予算委員会 第12号
- 発言数
- 419 件
- 登壇者
- 52 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2005/03/16
会議録
○委員長(中曽根弘文君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 平成十七年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。 本日は、一般質疑を百四十分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党三十分、民主党・新緑風会七十六分、公明党十八分、日本共産党十分、社会民主党・護憲連合六分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。 ─────────────
○委員長(中曽根弘文君) 平成十七年度一般会計予算、平成十七年度特別会計予算、平成十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。小泉昭男君。
○小泉昭男君 私は、自由民主党神奈川選挙区の小泉昭男でございます。 良識の府参議院の予算委員会におきまして初めての質問に立たしていただきました。どうかよろしくお願いいたします。 それでは、早速質問に入らしていただきます。 外務大臣、一昨日、三月十四日でございましたが、マラッカ沖におきまして、わずか十分の犯行で襲撃をされたというニュースが日本じゅうを駆け巡りました。この件について把握している情報等につきましてお伺いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(町村信孝君) この事件の事実関係でございますけれども、十四日、日本時間の十九時半ごろ、日本の船会社近藤海事が保有いたします船「韋駄天」、これは日本船籍でございますが、これがマラッカ海峡において接近してきた小舟により銃撃を受けたわけでありまして、その際、銃撃してきた小舟から四、五人が「韋駄天」に乗り込んできて、日本人の船長と機関長、それからフィリピン人の三等機関士を小舟に乗せて連れて去ったということでございます。 この被害船は総トン数四百九十八トンのタグボートであるということで、この船には被害者を含め十四人、うち日本人八人、フィリピン人六人が乗船をしていたということでございます。 この被害船は、マレーシアのペナン島に投錨いたしまして、既に安全にといいましょうか、おりますし、現地の警察あるいは我が方領事館の者が現場に既に行っておりますので、そこで会っていろいろな話もしているということでございます。 ただ、肝心のその誘拐をされたお三方についての状況というのは、今のところ詳しい情報といいましょうか、何ら新しい情報には接するところがございませんので、一生懸命今情報収集に努めているところでございます。
○小泉昭男君 ただいま大臣が御説明いただきましたとおり、まだ情報的なものが完全に把握できていない段階かなと、こういうふうに思います。 早速に官邸の中に対策本部を設置されたということでありますので、この三人の乗組員の方々の無事救出を心から願いたい、こういう気持ちでおります。私は報道の内容で知る限りのことでございますので、大臣にはいろいろ御苦労の中での対応されているのかなと、こういうふうに思います。 このマラッカ沖、この一帯は日本にとっても大変な重要な航路でありまして、オイルについては、エネルギーのほとんどを頼っているオイルについてはこの地域を通過しないと日本のエネルギー確保できない、こういう状況だということも伺っております。 それと、今、現状では大変憂慮すべきことではありますけれども、大分今までの被害が多かった、海賊という襲撃を受けた過去に事例が多いということでありますので、これらについてどの程度対応されてきたのかについて伺っておきたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) このマラッカ・シンガポール海峡におきましては、大変にこの海賊事件が多発をしております。二〇〇〇年八十件、二〇〇一年二十四件、二〇〇二年二十一件、二〇〇三年三十件、二〇〇四年四十五件というようなことでございます。 その中で、じゃ、邦人の拉致事件といいましょうか、こういう事件があったかというと、一九九九年十月、パナマ船籍の貨物船アロンドラ・レインボー号、これに日本人が二人、フィリピン人十五人が乗り組んでいたという事件がございまして、この船はインドネシアを出航後消息不明となりまして、乗組員は、この船から別のものに、別の船に移動を強いられた後、ボートで漂流していた、約十一日間漂流をするということのようでございますが、漂流しているところをタイの水上警察に全員が保護されたということで、大変幸いなことに全員無事に助かったという事件が九九年の十月に起きたということが一番最近時点の前例でございました。
○小泉昭男君 大変こう憂慮すべき事態が過去にもあったということでございますが、インドネシアの海上パトロール、まあ最低この地域では四百隻必要だという報道の記事がありました。現実には百五十隻ほどだということもありましたけれども、早速に日本国として巡視艇を供与したい、一隻運搬費から含めて七億ぐらい掛かるということでありますけれども、まあ武装はしていないということでありまして、武器輸出三原則には抵触しないと、こう判断をされているようではありますが、この供与につきまして御意見を伺いたいと、こういうふうに思います。
○国務大臣(町村信孝君) 先ほど申し上げましたようなこのマラッカ海峡あるいは東アジア地域全域でこうした海賊事件が起きるということがあるものですから、実は平成十二年四月に開催をされました海賊対策国際会議というものの成果でありますところの海賊対策チャレンジ二〇〇〇及び海賊対策モデルアクションプランというものに基づきまして、これまでも、共同訓練でございますとかあるいは海上保安大学校への現地の留学生の受入れでありますとか、いろいろやってきております。これは海上保安庁が主としてやってきてくれたわけでございますが、今委員御指摘のその船の供与といったようなことも、今回の事件の一つのまあ反省といいましょうか、今後のことも考えて真剣に考えなければいけないと。まだ、そうちょっと、検討がそう具体化しているわけでもございませんが、できるだけ早く検討をしてそういったものも考えたいと。 ただ、これ前に、ちょっと、いつでしたでしょうかね、去年あるいはおととしだったでしょうか、武装をした中古船を輸出するかとかいうような話が実はあったことはあったんであります。ただ、いかに中古でも武装しているものは武器輸出三原則に引っ掛かるのではないかといったような議論があり、実は、あっ、去年のあの武器輸出三原則の見直しの幅広い議論をやった中でもそういう議論が率直に言ってございました。必ずしも明快な結論が出ていない状態ではございますが、そういったことも含めて少しく幅広く検討を急ぎたいと、かように考えております。
○小泉昭男君 まあODA関係のことも含めまして、前向きに、なるべく速やかな対応をいただきたいと思います。 この心配されることの中に、ついどうしても国際テロ組織のアルカイダの動きだとかそういうものが懸念されるんじゃないか、こんなことも言われておりまして、海上輸送の大動脈でありますので、こういうふうなことも踏まえて対応いただければなと、こういうふうに思います。中には小遣い稼ぎで夜海賊をやっているって、こんなことも報道にありましたので、大変危険な地域かなと、こういうふうに思います。 ここで、大臣にいま一度、これは防衛庁長官の方がいいのかなと思うんですが、自衛隊の対応についてもしお考えがあったら伺っておきたい、こういうふうに思います。
○国務大臣(町村信孝君) 突然のお尋ねでございますので、私も十分な知識もございませんが、自衛隊が即対応するという事態かなあと思いますがやっぱりこれは主として海上保安庁のマターではなかろうかと、こう思っております。 我が国のシーレーンをどうしっかりと確保していくのかという大きな問題にもなってくるわけでございまして、政府挙げて全体で今後こうした問題の再発防止あるいは航行の安全をどう確保していくのかということを早急に、また総合的にこれは考えていかなければいけないテーマであろうと、かように考えております。
○小泉昭男君 自衛隊の対応というのは大変な条件が整備が必要だと思いますが、これからも、こういうことが起こってはならないことでありますので、もうそういうふうな情報収集を含めて国としての対応をしっかりお願いしたい、申し上げておきます。 続きまして、地方分権についてお伺いしたいと思います。 麻生総務大臣、お伺いさせていただきますが、平成十二年に地方分権一括法が施行されました。その後、段階的に進んではおりますけれども、地方公共団体の中には、分権のメリットが分からない、こういうことを言われることも耳にしております。地方公共団体にとって地方分権のメリット、これは何なのかということをいま一度大臣からしっかりとお示しいただきたいな、こういうふうに思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 地方分権をすることの基本は、地方分権一括法のときに、少なくとも地方に権限を移譲する、規制を緩和する、そして今回三位一体で地方にそれを裏付ける財源を付けるというこの三つ、これ三位一体と少し違いますけれども、この三つが地方に権限を移譲していくに当たっての法律であり、財政支援ということになると思っております。 地方がやることのメリット、例えば先生の川崎の駅なら駅前、駅前の再開発をやろうと思ったら、少なくとも政令都市であれば地方に権限が移譲されておりますから、川崎駅前の再開発の許認可は川崎市議会と川崎市、行政体でできる、建設省の許認可をもらう必要はないということになるところが大きいところなんでして、そういった意味では、地方分権によって自分で自分の地域のことの裁量権を発揮できるというメリットは大きいと思うんですが、これは先生、人それぞれでしてね、言われることをそのままやっておいた方が楽だというやつはいますから。自分で考えるのは面倒くさいと、それは人から言われたとおりにやっておきさえすりゃそれでいいじゃないかと、それでそう言っておきさえすりゃ、住民はともかく、国から金は来るわというような発想の方もそれは世の中にいらっしゃいますので、そういう町は多分発展せぬのですな、多分。僕はそう思いますよ。 やっぱり今商店街の話はよく聞きますけれども、やっぱりそこの商店街というのを見れば、やっぱりそこの商店街でやっぱりその町をどうにかしようという人が最低限いないと、幾ら法律やらお金やら何やらやっても全然駄目なんで、そういった意味では、魅力のある社会とか地域社会とか活力ある地域社会というものを創造していくためには、やっぱりその地域にいる頭を張る首長さん、また商店街でいえば商店街の町内会長ということになるんでしょうが、そういった方たちがそう思ったものをやれるだけの規制の緩和、権限の移譲、そしてそれを裏付けるある程度の金ということなんだと思いますので、これは地方を経営するという感覚、若しくは能力というものがあれば、これは圧倒的にこの地方分権というもののメリットは大きいと私どもは確信をしております。
○小泉昭男君 大臣がおっしゃる意味はよく理解できます。 私は、確かにおっしゃるとおり、地方はもう経営だという感覚で事に当たっていかなくちゃいけないんじゃないかな、こういうふうに思います。それと、格差があっても当然のことがこれから起きてくるんじゃないかな、こういうふうに思いますけれども、ただ、都道府県と市町村の考え方が少し温度差があるようでありまして、都道府県の権限だけが強まっていくんじゃないかと、こういうふうにとらえている方もいるようであります。これは国民保険、国民健康保険の補助改革が行われた際に、調整交付金について国から都道府県に移譲され、義務教育についても都道府県に対しての議論ばかし目立つという、こういうふうなところにこの原因があるんじゃないかなと、こういうふうに思いますが。 特に、地方に裁量がない生活保護でございますが、毎年一〇%ずつ生活保護の費用が増加していく、こういうふうに見込まれる状況でございますので、このまま十年いきますと倍になるわけでありますから、この国の財政負担を市町村に転嫁するような国庫補助負担金改革、これは国の身勝手だと、こういうふうに言って今市町村は猛反発しています。 これは地方六団体の中でもいろいろ議論がありまして、このことについてはおおむね統一的な見解に立っているようでありますので、この生活保護についてこれからどういうふうにお考えになっていくのか、伺っておきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 昨年の十二月の予算のときにも非常にいろいろ御意見の分かれたところでありますが、生活保護というのはそもそも、これ現金給付を伴います法定受託業務、したがって国の仕事、はっきりしておると思います。義務教育等々は、これは地方自治事務ということに決められておりますが、生活保護は、これは法定受託業務で国の業務と、これはまずはっきりしておるところだと、法律的には国が行うべき仕事とはっきり区分けができております。 その上で、今の国庫負担率の引下げというお話が、多分一〇%というお話はそのお話だと思いますが、小泉先生、これはそれをやられる場合には、それは地方が生活保護をさせるかさせないか、受けさせるか与えるか、そういったようなことを決める裁量権は国は地方に渡してもらうという大前提が付くんだと思うんですね。その裁量権を渡さないでただただ負担だけと言われても、それは地方はとてももつはずがありませんから、それは無理なんだと思うんです。 それで、保護の対象者とか支給者の中に差ができる、地域によって差が生じるということを、これは四十七都道府県いろいろ、これは最近では急激に増えております大阪、大阪とかいろいろ地域によってすごく差があるところなんですけれども、そういったのは歴史的な、まあ元々始まりました石炭の多かった福岡、北海道というようなところに特に絶対数が多いとか、最近不景気だから急に増えております、大阪、神奈川、東京というところは急激に増えておる等々、これ地域差もあるんですけれども、いずれにしても、そういった構造的な要因がありますので、これ一方的に地方から地方の仕事ってぽんと言われても、それは裁量権が全然増えませんし負担だけ増えるということで、とても地方でのめるところではない、はっきりしておると思っております。 したがいまして、昨年、政府・与党の合意に基づいて、地方公共団体も参加する協議機関というのが設置されて、生活保護における国と地方の役割、費用負担の在り方等々に、幅広く検討を行うということで、本年末までにこれは結論を出すという方向で今協議が始まろうといたしております。
○小泉昭男君 ただいま大臣がお話しになられましたその協議のことなんですけれども、やはり地方六団体の中では生活保護負担金等については、政府・与党合意で地方団体関係者が参加する協議機関を設置して検討を行うとされたわけです。しかし、補助率引下げは断じてのみ込め、のめないと、これを前提とするような協議には応じられない、はっきり団体言っているわけでございますので、この協議に応じられるような条件を、状況を御努力いただいて、その上でこの生活保護の問題について方向付けをいただければ、こういうふうに思います。 それでは、生活保護についてはこの程度にとどめておきます。 次に、合併の問題でありますけれども、合併については、明治の大合併から昭和の大合併、平成の大合併とずっと続いてきているわけでありますけれども、明治の大合併は自然の、自然村を基盤として行政村を編成したという、こういうことに由来されているということであります。小学校事務の処理等のため、三百戸から五百戸を標準にした大合併だったというふうに言われております。その後、中学校事務の処理のために人口八千人以上を標準とした昭和の大合併が行われたという、こういうことでございますが、大体方向の中で市町村の一番小規模な人口はどのぐらいが妥当なのかという、こういう中で一万人未満を目安とするという、こういうことが議論されたように聞いております。 しかし、現実には今もう二千台になっておりますから、これが二千を割って、そして一千台になったときに、一千を目指したときに、果たして一万人程度の規模で合併を認めていくようなことになると、地方自治体を認めていくようなことになると、これはやはり大変な数をまだ絞り切れないんじゃないかな、こういうふうに思います。この辺のところについてお考えを伺っておきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 一昨年大臣に赴任をいたしましたときに三千百八十一市町村あったんですが、それがこの三月三十一日までに、今二千二百まで、二千二百三十一、一昨日現在で二千二百三十一まで減っております。約九百四、五十減ったことになりましょうか、そういったことになっておりますんで、最終的には二千台まで行くであろうと思っております、この三月の三十一日で。二千台までに行くだろうと思っておるんですけれども。 これ、今言われましたように、一万人という例、数字を引いております最大の理由というのは、これ先生御存じのように、人口が五千人以下のところですと一人当たりに掛かります行政経費というのは百三万円、一人当たりで掛かることになっております。それが一万人を超えますと大体四十二万円、四十二万八千円と、約半分以下に下がりますんで、その意味では、行政経費がよく話題になりますこの昨今の中にあって、半分以下に下がるというのは極めて大きなことだと思っております。 今町村合併が進んでおりますけれども、ただ、これはなかなか、本人は嫁に行きたくても嫁のもらい手がないという、簡単に言えばそういうことになるんだと思いますが、東京都内でも、今一番小さな村はどこか青森か北海道ぐらいお思いでしょうが、実は東京が一番小さな行政区がありまして、八丈島の南七十五キロぐらい行ったところに青ケ島という村が二百三人、これは日本で一番小さな村です。その次は、浅野先生ここにいらっしゃいますけれども、浅野先生がほとんどの票を持っていく富山村という村が愛知県にあるんですけれども、全部持っていったって二百九人しかおられないという、こういう村、こういう村もありますので、地域によってえらく、なかなか難しい。じゃ、だれが合併するんだと言われても、そんなところ合併してもいいことありませんから、結果的にそこは一つに残る。 青ケ島というようなところは、これはそこに二百三人も住んでいただいているおかげで、いわゆる竹島みたいな話にはならぬわけだ。これは物すごく国防上も非常に大きな意味を持っているところだと、私どもはそう思いますんで、これは例の郵便局の話やいろいろ出てきますけれども、こういったところは少々の行政経費が掛かろうともいていただくというのは極めて大きいところだと思っておりますんで。 一番大きい横浜市、先生の隣の横浜市で三百四十万人ぐらい住んでおられる。大きなところも一地方自治体、二百三人のところも一自治体ということになりますんで、そういった意味では地域によっていろいろ合併をした方が行政としてはやりやすい部分、ある程度規模のメリットが出ますんで、そうは思いますけれども、なかなかできにくい状況というのもありますんで、その点は、私どもとしてはこの合併特例法に基づいて今いろいろ審議を進めさせていただいておりますんで、結構事は進みつつありますんで、仮に二千台にまでなれば私どもとしては平成の大合併と言えるようなものになった、約千以上減ったことになりますんで、その意味では平成の大合併と言えるものになるのではないかと思っておりますけれども、いずれにしても、まとまる話が崩れたりいろいろしておりますんで、更に延長にもなったことでもありますので、きちんとこれが進んでいくように努めてまいりたいと思っております。
○小泉昭男君 大臣おっしゃるとおり、経費の問題等いろいろあろうかと思います。今、神奈川県では相模原市が合併の準備を進めておりまして、昨日、調印書に三首長署名という記事が出ました。これは全部が一緒に合併できればいいんですけれども、藤野町と城山町がまだ足並みがそろっていないという、こういうことでございまして、これも必ずいい方向にすべてがいくというふうに期待をしておりますけれども。 私は、最近よく言われる合併の先にあるものは何かといいますと、道州制じゃないかと言う方がいますけれども、私は道州制の前にやらなきゃいけないことは基礎的自治体の体力づくりだと思っておりまして、基礎的自治体が体力ができないうちに道州制の議論をするのはいかがなものかなと、こういうふうに思います。この道州制のことについても大臣のちょっと所見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 道州制というのは、確かにおっしゃるように、一つの、これだけコンピューターとかICTというものが進んできますと、いろんな意味で、通信、交通の手段が便利になりましたので、昔とは大幅に変わったものになる。道路もえらく便利になりましたんで、行動範囲も広くなる等々で、その中間にあります県を超えて州にして、その間、地方の権限は更に、政令都市に県が渡しているのと同じように、大幅に地域に移管するという方向は、私は方向としては決して悪くないと私自身もそう思っております。 ただ、現実問題として、長いことやりますと、これは結構難しいんでして、私ども、例えば九州というところを見ますと、筑前、筑後、豊前、豊後、肥前、肥後、薩摩、大隅、日向、それを足して九州ということになっておるんですけれども、その九州のうちの筑前と筑後と豊前、三つの一部をくっ付けて福岡市という、県という人口五百万人になんなんとする大きな県をつくったことになっておるんですけれども、その福岡の中においても、同じ福岡県の中にあっても、私ども筑前の方から見ますと、あれは豊前じゃろうがとか、大体、およそ韓国より遠いみたいな話をする人が今でも一杯いらっしゃいます。 で、東北の方に、東北に行ったら、東北三県でとおっしゃいますけれども、同じ青森県の中でも、あれは、あれは津軽じゃろうがとか、あれは南部じゃろうがとか、もう、これはもう言葉の違いなんで、私ら標準的な日本語しか分からぬやつにとりましてはとてもその言葉の違いなんか分からないんですが、同じ岩手県の中でも、小沢先生の方は、あれは伊達であって、そして岩手県の盛岡市の方はこれは南部ということになっていまして、ああ、あれは伊達とか言ったら、もう、全然これはもう人種が違うかのごとき話がもう公然と町の古い方はされるというのが、これ多分、僕は神奈川県の方はよく知りませんけれども、大体、地方に行くと、そういう声が極めて今でも歴然と残っておるという状況の中にあって、一緒にしろと簡単に言ってそれでいけるかという問題は、それは地域の方々がよほどその方がええという意識を持っていただかない限り、幾らこっち側が笛吹いて太鼓たたいても、とてもそれは踊ることはないと。 私自身は、この町村合併、随分この一年ほどあっちゃこっちゃあっちゃこっちゃやらせていただきましたけれども、一番残る最後のところは感情論ということになりますので、この感情論の話はちょっと役人ベースとか行政ベースでとてもできるところではないというのが実態でありますので、方向としては決して間違っているとは思いませんけれども、いざということになりますと、結構事は難しいというような感じが正直な実感です。
○小泉昭男君 神奈川県の場合には皆さん穏和な方が多うございますので、事の話の仕方はすごくまとまりがいい県でありますけれども、今お話しになった、お話がありましたとおり、道州制については私はもう本当にまだまだ先のことであっていいんじゃないかな。ただ、北海道については試行的にという話も出ているようでございますから、それはそれとして、私は、基礎的自治体の体力を付けるために、国として地方に対する指導の内容を、いま一度方法をお考えいただいた方がいいような部分が出てくるんじゃないかな、こういうふうに思います。この合併についてはできればスムーズに進めていただきたい、こういうことをお願い申し上げておきたいと思います。 それでは農林水産大臣、お伺いしたいと思います。 昭和四十六年から米の生産調整スタートいたしました。もし、これ生産調整しなかったら今どのぐらいお米が生産できていたんだろうか。そしてまた、もし余るとしたらどのぐらいのお米が余って、それが金額にしたらどのぐらいのものなのか、ちょっと聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。 御承知のように、米の潜在的な需給ギャップが存在するわけでありまして、もし現状の生産調整を行わないといった場合に、言わば稲作に戻り得る水田面積、約八十万言わばヘクタールあるわけです。これら全部を言わば水稲の作付けをした場合には、約四百万トン過剰米が生ずるという計算になります。 〔委員長退席、理事若林正俊君着席〕 過剰米の計算、要するに四百万トンの過剰米ということになりますと、これは言わば金額的には大変なものでございまして、御承知のように、今私どもは買い付けが大体一トン、トン当たり二十二、三万ぐらいだろうと思いますが、これ政府米で売っても十三万七千円くらいにしかなりませんし、これがバイオマスとかあるいはその他の飼料用とかで売るようになりますと、これはもう極端に値を割ってしまうわけですから、言わばその差額大変大きなものになるわけでございます。 それであれですか、言わば全部生産した場合にどうなるかと、こういうことですか。言わば、要するに、その場合どういう損失が生まれるということですか。何か別の御質問になっていたんで今これだけをお答えいたしますが。
○小泉昭男君 まず生産の状況、もし余った場合にという御質問申し上げましたのは、私、政府開発援助のODA、これは、お金、物、人的支援、いろんなことがあると思うんですけれども、これは米でやった方がいいんじゃないかなと思っているんですね。そして、実は日本の今の農業の状況を見てみますと、やはりこれから生産をきちっと確保していかれるのはやはり主食が一番メーンでありますから、そういう中で、例えばインド、中国はもう食料の輸入国になりました。こういうことを考えますと、日本がいつまでもお金出せば食料を買える時代はもう終えんを迎えるんだと。 こういう中で今お伺いしたのは、これだけ生産をやっていかれれば、その余った米については生産調整については少し考えなきゃいけないんじゃないか、そして余った米についてはODAだとかそういうものについてしっかりと中に組み込んでいくと。こうすれば日本の食料の自給はしっかりと確保できるわけでありますので、そういう部分について、再度大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(島村宜伸君) 私は今から二十二年前に自分で志願して農林水産省の政務次官になりました。その際、私は、当時は禁句とされた減反政策は言わば農家においてもあるいは消費者においても国においても、これはそれぞれに非常に重要なことだということを訴えて歩いたんです。その理由は、当時、三方百両得なんだと、こういう話をしたんですが、当時は、御承知のようにお米は作れば作るだけ国が買い上げるということでしたから、毎年毎年大変な過剰米を抱えて食管会計はもう大赤字でございました。しかも、当時は保存の言わば技術においても非常に劣るものがありましたんで、古米、古々米、古古古古米というと、もう我々素人でも食味ですぐこれは古いお米だと分かるようなもの、要するに売りに売れないものがたくさん実は生まれていったわけです。 そういうことの経過に照らして、米の消費はどんどん落ちました。これは先生御承知のように、お米はおいしいんですし、体にもいいんですけれども、確かに手間暇掛かりますね。食器の前後の洗いも大変でございます。そういうこともありまして、食の洋風化は一気に急速に進みまして、米はどんどんどんどん消費が減りました。その陰の大きな理由はやっぱり過剰米、これを新米に混ぜて売るためにお米の食味が落ちて、そのために非常に値段がどんどん下がった。農家は農家でむしろ多収穫米に多少走った嫌いがなきにしもあらずで、米の味とか何かじゃなくて、取りあえず米を作ると、作れば売れると、こういう感じであったわけですね。これじゃ国はたまりません。 そこで、いろいろ考えた結果が、当時の渡辺美智雄先生の大英断で、私もお手伝いはしましたけれども、お米の値段に差を付けようと、一つには味の面から差を付けると、もう一つは破砕米その他の混入率によって差を付けると。いろんな切り口からお米の値段に格差が付いたわけです。そこでお米の消費が一時は減退が大分止まった時期があります。それはお米がおいしくなったからですね。それと同時に、言わば多収穫米ではありませんから、過剰もある程度抑えられるようになった。しかし、さはさりながら、過剰は相変わらず生まれていたので、やむを得ず生産調整をしたところであります。 それで、今も数字を申し上げましたように、もし黙って自由にお作りいただきたいということになると、今のその八十万ヘクタールが水稲を始めることだけでも約四百万トンも過剰米が生じるということですから、これは言わば大変なことで、国の負担、そして言わば消費者の要するにまずいものを高く食べなきゃいけないという面、もう一つは農家自身も結果的には過剰米が生じたことでお米の価値が減退し、そして同時に言わば価格決定の低下を招くと。結局みんなふさがるわけでございます。 そこで、言わばいろんな検討の結果、長い言わば歴史の中で生まれたのが生産調整でありますから、自由に作らせたい、自由に作らせろ、当然に私たちもそのことに気持ちは走るわけでありますが、やむを得ざる仕儀であると同時に、このことが結果的に農家にとっても消費者にとっても国家にとってもこれはハッピーであると、こういうことになっているわけであります。
○小泉昭男君 大臣のおっしゃる今までの経緯、しかし世界の中での日本の食料の自給というのは大変にこう厳しい局面を迎えつつあるわけであります。畜産の関係で見れば、脱脂粉乳が九万トンを上回る需要の二・五倍も在庫があるという、こういうことを聞きます。しかし、これは在庫があるということは宝ですから、これをどういうふうに生かしていくか、また海外に輸出するのも、総理が輸出を奨励したいということを言っているわけでありますから、農産物のこれから多角的な方向付けをお願いしたい、こういうふうに申し上げておきます。 続きまして、最近の月例報告に続いての、景気回復、回復基調に向かっているってこう言われておりますけれども、中小企業者には余り実感として伝わっていない、これが現状じゃないかなと思います。 日本の経済を支えているのは極めて重要な位置にある中小零細企業であります。先ほど島村大臣にもお話を申し上げるのがちょっと漏れましたが、農家も同じでありまして、四十ヘクタールの稲作を作る、これは立派でありますけれども、兼業農家、私は多角経営と言いたいんですが、兼業農家もしっかりとそういうものを支えておると思います。 この景気回復について、大臣ちょっとお願いいたします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 小泉委員から、景気の状況と地域中小企業の問題をどう考えるかという御指摘、御質問でございます。 景気は、御指摘のように、全体として見ますと、一部に弱い動きが続いているものの大局的には緩やかな回復局面にあると、これは総合的にはそのような判断をしております。しかし一方で、地域経済について依然としてばらつきが見られる、経済の構造が非常に大きく変わっているということ、また中小企業についても、持ち直しの基調にはあるものの、その環境についてはやはり大企業に比べて厳しいものがあるというふうに認識をしております。この地域の問題、そして中小企業の問題をしっかりと解決していかないと、これは国民に景気回復の実感は行き渡らないわけで、これは大変重要な政策的な課題であるというふうに引き続き認識をしております。 中小企業に関しましては、経済産業省、中小企業庁を中心に、そして地域再生についても村上大臣のところを中心に様々な施策を今お考えいただいております。我々、経済財政諮問会議でも、以前こうした観点から構造改革特区という考え方を出して、今それが定着しつつある。地域再生の本格的な枠組みの構築、観光の振興等々、そういったことをしっかりと組み合わせて、内閣全体として力を合わせて中小企業と地域の再生にしっかりと取り組まなければいけないというふうに思っているところでございます。
○小泉昭男君 大臣のお話のとおりだと思いますが、中小零細企業に対する施策の展開、これからも積極的に行っていただきたい、こういうように思います。 最後に、外務大臣にいま一度お尋ね申し上げたいと思いますが、ODAのことでございますけれども、今ODAは、やはり日本の今の国際情勢の中で大変日本が評価される、また信頼される、そういう極めて大事なことではないかなと、こういうふうに思います。 そういう中で、先ほども船舶を供与するという、これもODAの一環かなと。その流れの中で、やはり先ほど農林大臣にも、農林水産大臣にもお伺いしましたけれども、米、この米をODAの中に組み込んでいく、もう既に組み込んでいられるのかもしれませんが、この辺のところについてどのぐらい可能なものかどうか、外務大臣、ODAのことについてお願いいたします。
○国務大臣(町村信孝君) 従来から二国間の無償資金協力でありますとか、あるいは世界食糧計画、ワールドフードプログラム等の国際機関を通ずる支援によって実施されております日本の食糧援助では国産米を含む政府保有米を活用をしております。ちなみに、政府米の利用実績はこのところ大体十八万トンで来ておりまして、十五年度については国産米がその中に一定程度含まれております。これ、食糧援助に当たっては、食糧援助規約というものがございまして、日本が贈与した資金による被援助国が買い入れる穀物ということでございます。それが大体十八万トンあるということでございます。したがいまして、今後とも、被援助国や国際機関からの要請を踏まえまして、財政負担に留意し、またWTOの国際ルールに従って対応していくということでございます。 これ、何で財政負担の話をするかといいますと、国際市場の調達価格がトン二・六万円でございます。国産米はトン二十二万円ということで、ODAで計上するのはこの二・六万円相当のものでいいわけでございますが、その差額は結局農林水産省の食管会計で負担をするということに相なるわけでございまして、果たしてどこまでその負担が食管でできるのかということに相なります。 それから、国産米ではなくてミニマムアクセス米でやったらどうかと。これは多分、これは委員の御指摘と合わないんだろうと思いますが、ミニマムアクセス米であってもトン当たり五万九千円ということで、国際相場のそれでもまだ二倍以上掛かっているという辺りの財政負担をどう考えていくのかという問題がこれは結構大きな問題としてあろうかと思います。 それから、国際ルールというのは、まあ余りこれをちょっと大きな声で議論していいのかどうか分かりませんが、ミニマムアクセス米は原則として使わないようにというようなことも実はあるわけでございまして、というのは、ミニマムアクセス米というのは、ルールどおり考えれば、それは国内の消費のミニマム消費量といいましょうか、これだけは輸入したものを国内で消費しなさいというものでございますから、この部分の制約ももう一つあるんだということを御認識を賜れればと思います。
○小泉昭男君 いろいろ難しい部分はあるということは承知しております。しかし、日本の農業をきちっと守っていく、そして日本の昔ながらの文化、伝統も守っていく、そういう中に日本の国民がやる気を持ってこの国に住んでいくというものにつながっていくんだと思います。 これから、農業の振興もちろんでありますし、中小零細企業のますますの動きやすい環境づくりも必要であります。そして、日本が世界の中できちっとこれからも認知され続けるためにしっかりとしたODAの対応も必要だと思っております。そういう意味で、米の、ODAの中に米を参加させるということについてはこれからも機会あるごとに御意見として申し上げていきたい、こういうように思っております。 以上で終わります。
○理事(若林正俊君) 関連質疑を許します。岸信夫君。
○岸信夫君 自民党の岸信夫でございます。小泉先生と同じく、今回初めて予算委員会で質問をさせていただきます。 まず、在日米軍の関係についてお尋ねしたいことがございますが、まず第一点として、二月に行われました日米の安全保障協議会、協議委員会、いわゆる2プラス2でございますが、ここで自衛隊と在日米軍の役割、任務分担、また相互の運用性の向上といったことが確認されたわけです。また、共通の戦略目標をお互いの国が確認した。これは非常に大きな意義があることではないかというふうにも思っております。 ただ、この共同発表において、台湾海峡の問題、この平和的解決を促すという戦略目標が盛り込まれたことにつきまして中国が大変反発を示しているわけです。 中国は、ここ十七年連続で二けた増の軍事費の増大、大変な軍事大国化を図っております。また、このところ東シナ海によるガス田の開発とか、あるいはさきの原子力潜水艦の領海侵犯、こういったことを見ましても、海洋権益を求めて東側に強引な進出を図ってきているんじゃないかというふうに思えるわけです。また、先日の中国の全人代でほぼ満場一致で採択されました反国家分裂法に見られるように、台湾問題についても相当強い態度で臨んできている。 このような中国の動きに対して、我が国と米国が台湾問題に関して平和的解決を促して、また中国の軍事分野における透明性を高めることを通して中国がアジアの、アジア太平洋地域で責任ある役割を果たしていくよう求めることは、これは我が国としても当然のことだと思いますし、これまでの外交スタンスとも変わったところはないというふうに了解しておりますが、このような中国の対応についてどのようにお考えか、町村大臣のお考えをいただきたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 中国に関する先般の2プラス2における共通戦略目標の表現、今委員御指摘のとおり、基本は中国が国際社会の中でより建設的な役割を果たすように促していくということであり、それはもう中国も全く異存のないところだろうと、こう思っております。 その中に台湾海峡をめぐる記述があるということについて中国側の反発があることを私も承知をしておりますが、これは何も新しいことを日米間で取りまとめたというわけではございませんで、この台湾海峡をめぐる問題の対話を通じた平和的な解決ということは、これはもう、日本を含むこの地域の関係国にとってこれは共通の関心事項であるということであります。 したがって、この共通認識として盛り込んだわけでございまして、これは従来から、私どもがこの問題については武力行使には反対であると、話合いで解決をしてください、両当事者間の対話を早急に再開してくださいということをかねてより日本も言ってきたということを改めて確認をしたところであります。 実は、昨日、中国の外務大臣と電話会談をいたしまして、そのことを私からも改めて先方外務大臣に申し上げたところでございます。 また、反国家分裂法につきましても、先方の方から、これは中国にとっては大変重要な意思決定であり、中国の領土的一体性を保つためには必要な法律なんだということを力説をしておられましたので、私の方からは、この法律が通ることによって中国と台湾の関係というものに否定的な影響を与えるのではないかということを懸念をすると、もとより武力行使というものには反対であると、他方、台湾の独立を認めるということも私どもは反対であるということを、平和的な解決によって、対話によって解決をしてもらいたいということを昨日申し上げたところでございます。 そのほか、今委員御指摘のあった、例えば先方のあの原子力潜水艦の問題、あるいは海洋調査船、東シナ海における中国の資源開発の問題等々、海洋絡みの話がいろいろ問題になってまいります。政府といたしましては、日本の領域の保全、そして排他的経済水域、さらには大陸棚における主権的な権利等の確保のために、これは毅然として対応していこうということで、累次、これは首脳ベース、あるいは外務大臣ベース、あるいは事務ベースでもその話合いをやっているところでございます。
○岸信夫君 ありがとうございました。 在日米軍の再編に当たりまして、政府としては、在日米軍の抑止力を維持する、また沖縄を含むそれぞれ基地のある地域の地元の過重な負担を軽減していこうという方針であると理解しておりますけれども、こうしたことは、私の地元山口県にも岩国基地がございますが、こちら、米軍の海兵隊がおりますけれども、沖縄だけではなくて、こういう本土の岩国基地も含めた全体の基地の在り方をめぐる議論にも当てはめて考えられるというふうに思っておりますけれども、この点を確認をお願いします。
○国務大臣(町村信孝君) 今回の米軍再編成の議論の過程で私どもが基本的な視点として持っておりますのは、先ほど委員お触れをいただきましたような、米軍の抑止力を維持しながら、同時に地元自治体の、これは沖縄ばかりではなくて、沖縄以外のところもそうでございますが、地元の負担を軽減をするという観点を何とか両立をさせて検討していきたいということで、今いろいろな可能性を検討をし始めているところでございますが、現状ではまだその具体の内容について議論が始まったところでございまして、いろいろ報道はされておりますけれども、具体に決まったところはまだ全くないという状況でございまして、いずれ一定の案が両国間でまとまったところで関係自治体にもお話をし、御了解を得つつ、最終合意に持っていきたいと、こう思っております。 ただ、確かに米軍のこの負担という話がございます。それは確かに騒音等々いろんな面で負担があることはよく承知をしておりますが、また同時に、米軍が駐留をすることの日本全体にとっての意義といいましょうか、メリットといいましょうか、米軍がいることによってある意味では日本は限られた資源を軍事以外の面にも相当活用することができてきた、その下で日本は戦後いろいろな発展を遂げることができてきたんだということでございまして、どうぞひとつ、この在日米軍の負担という面ばかりが強調されずに、同時にその意義というものも併せ御認識をいただければ有り難いと、こう考えております。
○岸信夫君 先日、読売新聞の第一面に出ておりました、こういう記事ですけれども、「厚木から岩国移転」と、さも限定的な、確定されたような新聞記事が載っておりましたことは大臣もよく御存じのことと思います。横須賀を事実上の母港とする空母キティホークの艦載機、約七十機ぐらいだと思いますが、これが岩国に移ってくるんじゃないか、その場合にいわゆる夜間発着訓練も岩国でなされるんじゃないか、こういうような記事が出ておりましたけれども、今の大臣の御答弁を聞いておりますと、まだこういった事実関係、事実についてはないと、このように了解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 先ほどお答えを申し上げたように、いろいろなアイデアはこれから具体に詰めていきたいと、こう思っておりますが、まだ両国間で合意をしたものというのは一切ございません。いろいろな新聞記事が出て、その都度地元の皆さん方にいろいろな反応が出ておることを私もよく承知をしておりますが、なかなか筆の立つ記者さんたちが大変いろいろ、まあよくここまで、まあ捏造すると言うとそれはちょっと記者さんに失礼かもしれませんが、いろいろな断片情報を集めてうまく記事を組み立てるものだなと感心をすることもしばしばございます。また同時に、私ども外務省、あるいは関係省庁の情報管理が本当にある意味ではずさんだなということを自ら反省をしながら、その辺は本当にしっかりやらないといけないと、こう思っているところであります。 いずれにしても、いろいろな段階でいろいろな報道があり、地元の皆様方にある意味では要らざる御心配なりをお掛けをしていることは、まあ私は別に新聞社に代わっておわびをする立場にもございませんが、まあ残念なことでございます。きちんと、成案を得次第、地元の御了解を得るべくお話をしたい。 今月下旬にも、基地所在の知事さんたちで渉外知事会というものがございまして、その渉外知事会の方々ともこれまでの日米間の議論の状況についてお話しできる範囲のことはまずできるだけお話をすると同時に、地元の皆さん方のお声も先によく伺っておこうという場もつくることで今、日程調整もしているということを併せ申し上げさせていただきます。
○岸信夫君 私も何度も岩国基地参りました。周辺の住民の方ともいろいろお話をしてまいりました。自衛隊やアメリカの海兵隊の方々、これは地域の方々と非常に平素より親睦を深めておられます。交流活動も大変盛んなところで、良好な関係を築いてきているところであるわけです。基地との共生ということに向けて住民の理解も大変深まっていたところでありましたけれども、今回の新聞報道というのがいきなりこういう形で出ますと、非常に現地の方々、戸惑いもありまして、私としても大変残念なことであります。 今、御存じのとおり岩国基地では滑走路の沖合移設が進められております。これが完成する二〇〇八年には、距離も遠くなる、あと滑走路の延長線上に今までコンビナートが引っ掛かっていたんですけれども、それがなくなるので随分騒音の関係も軽減されるんじゃないかというふうに期待がされているところです。また同時に、地元の方々にとっては民間空港の再開の問題もございます。これはまだまだ大きな夢という段階かもしれませんけれども、そうした形に是非とも、力を持って地元の方々も進めておるところではあります。 先ほどもおっしゃられましたとおり、大臣もおっしゃられましたとおりですけれども、岩国の基地は今河口の地域にあります。大変、ここがなければ非常に海に対しても開けて、経済的にも良かったんじゃないか、逆に基地があるがために逸失した経済利益も相当あるんじゃないかということさえ言われていますけれども、ただ、我が国のこの盤石な防衛体制をこれはまた築いていくという意味でも、現地の自治体の方、また地元の住民の方とも理解というのが大変重要なポイントになると思うんです。先ほどおっしゃられましたとおり、三月中にいろいろ意見を聴取されるということでございますので、是非ともこうした地元の方々に対する御説明をしっかりしていただきまして、また地元の状況をしっかり理解していただきたいと、このように思っております。 続きまして、農業関係のことに移りたいと思います。農政に、農政問題につきましてお尋ねいたします。 食料・農業・農村基本法、基本計画の見直し作業が今進んでおります。 農業従事者の減少あるいは高齢化、こうしたことはもう大臣もよく御存じのとおりです。また、今進んでおります国際化の進展など厳しい農業環境になっておりますけれども、このような状況の中でも将来にわたって農業が持続的に発展していかなければいけないわけです。やる気と意欲のある担い手を明確化して、これに対して施策を集中化していく、重点化していくということは、これは大変重要なことだと思っております。 また、このことによりまして、農地や水などの経営資源が担い手に移転しまして、継続的な発展が図られるような改革、構造改革が実現するという考えは、これは非常に理解しやすいことではあるんですけれども、一方で、やはり農村社会には小さな小規模の農家、弱小の農家というのもたくさん存在しておるわけです。兼業農家もございます。いきなり担い手の明確化といっても、これらの農家によって支えられている農村社会全体として受け入れられることのできない混乱も発展するんじゃないかと、このように危惧されているわけです。 今の農業構造をどのような方向にこの計画で改善していこうとお考えなのか。その際、小規模の農家を切り捨てるというようなことがないんだろうかと大変不安に思っている方も多いんだと思いますが、大臣の御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) お答え申し上げます。 ただいま御指摘がありましたように、農業を取り巻く内外の環境、正に激変しておると言っても言い過ぎじゃないと思います。 まず、国際的には、国際会議などに行きますと、もうもはやもうボーダーレスの時代だと。言わばお互いに国際分業の時代なんだから、農業生産は我々に任せろと、いわゆる大農業国のケアンズ・グループなどはそういう露骨な意思を見せるわけですね。 その一方で、国内では、御承知のように、今御指摘のあった高齢化の問題とか、あるいは少子化の問題とか、あるいは最近、農業は他の言わば産業に比べて非常に効率が悪い、あるいは収入が少ない、労働条件厳しい、いろいろな問題に照らして、言わば農業をおやめになる方、あるいは耕作を放棄する方、いろいろ出てきておりまして、非常に厳しい状況下にあります。 〔理事若林正俊君退席、委員長着席〕 こういう状況の中で、私たちがまず考えなきゃならないのは、将来に向かって言わば食の安定供給を確保するための自給率の向上もありますし、また一方では、農業者が自信と誇りと将来に向かっての展望を持って農業に取り組める環境づくり、体質の強化、これに対して我々は努力をしなきゃいけないと、そう考えるところであります。 そういう意味で、今御指摘、お話がありました基本計画、これは、念のために申し上げますけれども、農業関係者六名、学者四名、あるいは食品産業四名、自治体三名、消費者二名、そしてジャーナリスト六名と、それぞれの分野を代表する方が約一年三か月ぐらいになりましょうか、大変な言わば会議を持って、実に二十九回も何か会議を持ったということですが、先般、この答申をいただく際にもいろいろ伺いましたけれども、いろんな御意見が出て、かんかんがくがくともみにもんでこの結論に至ったということでありますが、私が非常にうれしく思ったのは、皆さんがそれぞれに言うべきことは言い、考えるべきは考えたと、その結果の計画であるという意味のとらえ方、とらまえ方をなさっていた姿でありました。 この新たな計画に私たちは、基本計画に併せて言わば示すこととしております農業構造の展望の案でございますが、平成二十七年における他産業並みの所得を確保し得る経営、そして趨勢に政策努力を十分加味して、家族農業経営が約三十三万戸から三十七万戸程度、また集落営農経営が二万から四万程度、そして法人経営が一万程度になると見込んでいるところであります。 このうち、集落営農経営とは、集落内の農家が個々ばらばらでなくて、言わば土地の利用調整とかあるいは営農販売管理、あるいは農作業に使う耕作機械などの共同言わば利用とか、言わばそういう意味の効率化を図る中で、言わば小規模な農家や兼業農家もこれに加わっていただいて、従前のようにばらまきでなくて、重点的にやはりこれらに対する我々は支援を行う中に、新しい体質の強い農家をつくろうということで、言わばその担い手を、これから秋に向かって最終案が詰められるところであります。 そこで、よく指摘されるところでありますが、小規模農家は切って捨てられるんじゃないか、従前の農業は全くもう一切認められないんじゃないか。これは実は違うわけでございまして、やっぱり支援の対象を絞り込んでもっと効率的に重点的にするという意味において、我々はこういう方向を示されたわけでありますが、その一方で、従前のように、自分は農業もやる、そして言わば商売もやる、あるいはその他のこともやるということで、それぞれの個々の御判断でなさることは、それは自由なんでございます。ただ、そういう方たちまですべてに今度は助成をしていくということになりますと、これは一般の国民からも理解の得られないところでありますから、それらについて、これからは少しく絞り込んで集約して、もっと効果の高いものを生んでいこうと、こういうことなんでございます。 少し、いささか説明が長くなりましたけれども、率直な方向を説明させていただきます。
○岸信夫君 ありがとうございます。是非そうした形で農村社会が活力があふれる農村にしていっていただきたいと、このように思っております。 続きまして、同じ基本計画でございますけれども、食料自給率の目標です。 平成十二年の計画では四五%の目標をまず掲げておりましたけれども、結果的に四〇%からなかなか上がらない、横ばいのままで推移したと。大変厳しい状況だと思いますが、また新しい基本計画では平成二十二年までに四五%という同じ目標を掲げられている。まあ先に延ばされたというわけですけれども、この厳しい中での達成に向けてどのような方策を具体的にお考えかということについてお尋ねしたいと思いますが。
○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。 確かに、平成十二年三月に示された基本計画、この時点では言わば平成二十二年までに自給率四〇%から四五%に上げるんだと、こういう目標を掲げたところでございます。 しかしながら、いろいろこういう機会にも御説明してきたところですが、我が国で一〇〇%の言わば自給ができるというそのお米に対する消費が、私たちが言わば当初基本計画でもくろんだとおりに進まず、たしか平成九年が基準にされたと思いますが、たしか六十七、六十六・七キログラムを予定したのに、実際は四・八キログラムも下回ってしまって、相変わらず食、食の洋風化が進み、肉とかあるいは油脂の摂取量が増えてお米の消費が減っていると、これは非常に我々にとってはつらいところなんであります。 たまたまこれらの計画を組むに際しては、一日二食米食を取っていただくという計算で、茶わんにして三杯と、こういうことなんですが、御参考までに申しますと、それ一杯当たりちょっと一口余計に食べていただくだけで一%上がるんだそうで、そういう意味からしますと、どうも最近の方は余りお食べいただかない。こんなに健康で美容にもいいものが、どうも日本人にとっては余り大事にされない。この辺を少しく改めていかなきゃならないんですが、ただ、これを食べなさいという強制はできないわけでございますから、それらについては国民の理解も当然必要なところであります。 そういう意味で、まず食料自給率向上には農業の構造改革を進めて需要に応じた生産を行う、そして一方、消費面においては関係者が食生活の見直しなどに積極的に取り組むことが不可欠だということでございますけれども、まあ何といっても基本は食べていただかない、そっちの方向に行かないとどうしようもないし、我が国でもかつて昭和三十五年には七九%、約八割の自給率を誇った時点もあったわけでございますが、この言わば数字がどんどんどんどん落ちてきた経過は正に食の洋風化で、数字がきちんと証明できる。例えば、米の消費量、一方で肉や油脂の摂取量、これによって随分大きな差が出てきたということがちょうど平行してグラフで出ているわけですから、これは当たっていると思うわけでございます。 そこで、私たちの言わば新しい計画の下では、生産面では、集落営農の育成を図りつつ、担い手への農地の利用集積を進め、これと並行して、需要に即した生産のための各種施設を推進するほか、経営感覚に優れた担い手を育成するための施策を集中、重点化、集中化、重点化するということが一つ。 一方で、消費面では、分かりやすく実践的な食育を進めるためにフードガイド、これは先進国の中で日本はちょっと遅れておりますので、これは急遽そういうものを策定いたしまして、地域の農業者と消費者を結び付ける地産地消を推進してまいりたいと、こう考えているところでございます。 自給率の向上の取組が迅速かつ着実に実施され、できるだけ早い時期に向上に転じるよう施策の工程管理を今後適切に実施して着実に進めていきたいと、そう考えているところでございます。
○岸信夫君 今大臣がおっしゃられたとおり、やはり国産の食料を食べてもらわないことにはどうしようもない。一方で、食の西洋化あるいは多様化ということがどんどん進んでいるわけですけれども、日本人として最も日本人の健康に合った形の食生活というのをもう一度見直していく時期ではないかと、このように思っています。 その食料の供給面ですけれども、基幹食料の一つであります穀物ですね。穀物の需給状況についてお尋ねしたいと思います。 最近、中国、先ほど小泉委員からも御指摘がございましたけれども、中国の穀物生産力が大変低下しているんじゃないかと思います。生産量が消費を全くカバーされていない。期末在庫を見ても五年ほど大きく減らしてきているわけです。政策的な部分もあるかと思いますけれども、中国やインドなど人口が増加しているこのアジアでの需要というのもこれからますます増えていくと思いますが、一方で、世界の穀物生産というのももうほぼピークに来ているんじゃないかと、こういうふうにも思うわけです。 御存じのとおり、我が国は米を除き大量の穀物を輸入しております。こうした基幹食料を確保していくことについて、これから限られた食料生産の中で、世界の食料生産の中で、そうしたものを我が国が本当に確保できるのかどうか、この辺りのことをお聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(常田享詳君) 委員はかつて日本の代表的な商社で穀物部で大変活躍をされたスペシャリストと存じ上げております。その先生から今中国のお話がありましたけれども、先般、私、一月インドに行ってまいりました。インドが今急速に人口を伸ばしておりまして、やがて中国の十三億を抜くだろうと、そして十五億まで人口伸びるだろうと、産児制限しておりませんから。そういうことの中で、中国とインドの動向については大変厳しい見方を持っております。その上でお答えをさしていただきたいと思います。 二〇〇四年、二〇〇五年度の世界の穀物需給は、生産が好調であり、生産量が消費量を上回ることから、期末在庫量が前年度より約一割増加するなどおおむね順調に推移しております。 この中で、中国でありますけれども、中国については、経済発展が続く中、農地転用の増加などによる耕地面積の減少、農産物価格の低迷による作付面積の減少、穀物から野菜、果実等の換金作物への転換等により、二〇〇〇年以降、穀物の生産水準が低下している一方、食料消費は質的、量的に向上していることから、食料の供給不足の傾向が顕在化しております。この結果、大豆、小麦等の輸入が急増し、二〇〇四年には農産物純輸入国に転じたところであります。 ちなみに、二〇〇四年の中国の農産物貿易を見ますと、輸出額約二百三十四億ドルに対し、輸入額約二百八十億ドル、輸入超過四十六億ドルということで、純輸入国になっているという状況であります。 以上でございます。
○岸信夫君 今答弁の中にもございました中国は、いよいよ輸入国になったわけです。 世界のそういう食料生産考えますと、確かに二〇〇四年、二〇〇五年は相当な増加ということになったわけですけれども、それまでの数年間見ていると、やはりこれは毎年減少が続いていたわけです。世界的にも気候がおかしくなってきている中で、やはり我が国にとってもこれは生存権にかかわるような大問題になってくる可能性というのもあるわけです。 安定的な輸入の確保ということは、もうもちろんこれは大変重要なことだと思います。また、それにも増して我が国自身が穀物の、特に穀物の自給率をこれ引上げということが、上げていくということがこれは肝心なんじゃないかと、我々の基幹食料であります、考えておりますが、お考えをお聞かせいただければと思います。
○副大臣(常田享詳君) お答えをいたします。 委員御指摘のとおり、昭和四十年の時点での穀物自給率は六二%でありました。それが現在では二七%まで落としてきているということであります。今御指摘のとおり、将来にわたって穀物を安定供給していくためには安定的な輸入の確保と備蓄ということとともに、一番大切なのが国内生産を増大していくことではないかというふうに考えております。 現状をちょっと説明させていただきますと、平成十五年度の主食用穀物自給率は六〇%でありますけれども、飼料用を含む穀物自給率は、先ほど申し上げましたように二七%まで落ち込んでおります。穀物が基礎的な食料であることから、自給率の向上を図ることが重要であると認識をしております。 このため、新たな基本計画において、平成二十七年度に主食用穀物自給率を六三%、飼料用を含む穀物自給率を三〇%とする目標を掲げております。これを達成するために、生産面では、経営感覚に優れた担い手を育成確保し、需要に即した生産を進めるとともに、あわせて消費面で、厚生労働省と一緒に今連携してフードガイドなどを策定し、分かりやすく実践的な食育を進めてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○岸信夫君 今お話ございましたけれども、飼料用を含めたこの穀物の自給率、たったの二七%と、大変心細い限りであります。何としてもこれを引き上げるような施策をどんどん推し進めていただきたいというふうに思っています。 攻めの農政についてであります。 一部農林水産委員会でも触らせていただきましたけれども、大臣は、この我が国の農水産物の輸出を五年間で倍増させるという目標を立てて積極的に取り組んでいかれると、こういうことであります。我が国の農業、非常に脆弱で、今まで守りという観点が非常に強かったわけですけれども、こうした形で輸出を促進していくと、こういうことは非常に農業に携わっている方々にとっても勇気付けられるようなことじゃないかなというふうに思うわけです。ただ、やはりその輸出の世界、大変厳しいところだと思います。平成十二年、我が国の輸出が約二千四百億弱だったのが、十六年度には三千億円ということです。四年間で二五%の増加となったわけですけれども、これを次の五年で倍増ということですから、非常に大きな目標になるわけです。 ただ、輸出先では当然ほかの国との競争ということにもなってくるわけです。例えばアメリカ、アメリカは農水産物、農林水産物輸出金額が大体六兆二千億円ぐらいあるわけですけれども、これに対して国として百三十八億円の輸出促進策を取っておる。我が国はその十分の一、六千億を目指すということですから、この十分の一としては十八億ぐらいの話になるんですけれども、我が国の競争力を考えますと、もっともっと強力なサポートがないとやっていけないんじゃないかと、このようにも思うわけですけれども、こうした支援体制について御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(常田享詳君) 食料の輸出ということに関しましては、御案内のとおり、攻めの農政という視点から、特に中国は先ほどお話ししましたように純食料輸入国に転換しておりますけれども、一方では、日本から見れば巨大な輸出国としての可能性があるわけであります。そういうことの中で、従来、台湾とかほんの一部の中国に対して行っておりました国産品の輸出について、今後、強力に進めていきたいと。既に、北海道のナガイモ、青森のリンゴ、私の地元の二十世紀ナシ等、大変な勢いで、台湾も中国もWTOに加盟したということもあって輸入枠が拡大しておりますので、大変伸ばしております。 そのほかにも、全国四十七都道府県すべてが今打って出ようということで、いろいろなものをブランド化して今おります。今国会で、農林水産省マターではありませんけれども、商標法の改正もなされると聞いております。そういうことで、地域ブランドがそのまま表示できるような体制にもなって、その各地域のブランド品が海外で伸びていくということだろうと思います。 これから五年間で倍増すると、輸出額を倍増するという方向で頑張っていきたいというふうに思っております。 以上でございます。
○岸信夫君 今、その輸出ですけれども、我が国の農生産物、恐らく非常にプレミアム品を出すということになると思います。そうしたときに問題になるのが、その新品種、新しく改良された品種の保護ということだと思います。せっかく日本でいいものを作ったものが不法に持ち出されて海外で作られている。そうしますと、せっかく持っていっても、そこでぶつかってしまうということも出てくると思います。 そういうことで、外国でのこういった規制に対して我が国も相当強く言っていかなきゃいけないんだというふうに思うわけですけれども、この辺りの方策についてお伺いします。
○大臣政務官(加治屋義人君) 実際に、我が国で育成された優秀な新品種が海外に渡って、そしてそこで生産されて、そして輸入、我が国に輸入され販売されている、こういう実際事件が、この疑いのある事件が発生しておりまして、我が国の育成者の権利をしっかり守らなければいけない、そのことは今、岸先生御指摘のとおりでございます。 そこで、御質問のありました育成者権の保護の措置について少し述べさせていただきたいと思っております。 我が国から海外に持ち出された新品種については、我が国と同等の品種保護制度のある国において、その国で育成者権を取得すれば新品種の農産物の生産などに対して差止めの請求を行うことができる、そのことによって守っていこうよと、こういうことが一つございます。しかしながら、品種保護制度が十分整っていない国がございまして、こうした対応は取れないために、EPA交渉とか技術の研修交渉とか、そういうもので制度の整備ができるように今話を進めさせていただいております。 一方、不法に持ち出された新品種の種苗から生産された農産物が我が国に逆輸入される事態に対処するために、これは平成十五年度に種苗法を改正をしていただきまして、育成者権侵害に対する罰則を強化をさせていただいたところでございます。関係法の改正によって、税関において育成者権を侵害する農産物の輸入の取締りが可能になったと、そういうふうに考えております。 さらに、このような品種の保護を強化するために、今国会に育成者権の効力を加工品まで拡大しようよという内容の法律を出させていただいておりますので、そこで種苗法改正法案について御審議をいただいて、よろしくお願いを申し上げたいと、そのように思っております。
○岸信夫君 これから我が国が輸出を進めていこうと考える場合、やはり海外で作られてしまうこと自体が問題になってきますんで、そこをしっかりとやっていただきたいと思います。 最後、農林水産予算ですけれども、十七年度、二兆九千六百七十二億円の計上でございますが、かつて三兆七千億ぐらいあったころから比べると二割削減されていると。御存じのとおり、農林水産関係、農村の活性化などにとっては大変重要なところだと思います。スリム化、効率化、こうした中で、一方で予算が過保護でないかと、無駄遣いされているんじゃないかというような誤解もあると思いますが、こうした誤解を解消しつつ、適切な、必要な予算を確保されるよう望みたいと思いますが、財務大臣の御意見を最後に伺います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、岸さんから、ピーク時は三兆七千億ぐらいあったのが、今二兆九千億の農林水産関係予算であると。私、それいつごろのことかなと、ピーク時はですね。そうしましたら昭和五十七年ということで、この当時、私、そこまで調べてないんですけれども、一般会計は多分五十兆行くか行かないかのころ、今八十二兆一千八百億ですから、随分シェア自体は小さくなってきていることはおっしゃるとおりです。しかし、その内訳見てみましても、内訳も随分変わってきておりまして、やっぱり当時と現在における農林水産政策の、何というんでしょうか、変化というものもその中に表れてきていると思います。 確かに、今委員がおっしゃるように、随分スリム化、美しく言えばスリム化してきたわけでございますけれども、やはり、ただスリム化すりゃいいわけじゃない。めり張りをきちっと付けて、競争力強化といった構造改革であるとか、食の安全、安心といった重点課題にはきちっと対応していく必要があるだろうと思っております。財務省としても、農林水産省ともよく協議をしながら、そういう大きな方向を過たないような予算をきちっと作っていきたいと、このように思っております。
○岸信夫君 ありがとうございます。
○委員長(中曽根弘文君) 以上で小泉昭男君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(中曽根弘文君) 次に、前田武志君の質疑を行います。前田武志君。
○前田武志君 民主党・緑風会の前田武志でございます。 今日は、平成十七年度予算案に関連して、主に住宅政策関係、そして、先ほども出ておりましたが、食べ物、食、この食と健康との関係ですね、そんなことを中心に質疑をさせていただきたいと思います。 もちろん、この衣食住、生活の最も基本でございますね。実は、我々関西、谷垣大臣の京都は、これは着倒れですよ、それから大阪は食い倒れ、我が大和は建て倒れと言うんですね。建て倒れという意味は、もちろん歴史が古いということもありますが、比較的災害も少ないということで、しかも吉野杉の本場ですからね、法隆寺というような木造建築は今にそのまま残っているわけですね。人が住みさえすれば残るんです。私事にわたりますが、私の母の家も、これも南朝時代からの、ずっと住んでおるものですから残っているんですね。いかにやっぱり日本の風土に合った材であり食であり、重要かというふうに思うんですね。 昨日、ここの何ですか、公聴人、公聴会の公聴人の先生方からのお話を聞いていても、(発言する者あり)公述人ですか、いや、これからの環境時代、もうまさしく日本の環境というのはもう壊れ掛かってて、もっと大事にせにゃいかぬ。その基本に住と農というものがあるんだろうと私は思うものですから、そんな観点から質疑をさせていただきます。 まず、住宅政策について今回随分と大きな転換があったんではないかと、こう思うんですね。中身についてはまだ大臣から直接伺っておりませんので、本当にいい方向の大きな改革になっているのかどうか、まずそういった意味で今般の住宅政策、改革の方向といいますか、そんなことについて大臣からお聞きをいたします。
○国務大臣(北側一雄君) 今その議論をしている真っ最中でございます。 住宅につきましては、数だけとらえますと、量的には既に充足をしていると言われております。ただし一方では、質の問題については、例えば耐震化の問題であったりバリアフリーの問題であったり等々、まだまだ課題がたくさんあるという状況にございます。 そういう中で、今御議論いただいておりますのは、従来は公的資金によって新規供給をしてきたということが主眼でございました、住宅政策の。公営住宅又は住宅金融公庫、また公団等を活用しまして、公的資金によって住宅の新規供給をするというふうな政策を遂行してきたわけでございますが、冒頭申し上げました、これから住宅ストックの質を向上させるという観点又はそれを、ストックを最大限に活用するといった観点から考えますと、これまでの新規供給を主眼とする政策では十分に対応できないのではないかというふうに考えておるところでございます。 そこで、住宅と住宅資金の直接供給を基本とした政策から、これからはむしろ、より市場機能というものを重視して、そして今あるストックを有効活用していくということを基本とした政策に転換していく必要があると考えております。 ただし一方で、この市場重視ということでは、一方ではセーフティーネット、住宅のセーフティーネットをしっかり確保していくことは重要でございますし、また市場を重視していくということは、一方で消費者保護ということもこれからますます重要になってくるというふうに考えているところでございます。 さらに、同様の観点から、これまで住宅建設計画法、もう委員御承知のとおり、住宅建設計画法というのがございまして、五年ごとに公的資金による住宅建設戸数の目標を掲げてまいりましたが、これを抜本的にやはり見直す必要があるというふうに考えているところでございます。 現在、こうした観点から、新しい住宅政策の基本理念、長期的な政策目標、そうしたものを議論をしていただいておりまして、基本的な施策の方向を示す基本法制、言わば住宅基本法のようなそうした法制の在り方について、多くの皆様の御意見を賜りながら、今議論をしている真っ最中でございます。
○前田武志君 かなり大きな改革の方向を考えておられるようでございます。官から民ということに集約されるかなと思うんですが、一方で住宅というものは、まさしく家族の単位でございますし、人間の生活そのものでございますし、またある意味では、ずっと定住しているところであれば、先祖から受け継いでの、まさしく日本の文化の継承の舞台にもなっているわけですね。そして、それがコミュニティーをつくっていくというわけでございますから、その辺の議論をこれからさせていただくわけでございますが、先ほど農林大臣、手を挙げてくださってましたんで、国交大臣と農林大臣にお聞きするんですが、マクロの総合的な住宅政策というのはおいて、今申し上げたように住宅という、この家そのものですよね、この在り方、今はかなり大量生産の住宅産業から出てくる住宅も非常に便利ですし、早いですし、耐震性もあるしということで来ているわけですが、本来、住宅なんというのは、その土地土地、風土に合った建て方があるわけで、先ほどの総務大臣のお話聞いていても、九州の建て方とそれは津軽では違うんでしょうね。そこに何かこの住宅政策がそういう配慮がなされてないというところに私は実は問題がありはしないか。このまさしく環境時代、エネルギーがこうやってショーテージがあるような時代に、あらゆる家が換気扇を付けて冷暖房完備でと、そんなことが一体いつまで保持できるのか。法隆寺だってそんなものはなしでやってきておるわけですよ。 ということで、そもそも住宅というものはどうあるべきかという、いささか理念めいた、哲学めいたことでありますが、国交大臣と農林大臣と、そして総務大臣にお伺いをいたします、コミュニティーを統べるわけでございますから。
○国務大臣(北側一雄君) 今の委員のお話は非常に重要な御指摘だと私も思います。 住宅というのは、私的な面と、一方で非常に公的な面と、双方がやはりあると思っております。私的な面というのは、もう言うまでもなく、その個人や家族にとっての生活の基盤でございます。子供を育てる、老後を暮らしていく、そういう意味じゃ本当に生活の基盤でございますが、一方で社会性というものも非常に私は大きいものがあると思います。地域のコミュニティーの基盤となるものがまさしく個人の住宅であると思いますし、あと地域の環境だとか、また安全だとか文化だとか景観だとか、まさしくその地域性、今委員のおっしゃった地域の風土等に適した、長年の歴史性といいますか、そういうものの極めて基本的な重要な要素が住宅であるというふうに思っておりまして、それは単に私的な面、個人の面だけではなくって、社会全体にとって極めて大切な財産というふうに私はとらえていくべきだというふうに考えております。 そういう意味で、良質な住宅を、その地域に応じた良質な住宅を確保できるような条件整備にしっかりと今後とも努めてまいりたいと思いますし、それをすることがまさしく社会の安定につながってくるのではないかというふうに考えております。
○国務大臣(島村宜伸君) いろいろなこれ、切り口があろうかと思いますが、何といっても家というのは、言うならば人間の生活の一番の基盤であると同時に、憩いの場であり、家族団らんの場であり、また一般社会との交流の場でもある。したがって、ただ利便性だけは確保されているホテルも時には便利でありますが、長く住んでおりますと、やっぱり人間的な生活をするためにはやはりいろんな意味で行き詰まるものが出てくると思いますし、また同時に安全ならばいいのか。要するに戸締まりその他が完全ならばいいのか。よくマンションは最初それで飛び付くそうですが、途中からやり切れなくなる。たとえ多少危険性があっても木造のうちに住みたいというふうに帰結するのがどうも日本人の、木の文化に育ったためか、本質的な何か心情のようであります。 そういう意味では、私は、住宅というのはいろんな角度がありますが、ただ便利だとか、ただ言わば自分が寝泊まりができればいいとか、そういう基礎的、基本的な要求に加えて、やっぱり願わくばということになると、いろんな言わば要求が出てきて、結果的にはその中にはぐくまれて人間が、自分の気が付かない中にいろんな意味でいやしを受け、かつまた新たな活力を生み出すと。そういう意味合いからいっても、家というのは非常に貴重なもの、そのためにはむしろ少しく背伸びをしても投資をするだけの価値のあるものと、こんなふうに考えております。
○国務大臣(麻生太郎君) たまたま目が合いましたら御指名を賜って恐縮でして。 私どもの所管しております話でいかぬといかぬと思うんですが、前田先生のお近くといえば、近畿という意味で近くなんですが、千里ニュータウンというところがあります。これは日本最初にできましたいわゆるニュータウン。同じく東京には多摩ニュータウンというのがありますが、これは日本最大のニュータウンだと思いますが、両方とも今問題です。 何が問題かといいますと、今言われた住宅を、その地域を構成している年齢層がほぼ同じ時期に、ほぼ同じような所得階層がほぼ同じ年齢で集中したわけです。結果として、今四十数年たち、片っ方は三十数年たった結果、ほとんどのそこの住居者が、当時三、四十で取られた方々はいずれも引退をする年になっておられて、その方々はそこに独居老人等々の形になっておられるために、その町は極めて活力が失われた町になっておるという現実は、これは極めて大きな、地方にとっては大きな問題なんだと存じますので、この種のニュータウンは、先ほど北側大臣のお話のように、できるときはまだ昭和三十年代の貧しいときの話ですから、とにかく質より数という時代であったろうと存じますが、今は時代が随分変わって、総人口は減るということになっておりますので、そういった形になると、量より質という時代になってくる。 しかも、家族構成は、いわゆる独り者とか、いわゆる家族構成が大家族じゃない家族構成になってくると、家の在り方とか建て方というものは、そういった地域に住んで、車も運転できないで、歩いていわゆるショッピングをするところという便利さというものが、規模的には遠いものですからなかなか通勤できないという形になってきておるというような形で、商店街と住宅地域が距離があるために問題が多いというのは、これは各選挙区皆同様な問題を抱えておられるはずです。 中心市街地とかいう言葉をまだ大事に使っておられる方いらっしゃいますが、中心市街地の定義は何かというところまで考えていただかないと、中心市街地に人を住まわせないようにしているのは行政ではないんであって、問題はその地域に住んでいらっしゃる方の意識の問題ということになろうと思いますので、これは前田先生、多分今、日本で余り大きく語られませんけれども、最も大きなこれは社会問題なんであって、単に住居とか一地方のコミュニティーの話ではなくて、これは家族構成から社会構造に至る最も大きく、かつ余りみんな声を大にして語られませんけれども、これは真剣に検討されるべき日本の二十一世紀にとって最大の問題だと私は理解をいたしております。
○前田武志君 今まさしく総務大臣が御指摘いただいた共同体が崩壊し始めている、これをどう再生するかというのが一番大きな問題だと思うんですね。まあ恐らく内閣の内政の一番の課題なんだろうと思うんですが、それはこの住宅政策と絡めてこれから議論させていただくことにしまして、まず住宅の、今の中にも出てきたわけですが、そのミスマッチ。かつて子育てをしたすばらしい住宅地のこの住宅が、独居老人であったり老夫婦がメンテナンスに草むしりをしていると。しかし、片一方で子育て世代の若い世帯が、いわゆる文化アパートというんですか、なかなかこういう方々には貸家がないものですから劣悪な条件に押し込まれている、このミスマッチというものが非常に大きな問題になってきていると思うんですね。 そこにはいろいろ原因があると思うんです。その辺について、まずその居住ニーズと住宅ストックのミスマッチ、特に面積、今申し上げたようなことをもう少し数字で、これは政府委員の方で結構ですから、お答えください。
○政府参考人(山本繁太郎君) 着実に伸びてきました我が国の住宅ストックがどのように使われているかということでございますが、若干古いデータで恐縮ですが、平成十年の住宅統計調査によりますと、高齢者の居住状況、六十五歳以上の単身の高齢者、それから御夫婦の高齢者の世帯の五〇%に当たる二百二十九万世帯が百平米以上の住宅に、広い住宅に住んでおられます。 一方、四人以上のファミリー世帯の居住状況について見ますと、三一%に当たる三百三十九万世帯は百平米未満の狭い住宅に住んでおられるという状況でございます。 こういったミスマッチをどういうふうに解消するかということが政策的な課題であるというふうに認識しております。
○前田武志君 今、十年、大分古いわけでございます。これはもう今加速度的にそれが進んでいると思いますね。どんどん退職年齢を控えて、これからますます進みます。 一番の基本は、持家が前提で、貸家というのが、まあ余り貸家政策というのはない。政策というよりも、要するに、更に言えばサラリーマンの唯一の資産である家ですね。これが本当の意味での資産になっていない。これがどんどん貸せるようになれば、これは資産としても老後のこの方々の、言わば年金プラス貸せるよと、賃貸料が入るよというだけでこれは随分違ってくる。これはもう、財務大臣の多分、財政運用の上でも非常に大きな政策になってくるんだろうと思うんですね。 まあ、話が横にそれちゃいかぬのでもう少し絞りますと、要するにライフステージに応じて変わっていくと、貸家をして変わっていくというような、そういう住宅政策になっていくべきではないかと私は思うんですが、国交大臣、ひとつお考えを。
○国務大臣(北側一雄君) 非常に重要な御指摘をちょうだいしたと思います。 定期借家法という法律が今もうできておるわけでございまして、もっとそういう意味じゃこの定期借家法を活用しないといけないなというふうにも思います。そうした今御指摘のあったミスマッチを解消するために、また、貸す側のオーナーの方々がやっぱり、安心して貸せるということもやっぱり大事だと思います。 そういう観点で、定期借家の普及、さらには家主のリスク軽減のための対策等もやっていく必要があると思いますし、また中古住宅、中古住宅というのはたくさんあるわけでございまして、この中古住宅市場を活性化させるということも非常に大事なことだと思います。また、住宅のリフォームをもっと推進ができるような条件、環境というものを整備していくということが非常に大事だというふうに考えております。
○前田武志君 今大臣から定期借家権のお話が出ました。議員立法で通した当時、私、民主党のそのまとめをやったわけでございますが、当時は理解されずに大反対が多かったんですね。しかし、この定期借家権が導入されたそのときに、サラリーマンの家がこれ、きちっと契約上安心して貸せるようになるんですよと、資産になるんですよという説明をしたわけですが、実態はどうなっているのか、どの程度活用されているのか、これは政府側でいいんですが、定期借家権の活用の状況について何かデータがあれば答えてください。
○政府参考人(山本繁太郎君) ちょっと手元に具体的な数字は持ってきておりませんけれども、新規に賃貸に付される住宅の中で相当程度の定期借家は出てきておりますけども、まだパーセントでいって一けた台でございます。 大臣からの答弁にもありましたように、持家を流動化するときに、中古流通市場に付するのと併せまして賃貸に付するのも非常に大事でございますんで、実は貸家業の協会を通じて、定期借家を設定して、なおかつサブリースの契約をして、安心して家主の方がこれを手放せるようにという制度もできておりますので、そういった制度を活用して更に普及に努めたいと思っております。
○前田武志君 今定期借家権のお話が出てまいりましたが、まだまだ使いづらい。多分、これはもっと借家に出しやすいような改革もせにゃいかぬのだろうと、こう思います。 一つのイメージとしてあるのは、先ほど総務大臣が御指摘の千里ニュータウンも多摩ニュータウンもそういう状況になっていますね。ところが、そこにおける老夫婦、これはむしろ子育て世代がそこに入ってくれて、もうワンセットすべて子育てには適した環境が整っているし、病院等もあるわけですからね。自分たちは子供たちが働いている近くのケア付きマンションに移りたいというような場合に貸せたら、これは年金にその分オンしていけるわけですね。 ただし、子育て世代も子育ての五年間だけと限って、やがてはそこにまた息子夫婦もリタイアして帰ってくる。そういうことをもっとバルクでというか、どこがやるのか知りませんが、損保会社かディベロッパーか知りませんが、本来はそこに自治体が子育て支援政策として家賃補助を出すと。今は公営住宅の中にこういった制度は全くないわけでございますが、そのくらいのことを自治体がやればいいんですね。早い話が、この多摩ニュータウンも千里ニュータウンも恐らく自治体としては茫然として手をこまねいているだけですよ。本気になってやろうとすれば、やっぱり国が政策の方向を示してやらないといけません。 ただ、過疎の農山村なんかでは結構若い人たちがUターン、Iターンしてもらうために家賃補助付きのそういう住宅なんかを用意しているんですね。都会の方も今や空洞化しておるわけですから、本来それをやらにゃいかぬのですが、はっきり言うと、知事も市長も余りこの崩壊するコミュニティー、この旧市街地の商店街の空洞化なんかも同じことですよ、その賃借関係というのは。そういったところに対する自治体の余り方向性というのが出ておりません。 総務大臣、いかがですか。これはもうコミュニティー再生の非常にいい手段だと思いますがね。 済みません、質問書外で。
○国務大臣(麻生太郎君) 次々予定外にあれが来ますんで。 ちょっと前田先生、一つの例として、今の言われた例は私は正しいんだと思うんですね。東京では、多分中央区というのは一時期都会議員の枠も、小川先生なんかは知ってるけど、ほとんどゼロになるぐらい減ったんだよね、あそこは。ところが、四年間、八年間たちますと、今までの後援会名簿では足りねえというほどにえらい勢いで人が増えたわけです。 築地のあの魚市場の辺なんですが、あの辺もまあ、あの区長が有能だったと褒めるつもりはありませんが、まあとにかく物すごい増えたんです、早い話が。一杯マンションができまして、昔、学校には先生がいたという映画がえらく、文部省推薦の面白い映画ができたんですが、そこの正に主題、学校は全部なくなってそこに一杯マンションができたんですが、実はそこに高齢者というのがどっと今戻ってきて何万という数になってきているという実態なんです。 大変興味がありましたんでそれ見に行ったことがあるんですが、明らかに、先ほど聖蹟桜ケ丘とか多摩ニュータウンとか永山とかあの辺のところから、そこに家があるんだけどこっちに移ってきているという人がいるんです。四、五家族お目に掛からしていただく機会を得て話をしたんですが、今言われたようなものがあればもっと話は進む。何せそこが便利だからですよ。便利だから人が来るんですよ。 高齢者にとりましては、心配、寂しい、金はある、健康もそこそこという条件を満たすという場所としては、銀座に歩いて行ける距離、三原橋越えたらそこですから、そういった意味では非常に大きな魅力のあるところがそこに登場してるんだと思うんですね。これ、すごく大事なところです。 私は、同じようなことは、実は地域にしっかりしたのがいりゃやっているところでしてね。まあかなり田舎とお思いでしょうけど、これ今日、山崎先生いないから言っても大丈夫と思いますが、青森県なんていうところはまあかなり、かなりずっと遠く離れたようなイメージですけれども、青森県、青森新町商店街というところがあろうと思いますが、ここはたしか町の中で猛烈な勢いで商店街の若い人が商店街を再活性化されたところとして最も評価されてしかるべき町だと、私どもはそう思っております。 理由は、そこに住んでいる家、住んでいる商店街は、そこにこの二年間で二百戸、あと三年間では三百戸の新しい分譲マンションを商店街に建てることにしています。そこに高齢者が全部入ってくる。そして、そこには、クリニックはそこに設備しておる。そして、そのおじいさんたちは毎日その商店街の中を、基本的に最も近く住んでいるわけですから、そこに一千何百人の人口が増になるわけです。そうすると、歩いていて、あっ、今日は前田のおばあちゃん来ねえけど死んだかなとか、麻生のじいちゃん来ねえけどどうかしちゃったんじゃねえかとかいうのは、コミュニティーはでき上がるわけですよ、そこで。そうすると、そこで自然と町ができ上がっているというのを、現実問題、やってのけている商店街があるんです。 今、これを長岡市の商店街の前とかいうのも同じようにやろうとしていますけれども、私どもが調査した範囲では、山形でも似たようなことをしつつありますけれども、いずれもそういったような形で、これにあと、多分、これから先は谷垣先生に聞いていただかなきゃいかぬところでしょうけれども、住宅税制とかいった、そういったようなものが次に出てくるところなんだと。何かインセンティブがある、ドライブする、何というか誘導するものが私はそこに必要なんだと思いますので、何となく少し、今ニュータウン、ニュータウンという時代とか郊外ショッピングセンターからこっちにいろんな意味が、目がもう一回移りつつある。 私は、豊かになった高齢者、活力ある高齢化社会というものを考えたときには、そういった政策の方向が正しいのではないかと、もうちょっと詰めてみないと分かりませんけれども、そういった感じがいたしております。
○前田武志君 次に、公営住宅の方に入るわけでございますが、たしか、麻生大臣、時間があるようでございますので、もう一点お聞きをいたします。 公営住宅についても、今かなり政策が変わるというよりも、制度的にいろいろ変えようとしているんだと思うんですね、これからお聞きするわけでございますけれど。 一方で、コミュニティーの再生という面から、例えば公営住宅を使ってそのコミュニティー再生に使っていく。公営住宅というのはあくまでも国土交通省の住宅政策の補助政策の一つのしっかりした制度があるわけですけれど、それを超えて使おうと。これはやっぱり内閣が取り組まないとできないんですね。 例えば、今朝、私たまたまテレビで見ていたら、コレクティブハウスですか、各世代が、もう独居老人が多いものですから、独居老人から子育て中の若い世代まで一つのところにいます。これは都会のマンションのワンフロアかツーフロアをそれに使っているというケースだったんですが、埼玉県で県営住宅を用いてやろうとしているというようなことがちょっと乗って、流されていましたね。 公営住宅というのもまさしくそういうコミュニティー再生の一つの核として使っていくべきではないかというふうに思うんですが、麻生大臣にお答えを願います。要するに、知事、市長にもっと指導してくれと、こういうことです。
○国務大臣(麻生太郎君) あそこは、おたくにいた、そのまた前は自民党にいた上田というのが多分、今知事やっているんだと思いますが、まだやっているんでしょう、あれ。まだね、首にならずにやっておられるんだと思いますので、結構なことだと思いますが、あの種の話、あの種の性格というのは今の話に向いているかなと正直思ったんですが。
○前田武志君 そっちの方はいいんで、本論の方を。
○国務大臣(麻生太郎君) はい。 これは一つの考え方として、前田先生、絶対間違っていないと思いますね。県もそれやらないと、埼玉にわっと、ただただ膨れ上がりつつある地ですけれども、これまた同じように、多摩とか千里みたいなことになりかねぬ可能性は埼玉県だって十分にあの辺はあります。特に東京に近いところは十分にありますので、今のようなお話というのは十分に検討に値すると存じます。
○前田武志君 大臣、結構でございます、それでは。総務大臣、結構でございますよ。(発言する者あり)ああ、そうだね。はい。それでは。
○委員長(中曽根弘文君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(中曽根弘文君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 この際、平成十七年度総予算三案の審査の委嘱についてお諮りいたします。 本件につきましては、理事会において協議の結果、次のとおり決定いたしました。 一、審査を委嘱する委員会及び各委員会の所管は、お手元に配付のとおりとする。 一、審査を委嘱する期間は、常任委員会については三月十八日の一日間、特別委員会については三月二十二日午前の半日間とする。 以上でございます。 ただいま御報告いたしましたとおりとすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中曽根弘文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(中曽根弘文君) 休憩前に引き続き、平成十七年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。前田武志君。
○前田武志君 それでは、午前に引き続き、住宅問題について質疑をさせていただきます。 まず、公営住宅の問題でございますが、公営住宅が実は随分と満杯になっていて、なかなか入りたい人が入れないというような事情があります。 そこで、公営住宅の入居者における収入超過者というんですかね、ある一定の制限がありますが、収入超過者あるいは高額所得者の実態、あるいはまたこの応募状況等について、これは政府委員で結構ですから。
○政府参考人(山本繁太郎君) 公営住宅の入居者のうち、収入超過者の入居戸数は平成五年度末時点で全国で約二十万戸、全管理戸数の九・一%となっておりまして、そのうち高額所得者の入居戸数は全国で約一・三万戸、全管理戸数の〇・六%となっております。 それから、平成十五年度における応募状況でございますが、全国の募集戸数の合計約十一万戸に対しまして、応募者数の合計は約百二万件でございます。応募倍率は九・四倍となっております。
○前田武志君 今のは全国平均のわけですが、都市部においては大変な倍率になっているということも承知をしておるわけでございます。 そこで、公営住宅そのものがある意味では権利化してしまっているというようなところもあります、代々住み着いたり親戚同士で入ったりというようなことでですね。結果としては、生活保護を受けておられる御家庭、生活保護の中に住宅扶助というのがあるかと思いますが、その方がはるかに、それよりもはるかに公営住宅に対する公的な補助の方が高くなってしまっているというふうに聞いておりますが、この辺の実態は、これもまあ政府委員で結構ですから、どうなっていますか。
○政府参考人(山本繁太郎君) ちょっと今手持ちに持ってきておりませんので、すぐ調べてまたお答えを。
○前田武志君 ああ、そうですか。 ちょっと今のデータについては特に指定をしてなかったのであるいはないかも分かりませんが、そういうふうに随分とフィールドワークなんかで調べて問題点を指摘している論文、データ等がございます。 先ほど大臣が官から民へという方向を示されたわけでございますが、公営住宅というのは、確かにこういうことで実態から懸け離れ、本当に社会の非常に弱者の立場に立って、住宅事情が、住宅がどうにもならない、それに対するセーフティーネットとして導入しているわけでございますから、もっと民を入れてそういったものに的確に対応できるように、午前中の議論の中でも家賃補助というような問題が出ておったわけでございますから、この辺のことを含めて、大臣、どのように公営住宅の実態を受け止めておられるか、お願いをいたします。
○国務大臣(北側一雄君) 官から民へという観点から、もっと民間市場を活用すべきではないかという御質問でございます。 委員も御承知のとおり、平成八年度から公営住宅の供給方式につきまして、民間住宅の買取り、借り上げというふうな手段を通じて公営住宅の供給を拡充をさせていただいておるところでございます。この民間住宅の買取り、借り上げの制度につきましては、これからもしっかり推進をさせていただきたいというふうに思っているところでございます。 また、午前中の御質問にもございましたように、既存の民間住宅をやっぱり活用しなければならないというふうに思っておりまして、特に高齢者の方々がお持ちの持家など既存の住宅ストックを活用するため公営住宅の整備基準を緩和することとしているところでございまして、今後とも民間市場を活用して公営住宅の的確な供給を進めていきたいと考えているところでございます。 また、公営住宅そのものも、今全体で二百十八万戸以上の公営住宅がございます。これ建て替えをしなければならないもの、またバリアフリー化をしなければならないもの、たくさんあるわけでございますが、こうした既存の公営住宅をやはりもっと有効に活用していく必要があるというふうに思っております。
○前田武志君 今御指摘になった約二百二十万戸近い公営住宅、ある意味ではこれデッドストックになっているんではないかという指摘もあるぐらいなんですね。 そこをほかのいろんな他用途にも使っていこうという御指摘ですが、厚生省の方では今、小学校区に二つか三つぐらいの単位で小規模多機能拠点というんでしょうか、こういう構想があるというふうに聞いておりまして、これは午前中のコレクティブハウスとはまた違った、学校区ごとに。在宅介護どうしても無理になったときにはもう直ちに特養と、特養はもう自分たちの今までのコミュニティーから離れて隔離されたところと、そうではなしに、その小学校区内にある公営住宅なんかもうまく活用してこの小規模多機能ハウスみたいなものができないかという構想だと思うんですが、厚生、これはあれですか。
○政府参考人(山本繁太郎君) 公営住宅の管理上、福祉政策との連携をどういうふうに図るかという問題でございますけれども、従来から公営住宅をバリアフリー化して供給するという際に、生活相談とか日常生活支援サービスを提供を併せて行うシルバーサービス、シルバーハウジングプロジェクトというふうなものをやっておりましたり、あるいは公営住宅、町中の公営住宅を建て替えるタイミングに保育所とかそういった福祉施設を併せて造りまして、御指摘のような地域の福祉拠点としてこれを整備するということを進めてまいりました。 今般お願いしております住宅、公営住宅の建設費補助を地域住宅交付金という形に法律上位置付けていただくことをお願いしておりますけれども、こういう制度によりまして地方公共団体が地域の実情に応じて工夫を生かして公営住宅と福祉政策の連携施策に取り組むと、そういう計画には総合的に応援できるようにしていきたいと考えております。
○前田武志君 もうちょっと広げるとリバースモーゲージなんというのがあるわけですが、これちょっと通告はしていないんですが、国交省側でか厚生省側か、政府委員の方でリバースモーゲージ、簡単に説明をしてくれますか、どういうものであるか。
○政府参考人(山本繁太郎君) 高齢者が人生の終わりの方のステージでいろんなキャッシュのニーズがあるというときに、住宅資産、持家はあるけれどもキャッシュのフローがないというときに持家資産を担保にして金融を受けて日々の生活の所要資金を生み出していくと、そういうことで、もちろん年金もそういうことに使うわけですけれども、それに代わるオルタナティブな手段として持家資産を流動化して使おうというニーズは実際にあるわけでございまして、かなり早くから地方公共団体がこれに取り組んだりしてきております。 今、住宅金融公庫の役割の改革を法律でもお願いしておりますけれども、新しくできました独立行政法人の仕事としても、高齢者の持家資産をどういうふうにそういう家計のキャッシュのマネジメントにきちんと役立てるようにするかといったようなことも課題だと、政策課題だと認識しております。
○前田武志君 後ほど質疑する金融公庫あるいはUR機構、この市場化のその先の政策にも関連してくると思うんですね。午前中の議論の中にあった、団地の中で、住宅地の中で随分と高齢化してくる。リバースモーゲージの場合には、今住んでいる、住んだままで、それを担保にして融資を受けて年金にオンするという考え方ですが、午前中の議論は、今住んでいるこの子育てに適したところを、家賃補助付きで市だとか県の子育て支援政策として、定期借家権を前提にしてある期間貸し出すと。そして、そこに入っていた老夫婦はその家賃を得て年金にオンして、子供の近くのどこかに移るというようなことになるのかと思いますが、これ合わせて、こういうものも合わせて民間住宅の活用と、そして先ほどの多機能、小規模多機能ハウスですか、こういうものも全部合わせて、公営住宅の考え方、むしろ住宅政策そのものの中で改めて位置付けをしていくべきではないかと、それがまさしく公営住宅の改革につながっていくのではないか、このように考えるわけです。もちろん、公営住宅については家賃の応能負担でもっと上げるべきところは上げるべきでありましょう。 そんなところも含めて、大臣の御見解、これからの、どういう方向に持っていこうとされるか、お考えをお聞きいたします。
○国務大臣(北側一雄君) 今日は午前中から大変有益な御意見、御議論ちょうだいいたしました。 冒頭に申させていただきましたように、今、住宅政策の基本につきまして転化のときであるというふうに考えておりまして、今年の秋ぐらいを目指しまして専門家の先生方にも入っていただいて御議論をいただいているところでございます。 今日様々ちょうだいした御意見につきましては、その中でしっかりと御意見を踏まえて、今後の公営住宅の在り方、また福祉政策との連携、また若い方々に本当に良質な住宅を提供していけるために今ある民間住宅や公営住宅をどう活用していくのか、そうした視点をしっかり持って、今委員からちょうだいした御意見を踏まえて議論をさせていただきたいと思っております。
○前田武志君 厚生労働副大臣、来てくださっているんですかな。まさしく住宅というのはこれからの福祉社会の根幹を成すものだと思いますので、一言御見解を。
○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。 少子高齢社会を本格的に迎え、来年からは出産の数よりも死亡なされる人の数、いわゆる人口減少社会に入っていくと、こういう事態になっておりまして、特に高齢者、また身体に障害をお持ちの皆さん、一方では少子化社会をこれ乗り切るための良質な住宅環境という側面からも、この住宅政策というのは大変、国民一人一人の生活の基盤でございますので、大変重要な課題だというふうに承知しております。
○前田武志君 それでは次に、住宅金融公庫の証券化を含めて改革についてお伺いいたします。 今までどの程度実現し、来年度予算を絡めてどうしようとしているのか、大臣からまず概要をお聞きいたします。
○政府参考人(山本繁太郎君) 証券化支援事業でございますが、平成十五年度一万戸、平成十六年度八万戸という予算戸数でこれまでやってまいりましたけれども、実際、平成十五年十月から事業開始をいたしまして、今年の二月末までの実績は、買取り申請ベースで一万三千七百戸余り、買取り実績で四千八百戸余りでございます。 依然として予算戸数とは非常に大きな開きがある状態になっているんですが、直近の二月の月間の申請ベースの数字ですと四千三百六十九戸となっておりまして、これは年率に換算しますとおおよそ五万戸ということになります。 平成十七年度には十万戸ということで予算戸数をいただいておりますけれども、直近、非常に急激に拡大してきておりますので、この趨勢を伸ばして前に進めていきたいと考えております。
○前田武志君 最近に至って大分増えてきたと。十七年度、十万戸に対してそこまで行くかどうかは別にして、一般に新規着工戸数が大体百万戸ぐらいなんでしょうか。今までは住宅金融公庫ですべてローンが付いて、そして銀行も付けてくれるという装置が、それがなくなるわけでありますから、証券化というのは、言わばこれはリバースじゃなしにモーゲージそのものになっていくと思うんですけれども、非常に大きな意味を持っている長期固定ローンのケースについては住宅金融公庫が全部買い取ってくれるということで、それをモーゲージにするんでしょうけれども、いささかちょっと心もとない感じがするんですね。その辺について大臣の御所見はいかがでしょうか。
○国務大臣(北側一雄君) 今住宅局長が答弁しましたように、私も心配しておりましたが、昨年の年末ぐらいから急激に需要が増えてまいりました。是非この調子で伸ばしていく必要があるというふうに思っているところでございます。 いずれにしましても、住宅金融公庫はもう廃止をされるということでございまして、やはり住宅を取得する側から言わせますと、やはり金利が変動金利で経済情勢によってどんどん変わってしまうと、そういうのは予測できないわけでございまして、やはり住宅を取得する側からしますと、長期で固定のローンというのは必要でございます。計画的に返済できるわけでございまして、この長期固定の住宅ローンを安定的に供給していくということはこれからの住宅政策にとっても極めて重要な政策であると思っておりまして、そういう意味で、この住宅金融公庫の証券化支援業務につきましてはしっかりと推進をさせていただきたいと思っております。
○前田武志君 今度はUR機構について聞きたいんですが、これは中身を詳しくというよりも、伊藤大臣に質疑をするその前提として、予告付きの質疑になってしまったようですが、要は、UR機構そのものも負債の繰上償還をやろうとしているわけでしょう。それの原資をどうするのか。それから、もちろんこうやって民営化したわけですから市場で資金を調達するわけですが、その辺の仕組みをどういうふうに考えておられるのか。一言お願いいたします。
○政府参考人(山本繁太郎君) 独立行政法人都市再生機構につきましては、経過措置の業務でございますニュータウン業務の早期処理を図るために、一層の人員のスリム化、経費節減等の経営を着実に進めることと併せまして、ニュータウン業務等に関して特別の勘定を設けた上で財政融資資金の繰上償還を行うこととしております。 繰上償還の原資でございますが、主にニュータウンの土地資産ですね、その処分の収入、それから十七年度には民間借入金を中心に財源にして繰上償還しようと考えておりますけれども、これらに加えまして、いろいろな資金調達の多様化を図りたいと考えておりまして、例えば分譲住宅の割賦債権がございます。これを証券化して資金を調達するとか、そういった具体的な検討を機構において今現在進めているところでございます。 こういった方法で資金調達の多様化を進めまして、調達の確実な実現を図っていきたいと考えております。
○前田武志君 局長で結構ですが、財投機関債も発行しているわけですか。
○政府参考人(山本繁太郎君) 経過措置勘定の収入でございますけれども、失礼しました、今の申し上げました法律上の特別勘定ではなくて、残りの賃貸住宅管理、それから都市再生業務を行います一般勘定の方で機関債を発行しております。
○前田武志君 そこで、金融大臣にお尋ねするわけですが、今の金融公庫にしても、あるいはこの都市再生機構、UR機構にしても、今までは政府がバックに付いてやっていたわけですね。言わば親方日の丸でやってきた。それが、今度は金融市場どころか投資市場にどんと出すわけですよ、ホリエモンさんの世界なんですよね。 そこへ、国民の一番重要な住宅であり、町づくりであり、証券化したり格付けをして、そして社債というような機関債を発行したりするわけですが、そういうような準備がしっかりとできているのかどうか、非常に不安です。今どういうような対応をしようとしておられるのか、金融大臣。
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきます。 住宅金融の役割が官から民へ変わっていくと、その中で投資家保護が非常に重要だと委員から御指摘をいただいて、私どもも全く同じ認識でおります。 金融商品・サービスというものが多様化していく中で、投資家保護の拡充をしていく、あるいはその実効性というものを確保していくためにその法的な整備を進めていかなければいけないというふうに考えております。また、その重要性というものを認識しているところでございまして、投資家保護につきましては、これまでも貸付債権の証券化等を促進するために制定されましたSPCという法律がございます。これに基づきまして、特定社債等を証取法の対象にするなど、投資家保護の拡充のための処置を講じてきているところでございます。 また、昨年の末に金融改革プログラムを策定し、公表させていただいたところでございますが、この中でも利用者保護ルールの徹底や、あるいは金融市場インフラの整備の観点から、投資サービス法の制定や企業開示制度の一層の充実を掲げたところでございまして、今後とも、本プログラムの内容を踏まえて、投資家保護の確保に努めていきたいというふうに考えております。
○前田武志君 これはまた別の機会に深めさせていただくことにして、多少時間の関係があるんでこの辺で止めておきますけれども、いずれにしろ、国民の住宅資産、そしてローン、そういったものを市場に乗せていく、町づくりの一番中核になるべき機関がそういう市場の中で資金を調達していく、いい方向だと思うんですよ。思うんですが、実態は非常に危うい。まず、ここにかかわる政府というのは、お役人さんは全くこの世界は無知なんですよ、経験もない。いよいよその世界自体は、もう金融市場どころか、もうどんどんどんどん今も急激に変わっていっているところですから、よほど政府を挙げて取り組んでいただかないと、国民のその住宅証券みたいなものがおかしくなるような事態だってあり得る、全然市場ではけないということだってあるかも分かりません。それは次の議論にいたします。 農林大臣、おっていただきますので、京都の迎賓館がここ数日の間にオープンになるとか聞いておりますが、この関係についてどなたか答えていただけますか。
○政府参考人(中藤泉君) お答え申し上げます。 京都迎賓館につきましては、赤坂の迎賓館に次ぐ和風の態様をなす迎賓館といたしまして、平成十三年度から京都御苑内で建設を進めてまいりましたが、今年の二月末に施設が完成、引渡しを内閣府として受けたところです。現在も家具、調度品の搬入を行っておりまして、四月中に開館の披露式典で、それ以降使用ということで考えているところでございます。
○前田武志君 実は思い出すんですが、この第二迎賓館をどこに造るかというときに、金丸先生、野中先生なんかが中心になって古都京都に持っていこうという動きになったんですね。私、出ていきまして、古都は奈良の方にあるぞというお話をして、まあしかし、京都に造るならば、とにかく、まあ外郭は鉄筋コンクリートにしても、内装は徹底的に木材を使えということを条件にして宮澤総理に陳情したことを覚えております。 さて、できたこの京都の迎賓館、内装の木材の使用率を言ってください。
○政府参考人(中藤泉君) お答え申します。 和風のしつらえということで、特に内装の仕上げですとか家具又は造作に木材を取り入れております。床面積、延べ床面積一万六千平米でございます。このうち内装仕上げとして、いわゆる壁等も含めますけれども、約六千四百平米、面積でございます。また、建物の中では、委員から冒頭ございましたけれども、例えば大広間におけます吉野産の杉の天井を使うとか、あるいはヒノキを使うということで、木材の使用量といたしましては約六百五十立方メーターということでございます。
○前田武志君 営繕部長来ていたら、そこ余りぴんとこないので、もっと分かりやすく、どのぐらい使っているか言ってください。
○政府参考人(奥田修一君) お答え申し上げます。 今、内閣府の方から申し上げましたとおり、建物の面積が一万六千ということでございますけれども、これは迎賓の部分だけではございませんで、バックの部分も含まれております。ですから、その中で木材の使用面積が六千四百平米ということは、迎賓の面積の中で置き換えますと、かなり木材を使っているということで御理解いただけたらと思います。
○前田武志君 それでは、最後にシックハウスのことを含めて国交大臣と農林大臣に聞くわけですが、多分今の迎賓館というのはシックハウス余り関係ないと思うんですね。しかし、調度品の中に含まれている可能性が随分あります。要は日本材を使っておれば余りシックハウスなんというのは関係ないわけでございますが、今の住宅というのはそういうわけにはいきません。中が木で造作をしてあったとしても、ほとんどは合板、集成材、外国産の日本の風土にはなじまない材を使っているんですね。 そういう意味においても、もっともっと内地材を健康面からも使うべきであると私は思っていますが、住宅政策の中にそういうことを入れるのはなかなか難しかろうとは思いますが、まずは国交大臣の御決意。そして、それを本来は使わさにゃいかぬ立場にある農林大臣、どうも農林省はこの辺遠慮ぎみ過ぎる。もっと公共事業も住宅も含めて、木を使うことが日本の、京都議定書の守る、環境日本の実現していく一番の大きな方法でもあるわけですから、その辺を含めて御決意をお願いいたします。
○国務大臣(北側一雄君) 調査によりますと国民の八割以上は木造住宅を希望されていらっしゃいます。また、現実に新築の戸建て住宅の八割以上が木造住宅でございまして、この木造住宅に対するニーズというものは大変根強いものがある。また、この傾向はこれからも変わらないというふうに思っているところでございます。そういう意味で、長寿命で良質な木造住宅を整備すること、これしっかりと推進をさしていただきたいと思っております。 先ほど御指摘ございましたシックハウス対策の観点からも、そもそも無垢の木材というのはシックハウス対策としても効果的な建材であるというふうに認識をしております。また、住宅生産の分野で国産木材の需要が拡大することはこれは国内の林業の活性化に寄与するものでございまして、ひいてはこれは温室効果ガスの削減にもつながってくると、環境政策にもつながってくる側面もあるわけでございます。 国交省といたしましては、まず建築規制につきまして合理化をしっかり進めていきまして、そして木造住宅を建てやすい環境整備をさせていただきたい。また、木造住宅に対する割増し融資だとか、また生産体制の整備だとか、それから技術者の育成だとか、そういった取組をしっかりと進めさせていただきたいと思っているところでございます。 ちなみに、京都迎賓館、私、先月の末に現地行ってまいりました。ちょうど引渡しの直前だったわけでございますが、すばらしい内容で、是非委員にも御視察お願いしたいと思いますが、間違いなく私が見た実感としても、木造が、木造といいますか、木材があちこちに活用されていまして、すばらしいでき上がりぶりでございます。是非御視察をお願いしたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) シックハウス対策についてお答えする前に、平素から林野行政に大変深い御理解とその推進役としてお力添えをいただいていることに深く感謝し、敬意を表したいと思います。 また、京都のその迎賓館、何か皇居を思わせるようなすばらしい日本建築の美を誇っておるそうでありまして、赤坂の迎賓館と比べて非常に楽しみなふうにして考えております。 さて、シックハウス対策についてでございますが、まず何よりも消費者に信頼される、言わば安全、安心な木質建材の供給がまず基本において重要であると考えております。このため、農林水産省においてはホルムアルデヒドの放散量の少ない合板の技術開発などを行うほか、千五百、あっ失礼しました、十五年七月に施行された建築基準法の改正を踏まえ、JAS規格においてホルムアルデヒドの放散量について従来より厳しい規格を定めるとともに、住宅内装用のJAS規格品に放散量の表示を義務付けているところであります。一方、接着剤を使用しない無垢の木材はホルムアルデヒドの放散が極めて少ないためシックハウス対策として効果的であり、このため、木材の持つ優れた特性について積極的に国民に訴え、住宅への地域材利用の一層の促進に努めてまいりたいと。 私も実は林野行政、非常に重要だと思っておりまして、農水大臣と言われると、あえて農林水産大臣と言い直しをお願いするくらい私も力を入れておりますので、是非お力添えをいただきたいと思います。
○前田武志君 せっかく小此木副大臣が来ていただいているようなんで、シックハウスのことについては経産省も関係があるのかなと思います。 それからもう一つは、先ほど市場の話をしましたが、経産省においてインサイダー取引を何か職員がやったとかいうことで報じられておりましたが、この投資市場のユーザー側になるわけですよね、経産省管轄のいろんなところが、また利用するでしょう。その二点について、二点を含めてちょっと小此木大臣からお答えを。
○副大臣(小此木八郎君) お答えをいたします。 シックハウスのことにつきましては、今農林水産大臣もお答えになられましたように、建築材料からホルムアルデヒドといったような化学物質が出るということについて、建築基準法について規制があるということでありますが、日本工業規格、JISにおいてもこういった問題の規格を作ろうということで規制を引いているところでございます。 また、家具調度品に至っては、先ほど申し上げたのは建築材料のことでありまして、家具調度品につきましては、その関係団体に自主基準というものを設けていただいて、これは国としての規制ということにはなりませんけれども、同じレベルでの自主基準を設けていただいているというところでございます。 今後とも、このような取組を通じて、こういった仕事をされる方には支援をしてまいるということも考えてまいりたいというふうに思います。 また、お尋ねのインサイダー取引、大変残念なことも我が省で起こりまして、国民の皆様には改めましておわびを申し上げる次第でございますが、こういった中でのこの告発の疑義については、公務員としての職務上知り得た情報を基に株式の取引を行い、利益を得たということが発覚をしたということでありますので、改めて、改めて皆様方にはおわびを申し上げて、以後こういうことがありませんように厳しく姿勢を正してまいりたいと、こういうふうに思っております。
○前田武志君 残りの時間ですが、食の話を、そしてまた自給率の話も食の安全保障ということでやろうと思っていたんですが、岸同僚議員も午前中やりましたんで、生活習慣病と食との関係についてのみ議論をいたします。 まず、生活習慣病というものの実態、どういうものであるか。実態等について、厚生労働副大臣。
○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。 生活習慣病におきましては、平成八年公衆衛生審議会が意見具申をしておりまして、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣がその発症、進行に関与する疾病群という病気の、一連の病気を定義をされております。具体的に申し上げますと、がん、心臓病、脳卒中、高血圧症、糖尿病と、こういうものがその類でございます。 その病気がいかに大変な病気であるかということでございますが、一般診療費でいいますと、約四割がこの病気によって占められております。額にして九兆円という医療費が掛かっております。また、これらの死亡者数の合計は全死亡者数の六割を占めるということで、大変近年の大きな疾病の中でも課題となっているということでございます。
○前田武志君 今朝のテレビを見ていますと、久留米大学が実態調査をやったんですね、三十五歳から五十九歳の働く人たちの。その結果、五割近くが生活習慣病、いわゆる高血圧、糖尿予備軍、それから高脂血症ですか。それを放置しておくともう半数以上が不眠症になるそうですね。そこからいろいろな病気に、先ほどのことになっていくわけですが、この生活習慣病に対する厚生省としての取組はどうなっていますか。健康日本21とかいうのをやっているんですよね。
○副大臣(西博義君) 適正な生活習慣を身に付けるという、生活習慣病でございますから、これが必須のことでございまして、この目標達成に向けて取り組むことが必要だというふうに考えております。 昨年十月にまとめました食事摂取基準におきまして、生活習慣病予防に重点を置いて各栄養素ごとに目標を設定をしていく。それから、これは農水省、農林水産省、林は必要だということで、農林水産省と連携もいたしまして、外食産業関係者の協力も得まして、何をどれだけ食べたらいいかという意味でフードガイド等についても目で見えるように取り組むというようなことをやっております。 今後につきましては、特に糖尿病に着目いたしまして、栄養・運動指導マニュアルを策定するとか、それから、健診後のハイリスクの人に対する栄養・運動面からの保健指導等を充実してまいりたいというふうに考えております。
○前田武志君 お配りした資料は、今のその厚生省の、政府の取組に対して、二〇一〇年が目標ですが、平成十四年度に調べたものなんですね。肥満、まあ、お並びの大臣たちは自己規制がかなりできている方なんだろうと思うんですが、これを見ておりますと、肥満の割合、野菜の摂取量、それから朝食の欠食、全部途中段階で目標を達しておりません。 これはもう時間の加減がありますが、先ほどのお話のように、九兆円もこの生活習慣病に起因するものによる医療費が掛かっていると。したがって、これは食を、食、言わば御飯を食べて、そして副食、副菜、そういうものでやっていけばいいと、特に学校給食なんかについてもこの例が既にあって、いい結果が出ていると聞いております。 政府を挙げて個々に取り組めば、これは財務大臣には質疑は要求していなかったんですが、これは、財政なんというのは、九兆円もあるんですから、これもっと増えるんですから、倍になると言われているんですね、瞬く間に。これを随分下げることもできます。 ということで、農林大臣から食について。文部省は、文部大臣、あっ、来ておられますか、食の教育ですね。
○委員長(中曽根弘文君) 副大臣。
○前田武志君 そして、財務大臣にも一言御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(島村宜伸君) やはり栄養バランスの取れた食事を適量に取る、これが基本でありますが、農林水産省としては、文部科学省、厚生労働省と連携して食育を推進する中で、米を中心に、水産物、畜産物、野菜などの多様な副食から構成されたバランスの取れた食事を進める、そのためにフードガイドを作成して、言わば食育の推進を当たりたい。特に小中学生の段階から、言わば食に対する教育というものを徹底していくことが肝要と考えております。
○副大臣(塩谷立君) 先生御指摘のように、食育は大変重要なことでありまして、特に、最近の生活環境の変化によって、子供たちの偏食とか朝食欠食とか、あるいは肥満傾向の増大などが見られますので、これは将来の生活習慣病の若年化などが大変懸念されておりますので、私どもとしましても、正しい知識と望ましい食習慣を身に付けるために、学校においての食育を推進することが重要であると考えております。 具体的には、文部科学省としては、教職員に対する研修会やシンポジウムの実施、児童生徒に対しては食生活学習教材の作成や配布などをしておりまして、四月からは学校栄養教諭制度が開始されておりますので、この制度を活用した学校での指導体制を整備することが大事だと思っております。 また、家庭における取組も重要でありますので、この食に関する内容を含む家庭教育手帳等を作成して、幼児から小中学生を持つ全国の親に配布して、家庭における食育を推進しているところでございます。 今後とも、より一層の取組をしてまいりたいと思っております。
○国務大臣(谷垣禎一君) 前田委員がおっしゃいましたように、やはり医療費の増嵩というのは私どもの悩みの一つでありますけれども、これに対する対策はいろいろありますけれども、生活習慣病を減らしていくとか、息の長い取組が必要なんだと思うんですね。 これは一種の、何というんでしょうか、物の考え方の変化というところにもつながるんじゃないかと思っておりまして、そういう意味では、太り過ぎを抑制していく、食育というのを十分やりながら太り過ぎを抑制していくというのは極めて大事ではないかと思っておりまして、まず自身からもう少し頑張りたいと思っております。
○前田武志君 終わります。
○委員長(中曽根弘文君) 以上で前田武志君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(中曽根弘文君) 次に、辻泰弘君の質疑を行います。辻泰弘君。
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。 本日は、財政政策を中心にお伺いしたいと思っておりますけれども、その前に、国土交通省並びに内閣府の関係についてお伺いしておきたいと思います。 まず、規制緩和後のタクシー業界の実情と今後の対応ということについて、国土交通大臣にお伺いしておきたいと思うんです。 本委員会等でもかねてより議論になっているところでございますけれども、平成十四年の規制緩和後のタクシー事業は、景気低迷や需要の低下と相まって、地域によっては大きな変化がもたらされ、そこに働く人々の生活にも多大な影響がもたらされたところでございます。 大臣はタクシー事業の現状をどう見ておられるのか。とりわけ、大臣は大阪の御出身でいらっしゃるわけですけれども、大阪のタクシー業界の厳しい状況というのを聞いたことがおありになるかどうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(北側一雄君) タクシーの業界の皆様から、大阪はもちろんのこと、各地方でも様々お声はちょうだいをしております。一言で言いますと大変厳しいというお話をちょうだいをしているところでございます。 今委員がお話がございましたように、平成十四年の二月に需給調整規制を廃止をいたしまして、規制緩和がなされました。その目的というのは、利用者利便の向上、そして事業の活性化ということでございます。例えば、大阪でいいますと、関西でいいますと、委員も御承知のとおり、例えば五千円超えたら五割引きというのもございますね。こういう運賃体系にも非常に多様な運賃が導入されるようになりました。また、福祉タクシー、それから京都の観光タクシーとか、こうした非常に利用者ニーズに応じた新しいサービスも提供されるようになりまして、一定の効果は現れていると思います。 しかしながら、問題は、全体としての需要そのものは減少傾向に、長期的な減少、これはもうマイカーが非常に普及しておる中で、タクシーの長期的な需要は減少傾向にあること自体は変わっておらないわけでございまして、それでいて、一方、規制緩和後は増車がなされていると。 私の手持ちの資料でいいますと、この一月末までの間に増車台数が一万四千百七十三台。大阪では特に多くて、そのうちの二千四百六十七台が増車されているわけでございます。この増車がされるということは一台当たりの当然収入が減るということで、全体のパイは余り上がっておらない、一方で車が増えている、タクシーが増えている。そうすると一台当たりの収入は当然低くなると。そして、このタクシーというのは運転手、運転手の方々は歩合制でございますので、一人当たりの収入は減ってしまうと、こういう非常に厳しい状況があるということもよく分かっているところでございます。 この増車、規制緩和後増車がなされ、増車台数が大変増えていると。これは当然の効果なわけでございますが、この増加になっている事業者なんですけれども、必ずしも新規参入の事業者が増車をしているというわけではなくて、既存のタクシー事業者の方々が増車をしている部分の方がずっと多いんですね。 私は、一方で、この現状、特に運転手の方々の非常に厳しい給与というのを知ったときに、一方でもちろんこの規制緩和をすることによってもっともっと新しいサービスが提供されて、事業が活性化されるということが大事なわけでございますけれども、一方でこの歩合制というものの在り方についても、これはちょっと国土交通省の所管でもないんですが、私はやはり議論をしていかなきゃいけないのではないのかというふうに思っているところでございます。
○辻泰弘君 大臣は状況を的確に把握されていると思うんですけれども、ここで厚生労働省サイドで規制緩和の前と後のタクシー運転者の労働条件の変化について、例えば労働時間とか賃金とか最賃法の違反件数とか最賃法、最賃法の違反率とかこういったものについて状況をお示しいただけますでしょうか。
○政府参考人(青木豊君) タクシー運転者の年間総実労働時間につきましては、賃金構造基本統計調査によれば、平成十六年、直近でありますが、二千四百十二時間でございます。平成十三年は二千四百二十四時間でございまして、十二時間減少という状況でございます。また、給与につきましては、全国では平成十六年、三百八万円、平成十三年は三百三十四万円ということで、二十六万円の減少という状況でございます。 それから、最低賃金法違反につきましては、平成十六年、速報値でありますけれども、違反件数八十六件でございます。平成十三年は四十四件でございます。ということで、違反率も平成十六年が一二・七%でございましたが、平成十三年は七・二%ということでございまして、増加をしているという状況でございます。
○辻泰弘君 統計とか指標にはいろいろあるんですけれども、大臣もよく御存じだと思うんですけれども、今やはり最後におっしゃった最賃の部分ですね。最低賃金は、言うまでもございませんけれども、ナショナルミニマムの根幹を成すものというふうに思うんですけれども、その最低賃金の違反率が急激に伸びていると、そういう状況にある産業の在り方というのは根本的に問われなければならないんじゃないかと私は思うわけでございます。 大阪のみならず、仙台などでも厳しい状況が伝えられておるわけでございまして、沖縄では緊急調整地域が指定されたというふうに聞いておりますけれども、それらについては要件を満たしていないんだというふうには聞いておるんですけれども、何らかの対策があってしかるべきではないかと思うんですけれども、このまま放置していいのかどうか、大臣の御所見を求めたいと思います。
○国務大臣(北側一雄君) 先ほども答弁をさせていただいたんですが、一方では、規制緩和をすることによって運賃体系だとか、それから様々な多様な事業を展開することによって事業の活性化が図られている側面もあります。 ただ、全体として、マイカーが普及されている、普及していく中でタクシーに対する需要が伸びないという状況の中で、一方で増車数がどんどん増えていると、歯止めが掛からないという状況の中で一人当たりの運転手の方々の給料が下がってしまっているという状況にあるわけでございます。 私は、先ほど申し上げましたように、これは、国土交通省における行政にかかわる部分だけではなくて、もちろん私どもも関心を持っているところでございますし、対応策を検討しなきゃならないと考えておるわけでございますが、一方で、先ほど委員からおっしゃった保障給の在り方がこれでいいのかと、その最低賃金の定め方がこれでいいのかというところについて是非私は御議論をお願いをしたいと思っているわけなんです。 先ほど来申し上げましたように、新規参入によって車の台数が増えているという側面よりも既存のタクシー事業者の方々が増車をすることによって増車数が増えているという方が強いわけでございまして、私はそういう意味ではタクシー事業者と運転手の方々のこの労使の問題の在り方としてここは是非御議論をお願いしたいと思っているところでございます。
○辻泰弘君 おっしゃったように、そういった問題点もあろうかと思うんですけれども、その歩合制とか保障給の在り方についてというのは少し時間も掛かることだろうと思うんですね。やはり当面することをどうするかということがあると思うんです。 仙台については、国土交通省内にタクシー問題対策協議会が設置されたというふうに聞いているわけなんです。これは特区の申請がきっかけとなったと聞いているわけなんですけれども、例えば、厳しいと言われているような地域についても、例えば大阪などについても協議会を設置して関係者間で対応策を検討するということがあってしかるべきじゃないかと思うんですけれども、大臣の善処を求めたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(北側一雄君) 是非そういう方向で検討したいと思います。ただ、その際に、何度も申し上げますが、関係行政機関との連携がやはり重要であるというふうに考えております。
○辻泰弘君 その関係行政機関というのはどのエリアでしょうか。
○国務大臣(北側一雄君) 特に厚生労働省でございます。
○辻泰弘君 もう一点国土交通省にお伺いしておきたいんですけれども、最近、ETCが普及しているということがあるわけですが、そういう状況の中で、料金所での事故の増加が伝えられているのでございますけれども、事故が増えている状況について御報告をいただきたいと思います。
○政府参考人(谷口博昭君) お答えいたします。 道路関係四公団におきまして現在ETCのレーンが二千六百トータルございますが、基本的にすべての料金所においてETCの利用が可能となってきております。全国のETCの利用率は、三月の四日から三月の十日の平均でございますが、三二・七%というような高い利用率になっております。一日に約二百三十万台の車が利用されているというような勘定になるわけでございます。 今委員お尋ねの件につきましては、ETCレーンにおけるバーへの接触、追突等の事故件数は、平成十三年三月のETC導入以来、平成十六年の十二月までの四年間、約四年間でございますが、トータル約三千三百件発生しております。しかしながら、当初は約四万台に一件発生していたわけでございますが、まあETCの利用が増えてきたというようなこともございまして、現在は約三十三万台に一台と、約八分の一に減少している状況でございます。
○辻泰弘君 もう一点、別の視点なんですけれど、道路四公団から料金収受の業務受託会社への役員、職員の天下りの方々の状況を数値でお示しいただけますか。
○政府参考人(谷口博昭君) お答えいたします。 道路関係四公団からは、平成十六年度における道路関係四公団が発注しました料金収受業務を受託しました会社六十三社に聞き取り調査を行ったところ、公団OBの役職員が働いている会社は六十三社中の四十七社ということになっております。公団OBの役員は三百七十一人中八十五人ということになっております。公団OBの職員は約三万二千人中の四百八十三人というような報告を受けているところでございます。
○辻泰弘君 そのようないわゆる天下りの役職員の方々は、本来、公団と受託会社あるいは現場の収受員とのパイプ役を果たすという使命を負ってらっしゃるんでしょうけれども、それが十分機能してないというふうな評価を聞くところでございます。 また、収受員は受託会社に雇用をされているために、公団は収受員の労災事故に直接責任を負わないとか、料金所やブースなどの改善は施設管理者の公団にしかできないが、その公団に安全対策が義務付けられていないとか、またさらには、収受員の労働条件に受託会社も公団もともに責任を果たさないと、こういった指摘も見受けられるわけでございます。 つきましては、国土交通省としてもこういった事故の対策や労働環境の改善について十分対処するよう公団に指摘し、また指示をしていただきたいと思うんですけれども、大臣に御所見を求めたいと思います。
○国務大臣(北側一雄君) 今委員の御指摘のように、ETCレーンにおける料金収受員の方々がそのETCレーンを渡る際に事故に遭い死亡するという事故がございました。その際、これ平成十五年度の話でございますが、料金収受員の安全確保に関する措置を徹底するようにということで、日本道路公団始め関係の公団に対しまして指導を行ってまいりました。これを受けまして道路関係四公団では、料金収受員が料金所ブースから不用意にETCのレーンに出ることを防止する車線横断バー、障害を設けましてですね、の設置を進める等をやってきたところでございます。 いずれにしましても、これからますますETCというのは普及を推進をしておりますし、また現に普及されてきておるわけでございまして、こうした事故がないようにしっかりと関係公団、引き続き指導をしてまいりたいと思っております。
○辻泰弘君 是非そのETCについてもそういう御対処のほどお願い申し上げます。 また、先ほどおっしゃっていただいた規制緩和後のタクシー業界の状況についても、協議会の設置等も含めて、是非お取り組みくださいますようにお願いを申し上げておきたいと思います。 国土交通大臣につきましては、私は予定はこれで終わりでございますので、もしよろしければ御退席いただいて結構でございます。 それじゃもう一つ、内閣府に対してお伺いしたいと思います。 提出資料をお配りしていただいていると思いますけれども、その後に書いてるんですけれども、兵庫県では阪神・淡路大震災や神戸市須磨区の事件を契機に、地域の子供は地域で育てる、生きる力をはぐくむとの志の下に、公立中学校二年生全員が学期途中の、学期途中の五日間、地域の中で職場体験、ボランティア・福祉体験、文化・芸術活動などに取り組むトライやる・ウイークが実施されてきたと。その中で、自己の確立、社会の肯定的な認識の醸成、職業観の育成、不登校の改善などの成果が得られているという状況がございます。 それらを参考にしていただいて、政府も平成十七年度から中学校を中心にした五日間以上の職場体験等の実施を始めとするキャリア教育実践プロジェクトを予算化されて、各都道府県においてモデル的に実施することになったと、こういうことになっているわけでございます。兵庫における教育の視点に置いた取組といささか異なるところもあるんですけれども、しかし、政府プロジェクトとして勤労に重点を置いた取組ということで、それ自体は結構なことだと思っているんですが。 ところで、今提出している資料なんですけれども、内閣府作成による「ここまで進んだ小泉改革」という広報物があるんですけれども、その中にその今のトライやる・ウイークのことが出ているわけなんです。しかし、このトライやる・ウイークは平成十三年四月の小泉内閣発足以前の平成十年から始められたものであって、かつ、政府から何らの助成も受けずに県独自で行われて今日に至っているものでございます。ということは、小泉内閣の経済構造改革の成果と進捗状況の例示とすることは全く妥当性を欠くものと言わざるを得ないと、こういうことになるわけでございまして、責任者としての経済財政担当大臣から、これについての釈明を求めておきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) お答えを申し上げます。 兵庫のトライやる・ウイークは、その趣旨、実践のしぶり等々、これはやっぱり大変立派な、高く評価されるべきプロジェクトであるというふうに思っております。 平成十五年四月と九月にパンフレットを作成する際に、キャリア教育の実践というその観点から、これは構造改革の重要な方向であったわけですけれども、方向性が一致しているということで、言わばその先駆的な試みとして兵庫県のトライやる・ウイークを事例として掲載したというふうに聞いております。 しかしながら、正に委員御指摘のとおり、これはかえってその事例として分かりにくい点もあったというふうにも思っておりますし、私はやはりこれは適切ではなかったというふうに思っております。したがって、昨年九月のパンフレットの作成の際には、先生御指摘の観点なども踏まえまして、パンフレットの掲載内容を改めて見直したところでございまして、十六年四月の最新版には掲載をしておりません。適切さを欠いていたと思いますので、ここら辺はきっちりと指導をしたいと思います。
○辻泰弘君 今大臣は分かりにくくて適切でなかったとおっしゃったんですけれども、これは要は全然政府が関与してないところでやっているものについて例示としているのはおかしいということなんで、そこは押さえてください。
○国務大臣(竹中平蔵君) こういうことを例示をしたというのは、今委員御指摘の点等踏まえて、適切ではなかったというふうに思っております。
○辻泰弘君 それで、「ここまで進んだ小泉改革」という宣伝物なんですけれども、今のようなことを思いますと、ここまで進んだ小泉内閣の空宣伝と、こういうふうに言いたいような思いがするわけでございます。 さて次に、財政といいますか、社会保障問題についてお伺いしておきたいと思うんです。 既に本委員会等でも議論があったところではございますけれども、まず厚生労働大臣、最近よく言われております社会保障給付費の伸び率管理ということについて、改めて大臣の御所見を求めておきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) この件につきましては、二月十五日に開催されました経済財政諮問会議で、急速な少子高齢化が進む中で社会保障の規模を経済の規模に合った水準とし、その持続可能性を確保するために、名目GDPの伸び率を指標として社会保障給付費の伸び率を抑制すべきという御意見をいただきました。 そこで私が申し上げたことは、社会保障給付費について適正化に取り組む必要があると考えている、このところは正に認識を共有しますと、まずこう申し上げました。しかし、社会保障給付費の伸び率を名目GDPの伸び率に機械的に連動させるということについては、例えば諸外国の状況を見ても社会保障給付費の対GDP比は様々でありまして、経済規模から社会保障の規模は一義的には導かれないこと、あるいはまた、医療や介護というのは、いったん病気や要介護になれば必ずサービスを提供しなければならないものであります。また、高齢化の進展とか技術進歩等による伸びは特に医療費は避けられないこと、まあ様々あるんですが、そうしたことを申し上げて、機械的に連動させ抑制することは困難であるという意見を述べました。そういう意見を述べました。 以上でございます。
○辻泰弘君 財務大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、財務大臣は、さきの財政演説の中で、社会保障等について国民経済の身の丈に合ったものとすることを目指す必要があると、こういうことをおっしゃっているんですけれども、この今のポイントについて御所見を求めたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私は、今社会保障で一番必要なことは、持続可能であること、それから持続可能だと国民に信頼してもらうこと、こういうことが一番大事ではないかと思っておりまして、そういう視点は、今も厚生労働大臣から御答弁がありましたように、経済財政諮問会議やあるいはその社会保障の在り方に関する懇談会においてもおおむねコンセンサスが得られているんではないかと思います。 それで、そういうことでありますと、社会保障制度改革に当たっては、国民の負担能力を踏まえて、公的給付の伸びを抑制していくという視点は不可避なんではないかと思っておりまして、社会保障給付の規模を国民経済の身の丈に合って、合ったものにしていくことが欠かせないと思っております。ただ、今厚生労働大臣から御答弁もありましたように、それをどういう仕組みのものとしていくか。余り、そのある数字と固くリンクさせたようなものになったときに実行可能なものであるかどうかというその吟味は必要であると思いますが、大きく申し上げて、私は、身の丈ということ、ふわっとした言葉を使っているのも、一つはそういうねらいもあってのことでございます。
○辻泰弘君 今と同趣旨のことをさきの委員会でも御答弁なさっていましてですね、GDPの伸び、名目成長率等に合わせるということはなかなか難しいと、こういうふうな御答弁だったわけですけれども、今、経済財政諮問会議等では成長率に、以下に抑制するというふうな考え方も出ているわけですが、そのことについては同意しないというふうな理解でいいですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 民間議員からは名目成長率にリンクさせて考えたらどうだという御提言がありまして、私は、私の考え方からいえば非常に貴重な御提言をいただいたと思っているわけです。 ただ、それをどう具体的に仕組んでいくかといいますと、いろんな考え方があるんだと思いますね。びちっともう毎年、もうそれ、そこの、何というんでしょうか、GDPの成長率を超えたらぱっとカットしちゃうなんという固いやり方もあるかもしれませんし、何年間かの実績を、目標値を作って実績を見ながら調整していくというような手法もあるかもしれませんし、やり方はいろいろだと思います。
○辻泰弘君 今度、経済財政担当大臣にお伺いしたいんですけれども、このことについては経済財政諮問会議で一番ホットになっているところですけれども、大臣御自身の御所見を求めたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) この社会保障全体としては非常に伸び率がどうしても高く、今後高くなっていくと。それとGDPの伸び率、経済、マクロ経済全体の伸び率との関係というのはよく議論になるわけですが、少し誤解があるといけませんので、民間議員の提案はですね、例えばですけれども、名目成長率が二%で伸びているとすると、社会保障が四%で伸びているとすると、この、こういう状況を未来永劫続けることはできないと。これはもうだれでも分かるんだと思うんですね。 そうすると、もうこれ実は無限の、比率が無限大まで高くなってしまいますから、だから、ここはどこかでやはりきちっと、中期的にはどこかで収れんをさせていかないといけない。その点に私は尽きていると思います。それを非常にリジッドに、単年度で今年のGDPの伸び率は一%だから社会保障も一%、そんなことはこれはだれも考えないし、今後、当面、高齢化とともに負担が増えてくることはある程度はやむを得ないということもみんな認めているわけでございますので、そこはやはり中期的な観点から、しかしほっておくことはできない問題なんだと、そのような観点で私たちは議論を進めていくつもりでおります。
○辻泰弘君 今大臣の御答弁は常識的なことなんですけれども、ただ、その経済財政諮問会議での民間議員の方々の意見の中ではもっとはっきりおっしゃっていて、当面の介護保険、医療保険等の改革についても給付費をGDPの伸び率以下に抑制することを目指すと、こういうような言い方あるわけですね。もっと、当面ということで区切っているわけですからね。だから、その点はちょっとニュアンスが違うかと思うんですね。もちろん議員の方の意見ですからいいわけですけれどもね。そこはどうなんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) そこはもう努めて期間をどのように設定していくかという問題なのだと思っております。 繰り返し申し上げますが、民間議員も毎年毎年の伸び率をそのまま抑えられていったらいいと、そういう短期的な、機械的なことは言っていないというふうに理解をしております。
○辻泰弘君 今の御答弁は良かったと思いますけれども、でもしかし、一般的な伝わり方は機械的なふうにとらえられているんじゃないでしょうか。また、それが素直なことじゃないんでしょうか。もし違うとすれば、それはそれで、こういう機会のみならずいろんな局面で発信していただいた方がいいんじゃないかと思います。 それで、もう一つ、ひとつ竹中さんにもう一遍確認しておきたいんですけれども、大臣のあの不朽の名著の「あしたの経済学」というのをもう一遍読ませていただきましたけれども、どの国も自国の経済を発展させ国民の生活を豊かにしようと必死になっていますというフレーズがございまして、やはり経済を発展させて国民の生活を豊かにすると。やっぱり国民の生活を豊かにすることが目的であって、その手段としての経済があると、こういう位置付けだと思うんですね。そういうことでよろしいですね。
○国務大臣(竹中平蔵君) 正にそのとおりだと思います。
○辻泰弘君 もう一著、もう一つ名著がございまして、最近出された「郵政民営化」という御著書も拝見いたしまして、その中に、郵政のことじゃないんです、御期待に沿えないんですけれども、国民の税負担を最小化する社会が目標であると、こういうところがあるんですね。私はちょっと気になったんですけれども、国民の税負担を最小化する社会が最終目的なのかということになるんですね。これについては、竹中さんは、去年の大臣所信の中でもそれに見合うようなこともおっしゃっているんです。そういう意味では御信念かとは思うんですけれども、その点について御見解をお願いします。
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっとそのくだり、どのくだりかにもよりますけれども、基本的に私が申し上げたいことは二点でございます。 大きな負担をして大きな給付があるような、そういう政府がいいんではないか。これは北欧等々、そういう考え方はあります。しかし、その対極に小さな政府、小さな負担で小さな政府という、そういう選択があります。私は、その選択に関しては後者だということは、まずこれは一つの信念として持っております。 もう一つ、ある一定のサービスをするんであるならば負担は最小化しなければいけない。これはこれで、私は無駄を排して最小化するというのは重要なことだと思っております。
○辻泰弘君 御本人が書かれたのを忘れていらっしゃるんでしょうか、御自分でお書きになった本でございますが。
○国務大臣(竹中平蔵君) 書いたことは覚えておりますが、どういうくだりでどういうシチュエーションで、その前後の脈絡を明確に記憶しておりませんという趣旨でございます。
○辻泰弘君 歴史的にそうなんですけれども、前にも申し上げたかもしれませんが、どうも竹中大臣、私から見ると、負担ももちろん大事なことなんですけれども、負担の部分に重点を置いていらして、やはり給付の面にももっと目を向けていただくべきじゃないかと。経済、財政という立場から、社会全体を見詰めるお立場からすれば、やはりちょっとバランスが負担に偏っているんじゃないかと私は思っておりまして、社会全体を見渡す役回りとして御対応いただければなというふうにかねがね思っているところでございます。 例えば、昨年の十一月の定率減税の縮小、廃止の議論の際に大臣のお言葉として伝えられたのが、財政の論理だけで経済運営すると誤ったことになりかねないと、こういう発言をされたと伝わっております。それはそのとおりですね。
○国務大臣(竹中平蔵君) 経済財政政策担当大臣というのは、正に財政を破綻させるわけにはいきません。財政はきっちりと健全化して効率化しなければいけない。しかし、正に財政というのは政策の一つの手段でありますから、それは正に経済を良くするというためにある。経済は人間の生活を良くするためにある。そういう基本原則はしっかり踏まえてやっているつもりでございます。
○辻泰弘君 御発言はそのとおりなんですね。御発言はそのようにおっしゃったということですね。
○国務大臣(竹中平蔵君) しっかりバランスさせなければいけないというふうに申し上げました。
○辻泰弘君 そういうふうに伝えられているものですから、私が思いましたのは、財政の論理だけで経済運営すると誤ったことになりかねないと。それと同様に、経済、財政の論理だけで政策運営するとまた誤ったことになりかねないのではないかと、このように私は思っているところでございまして、もちろん経済、財政の視点というのは極めて重要であることは間違いないんですが、同時に、やはりこの目的が、大臣もおっしゃっているように、国民の生活を豊かにするとか人間の幸せを最大限に実現するということであるとするならば、それは何も経済、財政の論理のみならず、やはりそれを超えた部分もやはり併せて見詰めていくということもあっていいんじゃないかと。これは伸び率管理にもつながる議論だと思うわけですから、そういった立場でお答えをいただくようにそれぞれの御担当の大臣に申し上げておきたいと思います。 それで、もう一つ、厚生労働大臣、お伺いしたいんですけれども、年金、社会保障についてでございます。 先般来、議論になっておりますマクロ経済スライドについてなんですけれども、さきの総理等の話もありましたけれども、どうも物価スライド、賃金スライドと同じように受け止められていると、こういうふうに思うわけでございます。ここはやはり、マクロスライド、マクロ経済スライド調整なら、調整を抜かしておっしゃっているものだから同じようになっていて、総理もそのように間違っていらっしゃると思うんですが、やはりそういう意味ではこれから調整を付けておっしゃるべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 確かに、物価調整、物価スライド、物価スライド、プラス私どもが今言っているマクロ経済スライドで答えが出るというところでございますから、大きく二つのスライドを足しますという言い方もできると思いますけれども、まずはやはり実態をより正確に説明するとすれば、物価スライドに今私どもが言うマクロ経済スライドを、先生がお話しのように、調整して答えを出すという方が分かりがいいのかなと私は思っております。したがって、今後の説明の仕方というのはいろいろ工夫してやっていこうというふうには考えております。
○辻泰弘君 いいのかなというか、被保険者数の減少の〇・六%分と平均余命の〇・三%分を足した〇・九を差っ引くと、そのこと自体をマクロ経済スライド調整だと言っていたわけですよね。だから、それにおいてはやっぱり、それ、下の部分をスライドだと言うというのはちょっとそれもおかしな話で、マクロ経済スライド自体はその調整までを意味していたはずだし、それがすべてじゃないですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 私が申し上げたのは、例えば物価スライドで一%だと、物価が一%上がった、そうすると、物価スライド、基本でありますから、まずそこに一%が出てきます。それに、今お願いしようと思っているのは、お話しのように、私どもがマクロ経済スライドと言っているものは、〇・六と〇・三を足したマイナス〇・九でありますから、一プラス、マイナス〇・九というところで、例えば〇・一という答えが出てくる。そういう意味で、二つのスライドを足すという言い方もできるんですがということを申し上げたわけでありまして、しかし、あえて理屈を言えばそういうことでもありますけれども、調整と言った方が先生言われるように、分かりがいいなということは認めておるところでございます。
○辻泰弘君 そういう意味では、これから調整という言葉を入れていただくべきだと思います。 それともう一つ、この経済という言葉を入れたこと自体なんですね。ですから、総理も、昨年の六月三日のときを振り返りますと、そのマクロ経済スライドって聞かれて、総理は、「私は、そういう経済の専門家の知識が乏しいですから、」と、こうおっしゃっているんですよ。経済と混同しちゃうし、マクロ経済と言葉が一緒ですからね。でも、ちょっと違うんですよね。ですから、その経済という言葉を使ったのは私はいかがなものかなと。まあ、今更変えられることないんでしょうけれどもね。そこはどう思われますか。
○国務大臣(尾辻秀久君) これは実はというお話を申し上げるんですが、平成十四年十二月にさかのぼるわけでございまして、このときに年金改革の骨格に関する方向性と論点というものが出ておりまして、この中に、年金改定率の具体的な調整方法、マクロ経済スライドというような記述がございまして、どう述べているかといいますと、マクロの経済成長率や社会全体の賃金総額の伸び率を、年金改定率に反映させる方法、あるいは一人当たりの可処分所得上昇率等を反映している現在の、現行の年金改定率に対して、労働力人口や被保険者数の変動率を併せて反映させる方法が考えられる、以下これらの方法をマクロ経済スライドと総称するという、ここから議論が始まっておりまして、以来ずっとマクロ経済スライドと言っているものですから、そのまま言葉が使われたというところでございます。
○辻泰弘君 そういう経緯はあるにしても、最終的に国会に提出するという段階においては、やはりどういう言葉がいいのかというのは選ばれてしかるべきではなかったかというふうに思っています。 それから、確認ですけれども、マクロ経済スライドは昨年の審議の中では二〇二三年度まで続くと、こういうことになったわけですけれども、その状況というか、は変わっていないかと。要は、新たな試算はしないんですねということですね。
○国務大臣(尾辻秀久君) これも申し上げておりますように、この後、九十五年の有限均衡方式でありますから、九十五年で均衡させるという計算をいたしております。その九十五年で計算させるということで、いろいろの今の考えられる条件を当てはめていくと、今マクロ経済スライドをそこまでやれば後は均衡するというふうに思っておるわけでありまして、計算をしたわけでありまして、今日の状況の中でまだその計算を変えるというところではない、こういうふうに考えております。
○辻泰弘君 大臣のお口から、二〇二三年度というのはそれは変わっていないかという数字を、年度を言っておいてください。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 現在、施行を段階的にしております改正年金法でございますが、二〇二三年度というところをマクロ経済スライドによる給付調整の最終年度というふうに考えているところでございます。
○辻泰弘君 もう一つ大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、さっき経済と社会保障という、社会保障給付費という話をしましたけれども、大臣所信の中で、先般お聞きしていましたら、年金制度については経済と調和の取れた持続可能なものに見直すことができたと、こんなようにおっしゃっていたんですね。そうだったとすれば、医療も介護も経済と調和の取れたものにすればいいじゃないかという議論を呼び込むような、そんな表現であったように思ったりしたんですけれども、その辺、どうお考えですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今から年金の御協議をいただくときに、余り私どものそうした考え方、強く申し上げるのもいかがと、いかがかなとは思うんですけれども、お尋ねでありますから、こう考えておりますということだけを申し上げたいと存じます。 今、正に話題にしていただきましたマクロ経済スライドを当てはめていきますと、給付の伸びというのは一定のところで抑えられます。したがって、年金について言えば、先ほど話題にしていただきました、例えばGDP比の伸び率に合わせたとか国民所得の伸び率に合わせとか、いろいろそういうお話、御意見が出ても、それは大体その枠でいくということを申し上げたつもりであります。
○辻泰弘君 今の社会保障と経済の関係の話は一応区切りにしようと思うんですけれども、竹中大臣も谷垣大臣も、やはり機械的なものではないんだと、そういうことはなかなか現実にないだろうという御所見だったと思うんで、そのことが安心した思いがいたしますし、そういうトーンでこれからも御対処いただければと思います。 財政のことについてちょっとお伺いしておきたいと思います。 まず竹中大臣に、私も昨年、本委員会等でいろいろ、「改革と展望」の参考資料の数値について個別にいただいたりしたんですけれども、今回の参考資料の中にはかなり掲載していただいたこと自体は評価させていただきたいと思うんですが、ただ、まだ一般会計の基礎的財政収支の二〇一二年までの実額とか、国、地方の基礎的財政収支の二〇一二年度までの実額というものが本体にはないわけなんですね。委員会の求めに応じて出したりされているんですけれども。どうか来年からは、それもどうせ出されていることなんですから、本体の参考資料の中に入れていただくようにお願いしておきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私ども、きちっと計測したものについてお出しするということは、これは全く我々としては何の差し障りのない話でございますし、要望等々に応じて先生にもお渡ししていると思います。 一方で、表示の仕方についてもっと分かりやすくしてくれとか、いろんなむしろ簡素化してくれというような御意向があることも確かでございます。その辺、簡素化してできるだけ分かりやすく見ていただくというのと、できるだけ詳細に情報を提供するということ、是非そこはバランスを取って多様な要望にこたえるように努力をしたいと思います。
○辻泰弘君 それで、プライマリーバランスのことをちょっとお聞きしたいんですけれども、昨年も竹中さんと谷垣さんにお話をさせていただいたと思うんですけれども、どうも今の国、地方を通じての基礎的財政収支というとらえ方は雲の上を歩くようでどうも実感がないといいますか、把握できるような感覚がつかめないというのが正直なところでして、谷垣大臣御自身も、「改革と展望」の試算はベストプラクティスであると、現実の問題としてはなかなかそういかないのではないかと、このように本委員会でもおっしゃっているわけです。 まず、その今のプライマリーバランス、それは二〇一二年度で黒字化するのは結構なことだし、マクロ的にとらえることは大事だと思うんですが、しかし、やはりそもそも昭和五十年代から出発していたように、国の一般会計の財政再建といいますか、そのことが基本から出発したことだと思うんで、やはり一般会計における財政健全化の一つの指標といいますか目標というものはやはり持ってしかるべきじゃないかと思うんですけれども、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(谷垣禎一君) まず、「改革と展望」の参考資料の試算ですね。これがベストプラクティスだと確かに私申し上げたんですが、これは「改革と展望」の中にも、改革が進んだケースと進んでいないケースといろいろあれしておりますけれども、よく引かれる改革が進展したケースについてそのように申し上げたということでございます。 それで、今委員がおっしゃいましたように、その試算で二〇一二年度には国、地方を合わせたプライマリーバランスが黒字化するということでありますけれども、そこにもありますように、そのときの国のプライマリーバランスは依然として十一・四兆円赤字でありまして、要するにもっともっと努力をしなきゃいかぬということをこの数字自体が表しているわけですね。 それから、昨年の財政審では、同じような問題意識から国の一般会計に着目して、これは平成十六年度の当初予算における財政構造を前提として議論をして試算を出していただいたわけですけれども、これは何らの改善策を講じないでいると十年後には一般会計のプライマリーバランスはもっと悪くなるということを示していただいて、そこで財政審の建議では、「現在政府が目標として掲げている国・地方を通じた基礎的財政収支の黒字化に全力を尽くすことはもとより、政府債務の大部分を抱える国の財政規律が如何に確保されるかを明確に示していくことが重要である」という提言をいただきました。私としても、今委員が御指摘のように、地方と合わせてというだけじゃなしに、一般会計についても更に努力が必要だろうと思います。 ただ、もう一つ申し上げますと、この国と地方が合わさって議論しております中には、交付税特会等の在り方から、国、地方両方が足らず前をどう埋めていくかと、いろんなことをやりまして、その償還や何かの在り方、いろんなルールがありますので、ある程度国、地方、統一的に見ないとその辺のところも、その辺の努力の方向も十分見え難いという点もございますから、両方併せて私どもは活用していくべきことかなと考えております。
○辻泰弘君 今の二〇一二年度に十一・四兆円の一般会計ベースでは赤がまだあるんだという話だったわけで、それは実額的には四十兆円を超えるんじゃないかと思うんですね。そういう意味においては、改善したといってマクロ的にはそうなのかもしれないけれども、一般会計でとらえるならば全然何も変わって、良くなってないよというふうな状況でないかなと思うわけでございまして、そういった意味では一般会計における目標というのはやはりなかなか一概には言えないところがあるんですけれども、しかし、状況も良くなってきた、とりわけ最近一般会計のプライマリーバランスということを財務大臣よくおっしゃっているんで、私はそういうところにちょっと近づいてきたようにも思ってはおるんですけれども、そういったことで御努力をいただきたいというふうに思うわけです。 そこで、昭和五十九年度に財確法が改正されたんですけれども、そのことが私は今日の財政、国債累積の一つの原因だったというふうに思っているんですけれども、そのことについて御説明をいただけますか、そのときの改正内容。
○国務大臣(谷垣禎一君) 特例公債では、発行が開始されたのが昭和五十年度からですが、その昭和五十年度から五十八年度の間では、昭和五十九年度には特例公債の依存体質から脱却しようという、そういう目標の下で、要するに全額借換えをしちゃいかぬと、全額を現金償還をしていくんだと、こういう前提で作られていたわけですね。ところが、昭和五十四年に第二次石油危機が起きまして特例公債の発行額が増加せざるを得なかったと。そこで、その特例公債からの脱却目標を昭和六十五年に延長した、五年間延長したわけです。あっ、六年間延長したわけですね。この際、併せて特例公債を昭和五十九年には脱却ということでやってきたものですから、そのままにしておくと借換えができないままに更に償還資金について特例公債を発行しなきゃいかぬというようなことを避けるために、その今委員がおっしゃった昭和五十九年の財確法で、特例公債についても建設公債と同様に六十年償還というルールでやろうじゃないかということになったわけです。その後、景気の拡大もありまして財政状況が改善して、平成二年度には一応目標どおり特例公債の発行から脱却が当時は達成できたわけであります。
○辻泰弘君 要は、五十年代の赤字国債については借換えが禁止されていたわけなんですね。ですから、五十九年段階で国債整理基金特別会計で借換債を発行するということを認めたということで、本来であれば一般会計で発行するものを特別会計に振り替えたということで、結果として表に見えなくなったと、こういうことなんですね。それで、しかも六十年償還に切り換えたということなんですね。だから結局、そのときにそれをしていなければ一般会計で見えたわけですよ。そこを安易にやってしまったことが結局歯止めなくなってしまったというふうに私は思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) そこらはなかなか評価の難しいところでありまして、当時そのものにとってみれば、これはあるいはバブルの効果だったのかもしれませんが、平成二年度には一応その足を洗うことができたわけでございます。その後、今私どもが直面しておりますのは、当時の問題から今度はまた次の問題で、要するにバブルの崩壊後の景気低迷、累次にわたるその経済対策、あるいはそれによる財政拡大、減税措置ということの始末をどう付けるかという問題でございますので、その五十九年の償還ルールの採用が即原因であったのかどうかというのは、ちょっとにわかには即断しにくいのではないかと思います。 それともう一つは、結局、じゃ、もしそれが原因であるということにすれば、財政規律のためにはもう六十年償還ルールを廃止せよという、委員もすぐおっしゃるわけではないんだろうと思いますが、多分そういう御主張につながっていくんだろうなと思うんですが、これも現実問題としては借り換えざるを得ないとき、得ないというときに、それをもう少し早く償還していくということになるわけですから、どうしても新規公債額の発行が増えるということはあるわけでございます。
○辻泰弘君 私の意見というなれば、当初のとおり、借換えはしないということで、償還については一般会計で新規に発行をしてそれをもって充てると、こうあるべきだったということを申し上げているわけですね。 それから、足を洗うとおっしゃったのは、特例公債依存体質から脱却したという平成二年のことをおっしゃっているんですね。だけど、これは見掛けだけなんですよ。その前の精神からいえば、特会で発行しているわけですから、そのことを申し上げているということです。 それで、時間がないんで、最後に一点だけ。 国民負担率、潜在的国民負担率についてなんです。経済財政白書の平成十五年版に国民負担率と経済成長率の関係について出ているんですけれども、それについて御説明をお願いします。
○国務大臣(竹中平蔵君) お尋ねの平成十五年度年次経済報告、いわゆる経済財政白書の中での御指摘でございますけれども、これはOECD諸国間におけます潜在的国民負担率と経済成長率の関係について計量的に分析をしておりまして、両者の間には緩やかな負の相関が認められ、潜在的国民負担率が高い国ほど経済成長率も低くなる傾向が認められると、それを記述しているところでございます。
○辻泰弘君 しかし、その後に、一定のその配慮があってしかるべきと、こういうようなことも、慎重であるべきだと書いてあるわけですね。だから、結論はどうなんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは、計量分析というのは、期間とかデータの取り方、前提とかを変えますと、これはいろんなことがあり得るわけでございます。これは一つの可能性、一つの見方としてこの白書の中で可能性を示唆していると、政府の規模の上昇が経済成長の阻害要因となる可能性も示唆している、分析上はそういうことであると思います。
○辻泰弘君 その関連性は学説としても定着していることでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私の知る限り、経済の、政府の規模と経済成長率の間には様々な御見解があるというふうに承知をしております。その意味では、定着しているかと、大部分がこれに賛同するようなその証拠性を認めているかということに関しては、そういう意味での定説は必ずしもないというふうに認識をしております。
○辻泰弘君 政府の公式見解ではないということですね。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今申し上げましたのは、専門家の間での定説として定着しているわけではないということでございます。 この白書でございますけれども、これは内閣府の意見を取りまとめまして、各省庁と協議の上で閣議に配付されるものでございます。
○辻泰弘君 財務大臣、実はそのことが、この「日本の財政を考える」というのには、もう「傾向があります。」ということで決め付けた表現になっていまして、そのことは財務省としてはもうその関係あるという認識の下ですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) まあどんな、何というんでしょうか、基準の取り方をしても、そこに問題はあることはあるだろうと思います。ただ、こういう数字がある意味での政府の大きさを表し、それに対する今、竹中大臣がおっしゃいましたけれども、そういうものが大きくなっていった場合に、国民経済に一定の悪い影響があるということはあるんだろうという前提の下で使っているというふうに理解しております。
○辻泰弘君 五〇%以下にという、五〇%の論理性を御説明ください。
○国務大臣(竹中平蔵君) これはちょっと別の問題で、国民負担率が五〇%というのを目標にしている、その根拠という御趣旨でよろしいでしょうか。
○辻泰弘君 そうです。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは基本的には、いろんな御意見がありますけれども、まあ昔風に言うと五公五民といいますか、負担が大体その半分を超えるとやっぱりきついだろうと。そういう意味で、五〇%程度を目指そうではないかと、そして政府の規模の上昇を抑制しろ、しよう、抑制しようではないかと、そのような議論を行っているということでございます。
○辻泰弘君 私は、五〇%というのは本当は論理性がないと思っておりますし、それが一つの目標になってすべての政策が支配されているのは間違っていると思っています。 まあ時間はございませんけれども、それで、谷垣大臣も数字はアプリオリに決めるのは間違いだということをさっき、この間答弁でおっしゃっていたようなことですからね。五〇%というものが金科玉条ではない、そのためにすべて合わせるような政策運営は、私は必ずしも本当の国民の幸せに資する道ではないと、このように思っております。 以上、質問を残しておりますけれども、これで終わらせていただきます。
○委員長(中曽根弘文君) 以上で辻泰弘君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(中曽根弘文君) 次に、主濱了君の質疑を行います。主濱了君。
○主濱了君 民主・新緑風会の主濱了でございます。 まず、食料・農業・農村基本計画について伺います。 この基本計画につきましては、三月七日、当委員会において質問をしたところでありますが、当日、島村農林水産大臣は三十九度の熱があったと、こういうことでございました。大変御苦労さまでございました。ただ、十分お答えをいただいていない部分もあります。また、私の方で農林水産委員会の方に譲ったと、こういう部分もありますので、改めて質問をさせていただきます。 なお、国民の皆様にもできる限り分かっていただくために若干重複の部分がありますので、御容赦をいただきたいと思います。 それでは、現計画における食料自給率についてさきに伺ったところ、四〇%で低迷をしていると、こういうことでありました。私は、食における米、御飯、このシェアを拡大することによってその食料自給率を引き上げると、こういうことも必要というふうに、こう思います。しかしながら、基本的には食料自給率の低い作物を増産することによって食料自給率を引き上げるべきであると、このように思っております。これが不可欠であると考えております。 この観点から、食料自給率が低いと言われております麦類それから大豆の自給率の現状と、これまでどのような施策を講じてきたのか、お知らせをいただきたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) せんだっては大変失礼いたしました。熱はなかなか平気だったんですが、熱冷ましを飲んだら、量を知らずに倍の量全部飲んじゃったらどおんと下がりましてね、あなたのお顔がよく見えなかったんで。おわびいたします。 今御質問の自給率問題ですが、よく四〇%が云々言われますけれども、実は穀物自給率はむしろ二八%、あなたは専門家ですから釈迦に説法ですが、むしろその辺にも非常に大きな問題があるわけであります。 かてて加えて、お米にしてもそれは言えるわけでありますけれども、世界じゅうお米なら何でも同じなのかというとそうではありませんで、やっぱり日本のお米というもの自身だって、日本人の食味に合うものは、逆に例えばアジアの人たちにはおいしくないと、こういうことが現実に言われるわけですね。 同様に、麦にしても大豆にしても同じことが言えまして、なるほど日本で麦をもっと作ろうと思えば作れるわけです。しかし、現実にははるかにその必要量を下回っていることは、要は、日本の小麦というのはめん類には向くんですけれども、例えばパンには向かない、したがってパンを製造する人たちその他については非常に歓迎されない言わば麦ということになる場合がよくあります。 同じように、大豆にしても、一つには高価であるという欠点もありますが、同時に、言わば豆腐などにはいいんですけれども、むしろこれはいろんなものに、発酵したりなんかして物、種類が変わって、しょうゆとかみそとかそういうものに加工するようなのになると、むしろ高いものは余り歓迎されないという面もあるようでございます。したがって、言わば必ずしも大豆だ麦だというのは、足りないから作れ、これで自給率が上がるということでもないようであります。 さて、小麦、大豆については、現行基本計画の目標を超える水準まで実は生産が拡大しておることは御承知のとおりであります。問題は、実需者が希望する品質や量にこたえられていない。一方で、生産性の向上が遅れているなど、その生産構造が脆弱であるということもまた一方の事実であります。こうした課題を解決するために、品質管理の徹底や出荷単位の大型化など、実需者ニーズに応じた生産の推進、これがまず必要であり、加えて、生産規模の拡大、多収品種の導入による生産コストの低減などが進むよう関係者の取組を促すことが先決であると、現状はそういうことで取り組んでいるところであります。 このため、今般策定する食料・農業・農村基本計画では、品質そして生産性の向上に向けた課題解決のための生産振興策に重点的に取り組むこととされております。
○主濱了君 また引き続き、食料自給率についてお伺いいたします。 新しい基本計画における食料自給率の目標、特にその生産額を基にした金額ベースの食料自給率の考え方についてお示しをいただきます。
○国務大臣(島村宜伸君) 金額、今まではカロリーベースで来たのに、今回は金額ベース、生産額ベースというのは目くらましではないかと、こういう御批判があるんですが、この点につきまして申し上げますと、実は現行の基本計画は、基礎的な栄養であるカロリーに着目して、カロリーベースの食料自給率を目標として設定したところであります。 しかしながら、先般、食料・農業・農村基本計画をいろいろ御検討いただく過程で、言わばカロリーベースの食料自給率ではカロリーの比較的低い野菜とか果実の国内生産活動が適切に反映されないじゃないかと、こういう御批判が大分あったようであります。こうしたことから、食料・農業・農村政策審議会において、生産額ベースの食料自給率についても目標として設定すべきとの多くの議論を踏まえて、先日、こうしたことを含めた答申をしたということは、従前のカロリーベースに併せて生産額ベースもこれに加えるということになったということでございます。 これを受けまして、新たな基本計画においては、引き続きカロリーベースの食料自給率を目標として設定する一方、生産額ベースの食料自給率の目標もこれに併せて言わば設定することにしたと、こういうことでございます。
○主濱了君 食料自給率はこれまで日本人が生きていくために必要なカロリーで示されてきたと、こういうことでございます。そして、この方法は、これまでの推移が分かりますし、それから外国との比較も分かります。 例を挙げますと、いつも大臣がおっしゃられています、一九六〇年、七九%であった、今は二〇〇四年は四〇%まで落ち込んでいる。あるいはイギリス、イギリスの場合は一九六一年、昭和三十六年、これ四二だったんですよね、四二。で、今はどうかというと、二〇〇二年は七四。イタリア、イタリアであっても七一と。こういうふうに外国とも比較できるし、日本が極端に落ち込んで、外国は逆に上がっていると、こういうこともよく分かります。今なぜこういうふうな金額ベースの自給率を作るのか、私には理解ができません。 要するに、言っちゃえば、一つの弁当があります。その弁当の、千円の弁当の中身が、要するに日本産が七百円で外国産が三百円だと、こういうふうなことなのかなと、こういうふうにも思っております。中身で、例えば中国産の同じ作物で、中国産のものと台湾産のものが入っている。値段が違っていました。これはどう表されるんでしょうかね。 この辺、いずれにせよ、要するにこの金額ベースの自給率にどのような意味があるのか、ここのところをもう一回御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 米、麦もこれは必需品ですけれども、野菜も果物も必需品。我々の食生活の中にはそれぞれ重要な要素と言えるものがありますが、ただ問題は、野菜やなんかはカロリーということになるとずんと低くなるんで、要するにカロリーベースで見ると、量は満ち足りているのに、言わばカロリーだけで換算すると言わばかなり下回ることになると。ところが、これがもし仮に生産額ベースに置き換えてみますと、かなり数字が高まることも事実であります。これは国民の皆さんごらんになって、カロリーベースはなるほどこうだけれども、生産額ベースでいけばこれだけのものがあるんだから、丸々四割しかないんだなということとは違うんだということは御理解いただけると思うし、生産者の側においても、やはりこれが生産額ベースで評価を受ければ、やはり自分たちの努力というものに対して実感が生まれるんだろう。私は、少なくもそういう御判断でこれが生まれたと受け止めているわけであります。 それは主濱先生御存じのとおり、このメンバーの方々は何も生産者だけでなくて、言わば消費者の代表もジャーナリストもおられますし、学者もあるいは自治体の代表もおられて、全体を網羅した言わば代表者が一年三か月ですか、にわたってかんかんがくがくおやりになったと。 しかも、そのまとまった結果についてこの間私答申を受けた際に、何となく白々しい、何か白けた感じがあったら嫌だなと思っていたら、とんでもない、大変盛り上がっておられまして、もう本当に楽しそうに皆さんがお話しなさっていたことや、あるいは学者も農業の第一番、第一線の方々もみんなが本当にいろいろむつび合った会話をしている姿を見て、これは随分いい議論ができたんだなと、私はそう受け止めたところであります。
○主濱了君 具体の内容に入りたいと思います。 新しい計画、今検討されている新しい計画、担い手の選定基準をお示し願います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 現在検討をしております経営安定対策の対象となります担い手、これは将来にわたりましてやる気と意欲のある経営ということで、私ども、一つは認定農業者、それからもう一つは経営体の実体を有する集落営農経営、この中から一定の要件、将来にわたり持続的に農業経営を継続すると思われる一定の要件を課すということといたしまして、今年の秋口から本格的議論を再開し、検討して詰めていきたいというふうに考えております。
○主濱了君 担い手に対して集中的、重点的に施策が展開されると、こういうことでありますが、具体的に言いますとどのような施策が講ぜられるのか、これを具体的にお知らせください。
○副大臣(常田享詳君) お答えいたします。 やる気と能力のある担い手が農業生産の相当部分を担う望ましい農業構造を確立するためには、担い手に施策を集中化、重点化していくことが重要だというふうに考えております。 このことにつきましては、これまでも経営改善に向けた経営診断、低利の政策資金の融通、農業機械等の割増し償却といった各種施策について対象を担い手に集中、重点化して実施してきております。 新たな基本計画においては、これらの今申し上げたようなことに加えて、加えて、現在幅広い農業者を対象に品目別に講じている対策について、対象となる担い手を明確にした上で、その経営の安定を図る方策に転換する、そういうことで検討しているところであります。 この対策の具体的な内容につきましては、十九年産からの導入を目指して更に今後検討をしてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○主濱了君 今は具体的な内容が決まっていないというふうに聞こえたんですが、そのとおりでよろしいんでしょうか。 それからもう一つ、この経営安定対策の内容についても一緒にお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 具体的な経営安定対策、特に品目、品目横断的な経営安定対策の具体的内容は、先ほど申し上げましたが、本年の秋口から本格的に議論を再開をいたしまして詰めていくということにしております。 現在までどういう内容かということでございます。 一つは、市場で顕在化している諸外国との生産条件の格差を是正するための対策、簡単に申し上げますと、市場価格がコストを下回っている、その差を補てんするような直接的な支払の方法と、それから、販売収入の変動が経営に及ぼす影響が大きい場合にその影響を緩和するための対策、収入が落ち込んだ場合に、自然条件等によって上がったり下がったりするわけでございますけれども、落ち込んだ場合に補てんするという、この二つの内容で詰めていくということにしているところでございます。
○主濱了君 担い手に選ばれない農家に対して全く支援がなされないのか、あるいはなされるのか、伺います。
○副大臣(常田享詳君) 担い手に対して各種の施策を集中する、先ほど申し上げたとおりでありますが、そういう一方で、小規模な農家や兼業農家については、地域の話合いと合意に基づき、例えば担い手となる集落営農に構成員として参画していただく、また農地を担い手に貸し出し賃料収入を確保していただく、また高付加価値農業を行うなどして営農活動を継続するなどの選択をすることにより地域農業において一定の役割を担っていただきたいというふうに考えております。 また、担い手に絞り込んでいたのではその効果の発現が期待できないような施策、例えば中山間地、地域などですね、対象とした農業生産条件の不利な地域を補正するための施策、農村地域政策でありますけれども、そういったもの、また病害虫防止に向けた対策や災害補償制度を始めとする災害対策などについては、担い手以外の農家等も対象となり得るというふうに考えております。
○主濱了君 それでは、ちょっとだけ具体的にお伺いしたいんですが、その外された農家につきまして、まず、経営安定対策は適用になるかならないか、農地集積が適用になるかならないか、政府系金融機関の利用が可能かどうか、あるいは農業改良普及、農業、協同農業普及事業の活用がなるかどうか、これについてお答えをいただきます。
○政府参考人(須賀田菊仁君) ちょっと今の御質問でございます。 一つ、経営安定対策は、その対象となるのは私ども担い手ということにしております。この担い手から外れた農家の方は対象にならないというふうに思っております。 それから、土地の流動化、土地利用調整でございます。これ、主たる受益者は私ども担い手に土地が集積するようにということを考えておりますが、一方で、土地利用調整といいましても、小規模で、自給的な部分だけ残して残りの土地を担い手へ集積させるというようなこともございますので、そういう意味で、小さい土地を担い手以外の方に集積するというようなこともその事業の中で考えていくことがあります。 それから、資金、融資でございます。これは資金の種類によります。例えば、現在行っておりますあのL資金、農地取得だとか経営改善の資金はこれ担い手になっておりますけれども、共同利用施設とかこういうものになりますと、その受益は担い手に限定されることなくその地域の農家ということになろうかというふうに思っております。 それから、普及事業につきましては、これ技術の普及ということでございますので、原則としては農家の需要がございましたら技術指導をするということになっておりますけれども、重点は、やはり農政の基本的方向が担い手の育成というところに行きますればそちらの方に行きます。ただ、災害の対策でございますとかそういうのも技術指導でございます。これは全農家に対して行うということになろうかというふうに思っております。
○主濱了君 島村宜伸農林水産大臣は東京都の御出身であられます。そして、東京都の経営耕地面積に占める中山間の面積の割合、これは一六・四%と、こういうことでございます。全国平均が三八・六%と、まあ半分よりちょっと下ということでしょうか。 そういう状況でありますが、お尋ねをしたいんですが、農業の中で中山間が果たすべき役割をいかがお考えになっているか、お願いいたします。
○国務大臣(島村宜伸君) 委員も御存じのとおり、我が国の中山間地域、約四二%、農家人口でいくと四三%です。まあ、好むと好まざるとにかかわらず、我が国はそういう言わば本来的な効率的な農業には向かない非常に自然条件に恵まれない地域があるわけでありますが、その一方では、農業の存在価値というのは、生産品だけの問題でなくて、言わば地域の言わば自然を守り、そして同時に言わば田畑を耕すことで言わば隣接する山間地が守られ、また同時にその地域に人口が分布することでその地域がまた活性化する、そして同時にそれぞれの地域をそれぞれの人たちが担うことで農業とはまた別の評価もまた、評価というか貢献も期待されるわけでありまして、今日までの日本の歴史はそういう方たちにどれだけ大きく支えられたか分からない。 したがいまして、中山間地域は生産に向かないからそこはもう全部駄目にしてしまうというようなことにしていたらこの国はとんでもない方向へ行ってしまうわけでありますから、それらを十分配慮しながら農業に対する配慮を巡らせていく必要があるということでございますので、これからもその姿勢で臨んでいきたいと、こう考えております。
○主濱了君 現在、中山間には直接支払制度があります。この直接支払制度と新たな基本計画のいろいろな援助施策、この兼ね合いについてお伺いをいたします。
○国務大臣(島村宜伸君) 中山間地域と直接支払制度は、耕作放棄地の増加などにより多面的機能の低下が特に懸念されている中山間地域などにおいて、農業生産条件の不利を補正するために行っているものであることは改めて申すまでもないところであります。 一方、現在検討が行われている新たな経営安定対策は、担い手の経営に着目し、諸外国との生産コストの格差を是正するなど直接支払制度を導入しようとするものでありまして、したがって両制度は趣旨、目的が異なるものであるため、新たな経営安定対策が導入される場合でも、中山間地域と直接支払制度とは別個のものとして位置付けられることと、位置付けていくというふうに考えております。
○主濱了君 先ほど経営安定対策の中で直接支払の導入についてお話がありました。自給、こうして考えますと、自給率が低迷をして農家が元気をなくしている今、これ政府がやるべきことというのは、私は担い手として農家を絞り込むことではなくて、要するに国民のために農産物を生産している意欲のある農家が安心して食料の増産に励むことができるよう、正に先ほど話のありました直接支払の導入など、これまでとお金の使い方を変えることであるというふうに思います。これは私どもが主張していることでもあります。 今やるべきことは、決して担い手として農家を絞り込むことではない、お金の使い方を変えることなんだ、先ほども言った、言われた直接支払制度をやれば十分ではないか、このように思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) これは委員も十分御承知かと思いますけれども、我が国農業を取り巻く環境というのは、国内的にも少子化、高齢化とかいろいろ問題が多いわけですし、特に最近は言わば耕作放棄地がどんどん増えていまして、東京都の一・五倍にもなっているわけですね。こういうものもありますし、また一方で、国際的な環境というのは、従前のように高い塀を巡らせて他を入れないとか、我が国の特殊事情を訴えて理解を求める、こういうことがなかなか許されない環境になってきていることも御承知のとおりであります。 そういう中で、我が国は、体質の強い、将来に向かって国際競争もしていける、あるいはその他の言わば職業の方々に伍して十分農業で言わば将来の展望を開いていける、こういう体質の強化を現実のものにするとなれば、当然のことに従前のままで、例えば全体に限られた予算をばらまいているというようなことをやっていたんでは農業の体質強化はおぼつきません。やっぱり、例えば集落営農なら集落営農ということに御理解をいただいて、協力を願えるものは願うと。 そういうことの中で、例えば耕作機械だって非常に高価なものですから、みんな個々ばらばらに持って使いたいとき使うのでなくて効率的にみんなで使うとか、あるいは、みんなの正に英知と力を集めお互いに協業化の利点を生かしてそれで効率的な農業を営むとか、やはり、言わば経理とかあるいは総務とかいう固定費用、そういうものは要らないわけですから、それらを含めて全部が集約化することは非常に効率的にできる。 そういうことで、だれでもかれでも勝手気ままにやった者に対してばらまくというのでなくて、やっぱりそこは当然のことに、ちょうど中小零細企業者と同じように連鎖化、協業化、そういうことも時には必要だということで、皆さんからいろいろ専門的に御検討をいただいた結果が今回のこういう経営安定対策に表れているわけでありますから、御理解をいただきたいと思います。
○主濱了君 私が言っているのは、そのばらまきというのはもう当然念頭に置いていますが、ばらまきではないということをまずはお話をしておきたいと思います。 私が言っているのは、先ほど申し上げましたように、国民のために農産物を作っている要するに販売農家、販売農家、意欲のある販売農家に対してであれば問題はないんじゃないか。そして、例えば集落営農をやったにしても、その一人一人がいるわけです。集落全体の、集落営農全体、一つを単位とするのか、個々を単位とするのか、この違いだけです。絞り込む必要は全くないと、このように、意欲があれば絞り込む人は、必要は全くないと思います。この点、もう一回御答弁をお願いします。
○国務大臣(島村宜伸君) 先ほど来申し上げているように、中山間地域において何でもかんでも一緒にやってくれといっても、それがすべてオーケーだという状況ではないケースもあろうかと思います。しかし、常識的には、皆さんがそういう姿勢になってやり、みんなで協業化することで無駄を最小限にして効率のいい農業を営むということをしていただくことは、これはいろんな意味で私は大きなプラスがあるだろうと思います。 例えば、自分のやりたいときに農業をやるんだと。一方では職業を別に持って兼業をやっているんだ。それで、何を中心に自分の生計を立てていくのかということが分からない方、分からない方ですと、これはやはり私たちにとっては、全部これに、みんなにばらまきをやっていくということの対処をしていたんでは、実際に何にも支援らしい支援は受けられないということになりますから、やっぱり絞り込みというのは当然必要になってくるだろうと思います。
○主濱了君 私が聞いている範囲では、この基本計画では、少なくとも地元の農家は担い手から自分が外される、どうしようか、自分の農業もこれまでだなと、こう思っている農家が非常に多い。本当に農家をやめてしまう可能性がある、耕作をしないということが出てくるというふうに思います。そうしますと、農村は破壊されますし、崩壊しますし、それからJAだって組合員がぎゅっと減ってしまいます、十分の一に減ってしまうかもしれません。こういったような状況。 いずれ、地元で現に、地方で現に農業を行っている皆様の御意見を更に聞いた上でもう少し議論を深めて、もっと十分農民の皆さんに理解をしてもらって進めた方がいいのではないか、拙速な策定は避けた方がよろしいのではないかと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) 平成十二年の三月に食料・農業・農村基本計画が打ち出されまして、それを五年間ずっとやってくるその過程で、いろいろなそこには経験に学ぶものがあったわけですね。 それで、昨年の一月からずっと、ついこの間、三月九日の答申をいただくまで、言わば学者もあるいは農業の実体を担う方々も、そして言わば消費者もジャーナリストも、あるいはその他食品業界の方々も、皆さんが要するにこれだけの期間を掛けて、それで十分議論を積んで生んでいることであって、これは私どもが考えたこととは違いますから、これは第三者の意見あるいは実際にやっている生産者の意見、すべてが盛り込まれて言わばこの結論に至っていることでありますから、これは尊重していいんだろうと私は考えます。
○主濱了君 次に、BSE、牛海綿状脳症について伺います。 最初に、国民の食の安全と安心の確保に関する責任についての御見解と、それから国民の食の安全と安心を守ることについての決意について、それぞれ関係大臣と食品安全委員会委員長に承りたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) これはBSEに限らないことでありますが、少なくも、食は国民生活に一日たりとも欠かせないものでありますから、食の安全、安心の確保は極めて重要な課題であり、国民の健康保護を第一に考えていかなきゃならないと私どもは考えております。 こうした考え方に立ちまして、例えばBSE問題、今御指摘ありましたが、これまでと同様、あくまで科学的知見に基づき、消費者など関係者の理解を得ながら、厚生労働省及び食品安全委員会との連携の下、食の安全、安心の確保を大前提として適切に対処してまいりたいと考えております。
○国務大臣(尾辻秀久君) 国民の皆さんの食の安全を守ることは私どもの務めでございます。したがいまして、BSE問題につきましても、科学的知見に基づいて対処することを基本といたしまして、国民の食の安全の確保を大前提に対処をしてまいります。
○政府参考人(寺田雅昭君) 食品安全委員会は、御存じのとおり、厚生労働省や農林水産省のリスク管理機関と独立した機関といたしまして、中立な立場から科学的知見に基づき食品影響評価、リスク評価を行うことを主な役割として、一昨年、平成十五年七月に内閣府に設立されたものであります。 食品安全委員会といたしましては、BSE問題に関しましては、今後とも、食品安全基本法にのっとりました基本概念、国民の健康の保護が最も重要であるという基本的認識の下で、中立公正、しかも透明性を持って客観的に科学的な議論を尽くしていきたいと考えております。
○主濱了君 それでは、これは厚生労働大臣になるんでしょうか。日本のBSE対策について体系的にお知らせをいただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 我が国におきましては、BSE感染牛が確認された平成十三年十月以降、屠畜場等におけるBSE対策として、特定危険部位、これは頭部、脊髄、回腸遠位部及び脊柱でありますけれども、の適切な除去による異常プリオンたんぱく質の蓄積部位の排除、高濃度の異常プリオンたんぱく質に汚染された可能性があるBSE感染牛に由来する牛肉等を排除するためのBSE検査を行って牛肉等の安全確保を図っております。このほか、農林水産省におきまして飼料規制等を行っているところでございます。
○政府参考人(中川坦君) 農林水産省のBSE対策について簡単に御説明申し上げます。 農林水産省におきましては、BSEの病原体、いわゆる異常プリオンでありますけれども、この異常プリオンが牛から牛に伝播をして牛に海綿状脳症が広がる、そこを防止するのが主な対策でございます。 具体的には、肉骨粉の飼料への使用を禁止するいわゆる飼料規制、それから死亡牛検査によりましてBSEの我が国におきます発生状況の調査をすること、さらにまたBSEの発生国からの生きた牛や牛肉や肉骨粉などの輸入規制、いわゆる水際措置と、この三つが主な対策になってございます。
○主濱了君 それでは次に、今御説明のありましたSRM、特定危険部位の除去について伺います。 扁桃近くの舌を食用とすることについて、安全上問題はないんでしょうか。また、腸について、回腸遠位部、盲腸から安全率を見込んで二メートルと、ここだけはSRMとして除去することとしておりますが、安全上問題はないか、お伺いいたします。
○副大臣(西博義君) お答えを申し上げます。 いわゆるタン、舌とそれから回腸遠位部のことについての御質問でございました。 我が国におきましては、扁桃につきましては特定危険部位であると。頭部の、その頭部の一部として除去、焼却をしております、いわゆるSRMでございますが。屠畜場の現場においては、舌を頭部から分割する、切り取る際に、扁桃を頭部側に残して除去しておりまして、そのことにつきましては、屠畜場に常駐しております屠畜検査員がその確認をきちっとしているということでございます。つまり、頭部から舌を取り除くときには扁桃に接触しないように、SRMである扁桃に接触しないようにきちっと舌の部分だけを取り除くと、こういう作業を行っているところでございます。 それから、同じく回腸の遠位部に関しましては、これは欧米におきましては、例えばEUにおきましては、腸全体をSRMと指定をしているところでございます。それから、アメリカにおきましては、回腸遠位部に感染性があるためこれをSRMとしておりますが、廃棄する対象は小腸全体ということで廃棄をしているようでございます。 これらの国においてこのような対応が取られていますのは、回腸遠位部以外の腸にBSEの感染性があるからということではなくて、いわゆる腸を食べるという習慣がございません。そんなことで、経済的な価値がほとんどないということで、回腸の遠位部のみをSRMというふうにして管理するということが実際的には価値のないことだということでございます。 このことにつきましても、我が国においては、一方は、腸を御存じのように食べるという習慣がございますので、この切り取る際につきましては、回腸の遠位部のみをきっちりと接触しないように屠畜場において切り取っていると。このことにつきましても、屠畜検査員がその場において、現場で確認をしながら作業をしているところでございます。
○主濱了君 解体時、屠殺時、解体時のピッシングについて、食肉及び屠畜場の汚染の可能性から、廃止も含めて見直しを求められておりますが、これについてはいかが対応することとしているか、お示しを願いたいと思います。
○副大臣(西博義君) ピッシングにつきましては、BSEの発生当初から、これを中止するように都道府県を通じて屠畜場に指導してきたところでございます。従事者の安全確保の観点からやむを得ず継続をするという場合には、ピッシングの際に脳などの組織が付着をいたしました表皮、皮等についてはきっちり取り除いて焼却処分をするということの方法を行いまして、汚染の防止をしているところでございます。 厚生労働省といたしましては、従事者の安全の確保、これを行いませんと牛が暴れたりして作業員がけがをするということがございまして、この安全の確保と食品の安全性の確保、この両立をさせるということが必要だと考えておりまして、直ちに禁止をするということは困難であるというふうに考えております。事実、事故も起こっているわけでございまして。 しかしながら、今後、ピッシングを中止した屠畜場の事例も実はございまして、このことを整理して都道府県に情報提供を行って、まだ中止されていない屠畜場につきましては対応方針の作成ということを要請するということで今考えているところでございます。
○主濱了君 分かりました。 なお、農林水産大臣、この方法、ピッシングの方法ですね、これは世界ではほとんど取られていない方法だそうです。参考までに付け加えさせていただきます。 次に、BSE検査の、全頭検査の緩和について伺います。 食品安全委員会のプリオン専門調査会が、食用牛のBSE全頭検査について、二十か月齢以下の若い牛は検査対象から外すということで大筋合意したと報道されております。プリオン専門委員会でどのような意見が交わされたのか、その概要についてお知らせをいただきたいと存じます。
○政府参考人(寺田雅昭君) 現在まで、我が国におけるBSE対策見直しに係る食品健康影響評価につきまして、管理官庁であります農林水産省、厚生労働省から十月十五日に諮問が参りまして、十月二十六日を、それから第一回、第二回と数えまして、この十一日ですね、十一日金曜日が第七回のプリオン専門調査会を行いました。 その会の間に、七回にわたった審議の間に、主なところは、本年三月で二十か月となる平成十五年七月以降に生まれた牛につきまして、全頭検査を続けた場合とそれを検査対象から除外した場合のリスクに関していろいろな観点から議論をしているところでございます。
○主濱了君 差し支えなければ、その内容についてお知らせをいただきたいと思います。
○政府参考人(寺田雅昭君) これは全部公開やってますんで、差し支えは全くございませんで、ただ、定量的な評価と定性的な評価、定量的な評価はなかなか数字が確かなものもございませんので、どちらかというと定性的な評価を主としてやっております。そういう段階で、今の段階でまだ結論は出ておりませんし、これは次あるいはその後かも分かりませんが、専門調査会で議論されますので、ここでこうだああだというふうに予断を持って言うのは差し控えさせていただきます。
○主濱了君 イギリスで二十か月齢、二十一か月齢で発症した例がありますが、これはあくまで発症であります。異常プリオンの検出はこれよりも早い時期に可能であると推測されるわけですけれども、この事例の詳細と委員会における評価について伺いたいと思います。
○政府参考人(寺田雅昭君) 英国におきまして、一九九二年に二十か月、一九八九年に二十一か月齢の臨床症状を持った狂牛病が発生したという報告がございます。しかし、この事実につきましてはプリオン専門調査会の中間取りまとめをする際に議論されまして、英国の症例につきましては、BSEの汚染状況、BSEプリオンの牛への暴露量の状況が我が国と比べて大きく異なっており、直ちに我が国のBSE対策に当てはまるものではないということに留意すべきとされております。 当時のあれは、大変イギリスでは汚染状態が激しくて、これは非常に多くの異常プリオンを食べたんであろうと、したがって非常に早い時期にもそういう症状が起きたんであろうというような話でございます。
○主濱了君 次に、平成十六年十一月二日の朝日新聞の報道によりますと、BSE死亡牛の末梢神経組織や副腎からBSEの原因とされる異常プリオンが見付かったと、こういうことであります。 高齢牛とのことではありますが、SRMの除去のみ、除去だけではもう足りないと。BSE検査をしっかりやらなければいけないあかしというふうに私考えるわけですが、食品安全委員会の評価と対応の方向についてお伺いしたいと思います。
○委員長(中曽根弘文君) 寺田食品安全委員会委員長、そちらでどうぞ、そちらで。──じゃ、どうぞ。
○政府参考人(寺田雅昭君) どうも失礼しました。 御指摘のとおり、農業技術研究機構の動物衛生研究所が、我が国で発見されました十一例目、これは九十四か月のBSE感染牛、死亡牛でございますが、その各組織につきまして異常プリオンたんぱく質の蓄積の有無を調べたところ、末梢神経あるいは副腎から微量の異常プリオンたんぱく質が検出されたという研究成果が発表されました。 私自身も、実はこれ最初に発表された仙台での報告会にも出ておりまして、大体の量とかそういうこと、感じとしては分かりましたが、このことに関しましてプリオン専門調査会におきましては、この研究成果が報告されまして、今回の知見のみでもってSRMの範囲を変更する必要はないと、御意見を専門委員会からいただいているところです。 いずれにしましても、今後とも、今回の知見も含めまして、引き続き専門家により科学的な議論を尽くし、慎重に検討することが肝要と考えております。 おっしゃるとおり、もしかそれが下から上へ来ているんだったら、大変一番大事なところは、たくさん、死亡牛で、脳には一杯異常プリオンがありましたので、結果としては、下へ来たんであればそれで大丈夫だけれども、下から来て上に、末梢神経に最初に来たんだったら大変だと、そういうことも含めて検討するというお話でございました。
○主濱了君 じゃ、この問題はちょっとおいておきまして、次に全頭検査の場合と、二十か月齢の牛、二十か月齢以下の牛を除外した場合のBSE検査の検査時間と検査費用について、どれだけ負担が軽減されるのか、お知らせいただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 我が国の屠畜場で処理されております牛は、年間で約百二十五万頭であります。そのうち二十一か月齢以上で処理される牛の割合は八八%となっております。検査費用は、全頭の場合で約三十億円であります。御指摘の二十一か月齢以上に検査を限定した場合の検査経費についても、ほぼその割合に見合ったものとなると考えております。 なお、検査の時間につきましては、これは屠畜場の規模にもよると思いますけれども、おおむね同様の傾向があるかと思われます。
○主濱了君 費用、時間ともほとんど変わらないと、こういうふうに聞きましたが、それでよろしいですね。後でお答えいただきます。 次に、BSEの一次検査、今言った一次検査、これが高速で検出感度が高くなるという検査チップを東京大学それから東北大学及び伊藤ハムの共同研究チームが開発したと、この報道がありましたが、確認しておりますでしょうか。
○政府参考人(寺田雅昭君) 委員の御指摘のありました検査チップに関しましては、現在使われておりますエライザ法を改良したものでありまして、微量のサンプルで、今の方法よりも微量のサンプルで、しかも短時間、安く検査が可能であると報道されています。 しかしながら、この検査法は、現在のところ、実用化に向けての検査段階、研究段階でありまして、その精度や感度について今後検証される必要があると考えています。 食品安全委員会といたしましては、その九月の六日、委員会としては九日の日に出しました中間取りまとめにはございますように、検査方法については検出限界の改善等の研究は引き続き行われるべきであると考えておりまして、研究開発の進展を見極めつつ、必要な検討を進めてまいりたいと考えております。
○主濱了君 厚生労働大臣に伺います。 検査時間が、今のチップなんですけれども、検査時間が実は三時間から二十五分に、それから検査感度は十倍だそうです。それから、チップ一枚が数千円と、こういうことで、非常にこれからも検査はどんどん進んでいく、委員会の方でもそういうふうにおっしゃっておりました。こういう状況の中で、現在の検査精度だけを見て全頭検査緩和の結論を急ぐのであれば、これはもう私は軽率と言わざるを得ない、拙速であると言わざるを得ないというふうに、こう思いますが、御見解はいかがでしょうか。
○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。 先ほど御指摘の検査法についてはまだ実用化されていないということは先ほど御答弁がございました。確かに、これから高感度の検査法を研究開発していただくことは大変重要なことだというふうに考えております。更に精度を良くするという意味でも大事なことでございますが、そういう時点でございますので、ただいま厚生労働省としては、引き続き関連情報の収集に努めるということが基本的な考え方でございます。 なお、この高感度の検査法、実用化をされました場合にはその時点で、状況も踏まえまして、食品安全委員会、それから農林水産省とも協議をしながら、連携して必要な対応を取っていくという構えでございます。
○主濱了君 国内初の変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の患者が、海外の滞在期間が短いにもかかわらず、海外での感染の可能性が有力とされております。このため献血制限が、一九八〇年から九六年まではイギリス、フランスとも一日以上滞在した場合はもう献血制限ということになっております。厳しいものに変わっております。これ私もちょっと確かめてみないと危ないんですけれども、そういうふうに厳しいものになっております。この未知の病気につきましては、より万全にという観点から私はこの厳しい方に変えたということは評価するものであります。 それで、この措置は人間から人間への感染について遮断しようとしたものであります。今私が申し上げたいのは、元々のスタート、牛から人間への感染についてこれをどうするかという問題。これは先ほど体系の中でお話ありましたが、飼料の規制あるいは安全な屠畜方法、それからBSEの全頭検査、そして特定危険部位の除去と、こういうふうなことを確保、そういうふうなものをきちっとやることによって確保されるというふうに思うわけですが、人間から人間への感染についてはより厳しくしている、しかしながら牛から、スタートの牛から人間へのところ、ここを緩和しようという動き、これは逆行する、バランスを欠くのではないかというふうに思いますが、厚生労働大臣、いかがお考えでしょうか。
○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。 人間から人間へというお話でございました。いわゆる輸血によるvCJDの対策につきましてお答えを申し上げたいと思うんですが、輸血により感染する可能性が指摘をされております。それから、短時間でもBSE感染牛の危険部位の高濃度暴露することにより感染する可能性はこれまた否定できないということでございます。三点目に、輸血の際に血液で感染因子を検査できる方法がまだ残念ながら開発をされておりません。そんなことから、今回のこのvCJD患者のイギリス、フランス滞在期間にかんがみまして予防的に、一九九六年以前にイギリス、フランスにそれぞれ一日以上滞在した場合には献血の制限を行うということで、当面、暫定的にそういう処置を講ずるということにしたところでございます。
○主濱了君 BSEはまず、まだ未知の病気であると、こう言って差し支えないと思います。したがいまして、安全を最大限にとらえる必要があると思っております。そして、牛肉を食べることについて国民の安心、安心、安全というのはまあ客観的なものですが、安心もきちっと確保することがあると思います。 冒頭に御決意をいただいたわけですが、私は、BSE検査の全頭検査を緩和すべきではない、このように考えるものでありますが、改めて、農林水産大臣と厚生大臣の御見解、御決意をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 冒頭申し上げましたように、この問題につきましては科学的知見に基づき対処することが基本でございます。したがいまして、今食品安全委員会に諮問をお願いしておるところでございますから、まずその正に科学的知見に基づくために食品安全委員会の科学的な審議の結果を待ちたいと考えます。
○国務大臣(島村宜伸君) ただいまの厚生労働大臣と同じ考えでございますが、あくまで科学的知見に基づいて食の安全、安心を大前提としてこれからもこれに対処していきたいと、こう考えます。
○主濱了君 最後になりますが、本日は、BSEの国内問題だけに限定をしてお話をさしていただきました。時期が来ましたらば、このアメリカ産牛肉の輸入問題につきましても取り上げさしていただきたいと思っております。それで、この場合、最も問題にすべきなのは、昨年の九月に詳細な検討もないままにアメリカ産牛肉貿易の再開について確認したことではないかなと思っております。 この問題、次に取り上げる際は、今日のアメリカ牛輸入に関する、今日のというか、今の現在の混乱に対するその原因と思われる昨年九月の再開確認のその責任、これを徹底して追及さしていただきたい、このように思っております。 それでは、同僚の小林委員に替わります。
○委員長(中曽根弘文君) 関連質疑を許します。小林正夫君。
○小林正夫君 民主党・新緑風会の小林正夫です。 三月七日の予算委員会の発言に引き続きまして、今日も社会の不安に対する取組についてお伺いをしたいと思います。 まずは、障害者自立支援法についてお伺いいたします。 今国会において障害者自立支援法が審議をされます。いろいろ今までの課題の克服という点も一部あり、評価できる部分もあると思いますけれども、課題と問題点も私は大変多くあるんじゃないかというふうに思います。具体的な論議は厚生労働委員会でいろいろ論議をさしていただきますけれども、今日は基本的な課題についてお伺いをしたいというふうに思います。 まず、障害者の方の数は今どうなっているのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(塩田幸雄君) 身体障害、知的障害及び精神障害に係る障害者の総数でありますけれども、約六百五十六万人、人口の約五%に相当する方々が障害者であると推計をしているところでございます。 障害種別ごとでは、身体障害者が約三百五十二万人、知的障害者が約四十六万人、精神障害者が約二百五十八万人となっております。 年齢別で見ますと、障害者全体のうち、六十五歳未満の方が五八%、六十五歳以上の方が四二%となっております。
○小林正夫君 次に、ノーマライゼーション、こういう言葉、これはどういう意味で、具体的に目指す方向はどういう社会なのか、分かりやすくお答えいただければ有り難いと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) ノーマライゼーションとは、障害者を特別視するのではなく、一般社会の中で普通の生活が送れるような条件を整えるべきであり、ともに生きる社会こそノーマルな社会であるという考え方だと理解をいたしております。 このため、生活支援、住宅、公共交通機関等のバリアフリー化などの生活環境、教育、雇用、情報、コミュニケーションなどの各般の分野でこうした考え方に立った施策を政府として進める必要があると考えております。厚生労働省といたしましても、福祉や雇用の分野を中心に取組を進めるために、今般、国会に障害者自立支援法案及び障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案を提出させていただいたところでございます。 今後とも、ノーマライゼーションの考え方を踏まえつつ、各般の施策に取り組んでまいります。
○小林正夫君 平成十五年五月に、福祉サービスの利用に関して、サービス内容を決定する、決定する措置制度から利用者本位の考え方に立つ新しい仕組みの支援費制度に移行しました。 今回、この制度を見直すという考え方ですけども、支援費制度の総括、まあ評価というんですかね、こういうものがどうだったのか、なぜ今回、二年もたたないこういう段階で見直しをするのか、このことについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) まず申し上げますけれども、支援費制度というのは、措置制度から今お話しのように変えたわけでありますけれども、大変評判はいいと思っております。評判が悪いから変えるということではないということをまずは申し上げた上で、更に申し上げます。 支援費制度につきましては、障害者自らが契約により福祉サービスを利用する制度が導入されたこと、障害福祉サービスを実施する市町村が増え、それまでサービスを利用できなかった知的障害者や障害児を中心に多くの方が新たにサービスを利用できるようになったことなど、障害者の地域生活を進める上で重要な役割を果たしているものと評価をいたしております。まずそのことを申し上げます。 しかしながら、同時に、現在の支援費制度は支援の必要性に応じた客観的な基準がないことなどのため地域における格差が大きいこと、そもそも福祉サービスの整備が後れている精神障害者が対象になっていないことなどの問題点があると認識をしておりまして、今後もサービスの利用者が増加することが見込まれる中で、これは二年間で本当に利用者が多くなりまして、そのこと、そのためにこのままでは制度を維持することが困難になっておるという状況にありますので、ここでまた一遍変えさして、制度を見直さしていただきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。 したがいまして、今般、障害者自立支援法案におきまして、支援費制度の自己決定と自己選択及び利用者本位、これは大きな理念でありますけれども、この理念は継承しつつ、これは守らなきゃいけない理念だと思っておりますから、大変重要な理念だと思っておりますから、自己決定と自己選択及び利用者本位というこの理念は継承しながら、障害者保健福祉施策の抜本的な見直しを行うこととしたものでございます。 具体的には、障害の種別にかかわらず一元的にサービスを提供する仕組みの創設、様々な障害のある方が支援の必要度に応じて公平にサービスを受けられるよう障害の程度に関する尺度の設定や、ケアマネジメントの制度化によりサービスの支給決定の客観化、透明化、また、福祉サービスの利用者も含め皆で制度を支え合う仕組みとするため、サービスの利用と所得に着目した費用負担の仕組みの導入、障害者の在宅サービスに関する国及び都道府県の負担の義務化などを提案させていただいたところでございまして、障害者福祉、障害保健福祉施策をより推進していくために必要不可欠な見直しであると考えております。
○小林正夫君 支援費関係費のうち在宅サービスの予算、実績がどうなっているか教えていただきたい。
○政府参考人(塩田幸雄君) 支援費制度の在宅サービスに係る費用でありますけれども、利用者の増加とともに増大しているところでございます。 国庫補助ベースで申し上げたいと思いますが、支援費制度施行一年目であります平成十五年度につきましては六百八億円、対前年度比三〇%増でございました。平成十六年度につきましては、現時点での各自治体からの使用見込みで約八百六十五億円、対前年度比四二%増となっております。本年度につきましては、裁量的経費ではありますけれども、緊急避難的に補正予算を組んでいただいたところでございます。
○小林正夫君 今回の見直し案によって応能負担から応益負担に変わるということがうたわれています。そうしますと、障害者の方が受けたサービスの一割の負担を課すことということも考え方の中で示されております。したがって、障害の程度が重い方、重ければ重いほどいろいろなサービスを利用するということになっていきますから、そこに負担が増えていくということに私はなると思います。このことが福祉の理念に合うのかどうか、このことについて厚生労働大臣にお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(塩田幸雄君) 支援費制度につきましては、施行以来急速にサービスの利用者が増加しているところでありまして、その費用も増大しているところでございます。 それから、今後とも地域で障害者の方が生活する上でサービスの伸びは大きくなるということが見込まれているところでありまして、こういう伸びる福祉サービスの財源をどう確保するかということが非常に重要になるわけでありますけれども、利用者を含めまして、国、都道府県、市町村、関係の方々が応分の負担をしながら皆で負担するということが不可欠であると考えているところでございます。 このため、障害者自立支援法案におきましては、サービスの利用量と所得に着目した利用者負担をお願いしたいと思っているところでございます。単純な応益負担というのではなくて、応益負担と応能負担をミックスした考え方で御負担をお願いしたいと思っているところでございます。 それを前提といたしまして、現在は在宅サービスにつきまして国及び都道府県の負担というのは裁量的経費、補助金でありますけれども、これを義務費としていただくということで制度の安定を図りたいと考えているところでございます。 それから、福祉サービスについて利用者の負担を願うわけでありますけれども、きめ細かな低所得者対策を行うということでありまして、月々の負担の上限額を設けますので、御負担が過大にならないような配慮もすることとしております。また、一〇%の負担がありますけれども、グループホームでありますとか施設入所者につきましては、例えば基礎年金だけの場合には実質的には一〇%の負担がないような減免、個別の減免制度も設けるようなことも考えております。 きめ細かな配慮をすることによりまして、重度の障害者が必要なサービスが受けられないようなことがないように配慮していきたいと考えております。
○小林正夫君 費用の負担上限にかかわる政府の試算では世帯単位で行われておりました。支援費制度では、本人が二十歳以上の場合は扶養義務から父母を外したという経過もありました。福祉的就労から一般雇用に移行した人の実績を見ると一・一%ぐらい、このような数字もあります。なかなか、障害を持っている方が雇用されるという割合がなかなか難しいということをこの数字は言っているというふうに思います。 障害を持ってる御両親は、自分が死んだ後子供がどうなるかということが心配で、少しでも蓄えをしておきたいと、こういう親の気持ちになるんだと思います。費用負担上限について利用者本人の負担能力から世帯単位での負担能力とすれば、本人が払えない分を親や同居家族が払うということになる、こういうことになると思います。 障害のある人々の個人の尊厳を傷付けたり、あるいは自主性を壊すことになってしまうのではないか。私、このように心配をいたしますけれども、関係大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、今回の新制度においては扶養義務者の負担を廃止をいたしまして、これはかねて強い御希望もあったところでありますから、本人のみを法律上の負担義務者としたところでございます。まず、これが基本でございます。 ただ、その上で、低所得者対策をどうするかということになりますので、そこを是非きめ細かくやりたいということで、どういうことが今度はまた言われておるか、私どもが御提案申し上げているかということになるわけでございますけれども、どうしても、世帯単位の所得に応じて負担の限度額を設けることとしておるわけでございます。経済的な面において世帯の構成員がお互いに支え合うという生活実態があるということを踏まえて、これは介護保険制度などと同様にするということもありますけれども、生計を一にする世帯全体で負担能力を判定することを今御提案を申し上げております、御提案申し上げております。 しかしながら、この点についてはいろいろ御意見がございます。まず、最初に申し上げましたように、障害者の自立という観点から、本人の所得のみに基づいた負担上限とすべきである、こういう御意見がございますし、また一方、生活が一体であるべき配偶者についてまで本人とは生活が別のものとして取り扱うことは適当ではないのではないかという御意見でありますとか、また、医療保険制度や特に税制面において被扶養者などとして事実上の経済的な恩典を受けている場合にまで、税制上の恩典を受ける場合にまで障害福祉分野においてのみ特別な取扱いを行うことについて理解が得られるかどうか、様々な意見がありますということを申し上げたところであります。 そこで、私どもはそういう御意見を今お聞きをいたしておりますから、生計を一にする世帯の範囲につきましては、今後具体的な検討を進めることにいたしておりますが、その際に、今回の利用者負担の見直しの趣旨や、こうした御意見、今申し上げたような御意見などを踏まえて検討を行いまして、具体的な範囲や基準を改めてお示ししたいと考えております。
○小林正夫君 そうなると、世帯単位でやるかどうかはまだ決まっていないと、こういうことでよろしいですね。
○国務大臣(尾辻秀久君) 申し上げましたように、今後検討をいたす課題といたしております。
○小林正夫君 財務大臣にちょっと御所見をお伺いします。 今の、日本全体の税金を使っていこうと、こういう中の一つですから、先ほど言ったように、障害の方の支援費制度から、世帯単位も考えられると、こういうお話だったんですけれども、そのことに対して、個人の尊厳を傷付けたり、あるいは自主性を壊すことになるんじゃないかという私心配しているんですけれども、そのことに対して御所見を財務大臣としてあればお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、ここで自信を持ってお答えできるような所見があるわけではないんです。尾辻大臣と今後よく相談をして、御懸念がないような制度に仕組まれるかどうか、勉強したいと思っております。
○小林正夫君 はい、じゃ次の質問に移ります。 支援費制度ができて利用者が伸びたと思います。ホームヘルプサービス支給決定者の推移がどのように変化をしているのか教えていただきたいということと、また、一番利用者が増えたのはどのような方なのか、御質問をします。
○政府参考人(塩田幸雄君) 支援費制度の対象となっております身体障害者、知的障害者、それから障害児のホームヘルプサービスのこれは支給決定者数で数値を申し上げたいと思いますが、支援費制度が始まりました平成十五年四月から平成十六年の十月までの期間の推移の数値で申し上げます。 障害者の実数ですけれども、まず、身体障害者で一万九千四百十六人の増がございました。知的障害者で二万二千二百八十人の増がありました。障害児が二万七百四十五人の増となっております。また、平成十五年四月の支給決定者数を一としました場合、平成十六年十月では、身体障害者が一・三六倍、知的障害者が一・七七倍、障害児が二・四一倍となっております。 したがいまして、ホームヘルプサービスの利用者の増加が一番大きかったのは、実数で申し上げますと知的障害者、伸びで申し上げますと障害児、主として知的障害児ということでございます。 以上です。
○小林正夫君 今のような数字を聞きますと、この支援費制度ができるまで、障害児を持つ親が、人様に迷惑を掛けてはならない、あるいは自分たちですべてを面倒見なければならないという考え方を持っていて、本当はそれまでもサービスを受けたかったのに我慢をしてきたのではないか、私はそのように思うとすごく胸が苦しくなる思いがするんです。 そこで、昨年の六月に改定された障害者基本法、これの第三条の基本的理念、それと第八条の基本的方針、それと第二十一条の経済的負担の軽減という項目について読み上げていただければ、お願いいたします。
○政府参考人(塩田幸雄君) 第三条。「すべて障害者は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有する。」。二項、「すべて障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられる。」。三項、「何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。」。 第八条、施策の基本方針。「障害者の福祉に関する施策は、障害者の年齢及び障害の状態に応じて、かつ、有機的連携の下に総合的に、策定され、及び実施されなければならない。」。二項、「障害者の福祉に関する施策を講ずるに当たつては、障害者の自主性が十分に尊重され、かつ、障害者が、可能な限り、地域において自立した日常生活を営むことができるよう配慮されなければならない。」。 第二十一条、経済的負担の軽減。「国及び地方公共団体は、障害者及び障害者を扶養する者の経済的負担の軽減を図り、又は障害者の自立の促進を図るため、税制上の措置、公共的施設の利用料等の減免その他必要な施策を講じなければならない。」。 以上です。
○小林正夫君 どうもありがとうございました。 私は、今の内容など聞いておりまして、今回の法案では財政ということが重視をされていて、そういう見方だけで、独立性の尊重だとか、障害のある人が普通に暮らせる地域づくりを妨げることになるんじゃないかという懸念をしております。予算の確保を重視するがゆえに、障害者の個人の尊厳だとかあるいは自立性を重視した社会政策の柱を失ってはいけないと思います。 このことを申し述べて、次の質問に移らさしていただきたいというふうに思います。 次に、労働災害撲滅に対する取組についてお伺いをいたします。 働く人の願いは、無事故で安全に働くということであります。私も今までの生活の中で、不幸にして同じ職場で殉職をして亡くなってしまった方、葬儀に何回か行ったことあります。もう本当に重たい気持ちで、その家族の悲しみは計り知れないものがあると思います。朝元気で行って、夜には本当に帰らぬ人となって帰ってくる、こういう状況ですから、私たちはそれぞれの場所でそれぞれの方が労働災害撲滅に対して一生懸命努力していることはあると思いますけれども、災害がゼロになったり、あるいは死亡者がなくなるということは残念ながらありません。 そこで、労働災害撲滅に対する取組について、少しお伺いをしたいというふうに思います。 まず、労働災害による死亡者数は長期的に見ると減少傾向にあると思っておりますけれども、昨年の労働災害の発生件数及び重大災害の発生状況についてお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(小田清一君) お答えいたします。 労働災害の発生件数でございますが、直近のデータでございます平成十五年のデータで見ますと、死亡者数は一千六百二十八名、休業四日以上の死傷者数は十二万五千七百五十名となっておりまして、労働災害の死傷者数は長期的には減少傾向にございます。 また、一度に三名以上の労働者が被災いたします重大災害、これにつきましては、昭和六十年までは同様に減少傾向にございましたが、昭和六十年の百四十一名を底としまして、その後増加傾向に転じ、特に一昨年、平成十五年におきましては、我が国を代表する大企業及び、大企業で爆発火災等の重大災害が多発しまして二百四十九件に及んでおります。平成十六年につきましても、製造業において重大災害が多発する等、減少傾向が見られないというふうな状況でございます。
○小林正夫君 経済産業大臣にお聞きをしたいというふうに思います。 重大災害が発生する背景に、業務の見直しとか今日的な経済情勢を受けて、企業がリストラをする、熟練工の方が会社を退職をしていく、そういうことで労働者同士のチーム力が薄まってきたり、あるいは現場力がなくなってきたり、私はこういうことも背景の一つにあると思います。また、専門家の人もそういうことを指摘しております。こういう課題について、政府としての受け止めと施策について考え方をお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 今、小林委員御指摘のとおり、また今厚生労働省からもございましたが、私どもの所管する日本を代表する製造業、産業において、平成十五年でも大きな事故が多発したわけでございます。いろいろ、リストラとかいろいろな事情があって、そのしわ寄せが安全性にあるいはまた人身事故につながっては絶対にならないということは、これはもう言うまでもないことでございますが、残念ながらそういう事故が多発したわけでございます。 そこで、経済産業省といたしまして、一昨年の夏以降頻発した重大事故を受けまして、産業事故の発生要因等に関する調査というものをいたしました、行いまして、平成十五年の十二月に中間取りまとめをいたしました。また、主要業界の経営トップをメンバーといたしました産業事故連絡会というものを設置いたしまして、業種横断的な事故情報の共有を、共有化を推進をいたしました。また、産業事故の発生要因として懸念される事項につきましてアンケート調査を実施したところでございます。 現場力というお言葉をお使いになりましたが、現場の安全管理についての専門的なレベルのアップ、レベルアップ、あるいはまた熟練技術というものの重要性の再確認、確保、そして何よりも、経営者トップの意識を始めとして、全従業員あるいはまた関連下請も含めまして一体となって、現場力というお言葉をおかりいたしますと、総合的な安全対策のために改めて全力を尽くさなければならない。これが日本のある意味では産業の活力の一番大事な土台の部分でもあるというふうに確信をしておりますので、私といたしましてもこれからも重大な決意で取り組んでまいりたいと思っております。
○小林正夫君 労働災害が発生している割合で見ると、中小企業で割合多く発生をしているというふうに思います。また、日本の企業を支えるもう九割ぐらいが中小企業で頑張られていると、こういう実態ですから、当然災害もその中小企業の人たちが多くなる、こういうふうに思います。 そこで、中小企業の安全衛生管理体制確立のために、国として支援、援助、このことをどういうふうに行っているのか、政府の取組について厚生労働大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) お話しのように、元々中小企業の占める割合が大きいということはございますけれども、それにいたしましても、事業場規模三百人未満の中小企業における労働災害は休業四日以上の死傷災害全体の約九割を占めております。このような状況を踏まえまして、厚生労働省としては、重篤な災害を発生させた中小規模、中小規模事業場に対する労働安全衛生コンサルタントによる安全衛生診断、また事業者団体の行う安全衛生教育や安全衛生パトロールの実施等に対する支援、こうしたものを実施いたしまして中小企業における安全衛生水準の向上を図っておるところでございます。 今後とも、中小企業に対する必要な支援等を行い、労働災害の防止の徹底に努めてまいります。
○小林正夫君 発生率の高い事業所では、効率性だとか生産性向上のためのコストを追求したり、あるいは適切な維持管理対策が講じられていない設備を使っていったり、あるいは経年劣化している設備が原因で災害の発生率が高くなっていると、このように私は思います。そのように安全性がおろそかになっている事業所に対してどのような指導、援助をしているのか、お聞きをしたいと思います。 またさらに、大規模災害の事例を見ると、協力会社や下請、孫請の、こういう人たちが大変被災に遭っているケースが多いというふうに思います。派遣労働法の改正などもあって、一つの、同一事業所において働いている人たちが、いろんな雇用形態の人たちが働いている、こういう実態も最近は多いんじゃないかというふうに思います。そのことで、お互い意思の疎通がうまくいかなかったり、初めて見る顔の人が一緒に働いていたり、そういうことも原因の一つになっているんじゃないかというふうに思うんです。 そこで、多様な雇用あるいは就業形態の事業所における安全衛生の徹底について政府がどのように対策を講じているのか、経済産業大臣と厚生労働大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 申し上げましたように、割合からいうと中小企業が多いのでありますけれども、今度は重大災害ということで見ますとどうしても大規模製造業が多いということになるものですから、そのことを重く見まして、平成十五年十一月に約千三百の事業場、事業所なんでありますけれども、そこで大規模製造業における安全管理の体制及び活動に係る自主点検というものをいたしました。その結果を見ますと、労働者数の減少だとか設備の経過年数などと災害発生率との間には直接的な関連性までは見られなかったところでございます。 しかしながら、といいましても、やはり設備の適切な維持管理は災害防止のために極めて重要でございます。そこで、申し上げましたように、大規模製造業の事業場において重大災害が発生しているということから、当面の対策といたしまして、昨年三月に策定いたしました大規模製造業における安全管理の強化に係る緊急対策要綱におきまして、設備後年数が経過した設備、機器の計画的な点検、補修等の実施を指導してきたところでございます。まずこのことをいたしました。 それから、今度は、先生御指摘いただいておりますように、雇用就労形態の多様化に伴いまして、意思疎通を欠いたことによって引き起こされる労働災害が懸念をされますから、元方事業者による下請労働者との連絡調整等の義務を新たに規定すること等を内容とする労働安全衛生法の改正案を今国会に提出したところでございます。
○国務大臣(中川昭一君) 今、小林委員御指摘の、一番適切と言ってはよくないんですが、当てはまっちゃう例が、昨年の八月九日の関電の美浜の事故がまさしく御指摘の例にぴたりと当たるのではないかと思います。 関西電力という原子力発電所の二次系のパイプが爆発した。設置者は三菱重工であって、本来保守点検をそもそも三菱重工がやっていたはずでございますけれども、途中からまたその専門の会社に変わったと。それを引き継いだんですけれども、そのマニュアル自体が不備があったと。そして、そのことに引き継いだ会社が気が付いたんですけれども、次の点検を八月の中旬にやろうとしていたやさきのほんの数日前に不幸なことに爆発が起こって、その保守点検をする会社の子会社、地元の、いわゆる中小の地元の下請会社の従業員の方十一名のうち五名が亡くなられ、六名死傷をされたという大変痛ましい爆発事故に被災されたわけでございます。 そういうことで、先ほど申し上げました、私どもといたしましては、この関電に関しては事故調査委員会、間もなく最終報告が出るというふうに聞いておりますけれども、一般論といたしましても、続発した産業事故に対しまして、先ほど申し上げました産業事故連絡会を通じまして、検査頻度あるいは検査項目の見直し等による内部評価を充実をさせる、あるいはまた必要に応じて外部専門家の客観的な評価を得るということを徹底をさせているところでございます。 そしてまた、下請、孫請あるいは外注先に対してきちっとした、企業そのものの体制がきちっとした会社として連携を取っていく、そして、そことの連携を強化していくということによりましてトータルとして安全強化のための最大限の努力を全体として取っていくというために、我々も所管の会社に対して今強く指導をしているところでございます。
○小林正夫君 最近の製造の現場では、新たな機械が入ったり、あるいは化学物質を使って仕事をやっているところも多くなってきていると思います。したがって、危険だとか有害要因の把握が一層難しくなってきている、こういう状況もあると思います。 安全衛生教育もそれにつれて高度化をしていく、いろんな条件に合わせて安全教育をしていく、このことが必要だと思いますけど、どのような施策を考えられているのか、厚生労働大臣にお聞きをします。
○国務大臣(尾辻秀久君) 新たな機械設備でありますとか化学物質が製造現場に導入をされております状況の中で、事業場において安全衛生を管理する者に対する教育が今後の安全衛生対策において重要であると私どもも認識をいたしております。 このために、職場の安全管理の中核を担う安全管理者の選任に当たって、危険有害性の調査等に関すること等の一定の教育を受けることを要件とすること、それから化学物質の危険有害性を容易に把握できるよう表示・文書交付制度について充実を図ること等について今後、安全、労働安全衛生関係法例の改正の中で必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
○小林正夫君 先日、ある研修に出てお話を聞いたところ、イギリスの話が出まして、イギリスにおいては労働災害が非常に少ない、死亡者数も少ないと、こんなことを聞きました。日本は先ほど言った数字なんですけれども、この発生件数あるいは死亡者数のこの違いは何だというふうに思うでしょうか。それと併せて、イギリスのように労働災害事故を低減させていく、こういう施策をどう取るべきなのか、この辺についてお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(小田清一君) 国際労働機関、すなわちILOの統計によりますと、平成十四年度における我が国の労働者十万人当たりの死亡者数は三・四人ということで、これはアメリカやドイツとほぼ同レベルでありますが、イギリスは〇・七人ということでこの水準を大幅に下回っているところでございます。 この差につきましてはいろいろ考えられるわけでございますが、まず一つは、イギリスの労働災害統計には日本における労働災害の三割近くを占めます交通労働災害が含まれていないという定義の違いが一つございます。それから、イギリスと日本で産業構造が違いまして、労働災害が多発する業種であります製造業あるいは建設業に従事する労働者の割合がイギリスでは日本よりかなり低いというふうな状況になっていると、こういったことが影響しているものと考えられます。 また、イギリスにおきましては、職場の危険有害要因の調査及びその結果に基づく措置を安全衛生体制の、対策の中核として位置付けておりまして、こういったことも死亡災害の発生原因が低いといった要因の一つになるかと、こういうふうに考えておりますが、いずれにしましても、この数値そのものを単純に比較することは難しいのではないかというふうに認識しております。
○小林正夫君 一たび事故が発生しますと、現場で被災した労働者もそうなんですけれども、企業も相当なダメージを受ける、こういうこと、この二、三年振り返ってもそういう災害、事故が多かったというふうに思います。 こうした現状を改善するために、政府としては特段の指導あるいは援助が必要であると考えていますけれども、そのことに対してどのように思われているのかということが一つです。 それと、私は、労働安全衛生も企業の社会的責任というものがあるというふうに思います。この社会的責任の要因の中には、法令を遵守したり、あるいは環境とか人権、このことをしっかり守っていったり、さらには安全衛生と厚生労働基準も含まれているというふうに思います。私は、いろんな法律はありますけれども、その法律を超えて、この企業は安全を守っていくという、こういう社会的責任があるんだというふうに思うんです。 そこで、この企業のその安全について、社会的責任における安全の重要性についてどのように考えているのか、お聞きをしたいというふうに思います。
○副大臣(保坂三蔵君) 御答弁申し上げます。 ただいま委員御指摘のとおり、本来、労働の安全衛生に関しては、企業内で従業員を巻き込み、また関係者を巻き込んで確保する、また法令に基づいてそれを維持していく、こういうのが本来の筋でありますけれども、現実的にこの確保ができない場合、やはりお話のとおり企業が著しいダメージを受ける。これだけでとどまっていればいいわけでございますけれども、社会への影響が今日非常に大きい。そういう安全衛生の確保が保たれなかった場合の結果が非常に多いわけでございます。 一方、今社会の中では、お話がありましたとおり、社会の企業的な責任、CSR、ソーシャルレスポンシビリティー、これに関しましては、現実的に、単に企業の存在理由は、利益を上げて労働分配率を努力したり、あるいはまた配当に腐心をするというだけではなくて、社会の中にある環境だとか、今言った人権だとか、あるいは厚生だとかにも配慮をすることが企業にとっては必要である、こういう概念が昨今非常に強まっているわけでございます。 そういう点で、ただいま中川大臣を始め皆様からお話がありましたとおり、それぞれ対策は打っておりますけれども、企業もその観点に立って努力をしていかなくちゃならない。CSRの、労働安全衛生はCSRの中の重要な要件である、このように考えております。 なお、最後に申し上げますけれども、昨年、経団連におきましても企業の行動憲章というのを昨年中盤にまとめました。その中に、従業員は、多様性だとか人格とか個性を尊重しつつ、安全で明るい、その働きやすい環境を確保し、そして豊かさとゆとりを実現するということを経団連も打ち出したわけですね。そして、企業は良き企業、企業市民であるべきだ。このように、やっと経済界、産業界もそのような意識に立っておりますことを私たちは一生懸命支援してまいりたいと思っております。
○小林正夫君 厚生労働大臣。済みません。
○国務大臣(尾辻秀久君) 企業の社会的責任、CSRについてのお話でございます。 我が国におきましても本格的な取組が、各会社がこういうことを大変重視してきている、取組が始まっていると認識をいたしております。 このCSRを推進する主体はあくまでも企業であることは間違いないことでございまして、このCSRを構成する諸要素のうち、どれを重点的に実行するか、社会の動向を見ながら企業が決定をしていくものでございますけれども、安心して働く環境の整備がCSRを構成する重要な要素の一つであるということは、これはもう間違いのないところでございます。 労働者の安全を確保することは事業者の責務でもありますし、厚生労働省としても、労働安全衛生法を遵守させるとともに、事業者のそうした自主的な取組を促すことが必要であると考えております。
○小林正夫君 労働安全衛生法の一部改正など今回提出がされておりますので、まだまだこの安全問題に対して質問もしたいんですけれども、厚生労働委員会の場でいろいろ論議をさせていただきたいと、このように思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 いずれにしても、働く者にとって無事故、無災害というのが私たちの願いで、そういう世の中をつくっていくということだと思います。是非、経済産業大臣あるいは厚生労働大臣として強いリーダーシップを持って、無災害だ、あるいは死亡事故ゼロ、こういう社会を目指してリーダーシップを発揮されることをお願いしておきたいというふうに思います。 次の質問に移ります。若い人の就業対策についてお聞きをいたします。 親の心配の一つなんです。多くの仲間と席を一緒にしますと、自分の娘あるいは自分の子供が就職できたということは親の喜びで、本当に良かった良かったという、こういう雰囲気で報告をする仲間が多いんですね。そういう話を聞くと、いやそれは良かったなということで、お祝いだということで一杯やろうと、こういうことにもつながっていくんですけれども、それだけ親は、なかなか自分の子供に対しては言わないけれども、自分の子供が希望した就職ができるといいなと思っているのはどの親でも私は共通だと思うんです。そういう点について少しお聞きをしていきたいというふうに思います。 そこで、今年の新卒者の就職の内定状況について教えていただきたいと思います。
○政府参考人(青木功君) 今春卒業の新規学卒者の就職内定状況等について御報告申し上げます。 高等学校卒業者につきましては、本年一月末時点で前年同期を四・九ポイント上回る八一・六%、大学卒業生につきましては、本年二月一日時点で内定率が前年同期を〇・五ポイント上回る八二・六%ということになっております。
○小林正夫君 なかなか、長期的というか、短期的に見ても少しは改善できてきたのかなという感じがしますけれども、まだまだ、でも厳しい実態にあることには変わりないというふうに思います。 私、二月の十七、十八とで、経済・産業・雇用に関する調査会の視察で京都府に行ってまいりました。そのときに、若年層就業支援センター、ジョブカフェの視察もさせていただきました。非常に相談に来られている方、またその相談を受けていろいろお話をされている方、何か本当に頑張ってお互いが話し合っているな、早く就職口が決まるといいな、また決まる日も近いんじゃないかな、こんなような期待が持てた、そういう私は印象を受けました。 したがって、若者に対するそういう支援策をやはりこれから先もやっていかなきゃいけないというふうに思うんですけれども、現在におけるこのジョブカフェの設置状況と今後の設置計画、このことについてお聞きをします。
○国務大臣(中川昭一君) 今委員御指摘のジョブカフェでございますけれども、これは厚生労働省と連携をいたしまして、全国十五か所でモデル的なものをやっております。北海道から九州に、沖縄に至るまでやっておりまして、これは先日、去年の冬に全国十五か所のセンター長の方に来ていただきまして、二時間ばかり率直な意見交換をしたんですけれども、本当に若者に対する同じ目線で相談に乗るということで、中には現役の大学生なんかもそのジョブカフェの中心メンバー、センター長としていて、一生懸命これからも頑張りますって言うものですから、あなたの就職、自分自身はどうするんだと聞いたら、この仕事が面白いんでしばらく大学に残りますって、本人の方が、雇用の方を私は心配してしまったぐらいに熱心にやっているセンター長もおります。 いろいろ面白い有益な話を伺いました。若者がなぜちょっとしたきっかけで就職意欲を持って就くか、あるいはまた、何となく意欲がもうわかないままいわゆるフリーターあるいはニートになっていくかという分かれ道はちょっとしたことが結構あるなということを実感をしたところでございまして、このジョブカフェはそれぞれ頑張っていると思っております。 今後もこれらを更に充実していけば、若者の雇用対策、またやる気を持って働くということに貢献できるものというふうに考えております。
○国務大臣(尾辻秀久君) お話のジョブカフェは、今経済産業大臣からもお答えありましたけれども、両方の省で、私ども厚生労働省とも協力しながらやっておりますので、全体の数だけを改めて私から申し上げておきたいと思います。 本年度で両方合わせて全国四十三の都道府県で設置をされておりまして、今年度更に三県において新設をする予定でございますので、そうなりますと、十七年度では四十六の都道府県で設置される、残りが一つの県になると、こういうことでございます。
○小林正夫君 もうこれは政府も力入れて、若い人が働ける環境をつくっていくのも政府のやはり責任だというふうに思います。 そこで、ちょっと抽象的な質問になってしまうんですが、この支援センターに来るべき人と実際に申込みがされている人、このことはどのように把握されていますか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 来るべき人というのをどう見るかということはいろいろあると思いますので一概には言えないんでありますけれども、私どもがジョブカフェをつくりましたそのゆえんといいますか、なぜつくったかということになりますと、やはりフリーターの皆さんなどというのが念頭にありますし、そうした、そういったような人を始めとする若い人たちの広く支援の、若い人たちを広く支援の対象にしておるものでございますから、そういう言い方で言いますと、フリーターについて二百十七万人と推計をいたしております。ざっとそういう人たちが対象者になるだろうと考えておるところでございます。
○小林正夫君 私は育児でもあるいは子育てもそうだと思うんですけれども、いろいろ支援するために支援センターをつくる、こういう傾向があると思います。このこと自体は私はいい方向だなと、このように思うんですが、問題なのはその支援センターをつくってもそこに来ない人、来られない人、この人たちをどうするかということも私は対策をやっていくのも一つの責任だというふうに思います。 そこで、今言ったように、まあ強いて言えば支援センターに来るべき対象者は二百十七万人かなと、このように厚生労働大臣おっしゃいましたけれども、実際に来ている、申込みをしている人はぐうんと数が少ないんだと思うんですよ。したがって、この本来支援センターに来るべきなんだけれども来られない人、来ない人、ここにどう手を打つのか、このことに対してお聞きをします。
○国務大臣(尾辻秀久君) 確かにお話のことは大事なことだと思います。お尋ねでございましたからざっとフリーターの数を申し上げて、そういうぐらいの数が対象かなということを申し上げたところでありますが、じゃ、ジョブカフェで一体何人来てくれているかというと、六十四万人でございますから、やはりその差がございます。そうした人たちに是非こういう、こういうところへ来てもらって、そして意欲を高めてもらい、就職につないでもらいたいということがございます。 で、そういう人たちにどうやって来てもらうかということでございますけれども、私どもは職業に関する相談というのをできるだけきめ細かく、ハローワークだとかヤングハローワークとかというようなことでもやっておりますけれども、そうした取組だけでは不十分だと思いまして、十七年度からは若者が集まりやすい場所に出向いていきまして、出向いていきまして、そして情報提供、相談等を実施をいたしますとともに、このごろの若い人たちというのはやっぱりインターネットで情報を交換しておりますから、インターネットを活用して情報を発信するといったような、若い人向けの働き掛けを強めていきたいと考えております。
○小林正夫君 ニートと呼ばれる人も多くなっている、先ほどのお話のとおりです。 ただ、世の中全体を見てみますと、有効求人倍率がまだ一を割っているという状況もある。そして、本来正社員で、ある企業に勤めたい、会社に勤めたいと思っても、なかなか今の置かれている企業の状態が厳しいものですから、正社員を雇うということが減ってきている、こういう状態もあると思います。これは、やはり私は、社会の今の課題であるというふうに認識をしておりますけれども、景気対策だとかね、内需拡大だとか、私は、そういう政策をしっかりやってこなかった政府にも私は大いなる責任があるんだというふうに思います。 学校を出てさあ働こう、しかし仕事に就けない、腰が折られる、気持ちがなえる、どうせ頑張っても駄目なんだ、何かこのような流れができてしまって、そして結局フリーターとかなっていくんじゃないか。フリーターになっていく原因の一つにはその部分もあるんじゃないかというふうに私は思うんです。是非、経済産業大臣と厚生労働大臣の御所見をお伺いをしたい。 時間の関係がありますので、あわせて、これからの日本を背負っていく若者の就業支援に対して大臣の意気込みと決意をお聞きして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) まず小林委員の御指摘の中で、二百十数万のフリーターあるいは五十数万のニートと言われてる方々の中には、何となく働かなくてもいいんじゃないのという人たちもいるようでありまして、親の方も、まあ気に入った仕事がなければ二、三年ぶらぶらしててもいいんじゃないのというような人たちが現実にいるようであります。それはまあ自由といえば自由でありますけれども、しかし小林委員のお話を伺っていても、また私もそういうことじゃいけないんじゃないのかというふうに思っております。 そういう意味で、子供のころからといいましょうか社会に出る前から、卒業したら何かをやりたいというような動機付けをすることが大事だろうということで、文部科学省あるいは厚生労働省ともいろいろ連絡を取って、若者の起業、業を起こす、一人社長さんみたいな業を起こす者の支援事業をやったり、あるいはまた今年から、人づくりの象徴として、日本の現役の名人を総理大臣が表彰する制度を発足するとか、これはものづくり大賞という名目にしておりますけれども、そんな形で、特に若者を中心にこれからの日本を支えていく人たちにまずインセンティブを持ってもらうようないろんな対策を取っているところでありますけれども、またいろいろと御指導をお願いできればというふうに思っております。
○国務大臣(尾辻秀久君) ニート対策というのは、私は単なる就職のあっせんだとかそういう就職対策ではないというふうに考えております。 ニートと呼ばれる人たちと何回か話をしてみました。そこにあるのは、悩んでいる若者の姿があるんです。いろんなことで悩んでるんで、悩んでいるんです。そのニートたちを、しっかり仕事をして頑張れというためには、もうマンツーマンでいろんなことをもうきめ細かくやるしかないと思っておりまして、そのことを、私どもいろんなことを考えて十七年度予算でもやらしていただきますけれども、改めて申し上げたいのは、もうきめ細かくマンツーマンでやってみたいというふうに考えておりますということを申し上げたところでございます。
○小林正夫君 これで終わります。
○委員長(中曽根弘文君) 以上で主濱了君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(中曽根弘文君) 次に、渡辺孝男君の質疑を行います。渡辺孝男君。
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男です。 最初に、私は、花粉症対策、特に堤防植生によるイネ科花粉症対策について質問をしたいと思います。 まず、内閣府に伺います。 内閣府で開催されました花粉症対策研究検討会の検討結果について簡潔にお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(林幸秀君) 総合科学技術会議におきましては、免疫・アレルギー分野の世界的権威でございます岸本忠三先生、忠三議員主宰におきまして、関係省庁の幹部や花粉症の専門家に御参集いただきまして、これまで二回の検討会を開催してきたところでございます。 この二回の検討会におきましては、関係省庁の花粉症対策研究等の科学的な観点から総点検いたしまして、比較的早期に成果が期待され、当面推進すべき分野、これが一つでございますし、さらに、成果の創出までに若干時間を要するものの、中長期的視点に立って今から研究を推進すべき分野につきまして整理をいたしました。その結果としまして、先般、総合科学技術会議の本会議におきまして、岸本先生より、減感作療法、花粉症緩和米、ワクチンの研究開発に重点を置いた研究の推進及び今後のロードマップについて報告をいたしました。 今後、検討会での議論の結果を踏まえまして、各省の連携によって研究が推進されるというふうに承知しております。
○渡辺孝男君 次に、通年化しつつある花粉症の原因植物とその開花期並びにそれに基づいた適切な花粉情報の提供について高野環境副大臣にお伺いをいたします。
○副大臣(高野博師君) お答えいたします。 花粉症は干し草などによってもう一千年ぐらい前から存在していたということも分かっておりますし、今は日本だけじゃなく、世界じゅうで花粉症で苦しんでいるという方が増えております。 そういう現状にかんがみまして、環境省といたしましては、花粉症に関する花粉の飛散に関する情報の提供に努めているところであります。具体的には、平成十二年に花粉症保健指導マニュアルを作成しまして、これは毎年、更新をしております。このマニュアルでは、一つは、風によって花粉を運ぶ植物、いわゆる風媒花が花粉症の原因となりやすいこと、もう一つは、季節ごとの花粉飛散の特徴については、春を中心に杉やヒノキなどの樹木、初夏にカモガヤなどのイネ科の植物、草木、真夏から秋口にヨモギなどのキク科の草木となっていること等を紹介しております。 本年一月からは環境省花粉情報サイトの運用をホームページ上で開始したところであります。さらに、このサイトにおいて、イネ科ではありませんが、全国的な課題であります杉、ヒノキについて花粉飛散予測の情報提供を開始するとともに、リアルタイムで花粉飛散状況を観測するシステム、通称はなこさんを稼働しているところであります。 今後とも、このような取組を通じまして花粉症に関する情報提供の充実に努めてまいりたいと思っております。
○渡辺孝男君 今イネ科花粉症のことにも触れていただきましたけれども、次に、イネ科花粉症の患者の動向とその原因となったイネ科植物について西厚生労働副大臣にお伺いをいたします。
○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。 イネ科花粉症の患者の動向と原因ということでございます。 イネ科花粉症に特化した調査を私どもの方でやっているということはございませんが、例えば関連の学術論文を拝見しますと、二〇〇二年の論文でございますが、ある地域の花粉症患者を含む鼻アレルギー患者、大きな枠での鼻アレルギー患者に占めるイネ科の花粉症患者の割合が一割ということでございますので、杉花粉症が今巷間言われて一二%程度ということですから、更にその一けた小さいのじゃないかなという感じがしております。 イネ科の花粉症の原因となる植物については、先ほども若干お話がありましたが、それぞれ地域によって差はあるものの、イネ科のカモガヤという植物、それからチモシー、これはオオアワガエリという日本名もございますが、このようなイネ科の花粉症の植物がございます。
○渡辺孝男君 次に、国土交通省に伺います。 ネズミムギ等のイネ科の外来植物は、堤防のり面の土壌侵食防止等の緑化材料、あるいは牧草として利用されてきておる経緯がございます。 これに関連しますが、河川の堤防植生によるイネ科花粉症の発生もあるということですので、この状況についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(清治真人君) 河川の堤防につきましては、今お話ございましたように、雨による侵食ですとか洪水のときの侵食から堤防を守るために植生を施しておりますが、この植生を施すときにイネ科の植物が主に用いられているわけでございます。 これによります花粉症としましては、河川管理者の立場としましては全体像を把握しているわけではございませんが、例えば江戸川の葛飾区の金町、それから同じく多摩川の府中市付近の堤防の近くで、このような植物が原因と思われるようなアレルギー症状が河川の利用者、それから沿川のすぐ近くにいらっしゃる方々に起こったという事例がございます。これに対しましては、医師等の研究によりましてイネ科植物が原因であろうというような診断がなされております。 これらに対しましては、イネ科の植物は、花粉の飛散範囲が百メーターから二百メーターぐらいということで、スギ科の花粉のように相当広く飛ぶというような状況にございませんので、これらの堤防に対する植生の除草等の時期を適切に実施することによりまして、最近、そのような苦情は減ってきているというような現状にございます。
○渡辺孝男君 同じく国土交通省にお伺いをしたいんですが、平成二年ごろから、先ほどもお話がありました葛飾区の江戸川堤防近くの金町小学校の児童や、あるいはその周辺の住民に、この外来種であるイネ科花粉症が集団発生しまして、地域住民によりイネ科花粉症を学習するグループが結成されました。このグループは、独自に調査を行い、その成果を基に行政に対策を求め、堤防植生花粉対策調査検討委員会が設置されました。その活動の現状と今後の方針についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(清治真人君) 江戸川におきましては、今御指摘のありましたような経緯を経まして、平成十五年三月に堤防植生花粉対策調査検討委員会というのを設置いたしまして、これには学識経験者、沿川の住民、行政にかかわっている者、こういう方々がメンバーになりまして、現地での原因となるような植物の特性に関する調査でありますとか、その花粉の飛散を抑えるための対策等について検討を進めてきております。 具体的には、イネ科の植物の花粉の基本特性はどういうものであるかということでありますとか、それから花粉の飛散を抑えた堤防除草の、抑えるための除草の時期はいつぐらいがいいのかというようなことを現地で測定等も含めまして行ってきております。これによりまして、適切な時期に除草を行いますと花粉の飛散も抑制できますし、また種子等が飛散するというようなこともかなり抑えられるということが分かってまいりました。これの実施時期を、一回目の実施時期、二回目の実施時期等工夫することによって相当抑制できるということが分かってまいりましたので、今年度はこの実験等に基づきます所見を活用いたしまして、現地でのフォローを行いまして、実際にどのような効果があるのかというようなことを見極めながら今後の対策の中に生かしていきたいと思っておりますし、また江戸川で得られた所見につきましてはその他の河川におきましても活用するように今後取り組んでまいりたいと、このように思っております。
○渡辺孝男君 今お話がありましたが、花粉症の原因、その原因をやっぱりなくすことが一番根本の対策だと思うんですね。イネ科花粉症の場合は、先ほどもお話ししましたとおり、外国から持ってきて、それを植生に使った、そういう、ネズミホソムギですけれども江戸川の場合は多いのが、持ってきたものが、それが悪さをして花粉症を起こしたわけですから、しっかり国土交通省の方、対策を住民と一緒になってやっていただきたいと思うんですね。 除草のタイミングが大変重要だということで、現地の先ほど紹介した地域のグループの方々は三週間ぐらいの間に刈れば次の穂が大きくならないで済むと。そのタイミング、除草の間隔が大事だと。それから回数も大事だと。ほっとけばまた花粉が出てしまいますのでね、成長して。 それと同時に、河川は国とそれから都とそして区と、この三つの領域があるんですね、私、現場に行きましたけれども。それがばらばらに草刈りをしていると、せっかく刈ってくれるけれども、残っている方がどんどん花粉飛ぶということで、対策が十分でないと。そこを連携を取ってやっていただきたいと、そういうお話がありましたので、この点にも注意をしながらやっていただきたいと思います。 それと、次に高野環境副大臣にお伺いをしたいんですが、この江戸川の事例から、イネ科花粉症の原因となっている外来種のネズミムギあるいはネズミホソムギを要注意外来生物に選定すべきではないかと、そのような声が当地の方から上がっているわけですが、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
○副大臣(高野博師君) お答えいたします。 ネズミムギ、ネズミホソムギは外来種でありますが、そもそも明治時代に牧草として導入されたものでありまして、公共事業でも緑化等にも多用されているということで、全国で定着し野生化しているという現状にあります。 まず、特定外来生物被害防止法では、生態系にかかわる被害、あるいは人の生命・身体に係る被害を及ぼし、又は及ぼすおそれのある外来生物について特定外来生物として指定し、規制対象としているところであります。また一方で、生態系にかかわる被害を及ぼすことが懸念されるけれども、科学的知見とか情報が不十分であるとの理由から特定外来生物には選定されなかった外来生物について要注意外来生物としてリストを作成することとしております。 特定外来生物の選定に当たっては、特定外来生物被害防止基本方針に基づいて、人に、例えばサソリのように人に重度の障害をもたらす危険がある毒を有するか否か、あるいはワニガメのように重傷を負わせる可能性のあるか否かにより被害の判定を行っております。 要注意外来生物の選定に当たっても基本的にはこれと同様の考え方を取っておりまして、花粉症については基本方針に定められた被害には該当しないと考えられます。 このため、御指摘のネズミムギやネズミホソムギにつきましては、在来種の駆逐等の生態系への被害が出ているわけではないということで要注意外来生物に含めることは現段階では適当ではないと考えておりまして、引き続き被害に関する情報収集に努めてまいりたいと思っております。
○渡辺孝男君 花粉症、これだけ、国民病と言われるぐらいまでなりましたので、このイネ科あるいは外来のほかの植物でもそういう花粉症が起こってくるという事例が多くなれば、やはりこのことも注目をしながら考えていただきたいと思います。 最後に、谷垣財務大臣にお伺いしたいんですが、花粉症対策、様々な対策を政府の方でされているわけですが、この予算についてお伺いをしたいと思います。もし、イネ科花粉症に何か特化したものがあれば、それも御紹介いただければと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 花粉症を含みます免疫・アレルギー疾患に関しては、役所の中に花粉症、役所の間で花粉症に関する関係省庁担当者連絡会議というのがございまして、そこで平成十七年度予算に関しては数字を取りまとめていただいているんですが、それによりますと約六十億です。ただ、他の経費を含む予算の内数のため把握できないというものがありますので、それはちょっと定かには分かりません。あと、イネ科に特定、イネ科花粉症に特定した予算については、ちょっとよく分かりません。
○渡辺孝男君 先ほど言いました花粉症も通年性になっていると。メーンは杉、ヒノキでしょうけれども、そのほかの季節にも起こっているということですので、この研究も進めていただきたいなと、そのように思います。 次に、ドクターヘリの整備推進に関して質問をさせていただきます。 まず最初に、厚生労働省にお伺いをいたします。 新潟中越地震でドクターヘリによる支援活動が行われましたが、この成果と今後の課題についてお伺いをいたします。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 新潟県中越地震では、消防防災ヘリ、自衛隊のヘリなど、多くのヘリコプターが患者搬送に活躍いたしました。ドクターヘリにつきましても、平成十六年の十月の二十七日から三十一日まで静岡県が一機を派遣し、患者の搬送を行ったと聞いております。ドクターヘリを含めたヘリコプターが災害救助において一定の役割を果たしたという認識をしております。 今後とも、ドクターヘリを活用している県においては、当該県の災害時にかかわらず、他の都道府県の災害時に際しても積極的な活用をしていただきたいと考えており、例えば、各県の取組である自治体間の相互支援協定の中で平時からドクターヘリの役割を位置付けるなども有効な方法ではないかと考えております。
○渡辺孝男君 ドクターヘリが大規模災害のときに出動した初めてのケースということなんですが、そのときに搬送した患者さんは五名と、そしてその医療スタッフが一人、もう一人搬送をしております。 ただ、残念ながら十分な成果とは私は言えなかったのではないかと。それは、要するに新潟県がこれまでドクターヘリを、事業を行っていなかったので、このドクターヘリをどういうふうに活用していいか分からないという、そういう環境もあったのではないかと思います。そういう意味では、ドクターヘリの事業を全国で展開するということが非常に大事なんではないかと、そのように思っております。 そこで、厚生労働省にお伺いをいたします。 ドクターヘリの事業の現状と、それから平成十七年度予算での事業展開の見通しについてお伺いをいたします。
○政府参考人(岩尾總一郎君) ドクターヘリにつきましては、これまで七県で八機が導入され、着実に搬送実績も重ねております。平成十七年度は北海道及び長野県で事業を開始すると聞いております。今後とも補助を有効に活用したいと思っておりますし、複数の県にまたがる広域運航など、好事例も紹介しながら普及に努めてまいりたいと思っております。 十七年度九機分の予算を確保しておりますが、各県からのドクターヘリ導入推進状況の申請を踏まえまして、予算の範囲内になりますが、より効果的なドクターヘリ事業の実施となるよう適正に執行してまいりたいと考えております。
○渡辺孝男君 ドクターヘリで、先ほど災害の他県の、ほかの県の災害の支援のことをお話ししましたけれども、自分の県も守らなきゃいけないということで、複数台がないとほかの県の方に支援ができないということでありますので、そういう複数台ドクターヘリあるいは防災ヘリとの連携等で、やはり広域に複数台予備を、予備といいますか、余裕があるような体制でやらないと、いざというときに間に合わないのではないかと。そういう意味では、全国配備を早く推進をしていただきたいと思います。 もう一つ、そのドクターヘリの関連で質問をさせていただきたいと思うんですが、北側国土交通大臣にお伺いをいたしますけれども、平成十二年度以来課題となっております高速道路本線上でのドクターヘリの離着陸の検討状況についてお伺いをいたします。
○国務大臣(北側一雄君) 高速道路上で事故が発生した場合に、これは重大事故につながる可能性が高いものでございます。その際、人命救助を図る際にその発生場所や道路状況によってはドクターヘリを活用することが極めて有効と、医療機関への搬送時間を大幅に短縮できるわけでございますので、そのように考えているところでございます。 高速道路の本線上の離着陸につきましては、障害物がないこと、そして反対車線も含めて車両が排除されていること、こうした条件が必要ではございますが、是非このドクターヘリの活用というものを推進をさせていただきたいと思っております。 昨年の十二月九日、開通前の伊勢湾岸自動車道の本線上において、たしかこれは委員も御参加いただいたというふうに聞いておるんですけれども、警察と消防、病院及び日本道路公団等が連携をいたしまして、大規模な交通事故を想定いたしましてドクターヘリを活用した総合防災訓練を実施をしたところでございます。 大切なことは、これ関係省庁が多いというところでございまして、警察、消防等々関係省庁でドクターヘリの高速道路本線着陸に際しての運用手順についての今検討を行っているところでございまして、その調整され次第、できるだけ速やかに現場の方へ周知したいというふうに考えているところでございます。 いずれにしましても、早くこうした調整を終えてドクターヘリが活用できるようにしてまいりたいと思っております。
○渡辺孝男君 先ほどお話ありましたとおり、名古屋の方ですね、私も行ってまいりまして、現場の、ドクターヘリが着陸する、そういう訓練を見さしていただいたわけであります。まあ三車線以上、片側三車線以上ないとちょっと大変かなという思いがございまして、そういうことを考えて、二車線のところでもこう幅が広くなっているようなところがありますんで、そういうところは大丈夫だと、そういうところを確定していただいて、万が一のときには降りられるように早急にそういう検討をしていただきたいと思います。 次に、西厚生労働副大臣にお伺いをいたしますけれども、ドクターヘリの先進国でありますドイツやスイスでの対策に対する評価、そしてまた我が国として学ぶべき点はどういうことなのか、これについてお伺いをいたします。
○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。 ドイツ、スイスでの先進国の状況と我が国の対応ということでございます。 ドイツでは随分早くからこのドクターヘリが実施されておりまして、一九七〇年から開始されると伺っております。それから、フランス、イギリス、スイス、アメリカというふうに欧米各国がそれに倣って順次導入をされ、その利用が活発になっていると、こういうふうに聞いております。 例えば、ドイツでは公共団体に加えて、運営主体にNPO法人それから民間企業なんかも参加をしておりまして、スイスではNPO法人が運営主体となって寄附を活用しながら活動をしていると、こういうケースまで出ているというふうに聞いております。 先ほど局長が答弁しましたように、我が国では既に八機全国に配備をされておりまして、着実に実績を積み重ねているところでございます。 私、和歌山でございますけれども、一機和歌山市内にございまして、紀伊半島三県、和歌山、奈良、三重という紀伊半島をカバーして、大変緊急時の対応には、山間へき地が多いものですから喜ばれております。 各国の例も参考にいたしまして、今後ともドクターヘリ事業が円滑に推進されるように力を入れていきたいと、こういうふうに考えております。 なお、先ほどお話がありましたように、防災ヘリとかそういう若干自治体が持っているヘリも業務に支障のない範囲で臨機応変に対応していただいているということも聞いておりまして、そういうこととも十分連携を取りながら、一人でも多くの人命を、特に緊急時の対応を図ってまいりたい、こう考えているところでございます。
○渡辺孝男君 ドイツとスイス、ドクターヘリの先進国でございますけれども、向こうの考え方は、事故が発生して連絡があったときに十五分以内、十五分以内に初期医療が開始されるようにということでドクターヘリを整備したということであります。やはり、ヘリコプターでないと遠くのところまでは行けないということで、その十五分以内に患者さんを治療するために何基ぐらいドクターヘリの拠点が必要なのか、何機ぐらいドクターヘリがあればいいのか、そういうことを基本に整備をしてきたということでありますので、我が国も事故とか急患がいたときに十五分以内に治療を開始できるんだと、治療を開始するためにはドクターが当然乗っていかなければ開始できません。そういうことで、我が国も十五分以内に急患が出たときに初期治療ができるというような体制を組んでいただければ非常に有り難いなと、そのように思います。 次に、第三番目のテーマでございます温泉利用プログラム型健康増進施設と介護予防について質問をさせていただきます。 まず最初に、温泉利用プログラム型健康増進施設の認定状況及び温泉入浴指導員の養成状況について厚生労働省にお伺いをいたします。
○政府参考人(田中慶司君) 御説明申し上げます。 温泉利用プログラム型健康増進施設については、従来の運動型、それから温泉利用型に加えまして、平成十五年七月に新たな類型として設けたところでございます。平成十五年十二月には本施設の認定に係ります申請手続について都道府県へ通知しておりまして、現在、山梨県の石和温泉などの約十施設が申請しているところでございます。 また、温泉利用プログラム型健康増進施設に配置されます温泉入浴指導員につきましては、平成十七年三月十五日現在で千六百九十六名が養成されているところでございます。
○渡辺孝男君 一年半ぐらいになったわけですが、まだまだ認定施設がないということで、私自身はもっと認定されてもいいのかなという思いがございますが、審査の方をよろしくお願いいたしたいと思います。 次に、西厚生労働大臣にお伺いをいたしますけれども、もし認定されれば、この温泉利用プログラム型健康増進施設を介護予防拠点として活用する、あるいはそこで行われる健康増進のプログラムを新介護予防給付として認めて積極的に活用すべきと私は考えておるんですが、この点いかがでしょうか。
○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。 温泉利用プログラム型の健康増進施設の介護予防への適用という御質問でございましたが、今回の介護予防、この内容につきましては、委員もよく御存じのように、運動機能の向上、それから栄養の改善、それから口腔機能の向上、こういうことを主たる目的として、いつまでも元気なお年寄りでいていただこうと、こういうことでございます。 そうしまして、御指摘の温泉利用プログラムにつきましては、この介護予防に関してどれだけ今のこのカテゴリーの中で科学的根拠を持つかということについては、もう少し現時点においては検討していく必要もあるんではないかというふうな感じを持っているところでございます。 なお、しかしながら、例えば温泉利用プログラム型の健康増進施設を活用いたしまして、介護保険法に基づく一定の基準を満たしていただいた上で、例えば通所介護、デイサービスでございますが、実施するというようなことは形としては考えられるんではないかというふうに考えておるところでございます。
○渡辺孝男君 温泉の多い長野県とか東北の地域では、あるいは北海道等、九州等、いろんな温泉を活用した健康づくりとか介護予防をやって、科学的根拠といいますか、そういうデータを集めているところも多いわけであります。 そしてまた、温泉はただ入るというだけの問題じゃなくて、一緒に併設したプール等を持っているところも多いわけでありまして、これは正に水中運動でございますから、筋肉とか筋力増進にもありますし、バランス取りにも非常に効果があるということはもう医学的にも明らかなわけでありまして、どういう施設を持っているかでやはり評価をしていただいて、温泉というのは日本において非常にすばらしい地域の資源でございますので、これを活用して地域の皆さんに健康増進に使ってもらう、介護予防に使ってもらうということが非常に大事なことではないかと私はかねがねそう思っているわけでありまして、そういう実証試験ですね、厚生労働省も、この温泉利用プログラム型健康増進施設というのを認定するに当たって前もっていろんな調査していて、効果がありそうだということは知っておられるんで、やはりいいプログラムを作って、で、そのプログラムが効果があればこれは介護予防にも使っていただくということで、問題はプログラムがいいものがあるかどうかなんですね。このいいものを開発するためにやはりいろんな意味で支援をいただければと思います。 最後のテーマですけれども、遷延性意識障害患者、家族に対する支援について質問をさせていただきます。 まず、全国に四か所ある療護センターにおける療護の実績、特に入所者人数、ショートステイでの介護人数、そして療護による脱却例などについて国土交通省からお伺いをいたしたいと思います。
○政府参考人(金澤悟君) お答え申し上げます。 療護センターは独立行政法人自動車事故対策機構が、自動車事故によります被害者のうち、いわゆる遷延性意識障害のために治療及び常時の介護を必要とする方々を収容いたしまして治療、看護を行うために設置、運営しているものでございます。 今委員御指摘のとおり、今年までに仙台、千葉、岐阜、岡山の四か所に合わせて二百床のベッドを持っております。これらの療護センターに現在入院しておられます患者の皆様は百八十人でございますが、昭和五十九年に初めて千葉の療護センターが開業してからのこれまでの二十一年間におきまして延べ四百三十一人の遷延性意識障害の方々の治療、看護を行っております。そのうち百一名につきましては、一定の意思疎通あるいは運動機能の回復ということが図られることを通じての脱却を果たしているところでございます。 国土交通省は、従来から、在宅で療養生活を行っておられる重度の障害、後遺障害者の方々に対し定期的な医療あるいは検査等を受けるための短期入院ということを行われる際の支援を実施しております。 これは平成十六年度でございますが、三か所の療護センターと、短期入院に御協力いただきます民間の病院八か所を合わせまして、三十八名の患者の方に今御質問のショートステイの制度を御利用いただいているところでございます。
○渡辺孝男君 私も遷延性意識障害患者、前は、以前は植物症というふうに言われたこともございます。しかし、人権の問題で今は医学的な名前、遷延性意識障害と言われているわけでありますけれども、療護センターで治療をしたケースでは二〇%ぐらい何か脱却をしているという、そういう資料も拝見させていただきました。 そういう意味では療護センターの充実というのは、本当は六か所つくる予定が四か所で終わってしまったというのは非常に残念なんですが、その療護センターのない北海道とか九州などでは実際にどのようにそういう患者さんが療護されているのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(金澤悟君) 療護センターでは、先端医療機器を活用いたしまして治療あるいは看護師の手厚い看護を実施しております。その結果、一般的には治りにくいと言われております遷延性の意識障害をお持ちの方々についても多くの回復例が見受けられております。 中でも、受傷後まだ経過期間が短くて、かつお若い方々につきまして回復効果が大きいということが確認をされております。 脱却の事例を一、二、申し上げますと、交通事故後三か月程度で入院をされた二十三歳の男性の例を申し上げますと、入院時には十分な言語理解ができない、会話や自力での移動あるいは食事摂取、排せつなどの行為ができない、二年四か月この方を治療した後は、発語障害は残っているものの言語の理解は良好になって会話も可能になりました。そして、自力で車いすで移動あるいは食事摂取も可能という水準まで回復いたしたという例がございます。 もう一つ、十七歳の男性の例を申し上げますが、事故後九か月して入院をしていただきました。そのときには、指示をすれば表情で応ずることはあっても、首の固定や食事摂取ができないという状況にあった方が、二年十一か月この治療をいたしました後は、頭を自分で持ち上げたり、これを左右に向いたりするということができるようになり、食事の摂取あるいは文字盤を使用しての意思疎通が可能になったというほかに、家族や友人を認識し、テレビも見て楽しめるというところにまで回復されたという例もございます。
○渡辺孝男君 もう一つ質問をしておったんですが、北海道とか九州とか、療護センターのないところではどのように治療がされているのか、その点お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(金澤悟君) お答え申し上げます。 療護センターは、仙台市、千葉市、そして岐阜県は美濃加茂市、そして岡山市という四か所に設置されております。しかし、ここの四施設には全国の交通事故による患者を受け入れておりまして、私どもといたしましても、従来から、入院の対象となる遷延性意識障害をお持ちの方を収容しておられる病院や脳神経外科が設置されている病院に対しまして、療護センター業務の周知を積極的に行ってまいりました。 療護センターに入院しておられない遷延性意識障害者の方々は各地におられますが、この方々について私どもは介護料を支給しておられる方以外には状況を詳細には把握できておりません。しかし、こうした方々は、事故直後、急性期の治療を各病院で受けられた後、一般の病院や特別養護老人ホームなどに入院、入所されている方々があるというふうに伺っております。しかし、こうした方々も大半の場合には、一定期間入院された後は自宅、すなわち在宅介護に切り替えざるを得ないという状況におられるというふうに私ども認識しております。 私どもといたしましては、介護に伴う経済的負担の軽減のために、介護が必要な重度の後遺障害者に対しまして自動車事故対策機構を通じての介護料の支給を実施しておりまして、現在、昨年の十二月末の数字でございますが、全国の遷延性意識障害者の方々のうち六百七十三名に対しまして介護料の支給を行っていると、このような状況にございます。
○渡辺孝男君 交通事故も早期に重症な患者さんの場合は治療ができればいいということで、先ほどのドクターヘリの話ともつながってくるわけでありますけれども、遷延性意識障害の場合は交通事故ばっかりではなくてほかの原因でも起こることが多いわけであります。この交通事故以外の原因による遷延性意識障害患者の療護者数あるいは療護状況について、西厚生労働副大臣にお伺いをいたします。
○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。 遷延性意識障害の患者数については、残念ながら最近のデータは持ち合わせてございません。わずかに、もう二十年前になる一九八五年、厚生省の研究班の調査というのがございまして、約七千人の患者さんがその当時はおられたということになっております。そのうち交通事故でという原因別につきましても、また施設でおられたり在宅でおられたりというようなことにつきましても、詳細はその当時も記載がございませんで、トータルとして当時は七千人いらっしゃったと、こういう調査がございます。
○渡辺孝男君 私の恩師、東北大学脳神経外科の鈴木二郎教授が、ちょっと、もう十年古いんですが、一九七五年のときに遷延性意識障害の患者さんの調べたときには、これは脳外科、脳外科の施設の中で把握しているものですが、そのときには頭部外傷が四三%、脳血管障害が三二%、そのほか脳腫瘍一八%とか、中毒あるいは低酸素脳症と、そういうものが八%ぐらいあるということで、交通事故以外のものが三分の二ぐらいあるということであります。 それで、問題は、在宅で療護している家族にとって問題なことは、急変したときに診てくれる病院あるいは施設がないという、近くにないということが一番大きな問題で、このメディカルショートステイ、これを充実してほしいという要望が多いわけでございます。この点について西厚生労働副大臣にお伺いをいたします。
○副大臣(西博義君) 遷延性意識障害者を対象にいたしましたショートステイにつきましては、支援費制度の下で全国十七の医療機関で今実施をしているところでございますが、委員御指摘のように、その体制はまだまだ十分ではないというふうに認識をしているところでございます。 このために、厚生労働省といたしましては、来年度より厚生労働科学研究におきまして在宅重度障害者に対する効果的な支援の在り方に関する研究ということを行うことになっておりまして、その中で遷延性意識障害者を含む重度障害者の方のニーズはどうなのかということを把握をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。 また、今般、国会に提出させていただいております障害者自立支援法におきましては、重度の障害者の方がその状態に応じて適切なサービスを受けられるように、各自治体が障害福祉計画に基づいて体制を整備していただくようにお願いをしておりまして、さきの研究の成果も踏まえつつ、遷延性意識障害のショートステイの拡充に具体的に邁進してまいりたいと、こう思っております。
○渡辺孝男君 遷延性意識障害の患者さんの家族にとっては、二十四時間介護というのを大部分の方はされていて大変お疲れなこともあるということでございますが、今厚生労働省の方で検討しておられますたんの吸引、ALS以外にもこれを許可するということになっておるんですが、この実現の時期、間近というふうには聞いておるんですが、これはいつごろになりそうなんでしょうか。この点、お伺いをしたいと思います。
○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。 ALSの皆さんはもう既に実現をしているわけですが、それ以外の皆さんのたんの吸引ということでございます。 ALSの皆さん以外の方にも、これ、御家族の負担を緊急に軽減するという意味では大変重要なことでございまして、一定の条件の下で医師、看護職員、また御家族以外の方がこのたんの吸引を実施するということは、これはやむを得ない措置として今容認されているというふうに今結論が出ているところでございます。 このたんの吸引を必要とする在宅の患者、また障害者の方及び御家族が置かれている緊急を要する状況、これにかんがみましてどういう対応をしたらよいかというふうに考えまして、現実的な今整理が行われているというふうに考えておりまして、私どもとしましては、できるだけ早く報告書の整理に沿った形で行政としての対応をしていきたいと、こう考えておりますが、まだ今いつというところまでは残念ながら至っていない、意識としては十分そういうことに備えていきたいという次元、時点でございます。
○渡辺孝男君 家族の方々、遷延性意識障害患者さんだけではなくて、ほかの疾患の方々も大変望んでいることですので、早期に実施できるようにしていただきたいと思います。 私の質問はこれで終わりますが、引き続き質問をさせていただきます。
○委員長(中曽根弘文君) 関連質疑を許します。西田実仁君。
○西田実仁君 西田実仁でございます。 私の方から、まず大型スーパーの撤退と地域の再生につきまして質問をさせていただきたいと思います。 今、ダイエーはもうもとよりでございますけれども、カルフール等、この外資系の大型スーパーの撤退も取りざたされております。この大型のスーパーが撤退した場合には、面としての町づくりあるいは都市計画というものに対して大変大きな影響を及ぼすことになるわけでございますけれども、まずお聞きしたい、経済産業省、内閣府にお聞きしますが、こうした大型スーパーの撤退の際、地域経済への与える影響、また地域経済とのかかわりにつきまして、どのような原則を取られておられるのか、お聞きします。
○副大臣(保坂三蔵君) お答え申し上げます。 ダイエーは、それぞれの店が駅前あるいはまた商店街のど真ん中とか、極めて優れた立地に位置しておりまして、極めて経済活動の中心的存在でございました。今回、産業再生に当たりまして、事業再生に当たりまして、これらのことを考えますと、連結で従業員の数だけでも七万人を超える大きな雇用の問題も起きてまいります。それから、地域経済へ与える影響はもう底知れないものもございます。また、当然、出入り業者等、取引業者等への影響もございます。 こういうことを勘案いたしまして、本省といたしましては、株式会社産業再生機構法に基づきまして、中川大臣から十二月の、昨年の十二月の二十八日、機構が支援を決定した際、それからもう一つは、二月の二十八日に金融機関から債権の買取りを決定した際、この二回の機会に法に基づきまして意見を申し上げております。 その意見を三つの原則として私たち今一生懸命バックアップしておりますが、その一つは、先ほど申し上げましたように、地域経済や雇用や取引先には十分に配慮してまいりたい、そして同時に、既存店舗の活用に関しても考慮しなくてはいけない、こういう申出をいたしました。また二番目に、ダイエーは我が国の小売業では先端におりましたので、小売業におきましての競争環境の確保も図ってもらいたい。それから三番目には、できるだけ速やかに、しかも民間の手で自律的な事業再生を推進すべきである、この三つの原則を申し入れたところでございます。 機構におきましては、これらのことを出資者として勘案していただきたいわけでございますが、機構はそれぞれ物差しを持っておりまして、将来への展望、また収益性等を考えてスポンサーやあるいはまた跡地利用につきましても決定をするわけでございましょうから、我々としてはこれ以上のことは申し上げられないわけでございますが、ただ、委員御出身の埼玉県所沢市におきましては、斎藤市長を先頭にいたしまして、商店街連合会長や商工会議所の会頭さんが機構の社長あてに出向いて陳情を行って、その存続について鋭意努力するように、こういう動きをしておりますこと、また先生が一生懸命それをバックアップしておいでになること、聞き及んでおりますが、あくまでも機構が最終的に決定することでございますので、関係者の努力によってこれらの三原則が遵守されて、そしてダイエーが早期に再建されますことを強く期待をしております。
○大臣政務官(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思います。 まず、ダイエーの件でございますけれども、個別具体的なことということはお答えできないわけでございますけれども、一般論といたしまして申し上げるならば、機構が関与いたしました事業再生計画の実施に当たっては、経済的合理性の追求を基本とする中で、撤退が避けられない場合にありましては、雇用や地域経済等への影響に配慮しつつ、できる限り他の事業者に有効に活用してもらうことを念頭に置きまして事業の売却等を行うことにしているわけでございます。つまり、既存の店舗というものをできるだけシャッターを下ろさないようにしようと、そのために機構も努力していくということでございます。 いずれにいたしましても、ダイエーの事業再生につきましては、今後、スポンサーの関与の下におきまして関係者が力を合わせて取り組むことになるわけでございますが、雇用の安定等に配慮しつつ適切に対応してもらいたいと、そのように考えているところでございます。
○西田実仁君 今御答弁いただいたとおり、このダイエーにつきましては再生ということで進めておるわけでございまして、地域の再生と表裏一体、一体として再生を進めていくということではないかというふうにも理解をいたしました。さもなければ再生でなくて破壊になってしまうわけでございまして、今副大臣からもおっしゃっていただきましたけれども、正に私の地元の所沢におきましては、もう十年も前からこの市街地開発、ダイエーも含んだ、地域でやっております。そういう意味では、このダイエーを撤退することによってこれまでの十年積み上げてきたもの、崩れかねないという大変な心配をしているわけでございますけれども。 そこで、ダイエー再生につきましては既に新たなスポンサーも決まったわけでございますけれども、この際、この撤退云々、巷間五十三店舗とかどうだとか言われておりますけれども、最終的にはもちろんまだ決まっていないわけですが、この新しいスポンサーと面としてのこの都市計画を立てている地元商店街、地元との新しいスポンサーを交えた十分な話合いというものについてはどの程度担保されているのでしょうか。
○大臣政務官(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思いますけれども、この件につきましても具体的なことということはお答えできないわけでございますけれども、特に所沢の方で市街地開発計画、特にこれからの今後十年を対象としてということですけれども、この辺のところにおきましても、機構が支援対象事業者における事業性を見極めるに当たっては収益性というのは重要な判断要素となるわけでございます。その収益性の判断に当たりましては、機構は将来の国民負担につながらないように、経済合理性に基づきまして、また実現可能性を厳格に見極めながら事業再生計画を策定するということにしておりまして、基本的には将来の不安定な要素について見込むことはしないということになっているわけでございます。 そういう流れの中において、地元商店街等々の協議の場を設定するべきじゃないかという今の御質問なわけでございますけれども、ダイエーの事業再生につきまして、中心市街地や雇用など地域経済への影響というものを懸念いたしまして、各店舗の営業の存続等を求めて地方自治体あるいは商工会、地元商店街等々の方々が機構を訪問されているということも私も承知しているところでございます。こうした流れの中におきまして、各地域の要望等も踏まえつつスポンサーの関与の下で関係者が力を合わせて、経済的合理性の追求を基本とする中におきまして雇用の安定等に配慮しつつ適切に事業再生に取り組んでいただきたいと、そのように考えているところでございます。
○西田実仁君 正に今、政務官からおっしゃっていただいたように、経済合理性あるいは収益性というものを追求するに当たりましては、地元との連携、地元がいろんな形で協力をしていくという中でその経済性あるいは収益性というものも当然変わってくると思いますので、その点で十分な地元との話合いが必要ではないかと、このように私は訴えているわけですけれども、政務官、いかがでしょうか。
○大臣政務官(江渡聡徳君) 正に、委員の御質問のとおりだろうと思っているわけでございますけれども、そういうところにおきまして、政府といたしましても、個別の案件への対応に当たっては機構やスポンサー等々の当事者の判断を尊重するということにしているわけでございまして、具体的な対応の在り方について申し上げるのはこの場ではいかがかなというふうには思っているところでございますけれども、できるだけ意を酌みたいというふうには思っているところでございます。
○西田実仁君 新たなこのスポンサーに決まりました丸紅サイドにおきましては、マネジメント・バイアウトと、いわゆるMBOですね、のれん分けの形を取って店舗を独立させるということも考えているということがニュースとして流れてきておりますけれども、産業再生機構としてはこれについてはどのようなお考えでしょうか。
○政府参考人(藤岡文七君) 恐縮でございます。先ほど政務官から御答弁申し上げましたが、個別具体的なことになりますので、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○西田実仁君 いや、個別具体的なことというよりも、手法そのもののことをお聞きしているわけですけれども、こうしたMBOという手法を取るということのアイデアについてはどのようなことを考えているかということ。
○政府参考人(藤岡文七君) 産業再生機構といたしましては、正に決まりましたスポンサーと相談の上、あらゆる可能性を探っていくということと承知いたしてございます。
○西田実仁君 ということは、このMBOも認めるということですね。
○政府参考人(藤岡文七君) 当然、視野に入っておるということでございます。
○西田実仁君 続きまして、今度は同じスーパーでもスーパー堤防ということについてお聞きしたいと思いますけれども、国土交通省にお聞きしたいと思います。 首都圏のこのはんらん区域堤防強化事業ということについてお聞きしたいと思います。これはどういうものかと申しますと、もし今この利根川が決壊した場合に、特に中流部ですね、決壊した場合に首都圏が壊滅的な被害を受けると。こういう趣旨でこの事業が進められていると認識しておりますけれども、万が一、今この利根川中流で堤防が決壊した場合、首都圏にどのような被害があるのでしょうか。国交省から御答弁を願います。
○政府参考人(清治真人君) スーパー堤防、通称スーパー堤防と言っておりますが、高規格堤防を計画しております河川が全国に六河川ございます。そのうちの一河川が利根川でございますが、利根川で昭和二十二年にカスリーン台風という台風で大利根というところで破堤をしておりまして、そのときには四、五日掛かって下流の方までずっと東京の下町の方まで浸水しております。 それで、今そういうようなことが起こったらどうなるかということにつきましてシミュレーションをしておりますが、それによりますと、一口で申し上げますと、大体三十三兆円ぐらいの被害が出るのではないかというふうに推算してございます。
○西田実仁君 首都圏に三十三兆円という非常に甚大な被害が及ぶという御指摘がございました。そこで、今この堤防強化対策というのが取られているわけでございますけれども、しかしこの堤防を強化する場合に、今実際に進められていることは、いわゆるスーパー堤防と言われるものと、それから強化堤防というものが混在しているというふうに認識しておりますけれども、これはなぜ混在しているんでしょうか。
○政府参考人(清治真人君) スーパー堤防は、堤防の、広い、幅の広い堤防を造っていこうということにしておりますので、背後地の都市計画でありますとか土地利用でありますとか、そういうものとの整合を取りながら一体として進めていくというふうに現在進めている事業でございます。
○西田実仁君 私の地元の埼玉のこの栗橋町というところが正にその対象になっておりますけれども、ここにおきましては強化堤防というものが進められております、進められようとしております。これ、将来スーパー堤防はここではもうやらないということでしょうか。
○政府参考人(清治真人君) スーパー堤防を実施するに当たりましては、その沿川の開発等と併せて、再開発等と併せて実施していくということになりますので、その熟度、それから合意形成、こういうところでなかなかその計画的に進めていくといっても進まないのが現状でありまして、今委員御指摘のように、堤防の強化というのは、その反面、非常に急がれるということでありまして、実は今年度、平成十六年度から堤防の強化については緊急に進めていく必要があるのではないかというふうに考えまして、スーパー堤防と堤防の強化という事業を並行して進めていくことにしております。 今、栗橋のお話がございましたが、栗橋は古い町でありまして、堤防にすぐ近接して町がございますので、町の方、行政の方とそれから住民の方々といろいろ話をしながら進めていかなければならないと思いますが、まずは五年から十年ぐらいの間にこの強化堤防を実施したいと思っております。 で、この強化堤防は、将来スーパー堤防ができるチャンスがあった場合に手戻りにならないように実施したいということで計画しておりますので、将来は町づくりと併せて高規格堤防に持っていくということで計画しているわけでございます。
○西田実仁君 正に、この栗橋というところは関東の三大関所の一つでございまして、利根川のはんらんによって今までもう三回も住居を移転しなければならない人が数多くいらっしゃるところなんですね。ですから、今回、堤防強化をして引っ越します、そして将来またスーパー堤防あるといったらまた引っ越すと、こういうことを何度やったらいいのかという住民の不安が大変強いわけでありますし、同時に、冒頭おっしゃったように、首都圏への被害が三十三兆円という甚大な被害が及ぶということがあるのでこの堤防強化をしようということでありますので、安全を最優先するのであれば、やはりスーパー堤防やるということが最優先すべきではないでしょうか。
○政府参考人(清治真人君) スーパー堤防の実施に当たりましては、土地利用、それから町づくり、それから堤防を造る際の事業の効率性、こういうものを考えまして、堤防、新たに堤防を造ったところも土地利用を図っていくというふうに考えておりますので、用地買収等は行わないで進めていくという方策を取っているわけでございます。 したがいまして、沿川の町づくりとちょうどタイミングが合わなければなかなかできないという状況になっておりますので、話合いは進めていきますが堤防の強化対策を先行させたいということで先ほど申し上げたわけでありますが、なお、堤防を先行させる場合に移転していただく方々が出てきた場合には、今後、高規格堤防を実施する際にまた同じようなことが起こらないように、よく話し合いながら進めていかなければならないというふうに思っております。
○西田実仁君 先ほど御指摘いただいたように、栗橋町のこの地域というのは、これほかの利根川流域とは違って商店街なんですよ。正に商店街、そしてしかも高齢者が非常に多く住んでいるところ。こういうほかの地域とはかなり違う、堤防を強化するに当たってもですね、違うところでありますので、是非この地元の協力が必要であるし、国の事業として直轄事業としてやるわけですけれども、当然、地元の協力がなければできないことでありまして、大臣に是非お聞きしたいのは、この地元との十分な話合いというものをもう徹底して、特にほかの地域の流域とは違うんだということを御認識いただいた上で徹底した話合いをしていただきたいと思いますが、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(北側一雄君) 冒頭お話ございましたように、この利根川の中流域というのは、かつて昭和二十二年にカスリーン台風があって、首都圏に大変な被害をもたらしました。現在、ここが万が一破堤をすることになりますと、先ほどおっしゃったように、首都圏にはもう大変な被害をもたらすことになると思われます。それぐらい重要な地域であるということでございます。 もうちょっと言いますと、元々、利根川というのは三百五十年ぐらい前までは実を言うと東京湾に流れていまして、今の江戸川ですね、そういうところを通って利根川は流れておりました。太平洋岸に流れておったんじゃなかったんです。ですから、いったん決壊をしてしまいますと自然の流れどおりに東京湾の方に流れてくるということでございまして、そういう意味でも本当に急所のところでございます。 スーパー堤防につきましては、先ほど来河川局長が答弁しておりますように、これは堤防の幅が堤防の高さの三十倍に及ぶスーパー堤防でございまして、これは用地取得を伴いません。そこに、実を言うと、もう私の地元でもスーパー堤防やっておるんですが、そこに実際に住宅も建てると。様々な土地利用をしていただくわけなんです。 ということでございまして、なかなかこれは時間が掛かる、その地域の町づくりと一体となってやっていかないとこのスーパー堤防というのはなかなか前に進まないということであるということも是非、御理解をお願いしたいと思うんです。 その上で、非常に急所の地点でございますので、やはり万が一のことを想定して、スーパー堤防ができるまで何もしないというわけにはいかない箇所でございまして、やはりしっかりと重点的に整備をする必要があるということで、先ほど来答弁をしておりますように、緊急的な対策として、将来的なスーパー堤防の整備に支障が生じない形で堤防の拡幅等の堤防強化対策をしっかりやろうということでございます。 今委員の御指摘は、しっかり地元の住民の方々とよく協議をしろよということでございますから、これはもう全くそのとおりでございまして、地元の方々の協力なしにはこうした整備ができないわけでございますので、それは重々、地元の方々との協議、話合いというのはしっかりと進めさせていただきたいと思っております。
○西田実仁君 正に、今大臣からも強い決意を述べていただきましたけれども、ここの地は本当に、何度も言うようですけれども、引っ越しが大変に多く、もう三度も引っ越してきているところだというところをよく認識いただきたいということと、国の事業であり、地元としても協力をすると、このように言っているわけでありますので、十分に配意をして、そして地元の方が安心して協力できるような体制を是非ともつくっていただきたいということを最後にして、終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(中曽根弘文君) 以上で渡辺孝男君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(中曽根弘文君) 次に、小林美恵子君の質疑を行います。小林美恵子君。
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。 今日、私は、介護保険問題を中心に質問させていただきます。 政府の見直し法案では、新たに新予防給付を導入をされて、そして要支援また要介護一の軽度要介護者を移行させるというふうにあります。この点は、本当に利用者の皆さんからも関係者の皆さんからも大きな不安の声が出ています。 そこで、私は大臣にお伺いしたいと思います。こうした軽度要介護者へのサービスの役割をどのように御認識をされておられるでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) ただいま御質問のありました新予防給付に移行ということでございますが、まず、介護保険制度ではそもそも予防ということが平成十二年からスタートいたしました介護保険法で決められておりました。要支援の方、これは一番軽い程度の方でございますが、予防の給付がなされておりました。 しかしながら、介護保険実施しまして約、要介護認定に該当された半数の方が要支援、要介護一の軽度の方でございましたけれども、この方々に対する予防給付が期待される効果が上がっていないということで、今回見直しを行います際に、従来の要支援の方に加えまして、現行要介護の一の一部の方、つまり予防の効果が認められる方、期待される方につきまして予防給付を受けていただくという形で新しい予防給付を作ることとしたものでございます。 つまり、軽度の方の状態の維持又は改善可能性を踏まえまして、よりそれに効果がある介護サービスを提供しようと、こういう考えでございます。
○小林美恵子君 私がお聞きしましたのは、新予防給付がどういうものかということではなくて、今行われています軽度の要介護者、要支援また要介護者の皆さんに対するこの介護サービスがどういう役割を果たしているかということが、大臣、どう御認識されているかということを私はお聞きしたんです。改めて大臣にお伺いします。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今局長からもお答えいたしましたけれども、その中で申し上げておるとも思いますけれども、改めて私に答えろということでございますからお答え申し上げたいと思います。 もちろん、軽い方のサービスであれ要介護度の高い方のサービスであれ、もちろん介護保険でサービスをしておるわけでありますから、必要なサービスだということは間違いのないことであります。で、必要なサービスを行っておるということであります。 ただ、この辺が局長がお答えしたところでありますけれども、絶えず私どもはこの介護保険制度を作ったときから予防ということはずっと言ってきたわけでございます。そして、特に今回、そのことをまた更に強調しておるわけでございまして、その予防も、介護を必要としていない方から介護を必要とするというところに移らないようにという軽い方での予防と、それから、ある程度介護が必要になっておられる方々が更に重度化しないというところの予防と、大きくこの予防も二段、二つのところで考えなきゃいけないなというふうに思っているものですから、今お話しの部分は、その軽い方のところの予防について私どもが今回特に重視して施策を考えておるという、そこの部分について今お話しになったんだと、こういうふうに思います。
○小林美恵子君 いずれにしましても、今のいわゆる軽度の要介護者の皆さんに対する介護も必要なことだということで大臣はお答えになったかなというふうに思います。 そこで、私はこのパネルをごらんいただきたいというふうに思います。(資料提示)お手元に同じ資料が配付をさせていただいていますので、ごらんください。 これは大阪の民主、大阪の、(発言する者あり)お手元の資料をごらんください。大阪の民主医療機関連合会が昨年十月から十一月に行いました二千二件の要支援、要介護一の方からのアンケート調査を基にして作成したものでございます。 項目はたくさんあるんでございますけれども、これはいわゆる要支援、要介護一の方々の世帯状況をグラフにしたものでございます。それを見ますと、お一人でお住まいのお年寄りの方というのは四六%になっております。そして、お年寄りお二人でお暮らしの方というのは一六%なんですね。合わせますと全部で六二%になります。 私は、こうしたお年寄りの方々に対して今ヘルパーさんなどがおやりになっているいわゆる洗濯とかまた掃除とかお買物の家事援助というのは、これは本当に大切なことだというふうに思うんですね。 私がお聞きしました要介護一の八十七歳の男性、この世帯状況だけ申し上げましたけれども、年齢を言いますと、年齢は八十歳以上の方が五一%にも上っているんですね。それで、私がお聞きした要介護一の八十七歳の男性は、腰や背中の変形の痛みがあって室内歩行がやっとの状態だと、手の変形によってもう握力もなく、掃除も調理も自力で行うことは困難だと。こうしたところへのサービスが打ち切られればたちまち生活していくことができない、軽介護は生きる支えだと、これが正に自立の前提になっていると私は思うんです。 こうした保障はしっかりと行っていくべきだと思いますけれども、この点、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今回の改正に当たりまして私どもが一番重視しておりますことの一つが、先ほど申し上げましたように予防ということでございます。 その視点から見ますときに、よく私どもにいろんな御意見賜っておるんですけれども、今のヘルパーの皆さんのサービスの仕方、これが単なる家政婦代わりになっているんじゃないかという御指摘をよくいただくわけであります。そして、御自身が何にもせずに、ただ黙って座って見ている、それでヘルパーさんが例えば食事を作る。それではただもう黙って座っているだけだから、体動かさないからますます体動かさないことになってしまう。予防と逆のことになっているというような御指摘もあるものですから、それじゃまずいと。是非そういうところはサービスから外さなきゃいけないというようなことを私どもは言っておるわけでございまして、ヘルパーによる全面的な家事代行の必要性の低い方々に対するそうしたサービスは控えようと、こういうことを言っているわけであります。 その方々は、じゃどういう方々かというと、今までの要支援の方々、それから要介護一の方々、この方々の中から、自分で、自力でいろんなことができるというふうに考えられる方々を予防給付の対象者として、今のような考え方の中でサービスを行うというふうにしておるところでございます。
○小林美恵子君 ヘルパーさんがおっしゃっていました。お年寄り一人でお暮らしの方というのは社会にもう貢献ができないと、これでは生きてはいけないという思いで、ヘルパーさんが行くと、死に方を教えてくれというふうにおっしゃいます、そうおっしゃっていました。そういう方々に家事とか洗濯とかお買物のそういう援助をしながら話をする中で生きる力が付けてくるんだと、それは大事な自立だというふうにおっしゃっていました。私は、そこは本当に大事だというふうに思います。 その上で、そのことを申し上げて、今、先ほど来から新予防給付のことをお話しされておられますけれども、では、そのことについてお聞きをしたいというふうに思います。 新予防給付の導入によって介護給付は一体どれだけ削減されるのか、その試算はどうでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 先ほど申し上げましたとおり、要介護認定に該当された方の約半分の方が要支援、要介護一といういわゆる軽度の方でございます。 現在、私ども、この新予防給付を実施した場合の効果をいろいろ想定して試算をさせていただいておりますが、二つのケースを考えております。介護予防対策が相当進んだケースというケースがケース一、ケース二がある程度進んだケースというふうに考えております。 ケース一につきましては、軽度の方、今申し上げました要支援、要介護一の方が要介護二以上、重度の方になることが一〇%程度、十人にお一人は効果があったと、こういうふうに見込んだケースでございまして、人数で申し上げますと、現在、要介護二から五の中重度の方二百十万人がおられます。これが平成二十六年度、三百二十万人まで増えるとこのままでいくと見込まれますが、それが一〇%抑制できるということで二百九十万人まで減らすことができるのがケース一でございます。 ケース二は、残念ながら二十人に一人、五%程度の場合で、三百二十万人というのが想定されているのに対して三百万人強までしか減らないと、こういうケースでございますが、効果といたしましては、現行のまま推移いたしますと平成二十六年度まで、現在五兆五千億円の介護給付費が十兆六千億になるところが、このケース一の場合八兆七千億。これは施設の給付の見直しも含んででございますが、八兆七千億まで削減されるということで、約二兆円の削減になっております。 その場合、すなわちケース一ですと、二兆円になっておりますが、その場合、介護予防の効果は約一兆円と、こういうふうに見込んでいるところでございます。約一割弱の給付増を抑える効果が介護予防によってあると、こういうふうに見込んでおるところでございます。
○小林美恵子君 つまり、そういうふうに御答弁されますと、全体として二兆円、しかも介護予防でいくとその半分が削減されるということですね。 つまり、何といいますか、予防重視とおっしゃいながらも、結局は給付を削減するということになるじゃないですか。給付を削減するということになるんですよね。それでどうして私は保障ができるのかということを申し上げたいと思うんですね。 更にお聞きしたいと思いますけれども、予防重視として地域支援事業が創設されると思います。それで、例えば老人保健事業、また介護予防・地域支援支え合い事業、また在宅介護支援センター運営事業、こうした三つの事業が介護保険に組み込まれていくと思いますけれども、これはいわゆる、今全額公費負担の事業ですね。これが保険料負担が入るということになると、今までのその三つの事業と介護保険になってからの事業とでは国の負担割合というのはどう変わるのでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。 地域支援事業についてのお尋ねがございました。地域支援事業と申しますのは、今度の介護予防を充実していく場合に、今申し上げましたように、既に要介護になられている方の中の軽度の人をより重くしないようにするというのが新予防給付でございました。 こちらの方の地域支援事業というのは、言葉が適切かどうか分かりませんが、自立されている方の中で少し弱っておられる方、言わば要介護になるいわゆる予備軍的な方に対しまして介護予防の事業を行うことによって要介護認定に該当するような方を増えることを少しでも減らすと、より自立の期間を長くしていただこうと、こういうために行う事業でございます。 この事業は、今御質問にございましたように介護保険事業に位置付けますので、経費といたしましては、高齢者の方の御負担していただく一号保険料、それから予防事業につきましては四十歳から六十四歳の方が負担していただいております第二号保険料が全体の経費の半分、それから国、都道府県、市町村、税財源で負担しております部分が全体の半分と、こういうことで地域支援事業を創設いたしまして、新予防給付を含めまして市町村が前面的に出まして連続的、一体的に介護予防事業を行おうとするものでございます。
○小林美恵子君 では、今のお話でいきますと、結局その三つの事業も介護保険制度に組み込むことによって国からの負担というのは下げるということですよね。
○政府参考人(中村秀一君) 簡潔に申し上げます。 現在、十七年度予算では、先生から御指摘のありました老人保健事業、介護予防・地域支え合い事業など補助事業がございます。十七年度は、ただいま提案、法律で提案しておりますのは、十八年度、この介護予防事業がスタートいたしますので、十七年度の老人保健事業などは、今年度というか来年度、今、国会で御審議いただいております予算案では従来どおりの事業となっております。 それでは、十八年度からスタートするこの地域支援事業と従来の事業との関係整理につきましては、実はその従来の事業は生活習慣病予防対策もやっているところがございます。生活習慣病予防対策等、これらにつきましては医療制度改革の中で十八年度提案をさせていただくということで、それも含めまして十八年度予算編成作業の中で御提案してまいりたいと思いますので、現在その扱いについて政府として、また厚生労働省として決めているわけではございませんので、先生の方のお話ですと、この三事業を廃止して新しい事業に振り替えるような御質問でございますが、そこについては十八年度、私どもとしては概算要求のときに明らかにさせていただきたいと思っております。
○小林美恵子君 でも、先ほどのお話でいきますと、やっぱり国庫負担を下げるということになるんじゃないですか。
○政府参考人(中村秀一君) 下げるという、下げるという意味はどういう意味か分かりませんが、何かと比較して下げるということだと思いますが、この地域支援事業は今回、介護保険法の改正法案で創設するものでありまして、何との比較において、また比較するものがあるのかどうか、何との比較において下げると言っておられるのか、ちょっと分かりかねますので、下げること、下げるということについて、下げることになるんではないかという御質問についてはお答えできないと、こういうことになろうかと思います。 なお予防の、新予防給付について、何か介護の給付費が削減するというふうに先生の方で要約されましたけれども、私が申し上げましたのは、要介護認定者が重度になることを抑制することによって、つまり介護費用、多くの介護費用を費やす重度の方をできるだけ減らすということによって介護給付費が減るということでありまして、先生がおっしゃっているような意味でサービスを削減するということで給付費が減るというような意味ではございませんので、予防の効果であるという、それだけ介護の、要介護状態にならないようにする、あるいは悪化しないようにするということで効果を見込んでいるということを申し、ちょっと誤解があったようでございますので、補足させていただきます。
○小林美恵子君 いや、効果と言いますけれども、それを給付費を、給付費を下げるということは、いわゆるおっしゃったように、十兆円から八兆円ぐらいになるというふうに二兆円ぐらい下げるということは下げるということじゃないですか。そうじゃないですか。 なぜそういうふうにおっしゃらないのかなというのが私は本当に理解ができないと思いますけれども。 さらに、地域支援事業の関係ですけれども、今の現行の三つの事業でいきますと、国は三分の一、地方三分の二が老人保健事業、介護予防・地域支え合い事業や在宅介護支援センター運営事業は、それぞれ国と地方半分ずつの負担で全額公費負担になっていると思います。それが介護保険制度に組み込まれた場合は、当然保険料が入ってくるわけで、つまりその分、国の負担というのは下がるということですよ。それをなぜ、下がるということですよ。私はそこを改めて強調しておきたいというふうに思うんですね。 では、そういうふうに国からの負担を下げてですよ、予防重視、予防重視と言いながら、結局は国の公費の負担を下げて、何でこれで重視と言うのかと。私はこういうことこそ重視じゃなくて軽視だというふうに申し上げたいというふうに思います。 次に、ホテルコスト、つまり施設入所者の方々の食費、居住費の自己負担問題で質問をさせていただきます。 十月から導入されようとしていますけれども、保険から施設に支払われていた介護報酬というのは一体どうなるのでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 介護報酬の見直しというのは三年に一度行われております。 ただ、今お話しのように、居住費、食卓費の見直しを平成十七年十月に実施いたしますから、じゃ、それに伴ってどうするのかということになりますので、これに関連する介護報酬についても、平成十七年十月、そのとき一緒に改定を行うことといたしております。
○小林美恵子君 介護報酬を一緒に十月から見直すということですね、見直すということですね。大体、介護報酬というのは三年に一度の見直しで、予定では来年のはずだというふうに思います。それをいきなり今年から一緒に変更するというのは、余りにも乱暴な話じゃないでしょうか。本当にそれで現場の方々というのは大混乱になっていると思います。そういう点で私、そういう乱暴なやり方はやめるべきだというふうに思うんですね。 次に、そういうやり方までして、施設入所者の方々に対して食費とか居住費とかホテルコストを徴収することによって、一体その方々がどうなるのかということで、私はまた一つパネルを用意してまいりました。(資料提示)お手元に同じものが資料配付されておりますので、ごらんください。 これでいきますと、これは厚生労働省の方の試算でいきましたけれども、これでいきますと、本人負担相部屋で八万七千円、個室は十三万四千円にもなります。総額でいくと三千億円。この間の審議で、機械的にいっても一人当たり年間四十万円の負担ということが明らかになりました。 それでいきますと、大阪のある特別養護老人ホームの入所者の年金の平均は六万九千円です。こういう方々にどうしてこの負担ができますか。大臣はどのように対応されるのでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) ちょっと事実関係でございますので、お先に答えさせて、大臣の前に失礼ながら答えさせていただきます。(発言する者あり)はい。 今先生がこれお示しいただきました表は、表につきましては、例えば多床室の場合、改正後、本人負担が八万七千円と、こういうふうになっておりますが、この負担額、モデル額でございますが、今先生からお話のありました年金の額の方々に適用される額ではなく、そういった年金額が低い方につきましては、つまり年金額で申しますと、市町村民税非課税、つまり現在の基準でいきますと年間二百六十六万円以下の年金の方については利用者負担の上限が適用されることになりますので、基礎年金しかない方の場合には月三万七千円の御本人負担、第三段階と申し上げまして、基礎年金以上あります方についても、この例で申しますと八万七千円のところが五万五千円というふうになっておりまして、年金の範囲内で入居できる御負担を設定しているところでございます。
○小林美恵子君 今そういうお話がございましたけれども、それでは、今三百万人、約三百万人の女性の、受給されている女性の方々の厚生年金の平均は、大体厚生労働省の方のあれでいきますと十一万円、新規裁定でいきますと十万六千円です。そういう方でいきますと、相部屋でいくと五万五千円になり、一万五千円の負担、また個室になりますと七万から九万五千円の負担になって、二万五千円も上がります。こうしたことがやっぱり大きな負担じゃないですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) まず今回、居住費、食費を特に施設に入っておられる方々から、介護保険から外すと、外すといいますか、介護保険の給付の対象にしないということについての基本的な考え方を申し上げますと、これもかねていろいろ御意見をいただいておりました。 そうした中で、施設の方と居宅の方、自分の家に住んでおられる方々との比較において、自分の家におられる方々は自分で食費を出して食べておられる。また、自分の家の管理だとか維持費とかそうしたものを自分で出しておられる。それに対して、施設に入っておられる方々はそういうものを出さずに介護保険で見てもらっている。ここにはどうしても不公平感が生じるという御指摘がございましたから、その不公平感をなくすために、公平にするためにということで今回のことを行ったわけであります。 そして、一方から、そういうことをすると、今御心配いただいているように、その負担が非常に重くなる方がおられるわけでございますから、そうした負担が重くなってそのことが大変厳しいことになる方がおられますから、そうした方々の対策というのはきめ細かくいたしておるつもりでございます。きめ細かいそうした方々への対策というのは取っておるところでございます。 今、そこまでまずお答えいたします。
○委員長(中曽根弘文君) 時間が参りました。
○小林美恵子君 いろいろそういうふうにおっしゃいますけれども、やっぱり負担が増大するということは間違いのない事実になっています。しかも、施設の方々に対しても、先ほど介護報酬の見直しをするというふうにおっしゃいました。それは本当に施設の方々に対しても大きな経営上の困難をもたらします。この見直し案というのは、やっぱり施設の方にも利用者の方にも本当に負担を強いて、そして利用者の方には正にダブルパンチになるようなものです。 こういうものというのはやっぱり私は撤回すべきだということを申し上げ、そしてそういう予算、そういうところにこそ国の予算をつぎ込むべきだということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(中曽根弘文君) 以上で小林美恵子君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(中曽根弘文君) 次に、又市征治君の質疑を行います。又市征治君。
○又市征治君 社民党の又市です。 今日は、いわゆる中国残留孤児の支援策についてお伺いをしたいと思います。国によって中国に放置をされた人々ですから、本当は残留という言い方がいいかどうか、私は疑念を持っているわけですが、まあ通称そう言われていますからそういう言葉を使いますけれども。 厚生労働省の調査などによりますと、現在二千七百人余りが帰国されて、そのうち約三分の二の一千八百人余りが国を相手に訴訟を起こしておられて、だんだん増えている、こういうことですね。最近、北朝鮮による拉致被害者との比較がなされています。拉致は国交未回復の外国政府によってなされた国家犯罪であり、政府はこの加害者ではないけれども二〇〇三年から法律で救済を開始をした、もとよりこれは私どもも賛成です。では、残留孤児に対してはどうかということですが、これは疑いもなくかつての大日本帝国政府が加害者であったわけで、そういう意味では、旧満蒙地帯に土地と資源を奪って百万人の開拓移民計画を立てて、国策としてやっぱり売り出したということでありました。戦後、日本の政府は当然、連合軍や国連などに依頼をしてこの開拓団、家族を安全に引き揚げさせる、こういう責任があったわけですけれども、それを残念ながら講じなかった。 そして、戦後十四年目ぐらいのところで、一九五九年になりますけれども、一万三千六百名余り、戦時死亡宣告すら出してしまった。こういう歴史があります。孤児たちは当然幼少ですし、物が言えないわけですから、大変な塗炭な苦しみを余儀なくされてきた、多くの人が亡くなったということが言われています。 そこで、まず実務的な問題で事務方にお伺いしますが、一つは、拉致被害者に対する給付金は月額幾らか。二つ目に、残留孤児は一回限りの支度金になっていますけれども、これは幾らになっているのか。三つ目に、軍人恩給の最高の階級と最低の階級のこの支給額はどういうことになっているのか。この三つをお伺いします。
○政府参考人(小熊博君) 拉致被害者の方々につきましては、北朝鮮当局による未曾有の国家的犯罪行為により拉致され、北朝鮮に居住することを余儀なくされるとともに、本邦における生活基盤を失ったこと等、その特殊な諸事情にかんがみまして、本邦に永住する場合には、自立を促進し、拉致によって失われた生活基盤の再建等に資するため、いわゆる支援法に基づきまして拉致被害者等給付金を支給することとされております。 その支給額でございますが、帰国した被害者及び被害者の配偶者等の数に応じまして、単身世帯の場合は十七万円、二人世帯の場合は二十四万円、以下、世帯人員が一人増えるごとに三万円ずつ加算した金額、すなわち、三人世帯の場合は二十七万円、四人世帯の場合は三十万円、五人世帯の場合は三十三万円を毎月支給することとしております。
○政府参考人(大槻勝啓君) 中国残留邦人等に対します自立支度金についてのお尋ねでございます。 この自立支度金につきましては、永住帰国をされた場合に、当座の生活用品等身の回り品の購入資金として、一時金として支給しているものでございます。 平成十六年度におきまして、基本額といたしまして、大人十八歳以上の場合、十五万九千九百円、子供はその半額、七万九千九百五十円を支給しておるところでございます。加えまして、世帯の構成人数に応じまして一定額を加算をしております。 支給総額の例でございますけれども、大人一人の場合は三十一万九千円、大人二人の場合は四十七万八千九百円でございます。
○政府参考人(戸谷好秀君) 恩給の関係につきまして、私の方から御報告いたします。 平成十六年三月末現在で軍人の、旧軍人の普通恩給で、一番高いグレードで現存されておる大佐の方でございます。これが、平均の年額で二百八十五万余ということでございます。一番低い平均年額といいますと、当然、兵になるわけでございますが、兵の場合は五十九万三千円余という形の数字になっております。
○又市征治君 今お聞きのとおり、大変な格差があるわけですね。 じゃ、国民年金について、拉致被害者と残留孤児の扱いはどのようになっていますか。
○政府参考人(渡辺芳樹君) お答え申し上げます。 拉致被害者の方々につきましては、先生先ほどおっしゃられましたように、北朝鮮の国家的犯罪行為ということで国外に居住することを余儀なくされた極めて特殊な事情にございますので、年金制度に加入できなかった状況にかんがみて、国民年金制度において次のような特例措置を講じております。 一つは、帰国した被害者が拉致されていた期間を国民年金の被保険者期間とみなすこと、二つは、その間の年金保険料に相当する費用は国が負担し、保険料納付済期間とみなすこと、これにより被害者の年金を保障するというものでございます。 一方、中国残留孤児の方々につきましては、戦争に起因して生じた混乱等によって本邦に引き揚げることができず、本邦以外の地域に居住することを余儀なくされたという事情にかんがみまして、国民年金が創設された昭和三十六年四月から永住帰国するまでの間を特例的に保険料免除期間とみなして、その期間につきましては三分の一の国庫負担に相当する年金額を保障しております。加えて、保険料免除期間とされた期間について、永住帰国後一年を経過した日から数えて五年間は特例的に保険料の追納を認め、追納された保険料は年金給付額に反映する、こういう仕組みになっております。
○又市征治君 そこで、大臣にお伺いしますけれども、今あったように、残留孤児の場合は、三分の一の給付というのは国庫負担分相当額にすぎないわけですね。配慮したとはとても言えないし、また月二万二千円で今到底生活できませんよ、これ。残留孤児も、帰国までの期間を何かこの年金制度ができたときからということじゃなくて、このみなし納付期間、全体をみなし納付期間とすべきじゃありませんか。その点、お答えください。
○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほど来お答えがありますように、それぞれの事情によって国がどういう支援をするかというのは決まるものであると考えます。したがいまして、いろいろ今お比べになったんですが、そのお比べになったものはそれぞれの事情がやっぱり違いますから、その事情に応じてということにどうしてもなるということでございます。 そして、特に北朝鮮に拉致された方々といわゆる中国残留孤児の方々のことも比べておられますけれども、これは一方は、再三答えの中にありましたように、平時において突然拉致されたという、この平時におけるということでございますし、一方でこの中国残留孤児の方々というのは戦争に起因して生じた混乱という、戦争に起因しているという、ここのところが一番基本的に状況の違うことだと思いますが、したがってそういう状況の違いによって支援の仕方が変わってくると、こういうことだと考えております。
○又市征治君 孤児本人で日常生活程度の日本語すらできないというのが七三%、生活保護受給世帯が六六%。この人たちの年齢を考えますと、今六十三歳ぐらいだと思いますが、この生活状態は今後改善されるというふうに思いますか。これは事務方、調べていると思いますから。
○政府参考人(大槻勝啓君) 御指摘のように、近年、中国残留孤児の方々が高齢化しておるということにつきまして認識しておるところでございます。そういうことも踏まえまして、私どもとしては、関係省庁一体となりまして、また地方公共団体とも協力をいたしまして各種の自立支援策、例えば日本語の習得の問題、また就労支援の問題、その他の生活面での様々な支援策等講じているところでございます。 例えば、平成十七年度、来年度におきましては、医療、介護を必要とされるような方に対しまして自立支援通訳を今も派遣しておりますけれども、この派遣期間を拡充するといったような施策を予定をしているところでございます。 これに限りませんけれども、今後とも中国残留邦人の方々が地域社会におきまして安定した生活ができますように、引き続き自立支援策の着実な実施に努めてまいる考えでございます。
○又市征治君 ここに、十年前鹿児島に帰国をした六十歳代の元孤児の手紙をいただいています。たどたどしい日本語で意味はよく分からないところもあるんですが、行間からその心情がよく読み取れるんですが、要約して言いますと、私たちは教育を受ける機会を奪われ、鬼畜日本人の子供と呼ばれて日本政府が中国で行った仕打ちの仕返しを受けた、帰国すればしたで言葉が壁となり、外国人扱いされ差別された、こんなふうに書いています。厚生労働省の実態調査でも、高齢でもはや日本語習得もそして就労も難しい、こう出ているわけです。 むしろ、そういう意味で言うならば、平時にとか戦時ではなくて、日本の国がこの子供たちを放置してきたんですよ、帰す手続もろくにしないで。むしろ、そういう意味では拉致被害者と似た状況であり、これに同等の待遇を求めることは大変何か問題があるんですか。厚生大臣、もう一度お聞きをします。
○国務大臣(尾辻秀久君) 残留孤児の皆さん方が大変お気の毒だということは、私もそのように思います。 したがって、その中で何ができるかということでございますが、基本的には、先ほど申し上げましたように、やはり状況の違いによって支援の仕方が変わってくるということは、これはやむを得ないところだというふうに思うわけでございます。 したがいまして、帰国された中国残留邦人の方々につきましては、申し上げましたように、これまで苦難の道を歩まれたことや、残留邦人の方々の、これは今先生がお述べになっておられますけれども、そのとおりでありまして、高齢化をしておられます。そうした現状を踏まえて、今後とも、先ほどちょっと事務方からお答えいたしましたけれども、十七年度予算でもできるだけのことはいたしておるつもりでございまして、きめ細かな支援策を講じてまいりたいと考えます。
○又市征治君 まあ、ドミニカへの移民を政府が見捨てたことについて、あれだけ厳しく追及された正義感と人権感覚の持ち主である尾辻さんのどうも答弁とは受け取り難い。満蒙開拓団や孤児への思いも同じじゃないのかなと、どうもそういう意味ではおかしいなと、こう感じます。 国民年金を受給しても、孤児の方は生活保護で同額を削られてしまうわけですね。坂口前大臣は、生活保護に代わる新制度を考えたいと、こう答えられました。これはもう大変適切で緊急な改善策だろうと、私はそう受け止めていました。 また、一昨年十月二日、小泉総理は参議院での質問に対して、こういう状況について、「身につまされました。」「本当にお気の毒だと思っております。」「温かく迎えるような対策を講じなきゃいかぬ」と、こう答弁されています。 尾辻大臣は、この前大臣と総理の答弁に沿ってどんな対策取り組んでいく決意なのか、どういうことが検討されているのか、特に生活保護との競合の問題について、血の通った方策をお示しをいただきたいと、こう思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 生活保護制度につきましては、まあ今更申し上げるまでもないことでありますけれども、資産、能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する者に対して困窮の程度に応じた保護を実施することとされておりまして、国民年金についても、それはそれで一遍収入と認定した上で最低生活費から収入を差し引いた差額を保護費として支給するということになっております。したがって、このぐらい必要だということで、年金の収入がこれだけあればその差額を支給するという、こういうやり方になっておるわけでございます。その生活保護制度は、困窮に至った理由は問わない、いかなる者に対しても平等に最低生活を保障する制度でございます。 申し上げておりますのは、国民全部に同じように平等に最低生活を保障するという制度でございます。したがって、国民年金の収入認定についても、そういう意味では中国の残留孤児の皆さんだけを特別な扱いにするということは困難なことでございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、お気の毒だということは確かでございますから、私どもとしてもできることはさせていただくと、この思いは変わりがないところでございます。
○又市征治君 中国にいる養父母の病気を見舞いに行ったら生活保護費を削られる、これは正に血も涙もない仕打ちじゃないですか。残留孤児の方にそういう意味ではこういう扱いがされているじゃないですか。こんなことぐらいはやめることできませんか、大臣。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今言っておられるのは、孤児の皆さんが養父母のところに、中国に会いに行かれた、会いに行かれる、そのときの生活保護をどうするかということでございますが、今は国外へ出られたその間だけは生活保護を止めさしていただくということになっております。これはまあ、二週間行かれると二週間分だけの生活保護を止めさせていただくということは、これは今の制度からするとそれは変えられないところでございまして、制度上は変えようがないということだけをまずは申し上げます。
○委員長(中曽根弘文君) 時間が参りましたので、まとめてください。
○又市征治君 はい。 大臣ね、山崎豊子さんの「大地の子」、これ読まれたり、あるいはテレビで見られたかもしれませんが、正に涙なしでは見れない物語でしたよね。あれはまだ理解のある教育者が養父母だったんですよね。それ以下の人たちがたくさんいると。そういう人たち、裁判今訴えて、この結論出るまで地裁、高裁、最高裁、また手をこまねいて見ていくんですか。本当に年老いた孤児の死ぬのを待つような、これが政治と一体言えますか。ハンセン病の例もあるわけですよ。判決を待たずに、今申し上げたことぐらいはすぐに改善なさるようなその努力を是非していただきたい。これは引き続き私もこの問題については追及させていただくことを申し上げて、終わりたいと思います。
○委員長(中曽根弘文君) 以上で又市征治君の質疑は終了いたしました。(拍手) 明日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時二十一分散会