財務金融委員会 第5号
- 発言数
- 94 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2005/10/28
会議録
○小野委員長 これより会議を開きます。 金融に関する件について調査を進めます。 本日は、参考人として、日本公認会計士協会会長藤沼亜起君、あずさ監査法人理事長佐藤正典君、新日本監査法人理事長水嶋利夫君、中央青山監査法人理事長奥山章雄君、監査法人トーマツ包括代表社員阿部紘武君、以上五名の方々に御出席をいただいております。 参考人各位におかれましては、御多用中のところ本委員会に御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。 これより参考人に対する質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。関芳弘君。
○関委員 おはようございます。自由民主党の関芳弘でございます。 私は、小泉改革を必死になって私利私欲を捨てて一生懸命進めたい、一生をささげたいと思いまして、二カ月前に民間金融機関を退職しまして、選挙に出、皆様のおかげさまをもちまして当選できることになりました。そして今、志高く、公的な立場に立つに至りまして、意識の向上に日々努めないといけないと思っておる次第でございます。 翻って、公認会計士、公認でございます。社会の公認でございます。名前のとおり、公認の立場をもちまして、資格を得ますときには厳しい審査をパスし、企業会計の不正を起こさないように、厳格なる正義の心を持ってこの公認会計士という職務に従事しよう、そのような気持ちを持ってこの職につかれたことと思います。そして今、ここに不正会計の質疑をさせていただくに至りまして、まことに残念な状況でございます。 けさの朝日新聞、十四版でございますが、この記事を見ておりますと、「債権回収「他行だましても」 中央青山会計士 足利銀に助言」という記事が載っております。これは、中央青山監査法人の公認会計士が西暦二〇〇〇年、監査を担当しておりました足利銀行に対しまして、破綻が懸念される大口融資先への対応を検討する会議で、他行をだましてでも足利銀行自身の、自分たちの貸し金を減らすことということを助言したという記事が載っております。 まさに朝のトップの新聞でございまして、この中には、この融資先、これはシモレンという栃木県内の有数の建材商社でございましたが、そこに対する不良債権の損失百三十一億円を隠せ、そのためにまた、いわゆる他行の銀行にシモレンの手形を引き受けさせて、その資金繰りの面倒を見させるようにしむける提案をしたということが載っております。まさにこの記事が本当であれば、悲しい事態でございます。 中央青山監査法人、社員は三千四百二十一名、国内、海外合わせて五十五カ所の事務所を持っている非常に大きな、日本を代表する監査法人でございます。シモレンに対するこの新聞記事、またカネボウの粉飾決算、足利銀行の粉飾決算、今いろいろ問題が噴き出しております。 今回、このような事態が起こりましたことを踏まえまして、なぜこのような、恐らく会計士になられるときには高い志でなられたことと思いますが、このような事態が噴出して、中央青山監査法人としましてはどのように社内の専用検査チームを機能させていたのか、また、機能しないような対応をあえて自分たちの方から監査法人の全体として起こさせるような動きをしていたのかどうか、そこら辺につきまして、実態を聞かせていただきたいと思います。
○奥山参考人 お答え申し上げます。 私ども監査法人は、当然のことながら、公認会計士法にうたわれた公認会計士としての使命を全うすべく、すなわち、監査を厳格に実行するということを担うべく日々努力していることは、ぜひ御承知おきいただきたいと思います。しかし、残念ながら、私どもの法人の一部の社員において世間を騒がせるような事態が起きたことは、大変申しわけなく思っております。 そこで、私ども、どういう法人のチェック体制があったか、またそれが機能していたかということでございますけれども、今、現実に行われていた監査というものは、個別の監査チームがあって、その監査チームで出た結論に応じて、それが妥当かどうかということをレビューアーがレビューをして、そして、その結果を審議会において審議するという形をとっております。 今回の、例えばカネボウにおいては、当然のことながらカネボウ監査チームが結成されて、その監査チームの中で関与社員が主査をチェックし主査が補助者をチェックするという仕組みで現場の監査は動いております。そして、その結果として関与社員が取りまとめたものをレビューパートナーがレビューをして、そこで問題があるかないかを確認し、そしてその結果を審査室に報告して、問題があればそこで再度検討する、こういう仕組みをとっておりまして、カネボウにおいても同様な仕組みをやっておりました。 ただし、それで見抜けなかったわけでございますので、そこにどういう欠陥があったかということにおきましては、そのレビューアーあるいは審査における体制が、体制はあったんですけれども、その深度とか、あるいはそれの頻度とかいうことにおいて若干問題があったのかなということで、もともと、事後点検として、IRと申しましてインターナルレビューということをやっておりましたけれども、このカネボウにおいてもその点検が行われましたけれども、残念ながらひっかからなかったということで、今般、全体の体制を変えました。 すなわち、レビューアー、レビューパートナーのチェックだけで終わることなく、予備審査班という五人の大変経験ある人たちの班体制を組みまして、そこで相当厳重なチェックをするという体制と、それから事後的に、内部監査部というものを私の直轄のもとにつくりまして、二十人体制で二年に一遍は必ず全部の会社をチェックしていく。こんなことで、事後的な、今後二度とこういうことを起こさないようにということで、現在取り組みつつあるところでございます。 意に染まったかどうかわかりませんが、以上、お答えさせていただきます。
○関委員 では、今のカネボウの件につきましてはいろいろ法人内での体制について教えていただいたわけなんですが、今度、足利銀行につきまして、その粉飾決算につきまして、足利銀行に関連しておりました代表社員なんですが、そのお名前につきまして教えていただけますでしょうか。
○奥山参考人 袖野代表社員と林代表社員です。
○関委員 あと、一方、けさの朝刊に載っておりました栃木県内の有数の建材商社でございましたシモレンでございます。この会社自身の監査をされていた方のお名前は御存じでございますでしょうか。
○奥山参考人 シモレンが監査の対象になっていたかどうか、私は存じません。だれが監査していたかも存じません。
○関委員 これは私が独自で得た情報でございますので、また確認をしていただいて、そこの問題点についても考えていただきたいと思うんですが、私は、先ほどの足利銀行の代表社員をされていらっしゃった袖野さん、この袖野さんは、今回、足利銀行の融資先で、不良債権をつくっておりましたシモレンの会計の監査もされていらっしゃったという情報を得ております。 つまり、これは何かといいますと、シモレンの監査状況を一手にわかる会計士が、その独自の情報をもって、足利銀行の会社を守るべく、シモレンの赤字を踏みつぶすために、要はほかの金融機関に対して貸し金をさせて足利銀行自身の貸し金を回収する、いわゆる利益相反、双方代理という非常に罪の重い内容についてしたのではないかという疑問がわいてくる次第でございます。これは今後、まだ調査中だと思いますが、そこら辺のところを明らかにしていただいて。 我々は代議士でございますが、一番最後に士という、非常に社会に対して重たい責任を負わされておりますが、公認会計士も士、つまり社会に対して物すごく大きな責任を持つ立場に立っているわけでございます。 そこで、このように我々が社会をよくしていかないといけないという立場の中にあって、公認会計士は投資家の保護をどんどんとしていって社会をよくしていく、経済を発展させていく、社会の不正を直していく、そのような立場にある中にあって、今度は協会の方に聞きたいんですが、協会自身も、我々の方からいろいろ言われたり監督官庁の方からいろいろ言われていることではなくて、みずから反省していただいて、自分たちとして、管理要領をどのようにしていけば一番よくなっていくのかというふうな独自のお考え、アイデアがあれば、聞かせていただきたいと思います。
○藤沼参考人 藤沼でございます。きょうは、交通機関の乱れがありまして少しおくれたことを申しわけなく思っております。 公認会計士協会は、このカネボウの問題については極めて重要な問題だと思っておりまして、関与した関与社員あるいはその監査法人だけの問題ではなく、公認会計士協会全体の問題として深くこの対応策をとらなくてはいけないというふうに思っております。 まず私は、カネボウの関与社員の逮捕を受けて、公認会計士の会員全員に対して会長声明を発表しまして、我々の社会的使命、これは公認会計士法に記載されていることなのでありますけれども、それをもう一度再認識してほしいということと、また、監査に関与している会計士については、我々の真の顧客というものは、クライアントといいますか被監査会社ではなくて、投資家等を含む広範な利害関係者だということで、原点に戻って考え直してほしいということをまず申し上げました。 それと、その対応策についてですけれども、我々は自主規制機関として会員の業務を監督する立場にありますから、まず一つは、会員が行う業務について、実務指針等を厳格なものにするということと同時に、今度は、監査の品質管理基準というものがこの十月末に企業会計審議会でできますので、それをベースに実務指針を作成し、各監査法人が、また個人の会計士も含めて、その品質管理基準を可及的速やかに採用するようにということを指示し、また、品質管理レビュー、これは公認会計士協会がやっていることなのでございますけれども、そこの段階でそれが実際に行えているかどうかを厳しく点検していきたいというふうに思っております。 以上でございます。
○関委員 今協会の方からも、これからの取り組み、志を聞かせていただきました。 我々は、私が先ほど冒頭に申し上げましたように、士という名前のついた役職につくに当たりまして、日々志を高く持つように、また、今後一切の不正が起こりませんように頑張っていかなければならないところだと思います。 そして、幾らいい制度をつくっても、幾ら不正を見抜くような取り組みをしたとしましても、一人一人の気持ちが弱気に流れると、また同じことが起きる可能性は出てまいります。やはり一番大事なのは、不正をなくそう、いい社会をつくろうという気持ちだと思いますので、その点よろしくお願い申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○小野委員長 次に、松本和巳君。
○松本(和)委員 自由民主党の松本和巳です。私も今回初めての質問で、参考人に対する質問ということで、少々戸惑っている部分がございます。 今、関議員の方からありましたように、カネボウ事件、これが非常に大きな話題でクローズアップされている、そういう中で、日本の監査機能の信頼性というものが今非常に揺らいできているのではないかというふうにお見受けします。それは、ひいて言えば、株式市場に対しての影響というものも避けられず、日本の市場の信頼性というものがやはり非常に問われてしまうのではないかなというふうに思っています。 私も、上場企業の役員をしていた、そういう経験もございまして、事あるたびに、会社の中でいろいろな案件を持ち込みますと、その中では、監査がうるさいのでということで、なかなか私の思うような形で答えが返ってこなかった。それは、ある意味では監査の機能がしっかり機能していたのかなというふうに思っています。 一方、社会現象として、粉飾決算というものがたび重なるたびにニュースになってきているというところでございます。そのような中で、この監査のあるべき姿というもの、これは私は、経営サイドから完全に独立した形で、要するに客観的に会社の評価を見るべき機能だというふうに思っています。また、さまざまな経営行動に対してチェック機能を入れていく、その辺も備えていなければいけないというふうに思っております。 その監査の情報をもとに投資家というのは投資の基準を決めていく、要するに評価をしていくということですから、その重要性、信頼性というのはもう何よりも優先されなければいけないというふうに思いますが、きょうは監査の仕事に携わるトップの方々にお越しいただいているということの中で、特に協会長さんにお聞きしたいんですけれども、監査の取り組みについての姿勢というものをまずはお聞きしたいと思います。
○藤沼参考人 監査の姿勢ということにつきましては、これは先ほど少し言及いたしましたけれども、やはり我々は、被監査会社のために監査しているわけではなくて、独立監査人という立場でその被監査会社の投資家、その他の利害関係者のために仕事をする。適正な財務諸表が発表されているかどうか、そういうことについて、独立の監査人の立場で監査する。そういう面では、監査人の独立性というのは極めて重要であるというふうに思っております。
○松本(和)委員 その中で、二〇〇五年三月期の上場企業における四大監査法人の同一会計士による継続監査年数七年超の方々というのは六百四十九名いらっしゃる。これは、実社員数の総社員に占める割合の三〇・一%、三割を占めるわけですね。これはもう企業とのなれ合いというものが実際起きてもおかしくない状況だなというふうに私の方では思います。 逆に、なれ合う部分でいい仕事ができるという部分もあるでしょうけれども、現実的にカネボウのような事件が起きているということは、この七年以上超えている人が三割もいるということは、やはりこれは悪癖もできてきているのではないかなというふうに思います。 そういう中で、現状の担当主任会計士の交代制というのは今七年というふうに決められましたが、これをさらに短縮した方がいい、そういう議論も今出てきております。それに対して、会計士、企業の負担増、これを言いわけにするだけではなくて、この癒着体質イメージというものを払拭していくことが、今後の市場の信頼性を回復する、会計士としての、監査人としての信頼を回復していく打開策だというふうに思うのです。 そういう中で、金融庁が十月二十五日に、四大監査法人と企業のなれ合いを防ぐため、監督責任者の公認会計士が同じ企業を継続して監査ができる期間の上限を七年から五年に短縮するよう公認会計士協会に要請した、そして、再び担当に戻れるまでの期間も二年から五年に延長するということを要請されたわけですが、これについて、そういう取り組みをされていくというふうにとらえていいのかどうなのか、その辺を協会長さんにお聞きしたいんです。
○藤沼参考人 監査人の継続関与につきましては、日本のルールでは、私ども公認会計士協会が自主規制ルールで、平成十四年から七年・二年という交代制を導入しておりました。実際それが制度化されたのは平成十六年四月一日から、七年・二年というローテーションの期間が制度化されたわけです。 今回、公認会計士協会は、監査人の長期継続関与が会社との癒着になっているのではないかというような社外の懸念に対してやはり真摯に対応すべきであるということで、ルールとは別に自主規制ルールで、監査人の数が多い、また証券市場で上場会社の八割強の監査を担当している四大法人に対して、ローテーションの早期化をお願い申し上げました。それについては四大法人は対応するということで、当初は、七年・二年のローテーションを来年の四月以降早期適用して、来年四月以降は七年以上の関与社員がなくなるということで考えていたわけです。 ただ、それ以上に、日本の制度というものは監査証明書に関与社員の名前をずっと書くわけでございますね。名前を書くということで、関与する人が、少なければ二人、あるいは多いところでは五人とか六人という感じになっておりまして、それも七年・二年で全員一律適用というようなことでなっておりました。これを全部五年・五年ということにしますと、かなり混乱が生じるということがありました。 それで、アメリカの制度では、五年・五年というローテーションが適用されるのはあくまでも主任会計士、証明書上一般的には一番上にサインする、一番シニアの方になると思いますけれども、その方が五年・五年で、五年で関与してインターバル期間は五年、こういうことになっておりまして、では、我々の方もその制度を導入して、主任会計士については五年、インターバル期間も五年ということで、インターバルの期間を長くするということで、残りの方は七年・二年ということでそれを早期実施する、来年の四月から実施するということで、公認会計士協会としてはそのためのルールを定めまして、そのルールどおりに各四大法人が実行していただくように監視していきたいというふうに思っております。 以上でございます。
○松本(和)委員 また、自民党の企業会計・商法小委員会の合同会議で、監査法人を一定期間で強制的に交代させる、その制度の導入に対して消極的な御発言をされたというような記事が載っておりました。これに対して、むしろこれから信頼回復をしていかなきゃいけないという部分では、主任会計士の五年ターム、そういう問題だけではなくて、監査法人自体の入れかえ制、これも検討していくということは本当に非常に重要ではないか。 会社側からいえば、やはり同じ監査法人で長年やっていただいた方がツーカーで意図していることが伝わるということの中ではやりやすい、そういうものは当然クライアント側からは出てきます。ただ、それがいわゆるなれ合いを生む温床でもあるということも間違いはないと思います。 そこら辺の見直しが必要だというふうに私は考えておりますが、そこら辺のものを、自主的なということになりますでしょうけれども、ガイドラインを設定する考えはないのかというものをちょっとお聞きしたいと思います。
○藤沼参考人 監査法人のローテーションにつきましては、特に外部の目から見ると、五年・五年という形で監査法人がかわった方が、独立性の面あるいは癒着の面からすっきりしていていいというような御意見があるということは理解しております。 ただ、監査と申しますのは、被監査会社の知識についてかなり、例えば経営システムあるいはビジネスの状況、子会社がどういうオペレーションをしているのか、そういうようなことを理解していった上で効率的な監査ができるわけでございますので、ただ単にかえれば独立性があっていいというような、要するに、独立性の問題と効率性の問題をあわせて考えなければいけないのではないのかということが一つあります。 また、監査人が交代するということは、当然ながら会社のシステム全般についてもう一度理解しなくてはいけないということで、これは初年度を多分二年度までかけて、コストは物すごく増大いたします。そういうことであるならば、やはり別途、別な方法で考えるべきではないかということで、事務所内における監査人のローテーションという形で対応したらどうなのかというふうに考えております。 また、この監査人のローテーションの制度は、各国を見てみますと、一般的に発展途上国が非常に多いということで、例えばボリビアとかエクアドル、ブラジル、ヨルダン、リトアニア、パキスタン、パレスチナ、パラグアイ、先進国ではイタリアというのがあります。イタリアについては九年で交代するということなんですけれども、御承知のようにパルマラットという事件もあったということで、そういう面で、先進国で、要するに国際企業の多い企業というのは、それぞれのいわゆる子会社が海外でいろいろオペレーションをしていますので、それと四大法人は提携をして仕事をしていますので、必ずしも、日本だけがぼんぼんとこういうふうにかわったとすると、監査のそういう面で効率性というようなものに非常に実害が出てくるのではないのか。 また、その他の弊害として、やはりローテーションということになると、初年度の方は一生懸命やっているかもわかりませんけれども、五年度に近づいたときにどのようなまじめな仕事が行えるのかとか、あるいは、各国の例を見てみますと、ローテーションの時期になるとダンピング競争が始まるとか、弊害というものもあるということでございます。 できればアメリカの会計検査院と同じように、会計検査院は、エンロン、ワールドコムの破綻を受けて、サーベンス・オクスレー・アクト、企業会計改革法に基づいて、アメリカの会計検査院に監査法人のローテーションの妥当性について一年をかけて検討させたわけでございます。その結果は、やはり独立性という観点と同時に監査の効率性だとかそういうような全般的な見方が必要であるのではないかということで、暫定的な結論ながら、監査法人のローテーションについては必要なしという結論が出ていますので、そういう面も含めて、我々としては監査法人のローテーションは今の段階では必要ないのではないかというふうに思っております。
○松本(和)委員 時間が十五分という非常に短い時間ですので、まだまだ聞きたいことはたくさんあるんですけれども、今回の不祥事とはまた関係なく、ちょっと私、最後に御質問させていただきたいことがございます。 私が今後取り組んでいきたい連帯保証の問題、私自身は個人的に取り組んでいきたいと思っていますが、バブル崩壊後は、個人も企業も主債務とは別に連帯保証、これを処理していかなきゃいけない、これで非常に悩まされている。これは、大企業だけでなくて中小零細企業、個人においてもそうです。 この連帯保証の債務処理に関しまして、通常、特に大きな会社になりますと、子会社だとか関連会社が借り入れを起こす場合には連帯保証を求められることがケースとして非常に大きゅうございます。私も実際問題、そういう場面に遭遇したことがございます。 そういう中で、この連帯保証というのは決算書上は載ってこない、いわゆる隠れ債務になってしまっている。この辺に関しては、隠れ債務というものが決算書上に出てこないわけですから、実際、連帯保証した先が破綻してしまえば当然負わなければいけない債務になってくるという、この辺の隠れ債務に対して監査法人としてはどの程度把握できているのか、また、要するに、把握しているのであれば逆にディスクローズする仕組みができているのかどうなのか、その辺を最後にちょっとお聞きしたいんですけれども。代表して、協会長さんに。
○藤沼参考人 連帯保証について、あるいは会社の保証につきましては、開示事項になっておりますので開示されております。 では、それが全部網羅的に連帯保証が入っているかどうか。これは、会社の内部システム、インターナルコントロールの問題、特に、普通の会社は当然ながらそれはすべて監査人に情報を提示していただくからということで我々の方はそれを認識するわけでございますし、また銀行等に対する直接確認をやっておりますので、その確認した銀行の方で、そういう保証があればその事実を提示してくれるということで、ダブルチェックはしております。 ただ、会社が通常取引のない銀行と、あるいはある会社と、陰謀してそういう情報を隠したといった場合にどれだけ把握できるのか、そういう問題は確かにあると思います。 以上でございます。
○松本(和)委員 時間が来ましたので、私の質問はこれで終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○小野委員長 それでは、続きまして、谷口和史君。
○谷口(和)委員 公明党の谷口和史でございます。 まず、本日、参考人の方々には御多忙のところ御出席をいただき、大変にありがとうございます。 私は、この六月まで十六年間にわたり、経済記者として、株式市場とかまた外為市場、こういったマーケットに近いところで取材活動をしておりました。二〇〇〇年にはアメリカで、御存じのようにエンロンそしてワールドコム、こういった粉飾決算が明らかになって、それを発端に市場で会計不信が広がり、その後アメリカでは株式市場の低迷が続いたわけであります。 私も、東京証券取引所の記者クラブで、決算発表の時期には、投げ込まれる短信を速報したりしておりましたけれども、投資家は、企業が発表する決算を信頼して、投資の重要な判断材料にしております。会計士の方やまた監査法人は決算の正しさを証明するいわば会計の番人であり、そのチェックを受けているからこそ安心して投資や取引ができるわけであります。 幸い、日本の株式市場、このところ好調で上昇傾向にあり、景気の方も改善をしてきておりますけれども、今後、監査に対する不信が広がれば、株式市場、またひいては経済全体の健全な発展を損ねることにもなりかねません。信頼、信用、こういったものは経済システムの存立の前提条件であります。二度とこうした事件が起きないよう、原因をしっかりと究明し、対策をしっかりと打っておく必要があるかと思います。 ただ、会計の世界というのは、私も含めて外の者にとっては非常にわかりづらい世界であります。ともすると感情的な議論にもなりかねないため、長期的な視点に立った冷静な議論をしていくことが大事だなというふうに感じております。 そこで、質問に入らせていただきますけれども、まず、中央青山監査法人の奥山理事長にお伺いしたいと思います。 今回のカネボウ事件の原因の究明に当たっては、今月初めにカネボウ事件調査委員会というのをつくっておられますけれども、現時点で、今回の事件を引き起こした原因をどのように見ておられるか。また、今後このような事件を起こさないようにどういった取り組みをしていかれるのか。先ほどの質問とちょっとダブる部分があるかもしれませんが、改めてお伺いをしたいと思います。
○奥山参考人 お答え申し上げます。 今回のカネボウ事件の原因は、まず一つは、監査を担当していた関与社員自体が故意に不正に加担していたということで起訴されております。また、粉飾自体を私どもの法人で発見できなかったということも紛れもない事実でございますので、一つは、社員に対する倫理、コンプライアンスの不足。これを徹底しなければならない。もう一つは、私ども監査法人の管理体制に問題があったのではないかということで、この辺を徹底的に改革していくということだと思います。 しかし、私は、それだけですべての原因かどうかということはまだ不明な部分があるのではないかと思いまして、東京高検の検事長の経験がある弁護士を委員長とした外部の調査委員会を設置しまして、現在、その具体的な内容について徹底的に究明していただく作業に移っていただいております。したがって、この結果はなるべく早くいただいて、参考といいますか、それももとにして立て直しを図っていきたいと思います。 現在、今後の取り組みにつきまして既に行っておりまして、私どもが今改革に取り組んでいる項目は三十項目にわたって、抜本的な再発防止策ということで実行に移しております。 大きな項目だけ申し上げますと、「監査体制の強化」「内部監査体制の強化」「法人経営管理体制の強化」「審査機能の更なる強化」「コンプライアンス意識の強化、徹底」「リスク管理体制の強化」「人事管理体制」の強化及び「全国的に統一された品質管理及びリスク管理体制の確立」の八項目でございます。詳細につきましては、また御要望があれば報告をさらにさせていただきたいと思いますけれども、当法人のホームページに具体的に記載がございますので申し添えさせていただきます。 また、これだけで終わることではなく、先ほど申し上げた外部調査委員会の報告も得て、さらに抜本的な改革案を追加して実行していく、こういう所存でございます。
○谷口(和)委員 ありがとうございます。 それでは次に、過去の事件、また今回のカネボウ粉飾決算事件を見て、公認会計士協会としての事件に対する所感を会長にお伺いしたいと思います。
○藤沼参考人 公認会計士協会といたしましては、各監査法人あるいは個人の会計士事務所の自主規制機関である公認会計士協会として、このカネボウ事件は非常に遺憾なものであるというふうに思っております。社外の信頼を回復するために、協会の自主規制機能を強化して、こういうような大きな事案が起こらないように最善の努力をする予定にしております。 以上です。
○谷口(和)委員 ありがとうございます。 先ほどもお話しさせていただきましたけれども、アメリカのエンロンとかそしてまたワールドコム、こういったところの不正会計が明るみに出てきた、明らかになってきたのは、厳密にはちょっと内部告発ということは言えないかもしれませんけれども、いずれにしても、内部からの情報提供がきっかけでありました。 一方、日本では、ヤオハン、長銀また日債銀など過去の事件を見ると、粉飾決算が明るみに出たケースは、そのほとんどが経営破綻などがきっかけとなっておりまして、通常の監査ではなかなか見つけづらいのではないか、こういった声もありますけれども、この点について会長の御見解をお伺いしたいと思います。
○藤沼参考人 企業監査は、企業と公認会計士の私的契約、監査契約によって行われております。その前提は、企業が監査人に対して情報提供、監査への協力をするということを前提として成り立っております。 したがいまして、カネボウのケースみたいなものは、経営者自身が粉飾そのものを指揮したということで、会社内部の人のみならず、取引先だとか仕入れ業者とかいろいろな広範の外部の方にもいろいろな粉飾の協力をお願いしているようなことを新聞で見ておりますので、その辺のところは、監査人としてどこまで発見できたのかどうかというようなことで、余りこういう言葉は使いたくないんですけれども、監査の限界みたいなものも一部あるのではないかというふうに思っております。 また、実際こういう形で外に出たもの以外に、監査人が監査現場でいろいろな問題点を発見して、外に出る前に修正という形で財務諸表を直させたというケースも非常にあるということを御理解賜りたいと思います。 あと、内部告発につきましては、協会でも、やはり外部からいろいろそういうような情報提供をするということに対して体制をとった方がいいというふうに思いまして、この十一月末からホットラインというものを設けまして、情報提供があればそれを守秘義務の範囲できちっと調査していきたいというふうに思っております。 以上でございます。
○谷口(和)委員 今お話のありましたホットライン、先日、二十五日に「公認会計士監査の信頼性の回復に向けて」という会長声明の中で、会計不祥事の事前防止機能が期待できるということでそのホットラインを設けて、電子メールとかファクスでも受付をされるというふうに発表されていますけれども、私も、これは広い意味での内部告発、また内部からの情報提供をしやすくする点で非常に重要だというふうに思います。 ただ、内部告発というのは、国内外の事例を見ましても、例えば情報を提供した人が長い間給料を据え置かれたり、社内でも非常に厳しい立場に置かれたり、また、アメリカではプライバシーを暴かれてそれで離婚に至ったケースとか、情報を提供するというのはかなりの覚悟が要ることではないのかなというふうに思います。 今回、ホットラインを設けられるわけですけれども、つまり、情報を提供した人、そういう人に関する情報というかさまざまなことが、一〇〇%守秘義務が、プライバシー等に関するいろいろな秘密が守られるということが非常に重要だなというふうに思いますけれども、この点についてはどういった形でこの守秘義務を担保、守秘というかプライバシーを担保していかれるのでしょうか。
○藤沼参考人 まさに守秘義務が非常に大事だと思いまして、協会のホットラインでは、担当者を指名しまして、問題の性格によってだれがそのことをフォローアップするか、その担当も決めておりまして、それ以外には一切公表しないということで、秘密保持、密告者というか報告者の情報が外部に漏れることがないように万全な体制で臨みたいというふうに思っております。
○谷口(和)委員 ありがとうございます。 また、先ほど言いました会長声明の中では、こういったところがあります。不当に低廉な、安い報酬に対する対応についてという一つの項目がありますけれども、外の世界にいる一般の者からして、一般的なイメージからすると、公認会計士の方の給料、報酬というのは非常に高いのではないか、こういう見方が多いかと思います。 藤沼会長は国際会計士連盟の会長も経験をされておられますけれども、日本の報酬の水準というのは世界の水準に比べてどういったレベル、水準にあるのか。また、もし報酬が低いということであれば、そのことによって不正会計を見抜くことが難しくなる、こういった結果につながるということもあるんでしょうか。
○藤沼参考人 私、海外の仕事が非常に多いわけですけれども、一般論でございますけれども、日本の監査報酬は、皆さん御承知のようにかなり低いのではないかというふうに思っています。 公認会計士協会は、報酬の比較というよりも、実は監査時間の比較というものを国際比較を行いました。アメリカ、カナダ、英国、フランス、ドイツの四大法人から、業種別に監査時間、規模別に監査時間を求めて、国際比較をして、日本とどうなんだという。 監査時間というものは、結果的には監査報酬と結びついてきていますので、時間の面で十分なのかどうかということを調べましたところ、二分の一から三分の一、規模が大きくなればなるほど差が開いていく、これは内部統制の仕事が始まる前のデータでございますので、そういう面では、日本の監査時間の十分性について懸念をしております。 そういう面で、監査というものは、我々自身がきちっとやるということ以外に、やはり包括的な対応、要するに企業側の協力等がなければなかなか中身の濃いものになっていかないということで、そういう面で、これから包括的に企業の内部あるいはそれを支える制度、そういうものの改善が行われれば、日本の監査水準といいますか監査のレベルがさらに向上するのではないかというふうに思っております。
○谷口(和)委員 この二十五日の会長声明では、また先ほどの質問でもありましたけれども、四大監査法人に対して、主任会計士が上場企業を継続して監査できる年数を現在の七年から五年に、またインターバル期間を現在の二年から五年にする、こういう自主ルールをつくることが盛り込まれております。 さらに、前任の業務執行社員がインターバル期間中にそれまで受け持っていた会社の監査に影響を及ぼさないように適切な対応策を講じるというふうにあります。 これは、今回米国並みに厳しくしたローテーション制度を実のあるものにするためには非常に重要なことだ、この影響力を排除していくということは非常に重要なことだと思いますけれども、具体的にどういった対策を講じていかれる方針でしょうか。
○藤沼参考人 シニアの方、監査責任者という方がローテーションされて、その方が、五年間インターバル期間、その五年後に戻ってくるかどうかということはわかりませんけれども、その間、後任の監査人に何かの影響力を行使する、特に監査意見の形成に影響力を行使するということは、これは重要な問題になります。 そういう面で、実は、今、公認会計士協会の倫理委員会で、そのインターバル期間における影響力排除の具体的な指針をつくっております。 そういう面で、それができましたときに、もちろん公開する予定でございますけれども、その基準に従って、各監査法人がインターバル期間にそういうような影響力を行使しているようなことがないかどうか、公認会計士協会の品質管理レビューできちっとフォローしていきたいというふうに思っております。 以上です。
○谷口(和)委員 ちょっと、時間ももう少しになりましたが、最後に、あずさそして新日本の両理事長、そしてトーマツの包括代表社員の方に、業界全体のこの信頼回復に向けた決意を伺いたいと思います。
○佐藤参考人 あずさ監査法人の佐藤でございます。 私どもは、監査及び会計に関する職業的専門家といたしまして、単にクライアントとの直接的な関係だけではなく、資本市場、広く社会一般に対しても職業的専門家として責任を果たすという公共的使命を担う責任があることを自覚し、事務所を運営いたしております。 今回の事件を踏まえまして、当法人においても、全職員に対し、一層の自覚と行動を促すとともに、今後も引き続き監査品質の向上、品質管理体制の整備強化を重点項目としてまいります。このことが、企業を取り巻くステークホルダーからの信頼確保とともに、グローバルな視点からの資本市場及び監査業界の発展に貢献するものというふうに考えております。
○水嶋参考人 新日本監査法人の水嶋でございます。 私ども監査法人は、財務報告の信頼性を担保する、そしてさらには資本市場の信頼性を確保していく、社会的にも大変重要な役割を担っておるわけでございまして、仮に市場から監査法人が信頼できないということになりますと、これは私どもの存立基盤そのものに大きく影響するわけでございまして、信頼回復に向けまして、私どもといたしましては、全力で私どもにできることをやってまいりたいというふうに思っております。 以上でございます。
○阿部参考人 監査法人トーマツの阿部でございます。 昨今の一連の監査不祥事につきましては、監査業界に身を置く者といたしまして、また、経済社会の重要なインフラでございます公認会計士制度それから監査制度に携わる者といたしまして極めて残念であり、また重大な危機感を抱いているところでございます。 御承知のとおり、我が国の監査制度は、最近数年間の監査基準の改定、そして昨年四月一日に施行されました改正公認会計士法によりまして、そのフレームワークはおおむね国際的水準に近づいたものと思っております。しかしながら、さらに資本市場の状況、それから監査制度に対しますステークホルダー、社会の要請をかんがみまして、この制度の充実と的確な運用に努める必要があるものと考えております。 私ども監査法人トーマツといたしましても、この十月二十五日付でなされました金融庁の要請、そして同日付の日本公認会計士協会会長声明、この内容を十分にしんしゃくいたしまして、独立性の保持や品質管理体制の充実に向けた施策を講じました上で、監査の信頼性の回復に努めてまいりたいと思っております。 以上でございます。
○谷口(和)委員 最後に、市場そして経済の今後の健全な発展のためにも、信頼回復に向けてぜひ全力を尽くしていただけるようお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 大変ありがとうございました。
○小野委員長 それでは、引き続きまして、鷲尾英一郎君。
○鷲尾委員 民主党の鷲尾でございます。 私も新人でございまして、まだ二回目の質問でございます。また、参考人質疑につきましては初めての経験でございまして、何分ふなれな面もございます。何とぞ御容赦いただけたらと存じます。 本日は、公認会計士協会の会長の藤沼先生、そしてまた各監査法人の理事長の皆様においでいただきまして、大変ありがとうございました。 私も公認会計士でございましたので、会計監査においてクライアントからのプレッシャーにさらされるというのはよく存じ上げております。そんな中で、会計士としての倫理、そしてまた組織内での営業努力、また行政当局からの圧力、このはざまに立って日々会計士の皆さんが精いっぱい努力されているということにまず敬意を表したいと思います。 さて、早速ではございますが、質問に移りたいと思います。また、時間もございませんので、質問に対する回答は簡潔にお願いいたしたいと思います。 先月、カネボウの粉飾事件を受けまして、カネボウを担当していた公認会計士の四人が逮捕され、三人が起訴されました。これにつきましては、個人について立件されただけのものでございまして、法人としての責任は問われなかったというふうに認識しております。この点、皆さんは安堵されたこととは思いますが、これは私が考えますに、本当にこれでいいのかと。私は、いろいろな資料を見まして、どうもこれは法人が関与していないとはとても思えないのでございます。 先日の新聞報道では、起訴された三人の公認会計士について、中央青山監査法人の方では実質除名処分をしたというふうに聞いております。ここで奥山理事長にお聞きしたいと思います。報道でもこれは明らかにされておりましたが、正式な除名ということでなく実質除名処分ということは、これは間違いないでしょうか。
○奥山参考人 これは、本人から辞任届が出まして、私どもはそれを受け取って受理したということが事実でございます。 ただ、御案内のように、起訴されてこれから裁判ではございますけれども、その報道されたところによると、法人に対していわば知っていたことを知らなかったというふうな発言が相当あったということは、私どもとしては、これはまさしく、事実とはまだ言えないんですけれども、相当疑いが濃いということで受けとめなければならないというふうに思っておりまして、これはやはり除名処分に相当するというふうに考えざるを得ない、そういう気持ちでございます。
○鷲尾委員 それでは、ちょっと違う事件について参考までに聞きたいんですが、あずさ監査法人のさきのキャッツ事件、これも粉飾事件なんですけれども、これで逮捕された公認会計士というのは、逮捕された日に、即日正式な除名処分というのがなされているはずなんです。佐藤理事長、この点についてはよろしかったでしょうか。
○佐藤参考人 御質問の事件については、当日、私ども法人機関において、法人の社員懲罰規定に従いまして除名処分することにいたしました。 ただし、除名処分の手続等が時間がかかりますので、内部的には除名処分が行われましたけれども、登記等の手続が時間がかかりますので、その後本人の辞任届が出ましたので、辞任扱いで処理いたしております。
○鷲尾委員 では、お聞きいたしますが、この正式な除名処分というのは、例えば退職金の取り扱い、そして出資金の引き揚げの取り扱いというのはいかがでございましたでしょうか。
○佐藤参考人 退職金については支給していないものと記憶しております。出資金については留保しているはずでございます。
○鷲尾委員 ここでまた奥山理事長に質問させていただこうと思います。実質除名処分というのはいかなる処分なのかということをお聞きしたいと思います。
○奥山参考人 退職金を支給しないということでございます。(鷲尾委員「出資金は」と呼ぶ)出資金は、これは本人の所有権があると思っておりますので、返済せざるを得ないというふうに思っております。
○鷲尾委員 この出資金の引き揚げについても、片やあずさ監査法人の方では、これは実は裁判中でございまして、あずさ監査法人のこのキャッツ事件についてはまだ係争中でございます。そしてまた、これにつきましては本人はまだ容疑を否認しておる最中でございます。それにもかかわらず、これは退職金を支払わない、そしてまた出資金の方も留保するということを決定しているわけでございまして、この処分の点から比べますと、実際、中央青山監査法人の会計士の方、そして法人としてもこれは粉飾があったというふうに認めておるわけでございまして、この処分の違いというのがどうしても私は気になってございます。 と申しますのは、実際、中央青山監査法人は、このカネボウの粉飾事件があった当初、法人としてもだまされた、そして担当会計士ともども虚偽記載は知らなかったという旨言っておったところでございます。しかし、実際担当会計士が逮捕、起訴に及びますと、法人は知らなかった、しかし担当会計士は加担していた、そういうふうにくるくるその場で言いわけしているわけですね。こういったその場しのぎの言い方というのは、非常に、これは我々が見ますと、法人が責任逃れしているんじゃないかというふうにしか思えなくなってしまうんです。 少なくとも、特に四大監査法人、公認会計士協会を主導的に導いていく立場の法人でございますから、この処分についてもしっかりと、例えば出資金をしっかりと留保する、そして退職金は支払わないという旨決断していただきたいと思いますが、この点についてどう思いますか。
○奥山参考人 まず、くるくる変わるというお話ですが、私は、公認会計士というのは、倫理上も、もちろん技術上も専門家でございますので、しっかりしたそういうものが前提にあるということで成り立っているというふうに思っておりますので、まさかそういう関与社員が私どもに対してうそを言うというふうな状況があるとは思いもよりませんでした。そのために、私は、そういう前提で、今までそんなことは考えたこともないということで、本人も法人もだまされた、こういうふうに申し上げてきたわけですけれども、東京地検の特捜部の捜査によってそれがだんだん疑わしい事実があるのではないかというふうに思われてきまして、これは本当はあってはならないことであり、また、私どもとしても、その前提が崩れるということは、大変私の会計士に対する信頼感が、自分自身でどう受けとめていいかわからなくなってしまったという部分がございまして、それで、どのような対応をしたらいいかということについて自分なりの決断を出すべく、今懸命に見分けているというのが事実でございます。 今お話しの退職金と出資金の問題ですが、出資金は、当然、今本人に払うことは留保しております。これは、裁判を見ていく中で、しっかりとその結果について責任を問うべく留保しているわけでございまして、先生の御心配は私もしっかりと受けとめていきたいというふうに思っております。
○鷲尾委員 公認会計士として、これは社会に対する倫理を非常に問われる職業でございますので、ぜひここは身内の議論、甘々な処分ではなくて断固たる処分をしていただきたいというふうに考えております。昨年、公認会計士法が改正されたばかりでございまして、そんな中で、改正したにもかかわらずこういった事件が起こってしまった。これは、これから先、公認会計士協会、そして公認会計士業界、皆さんで実際の社会に対する信用を取り戻すべく、罰則強化、追加的措置についても今議論すべきときだというふうに考えております。 そういう意味でも、ここで一点、公認会計士協会の会長さんに御認識を伺いたいと思っております。 今回のカネボウ事件について、これは氷山の一角の問題なのか、それとも現時点の規制でその他の事件はもうあらかた起こらないというふうに思われているのか、そのどちらかについて御認識をいただきたいと思います。
○藤沼参考人 カネボウの事件を契機に、これは氷山の一角なのか、ほかにもいっぱいあるのではないか、こういうようなお話をよく聞きます。私の経験でも、こういう会計不正という不祥事というものは、アメリカでも九〇年代後半のストックバブルの崩壊によってエンロンだとかワールドコムという問題が出た。日本も、これは若干性格が違うんですけれども、十五年に及ぶ経済停滞の後の問題としていろいろな事件が出てきている。そういう面で、キャピタルマーケットである資本市場から資本を調達して事業を行う経営者、大部分の方はいい人だと思うんですけれども、中には株価の維持だとかあるいは損失を黒字にかえるというような誘惑に駆られる人もいないわけではない。そういう面で、資本主義の世の中ですから、そういうような不祥事件をゼロにするということはかなり難しいのではないか。ただ、体制的に厳格な監査と企業の中のコーポレートガバナンス、あと、その他の制度的な手当てによってこういうような不祥事をミニマイズすることはできるのではないか。 そういうことで、では氷山の一角でこれからどんどん出るのかというようなことについては、多分、これは推定のことですけれども、そんないっぱい出るような環境下ではないのではないかというふうに思っておりますけれども、具体的にどういうことになるかということについては、何とも言えないというふうに思います。
○鷲尾委員 協会長さんの方からも、この先、こういった事件はあるかもしれないけれども、厳格に対処していくという旨の趣旨だとは思います。 それでは先に進めたいと思いますが、過去十年間振り返りますと、証券市場がどんどん拡大してきているわけです。それに伴って実は粉飾事件もどんどんと明らかになってきております。例を申せば、住専、山一証券、ヤオハン、長銀、日債銀、サワコーですとか、ナナボシ、エムティーシーアイ、メディア・リンクスなど、これはもう各監査法人の理事長さんも御存じだとは思われますが、正直申し上げて枚挙にいとまがございません。これらの事件が相次いで起こってしまう。 こういうことを考えますと、本当に、実際に会計士業界で厳正な処分がなされていたのか、粉飾を起こさない体制づくりが適切になされていたのか、私はまた甚だ疑問でございます。実際、公認会計士法が改正されて、公認会計士協会も徐々に体制を整えてこられたというふうに思いますが、またこれを契機にいっそ抜本的にチェック体制を強化する、そういういい機会でもあると思うんです。そのためには、これは私は会計士業界だけの問題ではないと思っております、証券市場も含めた、広い意味での、行政も含めた大構造改革が私は必要だというふうに考えているんです。 この大構造改革を今実施すべきというのは、実はこれはちょっと過去の事件なんですけれども、影響は今回のカネボウの粉飾事件よりもよほど大きい事件があったわけでございます。皆さんのお手元に資料を配らせていただきました。プリントをごらんになっていただけるとわかると思いますが、それは足利銀行の粉飾の問題でございます。 ここに「足利銀行事件とカネボウ事件の量的・質的重要性の比較」というふうに書かれております。これは、皆さん一読していただけたら、どれだけ足利銀行の粉飾の事件の方が重要だったかということがわかると思うので、私からは割愛させていただきます。 実は先日、二〇〇五年十月八日の週刊東洋経済の足銀粉飾決算、中央青山監査法人関与の動かぬ証拠という記事を見て、私、大変驚いたわけでございます。実は、この記事でさらなる粉飾の実態が明らかになっているんです。 今、足銀の新経営陣は、金融庁に中央青山監査法人及び関与社員である担当の会計士さんへ追加処分を要請しているところでございますが、実はこの裁判の過程でいろいろな内部資料が裁判資料として出てきております。私も裁判資料に目を通してみたんです、これは一部ですけれども。(資料を示す)会計士の粉飾関与の実態だけではなくて、実はとんでもないものを見てしまったんです。特に驚いたのが資料二と資料三でございます。正直申し上げまして、公認会計士の資格試験を通ってきた者であれば、だれもが一見してこれはおかしいというふうに思うはずの資料でございます。もう一度申し上げますが、会計士の試験を通った者であれば、恐らくだれもがこれはおかしいというふうに思うはずです。 資料三の方の図を見ていただくとわかるんですが、右側の方に「タイムスケジュール」というのがございます。タイムスケジュールの一番上に矢印が書かれてあると思うんですけれども、これはいわゆる損失の繰り延べというものです。そして、資料二に戻っていただくとわかると思うんですが、この「課税所得の計算」という中に「タックスプラニング」という項目が入ってございます。実はこれは平成十七年度までの累計で九万四千・百万円、累計になるとこれぐらいの大きい金額になります。各理事長さん、これをごらんになったら当然おかしいと、この根拠はどうなっているんだと。ここには載っていないんですが、もうちょっと掘り下げた資料で、これは実際、日経平均株価が平成十七年で二万五千円台に回復する、そういった株式の架空の値上がり益、これを実はタックスプランニングに入れている、そういう図でございます。 ここで、中央青山監査法人の奥山理事長に質問させていただこうかと思います。 カネボウの問題については、粉飾関与がまだ信じられないということでいろいろとおっしゃっているわけでございますが、この足銀問題についてはどういう御認識なのか。法人として責任がないのか。私には本当に不思議でなりません。これを本当に法人がチェックしていなかった、本当にこの担当会計士にだまされていたと言えるのか。 そしてもう一点は、当時の銀行監査における中央青山監査法人の繰り延べ税金資産の審査体制について、この足銀というのは地方事務所が所管するクライアントであることは私も存じ上げておるところでございますが、これは事前監査、決算監査含めまして、法人として適切になされていたかどうかについてお聞きしたいと思います。
○奥山参考人 今の御質問の具体的な内容は、これは現在裁判中の内容であると思います。そして、報道された内容は、その原告側の具体的な弁論の中の記載が報道の方に回っているようで、私どもとしては、そういうことについての具体的なお答えはこういう状況では差し控えたいと思います。 ただ、繰り延べ税金資産、当時の状況において、監査委員会報告六十六号というものがございますけれども、この委員会報告に従って処理をしたということについて、私どもとしては、私は当時法人のそういう担当にはおりませんでしたけれども、当時の担当においてしっかりと審査したというふうに聞いておりまして、監査がおかしかったというふうには聞いておりません。
○鷲尾委員 ということは、法人はだまされたという認識でよろしかったでしょうか。
○奥山参考人 現在言われているその内容が本当の事実かどうかまだわかりませんので、その事実を前提としたことについてはお答えできないということでございます。
○鷲尾委員 私の記憶が確かであれば、当時、これは銀行の不良債権の処理問題ですとか繰り延べ税金資産の問題で社会的にも税効果会計というのは非常に注目されたときでございました。 これは、実際、資料二になります、この「一時差異等解消計画」というのは法人の審査事項として絶対的に皆さん目を通すはずです。先ほども申し上げたとおり、このプリントを見れば、会計士であればだれもがおかしいというふうに気づくはずなんです。これについて適切に審査がなされていたと、そしてこれについて粉飾を見抜けなかったということは、ある意味法人としてだまされたということなんじゃないでしょうかという旨を申し上げているんですが、いかがですか。
○奥山参考人 私が聞いている限りでは、その具体的な積み重ねの根拠の妥当性があるかどうかということとともに、蓋然性として、当時、おおよそ五年ということの解釈において、それが延長してそれまでの七年ということもあるのではないかという中で了承したというふうに聞いております。
○鷲尾委員 私、正直申し上げまして、こういった資料を審査で見過ごしてしまう、そして、組織の体制としてこのタックスプランニングの数字をもっと突っ込まなかった、突っ込めばこれは明らかにおかしいということがわかるはずですから、突っ込めなかったこの法人の体制、これは私は投資家に対する背任だというふうに思っております。これは法人の体質自体が整備されなければいけない問題でございまして、こういっただれもがわかる資料を見過ごしていた。これでは投資家は納得しないわけです。 実際に資料一の被害状況を見てみますと、実際足銀が増資してから優先株というのは紙くず同然になってしまっているわけです、二年もたたないうちに。しかも、それは二年前から中央青山監査法人の皆さんは関与していたわけですよね。これは責任重大なわけでございまして、法人としてしっかりとした責任をとるべきだというふうに私は考えております。これでは市場にとって迷惑千万なわけです、こんな監査法人、こんな市場の番人がいたら。はっきり言って、我々は何を信じていいんですか。私はそういうふうに思えてなりません。 もう一つ紹介したい記事がございます。 朝日新聞の十月七日付に、中央青山監査法人の会計士が足利銀行の融資先顧問になっているという記事がございます。この中で、中央青山の会計士が顧問就任しました、就任してから先ですね、実はこの取引先の査定というのは、日銀の査定では破綻懸念先だったんです、ところが、この顧問が就任して以降、この破綻懸念先の債権が要注意先に格上げされているんです。その結果どうなったか。結局、引き当て額が不足して、それも粉飾の要因の一つになっているわけです。これは明らかに中央青山監査法人と足利銀行は完全なる癒着関係にあった、そういうことを示す事例だったと私は思っています。こんなことは投資家の負託を受けた会計士にあるまじき行為でありまして、それを見過ごしてしまう法人の責任も私は重大だと思っております。 要するに、中央青山監査法人は、こういった繰り延べ税金資産の問題、これもかなり甘い査定だった、しかも、法人の体質としてそれを見抜けなかった。そして、こういった利害関係のチェックもできなかった。業界のルールを守っていなかった。その結果、結局この公認会計士の業界の信頼を失墜せしめた、私はそう言えると思うんです。しかも、これは日本の四大監査法人、世界に冠たる日本の四大監査法人、公認会計士としての指導的立場にあるこの監査法人がこういうことをやっているわけです。これは、こういう法人をほうっておいていいのか、私は本当に疑問だと思います。 それでは、次の質問にも移りたいと思いますが、資料四をごらんいただきたいと思います。 資料四の右側に自己資本比率の推移という表がございます。この自己資本比率の推移でございますが、実は、平成十五年三月期から平成十五年九月期までにこれはマイナス八%動いているわけです。この要因は、実は債権評価が変わったことによります。なぜ変わったかといいますと、この間に金融庁の検査が入ったわけです。金融庁の検査が入ったと。そうしたら、監査人は従来の債権評価の整合性というのは無視して金融庁の検査結果に右へ倣えしました、そういうわけでございます。 この点、投資家の立場に立ってみたら、では、十五年三月期の債権評価について監査人の判断は正しかったのか、そういった疑問がわくわけでございます。そもそも、金融庁の検査と監査の結果というのは違う結果が出るものだというふうに、当時の竹中金融担当大臣はおっしゃっておるわけでございますが、しかし、当時は、そこにおられる先生方も御存じのとおり、金融庁の検査と監査結果が余りにも乖離すると市場に非常に混乱を及ぼすということで、金融庁と監査人と金融機関の三者協議を重ねてきたはずでございます。ですから、自己資本比率をここに見るように八%も動かすほど検査結果と監査結果が乖離するのはおかしいはずなんです。 要するに、もう一度申し上げますと、金融庁の検査結果を正しいとするなら、普通に考えたら、平成十五年三月期の債権評価は間違っていて、会社と監査法人が結託して粉飾して投資家をだましていた、そういうふうに言えるわけです。事実、先ほども申し上げたとおり、中央青山監査法人は足銀の経営陣に告訴されておりますしね。 また、日経ビジネスの十月十七日号の記事にあるんですが、竹中大臣のコメントとして、中央青山が監査した十五年三月期の決算結果は正しい、十五年三月期の中央青山の債権評価も正しいとするコメントがあるわけです。実は、回りくどく言いましたが、このコメントから透けて見える構図があると私は考えます。と申しますのは、金融庁が実は監査法人に足銀破綻の引き金を引かせたかったんじゃないか、そう思っていたからこそ中央青山の粉飾に目をつぶるかわりに債権評価については金融庁の評価に全面的に従えと、そういった握りが行われているんじゃないか、そういう構図が読み取れるわけです。事実、これも日経ビジネスの記事にその旨の記事があります。 私はここで奥山理事長にお聞きしたいんです。 足銀問題に関して、私は、会計士が粉飾に加担した、それは事実だと思うところでございますが、この問題について、先ほど資料一でもごらんになったと思うんですが、非常に投資家に不測の事態、不測の混乱を及ぼしたわけでございます。この混乱を招いたのは、実は監査法人だけじゃないんじゃないかと私は思うわけなんです。監査法人だけじゃなくて、これは金融庁にも大いに責任がある問題じゃないかというふうに私は考えるわけでございます。 資料の四、この左側を見ていただくとわかると思うんですが、足銀は公的資金の注入を何度も受けているわけですよ。公的資金の注入を受けているということは、金融庁は債権の状況を知っているのは当たり前の話ですよ、そうじゃなかったら監督官庁として成り立たないわけですから。これは、金融庁は知っていて見過ごしたんじゃないかというふうに私は思うわけです。金融庁は気づいていて、そこにつけ込んだんじゃないかと。 当時会計士協会の会長をやられていた奥山理事長、実際、竹中さんとパートナー関係にもあったわけじゃないですか。奥山さんに足銀破綻の引き金を引かせようとしたんじゃないですか、そのかわり過去の粉飾に目をつぶろうと、そういう握りがあったんじゃないかというふうに私は考えております。その金融庁の裁量的な処置に中央青山はやむなく従った、それが事実なんじゃないですか。その点をお聞きしたいと思います。
○奥山参考人 今の先生のお話で、一つだけさきのことについて触れさせてください。それは、足利銀行に関与している会計士が融資先の顧問をやっているという件ですけれども、これは恐らく税務顧問をやっているというお話だと思いますが、これは法律に触れていることではありません。ただ、もしその人が実際に融資査定について顧問先の資料をそのまま使ってやったとすれば、これは職業上の秘密遵守に反することでありますので、そのこと自体がもしあったとすれば、これは違反になるというふうに思いまして、そこのところは、私も事実をまだ確かめておりませんので、今後解明したいと思っています。 それから、今お話しの、平成十五年の九月期で赤字、いわば債務超過になって、その前の三月期では黒字だったということですけれども、これは私が会長のときから非常に悩ませていましたのは、金融庁の検査局の査定と私どもの監査のチェックとが乖離があるというのは、これは足銀のみならず、どこの銀行でもほとんどのことだったと思います。これは都銀においても相当な差があったということは事実でございます。 私はこのことが非常に気になっておりまして、銀行の検査局の査定、査定といいますか、検査と、私どもの監査とが一致するような方向はできないものかと。そうでないと、いつも私どもが検査の結果に対して違うということを言われかねない、つまり監査がしっかりしていないんじゃないかと言われかねない。そういう疑問を持っておりまして、一致することができないかということで監査と検査の同時チェック、つまり共同してチェックということも実は提案したことがございます。 しかし、このことは、続けていきますと、かつて行政指導型の行政と言われていた、いわば事前承認制度につながりかねない。それは、今、監督行政ということで事後チェック型に変わった立場としては、それは受け入れられないということで、あくまでも検査というのは、銀行が行った査定を会計士が監査でチェックする、その全体を事後的に検査局で検査する、こういう仕組みはやはり維持したいということで、残念ながらそういう体制はとれませんでした。 私どもとしては、より一層しっかりと監査をしてください、それは銀行の貸付金に対する引き当ての委員会報告がございますので、それに従ってやってくださいということをお願いして、しかし、一方では、銀行に対する金融庁の検査と監査の乖離というのは、なるべく近づけたいけれども、これは法律が違う、時点が違う、その期間が違う、いろいろなことで違いがあるのはやむを得ない。やむを得ないから、それは、私どもとしては私どもとしてしっかりやりましょう、こういう話だったと思います。 それでは、その違いが違いっ放しでいったとしたらどうなるんだろうということについては、これは監査は監査で行う、しかし、検査が一年後、あるいは二年半ぐらいまとめて来る、そういうときに、検査当局の検査の目でもって行ったことに対して出たいわば結果に対しては、そこの一番近い時点で決算に繰り入れる、その繰り入れた状況について私どもも監査でフォローしていく。こういう体制で、最終的には検査と監査の結果が一致していくという形でその後の体制を築いてきたというふうに私は思っています。 したがって、当然、監査した時点でまだ検査が終了していない、あるいは検査が決算の近い時点で行われた場合には、それに一番近い決算に検査を織り込んでいく状況はある意味でよくあるわけでございまして、足利銀行においてもこの九月の中間決算についてずっと検査が行われていたというふうに聞いておりまして、その検査が終了した一番近い時点でその検査結果を決算に織り込むと。これは別に足利銀行だけじゃなくて、どこの銀行においても同じ処理をしております。ですから、足利銀行が特別に検査が厳しくて、その乖離が大きかったということではないと私は思っています。 私も、その検証をするために、全銀行に対して金融庁の検査と私どもが監査した結果の乖離状況についてアンケートをとりました。おかげさまで一〇〇%近い回答をいただきましたけれども、その結果、検査と監査の乖離率というのはほぼ二〇%が平均だったというふうに思います。つまり、私どもが監査した結果と金融庁が検査した結果との、いわば貸倒引当金の差異がそんな結果だった。足利銀行はその当時二七%というふうに聞いておりまして、そういう意味では、全銀行の中で特に乖離が大きくて、その監査なり検査なりのやり方に問題があったという状況ではなかったというふうに私も事後的な検証で理解を得ました。 したがって、この十五年九月期において、金融庁の検査の結果が出たことについて決算に織り込んで、その決算に織り込んだ状況において新たに繰り延べ税金資産等の状況を見たら、それは私どものいわば基準である監査委員会報告六十六号にのっとって計上が認められない、こういう結論になったというふうに私は理解しております。
○鷲尾委員 要するに、金融庁から何もアクションがなかったということだとは思うんです。 確かに、金融庁の検査と監査結果が乖離するというのは私もよく存じ上げております。でも、先ほど奥山理事長がおっしゃったとおり、足銀については異常な乖離があったわけです。これは何か問題があったというふうに認識しない方がおかしいわけでございまして、どういうことかといいますと、少なくとも、この当時においては、皆さん御存じのとおり、ゴーイングコンサーンを追記情報として記載しなければならなかったわけですから、自己資本比率をマイナス八%もたった半年で変化させてしまうことを監査人が予測できないと、もしそんなことになったら、そんな能力の低い監査は社会に対する信頼が揺らいでしまうわけですよ。 ですから、これは実は竹中金融担当大臣が、当時の大臣が、中央青山の監査結果、十五年三月期も十五年九月期も両方正しいといった旨の発言をされていますが、金融庁としてこういう発言をしたとしたら、証券市場でみんなだれを信頼していいのかわからなくなっちゃいますよ。半年で八%も自己資本比率が動いちゃうんですよ。これに対して監査人が何にもアクションできない、これは私は市場の番人としてやはり失格だというふうに思っております。 これ以上突っ込んでも金融庁もいないことですし、最後に公認会計士協会の協会長さんにお伺いいたしたいと思います。 私、この足銀の問題を検討していく過程で思ったことがございます。つまり、金融庁は、この事件でございますが、検査結果ということを盾にして監査人に対して非常に強い影響を与えられる可能性があるわけです。ということは、そもそも、金融庁が監査法人を監督する、そういう構造自体がおかしいんじゃないかというふうに思うわけです。この点についてどう思われますか。
○藤沼参考人 金融庁は公認会計士協会の監督官庁であります。これは市場の番人であるレギュレーターという立場であると思います。そういう面では、ディスクロージャーの充実、信頼性の確立というのを責任を持って所管する官庁であるというふうに理解しております。 協会は自主規制機関として資本市場の信頼のために監査業務の充実に向けていろいろなことをやっているわけでございますけれども、そういう面では金融庁との関係で必要な指導やあるいは指示というものがあるということは事実でございます。しかしながら、協会と金融庁とは緊張関係の中で仕事をしておりますし、目的は強固で健全な透明性のある資本市場を確立するということでございますので、そういう面で不当な裁量行政によって我々の業務が影響を受けるということは私はないというふうに思っております。
○鷲尾委員 実はアメリカの制度は、もう藤沼会長も御存じのとおり、アメリカはSECというのがありまして、SECの下にPCAOBがございます。これが監査法人の監督をする、要するに銀行行政とは分かれた形になっておるわけでございます。 私が思いますのに、正直、先ほど奥山理事長は何もおっしゃいませんでしたが、これは金融庁と監査法人の間で握りがあったというふうに思わざるを得ないような現象が起きているわけでございまして、そういったことをなくすためにも、実際、金融行政、金融庁の裁量をしっかり排除するという意味でも、本来の会計士の独立性、これはあくまでも金融庁からも独立しているということでございますから、これについてこの本来の能力を発揮する、そういうことをこれから実際に構造改革をしていく上で目指されたらどうかというふうな指摘でございました。 実際、金融行政のあり方、この問題については、この足銀の問題しかり、そしてカネボウの粉飾の問題もしかり、これについては証券市場全体を巻き込んだ大構造改革をしなきゃいけないわけです。ですから、この問題については、私は委員長にぜひ継続審議、閉会中の審議を求めたいと思います。
○小野委員長 この点については、理事会において諮らせていただきたいと思います。
○鷲尾委員 最後に、半年ほど前まで私も監査業務に従事しておりましたので、その従事した者の意見として、ぜひここにおられる公認会計士業界を代表する皆様に意見を申し上げたい。そして、ここにいる皆様にもお聞き願いたいことがございます。 公認会計士は、実際、社会からの信用がなければ成り立たないプロフェッションでございます。証券市場の重要性というのは最近非常に高まってきておりまして、それに対して公認会計士自身がしっかりと改革のスピードを速めていく、そういうことが重要なんじゃないかと思います。当然、これは会計士さんだけの問題ではございません。経営者の、経営者サイド、企業サイドの問題というのは、当然、一義的には多分にある問題でございます。それはよく認識しているわけでございます。実際、公認会計士法が改正されましたが、中小法人に対する適用のあり方については今非常に問題があることだと思いますし、これについては私もこの先しっかりとコミットしていきたいというふうに考えておるわけでございますが、先ほど会長さんがおっしゃっていた、主任会計士は五年・五年ルールを適用する、それ以外の担当社員については七年・二年ルールにすると。そして、五年ないし二年のインターバル期間をおくということですけれども、私は思うんですが、ぜひ、この五年、二年のインターバル期間で、ほかの社員に対して影響力を行使しない仕組みをつくっていただきたい。 これについても先ほど会計士協会さんは品質管理レビューでやるという話をしていましたが、それでは私は生ぬるいと思うんです。日本というのは、上場している企業はたくさんありますよ。四大監査法人で大体カバーしているとはいえ、その監査法人に対して公認会計士・監査審査会の方、そして公認会計士協会の方がどれだけレビューに入れるかというと、毎年ごくわずかなわけです。それでは私は改革は遅々として進まないと思うんです。ぜひこれについては倫理規則等の検討も含めて改革のスピードをしっかりと速めていただく、そして、身内の議論にはまらずに、皆さんにわかるように厳格な規律をしていただきたいと思います。 そして、先ほどから質問でお示ししてきましたとおり、足銀事件についてはカネボウ事件よりも社会的に経済的な影響が非常に大きいわけです。ですから、当局は実はこれは一段落している、あとはやみに葬ろう、そういうふうにしている嫌いもありますから、はっきり申し上げて、国民、当事者の立場からしたら、こんな問題をほうっておくわけにはいかないわけでございますから、これはしっかりと法人の責任についても問いたいと思いますし、金融行政のあり方についてもしっかりと問いたいと思っております。 実際、足銀の問題については、金融行政、証券市場のガバナンスのあり方ということを公認会計士の皆さんとともに私は考えていくべきだと思っておりますし、もし本当に不当に金融庁の裁量が監査法人へ影響した場合は、これは、日本にとって、日本経済にとって大問題だと私は考えておるわけでございます。その旨を皆さんに申し述べさせていただきまして、私の質問とさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○小野委員長 それでは、続きまして、田村謙治君。
○田村(謙)委員 民主党の田村謙治でございます。 本日は、参考人の協会会長様、そして理事長の皆様、お忙しいところお越しをいただきましてありがとうございます。深く感謝を申し上げる次第でございます。 私は、時間が短いこともございますけれども、鷲尾議員の先ほどの議論も踏まえて、引き続き私の方はカネボウのことをまず最初に取り上げさせていただきたいというふうに思います。 先ほどから鷲尾議員が奥山理事長とやりとりをしていらっしゃったのは主に足利銀行、それは、鷲尾議員も足利銀行の方がより深刻な問題だと。それは私も同意をしている人間でございます。ただ、カネボウの方がよりいろいろな事実が明らかになっている、そういった意味で、ある意味わかりやすい議論ができるんではないか。足利銀行ですと、それこそまだわからないところがたくさんある、ごまかされてしまう部分も多々あると思いますので、そういった意味で、カネボウの件を先ほどの議論の延長として質問させていただきたいというふうに思います。 カネボウの粉飾についてですけれども、やはりカネボウの決算におきましても、先ほど足利銀行で鷲尾議員から説明がありましたように、繰り延べ税金資産についての問題というものがあったというふうに聞いています。二〇〇三年三月期で連結ベースの繰り延べ税金資産が約四百億円、それに対して株主資本がわずか五億円。結局、八十倍という繰り延べ税金資産がある。それは、私は専門家ではありませんのでよくわかりませんけれども、そういったところ、そういったさまざまな数字を見て、まさに外部の人、外部の会計専門家でさえもカネボウの決算は怪しいんじゃないか、そういうようなうわさ、評価があったやに私も聞いているところであります。 そこで奥山理事長にお伺いをしますけれども、その前に、日経ビジネス十月十七日号で、奥山理事長がインタビューにお答えになっていて、「敗軍の将、兵を語る」「粉飾に関与、まだ信じられない」そういうタイトル、タイトルは恐らくライターがつけたのだと思いますけれども、お答えになっていることが、もしそんなこと言っていないということがあれば御指摘をいただきたいと思いますけれども、いろいろなことをおっしゃっています。 理事長は、そもそも昨年十一月に理事に戻ってきたということで、「中央青山に戻る前の事情は、正直よく分からないのです。」と。わからないのですというのは、当時戻ったときではなくて、今も正直よくわからないのですとおっしゃっているような気がしますけれども。そういった中で、先ほどの繰り延べ税金資産に限らないと思いますが、恐らく理事長がおっしゃっておられるのは、自分は中央青山の中にいなかった、ましてや担当者でもない、だからよくわからないんだということなのかなと思いますけれども、担当者でも中央青山のメンバーでもない外部の人でも、いろいろな数字を見て、カネボウは怪しいんじゃないかというふうに何となく勘ぐる部分があったという話を聞いていますけれども、理事長はやはりよくわからなかったんですか。
○奥山参考人 当時、どういう状況でだれがどう言ったのかということは私はわかりませんけれども、一般論として、こういう、例えば繰り延べ税金資産がなぜ多額にあったんだということは、私どもの監査法人でも当然気がつきますし、審査をしていると思います。 当時の審査の中で、この監査委員会報告六十六号という繰り延べ税金資産についての計上を認める報告がございますけれども、これに照らして妥当だったかどうかということは当然行っていると思いますし、また、その結果としてそういう処理が妥当なものだったというふうに判断したということで、問題が全く見えなくて全然議論していなかったということではないというふうに思います。
○田村(謙)委員 その報告について、結局妥当だと判断したからそうなんだなというふうに理事長は理解なさったということですよね。 それは、重ねてになりますけれども、外部の人が見てもおかしいんじゃないかというふうに疑念を持った。それが理事長ではなくて、例えば理事の立場でもいいですけれども、理事の立場でいろいろ怪しいんじゃないかと考えた場合に、そういう報告が来たからああそうなんだというふうに信じてしまうのでは、結局何もしていないのと同じですよね。それはどうですか。
○奥山参考人 そういうことではなくて、当時の審査の状況を見ますと、繰り延べ税金資産の計上の見方というのは、当然その根拠があるわけですけれども、その根拠に基づいて計上していたかどうかというチェックを行っていたと。その計上の根拠といいますのは、繰り延べ税金資産を計上するときのいろいろな基準がございます、その基準に合っていたということでございます。
○田村(謙)委員 いや。ですから、そのチェックとかを理事長みずから、当時理事ですか、あるいは協会長でもいいですけれども、ほかの人が審査をしたあるいはチェックをした、そういう報告が上がってきた、あるいはそれを見た、ああそうなんだ、チェックもほかの人がやったんだ、じゃ、そういうことなんだなと信じるのであれば、理事や理事長としての役割というのは、単に部下が言うことはみんな信じるんだ、部下同士がちゃんとやっているんだからそれでいいじゃないかといって、結局見抜けなかったということなんじゃないかなという気がするんですけれども、それはどうですか。
○奥山参考人 私が理解する監査法人の運営というのは、監査の意見をどうするかということについては中で独立した審査体制を持っております。私どもの法人ではそれは審議会と称しておりますけれども、この審議会は独立した立場で、少なくとも法人を運営する責任者がそこにタッチできないような仕組みになっております。したがって、その審査会の席にかかったということでございまして、私が無責任に知らないという意味ではありません。 それからもう一つ、私自身が昨年の十一月から法人の運営にも関係してきましたけれども、なお、これは決して言いわけではありませんが、この事件は二〇〇三年三月、二〇〇二年三月、そういう時点でございまして、二年前の話ということで御理解いただきたいと思います。
○田村(謙)委員 今の話をお伺いしますと、当時、審査会、本法人では審議会ですか、それが結局全く機能していなかった、そういう審査能力がなかったということだというふうに私は理解をいたします。実際それを見抜けなかったわけですから、そういうことなんだと思います。 それをそのままうのみにしたというのをこれ以上責めるのはやめますけれども、実際、カネボウの粉飾が明らかになった中で、春に監査法人の中でも内部調査委員会というものをおつくりになった。理事長はメンバーではなかったというふうにおっしゃっておられますけれども、そういった中で、逮捕された佐藤さんに対して、これ、だまされたのとお聞きになったと。そうしたら、本当にやられてしまったんですというふうに佐藤さんがお答えになった。それにしても粉飾の金額が大きいねと。そういうやりとりをしたというふうにこの記事には書いていますけれども、結局、内部調査委員会の報告書も、だまされたんだと佐藤さんが言ったことをうのみにして、それでああそうなんですねと終わらせようとした。 今回、まさにこういう事態になるまで、ある意味ごまかそうとした。いや、それはごまかそうとしたんじゃなくてもいいですよ、百歩譲って。でも、結局だれも見抜けない。理事長も見抜けなかったわけですよね。内部調査委員会が結局機能していなかったんだというのを見抜けなかったのは、監査法人ではだれの責任なんですか。
○奥山参考人 大変難しい問題ですけれども、要するに、私どもの仕組みとしてはパートナーシップ制でやっておりまして、そのパートナーが他の人をごまかすというふうな前提に成り立っていなかったものですから、この前提が機能しなかったという点では私は大変遺憾だと思っていまして、そういう意味ではこの管理体制の責任があると思っています。ですから、当時の理事長が管理体制についての責任がある、そう思っています。
○田村(謙)委員 重ねてお伺いしますけれども、私も不勉強なので教えていただきたいと思いますが、内部調査委員会というのは監査法人の中の内部調査委員会ですよね、それを設置なさった責任者というのはまさに理事長ですよね。——今うなずいていただきましたので、結局、その責任というのはないというふうに、今のお答えには含まれてないというふうに私は理解いたしますけれども。このインタビューの文脈を見ても、当時は私はいなかったんだと。会計士協会の会長というのはより責任が重いような気がしなくもないですが、当事者じゃなかったと。だから当事者であった十人の理事の首を切ったんだと。自分は、責任はある意味ではないというふうにおっしゃっているように聞こえるんですよね。そもそも、そういう内部調査委員会が結局機能しなかったということを見抜けなかった、あるいはそれを設置してその報告書をうのみにしたのは理事長御本人だと思いますけれども、そういった中で、今後、その責任というのを、責任といえば大体どういうことかわかると思いますのでこれ以上言いませんが。 そういった中で、内部の審査体制を強化するというふうに幾らおっしゃっても、トップがそういうような、どれだけ審査機能がないかというのをちゃんと理解できないような方が、お互い監査法人、監査法人の中でも会計士というのは独立しているんだ、だからなかなか調査は難しい、それはそうだと思いますよ。でも、それで機能しないのであれば、結局内部調査というのは意味ないですよね、意味なかったわけですよね。そして、今後の対応策として、より内部の審査体制を強化する。私も拝見しましたが、十月にお出しになったそれは、何か審査員の人数をふやすとか。結局、そのような感覚の中で内部の人数をふやすとか、しょせんそれぐらいの、その場しのぎで済ませていいんですか。
○奥山参考人 まず、事実関係ですけれども、内部調査委員会報告をつくったのは五月の二十日です。私が理事長になったのは五月二十七日でありまして、そこは御理解いただきたいと思います。つまり、内部調査委員会を設置して、つくって、その責任は形式的には私ではありません。 それから、今お話しの、そんなことでいいんですかという改革ですが、やはりこれは調査して、しっかりした内容をもう一回確認したいということで外部調査委員会を設置しました。外部調査委員会の結果を待つだけでは今の改革のスピードは間に合いませんので、意識改革を含めてやれることはやって、なおかつ、外部調査委員会でしっかりした原因をいただいて、それをもとにまた新たな改革をつけ加えていく、そういう立場で私は改革を責任を持ってやっていきたい、こういうふうに思っております。
○田村(謙)委員 今まさに理事長がおっしゃったように、形式的責任は、当然、最終責任というのは当時の理事長にありますので、ただ、奥山理事長も当時理事のお一人だったと思いますので、ある意味共同責任じゃないかな。そこは、そういう意味で形式的で、実質的責任はあるわけですね。その点は認識しながら、でも、やはりそこは形式的責任がないから御自身はとどまると。周りの理事の方は全員首を切る。それで十分に監査法人としては責任をとったというふうにお考えなんでしょうか。
○奥山参考人 私が理事長になったいきさつは、もう既にその当時カネボウが粉飾していたとかいろいろ問題がありましたので、私は理事になったときから改革運動をやってきました。したがって、理事長になったときも、その改革を進めてくれという要請があって理事長になったというふうに理解しておりますので、その改革を責任を持って進めることが私の役目であり、その改革を全うすることが私の職責だというふうに思っております。
○田村(謙)委員 もう時間が来ましたので、最後に一つだけ協会長さんにお伺いしたいんですけれども、まさに奥山理事長というのは協会長の先輩でいらっしゃいますのでいろいろ御遠慮があるんだろうなというふうに思いますが、先ほど鷲尾議員からも話がありましたけれども、八〇年代までというのはお互い業界と会計士と大蔵省がなあなあで済んだ。それが、時代が変わってきて、資本市場が発展をして、当然監査機能の強化というのはだれもが重要性を認識している。それは、今に至るまで、進んでいると言ったアメリカでさえあんなエンロン事件とか起きている。そういった中で、そういうのを見ながら自分たちは違うんだ、ちゃんとやっているよというふうに言い張ってきたのがまさに金融庁であり公認会計士協会だと思います。そういった中で、ともかくそういう認識が今までずっと甘かった。そういう甘かったような人たちが、改革だと言って、実際、今回のこういう具体的な事件があっても、当時の奥山理事はわからなかった、内部調査委員会をそのままうのみにした、そういうような人が理事長をやっている、まさに四大監査法人という非常に大きな役割を持っているところの理事長をやっているわけですよね、そういうような人たちが、ほかの監査法人であっても、まさに今回のは氷山の一角ですからほかにもいろいろあると思います。そういったことを踏まえて、協会長さんは実際に奥山理事長がしっかりと今後はやっていけるというふうにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
○藤沼参考人 公認会計士協会は監査業界の自主規制機関ということで、会計士監査にかかわる基準、実務指針、それがきちっと適用されているかどうか品質管理レビューでチェックする、違反事例に対しては綱紀審査会、これは最近独立した審査会をつくりましたけれども、そこで厳しく関連会員の綱紀の処分をする、そういう体制になっております。 そういう面で、奥山さんは三年間会長として不良債権の問題の銀行処理、いろいろなことでそれなりの功績を残した方だというふうに思っております。今回、こういうような足利銀行という問題がありまして、急遽その経験を生かして事務所の運営に当たるということで、私は、奥山さんがきちっとした信頼回復のための方策をとって、生まれ変わる中央青山ということを確立するのではないかということを期待しております。 以上でございます。
○田村(謙)委員 どうもありがとうございました。 時間が参りましたので、ともかく今までの責任というのは、まさにこちらにいらっしゃる理事長の皆様、そして協会長さんにもそれぞれにいろいろな意味で責任があると思います。そういったところをしっかりと認識を持っていただいて、鷲尾議員も言っていました、より改革のスピードを速めていただきますようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
○小野委員長 それでは、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。 先ほど来の足利銀行の件につきまして、私もこの財務金融委員会で一昨年の十二月に取り上げまして、金融庁の責任ということが非常に大きいという点を指摘したことがございます。時間の関係で、その点きょうは別にここで詰めるつもりはございませんが、ぜひ参考にしていただければと思います。 そこで、中央青山の奥山理事長にお聞きしますけれども、一昨年、公認会計士法が改正されました。その際に、当初金融庁は同じ企業を担当できる期間を米国並みの五年という案を検討していたと思います。それに対して当時の公認会計士協会は与党に猛烈に働きかけたというふうに報道されていまして、協会のこの自主ルール並みの七年にしてもらいたいというふうに主張されたと。 当時の会長は奥山さんでありますが、今この自主ルールは七年から五年へという改定を行うということになったようですけれども、今から振り返りまして、当時の、七年というふうにしてもらいたい、そういう働きかけというのは、やはりこれはまずかったというふうに考えておられるのかどうか。この点について御見解をお聞きしたいと思います。
○奥山参考人 私は、企業が日本の土壌の中である限りは、やはり五年よりは七年の方がいいのではないかというふうには思っています。 それはなぜかといいますと、日本の企業の育ち方といいますのが、やはり従業員を大事にして、従業員からなった方が重役になって会社を経営しているという姿が非常に多いように思います。そういう中で監査が対抗していくためには、その企業に対する理解とその企業における状況というものをしっかりと認識しながら経営者と対等にやっていくというためには、やはり五年よりは七年の方がいいのかなというふうには今でも思っておりますが、癒着という問題からするとこれは短い方がいいに決まっております。 そういう意味で、現在七年という、二年前に主張してきたことが、癒着構造がいろいろできたことによって、やはりそれだけではどうだったのかなという思いはありますけれども、しかし、癒着という問題は七年と五年という形で考えられる問題ではなくて、もっと違う視点、つまり倫理という構造から考えられる問題で、企業に対するしっかりした認識をしてしっかりした意見を言っていくためには、やはり七年がいいのかなという思いはあります。
○佐々木(憲)委員 これだけ事件が重大な展開を見せて、しかも法人としてかかわっていたか否かという問題まで議論になっている、そしてまた、自主ルールとして、七年ではまずいから五年にしろ、こういうことも決められている。そういう状況でありながら、現在のお考えはまだ七年でいい、これはちょっと私は納得しかねる思いでございます。 さてそこで、藤沼会長にお伺いします。 当時の公認会計士の法案の審議の際に、竹中大臣が、将来五年に見直すことも視野に入れているというふうに述べておられます。私は五年にすべきだという主張をしたんですけれども、仮に法改正で五年にする、こういうことになれば、これは受け入れるのは当たり前だと思うんですけれども、お考えはいかがでしょうか。
○藤沼参考人 七年・二年、五年・五年、その前に先ほども少し触れましたけれども、日本の監査人の交代のルールは、監査人で会社に関与している人は全員七年・二年ですので、全員、例えば七年・二年を五年・五年にするかというと、これがアメリカと制度的な違いがあります。それで、五年・五年については、主任会計士が一番影響力を持つということで五年・五年、その他の関与社員については七年・二年、こういう制度でございます。 当初は、制度そのものの設計がちょっと違うので全部一斉にかわってしまわなくてはいけないということと、あと監査人の中でどういう形でスケジュールをつくって交代していくか、そういうようなことがあったから七年・二年という形でずっと続いてきた、その間に徐々に監査人を交代していこうということだったと思います。 今回五年ということを視野に入れてというのは、将来交代の状況を見た上で決めていこうということだというふうに私は理解しております。 ちなみに、海外で五年・五年でやっているところは、これは主任会計士だけですけれども、アメリカ、イギリス、あとカナダでございます。ただ、ヨーロッパでは七年・二年というルールで、EUのルールが七年・二年でございます。また、私が前に会長をやっておりました国際会計士連盟のルールも七年・二年ということで、そういう面では、必ずしも五年・五年がすべていいということではないのではないか。 これは、やはり社会が監査人に対して、外観の上で五年・五年に変わった方がいいというふうに思っているのか、それとも、七年・二年でやっても、それの中身が充実していれば、独立性が保たれていれば、それはそれで構わないというふうに見るか、それを考えながらいくべきではないかというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 一番大事なことは、企業からの独立というのが大事なことでありまして、私は、同時に行政からも独立すべきだと思います。 いずれにしましても、企業との癒着をどう断ち切るかということを制度的に保障するということが大事で、その観点から、七年よりも五年が制度的にはより前進であるという認識だというふうに思うんですね。それをどのように徹底するかということは運用の問題ですけれども、しかし、観点は、企業との癒着をどう断ち切るかという、ここが非常に大事だという点。 それで、具体的にもうちょっと聞きますけれども、例えば、現在、企業から報酬をもらう、それで監査を行う、こういう仕組みになっていますね。マスコミなどは、どうしてもそれが顧問的な性格に陥る土壌になるのではないかという指摘もあります。これをどのように改善するかというのはなかなか難しい問題があると思いますけれども、何らかの対応策といいますか、特定の企業と報酬の面での直線的な結びつきというものをどのようにして改善していくか、この点も一つの角度だと思いますけれども、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○藤沼参考人 公認会計士が監査をやるに当たって企業からお金をもらっている、こういうような見方、それで本当に独立した監査意見が言えるのかどうか、これは昔から、支払い方法あるいはその受け取り方法については、議論は百出しております。ただ、ベストな解決策というものはまだ見出しておりません。今のところの解決策として皆さんが納得しているのは、これは諸外国に多いわけですけれども、やはり企業のコーポレートガバナンスの強化だということでございます。 現在、米国では、オーディットコミッティーという、外部の取締役からのみ構成するオーディットコミッティーが、監査契約あるいは監査契約以外のアドバイザリーワークとかそういうような契約をすべて承認する、そういう面で監査役会は経営者から独立して、株主その他のステークホルダーのためにベストな監査法人を選んだりあるいは契約をしたりする、こういう形、立てつけになっております。 日本の場合には監査役会、あるいは監査委員会もありますけれども、今の段階では、実態問題としましては、経営者からの監査役、監査委員会の人たちの独立性の問題、だれがその人たちを選んでいるのかというような独立性の問題だとか、あるいはそういう監査役、監査委員会のメンバーの方の専門性の問題、それと同時にスタッフですね、人だけがいてスタッフがいないというのはできませんから、スタッフの充実の問題。こういうような独立の監査役会あるいは監査委員会が、経営者という視点ではなしに、株主だとかその他の広範な利害関係者のためにベストな監査法人を選ぶということであれば、監査人がいい業務をしていなければそれは交代してもらえばいいということで、そういうようなメカニズムをつくるということが大事なのではないかというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。
○小野委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 委員長から一言御礼申し上げます。 参考人の皆様におかれましては、大変お忙しい中を当委員会に御出席を賜りまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしましての御礼といたします。(拍手) ————◇—————
○小野委員長 この際、御報告いたします。 本会期中、当委員会に付託されました請願は九種六十四件であります。各請願の取り扱いにつきましては、理事会におきまして慎重に検討いたしましたが、委員会での採否の決定は保留することになりましたので、御了承願います。 なお、お手元に配付いたしましたとおり、本会期中、当委員会に参考送付されました陳情書は、貸金業の規制等に関する法律施行規則の改正等に関する陳情書外五件、また、地方自治法第九十九条の規定に基づく意見書は、定率減税の縮小・廃止の中止を求める意見書外六十九件であります。 ————◇—————
○小野委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。 財政に関する件 税制に関する件 関税に関する件 外国為替に関する件 国有財産に関する件 たばこ事業及び塩事業に関する件 印刷事業に関する件 造幣事業に関する件 金融に関する件 証券取引に関する件 以上の各件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次に、閉会中審査案件が付託になりました場合の諸件についてお諮りいたします。 まず、閉会中審査のため、参考人から意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出席を求めることとし、その人選及び日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次に、閉会中審査のため、委員派遣を行う必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣承認申請を行うこととし、派遣委員、派遣期間、派遣地その他所要の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 本日は、これにて散会いたします。 午後零時七分散会