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162回国会参議院2005/04/19

文教科学委員会 第7号

発言数
157
登壇者
20
会派数
4
開催日
2005/04/19

会議録

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として外務大臣官房審議官兒玉和夫君外十四名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

橋本聖子自由民主党

○橋本聖子君 おはようございます。自民党の橋本聖子でございます。  今日は久しぶりに質問に立たせていただくということでちょっと緊張しておりますけれども、緊張感を持ってあえて質問をさせていただきたいと思います。  今日は自民党は八十分時間をいただいていますけれども、四十分、四十分ということで、オリンピックコンビで今日は、私自身はスポーツを担当させていただくようにしたいなというふうに先ほど荻原先生ともお話をしたんですけれども、今、知育、徳育、体育ということ、またそして食育、そういった中で子供たちをいかに力強く育てていくか、たくましい子供たちをつくっていくかということが私はこの教育行政の中でも本当に大切な一つではないかなというふうに常日ごろから思っているわけですけれども、特に、ちょっと話がそれるかもしれませんけれども、先日チャリティーゴルフで、ホープであります、まあヒロインといいますか、プロゴルファーのさくらさんと一緒に文科大臣がゴルフをされて、その指導によって先日初優勝をしたということですけれども、本当にそういう意味では、スポーツ万能の大臣があんなようにテレビでチャリティーゴルフに参加されている姿を見たときに私たち議員としても大変誇らしく感じたところでありますけれども、そういっただれもが身近にスポーツに取り組める環境というものもこれから同時に行っていかなければいけないことだというふうに思っているんですけれども、まずスポーツ環境整備についてお伺いをしたいというふうに思います。  スポーツ振興においてもスポーツ施設が身近にあることというのは大変重要なことなんですけれども、その下でスポーツをしっかりと指導するということ、アドバイスをしてくれる指導者がいて初めてスポーツの振興と言えるのではないかなというふうに思います。  文科省も、昭和六十年代から様々なスポーツ団体が行う指導者養成事業について一定の水準以上を満たした者について大臣の認定をするということを行ってきていただいたわけでありますけれども、公益法人改革の影響やスポーツ振興基本計画策定の議論の中でこういったことが見直しの必要性があるということで議論をされまして、平成十七年度限りでこれが廃止ということになったというふうに聞いています。  こういう中で、スポーツ団体が行ってきた養成カリキュラムを再編、そしてまた統合して、共通の部分の実施について、平成十七年度から日本体育協会、日体協が行うということになったわけでありますけれども、これについてまず最初にお伺いしたいことは、そもそもなぜ大臣認定が廃止されることになったのかと、この経緯について御説明をいただきたいというふうに思います。

素川富司文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。  質の高い優れたスポーツ指導者を養成するということは非常に重要なことでございますので、先生今御指摘がございましたような、昭和六十二年度より各種スポーツ団体が行います指導者養成事業に対しまして文部科学大臣の認定を行ってきたところでありますが、平成十二年の十二月に閣議決定されました行政改革大綱におきまして、公益法人に対する行政の関与の見直しの一環といたしまして、国から公益法人が委託や推薦などを受けて行っております検査、認定、資格付与などにつきましては国の関与を廃止するなどの措置を講ずるということとされたところでございまして、さらに、平成十四年三月に閣議決定されました公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画におきまして、スポーツ指導者養成事業の大臣認定につきましても平成十七年度限りで廃止することとされたものでございます。  こうした中で、文部科学省といたしましては、スポーツ振興を図っていく上で質の高い指導者の養成は非常に重要なことであることから、日本体育協会を中心にこの点につきまして検討を行っていただくように依頼してきたところでございまして、これを受けまして、日本体育協会では従前の資格制度や講習内容も含めましてこのスポーツ指導者養成事業の全般的な見直しを行った結果、この廃止の期限よりも一年早いわけでございますけれども、平成十四年度から新たな指導者養成事業というものをスポーツ団体と連携して開始しているところでございます。

橋本聖子自由民主党

○橋本聖子君 再編と統合、そして共通の部分のカリキュラムについて、また実施ということなんですけれども、日本体育協会が行うこととなったこの養成カリキュラムというものの中の共通部分というものはどこなのかというのをもう一度、ちょっと詳しく教えていただけますか。

素川富司文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(素川富司君) 今申し上げましたように、日本体育協会では従前のカリキュラムの内容を精選して、科目間で重複を避けるということなどを基本として共通カリキュラムを策定したと聞いているところでございます。  従前の制度では、資格の種類、例えば地域スポーツの指導者、競技力向上の指導者、商業スポーツ施設の指導者、いろいろあったわけでございますけれども、こういう資格の種類によりまして共通科目の受講内容は異なっていたという部分があったわけでございますけれども、新たな指導者養成事業では共通科目を統一し、資格のレベルに応じて段階的に受講することになっておりまして、他の資格を受講する際も既に受講した共通科目は免除されるというような仕組みになっているところでございます。  具体的に申し上げますと、例えば子供たちとか初心者を対象に指導を行う指導員という部分がございますけれども、この共通科目のカリキュラムにつきましては、スポーツ指導の基礎的な知識と指導方法を身に付けるということを目的としたものでございまして、文化としてのスポーツ、指導者の役割、スポーツ指導者に必要な医学的知識、スポーツと栄養、ジュニア期のスポーツ、地域におけるスポーツ振興といったような科目を三十五時間履修するものとなっているところでございます。

橋本聖子自由民主党

○橋本聖子君 分かりました。ありがとうございます。  やはりそういった質の高い、レベルの高いといいますか、指導者をこれから同時に養成をしていかなければいけないんだなということを、今の内容を聞いただけでも改めてそういったことを思うわけなんですけれども、日体協が指導者育成事業に関することにおいて、なかなか収入源といいますか、今どこも困っている状況なんですけれども、その収入の総額が今どのぐらいなのかということの内訳と割合について、いま一度教えていただきたいと思います。

素川富司文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。  決算ベース出ておるものは十五年度までということなんで、例えば十五年で申し上げたいと思いますけれども、この日本体育協会の指導者育成事業におきましては、国等からの補助金や助成金、それから事業収入等によりまして、総額で八億九千五百万円の収入がございます。  その内訳を申し上げますと、指導者登録料や受講料などの事業収入ということで少しまとめておりますけれども、五億三千百万円、これは全体の約五九%ということでございます。それから、文部科学省からの国庫補助金といたしまして一億三千万円、これは大体一五%に相当いたします。それから、この十五年度はスポーツ振興くじの助成金といたしまして一億四千七百万円、これは大体一六%に相当するわけでございますけれども、このようなことが十五年度の主な収入となっているわけでございます。

橋本聖子自由民主党

○橋本聖子君 スポーツ振興くじ、totoの収入によりまして、そういった助成額に変動がかなりあると思うんですね。いろいろと工夫をしていただいて、スポーツ振興くじ、いわゆるtotoの売上げを伸ばそうという努力をしていただいているところなんですけれども、それがなかなかやっぱりまだ、日本のサッカー人気はあっても、なかなかtotoということに対しての根強い人気というものがまだないということもその原因の一つだなというふうには思っているんですけれども。  日体協としても、そういった収入がある意味でtotoの売上げによって変動するということになると不安定だというふうに思うんですね。やっぱり、中期また長期的にそういった収入を考えていかなければ、なかなか、選手育成だけではなく、指導者の育成ということに関してもしっかりとした計画がされないんじゃないかなというような、そういった懸念もあります。  これから、スポーツ振興くじの助成が始まってから、日本体育協会に対する助成金の変動を考えても、これからどのような状況になっていくのかというような予想も含めて考えていただいていると思うんですけれども、これからどのようにスポーツ振興くじについてお考えなのかということをお聞かせいただきたいと思います。

素川富司文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。  今、決算ベースというのが出ております十五年度につきまして、スポーツ振興くじからのこの指導者養成事業への助成金の額を申し上げたわけでございますが、これはスポーツ振興くじが開始されました十四年度におきましては、この当該事業に対しまして一億四千六百万円ということで、ほぼ十五年度と同額の助成が行われたわけでございますが、実は残念ながら十六年度とそれから十七年度、本年度でございますけれども、今御指摘がありましたようにtotoの財源が非常に厳しい状況にありまして、実は日本体育協会のこの指導者育成関係の事業に対しては助成が行われていないわけでございます。それで、日本体育協会におきましては、実は、他の団体からの補助金でございますとか自己財源を活用するということでこの指導者養成事業については継続されているというところでございます。  この日本体育協会が行うこの事業につきまして、スポーツ振興くじの助成が行われないというのは残念であるわけでございますが、私ども、スポーツ振興くじの売上げ増を図って、助成が再開できるように努めたいと考えておりますが、引き続きまして、先ほど十五年度のときに申し上げましたように、国庫補助というものが継続して行ってきているところでございます。また、指導者養成以外の各種の事業につきましても、国庫補助金でございますとか、委託費等による支援を行うことなどによりまして、日本体育協会全体として充実した事業が行われるように努めてまいりたいと考えているところでございます。

橋本聖子自由民主党

○橋本聖子君 ありがとうございます。  当初、スポーツ振興くじの売上げの見込みから相当な低下といいますか、思ったよりも売れないということがちょっと計算を狂わしてしまった部分があるのかなというふうに思いますけれども、是非、スポーツ振興くじというものに頼らずにいけるような形を是非ともこれから取っていただきたいなというふうに思います。  また、ちょっと違った観点から質問をさせていただきたいというふうに思うんですが、今、その都道府県が実施するスポーツ指導者養成について文部科学省は補助を行ってきたんですが、三位一体の改革の下に同補助金は廃止されて一般財源化することになった。そういうことの中で、今度は、平成十八年の九月からは、これは完全に実施されることになった指定管理者制度、これについても、各都道府県のスポーツ協会というのは、ある意味で先がどのようになっていくのかという不安を抱えて、一部混乱をしているところがあるわけなんですけれども、都道府県において今まで指導者というものを、もちろん育成というものをやってきた中で、これからは体育指導者も、指定管理者制度というものが導入されることによって施設の運営にも携わっていくようになるんではないかなというふうに思っています。  そういう中で、日体協が、地域スポーツクラブのマネジメントができるような、そういった資格認定を行うべく新しい公認スポーツ指導者制度の準備を進めていっていただいているということを聞きまして、私は本当に心強く今思っているところなんですけれども、指定管理者制度によって、公共スポーツ施設サービスというのが、本来行政が行うべきところをある一定の条件が満たされた中で民間が代行するということにおいては、ある意味で介護サービスと同じなのかなというふうにも思うんですけれども、どちらもこれは人的サービスであって、その担当者が不適切な人という言い方はおかしいのかもしれないんですけれども、そういったものに余り、人物的に問題があったとすれば、やはりそれは利用者を満足することができないということを考えたときに、介護サービスの例を見ても分かるように、しっかりとしたそういった人物を配置しなければいけないのかなというふうに思うところなんですけれども。  今、全国に四万三千か所、公共スポーツの施設があるわけですね。その中で経費削減優先で急速に指定管理者制度の導入が進むと、せっかく今まで文科省が各都道府県に行ってきたスポーツ指導者の育成ですとか、またそういった環境整備というものがある意味切断されてしまうところが出てくるんではないかなというふうに思います。そこがとても心配な部分なんですけれども。  現在、その指定管理者についての人的要件というのは全く担保されていませんけれども、これから文科省としては、各都道府県への指導、そして指定管理者に応募しようとする人、また指定管理者になった人への情報提供というものを積極的にきめ細かく進めていくことが必要だというふうに考えるんですが、この点についてどのようなお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) やはり、地域のスポーツ振興ということを考えますと、それぞれの地域において質の高いスポーツ指導者が配置されているということが非常に大事であると思うわけでございまして、今御指摘ありましたように、平成十五年九月にこの指定管理者制度というのが導入されたわけでございますが、現在三百五十か所ほど、このスポーツ施設についても管理者制度が適用されているというふうに聞いておりますが、この導入された施設の運営につきましては、条例で定める管理基準等に沿って行われることになるわけですけれども、文部科学省といたしましては、地方公共団体がスポーツ施設に指定管理者制度が導入する場合におきましては、従来同様、質の高い指導者が活用されるように働き掛けてまいりたいと、このように考えておるわけでございます。  また、地域のスポーツ指導者に関する情報につきましては、文部科学省といたしましては、これまで各都道府県に対しまして、その収集、活用を支援してきたところでございますけれども、今後ともこうした情報を活用いたしまして質の高い指導者の確保、配置に努めてまいりたいと、このように考えているところでございます。

橋本聖子自由民主党

○橋本聖子君 ありがとうございます。  大臣から力強いお話をいただいて、私も是非、これから各方面で活躍しているそういった指導者に対して、新たにレベルアップをするために働き掛けをしていきたいというふうに思っております。やはり、優秀なスポーツ指導者を育成しても、これから育成しただけではまたこれはスポーツの振興とは言えないわけで、これをまた推進していくために重要な役割を担うスポーツ指導者がこれから安定して安心して指導をしていけるような、そういったサポート体制が更にこれから必要なんではないかなというふうに思っております。  どの職業に就いている方たちも、やはりその自分自身の職業が安心して働ける、またその将来も安定してそういった資格制度というものがあるとすれば、スポーツ指導者としても、やはり地域スポーツに対して、また子供たちの心の面でのサポートにしても力がより一層発揮できるんではないかなというふうに思っておりまして、そういった整備に今期待をされているところなんですけれども、これから人材を指導者として育成をしていくということでは、学校教育におけるクラブ活動ですとか、またあるいは総合型の地域スポーツクラブに、ある一定のアスリート、活躍したアスリートを更にそこに指導者の資格を持って、そしてまたそこに配置をすることによってより一層プラスになっていくんではないかな。  以前もアスリートのセカンドキャリアについて質問をさせていただいたことがあるんですけれども、これから、今までの経過といいますか、進捗状況はどのようになっているかというのをお聞かせいただきたいというふうに思います。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 私もこのスポーツ選手のセカンドキャリアということに関しまして二つほどちょっと考えさせられたんですけれども、一つは、私も応援しておりましたボクシングの世界チャンピオンが引退いたしまして、その引退興行がございまして、さてこれからどうするのかなという話を聞きましたら、今からジムをつくって、今度は後継者育成に当たるんだということでございましたが、まだ三十一歳ですね、長い人生だなと、本当に頑張れよということを激励したわけでございます。  また、私の母校の中学校の野球部の選手と私どもOBが試合をしたんでございますが、そのとき監督が、実は今年は全国の高校から、九十六の高校からスカウトに来たんですよと、うちの中学は物すごい強いんだと、こういう話がございましたが、どうしてだと聞きましたら、実はプロ野球で活躍した選手、実は二十年ほど前に初めて私の町からプロ野球に入るというので私へあいさつに来たことがありました。ふと思い出したんですけれども。彼が今地元に帰りまして、小中学校の野球の指導をしているんですね。それで強くなっているわけですね。  やっぱり指導者次第だなと。これは教育においても教師次第だということもよく申し上げるんですが、やっぱり優れた指導者を持つということは本当に子供たちにとってもすばらしいことだと、このように考えているわけでございますが、今御指摘ありましたように、スポーツ選手、種目によりますが、非常に選手生命というのは短いわけですから、引退した後どうするかということが保障されていないと、それは競技にも打ち込めないということじゃないかと思うわけでございまして、このことにつきましては、やはり国全体としてそういったことにも思いを巡らせて、みんなで支えていくんだと、そういうことが必要ではないかと、このように考えているわけでございます。  今、文部科学省では、各競技団体における専任コーチの配置のほか、指導者等を配置した総合型の地域スポーツクラブの育成、体育の授業や運動部活動の指導者としての活用などの施策を推進しているところでございます。  そして、スポーツで培ったものを引退後の人生において様々な形でまた発揮できるように、競技者に対してセカンドキャリア対策を行うことが極めて重要であるという観点から、平成十七年度の新規事業といたしまして、トップレベル競技者のセカンドキャリア支援に関する調査研究を行うこととしておりまして、今後、こうした結果を踏まえましてセカンドキャリア支援の在り方について検討してまいって、国全体としてそういったことを支援する体制をつくっていくことが必要じゃないかなと、このことが我が国のスポーツ振興を図る上で極めて重要であると、このように考えているところでございます。

橋本聖子自由民主党

○橋本聖子君 ありがとうございます。是非それを進めていただきたいというふうに思っております。  やはりスポーツの指導者を育てていくのは、直接的にはスポーツ団体であったり都道府県であったりということなんですけれども、そしてまた日体協が育成をするということであるかと思うんですけれども、そういったせっかく育て上げた人材というのを、それを活用するというのはやはり国がしっかりとやはりやっていくべきではないかなというふうに思っていますので、是非ともお願いをしたいというふうに思います。  スポーツ振興、スポーツ先進国におきましては、私自身も荻原先生同様に全国、世界を回らせていただきまして、本当に日本との違いはどこかというふうにいつも話をするんですけれども、そういったある一定のところまで活躍した選手、またそうでなくても、指導者について物すごく能力のあるアスリートについては国がしっかりと保障しまして、スポーツマスター制度的なものの称号を与えまして、またその選手育成のために国が投資したんだということで、またその人材を更に地域に戻してきて、スポーツだけではなくて、教育やまた医療だとか福祉にも、食育というものに対しても力を発揮させるように国がしっかりと環境整備をしているという現状がありますので、是非日本もそこまでやっていく必要があるんではないかなというふうに思っています。  そのことについて、また今食育という話もさせていただいたんですけれども、今、知育、徳育、体育の基礎を支えているのは正に食育だというふうに思っています。栄養教諭制度というのが設立されました。これは本当に何十年来という悲願を達成できたわけなんですけれども、でも実際に、本年度から施行されているとはいいましても、栄養教諭の設置というのは各都道府県の教育委員会の判断でということになっているものですから、すべての学校に栄養教諭が配置されているというわけではないわけですね。全体のどれほどの割合かというのを数字でちょっと教えていただきたいと思います。

素川富司文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。  この四月から栄養教諭制度が開始されたわけでございます。栄養教諭の配置の前にやはり栄養教諭というものを確保しなきゃいけないわけでございますが、栄養教諭免許状を有する方を全国で早急に確保するというためには、現在の学校栄養職員が円滑に栄養教諭免許状を取得するということがまず重要であると考えておりまして、本年度予算におきましては、現職の学校栄養職員が栄養教諭免許状を取得するために必要な科目を各地域で修得できるような講習会の開設に必要な経費というものを私ども計上させていただいているわけでございまして、十七年度、本年度、全都道府県の教育委員会におきましてこの講習会の開設に取り組んでいただくということになっているわけでございます。  今お話しの栄養教諭の配置でございますけれども、幾つかの自治体におきましては本年度からの栄養教諭の配置について積極的な検討をいただいておるわけでございますが、多くは今年度は栄養教諭の免許状の取得ということで、大半は十八年度の配置、以降の配置ということに向けての検討になっているかと思います。  しかしながら、本年度からの栄養教諭の配置につきましても積極的な検討を行っている自治体もございまして、この四月からは福井県と高知県におきまして、十五名でございますけれども、栄養教諭が配置されているところでございます。  先ほど申しましたように、多くの自治体におきましては十八年度の配置に向けて現在検討していただいているということを伺っているところでございます。

橋本聖子自由民主党

○橋本聖子君 今の御説明をしていただいてよく理解をしているところなんですが、せっかくそういった栄養制度教諭というのが実施されるようなシステムができても、これ各都道府県によって取組方、その知事さんの思いなのかもしれませんけれども、まちまちなんですね。それをやはり文科省としては積極的に指導といいますか、働き掛けを是非やっていただきたいというふうに思います。  もう時間の関係で、食育について幾つかもっと質問させていただきたいんですけれども、ちょっとはしょりまして、元々食育が注目されるようになったというのは、これは生産から供給までの過程が消費者とそしてまた特に子供たちに見えにくくなった。しっかりとした食というものに思いというんでしょうか、そういうものがなかなか、家庭からしてもそうなんですけれども、先日も荻原先生からも同じような質問があったかというふうに思うんですけれども、これについてしっかりとした取組をしていこうということで、今、全国九十四か所で、モデル地域として九十四か所を挙げてこれから食育というものについて事業を行っていくということなんですけれども、その内容を簡単に教えていただけますでしょうか。

素川富司文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。  今御指摘いただきましたのは学校を中心とする食育推進事業という事業でございまして、これは平成十六年度から実施しているところでございます。  この内容を簡単に申し上げますと、学校から望ましい食習慣等について情報を発信しながら、家庭や地域の団体、これはPTAとか農業団体、栄養士の会などでございますけれども、こういったところと連携協力して食育を推進する事業を行うものでございまして、十六年度には四十二の都道府県の四十三の地域で実施されまして、学校、家庭、地域が一体となって、例えば、食育シンポジウムを開催するとか、農業体験活動をするとか、また親子料理教室の実施、こういったことが行われたところでございます。このような取組を更に広げていくために、十七年度の予算におきましては九十四の地域に拡大いたしまして、これを実施していくための経費を本年度予算に計上しているところでございます。

橋本聖子自由民主党

○橋本聖子君 ありがとうございます。  今農業団体とも連携してというお話ですけれども、これからやはり文科省としては、農水省と、そしてまた厚労省ともしっかりと連携を取って、この食育というものについては本当に力を入れてやっていただきたいというふうに思っているんですけれども。  特に、今子供たちの食を取り巻く環境ということの中で、気軽に、どこにいても何でもいろんなものが口に入るわけですね。それが悪いということではないんですけれども、今水もジュースと同じ値段ですから、水も、そういった意味では環境が汚染されて買うような時代になってきてしまった。同じ値段だったら清涼飲料水、ジュースを買った方がいいかなというような子供たちが増えてきているように感じるんですけれども、私は、やっぱりアスリートとして、子供のときにしかやはりしっかりとした体はつくられないわけですので、農林省とも厚労省ともしっかりと手を組んで、ひとつ乳製品、牛乳を飲むような働き掛けというのをしていただければ有り難いなというふうに思うんですけれども、こういったことについて、学校現場においての指導はどのように文科省として更に指導をしているのか、教えていただきたいと思います。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 私も、大臣になる前は、自民党の酪農推進議員連盟で、いつも学校現場でもっと牛乳を飲むようにしてくれということを盛んにお願いした立場でございましたが、今はもうお願いされる立場になったわけでございますけれども。  やはり、本当に私思いますのは、水よりも牛乳が安いというのが本当に納得いかないんですけれども、ですから、もっと牛乳を水みたいにがばがば飲むという、そういう習慣を付けるべきじゃないかと。  私は、アメリカにおりますとき、子供は小さかったんですけれども、向こうではこんな大きなボトルで冷蔵庫に入っていて、もうがぶがぶ飲んで、あれはいいことだと思うので、何か小さな入れ物じゃなくてもっと大きなボトルに入れて売っていただく。いつでも水代わりに飲むような、私はそういう習慣を付けたらいいんじゃないかなと、そこまで実は思っているぐらいでございまして、子供の成長ということを考えますと、このカルシウムの吸収源としてはもう牛乳が一番私はいいと、そういうもう実は確信を持っているわけでございまして、是非そういった方向で進めてまいりたいと、こう思っているわけでございます。  日本体育・学校健康センターというのが実施した調査によりますと、小中学生ともに、学校給食がある日におきましては一日のカルシウムの所要量を満たしておりますけれども、ない日においては満たしていないという状況でございます。そういうこともありまして、平成十五年の通知、文部省の通知で、学校給食において牛乳の飲用に努めるとともに、家庭の食事においてカルシウムの摂取が不足している地域にあっては、学校給食において積極的に調理用牛乳の使用や乳製品の使用に努めるよう指導してきているところでございます。  さらに、学校給食に限らず子供たちにカルシウムの摂取を含めて望ましい食習慣を身に付けさせることが重要であると、こう考えておりますが、またこのことにつきましては、今お話ありました学校栄養教諭の方々、先生方にも強くお願いして、やはり子供たちの食べ物に対する嗜好というのは若いときに決まりますので、是非子供たちが牛乳好きになるような、そういう指導をしてもらいたいと思っております。

橋本聖子自由民主党

○橋本聖子君 ありがとうございます。  やはり、子供のときに体の動きが活発であって、そういったときにしか骨というのはつくられないんですね。よく勘違いされるのは、牛乳を飲むとカルシウムが一杯だから骨がつくられるということで、大人になってから牛乳をがぶがぶ飲んでもただそれは太るだけになってしまって、すごく勘違いをされるんですね。カルシウムを摂取するということは、運動するから骨になるということで、より密度の高い骨がつくられるのは本当に子供のときしかないものですから、それを徹底して進めていただきたいと思います。そして、そこにはやはり学校栄養教諭という立場の方がそれを教え、そして更にそこでスポーツ指導というものがいて初めて子供たちの健康がつくられるというふうに思いますので、是非お願いしたいというふうに思います。  今大人も、私も子供、小さい子供を育てる親の一人ですけれども、今大人というのは、食の安全を本当にどのように子供たちに教えることができるのかというのは、本当に不安な大人が多いと思うんですね。アメリカではそういった親が多いので、朝食まで学校でつくってしまうところができてきたり、さらには、最近は地域によっては成人病の子供たちが多いというところで、学校や地域が協力し合って家庭訪問までする、家庭に入って料理の指導までするというような地域が出てきたというニュースを知って、私も逆に、日本でもそこまでしなければいけない時代になったかなというふうに思っているんですけれども、お弁当というのは普通家でつくるものですね。今大人の感覚というのはお弁当は買いに行くものというような人が多いものですから、そういったことも含めて学校が家庭にもしっかりとした、そういう食育の指導をするような、また、いつでも指導によってアクセスできるような環境整備というものをしていただければというふうに思っております。  あと、少しの時間で私学についてちょっとお伺いをしたいというふうに思っております。  私事であれなんですけれども、私の娘も、やっと上の子が幼稚園にこの四月から入りました。今までいろいろな形の中で、父母の皆さんですとか、また幼稚園や、また保育園の先生たちとお話をする機会に恵まれてきたわけなんですけれども、実際に自分自身の子供が幼稚園に行くとなって、そして送り迎えをできる限りさせてもらっているときに、大変だなということをつくづく感じています。  子供の居場所づくりというものにも積極的に今取り組んでくださっておりまして、延長保育というものも今幼稚園でも積極的に取り組んでくださっているんですけれども、なかなかそういうところができないところについては、親の負担をなるべく避ける、そしてまた、安全というものを確保するために移動をしなくても習い事ができるように工夫されているところがあるんですね。  例えば、幼稚園が終わって、そして午後からは、月曜日は歌のおけいこをする方がその幼稚園に来て、その場を借りて塾のような形になっているということで、一々お母さんの手を煩わせてどこかに移動しなくてもいいように、延長保育というふうなこととはまた別なのかもしれませんけれども、しっかりとそういった幼稚園とまた家庭と地域が連携を取って、午後から習い事の場所を幼稚園が提供することによって延長保育に似たような形が取れるというふうな、そういうことをしてくださっている幼稚園があって、私も本当に有り難いなというふうに思っているんですけれども。  今、この幼稚園と保育所を一体化して教育と保育を行うモデル事業が今年度からいよいよ始まったわけですけれども、全国三十六の総合施設が決まったというふうに聞いておりますが、これは、昨年末にまとまった新型施設の概要というのは、ライフスタイルの多様化に対応しようとして、保育時間と保育と幼稚園の教育ですね、これを組み合わせる工夫がされているということですけれども、これなかなか、免許制度の問題ですとか又は時間の関係も含めてなんですけれども、あとは雇用する側のまた、何ていうんでしょうか、人件費ですね、そういうものも膨らんでいくということで、一口に総合型施設というのはいいんじゃないかというふうに考えるんですけど、実際中を見ると大変な状況だというふうに私は思って、日ごろからそういった場に行かせてもらっているところなんですけれども、文科省としてはこれをどうやってある意味克服していくのか、お聞かせいただきたいと思います。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 就学前の教育・保育を一体としてとらえた一貫した総合施設について、本年度から、お話ございましたように、三十六か所を選定をしてモデル事業を始めたところでございます。平成十八年度からの本格実施を目指して今取り組んでいるわけでございます。  お話のございました総合施設の職員の配置の問題でございますけれども、昨年末取りまとめられました中教審と社会保障審議会の合同の検討会議の審議のまとめにおきましては、職員につきましては、地域の実情に応じまして、かつ地域の創意工夫が発揮できるように柔軟な対応が可能なものとすることが必要であるということが言われているところでございます。また、総合施設に対する財政措置の在り方につきましても、社会全体が負担する仕組みとしていく必要があると、新たな枠組みにふさわしい費用負担の仕組みを検討していく必要があるという御提言をいただいているところでございます。今、先生の御懸念等も踏まえながら、文部科学省としてはこの合同会議の提言を踏まえまして、総合施設の職員配置及びこれを踏まえました財政措置の在り方等についてモデル事業の実施状況も見ながらよく検討してまいりたいと考えているところでございます。

橋本聖子自由民主党

○橋本聖子君 ありがとうございます。  もう時間が来ましたので、最後にお願いといいますか、陳情事になってしまうのかもしれませんけれども、平成十七年度の地方交付税、地域において子育て支援事業というのが、支援事業充実分を含めて園児一人当たりの単価の合計が十三万四千八百円、そして国庫補助金を合わせると十五万六千三百八十一円ということで、ほかの地方交付税と国庫補助金を合わせた一人当たりの単価ということで考えると、ほかの学校種に比べると幼稚園が一番、一・八%増ということですごくこれを配慮していただいているということに有り難さを感じるわけです。  少子高齢化、少子化ということで、やはりまず最初の教育というものは親がするわけですけれども、幼児教育、また保育園での保育というのが安心して、そういった部分が充実をされて安心して預けることができる、教育してもらえるところができるということになると、それは少しでも少子化というものに歯止めが掛けられるものになるというふうに思っておりますので、是非経常費、補助金等の増額ということを、これからも文科省として人づくりは教育からということを踏まえて是非よろしくお願いをしたいというふうに思いますので、この場をおかりいたしましてお願いを申し上げたいというふうに思います。  これで質問を終わります。どうもありがとうございました。

荻原健司自由民主党

○荻原健司君 おはようございます。自民党の荻原健司でございます。スポーツ界の大先輩、オリンピック夏冬合わせて七回出場の橋本聖子先生に替わりまして、続いて私が質問をさせていただきます。  早速、スポーツ関連につきましては橋本先生が大変質問をしていただきましたので、また別の視点から、今日は質問内容も結構ありますので、テンポ良くまいりたいと思っております。  まず、当委員会におきまして四月の十二日に新潟県中越地震の視察に出向いてまいりました。長岡市、小千谷市等視察をしてきた中での現場の先生方や保護者の方から意見交換をしたその中の要望等もありましたので、その要望等を質問したいと思います。  実は私も昨年の十月二十三日の地震発生後に小千谷市に入りまして、たった二日間だったんですけれども、個人的にボランティア活動参加してまいりました。この地域は大変雪の多いところで、スキー選手をたくさん輩出していただいているところなので、いても立ってもいられずに出向いてきました。  やはり先日の四月の十二日、現地の視察行ってまいったわけなんですが、確かに道路も車も走れるようになってきたり、橋も車が通過できるようになったり、また建物の復旧作業も進んでいるようではございますけれども、およそ六か月たってもまだまだあのような状況、確かにひどい状況だったし、これは時間もお金も相当掛かるものではないかなというふうに実感しました。  先ほど申し上げましたとおり、現地の先生方や保護者の皆さんからいただいた要望を代わって質問を申し上げたいと思います。  まず一つ目なんですけれども、児童生徒に対する心のケアや学習支援等に当たる教育復興担当教員、これを今後もやはり長期にわたって継続的に配置をしていただけないかという要望がありました。  阪神・淡路大震災があってから十年以上たっても、やはり現地の子供たちがまだPTSDのそういった症状が見られるということも伺っておりますので、継続的に、また長期にわたって配置をしていただけないか、こういった要望にはどういうふうに対応していただけるんでしょうか、お願いいたします。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) ただいまお話ございましたように、今回の新潟中越地震のような災害が発生をした際に、子供たちに生ずるいわゆる心的外傷後ストレス障害など様々な心の問題に対して適切に対応していくということは重要であると考えております。で、こういう児童生徒の心のケア等を行うための教育復興担当教員の加配措置につきましては、文部科学省として、新潟県教育委員会から被災した学校や児童生徒の状況等を聴取をし、県の要望どおり現在教員の加配措置を行っているところでございます。引き続き新潟県教育委員会との連携の下にこういった児童生徒の心のケアの措置について努めてまいりたいと思っております。

荻原健司自由民主党

○荻原健司君 ありがとうございます。  新潟県の県の要望とおりということではありながらも、これは続いての質問にさせていただくんですが、昨年の平成十六年度におきましては百四十七名の教育復興担当教員が配置をしていただいたわけなんですけれども、本年度、十七年度においては九十二名となっておりまして、減少傾向に実際ある中で、やはりもう少し増員をしていただけないかなというような声も聞かれたんですけれども、その点についてお願いいたします。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) まず、平成十六年度における教育復興担当教員の加配措置でございますけれども、これも新潟県教育委員会からの要望を受けまして、特に中学校三年生が受験を控えていたことによる学習の遅れ、それから災害当時、多数の学校の校庭で仮設住宅が設置をされていたことなどに配慮をいたしまして、応急的に百四十七人の措置を行ったところでございます。平成十七年度におきましても、精神的なダメージを被った児童生徒等の調査等を踏まえた新潟県教委の要望を受けて九十二人の加配措置を講じたところでございます。  今先生お話ございましたように、さきの参議院の文教科学委員会の実情調査において、学校現場や市教委の方から加配措置の増員、継続についていろいろ要望があったということは私どももお聞きをいたしております。一義的には、県の教育委員会が市町村の教育委員会とよく意思疎通を図りながら現場の声をしっかり受け止めて教員の配置をなされるということがまず基本でございますが、十七年度分の加配措置につきまして、今後、新潟県教育委員会の方から御相談等があった場合には私どもとしては十分に実情をお聞きをした上で適切に対応していきたいというふうに思っております。

荻原健司自由民主党

○荻原健司君 ありがとうございます。  県の要望ということもあろうかと思いますけれども、やはり現場の声を聞く中では、大変な心配をしている方々がたくさんいらっしゃるんだなというふうに思っております。  また、これは次に三点目なんですけれども、特に震源地の小千谷市には、小学校が十三、そして中学校が五つの十八校がある中で、教育復興担当教員の配置があるのは小学校で九校、中学校で三校ということで、全校配置ではないんですね。正に小千谷市というのは震源地で、私も現場での状況、地震の直後に入ったのでよく分かるんですけれども、あれだけひどい被災地の中でも全校配置がなされていないというのはどういうことなのかなと。確かに、お話伺えば、学校の生徒数、児童生徒数が少ないということもあろうかと思いますけれども、やはりお話を伺うと、生徒児童数が少なくても、先生が一人、また二人増えただけでも子供たちが全く変わってくるんだというようなお話も伺いました。こういった要望にはどういうことをお考えか、お願いいたします。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 今、先生からもお話がございましたけれども、平成十七年度の教育復興担当教員の加配に当たりましては、新潟県教育委員会におかれましては、個別にカウンセリングが必要な児童生徒数、児童生徒の自宅の被害状況、学校敷地内の仮設住宅の建設状況などを勘案して配置計画を立案し、国としてはその案を全面的に支援をするということにしたものでございます。その結果、今お話ございましたように、小千谷市の場合は、十八校中十二校にそれぞれ一人ずつ十二人の教員が加配をされている状況にございます。なお、このほかにスクールカウンセラーの追加配置といったようなことも被災地については行っているところでございます。  今後の措置でございますけれども、先ほどお話し申し上げましたように、新潟県教育委員会から御相談があった場合には十分に実情等を聞いた上で積極的な対応を考えていきたいというふうに思っております。

荻原健司自由民主党

○荻原健司君 ありがとうございました。  続いて、校長先生の災害時における危機管理についてお伺いしたいと思うんですけれども、現場の先生方や校長先生ともいろいろお話をさせていただきました。これは大変な、校長先生も当時大変な思いをされておったんだなということを実感したわけなんですけれども、学校施設がそういう有事の際に避難場所になるということ、よくありますし、多くの例があるわけなんですけれども、その場合に学校の校長先生が突然その陣頭指揮を取らなければならないことがあるんだなということを、特に今回の視察、お話を伺って痛感をいたしました。  この学校の校長先生がいざというときにやはりパニックを起こさないように、日ごろから準備や訓練をしておく必要があるのではないかなというふうに思いますけれども、この辺り、文部科学省はどのような取組をされているのか、お伺いしたいと思います。

大島寛文部科学大臣官房文教施設企画部長

○政府参考人(大島寛君) 先生今御指摘のとおり、まさしく学校施設は地域防災計画において避難所に指定されていることが非常に多いわけでございまして、さきの新潟県の中越地震におきましても、先生今御指摘のとおり、多くの学校施設が地域住民の避難場所として使用されておるところでございます。そういった場合に、原則的には市町村の災害担当職員、これが運営の責任者となるわけでございますが、そうはいいながら、その際、学校長を始めとして教職員は、避難所の運営システムが確立されるまでの間、避難所の運営について協力されることが大きく期待されているわけでございます。  こういったことから、文部科学省におきましては、去る平成八年九月でございますが、学校防災に関する計画作成の指針をお示ししてございまして、この中で、学校において、教育委員会の指導の下、災害対策本部との連絡体制を取るといったことでございますとか、避難場所としての使用可能の範囲など、こういったことについて、避難所となる場合の運営の方策につきましてあらかじめ計画をしておくことが必要であると、こういった旨の周知を図っているところでございます。  また、その他先進事例というのが幾つかございますので、こういった事例についても、例えば静岡県の教育委員会ですとか兵庫県の教育委員会と、こういったところが積極的な取組を行っておりますので、私どもといたしましても、こういった先進的な取組を行っている事例等の情報を収集しながら、地域の避難所としての役割を担う学校の防災体制の充実に関する啓発に努めてまいりたいと存じます。

荻原健司自由民主党

○荻原健司君 是非、地域の皆さんと連携を図っていただきたいと思います。警察であるとか消防であるとか、そういった皆さんとの連携を図って、これは児童生徒だけではなくて、やはり地域のための学校施設、また避難場所となり得るような取組を是非お願いしたいと思っております。  さて、続いてなんですけれども、連日報道、またテレビ等を見ていましてももう毎日毎日報道されておりますけれども、今の中国の反日デモの件で、つくづく私はいろんなことを思ったわけなんですけれども。  端的に申し上げれば、前回の、前回といいますか、前の質問立たせていただいたときに質問させていただきました、教科書をもっと広く私たち国民の目に触れるような、手に入れられるようなシステム、制度が必要ではないかなということなわけなんですけれども、今回の一連の反日デモを見て、私はそんなことを実感いたしました。  中国でデモが起きたにもかかわらず、私たち日本人、一部ではいろいろ報道されていますけれども、それでも日本人の冷静な対応というのは、私は国際社会にあっては大変評価されるものではないかなというふうに思っておるわけなんですけれども、この反日デモは中国でも起きておりますし、前には韓国でも竹島の問題の件でデモがあったばかりです。  そういうことを考えて、例えば韓国の竹島問題ですけれども、例えば私たち日本人に竹島というのはどこにあるんだということを多分国民に質問をして、地図を持っていってちょっと竹島どこにあるんだって示してくれと言ったときに、果たしてどれだけの日本人が竹島はここですというふうに言えるんだろうか。これはテレビでも何度かその調査をやっておりましたけれども、非常に日本人の答える割合というか確率が低いんですね。これは、韓国の人たちに竹島どこにありますかと言うと、もうずばり、はい、ここですという状況でした。また、韓国には竹島、竹島というのは独島と言うんですか、向こうの言葉で独島だと思いましたけれども、その島は私たちのものだというような歌もある中で、徹底的なその教育がされているように思われます。  そういう中で、やはり私たち日本人は、歴史の認識の問題であるとか、領土の問題であるとか、どういった教育受けてきたんだろうかというふうに考えた方もいらっしゃると思いますし、もう一度日本の教育というものがどういうふうになされているのかというのを知りたい、調べたい、例えば子供たちが使っている教科書を手に入れたいというふうに考えた方が多いんじゃないかなというふうに思います。  今の教科書制度、私は、もっともっと広く国民の皆さんが参加できるような、そんな制度にしていかなければならないんじゃないかなというふうに思います。今のままではまだ国民の皆さんの意見が反映されているのかどうかというのもちょっと疑問点があるわけなんですけれども、そういうことを考えるとなおさら教科書というのをもっともっと市販化をして、だれでも気軽に書店に出向いて手に入れることができるようにすべきではないかというふうに思います。これは、私も海外の経験を通じて思うのは、例えば外国に住んでいる方や国際結婚をされてお子さんを持っている方たち、そういった方たちが、自分のやはり子供たちは日本の歴史の勉強もしてもらいたい、日本の言葉の勉強もしてもらいたい、日本の教科書を何とか手に入れたいなという方もやはり実際におられますので、そういったことも考えて是非教科書を市販化していただけないかということなんですが、それについての大臣のお考え、よろしくお願いいたします。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 竹島とか尖閣列島が問題になったこともありまして、国民の地理といいますか、に対する関心も非常に高まってきているとは思うんですけれども、やはりこれまで日本の歴史とかあるいは地理、そういったものに対する学校の教育というのは、確かにおっしゃるように韓国等に比べて非常に少なかったんじゃないかなと、こう思うわけでございます。  ですから、竹島の問題が起こりましても、何か日本人が悪いことをしているような、そんな感じで受け止める方もいらっしゃるんですけれども、やはり日本の領土がどこからどこまでだということはきちっと子供たちに教えるべきじゃないかなと、このように私は考えているところでございまして、また国民あるいは海外の方々もそういった関心を持っていらっしゃる方が多いということでございますから、やはり教科書が、保護者とかあるいは一般の方が実際に手に入れて、どういう記述になっているんだということを理解してもらう、そういう環境をつくっていくということは非常に大事なことであろうと、このように考えているわけでございます。  文部科学省といたしましても、この教科書購入の便に資するために、地域の有力書店でも教科書を販売するなど、教科書の一般販売を推進してきているところでございます。その結果、この教科書の販売につきましては、教科書を学校に納入している書店、これは全国で三千七百か所あるわけでございますが、このほか一般の書店での販売の取扱いも広がってきておりまして、全国の書店一万六千六百店舗のうち八千五百店舗、約半分ぐらいで取り扱っているという状況でございまして、引き続きこのような取組を推進してまいりまして、子供たちのみならず、大人もきちっとしたそういう認識を持つようなことにしていきたいと思っております。

荻原健司自由民主党

○荻原健司君 是非、多くの方がその教科書作りに参加できるようなシステムにしていくためにも、やはり、今伺った三千七百か所の教科書を納入している書店であるとか八千五百のところで手に入れられるということだけではなくて、やはりこれから一般の書店に流通、一般の本と同じような流通経路に乗せていただけるようなことも是非考えていただければというふうに思っております。  続いて、この反日デモの関連なんですけれども、やはり私もスポーツの人間としてはちょっといても立ってもいられずに是非質問をさせていただきたいと思うわけなんですけれども、この反日デモを受けて、中国であったあらゆるスポーツ大会で、例えばハンドボールの試合では観客を入れずに大会を行った。これは中国側の配慮があったのだとは思いますけれども、例えばこれ、北京では駅伝の国際大会があった。その際、主催者側から日本の選手は日の丸を隠して走ってくれという要請があったというお話も伺いました。  結果的には、その日本の団体チームがそれはちょっと違うだろうということで、日の丸を隠して走ったということはなかったわけなんですけれども、これはもうもっともな話であって、この政治の問題とスポーツの問題で一緒にされては困るというふうに、つくづくそういうふうに思っております。日本の選手たちは日の丸を付けて走るというのは、これは日本のプライド、誇りに懸けて戦っているわけですから、是非そんなことがなされないように、日本からも強くこれに対しては抗議であるとかまた要望していかなければならないというふうに思っております。  また、現地にはたくさんの日本人の方がおりますし、日本人学校もあって、日本人の子供たちもたくさんいるわけで、スポーツ選手だけではなくて日本人全体も特に大きな心配をしながら生活を送っているんだろうと大変いたたまれない思いでいるわけなんですけれども、まず外務省さん、今日お越しいただきましてありがとうございます。これらのスポーツ関連で外務省さんがどのような対応をされたのか、また今後していくおつもりなのか、お伺いをしたいと思います。

兒玉和夫外務大臣官房審議官

○政府参考人(兒玉和夫君) お答え申し上げます。  ただいま委員御指摘の、確かにそういう問題がございまして、私どももそういう問題について適切に介入して処理されるように努力をしてまいったということはございますが、いずれにしましても、今おっしゃったような、例えば主催者側の方から観客なしで開催するためのチケットの払戻しを行ったり、あるいは警備に万全を期すとの観点から、日本人選手が大会に出場するに当たり警備を強化したりする例ということはあったということと承知しております。  日本政府としましては、これまで累次にわたりまして、東京では、御案内のとおり、大臣が王毅大使を招致したと。あるいは、谷内外務次官が次席公使に申入れをする。あるいは、北京におきましては、阿南大使が先方、中国外交部の副部長に対する申入れ、あるいは中国大の北京の公使が外交部、更には邦人保護の関連で一番責任がございます中国外交部の領事局、まあ領事司長、あるいは北京市の公安局といったところに対して、累次、邦人の安全あるいは正常な活動、更には日本人選手の安全確保、そういったための必要な対応を取るように申入れをしてまいりました。  また、実は昨日、一昨日と大臣が北京を訪問しまして、李肇星外交部長との外相会談と並びまして、昨日午後、唐家セン国務委員と大臣は会見をしておりますが、その際、この関連で大臣の方から、北京オリンピックを支援したいと考えているが、今回のデモに伴う暴力的行為やサッカーアジアカップの際の騒動もあり、国際社会の中ではオリンピックの平穏な開催を心配する向きもあるというような言い方をして中国側の注意を喚起をしたということでございます。  日本政府としましては、中国との間で個々の分野で意見の相違があったとしても、個別の懸案が日中関係全体の発展の支障になってはならないということ、特に日中間の意見の相違が両国国民間の文化、スポーツといった幅広い分野にわたる交流の妨げになってはならないと考えております。  今後とも、引き続き中国政府に対して、国際スポーツ大会に参加する邦人、日本人選手の安全を含む中国における邦人の正常な活動の確保を求めていく考えでございます。

荻原健司自由民主党

○荻原健司君 ありがとうございました。  文部科学省の取組をお願いしたいと思います。  兒玉審議官、大変ありがとうございました。どうぞ。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) このスポーツを通じての国際交流というのは、国際親善あるいは友好の推進に寄与するものでありまして、盛んにこれはなっていくことは望ましいと思いますけれども、しかし、そういった大会に出るとき、身の危険を感じながら参加するなんというのはとんでもないことだと私は思うわけでございまして、そういった国というのはこういった国際的な大会を主催する資格はないと、ぐらい私は思っているわけでございます。  この間のワールドカップのときもそういうように要請いたしましたが、今後、中国においてもいろんな国際競技が行われる予定でございますので、そういったことについてはこれはもう中国政府がきちっとやるように、そのときそのとき要請してまいりたいと、このように考えております。

荻原健司自由民主党

○荻原健司君 全くそのとおりだと思います。是非、毅然とした態度で対応していただければと思います。  時間も少なくなってまいりましたので、簡潔にまいりたいと思います。趣旨はまた変わってまいります。  今政府がe—Japan戦略、e—Japan重点計画、取り組んでおられますけれども、文科省の取組の学校施設のIT環境の整備、これらの現状と今後の目標、お伺いしたいと思います。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) e—Japan重点計画二〇〇四におきまして、学校教育の情報化に関して二〇〇五年度までにすべての小中高等学校等が各学級の授業においてコンピューターを活用できる環境を整備すること等を前提として具体的な目標を掲げてございます。  例えば、高速インターネット接続につきましては、おおむねすべての公立小中高等学校等での接続という目標に対しまして、平成十六年三月現在で七一・六%の学校が接続しております。また、教育用コンピューターの整備につきましては、一台当たり児童生徒五・四人の割合の達成という目標に対しまして、平成十六年三月現在で八・八人という状況でございます。一方、校内LANの整備につきましては、おおむねすべての公立小中高等学校等のすべての教室がインターネットに接続できるようにするという目標に対しまして、平成十六年三月現在で三七・二%の達成率にとどまっております。また、教員のIT指導力につきましては、おおむねすべての公立学校教員がITを活用して指導できる能力を身に付けられるようにするという目標に対しまして、同じく平成十六年三月現在で六〇・三%の達成率にとどまっているわけでございます。  このように、その達成に向けて厳しい状況にある目標もございます。文部科学省では、二〇〇五年度が目標達成に向けた最終年度であることからその取組を加速させることが重要であると考えておりまして、今後とも、引き続き教育の情報化を積極的に推進をしてまいりたいと思っております。

荻原健司自由民主党

○荻原健司君 中にはその目標達成、これは厳しいんじゃないかななんというようなことも思うんですけれども、是非頑張っていただきたいと思います。  それを頑張っていただきたいというのが私の質問ということではないんですけれども、先日、自民党の文部科学部会において文科省さんが取り組んでおられますスクールミーティングの状況の御説明いただきました。その中で、下村政務官が、学校の先生方というのは忙しいんだと、多くの先生方が多忙感を感じておられるんだなということを実感したというような御発言をいただきました。やはり私の姉夫婦も教員やっておりますんで、先生というのは忙しいというのは日ごろからよく伺っています。  その中で、多忙感を感じておられる中で、先生方が日ごろからいろんな業務をやらなければならない中で、教員事務ですか、校務なんですけれども、これらの校務をもっとよりIT化をして、例えば提出書類であるとかももっと、何というんでしょう、e書類というんですか、そういうことで校務の軽減を、負担していったらいいんじゃないかなというふうに思うんですけれども、まず、校務の中身はちょっと調べれば先生方がどういうことをやらなきゃいけないのかというのは分かりますけれども、文部科学省さんはこの校務をIT化したら先生方の負担が軽減されるとお考えかどうか、お尋ねしたいと思います。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 今先生お話ございましたように、スクールミーティングにおいて先生方の間から、授業のほか、部活の準備、生徒指導、報告資料の作成などに追われ多忙であるといった意見が多く出ているわけでございます。公立学校の教員の具体的な勤務実態につきましては服務監督権者である各教育委員会が管理をしているものでございますけれども、こういったスクールミーティングや義務教育に関する意識調査を通じて、文部科学省としても学校現場の状況について伺っているところでございます。  先生御指摘のIT化による校務負担軽減については、先生方に対する意識調査におきましても、学校の先生方は非常に負担軽減についてIT化によるニーズが高いという結果が出ておりまして、各教育委員会では校務用のパソコンの整備を計画的に行う等によりまして校務処理のIT化を進めているというふうに承知をいたしております。

荻原健司自由民主党

○荻原健司君 今、実際、現場では先生方が自分のパソコン持って学校で仕事をしたり、それをそのまま家へ帰ってやったりしていますんで、ちょっと個人情報の流出というようなセキュリティーの問題から見れば、やっぱり見てもちょっと問題があるんじゃないか。  正に職員室のIT化というのをどんどんどんどん進めて、先生方の軽減、負担をしていただいて、そうすれば、もっともっと子供たちに触れ合う時間が多く取れるんじゃないかな、結果的には学力も上がるかもしれませんし、又は、じゃ空いた時間をもっと運動部のために使ってあげようなんということも考えてくださる先生方がいらっしゃると思いますので、是非この取組をしていただきたいと思うんですが、これは私の要望としてお願いをしたいと思っております。  続いてなんですけれども、ちょっとニート対策、文科省さん、どうかなと思っておったんですが、ちょっと時間の関係もございますので、ちょっとこちら飛ばしたいと思いますが。  最後に、先ほど橋本聖子先生もお伺いをしておりましたが、総合型地域スポーツクラブの件でちょっと私もお伺いしたいと思っております。  私としてもこの総合型地域スポーツクラブの取組というのは個人的には応援をしていきたいと思っている中で、個人的な視察というのを重ねてまいっております。先日、千葉県の総合型地域スポーツクラブを視察をしてきて、なるほどなというお話伺いました。  今、例えば学校では運動部が少なくなっているのが現状です。これは、少子化のもう一つだと思いますし、また、先ほど申し上げたように、学校の先生方が忙しくてもう運動部には手が回らないんだというような状況もあろうかと思います。そういった中で、子供たちは例えば運動をやりたいんだけれども学校には部活動がないんでできない、その受皿が総合型地域スポーツクラブになっているんだろうとは思うんですけれども。  そういった子供たちが、若者たちが集まってきては、そこでは特にバスケットボールのクラブのお話をされておりましたけれども、みんないろんなところから集まってきてバスケットボール一生懸命やっているのは非常にいいんだというお話は伺ったんですけれども、ただ、彼らがその目標とすべき大会がないと言うんですね。みんな仲よしクラブでバスケットボールやっているだけで、それだけで終わってしまっている。例えば学校の部活動の選手であれば、中学生であれば、中学校の選手権大会があるかもしれませんし、全国大会もあろうかと思いますけれども、総合型地域スポーツクラブの中で例えばバスケットボールやっていても、なかなかその目標とする大会がないというようなお話を伺ったんですね。  広域スポーツセンターがそういう役割をするのかも分かりませんけれども、是非私は、総合型地域スポーツクラブ対抗大会というんでしょうかね、そんなことも併せて考えていただければいいのかなというふうに思っているんですけれども、その点についてはどうお考えか、お伺いしたいと思います。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) こういう総合型のスポーツ施設、視察していただいたということで本当にありがとうございます。  この文部省が進めております総合型の地域スポーツクラブというのは、身近なところで子供から大人まで、そして自分の好きな種目や活動をそれぞれの目的に応じてスポーツに親しむことができるという特徴を持っておりまして、スポーツ活動を通じて、家庭の触れ合いとか、あるいは世代間交流による青少年の健全育成という大きな目的を果たしているものであると考えております。  そういった特徴を持っておりますこのスポーツクラブでございますから、競技力を競うための大会の出場を目指すということは必ずしもその趣旨には合わないというふうに考えますけれども、しかし、そういった施設で練習し、技を磨きながら、やはり何か他流試合といいますか、自分の力がどれぐらいまでになっているかという、そういうのを試すやはり機会というのはやっぱり大事だと思いますから、そういう意味で、他の総合型スポーツクラブとの大会を目標にして活動するというのも私は意味があるんではないかと、このように考えるわけでございます。  現在、総合型クラブ間の大会としては、都道府県レベルで支援します広域スポーツセンターが主催して、その域内における交流試合、交流大会が十六県で開催されているというふうに聞いておるわけでございまして、今後とも、この総合型スポーツクラブ、その特徴は今申し上げたとおりでございますけれども、そういった中でやはりお互いに競い合いながらやっていくという意味も含めて、広域スポーツセンターを通じたそういった交流といいますか、そういったことも進めていったらいいんじゃないかなと、今御指摘を踏まえて考えていきたいと思っております。

荻原健司自由民主党

○荻原健司君 是非子供たちや若者たちの夢や希望を実現できるような、そんな環境づくりを是非推進していただくことを強くお願い申し上げまして、質問を終わりにしたいと思います。  ありがとうございました。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 民主党・新緑風会の那谷屋正義です。  去る十二日に行われました本委員会における新潟県中越地震、震災による教育関係施設の被害状況等の実情調査の成果に基づく質疑と歴史教科書問題について、中山大臣及び財務省に対してお尋ねをしたいというふうに考えているところです。  まず、中越地方でありましたけれども、今年は本当に例年になく多くの雪が降ったということで、まだまだ多くの雪が残っている、そんな新潟県長岡市、そして小千谷市であったわけですが、昨年秋の震災からのいわゆる復旧復興というにはまだかなり時間を要するものだということを強く感じたところです。その中で特に印象深かったことについて何点か申し上げたいというふうに思っています。  まず、震災が破壊していった物を現在の状態にまで立て直すのに本当に多くの方々が努力を払われた、そのことにまず改めて敬意を表したいというふうに思いますし、特に現場でも、校長さん、そして教育委員会の方々も口々に、教職員の方々が自分の家庭も顧みないほどに努力をしてくれた、心から感謝している、そうした旨の発言をお聞きしたときに、我が事のようにうれしくなった次第でございます。今、様々学校批判がされている中で、長岡、小千谷の教職員はもちろんのこと、全国のほとんどの教職員は多忙極まる中、身も心も削るような思いで日々の教育活動に取り組まれている、このことを本委員会からの出席者皆さんが共有できたのではないかというふうに思っているところであります。  二つ目は、先ほど荻原委員の方からも質問があって全く同じような質問になるんですが、少し視点が違いますので、再度確認の意味で質問をさせていただきたいと思いますが、新年度、今年度も復興支援加配の教員が昨年度比マイナス五十五名という形で配置されることになったわけであります。学校現場や各市教委の要望と県教委との見解に大きな隔たりがあるということを参加された委員の皆さんは目の当たりにされたところで、亀井委員長自らも、思わず、そこのところはどうなっているのかねと、参加された文科省の方に尋ねられる場面もあったわけであります。  そこで、お尋ねをいたします。  県教委からの要望について一〇〇%おこたえをいただいた文科省の、そのことはよく分かっているわけでありますが、先ほども今後の話もされていましたけれども、学校現場や市教委からの要望を受け入れて県教委がそれにこたえようとするとき、年度の途中であっても文科省は復興支援加配教員増員の可能性を追求すべきではないかというふうに考えているところですが、お答えをいただきたいと思います。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 新潟県中越地震に関します教育復興担当教員の加配措置につきましては、平成十七年度、県の要望どおり九十二人の措置を行ったところでございます。  今、先生からお話がございましたように、先般の実情調査におきまして学校現場や市教委から加配措置の増員についての要望があったわけでございますけれども、一義的には県教委が市教委と意思疎通を十分図りつつ、現場の声をしっかりと受け止めた上で教員の配置をするということが望ましいと考えております。  今後、十七年度分の加配措置の増員につきましては、新潟県教育委員会から相談があった場合には、文部科学省としては十分に実情等を聞いた上で適切に対応してまいりたいと考えております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 大変有り難い答弁ではないかというふうに思いますし、実際に県教委からの今の様子、それから市教委からの様子をお聞きしていますと、それぞれの立場から聞くと、なるほどなとうなずけるところがあるわけでありますが、しかし、やはり事は現場で起こっているわけでありまして、文科大臣が日ごろから口にされている現場主義というふうなことに照らし合わすならば、是非そうしたことの可能性を追求していただきたいというふうに要望しておきたいというふうに思います。  さて、復旧の遅れからということで、住民の皆さんの、どこに怒りのやり場を持っていけばよいのかという非常にお顔が厳しいのが大変印象的でありました。いつになったら自分の町に帰れるのか、自分の家の整理はいつできるのかというようなこと、そうしたことに大変焦りと憤り、そうしたものを強く感じ、むしろ私たちがその場に居合わしたときに、これは私だけかもしれませんけれども、ここで文科省が来てくれておれたちのために何してくれるんだというような、そんな感さえちょっと否めないような、そういう鬼気迫ったそういったものを感じたわけでありまして、一刻も早い復興を成し遂げていかなければならないという決意を新たにしたところでございます。  そこで、具体的に耐震化等々について御質問をしたいと思いますが、新潟県中越地震や福岡県西方沖地震など、近年大規模な地震が日本全国で発生しており、子供たちや地域住民にとって大きな不安となっています。特に今回の新潟や福岡は、耐震診断実施率や耐震化率が全国的に見ても低くなっているという状況になっています。このように耐震化にかかわる取組について地域間でばらつきが見られるわけでありますが、その現状についてお尋ねをしたいと思います。

大島寛文部科学大臣官房文教施設企画部長

○政府参考人(大島寛君) お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、耐震化の取組につきましては、全国、地域的に大きなばらつきが見られる状況でございます。具体的に申し上げますと、平成十六年四月に文部科学省が実施した調査によりますと、まず、今御指摘の福岡県あるいは新潟県、これなどは耐震化率が約四〇%前後ということで、これは全国平均の四九・一%より低い値ということで耐震化が十分には進められているとは言えない状況にございます。  他方、比較的進んでいるところ、これもございまして、これらは、例えば地震防災対策強化地域に指定されております東海地域、こういったところですと、静岡、神奈川、山梨と、こういったところは進んでいるわけです。また、大都市圏であります東京、神奈川、これらについても取組が積極的に進められているという状況がございます。また、近い将来地震発生の可能性が高いとされている宮城県、これらも積極的な取組が行われている状況にございますが、こういったところでは耐震化率が約八〇あるいは六〇といった数字まで上がっているところでございます。  ただ、地域間、御指摘のとおり、一方で四〇あるいは三〇といった地域も見られるところで、これらの大きな地域間格差については、何らかの形で積極的に国としてもこれらを進めていく必要があるだろうと認識しているところでございます。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 今お聞きをしていますと、過去に大きな地震、震災があったところ、あるいは今後間もなく地震が起きるであろうそんなようなことが予測されている、そんなところではかなり進んでいるけれども、一方で、全く今までそういう地震がなかったところではやはりそうでないところもあるということだけでなくて、実はやはり、ここでは地方の財政状況がいろいろ左右するんではないかというふうに思うわけであります。  耐震化の状況にそうしたばらつきが出てくるんではないかというふうに思うわけでありますが、この地域間の財政力格差がそのまま学校の安全性の格差になる危険があるというふうに考えられるわけでありますけれども、こうしたことを踏まえると、国が安定的な財政面で支援を行い、公立学校施設の耐震化のために必要な施策を推進すべきではないかというふうに考えているところでございますが、これについて文科大臣の決意をお聞かせください。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 学校施設、御指摘のように、児童生徒にとりましてもこれ一日の生活の大半を過ごす場でありますし、また避難場所でもあります。そういう意味でこの耐震化というのは非常に重要なことであるということで、厳しい財政事情の中でも耐震化予算の確保には最大限努めてきたところでございます。  また、去る三月の有識者会議の報告書におきましても、今御指摘がありましたように、地域間の財政力の格差がそのまま学校の安全性の格差につながらないように、国が必要な財源を安定的に保障し、適切に学校施設の安全性の確保を図っていく必要がある旨の御提言をいただいたところでございまして、この文教施設整備費につきましては、平成十七年の秋までに結論を出します中教審の審議結果を踏まえて決定されることになっているわけでございますが、文部科学省としては、国としての責務を果たすべく、喫緊の課題でありますこの公立学校施設の耐震化の推進については引き続き最大限の努力をしてまいりたいと、このように考えております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 今の耐震化の話もそうでありますし、それから先ほどの加配の話もそうでありますが、現場、一番事が起こっている現場が要求をしていても、そこで県の中で、県財政が非常に厳しいからやはりそこは加配が付けられないんだというような、そういう状況が今後今の三位一体改革の流れの中では出てくるおそれもあるということの中で、是非ここは文科省に頑張っていただきたい、そういうところでございます。  次に、同じような観点から、今度は、財務省の方に今日来ていただいておりまして、お聞きをしたいと思います。  改めて文科省関係、二〇〇五年度予算を見ると、科学技術振興費は大幅に伸びている一方、義務教育費国庫負担金や文教施設費などが削減されて、全体としては他の経費と同様、減少傾向にあります。特に、削減されている文教施設費を見てみると、危険建物改築、そして地震補強、大規模改造といった予算の合計は、〇四年度に比べて百三十億円以上も削減されています。その中の地震補強予算だけを取り出してみても、〇四年度の二百三十億円から二百六億円へと、二十四億円近く削減されています。  例えば、公共事業には道路整備など様々なものが存在するところでありますけれども、要は、現時点において子供たちの生命にかかわる経費と優先度はどちらにあるかということになるんではないかというふうに思うところであります。現在の〇五年度予算を使って早急に耐震補強を行い、予算の不足分は補正予算を編成してでも子供たちの安心と安全を守るべきではないかと考えるところであります。仮に、補正財源が問題となるようであれば、他の公共事業費の一部を充てることも視野に入れて考えるべきであります。国策、国の策としての位置付けの下、期限を限って学校施設の耐震補強等を速やかに完了する。それぐらいの英断を持って当たるべき重大な課題ではないかというふうに思うわけでありますが、財務省に見解をお聞きいたします。

松元崇財務省主計局次長

○政府参考人(松元崇君) 学校施設等の耐震補強についての御質問でございます。  学校の校舎等は大規模地震の発生時における児童生徒の安全確保はもとより、被災した地域住民の応急避難場所として活用されるなど、国民の生命、財産を守るためにも重要な役割を果たしてきていると考えております。  こうした観点から、近年、公共投資関係費予算全体につきましては厳しい総額抑制を図る中で、御指摘の小中学校の耐震化関連経費につきましては極力予算の重点配分に努めているところでございまして、平成十七年度予算におきましても、全体といたしましては対前年度増額十八億円となる予算を確保いたしておるところでございます。  今後とも、学校施設の耐震化を推進する観点から、関係省庁ともよく御相談しつつ適切に対応してまいりたいと考えております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 是非速やかな耐震化が進むように、速やかに耐震化が進むようにお願いしたいというふうに思いますが、公立学校施設整備費については三位一体の改革において地方六団体から税源移譲対象に挙げられています。ただし、いわゆるひも付き補助金等に関してすべてが役割を終えたというような乱暴な議論は承服できないわけであります。各自治体間の財政力格差にかんがみても、未来を背負う子供たちの命に直結する公立学校施設の耐震化等経費については、補充強化を志向しつつ、これまでと同様、国が責任を持って財政支援を行うべきことは必要不可欠ではないかというふうに考えているところであります。  国の財政を預かる財務省にこのことについて再度見解をお聞きします。

松元崇財務省主計局次長

○政府参考人(松元崇君) 三位一体の改革におきます公立文教施設整備事業の取扱いといった点についての御質問でございますが、三位一体の改革に関します昨年末の政府・与党合意、その別紙一におきましては、生活保護費負担金の改革などと並びまして、公立文教施設等、建設国債対象経費である施設費の取扱いにつきましても検討課題ということにされているところでございます。  財務省といたしましては、こうした施設費を含め、建設国債を財源といたします公共投資関係の補助金につきましては、これを税源移譲対象とすることにつきましては、まず第一に、公共投資は引き続き全体としてスリム化が求められている分野であること、第二に、建設国債を財源としておりまして移譲すべき財源がないこと、第三に、公共投資は形成される資産からの便益が長期にわたるため将来世代も含めた費用負担とすることが適切との考え方の下に、公債発行を原則として禁止しております財政法の特例を設けまして建設国債の発行を許容すると、こういった取扱いがなされております。また、地方においてもこうした事業については建設地方債の起債により財源調達している。こういったことを考えますと、財源移譲とすることは不適当と考えております。  今後の検討に当たりましては、小中学校の施設整備に係る国と地方の役割分担の在り方など、政策的な観点からも議論を詰めていただく必要があると考えておりますが、施設費の税源移譲につきましては、ただいま申し上げましたような論点につきまして、国庫を所管する財務省として必要な主張を行ってまいりたいと考えております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 検討課題というふうなことでもありますので、是非そういう意味では改めて文科省の方にその部分頑張っていただいて、大切なことであるということを主張していただけたらというふうに思っているところでございます。  先月公表されました文部科学省の有識者会議の報告書において、公立学校施設の耐震化をより効率的に推進する観点を踏まえ、建て替え方式から工事費が安価で工期の短い改修方式へ転換すべきとの提言がなされました。しかし、この改修方式には特別の地方財政措置は行われていません。費用対効果、コストパフォーマンスの点からも早急な改善が要請されているゆえんでもあります。公立学校施設整備費の取扱いについては中教審の議論に期待を寄せる次第ですが、本委員会における議論においても、地方財政措置の在り方は一層重要性を帯びざるを得ない課題だと考えるところであります。  子供たちが安心して学ぶことができる環境をつくることこそ国の責務です。地方における耐震化の取組を積極的に支援するため、国が前面に出た財政面における優先的かつ安定的な支援制度を構築することを強く要望したいというふうに存じます。  財務省の方、ありがとうございました。

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) ありがとうございました。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 次に、歴史教科書等、これも先ほど荻原委員の方から質問が何点かあったようでありますけれども、私の方もこれにかかわって質問をさせていただきたいと思います。  先ほど橋本委員の方からゴルフの話があって、このゴルフの話は前回のこの委員会で大臣が自らお話をされた話だったというふうに思いますが、自らの、私事で恐縮ですけれども、私は高校野球で一応主戦投手を務めました。まあ主戦投手といっても、部員数が少ないのでそこしかやれなかったというのも実情でありますけれども。まあそれはともかくとして、それでも直球勝負に青春を燃やしてきたわけであります。大臣は、ゴルフのボールの行き先は右や左に曲がりがちだということに例えて文科行政が直面する難しさを吐露される場面もございました。教育財政にかかわる同憂の士としては同情を禁じ得ないところでもございます。  ただし、事、教科書問題については単刀直入の質問に徹したいというふうに思います。ど真ん中に投げ込みますので、しっかりと打ち返していただきたい、このようにまず御要望申し上げたいと、申し上げたいと思います。私は大臣の様々なひたむきさ、かつ実直なお人柄を敬する一人でありますから、是非この期待を裏切らず、言い訳とは無縁の端的な答弁をお願いいたします。  過日、衆議院の文部科学委員会において我が党の同僚議員から、教科書検定、採択制度にかかわる問題について二つの視点からルール違反があったのではないかという質問が行われました。一つは、採択対象となる教科書の監修者等が教育委員の立場で教科書採択に関与することの違法性についてでありました。二つ目は、扶桑社の中学校歴史・公民教科書の申請図書、いわゆる白表紙本にかかわる流出問題の経緯及び文科省の対応についてでありました。静ひつな環境の中で公正に検定が行われ、採択に当たっては、文科省初等中等教育局長から各都道府県教育委員長に出された通知にも触れられているとおり、適正かつ公正な採択の確保の徹底が求められているところであります。  しかし、さきに述べました二つ目の視点につきましては、まだ幾つか不可解な点が残っているところであります。流出問題の所在が明らかになった経緯、文科省が把握している当該流出申請図書の総数は閲覧を含めて七十冊というふうに聞いているけれども、その真偽について。申請図書の流出先、つまり配付対象者は、採択に直接関与する教育委員会関係者がその対象者の中にいるのかいないのか。文科省は扶桑社に対して計三回の指導を行ったとなっていますが、先ほどからのスポーツのサッカーに例えるならば、とっくに退場であります。こうした事態に対する文科省の対応等についてであります。  しかし、時間の関係もありますので、その一つ一つを聞くことはここでは控えたいというふうに思いますが、教科書検定、採択制度の信頼回復に努めたいとの大臣の覚悟に間違いがないとすれば、今後の制度のありように向けた不退転の決意をお聞かせください。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) この検定中の申請図書が外部に漏れることのないようにということは、教科用図書検定規則実施細則に基づきまして申請者に対して適切な管理を指導してきているところでございます。このような取扱いを求めておりますのは、この申請図書が検定の決定前に流出した場合、その内容について様々な意見が出されて、静ひつな環境の下で円滑な審査を行うことに支障が出る、そういったことを避けるためでございまして、そういう意味で、今回の教科書検定におきまして検定の決定前に扶桑社の申請図書が流出したということは、これは誠に遺憾であると、このように考えておりまして、今後再びこういうことが起こらないように、申請者に対して申請図書の管理についてより一層厳しく指導を行ってまいりたいと、このように考えております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 是非そのようにお願いをしたいというふうに思いますし、実はこれから今度は夏までの間に今度は教科書採択が行われるというふうに聞いています。この今申し上げました検定過程に起こったようなルール違反等、こうしたものが見られるということについては、正に公平公正さを崩壊させるというか、空洞化してしまう、そういう状況になるわけで、絶対にあってはならないことだというふうに思います。  今後、採択までの詳しいスケジュールといいますか予定と、それに向けた文科省の決意をお伺いしたいと思います。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) まず、今年度の中学校の教科書採択のスケジュールについて御説明を申し上げます。  四月下旬から五月上旬にかけまして、各教科書発行者から各都道府県教育委員会などにいわゆる見本本が送付をされます。五月から六月にかけまして都道府県教育委員会において見本本について調査研究が行われ、また都道府県の教科用図書の選定審議会が開催をされまして、都道府県内における採択基準や選定資料が作成をされて市町村の教育委員会等に送付をされるということになります。  一方、この時期に並行いたしまして、まあ大体六月から七月ごろでございますけれども、各採択地区において教科書についての調査研究が行われるということになります。で、七月から八月にかけまして市町村教育委員会等におきまして採択の決定が行われるということになります。最終的には八月の三十一日までに採択を行うことが法令上規定をされております。今年の採択はこういったスケジュールで進むことになろうかと思っております。  次に、適正かつ公正な教科書採択の実施についてでございますけれども、文部科学省では毎年、初等中等教育局長名で通知を発出をいたしてございます。本年度におきましても、去る四月十二日付けで局長通知を発出をしたところでございます。  通知は大きく二つございまして、一つは、各都道府県教育委員会に対しまして、静ひつな採択環境の確保など、採択の公正確保を図るよう指導するものでございます。また、もう一つの通知は、各発行者に対しまして、教科書採択のための宣伝行為が過当なものとならないように指導する通知でございます。  これらの通知の趣旨につきましては、今後各種会議の場におきまして説明を行い、関係者への周知徹底を図ることといたしております。  今後とも、採択権者でございます各教育委員会などの権限と責任におきまして、適正かつ公正に教科書の採択が行われることが重要であると考えておりまして、必要な指導を行ってまいりたいと思っております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 是非、今言われた公正さ、そして適正さをきちっと担保された採択が行われる。教科書は、教科書で教える、教科書を教えるといろいろありますけれども、やはり子供たちが学習をする一つの大事な基本的な資料になるわけでありますから、そういったものがルール違反の中で来たということになると、これはやはりちょっと示しが付かぬものも出てくるだろうと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。  次に、歴史教科書関連についてお尋ねをしたいと思いますが、前回の検定のときには、二〇〇一年になるかと思いますが、国内外で大きな議論を呼んだ歴史教科書問題でありますが、今回は領土問題も今お話ありましたように絡んで、中国、韓国において一層深刻な波紋を広げることになったという、こうしたてんまつは残念の一言に尽きるわけであります。  このように極めてセンシティブな問題であるからこそ、お互いの共通理解を深めるという揺るぎない立場からの誠意ある対応等が求められていると考えます。もちろん毅然たる態度も必要かと思いますが、やはりそこにはお互いの誠意ある対応というものを求めていく、このことが大事ではないかというふうに思うわけであります。  したがって、余りこの部分については片言隻語にこだわるつもりは毛頭ないし、原則として改めて問うこともいたしません。その心は、そうしたいろいろなことをやり取りするのではなくて、より良き合意形成を見たいというからにほかならないからであります。  ここは歴史教育、なかんずく歴史教科書の真っ当な在り方について大臣ときっちり向き合った議論を行いたいというふうに思っているところであります。  さて、大臣は、三月の本委員会における我が党の神本美恵子議員の質問に対して、教育行政に携わる者として、日本の子供たちが、自分の国の歴史、民族に自信と誇りを持って歩んでもらいたい、しっかりとした歴史認識も持ってもらうためにも、光と影の部分があると、この辺をしっかり教えることが大事であると、このように言われたわけであります。  確かに、史実に基づいて子供たちに指導していく中で、その中には光になる部分もあれば、影になる部分というふうにも思うわけでありますが、この部分の光という部分について、例えばどんなところに光というふうなものを感じられておられるのか、例を聞かせていただければというふうに思いますが。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 歴史認識についてしっかり向き合いたいと、こういう話でございますが、学校におきます歴史教育というのは、児童生徒が我が国の歴史に対する理解と愛情を深めるとともに、国際協調の精神を養い、国際社会に生きる民主的、平和的な国家の形成者として必要な資質を身に付ける、こういうことを目指して行われるものであると、このように考えております。  歴史教科書というのは、このようなことを目指した学習指導要領に基づいたものである必要があるわけでございまして、具体的にどのような歴史的事象を取り上げ、それをどのように記述するかは、御承知のように民間の執筆者に任せられていると、これが原則でございます。  我が国の長い歴史の中で光と影の部分がある、どこを光と考えるかと、こういうふうな御指摘でございますが、私は、多くの先人たちの努力によって我が国は発展してきたと、このように思うわけでございます。  例えば、明治維新以降につきましても、私は、明治維新にさかのぼるあのペリーの来航以来、日本に降り掛かってきた国難というのは大変なものがあっただろうと思いますし、そのときそのときの為政者の苦労というのを考えるわけでございますけれども、正に複雑な国際情勢、帝国主義とかあるいは植民地主義の中で日本が独立を保ちながら近代国家を形成することができたと、こういったことは正に我が国の先人の努力でございまして、このことはしっかり私どもとしても学んで、これを後世に伝えていくということが大事ではないかと、このように私は考えております。  ただ一方、そういう過程の中で我が国と近隣諸国の間で不幸な一時期があったと、やり過ぎたという面があった、このことは内閣総理大臣の談話にもあるとおりでございまして、そのことによってアジア諸国の人々に多大な損害と苦痛を与えたと、このことは私は謙虚に受け止めて、痛切に反省すべきであると、このように考えております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 私も全くその部分、同感でございまして、やはり先人の方々のすばらしい努力というものについても、そこのところを子供たちと何らかの感動を共有できたらというふうにも思いますし、また反省しなければいけないところはしっかりと反省をし、今後そうしたことが起こらぬようにというふうなことも大事な学習態度ではないかというふうにも思うわけであります。  さて、政府見解の意義も鋭く問うことになるいわゆる従軍慰安婦問題について、大臣の姿勢を伺いたいというふうに思います。釈迦に説法となることをお許しいただくこととして、自民党が関与された従軍慰安婦問題にかかわる政府・与党の主な取組の経緯を確認していきたいと思います。  まず、一九九三年八月に政府は第二次調査結果を取りまとめるとともに、当時の河野内閣官房長官が談話を発表されました。その中で、「本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。」と、初めて政府としての謝罪の念を鮮明にされました。  翌九四年の八月に、当時村山内閣でありましたけれども、総理大臣の談話として、従軍慰安婦問題にかかわる心からの反省とおわびの気持ちを村山総理自らが改めて表明するとともに、幅広い国民参加の道を探求する決意も打ち出されました。これについては、せんだって、つい先日、中国に行かれた町村外務大臣も同じようなことを言われていましたけれども、これを受けて自社さ三党は従軍慰安婦問題等小委員会を設置し、同年十二月に報告を取りまとめました。  その内容は、従軍慰安婦問題について、我が国としては道義的立場からその責任を果たさなければならないとし、具体化のあかしとして九五年七月のアジア女性基金発足に至ったと承知するところであります。  一連の従軍慰安婦の定義も含め、この営々たる努力の積み重ねについて真摯に向き合う決意があるかどうか試されているところではないかというふうに思うわけでありますが、確たる答弁をお願いいたします。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 今、過去の慰安婦問題についてるるお話がありましたが、そういったことをずっと思い出しておりました。  正に、慰安婦として幾多の苦痛を経験され、心身にわたっていやし難い傷を負われたすべての方々に対して、心からおわびと反省の気持ちは表明してきたところでございます。  政府の一員である私といたしましても、道義的な責任は痛感しながら、おわびと反省の気持ちを踏まえて、過去の歴史は歴史としてしっかり直視しながら正しくこれを後世に伝えるとともに、関係諸国等との相互理解の一層の推進に努めてまいりたいと、このように考えております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 前回の検定時、教科書の検定時と重なる〇一年三月の本院予算委員会において、さらに森総理、当時森内閣でしたけれども、森総理は、政府の考え方は一九九五年八月の村山内閣総理大臣談話を基本として、我が国が過去の一時期に植民地支配と侵略により多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた事実を謙虚に受け止め、これらに対する深い反省とおわびの気持ちに立って世界の平和と繁栄に向かって力を尽くしていくというもの。政府としてはこの考え方に立って教科書があるべきものであろうとの歴史教育の理念にもかない、かつ普遍性を有する立派な答弁がされているわけであります。  ともあれ、この村山談話がさきに触れた九四年談話と一対のものであることは、自社さ三党の戦後五十年問題プロジェクトにおける取組の成果からしても疑問の余地はありません。九四年、九五年の村山総理大臣談話及び森総理答弁を尊重する覚悟がおありでしょうか、決意をお聞かせください。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 政府の考え方というのは、一九九五年八月十五日の村山内閣総理大臣談話を基本としておりまして、我が国が過去の一時期に植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた事実は、これは謙虚に受け止めて、これらに対する深い反省とおわびの気持ちを持って世界の平和と繁栄に向かって力を尽くしていくというものであるというふうに私は考えておりまして、政府の一員としての私も、このような考え方を踏まえまして関係諸国との信頼関係の一層強化に努めますとともに、責任ある国際社会の一員として国際協調を推進し、それを通じて世界の平和、そして民主主義の推進に努めてまいりたいと、このように考えております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 見解ありがとうございます。  一方で、今回の教科書検定の中でも、その従軍という表記が取られたにもかかわらず、慰安婦に関する記載が全く見られないこの検定教科書の内容というもの、村山談話履行の専念義務を負う内閣の一員として、いわんや教科用図書検定調査審議会を所管する大臣の立場からもこのことが妥当と言えるのかどうか、確たる答弁をお願いいたします。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 私は、内閣の一員として、慰安婦として心身にわたって、心身にわたっていやし難い傷を負われたすべての方々に対しておわびと反省の気持ちを持っている、これは先ほど申し上げたとおりでございます。  ただ、もう既に委員も御承知のように、日本の歴史教科書というのは、学習指導要領の範囲内で具体的にどのような歴史的事象を取り上げてそれをどのように記述するかというのは、これは民間の執筆者にゆだねられているわけでございます。慰安婦につきましても同様でございまして、中学生という発達段階を考慮しながら、どのような事象をどのように取り上げるかということは、これは執筆者側にゆだねられているところでございます。  今回これらの記述が教科書から減っておりますが、これは昨年四月の各教科書の発行者からの申請図書の段階において既にこのような記述がなかったことによるものでございまして、検定によって記述が減ったというものではございません。  なお、申し上げますが、学習指導要領におきましては大戦が人類全体に悲惨な惨禍を及ぼしたことを理解させることとされておりまして、教科書におきましても、さきの大戦の及ぼした惨禍についても記述されているところでございます。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 確かに、慰安婦あるいは従軍慰安婦という、そういう言葉が、小学校、中学校、特に中学校というふうなことの発達段階に照らし合わせてみたらどうなのかということについては、そういう説というか、そういう話も実はあるのは私も承知しているところでありますが。しかし、言葉が、そういう言葉を使うか使わないかということはともかくとして、実は、両国民、特に若い世代が歴史への認識を深めることが重要とうたった一九九九年の日韓共同宣言の精神に立ち返るならば、その今の言った、その従軍慰安婦ですとか、あるいは強制連行という語句にとらわれなくても、その被害の実態と反省及び謝罪の気持ちが相手側に通じる内容とすることが大切ではないかというふうに思うわけであります。  客観性、そして合理性を両輪とした歴史における検証作業を継続する。加害国が担わねばならない責務であるというふうに考えているところであります。また、これこそが大臣の言われる自国の歴史に誇りを持つための大いなる一歩につながると確信するところでございますが、これについて見解をお願いいたします。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) これは、物の見方というのは、こっちから見たら光、あっちから見たら影になるわけでございますから、日本と韓国の関係におきまして、歴史認識の問題につきまして共通点を見いだす、この努力はしなければならぬわけでございまして、相違点は相違点として正確に把握することを通じまして、お互いに理解、そして認識を深めることが重要であると、このように考えております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 同じような質問を何度も繰り返しながらも、大臣のそうしたお答えが非常に確かなものであるということを確認する中で、安心しておるところであるわけでありますが、実は、これからますます国際社会の中の一員として我が国が歩んでいく際に、他国と切り離された歴史観などは存在しないことは明らかではないかというふうに思うわけであります。平時、戦時を問わず、各民族、各国民は、世界に共生し同じ時間を共有するものであります。その事実を把握し、お互いがお互いの、お互いの運命とどうかかわり合っているのかを探る、それが歴史を学ぶ根本的な目標となるべきです。  ならば、真理に一番近い答えは、歴史というものは決して各国別個のものではなく、世界じゅうすべての人々に共有されるものだということになるのではないかと思うわけであります。当然それは、過去の失敗を省みて未来を築くための糧にする、過去の克服こそが未来の創造につながるという、歴史をなぜ学ぶのかという姿勢とも相通じるところがあるわけでございます。  教科書検定基準にある、近隣諸国条項の追加、これ八二年に行われましたけれども、現象的には当時の対中関係等が起因となったことは事実として押さえなくてはなりません。ただし、歴史教育のあるべき姿からするならば、遅きに失したと猛省することこそが、国としての品格を満たす身の処し方となるというふうに考えているところであります。  ここからも、近隣諸国条項の規定や従軍慰安婦、強制連行にかかわる記述が、いわゆるマルクス主義等に基づく自虐史観などという、そういう論理が国際社会において成り立つ余地はないというふうに断ぜざるを得ないわけでありますけれども、この点について大臣の見解をお聞かせください。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 先ほどもお答えいたしましたけれども、学校教育におきましては、国民としての自覚を深めるとともに国際理解と国際協調の精神を培うことが重要であると、このように考えておりまして、中学校の学習指導要領の社会科、歴史的分野の目標におきましては、我が国における歴史に対する愛情を深めて、そして国民としての自覚を深めるとともに国際協調の精神を養うこととされているわけでございます。  教科書検定におきましては、昭和五十七年に、特に我が国と近隣アジア諸国との相互理解、相互協調を一層推進する上で、教科書の記述がより適切なものになりますように、近隣アジア諸国との国際理解と国際協調の見地に配慮する旨の新たな検定基準を設けたところでございます。  文部科学省といたしましては、このような学習指導要領や検定基準に基づきまして、適切に教科書の検定を行ってきているところでございます。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 ありがとうございます。  さきの大戦当時、強制連行あるいは従軍慰安婦という用語はなかった。だから教科書に載せなくてもよいとの立場は、歴史教育の何たるかについての無理解をあらわにするものではないかというふうに思うわけであります。  想起してみていただけたらと思いますが、批判精神を抹殺した上で皇国史観を刷り込ませた戦前の歴史教育の在り方というものが我が国を侵略戦争に駆り立てたということを。科学的検証を得てその事実、実態に適合する定義を成す、歴史教育の道理ではないでしょうか。この帰結に思いが至らないことは正に歴史への冒涜と言えます。  歴史教育における思考停止は未来に対する責任放棄であり罪である、罪ですらある。このことをお訴えをいたしまして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) ありがとうございました。  それでは、午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩といたします。    午後零時九分休憩      ─────・─────    午後一時十分開会

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

下田敦子民主党・新緑風会

○下田敦子君 委員の下田敦子でございます。よろしくお願いいたします。  先ほどに続きまして、歴史教科書の問題を含めながら、私、されば、じゃどうしたらいいのかというところからお尋ねをさせていただきたいと存じます。  今月の二日、四川省の成都、あの古い町でありますが、そこに始まった反日デモが週末ごとに展開されまして、先週、中国の首都北京まで来たかと思いきや、ついには国際都市の上海に飛び火をして、日本の公館、領事館等々がこの四月の十六日の段階で破壊され、三週連続の発生となりました。  この反日デモの要因と言われている、日本の国連安保常任理事国入りや、歴史教科書検定の反対の訴え、それから尖閣諸島の問題、東シナ海のガス田資源開発問題の要因の根底の一つにあるのではないかと報じられております。  このたびの反日行動をどう見るかは一様ではありません。考えられることは、アメリカにおいて九・一一テロ以降の米中の戦略的協調関係や、あるいは中国の高度経済成長の影にある貧富格差、あるいは依然としてある地方と都市の格差、中には共産主義の理想と現実のギャップがここに来て出ているのではないかと、そうも言われております。国家としての求心力を高めるための愛国主義教育の発露であるという見方はありますし、また、私個人としては、今日までの急速な経済発展の中でのギャップ、そしてそれから出てくるところのおりがたまっていたのではないかなと、私はそう感じております。  さて、この委員会、委員の中で、先ほど委員長がお誕生日の話をされていたように聞こえましたけれども、大東亜戦争を知る人は数人ではないかなと、私はそういうふうに拝察しております。故田中角栄総理が日中国交再開を求めて中国を訪ねましたときにお会いされた周恩来首相の日本に対するあの処遇の仕方は、正に中国が生んだ高徳の賢人、いわゆる中国でいう大人であったなと今も感じております。この中国の大きさ、寛大なることへの敬意を、先日、機会がございまして、王毅駐日大使にもそう申し上げてしまうほどの、私、忘れ難い周恩来首相のあの面影を思い出しております。  今年は終戦六十年の年です。今度、七月七日、盧溝橋事件、八月の十五日、九月三日、終戦が二回あるとは、この間、有村議員がおっしゃっておられましたが、正にそのとおりで、抗日戦争勝利の日だそうです。それから九月の十八日は満州事変、これらの節目を迎えるに当たって、反日デモが広がらないように、私はただ祈るばかりであります。  そこでお伺いいたしますが、このたびの反日行動を通して、歴史教科書検定問題について文科省のお考えをお尋ねいたしたいと思います。先ほど那谷屋議員もおっしゃられましたので、また私は角度を変えて、今感じていることを含めて申し上げましたので、どうぞ重複されるところは省略されていただいて結構でございます。  あわせまして、日本政府も中国の市民、学生レベルと積極的な交流の場を持つべきと考えます。現時点では経済交流の急速な進展、例えば一万六千社に及ぶ中国への日本企業の進出などが目に付いて、精神的な交流が薄いように思われます。今まで文科省は、留学生の受入れを始め、文化、学術、科学交流、スポーツ交流等々、どのような内容で続けてこられたのか、お伺いいたします。この内容、お答えについては、ここ二、三年の中国とそれから欧米諸国との交流実績を比較して、その状況は多いのか少ないのか、これを例を挙げてお答えいただきたいと思います。  加えまして、日本の歴史教育及びその教科書は、おしなべて江戸時代までのページ数若しくは費やす授業時数は多いのですけれども、明治から今日まで、特に昭和の歴史教育が少ないという声が昨今聞かれます。  中国においては、私も訪ねたことがありますが、南京大虐殺遭遇同胞記念館、これが非常に来訪する方が多くて、これから、五億元といいますから、約日本円にして六十二億でありますが、これを掛けて拡張工事をするという予定を聞いております。  そこでお伺いいたしますが、例えば人的交流の拡大を図り、歴史共同研究を目指す必要があると考えますが、文科省のお考えはいかがでありますか、お尋ねをいたします。  一応そこまでお尋ねをしたいと思います。

玉井日出夫文部科学大臣官房長

○政府参考人(玉井日出夫君) 我が国と中国との教育、科学技術・学術、文化、スポーツ交流についてお答えを申し上げたいと思います。  積極的にこの関係の交流を進めておりまして、具体的には、例えば留学生で申し上げますと、平成十六年には七万七千人を超える留学生を中国から我が国に迎え入れているわけでございまして、また、我が国からは中国の方に一万二千名を超える留学生が派遣されているわけでございます。  ちょっと手元に欧米との比較ということがちょっとないんでございますけれども、留学生につきましてはアジアからの留学生が非常に多いということは御案内のとおりでございます。  それから、日本と中国との大学等の間でどのような交流がなされているかでございますが、これは平成十五年十月現在の数でいいますと、千九百九十二件の大学間交流協定が締結されておりまして、教育及び研究交流が積極的に行われているところでございます。  さらに、科学技術・学術の関係で申し上げますと、一九八〇年に締結されました日中科学技術協力協定に基づきまして、両国政府間で科学技術協力委員会を開催し、情報交換や科学技術協力促進のための議論を行っているところでございますし、また、文化につきましては、我が国の芸術団体の中国公演等に対する支援や、若手芸術家の派遣、招聘による研修などを行っております。  さらに、スポーツにつきましては、文部科学省が各競技団体に対して実施しておりますスポーツ国際交流状況調査によりますと、平成十五年度におきまして、中国から、例えば世界ソフトテニス選手権大会などに八百九十二人のスポーツ選手を受け入れておりますし、また我が国から、例えばアジアショートトラックスピードスケート選手権、こういう大会で八百四十五人のスポーツ選手を派遣しているところでございます。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 午前中の質疑でもお答えいたしましたが、明治維新にさかのぼる前から日本の置かれた状況というのをずっと考えますと、本当に大変なことだったんだろうと思うわけでございまして、よくぞ我々の先人たちは日本の独立を守ってくださったと。そういう意味では感謝を申し上げながら、この国が将来にわたって本当に平和で繁栄する国家であり続けるように我々もまた努めてまいらなきゃいけないと、こう思っていますが、その過程の一時期において、本当に行き過ぎたことによって近隣諸国に迷惑を掛けたと。このことは、痛切な反省とともに私たちは教訓として守っていくべきだと思うわけでございます。戦後、一億総ざんげという言葉がはやりましたけれども、正に日本人はみんなで反省したわけでございます。この気持ちを何とか中国や韓国の方々にも理解していただきたいと、こう思いますと同時に、また日本の検定制度というのは、御承知のように、これはもう民間の方々の創意工夫によって編集されたものであって、国定の教科書ではないんだということを御理解いただきたい。また、教科書の中につきましても、中身についても、深い反省の基調の中に記述があるんだということも、また中国や韓国の方々にも御理解をいただきたいと、このように考えているわけでございます。  検定のたびにこういったことが起こるということは、日本にとってもそうでございますが、日中あるいは日韓友好を進めていく上でも、しょっちゅう何かこの突っ掛かっていくような感じがあるわけでございまして、私どもは相互の理解を深めながら、やはり未来志向という観点に立って今後ともやっていくということをしっかり認識し合わなければならないと、このように考えておるところでございます。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 日本と中国の間の歴史の共同研究についてもお尋ねがございました。  両国の間で互いに歴史認識の問題について理解、認識を深めていくということは重要なことであるわけでございます。さきの日中外相会談でもそのことが話題になっておりますけれども、今後、外交ルートを通じて具体的な検討がなされるものと考えておりますけれども、文部科学省といたしましても、その際外務省によく協力をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 済みません、もう一つ。  近現代史の授業についての御質問があったことを忘れておりましたが、小学校の社会科では、政治の動きとかあるいは憲法などの学習と合わせまして百単位時間を当てることにしております。その中で、歴史の学習に六十時間程度、うち近現代史は二十時間ということで三分の一ですね。また、中学校の社会科でも百五単位時間を当てることにしておりますが、これも近現代史に三十五時間ということで大体三分の一ぐらいということで、一時本当に近現代史学んでない世代も多かったんじゃないかと思うんですけれども、最近はそういう反省の上に立って、随分近現代史に力を入れて授業が行われているというふうに聞いております。

下田敦子民主党・新緑風会

○下田敦子君 ありがとうございました。  大変私事で恐縮ですが、四歳のときに青森市の空襲があったり、それから金華山沖から来たB29の編隊があの古い四百年を有する、歴史を有する弘前の城下町の上空を飛んだり、大変、防空ずきんをかぶりながら逃げた、そういう思いがもう鮮明に、四歳、それから五歳のときにたしか終戦の玉音放送を幼稚園で聞いた記憶があります。  本当に戦争を知らない若い人が増えてきている中で、今日このような騒ぎが起きるということは、これは私どもの責任をこのレベルで終えてしまわなければ、若い人たちに、子供たちに気の毒だなという思いを、責任を何となく感じますが、やっぱり持たざる国の日本という中と、やはり一つの民族性といいましょうか、非常にいろいろな問題があってあの大東亜戦争に突入したと思いますが、一匹狂うと千匹狂うということを政治の力で抑えていかなければならないと思うんですが、困ったことに、デモ隊の中で日本人は戦争を美化しているということを言っているそうで、非常にこれは交流の不足が原因しているなということを私は報道を聞きながらつくづくそう思いました。  ただいまの御答弁の中で文化交流ということの回数のお答えがございましたけれども、ここ二、三年の間に、私は詳しい数字を分かりませんが、文化交流の回数が減っているやに伺いましたけれども、その事実は数字をもってお答えいただければ幸いであります。お願いいたします。

玉井日出夫文部科学大臣官房長

○政府参考人(玉井日出夫君) 文化交流で三つのジャンルで見てみますと、一つが文化庁主催の支援事業、文化芸術創造プランに基づく交流でございますが、十四年度が三十二件、十五年度二十四件、十六年度が十四件ということでございます。それから、新進芸術家海外留学制度ですと、十四年度が五人、十五年度三人、十六年度一人。それから、海外新進芸術家招聘事業でいいますと、十四年度が五人、十五年度は六人、十六年度は七人と、こちらの方は増えているわけでございまして、それぞれの事情によっての人数というふうに御理解をいただければと思います。

下田敦子民主党・新緑風会

○下田敦子君 いろいろな事情と背景がその年々にあると思いますが、でも十四年度のものが十六年度になってやや半減したというふうな今数字に解釈いたしましたけれども、やっぱりこういうこともひとつ心掛けて進めていかなきゃならないのではないかと。共通する文化を持っていて、なおかつまた歴史的にも非常に長い付き合いの隣国でありますので、何よりもやはりこれは考えて、心していかなければならない部分だろうと思っております。  それから、先ほど那谷屋議員の中にもありましたが、国ですのでそれぞれの暮らし方は一様でなくてそれが当然でありますが、自虐的な教育であるということだけは、これはやっぱりきちっと日本が理解してとどめていかなければ、こういう慰安婦だとか強制連行だとか、あえて言っているわけではなくて、私は小さいときに見せられた写真、あるいはいろいろな場面場面があります。今ここで申し上げるのははばかりますが、私は決して正しかったとは思えない、いろんなことがありました。  ですから、そういうことを考えたときに、これからにおいて、やはりドイツの戦後の被害国に対する道義的な謝罪だとか補償、それらのことを徹底していく必要も、御所管外ではありますけれども考えていく必要があるかなと。円借款が三兆円に及ぶということもありますけれども、何とか経済的なことばかりを優先させずに、この道義的態度、まずそれに伴うその行動、精神的な問題、これがやはり私どもは一番最初に前面に出していくべきだと思います。何とか若い世代にこのツケを残さないようにしていかなければならないと思います。  ついては、要望を申し上げます。今週末にインドネシアで開かれるアジア・アフリカ会議、バンドン会議ですが、これに出席される予定の小泉首相と胡錦濤国家主席の会談を望んでいるという報道がありますけれども、何とかこれをきちっと実現できるように、そして何とぞこの我が国の歴史教科書検定問題は、どういう我々の生活の国民の中でウエートを占めているものなのか、それを是非申し上げていただくようにお願いをしたいものだと、そう思います。大変膨らんでしまっている現実があるように思いますので、要望してこの問題は終わりたいと思います。  それから、この海外の問題にちなんで、次の問題、留学生交流の推進及び文部科学省におけるFTAの考え方についてお尋ねいたします。  昭和五十八年だったと思いますが、我が国の留学生の受入れの数が先進諸国に比べまして際立って少なかった状況があるように記憶しております。その当時の中曽根総理が留学生十万人作戦というのに大変フレッシュな印象を覚えたことがあります。  現在、それらの後の経緯として、この十万人作戦がどういう成果をもたらしているのか、これをお尋ねいたしたいと思います。  それから、現在、国費留学生と私費留学生の割合が一対九だと聞きますけれども、国費留学生は私費留学生の受入れの牽引力になってその役割を果たしているということをよく聞きますけれども、その確たる相関性が存在するのか、あるいは国費留学生と私費留学生の割合をもってお答えをいただきたいと思います。  それから、FTAの問題ですが、このところ、フィリピン始め東南アジアから、このFTA、いわゆる自由貿易協定でこれから後に若い労働者が入国するのが予想されると。しかし、私どものこういう教育に関する部門では、看護師及び介護福祉士等の就労を考えているということをヒアリングで伺いました。日本の養成課程に沿った就学も予想されるという現時点での基本的枠組みを伺いましたけれども、これに対する文科省としてのスタンスをお伺いしたいと思います。  以上です。

石川明文部科学省高等教育局長

○政府参考人(石川明君) ただいま先生から留学生受入れの状況、あるいはFTAに関連する我が国の教育体制の御質問がございました。  最初に、留学生の関係でございますけれども、ただいま先生からお話ございましたように、昭和五十八年に諸外国との友好関係の構築ですとか人材養成への貢献という観点から、留学生受入れ十万人計画といったようなものが策定されまして、これを踏まえて、私ども、留学生交流の推進に努めてきたわけでございます。その結果、平成十六年五月には我が国の大学等で学ぶ留学生の数は十一万七千三百人余りという状況になってございます。  そして、その内訳といたしましては、国費留学生が九千八百四人、約全体の八・四%でございますが、そして私費留学生は十万七千四百九十八人、約九一・六%という状況になってございます。そして、国費留学生につきましては、当初からもちろんその私費留学生を含めました留学生全体を増加さしていく牽引力というような要素も期待されておったわけでございまして、国費留学生も当初に比べますと数が伸びてきておりますし、それに伴って私費留学生そして全体の数がこのように順調に伸びてきたということと理解をいたしているところでございます。  それから、FTAの導入にといいますか、FTAの関係の検討で、外国人の方々が、看護師ですとかあるいは介護福祉士の方々、こういった資格を持っている方あるいは取ろうとされる方が今後入ってくるというような検討が進められているわけでございますけれども、今後そういった外国人の方々で日本の資格を取って働くというようなケースが認められるようなことも増えてくるというふうに予想されるところでございます。  そういった観点から、諸外国から留学生、もちろんでございますけれども、日本の教育機関で学び、必要な資格を取得した人が日本で活躍できるような、そういった条件を整えていくということも大変大切であるというふうに考えております。  そのような観点から、文部科学省におきましても、こうした人たちが資格取得等にふさわしい教育を受けることができますような、そういった条件整備をいたしますとともに、日本国内で活躍できるような工夫をするということが大変重要だと考えております。  そういった観点から、例えば就職相談ですとか、あるいは就職先の紹介等も含めまして就職支援体制の充実を図るなど、今後とも大学を始めとする教育機関の積極的な取組を促してまいりたいと、このように考えているところでございます。

下田敦子民主党・新緑風会

○下田敦子君 実は、私事ですけれども、開学の記念のためにフィリピンの元大統領、アキノ大統領を招聘申し上げまして記念講演をいただいたことがあります。で、終わりましてから雑談の中でおっしゃっておられたことは、フィリピンの外貨の第一収入は、やはり国外に出て行って、そして就労したことによる賃金を得て、そしてフィリピンの親元に送金をするというのが一番の外貨の収入になっているというお話を教えてくださいました。非常に驚きました。日本ではとてもそういうことは考え難いことでございましたので驚きましたが、私、マニラのそれぞれの養成大学校を見て回りましたけれども、非常に優秀です。一生懸命です。とても日本で想像するようなレベルではないと私は感じました。  それぞれ学校間格差はあるかもしれませんけれども、ただし向こうは英語圏に行くのが通常であると伺いました。アメリカであったり、カナダであったり、あるいはイギリス等々ですので、私はこういう受入れする側の環境の整え方が、日本語を勉強するとかも含めながら非常に難しいというか、ある程度ギャップが当初あるのかなという気もします。  基本的な枠組みの中では、日本に来てから、向こうの大学を終わっているわけですので、就労しながら研修をするという期間があるように思うんですけれども、このことに対して文科省は、当然連携をして相談をしていかなければならない点がたくさんあると思うんですが、何か具体的な素案をお持ちでしょうか、お尋ねをしたいと思います。

石川明文部科学省高等教育局長

○政府参考人(石川明君) ただいま先生から具体的な省庁連携のようなお話もあったわけでございますけれども、私が承知しておりますところでは、フィリピンとのこのFTAの関係の協定、人物交流を含む形で今協議中、検討中というふうに伺っております。  そういった意味で、フィリピンの方から例えば来られる方々が、どういった例えば労働形態あるいは学習形態で我が国の中で教育を受けられたりお仕事をされるようなことになるのか、今後そういった詳細な設計がなされるのではないかというふうに考えておりまして、そういった中身の詰まり具合、検討の状況等に応じまして、例えば厚生労働省等とも十分な相談連携を図ってまいりたいと、このように考えております。

下田敦子民主党・新緑風会

○下田敦子君 それでは、次のお尋ねに入りたいと思います。  恐れ入ります。私、個人的なお願いがあります。私どもは議員としてここの席に座らせていただいておりますので、その先生という呼称はおやめいただきたいと思います。ちょっと古い時代の感じかなという気もいたしておりますので、よろしくお願いします。  それでは、まず大臣にお尋ねを申し上げたいと思います。  国際熱核融合実験炉、いわゆるITERのことでございますが、先回の予算審査のときにもちょっとお尋ねをいたしましたが、副大臣の方からちょっと後でお届けいたしますというお話をいただいた掛かった経費、それらのことはつい昨日ちょうだいいたしましたので、大変ちょっと失礼なんでございますが、もう一度改めてお伺いをしたいと思います。  まず、ITERの我が国における研究スタートはいつにさかのぼるのか、で、何年費やしてきたのか、このものに費用がどれぐらい掛かっているか、これからのまた資金、予算計画はどれぐらい見込んでいるのかをまずお尋ねしたいと思います。

坂田東一文部科学省研究開発局長

○政府参考人(坂田東一君) ただいまの下田委員のお尋ねでございますけれども、ITERが始まったといいますか、ITERを始めようと確認されましたのは、一九八五年の当時のレーガン大統領、ゴルバチョフ書記長にさかのぼりますけれども、その後、日本あるいは欧州が入りまして具体的な活動、これは設計、概念設計の活動でございますけれども、これが始まりましたのは一九八八年の二月からでございます。この概念設計活動、それからその後のより詳しい工学設計活動、この全体を通じまして約十二年間掛かってございます。そして、二〇〇一年以降は具体的にITERの建設に向けまして関連するような準備活動が始められてまいりました。したがいまして、一九八八年から例えば今年度の予算まで含めますと、我が国が費やしましたITER関係の研究開発費は総額で約六百六十五億円でございます。  今後の問題でございますけれども、これは現時点では具体的にどのような形で予算を使うかは決まってはもちろんいないわけでございますけれども、ITERプロジェクト全体について申し上げますと、建設期間が十年、それからその後の運転期間が約二十年と見積もられておりまして、建設費とそれから運転経費、これ三十年、あるいはその後、若干廃炉の期間もございますが、全体で約一兆三千億円と見積もられているところでございます。  以上でございます。

下田敦子民主党・新緑風会

○下田敦子君 大変長い長い期間を要してきた。これもやはり持たざる国の我が国においてこういう研究も是非必要だなという思いはまず分かります。ただ、せんだって来いろいろな話合いがフランスと、あるいはEUの間で行われているやの報道がありますけれども、非常に問題が問題で話が先へ行かないと。いっときは日本は韓国の支持票を取り付けるために韓国の建設関係業者にその仕事をお願いすることを約束をしたというふうな報道もあって、大丈夫かなと、無理な交渉を重ねているんではないかなという思いもいたします。  その後もいろいろありますけれども、現在フランスのカダラッシュ、EUからの問題もいろいろ話し合われているようでありますが、まず大臣にお伺いいたしますけれども、七月のG8までの国際合意に達するよう議論を加速させているということもまたこれ報道されておりまして、何やら最終局面を迎えているような話が報道されています。  せんだって、たしか十二日だったと思いますが、EU欧州委員会のポトチュニック委員と会談されたというのが報道されておりました。その内容がどういうものであったのか。  また、私ども心配になりますことは、日本がホスト国になった場合のEUが負担するITERの建設予算を上回る工事費が予想されるとか、あるいは、しかも全体の二割をEUに発注して、職員の二割をEUが選定できるよう、など優遇措置を示したという報道もされております。されば、日本がホスト国になれなかった際のEUからの調達、いわゆる人事には、また建設費本体資金負担割合がどういうふうになっているのか、全く明示されているものがない中で何かお会いしたというお話で、それらにかかわる報道が先行しているような感じがいたしますので、この際にしっかりとよく理解できるように、直接大臣にお尋ねを申し上げたいと思います。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) まず、三月の二十七日の小泉・シラク日仏首脳会談では、ITER計画については一応の双方の納得がいく解決策を目指して協議を続けるということで意見が一致したと聞いているわけでございます。  また、今御指摘ありました四月の十二日、私とEUのポトチュニック委員との会談では、日欧がそれぞれの立場から率直な意見交換を行ったところでございまして、九月に日本が提案いたしました案に対しましてEUの方からもいろんな話があったわけでございまして、かなり双方の提案というのは近くなってきたなと、こんな感じを持ったわけでございまして、そういう意味で共通の理解に向かって集約しつつあるなというふうに感じたところでございまして、いつまでもこのサイト問題についてぐずぐずしているわけにはいきませんので、私の方から、七月のG8サミットまでにサイト問題につきましては六極による国際合意に到達することを目指すということを提案いたしました。このことについては意見が一致したところでございます。

下田敦子民主党・新緑風会

○下田敦子君 ありがとうございました。  まだ結論が出ない、これからだということだとは思いますが、今御答弁いただきましたように、六百六十五億、これは十七年度の予算額もたしか含んでのことだと思いますが、参考までに青森県が平成七年から使った経費が九億七千万に上ります。私は、ふと考えました、義務教育費、これぐらいあったらいろんなことを安心してやれるのになと、削減されないのになと、つくづくそう思いました。  ですから、これをどういうふうに解釈するかなのだと思いますけれども、ちょっと跳び跳ねた質問で恐縮ですが、これがフランスのカダラッシュに建設されたときに、我が国はエネルギー源としてまず考えられるのか、何か関係するいい利点があるのか、また、費用がこれほど掛かってきた、十二年間でありますけれども、費用対効果はどうなんだろうと、これをふと思っております。ちょっとお尋ねしたいと思います。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 六百六十億円というのは確かに巨額なお金だと、こう思うわけでございますが、このITER計画というのは究極のエネルギーと言われるわけでございまして、総額では一兆三千億円とも見込まれる中での六百六十億円、これは各国ともそれ相応に負担しているわけでございますが、この負担をすることによりましてこれまでずっと成果が上がってまいりまして、いよいよ実験炉を造ろうと、こういうことまで来たわけでございまして、そういう意味では非常に有効に使われたんだと、このように私は認識していたわけでございまして、このITER計画というのは核融合エネルギー実現のために必ず成功させなければならないプロジェクトであると、このように考えておりまして、我が国としては引き続き関係国と連携を図りながらITER計画の実現に向けて最大限努力するということを申し上げたいと思います。

下田敦子民主党・新緑風会

○下田敦子君 当初の予定から見ると、このITER計画はたしか二年遅れている状況に私は解釈しております。日本のJT60は、これは確かに五億度以上の実験記録を得ていますし、先般、私どもの委員会でも視察に上がらせていただきまして、最初のプラズマの実験完了が二〇一四年とされているわけで、この実験完了が二〇二三年とありますけれども、その目標値達成がいわゆるエネルギーとして使い物になるというのは何年と見込んでおられるのか。また二度伺いますけれども、そこまで掛かる費用をどれぐらいと考えておられるのかをお尋ねしたいと思います。

坂田東一文部科学省研究開発局長

○政府参考人(坂田東一君) 核融合エネルギーの実用化の時期のことについてまずお答え申し上げたいと思いますが、これは、今度ITERをつくりますけれども、これは実験炉という段階でございまして、その次には実際に発電する炉をつくらなければいけないということから、核融合エネルギーの本格的な実用化時期というのは今世紀の半ば以降ではないかという具合に大体見積もられております。したがって、今世紀半ばごろから今世紀の末にかけましては、核融合エネルギーによって実際に発電をするということについては相当程度の期待があるものと理解しております。  それから、実用化までにどれぐらいのお金が掛かるかというお尋ねでございました。  ITER、これは実験炉で、先ほど申し上げましたとおり、三十年余りのプロジェクト期間で約一兆三千億円、これは現在六極でつくろうとしておりますので、この六極でシェアをして、お互い負担をし合って、三十年余り約一兆三千億円掛けると、こういうことでございます。  次の発電炉、これにつきましては、これからITERの成果も見ながら、具体的に設計活動を進めていく中でその建設費あるいは運転費というものが見積もられていきますので、今の段階では正確な数字は分かりません。そういう意味では、今世紀半ばまでの実用化までに一体どれぐらいのお金が掛かるかということを今の段階で正確にはじくことは少し難しいという具合に思っております。

下田敦子民主党・新緑風会

○下田敦子君 ノーベル賞の受賞者の小柴昌俊先生はITERの誘致は危険で無駄だとおっしゃられました。これは青森県にいらしたときであります。それから、電力中央研究所名誉研究顧問の中村政雄氏も、ITER誘致は金が掛かり過ぎ、核融合から安全かつ経済的にエネルギーを取り出すのは難しい、交渉が長引けば日本の支出は更に増えるであろうということを、この方もまた青森においでになったときにそういう見解をコメントされました。  せんだって、参議院にグリーンピースのシニアアドバイザーのお立場にあるトム・クレメンツさんという方がおいでになりまして、ITERについてどういうお考えですかとお尋ねしたら、イーター・イズ・ドリームとおっしゃいました。ですから、ちょっとやっぱりそれぞれのお立場であるんだなと思いますけれども、大変私どもはこの長い期間と巨額な経費に不安を抱いているわけであります。  最後にこれお尋ねしますのは、例えばカダラッシュに、フランスのカダラッシュに建設されたときに、日本がホスト国になれなかった際でもお互いに痛み分けができるような、向こうに出掛けていって一緒にその物をつくろうというふうなことまでなっているようですが、そういうことが報道されていますけれども、だとするならば、これの恩恵にあずかるのはそういう業者なのかなと、あるいはまた研究家の皆さんが出掛けていくのかなという懸念というか、何となくの推測をするわけなんですけれども、そういう点で、もしできなかったという仮定にはなかなかお答えづらいかもしれませんけれども、報道されている内容もありますので、お伺いをしたいと思います。

坂田東一文部科学省研究開発局長

○政府参考人(坂田東一君) 今、下田委員から、小柴先生の件でありますとか、たしか中村さんのお話がございました。  ITERは、確かに三十年余りで一兆三千億円、建設費だけであれば五千億円でございますけれども、お金が掛かることは確かでございます。したがいまして、ITERの問題については様々な意見があること、これまた承知をしております。  しかし一方で、先ほど大臣も御答弁いたしましたとおり、この核融合が実用化いたしますと、その燃料といいますか、原料が海水中から取れるという意味で、計り知れないエネルギー供給という面で人類に対する福音がもたらされるというものと考えております。そういう意味で、この核融合エネルギーについては非常に大きな人類に対する可能性がございますので、だからこそ六か国、最も核融合の技術の進んだ六か国が協力してこれをつくろうということになっているわけでございます。  サイトの問題は、確かに私どもは六ケ所村への誘致を目指して努力をしていきたいと思っておりますけれども、欧州側は逆に欧州サイトということでございますので、いずれにいたしましても、このITERが実現いたしますと、これは人類にとりまして大変大事でございますので、私どもはその一点に最大の努力を傾けて是非ともこれを実現したいと、国際協力によって実現したいと、そのように考えております。

下田敦子民主党・新緑風会

○下田敦子君 ありがとうございました。  それでは、核燃の話が出ましたので、大臣に、ちょっとこれは御無礼なお尋ねかもしれませんが、今青森県において論議を醸しておりますので、御意見を、サジェスチョンしていただきたいと思います。  何なのかと申しますと、先般、文科省においても、地域医療等社会的ニーズに対応した医療人の養成、育成についてのお話が、政策がございました。これに関連いたしますので、お尋ねをいたします。  文部省時代に、医師過剰時代に入ったということから、国公私立を問わず医学部学生の定員を削減したことがあります。量から質へという医療人の養成をシフトさせなければならない必要性は分かるのでありますが、現在、医師不足の課題を抱えている自治体もございます。山間へき地、それらを抱えている東北なども多い方だと思いますが、非常に医師不足で、それを解消するべく、青森県では、実は原燃の会社から核燃マネーを利用しての医師養成に入りました。実は県の市町村長会が、これは今年に入ってからでありますが、電気事業連合会に医師確保対策事業のための資金援助を正式に要請しております。  しかしながら、電力業界に資金援助を求めることに対しましては県民からの疑問や批判の声も出ており、残念ながら我が国はフィランソロピー的な視点がありません。薄いと思います。ですから、学業支援活動が余り盛んでない我が国は、考えさせられる問題でありますけれども、これに対する大臣の個人的な御意見でよろしゅうございますから、お教えをいただきたいと思います。  それから、実は先般、私どもの予算委員会で本委員会理事の鈴木委員より示されました、我が国の高等教育の家計費負担割合、これが二〇〇一年度のデータに沿って説明されました。ここにこの原本があるわけなんですけれども、実はこのデータによりますと、世界第二位で五六・九%と、韓国に次いで非常に家計の中で教育費を割り出す割合が非常に高い国だと、我が国は。ですから、保護者、親御さんの負担というものは並々ならないものがあります。  私も個人的な悩みですが、四十年間、教育の機会均等ということで悩んでまいりました。負担する側の、私学というものにおいて大変つらい面がありまして、悩んでまいりましたが、実は鈴木委員によりますと、ちなみにイギリスでは一七・三%、フランスでは一〇・三%、ドイツでは四・〇%、フィンランドは三・五、デンマークが二・二、スウェーデンがゼロ、自己負担だそうです。私の知る限りでも、ニュージーランドやノルウェーは公の負担があって個人負担が日本に比べて極めて低い国であるということが承知しておりますので、知的財産を資源とする知的立国の日本において最も急いで将来のために解決していかなければならない問題の一つは、この教育費の問題であると考えます。  鈴木委員のお言葉を拝借しますと、「コンクリートから人づくりへ」という、声を大にして申し上げたいと思いますが、特に青森県は所得率が低いのでこういう企業に頼らざるを得ないということも分からないではないんですけれども、非常に県内で今論議を醸しておりますので、こういうフィランソロピーがあってもいいのかもしれませんけれども、那辺にこの辺の問題を解決していったらいいか、ちょっと大臣の個人的な御意見で結構でございますので、お伺いしたいと思います。  以上です。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 青森県、私は宮崎県、似たような状況だなということを思いながらお話をお伺いしておったところでございます。へき地におきます医師不足というのはどこも同じでございまして、いかに医師を確保していくかということで各県とも非常に苦労しておるところでございます。  そういった中で、私も宮崎にも言ったんですけれども、もう少しこの枠を、県内出身者の枠というのを、これ地域枠というんですかね、増やしたらどうかというふうなこともちょっと話したことがございますが、こういうことも一つの対応策かなと、こう思いますし、また、この地域枠にプラスしまして、卒業した後、県内のへき地で働いてもいいよという医学部の学生に対しては地方公共団体が独自に奨学金制度を設けることも、これは地方における医師確保を図る上で大変有意義な取組であると、私はこう考えているわけでございまして、また、この奨学金制度を設けるに当たりまして地方公共団体が関係団体に協力を仰ぐということも考えられるわけでございます。  今、原燃、日本原燃の話がありましたけれども、これはどういうふうなことになっているのか承知しておりませんが、こういったところがない県からしますと大変うらやましい話でもあるわけでございますが、しかしいずれにしましても、地方公共団体がどういう団体に協力を仰ぐかということは、これは地方公共団体あるいは関係団体が適切にこれは判断すべき問題であろうと、このように思っているわけでございますが。  最後に言われました、本当に金が掛かると、家計の持ち出しが多いということにつきましては、これはもう諸外国の例と比較しても本当にそのとおりだと、こう思うわけでございます。もちろんいろいろと、私学が多いとか、あるいはそんな話もありますが、パーセントとして日本の家計の支出が多いということはこれはもう共通認識として我々は持つべきではないかと。これに対してどのように対処していくかということもこれからの問題であると、このように認識しているところでございます。

下田敦子民主党・新緑風会

○下田敦子君 どうもありがとうございました。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。  私は今日、教科書問題で質問させていただきます。  四月五日の教科書検定を契機にしまして中国や韓国などから日本政府に厳しい批判の声があり、また反日デモが起こっています。私どもはどんな主義主張でも暴力に訴えるべきではない、これは我が党の立場でございます。同時に、ここにはやっぱり日本政府や責任ある政治家の歴史認識、さきの侵略戦争に対する認識が問われているというふうに思います。  そこで、幾つか大臣にお聞きしたいと思います。  検定合格となりました扶桑社の歴史教科書ですけれども、これがそうでございますけれども、一々めくると時間がございませんので、この百七十八ページには、「世界大戦の時代と日本」との章の中で、日本は大東亜戦争(太平洋戦争)に敗れましたとあります。また、二百四ページの中には、日本は米英に布告し、この戦争は自存自衛のための戦争であると宣言した、日本政府はこの戦争を大東亜戦争と命名したとあります。  ここで、私は大臣にお聞きしたいと思います。この教科書にありますように太平洋戦争は自存自衛の大東亜戦争だったと思われるか、それとも侵略戦争だったという御認識なのか、大臣はどちらでしょうか。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 政府の考え方というのは一九九五年の八月十五日の村山内閣総理大臣談話を基本としておりまして、我が国が過去の一時期に植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた事実を謙虚に受け止め、これらに対する深い反省とおわびの気持ちに立って世界の平和と繁栄に向かって力を尽くしていくというものでございまして、政府の一員である私といたしましても、このような考え方を踏まえまして、関係諸国との信頼関係を一層強化していくとともに、責任ある国際社会の一員として国際協調を推進し、それを通して平和の理念と民主主義を推進していきたいと、このように考えております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 では、大臣の御認識は自存自衛の戦争ではないという御認識なんですね。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) ただいま説明したとおりでございます。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 つまり、自存自衛の戦争ではないという御認識だということです。  そこで、そういうふうに、そういう御認識でありましたら、検定基準、教科書検定基準には幾度とも出ています近隣諸国条項、近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事情の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていることということがございます。  では、なぜこの扶桑社の教科書に対してこういう条項を使って検定意見を付けなかったのでしょうか。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 歴史教科書の検定におきましては、学習指導要領の範囲内で具体的にどのような歴史的事象を取り上げ、それにどのように記述するか、これは民間の執筆者にゆだねられているところでございます。このため、検定におきましては、申請図書の内容に明らかな誤りや著しくバランスを欠いた記述などがある場合に検定意見を付して記述の修正を求めているところでございます。  今回、検定申請されました扶桑社の歴史教科書の申請図書については、歴史的事情について一面的な記述になっている箇所など、検定基準に照らしまして問題のある記述について全体で百二十四か所の検定意見を付しまして、それに従って修正が行われて、教科用図書検定調査審議会の審議を経て合格とされたものでございます。当初の申請図書では問題があるとされた記述については修正がなされておりまして、適切に検定が行われたものと、このように考えております。  なお、検定は、近隣諸国条項を含む検定基準のすべての条項に照らして実施するものでございまして、今回の検定におきましても近隣諸国条項を含むすべての条項に照らして実施したところでございます。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 この問題は大変問われていることが重大だというふうに思います。侵略戦争だったのか否か、ここが本当に重大な問題だということを申し上げたいと思うんです。  それで、もう一つ、視点を変えてお聞きしたいと思います。  この扶桑社の教科書には、二百七ページには、日本軍は、長い間アジア各国を植民地として支配していた西欧の勢力を追い払い、とても白人には勝てないとあきらめていたアジアの民族に驚異の感動と自信とを与えてくれましたとあります。こうした記述などに関連しまして、シンガポールの新聞には、扶桑社の教科書は戦争の目的は欧米諸国の抑圧からアジア人民を解放することだったと描いているという指摘もございます。  ここで、改めてお聞きします。この戦争というのはアジアの解放の戦争だったのか、それとも侵略戦争だったのか、ここはいかがですか。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 私の歴史認識につきましては午前中も申し上げましたが、明治維新にさかのぼるペリーの来航に始まると、こう思うわけでございまして、植民地主義の正に真っただ中に日本はほうり込まれまして、我々の先人がいかに苦労しながら日本の独立を守ってきたか、これは私は本当に学ぶべきであり、また先人の努力に対して私は感謝すべきであると、そのことをまた我々の後世にも伝えていくべきだと、このように考えていますけれども、その過程におきまして行き過ぎといいますか、があったということもこれは事実でございまして、そういった中で、近隣諸国、とりわけアジアの方々に耐え難い苦痛、損害を与えたということはこれは紛れもない事実であると。このことはしっかり私たちは踏まえた上で、未来志向という観点から国際協調ということで私たちはやっていかにゃいかぬと、このように考えているところでございます。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 アジアの諸国に多大な損害と苦痛を与えたと。もう一度聞きます。そこまでおっしゃるのであれば、なぜ、この近隣諸国条項を、わざわざこれは後から付記されたものでございます。これも歴史の教訓でした。こういう条項があるのにもかかわらず、この条項を使って検定意見を付けなかったのですか。いかがですか。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 近隣諸国条項の以前から、やはり近隣諸国に配慮しながらこれはもう教科書はつくられるべきであるという、そういう立場は変わっていないと思うわけでございます。  先ほどから申し上げておりますように、どのように記述しろということは言えない立場でございます。先ほど申し上げましたように、この学習指導要領その他、ある基準に合っている限りはこれは通っていくと、これが私は日本の教科書の検定制度であると、このように考えているところでございます。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 それでは、私お聞きしたいと思うんですけれども、こうした歴史の真実といいますか、これを歴史教育の中できちんと教えていくということについては大臣はどのように御認識されているのですか。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 歴史の真実が一つなのか幾つなのか分かりませんが、やはり私どもは、歴史の事実にはしっかりと向き合って、そして、その良かった点、悪かった点、光と影ということもございますが、そういったことはきちっと子供たちに伝えていくべきであると。午前中も申し上げましたが、あの戦争が終わったとき、私たちは本当に一億総ざんげということで、本当に悪かったと、みんなでそう思ったわけでございますから、そのときの気持ちは忘れずにこれからも伝えていかなければならないと、このように考えております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 その一億総ざんげ、その気持ちを伝えていかなければならないと、そういうふうにおっしゃっているのにもかかわらず、どうしてこういう教科書を検定合格させたのか、私にはとても理解ができないんですね。  光と影とかおっしゃいます。真実は幾つあるかもしれないとおっしゃいます。大臣、真実は一つですよ。  私は、もう一つ、同時に大臣は、四月五日に出された談話の中で、先ほどおっしゃいました、その一九九五年の総理大臣の談話を引用されて、「我が国の植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた事実を謙虚に受け止め」と、「事実を謙虚に受け止め」というふうに、わざわざ大臣も五日の談話で紹介をされています。  そうであるならば、私は、歴史教育の中でこうした侵略の戦争の事実の部分を、これはやっぱりきちっと教えていくというのが本来の事実を謙虚に受け止めるということではないのですか。どうですか。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 私は本当に一番謙虚に受け止めているんじゃないかと、このように思うわけですけれども、日本は民主主義の国でございます。いろんな考え方、主張があることも当然でございまして、私どもは、先ほどから申し上げていますように、学習指導要領、そして検定基準の中で記述されたものであれば、それはオーケーとなるのが日本の検定制度であるということは、これはもう外国の方々にも御理解いただこうとしているわけでございますから、是非日本の方々はその以前に御理解いただきたいなと思っております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 なかなか私は大臣の認識は理解はできません。  次に質問を進めていきたいと思います。  先ほど従軍慰安婦の問題もございました。この従軍慰安婦の問題も、一九九三年の官房長官の談話にも、「われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。」というふうにございます。そうであるならば、そういうのがございます。しかし、今回こういう記述をした教科書というのはほとんどないんですね。その点で、従軍慰安婦についても歴史教育の中で取り上げていくということは大切だと思うんですけれども、それは大臣はいかがですか。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 先ほどから何回も申し上げておりますが、慰安婦についても同様でございまして、検定で学習指導要領に明記されていない事項について教科書に記述するように求めることはできないと思っております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 それでは歴史の真実から目を背けるということに私はなると思います。先ほどから紹介している談話には、歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していく、こういう談話がございます。こういう立場に立っているというのであれば、やっぱりここきっちりと見ていく、そういう必要があるというふうに私は思うんですね。  そういう点からいくと、私はやっぱり政府・文部科学省の立場や大臣の立場というのは極めて矛盾していると、言い難いというふうに思います。  それでは、次の問題に行きたいと思うんですけれども、こうした扶桑社の教科書が先ほども出ていました。申請本がいわゆる検定になる、検定になる前ですね、申請の段階で流出が起きたということが明らかになっています。文部科学省も三回も指導をされたということを明らかにされていました。  ここで私はお聞きしたいと思います。こういう申請本が全国のどれだけの都道府県で何冊、どういった方々に対して貸与されて、閲覧させていたのか。そして、都道府県ごとに何冊、何人か、教育委員会はどこに渡ったのか、この数字をお示しいただけるでしょうか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 今回の教科書検定において、検定決定前に扶桑社の申請図書が流出したことは極めて遺憾であり、扶桑社に対しては、三回にわたり申請図書の管理の徹底について厳しく指導してきたところでございます。  三回の指導により把握をしている申請図書の流出の状況は次のとおりでございます。  申請図書の流出の中で、まず貸与でございますけれども、これが全体で四十九冊でございます。それから、閲覧をさせたというのが二十一冊、合計で七十冊というふうに把握をいたしております。  それから、県の数といたしましては、貸与、閲覧合わせまして十九都府県であるというふうに報告を受けております。  なお、県ごとに何冊をだれに対して行ったかということについては、十分把握できていないところでございます。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 私は、県ごとにだれに何冊送ったかということが把握できていなくて三回も指導したということに入るのかというふうに思うんですね。  そこで、改めてお聞きしたいと思いますけれども、そうして流出された申請本というのは現在すべて回収されているのでしょうか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 扶桑社が現場の教員等に貸与した申請図書につきましては、扶桑社の報告によりますと、全部で四十九冊貸与したうち四十四冊は回収をしたものの、残り五冊が回収はされていなかったと、そういう報告でございます。  なお、閲覧の図書は、閲覧でございますから当然その場で回収をされているというふうに理解をいたしております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 四十九冊のうち四十四冊回収ですから、回収できていないものがあるということですよね。どんどん、言わばコピーされたりどういう形態になるか分かりませんけれども、どんどん広がっていくということは考えられるわけですよね。元々申請本というのを流出を厳しく規制したという経緯があったと思うんです。この経緯というのはどういう経緯だったでしょうか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 申請図書の取扱いにつきましては、検定決定以前に申請図書の内容が公になれば、それにより不公正な宣伝や誹謗中傷等が行われ検定採択に予断を与えるおそれがあることから、従来から各発行者の責任において厳重に管理するようお願いをしてきたところでございます。  その後、平成十二年度検定以降の新しい学習指導要領に基づく教科書の検定採択の結果等を踏まえまして、教科用図書検定調査審議会において教科書制度の改善について審議する中で、静ひつな審査環境の確保という観点から検討が行われました。  同審議会の「教科書制度の改善について(検討のまとめ)」におきまして、「検定審査中に、申請図書、検定意見、修正表等に関する情報が外部に漏出した場合、本審議会における中立、公正で円滑な審査に支障を生ずるおそれがある。このため、表現の自由などに留意しつつ、静ひつな審査環境を確保するため、申請者に対し、検定決定が行われるまでは審査中の申請図書等に関する情報を外部に漏出しないよう改めて求めるなどの方策を講ずることが必要である。」旨提言されたことを受けまして、平成十四年の十月一日、教科用図書検定規則実施細則を改正をし、申請図書の適切な管理に関する規定を設けたものでございます。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 その前回の話でいきますと、前回流出さしたというのは、今回も流出さしている扶桑社も、前回もそうですよね。これは確認です。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 平成十二年度の検定におきまして、検定中に特定の申請図書の内容が公にされるという不適切な取扱いが指摘をされております。ただ、だれがそういう公にしたかということについては十分分かっていない点がございまして、流出をしたということは事実でございますけれども。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 流出をしたということは事実であると。そういうことを教訓にして厳しい規制をしてきたわけですよね。それでもなおもかかわらず今回も申請本が流出されているということは、全くルールが守られていないということです。  こういうルールも守られてなくて、そういう、しかも内容も問題があるというそういう歴史教科書に対しまして、何のペナルティーも科さないでそれでこの検定合格さしていくというのは、正に重大な問題だというふうに私は思います。ここはきっぱりとこの検定の合格、不合格にすべきだと思いますけれども、いかがですか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 今回、私どもが扶桑社の申請図書の流出につきまして、最初の指導を行いましたのが昨年の十月二十七日でございます。次に指導を行いましたのが本年の一月二十五日でございます。  これらの時点におきましては、流出をしたことによりまして、教科用図書検定調査審議会の静ひつな審議環境が特にそれが保てないという状況ではなかったわけでございます。したがいまして、今回は教科書検定は静ひつな環境の中でその間行われてきたという状況にございましたので、特にペナルティー等は科してはいないと。もちろん、申請図書の管理の徹底を指導し、扶桑社からは陳謝していただいているところでございます。

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) ありがとうございました。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 最後に。

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) もう時間ですから、いいですか。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 まとめでいいですか。

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) ええ。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 済みません。ありがとうございます。  いや、もうルールも無視をしてという点では、私は納得はできません。  いずれにしましても、こういう侵略戦争の歴史の真実を教えないで、将来日本を背負う子供たちが本当に平和の大切さを学び、アジアとの平和との関係を結べるということはできないというふうに思います。  こういう観点から、こういう教科書を検定合格にさしていく文部省、文部科学大臣の責任は重大であるということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 公明党の浮島とも子でございます。よろしくお願いいたします。  本日は、教育現場における薬物乱用対策についてお伺いしたいと思います。  まず初めに、今回の質問に関連して、近年大きな問題となっている脱法ドラッグについて厚生労働省にお伺いしたいと思います。  麻薬及び向精神薬取締法で規制されている薬物は化学構造式によって特定されておりますけれども、最近特に若者の間に出回っているいわゆるデザイナーズドラッグ、脱法ドラッグは、違法とされる薬物の一部を別の物質に置き換え、化学構造の一部を変えることで法の網をすり抜けようとする薬物です。こうした脱法ドラッグは価格が安く、インターネットなどで簡単に入手できることから、青少年の間に容易に流通しやすいとのことで非常に問題となっております。  この脱法ドラッグについて、現在どのような対策が講じられているのかをまずお伺いしたいと思います。

黒川達夫厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(黒川達夫君) お答え申し上げます。  いわゆる脱法ドラッグについては、買上げ調査やインターネットでの監視を行い、人体の構造、機能に影響を与えることを目的として販売されているものについては薬事法の無承認無許可医薬品の販売や広告に該当する、こういうことから薬事法に基づく販売中止等の指導を行っておりますところでございます。  また、科学的なデータに基づき有害性などが確認されましたものは逐次麻薬に指定しており、本年においても新たに二物質を麻薬に追加し、四月十七日から規制を行ったところでございます。また、平成十七年度予算において、新たに麻薬指定の根拠となる科学的データに乏しい脱法ドラッグについて依存性、精神毒性に関する試験を実施するための経費を確保し、速やかな麻薬指定を行えるよう努めているところでございます。  しかしながら、脱法ドラッグについては、最近、研究用試薬やビデオクリーナー等と称しまして、人体への摂取目的以外の用途を標榜して販売しているものが多くなっていることから、本年二月に、このようなものであっても人体の構造、機能に影響を与えることを目的として販売されている場合は薬事法による取締りを行うよう都道府県等に通知し、脱法ドラッグの監視、指導の強化を図っているところでございます。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 ありがとうございます。  この脱法ドラッグ対策につきましては、国会でも何度か質疑がされております。政府から前向きな御答弁はいただいておりますけれども、具体的な対策として明確に何をどうするといった抜本的な対策については御答弁をいただいておりません。麻薬取締りという非常に強力な力の行使について慎重に検討することは大事なことですけれども、その間にも麻薬にむしばまれる青少年が増えていることは改めて確認していくことだと思います。  厚生労働省は、脱法ドラッグ対策について検討会を設置して検討を進められており、十月には提言を取りまとめる予定とお伺いしております。この検討会で対策が種々検討されるかと思いますけれども、現在の段階でどのような対策を検討する御予定なのか。また、具体的な対策案、また検討課題について御説明いただきたいと思います。  特にこの脱法ドラッグは、次から次へと新種が作られ、麻薬として指定するためのテストを行っている間に新種が製造され、結果として規制が追い付かないと言われております。この脱法ドラッグについては、類似のものをまとめて全体的に規制の網を掛けるような対策が必要であると思いますけれども、このような規制方法などは検討会においてお考えになっておられるのでしょうか。

黒川達夫厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(黒川達夫君) お答え申し上げます。  先生御指摘の検討会でございますけれども、今後の脱法ドラッグ対策について検討するために、本年二月に、専門家から成ります脱法ドラッグ対策のあり方に関する検討会を設置いたしまして、脱法ドラッグ対策について幅広く御検討をいただいているところでございます。  具体的には、脱法ドラッグの範囲、規制方法、規制するための科学的根拠とその収集、評価の方法、対策の在り方などについて御検討をいただくこととしております。同検討会においては、本年十月を目途に提言をまとめていただくこととしておりまして、こうした御提言等を踏まえて脱法ドラッグ対策を積極的に進めていく所存でございます。  また、先生御指摘の類似のもの、次から次に現れる脱法ドラッグの迅速な規制についてのお話でございますけれども、規制を行うに当たりましては、科学的なデータに基づき、個々の物質ごとに有害性が確認されたものについて逐次規制の対象とすることが基本と考えておりますところですが、御指摘のような類似の構造式によって包括的な規制を行うことの是非、これにつきましても本検討会で議論をしていただく予定としております。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 ありがとうございます。  この脱法ドラッグは今も次々と生み出されて、容易に子供たちの手の届くところにはんらんし続けております。しかも、脱法ドラッグの中にはもととなった薬物よりもはるかに危険性が高いものもあると言われております。このため、できることなら検討会の十月という提言の取りまとめのスケジュールを前倒しする、またできる対策は検討会の最終提言を待たずに実施していくという努力も必要なのではないでしょうか。さらに、検討会の提言がなされたなら、法令改正や必要な政策の実施を通して提言の内容を速やかに実施していくべきと考えますが、このようなことを含めまして、脱法ドラッグ対策への厚生労働省の御決意をお伺いしたいと思います。

黒川達夫厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(黒川達夫君) まず、厚生労働省といたしましては、今後、脱法ドラッグ対策のあり方に関する検討会の提言などを踏まえまして、可能なものから順次施策に反映させ、脱法ドラッグに対する規制の強化と青少年に対する啓発等に積極的に取り組む所存でございます。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 是非とも積極的な取組をお願いいたします。  厚生労働省の方は終わりますので、ありがとうございました。  続きまして、本題の学校教育現場での薬物乱用防止教育についてお伺いしたいと思います。  学校教育現場での薬物対策としては薬物乱用防止教室の実施が平成十年五月に決定された薬物乱用防止五か年戦略、また平成十五年七月に定められました薬物乱用防止新五か年戦略で目標と掲げられております。この戦略では、小学校については地域の状況に合わせて行い、中学、高校ではすべての学校で年に一回この薬物乱用防止教室を行うという目標となっております。しかし、その実施状況は、小学校では二割強、中学校では五割強、高校では六割強に止まっております。五か年戦略が定められてから約六年が経過いたしますけれども、これでは取組として不十分ではないかと思われます。  実際、青少年の意識はどうなっているのかを平成十四年に行われた薬物に対する意識調査で見てみますと、その中の薬物使用についてどう考えるかという質問がございますけれども、その回答結果では、「他人に迷惑をかけていないので、使うかどうかは個人の自由である」という回答が年齢が上がるごとに増えているという結果が出ております。このような意識を青少年に持たせないために、義務教育の段階での薬物乱用防止教室の実施を更に推進していく必要があると思います。  新五か年戦略の最終年度が平成二十年度です。この年度までにどのようにして中学校、高校での完全実施を実現していくのか、この推進のために目標設定をするなど具体的な取組についてどのようにお考えでしょうか。また、新五か年戦略では、薬物に効果的に取り組むためには地域における薬物乱用防止に関する指導の充実も目標として掲げられております。学校と保護者、保健所、警察が協力して地域ぐるみで薬物乱用防止教育を進めていくべきではないかと思いますけれども、どのようにお考えでしょうか。薬物乱用防止教室の実施状況、そして今後の取組について、以上の点を踏まえて御答弁をお願いいたします。

素川富司文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。  今先生御指摘ございましたように、平成十五年の七月に策定されました薬物乱用防止新五か年戦略、この前の五か年戦略もそうでございますけれども、中、高校生を中心に薬物乱用の危険性の啓発を継続して行うということが盛り込まれているところでございまして、今御指摘いただきましたように、新五か年戦略の中には、すべての中学校、高等学校において年一回はと、薬物乱用防止教室の開設に努めるように指導するということでございますが、御紹介いただきましたように、平成十五年度の薬物乱用防止教室の開催状況、中学校では五三・四%、高等学校では六一・八%ということで、すべての中学校でというような、高等学校でという目標についてはまだ達成できていないところでございます。  薬物乱用防止教室につきましては、警察官、麻薬取締官や学校薬剤師等その地域の専門家の協力を得て言わば地域ぐるみで実施するということが大事かと思っております。このような外部講師を、適切な外部講師を確保し、各学校において講習会を、各学校におきまして薬物乱用防止教室を行っていただくことが重要であるわけでございますけれども、私どもといたしましては、この都道府県教育委員会がこの外部講師に対する講習会を行うことができますような財政支援というものを行っているところであるわけでございます。これにつきましては今後も継続したいと思っているわけでございますけれども、こういうことを通じまして適切な外部講師を確保し、各学校においてこの新五か年戦略に盛り込まれましたすべての中学、高等学校において年一回は教室を開催するという目標を達成するべく各自治体等に対しまして指導してまいりたいと考えているところでございます。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 是非とも目標が達成できますよう、義務教育の段階での実施を強くお願い申し上げます。  次に、薬物乱用についての意識調査についてお伺いいたします。  文部科学省は、平成十四年十月に児童生徒覚せい剤等の薬物に対する意識調査を公表されております。その後、平成十五年七月に薬物乱用防止新五か年戦略が策定され、同戦略に基づいて関係省庁が取組を進めているところでございますけれども、新五か年戦略に基づく施策の効果を把握、検証し、より実効性のある対策を講じていくためにも、青少年の薬物に対する意識について徹底的な調査を通じて把握し、施策に反映させるべきではないかと考えますが、どのようにお考えでしょうか。もし、今後、意識調査を行う予定があるとしたら、その時期についても併せて御答弁願えればと思います。

素川富司文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。  私どもにおきましては、児童生徒の薬物乱用の危険性、有害性に関する認識等を把握するために、平成九年と十二年に児童生徒の薬物の認識の状況につきまして調査を行ったわけでございます。今御指摘いただきましたように、薬物乱用防止の新五か年戦略におきましてもその調査分析の重要性といいますか、それが指摘されているところでございます。  文部科学省におきましては、本年度、薬物に関する児童生徒の意識調査を行いまして、薬物の認識の定着度につきまして把握してまいりたいと考えているところでございます。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 最後に、中山大臣にお伺いいたします。  現在、我が国は、戦後三回目の覚せい剤乱用期が続いており、その中でも薬物乱用の低年齢化は深刻な問題となっております。違法な薬物の所持、使用は高校生や中学生のみならず、小学生までに及んでおります。この薬物乱用から子供を守るために、スピード感を持って薬物乱用防止教育の推進をお願いしたいと思います。こうした薬物乱用の実態についての御認識、そして薬物乱用防止教育の推進についての中山大臣の御決意をお伺いしたいと思います。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 近年の青少年のこの薬物乱用の問題、これは依然として予断を許さない状況にあるというふうに認識しておるわけでございまして、ただいま参考人からもお答えいたしましたけれども、いろんな教室を開いたり、あるいは意識調査を実施するというふうなことで取り組んでいるところでございますが、平成十四年度からは、この中学校、高等学校に加えまして、小学校の高学年におきまして、シンナー等の健康への影響について新たに学習指導要領に盛り込むなど、この薬物乱用防止に関する指導内容を充実したところでございまして、今後とも関係省庁と密接に連携協力しながら、学校におきます、特に低学年においても薬物乱用防止教育の推進には一層力を入れていかなければならないと、このように考えておるところでございます。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 ありがとうございました。  薬物乱用防止対策は児童生徒の健康を守るための緊急の課題と思います。また、そのためにも教育段階で地域社会と一体となった取組が必要かと思います。是非、今後とも対策を検討、推進して行い、スピーディーな対応で対応していただけますように、よろしくお願い申し上げます。  以上で私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

山下栄一公明党

○山下栄一君 じゃ、最初に、三月に既に質問させていただきましたけれども、もう一度確認の意味で、短時間ですけれども、質問させていただきたいと思います。それは、学校における生徒に対する行政処分の懲戒処分の件でございます。  三月にも申し上げましたけれども、特に学校教育法施行規則十三条三項に、特に退学処分、行政処分でございますけれども、退学処分の該当する要件の中に、「学力劣等で成業の見込がないと認められる者」という項目がございます。公立の小学校、中学校始め、学齢期の子供たち、公立については処分はできないことになっておりますが、私学はできるわけですけれども、私は、特に今意識しておりますのは高校生でございます。大学生もおりますが。この学力ということで退学処分をするということは、これはもう非常に教育観の根幹にかかわる、また人間をどうとらえるかということにかかわる大きな問題であるというように思います。  特に、高校はもう全入に匹敵する時代を迎えておりまして、この規定は昭和二十年代からある規定だと思いますが、学力観、教育観、人間観、大きな見直しを迫られている中で、学力が駄目だということで退学処分ができるということはどう考えてもちょっと分かりにくい。これは長らく続いてきたことで、いろいろ御検討を、私は、これをこのままで規定を継続していいのかどうかということの御検討を、教育行政所管の文部科学省、やっぱりこれはちょっと考えるべきではないかと。今すぐとは申しません。検討するに値する私はことではないかというふうに思いますので、これ三月にも質問したんですけれども、再度、尊敬する銭谷局長の、初中局長のお考えをもう一度お聞きしたいと思います。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 退学の処分の事由の一つである、「学力劣等で成業の見込がないと認められる者」という規定につきまして、先般、山下先生から御質問があったところでございます。  経緯をまず御説明を申し上げますと、御指摘の規定に関しましては主に高等学校や大学などに対して適用されるものでございまして、これらの学校のように、生徒が自らの意思によって入学をし、ある一定の課程を経て卒業することが求められる場合には、当該課程を修了するためにある程度の学力が必要になってくるわけでございます。このような学校においては、その教育目的に照らしまして、学校が十分な指導を行うにもかかわらず、学力が劣等で学習を継続する意欲が見えず当該課程を修了する見込みがない場合には、本規定のように校長が合理的な教育的判断によって退学処分を行うことができるようにしているものでございます。  もちろん、各学校におきましてはこのような処分に至らないよう、生徒等の学力向上のために十分な指導を尽くしており、このような学校側の努力にもかかわらずどうしてもやむを得ない場合に本規定に基づく退学処分を行うなど、慎重な運用をしているところでございます。結果としては、本規定を適用して懲戒として退学処分をする事例は少ない状態となっているわけでございます。  このように、本規定が適用される学校の教育目的から見て本規定の趣旨は妥当というふうに私どもは考えているわけでございますが、先生からいろいろな御指摘もいただいておりまして、今後、多様な観点からこの規定について検討はしていきたいというふうに思っております。

山下栄一公明党

○山下栄一君 この問題はまた引き続き、御意見をちょうだいしていきたいと思っております。  それで、もう一点、昭和三十年代に行政不服審査法という法律ができました。ただ、この学校における行政処分はこの行政不服審査法の適用除外になっております。今も続いていると思います。それは、その当時の背景があったと思いますけれども。  私は、やはり行政処分を受けて退学になった、停学になったと、学生、生徒が。これを救済手段、救済する手続として司法機関しかないというのはやっぱりどうかなというふうに思います。教育行政レベルでこの処分を受けた児童、児童ではないかな、生徒、学生、それから保護者も含めまして、不服をやっぱり申し立てる手続はそろそろ考える時期ではないかと。昭和三十年代の適用除外を、これも見直す時期ではないかなと思っておりますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 学校長が行う懲戒としての退学処分につきましては、行政不服審査法の第四条第一項第八号の規定によりまして、同法の不服申立ての対象となる処分から除外をされているわけでございます。それは、懲戒としての退学処分が、学校長が教育的な観点から行う高度に専門的、技術的な判断に基づく処分であるために、本法による不服申立てを認めるのが適当でないこととされているためでございます。  学校長が懲戒としての退学処分を実施するに当たりましては、特段の手続上の規定はないものの、当該生徒の心身の発達に応ずる等教育上必要な配慮をしなければならないこととされております。このため、各学校におきましては、退学処分が生徒等の身分にかかわる重大な措置であることにかんがみまして、当該生徒又は保護者から事情や意見を聴取するなど、生徒等の個々の状況を総合的に十分留意して、特に慎重な配慮の下で実施をしているものと承知をいたしております。  このように、懲戒としての退学処分につきましては、学校長が教育的見地から高度に専門的、技術的な判断の下に行うものであるために行政不服審査法上の不服申立ての対象からは除外をされているわけでございますが、今申し上げましたように、学校長が処分を行う際には当該生徒等から意見の聴取の機会を設けるなど、十分な配慮が必要であるというふうに考えております。

山下栄一公明党

○山下栄一君 教育を施す側、特に公的機関における教育ですけれども、施す側と受ける側、信頼関係の中で行われるのが本来の在り方だと思いますけれども、その中で、やはり先生にもいろいろな先生いらっしゃいますし、校長にもいろんな校長いらっしゃる、もちろん本来立派な方だとは思いますけれども、いろんなかかわりの中で信頼感が損なわれた場合に、客観的な理性的な判断で行政処分が行われるとは限らない場合もある可能性もあると。  その中で、やはり救済手続が司法機関しかないというのはどうなのかなと。特別権力関係の下でこういう規定ができたと思いますけれども、何のために学校はあるのかという。それはやっぱり生徒、学生のためだというのが基本理念でなきゃならないと、こういうふうに考えましたときに、この行政処分、行政不服審査の教育行政レベルにおける不服審査手続、そろそろ考えた方がいいのではないかということを意見として申し上げたいと思います。  時間が、残された時間で、高校改革につきまして、高校の活性化といいますか、ちょっと御意見をちょうだいしたいと思います。  義務教育が終わりました、義務教育が終わった後、十五歳から、特にまあ二十歳未満ということを私は特に意識があるんですけれども、この一番自立する、十四歳ぐらいからかも分かりませんが、非常にこれは難しい、だれびともそこをくぐり抜けて自立していくわけですけれども、この段階の教育というのは非常に難しいと私は思いますが。ほとんど高校に行くという、義務教育終わった後の教育機関って一体何かと。それがほとんど高校になって、高校という言葉でくくられる、学校教育法上の高校ということに、これで九十数%行くところに何となく、そういう状態になってしまっていることがかえって現実を見えにくくしているのではないかなという問題点を非常に最近感じております。  もちろん、高校の教育は自治事務だとは思いますが、国としてこの高校段階の教育をどうとらえていくのかと。高等普通教育いう言い方とか後期中等教育、いろんな、ちょっといろんなというか、私これも整理できておりませんが、ここをもっと元気にしたいなという気持ちがございます。  それで、一つは、職業教育機関としての高校、そういうとらえ方でございます。あと経済産業省にもお聞きいたしますが、職業教育機関としての高校という考え方が非常に弱く、感覚で言って申し訳ありませんが、現実として弱くなっているんじゃないのかなと。  そんな中で、特に専門高校の活性化ということから、スーパー専門高校という、こういう取組が平成十五年度から始まったこと、これは私は非常に評価すべきことではないかなと思っております。これはもうちょっと経済産業省と文部科学省、これ、よく連携していただいて、この十五歳からの子供たちの特に職業教育という観点からの、厚生労働省の教育訓練ということじゃなくて、学校体系の中における職業教育機関としての高校というとらえ方の中で、普通高校もそうですけれども、まずこの専門高校の活性化の中でスーパー専門高校の取組が行われてきて、予算も徐々に引き上げられて二億円、十七年度予算で二億円ちょっとですかね、ということなんですけれども。  ちょっと、もう時間の都合で経済産業省にお聞きしますけれども、文科省が取り組まれる高校教育にちょっとお手伝いするということではなくて、全力投球で文科省と連携を取って、専門高校だけじゃございませんけれども、普通高校も含めてなんですけれども、地元の県ないし県よりちょっと広がっても構いません、場合によったら市町村でもいいですけれども、地元の産業界、経済界と連携を取って高校生の職業教育を、もっと生徒が元気が出るようなそういう取組をしていただきたいと。単に技術者を学校に派遣する、講師として派遣するというレベルではなくて、私が申し上げているのは産学連携の高校版みたいな、そういう、高校の先生の特許とか生徒と一緒になっての技術開発とか、これは農業高校であろうと商業高校であろうと工業高校でも構いませんけれども、そういう取組で施設設備も含めましてちょっと強化して、これはスーパー専門高校の発想かも分かりません。  まず、専門高校段階における産学連携といいますか、地元業界をもっと活用した、経済界、産業界とのもうちょっと更に踏み込んだ取組を経済産業省にお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょう。

舟木隆経済産業大臣官房審議官

○政府参考人(舟木隆君) お答え申し上げます。  人材は我が国経済活力の源泉でございまして、経済産業省としましても産業人材の育成を最重要課題として取り組んでおるところでございます。人材育成におきましては、学校教育は当然でございますし、また企業内の人材育成、こういったことと合わせて行われることが極めて重要であるというふうに考えておるところでございます。産業界と教育機関の連携を通じまして、産業界のニーズに即した人材育成が図られるような取組を進めているところでございます。  今先生御指摘のスーパー専門高校事業につきましても、将来の地域産業の担い手となります技術、技能のスペシャリストを育成する上で非常に有意義な取組であると考えておりまして、文部科学省と連携しまして、本事業が地元産業界からの協力を十分に生かした実効的なものとなるように取り組んでいるところでございます。  経済産業省としましても、キャリア教育の推進に非常に重要であると考えておりまして、この十七年度の予算でも新規予算を講じまして、全国十地域程度のモデル地域を選びまして、この学校教育と地域の産業界の連携によって、この小中高校での物作り体験等のキャリア教育を推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。

山下栄一公明党

○山下栄一君 文科省の取組としてこのスーパー専門高校、先ほど申し上げましたけれども、これはすばらしいと思っております。  それで、文科省におかれましても経済産業省の連携を、私は、全国的な大学、大学院レベルの産学連携というのはもう非常に進みつつあると思いますし、経済産業省の取組も非常に力が入ってきたと思うんですけれども、それをちょっと専門高校を中心に高校に下ろして、特にこれはもっと県レベルみたいになるかも分かりませんけれども、国の取組というよりも自治体の取組かも分かりませんが、経済界、産業界、県レベルのそういう高校との産学連携というふうな発想で、是非とも連携を密にしていただいて取り組んでいただきたいと思っております。  文科省にお聞きしたいのは、普通高校の職業教育でございます。  時間、よろしかな、まだ、まだありましたね。終わりじゃないね。──済みません。  普通高校というのが七十数%あって、各都道府県レベルで特色のある普通高校の可能性を試みられている例は大阪でもございますし、東京でもあると思います。全国それぞれあると思うんですけれども、何となくこれは大学進学のことを意識してレベルアップする、例えば学区をもっと広げるとかいうふうな取組はいろいろあると思うんですけれども、私は普通科も、七十何%普通科に行くわけですから、だから僕、職業教育という観点から、職業観、職業意識、場合によっては普通科卒業して元気一杯就職したいという子供たちが出てきても、そんな学校もあるとは思いますが、普通科といっても職業教育の取組をもっときちっとやるべきではないかと。  例えば、インターンシップについても、三日とかそんなんじゃなくて、中学段階でもウイーク、五日とか一週間やろうかという職業体験学習の重要性が言われているときに、私は普通高校のインターンシップは非常にまだまだだと思いますし、それを三日程度とかじゃなくて、私はもうちょっと社会が見えてくるような、そういう普通科における職業教育を意識した取組も大事じゃないかと思います。  アルバイトも、前も申し上げましたけど、アルバイトも否定的にとらえるのではなくて、地元産業界と連携取って積極的に、インターンシップ的アルバイトといいますか、そういう職業観を身に付けるチャンスでもあると思いますので、アルバイト観も転換するということを、たしか前の文部大臣にもおっしゃっていただいたとは思いますけれども、そういう取組やっている県もございますが、そういうことも含めて、普通高校における職業教育も地元産業界、経済界と連携取って、受入れの計画、プログラムを作りながらやっていくということを考えていくと、もうちょっと高校生も元気出てくるんじゃないかなと。  単に進学、大学ということだけじゃなくて、普通科においても職業教育ということをきちっとやはりやらないと、七十数%も普通科となってきたときは、ちょっとこれ違うのではないかと思いますので、是非ともこの取組の強化を、普通科における職業教育の取組を図っていただきたいと思います。これは文科省にひとつ。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 専門高校も結構、大学とかあるいは専門学校へ行くんですね。六割、七割上の学校に行く子供たちもいるわけで、この子供たちは、例えば製図をしたり旋盤削ったり、そういうことを仕事をしてそれから大学行くものですから、非常に目的意識を持って勉強するという意味で非常にすばらしいことだなと、私、現場を回りまして、そういうふうに思ったわけでございます。  それとまた逆に、普通高校においても、やはり勉強しながらも、自分たちはいずれまた社会に出て仕事をするんだというしっかりとした目的意識を持って勉強するということは非常に大事であろうと。こういう意味では、正に山下委員のおっしゃるとおりだと、こう思うわけでございまして、働くことの意義とか、あるいは職業とか、あるいは職業生活についてしっかり指導するということによりまして、生徒一人一人がしっかりした勤労観、職業観を育てることが大変重要であると、このように考えているわけでございまして、昨年度から、高等学校、小学校、中学校を含めた地域ぐるみで、職業体験活動とか、あるいはキャリア教育に関する指導内容、方法等の開発に取り組むためのキャリア教育推進地域指定事業というのを実施しておるわけでございまして、その成果も報告をされているわけでございますが、なお一層私はこの取組は進めていくべきだと、こう思っているわけでございます。  ただ、これまでは学校にいるときはもう社会のことは余り考えないで純粋に勉強するんだという風潮が強かったんですけれども、そうじゃなくて、今勉強していることが将来の職業と密接につながっているんだということを意識すればまた子供たちの勉強意欲も出てくるんじゃないかなと、こう思っているわけでございまして、是非これからも普通高校における職業観あるいは勤労観を育てるいわゆるキャリア教育の推進に努めてまいりたいと考えております。

山下栄一公明党

○山下栄一君 最後でございます。  私は、高校を生涯学習の機関としてとらえることも、そういう発想も大事ではないかなというふうに思います。社会人の方が、例えばリタイアした六十歳以上の方々がもう一度勉強するというときに、カルチャースクールもいいんですけれども、場合によったら大学でもいいですが、私は高校を活用してもいいんじゃないかなと。一般教養としての高校の勉強というのは非常に見識を広げるのに適した、大学の教養科となってくるとちょっと敷居が高いかなという面もありますので、大人の方が、六十歳超えても、場合によってはその直前でも高校に、その方は高校を卒業していてもいいんです。もう一回また、二回目の高校を卒業するために入学すると。そうすることによって、私は、生徒の側も職業観をダイレクトに学べる。生きた、社会経験豊かな方が同じ生徒として勉強する。大仁田さんもそういう考え方かも分かりませんけれども。  そういう生涯学習として高校をとらえ直すというようなことも、高校もどんどん今生徒が減っておりますが、社会人をどんどん受け入れて、生徒にとっても社会にとってもお互いに元気が出てくる、活性化する、そういう機会になるんではないかと。千葉県でしたか、栃木県でしたか、どっかで、少数ですけれども、そういう取組が始まっているということもお聞きしておりますが、生涯学習機関として高校をとらえ直すという取組についての考え方をお聞きして、質問を終わりたいと思います。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) 高等学校を生涯学習機関として活用すべきではないかというお尋ねでございますけれども、御指摘のとおり、やはり生涯学習社会を実現していくためには様々な教育機関が適切に地域住民のニーズにこたえていくことが大切だと考えておるところでございまして、高等学校におきましても地域住民を対象といたしました公開講座のようなものをかなり実施しておりますし、同時に、高等学校の正規の課程の一部に科目履修生等として受け入れている学校も近年増えつつあるやに承知しておるところでございまして、そういう観点も含めまして、今後とも、高等学校につきましても生涯学習機関としての有効活用を図ってまいりたいと考えておるところでございます。

山下栄一公明党

○山下栄一君 ありがとうございました。終わります。

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) ありがとうございました。  それでは、本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時七分散会

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