法務委員会 第27号
- 発言数
- 189 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2005/07/21
会議録
○委員長(渡辺孝男君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る六月二十八日、大久保勉君が委員を辞任され、その補欠として江田五月君が選任されました。 また、去る六月二十九日、野村哲郎君が委員を辞任され、その補欠として尾辻秀久君が選任されました。 ─────────────
○委員長(渡辺孝男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に内閣官房司法制度改革推進室長本田守弘君、内閣府大臣官房審議官山田宏君、金融庁総務企画局審議官中江公人君、金融庁総務企画局審議官大藤俊行君、法務大臣官房司法法制部長倉吉敬君、法務省民事局長寺田逸郎君、法務省刑事局長大林宏君、法務省矯正局長横田尤孝君、法務省保護局長麻生光洋君、法務省入国管理局長三浦正晴君、公安調査庁長官大泉隆史君、厚生労働大臣官房審議官新島良夫君及び厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長塩田幸雄君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(渡辺孝男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(渡辺孝男君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉田博美君 自由民主党の吉田博美でございます。 まず、質疑に先立ちまして、去る七月七日、ロンドンでの爆破テロ事件におきましての、尊い人命を失われた皆様方に心から御冥福をお祈り申し上げます。また、負傷されました皆様方に心からお見舞いを申し上げるところでございます。 私たちの国は、戦後、非常に厳しい経済状況の中から先人の皆さん方が大変な努力をされまして、今や世界第二位のGDP、一人当たりの国民所得もルクセンブルク、スイス、ノルウェーに次いで世界第四位だと言われる。しかし、これが本当にその豊かさを感じるかと、いろいろな中で感じておりますけれども、スイスにおきまして、IMD、国際経営開発研究所というのがございまして、これが世界の四十九か国の先進国の国際競争ランキングというのを出しておりまして、これも二年前の統計でございますが、そうしますと、それが、第一位がアメリカ、第二位がフィンランド、三位がルクセンブルク、四位がオランダ、五位がシンガポール、六位がデンマーク、七位がスイス、八位がカナダなんです。じゃ、極東アジアの我々の国はどうなっているかと。二十四位が台湾で、二十七位が韓国、日本は三十位なんですよね。このことは確かに、GDPあるいは国民総生産高あるいは一人当たりの国民所得、それだけで豊かさを感じるのかといったときに、社会資本の整備もありますでしょうし、福祉の問題、教育の問題、環境の問題、あらゆるものも含めた中であるわけでありますが。 果たして、私どもの国、かつてのように、どんな夜中でも女性が独り歩きできたような治安の安定した国だと言われておりました。しかし、急激な国際化の中で外国人の人も増えて、外国人が増えたから悪いというわけじゃございませんが、外国人による犯罪も増えてまいりました。また、青少年の凶悪犯罪も増えてまいりました。そうした中で、治安というものがどのようなIMDで評価をされているのかとも思いつつ、今日は大臣を始め関係各位に国内のテロ対策並びに治安問題について御質問をさせていただきたいと思います。 ロンドンでの地下鉄やバスをねらった同時多発テロが発生をいたしましたが、このようなテロ行為が我が国において起こる可能性について大臣の御所見を賜りたいと思います。
○国務大臣(南野知惠子君) 今議員おっしゃられましたように、本当にテロは許されるべきものではないというふうに思いますし、ロンドンに起きました、命をなくされた方々の御冥福を祈ると同時に、負傷された方々の一日も早い御回復をお祈りしたいと思っております。 特に、我が国は世界一安全な国日本を目指していると。そういうところであるにもかかわらず、今先生の御質問に対してお答えをしなければならないということでございますが、その点につきましては、テロ組織の動向というものを見てまいりますと、一つには、我が国は米国の主要同盟国であり、国際社会と協調してテロとの戦いに取り組んでいる、これは一つの事実でございます。また、アルカイダやその関連組織が我が国を再三テロの対象国に指名していると。今回のロンドンでのテロ事件を含めまして、名指しされております米国の主要同盟国がテロの攻撃を実際受けているということも、これも事実であろうかと思います。さらにまた、アルカイダとの関係を疑われる者が我が国への不法入国を繰り返しており、相当期間潜伏したということも、これはあったということでございます。 そういう状況などから、国際テロの脅威が我が国にとって現実の脅威となっているということを改めて強く認識し、これに対応することが重要というふうに考えております。
○吉田博美君 戦争の場合はそれでも宣戦布告もありますが、テロの場合はいつ起こるか分からないわけでありまして、そして、今、アラブの皆さん方というのはもうすべてそのような顔をしておられるだけで疑われるということで、非常にその人たちの気持ちになったら大変なことだと、善良な人たちの方が多いわけでありますから。そうした中で、いかに情報をきちっとキャッチすることが大事なのではないかと思います。 実は、私は、今から三十四年前でございますか、ロンドンにちょっと勉強に行かせていただいておりました。その折に、ちょうど岡本公三のテルアビブの事件がありました。日本人の顔を見ると何かやるんじゃないかなというような厳しい状況がありました。私みたいな善良な市民でもそう思われるわけでありますので、そうしたことの中で、いずれにいたしましても、いかに情報をきちっと的確にキャッチして未然に防ぐかということが大事ではないかと思います。 そこで、我が国においてテロを未然に防止するために公安調査庁ではどのように対応し、対策を講じていられるのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(大泉隆史君) お答え申し上げます。 公安調査庁におきましては、先生御指摘のようなテロの未然防止ということが私どもにとって今最重要の課題であると認識いたしまして、国際テロ特別調査本部を設置いたしますとともに、国際テロ対策専従部門というものを新設して、国内外における国際テロ関連情報の収集・分析体制を強化しているところでございます。平成十七年度予算におきましても定員の増加をこの関係で認めていただいており、そういうこともございまして、この点に最大限の力を注いでいるというところでございます。 また、もう一つ、昨年十二月に決定されました政府のテロの未然防止に関する行動計画、この策定に当たりましても私どもとして積極的に取り組み、また、現在、その推進に向けて積極的に取り組んでいるところでございます。 それから、先般のロンドンにおけるテロに関しまして、事件発生後に緊急調査室を設置しまして、国内外の関係諸機関、とりわけイギリスの機関との協力体制を一層強化しておるところでございます。 また、現在、更に具体的に申し上げますと、今後とも、私どもとしては、外交機関との連携、情報交換を緊密に行うなどしてテロ動向把握に努めるとともに、国内におきましても国際テロとのかかわりが疑われる人物や組織の有無、その動きなどに関する情報の収集、調査活動の強化を図りまして、我が国におけるテロの未然防止に全力を傾注していきたいと考えております。
○吉田博美君 どちらかというと、スペインの場合は他の国と地続きでありますよね。ですから、テロが比較的出入りが簡単であると。ところが、イギリスの場合はちょうど日本と同じように島国でありますから、他国との境界がないわけでありますから、意外と未然の防止ができるんじゃないかなというような、私どももその気持ちでおりましたところ、日本も全く同じような条件でありますから、とにかく一番、あれは顔色が違うとか、顔立ち、まあ人種が違うと言ったら失礼でありますが、そういうような部分の中で比較的分かりやすいんじゃないかと言われているわけでありますが、テロ対策として重要な点は、やはりテロリストを我が国に入国させないことだと考えますが、我が国の入国管理体制での具体的な取組はどのようになっているのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(三浦正晴君) お答え申し上げます。 テロ対策は我が国の治安対策における最重要課題の一つであるというふうに考えております。入国管理局といたしましては、我が国におけるテロを未然にかつ確実に防ぐために、警察庁を始めとした関係機関との連携を密にし、出入国管理の徹底を図っておるところでございます。それにより水際でのテロ対策に万全を期すよう努めておるところでございます。 具体的に申し上げますと、テロリストに関する情報の収集に努めますとともに、テロリストは偽変造旅券を行使して不法に入国を企てることが多いと考えられますことから、成田空港を始めとする主要空港などに偽変造文書鑑識システムを配備しますとともに、各空港の審査ブースにも小型の鑑識機器を配備するなどしておりまして、偽変造文書発見のための対策を強化しておるところでございます。 また、本年の四月以降、外国の空港へ入管の職員を派遣いたしまして、外国人旅行者が上陸のための要件に適合しているかどうかを本邦に到着する前に確認する出発地における事前確認方式、これはプレクリアランスと呼んでおりますが、こういったものですとか、国内の主要空港におきまして上陸審査ブースで入国目的などに疑いがある場合、別室に通しまして慎重に審査を行うという二次的な審査、セカンダリー審査と呼んでおりますが、こういった新たな審査方法を導入するなどいたしまして上陸審査の厳格化を図り、テロ対策に取り組んでいるところでございます。
○吉田博美君 最近、偽造旅券で成り済ましというのがあるんですけれども、実は私も苦い経験がございまして、というのは、今からまあ四十年近く、実質には三十九年前でございますが、私が国会議員の秘書をしている当時に、私の父が友人と数名でフィリピンにゴルフに行きまして、そして入国をするときに詐欺師だということで拘束されまして、正直な話、それでほかの人たちは皆ゴルフ終わって帰ってきたんですけれども、私の父だけが帰ってこれなくなって、友人の人たちの何人かホテルに監禁状態になりました。同姓同名で、しかも父の旅券を偽造していたんじゃないかということで、これは大変なことでありまして、それで私たまたま秘書という立場でありましたので、外務省の方に何度も行きまして、この吉田定男さんってどういう人ですかと、恥ずかしいけど私の父でございますなんと言いまして、それで十日ぐらいたってようやく詐欺師吉田というのを帰していただいたんですけれども、まあ別人でありまして、結局、そんな中で自分の経験があるわけでありますが、偽造旅券等が、詐欺が悪質巧妙化する中で、最近、先ほど申し上げました成り済まし事件が多発していると聞いておりますが、その実態と背景はどのようになっているのでしょうか。
○政府参考人(三浦正晴君) お答え申し上げます。 委員御指摘ございました成り済ましの事案と申しますのは、他人の名義の旅券を使いまして、旅券の名義人に成り済まして我が国に不法出入国を図ると、こういうケースでございます。 これにつきまして、この成り済まし事案につきまして、成田空港、関西空港、両空港での発見の件数の推移を若干御紹介いたしますと、両空港で平成十二年には三十四件の発見数でございましたが、平成十六年には三百十四件というふうに十倍近くに増加しておるわけでございます。これらの成り済まし事案が、平成十六年の偽変造旅券行使を含む旅券の不正な使用件数、トータルの九百九十四件に占める割合は約三二%ということになっております。また、この中で二百八十四件は上陸審査時に行使された事案でございまして、不法入国の大きな手段の一つとなっているわけでございます。 成り済ましにつきましては、発給国、旅券の発給国の政府が正式に発給しました真正な旅券でございます。これに何ら手を加えることなく、旅券の名義人の写真に極めて似せた顔型ですとか風貌に所持人をするというために整形手術などを施すというようなケースもございますことから、文書鑑識機器の利用によりましても偽変造の痕跡が全く見いだせないと、こういうことでございまして、大変偽変造に比べましても入国審査官を欺きやすいというふうにどうも思われていることがこのような増加の背景になっているんではないかというふうに分析しているところでございます。
○吉田博美君 そこで、偽造旅券等の対策の一環として、バンコク国際空港に入管職員を派遣し、出発時における偽造文書等の鑑識業務を体験させたとのことでございますが、その成果についてお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(三浦正晴君) 本年の四月一日から六月の末まで三か月間でございますが、文書鑑識技術に優れた我が国の入管職員一名をタイ王国に派遣いたしまして、バンコクの国際空港に駐在しております世界各国の偽変造文書鑑識専門家で構成された専門家チームに参加させまして、そこで鑑識業務を通じて不正文書行使者の発見等に努めたわけでございます。 その具体的な役割でございますけれども、バンコク国際空港におきまして、航空会社からの依頼によりまして、偽変造ではないかと疑われる旅券等の鑑識を行いまして、その鑑識結果に基づきまして航空会社の職員に対してアドバイスを行う、こういった仕事をしていたわけでございます。 この派遣期間中に偽変造文書を確認するなどしまして、合計で我が国から派遣した職員が百六名の搭乗、航空機への搭乗を阻止するという成果を上げることができたわけでございます。 なお、この三か月間におきます世界各国から集まりましたチーム全体での搭乗阻止者総数でございますが、これが三百十四名でございますので、各国とも複数の専門家を派遣している中で、我が国から派遣した職員は一人であったにもかかわらず、全体の約三四%を占めるという成果を上げたものでございまして、非常に良い結果であったというふうに思っておるところでございます。
○吉田博美君 大臣、そこで、世界各国でIC旅券の導入が進められておりまして、米国では、外国人入国者に対し、私もされたんです、指紋押捺を求めて、ブラックリストとの照合等厳格な水際管理が図られておりますが、一方ヨーロッパ諸国では、一般渡航者について出入国審査の自動化、簡素化が実施されております。 我が国は、こうした諸外国の動向を踏まえて、今後どのような方向性を持って出入国管理体制を構築されるお考えなんでしょうか。大臣、お聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(南野知惠子君) 内閣官房を中心に関係府省で構成される連絡会議におきましては、現在、バイオメトリックスが記録されたIC旅券やICカード、それの活用方策について、制度、技術両面での検討が進められております。この場合におきましても、テロ犯罪の水際防止対策という安全性の確保の課題だけではなく、渡航者に対する、より迅速円滑な出入国審査という利便性の向上の課題に対してもどのように取り組んでいくかということについての議論も行われております。 法務省といたしましては、こうした議論の成果や諸外国の動向も踏まえました上に、バイオメトリックスを活用したテロリストや不法滞在を目的とした者などの入国を阻止するために厳格な水際管理を行う一方、問題のない渡航者については、出入国管理を簡素化、迅速化して、円滑な手続を行う構想について実用化を図るなどの制度設計を進めてまいりたいと考えております。
○吉田博美君 次に、国内治安対策についてお伺いしますが、来日外国人の犯罪が最近特に増えていると言われておりまして、決して一国だけをするんじゃなくて、例として中国人による犯罪についての現況についてお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(大林宏君) 御指摘のとおり、近時、来日外国人による犯罪が増加し続けておりまして、その検挙件数は、平成元年の約五千七百件から、平成十六年には約四万七千件と八倍以上となり、これに伴って検察庁における通常受理人員数も増加しております。罪名としては、入管法違反のほか、窃盗罪や薬物事犯などが多数を占めているところでありますが、これら犯罪につきましては、その組織化や広域化が進むなど、我が国治安の悪化の要因として極めて憂慮すべき状況にございます。 中でも中国人による犯罪は、平成十六年の来日外国人犯罪の通常受理人員の四割以上を占め、特に強盗、強盗致死傷、強盗強姦等の凶悪重大犯罪において中国人が占める割合が高い状況にあります。 法務・検察におきましても、外国を含む関係諸機関との連携を図り、事案を解明し、厳正な科刑を実現して犯罪の防圧に努めることが必要であると考えております。
○吉田博美君 また次に、暴力団犯罪を始めとする組織犯罪について、最近の動向についてお伺いいたしたいと思います。
○政府参考人(大林宏君) 最近の組織犯罪による不法活動は多岐にわたっておりますが、まず、暴力団は、一般市民に対する傷害、恐喝等の粗暴凶悪事犯や銃器を用いた対立抗争事犯等により、依然として社会に対する大きな脅威となっておりまして、検察庁における暴力団関係者の通常受理人員数は近年増加傾向にあって、平成十一年以降で見ますと、平成十一年の約八千人から、平成十六年には約一割増加した約九千人となっております。 また、暴力団は、その資金獲得手段をますます多様化させており、従来からの規制薬物の密輸入、密売、恐喝、賭博等の事犯に加え、正当な事業活動を仮装しながら建設業等の各種事業活動へ参入して巧妙に資金獲得活動を行うほか、最近はいわゆるやみ金融、振り込め詐欺等を組織的に敢行し、莫大な不法収益を上げているという現状にあります。特に、最近では暴力団関係者による詐欺事犯が増加しており、検察庁における通常受理人員数は平成十一年以降約四割程度増加しております。 また、外国人犯罪は共犯形態で敢行される傾向が強く、規制薬物の密輸入、密売事犯、カードの不正使用事犯、住居等侵入強窃盗、強盗致死傷事犯等、各種の悪質凶悪事犯を敢行し、一般市民の生命、身体、財産等に重大な危害を加えており、その更なる組織化が懸念されるところでございます。 これらの犯罪組織は、外国に居住する犯罪組織等とも連携して犯罪に及ぶことが少なくなく、事犯の多様化、国際化の傾向が顕著で、国民生活の安全と平穏に対して重大な脅威を及ぼしていると考えられるところでございまして、法務省としてもその動向に重大な関心を抱いております。
○吉田博美君 そこで、暴力団犯罪を始めとする組織犯罪に対してどのように対処していかれるのですか。その点についてお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(大林宏君) 今申し上げたとおり、暴力団犯罪を始めとする組織犯罪が市民生活の安全と平穏を脅かしているという現状にございます。このような状況の中、検察においては、警察等関係機関と連携しつつ、組織的な犯罪に対する処罰の強化や犯罪収益についての規制の強化を内容とする組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律を始めとする各種関係法令を積極的に適用し、あらゆる捜査手法を駆使して犯罪組織の中枢に迫る捜査を行い、厳正な科刑の実現や犯罪収益の剥奪の徹底を図るなどして組織犯罪に対し厳正に対処しているものと承知しております。
○吉田博美君 意欲は分かるんですけど、その割には司法関係者が少ないというのが現状じゃないかと思うんですよ。治安情勢の悪化に対処するためには検察における人的、物的な体制整備を図らなければならないと考えますが、その点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(南野知惠子君) 近時、殺人などの凶悪事件や又は来日外国人の犯罪又は組織犯罪等が、我が国の治安を根底から揺るがしかねない犯罪が多発しておりますけれども、刑事司法を担う検察におきましては、犯罪情勢の変化と社会の要請等に対応し得るよう、絶えずその体制等を点検し、各種犯罪の真相解明と適正な科刑の実現に向けまして適切な捜査、公判活動を実施するための要員及び経費等を充実させるなどの方策を講じております。 今後とも、関係省庁とも御相談しながら、必要とされる要員及び経費の確保等を通じて検察体制の一層の強化を図ってまいりたいと考えております。
○吉田博美君 最近、おれおれ詐欺だとか振り込め詐欺だとか、いろんなことがありまして、その被害者の皆さん方は非常に甚大な被害を受けられているけど、ほとんど泣き寝入りのような状況なんですよね。そんな中で、本日、法制審議会において、財産犯等の犯罪収益を剥奪し、これを被害回復に充てるための法整備に関する諮問がなされると承知しておりますが、そのような法整備をする意義について大臣にお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(南野知惠子君) 今先生がお話しになられました財産犯等によって被害者から得た犯罪被害財産を犯人から剥奪してしまうと被害者の犯人に対する損害賠償請求権などの司法上の請求権の実現を妨げるおそれがありますことから、組織的犯罪処罰法は犯罪被害財産の没収又はその価額の追徴はできないこととしております。 しかし、例えば犯罪が暴力団等により組織的に行われた事案では、被害者が損害賠償請求権などの行使をためらったり、また犯人が犯罪被害財産を仮装、隠匿させたような場合は適切な者に損害賠償請求権などを行使することが困難であることが考えられ、このような場合には結果として犯罪被害財産を犯人の手元に残してしまい、それが犯罪組織の維持拡大や将来の犯罪活動に再投資されるおそれがございます。実際にも、例えばいわゆる五菱会事件等におきましても同様の問題が指摘されているところでございます。 そこで、このような場合には、犯罪収益である犯罪被害財産等の剥奪を可能にして、これを被害者の被害回復に充てるべく、犯罪被害財産等の没収、追徴を可能とした上で、検察官におきまして、被害者からの申請に基づき没収、徴収した財産から個々の被害額に応じて給付金を支給することができるようにするための法整備を検討いたし、本日、法制審議会にその旨の諮問を行うこととしたものでございます。
○吉田博美君 もう時間が余りないものですからちょっと途中飛ばさしていただきますけど、行刑施設が依然として過剰収容の状態にあると聞いておるわけでありますが、最近の収容実態とその対策についてお伺いいたしたいと思います。
○政府参考人(横田尤孝君) お答え申し上げます。 刑務所等の収容人員は、平成十年以降急激な増加が継続しておりまして、特に受刑者等の既決被収容者にありましては、平成十七年五月末現在で約六万六千人、これは収容率にいたしますと約一一二%で、その収容状況は依然として厳しい状況にございます。 これまで過剰収容状態の解消のために刑務所等の収容棟の増築工事等による収容能力の拡大を図ってまいりまして、平成十六年度末には福島刑務所の新設を含め約三千八百人分の収容棟などが完成いたしましたほか、平成十六年度の補正予算及び本年度予算におきましても、PFI手法を活用した刑務所の整備を含め、刑務所等の収容能力を七千三百人以上増強することとしておりまして、これが完成した暁には過剰収容状態の緩和に大きく役立つものと期待しているところでございます。 しかしながら、最近の犯罪情勢等からいたしますと、刑務所等の収容状況、収容状態は依然として厳しい状況が続くものと予想されますことから、今後とも収容能力の拡充に努めてまいりたいと考えております。
○吉田博美君 最後に一点だけ御質問させていただきます。 保護観察中に所在不明になる人はどのくらいいるのでしょうか、それに対し法務省はどのような対策を講じているのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(麻生光洋君) お答えいたします。 平成十七年四月末現在では、仮釈放者八千二百八十一名のうち所在不明となっている者は六百五十五名であります。また、保護観察付執行猶予者一万五千七百十六名のうち所在不明となっている者は九百六名でございます。これらの者は保護観察を離脱いたしております者でございますので、これらの所在を発見することが重要な課題と認識しております。 私どもといたしましては、これらの者に対しまして、保護観察所では、家族や知人等の立ち回り先について継続的に調査をいたしましたり、公的機関に各種の照会をするなどいたしましてその所在の発見に努めております。また、本年三月からは、仮釈放者につきましてはあらかじめ交友関係などを詳細に把握するなどいたしまして、本人が所在不明に陥った場合により一層迅速かつ充実した調査を行うように努めております。 さらに、所在調査を一層徹底させるために警察の御協力を得ることにつきまして協議を進めておりまして、現在その細部につきまして詰めておるところでございます。速やかにこの協議をまとめまして、運用を開始いたしたいと考えております。
○松岡徹君 民主党の松岡徹でございます。 いきなり後ろが寂しくなりましたけれども、大臣としっかりと議論をしたいというふうに思っておりまして、私は今から大臣に率直にお聞きを申し上げたいと思うのは、今も参議院で郵政民営化の特別委員会が開催をされております。先月まで衆議院で議論されました。その中で問題になりました、いわゆる政府広報の問題ですね。それの質疑が何回かありました。我が党の議員の方からも大臣に対して質問がありました。それで、その大臣の答弁について、率直にまだ語り切れていないんではないか、大臣が、というふうに思っておりまして、その点について今日はお伺いをしたいというふうに思うんです。 そこで、我が党の議員が、まずは六月の二十九日に、郵政民営化の特別委員会で山花郁夫議員がまずこの問題を取り上げました。 政府広報で出されていますこの郵政民営化法案に対する広報資料でありますが、この資料は実はターゲット戦略というふうに書かれていまして、IQ軸の縦軸がありまして、ハイとローというふうに分けて、そういう戦略でされていたと。この広報は今年の二月に実施されたんですが、山花議員は、知的レベルによって区別してこういう広報をするというのは、それを見ただけでは非常に不愉快だと、人権問題ではないかという質問をされました。そこで、大臣は、答弁について、一般論として、合理的な理由のない区別というのが差別であろうかとか、あるいは人権侵害の問題については、合理的な理由のある区別は人権侵害には当たらないとかおっしゃっています。 これ、非常に混乱しておるんですが、質問について、また質問の内容も具体的なところにまで行っていないと思うんですが、まずは、一番大事なのは、この郵政民営化の政府広報についてのターゲット戦略に基づくこの方式ですね、これを政府は採用して実施したわけでありますから、これ自身が人権問題ではないかという指摘なんですね。 この広報について、大臣はその後検討されて問題だというふうに感じているのかどうか、その辺のまず御認識だけお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(南野知惠子君) 誤解があるといけませんので御答弁いたしますが、行政の遂行に当たりまして、人権に配慮した取扱いがなされるべきことは当然のことでございます。行政といたしまして御指摘の資料の記載を容認して、これを基礎として不適切な行政を行うべきではないと考えております。 ただ、これが人権侵害ではないかと問われますと、個別の事案については調査をしないで人権侵害に当たるかどうかを確定的に申し上げることは適当ではないというふうに思いますけれども、御指摘の資料を拝見する限りでは、広報の対象とされた範囲が漠然としておりますし、また、広報活動を行うこと自体、必ずしもその対象に不利益をもたらすものではないように思われますので、直ちにこれをもって人権侵害に当たるとは言えないと思っております。
○松岡徹君 そこで、今おっしゃった、これが不利益に当たるかどうか、そのことが明らかでない段階ではこれは差別とは言えないんではないか、人権侵害には当たらないんではないかというふうにおっしゃっているんですね。 そこで、私は今聞いたのは、このターゲット戦略、これを採用した、これが人権問題に当たるんではないかという指摘に対して検討されたのかどうかなんですね。これは皆さん方も御存じだと思うんですが、このターゲット戦略の現状認識のところで、郵政民営化に関しての必要性認識は確立しつつあると。ただし、プライオリティー認識は低い。また、その民営化に対しての温度差は、その社会的立場、ターゲットクラスター、集団により様々だというふうに言っているんですね。 そして、A層、B層というふうに分けて、縦軸にIQ、そして、ハイのところに、財界勝ち組企業、大学教授、マスメディア、都市部ホワイトカラーと書いてあるんですね。で、B、すなわちB層、ローの方ですね、IQの軸のローの方。これは小泉内閣支持基盤、民営化の大義と構造改革上の重要性、認識レベルを高めることが必要条件だという前提で、主婦層アンド子供を中心にシルバー層、あるいは具体的なことは分からないが小泉総理のキャラクターを支持する層、内閣閣僚を支持する層なんですね。 私、これをするときに、IQ軸となっているんですが、そのIQ軸の括弧にEQとITQというのがあるんですね、EQとITQ。単なる、私自身も、IQという指数を調べるということについては、これ自体は別に差別ということではないし、合理的な区別であって差別ではない。ただ問題は、それがどういうふうに使われるかによって、それが、差別が起きるかどうかということなんですね。 このIQの横の括弧のところにEQとITQというのがあるんですね。これはどういう意味と認識されていますか。 ちょっと時間があれなんで申し上げますけれども、IQ、インテリジェンスクオリティー、知的指数なんです、知能指数ですね。EQというのは、いろんなのがありますが、情動の知能指数、すなわち喜怒哀楽とか心ですね。ITQというのは情報技術指数。これをどういうふうに理解をするのかというのもありますが、一般的な解釈というのはそういうふうになっています。そういう意味では、このEQというのは経済感覚指数を示すんではないかというふうに言われています。ITQというのは、情報指数といいますか、情報技術指数というふうに言われています。 すなわち、これから見ても、IQというものと同時に情報技術指数というものが、情報技術がどんどん進展していますけれども、問題は、その情報技術が進展していく中で取り残されていくという層が必ず生まれてくるんですね。一遍には行きません。しかし、そのままにほっていけば必ずそこに格差が生まれてきます、EQもそうでありますけれども。 私は、全体を通して、このIQの括弧の中にEQ、ITQと書いてある。そして、縦軸になって、先ほど言ったように、A層が先ほど言った層で、B層が主婦層だとか、特に女性の方とか、あるいはシルバー、高齢者層。これは、高齢者の方々は確かに情報技術指数としてはまだまだ遅れていると思うんですよ。ですから、この人達をB層というふうに位置付けてやるというのも問題だと思うんですが、私はその前の前提に、極めて政治的な取扱いだというふうに思うんですが。 実は、横軸のところに、先ほどあったA層の横の左に構造改革抵抗守旧派と書いてあるんですね。B層の左の軸に、既に失業等の痛みにより、あるいは構造改革に恐怖を覚えている層。こういった層にはターゲット絞っていないんです、今回のこのターゲット戦略。これ、極めて、言うたら反対派の層にはもう今更広報しても無駄だろう、これから郵政民営化の支持を得られる層にターゲット絞ろう。これが、こんな政治的な広報の仕方を政府がしていいのかどうかという問題があるんですよ、税金を使ってね。 私は、そのことは大臣には問いません。問いませんが、しかしこのターゲットの絞り方、あるいはこういったことを実施したということなんですね。結果的には主婦層あるいはシルバー層等についてはIQが低い、あるいは喜怒哀楽とか心の知能指数といいますか、そういったものが低いとか、あるいは情報技術指数、経済感覚指数というものが低いんだということを決め付けておるんですね。決め付けています。ここが問題なんです。 本当にこのIQの低い層、あるいはEQ、ITQの低い層は主婦層なのか、シルバー層も本当に低いのか、これを、私はまず大臣の認識を聞きたいと思うんです。いかがですか。本当に低いと思いますか、主婦層、シルバー層、子供たち。
○国務大臣(南野知惠子君) 資料は、これは見せていただきましたけれども、私としてはそこまでは読み切れていないというふうに思います。
○松岡徹君 読み切れていないというのは分析をしていないといいますか、いうことだと思うんですけれども、そうですか、そういうことですか。この資料についてその後分析されていないということですか。
○国務大臣(南野知惠子君) 一応個別の案件でもございますし、私個人の感想ということを申し上げるレベルではないと思っております。
○松岡徹君 私は、大臣の個人の認識を今問うているんじゃないんです。ここは法務委員会です。事前に通告もしておりまして、大臣にしっかりと、大臣が言った言葉です。 もう一度申しますと、経過を申しますと、山花議員が、先ほど言いました、大臣は極めて一般的に答えて混乱している。その後、六月三十日の委員会の冒頭に、山花議員の質問に対してこれは相当やり取りがあって、質疑が中断しているんですね、度々中断しています。そして、日を改めて大臣は、先日の山花議員の答弁に対して、冒頭再答弁しているんですね。二階委員長からの許しを得て言っています。 そこに、一般的、一般論としましては、差別的取扱いについては合理的区別か否かで差別か否かを判断いたします。差別表現につきましては、その対象者が特定されている場合には人権侵害に当たる場合がありますが、特定されない場合には原則として人権侵害には当たらないと言い切っています。その後、もっとも、表現としては一般的な体裁を取っていても、対象者が事実上特定される場合には特定個人に対する人権侵害となり得る場合があります。さらに、このような厳格な意味での人権侵害に当たらないとしても、不当な差別的な取扱いを助長させるおそれが大きい場合にはこれが差別助長行為として許されないものと考えている、こういうふうに答えている。これが六月三十日の大臣の再答弁といいますかね、冒頭の。 その七月四日の、次は、今度は原口議員が質問しています。今度は実はだれに質問しているかというと、官房長官に質問しています。官房長官はどう答えているかといえば、この企画書の中におきまして、国民の皆様あるいは各界各層の皆様をIQが高いとか低いとか、そういう表現を使っていること自体は極めて問題があり、私も不適切だと思っていると答えているんです。 ところが、大臣は、この資料自身が、どういうふうに答えているか。結局最後の、実は七月十二日に衆議院の法務委員会で大臣は、我が党の松本大輔議員からの質問であるんです。マスコミの新聞にも載りました。大臣は一転して容認できないというふうに言っているんです、容認できないというふうに、この資料について。私は、だからこそこの資料のどこが容認できないのかということを聞いておるんです、今。聞いているんです。 ですから、このターゲット戦略のこの資料は、私は今申し上げました、非常に問題があるんではないかということなんです。いかがですか。
○国務大臣(南野知惠子君) IQなどで対象を分類したかのような記載がここにございます。そのことについては容認できないということを申し上げました。
○松岡徹君 IQによって区別するということのどこが容認できないのかということを私は聞いている。私は、だれがこの問題で被害を被る可能性があるかということなんです。確かに、大臣、冒頭答えていただいた、このことによってだれが被害を被るのか、人権侵害被るのかというのは特定できないです、なかなか。しかし、私は被るおそれがある、あるいは助長するおそれがあるというふうに私は申し上げたいんです。これ自身で、この広報戦略を採用して、このことを実行したことによってどんなことが起きるかということは当然考えられます、元々こういうターゲット戦略の組み方というのは。 まず、私はさっき言ったように、この主婦層、女性の主婦層の方はIQが低いというふうに大臣はお思いですか。
○国務大臣(南野知惠子君) 必ずしもそのようには思っておりません。
○松岡徹君 そうですね。私もそう思います。 私は、なぜこういうふうな安直なターゲット戦略になるのかというのは、その前提が極めてあいまいだと思うんですね。私は、IQの低い層を主婦層というふうに決め付けてこういう戦略をつくろうとしていること自身が私は女性に対する偏見だと思うんです。そう思いませんか、大臣。
○国務大臣(南野知惠子君) これは、これ個人的な感覚でこの表を作られたというふうに思いますので、私としてはそのようにすることが特に、今先生のような問題ということは意識しておりません。
○松岡徹君 ちょっと、今の答弁ちょっと分かりにくいんですけれども、私は、大臣は人権行政も担当する最高責任者でありますから、ですから聞いているんですよ。私は、これは人権的には問題があるよと、それで細田官房長官も答えているんです。そのどこが問題があるかというところで私は具体的に言っているんです。 例えば、主婦層をIQの低い層というふうに決め付けているということについては、これは女性に対する偏見をあおるということにはなりませんかと聞いている。
○国務大臣(南野知惠子君) それをそのような区分をしながら行政的に適用をするということは、それはけしからぬということでありまして、行政として容認すべきものではないというところを申し上げたいわけであります。
○松岡徹君 委員長、私、南野大臣も女性ですから、私、素直に、物事そうですけれども、これが問題だといったときにはどこが問題かということを明らかにしなくてはならないんですね。ですから、このターゲット戦略のどこが問題かということを私は言っているんです。 特に、そういう意味ではその一つの具体例として、このなぜIQ軸でハイとローというふうに分けるということにするのかということ自身も、すなわちIQ指数の低い人たちは社会の中では、社会問題についてはもう非常に無理解な層なんだというふうに決め付けるというのは、私、これ自身も失礼やと思うんですよ。失礼やと思うんですけれども。ただ、その中でも特に女性、主婦層と言うているんです。私は、女性に対するこれは偏見をあおっている、偏見に基づくものだ、偏見に基づくものだというふうに思うんです。 ですから、容認できないという、そういうことを聞いているんじゃないんです。大臣はそう思いませんかと聞いているんです。もう一度。
○国務大臣(南野知惠子君) 先生の御質問でございますけれども、私の気持ち、心、また答弁といたしましては、対象をIQなどによって分類したかのような、このような記載につきましては行政として容認すべきではないというふうに考えております。
○松岡徹君 ちょっと答弁になってないです。(発言する者あり)
○委員長(渡辺孝男君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(渡辺孝男君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(南野知惠子君) もう一度言い直しますけれども、対象をIQで分類するような記載、これは人権侵害に当たるか否かはともかくとして、不適切な記載であるというふうに思います。
○松岡徹君 質問に答えてほしいんですが、不適切な記載だということ自身は私も理解できます。しかし、何が不適切かということを私は具体的に聞いているんです。その何が不適切かという一つに、このローの、すなわちIQの低い層に主婦層というこの決め付けをしているということ自身は、この主婦層、すなわち女性の方に対する偏見をあおることにはならないですかというふうに聞いているんです。(発言する者あり)
○委員長(渡辺孝男君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(渡辺孝男君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(南野知惠子君) 個別の事案でありますということが第一点でございますが、これにつきましては、偏見かどうかということを調査を今いたしておりませんが、調査なしでそのように確定的なことを申し上げることはちょっと申し上げられないと。 そして、主婦層を一般にIQが低いというような形でここで表現されていることは、これは私個人としても不適切であるというふうに思っております。女性である私としても不愉快を感じるということを申し上げられるというふうに思っております。
○松岡徹君 何が不適切かということを聞いておりまして、調査しなければ分からないと言うんですけれども、いや、もう、いや、これ、現物あるんですよ。見たでしょう。ごらんになったでしょう。要するに、そういうふうになっているんですよ。 すなわち、これは特定の女性、主婦のだれだれを指摘しているんではないですが、すなわち女性という、しかも主婦の女性の方々を対象にはっきりしておるんです。今、南野大臣も不愉快だとおっしゃったように、みんな不愉快だと感じるんです。なぜ不愉快かというのは、それは女性に対するやっぱりまだまだこの社会の中に、偏見といいますか差別といいますか、そういった待遇があるからですよ。だから、男女共同参画室ができて、基本法も作ったんでしょう。 私は、これ自身が今更調査するべき問題じゃないと思うんですよ、この事実そのものは、この事実そのものは。しかも、政府の郵政民営化の広報として扱おうとするターゲット戦略の企画書として出されたやつですよ、これ。それを一体、私は、大臣、人権を担当する最高の責任者である大臣とすれば、そんなレベルでこの広報を企画しているのかと、けしからぬというふうに抗議をして当たり前だと思うんですよ、広報室に。抗議をして当たり前なんですよ。ところが、大臣は容認できないとしか言っていないんですよ。むしろ、細田官房長官の方が許せぬということを言っているんですよ。南野大臣は容認できないと。だからこそ聞いておるんですよ、具体的に。 女性に対するこういったやり方、女性は、主婦層の女性はIQが低いというような、こういう決め付け方のことで議論がされて、しかも私は、こういうことを考える企画の段階ではまだそれこそ未遂でありますから、しかし、その人たちにどんなやり方をするかという、この行為によって差別は生まれてくるんですよ。偏見をあおることになるんです。 私は、そういう意味では、人権を守ろうとすれば、予防ということからしても、人権侵害や差別の予防ということからしても、私は、これで実際にどんな個別具体の被害が被られたのかということを、個人には当てはまりませんけれども、しかし、少なくとも女性に対する偏見は、ここでこういう形で決め付けるというのは、明らかに女性に対する偏見をあおるという行為につながりますよと、私はそう思いませんかと。 当然、大臣自身もこれを見ただけでは、女性がIQは低いんだというような記述になれば、それは私は個人としても不愉快ですとおっしゃるように、大臣だけではなしに、すべての日本の国民の女性は不愉快だと感じますよ。なぜ不愉快だと感じると思いますか。褒められたらうれしいもんです。これは違うんですよ。だからこそ、大臣、これ、これについて不愉快だというレベルではなしに、明らかにこれは女性差別を、女性に対する偏見をあおる結果につながっていくんじゃないですか。あおることになるんではないですか。それを聞いているんです。
○国務大臣(南野知惠子君) この表によりますと、結局、女性一般がIQが低いというような読まれ方ができるようなものでございますので、それについては不適切だというふうに思っております。
○松岡徹君 不適切だというのは、何をもって不適切と言うのかというのをはっきり言うべきだと思うんですよ。 だから、このIQでこういう分け方するのは不適切だ。なぜ不適切なのか。なぜ不適切なのか。私、女性一般言いませんが、主婦層と言っていますから、結婚している既婚の女性ですよ。既婚の女性です。その層をそういうふうに決め付けているというのは、これは女性に対する偏見をあおることになっていくんではないですかということを言っているんです。だからこそ不適切だというふうになるんじゃないですか。どうですか。
○国務大臣(南野知惠子君) 行政を遂行する上でこのような記載を受け入れて、これを基礎として不適切な行政を行ってはならない、それはずっと思っておりますし、ただ、これが差別助長ではないかというような先生の御趣旨もあろうかと思いますが、この個別の事案につきましては、今申し上げましたけれども、確定的にこれがそうなんだという、これを作った人の意思というものの、意向を聞いておりませんので、それを調査してないと申し上げたんですけれども、そういうような意味では、一定の層を対象に広報活動を行うこと自体が必ずしもその対象とされた層の方々に対する差別的取扱いを助長させる現実的な効果をもたらすとは言えないように思いますので、直ちにそれが差別助長行為に当たるとは言えないというふうに思うわけでございます。
○松岡徹君 大臣、本当に失望しました。失望しました。 だれが見てもこれ、私が主婦の立場やったら腹立ちますね。何でこんな決め付けをしようとするのか。しかも、これは実行されたんですよ、でしょう。都市部にはこの広報、一千五百万部は回ってないんですよ。これ実行されているんですよ、この広報は。この議論はされて、やられているんですよ。私は、そういう意味では、こういったことについてもっと敏感に、大臣、敏感になってほしいというふうに思います。 主婦層というふうに決め付け、あるいは、もっと問題なのは、このIQ軸で決め付けるというのが、ここが問題なんですよ。ここが問題なんです。主婦層とか子供とかシルバー層はIQは低い、EQ、ITQは低いというふうにこれ決め付けているんですよ。そこがこれおかしいですよということを私は申し上げているんです。 ですから、大臣、先ほど、もう一つその答えの中にありましたように、何が人権侵害かいうのを特定する場合、その人権侵害の被害者を特定しなかったら人権侵害かどうかは言えないとおっしゃっています。それに対して、我が党の今までの議論の中で、そしたら人権侵害というのは個人に対してだけ人権侵害というふうになるのか。そうではなくて、その前の差別というのがありますね、差別というのが。これは、差別というのは個人だけではなくて、あるいは特定の団体とか集団とか、そういったものにまでこれ、なると思うんですね。私は、今回の場合、この主婦層というのは、そういった個人ではなくて、そういう特定の層に対する偏見をあおる、それが差別になっているかどうかは別ですよ、偏見をあおる結果になるんではないですかということを私は申し上げているんです。 当然のように、大臣も女性としてこの記述を見たらちょっと腹が立つといいますか、穏やかではないとおっしゃいました。それと同じなんですね。ですから、私は、これは差別をあおってしまうことになるんではないかということを言っているんです。それはいかがですか。
○国務大臣(南野知惠子君) 先生がお話しになっておられます差別という問題につきましては、ここの紙面に出ております差別表現ということにつきましては、その対象者が特定されている場合のほか、対象者が特定していない場合であっても集団が比較的小さく、集団に属する人々を特定することができる場合には、集団に属する者に対する人権侵害となり得る場合があるというふうに考えております。 このような厳密な意味での人権侵害に当たらない場合でも、不当な差別的取扱いを助長されるおそれが大きい行為というのは差別助長行為として許されないものと考えております。
○松岡徹君 一般論のそれは分かりますけれども、今回のことがそれに当たるんですか、当たらないんですかということを言っているんです。差別を助長する行為につながりませんかということを聞いているんです。
○国務大臣(南野知惠子君) 今先生の御質問に対しては確定的なことは私から申し上げられないと思います。
○松岡徹君 もう時間が来てしまいましたからこれで終わりたいと思いますが、確定的なこと、何をもって確定的というのか、それ自身もはっきり大臣答えられてないので議論が前へ進まないんですね。そういう意味では、しっかりとした議論をしていきたいというふうに思っております。 ただ、私は、できるならば官房長官のあの思いというものをしっかりとまずは大臣が受け止めて言うべきだというふうに思うんですよ。当然このことが新聞にもマスコミにも載りました。多くの主婦の方もそれを見ています。当然のように、南野大臣がおっしゃったように、非常に気分が悪いという主婦層の方もたくさんおられます。こういったやり方がまかり通ってしまえば主婦はIQが低いんだというふうになってしまいますよと、だからこそ人権を守る最高責任者である大臣がそれに対してどんなコメントを出すのかということを私は期待をしております。 私は、そういう意味では、こういった知能指数が低いから、者をターゲットにするというようなやり方が、これ、どこかで聞いたことあるなと思ったら、悪徳リフォーム業者、認知症の高齢者のところに行って、このやり方と一緒やないかというふうに思うんです。 そういう意味では、事実をしっかりとつかむということは大事ですが、しかし、これははっきりとこういう戦略のペーパーが出ておりますから、これ自身がね。これ自身についてのコメントをしっかりと、どこに人権問題としての課題があるのかとか問題があるのかということをしっかりと大臣は答えるべきだというふうに思います。なぜ容認できないのか、どの部分が容認できないのか、何が不適切なのかということをしっかりと言えるように努力をしていただきたいというふうに思います。 今日は正に入口のところでございましたけれども、これで終わりたいというふうに思います。
○前川清成君 民主党・新緑風会の前川清成でございます。 まず大臣、冒頭、夫婦別姓制度についてお伺いいたしますので、お伺いいただきたいと思います。 私、南野と書いてノオノとお読みになる大臣のお名前は珍しいなと思っていまして、私が人生においてお会いした二人目の方でございます。最初、検察修習のときの指導教官が南野と書いてノオノとお読みになって、で、大臣がお二人目でございます。 大変珍しいお名前で、今法務大臣までお務めになられますと、大臣が次の選挙、南野という名字ではなくて違う名字で、私は大臣の家族関係存じ上げないんですが、例えばあした御結婚なさって氏を変更なさって、前川でもいいんです、前川知惠子で選挙に出るという場合には大変不利になるなと、大臣にとって、そう思うんですが、その点、大臣、いかがですか。
○国務大臣(南野知惠子君) 観念的なお話でございますが、事実、私はもう選挙はないだろうというふうに思っておりますので、その不利益はないだろう。昔から南野という名前を使っておりますけれども、いや、チャンスがあれば前川とか、いい名前にて結婚できたらいいなと思っていた一人ではございますが。 まあそれはさておき、先生のお話でございます。夫婦別姓か、それから同氏かというような問題については、今いろいろな方の御意見を伺っているところでございます。
○前川清成君 大臣、私が今お聞きしているのは、女性が社会的活動を続けていく中で氏が変わるということはその女性にとって非常にマイナスが生じるのではないかと。で、大臣のお立場、政治家というお立場から考えたら特にその傾向が顕著で、大臣御自身体感していただけるのではないかと思ってお尋ねしたんですが、女性が、別に政治家に限りません、社会的活動の中で氏を変わるということは大変不利だと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(南野知惠子君) 現行の夫婦同氏制度の下においては、婚姻などによって夫の氏を称することが多いために、姓を改めた女性について本人の同一性の確認というのが困難になるということはおっしゃるとおりだと思っております。 また、旧姓の下で築き上げた業績が認められなくなったり、また取引先との連絡に支障が生じるなど、社会生活上の問題が出ることがあるということは聞いております。
○前川清成君 そこで、選択的夫婦別姓についてお伺いしたいと思います。 誠に個人的なことですが、私は、母親が十九のときに死にまして、片親でございます。父子家庭でございます。私の家内は、父親が十八のときに死んで、母子家庭でした。で、お互い片親同士で結婚して、どっちの氏を名のるかと結婚するときに少し話をしました。ただ、そういう妻と話をしていても、妻は同姓がいいと、そういうふうに言っています。私もそれの方がいいと思っています。 ただ、私たち家族にとっては、隣に住んでいる松岡さんが同姓であろうと別姓であろうと私たちの家庭生活に何らかかわりはありませんし、社会的な活動についても何らかかわりません。お隣に暮らす家族が同姓であるか別姓であるかについては、何ら利害関係を持たない他人がとやかく言うべきではないのではないかと。 そういう意味で、それぞれ個人個人がどういう氏を使うか選択的にお選びになる制度が大変好ましいのではないかなと、こういうふうに考えているんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(南野知惠子君) それはその家族でしっかりお話しし合い、そういうような制度もいい形になろうかなというふうには思いますけれども、夫婦、選択的な別氏制度を導入するか否かというこの問題は、婚姻制度や家族の在り方にかかわる重要な問題でもあろうかと。今、我が国で取られている司法制度の中では、そのような観点の中からいろいろな御意見をいただいているところでございます。 私としては、この問題について、先生も思っておられると思いますけれども、大方の国民の理解を得ることができるような状況でそのような問題点について更に煮詰めていくことができるのかなと思っております。
○前川清成君 今の大臣のお答えが少し分からなかったんですが、大臣のお考えとしては、別氏、選択的な別氏が好ましいと思っているけれども、今、今時点においてもいろんなところから意見を聞いているところなので、その意見が寄せられるのを待って決めたいと、こういうお答えでしたか、そうじゃないお答えですか。
○国務大臣(南野知惠子君) それは、国民の大方の方々の御意見がない場合には法律的な物事は動かしていけないのではないかなと思いますので、そういう意味では大方の方の御意見というものが寄せられるべきであろうと思っております。
○前川清成君 大方の方の御意見というのはいつ寄せられるんですか。
○国務大臣(南野知惠子君) それは、いろいろなチャンスがございます。広報においても、またいろいろな陳情においても、いろいろな御意見をいただくところは、環境は一杯つくれると思っております。
○前川清成君 これは既に七、八年前にもう法制審の答申もありますし、各方面からいろいろな意見も出ていると思います。是非、自民党内でいろんな御異論が、御議論があるというのは聞いておりますけれども、やはり選択的夫婦別姓というのについて是非積極的にお考えいただけないかなと、こんなふうに思っています。 次の質問に移らせていただきます。 十九日の夕刊に最高裁判決、取引履歴の開示に関する最高裁判決が出ました。この判決についてどのように御認識されているのか。とりわけ法務行政において反映させるべき事項はないのか、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(南野知惠子君) 御指摘の判決につきましては、貸金業の規制等に関する法律、これは、所定の登録を受けた貸金業者は顧客との間の取引歴を顧客に開示すべき義務を負うと判断したものと承知いたしております。 貸金業制度に関する諸問題につきましては、現在、貸金業法を所管する金融庁において所要の検討が進められており、法務省といたしましても、その検討に十分な協力をしてまいりたいと考えております。 また、今回の判決は、貸金業者が利息制限法所定の制限利率を超える約定利率で貸付けを行った事例に関するものでありますけれども、この利息制限法及び出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律、これは出資法にあるようですが、その定める上限金利の在り方については法務省において引き続き調査、検討を行ってまいりたいと考えております。
○前川清成君 今大臣のお答えの中に私の次の質問もありましたので、もう私の方で要約させていただきますけれども、なぜサラ金が、このような判決が出たか。それは、サラ金がこの取引履歴の開示を拒むからであります。 なぜ拒むかという点ですが、この事件の場合には、キャスコというサラ金からある女性の方が五十万円をお借りになりました。十年間にわたって毎月一万円とか返済を続けられました。十年間にわたって返済した結果、利息制限法に引き直したら百三十万円払い過ぎになっていた。ただ、主婦の方、いや、その女性の方、十何年間のレシートを一々保存できていませんでした。だから、キャスコに対して私の取引履歴はどうなっていますかと弁護士を通じて聞いた。答えなかった。で、判決によってこうやって開示された。その結果、何が分かったか。百三十万円、キャスコは返還すべき義務があった。結局、キャスコというサラ金は百三十万円の取り過ぎを返したくない、自分のものにしたいということで拒んでいたわけです。 これは一種の私は詐欺みたいなものじゃないかな、こう思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(南野知惠子君) 先生おっしゃるように、そのような履歴については本人の財産の一つでもあろうかなというふうに思いますので、それの開示はしかるべきだと思っております。
○前川清成君 今日は金融庁にも来ていただいていますが、金融庁で結構ですが、今私が申し上げたキャスコの対応、これは貸金業規制法十三条二項に言う、取立ての業務に当たり、偽りその他不正又は著しく不当な手段を用いたことに当たらないんでしょうか、当たるんでしょうか。ちょっと、早く答えなさい、時間がないから。
○政府参考人(大藤俊行君) 貸金業規制法の方に明確に具体的な要件というのを書いてございませんものですから、今回の最高裁の判決も踏まえまして検討させていただきたいと考えております。
○前川清成君 ちょっとその、もう時間稼ぎのような答えをされるんだったら、もう政府委員の方の出席はお断りしますよ。 今、何でそんないい加減な答え方するんですか。貸金業規制法を受けてガイドラインを作っておられるのは金融庁でしょう。その金融庁の中で、十三条二項の不正の定義についてはガイドラインに書いてあるでしょう。あるいは、不正についてもガイドラインで定義を決めているでしょう。それに照らしたらどうなるんですか。何でそんなことについてこれから検討するなんて時間稼ぎの質問されるんですか。ちょっといい加減にしてください、今の。
○政府参考人(大藤俊行君) 現在、ガイドラインのお話ございましたけれども、貸金業者の取引履歴の開示が貸金業規制法上、明文では規定されていないところでございます……
○前川清成君 知っているよ、そんなこと。全く聞いてないやろう。
○政府参考人(大藤俊行君) はい、済みません。 それで、事務ガイドラインにおきまして、債務者、保証人その他の債務の弁済を行おうとする者から、帳簿の記載事項のうち、当該弁済に係る債務の内容について開示を求められたときに協力することにつきまして、貸金業者に対し適切に行うよう促すものとしているところでございます。 そういうことでございまして……
○前川清成君 どういうことや。 ちょっと委員長、これやったら納得いかない。
○委員長(渡辺孝男君) ちょっとあれ、まず答弁を聞いてください。
○政府参考人(大藤俊行君) 事務ガイドラインで、今先生御指摘の貸金業規制法十三条二項において禁じられている、偽りその他不正又は著しく不当な手段に該当するかについて幾つかの例示を挙げておるところでございますけれども、現在のところはその例示を明示していないところでございます。 この例示につきましてでございますけれども、ガイドラインでも述べておりますけれども、具体的に法十三条二項に違反するかどうかにつきましては個別の事実関係に即して判断する必要があるとした上で、当該規定に該当するおそれが大きいものを例示しているものでございまして、こういったことを踏まえまして検討させていただきたいと考えております。
○前川清成君 今、大藤さんは、僕が知らないと思っているのかどうか知らないけれども、うその説明をしましたよね、うその説明を。僕も事務ガイドラインは見ていますよ。取引履歴の開示に協力しなければならないというのは十三条二項に関する事務ガイドラインに書いてあるんですか。書いてないでしょう。何でうその説明するんですか。いや、いいけど、答え求めていないんですよ。あなた、今うその説明したんだからね。それで、もういいです、次の質問に行きますよ。 それで、個人情報保護法というのが施行されました。この法律を我田引水して取引履歴の開示を拒む業者があるということは、大藤さん、御存じですか。
○政府参考人(大藤俊行君) 個別の事案については詳細に承知しておりませんけれども、そういった事例もあるものと聞いております。
○前川清成君 昨日、質問取りの金融庁の方がとんちんかんなことを言っていたので、私の方でその後、各弁護士会のホームページなんかを見ました。 個別の事案については知らないとおっしゃるけれども、少なくとも今年の六月二十一日、大阪弁護士会から金融庁あてに「取引履歴開示等に関する要請書」というのが提出されていますよね。これについてはお読みになっています。
○政府参考人(大藤俊行君) 確かにいただいております。
○前川清成君 大藤さん、これで今個人情報保護法に関してサラ金のどこがけしからぬのですか。弁護士会の意見書に書いていることじゃなくて、金融庁としてどこがけしからぬとお考えになっているんですか。
○政府参考人(大藤俊行君) 個人情報保護法との関係の御質問でございます。 先生もう十分御承知のとおりでございますけれども、個人情報保護法によりまして、個人情報取扱事業者は、本人から……
○前川清成君 そんなこと聞いていないでしょう。聞かれたことに答えてくださいよ。
○政府参考人(大藤俊行君) はい。 個人情報保護法で本人以外の第三者に対してあらかじめ本人の同意なく個人データを提供してはならないとされていることから、実際に開示を行うに当たりましては、本人であることの確認を適切に行った上で開示を行う必要があると考えられますけれども、一般論として申し上げまして、個人情報取扱事業者が、個人データの開示の請求者に対しまして本人であることの確認を不適切に必要以上に求めることなどによりまして、実質的に正当な理由なく個人データの開示を拒むというようなことはあってはならないと考えております。
○前川清成君 これは質問取りのときはっきり言っていますよ。債務者本人が本人かどうかの確認を求めているんじゃない。そうじゃなくて、債務者の代理人である弁護士が取引履歴の開示を求めたときに、一部のサラ金はその弁護士の印鑑証明と運転免許証を提出しなければ債務者本人の取引履歴を出さないと、そういう扱いをやっている。それはけしからぬことないですかという質問を今具体的にやっているんですよ。昨日の質問取りでそこから先も言ったんですよ。あなた方も質問取りに来るときに、じゃ、あなたがどこのだれか確認するために我々国会議員も印鑑証明書と運転免許証を提出してもらいましょうかと、そんなこと言ったら、あなた方、僕のことばかにするでしょうと。でも、今サラ金は同じことやっているんですよと。 それについて金融庁がどう認識して、それに対してどういう行政処分を科しているのか、科していないとしてはこれからどうしていくのか、具体的に答えてください。その個人情報保護法の一般論をお答えいただくのは時間の無駄ですから、お答えいただかなくて結構です。
○政府参考人(大藤俊行君) 先生、弁護士を通じました開示請求でございます。 個人情報保護法でも委託者、個人情報保護法にも開示等の求めをすることにつき、本人が委任した代理人が開示を行い得るというふうに明記してあるところでございまして、債務者本人から委任を受けた弁護人等の代理人に対して、やはり貸金業者等が個人データの開示について不適切に第三者提供違反を理由に拒むということはあってはならないと考えておりまして、今後、監督で適切に対応してまいりたいと考えております。
○前川清成君 今の、結論が分からなかったんですよ。 だから、印鑑証明や運転免許証を出させることはどうなんですか。
○政府参考人(大藤俊行君) ケースにもよると思いますけれども、一般に不適切、過度に本人確認の求めをするということは適切ではないと考えております。
○前川清成君 ケースによるというのはどういう意味ですか。大藤さん、あなたが答えたんやで、今。
○政府参考人(大藤俊行君) 恐縮でございますが、個人情報保護法で、一方で、本人であるか、あるいはガイドラインにおきまして、本人であるか、あるいは委任を受けた代理人であるかということにつきましては、適切かつ十分な手続によって確認するというふうに書いてございまして、具体的にそれに当たるかどうかについて検討させていただきたいと考えます。
○前川清成君 今の点で、事務ガイドラインの3の2の2の(6)においては、当該顧客から帳簿の開示を求められ、これを応じる場合において、虚偽の回答を行うこと、これは十三条二項に言う違法行為に当たるというふうに事務ガイドラインで書いています。ところが、開示に応じなさいということは十三条の二に関する事務ガイドラインには書いていません。 で、事務ガイドラインの3の2の8の(1)において、債務者、保証人その他債務の弁済を行おうとする者から、帳簿の記載のうち、当該弁済に係る債務の内容について開示を求められたときは協力をすることと、こういうふうに書いていますが、この3の2の8の(1)と貸金業規制法との関係が明らかではありません。すなわち、3の2の8の(1)に違反したときに、貸金業規制法に基づく金融庁や都道府県知事の行政指導が及ぶのかどうか、この点が明らかではありません。 そこで、この最高裁の判決がありました。この最高裁の判決を受けて、十三条の二に関する3の2の2、事務ガイドラインの3の2の2の中に、例えば(6)の後ぐらいに取引履歴を開示することという条項を入れるべきではないかな、こんなふうに考えていますし、今朝の朝日新聞の社説でも、むしろ判決まで待つのが遅過ぎたぐらいだ、こういうふうに書いています。金融庁はいかがでしょうか。
○政府参考人(大藤俊行君) 先生から今具体的な御指摘があったわけでございますけれども、当局としては、今回最高裁により示された判決を、貸金業者の監督において、利用者保護の観点等も踏まえて適切に生かしていくことが重要であると考えておりまして、このような観点から、具体的にどのような対応を取ることが適切かということにつきまして検討していきたいと考えております。
○前川清成君 その今のお答えは、その最高裁の判決も受けて利用者保護のために金融庁はこれからも頑張っていきますと、こういうお答えでよろしいんですか。
○政府参考人(大藤俊行君) そのような理解で結構でございます。
○前川清成君 これは当たり前の質問をさせていただくんですけれども、金融庁という役所はいろんなお仕事をされています。じゃ、この貸金に関する部分、そういう部署においてのお仕事は、サラ金等消費者金融を利用する生活者、消費者を守る仕事をしていただいているのか、あるいは、そうじゃなくて、貸金業者という業者を保護する仕事をしていただいているのか、どちらですか。
○政府参考人(大藤俊行君) 業者を適切に監督していくことが重要でございますが、その際に利用者保護の観点等につきまして十分配慮していきたいと考えております。
○前川清成君 いつでしたかね、私、法務大臣に、去年の十一月十日か何か、本会議で質問をさせていただいたときに、消費者保護法にもあるように、生活者、消費者を守ることこそ国の責務であって、高利貸しを守ることは国の責務ではありませんと、こういうふうな南野大臣の御答弁をいただいて感激をしたんですが、金融庁はそうじゃなくって、消費者を守ることは従たる義務なんですか、今のは。配慮ということは、高利貸しを守るのが金融庁の仕事ですと、そのついでに消費者の方もちょっと考えてやっていますと、それが今の配慮という日本語に表れているんですか。
○政府参考人(大藤俊行君) 私の説明が不適切であればお許しをいただきたいと思いますが、そういうような、従というような位置付けということではございません。
○前川清成君 ただ、やっておられることが今の大藤さんのお話と少し違うんじゃないかなと思います。 貸金業制度等に関する懇談会というのが金融庁の中に立ち上がりました。この中で、座長、メンバーで何人ぐらい、二十人ぐらいいらっしゃいます。この中にサラ金やカードから金を借りている人は一人も含まれていません。ところが、オブザーバーにはオリエントコーポレーションの会長、全国貸金業協会の会長、アコムの社長、三井住友カードの社長、オリックスの社長、GEコンシューマーの社長、GEコンシューマーというのはお分かりにならないかもしれません、レイクですね。要するに、サラ金やカードや金貸しの団体は全部オブザーバーに入っていて、消費者は、消費者の代表はこの貸金業に関する懇談会に入っていない。これは一体どういうことなんですか。
○政府参考人(中江公人君) お答えをいたします。 今の先生御指摘の懇談会につきましては、この三月末に金融庁内に発足をいたしまして、貸金制度の在り方につきまして幅広い観点から勉強を進めていくということでやっておるわけでございますが、そのメンバーにつきましては、今先生御指摘のようなメンバーの方が加わっているわけですけれども、その中には消費者保護の関係の委員の方も入っております。それから、消費者問題に非常に詳しい弁護士の方も入っているところでございます。それから、オブザーバーとして、今確かに先生おっしゃった各貸金業に関する各業態の人が入っておりますけれども、これにつきましては、やはり貸金業の在り方を考えていく上で貸金業のいろいろな実態というものを把握していく必要がございますので、オブザーバーとして参加をしていただいているところでございます。 また、実際にいろいろ関係者からヒアリングをしていく上で、今先生おっしゃったような実際に被害に遭われた被害者団体の方、それから日弁連の方から、そういう被害者救済に携わっている弁護士の方からもヒアリングをしているところでございます。
○前川清成君 その消費者問題に詳しいということと当事者というのは全く違いますよ。アコムの社長は金貸している当事者ですよ。当事者が懇談会のメンバーに入っているということは、野球で言うたらピッチャーがアンパイア兼ねているみたいなものですよ。どんなところにボール投げてもストライクと言いますよ。消費者問題に詳しいというのは一体だれのことを言っているのか知らないけれども、詳しいということと当事者とは全く違いますよ。 今年の三月八日の予算委員会で私は伊藤大臣に対して、お金の貸し借りについては貸手もあれば借り手もあり、業者を呼んで意見を聞くのであれば、この段階で既に業者を呼んで意見は聞いていますというふうに伊藤大臣おっしゃったんで、業者を呼んで意見を聞くのであれば、是非借り手の側、消費者の側の意見もお聞きいただきたいと、こういうふうに申し上げて、これに対して伊藤大臣は、私どもとしても幅広く、幅広い観点から勉強を進めていきたいと思いますと、こうおっしゃったんです。 だから、私は、伊藤大臣は国会の予算委員会において、借り手の側、消費者の側、生活者の側の意見も聞いていただく、サラ金の意見だけを聞いて金融行政を進めるのではない、そういうふうにお約束いただいたと理解しているんですけれども、この貸金業制度に関する懇談会のメンバーを見てみると、伊藤大臣がうそをついたのか、伊藤大臣の指示を役所の皆さんが守らなかったのか、どちらかは分からないけれども、予算委員会における伊藤大臣の発言とは矛盾する内容でメンバーが選ばれている。 オブザーバーとしてアコムの社長、オリックスの社長と明記しているんですよ。どうして、こんな人を呼ぶんだったら借り手の側、今までサラ金被害に困った方、あるいは最高裁の裁判の当事者の方とか、借り手の側も当事者を呼ばないんですか。余りにも不公平だとは思いませんか。いかがです。
○政府参考人(中江公人君) 委員御指摘のように、貸金業制度の在り方を考えていくに当たって、貸手サイドのみならず、借り手サイドの意見を十分に聞いていくということは非常に大切なことだというふうに考えております。 そういう観点から、先ほどちょっと御説明、繰り返しになりますけれども、審議会のメンバーとして消費者保護に関係する委員の方にも入っていただいておりますし、消費者問題に携わっている弁護士の方にも入っていただいている。その上で、ヒアリングとして、実際に被害に遭われた方々からも意見を十分に聞いているところでございます。 また、オブザーバーといたしまして、先ほどの各業態の人に加えまして、役所の方からこの貸金業制度と非常に関係のある内閣府の国民生活局ですとか法務省とか警察庁等にも参加をいただいているところでございます。
○前川清成君 ちょっと大臣を横に置いて失礼だったと思います。済みません。大臣にお尋ねいたします。 もうそろそろ最後の質問になるかと思いますが、大臣に同じ三月八日の予算委員会でお尋ねをいたしまして、法務大臣の方から法務省において制限金利の引下げに関する必要な調査を行うというふうにお答えをいただきまして、ありがとうございました。で、その後の状況をお尋ねいたしたいんですが、今法務省におかれては、どの部署で、どなたが担当となられて、何に関する調査を進めていただいているのか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(南野知惠子君) 先生のお尋ねでございますが、法務省におけます利息制限法及び出資法の担当部局は、これは民事局参事官室及び刑事局刑事課でございます。 先生、名前は後で先生に御報告ということではいけませんか。もしそれをお許しいただけますならば、それぞれ調査を担当しているその民事局又は刑事局の人々は真剣に取り扱っているということは御報告できると思います。 調査事項及び内容につきましては、例えば我が国における最近の高金利違反事件の実態調査、それから諸外国における金利規則の状況や規制の実効性の担保措置等を調査し、その結果を踏まえて所要の検討を加えていくものと承知しております。
○前川清成君 時間が参りましたのでこれで終わらせていただきますが、この問題については、私、これからも引き続きしつこく、小泉総理の郵政民営化並みの情熱で取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 終わります。
○千葉景子君 引き続きまして、民主党・新緑風会の千葉景子でございます。 限られた今日は時間でもございますので、ちょっと大きなポイントだけ質問させていただくようにしたいと思います。 ちょっとその前に、これは別に通告をする話ではありませんので、大臣、今日こうやって改めて委員会室を見ますと、政務官、申し訳ございません、座る位置がこちらに変わりまして、ああ、そうだ、副大臣がおいでじゃないんだなということを改めて感じます。で、滝副大臣が罷免をされ、その後、副大臣の選任ということもないようでございまして、いかがでしょうか、大臣、この間、どういう経過で今副大臣いらっしゃらないという、そういう事態になっているんでしょうか。ちょっとそのところだけお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(南野知惠子君) 法務大臣の後任、ごめんなさい、法務副大臣。私の後任でも……。 法務副大臣の後任の選任者につきましては、現在政府と話合いを続けており、検討中でございます。
○千葉景子君 近いうちに選任をいただけるということなんでしょうか。それとも、いや、もうこのままで選任はされないと、こういう状況下にあるんでしょうか。その辺は、大臣、やっぱり自分の、何というんでしょうかね、もう一方の副大臣ですから御心配されているんじゃないかと思いますが、どうですか、見通しは。
○国務大臣(南野知惠子君) 法務副大臣の後任者の選任につきましては、現在、政府とお話ししていることは申し上げましたが、現時点におきまして時期的な見通しを明確に申し上げる段階ではないということも御報告しなければならないと思います。 また、今国会におけます対応につきましては、私が責任を持ってさせていただきますし、富田政務官もしっかりと頑張ってまいりますので、よろしくお願いをいたしたいと思っております。
○千葉景子君 これは総理がどう考えられるかということにもなるんでしょう。しかしながら、やっぱり副大臣制度という、まあ正式なそういうポストが空いたままという、ある意味では大変不正常なあるいは形で今推移をしているということだけは十分に考えていただいて、いつになるか分からないなぞということではなくして、ある意味での不正常な形を解消すべく大臣もやっぱり努力をされなければいけないというふうに思いますので、申し上げておきます。 さて、まず第一に、ちょっと難民にかかわる、難民問題についてお尋ねをしておきたいというふうに思います。 ちょうど昨年成立いたしました出入国管理及び難民認定法改正法のうち、難民認定についての改正部分が本年五月十六日から施行されております。この改正に当たって、元々民主党は独自の法案を作りまして、難民の認定をしない処分を受けた人が異議申立てした場合の審査を担当する独立した第三者機関が必要なのではないかと、こういうことを求めてまいりました。残念ながらそういう形にはなりませんでしたけれども、しかし、改正の内容として、諮問機関ではありますけれども公正中立な第三者としての難民審査参与員制度ということが導入をされまして、その難民審査参与員の意見を聞いてこの異議申立てについて大臣が判断されると、こういう形になりました。私も、一〇〇%とは言いません、不十分でありますけれども、一定の前進であるとは思います。 ただ、一定の前進なんですけれども、この参与員制度をやっぱり十分に効果あらしめるためには、そしてまた、これまでも難民審査について国際的にもあるいはUNHCR等々からもいろんな問題指摘がされてまいりました。そういうことを解消し、そしてこの参与員制度の実を上げるということになりますと、やっぱりこの運用というのが非常に重要になってくると思います。 私は、この運用について何点かやっぱり問題があるのではないかというふうに思います。そしてまた、この間、参与員制度の導入についても、それからこの難民問題の審査に当たってもいろいろ力を尽くされてきた関係者、弁護士等を含めて、そういう皆さんからも、いささか問題があるのではないか、あるいはむしろ、参与員制度せっかく入れたにもかかわらず、運用実態は後退をしているのではないかと、こういう指摘もされておりまして、私も耳にしております。 そういうことを考えるときには、やっぱりせっかくこういう制度、一定の前進と思われる制度を導入した、それを機にやっぱり運用においても積極的な取組をすべきではないかというふうに思っております。何点か申し上げますので、是非検討いただきたいというふうに思うんですが。 一つは、そもそも不認定理由の内容が大変抽象的で、そして具体性に欠ける、こういうことが、これは元々言われてまいりました。一枚の紙に簡単に書かれているというやり方でございます。やっぱりこの不認定理由が、なぜ自分は不認定なのだということが具体的に分かりませんと、その後、異議申立てをする際にも、何をもっと主張したらいいのか、あるいはどこが問題視されているのか、そういうことが分からない。異議申立てのまた審議をするにも二度、まあ二度手間と言うとおかしいですけれども、またすべて一から百まで申立てをし、あるいはいろんな主張をしなければいけないということにもなりかねないということでございます。 これについては、今の運用も相変わらずといいましょうか、特段の変更がなされていないという状態でございまして、やっぱり参与員がより適切に争点をとらえて、そして異議の審査をするということをするためには、やっぱりここも改善をする必要があるのではないかということをまず第一点申し上げておきたいと思います。 二点目です。 これまで難民調査官によってかなり詳細なインタビューがされてまいりました。その不認定理由が必ずしも詳細じゃない、具体性に乏しいと。しかし、この調査官によるインタビューによって、なるほど、こういうところがどうも怪しまれているのかなとか、あるいはこういうところが不十分、主張が不十分とか、あるいはもう少しきちっと説明をしなければいけないのだなということが、こういうところから逆に少し推測をされていたというふうにも言われています。ところが、今回せっかく参与員制度が導入をされて、今申し上げたように、争点ももうちょっとはっきりさせて審議をしようというにもかかわらず、逆に不認定理由も記載の仕方もそのまま。逆に、難民調査官によるインタビューは、むしろ原則しなくなってしまったということでございます。 これまではかなり日数を掛けて調査をする場合もあったというふうに言われておりますが、今回の参与員のところでは基本的に三十分の言わば意見陳述といいますか、それで後、参与員からの審尋があるというような形で、本当にこれで十分な争点というのが出てくるんだろうかと、こういう思いがいたします。 それから三番目には、一次審査における証拠の開示、これがやっぱり必要なのではないかと。 先ほど言ったように、一点も、不認定理由の具体化も駄目、インタビューもなくなっている、これまでもそうですけれども、証拠の開示もされない。一体何が問題になっているのか、これじゃさっぱり見当が付かないということでございます。 そういうことを考えますと、今申し上げたのは三点ですけれども、こういうところの改善をきちっとされて、そしてやっぱりこの難民審査参与員の審査が本当に十分に行われるような運用をされなければならないのではないかというふうに思っています。 こういう点については、決して当事者だけが言っているんではなくて、これまでも国際基準、こういうことでも言われておりますし、それから出入国管理政策懇談会の意見等でも、十分な意見の陳述の機会をやっぱり与えなければいけないということも言われています。何かそれをむしろ、この参与員制度導入の機会にむしろ後退をさせてしまっているということにもなりかねませんので、今申し上げましたのは三点ですけれども、この点についての具体的な大臣としてのお考えも含めて、この運用の改善についてのお考え方をお示しをいただきたいと思います。
○国務大臣(南野知惠子君) 三点いただきました中に含めさせていただきたいと思っておりますが、難民審査参与員制度は、難民認定手続の公正性、中立性をより高めることを目的としているものであります。先生も当然御存じでありますので申し上げませんが、参与員に公正かつ的確に御判断いただける環境を整えて、適切に運用してまいる所存でございます。 なお、証拠開示につきましては、開示になじまない証拠も多数ございますことからこれは困難でなかろうかということでございますが、争点の明確化に関しましては、先生の御指摘をも踏まえ、今後、一次審査の不認定理由の記載をより一層充実していくとともに、異議申立人の御意見を、これを参与員が直接聞くことができるという機会を設けることといたしております。 今後とも、参与員の方に適正かつ的確な御判断をいただくことによりまして制度の趣旨を御理解いただき、できるだけ広い御支持、御支援をいただけるよう願っているところでございます。よろしくお願いします。
○千葉景子君 時間が今日は限られておりますので一つ一つ詰めませんけれども、私は今の大臣のお考え方だけではやっぱり十分な審査というところには至らないんではないかというふうに思います。これは改めてまた一点一点是非細かくお考えをお聞かせをいただいてまいりたいというふうに思っております。 それからもう一点ですが、つい先般、通称ですけれども、スリランカ出身のララ・ロッキーさんという方が仮放免になりました。で、この仮放免になった後、どうも第三国への出国というようなことが今検討されているのではないかというふうに聞いております。それはそれで私は、仮放免になったということは大変うれしいことでもございますし、今後の対応の仕方については法務省としても十分に配慮をいただきたいなというふうに思っております。 ただ、これやっぱり決して難民認定がどうもされるということではない、第三国へどうも出国をされるのではないかということで、このところ難民申請者に対して第三国出国というふうな形がどうも増えているのではないかというふうにも言われています。私もその数というのはなかなか把握できないんですけれども、その背景に、非常に難民申請者に対して収容が長期化をしている、そしてその間に大変、心身ともに大変痛め付けられているといいましょうかね、そういう事態があるのではないかというふうに考えております。 これは今日細かく申し上げませんが、是非大臣もお目通しいただければ有り難いと思いますけれども、アムネスティ・インターナショナルが総会をやった際に、難民の収容者に対して面会をしていろいろな医療的な状況調査をされたお医者様の講演がありまして、その講演録がございます。そういうのを見ますと、やっぱり相当収容中に心身ともに大変厳しい状況に置かれていると。そういう中で、もうこれ以上その収容続いたり、あるいは日本での滞在というのがもう過酷で、とてもそういうことをやっておられない、可能であるならば第三国への出国も検討をしようというある意味での圧力、プレッシャーになってしまっているのではないかということを懸念を私はいたしております。 そういうことがないことを望むわけですけれども、そういうこと、どうでしょうか、大臣、もしそんなおそれが出ているようですと大変なことですし、この収容中のやっぱり医療とかあるいは置かれている状況、よくよく大臣も御自身でもう一度考えていただいて、この難民に対するやっぱり認定あるいは対応の仕方、適切にもっと行っていただきたいというふうに思いますけれども、その辺の今日は御認識だけ伺っておきたいと思います。
○国務大臣(南野知惠子君) 難民認定申請ということにつきましては、従来から、国際的な取決めでございます難民条約などにのっとりながら個別に審査の上、これは難民として認定すべきは認定してまいっております。 他方、一般的に退去強制手続、これは身柄を収容して行うこととされておりますところ、その対象者はあくまで退去強制事由に該当する者であって、難民認定申請を行ったことを理由に身柄を収容するものではありません。また、身柄を収容した者の処遇につきましては、保安上支障のない範囲内でできる限りの自由を与えることといたしております。そのほかに、収容期間が長期に及ぶことなどから人道的配慮を要する場合には仮放免を柔軟に運用させていただいております。 難民認定申請者の法的な地位の安定化につきましては、本年五月十六日から新たな難民認定制度が施行されております。今後とも、同制度の適切な運用を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○千葉景子君 大臣の御認識は私は甘いと思います。非常にその実態、それはもう一度、やっぱり大臣も自ら出向いていただくとか、あるいはいろいろとやっぱり指摘をされていると、そういうものがありますので、それはもう一度私は大臣もきちっと調査なり御認識を深めていただきたい。その上でまた対応についていろいろな指摘をさせていただきたいというふうに思いますけれども、適切に行うということは当たり前のことなんでして、ただそれが本当にそうなっておるのかどうかというところが問題なんですから、よろしくそこはお願いをしたいというふうに思います。 さて、時間もありませんけれども、心神喪失者の観察法、これが施行にどうも、どうもじゃないですね、施行になりました。施行になって、それでつい先般、十九日ですけれども、福島地検ですね、地検で、傷害容疑で逮捕された人に対して十五日施行の同法に基づく申立て、医療観察法に基づく審判の申立てが第一号としてなされたということが報道されております。 で、この医療観察法なんですけれども、ずっと私も申し上げてまいりました。一つは、指定医療機関、結局はこれ未整備のまま施行になったということでございます。 で、この中で最近、もう未整備だからしようがないので、一般病院の小規模病床でもしようがないと、こういうものも活用していこうという、まあ言葉としては代用入院医療機関と、代用監獄ではないんですけれども、そういう運用をしていこうというようなことも指摘をされています。一体これはどうなっておるのでしょうか。やっぱり未整備のまま施行した。で、あと、この例えば福島の場合でも、今後鑑定入院がなされ鑑定がされて、入院措置ということになるのか通院ということになるのかそれは分かりませんけれども、やっぱりじゃ一体その必要な医療をどこでやるのかということが即問題になってくるわけですよね。 これ、一体経過としてはどういうふうになっているのでしょうか。施行のやっぱり責任者でもある法務大臣ですから、その辺の状況はどう認識、把握をされているのか、きちっと御報告いただきたいと思います。
○国務大臣(南野知惠子君) 先生にもいろいろ御心配をいただいているところでございますが、指定入院医療機関というものにつきましては、厚生労働省から、既に東京都の国立武蔵病院におきまして約三十床が整備されております。さらに、本年十月ころに岩手県の国立病院機構花巻病院、来年二月ころには富山県の国立病院機構北陸病院において、それぞれ約三十床を有する新病院の、新病棟の開棟が予定されていると聞いております。 この法律の施行後、もう法律施行されましたが、指定入院医療機関の入院患者が次第に増加していくものと考えられます。本当はこれがどうにか予防できれば一番いいとは思いますが、予測といたしましては増加していくものと考えられているわけでございまして、指定入院医療機関の更なる整備の方策につきましては、厚生労働省において引き続き関係各方面の様々な意見をお聞きするなどいたしまして、幅広く検討しながら、万が一にも病床が不足することのないよう、省を挙げて全力で努力しているものと承知いたしております。 法務省といたしましてもこれに協力してまいりたいと考えておりますし、協力しておるところでございます。
○千葉景子君 万が一にも足りないようなことがあってはならないと、それは当然のことだと思いますが、だからこそ代用入院医療機関というような運用がされるのではないかと、それを検討しているのではないかと言われているわけですよね、来年のあれまで全部そろわないわけですから。 これ、どういうふうに聞いていますか。そういうことはあり、ないという御認識ですか。それとも、いやいや、やっぱり必要になれば代用でも小規模な病床群でも活用して対応していくのだと、そういうふうに大臣としては認識をされているのでしょうか。もう施行されているわけですからね、で、こうやって第一号の初適用もされているわけですから、いや、来年までで順次造っていきますと。現実に一体どういうふうに対応するのか。その何か受入れ体制も分からないままで施行するというのは非常に無責任なわけですけれども、どういうふうに大臣としては認識をされているのか、報告を受けているのか、聞かせておいていただきたいと思います。
○国務大臣(南野知惠子君) 厚生労働省におきましては、今後、国及び国立病院機構の経営に係る病院におきまして、当初予定しておりました二百四十床から三百五十床に整備病床数を引き上げることを計画している。また、そのほかに、地域住民や地方公共団体等の関係者に対する、これは丁寧な説明を引き続き行うというとともに、この法律による入院医療の実績に関する情報、これを積極的に提供することにより更なる理解を求め、関係各方面の意向を聞きながら、更なる病床の整備について幅広く検討し、懸命に努力することとしているものと承知しております。 それに対し、法務省としましても、更なる整備の方策の在り方も含めまして、厚生労働省と十分な協議を行ってまいりたいというふうに思っております。
○千葉景子君 私はそういうことを聞いておるわけじゃないんです。先ほど言ったように、小規模の病床、一般の病院のを使った代用的な、本来の法で決められているような形ではなくて、代用的な運用、使い方、そういうことを考えているのかいないのか、厚生省からそういうこと、厚労省からそういうことをきちっと聞いておるのか聞いておらないのか、知らないのか、それとも知ってても答えられないのかと、そこを聞いておるんです。 ですから、そこを明確にしていただいて、そして、さらに今後の対応を考えていかなきゃいけないというふうに思いますんで、そこだけ明確にしてください。
○国務大臣(南野知惠子君) 厚生労働省との問題点として、これは具体的に承知はいたしておりません、我々としては。具体的に承知いたしておりませんけれども、この法律によります入院処遇は対象者に対しまして手厚い専門的な医療を行うということの約束がありますので、その社会復帰を促進することを内容といたしております。このような法律の趣旨を損なわないように対応すること、これも重要なことと思い、代用という言葉で簡単なことなのよというふうに思われないことも一つ大切な事柄だというふうに思っております。
○千葉景子君 余りこの問題について、もしはっきりとそういうやり方はしない、あるいはする、そういうことをもし承知をされていないとすれば、承知をしないままやっぱり一方の責任者としてこの法律を施行するということを決断をされたとすれば、それは非常に無責任だというふうに私は思います。 これは、今日はその指摘にとどめさせていただきまして、また今後の議論にしたいというふうに思います。 終わります。
○木庭健太郎君 今というか、最近重大な社会問題になっております悪質な住宅リフォームの事業者の問題について、消費者トラブルが非常な大きな問題になっておりますので、法務省にもかかわるようなお話でもございますし、私ども公明党、この問題に対してはリフォーム詐欺等の問題対策PTも立ち上げて、対応策強化、今取り組んでおりますが、まず国民生活センターの方に被害の状況について調査されたと伺っておりますので、簡潔に御報告をいただきたいと思います。
○政府参考人(山田宏君) 委員がただいま御指摘されましたように、住宅リフォームに関して悪質な事業者による高齢者を中心とした消費者トラブルが大きな社会問題となってございます。 国民生活センターでは、各地の消費者センターをオンラインで結ぶいわゆるPIO—NETを運営し、消費生活に関する各種の苦情相談情報を収集しており、このPIO—NETによると、訪問販売による住宅リフォームに関する苦情相談は近年増加傾向にあり、ここ二、三年は年間九千件程度寄せられております。 苦情相談の近年の傾向といたしましては、身体、精神、知能の障害や高齢ゆえの障害等の理由によって十分な判断ができない被害者の割合が、平成七年度に一・四%ございましたが、これが年々増加し、今年度は、四—六月の数字でございますけれども、六・九%を占めております。 また、一度被害に遭った消費者が不要なリフォーム工事の契約を複数の業者との間で次々と結ばされるという事態が発生しておりまして、これにつきましても、その割合は、平成七年度に〇・六%でございましたけれども、今年度四—六月では一二・二%に達するなど、手口の悪質化と被害の深刻化がうかがわれております。
○木庭健太郎君 こういうお年寄りねらった悪質な住宅リフォームについて消費者保護を強化するというのはもちろん大切なことであって、これについて内閣府の方で各省庁をまとめていただいて、今月十三日だったと思いますが、総合対策打ち出したばっかりだと思います。 悪質な業者に対してどのような対策を取るのかと、特にお年寄り等弱い立場にある人たちにどのように保護するのかというようなことについてまとめていただいておるようですが、簡潔にどういうことをどうするのかということを報告願います。
○政府参考人(山田宏君) 悪質住宅リフォーム被害に関しては、内閣府、警察庁、法務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省の関係六省庁による関係省庁担当課長会議を開催いたしまして、今月十三日に緊急に取り組む総合的な対応策を取りまとめたところでございます。 対応策の主な内容でございますけれども、第一に、悪質事業者に対する対策として、特定商取引法違反に対する行政処分を厳正に実施するとともに、悪質な事犯の取締りを強化するということとしてございます。 それから第二に、被害を受けやすい高齢者や、高齢者の身近にいらっしゃる介護ヘルパー等の皆さんに向けて出前講座を通じて悪質商法の手口や対処方法について啓発を行うなどにより、高齢者が消費者トラブルに陥らないように呼び掛けることとしております。 また、各地の消費生活センターの相談業務につきましては、国民生活センターが積極的に支援するなどにより、被害に遭った消費者の救済を強化することとしております。 第三に、特に認知症の高齢者等を保護、支援するために成年後見制度の周知を図るほか、市町村長による成年後見申立て手続を見直すこととしております。 また、関係省庁一体となって今回の対応策の推進に当たるとともに、対応策の実効性を確保するために、今後とも関係省庁担当会議を開催し、対応策のフォローアップを行うこととしてございます。
○木庭健太郎君 今、緊急にまとめたばっかりですから、ともかく今おっしゃった部分をきちんとやっていくことがもちろん必要になっていくと思いますし、是非強力に推進していただき、また連携して何回も会議を開くということになっているわけですから、状況も掌握されながらやっていただきたいと、このように思っておりますが。 法務省に関していうならば、今お話があった中で、特に認知症を始めとするお年寄りの問題があるわけですから、この成年後見制度の利用促進を図るということが法務省にとっては極めて大事な問題の一つとなると思うんですが、現在、この成年後見制度というのの利用状況はどうなっているか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(寺田逸郎君) この成年後見制度、かつての禁治産、準禁治産の制度を取って代わるものといたしまして、平成十二年から運用をされているところでございます。 それまでの実績に比べますと、平成十六年度においてもう既に一万七千二百四十六件でございまして、その制度の改正前の運用に比べますと五倍の運用実績を上げているところではございます。
○木庭健太郎君 五倍とおっしゃいますけれども、やはり今回のこういういろんな問題を見たときに、やはりこの成年後見制度がどうされているのかなということをちょっと疑問に思う。例えばですよ、このリフォーム販売の訪問、たまたま今回起こって社会問題化したというものの、いわゆる判断能力を持たない人が契約してしまった比率というのは極めて高くなっているわけですよね、極めて、六・九%ですから。そういった現状を考えると、じゃ、そういった問題に対応する法務省の中の仕組みであるこの成年後見制度というのが、じゃ、こういった問題に対応できていたかといえば、できていなかったんじゃないかなという気もしないでもないんですけれども、私自身感じるのは、じゃ、この成年後見制度がよく利用されていたかというならば、余り利用されてないということを、増えたとはいえ、言わざるを得ないんじゃないかなと思うんです。 そういう意味では、どうすればこの成年後見制度というのがより一層利用され、使いやすくするため、方法はあるとは思うんですけれども、法務省として、その具体的な対策があるならば伺っておきたいと思います。
○政府参考人(寺田逸郎君) この法律制度としての成年後見制度といいますのは、元々の禁治産、準禁治産と同様に、基本的には個人の申立てによってその保護されるべき方の能力についての一定の対応をするという仕組みでございますから、おのずからやはり多くの方にまず知っていただく必要はあります。 それで、法務省としては、相当この成年後見については周知徹底を図るべく、いろいろな施策を取ってきたわけであります。法務省のホームページでございますとか、パンフレットを福祉団体に配布するということなどがその代表例でありますけれども、しかしながら、より一層社会的にやはりこの制度についての認知が高まる必要があるというふうには考えているところでございまして、先ほど内閣府の方からもお話がありましたとおり、関係省庁様々ございますが、この制度の普及を図っていくという上で、やはりいろいろな協力というのをお願いするべきところだろうというふうに考えてやってきているところでございます。
○木庭健太郎君 厚生省に伺っておきたいんですけれども、この成年後見の申立て手続というのは市町村でも行うことができるようになっていると。ただ、今回もこの対策の中にも出てきているように、結局、ある意味では市町村がこの制度を活用するということになると、なかなかこれうまくいってない部分がある。やはり住民の側からすると、言わば、特に今、いわゆる核家族になり単独世帯になりというような状況になれば、やはり身寄りのない認知症の高齢者という方がいわゆる地域には多くなってくるというような実情を考えていくと、やっぱりこの市町村長申立ての制度の活用というものがこれから大事になっていくと思うんですけれども、具体的に各市町村ではこういう窓口が設置をされているのか。また、ある意味では、市町村職員に対して、この成年後見制度というものに対する指導とか教育というものはどうなっているか、状況を伺っておきたいと思います。
○政府参考人(新島良夫君) お答え申し上げます。 認知症高齢者のように判断能力の不十分な方々がトラブルに遭うということを未然に防止するためには、やはり成年後見制度の利用促進が重要だというふうに考えておるところでございます。 お尋ねの、市町村長によります成年後見等の審判請求の手続でございますけれども、これまでは四親等以内の親族の有無を確認するということを前提にしたわけでございますが、今後これを改めまして、原則として二親等以内の親族の有無を確認をするということで、ただ、三親等あるいは四親等の親族であって申立てをしようとする者がいるということが明らかな場合には基本的に市町村の申立てを行わないという形で取扱いを改めるということにしておりまして、七月中をめどに所要の通知改正を行う予定にしてございます。 それから、市町村におきます成年後見制度に関する情報提供、利用促進のための窓口ということでございますが、今回の介護保険法の改正によりまして、平成十八年四月から各市町村に地域包括支援センターが設置されます。このセンターにおきまして、高齢者等からの権利擁護にかかわる相談であるとか、あるいは成年後見制度の利用が必要と思われる方については、その家族等に対しましてまず成年後見の必要性あるいは手続を説明をして申立てにつなげていくと。また、成年後見制度が必要であるにもかかわらず身寄りがない方もおられますので、身寄りのない方につきましては市町村長の申立てにつなげていきたいということで、このセンターにおいてこういう事務を処理していきたいというふうに考えております。 それから、職員に対する教育指導ということでございますが、今ほど申し上げましたように、地域包括支援センターを中心に業務を行っていくということになりますので、このセンターで業務を担当いたします社会福祉士等を中心に必要な研修を行うということで、また、それ以外の市町村職員に対しましても機会をとらえまして十分な情報提供等を行ってまいりたいというふうに考えております。
○木庭健太郎君 そうすると今は、包括支援センターは間もなくできますけれども、今は教育指導みたいなことはどこの窓口、どこに対してやっているんですか、今。
○政府参考人(新島良夫君) お答え申し上げます。 一般的には市町村の事業として、我々もPRに努めておりますが、市町村の判断においてこの成年後見制度に関する周知を行っているということで、それに対しまして、国といたしましての一定の補助、国庫補助を行うということで取り組んでおります。
○木庭健太郎君 ある意味じゃこういう制度ができているんですけれども、今おっしゃったみたいに、これから一生懸命取り組んでいただきたいと思っているんですけれども、法務省は、認知度を上げるために一生懸命努力していると、こうおっしゃる。でも、じゃ市町村窓口に行くと、今どうなっているかというと、今、余り認識がなかった、今回こういう問題が出て、ああ、こういう制度も利用しなくちゃいけないねという話になっているというのが私は実情じゃないかなと思いますし、まあ、遅れたとはいえ対策をとにかく取り組もうということですから、それは一生懸命取り組んでいただきたいんですけれども、そういったところに問題が少しあったんではないかなという思いもいたしますし、また成年後見制度、これをどう考えるかは別として、やはり鑑定費の問題、これ五万から十万ですけれども、この負担がまだ重いんじゃないかという意見もございます。 これまで鑑定費、いろんな意味で軽減した経過もあるとは承知しておりますが、この辺についても、鑑定費の問題についても見解を伺っておきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(山崎恒君) 成年後見制度の後見等開始の審判につきましては、判断能力の不十分な本人の保護を図るという手続である反面、本人の権利を制限する手続でもございますので、本人の判断能力の有無、程度を慎重に見極めるべく、精神の状況について医師等の専門家による鑑定手続が原則必要とされております。この鑑定に要する費用として一定程度の金額を納めていただいているところでございます。 これまで裁判所といたしましては、成年後見制度の利用促進に向けて、鑑定に要する費用が低額、低いものとなるよう、鑑定を引き受けていただく医師の負担をできるだけ軽減することが必要であると考えまして、例えば、鑑定書作成の手引を作成して医師に配付したり、本人の状態を詳しく把握している主治医に鑑定を依頼するようにしたりしてきております。 最近では医師の方々の理解も得られるようになってきておりまして、成年後見制度発足当初の平成十二年度には、鑑定費用五万円以下のものが二五・三%、十万円以下のものが八九・八%でございましたが、平成十六年度には、五万円以下のものが四〇・四%、二五・三から四〇・四に増えたわけですが、十万円以下のものが九七・二%となるなど低額化が進んできているところでございます。 今後とも、各家庭裁判所におきまして医師会等の関係団体と協議をするなどしまして、鑑定費用の低額化に向けて、その理解を得ることに努め、成年後見制度がより利用しやすいものとなるように更に努力してまいりたいと考えております。
○木庭健太郎君 是非これからも御努力をいただきたいし、そういった意味では、こういった問題が起これば起こるほどそういった制度の有効性というものがある意味では役立っていくわけですから、それにきちんとはまるような手続、その面でも御努力をいただきたいと、このように思っております。 この問題の最後に、来年秋からは司法支援センターもスタートするわけでございまして、その意味では、高齢者の方々がこういう被害に遭って、アクセスする場所というものが新たにできるような形にもなるわけですから、是非こういった問題、つまりこのリフォーム詐欺の問題を含めていろんな問題があるんですけれども、言わば弱い立場にある高齢者の方々に対するそういったサービス、そういったものを是非充実させていただきたいと思うんですが、法務大臣の見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(南野知惠子君) お答えでございます。 日本司法支援センターの窓口におきましては、主要な業務の一つとして、法的な紛争の解決に役立つ情報提供、関係機関等への振り分けなどを行うことといたしております。また、総合法律支援法上、支援センターは高齢者等に対する特別の配慮をしなければならないとされているところでございます。 この趣旨を踏まえまして、御指摘の悪質住宅リフォームの問題や成年後見制度を含めた高齢者に対する法的支援につきましても、関係する機関、団体と適切に連携しながら、支援センターにおいて相談を受け、また一般的な、あるいは個別の案件に応じた適切な情報の提供がなされる必要があると思いますので、努力してまいる所存でございます。
○木庭健太郎君 総合的にお聞きしましたが、この悪質リフォームの問題、私たちの党も中間報告もさせていただきましたが、更にいろんな点でまた御提言もさせていただき、ともかくこういったものがなくなり、なおかつ被害者がなくなるように最大限努力するつもりですから、是非ともまた力を合わせてやっていきたいと思っております。 もう一つ、今日、裁判員の問題を、裁判員制度の問題、これは国の方が四月、今年ですね、初めて裁判員制度に関する世論調査を実施されたとき、結果はやっぱり参加したくないが七割でございました。高いですね。この委員会でも随分議論をし、かなり認知もいただいたかなと思いましたが、なかなか結果厳しいなと私も思いましたが、ともかくこの七割が参加したくないという現状についてどのように受け止めているか、聞いておきたいと思います。
○政府参考人(大林宏君) 御指摘のとおり、世論調査の結果によりますと、「参加したくない」、「あまり参加したくない」とする回答が合計で七〇%でした。この結果を真摯に受け止めているところでございますけれども、仕事や家事で差し障りがあるというふうな個人的な事情という、そういう理由は私ども想像していた以上に少ない割合だったと。その主たる理由が、有罪、無罪の判断が難しそうとか、人を裁くことをしたくないという回答が多うございまして、裁判員として裁判に参加することの意味を真剣に考えている人が多い現れだと、こういうふうに評価することも可能であろうかと。むしろ、このような方々にこそ裁判員制度の意義を理解していただくことによって参加意識を持っていただけるようになるのではないかと、このように考えております。 いずれにいたしましても、今後とも、広く国民の方々に対し裁判に参加する意義を訴えて、理解していただくよう広報啓発活動に力を入れてまいりたいと、このように考えております。
○木庭健太郎君 そのとおり、広報啓発、いろんなことをやってもらうしかないだろうと思うんですね、理解いただくために。 具体的にお聞きしますが、じゃ、この参加したくないという人たちが参加したいというぐらいになるみたいに、また裁判員制度に対してある意味では理解いただくために、具体的にどのようなことを今から実施へ向けて、二〇〇九年五月までですから、そこへ向かってやるつもりなのか、具体的に今何を取り組んでいらっしゃるか、お答えをいただいておきたいと思います。
○政府参考人(大林宏君) 法務省におきましては、最高裁判所、日本弁護士連合会などと連携協力し広報啓発活動を行っているところでございますが、具体的には、広報用パンフレットの配布、それから中村雅俊さん、西村雅彦さんなど有名俳優を起用した広報用ドラマビデオの制作、上映、国民参加型シンポジウムの開催など、工夫を重ねて多様な広報啓発活動を展開しているところでございます。 幸い、特に今申し上げたビデオにつきましては評価をいただいているところでございまして、私どもの方でたくさん今用意しているところでございますので、これを図書館とか各地の地方公共団体等に配布いたしまして、なるべく多くの方々に見ていただいて関心を持ってもらうということに努力してまいりたいと思っております。
○木庭健太郎君 いいんですか。最高裁とか推進室とか、言わなくていいですか。
○最高裁判所長官代理者(大谷直人君) 失礼しました。 最高裁判所としましては、国民の皆さんが参加しやすい裁判員裁判の運用の在り方について検討を進めまして、裁判員制度関係省庁等連絡会議にも構成員として参加する一方で、裁判員制度の実施に向けて国民の皆様方の理解を得るために、これまで全国各地の裁判所において模擬裁判あるいは裁判官による出張講義を実施してまいりましたほかに、裁判員制度のシンボルマークの作成あるいはキャッチフレーズの公募ということを通じて制度に対する国民の関心の向上にも努めてまいりました。 また、この秋以降、全国五十か所での裁判員制度全国フォーラムの開催、それからマスメディアを利用した広報活動の実施、裁判員制度専用ホームページの立ち上げなどを予定しておりまして、これらの広報活動を通じて、制度の意義のほかに、特に裁判員の役割について国民の皆さんの理解が得られるよう努めてまいりたいと考えております。
○政府参考人(本田守弘君) この裁判員制度を円滑に実施に移しまして、制度の趣旨、目的を実現するためには国民の理解と協力が必要不可欠であることは委員御指摘のとおりでございます。 内閣の世論調査では、残念ながら、「あまり参加したくない」あるいは「参加したくない」とのお答えが約七〇%になっているわけでありますけれども、今後できるだけ多くの人々に参加したいあるいは参加してもよいという意識を持っていただけるよう、政府を挙げて広報啓発活動を始めとする所要の施策を全力で推進する必要があると考えております。 内閣官房といたしましては、裁判員制度関係省庁等連絡会議を開催いたしまして、国民に対する広報啓発活動のみならず、国民がより参加しやすい環境の整備、それから法教育の充実など、裁判員制度を円滑に実施するために必要な施策に関しまして、関係機関の連携を一層強化しながら、その効果的な実施を図るよう努めているところでございます。 具体的には、裁判員制度の円滑な実施に向けまして、各関係機関が重点的に取り組むべき施策について具体的な行動計画を、現在、鋭意策定中でございます。八月初旬をめどにその取りまとめを行う予定にしております。 今後は、この行動計画を実施に移しまして、その状況について定期的にフォローアップを行うことにより、裁判員制度についての国民の理解と関心を深めまして、積極的に裁判員裁判に参加していただけるようにするための施策を推し進めてまいりたいと考えております。
○木庭健太郎君 もう一つは、これ、裁判官や裁判所職員の研修の問題ですね。そちらも大切だと思う。 今日たまたま新聞を見ておりましたら、これは質問通告しておりませんが、この裁判員制度について、検察庁が東京地検に専門の検事養成の部を新設するというようなことが載っておりましたが、そんなことをお考えなのか法務省にも伺っておきたいし、じゃ裁判所の方はやっぱりそういう何か部を新たに設けてやるつもりなのか、その辺の研修、どんなものにしようとそれはなさってているのか、御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(大林宏君) 一部新聞報道がなされている件につきましては、今東京地検において検討中であると聞いております。 その概要は、今、特別公判部というのを地検が持っておるわけでございますが、これから裁判員制度に入ると、捜査した者が公判も立ち会って一貫して、何といいますか、捜査、公判を、要するに裁判員に分かっていただくような立証を心掛けていくという観点から、今は完全に、例えば東京地検みたいな大庁では捜査と公判というのは分かれた部で構成されておるわけですが、そういういわゆる主任立会制に似たものから公判に対する工夫をしていくと。一つの考え方であろうかと思います。まだ確定したものとは聞いておりませんけれども、いろいろな工夫がこれから必要であろうと、このように考えております。
○最高裁判所長官代理者(大谷直人君) 裁判員裁判の導入に向けまして、まず公判前整理手続などの新しい制度の運用に関する研修、研究等が必要になろうかと思われるわけですが、平成十六年度には既に裁判官による公判前整理手続の研究会、さらに平成十七年度は裁判員裁判にふさわしい刑事裁判の在り方、具体的には審理、証拠調べ、さらに評議、判決の在り方などに関する研究会を実施いたしております。裁判所職員につきましても、裁判官との連携、協働といったテーマで研修を実施する予定でございます。 このほか、裁判員に積極的に審理に加わってもらうためにはどのように裁判員と接することが重要なのかと、こういった観点からの裁判官の研修も考えられるわけでございますが、この点につきましては、諸外国における国民参加型の刑事裁判の具体的な運用の在り方を研究するために、平成十六年度には二十名の裁判官を欧米諸国へ調査派遣しておりまして、本年度も引き続き実施する予定であります。 また、より実践的な研修としましては、裁判官向けに、コミュニケーション能力の体得それから向上を目的としまして、アナウンサーを講師にお招きしまして、効果的な説明の方法の技法を実践的に学ぶカリキュラムなども実施しております。 いずれにせよ、平成十八年以降もこうした研修等を更に一層充実させていきたいと考えております。(発言する者あり)
○木庭健太郎君 何か周りでいろいろおっしゃっていますが、いろんな角度で、いろんな形で取組を是非いただきたいと思います。 最後に、先ほど法教育の問題もちょっと出ておりましたが、やはり子供たちに対するこういう教育というのが大事だと思います。 法務省は、五月の下旬に法教育推進協議会を発足させて、子供のころからの法的な物の考え方とか司法の役割に慣れ親しんでもらおうという普及に取り組もうということでございますが、現在の具体的取組状況を伺って、質問を終わりたいと思います。
○政府参考人(倉吉敬君) ただいま御紹介いただきました法教育推進協議会、その前身とも言うべき法教育研究会というのを平成十五年七月に法務省で立ち上げました。その検討結果を法教育の内容を具体化した四つの教材例として取りまとめまして、今持参したんですが、この「はじめての法教育」という本に取りまとめたところでございます。 これからその実践の段階に入ります。今後、文部科学省や関係機関の協力を得まして、法教育が全国各地で行われるよう様々な取組を進めているところでございますが、その一環といたしまして、今御紹介いただきました法教育推進協議会、これを本年五月に発足させました。ここでは、学校における法教育の実践、法教育に関する教員の指導力の向上、そしてただいま御指摘のありました裁判員制度を題材とした法教育教材の作成、こういったことの検討に着手したところでございます。 既に、東京都それから静岡県内の複数の中学校でこの教材に基づいた授業が実施されております。今後ともこういう取組を着実に進めてまいりたいと思っております。
○木庭健太郎君 終わります。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 まず最初に、心神喪失者医療観察法についてお聞きをします。七月の十五日に施行されまして、十九日には福島地検で全国初めての審判の申立てが行われております。 まず、厚生労働省にお聞きしますけれども、施行後一年の間で指定入院病院とそのベッド数の確保のめどはどこまで立っているのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(塩田幸雄君) これまで厚生労働省におきましては、医療観察法の成立後から指定入院医療機関の確保に向けまして各般の努力をしてまいったところでございます。 まず、国関係の病院につきましては、八か所を候補としまして、地域住民の方々に対して全国で延べ百回を超える説明会を行ってまいりました。また、都道府県関係の病院につきましては、各都道府県に対しまして幹部が直接訪問いたしまして整備を強く要請するなど、様々な準備に取り組んできたところでございます。その結果、指定入院医療機関につきましては、三医療機関九十床が施行後一年間で確保できるめどが立っているところでございます。 なお、制度を安定的に運営するためには更に指定入院医療機関の確保を図ることが必要でありますことから、引き続き関係者への説明を継続することなどによりまして関係者の理解をできる限り深めていただけるよう、今後ともきめ細かく住民説明などを行うことによりまして、指定入院医療機関の更なる確保に向けて厚生労働省を挙げまして最大限の努力を行ってまいりたいと考えております。
○井上哲士君 この制度で審判に付される対象者は一年間で約四百人、そのうち三百人が入院になるということが法案審議の中でも言われました。ところが、今ありましたように、一年間で確保のめどが付いているのは九十床ということでありまして、三百床には遠く及ばないわけですね。 法務省にお聞きしますけれども、もし入院の審判がされてもこの指定入院医療機関がないと、空きがないという場合には、その対象者の処遇というのは一体どうなるんでしょうか。
○政府参考人(大林宏君) 今委員御指摘のような事態になるということは非常に重大なことでございます。私どもとしては、厚生労働省において指定入院医療機関の更なる整備のため努力されていると承知しておりますし、私どもとしてもできるだけ協力してまいりたいと、このように考えております。 具体的な数字、これはなかなか将来的なもの、どのような事件がどのような状態で発生するか、あるいは入院決定になるか通院決定になるか、これは鑑定の結果にもよりますし、新しい制度ですのでなかなか予測し難いところはあります。ただ、委員おっしゃるような事態にならないよう、私どもも重大な関心を持っているところでございますし、できるだけの努力をしてまいりたいと、このように考えております。
○井上哲士君 もう施行されているわけですね。そして、一年間で三百人だろうというのは法案審議の中で法務省自身が示した数なんですね。ですから、やってみないとどれだけ出るか分からない、やってみたら足りないというようなことはあってはならないことなわけですね。極めて重大な問題だと思うんです。 今年一月に厚生労働省は全国厚生労働関係部局長会議というのをやっておりますけれども、そこの配付資料もホームページでも公表されております。見ますと、「このままでは施行後に見込まれる対象者への対応ができず、制度の破綻をきたし、社会的に極めて大きな問題となると懸念される」と、こういう認識をここで言われておるわけでありますが、こういう正に制度が破綻をするという懸念が具体的に解消されたから施行されたんですか、お聞きします。
○政府参考人(塩田幸雄君) 医療観察法の施行に当たりましては、指定医療機関が整備されることなど、法律施行の準備を整えることが当然必要だろうと思っております。 一年掛けて九十床から百床程度が確保できるということでありまして、法律の施行に必要な最小限度のベッド数は確保されたと考えております。引き続き、国の機関の指定医療機関の整備を図るとともに、都道府県にも協力をお願いいたしまして、制度の破綻というか、制度の運営に支障がないよう最大限努力をしていきたいと考えております。
○井上哲士君 年間三百人が対象になると予想されているのに、なぜ九十床確保されたら最小限度確保されたということになるんでしょうか。もう一回お願いします。
○政府参考人(塩田幸雄君) 法律が七月十五日から施行されましたけれども、その後の事件について審判手続が行われて、いろんな手続を経た上で指定入院医療機関での医療的ケアが始まるということでありまして、私どもも、今後この一年間、どういう形で患者数が増えるかということも推計しておりますが、何とか、秋ごろまでは今のベッドの整備で何とか乗り切っていけるんじゃないかと思っておりますけれども、秋以降、いろんな事態が想定されますので、法律の施行に円滑、支障がないよう、どんな確保策が講じられるか、関係者の意見あるいは知恵をかりながら最大限の努力をしているところでございます。
○井上哲士君 秋以降が心配だということがありましたね。 そこで、いろんなことが言われておるわけでありますけれども、関係者の間で大変声が出ているのが、本来、この法律は必要な人に対して国の責任で高い水準の精神医療を施すものだということが再三言われました。しかし、ベッドが確保されないということで、精神保健福祉法上の措置病院の一部をこの指定入院機関に代用するんじゃないかと、そういうことを考えているんじゃないかということが伝えられております。 従来の医療水準では不十分だというのがこの法案の、法律の前提だったことを考えますと、そういう言わば代用というようなことは前提を崩すものになると思うんですが、こういう代用医療機関というようなことは考えていらっしゃらないということを確認できますか。
○政府参考人(塩田幸雄君) 医療観察法の円滑な施行という観点からは、対象となった方々に対して手厚い医療を提供して、社会復帰を図るための医療機関の整備を図るということが大前提だろうと考えております。法律でも国又は都道府県の関係の病院に限られておりますし、公共性、専門性の高い医療機関の整備が求められていると考えております。 その中でも、国と都道府県の関係では、まずは国の関係の病院の整備を進めたいと思っておりまして、当初予定しておりましたのが、国関係で二百四十床程度整備を予定しておりましたけれども、これについては三百五十床程度、国の責任をもう少し重くして、都道府県の負担をもう少し軽減して、都道府県においてはやや時間が掛かるかもしれませんが、計画的に整備をしていただきたいと考えているところでございます。 いずれにしても、指定医療機関の確保に最大限の努力をするということでありますけれども、仮に本来の指定医療機関の整備が、確保が難しいということになった場合でも、法律の趣旨であります手厚い医療を確保することによって対象となった方々の社会復帰を促すと、そういった趣旨に反しないものであることが大前提だと思っております。 どういった対応が可能かにつきましては、法務省はもちろんですが、総務省でありますとか関係の方々ともいろんな御意見をお聞きしております。また、立法に携わった立法府の先生方の御意見も個別に参考に聞かせていただいておりますし、今後いろんな関係者の御意見やお知恵をかりて幅広く検討し、法律の本来の趣旨に沿った医療機関の整備に努めてまいりたいと考えております。
○井上哲士君 本来の趣旨に合ったものが確保できることが懸念されるような状態で施行をするべきではなかったと私は思いますが。 もう一つ、法案の中では車の両輪としてこういう指定医療機関における高い水準の医療と、それから地域における福祉、医療の受皿づくりということが言われました。それがなければ、結局閉じ込めになるだけじゃないかということで、厚生労働省は十年間で七万二千人の社会的入院を解消するということを繰り返し答弁をされました。 これは一年間で七千人強減らないと達成をできないわけでありますけれども、例えばきょうされんの調べでいきますと、七種類の精神障害者社会復帰施設というのがありますけれども、その設置状況を見ますと、二〇〇四年の四月一日の時点でも施設数は千五百六十八、施設がある自治体というのは五百七か所で全体の一六・二%にすぎないという状況なわけです。こうした受皿なしにこの社会復帰は進まないわけですけれども、当時出されました新障害者プランの数値目標についても、これでは焼け石に水だという声もあったわけです。 ところが、その目標すら達成をできるかということが今危惧されているわけですが、精神障害者社会復帰施設の施設整備で自治体からの申請に対してこの間の採択件数がどうなっているのか、平成十三年、十五年、十七年について答弁してください。
○政府参考人(塩田幸雄君) 精神障害を持つ方々の社会復帰という意味で社会福祉施設、地域の受皿が不可欠であるというのは厚生労働省としても最大の課題の一つと認識をしているところでございます。 お尋ねの採択率ですけれども、平成十三年度につきましては、補正予算、公共事業の補正予算が編成されたということがありまして、平成十三年度は協議件数百三十八件中百三十八件ということで、結果としては一〇〇%の採択ができたところでございます。 平成十五年度以降、公共事業関係の補正予算が組まれなかったということがありまして、様々な予算確保の努力はいたしましたけれども、結果として協議百六十一件中八十二件の採択、採択率五一%でございました。 平成十七年度でありますけれども、この国会に障害者自立支援法案ということを提案して御審議いただいておりまして、施設体系を見直すというようなことをやっておりますが、現時点では本年度につきましては協議八十九件中六十三件採択ということで、採択率七一%という状況でございます。
○井上哲士君 ですから、十年間で七万二千人の社会的入院解消ということが打ち出されて以降、採択の割合は、特に十三年から十五年にかけては半分になったという、正に逆行しているわけですね。この現状でこの十年間での社会的入院を解消するための施策として十分という認識なのか、どういうことをお考えなのか、いかがでしょうか。
○政府参考人(塩田幸雄君) 社会的入院を解消して地域で暮らしていただくということは厚生労働省の精神保健福祉対策の基本的な理念であり、今後の方向だと考えております。そういった意味で、現状の社会復帰施設に対する整備の国庫補助の状況については満足すべき状況ではないと考えているところでございます。 そういった観点から、こういった厳しい状況を打開するということで今国会に障害者自立支援法案というのを提案しておりまして、その中で市町村に精神障害者の社会復帰の仕事も責任を持ってやっていただくということで、市町村で障害福祉計画を作っていただいて、その中で数量的な目標も決めていただくということにしております。 あわせて、二〇〇四の骨太の方針の中で、障害者福祉の関係の、地域で生活する場のハード、ソフトが著しく遅れていることから、これについて来年度予算においては速やかかつ計画的に充実強化するということを閣議決定しておりますので、その線に沿って最大限予算を確保いたしまして、社会復帰の受皿づくりに省を挙げて取り組んでまいる所存でございます。
○井上哲士君 受皿づくりに省を挙げて取り組んでいただくと、これは大いにやっていただきたいわけですが、自立支援法については障害者団体の方からも様々な厳しい批判の声が上がっております。まあ、別の委員会での質疑になるかと思います。 そこで、大臣にお聞きをするわけですが、この法案の言わば前提とも言えるような問題である入院医療機関の整備とか、そして社会復帰の受皿というのが重大な遅れのまま施行されるということになりました。これはこの委員会でも相当長い質疑もして、しかも最後は強行採決という形も行われたわけですね。にもかかわる、しかも二年間の期間がありながら、こういう事態の中で施行に至ったということを是非、政治家として大臣どういう認識をされているのか、いただきたいと思います。
○国務大臣(南野知惠子君) いわゆる心神喪失者医療観察法、又は心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の社会復帰を促進することを目的としております、これにつきましては、指定入院医療機関において手厚い医療を提供するほか、地域社会における処遇に関する言わばコーディネーター役としての保護観察所に社会復帰調整官を置きまして、指定通院医療機関、地方自治体等が連携して対象者に必要な医療及び援助が与えられるようにするための制度を新たに設けております。 このように、本法におきましては、対象者の精神障害を改善し、その社会復帰を促進するため、継続的かつ適切な医療等が行われる仕組みを設けたものでございます。この仕組みを適切に活用することにより、本法の目的とする対象者の社会復帰の促進が図られるものと考えておりますが、精神障害者社会復帰施設の充実等、精神保健福祉施設全般の水準の向上が図られるべきことは先生御指摘のとおりでございます。 本法の対象者が指定入院医療機関から退院し、地域社会において安定した生活を送ることができるよう、引き続き厚生労働省とも連携してまいりたいと考えております。
○井上哲士君 対象者の社会復帰ということが犠牲になるようなことがないように、これは本当に政府を挙げてやっていただきたいということを申し上げておきます。 次に、先ほどありましたけれども、成年後見制度についてお聞きをいたします。 先ほどの議論もありましたように、今日の様々なリフォームの悪徳商法被害などの中で大変この成年後見制度の役割というのは大事だと思いますけれども、特に、富士見市の問題でもありましたように、本人の身寄りがないとか、あるいは身内から虐待を受けているという場合に、市町村長の申立て制度というのは非常に重要だと思います。 ところが、制度がスタートしてからの市町村長の申立て件数というのは、二〇〇〇年度二十三件、全体の〇・五%、二〇〇三年度でも四百三十七件で全部の申立ての二・六%にとどまっております。非常にこの件数が少ないのにとどまっているのは一体なぜなのか、その点どういう改善を考えているのか、まず厚生労働省にお伺いをいたします。
○政府参考人(新島良夫君) 今回の悪質リフォームのような消費者被害に遭いやすい認知症高齢者が地域で安心して生活を継続できるようにするためには、市町村長によります成年後見の審判請求をより活用しやすくするという必要があるというふうに考えております。 そこで、今般、市町村の申立て手続に関しましては、これまでの四親等以内の親族の有無、確認ということをしていたわけでございますが、今後はこれを二親等以内の親族の有無を確認をするということを基本にいたしまして、三親等又は四親等の親族であって申立てをしようとする者が存在する場合には基本的には行わないという形で取扱いを改めたいというふうに考えておるところでございます。
○井上哲士君 二親等にすることによって一定使い勝手が良くなるということはあるかと思いますが、私ども、いろんな団体などにお聞きをしましても、まだまだ市町村の認識が低いというのがあるんですね。例えば、市町村長の申立ては、先ほど言いましたように、絶対数が少ないだけではありませんで、それを行う自治体の数というのは非常に偏っておりまして、社会保険労務士会の調査でいいますと、二〇〇二年では全体の自治体の六%にとどまっているということがありまして、なかなかやっぱり窓口での対応、関心の低さということもあります。 元々この制度ができるときに、そういう権限が付与されるのであれば体制を整備する、そのための財源の手当ても必要だということも自治体も含めて声もあったわけですね。ですから、国としてこういう市町村申立てという制度がもっと活用されるように、例えば要項のモデルを提示するであるとか、財政的な支援もするであるとか、様々な方策が必要かと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
○政府参考人(新島良夫君) 市町村の申立てにつきましては、これまでも市町村におけます事務手続の例であるとか、あるいは家庭裁判所で用いられます申立て書のひな形を示すというようなことで、市町村におきます事務が円滑に処理されるように支援をしてきているところでございます。 今後、認知症の高齢者の増加が予想されるという中で、今回の介護保険法の改正によりまして地域包括支援センターというものが設置をされるということで、このセンターにおきまして情報提供あるいは利用促進が図られるように適切な対応を取ってまいりたいというふうには考えております。 また、支援ということでお尋ねがございましたが、成年後見制度の申立て、あるいは利用に関する費用については、国庫補助事業といたしまして、市町村申立て対象となります高齢者につきまして、所得が低い、あるいは費用負担が困難な方に対しまして、市町村長が医師の鑑定費用あるいは後見人等への報酬等を助成する事業を行っているということでございまして、この事業につきましては、平成十三年度以来実施をしておりますが、徐々にではありますが、実施する市町村が増えてきているということでございまして、平成十六年度におきましては約六百程度の市町村で実施をされているというふうに聞いております。
○井上哲士君 今もありましたように、必要とする方が資金の心配なく利用されるという仕組みが大事だと思いますが、今は後見報酬の必要のない親族が後見する場合がほとんどですけれども、特に市町村申立てが必要な対象になるような方の場合は第三者後見が増えるということが予想されるわけですね。資産はなくても、年金の保護とか本人への福祉・医療サービスの提供を始めとした生活支援、権利擁護のために、こういう方にも成年後見が必要になってくるわけですが、収入がわずかでしかないという方も少なくありません。今現在、弁護士に第三者後見を頼みますと、月三万程度掛かるということなわけですが、これでは利用したくても利用できないという方がいらっしゃるというのも率直なところだと思うんです。 こういう方々が利用できるようにあります事業として、成年後見制度利用支援事業というのがありますが、今おっしゃったのは、この第三者後見の費用を賄うというので、この制度の数でしょうか、六百という数は。
○政府参考人(新島良夫君) 今ほど申し上げました国の補助事業としましては、成年後見制度利用支援事業というのがございまして、それの平成十六年度の実績ベースで約六百自治体ということで、補助をしておるということでございます。 助成の中身でございますけれども、成年後見の申立てに要する経費、登記の手数料であるとか鑑定費用というのがございますし、今御指摘ございました後見人の報酬の一部ということを対象に助成をしているということでございます。
○井上哲士君 徐々に広がってはきているわけですけれども、今後も制度化の予定がないという自治体が六四%ぐらいあるとお聞きをしているんですが、今後、福祉サービスを業者と利用者との契約に切り替えるということを国としては進めているわけですね。そうしますと、その契約をするということになりますと、認知症の患者なんかの場合はきちっとやっぱり成年後見を受けるということが福祉サービスを受ける前提になってくると思うわけですね。そうしますと、全国のどこに住んでおろうとも、そして資料があろうともなかろうともこういう制度を利用できるようにすべきだと思います。 ですから、やっぱりこういう支援事業を例えば介護保険による必須事業にするとか全国の自治体であまねく利用できるようにするべきだと思うんですが、その点での国としての推進はどうお考えでしょうか。
○政府参考人(新島良夫君) 成年後見制度の活用そのものにつきましては、今回の介護保険法の改正の中におきまして、地方自治体、市町村が行います地域支援事業の中に権利擁護事業ということで位置付けをされているということでございます。 したがいまして、今後、各市町村におきまして、高齢者の権利擁護事業の一環としてこういった取組が更に充実するということを我々として期待しておりますし、実際にこの制度を利用するに当たりまして、費用面であるとかあるいは手続面であるとか、改善を要する事柄もあろうかと思います。関係機関とよく調整をしながら我々としても対応してまいりたいというふうに思っております。
○井上哲士君 関係者のお話聞きましても、まだまだ地方自治体のこの認識が低いというのをいろいろお聞きするわけです。ですから、是非強力に、今これだけ大問題になっているわけですから、様々な問題が、これは推し進めていきたいと思います。 さらに、こういう犯罪被害を防止するということも重要でありますけれども、犯罪に遭った場合の被害救済ということが重要であります。 午前中の審議でも、いわゆる被害回復のための犯罪収益の没収、追徴ということがございました。午前中、当局からもるる御答弁あったわけですが、大臣として、この問題でどういう検討をし、認識をされているのか、まずいただきたいと思います。
○国務大臣(南野知惠子君) このように社会問題となっていることでございますが、犯罪の被害に遭われた方々の経済的な損害の回復を容易にすることは大変重要なことであると考えております。 御指摘のような財産犯等によって被害者から得た犯罪被害財産につきましては、これを犯人から剥奪してしまうと被害者の犯人に対する損害賠償請求権などの司法上の請求権の実現を妨げるおそれがありますことから、組織的犯罪処罰法又は犯罪被害財産の没収又はその価額の追徴はできないこととしております。 しかし、例えば犯罪が暴力団等により組織的に行われた事案では、被害者が損害賠償請求権などの行使をためらったり、又は犯人が犯罪被害財産を仮装、隠匿させたような場合は、適切なものに損害賠償請求権などを行使することが困難であるということが考えられます。 このような場合は、結果といたしまして犯罪被害財産を犯人の手元に残してしまい、それが犯罪組織の維持拡大や将来の犯罪活動に再投資されるおそれがございます。実際にも、例えばいわゆる五菱会事件等におきまして同様の問題が指摘されているところでございます。 そこで、このような場合には、犯罪収益である犯罪被害財産等の剥奪を可能にして、それを被害者の被害回復に充てるべく犯罪被害財産等の没収、追徴を可能とした上で、検察官において、被害者からの申請に基づき、没収、追徴した財産から個々の被害額に応じて給付金を支給することができるようにするための法整備を検討し、本日、法制審議会にその旨の諮問を行うことといたしております。
○井上哲士君 そういう制度ができることは被害者救済に大変重要だと思うんですが、中身について一点だけお聞きしておきますが、今ありました五菱会の事件のように、特定の犯罪者集団が一連の犯罪を行った場合に、捜査当局が把握したものをすべて起訴するわけではないわけですね。比較的立証が容易なものとか悪質なものだけを起訴するということが行われると思いますが、そうしますと、その起訴した事案だけの被害者のみが救済されることになりますと大変アンバランスになります。それから、起訴した事案の、かかわる犯罪収益だけに限られるとこの原資が足りないということになるわけですね。こういうようなことはどのような検討をされているのか、お願いをします。
○政府参考人(大林宏君) 今委員が御指摘になった、起訴されたものとそうでないものについて、没収した財産が分配されたりされなかったりということは不平等だということはこれまでも法制審議会で議論になってきて、これまではまだ解決されなかったことでございます。 今大臣が申し上げたとおり、今日諮問する新しい制度は、今御指摘のような起訴されたもの以外の、要するに絞り込みによる起訴以外の余罪についても救済されるような、そこまでの範囲を広げた制度を考えているところでございます。これから審議いただいて法案化に努めたいと、このように考えております。 それから、原資が、今前提となっているのは、やはり財産犯を中心として没収、追徴したものの中から分配することを考えております。したがいまして、それ以外の、例えば身体犯等の問題についての被害者に対してどう対応していくかという問題はなお残ることになります。これについては、内閣府を中心として犯罪被害者に対する問題を今検討しているところでございまして、その状況等を見まして私どももこれから検討していきたいと、このように考えております。
○井上哲士君 是非、犯罪被害者の救済第一という立場での検討をお願いしたいと思います。 終わります。
○委員長(渡辺孝男君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後一時七分散会