文教科学委員会 第4号
- 発言数
- 209 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2005/03/22
会議録
○委員長(亀井郁夫君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件につきましてお諮りいたします。 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として総務大臣官房審議官岡本保君外四名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(亀井郁夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(亀井郁夫君) 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○後藤博子君 おはようございます。今日はトップバッターで質問をさせていただきます。 また、私も地元に帰って、このたびの福岡沖地震に、私の場合は大分なんですけれども、それでもひどい揺れがありまして、このたびの被災された方々に心からお見舞いを申し上げたいと思っております。 さて、今日は、大臣、そして文部科学省に質問をさせていただきたいと思っております。 最初に、国の義務教育の国庫補助負担制度、そういうことから入っていこうと思ったんですけれども、今、大臣も御承知の、皆様御承知のように、大変子供たちの問題が叫ばれておりまして、様々な社会現象を起こしております。子供にとっても、子供というよりか若者たちにとっても何か大変な世の中であろうかと思っております。そういう点で、最初に義務教育国庫負担制度の質問に入る前に、我が国の教育の在り方といいますか、そういうちょっと根本的なお話を大臣とさせていただければと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。 三位一体改革の中で、義務教育国庫負担の負担金の在り方については、今まで様々な議論がなされてきました。結局、平成十七年度には暫定措置として四千二百五十億円が減額されることとなっております。 昨年の政府・与党合意では、 義務教育制度については、その根幹を維持し、国の責任を引き続き堅持する。その方針の下、費用負担についての地方案を活かす方策を検討し、また教育水準の維持向上を含む義務教育の在り方について幅広く検討する。 こうした問題については、平成十七年秋までに中央教育審議会において結論を得る。 と、これはされております。 教育論に基づいて教育制度の在り方を検討する必要性が改めて確認されたと私も理解しておりますが、中央教育審議会の議論が我が国の責任のあるべき姿等を踏まえた結果になるように、秋のその議論を私も楽しみにしておりますし、もちろん期待もしております。 この本法案の審議に当たって、私も、まず我が国の教育の在り方について、これは今まで大臣にもいろんな方々が質問を、あったと思うんですけれども、今この大事な教育ということを考えなければならない私たち、文部科学委員としての私たちが本当に何をなすべきなんだろうか。このままでいいんだろうか、その場その場のやり方でいいんだろうか、そういうことが非常に疑問に思いまして、まず我が国の教育の在り方ということについて、中山大臣、文部科学省がどのような理念を持って取り組んでいるのかということでお伺いしたいと思っておりますので、もう率直なお言葉で、また端的に、申し訳ないんですがお答えといいますか、お話をいただければ有り難いと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(中山成彬君) 一昨日の福岡県西方沖の地震、私も同じ九州でございますので、被害の状況等大変気に掛かっているところでございますが、亡くなった方もいらっしゃるようでございます。また、けがをされた方、一杯あちこち倒壊等が出ているようでございますけれども、亡くなった方には御冥福をお祈り申し上げたいと思いますし、一刻も早い回復と、また、学校関係も春休みにちょうど入り掛けておりますけれども、まだ小中学校ちょっと残っているようでございますが、やはり早く復旧できますように。 また、特にあの辺は地震なんかは絶対起こらないだろうと、炭鉱があるということは地震がないということを前提としていたわけでございますが、そういう意味で、どこで地震が起こってもおかしくないような地震列島日本でございますから、この委員会でも何度も御質問いただきましたが、耐震化ということについては一層拍車を掛けていかないかぬなということを痛感した次第でございます。 今日はまた教育全般についていろいろ御議論いただけるということで、大変有り難いと思っているわけでございますが、ただいま後藤委員から教育の在り方について所見をということでございますので、率直に述べさしていただきたいと思いますが、やはり世界の中の日本ということを考えていかなきゃいかぬわけでございます。また、これから二十一世紀を考えますと、時代はどんどんどんどん変わっていく。自分たちが想像もしなかったような、そういう時代が来るのかなと、こんなことを思うわけでございまして、そういった時代とか社会が大きく変化する中で、我が国が経済社会の活力を維持しながら、子供たちが引き続き夢と希望を持って未来を切り開いていけるような、そういう教育環境をつくっていくということが我々にとって一番大事なことではないかと、こう思うわけでございます。 特に世界がこの教育というものを国家戦略として力を入れていますから、日本もやはりそれに負けるわけにはいかないと、こう思うわけでございまして、そういう意味で国としても、国としてもそういう人材の育成ということを考えなきゃいけませんが、私は、先ほど申し上げましたように、どういう時代が展開されるか分かりませんが、どういう時代になっても、どういう時代が来ても、しっかりと生き抜いて、そして子供たちがそれぞれ幸せな人生を過ごすことができるような、そういう土台、それをしっかりと与えていくという、そういう教育を推進してまいりたいと、このように考えておりまして、今、文部科学省としては、切磋琢磨しながら新しい時代を切り開いていくたくましい心豊かな日本人の育成を目指して、人間力向上ということを考えて教育改革を進めているところでございます。 特に義務教育につきましては、先ほど御指摘がありましたが、昨年末の政府・与党の合意もございますけれども、やはり国としては全国的な教育水準の確保と、それから教育の機会均等、そのために必要な財源の確保についての責任をしっかり果たしながら、その実施に当たりましては地域、学校の創意工夫を生かせるようにと、常にそういうことを考えながら、またその時点で一番最善と思われる教育を授けていくと。 あるいは、後でまた御質問出るかもしれませんが、文部科学省はくるくる変わり過ぎじゃないかと、こういう御不満もありますが、しかし、私は、少なくとも子供たちというのはもう日々変わっていくわけでございます、その主体が変わっていくわけですから、私は、やはり今、最善と考えられる教育を常に授けていくと、こういう観点から、私はスピード感を持って教育改革を進めてまいりたいと、こう思っているわけでございまして、特に今中央教育審議会の下に特別部会を設けまして、教育内容とか、あるいは国と地方の役割分担とか様々な観点から、タブーを設けることなくという言葉を使っていますが、教育全般についていろいろの御審議いただいているわけでございまして、その結果を踏まえながら今後とも教育改革ということには邁進してまいりたいと、このように決意を新たにしているところでございます。
○後藤博子君 大臣、ありがとうございます。 本当に夢や希望を持った子供たち、高校生のあるアンケートによりましても、七三%が夢や希望を持てないというような高校生が増えておりますし、先般も財団法人の日本青少年研究所が行った青少年の意識調査の結果が公表されまして、大臣もごらんになったかと思いますが、日本、アメリカ、中国の三か国の高校生を対象とした学習意識や日常生活についての意識調査なんですけれども、結果を見る限りでは、日本の高校生は、学習、生活、家庭や国に対する意識などについて、報道のその言葉は自己中心的で刹那的という結果が示されておりますし、日本というものに対する意識も非常にほかの国に比べて薄いですし、教育というものはすぐ結果に出るわけじゃありませんし、やっぱり積み重ねによってこういうふうな結果が出るような高校生になってしまっていると。そういう点を深く私たちは受け止めなければならないと思っております。 この新聞報道について、新聞報道といいますか、この調査結果についての感想、今同じようなことを述べられておりますから重なるかもしれませんけれども、この調査結果についての感想を一言といいますか、お答えしていただいてよろしいでしょうか。
○国務大臣(中山成彬君) 私もこの前の日本青少年研究所の調査の結果、新聞で見まして、何といいますか、そうかなとは思っていましたが、ああいう数字が出ますとやはりショックといいますか、これでいいのかなということを改めて感じさせられたわけでございまして、これ日本だけじゃなくて、米国、中国との比較でございますからよく分かるわけでございますが。 この中に、「どんなことをしてでも親の面倒をみたい」と答えた高校生が日本が一番少ないと。あるいは、「結婚しても家族のために犠牲になりたくない」という回答をした高校生も一番多いと。そして、「いまの生活で何でもできるとしたら、一番したいのは好きなように遊んで暮らす」こと、それから、「若い時は将来のことを思い悩むよりその時を大いに楽しむべき」と答えた高校生が一番多かったということでございまして、正に日本の子供たちが一番、何といいますか、刹那的といいますか、自己中心であるということが示されるわけでございまして、これは前々から言われていたことでございまして、日本の青少年が自分だけよければいいと。 正に、自己チュー、自己チューと言われますけれども、自己中心的になっているわけでございまして、いかに人生を生きるべきかということについて明確な理念を持ってないということを物語っているわけでございまして、このことは時代のやはり、何といいますか、子供は時代のこれは産物といいますか、反映でございまして、そのことが大きく影響していると思いますし、これを見た親たちはショックだろうと思うわけですけれども、やはり私が思いますに、子供は親の背中を見て育つと言いますが、今の親たちがやはり同じような感じを持っているんじゃないかなということも感ずるわけでございまして、これは子供の問題であると同時に親の問題でもあるんじゃないかなと、私はそんなふうに感じまして、日本全体として考えていくべき問題ではないかと。 ですから、今、教育改革いろいろ進めておりますが、根本にさかのぼりますと教育基本法の改正ということにもつながるわけでございますが、もう少し、心の教育ということを戦後忘れてきたんじゃないか、あるいはいろいろやってきたんだけれども、本当のところがそうなってない。これは、日本が一番豊かになってきた、豊かな社会になっていきますとこういうふうにもなっていくのかなということも思いますけれども、でも逆に、私、豊かになればなるほど、やっぱり心の問題、いかに人生生きるべきか、無駄にしちゃいけないというようなことの教育は、できるわけでございますから、しなければいけないと、このように考えているところでございます。
○後藤博子君 ありがとうございます。 大臣、おっしゃるとおりなんですね。私たちは、夢と希望を持つように、確かな生きる力を付けるように、親の責任でもあるし、いろんなことを言われておりまして、私たちも日々頭を悩ませ、心を痛めております。 具体的に何をどうすればこういうふうな結果にならないのか。子供が生まれて育って、学校に入って、そして学校から教育を受けて出てきた子供たちの結果が、今その調査の結果によるような子供たちがたくさん出ていると。 それで、もちろん理想、こういう社会にしたい、こういう日本人の姿でありたい、こういう教育を求めたい、様々なことが考えられるんですけれども、そうやってずっと来たのがここ何十年といいますか、の結果だと思うんですね。 文部科学省、大臣始め文部科学省、私たちも、国という責任を預かる私たちもそうなんですけれども、脈々と流れる日本人という血をどう細部にわたって送り出していくのか。後で義務教育のことも触れますけれども、そういう国や、国といいますか、国の機関である文部科学省、文部科学省がやはり国の教育をしっかりと守っていく、そして大人も子供も育てられるような社会に持っていく、そういうことが必要だと思っております。 それには余り難しいことではないんじゃないかと、この質問を作っておりまして私は思いました。木曜日に質問をいただいて金曜日に通達して、もう土、日、月は地元で行事にかかわってきますので、ゆっくりこの質問に対して内容を、じっくりと取り組んだのは正直言って本当、昨日の夜中なんですね、これ申し上げていいか分かりませんけれども。 そういう状態が私たち国会議員にはありまして、大臣もそうですけれども、非常に一秒一分の中で生活しておるものですから、大臣に対して、皆様に対して、ちょっと違う質問になるかもしれませんけれども、でも、質問の内容は若干違うんですけれども、思う気持ち、目的は同じなので、大臣、この前、北岡理事の質問の中に、当たり前のことが当たり前にできなくなったという御発言をされました。正にそうなんですよ。当たり前の生活が当たり前にできなくなった。じゃ、この当たり前の生活をどう取り戻せばいいんでしょうと、私はそこに大きな基本があると思うんですね。 もちろん社会も多様化してきましたし、いろんなニーズもありますし、女性も働いてきましたし、家の中ではなかなか子育てができないし、だから保育所に預けたりということで、国は保育園をつくったり待機児童ゼロ作戦をつくったりしながらやってはいるんですけれども、じゃ、それで本当に物事が解決するのか、本当に私たちが望む人間形成ができるのかというと、どうなんだろうという疑問が残るわけです。 それで、この前、三月十七日の文教制度調査会の義務教育の特別委員会で、広島の尾道市立土堂小学校の校長先生ですかね、その先生が来てちょっと講演していただいたんですけれども、「生きる力と学力について」ということで講演していただいたんですが、大臣がおっしゃるように、当たり前の生活をすることの大切さを訴えていました。 当たり前の生活をするということはどういうことなのかというと、もう早寝早起きなんですね、早寝早起き。そして、朝の食事をちゃんときちんと取る。そして、栄養豊かな食事。栄養豊かな食事というと偏らないこと。食材の数をたくさん食べると学力テストが偏差値が高くなったそうです。そして、十分に寝ている子供たちは学力もいいそうなんですよ。それと、朝御飯をちゃんと食べると、全く食べない子供に比べて必ず食べる子の方が非常に学力も体力も伸びているわけですね。そういう結果がありました。 そしてもう一つは、家族の対話、お母さんやお父さんとの対話。これはいつ何どきでもいい、構えて話すんじゃなくて、お帰り、ただいま、そして、今日何があったのという一声二声でもいいんですが、朝、御飯を食べるときでもいいんですけれども、そういう本当に基本的な当たり前の生活をもう一回、大臣、取り戻してみようじゃないですか。そうすると、いろんなものがすべて解決するんです。少子化の問題もさることながら、いろんな問題が解決すると私は思うんですよ。 だから、大臣が、少子化で笑いを取ったら駄目なんですけれども、ゆっくりと家族が過ごすということによって夫婦の会話が生まれる、そういう当たり前の生活を取り戻したいと思っておりまして、その点について、当たり前の生活ということで、大臣、ちょっとお聞かせ願いたいんです。 そしてもう一つ、ついでですから言いますけれども、じゃ、教育の当たり前は何なんだろうか。教育の当たり前、これはもう大変、済みません、私がちょっとあれなんですけれども、勝手に、勝手じゃないですね、勝手じゃないんです、これは勝手じゃないんですよ。これは中曽根総理、総理の本をぱらぱらと見ていたんですね。「日本の総理学」という本をいただきまして、それをぱらぱらとめくっていましたら、教育というところがあったんですね。教育のところをぽっと見ていましたら、こういうことが書いてあったんです。ちょっと中曽根総理に申し訳ないですが、使わせていただきますが。 教育の当たり前、これは私が付けた名前です。総理が書いている言葉の中に、じゃ、小学校は読み書きそろばんを教える。国語と算数なんですよ。そして、しつけ。これは、親やおじいちゃんやおばあちゃん、近所のおじさんやおばさんやお寺のお坊さんたちがしつけをすると。幼いときは人間として生きていく基本の形をはっきりと教えるのが小学校以下ですね。じゃ、中学。中学となると、自分と社会や国や世界との関係を教えればいいんだと。じゃ、高校生は志を教えるんだと。そして、大学生では、使命感を培うための教育をやればいいんだという、そういう教育の当たり前ということで根本を本に書いておりました。本当にそのとおりだなと思うんです。 ですから、先ほどの当たり前の生活と教育の当たり前という、こういうことについて、大臣、どのように思われるでしょうか。済みません、質問の中に入っていなかったと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(中山成彬君) 後藤委員の話を聞きながら昔のことも思い出していたんですけれども、世の中が豊かになって、いろんなことで楽になればなるほど、どうしてももっと楽になりたい、楽をしたいと。いろいろ文明の機具等が出てまいりまして、また豊かになってきて、食生活も豊かになってくる。要するに、もう自分で作らなくても、食事なんかも買ってくればいいような時代になってくるわけでございますし、また、一家の団らんということになりますと、子供たちがそれぞれの部屋を、自分の部屋を持っていますと家族がばらばらになってしまう。昔はテレビもなかったのに、今はテレビとかいろんなゲームがありますから。 昔は、何もすることがないと言ったら語弊がありますが、勉強する時間もスペースも一杯あったわけですね。しかも家族ぐるみで仕事をしていたり、また自然で、自然の山や川で遊べたわけで、そういう意味では、今の総合的学習の時間などというのは、昔の子供はもう正に生まれながら総合的な学習しながら、その中で、今言われた読み書きそろばんといいますか、計算の重要性、必要性というのを分かってきていたと思うんですけれども。 今は、例えばプールを造ってやらにゃいけませんし、自然にはなかなか子供たちが育ちにくいとか、勉強しにくくなっていると。豊かになったがゆえにそういう学ぶチャンスというのが、自ら学ぶチャンスがなくなってきているんで、それを提供してやらにゃいかぬということになっているんじゃないかなという私は気がするんですね。人為的につくってやらにゃいかぬというところに今の教育の難しさがあるのかなと、こう考えるわけでございます。 家庭の中における子供の地位といいますか立場というのも、そういう意味では、昔は本当に親の背中を見て育つといいますか、できたんですけれども、なかなかそれもできなくなったということで、その分もまた学校でいろいろやるべきことも増えてきたということだろうと思うわけでございます。 今、中曽根元総理の御本を引用になりましたが、本当にそのとおりだなと、私も読ませていただきましたが。やはり小学校、中学校、高校、大学、それぞれの役割がありますし、それ以前にやはり私は家庭の役割というのがもちろん一番あるんだろうと思うわけでございます。きちっとした生き方といいますか、しつけとか礼儀とかそういったものはやはり家庭でしっかり教えてもらいたいと、こう思うわけでございます。その上で、小学校、中学校、高校、自分のこと、自分と周り、社会とのかかわり合いとか、あるいは生きていく上のいろんな技能等も身に付けていくわけですけれども。 やはり私は、国家から要請する、いわゆる期待される人間像という言葉も昔ありましたが、そういうこともやっぱりあると思うんです。やっぱり国全体が豊かになり、平和であり、そして治安が安定していないと子供たち一人一人も幸せじゃないわけですから、そういう意味で、国として子供たちに要請するものもあると思うんですが、いつも私が考えていますのは、やっぱり子供の立場に立って、いかに子供たちが、せっかくこの世に生まれてきたその人生を全うしてもらいたい、幸せに生きてもらいたい。そのためには、やはりわがまま勝手じゃいかぬわけで、自分だけでは生きていけないんだよと、我慢するところは我慢しながら周りのこともよく考えてやっていかにゃいかぬということも小さいころからきちっと教えて、そしてその上で、生きていく上のいろんな知識、技能も授けて、そして子供たちが、本当にいろんな才能を持っていますから、最大限発揮できるようなそういう教育をこれは国全体としてやると。もう家族だけではなかなかやっていけない時代になりましたから、地域も学校も一緒になって国ぐるみで、これからの子供たちが本当に幸せな人生を送れるように、そして日本の国というのがいつまでも経済的にも豊かで幸せな国であり続けるために教育改革というのはしていかなきゃいけないと、このように考えておるところでございます。
○後藤博子君 ありがとうございます。 大臣、本当にそのとおりでして、子供の生活を崩したものはもうテレビとかゲームとかパソコン、もうそういうことが入ってきたんですね。だから、それをシャットダウンすることはもうできませんね、この今の社会。だから、その中で、家庭の中、今家庭のことを言われましたけれども、家庭のルールをどう作っていくのか、もちろんお母さんも仕事に出ていきますから子供たちのことをなかなか一日じゅう見ているわけでもありませんけれども、テレビは一日このくらい見るんだよ、五時になったらちゃんと帰ってこうするんだよというような家庭の中のルールをきちんと決めておけば、子供たちもお母さんとの約束はお母さんがいなくても守っていくと思うんですね。だから、そこで子供たちを信じてやっていけばいいと思っております。 土堂小学校の先生も、子供の生活を壊したものということで、一日二時間テレビを見ると、全学習時間が七百八時間あるんですけれども、テレビの視聴時間は七百三十時間になると。日本の子供の平均テレビの視聴率は二・七時間だということで、もう非常に今の生活、豊かがゆえにもたらした、子供たちの精神的なものや感性やそういうものを壊していってしまっているということが片方であります。 是非、しっかりとそういう点では取り組んでいきたいと思っておりまして、このたびの一月十一日から十三日に委員派遣で、萩でしたかね、明倫小学校でしたね、明倫小学校に行ったときには、その大臣がおっしゃる当たり前の学校での生活が非常に残っておりましたから、是非そこを参考にしながら、あるいは土堂小学校のようなもう既にやっていらっしゃるところを参考にしながら、是非取り組んでいっていただきたいと思っていますし、私たちもそういう点では親として、一人の人間として、また国会議員としてやっていきたいと思っております。 大半の質問の時間をこのことに取らせていただいて大変申し訳なく思っておりますけれども、もう今の教育の大事さということを今この時点でやはりしっかりとやるんだという決意がなければ、義務教育国庫負担制度が、いろいろ制度をつくってもなかなかその制度だけに終わってしまうんじゃないかという、そういう心配があったもんですから、大半を時間を取らせていただきまして、大変ありがとうございました。 それでは、義務教育国庫負担制度の質問の方に入らせていただきます。 結構たくさんの質問を用意いたしましたけれども、時間の限り行きたいと思っておりますので、飛ばしたり、あるいは質問ができなかったりする場合がございますのでよろしく、答弁をいただく皆様方には失礼かと思いますが、御了承いただきたいと思います。 まず、義務教育費国庫負担制度のこの一年間は、政府において様々な形で激しい議論が行われまして、この法案の提出に至っております。 そこで、これまでの議論の経緯につきましてまず簡潔に御説明いただきたいと思います。もう本当に簡潔で構いませんので、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(銭谷眞美君) 昨年の六月に三位一体の改革について基本方針二〇〇四というのが定められまして、その中で三兆円規模の税源移譲を目指すということになりまして、その具体案を地方公共団体が取りまとめるということになりました。八月に地方六団体から案が出されたわけでございますが、その内容が中学校の教職員給与等に係る負担金八千五百四億円を移譲するというものでございました。その後、政府部内及び国と地方の協議の場などにおきまして義務教育費国庫負担金制度の在り方について議論が行われました。 その結果、昨年の十一月二十六日に、先ほどお話しのございました三位一体の改革についての政府・与党合意がなされまして、今後の義務教育費国庫負担制度の在り方については今年の秋までに中教審において結論を得るということとされたわけでありますが、その間の平成十七年度の暫定措置として四千二百五十億円程度の減額を行うということが決定をされたわけでございます。それに基づきまして今回法案を提出しているところでございます。
○後藤博子君 今おっしゃられましたように、義務教育費国庫負担から四千二百五十億円減額するということになっておりますね。この四千二百五十億円という数字は、昨年八月に取りまとめられた、今おっしゃられましたように、地方六団体の改革案で削減費目として示された中学校分八千五百億円の二分の一ということになりますが、四千二百五十億という数字の意味は中学校分の教員給与など特定の費目を示しているのでしょうか。その辺だけお答えください。
○政府参考人(銭谷眞美君) 四千二百五十億円の減額でございますが、これは地方六団体から提案されました八千五百億円の減額につきまして、金額の規模としてその半分の四千二百五十億円を減額をするということで、しかも十七年度限りの措置として行うということになったものでございます。すなわち、今回の法案におきます四千二百五十億円の減額は、中学校の教職員の給与を対象とするという特定の経費を対象としたものではなく、義務教育費国庫負担金全体から四千二百五十億円を額として減額をするというものでございます。
○後藤博子君 ありがとうございます。 そうしますと、税源移譲予定特例交付金で措置されると今伺ったんですが、きちんと同額が措置されると考えていいのでしょうか。そして、今回の措置により教職員給与が不足するなど地方が混乱することはないのでしょうか。 そして、七、八と同じ内容ですので七、八、一緒に質問させていただきますけれども、税源移譲予定特例交付金は一般財源ですが、暫定措置とはいえ本法案による減額措置が本当に教職員給与費に充てられるのかどうかという、そこがちょっと問題だと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(銭谷眞美君) 平成十七年度の暫定措置でございますが、先ほど来お話し申し上げておりますように、義務教育費国庫負担制度の原則を維持した上で、義務教育費国庫負担金から四千二百五十億円を減額をし、減額分に対する補てん措置として同額相当の税源移譲予定特例交付金を教職員給与費を基本として配分をするというものでございます。 したがって、これを各都道府県について見ますと、各都道府県においては義務教育費国庫負担金から一定額が減額はされるわけでありますが、減額措置と同様の方法によりまして税源移譲予定特例交付金の額が算定をされ、結果的には、各都道府県ごとの義務教育費国庫負担金と税源移譲予定特例交付金を合算すれば、本来国庫負担すべき額に相当する額が国から交付されることになります。 お話しございましたように、この税源移譲予定特例交付金は、本来使途が限定されない一般財源でございます。ただ、教職員給与費を基本に配分するという政府・与党合意の方針を受けまして、各都道府県の十七年度予算におきましては、必要な教職員給与費の額が確保されているところでございます。 文部科学省におきましても、各都道府県における公立義務教育諸学校の教職員給与費の平成十七年度予算措置状況について調査をいたしております。その結果、実際に予算ベースにおきましては、必要な教職員給与費が確保されているということを確認をしているところでございます。
○後藤博子君 しっかり確認をして、間違いのないようにというか、不安が現場に起こらないように、混乱が生じないようにしていただければと思っております。よろしくお願いいたします。 さて、大臣、やはり国民はといいますか、地方もそうなんですが、やっぱりいろんな不安がありまして、義務教育費国庫負担制度を維持すべきだという考え方の人にとっても、逆に一般財源化すべきだという考え方の人にとっても、平成十七年度は暫定的に四千二百五十億円を減額するという措置は何かこう分かりにくくて、どうも玉虫色じゃないかといった、何かそういうすっきりしない問題が起こっておりまして、今後の負担制度の在り方を考える際に何らかの影響を与えるものなのかどうなのか。大臣の御見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(中山成彬君) いわゆる三位一体の改革というふうに言われましたけれども、地方分権ですね。 小泉総理がいつも言われますけれども、地方にできることは地方にという方針の下で地方分権が進められているわけでございますが、昨年問題になりましたのは、この三位一体改革、税源移譲とそれに見合う補助金等の削減と、これが三位一体のうちの二つの位ですね、二位。もう一つは交付税の改革というのがあるわけですけれども、この補助金改革の中で小泉総理が投げ掛けられた三兆円のバスケットの中にこの義務教育費の中学校の分、八千五百億円が入っていたわけでございます。 私も九月二十七日に文部科学大臣を拝命いたしまして正にその論争の中に巻き込まれたわけでございますが、私がその中に入りましてすぐ思ったのは、教育論なのに、いわゆる補助金改革という観点から盛んに議論されていたわけでございまして、ちょっとおかしいんではないかと。補助金改革から始まって、その義務教育という国の責任を放棄するような、放棄してもいいような、そういう議論になっていたものですから、それはおかしいのではないかと。 補助金改革とこの義務教育という国の責任とどっちが重いのかと、どっちが上位の命題なのかということで、経済財政諮問会議とか、あるいは四大臣会議等で盛んに議論したわけでございますが、やはり教育論というものをもう少し重視してほしいと。特に、ほかの国は国の関与を強めようとしているときに、単なる地方分権、補助金改革ということからだけでいいのかということでいろいろ議論いたしまして、とにかく教育論を何とかしてほしいと。知事会側も一枚岩ではなくて、地方自治に携わりながらもやはり国家的な識見を持った知事さんもいらっしゃるから、その方々もひとつ経済財政諮問会議に呼んでほしいと。あるいは中央教育審議会の鳥居会長も呼んでいただいて話を聞いてほしいということもお願いいたしました。 前者は実現しませんでしたが、後者の鳥居会長には来ていただいて、いろいろ話をしていただいた。その結果、やはり中央教育審議会という本当に日本の教育を考えていらっしゃる場で議論をしていただいてから結論を出そうじゃないか、こういう話になりまして、かといって、三兆円という地方側の案も、これは総理としては真摯に考えなければならないということでございましたものですから、八千五百億というこの数字は中央教育審議会の議論を経てと、そしてその中の、これは二年分でございますからね、八千五百億というのは。その半分でございます四千二百五十億については、平成十七年度の暫定措置といいますか、仮置きといいますか、仮置きという形にしていると。ですから、中央教育審議会の結論が出て、もうこれは全部地方の一般財源化しようということになれば、これはもう暫定ではなくなるわけでございますし、逆に中央教育審議会で、これはやっぱりちょっとおかしいということになればまた元に戻るということもあり得ると、こういう前提の下で、今、中央教育審議会で御議論をいただいていると。 まあ非常にお分かりにくいと思いますけれども、要するに、お金、銭金の問題だけじゃないんじゃないか教育はということで、教育論もかましてほしいという私どものお願いがかなったといいますか、通じたということが、こういう、まあ分かりにくいといえば分かりにくいんですけれども、合意文書になって、今回のお願いしております法律案になったというふうに御理解いただきたいと思います。
○後藤博子君 そうなんです。教育論から入らないといけないのが財政論から入ってしまったということに、非常に入口がちょっと混乱してしまったのと、本当にこれでいいのかなという思いがしておりまして、今、大臣のお言葉を聞いていまして、教育論をしっかりやるんだという大臣の強い御決意を伺いまして安心いたしました。 そういうことはあるんですけれども、その三位一体改革については、その大臣の熱い思いがなかなか国民に伝わっていなくて、また三位一体改革についての国民の理解がまた進んでいなくて、そこをどういうふうに説明していけばいいのかと思うんですけれども。 もう、今、大臣がお答えいただきましたので、もう私としては、問い十としてそちらにお渡ししていること、あるいは問い十一としてお渡ししていること、そして問い十二としてお渡ししていることをもうまとめていきたいと思っておりますが、まず、国民の理解が進んでいないことに大臣はどう思われるのかということですね。それから、今さっきおっしゃいました地方分権の姿を大臣がどう考えているのかということ。そして、別府にも来ていただきましたけれども、今スクールミーティングを行っていただいておりまして、大臣が現場の声を吸い上げて生かしたいという思いでスクールミーティングをしていただいておりますので、そのスクールミーティングをして現場の声を把握しながら努力していただいて、思っておりますが、そのスクールミーティングの内容を今後どう生かしていくのかという、三点まとめてで申し訳ないんですけれども、同じことが繰り返しになりますので、三点をまとめてお聞かせ願えればと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(中山成彬君) 御指摘のように、私どもはもう本当に必死になって議論していたわけでございますが、一般国民はなかなかそこまで理解していただけないと、これはまあ大体すべての案件そうだと思うんですけれども、特にこの教育の問題について三位一体というと、とても何かいいことに、日本人はとかくスローガンに弱いといいますか、とてもいいことみたいに感じてしまうんですが、そうじゃないんだと。 先ほども言いました最後の補助金改革ということになりますと、これは去年もちょっと財務大臣が言い出しました七、八兆円の補助金の削減、こういう方向が動き出すと思うんですよ、二年後から。そうしますと、本当に地方にとっては大変なことになるわけでございまして、この辺のところを本当によく分かった上で、自分たちがやる、自分たちで持つんだと、この義務教育国庫負担は、というふうに本当に地方の方が考えられるのか。 これはもう国民的な私はやはり関心を呼び起こしていかなきゃいけないと思うんですが、やっぱり教育関係の方々はもうよく分かっていまして、もう堅持の大号令でございますし、地方六団体と言いますが、先ほども言いましたように、知事会の中にも反対といいますか、堅持派もいますし、特に市町村長、それから議会関係者の中にはもう大半と言っていいんじゃないかと思うんですけれども、これは堅持してくれという声が実は強いんです。このことは皆さん方もよくお聞きになっていると、こう思うわけでございます。 本当に、そういう意味では、戦後すぐの昭和二十五年から二十八年のあのこともございますし、また同じ失敗、同じ轍を踏むのかという感じもあるわけでございまして、もっともっと私どもとしてはPRをしたいということで、いろんな教育改革のタウンミーティングとかそういったところに行きましたときにはこのことを強く強調しておりますし、学校現場、スクールミーティング等に行きましてもこの話をします。もうスクールミーティング等に行きますと、大体もうPTAの方々、先生方もみんなもう堅持、堅持の一色でございますから、もっとPRには努めていきたいと、こう思っています。 それから、地方分権の在り方、姿、どうなんだという御指摘でございますが、今私どもが考えておりますのは、まず義務教育の実施に当たりましては、国は全国的な教育水準の確保、そして機会均等、これについての責任はしっかりと担って、その上で学校や地域が創意工夫してそれぞれ独自性を発揮できるようにすることが重要だというように考えているわけです。 要するに、役割分担の問題だろうと、こう思っているわけでございまして、現行制度におきましては、国は基本的な制度の枠組みとかあるいは全国的な基準の設定、必要な財源の確保等の役割を担い、都道府県は広域で、広い地域で一定水準の人材を確保する役割を担う、そして市町村は学校の設置、運営という、正に教育の直接の実施主体としての役割を担っていると。 これらの適切な役割分担の下に教育は実施されているわけでございまして、私といたしましては、これからのこの義務教育の改革に当たりましては現場主義と、現場主義と言っていますが、この現場主義の徹底を図る必要があると、このように考えておりまして、小中学校の設置者であります市町村の役割や責任の在り方、そして教育委員会と学校の関係の在り方についても今後十分な議論を行うことが必要であると、このように考えているわけでございます。 このように、義務教育について財源保障も含めた国の責任はしっかりと担いながら、今現在、都道府県が有しております教職員人事に関する権限とか、あるいは学級編制、教職員定数に関する権限をできるだけ市町村に移譲していくということなど、国と都道府県、市町村、学校の役割と責任の在り方について、ただいま中央教育審議会で議論していただいているわけでございまして、その結果を踏まえて必要な改革を進めてまいりたいと、このように考えております。 最後に、スクールミーティングについてのお話でございまして、三百校を目標ということです。大体三万三千校ぐらい小中学校あるんですけれども、少なくとも一%ぐらいは、百分の一ぐらい行こうじゃないかということを目標にいたしまして、先週末で百五十二校を回っておりまして、今年の夏ごろまでには四十七都道府県を網羅する形で三百校を訪問したいと、このように考えているわけでございます。 私、いろんな仕事をする場合にはもう現場主義と言っていまして、現場に行ってまず見てこようということからいろんなこれまでも仕事をしてまいりましたが、やはり文部科学省としてもこれまでもやっぱり行ってはいたんですけれども、むしろ学校に行っても説明する方が非常に強くて、向こう側からいろんな話を聞くということはどうも余りなかったんじゃないかと。 やはり謙虚になって、自分たちの実際やっていることがどのように実施されて、それに対して先生とか保護者がどういうふうに感じているのか、あるいはまた教育関係者全部含めて、それらもう本当に率直に御意見をお伺いしようと、それを基にして私は教育改革をやっていくべきじゃないかと、このように考えておりまして、今事務方も含めて精力的に回っておりますが、やっぱり回りますと、本当にいろいろと分かること、学ぶことも一杯あるわけでございますが、こういった場を通じていただきました御意見とか要望等につきましては、これは中央教育審議会における検討の材料にもさせていただいておりますが、また、もう直ちに文部科学省の施策の企画、実施に当たりましても、適切にこれはもう反映できるようにしていきたいと。そういう意味で、スクールミーティングというのが非常に大事な私は役目を果たしているんじゃないかなと、このように考えております。
○後藤博子君 ありがとうございます。 いろんな権限を移譲して、そのための財源保障は国がしっかりと面倒を見ると、そういう方向だということでよろしいですか。
○国務大臣(中山成彬君) はい。
○後藤博子君 ありがとうございます。 そして、スクールミーティング、本当に大事なことです。もう現場主義という、正に現場に真実があるわけですから、私も今まで国会議員になる前は市会議員とか県会議員とか全くやったことがなくて、いきなり国政に出ましてもうとまどいましたけれども、一番の強みは現場を知るということが自分の政策の中では一番強みだろうと思いまして、大分に帰りましたときにもうあちらこちら回らせていただき、皆さんの声を、私が話すんじゃなくて皆さんの声聞かせてくださいよというような活動もさせていただいておりますので、もう大臣とは全然格が違いますけれども、取り組んでいきたいと思います。大臣のそのお姿に対しましては感動いたしました。 そういう日本の国内の動きがある中で、世界的には、他国を見たときには、先進国の多くでは教職員給与はかなりの部分を国が負担しているということですね。例えばフランスや韓国では教員は国家公務員であり、その給与は全額国庫負担をしているということでございます。 ちょっとはしょりますけれども、イギリスは二〇〇六年から全額国庫負担を予定しているということなんですね。これから、来年ですから、イギリスはその方向の動きがあるということでございますが、ちょっとイギリスにおける全額国庫負担の動きとその背景について参考になると思いますので、世界の動きということでお聞かせ願います。 時間が短くなりましたので、端的によろしくお願いいたします。
○政府参考人(銭谷眞美君) イギリスの教育費の動きについてのお尋ねがございました。 従来、イギリスではいわゆる人件費と運営費から成る義務教育費の多くは地方の一般財源で措置されておりました。一九九七年以降、ブレア政権になりまして、教育水準の向上を最重要課題としてブレア政権は教育予算を増額をしてきたわけでございます。あわせて、義務教育費全体を政府として保障する方法も検討されてきたところでございます。とりわけ、二〇〇三年でございますけれども、多くの地方が学校に必要な予算を交付せず、これが社会問題化したこともございまして、その反省から現在教育技能大臣は地方における教育予算の最低水準を決定する権限というものを有しているところでございます。加えて、二〇〇六年度からは国としての義務教育費の保障の明確化のために教育技能省が義務教育費の全額を国庫負担するということが決定をされております。この改正によりまして、地方は教育技能省から交付される義務教育費特定負担金だけで必要な教育費を確保することになり、地方税等の一般財源を教育費に充てる必要がなくなるということでございます。去る二月の十七日には、この全額国庫負担に関するイギリスの教育技能省の基本的な枠組みも公表されているところでございます。
○後藤博子君 ありがとうございます。 そのように参考になることがたくさんあると思いますので、これからその制度を持っていこうかという国を是非現場ということで見に行きたいなと今ここで話しているところでございますので、大臣も是非行かれて参考にして、できれば私たちも皆さん連れていっていただければと思っております。ありがとうございました。 これに対する大臣の決意をお聞かせ願いたいと思っておりますが、先ほど大臣はもうおっしゃられましたので、もう決意は一応これで終わらせていただきます。今後とも是非堅持する方向で、義務教育の根幹をしっかり国が守るという方向でよろしくお願いしたいと思っております。 さて、時間がなくなってまいりましたが、このたびの国庫費負担の制度のいろんな制度の中でちょっと心配されるのは、産業教育の振興法と定時制教育と及び通信制教育の振興法がちょっと若干補助金が削減されるということでちょっと心配をしておりますが、フリーターやニートということが今非常に叫ばれておりまして、フリーターやニートをたくさんなるべくつくらないためにも職業観や就労意欲がたくさん持てるようなことが必要じゃないかと思っておりますが、実験や実習の時間が専門高校や専門学校が最も力を入れたいと考える部分であると思うんですけれども、それが今度減ってくるということでございますので、生徒が何に目が輝くかというと、結局、授業中よりも実習や実験をやっているときがすごく生徒が輝くんですね。農業高校なんかに行きますと、もう議論というか理論をやっているときは生徒は眠っているんだけれども、牛や豚の世話をするときは非常に目が輝いてきて、もう今までのあの姿は何だったんだろうかと思うぐらい生き生きしてくると、そういう現状がありますので、この法案においては産業教育に係る補助金が廃止、一般財源化されることによって現場に与える影響や、文部科学省の、今後の影響と、文部科学省の今後の産業教育振興に係る施策についてお伺いをしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(銭谷眞美君) ただいまお話ございましたように、高等学校の職業学科におきましては、原則として総授業時数の十分の五以上を実験、実習に充てるというふうに学習指導要領でも定めておりまして、職業教育における実験、実習、これは大変大切な教育内容であるというふうに私どもも思っております。 これまでその設備につきましては必要な経費について補助を行ってまいったわけでございますけれども、今回の三位一体の改革に伴いましてこれら経費につきましては廃止、一般財源化をしているところでございます。ただ、この経費につきましては所要の経費が地方財政計画に計上され、各都道府県においては引き続き所要の事業の規模の確保に努めていただきたいというふうに思っておりますし、私どもハードというよりはソフトの面で今後とも引き続き職業教育、産業教育の振興に努めてまいりたいと、こう考えております。 具体的には、産業教育を振興するために平成十五年度から先端技術や伝統技能の習得など、特色ある取組を行う専門高校を支援する目指せスペシャリスト事業というものを展開をいたしているところでございます。この事業によりまして、各学校において将来の専門的職業人の育成を目指した取組が積極的に行われているというふうに考えておりまして、この事業は引き続き充実をして実施をしてまいりたいと思っております。 それから、平成十六年度からは専門高校において企業実習と教育を組み合わせた実践的な人材育成システムでございます日本版デュアルシステムの効果的な導入方法などについて調査研究を行うモデル事業を実施をいたしております。それから、先ほどお話ございましたように、ニート等の対策も勘案いたしまして、平成十六年十二月に文部科学大臣など関係五大臣合意によります若者の自立・挑戦のためのアクションプラン、これを策定いたしておりますけれども、このアクションプランに基づきまして専門高校等の取組を一層推進するよう、文部科学省としては今後とも引き続き産業教育の振興に努めてまいりたいと考えております。
○後藤博子君 ありがとうございました。 今日は実は二十七問ほどの予定しておりましたけれども、一つ一つ丁寧に大事に扱っていきたいという思いがありましたので、どんどんどんどん質問しながら事務的に答えていただくよりは、一つ一つの言葉の中に魂を入れていただきたいと思いましたものですからこういう質問になりました。 最後に、本当は栄養教諭や要保護や準要保護の措置についてもお伺いしたかったし、学力低下が心配されている中で、また食の問題とか食育の問題とかいうことも併せてお尋ねをしたかったわけでございますけれども、時間の配分のまずさでこういうことになりました。 しかし、私どもは、大臣に御答弁をいただかなくても、また文部科学省に御答弁いただかなくても、お互いにしっかりと分かっているわけでございますので、今後ともしっかりとやっていきたいと思っておりますので。 先ほど私が冒頭申し上げました、当たり前の生活、当たり前の教育をする、そして当たり前の、よく私たちも子供のときに言われておりましたが、よく遊びよく学びよく食べとか、そういう本当に基本的なことを重点に置きながらの、教育の根幹にしっかりと文部科学省そして大臣も取り組んでいただきたいと思っておりますので、全般についての決意表明をいただきたいと思っております。 もう一つ、紹介ちょっとしたかったのが、女性たちが、今アメリカの女性たちが高学歴ほど家庭に帰っているわけですね、奥様たちが。だから、学歴が高ければ高い方、イギリスもそうなんです、学歴は高ければ高いほど女性たちが家庭に戻り始めています。そして、今欧米では、新聞にもありますように、「近ごろ世界で流行るもの」ということで、「高学歴…育児に専念」ということがありまして、女性たちが家庭に帰り始めております。 今、日本の女性たちは、そういう意味では女性にようやく光が当たってきた時代ですので、なかなか家庭に戻れないんですけれども、近い将来、私は日本の女性は非常に賢い女性と思っておりますから、だんなさんと一緒に教育を、家庭の中のしつけを含め、教育をやっていくのが一つの生まれた自分たちの使命であるということも気が付いてくれると思っておりますし、私たちもそういう社会へと持っていきたいと思っております。 全般的な御意見で申し訳ありませんけれども、最後に大臣の御決意を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(中山成彬君) 結論的におっしゃいましたが、正に当たり前のことができるような国、教育だけじゃなく国全体もそうあってほしいなと思っていますし、その原点を忘れちゃいけないと思っております。 原点というのは何かというと、日本の場合には、資源のない国、天然資源の乏しい国ですから、やはり教育こそが大事だと。人材こそが資源だという、このことをついつい豊かになったことで忘れがちでございますが、私、昭和四十二、三年ごろ役所に入りまして、日本の外貨準備がまだ二、三十億ドルしかなくて、ちょっと景気が良くなるとすぐ国際収支の天井を打っていたんですね。急に金融引締めをしなきゃいけなかった。あれからまだ三十年、四十年もたっていないわけでございます、今もう八千億ドルになっていますが。ですから、もうどうなるのか分かりません。分かりませんが、要するに、日本というのはそういう国だという原点といいますか弱点を忘れないで教育にはしっかり取り組んでいかないけないと、こう思っていますし、先ほどの女性の話がありましたが、これもやはり、子供を産んで育てると、自分の子供はどんな子供が生まれるんだろうかというその楽しみ、子育ての楽しみ、これは男もそうですが、女性もそういったことを普通に考えて、自然に子供を産み育てると、仕事もしながら。そういったことに、日本の女性といいますか、男ももちろんそういうことを分からなきゃいけないわけですから、原点に立ち返って、この世に生まれてきた、自分にこう流れてきた自分の命というものを自分で断ち切っちゃいけないと、あるいは子孫にもずっと伝えていかなきゃいけないんだという、そういう当たり前のことをしっかり分かるような、そういう社会であってほしいし、またそういうことが、しっかり教えて伝承していけるような、そういう教育を目指してやっていかないかぬと、このように考えておるところでございます。
○後藤博子君 ありがとうございました。 また副大臣にも質問があったんですけれども、大変失礼いたしました。またこれからもよろしくお願いいたします。 本日は、本当に大臣、ありがとうございました。 大変失礼いたしました。終わります。
○委員長(亀井郁夫君) ありがとうございました。 では、引き続いて河合常則君。
○河合常則君 自由民主党の河合常則でございます。よろしくお願いします。 義務教育の法案についてお尋ねをします。 今ほど後藤委員のお話にございまして、大臣の御決意をお聞きしたのでございますが、私は、義務教育はもちろん国民の権利で、義務でもございます。全国どこにいても子供たちはみんな教育を受ける権利を持っておりまして、大人たちは教育を受けさせる義務を負っておると思うのでございます。 今度は、義務教育費の中に、中学校の先生方の、職員の給与費に相当する一兆七千億の二分の一の八千五百億の二分の一の四千二百五十億を義務教育費から、補助金を、それを地方に持たせるという、文部省の補助金から見なくなっておるのでございますが、中学校の先生方の分、四分の三を地方に任せるということになるわけでございますが、山間地、離島、へき地で、人数は少なくなっても、少なくなったといっていても、そこの自治体は学校をつくり、子供たちの義務教育の環境を整えねばならぬと。日本の中学校や小学校の一割以上が山間、離島、へき地にあるということをしっかり考えておかねばならぬというふうに思うのでございます。 実は、私は富山県のあの散居村の砺波地方に本家がございます。そこのケーブルテレビの実は社長をしておるのでございますが、あの五箇三村の山の中にも光ケーブルや同軸ケーブルを引いたのでございます。隣の集落から隣の集落へ、大勘場というところへ引くやつなんか二軒しかないんですね。線引くの八千万掛かるんですね。それは四千万ずつ渡せば出てもらえるかというほどのことを役員会であったんですが、それは駄目だと、それは引こうと、引いたのでございます。そこは非常に大事なことだと、まあ補助金ももらってやったのでございますが、そう思っています。 実は、せんだって、電力会社の役員をされたOBの方と会合ございました。その方はおっしゃいました。全然この話とは関係なしにですが、沖縄電力の社長さんは、ずっと前大変だと言っておられたと。離島に一軒家があって、お父さんとお母さんと娘さんだけ。そこへやっぱり電気を送らにゃならぬと。海底の電線を引くと。そして月に一遍メーター見に行くと。計算合わぬのですよね。それはきっと那覇市民がみんなで負担したことになっておるのかもしれぬと、そうおっしゃるんですね。私は正にこれは、この教育も正にきちんと、まあ公営企業はそういうものだとはいいながら、教育はなおさらきっちりとこのことが保障されねばならぬと。 今、ユニバーサルサービスを全国あまねく張り巡らさねばならぬというか、郵政のユニバーサルサービスだけでなしに、やっぱり基本のこの教育こそ、全国どこにいても子供たちがその権利を享受することができるように国はそれを保障してやるということがまず大事だと思うのでございます。財源についてきちんと仕組みをつくる必要があると思っています。この仕組みをつくることが、将来、本当に日本の力になると思うのでございます。 先ほど大臣の御決意も伺いましたが、今度はそういう意味で、また同じことでございますが、まず、大臣の見解とか決意をお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(中山成彬君) 河合委員は富山県、その前の後藤委員は大分県、私は宮崎県でございますが、やはり山間へき地があるんですね。 特に宮崎の場合には、平家の落人が逃れてきたという椎葉村とか、あんなところもありますし、ああいうところに行きますと、本当にこういうところにも生活していらっしゃる方がいらっしゃるんだと。また元気な子供たちの声も聞こえるわけでございまして、私はこの義務教育国庫負担制度の議論のときにはいつも、本当に山間といいますか山の子供たちの声が響いてくるような気がして、その子供たちのためにも頑張らなきゃならないなと、こう思ってやってきたところでございます。 小泉総理は、民にできることは民に、地方にできることは地方にと言われますが、地方にできることは地方にと、できないこと、できなくなることがあるんじゃないかなと、私はそういうことを感じるわけですね。 正にあの山間へき地の小中学校を見ますと、それを設置管理しておられる市町村の財政というのは本当に窮乏しておるわけでございまして、先ほど申し上げましたが、これからますます経済的な差が付いてくる。経済的な差というのはもうすぐ財政力の差になっていくわけでございますから、何とか私は、もう再三申し上げますが、どんな山間へき地、離島に生まれても、少なくとも義務教育を終える段階では同じスタートラインに立たせて、子供たちを人生スタートさせたいなと、これが政治家としての私は責務ではないかと、このように考えておるわけでございまして、そういう意味でもこの義務教育国庫負担制度というのはもう本当に堅持していきたい。むしろ、私の気持ちとしては、先ほど後藤委員の話もありましたけれども、イギリスなどは全額国が持つという、こういう方向になっているときに、なぜ日本が、地方分権とかあるいは補助金改革という観点からだけが議論されて、本当に教育の一番原点であります教育の機会均等ということがおろそかにされるのかなと思って、本当に歯がゆい思いでいるわけでございます。 これからもいろいろ議論あると思いますけれども、本当に今日の委員の先生方にも、これは本当に与野党を通じて、教育というのはまず原点だろうと、こう思うわけでございますので御支援をいただきたいと、こう思っていますが、とにかく国がいろいろ基準とかそういうのを定めますが、そういうことにプラスして、やはりしっかりとした財政も担保するんだと、そういうこの車の両輪が相まって日本の義務教育の水準というものが維持できるんだ、高められるんだという、そういう信念でもって頑張っていきたいと、こう思っていますので、今後ともよろしくお願い申し上げたいと思います。
○河合常則君 決意を伺って意を強くしました。一生懸命みんなで力を合わせて頑張りたいというふうに思います。 今度の法案は、文科省にとってはある意味では、そういう意味では今のお話を伺って苦渋の選択だったのかなというふうな気がします。秋までには中教審で議論するための、四千二百五十億円はまあ保証金のようなものかなと言ったらまあ変な言い方ではございますが、そういう妥協の産物の政策、これは議論の材料を提供したと考えてもいいのかなと思っています。しかし、子供にとっては日々成長するので待ったなしのことなのでございます。 この四千二百五十億円は減額になりますが、その分は別途、税源的移譲予定の交付金で総務省で用意されているとも聞いています。しかも、これは交付税のように分けないのだろうと思いますが、各県単位で、都道府県単位で、この交付金が本当に全体の義務教育費の中からの減額だけれども中学校の教職員分の四分の一なんだよと、それは各県ごとにこうきちんと計算されて確保されるのかどうかということをお聞きをしたいと思います。
○副大臣(塩谷立君) 河合議員おっしゃったように苦渋な選択でございまして、暫定措置として今回は行われるわけでございますが、この義務教育国庫負担制度の原則をまずは維持して、今回の措置につきましては、義務教育国庫負担金から四千二百五十億円を減額して、減額分に対する補てん措置として同額相当の税源移譲予定交付金を教職員給与を基本として配分するものであります。 したがって、都道府県において義務教育国庫負担金から一定額減額されるものの、減額措置と同様の方法により税源移譲予定交付金の額が算定されるわけでございまして、結果的には、各都道府県ごとの義務教育費国庫負担金と税源移譲予定交付金を合算すれば本来国庫負担すべき額に相当する額が国から交付されるということになっております。しかしながら、この予算状況につきましては、国としても十分把握しながら必要な指導、助言を行い、教育条件の整備に支障がないように努力をしてまいりたいと思います。
○河合常則君 ありがとうございました。 私は、そしてこの一年は、この秋までといいましょうか、非常に大事なときだと思っています。今の四千二百五十億円のマイナス、減額はうっかりすると、うっかりするというのは変な言い方でございますが、八千五百億円にもなって、さらに将来は、小学校の分も含めたら二兆五千億になるんですね。なるか、いや四千二百五十億円は元へ戻るんだよ、国は二兆五千億ちゃんと出すんだよと、こういうふうになっていくのか、そして国と地方でいっても昭和二十八年の決めのとおり、二兆五千億、二兆五千億というふうに半分半分になるのかと、こういう分かれ目にあるというふうにも思っています。 私は元々、国はお金を出す、人事には国は地方に任せて口を出さない、しかし全国一律の教育の機会を保障するとか、教育の中身のレベルをきちっと保障するとか、学力もしっかり国が最低限の担保をするということは非常に必要だと思っています。金と人事と教育の中身といいましょうか、これは三つに分けて考えるべきなんだと思うのでございます。 そこで、人事のありようについてお伺いします。 小学校や中学校の設置者は、まあ私立もございますが、市町村でございます。教職員の採用や異動は現在都道府県で行っています。本来、一定の規模の市、まあ町村、これは町村の方は工夫すれば大丈夫だと思いますが、人事権を持たせることが、市町村に人事権を持たせるということができるのではないか、その方がいいのではないかと思っています。 先生方の不祥事は時々ございます。いや、こんなこと言うのはなんでございますが、長く県会議員させていただきました。一年間の議会のうち、委員会か本会議で教育長は一回か二回謝罪するのでございます。これはいろんなことがございます。それはまあ、そういうこと全国でどれだけあったかということは文科省は分かっておられると思いますが、こんなことがどうして起こるかといろいろ考えると、きっと先生の日常生活が子供たちに、それから地域社会に見えていないのではないかと。 教育の基本は施設や仕組みでなくて先生だと思っています、私は。先生は単に六年間や三年間の先生だけではないのでないかと思うんですね。一生涯その子供の先生なのではないか、その子供にとってはですよ。進学のとき、それから就職するとき、そしてまた仕事の悩み持ったとき、恋をしたとき、こういうときなどにはやっぱり先生に相談するかなと、そういうものなのではないかと。そして、せんだっての委員会でも大臣おっしゃいました。進学、まあ勉強途中であきらめて、高校のときあきらめて、だけれどもいろんな先生方や応援する人があって続けることができたと、非常によかったとおっしゃいました。ああいう胸詰まる話は、やっぱり先生がきちっとその子供の、幾ら小学校のときの先生、中学校のときの先生でも相談に乗ってやれると、ここが本当は大事なんでないかなと、こういうふうに実は思っていまして、そんな先生方を、先生を子供たちは望んでおるのではないかと。だから結婚式に先生を呼ぼうかと、こういうことになるんだと思うんですね。 私は、先生が地域社会から尊敬されて、先生も自信、プライド、誇り持ってやれる、そして子供たちだけでなしに地域社会にも溶け込めるように、地域社会が元気出すようないろんな授業、そんなためのリーダーとして第一線に立つほどの気概を持ってもらいたいものだと思うのでございます。八時間だけの先生ではない、二十四時間先生なんだと。いや、それは大変なことを言うなと、それは国会議員も市町村会議員も県会議員も全部二十四時間議員でございます。そういうことを考えると、みんなでやっぱりしっかりやれば事件も、子供たちは必ずその先生に付いてくるんですね。そうすれば、先ほど申し上げたような不祥事などもなくなって、事件も少なくなって、地域のみんなが小学校や中学校に関心を寄せて協力してくれる状況をつくり出せることなのではないかと思います。 そんなことを考えると、総額裁量制は融通が利いて運営が余裕があっていいのではないかなと思っていますが、人事権などの市町村への移譲を含めて、義務教育改革の方向性については大臣はどのように考えてどのように取り組もうとしておられるか。スクールミーティング、たくさん、百五十何校やられたと、そのときの考えも先ほどございましたが、感想を含めて所見をお伺いいたしたいと存じます。
○国務大臣(中山成彬君) 今、人事についての御質問でございましたが、私も大臣になる前から考えておりましたのは、やっぱり、何といいますか、先生方が遠距離通勤になっているんですね。それで、土日はもうその町にはいらっしゃらないということはどうかなと。ですから、もっと狭い範囲で、我々の先生、我々の町の先生、我々の村の先生というふうな、何といいますか、単に教育だけじゃなくて人的なつながりを大事にするような、そういう先生の人事の在り方というのが大事じゃないかなと、これは私はもう絶対そうだと思うんですね。 ただ、やはり、例えば町とか村、もう町に一つしかない学校とかあるものですから、そこで一つの町や市で採用してそこだけでやるというのもどうかなという気がするので、ある程度広域で、市ぐらい、まあ市も小さな市も、一万人ぐらいの市もありますから、ある意味で広域で、行政区で先生方を採用すると。自分たちの先生ということで採用して、そして自分たちの子供たちを任せる、こういう形が一番望ましいんじゃないかと。元々学校というものはそういうものだったんだろうと思うんですね。 ですから、そういう方向性は絶対大事だと思っていますので、これから、これ中央教育審議会で議論していただくということになっていますが、今でもこう、今、河合委員御指摘いただきましたけれども、総額裁量制とかあるいは学級編制とかあるいは教職員の定数等については本当に都道府県に任せ、市町村に任せるという、そういう方向でやっていますけれども、できるだけ本当にそういう意味では、ぎりぎりのところで先生方を現場に近づけたいと、そういう方向で考えてまいりたいと思っております。
○河合常則君 ありがとうございました。私もそう思うのでございます。よろしくお願いします。 関連しまして、学力の向上についてお尋ねをいたします。 昨年発表になりましたOECDの学力調査やIEAの学力調査の結果、学力の低下が大きな話題になっています。その議論が行われるようになりました。先日の委員会でも、大仁田先生がおっしゃいましたが、学力についての話がございました。本当に私は感銘を受けて聞きました。大臣は、学力とは知識を身に付けること、その知識を応用すること、学び続けようとする気力を持ち続けること、この三つが学力だとおっしゃいました。なるほどなと思いました。この時期に、学力のレベルとか全国の実態はどうなっておるのか、しっかり把握して効果的な手を打たねばならぬのではないかなと思います。全国的な調査は不可欠だと思っています。それで、先日配付いただいた予算案の主要事項別の説明書の六ページに、六億三千五百万円、学力調査、全国調査、それから十二億七千八百万円、学力向上拠点形成事業というのが載っています。これは、全国的な学力調査については文科省はどのように取り組もうとされておるのか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(銭谷眞美君) 現在、文部科学省では、子供たちの学力の把握につきましては、教育課程実施状況調査という名前の抽出の調査を実施をいたしております。これは、近年では平成十三年度から小学校、中学校、高等学校について、いわゆる五教科を中心に実施をいたしております。ただ、これは抽出の調査でございます。それから、教育課程の言わば実施状況あるいは次の改定に役立てるということで、恒常的な調査ということにはまだなっていないわけでございます。前回この教育課程の実施状況調査を実施をいたしましたのは平成六、七、八年ごろでございまして、しばらく間を空いてからまた平成十三年度から実施をしたという状況でございます。 そこで、今般この全国的ないわゆる学力調査というものについて、その実施を検討しようということに今なってございます。この全国的な学力調査におきましては、学校教育において確かな学力をはぐくみ、世界トップレベルの学力向上を図ること。それから、各学校において、各学校の子供たちの学力状況を全国的、客観的に把握をして、教育の成果をきちんと評価できるようにすること。それから、各都道府県や各学校における教育指導の改善、児童生徒の学習意欲の向上についての動機付けを与える、そういうものにしたいということで、今内容について検討してございます。その目的、実施内容、実施方法、調査結果の取扱いなどについて、現在中央教育審議会に御意見を伺っているところでございますが、省内にもプロジェクトチームを設置をして検討を進めてございます。 具体的な調査の実施内容や方法につきましては、今検討しておりますことをちょっと申し上げますと、対象となる学年や教科をどうするか、悉皆か抽出かなど調査の規模をどの程度に考えるか、それから毎年実施するのか、ちょっと一、二年、年度を空けて実施をするかといったような調査の頻度の問題、それから各都道府県、市町村など、どのレベルまでその調査結果を公表するのかといった調査結果の公表の在り方、それから現在、各都道府県あるいは政令市で独自に学力調査を実施をしているケースが多うございますので、それらの調査との関連、関係をどうするのかといったようなことについて現在検討しているところでございます。 引き続き、速やかに検討を進めて対応を考えてまいりたいというふうに思っております。
○河合常則君 そこがこういう検討、そういうことに注意して検討されるという、僕などの言うことではないんですけれども、そういう検討されておりまして、注文を付けることはありませんが、私は何となくこれ実施するときに気を付けねばならぬことがあるんではないかなと、僕なりの思いで申し上げたいと思います。 現場の先生方が、まずテストすると、その結果を恐れて自信をなくして、びびって、これはもうやめよう、こんなことをと思ってもらっては困るんですね。そうならぬようにするにはどうするかと。相対評価と絶対評価がございますので、これを、これやっぱりきっと何回か続けてやらないと絶対評価出てこないんですね、と思っています。それから、もちろんそういう時系列での絶対評価が大事であるということは、これはせんだっての大仁田先生の話で十分だと思っていますが、結果の発表の仕方は非常に重要で、先生方への激励にならねばならぬのではないかなというふうに実は思うのでございます。 私は、実はもう二十年ほど前の話でございます。県会議員になってしばらくたって、僕が高校のときの体育の先生が県の教育委員会の体育課におられまして、主幹をしておられました。しばらくたったら今度は市内の中学の校長になられました。夜、僕はずっと、富山市内からずっと一時間半ほど離れた田舎でございますので、汽車乗り継いで帰ったその夜、終列車の前の汽車ですが、校長先生も乗っておられまして、隣の駅ですのでずっと一時間ほど一緒におったんですね。 話聞きましたら、いや、弱ったもんだよと。市内でやっぱりテストあるんだそうです。そうしたら、その学校いろんな問題があって、ある団体が強くてなかなか成績上がらないと。おしりから二番目だと。それで、いろいろ頑張れと言っていても、気力が、先生方の気力がわいてこないと言うんですよ。それで、そんなこと言っておるんならテープ回して授業しておけと、こう言ったんだそうでございます。 ところが、校長の言うのに、やっぱりこれだけでは駄目だという先生が二、三人おられて、話聞いて、三十何人の子供たち、八十五点、九十点以上取る人何人おるのかと。二十点、三十点の人四、五人おると。それは八十五点や九十点のところ、どれだけ頑張って百点取ったからといって、それは限度ですよ。それは二十点、三十点をどうして五十点にするか考えてみいと、それはきっと大丈夫だと言ったら、そのクラスはやっぱりそうなって、平均点ばっと上がったんだそうですよ。その次の年は市内で二番目になったそうでございます。そうしたら、ほかの先生方もみんな頑張って、次は一位になったんだそうですよ。やっぱりやりようによると。それはやっぱり先生方を激励するというか、こういうことは非常に大事なんだなと。 だから、この学力調査の結果は、局長おっしゃったように、次のチャンスに、次の機会に生かされねばならぬと。そういうこと積み重なって、いいことが、体制ができるんではないかというふうに思うのでございますが、そういう方向でやってもらいたいと思うんでございます。何か御意見ございましたら、どうぞ。
○政府参考人(銭谷眞美君) ただいま河合先生から学力調査の実施に当たってるる配慮すべき事柄、注意すべき事柄を御示唆いただきまして、ありがとうございました。 私どもも、この学力調査につきましては、やっぱり現場の先生方の励みになるといったような観点も大事にしなきゃいけないと思いますし、過去、昭和三十年代実施をした学力調査の際に、言わば点数競争になったような弊害も一部に指摘をされた向きもございましたので、そういう点の反省も踏まえながら実施方法を考えなきゃいけないと思っております。 それから、子供にとりましても、あるいは学校にとりましても、全体の中で自分たちはどの辺にいるんだろうかということを知って教育改善の向上に向けて努力をするということが大事だと思いますんで、言わば相対的な評価ができるということも必要かと思っております。あわせて、絶対評価といいましょうか、指導要領の目指す到達目標に比べてどういう状況なのか。それから、テストを何回かやりますと、個人内評価といいましょうか、子供一人一人が前に比べて自分はどのぐらい良くなっているかといったようなことも、このテストだけで分かるかどうかあれですけれども、そういうところにも役立てれば子供の励みにもなるかなと思っております。 いずれにいたしましても、具体的な調査の実施内容や実施方法について十分検討した上で、実施できるように精力的に検討を進めてまいりたいと思っております。
○河合常則君 この次のOECDやIEAの調査楽しみにして、希望を持って、とにかく文部科学省、頑張ってもらいたいと思います。 さて、これも関連してでございますが、学校運営協議会というのは、数年前から始まりましたよね、モデル的にでしょうかね、テストケースとして始まったんだろうと思っていますが、その評価をお伺いしたいと思うのでございます。 私は、これは、学校運営協議会というのはコミュニティ・スクール推進費として一億八百万円見てございますよね。これはどうも、これも偏見かもしれません。地教委の下に、市町村教育委員会の下にもう一つ屋根造ったような、屋根の下に屋根造ったような気がするのでございますが、いかがでございますか。
○政府参考人(銭谷眞美君) いわゆる学校運営協議会につきましては、文部科学省におきまして数年前から全国にモデル校をつくりまして、実証実験を行ってきたわけでございます。 これは、基本的には地域の方や保護者の方が一定の権限と責任を持って学校運営に参画をすることによりまして、地域や保護者の意向や要望を学校運営に的確に反映をさせると。その上で、学校と家庭、地域が一体となったよりよい学校づくりを目指すということで、実験、実証を行ってまいったわけでございます。それを踏まえまして、昨年法整備をいただきまして、昨年の九月から学校運営協議会が法律的にも設置可能になったということでございます。現在までに全国で五校が既に学校運営協議会制度の指定を受けてございます。いわゆるコミュニティ・スクールがこれまで五校誕生しているわけでございます。 今後の予定といたしましても、この四月にコミュニティ・スクールになる学校が十九校今予定をされてございます。さらに、十七年度内の指定やあるいは十八年度以降指定を検討するというところを含めますと、百四十六校を超える数の学校がコミュニティ・スクールを目指しているという状況でございます。 なお、今お話ございましたように、教育委員会、市町村の教育委員会の下にもう一つ何か屋根を造るような、そういうことのような感じもするというお話もございましたけれども、市町村の教育委員会は基本的に、一市町村一校という場合もございますけれども、複数の学校を抱えておりまして、それぞれの学校ごとに地域の方が学校運営に参画をするという意味で、私はこの学校運営協議会制度というのは大変意味のある制度だというふうに思っている次第でございます。
○河合常則君 それはそうですね。よく分かりました。 ところで、最近、学校に事件が起こるといいましょうか、学校の安全を確保するためにいろんな話が、この間の民主党の方の代表質問ございましたが、安全確保のためにいろんなことが、しなけりゃならぬなというふうにも思われるわけでございますが、先生自身がまず子供のために体張るかどうかということは非常に大事なことだとは思いますけれども、地域ぐるみで学校安全体制整備事業と、これを七億五千万円見てございますよね、見ておられるというか、この予算書の中に、案の中にはございますね。 私は、これはまあ、こういうタイムリーな事業というものは、これはやっぱり学校運営協議会とセットになって良い仕組みをつくるべきなのではないかなと。ちょっとこれ、所管別、つかさつかさというふうになると、何となく子供相手に別々な組織つくることになるのではないか、学校の現場も困惑するんではないかなと。 これは、上手にこれ連絡取れて、総合的な対策ができるようにすべきではないかなと思っていますが、いかがでございますか。
○政府参考人(銭谷眞美君) 昨今の情勢を見ますと、本当に子供の安全、安心な教育環境づくりというのは、私ども大変大事な教育課題だと思っております。学校は、やはり保護者や地域の方とよく連携をしながら安全管理の徹底を図っていく必要があると思っております。 こうした取組を進める上で、今、先生からお話のございました学校運営協議会制度を活用して、学校と地域が一体となって対策を講ずるということは非常に有効ではないかと思っております。 これまでモデル校等で学校運営協議会、コミュニティ・スクール、取り組んできたわけでございますけれども、そういうモデル校の例を見ますと、やはり学校運営協議会の提案によって学校に防犯カメラを設置をしたり、あるいは学校運営協議会がコーディネートをして、地域、PTAによる安全指導やあいさつ運動を実施をしたり、あるいは学校が行う安全教室への地域住民の参加を学校運営協議会に呼び掛けたり、あるいは学校運営協議会が主導して地域、PTAとも連携しながら校区内の安全パトロールを実施をしたり、非常に学校運営協議会が安全、安心な学校づくりに積極的に意見も述べ、また貢献もしているという事例が見受けられるところでございます。 引き続き、コミュニティ・スクール、学校運営協議会を取り入れるところにおきましては、是非そういう観点からの取組も積極的に行われればよろしいんではないかというふうに思っている次第でございます。
○河合常則君 どうかそういう連絡がスムーズにいくようにしてやれるように御指導をお願いいたしたいと思います。 さて、教育とか子供たちのことについては、先ほど後藤先生の話もございましたね。僕はなるほどなと思いながら聞いておったのでございますが、ボーイスカウトとガールスカウトのことについて聞かせていただきたい、お聞きしたいと思います。 この間、平成十六年の教育科学白書をいただきました。学校教育では、確かな学力、豊かな心、生きる力をはぐくむ学校教育を目指すとしております。 それで、教育において重要なのは、何も知識を身に付けるだけではなく、小学校のときのスポーツ少年団や中学生のときの部活動、これに参加している子供たちは、それなりに教科で学ぶことのできない何か、まあ礼儀であるとか人との付き合いの仕方であるとか協力の仕方、こういうようなことなど様々なものを学ぶことを、いつの間にか学ぶことを、身に付けることができるのでございますが。 ところが、スポーツや文化活動が得意でない、そういう部活動に参加したがらない子供たちはどうするんだろうかと。そんな子供たちや生徒たちのためにはボーイスカウトやガールスカウトは貴重なチャンスを与えることができるのだがなと実は思うのでございます。 私は、長い間ボーイスカウトをやっておりまして、昭和三十二年から昭和四十九年の十二月まで、県会議員になる前までボーイスカウトの現場におりまして、第二回の饗庭野のジャンボリーから北海道の千歳のジャンボリーまで全部出ました。世界ジャンボリーも、朝霧も行きましたが、その前のアテネのジャンボリーも行かしていただきました。ギルウェルコースや実習所や研修所も全部行ったんですね。県会議員にならぬのなら、まあなれと言われて選挙に出るようになったんですが、実は、県コミッショナーになることになっておったのでございます。ボーイスカウトというのは、理事会が運営をするところ、それから、子供たちを預かってそこをどういうふうにするかということを勉強したり、それから隊長方が集まってやるところ、それはそのトップはコミッショナーなのでございますが、まあ言ってみれば教育委員会なら指導課というかな、そういうところですが、それで、あと事務局と、三権分立になって運営されておるわけでございます。これは各市町村の団においても同じことなのでございますが。 そんなことやっておって、実は、この教育白書を、文部科学白書を、四百八十二ページ、一生懸命読んだ。一生懸命読んだんじゃない、ざっと見たというのがいいかもしれません。何と、ボーイスカウト、ガールスカウトは書いてありませんでした、ボーイスカウト、一行だけ。四百八十二ページのうち、三十六ページ、下から十行目。だから、もうがっかりしちゃった、本当は。これはどうなっておるのかと。ああ、そういう位置付けだったんかなと実は本当は思ったのでございます。 それで、本当は、先ほど後藤先生おっしゃいましたが、心の規範といいましょうかね、ボーイスカウトは三つの誓いと十二のおきて、まあ今八つのおきてでございます。名誉に懸けて次の三条の実行を誓いますと。神と仏に誠を尽くし、おきてを守ります。いつも、他の人々を助けます。体を強くし、心を健やかに、徳を養います。で、私はあの八つのおきてを守りますと。誠実であること、礼儀正しいこと、友情に厚いこと、親切であること、そして勇敢であること、質素であること、そして快活であること、そして感謝の心を持つと。昔は誠実であるということのほかに忠節を尽くすとか人の力になるがありまして、最後の方は純潔であるというのと慎み深いというのがあったんですよね。この十年ほど前から十二が八つになったのですが、やっぱりそういうのが行動の規範、心の規範といいますか、やってはならぬこと、やるべきこと、そういう判断の基準だったのではないかなという気もするのでございます。 まあボーイスカウトのことをずっとしゃべったら切りありませんのでここでやめますが、ただ、これ、きっとボーイスカウトの補助金少し出ておるんだなとは思うのでございます。ただ、どこを見ても分からぬのですね。この間聞いたら、少しは出ておるんではないかなと、毎年。これ大体今年は幾ら、これはまあ案ですから、幾らと言えぬのかもしれません。昨年が幾らなら、今年は大体それに多いか少ないかぐらいは言えるのではないかと。 そういうのが一つと、もう一つは、最初に申し上げたように、従来部活に出れない子供たち、出ていない子供、部活に参加していない子供たち、これに、ボーイスカウトやガールスカウトのスカウティングを中学校や高校の部活に、それで高校はまた別としても、部活に取り入れると、部活と認めると、一つ。それぐらいのことができるのではないかと。 これはもちろんボーイスカウト日本連盟やガールスカウト日本連盟と相談しなきゃならぬと思いますが、そういう方向でやれば、もっと子供たちは何らかの形で人とかかわり、自然とかかわり、何人かの子供たちもチャンスが与えられて救われるのでないかと思いますが、いかがでございますか、この二つについて。
○副大臣(塩谷立君) ただいま河合委員おっしゃったように、ボーイスカウトでの活動方針というのは正に今の教育で一番欠けているようなところかなと感じているところでございまして、今後、こういったボーイスカウト活動を中心とした青少年団体の活動にどう取り組んでいくかということを我が省としても考えていかなければならないと思っているところでございます。 まず、十六年度の予算については、今年度、海外の子供たちのキャンプ生活、国際交流体験を行う事業への補助、それから子供たちの自然体験活動等体験活動に対しての助成が子どもゆめ基金から行われております。また、ボーイスカウトが主体となって運営する運営協議会に放課後や週末の子供たちの様々な体験活動を行う事業を実施を委託しておりますが、これは子どもの居場所づくり等、こういった事業を委託しておりますが、そういう事業等で総額一億五千万円の支援をしております。 今、河合委員おっしゃったように、本当に体験とかそういうことは子供の成長にとって大事でありますし、部活に参加できない子供、そういった子供がスカウト活動に参加して部活のように位置付けられればというのは、私も大変理解をさせていただいております。 私自身もかなり青少年活動やそういうことに携わってきたものですから、かつてはかなり子供会も含めていろんな団体にこの補助金ももう少し手厚くあって活動も活発にされていたと思うんですが、そういう補助金もカットされながら、また時代も大きく変わっていく中でだんだんこういう活動がちょっと細々としてきたのかなという気がしております。しかしながら、大変重要な活動だと思っております。 ただ、部活に位置付けられるかどうかは、また私どもも検討してまいりたいと思いますが、ボーイスカウトについては今度二〇一一年に世界ジャンボリーがありますが、それを今年の九月に、日本でやるか、四か国ほど何か立候補しておりまして、そこら辺はしっかりまたかち取ってまいりたいと思います。 そういう意味で、青少年、また教育関係者にボーイスカウト活動とか青少年のいろんな活動をできるだけ周知徹底して、そういうところへ参加できるように私どもとしても努力してまいりたいと思っております。
○河合常則君 一行しか書いてなかったもんですから大変心配しましたら、いや、十分考えておるんだという副大臣の話がございまして安心をしました。ありがとうございました。 来年は能登で日本ジャンボリー行われますよね。そして、二〇〇七年はベーデンパウエルが初めてイギリスのブラウンシー島で実験キャンプを始めてスカウティングという教育メソッド、教育方法を見付けた、いわゆる百年なんです、二〇〇七年。それで、イギリスで世界ジャンボリーを記念してやると言っています。その四年後の二〇一一年は日本の朝霧でやろうという話を日本連盟が決めたようでございますから、是非応援もしてやっていただきたいというふうに思うわけでございます。ありがとうございました。 さて、先ほど後藤先生の話もございまして、中曽根元総理の話がございました。私は、今年の一月十日号、一月十日の日経ビジネスに、元中曽根総理の、学力低下を心配して、特に読解力の低下、そして論理的に物を考える力が八位から十四位になっておるということで、これを取り上げて談話として発表しておられますよ、一月十五日の日経ビジネス。 これには心の軸が要るという。心の軸とは、うそを言ってはいけないとか、親を大事にするとか、人間として生きている基本の形、自己規律のことだと。それで、中曽根総理は、私が首相のときは倫理と道徳を軸に据えて教育基本法の改正に取り組もうとしたが果たせなかったと。この改革に一番抵抗するのは官僚ですと書いてありますが、申し訳ないです。官僚は先輩の路線を受け継ぐから先輩を否定することはできないんだと。そして国鉄の民営化、電電公社の民営化に追われて、さあこれからというときに首相の任期切れが来てできなかったのが、今振り返っても残念でならないと言っておられます。 私は、この中曽根元総理の言われた心の軸と、ボーイスカウトの誓いやおきてみたいなのをさっき申し上げましたが、こんなものを子供たち一人一人が持ってくれるように、学校外で、自然の中での体験を積極的に積み重ねて、いつの間にか中曽根さんのおっしゃる心の軸を自分のものにしてくれるように、そういう施策を進めるべきだと思うのでございます。 野外体験活動に対する認識と、具体的な取組若しくは今後の取組方針があれば、大臣の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(中山成彬君) まず最初に、河合委員がずっとボーイスカウトをやってこられたということについては知りませんでしたけれども、本当に大変なことだと思いました。心から敬意を表したいと思っております。 それから、自然体験活動、これはもう本当に、後藤委員のときもお答えいたしましたけれども、大事なことだと思うんですね。これはそういう調査もありまして、自然体験が豊富な子供ほど道徳観とか正義感が培われているという傾向があるということ、それから自然に触れる体験をしたときに子供は学習意欲が高まるというふうなことも出ているわけでございまして、先ほど言いましたけれども、しかし昔は本当にもう普通の生活が自然体験だったんですけれども、今は本当に今の子供たちはそういう意味じゃかわいそうで気の毒だと思うんですね。ですから、大人がそういった体験活動の場を意図的といいますか、計画的に作ってやらなきゃいかぬ、仕組んでやらなきゃいけないんじゃないかと、こう思うわけでございまして、そういう意味で、ボーイスカウトの活動に献身してこられたということに対して敬意を表するわけでございまして。 文部科学省としても、今、塩谷副大臣も申し上げましたけれども、子どもゆめ基金とか、あるいは省庁連携の子ども体験型環境学習推進事業とか、いろんなことやりまして自然体験活動の推進を支援しているところでございますし、また平成十七年度からは新たに青少年の主体性あるいは社会性をはぐくむ自然体験活動等の体験活動を実施する青少年の自立支援事業を実施するということにしているわけでございまして、自然体験活動の重要性ということには十分認識しておるところでございます。 私自身も、ルバングから帰ってこられました小野田中尉の自然塾というのを関心持っていまして、この前、本もまた書かれまして、君ならどうするという本でございますが、要するに、もう本当に自然の中に子供たちをほうり投げてやらせるんですね。かなり大胆な試みだったと思うんですけれども、その中で子供たちが本当に何かたくましく成長していく過程が見られるわけでございます。そういう意味で、やはり子供というのは日常生活と違うところに移ったとき、そういう、何といいますか、生活環境が変わったときに成長すると思うんですよ。 そういう意味で、今例えば山間留学なんというのもあるわけで、私はこれを仕組みとして何とかできないのかなと。よく姉妹都市というのはありますけれども、この姉妹都市ならぬ姉妹校というのをつくって、それで、例えば夏休みなんかを利用して一週間ぐらい交互に行くと。それで、一週間ぐらい泊まり込んで、例えば都会の子供が農家に行って、牛、馬の世話したり、あるいはハウスで農作業をしたりすれば全然違ってくると思いますし、また田舎の子は都会に出て都会の空気を吸うだけでも全然違ってくると思うので、そういう意味で、何か、何といいますか、それぞれがお互いに連携しながらやっていくという、いつも言いますけれども、これは国ぐるみ、地域ぐるみで子育てをやらなきゃいけない。昔と違ってなかなか子供たちがそういった体験ができないのであれば、大人がそういう仕組みをつくってやると。これはもう、ボーイスカウトなんかは正にそういう仕組みだと思うんですが、これを全体としてやっていくと。 今、自民党の方でも何か農村と都会の対流、交流とか、そういうような事業もやっていらっしゃると聞きますけれども、子供のころからそういう対流をやっていけば、自然に小さいころからの友達もできますし、今、子供が少ないですから、兄弟が少ないんで、それがもう疑似兄弟みたいになって、お互いに連絡を取り合いながら大きくなっていくという、そういったことにもつながるんじゃないかなと、こう思っていまして、是非、河合委員のお話もございましたが、文部科学省としてもそういったことについても、地方、これは市町村のお話ですけれども、そういった取組も促していくようなことも考えていきたいなと考えております。
○河合常則君 今、大臣の話聞きまして、感心しました。今、ファンになりました。やっぱり、是非これは仕組みとして大臣のうちに構築してもらいたい。きっと日本じゅうの子供のために本当にいいものになると思います。よろしくお願いします。 実は、義務教育費の、給与費の五兆円をいろいろ、四千二百五十億円のことをいろいろいただいた予算書の案を調べて気が付いたことがございまして、もうちょっとしか時間がありませんので、四点だけまとめてちょっとお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。 日本体育協会は四億三千万円、JOCは二十三億円の補助金出ています、まあ出る計画になっています。僕は、第一点は、マスターズの大会は日体協が主催してやるのでないかと思いますが、四億三千万円、日体協全部の方で四億三千万円でマスターズの大会やるの大丈夫なのかと、こういうことを思うのでございます。 二点目は、国体の冬、夏、秋の大会、僕は今年も安比の高原、富山県の選手団長として冬の国体行ってきました。実は、この持分の諸経費というものは、地方スポーツ振興費補助金の六億六千万円の中から出ておるんだと、四億五千六百万円出ておると、こういうふうに言われまして、そこはまあ分かったんですが、このほかにスポーツ・レクリエーション大会というのがございますよね、全国スポレク大会。こういうものの経費はどこにあるのかなと。これは一般会計でなしに、何か別な財団かか何かでどこかから寄附金でも集めてきているのかなと。ところが、だけれども、これは文部科学省に関係あるから聞いてみようと思って実は調べてみたのですが、分かりませんので、お聞きをしたいことでございます。 三つ目は、スポーツに関してはもう大変な、スポーツがあるかないか、これはスポーツは文化の一つだと、大きな文化の中の一つだと思いますが、人間の文化の一つと思いますが、まあプロもあれば、プロのスポーツもございます。大相撲やっていますが、いよいよ野球も始まります。サッカーもございます。しかし、ノンプロもあるわけでございます。企業スポーツもあるわけでございますが、それは別として、全国にあるスポーツ少年団や中学校の運動部の部活、高校の部活、インターハイのこと、甲子園大会もうすぐ始まります。それから、大学の大会、インカレのことなど、こういう学校スポーツや、それぞれ四十七都道府県の傘下には、それぞれの日体協の傘下の競技団体、四十幾つの競技団体のほかに、その地域の市町村ごとの体育協会ありますよね。これはみんな活躍して、そして動いてスポーツの振興をやっておるわけですよ。いつの間にかその一翼をみんなで担っておるわけですが、それはまたそれぞれの地域の活性化、日本の活性化に非常に大きな力になっておると思うんですね。これは荻原健司さんに質問したらいいんですけれども、本当は僕はそう思っていますよ。 そうしたら、これは大体アバウトでGDP五百兆円のうちの幾らほどに当たるものかと。それぐらいのことを自信持って本当進めてもらいたいものだなと。大体この費用幾らほどのものかと考えておられるか。まあ考えてなかったら考えてないでいいですが、考えておられるかどうか聞きたいと思っています。 それともう一つ最後に、これは新聞で見たのでございますが、ちょっと一か月か二月ほど前だったかなと思うんですね。マイナーのスポーツの拠点づくり、何か甲子園づくりというような事業をするんだと。二十幾つかな。それはそれでやっぱり面白いことだなと、すごいこと考えたなと、大したことをちゃんと文科省も考えるもんだと思ったのでございます。これは全国で何か所ほどつくって、そのランニングコストをどういうふうに考えておられるのか。これも探そう思ったけれども、分からぬのでございます。 是非、この四つについてお尋ねをいたします。
○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。 まず、第一点の日本スポーツマスターズ大会でございますけれども、これは財団法人日本体育協会が先生御指摘のように主催しているものでございまして、これにつきましては、文部科学省の補助金ということではなくて、自主財源により措置しているということでございまして、例えば平成十七年度におきましては一億九千万円が日本体育協会の予算として措置される、これはまだ予定でございますけれども、伺っているところでございます。 第二点目の全国スポーツ・レクリエーション祭でございますけれども、先生御指摘のように、国民体育大会については四億五千七百万円ほど地域スポーツ振興費補助金の中から出しているわけでございますけれども、この日本スポーツ・レクリエーション祭につきましても、開催県に対しまして同じくこの地方スポーツ振興費補助金の一部といたしまして、十七年度予算案におきましては一億五千四百万円を従来どおり計上しているというところでございます。 それから、四十七都道府県、全国におきます地域のスポーツ団体の総経費といいますか、予算、経費どれぐらいあるかということでございますけれども、なかなか学校で、学校教育活動の中の部活分を除くとか、なかなかそういうふうな計算ではしたことはないわけでございますけれども、大ざっぱに申し上げまして、地方公共団体において、これは都道府県から市町村も含めますけれども、地域におけるスポーツ施設の整備もこれは入りますが、その地域のスポーツ活動の振興を図っておられるわけですけれども、これらのスポーツ関係予算、大きくひっくるめて、推計といいますか、そういうもの入りますけれども、約四千六百億円程度ではないかというふうに推計をいたします。 それから最後に、スポーツの拠点づくり推進事業についてのお尋ねでございます。これにつきましては、昨年来、小中高校生が参加するスポーツの全国大会、これは多数あるわけでございますけれども、また全国でのスポーツ大会、子供たちの非常に励みになっているわけでございますが、これが毎年同じ市町村で継続的に開催されるという場合には子供たちのあこがれの場所になるということで、地域の活性化についても大きな役割を果たすだろうということで、文部科学省と総務省共同いたしまして、このようなスポーツの拠点を全国各地につくっていくための委員会というものを発足させ、スポーツ団体と市町村のニーズの把握、調整や必要な財源支援などを行うこととしたところでございます。 これにつきましては、御案内のように、平成十七年度に開催する大会につきましては、今年の一月末に二十八件のスポーツ大会に対して財政支援を行うということとしたわけでございますが、当初、項目二十八件でございますけれども、これから順次毎年ずつ、毎年毎年これを少しずつ増やしていくということでございまして、最終的にどこまでの数字というものを目標にしているかということは、ちょっと今の段階では確実なところは申し上げられませんけれども、そういうふうにいたしまして、子供たちのスポーツの拠点を全国各地につくっていくということの施策をしたいと思っています。 なお、この財源につきましては、地方振興という観点から、総務省の方でいわゆる宝くじの収益というものを充てるということで、文部科学省につきましては、スポーツ団体に周知し、スポーツ団体と市町村とのマッチングといいますか、そういう調整をするという役割を果たして、両省相まって協力しながらこの事業を進めているところでございます。
○副大臣(塩谷立君) 一点補足をさせていただきますが、先ほど局長から、地方公共団体の予算四千六百億という話がありました。 国としてどうかというと、これはスポーツ振興基金とかtotoの収益とかいろいろ予定をしているんですが、今のところ国としては二百十五億ということで、いろんなスポーツ、この国際競技に対する向上に対しての支援、あるいは競技スポーツとか生涯スポーツの支援、様々な支援をしておりますが、文化との比較でいきますと、元々文化関係は三百億だったのが一千億ぐらいになっておりまして、スポーツが二百十五億でとどまっているということは、やはり我々としても考えなきゃいかぬなと思っておりますし、その点はまた多くの協力を得ていきたいなと。 是非、スポーツは大事な、国の発展にとっても必要だと思っておりますので、今後とも努力をしてまいります。
○河合常則君 御丁寧な答弁、誠にありがとうございました。早口でしゃべりまして申し訳ありません。言いたいことだけ随分言いましたので、ありがとうございました。 終わります。
○委員長(亀井郁夫君) どうもありがとうございました。 それでは、午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩といたします。 午後零時三分休憩 ─────・───── 午後一時二分開会
○委員長(亀井郁夫君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、広中和歌子君が委員を辞任され、その補欠として水岡俊一君が選任されました。 ─────────────
○委員長(亀井郁夫君) 休憩前に引き続き、国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次発言願います。
○佐藤泰介君 民主党・新緑風会の佐藤泰介です。先日に引き続いて質問をさせていただきます。 大臣、突然で恐縮ですが、「冬瓜の花の百一」という言葉を御存じですか。トウガンにはあだ花が多くて大部分が実を結ばぬことと辞典にはありました。十八日の本会議の中山大臣の答弁は、与党席からも大きなブーイングが飛び、大変ひどいものでした。本日は、実のある答弁を期待をして質問に入ります。 先日に引き続いて、非常勤講師の問題について、非常勤に支えられている教育現場に対する文科省の認識について改めて確認をしたいと思います。 私の地元の実態だけでは不十分と思い、質問させていただいた次の日、早速東京の港区立小中学校、各一校ずつ見てまいりました。ある小学校では、校長、教頭、教諭の合計で常勤者が三十一名に対して非常勤十二名プラス二、このプラス二は学生スクールボランティアでした。このように、三〇%近くを非常勤が占めています。また、ある中学校でも、常勤者十六人に対して八人プラス一、このプラス一も学生ボランティアですが、三〇%を超え、小中とも三人に一人は非常勤講師で教育現場は今日支えられています。言葉を換えれば、教育現場のパート労働化です。あくまで都市部の事例で、地域差があるのかもしれませんし、また都道府県負担と市町村単独負担という違いがあるのかもしれません。しかし、国、県、市町村、どこが負担しようが、子供たちや保護者にとっては非常勤の先生です。そして、それぞれの校長先生の共通の悩みは、先日私が申し上げたとおり、求人活動に忙殺され、予算は四月から付いているにもかかわらず講師は七月まで見付からなかったケースも、とのことでありました。 現場の実態を全く顧みない文部科学省の先日の答弁は、教育現場の意欲を著しく損なうものであると思う。非常勤講師の配置状況についてきちっとした実態調査を行い、認識を新たにしていただくことを強く要望する。中山大臣もスクールミーティング等を通じ教育現場への理解を深めておられるところであり、これからはこうした問題についても現場の声に耳を傾けていただきたいと思う。 実態を的確に把握するために悉皆調査が必要だと思うが、調査をしていただけるかどうかだけで結構です。大臣、お願いします。
○国務大臣(中山成彬君) 先日の本会議の答弁のとき、ちょっと長いなと思いながらも、しかしやっぱり丁寧に答えるべきかなと思って、あちこちから発言があったのもよく聞こえましたし、特に与党の方からの方が多かったなとか、そんなことを思いながら、答弁しながら反省しておりましたけれども、これからはしっかりやっていきたいと思いますが、ただ、答弁漏れがあってもいかぬし、なかなか難しいということは御理解をいただきたいと思っております。 その上で、今非常勤講師の話、佐藤委員自ら学校に出向いていろいろ調査いただいたということでございまして、本当に有り難いことだと思っております。非常勤というのは、常時勤務を要しないということで一般的……
○佐藤泰介君 いや、調査をするかどうかでいいです。ちょっと僕、二十分なんで、今日、質問時間が。
○国務大臣(中山成彬君) ああ、そうですか。 悉皆調査というわけにはいかぬと思いますけれども、これもうある意味で現場に任してあるもんですから。ただ、御指摘ありましたように、スクールミーティング等を通じてどういう状況かということは常に把握しておるところでございます。
○佐藤泰介君 よろしくお願いします。 今日、私、二十分で、私が長くなると水岡委員の質問が短くなるんで、済みません。 次に、次期定数改善について再確認をさせていただきます。 先日の当委員会において、少人数学級が全国的なスタンダードとなっている実態、それにもかかわらず十分な教職員の配置が定数上なされていない実態、これらを踏まえて、こんな時期だからこそ次期定数改善の必要性、重要性を徹底的に議論すべきであることを私は強く申し上げました。しかし、大臣の答弁は、避けて通れない問題、中教審で検討するということでありました。この答弁からすれば、次期第八次定数改善を切れ目なく実施することは事実上難しいと思われますが、平成十八年度から次期改善計画がスタートするのかどうか、端的にお答えください。
○国務大臣(中山成彬君) 第七次計画は十七年度に完成ということについては、この辺の意義は大なるものがあると思っているわけでございます。次の定数改善計画をどうするかにつきましては、これまでの改善計画の実績等を踏まえて対応しなきゃいけないと、こう考えているところでございまして、今御承知のように中教審においても幅広く検討するということになっているわけでございまして、その中で議論していただきまして、その中でもう早くやれということであれば、もうすぐに十八年度からでもやらなきゃいけないと、こんな感じでおるところでございます。
○佐藤泰介君 すぐやれということなら、概算要求期に果たして中教審の結論が出ているかどうか。中教審の検討結果は秋ですので、すぐやれと言って間に合うんでしょうかね。すぐやれというんであれば間に合わせるということですので、期待をしておきます。 次に、十八年度の話が出ましたんで、概算要求における義務教育国庫負担金の取扱いについて伺います。 今回の四千二百五十億円の削減はあくまで十七年度限りの暫定措置であると説明を受けています。とすれば、十八年度予算編成に当たっては、義務教育国庫負担二・五兆円が概算要求されるものと思うが、文部科学省の見解を問う。あわせて、この点について財務省にもお伺いしたい。概算要求期に二・五兆円マイナス八千五百億円というシーリングの枠ははめませんね、このことを確認さしてください。
○国務大臣(中山成彬君) 定数改善計画につきましては、中教審の議論の中である程度の方向性は出てくると思いますから、その中でやれということであれば、要求の段階でも盛り込めると思いますし、予算編成までにまたいろんな過程もあると思いますので、適切に対処していきたいと思っています。 それから、十八年度概算要求につきましては、まだ、ただいま十七年度の予算を御審議いただいている段階でございますので、政府全体として十八年度をどうするかという考え方が示されていない状況でございます。 いずれにいたしましても、文部科学省といたしましては、義務教育に係る国の責務をしっかり果たしていけるように適切に要求してまいりたいと、このように思っております。
○大臣政務官(段本幸男君) 佐藤委員の質問にお答えします。 今、中山大臣がお答えになったとおりでございますが、今十七年度予算を正に参議院で審議中でございまして、この成立に全力を挙げたいと思っておりまして、まだ十八年度概算要求についてとやかく言うような段階にないというふうに考えております。 いずれにしましても、義務教育国庫負担金の取扱いにつきましては、昨年末、政府・与党合意に基づいて今年の秋までに中央教育審議会で幅広い検討を行っていくものと承知いたしておりまして、政府としてもこの中教審の審議結果を踏まえて本年中に結論を出したいというふうに思っております。
○佐藤泰介君 ありがとうございました。中教審のと言われましたね。中教審の検討結果を踏まえてですね。いいですね、それで。中教審の検討結果ですね。
○大臣政務官(段本幸男君) 今おっしゃっている意味は等が付いているかどうかという意味なんでしょうか。 私どもとしては、当然中教審の結果を踏まえながらいろいろと議論していくというふうな、審議結果を踏まえてやっていくものというふうに考えております。
○佐藤泰介君 ありがとうございました。しっかり記録、後でまた使わなくてもいいようによろしくお願いしたいと思います。 じゃ、お忙しい中、政務官、ありがとうございました。その言葉を聞けば十分でございます。 大臣は、先日の委員会で、中教審の結論によっては十七年度分もゼロになる可能性もあると答弁されました。今、財務省も中教審の結論と言われました。 そこで、お伺いをしたいと思うわけですけれども、本法律案の衆議院での質疑を見てみますと、総理の発言、総務大臣の発言、そしてそれぞれ、中山大臣の発言、発言や答弁内容に大きな私はずれがあるように思っております。先日のこの委員会における私の質問に対して、大臣は、私も麻生大臣もいろいろと自分の考えるところ、信じるところに従って発言しているわけでございますけれども、政府・与党合意の中で読める範囲内で発言していると、私はそう思うのでありますと私の質問に対して答えられました。 では、一体読める範囲というのはどこまでなのか。どんどんどんどん広がって、もう何が何だか分からぬようになっておるんですよ、今。本会議でも水岡議員が質問をされましたけれども、どこまでが読める範囲なのか。これがきちっと決まってこなければ、これだけ各大臣の発言内容が違っていては、政府・与党合意文書の、私はむしろ解釈文書を政府・与党で作ってもらわなくては議論がこれからできないと思っておるわけです。 今、等の話が出ましたが、総理は中教審等と言っていますよ、ちゃんと。これ、どこまでの範囲が読める範囲なんですか。今申し上げたように政府・与党合意文書の解釈文書を作っていただけますか。それがないと議論できないですよ。
○国務大臣(中山成彬君) 正にここにありますように幅広く検討することになっているわけでございまして、非常に幅が広いんですね。 ただ、その中ではっきりしていますのは、この義務教育についての国の責任というのはしっかり維持すると、その中で堅持するんだと、国庫負担制度は堅持するんだということははっきりしているわけでございまして、その中で費用負担の在り方について地方案、地方は全部自分たちが持つと、こう言っているわけでございます。私は、全部国が持ちたいと、こう言っているわけでございまして、そういう意味では非常に幅が広いんですけれども、私どもの解釈としては、文部科学省の責任というのはなくなるということではないということでございまして、そういう意味でこの教育、在り方全般につきまして中央教育審議会で御議論いただいた中で、費用負担についての地方と国の在り方、この分担というようなものもおのずから見えてくるんだろうと、こう思うわけでございまして、今のところ、麻生大臣と私の主張というのは、それこそゴルフに例えますと、右のOBから左のOBの間、非常に幅広いと思いますけれども、真っすぐ真ん中から私寄りの方にこれ必ず行くだろうと、私はそう思いながら頑張っているところでございます。
○佐藤泰介君 私も多少ゴルフやるんで分かりますが、曲がり出すとがあっと曲がりますんでね。フックしたりスライスするとなかなか真っすぐ飛ばぬですよ、あれ。大臣はうまいんですかね。 まあ余談はさておいて、とすると、やっぱり最終的には私はこれで審議するんだろうと思うんですよね。閣議決定された、これ。それで国会提出されて、この前、趣旨説明を受けたんですよ。大臣読まれた中で、ここの趣旨説明の中の二枚目のところに「今年秋までに中央教育審議会において」と書いてあるんですね。しかし、総理は中教審等においてといつも答えられてみえるんです。必ず等を入れられるんですよ、総理は。その等は何ですかと問うと、地方との協議の場だと言うんですよ。今、財務省は等ありませんでしたので、文科省もちゃんと覚えておいてくださいね。 しかし、小泉総理は必ず中教審等と言うんですよ。この法律の趣旨説明は等はないんですよ。じゃ、なしなんですね、これ。これで審議するんですから。それも含めて両方とも読める範囲だと言うんなら解釈文書を出してくださいよ。そうでなかったら、これ以上審議できませんよ、我々。 したがって、中教審等という、小泉総理が言う中教審等と、まあ財務政務官、大臣が来て等、それで財務省も等と言い出すのかも分かりませんが、えらい違うですよ、これ、等が入るのと入らないのでは。等がなければボールは真っすぐ飛んでいくかもしれませんが、等があればどっちとへ曲がるか分からぬわけですから、ボールはぶれるんじゃないですか。 したがって、あくまでこの法案で審議をしていくとするならば、大臣も、中山大臣も、小泉さんが等という答弁をされたら、それは違います、中教審ですと、合意は。そう言っていただかないかぬですよ、そういう同席されるところで。小泉総理は等を言われる。それを黙って聞いてみえる。いろんな考えがあるだろう、読める範囲ですと、それは。等まで読める範囲なのか。とすれば、この法案の中に中教審等と出てこないかぬですよ。 したがって、私は解釈文書を出してもらえぬかということですよ。しっかり答えてくださいよ、これ、これからの審議にかかわりますから。
○国務大臣(中山成彬君) あくまで、昨年十一月二十六日の政府・与党合意では、義務教育費国庫負担金の今後の取扱いについては「平成十七年秋までに中央教育審議会において結論を得る。」ということにされているわけでございまして、私どもはこれに基づいて今やっているということを御理解いただきたいと思います。
○佐藤泰介君 等はないわけですね。そうすると、先ほど申し上げましたが、今度の閣議でもどこでもいいですよ、小泉さんにあるいは官邸に、これは等はありませんよ、中教審でですよと。今後、小泉総理が等と言われるのは間違いですね、とすれば。それを文科省は頑張らないかぬですよ。 私、一貫して義務教育国庫負担守ろうという立場ですよ、現時点ではね。党としては別の、先日の委員会でうちの党の考え方は申し上げさせていただきましたけれども、一括交付金で、総額としてどう確保していくかという法案を今この鈴木議員を中心に作っていますから違いますけれども、現時点ではこれ一般財源化することは私はずっと反対の立場でずっとこの委員会で言い続けてきたわけですから、総理が等と言われたら、等を取ってくださいというぐらい頑張っていただかぬと、最終的に、等のある官邸と文科省が最後まで行って、最後は政治決着、小泉さんの政治決着、八千五百億円マイナスですよと。 したがって、私は、来年のことだと言われましたけれども、恐らく結論がそうなるんではないかということを大変心配しておるからこんなにくどくど言っておるわけですよ。同席して等というのを聞いたなら、今、大臣答えられたのは、政府・与党合意には等はないというんですから、小泉さんが言われたら、それは等は取ってくださいと。それぐらい頑張ってください。是非よろしくお願いします。お答えがあれば。
○国務大臣(中山成彬君) 私どもはとにかくつとに頑張っておりますし、十七年度については暫定ということですけれども、十八年度については中教審の結論を待つということで私たちは頑張ってまいりたいと思っています。 小泉総理のことをいろいろ言われましたが、おとといは、がん撲滅の東西対抗プロアマゴルフチャンピオン大会ありまして、チャンピオン対抗試合ありまして、私は横峯さくらさんと組みまして、相手は、湯原さんと小泉さんの息子さんの孝太郎さんが相手でございましたが、私どもは勝ちましたので、そのことだけ御報告申し上げておきたいと思います。
○佐藤泰介君 公式の場でやっぱり等を取っていただくように頑張っていただかぬといかぬですよ。そんな、どこかでやってどうのこうのという話では。やっぱり公式な場で等と言われたらその等を取ると。政府の見解として中教審と、中教審の等はないんだということを、もう私の時間来ましたので終わりますが、大臣、本当にともに頑張りましょうや、子供たちのために。そういう決意で更に頑張っていただきたいと強く申し上げて、私のこれは最後の質問にします。
○国務大臣(中山成彬君) もう一回いいですか。 それでは、念のために申し上げますが、とにかく中教審の結論を得てということをしっかり守っていきたいと思いますが、政府として結論を出す場合には、その過程の一部として地方公共団体との協議の場などにおいて議論することは考えられるわけでございますが、最終的には、政府・与党合意の趣旨を踏まえ、中央教育審議会における結論が十分尊重されると、このように考えておるということを申し上げたいと思います。
○佐藤泰介君 また振出しに戻るんですよ、それをやっておると。そうだけれどもこうだと言われると、本当に等がどこかへ行っちゃうんですよ、また。だから等なしで頑張ってくださいと。 以上、終わり。
○那谷屋正義君 民主党・新緑風会の那谷屋正義でございます。 質問に先立ちまして、子供たちを守るために犠牲となられた寝屋川市立中央小学校の鴨崎先生の御冥福をお祈りするとともに、御遺族に対し心よりお悔やみを申し上げます。また、負傷された先生方の一日も早い回復をお祈りいたします。学校の安全確保へ物心両面の抜本的対策を可及的速やかに講じることが鴨崎先生の御遺志に報いる最善の方策だと考えるところでございます。 並びに、今回の福岡県西方沖地震の被災者の皆様方に心よりお見舞い申し上げます。とりわけ、全島避難を余儀なくされた玄界島の甚大な被害は、共同体維持にかかわる危機を招きかねないのではと憂慮の念を深くするものでございます。地域の復興にはシンボルが必要です。そのシンボルにふさわしいのが学校機能の一日も早い再建です。学校がある限り地域の方々の心に希望の灯がともることは多くの事例が証明しています。子供たちや教職員の願いに沿うことを前提に、学校施設等の機能全開に向け、文科省として取り得る施策等の総動員を強く求めたいと思っているところでございます。 さて、提案されました義務教育国庫負担法等の一部改正案並びに現下の教育をめぐる諸課題について、中山大臣及び総務省に対してお尋ねをいたします。 弥生三月の異称の一つに夢見月という呼び習わしがあることを、つい最近ある新聞のコラムを見て知りました。日本語の豊かさをしみじみ感得したところでございます。希望に燃え、抱負を胸に新学年度を迎える子供たちや教職員、あるいは悩みを抱え、その解決に苦闘する子供たちや学校関係者もいることだと思います。だれもを大きく優しく包んでくれる夢見月にしたいし、またそうすることが本委員会の責務だと、自戒も込めて思う次第でございます。この意義をしっかり受け止めていただき、子供を、教職員を元気にできる答弁を中山大臣にも総務省の方々にも是非お願いをいたします。 学校を明るく必ず元気にする私なりの一つの具体的な提言をしてみたいと思います。それは、子供たちの学校生活において、給食を一番楽しみな時間とすることだというふうに思います。友達や教師と語らいながら楽しく食べることが時間の確保も含めて質量両面で保障できたら、今、学校教育が直面する問題の解決に向けた大きな手掛かりとなるのは間違いありません。 食べることは生きる力の源です。温かいものは温かく、冷たくするものは冷たくという当たり前の食べ物の供し方を前提に、おいしく、栄養価を満たす豊富な食材から成る給食が実現できれば、子供たちに笑みが生まれるのは想像に難くありません。笑顔の広がりは、自らを愛し、仲間を思いやることにつながります。そして、生活の基盤である家庭の団らん復権に、ベクトルが向くはずでございます。団らんの再生は、先ほどお話が出ましたけれども、早寝早起き、いわゆる基本的な生活習慣へと相乗効果を見せ、それは学びの場に不可欠な集中力の向上として結実するでありましょう。この子供にとっての生きる力を培う回路を机上のものに終わらせてはなりません。 さらに、生きる力をみなぎらせるための特効薬として自校給食方式というのがありますけれども、そちらへの大転換を展望する見識をお示しいただきたいというふうに思います。あわせて、誠実な答弁をお願いいたします。
○国務大臣(中山成彬君) 今、学校給食の重要性についてお話ありましたが、本当にそのとおりだなと実感しております。食事を一緒にすることによって仲間を思いやる精神とかそういったものも生まれるんだという話を聞きまして、私どもの小さいころは、昼休みになるとすうっと抜ける仲間が何人かおりました。要するに、弁当を持ってこれない子供たちもいたわけでございまして、そういう意味では、本当にどうしているのかなと思っていたことを今思い出したわけでございますが、そういう意味では、日本もいい国になったなと思うと同時に、逆に、先ほど午前中も後藤委員の話がありましたが、豊かになればなるほど食生活も貧しくなっていくということもあるわけで、今、学校給食だけが本当に食事らしい食事だという子供たちもいるという話も聞くわけでございまして、そういう意味でこの学校給食の重要性、もう本当によく分かるわけでございます。 食べることの大事さ、そして食べながら仲間と語らったりすることによって仲間意識とか生まれるわけでございますし、また食事を通じて自分たちに食事を提供してくださる農家の方々始めそれを確保してくださる方、給食の方々、いろんな方のことを思いながら食事をするということは教育上も極めて重要であると、このように考えるわけでございます。 協調、協同の精神を身に付けると同時に、生きる力をはぐくむという意味で、今後も学校給食についてはしっかり支援していかなければならないと、このように考えているわけでございます。 それから、自校給食と言われましたか、要するに単独調理方式のことでございますね。これについてもいろいろ考えなきゃいけぬわけですけれども、確かに単独調理方式というのは各学校において献立に工夫ができるわけでございますからきめ細かい対応が可能になるという長所もあると、このように考えておりますし、また地産地消という面からもこっちの方がいいということはよく分かるわけでございます。 ただ、学校給食の実施方法につきましては、その域内の学校の立地状況とかあるいは生徒数の状況、多い少ないとかありますし、各自治体の行財政の現状等、これ様々でございますので、これはまず各学校や地域の実情等に応じて各学校の設置者が適切に判断すべきものであると、このように考えているわけでございまして、文部科学省の立場としては、単独調理方式と共同調理方式のいずれの方式であっても、学校給食というのが学校教育活動の一環として実施されていることでございますから、児童生徒にとって安全でおいしく、かつ楽しい学校給食が実施されることが大切であるという観点から支援してまいりたいと考えております。
○那谷屋正義君 前向きな答弁をありがとうございました。 ただし、有権者から指摘される政治の通弊は理念倒れに過ぎるに行き着きます。現場の呼吸、皮膚感覚を大切にしようと奮闘される大臣でいらっしゃいますから、問われるのは、そこで問われるのは実行策であるということは言うまでもございません。 昨年の通常国会で栄養教諭制度創設を図る法改正が行われた好機でもあります。子供の心身の健康を守り育てることを目的とする栄養教諭制創設は、時代の要請ではないかというふうに考えております。仏作って魂入れずの轍を踏むことは許されません。このためにも、制度創設の目的にかなう実効性確保策が眼目となっています。 二〇〇五年度の栄養教諭育成講習事業の実施見込み及び栄養教諭配置にかかわる普及推進策の進捗状況についてお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。 この四月から栄養教諭制度が開始されるわけでございますが、十七年度からこの栄養教諭制度を円滑に実施するためには、まず栄養教諭免許状を有する方を全国に早急に今確保するということが必要でありまして、現在の学校栄養職員が円滑に栄養教諭免許状を取得することが重要だと考えております。 このため、十七年度予算案におきましては、現職の学校栄養職員が栄養教諭免許状取得のための必要な科目を各地域で取得できるように、講習会の開催に必要な経費を十七年度予算案で約七千万円盛り込んでいるところでございます。これまで都道府県から伺っているところでは、十七年度からすべての都道府県教育委員会におきましてこの講習会の開設に取り組んでいただく予定であると伺っているところでございます。 また、栄養教諭の配置につきましては、昨年の法律成立以後、私どもの方で各自治体に対する、自治体に対する説明会の開催でございますとか、栄養教諭制度を開設するパンフレットの作成、配布などを行いまして、この栄養教諭制度の意義について周知に努めてまいったところでございまして、今後ともこの一層の周知を図りながら栄養教諭の配置促進のための取組に努めてまいりたいと存じます。
○那谷屋正義君 三年というふうな期限を切られているというふうな話を聞いているんですが、柔軟な対応が求められるところだと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。 それでは次に、義教法絡みについて、文科省に対してはかなり午前中等からあるいはるる質問等がございましたが、私の方からは主に総務省の方にお尋ねをしたいというふうに思います。 衆参の予算委員会や文教科学委員会において、昨年十一月の政府・与党合意の持つ意味が次第に明確になってきたわけでございます。中教審が出すとされる義務教育費の負担の在り方についての結論は政府内で尊重されるというところまでは答弁がございます。 実は、今、総務省の方が来られる前には文科省の方は、大臣は、中教審のというのを強く主張さしていただいたところでございますが、総務省はこの秋の中教審答申に従う用意がおありかどうか、総理就任時の米百俵の精神に基づき、教育について政府全体で責任を持つという観点から決意をお聞かせください。
○大臣政務官(松本純君) お答えします。 義務教育費国庫負担金につきましては、平成十六年十一月二十六日の政府・与党合意において、中央教育審議会で義務教育の在り方とともに費用負担について地方案を生かす方策を検討いただくこととしているところでございます。 総務省といたしましては、三位一体の改革を成功させるという政府全体の方針の下、地方の改革案が適切に生かされる形で中央教育審議会の結論が導かれるものと考えておりまして、そうした中で、中教審の結論を得た上で、国と地方の協議の場での議論も踏まえつつ、最終的に政府として本年中に結論を出すことになるものと承知しております。
○那谷屋正義君 今の答弁は当然予想されたわけでありますが、先ほどの文科大臣の御決意とは本当に懸け離れた、本当に先ほどの左のOBと右のOBの話じゃありませんけども、そんな状況にあるのだな、それをどういうふうにまとめるのかなということについては本当に疑問だらけでありまして、何としてもとにかく子供たちの教育の機会均等と、こういったものを考える中で是非善処をいただきたいというか、中山文科大臣に頑張っていただきたいというのが本音なんでありますけども、そうしていただきたいというふうに思います。 義務教育負担金が一般財源化されても、義務標準法がある限り所要の教育予算は確保できるという総務省の立場については、論理的な検証を加えたいというふうに思っているところでございます。 一般財源化という触媒を加えた場合、この論理展開が必ずしも成立しないのではないかという疑念は深まらざるを得ません。それを解き明かす格好の素材となるのが高校標準法がはらんできた問題であります。直近のデータからも、高校標準法を、標準法を満たしていない都道府県が二十一あり、三%強のマイナスとなっている県もございます。このような事態を許す要因は一体何なのか。私なりの見立ては、高校標準法には義務標準法にある報告、指導、助言の規定がないこと、さらには同規定に実効力を持たせる仕組みとしての国庫負担金が担保されていないためという結論にどうしても行き着いてしまいます。 義務教育段階においても一般財源化が無原則に広まるならば、高校段階において生じているこのようなばらつき、不均衡の拡大は避けられないのではないかと懸念するところでございますが、見解をお聞かせください。
○大臣政務官(松本純君) お答えします。 一般的に、地域社会で最も重視される行政分野は教育の分野であります。選挙で選ばれた首長さんが子供たちの教育水準を落とすような選択を行うということは想定されないのではないでしょうか。 義務教育の教職員配置については、標準法において学級編制や教職員定数の標準が定められており、地方団体には国庫負担金の有無にかかわらずこれを遵守する義務が課せられているところでございます。そうした中にあって、現状でも義務教育の分野において都道府県が国の標準を大幅に超えて独自に教職員を増員配置しているという実態があることなどにかんがみれば、一般財源化が行われても地方団体において教育関係予算は適切に計上されるものと考えております。 また、義務標準法には非義務である高校標準法にはありません文部科学大臣の指導・助言権が規定されており、一般財源化した場合にあっても高等学校以上に適切な教職員配置を十分に担保するものとなっているものと考えております。 なお、全額一般財源で賄われている高等学校においても、そもそも標準法に定める標準には一定の幅があるものと解釈されている中において、教職員の全国総数は定数を上回っていること、また個々の団体を見ても大半は定数を上回っており、先生御指摘の下回る場合にも最大で三%程度と言われております。これらのことから、高等学校の教職員配置についても、その認められた幅の中で地域の実情に応じ所要の教職員数が確保されているものと考えております。 仮に現状の教職員配置では教育水準が維持できないというのであれば、制度所管庁におきまして必要な指導や制度改正を検討すべき必要が出てくると思いますが、今のところそのような話はお伺いしていないところでございます。
○那谷屋正義君 何%まで範囲が許されるのかという問題は数字の問題ですからともかくとして、いずれにしても義務教育へのそうした不均衡というものについてばらつきが出てしまうのではないかという懸念、これが大変やはり国民の大きいところではないかというふうに思うところであります。 ちょっと、そもそも論になりますけれども、二〇〇五年度予算の三位一体改革にかかわる補助金見直し等とは、一体いかなる意義を見いだして、その積み上げの中で三兆円規模となったのか。これはいまだに政府側から説得力ある説明がないこと自体に、理屈は後から付いてくる方式の現政権の不遜極まる、国民生活そっちのけの姿勢はあらわではないかというふうに考えているところであります。未来への先行投資である教育までもが、本質的な議論を全く欠いたままに、暫定措置とはいえ、十把一からげの網にからめ捕られたことは憤りを禁じ得ません。 事実、衆院段階における我が党の追及によって、本案に盛られた四千二百五十億についても、地方六団体が計上した数字、額のみをかりてきたことが明確になりました。内容の特定すらできないお粗末さを政府自らが認めざるを得ない提案であることを改めて指摘をしておきます。 小中学校設置者の市町村の意向等が正当に反映される名実備わった義教費改革こそをという総務省の望む筋論からしても、かかるびほう策は不信の種をまくだけの結果に終わったと言わざるを得ないのではないかというふうに考えているところです。このことについて御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○大臣政務官(松本純君) お答えします。 地方分権改革は既に十年以上制度改革等に取り組んできているところでございますが、数年前においては税源移譲というようなことは実現性がないと言われておりました。今回、いろいろな見方はあるところでありますが、三兆円規模の税源移譲が実現するめどが付きつつあることは実に画期的なことであると受け止めております。 義務教育費国庫負担金については、地方六団体が取りまとめた補助金改革案に中学校分に係る八千五百四億円の廃止、税源移譲が盛り込まれていたところでございまして、今回の改革案は、この地方案を真摯に受け止め、地方とも協議を重ねた上で義務教育費国庫負担金について暫定措置として八千五百億円の減額を計上することとし、平成十七年度はその半分の四千二百五十億円を減額することとしたものでございます。 また、中央教育審議会で義務教育の在り方とともに費用負担についての地方案を生かす方策を検討いただくこととしていることなど、地方の改革案が一定程度反映されたものとなっており、地方の改革案の実現に向けて一歩前進したものと考えているところでございます。
○那谷屋正義君 ちょっと視点を変えまして、本案においては、国庫負担金が実支出額ベースで削減される一方で、税源移譲予定特例交付金は限度額ベースで算定されるとなっています。このように算定方式が異なることから、独自の給与カット等により実支出額が限度額を下回る県等が含まれる場合、国庫負担金の削減額と特例交付金の配分額に若干とはいえ差が生まれる、つまりは余禄を享受できる県等の存在を前提にしていることにならざるを得ないと考えますが、見解をお聞かせください。
○政府参考人(岡本保君) お答えいたします。 御指摘のように、税源移譲予定特例交付金は義務教育の国庫負担金のように特定財源として実際の支出額を算定するものではございませんので、標準法で定める定数に国庫負担金の限度政令に基づく平均給与を乗じて算出するというような客観的指標で配分をいたします一般財源でございます。 したがいまして、今御指摘のように、仮に都道府県が独自の給与カットを行った場合には配分額と実際の支出額には差が生じるということはあり得るわけでございますが、これは一般財源という税源移譲予定特例交付金の制度上の性格として想定されるのでございます。特例交付金というものは、一般財源として税あるいは交付税といったものと一体として一般財源の機能を果たしているという性格上、そういう問題が出るということでございます。
○那谷屋正義君 ならば、その余禄として生じた交付金の使途を厳格に見定める必要があるのではないかというふうに思うわけであります。 義務教育費を減らす首長はないという先ほどの答弁にありましたけれども、この点について、そのことを国民に証明するためにもしっかりとした追跡調査を行い、その結果を公表するべきではないでしょうか。見解をお願いいたします。
○政府参考人(岡本保君) 今お答えいたしましたけれども、特例交付金というのは一般財源、正にその使途という制約がございません。したがいまして、各地方団体の予算上も税、交付税、そのほかの一般財源と一体となって各種の事業に配分されているということでございまして、全体の、各地方団体の義務教育の先生方に対する給与も、国庫負担金、特例交付金等の相当額、それから税、交付税が一体となって支出をされるという性格のものでございますので、特例交付金が幾ら余剰が出たかというような使途に特定がない以上、なかなかそういう計算ができないという性格のものでございます。
○那谷屋正義君 確かに、総務省の言われるように各省庁から様々な要求が来ているわけでありまして、それの追跡調査を全部行っていたらば大変なことになるなというのは分かる気もするんですが、それならば、是非このことについては文科省の方にお願いをしたいなというふうな、そんな気持ちでいるところであります。 中教審答申を待つことなく、数合わせのみを目的とし、かつ国民的にも異論の多いこの本案を、見切り発車の愚を重ねてまであえて出す必要性をどこに見いだしたらよいのかということを疑問に思っているところであります。真に望まれる教育改革を子供本位に行うために、そうした意味を込めて総務省の本音をお聞かせください。
○大臣政務官(松本純君) お答えします。 義務教育費国庫負担金の一般財源化には経緯がありまして、今に始まったものではないところでございます。 具体的に申し上げますと、平成十四年六月には、税源移譲を含む税源配分の在り方を一体として見直すことを前提に、教育分野を含め、国庫補助負担金の廃止、縮減について検討を進めるべき旨閣議決定されたところでありまして、平成十五年度には共済長期給付及び公務災害補償に係る部分、また平成十六年度には退職手当及び児童手当に係る部分が一般財源化されるなど、地方に裁量のない部分について国庫負担金の対象外とされ、一般財源化されております。 この過程で、平成十八年度末までに義務教育費国庫負担金全額の一般財源化について検討することとされたところであり、なお、これに先立つ平成十二年の地方分権一括法では、義務教育の学級編制、教職員の任免等、義務教育に係る事務は自治事務とされた経緯がございます。 こうした経緯もあり、平成十六年八月には地方六団体が取りまとめた補助金改革案で中学校分に係る給与費本体八千五百四億円の廃止、税源移譲が盛り込まれたところでございます。 今回の改革案は、地方が望む改革案を真摯に受け止め、地方とも協議を重ねた上で、義務教育費国庫負担金について暫定措置として八千五百億円の減額を計上することとし、平成十七年度分はその半分、四千二百五十億円を減額するとしたものでございます。 また、中央教育審議会において、義務教育の在り方とともに、費用負担についての地方案を生かす方策を検討する、さらに検討期間を一年前倒しし平成十七年中には結論を出すこととしておりまして、今回の改革案は地方の改革案の実現に向けて一歩前進したものと考えており、こうした流れを着実に前進させることが必要であると考えております。
○那谷屋正義君 財政面からいくと一歩前進というようなお話でしたけれども、教育面でいくと何か宙ぶらりんのままという気が否定できない状況であります。 一般財源化による最大の懸念事項は、義務教育制度の根幹たる機会均等原則が確保できるかということにほかなりません。機会均等を支える生命線は教職員定数の充足にあります。であるならば、教職員定数が満たされなかった場合も想定して、事前に克服策を決めておくことが国としての責務を果たすことになります。 確かに現行においても都道府県が義教費を削減し、本来の行政水準を満たさなくなった場合、地方交付税法第二十条の二の規定に基づき、まず文科省が勧告し、これに従わない場合には地方交付税の削減という枠組みが用意されていることは承知するところでございます。ただし、これは、ありていに言えば行政側に怠慢はないとの性善説が前提にあり、本来の行政水準を満たさなくなった場合といった規定ぶりに見られるように、抜くに抜けない、さび付かざるを得ない刀になっているのではないでしょうか。ほかに重要と考える分野があるから標準法を満たさなくても仕方がない、予算がないから泣く泣く教育費に限らずスリム化せざるを得ないと主張する自治体に対し、関係行政機関の勧告権発動により交付税法二十条の二を駆使し、兵糧攻めにする覚悟が文科省にあるのかということであります。はっきり言って、同二の運用基準が明確になっていないがために、この条項は抑制的な効果しか及ぼしてこなかったと言えます。 総務省に事前に確かめたところ、所管省庁の勧告に基づき地方交付税の削減という伝家の宝刀を抜いた事例はないとのことです。この事実が指し示す意味は、要は所管官庁のやる気次第ということになります。例えば、高校段階の不均衡が放置されてきた責任の一端は文科省にもあるということであります。義務教育費に係る一般財源化という仮定の話でも、かつ暫定措置としての位置付けの本案であります。ただし、あらゆることを想定した危機管理能力の向上は、文科省にはとりわけ必要とされています。 同条項に関し、当面は高校段階の不均衡改善を射程に入れる明確な基準の設定及び違反事例に対する迅速な是正措置の適用が可能となる見直しなどに早急に取り組むことを強く要請し、二〇〇五年度予算から恒久措置とされたその他補助金の取扱いについてお尋ねをしたいというふうに思います。 各種データでも明らかなように、小泉政権下で拡大するばかりの所得格差の矛先は、教育分野において鋭く顕在化することになりました。小泉総理は、教育機会の平等はすべてに保障されていると自信満々であります。しかし、我が国の活力の源となってきた構造に大きなひびが入ろうとしている現状を前に、これほどの鈍感さが許されてよいはずはありません。勝ち組、負け組が生まれて当然だとする小泉政権流の経済財政運営が続いた結果、地獄のさたならぬ教育のさたも金次第の矛盾は深まるばかりです。 教育において最も忌むべき負の連鎖が根を張ろうとしている今、なぜ就学奨励についての援助法を見直し、準要保護者に係る措置等を廃止する必然性があるのでしょうか。また、各省連携し、総合力発揮を図り得るいわゆるニート対策が何より要請されているときに、産業教育や定通教育に関する補助金を廃止することは、文科省が果たすべき責務の放棄にさえ当たるんではないでしょうか。併せて納得できる答弁を求めます。
○副大臣(塩谷立君) お答え申し上げます。 就学援助法の見直しで準要保護者を補助対象から除外することについてでございますが、まず学校教育法二十五条において、経済的理由により就学困難な児童生徒の保護者に対しては、市町村は必要な援助を与えなければならないとされております。この就学援助を行う市町村に対して、国としても義務教育の円滑な実施を図る観点から、就学援助法等に基づき予算の範囲内で補助を行ってきたところでございます。 しかしながら、この三位一体の改革により、準要保護者は要保護者よりも困窮度が低く、その認定が各市町村の判断によるものであることから、準要保護者に対する就学援助については、今後は地域の実情に応じた取組にゆだねることがより適当であると考え、国庫補助を廃止するとしたところでございます。 なお、一般財源化後も、学校教育法において就学援助の実施義務は市町村に課せられていること、また準要保護者の認定は従来より地域の実情に応じて市町村の判断で行っていること、財源につきましては所得譲与税として税源移譲されるとともに、所要の事業費が地域財政計画に計上され、地方交付税を算定する際に基準財政需要額に算入されていることとなっておりますので、市町村において適切な就学援助事業が実施されると考えております。 なお、その取組状況については、我が省としてもしっかり把握するとともに、必要に応じて指導を行ってまいりたいと思っているところでございます。
○那谷屋正義君 やはり地方財政の方にゆだねるというふうな結論なんだろうというふうに思うわけでありますけれども、いずれにしても言われなき三兆円の削減という、そうしたものがつくり出したまた新たなる問題点ではないかというふうに考えざるを得ません。 総務省には、今の文科省の態度を踏まえ、確認したいことがございます。 本案では、準要保護者及び高等学校教育に係る補助金の廃止が盛り込まれています。ところで、財政不如意の自治体においては、対象者の絞り込みや単価の切下げなど、あの手この手の節約方策に心を動かされかねないとも言えません。これまでと同様に必要な事業量を維持できると断言し得るのか、さらには実効ある担保策の用意がおありなのかどうか、明快かつ具体的な答弁を求めます。
○大臣政務官(松本純君) お答えします。 三位一体の改革の中で、税源移譲に結び付く補助金改革の趣旨は、引き続き事業を継続するという前提で補助金を廃止し、それを地方の単独事業に振り替え、所要の税財源を確保するというものでございます。地方の改革案の対象とされた事業について地方団体も責任を持って事業を行っていく旨、明確に表明しているところでもあります。 今回、一般財源化することとされた補助金は、長年にわたり地方団体において実施されてきた事業であり、既に地方の事務として定着しているものであること、また地方団体が税源移譲対象に挙げていること、また一般財源化すれば地方団体において地域の多様なニーズを踏まえ、より柔軟な対応が可能となることなどを踏まえまして、文部科学省を含め政府において一般財源化を決定したものでございます。 以上のことから、今回一般財源化された補助金については、今後も引き続き各地方団体において地域の実情に応じ適切に実施されるものと考えております。 なお、国としてどうしても維持したいサービスのレベルがあるとすれば、それは法令等による基準を設けることによって実施を確保することを検討していかなければならないと考えております。
○那谷屋正義君 先ほどもお話ありましたけれども、維持したい旨の法令というふうなことでございまして、そういう意味では、文科省も基準になり得る法令等について秋の、秋のといいますか、早急に検討すべきことを求めたいというふうに思っているところであります。 予算関連につきまして総務省及び文科省に聞いたわけでありますけれども、本当、総務省の方、ありがとうございました。どうも。 次に、学力低下問題、総合学習見直し問題について文科省にお尋ねをしたいと思います。 PISA二〇〇三等での日本の子供たちの世界ランクの低下から、いわゆる学力低下論が展開されています。 そこで、まずお聞きをいたします。 唐突ではございますが、大臣はその問題をごらんになりましたでしょうか。
○国務大臣(中山成彬君) 昨年末の国際的な学力調査の結果を公表するに際しまして実際に問題を読ませていただきました。PISAの調査の問題は、例えばある事柄について賛否両論の文章を読ませて、それについて自分なりに理解、評価した上で自分の考え方を書かせる問題とか、図表などから情報を読み取り、自分なりに理解し評価する問題など、単に知識の量を問うのではなくて、知識を実生活の場面でどの程度活用できるかというのを問うような問題となっておりまして、非常によくできているなと思って感心した次第でございました。
○那谷屋正義君 私も、二〇〇三年の問題を全部見させていただきながら、実は中学になる息子がおりまして、中学の息子そして友達にもやらせてみたところ、こんな問題やったことないよ、学校でと、こういうまず最初の感想でありました。 読売新聞の三月十九日の朝刊に、「教育ルネサンス」という欄の中で国立国語研究所の所長も触れられていましたけれども、PISAで問われる読解力は単純なものではなくて総合的な思考力であり、結果が思わしくなかったのは、この出題形式に日本の子供たちが慣れていないことがその主たる要因であるというふうに考えるところであります。したがって、私はこの結果を真摯にこそ受け止めますが、大臣のように厳粛に受け止めるのはいかがなものかというふうに考えるところであります。なぜなら、総合学習が目指してきたものとOECDの到達度調査の設問の在り方には大きく重なるものがあるからであります。 この件については幾つか、何人かの委員の方から触れられましたので省きたいというふうに思いますが、中山大臣は、こうしたことを基に、学力向上には全国学力テストの実施や主要教科の時間増は不可欠との立場から、導入されたばかりの総合学習の時間削減を含めて学習指導要領の大幅見直しにも言及されました。 相対的な競争の活性化は、意欲等を上昇させる作用として働く場合がないとは申しません。ただし、学力テストなど、受験テクニックの巧拙に象徴される偏差値至上主義の蔓延など、弊害の方が大きかったことは実証済みであります。また、二〇〇二年度から実施されたばかりの五日制、総合学習などは、これまでの詰め込み教育の反省から採用されたことを早くもお忘れなのかと批判せざるを得ません。中教審における審議内容についてあらかじめ結論めいた発言を繰り返すことは、教育への不当な支配だとそしられてもやむを得ないではないでしょうか。さらには、二十一世紀は国際的大競争の時代として、国際競争に打ちかつといった国家戦略に有益な人材を養成することに特化するかのような発言は、優勝劣敗原則を増幅するなど、子供の人権を守る観点からも大問題であると指摘せざるを得ません。 大臣は、競争社会である以上、学校でも競争を行うべきだと発言しています。競争の練習をすれば競争に勝てるという論理は余りにも短絡的ではないでしょうか。絶えず競争にさらされ、人間性を失いつつある現代社会の価値観の見直しこそが先決ではないかと考えるところでありますが、大臣の真意をお聞かせください。
○国務大臣(中山成彬君) この、何ですか、国際的な学力調査の結果を厳粛じゃなくて真摯に受け止めると言われましたが、厳粛というのは真摯よりももっと重く受け止めるという意味でございまして、なぜかといいますと、まあ既に委員が話ありましたけれども、このPISAの調査のような試験に強くなるようにということでこのゆとり教育といいますかね、これを進めてきたわけですね。 ところが、現実問題としてはそうじゃないということが分かったわけで、これは自分たちが今までゆとり教育と言うよりも、現行の総合学習で指導いろいろやってきたことが、どうもうまくいっていないなということが分かったということについては、これ自ら反省するという面で、私はこれは厳粛に受け止めるべきだと。 さらに、このPISAの結果で分かりましたけれども、日本の子供たちがテレビとかビデオばっかり見ていて全然勉強しないとか、あるいは何のために勉強すればいいのかも分からない、学習の習慣が身に付いていない、こういったことは、もう真摯どころか、厳粛にも厳粛にも受け止めて私はいかないと子供たちのためにならぬということなんです。さっき言われましたけれども、何も競争社会云々じゃなくて、私はいつも申し上げますが、子供たちがこれから自分の人生を歩んでいく。非常に厳しい時代ですよ、これからは、国際的な競争激しくなりますから。そういうときに、子供たちが本当に自分の頭で考えてどうして判断するか、どういう行動するかということはしっかり身に付けるようにということでこのゆとり教育と言われるものをやってきたのに、どうもそうなっていないということについては、これは十分考え直す必要があるんじゃないかと。 現に今行っておりますスクールミーティング等で、例えば授業時間につきましては、授業時間が今までよりも削減されたものですからどうも中途半端になっていると、本当は、教科内容が薄くなりましたから、繰り返し教えたいんだけれども、時間がないとか、あるいは学習内容の面白さを感じさせる、そういった授業がなかなか時間的にできないと、そういったことも先生方から実は指摘されているわけでございまして、そういうことをいろいろ考えまして、これは文部科学省としてやはり真剣にやっていかにゃいかぬなということで今やっているわけでございまして、そんなくるくる変わっておかしいじゃないかとかいう話もありますが、いつも申し上げますが、三年という時間は子供がもう中学校を卒業してしまうぐらい長い時間でございます。ですから、そのときに受けた授業、受けなかった授業内容というのはその子供たちに一生響くわけでございますから、私は非常に大事だと、子供たちに責任を私は取らなきゃいけないほどの問題だろうと、こう思っているわけでございます。 それから、学校でも競争を行うべきだということについてちょっと御批判もございましたが、私も、何もかも、何でもかんでも競争ということじゃなくて、今まで学校現場というのは、その競争というのは悪だと、競争させちゃいけないという、そういうふうな環境が強かったんじゃないかと思うんですけれども、先ほどから言っていますように、実社会において、あるいは国際社会においては物すごい激烈な競争社会になっているわけでございます。 ですから、本当に子供たち、学校時代は競争がないというところで幸せかもしれませんが、いったん社会に出たとき、本当に実は大変なことになるわけで、ですから、学校にいる間から、社会に出たら非常に厳しい社会が待っているよということに慣らさすためにも、やっぱり何といいますか、切磋琢磨しながら競い合うような、そういう気持ち、精神というものもやはり小さいころから徐々に私は身に付けさせておくことが、これは子供たちのために大事なことだと。 そういう意味で、私は昔のような偏差値教育とかそんなことを言っているつもりは全くございません。今はもう大学に行こうと思えば全入できるような時代でございますから、むしろどうしたら勉強する気になるか、学習意欲を高めさせるか、それはもう国家、社会の要請ということもありますが、むしろ君たちのためだよ、君たちが学校を卒業して社会に出て、そして幸せな人生、実りある人生を過ごすためには、やはりそういった切磋琢磨するという、そういうチャレンジ精神も大事なんだということも教えるべきだと思いますし、やはり日本の子供たちがみんなが幸せになるためには、日本の経済社会がより一層豊かになっていくことが大事、その中のやはり幸せというのもあるんだろうと思いますし、頑張る子供たちにはやっぱり頑張ってもらいたいと、もうそういう思いで私は競い合う気持ちというのも大事ではないかなと、このように申し上げているところでございます。
○那谷屋正義君 前半の部分については大変私も共感をしているところでありまして、そこについて反省するべきだということ、これは私もそうだというふうに思っているわけであります。だから、その後競争にという、そういうふうな話ではちょっとないんではないかと思うんですが、大臣もそう言われているんですけれども、大臣の発言の中にどうしても、あるいはマスコミの取り上げるそういった発言の趣旨がどうしても競争力をあおるような、そういうところばかりが出てきてしまうという、そういうところに非常に残念なところがあるんではないかなというふうに思うわけでありまして、大臣の本音は私も今理解をするところにあるわけであります。 さて、総合学習は、今言われたように、地域や子供自身の暮らしと密着した内容を基本に、教科で培われた力を横断的、総合的に生かす中で豊かな学びを保障することを目指し、全国各地の長年にわたる実践の積み重ねにより生まれ、育っていると言えます。文科省も、この実践に呼応するような形で二〇〇二年の学習指導要領改訂時から導入したことは、今大臣からもお話があったところであります。 他方、当時からも、準備時間の確保や予算的な裏打ちなど条件整備がない中での取組に、現場は多忙化だけが進むとの懸念がございました。さらに、ここ数年来の学力低下論によって教科学力を重視する声が高まったことに加えて、報告書の増大、内部会議の増加、教職員定数の未充足、学校予算の縮減などの要因も重なり、十分な準備をして総合学習に取り組むことの困難性は強まるばかりでありました。 とはいえ、本格実施から二年を経過し、教育現場の努力と創意工夫によってようやく実践が充実しつつある中での削減や見直しの提起は余りにも性急ではないかというふうに思うわけであります。不十分な条件下にもかかわらず工夫や努力を重ねてきた教職員や関係者、地域住民を愚弄するに等しいと言わざるを得ません。教科偏重、詰め込み型の教育を反省し、生活科、総合学習、選択教科、総合学科高校など、教科横断的、総合的な学びに重きを置いてきた改革路線にも明らかに背馳しています。 今求められる文科大臣の見識、指導力とは、子供が学ぶ意義を自らのものにし、かつ学びの喜びを実感できる総合学習の定着に向け、人的、時間的な条件整備こそ最優先することではないでしょうか。もちろん、大臣が指摘されるように、取組の工夫とかあるいは指導例集などが必要であるということに異を唱えるものではありません。大臣の決意をお聞かせください。
○国務大臣(中山成彬君) 私も総合的学習の時間の必要性、重要性ということを否定するつもりは全くございません。そういう理念とか目標は私は正しいと思っているわけでございますが、先ほどのPISAの調査等で明らかなように、どうもそのねらいが十分に達成されていないと。どうしてだろうかと。じゃ、どうしたらいいんだろうかというようなことについて、私は、もっともっと検証して、そして修正できる点は修正し、補強するところは補強していかにゃいかぬと、こういうふうに思っているわけでございます。 そういう意味で、ずっとスクールミーティング等を通じて現場を回ったりいろんな話というのを聞いておりますが、確かに、ああ、いいことをやっておられるなと、いい成果が上がっているなという学校もある一方で、学校としての組織的、計画的な取組が不十分だとか、あるいは総合と教科との学習の関連付けが不十分であると。さらに、先生方にとって物すごい負担になっている。あるいは、子供たちの関心をずっと引き付けておくというのはこれは大変なことだな、私が実際に総合的学習をやるとしたらどうするんだろうかな、自分でできるかなという観点からいろいろ考えてみますと、これは大変だと、もう本当に先生方の指導力が問われるなと思うわけでございまして、そういう意味で、文部科学省としてもそういうことは分かっていたわけですから、優れた実践事例等の紹介などの支援策をずっとやってきたわけでございます。 例えば、これまで全国の小中高等学校別に優れた取組を収集、紹介した実践事例集の発行、これ五つの種類やっています。それから、全国各地の教育委員会の指導主事や教員等を対象とした研究協議会の開催、モデル事業の実施による実践研究、これは七地域五十三校やっています。また、本年度からは新たに総合的な学習の時間を含めた特色ある教育課程を円滑に編成するための指導者養成研修を実施しているところでございまして、こういったことを通じまして総合的な学習の時間の充実ということを図っていきたいと、このように考えているわけでございまして、その前に、私どもはスクールミーティングに行きまして、現場の先生、そして保護者の方々からも十分なお話を聞いた上で、こういったことについて更に議論を深めてまいりたいと考えているところでございます。 ただ、一言ちょっとお言葉を返すようですが、詰め込み型はいけないと言われますが、やはり基礎的、基本的なことは何度も何度もやっぱり繰り返し繰り返し教えないとなかなか大変じゃないかなということもありますから、私は詰め込むことが決して全部悪ではないと。やはり基礎的な知識、技能がなければ応用も利かないわけでございますから、基礎基本ということについては今後ともしっかり力を入れていかなければならないと、このように考えております。
○那谷屋正義君 詰め込み型というのは、基礎基本のことはもう本当に徹底するということは、これはもう重々承知、現場の先生も承知されているというふうに思うわけでありますけれども、そうではなくて、もう何でもかんでもがんがんがんがん多くのものを詰め込むという、そういった弊害のことを私の方は申し上げたところでした。 今大臣の方からどうしたらいいものかというような、そういったあれが、疑問がございましたけれども、その一つのヒントと言っちゃうとちょっとおこがましいかもしれませんけれども、ちょっとこういうお話をさせていただきたいと思います。 OECD教育局指標分析課長のアンドレア・シュライヒャーさんという方がこの調査を踏まえて、何が求められているかということを次のように語っておられます。一つは、教育支出と成績は正の関係にあると。つまり、支出が多ければ成績も良いということであります。例外、アメリカは例外なんですが、これはおいておきます。勉強時間、学校、学校外を合わせて勉強時間と成績に相関関係は余りない。短い時間でも良い成績が取れるということ。それから、この調査の上位国では学校の自立性が高く、責任が広く与えられている。行政は学校の教育をサポートする役割に徹していること。また、学校や教師の裁量が広く、かつ教師の職能開発を支援する研修システム整備などが個々の学校と専門的な支援機関の有機的な連携の下に図られていることなどであります。 このことは、我が国の教育において足らざるところを見事に射抜くものになっていると思います。この指摘を虚心坦懐に受け止めるならば、おのずと処方せんは導き出されるはずであります。大臣が飛び付かれたような脱ゆとり、競争力向上志向でないということは言うまでもありません。生きる力、学ぶ力をみんなとともに目指すのが真の学力の姿であります。生涯学習も同様であり、正に目指すべき社会の姿ではないでしょうか。 そうした中で、今いわゆる俗に言われる勝ち組、負け組の構造要因が顕在化する中で、負け組となる階層の子供たちに大きなしわ寄せが及ぶ社会的病理に目を向けるべきではないかというふうに思うわけであります。いわゆる負け組をなくす対策をどのように具体的に考えられていらっしゃるのか、確たる答弁をお願いいたします。
○政府参考人(銭谷眞美君) 今先生お話しございましたように、今回のPISA調査では、全体的に上位層と下位層の得点のばらつきが広がっております。特に、読解力を前の調査と比較しますと、中位層の生徒が下位層にシフトしているという状況がございます。 今先生お話しございましたように、下位層の生徒の底上げを図るということは、全体として私ども学力の向上につながると思っておりますので、現実的には少人数指導や習熟度別指導など、個に応じた指導方法の工夫、改善を図るといった取組が必要であると、こう考えております。 なお、先般、中央教育審議会の総会でも、学習指導要領の見直しに当たりましては、今後の留意点として、特に補充的な指導の必要な児童生徒への教育の在り方、教科書、指導方法等の改善等を検討課題としてお示しをしているところでございます。 私ども、やはり子供たち一人一人の確かな学力の向上ということに努めてまいりたいと考えております。
○那谷屋正義君 是非その方向でお願いをしたいというふうに思います。 時間が余りありませんので、もう一つお聞きをしておきたいと思います。 この夏に行われます中学校教科書採択に当たり、採択手続にかかわる通知が四月に出されることになると思いますが、そのありようについてお聞きをいたします。 もとより、検定を経た見本教科書とは学習指導要領に基づいたものであります。このことに異論が挟まる余地はないはずでありますが、したがって、万が一にでもこの通知に、例えば学習指導要領の歴史的分野の目標にある「我が国の歴史に対する愛情を深め」云々という、そうした文言あるいは趣旨が盛り込まれるとすれば、それ自体、教科書検定制度に対する自己否定以外の何物でもないことになるわけであります。つまりは、恣意的な影響力行使を容認しない限り、かかる手法は取り得ないと考えますが、見解はいかがでしょうか。
○政府参考人(銭谷眞美君) 教科書採択に係る通知についてのお尋ねでございました。 お話ございましたように、文部科学省では毎年四月に、適正かつ公正な教科書採択の実施につきまして初等中等教育局長通知を発出しているところでございます。中学校の教科書の採択が行われます平成十七年度も例年どおり通知を発出することを予定をいたしております。 これは、平成十四年の七月に、教科用図書検定調査審議会からいただいた「検討のまとめ」において教科書採択に関する改善方策が提言をされたことを受けまして実施しているものでございまして、最初の通知でございます平成十四年八月の通知では、「検討のまとめ」を添付をいたしまして、これを参考に改善を図るように各都道府県教育委員会に対して指導しているものでございます。 この「検討のまとめ」におきましては、都道府県教育委員会が作成をする選定資料につきまして、各都道府県の教育方針と合致しているか、学習指導要領の内容等のどの点を重視しているかなど、各採択権者におきましてより参考となるよう内容の一層の工夫、改善を図ることが記されております。 以後の通知では、この平成十四年八月の通知を踏まえて改善するよう指導してきておりまして、今回の通知でも同様に指導することを予定をしているところでございます。 なお、選定資料に関しまして、学習指導要領の特定の目標に沿うよう指導するといったことは考えていないところでございます。
○那谷屋正義君 済みません。提出をお許しいただいた資料を御参照賜りたいと思います。 申し訳ないんですが、この表題ですが、「教科書採択にかかわる「閣議決定」」というふうにありますが、一番上の一九九六年の十二月十六日は閣議決定ではございませんので、閣議決定等の推移ということで等という文字を加えていただけたらというふうに思います。なお、この資料は全文ではなくて抜粋であるということを付け加えておきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。 この表をごらんいただいてもお分かりかと思いますが、ここ十年来を見ても、教科書採択に関する閣議決定等が累次行われております。小泉政権下における当該決定については、トーンに微妙な変調が見られるのは気になるものの、結論は学校単位の採択を目指すことにある。大臣、この理解でよろしいですよね。
○国務大臣(中山成彬君) これにありますように、学校単位の採択に向けて云々とありますが、ただ、採択地区の小規模化や採択方法の工夫、改善についてフォローアップを図りながら都道府県の取組を引き続き促すと、こういうことに理解しております。
○那谷屋正義君 とりわけ皆さんに注目していただきたいのは、九七年決定にあるアンダーラインを引いた箇所でございます。より多くの教員の意向が反映されるようにの趣旨は、我が国も賛成した一九六六年のILO・ユネスコ共同の勧告にも同様な目的がうたわれております。これが小泉流改革が標榜する世界標準になっていることを大臣も十分御認識のはずでございます。 現場主義の姿勢を歴代大臣の中で最も鮮明にされている中山大臣でございます。だからこそ、子供たちに一番近いところにいる学校教職員の意見等が尊重される学校単位の教科書採択方式の早期導入につき御勇断をとの期待が高まらざるを得ないのでございます。 再度、大臣の決意をお願いいたします。
○国務大臣(中山成彬君) 方向としてはそういう方向だろうと思いますけれども、先ほど言いましたように、非常に小規模の学校等もございますので、現在いろいろと検討しているわけでございます。 特に今資料もらいましたけれども、現在、平成十三年四月に五百四十二地区であったのが、今では五百八十一地区に、見直しをして増加しているということでございますから、そういう意味で、文部科学省としてもそういう方向でやっておりますが、当面は採択地区の適正規模等について都道府県の検討をより一層促してまいりたいと、このようにお答えしたいと思います。
○那谷屋正義君 時間がもうほとんどあれなんで、申し訳ありませんが。 大臣に求められている責務というのは、あらゆる政治的圧力や思考に屈することなく、世界じゅうすべての人々に共有される、言い換えれば、子供の未来に責任を持てる教科書採択が行われるように、文科行政の中立性堅持に向けた指導性発揮にこそあると信じるところでございます。 是非そのところを大臣の決意ということでお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(中山成彬君) いろいろな圧力等もあるかもしれませんが、私は、この日本という国に生まれた子供たちがやっぱり幸せに生きていけるように、そういう意味でこの教科書というのは非常に大事だろうと考えておりまして、採択に当たりましても、教育委員会等の権限と責任において、適正かつ公正に行われるように努めてまいりたいと考えております。
○那谷屋正義君 ありがとうございました。 先ほど申し上げましたが、昨年大臣に就任されて以降、幾多の問題になったと言った方がいいと思いますが、そうした発言、これはマスコミの取り上げ方が不本意であったというふうに思うわけでありますけれども、そうした発言にはその詳細を触れないことといたしますが、最後に一言だけ苦言を呈しておきたいというふうに思います。 例えば、ロケットあるいはミサイルでありますけれども、その飛び立つ角度をほんのわずかでも違えたらば、そのたどり着く先は本来の目的地とは全く別のところになるというふうに思うわけであります。 今の中央集権的な教育制度は、その是非論はあるものの、大臣の一言が大臣が最も重視される教育現場に大きく影響する、そんな仕組みになっていることを是非是非御自覚いただきたいというふうに思います。 また、学校現場では、子供も教師も一生懸命頑張っています。それは大臣もスクールミーティング等でよく御存じのはずだというふうに思うわけでありますけれども、ならば、現状の否定というところからスタートするのではなくて、その良さを引き出す、そして支援する、そうした立場から教育改革を進めるべきではないかということを、そのことを期待して、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(亀井郁夫君) ありがとうございました。 それでは、水岡俊一君。
○水岡俊一君 民主党・新緑風会の水岡俊一でございます。 先日十八日には本会議、代表質問をさせていただき、大臣からの御答弁もいただいたところではございますが、恐れながら申し上げるならば、私としては、そして民主党・新緑風会としては全く不十分な御答弁だったというふうに思います。 本日は、当委員会に来させていただいて出席をさせていただいて、改めて大臣の御答弁をお願いをしたいというふうに思います。 本会議の御答弁は答弁のための答弁というふうな感じがいたします。そういった意味では、大臣の本当のお気持ちを今日は込めて答弁をいただきたいと思います。文科省の義務教育に懸ける熱い思いを是非ともお願いをしたいというふうに思います。 まず最初に、文科大臣としては、子供、子供についてどのようにお感じになっているのか。現代の子供がどのような変化をしているのかということについてお考えを述べていただきたいというふうに思います。
○国務大臣(中山成彬君) 先般の本会議での答弁が不十分だったと、こういう御不満もあるのかなと。私はもう丁寧に答え過ぎて、もう短くしろ短くしろと言われて本当に若干焦りぎみで答えてしまったぐらいでございまして、そういう意味では申し訳なかったと思っておりましたが、私は水岡委員の御質問にできるだけ誠実に答えたいというつもりで答えたんだということだけは御理解をいただきたいと。その気持ちが伝わらなかったかなと思うと大変残念でございますので、今日はまた十分御議論しながら御理解をいただきたいなと、こう思っておるところでございます。 今の子供たちの変化をどう見ているかと、こういうふうな御質問でございますが、昔といいますか、我々も世代が違いますからそれぞれの時代があったわけでございます。戦前、戦後、そして日本高度成長のころと、そしてまたその後の景気低迷のころ。 考えてみますと、今の子供たちというのは正に私たちが長年、長い間の景気低迷の中で生まれ育ったわけでございますから、やはり、いつも申し上げますが、子供というのは本当にその時代の産物だなと、時代を反映しているなということを思うわけでございますから、私たちが子供たちのときにそうだったからこうでないかとかこうであるべきだとか、必ずしもそういうふうには決め付けない方がいいなと。子供たちの実態というのをよく見て、それに合わせたような教育を施さなければならないと、こういうふうに思って、いつも自分自身を、何といいますか、自省しながらといいますか、本当に子供の立場に立っていつもは考えているつもりでございますが、そういうふうな思いで考えますと、今の子供たちというのは以前と違って夢とか目標というのを持ちにくい状況の中にありまして、しかも非常に規範意識といいますか、あるいは道徳心、自立心が低下しているなと。 〔委員長退席、理事北岡秀二君着席〕 これは子供たちだけではなくて、今の大人の社会がそうなっているから子供にもそういうふうに反映しているんだろうと、こう思うわけでございますし、またこれは今に始まったことではございませんが、いじめとか不登校とか中途退学、学級崩壊などの深刻な問題があります。あるいはまた、青少年の凶悪犯罪も増加しているということでございます。そしてまた、午前中から議論になっていますが、家庭や地域社会の教育力というのが低下しておるなということも思うわけでございますし、さらに、国際的な学力調査の結果でも分かりましたが、何よりも学ぶ意欲が低下しているというようなことが大きな課題だなと、このように思うわけでございまして、私どもを含めて、教育行政を含む教育関係者というのはこのような現状を真摯に受け止めて、その解決に一層の努力を重ねる必要があると、このように認識しておるところでございます。
○水岡俊一君 子供たちというのは刻々と変化をしているわけですが、私は実は一九八〇年に教職に就きました。その時代を思い返しますと、やはりそれ以前は学力とか受験ということが非常に中心課題であって、その反面、落ちこぼれというものが世のキーワードになるような時代でありました。そういった中から、一九八〇年は校内暴力が全国を吹き荒れる時代になりまして、その後は管理教育がまた話題になるという、そういう時代に変わってきています。 今、大臣が御答弁になられた内容というのは、実際どの辺りからどんなふうに変わってきたのかということをお考えになっているのか、もう一度御答弁願えませんか。
○国務大臣(中山成彬君) 私どもが小学校に入りました戦後すぐというのはまだまだ非常に貧しい時代でございましたが、小学校も非常に、何といいますか、自由な雰囲気にあふれていたなと、貧しいなりに夢があったなと、このように思っているわけでございまして、その後、日本が高度成長する中では、やはり日本経済全体も活気がありましたから子供たちも夢とか希望というようなものが持ちやすかったんだろうなと、こう思うわけでございますが。 正に今、水岡委員が話ありました一九八〇年ごろ、このころから確かに日本が、正に日本がナンバーワンと言われた時代から少しずつおかしくなり始めたわけでございまして、そのころから、先ほど私が申し上げましたようななかなか夢や目標を持ちにくい状況になったし、あるいは先ほど申し上げましたいじめとか不登校とか、そういったものも増えてきたと、あるいは青少年の犯罪も増えてきたというふうなことだろうと思いますし、それからしばらくしてからでしょうか、地域の教育力というのが衰えてきたなというふうなことも考えますし、また学ぶ意欲というのが落ちてきたというのは私ここ十何年ぐらいかなというふうに思うわけでございまして、これは日本経済が低迷しているときと歩調を合わせてそういったことになってきているのかなと。 一方ではまた、その間に非常に情報化社会といいますか、テレビだとかゲームだとかパソコンだとか、いろいろ子供向けに非常に面白いそういったものも出てまいりましたものですから、どうしても子供たちがそっちの方に関心が行ってしまって勉強時間が非常に少なくなっていると。世界の先進国の中では、日本の子供たちが一番勉強をする時間が少ない。逆に、テレビとかゲームに時間をつぶす、そういう子供たちが増えているというふうなことで、時代とともに子供をめぐる環境というのは変わってまいりましたが、今日ほど子供たちが素直に育ちにくいといいますか、そういう時代はなかったんじゃないかなと。今の子供たちがそういう意味で一番大変だなと、これは私ども大人にも責任があるんじゃないかと、このように考えているところでございます。
○水岡俊一君 今、ここ十年ぐらいが随分変わってきたんではないかというふうにお感じになっているというお話ありましたが、確かにそうだというふうに思います。二〇〇〇年を迎えてから学校というのは特に大きく変わってきたといいますか、子供が変わってきたと言えるんではないかというふうに思います。だから、その新しい子供が一体何なのか、どんな特徴を持っていて、どんな思いを持っているのかということをしっかりとこれはとらえなければ、それの対策として打ち出すものは当たらないということになります。 そういった意味でいえば、子供の変化とともに文科省としてどのような教育施策をこの間行おうとしてきたのか、端的にお答えをいただきたいと思います。 〔理事北岡秀二君退席、委員長着席〕
○政府参考人(田中壮一郎君) これまでに文部科学省が取り組んでまいりました教育施策についてのお尋ねでございますけれども、子供の変化や子供を取り巻きます社会の変化に対応するために昭和五十九年に臨時教育審議会が設けられたところでございまして、この審議会からは個性重視の原則、それから生涯学習体系への移行、国際化、情報化等変化への対応という三つの大きな基本的な考え方が示されたところでございまして、この方向に沿いまして、またここで示されました方策に沿いまして文部科学省におきましては教育改革を推進してきておるところでございます。 具体的には、学校週五日制の段階的な施行、あるいは学習指導要領の改訂、六年制中等教育学校の制度化、外国語教育の見直しやIT化の推進、こういうものに取り組んできておるところでございますし、また平成十二年の教育改革国民会議から提言がなされたわけでございますけれども、これらも踏まえまして、道徳教育の充実あるいは奉仕体験活動の促進、家庭教育への支援といったようなことにも取り組んでいるところでございます。
○水岡俊一君 新しい子供にどのような施策が必要なのかということについては、これはもう様々な方が様々な議論をなさっていると思いますが、そんな中で文科省はそのような施策を行われてきた、そしてそれを現場からどのようなフィードバックを受け取って、そして新たな現在行おうとしている施策が出てきているのか、その点についてはどうですか。
○政府参考人(田中壮一郎君) 平成十二年の教育改革国民会議の提言等を踏まえまして、文部科学省におきましては具体的な、例えば二十一世紀教育新生プランというようなものを作りまして、これを推進したわけでございますけれども、その際には全国各地で教育改革フォーラムを実施させていただきまして、私どもといたしましてはこういう教育改革を進める必要があると考えておると、そういうことで、是非こういうことに御理解くださいということを御説明しながら、皆様方からまた、現在の教育改革に対してどういうところが問題なのか、どういう観点に注意すればいいのか、あるいは文部科学省としてこういう施策をすればいいんではないかというような御提言も踏まえながら、これまでも進めてきておるところでございます。
○水岡俊一君 先日の大臣の御答弁の中にも、そういった取り組まれてきた経過であるとか、あるいはフィードバックがどういうものであったのかとか、そういったことを盛り込んでいただければ、もっと現実的な教育にかかわる文科省の思いが反映できたんではないかと私は思うわけです。 今お聞きをしたようなそういった施策の中で、私は一向に、詰め込み教育であるとか、時間をたくさん、授業数を時間数行うとか土曜日の授業を復活させるであるとか、そういったようなメッセージはフィードバックからはなかったように私も思いますし、皆さん方もそうお感じになっているんではないかと思いますが、その点についてはいかがですか。
○政府参考人(田中壮一郎君) 今申し上げました教育改革フォーラムと同様に、私どもの施策に関しましては、文部科学省のホームページ等も開きまして、そこでその施策をお知らせするとともに、そこに対しまして国民各層からの御意見なんかもメールでいただくようなことにもなっておるところでございますけれども、新しい学習指導要領を実施する段階に当たりまして、一部には、新しい学習指導要領あるいは学校完全五日制を実施することによって、子供たちの土曜、日曜の活動の場所をきちんと本当に確保できるんだろうか、学力が低下するようにならないだろうか、あるいは学習塾に一杯通うことにならないだろうかというような御心配の御意見も寄せられておったことは確かでございます。
○水岡俊一君 この論議は何日間やってても足りないという思いがしますのでこの辺でと思いますが、どうしても私は申し上げておきたいと思うのは、とにかく新しい子供たちに今変わっているわけですね。その新しい子供たちにどのような教育が必要なのかということについては、本当に力を入れて検討をし、そして正しいものをつかんでほしいというふうに思いますが、その中において、昔あった教育が適当ではないかというような思いで、復古的な形で文部行政が変わっていく、昔に戻っていくということがあってはもうこれは絶対ならないというふうに思うんですね。つまり、昔のスタイルに戻るとすれば、それは新しい子供をとらえていないということにほかならないからですよ。ですから、そういった意味では、新しい子供たちをどうとらえるのか、その面を文科省としてもっと的確なメッセージを出してほしいと、私はこのように思うわけです。 さてそこで、学力のお話が出ましたので、学力の問題に行きたいと思います。 今、学力が低下をしているということは多くの方々がおっしゃっている。どのような学力が落ちているかという問題については、いろいろな御意見があって定まっているところではないわけですが、その中で全体的な学力として考えるならば、これは子供たち全員が、それぞれが学力を落としていっているという状態ではないということは、先ほどの銭谷さんのお話にもあったところですね。そして、その学力というのは、上位の者と下位の者とのフタコブラクダがあるんだということもお話しになっておられますし、今まで文科省は御発言になっている。 そんな中で今問題となっているのは、上位のこぶと下位のこぶが二つあって、この下位のこぶが大きくなっている、あるいはもっと低位に動いているというような状態があるということを今つかんでおられますが、これらについてこれから求められる課題とは何でしょうか。お考えを聞かせてください。
○政府参考人(銭谷眞美君) ただいま水岡先生からお話がございましたように、国際的な学力調査によれば、これまで中位層が多かったところが下位層にシフトしているという傾向がございます。 それから、我が国で実施をしております教育課程の実施状況調査、これは文部省実施のものでございますが、これでも、特定の分野を見ますと、小学校、中学校では、例えば数学とか英語はいわゆる正規分布に近い形になっておるんでございますが、本当に四十年ぶりに実施をいたしました高等学校では、一部の科目におきまして上位層と下位層の得点のばらつきが非常に大きい状況が見られます。 やはり学ぶ意欲が本当にない子供、こういう子供が出てきている。あるいは、以前の子供と比べると、学ぶ意欲のある子とない子、勉強する子と全くしない子の差が大きくなってきている。あるいは、興味のある課題と余り自分は興味ないというものについては取り組む姿勢が大きく違ってきているといったようなことが、スクールミーティングなどを通じましても先生方から出されているところでございます。 私どもやはり、現在の教育が子供たちに学ぶ意欲を持たせ、学習習慣、生活習慣をきちんと身に付けさせるものとなっているかどうか、よく検討すべき課題があると考えております。私どもとしては、これまでも確かな学力の向上を図るために、教職員定数改善計画の着実な実施によりまして、少人数指導や習熟度別指導などきめ細かな指導の充実には努めているところでございますし、また個に応じた指導の充実や学習意欲の向上のための総合的な施策、いわゆる学力向上アクションプランなども推進をしてきているところでございますけれども、引き続き、指導要領の改訂の検討と併せまして、これらの各種施策を講じていくことによりまして本当にすべての子供たちに確かな学力がしっかり身に付くように努めてまいりたいと考えているところでございます。
○水岡俊一君 いや、そこなんですよ。だから、要するにすべての子供たちに確かな学力を、それは、もうそれは有り難いんですよ。そのとおりやらなきゃいけないんですよ。だけど、今問題になっているのは、下位のこぶが大きくなっている、正規分布ではなくてフタコブラクダになってて下位が大きくなっている、これを何とかせないかぬという課題が今あるということはお感じになっているとおっしゃったんだから、これを、これをどういうふうにこれから対策を練っていくのか、その点についてはお考えないですか。
○政府参考人(銭谷眞美君) お尋ねの問題につきましては、いろいろなやり方が私はあると思っております。 例えば、今、各学校で見られる動きが、例えば授業、始業前の十五分とか二十分を使ったいわゆるモジュールの時間での計算練習といったような形で基礎的な学力を、基礎基本の知識をきっちり子供たちに身に付けさせるとか、放課後の補充指導をやるとか、いろいろな指導上の工夫ということをやっているわけでございます。 一方、学習指導要領におきましては、現在の学習指導要領、そうでございますけれども、各学校における裁量の幅を大きくいたしまして、また各学年間の内容についてまとめて示すといったような工夫をしながら、それぞれの学校において子供の実態に合った指導ができるような、そういう指導要領を今心掛けているわけでございます。 こういった姿勢は今後とも私ども続けていきたいと思っております。
○水岡俊一君 モジュールのお話が今出ましたが、そういった工夫というのは、私は学校長の裁量の範囲、各学校の具体的な取組のその範囲だというふうに私は思います。 そういった意味では、文科省としてはもっと大きな視点に立って考えていくことが課題が私はあると思うので、これは引き続き検討をしていっていただきたいと、こういうふうに思います。 格差問題でいえば、もう一つ申し上げておかなければいけません。 私、代表質問の中でも大臣に申し上げました。要するに、年収が四百万円に満たない低所得者の家庭と、それから一千万円を超える裕福な家庭とでは、子供たちに掛けるお金が違うというお話をしました。そういった親の収入の格差が子供の学習の格差に表われてきているんではないかということは、昔から私たち懸念をしておりました。そして、今度のPISAでもそうですし、近年のそういった調査の中でやはり指摘をされているのは、下位の方のグループにそういった低所得者の子供たちが存在する確率が高くなってきているということが指摘をされているわけですね。そういった意味では、義務教育費国庫負担制度という問題に絡めて、文科省のやはり課題としてとらえるべきじゃないかと思いますが、これについては大臣、いかがですか。
○国務大臣(中山成彬君) この国際的な学力調査の結果を見ますと、日本というのは諸外国に比べてそういう貧富の差といいますか、親の経済的、そのいわゆる社会的な状況によって子供たちの学力に差があるというふうにはほかの国に比べて見られないと、こういう結果が出ているわけでございますが、今御指摘ありましたように、これ、二こぶになっていると。その下位層の方に低所得の方が多いのかどうか、まあこの辺はもっとよく調べなければならないと、こう思っているわけでございます。 そういったことを踏まえて、私は、要するに塾に行ける子と行けない子、塾も一杯行っている子もおりますし、全く行ってない、あるいはちょっとしか行ってない子供もいるわけですけれども、私は基本として、とにかく学校で基本的なことはきちっと勉強できるという形にしたいんですよね。 都会の方の小学校なんか行きますと、これは先生方から聞いたんですけど、子供は学校に来て遊びたがっていると、休みたがっているというんですよ。もう学校から帰って塾に行って、塾漬けで、もうくたびれ果てていて遊ぶ暇もないと。だから、学校に来たら遊びたい、休みたい。本末転倒といいますか、どっちが本来勉強するところなのかとつい言いたくなるようなところもあるわけですが、そういう子供もおる一方で、もう学校でも、まあいい加減と言っちゃ悪いんですけれども、学校をぱっと早く帰ったらもう何にもすることがなくて、塾にも行くわけではなくて、ゲームとかテレビばっかり見ていると、こういうふうな子供とはもう本当に差ができてくると思うんですね。 ですから、私は何とか学校において少なくとも、まあ詰め込みという言葉はいけないのかもしれませんが、やはり小中学校、自分たちのことを考えても、いろんなことを覚えられたし、もっと勉強すればよかったと思うんですが、やっぱり鉄は熱いうちに打てという言葉もありますが、基礎基本はしっかり私はもう、言葉は強いかもしれませんがたたき込むというぐらいのことで、しっかり学校において、少なくとも塾に行かなくても基礎基本だけは身に付くんだ、付けさせるんだという、それぐらいの迫力でもって私は小中学校教育に取り組むべきだと、このように考えております。
○水岡俊一君 大臣、やはり子供は、私たちはやっぱり子供らしくというふうに思います。だから、今大臣がお感じになって、子供たちが学校に来たときにはもっと余裕のある顔をして遊び回ったり校庭を駆けずり回ったり、そういった子供をこうやっぱり夢に描くという、そのことが私は多くの人たちの共通した思いだというふうに思うんですね。そういう子供たちが実現できるというか、そういう子供たちが育つような教育制度を変えていくのが文科省の仕事だと私は思うんですよ。だから、学校の時間割の問題だとかそういったことではなくて、もっと大きな教育制度そのものをどう考えていくのか、大学という制度をどう考えていくのか、大学の入試制度をどのように変えていけばそのような子供が暮らせる小学校になるのか、そういったことを是非とも文科省として考えていただきたいと私は思うところであります。 さて、それでは時間も押してきますので、次の課題、PISAの調査についての話に進めていきたいというふうに思います。 私は、PISAの連続総合一位になっているフィンランドにどうして学ばないのですかというお尋ねをしました。そうしますと大臣は、諸外国の教育改革も参考にしながら精力的に審議を中教審においていただいているという御答弁だけでありました。ううん、もう少し下さい。フィンランドにどうして学ばないのか、あるいはフィンランドに学ぶとしたらどのようなところを学びたいのか、時間がありませんので端的にお答えをいただきたい。お願いします。
○国務大臣(中山成彬君) その前に、ちょっとお言葉を返すようですが、水岡委員、やっぱり学校は遊びに来るところじゃなくて勉強をしに来るところだということだけは忘れちゃいけないと私は思っています。そういう方向でやっていきたいと思っています。 それから、フィンランドについてなぜ学ばないのか。学んでますよ。もう一杯、いろんな方が次々次々行きまして、もうフィンランドの担当者大変みたいでございますけれども、それぐらい日本はやっぱり学ぶことについては謙虚だなと、こう思っておるわけでございまして、私どもも、なぜフィンランドがこんなに成績がいいのか、もう十分分析しているところでございます。 しかし、いろいろと、それほど大きな国でもございませんし、日本ともちょっとは違うと思うんですが、もう良さ、いいところはどんどん取り入れたいと思っていますし、逆に、実はフィンランドの方は日本がいいと思っているんですね。来週ぐらいでしたか、フィンランドの教育の関係の方々が私に会いたいといって来られるんで、またそのときにもなぜそちらはそんなにいいんですかということも聞きたいなと思っております。
○水岡俊一君 私は具体的な話をちょっと聞きたいと思って再質問をしたんです。つまり、どんなところが学べるのか、そして、どんなところをこう取り入れているのか、それをお答えください。
○副大臣(塩谷立君) 水岡委員の今の質問に対して、まずフィンランドがPISAの調査で好成績を上げた要因を考えてみますと、例えば、全国的な教育課程の基準を国が定めた上で市町村や学校が一定の裁量を有して特色ある教育課程の編成に取り組んでいるところでありまして、また、教育費の約五割を国が負担するなど、教育財政について国が役割を担うことになっております。すべての児童生徒に教育水準の確保と教育の機会均等を実現していることが挙げられます。また、教員がすべて修士課程修了が要件となっており、教員の社会的地位は高く、志望者が多く、教員の質が高いという評価があります。また、第三に、児童生徒に読書の習慣が身に付いていること、これも研究者等から指摘がされているところでございまして、こういった点もしっかり我々としてはいろんな勉強をしながら、今後の義務教育の在り方について教育改革に生かしてまいりたいと思っております。
○水岡俊一君 いや、本当に恐れながら申し上げるならば、どうしてそういう答弁になるんですかね。私がお聞きしたのは、フィンランドのどのような点に学ぼうとしているのかというお話をしているんですよ。 だから、今おっしゃったことを、じゃ日本で全部やるんですか。
○副大臣(塩谷立君) 今、全部やるのかということですが、それは今後生かしてまいりたいということで、今中教審でも議論をしておりますが、今フィンランドの良い点を少し我々も学んでいるところでございますので、そういったものを学びながら改革を進めてまいりたいということでございます。
○水岡俊一君 じゃ、聞き方を変えると、今度の中教審でどんなところを取り入れてほしいと思っておられるんですか。じゃ、大臣。大臣でも。
○政府参考人(銭谷眞美君) 私ども、フィンランドの教育事情につきましては、調査団も出しまして、フィンランドの教育事情の状況をまずしっかり把握をした上で、我が国にとって参考になるべきところを今後検討をしていくということになるわけでございます。特にフィンランドの点につきましては、今後、中央教育審議会で教育内容の在り方を検討し、かつ教育方法の改善、あるいは義務教育制度の弾力化の検討をする場合に大いに私ども参考にしていきたいというふうに思っているところでございます。
○水岡俊一君 いや、大臣から学んだというお話があったんで、もう少し具体的な話がぱしっとこう出てこないと、そういったあかしにはならないだろうというふうに思います。だから、もう少しそれは、フィンランドに学ぶという姿勢が本当ならば、しっかりと具現化をするようにお願いをしたいというふうに思いますが。 それでは、私、子供の変化の話を今日は最初からお話を申し上げましたが、そんな中で、子供たちには心のケアを必要とする子供たちが増えてきたということも皆さんもうお感じになっているとおりだというふうに思います。実際には、先日の寝屋川の悲しい事件でもそうですし、長崎の事件でもそうです、そしてさかのぼれば神戸の事件も学童でありました。そういった意味からすると、痛ましい事件、悲しい事件、むごい事件だけれども、その事件を起こしたのもやはり私たちの国の私たちの小中学校を卒業していった子供たちであるわけです。 そういう子供たちがなぜそのような苦しみを、心の苦しみを、心の病を持たざるを得なかったかというようなことも、非常にこれは忘れてはならない話だというふうに思いますが、そういった意味で、心のケアを必要とする子供が増えている、あるいはこういった現実に対して、文科省はどのようにお考えになっているのか、できるだけ短くお答えを下さい。
○国務大臣(中山成彬君) 最近いろいろ御質問を受けるんですけれども、いわゆる心の悩みといいますかね、うつ症を始めとしてそういった心の悩みを抱えている子供たちは多いんではないかと、私も実感としてそう思います。ただ、このうつの判断というのは医学的な専門知識が必要なもんですから、一体どれぐらいいるのかということについてはまだ把握することは困難でございますが、増加傾向にあるということについては非常に憂慮しているわけでございまして、やはりそのためにどうしたらいいかと。 やっぱりそういった子供たちを早期に発見して早期に治療する、児童、子供が発するサインというのを見逃してはいけないと、このように考えているわけでございまして、まずはその教職員に研修をしまして、そういったサインを見逃さないようにする基礎的、基本的な知識を身に付けるということ、あるいは心の専門家としてのスクールカウンセラーを配置するとか、あるいは早期発見のポイント等についての参考資料を作成する、さらに、養護教諭のカウンセリングに係る能力の向上等を図るための研修会を開催するとか、さらに、精神科医とかそういう専門のお医者さんと連携しながら子供たちの心の健康診断とかあるいは健康教育を行うということで、様々実施していまして、学校・地域保健連携推進事業ということで今推進しているところでございます。
○水岡俊一君 スクールカウンセラーの配置が行われているというお話が今出ました。実際、現在、全国で何人のスクールカウンセラーが実際に配置をされており、そしてどのような報告が上がって、どのような実態が報告をされ、そしてどのような課題があるというふうに今つかんでおられるんでしょうか、お願いをします。
○政府参考人(銭谷眞美君) スクールカウンセラーのまず配置状況でございますけれども、平成十五年度実績で六千九百四十一校に対しまして四千十二人が配置をされております。スクールカウンセラーお一人当たり一・七校程度を担当していただいております。 スクールカウンセラーの方々は大きく三つほどのお仕事をしていただいているわけでございますけれども、一つは、配置された学校の児童生徒の学校生活における様々な悩み相談を通じまして子供たちにカウンセリングを行うということでございます。それから二つには、学級担任や生徒指導主事などが行う日常的な教育相談について専門的な見地から助言、援助を行うということでございます。三点目は、保護者の方への助言、援助ということが主な職務になってございます。 スクールカウンセラーの方は、臨床心理に関する心の専門家としましてこういった子供たちの悩みや不安を受け止めて相談に当たっているわけでございまして、通常は学校にカウンセリング室を設け相談に当たっているわけでございますが、不登校の問題等について非常に効果が上がっているという成果を得ているところでございます。
○水岡俊一君 スクールカウンセラーの配置、今四千十二というふうにおっしゃいました。まだまだ少ないですよね、本当に少ないと思います。これは、スクールカウンセラーとしてお仕事をしていただける資格を持っていらっしゃる方が地域にどれだけいらっしゃるかという、そういった問題点もある中で、必要というふうにお考えであれば、本当にそれを確保するために御努力をいただきたいし、地方自治体にもその旨をお伝えをいただきたいと、こういうふうに思うわけですが。 それにしても、スクールカウンセラーが配置をされている地域もあれば、されていない地域もある。されている学校もあれば、そうでない学校もある。そして、今学校の安全問題で非常に問題となっている学校の警備員。警備要員の配置がある学校もあれば、そうでない学校もある。本当に学校の中にこのような差が出てきていいのかという問題がやっぱり最後に出てきます。 そういった中で、私たちは、ナショナルミニマムという、そういった言葉が最近いろんなところで使われるようになりまして、非常に、このことを今私たちは再確認をして、ナショナルミニマムを国として保障していくという考えが、学校安全においても、そして心のケアの問題においても必要だというふうに私は思うわけですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(銭谷眞美君) まず、スクールカウンセラーのことについて若干補足をさせていただきたく存じます。 現在、スクールカウンセラーは六千九百四十一校配置というふうに申し上げましたが、平成十七年度は、基本的に三学級以上の中学校すべてに配置できるように一万校を予定をいたしております。 なお、スクールカウンセラーにつきましては、財団法人の日本臨床心理士資格認定協会の認定に係る臨床心理士、それから精神科医、それから児童生徒の臨床心理に関し高度に専門的な知識及び経験を有する大学教官、この三者の方がスクールカウンセラーに当たることができるわけでございますけれども、地域によってはこういう有資格者が得られないというところもございますので、一定の経験を有する者をスクールカウンセラーに準ずる者として活用できるということも行っておりまして、そういう方も現在八百人を超える数いらっしゃるわけでございます。 いずれにいたしましても、スクールカウンセラーにつきましては更に配置を進めまして、適切な教育相談が、あるいはカウンセリングができるように私ども努めてまいりたいと思っているところでございます。
○水岡俊一君 スクールカウンセラー、本当に有り難いお話だというふうに思いますが、一学校の教員としてどんなふうに感じるかと言わしてもらえば、やはり、スクールカウンセラーという名前はこれはアメリカから来たと思いますが、アメリカのスクールカウンセラーとは全く違うものであります。そういった意味では、本当に今の目的で今のような配置が正しいのかどうなのか、これはまた是非検討願いたいというふうに思いますし、また、スクールカウンセラーが、そういった悩み相談といいますか、あるいは問題の行動を早期に発見する目的で配置をされるとするならば、子供たちがその先生と接触をするということをほかの子供たちが奇異な目で見るようになりますから、実際にそのカウンセラーを配置するということが子供のためにならないという逆転の実態が出てくる可能性もあるわけですから、こういう問題については是非とも現場の実態をよく聞いていただいて配置を願いたいし、これからの方途、施策を練っていただきたいというふうに思うわけであります。 時間があればもっともっとたくさん申し上げたいんでありますが、最後にしたいというふうに思います。 まあ義務教育費国庫負担をどのように考えるかという面では、私たちは本当に文科省の思いと同じくをしながら頑張ってきたつもりであります。それはやっぱり、全国の子供たち、どこに生まれても、どこに育ってもひとしく教育を受ける権利を保障していくんだという、そのことは是非とも文部科学省、そして総務省も一丸となって私は保障していただきたいと思います。 総務省からもいろいろな数値を出されて、答弁を聞いておりましたけれども、私にとってみれば、多少のまやかしがあるように私は思います。数だけ保障すれば教員は確保できるかと、これはうそです。実際に、本採用の人間と臨採の人間とではその対応は違います。お金だけを保障していけばいいといっても、実際にはどのような人を確保していくのか、それは現時点だけじゃなくて将来的にどのような教員を確保していくのか、計画に基づいてしていかなければ教育は崩れていきます。 そういったことで、文科省の更なる熱い思いを表明をしていただきながら、今後の施策に生かしていただきたいと、このようにお願いをしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(亀井郁夫君) ありがとうございました。 それでは次に、山下栄一君。
○山下栄一君 御苦労さまでございます。五十分弱質問をさしていただきたいと思います。 今回の法案、法律が幾つかあるわけですけれども、最初にちょっと整理の意味で確認さしてください。 この国庫補助金改革にかかわる法案なわけですけれども、義務教育国庫負担にかかわる以外の国庫補助金が今回の法律改正によってどれだけ削減されるのかということ、それをまず確認さしてください。
○政府参考人(玉井日出夫君) お答え申し上げます。 義務教育費国庫負担金を除きます地方向けの国庫補助負担金につきましては、昨年の十一月二十六日の政府・与党合意に基づく改革に伴いまして、文部科学省関係、税源移譲に結び付くという意味でのものでございますけれども、平成十七年度において二百二十七億円の税源移譲につながる改革を行うこととしておりまして、このうち御指摘の法案改正にかかわる改革額でございますが、これは百二十五億円でございます。
○山下栄一君 その法案に伴って削減される金額、法律に直接結び付く削減額が百二十五億円かな、義務教育国庫分除いて。今ちょっともう触れられたと思いますけれども、それと予算補助を合わせると二百二十七億、こういうことですか。
○政府参考人(玉井日出夫君) 御指摘の法案以外の改革額、いわゆる予算補助でございますけれども、これが百二億円でございます。
○山下栄一君 法律に伴うものと予算措置に伴って削減されるものと、両方合わして二百二十七億ということですね。そのうち、税源移譲されるのは二百二十七億より少なかったんでしたかね、これ。確認です。
○政府参考人(玉井日出夫君) 税源移譲額は、これは法案改正とそれから予算補助、両方合わせまして税源移譲額は百六十七億円ということになります。
○山下栄一君 あと一点。 今回の法案で、法律に伴う補助金削減で廃止されるもの、これは内容と金額、分かります。
○政府参考人(玉井日出夫君) 事柄で申し上げますと、この今の縮減額の中に地震関係基礎調査交付金というものが含まれておりまして、これが廃止そのものになってしまうものでございます。 そのほかのもので若干細かいものがございますけれども、多くのものはこれは一般財源化され、そして各地域において必要な事業が行われるものと考えているわけでございます。
○山下栄一君 一回ちょっとまた整理して、ちょっとまた資料をいただきたいと思います。 今おっしゃった地震のやつは、予算に伴う、予算措置のやつですな、たしか。だから、僕の言っているのは、法律に伴って、法律措置で削減される金額並びに内容をちょっと教えてほしかったんですけれどもね。まとめて後から教えてください。整理する意味で冒頭申し上げただけの話ですので。 それで、今日の本論の話さしていただきたいと思います。 今日も朝からずっと議論あることと同時に、政府内においても、総務省の考え方、文科省の考え方それぞれがあって、なかなか政府一致で考え方が整理されていると言いにくい状況にあろう。この原因はどこから来ているのかなということを、閣議決定されながら進めているはずなのに若干いろいろ理解に差があるのかなとも思いますし、ちょっとこれもまた整理の意味で御質問さしていただきたいというふうに思います。 この義務教育というか、義務教育というのは、小学校、中学校において行われる初等教育そして中等教育の一部ということなんですけれども、私は、この分野というのは、大臣のお話によると、もっと国がやっぱり全力を挙げてやらないかぬということなんでしょうけれども、私は、設置者というか、要するにもう市町村がもっと本気になって、お金出してもらってないわけでもないんですよね。その全体の四割は市町村負担、約十兆のうち四割は負担しているわけですけれども。これは人件費以外の話ですよ、人件費に係る分もあるかも分かりません。だから、やっぱりこの市町村がもう本気になること、そして保護者というか、が本気にならずしてやっぱり進んでいかないのじゃないかなというふうに思うんです。だから、教育の地方分権ということは改革なんだということを一生懸命議論してきたはずじゃないかと。 文科省もやはり義務教育の弾力化ということを、特に河村大臣のときにはそうおっしゃっておりましたし、そういう流れと「甦れ、日本!」という形でおっしゃっていることとつながっていると思うんですけれども。イメージ的には非常に逆方向の話になっているというふうな、もっと国の関与を大きくしてというふうなイメージと、その教育の地方分権ということと、それが両方混然一体となって、例えば総額裁量制は何となく地方分権の流れみたいな、そういう整理されてないのはどこから来ているんだろうかなということがありまして。それで、これは以前にも、十一月でしたか、去年、似たようなことを私は銭谷局長そしてまた大臣にもお聞きしたんですけれども、もう一回整理さしていただきたいというふうに思います。 平成十二年の地方自治法の法律改正というか地方分権一括法でもう一遍確認されたことだと思いますが、もういろんな議論がそのときも衝突したのかも分かりません。 要するに、この小学校、中学校の学校事務というのは自治事務だということは確認されていると思うんですけれども、これはこれでよろしいですよね。自治事務だけれども、国の関与はゼロか、そうじゃないよと。じゃ、国の関与はどういう形で行われるのかという原則が、私は地方自治法にちゃんと書いてあると思うんですね。それは一体どういう観点から国が関与するのかと、戦前みたいな関与の仕方はしませんよと、じゃ一体どういう関与の仕方ですかと、この辺のことからまずお聞きしたいというふうに思います。
○国務大臣(中山成彬君) 今、山下委員からも御指摘がありましたように、本当にこれは市町村が本気にならにゃいかぬと思うんですよ。そのことは文部科学省もずうっと進めてきたわけでございます。地方に、地方分権という意味で総額裁量制を進めたり、あるいは教育長の任命承認制を廃止したりと、あるいはいろんな教育基準とかそういったものを大綱化したり、地方にどんどん渡しているわけでございます。 この地方分権ということは、これは総理進めておりますし、私も、「甦れ、日本!」の中にもありますように、現場主義の徹底ということを掲げているわけですね。あるいは、一つは教育基本法の改正でございますし、もう一つは学力向上でございますし、もう一つは教員の資質の向上でございますし、現場主義の徹底でございますし、義務教育国庫負担制度の改革と、これ五つ私は挙げたと思うわけでございますが、この現場主義ということにつきましては一層徹底していくと、この意味では方向性は同じだというふうに御理解をいただきたいと思っております。 その上で、この自治事務についてでございますが、まあ麻生大臣なんかも時々言われるんですけれども、自治事務だから国は関与しちゃいけないとか、こんな話じゃないと思うわけでございまして、少し、せっかくですからもう一回説明させていただきますが、小中学校の設置運営に関する事務というのは、平成十二年度の地方分権一括法によりまして市町村の自治事務と整理されましたけれども、それ以前から、戦後一貫してずうっと地方団体の実は事務だったわけでございます。 この自治事務につきましては、地方公共団体が全く自由に執行できる事務であるとか、あるいは国は一切の関与もするべきじゃないという議論が行われることがありますけれども、しかし実際には、この自治事務というのは様々な性格を有する事務の総称でございまして、地方公共団体がどのような裁量を有するのか、国がどのような関与を行うことができるのかはそれぞれの法令の規定によって定められているわけでございます。すなわち、自治事務でありましても、国は法令を制定することによりまして基本的な制度の枠組みや全国的な基準の制定を行うことが可能でございます。現に、現在でも国は、教育基本法や学校教育法、学習指導要領等によりまして義務教育に関する制度や基準を定め、それに基づいて指導や助言を行っているところでございまして、これは憲法の要請によるものであると、このように私たちは理解しているわけでございます。
○山下栄一君 地方自治法に自治事務といえども国の関与のことは規定されている、今も大臣おっしゃったというふうに思うわけですけれども。 その場合に、国の関与の際の原則ですけれども、今もおっしゃいましたけれども、地方自治法に書いてあるわけですが、法律又は政令に基づいて行わなきゃならないと。そういう観点から、後からこれ確認しますけれども、そういう法律があると思うんですけれども、今もちょっとおっしゃいましたけれどもね。もう一点は、必要最小限度の原則。必要最小限度の原則というのも、これも地方自治法で自治事務だけれども国の関与はあると、しかしそれは必要最小限度でなきゃならないという。この大きく二大原則が地方自治法という法律の中にちゃんとはっきり書いてあるというふうに私は思うんです、地方自治法以外の法律じゃなくてね。この確認でよろしいでしょうか。
○政府参考人(銭谷眞美君) 山下先生御指摘のとおりでございます。
○山下栄一君 それで、自治事務、要するに小学校、中学校の学校の設置、そして管理運営にかかわることの中で、今、先ほど大臣は学校教育法をおっしゃいました。それから、法令に基づいてやらないかぬという、特に法律ですけれども、学校教育法、それから、先ほど何とおっしゃったかな、教育基本法。義務標準法もその一つであるというふうに言ってよろしいんでしょうかね。それでよろしいですか、確認。
○政府参考人(銭谷眞美君) 義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律も、これも法令に基づく全国的な基準の一つでございます。
○山下栄一君 私は、総務省と文科省というか、何となくこの辺の議論が、私自身もよく整理されていない面もあるんですけれども、要するに法律に基づいて行うというのは、私はやっぱり憲法、教育基本法から来ているのではないかと。それは、義務教育の根幹にかかわるところは国がしっかり責任を持つんだと。それは、例えば教育水準の維持とか、それから教育の機会の均等。ちょっと無償の話ちょっとこっちに置いて、無償が一番大事かも分かりませんけれども、そっちの話ちょっと置いておいて。そういう教育水準を保たないかぬ、それと機会均等という、これはやはり憲法二十六条に書いてある、ひとしく能力に応じて教育を受ける権利を有すると。それ、しかし、法律に基づいてと、こう書いてあると思うんですね、憲法には。だから、それは義務標準法とか、それから学校教育法、そして学習指導要領になってくるんではないかなと思うんですけれども。学習指導要領もこういう意味では学校教育法だとは思いますので。 法律に基づいてそういうひとしく教育を受ける権利、また能力に応じてというふうになっていって、それで法律があると。しかし、それは必要最小限度でなきゃならないという、この地方自治法の原則で書いてあると。そうすると、その必要最小限度という言葉のとらえ方がやっぱりちょっとずれがあって、地方自治体は必要最小限度どころかがんじがらめじゃないかと。例えば標準法に基づくやり方が学習指導要領は大分緩やかになってきたけれどもという、そういうことが、必要最小限度の原則という地方自治法の原則の理解の仕方がちょっと自治体と国によってずれがあったということがあって、文部科学省も必要最小限度ということを大事にして、そして教員の配置基準も、そして内容についても必要最小、最低限なんだと、学習指導要領の内容も、そしてこの加配の措置なんかも緩めてというふうに努力やっとるというか、しているというか、それが努力足らんかったんちゃうかというふうなことが物すごい不信感があって、法律に基づくということではそれはそのとおりかもしらぬけれども、自治事務じゃないかというようなこと言うのはそういうことじゃないかと。それは必要最小限度でなきゃならぬというこの地方自治法の原則が、ちょっと私は、必要最小限度がちょっと理解が違うかったのかなというふうに理解したんですけれども、こういう理解の仕方でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(銭谷眞美君) いわゆる地方の事務につきましては、法令に基づきかつ必要最小限度、地方の自主性、自立性をできるだけ尊重するような、そういう関与の仕方ということが望ましいのは先生がお話しのとおりかと存じます。 現在、教育事務につきましては、先生からお話がございましたように、憲法、教育基本法にのっとりまして、大きくは三つぐらいの観点から、市町村が行います学校の設置管理の事務について国として関与を行っております。その一つが学校の種類、設置、就学など、学校制度等に関する基本的な制度、枠組みを国として制定をするということでございます。具体的には、学校教育法で学校の種類、目的、設置基準、授業料の不徴収とか、保護者の就学義務、市町村等の学校の設置義務などを定めているわけでございます。それ以外にも、枠組み等について幾つか定めございますけれども、基本的には学校教育法で枠組みを定めているということでございます。 それから二つ目が、全国的な基準の設定ということでございまして、小中学校の設置基準でございますとか、学習指導要領などにおいて教育内容の基準を決めたり、教職員免許法によりまして義務教育諸学校の先生方の免許の種類等を定めているわけでございます。また、先ほど申し上げましたいわゆる標準法によりまして、学級編制の標準、教職員定数の標準も定めていると。 三点目が、地方公共団体におけるこういう教育条件整備の実施を確実に担保するための財政的支援という意味での関与、これがあるわけでございまして、具体的には義務教育費国庫負担法あるいは義務教育諸学校施設費国庫負担法などによりまして、自治事務でございます小中学校の管理運営に必要な教職員、あるいは施設につきまして財政的な支援を行っていると。 ちょっと答弁長くなって恐縮でございますけれども、先生からお話ございましたこの制度、枠組み、基準、財政的支援の中で、特に基準につきまして、余りにも細かい基準ということになったりすると、それは地方の自主性、自立性というものを損ねるということも考えられるわけでございますので、現在、全体的な動きといたしましては、例えば学習指導要領が数次にわたる改訂におきまして、できるだけ大綱的な基準となり、各学校の裁量の余地が広がるようにといったようなことで代表されますように、地方の、あるいは学校の自主性、自立性というものが発揮できるような、そういう基準にだんだん姿は変えてきていると。ただ、必要な、これは絶対やってもらわなきゃ困るというところは、きちんと基準として、最低基準としてお示しをしているというものでございます。
○山下栄一君 子供の教育にかかわること、そうかも分かりませんが、やっぱり戦後六十年たって時代も成熟して、基本的には教育も地方分権の流れだということなんだけれども、しかし心配だなと。だから、総合的学習の時間は言ったけれども、どこまでできているんだと気になってくるという。できるだけ過保護にならぬようにできるだけせないかぬということだと思うんですけれどもね。倒れる前にちゃんとこう、倒れ掛かったら支えてあげるということもやり過ぎると、子供もなかなか育ちにくいという面もあると思うんですけれども、国と地方の関係もそういう面があるというふうに思うんです。地方が物すごく不信感があるのは、そういうところから来ているのかなと。 最低基準性ということを、やはり学習指導要領も最低基準なんだということを明確に、最近だったと思いますけれども、おっしゃいましたし、義務標準法についても、これは最低基準性ということをきっちりやろうじゃないかということ、これは作業部会でもそういう答申が出ているというふうに、中間報告ですか、だと思うんですけれども。そういうことをきちっとやはりアピールしながら、そして私は、例えばスクールミーティングなんかも、それは国として責任があるからやるべきだとは思うんですけれども、なぜもっとこう例えば市町村、市町村じゃないね、県とか市レベルで、県でもいいですけれども、どんどんやりゃいいと思うんですよ。そういうことが余り聞こえてこない。報道の仕方にもあるんかも。何で、いつも何でも国が何しているんだと言う。学校の安全が問題になれば国は何しているんだというふうな、そういう、国は何しているんだいうことも、それは追及せにゃいかぬ部分もありますけれども。本来自治事務なんだったら、そういうことを必死でやっぱり、冒頭申し上げましたように、市町村が本気にならないと、いつまでも、もう戦後六十年もたっていますよということが、なかなか不信感が募る一方になるのではないかというふうに感じております。 それで、この学習指導要領なんですが、今見直しが始まっているわけですけれども。私は、教育の内容については、やっぱり専門性といいますか、学問の専門性、そして発達段階に応じた、何を教えるべきかということをきちっとやはり専門家の意見によって決めていくという在り方が正しいと思うんですね。そういうことで教育課程審議会が、教育課程部会になったんですか、があるとは思うんですけれども、この辺もちょっと言い過ぎるかも分かりませんけれども、私は、例えば学習指導要領、教育内容については学校教育法二十条でしたか、小学校について書いてあると。施行規則があって、そして最終的には大臣告示というふうに、大臣告示で教育内容を学習指導要領の形で決めると、こうなっているわけですけれども、もうそういう形で戦後来たわけですけれども、戦後じゃないな、これは昭和三十年代以降でしたか、昭和三十三年以降ですかね、この学習指導要領方式というのは。 じゃ、大臣は政治家の場合もありますねと。じゃ、政治家が教育内容決めるんですかと、まあ形式ですけれども、これはね。形式上そんなふうになっていると、大臣が学習要領告示するんだと。そういうことは、そういう表現なり仕方なんですけれども、もちろん大臣が教育内容を決めているわけじゃないわけですけれども、そういうことも見直してもいいんじゃないのかなということを感じております。もっと本来は、教える内容というのは、政治的な信条によって左右されてはならない、イデオロギー色もあってはならない。それは教員もそうだし、教員もイデオロギー的な教育をしてはいけないと同時に、教育行政の在り方も問われている、これが教育基本法第十条の精神ではないかなというふうに思うんですけれども。ただ、大臣が教育内容を告示するという在り方は、見直すことも検討したらどうかなということ、ちょっと激しいこと言いますけれども、そんなこともちょっと最近考えているんですけれども、どうでしょうか。教育行政の政治的中立性というか、そういう観点からなんですけれどもね。
○政府参考人(銭谷眞美君) 山下先生御案内のように、現在学校の教育内容につきましては、次のような法制度に基づいて国の教育課程の基準が定められております。 まず、学校教育法におきまして、例えば小学校なら小学校の目的、目標というものが定められております。そして、具体的な教科の内容につきましては文部科学大臣の方に委任をされております。それを受けて、実は二つのことがございまして、一つは文部科学省令でございます学校教育法施行規則におきまして、小学校なら小学校の教科、こういうものは省令で定めております。それから授業時数ですね、これも省令で定めております。そして更に各教科の具体的な目的、目標、内容、それから内容の取扱い等につきましては、文部大臣が告示をいたします学習指導要領にゆだねられているという法制度になってございます。 もちろん、学習指導要領は文部大臣告示でございますけれども、これの作成に当たりましては、先ほど山下先生からもお話がございましたように、各教科の学問的な専門性、それから発達段階に応じた適切な指導内容、これを担保する必要がございますし、また教育に本来的に要請されております教育の政治的、宗教的な中立性等にも配慮したものにならなければならないと思っております。 これまでの学習指導要領の作成の作業といたしましては、従来でありますと教育課程審議会、現在の中央教育審議会教育課程部会で、専門家の方々、学識経験者の方々に集まっていただきまして基本的な方向について十分御議論をいただいて、答申をいただいて、それを踏まえて、文部科学省において、各教科の専門的な研究者の方や各学校段階の現場の先生方の御協力を得まして、これは学習指導要領作成協力者会議というものを通常はつくりまして、各教科とも数十名の方に小中高入っていただくわけでございますけれども、そういう協力者会議の協力を得ながら公平、客観な内容となるように検討して作成をしているものでございます。 なお、こういう専門的な研究者や各学校現場の教員の数など、前の例で申し上げますと、私の記憶では六百名ほどの先生方に御参加をいただいていたというふうに記憶をいたしているところでございます。
○山下栄一君 総合的学習の時間の、余り教材を示したら何のための総合的学習時間かという議論もございましたですけれども、もちろんいろいろ事例集なんかも、特に十七年度予算で文部科学省も一生懸命手当てされているわけですけれども、私は、こういうのは市町村で、自分たちでこういう事例集を作る努力をして作っていくという迫力がないと、この総合的学習時間も成功しないという、だけれども、おんぶにだっこ方式で、国が何かやってくれるんちゃうかというふうな、在り方そのものが今問われているのではないかというふうに思っております。 もう一点、就学義務の問題、これも十一月にもちょっと別の形でお考えはお聞きしたんですけれども、だれのだれに対する義務かということはもうやめますけれども。 就学義務の根拠は、私は学校教育法だと思うんですね。これも文科省の考えをお聞きしたいんですけれども、これは憲法、そして教育基本法が求めるものではなくて、ある意味じゃその下位の法律とも言うべき学校教育法によって就学義務というのは課せられ、そして親が学校に子供を行かせなかったら罰則だという、こういうやり方はやっぱり途上国型ではないかなというふうに感じます。就学義務の在り方もそろそろ、教育の多様化時代、そして見直す段階に来ているのではないかと。まあ一遍に行きませんけれどもね。 考え方として、この就学義務の根拠法は一体どの法律なんだということを確認させていただきたいと思います。
○国務大臣(中山成彬君) この義務教育というのは、近代国家が成立したときから国の責任というようなことになってきているわけでございます。我が国におきましては、今、山下委員御指摘のありましたように、憲法二十六条の二項におきまして、すべての国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負うということになっております。これを受けまして、教育基本法では、国民はその保護する子女に九年間の普通教育を受けさせる義務を負うと、こうなっています。さらに、それを受けまして、学校教育法の第二十二条におきまして小学校に就学させる義務が、同じく第三十九条におきまして中学校に就学させる義務が定められているところでございます。
○山下栄一君 私は、憲法から直接導き出されるものではないというふうに、そういう理解が正しいのではないかというふうに、学校に、その学校というのもいろんな意味がありますけれども、いわゆる学校教育法における学校に行かないと罰則であるという、そういう考え方はもうそろそろ卒業せないかぬ時期ではないのかなというふうに感じております。 したがって、親は確かに自分の子供に普通教育を受けさせる義務があるけれども、それを、例えば公的機関がつくった学校に行かせないかぬのかという、そういうことを問題提起しているわけです。それが一般的なんだと思いますけれども、それは、だけれども必然かと。憲法が求めているものかどうかということはまた別の議論ではないかなというふうに思うわけです。 私、直接的には、就学義務というのは学校教育法なんではないかと、憲法、教育基本法ではないと、こういう理解でございますし、だから日本が加盟している条約においても、個人が学校をつくったりすることを、団体といっても、法人でもないような団体が学校をつくってもいいと。ただし、それは最低限度の教育内容は親として守らな駄目ですよと。場合によっては我が家で、国に届けながら、公的機関に届けながら自分で教育するということを禁止しているという趣旨ではないのではないかと、憲法の二十六条というのはね。そういう意味で私申し上げているわけでございますけれども、ちょっと問題提起なんですけれども、そういうお考えが文科省にも、私の考え間違うていますかね。
○政府参考人(銭谷眞美君) 就学させる義務というのは確かに学校教育法で初めて出てくるわけでございますが、私ども考えておりますのは、憲法で普通教育を受けさせる義務を国民に課し、教育基本法で九年間の普通教育を受けさせる義務を課しているわけでございまして、そういう憲法、教育基本法が期待をする内容を持った普通教育を義務教育として実施をするためには、学校に就学をさせるということが最もそれを実現できるやり方ではないかということで、学校教育法にそういう規定があるというふうに受け止めております。 なお、現在、この就学義務の在り方につきましていろいろな御意見があることは私どもも承知をいたしております。例えば、外国では、これはいろいろな事情があるわけでございますけれども、アメリカとかイギリスでは、いわゆる家庭で教育を行うホームスクールというのが認められていたり、本来、就学義務があるんだけれども、就学義務の免除としてホームスクールというのが認められているといったようなケースもございます。 ただ、私どもといたしましては、やはり憲法、教育基本法からきます、子供たち、日本国民にしっかりとした内容の普通教育を受けさせるという意味から、やはり就学義務を課しているということは今日的になお意義があるというふうに思っております。 ただ、現在、中教審で、先ほど様々な見方があるということを申し上げましたけれども、就学の機会や就学時期の弾力化など、その義務教育の就学に関する制度の在り方について一通り幅広い観点から検討を行っているというのも事実でございます。ただし、方向としてまだ就学義務の見直しといったようなことになっているわけではございません。
○山下栄一君 学校に子供を行かせないと罰則だというふうな、そういう時代じゃないのではないかということを私は申し上げているわけです。世の中、一般的には、どちらかというと、家の、家庭の中の子育てとか教育が非常におろそかになってきて、だから、地域の人もサポートし、場合によっては自治体、公的機関もサポートせないかぬという、児童虐待の時代でもあるし、ちゃんと親は教育しておるんかというふうなことの方の報道が多いわけで、そんなときになじまないような議論に一見見えますけれども、私はそういう一つの見識というか、日本の国の教育先進国としての考え方として、学校に行かせないと罰則だというふうな考え方はもう古いのではないかということを申し上げておるわけでございます。 そういう具体、政策取るかどうかは、これはもちろん立法政策なわけで、もちろん学校教育法を改正せなあきませんからね、そういうことにつながるんでしょうけれども、そんな議論も私は義務教育の在り方の問題として議論すべきではないかと、そういう多様な今時代なんだという認識が大事なのではないかというふうに思っております。 もう質問終わりたいと、時間もうちょっとありますけれども……
○委員長(亀井郁夫君) いや、いいですよ。
○山下栄一君 いや、もう終わりますけれどもね。
○委員長(亀井郁夫君) 終わられます。
○山下栄一君 もう質問することなくなってきたんで、だんだん。 これも大臣のお考えをお聞きしたいと思いますけれども、子供は一体だれが責任を持って育てるんですかということがちょっとぼやけてきているんじゃないかなということを、特に非常に感じておりまして、少子化社会、そして子育て支援ということが言われる中で、子供は一体だれが責任を持って育てるんだということが非常に、こういうことは別に国会でやる議論じゃないとは思うんですけれども、世の中、世間でこういう議論をしっかりやらないかぬのではないかなというふうに思うんです。 自助、共助。自助、共助がおろそかになって公助ばっかり叫ばれていると、これ本末転倒になる世界が子育てという世界ではないかなと。もちろん、保育所を造ったり、それからいろいろ経済的支援もすることも大事だというふうに思うんですけれども、税金は限りがあるわけで、こんなこと言うと我が党の政策とちょっと若干違うような面も続いておりますけれども。全部公的セクターでやるというふうな流れに行き過ぎるんですけれども、やっぱり子供は、我が子は親が育てるという、私の家もそう偉そうに言えませんけれども、そういうことが物すごくおろそかになってきているんじゃないかなという、この辺のことをしっかりさせないで子育て支援といっても、なかなか限界があるんではないかというふうに思っております。 様々な動物も魚も我が子を命懸けで親が育てるわけで、それで後継者つくって死んでいくというか、それが生物の世界。人間社会がちょっとその辺がおろそかになってきているんじゃないかなということを、家庭教育を叫び、家庭教育を支援することも、それはやらなあかんかも分かりませんけれども、家庭教育というのは本来自治の世界で、自分の子供は自分で育てるという一つの信念を持って、宗教的信念、道徳的信念、政治的信念を持って、しっかりと信念を持って、人生観を持って我が子に伝えていくというのが本来の姿ではないかと。そういうことを抜きにして、道徳教育とか宗教教育とか、また政治教育ということは、私はちょっと議論が反対なんではないかなと。 今日、先ほど中曽根元総理の話も、心の軸を、なくなってきているから国が与えるみたいなことは、それは教育じゃないんじゃないのかなというふうに私は思うわけで、確かに人を育てにくい、子供を育てにくい、子供が育ちにくい、大臣もおっしゃいました。そういうふうになってきている。学力低下も、学習意欲どうしてつくっていくかというのは、勉強時間を増やしたらええのかというのではないのではないかなと。もちろんそういうことも大事なんでしょうけれども、もっと根本的な、だれが責任持って、自分の子供は自分で育てるということを大前提にした議論でないと、ファミリーサポートも子育て支援もちょっと本末転倒ではないかなということを物すごく感じておりまして、そういうことを国民的議論でしっかりとやることが今求められているのではないかと。 教育の根本にさかのぼるからといって、教育基本法という、すぐそっちに結び付くのかなと。教育の基本、人間を育てる基本をもっともっと、そういう、国会の場でももちろん国民の代表だから議論せないかぬでしょうけれども、隣近所で、我が家で、夫婦で、そういうことが議論されないままに法律改正しても、それは私はどうなるのかなということを非常に感じておりまして、そういう意味で、人を育てることがおろそかになってきているということがもう根本的な問題だと。 こういう子育て、教育の根本にさかのぼった議論をしっかりとやる必要があるのではないかということを感じております。この辺は私は大臣も共有されておるのではないか、先ほど来お聞きしながら感じたんですけれども、その感想をお聞きしまして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(中山成彬君) やはり子育てというのは、これは親の責任、保護者の責任、これが出発点だろうと思うわけでございます。今、山下委員、正にそういう意味で、教育も、義務教育、学校に行かなくても自分で育ててもいいんじゃないか、そこまで踏み込んだ見識をいただいたわけでございまして、そういう意味では親の責任大事でございます。 今、教育基本法の話もされましたが、この教育基本法の改正の中にも家庭教育の大切さということもうたっているわけでございまして、そういう意味でも、是非、教育基本法の方についても御理解、御支援いただきたいなと思っているわけでございますが、私どもは、やはり教育を含めた子育てというのは、まず親の責任、保護者の責任である。しかし、今の世の中というのはなかなかそれだけではうまくいきませんので、学校、地域、そして国を挙げて、子供は社会の宝、国の宝であるという観点から、みんなで力を合わせて次の世代を担う子供たちが健全に育つように教育改革に力を入れていきたいと、このように考えているところでございます。
○山下栄一君 終わります。
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。 私は今日は義務教育費国庫負担問題から質問させていただきます。 今回の法案は、ここにあります、昨年の十一月二十六日の政府・与党の三位一体改革の国庫補助負担金改革についての合意が根底になっているものです。その合意の中に、文教分野として、義務教育制度については、その根幹を維持し、国の責任を引き続き堅持をする。その方針の下、費用負担についての地方案を生かす方策を検討し、また教育水準の維持向上を含む義務教育の在り方について幅広く検討するというふうな文言がございます。 そこで、私は大臣にお聞きしたいと思いますけれども、この合意の中にあります義務教育制度の根幹というものは何でしょうか。
○国務大臣(中山成彬君) 義務教育につきましては、中教審で幅広く検討すると、その結論を今年の秋までにということになったわけでございますが、まず義務教育の根幹というのは、憲法二十六条に基づきまして、教育の機会均等、そして教育水準の維持向上、無償制のことであると、このように考えております。
○小林美恵子君 教育水準の維持向上と先ほどもおっしゃいましたけれども、ここにも義務教育の在り方について幅広く検討するという中に、教育水準の維持向上というのがございます。その具体的な意味はどういう意味でしょうか。
○国務大臣(中山成彬君) 教育水準の維持向上ということは、優れた教職員を必要数確保して、そして養成、採用、現職研修を通じた教職員の資質、能力向上などの教育の人的水準及び教育施設、教材、教具の整備などの物的水準、これは二つはもとよりでございますが、三番目に、子供たちの確かな学力をはぐくむため、学習指導要領によって担保されます教育の内容の水準などの改善を不断に図ることであると、このように認識しております。
○小林美恵子君 それではさらに、この合意の文書にあります、国の責任を引き続き堅持をする、そうしたら、その国の責任というのは、ここで言う国の責任とは何でしょうか。
○国務大臣(中山成彬君) この国の責任というのは、先ほども申し上げました、義務教育の根幹、教育の機会均等、教育水準の維持向上、無償制という義務教育の根幹を制度的、財政的に保障し、義務教育の円滑な実施を図ることであると、このように認識しております。
○小林美恵子君 制度的、財政的に図るという点でいきますと、つまり義務教育費国庫負担制度がこの国の責任であるということで理解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(中山成彬君) そのように理解しております。
○小林美恵子君 私は、学校というのは、校舎、いわゆる建物もそうでございますけれども、やっぱり教えられる子供がいて、教える教職員がいてこそ、やっぱり成り立つものだというふうに思います。 日本の義務教育の歴史というのは、その教職員の確保のために、教職員の給与に国が負担してきた義務教育費国庫負担制度が正に財政的支柱の役割を果たしてきた歴史でもあるというふうに思うんです。 それで、今日、私が持ってきましたのは、この文書を持ってきたんですけれども、これはいわゆるこの国庫負担制度がいったん廃止をされて復活する際のときの、一九五二年五月八日の衆議院文部委員会でのその法案の提案の理由が示された文書でございます。それを少し紹介をします。 この法案は、義務教育費国庫負担法案、そしてサブタイトルとして義務教育費教職員給与費の国庫負担の制度化というふうになっております。紹介しますと、廃止する前の制度について、義務教育に従事する職員の給与を都道府県の負担とするとともに、この法律によってその半額を国がすることを定めたものであります。中を飛ばしまして、この制度は義務教育の支柱となってきたものでありますと位置付けられています。それで、いったん廃止をされてしまうわけですけれども、そういう制度が廃止されてしまうわけですけど、さらに復活するという上で、義務教育費のように憲法上国がその最終的責任を負うことが要請されておりというふうに提案理由はあります。 ここで、私は大臣に改めてお伺いしたいと思います。こうした提案理由の立場というのは今も本当に必要な立場だというふうに思いますけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(中山成彬君) 正にこの義務教育というのは、憲法の要請によりまして国が最終的な責任を負うと、負うものであると、このように考えております。
○小林美恵子君 国が最終的責任を負うものだと、歴史的に見てもそうだという御答弁でございました。 では、私はお聞きしたいと思います。では、なぜ今回提案されていますこの法案に、暫定といえども四千二百五十億円もの削減を盛り込んだのでしょうか。幾つかの角度でお聞きしたいと思います。 昨年五月に、中央教育審議会、また初等中等教育分科会、教育財政、長いですね、これね、部会、教育条件整備に関する作業部会が義務教育費に係る経費負担の在り方についての中間報告をまとめています。ここにはこれを紹介していますが、この中に「義務教育費国庫負担制度の必要性」として、国の責任、義務教育費無償制と完全就学の保障、教職員の人材確保、義務教育の地域間格差の是正、義務教育費の水準の安定的な確保、地方財政の健全化と、六点列挙されております。さらに、義務教育費国庫負担制度は、国がそのような責任を果たすためのものであり、この制度の廃止は国の責任の放棄であるというふうにしっかりと明言をされています。 ここで、私は大臣にお聞きしたいと思います。こうして中教審でも示されている、こうした位置付けになっているものを、たとえ暫定といえども四千二百五十億円削減するということは、国の責任後退につながるのではありませんか。この法案は中教審とも矛盾しているのではありませんか。この点はいかがですか。
○国務大臣(中山成彬君) 確かに昨年の五月二十五日の中教審の報告、中間報告で、この義務教育国庫負担制度というのは国の責任を果たすためのもので、廃止は国の責任の放棄であると、この旨の文言があるわけでございまして、私はこのことも踏まえまして、経済財政諮問会議とか、あるいは官房長官、総務、財務、経済財政担当大臣、四人と対決したわけでございますけれども、そういった中でこの中間報告の概要等を説明しながら義務教育国庫負担制度の必要性を強く訴えてきたところでございまして、その結果、私の主張も受け入れられまして、義務教育国庫負担制度の今後の取扱いにつきましては今年秋までに中央教育審議会において結論を得ることとされて、そして、今御審議いただいております平成十七年度予算においてはあくまで暫定的な措置であるという形の取扱いになったわけでございます。 昨年はそういう意味で、地方分権、補助金改革と義務教育の国庫負担制度、国の責任を果たすという、この観点から激しく火花を散らした結果、このような形で暫定的な措置として予算措置されたと、このように考えております。
○小林美恵子君 大臣の主張も受け入れられて暫定的な措置となったというふうにおっしゃいますけれども、私はそれでもやっぱり納得するわけにはいきません。 それで、もう一つお聞きしたいと思います。 大臣、これまで、この委員会でもそうですけれども、国会審議の中でこの国庫負担制度は堅持をすると何度も御答弁をされてこられました。で、昨年の通常国会での衆参のいわゆる委員会の附帯決議もあります。また、参議院では、義務教育費国庫負担制度の維持に関する請願、「義務教育費国庫負担制度の現行水準を維持すること。」という項目のこの請願を全会一致で採択もしました。にもかかわらず、やっぱり暫定とはいえども削減するということは、こうした決議などに背を向けるという立場に立っているのではないでしょうか。この点、いかがですか。
○国務大臣(中山成彬君) 今御指摘ありましたような附帯決議、請願等でございます。国民の代表から成る国会の議論というのは極めて重要であると認識しておりまして、御指摘のありました平成十五年三月二十七日ですか、の参議院における附帯決議、あるいは平成十六年十二月の請願等においていろいろこの負担制度の堅持の文言については重く受け止めているところでございまして、そのこともございまして、先ほど申し上げましたが、このような形で暫定ということになったと、中央教育審議会でしっかり議論していただくということになったということであろうと私は考えております。
○小林美恵子君 では、暫定とおっしゃいますけれども、この政府・与党の合意の文書には、地方向け国庫補助負担金について三兆円程度の廃止・縮減等の改革を別紙の二のとおり行うとあります。それで、別紙の二を見てみますと、内閣本府、総務省、文部科学省と三段目に文部科学省がありまして、義務教育費国庫負担八千五百円程度の減額、うち十七年度分暫定四千二百五十億円、こういうふうに文言が示されています。 法案は暫定四千二百五十円ですけれども──四千二百五十億円ですけれども、この文書には、もう既にこの文書には八千五百億円という文言がしっかりと盛り込まれています。これは、この合意文書を法案としたという、法案としたということからいくと、私は余りにもおかしいというふうに思うんです。 それで、改めてお聞きしたいと思います。二〇〇六年度以降八千五百億の減額ということがもう決まっているということですか、この文書は。どうですか。
○国務大臣(中山成彬君) ここにありますように、平成十七年度分暫定四千二百五十億円、八千五百億円程度の暫定は、(暫定)と書いてあるように、これは決まったということではございません。
○小林美恵子君 では、先ほどから大臣は中教審に今年秋までに結論、審議をゆだねているというふうにおっしゃいました。私は、そういう審議を中教審にゆだねながら、そしてこの秋に結論を待つというふうにしながら、それでも暫定で削減を先行するということは、やっぱり納得いくものではないというふうに申し上げたいと思うんですね。 こうしたやり方というのは今後行わない、今後も暫定が続くということはないということを断言していただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(中山成彬君) 今後のことまでお約束するわけにはいきませんが、少なくともこの八千五百億円のことにつきましては、暫定ということでございますから、これは正に中央教育審議会の議論を、結論を得てということになっていますから、そういう方向でやってもらう、もらわなければならないと考えております。
○小林美恵子君 今後のことを言うわけにはいかないとおっしゃいましたけれども、制度を堅持するという立場に立っている大臣なら、今後のことも、こうしたことは行わないというふうに明言するのが筋ではありませんか、いかがですか。
○国務大臣(中山成彬君) 私が未来永劫に文部科学大臣であればそう言いたいところでございますが、私の後だれがなるか分かりませんが、そこまで縛るわけにはいかないんじゃないかなと思ってそのように発言したところでございます。
○小林美恵子君 大臣としてはそういう立場だということを確認していいですか。
○国務大臣(中山成彬君) 私は、国会議員である限りは、そういう立場、そういう主張を貫いてまいりたいと考えております。
○小林美恵子君 ここで、私は改めてこの義務教育費国庫負担制度の歴史に学ぶべきだというふうに思います。 先ほどお示しをしました一九五二年の衆議院文部委員会の提案理由の文書ですけれども、その中に、この制度がかつて廃止されたとき、教職員の給与費が地方財政の七五%を占めるようになり、地方の独自収入で賄えるところが九都道府県だったという文言がございました。 今日とは違う面もありますでしょうけれども、私は改めてここで文科省にお聞きしたいと思います。小学校児童一人当たりの教員人件費の都道府県の格差は、義務教育費国庫負担制度が行われる前と後でどうなったか、教えていただけるでしょうか。
○政府参考人(銭谷眞美君) 義務教育費国庫負担金が昭和二十五年度に一度廃止になったわけでございます。その状況を今お尋ねの小学校児童一人当たりの教育費で比較をいたしますと、例えば国庫負担制度廃止中の昭和二十七年度は、東京都を一〇〇とした場合、茨城県では五三ということになりまして、都道府県間で義務教育水準に大きな格差が生じたわけでございます。 国庫負担が昭和二十八年度から復活をし、施行されたわけでございますが、復活後の昭和二十九年度におきましては、児童一人当たりの教育費、東京都を一〇〇とすると茨城県は六二となりまして格差が縮小をしているわけでございます。
○小林美恵子君 今説明がありましたように、国庫負担制度が制度としてあったときと、それから廃止されたときと復活したときとはやっぱりその都道府県の格差が生じて、負担制度が復活した場合、格差が是正されてきたということがあります。私は、その点でも国庫負担制度というのは非常に大事な制度だというふうに思うんですね。 それで、もう一つお聞きしたいと思います。現在の教職員の充足率についてでございますけれども、先ほど民主党の議員の方もお話がございましたけれども、国庫負担制度になっている小中学校とそうでない高校の場合どうか、それぞれの充足率の平均と一〇〇%未満の都道府県の数を教えてください。
○政府参考人(銭谷眞美君) 平成十六年度について、各都道府県が実際に配置をしている教職員数が標準法による教職員定数をどれだけ満たしているかを比較をいたしましたいわゆる充足率について、全国平均で申し上げます。公立の小中学校では一〇一・六%でございます。公立の高等学校では一〇〇・五%でございます。つまり、小中学校の方が高い数値でございます。 また、標準法による定数まで充足していない都道府県の数でございますけれども、公立小中学校では四県、公立の高等学校では二十一県となっておりまして、高等学校では半数近い県が定数まで満ちていないという状況でございます。
○小林美恵子君 今御説明いただきましたけれども、現在取っている国庫負担制度の中の小中学校と、そうでない高校との教職員の充足率にも都道府県のいわゆる格差があるということが明らかだというふうに思うんですね。つまり、私は、歴史的にも現在の状況を比較しても、その国庫負担制度を取るか取らないかで格差は生じてくるということが顕著だというふうに思うんです。 冒頭に大臣は、義務教育の根幹は機会均等、教育水準の確保、維持向上、無償制というふうにお答えがありました。それで、その機会均等をしていく上では、正に義務教育費国庫負担制度というのは最小限の保障をする土台であるというふうに思います。この削減はやっぱり行うべきではない、そのことを強く申し上げまして、今回の法案に入っています就学援助について質問をさせていただきたいと思います。 就学援助制度についてですけれども、憲法と教育基本法との関係で、どう位置付けされているでしょうか。
○国務大臣(中山成彬君) 憲法におきましては、教育を受ける権利というのが憲法二十六条第一項で定められておりまして、教育基本法では、「国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によつて修学困難な者に対して、奨学の方法を講じなければならない。」、これはこの法律の第三条第二項に定められております。 この教育基本法の規定の精神をどのように具体化するか、これは個別の法律の定めにゆだねられているわけでございまして、学校教育法によりまして就学援助は市町村の義務であると規定されておりまして、これにより現在、市町村において就学援助が実施されているところでございます。 このように、就学援助というのは市町村が行うべきものではございますが、国としても義務教育の円滑な実施を図る観点から、就学援助法等に基づきまして市町村に対しまして補助を行い市町村を支援してきたところでございます。
○小林美恵子君 就学援助制度は憲法と教育基本法の定める、その一環としてなされているものであると、それで市町村がやるものであるけれども国の援助が行うというふうに御答弁があったというふうに思います。 では、私、そこでお聞きしたいと思います。今回の国の補助の廃止対象にされています準要保護、この層を補助の対象に今までされてきた、その理由は何なんでしょうか。
○政府参考人(銭谷眞美君) 学校教育法の二十五条で、お話がございましたように、経済的な理由によって就学困難な者に対して市町村が就学義務があるわけでございますけれども、その就学困難と認められる学齢児童、市町村が行う学齢児童の保護者に対する援助のその範囲として、いわゆる生活保護法に基づく生活保護者とそれに準ずる人を市町村が行う就学援助の範囲と、まあこう考えて、それに対して国が補助をしてきたと、こういうことでございます。
○小林美恵子君 市町村が行う範囲としてというふうにおっしゃいました。それで国が補助をしてきた。 で、国が補助をするその理由は何だったのでしょうか、もう一度お聞きしたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) 国は、市町村が、言わば保護者の有する経済力が教育を受けるのに必要な費用を負担するには不十分である、そういう方に対して市町村が就学援助をするわけでございますけれども、それに対して、その円滑な実施を図る観点から市町村に対して支援をしてきたというものでございます。
○小林美恵子君 経済力が不十分である場合に市町村が就学援助を実施してきて、それを国が支援をしてきた。つまり、経済力が不十分だということが理由になっているわけですよね。 そこで私はお聞きしたいと思います。 では、この先ほどからの答弁で、今回、準要保護を廃止の対象にするその理由に経済的な困窮度が低いというふうな答弁がございました。困窮度が低いという根拠は一体どこにあるのでしょうか。
○政府参考人(銭谷眞美君) これは言わば比較の問題でございまして、準要保護者は要保護者よりも所得基準が高いわけでございまして、一般にですね。ですから、要保護者に比較をして困窮度が低いというふうに考えたわけでございます。
○小林美恵子君 私、それはね、大変実態を見ないお考えだというふうに思います。 例えば、父子家庭の方で失業を余儀なくされた方がいらっしゃいます。それで、生活保護を受けたい、そう言っても、体が元気だから仕事ができるじゃないかということで生活保護は受けさしてもらえない、現場ではそういう事態がございます。そういう方も国の数字からいくと準要保護になるわけですよね。準要保護になるわけですよ。そういう方々にも国は今回補助を廃止するという、こういう法案になっているわけですね。 私は、大変そういう経済的な事態になったとしても、どんなに苦労してでもそのお父さんが子供は学校に行かそうと、そういうことで本当にけなげに頑張るわけですね。それというのは、正に日本の義務教育の歴史というのが、どんなに苦しくても我が子には教育を受けさそうという父母と国民の教育権の営々たる営みの行使だというふうに思うんです。そうした方々に対して国が補助を廃止するというのは、正に先ほど憲法と教育基本法の下に位置付けられた就学援助制度だというふうにおっしゃいました。その立場からいっても、余りにも逆行する今の法案であるということを言わざるを得ないというふうに思います。 それで、この問題は大変重大な問題ですので、今後も私はこの問題質問させていただくということを申し上げまして、今日の質問はこれで終わりたいと思います。 ありがとうございます。
○委員長(亀井郁夫君) ありがとうございました。 それでは、本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時二十一分散会