財務金融委員会 第3号
- 発言数
- 89 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 2005/10/14
会議録
○小野委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、銀行法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として金融庁総務企画局長三國谷勝範君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○小野委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鷲尾英一郎君。
○鷲尾委員 民主党の鷲尾でございます。 私も初めての質問でございまして、皆様お手やわらかによろしくお願い申し上げます。 時間もないものですから、早速質問に移らせていただきます。 今回の銀行法の改正については、顧客利便の向上ですとか金融機関の経営の効率化のために規制緩和していくという、この趣旨は容易に理解し得るところではございますが、今回の規制緩和についてはどのような結果が生じ得るのかという問題に対して、検討が薄いというふうに感じられます。 銀行代理店制度自体は、従来よりコストをかけずに営業基盤を拡大していけるというメリットがございますので、システムインフラコストの余力にどちらかというとまさっているメガバンクにとって有利な制度とも言えるのではないでしょうか。この点、メガバンクは地域金融機関の営業基盤への進出が容易になるわけでありまして、地銀や信金等の営業内容の悪化は避けられないという見方もできるわけでございます。 金融審の論点整理では、当該制度の創設によって過疎地におけるライフラインバンキングが進展するとされておりますが、例えば、銀行代理店制度が根づいているヨーロッパでは、銀行の大型化や寡占化が進んでおり、健全な競争そして地域経済への影響といった観点から問題があるという声も上がっております。つまり、どの銀行にとっても収益性の向上は重要な命題でありまして、その観点に立てば、金融審での過疎地におけるライフラインバンキングというのは机上の空論になりかねないという懸念もあるわけでございます。また、金融審では、地域密着型金融の一層の推進を図るためにリレーションシップバンキングのアクションプログラムを作成しておりますが、これについても銀行代理店制度導入後の影響については何も語られておりません。 そこで、こうしたことを踏まえまして、金融庁として、銀行代理店制度の導入後の金融業界全体の見通し、あり方についてどのような展望を想定されているのか、特に地域金融に与える影響について、大臣にお答えを願いたいと思います。
○伊藤国務大臣 お答えをさせていただきたいと思います。 初めての御質問だということでございますけれども、委員は公認会計士としても活躍されてこられたというふうにお伺いをしておりますので、そうした専門的な見地から御議論いただけることを私としても大変期待をいたしているところでございます。 今、委員からは、地域の金融機関の問題についてというお話がございました。地域の金融機関の果たす役割、あるいは果たしてきた役割というものは極めて重要なものがあるというふうに考えております。 今までも、委員御承知のとおり、リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムに基づいて、中小企業の再生と地域経済の活性化を図りながら不良債権問題を解決していく、こうした取り組みを進めてきたところでございますが、昨年十二月末に策定、公表させていただいた、これから二年間の金融行政の指針となります金融改革プログラムにおきましても、地域経済に貢献できるような金融システムというものを構築していかなければいけない、こうした視点を明らかにさせていただいたところでございます。 これに基づきまして、先般、金融庁といたしましては新しいアクションプログラムというものを策定させていただいて、その中で、中小・地域金融機関に対して、地域の特性や利用者のニーズ等を踏まえた選択と集中を通じてビジネスモデルを鮮明にして、自己責任と健全な競争のもとで地域密着型金融の一層の推進を図るよう要請をいたしているところでございます。 地域金融機関は、今後とも地元の顧客と密接なネットワークを構築、強化すると見込まれておりまして、こうしたネットワークは経営上の強みであると考えているところでございます。こうしたことから、新しい銀行代理店制度によって地域の金融機関の業務内容が大きく悪化することになるとは必ずしも考えておりません。むしろ、今回の改正によりまして、地域の金融機関が代理店を活用して、そして、従来の支店網以外に販売チャンネルを拡大して新しい顧客層を掘り起こしていく、新規の顧客を掘り起こしていく、そういう可能性があるのではないかと考えているところでございます。 さらに、今回の改正におきまして、信用金庫につきましても、銀行や他の信用金庫の代理店になることが可能となります。これによりまして、現在、信用金庫では取り扱っていない商品あるいはサービスというものを既存の顧客の皆様方に提供することが可能になり、また、顧客へのサービスの向上による都銀等への顧客の流出の防止、新たな金融商品の開発負担の軽減、手数料収入などが期待できるのではないかと考えているところでございます。
○鷲尾委員 大臣のお話ですが、基本的に、地域の再生と地域の活性化ということにつきまして地域金融機関がネットワークを構築するというお話は大変納得できるのでございますが、一顧客、一消費者としての立場に立った場合、例えば、山間地における、金融機関も何もないといったところに対して、個人の商店街ですとかそういったところに代理店が進出するということであれば、地域に密着した金融網というのも考えられなくもないとは思うのですが、実際、この銀行法の改正におきましては、想定されている参入企業というのが、恐らくかなりコストがかかる、初期コストがかかるものだということが判明していると思います。 つまり、そういった地域密着型というのは結局、例えば山間地に住まうお年寄りとかそういった方に対して利便性が本当に向上するものかどうかというところが、リレーションシップバンキングのアクションプログラムと関連させて明らかにならない点がございまして、その点について、例えば参入企業、これについては個人というのは想定しておられますでしょうか、この点についてお聞きしたいと思います。
○伊藤国務大臣 まず、過疎地等々で利用者の立場からするとイメージがわかないというお話でございましたが、先ほど御答弁をさせていただきましたように、今回は信用金庫についても規制緩和が行われて、この代理店というものを活用することができるわけであります。そのことによって、より地域に密着をして柔軟な店舗戦略というものを展開していくことができる、効率的な店舗戦略というものを展開していくことができる、そのことが地域における利便性を向上していくことにつながっていくのではないかというふうに思っております。 また、個人が代理店業をすることができるかというお尋ねでございますが、個人もこれは認めることができます。
○鷲尾委員 それで、実際、銀行の代理店として参入する企業というのは、金融庁としてはどの程度見込んでおられるのかというところをお聞かせ願えますでしょうか。
○伊藤国務大臣 具体的にどういう企業が参入をしていくのか、現段階でその企業名をお話しさせていただくことは困難でございますが、例えば可能性として、地元の百貨店やホテルを代理店として、店内にカウンターを設け銀行口座の開設等を行う、あるいは、宅建業者や不動産業者を代理店として住宅ローンの勧誘、取り次ぎを行うといった活用が考えられるのではないかというふうに思っております。 なお、参入の規模についても恐らくお尋ねではないかというふうに思いますが、現在、個人も含めまして二百弱の代理店が存在をしておりますが、これが一般事業者の参入を認めることにより増加することが考えられることから、私どもといたしましては、五百程度の参入を想定して、銀行代理店に対する初年度の検査監督体制を整備することを考えているところでございます。
○鷲尾委員 そこで、実際の参入の条件についてお尋ねしたいんですが、これは、この改正法の中では、実際に金融庁が許可をする、そういう制度だと思いますが、この許可制度は、金融行政としては裁量が働く余地が多分にあるということでございまして、実際、その具体的内容というのは法案の条文を見ても全くわからない、非常にあいまいな点がございます。この参入の具体的な条件というのはどういった形でお示しになるんでしょうか。この点についてお聞きしたいんです。
○伊藤国務大臣 許可に当たっての具体的な基準の内容についてお尋ねをいただいたわけでありますけれども、今回の改正によりまして、私どもといたしましては、銀行の健全性の確保、あるいは顧客保護の観点から、代理業への参入時の許可制を導入したところであります。 許可に当たりましては、まず、銀行代理業を的確、公正、効率的に遂行できる能力及び十分な社会的信用を有すること、銀行代理業を遂行するために必要な財産的基礎を有していること、他業の兼営により銀行代理業の適正、確実な遂行につき支障を及ぼすおそれがあると認められないこと、こうしたことを審査基準といたしているところでございます。これは第五十二条の三十八に記載をさせていただいております。 具体的には、銀行代理業を的確、公正、効率的に遂行するために必要な知識経験を有する者を配置をし、かつ必要な体制整備を行っていること、銀行法上の処分歴がなく他法令の違反歴もないことなど、十分な社会的信用を有する者であること、銀行の代理業を遂行するために必要な財産的基礎として純資産を有すること、兼営している他業の内容が銀行代理業として社会的信用を損なうおそれがなく、利益相反的取引や優越的地位の乱用といった弊害が生じる蓋然性が高いものでないことなど、他業の兼営により銀行代理業の適正、確実な遂行につき支障を及ぼすおそれがあると認められないことなどが必要であると考えているところでございます。 こうした基準につきましては、対外的に示すとともに、個別の許可、承認に当たっては、基準に従って適切に審査してまいりたいと考えております。
○鷲尾委員 大臣にお伺いしたいのですが、こういった法案の具体的な、今おっしゃっていた、例えば純資産を有することですとか銀行代理店業務を的確、公正、効率的に遂行するために必要な体制の整備の状況ですとか、これというのはいわゆる法案の文面上にはあらわれてこないわけでございまして、これは大臣といたしましては法案に示すべきだというふうなお考えはございますでしょうか。
○伊藤国務大臣 こうした具体的な内容につきましては、国会の審議でもさまざまな御議論がなされてくると思います。そうした審議を踏まえまして、府省令あるいはガイドラインの中で具体的に明らかにしていきたい。また、この策定に当たりましてはパブリックコメントに付しまして、一般の皆様方の意見も踏まえてこうしたものを策定していきたいと考えております。
○鷲尾委員 できましたら、こういった具体的な基準についてもできる限り法案に取り入れるということをお願いいたしたいと思います。 それでは、次の質問に参りますが、実際、今回の、今大臣が申されました参入基準の具体的な内容につきまして、例えば銀行代理店の従業員というものについての資格要件というのはどこまで細かくございますでしょうか。
○伊藤国務大臣 今回の法案におきましては、参入の許可に当たり、その代理業を的確、公正かつ効率的に遂行するために必要な能力を有する人材を確保しているか等について審査することになっているわけでありますが、これは、より幅広い形態で銀行代理業への参入を認めつつも、利用者保護や銀行の健全性のために必要な措置であると考えているところでございます。 ただし、遂行する能力を審査するに当たっては、正社員であることが必ずしも求められているわけではなく、業務遂行能力があれば正社員でなくても問題はないと考えているところでございます。 いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、規制緩和の趣旨を踏まえて、制度の適切な運営に努めてまいりたいと思っております。
○鷲尾委員 今、正社員でなくてもというお話がございましたが、一顧客としての立場から申せば、例えば銀行の代理店の業務を行っているその窓口さんに行ったときに、実際、その方が本当に信用できる方なのかどうかというのが一つポイントになると思うんですね。 一つ、我々が取引するに当たっても、その方が何か、要するに、例えばリスクのある商品を知らず知らずのうちに勧めているとか、それを説明不十分なまま我々が買ってしまうとか、そういった危険性もあると思うんです。ですから、正社員でもアルバイトの方でも結構なんですが、これについては、例えば何か窓口で確認できる書類等々を示すなりなんなりしないと、一顧客としては非常にわかりにくい面もあると思うんですが、その点についてはどうお考えでしょうか。
○伊藤国務大臣 書類でというようなお話でございましたが、求められる能力のレベルというのは、その許可の対象となる銀行代理業の内容によって異なってくるのではないかというふうに思います。 例えば、預金、為替であれば、これは委託元の銀行によりまして各種研修等で足りることが多いというふうに考えますが、貸し付けであれば金融機関における勤務経験などが求められる場合もあると考えておりますので、求められる能力のレベルによって私どもとして適切に判断をしていきたいというふうに考えておりますし、また、委員が今例を引きながら御説明をされましたように、説明責任というのは極めて重要でありますので、今回のこの銀行代理店業の見直しに当たってもしっかりとした説明責任を果たしていくということを課しておりますので、こうした点は大切にしていかなければならないと考えております。
○鷲尾委員 実際、正社員ないし代理店の職員さんというのは、その指導という面でも確かに重要だとは思うんですが、我々から見たというものがまた一つ重要だと思います。その点については銀行さん等々にもしっかりと御指導いただきまして、消費者の混乱がないような形でやっていただきたいと思います。 続きまして、実際、その職員さんについての問題ですが、例えば銀行の職員さんでございますと、全銀協さんがいろいろな行為規制をされていると思うんです。例えば他業でいいましたら、証券会社の外務員さんであれば信用取引をやっちゃいけないとか、いろいろな縛りが自主規制ないし法令としてあると思うんですが、この銀行代理店の職員さんについては、こういった規制はいかがでございましょうか。
○伊藤国務大臣 これは、今全銀協さんの例を引きながらお話がございましたが、特にそうした規制を課しているわけではございません。 ただ、先ほどお話をさせていただきましたように、その代理業の内容によって求められる能力のレベルというものが違ってまいりますから、許可に当たっては、その代理業の内容に即した形で遂行能力というものを審査していきたいと考えております。
○鷲尾委員 今おっしゃっていました代理業についても、やはり他業と同レベル、もしくは銀行さん本体よりもある意味厳しく取り締まらなければいけない部分等もございますので、この点についてはしっかりと、どういった形で規制するのか、外に見える形でお示しいただきたいと思います。 続きまして、先ほど参入時の企業の想定というのは大体五百社というふうに大臣おっしゃっていましたが、金融庁にとって、監督の体制、今整備中ということでございますが、その監督体制の整備ということもさることながら、監督の方法、実際、例えば年に何回入るとかどういった形で入るとか、銀行さん、そして場合によっては代理店さんにも入るわけでございまして、この点は実は条文が二つしかございませんで、もうちょっと詳しく教えていただけたらと思うんですが。
○七条副大臣 私の方からこれをお答えさせていただきたいと思います。 まず、銀行業務を行う、いわゆる銀行の代理店業務については、金融庁としては、銀行本体に対する監督検査は今までどおりやっております。その中で対応をして、必要に応じて、そして代理店業務自体の行為規制について、厳粛にこれを調査したり、あるいは状況判断をしていく、検証をすることになる場合はそれをやっていかなければならない。 具体的には、銀行代理店業に対する業務の指導に問題があると認められた場合については、必要に応じて銀行から報告を求め、その結果によって銀行に対して業務改善命令をする、あるいは銀行代理店業に対する業務指導の体制の改善を求める。 そしてまた、銀行代理店業をやっておられる方々に対しては、行為の規制の遵守状況等について問題があると認められた場合については、銀行代理店業に対しても、報告徴求あるいは立入検査を行うとともに、必要に応じて業務改善命令の措置をとる、あるいはその代理店に対して業務運営を確保していくということでございますし、これは、地域の財務局と連携をしながら検査監督を適正にやらなければならない、一つあると思います。 もう一つは、先ほど先生お話がありました、五百社程度、こういうようなことについてどうやるのかということでございますが、これにつきます検査体制あるいは監督体制につきましては、銀行本体に対する検査、先ほど申し上げた検査、そして、代理店業務自体の行為規制の遵守という検査をやりますが、初年度となる十八年度については、五百社程度の参入を想定しておりまして、財務局については、それらの各局で二名程度に相当する、各局が十団体ありますから二十名程度の体制、そして、財務の中の局としての支援や指導をする金融庁については五名の体制、二十プラス五名の二十五名体制でそれをやっていかなければならないと考えております。 具体的にこれを申し上げますと、二十五名の内訳でありますが、財務局の監督業務について約十名、そしてまた、財務局における検査についても、一定の検査を周期的に、あるいは検査日数を前提に所要人員を算出しまして、これが十名程度、そして、先ほど言いました財務局の支援あるいは指導を行う金融庁の本体から五名程度で、二十五名程度を想定いたしているところでございます。
○鷲尾委員 この検査については、実際銀行さんを検査するときに、重ねてその代理店業務についての検査も行うということでよろしかったでしょうか。
○七条副大臣 まず、定期的にやるのは、これは当然銀行の本体はやっておりますし、それで不備が出てきたときに代理店業務に対してもやっていくという、先ほど御答弁したとおりでございます。
○鷲尾委員 定期的な銀行に対する検査というのはわかりました。ただ、銀行代理店については、またその特殊な検査項目というのが多々あると思います。特に、銀行さん本体に対する検査ではなくて、銀行の代理店さんというのはまた遠隔地にございますから、その点については、何か問題があったらではなくて、その銀行の代理店としての検査も、チェック項目をあらかじめつくるなりして、実効性のある措置をやっていただきたいと思います。 続きまして、銀行の代理業者に対して、守秘義務とか個人情報の保護についてお聞きしようと思っています。 特に、兼業が行われている場合は、銀行の代理業者が実際に悪意を持って銀行代理業務で取得した情報というのを本業に使用する可能性もあるわけでございまして、当然、これは兼業のインセンティブがありますから、そういう方向に働くとは思うんですが、こういった情報の流用というもの、この弊害を未然に防ぐ措置というのは、実際、想定されておりますでしょうか。
○伊藤国務大臣 銀行代理店は、預金、貸し付けなど銀行代理業で得た情報については、銀行法そして個人情報保護法上、適正に取り扱う義務があります。顧客の同意なく他業に流用することは禁止をされているわけであります。 こうした規則につきましては、銀行代理店や委託元銀行に対する指導監督、そして立入検査を通じて実効性というものを担保していきたいと考えております。
○鷲尾委員 例えば、今現時点では、銀行法の方では、取扱商品の制限ですとか弊害防止策、さまざまな法規がございます。この先緩和されるようでございますが、こういった措置を実際に今、銀行代理店業に対してなすのかどうかというところもお聞かせ願いたいと思います。
○伊藤国務大臣 なすという、ちょっと意味がわからないんですが、今の銀行代理店制度におきましても、これは当然、個人情報保護法の対象になっておりますし、また、銀行法上も適切な情報管理というものが必要になってまいりますので、顧客の同意なく他業に流用することは禁止をされているということでございます。
○鷲尾委員 実際に私が申し上げたのは、銀行業が、例えば保険商品、損害保険の商品を取り扱うというところにおいて、取り扱いの商品の制限が徐々に徐々に緩和されてはきているんですが、今、厳然として制限されている状態でございます。これが、この法によって、銀行代理店業にも適用されるのかどうかというところをお聞かせ願いたいと思います。
○伊藤国務大臣 これも重ねてになりますけれども、規制緩和をしてきたからこそ、またこれからしてくるからこそ、今委員が御指摘になられた情報の管理というのは極めて重要なことであると考えているわけであります。 したがって、今回の改正におきましても、顧客の同意なく顧客に関する情報を他の業務に流用することを禁止して、そして顧客情報の適切な取り扱いを確保していく、そうした制度設計をさせていただいているところでございます。
○鷲尾委員 この点については、特に消費者としては非常に重要に、懸念がございますから、特に検査体制を実効性あるものにしていただきたいと思います。 続きまして、銀行の代理店というのは、あらゆる銀行の代理店になる可能性はあるのかどうかということを確認させていただきたいと思います。
○伊藤国務大臣 御質問の趣旨は、複数の代理店になる可能性があるかということですね。その可能性はございます。
○鷲尾委員 たくさんの金融機関の代理店になるということでございますと、一般的に言えば、お金を貸す方が優越的な立場になるというのは非常にわかります。そして、その優越的立場を利用して、簡単に言うと悪いことをしてしまうということについては制限がされているということはわかるんですが、実際、ある業者さんがいろいろな銀行の代理店になるということは、逆に業者さんが銀行さんに対して優越的な立場になるということもあると思うんですね。 それについて、実際そういった状況を想定しながら検査なり監督なりということをやっていくのかどうかというところ、実際どのような対策を考えているかというところをお聞かせ願えたらと思います。
○伊藤国務大臣 今言われたような弊害というものが生じれば、これは私どもとして適切に監督をしていかなければなりませんし、また、そうした状況があるかどうか検査で検証して、しっかり実効性というものを担保していかなければいけないというふうに思っております。 今回このような規制緩和をしますと、必ず、その優越的地位というものを乱用して、抱き合わせ販売をするのではないか、あるいは情実融資というものが行われるのではないか、このことが一番危惧されるわけでありますから、こうした問題、つまり弊害防止措置というものをしっかり行っていかなければいけない。そうした観点の中で、今回の法改正においても制度設計をさせていただいておりますし、監督検査上も非常に重要な観点だと考えております。
○鷲尾委員 済みません、今、ちょっと質問の仕方がもしかしたら的確ではなかったのかもしれませんが、要するに、金融庁として銀行の代理店さんに直接検査をするということが非常に必要になってくると思うんですね。 というのは、先ほどのように、業者さんが優越的立場になる場合もしかり、そしてまた、業者さんが銀行の名をかさに着て、自分の本業である取引先に対して強圧的な取引を持ちかけるというようなことも恐らくあるだろうと思うんです。それが、例えば銀行さんからの報告ではもちろん上がってきません。要するに、銀行さんからの報告を待って代理店さんを検査するのではなくて、代理店さんに直接検査に行くということは実際想定されているんでしょうか。
○伊藤国務大臣 先ほど副大臣からも御答弁をさせていただきましたように、必要に応じて立入検査を行っていく、あるいは報告徴求を行うということは、これは十分私どもとして想定をしているわけでありますし、今回規制緩和をして銀行代理店業の担い手を拡大していくに当たって、その実効性を担保するために、今お話をさせていただいた制度設計をさせていただいているところでございます。 さらに、私どもといたしましては、金融サービスの利用者の方々がワンストップで相談できるような窓口を金融庁の中でも設置させていただいておりますので、銀行の検査だけではなくて、そうした窓口や財務局も含めて寄せられる情報というものを有効に活用して、そして適切な検査監督に努めてまいりたいと考えております。
○鷲尾委員 そういった別の窓口というのも、ぜひ有効活用していただけたらと思います。 そして、銀行の検査体制に関連しまして、一つお聞きしたいことがございます。 実は、近時、ペイオフの一号が出るんじゃないかという情報がございます。というのは、金融庁と預金保険機構、そして日銀さんが九月十六日にペイオフのシミュレーションをやったという情報がございまして、これについての真偽を確かめたいと思います。
○伊藤国務大臣 これは日ごろから訓練をいたしておりますので、そうした訓練の一環でございます。何か前提があってそうした訓練をしているということではございません。
○鷲尾委員 それでは、九月十六日に行われたというのはよろしいですか。
○伊藤国務大臣 一連の質問、申しわけございません、通告をいただいていないものですから、日にちが正確かどうかというのは、ちょっと私、今資料を持ち合わせておりませんけれども、九月にそうした訓練を行わせていただいたということでございます。
○鷲尾委員 あくまでも一般論ですが、こういったペイオフのシミュレーションがされているということは、実際ペイオフが生じ得るという可能性は否めないわけでございまして、例えば、実際の金融庁の検査体制として、新規の銀行さんに対して免許を与える、銀行代理店さんについても許可を与える、これについては、銀行さんであれば財務内容というのをしっかりと精査していただいて、それで実際免許を交付するなりしていただきたいのでございますが、この審査の期間というのは大体どれぐらいになりますでしょうか。
○伊藤国務大臣 これはケースによって違うのではないかというふうに思っております。どういうビジネスモデルで銀行業に参入をしていくのか、今までと同じようなビジネスモデルで銀行業に参入するのか、それとも新しいビジネスモデルで参入をしていくのか、そうした申請の中身によって審査する時間というのは変わってくるというふうに思っております。 いずれにいたしましても、今委員から御指摘がございましたように、財産的基礎でありますとか収支見通しでありますとか人的構成、銀行法に定められている審査基準に基づいて厳正に審査を行っているところでございます。
○鷲尾委員 時間ということについては個々の企業さんの状況によって違うということでございますが。 例えば、実際金融庁さんが検査に入るに当たって、免許というのは非常に、決済システムですとか顧客利便というのは当然お題目としてあるんですけれども、この検査自体が、実際検査が緩むことのないように私としてはお願いする次第でございまして、例えばペイオフについても、検査が緩いからペイオフになってしまうというようなことのないようにお願いしたいんですね。 銀行の代理店業についても検査というのをしっかりとやりながら、検査のときだけではなくて、しっかりとその後も監督していただいて、監督の体制をそれこそ確実にやっていただくことで、実際にその裁量を持っているわけですから、しっかりとそこはやっていただきたいと思います。 ちょっと細かい話になるんですが、私が今入手しておりますのが、衆議院調査局の財務金融調査室の資料を持っているんですが、この中で、実際に参入の許可基準について、その具体的な内容というのがございます。 これは自民党さんの部会で説明するということで、私がちょっと入手した資料なんですが、その具体的な内容の中に、一つは、「他業の兼営により銀行代理業の適正・確実な遂行につき支障を及ぼすおそれがあると認められないこと」というのが基準にございまして、その具体的内容の一つに、「兼業の内容が、利益相反的取引や優越的地位の濫用といった弊害が生じる蓋然性が高いものでないこと。」というのがございます。 その兼業の内容というのは、これは調べてみますと、要するに、一般事業者が事業貸し付けをできないということになっているんですね。その一般の事業会社というのは、例えば消費者金融というのは入るんでしょうか。
○七条副大臣 私の方からお答えをさせていただきたいと思います。 恐らく今先生が言っていただいたのは、銀行法の五十二条の三十八にある三つの要件の中の一つのことを言われたんじゃないか、そういうことだろうと思うんですけれども、この場合、いわゆる消費者金融業者についてということでございますけれども、銀行業以外の他業の兼業が銀行代理の業務を適切かつ確実に営むことについての支障を及ぼすおそれが認められないことが一つの要件になってくる。当然のことながら、消費者金融業者については、それらを原則として基本的には認めない方向になっていくのではないかと考えているところでございます。
○鷲尾委員 では、消費者金融業者については、原則としてこの事業会社に含めるということなんですね。要するに、含めるということですか。
○七条副大臣 先ほども申し上げたとおりでございますが、基本的にはそういう消費者金融業者は認めない方向でございます。
○鷲尾委員 了解しました。 それと、銀行代理業に係る禁止行為の具体的な内容といたしまして、「密接な関係を有する者」という銀行法第五十二条の四十五という規定がございます。この「密接な関係を有する者」というものの範囲、これについても明らかにされたいと思うんですが。
○七条副大臣 「密接な関係を有する者」、これも五十二条の四十五のことだと存じますけれども、「密接な関係を有する者」とは三つございまして、一つは、当該の銀行代理店業務の親会社、関係会社、二つ目が、当該の金融代理店業者の出身者または出向者が役員である法人、そして三つ目が、当該の銀行代理店業者との間に重要な営業上の取引がある法人等々を内閣府令において規定することを予定しているところでございます。
○鷲尾委員 わかりました。 金融制度の改革でございますが、これは特に地域経済においてこれからが正念場であるという強い認識を持って、金融庁の方には頑張っていただきたいと思います。 この銀行の代理店制度の創設に係る負担も、やはり今までの検査と比べてこれはどんどんどんどん負担が増大していくものでございまして、並大抵のことではないということは容易に想像できますので、ぜひ金融庁の皆様には、職業意識を高めてしっかりと取り組んでいただきたいということを申し添えまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○小野委員長 引き続きまして、鈴木克昌君。
○鈴木(克)委員 民主党の鈴木克昌でございます。 私も鷲尾委員に続いて少し質問させていただきたいと思いますが、今回、銀行法が出されたときに、私は正直言ってどういうふうに思ったかということでありますが、これは郵政民営化法案に翻弄された銀行法改正だ、こんなふうに実は率直に感じました。以下、理由を申し上げていきたいと思いますが、別にこれに対して答弁をいただきたいということではありませんけれども、私の思いというか考え方でございます。 伊藤大臣は、今回の銀行法の提案理由の中に、利便性と銀行経営の効率化に資する重要な制度改革だ、こうおっしゃっていますよね。それから、この法案は利用者利便を高める上で非常に重要な法案だと強調されておるわけであります。 現在の法律は、代理店ができるのは銀行の全額出資会社に限っております。それからまた、代理店業務以外の業務を禁じておる、これが現状でございます。しかし、今回の改正案は、代理店の担い手を例えばスーパーや百貨店や自動車販売店や不動産業や旅行会社等に拡大して、利用者の利便性を高める、これがねらいだというふうにあるわけでございます。 しかし一方で、メガバンクと地銀との間の体力の差がかなりある、したがって、一挙に解禁するのは適当じゃないんじゃないかという意見もあります。それから、金融庁が、先ほどもありましたけれども、銀行代理店を認可する際の基準が明確でなくて、裁量行政になるおそれがあるのではないか、こういう意見も実は一方であることは私は事実だというふうに思うんですね。 そういう中で、とりわけ金融庁は、さきの国会にこれを出されるという予定というかそういうお考えだったわけでありますが、先ほど申し上げましたように、郵政民営化の法案のせいで、まあ、自民党の中のお考えでこれを先送りした、私はこのように実は理解をしておるわけであります。しかし、結果として自民党が総選挙で圧勝しました、それで郵政民営化の法案が通ることは間違いないということになってこの法案も出されてきたということで、結果として銀行代理店の規制緩和が進むということになったわけであります。 しかし、私は冒頭申し上げましたように、他の法案が通るとか通らないからということでいわゆる提出時期がずれていくということは、正直言って非常に理解しにくいわけなんですね。大臣のおっしゃっているように本当に利便性とか、いわゆる利用者のためということであれば、他の法案に影響されるということは本来おかしいんじゃないのかな、私はこういうふうに実は思っております。 また、一部信用金庫の皆さんの中からは、一般事業と兼業になる代理店の顧客情報管理の問題や、代理店を使った出店攻勢というものに対する非常に懸念の声が現実まだ消えていない。そういう状況の中で出された法案だということを前提に、以下御質問をさせていただきたい、このように思うわけでございます。 まず、現状の地域金融の状況というのは非常に厳しい状況にあります。銀行は貸出先に非常に苦慮しておるんですよね。そして、メガバンクが消費者金融と組んでいわゆるリテール業務に進出するというような形で、これまで地域の中小金融機関のお客であった小口融資先の獲得競争が非常に激化をしておる、こういう現状です。今回の銀行法の改正がこれをさらに助長するのではないのかな、こういうおそれを実は私は感じておるわけですね。 私は、競争がいかぬということを言うつもりは全くありません。しかし、結局、地域金融が予想外の混乱に巻き込まれた、こういうことは決していい話ではないんじゃないかなというふうに私は思うんですね。そして、先ほどもありましたけれども、競争の激化によっていわゆる体力の弱い中小金融機関が相次いで倒産をするというようなことは本当にないんだろうか、このことを私は非常に心配します。中小金融機関のいわゆる倒産によって金融の寡占化が進んだ、そうなればどういうことになるかというと、要するに、銀行がもうからぬ地域に代理店をつくるわけないわけですから、そういう意味で金融空白地帯というものが出てくる。 本当に今私が申し上げたことが杞憂に終わればいいわけですけれども、大臣から、いや、こういう理由だから心配することないんだということを明確にお示しいただきたい。とりあえずお答えください。 〔委員長退席、遠藤(利)委員長代理着席〕
○伊藤国務大臣 今委員が御指摘をされたように、地域経済が大変厳しい状況が続いている中で、地域の金融機関の方々も非常にさまざまな努力をされているわけであります。この委員会も含めて、やはり地域密着の金融機能を強化していく、リレーションシップバンキングの機能というものを強化していくことが非常に重要だ、こうした議論がございました。 そうした中で、平成十五年、十六年度、集中改善期間においては、リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムに基づいてさまざまな施策を展開してきたところでございます。そのことによって、例えば経営改善指導を行って対象の債務先の業況が全体の四分の一近くが改善をしていく、あるいは担保、保証に過度に依存しない、そうした融資に取り組んでいく、こうした努力をしてまいりました。最近の日銀の短観を見てみましても、地域の金融機関においても下げどまりの徴候というものが見られてきたところであります。 今後の日本の金融システムのあり方、ビジョンということを考えた場合にも、やはり地域経済に貢献できるような活力ある金融システムというものをしっかりつくり上げていくことが重要でありますので、そうした観点から新しいアクションプログラムというものを策定させていただいて、そして、これに基づいて地域、中小の金融機関の方々はさらに計画を立てられて、その計画に基づいて前向きな努力を続けられているところでございます。 こうした努力によって地域密着型の機能の一層の推進を図っていくことが重要でありますけれども、そうした中において、先ほども答弁をさせていただいたように、地元の顧客と密接なネットワークを構築し、強化していくことにこうした取り組みはつながっていくわけでありますし、このようなネットワークというものが地域金融機関にとっての経営上の強みであると考えているところでございます。 こうしたことから、新しい銀行代理店制度によって地域の金融機関の業務内容が大きく悪化することになる、こうしたことは必ずしも考えておりません。むしろ、今回の改正によって、従来の支店網以外に販売チャンネルというものを拡大して、そして新たな顧客層、新規顧客層というものを掘り起こしていく可能性というものがあるのではないかというふうに考えております。さらに、今回の改正では、委員も少しお触れになられましたけれども、信用金庫については、これは銀行や他の信用金庫の代理店になることが可能となるわけでありますので、このことによって現在信用金庫では取り扱っていない商品、サービスというものの既存顧客への提供が可能になりますし、顧客へのサービス向上によって都銀へお客様が流出をしていかない、そのことを防止していくことにもつながる、また、新たな金融商品の開発負担の軽減、手数料収入などが期待できるのではないかと考えているところでございます。
○鈴木(克)委員 私は今の大臣の御答弁を聞いておって、もちろん物事には裏と表の両面ありますよ、だけれども、やはりあくまでも片面をごらんになっておるだけではないのかな、正直言って私は今そんな気がしております。 ちょっと時間がありませんので先に進ませていただきますけれども、地域金融機関はまだ大量の不良債権を実は持っておるんですね。確かに、つけかえを進めて表面上は改善をされたような形になっていますけれども、私はその裏は決してそうではないという見方を実はしておるわけです。 そういう状況の中で、いわゆるセーフティーネットなんですが、先ほどのお話にもありましたけれども、本当に政府は地域金融機関におけるセーフティーネットを本気で充実されるおつもりがあるんだろうかということが私はどうしても見えてこないんですね。その辺を一度ぜひ御説明いただきたいと思います。
○七条副大臣 これは私の方からお答えをさせていただきたいと思います。 先ほど大臣の方からもお話がありました地域密着型金融、いわゆるリレーションシップバンキングという一つの機能強化が随分成果を上げつつある。特に今先生御心配のように、主要行については不良債権が減ってきたけれども、まだまだ地域金融は不良債権が多いではないかということで御心配いただいていると思いますが、地域金融の不良債権比率は全体として着実に低下をしてきていることだけは間違いがない。例えて申し上げますと、地域金融の第一地銀、第二地銀が十四年の三月期で八・〇%のものが今は五・五%になりましたし、信用金庫も一一・五%のものが八・九%まで落ちてきた。 その中にあって、本年三月に策定して公表した新たなアクションプログラムに基づいて各地域の金融機関が地域密着型金融を一層推進していく、あるいは地域の経済の再生、活性化や、あるいは中小企業金融の円滑化を図ることに伴って金融機関みずからの経営力を強化していくことを期待していかなければならないと考えております。特に、今、恐らく引当金を積まれてきた、そして引当金を積んできたものを、金融機関がこれからオフバランスをどうしていくかということが一つの地域の中で一番心配されることだろうと思って先生が言われたのではないかと思いますけれども、これらも、中小企業再生支援協議会のようなものを通じて、そしてこれからこういうリレーションシップバンキングの中でオフバラをきちっとしていくこともやりながら検査をする、あるいは、監督を通じて各金融機関の営業状況を的確に把握し、早目早目の経営改善を促すということとともに、地域の金融システムの安定に万全を期していかなければならない、こういうふうに考えているところでございます。
○鈴木(克)委員 ちょっとまたそれについても反論をしたいんですが、先に進めます。 今回のこの銀行法をおつくりになるについて、大分海外にもお出かけになって海外事情をよく検討されたというふうに思うわけでありますが、海外における銀行代理店制度について少し質問したいと思うんです。 今回の改正によって可能となる銀行代理店制度は、既に諸外国において多少の差異はあるものの導入されておる、このように私は認識をしております。今回、そういうことで大分お調べになったと思うんですが、現実に銀行代理店制度を導入している諸外国で、銀行業務を銀行本体ではなく代理店が行うことによって現実に生じている弊害、そういうものはどのようなものがあったのか、またそれにどのような対策を講じておるのか、その海外に出られた調査の結果というものをぜひお示しいただきたい、このように思います。
○三國谷政府参考人 お答え申し上げます。 欧米主要諸国におきましては、御指摘のように、日本の銀行代理業に相当する業務が幅広く認められております。預金、貸し付けの代理、媒介などを行うことが可能となっているわけでございますが、そういった弊害防止措置ということでございますけれども、例えて申し上げますと、アメリカの場合には、銀行が委託契約を締結する際に、委託先についてデューデリジェンスを行い、その後も継続的に委託先を管理監督することとされておりますほか、監督当局であります通貨監督庁も、委託先に対する立入検査権限を有していると承知しております。また、イギリスでは、銀行が委託先を管理監督することとされておりまして、委託計画につきましては、前もって監督当局でありますFSAに報告しなければならないほか、委託された業務に関する情報をFSAに提供しなければならないとされております。 このように、委託元であります金融機関による委託先の監督、こういったことを基本としながら、国によっては、監督当局による委託先への直接的な監督、こういったことにより対応していると承知しております。 なお、弊害の例でございますけれども、諸外国との意見交換の中でございますが、代理店をめぐるトラブルといたしまして、顧客の預かり金を横領するという事例もあるとは聞いておりますが、この場合にも銀行が被害を補償するということなどによりまして大きな問題にはなっていないというぐあいに承知しております。
○鈴木(克)委員 甘いですね。そんなことは絶対ないですよ。基本的には余り大した弊害はないという御答弁なんですが、そんなことは絶対にあり得ないわけでありまして、私はこれは厳しく警告を発しておかなきゃいけないなというふうに思っています。 確かに、国によって銀行法の内容も異なりますし、それに伴って制度も違うのでどこまですそ野を広げて調べるかということは非常にあるかもしれませんけれども、いわゆる銀行制度、もちろん制度は大事なんですが、ということもさることながら、実際に消費者がどのような被害を受けてきたか、そして、その被害を受けとめて解決する仕組みをどのように整備してきたか、ここが一番問題なわけなんですね。 例えばイギリスは、お配りをいただいております銀行法の一部改正の資料の中の六十四ページに、法令上、代理仲介に関する規定はないというふうにあります。実際は預金の取り扱いや小切手がスーパーなので、先ほどもありましたようにアルバイトの店員などによってなされており、その過程でどういう被害があったかということを一件一件調べて把握するというような仕組みができ上がっていないというふうに私は聞いておるんですね。だから、調べたって問題は出てこないわけですよ。そうではなくて、やはりもうちょっと違った観点で調査をしていただかなきゃいかぬというふうに私は思うんです。 一番問題は、日本も同様で、まさに銀行代理店制度の導入期に当たる現場の準備段階で、非常に私は不安を感じておるんですよ。本当に大丈夫なのかなというふうに思います。銀行代理店制度によって銀行の窓口があちらこちらにできます。しかし、常に金融の専門家が配置をされるという環境になるには、かなり、今から相当の時間がかかるというふうに思うわけですね。その間、消費者、利用者が被害に遭ったときにどうするのか。 日本にはまだ金融オンブズマンのような制度はないわけでありますし、例えばADRというんですか、民事訴訟のそういった制度はまだ日本の場合は不備だということで、結果的にいつも犠牲になるのは消費者や投資家だというふうに私は思うんですね。したがって、銀行代理店制度の初期のインフラは消費者犠牲、投資家犠牲のもとに進めるということだけは絶対あってはならないというふうに思うわけであります。したがって、こうした消費者保護の仕組み、投資家保護の仕組みをどのように整えていくおつもりなのか、お示しをいただきたいと思います。
○伊藤国務大臣 今委員は非常に重要な御指摘をされたと思いますし、そのことについて私は全く問題意識を同じくするものであります。 規制緩和を進めることによって金融機能やあるいは市場のさまざまな可能性というものを利用者が遺憾なく選択するあるいは活用できるような、そういう環境を整備していかなければなりません。しかし、そのことによって利用者が不測の損害をこうむる、そうしたことはあってはならないわけでありますから、そのための消費者や契約者そして投資家を守るルールというものをしっかり整備していかなければならないと考えております。この点については委員と全く私は同じ思いであります。 今回の規制改革によって銀行代理店制度を見直していくに当たっても、やはり適切な業務運営というものを確保していく、そうした措置を講じていくことが非常に重要であります。したがって、代理店業の参入を幅広く認めるに当たって参入時の許可制というものを採用して、その審査に当たっては、銀行代理業を遂行する能力のある人材が配置されているか等についてもチェックすることといたしております。また、銀行代理店については、銀行同様、顧客への適正な情報の提供や顧客財産の適正な取り扱いなどを義務づけることといたしたところであります。 そして、これらの措置の実効性を担保していくことが非常に重要でありますから、そうした観点から、委託元の銀行は代理店に対して業務の指導その他の健全かつ適切な運営を確保するための措置を講じていかなければなりませんし、代理店が顧客に与えた損害については銀行本体が直接賠償する責任を負うことといたしたところでございます。 さらに、今回の法案におきましては、金融庁が代理店に対して直接検査監督を行って、そして適正な業務運営を確保することができる仕組みというものを新たに設けたところであります。 このように今回の改正では、委員が御指摘になられた利用者保護、そして銀行の健全性確保のための必要な措置を講じたところでございます。 〔遠藤(利)委員長代理退席、委員長着席〕
○鈴木(克)委員 同様でありますが、セーフティーネットについて一言申し上げて、次の質問に入りたいと思うんです。 セーフティーネットには、大きく分けて四つの目的があるというふうに私は考えています。万一事故や災いのとき、いわゆる不幸が発生をしても、まずその被害を最小限に防止する。それから、被害が生じたときの補償制度をあらかじめ用意しておく。そして三番目には、将来確実に発生すると予想される事象に備えておく。四番目は、セーフティーネットの存在によって安心感が与えられたことにより積極的になるという、これが私の考えるいわゆるセーフティーネットであります。 これは、ある意味ではわかりやすいというかそういう言葉に置きかえておるわけでありますが、やはり原点はここだと思うんですね。本当にこういう目線で常に仕事を進めていっていただかないと、先ほど申し上げたように、だれが泣くのか、最後は結局弱い者が泣く、こういうことに本当にならないように私はぜひお願いをしておきたいというふうに思います。 次に、いわゆる日本の金融システムの具体的なビジョン、例の証券取引法第六十五条についてちょっとお尋ねをしたいと思うんです。 今、日本の金融システムは将来の望ましい方向に向けて規制緩和という波に乗り転換しつつある、今回の銀行法改正もその過程の一つだと位置づけられておる。これは、問題はたくさんあるけれども流れとしてはそういうふうになっておる、これは私も決して認めないわけではないわけであります。 しかし、今回の改正案を読んでいくと、将来的にどのような業態を目指していくのか、具体的なビジョンが私はいま一つはっきりしていないんじゃないかなというふうに思うんです。つまり、ユニバーサルバンキングの方向で行くのか、それとも既存の業態の垣根は残しておくのか、全くもってこの部分がはっきりしていないと私は思うんですね。 今回の改正で、事実上、銀証分離政策、銀行と証券の分離政策をやめる方向であるということはおぼろげながらわかるわけでありますけれども、例えば証券取引法第六十五条で銀証分離を定めておるわけでありまして、証券会社以外の金融機関が証券業務を行うことを原則禁止しておる規定があるわけですよね。この部分と、要するに今我が国の金融システムの方向性としてユニバーサルバンキングの方向へ行くのかどうか、ここのところがどうも私ははっきりしないわけでありまして、この際、大臣から明確にその方向性というものを示していただきたいというふうに思います。
○伊藤国務大臣 委員の今の御指摘、今回の銀行代理店制度の見直し、規制緩和は銀証分離のあり方というものを見直していくんだと、そういうことで考えていると、そういうことではありません。今回の銀行法の改正というのは、これは銀行代理店業の担い手というものを拡大していく、そのことによって利用者の利便というものを向上させて、また、銀行経営の効率化というものを図っていく、こうした視点から今回の改正をお願いさせていただいているところでございます。 銀行の証券業務への参入の範囲につきましては、これは弊害が小さいと考えられる業務から順次拡大をしてきたところでありまして、昨年十二月には株式等の証券仲介業務を銀行等に解禁したところでございますけれども、これによって今御指摘がございました証取法六十五条の基本的な考え方を変えるものではなくて、同条の根拠となった利益相反やあるいは銀行の優越的地位の乱用の可能性は今なお重要な論点であると認識をいたしているところでございます。
○鈴木(克)委員 これもまた別の機会にもう少し突っ込んで議論をさせていただきたいというふうに思います。 ちょっと視点を変えまして、投資サービス法と保険商品に関する規制のあり方、これは前回私は質問をするつもりでおったんですが、時間がなくてできなかったので、あとほんの数分でありますけれども、させていただきたいというふうに思います。 いわゆる投資サービス法については、本年七月に金融審議会より中間整理が出されたのは御案内のとおりであります。その中間整理によると、他の業法等、具体的には銀行法や保険業法などに規定されている金融商品について、投資サービス法においては、証券取引法以外の法律による投資家、利用者保護の対象となっているデリバティブ取引、抵当証券、信託受益権、そして投資性を有する保険、預金といった、可能な限り幅広い金融商品を対象とすべきであると中間整理では言われておるわけですね。さらに、銀行、保険業といった業態にかかわらず、投資商品の販売等に関する一般法として、その行為規制を業態を問わず適用することが適当であるというふうに述べておるわけであります。銀行や保険会社で扱う金融商品についても、販売や勧誘ルールなどについて投資サービス法と一元化することについて検討を行うべきとしておるわけであります。 この点につきまして、預金、保険等についてはこれを扱う業法が他に存在をしておるわけでありますが、投資サービス法を策定するに当たってこうした商品の取り扱いをどのようにするのか、この見解をぜひ一度お聞かせをいただきたい。先ほども質疑で申し上げたんですが、最終的に我が国の金融システムをどんな形に持っていくのかというのが私にはまだどうしても理解できない、そのことを含めてお示しをいただきたいというふうに思います。
○伊藤国務大臣 御指摘の投資サービス法につきましては、今金融審議会の第一部会で活発な議論が行われておりまして、委員からも御紹介がございましたように、七月七日の日に中間整理の取りまとめがなされたところでございます。この中で、預金、保険等の取り扱いにつきましては、投資性を有する保険、預金など、可能な限り幅広い金融商品を対象とすべきとの提言をいただいているところでございます。 この中間整理につきましては、パブリックコメントに付させていただきました。先月九月二日から九月三十日まで一般の意見募集を実施させていただいたところでございますけれども、その中においては、デリバティブ預金や変額保険等を念頭に投資サービス法において類似する金融商品について販売、勧誘ルールの横断化等を行うべきとの意見が出される一方で、預金、保険等については株式、社債等の典型的に投資性のある金融商品とは異なる性質を有していることや既存の販売、勧誘ルールが十分に整備されていることから、それぞれの金融商品の特性を十分踏まえた慎重な検討が必要ではないか、こうした意見も寄せられてきたところでございます。 こうした意見につきましては金融審議会でも御紹介をさせていただいて、そして、これらの意見も参考としつつ、預金や保険といった金融商品の性格、これを取り扱う既存の業法があること、現在の業務の実態を踏まえた金融審議会の審議が進められていくと考えておりますが、委員からは今後の投資家保護を含めた日本の目指す金融システムのあり方のビジョンが見えないというお話がございました、そして、イギリスの例を引きながら委員としての御意見について当委員会でも御指摘をいただいたところでありますし、私自身も実は委員が御紹介をされたイギリスに参りまして、FSAの関係者ともいろいろ意見交換をさせていただいてきているところでございます。 両院でもこの問題についてさまざまな議論がなされているところでございますが、やはり重要な論点は、投資家保護の範囲や内容というものを拡大して、そして拡充をさせていくこと、それから横断的な規制のあり方というものを再整理していく、その中で過剰な規制にならないようにやはり簡素化という視点も持たなければいけない、そうした点が重要な論点になっていくんではないかというふうに思います。 こうした論点も踏まえながら、金融審議会の議論を注視して、そして国会の議論も踏まえながら私どもとしての検討作業というものを進めていきたいというふうに考えております。
○鈴木(克)委員 以上で終わります。
○小野委員長 それでは、続きまして、田村謙治君。
○田村(謙)委員 民主党の田村謙治でございます。鷲尾議員、鈴木議員に続きまして、銀行法等の一部を改正する法律案につきまして御質問をさせていただきます。 私は、今回の銀行法の改正というのも、いわゆる規制緩和、銀行に対する規制の緩和の大きな一つのステップだというふうに、そういった意味では評価をしている人間でありますけれども、そもそも規制緩和全般として、日本の政府がさまざまな政策において規制緩和におくれをとったということがたくさんあったというふうに私は考えておりまして、そういった観点から、今回のこの代理店制度の見直しというものがどうであったのかということをまず最初にお伺いさせていただきたいというふうに思います。 今回のこの銀行代理店への参入の規制緩和でございますけれども、今のタイミングで緩和をするというタイミングがどうだったのかということを考えてみたいわけですが、まず最初に、業界の方から規制緩和要望というのはいつごろから出ていたのかというのを教えてください。
○三國谷政府参考人 お答え申し上げます。 銀行業界等からの要望でございますが、平成十三年九月に、銀行が代理店業務を行うことの解禁の要望が出されております。このほか、平成十四年九月以降、銀行代理店が法人代理店である場合の一〇〇%出資規制の緩和、撤廃の要望が出されてきているところでございます。
○田村(謙)委員 平成十三年といいますと四年程度前になるわけですけれども、結局、そういう要望があって、今回それがようやく実現をするということになるわけですが、要望があってから今までそういう規制の緩和をしてこなかった理由というものを教えてください。
○伊藤国務大臣 規制緩和をしてこなかった理由についてお尋ねがあったわけでありますが、私どもとしては、そうした規制緩和の要望を踏まえて、まず平成十四年に銀行や長期信用銀行について金融機関代理店や代理店の支店設置を解禁いたしました。そして、平成十六年には証券会社や保険会社を金融機関代理店の範囲に追加するなど、これまでも規制緩和を行ってきたところでございます。 銀行代理店への一般事業会社の参入につきましては、代理店業務の健全かつ適切な運営が確保できるか、利用者利便の向上に資するかどうかについてこれまで慎重に検討を行ってきたところでございます。
○田村(謙)委員 段階を踏んでというのは規制緩和においては確かに一般論としていろいろ必要な部分もあるというふうには思いますけれども、今回のこの代理店業務、今おっしゃったのは、一般事業会社が健全かつ適切な運営をできるかということに慎重な御検討をなさって、それが三年、四年かかったということのように聞こえますけれども、この後の議論でも幾つか具体的には指摘したいと思いますが、今後、より具体的に、慎重に検討するというのは、政府の方でさまざまな規制について慎重に検討して結局緩和をしない、規制をそのまま残すという口実でよく使われているわけでありまして、恐らくこの数年間、この規制については慎重に検討しますというのを口実に今まで引き延ばしてきたというふうにも聞こえなくはないんですけれども、この数年間一体どういったことを検討して、どうしてそれだけの期間がかかるということになるんでしょうか。
○伊藤国務大臣 なぜ今のタイミングになったのかと。恐らく委員は、行政の中でも活躍をされてこられましたから、そうした観点からも御質問があったのではないかというふうに思いますが。 銀行の代理店は、適切な業務運営がなされない場合には決済システムに問題が生じたり、あるいは、先ほども御議論がございましたが、利用者保護上の問題が生じるおそれがございます。したがって、先ほど述べさせていただいたように、代理店業務の健全かつ適切な運営が確保できるかどうか、利用者利便の向上に資するかどうかについて慎重に検討を行ってきたところでございます。 今般、銀行代理店制度について、許可制やあるいは兼業承認制を導入するとともに、抱き合わせ販売や情実融資の禁止等の弊害防止措置を講じることにより銀行代理業の健全かつ適切な業務運営が確保できるとの結論に至ったほか、平成十六年以降、証券仲介業制度や信託契約代理店制度の創設による他の金融業態における代理仲介業務の一般事業会社への解禁という流れも踏まえて、今国会にこの法案を提出させていただいて、御審議をお願いさせていただいているところでございます。
○田村(謙)委員 結局、先ほどから大臣がおっしゃっている、適切な業務運営が確保されるということと利用者利便についての検討だということで、それ以上のことはお答えいただいていないと思うんですけれども。 金融庁の方からいただいた資料にも、利用者利便の向上というのは、ある意味、販売チャンネルの拡大ですとか、多様な金融サービスの提供ですとか、それこそ、先ほど鈴木議員からも話があったように、海外の事例についていろいろと研究はなさっていると。そういった中で、実際、海外ではもうとっくにそういう制度があるわけですから、さまざまな利便性が向上しているというのはある意味明らかな話であって、それを検討するというのが私にはよく理解できないというのがまず一点。 それから、適切な業務運営の確保、どのような条件を課すのかというのは、いろいろな意見があって、確かに整理をするのに、日本の金融行政について実際どういう規制に絞っていくのかというのはある程度の時間がかかるのはわからなくはないんですけれども、この金融庁からいただいた資料にあるように、現行は、現在は銀行の一〇〇%子会社あるいは専業の人、そうすると、実際上は銀行のOBとかそういった個人しか認められないような話を聞いていますけれども、そういった者しか認められない、それが非常に高コストで、硬直的で、預金等の限られたサービスとなってしまう。そういう非常にデメリットがあるというのは金融庁の方から御説明をいただいたわけですけれども、まさにそういったデメリットというのはずっと続いてきたということだと思うんですね。 それは、仮に要望が出てからでもいいと思いますけれども、ただ、今回の制度については海外には例があるわけですので、要望が業界から出る前から、ある意味で先手を打って考えてもおかしくはないような話なのかもしれないと私は思いますが、まさにそういった現行制度のデメリットがあるというのは、恐らく金融庁の人はずっと認識をしていらっしゃったんだと思うんですけれども、そういった中で、その検討を、検討に何でそれだけかかるのか私はわかりませんが、慎重に検討をしていくという理由のもとに、結局、私から見ると、数年というものを無為に過ごしてしまったんじゃないか、もっとより早く今回のこの参入規制の緩和というのは実施した方がよかったんじゃないかというふうに私は思うんですね。 それこそ金融審議会で二月二日に論点整理というのを発表なさっていますね。金融審議会での議論で専門家の委員の方がいろいろおっしゃって、それをまとめたということでありますけれども、そちらでも「金融機関の創意工夫による戦略的な店舗展開の障害となっている。」と。それは、ことしの二月、ことしか去年指摘されたことというのは、障害というのは今までずっとあったという指摘だと思います。 あるいは、海外はどうかということについて、アメリカではまさに過去二十年間、バブルの崩壊はアメリカの方が十年早いですから、その後、金融危機があって、それも八〇年代にあって、その後、アメリカがどうだったかというのは、日本において金融庁も、金融庁に限りませんけれども、アメリカの事例というのはいろいろ参考にしていらっしゃると思いますが、そのアメリカにおいては銀行の数自体は減少している、そういういろいろ厳しい競争の中でアウトソーシングとかそういったことをどんどん進めている事例というのがまさに目の前にあった。私は大蔵省時代には大学に留学させていただきましたので、当時、金融については勉強はしませんでしたけれども、それこそ在ワシントン大使館ですとかあるいは領事館に金融庁や当時の大蔵省の職員を何人も出向させて、金融の事情というのはもうずっとウオッチをしていらっしゃるわけですよね。ですから、現行のこの代理店の規制というのが弊害を持っている、弊害を実際起こしているということは十分に今までも認識できたことだと思うんですけれども、それでもやはり、仮に百歩譲って業界の要望が出てからの検討でもいいですよ、それでもやはり四年ぐらいかかってしまうものなんですか。
○伊藤国務大臣 今、規制緩和の重要性を指摘しながら、私ども金融庁としての取り組みのスピードが遅いと、大変厳しい御指摘をいただいたところでございます。 ただ、きょうの委員会を見ていただいてもわかるように、委員の御質問の前の二人の委員からも、今回の銀行代理店制度の見直しによって本当に利便性が向上していくのかどうか、そうした御質問も出ているところでございますし、また、海外の事例も参考にしながら本当に利用者の保護やあるいは適切な業務運営が確保できるような制度設計がなされているのか、こういった御質問や御指摘が出ているところでございます。私どもも、そうした指摘も踏まえながら検討作業を進めさせていただいて、そして今国会に提出をさせていただいたところでございます。 規制緩和の重要性というのは私自身も十分認識をしているつもりでございますし、また、提案理由の説明の中でも述べさせていただいたように、今回の制度は利用者利便の向上にもつながり、そして銀行の経営の効率化にもつながる大変重要な制度設計である、規制緩和であるというふうに考えておりますので、委員のおしかりというものはしっかり受けとめながらも、この議論を通じて、そして今回の規制緩和が間違いなく所期の目的が達成できるような、そういう運用というものをしっかりやっていかなければいけないということを考えているところでございます。
○田村(謙)委員 確かに、私の前の二人の議員は、実際、顧客に対してさまざまな被害が生じるんじゃないか、あるいは、ほかの金融機関について、地域金融について悪影響があるんじゃないか、そういった懸念についての質問などもありましたので、そこは大臣がおっしゃるのも当然わかるんですけれども。 ただ、結局どこの国でもそうかもしれませんが、特に金融システムが非常におくれてしまっている。それで、今、キャッチアップするために、大臣を筆頭にして職員の皆様が、本当に一生懸命、それこそ睡眠を削って頑張っていらっしゃるのは私もよく認識をしているわけでありますけれども、一般の日本人というのは、例えば海外旅行をして、それこそアメリカには為替業者がたくさんあるなと感じることはあっても、実際に住むことがなければ日本の金融制度がどれぐらいおくれているかというのは当然わからないですよね。 大手の銀行というのは都心にしかなくて山奥にはない、山奥には郵便局がある、だから何とかなっている。それが、実際は、ほかの国では代理店制度を利用して、あるいは代理店よりもっと緩い制度もあるようですけれども、利用して、一つの銀行が、本当に、それこそアメリカですとバンク・オブ・アメリカが全国で四千拠点ですか、それもいろいろな形態があるようですが、四千カ所も拠点がある。そういったところは一般の人はわからないですよね。 そこは、今ようやく強調していらっしゃるこの利用者の利便性を真っ先に国民の皆さんに教えてあげる、訴えていくというのが、やはり政府の役目なんじゃないか。特に金融のような専門的な話というのは一般の人はわからないのは当然ですので。どこまで利便性が追求できるのか、そういう観点というのはなくて当然ですよね。とにかく、銀行がつぶれたら自分の貯金がどうなるかわからない、それはだれもが心配することですから、それについて対応を一生懸命やっていらっしゃるというのは、もちろん金融庁の皆様も本当に日々大変だと思いますけれども。 その一方で、制度を変えていって規制緩和をして利便性を高めていく。そのことを、顧客についてのいろいろ懸念があるというのは確かに議員が質問していますけれども、私自身もそんな専門家ではありませんが、議員にしたってそれほど金融の専門家であるわけじゃありませんから、海外がどうかとかわからない話ですよね。そこはぜひとも、いろいろな御事情はわかりますけれども、顧客の利便性の向上という観点を今ようやく強調する、恐らくそれは去年、おととしであれば、現行制度について高コストとか硬直的とかそういうことは一切言わずに、まさにさまざまな懸念がある、代理店が適切な業務運営ができるかわからないというあいまいな言葉で規制を引き延ばしてきたんだろう。そういう側面は大なり小なりあるだろうというふうに私は考えている次第であります。その点はぜひ政府としても、いろいろ不良債権処理ですとか後ろ向きな業務も多い中で、ただ、最近はだんだん減ってきているはずですから、より前向きに規制緩和というか新しい制度の導入、先ほど大臣がお話しになりました投資サービス法もその最大の課題だと思いますけれども、そういう前向きな課題にぜひともより積極的に取り組んでいただきたいということを改めてお願いをする次第であります。 さて、次の質問なのでありますけれども、今回の制度で銀行代理店について許可制とするというふうにお考えのようでありますけれども、その理由についてお伺いをさせていただきます。
○伊藤国務大臣 利用者利便の向上やあるいは規制改革にしっかり取り組んでいけ、前向きな仕事をしっかりやっていけ、その委員のお言葉は私自身しっかり受けとめていきたい、そうした問題意識の中で行政に取り組んで、活力ある金融システムというものを、利用者の満足度の高い金融システムというものをつくり上げていくために努力をしていきたいというふうに思います。 今委員からは、銀行代理店について許可制を導入した理由についてのお尋ねがございました。これも先ほどのお答えと重なるところがございますが、銀行代理店は決済や貸し付けなどを業務とすることから、適切な業務運営がなされない場合には決済システムに問題が生じたり、利用者保護上問題が生じるおそれもあるわけであります。今回、幅広い一般事業者の銀行代理業への参入を認めるに当たって、銀行の健全性確保やあるいは利用者保護の観点から、業務遂行能力、そして社会的信用、銀行業以外の他業の兼営が代理業に支障を及ぼすおそれ等をチェックする必要があることから参入時の許可制を導入することといたしたところでございます。
○田村(謙)委員 一応、今の一通りの御説明はお聞きをしましたけれども、それでは、ほかの国では、確かに全く同じような代理店制度ではないようですのでそのまま比較できるかどうかわかりませんけれども、ほかの国ではどうなっているか、諸外国でどうなっているかというのを教えてください。
○三國谷政府参考人 これも欧米主要国の場合でございますが、一部アメリカにおきまして許認可を必要とする事例がございます。例えば一つは、米国において銀行サービス会社というのがございますが、これが実質的に銀行の支店と判断されるような場合には認可が必要となる。あるいは、米国には送金業者というのがございますが、これにつきましては、州により免許制をとっているようなケースがございます。 ただ、それ以外につきましては、基本的には参入に当たっての当局の許認可というものは不要であると承知しております。
○田村(謙)委員 今、許可制が海外でも一部、若干アメリカであるという話でありましたけれども、銀行サービス会社というのはいわゆる代理店よりもはるかに権限があるというふうな会社でありますので、ある意味では子会社並びのような形で、許可制になるのは当然だと思いますけれども、日本で今回イメージをしている代理店についてほとんどほかの国では許可制にしていない。 先ほど大臣がおっしゃった許可制にする理由というのは、ほかの国においてもかなり当てはまる部分はあると思うんですけれども、ただ、それは結局許可制にしなくても担保されているということなんじゃないか。先ほど諸外国において顧客がどのような被害をこうむったかという鈴木議員に対する三國谷局長の御回答で、たまに預金の横領があるという事例はあるけれども基本的にはほとんど問題はないと聞いているというふうに御答弁なさったと思います。確かに完全にわからない被害というのはあるかもしれませんが、基本的には、先ほど大臣がおっしゃった許可制にするための理由というのは、許可制がなくてもほかの国は担保されているんじゃないかというふうに思うんですね。 そもそも、銀行が代理店、ある者を選んで、それは個人であっても、あるいは法人であっても、会社であっても、とにかく代理店に委託をする、代理店にするという場合には、当然銀行が審査をするわけですよね。今回、金融庁さんの方で法令に落としたさまざまな条件というのは、当然銀行でもそういう視点から審査をするというふうに思うわけですが、その上でさらに金融庁さんが、許可に当たっては当然金融庁さんの中で審査をするということになると思うんですけれども、なぜ金融庁さんが重ねて審査をしなければいけないんでしょうか。要は、ほかの国においては、銀行がしっかりと審査をしてほとんど問題なくできているということなんじゃないでしょうか。
○伊藤国務大臣 先ほど局長から他の諸外国の例について御答弁をさせていただいたところでございますけれども、他の国が日本と全く同じ制度ではございませんが、これも鈴木委員の言葉を引用して大変恐縮でございますけれども、規制緩和をしていくに当たっては一方で利用者の方々の保護のためのセーフティーネットというものをしっかりしていくということは非常に重要でありますし、先ほど四点から御指摘をされて、私もお伺いをしていて、非常に重要な御指摘をされておりますし、私どもが今回制度設計をしてその議論をしていくに当たっての重要なポイントをその中でも御指摘をされているなという感じがいたしました。 重ねてになりますけれども、今回の場合には代理店制度の担い手を拡大していくわけであります。したがって、参入していくに当たって、利用者保護でありますとかあるいは健全な業務の運営を確保していくためには、やはりしっかりとしたチェックをしていく仕組み、体制というものを設けていかなければいけない。その中の重要な設計の一つとして、参入時において許可制というものを導入させていただいたということでございます。これは、諸外国の例も検討しながら、国内的にもいろいろな議論を積み重ねながら、こうした判断をさせていただいて、今回の法案を提案させていただいているということでございます。
○田村(謙)委員 今のお答えについてまた議論を続けたいと思いますけれども、それに当たって、先ほど前の議員に対する御答弁で、今回、この代理店制度を導入するに当たって財務局と金融庁の方で機構定員要求をしていらっしゃるというお話が、増員ですか、増員をするという話があったと思いますが、五名と二十名で計二十五名というお話だったと思うんですけれども、その二十五名の方というのは、許可に当たっての審査、いわば許可と、あと事後的な検査監督、両方を担当するという理解でよろしいんでしょうか。
○三國谷政府参考人 お答え申し上げます。 二十五名でございますが、うち五名は金融庁において全体を指導、財務局等を指導する立場という意味での増員要求でございます。二十名につきましては、検査と監督をあわせまして、おおむね各局二名程度ということで確保したいと考えているところでございます。
○田村(謙)委員 結局、全国で二十名ということだと思うんですけれども。 許可をするということは、それだけ当然許可をする金融庁としての責任が生じるわけでして、許可をした者がまさにちゃんと業務を適切に行っているかというチェックをすると。裏表という意味で、そこは許可をするのであれば当然しっかりと検査監督をしなければいけない。相当の金融庁の責任というものが生じるというか、より増すというふうに私は思うんですけれども。その中で検査監督というのを全国で二十名。 先ほど、前の委員の議論の中で、どれだけ代理店というものがふえるかというのは、当然この制度を導入してみなければわからないという部分はあるのはわかりますけれども、私が当局の人にちらっと聞いたのは、少なくとも数百件とか。それが五百なのか六百なのか、あるいは千を超えるのか。いずれにしても、そういった非常に大きい数の代理店がふえていくわけですよね。それを二十人でちゃんとチェックできるとは私は余り思えないなというところもあります。ただ、もちろん、当然、検査監督の権限は持っているべきだと私も思っているんですけれども。 先ほどの話に戻りますが、許可制を行っていくと、幾つかの許可要件というのを出していらっしゃいますけれども、それぞれについて審査を行う、それを少ない人員で審査を行うとなると、私が懸念をしているのは許可自体に非常に時間がかかってしまうんじゃないかと。あるいは、それがひいては銀行の店舗拡大戦略に支障を来すようなおそれがあったりするんじゃないかという懸念を私は持つんですね。 金融当局が許可をする。確かに、今回の代理店制度について懸念を持っている一般の人が、何となく、金融庁が見てくれるんだ、より安心だなというふうに思う。それのための対策だというのはわからなくはないんですけれども、繰り返しになりますが、当然、各銀行が自分の代理店としてその者を選ぶわけですよね。そのときに、そもそも許可要件に当たるような財産的基礎を有しないような人は選ばないでしょうし、あるいは代理業の適切確実な遂行につき支障を及ぼすおそれがある者を銀行自体が選びたくないと当然思っているわけですよね。銀行が自分の代理店について審査をする、その上でさらに許可制にするというのは、銀行の審査能力はまだまだ足りないんだ、信用できない、そこは金融庁が許可制にして金融庁が審査をする、そうしないと、そこはしっかりした代理店じゃない、まさに利用者に被害を及ぼすような人が代理店に選ばれる可能性や危険性がある、そういう発想だからこそ許可制にしているのかなというふうに勘ぐってしまうんですけれども。 繰り返しで恐縮ですが、要は銀行でも審査をしますよね、さらに金融庁で許可制のために審査をする、それは何か違う観点があるんですか。
○伊藤国務大臣 委員からは、行き過ぎた規制を行ってはいけない、そうした観点から御質問をいただいているというふうに思いますが、今回、銀行が銀行代理店を選定する際には、代理行為の効果は銀行本体に帰属をすること、そして、銀行本体は代理業務により顧客に生じた損害について直接賠償する責務を負うこと、こうしたことから例えば業務遂行が適切にできないおそれのある者などはあらかじめ排除することが期待をされているところでございますし、また、委員からもその点について御指摘があったというふうに思います。 しかしながら、重ねての答弁になりますが、銀行代理店は決済や貸し付けなどを業務とすることから、適切な業務運営というものがなされない場合には決済システムに問題が生じたり、あるいは利用者保護上の問題を生ずるおそれがあるわけであります。こうした銀行業務の特殊性にかんがみ、幅広い一般事業者の銀行代理業への参入を認めるに当たっては、業務遂行能力、社会的信用、銀行業以外の他業の兼営が代理業に支障を及ぼすおそれ等をチェックする必要があることから参入時の許可制を導入することといたしたところでございます。
○田村(謙)委員 私の質問にちゃんと正面からお答えいただけないというのは、お立場からしようがないのかなと思いますけれども、結局、私は、繰り返してもうこれ以上質問はしませんが、今のお答えを聞いても、銀行ではまさに自分自身の決済システムをちゃんと安全に保つ、そういった観点から代理店を選別をする、そういう選別をする審査能力がまだ足りないんだ、だからこそ金融庁でさらにダブルチェックをかけるんだというふうにお答えをいただいたような気がしてなりません。 確かに、今まで不良債権があれだけ積み上がって倒れそうになった、実際に国有化された銀行もたくさんあった、銀行自体に経営能力がなかった例は特に最近幾つもありますので、そこを金融庁がしっかり見なきゃいけないという発想はわからなくはないんですけれども。ただ、ようやくその不良債権の処理もめどがついてきたというように私は私なりの理解をしていますが、そういった中でより積極的に前向きに業務展開をしていく銀行というのは当然出てくるわけですよね。そういう銀行にできるだけ支障がないように制度設計をするということは、私は非常に大事なことなんじゃないかなというふうに思います。そういった意味では、銀行の自己責任というのはより問われていいんだろうと。 私も、代理店に対して検査監督を金融庁がなさる、それはそれでいいと思います。ただ、やはり人員的にも、そもそも非常に限界があるだろうと思うんですね、現実的に。先ほど鈴木議員の話もありました、今回の代理店への参入規制の撤廃に限らず、まさに金融の競争は非常に激しくなって、地域金融でも経営が危ういのではないかと言われている金融機関も幾つかあると聞いていますし、ますます競争が激化すれば、より経営が危うくなってくる機関も出てくる可能性もありますよね。金融庁として、限られた人員の中でどういったところにより重点的に検査をしていくか。もちろん日ごろそうしていらっしゃると思いますけれども、この代理店、私は、今までのあるいは今の議論の金融庁の御説明の中で、代理店をとりあえず銀行が選んだ、代理店の中には確かによくないものもまじると思いますよ、でも、そんなに大きな被害にはならないだろうと。そこがまさに決済システムまで行くとは私は到底思えないですね。 そういった中で、そういった細かい代理店も全部金融庁が見ますというよりも、そこはやはり、これからまさに、地域金融だけじゃないですけれども、例えば地域金融がまだまだ危ない、これからこういった制度も導入されるとますます危なくなるのであれば、そっちの方により人員を投入すべきであって、あれもこれも一生懸命許可制にして責任とりますよといっても、到底それはある意味金融庁の能力を超えるんじゃないかというふうに思いますし、バブルの崩壊から立ち直って、さあこれからいよいよ積極的に展開していこうという金融機関については、やはり積極展開を阻害する要因になるんじゃないかと。 そもそも金融行政についても、事前の裁量行政、さかのぼれば護送船団方式になると思いますけれども、そういった裁量行政から事後監督にだんだん移ってきているわけですよね。私の場合には、平成三年に大蔵省の銀行局に入局をして、当時は護送船団方式の最後のころで、護送船団方式を守らなければ日本の銀行というのは大変なことになる、とにかく護送船団方式を守るのが第一なんだと、私は不勉強ながら海外を見ておかしいなと思いましたけれども、そういったところがかなり過剰なトラウマになっているかもしれないというのはあります。許可制にしたからといって金融庁が裁量行政でいろいろ厳しくするというふうには、当時とは違うとは思いますけれども、そもそも許可制にする意義というのは私はいまだにわからないというところがありますが、ただ、実際にこの制度を導入するに当たって、許可制になるわけでしょうから、その際にはできるだけ銀行の自己責任という観点から、例えば銀行の積極的な店舗展開とか、そういったものに支障がないように迅速に許可事務を行うといったことを、この点についてはお願いをさせていただきたいというふうに思います。
○伊藤国務大臣 非常に重要な御指摘をいただいたというふうに思いますし、やはり行き過ぎた規制を課してはいけない。そのことは、委員が少し触れられたように、金融行政がまた裁量を持ちたいがためにやっているんだ、そう思われたら、私どもがなぜこの代理店制度の見直しをやっていくかという思いとは全く反することになってしまいますので、過剰なコストを金融機関の方々に課すのではなくて、今委員が御指摘があった視点からこの許可に当たっての審査というものも迅速に努めていかなければなりませんし、また、許可に当たっての基準というものも明確にしていかなければならないというふうに考えているところでございます。 今回の制度設計に当たっては、重ねてになりますけれども、委員のような御議論と、そして一方でやはり被害が生じることを最小限に抑えていかなければいけない、投資家保護の観点からも利用者保護の観点からも健全な業務の確保の観点からも、一般事業者に銀行代理店の担い手を拡大するのであれば、やはりしっかりとしたチェック体制というものを整えていく必要がある、そうした御指摘も数々あったところでございます。そうした御議論を踏まえた上で今回の許可制というものを導入させていただいたところでございますが、重ねてになりますけれども、委員の問題意識というものもしっかり受けとめながら、今後の行政の取り組みに当たっていきたいというふうに思います。
○田村(謙)委員 先ほどの議論の蒸し返しかもしれませんけれども、今大臣がおっしゃったように、確かに、利用者の保護、そういった観点を強く認識する、そういった意見がたくさんあるというのは私ももちろんわかりますよ。ですけれども、例えば、また繰り返しになってしまいますが、海外でも問題ないわけですよね。ここでもし仮に議論を深めようとするのであれば、海外においてはほとんど問題はない、利用者がそんな被害をこうむったという例はこの代理店制度の規制緩和においては特に見当たらない。例えばそういうことを言えば、私はかなりの人が理解するんじゃないかなという気もするんですね。 そこで、日本の特殊性が何かある、日本は海外とここが違うから今回の代理店の規制緩和というのは危険なんだ、利用者にとってもリスクがある、何かそういうような議論があるのであればまた別だとは思いますが、一般の人が、利用者保護を、とにかく気をつけてくれというのは当たり前のことですから、金融について、とにかく利用者のお金の話なのでそれは当然だと思いますけれども、ただそういった意見が出されるから、それで金融庁が許可制という責任を負ってというのが本当にいいのかなというのは、私はやはり疑問に思うところがあります。 もう少し細かく聞いてみますと、許可要件というのをお示ししていらっしゃいますけれども、例えば銀行代理店業務を的確、公正、効率的に遂行するために必要な知識経験を有する者を配置しという条件はもっともだと思います。その中で、預金、為替を扱う場合には委託元銀行による各種研修歴等を有する者が配置されるとともにというふうにありますけれども、これだけを見ると、各種の研修を受けていない人は一切だめなような、もちろん最後にこの各種研修歴等を有する者というふうに等と入れていますから、そこはもうちょっと広く見る余地をこの等でつけているんだと思いますけれども、ただ、こういうふうにちゃんと書いてしまうと、とにかく銀行は研修を必ず受けさせなきゃいけない、本来その研修は必要がないような十分な知識がある者についても、形だけでも研修をやらなきゃいけないというような審査基準になってしまうんじゃないかなという懸念を持つんですね。 あるいは、貸し付けを扱う場合には金融機関における数年間の勤務経験等を有する者が配置されるとともに委託元銀行によって十分な審査体制が構築されていることと書いてありますけれども、貸し付けを扱う場合には金融機関に数年間勤務経験がなければいけない、もちろんそれは安心、安全だと思いますよ、ですけれども、後はここはどこまで厳しくチェックをするのかわかりませんが、例えばそれこそ銀行の審査部門にいた経験が数年間あるとかいうのだったら一番厳しくてわかりやすいと思いますけれども、銀行にいたからといってその個人が十分な経験を有しているとは限りませんし、その一方で、金融機関で働いていなくても、そういうさまざまな貸付先についてその企業の経営状況を判断できる人というのはいろいろいると思うんですよ。 このように、例えば、今、研修をとにかく受けろ、あるいは銀行の経験がなきゃ、銀行のOBじゃなきゃだめだというのは、それ自体が非常に厳しい縛りになってしまっているんじゃないかなというふうに思うんですけれども、そこはいかがでしょうか。
○伊藤国務大臣 ここも両面議論があるところでありまして、前のお二人の議論を持ち出すまでもありませんけれども、やはり一方でそこをしっかり見なきゃいけないという御指摘もあるわけであります。 私どもといたしましては、銀行代理の内容がどういうものか、そのことによって問われる遂行能力のレベルというものは変わってくるというふうに思っておりますので、個々の内容に従った形で適切な人的構成等の遂行能力のチェックをしていきたいと考えております。
○田村(謙)委員 結局、あらゆるところは両面の議論に当然なるわけですけれども、私は、そこまで具体的な基準を設ける必要はないんじゃないかなと個人的には思います。まさに銀行代理店業務を的確、公正、効率的に遂行するために必要な知識経験を有する、それだけで十分な条件じゃないかな。それ以上にさらに研修をやれとか、あるいは金融機関の経験が必要だと。確かに、代理店を個人に委託する場合、今までは銀行のOBだけで、今後も銀行のOB以外にはそんなにいないかもしれませんけれども、同じぐらいの知識経験がある人というのはほかにも当然あると思うんですね、最後はこの等で読むということかもしれませんけれども、結局は許可制にして、ある意味では参入障壁を高くして、とにかく絶対に信用ができる、間違いなく知識経験を有する安全な人しか許可しないというようなハードルにも見えなくはないなというふうに私は思います。 重ねてになりますけれども、そこはやはり銀行の自己責任という観点からも、もちろん自己責任というのは銀行がしっかり審査をしろ、あるいは銀行がしっかりと審査をする体制を組んでいるかというのを金融庁さんがしっかりと見る、そういったことは大変必要だと思いますけれども、その上で、銀行にできるだけ判断をゆだねて、万が一何か利益相反行為をする者とか違反行為を行うような者が出てきた場合には、それは銀行の責任、一種の銀行の信用問題になるわけですよね。あるいは、金融庁はその銀行自体に対していろいろな業務改善命令を初めとするさまざまな処分ができる、私はまさにそういう事後チェック型に徹底した方がいいんじゃないかなと、今回の件については個人的には考えているところであります。 時間がなくなってしまいましたので、もうこれ以上議論はしませんけれども、例えば兼業規制の承認についても、その兼業規制の承認基準で兼業の収支の見込みが良好なものであることと。兼業する業務の収支についてまで金融庁がチェックをするということになると思いますけれども、そこはまさに銀行が見る話であって、代理店の許可やあるいは兼業の承認、そういったところに金融庁がある意味中途半端にかかわるよりは、私は、銀行の自己責任というのをより強調して、限られた金融庁の検査監督部局の人員というのはより重要なものにしっかりと集中をするというような、めり張りというものも必要なんじゃないかなという個人的な意見を申し上げさせていただきます。 あともう一点。済みません、言い忘れました。結局、金融庁がそういった許可制や承認制で責任をとるというのは、ある意味、金融機関からすれば、最後は銀行の許可があるんだから、とりあえずこっちの審査は甘くてもいいじゃないかという甘えにつながる可能性もあるわけですよね。今までの、過去の話になりましたけれども、過去の大蔵省銀行局のそういう過保護な行政というものが金融機関側の甘えを生んだ、そういった歴史もあるわけですので、そこは金融機関の自己責任の意識をより高めるという意味でもどうなのかなという懸念を、私自身の考えを述べさせていただいて、質問を終わりにいたします。 済みません、最後に一言だけお願いします。
○伊藤国務大臣 今の御議論は、やはりバランスをしっかりとるということだと思います。この議論はやはり両面がございますし、行政が行き過ぎた規制をかけてはいけない、そうした中で銀行の自己責任というものをやはり尊重していかなければ銀行の健全な発展もない、そのことは十分認識をしながら今回の運営をしていかなければいけないというふうに考えております。
○田村(謙)委員 どうもありがとうございました。
○小野委員長 次回は、来る十八日火曜日午後二時四十分理事会、午後二時五十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二分散会