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162回国会参議院2005/03/22

予算委員会 第14号

発言数
203
登壇者
23
会派数
5
開催日
2005/03/22

会議録

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  平成十七年度総予算三案審査のため、本日の委員会に株式会社大和総研参与・資本市場調査本部長吉川満君、筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授弥永真生君及び森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士石綿学君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 平成十七年度一般会計予算、平成十七年度特別会計予算、平成十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  本日は、まず証券・金融・規制緩和について参考人の方々から御意見を伺うことといたします。  この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。  本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございました。当委員会におきましては、目下、平成十七年度総予算三案の審査を進めておりますけれども、本日は参考人の方々から忌憚のない御意見を拝聴し、審査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願いいたします。  次に、会議の進め方について申し上げます。  まず、お一人十五分程度で御意見をお述べいただいた後、委員の質疑にお答え願いたいと存じます。  それでは、まず吉川参考人からお願いいたします。吉川参考人。

吉川満株式会社大和総研参与・資本市場調査本部長

○参考人(吉川満君) 株式会社大和総研の資本市場調査本部長、それを務めております吉川満と申します。  今、金融・資本市場は激動のさなかにあります。そしてまた、更に新しい激動の波が襲ってこようとしております。こういうときにおいて参考人としてお招きいただいて大変感謝しております。  金融・資本市場というものは、すべての市場参加者が同じ情報を持ってそれをベースに取引することを前提に、フェアプレーを徹底して、それでこそ今後の発展の余地もあり、産業界、国、地方を始め各資金調達主体のニーズにもこたえていけるものと考えております。透明性が金融・資本市場の絶対のかぎと考えております。  その意味では、持ち合いの解消、企業構造におけるねじれ現象の解消など、戦後蓄積した不透明な慣行が一掃されるものと、最近の状況を見て喜んでおります。企業がもたれ合い、依存し合ってパフォーマンスの悪さばっかりが共有されるというのでは困ったものです。また、小会社が大会社を支配してグループを形成する、いわゆる資本のねじれ現象も解消に向けて本格的に努力する企業が現れたと、そう思って喜んでおりました。しかし、正にその努力を具体化したすきをついて当該会社を買収しようとする事件があったことは皆様御存じのとおりです。  考えてみると、従来我が国には持ち合いという慣行が広く行き渡っていました。持ち合いの本質は、資本の空洞化プラス持ち合い株主への議決権割当てです。ですから、一般株主等が株式公開買い付けを試みようにも到底不可能だったんです。ところが、持ち合いが過剰となって、九〇年から我が国株式は堰を切ったように売られ、失われた十年を経て、二〇〇三年では日経平均で七千六百七まで低下したんです。この間、株価下落に耐えられなくなった各法人株主は積極的に保有株式を圧縮しました。大和総研で試算したところによりますと、上場企業の株式持ち合い比率は、九一年度から二〇〇三年度までの間に金額ベースでは二七・七%から八・六%に、株数ベースでは二三・六%から七・四%に低下しました。  しかし、ようやく銀行の不良債権問題は収束に向かい、ダイエー問題も方向が定まり、日経平均は一万一千八百七十九円にまで回復してきました。二〇〇五年春というのは正にそういう局面にあります。今こそ株式持ち合い後の経済社会の新秩序を私たちの手で築く時代が来たんじゃないかと、そういう気がいたします。  次のポイントとしまして、敵対的MAをどう考えるか。  持ち合い後の新秩序という場合、最初に直面するのはどうも敵対的MAということになりそうです。これは既に敵対的な事件、象徴的な事件が起こっているんですから、御理解いただけることと思います。財務政策、配当政策が今後どうなっていくか、それを始めとして、持ち合い後の企業戦略に関する論点は多いんですが、まずは企業の支配という企業の生命線に直接つながる敵対的MAという形で問題は姿を現しました。考えてみると、敵対的MAの結果、経営者がもし替われば、財務戦略も配当戦略も変わるんですから、最大の問題が最初に帰する、そう言っていいかもしれません。  MAといっても、これまで友好的なものが圧倒的主流だった我が国経済は、正に新しい局面を迎えつつある、そう言って過言ではありません。もちろん敵対的MAは、それ自体では善とか悪とか言うことはできません。旧経営陣の経営が停滞して、効率性、成長性が低下し、他方、配当、自己株取得などの株主還元も少ないまま、そういう場合には、優れた新経営者が公開買い付けを成功させて新たに企業のかじ取りを行えば、企業はよみがえることもあります。しかし、買収対象企業が高い水準のカルチャーを維持し、製品、サービスの供給を通じて我が国の国民生活や経済の質の向上に大きく寄与していると、そういう場合には、たとえ株主に短期的利益はもたらされるのかもしれないけれども、果たしてこの企業カルチャーを破壊してしまってよいかどうか、これは極めて問題だと思っております。  そこで、今回の商法改正ではMA防衛策の規定が盛り込まれることになったと理解しております。  次のポイントとしてMA防衛策の考え方。  MA防衛策の会社法、この案への組み込みの経緯は劇的でした。会社法現代化プログラムに乗って数年間の検討を終えて、要綱も正式に発表したその後で、問題の緊急性にかんがみて急遽加えられました。けれども、私は防衛策を改正会社法に組み込むことは必要だと思っています。株式持ち合いが大幅に後退した今、そして資本の空洞化にほかならない株式持ち合いを復活させてはならない以上、企業はほかの防衛策を取ることが必要になっているからです。しかし、企業は現在のところ、ほとんど具体的な防衛策を取っていないのが実情です。ライブドア対フジテレビ事件のような象徴的な事件が現実に生起しているのですから、ここは是非防衛策について法律の定めを置くことが必要でしょう。  具体的には三つの対策が盛り込まれるようです。  第一にポイズンピル、第二に黄金株式、第三に株主総会における決議要件の加重の三点です。  ポイズンピルというのは英語で毒薬の意味です。米国等で盛んに使われています。しかし、その割には毒薬で死んだ会社があるというニュースは聞きません。それもそのはずで、ポイズンピルを仕掛けたことを公表しておけば、だれもあえて毒薬を飲むようなことはしないからです。それでも買収したい、そういう意向を持っているならば、買収者は発行会社と話合いで友好的に買収を進めることになります。つまり、ポイズンピルは経済産業省に事務局のある経済価値研究会の言うように、平時に仕掛けて有事に発動するものなんです。支配を争うようなものがだれも出ない限り、ポイズンピルを仕掛けても、会社の事業活動そのものはポイズンピルがないのと全く同じに運営できます。その意味でよく考えられた制度と思います。  私は、ポイズンピルの導入に賛成です。資本市場のイコールフッティングの観点から、日本も敵対的MA市場を開放しろ、そういう声が海外から聞こえます。しかし、防衛策のないままに市場を開放しても問題ばかり相次ぐ、そういう可能性があります。特にポイズンピルであれば、平時の事業活動に全く差し支えがない点が評価できます。  黄金株式にも同じ理由から賛成です。黄金株式の場合、友好的企業などに拒否権付株式、複数議決権付株式などを発行しておくことです。ただ、黄金株式の場合、発行会社の業績低迷が続いて思い切った改善努力もないと株価が圧迫される可能性があります。しかし、それは運用の問題です。黄金株式の仕組みをつくっておくことは、防衛策のイコールフッティングの観点からも重要と思います。  株主総会における決議要件の加重にも賛成します。決議要件を大きく加重しておけば、会社がMAの対象となることには反対、そういう意向を外部に示す役にも立ちます。  ポイズンピル、黄金株式、株主総会における決議要件の加重、いずれの場合も、程度の差はあっても業績低迷が続けば防衛策がない場合に比べて株価は下落すると思われます。買収の対象となる可能性がないので、買収期待の買いが入ることがないからです。しかし、順調な業績が続くのであれば、敵対的MA対策にそれ以上精力、コストを費やす必要がありません。株価は、買収防衛策のない場合に比べて順調な業績を上げている限り、高くなる傾向にあると思われます。しかし、友好的MAのオファーがあった場合のように、一度仕掛けた防衛策を解除する必要性が生ずる場合があります。発行企業としては常に解除を念頭に置いた上で防衛策を利用していく必要があると考えます。  次のポイント、企業買収の対価の柔軟の考え方。私の意見でございます。  外国の親会社の株式を交換対価に用いた三角合併若しくは外国企業の在日子会社による日本企業の株式交換による一〇〇%取得、これを可能とする規定、合併対価の柔軟化の規定ということですが、これは当初ほかの規定と同じときから施行すると、そういうことが想定されていたようです。しかし、敵対的MAの具体的かつ象徴的な事件が表面化したんですから、外国会社による日本会社の敵対的取得への懸念が増大しました。その結果、合併対価の柔軟化を用いた外国会社の在日子会社による日本企業の取得は一年間延期するとの報道もなされています。この点は賛否意見の分かれるところと思いますが、私は一年程度であれば延期してもよいと考えます。  まず、外国会社の在日子会社は改正商法の下で日本企業を敵対的に取得できるのだろうかと、そういう問題があります。在日子会社は、最終的には日本企業と合併若しくは株式交換することになります。合併するにしても、株式交換するにしても、両当事者企業において、日本企業の側でも株主総会の特別決議、三分の二以上の賛成が必要です。これを敵対的MAと呼ぶかどうかは言葉の定義の問題になってきますけれども、しかし、市場である程度まで買い集めた後、公開買い付けで三分の二まで買い集め、最後に三角合併等を行うというように、幾つかの方法を組み合わせて結果的に敵対的MAを実現することは可能です。その意味では、三角合併等において合併対価の自由化が実現すれば、外国会社による実質的な日本企業の敵対的MAが容易になるとも言えます。そう考えれば、少なくとも外国会社による敵対的MAのリスクは、合併対価の柔軟化が実現すれば同時に顕在化すると言っていいでしょう。私が合併対価の柔軟化の延長、それが一年程度までなら賛成すると言うのはそのためです。  何といっても、まだ日本の企業は敵対的MAにも、防衛策にも慣れていません。あらかじめ防衛策を講じていない状況の下で買収者とガチンコで戦うと、そうなると防衛側は相当に苦戦を強いられます。現在では買収目的のファンドなどもできており、そうしたところと手を組めば買収資金の調達には困りません。近年、世界的に緩和的な金融政策が続いたので、潜在的な買収資金がファンドなどの形でうなりを上げていると、そう言うこともできます。LBOといった買収対象会社の資産を担保に資金調達する手法も決して特別なことではなくなっています。  こうした状況を考えれば、我が国企業に対して一年間程度までなら、防衛策の採用について急遽検討し、また株主総会などで採用を実現する時間を与えることは妥当なことと思われます。  次のポイントとしましてMA、敵対的MA関連の証券取引法の改正。  新聞等によりますと、敵対的MA関連で証券取引法も二点改正されるようです。  第一が、今回の事件の発端となったとも言えるToSTNeT取引。  ToSTNeT取引は現行法の下では市場内取引とされるため、本来なら公開買い付け制度によらなければならないにかかわらず、最近の例では、取引後の保有株式が三分の一を超えるのに、事前開示も公開買い付けの手続もなく、ToSTNeTで大量の株式を取得したのです。公開買い付け制度潜脱の目的はやはり明らかで、今後二度と同様の取引が行われないよう、取引後の保有株式が三分の一を超える場合には公開買い付けの手続によることを義務付けると報じられています。これは当然必要なことですけれども、同取引の合法性については再度精査する余地もあろうかと考えています。学者からは有力な違法意見も出ているようです。  第二に、株券大量保有報告制度の見直しです。  一般の株主は大量保有報告書を取引から五営業日以内に提出しなければなりません。しかし、証券会社、投資信託などは、当局を含めた事務の過大化に配慮して特例措置が設けられています。保有割合の増減が一%以上二・五%未満なら三か月ごとの月末の数値を翌月十五日に、二・五%以上なら翌月十五日に報告すればよいこととされています。もっとも、見直すといっても事務の過大化は避けなければなりません。例えば、買収ファンドあるいはプライベート・エクイティー・ファンドなどには当然一般の投資家と同じ規制を掛けるべきと思います。しかし、証券会社、公募投資信託などはほかの手段でも責任追及することができますので、従来どおり特例を適用することとしてもいいんじゃないでしょうか。私の意見です。  それから、別件になりますが、内部統制に関して。  今回の商法改正、証券取引法改正には、コクド、西武鉄道事件の反省からもたらされた内部統制関連のものもあります。経営のトップが内部統制を確立し書面でそれを確認するとなると、従来のように私は聞いていなかったと、そう言ってトカゲのしっぽ切りをすることができなくなります。商法でも証券取引法でも内部統制に関する規制をきちんと成立させて、しっかりと施行していくことが重要と考えます。  以上でございます。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) ありがとうございました。  次に、弥永参考人にお願いいたします。弥永参考人。

弥永真生筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授

○参考人(弥永真生君) 筑波大学で商法、金融法を研究し、あるいは教えさせていただいている弥永真生と申します。  本日はこのような場で意見を述べる機会を与えていただきまして、心より感謝申し上げます。  お二人の参考人が恐らく実務的な問題について取り上げられるというふうに考えまして、本日はこの企業法、金融法における規制緩和について、より抽象的と申しますか、より基本的なことについて若干意見を述べさせていただきたいと思います。  近時の企業法、金融法をめぐる動向というものは非常に著しいものがありまして、これは国会などが非常にこの問題を大きくとらえていただいて、企業あるいは金融にとって必要な法律というインフラストラクチャーを整備していただいたという結果だと思われるわけです。そのような企業法、金融法をめぐる動向には、事前規制あるいは包括的な禁止からの脱却及び選択肢の拡大という特徴があると思われます。  すなわち、個々の活動を事前に規制し、リスクを直接規制したり、あるいは低減させたり、排除したりというのではなく、一定の仕組みを設けることによって最低限のリスク排除を行い、主として市場によって経営者などの関係者の行動が律せられ、合理的な行動や仕組みが選択されるということを期待するようになっていると思われます。これは、経済活動の複雑化、多様化、国際化やIT技術の発展を背景とし、我が国企業や資本市場の競争力の強化と効率化を図ることを目的とするものと思われます。  すなわち、企業法ないし金融法は、単に関係者間の利害調整や一定の利益を保護するというミクロ的な機能を有するにとどまらず、このような企業法やあるいは金融法制は、企業が国際及び国内の環境に適応しながら存続、発展していくため、あるいは国の経済政策にとって重要なインフラストラクチャーであるという発想が見られるようになってきていると思われます。例えば、良い会社法は良いコーポレートガバナンスをもたらし、それは企業の競争力やあるいは国の経済発展につながるという見方があると思われます。  また、効率性を重視するという観点からは、企業がタイムリーに環境に順応するために妨げになるような規制は極力少なくし、企業がコストの少ない選択肢を含む多くの選択肢の中から選択をすることができるようにする必要があると考えられていると思われます。  したがって、このような規制緩和という方向性は基本的には適切なものであると考えられるわけですけれども、諸外国におきましても、規制緩和、すなわちディレギュレーションという考え方から、最近は再規制、リレギュレーションという考え方に若干移りつつあるというふうに言われておりまして、このような企業法制やあるいは金融法制における規制緩和には一定の前提と限界があるのではないかというふうに考えられます。  すなわち、先ほども申し上げましたように、このような規制緩和の背景には市場メカニズムに期待するところが大きいわけですけれども、市場メカニズムが適切に機能するためには公正な市場、十分に情報を与えられた市場参加者から成る市場が必要であるというふうに思われます。また、この市場メカニズムによってすべての利害関係者あるいはすべての市場参加者、それらの者の利益を十分に守り切れるかと申しますと、必ずしもそうとは言えない面があると思われます。  そこで、まずこの市場メカニズムが適切に機能するための前提である、あるいは規制緩和を合理化すると申しますか、規制緩和がその目的を達成することができるための前提となるものについて若干考えてみたいと思います。  まず、現在では証券取引において投資者などの自己責任ということが強調されておりますけれども、この規制緩和の背景にも自己責任というものが見えております。すなわち、規制緩和をするということは取りも直さず市場参加者等が自己責任を負う、すなわち国があるいは行政庁がパターナリスティックに守ってやるのではなく、自ら自分で自衛しろという、こういう考え方があるんだと思われます。  しかし、このような自己責任を投資家等に負わせることに合理性があるのは、自己責任を負わされる者に十分かつ正確な情報が与えられ、そして合理的な予測可能性が確保されている場合であると考えられます。一方当事者が十分な情報を有し、他方当事者には十分な情報、正確な情報が与えられていないというそのような状況は、正にもう結果が分かっているイカサマばくちのような取引であると思われるわけです。したがって、例えば一般投資家による投資が予定されている上場株式、上場会社の株式の価値に影響を与えるような情報の開示は極めて重要であると思われます。  有価証券報告書などにおける虚偽記載が生じない、そのような仕組みも重要でありますが、タイムリーな情報開示の確保が必要とされます。発行会社についての重要事象あるいは決定の開示は、現在、証券取引法の下では臨時報告書あるいは証券取引所の適時開示の規制の下でなされておりますけれども、同時に、取引に関する情報というものもかなり重要な、すなわちマーケットにおいての取引に関する情報、マーケット情報というものも重要なわけでありまして、最近話題になっております株券の大量保有に関する開示を例に取るならば、一般投資家にとってはだれが大株主であるかということは極めて重要な情報であるのみならず、上場廃止に至るということになりますと、これは一般投資家が持っている株式は大きく価値を下げることになります。  したがって、この大量保有というのは、単にだれが支配権を持つ可能性があるかという問題だけではなく、上場廃止という問題とも結び付いており、そのような開示についてタイムリーな開示がなされませんと、投資家の意思決定を誤導する可能性があると思われます。とりわけ支配権の争奪が行われる場面においては、タイムリーな開示が求められてしかるべきであるというふうに考えられます。  また、我が国の法規制との関係で問題となりそうな点としまして、個別規定の過度の重視ということがあります。すなわち、ルールが明確に定められていなければ、企業活動においても金融取引においても予測可能性を欠くことになり、その結果、日本の市場の魅力を失わせ、あるいは個別企業の競争力確保の妨げとなることは否定できません。  しかしながら、我が国はアングロサクソン系の国々と違い、一般的な信認義務が判例法上必ずしも確立しておりませんし、また包括的に不公正取引を禁止する規定が設けられていないか、あるいは証券取引法のように、規定が設けられていても謙抑的にしか適用されていないという問題点があります。  したがって、規制緩和によりまして個別具体的な規定を設けないということになりますと、実は抜け穴が非常に大きくなりまして、その結果、我が国の場合には、一般投資家あるいは金融取引に参加してくる弱小な当事者、この保護に欠けてしまうというおそれが存在しております。すなわち、法令で個別具体的、明示的に規制されていない限り適法であるという考え方が一般的である限り、法律で具体的に規制する必要が残ってしまい、その結果、必要な規制緩和をかえって妨げることになる、あるいは過剰な規制を行わなければならないという結果になるのではないかということを私は憂慮しております。  次に、我が国の規制緩和との関係で重要な欠点、あるいは規制緩和の前提として不十分な点について述べさせていただきますと、これは事後の救済とエンフォースメントという点であります。  最近の議論におきましては、事前の規制から事後の救済へというキャッチフレーズがよく唱えられますけれども、日本におきましては、この事後の救済ということが必ずしも十分ではないのではないかという問題がございます。すなわち、金融市場等における不公正取引あるいは不実開示との関連でクラスアクションが認められていないために、訴えによって救済を得るというそのような方法について合理性がない、経済的な合理性がないということがあります。少なくとも、事前規制を緩めた割にはそれに対応する事後的救済手段の改善は我が国ではほとんどなされていないというふうに考えられます。クラスアクションには様々な弊害と問題点はありますけれども、少額の損害を多人数に与えるような行為については、何らかの手当てをしない限り事後の救済は実現できないと思われます。  平成十六年の証券取引法改正により課徴金制度は導入されておりますけれども、しかし、それでもこの課徴金がどの程度機能するのかということはまだ未確定でありまして、そういたしますと、民事責任の追及もなされず十分なサンクションも加わらないということになりますと、広く薄く他人をだまして利得した者はその利得を自らのものにし続ける、保持し続けるということが可能になってしまいます。そういう意味において、事前規制を緩和するだけで事後の救済手段あるいはエンフォースメントを強化しませんと、弱肉強食という結果を招くだけになるおそれが存在するように思われます。  そして、このサンクションを科すという点におきましても、我が国はアメリカなどに比べますと不公正取引等を発見する仕組みが必ずしも十分ではないと思われます。例えば、内部者取引や相場操縦等が行われると、社会的には疑われていても摘発される場合は非常に少ないわけでありますし、また実際に刑事罰が科されることも少ないのが現状です。また、粉飾決算についても証券取引法上罰則が科された例はわずかにとどまっています。さらに、商法上も決算公告は義務付けられているわけですけれども、これは九九%以上の会社は守っていないのではないかというふうに言われておりまして、このような例を考えてみても分かりますように、我が国では法令を遵守しているかどうかを監視する仕組みについて十分な費用と人員を必ずしも割いてないのではないか、割いているとしても発覚した場合のサンクションがやや緩やかであるということがあるんではないかというふうに考えられます。  したがって、規制緩和をするに当たりましては、事後の救済やあるいはサンクションの強化ということを併せてお考えいただけますと、非常にバランスの取れた法制になるのではないかというふうに考えられます。  最後に、この自己責任が妥当しない範囲というのがあるのではないかというふうに考えられるわけです。すなわち、証券あるいは金融商品に関する取引につきましては、自己責任は強調されがちですけれども、投資者の中には、一定の金融商品について自己責任が妥当しないようなものも存在いたします。すなわち、リスクを説明すれば足りるというものではなく、やはり一定の場合にはリスク自体の発生を妥当な範囲に抑えるような法的な仕組みあるいは規制というものが欠かせないのではないか。もちろん、そこはバランスの問題があるわけでございますけれども、そのような点を考えてみなければならないと思われます。  そして、例えば会社法との関係におきましては、投資者にとっては、発行会社の経営者に対するコントロールをすることは、一般的には、特に少額の投資家にとっては不可能でありまして、この経営者にどういう、経営者が行動することによって生じるリスクについて、投資家の、投資者の自己責任であると言い切ってよいのかという疑問はございます。すなわち、会社経営者は株主のみならず会社を取り巻く利害関係者の利益を考慮する必要があります。  しかしながら、株主の利益を保護するような会社法制が存在しなければ安心して一般投資家が株式に投資することはできませんし、株主の利益が害されるような決定を経営者が行うリスクを勘案するということになりますと、これまた恐らく低い株価が形成されることになって、我が国の現在の資本市場が抱えている会社の業績の割には株価が低いというこの状況につながるのではないかという懸念を持っております。すなわち、会社法制上株主の利益が不当に害されない仕組み、そして経営者の利己的な行動を抑える仕組みというものが重要になります。その点で合理的な企業買収の防衛策ということは重要でありますけれども、それについての予見可能性、平等な適用の可能性というものを担保していくことが望ましいと思われます。  いずれにいたしましても、投資家にとって適切な予測可能性が確保されないということになりますと、投資者の保護として不十分なばかりではなく、当該会社の業績に照らして株価等が低く形成され、国民経済の観点からも好ましくないことになるように思われます。したがって、投資者に負担させるべきでないリスクを最小化し、あるいは事後の救済が適切に行われる仕組みが更に整備されることが重要であると思われます。  ありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) ありがとうございました。  次に、石綿参考人にお願いいたします。石綿参考人。

石綿学森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士

○参考人(石綿学君) どうもこんにちは。森・濱田松本法律事務所の弁護士の石綿と申します。本日は、このような貴重な機会をちょうだいしまして、どうもありがとうございます。  私は、ふだん、MアンドAでありますとかそれから敵対的買収の防衛といった、そういう実務に携わっている弁護士でございまして、今日はそういう実務に携わっている弁護士という立場から、今の証券取引規制を中心とした法規制についてどういうことを問題視しているのか、ないしはどういう改正等を要望しているのかといったようなことをお話しさしていただければというふうに考えておる次第でございます。  まず、今日は、ある意味、企業買収という観点からその証券取引規制を分析してお話しするということをしたいというふうに思っております。  まず、一般論から入りたいんですが、企業買収とその証券取引関連規制の関係ということについて簡単に申し上げておきたいと思います。  証券取引法の目的というのは、私の配りましたレジュメにもございますように、究極的には国民経済の適切な運営と投資者の保護にあるわけでございます。その投資者の保護にあるというのが一つのポイントでございまして、結局、証券取引関連規制というのは、敵対的買収者を保護するものでもないし、敵対的買収者によって買収されてしまう対象会社を保護するものでもない、言わば防衛側にも攻める側にも中立的な規制であるというのが証券取引関連規制であるということをまず最初に申し述べたいと思います。  そうはいっても、公開買い付け規制でございますとかそれから大量保有、株券等大量保有開示規制といったものは、これ、企業買収と無関係に導入されたものではございません。だれも知らないうちに株を買い集めて、いつの間にか大量の株主となって現れてくることによって市場株価が大幅に乱高下するというようなことは一般投資者の利益を損なう、不測の損害を与えるということがございまして、こういう公開買い付け規制ないし大量保有報告書規制というのが導入されたわけでございます。そういう意味では、この証券取引規制というものは、その企業買収にとって中立的ではございますけれども、企業買収と関係があるというわけでございます。  では、どういう関係があるのかということは、この後細かく話していきたいと思うわけですけれども、一言で言うと、この公開買い付けであるとか大量保有報告書によって株の大量の取得状況等が世の中に公表される、つまりMアンドAのその部分、今まで隠されていた部分が白日の下にさらされるという意味においてだれからも見えるようになると、透明性が高まるという意味での機能があるわけであります。それは一方で、そういう透明性が高まることによって、防衛側、会社を防衛していこうという側にとってはある程度の助けにはなるわけです。要は、相手方が何を考えているかが分かるわけですから助けになる。  ただ、その一方で、アメリカの例えば証券取引関連規制とかを見てみますと、買収側に対して開示を要求しながら、同時にその防衛側に対しても開示を要求していくのがアメリカの証券取引規制なわけです。つまり、対象会社の経営陣がどういう防衛策を導入し得るのかと、どういうふうに導入するのかということについても同時に公表を迫っていくというのがアメリカの証券取引規制であるということをまず一般論として申し上げたいというふうに思います。  それから、続きまして、証券取引法の一部を改正する法律案要綱というのが今回出ております。今回のライブドアの件等で立会い外取引が利用されたということに起因して、一部この公開買い付け制度の適用範囲を見直ししましょうという話が出てきているということでございます。  日本の公開買い付け制度というものについて大ざっぱに申し上げておきたいことがございます。日本の公開買い付け規制制度というのは、市場外の取引において一定の割合以上の株券等を取得する場合におっては、原則として公開買い付け規制が必要になると。ただ、必要でない場合を適用除外という形で明文で規定していると。要は、明文で適用除外と定められたもの以外は公開買い付け規制が及んでくるというのが日本の規制でございまして、ある意味非常に形式的に決まっているものでございます。  例えば、アメリカの公開買い付け規制というのは、公開買い付けというのが法律上定義されているわけではなくて、判例法上形成された要件を総合考慮して、これは公開買い付け規制を及ぼすべきだから公開買い付けだと、ないしは、これはそうじゃないから公開買い付け規制ではないというような形で非常に柔軟にやっているわけでございまして、日本とアメリカはそういう意味では柔軟性というのが違う。ただ、柔軟性がないというのは、それは実務にとってメリットでもありまして、要はこの明確な要件というものをきっちり見て、それに合っているか合っていないかというのを見ていけば一応大丈夫ということになるわけでございます。  他方、イギリスとかはパネルというのがございまして、公開買い付けを一定の場合にはパネルが判断してその規制を及ぼさないというようなことも一応あり得るということでございまして、そこが柔軟性を補充する役割を果たしているわけでございます。  ある意味、我々実務家にとってこの立会い外取引というのは非常に功罪両方あったものでございます。つまり、余り柔軟性を持っていない日本の公開買い付け規制において、ある意味柔軟性を補強してくれていたものであるわけでございます。  ある意味、立会い外取引の中に私は大ざっぱに言うと二つのものがあったというふうに思っています。一つは、公開買い付け規制の脱法として行われるような種類の立会い外取引、もう一つは、公開買い付け規制の脱法として行われているんではなくて、そもそも公開買い付け規制を及ぼすことが余り適切ではなかったようなもの、そういう正当な取引を救済する役割、そういうような機能というのも果たしていたというふうに考えております。  今回、その改正案という形で提示されるものというのは、ToSTNeT—1とToSTNeT—2という二つの取引のうち、ToSTNeT—1について基本的に規制の対象にしていこう、ToSTNeT—2については規制の対象にしていかないというものでございます。私は、趣旨として基本的にその提案について賛成でございます。  つまり、私は、先ほど公開買い付け規制のある意味脱法として行われた立会い外取引というふうに申し上げましたけれども、それは具体的にどういうものかと申し上げると、例えば一つの例として申し上げると、非常に高いプレミアムを特定の株主だけに払いたいと。ただ、全員には払えない。つまり、一〇〇%の株式に対して高いプレミアを払うお金はないけれども、特定のこの人には高いお金を払って、もらってしまって、そして支配権を取得したいというような人がいた。それは、公開買い付け規制が定めているプレミアムを株主に平等に分配していこうという均等価格ルールというのがあるんですが、その趣旨に反してくるわけでございます。そういうものを立会い外取引をすることによってやるというのは非常にまあ問題があるわけです。  ToSTNeT—1取引とToSTNeT—2取引の違いを大ざっぱに申し上げますと、ToSTNeT—1取引というのは、価格優先と時間優先という二つの原則、両方働かない市場でございます。これに対してToSTNeT—2取引というのは、価格優先の原則というのは働かないんですが、時間優先の原則というのは働くというわけでございます。まあプレミアム、ただ、ToSTNeT—2取引でやる場合には、一応その価格について大ざっぱなレンジというものがございますので、その範囲で行われるようになると。  私は、ある意味、ToSTNeT—1取引で価格は幾らでもいいからやってしまえというような形で買収が行われてくるようなものについては、これは公開買い付け規制の脱法という形で非常に規制をしていくと、規制、ニーズが高いんだろうというふうに思っています。他方で、ToSTNeT—2を利用して今まで行われていたような取引、例えば自己株の買受けでございますとか、会社が自己株を買受けするような場合、そういうような場合というのは、これを規制の対象としてしまうと、公開買い付け規制を一々従ってやらないと会社としてはそういうことができなくなるということで、非常に実務上問題があるのではないかというふうに思っています。  何で公開買い付け規制をしたがって問題だと申し上げるかというと、公開買い付けにはお金と時間が掛かるんです。時間は最短でも二十五日ぐらい掛かります。お金も最低でも大体五千万ぐらい、まあ五千万、いろんなケースがありますけれども、数千万は掛かるというふうに考えていただいた方がいいわけです。そういうような時間や費用を掛けてやらなくても、時価とおおむね同じ金額でやるような場合には、これは公開買い付け以外の方法でやるルートというのを残しておいていただきたいというのが実務の希望でございます。  それから、今回の改正とは関係ないんですけれども、今会社が防衛策の導入というものをいろいろ議論しております。この防衛策というものを導入していく暁において、導入していった暁においてどういう法制度というものが必要になってくるのか、ないしは検討する必要があるのかということについてお話ししたいと思います。  まず一点目、公開買い付け規制の見直しということを御提案したいと思います。  一つは、一つ目には、公開買い付け者による買い付け申込みの撤回等の条件の見直しというのが書いてございます。これはどういうことかと申し上げますと、公開買い付けというものを開始いたしますと、法律で定められた一定の条件に該当していない場合は撤回することができないわけです。つまり、例えば防衛策を導入している会社に対して買収者が公開買い付けを開始したと。そして、防衛策について消却、それを解除するようなことを対象会社がすれば公開買い付けはしたいけれども、その防衛策を解除しなければこの企業、公開買い付けはやっぱり撤回したいというようなことがあるわけです。  つまり、皆さん御存じのポイズンピルというのは、一定の株を取得するという公開買い付けを開始して一定期間が経過しますと、これトリガーされてしまって株式の希釈化という効果が生ずる。そして、敵対的買収者は自ら取得する株式が希釈化されてしまうという不利益を被りますので、そういうような防衛策が発動されてしまうような場合には、この公開買い付けはやめにさしてほしいというような条件を付けられるのかという問題がございます。今の証券、日本の公開買い付け規制においては、そういう防衛策を企業が導入しているということは余り予定しておりませんもので、そこら辺が明確に書いておりません。一般条項で読めるのかというと、若干難しいのかもしれないということで、非常に不明確になっているわけでございます。  我々が、例えば実務上防衛策というのを導入していったときに、その防衛策というものが合理的なものとして利用されていくためには、その買収者側もそれによって非常にひどい不測の損害を被るようなことはないような形の法制度、そういう枠組みというのが準備される必要があるわけでございまして、防衛策を導入する側も、そして敵対的買収とかをしていく側からも、こういう条件というものを適切に設けていくことは必要なんだろうというふうに思っております。  この公開買い付け規制の撤回条件というのは随分前に設けられていて、いろいろ検討するべき事項というのがございます。例えば、持ち株会社形態を取る場合に重要な子会社に関して拒否権付株式が発行されたような場合に、公開買い付け者はこれを撤回することができるのかというような問題もございます。そういうことについても、今の証取法上は撤回できるか非常に疑問でございまして、そういう撤回要件というものをよく見直す必要があるというのがまず一点目でございます。  それから、その類似の問題といたしまして、防衛策が発動された場合には公開買い付けの条件を変えさしてほしいと。つまり、買い付け価格を変えさしてほしいとかそういう条件変更の余地というのも考える必要はないのではないかというのがございます。  一方で、公開買い付け者に対する開示の強化というのも検討するべき事項であろうと思います。基本的に買い付け等の目的ということは今の日本の公開買い付け届出書の中にも記載しなければいけない事項であるんですが、アメリカにおいてはその目的というものをより詳細に書くような方向付けがなされておりまして、実務上の。そういう意味において、その目的の記載というのが今のままで大丈夫なんだろうかということの再検討が必要であろうというふうに思っております。  それから、先ほど申し上げたように、公開買い付け規制というのは、守る側も攻める側にも開示を要求していくものでございます。アメリカ、敵対的買収の経験を多く持つアメリカにおいては、対象会社側から公開、その情報を開示するということを要求しておりまして、ここに書いてあるように、対象会社の意見表明義務の見直し、意見表明義務というものを対象会社に課していったりするわけでございます。  それから、対象会社が敵対的買収者に対して反対の態度を取って株主に対して勧誘をしていくような場合、この公開買い付けには反対だから我々経営陣の意向を聞いてくださいという形で勧誘に走るような場合には、それは勧誘に走る場合にはしかるべき場所に届出をして、どういう防衛策を取ろうとしているのかというようなことについて外に開示していくことを要求しております。防衛策が導入されるようになった場合には、そういうものを証券取引法上、開示を要請していく必要はないのかということも検討が必要になってくるわけでございます。  更に加えまして、敵対的買収者が買収を仕掛けた場合に、アメリカでは対象会社が敵対的買収者に対して株主名簿を交付するか、ないしは敵対的買収者の開始した公開買い付け届出書を株主全員にばらまかなきゃいけないと。みんなに渡して敵対的買収者の情報もひとしく既存の株主に対して開示しなければいけないという、そういうニーズがあるというふうに、そういう義務が課せられております。そういうことを日本の証取法上検討する必要はないのかということも問題になるわけでございます。  続きまして、大量保有報告書の制度の見直しでございます。  この大量保有報告書というのは、先ほどの弥永先生の話にもございましたとおり、企業買収の文脈においてはある意味重要な役割を担っております。ここにおいては二つのポイントを指摘したいと思います。  これからライツ・プランといった防衛策を会社が導入する場合には、どういう場合にトリガーさせるのか、どういう場合にその防衛策を発動させるのかというと、それは大量保有者が一定の株券を取得したときというような条件をもって発動させるわけです。そういう意味においては、敵対的買収防衛策を実際導入したとしても、それを発動させるかどうかを決めるときには、大量保有報告書というのでどう株券を取得しているのかということが開示されて、それが対象会社のところに来て、そして初めて発動させることができるようになるというのがございます。したがいまして、その大量保有報告書がきっちり提出されるようになることは重要な問題でございます。  それから、そのプロセス、二つ目の点として、株券の大量取得のプロセスの透明性を高める必要があるというわけでございます。  それから、大量保有報告書の保有目的の記載内容というのも、今の実務上は非常に緩やかに運用されていますけれども、もう少しアメリカでは厳しく目的についての記載を要求されている、いろんな判例がございまして、厳しい、細かく目的を開示することが要求されておりまして、そういうことも検討する必要があると思われます。  それから、非公開化取引に対する特段の規制ということで、アメリカでは、ゴーイング・プライベートといって、一〇〇%非公開化して子会社にしていくような場合には、証券取引上特別な開示の要件というのが課されております。そういうものについて必要かどうかも検討していく必要があると。そして、防衛策を導入している会社にあっては、継続的な開示において、その防衛策が導入していることを公表していく必要もあるのではないかということでございます。  最後に、簡単に会社法制の現代化と敵対的買収の事前予防の今の現状を申し上げておきます。  私の意見と申しましては、今の現行法と会社法制の現代化において導入される条項でもって敵対的買収の防衛策を導入していくのには会社法的にはほぼ十分だろうというふうに思っております。ただし、今後会社法を立法化していく過程の中において、皆様の立法者の意思というものを明確にしていただく必要があるというふうに思っております。  そして、実務上今導入していく上で何が一番問題になっているのかということについて最後に付言いたしますと、税務上の問題が一番大きいというふうに私は思っています。会社法の問題は、皆様が頑張ってくださったおかげもあって社会通念というのが随分変わってきた、これによって随分クリアされつつあるわけでございますけれども、敵対的買収防衛策が発動された場合、ないし導入した場合に税務上どういうふうに取り扱われるかというのが非常に不透明な状況でございます。ここら辺についての明確化というのが今実務に一番必要とされているということを申し上げて、私の意見とさせていただきたいと思います。  どうもありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) ありがとうございました。  以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。  それでは、これより参考人に対する質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

田村耕太郎自由民主党

○田村耕太郎君 自由民主党の田村耕太郎です。三方の皆さん、説明ありがとうございました。  私は、今回のそのフジテレビとライブドアとニッポン放送、このケースに見られますように、会社支配権の争奪戦が友好的でないもの、これが増えてくるという前提に立ちまして、現行制度がどのように改善されるべきか、どんな不備があると思われるか、その点に関しまして、法律問題をちょっと中心に聞いてまいりますので、石綿弁護士に集中するかもしれませんが、端的なお答えをよろしくお願いします。その後、東京地裁が出しました仮処分決定並びに異議審決定に関しまして、その判決プロセスですね、私なりに思うところがありますので、これもちょっと聞いてまいりたいと思います。  まず最初に、三方全員が触れられました大量保有、保有報告制度、これについて思うところがあります。で、中でも私、特例措置というのを、これ先生方触れられましたが、これを私、見直すべきであると思っております。特例措置、まず会社支配権の取得を目的としない者、機関投資家、投資顧問業者、外れてますけど、今回のケースでもありましたように、間接的に、直接的には会社支配権の争奪戦に関与してない者でも、間接的に会社支配権の争奪戦に関与していたと思われる、そういうケースが出てきているわけです。私は、この特例措置、対象、これをまず見直すべきだと思います。  もう一つは、実質的なルールとしておかしいのは、月の終わりまで一〇%を持ってた、一五%持ってた、二〇%持ってた。一〇%以上持っていると特例措置が外されるわけです。しかし、月末までに六%売って九%になればまた特例措置の対象になる。これ、非常に不合理だと思います。やっぱり、実質的に大量保有していた人はしっかり報告する、こういう制度にしていくべきだと思います。  この二点に関して、会社、間接的に会社支配権の争奪戦に関与していると思われる者に対する特例措置を外すということ、もう一つは、その月末までに一〇%を切ればもう特例で報告しなくていいんだという、この矛盾点に対して石綿弁護士に簡潔な答弁をお願いします。

石綿学森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士

○参考人(石綿学君) 二点ございます。  まず一点目、特例措置を外すべきかということについて私の意見を申し上げたいと思います。  私は、特例措置を単純に外すというのはいかがかと思っております。例えば、投資一任業者というのは日々何度も株券の売買をしているわけでございまして、あれは、一%変動する、今三%か一%かってありますが、普通の規制でございますと、一%変動するたびに報告書の提出が必要になるということになりますと、一日何度も何度もやったものを毎日提出することになって、一月で物すごい量の大量保有報告書を提出するということになりまして、かなり事務的に厳しいだろうというふうに思っております。  その一方で、多分、むしろ御趣旨は、そういういわゆる一般的な一任業者とか顧問業者ではなくて、そういう資格を持っていることに化体して実質的には買収とかをやっている人たちが報告についての規制を、緩和の、緩和の措置を受けているというケースだと思います。  そういうケースについては、場合によっては、特例措置を外していくというきめ細やかな規制というのをしていく余地は場合によってはあるのかもしれないというふうには思っていますが、今こっちで行われている実務というのを阻害しないように非常に注意してやる必要があるというふうに思っております。  それから二番目に、月の終わりまで一〇%でその後九%という形で、実質的に大量保有していた人を対象にすべきではないかということをおっしゃっているわけです。  これも非常に難しい問題でございまして、一方で、じゃ、一〇%から九%になった人がいて、それは本当に正当な理由で九%になったような場合に、大量保有報告書の提出が本当は必要じゃないかとか、必要じゃないじゃないかということになると、実務としては明確性に欠いてしまって、どういうふうに行動したらいいのかよく分からなくなるところもございますので、若干難しい問題だなというふうに思っています。  ただ、実質的に大量保有をしていたような人というのは今でも共同保有者という、実質保有概念によってとらえておくことができる場合というのが多いと思います。つまり、議決権を共同行使を合意しているような人、そういう人は共同保有、みなし共同保有者という形で大量保有報告書の提出の際にカウントされなければならないというふうになっておりまして、そういう運用を変えることによって相当程度解決するのではないかというふうに思っております。

田村耕太郎自由民主党

○田村耕太郎君 事務手続の煩雑さ、この根源になっているのが、私はデジタル化への対応の遅れだと思うんです。今、有価証券取引報告書というのはもう既にデジタル化されていまして、オンラインで閲覧できるようになっているんですね。一方、大量保有報告書というのはいまだに財務局に行って紙をめくらなきゃ見られない。もうデジタル化にしっかり対応させれば事務手続の煩雑さとか掛かる時間なんてもう大幅に軽減されるわけです。  企業の経営者から見て、自分の会社が買収に遭っているかどうか、これを把握する唯一の手掛かりが大量保有報告書なわけですね。ですから私は、デジタル化、これを促進させれば事務手続の煩雑さ、こういう問題もクリアできると思いますので、まずはデジタル化を推進し、そして特例措置を見直していくということが必要になると思います。  もう一つ、やっぱり罰則ですね。罰則あるんですけれども、もうほとんど遅れているでしょう。多くのケースが報告の遅滞が目立ちます。しかし、一回も処罰されていないはずなんですね。それはされていないと思います。処罰の厳格化というのも是非行っていただきたいと思います。  簡単にこのデジタル化の推進と処罰の厳格化に関して、それでは実務家でいらっしゃる吉川さんに端的にお願いします。時間がありませんので、済みません。

吉川満株式会社大和総研参与・資本市場調査本部長

○参考人(吉川満君) 私は、余りシステムの方の専門家じゃありませんので、まあぴったりした答えを出すことはできませんけれども、私が考えていたのは、やっぱり特例を適用するのか外すのかという意味では、証券会社とか公募投信みたいにほかの方法でも責任追及できるものは今と同じように特例を追求してもいいじゃないかと思うんですね。だけれども、買収ファンドとかプライベート・エクイティー・ファンドとか、そういうのは一般の投資家と同じ規制にすべきだと、そう考えています。

田村耕太郎自由民主党

○田村耕太郎君 次に、公開買い付け制度、TOB制度に関しまして質問させていただきます。  私、日本のTOB制度の根本的な欠陥といいますか欠落している部分というのは、慎重義務、これが導入されてないことだと思うんです。つまり、公開買い付けをする者がその資金的な裏付けを証明して公表する必要がないという制度になってます。  今回まあライブドアがフジテレビにLBOを掛けるといううわさがあります。LBOというのは、御存じのとおり、買収対象会社の資産やキャッシュフローを担保にして資金調達をして、まあ多分TOBを掛けるんでしょう、買収をしていくことですね。これ、株主から見ますと、発行会社の資産やキャッシュフローを担保にされているわけです。著しく発行元の財務諸表が傷む、ダメージを受けるケースが十分想定できるわけです。  日本のTOB制度の下では、TOBをする者がこういう形で資金調達をしますよと、そしてこれだけ裏付けがありますよと、そしてそれを証明して公表する義務、慎重義務というのが抜けてます。これは欧米では、しっかりTOBを掛ける者が資金調達の源泉とお金があること、それを証明して公表することが義務付けられてます。日本のTOB制度だけ欠落しているんです。LBOによって、株主に対してこれ重要情報になってくるわけです。慎重義務の導入、これを私すべきだと思います。  これ、石綿先生、いかにお考えですか。

石綿学森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士

○参考人(石綿学君) 今の、慎重義務を日本の公開買い付け制度に導入すべきかという論点について一言申し上げます。  日本の公開買い付け届出書においても、資金の、資金がどこから来るかということと、例えば借入金であればその借入金の調達ができることを証明する合意書のようなものを添付書類として一応添付することは必要とはされておりますので、全く資金調達のその資金の裏付けがあるかないかということについて開示がなされてない、ないしはそれについてのある程度の保証が取れてないというわけではないとは思います。  ただ、むしろ御指摘の点は、LBOみたいな、要は対象会社の資産を引き当てとしたような買収をするようなケースにおいてはそこら辺をもっと明示すべきだということであるとするならば、それは、例えば目的の記載であるとかそういうところにおいてその後の会社の運営方法についてより厳しい開示というものをこう要望していくというようなことというのも考えられるのではないかというふうに思っています。  以上でございます。

田村耕太郎自由民主党

○田村耕太郎君 もう一つですね、日本のTOB制度、石綿弁護士が説明されたんですけれども、強制になっている割に少数株主の権利の保護がなされてない、私このように思うんです。二段階買い付けの禁止、これも導入すべきだと思います。  つまり、日本のTOB制度でいけば、三〇%買いますよと、で、三〇%に応募できた方はTOB価格で売れるわけです。しかし、そこに応募できなかった方というのは、TOBが終わった後、大体市場価格下がりますから、低い価格で市場から締め出される可能性が大きいわけです。アメリカでもヨーロッパでも少数株主の権利保護というのはしっかり図られています。ヨーロッパでは、まあ三〇%以上の公開買い付けをする者は原則一〇〇%の株主に対して買い付けするオファーを出さなきゃいけません。そして、アメリカでは、一方、応募することができなかった株主に対しては大幅に買い付け請求権が認められています。日本だけなんですね、応募できなかった方が締め出されるのは。つまり、株価が二段階で買い占められる二段階買い付けというのが可能になっているんです。やはり日本でも、大陸の制度をまねして強制的なTOBというのを導入しているわけですから、公開買い付けをする者は原則として一〇〇%の株主に対して買い付けのオファーをする、二段階買い付けの禁止、この制度を導入すべきだと思います。  石綿弁護士、また法的な問題なんで、よろしくお願いします。

石綿学森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士

○参考人(石綿学君) 二段階買い付けの禁止について私の意見を申し上げたいと思います。  確かに御指摘のとおり、二段階買い付けというのが強圧的に行われる場合、つまり一定の株について最初は高い金額をオファーするんだけれども残った株主に対しては非常に安い値段で強制的に排除するようなケース、これは非常に株主が応募するかどうかという自由意思を侵害するという意味において問題があるというふうには思っております。  問題は、そういう二段階買収のようなものをどこで規制していくべきかという問題であるというふうに思います。  まず、今回の会社法制の現代化において、シナジー、一〇〇%スクイズアウトしていく場合にはシナジーの分配をしなきゃいけないというのが入りましたので、後で、二段階目でスクイズアウトしていくときに安い金額で締め出すというのは事実上難しくなるというのがございます。あとは、私は会社、防衛策を会社が導入することによってそういうひどい事例については対抗していく方が法制度の立て付けとしては望ましいのではないかというふうに考えております。  以上でございます。

田村耕太郎自由民主党

○田村耕太郎君 次に、東京地裁が先日出しました仮処分決定並びに異議審決定、これに関しまして判決プロセスに集中してちょっと質問していきたいと思います。  判決の、最終判決に関しまして私異議はないんですが、これ、これからの日本の敵対的買収の前例となる画期的なケースですよね。そのケースとして本当に完璧であったかどうなのか、その判断のプロセスが正確であったかどうなのか、これやっぱりちゃんと検証する作業が必要だと思います。  余り、ちょっとマニアックにはならないように気を付けますけれども、私、少しこの判決のプロセスに疑問を感じるんです。といいますのは、これがアメリカだったらどういうふうに分析されて判決に至ったか。判決文読んでみました。で、ユノカル基準というのと比べてみたんですね。  ユノカル基準というのは、御案内のとおり、一九八五年にピケンズがエネルギー会社のユノカルというのに敵対的買収を掛けて、アメリカでも敵対的買収の試金石のようになっている事例ですね。どういうふうに判断しているかというと、まずは企業価値に対する脅威の認識、この認定作業から入りまして、これが第一段階です。第二段階に、その脅威に対して取った防衛策が過剰ではないか、相当するものであるか、相当性の認識ですね。この二段階に分かれるわけです。  残念ながら、今回の判決を見ますと、ざっとして、企業価値毀損基準といいますか、そういうのでざっくり切られていまして、企業価値に対する脅威があったかどうなのか、その認定がおろそかになっているような気がするんです。では、全く企業価値に対する脅威、ライブドアの行動がなかったかどうか、そこを私、まあちょっとマニアック過ぎる見方かもしれませんが、私はあったのではないかと思うんですね。  それは何かといいますと、企業価値研究会という経済産業省の一つの研究会がガイドライン出しています。その一つのケース、類型として強圧的買収手法類型というのが出ています。これ簡単に言いますと、買収提案に応じなければ不利益を被るような状況をつくり出して株主に売り急がせたかどうなのか、株主に売り急がせたかどうかという点です。  フジテレビ、五千九百五十円で公開買い付けやっていました。そのときにライブドアは市場買い付けやっていたんですね。TOBによらない市場買い付けやっていたんです。幾らでどれだけ買ってもらえるか分からないわけです、株主にとっては。株主にとっては心配になりますから、早くライブドアの買い付けに応じなければいけない。売り急がせたという可能性があったのではないかと思うんですね。  これも、この程度の疑いで最終判決がひっくり返る、そんなものではありませんが、裁判所は少なくとも企業価値に対する脅威の認定、この作業は行っておくべきだったと思うんです。全くゼロではなかったと思うんです。フジテレビ側もここを、へ理屈かもしれませんが、訴えるべきだったと私は思います。画期的なケースとして企業価値に対する脅威の認定、この部分が欠落していたように思うんですが、また石綿弁護士、どう思われますか。

石綿学森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士

○参考人(石綿学君) ただいまのニッポン放送の件について、私の本当に個人的な意見を申し上げたいと思います。  仮に、あの案件を米国のユノカル基準というので仮にとらえるとした場合には、おっしゃるとおり、脅威というのが認められてもおかしくはなかったかなというふうには思っております。特に、私が思うのは、ニッポン放送の経営陣が、いきなり、公開買い付けも経ずにいきなり三分の一以上の株を取得したケースで、経営陣がゆっくり考える時間であるとか、ないしはほかの代替案を模索する機会というものを与えられていなかったわけでございますので、少なくともそういう点においてはある種の機会損失という意味における脅威というのがあったというふうに認めてもおかしくないのではないかと。むしろ、その上で、相当性があったのかなかったのかということをあの裁判において問題にしてもよかったのではないかというふうに個人的には考えております。  以上でございます。

吉川満株式会社大和総研参与・資本市場調査本部長

○参考人(吉川満君) 従来、我が国の裁判においては、どっちかというと敵対的MAというのは前面に出ないで、どっちかというと単に新株引受権発行の合法性とか、そういうふうにとらえる傾向にあったんですね。そうすると、新株発行あるいは新株引受権発行、そこだけを見てそれが合法であるか、適法であるかと、違法であるか、それで判断してしまうという傾向があったんですけれども、幾らかはこの枠を今回の決定は出ていると思うんですね。敵対的MAというのを表に出したと。それは確かに一歩前進であると思います。  ただ、従来の新株予約権発行の合法性というような考え方ですと、資金ニーズがあるかないかで判断してしまって、ポイズンで発行したら基本的に合法と、なかったら違法と、そういう感じが強く残っているんですよね。その点、まだそこの影響力が強いなという気がします。例えば、ユノカル基準なんかであれば、もし、買収仕掛けられたのが違法の可能性もありますから、そのときに防衛策は違法であっても相当したものならいいと、そう判断する余地があるんですけれども、日本の基準、考え方でそこまで行ってるのかなと、そこのところはちょっと疑問に思います。

田村耕太郎自由民主党

○田村耕太郎君 私の知り合いのこういう買収関連の弁護士に聞きましても、皆さんがビューティフルとかパーフェクトとかあの判決に対しておっしゃっているんですけれども、残念ながら企業価値毀損基準というので、だけでばっさり切ってしまうと、私問題もあると思うんですね。ニッポン放送の方が企業価値が明らかに毀損されたということを立証しなければいけない。有事においてはそうだ、有事というのは企業、会社支配権の争奪戦が既に始まっている、そういうケースです。その場合には、企業価値が明らかに毀損されたということを発行側が証明しなきゃいけない。  しかし、この企業価値毀損基準で切ったその最後の判決文を見てみますと、グリーンメーラーですね、つまり買収対象会社を継続して経営する意思がないのに高値で売り付けようとする脅迫者ですね、グリーンメーラー、又は明らかにダメージを与える乗っ取り屋さん、そういう二つのケースを除いたら、もうほとんど有事には防衛策が認められない、そういう読み方もできるわけです。だって、敵対的買収、つまり現在の経営人に嫌われてまで会社を乗っ取ろうという人が明らかにその会社の価値を下げるようなことをするわけないと思うんですよ。嫌われるコストもあります。お金だって何百億円も掛けているわけです。その人がわざわざ企業価値を下げるようなことを買収後にするわけないわけです。  この読み方でいくと、有事においてはもう防衛施策、かなり狭まってくる、そういうふうに読めるんですが、石綿弁護士、どう思いますか。

石綿学森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士

○参考人(石綿学君) 私もその意見については同意見でございます。要はその三匹の子豚を食べるオオカミは必ず豚の皮をかぶってやってくるわけであって、いきなりオオカミの顔で入ってきたら絶対家には入れてくれないわけです。それと同じ話で、要は仮にその会社を食い物にして企業価値を毀損してやろう、そして自分だけ利益を得てやろうと思っている買収者がいたとしても、買いに来るときは、それは優しい顔、羊の皮をかぶってやってくるわけです。ですので、外見上そういうことが明白であるようなばかな買収者は世の中にいないわけでございますので、そういう意味においてあの要件の定律立て自体は厳し過ぎるのではないかという気がしています。  あともう一点、社外取締役があの場面では四人賛成していたという事実に対しても余り十分な配慮が払われていないようでございまして、今後事前の防衛策を導入したときに、事前の防衛策が有事の場面においてどういう形で発動するのかということを我々実務家が設計していく上では、あの基準だけではもたないのではないかというふうに考えております。  以上でございます。

田村耕太郎自由民主党

○田村耕太郎君 私も全く同意見なんですね。フジテレビの味方をするわけではないですが、やっぱり一つのプロセスとしてやっぱりフジテレビが、フジテレビと読むか、ニッポン放送がフジテレビの社外、フジテレビの意見を導入することなしに、しっかり授権資本制度の中で、役員会に認められた範囲の中でしっかりその権利を行使していった、そこはそれで認めるべきじゃなかったかなと思うわけですね。  最後に、少し話がそれてしまうかも分からないんですが、全く同じスキームを今度平時、争奪戦が行われていなかった、争奪戦が行われる前にその全く同じスキームをニッポン放送が取ったとしたら、これは認められたかどうか。これ石綿弁護士の見解を、もう仮定の質問なんですが、聞かしてください。

石綿学森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士

○参考人(石綿学君) 非常に難しい質問ではございますけれども、平時であればもうちょっと違うやり方を多分採用したのではないかなという気はします。我々がアドバイスをするとしたら、ああいう策は多分取らないかなという気はしていますね。  以上でございます。

田村耕太郎自由民主党

○田村耕太郎君 最後に、二分残りましたので、聞きたいことは大分聞いたんですが、最後にMSCBという、これムービング・ストライク・コンバーティブル・ボンドと、これ全然に英語になっていないんですけれども、まあ和製英語ですね。ということは、つまり外国ではやっていないような債券の種類なんですね。言わば有利発行の第三者割当てみたいな制度なわけです。つまり、転換価格を、下限を設定して、そしてそれをある程度の一定の頻度で変えられるようにして債券として発行するんですけれども、本当は新株発行に近い制度で、それで資金集めをする。これフジテレビもライブドアもやっています。これ私、有利発行に当たるケースが非常に怪しいと思うんですけれども、このMSCBというものに関する見解、これを聞いて、私終わろうと思います。石綿先生、最後にお願いします。

石綿学森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士

○参考人(石綿学君) ちょっとMSCBのあの具体的な案件がどういう価格でやったのかというのは、実は私も個人的にそれほど細かい情報を持っているわけではございませんので、あの件がどうであったかというのはちょっとお答えしづらいかなという気がしております。  ただ、一般的には、価格がどうかということを恐らく見てやったのではありましょうから、もしそこの公正価格の枠内に入っているものであれば大丈夫だっただろうし、もしそうでないようであれば問題があったかもしれないという一般論だけ考えております。  以上でございます。

田村耕太郎自由民主党

○田村耕太郎君 終わります。  ありがとうございました。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございます。  今日は三人の参考人の方、ありがとうございました。  そこで、最初に私は、この問題、ライブドア問題やニッポン株問題前に、非常に、最近、会社法の改正でこんなひどいことが起こっているのかというふうに思った事例があります。それは、三菱東京フィナンシャルグループとUFJとの関係なんです。まずその点についてお三方にそれぞれお聞きしたいと思うんですが、御存じのように持ち株会社、ともに持ち株会社でありますが、UFJホールディングスの傘下にあるUFJ銀行が株を発行いたしました。これは種類株です。そして、七千億円発行して、これは要するに三井住友フィナンシャルグループが、三井住友が合併申込みをしてきているけれども、この合併がもし実現するようであれば、九千百億円ですか、その三割増しのいわゆる賠償をもらいますよと、こういう形で実は株を発行したわけであります。  そこでお尋ねするんですが、こうなるとUFJホールディングスの株を持っている一般株主は、この権利というのは一体、この傘下にある、その持ち株会社の傘下にあるUFJ銀行が発行した、そして東京三菱が持ったことによって、この株主の権利というのは事実上行使できない場合もあり得るんではないか。つまり、いや、私はその三井住友と一緒になった方がいいというふうに思った株主もいたかもしれない。しかし、それは事実上、いわゆる子会社が発行した株によってその一般株主の権利というものが完全に私はなくなってしまったんじゃないかと。このことについてはどうもやはり、証券市場というものを見たときに、一般株主の人たちの権利というものがこの会社法改正によって、つまり、種類株主の発行によって事実上何でもできるようなものになってしまったという点で大変致命的な改正になっているんではないかというふうに思えてならないんです。  その点についてお三方のそれぞれの御意見をまずお聞きしたいと思います。

吉川満株式会社大和総研参与・資本市場調査本部長

○参考人(吉川満君) 私はそのUFJのケース、余り調べていないのでそのことについてはちょっとコメントできないんですけれども、種類株式というのは元々ニーズは高かったんですね。従来のような普通株一つだけではいろいろ不便だから、いろいろ用途に応じて株式を利用できる、そういうことで種類株が確立されたわけで、その点はよかったと思っています。  私のイメージでは、制度そのものよりも、どういう運用があるのか、使い道があるのか、そこのところを実態に合わせて、実務上基準みたいなものを作っていくというか、そういうことがまだできていないのかなと、そんな気がしております。

弥永真生筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授

○参考人(弥永真生君) ただいまの御指摘は、私は、種類株式の発行については、やはりUFJ銀行自体の取締役会の善管注意義務の問題だと思われるわけですけれども、しかし、根本的な問題は、むしろこの親子会社関係と申しますか、すなわちホールディングスと子会社という関係において、親会社の株主は子会社が何をやってもコントロールを及ぼすことができないという、すなわち、現在、株式交換あるいは株式移転制度などによって持ち株会社を非常につくりやすくなっているわけですけれども、この企業結合法制というもの自体が現在不備だということだと思われるわけです。  したがって、むしろ一般的に、親会社の株主が不利益を被らないような企業結合法制、これはドイツなどでは非常に発達しておるわけですけれども、そのようなことが必要なのではないかということは、やはり研究、商法の研究者の間でも言われておりますし、また、法制審議会の商法部会でもそのようなことは認識されていて、是非、この企業結合法制については、この国会におかれまして近い将来に検討をしていただければというふうに期待しております。

石綿学森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士

○参考人(石綿学君) UFJの取引について私の意見を申し上げたいと思います。  私は、当該UFJの案件に限って申せば、ああいう株式の発行というもの、そしてあの株式は七千億で発行されたわけですけれども、UFJサイドは三〇%の上増し金を払えば買い戻すことができたわけなんですが、その三〇%の金額というのもあの案件に関して言えば不合理とは言えないというふうに考えております。  理由と申しまして、要は三〇%という金額が妥当かという話に私は尽きるというふうに思っているんですが、その三〇%という金額も、その間七千億というものを入れて、そして、そういうトリガー事由が生じるまでの配当見合い金とかも考えて差っ引きますと、実質的な違約金としての機能を持っている部分というのは随分小さくなるはずでございまして、その程度の金額をディールプロテクション、要はそういう三菱とUFJとの取引というのを大きな意味で保護するための方策として導入したこと自体は特段不合理とは言えなかったのではないかというふうに思っています。  ただ、一般論として、その持ち株会社が公開会社で、一〇〇%子会社が大きな事業会社であるような場合に、その事業会社を利用していろんなことができるようになってしまうとすると、それは問題となり得ますので、それについてはしかるべき方策というのを恐らく実務上考えていかなければならないだろうというふうに思っております。  以上でございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 そうすると、石綿弁護士、要するにUFJホールディングスの株主の意見とかあるいは権利というのは、三〇%だったら、つまり二千百億円の賠償さえ払えばいいという範疇でこの人たちの権利というものは認められているということなんですか。それとも、いや、先ほど弥永さん、先生がおっしゃった、要するに日本の親会社と子会社の関係において、ホールディングスのいわゆる企業結合法制が実は不十分だからこういうことが起きているんだから、そっちを直さなきゃ駄目だということなんですか。その辺りはどのように理解したらいいんでしょうか。

石綿学森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士

○参考人(石綿学君) どちらかというと後者でございますけれども、私は、二千百億円という金額を額面どおり取るのは適切ではないというふうに思っています。そのうち一部が違約金見合いであったというふうに考えています。  その程度の金額を違約金として定めて、でやるというのは、三菱サイドも七千億という巨額なお金を払い込んでいるわけです。七千億といったら、上場会社が一個買えてしまうようなお金を払い込んで、しかも緊急融資をして、デューデリジェンスもまだ終わってない段階でそういうお金を投入しておりますので、そこまでリスクを懸けてやる以上は、ある程度取引が安定して行われる安心というのも三菱サイドの役員責任の問題として必要としたでございましょうし、そういう意味においては一概にあのケースがいけなかったというふうには考えていないということです。  一方で親が、公開親会社の株主が事業会社に対してどういうことをしていくのかということについては、今後、検討課題とはしていってもいいのではないかというふうに思っています。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 そこで、ちょっとライブドアとかそっちの方からちょっと外れてしまうんですけれども、親子、持ち株会社と子会社の関係ですね。  いわゆる企業結合法制の問題なんですが、先ほどちょっと、私も余り商法とかそういったところ、余り得意でないんで教えていただきたいんですが、アメリカなんかの場合は、諸外国の場合は、持ち株会社の中の企業が株を発行するとなった場合に、これは全額それを、自分のいわゆる持ち株会社ですから一〇〇%持つ。ところが、もしそれを上場しようとした場合は、この上場すべき会社というのはスピンオフ、つまりもう自分のホールディングスから離れてしまう、これが通常のやり方だというふうに我々聞いているんですが。  この親子上場の日本の場合は一番典型的なのは、私はNTTだと思うんです。NTTという株式が、そこが東日本、西日本、それからNTTドコモと。いつの間にかNTTドコモの方が、子会社の方が大きくなっちゃったと。そうすると、NTT本体に含まれると思っていた株が、上場されたことによって実はNTTの株の値段よりも子会社の方の株の値段が高くなってしまった、あるいは資産総額が大きくなっちゃった。そうすると、これはNTT株を政府が売ったわけですけれども、そのことに対する責任というのは一体どこにあるんだろうかなと。そうすると、あのときに、子会社であるNTTドコモをいわゆる上場させるときに、もしあなたがNTT株よりもNTTドコモの方が必要であればそっちに変えてもいいですよとか、そこの株主の権利というものがいつの間にかネグられてしまったような気がするんですが。  そういう意味で、いわゆる先ほど企業結合法制というふうにおっしゃった点の一つのポイントは、そういう子会社が上場するときはこれはスピンオフするとか、そういう決めをきちんとしなさいと、こういう意味でございましょうか。  これ弥永さん、あっ、アメリカの事例、弥永先生と両方、じゃお聞かせください。

弥永真生筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授

○参考人(弥永真生君) 御指摘のように、実は諸外国では親子会社、親子、親会社も子会社も上場するというケースは非常に少ないと思われます。日本のように子会社が上場するというのは非常にまれであります。  実は、私はどちらかというとヨーロッパの法制の方が研究は中心なんですけれども、ドイツは非常にこの企業結合法制、コンツェルン法制が整っているというふうに言われておりまして、親会社が子会社に対して不利な指示をするということを一方で認めると同時に、その子会社の株主に対して十分な補償をするという、こういう仕組みを一方で持っておりまして、さらに、当然のことながら、親会社の経営者としましては子会社の株式を、まあめったに上場することはありませんけれども、その際には、当然そこでは親会社の株主の利益を考えて、それが、それを考慮した上で行うということが親会社の取締役の善管注意義務の一環であるというふうにとらえられていると思われます。

石綿学森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士

○参考人(石綿学君) 今の弥永先生の意見とほぼ同じなんですが、基本的には、一言で申し上げると親会社の取締役の善管注意義務の問題であると。子会社を上場させることによると、要は、親会社が持っていた株を市場に放出してお金がもうかるわけでございますので、それによって親会社、現金入ってきますのでもうかります。そういう形で、もうかることによって親会社の株主になるかならないかということを判断していただいて、そして、なるということであれば上場させるし、そうでなければそうでないという形で、親会社の善管注意義務は株主の利益を考えながら判断していくことだというふうに考えております。  以上でございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 今ちょっと、この点についてちょっとしつこくこだわったのは、実は純粋持ち株会社の解禁のときに、大変労働運動をやっておられる方々は、いわゆるこういう持ち株会社がつくられ、そしてまた子会社といってくるということで、本当に相手がだれなんだと、本当の相手はだれなのかという交渉相手が非常にいつも分散をしていくということで、労働法制にとって大変大きな影響があったんです。  私はやはりそういう意味で、支配があるところにはやはり責任があるという意味での恐らく法制度上の、例えばそういう交渉に応じなきゃいけない、労使関係の問題でいえばそういう交渉に応じなきゃいけない、あるいは子会社の債権債務が問題になれば、それについての親会社等の責任、そういった点が余りにもなさ過ぎて、そして、金融持ち株会社が典型的なんですけれども、いとも簡単に持ち株会社をつくってしまうという、私はここはやはり直さなきゃいけないなというポイントだと思っていますので、これは立法府の責任でもあるとも思いますのでこれから頑張っていきたいと思っています。  そこで、余りもう時間がなくなってしまったのですが、ちょっとこれは吉川先生にお聞きしたいわけでありますが。  この持ち合いの解消が進んでいるというふうにおっしゃったんですけれども、今度のやり取りをずっと見ていて、例えば日本テレビでしたか、日本テレビの株式をいわゆる、日本テレビじゃない、ニホン放送の株式をフジテレビに第三者割当てという形で一方的に割り付けていますよね。こういうその第三者割当てという増資をする場合の、そういう権限でもいいんですけれども、これが法人にだけ与えられるというのは、これは恐らく対抗上、つまりライブドアがこういうことをやっているから自分たちもやるんだという対抗上やられたんだろうと思うんですが、通常、第三者割当てというのは、この日本の場合は依然としてやっぱり法人に対して割り当てられているということであるとすると、一般株主の人たちは、この株、自分たちの株が希釈しますよね、増資すれば。そうすると、どうしてもやはりこういうプロセスを通じて、やっぱり我々一般株主の権利とか、そういうものは守られていないんだなと、こういうふうに私は思ってしまうんじゃないかと思うんですよね。  そういう意味で、徐々に株式持ち合いが減ってきたと。しかし、なかなか私、個人の人たちが本当に株式市場に安心して投資をしたい、まあ小泉さんは郵政の民営化といっておっしゃっているけれども、やっぱりみんな郵便局は安全で有利だと思ってしまうわけですよ。まあ有利かどうかは別にして、安全だなと。そうすると、株式市場のように、何かもう鉄火場みたいなところで、とてもそのプロだけがよく分かっていて、私たちの権利や義務の権利のことについてはほとんど問題にならないような状況になっているというような、そういうことに対して何か御意見ございますでしょうか。

吉川満株式会社大和総研参与・資本市場調査本部長

○参考人(吉川満君) お説のとおり、ニッポン放送の場合はあくまでMA対抗策としてああいうスキームを考えたということで、特に比率が大きいですからね。しかし、第三者割当てそのものは、規模とか適正であれば、経営していく上でどうしても必要という場合ありますから、第三者割当て全体を否定するということにはならないと思うんですけれども。  それから、一般の個人株主、それがどうやって会社とのつながりを感じてもらえるかというと、私は取りあえずは配当なんかを高めていくことじゃないかと思うんですね。例えば、ユシロ化学とか、ああいう場合でも、配当を高めることによって買収圧力をいったんクリアしましたよね。そういうことで、配当政策の見直しというのが今後は個人株主育成のために重要なんじゃないかと、そう考えております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 それでは、弥永先生から先ほど、事後救済とエンフォースメントのお話がございました。  そこで、これはむしろアメリカの法律に詳しい石綿先生にお聞きしたいんですが、日本のそのSEC、日本のSECと言ったら変ですね、証券等監視取引委員会と、こういうふうに申し上げている、この日本の証券等監視取引委員会、金融庁の管轄に入っているんですけれども、このいわゆる金融庁は、今その日本の株式市場、あるいは日本の資本市場の中で株式市場がずんずんずんずん、アメリカのいわゆる規制緩和でアメリカ型にずんずん進んでいっていると。ところが、アメリカにあるところの、例えばクラスアクションがありましたですね。司法取引、盗聴、それから、いろいろこれ指摘されていることといえばたくさんあるわけで、まあSECもあると。それから報奨金、つまり問題があることを先に出した場合は報奨金を払うとか、課徴金があるとか、大変なそのツールを持って、自由は許すけれども、しかし相当厳しい公平性を担保するための仕組みができ上がっているんです。  どうなんでしょうか。日本の証券等監視取引委員会は、今これから日本、アメリカ並みの自由を今どんどん会社法や証券取引法で規制緩和されていますが、そのことによって、本当に今回はライブドア問題、これは違法か違法でないかというのはいろいろあると思うんですが、この種の問題というのはたくさん起きてきているわけですよね。例えば、風説の流布というものが例えばネットの中で飛び交ってやしないかとかいうようなことだとか、あるいは私募債、ヘッジファンドが、だれがヘッジファンドを買っているかということはアメリカSECはとうとうこれをオープンにしようとしました。日本では依然としてそれがオープンになっていない。  そうすると、そういうところをきちんとさせないとこの市場の透明性とかそういうものは明らかにならないんだよという、そして、そのもし間違ったこと、問題があることを指摘をしたら直ちにそれを厳しく厳罰をし、時にはその業界から永久追放をすることすら権限として含まれている。それぐらいその厳しい仕組みが残っているアメリカの仕組みを、日本が余りそういうところが十分でないまま進めようとしていることに対して石綿参考人はどのように考えておられるか、その点をお聞きしたいと思います。

石綿学森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士

○参考人(石綿学君) 結論から申し上げますと、私も証券等監視、日本の証券等監視委員会の機能はもう少し高めた方がいいだろうというふうに思っております。日本の証券取引法の問題点を云々かんぬん言う前に、むしろ運用の体制というのを見直すということは実務上それなりに意味のあることだというふうに思っています。そういう観点で考えますと、証券等監視委員会にある程度のお金も入れていただいて、そして実効的な機能を持たせるというのは非常に好ましいと。そして、証券等監視委員会が積極的にそのルーリングというか、要は、これについてはこういうふうに考えているという形で明確な基準出しというのをしていっていただけると我々実務としても非常に助かるというふうに考えております。  以上でございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 弥永先生、今の点についてお答えをいただくと同時に、もう大分時間が少なくなったんで、多分証券取引法第百五十七条でしょうか、先ほど包括的規制の問題をお話しなさっていましたね。この包括的規制、ちょっと私聞きそびれたというか、私自身がよく聞こえてなかったんですけれども、その包括的規制を使ってきちんとやるようにした方がいいということなのか、細かくいろんな規制をやる、規則やいろんなものをやり過ぎるとかえってまずいよと、こうおっしゃったような気がするんですが、改めてこの百五十七条を使って本当にきちんと十分やれるものかどうか、その点、二つちょっとお願いしたいと思います。

弥永真生筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授

○参考人(弥永真生君) 私が先ほど申させていただきましたのは、やはり個別の規制をするとどうしても過剰な規制をせざるを得ないと。しかし一方で、包括的に網を掛けるような規定が活用されないと、個別の規制を設けておかないと、つい抜け穴がたくさん出て、その結果、過剰な規制が生じるということなんですけれども、現在、やはり我が国に設けられ、我が国で特に証券取引法の関係で申しますと、その包括的な規定を根拠にして一定の行政上の処分ないしは刑事罰を科すということは、罪刑法定主義などとの関係で非常に謙抑的に行われるわけでして、やはり我が国の場合にはどうしてもその細かく要件を定めたような場合に初めて行政庁としても行動ができる、いや、そういう傾向が見られるわけです。    〔委員長退席、理事若林正俊君着席〕  その点を、そういう発想と申しますか、そういう発想をある程度緩めることなく規制緩和を一方的に進めようと思うと、結局抜け穴ができて、投資家保護とか、あるいはその他の方々の保護に欠ける結果になるのではないかということを申させていただいたわけです。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 弥永先生、最後に、本当はお三方に皆お聞きしたいんですけれども、株式会社とはだれのものか、これがもう一番の根本にあると思うんですけれどもね。その場合に、いわゆる支配の正当性は、今は金、つまり株式、それで多数派とこうなっているんですが、株式会社には資産としては金ももちろんあるし、もう一つは人という要素がありますね。岩井克人東大教授が、会社はだれのものかという、会社はどうなっていくのかという中で、非常に特徴的なことは、二十一世紀には人材というのが非常に大きな財産になってくるんだと。そうすると、その二十一世紀の知識中心型のウエートが高い企業における人材というもの、そうすると、この人というところに注目をした日本のいわゆるこれまでのコーポレートガバナンス、まあ人本主義とよく言われたりすることありますが、こういうものも我々はもう一方で考えながら、金と人、情報、こういったものを総合的に見てこれからの会社法の改正その他、対応していく必要があるんじゃないかと思うんですが、その点いかがでございましょうか。

弥永真生筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授

○参考人(弥永真生君) おっしゃるとおりだと思います。実際、会社はやはりそこにいる人というのが非常に重要な意味を持っておりまして、そこを無視してやはり会社法制は考えることができないわけであります。実際ヨーロッパ諸国におきましても、大陸法系の国々、特にドイツなどは、もう典型的に共同決定法という法律を持っていて、労使という、まあ資本と労働者、この両方にやはり一定の会社の重要な決定権限を与えておりまして、その点を無視することはできないんですけれども、どうしてもやはり建前として会社は株主という、会社は株主のものというその前提を完全に崩すことは難しいものですから、つい議論がうまくできてはこなかったわけですけれども、しかし、それは労働者の方、つまりその人的な資源、これを大切にすることによって結局は株主も利益を上げるわけでして、利益を得ることができるわけでして、そういうことを念頭に置いて、そこが、やはり取締役の会社における善管注意義務を果たす上で、その人的な資源、これを念頭に置いて、株主にとっては短期的な利益ではないにしても長期的に見れば利益になることですから、それを考慮に入れた法制というものが今後必要となっていくと思います。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 ありがとうございました。  終わります。

風間昶公明党

○風間昶君 公明党の風間でございます。  今日は、私にとってみれば物すごい難しいお話を聞かせていただきまして、それなものですから、ちょっと素人的に簡単にお答えできる部分はお答えいただければ大変有り難いと思いますので、済みません、教えてください。  まず、MアンドAの先進国のアメリカでは下火になっているというふうに聞いています。ひところで買収、合併が二万件以上あったのが今やもうほとんど少なくなってきて、しかも敵対的買収がもうほとんど一けたレベルというふうに伺っておりますけれども、その真偽はともかくとして、いずれにしても下火になっているその原因は何だと思うのか教えていただきたいと思いますし、また日本でもこの今回のケースを含めてこれから横行していくということがあるのかどうかについての予測について、済みません、お三方にお願いしたいと思います。

吉川満株式会社大和総研参与・資本市場調査本部長

○参考人(吉川満君) 下火になった一番の原因は買収に対する防衛策、これが進歩して普及した、それだと思います。例えば、ポイズンピルみたいな、平時は何ともないんだけれども、だれかが買収してきたというとうんと買収してきた人の権利が薄められちゃうような、そういう防衛策が導入する会社が増えましたから、そういう会社を考えずに買収しようとすると痛い目に遭いますから、それは友好的な買収しかなかなか考えられないと。あるいはロックアップなんていいまして、会社が特にいい資産を持っていて、その資産目当てに会社を買おうと考えるような人がいるかもしれないから、だれかが買ってきたらその資産を売ってしまうと、敵対的な株主の比率が何%を超えたらと。そういうことをあらかじめ決めておくと、で、それを公表しておくとなかなか手は出せません。  やっぱり一番の原因は買収対抗策が普及してきたこと、そう考えます。

弥永真生筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授

○参考人(弥永真生君) 今も御指摘ありましたように、アメリカの場合にはやはり敵対的買収に対する対抗策、防衛策が非常に大きいと思われますけれども、しかしながら、アメリカでもう以前のように買収してどんどんばら売りをすればいいという、そういう状況でもだんだんなくなってきているということもございまして、敵対的買収をしますとやはり企業の価値というのが下がってしまうということも全く無視できるわけではなく、それも若干の原因になっているというふうに私は見ております。    〔理事若林正俊君退席、委員長着席〕

石綿学森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士

○参考人(石綿学君) もうお二方から随分話は出てきていまして、基本的にはアメリカで下火になった理由は防衛策が普及したからだというのは、私もそのとおりであるというふうに思っております。  ただ、下火になったとはいっても、敵対的買収というのは厳然としてあるのは事実です。例えば、昨年やっていたオラクルとピープルソフトの敵対的買収の一連劇は物すごい巨額な金額で敵対的買収が行われ続けたわけですが、それに類似するような案件というのがずっとコンスタントに起きておりまして、そういう意味では、数は減ったけれども敵対的買収というのがなくなるわけではなくて、厳然として存在しているというのは事実だというふうに思っております。  日本についても、そういう敵対的買収は今後もある、出てくるとは思いますけれども、そんな劇的に増えるというわけではなくて、ないしはまた、昔アメリカであったような濫用的な敵対的買収というものというよりは、どちらかというともうちょっときれいな敵対的買収というのが出てくるのではないかというふうに個人的には考えております。  以上でございます。

風間昶公明党

○風間昶君 それでは、その敵対的買収の防衛策として、何ですか、石綿参考人は社外取締役の問題を日経新聞にも、また「監査役」というペーパーにも書かれておりますし、また吉川参考人も日経新聞に、アメリカでの取締役会での実情を論じていただきながら、日本でもそのとおりにはいかないかもしれないけれども、社外取締役というのはいざというときにかぎを握る存在だというふうに語っていただいている記事が載っておりますが、この日本における社外取締役、いろいろ対抗策はあると思うんですけれども、まず株主総会での決議とか、いろいろその前提のことがあったとしても、日本における社外取締役の、普及というとおかしいんですけれども、それは現実的な点でどのようになっていくというふうに予測されますでしょうか。お三方にお伺いしたいと思いますが。

吉川満株式会社大和総研参与・資本市場調査本部長

○参考人(吉川満君) 私は、敵対的なMAが増えれば社外取締役も増えていく可能性があると思います。つまり、会社の意思決定をする取締役会が客観的に、社員の方ばかり向いていないで株主のこと、社外のことを考えて決定したと、そういう説得力がうんと増すんですね。  アメリカですと、取締役会の過半数が社外で、特にMAがあったときには社外取締役だけ特別の委員会をつくって、そこで基本的な決定をして取締役会がそれに従うと、そんな手続を踏むと客観的な判断をしたと、そういう説得力がうんと強まります。  日本では、例えば企業価値研究会なんか、どういうふうにその判断の客観性をつくるかというので三つぐらい選択肢を挙げていましたけれども、その中の一つがやっぱり社外取締役等の活用で、今後は敵対的なMAが増えるに従って社外取締役も増えていくと思います。

弥永真生筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授

○参考人(弥永真生君) アメリカにおける実は社外取締役というのは、どちらかというと独立取締役というふうに言われておりまして、日本よりも、日本の現在の社外取締役はもうかなり厳しい社外取締役の要件が証券取引所の規制で掛けられております。これは実はヨーロッパ諸国においてもその方向に動いておりまして、イギリスなどはかなりこの社外取締役と申しますか、独立取締役を要求しております。  その意味において、やはり我が国でも、今後、この社外取締役というところから独立取締役という方向に動くのではないかと思われるわけですが、今回のニッポン放送の例におきましては、裁判所は余りこの社外取締役がニッポン放送側の意思決定に絡んでいたということを重視してはおりませんでしたが、この傾向がこのまま続くとは私は思っておりませんで、本当に社外取締役が現在の経営者からの独立性を持っている、すなわち、直接に利害関係を持っているというものではなく、むしろ株主の利益をある意味では代弁するものというふうに認められるようになってきますと、これは裁判所はむしろその意思決定のプロセスを重視してその会社の意思決定を尊重するという、現在、我が国でも、一般的な経営については経営判断の原則というものがうっすらとではありますけれども受け入れられているということを考えてみますと、それが広がっていくのではないかというふうに期待しております。

石綿学森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士

○参考人(石綿学君) 社外取締役が今後日本で増えるかという点ですが、私は、敵対的買収防衛という観点から申し上げると、これはもう増えていかなければならないと思うんですが、一方で、日本のガバナンス、日本の会社のガバナンスの体制を見ると、必ずしもそう楽観視はしていないということでございます。  理由を申し上げますと、敵対的買収の局面においては、人数が多くて機動性がなくて、かつ経営の専門性も知識もないような株主総会よりは、どちらかというと、専門性があって機動性がある人の方が敵対的買収者との間の交渉としては、交渉人としては適切なんですね。そういう意味においては、株主総会を一々開催するよりはその社外取締役が機動的な対応をした方がいいだろうというので、そういうものが必要とされるというのがあります。  ただ、一方で、日本はアメリカと違って監査役設置会社というものがほとんどの上場企業を占めておりまして、監査役設置会社においては取締役は業務執行もするわけです。アメリカの取締役は基本的にはモニター、監視をしていればいいわけなんですが、日本の多くの企業の取締役は業務執行もしておりますので、余り社外の人ばかりを入れてしまうと会社の業務執行が回らなくなってしまうという問題が実務上ございまして、そういう意味でそう簡単にはいかないというふうに考えているわけでございます。ただ、増えた方がいいというのはそういう、そのとおりだと思っています。

風間昶公明党

○風間昶君 ありがとうございます。  直ちにアメリカのやり方が導入されるというにはまだ若干の問題点があるような感じで受け止めました。  それで、先ほども石綿参考人もおっしゃっておりましたが、その大量保有報告の改善の件で、要するに正に投資家の保護に資するためにこの法律、証券取引法があるわけですけれども、さりとてその大量保有開示を規制すれば、今度規制によって、更に厳格なまた規制をすることによって障害が起こってくるということも予測されるわけでありますけれども、その何といいましょうか、開示と規制のバランスをこの大量保有開示規制でどうつくるかということが大変大事な問題じゃないかと思いますけれども、金融庁はこの法改正も視野に入れて議論されているように聞いていますけれども、具体的にじゃ開示と規制とどういうふうに大量保有報告に限ってやったらいいのかということの御示唆いただければ有り難いと思います。お三方に。

吉川満株式会社大和総研参与・資本市場調査本部長

○参考人(吉川満君) さっきも申し上げましたとおり、具体的には買収ファンドとかその手のファンドについては、もう普通の投資家一般と同じように五日目開示、これを義務付ける必要は、それはあると思いますね。  ただ、私なんかは証券会社に近いせいもあるかもしれませんが、実務的に相当大変だし、煩瑣になるし、これを余り煩わしてもいけないと。なかなか、証券会社もそうですが、役所だって人数を増やせないと。そういうことを考えますと、ですから証券会社とか公募投信とか、ほかの方で責任が追及できるんであれば、今の特例をそういうものに限っては残してもいいんじゃないかと私は考えています。

弥永真生筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授

○参考人(弥永真生君) 私もこの大量保有開示につきましては、コストとのバランスというものは無視できないというふうに考えております。しかしながら、やはり今回の事件でも明らかになりましたように、会社の支配権を争うこういう局面において、やはりだれが大量保有者なのか、そしてだれが売ったのかという、これが分かりませんと、ある二つの株主グループでもう過半数を取っているのではないかと、こういうようなことを市場は推測して、そして投資意思決定をするという可能性もありますので、やはりコストをいかに合理的なところに、手間とコストをいかに抑えるかということを考慮しつつ、この例外を認める範囲はやはり縮小するのが穏当かと思われるわけでして、先ほどおっしゃられていましたように、やはり電子的な開示というものを今後検討すべきだというふうに私も考えておりました。

石綿学森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士

○参考人(石綿学君) 私は、基本的には拙速に特例を取るとか取らないとかいう議論をするよりは、今実務上どういうニーズがあって、そして何が適切なのかということをもうちょっと細かく分析をした上で、それで適切な規制というのをしていくべきだというふうに考えています。  まあ、例えばヘッジファンドというのがございます。ヘッジファンドというのは非常に株券を売ったり買ったりふだんしているわけでして、非常に大量報告書を頻繁に提出するニーズが必要になってくるわけです。ヘッジファンドのようなものを我が国経済社会でどういうふうに取り扱っていくのかという姿勢もそこから考え直していただいて、そういうものを、日々のそういう大量報告書の提出の、その細かい規制の枠内に置くのか、それとももうちょっと緩やかな規制に置くのかとか、そこら辺のところをもうちょっと精緻な議論をしていく必要があるだろうというふうに思っています。

風間昶公明党

○風間昶君 最後に済みません、時間がないので一言で結構です。  今回のこのネット企業が大手メディアを傘下に収めるという前例のない買収になっているわけですけれども、今週高裁での判断も出ると思いますけれども、もしニッポン放送社長だったら御自身はどうするのか、一言でお三方に気持ちを伺いたいと思います。

吉川満株式会社大和総研参与・資本市場調査本部長

○参考人(吉川満君) なかなか一言では言えませんが、アメリカではタイムという会社をパラマウントが買おうとしたときに、裁判所がそれをはね付けたことがありますね。タイムは高いカルチャーがあるんだからこれは壊すべきではないと、基本的にそういう価値判断があったんだと思います。そういうことを、場合によってですけれども、考慮してもらえればと思います。

弥永真生筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授

○参考人(弥永真生君) 非常に難しい問題ですけれども、やはり私がもしそういう立場であればやはり株主の、自分の会社の株主の利益、このために何が一番いいのかということを考えようと思うわけですが、やはり今回取ったような防衛策は私は賢明じゃなかったというふうに思っています。

石綿学森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士

○参考人(石綿学君) 私は、私が社長であれば、恐らく社外取締役をもうちょっと活用しただろうというふうに思います。今回、ニッポン放送はライブドアとほとんど会話もせずにああいう防衛策を決断していったということ自体がむしろ問題なのであって、社外取締役やライブドアからも、両方の意見を聴いて、そしてもうちょっと適切な意見を下していれば、裁判所が社外取締役を見る目も違ったであろうというふうに思っております。  以上でございます。

風間昶公明党

○風間昶君 済みません、終わります。  ありがとうございました。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 今日は貴重な御意見、ありがとうございます。私も株の取引などしたことございませんので、分かりやすい説明をお願いしたいと思います。  この間、ライブドア、フジテレビの問題を見ていて素朴に思うんですけれども、こういう株式の市場において、巨額の資金を持っていて、なおかついろんなヘッジを取るという金融技術も最先端のことを持っていて、知識も持っていて、なおかつ特定の情報も持つようなこの人たちというか、そういう者が強引な手法で株の売買をやるということになりますと、多くの場合、株というのは恐らくゼロサムゲームだと思いますから、だれかが得したらだれかは損をするということになると思いますので、多くの場合、結局そういう情報のらち外に置かれている一般株主とか一般投資家が結局被害を被るケースが多々あるような気がしております。  今回もライブドアの時間外取引のすきをついた大量買取りもそうですし、フジはフジで過大な、MSCBを過大に発行するということは、もしあれが認められたら株価が希薄化するわけですから一般株主がやっぱり不利益を被るんじゃないかと、あるいは、何ですか、LBOですか、もうそこまで来るともうマネーゲームじゃないかというふうに思いますけれども、そういう、双方、企業の買収と防衛策で、もうあの手この手といいますか、エスカレートをしていくわけですね。その中で、株価そのものが実際の企業の価値とは関係なく上がったり下がったりするというふうなことが起きているんではないかと思います。これはやっぱり一般投資家とか一般株主にとって余り好ましいことではないんじゃないかと思います。  ただ、この間は、どうも企業買収に対する、敵対買収に対する防御策ばっかりが議論されていて、そういうちょっと置き去りにされている一般投資家、一般株主の、とっての市場の透明性とか、あるいは何といいますか、保護策とか、そういうものが余り議論されていないんではないかというふうに思います。  その点、お三方にどういうふうにとらえていらっしゃるか、それぞれ御意見を伺いたいと思います。

吉川満株式会社大和総研参与・資本市場調査本部長

○参考人(吉川満君) MAということを前提に考えれば、私は基本的にはやっぱり防衛策をきちんと、こういうのは合法だよということを明らかにして、各企業がそれを準備して組み込んでおくことじゃないかと思います。有力な防衛策があるということが分かればなかなか手が出せなくなるんですから。そうすると、余りMAを材料に株が乱高下することもなくなりますから。私はそういう意見です。

弥永真生筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授

○参考人(弥永真生君) 御指摘のとおり、私はやはり一般投資家をどういうふうに保護するかということは極めて重要だと考えております。  そして、そのためにやはり十分な情報が提供されるような仕組み、そして、されなかった場合にそれに対するサンクション、有効なサンクションが必要だと考えておりますし、今回のものにある程度近付けて考えてみますと、やはり上場廃止ということになりますと、これは非常に株主、その少数派株主にとっては、支配権を持っている株主は構わないと思いますけれども、少数派株主にとっては非常に経済的なダメージが大きいわけですから、上場廃止が生じるような懸念があるようなやはり株式取引、こういったものについてどのように少数株主を守るべきかということも今後検討を要するのではないかというふうに考えております。

石綿学森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士

○参考人(石綿学君) 私も弥永先生のおっしゃられたとおり、一般株主が重要であるというふうに思っています。  今回、裁判所が果たした役割は、ある意味一般株主を保護する役割というのも果たしていたというふうに思っています。一方で、この事件は企業がある程度合理的な防衛策を導入する必要性というのを印象付けた件でございまして、合理的な範囲内の防衛策を導入していくことは今後企業はやっていくだろうし、あとは市場がそれを評価することであるということで考えております。  以上でございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 ありがとうございます。  少し具体的な問題で現場の感じをお聞きしたいんですけれども、ライブドアの立会い外取引、時間外取引が二月八日に、先ほどもございましたけれども、ToSTNeT—1の方でやられたと。このときに、この一週間後ですけれども、金融庁の伊藤大臣があれは適法だというふうにすぐおっしゃっているわけですけれども。ただ、もしも、あれは八時二十分、このわずかな時間があるわけですけれども、その時間以前に相対で相手ともしも話が付いていた場合、これは証券、証取法違反に、何というのですか、特別関係者ですか、なると思うんですよね。  実際問題として、日本時間のあの早朝の時間にあれだけの大量の取引が事前の相談なしに一遍に成立してしまうというようなことはあり得るのかなと。ですから、伊藤大臣がすぐ適法ですと言ったのがよく調べもしないでおっしゃっているのじゃないかなと私は感じたんですけれどもね。これは実際問題、現場ではそういう事前の合意なしにあんな短時間、日本時間の早朝にあれだけの大量の取引が成立するというのは、現場にいらっしゃる皆さんとしてはあり得るんでしょうか。吉川参考人、ちょっとお願いします。

吉川満株式会社大和総研参与・資本市場調査本部長

○参考人(吉川満君) 実感としてはあり得ません。  しかし、何で金融庁なんかがそのことを問題視しないかというと、恐らく、私は実務をやっていないから知りませんけれども、従来からそういう取引はあったんですね。ただし、そういう取引をする場合は企業の支配権と関係ないところだけでやっていたんですね。今回は企業の支配が絡んでいるけれども、まあ恐らく最初に仕組んであったのをそこで通しただけと。そういう取引自体は前にもあったことから、余りそれを問題視しなかったと、そういうところなんでしょうね。でも、新聞なんかでは一部の学者の方が違法だと、そう言っていると思います。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 私も、その時間外取引が今まで企業再編だとか、事実上相対でやられたのを、ということは分かるんですけれども、敵対では恐らくあり得ない、逆に敵対でそんなことあり得ないだろうというふうに思うので、この問題は委員会等で質問をしたいと思っておるところでございます。  もう一つ、これはちょっと私分からないので教えてもらいたいのですけれども、リーマン・ブラザーズが堀江社長さんから株を借りております、借りました。これを空売りしておりますね。この空売りによって株価が下がって、その分リーマンはたくさん株をもらえるというような特殊な仕組みになっていますけれども、こういうことというのはライブドアの株主にとっては、株価が下げられたわけですから、これは何といいますか、堀江社長に対して責任を問うというようなことになりそうなものだなと思っているんですが、そういう関係なんでしょうか。弥永先生、分かりましたら教えてください。

弥永真生筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授

○参考人(弥永真生君) この点につきましては、貸し株をした点というよりも、むしろ私は新株予約権付社債を発行したその条件の方に問題があるのではないかというふうに推測しております。  すなわち、株価が下がった場合にはそれだけ多くの株式を引き受けることができる、割り当てられるという、このような類型の新株予約権は非常に大きな経済的価値を持っていると考えられます、すなわち株価の下方リスクを相当軽減しているわけですから。したがって、上がったときはもうかるけど下がったときはさほど損しないというこのタイプの新株予約権付社債の発行価額は相当高くなければおかしいわけですけれども、公表されている情報、まあ私が知っている情報からすれば、恐らくこれは特に有利な条件による新株予約権付社債の発行であって、本来、株主総会の特別決議が要求されてもおかしくはなかったのではないかというふうな印象を持ってます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 もう時間なくなりましたんで、ありがとうございました。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  今日はありがとうございます。  まず、吉川参考人にお聞きをいたします。  西武事件のような事件の再発を防止するため内部統制元年というふうにすべきだとおっしゃっていますが、その意味はどういうことでしょうか。

吉川満株式会社大和総研参与・資本市場調査本部長

○参考人(吉川満君) 内部統制というのは実は複雑でありまして、アメリカでもそれをきちんとやるのは大変などと言って今問題になっていますよね。アメリカでもエンロン事件の後に企業改革法というのができて、そこで導入されたんですけども、まあ非常に複雑ですけども、私はそれをやれば有効であると思います、普通に見て。  それからもう一つは、経営者が内部統制の書類ができてそれを確認する意味で署名をするとか、そういうことが入ってるんですね。従来、日本には、私は聞いていなかったというようなタイプのトカゲのしっぽ切りが多かったんですけども、経営者がともかく書類を作って、その後その確認も署名してやると。そうなると、少なくとも単なるトカゲのしっぽ切りはできない、経営者も自分も責任を負わなきゃならないということになると思います。ですから、不祥事は随分減るんじゃないかと、そう考えています。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 株主の保護や会社とは何かという議論になっておりますが、ちょっと素人的に三人に素朴にお聞きいたします。  私は、コクド、西武グループでコクドが一円も税金払ってなかったというのを聞いてとても驚きました。確定申告の時期は過ぎましたけれども、こういうことは、会社法、商法、証券取引、税法上どうお考えでしょうか。

吉川満株式会社大和総研参与・資本市場調査本部長

○参考人(吉川満君) まあコクド、余り税金を払っていないということは数年前の文芸春秋なんかの記事があって、それからみんな知ってはいたんですけど、どうなってるんだか分からない。つまり、コクドというのは非公開会社ですから非常に開示がないんですよね。こういうところを変えていかなきゃならないと、その点を一番痛感します。

弥永真生筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授

○参考人(弥永真生君) この税金を払っていないという問題につきましては、まあ税法上の問題のような気がいたすわけですけれども、会社法上はやはり、今指摘もありましたように、株式会社であるにもかかわらず決算公告もなされていないという、事実上なされていないというこの現在の状況がやはり巨大な会社であっても社会にとって不透明な状況というのをつくっているという問題を生じさせていると思います。

石綿学森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士

○参考人(石綿学君) 私も、今、弥永先生の意見とほぼ同意見でして、決算公告とかそういう商法上の公開、開示の手続をしていなかったということが問題であって、で、税金が発生したか発生しないかは、これはもう本当に知る人ぞ知るというか、所得が発生していればすべきであったろうし、それが発生しているのに払わなかったんであるならば問題であろうというふうに思っております。  以上でございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 今日お三方の資料を見ますと投資者保護について出ておりますが、今日は労働者保護についてお聞きをいたします。  ライブドアとニホン放送でも働いている人たちの不安が言われておりますけれども、この合併等における労働者保護についてお三方の意見をお聞きします。

吉川満株式会社大和総研参与・資本市場調査本部長

○参考人(吉川満君) 余り得意なテーマじゃないんですけれども、買収の対象会社が反対する上で労働組合も反対しているというと、一つの有力な材料になります。ですから、敵対的なMAの局面でも、労働組合ですか、そういうのが配慮される面が十分あると、そう思っています。

弥永真生筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授

○参考人(弥永真生君) このような企業買収における労働者保護については、それなり、今後、このような買収が多く行われるようになりますと、やはり法的に対応する必要があると思われるわけですけれども、現行法の下でも買収を掛けられる、今回でいうとニッポン放送側の取締役としては、その企業価値の毀損ということを考えるに当たって労働者の反対が多いということは人的資産をやはり失うことになりかねませんので、それを考慮に入れて、やはりいろいろな策を講じることができる、そちらの方向に働くのではないかというふうに考えております。

石綿学森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士

○参考人(石綿学君) 私も、その労働者の利益をある程度配慮することは必要であるとは思ってはおりますが、余りそれを過度に持ち上げ過ぎるのもまた問題であるというふうに思っております。  基本的に我が国の労働者というのは厚い労働基準法によって保護されておりますので、それを超えて会社法で労働者の利益というのをどの程度保護したらいいのかというのは非常に難しい問題でございますので、今後、問題状況が生じるか等を慎重に見極めながら考えていった方がいいのではないかというふうに思っております。  以上でございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 どうもありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  この際、参考人の方々に一言御礼を申し上げます。  本日は、有益な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表して御礼申し上げます。(拍手)  速記を止めてください。    〔速記中止〕

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 速記を起こしてください。     ─────────────

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 続きまして、証券・金融・規制緩和に関する集中審議を行います。  質疑者はお手元の質疑通告表のとおりでございます。  これより質疑を行います。山下英利君。

山下英利自由民主党

○山下英利君 自由民主党の山下英利でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。  まず、この集中審議、冒頭でございますけれども、福岡県西方沖で発生をいたしました地震につきまして、政府に御質問をさせていただきたいと思います。  この地震によりまして、不幸にして亡くなられ、あるいはまた、けがや家屋倒壊等の被害に遭われた方に対しまして、心から哀悼の意を表させていただくとともに、お見舞いを申し上げる次第でございます。  そこで、政府に御質問をさせていただきます。  まず第一は、新潟県中越地震が昨年末発生をいたしまして、いまだ復旧の途上というふうに伺っております。今回は、改めて福岡県西方沖で大きな地震が発生をいたしました。現在までのところ、政府が把握している状況、被害の状況について御説明をいただきたいと思います。  そして第二点目は、被害に遭った現地では一日も早い復旧を望んでおられるというふうに思います。政府として今後どのように対応していく考えか、御説明をお願いしたいと思います。  そして第三点目であります。この地震によりまして地元経済への影響も大変心配をされるところであります。どのように認識をされているか。  以上三点につきまして、防災担当大臣に御答弁お願いいたします。

村田吉隆自由民主党国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災)

○国務大臣(村田吉隆君) まず、今回の地震によりましてお亡くなりになられた方がございまして、心から御冥福をお祈りをいたしたいと思います。同時に、被災者の方々にも心からお見舞いを申し上げたいというふうに思います。  まず、被害の状況でございますが、消防庁の今朝六時半の数字でございますが、死者一名、負傷者六百七十五名、全壊家屋が十七棟、半壊百五十九棟、一部損壊が二千百十五棟と、こういうことでございます。住宅が被災した方を含めまして、約二千名の方が避難所に避難されていると、こういうことでございます。  福岡市の玄界島ではがけ崩れもございましたし、それから多くの家屋が被災を受けまして、そういう意味で二次被害の危険もあるということから、漁業関係者十名程度を現地に残して、あとは島外に住民の方が避難される状況でございます。今後とも被災地の支援のために全力を傾けてまいりたいというふうに思っております。  発災後からですが、直ちに情報収集に努めますと同時に、人命救助のために自衛隊あるいは緊急消防援助隊、警察広域緊急援助隊、それから海上保安庁が中心になりまして活動に当たりました。その後、玄界島での住宅あるいはがけ崩れがございましたので、そういう意味では応急危険度判定のための職員を現地に現地入りさせたと、こういうことでございます。それから、当日中に災害救助法を福岡市に適用いたしまして、炊き出しとか、これからは住宅をどう、仮設住宅を御要望があれば建設していくこと等を考えておるわけでございます。  それから、中小企業者に対しても、そうした政府関係金融機関に対しまして、本日二十二日から窓口を開いたり、災害復旧貸付けの適用等の施策を講じておるわけでございますし、なお、玄界島には漁業者が大変多いわけでございますね、そういう意味では漁業関係者に対しましては経営安定資金の貸付け等を始めていると、こういうことでございます。  以上でございます。

山下英利自由民主党

○山下英利君 一日も早い現地被災者の方々の復帰、これを切に望むものであります。どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。  そして、最後に総理の方から締めくくりといたしまして、今回の地震に対する政府の対応につきまして、その総理の決意とお考えをお伺い申し上げたいと思います。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 震度六弱というかなり大きな地震でありましたけれども、被災者の支援にはこれからも政府を挙げて取り組んでいきたいと思います。また、あの地域は比較的今までも地震がなかったところでありますが、このように現実に起きたということを考えますと、いつ、どこでも起こり得るという日ごろの備えが大事だと思っております。  休みのせいか、あれだけの大きなビルの窓ガラスが割れても、人通りが少なかったせいか、大事に至らなかったというのは不幸中の幸いだと思っております。今の建築の基準からいいますと、あのような地震が起こっても窓ガラスが割れて下に落ちないようになっているようであります。今後、そういう建築方法にしても、地震に強い、また被害を最小限に食い止めるような対策が必要ではないかと思っております。

山下英利自由民主党

○山下英利君 本当にこの一連の地震を見ておりますと、日本全国どこでもいつ起きるか分からないと。もう防災というものに対する国民全体の認識、これもますます高まっている中にあります。どうか政府の方としても全力でこの防災対策に対して取り組んでいただきたい、お願いを申し上げて、本日の本題でございます証券・金融・規制緩和に関する集中審議の質問をさせていただきたいと思います。  まず最初です。この金融、証券の改革というものが随分と進んでまいりました。これに対する評価と今後の課題についてということでお伺いをしたいと思います。  一九九八年の金融システムの改革法等、日本版ビッグバン以降、金融・証券分野においての規制緩和を含めた金融システムの改革というのが本当に目まぐるしい勢いで進んできております。そして、一方では国民の金融資産一千四百兆と言われております。この金融資産の過半は依然として現預金にとどまっている状況であります。個人投資家が、証券市場への拡大を促しているいろいろな改革面についてもまだなかなか進んでいないというのが現状ではなかろうかと思いますが、総理にまずこれまでの改革に対します評価と、そして今後の課題についてお伺いをさせていただきたいと思います。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私が総理に就任してから、金融・証券市場の健全な育成というのは今後の経済の活性化に欠かせないということから不良債権処理等を進めてまいりました。また、日本は特に貯蓄性向が強いと、これを貯蓄から投資へ流れを変えるべきではないかという意見にも耳を傾けまして、これまでも規制緩和等、貯蓄の流れを投資の流れにしていこうという方向性をどのように持っていくかというような様々な対策を練ってきたわけでございますが、ここのところ不良債権処理も順調に進んでおりますし、外国の投資家も日本の市場に目を向けてきた傾向が出てまいりました。また、ペイオフ実施を踏まえまして、金融機関等に対する不安感というものもだんだん払拭されてきたのではないかと。貯蓄から投資への流れの傾向も最近見えてきたのではないか。  しかしながら、この金融・証券市場というのは非常に世界的な規模を持って、一国だけの事情で左右されるような状況ではございません。世界全体のいわゆる投資家のプロたち、こういう目を意識しておかないと企業価値の問題にも影響が出てくる。もう世界的な規模で日本の企業が世界にどう羽ばたくことができるか。同時に、日本の企業が社会から信頼されて発展できるか、そういう視点は今後ますます重要になってくるのではないかと思いますし、このような金融市場の改革が今後の日本の経済の活性化に資するよう、時代の変化を踏まえながら対応していかなきゃならないと思っております。

山下英利自由民主党

○山下英利君 まず最初に、防災担当大臣はもう離席していただいて結構でございます。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) どうぞ。

山下英利自由民主党

○山下英利君 ただいま総理がおっしゃいました日本の企業の国際力を付ける、そういった意味においての外国の力との戦略的な提携というものは、これはもう民間の企業既に進めているところだというふうに思います。そして、実際、国際競争力が付く過程の中では、そういった外国の資本に対してしっかりとした説明責任、アカウンタビリティーを持つ、そういったことが大変大事だということは、もう民間既に動いてきているところであります。  しかしながら、私も、最近テレビそれから新聞等で盛んににぎわわしておりますライブドアとフジテレビの一連の買収合戦を見ておりますと、ちょうど十五年前にニューヨークを中心としたアメリカのマーケットで盛んに行われた買収合戦が日本に再現したのではないかなというふうな思いを強くいたします。特に、その当時、私もMアンドAの担当部門に少し籍を置いたことがございましたので、実際に見ておりまして、あの時代のアメリカでの買収劇、これはある意味においては業界の再編といった戦略的なところもありました。しかし、多くはやはり金額をとにかく大きくすることによって手数料というものをしっかりと確保する、そういったマネーゲーム的なところの買収、こういったものも散見をされました。  そして、そのときに、やはり相手の買収の対象企業を担保として資金を調達する、いわゆるリバレッジド・バイアウトという、LBOなる用語もその当時から発生してきたわけであります。今正に踊り場の日本経済界において、この実体経済にこういった巨額の買収、しかもそれを敵対的な買収という形で仕掛けるということが実体経済にどういった影響を与えていくのだろうかという点については私も不安を持っているところであります。  その点については後ほどお話をさせていただきたいと思いますが、私の質問の趣旨は、健全な証券市場の形成をするための今の現状の状況と今後の課題についてということが大きな質問であります。  この健全という意味はいろんな意味がございます。すなわち、公正であり、かつ透明なルールによって市場システムを運営し、投資家も、それからいわゆる起債をする発行体も公正なルール、要するに透明性を高めることによって投資家の信頼を得ると、そういった意味での市場の健全性であります。そしてもう一つは、すなわち今、日本でこの長い間景気が低迷した中でこれから産業を育てていく、新しい産業を育てていくといった意味における投資家の育成というものも非常に大切なポイントだと、そういうふうに思っております。  今、現状、いろんな改革を進めていただいております。投資家の保護あるいは消費者の保護といった形での改革の中で、やはりルールにのっとった市場での活動と、そしてそれがルールが、ルールを破ってなければいいんだという考え方に対して、やはりこれは制度をきっちりとつくり上げていくのと同時に、その制度の運用に対してしっかりと監視をする、そういったことが投資家の信頼を得るには最も必要ではないかなというふうに思っております。  そういった意味におきまして、私は、金融担当大臣に先ほど申し上げた健全な証券市場といった意味での健全の意味をお聞きをしたい。そして、今後課題となっている点について御説明をお願いしたいと思います。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) 委員からは健全な意味合いについての御質問があったわけでありますけれども、多くの部分を今委員自らが御指摘になられたんではないかというふうに思います。私どもとしても、健全な市場育成をしていくためには市場に対する信頼というものが極めて重要でありますし、またそのためには公正性、透明性というものを維持をしていく、確保していくということがとても大切なことではないかというふうに思っております。  こうした観点から、仮にやはり問題が生じるとするならば、それに対して適切な対応をしていかなければいけないというふうに思っておりますし、また企業においても、株主を始めとしたステークホルダー、この利益というものを十分に勘案した、そうした経営というものが求められているんではないかというふうに思っているところでございます。  金融改革プログラムにおきましても、健全な金融・資本市場というものを育成をしていく、その重要性を指摘させていただいたところでございまして、様々な施策というものをその中に盛り込めさせていただいているところでございますが、投資家保護、そして利用者を保護していく、そのルールというものを整備をして、そしてそれを徹底させていくということが極めて重要でありますし、また健全な市場を発展させていくためにも市場の可能性というものを十分引き出せるような、そういう環境整備をしていくこともとても重要なことでありますので、そうした観点から健全な市場の育成に向けて更に努力を続けていきたいというふうに思っております。

山下英利自由民主党

○山下英利君 今私が御説明した中で、やはり市場をしっかりと監視するという点においての監視力、いわゆる証券監視委員会というものが盛んに議論をされております。  例えば、今回問題となったライブドアのニッポン放送株買収において、時間外取引で三分の一を超えるいわゆる重要な取引が行われたと。聞きますと、三分の一を超えた場合にはTOBということのルールに該当をさせると、TOBを適用するというふうに漏れ承っておりますけれども、じゃ、そしたら、三分の一までのぎりぎりまで買い進めて、あとは場で買って経営権を握る行動は、これは許されるのかどうかというようなところもやはり感情としてあるわけであります。そういったところもしっかりと見ていく、やはり監視して、そしてそれを抑止力とする、この監視の力というのは大変大事だと、そういうふうに思っております。  日本の証券監視委員会がやはり今の体制で本当にそういったところまできめ細かい対応ができるのか、私はやや疑問を持っているところでもございますので、その辺しっかり金融庁に御検討いただきたいと思いますし、ここで総理に改めてお伺いをしたいと思います。確かに、民間でやる、民間は民間の活力ということで今証券の市場が動いているわけですけれども、総理の御感想をお聞かせください。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、金融担当大臣が話されたように、やはり市場の公正性、透明性、企業の価値を高めるためにはいろんな方法があるようでありますが、こういう取引等におきましても公正さが確保されるような対応が必要だと思っております。

山下英利自由民主党

○山下英利君 ありがとうございました。  じゃ続きまして、この証券、金融の規制緩和に関しまして、やはり今大事な今の国の財政上の問題から財務大臣に、いわゆる国債の管理政策というものに絡んで、この市場というものに対する見方について御質問をさせていただきたいと、そういうように思っております。  証券市場といいましても、株、債券、まあいろんな品種があるわけであります。その中においてやはり国債というものが、今国の大きな借金をしょっている中でこれからやってくる大きな問題として大量償還の問題がございます。  まあ大量償還問題を控えて、国債を安定的に消化をしていく、そして市場を安定的にコントロールというよりもリードしていく、こういった施策というのは今の財政運営において非常に大事だと、私はそのように考えておるところであります。国債の大量償還に対しては、年度ごとの平準化を図るとかいろんな施策をいただいているということは、この間財政金融委員会でも大臣からも御説明をいただきました。  しかし、もう一つ忘れてはいけないのは、国債ともう一つは財投、関係の財投債あるいは財投機関債、こういったものも合わせたやはり市場での消化の、消化力を付けていってもらわなきゃいけないと、そのように思っているところでございます。  そういった観点から、今の財投改革の流れにつきまして、そしてこれからこの財投あるいは財投機関債をどのように持っていくのか、まず大臣から御説明をいただきたいと思います。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 財投債にせよ財投機関債にせよ、平成十三年度以降、制度改革をいたしましてそれぞれマーケットで必要なものを、財投、機関、それぞれ必要なものを調達するというふうにしたわけでございます。  それで、まず財投債というものはまあ国債そのものでございますから、やはり国債の全体で、山下委員が指摘されましたように、当分、大量発行時代、大量償還ということはございますから、ここのところの基本は、やはり財政構造改革をしっかりやって国債に対する市場の信認をきちっと取り付けていくということではないかなというふうに思っているわけでございます。  この方は、今も山下委員も若干お触れになりましたけれども、その上で、マーケットとの対話をきちっとやって国債管理をやっていく、市場のニーズをやっぱり発行者が十分に取り入れていくということではないかと思います。この点ではいろいろ工夫もさせていただいて、マーケットの対話をやっていく仕組みもつくってきたわけでございますし、また、マーケットの保有者層の多様化というようなことも考えて、マーケットのニーズを取り入れるようにしてきたと。  それから、財投機関債に関しましては、これはやっぱりそれぞれの機関のディスクロージャー等もしっかりやって、本当にそれぞれの財投機関がどういう体質を持って、そして何ゆえにこの資金が必要なのかということをやっぱり明らかにしていくことが私は一番必要なことじゃないかなと思います。  特に、財投機関債という場合には、財投機関という公の色彩のある機関でございますから、マーケットにどことなく隠れた政府保証があるんではないかというような認識もないわけではないと思います。しかし、これはもう委員御承知のようにそういうものではないわけでございまして、本来その財投機関がきちっと自分の責任で調達して返していくべきものでございますから、いろんなことを考えなきゃいけませんが、そういう財投機関の透明度を、ディスクロージャーを高めながらやっていくということではないかなと思っております。

山下英利自由民主党

○山下英利君 大臣のおっしゃるとおりなんです。  そして、今国債の発行残高はこれだけありますと、五百兆、地方が二百兆で七百兆だというだけではなくて、いわゆるこの財投債あるいは財投機関債、そこまで含めた要するに市場での消化力、これを高める努力をしていかなきゃいけないと、私はそのように思っております。したがって、あるいはいろんな組み合わせた金融商品等出てまいります。  ここでちょっと質問が戻りますけれども、先ほどの市場の監視機能というのは、これからますます、そういった証券が組み合わさった非常に多様化した、高度化した商品によって市場が形成されていくということであります。したがって、財務大臣、金融担当大臣、両方の大臣にお願いをしたいんですけれども、そういった市場の透明性を高めるとともに、やっぱりその市場において公平に投資家が消化ができる、その監視をしっかりとやっていっていただきたいし、また、その流動性を高めるような施策という意味での御努力をいただきたいと、私はそのように思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。  そして、改めて金融担当大臣に御質問をさせていただきたいと思います。先ほど総理の方からもお話もございました、貯蓄から投資への流れというものであります。  確かに今、国民の金融資産一千四百兆円と言われています。実体的にはどれだけの金額なのかというところはなかなかつかみにくい状況でありますけれども、本当にこのお金が貯蓄から投資へどれぐらい流れていったらいいのか。要は、日本において基本的に支える貯蓄というものをどれだけ、そして投資というものをどれだけ、そして投資の中身としてそれがいわゆる新しい産業を育てる株なのか、あるいは国を支える債券なのか、そういったいろんな多様化に対して、一口に貯蓄から投資へと言ってもやはりその行き先はかなり細かく分かれるんだと、そういうふうに思っています。  一方、米国と日本との大きな違いを言いますと、個人資産の預金と株式投資との割合というのがかなり違うというところがありますね。これはなぜかというと、私が考えるところでは、やはりアメリカというのは、資本市場を国の経済を支えるある一種公共財産であるというふうな位置付けの下に、やっぱりそれを支えてやろうと、支えていこうという部分が一般の投資家にあるんではないかなと思います。あるいは、そこでそのリスクを取って、リスクに見合うきちっとしたいわゆるリターンを取るという市場に対する考え方。一方、やっぱり日本では、特に株といいますとやっぱりそれは私的な金もうけの手段にすぎないというふうな見方というのがやっぱり引き続きあるんだと思うんですね。  先ほど透明性を高めるというふうなことで御説明をいただきましたけれども、具体的な制度設計として、これから要するに市場の信頼を高めるための、先ほどの監視力の強化というようなところも私お話をさせていただきました。金融担当大臣の方から、具体的なこの新しい制度設計についてのお考えがありましたら是非ともお聞かせをいただきたいなと思います。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) 委員からは幅広く重要な御指摘がなされたというふうに思っております。  先ほどお触れになられましたように、我が国の金融システムというのは間接金融に大きく依存をしていると。結果として、銀行にリスクが過度に集中していることから、金融システム全体で幅広くリスクテークが行える状況が望ましいわけで、マネーフローの構造改革というものを進めていかなければいけないというふうに思っているところでございます。  こうした観点から、先ほど総理からも御答弁がございましたように、貯蓄から投資への流れというものを確かなものにしていく。そのためにも証券市場の構造改革と、そして活性化ということを図っていくことは極めて重要なことであり、リスクフリーの国債市場だけではなくて、こうしたリスクのある市場というものが活性化していくことが日本経済の発展に極めて大きな影響を与えていくことになろうかというふうに思っております。  もとより、家計が金融資産をどの程度投資に振り向けるかと、これは一義的に家計において判断すべき問題であろうかというふうに思いますが、私どもといたしましては、家計が良質で多様な金融商品というものを安心感を持って、信頼感を持って選択できるような環境をつくっていくということが極めて重要であるというふうに思っておりますので、こうした観点からも、金融改革プログラムに盛り込まれた施策というものを着実に実施していくことによって金融・資本市場のその一層の整備に取り組んでいきたいというふうに思っております。  また、証券市場の信頼性を確保していくためにも監視機能を強化をし、体制を整備していくということはとても重要なことであります。委員が御指摘されたことは私どもとしても大変重要なことだというふうに認識をしております。  したがって、今日までも、証券取引等監視委員会の人員というものを、大変厳しい状況でありますけれども、それを着実に増加をしていく、あるいは専門家の方々というものを積極的に採用させていただいている、また自主規制機関とも意見交換をさせていただきながら、機能強化、体制の整備に取り組んでいるところでございますけれども、更にこうした努力というものを続けていきたいというふうに思っております。

山下英利自由民主党

○山下英利君 もう時間も大分残り少なくなってきたわけでありますけれども、その監視力の強化というのが今やはり大きく問われている、それが現状だと思います。そして、監視力を強化し、そして公正な取引、これを破った者に対する罰則、これは厳しいということによって初めて抑止力というものが出てくるんだと思います。かつて、一九九〇年前後のあのアメリカの大買収劇のときにも、やはりインサイダー取引というものに対する厳格な罰則、これによって、今現状ではマネーゲーム的な買収というのは影を潜めているわけであります。  どうか、それが投資家に対する信頼度の回復だという点においての大きな要因であることを改めて私から申し上げさせていただいて、時間も参りましたので、質問終わります。  ありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 以上で山下英利君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 次に、大塚耕平君の質疑を行います。大塚耕平君。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚でございます。  まず、私も冒頭、福岡の地震で大変な被害が出ましたこと、犠牲になられた方々、そして被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。政府におかれては万全の支援策を講じていただきたいということをお願い申し上げまして、今日の本題に移らさせていただきます。  今日は金融・証券の集中審議ということで、ライブドアによるニッポン放送株の買収、これはもうなかなかどちらがいいとか悪いとか言い難い問題であるというふうに私は思っておりますので、中立的な立場から議論をさせていただきたいなと思っております。  また、今日は一時間という時間をちょうだいしておりますので、せっかく大変時間当たりの単価の高い皆様方にお集まりいただいておりますので、少しでも有意義な議論をさせていただきたいなと思います。つきましては、お手元に、たまたま昨日付けの雑誌に私が書きました記事と、寄稿と、それから議論が発散しないように皆様方に私の考え方を御理解いただくための資料を付けさせていただきました。これらを基に議論をさせていただきたいと思います。  まず、金融庁、法務省あるいは経済産業省、どちらからでも結構なんですけれども、そもそも敵対的買収の定義とは何かということと、それからMアンドAの件数、金額、これが内外どのように推移していて、そのうち敵対的なものというのがどのぐらいあるのかということについて、お分かりになる範囲で結構ですから数字を御報告いただければと思います。

増井喜一郎金融庁総務企画局長

○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  まず、敵対的MアンドAの定義というお話でございますけれども、この敵対的買収につきましては法令上の定義はないというふうに承知しております。ただ、一般的には買収される側の会社の経営陣の同意を得ないで行われる企業買収を言うものと認識しております。  それから、敵対的MアンドAの件数等の推移ということでございますが、民間のその調査結果によりますと、日本国内におけるMアンドAの件数は増加傾向にあるというふうに承知はしておりますが、このうちの敵対的買収の件数については私どもとしても把握をしてございません。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 法務省に伺いますが、法務省はどのように把握しておられますか。

南野知惠子自由民主党法務大臣・内閣府特命担当大臣(青少年育成及び少子化対策)

○国務大臣(南野知惠子君) お答え申し上げます。  敵対的MアンドAという文言は、法律上の用語ではないために、その意味するところは必ずしも一義的ではないと伺っております。一般的には、MアンドAとは企業の合併、買収を意味しておりますし、MアンドAのうち吸収される企業の経営陣が同意しないままに行われるのが敵対的MアンドAと呼ばれていると承知いたしております。  さらに、法務省の問題点ということで、ちなみに平成十六年におきます株式会社の合併による解散登記の件数などは三千七百八十三件、平成十五年における件数は三千九百七十件と伺っております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 南野大臣とは一緒にフィリピンに行かしていただいた仲でございますので、無理な御質問は申し上げませんので、今日は是非大臣として御発言をいただきたいなというふうに思いますので、後ほど是非よろしくお願いしたいと思います。  それでは、実は今日、参考人の質疑も大変興味深く聞かしていただいたんですけれども、参考人質疑からずっとおいでになられた方々は同じ気持ちを持っていただけていると思うんですが、そもそも敵対的な買収を仕掛けられる可能性があるというのはどういう状況のときなのかということについて、これは金融庁あるいは法務省、どちらからでも結構ですからお答えいただきたいと思います。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) 敵対的買収の対象になりやすいか否かにつきましては、これは企業の個別の状況によるところが大きいため、一概に答えることは困難ではないかというふうに思いますが、一般的には、収益性や財務内容に比べて株価が低水準にとどまっている場合でありますとか、あるいは経営の変革等を通じて企業価値の上昇が見込まれる場合、また安定株主が少数である場合には敵対的買収の対象になりやすいのではないかと考えられていると思います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 今、伊藤大臣が株価が低水準にあるという御発言をいただいたんですが、そのとおりだと私も思います。よくPBRという言葉がこの件でマスコミをにぎわせておりますけれども、株価総資産の倍率ですね。  これ、今日、私、自分で用意しました資料に、MアンドAの事例というのはもう山のようにありますので、どれを取り上げようかというふうに思いましたが、内外の、今日の議論に関係あるだろうと思われる事例を幾つかピックアップしました。  例えば、M&Aコンサルティングという、日本で、日本の方の二番目に書いてあるやつですね。二〇〇〇年の一月、これはいわゆるMAC、マックという、経済産業省におられた村上さんのファンドでありますが、ここが昭栄というところにTOBを仕掛けたわけですが、これはなぜ仕掛けたかというと、ここの昭栄はそのとき、今申し上げたPBRは一より若干高い状況だったんですが、物すごい含み資産を持っていたんですね。この含み資産を獲得するためにMACは買収を仕掛けた。ところが、この右の備考に書いてありますように、残念ながら、村上さんがTOBを仕掛けた価格よりも市場価格の方が高かったために村上さんは失敗しました。成功しませんでした。なぜなら、このTOB価格に応じて昭栄の株を売る人たちがもしいれば、個人はいいですよ、好きで売るんですから。企業が売った場合には、その企業は逆に自分たちの株主から何で市場価格より安い価格で売るんだというふうに指摘をされるものですから、売れなかった。その結果、村上さんは失敗したわけですね。  それから、その二つ下の、片仮名ばかりで恐縮なんですが、スティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンド、これは以後SPというふうに申し上げますけれども、これは私も議員になってからですから、また、このソトーというのは愛知県の企業ですので、自分の選挙区の企業ですので大変鮮明に覚えているんですが、おととしの十二月にこのSPというアメリカのファンドがユシロ化学工業とこのソトーを同時にTOBに掛けました。ところが、このユシロ化学工業、ここは、まずごらんいただいてお分かりのとおり、それまで年に大体十円ぐらいの配当だったものを二百円ぐらいまで上げて、つまり十七・四五倍の大幅増配をやったものですから、株主が、いや、それだったら、そういう配当をしてくれるんだったらSPのTOBには応じませんよといって、これも失敗しました。  一方、このソトー、ここは、じゃ、だれか助けてくださいといって、大和証券系の会社に逆に防戦してくれということで、まあこれ俗にホワイトナイトと言うわけでありますけれども、ホワイトナイトになって防戦してくれというふうにお願いをしましたが、その大和証券系のベンチャーキャピタルとこのSPの間でTOB価格の引上げ合戦になって、とうとうホワイトナイトになってくれと頼んだ方はそれ以上価格を上げられなくて、ある一定以上上げられなくて撤退しました。さあ困った。ソトーはどうしたかというと、結局ユシロ化学工業と同じように約二十倍の大幅増配をして、このSPとの間では無事に話が決着したわけですね。  海外も一個あります。  このファイザー、ファイザーが同じアメリカのワーナー・ランバート、これをTOBに掛けました。これは、何かこの二つの会社はコレステロールの低下剤を、大変売れているものを共有していて業務提携していたんですが、このワーナー・ランバートがよそと提携しようとしたので慌ててファイザーがTOB掛けようとしたんですね。大体多くの人は最初はこのランバートの方の肩を持ったわけでありますが、ところが、いや、ファイザーはランバートと組んでより企業価値の高い薬品会社をつくりたいんだ、私たちはそういう提案をしているからどうですかということを言っているにもかかわらず、なぜ買収者であるファイザーの提案を検討しないんだといって一般株主からの大変な批判を浴びて、結局ランバートはこのファイザーと合併することになったんですね。  以上の話からもう御推測いただければ大変幸いなんですが、この下のMアンドA類型上の問題点というふうにありますが、先ほど伊藤大臣も、一概に敵対的とは何かとは言えないという、こういうお話もあったわけでありますが、友好的買収と敵対的買収のこの二つの類型だけで今議論されているんですけれども、この敵対的買収の中には更に二通りあるんですね。つまり、先ほどの、例えば昭栄のケースのように物すごい含み資産を持っている、あるいはソトーやユシロ工業のように、二十倍の増配ができるにもかかわらずその現金や資産を手元に持ったまま全然経営に生かしていない、そういうところは、私たちの提案を受けて私たちの傘下に入れば、より株主や投資家にとっていい経営ができますよといって戦略的に買収を掛けてくるケース、これは私、一応自分の言葉で合理的買収というふうに書かせていただきました。  一方、先ほど参考人の石綿さんという弁護士さんが、買収者はいつでも羊の顔をしてまず寄ってくると、途端にオオカミに変わるということを言っておられましたが、買収が成功した後に、もう全部資産を売っ払って自分たちだけがその含み益を得たいとかという、こういうのが破壊的買収、これは本当の敵対的買収であります。  こういう類型があるということを前提に法務大臣にお伺いをしたいんですが、今回、会社法制の現代化、今日国会に提出していただいたと思うんですけれども、このニッポン放送株の買収をめぐる動きが明らかになった後にこの法案に盛り込んだ施策というものは何かございますでしょうか。

寺田逸郎法務省民事局長

○政府参考人(寺田逸郎君) これは、結論から申し上げますと、ございません。元々この会社法は、経営陣あるいは株主にとって組織内でどういうことができるかできないか、それをもう少し柔軟化して企業の活動に生かそうという観点から検討されてきたもので、既に昨年の暮れには一応の結論を見ていたわけでございます。  今回、様々なMアンドAの問題が生じましたが、その過程で、今度新しく提出する会社法案なら何ができるかということで、例えば黄金株についてよりやりやすくなる、あるいは新株予約権についてよりやりやすくなるという側面を強調された報道ないしは説明はございましたけれども、これは、元々会社法の検討の過程で様々な考慮からこういうことができるということが決まっていて、その工夫の中でできることを説明として明示したというものにすぎないわけでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 確認ですが、後から盛り込んだものはないと。例えば、強制転換権付株式とか新株予約権の譲渡制限、あるいは特定の人たちだけに発行しないとか、あるいは黄金株の譲渡制限とか、これらはじゃ、もう最初から入っていたということですね。イエスかノーかだけでいいですから。

寺田逸郎法務省民事局長

○政府参考人(寺田逸郎君) そのとおりでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 そうすると、我々には、これは我々が勉強不足なのかもしれませんが、何か、さも今回の件が起きてこの三つの防衛策は急に盛り込まれたように理解をしている人が多いと思いますので、それはまず法務省として、ちゃんとそうじゃないんだという広報活動をやってくださいね。これはお願いですから、特に答弁はいいです。  そうすると、例えば今申し上げた三つは盛り込まれたわけですが、先ほど参考人質疑のときに自民党の田村さんも聞いておられましたけれども、ほかにもいろんな防衛策があって、なぜ今回の三つは盛り込まれてほかのものは盛り込まれないのか。あるいは、盛り込まれたものの中に、より配慮すべき点が更にあるんではないかという点が多々あるんですけれども、今回盛り込まれなかった施策や配慮について、ちょっと二、三お伺いをしたいと思います。技術的な質問ですから大臣じゃなくても結構ですので。  例えば、さっき田村さんが取り上げてくれたんで大変うれしいんですが、二段階買収、これは、田村さんは先ほど後から低い価格で買い取る場合、売らされる場合の話をしましたけれども、もっと極端な例があるんですね。ちょっと分かりやすく申し上げますと、最初に、例えばライブドアが、これは例ですよ、ライブドアがニッポン放送の株を三〇%買収しますと。五〇%にしましょうか、五〇%買収します。そこまであるTOB価格で買収しました。ところが、残り五〇%の人は売れないわけですね。売れないですが、もしこのライブドアが、私の類型で言うところの破壊的買収だというときに、いきなりもう上場廃止するとか、ニッポン放送を解散するというふうに言ったときに、残りの五〇%の人たちは株を売るチャンスがなくなっちゃうんですね。あるいは、上場を廃止されたら途端に価値が下がる。  こういう二段階買収というか、二段階攻撃を防止するために、アメリカなんかではTOBの目標を超えた部分も必ず買い取る義務があるとか、あるいは買い取らせる請求権を株主の方に与えているわけですね。今回、これはなぜ盛り込まなかったんですか。

寺田逸郎法務省民事局長

○政府参考人(寺田逸郎君) 元々、先ほども御説明申し上げたとおり、私どもは、企業防衛策というものを特定して商法の中あるいは会社法の中に規定しているわけではなくて、例えば黄金株という防御策に相当するものがございますけれども、これは種類株ということが発行できるということが商法に規定されていて、他方、譲渡制限の掛けられる株はどういう株かということで、これまでは特定の株に限って譲渡制限を掛けることができなかったのを、一定の例えば拒否権付きの種類株についてだけ譲渡制限を掛けるということができるようになったということでございまして、元々そういう黄金株を許すとか許さないとかという問題ではないわけです、会社法の中では。したがいまして、私どもは、防御策を検討したんではなくて、元々何ができるか何ができないかという範囲を決めたわけで、その範囲の中でどういう防御策をお取りになるかは、これは企業の方のいろんな工夫でなさるわけでございます。  今のTOBの話は、これは基本的には証券取引法その他、合併ないしは企業組織の問題以前の問題だろうと思いますので、会社法だけでは解決できない問題だろうと思います。したがって、私どもの方に、特にそういうものが防御策として、ないしは解決策として取り入れられているということではございませんが、いろいろな問題はございます。それは、金融庁の方とまた御相談をさせていただきたいと思っております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 法務省が今回御用意されたのは会社側の防衛策で、私が今聞いたのは、買収者側にある一定のノルマを課したりするとそう軽々に買収できなくなるという、こういう配慮をすると、こういうことなんですね。私と法務省の議論がかみ合っているかどうかは聞いていらっしゃる皆さんに御判断いただければいいと思うんですが。  じゃ例えば、先ほど申し上げましたような破壊的買収を避けるためには、例えば今回ライブドア、堀江さんが、我々が知らないような目的が実はあって、後々羊のお面を取ってオオカミになっちゃったと、こういうことを避けるために、例えば最初にどういう目的で買収をするのか、どういう事業をしようとするのかということについて、より具体的にコミットさせるという手があるんですね。  これは金融庁と関係がありますけれども、先ほどの参考人の話の中でEDINETの話が出てきましたけれども、EDINETの中で、TOB掛けるときに目的、TOBの目的と事業内容、先々の事業内容まで開示させて、後から前言を翻すということができないようにするという工夫は、これはなぜ導入しようとしないんですか。今回のこの会社法制の現代化、これ、大きな日本の企業社会にとって変化を起こそうとしているわけですから、いろんなことに配慮しなきゃいけないんですね。  例えば、そういうふうにMアンドAのときの目的や先々のねらいについてコミットさせるということをなぜ今まで取っていなくて、今回も取らなくて、こういう御判断をしておられるのかということについて、これは特に通告していませんので、率直な感想、あるいは事務方から何か説明を受けておられるか、端的にお答えいただければ。

寺田逸郎法務省民事局長

○政府参考人(寺田逸郎君) まず私の方から、今の問題はTOBの情報開示の問題でございますので、これは基本的に証券取引上の問題だろうというふうに理解しております。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) EDINETに関する御質問、それから情報開示の在り方について御指摘があったわけでありますけれども、実は金融審議会におきましても今、投資サービス法あるいは開示制度の在り方、これにかかわる検討がこれからなされてまいります。その中で今御指摘をされたものについても必要に応じて検討されていくということになろうかというふうに思っております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いや、言い出すとこの話題はもう切りがないんですが、もう一個だけ聞かせてください。  お手元の資料に、今度は国内のところの二〇〇二年の五月、日本ドレーク・ビーム・モリンという、DBMといいますけれども、ここは実はオーナー、創業者の会長と、その会長が引っ張ってきて就任させた社長との間で買収合戦になったんですね。買収というよりも自分たちがよりたくさんの株を持つということで委任状争奪戦、プロキシーファイト、これは本格的なプロキシーファイトになって、興味のある方々はよく御存じのとおりだと思いますが、結局社長側が勝ちましたね。  法務省に聞きますけれども、そうすると、例えば今後ライブドアの問題も、これ三月末の株主の登録状況によりますけれども、今度の株主総会は本格的なプロキシーファイトになる可能性があるんですね。そのときに日本の商法では、商法二百三十二条に、じゃ株主提案権を持つ株主がいつの時点で、この二百三十二条に言うところの六か月前から一%のシェアを持っているか三百個以上の議決権を持っているかということについて判断するかという明確な定めがないんですね。三月三十一日時点でそうなっているのか、あるいは株主総会までの間のその株主提案をするタイミングのときにこの二百三十二条を満たしていればいいのか。例えばここは、今回MアンドAに関する法制を整備しようというときになぜ明確にしようとしなかったんですか。

寺田逸郎法務省民事局長

○政府参考人(寺田逸郎君) この株主提案権は、商法の二百三十二条で、会日、つまり会議がある日の八週間前に株主の提出すべき議案の要領というのを定めることになっておりますので、八週間前が基準ということになると思います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 そういうことも含めて、実はこれから、今回会社法制の現代化で、一年延期になりましたけれども、株式交換による三角合併を認めようとか、こういう大きな日本の経済の変革をしようというときに詰めなければいけない点、明確にしなければいけない点というのは一杯あったはずなんですね。  そこで、一枚めくっていただきたいんですけれども、実は今日の参考人との、参考人の方々との質疑、それから昨今のマスコミの論調も実は合っているようで合ってない部分があると私は思っているんです。  この絵をごらん、最初の三の絵をごらんいただきたいんですけれども、この企業社会をどういうコンセプトで整理していくかというときに、昨今よく言われる株主主権、それから取締役主権、つまり経営側の主権であります。それとニッポン放送の従業員の皆さんが決議文なんか出されて従業員はどうなるんだという、その従業員主権という、この三つをどうバランスさせるかということなんですけれども、実はアメリカは先進国ではないんですね、今。アメリカは先進国ではない。一番今時代の潮流を行っているのはEUなんです。EUはどういう方向に行っているかというと、今一生懸命法務省が導入しようとしているポイズンピル、この解毒剤は使いようによっては大変株主を軽視することになるので、ポイズンピルはこの業界では解毒といいますけれども、解毒する方向でなくしていくという方向に今徐々に行っているんですね。  実は、前のページの一番最初にあったボーダフォンとマンネスマンのこれ過去最高額二十兆円、株式交換だけでキャッシュを全く用意しないで合併しちゃったんですね。これは欧州最初の敵対的TOBでありますが、EUやアメリカのこの考え方に物すごく大きな影響を与えたと言われております。どういうことかといいますと、この買収される側のドイツの方はシュレーダー首相までが反対だとか商工会議所の会頭までが反対だとかということをいろいろおっしゃったんですが、最終的には友好的に決着をしました。なぜか。なぜならば、このボーダフォンは世界じゅうの株主に、約三百社、説明して回ったそうです。私たちがマンネスマンを買収した方がより有意義なビジネスになりますと言って説得して回った結果、結局シュレーダー首相も折れて、マンネスマンが助けてくれと言っていた有力株主もみんなボーダフォン側に付いちゃったんですね。  その結果、やはり企業経営というのは防衛策云々ではなくて、いかに企業価値を最大限高められるかという努力をしているかしていないか、冒頭出ましたPBRがより高い水準になっているかどうかということが一番のポイントだということで、世の中は解毒の方向に行っているんですよ。  ところが、ドイツは、しかしこういう経験をしましたので、EUがおととしの十二月に可決をさせた企業買収法に比べると、ドイツの作った企業買収防止法というのは若干アメリカ寄りに来ています、この絵のように。しかし、アメリカはどちらかというと、先ほど来のお答えの中にもあったかもしれませんが、MアンドA、特に敵対的な件数が減ってきているというのは、ポイズンピルの成果だと言われている部分と、結局株主重視の経営が重要だということでそういう方向に経営が行っているから結果として件数が減っているというふうに言われているんですね。これが一番アップ・ツー・デートな認識です。  そこで、法務大臣にお伺いしたいんですが、今回は日本をどの辺にポジションさせることを考えて会社法制をつくられたんですか。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 寺田民事局長。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いや、ここは大臣に、お答えください。いや、ここ大事だから、駄目、駄目、駄目。いや、大臣、率直な御感想で結構です、御感想で。法務大臣ですから。いや、本当に率直で結構です。

南野知惠子自由民主党法務大臣・内閣府特命担当大臣(青少年育成及び少子化対策)

○国務大臣(南野知惠子君) 御通告いただいておりますので気になりますが、今おっしゃっていた敵対的買収に対する防衛策のポイントにつきましては、やはり企業価値の向上に寄与するものであればそうでないものもあると。それはもうごちゃ混ぜであるということもあると思いますが、企業価値を向上させるための敵対的買収に対しましては、現経営陣が自己の保身を図るための防衛策、それを講ずるようなことはあってはならない、これは一つの筋だというふうに思っております。  他方におきましては、企業価値を損なう敵対的買収に対しましては、やはり合理的な防衛策を講ずることが認められるべきであるということでございまして、法務省といたしましても、敵対的買収に対する適切な防衛策の在り方について、今後とも関係省庁と連携を取りながら検討していかないといけないというふうに思っております。  以上です。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 ありがとうございます。  多くの日本の国民は分かんないんですよ。だから、別に大臣には本当に国民の代わりに率直な感想を言ってほしかったんですけども、法務省は事務方としてこういう大きなメーンストリームを大臣にレクチャーした上で今回の法案の中身を詰めてそして出しているのかというふうに考えると、どうもそういうふうには思えないですね。そこのところを言っているんですよ。  例えば、株式交換による三角合併一年延期、これはどちらかというと、この絵でいうと、まあ一年とはいっても左側に寄っていますよね。それから、先ほど申し上げました、今回最初から法案の中に入っている三つのポイズンピル、別に悪いとは言いませんよ、私も。悪いとは言いませんが、これもどちらかというと、より防衛しやすくなっているわけですから、左側に行っているわけですよ。日本はどうしたいんですかっていうことなんですね。  それで、もし、いやいや世界の潮流、これは日本だけ鎖国して経済をやるわけにいきませんから、海外の投資家からも、ああ日本は投資しやすいところだというふうに言ってもらえるようにもし右の方に寄せていきたいというんだったら、例えば先ほど来田村さんも指摘した、私も最初に指摘した二段階買収をどうするんだとか、あるいは消却ですよ。今日、参考人の中でも出ていましたね。ポイズンピルというのを何かのきっかけでやっぱりやめますといって消却をするという、なくすという意味ですけどね、そういう制度を何で導入しないんだとか。つまり、技術的な話、細かい話、ここの、いいですか法務省、四番でいうと、四番の絵のこの上、手段のところの話、これは金融庁も担当なんですけども、証取法に絡んでいうと。そういうところは一杯議論されているんですけども、どういうコンセプトで日本の企業社会と日本経済をこれからどの辺にポジションさせたいのかということについては一度も説明がないんですよ。  それについて、例えば南野大臣、南野大臣は率直にどの辺にポジションするといいと思いますか。それを決めるのが大臣ですから。中身は事務方にやってもらえばいいんです。しかし、いや、私はこのアメリカとEUの間ぐらいがいいわと思えば、それを指示するのが大臣なんですから。大臣はどの辺がいいと思いますか。

南野知惠子自由民主党法務大臣・内閣府特命担当大臣(青少年育成及び少子化対策)

○国務大臣(南野知惠子君) まあ、EUもアメリカもいいんでしょうけれども、日本らしい株をやっていかなきゃいけないと、そのようには思っておりますが、企業にとりまして重要なことは、どのような経営を行うかが、これは企業の価値を向上させ、株主や事業員、従業員又は顧客の利益にかなうものというふうに思いますので、どこら辺に位置付けるかというと、それこそ専門の方々がしっかりとそれを経営されるもんだろうというふうに思っております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 大臣、でも大臣も専門の方ですからね。事務方がちゃんとレクチャーしてくれないんだったら僕が行きますから、時間取ってください、きちっとレクチャーを申し上げますので。ちゃんとね、そういうことをお教えさしあげないと駄目ですよ。答弁する方だって困るでしょう。  いや、それでね、そういうことを、しかし総理、これをどの辺にポジションをさせるかということを本当に今決めないと、もう資本の流れも大きく変わってきていますし、産業再生機構の絡みでいうと、産業再生機構が落札してくれなかった案件を入札していたどっかの外国の投資家は怒って日本に来なかったとか、新聞で読みましたけれども。それから、今回も、私の古巣の先輩の塩崎さんのところに、何か、何で一年延期したんだとかって電話が一杯入ったとか、そういう話聞いていますけれども、みんな注目しているんですよ。郵政やっている場合じゃないんですよ。  総理にお伺いしたいんですけれども、総理はどうしたらいいと思いますか、これ。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私も、このいろいろニュースを聞いて、お話を聞いたりするんですが、分かんない点多いんです。焦土作戦っていって、今ほど、戦争で焦土作戦という話はよく聞きましたけれども、何で企業が焦土作戦という言葉を使うのかとか、ホワイトナイトと、白夜かと思ったら白馬の騎士でしょう。なるほどな。そういう英語は確かになるほどという、聞いているぐらいで、よく分からないのが率直な感想なんですが、要するに、株主、そして経営者、更には従業員、こういう方たちがこの企業をより一層国民のためになるように発展さしていく、価値を高めていく、そのためにはどういう対応がいいかということについて、もう専門家、よく多くの方々の意見を聞いて、日本の企業が国際社会の競争に勝ち抜くことができるように、そして多くの人たちから信頼されるような、そういう企業として健全に発展していただくような対応策はどういうことか、それをもう真剣に、世界的な視野を持って検討していただきたいと、そう思っております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いや、総理もしかし、もう本当に歴史に名を残そうという総理でありますから、いや、こういう話は聞いていなかったと、もうちょっと全体の話をちゃんと理解した上でこの辺にするというふうに指示ができるようにレクチャーしろとか、そういうことをやっていただくの、──任せたと言われても、私に任されても困りますね、それはね。  そういうことをやっていただくのが総理でありますが、実は、経済産業省も企業価値研究会というものをやっておられて、この企業価値研究会というのも非常にこの問題に大きく影響しているんですね。この四のポンチ絵をごらんいただいて分かりますように、一体どの部分をどこの役所が担当しているのかがよく分からないんですね。これが海外から見ても日本の経済が一体だれがどういうふうにガバナンスしているのかよく分からないという大きな理由なんですが、企業価値研究会で社外取締役についてどういう議論をしておられるか、今日、昨日か今日、たまたま新聞に載っていましたね。三月八日付けですか、これは。失礼しました、ちょっと前ですね。第三者が審査するようにするということが必要だと、敵対的買収のときにですね。これは社外取締役、先ほども参考人質疑の中で話が出ましたが、これとかかわりがあるんですが、企業価値研究会では例えばこの辺の問題についてはどういう議論がされておりますか。

中川昭一自由民主党経済産業大臣

○国務大臣(中川昭一君) 経済産業省の企業価値研究会は、実は今回の、今、大塚委員が御指摘になっている、今話題になっていること以前に、ずうっと会社法の現代化の、一つの頭の体操としてずうっとやっているわけでございまして、そういう中で、この前、中間報告、それから間もなくきちっとした報告を出したいと思っております。  そういう中で、社外取締役による第三者のチェック機能というものもきちっとやっていきたいと思っておりますが、一般論としてはこれから会社法の現代化について、これどっちの立場、さっき大塚委員御指摘のようにどっちの立場というよりも、盾も強化する、それから矛も強化するみたいな、そういうお互いのルールをきちっとやっていこうということで、法務省とこれから詰めていくための勉強会という認識で今やっているところでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 社外取締役のところはこれ物すごく重要ですから、是非、経済産業省も法務省や金融庁と議論をして一定の方向を出してほしいんですが、これどういうことかといいますと、結局、社外取締役がなぜ重要かというと、MアンドA仕掛けられたときに、それに防戦するのがいいか、あるいは応じるのがいいか、それをだれが判断するかという問題なんですね。これを現経営陣がやろうとすれば、今回の日枝さんみたいに、ああ、やっぱり保身のためだって見られるかもしれないし、本当は先ほどのボーダフォンのように、買収側が提案している案の方が株主や企業価値を、株主の利益や企業価値を最大化できるってケースがあるので、やっぱり第三者の社外取締役が判断をできるようにしなきゃならないんじゃないかということが言われているんですね。  ところが、日本の社外取締役というのは、総理御存じかどうか分かりませんが、親会社とかメーンバンクの人が社外取締役になっちゃうんですよ。これでは第三者としての判断ができない。そこで、さっき参考人の方がどなたか、アメリカではこれは独立取締役というふうに言われていますという、これは弥永さんですね、弥永さんという筑波大学の先生が言っておられましたけど、そのとおりなんですよ。日本の社外取締役は一歩欧米に近づいたように見えていますが、親会社やメーンバンクの人が社外取締役では、全然この独立取締役としての役割を果たさないんですね。  そこで、もう一回、この三番のところに目を投じていただければ有り難いんですが、一体日本はどこに行こうとしているんですかということです。アメリカをまずキャッチアップして、その後この分野では最先端と言われているEUの方に行こうとしているんだったら、例えば今の独立取締役の問題だって今回の会社法制の現代化の中できっちり処理していかなきゃいけないし、ありとあらゆるものが物すごく、ああ、この分野は分かりにくい、専門的で分かりにくいですから専門家に任しておいてくださいっていう雰囲気に今なっているんですけれども、たまたま堀江さんがああいうことをやったからこれだけ注目されていますけど、物すごく重要な問題なんですよ。そういうことを分かりやすく国民の皆さんに会社法制を説明するのも法務省の仕事なんですが、例えば防衛策三つは急にニッポン放送の件で頑張りましたというふうに報道されていますけど、そうじゃなくて最初から入っているというんだったら、最初から入っているということをもっと注目されるように仕事をしていただかないと困るわけであります。  いずれにいたしましても、冒頭申し上げましたように、この問題、どこがいいとか悪いとか、どっちが正しいとか、なかなかいわく言い難い問題だと思っておりますので、きちっと議論を詰めていただきたい。特に、今回、今日、国会へ提出されたわけですから、何か時間を区切って、通すことを前提に議論をするというような審議の進め方をしないでいただきたいということを申し上げておきます。  さて、済いません、麻生大臣、ちょっと飛ばさせていただいて、済いません、また後で時間があったら聞かしていただきますが、金融庁にお伺いしたいんですが、株式売買高における外国人投資家のシェアについてお答えをいただきたいと思います。

増井喜一郎金融庁総務企画局長

○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。  証券取引所、これ東京、それから大阪、名古屋の三市場でございますが、その全株式売買高、いわゆる株売買代金ベースに占める外国人投資家の売買シェアにつきましては、最近の十年ほどの推移を見ますと、平成六年には約一八%でございましたが、平成十六年には約三六%になっております。  なお、その証券会社の自己売買を除く委託売買高に占める外国人投資家の売買高シェアは、平成六年の約二七%から平成十六年には約四八%となっております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 もう株式売買高の半分が外国人ですから、外資が私は悪いとは思いませんけれども、外資に日本の企業が多々買収される可能性があるんじゃないかという懸念は、それは当たっていると思います。  そういう中で、そうすると、今郵政民営化の話もいよいよ佳境に差し掛かってきていると思いますが、よく自民党の先生方が郵政買収されたらどうするんだということを最近懸念されておられるようですが、ある意味当たっていると思うんですよ。  これ民営化されたら、これ通告してなくて竹中さん恐縮ですが、民営化された郵政の四会社あるいは全体でもいいですけれども、PBRはどのぐらいの会社にしようと思っているんですか。もう何かいろいろ数字出されて経営計画立てておられるようですけれども、どのぐらい、PBR一以下だと買収されますよ。

竹中平蔵自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(竹中平蔵君) これは資産の切り分け等々経営の判断の部分が入ってまいりますから、今の時点でそういった問題について明確な数字を持っているわけではございません。  ただ、いずれにしましても、市場の中でしっかりと自立ができるように、市場の中でしっかりと自立できるということは、ある程度の収益力を持って、それによって期待株価、株価は言うまでもなく将来の収益の流列を現在価値に割り引いたものでございますから、そうした中でしっかりとした経営をしていただくということがそうした防衛の基盤をつくる大変重要なポイントになると思っております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いや、民営化の議論進めていただくのはいいんですけれども、住宅リフォーム仲介をやるとか、民営化された会社が、そういう何かどこから出てきたかよく訳の分からないような話をされるんじゃなくて、民営化されるんだったら、例えばこの日本の会社法制、企業文化を大転換しようとしているそのときに民営化をするとしたら、例えば分社化された四つの会社がPBRをどのぐらいにしなければならない、そのためには株数どのくらい、額面どのくらいにしなければならないとか、そういう議論をきちっと詰めるべきじゃないですか。これ、重要な問題ですよ。  例えば、今日、金融庁の方に朝聞いて、一番発行株式数の多いのはりそなホールディングス、東京と大阪で二百八億株ですよ。これ以上の株数が、郵政民営化会社の株がばっと出たら、これは市場を混乱させますからね。例えば、じゃ二百億株ぐらいで、郵政公社の資産四百四兆ありますけれども、これを割ると大体二万円ぐらいです、一株、ぐらいの株式会社にするとか、何かそんな住宅リフォーム仲介をやるとか、そんな話を郵政民営化で検討する前にこの辺を詰めていただきたいですね。こういうところについてきちっとした数字と議論がないうちに何か郵政民営化の話がどんどん進んでいるというのはいかがなものかなと。  会社法制ですら出てきてからこれだけ、もう何十年ぶりかの大転換で、去年から私たちも話聞かされていますよ。やろうと思ったやさきに株式交換、三角合併一年延期という、こんなどたばたがあるのに、郵政民営化は、総理、まだ皆さんの中で御議論をしておられて、例えば今私が申し上げたようなそういう点については全然詰められていない。それをこれから国会に出して議論するんですか。それはちょっと乱暴というものではないですか。その点についてちょっと感想をお伺いしたいんですけれども、いやいやいや、総理。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、民営化の会社がどうやるか、経営をどうやって健全性高めていくか、さらには利便をどう図っていくか。それは今後いろんな想定がされるでしょうけれども、会社法がしっかりしていないと、これは将来の世界的な規模でのいろんな買収とか企業の合併とか考えるといろいろ不測の事態が起こるんじゃないかという議論はいいんですが、それとこれとこの民営化とは、また私は今次の、今回の議論でまた別の問題じゃないかと。会社になったら会社としてどう健全に発展していける会社をつくるかという問題であると思っております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 小泉総理のまねをして申し上げれば、この問題は別であって別ではないんですよ。  いいですか、じゃ、じゃ、じゃ総理にちょっとお伺いしますけれども、今の日本の株価、まあ大体一万二千円ぐらいですよね。この株価、総理は高いと思いますか、低いと思いますか、こんなものだと思いますか。率直な感想で結構です。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは分かりません、私は株を左右する力はありませんから。しかし、株式市場を健全化させていきたいと、株価は上がった方が景気良くなるという感じありますから、低いよりは高い方がいいですよね。  私が就任したときは一万四千円程度、一番その後悪くなって一時期七千六百円程度付けたことあります。ますます下がると言われましたけれども、今ようやく一万円台を回復してきましたからね。でき得ればもっと好況を呈してくれるような経済になればいいなと思っております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いや、総理としてはそういう御答弁になると思うんですが、もう少しよくお考えいただきたいんですね。  ミクロで起きていること、個々の企業単位で起きていることは、後から振り返ってみると、全体を眺め回してみると、マクロで見てみると意外に整合的なことが起きているんです。これはもう竹中さんなんかも同意してくれると思いますけれども。  今、日本で外国人投資家の株式売買高が高くなり、外資の出資比率が高くなり、徐々にこういうことが進んでいるというのは、日本国全体を一つの企業として見た場合に、日本の株価一万二千円のPBRが低いんです。だから、買いのチャンスだと思ってみんな入ってきているわけですよ。そういう中で例えば今回の問題も起きているわけですね。  例えば、先ほども、これは田村さんですか、価格修正型の転換社債、MSCBというものの話が出てきましたけれども、これ、実は野村証券がおととしの十二月に開発したMPOという、マルチプル・プライベート・オファリングという商品ですね、これ竹中さんよく御存じのとおり。何でこれが出てきたかというと、元々、転換社債というCBはあったんですよ。ところが、この転換社債というのは、株価が上がる局面で買ってくれた人がどんどん新株に転換していく。だから、バブルのころ、私もあの証券市場を仕事場にしていたころに、調査が仕事だったんですが、転換社債、物すごい発行されて、どんどん株式転換されました。  ところが、株価が、だれのせいとは言いませんけれども、長い間低迷している結果、このCBが本来の役割を果たさなくなったから、野村証券が株価が下がっている局面でも資本を調達できる手段として開発して提供したのが今申し上げたMPO、これを使ったのがライブドア。ライブドアだけじゃないですよ。結構多くの企業が使っているんです。  だから、これは言ってみれば、今日はポイズンピル、毒薬の話をしていますけれども、日本の経済がPBR本来の実力を発揮できないで非常に低迷している中で自然発生的に出てきたウイルスみたいなものなんですよ、このMPOとかMSCBというのは。それはいいか悪いかじゃなくて、株価を低迷させているこの状況に合う形に進化して出てきちゃった、そういうものなんですね。  だから、総理には、いや、それは株価は低いより高い方がいいって、そんなのだれだってそう思いますよ。そうじゃなくて、なぜ日本の経済がこういう状況になっていて、そのMPOとかMSCBみたいものがばっこするような状況になっているのかということについてもっと深い洞察がないと、この問題も建設的な解決はできないと思いますね、私は。まあ水掛け論ですから、これ以上は申し上げませんが。  今日はあと十一分、竹中さんにちょっと苦言を申し上げたい。  この郵政民営化情報システム検討会議報告、今日持ってきてくださいって言いましたよね。これは本当に、総理、郵政民営化は社会保障改革と同じぐらいに、郵政民営化というよりも郵政改革、私は郵政は正常化するべきだと思っていますけれども、元の姿、本来の姿に戻すべきだと思っていますけれども、大きな問題ですから、ちょっと竹中さんにお願いをしたいんですけれども、(発言する者あり)いや、ポイズンじゃないですよ。例えば、この資料の、竹中さん、百八十二ページ、下にページ出ていますよね、百八十二ページ、これはシステムについての検討結果ですね。百八十二ページの見出しのところ、三行目と四行目ちょっと読んでいただけませんか、大臣、御自分がお出しになった報告書だから。その三行目と四行目だけでいいです。

竹中平蔵自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(竹中平蔵君) 「二〇〇七年四月の段階では、民間金融機関向け規制等の遵守も一部不可能」、「独立した会社として「経営可能」と言えるレベルには程遠い」。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 ほかにもこういうくだりが一杯あるんですよ。お客様に御迷惑をお掛けするリスクが大きい。それから、今のページの三ページ後、百八十五ページ、「十月二十五日に郵政公社殿から提出された「情報システム対応への日本郵政公社の基本的考え方について」では、最低限の分社化対応には「業務要件確定後」三年間が必要とされている。」、「一方、十一月八日に提出された「二〇〇七年四月までのシステム対応の可能性」においては、二〇〇七年四月から逆算したスケジュールとなっているために、システム対応期間は一年九ヶ月とされている。」、「ベンダ作業となる実質的な開発期間は半分程度に減っており、リスクの回避策の明確化が必要と考える。」とか、もう言い出したら切りがないですけれども、物すごく危なっかしいということが一杯書いてあるんですよ。  それを受けて最終的な報告書になっていますね。この報告書、「はじめに」のところの一ページ、何と書いてあるか。二〇〇七年四月分社化について、管理すべき一定のリスクが存在するとしても、制度設計や実際の制度運営において、適切な配慮をすれば、情報システムの観点からは、暫定的に対応することが可能であると。  これよく読むと、ここからこの結論は絶対出てこないですよ。どうぞ。

竹中平蔵自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほど大塚委員の御指示によって私が読ませていただきましたのは、これ郵政公社が出した資料の部分ですね。もちろんこれはいろんな考え方があります。委員の中にも当然いろんな考え方があるわけで、その中にはこういうお考えの方も確かにはいらっしゃったということだと思います。  しかし、それを受けて、これは何回か忘れましたけれども、物すごい回数の議論を通して、その上で最終的に今、大塚委員のお手元にあるような期日論に達したわけです。  それを受けて、郵政公社自身も、この議論の段階ではこれはなかなかしんどいというような資料を郵政公社は出しておられたわけですけれども、リスクはあるものの、そのリスクに適切に対応することにより暫定対応なら可能というような判断がここで示された。公社としては、その指針に従い、今後全力で取り組んでいく所存である、公社としても最終的にそのようにステートメントを発表されているというふうに承知をしております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 私が苦言を申し上げたいのはそのレトリックじゃないんですよ。  まあいいですよ、こういう検討された結果、こういう結論になったとしても。これ一応加藤寛先生の名前で出ているわけですよ、座長で。そうですよね。加藤寛先生、ここにいらっしゃって説明できますか、これ。  僕が申し上げたいのは、僕も加藤寛先生の学会の会員ですから、大変尊敬している先生ですけれども、あの大先生を御自分でも説明できないような案件の弾よけの看板みたいに使って、これ郵政公社、このまま何か強行して、システム構築がうまくいかないで大変なトラブルが起きたときに、加藤寛先生恥かきますよ、加藤寛先生の名前で出ているんだから。どうしてこういうことをやるんですか。座長にするんだったら、本当に分かった人をやってくださいよ。いやいや、加藤寛先生、お年ですからしようがないと思いますよ。会社法制の現代化でもそうです。物すごく重要な話なんだから、みんな。分かった人たちでやらないと駄目ですよ、総理。いや、僕は──いや竹中さん、もう時間ないから、いや、後で御発言の機会差し上げますので。  官僚の皆さんにもお願いしたいけれども、竹中さんの下でこれをやっておられるTさん、私もよく知っている人ですけれども、本気で二年間でシステム対応ができると思ってこれをつくっているんだとしたら、後でトラブルが起きたら私は証人喚問で呼びますよ、Tさんも。薬害と一緒じゃないですか。官僚の皆さん、良心持たないと、自分で本当に自信を持ってこれはできるということを作業して答申するんだったら、官僚の皆さん優秀ですからそれでいいですよ。大臣に言われたから、大臣は総理から言われたから、だからもう無理やり二〇〇七年四月に合わせてつくりました、しかもその報告書の冠にあの加藤先生を、晩節を汚させるような名前の使い方をして、失礼じゃないですか。──いや、そんなことないですよ。

竹中平蔵自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(竹中平蔵君) 加藤先生は何も御存じないと、そういう言い方は、私は正直申し上げまして、門下生の一人として先生に失礼であるというふうに思います。加藤先生は、これは自信を持っておまとめになられた。  まず、専門家、専門家とおっしゃいますが、これは何の専門家なのかというところが大変重要だと思います。一般的にはコンピューターの専門家というふうに言うわけですが、コンピューターの専門家というのは非常にあいまいなわけですね。これは大塚委員は御理解をいただけると思います。  私たちはこの問題に関して様々な観点から、主としてこれはプロジェクトマネジメントであると、プロジェクトメントマネジメントの専門家という形で、しかもそれを多様な形で人材を集めたと。その取りまとめを正にこれまでもいろんなプロジェクトのマネジメントをやってこられた加藤先生にお願いしたわけでありまして、加藤先生は物すごい情熱と物すごいエネルギーで自信を持ってこの報告書をまとめてくださったというふうに認識をしております。  ちなみに、メンバーでありますけれども、天野さん、この方はトヨタのCIOです。これもCIO、企業のCIOとしてプロジェクトマネジメントをごらんになっていた方。そして、東京大学の工学部教授の宮田先生、正にこの方はこのマネジメント、プロジェクトマネジメントの学会の立ち上げにも参画をされた日本の代表的な学者でいらっしゃる。この方もまた非常に重要な役割を果たしてくださった。そして、これはビジネス、KPGMのシニアマネジャーであって、システム監査大手の会社のシニアマネジャーである満塩さん、この方は幾つかの役所のCIOもやっておられる。そして、公認会計士、これは会計の制度もありますから、公認会計士の協会のIT委員会委員長の中山先生に参加をしていただいている。そして、元私の同僚でもありますが、慶應義塾大学の國領先生、御承知のように経営情報システムの日本の権威の方。こういう方々で物すごい回数をして、それでマネジメントで、その正にプロジェクトマネジメントで、加藤先生に取りまとめていただいて、それを先生が何もお分かりになっていないとか、そういうことでは、これはちょっと私も門下生の一人としては内心じくじたるものがございます。  繰り返し申し上げますが、加藤先生は物すごい情熱とエネルギーを注いでこの立派な報告書をおまとめいただいたと思っております。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、大塚さんが言われたようなことは郵政民営化反対論の方々から何度も聞きました。できない、できないと。間に合わないと。そこで、生田総裁にもおいでいただいて、専門家がどの程度だったらできると、専門家に判断を委ねるということでこういう結果が出たんです。それを、加藤先生が何も知らないとか、かなり失礼な発言というのはどういうものかと。加藤先生も学者でありますし、長年いろいろな経済の分野においても研究しているわけでありまして、専門家の方々、よく協議してもらってそういう結論が出たんです。できない、できないと言ったのを、専門家にいろいろ判断を聞いてみようといって、できるという可能性があったからやったということも御理解いただきたいと。  今、これから、今でも郵政民営化反対、反対と言っていますよ。それは賛否両論あるんです。一方的なやっぱり議論はされない方がいいのではないかなと。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 失礼と受け取られる発言があったとしたら、それはおわびして取消しをさしていただきますが、私も加藤寛先生の名誉を傷付けたくないから申し上げているわけですね。だから、もし座長に据えられるんでしたら、例えば今、後半で名前を言われた方々とか、いかようにもできたわけですから、竹中大臣にはそういう御配慮を今後もしていただきたいなというふうに思います。  最後に、もう一回今日の問題に戻って、金融庁に一つだけ確認をして、宿題としていただければ有り難いんですが、ライブドアの堀江さんは、時間外取引やるに当たって、事前に金融庁に問い合わせたという話があるんですけれども、これについてはいかがですか。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 増井総務企画局長、簡潔にお願いいたします。

増井喜一郎金融庁総務企画局長

○政府参考人(増井喜一郎君) 個別のことでございますのでお答えを差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、私どもその手のお問い合わせがあったときには適切にお答えを申し上げているつもりでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 その件については是非調査をして御報告をしていただきたいと思いますので、そのことをお願いして私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 以上で大塚耕平君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 次に、風間昶君の質疑を行います。風間昶君。

風間昶公明党

○風間昶君 公明党の風間です。  専門的な議論で大変、本当に分からない部分があるんですけれども、まず先ほども話題になっていました株が一万一千八百円台ということで堅調に一万一千円台後半の動きが続いていますけれども、これについて伊藤大臣はどういうふうに評価されているのか。また、竹中大臣が先般、何ですか、株価指数連動型上場投資信託は今後絶対に上がると発言されたことがございましたと思いますけれども、下がったら詐欺だというふうにおっしゃったことありますが、その間の構造改革と今の株価の問題についてどういう感想を持っていらっしゃるのか、まずお二人の大臣に伺いたいと思いますけれども。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきます。  最近の株価の動向は、昨年末からの上昇基調を維持し、本年に入ってからも堅調に推移をしております。株価は様々な要因を背景として市場において決定されるものでありますので、その変動要因を特定することは困難でありますが、最近の株価の動向について、市場では、原油価格動向の先行きに懸念する向きもある一方で、最近の好調な経済指標を受けた国内景気の回復期待や、それを背景とした株価の先高観等が指摘されていると聞いているところでございます。  いずれにしましても、株式市場の動向につきましては今後とも十分注視をしてまいりたいというふうに思います。

竹中平蔵自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(竹中平蔵君) 言うまでもなく、株価は市場の需給を反映するわけでございますが、御承知のように、二〇〇三年四月の二十八日、まだ不良債権に対する不安、将来不安等々を反映する形で七千六百七円という底値を付けたわけでございますが、その後、金融市場の情勢等々を反映して上昇基調で推移している、最近は一万一千九百円付近で推移しているというふうに承知をしております。企業収益が、今申し上げたような金融状況の変化の中で収益が増加する中で、緩やかな回復基調が続いているというのが現状ではないかと思います。  しかし、言うまでもなく、これは様々な状況が影響をいたしますので、我々としても引き続き様々な観点から注意をして、しっかりと見ていきたいと思っております。

風間昶公明党

○風間昶君 最近の会社の価値が株式の時価総額という考え方が定着してきていて、会社での利益が上がって結果として株価が上がるということではなくて、株価を上げることを目的にしたややマネーゲーム的な部分があるように思うわけでありますけれども。    〔委員長退席、理事若林正俊君着席〕  会社の価値って一体どういうふうに判断すればいいのかなということが問われているんでないかなというふうに思いますが、この部分については本当に私も分からないんですけれども、大臣、どのように思っていらっしゃるのか、伺いたいと思います。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) 企業の価値を判断する際の方法といたしましては、今御紹介がございましたように、株式の時価総額も一つの評価方法であると考えられますが、個々の企業に対する評価については、株価水準のほか、例えばその企業の事業内容や、あるいは業績、財務内容等、様々な観点からの分析評価が可能であるというふうに考えております。

風間昶公明党

○風間昶君 ある意味でマネーゲームの帰結として異常分割があるわけですけれども、株の。そこで、やっぱり株、この投資家を守っていくためにもあるいは保護していくためにも、異常な株式分割についてもやっぱり規制を必要だと私は思います。  そういう意味で、じゃ今、この例えば上場企業が過去三年間でどのぐらい株、分割されたのか、そのことによって株価がどのぐらい上がったのかといったつかみでのデータといいましょうか、そういうのを調べる必要があるんでないかというふうに私は素人なりに思うんですけれども、ここについてはどうでしょうか。

七条明自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(七条明君) 私の方からもお答えさせていただきますけれども、先般、三月の七日、各証券取引所から、上場会社に対する株式分割の実施の際の留意点について要請文がなされたところでございます。それによりますと、その要請に当たりましては、東証、いわゆる東京証券取引所において過去の株式分割における株価変動や売買高など、状況等についても検討しているものと聞いているところでございます。

風間昶公明党

○風間昶君 ですから、検討していると聞いているというんでなくて、じゃ金融庁としてはどういうふうにつかんでいるかということが実は大事じゃないかなというふうに私は思うんですね。そういう意味で、この一般株主といいましょうか、投資家のこの利益を損なわないために、分割から新株の売買可能までのこの間をできるだけ短縮しなければならないというふうに思うんですが、このことについては具体的に金融庁としてどういうふうに取り組まれているでしょうか。

七条明自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(七条明君) これについても私の方からお答えさせていただきますけれども、いわゆる今先生のお答えの中で短くならないかというようなことでございますが、保管振替機関やあるいは証券会社等を中心にして株価あるいは、等、株、保管振替法のみなし預託制度を利用して、株の分割の効力発生日、いわゆる四日を基準として、それの翌日とすることについて検討がなされている、四日の翌日にやろうというような検討がなされているところでございます。

風間昶公明党

○風間昶君 それでも長いというふうな意見も持っている方もいるかと思うんですけど、これはもっと早くならないんでしょうか。これは一般的にそう思っている人もいると思うんですけど。

七条明自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(七条明君) 今、先生お話がありましたように、株価の分割の流れ、これはもう五十日程度と、こういうことで、今流れの中で需給を踏まえていろいろな形で効力の発生日が出てきたわけでありますが、権利の、権利落ちをした日の四日後にいわゆるその基準日がありますが、この基準日までというのは、短くなるということではなくて、その翌日までどうしても掛かるのではないかと、こういうふうに推理をするところでございます。

風間昶公明党

○風間昶君 今回、この東証の社長の名前で言わば三項目の指針がすべての上場企業に送付されたというふうに聞いてますけど、このことによる効果はどうなんだろうかなと。で、またその指針に対して、拘束力はないわけでありますから、こういう部分についてはある程度拘束力を掛ける必要があるんではないかというふうに思いますが、金融庁の考え方としてはいかがなものでしょうか。教えてください。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) 各証券取引所から上場会社への今回の要請に先立ちまして、金融庁といたしましても、大幅な株式分割の問題点を含めて証券取引所との間で様々な意見交換を行ってきております。まずはこの要請が市場関係者に着実に浸透し、実行されていくことが必要であるというふうに私どもは考えているところでございます。

風間昶公明党

○風間昶君 ですから、それをまた様子見守っているとなるとまた新たな問題が惹起される可能性ありますから、その部分についてきちっと担保していける拘束力を持った方がいいんじゃないかと思うんですけど、ここはどうですか。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) 委員は恐らく、その要請はしても、それだけのその実態面からの実効性というものが十分得られないんではないかという御認識だと思うんですけれども、私どもといたしますと、十分意見交換をして、その上でこうした要請がなされているわけでありますから、その要請というものがしっかり浸透していく、そして実効性というものを確保していくということが重要だというふうに現在認識をしているところでございます。

風間昶公明党

○風間昶君 先ほどもちょっと議論がありましたけども、この敵対的買収で、まあ敵対企業が株を取ってって、それぞれこの拒否権を持ったときに、結果的に拒否権を出し合うと企業の運営に支障を来す可能性があるわけですけども、まずは現行規定上はどのようになっているのか、法務省から御説明願いたいと思いますけど。

寺田逸郎法務省民事局長

○政府参考人(寺田逸郎君) おっしゃるとおり、株主総会を行うことを想定した場合に、議決権のどれほどを持っているかということは大変重要なポイントでございまして、三分の二というのが非常に重要な事項を決定するだけの数として現行法では示されておりまして、これは新しい会社法でもこの点については変わりございませんが、その場合にどういうのが重要な事項かと申しますと、会社の組織に基本的に変更を来すようなこと、例えば合併ですとか営業譲渡のような、あるいは解散もそうでございますが、そういうことでございますので日常の業務、日常の業務についてどちらの側が三分の一を持っている、あるいは三分の二を持っているということが直接影響をすることはございません。

風間昶公明党

○風間昶君 今回のケースでも、まあ日本人的かもしれませんが、ニッポン放送の社員の方々がライブドアの傘下に入ることに対して危機感を持っているという方が多いようであります。  新聞社とかテレビ局というのはもう非常に伝統的に社員持ち株が多いわけで、その敵対的な買収事例において、いわゆる企業統治といいましょうか、コーポレートガバナンス、あるいは買収リスク管理に関しては現在、新しい会社法制検討ということで今日の産経新聞にも多少載っておりましたけれども、どのように今検討されて、どういうふうに、いつから執行していけるのかということ、また、その執行していけるまでの一年間の谷間、一年間というか何年間か、あるいは何か月か谷間が出るはずですけれども、そこの部分についてどのように考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。

寺田逸郎法務省民事局長

○政府参考人(寺田逸郎君) 二つのことをお聞きになられましたので、順次お答え申し上げます。  まず、その従業員の意見がどう反映されるべきかということでございますが、これは現行法も新しい会社法案におきましても、組織法上決定を行うべき事項について従業員がどのような関与をするかについて規定を置いてはおりません。しかしながら、実際上は従業員というのは非常に会社の重要な役割を担っているわけでございますので、それぞれの会社において、例えば従業員持ち株組合等を通しまして様々な工夫をされておられます。外国でも様々な工夫がございます。そういう重要な決定事項に従業員を関与させていくかどうかということは会社自身で御判断いただくことという位置付けをいたしております。  それから、合併法制の柔軟化が一年間施行がその他の部分についてよりも遅い形で法案が提出されたということで、その間どうするかというお尋ねでございますが、これは、その間に定期株主総会がどの会社にも最低一回はやってくるわけでございます。その最低一回やってくる株主総会で、今度の新しい会社法制で、それが私ども、必ずしも敵対的買収に対する対抗策という形で条文上提示しているわけではございませんが、条文、新しい条文を利用いたしまして様々な敵対的買収に対する対抗策を取ることが可能になりますので、それぞれの会社において株主総会でそういう新しい仕組みを工夫していただく、新しい定款変更をしていただくと、こういう機会が与えられるわけでございます

風間昶公明党

○風間昶君 その株主総会までの間、どうするのかということですが、それも含めて会社の定款を変えるということでしょうか。

寺田逸郎法務省民事局長

○政府参考人(寺田逸郎君) 株主総会が最低一回はやってくるということでございまして、その一回の株主総会が、どこの会社にもチャンスがあった後に合併対価の柔軟化の規定の適用があるわけでございますから、それまでの間の空白ということはないわけでございます。

風間昶公明党

○風間昶君 総理も、ニッポン放送の新株予約権の発行差止めを命じた東京地裁の判断が出された日に、いや、株は難しいねと、分からぬよ、どうなるかっておっしゃったんです。今度また、高裁で判断がまた出されることになるわけですけれども、またそのときに、難しいね、株の問題はというふうになるんでしょうか、総理の発言は。  いずれにしましても、いずれにしましても、景気回復、構造改革の進展でマネーゲームによらないで市場を活性化させていくという、そして経済を安定軌道に乗せるということについて極めて総理も関心がおありだと思いますけれども、このことについて総理の御決意を伺って、質問を終わります。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) マネーゲームは好ましくないという方もたくさんおられると思いますが、これ、自由市場、資本市場の中では避けられないことだと思いますね。投機はいかぬと言うけれども、投機もなくならないですね。株式市場だけじゃありません。今、油の市場もそうですね。投機を排除したいと言いながら、どうしても排除できない。  そういう中で、企業が健全に発展していくということは、それぞれの経営者の責任なりあるいは法整備なり必要だと思いますが、率直に言って、今裁判になっているわけですから、裁判でどういう対応出るかということについて、私は今一定の方向を指し示すこと、残念ながらできません。しかし、日本経済が活性化するように、多くの専門家の方々の意見を聞きながら、必要な法の整備なり制度の整備というのは必要だと思っております。

風間昶公明党

○風間昶君 ありがとうございました。  終わります。

若林正俊自由民主党

○理事(若林正俊君) 以上で風間昶君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

若林正俊自由民主党

○理事(若林正俊君) 次に、大門実紀史君の質疑を行います。大門実紀史君。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 先ほど日本の株の売買の約半分が外資だというお話がございました。今回、ニッポン放送株取得を仕掛けたライブドアに巨額の資金を提供したのも外資のリーマン・ブラザーズでございます。リーマンの資金提供がなければ、そもそも今回の騒動は始まりようがなかったというふうに思いますし、本当の主役は、そういう意味では堀江社長というよりもリーマンではないかという話もございます。  外資への、外資がこういう敵対買収を最初に、第一弾でやると批判を受けるということで、日本人を仕立ててといいますかね、実際にはこの外資による敵対的買収の第一弾という見方も今回の問題はあるわけです。しかも、リーマンは、例の新株予約権付社債、あるいは堀江社長からの株を借りるということで、どう転んでも損をしない仕組みをつくり上げているという点がございます。  そこで、今日は外資の問題に絞って、時間の関係で質問をしたいと思いますけれども、ただ、あらかじめ申し上げておきますと、別に我が党は外資を単純に排除しろと、そして鎖国政策を取れと言っているわけではございません。  問題は、たとえ外資であっても、この日本で商売をする、日本で取引をするんだったらば、日本のルールをちゃんと守るべきだと、法律にしろ税金を納めるにしろ、あるいは企業とか投資家としての社会的責任にしろ、そういうことを申し上げたいというふうに思うわけですけれども、総理はこの点いかが思われますか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、日本で活動するには日本の法律を守っていただかないと困ります。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 ありがとうございます。  先ほどからも議論ありましたんで触れませんが、市場のルールとかそういう点では、やっぱり今回の取引は、リーマンの資金で時間外取引のすきをつくとか、どうもちょっとルールという点では、適法だという言い方もありますけれども、どうもルールをいろいろ破っているんじゃないかと。それに対してまた、フジ側が防衛策でまたちょっと荒唐無稽な手を打つと、そういうことが総合されてどんどん株が乱高下とか攪乱されていて、一般投資家が不利益を被っているんではないかと思いますんで、そういうルールをきちっと守るという点が一点と、もう一つは、当たり前のことなんですけれども、今申し上げましたけれども、税金は払うべきだと。日本の株で取引したら日本に税金を払うべきだというふうに思います。    〔理事若林正俊君退席、委員長着席〕  この点で、まず先にリップルウッドの話に触れたいんですけれども、御存じのとおり、公的資金を八兆円以上も投入してあの旧長銀をわずか十億円で買った、買って新生銀行をつくって大もうけしたリップルウッドですけれども、このリップルウッドに関して言えば、去年の二月に新生銀行株を市場で売却して二千二百億円の売却益を手に入れましたけれども、法の網くぐり抜けて税金を一銭も払わなかったということで、これはもう相当マスコミを含めて批判を受けました。  にもかかわらず、これは直近の話ですけれども、我が党の赤旗の取材チームが突き止めましたけれども、去年の十二月三十日にリップルウッドが、今度は新生銀行株の六五%を保有していた例の投資ファンドのパートナーズ社を事実上解散をして、九十五の海外投資家に株の所有権を分散いたしまして、パートナーズ社の持ち株比率を二五%未満に下げて、その個々の海外投資家が幾ら海外で売っても課税されないような仕組みをつくっておいて、今年の二月に新生銀行株の三四%、四億六千万株を三日間で売り抜けました。これ推定で約三千億近い利益を手にしております。またまた税金を私、一銭も払っていないと言わなければなりませんけれども。公的資金八兆円も使って、さんざんもうけて、日本に一銭も税金を払わないと。これは国税庁、この事実つかんでおられますか。

村上喜堂国税庁次長

○政府参考人(村上喜堂君) 個別の問題でございますので、具体的に答弁することは差し控えさせていただきたいと思います。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 いや、財務省に聞いたら、事実はつかんでいるけれども逃げられちゃったというふうなことをおっしゃっておりました。つまり、今の法律ではつかめないんですね、押さえ切れないと。だから、今回の税制改正で投資組合についても課税できるようにとなっているわけですけれども、このやり口を見越してリップルウッドは先にそういうことをやったんですから、非常に悪質であるということを指摘しなければなりません。  外資が日本でもうけるだけもうけて一銭も払わないと、こんなことがもう当たり前のようになっておりまして、今回のリーマンの取引も私は課税逃れの可能性が高いんではないかというふうに思います。  お手元に資料をお配りしましたし、テレビではありませんけれどもパネルにしましたけれども、これは財務局に提出された大量保有報告書を基に私の方で計算して作りました。(資料提示)リーマングループというのはアメリカに本社がありまして、ごらんのように、ジャパン、アジア、ヨーロッパなど各地に拠点を持っております。堀江社長がリーマン・ジャパンに貸した株が、書いてありますとおり四千六百七十三万株。それがそっくり香港のリーマン・アジアに貸されています、又貸しされています。ほかの機関投資家、これはちょっと不明ですけれども、とにかくリーマン・ヨーロッパに五百二十五万株が貸されています。それもそっくりリーマン・アジア、香港のリーマン・アジアに貸されております。このリーマン・アジアは、例の新株予約権付社債で株に換えたのも含めて、三月十七日現在で一億六千五百十九万株を海外市場で売却をしております。これ、計算すると、三百円で計算してみても約五百億円近い売却収入を上げています。  注目していただきたいのは、このリーマン・ジャパンというのは六本木にある東京支店ではございません。あれは支店にすぎません。本拠地はタックスヘーブン、租税回避のケイマン諸島にあるんですね。リーマン・アジアがあるのも、数々の税の減免措置があります香港にございます。つまり、ライブドアの貸し株、あるいはその新株予約権で株に換えたもの、これが租税回避ルートを通って、しかも海外で売却をされているというふうになります。  私は、このままいきますとこのリーマンも課税逃れをする可能性が非常に高いと思いますけれども、国税庁、認識はいかがでしょうか。

村上喜堂国税庁次長

○政府参考人(村上喜堂君) 一般論でお答えいたしたいと思いますが、本店が例えば、例えばケイマン島にございましても、これは外国法人といいますが、日本に支店等の活動拠点があり、これが一つの金融ビジネスに関与しているということであれば、相応の報酬ないし利益の分配を受けることになるのが通例であろうかと思います。したがいまして、その限りにおいて当該日本における支店につきましても日本における課税関係が生じてくると、そのように考えております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 そういうお考えで結構なんですけれども、どこまでも追い掛けていかれますか。

村上喜堂国税庁次長

○政府参考人(村上喜堂君) 課税上問題があれば税務調査を行うなどして適正な課税に努めているところでございますし、今後ともその方針には変わりございません。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 是非、注目しておりますので、追い掛けてもらいたいと思います。もうこういうことが許されていいのかという時代だと思うんですよね。是非国税庁頑張ってもらいたいと思いますけれども。  私は、この外資に税金を掛けると外資が逃げてしまうという話がこの間、政府の中といいますか、経済産業省辺りからもかなり出るんですけれども、私はこれは大間違いで、こういう投機マネーというのはそもそも逃げ回っているお金でございますよね。いいときだけ来てもうけて逃げ回るわけですから、これはもう逃がさないという立場でやらなければいけない問題で、掛けたら逃げるなんという話ではないんで、そういうふうにとらえていただきたいし、投機マネーについてはOECDもかなり懸念をしております。ですから、世界の国々が一緒に、一緒にこの投機マネーに課税するという時代にもうそろそろなりつつありますし、フランスではトービン税という発想も提案されているところでございます。  そういう点で、今回、税制改正に国際課税の問題含まれておりますが、谷垣大臣に、こういう投機マネーといいますか国際課税問題への決意をお伺いしたいと思います。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 取引も国際化しておりますから、当然税制もそれに対応したものでなきゃならない、これは当然でございますが、それと同時に、国際的な租税回避行動というものに対してはきちっと対応しなきゃいかぬということだろうと思います。  今委員におっしゃっていただいたように、平成十七年度も組合等についてそういうことを入れさしていただきましたけれども、今後とも制度面それから執行面、両方できちっとやらしていただきたいと、こう思っております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 是非、これからの課題になっておりますし、先ほど申し上げました市場のルールを整備してルールを守らせるということと、税金を納めさせると。もう当たり前のことでございますし、今までそういうところが不備になっていたという点を是非踏まえていただいて、急いでこの問題に取り組んでいただきたいと思います。  時間がちょっとありますので、市場のルールだけ申し上げますと、今回のことで一般投資家の皆さんが相当不利益を被っていると、巨額のマネーを持った者が特殊な情報をつかんで、しかも金融技術を駆使してやると、これで一般投資家も被害を受けておりますので、その点の対策も是非取っていただきたいと思います。  終わります。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 以上で大門実紀史君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島君。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  今回、金融庁が証券取引法改正法を出されましたが、通常なら金融審議会が事前に検討することになっているようですが、その論議もまだ始まっておりません。急遽こういう法案の提出になったことについて妥当性があるのでしょうか。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) 委員御承知のとおり、証券取引所の立会い外取引は、現行法上、基本的に公開買い付け規制の対象とはされていないところでございます。  しかしながら、立会い外取引は、その使い方いかんによっては、市場外の相対取引と類似した形態となる可能性があり、これを放置すれば、株主に平等に売却の機会を与えることを目的とするTOB制度の形骸化を招くおそれがあると考えられることから、今般の改正案において、立会い外取引のうち、相対取引と類似した取引で買い付け後の株券等所有割合が三分の一を超える取引についてTOB規制の対象にしようとするものでございます。  そして、この法案を提出させていただくに当たって、金融審議会の方にもお諮りを申し上げまして、そして、金融審議会もこうした対応をすべきということを踏まえて国会に提出をさせていただいたところでございますので、御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 このような法改正により、一種の参入障壁と思われることはないのでしょうか。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) これは参入障壁ではございませんで、TOB制度というのは、先ほども答弁をさせていただきましたように、株主に平等に売却の機会を与えると、それが目的でございますので、その目的が形骸化されないような対応処置として今回の証取法の改正案を提出をさせていただいたということでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 政府が改正を進めている新会社法で、外国株式を使った企業合併の解禁が一年先送りになりました。これは企業防衛に重点を移したと報道がされていますが、これについての見解をお聞きします。──済みません、これは通告をしていないんですよね。じゃ、また後ほど聞きます。  では、ちょっと素朴な質問を、前回もしたんですが、改めて。  コクド、西武グループに関して両罰規定で立件するという報道がなされておりますが、なぜ税金を払わないで済んだんでしょうか。一般の人からは信じられないと思われておりますが、これについていかがですか。質問通告しています、質問通告しています。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 済みません、私、通告をいただいて、聞いておりませんでしたけれども。  要するに、課税ができていないということは、私どももよく調べなきゃならないことでありますけれども、その申告上といいますか、その上では利益が出ていなかったという形になっていたんだろうと思います。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 今、会社がだれのためにあるのか、あるいは会社の透明性、公平性を図るということになっていると思いますが、非上場の親会社に一定項目の情報公開を義務付ける法改正を行う、あるいは一連の不正行為について課徴金を課せる法改正などが必要だと考えますが、いかがですか。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきます。  上場会社に親会社が存在する場合、当該親会社の株主、役員、財務の状況等は当該上場会社のコーポレートガバナンスの状況に大きな影響を及ぼし得ることから、投資判断を行うに当たってはこれらの情報が開示されることが重要であります。  現行制度では、子会社の有価証券報告書等において一定程度の情報は開示されるものの、当該親会社自身に関する情報の開示は限られたものになっておりますので、このため、今回提出をさせていただきます証取法の改正案においては、上場会社の親会社が有価証券報告書提出会社でない場合、親会社自身に関する株式の所有者別状況及び大株主の状況、役員の状況、貸借対照表、損益計算書、営業報告書及び附属明細書の開示を親会社に義務付けることとしたところでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 今回の法改正で十分でない点もあると思いますので、今後是非お願いいたします。  先ほどの税金を払っていないということなんですが、普通、人が税金を払わないと調査に入られたりしますけれども、国税にさっきの答弁の続きについてお聞きをいたします。というかですね、じゃ、もう時間がないので、総理にお聞きをいたします。済みません。  総理は、三年半の在任、今までの在任中、二百五十日以上、プリンスホテルを利用していらっしゃるというふうに報道をされています。私がお聞きをしたいのは、(発言する者あり)いや、その法人税を払わないということについての御感想をお聞きをいたします。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は全くそれ関係ないんです。利用すべきときに利用するというだけです。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 もちろん利用するべきときに利用することで、それで当然なんですが、私はやはり今日、会社はどうあるべきか、株主保護はどうあるべきか、投資家保護はどうあるべきか、国民に対してどうか、会社の社会的責任がやはり今度の法案でも問われていると思っております。その意味で、納税の義務は国民にも課されておりますので、その点について総理の見解を聞きたいというふうに思いました。  以上で終わります。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。  これにて証券・金融・規制緩和に関する集中審議は終了いたしました。  明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時十八分散会

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