P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
162回国会参議院2005/03/10

予算委員会 第9号

発言数
309
登壇者
27
会派数
5
開催日
2005/03/10

会議録

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  平成十七年度一般会計予算、平成十七年度特別会計予算、平成十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  本日は、税制・景気に関する集中審議及び年金・社会保障に関する集中審議を行います。  質疑者はお手元の質疑通告表のとおりでございます。  それでは、まず税制・景気に関する集中審議を行います。  これより質疑を行います。泉信也君。

泉信也自由民主党

○泉信也君 おはようございます。自由民主党の泉信也でございます。  今日は現在審議をいたしております来年度予算について、この考え方、作成に至りますまでにいろんな御苦労をいただきましたことも踏まえましてお尋ねをいたしたいと思います。  特に、財政状況厳しい中で、公債の発行を二兆二千億円も低くしたという御努力については評価をしなければならないという思いを持っておるものでございます。ただ、それでも予算規模八十二兆二千億という中で公債に依存する割合が大変高い、四二%も依存をしなきゃならない、しかもこの状況がまだまだ続くのではないかというふうに心配されるわけでありまして、このことをどうやって脱していくか、大きな問題であると思っております。今、この公債に依存した財政運営あるいは経済運営というのは、子供や孫あるいはまだ生まれていない人たちに対するツケを残して今生きておる我々が生活をエンジョイしておると、こういう意味合いからでありますので、多くの国民の皆さん方にもこの実態を知っていただいてできるだけ御協力をいただく、耐えていただかなきゃならないところは耐えていただかなきゃならないというように思っておるわけでございます。  そこで、こうした状況から脱却するために、さきに経済財政諮問会議が「構造改革と経済財政の中期展望—二〇〇四年度改定」というものをお出しになりました。これは、大変貴重なこれからの行く末をにらむ事柄が書いてあると思っておるわけであります。そして、私が今日お尋ねいたしますのは、この資料の中に書いてあること、これは一つ一つ重要なことでありますが、もう一つ、その参考資料として付けてありますこの中に、いろいろな物の考え方の根拠が示されておるように私は思います。  そこで、竹中大臣にまずお尋ねをいたしますが、この参考資料というものはどういう性格のものか、この中に政策の意図はあるのかどうか、予算審議の判断あるいは将来の動向を判断する上において、どういう意図でこの参考資料というものをお作りいただいたかをお伺いいたします。

竹中平蔵自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(竹中平蔵君) 泉委員から「改革と展望」の参考資料についてのお尋ねでございます。  御承知のように、小泉内閣ができましてから毎年六月にいわゆる骨太の方針というのを出しまして、政策の方向を議論さしていただいております。それを受ける形で、毎年一月には中期的な経済財政運営の指針を示すという意味でこの「改革と展望」を示させていただいております。この「改革と展望」の中では、こういう構造改革をやっていく、その場合にこういう経済の姿が描かれるということを文章で書いておるわけでございますが、お尋ねのこの参考資料といいますのは、そうした政策を取っていった場合に想定されるシナリオ、経済シナリオというのをまあ言わば数量的に示したものでございまして、これは内閣府で経済モデル等々を使いまして、その計測をした上でのものを示しております。  その性格でありますけれども、例えばその歳出規模を大きくしないようにして経済運営をしていくと。その歳出規模を大きくしないやり方というのは幾つかあるわけでございますけれども、それについては一定の前提を置きまして、例えば公共事業については何%減らして、物件費については何%減らして、結果的に財政の規模を一定に保ちましょうという、そういう前提を置かしていただいて、そうした仮定に基づいて各年度のその数字を出させていただいております。  したがって、必ずしも各年度の政府の方針を政策として具体的に想定しているものというものでもありませんし、また数値目標というものでもないわけでございますが、そこに、「改革と展望」で描いている経済の姿が数量的にも整合的に可能でありますということを確認していただきまして様々な議論をしていただきますために示している、そういう性格のものでございます。

泉信也自由民主党

○泉信也君 数値目標というものでもないという御説明をいただきました。確かにそのような性格のものであるかと思います。しかし、やはりこうして五年先あるいは十年先というようなものを数値で表されるという、あるいは前提を置いてでございますけれども、表されるということになれば、我々国民は政府の方向をおおよそその中にやはり見らざるを得ない、これと全く違った方向に行くとは思えないわけですから。  私はそういう意味で、例えば、もう国会議員は何度も見ております、この税収と、下の税収と歳出総額の間がこんなに開いてくる。(資料提示)これが正に言いますならば公債の発行、この下の段に書いております棒グラフが毎年の公債発行でございまして、平成十年からほとんど毎年十兆円近い公債を出しておると、こういうことでございます。  今回のこの参考資料の数値を見ましても、民間側は、例えばデフレの脱却を予測では二〇〇六年というふうに見ておられますけれども、民間は二〇一〇年前後ぐらいまで遅れるんではないか、あるいは、いわゆる国、地方の基礎的財政収支、まあプライマリーバランスという言葉で言いますならば、この黒字化というものは一応二〇一〇年初頭、二〇一二年という数値がこれでは出ておりますけど、これは民間側は、増税を見込んでももっと遅れると、もっと厳しいんではないかと、こういう評価が一般的でありますが、こうした民間側との見方の違いについては、大臣、どういう御見解でしょうか。

竹中平蔵自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(竹中平蔵君) これはあくまでも一つの試算でありますから、これは当然いろんなお考え方があってしかるべきだと思います。  我々政府としては、その数値を示すことに、まあ数値が独り歩きするのではないかという御批判もある中で、我々としては決断が要ったわけでございますが、これはしかし、やはり政府としての説明責任を果たしたいということで数字を出すように、正に小泉内閣になってからそういう形を取りました。そうしたことも含めて、民間からもいろんな御意見が出されるようになっているというのは、私は大変経済を、在り方を議論する上で好ましいと思っております。  いろんなお考え方、民間の中にもありますから、一概になかなか申し上げることはできないのだと思いますけれども、私たちはあくまで構造改革をやっていくんだと、で、構造改革をやって経済が活性化する中で経済成長率も高まっていく、そして財政赤字も減らしていくことによって国債に対する信頼性も確保して、異様な形で金利が上がるようなことも防ぐ、そういうことをしっかりと政策と合わせた形でのシナリオを提示させていただいておりますので、そこが、民間ではいろんな試算、どこまでそういったことを考慮しているのかと、その辺が恐らくいろんな違いになってくるのではないかと思います。  これは、私たちとしては、是非やはり、そこで描いているようなシナリオで改革を進めることによってのみ経済も財政も健全化していくことができると、そのようなつもりでこの数値を示させていただいております。

泉信也自由民主党

○泉信也君 改革を進めなければならない、おっしゃるとおりだと私も思っております。  しかし、この結果を少し見せていただきますと、社会保障関係費は着実に増加をしておる、公共事業関係費は逆に着実に減少しておると。少し数値を申し上げますと、二〇〇五年の今年は、社会保障関係二十・四兆、いわゆる財政の大宗の部分を占めるところであります。そして、二〇〇六年が二十一・三兆、二〇〇七年が二十二・六兆、二〇〇八年が二十四・二兆、二〇〇九年が二十五・九兆というふうになっておるわけです。一方、公共事業は、今年が七・五兆と計上していただいておりますが、同じく七・三、七・一、六・九、六・七と、こういうふうに減少をしてまいっております。  こういうことからいきますと、何か社会資本関係、失礼しました、社会保障関係はアプリオリに決めてあって、そしてモデルを動かしたんではないか。逆に言いますと、防衛費でありますとか、あるいは文教科学費とか社会資本整備費、公共事業関係費というのは減らすことが前提になって今回の作業がなされたんではないかと思うんですが、その点いかがでしょうか。

竹中平蔵自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(竹中平蔵君) 社会福祉関係費が非常に大きくなるということが言わば当然の前提として織り込まれていて、そのしわ寄せがほかの項目に行っているのではないかという御趣旨かと思いますが、これは、高齢化とともに社会保障費は当然のことながら増える圧力が掛かります。しかし、それを何もしないでそのまま前提として全額を置いているということでは決してなくて、社会保障に関しても適切にこれを抑制していくということも含めて、しかるべき前提を置いて計算をさせていただいております。そうした中でも、ここに書かれておりますのは、当面、社会保障に関しては非常に大きな歳出圧力が掛かりますということを示しているわけでございます。  是非、誤解が一部マスコミ等々であるといけませんので申し上げますが、ここで掲げておりますのは、二〇〇六年度までは今のような形で歳出を抑えていきましょうと。しかし、二〇〇七年度以降についてはそういう形でやっていけるかどうか。これを歳出を抑え続けると、最終的に本当に金利を除いて実際に使える額というのは本当に小さくなってしまうわけで、それでやっていけるかどうかと。そこまで抑えるんだったら、国民負担ということも考える必要があるかもしれない。  そういう選択は二〇〇七年以降、二〇〇七年度以降についてどうするかについては、改めてこれは国民的な議論をしましょうということを一方で申し上げているわけでございますので、二〇〇六年度まではやはりこれは無駄を切らなければいけない。それ以降についての議論を今年、来年にかけて、この国民負担と歳出と歳入の一体的な議論については改めて行うということも別途「改革と展望」の中でしっかりと議論をさせていただいているところでございます。

泉信也自由民主党

○泉信也君 この部分に余り時間を取られることはできませんけれども、しかし、おっしゃることは、今政府がやろうとしておられることも理解をいたします。  しかし、こうして公共事業費を減らしていく、その減らされた姿、そのときの国土の姿はどうなっておるのかと、絵姿はどういうふうに描いておるのかと、そういうことを全くなしに計算をして、こういう結果で進みますということはなかなか理解がいただけないんではないか。私はそういう思いを持っておりまして、むしろ、この参考資料の中には二つのケースが示されてありますが、例えば公共事業を増やす、社会保障部分を減らす、そういう中で税収が一番多い姿はどれなのかと、あるいは国債を、公債を最も減らす選択はどれなのかと、そういう選択肢を我々に示してほしいんですね。  でなかったら、二つのケースの一つ側は、これはまあ停滞ケース試算というふうに言われておりますけれども、名目GDPに占めるその公債残高は発散傾向にある、こんなものは政策にならない。こんなことをやっちゃ駄目だという意味では政策になりますけれども、我々がどの政策を選ぶべきかというときの判断材料を是非次回といいますか、これからの作業の中では提示をしていただきたい。そのことによって国民が、なるほど負担は増えてもこういう政策を取っていただこうというように応援をしてくださるのではないか、こういうふうに思っておるところでございます。  次に、最近の公債発行額の推移をちょっと見ていただきたい。(資料提示)  これももう何度も見ていただいたわけでありますが、この棒グラフの一番上が正に公債の発行残高でありまして、今年は三十四兆四千億ということになります。  私がお尋ねしたいのは、この色が違っておる、この赤い部分、これがいわゆる特例公債でありまして、水色の部分が建設国債。世の中は公共事業をやるから国が借金を抱え込んでおるんだというふうに思われておる節がありまして、この発行の結果から見ますと、実はそうではない、特に最近はいわゆる特例公債が赤字公債の大部分を占めておるんだ、このことについて、財務大臣、何か世の誤解を解くような御説明をいただければと思います。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 御指摘のように、平成十七年度予算におきましては、公債金収入、国の借金、これで約三十四・四兆しているわけですが、そのうち建設国債は約六・二兆円。それに対しまして、特例公債と言われているこの赤い部分ですね、これが約二十八・二兆円ございます。  これは、建設公債の発行というのはずっと抑制をしてまいりました。一番多いのは平成十年度の実績ベースで約十七・一兆円ございましたが、それが今六・二兆と。それから、特例公債は平成十五年度約二十八・七兆というのが最大でございましたが、それを若干抑制をしたということでございます。  これ、今おっしゃいましたように、公共事業関係費は削減してきたけれども、高齢化の進展によって社会保障関係等やむを得ないやはり増加がございますのでこういう姿になっているわけでございます。この結果、平成十七年度末の国の公債残高は五百三十八兆と、ストックでいえばそういうことになると。そのうち特例公債は二百八十六兆円程度に達すると。極めて厳しい状況となっておりまして、財政再建を最優先課題の一つとしなければならないという背景がそこにあるわけでございます。

泉信也自由民主党

○泉信也君 こうしたその公債を減らすという中で、私は、やっぱり特例公債を減らすということに取り組まなければ全体の公債発行額を少なくするということはできないんではないかと、こんな思いを持っております。  先ほど竹中大臣にお願いしましたように、公共事業の乗数効果が小さくなったとはいいますけれども、そういうものがどういうふうに税制に返ってくるのか、福祉を増やすことによってどういう税収効果が変わってくるか、そういう分析をした上で政策の選択をしていくべきだと、こういうふうに思っておるわけでございます。  今回、社会保障給付全体は八十四兆円ぐらいに達する。これは一般会計よりも、実は八十二兆円余りの一般会計予算よりも多いということでございまして、税収は、何度も言いますように、四十四兆円という中で、高齢者への年金給付が四十三兆円というような、こういうことを考えますと、正に我々は次の世代の人たちの資産を先食いしておるというようなことにもなっておるんではないかと思います。  余分なことですけれども、社会保障給付費八十数兆円の中で、児童手当や出産手当、そういうものに絡むところはわずか三・二兆円と。こういうことはやはりもう一度根本的に私は見直していくべきではないか。お金があれば物が片付く、少子化が防げるというものではないと思いますけれども、こうした点もこれからの政策の中で考えていただきたいと思っております。  そこで、一方でまた政府は大変努力をいただいておりまして、歳入歳出一体化改革に向けた議論に着手をいただいております。  先日の会議の模様を新聞で読みますと、社会保障給付費を名目成長率以内にとどめる案というものが議論の場に出され、それに対して尾辻大臣が、機械的管理は不適切であると、こういう御発言があったやに新聞では報道されておりますが、大臣の真意はどういうところにあるのか、お尋ねをいたします。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) お話のように、二月の十五日に経済財政諮問会議が開催をされました。その中で、急速な少子高齢化が進む中で、社会保障の規模を経済の規模に合った水準として、その持続可能性を確保するために名目GDPの伸び率を指標として社会保障給付費の伸び率を抑制すべきという御意見がございました。要するに、名目GDP比の伸びの中で社会保障費の伸びも抑えるべきだと、こういう御意見でございます。  そこで、私といたしましては、社会保障をお預かりする立場として社会保障費、給付、社会保障給付費について適正化に取り組む必要がある、これはもう当然のことでありまして、私どもも抑制に努めておる、ここのところでは全く共通の認識でございます。  ただ、それから先なんですが、名目GDPの伸び率に機械的に連動させると、こういうふうに言われると、まず一つ私どもとして言いたいことは、諸外国の状況を見ましても、社会保障給付費の対GDP比というのは、これはもう数字を挙げるまでもなく様々でございますから、経済規模から社会保障の規模というのを一義的に導くというのはこれは難しい話だというか、それはない話だということをまず申し上げ、それから、特に医療とか介護とか社会保障というのはそういうものですから、いったん病気や要介護になれば必ずサービスを提供しなければならない、これはもう法律で定められた義務的な経費であります。  それから、そのとき私は申し上げたんですが、やや極端な話として申し上げれば、病気になった方がおられる、お金がないから死んでくださいなんて、それは言えないじゃないですかという話をしたんですが、それはやや極端な話にしても、やっぱり社会保障というのはそういう性格のものでしょうというようなことをいろいろ申し上げて、やっぱり機械的に抑制するというのは困難であると私どもの立場を申し上げたところであります。  しかし、申し上げたように、抑制に努めて、それが結果的にうまく一つの枠の中へ収まるというのが一番いい姿じゃないでしょうかということを申し上げたところでございます。

泉信也自由民主党

○泉信也君 大臣のお考えは分かりました。  ただ、なかなか総論と各論に入ってまいりますといろんな違いが出てまいりまして、私は、やっぱり社会保障制度というのは、この制度の維持、国民がこういう制度が長く続く、百年もつとまでは言いませんけれども、長く続くという安心感を与えていただくことが非常に重要なことだというふうに思うわけです。  ですから、今大臣がおっしゃった、病気になった方がお亡くなりになるのを見逃すわけにはいかない、おっしゃるとおりです。しかし、本当は今の日本の国力に合った施策の展開がなされようとしておるのか、国力以上のことを、これは社会保障の分野だけではありませんけれども、今、日本はやってきておる、やろうとしておるんじゃないか、やってきたんではないか。そういう意味で私は、国力の総点検をして、それぞれの分野が自分の身丈に合った政策の展開をすべきだというふうに思っておるわけです。  特にこの社会福祉関係の、社会保障問題については、年金だとか、介護だとか医療だとか、いろんな制度がございます。それがみんな独立して、極端な言い方をしますと、設計、管理、運営をされておる。したがって、足し上げてみるととんでもないことになる、こういうことではないかというふうに思っておるわけです。  昨日から三党の協議が、社会保障に向けての、年金が中心かと思いますが、始まった。こういう中で、本当に国力に見合う、そして国民も安心して、レベルの高い低いももちろん問題でありますが、安心して生活ができるというような制度につくり上げていただきたい、このように思っておるところでございます。  そこで、これからは一層歳出の強化に取り組まなければならないし、さらに歳入の増ということにもいろいろやらなきゃならないと私は思っております。これはもう私が申すまでもございません。みんながそうした気持ちでいらっしゃると思います。  税制調査会の「わが国経済社会の構造変化の「実像」について」というようなものをちょっと読ましていただきますと、随分この社会、日本の構造は変わってきておって、景気が良くなれば税金が上がってくるよ、税収が増えるよというような単純な社会ではなくなってきておる。また、公の機能、NPO等のそういう働きが出てきて、かなり根幹的な物の考え方、税収増に対する物の考え方をしなければならないんじゃないか。税収構造が変化してきておる、そういう中でこれからの税収の在り方、財務大臣、どういうふうにお考えでございましょうか。資産課税、所得課税あるいは消費課税というような幾つかの客体があると思いますが、どういうところに重点を置いてお進めになるおつもりでしょうか。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 今委員がおっしゃいましたように、少子化あるいは高齢化、それからグローバル化といったような構造変化をこの間に経験してきておりますので、要するに持続可能な財政構造をつくっていく、これはちょっと元に戻りますけれども、どなたもがお考えになりますように入るを量っていずるを制すと、それに加えてやっぱり全体の体力、日本経済の体力がやっぱり充実してくるという三拍子でやらないとなかなか財政構造は改革できないわけですね。  それで、その中で、今、小泉内閣の方針は、まず歳出削減を徹底的にやって、そこはきゅうっと孫悟空の頭に輪をはめるようにやって、それで、それをまず大前提とした上で、やはり必要な公共サービスは賄えなきゃいけませんから、それをどうしていくか議論していこうということになるわけですが、そこの下に、今委員のおっしゃるように社会の在り方が変わってきておりますから、これからのあるべき税制の姿というのを求めていかなければならないわけですね。  そうしますと、今後の税制の在り方につきましては、個人所得課税については、これは相当累次減税なんかをやってまいりましたので、国際的に見ますと個人所得課税の水準というのは非常に低くなっているということがございます。そうしますと、所得課税というのは、累進課税というのができまして、所得のたくさんある方からはちょっと重めにいただこうというようなことをして、言わば所得再分配機能があるわけですが、余り低くなりますとその所得再分配機能というのはうまく発揮できない。  それから、所得税というのは何といいましても税制の中で根幹的な税制でございますから、ある程度所得税が税を集めてくれる機能を持たなきゃいけないというんで、所得税についてはそういう、個人所得課税については財源調達機能とかあるいは所得再分配機能というものをもう少し発揮できるような状況にしていく必要があるんではないかというふうに考えているわけであります。  それから、消費税につきましては、これから、先ほどの厚生労働大臣のお話のように、いろいろ抑制はしなきゃなりませんけれども、どうしてもこの自然増というものがございます、高齢化が進んできますと。そうすると、それについてあらゆる世代から広く公平にどう負担していただくかという観点に立ちますと、やはり消費税というものが非常に優れた性格を、高めております、持っておりますので、その役割を高めていくということが私は必要ではないかというふうに考えているわけであります。  それで、こういう取組に当たりましては、税財政の現実を国民にやはりきちっとお伝えをして、どういう公共サービスをしてどういう負担をしていくかということについてよくよく議論を重ねて御理解をいただいた上で、国民の不安や不満にもよく耳を傾けながら前へ進んでいくということが一番必要ではないかと思っております。

泉信也自由民主党

○泉信也君 ありがとうございました。  所得分野についてもなかなか、再分配機能等を考えますと限界があったりしまして、今大臣おっしゃっていただきましたように、消費税というのは一つの大きな命題になるというふうに私は思っております。これから、増税なき財政改革というようなタイトルは大変耳障りがいいわけですけれども、増税による財政改革という道を歩かざるを得ないんではないかと。政治家が増税の話するということは最も遠慮するというか、避けなければならないことでありますが、しかしそういう時代ではないんではないか。(資料提示)  特に、今消費税の例を取りますと、この赤い部分が日本で、御承知のように五%。ほかは大体一〇%、一五%、高いところは二〇%と、こういうことになるわけでありまして、これはその国民負担率の話、それぞれの国の歴史、文化、いろんな事柄が絡んでまいりますので、五%が一〇%でいいんだとか二〇%でいいんだと、日本はそれでいいんだということは一概に言えませんが、しかし、いかにもやはり低過ぎるんではないか、このように私は思っております。  そこで総理にお尋ねをいたしますが、二〇〇三年の二月の参議院本会議で、私は消費税の問題について、景気の状況、歳出削減などの状況を勘案するとしても、どの程度の見直し、削減が実現すれば次のステップへ移行できるのかというふうにお尋ねしましたところ、在任中は上げない、徹底した行財政改革だと、こう言って、そのときにプログラムの提示はいただけませんでした。しかし、今日ここまで参りますと、既に議論はいいよということだけでは済まなくて、乗り越えるべき、消費税を上げるために乗り越えるべきもろもろの課題を整理をして、景気が良くなってくる、そして国民も御理解をいただく、そういう時期が来ればいつでも消費税をアップするという体制を整えておく、そのための準備を今から、もう若干遅いと思いますが、やっておくべきではないかと思いますが、この点総理にお伺いをしまして、質問を終わらせていただきます。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 確かに、国債依存度が四割を超えていると、そういう中で歳出削減だけでは限界があるんではないかという御意見はよく理解しております。しかし、今の経済状況を見ますと、今年、来年、消費税を上げる環境にあるかと。そう、いろいろな状況を見ますと、私はそういう環境にないと思います。  予算というのは、社会保障だけ、公共事業だけ、あるいは財政状況だけいうことを見るのでなく、経済全体、財政状況、景気状況、そして必要な歳出歳入全般を見なきゃなりません。そういうことから私は、私の任期は来年九月までですから、その間に消費税を上げる環境になるとは思っていないんです。  そこで、私の主要な任務におきましては、行財政改革、歳出の無駄な部分を徹底的に排除していこうと、民間にできることは民間に、地方にできることは地方に、そういう役割を私は担っているんだと思います。将来展望しますと、借金、国債依存度が四割を超えていいと思っていません。だから、行財政改革を徹底すればするほど、増税しなきゃならないときに来てもその増税の幅は小さくなるはずであります。そういうのが私の任務ではないかと。だからこそ、来年九月までに消費税を上げる環境にないから私は上げないと。  しかしながら、これから税制改正を考える場合に、所得課税だけでいいか、資産課税だけでいいかとは思っていない。消費税を導入したとき三%、そして五%に引き上げたとき、その状況も私はよく存じております。そういうことを考えて、税制改正の中で、消費においても、所得においても、資産においても、これから必ず議論になります。  そういう際に、来年九月まで消費税上げないと言っているのがどうして消費税を縛ることになるんでしょうか。全然縛っていない。議論を大いにしてもらわなきゃいけない。そういう中で、私は、こういう問題につきましては総合的に議論することは大いに歓迎しているということを申し上げているわけでございます。

泉信也自由民主党

○泉信也君 ありがとうございました。  総理が上げないとは言っていない、そのとおりです。しかも、今もお触れになりましたけれども、自分の在任中には消費税を上げるような経済環境にならないだろうと、だからという御説明もかつていただきました。それはそのとおりです。  しかし、総理のその御意向は、内閣全体にあるいは役所に、消費税はアンタッチャブルというような感じを与えていないか、そういうおそれがあるんではないかと、そのことを私は気にしておるわけでございまして、準備をしっかりやって、上げれる環境が整ったときにはすぐ上げれるように、これからも一層御指示を、御指導をいただきたいと思いまして、時間が参りましたので、同僚議員の田村議員に関連質問をお許しください。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 関連質疑を許します。田村耕太郎君。

田村耕太郎自由民主党

○田村耕太郎君 自由民主党の田村耕太郎です。  まず、総理にお伺いします。  外国に私ちょくちょく行くんですが、総理をたまにテレビで見ます。総理がビジット・ジャパン、ようこそジャパンと。なかなか渋くていけてると思います。  その、総理、ウエルカムと言っているのは観光客だけじゃないですよね。投資に対してもそういうことを言われています。インベスト・ジャパンと言われています。このインベスト・ジャパンの趣旨と決意を確認させていただきたいと思います。総理、お願いします。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本は世界各国に企業が進出しております。そういう中にあって、今や、日本の市場を魅力あるものにしていくことが日本の経済を活性化させるためにも必要であります。外国の企業にとっても日本の市場は魅力ありますよと、投資する価値がありますよということを理解してもらう必要があります。  世界各国、首脳会談しますけれども、よく話題になるのが、どうか日本の企業もどんどん我が国に進出してくださいと。そう言われますと、私は、進出できるように御国も、その国も投資環境を整えてくださいとよく言ってるんです、企業が投資しやすいように、公正な競争ができるように。  そういうことを考えますと、今の日本の状況を考えますとね、先進国の中ではもうけたが違いますね、日本国内に対する外国の直接投資残高は。外国はみんな二けたですよ。外国の企業を自国内に投資、呼び込むという。日本は一%台。外国は二〇%、三〇%。倍増をやったってまだまだ外国に比べれば低いんですね。  そういうことから、日本の経済も外国の企業にとって魅力あるものです、市場も、いいものだったら日本人は買いますよという、やっぱり日本に対する認識を正確に持ってもらいたいと、決して日本は閉鎖的でないということから、インベスト・ジャパン、投資倍増計画をよく理解してもらうように各国にも働き掛けているわけであります。  言わば、外国の企業が日本に進出するということは、ああ日本も魅力ある市場だなと思ってくれないとなかなか投資してくれません。それがまた経済活性化に通ずると。それが日本の経営者に対しても刺激を与えると。日本の良さ、また日本とは違った外国のやり方もあるでしょう。そういうことから日本は学ぶべきこともあるんじゃないかと。また、外国が進出してくれば、ああ日本もなかなかいいものがあるなと。外国のやり方が日本では通じないのかと。あるいは、外国のやり方も、良ければ日本にも通ずるんだなと。お互い学ぶことがあるんじゃないでしょうか。それが日本の多様性を拡大し、そして世界から日本というものもよりよく理解される一つの方策になるのではないでしょうか。

田村耕太郎自由民主党

○田村耕太郎君 大変よく分かりました。  その海外の投資家から見て日本に投資をしようとする判断、その根拠としてやっぱりインフラ整備が要ると思うんですね。インフラは大きく分けて二つあると思います。法制と税制です。  まず、法制面の整備についてお伺いしたいと思います。  私も、学校出てから七年間、日本の証券会社でMアンドAのアドバイザーやっていました。当時はバブルが崩壊した後だったんですけど、まだまだ金余りジャパンで、日本のお金が海外に対外直接投資として行っていました。そのときに、内外の会社法と証券取引法とメニューを見て、アメリカ、特にアメリカ、ああアメリカはこんなこともできるんだ、日本の法整備じゃこんなことしかできないんだ。  今、商法の現代化、作業が進んでいます。いろんな懸案もあっていろいろ大変だと思いますが、この商法の現代化、これから日本が対外、対外、まあ海外の投資家から見て本当に公正で透明で公平な市場になるように進むんでしょうかどうなのか。そこについて法務副大臣にお伺いしたいと思います。

滝実自由民主党法務副大臣

○副大臣(滝実君) 日本の商法改正、特に会社法の現代化ということで現在取り組んでおるわけでございまして、既に法制審の審議も終えて案として固まりつつある段階でございます。  中身は、先生御指摘のように、やはり海外から見ても、日本の会社、株式会社、あるいはその他の会社が信用を置ける、そういうようなものをもう少し確立しておく必要があるんじゃなかろうかと、こういうことでやっておりますのがその第一点でございます。  そして、特に会社の内部統制と申しますか、そういうものをやっぱり例えば米国並みにきちんとした規制を掛けていくと、こういうようなことでございます。今、マスコミの中では外資による日本の企業の買収問題がクローズアップされていますから、これに対してどう対抗するのかということだけが取り上げられておりますけれども、基本的には、会社の内部統制、そういうものをきちんとしていくというのが本来のねらいでございますし、そして、併せて米国並みのいろんな対抗要件もそれなりに備えていくと、こういうようなことでやっているわけでございます。

田村耕太郎自由民主党

○田村耕太郎君 もう一つ、証券取引法に関しまして伊藤金融大臣にお伺いしたいと思います。  この改正も進んでいるようですが、結果としてフェアでオープンな市場になっていくのかどうなのか、見通しをお聞かせください。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきます。  委員御承知のとおり、立会い外取引は現行法においてはTOB規制の適用対象と基本的にはなっておりません。しかしながら、この立会い外取引の使われ方いかんによっては相対取引と類似した形態になり得る可能性があり、これを放置をしておきますと、TOB制度というのは株主に平等に売却をする機会を与えると、それが本来の趣旨でありますので、この趣旨というものが形骸化していくおそれがございます。  したがいまして、私どもといたしましては、立会い外取引の相対取引と類似する取引につきましてはTOB規制の適用対象とすることができるように、今国会において証取法の改正案を提出をさせていただきたいと考え、今準備をさせていただいているところでございます。  委員が先ほど来御指摘をされておりますように、市場の公正性、信頼性というものを確保していくことは極めて重要でありますし、また、先ほど総理から答弁がなされましたように、投資家にとって魅力ある市場というものを構成していくことが極めて重要だというふうに考えておりますので、今回の制度の見直しがこうしたものにつながっていくことと期待をいたしているところでございます。

田村耕太郎自由民主党

○田村耕太郎君 投資家から魅力ある市場として見られるために、もう一つ税制面の問題があると思います。  私の手元にファイナンシャル・タイムズの記事があるんですが、ファイナンシャル・タイムズというのは御存じのとおりに海外の金融関係者に大変大きな影響力を持つメディアであります。それに三回にわたって、一月二十六日、二月七日、そして二月二十一日、三回にわたって、日本語で論調だけ言いますと、日本政府は外国人投資家を締め出すつもりかというような論調で書かれております。これを読みますと、海外の投資家に対して課税強化をしていくんだというように書かれています。これでは、総理がトップダウンでインベスト・ジャパンと言っていることに対して矛盾するのではないかと思うんですね。  財務大臣、財務省はインベスト・ジャパンの邪魔をしているんですか。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど総理がインベスト・ジャパンについてお話しになりました。私どもも全くそういう認識でございますし、一致した認識を持って総理の御指示の下にやっておりまして、昨年、委員も御承知のように、新しく日米新租税条約というのを三十年ぶりに全面改定をいたしました。そのねらいは、お互いに源泉地国課税というものをできるだけ低めていって相互の投資を促進しようと。  御承知のように、高齢化が日本も進んできておりますので、国内のやっぱり貯蓄率が高かったものがだんだん低くなる傾向にありますから、今後日本の発展を支えていく、成長を支えていく原資、どんどん投資もしていただかなきゃならぬということだろうと思いまして、そういう意味で日米租税条約を結びまして、それからその後、そういう方針の下に既に相当の国と租税条約を改定していこうと、そういう投資を促進する税制にしていこうということで交渉をしているところでございます。  そこで、今フィナンシャル・タイムズの例を挙げておっしゃったことは、恐らく組合で投資をしておられる海外の方のその組合の構成メンバーについて今回課税をしていこうというふうにしておりますので、そのことについてフィナンシャル・タイムズでそのような議論があったんだろうと思うんですが、これは我が国では、非居住者、日本に住んでいない人たちが日本企業の株式の大口のその譲渡を行った場合には課税をするということにしているわけですが、組合を通じて投資をした場合には、それがその個々の、組合には法主体性がないわけでございますから、個々の方々に課税ができないと。そういうその抜け道を、事実上課税を免れてしまっているという一種の抜け穴を防ぐために行ったわけでございます。  むしろ、このことは、私が理解する限りでは、いろいろな諸国も、こういう組合等の場合そういう現象が起こるんで、それにどう対応していこうと、対応するかということはそれぞれの国のやはり何か悩みがあるところでございます。私どもはそれに対応しようとしたものでございます。  それで、今回の特別のことに、何というのか、対応をして投資を抑圧しようというような考えでは毛頭ございません。それで、今回の改正で、日本で課税をするという場合であっても、本国で投資しているその投資家から、納税している投資家から見ますと、通常本国で外国税額控除というものを受けられることになるというふうに考えます。こういう場合には投資家の税負担の増加にはつながらないで、つながるとは考えにくいんで、対日投資に必ずしも私は影響を与えるものではないと思います。  それから、我が国が諸外国と結んでおります租税条約、お互いに株式譲渡益に課税しないということにされている場合もございます。例えば、先ほど申し上げた米国もそうでありますが、ドイツ、オランダ、スイス、こういうところの居住者については、今回の改正後も引き続きその株式譲渡益に対しては課税されないということになっております。  結局、申し上げたいことは、対日投資促進、インベスト・ジャパンということにいささかの変更もございませんので、今後ともそれは積極的に取り組んでいかなければならないと思っております。それからさらに、先ほど申し上げました租税条約の改定も引き続き進めていきたいと思っておりますし、それから、平成十七年度の税制改正でお願いしております中にも、租税条約の恩典に関する手続を簡素化していこうということを今度の税制改正でお願いをしているところでございます。

田村耕太郎自由民主党

○田村耕太郎君 理屈は分かるんですよね。細かい技術的な議論は財政金融委員会でやらさせていただきたいと思います。  ただ、やっぱり投資誘致はイメージが大事なんですよね。観光でいえば、来てください来てくださいと言いながらビザの手数料を上げているようなもんですよね。同じ財務省でも、理財局は汗、汗かいてニューヨークやロンドンで国債の行商をしているんですよね、日本国債買ってくださいよと。ところが、一方、同じ財務省でも、もう一方はこういうふうにブレーキを踏むようなことをしている。対外的なイメージでは少なくともそうです。インベスト・ジャパンと総理がおっしゃっているのに、一方ではアクセルを踏み、もう一方ではブレーキを踏んでいる。これじゃ、僕、インベスト・ジャパンが進まないのじゃないかと思うんです。  この租税条約、実質上の強化と言ってもいいと思うんですけれども、これによって、財務大臣は、対日直接投資が減っていく、ダメージですね、減っていく、又は本来だったら増えていったものが少なくなってしまう、機会損失ですね、このダメージというのはどのように想定されていますか。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 今イメージの問題をおっしゃいました。実質的には、先ほど申しましたように、海外の投資家も本国で課税される分の、先ほど言ったような恩典といいますか減免がありますので実際上の影響は少ないと思っておりますが、イメージの問題ということになりますと、ちょっと今にわかに算定しかねるものがございます。  私どもも、そういうイメージ戦略と言ってはいけませんが、広報活動等は力を入れて、日本政府が意図しているところを誤解されないようにきちっとやっていく努力は今後も続けなければいけないと思っております。

田村耕太郎自由民主党

○田村耕太郎君 私、自民党の部会の中でもいろんな議論を聞いていて、外資に対して攘夷論みたいなものが今沸き起こっているんですね、夷狄みたいな感じでとらえられていまして。確かに外資にもいろいろあると思うんです。しかし、今、日本の投資家が日本の投資市場でやっていることなんて、もう外資が外国でやっていることよりもある意味ルール違反というか、ちょっといかがなものかなというのが多いように思うんですね。外資イコール夷狄という考え方は、私いかがなものかと思うんです。  例えばその外資、今、私はもう自分では人並み外れた愛国心を持っているつもりですが、私はアンチ外資ではなくて、僕、私はアンチ駄目日本なんですよ、駄目ジャパンなんですよ。今、私の問題意識というのは、外資が今、日本の投資市場をいろんな意味で支えているわけです。リスクを計算して、そのリスクを管理して、健全な勇気を持ってリスクを取っていく、それができているのは残念ながら外資の方が圧倒的に多いと思うんです。その後ろを決断も判断もせずに付いていっているのが日本の投資家なわけですね。  しかし、私は、将来は日本の強さを発揮すれば追い付けると思うんです。ですから、私は開国主義者なんですね。もっとオープンにして受け入れていって、切磋琢磨をして、追い付いて追い越して、今度は日本が外に出て行く、そこまで持っていくべきだと思うんです。ですから、会社法の現代化も証券取引法の整備もしっかりやってほしいと思いますし、もう四月からやってしまうことに決まっているわけですよね。ですから、ダメージ払拭の作業を是非取り組んでいただきたいと思います。  次に、ちょっと突拍子もない提案をさせていただきたいと思います。  もし外国からの投資が減った場合、日本のお金を動かしていこうよという発想です。国策ファンドというものを今考えてみました。これは何かといいますと、一つは、竹中大臣なんかはALM庁、アセット・ライアビリティー・マネジメント庁というのを考えられているというようなうわさを聞いたんですけれども、これから日本の財政というのは、無駄遣いを減らすのは当然ですが、持っている資産でいかに稼いでいくかという発想も必要だと思うんですね。  ですので、まず財源として、NTTやJRの株の売却益、外準です、外貨準備ですね、国有資産を証券化して売却して得る利益、まあRCCや再生機構みたいに政府保証債を発行するとか、いろんな財源があると思うんです。  すると、やっぱり国が保有資産、国が保有している資産に稼がせる。それと同時に自分たちでファンドをつくっていく。日本の金を汗を流して働かせて、また新たなお金をつくっていく。その呼び水、渦を起こしていく。そして、それを通じて人材を育成していく。健全なリスクをしっかり健全な勇気を持って取っていけるような人材を育てていく。そして、郵政の改革も大事なんですが、やっぱり財投改革、この出口もしっかり示すべきだと思うんですよ。その一つのたたき台として国策ファンドというのを考えてみました。  形態としては、内外の最高のプロをインセンティブ契約、インセンティブ契約じゃないと来ないと思います。それで採用していく。そして投資対象として、まずは事業再生又はベンチャー育成の事業、それに特化するということを考えてみました。配付している資料にあるとおりです。最初やっぱり不安ですから、小さく始めて成功したら大きくしていくというやり方もあると思うんですね。  そして、将来のビジョンとしては、この参議院でODAの改革を今やっていますが、ODAもこれから多分、今もそうですけれども、援助的事業と投資的事業に分かれてくると思います。投資的事業は、この国策ファンドを通じて内外のプロが厳しく報告してチェックしていく。これが途上国の発展のためにもなりますし、日本のお金を有効に使うということにもなると思うんです。そして、アジアの共通債券市場というのを、今プランが出ていますけれども、このたたき台、アジアに健全な流動性をつくっていこうという動きの土台になるんじゃないかと、するべきじゃないかと。  そして、最後は、東アジア共同体。経済統合というのが言われていますが、人、物、金、やっぱり人の移動というのは移民の問題もあってやっぱり時間掛かると思うんです。物の移動というのも農業の保護の問題なんかありまして、やっぱり金の移動、投資市場から共同市場をつくっていくというのが一つの流れとして、呼び水に最も最適ではないかと思うわけです。参考例としてはシンガポールのGICという会社があります。これは外貨準備や国営企業を民営化したときに株売却で得た利益、これを使って内外の最高プロ、最高のプロに運用させているという実例があります。外国からお金が来ないんだったら、これだけ日本にたくさんあるお金を汗水垂らして働かせて、新しいお金をつくっていきましょうよ。どうですか。これは財務大臣ですよね。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 委員の御提案の国策ファンドをよく勉強させていただきたいと思っておりますが、いろんな、これ今のお話伺いましてもいろんなねらいやいろんなことがあると思いますんで、今すぱっとお答えすることは難しいんですが、先ほどおっしゃった事業再生とか、そういうものに特化して人材も養成していこうということでありますならば、産業再生機構、私これつくりましたときの担当閣僚でございましたが、産業再生機構というのはやはりそういうねらいで、事業再生ファンドというようなものが余りない中でそういう者を養成していこうということも含まれておりました。  他方、現在も産業、私、今担当大臣じゃないんで、余り言うと担当大臣が困られるかもしれませんが、一方で、批判として、こういう官がバックにあるようなファンドといいますか、機構が余り前に出ることはかえって民業圧迫じゃないかという批判もあると思います。ですから、あれは時限でやって相当な成果を上げましたし、再生ファンド市場、マーケットというのをつくるにも一定の効果があったんじゃないかと今私は思っているわけでございます。  それで、いろいろ今、じゃ、ODAがこれからどうなるのかという、まだ、ODAも将来は、今おっしゃったのは、何というんでしょうか、投資ということになるだろうというふうにおっしゃいまして、まだなかなかODAの現実はそこまで一挙に進んでいるわけではないと思いますが、結局、この問題を考えますときには、国のそれぞれの資産というのは、いろんな制度とか施策の、何というんでしょうか、必要性があってつくられているわけでございますので、そういう制度の目的から考えて、つまり、そこでもうけようという運用ばかりにはなかなか向かない面がやっぱりあると私は考えているわけでございます。  だから、例えば、厳しい財政事情を踏まえますと、国として不要となった資産、例えば、未利用の国有地については積極的に売却して一般会計の歳入としていたり、あるいは政府保有株式のようなものは売却益は国債の償還に充てていたりというところに現在はしているわけでございます。  将来どうすること、どうしていくかということにつきましては、そういった国の資産の持っている目的や制約というものを基本、基本にやっぱり置かなければいけないと思いますが、あとどういう手段があり得るかということは、いろんな議論があると思いますので、私どもも勉強してみたいと思っております。  ただ、さっきシンガポールのをおっしゃいました。これは、シンガポールの外貨準備の一部を運用しているところだと思います。外貨準備は、御承知のようにやっぱり外貨準備としての一つの目的があるわけですが、シンガポールの場合は外貨準備が非常にあそこの国のGDPに比しても大きいと。GDP一〇〇%を超える外貨準備を持っているわけですので、それをどう運用していくかというのは、シンガポールとしてはやはりほかの国とはちょっと違う事情も持っておられるのではないかなと思いますが、各国がどういうことを考えて取り組んでおられるかは我々も引き続き関心を持ってまいりたいと思っております。

田村耕太郎自由民主党

○田村耕太郎君 昨日もこの提案をさせていただいたときに、いろいろ各省庁の方がレクに来られて、民業圧迫だとか、今行革を進めている中で新たな機関をつくるのはいかがなものかという意見ありましたし、大臣の答弁の中にもそういうニュアンスがあったと思うんですが、これ新たに全く、何ていうんでしょう、今、総理も民営化がお好きですけれども、私、今何でも民間に任せれば何か勝手にできてくるというような土壌に日本はまだなってないと思うんですよ。  やっぱりある程度政治が主導していって、そのフレームワークぐらいを政治がつくっていかないと、残念ながら投資の世界ではまだまだ僕は、厳しいかもしれませんけれども、駄目ジャパンだと思っています。ほっといても何にも起きないと思うんですよ。政府がまず小さな渦を起こしてやることが私は必要だと思っています。  そして、さっき言いましたけれども、財投改革ですね、これ非常に大事なんです。まだ絵がかかれていないと思うんですよ、努力はされていますけれども。一つのたたき台として提案させていただきました。ですので、頭の片隅にでも置いておいてやっていただければと思います。よろしくお願いします。  もう一つ、次は景気の話に移ろうと思います。  今、景気回復が叫ばれているんですが、残念ながら、地域を地方選出の国会議員として回っていますと、残念ながら統計数字とは違ってますます厳しくなっているような実感を持ちます。  この地方経済が一向に良くならない、また格差が広がるというのは、原因は何なんでしょう、総理にちょっとお伺いしたいと思うんですね。これは、運とか努力の問題なんでしょうか、それとも、もうどうしようもない構造的な問題なんでしょうか、総理はいかがお考えですか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 運とか努力の問題じゃないかというお話ですが、確かに運とか努力というのは一つの要素としてあると思います。それだけじゃないと思っています。地域の特色、それをいかに発揮させるかと。一つの事例を取りましても、自分の力だけではどうしてもならない面がその地域にあると思います。  例えば、駅ができて人通りが多いところにある商店街が繁栄すると、全くその駅ができたおかげで人の流れが変わっちゃうという商店街はどうしてもまた人が来なくなって売れ行きが悪くなる、これは個人の努力とは言えないですね。たまたま外部経済といいますか、環境が変わったために、自分の努力とかそういう以外の要素で業績が良くなったり悪くなったりする場合があるわけです。また同時に、そのマイナスをどうやってプラスに転じていくかというのは、やっぱり地域の努力による面もあるのではないかと、あるいは人の果たす役割も大きいと。  例えて言えば、田村さんは鳥取ですか、鳥取においてはナシなども有名ですね。こういうものについてはもう全国各地に販売網を広げておられる。あるいは北海道におきましても、雪で閉じこもっているかと、雪の苦しさにあえいでいるかというと、むしろこのマイナスをいかにプラスにしようかということで、札幌の雪祭りなんというのは、今、日本国民だけじゃない、東南アジア、雪を見たことのない人までがどんどん見に来るようになっていると。私も行ってみて、非常に活況を呈しているのを見て、ああこういう、雪で苦しんでいるところをいかに雪で楽しんでもらうかという発想に変えてきた。農産物の問題についてもそうです。青森のリンゴが中国で高く売れているっていうのも、日本で売れなくなって赤字になっちまったと、このままやっていたんじゃ倒産しちゃうという、何とか現状を変えなきゃならないという意欲がイギリスに輸出したり中国に輸出しようということに結び付いてきた。  だから、単に運とか努力だけじゃなくて、やっぱりやる気。地方に差があるのは当然です、東京と過疎地は全然違います。しかし、そういう中でも特色を出していこう、自らのほかにない良さを出していこうというやる気も大事じゃないでしょうか。いろいろな要素が絡んでいると思います。全部が、日本全国同じでいいとは私は思っていません。むしろ、違いがあった方が多様性があって日本の魅力を引き出すのではないかと。また地域間が、あそこもいいことをやっている、じゃ、おれのところもやろうという意欲が出せればなおいいものが出てくると思いますので、単なる差がある、格差があるからいけないとは思っておりませんし、その格差の負の面があったら、それをプラスにするような努力も必要ではないかと思っております。

田村耕太郎自由民主党

○田村耕太郎君 そこで、またもう一つ大胆な提案をさせていただきたいと思います。  今、今まで三位一体とか特区とか地域再生計画とかいろいろあったんですけれども、今までは大体インフラ整備が中心だったと思うんですね。これから中央から地方へのやる気のある人材の貸与という一つの切り口を提案させていただきたいと思います。  名付けて地域再生SWATチームというのを考えたんですけれども、意義としては地域の再生等やる気のある若手を、若手官僚を大胆に発想してもらって実行していく、そういうものであります。形態としては、各役所から、各役所が今ばらばらに人を地方に送っています。そうではなくて、一つのチームとして、外国の経済が破綻したときによくIMFがチームとして入ってくるんですが、国内版IMFチームみたいな発想です。各役所からやる気のある若手がまず公募をして手を挙げる、そしてこの公募のリストを各首長に公開する。そして、各首長がリストからその人の実績とか年齢とか経歴を見てチームを選別する。そして、その公募リストに入った人に対しては各省庁が、特に秘書課が反対しますので、秘書課の人事権は及ばないようにすると。そして、作業内容は、今地域再生伝道師というのがあるそうですが、あんなアドバイザーではなくて、本当に首長が主要なポストに就けていって、やる気のある若手に、しがらみがない、そして退路がありますから、そういう方々に大胆に発想して、そして政策をつくってその業務をやってもらう、こういう提案をしてみました。  この意見に関しまして、ちょっと総務副大臣の見解をお聞きしたいと思います。

今井宏自由民主党総務副大臣

○副大臣(今井宏君) おはようございます。  田村委員さんにお答えいたしますが、結論から申し上げますと、大変ユニークな御提案でございますし、しっかり勉強させていただく。ただ、基本的には、現状では地方自治体からの要請によって各地方団体に派遣しているということでございます。  私も、実は草加市、今二十四万の、草加のせんべい知っています。

田村耕太郎自由民主党

○田村耕太郎君 はい、知っています。

今井宏自由民主党総務副大臣

○副大臣(今井宏君) その市長をやっていまして、国と市の職員の交流、県と市の職員との交流、他市の同じポスト、私は環境でやったんですけれども、環境の係長同士を交流する。それから、民間の人に役所へ来てもらう、そして民間から、民間の人を役所へ呼んで市の職員を民間に出すと。そういう相互交流をやりまして、そういう意味では大変意味があったと思いますので、大変な御提案でございますので、しっかり勉強させていただきたいと、こういうふうに思っています。

田村耕太郎自由民主党

○田村耕太郎君 最後に、最後に一言だけ言わせていただきたいと思います。  といいますのは、大阪市の改革問題です。大阪市の改革問題で、経済財政諮問会議の委員を、議員を務めておられます本間さんがおれを顧問にしてくれと、総務省から人材を登用しろと、関市長がそれを聞きまして、提案をのまなければ市は国からひどい仕打ちを受けると言われたと。大平助役は、脅迫だと受け取った、信頼関係がなくなったと言っていると。そういうことで都市改革諮問会議が解散したというふうな複数の報道がありました。  これ、報道が正確かどうかもありますが、事実だとしたら大変残念なことだと思います。経済財政諮問会議の議員の方がこういうような行動を取られるということは、私は大変残念に思うんですが、これに関して調査ぐらいはすべきではないかと思います。  竹中大臣、一言、それをお伺いして私の質問を終わります。

竹中平蔵自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(竹中平蔵君) 大阪大学の本間教授は経済財政諮問会議のメンバーとして大変御活躍をしてくださっています。先ほど田村委員が御指摘の、まあ国の資産管理等々も……

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 答弁、簡潔にお願いいたします。

竹中平蔵自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(竹中平蔵君) しっかりと御提言してくださっている方でございます。  ちょっと個別の事情を私存じ上げませんのであれですけれども、御本人はそういうことを否定する記者会見もされたというふうに聞いておりますので、これはちょっと私としてはコメントはできない問題でございますけれども、必要に応じて適宜対応したいと思います。

田村耕太郎自由民主党

○田村耕太郎君 終わります。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 以上で泉信也君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 次に、峰崎直樹君の質疑を行います。峰崎直樹君。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございます。  予算委員会は久しぶりでございまして、決算重視の、私、参議院ということで、今決算委員会で審議をしておりますが、早速、総理、決算という意味では、四月の終わりに総理はこれで四年という任期を実は経るわけでありますけれども、その四年の間に一体我が国どうなったのかなというのを一覧表にしたのが一番上の表でございます。(資料提示)  実はこのいわゆる表でございまして、これはよく見慣れた数字じゃないかと思いますが、これ見て、本当に、総理、四年間の間に良くなった良くなったとおっしゃるけれども、この日経平均の株価なんか見てもいまだに一万四千円も回復していないわけですね。さらに、勤労者の世帯実収入、今日、割とこの問題も出てまいりますけれども、これも下がっている。もう実収入で下がっているわけですよね。あるいは銀行貸出しなんかももう六十五兆下がってきている。名目GDPに至っては十一・九兆も、これはデフレのせいなんでしょうか、出ていますし、国と地方の長期債務も六百四十二兆から七百四十兆、約百兆円近く伸びているわけですね。  そういう意味で、このいわゆる四年間を振り返ってみて、どうもこれは合格点をあげられないんじゃないかなというふうに思っているわけでありますが、しかし、今日は税と景気の問題を中心にして議論をするということでございますから、税の方をちょっと話してみたいんです。  総理、四年前に私ここで、予算委員会ですぐ質問に立たせていただきました。そのときおっしゃったことで強烈なイメージがあるんですよ。あっ、これはすごい、やったらすごいだろうなと思ったのは道路特定財源の一般財源化、廃止をして一般財源。これ、どうなりました。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、道路だけでなくて一般財源化も検討しようではないかという中で、かなり道路だけでなくてほかの面に使われるようになるように措置いたしました。  今後もこの見直しというのは続けていくべきだと思っておりますし、細かい議論はいたしませんけれども、暫定税率の問題、あるいはこれを一般財源にした場合の現行の税収の問題、いろいろ絡んでまいります。ですから、道路特定財源を道路だけに限らないで、いい方向に対しては今後とも私はよく検討する必要があるのではないかと思っております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 これは小泉改革の象徴だと思っているんです。言わば道路以外にも使っていますよ、それは道路に関連した歩道橋だとかあるいは高速道路の入口のところだとか。要するに、いずれにせよ広い意味で言うとそういうところにしか使われていないんですよ。  幾ら金額があるか。約三兆円あるんですよね、これだけのお金がもう道路を造るためにだけ。私、道路が要らないと言っているんじゃないんですよ。道路を造るためにだけ使われているということを、これは小泉総理ならここにメスを踏み込んで、そして一般財源化するに違いない、もちろんいろんな暫定税率の問題とか全部分かっています。そうじゃなくて、後で今日は財政問題、先ほど泉議員からもあったように大変深刻な財政状況でしょう。こうした中で手付かずの三兆円財源が特定財源としてずっと残り続けている。何の改革もなされてなかった。何のと言ったら、これきっと、いや、やったよと。金額的にはわずかですよ、一千億にもなってないです、三兆円の中の。これが小泉内閣の改革をやったやったと言われているものの私は中身じゃないかと思うんですよ。  その意味で、まず税の問題を考えるときに、この四年間考えたときに、この問題についてはほとんど改革らしい改革は進んでなかった、こう私は言わざるを得ないと思っているんです。その点、何かありますか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そういう点も含めまして、今後、税制改正の中で議論していかなきゃならない問題だと思っております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 じゃ、政府税調の中でそういうことを議論してくれとか、与党税調の中でやれとか、そういう議論が、じゃ去年ありました。ないでしょう。やってません。もう頭の脳裏から消えているんですよ、私の思い込みかもしれませんが。  そこで今度は、今日はそのいわゆる消費税の問題なんですけれども、先ほどずっと消費税の話を聞いていて、私、最近総理少し変わってきたかなと思ったんです。でも何かやっぱり変わっていないのかなと思ったりするんですが。  なぜ消費税は自分の在任中は上げないんだと。これ、私は理由は、総理の発言をずっと聞いているときの、理由は何かとずっと一貫して聞いていたら、これを上げると言ったら行政改革がとんざしてしまう、改革がとんざしちゃうからだと、こういうことをおっしゃったわけです。ああ、そうかと、こう思っていたわけです。しかし、そうであるなら、今年実はこの税制改革の中でいわゆる定率減税の二分の一を廃止するというのは、もうこれは消費税まではいかない、消費税は一%で二兆五千億だと。まあ一兆二千、半分ですから、所得税で言えば一兆二千五百億、地方税入れれば約一兆八千億円ですか、これぐらいの金額ならまあいいから、そこでその定率減税の廃止をまあよっこいしょと挙げようかなと。これ、行政改革は進んでいるんですか。行政改革が進んだからもう議論していいですよということになっているのか、それとも、この一兆二千五百億、平年度に直したらですよ、それからこれを二年間にわたって元に戻すとすれば、国税で二兆五千億、地方税で八千億、三兆三千億円という財源があるわけですね。  これ、どういうことなんでしょうかね。その辺りをちょっと説明していただけますでしょうか。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 平成十一年にこの定率減税を入れましたとき、この定率減税入れたについては二つあったと思うんです。一つは、当時の非常に低迷した景気状況、何とか底入れをしなきゃいかぬということがございました。それから、やはり所得税については将来見直す必要があるんで、抜本改革をする必要があるんで、それまでつなぎの措置としてやろうということがあったわけでございます。  それで、景気に関しましては、これは当然いろいろ御議論、委員と私と認識が同じかどうか分かりませんが、当時のその厳しい低迷した状況から比べますと、不良債権処理、それからそれと裏表にある産業再生等々も進んでまいりまして、今、バブル崩壊後、企業の有利子負債の率も一番低いところまで来ているという状況がございます。  それからもう一つ、これは今おっしゃった行革とも関連するわけで、まあ行革と言うとちょっとあれかもしれませんが、やはり地方分権等を進めていく中で三位一体改革をしていく。そのための税源移譲はどうしても所得課税、基幹税でやろうということになって、所得税から地方住民税へという形で今構想しているわけでありますが、それをやりますと所得課税体系を抜本的に見直さなきゃならない。その言わば過程として、まあこれはいろいろ今の景気の認識もございますけれども、一年間で一遍に元に戻してしまうといろいろ障りもあるだろうと。だから半分ずつやっていこうということでまあ本年、それから、本年提案をさせていただいているのは今年だけですが、来年も引き続き私はお願いして、全廃に持っていかなければならないと私自身は考えておりますが、そういう形で、そういう形で三位一体のその税源移譲につなげていこうと、等々いろんなことがあるわけでございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 総理、今財務大臣が答えていただきましたが、その前に、もう日本経済は、九九年の小渕内閣のときの、もちろんあの状況と変わっていることは間違いありません。もう日本経済は、負担増をやっても、つまり所得税の定率減税を廃止をしてももう大丈夫だ、こういう増税の方向にかじを切り替えても大丈夫だ、こういう判断をされたんですね。そのことをまず伺いたい。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは税制にしても予算にしても全体を見なきゃなりませんし、結論から申し上げますと、消費税を上げるよりもこの定率減税、財政状況を考えて、今回の定率減税、来年一月から上げた方が経済に与える影響は少ないと思っております。  そして、財政状況全体を考えると、このまま減税を続けて国債発行を増やすか、それぞれ議論があると思います。国債を減らすということに対して、経済に対してマイナスの影響もあるのは事実であります。また、公共事業を減らして経済にマイナスがあるのも事実であります。どの程度を減らせばいいか、どの程度を抑えていくか、減税がどの程度効果があるか、総合的に判断しなきゃなりません。  そういう中にあって、私は、財政の状況と経済、景気をにらみながらこの税制を考えますと、定率減税、これは三兆円、約三兆円を超えますが、それを一挙にやるわけじゃないんです。景気の状況を見ながら、まずは二分の一縮減に入って、そして今後の経済状況というのは今年の暮れによく見極めようということでございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 総理、今おっしゃられた中で、自分は消費税よりも所得税の方を上げた方がいいと思うとおっしゃいましたよね。今、おっしゃいました。それは非常に一つ物すごく重要な論点だと思うんですよ。  消費税と所得税の定率減税、元に戻す話、どちらを選んだ方がいいのか。経済に与える影響ももちろんあるでしょう。所得の環境に与える影響もあるでしょう。所得税の戻しを、減税をやめるというのは、所得税を払っているのは、払っている世代だけなんですよ。所得税を払っていない人も含めて消費税の場合はもっと広いです、課税ベースは。  そうすると、その違いを、所得税の課税ベースの狭いサラリーマン層を中心にしたところだけにこの際負担を求めていこうという根拠は何なんですか。これ、まず、駄目だよ、財務大臣が答えちゃ駄目です。総理が言ったんですから、総理。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 消費に与える影響は、消費税を上げた方がはるかに影響が大きいと思います。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 そういう、それは、消費税を上げればそれは消費に与える影響はあるかもしれない。だけれども、これ、私、九七年の上げるとき知っていますけれども、九七年の上げる前には、消費税が上がるぞということで駆け込み需要が入ってくるんですよ、どどどどっ。その後一時的に、たしか第二・四半期ぐらいまでですね、下がりました。また元へ戻りましたよ、消費に与える影響という点では。むしろこれは、将来的に言えば、所得に対する課税よりも消費に対する課税をした方が経済に与える、成長に与える影響はむしろその方が好ましいという意見もあるんですよ。  それなのに、なぜここで、いや消費税を上げたらまずい。そうじゃなくて、思い込みがあったんじゃないんですか。消費税を上げたらこれは大変だと。そのことが実は私、今、はしなくも出てきて、いや、こちらの方がいいんだとか選択判断されたわけですよ。私は、その判断が、私はもっと、消費税の上げがいいのか、それとも定率減税を元へ戻すのがいいのかをなぜいわゆる党内でもあるいは政府税調でも国会でもどうしてそのことを議論されようとしなかったのか。いや、駄目ですよ。そのことを教えてください。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いいことを聞いてくれました。私はその議論を十分したんです。民主党は消費税を上げた方がいいというのは、これは分かります。しかし、私は今の状況で消費税を上げる環境にないと判断したわけです。そういう中で、財政状況をよく考えなきゃいけない。このまま現状を続けていって更に国債を増発した方がいいのか、これはそうとは私は取りません。限られたいろいろな税の対象の中で一つの選択肢であります。  はっきり申し上げますが、今消費税を上げるより、定率減税、まだ、来年一月から三月まで約千七百億円ぐらいですから、増収は。私は、消費税を上げる環境にないし、そうだったらば財政状況を考えてどこに増収策を講ずるかと、一つの選択でございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 今、私は、比較して議論したんですか。総理の頭の中ではしたかもしれません。だけれども、政府税調の中であるいは党税調の中で与党の税調の中でそれが十分議論されて私たちの前に出たとは、公開されている限り我々は知りません。  その意味で、私はどうしてもそこのところは、これ今日もう時間がありませんから、これ以降はまた財政金融委員会で財務大臣ともやりたいと思いますが、どうしても総理、今回、定率減税を廃止した方がいいとおっしゃっていますよね。じゃ、ここのところに行きましょう、ポイント移しましょう。  そうすると、もういわゆる定率減税を外しても大丈夫だと。経済は、多分おっしゃるところは、もう時間がありませんから私の方から言いましょう。輸出が伸びてきて、設備投資が上がってきて、だんだんとそれが雇用にも広がってきた。多分そのことによって日本の経済は、不良債権問題も脱却できつつあるということで、いわゆる順調な回復軌道に入り始めたと、こうおっしゃっている。  さて、そこでお聞きします。今日は日銀総裁お見えになっておりません。昨日、実は日銀総裁とも懇談の場が民主党ありましたんで、私も出席をさせていただきました。その中身のことをここでしゃべるつもりはありません。ゼロ金利状態ですよ。デフレからの脱却、どうなっているんですか。この二つの問題を考えたときに、このゼロ金利状態であるがゆえに家計部門の預貯金の九三年から二〇〇二年までの間の得べかりし利子所得がどれだけ削減されたのかということについては、日銀総裁が衆議院の私どもの岩國議員に対する質問で答えました。百五十四兆円ですよ。これだけの家計収入が、本来得べかりし、これは恐らく前提条件がいろいろあるんだろうと思うんですが、そのことによって入ってきていないということが一つ。  もう一つあります。デフレですね、まだ。デフレは脱却したとは言えませんね。これは後でまた答えていただきたいと思いますが。  そうすると、デフレの原因というよりも、私はデフレのいろんな様々な資料を読んでみました。そうすると、これは赤羽隆夫という、景気探偵団と、こう称されている大学の先生いらっしゃるんですが、この方が、要するに労務費コストが、いわゆるユニット・レーバー・コストと正確には言うんでしょう、そのいわゆる、いわゆる労働条件、まあ賃金ですね、賃金を中心とした労務費、これのいわゆる下がり方がデフレの下がり方と全く同じだと、こうおっしゃっているんです。  そうするとですね、我々は、今考えなければいけないのは、このユニット・レーバー・コスト、すなわち働いている人たちの雇用、賃金、ボーナスももちろんそうです、これらの総計としてのいわゆる労務費がどんどんどんどんこの間ずっと下げられて、まあ最近は上がってきたというふうにおっしゃるかもしれませんが。  パネルをもう少し見ましょう。(資料提示)  ちょっと見ていただきたいんですが、「消費と雇用者報酬の推移」ということ、これはちょっと消費が入っていますけれども、また別の観点で言おうと思ったんですが、こういう観点からしても、どうも働いている人たちが一番苦労して、働いている人たちのいわゆる賃金やいわゆる労務費コストがどんどん下がっていることがデフレの結び付いているのではないんでしょうか。であるとすれば、そこに一番負担の掛かるところの、このいわゆる所得税のサラリーマン層に集中的に掛かるところの人たちのこのいわゆる減税になぜ焦点を当ててそこを引き上げようとされるんでしょうか。この点についてのちょっと説明をお願いいたしたい。いやいや、これは総理ですよ。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、定率減税は当時の景気状況を考えてやったものであります。  やはり景気が悪いときは公共事業を増やして減税をするというのがなかなか効果を発揮してこなかった。だから、私は構造改革なくして成長はないということで、逆に公共事業を増やさないで減らしてきた。そして民間の活力を発揮させようと、不良債権処理をしようということで、従来の手法とは違ったやり方で民間が意欲を出した、そのおかげで税収も増えてきた、景気も緩やかな回復基調に乗ってきたということがありますので、一概には論じられませんが、私は、先ほど申し上げましたように、消費税を上げろという理屈は分かります。しかしながら、消費税一%上げますと、これは二兆五千億円です。で、定率減税は景気対策として異例の措置としてやりましたけれども、私が今回、定率減税の分は十八年度の一月から三月まで、先ほど申し上げましたが、約一千七百億円程度であります。消費税の一%、二兆五千億から比べると、これは消費に与える影響というのははるかに小さいのではないかと。そういう点を考えて今回はやったし、これもう全部廃止しろというお話ですが、全部じゃないんです。これは今年景気状況を見ながら、あとの半分は今年の暮れによく景気状況、経済動向を見ながら判断しようということであります。  そういう観点から、これからもデフレを克服していかなきゃならないということも当然でありますが、これは確かに雇用者の所得あるいは消費の動向に今後大きな影響を与えていくものですし、これから将来、年金の問題も議論をする際にも、このデフレを克服するという重要性は当然でありますので、この点についても十分配慮が必要だということは、御質問の趣旨、私も理解しているつもりでございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 今日は片道じゃないので、申し訳ないです、集中的に議論さしていただいて、また後でまた答弁願いたいと思うんですが。  総理、私どもも直ちに今その財源づくりのために消費税を上げろと言っているんじゃないんですよ。何のためにこの一兆二千億、平年度、まあ来年度は一月から三月までだから短いかもしれません。何のために使うのかということは、またこれは後でちょっとお話をしたいと思っているんですが。  総理、やっぱり政府側も今の景気に対してやはり判断するときに、いや、自信持っていない証拠だと思うんですよ。半分なんでしょう。半分なんですよ。景気に対していろんな形で判断をされたわけですね。今うんとうなずきました。  じゃ、聞きます。ここに、お手元に資料を渡しました。この資料は四つ、日本総研というところが作られた、七ページでございます。  今回のいわゆる一兆二千億、これは平年度に直してどのぐらい減税するのかということを、所得階層別に影響があるのかを夫婦子供二人世帯、まあこれは多分片働き世帯ということで余りこれもうモデルにならないんだと思いますが。ごらんになって一番、図表の五が、見ていただくように、きれいに、これはまあ比例でありますからそうなりますよね。三百万円以下のところは掛かりません、減税、税を払っていないわけですから。ところが、千二百五十万円以上の所得の方は、課税所得ですが、これは十四・五万円の減額になる。  その六を見てください、図六。この所得階層別の限界消費性向。すなわち、所得が一単位上がったらどのぐらい消費に回すかと。一番消費に回しているのは八百万円層ですね。高額所得者は、千二百五十万あるいは一千万、これらの層は〇・二から〇・四あるいは〇・五ですよ、半分しか回さない。  そうすると、図表七にこれを二つ掛けてください。一世帯当たりの消費減少額は一体どのぐらいになりますか。一番これはどこが重たいかということを書いているわけです。九百万円層、七万八千円。それから、八百万円層、六万四千円。こちらの方、中堅的なところが一番苦しんでいるわけですよ。マクロのベースでこれを、その数がいろいろありますから、どのぐらいの消費が減少するかということを見てみると、こういうふうにやや一千万のところが少し上回っていますけれども、一千二百五十万の高額所得者のところは極めてこれ低いわけですよ。  であるならば、なぜ高い税率の、すなわち高額所得者の方々からまず、じゃ半分減らそう。半分といいますか、最高税率三七%、最高、次の税率が三〇%、この高い所得を得ている人からまずやったらいいんじゃないですか。消費に対する影響力はそれは少ないんですよ。そういう配慮も何にもしないで機械的にばつっとやっているんですよ。  これ、総理大臣、どう思われます。ああ、そう。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 今の峰崎委員の御議論からいきますと、恐らく取るべき道は、平成十一年のときに定率減税だけではなくて所得税の最高限も引き下げたではないかと、法人税率もあのとき引き下げたではないかと、そちらの方をいじらずに定率減税だけをいじるのは本末転倒ではないかという多分御趣旨だろうと思うんですね。  ただ、この点は、やはり定率減税を入れた理由と所得税、法人税の最高限を下げたという理由はやっぱり若干違いまして、やはり、何と申しますか、国際化とかそういうのが非常に進んできている中で、法人税も当時、当時のあれは、ちょっと今数字、記憶が定かではございませんけれども、とても企業の国際競争力も維持できないであろうと。それから、当時はたしか所得税と、所得税は地方税合わせますと六五%だったと思いますが、それもなかなか働く意欲が出ないだろうと。やっぱり、国際化や何かが進みますときに、やはりある程度そこの働く意欲を引き出す必要があるだろうという形でやったわけでございますので、言わば構造変化に対応する税制を先取りしたということではないかというふうに考えております。  定率減税は、御承知のように一律二〇%カットしたのは、これは正に当時の景気状況を下支えしようということでありましたので、現在、じゃ、所得課税いろいろ課題を抱えておりますけれども、どこをいじるかということになると、まずその定率減税のところをいじろうということになってくると。  私どものその物の考え方、発想はそういうことでございまして、最高限を下げるというところは、当時の担当大臣は宮澤大蔵大臣でございましたけれども、まあこれから先へ行ってもなかなかこれを元に戻す環境ではないだろうという趣旨の答弁をしておられたと思いますが、私もそのように認識しております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 財務大臣ですね、九九年の改正のときに法人税も下げましたよね。私は、これは分かるような気がするんです、それは国際化ですから。そうすると資本の移動というか、会社が自由に動いていくということは、これは十分あり得る。  この点について後でまたお話ししますが、そうじゃなくて、私、今所得税のことを言っているんですが、先ほど、お話を聞いていると、所得の、いわゆる所得再配分の機能を高めていきたい、機能を高めていきたいとおっしゃったんですよ。私ども民主党はそのときはこの案に反対しましたよ。私、提案したから覚えている。どういう案を出したか。税率を五〇%から、国税ですよ、一〇%までを全部八掛けでいきましょう、当面。四〇%、三二%、二四%、一六%、八%。あなた方の方はというとですね、最高を、四段階にしちゃったわけですよ、一番上を取っ払っちゃった。  ちなみに聞きますけれども、累進度の高い所得税を中心にして運営していると言われているアメリカは依然として五段階ですよ。先日もアメリカへ行って調べてまいりました。三九・六%でした。その意味で、しかもこれは総合課税です、原則として。極めてその再配分機能が高まっているわけです。もちろん納税者番号制度入っていますよ。社会保障番号制度も。  そういう中において、あっ、そうかと、基幹税としての所得税をもう一度機能アップしようというのであれば、あの四〇%から、五〇%を四〇%に下げた、あの評価は、本当にこの評価によって、このことによって人々のやる気というところの問題に結び付いたんですか。そのことのいわゆる実証というのはやられているんですか、財務省で。そういう統計的なデータはあるんですか。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) そのような統計的なデータはないと思います。やはり全体の中で我々は判断しているわけでございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 私は、アメリカのある学者から、スタイモンというあの有名なあの税学者ですけれども、この方が東京大学のある先生を通じて、日本の税制改革というのはこんなお粗末な資料でもって判断しているのか、こういうことであります。  一体、これ五〇、最高税率五〇%を一〇%下げるんですよ。しかも、高額所得者、いわゆる一億円を超すような所得の方々ですよ。こういう、これも分からないんですよ、何人、そのぐらいいらっしゃるのかということも分からない。スーパーリッチの研究というのは後れているんですよ、日本では。そうした中で、この一〇%を下げたことが一体全体その労働意欲や勤労意欲にどんな影響があるんだろうかということの、私は寡聞にしてそのいわゆる調査というのは聞いたことがないんです。  学者の方々も、中には、いや、税が重くなればやる気を失うよ、いや、税が軽くなればやる気を起こして、そして経済が活力が出て、そしてむしろ減税した方が税収が上がるんだよという、有名なレーガンのときのラッファーカーブというのが私ありました。完全にあれは私は間違いだったと思いますが、レーガン二期目の税制改革は私評価している。  そのことちょっと別にして、それをしっかりとして論証もしないで、これだけ格差が開いた開いたと言われている社会で、一体、そのことに対する何のいわゆる論証もなくてこうして答弁席に立たれて、私はこれは財務大臣として無責任じゃないかなと。分かりました、しっかりとこれはこれからはそういう調査をやりましょうと。そのデータも足りないから、いわゆるその統計データをつかむためにも私は番号制度というのは必要なのかなというふうに思っている一人です。  その点、総理、今聞いておられて、どうですか、この間のやり方に、余りにも高額所得者だけが、私はそれを優遇するなと言っているんじゃないんです。余りにもそれが優遇され続けてきたんではないんですか。  この間、配当所得が軽減されました。配当所得。私は残念なことに株持っていません。高額所得者の中には配当収入の方がフローの収入よりも多い方がおります。この税収入が相当私は落ち込んできているんではないかと思っています。もちろん、それは減税の効果は非常に大きかったと思うんです。  そういうことを考えたときに、この間の税制改革で一体所得階層はどのように大きく変わっていったのか、そのことが今日の社会の中でどんな影響をもたらしているのか。後で教育の問題触れると思います。何にもデータがなしに、このような形で、いや、消費税よりも所得税のその戻し税がいいですよ、こんなこと言えた義理じゃないじゃないですか。どうなっているんですか、それ、本当に。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、委員おっしゃるように、どういう影響があるんだというのは私たちも把握したいと思っておりますけれども、(発言する者あり)いやいや、やんなさいとおっしゃいますが、例えば税率の引下げがそれぞれのその経済主体に、それは個人にどういう意欲を与えたかというのを定量的に把握するのはなかなか私は難しいことだと思っております。それが、今おっしゃったように、その納税者番号を入れれば把握できるかどうかというのはまた別のことだと思います。  それから、確かに私どもも、いろいろジニ係数等々のいろんな議論がございますので、そういうものは拝見しながら物事を考えているわけでございます。

竹中平蔵自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(竹中平蔵君) 経済分析を担当する立場から申し上げさせていただきます。  例えばアメリカ等々でそういう税の研究があるというのは承知をしております。しかし、例えばレーガン税制の政策効果というのはいつ定着したか、これはやっぱり十年ぐらいたってから分かるわけですね。その意味では、これは努力、私たちいたしますけれども、これはやっぱり二年、三年では出ないものだと、これはやっぱり御理解をいただかなければいけないのだと思います。  もう一つやはり、しかし税に関してこれはやっぱり一種の、一つの常識のようなものがありまして、これは極端なことをちょっと申し上げますけれども、税率一〇〇%だったら労働意欲ゼロですよね。ですから、税率が高くなれば労働意欲が下がるというのは、これは当然のことながらある種の常識として私は受け入れられているのではないかと思います。そうした点も踏まえて判断をすべきだと思います。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 いいですか。竹中大臣にも別に私もう反論してやり取りを、もう時間ないんです、やりませんが。  税率の高さがいわゆる労働意欲にどう与えるかということについての実証的な研究はあるんですかということを聞いているんですね。そのことが、例えば今日の新聞にも載っておりましたですね。ITの競争力、上位に来ているところ、どこですか。スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、こういった国々は高いですよ、国民の負担率と言われているものが、税や社会保険料。そういう形で国を養ってやっていこうという合意ができているところもあるんですよ。  そうすると、いや、アメリカのようなやり方もあるかもしれない。ところが、アメリカのやり方にはきっとまたアメリカのやり方なりの規制や、これはまた証券市場の問題で少し触れたいと思いますけれども。  そういう意味で、私が言っているのは、そういういわゆる高率、いわゆる五〇%を四〇%に下げた、そのことの是非の問題を論議するときに、そういうことがいわゆる働く意欲を向上させるという点で大きな効果があったかどうかということのしっかりとしたその論証なり分析なりテーマなりをやっぱりやってもらう必要があるんじゃないかと思うんですね。  これは時間もありませんので、問題提起としてしっかりと受け止めていただきたいんです。これはもう何回も私、財政金融委員会で質問させていただいたところでございます。  さてそこで、これからの景気の問題の中で一つお聞きしたいことがございます。  ちょっと不安なことは、この間の日本経済がいわゆる向上していったというのは、内的な要因というのは、多分様々な雇用、過剰雇用を削減した、過剰投資を、過剰設備をどうした、過剰な借金をどうした、こういうリストラをやっていった、このことは間違いないと思う。だけど、分岐点として出てきたのは外需ですよね。中国であり、アメリカだった。恐らくこれも今年は順調にいくだろうと言われているんですが、総理、私ちょっと心配なデータを先日見付けたわけであります。  ページ数でいきますと五ページになりましょうか。ごめんなさい、五ページじゃないですね、もっと下かな、六ページですね。六ページを見ていただきたいと思います。テレビを見ている人には申し訳ないんですが。  これは主要国の外貨準備と経常収支を調べたものです。やや黒っぽい字でございますので、外貨準備、日本は二〇〇四年末で、九月末ですが、八千百十二億ドル、随分ためたものですね。そして、二〇〇〇年から二〇〇四年までに増加をした日本の外貨は四千六百四十億ドル。約、何兆円でしょうか、五十兆です。このいわゆる二〇〇〇年から二〇〇四年、五年間の間に約五十兆、これは全部、次の右の方を見てください。対米証券投資、財務省証券と政府機関債、日本は四百六十三・六、ほとんど一〇〇%行っているんですよ。  お隣の中国、中国も最近はすごい。今、外貨準備、この増加額三千四百九十億ドル、約、日本円にして四十兆円近い。そのうち、アメリカの財務省証券と政府機関債を買っているのは半分でしょう。千七百五十九億ドル。アジアを除く、ごめんなさい、日本、中国を除くアジア、三千七百四十二億ドル、これでアメリカの財務省証券や証券投資をやっているのは千五百十二億。  これ見て、アメリカの双子の赤字を支えているのは日本だ、いやアジアだ、中国だと言われてきたけれども、昨今では一度ドルペックしていますから、中国などは。当然のことながらこの黒字分を一度ドルに替え、そしてそれをユーロに替えている、日本の円国債を買っている、こういうふうに危険分散をやるんじゃないんですか。日本はなぜこれ、危険分散をやらないんですか。もうだんだん危なくなってきているんじゃないんですか。ドルがこの調子だと危ないんじゃないのか。  先日アメリカ行きましたけれども、いや、そんなことないとおっしゃっている方はかなり大部分でしたけれども、この危険性を通常はよく、卵は一つのかごの中に全部入れちゃ駄目だよ、こう言いますよね。日本のためている外貨を一つのかごの中に入れたら危険じゃないか、そう思いませんか。そういう意味で、ここのドルに対するいわゆる不信、これはいつ起きても不思議ではないんじゃないかというふうに思えてならない。  総理、これは総理に聞きます。このようなリスクを分散しないでドルだけにこの証券投資をしている、財務省証券を投資していることについて、何か御意見ございませんか。危機感ありませんでしょうか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 投資先を分散するということは、これは必要だと思います。同時に、何が有利かと、何が安定性かと、総合的なことを考えていかなきゃならないと思っております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 何だか何の説明にもなっていない。今日はテレビで放映されていますから、日本の国民もそうだ、投資家もみんな見ているかもしれない、そういう意味で恐らく慎重に発言されたのかもしれません。しかし、どう見てもこの状態は、私は、やっぱりもう少し我々もリスクに対して敏感になる必要があるんではないのかというふうに思えてならないわけです。  さて、もう時間、次のバッターと交代しなきゃいけませんから、もう時間持てなく、少なくなりましたけれども、納税者番号のことについてお聞きしたい。  総理、納税者番号やっぱり必要だというふうに思われますか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 納税者番号という言葉が独り歩きしますけれども、どの程度まで導入するかという問題、具体論に私は早く入った方がいいと思います。できれば、納税者番号というのはやっぱりこれからの将来必要だと思っておりますが、今後、これから協議、与野党入るということでありますので、具体論から入っていくともっと、ああ、納税者番号とはこういうものかということについて国民が分かりやすくなるのではないかと。人によって納税者番号の理解の仕方が違いますし、またどの程度までやるかによっても、国民の理解を得やすいか得にくいかというのは違ってまいります。そういう点について、私は早く具体論入っていただきたいと思っております。  原則としてですよ、これからの所得等把握する際には納税者番号は必要であろうと私は理解しております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 総理、私、そういうことを総理大臣からこのテレビの場で聞こうと思っていないんですよ。何のために必要なんですか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それぞれの所得等あるいは給付と負担の問題、把握しないと、所得を課税する場合にも給付を得る場合にも負担をする場合にも問題が出てくるということから、正確な国民の所得等に対して把握していく必要があるということについては、納税者の番号制度を導入が必要じゃないかということは前々から議論されておりますし、議論されながら今日まで導入されていないということは、それだけ非常に難しい問題があるわけであります。  今後具体論入っていくうちにいかに難しいかというものもよく分かってまいりますので、そういう理解した上で、じゃ、どの程度まで納税者番号を導入しようかという議論が盛り上がっていくのではないかと思っております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 今、年金問題で、その三党合意を始めとして、いよいよ論議に着こうかというような準備でやっているところですから、多分そのことを意識されているんだと思うんです。私は、今の日本のこの所得把握の不正確性、あるいは正確でないこと、これは不公平だと思っております。それは所得税の把握においても不公平かもしれない。これはどうか、このことを、どのぐらい不公平なのか分かりません。  尾辻厚生労働大臣、社会保障というか福祉の分野で今これから子育ての問題が起きたときに、公立保育所に入れる、そうすると、公立保育所では、あなたはどのぐらいの保育料になるかというときに、何を持ってこいって言います。ちょっと質問して、通告してませんでしたが。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 公立保育所、まあ民間における保育所でも、基本的には認可保育所においてはそうでありますけれども、保育料は保護者の所得に応じていただくことになっております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 今、保育所の話をしました。それだけじゃないですね。いわゆる公共住宅、市営住宅、あるいは様々、住宅ございますよ、県営住宅。これに入るときも一緒。  文部科学大臣、今日お見えになっていますが、私が学生のころに特別奨学金というのがありました。当時は九千円だったか七千五百円だったか覚えておりませんが、非常にまだ低い。払わなくて、これは戻さなくてよかったんですよ。申請しました。私はどうもサラリーマンのせがれだったせいか、全部これは落とされました。  竹中大臣は私、大学一緒ですけども、大学に入るときに寮に入れるだろうと思った。これも所得税、所得証明持ってらっしゃいと。はねられました。入れませんでした。入れました。ちょっとあれは私的な話ですからあれですが。  要するに、何の話をしているかというと、もう既に、大変な所得がどうつかまれるかということに、正確につかまれなければ大変な状況が起きてるということを私は言いたいんですよ。  そして、将来、私は消費税が上がるだろうと、上げなきゃいけないだろうと思ってるんです。上げたときに複数税率制を取る必要があるだろうというような意見もあるんですが、私個人は、民主党としては、できればこれは戻し税でやった方がいいと。食料品が非課税だとなると、食料品の範囲はどこになるんだと、昔の物品税の世界へ戻っていくんです、また。そうすると、これはほとんどぐじゃぐじゃになっちゃうんですよね。そうすると、戻し税でやらなきゃいかぬとした場合に、じゃ一番困っている人に返さなきゃいけない、その困っている人はどこにいるんだろうか、これがつかめないんじゃないんですか、今。  だから、私たちは番号制というものはすぐに利くかどうか分かりませんよ。私は、直ちにいわゆる所得の、収入支出を全部つかめると思ってないんですが。そういう意味で番号制というものは、国民の皆さんに、税金を取るためのものだけじゃないんですよと、自分たちがこの社会の中で公正な生活を、公平な生活をしていくためにはどうしても不可欠なものなんですと、安心、安全のために必要なんですよということを私はしっかり訴えていかないと、またグリーンカード制と同じようなことになっちゃうんじゃないかなというふうに思えてならないわけであります。これまた是非議論していきたいと思いますが。  その意味で、まだたくさんの質問残して、本来であればライブドア問題を含めてお聞きしたいと思ったわけでありますが、私の質問は主として今日は税を中心にということでありました。小泉首相と税のお話をさしていただき、関係大臣には大変申し訳なかったんですが、是非これからも改革に我々も努めていきたいと思っておりますので、次の鈴木議員に交代したいと思います。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 関連質疑を許します。鈴木寛君。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 民主党・新緑風会の鈴木寛でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。  本日は、引き続き、この所得税及び個人住民税の定率減税の縮小、廃止問題と。端的に申し上げますと、先ほどの財務大臣のお話でも分かりましたけれども、政府は、十七年度から二か年かけて実質的には三・三兆円の家計への直接負担増につながる増税案、増税案を与党は今回、今国会に提出をされていらっしゃるわけでございます。この措置が、特に子供、一生懸命お子さんを育てておられる一千三百万のこの世帯に大変に重い負担を課すことになる。ひいては、この国を、次の世代を担っていただかなければならない子供たちにとって大変な悪影響があるということにつきまして、小泉総理大臣及び関係閣僚の皆様方と御議論をさせていただきたいというふうに思います。  私は、二〇〇一年の参議院選挙におきまして、皆様方の税金をコンクリートから人づくりへと、人づくりに使いましょうと、こういうことで当選をさせていただきまして、以来、一貫して教育政策をやらせていただいております。  今日は、総理に是非御理解をいただきたいいろいろな実態あるいは数字ございます。お願いを申し上げます。  この社会の宝、国の宝ということで、子供を育成をしていただいているこの家庭というのが今どれぐらいになっているかということなんです。  厚生労働省の国民生活基礎調査によりますと、昭和六十一年、これは私が社会に出た年でございますが、十八歳以下の児童のいる世帯が全世帯の四六・二%だったわけですね。ですから、大体世の中の半分ぐらいの世帯では子供がいた、子供を一生懸命育てていたと。それが、平成十五年になりますと、全世帯の二八・三%、大都市でありますと二四・二%にまで低下しているんです。ということは、四分の一の世帯にしか子供がいないと。逆に言いますと、この四分の一の世帯が本当に苦労して、この我々の次の世代を担ってくれる子供を一生懸命育てていると、こういうことでございます。  この生活調査を見ますと非常に面白いことが分かるんですが、高齢者の世帯、これは平均年収が約三百五万円でございます。これは大変に少ない金額だと思いますし、この部分の手当て、十分やっていかなきゃいけないと思います。しかし、この高齢者世帯の方々の、生活が苦しいと思っておられますかという問いに対しては、四七・六%が苦しい、ここももちろん大問題であります。しかし、この児童、子育て、教育をやっている世帯は二四・二%ですね、大都市でいうと四分の一。名目上の平均年収は七百二万円、これは一見多いなと、そこそこだなという印象を受けられるかもしれませんが、実はこの子育て、教育世帯家庭の六二・八%が生活が苦しいとおっしゃっておられるんです。  この統計には出てこない、あるいは紋切り型のこの所得階層水準政策からは見えてこないこの六二・八%の悲鳴に我々は、我々政治はもっと耳を傾けなければならないのではないかということを申し上げたいと思います。  従来から与党の政策というのは、この名目の低所得者には一定の配慮をしてまいりましたけれども、本当に悲鳴を上げているこの世代に十分耳を傾けてこなかったと。今回の例えばこの定率減税の縮小案でも、この七百万の世帯に対しましては縮減額が四・一万円です。そして、谷垣大臣がおっしゃるように、これ全廃しますと八・二万円の直接負担増になるんです。実は、配偶者控除関係でもこれ税制改正していますからこれが五・八万円。そうすると、今回の措置だけで九・九万円、要するに十万円の負担増がこの子育て世帯に直撃をすると、こういう実態なんですね。  それを、先ほどから峰崎委員と私とで是非御理解をくださいと、この実態を踏まえて経済財政政策をやりましょうということを申し上げているわけでありますが、私たち民主党は人づくり、子供第一主義で今回の予算案を制定させていただきました。  今まで二の次にされてきましたこの教育、そして子育て世代、ここに頑張っている世代に対する負担を軽減をするという観点に経済財政政策の立案の基本方針を私は転換をすべきだというふうに思いますが、この点、谷垣大臣、お答えをいただきたいと思います。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 鈴木委員は、コンクリートから子供へとおっしゃったんですか。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 人づくり。人づくり。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 人づくりへと。いや、なかなかいいスローガンじゃないかなと思います。それは私どもも、これはコンクリートとおっしゃるのは公共事業を主として指しておられるんだろうと思いますが、私どもも小泉内閣になりましてから、細かな数字は別としまして、公共予算は一〇%、三%、三%、三%、今年は三・六%でございますが縮減をしてまいりました。これもいろいろ評価はもちろんあるだろうと思いますし、日本みたいな災害の多い国にはどの程度の水準かというようなこともこれは議論が必要な面だと思いますが、そうやってまいりました。  それで、子育てにつきまして、今後重点化を置いていくのは私は必要なことだと思っておりまして、今配偶者特別控除の縮減のお話もされましたけれども、これはむしろ、子育て世代に直撃をするというような表現でされましたけれども、むしろ今の子供を育てている家庭の実態を見た場合でも、むしろ奥さんも共稼ぎの家庭の方が圧倒的に多くなってきているわけですから、そういう構造を踏まえると、今までの配偶者特別控除の上乗せ部分みたいなものは、本当にこれ良かったのかという御批判にこたえるためにやりましたもので、それの一部は私どもも児童手当等々の少子化対策に充てようということでやらしていただいているわけでございます。  で、今おっしゃったような思想転換が必要だという点に関しましては、昨年末、子ども・子育て応援プランというのを作りまして、まずはそれを着実に実施していくことが必要だろうというふうに思っております。  それで、今まで私どもも財政苦しい苦しいといつも悲鳴を上げているわけですが、その財政が厳しくなっている原因の一つは、やはり社会保障経費、高齢化に伴って社会保障経費がどうしても増えていくと。ここも簡単にばっさばっさとぶった切ればいいというものではないことはもう委員も御承知のとおりでございますが、子ども・子育て応援プランの中でも、今後の課題として、社会保障給付について大きな比重を占める高齢者関係給付を見直して、これを支える若い世代及び将来世代の負担増を抑えるとともに、社会保障の枠にとらわれることなく次世代育成の支援を図ると、こういうふうになっておりまして、社会保障改革ももちろん一体的に議論をしなければならないと思っておりますが、やはり今委員のおっしゃったような視野も私どもも見据えてやっていきたいと思っております。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 実は、民主党は、この私のコンクリートから人づくりへということを平成十七年度の予算編成の中で党の方針として明確に、ホームページをごらんいただければ書いてございますが、公的投資の重点をコンクリートから人づくりへとの基本方針を明示をさせていただいております。  そして、ちょっとこのパネルをごらんいただきたいわけでございますが。(資料提示)私たちは一貫して従来もこの住宅ローン減税、あるいは教育ローン減税の主張をしてまいりました。これは一部政府におきましても取り入れていただいておりますが、このたび民主党では、この十五歳までの児童に対しまして、一人当たり月一万六千円、年間で申し上げますと十九万二千円、二人であれば三十八万四千円の子供手当を創設をいたしました。  そして、先ほど谷垣大臣もおっしゃりましたように、配偶者控除の在り方については、これは働き方の多様化に応じてこれは実質的にもっと見ていかなければいけないということで、そこは同趣旨のこの調整をさせていただきましたが、これごらんいただくと明らかなんでありますが、政府予算案は、子供を育てる世帯の家計収入に対して六万二千円の減額なんです。我々は、子供一人であれば十一万六千円、子供二人であれば二十七・〇万円と。そうすると、民主党予算と政府予算とで実質十七・八万円、子供二人の場合は三十三・二万円の実質家計の差がある、これが正に私はこれ政策だと、これを議論するのが政策だというふうに思っておるわけでございます。  このことは、九五年以来、竹中大臣とはいろんなこの個人消費をどうするかという議論をしてまいりました。これはもうすべてのエコノミストのその共通の認識でございますが、この国の消費を支えているのは、最初は六十歳以上の高齢者、最近は二十代の若者と。三十代、四十代は一貫して低迷しているんですね。ここをどういうふうに浮揚するかというのが、これはもう日本のすべてのエコノミストの共通認識なんです。  でありますから、我々はなぜ三十代、四十代が駄目なのかといえば、これは子供の養育費、教育費です、あるいは住宅ローンですということでありますから、そこにフォーカスを当てて税制なりあるいは予算なりを考えていくと。正に政治というのはいろいろ大事な、これ総理がいつもおっしゃっていますが、大事な課題があります。もちろん公共事業も大事です。しかし、そこをあえて順番、優先順位を付けていくという大変に苦渋の作業だというふうに理解をしております。でありますから、私たちは、先ほど谷垣大臣がおっしゃった以上に、公共事業に対してはこれは切らざるを得ない。これもう苦渋の中でこの新潟で二日合宿をしまして、大議論の末にこうしたことを決めさせていただいたわけで、そして子供第一主義でやろうと、こういう予算に踏み切らせていただいたということでございます。  この背景がいろいろございます。なぜ我々が子供第一主義でいこうと覚悟を決めたかという辺りを中山文部科学大臣とも御議論をしたいわけでありますが、目下、今、日本の子供の学力だけじゃありません。生きる力すべてが低下をしていると、これは大問題になっています。この背景に、子供を抱える育児教育世帯の家計の状況と、その子供の生きる力の低下に物すごく密接不可分な関係がある、相関関係があるということなんです。  文部科学大臣にお尋ねをいたしますが、OECDのPISA調査、これも有名な調査になりましたが、二〇〇〇年と二〇〇三年で読解力が十四番になったと。もうここだけが独り歩きしていますが、この学力低下の、あるいは生きる力低下の原因、どのように分析されておられますか、御意見をお聞かせいただきたいと思います。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 昨年末に公表されましたOECDのPISA調査、前回二〇〇〇年と比べますと、鈴木委員がおっしゃいましたように、読解力の順位が八位から十四位に低下していると、それから数学的リテラシー、応用力ですね、これが一位から六位に低下していると、それから科学的リテラシー、これは前回同様二位であるということで、特に読解力が低下しているということについては深刻に受け止める必要があると、このように考えているわけでございまして、なぜこうなったんだろうかということで文科省で分析しているわけでございますが、例えば読解力の得点の経年比較をいたしますと、中位層が下位層にシフトしていると、あるいは自由記述形式の出題において無回答が多いと、もう初めからもうお手上げというのが多いということですね。  それから、子供たちの勉強時間が非常に少なくなっていると、あるいは学ぶ意欲とか学習習慣が十分身に付いていないと、こういったことが明らかになってきているわけでございまして、なぜこういう結果になったんだろうかということにつきましては、学校教育の問題あるいは家庭の問題、今言われましたけれども、家庭の問題、さらに地域の問題、いろいろあると考えられますけれども、社会が、日本の社会が急激に変化する中で、現在の教育が子供たちに学ぶ意欲を持たせ、あるいは学習習慣を身に付けさせることになっているんだろうかと。あるいはまた学習指導要領における教育内容とか、あるいは授業時数が十分なんだろうかとか、あるいは先生方の資質、能力の問題、これは向上が図られているんだろうかとか、こういったことがいろいろ検討をされなきゃいかぬということでございまして、今文部科学省挙げて、今スクールミーティングというのをやりまして、全国三百か所の小中学校に、現場に行きまして、先生方とかあるいは父兄、保護者がどう考えているか、子供たちの実態がどうなっているんだろうかということを分析した上で、それこそすべて、学習指導要領すべて見直して、教員の資質の向上含めて検討していきたいと、このように考えているところでございます。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 私どもはほぼ分析を終わりました。どういうことかと申しますと、レベル一から五まであるんですね、このPISAの調査は。五が、レベル五が一番高得点なんです。  前回の調査でレベル三以上、逆に言いますとレベル二以下が前回、二〇〇〇年には二五%だったんです、日本の。二〇〇三年、三年後になりますと四〇%になっているんです。要するに、この平均以下のレベル二とレベル一が昔は二五だった。そこで、日本の教育はすばらしいと言われていたのが、三年間で一五%増えちゃったということなんです。このここの部分が正に問題でありましてね。  で、私は先日、東京の小金井市、これは、東京都教育委員会が実施をいたしました学力調査があるんですけれども、全科目、都内のすべての市区町村でナンバーワンになったところなんで、そこを見てきました。で、その秘訣、よく分かりました。この議論は火曜日に文教科学委員会でやりますが。  ここで、同じ調査を見てみますと、同じ区内で、二十三区でも、平均点で十ポイントとか二十ポイント、この差がある区があるんですね。これ東京都内、まあ東京というのはやっぱり日本の縮図だなと思うんですけれども、東京都内の学力、ばらつきというのがこれ大問題でございまして、これを見てみますと、こういう数字があります。修学援助、これ例えば、学校の給食費とか修学旅行代とか、こうした援助を受けている児童の生徒さんが東京都内で四割を超える区があるんですよ。三割、四割を超える区というのは幾つもあるんですね、東京都内で。一方で、五%とかあるいは一けたの区もあると。正にこの学力のばらつきとそうした御家庭の経済力は極めて正の相関関係がある。こうした市や区において本当に関係者は頑張っておられます。  私も、議員になる前から、竹中先生のゼミ生も連れてそういうところに、私のゼミ生も連れてそういうところを一生懸命応援に行かせていただきました。それで今、着々といろんないい芽が出ておりますから、それは是非、政府を挙げて国を挙げて支援をしていきたいと思いますし、本当にそういう方の御努力には頭が下がりますが、この努力をやはり政治が全面的に支援をすると、ここはやらなきゃいけないと思います。  私が断固申し上げたいことは、どんな地域、どんな家庭に生まれたお子さんでも生きる力を最大限に伸ばすための教育の機会と場が与えられなければならない、それこそ政治の最大の使命だと思いますが、小泉総理、御意見をお聞かせください。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本の最も重視してきた教育について、鈴木議員が今まで調査した結果、また自ら信念を吐露されましたけれども、日本政府としても教育を重視していこうということには変わりありません。特に、収入の多寡にかかわらず、教育を受けたいという人にはすべて教育の機会を与える、チャンスを与えるということは一番大事なことでありますし、これは今でもそういう方向で進んでおります。  また、学力の問題につきましても、生徒によっては能力差もあります、また先生の良しあしといいますか、子供に意欲を与えることができる先生と、逆に傷付ける先生と両方あると思いますけれども、そういう教育者の資質の問題もあると思います。  また同時に、環境、いわゆる支援も含めてですね、教育を受けやすいような環境、制度ありますが、そういう点を、よく今の御指摘の点も含めて、今後とも、日本というのは最も大事なのは人間力、人材だと、この人間の教育、生きる意欲、自らの能力を向上させていこうというこの意欲を高めるような措置というのは、今後とも、政府が各省挙げて総合的に考えていかなければならない大事な問題だと認識しております。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 火曜日の予告をさせていただきますと、私は、日本の教育を何とか持ち上げるのは相撲部屋と寺子屋と鎮守の森だと、この三つだと思っているんです。  今、この小泉内閣は、市場競争原理優先主義、言っておられます。しかし、それには大きな前提があります、必要です。  相撲部屋というのはどんな若者でも入れます。相撲部屋へ入ったらちゃんこ食べ放題です。それからけいこ場も使い放題です。そして兄弟子の、それはもちろん、その期間は厳しいです。しかし、お金の心配はなく、要するに強くなりたい、いい力士になりたいと、そこのところの、正にその修行の期間は、これは全面的にきちっとその社会が、この相撲界というものが面倒を見る、その上で、土俵に上がったら体重の二百キロの人も百キロの力士もこれは自由にやると。  そういう意味で、私は今、日本の教育界あるいは日本の、こういうところで議論を、大変心配していますのは、教育における受益者負担主義が蔓延をし過ぎていると思うんです。特に義務教育については受益者負担主義は良くない、そこのところは是非お願いを申し上げたいというふうに思います。  それで文部科学大臣、お願いをしたいんでありますけれども、こうした子供の世帯の経済環境と生きる力の関係、これは幾つか調査をやっておられますけれども、更に詳細にこの相関関係、あるいは原因がどこにあるのか、まずこれ実態調査からですから、これきちっと調べていただきたいと思います。  これも私のゼミ生が見付けてきてくれたんですけれども、総務省の家計調査によりますと、子供を抱えるモデル世帯、これを収入別に五段階に分けて、一番低い階層と一番高い階層、この収入の格差は大体二・二倍ぐらいですね、モデルの取り方にもよりますけれども。しかし、教育支出の格差になりますと四・九倍になるんです。さらに、塾とか家庭教師といった、これは補助教育費というふうに言っていますが、補助教育費に至っては実に十四倍の格差があるんですよ。  この十四倍の格差を、あるいは四・九倍の格差を教育については二倍以下、限りなく一に近づけるということが、私は是非、総理に御理解をいただいて、そして内閣全体として、国全体としてやっていきたいというふうにお願いを申し上げたいというふうに思います。  そして、ちょっと次に高等教育の話もついでにさせていただきたいと思います。パネルをごらんいただきたいと思います。(資料提示)  本当にこれ、大学生を抱える御家庭は大変でございます。大体、自宅生で二百万、下宿生だと二百五十万、一年掛かるんですね。四年間で一千万ですよ。私はこれ当選以来、これ民主党のマニフェストでも書いてありますが、希望者全員奨学金制度、希望者全員奨学金制度、これを党を挙げてやるんだというメッセージ、これには前河村文部大臣にも大変に御努力をいただいて、文部省の中では何とか今年から百万人の貸与、実現をしていただきました。しかし、まだまだ足りません。それから額が足りません。それから、日本は結局は返さなきゃいけないんです。奨学金というのは給付をするのが本来の奨学金であります。  そこで、これごらんいただきたいわけでありますが、高等教育の家計の負担の割合です。お手元に総理、行っていると思いますが、日本はOECD諸国、韓国に次いで五六・九%家計が負担しているんです。アメリカですら、これは寄附税制なんかがしっかりしていますから、自分で負担しているのは三分の一です。そして、私はIT政策を専門にしておりましたが、IT先進国、フィンランド、デンマーク、スウェーデン、ドイツも含めてですね、これ一けたですよ。これをやるということが正に次の世代を育てるということだと思います。  で、何でこんなことになってしまったかと。いろいろな理由がございます。いろいろな理由がございますが、その一つに、これも総理に御理解いただきたいことが一つございまして、国際人権規約Aの第十三条の二項(c)という条文、御存じでしょうか。これは高等教育無償化条項という条項でございます。この条項では、高等教育は、すべての適当な方法により、特に無償教育の漸進的な導入、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じすべての者に対して均等に機会が与えられるものとすることという条文があります。百五十一の国がこの人権規約Aを批准をしているわけです。日本は批准もしています。しかし、日本はこの十三条の二項を留保しているんですね。留保しているんです。  で、留保している国が三つあります、百五十一の国の中で。逆に言うと、百四十八は留保なしで認めています。三つはどこかと。これ御質問しようと思いましたが、もう私から時間がないので申し上げます。ルワンダとマダガスカルと日本です。ここは総理、何とかしていただきたい。一九八四年に参議院の文教科学委員会が附帯決議出しています。しかし二十年間、二十年間何も変わってない。しかも、漸進的にと書いてあるわけですから。ほかのこういう国はその条約を守っている。もちろんゼロにはできない、スウェーデンはやりましたけれども。しかし、毎年、毎年々、それこそどの国でも厳しい経済情勢、厳しい財政情勢の中で、しかしやっぱり人づくりだということで積み重ねてきた三十年、四十年の結果がこの家計費の表に端的に表れているわけですね。  総理に伺います。  このまず留保、高等教育無償条項の留保、これ日本、外していただきたい。これこそ総理のリーダーシップです。お願いを申し上げます。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、なぜ留保されたのか、よく事情は承知しておりませんが、憲法八十九条、これは公の支配に属さない部分に、教育についてとか慈善事業について公金を支出してはならないというんですよね。これ、素直に読めばこれ憲法に違反するんじゃないかとだれだって思いますよ。しかし、いろんな解釈で憲法違反にならないような措置を講じております。  まあこういう点から憲法にも問題があるんですが、今の問題につきまして、私は、日本におきまして教育を受けたいという人は収入がなくても受けるような制度になっています、奨学金においても。現在そうしております。意欲のある人についてはすべて教育を受ける機会を与えております。この点もよく御理解いただきたいと思います。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 私学助成の件は関係ありません。総理が後半におっしゃった奨学金の問題です。  しかし、日本は一〇%ですよ、授業料の。あるいは更に言うと、生活費入れたらその比率はもっと下がる。だから、そういう意味でこの数字になっているんです。そこは御理解ください。  フランス、ドイツは授業料無料で、加えて生活費もきちっとその所得に応じて面倒見るということになっているんだということで、ここはいろんな知恵がありますので、是非また聞いていただく機会をつくっていただきたいと思います。  もう一つごらんいただきたいパネルがございます。やはり、私学助成金の問題は全く関係ないということがこれで分かります。対GDP比の公教育財政支出の表です。日本は高等教育段階、流し方はいろいろありますよ、流し方はいろいろありますが、〇・五%しか確保していない。あるいは義務教育でも二・七%なんです。ここを変えていこうじゃないかと。これがコンクリートから人づくりへという正に政策なんです。  私は、せめてアメリカやフランス並みに、五・六%です、あるいはフランスは五・七%です、アメリカは一・五%です。進学率は、日本をこれ上げていく、高等教育みんなが受けれるようにしていきたい、そのためにこの予算をきちっとこうしたことに充てていく。  どうですか、アメリカ並みに五・六、五・七にしようじゃないかと、この大号令を小泉総理、掛けていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。フィンランド、アメリカ、こうしたところは高等進学率、大学進学率、日本より二〇%、三〇%高いんです。これが知的立国日本の競争力に直結するということも含めて、御答弁お願いいたします。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これはどういう統計の取り方かというのは私は詳しく存じませんが、教育の重要性は日本政府としてもこれからも続けていかなきゃならない課題だと思っております。  と同時に、大学に行ける人、また行きたいと思う人は、できるだけそのような措置を講じていかなきゃならない。また、公教育におきましても、学校へ行かないで自らの特色を生かしたいという人については、また別の教育も必要だと思います。言わば自分の持ち味といいますか、能力を発揮できる選択肢を増やしていかなきゃならない。いずれにしても、教育を受けたいという人については、もうすべて機会均等、機会を提供するという措置を講じていく必要があると思います。  これから教育の内容等含めまして、文科省、これからの教育の在り方につきまして、小中はもちろん高等教育にも、日本の発展を考えますと、人づくりこそコンクリートづくりよりためになるんだという鈴木議員の提唱には私も同感でありますし、バランスの取れた対策を取っていかなきゃならないと思っております。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 時間でございますので、おまとめを願います。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 民主党の提案は、専門学校なんかの人たちに対しても奨学金を出していこうじゃないかと、これ充実していこうじゃないかということになっていますから、そこはおっしゃるとおりのことができます。  是非、総理、今のお話ありがとうございます。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 時間です。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 本当に子育てに困る一千三百万人、そして学ぶ意欲を持って一生懸命頑張っている三千万人の若者のために皆さんの貴重な税金を使っていきたい、人づくりのために使っていきたい。そのことを百年河清を待つんではなくて、そのための政権をつくり上げることが不可欠だということを申し上げまして、私の質問を終わらさせていただきたいと思います。  どうもありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 以上で峰崎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 次に、荒木清寛君の質疑を行います。荒木清寛君。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 公明党の荒木清寛でございます。  まず、総理に、行政改革の推進についてお尋ねをいたします。  十七年度税制改正案では、所得税、住民税の定率減税が二分の一に縮減をされます。その目的は税収の回復を図ることでありまして、特に基礎年金の国庫負担の引上げの財源を確保するということであります。その背景としまして、平成十一年の定率減税は、法律上、著しく停滞した経済状況の回復を目的とする、法文にございますが、導入当時と比べまして景気の状況は大幅に好転をしております。一方で、一般会計の予算の半分が借金でありまして、具体的に言えば四一・八%が国債で賄われている。もういつまでも後世の世代にツケを回すことはできない、そういう状況にあります。そういう意味で、私たちも、今回の定率減税の縮小にはやむを得ない、賛成をしておるわけでございます。  しかし、このことにつきまして国民の理解を得るためには、目に見える行政改革あるいは経費削減につきまして更に政府が努力をしなければ理解を得ることはできないと考えますが、まず総理の決意をお尋ねいたします。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) だれだって減税、歓迎する、当然であります。しかしながら、いかなる政策も国民の税負担なしには提供し得ないわけでありますので、そういう点を勘案しながら税制改正というものについては総合的に考えなきゃならない問題だと思っております。  今後、そういう税負担の御理解を得るためには、政府がやっていること、これに対して無駄な面を排除していく、そういういわゆる行財政改革、これは休むことなく進めていかなきゃならないと。できるだけ政府の歳出に対しましては、どれが必要か、どれが必要でないかという見極め、いわゆる無駄な部分を徹底的に排除していくという姿勢は堅持していくことが、今後の国民からのあるべき税制改正についても御理解をいただける大事な視点だと私も思っております。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 その行政改革につきまして、総理に具体的に一つお尋ねいたします。  先日の経済財政諮問会議におきまして公務員の総人件費の削減について議論が行われましたけれども、具体的な結論はまだ出ていない、このように承知をしております。この会議の中で、中央政府と地方政府の人件費がGDPに占める割合は諸外国に比べて低いという、そういう総務大臣の反論もあったわけでございます。  しかしながら、高級公務員の優遇の問題、あるいはこの国会でも始終指摘をされております各種特殊勤務手当の問題、さらには、我々身近に感じますのは、まだまだ公務員の仕事、いろんな意味でアウトソーシングといいますが、民間に委託できる部分は多いというのが実感でございます。  もちろん、この労働基本権が制約をされておりまして、その代償措置として人事院という制度がある、こうしたことはしっかりわきまえなければいけませんが、それにしましても、この総人件費の削減につきましても国民の理解を得られるように改革をしていかなければいけないと思います。  そこで、総理に、この席で、国及び地方の公務員の総人件費の削減につきまして、数値目標を掲げて取り組んでいくという、そういう決意を示していただきたいのであります。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 人件費の問題について、我々もこれからの公務員の改革の中で取り上げられなければならないという議論は現在でも行っております。  このいわゆる労働基本権の問題と人事院の問題、人事院のやっぱり公務員に対する給与の保障、民間に準拠するという、こういう点について、地方におきましても、現在、国家公務員から比べるとかなりラスパイレス指数なんというのは低下している市町村もあります。また、東京の生活費に比べて過疎地は生活が、生活費は都会ほど掛からないのにというような御意見もあります。その点について、どのような民間企業を対象にするかと、人件費を考える場合にですね、そういう点につきましても果たして見直しできるのかどうか。  それと、実際の給与以外に各種手当があります。この手当について、ここまで手当をやる必要ないんじゃないかという、一例が大阪市の例でありますけれども、そういう問題も出てまいります。  今後、公務員の人員削減については一つの数値目標を出しておりますが、給与の面につきましても今後検討していかなきゃならない重要な課題だと思っております。実際、数値目標どうかということについては、竹中大臣に今答弁を譲りたいと思います。

竹中平蔵自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(竹中平蔵君) 総人件費の抑制は、やはり方向として絶対に必要なことであるというふうに思います。その際に、総人件費というのは人数掛ける単価でございます。単価は人事院等々のこの仕組みの問題がありますから、この仕組みをどうするかということも考えていきましょうと。取りあえず重要なのは、この公務員の数をどうするかと。今削減目標というのは持っておりますけれども、一方で削減しながら一方で増やさなきゃいけないところがありますので、いわゆる純減をどうするかということを議論しているところでございます。  いずれにしましても、そうした議論を踏まえて、必ず結果が出るように総人件費の抑制を実現したいと強く思っているところでございます。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 次に、財務大臣にいわゆる弾力条項についてお尋ねいたします。  今回の定率減税の縮減が施行されますのは十八年の一月からであります。この点、与党の税制改正大綱におきましては、経済状況に機動的・弾力的に対応するとしまして、景気の状況によりましては現行の定率減税の継続も一つの選択肢だ、要するに縮減を棚上げすることもあり得るという、書いてあるわけですね。  そこで、政府におきましては、どのような場合になればこの定率減税を、万が一、どんな状況になれば棚上げをするのか、客観的な基準ですね。例えば、この年度前半の実質経済成長率でありますとか、あるいは有効求人倍率、あるいは消費についての指数等で具体的にすべきではないかと考えるわけです。  なぜかといいますと、このことが私は政府の景気と財政再建の両方に配慮しているという、この姿勢を明確に国民に明示することになる、こう思いますので、是非客観的なそうした一つの考え方をお示しいただきたいと考えます。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 今、荒木委員がおっしゃいましたように、与党大綱で経済状況に機動的・弾力的に対応するという一文を入れていただいておりますが、これは、経済は生き物だと、だから今後の景気動向については注意深く見守っていかなきゃいけないし、また、その時々の経済状況で政策的な対応が必要になった場合にはどこが問題かということも的確に見極めて、適宜適切な対応を機動的、弾力的に行っていけと、こういう御趣旨だろうと思うんですね。  そういう趣旨に考えますと、今、荒木委員が客観的にその基準を示すべきだとおっしゃったんですが、なかなか、要するに総合的に見ていけ、弾力的に見ていけということになりますと、じゃ、客観的にどうかというのは、正直申し上げましてなかなかお答えするのは難しいなと実は思っているわけです。  そこで、もう少し詰めて考えてみるとどういうことになるかということでございますが、私はこの一文を入れていただいたとき、平成十七年度は半分縮減させていただく、それで次は平成十八年度どうするかということですから、平成十八年度のその法を作る場合、税法を作る場合には、十分経済動向を見極めつつ判断せよというのがこの条文の第一番の含意だろうと、こういうふうに思ったわけです。  それで、さらにもう少し、じゃ、その前にないのかとかいろんな議論が、これは、その前に何かあったときどうするんだとかいろんな議論があるわけですね。それで、そういうことを考えましても、結局、この間からいろいろ御議論がありますように、現実に、何と申しましょうか、その定率減税が入ってまいりますのは、縮減が入ってまいりますのは十八年の一月からということになります。それから、平成十七年度のその経済状況がどういうふうになっていくかというのももう少し見極めなければならないんだろうと思うんですね。  それで、そういう、そうこう考えますと、結局、平成十八年度の税制を検討していく過程の中で、経済状況を、当然そのときはまた議論をいろいろしていただかなきゃなりませんので、その中で経済の状況、平成十七年度どうなっていくかということを十分見極めながら、ここの一文を、一文の趣旨を踏まえて議論していくということではないかなと思っております。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 この弾力条項はもちろんこの十八年一月から施行されます。十七年度改正についてももちろん掛かるわけですね。したがって、私は、例えばこの十七年度の実質経済成長見通し一・六%、これが容易に達成できないというような状況になればそのときには考え直しますよ、このぐらいの政府のメッセージというのはなければいけないと思いますが、いかがですか。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 今申しましたように、弾力的ということでありますから、主としてと先ほど私、申し上げたのは、主としてこの条文が、条文というか一文が含んでおります意味はそういうことであろうというふうに申し上げましたけれども、その以前においていろんな数値を見ながら判断すべき場合を排除するという趣旨で申し上げたわけではございません。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 次に、竹中経済財政担当大臣にいわゆる経済の二極化と言われる現象についてお尋ねいたします。  景気回復が広がる一方で、残された課題がございます。大企業と中小企業、都市部と地方圏、企業部門と個人部門などの間に回復のレベルに差がある、いわゆる二極化の問題です。  特に、この九〇年代以降の産業の空洞化というのは、地方工業都市の大きな衰退をもたらしております。構造改革のテーマの一つがこの地域経済の活性化であろうと思いますが、率直に申し上げまして、それほど今大きな効果が上がっているのかと思うわけでございます。  この地域経済の活性化に政府としてどう取り組みますか。

竹中平蔵自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(竹中平蔵君) 荒木委員御指摘の経済の二極化といいますか、ばらつき、特に地域の経済の停滞というのは大変重要な問題であるというふうに思っております。  二極化といいましても、実は大企業の中でも良い大企業、悪い大企業があると。中小企業の中でも良い中小企業、悪い中小企業がある。そういう意味での私はばらつき、二極化であると思います。  地方の問題に関しましては、これは従来の景気回復はどちらかというと財政出動に依存しておりましたから、財政資金を全国ある意味で満遍なく配賦することによって全国一律の回復も可能であったと。しかし、御承知のような財政状況下で、今財政に頼らず民需主導で何とか景気が回復、緩やかに回復しているという状況でございます。そうしますと、今民間需要をリードする電気機械や輸送機械がある地域とない地域でどうしてもばらつきが出てきているということだと思います。  しかし、私も地方の出身者でございますが、地方経済が良くならないことには、やはりこれは日本経済全体として良くなったという実感は絶対に得られません。そうした観点から、もう二年前から我々も大変重大な意識を持っておりまして、地域再生本部を内閣の中につくりまして、地域再生の担当大臣も今置かれているわけでございます。  具体的には、特区の活用、そして本格的な枠組み、地域再生の枠組み、さらには観光振興というのは各地にとって大変重要なテーマだと思っております。また、地域の中小企業への円滑な資金供給、それぞれ各部局にわたる、またがるものでございますけれども、地味ではありますけれども着実に取り組んでいる。何とかこうした総合的な努力によってこうした地域の再生を図りたいと思っております。  昨今では、政府として一体的に省庁の壁を越えた地域再生を実現するための地域再生基盤強化交付金の創設等々も行っておりますので、こうしたものを是非しっかりと活用していきたいと思っているところでございます。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 先ほど、地域再生につきまして委員から提案がございましたので、私も一つの提案をしたいと思います。  大臣おっしゃったように、これまでの地域再生が余りうまくいかなかったのは中央指導で全国一律でやったということが大きいかと思います。私は、そういう意味で地域の実情に応じた地域経済活性化策を策定しなければいけない、そのためには、この地方自治体の職員にこの地域再生についてのスペシャリスト、専門家を養成するということが非常に大事なかぎではないかと思いまして、そのことについて政府も支援をすべきである、こう考えますが、どうでしょうか。

竹中平蔵自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(竹中平蔵君) そうした試みは大変重要な試みであるというふうに私たちも思っております。  一点、先ほど地域再生基盤強化交付金でございますけれども、これは再生法の制定等にこれから取り組むということでございますので、我々の姿勢として御理解をいただきたいと思っているところでございます。  スペシャリスト、これ内閣府の中で慶應大学の島田教授に基本的な役割を担っていただきまして、そうしたスペシャリストの育成、発掘等々に今努めております。  加えて、これはやはり政府だけでできるということでもございませんで、いわゆる今民間では社会的起業家、ソーシャルベンチャーという言葉が大変はやり出しているというふうに認識をしておりますけれども、そうしたその社会的マインドを持った、起業家精神を持った方々を結集する仕組みも、これは民間のNPOやNGO等とも協力して、私は必要になっているというふうに思っております……

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 時間ですので、簡潔にお願いいたします。

竹中平蔵自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(竹中平蔵君) そうした試みも含めまして、今の御提言、前向きに是非取り組みたいと思います。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 最後に、財務大臣にお願いいたします。  国民負担あるいは潜在的国民負担といいましても、個々の国民にはどのぐらいの負担か分かりません。今後、税制改正を論ずるに当たりましても、それぞれの所得階層別に税金や社会保険料やあるいはその他の負担がどうなるのか、そういうことを明示すべきであると考えますが、どうですか。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 谷垣財務大臣、簡潔にお願いいたします。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 委員のおっしゃることは大変重要だと思っております。  今回でも、給与収入が五百万、七百万、それから夫婦子二人世帯を例に取ってお示しいたしましたけれども、今後ともできるだけ分かりやすく説明する、また資料を提示するように努力いたしたいと思います。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 以上で荒木清寛君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 次に、大門実紀史君の質疑を行います。大門実紀史君。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史でございます。時間が少ないので、簡潔な答弁をお願いいたします。  この間、竹中大臣は、現状の判断として、要するに所得が下げ止まり横ばいになっていると、これから上向くと、だから定率減税の縮小、廃止をしても家計や景気は持ちこたえるというふうにおっしゃってまいりました。ただしかし、この所得は下げ止まってこれから上向くというような話はちょうど去年の今ごろもされていたんではございませんか。

竹中平蔵自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(竹中平蔵君) 景気回復の過程で企業部門にまずキャッシュフローが増えて、それが家計部門に至っていかなければいけない、そのプロセスが従来に比べて非常に遅いということは、私たちも大変注意深く見ているところでございます。ここは、いつどのように向かっていくかということはこれからも注意深く見てまいりますが、直近の雇用者報酬につきましてそういう動きが出てきておりますので、何とかそういったことを伸ばしていきたいと思っております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 一々去年の議事録を読み上げませんけれども、確かにおっしゃっているわけですね。(資料提示)去年、竹中大臣と議論したパネル、これに最新の数字を加えました。  竹中大臣は、要するに、この時点でございますけれども、横ばいになっていると、労働分配率の調整も一段落、これから所得や家計に波及するという局面だとおっしゃっておりましたけれども、現実には下がりました。去年よりも悪くなったというのが今の実情だと思います。  ですから、今判断されているこれから良くなるということも私は当たらないんではないかと思いますが、いかがですか。

竹中平蔵自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(竹中平蔵君) 委員の資料で、これは雇用者報酬も付けていただいておりますが、これはどういう統計で見るかということも重要だと思いますが、雇用者報酬で見る限り、二百六十六から二百六十三兆ということでありますから、これは実質ではプラスになっているということだと思います。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 雇用者報酬の中身、先にそれじゃ申し上げますね。(資料提示)これが雇用者報酬の内訳でございます。雇用者報酬というのは、実は事業主の社会保険料負担が雇用者の報酬としてみなされております。したがって、事業主の社会保険料が上がって、社会保障負担がこの間四兆円伸びております、これが見掛けの上で雇用者報酬を引き上げるというふうになってきております。つまり、実際の雇用者の賃金、報酬というのはそれよりも下がっているんです。九七年と二〇〇三年を比べますと、雇用者報酬は見掛け上十四兆円しか下がっていませんが、賃金、報酬、手取りの部分は十八兆円も下がっているわけですね。これが雇用者報酬の実態でございます。  もう一つ申し上げたいのは、先ほども言われましたけれども、十—十二月の雇用者報酬がプラスになっているとおっしゃいましたけれども、中身を見てみますと、十一月の特別給与、これは前年の公務員の支給が低かったと、その反動あるいは支給時期の問題で何と五割増になっているんですね。あり得ない数字です。通常は一けたですけれども、二けた増になっている。それを基に十—十二月の雇用者報酬がプラスになったと。だから、今後も雇用者報酬が伸びるというのは私は非常に甘い判断だというふうに申し上げなければなりません。  そもそも、竹中大臣とは長い間議論をしてまいりましたけれども、絶えず言われるのが、前期比の数字とか前年比の数字を言われますけれども、私は短期でそういうものを取っても分からないと申し上げたいと。所得でいいますと、ずっと下降の一途をたどっているわけです。言わば山登りでいきますと、下山の途中のアップダウン、これはありましたけれども、ずっと下がっているわけですね。これが今の雇用者報酬の実態でございます。  先ほどのパネルは去年も議論しましたので繰り返しませんが、要するに、どうして雇用者報酬、賃金が上がらないのかといいますと、リストラはもちろん一段落付いたという面があります。ただ、まだやろうという企業もあります。だけど、この非正規雇用がずっと増えているわけですね。そういう中だから、企業の利益が上がっても賃金が上がりませんよという議論をしたわけですけれども、もっとリアルな実態も見ていただきたいんです。(資料提示)  これは、今、大企業が空前の利益を上げております。これはその中でも史上最高益を出しているトヨタの関連工場の正社員と、派遣労働や請負労働が今広がっていますが、その中の請負労働者の賃金との比較でございます。正社員の方ですと、社会保険料の負担も含めて三千四百円、時給換算でなりますけれども、請負労働者の方は、メーカーから請負会社がもらうのは千七百円、そのうち六百円を請負会社がマージンで取る。つまり、ピンはねをするわけです。実際に請負労働者が取るのは一千百円、もらうのは一千百円と。これが実態です。  この請負労働というのだけ取っても、今一万社の請負会社があって、百万人を超える百二十万人ぐらいに増えているんじゃないかと言われておりますけれども、それが二〇一〇年までに三百万人に増えるというふうに言われているわけです。正社員は正社員で賃金を裁量労働制だとか成果主義賃金で抑えられています。そして、こういう非正規雇用の、特に若い方々が多いわけですけれども、ずっと増えているわけですね。これでどうして雇用者報酬がこれから上向くと。来年、再来年プラスで見込んでおられますけれども、私はそういうものは根拠がないというふうに思いますが、いかがですか。

竹中平蔵自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(竹中平蔵君) 委員御指摘のパート化、正規比率、パート比率の動向というのは日本の労働市場の変化として大変重要な問題であるというふうに私も認識をしております。しかし、これも今後の変化どう読むか難しいですが、いわゆるパート化比率がどんどんどんどん高まってきて、それが鈍化していったと。正規従業員の比率は低下してきて、それも底を打ちつつある。これも事実だと思います。  そうした意味で、今まで急激な調整の中に日本経済ありましたけれども、そうした調整も終わる中で、経済の正常化を私たちは期待しているわけでございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 ですから、竹中大臣が今回、定率減税縮小、廃止の前提とされている、前提とされている雇用者報酬が伸びるという根拠は、私は、実態を見ると何もない、今の段階でそういうことを言えるものは何もないというふうに判断しておりますが、いかがですか。

竹中平蔵自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほどからの議論と共通しておりますけれども、全体としてのやはりバランスを見なきゃいけないということだと思います。  先ほどたまたま雇用者報酬を取り上げて、いやいや、それは労働者の取り分ではなくて企業の負担分が、これが減っているんだという御指摘が、増えているんだという御指摘がございましたですけれども、そうしたものが積み重なって社会保障給付になっていくわけですから、その社会保障給付は増えていく。まあよく言われるように、年金の受給でも一兆円年間増えていくわけですから、そうしたことも踏まえた家計の力というものを総合的に評価する必要があると思います。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 私が言っているのは回りくどい話じゃございません。雇用者報酬そのものをプラスで見込んで家計が耐えられるというあなたが判断されたことの前提が、根拠がないんじゃないですかということを申し上げているわけです。あなたの予測が当たらないことを批判しているわけではございません。当たらない予測に基づいて負担増を決められたことを申し上げているわけでございます。  最後に、総理に伺います。  こういう現実を踏まえて、この定率減税縮小の、廃止が景気に負担を掛けない、本当に景気は持ちこたえるというふうに総理はお考えでしょうか。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 小泉内閣総理大臣、簡潔にお願いいたします。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) はい。  各種指標を見ますと、失業率も低下してきましたし、就業者数も増えてきております。また、有効求人倍率も十数年ぶりに増加傾向にあります。  この企業収益が増加しているということにつきましては、当然、企業は利益を上げれば従業員の施策にもいい影響を与えていきますので、これが全体的に見て雇用者に対する報酬にもいい影響を与えていくのではないかと見込んでおります。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 これから所得が伸びるという前提の根拠が何もないということを申し上げて、直ちに、定率減税縮小、廃止、撤回すべきだということを申し上げて、質問を終わります。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 以上で大門実紀史君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  総理にお伺いをいたします。  今の社会の最大の問題点を社民党は、格差が拡大をしていることだ、住みにくい社会になっていることだというふうに認識をしております。個人間の所得格差が拡大し、企業別、企業間の所得格差が拡大をし、地域における格差が拡大をしています。総理、総理の在任中格差が拡大し、特に統計を取り始めて所得の格差が個人間で拡大していることについてどうお考えでしょうか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本は格差の少ない社会であるということで今まで一定の評価を受けてきたわけでありますが、私は、やっぱり能力が十分に発揮されるような社会をつくっていかなきゃならない、と同時に、税の面だけで見るのではなく、給付の面でも見ていかなきゃならないと思っております。  そういう面において、自らやる気のある人、能力のある人にはどんどん働いてもらう、利益を上げてもらうと。企業にしても個人にしてもそうです。同時に、自らの力ではどうしても生活できないというような人に対していろいろ福祉等の面、社会保障の面で十分な配慮をしていかなきゃならないのは当然であります。  私は、一概に格差といいますか、多様性を押しつぶしてしまうということでなくて、むしろ個人においても企業においても地域においても特色を出していただこうと。全く格差のない社会というのはあり得ません。そういう点において、私は、格差とは呼ばないんですが、特色を発揮してもらう、能力を発揮してもらうという社会をつくって、お互い支え合っていく社会、これが今後日本の目指す方向として正しいのではないかなと思っております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 地域の特色を出すこと、多様性はもちろん大歓迎です。しかし、問いに対して答えていません。  格差が拡大をしている。子供たちが希望を持とうにも持てない。さっき総理はやる気がある人間はやれると言いました。しかし、この委員会でも聞きましたが、例えばタクシーの運転手さん、全国平均で年収三百十四万円、沖縄は百八十万円台です。本当にどうやってこの賃金で子供を大学にやれるんですか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) お子さん自身が教育を受けたいという意欲があるなら、収入の多寡にかかわらず行けるような制度は日本としては持っております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 それが違います。つまり、子供はもう小学校、中学校の段階から親の財布の大きさによって自分の希望の大きさが決まる。どの地域で、親の収入がどうかによってもう自分の人生が決まっちゃうと思うからです。  私は、二極分解が起きることはこの日本の社会において良くないというふうに思っています。それは本当に人々の希望をなくし、社会の活力もなくします。私は地方出身ですが、今地域は公共サービスが切り捨てられる、地方公務員の削減の問題、そしてバスがなくなる、あるいは教育がなくなる、そして病院の統廃合、農協も統廃合、郵便局ももうどうなるか分かりません。大型店舗ができて、地元の商店街が本当にシャッター通りになっていく。今多くの都市はないない尽くしになっています。この地域間格差だって政治の責任ではないですか。これに今、町村合併がどんどん進んでいて、役所が遠くにしかない。地元の就職先がそもそもないんですよ。公務員になるか教師になるか、農協に勤めるか銀行に行くか、本当に限られた職しかありません。この状況をつくってきたのは小泉さんの構造改革や労働法制の規制緩和ではないですか。今政治が、都会の金持ちのために政治をやるんだったら、日本の社会に未来はありません。これについて、どうですか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本は今、予算の中でも社会保障費に一番税金を使っている国なんです。一般歳出のを見てもお分かりいただけるように、二十兆円を超える税金を社会保障に使っているんですよ。公共事業の約三倍ですね。そういうことを考えますと、日本が福祉に関心を示していないということは言えないと思います。しっかりとした、税負担におきましても、消費税だって先進国に比べれば、五%ですからね。やっぱり税負担におきましても私はもう低所得者にも配慮をしておりますし、社会保障についてもそれぞれの配慮をしておりますし、一概に、一部だけを見て論ずるのは、私は全体の方向を見失うのではないかと思っております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 社会保障にお金を使っていないという質問をしたのではありません。総理が理解をしていないんです。構造改革、そしてあらゆることの規制緩和によって二極分化が進んでいる。どこにお金を使うかにおいて二極分化が進んでいる……

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 時間が参りました。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 しかも、今度の予算案の最大の問題点は、貧しい部分、弱い部分から、介護保険料の負担や保険料の値上げ、定率減税の縮減など、弱いところから本当に広く薄くお金を取っていく。そのことで、より二極分化が進んでいく。今の政治の最大の問題点はそこであり、小泉総理はその問題点を認識していない。そう私は申し上げ、質問を終わります。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにて税制・景気に関する集中審議は終了いたしました。  午後二時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十九分休憩      ─────・─────    午後二時開会

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、平成十七年度総予算三案を一括して議題とし、年金・社会保障に関する集中審議を行います。  これより質疑を行います。舛添要一君。

舛添要一自由民主党

○舛添要一君 参議院自由民主党の舛添要一でございます。  まず、総理と財務大臣にお伺いいたしますけれども、この予算を作成するときに、やっぱり国民の税金とか社会保険料、これは一円とも無駄にしちゃいけないと、そういう立場でやるべきだと思うんです。  総理、四年前、総理とともにというか、私、選挙に出まして戦いました。自民党、大勝しました。それは、非常に印象的に私残っているのは、与党も野党も言い出せなかったんだけれども、年金福祉事業団、これは無駄だということを私が言ったんだということを総理はおっしゃった。それがやっぱり非常に国民の支持を得たんだと思うんです。  ですから、そういう原点を忘れないで予算策定をやっているのかと、まず冒頭それをお伺いしたいと思います。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 歳出削減、これは無駄な部分を削減するということで、前年度以下に抑えるということはこのような景気状況でいかがなものかという声がありましたけれども、毎年一般歳出を抑制していくということは行財政改革にとって欠かすことができないと、いわゆる大事な視点でありまして、今年度の今審議の予算ももちろん、来年度も続けていかなきゃならないと思っております。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 今総理からも御答弁がございましたけれども、平成十七年度の予算編成の方針は、歳出改革路線を堅持、強化するということで、従来にも増して徹底した見直しを行ったつもりでございます。三位一体、あるいは防衛、社会保障、公共事業の見直し、こういったところ、聖域なくやるということで、この結果、主要な経費の対前年度伸び率は、社会保障は確かに自然増もあります、ありましたが、相当これを抑えながらプラス二・九%、それから科学技術振興費はやっぱり将来の日本の基礎となるだろうということで、これはプラス二・六でございますが、そのほかはすべての経費をマイナスという厳しい予算といたしまして、平成十四年度以来、三年ぶりに一般歳出を前年度の水準以下に抑制したところです。  それから、特に意を用いましたのは、特別会計についても徹底した見直しを行わなきゃならないということで、例えば産業投資特別会計においてNTTの株式の売却収入を活用した無利子融資制度、これは将来的な廃止に向けて見直しを行うということをやりましたし、それから、国民年金特会それから厚生保険特会においては今後は福祉施設の整備等に年金保険料を投入しないというような見直しを進めております。  今後とも、税源が税であるのかあるいは社会保険料であるのか、一般会計であるのか特会であるのか問わず徹底してやってまいりたいと思っております。

舛添要一自由民主党

○舛添要一君 今特会の話が出ましたし、社会保険の話も出ましたけれども、総理、四年前の選挙のときは、改革ということを総理、前面に出されて、非常に我々も戦いやすくて、私は全国で百六十万票いただいた。私の後、関連質問される同僚の小林温議員は百三十万票ですから、総理の神奈川県で。二人ともレコードなんですね。  しかし、昨年、私、参議院選挙、全国、仲間の応援に回っていて、ああ今回は私が出ていたら何ぼ取れて、何票取れたかなと、五分の一の三十万票取れていないんじゃないかなというぐらいに逆風で、人は集まらない、批判の声ばっかりですよ。それはなぜかといったら、問題は年金なんですよ。ですから、年金に対して物すごい逆風ですよ。  幸い昨日、民主党、公明党、自民党三党の協議が始まるということですから、これは正面から三党こたえないといけないと思うんですけれども、なぜ、じゃ、その年金でこれだけ逆風が吹いたか。四年前、二千百万票取れたんですよ。それで、今回はどれぐらいかというと、千六百万しか取れてないんです、我が党は。民主党は、自由党と一緒になったこともあるけれども、二千百万超で、全く逆転しちゃった。で、年金、年金が非常に皆さん、今日のテーマですけれども、大きな政治課題だった。  そこで、年金の中でもいろんな話がありました。ただ、やっぱりみんな国民が怒ったのは、社会保険庁の無駄遣い、どんどんどんどん出てきた。  それで、今年度予算、細かく見てみたいと思います。年金事務費はネットで十一億円増えているんですよ。ちゃんとやったんですかということです。財務大臣。

上田勇公明党財務副大臣

○副大臣(上田勇君) お答えいたします。  年金事務費につきましては、これまでもいろんな御指摘がありまして、それを踏まえて、平成十七年度の予算では、その内容を精査をいたしまして厳しく見直しを行ったところでございまして、具体的に幾つか例を挙げれば、職員宿舎新築経費につきましては、宿舎の建て替え、建て替えを中止することによりまして八億九千万円、また社会保険事務局の借料についても二億二千万円、また公用車の関係につきましても七千万円、あるいは届出用紙印刷システムにつきましても、これも利用頻度が少ないとの、というふうな御指摘もありましたので、それも二億六千万円の削減を行うなどいたしまして、いろいろと御指摘をいただいた点につきましては、経費について極力削減を図ったところでございます。  しかしながら、今委員からも御指摘がありまして、全体として十億九千万の増と。若干の増となりましたけれども、これは、年金制度の改正に伴いまして、システム開発やレガシーシステムの見直し等の経費の増加でございまして、こうした増があります。  ただ、こうしたシステム経費を除いた保険事業運営にかかわる経費、それから内部管理事務費等につきましては対前年度で九・八%の縮減を行っているところでございまして、全体的に年金事務費についてできる限りの効率化を図ったところでございます。

舛添要一自由民主党

○舛添要一君 まあ、努力していることは認めますけれども、そのシステム経費の部分が上がったということを今おっしゃったんですけれども、二月二十二日の読売新聞の報道によりますと、社保庁の刷新可能性調査の最終報告書によると、もう少しこの配置とか契約の見直しをやれば、五百二十一億円の削減が可能であると出ていますが、これは厚生労働大臣、社会保険庁、どうお答えなさいますか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 社会保険庁のオンラインシステムに関してのお尋ねがございました。  このオンラインシステムの見直しは、御存じのように、現在、政府全体のレガシーシステムの見直しという一環として、外部のコンサルタント会社に委託をして刷新可能性調査というのを行っておるところでございます。今お尋ねの中にもございましたが、二月二十一日にこの刷新可能性調査の専門家会議で最終報告案が議論されたときに出てきたものが報道されたものでございます。  具体的には、現行のシステムを形態を維持しつつハードウエアの集約化を図る漸進型のプラン、それからシステムを全面的に再構築いたします全面再構築型のプラン、両者の中間的な刷新案としての部分再構築案の三つが示されたわけでございます。  このうち、仮に全面再構築型を採用した場合ということで、外部コンサルタントの推計によりますれば、現行の年間の運用費用と比較して五百二十億円の削減が見込まれるという数字が示されたところでございます。ただ、この案の実現に際しましては、実はそれ以外に千八百四十億円に上ります初期投資が必要であり、かつ七年間のシステムの構築期間を要するという点でなかなか障壁が高いという点もこの最終報告案の一つの意見でございました。  また、最終報告の中では、ただいま申し上げた初期投資額のほかに、データ通信サービス契約という形で現在費用を払っておるわけでございますが、この契約を解除した場合のお金、いわゆる残債というふうに申し上げておりますが、この支払が現時点でおよそ二千十億円にも上るであろうということも示唆されておりますので、この点の留意も必要ではないかというふうに考えております。

舛添要一自由民主党

○舛添要一君 いろんな御説明は結構なんですけれども、要するにどこが問題だったかといったら、特定の業者と随意契約結んでやっていたからそういうことになったわけでしょう。ですから、それはちゃんと、厚生労働大臣、今度の改革で反省しておやりになるんですか。あの図書購入費なんかについてはちゃんとやるということを聞いていますけれども、今のような一番大事なポイントをついた答えをいただかないと駄目ですよ、予算委員会では。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 今御説明申し上げましたけれども、システムの見直しも政府全体でやっております。それで外部に調査をお願いして、今みたいな答えが出てきたわけであります。したがって、社会保険庁の抜本的な改革をいずれにしてもやらなきゃいけませんから、その答えをまず決めて、そしてその中で、今度はシステムをどうするかという、今みたいないろんな案が出ておりますから、それと組み合わせて、とにかくもうきっちり出直します。

舛添要一自由民主党

○舛添要一君 財務大臣、今回、年金事務費、人件費分をこれ国庫負担に相当回したと思います。そうですね。それで、ただ問題は、保険料でやったら無駄遣いは駄目だけれども、じゃ何でもかんでも税金に移したら、税金なら無駄遣いしていいんですか。それは駄目ですよ、絶対に。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 委員おっしゃったように、年金事務費、年金のお金から出ていようと保険料から出ていようと税から出ていようと、無駄遣いしてはいけないのは全く同じでございまして、そこはぴしっとやらなきゃいかぬと思います。

舛添要一自由民主党

○舛添要一君 厚生労働大臣、社会保険庁、これ我が自民党もプロジェクトチームを作って、抜本的、解体的な改革をやるということを言っていますが、やる予定ですけれども、政府はどういう方針でお臨みになりますか。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 社会保険庁の不祥事等については、もう私どもは、何回も申し上げておりますけれども、本当に深く反省をいたしております。国民の皆様に深くおわびを申し上げなきゃいけない、そう考えております。  その上で、どうするかということでありますが、まず改革に際して、今国民の皆さんからの信頼がなくなっておりますから、国民の信頼を回復するということが大事なことでありますし、それからサービス悪いじゃないかという大変な御指摘いただいておりますから、サービスの向上を図らなきゃいけません。それと、三層構造なんという大変なまた御指摘をいただいた、批判を受けておりますから、そうしたガバナンスを確保するというようなことが重要だと考えております。これが基本的なことであります。  では、それを踏まえてまた、さあどうするかということでありますけれども、社会保険庁の在り方については、有識者会議を今開いていただいております。既に、現行の社会保険庁の存続を前提としない、それから国民の信頼を回復するためにはどのような組織とすべきかという観点を重視するということで、実は今月の三月三十一日が予定されているんですが、今月中にグランドデザインが出されます。そしてまた、それを受けて最終的な取りまとめを五月に答えを出していただくということになりますし、またその間、党の御議論もいろいろ続くだろうと思います。  私どもは、もうかねて申し上げておりますが、そうしたものを尊重させていただいて、きっちりやりたいというふうに思っております。

舛添要一自由民主党

○舛添要一君 小泉総理、先ほど私申し上げましたように、この問題が昨年の参議院選挙で最も我々が苦戦した原因なんですね。総理自身、今のこの社会保険庁改革、どういうお立場ですか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは組織の存続を前提としないで改革すると。近く結論が出ると思いますので、それをよく参考にしながら取り組んでいきたいと思います。

舛添要一自由民主党

○舛添要一君 そこで、年金の一元化ということが今議論されていて、三党の間でもありますし、また野党の議員からも、今日は集中審議ですから、いろんな御質問、アイデアが出ると思いますけれども、私、その一元化する三つの年金ですね、まず国民年金あります。それから、多数のサラリーマンで厚生年金ある。皆さん方全部公務員が入っている共済組合が三つあります。国家公務員の共済年金、地方公務員の共済年金、そして文部省、私学助成、ああ失礼、憲法をやっているものですから、八十九条が頭にあって。私学共済があります。  それで、やっぱりこれは民主党の皆さん方とも御議論しないといけないんですが、一遍に三つというのは非常に難しいなという感じがしています。だから、まずやれるとすると、厚生年金と公務員、今言った共済年金を一緒にする。  そこで、社保庁のその無駄遣いの問題なぜ起こっているかというのは、圧倒的多数のサラリーマンが保険料払っているのに、掛金をね、無駄遣いされちゃかなわぬよと、それなら自分の保険料下げてくれないかと、こういうことなんですね、グリーンピアとかスパウザ小田原とか。それでどんどん、我が参議院、一生懸命決算でやって切り込みましたね。我が党も一生懸命やっていますよ。  じゃ、共済組合にメスが入っていないんですよ。これは公務員の皆さん怒んないといけない。皆さんの掛金がどんだけ無駄に使われているか、それを今日検証したいんですけれども、資料が余りないんです。  資料請求もいたしておりますから、まず国家公務員共済、どういう状況で、これは政府委員でも構わない、どういう状況で、それからそれぞれの三つの共済組合、例えばグリーンピアみたいな施設があって、ワーストスリーを挙げてください。まず、どういう状況か簡単に述べて、時間がないから。そして黒字の施設と赤字の施設、宿泊施設だけでもいいです、幾つずつあるか。で、どれぐらいの赤字か。まず、国家公務員共済、財務大臣。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 国家公務員共済の宿泊施設は、連合会四十八施設、それから各府省共済組合で三十施設、合計七十八あります。この施設の採算は、平成十五年度営業損益でいいますと、連合会分については、四十八施設中赤字のものは三施設。それから、各府省共済組合の施設については、こっちは三十施設中二十二施設が赤字となっておりますが、これについては平成十九年度までに少なくとも十一施設の廃止を予定しているといった今見直しをやっております。  それから、国共済の宿泊施設については、特殊法人等整理合理化計画の指摘を踏まえまして今整理を、経営状況それから組合員のニーズを踏まえて整理を行っている最中でございますので、これに基づいて更に進めていきたいと思います。  それから、宿泊施設以外の福祉施設についての見直しを申し上げますと、保健施設については東海グラウンドというのと目白運動場、それを廃止することを決定しておりまして、これでもう保健施設は残っておりません。  それから、売店、食堂等の施設についても、整理合理化計画の決定を踏まえて、平成十六年度末までに全廃することを決定しております。  それから、医療施設については、その整理合理化計画を踏まえまして、新たな再編合理化計画に基づいて三病院を統合すると。それから、診療機能の見直し、業務の効率化等を進めております。  以上、進めております概況を申し上げましたけれども、整理合理化計画にのっとって遅滞なく、油断なくやりたいと思っております。

舛添要一自由民主党

○舛添要一君 財務大臣答えになりませんから申し上げますと、ワーストスリー申し上げます。蔵王保養所一七九・一%というのは、要するに営業損益でマイナス七千二百万円、平河会館四千四百万円、別府保養所四千三百万円。例えば別府保養所だと、百円稼ぐのに百八十六円要るという、こういう状況なんです。  しかし、こういうのがちゃんと出ていないんです。要求してやっと出るんですね。だから、国家公務員の皆さんも怒ってくださいよ。こういうことをやっているんですよ。  次、地方公務員、どうですか、現状。

麻生太郎自由民主党総務大臣

○国務大臣(麻生太郎君) 平成十五年度の地方公務員共済の財政状況は、収入で五兆七千三百八億円、支出で五兆三千六百六十九億、差引き黒の三千六百三十九億。年度末積立金で三十七兆八千二百九十七億ということが今のこの全体のバランスシートでいった上での数字ということになります。  そこで、今御質問のありましたいわゆる地方の宿泊施設の採算につきましては、平成十六年度末の見込みで百十五施設、そのうちで黒字が六十九、赤字が四十六施設。ワーストは東京都の市町村職員組合の持っておりますクレスト立川、二億四千百万の赤、シーサイドいずたが、東京都市町村共済組合の一億五千三百万、ホテルピアザびわ湖、地方職員共済組合滋賀県支部の一億四千万、これがワーストスリーということになろうと思います。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 私学共済の財政状況を平成十五年度で見ますと、収入総額は四千七十一億円、支出総額が三千六百三十七億円で、その差額四百三十四億円、これ積立金に回っておりまして、年度末の積立金は三兆一千八百二億円となっていまして、なお加入者五・三人で一人の年金受給者を支えておりますが、積立金は年間給付額の約九年分を保有しておりまして、他の年金制度に比べると比較的余裕があるのかなと、こういう認識でございますが。  御指摘ありました収支状況、黒字施設が十二、赤字施設が十。平成十五年度に松島宿泊所と有馬宿泊所を廃止しております。それから、ワーストスリーということでございますけれども、蔵王の保養所、これが一五九・五%、道後の保養所が一五九・一%、志賀高原の保養所が一五〇・二%の収支比率ということになっております。

舛添要一自由民主党

○舛添要一君 というような、総理、状況なんです。  それで、皆さん方政府にお願いしますが、私は福利厚生施設のデータを出しなさいといって言ったら、まず宿泊施設しか持ってこない。更に請求して、福利厚生施設ある。だけれども、例えば、中山文部大臣、私学共済、海外にもあるの知っていますか。ワイキキ・ビーチ・タワー、パピオ・アット・ザ・シェアウォーター、コナ・コースト・リゾート。それで、これは、谷垣さんね、国家公務員にもあるんですよ。それは契約して、契約して要するに行けるようにしている。  だけれども、文部大臣、あのね、持ってきなさいと言って、私、私学共済のホームページで見たら、ほら、カラー、カラーで福利厚生施設のところに出ているじゃない、ハワイのやつが。そしたら、悪意とは思わないけれども、およそ、あなた、与党の理事が出しなさいと言うのを出したらいかがですか。もし、もしそうじゃないならば、もしそうじゃないならば、そんな情報能力もない、ないんだったら、子供の教育できないじゃないですか。ちょっとしっかり資料出してくださいよ。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 本当に施設があるのかなと思いましたけれども、これはおっしゃるように海外に、三か所に合計で八室ありますけれども、これはいずれも契約しているということで、自分たちで持っているということじゃないというふうにこれに書かれております。

舛添要一自由民主党

○舛添要一君 いや、だから契約していることも含めてそういうものがあるんです。  それで、総理ね、相当社保庁を我々やりました。同じですよ、構造が。だから、私学の学校の先生も怒んなきゃ。地方公務員も怒んなきゃ。自分らの保険でこんな無駄遣いされているんですよ。  そして、なぜこれ私言っているかというと、厚生年金に統合するというんだけど、例がいいかどうか、悪いけど、持参金一杯持ってきて嫁さん来てくれるならいいけど、借金山ほど抱えてうちに来るなということですよ。それで郵政民営化して郵便局いなくなって、国家公務員もっと赤字になりますよ、そうなったときに。  今の話聞いて、今の答弁、大臣の聞いてどういう御感想ですか。これ、小泉総理の原点ですよ、年金福祉事業団。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まだ廃止できる無駄な施設もあるし、削減できる部分もあると、歳出改革を徹底していかなきゃならぬと感じております。

舛添要一自由民主党

○舛添要一君 社保庁の改革に引き続いて、我が党でもこれは次に共済年金、共済組合の改革にメスを入れることをやりたいというふうに思っていますんで、是非総理指導の下これおやりいただいて、それで、まあ参議院も衆議院も含めて個別の共済組合は一杯、全部あるんですね。これ是非総理、資料をいただけませんか、政府として。約束してくださいますか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) はい、資料は、要求の問題につきましては、もうできるだけ全面協力という方針の下に提出したいと思います。

舛添要一自由民主党

○舛添要一君 平成十三年十二月十九日、これ小泉内閣ですから、閣議決定ですね、閣議決定。特殊法人等整理合理化計画、この中に、国家公務員共済組合連合会については、医療施設、宿泊施設等について、「組合員のニーズ若しくは事業の意義が低下し、又は著しい不採算に陥っている医療施設・宿泊施設は、整理する。」と、こういう方向でありますし、「事業実績が小さい又は利用者の範囲が限定的な住宅事業、保健事業、物資事業は廃止する。」と、こういう閣議決定が出ております。  中山文部大臣、私学の場合は若干それは難しいかもしれません。私、先ほど私学助成って言っちゃったのは、今憲法一生懸命やっているからなんですけれども、憲法八十九条、先ほど、午前中総理もおっしゃったように、これは厳格に解釈すると、それは私学助成いけないかもしれないけれども、実際私学助成やっているし、私は私学助成を可能なように憲法を改正すべきだというふうに考えているんですね。  しかし、そのためにも、やっぱり税金が私学に行っていると。そして、一番これ、私学が三つの共済組合の中で一番いいんですね、状況。なぜいいかというのは若い先生がどんどん入ってきたりするからいいんだけれども、だけれどもそういう理由はさておき、だから、いいからといって無駄があっちゃいけないので、これ文部科学大臣、是非、八十九条との関係もございますから、やっぱり国民の税金で支援していただいている以上はこういうところで襟を正すということで、是非、そこ座っている公務員の皆さん、あなた方の保険料が無駄遣いされているんだから怒ってくださいよ。サラリーマンも怒っているけれども、地方公務員も私学の職員もみんな怒っていただきたいと。  中山大臣、どうですか。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 私学について御理解いただいておりまして本当に有り難いことだと思っておりますが、私学共済もこれ公務員共済と同じような形でやっているわけでございますが、今正に御指摘がありましたように、比較的いい運営をしているということでございますし、今年また財政の再計算をやったんですけれども、今度、学齢人口が減っていきますので加入者も減るんですけれども、それでもこの保険料率を厚生年金並みに引き上げればずっと安定した運営が可能であると、こういうふうなことになっていますが、正に御指摘にありましたように、やっぱり無駄遣いしちゃいかぬということだろうと思いますので、これはほかの年金もそうでございますが、常に目を光らせてやっていくということがこれからの加入者のためにも私は大事なことだと、このように考えております。

舛添要一自由民主党

○舛添要一君 再度申し上げますが、総理、せっかく三党で年金の問題をやるというときに、年金一元化という話が出ているわけです、アイデア違いますけれども。だけれども、これは会派を超えて、参議院としては、私は、やっぱりそういうことをやる前に、無駄を排して国民の理解を得て、組合員の、保険料払っている方々の理解を得た上で統合しないと、その前提がない段階でやっても駄目だと思います。  それで私、民主党の皆さんにしかられるかもしれないんですけれども、なかなかこれ民主党の皆さん言えないのは、地方公務員、自治労を抱えています。それから、自民党もいろんな利害団体あります。私は一切利害団体に関係ありませんから、私のような立場じゃないとなかなか言いにくいのであえて申し上げましたので、総理、もう一度、そういう方向でやるんだという政府の御決心をお聞き願います。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いい指摘をしていただいたと思います。これから無駄な点あるいは必要のない施設等、行財政改革の趣旨を各省庁徹底させまして、できるだけそのような無駄を排除していく点について与党としても協力していただければ有り難いと。  また、先ほど年金の一元化の話が出ましたけれども、これは年金一元化の中でも問題になってくると思いますが、政府の行政改革の中でも問題にしなければならない点だと思っております。

舛添要一自由民主党

○舛添要一君 財務大臣、要するに、直営病院についてはまた別の機会をとらえて議論したいと思いますけれども、今日問題指摘だけしていて、もしお答えができればなんですが、やっぱり、なぜこういう問題出しているかというのは、文部科学大臣には憲法八十九条の絡み言いましたけれども、例えば直営病院なんかは税金から補助が出ていますね。それから、国家公務員共済年金でも、この収支の表を見ると、追加費用、これは恩給の引継ぎの話だと思いますけれども、それから国庫負担、公経済負担とか、やっぱり国庫負担出ているんですね。出てなきゃ、極論すれば、組合員が勝手にやってください、無駄があろうが組合員の、国家公務員の勝手ですよと、そういうふうに言えるので、一義的にはそこに座っておられる国家公務員の皆さんがおれらの保険料無駄にするなと言うのがまず最初なんです、私が言う前に。だけれども、そこにいやしくも一円たりとも、一円でも我々の税金が入っていたら、やっぱりこの国会の予算の審議で言うべきだと思いますから。  実を言いますと、指摘だけしておきますけれども、財政制度審議会の国家公務員共済の分科会があります。これで、二〇〇三年十月六日に、私、ここ全部資料、ここ持っていますけどね、黒字になっているんですよ、直営病院の収支で。収入が千五百五十一億円、支出が千五百二十九億円で、二十二億円の黒字になっているんです。だけど、この資料、総理、資料請求と私が言ったのは、こんなものを見たって分かんない。ところが、財制審の議事録を、十月六日のを読みますと、宮崎参事官がこういう説明をしているんです。  差引き二十二億円の黒字となっております。何だ黒字じゃないかということで御意見いただきそうですけれども、ここで一つ申し上げますのは、実は国庫から補助金をいただいております。これは、過去に建設をいたしました病院、建て替えですとか新設とかでございましたが、こういったものについての減価償却費、あるいは利払いの一部を補助金でいただいております。平成十四年でありますと六十億円余りいただいておりますので、差引き二十二億円の黒字という意味は、これがなければ四十億円の赤字だったということでございます。更に申し上げれば、共済組合の組合員からも、保健経理については、掛金を払って、それが病院運営の補助に回っているところもございます。したがいまして、この補助金というのが非常に大きなファクターとなっているわけですと。  だから、これは大臣のところでしょう。財政制度審議会のこういう分科会の議事録まで引っ張り出して、私、そこへ出てないですから、調査をしない限り、こういう紙見て、ああ、直営病院黒字じゃないか、なんです。ですから、これは社会保険庁の病院も全く構造同じで、私は、先ほど財務大臣がおっしゃったように、やっぱり切り込んでいくべきはこういう表面の数字じゃなくて、どこに見えない伏魔殿になっているような補助金が入っているかということで、これは、これこそ私は小泉内閣の課題だと思いますけれども、総理大臣、どうですか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 病院等におきましては、必要だからということで割合反対、抵抗の少ない分野だと思いますけれども、税金の無駄遣いをなくすという点においては、同じ視点で対処していかなきゃならない問題だと思っています。

舛添要一自由民主党

○舛添要一君 今の点、財務大臣、いかがですか、直営病院の件。質問通告していませんから。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 幾つか統合したり廃止したりはしておりますけれども、更によく勉強して、無駄をしているじゃないかと言われないように努めていきたいと思っております。

舛添要一自由民主党

○舛添要一君 その関連で、総務大臣、総務大臣、総務大臣、ちょっと注意してくださいよ。総務大臣にちゃんと言っているんだから、ちゃんと私の方を向いて聞いてくださいよ。邪魔しないでくださいよ。  地方公務員についてのさっきのデータいただきましたけれども、私とあなたの里である福岡県で、これは西日本新聞から引用しますけれども、こういう困った例があるんですよ。  それはどういうことかというと、地方公務員共済の福利厚生施設なんですが、これを福岡県が買い取って、これは福岡だけじゃなくて長崎も佐賀も、長崎、佐賀三県がそうなんですけれども、買い取って、そして所有は県に移ったが運営は引き続き組合が行って、でしょう、だから県民全部が使っていいでしょう。それなのに組合員だけ安くするって、そういうことをやっていて、ちょっとそれ、西日本新聞、二〇〇四年六月十六日ですから、これ読みますと、「このうちホテルレガロは、福岡県が職員の福利厚生事業で計画。県の意向を受けた組合が事業主体となり、保有する共済年金資金から約四十億円を出して建設した。その際、県は組合に対し施設を県費で買い取ることを確約。九八年度から二〇一三年度にかけて分割で支払う契約を結んだ。年利分を加えた支払総額は約五十四億円。施設所有権は支払い終了と同時に組合から県に移る。」と。こういうことをやって、しかも県所有になっているのに運営は引き続き組合が担当、またその、これ長崎も佐賀も同じなんですが、組合員は一般市民よりも割安の料金で宿泊できるなど、公務員を厚遇していると。  例えばこういうこともあるんで、なかなか大臣はお忙しいと思いますけれども、やっぱり総務大臣としてこういうことは、まあ我々のふるさとですからあえて取り上げたんですけれども、感想だけでいいですから、御決意述べてください、改革ということで。

麻生太郎自由民主党総務大臣

○国務大臣(麻生太郎君) ほかにも一杯あると思うんですよね。私はもう病院、私は前、病院買ったことありますから。県立病院を私立病院で買う。三年で大体、黒になるんですよ、私らの経験では。それはもうやり方の、経営能力のけたが違うの。  それは、組合というもんですよ。これは民主党のあれでいろいろ難しいところになってくるんだけれどもね、これは。本当もう組合、最も大変よ、これが。ここが最大の問題です。なぜそうなってくるかっていったら、結論、看護婦、看護婦との団体交渉になるんですよ。そうすると、人件費の比率が猛烈な勢いで膨れ上がるわけ。そうすると、病院の経営というのは成り立ちません。そこで、ここのところが、(発言する者あり)応援はいいから。ちょっとここのところをきっちりしないと、この種の話はなかなかいかない話なんで。これは国全体にとっての大問題、県民にとっての大問題なんで、これはきちんとやっていくということは、これはみんなそれぞれ支援者抱えておられる、全党同じ立場なんだと思いますが。  こういった形でいきますと、片っ方は自分で建てて自分で減価償却して、かつやっている、傍らは国が建てて国が減価償却してやってくれて、そして自分で運営して赤なんだから。それはダブルで効いているわけですよ。しかも、プラス補助金が出ているんですよ。どれくらい赤かというのは、考えたら、その分だけ民間に補助金でもくれた方がよっぽど安く済むよと私自身は思うんですけれども、補助金はくれぬのですけれどもね。  それでも、私どもはそうやってやっていけばいけるところは幾らでもあると私は思います。しかし、その最大の問題は組合との団体交渉が一番の問題だと。私ら、私は自分の経験からはそうです。

舛添要一自由民主党

○舛添要一君 まあ、そういうこともあるんで、総理に私、冒頭申し上げましたように、年金福祉事業団に切り込んだんだとおっしゃいましたよね、野党もできなかったんだと。だから、これはその改革の原点を忘れなきゃ大丈夫だと思いますから、是非それを全うしていただきたいということをお願いいたしまして、続いて介護の問題に移りたいと思います。  私の政治の原点は介護でありまして、母親の介護という経験がなきゃ政治家になっていなかったと思います。それで、まあ東京と九州、七年間も往復して介護して、もうさんざん介護地獄というのを味わって、残念ながら私の母親は介護保険が導入される前に死んじゃったんですね。それで、ああ、今もし母親が生きていて介護保険があったら、四十万ぐらい保険で見れますからね、助かったのになという感慨がありますが。  私自身は、この五年間、今年見直しの年ですけれども、振り返ってみて、いろんな問題点もあったけれども、そこそこうまくいったんじゃないかなと、今から改善もしますよ、そんな感覚、感じ持っていますけれども、総理、どうですか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は介護保険の法案のときの厚生大臣ですから、もう賛否両論ありましたよ。しかし、これは完全でないから反対だという論者に対して、私も、やる前から完全なものというのはつくるのはなかなか難しいと、制度を導入してみて五年後、不備な点を直していく方がいいのではないかということで、賛成多数を得て、この法案成立したんです。  ちょうど五年たって、改善の時期に来ています。今いろんな声を聞いておりますが、やはり問題はあるものの、もうこれは廃止しようという声はもう極めて少数、あったとしても。やはりこの介護保険制度は導入して良かったと。しかし、これからこの負担と給付の見直しは大変だと。だから、どういう改善があるかというのは、この五年間の施行状況を見て改善していかなきゃならない点だと思います。

舛添要一自由民主党

○舛添要一君 そこで、介護保険の見直しということで今年一番大きな課題になると思いますけれども、厚生労働大臣、介護予防ということが今度大きく改善のテーマに挙がっていますけれども、じゃ、何を予防すれば実際に何が良くなるのか、介護保険のシステムとして。財源的な問題があったり、いろんな問題あるし。で、現実にちゃんとエビデンスを取った上で予防でいくんだということをやっているのかどうなのか、お答えください。

中村秀一厚生労働省老健局長

○政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。  介護保険施行後、介護保険では要介護認定の制度も入りましたので、そういった要介護認定などを通じ、高齢者の方々の状態に関する様々なデータが全国各地で集積されてまいりました。また、介護保険を実施してみますと、要介護認定に該当した方のほぼ半数の方が軽度の方々と、この方々が大変増えておられると。また、こういった方々の要介護になりました原因を見ますと、転倒や骨折、あるいは高齢による衰弱等、徐々に生活機能が低下するタイプの方々であり、識者、あるいは様々なモデル事業を通じまして、適切なサービスを利用することによって状態の維持や改善の可能性が高いと、こういうことが明らかになってまいりました。  なお、こういった観点から今度の制度改革におきまして、とにかくその要介護度状態が悪化しない、改善するということは、御本人にとって一番大事なことでありますし、また介護保険財政においても重要なことでございますので、軽度の方々のサービス内容やそのプランの立て方など、マネジメントについても生活機能の維持向上に効果があるものへと見直していくこととした次第でございます。  給付費につきましても、二〇一四年まで現行のままでまいりますと十・六兆円になると見込まれておりますけれども、介護予防の推進と施設の給付などの見直しによりまして約二割の削減を見込んでいるところでございます。

舛添要一自由民主党

○舛添要一君 やっぱりそういう基本的な哲学が必要で、北欧なんかでノーマライゼーションといって、その中の一つに残存能力の活用ということで、例えば私が、今五本指があって、事故で四本失ったと。そうすると、今まで日本だったら、もうあなた一本しかないじゃないかと、まあハンディキャップだとそれで終わっちゃう。しかし、北欧なんかは、まだ一本残っているでしょう、この一本を使って、この一本でワープロで、コンピューター使えるでしょうと、こういう方向なんで、そういう、大臣ね、そういう哲学をちゃんとやった上でのこの予防への見直し、予防重視なのかどうなのか。それは哲学の話ですから、大臣、お願いします。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 今度の介護の見直しの中で幾つかポイントがあるんですが、そのうちの大きな一つが今話題にしておられる予防ということであります。その予防が大事だということを考えて、そしてその予防の中でも、私どもは大きく二つの予防の場所があると、こう思っています。  一つは、まるっきり介護を必要としない方が介護が必要となるという、そこを予防するという予防と、それから介護の必要になった方が重度にならない、要介護度が上がらないというところの予防と、この大きく二段階といいますか、二か所の予防をしたいと、こういうふうに考えておるところであります。  しかし、基本的な考え方は一緒でありますから、今正に哲学のことでおっしゃったそこの部分で言えば、もう、一言、そのとおりでありますと申し上げれば済むような今答弁しておるわけでありますけれども、私どもはそう考えて、そしてそのために、例えば軽い方の皆さんには、お年寄りに筋トレまでさせるのかという御意見もあったりもしますが、私どもはやっぱり筋力トレーニングというようなことをしていただきながらとか、それからまた、重度にならない方々のための予防では、例えばホームヘルパーの皆さんが自分で食事をお作りになると、こう介護される人は黙って見ている、それがかえって、もう黙って見ているだけというのは体を自分で動かしませんからあんまり良くないなと。じゃ、一緒にやってくださいとかというお願いをするとか、いろんなことで考えております。  ただ、哲学ということでおっしゃると、長々と答えた後で申し訳ないんですが、先生がおっしゃったことで尽きると思います。

舛添要一自由民主党

○舛添要一君 もう一つの大きな見直しは、いわゆるホテルコストですね。これ例えば、要介護度三で在宅でやったら二十万掛かると。同じことやって施設だと二十五万。何で五万の差が出てくるかといったら食事とベッドですね。ただ、そういう説明をして、我々もどうか財源のこともありますからそこはよろしくというふうに国民の皆さんに申し上げているんですけれども、なかなか、さあ、そのケース・バイ・ケースでちょっと待てというような話があったりするんで、この点どうでしょうかね。すんなり国民に受け入れていただけると思いますか。老健局長でもいいですよ、御説明できれば。  背景は、私が言ったようなことなんです。ただ、今言って、在宅と施設のこの差があるからどうだということだけで説得できますかということ。

中村秀一厚生労働省老健局長

○政府参考人(中村秀一君) 施設の費用の点について御指摘がございました。  私から申し上げるまでもなく、介護保険制度、保険料と税金という国民の皆様方の負担に支えられている制度でございますので、保険料を出していただいている高齢者の方々とサービスを利用されている方のバランス、それから今先生お話ありましたように、在宅で療養されている方とそれから施設におられる方のバランス、また社会保障制度全体で申しますと、在宅でおられる場合、年金をその生活の一部として使っておられる、そういったこと、年金の中に生活費も入っておられる、いると、それと介護保険の給付との言わば重複の整理の考え方、そういったことを総合的に考えまして今回御提案させていただいているところですが、お金がなくて施設に入れないという事態はまた困りますので、適切な低所得の方に対しましては配慮をしながら進めてまいりたいと考えております。

舛添要一自由民主党

○舛添要一君 今の問題を提起したのは、特に夫婦とも年金生活者で、要するに施設に入ったらもう、一人が入ってそっちにお金取られて、例えば妻が入ったら夫は生活するお金が残らないなんていうケースがあるんで、これは是非大臣、そういうところは運用で救っていただきたいと思いますが。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 大きく言っておられるから、言っておられるところでありますから、余り細かな話をしてもしようがないと思いますが、食事をなさるのは、家にいても奥さんが一人なさりゃ施設で一人なさる一人分の食事ですと、こんな理屈になるんですが、そんな細かなもう理屈はおいといて、とにかくきめ細かく低所得の皆さんに対しては配慮をしながらやっていこうと思っておりますので、そこのところは御理解いただきたいと存じます。

舛添要一自由民主党

○舛添要一君 それで、今後の見直しを通じて更に次の見直しを考えると、こういうことをやらぬといかぬと思います。無駄遣い、やっぱり無駄遣いで、ケアマネがもう重くした方がもうかるもんだからどんどんぼけ老人つくっていっている感じになっちゃったりね。だから、無駄遣いをやっぱり乱用防止どうするか。  例えば、利用者以外の家族の服を洗濯するとか、それからその利用者がいる部屋以外も掃除してくれとか、そういうのに一割負担でいいんですか。これやっぱり、そんなのもう駄目だとか、それ無理してやるなら五割出せとか、そういうきめの細かいことが必要です。それが一つ。  それからもう一つは、フローだけじゃなくて、年寄りは資産持っているわけですよ。千四百兆円の金融資産の半分の七百兆円年寄り持っているんだから、だから資産を見ないでフローだけでやったら我々現役たまらないですよ。だから、そこはなかなか、年寄りの方は投票所によく行くものだから余り言えないんだけれども、是非乱用防止ということと、フローだけじゃなくてストックを見るということ、これは総理、どうですか、当時のその担当大臣だった。私はそこまで、少々人気落ちてもそこまでおっしゃった方がいいと思いますが、どうですか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、制度をつくっても必ず乱用とか悪用する人が出てくるんです。これは、当初介護の要介護の程度をどうやって認定するんだと、できっこないじゃないかという批判も浴びましたよ。それをよくここまでいろいろ分けてできるようになってきた。それでも人によっていいときと悪いときありますから、介護度が、客観的に判断したとしても、その日によって具合が違ってくる人いますから、そういう難しい点も克服して、もうかなり要介護の認定というのは洗練されてきたと思います。  同時に、制度の悪用、これは医療でも同じです。もう出来高払制度、総額払い制度、どんな制度をつくっても、悪用しようと思ったらもう切りがない。その点はよく、無駄のないようにやっぱり自律心というかな、律する精神を持っていただいて、この制度をより良く運用していただきたいと思います。

舛添要一自由民主党

○舛添要一君 年金それから介護保険について御質問申し上げましたけれども、是非政府一丸となって予算にそれを反映させて、国民の安心と安全ということを確保できるようないい政治を行っていただくこと、そしてその限りにおいて、我々自民党参議院、全力を挙げてバックアップいたしますので、是非頑張ってやっていただきたいと思います。  関連質問を小林温同僚議員に譲ります。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 関連質疑を許します。小林温君。

小林温自由民主党

○小林温君 自民党の小林温でございます。  舛添議員からも御紹介いただきましたように、小泉ブームの中で選挙で勝たせていただきました。地元神奈川では小泉チルドレンというふうにも呼ばれているんですが、本当の御子息のようにイケメンじゃないものですから、総理にとっては御迷惑かと思います。  それで、御地元の三浦や横須賀にもよくお邪魔をします。そうすると、やはり年金を中心に社会保障制度の将来について不安を口にされる方、やっぱり一杯いらっしゃるんですね。小泉家三代の支援者の方も、純ちゃんに年金のことは頼むよと言っておいてくれと、こういう言葉も実はいただいたりするわけでございますが、この不安が不信になって、例えば政府や国に対する不信につながっていくということを何としても我々は止めなければいけないというふうに思うわけですが。  そんな中、先ほど舛添議員からも御指摘がございましたように、昨日、社会保障制度の見直しに関する自公民の与野党協議が動き出しました。十か月掛かったわけでございます、昨年の五月から。この十か月、長かったなというふうに思うわけでございますが、ただ、秋までにはその年金制度改革の骨格を取りまとめるという方向が出されたようでもございますし、この方向性には賛意を示したいと思います。  そこで、小泉総理、改めて、この年金に関する与野党協議のスタートについて所感をお伺いしたいと思います。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私はかねがね、年金問題のみならず、医療保険もそうであります、介護保険もそうでありますが、政権交代がしたから大幅に変えるということではなくて、仮に政権交代が起こっても、制度の持続的、安定的な運営されるような形が望ましいと申し上げてまいりました。そういうことから、この年金一元化を含んだ社会保障制度の見直しが与野党協議していこうという方向で現在話合いが進められているということは良かったなと思っております。もとより、政党が違いますから考え方も違う点あると思いますけれども、その党派の立場を乗り越えて生産的な議論をしていただきたいと。  そして、スウェーデンにおきましては、福祉先進国でありますが、そのスウェーデンにおきましても党派を超えてあるべき制度をつくり上げたという先例もありますので、今後できるだけ早く協議のテーブルに着いて、そしてより良き成果を生み出すように努力をいただければなと期待しております。

小林温自由民主党

○小林温君 はい、ありがとうございます。  この年金あるいは社会保障というテーマはですね、やはりその党派的な議論がなじまない分野でもあると思いますし、そういう意味では、今総理がおっしゃられたように、党派を超えた議論を積み上げていく、そういう大事なテーマなんだろうと思います。  我々参議院では、常々、衆議院との比較の中で、この党派を超えた議論をやっていこうと、そういうことで進めておりますし、ODAとか決算とかですね、総理にも御評価をいただいているような方向性もその中で実質的に見いだしているわけでございますので、是非、我々参議院も、この今日の社会保障・年金の集中審議をスタートラインにして、総理のおっしゃられていたような党派を超えた議論を一から積み上げていきたいと、そういうふうに思います。  そこで、この与野党協議の中では、先ほど来議論になっております年金の一元化ということが大きな焦点になってくるかというふうに思います。しかし、この一元化ということについても、その与野党それぞれの思い描いている具体像というものはまだまだずれがあるのも事実だというふうに思います。ですから、私は、与野党協議は、その一元化の対象をどうするかと。先ほど舛添議員の方から、厚生年金と共済年金まずやるんだと、それから国民年金はまたその先でというスケジュール感が必要じゃないかという御指摘もありましたけれども、手順やスケジュールも含めて、是非この与野党協議の中で協議会をつくって議論していくべきだと私は思います。  そこで、総理御自身は、この一元化の道筋ですね、具体的にどのように思い描いていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私自身の考えはどうかということだと思いますが、一挙にこの年金一元化、国民年金も厚生年金も共済年金、一元化というのは現実的に無理ではないかと思っています。まず厚生年金と共済年金の一元化を実現するためにはどうしたらいいか、その後に、そうしたらば国民年金という形になってくると思いますが、その時点ではもうかなり給付の面においても負担の面においても、制度が違いますから、こういうことが現実的になってきますと、じゃ納税者番号はどういうものになるかと、給付も、保険、負担も、保険料の負担も、厚生年金と共済年金の方に給付を合わせたら今の国民年金はどのような負担が必要かと。じゃ、国民年金の方に負担を合わせたら給付はどうなっちゃうのかと、減額されるわけです。  どちらにしても、両方の人たちが改革の仕方によっては大きなマイナスになり得るし、プラスにもなり得るんですよ。だから、そういう点を率直に議論をした方がいいんじゃないかと。選挙の争点にしてやるべき問題ではないと私は思っております。

小林温自由民主党

○小林温君 今総理おっしゃられたように、やはり具体的にその道筋を付けていくということが大事だろうというふうに思いますし、これは与党、野党問わず、例えば今年金どうしようかと思っている若い皆さんが、A党の言っていることとB党の言っていることが違っていたら、自分の大事なお金をそこに本当に出していけるか、当然不安になると思うわけでございますので、そういった意味でもこの与野党協議の意味というのはあるんだろうというふうに思うわけでございます。  そこで、次は尾辻大臣にお伺いをしたいというふうに思います。  いずれにしても、その一元化の出発点というのは現行の制度であろうかというふうに思います。ここから、これからどういう方向に議論をしていくかということだと思いますが、そういう意味では昨年の法改正の中身もまた改めて問われることになるというふうに思います。  昨年の改正は、保険料の引上げ、マクロ経済スライドによる給付水準の調整、それから国庫負担割合の引上げ、積立金の活用、こういう四点セットで措置をされたということで、持続可能性の確保ということがその一番の骨格として、この部分についてどうするかということからこういう案が出てきたと私は思います。決して、この案ですべての年金にかかわる問題が解決されたと私は決して思うわけではございませんが、当然、今後更に取り組んでいかなければならない課題もこの法案の施行の中でもあるんだろうというふうに思います。  特に、私、マクロ経済スライド、このとらえ方や評価については昨年来いろんな議論があるかと思いますが、専門家も含めて意見があるいは議論が錯綜しているような感があるかと思います。私は、これはある意味でいうと、少子高齢化に伴うコストを全部の世代で負担をしていくという意味では、このマクロ経済スライドの導入というのは非常に効果的だと思います。その上で、給付水準に下限を設けている、名目年金額を下げるという改定はしない、期間も限定している、こういう意味で、元々本家のスウェーデンの自動安定化装置よりも、どちらかというと、日本の少子高齢化の速度を考えると年金受給者に優しい制度になっているんじゃないかというふうに思います。  この点について、是非、尾辻大臣からもう一度分かりやすくその意義について御説明をいただければというふうに思います。マクロ経済スライドの意義について。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 御質問は、マクロ経済スライドに限ってということで理解させていただいてお答えすればいいでしょうか。

小林温自由民主党

○小林温君 はい。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) それじゃ、今お話しのように、去年の改正で私どもはマクロ経済スライドというのを入れました。これから御議論始まるところでありますから、私どもがマクロ経済スライドというのをこう考えたんだということを御説明申し上げて、また今後の御議論の中でいろいろ御指摘や御議論いただければと思います。そういう意味で、私どもはこう考えたんですということを御説明を申し上げたいと思います。  マクロ経済スライドですけれども、その前に今どういうことになって、今というか、改正前にどういうことであったかということから申し上げないとマクロ経済スライドというのが御理解いただけないと思いますので申し上げます。  最初に年金の支給が始まります、年金をもらい出す。このときに、この方の年金の額を幾らにするかというのは、裁定という言葉を使いますが、この幾らにするかというのはちょっと複雑な計算なんです。これは、まあおいといてください。  その幾らもらい出すということから始まって、じゃ、まあこの人の年金はこの額からスタートしますよというのがまず決まったというところから話を始めさしていただくんですが、その後どうなるかというと、物価スライドになっているわけです。要するに、物価が一%上がると、日本の国全体の物価の平均が一%上がったとするとその方の年金も一%上げましょうねと、こういう物価に合わすという形にしてありました。  で、今度はそうするとどういうことになるかというと、経済や人口が右肩上がりのときはいいんですけれども、まずその方の個人の額というのは決まるわけですが、国全体だと掛ける何人かというのが大きな問題になるわけです、総額を計算するときは。ですから、掛ける何人かという方が増え、今増えるわけですから、増えると掛けるこの人数の方が増えるわけですから総額が増えますよねと。この総額が増えるところが頭が痛いですから、この掛ける人数の部分は増える部分を少し減らしてくださいと、そこの部分を減らしてくださいと言っているのはそのマクロ経済スライドの一つなんです。それから、それが一つです。  それからもう一つは、今度は何人で支えるかという支え手の話がありますから、分子の方が同じだと分母の何人で支えるかということが減ると個体が大きくなる、一人で払う金額が大きくなる。そこがまた一つの問題になりますから、今度は支え手の方、年金に入っている人の数が今は少子化で減っていくわけですから、この減る分をまた全体の保険料の中で計算さしてくださいねというか、はっきり言うと、そこの分また減らさしてくださいねと。  この二つなんです。年金もらう人の数が増えます。それから支え手が減ります。ここの部分を年金の給付のところに反映さしてくださいと言っているのがマクロ経済スライドだというふうに御理解をいただければと存じます。

小林温自由民主党

○小林温君 ありがとうございます。  少し、その今のマクロ経済スライドで世代間の不公平をどうやってなくしていくかと、こういうことについて議論させていただきたいんですが、私、現在四十歳でございます。日本の社会保障制度の中で四十歳というのは極めて象徴的な年でございまして、二十から六十までの国民年金の加入義務期間の折り返しであると。それから、私も引き落としで驚いたんですが、介護保険料を実は納め始めるのも四十のわけでございます。  ある私の友人がこういうことを言っていまして、四十前後の世代は、日本社会で今まで圧倒的な存在感を持ってきた舛添先生のような団塊の世代と、それから個人主義だが独特のスペシャリティーを持った、多分堀江君なんかはそうだと思いますが、新人類の世代に挟まれた名なしの世代だということなんですね。しかし、我々は四十歳ということで日本の平均年齢付近に位置して、子育てだとか親の介護だとか、年金、医療、リストラ、こういうあらゆる諸問題に実は直面しているんですね。ですからこそ、この私自身も含めて、この改革をしっかりと成し遂げていくという逆に責任があるんだという自覚を持っているわけでございます。  で、我々は多分年金についても、やっぱり納めておかないと体面があるからなと、こういうふうに考えるんですが、新人類の方々はもっとドライで、戻ってこないんだったら納めなくてもいいやと。三木谷氏は目上の人に会うときにネクタイ締めてひげそって行くんですが、堀江氏はやっぱりTシャツで行っちゃうんですね。これは別に新人類が悪いんじゃない、私はこれからの日本をつくっていく大きなパワーの源は新人類であると思いますが、そういった方々にも年金にこれから加入をしていただくためにどうするかということを議論しなければいけないというふうに思います。  ちょっとパネルを見ていただきたいんですが、(資料提示)これも言い古された議論でございますが、国民年金の納付率が若年層ほど低いということでございます。四八・六%しか納めてないということですね。一方、団塊の世代、舛添先生たちは偉いんですね、七九・八%も納めている。二・五倍ぐらいこの納付率の差があるんですね。  なぜこういう若い人たちがこういう年金を納めないのか。不安や不満というのを聞くと、一つには、やっぱり保険料が上がり続けるんじゃないかと。それから、負担をしても見合った給付が受けられないんじゃないか。そしてもう一つは、先ほどもお話がありましたように、世代間で不公平があるのではないかと。幾つかの要素があると思います。  もう一つのパネルを見ていただきたいと思うんですが、(資料提示)これは明らかに、七十歳の方は納付した額より給付の額の方が六・四倍、厚生年金の場合、国民年金の場合五・八倍です。今おぎゃあと生まれたゼロ歳児は二・三倍と一・七倍です。掛けた分が戻ってこないということは実はないわけでございますが、こうした世代間での不公平と言っても、言っていいかどうか分かりませんが、違いがあるのはこれは確かだというふうに思うわけです。  ですから、こうした不安をやはり取り除いて、我が国の年金制度大丈夫なんだと、日本国民として年金納付しようよと、こういうこと、特に若年層の皆さんに分かっていただくということが大事なんだと思いますが、是非今日は総理に、今日学生の皆さんも春休みでおうちにいらっしゃるかもしれません。新卒の方や新社会人、これから年金納めていいのかどうか分からない方もいらっしゃるかと思いますが、安心なんだということを是非総理の御自身から御説明をいただければと思いますが、いかがですか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) よく年金の議論が出てきて、この年金を批判する論調の中に、納めた保険料よりも給付は返ってこないと、損だという議論がなされました。私は、これについては、どんな私的な年金よりも公的な年金は有利なんだと。なぜかというと、私的な年金には税金が投入されていません。それから、今マクロ経済スライドありますが、物価スライドという、公的年金はありました。これからマクロスライドに変わっていきます。それにしても税金が投入されますし、そしてそれは損だとすれば、長生きしなかった場合は損だというよりも、これは言われちゃうとちょっと困るんですが、支え合いですから、自分たちが親の世代に自分たちの保険料で支えているんだと。自分もいずれ親の世代になれば若い人から支えられていく。支え合いの思想を持っていただかないと、損だ得だという議論はあんまりしない方がいいんじゃないかと思っていますが、いずれにしても、これほど、これから基礎年金、もう二分の一国庫負担、税金投入するわけですから、納めた保険料よりも、七十代、六十代の人に比べれば何倍もはもらえないというのは事実です。それはなぜかというと、お年寄りが当時は少なくて若い人が多かったです。これからはもらう方が増えていきますから、支える若い人は少なくなっているんですから、かつての七十代、八十代の皆さんのように納めた保険料の四倍、五倍はもらえないけれども、自分の払えた納めよりも必ず多くなるということはよく御理解していただきたいと思います。

小林温自由民主党

○小林温君 今、総理のお話の中でもありましたが、タウンミーティングなんかに行くと、百万円納付しても八十万円しか返ってこないんでしょうみたいなことを、まじめな方、まじめな顔で若い方に質問されるわけですね。ですから、今総理の御説明のようなことがしっかりと認識をされていって納付率が上がっていくと。そして、より持続可能な制度に政府としても知恵を絞っていくという、こういうお取り組みをまたお願いをしたいというふうに思います。  そこで、もう一つ、雇用の流動化ということについてちょっと尾辻大臣にお伺いをしたいんですが、私も実は民間と民間、国民年金と厚生年金の間を何度か行ったり来たりしました。手続が難しい、面倒くさいというのも実はあるわけですが、例えば私の先輩で十五年間に十二回職を変えた人がいます。金融機関でヘッドハンティングで変わるわけです。それから、MアンドAやっていて、一仕事もうけると二年ぐらいもう何もしないで休む人がいるんですね。その間、国民年金に加入するわけですが、今言われているニートとかフリーターとかあるいは非正規雇用という問題だけじゃなくて、やっぱり雇用の流動化というのは政府や厚生労働省が想定しているよりも速いスピードでダイナミックに進んでいると思います。  ですから、先ほどの新人類の方々にも納付率を上げていただく、あるいは若いそういう新しいライフスタイルを求める方にも年金に対してしっかりとした御認識をいただくという意味では、こういう部分をやっぱり制度の改変の中にしっかりと織り込んでいくという必要があると思います。タレント連れてきて宣伝させたから納付率が上がるというのは、私はこれは間違いだと思います。  そういった取組について、是非雇用の流動化という観点から、尾辻大臣、お答えをいただければと思います。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 今お話しのように、年金制度を支えてもらう現役世代のその就業する業種や就業形態について一層の変化が予想される、これはもう我々が予想するよりも速いスピードで変化するんじゃないかという今お話もありましたが、私どもも大変速いスピードでこの変化があるということは予想をいたしております。  これに対して、年金制度をどう在り方を、どういうふうに在り方を求めていくかということ、これは大変重要な課題だと思っております。したがいまして、今度の年金についてのいろんな議論の中でこうしたことも議論していただければ有り難いというふうに思います。  基本的にはそう思いますけれども、少し付け加えさせていただきますと、そうしたことがありますから、年金一元化を含む年金制度の在り方について検討を進めていただく、この上で、雇用の流動化の一層の進展化、進展する中で、雇用する側とされる側のいずれにも中立的な仕組みになる、ここのところがポイントだと思いますから、保険の制度で雇用する側がこんなふうに雇おうとか、今度は雇われる方が保険のことを考えるとこういう雇われ方にしようとかというような話になるとこれはまずいと思いますから、中立的なやっぱり年金制度にならなきゃいけない。そこのところが一番のポイントだと思いまして、是非そういうことをお考えいただきながら御議論いただくと有り難いということをあえて申し添えたいと存じます。

小林温自由民主党

○小林温君 時間が参りました。  今後、年金だけではなくて社会保障制度全般の改革を進めていただかなければいけないわけでございますが、そうした中で、今は国も選べるんですね。別に日本に納税しなくても、日本で社会保障受けなくてもいいという考え方が国際化の中でも出てくるわけでございます。  そういった方々にも、やっぱり日本に住んで、そして日本に税金を納めて、日本で年金を納めたから良かったと、こういう信頼の持てる国家づくりのために小泉総理始め政府の皆さんには邁進をしていただきたいということをお願いを申し上げ、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 以上で舛添要一君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 次に、山本孝史君の質疑を行います。山本孝史君。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 新緑風会・民主党の山本孝史でございます。どうぞよろしく。あっ、民主党・新緑風会です。失礼しました。  今お話ありましたように、年金改革についての与野党間の話合いが持たれているようでございますけれども、与党の皆さん方は、自民党と公明党と民主党の三党で国会の外で話合いをしようと、こうおっしゃっておられるようでございます。民主党は、かねて申し上げておりますのは、すべての政党が参加して国会の中で国民に見える形で協議をしたいと、こういうふうに申し上げておりますので、何か今の与党の皆さん方の思いは、国会の何か外の密室で幹部が集まって談合で物事を決めようと言っておられるようで、そういう企てに私たち民主党は乗ることはできないということをまず申し上げておきたいと思います。  三回も厚生大臣をなさった小泉総理大臣にこういうお話をするのは正に釈迦に説法なんでございますけれども、年金の何が問題なのかというか、私が今日何を申し上げたいかということを国民の皆さんにも理解をしていただくということも含めて、少し年金の、今の日本の年金がどうなっているかということを冒頭話をさせていただきたいと思います。  皆さんのところに資料がお配りさせていただいていると思いますが、(資料提示)日本の年金は、戦争中にこの厚生年金というものができ上がりました。そして、戦後、三十六年になりまして、勤めている人だけではなくてそれ以外の人たちにも年金制度をということで国民年金ができました。そのときは、したがって年金制度は縦に分かれている、分立していたわけです。ところが、国民年金が財政的にもたなくなったということで、昭和六十年にいわゆる基礎年金制度というものを作って年金制度を再編をいたしました。その時点で、年金制度は縦ではなくて横に分かれる二階建ての年金制度に日本の年金は変わったわけです。  すなわち、今どうなっているかといいますと、この国民年金の一号、いわゆる一号年金は自営業者とおっしゃいますけれども、今一番多いのは、実は厚生年金に入れない働いておられる方たちが一番多いのでして、その方たち、あるいは自営業の方、学生などの皆さんは国民年金の第一号被保険者というふうに呼ばれまして、保険料はこの四月から二百八十円上がって毎月定額の一万三千五百八十円を払うということになっています。  勤め人の方たちは国民年金第二号被保険者に入っておりまして、保険料は去年十月から〇・三五四%上がって一三・九三四%の保険料を所得に応じて事業主と折半で払っております。勤め人の被扶養配偶者が第三号被保険者と呼ばれております。二号、三号の保険料のうちの約五%程度が基礎年金に回っているという、こういう形になっております。したがって、厚生年金に加入しているというか、サラリーマンは厚生年金といいますが、サラリーマンは、実は働いて、勤めておられる方たちは厚生年金、共済年金と、この下の部分の国民年金にも加入をしているという形になっているわけです。  ここで問題になるのは、基礎年金としての給付は、一号、二号、三号どれであったとしても、立場にかかわらず、加入した月数に応じて支給をされます。すなわち、ところが、保険料の負担の構造が、さっき申し上げましたように、国民年金という一つの制度に入りながら、一号は定額、二号、三号は定率という形になっていて、給付は一元化されているのですが、負担の構造は実は国民年金という一つの制度にもかかわらずばらばらになっているのです。厚生年金の加入者の間では、この基礎年金保険料を定率で負担をして定額で給付をしますので、ここでは所得の再分配が起こっております。しかし、一方、国民年金では所得の再分配はありません。私たち国会議員やあるいはお医者さん、弁護士など所得の多い方たちも一万三千三百円で済んでいますし、所得の非常に少ない方たち、ない方も一万三千三百円払ってくださいということで、非常に逆進性の高い保険制度に今なってしまっているわけです。  この国民年金の保険料を定額にするのか定率にするのかということは、昭和三十六年に国民年金ができたときも、あるいは六十年に基礎年金制度を作るときも大変な議論でございました。今も決着が付いていないんだと思っています。しかし、もうこのままほっておけなくなってきているのではないかと私などは認識をしております。負担が重いか軽いかということも大変大きな議論ですけれども、負担が公平なのか公平でないのかということがこれから大変大きな議論になってくるんだと思っています。したがって、基礎年金をどう改革するのかということが実は年金改革の非常に大きな柱になっているわけです。  そういう認識を持った上で、小泉総理が議長を務めておられます経済財政諮問会議の中でもこのことが大変議論になって、やはり基礎年金をどう改革するかということについて国民の合意を得てほしいというようなお話になっている。その場にずっと出ておられますので、総理よく御存じのとおりだと思います。  そこで、御質問させていただきたいというふうに思っております。──ありがとうございました。  すべての国民が、職業が何であるか、あるいは職業に就いているか就いていないかにもかかわらず、全員が、申し上げましたように、同じ国民年金という制度に入っているにもかかわらず、給付はしかも満額で月額約六万六千円とみんな同じように一元化されているにもかかわらず、申し上げましたように、負担は実は一元化されていないのです。このことについて総理はどのようにお考えになっておられるでしょうか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それはもう難しい制度、私よりもよく詳しい山本議員、まあこの複雑な制度を、私、厚生大臣時代から何度も聞いていますけれども、もう説明を受ければ受けるほど難しい制度ですよ。各給付もそれぞれ収入によって違ってくる、又は率において負担も違ってくる。それで、共済も厚生も国民年金も、収入においても自営業者とサラリーマンは全然違いますから、そういう制度を一応基礎年金の部分で横に全部一度貫いちゃうという。  そこで、給付と負担の点について難し過ぎるから一元化の話が出てきているわけでありますが、この問題について、私はこういう複雑な制度より年金一元化がいいという議論はよく分かっております。だからこそ、この議論を早く進めようということで呼び掛けてきたわけでありますが、ここでこの制度の仕組みを説明するのがいいでしょうか。こういう場で、余りにもややこしいんじゃないでしょうか。大枠の、この各大臣が出席して、その制度の仕組みをどうかという大ざっぱなことは国民も分かると思いますが、具体的になればなるほどこれ複雑になってくる仕組みなんです。  私は、質問、普通質問する人は答弁する人よりも分かってないはずなんですが、今日の場合は、山本議員は答弁する方よりもよく分かっている方であります。そういう点について、これからの年金の問題について、私は、今指摘された山本議員の一元化に対するそれぞれの複雑な仕組み、問題点、各党でよく協議して一つの方向を生み出すことができればなと思っております。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 そうおっしゃると思いましたので、国民の皆さん方に、あるいはここにおられる委員の皆さん方にも何が問題なのかと。基礎年金のところの負担が同じ国民年金に加入しているにもかかわらず、その一号、二号、三号の間で負担の構造が違うと申し上げたのは、負担が重い軽いということも大変だけれども、負担が公平でないということについて、例えば今申し上げました一号の、私たちも一号、大臣もあれかもしれませんが、私たちのような所得の者でも一万三千三百円なんですね。全く収入のない方も一万三千三百円払ってくださいという仕組みになっているわけです。非常に逆進性が高いわけですね。  そういう中で、経済財政諮問会議の中で、いや、総理出ておられて、議長でずっとお話を聞いておられるからきちんとお分かりになっていると思うから、あえてこういうふうにお聞きしているのであって、基礎年金の一元化、とりわけその負担の一元化をするということは、本間先生からもそこは指摘をされておられるわけです。これは難しい話ではなくて、制度がややこしいから駄目だというのではなくて、負担が一律でないということについて、この制度をこのまま放置しておいていいのだろうかというふうに私はお聞きをしているわけです。もう一度お願いします。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、もうかなり前から年金一元化ということを真剣に政府は考えてきたんです。しかしながら、現実の問題で今、今言ったような難しさが残っていてなかなか進んでいないと。ようやくこれから厚生年金と共済年金の一元化問題が現実の問題になろうとしております。その後の国民年金というのはこれからの話でありますが、私は、その公平な負担と給付というものを考える場合には、やはり納税者番号という問題も避けて通れないと思っております。そういう点について、率直にこれから協議を始めた方がいいんじゃないでしょうか。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 この委員会で阿部正俊委員が御質問を同じようにされまして、阿部委員は、負担についても一律定額にすればいい、すなわち一号であれ二号であれ三号であれ、国民すべて同じように一万三千三百円負担したらいいではないか、こういう御主張をされました。私はそれに対して思いますのは、申し上げましたように、二号の被用者の中、勤め人の中では所得の再分配、定率で保険料を払って定額でもらうわけですから所得の再分配を行っておりますので、それはサラリーマンにとっては非常にいい制度だと思っています。元々のやはり国民年金一号の一万三千三百円の定額、一万六千九百円まで上がりますけれども、これがやっぱり負担に無理があるというふうに思いますので、先生の御提案ですけれども、私は定額は無理ではないかと、こう申し上げたわけです。  自民党の皆さん方あるいは政府は、年金は社会保険方式でなければいけないと言い続けておられるわけですね。そんなに社会保険方式にこだわるのであったら、やっぱり定率で負担して定額で給付するということについてどう考えるのか。すなわち、定額で定額なのか、定率で定額なのか。私、何申し上げているかというと、質問を変えれば、一体基礎年金というのは何なんですかと。それは所得再分配なのですか、あるいは保険なんですかということをお聞きをしているのです。お願いします。総理、お願いします。総理、お願いします。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) すべて御存じの上でお尋ねということはさっきから、さっき総理からもお話し申し上げたとおりであります。あえてお答えをいたしますと、やはり私どもはあくまでも保険だというふうに考えておるところでございます。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 私も全部知っているわけではありません。しかし、国民全体が思っている疑問ですとか、経済財政諮問会議の中で指摘されていることですとか、私は国会の中で議論するのも大変重要だと思っていますが、一つのアイデアとして、経済財政諮問会議の議論をもう一度この場で再現していただければいいのではないだろうかと。あれは非公開なので、議事録で読むことはできますが、皆さん方、谷垣財務大臣も尾辻厚生労働大臣も必死になって民間委員に抵抗されておられるような形になっておりますが、各省庁、おっしゃっている大臣、皆さんお立場違うわけですよね。あの議論をプレーバック、経済財政諮問会議でここでやっていただいて、国民の前で見たら非常に議論が分かりやすいと私は思っております。ここはやはり、基礎年金は何かということについて、総理はやっぱり説明しなければいけないのです。  二階部分……(発言する者あり)皆さんも聞いてください。二階部分は完全所得比例ですので、保険料に払ったら戻ってくるという、完全にこれは社会保険方式になっているんです。一階部分は定額給付ですから、これはほぼ税の性格に近いものになっているわけで、所得再分配になっているんです。だから、二階は社会保険でいいんだけれども、一階は税というふうに、六十一年に基礎年金制度ができたときから性格が変わってきたわけです。ここをどう議論していこうかという話になるんですねと、こう言っているわけです。  次の質問に行きます。給付水準の問題です。  この委員会の中でも生活保護と基礎年金の水準の関係についていろいろな御議論がありました。保険料を払っている人が生活保護よりも少ない基礎年金しかもらえないのはおかしいという声が皆さんの中から出てきました。そのことについてどういうふうにお考えになるのか。総理は、この今の関係の中で、基礎年金額が低過ぎるとお考えなのか、あるいは生活保護の水準が高過ぎるというふうにお考えなのか、どのようにお考えでございますか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは何回も議論されておりますが、結局、生活保護と年金という、性質が違いますから、まず生活保護というのは、もう資産もない、生活できない、もうほかに収入がなくて、どの程度の額だったらば生活できるかという基準と、保険、年金というのは、今まで保険料も掛けております。そして、資産もある方も受け取ることができます。そういう点において、確かに今の保険料だけで、この年金制度できたときには、あんなわずかな年金もらったって小遣い程度だよといって批判した人もいたわけです。しかし、今はもう年金というのはお小遣いどころじゃない、生活の大きな柱です。  そういうことから、年金を負担する、受け取る方の意識も変わってまいりましたが、確かに生活保護の方が多いと、自分のもらう年金はこれまで掛けてきたのに少ないと、おかしいと思っている方もたくさんおられるということを承知しておりますが、元々、生活保護と年金という、質が違いますから、この点についてもっと国民的な議論で、これから与野党協議なさると思いますが、じゃ生活保護で面倒を見るのか、年金が全部生活面倒見るのかという、もうそもそも論から入っていっちゃう。そうなると、税金で全部見た方がいいという考えも出てくると思います。しかし、税金で全部見るとなると、それでは所得の高額者と低所得者、どうなるのかという問題も出てきます。  いろいろな問題があるからこそ、こういう問題については、私は早く協議を始めた方がいいということでありますので、一概に生活保護が高い低いという問題じゃなくて、年金よりも現実に高いものが、生活保護の方が確かに多いのはたくさん出ておりますが、それはその地域によって生活保護、生活するにはどの程度の額がということで支給しておりますので、一概に高い低いと、年金が、自分が保険金を、保険金を積み重ねているにもかかわらず生活保護よりも低いからけしからぬという気持ちは分かりますけれども、やっぱりそもそも論ということが違うものですから、その点については私はよく考えていただかなきゃならない問題だと思っております。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 途中でおっしゃいましたように、生活保護と基礎年金の制度は違うので単純に比較することはできないんだと、こうおっしゃいました。  ここにおられる皆さん方はほとんど、こう言って自民党の方を指すのは失礼ですけれども、生活保護は高過ぎるという御議論ばっかりされておられるのですね。生活保護とやっぱり基礎年金の水準をどう考えるのかというのがあって、これは衆議院の側の厚生労働委員会や予算委員会の質疑を聞いておりますと、公明党の福島豊先生は、これは両方がそろえよというのが国民的コンセンサスではないかと、こうおっしゃっておられて、私もそうだと思っています。イギリスは生活保護の方が低いんです。まあそれは、生活保護はやっぱり貯蓄ですとか補足性の問題がありますので、生活保護というのもありますけれども、その生活保護と基礎年金とは全く違うというふうに突き放してしまうのもいかがかと思いますし、両方の問題をしっかり議論しなければやっぱりいけないと思っているんですね。  国民年金は、夫婦でもらっている間は何とか、すなわち基礎年金を夫婦でそれぞれもらっている間は何とか生活ができたとしても、一人が亡くなりますと基礎年金一人分になりますので、その時点で生活保護に転落をするという高齢者世帯が非常に多いわけです。今、生活保護を受けている方たちのほぼ半分近くは高齢者なんです。高齢者の皆さん方が多分病気をするとほぼ生活保護に転落をしていくというような状態がありますので、将来の生活保護の支給をどう考えるかということはありますが、ここを考えるときに、生活保護で受けるのか年金額としてもらうのかというところがあって、申し上げたいのは、生活保護で税金を使うというよりは年金としてもらうという形に切り替えることをやっぱり考えた方がいいようにも思うんです。  いずれにしても、やはり基礎年金とは何かということの議論が非常に重要なんですね。そこは国会の中で議論してくださいというふうにおっしゃいましたけれども、これはやはり基礎年金は何かということについて国民の側にしっかりメッセージを伝えないといけないのではないかと思っています。  なぜそういう思いを持つかというと、それは、去年の六月三日の参議院の厚生労働委員会で、私の質問の後、公明党の質問が終わった後で強行採決になってしまって、そのときに総理に最後にお聞きをしたマクロ経済スライドの問題なんですが、先ほど小林委員がマクロ経済スライドはこうだと御説明されましたので詳しいことは申し上げませんけれども、マクロ経済スライドが実は基礎年金にも掛かるという仕組みに今度は法改正されています。したがって、六万六千円の、四十年間払って満額六万六千円の基礎年金が、これから二〇二三年までの間に一五%実質的にカットされるということになります。ということは、約六万円近くまで基礎年金が落ちてくるわけですね。  そのときに、一体基礎年金というのは何なのかと考えたときに、本当にマクロ経済スライドをこの基礎年金まで掛けたのは、私はやはり、あのときも御主張申し上げているし今もそう申し上げておりますが、間違いなのではないかと思っておりまして、そのことについて、もう一度総理のお考えをお聞かせをいただきたいと思います。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は間違いだとは思っておりません。財政を均衡させなきゃこの年金は持続できません。そして高齢者はどんどん増えてまいります。先ほど厚労大臣が説明されたように、給付受ける方が増えてきますし、そして負担する方の財政をどう均衡して持続させるかということになりますと、これは給付を若干抑制してもらうということで、物価スライド、賃金スライド、総合的に考えてなされた方式でありますので、私は間違いだったとは思っておりません。  今回の、昨年で批判を浴びた中での年金制度の改革の中におきましても、マクロ経済スライドと、そして一定の保険料の上限と給付の下限というものを決める、さらに基礎年金の部分の二分の一への国庫負担を引き上げていくという大きな柱の中での一つの新しい意義ある改革だと思っております。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 ですから、保険料の上限固定方式とマクロ経済スライドを導入されたということについて、それが柱であったことは理解をしております。  しかしながら、申し上げているのは、基礎年金の約六万六千円は四十年間、すなわち四百八十か月きっちりと払ってきた人が満額今受け取れる年金額です。しかし、残念ながら満額をもらっておられる方が少ないということはもう総理も御承知のとおりです。その金額が一五%のこれから年金カットされてくるわけです。  基礎年金という表現を使っていること、これも申し訳ありません、御承知のとおりに、高齢期における生活の基礎的な支出をそれによって賄うということでこの基礎年金というものになっています。その部分は、したがって国民にとってはこの部分、まあ生活保護との基準の問題はありますけれども、これはひとしく国民に何とか保障していこうということでつくり上げられたのが基礎年金ということでしたし、その言葉にも付いているのだと思うんです。政策的に、上の部分も下の部分も一緒にマクロ経済スライドの対象にしなければ、法律として上の部分だけ下げるという話は通りにくかったという御判断は、政策判断というか、政局判断としてはあったとは思うんですけれども、それはやはり基礎年金というものの性格を考えたときに明らかに政策判断としては間違いで、これはできるだけ早く元へ戻さないと高齢者自身の生活が成り立たなくなってくるというふうに私は思っております。  社会保険方式なんだからというふうにおっしゃいます。本当に基礎年金部分が社会保険でいいのかどうか。払ってない人にはもらえない、それは社会保険としていいんですが、それで本当に高齢者の生活が支えられるのかというと、私はやはり違うというふうに思っています。ここの議論がやっぱりきちっとなされないと駄目なんで、その意味で経済財政諮問会議はきちっと議論されておられますので、その議論をフォローするということも重要かなと思っております。  それで、そこで、そこで、申し訳ありません、いろいろお聞きしたいことがありますので。  今日は基礎年金に絞ってお聞きをさせていただいておりますけれども、基礎年金の財源に社会保険方式ということで、先ほど申し上げました、今、これも御承知のとおりに現行の基礎年金は給付をするときに三分の一が国庫負担が入る形になっています。残りの半分は一号は一万三千三百円、二号、三号は事業主との折半で保険料として払っているわけですけれども、今議論になっているのはこの基礎年金に充てる財源を何を使うのか。今は保険料とそれから一般財源から持ってきているこの国費ですね、国庫負担ということになっている。それを、議論になっているように、そこに消費税というものを入れたらどうだとか、あるいは今定率減税を廃止して一部を入れ込んだらどうだと、こういうふうになっているわけですが、あるいは事業主負担をこれから先どういうふうに求めていくのか、いろんな議論がそこにあるのだと思っています。  ここはどういうふうにファイナンスするかは大いに議論していかなければいけないと思っておりますが、そのときに財務大臣と厚生労働大臣に、私、今日できるだけ提案型でお話をさせていただきたいと思っておりますので、一つの提案なんですけれども、相続税、相続税というものについて、年金目的相続税というものは考えられないんだろうかと思っています。  なぜそんなことを申し上げるかというと、年金というものについて、言わば社会全体で扶養させていただいた。それで一生を全うされたときに、もし遺産が残ったとすれば、それはそのお子さんに行くのではなくて、社会の方に返していただくということを、まあ昔は子孫に美田を残さずというようなことも言いましたけれども、これを是非そういう形で、今相続税一兆円少しだと思います。そこをどう考えるのか。課税源の広がりも含めて、少し所得、その何といいましょうか、年金目的相続税というものを検討してみてはいかがかと思うんですが、まず財務大臣にお伺いします。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) まず、相続税にどういう役割を持たせるかということですね。それで、これもいろんな議論があり得るんだと思いますが、今は政府税調等でいろいろ社会の変化に伴ってどういうふうに考えたらいいのか議論をしていただいておりますが、今の政府税調の議論は、経済も大分ストック化が進んできたとか、それから人口構成も高齢化してきたと。それで、結局高齢者の資産保有の割合というのは高まっているわけですね。そうすると、資産の再分配機能を有する相続税はもう少し役割を果たしてもらうべきではないかと。このところは、やっぱり相続税の負担が重いという議論がどちらかというと中心だったわけですが、もう少し相続税の再分配機能というのに着目すべきではないかという議論が一つございます。  それからもう一つは、今のお話もそうですけど、老後の扶養を社会全体で支える傾向が強まってきていると。老後の扶養の社会化とでも言うんでしょうか。だから、それは相続時に残された個人資産からその一部を社会に還元する観点から、負担を求める必要性も高まっているじゃないかと。これはすぐに年金だというわけじゃありませんけれども、そういう議論も一方にあって、要するにその相続税について、より広い範囲からその税、適切な税、税負担を求めるために、言わば相続税の課税ベースを広げる必要がありはしないかという議論が行われているところでございます。  そういう、まあそれが今の一つの議論ですが、そういう中で、じゃ今、山本委員の御提案の相続税、相続目的、年金に目的税と、基礎年金の目的税としていくのはどうかということですけれども、これはやっぱり相当考えなきゃならない問題点があるんだと思うんですね。要するに、基礎年金というのはすべての高齢者が対象でございますけれども、これはどれだけ相続税を課していくかということもございますが、現状ではお亡くなりになった方百人のうち五人程度が相続税を納められると。これは、ですから受益者と、受益と負担の関係をどう整備して、整理していくかという問題が一つあると思います。  それからもう一つは、遺産のうち、確かにもう一つはそういう社会化が進んできたという議論があるわけですね、老後の生活の。ただ、遺産というものは必ずしも皆の社会的扶養といいますか、そういうことだけで形成されてきたものではないということがございます。要するに、相続財産すべてに相続税は対象となっているということがございます。そこをどう考えるかと。  それから、最後にやはりその量的な問題として、先ほど山本委員もおっしゃいましたけれども、大体今一・二兆円ぐらいでございます、一年間の相続税収が。さあ、それがこれからの基礎年金、三分の一から二分の一に持っていくというときの財源として、基礎年金の財源として十分なものたり得るかといったような問題があると思うんですね。  だから、こういう辺り、まだ議論は完全に我々も煮詰めて決着を付けたというわけではないんですけれども、こういう辺りをどう考えていくのかということがありますんで、まだ我々としてはいろんな議論が必要じゃないかと思います。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 年金目的と申し上げたので、少しそこに限定されたのかもしれません。  総理にお伺いしたいんですが、例えば特別養護老人ホームであったり、あるいはこれから議論されるであろう高齢者医療制度であったり、高齢者の生活なり医療なり福祉を社会全体で税金で支えるという形になってきます。そのときに、この何といいましょうか、社会保障財源としてその相続税として賦課していただくということを考えてみたらどうだというのがポイントだったんですが、総理、今のお話聞いておられて、どんな感じでございますか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、できるだけ目的税というのは避けた方がいいと思っているんです。  消費税を最初に導入したときに三%、これは福祉目的税にしようという議論が出ました。大方の福祉関係者の意見を聞いてみたところ、圧倒的に反対論者が多かったですね。というのは、この消費税を福祉目的税にした場合には、これからの将来考えると、必ず福祉関係の費用はどんどん増えていくと。そうすると、三%が必ず上がっていかないとこの福祉の手当てはできない。で、消費税上げるっていうことを反対すると、じゃ福祉は拡充できない、そう言われるのが嫌だから、福祉関係者の方がこの三%を導入するときに目的税に反対したというのはよく覚えています。  私は、今相続税のみならず、民主党は恐らく年金の目的税に消費税を上げようという主張だと思いますが、それはさておいて、相続税の問題についても、私は、それぞれ個別に、余り目的税というものに使われない方がいいのではないかなと、一般財源として必要な財源は確保するという中で考えていった方がいいのではないかなと思っております。一つの案としては検討していく必要があると思いますけれども。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 かなり私は個人的にも踏み込んで、こういうふうに考えてみたらどうだろうと、こう申し上げている。そういうことをきっかけに国民の皆さん方に是非理解をしてもらおうと。それが、これであれだから駄目だ、こんなことがあったから駄目だと、こういうのではなくて、できるだけ皆さん方に理解をしてもらって、これから国民と一緒に社会保障なりこれからの財政再建を考えていこうというところでの是非御答弁を私は期待して御質問申し上げております。  時間が短くなってきましたので、ちょっと質問を一つにして財務大臣にお伺いをしたいんですが、今申し上げている基礎年金制度への税金の投入の在り方の問題です。  申し上げましたように、基礎年金が、今度は受けるときに、拠出金制度ですから必要な額の三分の一を国庫で負担をするという形で、べたで入れる形になっています。したがって、形の上では高額年金の方にも基礎年金、すなわち税金を差し上げるということになるわけです。  今度、三分の一を二分の一にもし引き上げたとすれば、高額年金の方にも更に税金を投入するという形になるわけです。したがって、一つの議論として、基礎年金制度における税金の投入の在り方というものについてどのように考えていったらいいのか、これは大いに議論になっているところだと思いますので、財務大臣のお考えをお聞かせください。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 要するに、年金を持続可能なものにするためにどうしたらいいのか、税金投入を三分の一から二分の一に持っていこうと、その中で随分いろんな議論を、経済財政諮問会議、さっきから挙げておられますが、その中でも議論をいたしました。  そういう中で、べたで入れるのがいいのかどうかというのは相当いろいろ問題意識がありまして、私の前任者の塩川大臣は、やっぱりそれはいけないんじゃないかと。つまり、やっぱり税金というのは、広く薄く集めたものをべたっと広く薄く使っちゃ効果が出ないんで、やっぱり必要なところに重点的に投入するという方向で考えるべきではないかという御意見を経済財政諮問会議でも言っておられたところでございます。  私も、就任したとき、まだ議論、決着が付いておりませんでして、私も税の使い方としてはそういうふうなことを考うべきではないかなと当時考えていたわけです。しかし、そういういろんな議論の中で、やはりマクロ経済スライドが入って、そういうことで持続可能性を担保しようと。  その上で、先ほど委員もおっしゃいましたけれども、基礎年金というのはやはり老後の生活を支える、すべての国民の老後の生活を支える基礎的部分だから、そこは税を二分の一から三分の一に、あっ、三分の一から二分の一に入れていくという、委員のお言葉では、べたというのはいい言葉かどうか分からないですけれども、入れていこうという方向で問題点を整理したというのは、今の、今我々の歩んできた道はそういうことなんだろうというふうには整理をしているわけでございます。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 そういう考え方の中で、私どもも、スウェーデンのように最低保障年金ということで税をどこかに特化するという形も考えられるし、あるいは、申し上げているように、所得比例にしてこの基礎年金の、すなわち国民年金の保険料も所得比例にして皆さんに御負担いただく。そのときに所得比例にするのか、できるかできないかという議論で、結局今定額になっているわけですが、そこを所得比例にしよう、所得比例ができないのであれば次善の策として消費税に置き換えよう、こういうふうに申し上げているわけです。消費税にすればほとんど所得比例に近いものになってくるということで、こう申し上げている。  そのときでも、今きゅうきゅうとしておられるし、消費税議論もなかなか進まないのかもしれないし、というときに、もう一度、今、二分の一、三分の一から二分の一に上げることに政府・与党はきゅうきゅうとしておられますけれども、そのときにもう一度、なぜ二分の一なのかということについても、なぜ全部に対して入れるのかということについてもお考えを整理をして、税の負担を求める皆さんに御説明をされるということが非常に重要だと思っているのです。  したがって、この時期、団塊の世代が引退をしてしまうこの前の時期にしっかりとした年金制度の将来図を決めないと問題が多いと思っておりますので、そういう意味で、秋口までに是非骨格を決めたい、その中にこういうお話も是非入れ込んでいかなければいけない、こんなふうに思っているわけです。  その意味で、もう一つ、税の投入の仕方として、今基礎年金の給付時に投入したらどうだと申し上げました、ことをどうかとお聞きをしましたけれども、もう一つ、給付するときに税金を使うというのではなくて、保険料を払えない人に対して代わって国費で保険料を払ってあげる。すなわち、給付時の国庫負担ではなくて納付時の国庫負担というものにしたらどうだろう、こういうアイデアはどうだろうと。是非考えていただきたい。  何でかといいますと、御承知のとおりに、介護保険制度をつくりましたときに、生活保護の人も保険料を払うという仕組みにしました。今、年金制度は、生活保護は免除で保険料を払わなくてもいいということになっています。今議論になっております国民健康保険のこの税金の投入の仕方ですけれども、あそこに、低所得者のための保険料を減免した分を税金を投入するという仕組みを国民健康保険では取っています。したがって、保険料が払えない人のために税金でもってその分を財政に入れるという形を介護保険も国民健康保険も取っているのです。年金はそうはしていないのですね。  したがって、もし払えない人に免除するというと、ずっと払えなかったという苦しい期間が続くと年金額が少なくなりますので、一生涯、老後においても常にこの苦しい生活が続いてしまうわけです。苦しい人は一生涯貧しいままに過ごせというのが今の日本の年金制度になっているのです。  そうではなくて、負担をするときに払えない人に代わって税金を納めてあげれば、それによって今度は、受けるときは満額を受けるという権利が生じてきますので、少なくとも基礎年金六万六千円の満額がもらえるという時代になってくるのではないか、もちろん四十年掛かりますけれども。  そういうふうに税金の投入の仕方を変える、イギリスでもそのような改革をしたわけでございまして、それを是非お考えくださいと、こう申し上げているのですが、いかがでしょうか。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほど来の先生のお話伺いながら、私こういうふうに理解をいたしておりました。私どもはこの年金を完全に保険の世界で理屈付けをしてきて、ずっともうとにかく保険だというのですべてを整理してきた。ですから、私どもなりの理屈で申し上げ、まあ今までやってきたわけですが、先生のお考えというのは、保険の世界と福祉の世界をうんとこうミックスさせて全体考えようというお考えで、ここのところが非常にそれぞれの考え方の違いだし、正にその辺の議論を我々が今してみる必要があるんだろうなと思ってお聞きをしておりました。  ですから、そうした意味での議論をさせていただいて、答えが出せれば、今の具体的ないろんな答えがまた出てくるだろうなと。是非よろしくお願い申し上げますと改めて申し上げます。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 私、衆議院時代に総理と最後の介護保険で随分やり合いをさせていただきましたけれども、介護保険は厚生省がつくった最後の社会保険制度でして、最後というか、最新の社会保険制度でして、社会保険のベストな姿をあの中に盛り込みをしたんです。その一つが、やっぱり保険料の納付するときの負担、生活保護の方も保険料を負担するということで第一段階に置くというような形にしましたし、個人単位化にしましたし、所得に関係なく給付はするという形にしましたし、そういうふうにいい制度をつくっていく。ところが、それがだんだん元の方に戻りつつあるような今気がしますけれども、せっかくつくっているものに、いい方に合わせていくという意味では、この保険料の納付の仕組みを変えるということは非常に重要な私は改革のテーマだと思っています。  残り五分ですので、もう一度最初の質問に戻りましょうというか、マクロ経済スライドの問題に関して、これは私も覚悟を決めながらお話をしますので、総理も率直にお話をしていただければと思っていますが。  マクロ経済スライドは、皆さんが言われるように大変に大きな改革です。将来にわたって一五%を給付をカットするということになりました。ただしそれは、先ほどの御説明にありました前提は、従来の年金は賃金スライドをしていたわけですね。現役の皆さんの賃金が上がれば、年金を受けている方たちも同じようにその便益を受けるということで賃金分だけ上がった。それではしかし給付が抑制できないというので、賃金スライドを捨てて物価スライドにしたわけです。物価分だけは上げますということにしました。それでも給付の抑制が利かないので、今度は物価スライドから一定率を引いて、強制的に〇・九%引いて賃金を、年金額を抑制する。それで一五%、二〇二三年までに削減するということにしたわけです。  しかし、このマクロ経済スライドが利くかどうかというその前提は、実は経済が成長するか、すなわち賃金が上がるか、物価が上がるか。すなわち、名目年金下限法といって年金額そのものは減額しないということにしていますので、去年、十六年度のように物価がゼロですと年金額は〇・九は引けないわけですね。そういう意味では、上がれば下げられるんですが、上がらなければ下がらないということで、実はマクロ経済スライドの効果を発揮するのにかなり時間が掛かってくるのではないか。  この予算委員会での御議論を聞いていて、実は日本の経済成長はこれから先、非常に難しいのではないか、人口減少してくるとますます難しいのではないかと言われている中で、想定されておられるような給付水準、給付と負担の水準がうまく取れるのかどうかということについて、総理は将来の見通しとしてどのように思っておられるのか、マクロ経済スライドの利き方がどうなるのかということについて御認識をお聞かせをいただきたいと思います。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、確かに、このデフレが続いていけばこの効果は発揮し得ない、マクロ経済スライドの。しかし、私は、デフレを克服すると、二〇〇六年度におきましては物価上昇率、プラスにするという見通しのとおりになっていくと思っております。  現に、今まで戦後、デフレというのはなかった、経験したことがなかったわけでありまして、今まではいかにインフレを抑えるかということに政府は苦心してきた。今、逆にデフレを克服するかということに苦心していると。これは長く続くとは私は思っておりません。そういうことから、現在の政府の見通しにおいても、あるいは目標においても、デフレを二〇〇六年度に克服するという、そういう目標が達成されるように努力していきたいと。  いずれ、この物価スライドというのは効果を発揮すると思っております、ああ、マクロ経済スライドは効果を発揮すると思っております。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 それは期待なんですね。そうならなければいけないと思うし、そうなってほしいという話なんで。  私は、政府の役割は正確な情報を国民に早く伝えるということだと思うんです。年金の場合には将来のことですからまだ備えられる時間的な余裕がありますので、そういう意味では、いってから駄目になるというのではなくて、やはりかなり辛めといいましょうか、暗いことばかりおっしゃると言っていつも怒っておられますけれども、でも辛めのところでやっていって、みんなが我慢、努力したらそれが良くなるというようなことでいかないと、甘めでいって落ちるというのは、もう将来は非常に苦しいということになるのではないか、率直にそう思いますもんですから、そういう御質問をさしていただきました。  いずれにしましても、経済財政諮問会議で言われておりますような、国民所得の伸びの中に医療の伸びを収めるということは、私は非常に不可能だと思っています。それは、高齢化が進むし、医療技術が進む中で医療は抑え切れないだろうと思っています。そういう意味では、年金の部分と医療の部分をどう考えるかという非常に重要なテーマだと思いますし、小泉改革と称して安心への備えがないままに競争社会に突入をしていけば、格差が広がるばっかりになってきて、社会は非常に不安定になりますし、国民は非常に不安が募るばかりだというふうに思います。  それで、自民党の先生方は家族主義に復帰すればいいじゃないかと言うけれども、家族主義に復帰するというような時代錯誤なことはもうできないんですね。家族の機能は社会に渡してきたわけですし、それによって経済は実は成長していくのだと私は思っております。  そういう意味で、大いに議論しなけりゃいけないと思いますし、何せやっぱり安心が実感できる社会をつくるということを私たち民主党は全力を挙げて取り組むということを申し上げて、私の今日の質問は終わりたいと思います。  どうもありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 関連質疑を許します。辻泰弘君。

辻泰弘民主党・新緑風会

○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。  総理はいろいろなお立場でおられますので御記憶にはいただいていないかもしれませんが、昨年の年金国会におきまして参議院の方の野党の筆頭理事を務めさせていただいた者でございます。六月三日の年金国会のあのときも筆頭理事で委員長席の隣におりましたけれども、自民党の乱暴な議員の方に首を絞められまして後ろに引きずり倒されたということがあったわけでございまして、先輩諸氏にはもっと首を鍛えろというふうにも言われたわけでございますけれども。  首を鍛えて今日に至っておるわけでございますが、今日は、あのときの憤りと首の痛みを思い起こしながら、言論で総理に迫り、かみ付き、言論で締め上げたいと思うと、このようなことでございます。あの折は大分離れておりましたけれども、今日は近うございますので、ひょっとして飛び掛かるということはないと思いますけれども、まあ御用心のほどをお願い申し上げたいと思うわけでございます。  さて、午前中は定率減税等の景気の議論でございました。その折に雇用者報酬の議論がございまして、今日はここは年金、社会保険料でございますけれども、年金等の社会保険料収入にもかかわることでございますので、一点ちょっと総理が前におっしゃっていたのに、先ほど午前中は御言及がなかったんで、ちょっと一つ教えていただきたいと思うんですけれども。  前に、雇用者報酬に関連して、総理は今国会で、業績を上げて利益が出た企業はもっと雇用者に配慮せよと、給料を上げて、配慮があっていいんじゃないかと、こういうようなことをおっしゃっていたと思うんです。今日午前中、御言及なかったんですけれども、その点について一言お願い申し上げます。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、企業がそれぞれの努力によって業績を上げ、社員の努力に報いる手段として、でき得れば従業員の給料を上げることを考えるのがいいじゃないかと申し述べたのはそのとおりなんです。  それ、しかし、政府が企業に命令するわけにいきませんから、経営者の方はそういう点もよく考えていただきたいと。設備投資も大事であります。しかし、社員が意欲を持って働くことができるようなということを考えると、その利益の一部を給料を上げる方に考えていただければ経済的にも好ましいものには、ものになるんではないかと。それはどういうことかと言われれば、その言葉どおりなんです。

辻泰弘民主党・新緑風会

○辻泰弘君 おっしゃったようないい循環になるように私も見守りたいと思います。  そこで、社会保障制度改革についての総理の姿勢、基本的な姿勢についてまずお伺いしたいと思うんです。  総理は国会で、自分は郵政改革ばかり言っているんじゃないんだと、郵政改革と教育改革、どちらが大事かといえば教育が大事だと答えられました。しからば、ここでお聞きしますけれども、年金などの社会保障改革と郵政改革はどちらが大事とお考えでしょうか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現下の経済活性化、行財政改革、年金改革、社会保障改革にも郵政改革はつながってくるんです。総論賛成各論反対のいい例が郵政改革だったと。皆さん、民間にできることは民間にやらせなさいと賛成してくれるでしょう。行財政改革しなさいと、これも賛成するでしょう。そういう中で、じゃ郵政民営化できるのにしないということは、改革に手を付けないと私は同じだと思っています。  そういうことから、今の景気の面においても、将来の福祉を考える場合にも、郵政改革は欠かすことができない問題であると思います。

辻泰弘民主党・新緑風会

○辻泰弘君 どっちが大事。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今において郵政改革も大事であり、年金改革も大事であります。

辻泰弘民主党・新緑風会

○辻泰弘君 最初にそこだけ言っていただければよかったんですけれども。  総理はこうもおっしゃっているんですね。社会保障改革は最重要課題だからどんな人が総理になっても取り上げなきゃならない改革だと、郵政改革は、今おっしゃったように、私が総理でなかったらだれも取り上げない改革なんですと、こう答弁されているわけです。  総理は郵政改革に内閣の命運を懸ける決意を示されているわけですが、しかし常識的に考えれば、だれがなってもやる取組である社会保障改革であるならば、そちらの方に内閣の命運を懸けるというなら分かるんですけれども、だれもが懸けることよりも、だれも懸けない、自分しかやらないことに懸けるというのは、これはちょっとおかしいんじゃないですか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、目に見えない重要なことを分かるか分からないかの問題でもあると思います。私は、この行財政改革のためにも、経済活性化のためにも、将来の社会保障の財源を確保するためにも、増税をできるだけ避けるためにも、郵政改革は避けて通れない課題であると。ほかの改革も同時に進めているわけであります。しかしながら、この郵政改革だけは私が総理でなければ取り上げることはなかったでしょう。また、私でなければここまで持ってこれなかったと私は自負しております。  言わば、政界においては、郵政民営化なんというのは奇跡だと。確かにそうかもしれません。しかしながら、その重要性はいずれ国民から理解していただけると確信しております。

辻泰弘民主党・新緑風会

○辻泰弘君 総理に郵政のことをお聞きすると時間が取られるということをちょっと私もうっかりしておりまして、判断を誤っていたかもしれませんが。  今おっしゃったように、郵政の民営化は実現は奇跡だとおっしゃっておるんですね。ただ私は、これだけ少子化が進んで、一・二九まで下がった、あのときは一・三二だったわけですけれどもね。そういう形の中で、本当に日本にとって少子化を克服していくというのはすごく大きな課題で、それができる、そういうことこそ正に奇跡だと思うんですね。そういうことにこそ内閣の命運を懸けて奇跡に挑戦する小泉内閣であってほしいと思うんですけれども、どうも、だれもがやらないというのに一生懸命になられるというのはちょっと私はあれなんですが、ここで答弁求めるとまた時間掛かると思うんで、少子化対策のことで聞いておきます。  それで総理、一言、少子化社会白書というのが昨年の百六十一臨時国会に出ているんですけれども、これ、少子化社会白書ごらんになったことありますか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いや、私は、いろんな白書いただきますけれども、自分では読んでいないんですよ。大体要点だけは聞いております。

辻泰弘民主党・新緑風会

○辻泰弘君 それはもっともだと思います。特に総理の場合は二枚以上の紙は見てくれないというような、そういうような前閣僚のコメントもあったぐらいですから当然かもしれませんが、ただ、総理、聞いていただきたいんです。その白書の中で大事なことを言っているんですよ。  その少子化白書の中で、二〇〇五年から五年間は出生率や出生数の回復にとって重要な時期であると、このチャンスは二〇一〇年ごろまであるので、これから五年間程度の期間を逃すことなく種々の施策を講じる必要があると。これは、細かく言うと、九〇年代後半から、第二次ベビーブーム世代から、七四年に生まれたその女性が出産年齢期に入っているので、その方々が二人ぐらいの子供を産んでくだされば出生数も出生率も上昇に転じる可能性があると、要はこれは最後のチャンスだと、こういうふうに言っているんです。この我が国の人口構成上、出生数又は出生率の回復のチャンスもそう長くは続かないと、こういうことを言っているんですね。これは本当に重要な五年間なんです。その前半に総理は総理大臣というお立場を担っていらっしゃるわけなんです。  私は、総理がこの間の、もったいないという言葉を世界に広めろというふうなことをおっしゃっていました。その言い方の対象はちょっと違うんですけれども、しかしやはりこの五年間を無為に過ごすのはもったいないというふうに私は思うんです。そういう意味で、正に内閣の命運を懸けるほど、奇跡をもたらすと、そういうふうな意気込みで少子化対策に取り組むということで御決意を固めて取り組んでいただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 少子化対策について万能薬、即効薬はないと思っております。これは政府全体で取り組まなきゃならない問題ですし、国民の、制度のみならず意識の面においても大事な問題だと思っております。見通しよりも低くなっておりますけれども、それだからこそ、この少子化問題に取り組んで、できるだけ多くの親御さんが子供を持つ喜び、育てる喜びを持てるような社会にしていかなきゃならないと思っておりまして、政府を挙げて取り組んでいかなきゃならない問題だと思っております。

辻泰弘民主党・新緑風会

○辻泰弘君 年末に発表された対策を見せていただきましたけれども、検討する検討するが多くて、本当にやる気があるのかと。この五年間最後のチャンスと、掛け替えのない五年間と、それに値する対応なのかというのを、率直に言ってお寒いものだと感じておりますので、是非しっかりと取り組んでいただきたいと、御要請申し上げておきたいと思います。  それで、時間も限られておりますので、昨年の年金法について、改正年金法についてお伺いしたいと思います。  昨年の年金法は本質は何だったのか、国民生活に与える影響は何だったのか。総理、簡潔におっしゃってください。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 簡潔に申し上げれば、持続可能な制度にすると、これが一番主眼であります。

辻泰弘民主党・新緑風会

○辻泰弘君 持続可能ということに込められているとは思うんですけれども、結局は十四年間連続の毎年一兆円の負担増、片やある、片や二〇二三年までの実質的な年金額の低下であるということなんですね。総理、そういうことはお認めになりますね。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今申し上げましたように、持続可能なということを考えれば、給付だけ増やして負担を減らすということはできません。給付と負担のバランスを取らなきゃ持続可能にならないわけです。

辻泰弘民主党・新緑風会

○辻泰弘君 どうも、やっぱり総理は本質を十分自分の中に入れてくださってないというふうな気がするんですね。  やはり、結局あのことの本質はやはり、在職老齢年金の二割カットをやめたとか離婚時分割をしたとか、それなりにいい部分もあることはあるんです。だけれども、やはり事の本質はですよ、二〇一七年度まで毎年保険料を上げるんだということと、マクロ経済スライドを掛けて給付を二〇二三年まで下げると、実質価値を下げるということが本質だったわけですよ。そのことが総理は率直に言って自分のものになっていないと思うんですよ。  大体ね、先ほどマクロ経済スライドの議論もあったけれども、この間も三月三日に総理はマクロ経済スライドのことを言われて答えていらっしゃるんですが、これも実は間違っているんですよ。総理はマクロ経済スライドを賃金スライドとか物価スライドと同じようなものだと思ってらっしゃるんだと思うんだけど、実は違うんです。これ、言葉の、まあ間違いも、間違いというか、失礼ながら、尾辻先生には悪いけど、マクロ経済スライド調整が本当であって、そのスライドを、ほかの物価スライド、賃金スライドはそのまま掛けて伸ばすんですが、マクロ経済スライドは差っ引くわけなんですよね。だから、言葉が、本当は調整まで入れなきゃ駄目だし、経済という言葉を入れていること自体、私はちょっとおかしいんじゃないかと思っておりますけれども。  いずれにしても、あれだけ、それこそ六月三日に山本委員が質問をされて、ああやった。そしてその後、まあ大分たってて、この間の御答弁、私は率直に言って残念だし、混同されていると。混同というか、本当のことを理解されてないと。それは何も難しいことを理解してというんじゃなくて、これから本当に国民の生活に密接に絡んでくる、二〇二三年まで絡んでくることですからね、そのことの本質が何なのかと。さっき尾辻大臣から御説明があったけど、結局少子に対応する分、高齢化に対応する分、その分に引き下げていくという考えなんだから、それはそれなりに御説明いただけるはずなんだけれど、それができてないということが、結局、総理が本当に国民の暮らしや庶民の生活というものにまなざしがないんじゃないかということに行き当たらざるを得ない。だから、そのことが私は本当に残念に思っているわけなんです。  そういう意味で、まあ今から勉強してもらっても始まらぬことではありますけれども、やっぱり、年金のみならず、社会保障制度改革について自分自身の問題だと思ってやっぱりしっかり取り組んでいただきたいと、そのことを申し上げておきたいと思います。  それで、時間も限られていますから、まず一つ、年金の一元化のことについてお伺いしたいと思います。  今日もちょっと御議論ございましたけれども、総理は、職業も変わる時代、こういうことから、今までの厚生年金、共済年金、国民年金と、できれば一元化したいと、こういうふうな御答弁をされております。  一つお聞きしたいのは、年金一元化が望ましいとおっしゃっているし、私どももそう思ってますが、総理が望ましいとおっしゃる理由は何か、お願いします。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 先ほど本質分かってないと批判されましたけども、簡潔に言えと言ったから私は言ったんですよ。持続可能な制度にするんだと。もっとゆっくり説明しろと言われればたくさん言いますけれども、そうすると答弁が長過ぎると言うでしょう。  私は、今回の年金改正の本質は、持続可能な制度にする、給付と負担、バランスを考えて、持続可能な制度にしなきゃならないということで申し上げたんです。  今回も、簡単に言えと。年金一元化が望ましいといったら、もう簡単に言えといえば、制度が複雑過ぎるからです。

辻泰弘民主党・新緑風会

○辻泰弘君 それで、ちょっとこれを見ていただきたいと思うんです。(資料提示)これは閣議、政府が決定した、閣議決定した年金改革についてのそれぞれの閣議決定の内容でございます。それで、昭和五十九年の閣議決定と平成十三年の閣議決定、それぞれお手元に配っていると思いますけれども。  それで、まあ時間もありませんけれども、五十九年のときのを見ますと、これはちょうど基礎年金が導入されたときなんですね。で、「昭和六十一年度以降においては、」というところからなんですけれども、「給付と負担の両面において制度間調整を進める。これらの進展に対応して年金現業業務の一元化等の整備を推進するものとし、昭和七十年を目途に公的年金制度全体の一元化を完了させる。」と。昭和七十年というのは、結果としては平成七年になったわけで、まあ総理が大臣になられる一年前でございますけれども。こういうことが昭和五十九年には閣議決定されてたんですね。  それが平成十三年にどうなったかというと、「公的年金制度の一元化については、財政単位の拡大及び共通部分についての費用負担の平準化を図ることを基本として、」ということになって、財政単位の一元化ということにまあ基本が置かれてるということになってて、実は大きく後退してしまっているということが言えるわけなんです。  実は、その昭和五十九年度の、ここの「年金現業業務の一元化」と、そこまで言っていたということは、私は改めてある意味ではそのときは志が高かったなと思うわけでございまして、私ども民主党が言っているのは、実はこのときのことを、にしろということを言っているんだと、ある意味では後塵を拝しているようなところもあるようなことになるわけでございます。  私が総理にお伺いしたいと思いますのは、やはり一元化というのは、その財政の単なる一元化であってはならない。やはり目指すべきは制度間調整、格差をなくす、公平、平等な制度をつくるということにあるはずでございますから、単なる財政制度の一元化ではなくて、ここで言っているところの公的年金制度全体の一元化だと。年金現業業務の一元化ももちろんだと、すなわち組織的にも一体化すると、それが最終的な姿で、それを目指すべきなんだと。これが私どもの一元化の主張ですけど、総理はいかがでしょうか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、年金の業務のみならず、財政も考えなきゃいけない。給付と負担も考えなきゃならない。そして、恐らく今日のいろいろな説明でも、年金をいただいている方もよく分かんなかったでしょうね。詳しくこれ議論すればするほど制度というのは難しいんです、複雑で。だから、一元化してもっと分かりやすくしようと、負担も給付も、いう点も私は大事だと思っています。  いずれにしても、一部だけじゃありません、一元化の議論は。厚労省だけの問題でもありません。各、財務大臣も総務大臣も文科大臣も絡んでくる。いわゆる国民各界各層に及ぶ問題を、複雑な多岐にわたる制度でいいかと。やはり、制度というのは簡素に分かりやすい方がいいだろうということからも、私はでき得れば年金一元化が望ましいと。その手段を、手だてを講ずる際にどういう問題点があるかということを、今言っているような、を同じテーブルに着いて協議した方がいいじゃないですかと言っているんです。

辻泰弘民主党・新緑風会

○辻泰弘君 まあ手だてはいいんですけれども、その目指すところがどこかということなんですね。その部分がはっきりさせないと、実は本質的なところにはかかわれ、なれないようなところもあると思うんですよね。  だから、総理は要するに、もう一遍お聞きしますけれども、やはり全的統一なのかと。統合、統合一本化。すなわち、財政単位の一元化ということで逃げる、逃げるというよりも、常にそれでやってきているわけなんですね。だから、その部分だけじゃないんだよと。そのことを思われるかどうかなんです。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今言われた点も含めて早く協議に入った方がいいんじゃないですかということを前から言っているんです。結論を出す問題じゃないんです。結論というのは、協議しなきゃ結論は出ません。

辻泰弘民主党・新緑風会

○辻泰弘君 これ以上御質問しても答えは出ないかもしれませんので。  もう一点、私どもが主張している納税者番号制度のことでもう一遍聞いておきたいと思います。  今日も午前中、総理もおっしゃって、所得課税、給付のため所得把握が必要だと、こういうような御見解だったと思うんです。先ほど、納税者番号制は避けて通れないと、こういったお話だったと思うんです。それで、別のところで総理は、もちろん納番制についても克服すべき課題が幾つかあるよと、こういうこともおっしゃっているんです。  だから、これも同じようなことですが、そういった克服すべき課題もあるけれども、しかし、それを克服しつつ納税者番号制度の導入を目指す方針だと、こう受け止めていいですか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは導入を目指して議論しないと進まないと思います。  この納税者番号については、国民もまだはっきりとした姿は分かっていませんし、提案している人についても、提案している人によって考え方が違う。どこまで導入するかという点についても違いがあります。かつてグリーンカードの議論が起こったときも納税者番号の問題が起きました。また、金融資産の所得把握する場合に、分離課税の問題で納税者番号が出ました。それから住民基本台帳、住所、氏名、生年月日だけでも反対の論者もいます。こういう点もありますから、具体的にどういう納税者番号を導入するかということについて具体的な議論を、私は入っていった方がいいと思っております。  全体として、総論を言うならば、納税者番号導入することが望ましいと思っております。

辻泰弘民主党・新緑風会

○辻泰弘君 私どもが考えておりますのは、金融資産のみならずということは当然のことですけれども。  それで、一つ谷垣大臣にお伺いしたいんですね。  先月ですか、大臣は、納税者番号制度についてはやや過大な期待もあるのではないかと、こういうふうなことを評論家的におっしゃっていたわけですけれども、私は、大臣はやっぱり現行の所得捕捉が十分だと思っていらっしゃるならそれでいいんですけれども、やはり所得捕捉がまだ十分、完璧じゃないというふうな状況だと、認識だと私は思うんですね。しかも、その税制調査会は、十二年七月の税調答申ですけれども、所得等の的確な把握を可能とすることを通じて公正、公平な課税の実現及び税務行政の効率化、高度化に資するものだと、納税者の税制の信頼の向上にも寄与するものだと明快に指摘されているんですね。  これはまあ、もう二十年近い間の議論が政府税調の中であったわけですよね。だから、そういうことでは、これからというふうに総理はおっしゃる、かなり政府税調サイドでは議論があるわけです。  で、財務大臣は、どちらかというとちょっと何か疑問があるじゃないかというふうなことをおっしゃったんですけれども、財務大臣こそ、そのことを入れて、今よりは、それは一〇〇%は望めないにしても、より被用者と同じような形での徴収につなげようということをおっしゃるべきだと思うんですけれども、それが逆に、何かこう水を差すようなことをおっしゃったのは意外に思ったんですけれども、どうですか。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 何も評論家的に申し上げたつもりはないんです。  今、辻委員がおっしゃいましたように、納税者番号制度は、一つは、できるだけ所得の状況や何かを正確につかんで、公正なあるいは公平な課税を目指すという観点から今まで議論されてきたところでございますし、我々、徴税実務に当たる者からいえば、そのことによって効率的な、実効的な徴税ができるのかできないのか、そのことはやはりどういう個人所得課税制度に持っていくかというようなこととも密接な関連があるんだと思うんですね。  それで、ただ、技術的に言いますと、いろいろまだ議論しなきゃならないところが私はあると思っています。どういう番号を付けるかとか、何に使うのか、それから対象とする取引をどういうところに持っていくのか、あるいはコスト、それからプライバシーの保護、そういった問題について、ある程度これは国民的な理解を得なければ、やはりなかなか進んでいかないというふうに私は思うんですね。  それで、何か限界があるというような、評論家的なと御批判を受けましたけれども、私が申し上げたかったのは、これでいけばきれいに全部所得が捕捉できるようなことには、これはなかなかならない面があるよと。やや過大な期待もあると思うんです。少し実務的に検討して、どこまで使えるかという意味では、私はもっともっと検討しなきゃいけないと思っています。

辻泰弘民主党・新緑風会

○辻泰弘君 そもそも一〇〇%なんということはあり得ないことで、それをとにかくそれに近づける努力をどうするかであって、長年掛けて議論をされているものについて、私は、財務大臣のお立場でいささか水を差すような御答弁というのはちょっと残念だったと思っていますけれども。  時間もあれですので、総理にお伺いしたいと思うんですが、先般、納番制について答弁で、納税者番号の案を自由民主党としてこれから用意しようとしていると、そのような御答弁がございましたけれども、どのような場で用意をされて、いつまでにお示しになるのかと、このことについての御方針をお示しいただきたいと思います。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは自由民主党としては、これから与野党協議会が始まる、そういう段階で民主党の案を聞きながら、自由民主党としての案を出していきたいと思っております。

辻泰弘民主党・新緑風会

○辻泰弘君 民主党も出すというのはそれは結構なことですけれども、しかし、ここは私どもが出せば出すということじゃないわけですから、自由民主党として、やはり与党の責任においてまず出すということが先じゃないでしょうか。どうでしょう。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 与野党協議というのは、自民党案、民主党案と、そういう出し方を私はしない方がいいと思うんです。そうすると、そのメンツにこだわっちゃうんです。だから、お互い政党の立場といいますか、それを離れて、提案しながら協議してまとめていこうということが大事なんです。最初に自民党はどうだ、民主党は案出した、あんたけしからぬ、あんたけしからぬと、非難合戦になっちゃうじゃないですか。そういうようなことにしないためにも、まずお互いが率直に話し合いながら積み上げていくと、そしてお互いが協力してでき上がったものだというふうに持っていった方がいいと思うんです。

辻泰弘民主党・新緑風会

○辻泰弘君 そうすると、総理、お聞きしますけれども、三月四日に自由民主党としても、納税者番号について自民党として、今これからも用意しようとしているという、これはそれじゃ、党としてというのは違うわけですか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは昨年から、三党合意ができた段階から、その協議の場で自民党としても案を考えていこうということになっているんです。まだどういう案かということを出すよりは、今お話し申し上げたように、政党の立場を超えてお互い協力しながら作り上げていこうと、考えをその協議の場で出し合うというのは非常にいいことだと思います。どの程度所得を把握することができるか。それぞれ、民主党の考えと自民党とは違うと思いますが、そういう点につきましては、どういうメンバーがその協議会に参加するか、その中で一つの案として検討すべきものを出すということについては、自民党も専門家が多いですから、今後検討していかなきゃならない問題だと思っています。

辻泰弘民主党・新緑風会

○辻泰弘君 今のことは、党としておまとめになったのを協議会に出すという理解でいいんですか。中で集まってゼロから議論して作っていくというんですか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは私はこだわっておりません。まず、協議会がどういうメンバーでなされるか、どういう問題から入っていくか、どういう形でやっていくかというのは、私は協議会に任せていきたいと思っています。

辻泰弘民主党・新緑風会

○辻泰弘君 もう一点、社会保険庁の問題についてお伺いしておきたいと思います。  私ども民主党は、マニフェストにおいて、社会保険庁を廃止して国税庁と統合して歳入庁を創設すると、そして税、保険料の徴収一元化体制を作るべしと、こういうことをマニフェストで言っているわけなんです。今厚生省や社会保険庁の方でも組織的な御検討をなさっておられて、年金庁をつくるというような案も含めて御議論が進んでいて、五月ごろに何か取りまとめができるようなことを聞いたりするんですけれども、私どもとしては、是非これからの年金の協議の中でもやっぱり議論したいと思うし、これからの、来年以降に起こるであろう所得課税の、まあ元々は税源移譲のこととか所得課税ベースの拡大とか、そういうことの議論が元々かもしれませんが、その中に併せて、やはり極めて重要なテーマでございますから、徴収体制を一元化していくということについて、やはりそれがその議題にのるようにしていただきたい。すなわち、五月ごろに結論を出されたんではそれで終わっちゃうわけなんです。  ですから、どうかこのことについて、はっきり言いまして、あの協議、昨年の年金改正の議論の中でも非常に社保庁が問題があった。そのところに、また看板書き換えてそれになってもらうというのは、私はちょっとおこがましいと思うわけなんで、是非、これは抜本改革ということの意味合いも込めて、また税制改革という意味も込めて、来年度以降の税制改革の俎上、また年金協議の俎上にものるような形でいけるように、今のことですべて終わらせないということで、是非そのことで御指導いただきたいと思うんですけれども、お願いできませんか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現在、社会保険庁の組織、存続を前提としないで改革をしていこうということで、五月ごろでしたかね、五月ごろには一つの案を出そうということになっております。それを参考にしてやっていきたいと思いますし、当然、これから始まるであろう年金を含めた社会保障協議、与野党協議の場でも、この問題は年金を議論する際には避けて通れないような課題として上がってくるだろうと思っております。そういう中での議論を詰めていくことが必要だと思っております。今こうだという結論はまだ出ておりません。

辻泰弘民主党・新緑風会

○辻泰弘君 まあ結論が出ていないのはそうなんですけれども、是非、与野党のそういった年金協議の議論も踏まえた形での結論になるように是非お取り計らいをいただきたいと、このように申し上げておきたいと思います。  時間も限られてまいりましたけれども、一つだけ、新聞等でも年金の解説版が出ているんですけれども、これも実はマクロ経済スライドで下がりますよとか負担が上がりますよという、そういう本質の部分、実は国民にとってはつらいけれども、しんどい部分、そして本質的な部分が実は中心的な説明が何もないんです。ほかのことばっかり説明されているんです。十一月のときもそう、この二月もそうなんです。そういう意味でも、私は本当に国民に説明する姿勢ができてないと、このように思うわけでございまして、そのことも大きく問題だと御指摘申し上げたいと思います。  それと、今日の議論でも……

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 時間が参りましたのでまとめてください。

辻泰弘民主党・新緑風会

○辻泰弘君 今日も総理は一元化とか納税者番号制の必要性はおっしゃったわけですけれども、それこそ正に抜本改革だと思うわけでございます。政府は、抜本改革とは頻繁に制度改正を繰り返すことがない改革だとおっしゃっていたわけですが、そういう意味では、そういうことが必要だと認められたこと自体、昨年の改革が抜本改革でなかったと、このことを改めておっしゃったように私は思うわけでございまして、民主党としては抜本改革を目指して頑張っていくことを披瀝して、私の質問を終わらせていただきます。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 以上で山本孝史君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 次に、福本潤一君の質疑を行います。福本潤一君。

福本潤一公明党

○福本潤一君 公明党の福本潤一でございます。  小泉総理は、一月二十一日の施政方針演説におきましてこのように述べられておりますが、我が国では、二〇〇七年から人口減少社会が到来すると言われております。約七百万人の団塊の世代が高齢期を迎えるなど、世界でも経験したことのない速さで少子高齢化が進みます。経済活力を維持しつつ、社会保障制度を将来にわたって持続可能なものとしていくためには、与野党が立場を超えて、公的年金制度の一元化を含め、社会保障の一体的見直しに早急に取り組まなければなりません。これ、先ほどの辻委員の言われた、引用された分も含めて、別にジュンちゃん同士で言うわけじゃありませんけれども、首尾一貫しているというふうに思います。  今日は少子社会の問題、さらには団塊の世代の問題、障害者福祉施策についてお伺いしたいというふうに思います。  一九八九年に、ちょうどいわゆるひのえうまの世代、一・五七、合計特殊出生率、それを下回ったということで政府はエンゼルプランまた新エンゼルプラン、待機児童ゼロ作戦、主に保育サービスの充実に力を入れてきておられます。ただ、保育サービスに関してはある程度充実したのでございますが、肝心の少子化という面では歯止めが掛かっておられない。その原因をどこにあると考えられるか、総理の意見をお伺いしたいと思います。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、専門家の皆さんから何で少子化になってしまうんだろうかということをよく聞くんですけれども、今私の考えというよりは、世の中のいろいろ調査している段階での方々からの意見を聞いたことを紹介しますと、一番の原因は晩婚化だと言いますね。男女ともに結婚が遅いと。その他たくさん理由があります。仕事が忙し過ぎるとか、子供を持つと仕事が十分できなくなる、そういう環境、あるいは保育所が足りないとか、長時間労働だとか、様々な理由があると思いますが、かなり大きな原因というのは、そういう制度以前の意識の、晩婚化にあるということでありますけれども、私はどれが一つだということは言うことできません。様々な理由が重ね合わっているんではないかと。確かに晩婚化も一つの大きな原因だと思っておりますが、その他たくさんの理由があると思います。

福本潤一公明党

○福本潤一君 この少子化に対しましては、公明党としましても、今年を少子化対策元年と位置付けまして、坂口前厚生労働大臣を本部長とする少子化総合対策本部を設置しております。三月下旬に少子化社会トータルプランを策定する予定でおります。是非とも政府も対策、対応を考えていただければと思います。  今年、今までの新エンゼルプランに引き続きまして新新エンゼルプラン、決定しております。これ、私も見させていただくと、余りにもすべて多くを含み過ぎまして、焦点がぼやけているんじゃないかという感もうかがえます。どういう対策が一番効果的なのかということを絞り込む必要があるんじゃないか。特に、ポイントといたしまして、子育て家庭全体の経済的な支援、さらには男性を含めた働く人の働き方の見直し、これにあるんではないかと思いますけれども、尾辻厚生労働大臣、その点を踏まえた対策、御意見をお伺いしたいと思います。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) ちょっとお話しいただきましたけれども、私ども一・五七ショック以来、少子化対策を進めてまいりました。そして、その中でまずエンゼルプランを作りました。次に新エンゼルプランを作りました。今先生が新新と言っていただきましたが、正に新新エンゼルプランなんですが、私どもは今これを子ども・子育てプランというふうに、子ども・子育て応援プランと、こういうふうに呼んでおるわけでございます。この一連のプランを作ってきた流れの中で、本当に最終的に少子化の歯止めが掛かっていない、もうこのことは何でだろうと、我々も本当にそう思いながらずっと検討をしてきました。  その中の反省の一つは、こう考えているんです。やっぱり最初はどうしても保育所の充実、保育の充実ということを一生懸命言った。保育を充実したら何とかならないんだろうか、少子化に歯止め掛からぬのだろうかと思ってまずやってみたけれども、なかなかそれだけではうまくいかない。だから、もっと社会全体でとにかく少子化に取り組まなきゃいけない、政府も全体で取り組まなきゃいけない。こういうことになりまして、ですから今の子ども・子育て応援プランの中では、社会全体で少子化に対応しようというふうな思いを込めているものですから、それは見方によっては、今先生から言われるように総花的というまた見方もあるのかなというふうには思います。ただ、その思いは、社会全体でもう全力を挙げて少子化に取り組みたいという思いがそういう形にもなっているんだということをまず申し上げたところであります。  しかし、絞り込めというお話がありますからあえて申し上げますと、やっぱり子供を産まないということの理由の中で、よくお聞きすると、経済的な理由を挙げる方も結構おられますし、男性の働き方の問題というようなこともありますから、絞り込むとしたらそういうところに行くのかなという、対策を考えるべきかなというふうには考えております。

福本潤一公明党

○福本潤一君 三月四日に参議院予算委員会、公明党の木庭委員の質問に対して、小泉総理も少子化対策、先進国では児童手当が有効であると答弁されております。是非ともこれ義務教育年間、また欧米並みの手当ということも検討していただければと思います。  時間がありませんので、団塊の世代の政策についてお伺いしたいと思います。  団塊の世代、先ほどの委員、私も団塊の世代でございますけれども、この世代の現役引退、これが老齢年金受給とか医療保険財政にどう影響を与えるか、これをお伺いしたいと思います。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 団塊の世代とよく言われますけれども、これは一九四七年から四九年生まれの、現在の年齢でいうと五十五歳から五十七歳の方々でございます。この方々が今おっしゃいますように、だんだんだんだん引退をされる、現役から去っていかれるということでございます。  そうなると、いろんなところに影響が当然出てくるわけでありますけれども、これは今お話しのように、老齢年金に例えばどういう影響が出るかといいますと、平成十六年に財政再計算をいたしました。そのときの計算でありますけれども、団塊の世代が六十歳となられる平成十九年度から団塊の世代の皆さんがすべて六十五歳以上になられる二〇一四年度まで、平成二十六年までの七年間で公的年金の被保険者数が四百十万人減少をされる、で、老齢基礎年金の受給者数は逆に五百十万人増加される、こういうふうに見込んでおりまして、年金財政に大きな影響を与える、こういうふうに見ておるわけでございます。  こうした大きな変化に対応するために、平成十二年までの、もうこれは既に分かっておりましたから、改正において受給開始年齢の引上げなどを行ってまいりましたけれども、さらに昨年の、先ほど来議論になっております、話題になっておりますような四つの柱も改正の中に取り込ましていただいたというようなところでございます。そういうことで、今後、私ども注意深く見守りながら、年金の持続可能ということを求めていきたいと考えております。

福本潤一公明党

○福本潤一君 団塊の世代の問題、これ一時期に集中しますと、大変大きな影響が与えるということだと思います。  そうしますと、団塊の世代が一時期に大量に引退するということになりますと、企業内の技術の継承が断絶する。そこで、高齢者の技術、これ若年労働者に伝承する方法、これもお伺いしたいと思いますが、厚生労働大臣。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 団塊の世代の皆さんが大量に引退されますと、質、量ともに労働力が落ちる、これはもうそのとおりでございます。もう量もがばっとこうおられなくなるわけですから、労働力、そういう意味での労働力も落ちますけれども、当然質の問題もまた大変大きな問題になってまいります。  で、厚生労働省といたしましては、平成十年度から、製造業において高度な熟練技能を持つ方を高度熟練技能者として認定登録する制度を設けまして、認定された方の情報を工業高校等に提供するとともに、その要請に応じて実施指導のための派遣を行っておるところでございます。また、来年度から小中学校の皆さんに対してそうしたものの技能を伝達することも努力をしたいと考えております。  こうしたことをいろいろやっておりますけれども、今お話しのように、団塊の皆さんがお持ちのその質の部分、物づくりに対する大変高度な技術を持っておられるもの、それが若い人たちにしっかり伝承されるように私どもも努めてまいりたいと考えております。

福本潤一公明党

○福本潤一君 年金、医療、多くの影響を与えますけれども、これ、名付け親の堺屋太一さんがこういうふうに言われておるんですね。すべての仕組みを不変と断定し、中身の数字だけをいじくって将来を引き出す手法では限界があるということでございます。団塊の世代は、六十歳代になっても働き続け、新しい産業と文化を興すに違いないというような言い方も。この世代、割と、若年者のときもプレハブ中学校、また入試のときも大変な思いをして、余り政治のいい影響を受けていないというところございますので、この世代に対しても、労働力として、また年金をもらう世代を若干後送りすると、そういうようなことも考えていただければと思います。  そして、総理に、先ほど一元化の問題、引用させていただきましたけれども、公的年金制度の一元化を含めた社会保障の一体的な見直し、これと、具体的に、年金改革だけじゃなくて、医療、介護の制度改正、どのような関係にあるのか。まあ社会保障の方は、先ほども質疑ありまして、厚生、共済、こういう年金を一体化した後の国民年金、さらには国民総背番号制とありましたけれども、医療、介護の、また社会保障一体化の見直しについてもどういうふうに考えておるか、お伺いしたいと思います。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 社会保障全体を見ますと、年金にしても医療にしても介護にしても、保険料を負担する方とその給付を受ける人がいるわけであります。と同時に税金を、年金でも税金を投入しています。医療においても税金を投入しております。介護においても税金を投入しております。先ほど言ったこの保険制度のみならず、今度は生活保護の問題、これも社会保障、重要な部分であります。  そういうことから考えて、私は、年金だけでなく、社会保障全体を考えないと、年金だけの保険の負担だけ考えると、じゃ医療の保険の負担はどうなんだと。介護もそうです。また、負担も、介護と医療と年金というのは年齢も違います。こういう点の整合性はどうなのかと。でありますから、社会保障全体を私は議論する必要があるんじゃないかと、それは給付と負担を考える場合においても。  いずれにしても、持続可能な制度にしなきゃいけないんです。そういう点もありますから、私は、年金のみならず、全体を見渡した議論が必要ではないかなとも思っております。

福本潤一公明党

○福本潤一君 この医療、年金、また全体を含めた上での一元化も取り組んでいただければと思います。  続いて、障害者福祉についてお伺いいたします。  障害者の方々が職場で元気で活躍される、こういう姿は私たちを感動させることもございますし、自立共生の社会づくりの象徴的なものだと思います。  厚生省と労働省、一体になってもう五年になります。そこで、この障害者が働くこと、応援する、これをどういうふうに具体的にしていただけるか、これもお伺いしたいと思いますし、まして障害者がIT技術を持って自宅で仕事をすると、新しい働き方も出てきておりますので、どういう施策を実施するか、これについてお伺いいたします。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 障害の、もうこれはあるなしにかかわらず、誇りと役割を持って自立する、これはもう重要なことでございます。  ある障害者の方が私に、自分たちはタックスイーターからタックスペイヤーになりたいんだとお話しになって、大変感動したことがございます。こうした考え方は大事だと思うわけでありますが、私どもも、それをもう力一杯応援してさしあげなきゃいかぬと、こういうふうに思うわけでございます。  そうした中で、障害者自立支援法案及び障害者雇用促進法改正法案を今国会に提出しておりますので、是非またそうした中で、障害者の方々の自立、安心して暮らせるように支援してまいりたいと思いますし、先生方の御指導、御協力をよろしくお願い申し上げたいと思います。  そうした中で、ITの話も出ました。実は私、もうちょっと前になりますけれども、大阪で竹中さんという人がやっている、正にITを使って障害者の皆さんが頑張っている、仕事をしているという現場に行きました。この人はこの世界ではナミねえといって有名な方なんですが、もう本当感動しました。やっぱりああいうことがどんどん行われることが大変すばらしいことだと思っておりまして、私どもも是非、御一緒に応援しながら頑張っていきたいと、そんな思いでございます。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 福本潤一君、間もなく時間でございます。

福本潤一公明党

○福本潤一君 具体例としまして、エコ平板事業というのも行われている。これ障害者の雇用の確保、社会参加、大変意義があると思いますので、この具体的に産業について、厚生労働省、国土交通省、お伺いしたいと思います。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 尾辻厚生労働大臣、答弁は簡潔にお願いいたします。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 一言で申し上げます。  すばらしい試みだと思って、私ども注目して見ております。

丸山博国土交通省総合政策局長

○政府参考人(丸山博君) 先生お話しになりましたエコ平板につきましては、私ども河川堤防の天板などの工事用の資材としても使用した例がございまして、今後もいろんな形で工夫をしながら、障害者が作られた物品などの購入に努めてまいりたいと思っております。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 以上で福本潤一君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 次に、紙智子君の質疑を行います。紙智子君。

紙智子日本共産党

○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  今、多くの障害者の皆さんが今度の国会に出されています障害者自立支援法による制度改悪で大幅な自己負担になることに強い不安を持って、この国会の審議も注目をしています。(資料提示)  これは厚生労働省が作っている資料から作成したものですけれども、障害者福祉サービス平均利用料の負担増ということです。これは平均ということです。  私の地元、北海道の社会福祉法人の試算でも、脳性麻痺の方で、重度、車いす、この方がアパート住まいをしている二十九歳の女性ですけれども、施設に通って、作業工賃、つまりお給料は月々わずか七千五十円と。今は施設利用料は掛かりませんけれども、制度改悪で月に一万九千円の負担になります。食費も切り詰めて生活をしている中で、本当にこれ打撃になるわけです。ホームヘルプサービスや移動介護など、もっとサービスを利用しますと更に多くの負担になるわけです。これではどこにも出ないで家にいろと言われているようなものだ、そして、自立支援ではなくて自立させないというのと同じだと、こういう言葉が次々に出されているわけです。こういう人たちに負担をさせるのはやっぱり余りにもひどいじゃないかと思うわけです。  総理は厚生大臣のときに何度も障害者の地域における自立の支援を推進するというふうに言われてきたと思うんですけれども、今障害を持つ皆さんが逆に自立を阻害するとこぞって批判をされている中で、この声を総理はどう受け止められますか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現在、自立を支援する機運が盛り上がっており、各地域では様々な取組がなされております。この障害者の自立支援プログラム、利用者も増えてまいりました。同時に、この支援制度を生かしていかなきゃならないということから、この制度を存続させていくためにはということで、低所得者等に配慮しながらやってきているわけで、負担できない人にまで負担をしなさいという制度ではございません。  こういうことにつきましては、各障害を持っている方、程度が違いますけれども、この制度に恵まれてない方もおりますので、そういう点も含めた対応を取っておるところであります。  率直に、まだ不十分な点もあると思いますが、こういう方々の意見を聞きながら、改善すべき点は改善していかなきゃならないと思っております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 今、不十分な点もあるというふうに言われました。やはり、障害年金で八万ですとか十万とか、こういうところで生活をされている障害者にとっては、本当にわずかなものでも本当に負担が重いわけです。  それで、減免制度もやるんだということですけれども、三年の期限があるわけですよね。それから、障害者への支援ということでは、これは外出をするとかおふろに入るとか、こういう普通の生活をする上では欠かせないものなわけです。ですから、こういうところになぜ負担をさせるのかと、そういう考え方自体が私、誤りじゃないかというふうに思うんです。  しかも今回、障害者本人に収入がなくても家族に収入があればこの負担額が上がる世帯所得という考え方を入れているわけですよね。これは、年老いた親の年金からも費用をもらわなくちゃいけないということになると思うんです。ようやく作業所に行き出した我が子がまた家にこもらなくてはならなくなると、本当に涙ながらの訴えが私たちのところに寄せられているんです。  厚生労働省も、一昨年、支援費制度を導入したときに、この障害者の皆さんの要望もあって、親や兄弟の収入を当てにすることはやめたはずだと思うんですけれども、それにも逆行していると思うんです。せめてこの世帯所得という仕組みはやめるべきではありませんか。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) まず、改悪というお話がございましたので、そこについても申し上げておきたいと思います。  一昨年に私ども、支援費制度というのを……

紙智子日本共産党

○紙智子君 時間がないので。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) はい。  始めました。その支援費制度を始めて、市町村が新たに事業を取り組んできたものですから、このサービス量というのは物すごく大きくなったわけです。ですから、障害者の皆さんに対する国全体でサービス量が物すごく大きくなったというのは、まず評価をしていただいていいんじゃないかと思います。  その大きくなったために財政的にどうするかという問題が出てきたんで、これを今までは裁量的経費だったから私どもは毎年予算で四苦八苦してたのを義務的経費に今度やろうという、そういう大きな流れだというのは是非御理解をいただいておきたいというふうに思って、まず一点申し上げました。  それから、今度は負担義務の話でありますけれども、今回の新制度におきましては扶養義務者の負担を廃止して、扶養義務者の負担を廃止して本人のみを法律上の負担義務者にした、これはもうそのとおりしたわけであります。  ただ、それはもう原則でそうしたんですけれども、今度は負担の限度額を設けなきゃいけない。負担の限度額を設けなきゃいけないということになったときに、じゃその経済的な面においてそれをどう見るかということがありますから、世帯の構成員がお互いに支え合うという生活実態があることを踏まえて、これは介護保険制度に合わしているんですけれども、介護保険制度に合わして生計を一にする世帯全体を負担能力と判定するということにしたわけで、それを提案しているんです。  しかし、それ、そこまで言ってもまだいろんな議論がありますから、いろんな議論がありますから……

紙智子日本共産党

○紙智子君 結論をお願いします。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) その議論を今からやって、今からやって今後具体的な検討を進めると、最後の答え、これなんですけれども、いろんな議論がありますからその議論の中身を言いたかったんですけれども……

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 答弁は簡潔にお願いいたします。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 具体的な検討を進めるんですということを最後に申し上げます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 今、検討されるということなので、是非この要件については削除をするようにお願いをします。  そして、もう一問なんですけれども、精神障害者の通院医療は、今まで医療費の九五%を公費で補助をして、自己負担は五%でした。これを一割や三割負担に引き上げるとなれば、患者さんの受診を抑制することになってしまう。ストレス社会で心の病が増えていると、だからこそ負担なく診療を受けやすくしてきたのに、早期発見や早期治療ができなくなると思いませんか。そして、入院中心から地域での生活支援という方向で進めてきたのに、これにも逆行するんじゃないでしょうか。この点どうですか。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 尾辻厚生労働大臣、簡潔にお願いします。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 今までの制度は、これはむしろ今までの制度に問題があったと思うんですけれども、医療費が高くても安くても一律五%だったんです。これはやっぱり問題だというふうに思って今回の措置にしたわけでございまして、私どもはより良い方向に変えたんだと考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 精神保健福祉法の三十二条のところで、全体で六十億をここで削るということですから、これが負担になるということで、私は、総理が……

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 時間に、時間になりました。おまとめください。

紙智子日本共産党

○紙智子君 はい。  痛みに耐えてと言うけれども、これは本当に耐え難いものだと。障害者や家族の皆さんから、とにかく利用者が納得してないうちに拙速に強行することがあってはならないということを強く要請されています。  是非、その立場で貫いていただきたいということを最後に述べまして、質問を終わります。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 以上で紙智子君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島君。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  社会保障制度の重要な審議ですが、今日極めて残念な事件が起きたので、聞かざるを得ません。  自民党の国会議員が強制わいせつ罪で現行犯逮捕をされたことはとてもショックを受けています。女性への人権侵害として本当に問題だと考えますが、総裁としていかがでしょうか。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは極めて遺憾な事件でありまして、あってはならない、許されざることだと思っております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 私も本当にひどい事件だというふうに思います。  今日は、介護保険法の改正法案と障害者自立支援法案と、それから混合診療の三点セットについてお聞きをします。  この三つに共通をしているのは、自己責任の強化と、それから利益を得るにはお金を払えという応益負担の強化です。これは問題ではないか。保険制度が壊れていく、かかわれない人が出てくるのではないかという観点から質問します。  総理、障害者の福祉についてですが、まず初めに、だれでも障害者になり得るということを私たちは確認したいと思います。  次に、障害のある人がおふろに入ったり移動したりというコミュニケーションを持つことは、人間として当然の権利です。それに対してお金を払え、応能負担から応益負担へ。利益を得るんならって言いますが、これは生存権によって保障されているもので、利益なんでしょうか。総理、お願いします。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 利益ということはどういうことですか、利益とは。利益という観念、分かりませんね。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 私も、応能負担から応益負担へと言われますが、益ではないと。これは、お金がなければ家の中に閉じこもって出れなくなってしまうわけですから、益ではなくて、やはり社会保障制度の中で公平に、それから家族、家族の収入などに余り関係なく公平にやはり福祉が受けられる制度をつくるべきだと考えています。  この自己負担の強化ですが、この間も質問しました。介護保険制度の改正で、居住費、食費の施設における人の負担が増えます。三万一千円アップ。年金は、国民年金の今平均は六万円でしかありません。払えないという声も大変出ております。混合診療についても一部解禁されましたが、安かろう悪かろう保険制度、そしてそれよりいいのを選ぶんであれば、余計にお金を払えということであれば、お金がない人がきちっとした医療になかなか携わっていけなくなることになるのではないかというふうに本当に危惧をしております。  今の社会保障制度の方向性が、介護、医療が多額の現金がないと医療ができない、これになっていくと。応益負担、自己負担によって、保険制度、福祉施策が多額の現金がない人には利用できない制度になっていくのではないか、多くの人が危機感を持っているこの点について総理にお聞きをいたします。

小泉純一郎自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは誤解があるんじゃないでしょうかね。  混合診療を解禁したのは、今までだと、保険以外の診療なりますと全部、保険の部分までも保険外で全部負担しなきゃならないというのを、保険部分は保険の負担でいいと、より多くの人が選択できる制度を提供したわけであって、むしろ負担が軽くなる制度なんです。だから、その点につきましては、私は誤解のないように受け取っていただきたいと思っております。  医療にしてもあるいは介護にしても、やはり負担する人と給付を受ける人のバランスを考えていかなきゃならない問題だと思いますので、低所得者に対しては配慮しなきゃなりませんが、この制度というものを持続させるためには、ある程度の負担と適切な給付をどう組み合わせていくかというバランスも考えていく必要があると考えております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 しかし、当事者不在の福祉切捨ての制度が本当に生きにくい社会をつくるというふうに思います。混合診療についても、混合診療の方向性のやはり問題点を指摘したいというふうに考えています。  だれもが安心して暮らせる制度に今の社会保障制度の在り方が向かっていないことを申し上げ、改革が必要だということを申し上げ、私の質問を終わります。

中曽根弘文自由民主党

○委員長(中曽根弘文君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。  これにて年金・社会保障に関する集中審議は終了いたしました。  明日は午前十一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時二分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗