労中の功績に対する報償という性格も相当に有しているものであると思いますけれども、最高裁判所裁判官の退職手当を含めた処遇のあり方については、今後とも、先生おっしゃるように、裁判所の意向を十分に尊重した上で必要な検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
○吉野委員 年金制度についてお伺いします。 裁判官また検察官の年金制度はどんな制度、いわゆる共済に入っているのかいないのか。そして、最高裁判所の裁判官の方々、この方々もいわゆる第一ステージではそれなりの退職金もいただいている方なんですけれども、最高裁判所裁判官としてまた新たな年金制度に入ると思うんですね、もし入る場合は。そうした場合、平均在任日数六年半、例えば民間出身の方で共済に入っていない方は六年半だけかけて、ではどうするのかという素朴な疑問を持つんですけれども、年金制度についてお伺いをいたします。
○倉吉政府参考人 まず、検察官の方から申し上げます。 検察官につきましては、これは一般職の国家公務員に属しておりまして、したがって、国家公務員共済組合法によりまして、検察官となった日から法務省共済組合の組合員としての資格を取得し、長期給付の適用を受けている、こういうことでございます。
○山崎最高裁判所長官代理者 裁判官について申し上げますが、裁判官は、その他の裁判所職員と同様に、裁判所共済組合に加入いたしまして、国家公務員共済年金制度の適用を受けております。共済年金の支給要件あるいは支給額の算定方法等につきましても、一般の国家公務員と同じ規定が適用されるわけでございます。この点は最高裁判所の裁判官も同様でございます。 退職共済年金について申し上げますと、共済組合期間のほか、国民年金、厚生年金等の公的年金加入期間が通算して二十五年以上あれば支給されますので、最高裁判所の裁判官としての在職期間は就任前のそれぞれの年金の加入期間と通算される、こういう形になっておりますので、それが退官後の年金支給額に反映されるということでございます。
○吉野委員 最後に、裁判員制度、あと四年弱で施行されるわけですけれども、この議論を自民党の部会でしたときに、私はこんな意見を言ったことがあります。裁判員の日当なんです。これはいろいろ証人等々の日当規定があろうかと思うんですけれども、裁判官と同じ仕事をするわけなんですね、その事件については。ですから、裁判員は、裁判官の年収を三百六十五で割った日当を出して、それを裁判員の日当にしたらいかがでしょうかというお話をしたことがあるんです。同じ仕事をするわけですから。今どんな検討をしているのか、お聞かせ願いたいと思います。
○山崎最高裁判所長官代理者 裁判員に対する旅費、日当、宿泊料につきましては、裁判員法上、最高裁判所規則において定めることとされておるわけでございますが、具体的な金額につきましては、今議員からもお話がございましたが、そういう裁判員の方の果たしていただく職責というものを十分踏まえまして、国の公的事務へ参加する方への保障、ほかの部門でもいろいろございますので、そういう保障の程度ですとか、あるいは諸外国におけます陪審員、参審員に支払われる日当額の実情ですとか、さらには、今後、裁判員の出頭確保のための環境整備の状況、こういったものも総合的に勘案して適切な額を検討してまいりたいというふうに考えております。
○吉野委員 これで終わります。ありがとうございました。
○塩崎委員長 次に、稲田朋美君。
○稲田委員 自民党の稲田朋美でございます。本日は質問の機会を与えていただき、まことにありがとうございます。 きょうは、本国会に提出されております三つの法案の趣旨並びに裁判官の処遇に関連いたしまして、裁判の実情、また裁判官の任命に関すること、それから最高裁判事の任命に関すること、そして最後に法曹養成制度について順次お伺いしたいと思います。 まず最初に、今回の法律案の改正により、裁判官の給与が引き下げられるということになりました。憲法上、裁判官は身分が保障されており、それゆえ国家公務員とは異なった給与体系が定められているというふうに理解しております。今回、一般の国家公務員の給与の構造改革に伴って裁判官並びにそれに準ずる検察官の給与が引き下げられる理由について、最高裁判所に対してその趣旨をお伺いいたします。
○山崎最高裁判所長官代理者 裁判官の給与制度のあり方といいますのは、裁判官をどのように採用するか、その任用制度と密接な関係を有するものであろうと思っておりますが、我が国の裁判官の多くは、司法修習を終えましてすぐ判事補に任官して裁判官になりまして、ずっと定年まで勤めるという実情でございます。これをいわゆるキャリアシステムと申しておりますが、こういうのが大多数でございまして、事実上の原則となっているという状況でございます。 したがいまして、裁判官の給与体系につきましても、これは同様にキャリアシステムをとっております国家公務員の給与制度と全く切り離して考えることは適当ではないということで、国家公務員全体の給与体系の中でバランスのとれたものにするというのが、現在の裁判官の報酬に関する法律のとっている考え方であろうと思います。私どもは、それが合理的な考え方ではなかろうかというふうに思っているわけでございます。 そういう考え方のもとに、現在の裁判官の給与制度は、裁判官の職務と責任の特殊性を相当程度反映する、また、その水準において、一般の行政官に比べますとある程度の格差を保つよう、裁判官の報酬の月額というものを特別職及び一般職の俸給表と対応させている、そういう構造になっているわけでございます。 したがって、従来から、人事院勧告に従って一般の政府職員の給与が改定される場合には、それに準じまして裁判官の給与についても同様の改定を行いまして、先ほど申し上げましたバランスを維持していく、こういう作業がされてきたところでございまして、今回についても同様の措置をお願いすることとした次第でございます。
○稲田委員 では次に、先ほども御質問がありましたが、最高裁判所裁判官の退職金についてお伺いいたします。 今回の改正により、先ほども御指摘がありましたが、六年間裁判官を勤めた後に退職された場合、現行では約六千三百万の退職金が出る。ところが、今回の改正により、約二千三百万と大幅な減額が予定されております。 最高裁判所というのは、言うまでもなく憲法判断の終審裁判所であります。また、司法の最終とりでとして最高の権威のある裁判所であり、また唯一、内閣が任命し、国民審査を受けるということで、国民主権が反映された裁判所であるというふうに認識しておりまして、その裁判官の責務は大変重いというふうに考えております。そういった最高裁判所の役割、また最高裁判所判事の役割から見まして、大幅に退職金を減額することが最高裁判所に対する軽視、また最高裁判所裁判官に対する軽視につながらないか、この点について法務当局の御見解を伺います。
○倉吉政府参考人 答弁申し上げます。 最高裁判所裁判官につきましては、広く各方面から識見の高い人材を得る必要があり、その地位や役割にふさわしい処遇が不可欠である、これはもう申し上げるまでもございません。そこで、退職手当についても、他の国家公務員とは別に、最高裁判所裁判官退職手当特例法により定めているところでございます。 今回の法案は、この最高裁判所裁判官の退職手当に関する特例の見直しを行おうとするものでございますが、今回の法案提出に当たりましては、裁判所におかれまして、今般、政府が国家公務員の退職手当制度を見直すことに合わせ、広く退職手当をめぐる状況や国の財政状況等を踏まえて慎重な検討をされた結果、最高裁判所裁判官の退職手当の特例についても見直しを行い、その支給率を引き下げることが相当との結論に至った、そのことを受けたものでございます。 もとより、御指摘のとおり、最高裁判所裁判官の担う使命と責任は極めて重いものがございまして、社会状況の変化に伴い、事件も複雑化しております。最高裁判所裁判官の役割は今後とも重要なものと認識しているところでございます。 今回の法改正は、先ほど申し上げましたような裁判所における検討の結果を尊重したものでございまして、決して最高裁判所の地位や役割を軽んずるようなものではないと申し上げたいと思います。
○稲田委員 それでは、最高裁判所の役割及び裁判官の責任に応じた処遇をこれからも検討いただけるというふうにお伺いいたします。 次に、今回の法改正は裁判官の処遇をめぐるものでございますので、一般的な裁判官及び裁判の実情についてお伺いいたしますが、二十年間民事裁判に携わってきた者といたしまして、下級審の裁判官が非常にお忙しいのではないかというふうな感想を持っておりますが、裁判の適正迅速な処理ということからいたしまして、裁判官の大幅な人員の増加ということが必要ではないかと思いますが、その点につきまして最高裁の認識をお伺いいたします。
○園尾最高裁判所長官代理者 裁判官が忙しく仕事をしておるということ、それから裁判官について増員の必要性が高いということは、まさに御指摘のとおりであるというように考えております。 最近の裁判所における増員の状況について御説明をいたしますと、平成十三年度から平成十七年度までの五年間に、合計二百四十七人の増員をしてきております。これは、年平均約五十人ということになります。これらの増員分を東京などの大都市圏の繁忙庁を中心に配置してきておりまして、その結果、一時期には裁判官一人当たりの手持ち件数は三百件を超えておりましたが、最近では二百件を下回る程度にまで減少してきております。 平成十八年度につきましても、平成十七年度と同様に、裁判官について七十五人の増員を要求しておるところでございます。今後とも、一層適切かつ迅速な裁判の実現を図っていくために、事件動向等を踏まえまして裁判官の増員を図っていきたいというように考えております。
○稲田委員 事件の性質にもよるかと思いますが、二百件とお伺いしてもまだ多いように思います。また、単に裁判官の人数をふやすというだけでなく、その適性も考えて増員をお願いしたいというふうに思います。 次に、裁判の適正迅速という観点からお伺いいたします。 新民訴法が施行された後は、裁判所の御指導、また当事者の協力により、かなり迅速な裁判が実現され、一審の判決がおおむね二年以内に出るということを実感しております。一方で、不必要な証人尋問、また不必要な審理が続けられているのではないかというふうに危惧する事件もございます。 お手元にあります首相の靖国参拝訴訟でございますが、この訴訟は、全国で二千人以上の方々が六カ所の裁判所に七件の裁判を提起した、そして、小泉首相の靖国神社参拝により自分たちの権利が侵害されたという人々の権利救済の訴訟でございます。中には、台湾人訴訟、また韓国人訴訟のように、外国に居住されている外国人が、日本の国と国民の約束事である憲法の政教分離規定を理由に裁判を起こされている、そういった裁判でもございます。 この訴訟につきましては、地裁で既に七件、また高裁でも四件の判決が出ておりまして、いずれも請求が棄却されております。そして、そのほとんどの判決の理由が、原告らが主張している権利、小泉首相の参拝により侵害を受けたという権利、宗教的人格権などが法的な保護に値しない、そういう理由による請求棄却でございました。 極端なことを申しますと、原告らの主張する権利が法的保護に値するのか否か、これは訴状を見ただけでも判断が可能とも言えます。現に、現職の裁判官の中には、こういった事件は、第一回口頭弁論期日で弁論を終結し、二回目に判決が可能であるというふうに述べられている裁判官もおられます。 ところが、例えば、先ほど違憲判決が出ました台湾人の高裁判決、また在韓韓国人の大阪の訴訟などを見ますと、一審で原告らの意見陳述をし、そして当事者尋問する。また、憲法学者の意見書を出しながら、また証人尋問もする、そして高裁に上がって、また同じ人の意見陳述をする、そして当事者尋問する。まるで屋上屋を重ねるがごとき審理が続けられております。しかも、大阪の大法廷を使って、裁判所職員を大幅に動員してそういった審理が続けられているというのは、いかがなものかという感じも受けました。 また、那覇の地裁では進行協議期日、すなわち、当事者がひざを詰めて、裁判官また両者の代理人がひざを詰めて、次回の進行をどうするかを協議して裁判の迅速化を図る、そういった期日を、裁判所の外に出て、裁判官が沖縄戦の現地に行って、そして原告の二人の証言を聞く。いわば、進行協議期日とは思えないような訴訟指揮をなさいまして、これにつきましては、国の代理人も何回も強く異議を述べられたというふうに聞いておりますが、意味不明な訴訟指揮がなされております。 私は、いかなる事件であれ、普通の事件であれ、また政治的に注目されている、社会的に注目されている事件であれ、ひとしく公平に裁判の迅速化、適正化が図られるべきであるというふうに考えておりますが、この点についての最高裁の意見を伺いたいと思います。
○園尾最高裁判所長官代理者 具体的な訴訟事件の進行につきましては、それぞれの裁判体に専らゆだねられておるということでございますので、この点に関する論評というのは事務当局としては控えたいと思います。 一般論としてということでございますが、御指摘のとおり、どのような事件についても公平かつ適正迅速に裁判をしていかなければならないということでございまして、各裁判官はその目的の実現のために日夜努力を重ねてきておるというように私ども見ております。 事件によりましては、不必要な証人を採用しておるのではないかというような御意見をいただいたり、あるいは逆に、調べるべき証人を調べていないのではないかという御意見をいただいたりすることもございます。 裁判所としましては、このいずれの御意見についても、調べる必要がある人証調べは漏れなく行うとともに、必要性がない人証調べは採用しない、そういうことを達成するために、争点の整理やあるいは立証計画の策定の協議に、これもそれぞれの裁判官が日々力を尽くしておるというように考えておるところでございます。 今後とも、審理の充実、迅速化になお一層の努力をしていきたいと考えております。
○稲田委員 一般論として、公平適正に訴訟指揮がなされる、また証人が調べられるという見解というふうにお伺いいたしまして、当たり前のことなんですけれども、安心をいたしましたが、しかし、政治的に注目されている、またマスコミが騒ぐからといって、不必要なといいますか、通常の裁判では考えられないような訴訟指揮がなされるとすれば、それは司法の政治化につながるというふうに危惧しておりますので、その点、よろしくお願い申し上げます。 次に、憲法判断についてお伺いいたします。 憲法八十一条は、最高裁判所に憲法判断の終審判断をゆだねた規定であります。また、日本の法制度では、具体的な事件を離れて抽象的に憲法判断をするということは許されていないというのが最高裁の判例であるというふうに認識しておりますが、その点はそれでよろしいでしょうか。最高裁にお伺いいたします。
○園尾最高裁判所長官代理者 そのとおりでございます。
○稲田委員 ということは、具体的な訴訟事件について裁判所が憲法判断をする場合には、最高裁での終審の、最後の判断が得られなければならない。また、最高裁判事が内閣の任命、また国民審査を受けるという意味において国民主権という立場からも、憲法判断の最終審は最高裁判所でなければならないというふうに私は理解しております。 ところが、例えば今回の靖国参拝訴訟でございますけれども、福岡地裁で違憲判決、また最近では大阪高裁でも違憲の判断が出ました。ところが、違憲判断を受けた国ないし小泉総理は、主文で勝訴しておりますので、上告をすることができない。したがいまして、違憲判断を受けながら、憲法判断の最終審である最高裁判所の判断を受けることができないという事態に立ち至っているわけでございますが、一般論として、最高裁判所の憲法判断を受けさせないという形での下級審での違憲判決というのは、私は、憲法八十一条の趣旨に違反しているというふうに考えるのですけれども、その点について最高裁の御見解はいかがでしょうか。
○園尾最高裁判所長官代理者 ただいま御指摘の事件については、いろいろな裁判所で係属をして判断がなされていっております。ただいまの御質問についてですが、やはり一般論というふうに申しましても、結果として具体的な民事訴訟事件についての判決内容にかかわることになってしまうという点がございますので、裁判の独立という観点から、最高裁の事務当局からコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○稲田委員 しかし、この問題は、憲法八十一条の解釈をめぐる、また国民主権との関係でも非常に重大な論点であるというふうに認識しておりますので、この点について最高裁判所の御意見がちょうだいできないのであれば、また回を改めて内閣法制局等の答弁をいただきたいというふうに考えております。 次に、裁判官についてはすぐれた資質が必要であるというふうに考えておりますが、中には資質に疑問のある裁判官もおられるのではないかと思います。資質については、後の研修ではなかなか矯正できるものとできないものもあるのではないかというふうに考えるのですけれども、再任の際に十分チェックすることが重要ではないかと思います。再任のチェックを最高裁判所がきちんと運用されているかどうかについてお伺いしたいと思います。 これに関連して、下級裁判所の指名諮問委員会というのがございますけれども、その権限、メンバーの人数、構成、また、どのようにして選ばれているかについて、最高裁判所に伺いたいと思います。
○山崎最高裁判所長官代理者 私の方からは、再任の実情について申し上げたいと存じます。 裁判官の再任の指名に当たりましては、これは非常に慎重な検討を要するわけでして、これまでもそういうふうにやってきたところではございますが、今委員の方からお話がございましたとおり、平成十五年五月に下級裁判所裁判官指名諮問委員会というものが設置されまして、再任を希望する裁判官についても、裁判官としてふさわしい人材であるかどうかについて審議され、答申が行われるようになりました。 最高裁判所といたしましても、委員会の答申を踏まえて指名あるいはその逆の不指名の決定を行っておりますので、不適格な者が再任されないよう十分にチェックされているものと考えているところでございます。
○園尾最高裁判所長官代理者 それでは、私からは、下級裁判所裁判官指名諮問委員会についてお答えをいたします。 下級裁判所裁判官指名諮問委員会が平成十五年に発足をいたしまして、まず、この権限についてのお尋ねですが、この下級裁判所裁判官指名諮問委員会は、新任判事補の任命、判事補から判事への任命、判事の再任、弁護士からの任官等、下級裁判所裁判官の任命行為すべてにつきまして、最高裁判所からの諮問を受けて、それに対する答申を行う、そういう職務を行うということで運営されてきております。 下級裁判所裁判官指名諮問委員会の構成についてですが、このメンバーの総数は十一名でございます。その内訳は、法律実務家、これは裁判官、検察官、弁護士でございますが、これが五名、法律実務家以外の学識経験者が六名ということでございまして、法律実務家以外の学識経験者が過半数を占めるということにしてございます。また、法律実務家五名の内訳は、裁判官が二名、検察官が一名、弁護士が二名でございまして、裁判官以外の者が過半数を占めるというような構成にしてございます。 このような人的な構成をとっておりまして、これによって透明性が高く、かつ、国民の視点からの意見が審議に反映されるように意を用いておるというところでございます。 〔委員長退席、吉野委員長代理着席〕
○稲田委員 それでは、平成十五年からこれまでの間に何人の裁判官について答申し、何人について指名することが適当でないという結論に至られたのか、最高裁判所にお伺いしたいと思います。
○園尾最高裁判所長官代理者 下級裁判所裁判官指名諮問委員会が最初の答申をしましてから約二年余りになるわけでございますが、その間に答申を行った裁判官指名候補者の数は七百九十三人になります。これは、先ほど申しましたように、新任判事補の任命、あるいは判事補から判事への任命、判事の再任、弁護士任官等、下級裁判所の裁判官の任命行為すべてを含むものですから、これだけの人数になります。 そのうち、裁判官に指名するのに適当でないという答申がされました人数は四十一人でございまして、これは全答申の対象となった者の数の五・二%に当たるという状況になってございます。
○稲田委員 次に、最高裁判所の裁判官についてお伺いいたします。 最高裁判所の裁判官は、言うまでもなく、真にふさわしい人を任命いただく必要があると思います。しかし、ちまたには出身母体ごとに枠があるというふうにも聞いております。 先ほどの話では、裁判官出身六名、弁護士出身四名、学識経験者五名というお話でございましたけれども、そういった出身母体ごとに枠があるというのは本当でありましょうか。その点について最高裁の見解を伺います。
○山崎最高裁判所長官代理者 委員もよく御承知だと存じますが、最高裁判所の裁判官の任命というのは内閣の権限に属することでございますので、その選任のあり方について最高裁判所として意見を申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じます。 ただ、内閣におかれましては、委員のお話がございましたとおり、最高裁判所裁判官としてふさわしい方を人選されているのではないかというふうに私どもは理解しているところでございます。
○稲田委員 憲法上も内閣が任命することになっておりまして、仮に出身母体の推薦があっても、内閣はこれに拘束されることなく、真にふさわしい人を選任するというふうに理解いたします。ありがとうございました。 最後に、法曹養成制度についてお伺いいたします。 真にすぐれた裁判官を確保するためには、その前提として法曹養成も非常に重要な問題であります。 ところで、来年からは初めて新司法試験が行われて、ロースクールを出た方が初めての新司法試験を受けられるということになっております。司法試験委員会の発表によれば、一年目の新司法試験の合格者が九百人から千人、そして、従来の司法試験による合格者が五百人ないし六百人ということですから、従来の司法試験を受けている人が非常に狭き門になるのに対して、新たにロースクールを卒業する方にとっては非常に優遇されるのではないか。そういった意味において、試験の公平さが確保されるのでしょうか。その点について、法務当局にお伺いいたします。
○倉吉政府参考人 ただいま御紹介いただきましたとおり、司法試験委員会はそのとおりの数字を発表いたしました。 これは、平成十八年から新旧司法試験が並行実施されます。そのため、法曹を目指す人が進路を選択する上でどちらを選ぶのがいいのかなという手がかりをとりあえず与えておく必要があるだろうということが一つ。それからもう一つは、この二つの試験は、別個に違う時期に合否判定が行われます。そうすると、どうしてもこの二つの試験を円滑に実施するためにはそれなりの目安が要るということで司法試験委員会が発表したものでございまして、これは、この発表した文書の中に出ておりますけれども、各試験における合格者についての一応の目安となる概括的な数値である、目安であり概括的だと繰り返し申しております。 そういうことでございますので、確定的な数値として決定されたものではございません。実際の試験結果を見まして、これに基づいて当然変動し得る。したがいまして、最終的に新旧司法試験の公平性を害するということはないと考えております。
○稲田委員 そのお答えを伺いましても、実際に旧司法試験を受けている受験生を数多く知っておりますので、そういった人々は、来年以降は合格が難しくなるので転職を考えている、ほかの試験を受け出したという人もおりますので、そういった人々に対する配慮もお願いしたいと思います。 次に、すぐれた能力を有する法曹を確保するためには、たとえ資力がなくても法曹になる道が開かれていなければならないというふうに考えます。 私が受けた時代であっても、資本試験と言われて、親に資力がなければなかなか難しいと言われておりましたが、今回の新司法試験が施行されることによりまして、大学を出て、さらに二年ないし三年のロースクールを出て、そしてまた、司法修習生になっても給費制は廃止されるということでございますので、資力のない法曹を目指す人々にとって不利にならないか、この点について法務当局にお伺いいたします。
○倉吉政府参考人 現行司法試験は、平成二十二年度に終了いたします。 しかし、平成二十三年度からは、司法試験予備試験が実施されることになっております。この予備試験といいますのは、諸般の事情により法科大学院に行けない、あるいは行かない、いろいろな方がおられると思うんですが、そういう人の中からもすぐれた人材を選抜して、法曹資格を付与する道を開こう、法曹の給源の多様性を確保しよう、そのために、法科大学院課程の修了者以外の方にも新司法試験の受験資格を認めようということで設けられた試験でございます。 したがって、現行司法試験の終了した後も、すぐれた能力を有する人材については、資力がなくとも法曹に迎え入れる道はできていると理解しております。
○稲田委員 司法改革の過渡期にある法曹養成制度でございますので、さまざまな問題、また、ロースクールにおける教育また新司法試験の内容についても、今後とも御質問いたしたいと思っております。 真に優秀な法曹が養成されて、真にバランス感覚のある優秀な裁判官が任命されて、そして、国民がいかなるときにいかなる裁判所を利用しようとも、権利の保護が図られて、すべての裁判所で司法の正義が、法の正義が実現されることを期待いたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○吉野委員長代理 次に、近江屋信広君。
○近江屋委員 自由民主党の近江屋信広でございます。 裁判官報酬法、最高裁判所裁判官退職手当法がかかっておりますので、この点について、一、二の質問をさせていただきたいと存じます。 この両法案、まさに、先ほども御説明がございました給与の官民の格差を直すことに伴って、裁判官の報酬月額を全体的に引き下げ、また、最高裁判所裁判官の退職手当を大幅に引き下げようとする法案でございまして、こういう裁判官の報酬、退職手当といった処遇の問題は、やはり憲法上独立が保障されている裁判所の意向を十分尊重しなければならない、その必要があるだろうと思います。 したがって、今回の改正は、裁判所の意向を十分踏まえたものなのか、また、最高裁判所の中では、裁判所裁判官の報酬、処遇というものは、やはり最高裁の司法行政権の範疇の中のことでございますから、最高裁の裁判官会議において決定された事柄でありましょうから、その最高裁の裁判官会議において全会一致であったのか、また、それとも異論があったのか、その点をお伺いいたしたいと思います。 前半は法務大臣の所見、そして後段は最高裁の担当者からお伺いいたしたいと存じます。
○南野国務大臣 お答え申し上げます。 今回の裁判所関係の法案につきましては、いずれも裁判所において検討を進められた結果、改正を行うということでございます。今後とも、裁判所関係の法案につきましては、裁判所の意向を十分に尊重した上で検討を進めていきたいと考えておるところでございます。
○山崎最高裁判所長官代理者 今回の改正法案につきましては、最高裁判所の裁判官会議でその旨の立法依頼を行うということで決定がありまして、それを受けて政府の方に依頼した、そういう経緯でございます。 ところで、御質問の最高裁判所裁判官会議の様子でございますが、これは最高裁判所裁判官会議規程というものがございまして、非公開とされておりますので、余り詳細な意見交換については申し上げるのは差し控えさせていただきたいと存じますが、結論の部分につきましては、特に異論はなかったというふうに承知しております。
○近江屋委員 憲法七十九条六項及び八十条二項には、御案内のとおり、裁判官の報酬は、在任中減額することができないという明文規定がございます。先ほど吉野委員からの御質問に対して、三ッ林大臣政務官が、その法文の立法趣旨について御説明されました。それによりますと、裁判官の独立性を経済的に担保するものである、また、政治的な圧力から裁判官が自由でなければならない、そんな趣旨だったと思います。 そういう御説明で、今回の実際の報酬の減額があったとしても、決して裁判官の独立を侵すものではないという判断からこのような法案が提出されておるということは理解するものでありますが、一方で、憲法違反ではないかという声もあるところでありますので、仮に違憲訴訟が起こされた場合には、どのように対応されるかをお伺いいたしたいと存じます。
○倉吉政府参考人 事務当局の方からちょっとお答えさせていただきます。 今回の報酬月額の引き下げについて、裁判官がこれを不服として争えるかという問題がまずあろうかと思いますが、この点につきましては、報酬の減額を定めた法律が違憲無効であるということで、従前の報酬と減額後の報酬の差額の支払いを求める訴訟を提起する、公法上の実質的当事者訴訟等々と講学上呼ばれておりますが、こういうことが考えられます。 また、次のような訴訟が適法かどうかはともかく、法律の違憲無効確認を求める訴訟、これは抽象的な憲法判断を求めるということになろうかと思いますが、そういうものが提起される可能性もあろうかと考えられます。 いずれにつきましても、そのような訴訟が提起された場合には、法務省としては適切に対処していくということになろうかと思います。
○近江屋委員 次に、最高裁判所裁判官退職手当法に関することでございますが、最高裁の裁判官にふさわしい、やはりそういった人材を確保しなければならないということと、また、先ほど法務大臣から言及がありました、長期間大変な激務を行ってこられている裁判官に対する報償を十分にしなければならないということ、また、退職後、最高裁裁判官だった方々にはそれにふさわしい品位のある生活を送っていただきたいということが必要かなと思います。そのために、我が国司法の頂点に立つ最高裁の裁判官にふさわしい退職金の金額でなければならないと思います。 その点、約二千三百万という金額、退職金の額というのは適切なのかどうなのか、担当する法務当局また最高裁の担当者におかれては、これが適切な額なのかどうなのか、どう評価されるのかをお伺いしたいと存じます。
○山崎最高裁判所長官代理者 先ほど来お話が出ておりますとおり、最高裁判所の裁判官には、広く各方面から識見の高い人材を得なければならないということでございまして、その地位あるいは役割にふさわしい処遇の必要があるということで、退職手当につきましても国家公務員退職手当法の特例として、今改正の御審議をいただいております最高裁判所裁判官退職手当特例法が定められておるというふうに承知しておるわけでございます。 その法律で、退職手当のいわゆる支給率が、報酬月額の百分の六百五十というふうに定められているわけでございます。最高裁判所の裁判官の役割あるいはその重要性というものは、この特例法立法当時に比べまして変わるところはないというふうに思いますが、今般、国家公務員の退職手当制度について大きな見直しが行われる、この機会に、独立行政法人等の役員の退職手当の改定等、退職手当をめぐる社会全般の状況の変化、あるいは国の財政事情等を踏まえて検討いたしました結果、先ほど申し上げました支給率については、この際、見直しを行うのがよいのではないかというふうに考えまして、今回、その支給率、百分の二百四十に引き下げるということで政府に立法を依頼した、こういう経緯でございまして、私どもはこのあたりの支給率が妥当なのではないかというふうに考えた次第でございます。
○近江屋委員 裁判官の報酬法のほかに、今回、検察官の俸給法が提案されております。その両法案についてでございますが、司法の担い手である裁判官また検察官の報酬なり俸給なりが、一般職公務員の給与改定で、横並びでどんどん引き下げられていくということであるならば、司法修習生から裁判官や検察官への任官、これは余り進まなくなるおそれがあるのではないか。また、弁護士から裁判官への任官、これも少し妨げを受けるのではなかろうかということが心配されますが、この点、いかがお考えかをお伺いしたいと存じます。
○南野国務大臣 先生の御心配ごもっともだと思いますが、治安の回復などの政府にとっての重要な施策、それの実現を図っていこうとするためには、検察官の人員の確保、また極めて重要なことはもちろんでありますけれども、そのために検察官の待遇の改善も必要であろうかと思っております。 しかしながら、今回の法改正は、公務員全体の給与のあり方の見直し、これを踏まえて行われるものでありますので、裁判官や検察官のみの待遇を引き下げるものではございません。そもそも任官者の確保のためには、待遇だけでなく仕事のやりがいなどその他の側面のあり方が重要であるということも考えられますので、今回の給与の引き下げが直接任官者の減少などに影響することは考えられないのかなというところを思っております。
○近江屋委員 裁判官、検察官の仕事は、それはお金だけでなくて、仕事のやりがいが重要であるという観点を伺いまして、全くそのとおりだなと理解するものであります。 続きまして、小泉総理は先般の所信表明演説で、構造改革を断行し、政府の規模を大胆に縮減しますと明言されました。これは小さな政府路線を明確にしたものと思っております。この路線、小さな政府路線というものは、先ほど来答弁にもありましたように、事前統制型社会から事後救済型社会への転換、そういうものと表裏をなすのであろうと思っております。 そういう事前統制型社会から事後チェック、事後救済型社会へ転換するということでありまして、それに対応するために、いろいろな司法制度改革をこれまで行ってこられた本法務委員会においても、また最高裁、法務省においても、その改革の大変大きないい仕事をされてきたのだろうと評価いたしております。 これまで、法科大学院の導入とか裁判の迅速化、それから総合的な法律支援、また裁判員制度の導入など、まことに精力的に取り組まれてこられたのでありますけれども、その改革の全体像を簡潔にお示しいただいて、これからその改革を国民にどう定着させていくのか、その辺の道筋についてどうお考えか伺いたいと存じます。
○南野国務大臣 今般の司法制度の改革ということにつきましては、総合法律支援制度、また裁判員制度の導入を初めといたしまして、裁判の迅速化、それから法曹養成制度に関する改革など多くの重要な改革が実現し、大きな成果を得られたのではないかなというふうに思っております。 これが我が国の司法のあり方を半世紀ぶりに抜本的に改めるとともに、一連の構造改革のかなめとして、活力ある自由で公正な社会を築くための基盤を整備するものである、これら一連の改革によりまして、二十一世紀の我が国の司法を支えるにふさわしい制度ができたのではないかな、そのようにも思うわけでございます。 今後は、国民に身近で、速くて、頼りがいのある司法、これを実現するために進めてきた司法制度改革の成果を国民が実感できるように取り組んでいくことが重要であろうかと思っております。国民の皆さんが改革の成果を実感することができるよう改革の本旨に沿った制度の実施に取り組むとともに、引き続き、必要な司法制度の見直しを適宜適切に行ってまいりたいと考えております。 そのためには、一連の改革の実施を中心として担ってきた法務省、または総合調整を担当する内閣官房におきまして所要の体制を整備しておりますので、これらの体制のもとで引き続き改革にしっかり取り組んでいこうというふうに思っております。
○近江屋委員 司法制度改革、これまでも残された課題がある。法務大臣の御見解によりますと、内閣全体で取り組んでいかれる決意をお伺いいたしましたが、今後とも残された司法制度改革に、しかも全力で取り組んでいくということで、本法務委員会、法務省、最高裁、関係省庁、すべて挙げてこの改革に取り組むべきものという所見を私としても持つものであります。 次に、先ほど申し上げました事前統制型社会から事後救済型社会へ転換する中で、司法を国民が身近に利用できるようになるために、司法の機能が一段と重要になってくるわけでありまして、司法の機能が一層充実強化されなければならないと思います。 そういう中で、事後救済型社会ですから、やはり司法にとっては人の面でそれなりの一定のボリュームがなければやっていけないのではなかろうかとも思います。 その点、司法全体の今後の姿として、政府は小さな政府ですが、司法は大きな司法に持っていくのか、あるいは中くらいの司法に持っていくのか、あるいはやはり小さな司法でいいのか。そういう将来の展望を持ちながら改革に対応していかなければならないわけでありますし、そういう中で人的な側面をどのようなあり方で充実強化していくのか。充実強化の人的な面のあり方を含めて、大きな展望と人的な面、その両方をお伺いいたしたいと思います。
○南野国務大臣 多くの項目を御質問の中に含んでおりますが、サービスの向上等々考えますならば、自由かつ公正で国民が安心して暮らせる社会を実現するためには、司法の役割はこれからも増していくものというふうに考えられております。 国民により身近で、速くて、頼りがいのある、そういう司法を実現することが、今般の司法制度改革において求められている重要な課題であるというふうに認識しておりますし、そういう司法、繰り返せば、国民により身近で、速くて、頼りがいのある司法こそが、あるべき司法の姿とも考えております。 このような観点から、平成十四年三月の政府の司法制度改革推進計画におきましても、全体としての法曹人口の増加を図る中で、裁判官、検察官の大幅な増員や裁判所書記官等の裁判所職員または検察事務官等の検察庁職員の適正な増加を含む司法を支える人的基盤の充実を図ることが必要であり、そのためには、各種の制度改革の進展や社会の法的需要を踏まえるとともに、その制度等を効率的に活用しながら、必要な措置を講ずるというふうにされておりまして、法務省といたしましても、司法制度改革の進捗状況や、その時々における事件数、社会の需要などを踏まえながら、適切な措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
○近江屋委員 将来にわたる司法のあり方については、本法務委員会においても考えていかなければならないことでありますし、司法当局と一緒に、今後の司法のあり方、今後ともしっかりと取り組んでいきたい課題であるなと私も実感をいたします。 続きまして、テーマからは少しそれるかもしれませんが、やはり法秩序を守るためには現行の法令が世の中でしっかりと遵守されていくということが重要でありまして、したがって、コンプライアンス、法令遵守ということは極めて重要なテーマであると存じます。 昨今、企業、中央省庁、また地方自治体、それから政党などにおいて、決して不祥事を発生させないための法令遵守の体制づくりに取り組まれておりまして、特に企業においては大変盛んであります。日本経団連は、毎年十月を企業倫理月間と定めて、企業倫理の確立、そしてそれを徹底するということを会員企業に徹底的に求めている、強く求めていると聞いております。 我が党自由民主党のことを少し触れさせていただくならば、政治活動における法令遵守、これの周知徹底を図るために、党改革実行本部、安倍幹事長代理が本部長を務め、塩崎法務委員長が事務局長兼政治資金部会長でありますが、そこで極めて熱心に取り組んでおりまして、党本部の中にコンプライアンス室というものを設けて、専門の事務局のプロジェクトチームと必要な嘱託弁護士でもってこの事務に当たっております。 政治活動にかかわる事柄について、国会議員からの法律相談を受け、また独自の実践的、実用的なルールブックも作成をして、研修会も頻繁に行って、また補欠選挙の際などは、その弁護士が選挙事務所に出向いて、コンプライアンスの観点から指導をしている、そんなことをやってきておるわけでございます。 コンプライアンスの周知徹底、それは企業、団体、政党、それぞれが努力するべきことであろうかと思いますが、そのような努力を助長していく必要があるなということを、私の所見を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 以上です。
○吉野委員長代理 次に、伊藤渉君。
○伊藤(渉)委員 私は、今回、衆議院選挙で初めて当選をさせていただきました公明党の伊藤渉と申します。本日が私の第一回目の国会での質問となります。 まず、この役割を与えていただきました党員並びに支持者の皆様方、なかんずく創価学会の皆様に心より感謝を申し上げます。全力で国政に貢献できるよう努力をしてまいりたいと思います。また、法務大臣、副大臣、政務官を初め、法務委員長、各党理事、そして委員の皆様、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。 さて、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案並びに最高裁判所裁判官退職手当特例法の一部を改正する法律案に関しまして質問させていただきますが、その前提として、まず何点か確認をさせていただきたいと思います。 二〇〇六年末からサービスが開始される総合法律支援、司法ネット、これは、公明党がマニフェストに掲げ、実現に努力をしてきた成果でございます。これにより、全国どこででも国民の皆様が法的な紛争解決に必要な情報やサービスを受けやすくなる道筋ができました。国の出資でこのサービスを提供する日本司法支援センター、法テラスは、各都道府県の地裁所在地に設置されるほか、いわゆるゼロワン地域など、弁護士不足地域への配置も検討され、関連予算確保についても積極的に取り組んできたところでございます。 一つには、司法サービスの全国展開がより進むわけでございます。この点につきまして、現在はどこまで進んできているのか、その進捗状況について御説明いただきたいと思います。
○倉吉政府参考人 総合法律支援制度について御支援をいただきまして、ありがとうございます。 この日本司法支援センターの業務を円滑にスタートさせるためには、関係機関との連携協力が不可欠である、御指摘のとおりでございます。 現在、法務省といたしましては、日本司法支援センターの設立に向けまして、日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会、財団法人法律扶助協会等の関係団体、関係機関と協議を重ねつつ、準備作業を行っているところでございます。 また、支援センターの業務は、その性質上、地域に密着したものとなります。そこで、地域の実情を支援センターの設立準備作業に的確に反映させるとともに、地方の関係機関等の支援を受けることが、必要な作業を円滑に遂行する上で必要でございます。そこで、各地で司法を支えている方々に委員を委嘱、依頼いたしまして、地方準備会というものを設けまして、準備作業の支援をお願いしているところでございます。 さらに、中央レベルの話でございますが、支援センターの業務に関係する各省庁、これは各地域にいろいろな相談窓口、機関、団体等の窓口がございます。地方公共団体であれば総務省ということになりますし、消費者云々ということになれば、またいろいろな省庁が関係している。そういう関係省庁で総合法律支援関係省庁等連絡会議というものを設けまして、その開催などを通じて、関係各省庁との緊密な連携、協力関係の構築にも努めているところでございます。 九月六日には、支援センターの理事長となるべき者として、金平輝子氏が指名されました。法務省としては、金平氏とも十分意思疎通を行いながら、平成十八年十月ころに支援センターが業務を遺漏なく開始できるよう、引き続き作業を進めてまいりたいと思っております。 それからまた、概算要求も行っているところでございまして、引き続き御支援をよろしくお願いいたします。
○伊藤(渉)委員 また、法曹への道を広げ、法科大学院へ進学する学生を支援するために、奨学金制度を二〇〇五年度事業費総額で百五億円、貸与人員の五千八百人への拡大、月額の拡充など、十分な財政措置を講じるべく、これもマニフェストに掲げ、実現に努力をしてきたわけでございます。すなわち、法科大学院奨学金等、幅広い人材を法曹界へ送る環境整備を行ってきたわけでございます。この点につきましても、現在どこまで進んできているのか、進捗状況について御説明いただきたいと思います。
○徳永政府参考人 お答え申し上げます。 法科大学院制度、大変その役割の重要性にかんがみまして、私ども文部科学省といたしましても、奨学金を初め、私学助成、国公私を通じた競争的補助金という形で支援に努めているわけでございます。 特に、現在、委員御指摘の奨学金につきましては、多くの方々からの御支援、とりわけ御党の力強い御支援をいただきまして平成十六年度に創設されたところでございますけれども、平成十八年度の概算要求におきましては、前年、前々年度からの継続経費を確保しつつ、新たな需要にも十分こたえられますよう、対前年度比千五百六十九人増の七千三百六十九人、金額にいたしまして二十四億円増の百二十九億円の事業費を要求しているところでございます。 このほか、私学助成、国公私の共通の経費といったことにつきましても所要額の要求をしているところでございます。今後とも、そういったものの充実を通じまして、法科大学院の教育の充実あるいは学生の支援といったことに努力をしていきたいと思っております。
○伊藤(渉)委員 現在、政府の司法制度改革推進計画に基づきまして、司法試験の合格者も年々ふえ続け、二〇一〇年度には合格者数を三千人程度にふやされ、多くの人材登用が法曹世界に広がり、法曹の質の向上に大きく資すると期待をされております。司法の大きな潮流ができつつあるわけでございます。 人的側面での整備はどこまで進んでいるのか、重ねてこの点についても御説明いただきたいと思います。
○倉吉政府参考人 司法制度改革審議会意見書を踏まえた司法制度改革推進計画では、司法試験の合格者数について、平成十四年に千二百人程度にする、それから平成十六年に千五百人程度に増加させることとする、こうされまして、法科大学院を含む新たな法曹養成制度の整備の状況等を見定めながら、平成二十二年ころには三千人程度とする、そのことを目指す、こうされているところでございます。 司法試験管理委員会では、この審議会の意見書及びこの推進計画を最大限尊重する旨の決定を行いまして、平成十四年度及び同十五年度の司法試験合格者をそれぞれ千百八十三名、それから千百七十名といたしました。さらに、平成十六年には新たに司法試験委員会が設置されたわけでございますが、この司法試験委員会もこの決定を引き継いで、同年度の司法試験合格者を千四百八十三名といたしました。 今後とも、この審議会意見及びこれを踏まえた司法制度改革推進計画の実現に向けて最大限努力し、法曹人口の増加を図ってまいりたいと考えております。 それから、最初に、司法制度改革審議会意見と推進計画を尊重して司法試験管理委員会がと申しましたが、このときはまだ推進計画の前でございまして、審議会意見書を最大限尊重する、こういったところでございます。失礼いたしました。
○伊藤(渉)委員 少々抽象的な質問でございますが、法務大臣と最高裁にお伺いをいたします。 我が国の法曹界の将来像についてどのような見解をお持ちであるか、差し支えなければお伺いしたいと思います。
○南野国務大臣 今後の将来像、法曹界の将来像ということで、大変大きな問題でございますけれども、今後、国民生活のさまざまな場面において法曹に対する需要は一層増大するであろう、それもますます多様化し、高度化していくであろうということは予測できることかなというふうにも思っております。 したがいまして、これらの法曹には、訴訟事務を中心とする分野だけでなく、紛争の予防または訴訟外の紛争解決の分野、または公的機関、国際機関、民間企業などにも進出して活動されることが一層求められることになるのではないかなと考えております。 そうしまして、法曹がこのような多様かつ広範な国民の法的需要に対応していくためには、また人間性という問題にも目を向けなければならないのかな。例えば、豊かな人間性や感受性がある、幅広い教養と専門的知識、柔軟な思考力、説得、交渉の能力等基本的な資質に加えまして、社会や人間関係に対する洞察力、また人権感覚とか、先端的な法的分野または外国法の知見、さらに国際的視野と語学力、これも必要になってくると思いますが、そういうものを身につけた法曹の数を大幅に増加していくということも必要になってくるのではないかなというふうに考えております。
○山崎最高裁判所長官代理者 ただいま法務大臣御答弁なさいましたとおり、法曹の活動分野というのは広がってくるだろうと思いますが、裁判所ということで申しますと、やはり司法の中核を担う、そういう役割は変わらないのであろうと思っております。 司法に対する国民の期待が高まってくる、それに応じて、国民に身近で、速くて、頼りがいのある司法の実現に向けて、私どもも裁判所の立場で引き続き努力していく必要があると考えておりますが、そのためにも裁判所を支える人的基盤の充実を図るということが必要でございまして、先ほど法務大臣が詳細に御答弁なさいましたような、すぐれた資質あるいは能力を備えた人材の確保と育成に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○伊藤(渉)委員 ありがとうございます。 続いて、基礎的な部分で何点か、裁判官に絞って御質問させていただきたいと思います。 今回の改正案は給与水準の改定、いわば給与の引き下げとなっておりますけれども、この裁判官の昇給制度といいますか昇進制度は一体どのようになっているのか、具体的に御説明いただきたいと思います。
○山崎最高裁判所長官代理者 裁判官は、多くの場合、司法修習を終えてすぐに判事補として任官いたしまして、判事補で十年の経験を積んで判事に任命され、その後も、再任ということもございますけれども、基本的には定年に至るまで勤務するということになるわけでございます。 その間、徐々に給与も上がっていくということになるわけでございますが、その給与が上がっていく昇給の運用について定めた規定というものはございませんで、私どもの運用を申し上げますと、裁判官になって、その後約二十年間の間は、ほぼ同じ時期に裁判官になった人が同じ時期に上がっていく、こういう運用を行っておるわけでございます。 その理由でございますけれども、これは、裁判官という職務の特殊性、全国均質の裁判を実現するために全国さまざまなところで勤務しておりまして、しかも職務の内容もさまざまであるというようなこと、それで、それぞれのところで独立して職権を行使する、こういった特殊性にかんがみて、先ほど申し上げた運用を行っているわけでございます。
○伊藤(渉)委員 これも細かな質問ですけれども、勤勉手当、いわゆるボーナスというものが支給をされるのか、また具体的にどのような支給基準となっているのか、これも御説明いただきたいと思います。
○山崎最高裁判所長官代理者 判事補と報酬が五号以下の者であります簡易裁判所判事に対しまして、一般の官吏の例に準じまして勤勉手当が支給されるということになっております。 具体的に申し上げますと、現在の状況でございますが、判事補のうち一号から四号までの報酬を受ける者、それから簡易裁判所判事でいいますと五号から九号までの報酬を受ける者、この者につきましては報酬月額等の一・八カ月分。それから、もう一つのカテゴリーは、五号以下の報酬を受ける判事補、それと十号以下の報酬を受ける簡易裁判所判事でございますが、これらの者につきましては報酬月額等の一・四カ月分が支給されております。
○伊藤(渉)委員 続いて、また他の諸手当についても、どのようなものがあるか教えていただきたいと思います。 特に裁判官についてですけれども、いわゆる残業手当や休日出勤の手当がなく、また出勤簿等もないと聞いておりますけれども、そういったことについても、理由はなぜなのか、お伺いしたいと思います。
○山崎最高裁判所長官代理者 その他の手当につきましても一般の政府職員の例に準じまして支給されておるわけですが、代表的なものを申し上げますと、通勤手当、調整手当、扶養手当、住居手当、単身赴任手当などがございます。 お話がございましたとおり、超過勤務手当あるいは休日給といったものは裁判官には支給されないこととなっておるわけでございますが、これは、事件の適正迅速な処理のために、夜間など一般職員の執務時間外においてもこれに対処するということが要求されるわけでございますので、裁判官には一般の国家公務員と同じような勤務時間というものを観念することが非常に難しい、そういうことがございます。 こういった裁判官の職務の特殊性を踏まえまして、言ってみれば時間外手当的な要素も考慮した上で報酬が設定されているというふうに言われておりまして、そういうことから、逆に出勤簿も特にないし、残業手当等の支給もない、こういうことになるわけでございます。
○伊藤(渉)委員 先ほど来の質問と若干重なるところもございますけれども、本年八月に示された人事院勧告では、一般行政職員の給与について、全国共通の水準を平均四・八%引き下げた上で、民間賃金が高い地域には最大一八%の地域手当を支給する内容となっており、今審議されているこれらの改正案もこの基準に準じるとのことでございますけれども、これら地域手当を一般行政職員と同様に導入しようとした理由は何か。また、地域手当導入とあわせて、適切な人事上の施策を行うよう努める必要があることが確認されたと聞いておりますけれども、この適切な人事上の施策とは具体的にどういうことか、御説明いただきたいと思います。 〔吉野委員長代理退席、委員長着席〕
○山崎最高裁判所長官代理者 裁判官につきましては、いわゆるキャリアシステムが事実上の原則となっている関係で、その給与につきましても他の国家公務員の給与制度と全く別のものという形では考えにくいということで、現在の法律の考え方は、国家公務員の給与体系の中で裁判官の給与をバランスのとれたものにする、こういうことになっておるわけでございます。 そういうことで、裁判官の給与制度は、一般の行政官に対してある程度の格差を保つようにして、裁判官の報酬月額を特別職あるいは一般職の俸給表と対応させている、こういう構造になっているわけでございます。 そのため、従来から、人事院勧告に従って一般の政府職員の給与を改定する場合には、これに準じまして裁判官の給与を改定してバランスを維持するという作業がされてきたところでございまして、今回も同様の措置をお願いしたというところになるわけでございます。 ところで、地域手当のお話が出ましたが、裁判官報酬法第九条第一項によりますと、報酬以外の給与は一般の政府職員の例に準じて支給することとされておりまして、現在は調整手当が裁判官に支給されておりますが、調整手当にかえて地域手当が導入されるということになりますと、やはり同様に一般職員の例に準じて裁判官に地域手当が支給されることになろうということでございます。 御指摘がございました適切な人事上の施策の関係でございますが、去る九月二十八日の最高裁判所の裁判官会議におきまして今回の改定をお願いするということを決定した際に、地域手当の導入については、全国いずれの裁判所においても均質な裁判を実現するため、転勤が多く、独立して職権を行使している裁判官の職務の特殊性等に照らし、これまで同様、地方都市を含め、全国各地に等しくすぐれた裁判官を配置できるように、適切な人事上の施策を行うよう努める必要があるということが確認されたわけでございます。 その趣旨は、やはり全国均質に高いレベルの司法サービスを今後とも提供できるようにしなければならない、そのためには、裁判官の配置、異動、執務体制のあり方など幅広く人事上の問題について検討して適切な施策を行っていく必要がある、こういう認識を示されたものと私どもは理解しておるところでございます。
○伊藤(渉)委員 私は、今回この立場を与えていただく前は民間企業に十一年間勤めておりました。一般に申し上げまして、給与というのは、現職の方もそうでございますけれども、例えばこれからその職種を選択していこうという皆さんにとっても、選択の大きな条件の一つであるとも思います。もちろん給与だけが判断基準ではございません。 給与を引き下げるのは今回で三回目になります。先ほど来再三申し上げてきたとおり、大きな流れとして司法部門の重要性が増してきているにもかかわらずです。 例えば二〇〇五年度の裁判官一人当たりの裁判所の予算を見てみますと、イギリスは二億、フランスは一・四億、これに対して日本は約〇・九億というデータもございます。一概に比較はできないとは思いますけれども、世界標準で見た場合に、日本の裁判官人件費を含めた予算額は決して高額ではないとの見方もできます。選択と集中という考え方がございますとおり、日本という国家全体の運営を考えたとき、すべて横並びで動かすのではなく、必要かつ重要な部門には集中投資をするということがあってもよいと考えます。 国民のための司法を形成するという観点から、優秀な人材の継続的な確保並びにその採用人数を増加させなければならないという実情を考えると、この裁判官給与と人事院勧告の連動を含めた全体の予算額のあり方については一考の余地があるのではないかと考えますが、この点について御意見を伺いたいと思います。
○山崎最高裁判所長官代理者 お話のございましたとおり、これから司法に対する期待が高まってくる、そういう期待にこたえるためには裁判官にすぐれた人材を、しかも数多く確保することが重要であることはそのとおりでございまして、その点では裁判官の給与も重要なポイントの一つになろうかと思っております。 ただ、先ほど申し上げましたが、裁判所といたしましては、今の給与体系というものが一般職の国家公務員との関係で定められているということ、その一般職の国家公務員の給与に関する人事院勧告の重要性というものもまた尊重する必要があるということでございまして、今回は一般の政府職員の改定に準じて改定するという方式をとらせていただいておるわけでございますが、この方式は従来の長い歴史がございまして、それ相応の合理性を有するものというふうに考えております。 もちろん、今後ともこういった給与に関する考え方を基本としつつも、人材確保についてはやはり適切に対処していく必要があろうかというふうに思っております。
○伊藤(渉)委員 次に、裁判官の給与に関連して、また引き続き基本的なデータについて伺いたいと思います。 平成十七年度の裁判所予算、三千二百五十九億四千八百八十万となっておりますけれども、これは国家予算八十二兆のわずか〇・四%にも満たない額でございまして、諸外国から見ると信じられないほど少額であると改めて感じます。 このような中で、裁判官の数は現在どのくらいいらっしゃるのか、また人口に比してどのくらいいるのか、またこれも諸外国と比べてどのような状況にあるのか、御説明いただきたいと思います。
○園尾最高裁判所長官代理者 平成十七年度の裁判官の数は、簡易裁判所判事も含めますと三千二百六十六人となっております。これを人口比ということで計算してみますと、国民十万人当たりの裁判官数は二・六人ということになります。 これをただいまお尋ねの諸外国の裁判官数と比較をいたしますと、これはそれぞれの国で発表されました人口と裁判官数に基づいて比較をするということになりますが、これを比べてみますと、国民十万人当たりの裁判官数が最も多いのはドイツでございまして、二十五・三人。次いで多いのはアメリカでございまして、十・七人でございます。次いでフランスが八・八人、イギリスは六・七人というようになっております。 したがいまして、この数値を見てみますと、我が国の裁判官数は、対人口比でいいますと、欧米諸国に比べて少ないという状況にございます。 ただ、裁判官数を比べるのに、人口と、それからそれぞれの国で発表されている裁判官の数というものを比べましても、各国には司法制度の相違、裁判官の任命方法の相違、訴訟手続の相違などに大変大きな違いがございますので、単純にこれを比較して論じるということはなかなか難しいというように考えております。
○伊藤(渉)委員 以上のような質問をしてきましたのは、先ほどからの御質問にもありましたとおり、全体として裁判官がまだまだ少ないという問題意識と、もう一つには、変化の速度が著しい現代社会におきまして、訴訟問題が複雑かつ膨大な量となっている一方、裁判の迅速かつ充実とが求められている状況の中で、実際に裁判官が少なければ、一人の裁判官にかかる重圧、激務は大変なものではないかという認識があるからでございます。 このような状況の中で正しい判断や処理ができるのか。土曜も休日も休むことなく、代休もなければ残業手当もない中で、難しい判断を迫られながら、朝から晩まで判決を書き続けている裁判官に真っ当な判決を下し続けることができるのか。常識をある種疑われかねないような判決が報道でも散見をされるにつけ、一国民として本当に大丈夫なんでしょうかという疑念がぬぐい去れません。 また、裁判官の増員もさることながら、裁判所を支えている書記官を初めとする裏方の皆さんを同時に増員して初めて裁判所の充実が図られるものと思います。それは裁判官の待遇をよくしよう云々ということではなくて、あくまでも司法のサービスを受ける国民一人一人のためになるのかどうかという視点に立って、今回質問に立たせていただいたわけでございます。 昨年は、裁判官は七十五人の純増に対し、書記官は百名の要求に対して六十五名。今回、本来の筋論であれば、人事院勧告に準じて必ずしも給与改定する必要がないわけでございますけれども、給与を引き下げるということであるならば、せめて書記官も含めた人員の純増を訴えるべきであろうと考えます。この点はむしろ立法府の側がしっかり後押しをしていかなければならないと痛感をしておりますし、私も与党の一員として、裁判官や職員の増員に全力で応援をしていきたいと考えております。 また、四年後には裁判員制度がスタートし、選ばれた裁判員の皆様に丁寧かつ適切な助言等を行う責務を担う裁判官にとって、審理の充実のためにも、時間的なゆとりをふやしていかなければならないと思います。そのような中で、他の案件を多数抱えている裁判官にさらなる重責とならないようにするためにも、四年後を見据えた人員増員を急ピッチで行う必要があると考えます。 全国規模で千五百五十七人の裁判官をさらに数百人規模で増員する必要があると考えますし、書記官等についても同様に手当てをしていかなければならないと考えます。無論、純増したからといって、質が低下しては本末転倒でございます。質の確保を行いながらも増員していくという難しい事業ではございますが、ぜひともよい人材を確保していただいて、国民の要望に迅速かつ充実した結果でこたえていただける司法サービスの提供に努めていただきたいと思いますが、この点についてお考えをいただきたいと思います。
○園尾最高裁判所長官代理者 裁判官、それからそれを支える裁判所書記官あるいは裁判所調査官というようなものについて、適正迅速な裁判を図るという観点から人的体制の充実を図るということは、私どもも全くそのとおり考えておるものでございます。 それに加えまして、我が国の社会全体が事前規制型の社会から事後チェック型の社会にと急速に変化を遂げていこうということで動いている中で、適正かつ公正な手続によって、しかも、透明な手続というものを本質的に持っている司法のこの役割はなお一層重大なものとして増大していくものというように考えております。 このようなことを踏まえながら、私どもも、裁判官の増員、それからそれを補助する裁判所書記官あるいは裁判所調査官等の増員について、御指摘のとおり、今後も引き続いて努力をしていきたいというように考えております。
○伊藤(渉)委員 最後になりますけれども、国民のためにどこまでも開かれた司法の一層の充実をお願いしまして、私の最初の質問とさせていただきます。ありがとうございました。
○塩崎委員長 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ————◇————— 午後三時二分開議
○塩崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。石関貴史君。
○石関委員 民主党の石関貴史です。今回、初めてのこの委員会での質問になります。よろしくお願いいたします。 まず初めに、今回の裁判官の報酬、そして最高裁判所裁判官退職手当の減額、この二点と憲法規定との関係についてお尋ねいたします。 まず、いろいろ憲法との関係で議論があります。憲法違反にならないだろうか、こういったいろいろな意見が出ておりますが、このことについてお考えをお聞きしたいと思います。
○南野国務大臣 お答え申し上げます。 裁判官の報酬の減額につきましては、憲法第七十九条第六項及び第八十条第二項が「在任中、これを減額することができない。」と規定いたしております。法務省は憲法の解釈一般について政府を代表して意見を述べる立場にはございませんが、当省なりの考え方を申し上げるということであるならば、これらの憲法の規定は、裁判官の職権行使の独立性を経済的側面から担保するため、相当額の報酬を保障することによって裁判官が安んじて職務に専念することができるようにするとともに、裁判官の報酬の減額については、個々の裁判官または司法全体に何らかの圧力をかける意図でされるおそれがないとは言えないことから、そのようなおそれのある報酬の減額を禁止した旨の規定であると解されております。 ところで、今回の国家公務員の給与の引き下げ、これは、国家公務員の給与水準を社会一般の情勢に適応させるために国家公務員全体の本俸を引き下げるべきであるとしまして、その旨の人事院勧告を受けて行われるものでございます。このような国家公務員全体の給与水準の民間との均衡、その観点からなされた人事院勧告に基づく行政府の国家公務員の給与引き下げに伴いまして、法律によって一律に全裁判官の報酬についてこれと同程度の引き下げを行うということは、相当額の報酬が保障されている限り、裁判官の職権行使の独立性や三権の均衡を害して司法府の活動に影響を及ぼすということはないわけでございます。 したがいまして、今回の措置は、憲法第七十九条第六項及び八十条第二項の減額禁止規定の趣旨に反するものではなく、同条に違反するものではないと考えております。 なお、同趣旨の引き下げは、平成十四年及び平成十五年にも行われております。 以上です。
○石関委員 このことについて、特に下級裁の裁判官の間に異論や不満の声があるというふうに聞いているんですが、このことは把握していらっしゃるか。また、もし把握していらっしゃるのであれば、このことについてどのようなお考えをお持ちでしょうか。
○山崎最高裁判所長官代理者 今回、人事院勧告を受けて一般の国家公務員の給与が引き下げられる、これに準じて裁判官の報酬をどうするかということが問題になったわけでございます。 私どもの方で、人事院勧告が出た後に、下級裁の裁判官にこの給与問題について意見を聞きました。一つは、資料を送付するような方法、それから、各地方裁判所、家庭裁判所の所長を通じて、裁判官の意見を聞くということをやったわけでございます。 その概要を申し上げますと、多くの裁判官は、それに伴って裁判官の給与の改定がされることはやむを得ない措置であるというふうに理解を示したわけでございますが、一部の裁判官からは、そういう引き下げとともに地域手当というのが導入されるということにつきまして、裁判官それぞれ全国各地でひとしく職責を果たそうということで仕事をしておる、そういう状況から見ると少し問題ではないかという意見が一部に見られたところでございます。 それから、ただいまの憲法問題につきましては、その点についても危惧がある、そういう意見もございましたが、それは、先ほど法務大臣が御答弁なされました一律の引き下げということもさることながら、地域手当の導入によって、従来にも増して勤務地によって裁判官の給与に差が出る、そのことについて何らか憲法上の疑義が生じるのではないか、そういった趣旨の意見が一部にございました。 繰り返しになりますが、大多数の裁判官は、それはやむを得ない措置であるというふうに意見を述べておるところでございます。
○石関委員 質問を送付したということ、それから、そこで聴取をしたということですかね、今の御答弁によると。どんな内容の質問をされたんでしょうか。
○山崎最高裁判所長官代理者 先ほどちょっと申し上げましたけれども、人事院勧告に従って一般の国家公務員の給与が改定されますと、従来、それに準じて裁判官の給与の改定も行ったわけでございます。その改定の仕方、増額だけではございませんで、先ほど法務大臣がお答えになられましたように、平成十四年、十五年に引き下げるというようなことで、準ずる形で改定を行ったということがございますものですから、そういう過去の例も踏まえた上で、人事院勧告そのものを裁判官に見てもらって、これが裁判官の報酬に準ずるような形で及んだ場合にどういうふうに考えるか、こういう意見の聞き方をしたわけでございます。
○石関委員 そういう形で意見を聴取したということなんですが、一体、何人の方を対象に聴取されたんでしょうか。例えば、下級裁判所ということですけれども、地裁何人とか、そういう形で具体的にわかれば教えていただきたい。
○山崎最高裁判所長官代理者 今回、人事院勧告がございましたのが八月十五日と記憶しておりまして、その後、大至急意見を聴取したということでございます。 当然、聴取すべき範囲というのは全裁判官ということでございまして、これは、判事、判事補、簡易裁判所判事を含めて三千二百名ほどおりますが、その全員に聞いてほしいということでやったわけでございます。 ただ、いわゆる夏季休廷期間にも当たりますものですから、すべからく全員について漏れなく聞けているかどうか、この点については、ちょっと私どもの方では全部について確認をしたわけではございませんが、先ほど申し上げました、各地方裁判所、家庭裁判所の所長を通じてやっておりますので、恐らく全員の方の意見を何らかの形では聞いていただいたものと承知しております。
○石関委員 十五日に人勧が出たということですね。それから質問をされて、その質問に対する答えをどれぐらいの期間で集約をされたのでしょうか。
○山崎最高裁判所長官代理者 実は、八月の末に最高裁判所の裁判官会議が開かれまして、その際に人事院勧告の御報告を申し上げたわけでございますが、そのときに、とりあえず返事の返ってきた部分について御報告させていただきました。 そういたしますと、その部分については、大体二週間弱になりましょうか、その程度で意見を集約していただいたということになりますが、しかし、それはデッドラインを決めてそこで締め切るというものではございませんで、その後も追加的に意見がある方は述べてほしいということを申し上げたものですから、その後に寄せられた意見も当然ございまして、そういう意味では、最終的な裁判官会議によって方針を決めた、そこまでの間の意見は集約され、それが裁判官会議に報告されているというふうに御理解いただければと思います。
○石関委員 今御答弁で、とりあえず二週間ぐらいの期間だということなんですが、その後も五月雨式に意見が来ているということです。 先ほどの御答弁で、反対が一部にあった、大多数は理解をしているということだったんですが、この二週間なり、その後に五月雨式に来た数、その中で大体というのは、また一部というのはどのぐらいの人数を指しているんでしょうか。
○山崎最高裁判所長官代理者 実は、意見の集約を地家裁の所長に任せたものでございますから、そういう地裁単位、家裁単位ということで取りまとめていただいて、それを私どもが受け取ったという形になるものですから、そこで必ずしもその内訳、何人が賛成、何人が反対という形になっておりませんものですから、大体地家裁所長の報告したそのままを今申し上げたということになります。 そういう地家裁所長からの報告によりますと、多数の人間というのですか、多数の裁判官についてはこの措置でやむを得ないと考えておる、こういう報告があったということでございます。
○石関委員 今の御答弁を伺うと、意見の聴取の仕方としては、非常にあいまいな数であって、このことをもって大体がいいとか一部が反対と言うのは大変問題があるんじゃないかなと思いますが、今までも、いろいろな意見の聴取に関してはこのような集約の仕方をされているんでしょうか。 裁判官の数は決まっているわけですから、期間を設ければ、夏休みが終わってその後ここまでということであれば、しっかり人数を、全員に質問をして意見の集約というのができるんでしょうけれども、期間が大体二週間で、その後も五月雨式に来て、数も大体であるし、反対も大体である。これは大変あいまいなことだと思うんですが、こういったやり方を今までされているんでしょうか。
○山崎最高裁判所長官代理者 先ほどお話が出ました平成十四年の改定の際に、大体同じような趣旨の意見の集約の仕方をしたことを記憶しております。 これは実は、裁判官の多数決で決議するという性質のものではございませんで、最終的には最高裁判所の裁判官会議が方針を決定する。その際に、下級裁の裁判官の意見がおおむねどのようなものかを承知して、そういうものも踏まえた上で御決定をいただく、そういう目的のもとで意見を聞いたということでございますから、今申し上げたような状況になったわけでございます。
○石関委員 意見の参考にするには大変あいまいなやり方を今されているんだなというふうに受けとめました。 手元にある資料で、日本裁判官ネットワーク、こういうネットワーク、団体があるそうです。平成十七年八月三十日付でアピールが出ています。「緊急アピール(意見文)」ということで、最高裁判所長官殿、最高裁判所判事殿、これをあて先にしているんですが、タイトルが「裁判官報酬における人事院勧告等の受け入れについて」ということですが、この文書については御承知されているんでしょうか。
○山崎最高裁判所長官代理者 裁判官ネットワークという団体から私どもの方にもその意見書が送付されてまいりまして、しかも、最高裁判所の裁判官に配付してくれという御要望がついておったものですから、私どもの方で最高裁の裁判官にも配付したという経緯でございます。
○石関委員 要望のとおり配付をされたということなんですが、それでは、この日本裁判官ネットワークというのはどういった団体なんでしょうか。コーディネーターとして、この文書には、広島高裁の安原さん、神戸地裁の伊東さん、大分地裁の浅見さんとお名前が出ておりますが、この団体についてどのように把握をされているんでしょうか。
○山崎最高裁判所長官代理者 裁判官の有志の方が今のネットワークという団体をつくっておられるということは私ども承知しておりますが、その実態と申しますか、例えば何人ぐらいの方が集まってどういう活動をしておられるか、その詳細については承知しておりません。
○石関委員 文書が送られてきて、その要望に従って配付をしたということなんですが、何だか実態がわからない団体の要望を聞いてそういったことをされたんでしょうか。この裁判官ネットワークというのが、今お話を聞くと実態を把握されていないということなんですが、よくわからない団体の言うことを聞いてこういった行動をとられたんでしょうか。
○山崎最高裁判所長官代理者 申し上げましたのは、活動の実態あるいは会員の構成、そういったものがわからないという趣旨で申し上げたものでございまして、現職の裁判官が会員になっておられる、例えばそこで、たしか世話人でしたか、コーディネーターでしたか、そういう形で名前が上がっている方々が現職の裁判官であるということは私どももわかるわけでございますので、それは下級裁判所の裁判官の意見の一部であろうという位置づけで、先ほど申し上げましたように最高裁判所の裁判官にも見ていただいたということでございます。
○石関委員 身分はもちろんしっかりした裁判官の方々ということなんですが、このネットワークについてよく内容は承知していないということで受けとめてよろしいんでしょうか。 このアピールを見ますと、一番目に、「慎重な対応を求めます」ということで意見が載っています。 そして二番目、「違憲の疑いについて」、「憲法七十九条六項後段、八十条二項後段は、裁判官の身分保障の一つとして、裁判官の報酬の減額ができないことを定めています。本件勧告等を受け入れると、平均四・八パーセント、判事層で試算すると、七パーセントを超える報酬の減額となり、地域手当額を考慮しても、上記各規定に触れると考えるのが素直です。」というふうに書いております。また、いろいろ経過措置についても触れられているんですが、「経過措置だけで、違憲の問題を全て解消するのは難しいのではないかと考えます。」。 こういった意見が載せられている文書なんですが、この内容を把握して配付されたということだと思いますが、この内容についてはどのようにお考えになっているんでしょうか。
○山崎最高裁判所長官代理者 先ほども申し上げましたが、下級裁判所の裁判官の中には憲法上の疑義があるのではないかという意見を持っている方もおられるわけでございまして、今御紹介いただきましたネットワークという団体に所属されている裁判官も恐らくそういう意見をお持ちなんだろうと思いますが、それは一つの裁判官の意見ではございますけれども、最終的にそういうものも踏まえた上で、最高裁判所の裁判官会議で、今回のお願いしております給与の改定をする、そのための立法依頼をするという決定がされたわけでございます。
○石関委員 それでは、今回、四・八%の切り下げということでありますが、このことについて、二〇〇二年の引き下げのときとは随分下げ幅が違うんですが、下げ幅が多いということで、そのことをとらえて憲法違反ではないか、こういった意見も今回特に出ているというふうに承知をしておりますが、このことについてはどうお考えでしょうか。
○山崎最高裁判所長官代理者 憲法論につきまして私の立場で申し上げるのはいかがかと存じますが、最高裁判所の裁判官会議で平成十四年に、給与の改定をする際に憲法問題について議論がございまして、その結論といたしまして、一般の公務員が人事院勧告に従って報酬が下げられる場合に、それと同内容で裁判官の報酬を下げるということは、司法権の独立の観点からしても問題のないことであって、憲法に違反するものではない、そういう確認がされておりますので、その考え方が今回も同じような考え方として取り入れられて、今おっしゃられました四・八%という引き下げの率もございますけれども、そういうものにつきましても同様に、憲法上問題がないというふうに最高裁判所の裁判官会議は考えたということだろうと思います。
○石関委員 今、憲法のことについてお尋ねしましたが、裁判官には、憲法八十条二項、また裁判所法の四十八条に報酬減額禁止規定があるということです。その趣旨からいっても、民間や一般公務員との連動を避けるべきものではないか、先ほど大臣からも若干答弁がありましたが、このことについて、特に民間や一般公務員との連動、こういうことを行うということに対してどのように考えていらっしゃるんでしょう。問題だということでお尋ねをいたします。
○倉吉政府参考人 憲法の議論も含めて、民間準拠のあり方ということを広い立場から御質問になっているものだと思います。 裁判官の給与制度のあり方は、その任用制度とも密接な関連を有するものでありまして、裁判官についてはいわゆるキャリアシステムが事実上の原則となっている我が国におきましては、裁判官の給与体系についても、同様にキャリアシステムを採用しております他の国家公務員の給与制度と全く切り離して考えることはできないだろうと思っております。裁判官の給与に関する現在の法律の考え方は、国家公務員全体の給与体系の中でバランスのとれたものにするというものでございまして、合理性のある考え方であろうと思っております。 このような考え方のもとに、現在の裁判官の給与制度は、その給与の仕組みにおきまして、その職務と責任性を相当程度反映し、また、その給与水準において、一般の行政官に対比いたしましてある程度の格差を保つよう、いわゆる対応金額スライド方式というものがとられておりまして、裁判官の報酬月額とそれから特別職及び一般職の俸給表の俸給月額と対応させているわけでございます。これは、一般職の国家公務員の給与に関する人事院勧告の重要性を尊重しつつ、裁判官の職務の特殊性を給与体系に反映させようとするものでございまして、相当の合理性を有する、こう考えております。 従来、この考え方にのっとりまして、一般の政府職員の給与が改定されるのに準じて、裁判官の給与についてもそれとバランスをとっていくという改定作業がなされてきたものでありまして、今回についてもこれは同様であるということで、同様の措置を講じているものでございます。 もちろん、その四・八%という下げがどうか、そういう議論がございますけれども、これも基本的には一般の国家公務員と同じでございまして、もちろんそれが、いわゆる憲法の、前提となっております、相当な報酬額と書いてありますこの相当な報酬額とは言えないということになれば話は別でございますけれども、そこまでは言えないであろうというふうに判断しているわけでございます。
○石関委員 先ほども申し上げました裁判所法の四十八条、ここには「その意思に反して、」という要件がありますが、この引き下げについては、最高裁の裁判官会議で決めたものでありますが、これは「その意思に反して、」ということには触れないんでしょうか。
○山崎最高裁判所長官代理者 裁判所法四十八条のお話でございますが、この規定は、ほかの部分もあわせて読みますと、個別の裁判官について、現在もらっておる報酬を下げるというものを禁ずる、そういう規定だというふうに一般的に解釈されておりまして、今回のように一般の国家公務員の給与が改定される際に裁判官の報酬水準そのものを下げるというようなもの、そういう形態の場合にはこの法律の条文はカバーしていないんだという解釈が一般でございます。それは、むしろ、ダイレクトに憲法上問題があるかないかという議論をして、その結果憲法上問題がなければ、裁判所法四十八条との関係ではこういう形態の給与の改定についてはカバーしていないんだ、そういうことでございます。
○石関委員 今、憲法とダイレクトにということで御説明がありましたが、それでも、四十八条の「その意思に反して、」ということなんですが、この意思というのは、個々の裁判官の意思ということであって全体の司法としての意思ではないのではないかというふうに考えますので、そうすると、最高裁で一律に決めるということが私はできないのではないかというふうに思うんですが、これについてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。
○山崎最高裁判所長官代理者 ちょっと私の説明が不十分でございましたが、個別の裁判官に対する報酬の減額を禁じているという趣旨でございまして、特定のAという裁判官についてだけその人の報酬を下げるということはその意思に反しては行ってはならないというのが、裁判所法四十八条の趣旨だというふうに一般に解されているところでございます。
○石関委員 先ほど全体の公務員との関係、その中の位置づけということを御説明いただきましたが、それでも、裁判官報酬の独自性、特殊性、裁判官の地位、その特殊性を考えると、やはり裁判官には独自の報酬制度が必要ではないかな、私もこのように考えますし、こういった御意見も多数あるようですが、このことについてはいかがでしょうか。
○山崎最高裁判所長官代理者 裁判官の報酬のあり方につきましてはさまざまな意見がございますけれども、先ほど法務省の方から御答弁ございましたように、現在の方式といいますのは、一般の国家公務員との関係でバランスをとりながら決めていく、そういう考え方が法律によってとられているということでございまして、私どもも、その考え方は一つの合理的な考え方であろうと思っております。 そういうことでありますので、独自の報酬体系という考え方、もちろん理屈としてはあり得るわけですが、現在のやり方において、憲法が言っております裁判官に対する相当額の報酬が保障されているのであろうというぐあいに理解しておりますので、私どもは、今の考え方でやっていくのがよろしいのではないかというふうには思っております。 なお、報酬のあり方というのは非常に重要な問題でありますから、これは将来とも十分に意を用いてやっていきたいというふうに思っております。
○石関委員 今、報酬のあり方ということなんですが、平成十三年六月十二日に出されました、政府の司法制度改革審議会の意見書、この中には、「現在の報酬の段階の簡素化を含め、その在り方について検討すべきである。」このように意見が述べられております。 しかし、意見書が出されて、この検討がなされないままに今人事院勧告との連動がなされているんじゃないか、このように思うんですが、これはいかがなんでしょう。この検討というのはどうなっているんでしょう。
○山崎最高裁判所長官代理者 今お話がございました司法制度改革審議会の意見書の中で、裁判官の報酬のあり方、特にその進級制のあり方について検討するという意見があったことは事実でございまして、それを受けまして、私が申し上げるのもなんでございますが、政府の方で、司法制度改革推進本部の方でその点を検討されたというふうに聞いております。 その際の検討ではいろいろな意見がございまして、進級制をもう少し簡素化すべきだという意見ももちろんございましたが、他方で現状の進級制で何も問題はないのではないかという意見もあったやに伺っておりまして、そういうことでございますものですから、特にその進級制の見直しということは、現在まで政府の方でそういうスケジュールを立てておられないというふうに私どもは理解しておるところでございます。
○石関委員 政府の方でそのことが進められていないということなんですが、このことについて政府としてはどのように、今現在どういう状況で、将来的にはこれを検討するということですから検討する方向にあるのか、現在の段階を大臣にお尋ねいたします。
○南野国務大臣 では、ちょっと長くなるようでございますが。 裁判官の報酬につきましては、一般の公務員の給与体系の上にこれと連動した形で報酬額を定めてきたことによって報酬レベルが確保されるとともに、社会的事情に即した報酬体系になってきていると考える。裁判官の報酬体系も、社会的、経済的な諸条件との関連の中で定められるべきものであるという意味では不変というわけにいかないことは認識しているが、裁判官の報酬については、憲法が裁判官の身分保障の一環として特に定めを置いていることや、裁判官の責務の重要性等をも考慮する必要がある。 司法制度改革審議会の議論におきましても、裁判官の量のみならず質についても充実を図ることが当然の前提とされ、今後は弁護士、学者等から多数の有為な人材が任官することが期待されていると同時に、裁判官に期待される職責も極めて高度なものとなっているところである。 それからさらに、裁判官の報酬の進級制、昇給のあり方については、司法制度改革推進本部の法曹制度検討会における議論でも、現在の裁判官の報酬の進級の刻みについて検討の余地があるとする意見があった一方で、現在の裁判官の報酬の進級制に特に問題はないという意見もあったところである。 いずれにしても、裁判官の報酬体系の変更については、裁判官の地位やそれから勤務条件に極めて大きな影響を与えるものであるから、裁判官の職権行使の独立性への影響、その他職務の特徴等を踏まえつつ慎重に検討していく必要があるというふうに考えられているということが述べられております。
○石関委員 述べられているということで今御答弁をいただいたんですが、十三年にこの意見書が出て、検討すべきであるというふうに言っているんですが、そういった検討の場が一体設けられているのか、全くそういう検討がなされていないのか。いろいろな意見はそれぞれ個別にはあるんだと思うんですが、この検討のスケジュールが実際今あるのかとか、こういったことについて大臣は把握されていらっしゃいますか。
○倉吉政府参考人 先ほど大臣の答弁の中にもございましたが、推進本部の方で検討していた段階でも両方の意見があったということで、ただいまのところ、その検討を進めているということはございません。
○石関委員 では、両方意見があったけれども、検討すべきというふうに意見が出ているにもかかわらず、今そのままになっているということでよろしいんでしょうか。
○倉吉政府参考人 ただいまのところ検討する場は設けておりませんで、そのとおりでございます。
○石関委員 それでは、この意見書の検討すべきであるということに対して、対応していないということですね。これは、こういった政府の審議会の意見書ですから、俗な言い方をすればほったらかしにされていて、この検討すべきということに対応していないということだと思いますが、大臣としては、これはどのようにお考えでしょうか。
○南野国務大臣 必要があればそれを早速しなければならないというふうには思っておりますけれども、最高裁判所の判事さんたちのいわゆる給与につきましては、先ほどの最高裁判所裁判官会議の結果に基づいて我々がそれを今調査させていただいているわけでございますので、そのようなことについて御報告したいと思っております。
○石関委員 必要があればということなんですが、「在り方について検討すべき」という表現ですから、これは必要があるということだと思いますので、検討を可及的速やかに進めるお考えがあるのかどうか、もう一度お尋ねいたします。
○南野国務大臣 裁判所の御意向を踏まえながら、検討させていただきたいと思います。
○石関委員 今御答弁のとおり、なるべく早く、速やかに対応すべき問題だと思いますので、その対応方をお願いいたします。 また、経過措置についてお尋ねいたしますが、今回の法案では、裁判官の身分保障にも配慮して、二条で経過措置を定めている。大幅な減額になることを避けているということです。一条で数千円下げている。二条では何万円の単位で下げているんですね。それから、附則一条で、一条の方はすぐ施行となり、二条の方は平成十八年四月の一日から施行するとしつつ、附則二条で、経過措置で減額されないようにしている。 また、ことしは下げながら来年以降は経過措置でことし下がったものより減額しないということですが、こういった扱いは、最後のところ、ことし下げながら来年以降は経過措置でことし下がったものより減額しない、このことは、扱いとして矛盾をしているんじゃないかなというふうに思うんですが、これはどのように整理をされているんでしょうか。
○倉吉政府参考人 これは一般の公務員も全く同じような措置がとられているところでございまして、これから減らしていって地域手当で差がついていく、こういうことになります。この制度を円滑に実施して運用していくために必要な措置である、このように考えております。
○石関委員 今の御答弁ですと、急激に変化をするというのは身分保障の関係で好ましくないから、そういう理由でよろしいんでしょうか。
○倉吉政府参考人 いわゆる激変緩和措置ということでございまして、そのとおりでございます。
○石関委員 激変ということであると、実際その額はどの程度の額を指すのかということが問題になってくると思うんですが、数千円単位の少ない額の減額なら身分保障には反しない、数万円単位になると身分保障上問題があるということなんでしょうか。 そもそも、人事院勧告と連動させようとする、また裁判官の身分保障との両方、この両方を考えようとするから矛盾が生じるんじゃないかなというふうな印象を持ちますが、そもそも人事院勧告との連動をやめるべきであるというふうに先ほどから意見を申し上げていますが、この矛盾、人事院勧告と連動させよう、また裁判官の身分保障との両方、この両方を二つながら何とかやっていこうということでこういう矛盾が生じてしまうんじゃないかなと思うんですが、これについてはどのように御説明いただけますでしょうか。
○倉吉政府参考人 ただいまの御指摘でございますが、今回の改正、十七年度分のを一般的に少し下げるというものがございます。それから二番目に、十八年度以降の給与構造の変更に伴うものがございます。 それで、この法律の第二条以下の経過措置に書いておりますのは、「前条ただし書に規定する規定の施行の日」とございまして、第一条で施行期日を書いておりますが、第一条の本文は、十七年のものでございます。 「ただし、」でこれを外しておりまして、第一条のただし書きで「第二条並びに次条及び附則第三条の規定は、」とありますのは、十八年度からの構造的な変更の分でございます。それを「十八年四月一日から施行する。」と。それが激変緩和措置が必要なので今のような経過措置が必要になるということでございますので、十七年度分の少し下がるというものとは違いますので、その前提でお考えいただきたいと思います。
○石関委員 それでは、裁判官報酬の民間賃金準拠の妥当性、こういったことについて幾つかお尋ねをしたいと思います。 まず、そもそも、裁判官の仕事内容について御説明をいただきたい。一般公務員との違い、人事評価ですね。一般公務員との違いの中で、裁判官の人事評価というのは一体どのようになされているんでしょうか、御教示ください。
○山崎最高裁判所長官代理者 裁判官につきましては、従来は、一般の公務員と違いまして勤務評定という制度がございませんでした。それについて、やはり裁判官も国民の目から見て信頼を増さなければいけない、そういう趣旨で人事評価制度をつくるべきだという議論が出てまいりまして、最高裁判所の方で規則を制定いたしまして、最高裁判所規則でございますが、人事評価制度というものを新たにつくったわけでございます。それが平成十六年でございます。その制度が今運用を開始されて二年たった、そういう状況でございます。 裁判官の場合は、非常に職務の特殊性がございます。その最たるものは、それぞれ各裁判官が独立して職権を行使する、これが裁判官の裁判官たるゆえんだろうと思いますが、そういう状況にあるものですから、人事評価と申しましても、特定の評価期間の実績を、例えば数値化してランクづけするというようなものは裁判官の職務に全く適さないというところがございますので、毎年毎年評価を行うわけですが、評価権者の方で裁判官の勤務ぶり等を見ながら、その特質というものを毎年毎年評価に書きとめておきまして、それを何年か積み重ねていく中で、その裁判官の基本的な資質、能力、あるいは人物、そういったものが浮かび上がってくる、こういう性質のものとして評価制度がつくられたというふうに理解しておるわけでございます。 したがいまして、例えば、単年度の評価に基づいてその次の年の裁判官の報酬の額を決めるとか、そういった形の評価の使い方というのは全くしていないところでございまして、そういう意味では、民間企業でありますとかあるいは一般の公務員でありますとか、そういうものの評価とはかなり趣の違ったものではございます。ただ、そういうことで新しく今人事評価制度を運用しているということでございます。
○石関委員 今、特質というふうにおっしゃった、それを書きとめておいて、数年で一定の判断材料にする、評価の材料にするということですが、特質というのは一体、具体的にはどんなものが入ってくるんでしょうか。
○山崎最高裁判所長官代理者 ちょっとその言葉の使い方は必ずしも適切ではなかったかとも思いますが、それぞれの裁判官の仕事ぶりで、一般的に言えば、裁判官というのは非常に資質の高い人間でございますから、通常の勤務をしていれば特に目立ったようなことはございませんが、例えば非常に勤務の状況がよくない、あるいは実績が上がらない、そういった特徴的な事柄、そういうものが出てくれば、そういうものをきちんと書きとめ、それを、例えば十年ごとの再任がございますが、再任の際にそういう資料を使ってきちんとした再任が行われる、そういうふうに利用するということを考えておるわけでございます。そういう意味で、特質を書きとめるという表現を使わせていただいたわけでございます。
○石関委員 今御答弁を伺うと、そうすると、特にはみ出たり特別なことがない限りは、実質的な評価がなされていない。裁判官の職務の特殊性にもよると思うんですが、よっぽどのことがなければ、評価の対象になるような、勤務の状態とかそういうものが皆さん同じようにというか、はみ出なければわからない、特質も出てこないんだ、こういうことですか。
○山崎最高裁判所長官代理者 人事評価制度をつくる際に、評価の基準を明らかにするというのが一つの眼目になっておりまして、評価のポイントというものを決めております。 それは、事件処理の能力ですとか、あるいは組織を運営する能力。これは、裁判官でありましても一人で仕事をするわけではございませんで、例えば書記官、事務官とチームを組んで仕事をするということもございますので、そういった組織を運営する能力というのも一つの項目として重要だろう。それから、三番目として、そういった事件処理能力、組織運営能力を下で支えるような一般的な人格的な特性といいますか、そういったものも見る必要があるのではないか。 そういったことで、今申し上げました三点ばかりが評価のポイントということで明示されておりますので、その評価のポイントに即して、それぞれの人物の特徴的なことを記述していくという意味でございます。 したがいまして、事件処理能力、非常にすぐれた方とまずまずの方、ちょっと劣っている方といろいろ出てまいりますから、それは、それぞれの裁判官の特徴に応じて評価の形で出てくるということでございます。
○石関委員 今御答弁を伺っていると、やはり特殊だなというふうな印象を強くいたしました。 先ほど、全体の、一般の公務員との関係ということを御説明いただきました。やはり伺えば伺うほど、この人事評価一つとっても裁判官の職務は大変特殊だというふうに思うのです。先ほど、一般の公務員との一定の連動が必要だ、こういうことだったんですが、これは聞けば聞くほど特殊な職務なんですが、それでもやはり、たった今の御答弁を踏まえて、その前におっしゃったように一般的な公務員との中で連動する必要がある、このことを整合的な御説明をお願いできますでしょうか。
○倉吉政府参考人 先ほどの答弁と繰り返しになるかもしれませんが、やはりキャリアシステムをとっているということでございます。そして、他の一般の国家公務員、これもキャリアシステムをとっている。そことの連動というのはこれはあることでございまして、もちろん、一般公務員がどうして賃金が動くかというと、これは民間準拠によって動いているわけです。 したがって、その民間準拠という考え方が、裁判官の仕事の特殊性から照らして余りにもかけ離れているとか、一般的にはかけ離れているということはないと思いますが、具体的にとられる人事院勧告に基づく民間準拠が、裁判官の仕事のあり方からして是認できない、あるいは許容できない、そういうものであれば話は別になるだろうと思います。それと、もちろん、憲法上、相当額の報酬ということが書かれているわけですから、相当額の報酬がちゃんと保持されているかということも一つのメルクマールでございます。 そういったいろいろなところから考えてみましても、今回の人事院勧告に基づく一般の民間準拠の考え方で地域手当の導入ということがあるわけでございますけれども、そういうことを総合的に考えてみても、一般の公務員が民間準拠でそういう給与になっていくという、これはおかしいとは言えないし、裁判官がその仕事の特殊性ということを考慮した上でそれに倣っていくということも、それも合理的ではないというようなことは言えない、こういう判断でございます。
○石関委員 それでは、民間賃金準拠ということでお尋ねをしておりますので、この関係で、そもそも、裁判官の勤務形態というのはどのようになっているのか。時間とか休日、いろいろな方がいらっしゃると思うんですね、裁判があるとか、その勤務時間、休日についてはどのようになっているんでしょうか。
○山崎最高裁判所長官代理者 裁判官は、お話しのとおり非常に特殊な公務員でございまして、基本的に勤務時間という概念がございません。それはどういうことかと申しますと、まさに事件があればそれを処理しなければいけない、そういう職責を担っている者でありますから、事件がある限りは、夜間であれ休日であれ、仕事をしなければいけないということになっております。 例えば、夜間の令状当番を一つとりましても、それは時間外の勤務という位置づけではございませんで、本来裁判官としてやらなければならない仕事をやっている。それから、休日でありますと、多数の裁判官は、休日をつぶして判決の起案に当てたり、あるいは記録を読んだり資料を調査したり、そういうことをやっておりますが、そういったことも、勤務時間外のことではなくて、本来の裁判官の職務として行われているわけでございます。 具体的に、裁判官はさまざまな事件を担当しておりますので、人によってかなりその内容は違っております。民事事件を担当する人、刑事事件を担当する人、あるいは家庭裁判所で仕事をする人。それから、先ほど来出ておりますキャリアシステムというものを前提としますと、非常に若い判事補から大ベテランの高等裁判所の裁判長クラスの裁判官までさまざまでございますので、これはなかなか一概に御説明するのは難しゅうございますが、ただいま申し上げました勤務形態というのは基本的にはどの裁判官も同じでございまして、それぞれ担当職務を一生懸命やっておる、そういうところでございます。
○石関委員 勤務形態をお尋ねいたしましたが、それでは、大都市と地方、これはこの後お伺いする地域手当にも関係をしてくるものですが、大都市と地方での相違というのは一般的にあるんでしょうか。今、個々の方でいろいろ違うということですが、大都市と地方という形で切り分けたとき、これは相違があるのではないかなというふうに考えられるんですが、いかがでしょうか、実態。
○山崎最高裁判所長官代理者 裁判官の仕事という点からいたしますと、大きな裁判所、大都市の裁判所で勤務している場合も、地方の小さい裁判所で勤務している場合も、根本的に考え方は変わらないと思います。 ただ、現象面だけ申し上げますと、大規模な裁判所というのは裁判官がたくさんおりまして、例えば民事事件を専門にやっている裁判官、刑事事件を専門にやっている裁判官、そういう形で、ある種分業と申し上げてよろしいんでしょうか、そういう形をとっていることが非常に多いのに対して、地方の裁判所は全体の事件数が少のうございますから、民事事件も刑事事件も家庭裁判所の事件も同時にやっている、そういう形態が多いということは一般的に申せるかと思います。
○石関委員 大都市と地方での違いを御答弁いただきましたが、それでは、個々の裁判官の方が、例えば希望地の調査みたいなものをして、希望を出してそこに配属になるということになっているんでしょうか。また、そういう希望を出した場合に、どの程度その希望を通すような仕組みになっているのか、お尋ねいたします。
○山崎最高裁判所長官代理者 裁判官を全国津々浦々に配置しなければいけないということでございまして、そのために毎年四月に定期異動のような形で裁判官の異動をやっておるわけなんでございます。その異動の計画を立案する前提として、各裁判官から任地の希望というものを毎年聴取しております。 その希望がどの程度実現できているかという問題でございますが、実は、非常に困った問題がございまして、その希望がどうしても集中いたします。大都市で勤務したいという者が非常に多くなるわけでございまして、そこらの調整が一番難しいところでございます。 そういうことで、地方での勤務を希望する人が少ないものですから、ある程度地方で勤務した場合には、今度は大都市の裁判所へ行っていただく。逆も真でございまして、大都市の裁判所で一定期間勤務した人は、今度は地方で勤務していただく、そういういわばローテーション的な異動というものも一つ考えております。 これは、裁判官につきましては、御存じのとおり、転所の保障というものがございまして、御本人の同意がなければ、意に反して勤務地を変えるということはできないことになっておりますけれども、それぞれの裁判官が全体的な見地からそういうことについて了解をしていただいて、お互いに異動の負担を分担するような形で現在やっているというのが実情でございます。
○石関委員 今、地方と大都市のローテーションは考えられているということでありますが、それでは、それを考えた上で、この裁判官の方にここへ赴任してもらおう、こういう決定の方法というか、どういう理由でこの裁判官の方をここに赴任させるか、配属するかというのは、どういう基準でやられているんですか。 同じ、全国一律の法律ですから、この人はこっちに合っているとか、そういうこともなかなか難しいだろうと思うんですが、今の大都市と地方をローテーションさせる、それ以外に、この方をまず任用されたらここに配属するんだということは、どういった理由でやられているんでしょうか。
○山崎最高裁判所長官代理者 個別の人事の積み重ねということになりまして、なかなか一般的なルールを御説明するのは難しいわけでございますが、一つは、もちろん、先ほど来お話のございました、御本人の希望というものがございます。その希望のもとになります家族状況ですとか御本人の健康状態ですとか、そういうものは最大限配慮しながらやっておりますが、そのほかに、例えば、地方の裁判所でありましても、そこの部総括を務める裁判官が必要だということになりますと、それにふさわしいキャリアを持った方に異動をお願いするということを考えなきゃいけません。 そういった形で、それぞれの欠員が生じたところにだれを充てるかというのは、全体を見て、できるだけバランスのとれたような形で考えていきたいというふうに思っておりまして、それぞれの適材適所あるいは任地の公平といったものを十分念頭に置いて異動計画を立てているということでございます。
○石関委員 先ほどの御答弁で、大都市と地方の相違ということをお尋ねいたしましたら、地方の方が事件数が少ないから少し楽ではないかと。とにかく、事件数は少ない、楽という表現をされていたわけですね。事件数は少ないということをおっしゃっていましたね。 大都市と地方、例えば東京、大阪と、あとは本当の田舎の方というのを比べたときには、単純に考えると事件数が地方の方は少ないんだろうというふうに思いますが、このことはいかがなんでしょうか。それは地域によってもいろいろなんですが、裁判所単位で見たときに。
○山崎最高裁判所長官代理者 ちょっとこれも、先ほどの私の御説明が適切じゃなかったのかもしれませんが、地方では、例えば民事事件だけとりますと少ない。ほかに刑事事件もある、家庭裁判所の事件もあるというようなことで、裁判官一人分の事件ということであれば結構たくさんあるというケースがございまして、それはそれぞれの庁によって違ってまいります。 それから、まさにそれは固定されたものではございませんで、裁判所というのは事件が提起されたらそれを処理するというシステムでございますから、時間の経過とともにそれが変動してくるということも大いにあるわけでございます。 そこで、全国それぞれの裁判官の事務負担ができるだけ均等になるように配置の見直しということをやっておるわけでございまして、そういう形で、どこで勤務しても大体同じぐらいの事務負担になるというのが一つの理想的な形として考えられるわけです。ただ、もちろん現実にはそういうでこぼこというのは若干出てまいりますが、そういった形を目指して裁判官の異動なり配置なりを考えているということでございます。
○石関委員 具体的には、東京、大阪では令状部、保全部、破産部と大変いろいろな部があるということなんですが、地方になると、支部はもとより、本庁においても、一人の裁判官が令状、保全、刑事、いろいろな役割を果たさなきゃいけないということで、単純に事件数で見ると、今それはばらつきがあるということなんですが、こういう事件数だけでははかれない、地方に勤務される方の大変な負担があるのではないかなというふうに思いますが、このことはいかがでしょうか。
○山崎最高裁判所長官代理者 大変個人的な経験をお話しして申しわけございませんが、私も地方の支部で勤務したことがございまして、そのときは、一つの支部ともう一つの支部をかけ持ちで、両方の支部の事件処理をしたことがございます。 おっしゃられるとおり、そういう形態でございますと、どうしても異動のロスとかそういう問題が出てまいりますが、これは、実はちゃんとカウントしておりまして、そういうものも含めた上で、一人分の事件量として適当かどうか、あるいはもう一人配置することが必要かどうかといったことを検討しているわけでございます。
○石関委員 そういう検討をされているということなんですが、それを考えても、先ほど申し上げたように、その中の組織上のいろいろな問題があったりとか足りなかったり、一人がかけ持ちをしなきゃいけないような、地方の負担がかなりあるのではないかなというふうに認識をしているんです。こういう地方と大都市との裁判官の勤務地の中での格差、こういった部分を見ても、大都市と地方で最大で一八%もの所得格差が設けられるということについては随分大きいような気もするんですが、このことの合理性というのを御答弁、御説明をお願いいたします。
○倉吉政府参考人 人事院勧告は、国家公務員の給与水準を民間賃金水準と均衡させるという民間準拠を基本に行っております。最初の話に戻るわけでございますが。 今般の人事院勧告は、全国共通の俸給表を維持しつつ、地域ごとの民間賃金水準の格差を踏まえて、地域の民間賃金水準がより適切に反映されるように、こういう配慮から、俸給水準の引き下げを行い、民間の賃金水準の高い地域には地域手当を支給するという措置を講ずるものでございまして、その考え方は基本的には一定の合理性を有するんだろう、こう考えているわけでございます。 裁判官についても、これは同じことでございまして、全国一律の報酬水準を維持した上で、一般の政府職員と同様に地域手当を支給するものでございまして、給与額全体を見ますならば、従前、これまでやっておりました調整手当よりも差は広がることにはなります。それは御指摘のとおりでありますけれども、全国一律に同様の職務に従事している、さっきからその御指摘があるわけでございますけれども、一律に同様の職務に従事していることと矛盾するとまでは言えないのではないか、このように考えております。
○石関委員 るる御答弁いただきまして、ありがとうございました。 しかし、お尋ねをして御答弁をいただけばいただくほど、やはり裁判官の職務の特殊性というもの、特殊というお言葉を実際御答弁の中でも何度かお使いになられていますが、このことを強く認識せざるを得ないなというふうに改めて感じております。 そういうことですから、ぜひ、単純に公務員や人事院勧告に連動させるということではなしに、私は、裁判官にふさわしい報酬制度、これを早期につくるべきであるという御意見を申し上げて、質問を終わります。 ありがとうございました。
○塩崎委員長 次に、高山智司君。
○高山委員 委員長、質問に入る前に、委員長に当委員会の定足数を確認していただきたいんですけれども、何人なんでしょうか。
○塩崎委員長 定足数は十八人です。
○高山委員 今現在、ここに何人いらっしゃるんでしょうか。
○塩崎委員長 十五。僕を入れて十六。定足数は十八。足りませんね。
○高山委員 与党の方は政府部内でいろいろ調整されて委員会に臨まれるでしょうから、委員会の質疑時間やら何やらを軽視されているのはわかりますけれども、このような定足数がそろわない状態では委員会をとめていただきたいと思います。 質問することはできません。委員会をとめていただきたいと思います、定足数がそろわないので。
○塩崎委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○塩崎委員長 速記を起こしてください。 高山智司君。
○高山委員 民主党の高山智司です。 とにかく、裁判官の給与に関しても、これは非常に大事な話だと思いますので、やはり慎重に審議をしていきたいと思います。 先ほどから同僚議員も多数質問しておりますけれども、裁判官の給与を減額するというのは憲法に抵触するんじゃないかなという疑念をちょっとまだ私は払拭できない部分がありますので、特に退職金の方についても伺いたいんですけれども、退職金の引き下げに関して、これは憲法上疑義は生じないんでしょうか。まず、大臣に、大きいところで伺いたいんです。
○南野国務大臣 法務省は、憲法の解釈の一般につきまして政府を代表して見解を述べる立場にはありませんが、当省なりの考え方ということについて述べさせていただきます。 憲法第七十九条の第六項及び第八十条の第二項で、「報酬は、在任中、これを減額することができない。」と規定されておりますけれども、ここで言う報酬というのは、裁判官の職務に対する反対給付、すなわち、公務員の基本給たる俸給と同じ意味であると理解いたしております。 したがいまして、報酬以外の手当である退職手当につきましては、憲法上の問題は生じないと考えております。
○高山委員 今大臣からの御答弁の中にもありましたように、憲法上、報酬を減額できないということは規定されていますけれども、その趣旨は何ですか。この報酬に関して保障されている趣旨は何なんでしょうか。
○南野国務大臣 今おっしゃっておられる憲法の規定、これは、裁判官の職権行使の独立性を経済的側面から担保するため、相当額の報酬を保障することによって、裁判官が安んじて職務に専念することができるようにすることとともに、裁判官の報酬の減額につきましては、個々の裁判官または司法全体に何らかの圧力をかける意図でなされるおそれがないとは言えないことから、このようなおそれのある報酬の減額を禁止した趣旨の規定であるというふうに解されております。
○高山委員 これは大臣に伺いたいんですけれども、報酬を減らされたって、裁判の内容に関しては私は独立を貫くという裁判官も、これは当然いると思うんですよ。当然いると思うんですよ。だけれども、やはり報酬を減らされると、ちょっと圧力に屈しそうになってしまうという方も多いというふうに思うんですけれども、大臣、その点はどう考えますか。本来守るべきは司法の独立であって、別に報酬そのものはそれほど守るべき価値でもないのかもしれないという意見もありますけれども、大臣はどのようにお考えですか。
○南野国務大臣 今我々が検討させていただいているものは、これは最高裁判所の裁判官会議の結果に基づいて我々検討させていただいているわけで、ただ、しかし、その方だけの給料を下げるというのではなく、社会全体の問題ということにこれは及んでいるわけでございますので。
○高山委員 大臣、今、私は全然違うことを質問したんですけれども。 三権分立の考え方から、本来守られるべきは司法の独立、あるいは裁判そのものに対して侵害を受けないということが大事である。だから、報酬は下げられたといっても、中には当然、やせ我慢で、自分は頑張れるという人もいますよね。だけれども、一応報酬もきちんと確保しておこう、憲法はこういうような趣旨なんでしょうか。大臣はどのようにお考えですか。 要するに、私の質問は、司法の独立ということと報酬を保障するということは一応分けては考えられますよね、大臣はどのようにリンクしているとお考えですか。
○南野国務大臣 先生が御懸念の、司法の独立を侵さないということについての引き下げ、これは憲法上許されるというふうに思っております。
○高山委員 そうしますと、大臣は、司法の独立を侵すか侵さないかということと報酬の規定というのはどういう関連があるというふうにお考えですか。これを先ほどから聞いているんです。 司法の独立を侵さないということが大事なことはわかっています。ただ、その報酬の規定というのはどういう関係にあると思いますか、この二つの規定というのは。大臣のお考えを伺いたいんです。
○南野国務大臣 報酬の規定というのは、それは最高裁判所の中で一応考えられている……(高山委員「憲法上にあるんですよ、憲法上に」と呼ぶ)憲法上にあるものでありますよね。それについて、今市場で、国家公務員、地方公務員あわせましていろいろな形で給料の見直しが国全体で行われているというところとの絡み合わせになってくるんじゃないでしょうか。よろしいですか。
○高山委員 大臣、そうしますと、ほかの公務員とのいろいろな絡み合わせでということになりますと、裁判官だけ、なぜ憲法上報酬を下げてはいけないという規定が特別に置かれているんですか。一般の公務員には、報酬を減じてはいけないという規定はないと思うんですけれども。
○南野国務大臣 先ほども申し上げたというふうに思いますが、裁判官の職権、それの行使の独立性という問題、それから経済の側面からそれを担保するため、相当額の報酬を保障することによって、裁判官が安んじて職務に専念できるようにすることが給与との関係ということになってくると思います。
○高山委員 堂々めぐりになりますので。私も、やはり司法の独立というのは必ず担保されなければいけないし、そのためには、普通の公務員とは違って報酬をしっかり担保しなければいけないということ、これは当然だと思うんです。 これは細かい話なので事務方でも結構ですけれども、今回の裁判官の退職金の改定がありますね。この退職金の改定で、平均的な例でいいので、大体今までは幾らもらっていて、改正によって今度は幾らになるというのを教えてください。平均的な例で結構です。
○山崎最高裁判所長官代理者 最高裁判所の裁判官に対する退職手当、過去五年間の平均支給額をとりますと、約六千二百六十万円でございますが、今回の改正がなされますと、これが約二千三百十万円に引き下げられることになります。
○高山委員 大臣、ちょっと、今聞きましたか。最高裁判所の裁判官の退職金、六千二百万だったのが二千三百万になっちゃう。三分の一。これは随分大幅に下げているという印象を持ちますけれども、大臣、まず、どういう印象を持たれますか。俸給の方は、六%か四%か、そういう話でしたけれども、これは三分の一、大幅な引き下げだというふうにお感じになりませんか。ちょっと大臣の印象を伺いたいんです。
○南野国務大臣 高いか低いかということは、これまた我々がそれを言うことではないというふうに思っておりますが、最高裁判所の裁判官につきましては、広く各方面から識見の高い人材を得る必要がある、これはお認めになると思います。その地位や役割にふさわしい処遇が不可欠でありますので、退職手当につきましても、他の国家公務員とは別に、最高裁判所裁判官退職手当特例法によって決められているところでございます。 今回の法案の提出は、裁判所におかれて検討を進められた結果を我々は受けて改正を行おうとするものであり、そちらの方でちゃんと検討されたものであるというふうに認識いたしております。
○高山委員 大臣、最高裁判所の判事の退職金が高くてけしからぬという話じゃないですよ。今の六千二百万というのが一気に二千三百万に引き下げられる、これは大幅な引き下げだというふうに大臣は思いませんか。これは大幅な引き下げなんだ、ちょっとした、小幅の、四%ずつ下げているという話じゃないですよね。それをちょっと、まず大臣の印象を伺いたいんです。
○南野国務大臣 幅が大きいか少ないかということは、これは私個人が申し上げる問題ではないというふうに思っております。
○高山委員 そうしましたら、最高裁の方に伺いたいんですけれども、これだけの大幅な引き下げ、これは裁判官会議の方でどういう議論があったのか、ちょっと伺いたいんです。
○山崎最高裁判所長官代理者 先ほど法務大臣の方から御答弁がありましたが、最高裁判所裁判官の退職手当の特例そのものというのは、最高裁判所裁判官の職責の重大性ですとか、あるいは人材確保の必要性ですとか、そういったことで立法化されたものと承知しております。 ただ、退職手当をめぐるこの間の社会状況の変化ですとか現下の国の財政事情等を踏まえて考えた場合に、これを見直すということは必要ではないか、そういう議論がなされまして、その点については、特に異論があったわけではございません。
○高山委員 いや、これは、報酬を人事院勧告に従って数%下げるというのと質的に異なると思うんですよ、この退職金に関して、随分大幅な減額ですから。人事院勧告を受けて世間並みに数%下げましたというのと違って、これは三分の一に下げているわけですからね。 この点に関しては、裁判官会議の中でも特に疑義はなかったですか。もう一回、確認なんですけれども。
○山崎最高裁判所長官代理者 先ほど申し上げました退職手当の支給率、現在百分の六百五十という形になっておるのをどの程度に見直すのか。これは、恐らく裁判官方におかれてもいろいろなお考えがあったかもしれませんが、裁判官会議という席で御議論いただいたときには、これはちょっと事柄の性質上非公開でございますので、細かい議論のやりとりは御紹介するわけにいかないわけでございますが、百分の二百四十に下げるというその結論について特に異論はなかった、そういうことでございます。
○高山委員 退職金のことはまだ続けて聞くんですけれども、ちょっと私、この法務省の方からいただきましたこれですけれども、資料というか国会提出の法律案ですね。法律案の最後にいろいろ、俸給表というんですか、こちらが出ているんですけれども、ちょっとややこしいので、この見方もぜひ教えていただきたいんです。 これは、例えばですけれども、一番下のクラスの補十二と書いてあるところ、報酬・俸給が二十三万円と書いてあって、年額が五百六十九万とかなっていますけれども、要するにこの人たちは一カ月幾らもらえるというふうにこの表を読めばいいんでしょうか。 これで見ますと、報酬のところは二十三万となっていますけれども、何かいろいろな手当がついてきて、月額合計は四十七万幾らというふうになっていますよね、この表。(発言する者あり)これは九ページとなっていますね、十七年改正。法務省が出している資料ですからね。法務省が出している資料の中で、そのように表はなっています。 つまり、裁判官の月給はこの二十三万という方なんですか、それとも四十七万幾らという方なんですか。これは一体どっちなんですか。これは事務的なことなのでもちろん事務方でも結構ですけれども、ちょっとこの表の見方を教えていただきたい。
○倉吉政府参考人 二十三万と申しますのは、判事補十二号、検事二十号のところでございますね。 本来の報酬・俸給が二十三万千三百円でございます。これに扶養手当一万九千円、調整手当三万三十六円、それから初任給調整手当八万七千八百円というのが加わりまして、月額が三十六万八千百三十六円になる。これに特別手当が加わりまして十万入りまして、月額合計が四十七万四千三百二十五円となる。これを年額にいたしますと五百六十九万千九百円になる。こういうものだろうと思います。
○高山委員 大臣、これは法務省から出された資料なので、今、見方の説明もしていただきましたけれども、大体、これを大臣も今ごらんになって、見方はわかったと思うんです。 そうしますと、さっき裁判官の退職金のところで、報酬はいいんだけれども手当は入らないというような話がありましたね。さっき御自身でおっしゃいましたよね。報酬は減額することはできないけれども、手当というのは憲法上保障されている報酬のうちには入らないというような御説明がありましたね。 これでいうと、では、保障されているのは二十三万円の方ですか、それとも四十七万円の方なんですか。これは大臣に伺いたいんです。 人数は戻ってきましたけれども、ちょっと時間をとめてください。これは法務省の出している資料ですから。
○南野国務大臣 これでいいますところの二十三万一千三百円というところでございます。
○高山委員 大臣、そうしますと、例えば特別手当だとかあるいは諸手当の初任給調整手当とか、結構いろいろありますよね。これは減額しても構わないんですか、憲法上は。
○南野国務大臣 減額していいとか悪いとかというのじゃなく、いわゆる報酬上の項目ではないということです。
○高山委員 それでは確認ですけれども、こちらの諸手当、いわゆる初任給調整手当だとか特別手当、こういう手当を減額しても憲法八十条で保障されている報酬を減額したことにはならない、こういうことですか。
○南野国務大臣 報酬以外の手当である退職金等々につきましては、憲法上の問題は生じないということです。
○高山委員 退職金の話は伺いましたけれども、こちらの普通の俸給の方の手当も当然憲法上の問題ではないということですか。これはちょっと確認したいんですけれども。副大臣でも結構です。
○富田副大臣 ちょっと前提をはっきりさせておきたいんですが、憲法の条文の解釈権は法務省にありませんので、それを前提としての今までの大臣の答えです。(発言する者あり)いや、憲法上の条文の解釈権は法務省にないと申し上げている。(発言する者あり)条文の解釈じゃないじゃないですか。先生のあれに答弁する必要はないんですけれども。それを前提として、先ほど来先生がおっしゃっている報酬には手当は当たらないんだなというのは、そのとおりです。
○高山委員 大臣、そうしますと、これは司法権の独立という観点から私はかなり問題だと思うので問題提起させていただきますけれども、先ほど、退職金が三分の一になっても司法権の独立はそんなに侵されないんだというような話でしたよね。だけれども、では、やる気になれば、憲法上の規定にかかわらず、手当の方は減額できますね。 そうなってくると、本給は保障しているからいいだろう、そのかわりおまえの給料は半額だということが可能になってきちゃうんじゃないですか。
○南野国務大臣 憲法の規定の趣旨は、立法権の独立あるいは裁判官の独立を給与面から保障したものであるから、手当で……(高山委員「大丈夫、大臣、ちゃんと読んでいますよ」と呼ぶ)裁判官に対する不合理な干渉と見られるような措置がなされたりするのであれば、裁判官の裁判活動に影響を及ぼすようなものとして、憲法の精神に反すると解すべきである。 今回の措置が、諸般の情勢を踏まえて行われた人事院勧告に基づいて、一般の国家公務員と同様の措置を講ずるのであることなどにかんがみますと、これが上記のように裁判官の裁判活動に影響を及ぼすような措置とまでは言えないと理解されるので、憲法の精神に反するような減額とは言えないと解されるということでございます。
○高山委員 大臣、それは俸給を〇・三%だけ下げるとかそういう話だからなので、私が今お話ししていますのは、先ほどから大臣、副大臣が御答弁されていますように、減額を禁じられているこの報酬の中には諸手当は入らないんだ、今までずっとそういう解釈で来たわけですよね。 そうすると、普通、裁判官になったら四十七万円が自分の給料だと思うと思うんですよ。ところが、保障されているのが二十三万円までだとすると、ここの間の二十何万円は減額される可能性があるということですね、憲法上の保障がないので。これはちょっと確認させてください。
○倉吉政府参考人 少なくとも、憲法で規定する報酬という言葉には入りませんので、そこを減額しても憲法上の問題は基本的には起こらない、こういうふうに考えております。
○高山委員 大臣、今伺ったと思うんですけれども、報酬にこの手当は入らないんだと。だから、こちらを減額しても憲法上の問題は生じないんだという解釈です。 ちょっとこれはそもそも論になりますけれども、本来、司法権の独立を確保するのは、先ほども、心安らかに裁判官が仕事できるように。給料を半分にされたら心安らかになるでしょうか。大臣の場合、どうでしょう。ちょっと伺いたいんです。
○南野国務大臣 せっかくの先生の御質問でございますが、私、法務大臣として答える中身ではございませんので、御了解ください。
○高山委員 そうしたら一つ伺いたいんですけれども、私が言いたいのは、そもそも、やはり憲法上の報酬の中にはこの手当も含めるべきなんじゃないんですか。そうしないとこれは実態と合わないと思いますよ。本来保障されているのが月額の基本給だけなんだ、手当は入りませんと言っているからこういうことになるんじゃないんですか。そこの解釈はちょっと不合理だなというふうには思いませんか。
○倉吉政府参考人 ただいまの点でございますが、憲法上保障されているのは明らかに基本給としての報酬でございます。そのほかにいろいろなことで、例えば単身赴任をすれば単身赴任手当があるし、扶養手当等々もございます。先ほどの表で、委員から御指摘のとおり、それも相当の額に上るわけでございますけれども、しかしながら、基本的に憲法上保障されているのは基本給である報酬である。 そのことが、特に裁判官については、職権行使の独立性、司法権の独立ということを考慮して、報酬は減額できないという規定をわざわざ憲法に裁判官についてだけ設けているわけでございます。それが基本給である報酬の限度であるというのは、それほど不合理なことではないというよりも、むしろ合理的なことであろうと考えております。
○高山委員 そうしますと、今の報酬の話はちょっと一段落しまして、私、もう一つ伺いたいのは、今回の人事院勧告に準ずる形で報酬を少し減ずるというような話がありましたけれども、本来の今回の人事院勧告の趣旨の方、一般の公務員の方についてもちょっと伺いたいんです。 今回、この微調整に限らず、微調整だけではなくて、今後、公務員改革、来年もやっていこうということでしょうけれども、どういった報酬体系にしていくおつもりなんでしょうか。これは一般の公務員の方ですね。
○倉吉政府参考人 十八年度の給与構造の改革に伴うものの御質問だと思います。 基本的には、十八年度、地域との格差をなくすために四・八%引き下げて、それを原資にして地域手当にしていくということであります。そこの基本は裁判官も同様にこのたび採用した。 ただ、今回の人事院勧告ではいろいろなことが言われておりまして、例えば、号俸を四分割してきめの細かい成績評価をしていこう、こういったものがございます。こういうものについては、現在の裁判所の裁判官の給与のあり方等と照らしまして基本的にそぐわないところがあるので、そういうものは採用しない、そういった違いはございます。
○高山委員 では、今度は裁判所の方にも伺いたいんですけれども、今まで何回か、人事院勧告を受けて、公務員全体の改革の中でということで人事院勧告に準ずる形でやってきたと思うんですけれども、今後の裁判所の人事制度をどのように考えているのか。 まず、私が伺いたいのは、先ほどから聞いておりますと、随分裁判官の仕事は非常に特殊だ、その評価の仕方も一般の民間とはまた違うんだというようなお話もありましたけれども、ちょっと余りにも、キャリアシステムといいますか、純粋培養過ぎやしないかというふうに私は思っております。 まず、全体の中での現状把握のために、今、裁判官の中途採用ですとか、こういうのはどのぐらい行っているのか人数を、全体の裁判官が何人で中途はどのぐらいだということをちょっと教えていただけますか。
○山崎最高裁判所長官代理者 裁判官の任命資格というのは裁判所法で決まっておりまして、そういう任命資格を持っている人であれば任命される資格が当然あるということになります。その典型的なものというのが弁護士でございまして、弁護士の経験に応じて、判事補あるいは判事としての任命資格を持っているわけでございます。 私どもとしては、できるだけそういった弁護士からの任官をしていただきたいというふうなスタンスを持っているわけで、それを推進していきたいというふうに考えているところでございますが、これまでのところ、実はそれほど実績が上がっているわけではございません。 昭和六十三年から判事採用選考要領というものをつくりまして、日本弁護士連合会とも相談しながら進めてまいったわけでございますけれども、その昭和六十三年三月につくった要領に基づきまして弁護士任官された方は、判事で八名という実績でございます。 そこで、その後、平成三年十月に選考要領を変えたりいたしまして、もう少し柔軟に任用できないかということで、その結果といたしまして、判事三十九名、判事補十名の任官がございました。 さらに、平成十三年十二月、もう一段、弁護士任官をよりしやすくする環境を整えるということで選考要領の見直しを行った結果、判事十五名、判事補六名の任官がございました。 したがいまして、現在まで、これは十月一日現在ということでお許しいただきたいんですが、判事六十二名、判事補十六名、合計七十八名の弁護士任官がございました。
○高山委員 たしか二千人近く裁判官の方はいらっしゃると思うんですけれども、その中で六十二人と十六人ということですか。これはすごく少ない印象を受けますけれども、何でこんなに少ないのか、その原因を裁判所の方はどう考えていますか。
○山崎最高裁判所長官代理者 先ほど申し上げましたとおり、私どもとしては適任の方はもっとたくさん任官してほしいと思っておるんですが、どうもいろいろなところに隘路があるようでございます。 まず、弁護士として成功し、依頼者の関係も安定している弁護士が、相当の年齢になってから新しい仕事に飛び込むというのは、一般的に申し上げて、これはかなりの決断を要することだろうと思うわけでございます。 現に弁護士任官された方の声を伺いますと、例えば、弁護士業務を行っておって弁護士事務所で自分が受けている事件がございますが、そういう事件をどうすればいいのかとか、それから顧問先といったものもございまして、そういうものをどういうふうに整理していったらいいんだろうか、あるいは事務員さんを雇っておられますので、そういう事務員さんをどうすればいいんだろうか、そういった事務所の閉鎖に伴う問題、これがなかなか解決が難しい、大変だったというような声を聞いておりますので、これが大きな障害になっているのではないかと一つ思います。 それから、職務の内容ということで考えますと、同じ法律家といいましても、やはり裁判官と弁護士、それぞれ職務に求められている役割あるいは職務内容、当然違いがあるわけでございまして、弁護士経験があればだれでもすぐ立派に裁判官の仕事をやっていただけるかというと、必ずしもそういうわけではございません。 弁護士としては非常に立派に実績を上げてこられた方でありましても、実際裁判官においでいただくと、やはりそこの裁判官としての職務に習熟するには相当の時間がかかる、これは人によってもちろん違うわけですが、そういう問題があります。 任官された方の声、これも聞いてみますと、例えば、今までは弁護士としては一方の当事者の主張を裁判所に述べていればよかったのが、今度は両当事者の声を、主張を聞きながら最終的な決断を下すということはまた違った仕事になる。それから、自分の判断を説得力のある形で判決というものにあらわさなければいけない、こういうのもなかなか大変だということで非常に苦労されておるという状況がございます。そういったものが弁護士方に逆に伝わっていくということになりますと、それはまた少しシュリンクさせるような要素にはなっているのではないかというふうにも思っているところでございます。 こういったところが隘路といえば隘路かなと思います。
○高山委員 裁判官、いきなり判事ということじゃなくて、例えば判事補に若い方というのは全然希望されないんでしょうか。
○山崎最高裁判所長官代理者 もちろん何名かの方は希望されておりますが、先ほど実績を申し上げたとおりでございまして、そんなにはたくさんおいでにはならないということでございます。
○高山委員 特に若い人が、例えば少し弁護士をやってみたけれども、やはり裁判官もというような道はないんですか、これは随分人数が少ないですけれども。どうしてこれだけ人数が少ないというふうに原因を考えていますか。また、もし対策を考えているのなら、その対策もちょっと伺いたいんです。
○山崎最高裁判所長官代理者 私どもが申し上げているとおり、適任者が応募していただければできるだけ採用したいということを考えておるわけでございまして、結局は応募される方が少ない、その理由としては先ほど申し上げたようなことがあると思います。 そこで、私たちとしては、日本弁護士連合会とも相談しながら、できるだけそこを推進するようなことをやっていけないかということをやっております。 例えば、先ほど弁護士事務所の閉鎖のことを申し上げましたが、その点で言いますと、できるだけ共同事務所のような形を進めていただくとか、また逆に、裁判官を終わって今度また弁護士に戻ったときにうまく受け皿をつくっていただくとか、そういったことをすれば少しは任官しやすくなるのではないかというようなことも考えているんです。しかし、これは専ら弁護士会の方にお願いしなきゃいけないという問題になります。 裁判所の守備範囲で申しますと、先ほど申し上げました選考要領を何度か見直して任官しやすいような形に持ってきているというのが一つでございますが、それ以外に、任官しやすい環境を整えるという趣旨で、例えば任官者に対する研修を行うですとか、あるいは配置についても工夫をしてまいったところでございます。 これはいきなり一人で多数の事件をやってくださいといっても難しいので、例えば高等裁判所の陪席裁判官として最初仕事していただくということになりますと、第一審の判決をたくさん見ることができてそれが一つの勉強になりますし、それにも増して、合議体の中で議論をするということで裁判官の職務を理解していただける、こういうこともございますものですから、そういうことに配慮してみたり、あるいは地方裁判所ですと、いきなり訴訟事件をやるのではなくて、例えば民事保全事件というような事件がございますので、そういうところを最初に担当していただいて足ならしをしていただく、こういった形で、少しでも任官しやすいような環境を整えたいということでやっております。
○高山委員 裁判所の方でも大変な御努力をされていると思うんです。 これは素朴に聞きたいんですけれども、先ほどから裁判官の報酬を下げるという話ばかりしていますけれども、いや、これは、いい人を採るためには報酬を上げたらいいじゃないか、こういう議論は裁判所の中ではなかったんでしょうか。
○山崎最高裁判所長官代理者 先ほど来申し上げております弁護士任官が進まない理由というのは、やはり弁護士事務所の整理の問題とか職務が変わるとか、そういうところが専らでございます。 任官された方の声も聞きますと、確かに収入は下がる、しかしそれは余り問題ではないというふうに一様に言っておられますので、むしろ大事なところは、先ほど申し上げたようなところをできるだけバリアを下げるような工夫をすることが肝要ではないかと思っております。
○高山委員 そうしますと、では、裁判所の中では、あるいは裁判官会議ですか、その中で、もっと人をふやすためにもうちょっと報酬を上げたらいいじゃないかとか、あるいはこういう議論は全然なかったということでしょうか。これはちょっと確認なんですけれども。
○山崎最高裁判所長官代理者 裁判官の待遇をどのようにするかというのは、大きな意味で言いますと人材確保に影響が全くないとはもちろん言えないわけでございますが、少なくとも今回の改定につきましては、その人材確保に重大な支障を及ぼすようなものではないということで、特にその点について強い疑念が生ずるとか異論が出るとか、そういうことはございませんでした。
○高山委員 いや、今回じゃなくて、これからどんどん民間からといいますか弁護士任用をふやしていこうという中で、やはりこれは報酬を見直した方がいいのではないかという意見は今まで出ませんでしたか。
○山崎最高裁判所長官代理者 先ほどお答え申し上げましたけれども、裁判官の待遇を高い水準に保つこと自体は、その職責に照らして、国民の皆さん方の理解を得られるところでできるだけ維持していきたいという考え方はもちろんございまして、そういうことをベースに裁判官会議でもいろいろ意見の交換がございましたけれども、最終的に、先ほど申し上げました、今回のことについては特段の心配はない、そういうことになったわけでございます。
○高山委員 私は、今回のことではなくて、今までにそういう報酬を上げた方がいいんじゃないのかという議論が出たかという話なんですけれども、それはお答えにくいようなので、それは今回、今はもうこれで結構です。 それで、あと一つ、ちょっと法科大学院のことについて、これは法務省に伺いたいんですけれども、法科大学院ができるときに、今の司法試験というのはなかなか受からない、何年も浪人してよくない、そういうこともこれありで、しかも一発勝負の試験だ、だから法科大学院をつくって、それで、その法科大学院の卒業生は八、九割は司法試験に合格できるようにしようじゃないかという話だったというふうに私は思っているんですよ。 ところが、最近、聞くところによりますと、法科大学院を卒業しても二割、三割しか司法試験に受からないかもしれないというような話も出ているということなんですけれども、ちょっと今、この現状を、法科大学院の学生の数から司法試験の合格人数を見れば大体わかると思うんですけれども、現状は一体どういうふうになっているんでしょうか。
○倉吉政府参考人 まず、前提としての議論でございます。現行の司法試験が御指摘のとおり数%しか受からない、そのために、受験勉強に追われる、学生が予備校に行く、そういったいろいろな弊害があるということが指摘されました。 一方で、司法制度改革審議会で言われましたのは、司法をもっと国民に身近にしなければいけない、そのためには法曹人口を大幅にふやさなければいけない、社会も変わってくる、その変革する社会の需要にも応じ切れないだろう、法曹人口を大幅にふやす必要があるということが言われました。そして、それを担保するものとして、法科大学院を中核とし、そこでの教育と、それから司法試験、司法修習を連携させたプロセスとしての法曹養成が必要だ、こういうことになったわけでございます。 今までの現行司法試験が一点突破、さっき委員が御指摘されたとおりですが、一点だけで採用するという制度であったとするならば、それをプロセスとしてとろう、それで法科大学院が中核だ、こういうことになりました。その線に沿って、法科大学院が平成十六年の四月に開校いたしまして、今、新しい法曹養成制度が動き出しているわけでございます。 そこで、今委員の御指摘になりました、九割という言葉がありましたが、実は、司法制度改革審議会の意見に七、八割という言葉が出ております。ここをちょっと読ませていただきます。 「法曹となるべき資質・意欲を持つ者が入学し、厳格な成績評価及び修了認定が行われることを不可欠の前提とした上で、法科大学院では、その課程を修了した者のうち相当程度(例えば約七〜八割)の者が」「新司法試験に合格できるよう、充実した教育を行うべきである。」 この文書は、日本語で読んでいただければそのとおりでございまして、法科大学院における教育内容、教育方法を論じたものです。厳格な成績評価と修了認定をして、その上で、それをくぐり抜けた人の七、八割が新司法試験に合格するような、そういう充実した教育をしてくれ、こういうことを言っているわけでございまして、必ずしも、新司法試験において法科大学院の修了者の七、八割が必ず合格するんだ、そういうことを保証するんだ、そういうことを申し上げたわけではございません。 この点につきましては、法務省としましても従前からそのような説明をしてきたところでございまして、例えば、平成十四年十一月の衆議院法務委員会、文部科学委員会の連合審査会におきまして、当時の森山法務大臣が同じような答弁をしております。 ただ、委員の御指摘は、これからどうなるんだというお話だろうと思います。法科大学院、合計で七十四開校いたしました。今、全部の在校生といいますか勉強している生徒たちが、大ざっぱで六千名ほどおります。来年の三月に二年コースの最初の卒業生が出ます。これが二千ちょっとだったと思いますが、その関係で、司法試験委員会が目安として出しました、あれはあくまでも概括的な数値として出したわけですが、来年度は九百から千百という数字を出しております。それでいきますと、来年、二千人が仮に全部厳格な成績評価と修了認定をくぐり抜けて出てくれば、そんなことは私はあり得ないと思っておりますけれども、そういうことがあるとすれば、来年はその五、六割ということになるのかなと思います。 ただ、どれだけの成績評価、修了認定が行われるのか、これは法科大学院みずからも評価されることでありまして、今後の様子を見てみないとわからないということでございます。 〔委員長退席、吉野委員長代理着席〕
○高山委員 ちょっと時間ももうなくなってきたのであれですけれども、これはけちをつけるということではなくて、私も、実は働きながら司法試験を受けて、結局受からなくて断念した方なんですけれども、司法試験のいいところは、一発勝負だから働きながらも受けられた部分もあるんですよ。 ところが、こうやって三年なり大学院に行ってくださいというと、かなり決断しないと行けない。さらに、半分ぐらいしか受からぬよということになってくると、今度は逆に、ではやはり法科大学院に行くのをやめようという方が出てきちゃうと、法曹人口をふやすという趣旨にも反することになりますから。 ちょっとこれは私から提案といいますかお願いなんですけれども、法科大学院を卒業された方、例えば今の国家公務員試験であるとかあるいは行政書士の試験であるとか、いろいろな法律職の試験があると思うんですけれども、これは現行では何も優遇されないわけですよね。例えば、大学を出ていれば、文学部であっても司法試験の一次試験は免除されるとかいうふうになっているわけでしょう。それと同じように、法科大学院に行った、あるいは大学院を卒業すると修士か博士になるわけですよね、この資格を何らかの形で評価するようにできないかなというのを大臣にお願いして、私の質問を終わりたいと思います。 答弁は結構です。ありがとうございました。
○吉野委員長代理 次に、保坂展人君。
○保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。 まず、裁判所の方に一言率直に伺いたいのですが、先ほどからのやりとりにもあるように、六千万台の退職金を約三分の一に減額する、これは不都合が生まれないんだということで裁判所内ではお話があるというふうに理解をしましたけれども、そうすると、これまで払い過ぎていたのか、それともこれから我慢してもらうのか、どっちなんでしょうか。
○山崎最高裁判所長官代理者 先ほど来お話が出ておりますとおり、最高裁判所の裁判官は、広く各方面から人材を集めなければいけないということで、その地位、役割にふさわしい処遇の必要がある、それを退職手当についても特例的なものとして最高裁判所裁判官退職手当特例法が定められているというふうに承知しております。 それが制定されたのが昭和四十一年でございまして、それから相当の年数がたっておりまして、社会全般の状況も変化しておりますので、そういったことも踏まえた上で、今回、一般の国家公務員の退職手当法、大きな見直しがある機会に見直してみようということで、最高裁判所の裁判官会議で議論していただいて結論を出していただいたということでございますので、そういう経過を踏まえますと、その特例的な措置自体は決して間違ったものではなかろうというふうに思っております。現時点において適正な支給率に、そこを見直す、そういうことで御理解いただきたいと思います。
○保坂(展)委員 私は、ちょっと極端な減じ方ではないかと危惧を覚えますね。 続けて、それじゃ裁判官、検察官の給与の水準が果たして適正かどうかということをこの委員会でも何度か議論させていただいているんですが、例えば役所のトップである、各省庁では事務次官ですね、事務次官と同額以上の給与をもらっている検事の方、裁判官の方。ちょうど二〇〇一年の段階では、検事が六十四人、判事が二百五十一人で、計三百十五人。そして、二〇〇三年には六十七人、二百六十二人の三百二十九人。現在はどのぐらいでしょうか。
○小津政府参考人 まず、各省の事務次官と同額あるいはそれ以上の給与を受けている検察官でございますが、平成十七年七月一日現在で、検事総長等の認証官を含めまして六十七人でございます。
○山崎最高裁判所長官代理者 裁判官についてお答えいたしますが、平成十七年七月一日現在で二百四十三人でございます。
○保坂(展)委員 それでは、検察官について伺いますが、事務次官と同等以上の方たち、それぞれ年収と退職金はどのぐらいなんでしょうか。
○小津政府参考人 俸給と期末手当等を含めました年額でございます。現行法で、検事総長が二千七百二十九万円余り、約でよろしゅうございましょうか。(保坂(展)委員「はい」と呼ぶ)東京の検事長が二千四百二十万円余り、次長検事と検事長が二千二百二十九万円余り、検事一号の者が二千百八十三万円余りでございます。 それから、退職手当につきましては、現行法で、勤続三十五年以上ということで計算させていただきますと、検事総長が九千六百三十八万九千二百八十円というようになります。東京高検の検事長が八千五百四十八万円余り、次長検事、検事長が七千八百七十二万円余り、検事一号が七千七百十二万円余りでございます。 〔吉野委員長代理退席、委員長着席〕
○保坂(展)委員 二年前にやはり官房長に伺ったときには、検事総長の退職手当、退職金は一億ちょっとでしたね。幾らかは減らされているけれども、これについては大幅な見直しというのは行われないのでしょうか。とりわけ、事務次官以上の給料をもらっている、これらの水準というのが、では、裁判所の中で起きた議論と比較をしてみると、もう少しメスが入ってもいいんじゃないかと思いますが、その点はいかがですか。
○小津政府参考人 お答えいたします。 今御指摘がございました官職も含めまして、検察官の退職手当につきましては、国家公務員退職手当法に定める計算方法によって算出されておりますので、平成十五年に行われました国家公務員退職手当法の改正や、平成十四年及び十五年の俸給の減額改定の影響により、支給額は減少しているわけでございます。 いずれにしましても、三十五年以上勤続したということを前提にした試算でございますので、あるいは最高裁判所の場合と少し違う面があるのかなというふうに考えております。
○保坂(展)委員 この点は引き続き議論したいと思うんですが、例えば、法務省には、検察からあるいは裁判所から出向してこられている方たちがたくさんいらっしゃると思います。現状はどのぐらいの方たちがいるのか、あるいは他省庁及び国会に、これは検察官に限っていいですけれども、どのぐらい出向されているのか、それについてお答えください。
○小津政府参考人 お答えいたします。 まず、検事から法務省以外の行政機関に検事の身分を保有したまま出向して勤務している者は、平成十七年十月一日現在で三十二人でございます。検事の身分を有したまま国会職員となっている者はございませんけれども、衆議院法制局に出向しております職員のうち一名は、出向直前まで検事の身分を有しておりました。それから、いわゆる充職検事として検事の身分を有したまま法務省に勤務している検事は、同じ時点で六十九人でございます。
○保坂(展)委員 その方たちの給与の水準についても議論したいところなんですが、時間がありませんので進めたいと思います。 ちょっと法務大臣に伺いたいのですが、検察官適格審査会というのがありますね。検察審査会とよく名前が似ているんですが、明らかな違いというのはどういう点にあるのでしょうか。大臣に。
○小津政府参考人 恐れ入ります。まず事務的に御説明させていただきます。 検察審査会は、検察官が行いました判断、不起訴の判断について、それが一般国民の皆様方の目から見て相当であるかどうかということを判断する機関でございます。 検察官適格審査会と申しますのは、検察官の心身の故障、職務の非能率等を理由として、一般の公務員で申しますと分限の処分でやめさせる場合に、通常の国家公務員と違いまして、その組織の判断を経た上で任命権者が判断をする、こういう仕組みでございます。
○保坂(展)委員 ですから、これは検察審査会と検察官適格審査会の違いというのをほとんどの人が余り認識をされていない、検察審査会ほど検察官適格審査会は知られていないということがあると思います。 知られていない割には大きな権能を持っていて、検察官を罷免することができる。平成四年に、副検事が行方不明でどうも出てこないということで一件だけ処理されたというふうに聞いていますが、その予算は幾らでしょうかという話をおととしお聞きしたところ、十五万八千円である、いかにも少ないというふうに議論しましたが、最近はどうですか。
○小津政府参考人 その予算についてでございますけれども、前提として、この検察官適格審査会を含めた審議会等につきましては、法務本省の委員手当というもの、それから、委員が出張して職務を行う場合に使っていただく委員等旅費というのがあるわけでございまして、その中で、検察官適格審査会でその一部を使っていただいているというところでございます。 かつてこの委員会で御説明させていただきましたのは、予算の積算に当たりまして、検察官適格審査会の委員手当と委員等旅費というものを幾らと積算しているかという意味におきまして、十五万八千円という御説明をさせていただきました。 もちろん、庶務は官房人事課が担当しておりますし、そのほかのいろいろなことは法務省本省の全体の予算の中から執行しているという点だけはぜひ御理解いただきたいと思っております。
○保坂(展)委員 答弁では、平成十五年度のこの予算は十五万八千円だというふうにされているんですね。最近はどうなのか、いわゆるそういう予算の費目はないんだということなんですが、では、実態として使ったのは幾らなんですか。
○小津政府参考人 ただいま申し上げましたように、検察官適格審査会の委員手当及び委員等旅費として積算して予算をつけていただいていたものが、当時十五万八千円でございましたが、今年度は十五万七千円になっております。それは、全体としての審議会等の手当の見直し等によってそうなっているということでございます。基本的には変わっていないわけでございます。
○保坂(展)委員 ちょっと法務大臣に伺います。 いかがですか、こちらを見ていただいて、これは法務省の「あかれんが」というものですね。検察官適格審査会とはこういう組織ですよというふうに国民に周知しているわけですね。大変重い権限を持っておられる。検察官を罷免することも場合によってはできるわけです。しかし、国民が知らなければ意味がないわけです。 いかがですか、今の周知の状況、まだまだだと思いますが、もっときちっと国民に広報して、直接知らしめるということをするべきだと思いますが、いかがですか。端的にお願いします。
○南野国務大臣 先生おっしゃるとおり、やはり知らない国民は多いと思いますので、広報活動なり適正にやっていかなければならないと思っております。
○保坂(展)委員 死刑の判決を受けて再審事件ということで戦後初めて無罪になった免田栄さんから、私は何度もお手紙をいただいていまして、二つ聞かれているんですね。時間がちょっと詰まっていますので、二つまとめて刑事局の方からお答えをいただけないかと思います。 一つは、再審無罪が確定して、刑事補償をいただいて、自由の身になったわけですけれども、再審無罪の判決はあるけれども、最後の死刑確定判決というのはどこかで打ち消されたんだろうかと、御本人にしてみれば、その打ち消されたという、どの時点でこれを消されたのかというのがわからない、残っているのではないか、これを疑問に思っていらっしゃるんですね。 もう一点は、国民皆年金制度ができたときに獄中にあった。獄中にあったんですが、死刑囚だった。ですから、常識的に考えて、死刑台への順番を待つ位置にいた免田さんに、例えば免除申請ができますよなどという説明をしたとは到底思えないわけです。そういった制度の空白の中で、現状では無年金者、もう八十歳になっているんですが、何らかの救済方法はないのかという議論を何度かしましたが、その二点について伺います。
○大林政府参考人 まず、再審無罪判決が確定した場合について申し上げますが、再審手続は原確定判決の効力を覆す手続でありますので、再審判決が確定した場合に原確定判決の効力は失われる、このように解されております。 したがいまして、あえて確定判決を取り消す宣言というものはなされないというふうに理解しております。
○保坂(展)委員 二つ聞いたので、では、二つ目は法務大臣にお答えいただきたいと思うんですが、森山法務大臣にも一緒に考えていただきまして、これは、国民皆年金制度が発足したけれども、年金に入れない方、例えば中国の残留孤児の皆さんとかもそうですね。ところが、この方はお一人なんで、一人のために法律をつくるわけにはいかないわけです。ただ、国民皆年金になったときには死刑囚だった。そして、今やもう八十歳の高齢でいらっしゃる。生活にもかなり困窮されている。何か制度的に救う方法はないのだろうかということを、森山法務大臣は当時、そこは研究してみたいというふうにお答えになっているんですが、南野大臣はいかがでしょうか。
○南野国務大臣 免田さんの年金のことでございますが、それを受け取ることができない事態と現在なっているということについては、これは大変難しい問題でもあり、また一方、お気の毒なことだなというふうにも思っておりますが、ただ、それでも、法の定める要件を満たさない方に特別に年金の支給をするということは年金制度に照らせば大変困難であろうと、一般的な常識の中からは判断できるというふうに思います。 でも、お尋ねの打開策について、年金制度自体については法務省の所管外ということもございます。そういうふうなところから、有効な解決策が見つかったということの報告は受けていないということでございますが、受刑者の方の年金ということについては大変難しい。私も、森山先生とのあれもございますので、いろいろ考えてみましたけれども、本当に胸が痛む思いであるということは先生と共通した認識であろうかと思いますが、今のところ、私にもいい解決策が思い浮かびません。 そういうようなところから、先生の御指導もいただきながら、さらに考えていきたいというふうにも考えております。
○保坂(展)委員 もう八十歳なので、亡くなったらこういう議論はできないわけなので、ぜひ人権をつかさどる役所としてしっかりお願いをしたいと思います。 最後に一点だけ、民事局に来ていただいていますので、公証人役場の件ですね。検事さんや裁判官のOBのみという状態が続いていたと思うんですが、何か民間人登用という兆しも出てきたという話も聞いているんですが、それはどのような実態なんでしょうかということでお願いします。
○寺田政府参考人 公証人、これは全国に五百名以上いるわけでございますが、以前から、判検事に任命が偏りがちだという御指摘もございました。 私どもも、規制改革関連もございまして、こういうものにもできるだけ民間の方がお入りいただく機会があった方がいいという考えに立ちまして、平成十四年からでございますけれども、公募制度を導入いたしております。 現在までのところ、十一回この公募を実施いたしまして、応募者も八名おられたわけでございますが、そのうち七名が実際に試験を受ける過程まで進まれまして、それで、既に一名、これは司法書士の経験のある方でございますけれども、その方が現に公証人として働いておられます。 私どもも、この動きというのはこのまま推し進めてまいりたい、このように考えているところでございます。
○保坂(展)委員 終わります。
○塩崎委員長 自民党理事の各位に申し上げますが、定足数の確保にはより真剣に取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十一分散会