法務委員会 第2号
- 発言数
- 95 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 2005/10/05
会議録
○塩崎委員長 これより会議を開きます。 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房司法制度改革推進室長本田守弘君、法務省大臣官房長小津博司君、法務省大臣官房訟務総括審議官大竹たかし君、法務省大臣官房司法法制部長倉吉敬君、法務省民事局長寺田逸郎君、法務省刑事局長大林宏君、法務省矯正局長小貫芳信君、法務省保護局長麻生光洋君、法務省入国管理局長三浦正晴君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○塩崎委員長 次に、お諮りいたします。 本日、最高裁判所事務総局大谷刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○塩崎委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。漆原良夫君。
○漆原委員 おはようございます。公明党の漆原でございます。 まずは、南野法務大臣、法務大臣の御再任、まことにおめでとうございました。心よりお喜び申し上げたいと思います。 大臣がおっしゃるように、司法制度改革もいよいよ設計図の段階から実行の段階に入ってまいりました。国民に身近で頼りがいのある司法制度の構築に向けて、大臣と力を合わせて頑張ってまいりたい、こう思っております。 ところで、司法ネットは来年の秋から実施されるわけでございますけれども、充実した司法ネットの実現には、何よりも大きな予算の獲得が最も重大な課題になってくると思います。司法ネットに関する概算要求の概要と予算の獲得に向けた大臣の御決意を、まず冒頭にお伺いしたいと思います。
○南野国務大臣 どうも先生、御当選おめでとうございます。本当に、新しい先生方によってまたこの法律をしっかりと守っていただけるということを大変うれしく思っております。 先生お尋ねの総合司法支援構想の中核を担う日本司法支援センター、おっしゃるとおり来年からオープンでございますが、それに関連する予算ということについてのお尋ねでございました。 平成十八年度の概算要求におきましては、司法センターに関する経費といたしまして、合計百十三億八千四百万円を計上いたしております。これには、支援センターが行う情報提供業務のほか、民事法律扶助業務や国選弁護人確保業務のための経費も含まれております。また、支援センターが業務を開始するまでの約半年間の法律扶助事業補助金についても計上されておるところでございます。これらを加えました総合法律支援関係の平成十八年度概算要求総額は、百三十八億二千六百万円となります。 支援センターにつきましては、その業務が効果的かつ効率的に処理されるよう配慮しながら、国民に身近な司法の実現に向けて、必要な予算の確保に努めてまいりたいと思います。一生懸命努力いたします。先生方のお力もいただきたいと思っております。
○漆原委員 ぜひ我々も、その点については大臣と力を合わせて予算の獲得に頑張りたい、こう思っております。 昨日の大臣のごあいさつの中で、日本司法支援センターの愛称が法テラスと決定されたとお伺いしました。その由来と意味合いについて、御説明を願いたいと思います。
○南野国務大臣 先生おっしゃられるとおり、法テラスという名称、愛称ができ上がりました。これには二つの意味が込められているというふうに思っております。 一つ目は、法律によりますトラブル解決への道を示すということであり、支援センターに相談に来られる方々はもやもやして来られると思いますので、そのもやもやとした心に光を当てるという意味で、照らすという意味を持っております。 二つ目は、悩みを抱えた方々にくつろいでいただけるテラスということも一つ、そのテラスの意味の中には入っております。そのような場でありたいなというのが法テラス、司法支援センターの場所であるというふうに思っております。テラスには、光がさんさんと輝いておりますし、気持ちのよい場所というイメージも含まれておりますので、二つ合わせまして法テラスと。 これは、国民の皆様方から親しみを込めて呼んでいただける日が早く来るといいな、日本司法支援センターという長い名称が法テラスということで呼んで、愛称として活動していただければいいと。 そのような問題点につきましても、法務省としては引き続き広報活動に力を入れていきたいと思っております。よろしくお願いします。
○漆原委員 日本全国津々浦々、あまねく司法の光が当たるように、その願いを込めた法テラス、なかなかいい名前だなと思っております。ぜひともこの名前のとおりに、国民に身近で、そこに飛び込んでいけば必ず法的救済が得られる、お金があろうがなかろうが得られるような制度の実現をぜひとも目指していただきたいというふうに思っております。 次の質問に移りますけれども、靖国参拝訴訟についてお尋ねしたいと思います。 小泉総理の靖国神社参拝の合憲性の有無が問われておりました訴訟の控訴審で、大阪高裁は九月三十日、参拝を内閣総理大臣としての職務行為と認定した上で、政教分離の原則に違反し、憲法が禁止する国による宗教活動に当たると違憲の判断をしました。すなわち、総理の靖国神社参拝は国賠法一条一項に言うところの総理大臣の職務を行うについてなされたものであり、かつ、その参拝は憲法二十条三項の禁止する宗教的活動に該当すると判断を示したわけであります。 ところで、南野法務大臣は今まで、法務大臣として靖国神社に御参拝されたことがあるのかないのか、もしもないとすればそれは特段の理由があるのかないのか、あればその理由をお尋ねしたいと思います。
○南野国務大臣 靖国神社には、法務大臣を拝命してからは行っておりません。その理由といたしましては、本当に日々勉強に明け暮れておりますので、時間を探すことができませんでした。
○漆原委員 この判決に対して、各紙の社説は次のとおり、いろいろなことを述べております。 朝日新聞は、「参拝をやめる潮時だ」という見出しのもとに、「首相の参拝は外交問題であるだけでなく、憲法をめぐる重要な問題である。司法の判断は、高裁の段階でも真っ二つに割れ、首相の参拝が日本の社会に深い亀裂をもたらしていることを示した。」「司法の判断がこれだけ分かれた以上、参拝を強行すべきではない。」朝日でございます。 毎日は、「違憲判断は司法府の警告だ」との見出しのもとで、「小泉首相をはじめとする政府関係者は、判決を司法府からの警告として重く受けとめるべきは言うまでもない。」「総理大臣に対して憲法を順守した言動を求める司法府の厳しい姿勢の表れ、と受け止めたい。」 読売は、内容が変わっておりまして、「きわめて疑問の多い「違憲」判断」との見出しのもとで、「福岡地裁判決は傍論の形で違憲判断を示し、請求を棄却したため、国は控訴できなかった。」「今回の判決も、「結論」とは関係のない実質的傍論として違憲判断が示されたが、首をかしげざるを得ない。」こういう各紙の内容でございました。 そこで、法務大臣にお尋ねしたいんですが、この大阪高裁の違憲判断をどのように受けとめられたのか、御所見をお伺いしたいと思います。
○南野国務大臣 大変難しい課題であるかと思いますけれども、いただきました判決、これは国の勝訴であるというふうにも聞いております。そして、御指摘いただきました点につきましては、国側として本件の参拝は総理が私人としての立場で行ったものであるということをずっと御主張しておられますけれども、その主張が認められなかったということについては残念だなというふうにも思っております。
○漆原委員 私的行為か公的行為かという点について、国がいろいろな主張をしましたね。今回の高裁の判断は全部それを排斥して、公的な行為である、要するに国賠法で言うところの総理大臣の職務に当たるんだというふうに認定したわけですね。それで二十条三項に該当するという違憲判断なんですが、総理大臣の行動が憲法違反だという、非常にこれは重要な意味を持つ重い判決だと思うんですね。 南野法務大臣は、こういう判決、総理がこういう判決、判断を示されたことについては、改めてもう一度、どんなお気持ちか、お伺いしたいと思います。
○南野国務大臣 いろいろとありますけれども、総理が思っておられることは、私人としての参拝であるという主張をしてこられたわけですが、それがいろいろな関連の中から違憲であるというふうに判断が下ったということは承知いたしておりますが、私人としての御参拝というのは各個人の内心の問題であり、それは私人という立場でよかろうというふうに思っております。
○漆原委員 憲法の二十条三項は、こう書いてあります。「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。」政教分離の原則というふうに言われていますね。 この政教分離の原則、なぜこういう規定があるのか、またこれはどんな内容なのか、大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
○南野国務大臣 憲法が定めますところの政教分離、その原則というものは、信教の自由の保障を実質的なものとするために、国及びその機関が国権行使の場において宗教に介入しまたは関与することを排除するという趣旨であると理解いたしております。 そのような意味では、国の宗教的な中立性というもの、これを定めたものというふうに言えると思います。
○漆原委員 国家の非宗教性もしくは国家が宗教に対して中立であれということを定めた条文だ、私もそのとおりだと思います。 この判決は、総理が国内外の強い批判があるにもかかわらず、あえて靖国参拝を実行し、継続をしていること、そして、総理が靖国神社以外の宗教団体、神社仏閣等に公式参拝をしたことを認めるに足りる証拠はないと指摘をした上で、次のように認定しています。 本件参拝により、被控訴人国は、宗教団体である被控訴人靖国神社との間にのみ意識的に特別のかかわり合いを持ったものと言うべきであって、これが、一般人に対して、被控訴人国が宗教団体である被控訴人靖国神社を特別に支援しており、他の宗教団体とは異なり、特別のものであるとの印象を与え、特定の宗教への関心を呼び起こすものと言わざるを得ず、その効果が特定の宗教に対する助長、促進になると認められ、これによってもたらされる被控訴人国と被控訴人靖国神社とのかかわり合いが我が国の社会的・文化的諸条件に照らし、相当とされる限度を超えるものと言うべきである。したがって、本件各参拝は、憲法二十条三項の禁止する宗教的活動に当たると認められると判示しているわけですね。 個人の問題、私人の問題、総理の信条の問題というふうに言われておりますけれども、しかし、この判決は、そうではないんだと。今申し上げた理由によって、大臣がおっしゃられた国の非宗教性、宗教に対して中立性に違反をするという判断を示したわけですね。この判断に対して、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○南野国務大臣 判決の御指摘の部分、これは総理の参拝が国の機関の活動と認められる場合に限って初めて論点となるものというふうに理解いたしております。 しかし、そもそも、総理の参拝は私人としての参拝でありまして、国側としてはそのような主張を行ってきたものでございます。そういう意味では、国側の主張と前提を異にする判示であろうかというふうに思っておりますので、そのような前提を異にする判示につきまして、法務大臣として意見を述べることは差し控えるべきだと思っております。
○漆原委員 後でも述べますように、総理はこの参拝について、心ならずも戦争に参加をして犠牲になられた皆さんを心から追悼するんだ、哀悼の意を表するんだ、それからまた、二度と戦争を起こさないんだという不戦の誓いを持って、その目的でこの靖国参拝をされているんだということを何回もおっしゃっていますね。私、そのとおりだと思います。 ただ、この判決は、総理の主観的意図がどうあれ、目的がどうあれ、その行為が、外形的に見て一般人がどういうふうな印象を受けるかという判断を一つの要素としているわけですね。そういう意味では、決して総理は、特定の宗教を支持する、促進する、こういう目的でなされたとはとても私も思っておりません。しかし、今この判決が言うように、総理の主観的意図とは別に、その行為が国民にどう映るかという観点も二十条三項の判断基準になるとすれば、これはやっぱり総理及び閣僚は慎重な行動を要するなというふうに私は思っていることを申し上げておきます。 ところで、国の統治機構は、立法、行政、司法の三権があるわけでありますが、司法にいわゆる違憲立法審査権が付与されております。立法府の立法作業、それから行政府の命令等に対して、司法は憲法に違反をするという判断をすることができるという憲法判断ができる、こういう権限を司法に付与しているわけですけれども、これはどんな理由で司法に付与されたのか、大臣のお考えをお尋ねします。
○南野国務大臣 三権分立制度の中では、特に国民の人権保障、これを役目とする司法権というものを重視されたものというふうに思っております。
○漆原委員 やっぱりこれは、大臣がおっしゃった三権分立からくる、お互いのチェック・アンド・バランスの考えなんでしょうね。お互いが、三権が牽制し合いながら独走しないという、これが三権分立にしてかつ司法に違憲立法審査権を付与された理由だというふうに、私もかつて本で読んだことがあります。 総理の靖国参拝が違憲か合憲かということは、最終的には最高裁判所の判断を待つしかないわけであります。しかし、東京高裁は合憲と判断しました。大阪高裁は違憲と判断した。その判断が二つに割れたことの意味は大きいと私は思っております。 報道によれば、細田官房長官は記者会見で、判決は傍論というか主たる判決ではないと述べたというふうにお伺いしております。しかし、先ほど大臣がおっしゃったチェック・アンド・バランスの三権分立の精神及び閣僚等の憲法遵守義務を定めた憲法九十九条の精神から考えて、靖国参拝問題に関する政府の言動には謙虚さと自重が求められてしかるべきだと思いますが、大臣のお考えをお尋ね申し上げます。
○南野国務大臣 漆原先生の本当に心からなるお言葉を今拝聴させていただきました。 一般論として申し上げますと、靖国参拝の問題につきましては、これは内外の関心を集めているだけに、政府といたしましては、そのスタンスにつきまして明確な応答が求められる場合が多いのではないか、そのように思います。 そういう事情からも御理解いただければというふうに思っております。
○漆原委員 私どもは、もともと総理の靖国参拝には憲法上の疑義がある、したがって差し控えるべきだという考えでございました。そのことは、総理が参拝される都度、総理に申し上げ、また党としての公式見解も出してきたところであります。 総理は、靖国神社参拝について次のとおり述べておられますね。靖国神社参拝は、心ならずも戦争に行って亡くなった人の犠牲の上に今日の平和と繁栄があるという気持ちを込めて、戦没者に敬意と感謝を表するとともに、政治家として二度と戦争を起こしてはならないとの誓いを込めてする、こう述べておられます。 戦没者の追悼と不戦の誓い、私どもも全く同様でございます。私も当選以来、今回、ことしは選挙がありましたから参加できなかったんですが、八月十五日には毎年武道館で行われております全国戦没者追悼式に参加して、戦没者の追悼と不戦の誓いを私自身もしております。 この思いは大臣も同じであろうと思いますが、大臣は今日までどのような方法で戦没者の追悼と不戦の誓いをしてこられたのか、教えていただきたいと思います。
○南野国務大臣 戦没者の追悼とそれから不戦の誓いというのは、これは元来、個々人の心の中の問題であろうかというふうに思っておりますが、それをどう示していくのかということも、個々人が諸般の事情を考慮して、自主的に検討した上で判断すべきものというふうにも思われます。 私は満州から引き揚げてきておりますので、戦争ということについては、内地におられた方、引き揚げてきた者、それぞれの立場で感じるところが大いにあるだろうというふうに思っておりますが、戦争の悲劇を実体験したその立場からして、日々心の中では、もう戦争は嫌だ、不戦の誓いということは心の中に秘めており、当たり前のことのように私は思っております。 先生も公式な立場で武道館に御参列されるということでございますが、私も武道館には、国に帰らなければ、山口に帰らなければ、常々行く時間をとっております。私としては、たまたま靖国神社の付近に今宿舎がございますので、ジョギングなどの途中、または買い物の途中、そういったところで参拝することもございますし、山口に帰れば、神社または仏閣、自分の家の土台、先祖を祭っているお寺、そういったところにも出入りしておりますが、それぞれの心の使い方ということで不戦の誓いをしてきていると思っております。
○漆原委員 戦没者の追悼と不戦の誓いは、大臣おっしゃったように、どんな方法でもできるわけですね。靖国神社に参拝しなければ実施できないというものでは決してないわけであります。 私たちは、そのために、無宗教の国立追悼施設の建設を公明党は提案をしております。憲法上も外交上も全く問題のない施設で、それこそ総理を初めとする全閣僚が出席をして戦没者に追悼の誠をささげるとともに、全世界に向かって日本国が不戦の誓いを高らかに宣言する、そんな施設をつくるべきだと思いますが、大臣の御所見をお伺いします。
○南野国務大臣 国立の追悼または平和祈念施設ということにつきましては、さまざまな意見があるということも承知いたしており、私、今の段階では確固たる持論というものには至っていないのでございますけれども、政府におきましては、追悼・平和祈念のための記念碑等施設の在り方を考える懇談会の意見を踏まえました上で、今後の対応を検討することといたしておりまして、私も今のところ、その検討を見守ってまいりたいというふうに思っております。
○漆原委員 戦没者に追悼の誠をささげる、そして不戦の誓いをする、その行為が憲法に違反するとかしないとかという判断の対象となること自体、私は戦没者に対して申しわけない、また世界に対してもある意味ではいかがかと思いますね。そういう意味では、憲法上も外交上も全く問題のない施設できちっとした追悼とそれから不戦の誓いをすることは、そういうものをつくるということは、僕は大事なことなんじゃないかなというふうに思っております。 それでは、憲法はこのぐらいにしまして、医療観察法についてお話をお伺いしたいと思います。 心神喪失者等医療観察法が施行されてから二カ月半経過しましたが、これまでの施行状況をお尋ねしたいと思います。
○大林政府参考人 当局が把握しております限りでは、本法が施行された本年七月十五日から九月三十日までの間に検察官が医療費等の決定を求めて裁判所に行った申し立ては五十五件ありまして、うち四件について医療を受けさせるための入院決定が、うち一件について通院決定がなされたものと承知しております。
○漆原委員 最高裁にお伺いしたいと思うんですが、この法律の審判が円滑になされるためには司法と医療の連携が重要であります。特に審判において精神医療界の優秀な人材の協力を得ることが重要であると考えておりますが、この点は円滑に進んでいるのかどうか、進捗状況をお尋ねしたいと思います。
○大谷最高裁判所長官代理者 心神喪失者等医療観察法の審判におきまして、司法と医療の連携ということが非常に重要な点であるということは、委員御指摘のとおりであろうと思います。 裁判所としましては、経験豊かな精神科医である精神保健判定医の名簿の中から精神保健審判員あるいは鑑定人といった方々を選んで、その協力を得て審判手続を行うということになっておるわけでございますが、審判員、鑑定人の方々との意思疎通あるいは各地の実情の把握、こういったことが十分に行われるよう、最高裁としても今後も配慮してまいりたいと思っております。 一点、具体的に申し上げますと、法施行前の段階で、すべての地方裁判所におきまして、裁判官とそれから精神保健判定医の間で研究協議会を開催したところでありますが、両者の連携協力が一層円滑に行われますように今後もこうした意見交換の場を広く設けていきたい、このように考えております。
○漆原委員 指定入院医療機関の整備、これは厚生労働省が実際に行っているというふうに聞いておりますけれども、法務省はその進捗状況についてどのように承知しているのか、現在の状況を教えてもらいたいと思います。
○大林政府参考人 現在までに、東京都の国立精神・神経センター武蔵病院と岩手県の国立病院機構花巻病院において、それぞれ約三十床、合計で約六十床が整備されていると承知しております。 今後、来年二月ころには、富山県の国立病院機構北陸病院で約三十床を擁する新病棟の開棟が予定されているほか、さらに必要な病床を確保するため、現在、厚生労働省において、独立行政法人国立病院機構や都道府県の協力を得ながら必要な調整を進めているところであると聞いております。
○漆原委員 最後に大臣にお尋ねしたいと思うんですが、地域社会における処遇ということもこの法律の大きなポイントであります。今後しばらくすると、地域社会における処遇が本格的に始まるものと考えられますが、この処遇の実施に向けた準備、順調に進んでおりますか。いかがでしょうか。
○南野国務大臣 対象者の社会復帰を促進するためには、地域社会における処遇が大きなポイントとなることは今委員御指摘いただいたとおりでございまして、そこでこの法律は、保護観察所に社会復帰調整官を置きまして、地域社会における処遇に関するいわばコーディネーターの役を担わせることとしたほか、指定通院医療機関、また保護観察所、地方自治体などが連携いたしまして、継続的かつ適正な医療及び必要な援助が得られるようにするための仕組みを設けております。 法務省におきましては、これまでも地域社会における処遇の円滑な実施に向けて必要な準備を進めてきたところでございますが、例えば、この制度の地域社会における処遇で重要な役割を果たすこととなる保護観察所に社会復帰調整官を全国で五十六名配置いたしまして、実務に必要な研修を実施いたしております。 また、厚生労働省と共同で、地域社会における処遇のガイドラインを策定いたしまして、保護観察所及び地方自治体への周知を図りましたほかに、各保護観察所におきまして、都道府県、市町村を初めとする精神保健福祉関係機関との間で、制度の円滑な運用のための意見交換会なども開催いたしております。連携協力体制の整備にも努めているところでございます。 また、今後とも厚生労働省を初めとする関係機関と連携しまして、地域社会におきます処遇の円滑な実施にこれ努めてまいりたいというふうに思っております。
○漆原委員 以上で終わります。どうもありがとうございました。
○塩崎委員長 次に、松島みどり君。
○松島委員 まず最初に、死刑の執行とその情報公開について伺いたいと思います。 私は、死刑制度を維持すべきであるという考えに立っているということをあらかじめ申し上げた上で質問させていただきます。個々の細かいことについては事務当局から御答弁いただき、大臣には最後に御感想と全体的な御意見を伺いたいと思っております。 九月十六日の夕刊各紙に、大阪拘置所で北川晋死刑囚に対する死刑が執行されたという内容の記事が載っています。ただ、法務省が発表したのは、きょう死刑確定者一名に対して死刑の執行をしたというだけで、対象者の名前も拘置所名も記されていない、そういう発表の仕方でございます。新聞記者の取材に対して認めるという形で記事が書かれているわけです。 私は、このことに関して言うと、被害者の遺族の方々の感情からしても、また社会正義の最後のとりでとしての立場からも、だれに対して執行したかの情報はきちんと法務省が責任を持って公開すべきものである。新聞記者がどこからか情報を入手して、それをぶつけて、それに対してうなずく、そういう形で明らかになるのではなくて、きちんと責任を持って公表すべきだと考えておりますが、なぜ公表しないのかということ。もう一つ、まとめて伺いたいのは、現在、死刑が確定している人は何人いるのか。この二つについてまず伺いたいと思います。
○大林政府参考人 死刑執行の事実を公表することにつきましては、執行を受けた者やその関係者の名誉やプライバシーを損なったり、他の死刑確定者の心情の安定を害するおそれがあるなどの問題があり、死刑の執行を受けた者の氏名等については公表を差し控えることとし、死刑執行の事実及び執行を受けた者の人数のみを公表しております。 その一方で、委員御指摘のとおり、死刑執行の事実を知りたいという被害者、御遺族の御要望があることも承知しておりますけれども、法務省から死刑執行の事実をお知らせすることが、かえって御遺族の方々の心情や生活の平穏を害することも考えられるところでございまして、法務省としては、いかなる対応が可能か、引き続き検討してまいりたい、このように考えております。 それから、今、死刑確定者についてお尋ねでございます。平成十七年九月三十日現在の死刑の裁判が確定した旨の報告があった死刑確定者は、七十四名でございます。
○松島委員 今の御答弁には、本人の名誉その他云々とございました。これは判決が出ているわけです。判決に対して執行するのは国の責務であると私は考えます。これについて名前を言わないというのは、単なる逃げではないか。 もちろん、被害者の遺族の方の中には、例えば配偶者を殺された後、悲しみの中から立ち上がって再婚された方もいらっしゃるでしょうし、いろいろな方がいらっしゃるでしょうから、一人一人、遺族の方にわざわざ電話や手紙で伝えるのがいいのかどうか、それは悩むことだと思います。 しかし、社会に対する公表という、みんな、ひどい犯罪だと犯罪を憎み、そして犯人を憎み、その結果、判決が出たときにほっとする。これは遺族だけでなくて社会全体の、悪いことをしたら社会に対してこれだけのことを、見ず知らずの人を殺したらこういう結果になるということは判決のときにみんなわかって、ただそれは判決で確定するものではなくて、きちっと執行されて初めて確定するものだと思っております。 その観点から申しますと、公表しないというのは、私は逃げであると思っております。そして、新聞記者の質問に対しては仕方なく答える、これも逃げ以外の何物でもないと私は思います。 さらに、七十四人の確定者がいらっしゃると伺いました。そして、私は調べましたら、刑事訴訟法四百七十五条の二項、これによりますと、判決確定の日から六カ月以内に死刑の執行をしなければならないことになっています。 確かに、その条文の中には、再審の請求などがされて手続が終了するまでの期間や共同被告人に対する判決が確定するまでの期間は算入しないことになっておりますが、しかしそれにしても、この七十四人のうち、そういった例外を除いても、死刑確定から六カ月を超している人は何人いるんでしょうか。そしてまた、平均はどれぐらいで、最長の人は確定から何年になっているか、ここまで伺いたいと思います。
○大林政府参考人 死刑確定者につき、判決が確定してから六カ月を超える者は七十名でございます。判決確定後現在に至るまでの平均期間は、約八年三カ月でございます。 今、最長の者はというお尋ねがございましたが、これにつきましては、個々具体的な死刑確定者に関する事項に及ぶことになりますので、お答えを差し控えさせていただきたい、このように存じます。今の最長とおっしゃっているものが、最長ということである程度その対象者あるいは犯罪が特定されるような問題もいろいろございますので、最長者ということについてはちょっとお答えを差し控えさせていただければ、このように思います。
○松島委員 非常におかしいと思います。 平均が八年三カ月であるということも、さきの法律を私が読み上げましたように、六カ月が基準でございます。いろいろな例外があったにしても、平均が八年三カ月というのは、これは怠慢です。法律違反を犯していることになると私は思います。 そしてまた、最長について、特定されるからということでございました。私は一貫して、人権というものはまず被害者のためにあるべきものである、裁判の過程においても、その後の刑に服するということについても、犯罪者については第二次的なものであると私は考えて、この委員会でも発言してまいりました。 逆にその死刑囚の人にとってみても、たなざらしになるということは、六カ月という規定がありながらもどんどんそれを過ぎていくということは、ひょっとしたら自分は執行されないのではないかという期待が生まれたり、あるいは、いつなんだろうか、いつなんだろうかという不安に駆られたりするのではないかと私は推測いたします。 法律はきちんと守って初めて法務省の存在意義があるのではないか。法務省がこのような大幅な法律違反を繰り返しているということは、私は大変問題であると考えます。これについては、最後に大臣に御見解を伺いたいと思います。 死刑執行は、年間数件もないぐらいだと思いますが、そうしたらだれから順番にしていくのか、これで不公平が生じると思うのですが、基準は一体何でしょうか。
○大林政府参考人 死刑判決が確定した場合には、法務大臣の命令によってその執行をしなければなりませんが、原則として、死刑判決が確定した順に検討を行い、個々の事案につき関係記録を十分に精査し、刑の執行停止、再審、非常上告の事由あるいは恩赦を相当とする情状の有無等につき慎重に検討し、これらの事由等がないと認めた場合に初めて死刑執行命令を発せられることになり、慎重に対処しているところでございます。
○松島委員 今のお話を伺っておりますと、平均八年三カ月というのが、恐らくこれからもずっとその状態が続く、そしてまた、死刑確定者で六カ月を超して未執行者が七十人という状態が大体このまま続くと思います。これはやはりおかしいと私は思います。 死刑が確定するということは、最近は厳罰を求める世間の常識が反映されるようになりまして、一人殺しても死刑になる判決も出ておりますが、これまでは通常、複数の人を殺して初めて死刑の判決が出る、死刑が確定する、それが一般的でございました。今既に確定している人はほとんどがそうだと思います。被害者の遺族の多くの方々が犯人に対する極刑、死刑を望み、死刑の判決が出たら、ほっとして涙ながらに仏前に御報告するというケースもたくさんあると思います。 しかし、この判決の確定で事が済むのではなくて、執行されて初めて完結するわけです。法務省、法務大臣がその務めを全うすることで、社会秩序、社会の安寧、これは遺族だけでなく、真っ当に生きる多くの国民の信頼を維持することができるのではないかと私は思っております。法務大臣の任につかれた方にとって、恐らく精神的に一番きついのがこのことではないかと思います。また、かつては、宗教上の理由で自分は判こを押せないと言って忌避された大臣がおられました。私は、こういう方は法務大臣を受けるべきではないと思っております。 大臣、私の考え方、つまり、昨年十二月に犯罪被害者基本法というのを、私も、議員立法、尽力した一人でございますけれども、この中でも、遺族の感情というもの、そして遺族の方々の裁判への参加ということも出てまいりました。その中で、この六カ月を超している、法律で定められたところを超している人が七十人のままずっといて、平均が八年三カ月のまま、このままだとずっとなりそうだということについて、法務大臣はどのようにお考えになるでしょうか。一言で結構です。
○南野国務大臣 本当に難しい問題でございます。さらに申し上げるまでもなく、死刑ということにつきましては、人の命を絶つ極めて重大な刑罰でありますから、その執行に際しましては、特に慎重な態度で臨む必要があるものというふうにも思っております。 それと同時に、法治国家において確定した裁判、その執行は厳正に行わなければならないということも十分理解いたしております。特に死刑の判決は、極めて凶悪かつ重大な罪を犯した者に対しまして裁判所が慎重な審理を尽くした上で言い渡すものでございますから、法務大臣としては、裁判所の判断を尊重しながら、法の定めるところに従って慎重かつ厳正に対処すべきものということは心に決めております。 なお、執行の順序、時期などについては、先ほど刑事局長が答弁したとおりでございます。御理解を賜りたいと思います。
○松島委員 私は、何の罪もない人、いわれなき人の命を何人も奪った者、その命を国家がもちろん奪うのかもしれませんが、その罪の重さということを考えたときに、慎重かつ慎重という言葉に対して非常に疑念を生じざるを得ないということを最後に申し上げさせていただきます。 次に移ります。裁判員制度でございます。 裁判員制度実施に向けて、裁判所や検察で双方ともにさまざまな取り組みをしておられます。検察の方では、例えば捜査担当の検事と公判担当の検事を同一にしてスピードを上げる、そういうような動きも出ているというふうに聞いております。これは望ましいことだと思います。 私自身は、昨年の通常国会で、裁判員制度については反対の立場から何回か質問をさせていただきました。その中で、国民の理解が得られていないとか、義務にするならば憲法に書き込むぐらいの気持ちで国民投票にすべきだとか、そういうことを申し上げました。これはもうあきらめるといいますか、皆様の御努力で広く知らしめていただければいいことといたします。 しかしながら、どうしても私、裁判員制度についてまずいと思うことが一点ございまして、再度質問し、施行までに法改正を促したいと思うことがございます。それは、裁判員の名前を被告及びその弁護士に知らせるべきではないということであります。 ことしの五月、これは裁判所ではなく札幌地検の不始末ではございますが、こんな事案がございました。つい立てで顔を隠して法廷で目撃証言をした検察側証人の女性に対して、懲役四カ月の有罪になった被告の男から恐怖に陥れる手紙が届いた。知っている人だったから、あなたまで偽証するとは残念でしたと赤い字で書かれていた。偽証ではないんだけれども、逆恨みをしているわけでございます。この女性は恐怖心を持った。 この証人になった女性は、もともと地検に対して、仕返しが怖いので住所は被告にわからないようにしてほしいと要請して、それを受け入れてもらって、つい立ての陰で証言したにもかかわらず、このような不始末がございました。弁護人に開示した調書を通して被告が証人の住所を知った可能性が高いといって、地検が女性にわびたという事件がありました。 裁判員の場合、事件に関係している人を除くために被告に名前を教える、そういうふうに言われています。しかし、もしそうでしたら、それは百歩譲っても、裁判員候補者になった人に対して、これは世の中余り知りませんから、自分の名前が知られるということ、あなたの名前は被告に知らせますということを伝えるべきです。そして、伝えた上で、それについて恐怖を感じた人、それなら嫌だと思った場合には裁判員辞退の理由にできるように法律の改正を私は求めます。いかがでしょうか。
○南野国務大臣 先生のお話、しっかりと受けとめたいと思いますが、裁判員は裁判官と対等の立場で司法権という公権力を行使する、そういうことから、裁判結果を直接受けることとなる弁護人及び被告人に対しまして、全くの匿名で職務を行うことは相当ではないというふうに考えられております。 また、裁判員の参加する刑事裁判に関する法律第十七条は、被害者またはその関係者などの事件関係者を事件に関連する不適格事由該当者として、当該事件について裁判員となることができないものとしているところ、被告人でないと事件関係者かどうかわからない、それも先生今お話しになられました。裁判員等を選任する過程におきましては、被告人が裁判員の氏名を知ることはやむを得ないということを今考えております。 他方、裁判員の保護につきましては、十分意を用いるべきであると考えております。このような観点から、本法では、裁判員の氏名を弁護人に知らせることとし、被告人には必要がある場合に弁護人から伝えられることとされているほか、裁判員に対する接触の禁止、裁判員に対する請託罪、威迫罪の創設など、裁判員の保護のためにさまざまな措置を講じております。 さらに、先ほど辞退理由にしたらどうかというお話がございましたが、その具体的な内容につきましては、今後政令で定めるものとすることとされております。 その内容を検討するに当たりましては、国民に過重な負担がかからないようにしなければならないということは、これは当然でありますけれども、裁判員はできるだけ幅広い層の国民の中から選任されることが望ましいという理由もありまして、余り容易に辞退を認めることは、これは相当ではないと思われるというのが現段階でございます。この点、被告人に名前を知られたくないという理由のみをもってこれが辞退できるとすれば、幅広い層からの選任が困難になるおそれもあるのかなというふうに思い、政令にそのような辞退事由を定めることの当否については、これは慎重に検討してまいるということでございます。 裁判員候補者名簿に記載された方たちに対しては、地方裁判所から名簿に記載した旨の通知がなされるということを聞いておりますが、この通知に際しまして、ほかにどのような情報を伝えることとするかについては、辞退事由の内容をも踏まえて、今後具体的に検討されるべきものと考えております。 もちろん、裁判員になられる方が被告人などから威迫されるようなことがあってはならない、これは当然であり、そのために裁判法が裁判員を保護するために定めているさまざまな規定を適切に運用することによりまして、御懸念のあるような事態が生じないように、これはぜひ努力していかなければならないと思っております。
○松島委員 前提となる、裁判員は裁判官と同じように公権力と言われました。私、前回の質問のときにも述べたんですが、裁判官は職業を選択してなる人たちです。裁判員はならされる人たちです。これを一緒にすることは絶対おかしいと思いますし、政令の中で定めないというのは、おまけにその前の段階でこれを伝えるかどうかもわからない、そういうだまし討ちは絶対にしちゃいけないと思っております。 私は、自分の大事な後援者たちについてはこれを知らせて、裁判員なんか、それでもなる覚悟のある人以外はやめた方がいいと申しておりますし、今後、政令にも定めていただけないようでしたら、この運動を大幅に展開していきたいと思っております。 次に参ります。 保護観察つきの執行猶予中の人についての問題でございます。 青森県で、自分のことを王子様とか御主人様とか呼ばせていた女性監禁事件の犯人は、保護観察中の執行猶予中でしたが、青森から東京に転居して所在が不明となり、そのうちに次の事件を起こしました。 保護観察つきの執行猶予者は、住居を移転したり一カ月以上の旅行をする際には保護観察所長に届け出をすればいいことになっています。一カ月以上の旅行で届け出です。一方、同じように保護観察の対象となる人でも、刑務所を仮釈放中の人や少年院を仮退院した人、あるいは保護観察処分となった未成年の人は、転居したり七日以上の旅行をする際には許可制となっています。こちらは七日以上で許可制です。非常にアンバランスです。 特に、最後に言いました保護観察処分になった未成年というのは、保護観察つきの執行猶予者と何が違うといったら、年齢が二十歳以上か二十歳未満かの違いだけなんです。同じような状況で二十歳以上の人の方が緩いことになっている。これは非常にバランスを欠くと私は思います。そこで、同じように七日以上で許可制にすべきだと考えまして、私も含めて自民党で議員立法の準備を進めていましたところ、衆議院が解散になってしまってそのままという状況でございます。 大体、執行猶予者のうち保護観察がつくのは一割未満。つまり、実刑にはならなかったけれども、相当悪い人たちでございます。ですから、これを同じようにすることを求めるんですが、法務省としていかがでしょうかということ。 もう一つ、これと一体となることでございますが、監獄法を廃止して刑事施設法をつくりました際に、初めて受刑者への教育を義務化いたしました。特に性犯罪者については、再犯防止のための教育プログラムを作成すると聞いています。これは非常に前進だと私は評価しております。この教育について、執行猶予つきの有罪判決を受けた者も受講することを義務づけて、もし忌避したりサボったりしたら執行猶予を取り消す、そういう処分にすべきではないかと考えております。 先ほどのことで言いますと、仮釈放中の人については、地方更生保護委員会が仮釈放を決める際に特別遵守事項というのを、例えばお母さんのもとに帰りなさいとか、担当保護司を定期的に訪問することとか、お酒を飲んではいけませんとか、特別遵守事項を言い渡すことができて、それに反したら刑務所に収監されることになっています。同じように、執行猶予者についてもこのような特別遵守事項というのを設けて、それに反したときには執行猶予を取り消す、実刑にするということに法改正をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○富田副大臣 松島先生御指摘のとおり、執行猶予者に対する保護観察につきましては、転居、旅行が届け出制とされ、しかも、一カ月未満の旅行についてはその届け出すら義務づけられておりませんので、所在の把握等が十分と言えない状況にございます。また、その仕組み上、対象者に即した特別遵守事項を設定することができないことから、個々の対象者の特性に合わせた処遇をすることが難しい状況にあります。これはもう、先生御指摘のとおりでございます。 再犯防止等の観点から、果たしてこのままでよいのかという指摘も当然であると思われますので、これらについては見直しを検討する必要があるのではないかというふうに考えております。 また、性犯罪者についても御指摘ございましたが、性犯罪者による再犯事件等を踏まえ、現在、当省におきまして、性犯罪者に対する処遇の充実を図るとの観点から、性犯罪者処遇プログラムの研究開発を進めております。このプログラムが完成しました場合には、受刑者等にこの処遇プログラムを受講させることとしており、保護観察つき執行猶予者に対しましても、今先生に御指摘いただいたように、特別遵守事項を付することができるようにして、見直しをしていく必要があるのではないかというふうに考えております。 最初に先生御指摘ありましたように、自民党の方でも検討中、公明党の方でも検討しておりましたので、与党の検討状況、また国会での議論等を踏まえつつ、当省としても所要の措置を講じてまいりたいと思っております。
○松島委員 ぜひ、自公、与党でまとめていることを政府でも取り上げていただきたいと思う次第でございます。 刑務所を出所した人や仮釈放中の人、それから執行猶予つきの有罪判決を受けた人などは、なかなか就職ができません。就職できないと、また次の犯罪を犯すというケースがふえております。 私は、さきの通常国会でも、こういう人たちを雇った事業主に補助金を出したり、あるいは、きょうは委員会席におられます、当時の滝副大臣が答弁していただいたんですけれども、明治時代にあったように国営事業として、彼らのために事業を新しくつくるべきだというような私の主張に対しても、御答弁をいただいたりしました。 その後、私の質問もございまして、法務省と厚生労働省で協議を進めているというふうに聞いております。かねて私申しておりましたのは、厚生労働省は高齢者や障害者を雇った事業主に補助金や奨励金を出しているので、それを、かつて罪を犯した人、そしてまじめに生き直そうと仕事を求める人たちに対しても当てはめるべきだと考えて、このような協議を始めてもらったんですが、法務省と厚生労働省との協議の結果の成果がございましたら教えてください。
○南野国務大臣 本当にいい討議ができたというふうに思っております。刑務所出所者などの生活を安定させ、再犯を防止するためには、その就労を確保することが極めて重要であるということは、これはもう理解できることでございます。 先生の御指摘を踏まえまして、当省と厚生労働省との間で、就労支援の具体的方策について、本年五月から、課長クラスによる刑務所出所者等に対する就労支援対策検討チームをつくり、協議を進めてきたところでございます。 これによりまして、両省におきましては、主に矯正施設、保護観察所などと公共職業安定所が一層の連携を深めまして、的確な就労支援を実施すること、さらに、刑務所出所者などの就労意欲を喚起し、適切な求職活動ができるようにするための矯正施設内及び保護観察における指導と援助を強化すること、さらに、雇用先の拡大及び就労を継続させるための環境の整備などを検討してきたところでございます。 中でも、刑務所出所者などの雇用を促進する方策として、例えば、これらの人を試行的に雇用する場合に、事業主に対して試行雇用奨励金を支給すること、これらの人に事業主のもとで職場体験講習を受けさせること、さらに、就職時に保証人がいない人などに対する身元保証のための支援策などについても、厚生労働省と連携して具体的な検討を進めてきたところでございます。 身元保証システムまたはトライアル雇用奨励金、これは月に五万円、最長三カ月、国から交付される奨励金というような形で適用していこうということでございますし、職場体験講習、こういったことにつきましても、当該委任先の事業主に対して職場体験講習委託費、これも支給していこうというようなものでございます。
○松島委員 きれいごとよりお金の支給が大事ですから、厚生労働省にはぜひ大臣からもっとハッパをかけていただいて、厚生労働省、労働保険特会なんてあり余るお金を持っていますから、ぜひ御決定いただきたいと思います。 最後に、一つだけ質問でございます。 外国人犯罪を減らすために不法滞在の外国人を減らさなければいけない。私、再三申し上げてきたんですが、入国管理の際に指紋を採取して、問題のある人を入れない、強制退去させられた人や指名手配されている人を入れないようにすべきであると申し上げてまいりました。このことについて、法務省、今どのように進んでいるか、最後に教えてください。
○三浦政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、外国人の犯罪者やテロリスト、不法滞在を企てる者などが日本に入ってくること、これは水際で防止することが非常に肝要であるというふうに思っております。 そのために、指紋や顔の写真等の活用ということが非常に重要であるというふうに私どもも認識しておりますし、また、政府の方でも昨年十二月にテロ対策の行動計画を策定いたしまして、早急に法制化をするということになっております。 私ども、こういったことを受けまして、来日する外国人、これは特別永住者等は別にいたしまして、外国人から指紋を採取し、これを前歴がある者等の指紋との照合をするというような制度、また、顔写真を撮影して本人確認をする、こういったシステムの導入に向けて現在鋭意検討を行っているところでございまして、できれば来年、十八年の通常国会に法案を提出したいというふうに考えておるところでございます。
○松島委員 進捗しているようで安心いたしました。 さらに私は、市区町村が外国人登録証を発行し、これは、在留期限が切れている人についても、在留資格なしという赤いスタンプを押して発行するように法務省が定めていて、これはおかしいじゃないかと言ってきました。この把握というもの、外国人の在留情報については国が一括して管理して責任を持つべきだと主張してまいりました。 これについて、自民党の不法滞在者対策強化小委員会の場におきまして、入国管理局長はやっとそのことに同意していただきまして、市区町村に責任を負わせる外国人登録証の発行はやめる方向、国が一括して管理するという方向を打ち出していただきましたが、これについては、いつごろ、どのような形というめどでございましょうか。
○三浦政府参考人 ただいま御指摘いただきました外国人の在留管理の関係でございますが、これは、我が国では外国人登録制度というものが中心になって外国人の在留管理を行っておるわけでございます。 ただ、このところの外国人の状況を見ますと、来日する外国人の数が非常にふえておるということ、それから、いろいろな分野で職業についている外国人もふえておりますし、一方で不法就労の人たちも相当いる、また不法滞在者も相当程度、若干減ってきてはおりますけれども、高水準を維持している、こういう状況がございます。 こういう中で、従来のままの外国人の在留管理のシステムを続けていっていいのか、御指摘のとおり、問題点があるというふうに私どもも認識しておりまして、この際、外国人登録を初めとする現行の外国人の在留管理の制度を抜本的に見直す必要があるのではないかというふうに考えておるところでありまして、この在留の情報を一元的に管理するような方策というものはないのかということを今鋭意検討を行っているところであります。非常に多岐にわたる問題でございますので、できるところから順次これを制度化していきたいというふうに考えて、今検討しているところでございます。
○松島委員 鋭意という言葉が何度もありましたので、それはしっかりと進めていただき、市区町村が責任を持つ問題ではなくて、どんどん彼らは動いていくわけですから、国としての一括管理というものに変更していっていただきたいと思います。 以上、質問を終わります。ありがとうございました。
○塩崎委員長 次に、早川忠孝君。
○早川委員 このたびの委員会で法務委員会の理事に御選任を賜りました自民党の早川忠孝でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 郵政民営化法案がさきの通常国会で否決、廃案されたことを受けて、国民の声を聞かなければならないということで、衆議院の解散と総選挙が行われたわけであります。改革をとめてはならないという国民の圧倒的な声を受けて、御案内のとおり、我が自民党の候補は多数当選をさせていただきました。これから、まさに国民の声に謙虚に耳を傾けながら、国の重要な方針の決定に当たっていかなければならない。私は、一人一人の国会議員が国民の代表者としての重い責務を担っているんだということを改めて痛感をしているところであります。 さて、昨日の法務大臣のごあいさつの中で、法務大臣は、小泉内閣の標榜する構造改革については、このたびの総選挙を通じて国民の信任をいただいたところであり、構造改革を進めるためにも司法制度の充実強化が不可欠であると述べられました。私は、我が国の構造改革と司法制度の充実を関連づけられました法務大臣の高い御見識に、心から敬意を表したいと思っております。 これまで、小さな政府を実現するため、民間でできることは民間へ、地方でできることは地方へという構造改革に取り組んでこられたわけでありますけれども、これまでの政治家の中では、この構造改革というのと司法改革を真正面から関連づけるという方はほとんどおられなかったのではないかと思います。 そういう意味では、今後の司法改革並びに法務行政にぜひ生かしていただきたいと念願をしておりますので、特に法務大臣が、我が国の構造改革のために司法制度の充実強化が不可欠であると述べられた内容について、いま少し御説明を賜りたいと思います。
○南野国務大臣 このたびの御当選、おめでとうございます。さらにまた、理事に御選任されましたので、この法務委員会、どうぞ、すてきな委員会としてリードしていただきたいと思っております。 委員も御承知のとおり、現在、小泉内閣におきましては、行政改革、規制緩和など、我が国の社会経済の構造改革が推し進められております。これは、自由で活力のある健全な社会を確立するため、明確なルールと自己責任の原則に貫かれた事後チェック型、救済型への転換を推し進めるためであろうかというふうに思っております。 そして、この事後チェック、事後救済を担うのは司法でございますから、構造改革を推し進めるためには、司法制度の充実、さらにその強化が不可欠であろうかと思います。今般の司法制度改革はそのために行われているもの、そのように承知いたしております。 あいさつの中でも、そのような形で、構造改革を進めるためにも、司法制度の充実強化が不可欠であるということを申したのは、そのような理由からでございます。
○早川委員 そこでお伺いをしたいのでありますけれども、これまでの司法制度改革の到達点について法務大臣はどのように評価をされているか、さらに、今後残された司法制度改革の課題をどのように認識されておられるか、さらには、そのそれぞれの課題の実現のためにどのような体制をつくっておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○南野国務大臣 大きく三点ほどのブロックがあったというふうに思います。 今般の司法制度改革におきましては、総合法律支援制度や、また、先ほども松島先生の方からお話がありました裁判員制度、それらの導入を初めといたしまして、裁判の迅速化、法曹養成制度に関する改革、また多くの重要な改革が実現して、大変大きな成果が得られたんじゃないかなというふうにも思っております。 これは、我が国の司法のあり方を半世紀ぶりに抜本的に改めるということとともに、一連の構造改革のかなめとして、活力ある自由で公正な社会を築くための基盤を整備するものであると思います。これら一連の改革によりまして、二十一世紀の我が国の司法を支えるにふさわしい制度ができたものというふうにも思っております。 今後は、国民に身近で、速くて、頼りがいのある司法を実現するために進めてきました司法制度改革の成果を国民が実感できるように取り組んでいくことが重要であろうかというふうに思っております。国民の皆様方が改革の成果を実感することができますよう、改革の本旨に従った制度の実施に取り組んでいきますとともに、引き続き必要な司法制度の見直しを適宜適切に行ってまいりたいというふうに考えております。 そのために、一連の改革の実施を中心となって担っている法務省、また総合調整を担当する内閣官房におきましても所要の体制を整備しておりまして、これらの体制のもとで引き続き改革にしっかり取り組んでいきたいと思っております。
○早川委員 大枠についてお話を承りました。 法律の実務家であります副大臣にお伺いをしたいと思いますが、司法制度改革の残された具体的な課題についてどのようにお考えであるのか、さらには司法制度改革実施推進会議の具体的な体制について、いま少し御説明をお願いしたいと思います。
○富田副大臣 今大臣の方から大枠についてお話をいただきましたが、司法制度改革の残された具体的課題はどうなんだというお話ですので、何点か御説明させていただきたいと思います。 具体的には、もう先生当然御承知のように、裁判員制度の実施準備、そして日本司法支援センターを初めとする総合法律支援制度の立ち上げのほか、法令外国語訳整備の推進、裁判外紛争解決手段の拡充、活性化、法教育の推進などが司法制度改革推進のための残された課題というふうに当省としては考えております。 また、司法制度改革を推進していくための体制ですが、昨年十二月一日、内閣官房に司法制度改革推進室が置かれ、同推進室におきまして、今後の司法制度改革推進に係る政府の施策の統一を図るために必要な総合調整等を行っております。 今後は、改革の本旨に従った諸制度の円滑な実施を図っていく必要があるところ、司法制度等を所管する法務省におきましては、各責任部局をまとめ、省全体での取り組みを可能にするため、事務次官を議長としまして、検察庁からも参加を得まして、司法制度改革実施推進会議を設置しております。 さらに、司法制度を支える中心的存在である法曹三者の社会的責任にかんがみ、司法制度改革全般を着実に推進するため、諸制度の円滑な実施及び今後必要な見直し等を行うための法曹三者による支援体制として、最高裁判所、これは事務総長が出ております、法務省事務次官及び日弁連事務総長による協議会が設けられております。 法務省といたしましては、これらの体制のもとで、自由かつ公正な社会の形成に資することを基本として行われるものとする旨の司法制度改革の基本理念を十分に生かす努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○早川委員 これは弁護士会では、今次の司法改革については、市民に身近で利用しやすい司法、あるいは国民を統治の主体とする司法への歴史的な制度改革であるというふうな評価をしております。私もその意味では全く同感でありまして、これまで積み上げられた司法制度改革の成果をさらに前進させていただかなければならない。決して後戻りすることがないような体制づくりをぜひ今後とも構築していただきたいというふうに思っております。 そこで、いよいよ来年の四月に日本司法支援センターが発足をいたします。さらに、来年の秋には、現在の法律扶助協会の法律扶助事業が司法支援センターに承継をされることとなっております。 そこで、その具体的な準備状況、あるいは法律扶助の現状と課題、さらには日本司法支援センターとしての事業内容等について、法務当局にお伺いをしたいと思います。
○倉吉政府参考人 日本司法支援センターが所管する業務、多岐にわたります。民事法律扶助、犯罪被害者支援を含む情報提供業務、そして国選弁護関係業務、これらを円滑にスタートさせるためには、言うまでもありませんが、関係機関との連携協力が不可欠であります。 現在、法務省といたしましては、日本司法支援センターの設立、これは来年の四月が予定されておりますが、これに向けまして、日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会、財団法人法律扶助協会等の関係団体、関係機関と協議を重ねつつ、準備作業を進めております。 また、支援センターの業務は、ここが一番大事なところでございますけれども、その性質上、地域に密着したものとなります。そこで、地域の実情を支援センターの設立準備作業に的確に反映させるとともに、地方の関係機関等の支援を受けることが、必要な作業を円滑に遂行する上で必要でございます。そこで、各地で司法を支えている方々に委員を委嘱、依頼いたしまして、地方準備会というものを設けて、活発に、精力的に活動いただいているところでございます。 さらに、支援センターの業務に関係する中央レベルの各省庁等で構成される総合法律支援関係省庁等連絡会議の開催などを通じまして、関係各省庁との緊密な連携、協力関係の構築にも努めているところでございます。 御承知と思いますが、九月六日に支援センターの理事長となるべき者、これは四月からセンターができ上がるものですから、まだ理事長とは呼べない、理事長となるべき者としておりますが、といたしまして、金平輝子氏が指名されました。法務省としては、理事長予定者と十分に意思疎通を行いながら、平成十八年十月ころに支援センターがただいま申し上げました各種の業務を遺漏なく開始できるよう、引き続き作業を進めてまいりたいと思っております。 なお、過日概算要求をいたしました。日本司法支援センターにかかわる部分、およそ百十四億の数字を計上しております。このほか、来年度の四月から十月までの民事法律扶助に要する費用、これが二十四億を計上しておりまして、合わせて百三十八億という概算要求をいたしたところでございます。
○早川委員 この日本司法支援センターでありますけれども、先ほど松島委員からもちょっと指摘がありましたけれども、犯罪被害者等基本法が制定をされて、この四月からそのための基本計画づくりが始まっております。私は、犯罪被害者支援事業を何としても日本司法支援センターで担っていただかなければならない、単なる情報提供だけでは決して十分ではない、むしろ犯罪被害者の支援を積極的に受け入れていくというような取り組みが求められているのではないのかなと思っております。 その関係で、この支援センターの理事長となるべき者として金平輝子さんが指名されたということでありますけれども、この人選等の経緯等についてもあわせてちょっと、付随して御説明をお願いしたいと思います。いまだ国会ではこの件についてはどこでも言及をされていないのではないかと思いますので、御説明をお願いいたします。
○倉吉政府参考人 犯罪被害者支援に関係する業務、これは極めて重い業務であります。法律上は、これは情報提供という枠の中で行うことになっておりますが、実際に支援を求める被害者の方々がセンターの窓口に訪れ、あるいは電話等で照会してくるというときは、さまざまな協力支援が可能であろうと思っております。もちろん、ただいま御指摘のありました基本対策法の枠組みがどうなっているのかということもございますし、それから具体的に、法律上も、犯罪被害者支援に強い弁護士、それの紹介みたいなこともやれということも言われております。 そうしたところで、もちろん法律の枠組みがございますけれども、必要な情報を提供しながら、できるだけ被害者の方々のお力になれるように、むしろ、私ども、それとあわせて大事なのは、その窓口に出る、相談をする職員がそういう気持ちを持つ、被害者がどういうトラウマを持って、どういう形で思い余って来るのかというあたりも、しっかり研修を行って、準備に努めたいと思っております。 それから、理事長予定者であります金平輝子氏のことでございます。 これは、金平さんのお人柄それから経歴等々を考えましてお願いをしたというのが率直な事実関係でございまして、御承知かもしれませんが、金平輝子さんは、東京都に入りまして、女子職員として、最初から非常に苦労をされました。福祉局長までやられたわけですが、各種の相談窓口、そこで、身体や精神に障害のある子供たちを抱えたお母さんの悩みであるとか、あるいは、ちょうど東京オリンピックのころ、障害者の問題等がいろいろ起こっておりましたけれども、その人たちを自治体の立場でどう救済できるかということに心を砕いてこられた方でございます。 長くなって申しわけありませんが、その後、東京都の副知事もされまして、それからハンセン病についての検討会の座長を務められました。これは日弁連の財団でやられたわけですが、非常に大部の報告書を出されました。それを出すに当たって、金平さんは全国のハンセン病患者の療養所に、台湾にまで足を運んで、全部見てきて話してきたということでございました。その報告書自体も非常に胸を打つものがございます。 こういう方であれば、センターの理事長としてまことにふさわしいであろうということで、今も各種のボランティア活動を続けておられまして、お忙しい方ではありますが、どうかしばらくこのセンターのために働いてくださいとお願いをして、お引き受けいただいた、これが経緯でございます。
○早川委員 大変すばらしい方を理事長予定者に御指名いただいたなと改めて感心をいたしました。どうぞよろしくお願い申し上げます。 さて、司法制度改革審議会意見書では法教育の充実の必要性が訴えられておりました。裁判員制度の円滑な実施というのが今後の司法制度改革の重要な課題となっております。そのためには国民に対する法教育が不可欠であります。 法務省ではこれまで法教育についてどのような取り組みを行ってこられたのか、お伺いいたします。
○倉吉政府参考人 裁判員制度の実現を初めといたしまして、司法制度改革を真に実りのあるものとする、このためには、国民一人一人が法や司法を身近なものと感じ、みずからが司法制度の担い手であると認識することが必要不可欠である、このことは審議会の意見書にも高らかにうたい上げられているところでございますが、そのためには、初等中等教育の段階から国民が法や司法になれ親しむとともに、法的な考え方を自然と身につけるような学習機会、これを充実させることが重要であると考えております。 法務省におきましては、この審議会の意見を受けまして、平成十五年七月に法教育研究会というのを発足させました。その場で、我が国における法教育のあり方について検討を行いまして、昨年の十一月ですが、その検討結果とそれから法教育の内容を具体化した四つの教材例を取りまとめた報告書を出していただきました。 この報告書はなかなかおもしろいできでございまして、例えば中学生あたりに、君たち契約をしたことあるかい、こう聞くと、だれも手を挙げないそうであります。コンビニでおにぎりを買うだろう、あれは契約なんだと言うと、大げさに言えばみんな目を輝かせて、ああ、そうなのかということになる。そこでということで話を進めるということで、例えば、契約をしたんだけれども、いろいろな事情があって、これは嫌だな、もっと安く売ってくれるという人が出てきた、だからこっちの契約をやめたい、こんなことできるだろうかとか、もらったものに民法でいえば瑕疵がある、これは易しい言葉で書いてあるわけですが、そういうときにこれを返したいということができるだろうか、そういうことを考えさせる、そういうことができるような教材になっております。 法務省では、文部科学省や関係機関の協力を得て、教育関係者を初め広く国民に対しこの報告書の内容について広報を行い、法教育が全国各地で行われるよう、さまざまな取り組みを進めております。 本年五月には法教育推進協議会というのを新たに発足させました。ここでは、学校における法教育の実践、それから法教育に関する教員の指導力の向上、そして、今御指摘のありました裁判員制度を題材とした法教育教材の作成などについての検討に着手したところでありまして、実は既に、東京都それから静岡県などの複数の中学校でこの教材に基づいた法教育が現実に実践されております。 また、法務省では、検察庁とともに、初等中等教育段階における裁判員制度についての広報啓発にも努めておりまして、例えば、既に二回にわたって、検事総長が中学三年生を対象に裁判員制度の意義について講義するといったような取り組みも行っております。 〔委員長退席、吉野委員長代理着席〕
○早川委員 裁判員制度の実施に当たりましては、今、講義の対象者として中学三年生と挙げられましたけれども、中学生のみならず、小学生あるいは高校生、さらには社会人に対する法教育も極めて重要になってくると考えております。法務省では今後、これらの課題を踏まえてどのように法教育に取り組まれる予定であるか、お伺いをいたします。
○倉吉政府参考人 御指摘のとおりかと思います。 今後も、そのことも含めまして、法教育推進協議会を継続的に開催し、教育関係者、法律実務家のみならず、有識者からも幅広く御意見をお聞きしながら、小学生あるいは高校生をも対象とした法教育の位置づけ、さらには社会人を対象とした法教育の普及のための施策等についても、多角的な観点から検討してまいりたいと思っております。 それから、本年八月三日に裁判員制度関係省庁等連絡会議が取りまとめました裁判員制度の円滑な実施のための行動計画におきましても、国民に対する法教育の充実が重要な施策として取り上げられておりまして、法務省としても、引き続き、文部科学省を初めとする関係機関と連携しながら、この充実のための取り組みを進めてまいりたいと思っております。
○早川委員 司法改革の目標の一つとして、私は、これは保岡元法務大臣がよく自民党の司法制度調査会等でおっしゃっていることでありますけれども、日本の司法を世界一の水準に高めていくことを掲げなければならないと私もまさに同様に考えているところであります。 そのような法制度を実現するためには、外国あるいは外国人の理解を広げていくことが何としても重要である。そのためには、まず、最も世界でわかりにくい日本語による日本法令をどうやって外国語に翻訳をしていくか、その具体的な取り組みというのがどうしても必要になってくると思います。これは、内閣官房、法務省でそれぞれにその方策について御検討を進められていると思いますので、その状況について御説明をお願いしたいと思います。
○本田政府参考人 日本法令の外国語訳の重要性については、委員御指摘のとおりでございまして、法令外国語訳の推進につきましては、内閣官房に法令外国語訳推進のための基盤整備に関する関係省庁連絡会議、ちょっと長い名前でございますが、この会議を設置いたしまして、その下に実施推進検討会議というのをまた設けまして、法令外国語訳推進のための基盤整備に向けた実質的な検討作業を行っているところであります。 この実施推進検討会議におきましては、平成十七年二月二日の第一回会合以来、これまで五回の会合を開催いたしまして、翻訳のための基本原則、それから翻訳推進のあり方、翻訳の対象、方法等をどうするかということでございます、それから、翻訳された法令の利用、いわゆるアクセスを容易にするための体制の整備、さらには法令の改正への対応等の継続的作業、メンテナンスをどうするか、こういった体制の整備等について検討を行ってまいりました。このたびその結果を中間報告として取りまとめまして、ことし九月三十日の関係省庁連絡会議に報告して了承を得たところであります。 この中間報告では、法令外国語訳推進の方向性や平成十八年度から平成二十年度までの政府の翻訳整備計画の策定といった具体的な提言がなされております。今後、この中間報告を外部に公表いたしまして、各方面から広く意見、要望等を仰ぐことといたしておりまして、そこで寄せられた意見、要望等を参考にしながら、最終報告の採択に向けた検討を進めることとしております。 なお、先ほど申し上げました整備計画の策定とは別に、特にニーズが高く各分野の基本となる法律、例えば民法、刑法あるいは個人情報保護法、特許法、こういった十四本の法律につきましては、平成十七年度中にその翻訳を実施するというようなことも決定しております。 以上でございます。 〔吉野委員長代理退席、委員長着席〕
○早川委員 私は、今次の司法改革は、先ほどお話ししたとおり、我が国の司法の歴史の中でも極めて大きな足跡を残すものである、さまざまな改革の中でも最も大きな成果をもたらしたものというふうに評価をしております。 これまで司法のことは、法曹の専門家であります法務省、検察庁、裁判所あるいは弁護士会、いわゆる法曹三者の間で決めるものであるというような認識が一般的でありました。その認識を根底から変える契機となったのが、実は、行政指導依存型の社会からの脱却、そして規制緩和政策の採用だったというふうに思っております。 特に、自民党においては、一九九七年の六月、党内に司法制度特別調査会を設置して、翌九八年六月に「二十一世紀の司法の確かな指針」という意見書を発表しております。これは、規制緩和社会への転換と司法の機能強化を内容とするものでありました。一九九九年六月に司法制度改革審議会設置法が成立をし、二〇〇一年の六月に司法制度改革審議会の最終意見がまとめられました。 小泉内閣は、まさに司法制度改革審議会の最終意見書を踏まえて、政治のリーダーシップを遺憾なく発揮され、まさに全力でもって司法改革に取り組んでこられた。その成果が現在に至っているというふうに評価をしているわけであります。 司法制度改革審議会の設置、意見書の公表、司法制度改革推進法の設置、さらには内閣総理大臣を本部長とする司法制度改革推進本部の設置、こういった具体的な手法がすべてこういった改革の成果につながってきているというふうに思っております。さまざまな改革を必要としております我が国でありますけれども、さまざまな改革を進めるについては、今次の司法改革と同じような手法がやはり必要になってくるのではないか。 さらに、これはあくまでも外形的な要素でしかないわけでありまして、改革を支える人材を得たこと、改革を支える確固とした理念を有していたこと、さらに改革を推進する権限と職責を持った組織を具体的に設立したこと、さらには改革を推進するための予算面での十分な配慮があったこと、こういったことも具体的な成果となってきたことであり、さらには、改革の期限と達成の目標が具体的に設定をされて、集中的に政府として改革に取り組んできたこと、こういったことが総合的に現在の司法改革の成果につながってきているというふうに思っております。 最後に、法務大臣にもう一度お伺いいたしますけれども、司法改革の残された課題について、法務大臣としての御所見をお伺いしたいと思います。
○南野国務大臣 先ほど来いろいろと課題を取り上げながら検討してまいりましたが、今お話しになられましたように、法務省というのは、本当に司法というものはその中心をなすものであろうと思っておりますので、この委員会に付託されました法律、そういったものをしっかりと上げていくことであり、また地方に向けて司法を広げていくことだ、わかりやすい司法という形で展開していくことだと思っております。
○早川委員 終わります。ありがとうございました。 —————————————
○塩崎委員長 この際、お諮りいたします。 各件調査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房長安藤隆春君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○塩崎委員長 次に、秋葉賢也君。
○秋葉委員 自由民主党の秋葉賢也です。きょうは、国内の治安に関する件につきまして、何点か御質問をさせていただきたいと思います。 この特別国会での南野大臣の昨日のごあいさつにもございましたように、司法制度改革のさらなる着実な実施ということ、そして国民の安全、安心の確保について、とりわけ特段意を用いていきたいという昨日の御説明がありました。本当に法務省の改革も着実に進展しているなというふうに思いますけれども、同時に、今の時代背景もまた、かつてない犯罪認知件数の増加でありますとか悪化がますます顕著になっている状態でございます。 そんな中で、私も一昨日、行刑施設を訪問したいということで府中刑務所の方を視察させていただいてまいりました。 今、行刑施設における現状と課題ということを概観してみますときに、平成七年度には四万六千九百二十八人であった受刑者数の実態が、平成十七年度では七万八千二百四十七人ということで、このわずか十年間に三万人も増加をしてきているという実態がございます。 いろいろと戦後の資料をひもといてみますと、戦後はずっと収容率が一二〇%、多いときですと一六〇%を超える時代もございましたけれども、昭和四十二年以降は一〇〇%を割る、つまり定員オーバーをしている状態がない形で推移をしてまいりました。 それが、平成十二年の収容率が九五・四%ということで、定員オーバーということはなかったわけでございますが、平成十三年に、未決囚も含めてでございますけれども、六万五千五百八人に対して受け入れ側の施設の定員が六万四千七百二十七ということで、一〇一・二%、一・二%過剰収容になってきている。この数値が、平成十六年では一〇五・九%ということで、年々収容施設も整備はいただいているわけですけれども、それにいわば追いついていないというような実態にあるわけでございます。 そんな中で、いわゆる刑務官といいますか職員の皆さんの負担率というのも相当重いものになってきているなと。私が伺った府中では、一人の刑務官が五・六人の受刑者を受け持つというような状況だと伺ってまいりました。日本の矯正施設七十四庁合わせても、大体、一人当たりの職員が受け持つ収容者の割合が平均で四・四人ということでございますので、府中刑務所の五・六人というのは大変な負担感ではないかなというふうに思っております。 そんな中で、七十四庁のうち一番高い負担率になっているということで、職員の皆さんの御苦労というのも大変なものではないかな。四週八休、つまり週休二日が十分確保されていないという状況で、しかも年次休暇がほとんどとれていないというような多忙さであるというお話でございました。 ですから、名古屋での残念な事件なんかもございましたけれども、ああいった行刑施設での事故を未然に防ぐためにも、やはり一人当たりの負担感というものをこれから勘案していかないと、大きな事件の遠因になってくるのではないかなということを憂慮せざるを得ない。 参考までに、諸外国との職員負担率なんかを比較してみますと、あのアメリカでさえ三人ということで、ドイツが二・一人、フランスが一・九人、イギリスが一・六人ということで、日本は一人当たりの職員が受け持つ人員というのが四・四人ということで、突出して高くなっているというふうに申し上げてもいいのではないかなというふうに思っております。 それに伴ってということだと思いますけれども、保安事故なども急増しておりまして、懲罰件数の増加とともに、職員の皆さんの精神的、肉体的な負担も大変高まっているというのが率直な原因ではないのか。 そもそも、もちろん、いわゆる収容人員が多くなってきた、犯罪そのものがふえているということがあるわけですけれども、認知件数の増加に加えて、従来よりも重い判決が出るケースが多くなっている、あるいは引き取り手がいない受刑者がふえているといったようなことも挙げられるようですけれども、これからのこの職員の確保という問題についてどのようにお考えになっているのか、まず伺っておきたいと思います。
○小貫政府参考人 先生には、府中の施設を御視察いただいて、ありがとうございました。 現在、過剰収容が続いている行刑施設におきましては、職員の増員を行っても不足する、この要員につきましては、民間活力を活用した施設の整備、運営を推進しているところでございます。 一つは、御案内のとおり本年十月一日に改正されました構造改革特別区域法で、監獄法の特例措置として業務の大幅な民間委託が可能になったことから、この特区制度を利用して、今後、山口県美祢市と島根県旭町におけるいわゆるPFI手法による官民協働の刑務所を整備する予定でございます。 さらに、既存の刑務所につきましては、公権力の行使を伴わない業務については、施設の規模であるとか収容の状況、あるいは少年であるか成人であるか、男女の差等々を考慮いたしまして、民間委託を実施することにしております。 ちなみに、その委託数を申し上げますと、平成十六年度二百十二ポストでございました。これが、平成十七年度には六百十七ポストとなっておりまして、大幅な民間委託を推進して職員の負担軽減に努めているところでございます。 今後、さらに民間委託の可能なポストについてよくよく研究を遂げまして、その拡大推進に努めてまいりたい、こう思っている次第でございます。
○秋葉委員 民間委託を推進して職員の不足分を十分補っていきたいというような御回答でございました。 私も担当の方ともいろいろ議論をさせていただいて感じますものは、確かに、今後、十九年の四月に予定をしておりますこの山口県美祢市の施設でありますとか、あるいはさらに、ことしの十月に入札が始まり二十年の四月オープンを予定しております島根県旭町の施設、ともにPFI事業で、警備業務を初め運営管理等につきましてもいわゆる民間の活力を導入してやるということで、極めて高く評価できるわけでございます。 その一方で、既存の施設については、本格的な委託のいわゆる見直しというものがまだまだゼロベースで点検されていないんじゃないかなという気がいたします。刑務所や少年刑務所、拘置所、少年院、少年鑑別所、婦人補導院、刑務所といいましても、その種類がいろいろ多岐にわたるわけでありまして、全体をすべて一つの基準なりくくりの中で民間委託をということではなくて、刑務所の種別ごとにやれるレベルというのはどうなのかということを一つ一つ精査していくということが極めて重要ではないのかなというふうに思っております。 そういう意味では、新しく整備されるものについては当然のことなんですが、既存のものについても、府中のように非常に凶悪犯が多く収容されているところと少年刑務所のようなところでは、やはり民間委託の比率もおのずと違ってくるわけであって、中身も相当違ってくると思うんです。 ですから、刑務所の種別に応じた民間委託の推進計画みたいなものを詰める必要があると思うんですが、そういった部分が現状ではまだまだ不十分ではないかと思いますが、今後の取り組みについて伺いたいと思います。
○小貫政府参考人 御指摘のとおり、民間委託の範囲をどうすべきか、個別の事情を十分に考慮すべきだと考えている次第でございます。なおかつ、それによって施設の運営に支障を来さないということをまた慎重に勘案しつつ、より高度な精度をもっていろいろ検討を進めてまいりたい、このように思っている次第でございます。
○秋葉委員 御紹介が先ほどありました構造改革の特区を生かして、法制度の方は既に済んでいるわけで、あとはそこに各施設を追加して、そもそも運営そのものを委託していくようなことも踏み込んで、個別に精査をしていただきたいなというふうに思います。 例えば、この山口県の美祢市の場合ですと、委託運営も含めた総予算で比較をいたしますと、四十八億円、約八・五%の縮減が図られたという数値が出ているわけで、この数値が出てきた計算式がどうだったのかという問題ももちろんありますけれども、それぞれの施設について、どれくらいの費用が縮減されるのか、警備なら警備、教育なら教育、委託を想定している分野ごとに詳しく施設ごとに出しながら、より厳格な委託推進計画みたいなものをぜひ策定いただくように要望しておきたいと思います。 それから、一方で外国人の収容者がふえているという問題も看過できないわけでございまして、当然日本政府の税金でこれは対応しているわけでございますが、もう少し外国との移送条約の締結の促進等を図るなどして本国に引き取ってもらうという努力を強化していくべきではないのかなというふうに思っております。 まだ国際条約に加盟していない国々、すなわち外国人受刑者の多い国ワーストフォーでいえば、中国、イラン、ブラジル、韓国ということで、そういった国々、韓国はこの十一月一日から多国間の条約に加盟をするということのようでございますけれども、何といいましても、外国人の収容者のワーストワンは中国人なわけでございます。二番目が、府中はたしかイラン人か何かだったと思いますが、一般的にはブラジルが第二位になるんじゃないかなというふうに思います。 こうした、まず中国、それからブラジル、イランという国々に対して受刑者の移送条約を早急に結ぶような、あるいは外務省とも連携した、そうした下地を今からつくっておく必要があるんじゃないのかな。そして、例えば総理やあるいは外務大臣の当該国の訪問などのときに議題にしてもらうというような、そういう下地をまずはしっかりと今構築をしていくべきだと思うんですが、受刑者の移送条約についての法務省の考え方を伺っておきたいと思います。
○小貫政府参考人 受刑者移送につきましては、刑事政策上重要な意義がある、こういう認識をしております。やはり言葉の通じる施設の中で刑に服する、あるいは、家族等あるいは友人等の支援が受けられる、そんな場で服役するということは、本人の改善更生あるいは円滑な社会復帰の上でも大変重要な事柄だ、こう考えておりますので、私どもとしては、できる限り多くの国との間で受刑者移送を行うことが望ましい、こう考えている次第でございます。 先生御指摘の国はいわゆる国際条約に加盟しておりませんので、二国間の話し合いでこれを取り決めていく必要がありますけれども、特に中国につきましては、昨年十二月末の統計数値でございますが、中国国籍の受刑者は来日外国人受刑者数のうち一千六百八十六人ということでございまして、これは外国人の受刑者数の四六・四%を占めております。 したがいまして、まずは中国との間で受刑者移送に関する条約締結が早期に望まれる、こういう考えでおりまして、本年の六月、北京において開かれました日中間の刑事分野における国際約束の締結に関する予備協議におきましても、この条約締結について中国当局と意見交換を行ったところでございます。中国側は、まずは日中両国の制度の実情についていろいろ意見交換をして認識を深めよう、こういうお話でございました。政府としては、今後とも、この条約の早期締結に向けまして中国の理解が得られますように努めてまいりたいと思います。 その余のイラン、ブラジル等につきましても、移送の意義や必要性のみならず、我が国と相手国の刑事司法制度の共通性等についても十分勘案しつつ検討を進めてまいりたい、こう思っている次第でございます。
○秋葉委員 今の御答弁を伺いますと、中国については、ことしの北京での会議の際にも問題提起をしていただいたということで、率直に評価をさせていただきたいと思いますが、残りのブラジルやイラン、いろいろなお国柄の事情や違いもございますので、一般的に想定するよりも大変な難作業だとは思います。 しかし、大事なことは、常に日本政府としてボールを投げておくということだと思いますので、文書一枚でもいいわけですから、やはり常にそうした下準備というものが大事だという観点に立って、確かに中国が四割以上を占めているわけですけれども、ワーストスリーないしワーストフォーの国については国別に進展を今後図っていただきたいなというふうに思っております。 中国人の受刑者だけで一千六百人を超えている中で、年間の経費も、直接的な経費は約七億五千万ほどでございますけれども、受刑者のためのさまざまな翻訳の件数初めいろいろなことを含めますと、大変な金額を日本政府として負担をしているということになるわけでありまして、これを外国人犯罪すべてに当てはめればもう少し膨大な金額になってまいりますので、しっかりと対応していただいて、やはりこれも場当たり的にやるのではなくて、しっかりとした移送条約の締結についての考え方というものを取りまとめた上で、着実に対応に当たっていただくよう強く要請をしておきたいと思います。 さて、行刑施設について何点か取り上げさせていただいたわけでございますけれども、一方で、法務省の直接の所管ではございませんが、治安の維持という観点から、やはり警察官の定員の増強ということもあわせて重要な課題なわけでございまして、従来、この十七年度から三年間でさらに一万人を増員するということで取り組みをいただいております。 前回の質問のときに、ちょっと時間がなくて、今後の見通しと増員の中身について議論が十分できなかったので、何点か伺っておきたいのでございます。 警察官を増員する中身、具体的には、警察官の負担率というものがそれぞれ標準化するような配慮をしていかなければいけない。警察官の負担率という場合に重要になってくるのは、一つは対人口の比率であります。そして二つには、いわゆる認知件数なり検挙率、その他事件、事故についての件数に対して警察官の定員が公平に適正配置されているのかという観点からアンバランスを是正していくということが必要なわけでございますが、警察官増員について、その配置が平準化するようないわゆる工夫といいますか中身にしっかりなっているのか、改めてまずは伺っておきたいと思います。
○安藤政府参考人 お答えいたします。 今委員御指摘の平成十七年度からの増員計画でございますが、これは、十七年度から三年を目途に約一万人を増員するという必要がございますため、まずことし、平成十七年度は三千五百人の増員が措置されたところでありまして、平成十八年度におきましても、この一万人増員構想に基づきまして、さらに三千五百人の増員を要求しているところであります。 その中身でございますが、来日外国人犯罪対策、街頭犯罪対策、それから大規模繁華街犯罪対策、あるいは身近な知能犯罪対策、さらには大規模テロ対策等の強化を図るために三千五百人の増員を来年度要求するということでございまして、今委員御指摘のような負担の均衡を図るという観点を、我々も増員を要求する場合に考慮するわけです。 ただ、申し上げたいのは、今回の一万人増員構想というのは、現下の急激に悪化しました治安をもとに戻す、これを最重点にしまして、先ほど申し上げましたような増員のいろいろな要素、緊急に講じなければいけない犯罪諸対策について、各都道府県ごとの負担がどれだけだということをまず推しはかりまして、これをまずは一義的に優先的な指標とする。 しかしながら、委員御指摘のように、今おっしゃいましたように、人口負担を含めまして、刑法犯の認知件数、それだけではございません、交通事故発生件数とか一一〇番の受理件数等々、そういうものも十分に、いろいろ総合的に勘案しまして、最終的に増員の人数というのを決定させていただいているということでございます。
○秋葉委員 それぞれの都道府県、これは警察法で定員が決まっているわけで、勝手にそれぞれの自治体が決められないわけですので、ですから、そうした自治体側にとって公平な、そしてまた均衡ある定員配置に特段の意を用いていただきたいと思うわけです。 具体的に申し上げれば、例えば宮城県でも、平成十三年に、ちょうど私が県議会の委員長をしていたときでございましたが、百三十人という大幅増員をいただいたんですが、翌々年がゼロということ。こうなりますと、警察官のいわゆる昇給といいますか、定年時に大量に退職をされるというような問題も起こってまいりますし、もう本当に、一気に増加していただくのはありがたいんですけれども、もっと標準化できないのかということも思うわけであります。 御回答にもありましたように、もちろん人口だけではない、刑法犯だけではない、そうした交通事故あるいは一一〇番の受理件数、あらゆる指標の中で優先度というものが、やはり人口、認知件数ということになると思いますので、ぜひこの負担率が標準化するように意を用いていただきたいなということを改めて強く申し上げておきたいと思います。 それから次に、犯罪被害者の基本計画について伺いたいと思います。 先ほど松島先生からもお話がございましたように、ちょうど基本計画を詰める二回目の会合の直後に解散になりまして、今度また、あしたかあさってぐらいの部会でも報告があろうかと思いますので、中身はさらに部会等でいろいろ申し上げていきたいと思うわけでございますが、被害者に対する配慮という志向が強いわけでございます。 前回の質問のときに、検察庁で実施をしているコピー代について、そもそも法務省でこれを把握していないというようなことで非常に驚いたわけでございますが、その後、調査を要請しておりましたが、どういったコピー代の実態になっているのか、まずもって伺っておきたいと思います。
○大林政府参考人 刑事確定訴訟記録の謄写業務につきましては、検察庁において直接行っているわけではございませんで、弁護士会の事務員やその他の謄写業者において取り扱っております。 全国五十の地方検察庁のうち、四十三庁については弁護士会において謄写業務を行っており、六庁については謄写業者、一庁については弁護士会と謄写業者において謄写業務を行っているもの、このように把握しております。 謄写費用につきましては、地域によって差はありますけれども、おおむね謄写一枚当たり四十円から七十円程度、このように聞いております。
○秋葉委員 相当ばらつきがあるということで、弁護士会に任せているということの是非はここではまずおいておいて、それも、民間活力、民にできることは民にという理屈でいえば、そのこと自体は大きな問題はないと思うんですが、しかし、同じ性質のものを入手するのに、全国的にやはりこうしたばらつきがある。ちなみに、宮城県の場合には六十円だったんじゃないかなと思いますが、四十円から七十円では、三十円もの違いがあるということがございます。 したがって、運営主体の一元化なり、あるいは委託をする先については今後どういうふうに、現状のままでいいと思っているのか。少なくても料金については一律的な、低廉化を視野に入れた一つの見直し作業が必要じゃないかということを思うわけですが、これについてどう思うか。 そして、あわせて、前回の私のこの問題に関する質問の主眼は、あくまでも犯罪被害者。では、犯罪被害者の定義なり、どういった被害者まで含めるのか。 すべての被害者を十把一からげにして無料化すべきだというふうに私は思っておりませんが、しかし、極めて社会に重大な関心を与えた大きな事件やあるいは凶悪事件などに限定をして、被害者については無料化を図っていくということも一方で必要ではないのかなと思うんですが、全国的な謄写代金の見直しについて、それから犯罪被害者の無料化についての今後の考え方、二つ伺っておきたいと思います。
○大林政府参考人 謄写業務につきましては、先ほど御説明いたしましたように、全国の各弁護士会あるいは業者がやっているということで、なかなか統一を図ることがやや難しいという問題があることを御理解いただきたいと思います。 ただ、委員御指摘のとおり、大きなばらつきがあるということは決して望ましいこととは思っておりませんので、私どもとして、どのようなことができるか、さらに検討させていただきたいと思います。 それから、今の二番目の犯罪被害者、特に重大な犯罪の被害者に対して特別な措置を図ったらいかがかという御意見をいただきました。 問題は、今、謄写の実態は、やはり交通事故被害者の方が非常に多い、かつ、民事訴訟のための準備行為としてなされているという問題がございます。委員が御指摘のように、犯罪被害者をどうとらえるか。確かに、交通事故の被害者も犯罪被害者でございます。それから、重大な犯罪の被害に遭われた人あるいは遺族も被害者でございまして、それをどう扱っていいか。 これは御承知のとおり、内閣府に設置された犯罪被害者等基本計画検討会においても、いろいろな角度から今議論されております。それから、謄写費用についても、国による損害賠償費用の補償というものも必要なんじゃないかという議論もなされているところでございます。 今後、いろいろ多岐な議論がなされていくかと思います。私ども、その推移を関心を持って見ているところでございまして、それも見ながら今後検討させていただきたい、このように考えております。
○秋葉委員 時間がなくなってまいりましたけれども、どの被害者までを対象とすべきかというのは確かに極めて困難な課題でもあるんですが、しかし、国民の理解が得られる想定の中で、ぜひ前向きに対応していただきたいと思います。 また、時間もなくなってまいりましたが、ちょっと最後に、法務省に設置されている審議会のあり方について、まとめて質問をさせていただきたいと思います。 今、法務省に設置されております審議会、全部で五つあるわけでございます。法律設置のものが三つ、それから法務省令のものが二つということでございます。 御案内のとおり、中央省庁改革の中で、この審議会についても、平成十一年の閣議決定で運営に関する指針というものが定められました。御案内のとおり、委員の選任については府省出身者は厳に抑制をすること、あるいは高齢者については原則委員に選任をしないこと、兼職についても制約を課すこと等々が決められたわけでございます。 今、法務省に設置をされております五つの審議会を概観いたしますときに、まず、五つ合わせて委員長を含めて五十三の定員になろうかと思いますが、六十五歳以上の高齢者が二十人、三六%を占めています。そして、女性の登用についても十年以内に三割ということで掲げられているわけですが、女性は五十三名中十二名ですか、二四%ぐらいということです。 高齢だからといって一概に、それが直ちに好ましくないというわけではありません。もちろん、専門性によっては、高齢の方でも、衆知を集めていくという観点に立てば、必ずしも高齢だから悪いわけではありませんけれども、しかし、約四割も六十五歳以上で占めているというこの実態、すなわち閣議決定された審議会の運営指針がまるで守られていないと言ってもいいのではないかと思うんですが、今後の考え方等についてまず伺いたい。 それから、委員の選任において、国会の同意が法律で定まっているのが中央更生保護審査会だけなんですが、必要に応じて国会の同意を求めていくというような法改正も検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。最後に伺って、終わりにしたいと思います。
○小津政府参考人 お答えいたします。 法務省所管の審議会等の委員になっておられる方につきまして、委員御指摘のような年齢の状況でございます。それぞれの審議会等また委員の方々につきまして、大変高度の専門性が必要であるとか、あるいは場合によりましては、そのほかの理由でそのようになっているわけでございますので、これにつきましてはまた十分御説明申し上げて御理解を賜りたいとは思いますけれども、当然のことながら、法務省といたしましても、閣議で定められました審議会等の運営に関する指針を十分に踏まえて、それを守ってまいりたいと思うところでございます。 国会同意人事の範囲につきましては、私ども限りで判断できるものでもないという面もございますので、また十分に私どもなりに勉強させていただきたいと思っております。 以上でございます。
○秋葉委員 終わります。ありがとうございました。
○塩崎委員長 次回は、来る七日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十一分散会