文教科学委員会 第6号
- 発言数
- 85 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2005/03/31
会議録
○委員長(亀井郁夫君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨三十日、下田敦子君が委員を辞任され、その補欠として神本美恵子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(亀井郁夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として総務省自治財政局長瀧野欣彌君外一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(亀井郁夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(亀井郁夫君) 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○有村治子君 自由民主党の有村治子でございます。おはようございます。 質問の冒頭に当たりまして、まずは一昨日の文教科学委員会におきましての北方領土問題に対する質疑の際、委員各位の皆様に対して挙手を求めましたこと、また、そのほか適切でない発言を行いましたことにつきまして、委員長並び委員各位の皆様におわびを申し上げます。申し訳ございませんでした。 さて、この法案について、私として最後の質問をさせていただきたく存じます。 これまで地方六団体の、特に知事会の御主張を伺っておりますと、一般財源化しても教育費は減らないという主張を繰り返されることが多く、一般財源化した財源をどのように将来使い、またその効果はどの程度あるのかということがいま一つはっきり見えてこないような気が私はしています。 例えば、学校警備員、今一番皆様の懸念が高いところですが、学校のセキュリティー、それからスクールカウンセラーなど、それぞれの学校ごと、地域ごとに抱えている課題に柔軟に対応できるように財源を活用するなど、ビジョンある提案があってもよいような気がしています。 現在、確かに義務教育費国庫負担制度ではその負担対象者が教員、先生方、事務職員それから学校栄養職員等に限られています。このような議論をきっかけとして、国庫負担対象を拡大すること、また三十人学級を実施するなど、現行制度の柔軟性を持たして更なる改革を打ち出すことが文部科学省としてできる戦略的な取組になるのではないかと私は考えております。 先日、岡山県知事であります石井参考人から、負担金である限り毎年、毎年度、財務省との折衝の中で削られることになる旨の発言がありました。最初からこのような発言をされるのは非常に残念なことだと思います。本当にそうなのでしょうか。仮にそうであるとすれば、文部科学省が主張される安定した財源確保という点に疑問が生じるのではないかと私は懸念を禁じ得ません。厳しい財政状況の中、義務教育費国庫負担は今後も必要な額を確保できるのか、その理念をしっかりと堅持できるのか、文部科学大臣の政治哲学が問われていると思います。 現行の義務教育費国庫負担制度の改革についてどのように考えていらっしゃるのか、文部科学大臣のお考えを最後にお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(中山成彬君) お答えいたします。 この義務教育費国庫負担金というのは、義務教育費国庫負担法に基づきまして各都道府県が実際に支出した額の二分の一を基本として負担することとされております。このため、厳しい財政状況の中にありましても、この実支出額の二分の一負担という原則を維持する限り現在の負担水準は引き続き維持されるものと、このように考えております。 また、この義務教育費国庫負担制度につきましては、これまでも総額裁量制を導入するなど地方の自由度を高める改革を進めてきておりまして、今後とも国が必要な財源は確実に確保、手当てしながら、地方の自由度を生かす、高める観点から、正に議員から御提案のありました点も含めまして各学校のニーズを反映できるよう仕組みについて積極的に検討を行ってまいる必要があると、このように考えております。 いずれにいたしましても、義務教育に係る負担の在り方につきましては、現在、中央教育審議会において義務教育制度改革の一環として御審議いただいているところでございまして、文部科学省としても、この審議結果をしっかりと受け止めて義務教育改革に取り組んでまいりたいと考えております。
○有村治子君 皆様いろいろな立場でお考えはあると思いますけれども、やはり教育は日本のサバイバルを考える上で最重要課題であるという認識は皆様同じだと思っています。実際、学校現場や関係者が望んでいらっしゃるのは確実な財源保障であることは間違いありません。確実性という意味におきましては、地方税よりも義務教育費国庫負担金、負担制度である方が優れており、またその期待にこたえているものと考えていることを銘記していただいて、私、自由民主党有村治子の質問を完了させていただきます。 ありがとうございました。
○神本美恵子君 おはようございます。民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。 本日は、我が党の理事、また委員の皆様の御配慮によりまして、この委員会で質問をさせていただく機会を得ましたことをまずお礼を申し上げたいと思います。 私自身も教育現場で二十数年間、小学校の教員としてやってまいりましたので、この義務教育費国庫負担制度につきましては教育の根幹にかかわる問題でありまして、是非とも大臣始め文部行政にかかわる方々、それから文教科学委員会の皆さん方とこの問題についてきっちりと議論をさせていただきたいと思いまして、この場に参りました。 ただ、この法案の審議に入ります前、質疑に入ります前に、今日は中山大臣、それから下村政務官にもおいでいただいておりますので、別の件でございますけれども、冒頭ちょっとだけ御質問させていただきたいと思います。 下村政務官は、去る三月六日の都内での講演の中で、歴史教科書から従軍慰安婦や強制連行という言葉が減って良かったという昨年十一月の中山大臣の御発言を支持するということをおっしゃったというふうに新聞報道や政務官御自身のサイトの中でも、私も読ませていただきました。 この十一月二十九日の「政務官報告」というサイトの中で、従軍慰安婦、強制連行などの記述が少なくなってきたというのは正しい歴史認識を日本国内できっちりと行うということであるというふうに韓国の国会議員の皆さんに説明したというふうに書かれてございます。 これはどういう意味なのか、その正しい歴史認識というのをどういうふうにとらえていらっしゃるのか、また大臣発言を支持するとおっしゃったことは事実なのか。もう時間ありませんので、簡潔に御答弁お願いします。
○大臣政務官(下村博文君) お答えしたいと思います。 簡潔にそれではお答えさせていただきたいと思いますが、当時、強制連行あるいは従軍慰安婦という言葉が使われておりません。ですから、今でも政府・外務省は、韓国やあるいは中国に対しても強制連行という言葉ではなく、募集、官あっせん、徴用という言葉を使っているわけでございます。 それがあったことは事実でございまして、強制連行というそういう当時使われていなかった言葉を教科書の中で使うのは適切ではないというふうに申し上げました。同様に、従軍慰安婦というのも、当時、慰安婦は存在していたというふうに思います。それ自体否定しているわけではございません。しかし、従軍慰安婦というのは、これは当時使われておりませんでしたし、また、なかったという認識でございます。そういう中で、その記述が減ってきて良かったと。 もう一点は、そもそも歴史教科書の中で、子供たちの成長発達段階、中学生の歴史教科書の中で慰安婦という言葉自体を入れることは私は適切ではないというふうに思っておりまして、そういう意味で、減ったことは良かったという意味で、昨年十一月に中山大臣が発言をされたことに対してそういう視点から支持したわけでございます。
○神本美恵子君 慰安婦や強制連行といいますか、官あっせんとか徴用とか、そういう事実があったことは認識しているけれども、認めているけれども、用語が適切ではないという御発言でしたけれども、従軍慰安婦という言葉は、確かに当時そういう言葉ではなくて、ただ、慰安婦という言葉は政府の当時の外電の中にも何度も出てきておりますし、その言葉が使われていなかったというのは、私はこれは間違いだと御指摘したいと思います。 それから、同じサイトの中で、従軍慰安婦、強制連行などの当時からあった言葉ではなく、後でマルクス・レーニン主義の学者たちが作った用語であるというふうなことが述べられているその根拠が何なのか。このことについて、ということをまず、そのマルクス・レーニン主義の学者が作ったという根拠はどこなんですか。
○大臣政務官(下村博文君) 最初の御指摘ですが、私自身も慰安婦という言葉を否定しているわけではございません。事実、慰安婦は当時存在していたというふうに思います。しかし、強制、従軍慰安婦という用語はなかったということを、従軍慰安婦という言葉がなかったということを御指摘したわけでございます。 そして、この強制連行あるいは従軍慰安婦というのは、その後にマルクス・レーニン主義用語として、これは六〇年代になってから学説として出てきているというのが定説だというふうに認識しております。
○神本美恵子君 今おっしゃったことはまた、ちょっと今日はやり取りする時間がございませんので、是非後できっちり訂正をさせていただきたいと思います。こちらも論拠はございますので。 それから、中山大臣と下村政務官に改めてお伺いしたいと思いますけれども、慰安婦の強制の事実が政務官はあったというふうにおっしゃいましたけれども、中山大臣はそのことについてはどうお考えですか。
○国務大臣(中山成彬君) 私の十一月のあれは別府におけるタウンミーティングでの発言でございますが、あのとき、質疑応答の時間になりましてあるお母さんが立ち上がりまして、自分は転勤族の妻だけれども、大分県に入ってきて、大分県というのは日教組が強いせいか、平和教育の名の下に極めて自虐的な教育が行われていると、これは子供たちのためにならないんではないかと、こういうふうな実は質問があったわけでございます。 私はその前に、今日はひとつ率直な意見交換をやりましょうというふうなことを申し上げておりましたので、どういうふうに答えたらいいのかなと、答え方によっては問題になるなと思いましたけれども、この際率直にお答えすべきだと、こういう立場から、自分は大臣になる前に日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会の座長とかそういうのもやっていたと、その立場からは、自虐的な教科書記述が減ってきたのは良かったと、こう思っていたと、どこの国の歴史にも光の部分と影の部分があると、余りその影の部分だけを強調して教えるのは子供たちのために良くないんじゃないかと、二十一世紀の世界を生きていく子供たちには日本という国に自信と誇りを持って歩んでもらいたいと、こういう発言をしたわけでございまして、前段というのは、正に私がまだ大臣になる前の考えを申し上げたわけでございまして、大臣になりましたらそういうことは言えないと、公平な立場で私はやっていくべきだと、こういうふうなことを考えてそのような発言をしたわけでございまして、そのことについて下村政務官がいろいろ発言をされているということもお伺いしておるわけでございまして。 私も国会議員になりましてすぐから、やはり日本のいろんな歴史の問題とかあるいは教科書の問題等にも取り組んでまいりまして、今政務官も申し上げましたが、慰安婦という言葉はあったのは事実でございますが、従軍慰安婦という言葉は私は、私の知る限りは、あれは一九八三年でしたか、吉田清治という方が、自分は済州島で従軍慰安婦狩りをしたというそういう本を出された、それが大きくキャンペーンで取り上げられたわけでございますが、その後その吉田清治さんという方は、あの本はうそだったというふうに言われたということも聞いておるところでございます。
○神本美恵子君 慰安婦問題や強制連行の問題を取り上げるのは自虐的な、自虐史観だという認識を私は本当に疑うんですね。文部行政にかかわる大臣、トップですよね、それから政務官といえばナンバースリーですかね、の方たちがそういう認識で、例えば教科書行政、教科書検定や採択のこの今時期にそういう認識を改めて示されるということについて、私は時間があれば本当にやり取りをしたいと思うんですけれども。 これは歴史の事実であるという、事実であるということは先ほどから認めていらっしゃるんですよね。そのことをきっちりと子供たちに伝えて、これからのアジアの中の日本、世界の中の日本として、きっちり反省すべきは反省して、和解をし、友好関係を深めていくという、そのために近隣諸国条項が教科書検定基準の中に設けられてここ二十年やってきたはずなのに、今になってトップに立つ方がそういう認識を示されたということについて、私は非常に憤りに近いものを感じるんですけれども。 大臣、もう一度お伺いします。この歴史の事実を子供たちに伝えるということはなぜ自虐史観なんですか。短くお願いします。
○国務大臣(中山成彬君) 先ほども言いましたけれども、どこの国の歴史にも光と影の部分がある、その影の部分だけを余りに強調するのはどうかなということを申し上げたわけでございまして、この自虐的な云々という話は私はしておるわけではございませんが。 実際今、文部科学大臣として教科書検定を実施する立場にありますが、これも何度もお答えしておりますけれども、この検定というのは、学習指導要領とかあるいは教科書検定基準に基づきまして、教科用図書検定調査審議会の専門的な審査を経て適切にこれは実施することになっておりまして、どういう通説がどうなっているかとか、あるいは余りにもバランスを欠いたところがあるんじゃないかとか、そういったことをいろいろ考えながらやっていっているというふうに考えているところでございます。決して、歴史をちゃんと教えてはいかぬということを言っているわけではございません。
○神本美恵子君 先ほど自虐というふうに、自虐史観というふうにおっしゃいましたので、それはそうではないということですね。歴史の中に光と影がある、その両方をきちんと子供たちには伝えていかなければいけないと、事実を直視して、そしてこれからの和解と友好を進めていくというふうに受け止めさせていただいてよろしいですね。
○国務大臣(中山成彬君) ですから、私はこの教育行政に携わる者としてこれからの子供たちのことを考えるわけでございまして、やはり日本の子供たちが、自分の国の歴史、民族に自信と誇りを持って歩んでもらいたい、そうでなかったら私は太刀打ちできないと、こう思うわけでございまして、そういう意味で、しっかりとした歴史認識も持ってもらいたいと、こう思っているわけでございます。その中に、先ほども申し上げておりますが、光と影の部分があると、この辺をしっかり教えることが大事であると、こういうことを私は申し上げているところでございます。
○神本美恵子君 また別の機会をとらえてこの問題は議論を是非させていただきたいと思います。 さて、義務教育費国庫負担法の改正案についてでございますけれども、義務教育というのは、子供たちが人間としてこれから社会生活を送っていく上で必要な基礎的な資質を培うものでありまして、憲法の要請に基づき、教育基本法の要請にも基づくものであるということは言うまでもないと思いますけれども、そのためには何といっても財政的な保障が必要ということでこの法律、制度がつくられているというふうに認識していますが、それは国の責務であるというふうに思いますけれども、国の責務としてのこの義務教育をどのようにとらえていらっしゃるのか、まず大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中山成彬君) お答えいたします。 義務教育というのは、知育、徳育、体育のバランスの取れた児童生徒を育成し、国民として共通に身に付けるべき基礎的資質を培うものでありまして、国は憲法の要請によりましてすべての国民に対して無償で一定水準の教育を提供する最終的な責任を負っていると考えております。 このため、国としては、全国的な観点から、教育の機会均等あるいは全国的な教育水準の維持向上を図るために、学習指導要領におきましてすべての子供たちが共通に学習する全国的な教育内容の基準を定めるとともに、全国どこの地域の学校におきましても一定水準以上の条件の下で教育を受けることができるように、財源保障を含む教育条件の改善を図っていくことが必要であると、このように考えております。 特に、この義務教育の成否というのは教員に懸かっておりまして、教育の機会均等や、あるいは教育水準の維持向上を図るためには、教育条件の中でも特に全国すべての地域におきまして優れた教員を必要な数確保していくことが不可欠であると、このように考えます。国はそのために必要な財源を確実に手当てする責務を担っておりまして、これを制度的、財政的に担保すべく国が負担することとなっている制度がこの義務教育費国庫負担制度であると、このように考えております。
○神本美恵子君 全国どこに生まれ育っても機会均等に一定水準以上の教育が受けられる、そのための財政保障をするのが国の責務であるというふうに大臣も認識していらっしゃるというふうに受け止めましたけれども、一方で、今日、学校や子供や教育全体が抱えている課題といったようなものを考えますと、もう御認識だと思いますけれども、いじめや不登校や引きこもり、それから家庭の、子供たちが育っている家庭の中を見ますと、虐待の問題やDVの問題、それから社会生活を見ますと、性の問題、薬物の問題等々、それから様々な社会的な問題行動と言われる、そういった課題が本当に山積しているわけですね。 そういう課題を解決しながら、一定水準の国民としての教養といいますか素養を義務教育の段階で子供たちに付けさせるという義務教育の責務を考えたときに、本当にそういう問題解決も踏まえた教育活動を推進していくためには、国が様々な細々したところまで、それこそはしの上げ下ろしと言われるようなところまで指示をするんではなくて、指示、指導するんではなくて、当事者である子供、学校の教職員、それから保護者、地域の人々の声をしっかり受け止めながら、そこに裁量権、決定権をゆだねる、拡大するということが重要ではないかというふうに思いますけれども、それについてはどのような御認識をお持ちでしょうか。
○国務大臣(中山成彬君) 御指摘ありましたように、今の教育をめぐる様々な問題、課題があるということは承知しているところでございまして、そのために文部科学省としても教育改革を進めているところでございます。 まず、学校が保護者とか地域の声にこたえまして、地域の状況あるいは子供の状況に応じた特色ある学校づくりを進めていくと。そのために学校の裁量を拡大して、学校や地域がそれぞれ創意工夫を発揮できるような、そういうような方向でやっていくことが重要であると、このように考えておりまして、文部科学省はこれまでも教育課程の基準の大綱化あるいは弾力化を進め、また各教育委員会におきまして、学校に対する教育委員会の関与を縮減する、減らすと、あるいは予算に関する学校の裁量拡大などの取組を推進してきたところでございまして、私といたしましては、この現場主義を更に徹底していくことが必要であると、このように考えておりまして、学校の裁量を更に拡大すると。あるいは小中学校の設置者であります市町村の役割あるいは責任を重視すると。さらに、市町村と広域自治体であります都道府県との関係の在り方などについても今後十分議論していくことが必要であると、このように考えておりまして、今後、中央教育審議会におきまして、学校あるいは市教育委員会、都道府県教育委員会との役割、責任の在り方についての検討をしていただきまして、この結論を待ちまして、学校現場の創意工夫が更に生かされるような方向で市町村とかあるいは学校の裁量の幅を拡大していきたいと、このように考えております。
○神本美恵子君 大臣はこの間ずっと現場主義ということをおっしゃっていますので、そのことについては私も同感でございます。是非とも、学校現場、子供の状況、地域の状況に応じて、そこで本当にいろんなことが決定できる。具体的に言えば、カリキュラムも決定できる、それから教育方法も様々な工夫ができる、そのための財政的な保障をしっかり国としてやりますよというような形にしていきたいというふうに今御答弁をお聞きしたんですけれども、端的に言えば、国は財政保障をきっちりやりながら、あと、国は金は出すけれども余計な口は出さないよと、そういうふうに受け止めてよろしいですか。
○国務大臣(中山成彬君) 正にそのとおり考えておりまして、金は出すが口は出さないと。口は出さないけれども、その代わり現場の学校あるいは市町村が責任持って自分たちの子供たちは自分たちで育てるんだ、こういう思いでこれは頑張っていただかなければならない、そういう意味では責任も極めて重くなるということも自覚していただかなければならないと、このように考えております。
○神本美恵子君 私は、本当に、今大臣はしっかりとした御答弁をいただいたと思います。私もそこは本当に共通でございます。 この委員会でも学力問題で、この間、フィンランドのことが話題にもなったように議事録を読ませていただきましたけれども、フィンランドが今OECDのPISA調査の中でトップを、二回続けて学力のトップの結果を出したということで、フィンランドも国がしっかりと財政的に見ながら裁量は学校に大きくゆだねてきたと、その結果、教師間の連携も活発化してこのような結果を生んだというふうに、フィンランドの教育に携わる行政の方が発言されております。 そして、フィンランドでは財政保障はどうしているかというと、国が五七%、地方が四三%という、日本は二分の一、二分の一ですけれども、そういうふうになっているという、私が調べたところではそうなっているんですが、一昨日の本委員会の参考人質疑で岡山県知事が出された資料を見せていただいたんですが、それによると、フィンランドの教員の給与は全額地方負担で、自治体の財政格差を調整交付金で調整というふうに書かれていたんですけれども、文科省、これはどのように把握されておりますか。
○政府参考人(銭谷眞美君) フィンランドにおける教育の財源の問題についてお尋ねがございましたけれども、フィンランドに関しましては、教員の給与は全額地方負担という説も、言う方いらっしゃるわけでございますが、文部科学省がフィンランド政府に確認をし調査したところ、フィンランドでは国が義務教育予算の五七%を負担をしているということでございました。 具体的には、教育文化省が各自治体ごとに必要な教育費を計算をした上で、全国の教育費総額の四三%を自治体の負担とし、残る五七%を国の負担としているわけでございます。この国庫負担金の配分額は、各市町村の人口密度や児童数、賃金格差などに基づいて調整され算定される児童生徒一人当たりの教育費を基に算出をされているところと承知をいたしております。
○神本美恵子君 どうも国と地方の財政的な役割分担というところでは、総務省が出される資料が文科省が出される資料と、諸外国の例なんですけれども、ずれがあったりということがありますが、フィンランドにつきましては私も大変関心を持ちまして、国会図書館等の資料を何度も取り寄せて調べましたところ、今局長がお答えになったようなことでありましたので、是非委員の皆さんも、おとといの岡山県知事のあの資料が、それが正しいということではないということを申し上げたいと思います。 次に、義務教育費国庫負担制度についてですけれども、地方財政法の第十条で、国が進んで経費を負担する必要があるものというふうに定められておりまして、その中では、生活保護の経費などと並んでこの義務教育職員の給与費が規定されております。 このように、この国庫負担制度というのは、地方へ恩恵的に二分の一国が見てあげますよというようなものではなくて、国と地方がしっかりと共同責任として教育費を出すというふうな趣旨だというふうに私は受け止めております。正にナショナルミニマムである、その位置付けだというふうに考えておりますけれども、都道府県の財政当局は、これが補助金がある事業を優先する傾向にどうもあるのではないかというふうに私は思います。 このことを考えますと、義務教育費国庫負担制度がなくなるとナショナルミニマムとしての教育水準が確保できなくなるのではないかという懸念を私は強く持っております。そうすれば、結果的に国の義務教育に対する、冒頭、大臣お答えいただきました国の責務というものを果たせなくなる、責任放棄になるのではないかと思いますけれども、大臣の義務教育費国庫負担制度にかかわる御認識を改めてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中山成彬君) これは昨年の三位一体の議論でも主張したところでございますが、一般の補助金とこの国庫負担金は違うんではないかと。ただ、お情けで出してやるというのではなくて責任に基づいて出しているんだということで違うんだということも主張したわけでございまして、この国庫負担制度というのは、地方公共団体の財政力の差にかかわらず、全国すべての地域において教育の機会均等、そして教育水準の維持向上が図られるために極めて重要な施策であると、このように考えておるわけでございまして、そのところは本当にナショナルミニマムというものを達成していくためにも極めて重要な私は制度であると、このように考えております。
○神本美恵子君 昨年十月十二日の国と地方の協議会において地方六団体が提出したペーパーがございます。そのペーパーの中で、どうも学級編制、教職員定数基準について国から都道府県に移すようなことがかかれている図がございました。昨日ちょっと通告のときには見付け切れなかったんですけれども、その後探しまして、資料、手元にございますかね。 十月十二日の第二回国と地方の協議の場のところで出された資料の九ページにこういう役割分担についてという図があるんですけれども、その中で、従来の仕組み、現状ですが、ここは文部科学省、国が義務教育費国庫負担金、学級編制・教職員定数基準、施設整備費負担金・補助金、あと学習指導要領、カリキュラム編成基準、教科書検定、研修基準というふうな項目があるんですが、それをあるべき国と地方の役割分担ということで、一番下に文部科学省・国というふうにあるところには、学習指導要領、以下ずっと教育内容、方法にかかわることが書かれているんですが、学級編制基準は県の教育委員会、それから学級編制は市町村教育委員会というふうに言っているんですね。 こういうふうに、今で言う標準定数法をなくすというような考え方になっているのかなというふうに私は受け止めるんですけれども、義務教育費国庫負担制度を廃止しても国がこういう必置規制とかそういう規制、指導すれば同一水準は保てるんだというふうに総務省や地方団体の方はおっしゃっているんですが、この図を見ますと、そういうふうになっていないんですね。どうも定数法もなくす方向を持っているんじゃないかというふうに私は思うんですが、これについて、大臣、どのようにお考えですか。
○国務大臣(中山成彬君) 義務教育の実施に当たりましては、国は全国的な教育水準の確保と機会均等についての責任をしっかり担いまして、その上で学校や地域がそういう工夫をして実際の教育ができるようにということで、先ほど申し上げたとおりでございまして、今お話がありましたけれども、この学級編制あるいは教職員定数につきましては、学級規模と教職員配置の適正化を図り義務教育水準の維持向上に資するということを目的といたしまして、国が義務標準法によりまして全国的な標準を定め、都道府県が学級編制基準の設定や教職員の配置を行いまして、そして市町村が学級編制を行うということでございまして、そういう意味では、ここにあります表と同じようなことに今でもなっていると、このように認識しております。
○神本美恵子君 じゃ、学級編制基準や教職員定数については、地方六団体はこれをなくすというふうに考えているとはとらえていないということなんですかね。
○国務大臣(中山成彬君) どういうふうにお考えになっているか分かりませんが、私どもとしては、今申し上げましたように、国は義務標準法によりまして全国的な標準を定めていると。それで、具体の学級編制の基準とかあるいは学級編制、そういったことについては市町村等がずっとやっていくような形に今でもしているということでございます。
○神本美恵子君 そこは是非とも、大臣、これから中教審でも議論が、今始まっていますけれども、そして秋の結論を得るまでに、中教審に任せ切りじゃなくて、大臣としても常に総務省や財務省やそれから地方の六団体の方たちにしっかりと、大臣自らさっきおっしゃったように、この義務教育費を確保する、その根底となっている、根拠となっているのが義務標準法でありますし、ですよね、それがあるから教育水準が確保できますし、あるいは向上に向けて変えていけるわけですから、是非そこは何としてもやっていただきたい。決意をちょっとおっしゃってください。
○国務大臣(中山成彬君) まず、地方六団体側はこの義務標準法があるから国の財源措置がなくてもやっていけるんだと、こう言っているわけですから、この義務標準法を廃止しようということは地方側も考えていないと、こう思っておるわけでございまして、私どもとしては、この標準の設定とかあるいは確実な財源の手当てと、こういった義務教育にかかわります国の責任というのはしっかり果たしていくと、そういう方向で中教審の方でも議論していただいておりますし、私どももそういう方向で頑張ってまいりたいと、このように考えております。
○神本美恵子君 これはまた後でも言いたいんですけれども、三月二十九日のこの委員会で、中教審の鳥居会長が三十人学級を中教審の審議の対象にしようとしているということを明らかにされたということをお聞きしましたけれども、私は、教育水準の維持向上というのであれば、向上のためには、現行の四十人学級という規模を三十人、上限を三十人に設定して、後はそれで教職員の配置をして、後、その使い方、使い方といいますか、配置の仕方やどういう教職員をどこに何人配置するかというようなのは各都道府県や地域の実情に応じていいですよという、今総額裁量制が取り入れられておりますけれども、そういう方向に今の現状を確保するという、受け身ではなくて、鳥居会長おっしゃっているように三十人学級にしますよという、こう打って出る、そういうことが必要ではないかと思いますけれども、それについてはいかがですか。
○国務大臣(中山成彬君) 現場に参りますと先生方から、ベテランの先生方ですけれどもね、昔に比べて本当に今の子供は手が掛かるようになったんですよというようなことももう率直に言われるわけでございまして、そういう意味でこの学級編制のことについても真剣に考えなければならないなと思っておりますが、現行の定数改善計画というのは御承知のように十七年度に完成するわけでございまして、その後どうするかということにつきましては今中教審で御議論をいただきたいなと、こう思っておりますが、是非そういう方向になればいいなという気持ちは今のところ持っております。
○神本美恵子君 そういう方向になればいいなあというそういう弱気ではなくて、是非、中教審の会長の鳥居会長もそうおっしゃっているわけですから、それこそ現場主義で、現場を今ずっと回っていらっしゃる。私は、現場を見るということ、その見方についても後でやり取りさせていただきたいんですが、最近の子は手が掛かるなと、その言葉の裏にあるものをしっかり聞いていただきたいと思うんですね。 ちょっと横道にそれますけれども、私も学校現場に自分がおりましたときの小学校の経験だけではなくて、いろんな学校の先生方とお話をする機会、これまでたくさんございました。ある大阪の中学校では、子供たちが夜間徘回といいますか、そういう地域で夜家を飛び出して徘回したり、お店へ出入りしたりゲームセンター出入りしたりしている。親御さんから自分ではどうしようもないので先生助けてという電話が掛かると、子供捜しに親御さんと一緒に走り回って、夜帰り着くのは、子供をおうちに連れていって、中学生ですけれども、帰り着くのは十一時過ぎだと。そして朝は朝から、朝御飯食べてこない子がいればその子の家に行ってみそ汁を作ったり、そういうことをやって、ここ何か月も四時間以上寝ていませんというようなお話も聞くわけですね。それがどこの学校でもというわけではありません。でも、そういう状況の中で、骨身を削ってといいますか、働いている教職員の声を聞きますと、何とかそこにサポートをできる先生をもう一人とかアシスタントの職員を一人とかいうふうな、そういうことが各地域でできるようにするには、今の四十人の学級規模の定数ではなくて、せめて三十人、フィンランドなんかは二十人弱というふうにも聞きました、諸外国はですね。 そういうことから考えると、大臣、何とかできるといいなではなくて、そうするという決意をちょっと言っていただけませんか。
○国務大臣(中山成彬君) 中教審にはそれぞれ見識の高い専門的な先生方が一杯入っていらっしゃいますから、その方々にまずは御議論いただくべきじゃないかと思うわけでございまして、文部科学大臣としてそうだと言うと、もうその議論を封殺してそっちの方に決めてしまうような形になりますから、そうではなくて、やはり諮問した以上は中教審の方で十分な御議論をいただくということが前提であろうと、このように考えております。
○神本美恵子君 そこが大臣のリーダーシップではないですか。我が民主党は、二〇〇〇年ですか、定数改善計画、第七次が始まるときに三十人以下学級の法案を出しまして、残念ながらそれは廃案でしたか否決でしたかになったんですけれども、私は、まあ今から言ってもしようがないですが、そのときにあの法案を通しておけば、今こんな状況にもしかしたらなっても太刀打ちできたんではないかというふうな思いもあるんですが、今からでも遅くないと思います。是非、この教育の水準を維持向上するためには三十人以下学級が是非とも必要なんだということを、あらゆるところで大臣として発言をしていただきたいということをお願いしたいと思います。 それで、次に各論に入っていきたいと思いますけれども、これは総務省の方にも今日はおいでいただいております。昨年の十一月二十六日の政府・与党合意の中に、義務教育についてはその根幹を維持し、国の責任を引き続き堅持するというふうにありますが、この義務教育の根幹というのをどのようにとらえていらっしゃるのか、また国の責任というのをどのようにとらえていらっしゃるのか、まず総務省の方にお聞きしたいと思います。
○大臣政務官(松本純君) お答えします。 義務教育の根幹は、教育の機会均等、無償性、そして水準の確保であると理解をしております。その観点に立って、国民に対して全国どこでも一定水準の教育環境を保障するよう学級編制や教職員数等に係る大枠を法律によって担保するとともに、その所要財源を確実に保障することが国の責任であると考えております。
○神本美恵子君 文部科学省、文部科学省としてはどのように。
○国務大臣(中山成彬君) 根幹というのは、今もお答えしましたけれども、憲法二十六条に基づきまして、教育の機会均等、そして教育水準の維持向上、そして無償性ということだろうと思っておりまして、国の責任というのは、この憲法二十六条に基づきまして、教育の機会均等、水準の維持向上、無償性という義務教育の根幹を制度的、財政的に保障して義務教育の円滑な実施を図ることと、このように認識しておるところでございます。
○神本美恵子君 総務省も文科省もそこは一致しているんですね。国のその義務教育の根幹、それから国の責任ということでは、きちっと水準を維持するために財政的な保障をするということで一致していたんですけれども、その与党合意の次に、その方針の下、費用負担についての地方案を生かす方策を検討し、教育水準の維持向上を含む義務教育の在り方について幅広く検討するというふうにあります。 ここで言う教育水準の維持向上、先ほどもおっしゃいましたけれども、この教育水準の現状をどのようにとらえていらっしゃるのか、また今後どのように向上させようとお考えになって、させる必要がある、させようととらえていらっしゃるのか、これも両方にお聞きしたいと思います。
○大臣政務官(松本純君) 教育水準の現状と向上策につきましては、地方団体の代表者も参加をしていただき、現在中央教育審議会におきまして審議中でございます。ここで議論された結果につきましては、総務省としてもこれを支援してまいりたいと考えております。 なお、総務省といたしましては、教育水準の維持向上に関する国の責任は、教育内容については学習指導要領等により、また学級編制や教職員数等につきましては標準法によりまして制度の大枠を定め、法律によって担保するとともに、その所要財源を確実に保障することに尽きるものと考えております。
○国務大臣(中山成彬君) 現在の我が国の教育水準ということについていいますと、例えば我が国の子供たちの学力に関しましては、国際的な学力調査の結果等によりまして、語学力が大幅に低下するなど、我が国がこれまでもトップレベルにありました数学、理科について低下傾向が見られるとか、あるいは初等中等教育に対する公財政支出の対GDP比について見ると、条件は違いますけれども、我が国は二・七%ということで他の先進諸国に対して低いとか、さらに、OECDの調査によりますと、教員一人当たりの児童生徒数についても平均を上回っておるというふうな状況にあるわけでございまして、この教育水準を維持向上する、これは不断の改善が必要でございますけれども、まず、その優れた教職員を必要数確保して養成、採用、現職研修を通じて教職員の資質向上、資質能力を向上させるための人的な教育の水準を上げるということ。それから、教育施設、教材あるいは教具などの整備、いわゆる物的水準を上げていくということ。さらに、子供たちの確かな学力をはぐくむために、学習指導要領等によりまして担保される教育内容の水準、こういったものを全体として上げていくということが必要であると、これが教育水準の維持向上であると考えております。
○神本美恵子君 中山大臣に具体的に教育の水準を測るその物差しというような意味で言っていただきました。 私は、総務省の方も、教育の水準維持向上のために財源を地方によこせという、あの地方六団体の意見を代表しながら総務省もそういうお考えであれば、教育水準をどのように考えているのかということは、せめて今文科大臣がお答えになったぐらいのことは言えるようにして臨まないと、財政論だけで、数字合わせだけでこの教育のことが語られているということに対して、私は非常に懸念をしているんです。 ちょっとあれなんですが、この前の中教審に、今総務省の方からも、地方六団体から代表が出て議論をしているとおっしゃいましたけれども、この前の第一回の特別部会のときに、教育論なら参加しないとか、それは終わった後ですけれども、教育論なら参加しないとか、中教審はまるで学校のようとかいう、学校のようだというような発言をされたというのを記事で読みましたが、何かこれって学校が悪いような言い方じゃないですか。学校のことを議論をしているのに、中教審はまるで学校のようで話にならないというようなことを言外に含めた発言をなさっていますが、こういうことでは本当に教育論として、この義務教育国庫負担制度をどうするか、国と地方の役割どうするかということのまともな議論ができるとは思えないんですけれども、総務省、この発言に対しては、総務省も、それから大臣もですけれども、どのように受け止めていらっしゃいますか。
○大臣政務官(松本純君) この中教審においての議論の内容につきまして、今私からお答えできる立場にはございませんが、しかし、この義務教育そのものは極めて重要であるという考えは全く変わっておりませんで、この財源をどのように手当てができるかといった仕組みを責任を持って果たしてまいりたい、このように考えております。
○国務大臣(中山成彬君) 義務教育の在り方について集中的に検討するための義務教育特別部会、二月二十八日、第一回会合が始まりましたけれども、これまでに四回開会されておりまして、委員が御指摘の発言につきましては、第二回の義務教育特別部会の終わった後で、記者の質問に答えての発言というふうに承知しております。 私といたしましては、この義務教育の改革に当たりましては財政論だけではなくて教育論の立場に立って、義務教育の在り方全般について御議論いただく中で、費用負担の問題についても結論を得ることが不可欠であると、このように考えておりまして、このことにつきましては地方団体の代表の委員の方にも十分御理解いただきたいと考えております。 なお、一昨日、三月二十九日の本委員会での参考人質疑の中で、岡山県の石井知事から教育のそもそも論を含め部会において幅広く議論に参加していきたいという発言があったと聞いております。 また、一昨日の、同じ日でございますが、第四回の特別部会におきまして、地方団体の代表も全員出席されまして、これからの学校像、地域社会の役割について御議論をいただいたと、このように考えているわけでございまして、文部科学省といたしましては、この特別部会におきまして、首長とか教育長など地方公共団体の関係者十名を含めて三十三名の委員の方々に参加していただいておるわけでございますが、それぞれの分野で培われました識見等を生かしていただいて、義務教育の本質とかあるいは国の責任、都道府県、市町村、学校、家庭の役割など、義務教育全般について、それこそタブーを設けず精力的に御議論いただきたいと、このように考えておるところでございます。
○神本美恵子君 中教審の議論がどのように進められるかということについては一応ペーパーを私も見せていただいたんですが、先ほどその教育水準の維持向上ということで大臣の方から、子供たちの学力、それから公財政支出、それから教員一人当たりの生徒数や教材や施設設備、それから教育内容についてというふうなことをおっしゃいましたけれども、もう一歩踏み込んだところでよく見てみる必要があるんではないかと思います。 といいますのは、例えば教員一人当たりの生徒数といったときの、今学校現場での教職員の現状がどうなっているのか。この前、本委員会、佐藤理事の方からもちょっと御質問があってたようですけれども、今臨時的任用や非常勤の方々が大変増えているんですね。これは現場の先生方からもよく聞きます。で、臨時的任用は産休、育休、それから最近は病気休職者が大変増えているということで、その代替として来られている方などがいらっしゃいます。それから、市町村雇いで雇われている方もいらっしゃるという様々な任用形態で教職員が構成されているわけですけれども、そのことが、その実態を文部科学省としてしっかりとらえる必要があるのではないか。そして、とらえた上で、そのことが教育活動にどのような影響を与えているのか。このことは、教育水準を維持するあるいはより向上させるためには非常に重要な観点ではないかというふうに思っておりますけれども、実態把握とそれから教育活動への影響という点についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(銭谷眞美君) 公立小中学校の非常勤講師の数でございますけれども、平成十六年度は国庫負担対象のもので一万六千四百八十一人でございまして、前年度に比べまして二千五百六十四人増加をいたしてございます。 学校教育を充実させる観点から、各教育委員会の判断によりまして地域や学校の実情に応じて適切な教員構成となるような配置ということで行われていると思いますけれども、教職員の配置については学校運営の根幹となる常勤教職員の配置がまず基本だと思います。その上で、地域や学校の実情に応じて非常勤講師を活用することにより、例えば習熟度別指導やチームティーチング、専科指導の充実など、特色ある教育活動を展開することができるというふうに考えております。 ただ、先ほど申し上げましたように、数が増加の傾向にあるわけでございますので、文部科学省といたしましても、スクールミーティングなどを通じまして、またモデル的に各学校の状況を把握をするといったことを通じながら実情を把握し、適切な教員配置が各教育委員会において行われますよう促してまいりたいと思っております。
○神本美恵子君 常勤といいますか、正規教職員を基本にやっていきたいというお話で、私もそれはそうだと思います。 ただ、実際に今非常勤教職員の方々が学校を支える重要なところを担っていらっしゃるという現実もございますし、増加している。そういう観点から考えれば、先日私のところにもこの非常勤教職員の方々から要請をいただきましたし、文部科学省にも伺ったというふうにおっしゃっていたんですけれども、この方たちが本当にその力を発揮して教育活動に参加できるためには、その待遇、処遇についても、これは国が一律に定めるべきなのかということについては、労働基準法とか、まあどこになるんですかね、公務員のほかの部分との関係もあるんでしょうけれども、文部科学省としてはこの件についても、教育水準の維持という観点から、是非今後とも、処遇、待遇、それから学校の中における位置付け、非常に差別的な待遇を学校で受けているというようなことも訴えられておりましたし、中教審の中でこの非常勤、臨時採用の教職員の問題についても教育の水準を維持するという観点から議論をしていく必要があるんではないかと思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(銭谷眞美君) 教職員の任用につきましては、地域の実情に応じまして、地域全体の教育の質を維持向上できるように、任命権者である都道府県教育委員会が人事計画を見据えて正規採用と臨時的採用の割合を調整しながら実施をしているということになるわけでございます。 ただ、今も申し上げましたように、地域全体の教育の質の向上、それからそれぞれの学校における学校運営、あるいは教育の質の確保という観点から、各任命権者において適切な措置がとられますように、先ほど申し上げましたように、文部科学省としても、スクールミーティング等を通じて各学校の実情をよく把握をしながら適切な教職員配置等について考えてまいりたいと思っております。
○神本美恵子君 もう一つ、教育水準の一つとして、施設設備について、私この委員会に所属しておりましたときに毎回のように御質問させていただいた問題が、耐震化の問題がございます、学校施設の耐震化。 これについても資料をいただきまして見ましたが、県によって大きなばらつきがありますし、なかなかこれが進まない。老朽化している、その改築もままならない中で耐震診断や耐震化改修というものが進まないということも現状として認識しております。その原因が市町村の財政事情によるというようなことが市町村教育委員会からも声が上げられているということもお聞きをしました。 こういう施設設備の整備に関しても、文部科学省としてはこれまで責任を持って補助金を出してやってこられたと思うんですけれども、これからこれをより一層推進していくためにも、そのことが教育水準にかかわると思うんですが、それについては、こういったことも中教審の中できっちり議論する必要があると思いますが、いかがですか。
○政府参考人(銭谷眞美君) 学校教育の水準を考えました場合には、先ほどの御答弁にもございましたけれども、人的な水準、それから物的な水準、それから教育内容面での水準ということがあるわけでございまして、物的な水準を維持向上するということは極めて重要な課題であるというふうにまず認識をいたしております。 いわゆる公立学校施設に対する国の負担金、補助金の取扱いにつきましては、昨年の政府・与党合意によりまして、今年の秋までに、義務教育の在り方について検討をするこの中央教育審議会の審議結果を踏まえまして決定をするということになっております。 このような状況の中で、現在、文部科学省でも今後の学校施設整備の在り方について検討し、報告もいただいているところでございますけれども、そういった報告も踏まえながら、中央教育審議会においてこの国の支援を担保する公立文教施設整備費の在り方についてしっかり検討してまいりたいというふうに思っております。
○神本美恵子君 もう時間がなくなってきましたので最後になるかもしれませんけれども、中教審で議論をしてその結論を得て、今年は、今回は暫定措置だけれどもその後恒久措置を講じるというこの政府・与党合意に関して、中教審の結論がそのまま結論となるのかどうかということについては本委員会でも議論になっていましたけれども、これは是非とも、中教審で本当に義務教育の国の責務、それから地方の役割というものをきっちり議論をしていくという自信を持って、この結論で義務教育費の今後の制度については結論を得るということを、大臣はその強い決意を持って臨んでいただきたいと思いますので。 これは地方の声も、私も聞く限り、教育に直接携わっている方々、教育委員会も学校現場も保護者もPTAも、そういったところからもその声しか私には聞こえてきませんので、この中教審でしっかり議論をしてその結論を持って臨むということを、大臣、決意を最後にお願いをしまして、終わりたいと思います。
○国務大臣(中山成彬君) 御指摘のように、地方からはもう堅持の声の方が強く聞こえるわけでございまして、市町村からは、二千を超える市町村議会から堅持の意見書が出されておりますし、また約九割の市町村教育委員会から国庫負担を必要としているというふうなこともあります。また、平成十五年度におきましては二十二都道府県議会から堅持への必要性が出てきておるわけでございまして、地方の声に真摯に耳を傾けておりますけれども、この声の中には本当に堅持の声が強いんだがなということを思いながらこれまでも当たってきたわけでございまして、その結果といたしまして中教審で議論しようということになったわけでございます。 今後、政府として結論を出す場合に、その過程の一部として、地方団体との協議の場などにおきまして議論することは考えられるわけでございますが、最終的にはこの政府・与党合意の趣旨を踏まえまして中央教育審議会における議論を、結論を十分尊重することを当然の前提としてその議論に参加していきたいと、このように考えております。
○神本美恵子君 最後と思いましたが、ちょっと、大臣、尊重してもらうとかなんとかではなくて、この前の予算委員会でも、今回の措置について総理から済まぬなと言われて、はあという感じ、そんなことでは駄目だと思うんですよね。 中教審でもしっかり、本当に学校現場に基づいた、教育水準を維持向上させるんだと、そのためには国が責任持って財政措置をする、そこは手放さないということを大臣のやっぱり職を賭してやっていただきたいと思いますが、最後に、本当に職、首を懸けてやっていただきたいと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(中山成彬君) 中央教育審議会の結論がどうなるか分かりませんので、ですから、堅持なのか、いや、そんなの堅持しなくてもいいよという結論が出るかもしれませんのでちょっと慎重にならざるを得ないわけでございますが、私としては、とにかくこの義務教育国庫負担制度、国の責任というものは、これは果たしていくのは当然だと、そういう思いでございまして、中教審の議論もそういう方向で出していただけるものだと確信しておりますが、そういう結論が出ましたら、それを持ってそれこそ命懸けでこれ取り組んでまいりたいと考えております。
○神本美恵子君 そういうのを丸投げって言ってしまうんじゃないですか、中教審に丸投げ。そうではなくて、大臣の決意として、中教審でしっかり、しっかり議論の方向を、方向をやっぱり示すべきだと思うんですよね。 私は中教審を今のところ信じたいと思っておりますし、そういう方向にリーダーシップを発揮していただきたいということをお願いしまして、質問を終わりたいと思います。
○小林元君 民主党・新緑風会の小林元でございます。 予定では最後の質問ということになるようでありますが、今までいろいろ議論が尽くされてまいりました。この義務教育の国庫負担法の改正法案、これはできれば、文部科学省も、皆さんの、委員の話を聞いていますと、通らない方がいいんじゃないかと、こういうふうに聞こえてくるわけでございます。つまり、その方が財源を、教育財源を確保できると、しっかりと確保できると。 大臣がるる答弁されましたが、一般財源化すると大変に危ういところもあるというような御答弁でありましたから、やっぱり文部科学省がしっかりとこの財源を持って教育に充てるということがいいのかなというふうに考えている次第でございます。 この地方分権の流れというものはずっとあったわけでございまして、当然これは文部科学省も承知をしていたわけでございますが、この平成、一つの区切りですね、平成十年の地方分権推進委員会によりますと、地方分権推進計画ですか、これ閣議決定をされておりますが、これに関して、この負担金、国庫補助負担金の整理合理化という中の基本的な考えにつきまして、国が一定水準を確保することに責任を持つべき行政分野に関して負担する経常的国庫負担金については、国と地方公共団体の役割分担の見直しに伴い、国の関与の整理合理化等と併せて見直すことが必要であり、社会経済情勢等の変化を踏まえ、その対象を生活保護や義務教育等の真に国が義務的に負担すべきと考えられる分野に限定していくこととする。つまり、これは残すということですね。国が責任を持ってこれはやりますよというふうに読んで間違いないと思うんですが、そういうことで、先ほども神本委員からも、地方財政の関係で国が責任を持つ分野ということで、生活保護あるいは義務教育について規定があるわけでございます。 ところが、この平成十年の後、いろいろな動きを見てみますと、大きな変化が生じてまいります。で、一転して、平成十三年の地方分権推進改革会議ですか、が進むにつれまして、急転直下といいますか、義務教育負担金の廃止、縮減化が問題となってまいりました。この辺の経緯についてどのように、まあ過去を振り返ってももう遅いという話もありますが、やっぱりしっかり過去を検証してこれから前へ進むということになろうかと思いますので、その辺についての文部科学省のお考えをお聞きしたいと思いますが。
○国務大臣(中山成彬君) 今、小林委員が御説明していただきましたけれども、この平成十年の地方分権推進計画におきましては、国庫補助負担金の整理合理化の基本的な考え方といたしまして、真に国が義務的に負担を行うべきと考えられる行政分野として、生活保護と一緒にこの義務教育が挙げられたところでございまして、しかしながら、その後、地方分権改革推進会議とか、あるいは経済財政諮問会議等におきまして、すべての国庫補助金を対象とするんだということになりまして、現在の三位一体の改革につながるような観点での議論が行われるようになりまして、その中で義務教育国庫負担制度についても議論の対象とされたわけでございまして、特に昨年の知事会側の三兆二千億円の案の中に八千五百億円という大きな塊としてこの義務教育費国庫負担金が挙げられたわけでございまして、ある知事がいみじくも言われましたけれども、九番バッターのつもりで入れたのにトップバッターになってしまったと。三位一体改革のまるで象徴的なものになってしまったところに、私は、何といいますか、大きな問題があったんじゃないかと、こう思うわけでございますが、文部科学省としても、ずっとそういった流れの中で、憲法の要請に基づきます機会均等、水準の維持とか、そういったことを守っていくためにこの義務教育国庫負担制度の堅持を強く訴えながら、しかし一方ではやはり地方分権といいますか、地方の自由度を高める観点などから総額裁量制を導入したりなどいたしまして、地方分権ということについては十分配慮してきたところでございます。
○小林元君 その辺なんですが、大臣の説明ではちょっと飛ばし過ぎているんじゃないかなというふうにも思うんですが、事務的でも結構でございますので、もうちょっと詳しく、どうして、要するにもうあらゆる補助負担金を整理合理化の対象にするという考え方ですね、国として。これは文部科学省に聞くのはちょっと難しいのかもしれませんが、一応文部科学省としてどういうふうに受け止めていたかと、ここを説明していただきたいと思いますが。
○政府参考人(銭谷眞美君) 現在の動きにつながる状況ということで申し上げたいと存じますけれども、平成十四年の五月に経済財政諮問会議におきまして片山総務大臣から片山プランというものが発表をされまして、税源移譲に向けて国庫補助負担金五・五兆円の削減ということが提案をされたわけでございます。そして、これが五月、十四年の五月でございますが、十四年の六月に地方分権改革推進会議が中間報告を出しまして、義務教育費国庫負担金につきましては負担対象経費の見直し、定額化、交付金化、将来的な一般財源化の検討等が提言をされたところでございます。 さらに、同じ六月の経済財政諮問会議の取りまとめを踏まえまして、いわゆる骨太の方針二〇〇二が閣議決定をされたわけでございます。そこで、国庫補助負担金、交付税、税源移譲を含む税源配分の在り方を三位一体で検討し、今後一年以内を目途に改革案を取りまとめるということになったわけでございます。 その後、義務教育費国庫負担につきまして経済財政諮問会議などで集中的な議論が行われまして、その年の平成十四年の十二月でございますけれども、総務大臣、財務大臣、文部科学大臣の三大臣による協議の結果、現在進められている教育改革の中で義務教育制度の在り方の一環として検討を行って、平成十八年度末までにその義務教育費国庫負担金の在り方について所要の検討を行うということが三大臣により合意をされたということでございます。
○小林元君 経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二ですね、その直前に片山プランが出されたと。そこは説明ありませんでしたが、そういう中で三・二兆円という中にどうもこの義務教育国庫負担金も含まれていたようであります。 その二〇〇二には、今もお話がありましたが、地方分権推進会議の調査審議も踏まえつつ、福祉、教育、社会資本等の国庫補助負担金の廃止、縮減について云々というふうに大きく流れを変えてきたというふうに見ても間違いではないという話だったと思います。 そういう中で、それに先立ちまして、今でこそ、十五年、十六年、今年度ということで共済の長期負担あるいは退職手当、今回は四千二百五十億円というようなことで、今回は暫定ということでありますが、第二次の進み方を、第二期的な進み方をしておりますけれども、第一期といいますか、そこの前段があるんですよね。御承知だと思いますが、六十年には旅費、教材費、これを一般財源、交付税でやると。それから六十一年には恩給費を率を下げる、二分の一から三分の一にすると。六十二年には共済長期給付を二分の一からこれも引き下げるというふうに、はっきりした言葉で言えば、こういう人件費の本体そのものではありませんが、周辺の経費、しかも大事な経費について切り捨てていった、文部科学省の手をだんだん離れるようになってきた、こういうことがあるんですね。この辺はどういう考えでこういうものを一般財源化していくことをしてしまったのか、その辺の考え方というものがありましたらお示しをいただきたい。
○副大臣(塩谷立君) ただいま小林委員から過去の教育費の削減等についてのお話ございました。義務教育費の国庫負担制度については、義務教育費にかかわる国の責任を制度的、財政的に担保する制度であり、地方公共団体の財政力の差にかかわらず、全国すべての地域において優れた教職員を必要数確保し、教育の機会均等と教育水準の維持向上を図るために極めて重要な制度であると考えております。 これまでの国の負担対象経費を見直してきておりますが、これはどちらかというと財政的理由が主だと私は思っておりますが、全国すべての地域において、まずは優れた教員を一定確保するために必要な財源である教職員給与については一貫して国が負担してきております。国の財政事情や国と地方の役割分担、あるいは社会情勢の変化等に踏まえて、負担対象経費の見直しを行ってきたものでございます。 義務教育費国庫負担制度の今後の取扱いについては、政府・与党合意に基づき、義務教育制度の根幹を維持しつつ国の責任を引き続き堅持するという方針の下、費用負担について地方案を生かす方策と教育水準の維持向上を含む義務教育の在り方について幅広く検討して、今年秋までに中教審において結論を得ることとなっております。 いずれにしましても、文部科学省としましては、中教審の結論を踏まえて、義務教育に対する国の責任をしっかり果たすためにその改革に取り組んでまいりたいと思っております。
○小林元君 今の答弁は非常に表面的な答弁だというふうに思っております。それを分かって言っているとしたら、これは大変な問題です。つまり、もう地方分権推進会議の「事務・事業の在り方に関する意見」、十四年のこの二〇〇二の案を受けて、考えを受けて、地方分権改革推進会議が平成十四年の十月三十日にちゃんとこれ書いてあるんですよね。時間がないんですけれども、せっかくの機会ですので皆さんにも御認識をいただきたいと。 この委員会、会議の中で、さきの中間報告について、当会議はこの問題に対し、つまり義務教育の国庫負担金に対しまして、定額化、交付金化、一般財源化等の提案を行った、つまりそういう方にしてくださいと文部科学省に提案をしたと思います。 負担金対象経費の見直しについては、中間報告では国として真に負担すべき経費に限定するとの提言を行ったが、これとの関連で文部科学省から、ここが重要です、共済費長期給付負担金や退職手当等を対象経費から外すとの提案がなされている。文部科学省が提案したんです、これ。地方の要望でも何でもありません。本提案に対して、共済費や退職手当といった固定的な経費を国から地方にゆだねても地方の自主性拡大につながらず、分権の観点からは評価できないという意見もあった。そうですね、私どももそう思っています。 しかし、一方で、従来固定的経費とされていた人件費も今後流動化していくことを踏まえれば、ここはちょっと問題かもしれませんが、地方の自主性拡大にもなるとの意見が出され、その評価は分かれた。分権委員会も大変迷いになったようです。しかし、この見直しが義務教育費国庫負担制度全体の見直しにつながる契機となるのであれば、その限りで当会議としては改革に向けた第一歩と受け止める。 つまり、文部科学省の姿勢を積極的に評価して、まずはやりましょう、受け入れましょうと、せっかく言ってきていただいたから、ありがとうございますと、こういう文章なんですね。どうですか、これ。どういうふうに考えておりますか。
○政府参考人(銭谷眞美君) これは、平成十四年の十月の地方分権推進会議の意見についてただいま小林先生の方からお話がございました。 この経緯について若干申し上げますと、先ほどお話を申し上げましたように、いわゆる平成十四年五月の片山プラン、それから平成十四年六月の経済財政諮問会議の取りまとめを踏まえました骨太の方針二〇〇二、これを受けて、八月下旬の経済財政諮問会議の集中審議までに、十五年度に行うべき制度、政策、改革案を取りまとめるように文部科学大臣に対しまして総理の方から指示があったわけでございます。その具体的な内容としては、国の関与の縮小等の観点から義務教育費国庫負担制度の見直しを行うというような指示であったかと存じます。 これを踏まえまして、文部科学省といたしましては、義務教育費国庫負担の根幹は堅持をすると。すなわち、給与費についてはこれは国庫負担を堅持をすると。そして、負担対象の経費の見直しによりまして共済長期給付、退職手当等を国庫負担から外し、国庫負担金約五千億円を段階的に削減をするということを経済財政諮問会議の集中審議の際に義務教育費国庫負担制度の改革案ということで文部科学大臣から提示をしたというものでございます。あくまでも義務教育費国庫負担制度の根幹は堅持ということが前提になっていたかと存じます。
○小林元君 ただいまの答弁では根幹は維持しているというふうなお答えがありました。でも、これは受け取る方から見れば、地方団体も、あるいは現に給与を受け取る、あるいは退職手当を受け取る教職員の方から見れば、給与体系の制度全体がいわゆる人件費という形でありまして、それを国が負担をする、全部ではありませんが、二分の一負担をする、責任を持つ、それが根幹だというふうに受け止めているんですよね。ですから、そこは全く、細々としたものがいろいろ給与本体にくっ付いている、給与、本給、いわゆる本給にですね。ということで、それ以外はどうでもいいんだとは文部科学省も言わないと思いますが、本体ではないので少しずつ肉をそいでいっても仕方がないのかなというような考えだったんではないか。ですから、どんどんどんどんこれが切り込まれていく。 それならばということで、今回地方の方も、その辺に本当に文部科学省やってくれるのかなと。だれもだれも、都道府県も市町村も、義務教育国庫負担金、それを最初から要求していませんよね。こういうことがあって、三年も続き、どうかと言われたら、もう仕方がないと。あるいは、国も地方分権改革をやるんだから、中身はとにかくですよ、梶原前会長さんが言われたように五十点だと、それほど中身があるものではないけれども。あるいは三兆円に近く、より近くということで、義務教育国庫負担金八千億も入れると、八千五百億も入れて、そして、といったら半分になっちゃったと。こういう話でしょうけれども、いずれにしましても、それだけ税源移譲をする、一般財源化をするというようなことを決めるのであれば乗ってみようではないかというところが今回の結果になったんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(銭谷眞美君) 私ども、義務教育費国庫負担制度というのは、義務教育の水準を確保する上で、義務教育を担う教職員として優れた人材を必要数確保するというために国が二分の一を負担するという制度でございまして、極めて重要な制度であるというふうに考えているところでございます。 したがって、この優れた教職員を必要数確保するための財源を保障していくという観点から、義務教育費国庫負担制度の根幹というのは、義務教育を担う教職員の給与費のための財源を国が責任を持って保障するということであるというふうに考えておりまして、十五年度、十六年度とずっと負担金の縮減は行ってきたわけでございますけれども、いわゆる見直しは行ってきたわけでございますけれども、文部科学省といたしましては、義務教育費国庫負担制度について、義務教育の機会均等とその水準を確保するというこの制度の根幹は堅持をするという立場に立ってこれまで努めてきたところでございます。
○小林元君 それでも根幹は維持するんだと、こういうふうに答弁されましたが、やはり相当、もう倒れる寸前にあるという状況ではないかと思うんですよね。だから、みんな心配しているんですよ。別に、文部省が、文部科学省がこの義務教育の経費を持ってくれとか、地方団体が全部確保してくれとかじゃないと思うんですね。先ほど来話が出ておりますように、日本の国の教育というのはやっぱり日本でも国の根幹であると。だから教育投資をしっかり、だれがやるのかという問題はさておいても、しっかり確保してもらいたい。日本は先進国だ経済大国だ、こう言っていながら依然として低い水準にあるということは十分御認識だろうと思うんです。 ちょっと切り口といいますか、あれの方向を変えますけれども、国全体としては、このいわゆる三位一体の改革ということで、いずれはというか、だんだんに地方分権というものを流れを強くしていくという考えはあると思います。そして、そうなるべきだと私どもも思っております。 しかし、そのときに国がどういうことについて責任を持つのか。例えば、この国庫補助負担金について、十九兆円ですか、あります。我々は一括交付金、つまり教育なら教育の交付金ということで、教育ということに使途を限定をして、余り細かいことは言わずにその財源を確保すると。地方交付税というやり方もあるんでしょう、それですべての配分をするという考え方もあるでしょうが、我々は当面、一括交付金のようなことで配分をするのがそれぞれの行政分野の水準を維持できるんではないか、そういうふうに考えてそういう主張をしておりますが。 いずれにしましても、この国庫補助負担金、こういうものはたくさんありますけれども、今回は生活保護の問題も話題になりました。しかし依然として、例えば、老人医療給付費負担金二兆五千億、療養給付費等負担金一兆九千億、生保、生活保護一兆七千億ですね、介護関係一兆一千億というものはちゃんと残っているんですよね。これはやっぱり国としてしっかりやらなきゃならない。あるいは、しっかりやるについて、今すぐにぽっといろんな形で地方に交付をすると、あるいは一般財源化をするというようなことについては急ぎ過ぎるということもあるんでしょうが、こういうものは残っておりますね。 その辺について、どうも義務教育がトップにこれ祭り上げられちゃったんです。血祭りと言ったら語弊がありますが、その辺、やっぱりどういうことでこういうふうになっちゃったのか。ちょっと繰り返しになって恐縮でありますが、お考えがありましたら、大臣、お願いしたいと思います。
○国務大臣(中山成彬君) 小林委員から、この義務教育国庫負担制度の変遷、それに対する文部科学省の対応ぶりについてるる御説明がありました。 ずっと歴史を振り返っておったわけでございますが、最後に、なぜこれが一般財源化の対象となったのかと、こういう御質問だと思うんですけれども、私、はっきり申し上げまして、どうしてそうなったのかなと。 先ほども申し上げましたけれども、要するに、大きな塊といいますか、負担金というのは大きな塊であって、議論の中でそれがえいやっという形で入ってしまったのかなと思ったり、あるいは、ちょっと話がありましたが、福祉関係とかそういったものはどんどん増えていく、しかし少子化でこの教育関係の予算というのは減っていくから、そっちの方を早くもらった方が自由に使える金が増えてくるとか、いろんなお考えあったというようなこともお伺いしておりますが、要するに、私としては、この負担金制度の意義とか重要性についての地方の十分な理解が得られていなかったのではないかと、こう思っておるところでございまして、私たちはあの議論の中で、地方六団体の改革案がそのまま受け入れられるわけにはいかないと、もしそれを受け入れられたら、憲法の要請でもございますが、教育の機会均等とか水準の維持ということがこれは困難になってくるということで、反論といいますか議論したわけでございます。 そういう意味で、本当にずうっと、何といいますか、攻め込まれたといいますか、お話を聞きながら、酒米ですね、お米、酒米にするとき、米、ずうっと削っていくんですけれども、どんどんどんどん削られていくような、そんなことを感じておりまして、これはどこまでというのはないんですよね、これを削っていきますと。 ですから、ここまでだということでしっかり私は踏ん張るものがこの現在の給与の二分の一ということではないのかなと、このように考えておるところでございます。
○小林元君 米をといで、とぎにといでうまい酒を造るという考えも、それはあるかもしれません。でも、やっぱりそれは限界がありますよね。コストもあるでしょうし、そんな高い酒買ってくれる人もいないかもしれません。やっぱり教育をどうするのか、そういう視点で、これは正に中教審に今そういうことをきちんと整理をして、議論をして、いい結論を出してほしいとだれもが願っていると思いますけれども、やはりその切り刻まれてというか、すり込まれたということについては決意をし直して頑張るしかないんじゃないかというふうに思っております。 前にも佐藤理事からも質問、あるいは皆さんからも質問がありましたこの地方六団体、先ほども私も言いましたけれども、この意見では、今回、中学校教職員の分八千五百億円を税源移譲の対象を前提にしまして、職員の給与については標準法とか給与条例とかありますから地方の自由度はそれほど高まってはいないと。先ほどの地方分権改革推進会議でもそのように指摘がありましたよね。地方団体もそのように受け止めているんですよ。 ですから、この間の、おとといの石井知事さんも、そういうことがあるけれども、分権化に結び付かないとは言いませんでしたが、なおかつ都道府県間の教育の水準格差、こういうことについても言及をしました。そして、その六団体の意見の中に、国は、義務教育における地方公共団体との適切な役割分担を踏まえ、その責任を明記する、都道府県間の教育費の水準に著しい格差を生ずることのないように法令に明記せよと。 何か、自由になりたいと言ってみたり、自由を縛ってもらいたい、自由といいますか、いかにも一見矛盾した主張にも見えますが、そういういろいろ厳しいことは分かっているが、それでもあえて中学校費分、今回は中学校費分ではありませんが、いずれにしても、第二期ということを考えれば、すべてを一般財源化して、財源譲与という方がより確実な道であるというような選択をしたんではないかと思いますが。大臣からも何度も聞いておりますが、いま一度お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(中山成彬君) 十七、十八年度の第一期で中学校分、十九、二十年度の第二期で小学校分と、すべて義務教育のこの国庫負担の予算は地方に持っていくといいますか、削減すると、こういうふうな案になっていたわけでございまして、私どもとしては、憲法の要請に基づく教育の機会均等、教育水準の維持向上という、この義務教育国庫負担制度を廃止といいますか、なくす形になるわけでございまして、とてもとてもこれは受け入れることはできないものであると、このように考えておるわけでございまして、教育の問題につきましては国全体として、単なる財政論からだけではなくて、子供の未来とかあるいは国家の将来を踏まえて徹底的に議論を尽くして結論を出すべき問題であるというふうなことで、これまでも御主張してきたわけでございますが、これからも、こうした文部省の考え方につきましては、地方六団体におかれましても御理解いただけるようにこれからも努力を重ねてまいりたいと、このように考えています。
○小林元君 そういう知事会、それが地方団体の意見のすべてとは申しませんが、今回はいろいろ賛否両論ある中で、大勢としてはそういうことになって政府に提案をしたということになって、それを受けて今回の三位一体の改革ということになったわけでございます。 そこで、先ほど大臣からもありました退職手当とか職員給与費も含めて、教育費の人件費というものは今後だんだん少なくなっていくんではないかというような見込みの下で地方団体が、それならば余裕財源も出て自由度が高まるというような、それはちょっと邪推だとは思いますが、逆に、と思っておりましたら、東大の苅谷教授が、そうじゃないと、今後、退職手当あるいは共済費の率、この納付率ですか、共済長期負担金、そして本人も、給与をもらう本人も負担が上がっていくわけでございますけれども、そういうもので人件費が上がると。そして、これは二年後辺りから増嵩が始まりまして、三千億、四千億、まあ全体の金が十兆円というようなことですからそんなものは大したことないという、たかだか六%ぐらいだという考えもあるでしょうけれども、この辺について、しかも、やっぱり退職手当となると一時的な支出ということで、これは大変な問題がございます。その辺うまく、その辺の長期見通しを文部科学省にお伺いし、さらにそれについてどういうふうに対応するか、併せて総務省の方からもお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) ただいまお話のございました教職員の人件費の将来推計でございますけれども、文部科学省といたしましても、お話のございました東京大学大学院の苅谷教授始め大学の研究者の方とも協力をしながら、今将来推計を行っているところでございます。 現時点での将来推計を申し上げれば、次のような見通しでございます。 まず、教職員の人件費の全国的な状況でございますけれども、給与費につきましては、平成十九年度がピークとなる見込みでございます。それから、退職手当につきましては、平成二十八年度にピークとなる見込みでございます。それから、共済費の長期給付につきましては、平成三十年度まで増加し続ける見込みでございます。これらの教職員人件費の合計額につきましては、平成二十六年度にピークになる見込みでございまして、教職員の人件費はここしばらくは増加をしていくということが見込まれるところでございます。 平成三十年度までの増加分、増加分の累計でございますけれども、苅谷先生の推計では約四兆四千七百億でございますけれども、今文部省がこれまで推計したものはそれを若干上回る見込みでございます。 それから、もう一つ大事なこととして私ども考えておりますのは、各県ごとの教職員の人件費の推移の見込みというのがあろうかと思っております。例えば埼玉県とか千葉県、東京都、神奈川県、大阪府などのいわゆる大都市圏では、つまり比較的財政力が強い都府県では人件費のピークが平成十九年から二十一年となっております。一方、大変恐縮でございますが、鳥取県、高知県、鹿児島県、沖縄県などどちらかというと財政力の弱い県におきましては、今後、今推計は平成三十年までやっておりますけれども、今後平成三十年まで人件費が増加をする傾向にございます。 したがって、これら財政力が弱い県での教職員人件費の負担は更に大きなものとなると、こう考えておりまして、特にこのような県につきましては、きちんとした財政上の手当てがなされない場合には各都道府県間において人件費の水準に大きな格差が生ずるということも予想されるところでございます。今、文部科学省におきましては、引き続きより精緻な教職員人件費の将来推計を行ってまいりたいと考えているところでございます。
○政府参考人(瀧野欣彌君) 今後の教職員人件費の推移についてでございますけれども、我々も東大の苅谷先生の資料を拝見させていただいたわけでございますが、細部は別といたしまして、今後十年前後にわたりまして、全体として教職員の人件費が増加傾向にあるということは予想されるのではないかなというふうに我々も考えておるところでございます。 ただ、こういった義務的な経費につきましては、地方財政を運営する上におきまして、地方財政計画にきちんとその所要額を的確に計上するということは当然のことでございまして、そういった面では全体としての財源というものは地方財政計画を通じて確保するということとしておるところでございます。 その場合に、地方財政計画全体としてどういう推移になるかという御懸念もあろうかと思いますけれども、全体のこの地方財政計画の規模、現在八十三兆円を超えるような規模でございまして、そういった中でその全体の額を考えてみますと、マクロ的にもミクロ的にも財源、税源移譲とそれから地方交付税の調整機能で財源保障は十分対応可能ではないかなというふうに考えているところでございます。その場合に、財政力の弱いところ強いところ、非常にアンバランスが生じるということが非常に懸念もあるわけでございますけれども、今般、地方税法改正させていただきまして、事業税の分割基準の見直しも行いました。 今後、税源移譲が本格化する場合には、個人住民税の所得割につきまして税率のフラット化も行うというようなことで不交付団体と交付団体の調整も行う。その上で、交付団体の中での財政調整をきちんと交付税の中でいろんな工夫をしながらやっていくということを考えておりますので、地方の財政ということを考えてみますと、人件費の一般財源化に伴いまして地方団体が財政上非常に困るということは想定されないというふうに我々は考えておるところでございます。
○小林元君 ありがとうございました。 ですから、退職手当とか長期共済給付とかというのは、その当時この地方に一般財源化というか交付金化した。そういう中ではやっぱりこの地方にツケ回しをしているんじゃないかと。今、四千億も五千億も増えるということを分かっていながら地方に回したというようなこともあったんですよね、これが本当のねらいかどうかは私は分かりませんが。 ですから、文部科学省にしてみれば、そこまでしないと義務教育国庫負担の根幹が守れないと、虎穴に入らずんば虎子を得ずというような気持ちで投げたかもしれませんが、どうも大変な状況といいますか、これにとどまらず本体が危うしというような状況になっているんではないかと思います。 それから、次に移ります。時間もありませんが。 まあその一般財源化すると教育の水準が守れないんではないか、こういう議論がありました。一番端的な例は、義務教育はいろんな制度が今あるわけでございます。それで教育の水準というものが維持されていると。いろいろ、そうはいっても格差はないわけではありませんけれども。 ところが、高等学校、これは完全に都道府県、政令市立、市町村立もありますけれども、文部科学省からいただいた資料見せていただきました。小中高と並んでおります。時間がありませんのであれですが、平均だけ申し上げますといわゆる基準財政──総務省の方、じゃもうちょっと、これ終わったら退席して結構です。失礼しました。 基準財政需要額と財政支出を比べてみた表をいただきました。文部科学省もしっかりと検証をしているようでございますが、小学校は全国で一・〇六、つまり基準財政需要額、算定額を六%超えていると。中学校も全く同じ数字なんですね、全国平均は。というような数字で、一々どこの県がどうだということは申し上げませんが、この一を割っている県もかなりありますが、しかしその割っている割合はそれほど極端な格差はなさそうに思いました。そして、高等学校はこれは全く逆なんですね。一・一七なんですよ。つまり基準財政需要額を一七%上回って支出をしている。つまり、おれたちがこれはやらなきゃならないという責任なのかどうかわかりませんが、今、義務教育とほとんど同様に高校は全入状態ですよね、全員入学。もう九九・何%というような入学率で、義務教育にしてもいいというぐらい言われているわけですが、それが一・一七でありまして、それを割り込んでいるのは、こう言っちゃなんですけれども、愛媛県が〇・九九、宮崎県が〇・九八ということで、これも割り込んでいるというような大げさなものではありません。ほとんどきちんとやっているというような状況で、これはお金の面から見た面で、またちょっと時間が長くなりますので、定員がどうだとか、そういう見方もあるだろうと思います。いろいろ資料はいただいておりますが。 そういうことで、今まで文部科学省は、教材費は一般財源化したら落っこっちゃったと、教職員の旅費も駄目だと、図書購入費も駄目だというふうに言っておりましたが、そういう言い方はこれは当たらないんじゃないかと。もっと正直に、素直にやっぱり全体を見て資料を出していただいて国民に判断をしていただくと。まあ世論調査ではありませんが、義務教育はしっかり国にやってほしいと、こう言っているんですから、自信を持って、いろいろそれは欠点もあるでしょう、問題もあるでしょうけれども、もっと広い視野で、トータル的な視野で分析をし、しかも財政支出イコール学力が高いとか、人間の資質が高い教育ができているということはまたちょっと違う話なんですよね。連動しているかどうかは私にも分かりません。ただ、国際比較では私、どうも、日本は三・五でフィンランドは五・五だから向こうがいいというようなことを言っておりますが、本当にいいかどうかはいろんなことを見て、やっぱりしっかりどちらがやっているのかなということを見て学んでいくという姿勢が大事ではないかと思いますが、それについての御感想なり御意見をいただきたいと思います。簡単で結構でございます。
○政府参考人(銭谷眞美君) 今、高等学校と小中学校を比較をしたお話がございました。私ども、義務教育である小中学校と設置義務が課されていない高等学校では単純な比較というのは難しいと思っておりますけれども、ただ、今先生のお話をずっとお聞きをいたしまして、きちんとデータに基づいた議論ということは私ども必要だと思っております。 例えば、先ほどもお話ございましたが、学力の問題、これについて国際的な比較、過去の同様の調査との経年の比較、さらに、今データが必ずしも十分ではございませんが、地域間の比較とか、こういう学力についてもきちんとデータに基づいた議論が必要だと思っておりますし、例えば教職員の数、配置につきましても、教員一人当たりの児童生徒数ということでよく比較をするわけでございますけれども、標準的な学級規模が例えば各国でどういう状況になっているかとか、いろいろな、様々な観点からのデータ比較ということが必要になってくると思っております。 また、財政支出の面につきましても、これは将来推計を含めまして、きちんとデータを取りながら議論していくということが大事だと思っております。 現在行われております中央教育審議会の義務教育特別部会におきましても、この会が始まりましたときに委員の方からそういう意見が随分出ておりまして、私どもも議論を進めるに当たりましては審議会の方にいろいろデータを集めて提供しながら、しっかり御議論いただけるように取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。
○小林元君 総務省、ありがとうございました。 もう時間もなくなりましたので、最後の質問になろうかと思いますが、知事会の方からもいろんな意見があったと思いますが、また中教審の中でどうも不信感に満ちた雰囲気、あるとは言いませんけれども、そういうことがあるようでありますが、こういう、何といいますか、文部科学省頼みに足らずと。地方が自主自立でやるというような考えもないわけではありません。どうしてこういうふうに文部科学省が不信感、地方からの不信を生んでしまったのか、大変心配をしております。 そういう中で、今回の、今回のといいますか、文部科学省がこの義務教育国庫負担制度を堅持すると、こういうふうに言っておりますけれども、これはやっぱり各省ともども、単に地方に影響力を残したい、だから補助金は、負担金は握っていたいと、そういう考えではないと思いますけれども、そういうふうに見えなくもないわけでございます。 例えばの話でありますが、例えば学習指導要領があります。これについて、従来、最近弾力化してきましたが、従来大変タイトな考えで、これは法令に準ずる、準ずるというか法令そのものだみたいなことを言ってこられた。法令というんであれば、これは国会でも指導要領審議しなきゃいけないと、昨日もそれらしいことが、先日もありましたけれども、でもそこまではしていないわけでございまして、最近はまあミニマムだというふうに言っておりますけれども、現場ではやっぱりそういうふうに非常に固定的に解していると、受け止めているというのが私は実態だと思うんですね。しかも、なぜそういう不信感が生んでしまうのか。 県や市町村には教育委員会に教員出身者がたくさんおります。制度的にもこれはきちんとなっておりまして、指導主事というのが主として教科の教育内容あるいは教育技術、そういうものを教える、教えるというか指導する、助言をする、こういう仕事をやっております。そして、管理主事というのが一方におりますね、もう十分御承知でしょうが。そういう方が、人事管理、人事評価をしたり、異動の案を作ったり研修をしたりというようなことをやるのが、そういう計画を作るのが指導主事であります。 ところが、文部科学省には教科検定の関係の人しか教員がいないんですよね。教員が教育行政をやるのがいいか悪いかという議論は、それは根っこからやるべきかもしれませんが、とにかく地方と国の制度は全然違っていますね。しかも、大臣は教育委員会の委員長ではない。地方は教育委員会の委員長、教育長が責任を持って教育行政をやるというシステム。国は何で違うんだ。政治家がトップにいないんです、向こうは。向こうはというのは地方の方はですね、そうはなっていません。 ですから、やっぱりいろいろ仕組みは違う。どうしてそうなのかというのはやっぱりなかなか分かりにくいんですよ。ですから、どうしても、じゃそういう教員出身者が学校へ行って助言、指導するのと、文部科学省の職員、どういう方が私行っているかは具体的にすべて知っているわけではありませんが、例えば大学の先生を呼んできてこうやると。これ、ちょっと違うんですね。大体、大学の教育学部の、教育の先生というのは教育学部があって、国立のですよ、私学もありますけれども、附属学校があって、その附属学校というのはもう今の学校の実態とは全く違うんです。そういう先生が幾ら理想的なことを言ったって、だれも話聞かぬ、聞きません。ですから、いや、そんな立派な生徒を相手にして教えるのは簡単ですよ、教えなくても一人で育ちます、はっきり言って。だから、現場というか、大変苦労しているわけですよ。ですから、やっぱりもう言えば言うほど不信が深まるということがあるんではないかと。これは私、勝手に言わせていただいておりますが。 それから、やっぱり先ほども、何回も繰り返しますが、日本の教育投資は、残念ながら、経済大国でありながら後塵を拝しているということが決定的ですよね。金がイコール教育水準ではないと思いますけれども、松下村塾の例もありますから、やっぱり優秀な教員がいれば、設備が悪くとも、学校が古くても、立派な教育はできないことはない。でもそれを、だからといって出さなくてもやれやれと言えるのかといえば、それはやっぱりそうじゃないです。ちゃんとやっぱり教育条件を整えてやる必要があるんじゃないかと。時間が過ぎておりますので、もうやめますけれども。 戦前といいますか、明治の時代、武士たちが教員になって一生懸命教えました。経過はいろいろありました。けれども、やっぱり先ほど、前回も言いましたが、優秀な教員たちが頑張ったと思いますし、戦後もやっぱり戦争に負けて、そういう反省の中で、日本はもう資源も何もない、教育しかないんだというような気持ちが、私は、国民もそうだし先生方もそう思って一生懸命やったんではないか。それが高度成長という大変な財産を生んだわけでございます。 そういうことで、時間がありませんのであれですが、大臣の所見をちょっとだけお願いをして、私の質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(中山成彬君) 小林委員からいろいろお伺いいたしまして、そのとおりだなと思うことも多々ございましたが、この国庫負担制度を堅持するというのが、その地方に対する文部省の影響力を残したいということよりは、ちょっと違うんじゃないかと、責任を全うしたいということだろうと思っていますね。というのは、ほかの補助金、例えばうちの道路を造ってくれ、橋を造ってくれという陳情はあるんですけれども、この国庫負担金を堅持してくれという陳情は今までなかったんじゃないかと思うんです。そういう意味ではちょっとほかの補助金とは違うなということを思っておるわけでございまして、もう一つは、地方側が地方分権、こう主張していますが、彼らは財政的関与はなくしてその代わり法令で規制を強化すると、こういうことを言っていますが、先ほど御質問ありましたけれども、金は出すけれども口は出さないの反対で、金は出さないのに口だけ出すと、これは私、地方分権に反するんじゃないかと思うんですよね。 ですから、私は、今文科省がやっておりますように、できるだけ現場に任せろと、現場の裁量を拡大するという意味で総額裁量制を進めながら、しかし国庫負担金制度は堅持するということは大事なことではないかと思うんです。特に、十七、十八年度はいいんですけれども、その後、十九年度以降になりますと、いわゆる三位一体の中の最後の交付税改革が行われますが、改革と名前はいいんですけれども、これは削減ということでございまして、そうなったときには本当に地方から悲鳴が上がってくるということを私は感ずるわけでございまして、そういう意味で、私は国としてしっかりとしたこの負担制度を堅持するということはもう絶対大事なことだろう、これはもう本当に堅持していかにゃいけないと、こう思います。 それと同時に、今、文部科学省、現場をよく知らなかったんじゃないかというふうな御指摘もありましたが、私もそういうことを感じておりましたので、現場主義の徹底と。まず、現場の先生方、そして保護者がどういうふうに考えているんだと、子供たちの実態がどうなっているのかをまず知ることから始めようじゃないかということで、スクールミーティングということで、今全国で小中学校三万三千ぐらいあるそうですけれども、せめてその一%ぐらいは行ってみようじゃないかということでスクールミーティングを三百校を目標に進めていまして、もう既に百五十校を超えているわけでございますが、そういったところに出向きまして、こちらから一方的に説明するんじゃなくて、まず現場を知って、それを基にして教育改革を進めていきたい、そういう方針で進めていますので御理解いただきたいと思いますし、これがこの国庫負担制度についての最後の御議論になるかと思いますけれども、どうか、このことにつきましては与野党を通じて皆様方の意見というのは堅持ということで一貫しているようでございます。大変心強い、有り難いと思っていますけれども、これから夏の陣、秋の陣といろいろあると思いますけれども、どうか引き続きこの義務教育国庫負担制度の堅持ということにつきまして、御支援といいますか、御支持をいただければ有り難いなと思っている次第でございます。 今後ともよろしくお願い申し上げます。
○委員長(亀井郁夫君) いいですか。ありがとうございました。 他に御発言もないようでございますから、質疑はこれで終了したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○鈴木寛君 民主党・新緑風会の鈴木寛でございます。 私は、民主党・新緑風会を代表し、国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する法律案につきまして、反対の立場から討論を行います。 義務教育費国庫負担制度は、我が国の義務教育の根幹を支える制度であります。我が国の教育制度を地域主権や現場主権の理念に即し、その進化、発展を模索することは私も大変重要であると考えておりますが、そうした観点からも本法案は全く評価に値するものではなく、余りにも多くの問題を抱えていると言わざるを得ません。 まずその第一は、これまでの政府・与党の動きの問題であります。 義務教育費国庫負担制度については、平成十四年十二月の総務、財務、文部科学三大臣合意及びその後の閣議決定や政府・与党合意において、中教審の検討も踏まえ、十八年度末までに検討を行うとされ、先行的に導入された総額裁量制の成果も見ながら十分な議論を尽くすことが約束されていたのであります。にもかかわらず、昨年、平成十六年夏に唐突に国庫負担制度廃止論が浮上し、昨年十一月の政府・与党合意において、強引に四千二百五十億円の削減の先行と中教審の結論の十七年秋までの前倒しが決定されたのであります。 この法案は、小泉内閣の特徴である議論なき豹変と突然の約束破り、独善的見切り発車の結果提出された法案であることが分かります。さらに、今国会の質疑においても、今年の秋に出される中教審結論がどの程度尊重されるかについて、文部科学大臣と総理を始めほかの大臣とで意見を異にするなど、閣内不統一が更に悪化していることも露呈いたしました。中山文部科学大臣も、三月十八日の本委員会において、三位一体ではなく三位ばらばらと答弁されましたが、正にそのとおりであります。このような状況の中で、教育改革がうまくいくはずはありません。 第二は、平成十七年度限りの暫定措置により、義務教育費国庫負担金から四千二百五十億円を減額するという措置自体の問題であります。 四千二百五十億円という数字は、実のところ地方六団体の改革案で提示された中学校の義務教育費国庫負担削減額を借りてきたという単なる経緯以外に何の根拠も持たないものであり、教育という重要な問題に、理念もなく、金額の根拠も不明確なまま、しかもなぜ一年限りの暫定措置を行う必要があるのか。つまりは、少なくともスクールミーティングなどを経て、十七年秋の中教審結論を待ってからきちんと法案提案を行うべきではないかという、極めて真っ当な我が党の指摘に何ら答えられないまま、しかもそうした重要な点に対し、総理大臣を始め担当大臣が十分な理解すらないまま法案が提出されております。 正に、我が国憲政史上に汚点を残す余りにもずさんな内容と手続に基づき今日を迎えていることに、議会人の一人として憤りすら感じるものであります。 第三の問題は、この法案では、準要保護者に対する就学援助費補助などについての削減もほとんど議論のないまま盛り込まれていることであります。 学校保健法による疾病の治療費に対する国庫補助も廃止されることとなりますが、この措置は、教育の機会均等を保障するという国の責任を放棄しているばかりか、国は社会保障、公衆衛生等の向上に努めなければならない旨を規定している憲法二十五条にも抵触しております。 また、三月二十九日の本委員会に参考人として出席していただいた中教審の鳥居会長は、就学援助等に係る国庫補助を廃止する内容が本法案に盛り込まれていることを知らなかったと述べられました。義務教育の在り方について議論を行う最高の場である中教審の会長すら知らなかったという事実に我々は愕然とするとともに、国の将来を左右する義務教育の在り方を議論する中教審に不安を感じたのは私一人ではないと思います。 我が国の教育は深刻で極めて厳しい状況にありますが、今回の改正案提出をめぐる一連の小泉内閣の余りにもずさんで不誠実な対応を見るに、現内閣のこれ以上の存続は、我が国の教育現場にとって百害あって一利なしであると言わざるを得ないということを指摘して、私の反対討論を終わります。
○小林美恵子君 私は、日本共産党を代表して、国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行います。 第一に、義務教育費国庫負担制度は、憲法、教育基本法が定める教育の機会均等、教育条件の整備に対する国の責任を制度面から担保しているものであります。 しかし、これまで、旅費、教材費など、また三位一体改革により、二〇〇三年度、二〇〇四年度と退職手当、児童手当などが一般財源化され、現在は義務教育費国庫負担は教職員の給与、手当の二分の一の負担だけとなっています。 この間の審議でも明らかなように、八五年度から一般財源化された教材費で見ると、削減に対応した財政措置が行われているといえども、基準財政需要額に対し八割台にとどまっており、県によっては三割、四割台のところもあり、財政上の手当ては地方財政に左右される結果となっています。 今回の削減は二〇〇五年度限りの暫定措置ではありますが、最後に残された教職員の給与、手当を対象とし、削減額も四千二百五十億円と、二〇〇三年度、二〇〇四年度の二年間に削減された金額に匹敵する大規模なものです。この削減は、教育の機会均等、教育条件の整備に対する国の責任放棄につながるものであり、断じて認めるわけにはまいりません。 第二に、就学援助制度は経済的理由によって就学困難な児童生徒の就学を確保するもので、国の補助は、憲法、教育基本法に定められた義務教育は無償、機会均等、教育条件の整備に対する国の役割を明確にするものであります。 今回の補助の削減は、現在、就学援助の九割を占める準要保護百十三万人を対象としたもので、国の役割を大幅に後退させるものです。長引く不況、リストラなどで就学援助を受ける児童生徒は増加をしており、補助金の大幅増額と制度の拡充こそが求められているものであり、準要保護分の補助の廃止は容認できるものではありません。 第三に、産業教育設備、定時制・通信制設備の補助の削減は、国が自ら定めた基準に照らしても不十分な施設整備の実態であるにもかかわらず、その責任を地方に押し付けることとなる重大問題です。いずれも、憲法、教育基本法で定められた教育の機会均等、教育条件の整備に責任を負うべき国の責任を放棄することにつながるものとなり認められないということを申し上げまして、反対の討論といたします。
○委員長(亀井郁夫君) 他に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(亀井郁夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(亀井郁夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十四分散会