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162回国会参議院2005/03/18

文教科学委員会 第3号

発言数
106
登壇者
13
会派数
4
開催日
2005/03/18

会議録

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成十七年度一般会計予算外二案中、内閣府所管のうち日本学術会議及び文部科学省所管についての委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として文部科学大臣官房文教施設企画部長萩原久和君外八名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) ありがとうございます。御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) 去る十六日、予算委員会から、三月十八日の一日間、平成十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち日本学術会議及び文部科学省所管について審査の委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。  文部科学省関係予算の説明につきましては既に聴取しておりますので、内閣府所管のうち日本学術会議関係予算の説明を七条内閣府副大臣から聴取いたします。七条内閣府副大臣。

七条明自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(七条明君) 平成十七年度日本学術会議歳出予算要求額の概要について説明申し上げます。  日本学術会議は、我が国の科学者の内外に対する代表機関として、科学の向上発達を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させることを目的とし、科学に関する重要事項の審議、科学に関する研究の連絡を図ること等を職務といたしております。  平成十七年度内閣府所管一般会計歳出予算要求額のうち、日本学術会議の歳出予算要求額は十四億百万円であり、これを前年度の当初予算額十四億六百万円と比較をいたしますと、五百万円の減額となっております。  次に、その内訳について説明申し上げます。  第一に、科学に関する重要事項の審議等を行う総会、部会等の開催のほか、分野別委員会及び課題別委員会、いずれも仮称でありますが、の開催等審議関係経費として三億六千二百万円を計上しております。  第二に、学術関係国際会議の開催、国際学術団体への加入分担金、国際学術関係会議への代表派遣、アジア学術会議の開催等の国際学術交流関係経費として三億四千九百万円を計上しております。  第三に、平成十七年十月に任命予定の新たな日本学術会議会員の選考及び臨時総会、臨時部会の開催のための会員推薦関係経費として四千三百万円を計上しております。  その他日本学術会議一般行政経費として六億四千七百万円を計上しております。  以上が平成十七年度日本学術会議歳出予算要求額についての概要であります。  よろしく御審議くださいますようお願いを申し上げます。ありがとうございます。

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) ありがとうございました。  以上で日本学術会議関係予算の説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

小林元民主党・新緑風会

○小林元君 民主党・新緑風会の小林元でございます。  大臣には、先ほどの本会議に引き続きましてまたの審議ということで、御苦労さまでございます。  先ほども、あるいは先日の委員会でも大臣所信に対する質疑の中でも、学力問題、大仁田委員から大分突っ込んだ質疑があったわけでございます。やはり今一番問題なのはこの学力問題、そして三位一体の改革ということで、大臣も大変奮闘されているというふうに思っております。そういう中で、タウンミーティングあるいはスクールミーティングということで現場の意見も聞いているということでありますが、現場は大変混乱をしております。先ほどの本会議で水岡議員もそういう指摘をしました。  この学力低下の問題ですね、もう再三恐縮なんですけれども、議論を始めるに当たりまして、今回このPISAのあるいはTIMSSの結果というものを危機的あるいは切実感を持って受け止めるというような発言をされておりますが、改めて大臣の御意見、御感想をお聞きしたいと思います。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) またよろしくお願い申し上げます。  昨年末に公表されました国際的な学力調査の結果を見ますと、読解力がもう大幅に低下していると。前回八位でしたけれども、今回十四位ということで、真ん中ぐらいのところにまで落ちているということでございます。また、これまで我が国がトップクラスにありました数学とか理科についても低下傾向にあるわけでございまして、このことは文部科学行政を預かる者としてやはり深刻に受け止める必要があると、このように考えております。  また、それ以上に私が特に心配いたしますのは、日本の子供たちの勉強をする時間が一番短くなっているということでございます。そして、何のために勉強しなければならないんだという、そういう勉強の動機付けが乏しいということと、それから、学ぶ意欲あるいは学習習慣といったものが必ずしも身に付いてないということが明らかになったわけでございます。  また、規範意識とか、あるいは体力、気力にも課題が見受けられるということでございまして、いわゆるゆとり教育というふうに言われますけれども、私は、単に知識を詰め込むだけではなくて、基礎的、基本的な知識をしっかりと身に付けさせて、それを基にして自ら学び自ら考える、いわゆる生きる力と、こう言われていますけれども、これをはぐくむという現行の学習指導要領の理念とか目標には間違いないと、このように思っていますが、ただ、この国際調査の結果分かりましたように、そのねらいが本当に十分達成されているんだろうかと、そのための手段といいますか手だてというのがきちっとなされているんだろうかと、その辺に課題があると。  このように考えたわけでございまして、私は、子供にとってやはり最善の教育を授けるというためには、教員の資質向上あるいは教育条件の整備などと併せまして学習指導要領全体の見直しを行うことが必要であると、このように考えまして、先般中央教育審議会に対しまして学習指導要領の見直しに当たっての検討課題をお示ししたところでございまして、現在私どもも、教員や保護者と直接対話するスクールミーティング等を通じまして、現場の教員とかあるいは保護者がどのように考えているのかと、また子供の実態はどうなっているんだと、こういったことの把握に努めておるところでございまして、今後、中教審におきまして、今回お示ししました検討課題を踏まえて学習指導要領全般につきまして、それこそ例外を設けることなく自由濶達に御検討いただきたいと、このように考えているところでございます。

小林元民主党・新緑風会

○小林元君 今まで文部科学省はなかなか学力低下という問題が、大学サイドから、昨日も鈴木委員から指摘がありましたけれども、おとといですか、大学サイドからいろいろ、まあ東大あるいは京大等の先生が大学生の学力が随分落ちているんじゃないかというような指摘がありました。しかし、現実にはなかなか、産業界等からの指摘はあったんですけれども、文部科学省自体はきちんと認めたがらないというか、そういうような風潮があった。そういうさなかで、四年前だったと思いますが、遠山大臣のときに、「学びのすすめ」というような形で、当時もゆとり路線、ゆとり教育路線を方向転換するのかというようなことがあったんですが、まあそのことについては余り多くを語らずに、ずるずるという表現がいいかどうかは分かりませんが、今日まで来てしまったと。  で、今の大臣の総括というか御意見お伺いしましたけれども、文部科学省としてこのテストの結果についていろいろ分析をする、そして、対策についてはすぐは出てこないと思いますが、大臣も、こういう原因がある、例えば意欲がなくなってしまった、やる気がないと、家庭で宿題もしない、テレビにかじり付いているというふうなデータも出ているわけでございますけれども、それらについてきちんとした分析をして、こういうことだというような問題提起をしたペーパーというのは見たこともないんですが、今のは大臣単独のお考えなのか、文部省全体のお考えなのか、そこをちょっとお伺いしたいと思います。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 失礼いたします。  昨年の十二月にPISAの調査とTIMSSの調査、それぞれ発表になりました後、私どもこの両調査の結果を分析するチームを発足をさせまして、調査結果の分析を行っているところでございます。その結果につきましては、中間まとめという形で、今年の一月の十九日に開催をいたしました全国指導主事会議でお示しをいたしまして、当面対応すべき課題を明らかにしたところでございます。  私ども、このPISAの調査結果、TIMSSの調査結果を分析をいたしますと、先ほど大臣からもお話がございましたけれども、全体的に読解力を中心にやはり我が国の子供たちの学力は低下傾向にあると。特に、学習意欲の問題もちろんございますけれども、テストの結果そのものにつきましても、一つは全体的に上位層と下位層の得点のばらつきが広がっていると。今までPISAの調査では、子供たちを成績で六段階に分けているわけでございますけれども、一番上のレベル五は余り変わらないのでございますが、その次のレベル四、レベル三の子供の割合が減って、レベル二、レベル一、レベル一未満という子供の割合が高くなっているという結果を分析をいたしております。  それからもう一点、PISAの調査は選択肢の問題のほかに自由記述の問題が非常に多いわけでございますけれども、この自由記述の問題について、何も書かない、いわゆる無答の子供の割合が非常に高くなってきているということが結果として出ております。このことは、自分の考えをきちんと整理をして表現をする、あるいは出題された文章をしっかり解釈をするというところに課題があるということが明らかになっております。  なお、このほか、この中間まとめでは他のTIMSS等の調査につきましても分析を行っておりますけれども、こういった分析結果は各都道府県の方にお渡しをいたしまして、それぞれ各学校で指導の参考に役立てていただけるようにしているところでございます。  したがいまして、学力の低下傾向にあるということは、文部科学省としてそういう認識に今立っております。

小林元民主党・新緑風会

○小林元君 今までは、そのような答弁を私初めて聞きましたけれども、どうも明らかにしたがらないというような傾向があったんではないかと。そしてまた、新しい学習指導要領ですか、三年たったわけでございますが、そういう中でのテストということで、いろんな考え方もあろうかと思いますが。  大臣、大臣が就任したときに大変大胆な提案、その直後でありますが、「甦れ、日本!」というようなことで、大臣が世界一の学力を目指すと言ったときはまだこのテストの結果というのは出ておらなかった。でありますが、その出たそのことと、出て、今度結果が出た後というか、そこについて何か御感想はございますでしょうか。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 私も、文部科学大臣になる前から日本の教育については関心を持っておりました。平成二年から三年にかけまして文部政務次官を務めさせていただきまして、その後はどちらかといいますと経済とか金融とかそういった畑の方で仕事をしてまいりましたが、その中で、なぜ日本経済いつまでもこの低迷が続くんだというようなことをいろいろ考える中で、どうも外国に追い込まれるといいますか、押し込まれて日本人が元気がないと。何といいますか、指示待ち人間といいますかね、そういうふうな体質に日本はなってきているんじゃないかなというふうなことも考えたりしていました。  また、今、小林委員が言われましたけれども、大学の先生方とかいろいろ友人いるんですけれども、本当に最近の大学生の学力は落ちているよというふうな話もよく聞きましたし、また身近にも、最近の子供たちというのは勉強しないでゲームとかテレビとか本当に遊びほうけている。  そういったのを見聞きしておりましたものですから、これではいかぬのじゃないかと。いわゆるゆとり教育というのがずっと進められているけれども、どうもゆとり教育というのは子供たちに間違ったメッセージを与えていると、勉強はしなくてもいいんだと。また、先生方にも、これだけ教えればいいんだという間違ったメッセージを与えているんじゃないかなという、そういうことをもう考えておりましたものですから、このPISAとかTIMSSの結果が出る前から私は学力は落ちてきているんだろうなということを思いながら、それよりも何よりも、本当に勉強しなくなっている、気力がなくなっている、そういう子供たちの現状というものを肌身に感じていたということが本当のところでございました。

小林元民主党・新緑風会

○小林元君 おととい発表されました朝日の世論調査ですか、あれを見ますと、学力が低下しているということは国民も認識をしているというか、というふうになっております。七九%が下がっている。そして、その原因は何なのか。これは学校教育に原因があると言っているんですね。  先ほど大臣が言われたように、あるいは調査の結果でもいろいろ出ておりますけれども、テレビやゲームに随分時間を使っている、宿題をやらない、勉強しないというような家庭の問題がいろいろあるわけでございますね。ですが、家庭の方は、親の方、保護者の方は学校教育に問題ありというふうに、これは問題があるというのか、学校に期待をしているのかもしれませんけれども。  先ほど、ちょっと前後して恐縮でありますが、銭谷局長からの答弁で、確かにデータ的には階層分化があって、下の方がどうも増えてしまったというようなことがあるんですが、そうは言っても、これは大学へ行っている子供たちが分数ができない何ができないというようなことですから、その人たちは必ずしも、ましてや東大、京大でできないというのはどうも信じられないんですけれども、現実はそうなっていると。そうすると、これは高い方の層でもやっぱり学力低下というのがあるんじゃないか。  この今回の調査結果と先生方が言っている見方というのはずれがあるのかもしれませんけれども、やっぱり幾ら弁解しても全体として下がっているという認識に変わりはないんだと思うんですが、局長、どうですか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 学力についていろいろな見方があると思うんでございますけれども、いわゆるペーパーテストで測ることのできる知識、理解、あるいはいわゆるリテラシーを測る問題に対する解答ぶりといったようなものを見ておりますと、全体的に日本の子供たちについてはやっぱり下位にちょっと、少しシフトしてきているということは言えるのではないかというふうに思います。文部科学省が教育課程実施状況調査というものを最近では平成十三年度から実施をいたしておりますけれども、この調査でもやはり少し下位層に分布が広がっているという傾向がございます。  ただそれは、言わば教科によりまして傾向は若干違うということも事実でございまして、例えば、数学はこういう傾向、国語はこういう傾向という具合に、教科ごとのまた差もあるのも事実でございます。ですから、総合的に申し上げれば、かつてのような、国際比較をした場合にトップということでなくなっているのは事実でございますが、依然として、国際比較をしても読解力を除きますと上位にいることも、これも事実でございます。ただ、トップではないということで、低下傾向にあるということは否めないのではないかと私ども思っております。

小林元民主党・新緑風会

○小林元君 いずれにしましても、この学力、そしてその学力そのものの考え方も、単なる知識の蓄積量ではなくて、いろいろ応用して、生きる力とか考える力と、自ら考えて応用していくというような真の学力というんでしょうか、そういうものを測るというのは大変なことでございますし、いろんな要因が複雑に絡み合って。ですからやっぱり、緊急会議を開いてぽっと結論出して、しかもほとんど新聞記事にもならないような指導主事を集めて会議をやって、それで事足れりとは思ってないと思いますが、大臣は、だから中教審に諮問をしたと、こういうふうに言っているんですけれども。  しかし、大臣、あれですね、大変大胆な発言をずっと繰り返しておられまして、それは大いに勇気をたたえるわけでございますけれども、やはり文部科学大臣が発言をしたということは全国的に見て大変な影響があるということも、これは現実だろうと思うんですね。ですから、現場はやっぱり混乱しているんですよ。  例えば、大臣が世界一の学力を目指すということで学力テストを、競争意識を涵養して、そのために学力テストをやるんだと。私は学力テストに反対しません。しかし、やっぱりやり方とかいろんな配慮があって、やっぱり受験競争、偏差値教育、何のために今まで、そうでなくてもっと幅広い人間性、人間を育てる教育に切り替えてきた、切り替えてきたというか向かってきた、それが二十一世紀の人材養成に大事なんだといったことと矛盾しないように、これはやっぱり丁寧に説明をしないと、何を言っているのかなというふうに取られるんではないかと思うんですが、真意をお伺いしたい。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 私が学校現場を視察いたしまして、そのとき保護者とか先生方からいろんな話が出る。例えば、もう総合的学習よりは基本的な教科をやりたいとか、あるいは基本教科をやりたいんだけれども中途半端になっているとか、いろんな意見が出るわけですけれども、その後、記者が取り巻きましてどういうことでしたかというふうなことを聞かれるものですから、こういう話が出ましたよ、ああいう話が出ましたよと言うと、もうそれが大きく取り上げられて、何か総合的学習の時間を見直すんだとか、そういうふうなことになってしまう。  そうならないように気を付けながら発言したつもりでございますが、とかくマスコミというのはそういうふうな、まあ大げさと言っちゃなんですけれども、ついそういうふうに大きく取り上げる傾向があるわけでございまして、私としては、大胆というよりは恐る恐る、本当に少しずつ少しずつ前に進んできたつもりでございまして、そのことが学校現場に混乱を来していると、混乱を招いているということであれば、これは本当に本意ではなかったわけでございますが。  ただ、一言申し上げたいのは、学校現場といっても、これは先生方だろうと思うんですけれども、私はやはり子供たちが主体であろうと、こう思うわけでございまして、日本の先生方というのは優秀ですからね、いろんなことに対応できるんじゃないかと、また対応してもらいたいと、そう思っているわけでございます。  それから、学力テストのことについても私も言及いたしましたが、これはもう決して昔のような偏差値教育だとか、いや大学受験云々というようなことではない。昔に戻るということは全く考えていませんが、今やもう大学全入の時代でございますから、昔と違うんです。  しかし、この国際情勢、また日本の置かれた状況を見ますと、本当、日本の子供たちだけがぬくぬくと、言わば競争は悪だという雰囲気の中で育てられて、そして大学、学校を卒業する、社会に出る、そして世界と向き合う。そういった中でやはり戸惑いというかいろんな落差にもう本当困っているんじゃないかと、また今後困るんではないかなと、そう思うわけでございまして、二十一世紀というこの世紀は私は大変な国際的な大競争の時代であろうと。特に近隣諸国が猛烈な勢いで追い上げてまいりますから、日本が今と同じような経済的な水準、生活水準を維持していくというのは大変なことだろうと思うわけでございます。  そういう中にありまして、自分たちの子や孫たちが本当にこの日本という国において我々と同じように、あるいはまたそれ以上に幸せな人生を送ってもらいたいと。そういう思いからは、やはり一人一人の子供たちがどういう事態になってもそれを生き抜いていける、戦い取っていけるような、そういうやはりたくましい子供たち、これは学力だけでありません、体力的にも気力的にでも、あるいはまたモラルの面でも、私はやはりそういうような立派な子供たちを育てておくと。これは私、大人の責任ではないかと、こう思いまして、今中央教育審議会にいろんな面で本当にタブーを設けることなく議論していただきたいと。  こう思っているのは、自分の子供、自分の孫の立場から諮問しているんだということを御理解をいただきたいと思います。

小林元民主党・新緑風会

○小林元君 たまたま十三日の朝日新聞の記事で私初めて知ったんですけれども、地方分権研究会、これは、この記事によりますと四県ですね、福岡、和歌山、岩手、どこでしたかね、あと、ああ宮城県ですね、の四県がやりました。そういう中でこのテスト、各県の受け止め方は、大変参考になる、我が県の教育の実態を知る上で大変貴重なものであると、こういう評価もあるんですよね。  ですから、やはりこれは、テストというのは文部省が上から押し付けて自分の材料にだけしてしまうというような、やっぱりみんなで一緒にやろうじゃないか、世界一を目指そうじゃないか、学力向上を目指そうではないかと、そういうことを十分相談をしてやればこういうことにはならないので、同じテストをやってもこんなに随分違うんだなと。かつて猛烈反対ということもあったようでありますけれども、あるいは中止をしたと。やっぱり何かそういう分析をする素材というものを取るんだと、競争をあおるためにやるんだというようなことではないことが必要だと思いますが、これについて御感想がありましたら。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 私も、この地方分権研究会四県で実施されましたテストの結果をいろいろと見させていただきまして、大変参考になったわけでございます。  全国的な学力テストというのはもう廃止されて久しいんですけれども、各地方でそれぞれもう悉皆調査といいますか、できるだけ広く学力テストをやって、要するに今子供たちの学力の水準というのはどうなっているんだと、どこに問題があるんだと。また、これを四県なんかでやりますと、ああ、英語はどこがいいなと、しかし国語はどこが悪いなと、どうしてこんな点数が高いんだろうかとか、そういったことを比較研究して、いいところがあればそこへ行って学んでいくとか、そういうことだろうと思うんですね。  私は、これが、何といいますか、切磋琢磨といいますか、お互いにいいところを取り合ってお互いが向上していくと、そういう意味でこの学力テストというのは大変意味があると思うわけでございまして、私どもが全国的な学力テストをするというと、つい上からの押し付けというふうに思われがちでございますが、決してそうではなくて、もう既に地方がそれぞれ自主的に取り組んでいる、それをトータルとしてこれをやれないかというふうなこと、それはあくまで次なるステップのための資料といいますか参考として、より良い教育をやるためのそういった方法だと、こう考えているわけでございまして、具体の方策につきましては、これは中央教育審議会で専門家の方々にいろいろ御審議いただきたいということでただいまお願いをしているところでございます。

小林元民主党・新緑風会

○小林元君 やはりそういう手法というんでしょうかね、これはやっぱり人間を説得する上で、やっぱりやる気を起こさせるかどうかというのはそこにあると思うんですね。ちゃんと理解をしてやる気を起こさせてやるというのであれば、火事場のばか力ではありませんけれども物すごい力が出るんだろうと思うんですけれども、無理やり押し付けるということをやれば反発だけが広まってしまうというようなことが起こってしまうんではないか。その辺十分考えたやり方というものを研究していただきたいなと。  それで、ゆとり教育というんでしょうか、そのティピカルなものとして総合学習、総合的な学習というものがあるわけでございますが、この総合的な学習、大臣がいろいろ発言をされましたけれども、まずは三年間やってみてどういう状態なのか、いろんな声を聞きます。でも、私先言うよりも、文部科学省としてどういうふうに実態を受け止めておられるのか、その辺本当に知りたいんですけれども。だれもよく分からないというのが実態ではないかと思いますが、いかがでしょう。簡単で結構です。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 総合的な学習の時間の実施の状況については文部科学省で逐年調査を行っているわけでございますが、最近の状況といたしましては、小学校では教科横断的・総合的な課題、すなわち国際理解、情報、環境、福祉・健康などのテーマに関する学習、さらには地域や学校の特色に応じた課題に関する学習に取り組む、そういう学校が多くなっております。中学校では、それに加えまして職業体験など進路に関する学習に取り組む学校が多いという状況がございます。  これまでの成果として、こういった調査では、子供たちが自分の生き方を振り返ったり各分野の専門家の話を聞いたりして学ぶ学習とか、異年齢集団の交流による学習とか、地域の歴史や伝統文化に関する学習などを通じて非常に成果を上げているという報告もございます。一方で、学校として組織的、計画的な取組がまだ不十分であると、総合的な学習と教科との学習の関連付けが不十分であるといったような結果も出ております。  また、スクールミーティングなどを通して先生方からいろいろお伺いをしますと、大変充実した活動を実施するためには計画準備に時間が掛かるといったようなこととか、理念はよく理解しているが具体的な授業の展開に悩みが多いといったような意見も聞かれるところでございます。  全面実施してちょうど三年でございますので、私ども、更に各学校の様子を見ながら総合的学習の時間については検証していきたいというふうに考えております。

小林元民主党・新緑風会

○小林元君 ゆとり教育の根幹というような位置付けだろうと思っておりますけれども、大臣がスクールミーティング等々で、総合学習どうなのかと、削減するとか増やすとか、ああしろこうしろといったことではないと思いますけれども。先ほどおっしゃられましたけれども、そういうことが総合学習、総合的な学習を削減をする、廃止とはなっていないようでありますけれども、そしてそういうものを、この先ほどの世論調査等を見ましても、ゆとり教育を評価しながらも、見直しをするというか、そういうことも出ている、一見矛盾しているようなんですけれども。  そういうことがありますが、簡単にこの辺についての御感想をお願いしたいと思います。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 先ほど申し上げましたように、ちょっと私が発言いたしますとついつい大きく取り上げられがちであったわけですけれども、そのことも、この新聞のゆとり見直し賛成七八%と、こういう国民の中の声がやはりマスコミの人たちの中にもあって、私がそういった発言をするとそれに飛び付いて大きく報道するというふうなこともあったのかなと、こう思っているわけでございますが。  今、銭谷局長も申し上げましたように、これを完全実施して三年でございます。三年という期間は早過ぎじゃないかと、朝令暮改ではないかと、現場が混乱するとかいろんな御批判もあるわけでございますが、三年という期間は決して長い時間ではないと私は思っておりまして、子供たちがもう中学校を卒業してしまう、それぐらい長い時間でございます。子供というのは伸び盛り、本当に一日一日変わっていくわけでございまして、一日も私はおろそかにはしてはいけないと、こう思うわけでございまして、そういう意味では、今最善と思われるそういう学習を与えてやる、これが一番必要なことだと思っているわけでございまして、私の発言等もあるいはきっかけになったのかもしれませんが、この総合的な学習の時間というものが本当にどういうふうなことでやられているのか。  私たちが気を付けなきゃいけないのは、つい、スクールミーティングといいましても、どうしてもいい学校に、来てほしいと言うところに行くということは、来てほしいと言われる学校というのはちゃんとやっていると自信のある学校でございますから、本当はそうでないところもお伺いしたい。抜き打ちに行けるふうなことがあればいいんでしょうけれども、これまた学校現場にも御迷惑を掛けることになりますので、そういう意味では私どもの力にも限界がありますので、この文教科学委員会の先生方のお地元でも保護者の方々からいろんな話を聞いていただいて、是非また私どもにもお教えいただければいいと、有り難いなと思っているわけでございます。  各界各層のいろんな方々のお話を聞いて、少しでもいい教育を子供たちに授けたいと、そういう思いで頑張っていっているということを御理解をいただきたいと思います。

小林元民主党・新緑風会

○小林元君 時間もありませんから端的に言いますけれども、総合学習ですね、やっぱりこの全体の時間が七%削減された。そしてそれに相当する倍以上の時間が、四百時間ですか、を超える時間が総合学習をやるという、週三時間と先ほどもおっしゃられましたが、やっぱり今まで先生方はこれ、こういう授業はやったことないわけですよね。  そして、局長からもお答えがありましたけれども、教科書はない、テーマは自分で見付ける、材料は、そして現場にもですよ、場合によっては。例えば水戸で何勉強するのか、水戸黄門を勉強するとか水戸納豆を勉強すると。例えば水戸納豆を勉強すると。これ工場へ行ったり、資料を集めたり、そして何を勉強するのかと。製法を勉強するのか、あるいはその原料である大豆、水戸は小粒納豆がおいしいと言われておりますけれども、じゃその大豆はどこの産地なの。国産はほとんどない。しかも、遺伝子組み換え大豆が一杯入っているかもしれないというようなこと、いろんなことありますね。流通はどうやっている。関西の人は食べてないが、最近食べてる、どうやって売り込んだのかとか。いわゆる健康食品だとかいろんなことも言われておりますが、もうありとあらゆることを知らないと、調べないと子供たちにも答えられないですよ、これ。簡単に、いや納豆を勉強しようと、こう言うのはいいんですが、とても大変です。しかも、小学校の先生はほとんど授業時間は持っているわけですから、いつ勉強するのと。夏休みも何か勉強、研修しろ、何だと。全部拘束されちゃっていて大変です。  私、先生の弁護をするつもりはありませんよ。理想的な教育をやるのは結構です。やっぱり、いきなり物すごい高いハードルを付けて、荻原選手もいますから、練習、練習というか、オリンピックに向かって飛べって言ったって、これはやっぱり小学生のところからだんだんに一メーターずつ、二メーター高くして、三メーター高くしてって、こういって飛んでいるんですよね。やっぱりそういうやり方とかいろんなこと、まずいと、大臣もおっしゃられると思いますが。  そういうその現実離れした、アメリカでいろいろやってみたけれどもどうもうまくいかなかったと。資料もいただきましたが、何か型どおりの資料でよく分かりませんけれども、私はやめろと言えるか言えないか分かりません。まだ自分の考えも整理できませんけれども、理想は高く持っていいけれども、やっぱりやることは現実的に実現しないと、せっかく、いや立派な先生がいて一生懸命やっている学校たくさんありますよ。だからといって、全部がそうだと、やっぱり補習をやっちゃう先生もおりますしね、いろいろいます。この間も広島の土堂小学校の陰山先生の話が出ましたけれども、いろんなことをやっていますよね。ただ、これは表向きは勉強に、勉強というか、数学、算数とか、百升計算とか音読とかやっていますけれども、もっと基礎に深いところにあってそういうことをいろいろやっているというふうにも聞いておりますし、やっぱりきちんとその辺を整理しないと。  それで、大臣ね、随分トーンダウンしちゃっているなというふうに私思っているんですけれども、宮崎県に行ったとき、一月十八日ですか、授業時間が減って学力が向上するはずがない、国語、算数にもっと力を注ぐべきだ、総合学習をどうするかだというふうに、新聞記事ですよ、書いてありました。ところが、文部省の幹部はそのコメントの中に、自ら学び自ら問題を解決するというゆとり教育、理念は間違っていない、大臣もそう言っています、それを実現する総合学習は必要で、絶対守ると。  しかし、一月二十日に全国の教育委員会、教育長を集めてやったあいさつでは、私は、ゆとりの中で自ら学び自ら考える力など生きる力をはぐくむという現行の学習指導要領の理念や目標に誤りはないと考えている。ただ、ねらいが十分に達成されているか、必要な手だてが十二分にやられているか、課題はあると。それから、総合的な学習の時間の在り方も含めて課題があるという感想をあいさつの中で言っております。  二月十五日、中教審のあいさつで、時間がありませんから省略して恐縮でありますが、この自ら考えを学び自ら考える力など生きる力をはぐくむ現行の学習指導要領の理念や目標に誤りがないということで先ほどの発言を繰り返してはおりますが、ゆとりという言葉もなくなってしまいました。生きる力という言葉になってしまいました。  つまり、そして学習指導要領の見直しに当たってというペーパーをいただきました。二月十五日、中教審に出された配付資料でありますが、その中には、授業時間等の見直しという言葉がありますが、あるいは各教科等の到達目標の明確化とか、あるいは国語力の育成とか、理数教育の改善、重視、こうべたに書いてありまして、余りポイントがないんですよね。すると、これは一体何なのかなと。  ですから、その辺で大臣のお考えは整理されたと言うべきなのか、随分変わってしまったのかなというふうに、変わってしまったというか、変わっているのかなというふうにも順を追っていきますと思えるんですが、いかがでしょうか。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 私の問題意識というのは全く変わっておりません。  今、小林委員がおっしゃいましたように、総合的学習の時間を担当する先生は本当に大変だろうと思いますね。特に小学校、中学校の先生方というのは、自分の専門教科とか教えることには非常に優れていらっしゃるんですけれども、世の中のことまで全部分かっているかというと、なかなかそうではないんですね。  そういう意味で、この総合的な学習というのは、ある意味じゃ外部で、もう社会で現実に活動しておられた方々がある意味ではいろいろと御指導いただいてやるというようなこともいいのかなと思うぐらい、それぐらい小学校、中学校の先生方にとってはこれは大変な負担になっていたんだろうなと、こう思うわけでございまして。中には、もちろんそういうふうなことに優れた、世の中のことがいろんなことを分かっていらっしゃる方もいらっしゃるんですけれども、そうでない方もいらっしゃるということで、この総合的学習の時間のやり方もいろいろ区々で、成果が上がっているところ、あるいは苦労しておられるところ、いい加減になっているところ、いろいろあるんだろうと思うわけでございますが、その辺のところを一体どうなっているんだということを調査といいますか、実証する必要があるんじゃないかなと思っております。  それから、何ですかね、基礎、基本をしっかり教えると。だから、教科内容は削減したんですけれども、授業時間まで削減してしまったわけですね。だから、本当に基礎、基本をしっかり植え付けて、それを基にして自分から考える力というのを育てるということでしたけれども、考えるためにはやっぱりいろんな基礎的な知識が要るわけですよね。そういったことがなくて自分で考えてごらんなさいと子供に言ったって、これは考えようがないわけでございます。  それが、一番私は国語力かなと。やっぱり国語の力、ボキャブラリーといいますかね、語彙の豊富さとか、そういったものがやはり大事だろうと思うわけでございますから、やはり基礎、基本というのはしっかり教えるんだと。もうこれは繰り返し、もうそれこそくどいぐらい教えるということも必要だったんだろうかと思うんですが、その辺のところがちょっとやや軽視された面があるんじゃないかなと、こう思うわけでございまして、総合的な学習によりまして、さっき一番最初に申し上げましたが、子供たち一人一人がたくましくも心豊かに自分の人生を生きていく上の力を授けると、この理想といいますか理念は間違っていない。  そのためにどうしたらいいんだと、先生方はどうあるべきなのか、どういったことがあるのか、その辺をもう少し、もっといろんな手だてとか、そういったものをきちっとやはり用意しなきゃいけないんじゃないかと、そんなことも思うわけでございまして、私の考えというのはずっと一貫して変わっておりませんで、ある意味じゃ、私が余り中央教育審議会の議論を先取りをするような発言を繰り返すのもどうかなと思って今のところはちょっと発言を差し控えておりますが、自分の考え方といいますか、それはずっと一貫しているということは御理解いただきたいと思います。

小林元民主党・新緑風会

○小林元君 時間がなくなってきましたので先へ進ませていただきますが。  いずれにしましても、大変総合学習というのは問題が多いなというふうに考えております。したがって、やっぱり中教審での十分な議論を尽くしてもらいたいなと。もちろん、実態を踏まえて議論を尽くしていただきたいというふうに思うわけでございます。  それで、今ちょっと触れましたけれども、時間がありませんから一方的に言いますけれども、授業時間の確保という言葉なんですけれども、これはやっぱり全体のその授業時間ですか。国際的に見てそんなに日本が劣っていると、そして、例えば土曜日も活用するというふうに大臣もおっしゃいましたが、学校五日制というのはもう世界の流れですよね。それを崩してまで昔に戻すという考えはないと思いますが、五日制は定着をしているというふうに発言をしておられますからあれですが、しかし、世論調査は五日制に反対六六%というようなこともありまして、これはやっぱりきちんと説明をし、納得してもらわないと、自分たちが子供のしつけもできなくて、だから学校に頼むわということも入っているかもしれませんし、それはそれでやっぱりきちんと家庭でやりなさいということを言うほかないんですけれども、もちろん手だては大変難しいことは分かっておりますが、やっぱりその基礎、基本の強化にもっと時間を配分した方がいいんではないかというふうに受け止めてよろしいかと思いますが。  それから、もう時間がありませんので言いっ放しで恐縮でございますが、通告した質問もできませんけれども、最後に、先ほど教員の話が出ました。  教員は今大変苦労をしていると思うんですね。その総合学習だけではなくて、やっぱり先ほどの世論調査でも何となく見えてくるのでありますが、学校に大変期待をしております。何を期待しているのかというと、もうありとあらゆることを学校にやってもらいたいというふうに考えている向きがあるんじゃないかなと。甘えが過ぎるんじゃないかというふうに思うくらいでありますが、しかし、学校側にすれば、これをやってほしい、あれをやってほしいと言えば、それは駄目ですとなかなか言いにくいわけですね、そんなこと。  ですから、その辺のこともあって、不登校だ、いじめだ、それから先生の方にも問題があっていろんな、ありますけれども、ただ、先生は今ほとんど尊敬されていないというか不信の中にありますよね。セクハラをした何をした、酔っ払い運転をした、新聞に書かれますから。それはたくさんいますからいろんな人間います。先生も聖人君子ではありませんからいろんなこともやります、弁護するつもりはありませんが。  やはりそういう実態というものを、一生懸命やっている割には社会的な評価というものが、これはやっぱり高度成長で、昔は、昔はと言うと、もう私らは古い人間ですから戦前を含めて大体分かりますけれども、いい先生が一杯いましたよ。私、旧制中学に入って新制高校で出たんですが、そのころは、一番は高等師範に行くと、二番が東大だと、こういうことがみんな言われていましたね。優秀な先生がたくさん、いや、中山大臣が二番という意味じゃありませんよ、もっと後の時代ですから。今はそういうことはなくなりましたよね。それから、師範の先生もそうだったと思うんですよ。村で本当に立派な人が、あるいは立派なうちの人が師範に行きました。ですから、村じゅうで先生は尊敬されていましたし、頼りにされていました。  今はそういうことはなくなっちゃったですね、ただの職業。そして、先生の方もどうも、やっぱり官僚になった人間ができたんだよなとか、銀行へ行ったやつが優秀だと、おれは中の上ぐらいだと。プライドが持てないというのはもう残念なんですけれども、子供を教えるというプロ意識をもっと持ってもらいたいと私は言い続けておりますけれども。だから、私に子供を預けてくれと、そういう気持ちで預けてくれと言って、もう堂々と胸を張って言ってほしいというふうに思っておりますが。  今までの教育改革というのを見てみますと、大変時間過ぎて恐縮です、あれですね、指導力不足の教員を研修するとか、要するに悪い方というんでしょうか、必罰の方ばっかりやって、信賞というか、先生褒められたことないんですよね。大臣も「甦れ、日本!」でこう言っていますし、褒めよう、しかろう、励まそうと。やっぱり先生だって人の子ですから、先生褒めてあげないといけないんじゃないかな。甘やかすという意味じゃありませんよ。やっぱりそういうことが社会的な考えとしてないと、やっぱり日本の教育の、「甦れ、日本!」ではありませんが、日本の教育は成り立たなくなってしまうんじゃないかなというふうに思っております。  何か、もう時間ですから、感想がありましたら簡潔に伺いますが。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 小林先生が言われましたけれども、いろいろと学校の先生方の不祥事のニュースが出るんですけれども、ニュースに出るというのは、ないことがあるからニュースになるので、珍しいからニュースになるんだということを御理解いただきたい。もうほとんどの大半の方というか、もうほとんどの先生方というのは、私、現場に行きますと、一生懸命なんですよ。そのことを私どもは、まずそれを前提に置いて議論しなきゃいけないと思っております。  私自身もいろんな先生方に恵まれたということを本当に感謝していますし、昔は師範学校出た先生方、立派でございましたし、また昔は青年師範とかいって、なかなか学校に行けない方も青年師範なんか出て先生になっておられましたが、こういう方々も本当に人物的には立派な方がいらっしゃったなと、多かったなと。私どもは、随分そういう意味で感化を受けたと思っておりまして、やはり先生方もこれからも誇りを持って、プロとしての誇りを持って頑張っていただきたいと。  どうも一時期、何ですか、もう自らを下げて、自分たちはもう労働者だというようなことでやられた先生方もいたんです。現場に行ってみますと、教壇がなかったり、あるいは始業のときのあいさつもしないような、あるいはまあ、先生方の中でも服装どうかなと思うような先生もいらっしゃるんですけれども、やはり自らに誇りを持って、プロとしての意識を持ってやっていかないと、子供たちからの、あるいは保護者からの私は尊敬も受けないんだろうと思うわけでございまして、そういう意味で、私どもはもっと先生が尊敬される存在になってほしいと、これがまず私は教育の原点ではないかと、こう思うわけでございまして、先生方の質と言っては大変失礼でございますが、質、能力の向上、そういったことについてもしっかりと取り組んでいかなきゃいけないと、このように考えておるところでございます。

小林元民主党・新緑風会

○小林元君 以上で終わります。ありがとうございました。

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) ありがとうございました。  じゃ、下田敦子君。

下田敦子民主党・新緑風会

○下田敦子君 委員の下田敦子でございます。委嘱審査の定めによりまして、当委員会所管の予算について審査に入らせていただきますので、よろしくお願いいたします。  時間がなくなりましたので、私は、今日お尋ね申し上げたいことがセクション別に大きく分けまして三つございます。で、大変恐縮ですが、関連がありますので、それぞれを小分けにしませんでセクションごとにお尋ねをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  まずその一として、義務教育費国庫負担制度の堅持と教職員定数改善の計画の完成についてお尋ねしたいと思います。  中山大臣におかれましては、一連の三位一体の改革の流れの中で昨年、平成十六年の十一月に、国の根幹を成す義務教育制度に対して国の責任を引き続き堅持するという考えを示されました。さきの参議院の予算委員会におきましても、民主党・新緑風会の輿石議員に対して一貫したお考えを明確に述べられましたことに、まずもって敬意を表したいと思います。  財政論からだけの教育を論じてもらっては困るという御主張も全くそのとおりでございまして、私は、三位一体改革の山場を強く感じましたのは、十一月十七日の日本武道館で開かれました地方分権総決起大会であります。全国から参集した地方六団体始め関係各者一万人の集会、これを拝見して思ったことは、改革の順序を間違えたことによる地方分権への不安と不満、その場面であったと強く記憶しております。私の私見ですが、本来、課税権の分配なくしては三位一体の地方分権は成立しないということのこの混乱を見た思いで一杯でございます。  そもそも、大変失礼ですが、私の傍らにいつも置いてあります聖書をもう一度見てみますと、三位一体というのはザ・トリニティー、いわゆる三者が共同して協力しないと成り立たないという意味のことを恐れ多くも聖書が定めておるわけですが、どなたがお書きになった原案なのか分かりませんけれども、大変私は、混乱のさなかに大臣もあって、とても忍耐の要るお立場だなということを先ほどの本会議から通してつくづく感じました。  二度申し上げなくてもよろしいことかもしれませんが、四千二百五十億円にも上がる原資について、国の負担率の引上げや各種手当の廃止はせずに、従来どおり負担金額を算出後に一定割合を削減する方法をお取りになったわけですが、これも、二年分の総額に対して一年ごとにその削減額を決められたということは、この経過には合点、納得がまいりません。中教審の答申も出てないままに、十七年度予算の暫定処置として同予算を減ずるという誠に日本の教育史始まって以来の前代未聞の予算編成です。  小泉総理は、この一連の流れの決着として、中山大臣と握手をされ、済まぬなあ、まあこらえてくれという発言をされたという報道すらなされております。国の根幹を成し、五十年、百年先を託する子供の教育を、ある種このような政治決着で運んでいいものか、大いに考えさせられるところでございます。  まず一つ目に、義務教育費国庫負担問題の方向性について、いろいろ御答弁されておりますけれども、あえてなお伺いたいと思います。  それから二つ目は、この一般財源化された場合の問題点、これについてお伺いします。  大変こういう場で恐縮ですが、先ほど本会議で不規則発言がありました。米百俵も古々米になってしまったと、そういう発言が聞こえてきまして、私は本当に、この時期とても大事なことだと思います。  これにちなんで伺いますが、第七次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画、これについてお伺いいたします。  この計画は、平成十三年から十七年の五か年計画でその総数を二万六千九百人にするということでございますが、子供の数に教職員が連動して、比例して増減する、これはまあやむを得ない側面もあると思いますけれども、義務教育費国庫負担金制度の廃止されるかどうかによって、いわゆる一般財源化がなされれば、財政力の弱い地方は教育の負担能力に格差が生じてまいります。  あるデータによりますと、今後、大量の退職者が出ることがこの時期予想されます。団塊の世代云々で考えられますが、この少人数指導や習熟度別指導を維持するだけでも教員不足が起きてくるとも示されておりますけれども、特に二〇〇七年以降は一万五千人を上回る新規採用が必要になると見込まれている推計もございます。大都市圏では大量の教員不足が間もなく起きてくると見られてもおりますし、また財政力の弱い地方、特に自主財源の少ない県は、県立高校のみならず、国庫負担金制度が廃止されれば小中学校すべて県が負担せざるを得ない状況が生じ、その結果、遠からず地方も教員不足が生じてくると思われます。この状況をかんがみた上で、国の教職員定数改善計画は果たして成り立ち得るのか、これをお伺いしたいと思います。  次に、中央教育審議会についてお尋ねいたします。  中教審そのものについては予算審議の対象ではありませんので申し上げかねますが、地方から寄せられた何百枚もの直筆のはがきがございます。中央教育審議会のことを伺わざるを得ません。  中教審は、先月十五日、義務教育費国庫負担金削減問題の扱いを含む義務教育の在り方や学習指導要領の全体的な見直し、総合的な学習の時間の検討に入ったようでありますが、その審議内容、特に義務教育国庫負担金削減問題の扱いに対して、将来どのような方向付けを文科省としてはお考えあるいは示されていくか、お尋ねをしたいと思います。  全国の知事会あるいは地方六団体からの地方団体枠が不在のまま開催ということになりましたが、このことに対して、地方代表者が三人登用要求されているのに対してその枠を二人とする意向であると聞いておりますが、地方の声を聞かずんばしてこのたびの改革なのか。方向転換はやり得ないと思います。関係諸団体から一人でも多くの参加を認めた方がよいと望む声が多いようでありますので、それをまずお伺いをして、なぜ認め難いのか、それをお尋ねしたいと思います。  次に、問題行動、不登校等の対応、一貫しましたスクールカウンセラーの全校配置等の事業についてお伺いいたします。  順序は前後いたしますが、関連性がございますので学校安全及び心のケアの充実についてもお尋ねをしたいと思います。  この問題は、スクールカウンセラーについては我が党の佐藤泰介理事も教育サイドから述べておられますが、私は地域福祉、医療サイドからお伺いを申し上げたいと思います。  現代は変革の前夜であると言われています。それだけに、柔軟な心の在り方がそれぞれに問われているという認識も昨今ございます。作家の曽野綾子さんは、今必要なのは大国と言われるに相ふさわしい精神の整備であります、私は現在の日本の危機を貧しさを教育に感じますと述べておられます。戦後六十年を迎え、教育、政治、経済など、従来の規範は大方通用いたしません。今日まで我が国が考えてこなかった、予想もしなかった事件、事故が多発して社会不安を呼んでおります。  こういう今日にあって、せんだって寝屋川市立中央小学校で教職員三名が殺傷された事件が起きました。この犯罪に関与した人物が何か精神的な症状を抱えていたかどうかは今後更に調べていかれることであって、この場でそれを云々するつもりはありません。ただ、最近起きている児童生徒を巻き込んだこのような事件で最もまず最初に考えなければならない点は、小学校サイドの安全対策における問題点を考える前に、我が国の地域社会における精神保健福祉行政とその対策の遅れに言及をしなければならないのではないかと。私は、順序立てて考えたときに、本委員会は文科省の委員会ではありますけれども、それを考えます。  話は少し飛躍しますが、欧米諸国においては、いわゆる精神障害者の閉鎖病棟での施設中心の隔離的政策は、地域社会においてそれぞれの専門家の下で作業療法を通して、あるいは読書をする者は読書、あるいはその日の食事を作る者は作るというふうにして、ケアワーカーやその他の地域のコメディカルスタッフ、あるいはデイケア中心の治療、そして地域社会における実際的治療がきめ細かにされております。  これは、私も何回か参りまして、デンマーク、スウェーデン、特に進んでいる状況を、地域地域のそのサテライトスタジオ的な場所でもって行われている、もう鉄格子をはめた精神病棟からは、だれもいないと言ったら語弊ですが、もう閉鎖されてしまっていると。それぐらい地域の福祉医療行政を絡んだ対策がきめ細かに行われているわけですが、それらを我が国の場面に目を当てたときに、そのケアを受け持つ関係機関の構築が欧米諸国に比べて極めて整っていない。こういうことを考えたときに、私は、児童生徒の安全を考えるのには非常に重要な、まず第一に考えなければならない課題ではないかと。所管外かもしれませんが、縦割り行政を超えた横の連携なり整備が私は必要ではないかと思います。  しかしながら、何らかの精神的な障害は、ふだんの生活、学校での生活、地域社会での生活で何らかの発端があるケースも実際少なくないように思われます。それを気付き、何らかの問題解決に導く方法に模索することもとても重要なのでありますが、ない状態がほとんどの地域で見られます。  例えば、今朝のNHKの放送をごらんいただきましたでしょうか。鹿児島県で、ある精神科の小児の精神を専門とする女医さんが登場されていて、子供のうつ病が非常に増えていると、しかもこれらに対応していく専門医が全国でわずか百人しかいない。  子供のうつ病だけでありません。例えばいじめは、これは文科省の十四年度の発表、そして十五年度の発表ですが、いじめの件数が約千件増えております。それから、うつ病に関しては六年間で三倍。で、見付けるのがとても難しい。こういう領域が極めて薄いというのが、今現在日本の中で言われることであって、先ほどの本会議場の中でただただ教育部門を詮議しても、これはもう成り立たない状況が今日あると思うんです。  そういう観点からお尋ねをしたいんですが、もしこういうことで時間を、今日余りないのでじっくりできませんけれども、香川県の教育委員会が主になって非常に進んでいることをやっておられるのが、私も常がね聞いておりました。それは何であるかというと、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの連携の必要性であります。先般の部門会議で伺いました、ヒアリングのときに、スクールカウンセラーは、予定されているのは教育の経験者であるとか児童委員であるとかを充てるんだと、そういうお話でありましたけれども、残念ながらというか、スクールカウンセラーにこの方々を充てるんだとすれば、やっぱりこういうスクールソーシャルワーカーとかあるいは精神保健福祉士、PSWと言わせていただきたいんですが、こういう人たちの連携が私は大事ではないかと思います。  要するに、教員とスクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーとドクターと、地域にこういう人たちのチームをつくっていかないと、私は今後こういう例は無造作にまた起きる可能性が地域に内蔵しているということをやはり教育界も気付かなければならないんじゃないかと思います。ですから、そのことでどういうふうにお考えでいらっしゃいますか、お尋ねをします。  ちなみに、アメリカには予防教育プログラムというのがあって、これはソーシャルワーカーの先進国であるアメリカにおいては、スクールソーシャルワーカーは常に治療者と臨床家とインストラクター的なアドバイザー的な仕事をチームでやってこられた百年の歴史がある。日本はあるでしょうか。そういうことを、やはり私は文科省のみならず、多岐にわたるこれは地域の仕事であろうかと思いますので、お願いをし、またお伺いしたいと思います。  次に、全国の小中学校──大変恐縮ですが、聞きづらいので。全国の小中学校の数が、これも文科省さんの発表によりますと四万九百六十八校あると書かれてある数字があります。なぜこれだけの数があるのに対してこのたびの予算は約一万校と限定するのか、これもお尋ねをしたいと思います。  それからもう一つ、昨年十二月の内閣府の調査の中で、自閉症児など体外からは見えない障害が非常に現場において理解されずに、本人も家族も苦痛を感じている人、親御さんも多いということが内閣府で発表されて、実にその数が八五%いるということが発表されました。  自閉症児も、これはいわゆるLDと言われる学習障害、それからADDと言われる注意欠陥障害、それからADHD、いわゆる注意欠陥多動性障害、もう教室に黙っていれないと、何だか訳も分からずどんどんどんどん出ては入ったり出ては入ったりする。これらの障害が本人にとっても大変な問題なんだと思うんです。ですけれども、並でないということで、その場ですぐ片付けられがちだ。こういう発達障害に対する特別支援教育の具体的な内容について、まずどういうお考えであるかをお尋ねしたいと思います。  それから次に、学校安全体制整備推進事業なんですが、これを今までいろいろ本会議やらいろんな、当委員会でも伺いますと、どちらかというと防犯カメラを校内に設置したかなどのハードの面での校内施設に重点が置かれているように思われてなりません。もちろんそれも大事です。ですが、今申し上げたような地域ぐるみのソフトな、いわゆる総合的な施策の対策が急がなければならない面だと私は思っておりますが、これの点についてもお伺いいたします。  次の質問は、健康に関する現代的課題の中で、食生活に関する教育の充実のことで申し上げたいと思います。時間がないので前置きは省きます。  食育問題、あるいは文科省では栄養教諭ということを取り上げておられます。私は本業がこの方なものですから、今申し上げたいたくさんのことがありますけれども、アメリカの小麦消費拡大三十年計画というのは、戦争直後、学校給食を通して私どもは当てはめられておりました。で、結果どうなったか。三十年たたないまでに、すっかり私どもは、朝はパン、昼はめん類、晩御飯はやっと御飯、米かなと思うと、最近はスパゲッティが夕食の中心であると。今やアメリカの小麦なくしては暮らせない民族に仕立てられました、学校給食を通して、昭和二十年。これが、今この計画は日本で大成功して、アメリカの自給率一三〇%の国ですから、これがもう隣の中国にこの施策が行っているそうです。やっぱり上海に行っても北京に行っても、マクドナルドもあればケンタッキーフライドチキンもあります。こういう環境があって私どもの子供の食生活が変えられたということもまず考えてみる必要があります。  ですから、最近、これも日本では非常に歴史の浅い学問分野ですが、非行と食生活、これはアメリカでは物すごいデータがあります。ですが、日本では大分大学とか岩手大学では少しくやってきてみえますけれども、非常に浅い分野でもあります。  そこで伺いますが、本年四月より自治体の判断で栄養教諭を配置できることとなりました。ですが、この十七年度の栄養教諭の導入を見送っている自治体が多いと聞き及んでいます。この要因は何であるか。また、栄養教諭を対象とした栄養教諭養成課程講習会、これの実施状況をお伺いしたいと思います。  第一のセクションについては以上であります。時間がもう半分行ってしまいましたので、手短に簡潔にお答えをお願いしたいと思います。  以上です。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) たくさんの御質問をいただきましたので、全部はお答えできないかもしれませんが。  午前中の本会議で趣旨説明、答弁しながらいろんな声が聞こえてまいりましたもんですから、やっぱり大臣も大変だなと御同情いただいたことを感謝申し上げたいと思いますけれども、しかし、それにいたしましても、私どもは、やはりこの義務教育の根幹といいますか、これは機会均等、水準の維持、無償制でございます。もちろん、いつも申し上げますように、教育というのは現場に任せろと、現場主義ということは徹底していかなきゃいけませんが、やはり国として果たすべき役割というのはしっかり果たしていかなきゃいけない。  特に、その機会均等という意味でザ・トリニティーとおっしゃいましたが、三位一体、日本人というのはスローガンに弱いというか、言葉に弱いですよね。三位一体というと非常にいいことみたいなんですけれども、私は三位ばらばらじゃないかと思ったりしているんですけれども。三位のうちの前の方の二位ですね、二位はいいんですけれども、最後のこの交付税改革、これは実は大変なことでございまして、これが実は隠されているわけですね。それが、あっと表に出て、あの七、八兆円削減するということを財務大臣が言ったもんですから、昨年の十一月十七日のあの一万人大集会になったと。あのことが地方団体をまとめて団結させてしまったと思うんです。それまではいろんな意見もあったんですけれども、あの一点に掛けてまとまってしまったなと。だれが仕組んだのか、あるいはそうじゃないつもりだったのにああなったのかしれませんが、私どもといいますか、守る方も一万人ぐらい集まったんですけれども、勢いというのは向こう側にあったのかなと、そんな感じがしているわけでございまして。  しかし、正に今、下田委員が言われましたが、これは単なる財政論だけで論じてもらいたくはないと、そして政治的決着というものにはなじまないんじゃないかということで主張してまいりまして、中央教育審議会でしっかり議論していただこうということになったということは私は本当に良かったなと、こう思っているわけでございまして、それだけに中央教育審議会が非常に脚光を浴びていますし、その責任は重大だと、こう思っているわけでございます。  そのことにつきまして、なぜその三人、地方の方、枠を認めないんだと、こういう話もございましたが、御承知のように中央教育審議会、これかつては七つあった審議会、全員で二百三十七名でしたっけ、の委員だったのを一つにまとめたわけですね。それが一つの委員会、中央教育審議会で、しかも定員が三十名でございまして、ですから、これは義務教育だけじゃなくて、生涯学習から始まりましてすべての教育関係のものをそこで議論するという一番中心のものでございまして、各界各層の方々が入っていらっしゃる中でありますから、そちらの方には二名と、地方団体側からですね。  そして、その中央教育審議会の直属の機関として特別部会を設けると、これで義務教育全般について議論していただこうと。この方につきましては三十三名という枠を設けまして、それでもう既に三名入っていただいて議論していただいているんですけれども、それ以外にも六名の地方の教育長だとか知事さんだとか市長さんだとか入っておられます。そういう意味では、三十三名のうちの十名ですか、十名が地方をよく知っていらっしゃる方々でございますから、そういう意味で、そういった方々が地方の現状を踏まえながらこれから議論に加わっていただくということで、私は地方の意見というのは十分くみ上げられるんじゃないかなと思っております。  また、その特別部会の三名の地方団体の代表の方は、いつでもこの中教審の総会に出て意見を言っていただいてもいいということになっていますから、そういう意味では、決して私ども地方の意見を聞かないように排除したということじゃなくて、むしろ御指摘のように、私どももこれから教育現場、これにできるだけお任せしたいと思っていますから、地方のいろんな方々の意見が反映されるような、そういう中央教育審議会の運営がなされるようにと、これは期待しているということをどうか御理解をいただきたいなと、こう思っているところでございます。  それから、いろいろ意見いただきましたけれども、スクールカウンセラーのことも言われましたが、今日の、今朝のNHKにも鹿児島の取組が出ましたし、昨日は参議院の予算委員会におきましてもこのことが取り上げられまして、うつ病が相当増えているんじゃないかという御指摘で、文部科学省がちゃんと調査すべきだというような御質問でございましたが、これはなかなか難しい問題でございまして、私どもこうなかなか調査ができない、しにくい事柄でございますが、かといって手をこまねいているわけにいきませんので、もちろんこのスクールカウンセラーというのを一万人でしたか、配備しようということもございますが、それだけじゃなくて、栄養教諭の方々も中心になっていただきますが、それよりも何よりも、これはやはりそういった方々だけに任せるんじゃなくて、担任の先生始めみんなで、皆さんで目を掛けていくと、それで早期の発見といいますか、そういったことが必要だろうと、このように考えているところでございますし、また、やはりこれは専門のお医者さんとか、そういった方々のお力もおかりしなけりゃいけないということで、これは地域ぐるみで、地域ぐるみでやはり見守っていくと。  だから、できるだけ早く、早期発見、早期治療ということに専念したいと思いますし、これは学校のことだけじゃないと思っております、世の中全体にうつ症の方が増えておりますし、また今お話がありました自閉症の方も私たちの周りにも大分こう増えてきたような気がするわけでございまして、こういう社会でございますから、これからも増えていくだろうと、こう思うわけでございまして、これは文部科学省だけでやれることじゃございませんので、厚生労働省と、あるいはその他一緒になりながらやっていくべき問題ではないかなと、このように考えているところでございます。  そういったことにつきましては、今アメリカの例も引かれましたけれども、アメリカ、本当に百年以上の歴史もあるわけでございまして、そういったことも参考にしながらやっていかなきゃいけないと、このように思っております。  それから、学校安全体制の話でございまして、これについては、いろんな事件、事故が起こりまして、そのたびに私どもプロジェクトチームをつくっていろんな対策を講じてきたわけでございまして、これにつきましては、いろいろな防犯マニュアルの作成だとかあるいはそういう施設の安全確保だとか、ソフト面、ハード面、両面にわたりましていろいろとやってきているわけでございますけれども、これは端的に申し上げまして、これはもう設置義務者であります方からまずやってもらいたいと。何もかも文部科学省はやりたいわけでございますが、全国全部には目が届きませんし、これにつきましては、やはり地域地域の学校の置かれた現状とか学校の規模とかいろんなものがありますから、まず設置者が考えていただきたいし、これにつきましても、学校全体として、そして保護者あるいはまた地域の方々も一緒になって取り組んでいただきたいなと、このように考えておるところでございます。  それから、食生活の乱れにつきましてもお話がございましたが、私、全く同じ認識でございまして、戦後のアメリカの、まあ本当に日本のためにいろいろと食料を供給して配給してくれたわけですけれども、結果的に、やはりパン食といいますか、そういったことがずっと浸透してきたと。アメリカはそういった戦略的な観点までも含めて考えていたのかどうか分かりませんが、完全にしてやられたなという感じもあるわけですけれども。  今の自給率が四割しかないという問題もございますし、また本当に日本人にふさわしい食生活というのは何かということを考えますと、やはり御飯を主体として、みそ汁と。で、野菜と肉と魚をバランス良く食べること、これが私は基本ではないかと、こう思うわけでございまして、そういう意味で、食育といいますか、食に関する教育というのはとても大事だ。個人個人にとりましても、その一生の健康ということも大事だし、農業という日本の産業の育成、そして食料の安定供給という、これは一つの安全保障体制だと思うわけでございますが、そういったことも考えまして、何とかもっと米飯給食というものを増やしていきたいと、こう思っているわけでございますが、今、週五日のうちの二・九でしたっけ、二・九日ということになっていますね。これは低いところと高いところと差があります。特に低いところというのは、例えば神奈川県ですね。小泉総理のおひざ元が一番低いので、この前も総理にも申し上げたんですけれども、是非都会地においてもっともっと米飯給食を広めてもらいたいなと。  やっぱり小さいときの食生活というのがやはり一生を左右しますから、若いうちに御飯を食べる習慣というものを是非付けさせたいなと、こう思っていまして、そういう意味でも、今回学校栄養教諭という制度をつくることになりましたが、今お話がありましたように、なかなか都道府県によりまして取組が区々でございまして、熱心なところとそうでないところがあるものですから、文部科学省といたしましても、都道府県の教育委員会に是非早くこの教諭になれるような手だてをしてもらいたいと。また、文部科学省といたしましても講習会を開くための経費とかそんなものも予算計上しているわけでございまして、こういったことを通じまして、早く栄養教諭が広く配置されて、子供たちの食育について本当の主体的な活動ができるような、そういう体制を取りたいなと、このように思っているところでございます。  抜けたところとか捕捉するべき点があるかもしれませんので、あとは政府委員に答えさせていただきたいと思います。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 残余の点につきまして御説明させていただきます。  まず、発達障害の子供に対する指導の問題についてお尋ねがございました。LD児、ADHDの子供たちの指導につきましては、昨年の一月に文部科学省として具体的な指導方法や支援体制の整備のためのガイドラインを作成をいたしまして、各学校にお配りをして指導の改善に取り組んでいただいているところでございます。  また、十七年度から、発達障害者支援法の施行を受けまして、特別支援教育体制推進事業という新しい事業を実施をすることにいたしまして、この中で発達障害の子供たちに対する支援について取り組んでいくということにいたしてございます。  それから、スクールカウンセラーの関連で、学校の数が四万校なのにスクールカウンセラーなぜ一万人かというお尋ねがございましたが、小中高等学校合わせますと約四万校でございますけれども、スクールカウンセラーは現在中学校を中心に配置をいたしておりまして、三学級以上のすべての公立の中学校に配置できる数ということで、十七年度は一万人を予定しております。  なお、小学校や高等学校でもスクールカウンセラー御活用いただきますとともに、特に小学校につきましては、子どもと親の相談員ということで別途こういう子供たちの相談にあずかる方を配置をしている状況でございます。  それから、最後でございますが、小中学校の教員の退職と採用のお話もちょっとございました。  数字だけで恐縮でございますが、この春の多分退職者は十五、六万人と推計をされております。これが二十一年の春ごろになりますと二十万人程度退職するというふうに見込まれるところでございます。したがいまして、子供の数自体は減ってきておりますのでそっくりそのまま新規採用というわけではございませんけれども、平成二十一年度ではやっぱり一万八千人ぐらい採用が見込まれております。現在が一万五、六千人でございますので、やっぱり採用者数も増えるという見込みでございます。  今、採用に当たって、年齢制限の緩和ですとか、社会人から教員になりやすくするとか、あるいは今後、教員養成の体制についてどういうふうに考えていくかなど対応を考えているところでございます。  以上でございます。

下田敦子民主党・新緑風会

○下田敦子君 極めて大事な十七年度の予算を審査するというのに時間が全くありません。半分も質問が至っていない状況ですので、いずれの機会にお願いをすることとして、要望にとどめたいことが一つあります。  大変時宜を得たプログラミングがたくさんありまして、国公私立大学を通じた教育改革支援の充実についてということで、現代的教育ニーズの取組支援プログラムというのがあります。私はこの中で是非お願い申し上げたいのは、全く結論だけ申し上げて分かりにくいかもしれませんが、例えばスウェーデンに全く独立した老年精神医学部という学部がございます。日本で認知症などというのがそろそろ言葉が注意されたりなんかしていますけれども、日本でもそろそろ各地方の大学にも老年学講座とかできてはきているんですが、やろうとしている御本人よりも、一緒にやっておられる内科、外科、その他の科が理解が極めて薄い、老年ということに対して。まず、こういうことの充実を図っていただくよう御指導お願いをしたいと思いますし、それからもう一つ、医学部と工学部の連携が欲しいです。  例えば、今、介護保険ということで、筋肉トレーニングなどというのが出てきましたが、これは突然アメリカの器械を持ってくるとか言われても日本の人には合いません。QOLを考えたときには、どうしても工学部が医学部的な、医学部が工学の知恵を欲しい。そういうものの研究開発、全国のをちょっと見させてもらいましたが、とてもすばらしいことにいろいろお力を注いでおられる文科省にまずもって敬意を表したいと思いますが、このことは要望にとどめたいと思います。  それから次に、国際化推進プログラムでございますが、このことでも、後ほどまた時間があるときにお願いを申し上げる、要望申し上げる日もあろうかと思いますので、日本のまず教育に、後期高等教育に必要なのは、私はニュージーランドのある大学関係者に率直に教えてもらったんですが、マーケティングじゃないかと。日本のこのマーケティングの教育のレベルは幼稚園だと、欧米が大学院だとすれば日本はそういう状況だということを言われました。  それからもう一つには、これちょっと時を改めますけれども、マネジメント、サービス学、こういうことに対する日本の文化がありません。例えばアメリカのコーネル大学には、いわゆるヒルトンさんが八十年前に終わって世界各地にホテルを造り、マネジメントをする専門職を用意しているわけなんですが、こういうことに対する日本の文化がない。笑いに対しても、日本の侍は笑うものではないと、男子は特にというふうな文化があって、非常にない文化、宗教上もこれは言えると思います。  ですから、こういうことにおいて、できればマーケティング、あるいは各企業の、あるいは組織のマネジメントをするような分野にもう少し力を注いでいただきたい。  それから、一つだけお伺いいたしますが、医療教育推進プログラムの中で、文科省はどの専門職を考えているのか、一つこれだけはちょっとお尋ねしたいと思います。  例えば、昭和二十二、三年、第一次ベビーブームで誕生した団塊の世代が高齢化して、世界で今までに例を見ない超高齢化社会が、平成二十五年、もう間もなくやってきます。こういう中で、大変日本というのは特異な存在だと思うんですが、医療の場を医師と看護師のみでずっとやってきた歴史が百年も続いています。ですから、今、こんなに高度化したり、あるいは多様化したり分業化している医療の現場にやっていけなくなっているんですね。  こういうことを考えたときに、例えば最も今必要な職種と言われるのにリハビリテーションの専門家、例えばオキュペーショナルセラピストとか、それからフィジカルセラピスト、スピーチセラピスト、放射線技師等々いろいろありますが、細かいことはいずれの機会に譲るといたしまして、本当にそういう意味では日本はアンバランスな世界が今現在あります。  それで、その求人率も、失業率がどんどんどんどん高まっているのに、この世界は三十倍、平均であります。全くアンビバレンスな世界がこの日本にあるわけでございまして、こういうことを考えたときに、この地域医療等社会的ニーズに対応した医療人というのはどの範囲まで指してお考えなのかをお尋ねを申し上げたいと思います。

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) いいですか。時間です。

下田敦子民主党・新緑風会

○下田敦子君 時間ですね。はい、済みません。  ということで、時間が来たそうでありまして、残した部分たくさんありますが、一つだけ付け加えさせてください。ITERの問題です。  今まで時間がどれぐらい掛かって、どれぐらいの費用が掛かって、これからどうされていくのか。フランスのカダラッシュにもう土地が決まったとか。もしこれができない仕事になっていくのであれば、これは本当にそういう意味では、ある意味ですごいことだなと。本当に様々な問題がこれから起き得るだろうと思いますけれども、何か文科省はこのことが駄目だった場合のことを考えてもいらっしゃるという話を漏れ承りました。であれば、これはモラトリアムなのかなと。青森県だけでももう九億もお金を使っております。  以上です。

石川明文部科学省高等教育局長

○政府参考人(石川明君) ただいま先生から、地域医療等の社会的ニーズに対応した医療人支援のプログラムについてお尋ねがございました。  こういった地域医療を進めていく場合、そしてまた先生からお話ありましたように、高齢化社会への対応ということを考えました場合に、医師、歯科医師だけでなくて、それを支える、あるいは幅広く協力をしていく医療人の養成、あるいはそういったチームワークというのがこれから大切になろうかというふうに思っております。  そして、私どものこの十七年度の予算で新たに設けることとしておりますこのプログラムにつきましても、ここで対象としております医療人には、医師、歯科医師だけでなくて、看護師、薬剤師、あるいは先生からお話のございました理学療法士、作業療法士など、医療に従事する幅広い職種を含んだ形で進めてまいりたいと、このように考えているところでございます。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 大変申し訳ございませんが、先ほどの私の答弁で、退職見込者数を十五、六万、あるいは二十万というふうに申し上げたと思いますけれども、けた一つ間違えておりまして、一万五、六千人、それから二万人の誤りでございます。訂正しておわび申し上げます。

小島敏男自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(小島敏男君) 下田委員の質問にお答えしたいと思うんですが、これはITERの関係であります。  ITERの関係につきましては、次世代のエネルギーということで、資源のない日本としては水素を使ったITER計画というものに当初から非常に積極的な取組を見せてきたわけでありますけれども、一番最初に話が始まったのは米ソの冷戦のときでありまして、それが終わってから、米ソで一九八五年に始まったということであります。実際の取組は一九八八年から始まったわけでありますけれども、もう相当の時間が経過をしているわけでありまして、その中で、どういう取組でITERをやっているかということのお話合いが持たれたわけであります。  一兆三千億という巨大なプロジェクトでありまして、これが六極の枠組みということで、お互いに共同してITER計画をやろうということなんですけれども、今から一年四か月前に、それではどこにしたらいいかということで、そのときに、フランスのカダラッシュそして日本の六ケ所村という二つの場所が提示されたわけでありますけれども、フランスのカダラッシュの方はロシア、中国、そういうところが後押しをしておりますし、日本の場合には、六ケ所村にはアメリカとそして韓国が後押しをしているということで、今どちらがホスト国になるべきであるかということで話合いが進んでいる最中であります。  いずれにいたしましても、六か国の枠組みの中でこれからも粘り強く協議を重ねながらこの問題については決着を見たいということで、あきらめたらという考え方は今のところありません。  いずれにしても、三月にはフランスの大統領と、小泉総理がフランスの方に行きまして──フランスのシラク大統領と東京でやりますけれども、そのときにこの辺の問題も相当突っ込んだ話合いが持たれると思いますけれども、次世代のエネルギーの開発ということで、今後も文科省といたしましては積極的に取り組んでまいりたいというふうなことでございます。

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) それじゃいいですか。

下田敦子民主党・新緑風会

○下田敦子君 答弁漏れがあります。どのぐらい時間が掛かったか。費用が……

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) もう時間がありませんから。いいですね。ごめんなさいね。  それじゃ、次に移らせていただきます。浮島とも子君。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 公明党の浮島とも子でございます。よろしくお願いいたします。  本日は、聾学校における教育の在り方について質問をさせていただきたいと思います。  まず、聾の子供たちとその保護者の方々が平成十五年五月二十七日に日本弁護士連合会に対して行った人権救済申立てについてでございます。  その申立ての趣旨は、聾学校においては日本手話が教えられておらず、また使われていないので、日本手話で授業をしてほしいということ、それができるような教員を置いてほしいということが申し立てられているわけでございます。そのことがどうして人権侵害として申立てが行われるまでになったか。これについて申立人らが作成した申立ての概要というメモによりますと、次のような点が指摘されております。    〔委員長退席、理事北岡秀二君着席〕  まず、聾児にとっては日本手話が第一言語であり母語である。だから日本手話によって教育を受ける権利は憲法で保障されている。それにもかかわらず、聾学校では音声日本語を活用する聴覚口話法によって授業がなされている。そのため、聾学校の生徒は授業の内容を十分に理解することがとても困難と感じており、学習進度の遅れ、学力の伸び悩み、大学進学率の低さ、就職職種の限定、聾児への心身発達の阻害、また聾児及び親への過重な負担、第一言語獲得の機会の喪失といった結果が生じている。これは実質的に聾児の教育を受ける権利の侵害である。こういう論理になるそうです。  私は、聾学校の教育について本当に素人で全然分かりませんでした。聾学校では、もちろん教員の皆様は手話ができて、生徒には手話で教え、教育をしているものと思っておりました。ところが、これを見るとどうもそうではない。  それでは実際はどうなっているのかということでいろいろ調べてみました。また、調べてみた上で、聾教育に用いられている方法論にもいろいろあることが分かりました。また、手話にもいろいろあることが分かりました。大きく分けて、手話には日本手話と日本語対応手話があると言います。日本手話は日本語とは別個の体系を持つ独自の言語で、聾者コミュニティーで自然発生的に生まれたものであると言われております。これに対し、日本語対応手話とは日本語の語順で手話を並べていくというものです。  そこで確認をさせていただきたいのですが、文部科学省では、聾学校における日本手話の使用を禁止されているのでしょうか。盲学校、聾学校及び養護学校学習指導要領の配慮の事項には、「補聴器等の利用により、生徒の保有する聴覚を最大限に活用し、効果的な学習活動が展開できるようにすること。」とあり、平成十五年九月八日付けの日経新聞には、日本手話の活用をめぐっては文部科学省は学習指導要領を盾に認めていない方針を貫いていると書かれております。  他方、聾学校において手話を用いてはならないといったような指導方法を指定した法令は存在しないとお伺いしております。法令がないなら聴覚口話法を採用しなくてもよいということなのでしょうか、それとも学習指導要領があるから聴覚口話法を採用しなければならないということか、どちらでしょうか。文部科学省の方針として、聾学校においては聴覚口話法を使わなければならず、日本手話の使用を認めないというような指導方法についての方針があるのでしょうか、お答え願います。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 聾学校の指導方法についてのお尋ねでございました。  まず、いわゆる日本手話を使用することにつきましては、学習指導要領を含めて法的に何らの制約も存在しておりません。各学校において手話を含む多様なコミュニケーションの活用ということにつきましては何らの制度上の規制は存在をしていないということでございます。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 それでは、日本手話で授業をするという方法も学習指導要領に反するわけではないという考えでよろしいでしょうか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) お尋ねのとおりでございます。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 例えば、授業はできるだけ手話と書き言葉でやる、そうすることで聴覚の活用はされないわけですけれども、しかし、それとは別個に日本語の学習、訓練として聴覚の活用を促していくような授業を行う、そういうやり方をたとえ取ったとしても学習指導要領に反するわけではないという理解をしてもよろしいわけでしょうか。また、学習指導要領には法的束縛力があるというのが最高裁の立場ですから、この辺りは明確にしておきたいんですけれども、いかがでしょうか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 学習指導要領は、結局その指導方法については特に制約を設けていないということでございますので、それぞれの学校でいろんな工夫をして御指導いただければよろしいんではないかというふうに思っております。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 平成十年の七月二十九日、教育課程審議会の答申で、「幼稚園、小学校、中学校、高等学校、盲学校、聾学校及び養護学校の教育課程の基準の改善について」の中では、聾学校においては、音声や文字、手話等の多様なコミュニケーション手段の適切な選択と活用に関することなどについて学習指導要領に明記することとすると指摘されております。    〔理事北岡秀二君退席、委員長着席〕  高等部の学習指導要領では、既にこうした手話等の多様なコミュニケーションの項目が明記されております。ここに言う手話というのは、日本手話、日本語対応手話、指文字などがすべて含まれると考えてよろしいのでしょうか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 今お話がございましたように、盲・聾・養護学校高等部学習指導要領の聾学校における「各教科」に属する科目の指導上の配慮事項として、「生徒の聴覚障害の状態等に応じ、音声、文字、手話等のコミュニケーション手段の適切な活用を図り、意思の相互伝達が正確かつ効率的に行われるようにすること。」とされております。ここで言う手話には、日本手話や日本語対応手話、またその中間に当たるような手話、これらすべてを含んでおります。  なお、指文字につきましては、手話とは別のものではございますが、ここで言うコミュニケーション手段に含まれると考えております。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 先ほど、聾学校で指導方法を指定した法令は存在しないということでございましたけれども、そうすると、手話を含む多様なコミュニケーションの活用について、高等部以外の幼稚部、少年部、中等部の学習指導要領には明記されておりませんけれども、幼稚部から中等部においてもこの手話を含む多様なコミュニケーションの活用が禁止されているわけではないと考えてよろしいでしょうか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 聾学校の幼稚部から中等部におきましても、手話を含む多様なコミュニケーションの活用については特に制度上の規制は存在しておりません。  なお、聾学校におきましては、教科以外の時間として自立活動という時間が設けられております。そこでは、幼稚部から高等部までコミュニケーション手段の選択と活用に関することを指導することになっておりまして、そのコミュニケーション手段には当然手話が含まれているというふうに解しております。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 もしも禁止されていないのであれば、手話を含む多様なコミュニケーションの活用について幼稚部そして高等部、すべての学習指導要領に明記すればよいのではないかと考えるんですけれども、いかがでしょうか。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 学習指導要領におきましては、子供の発達段階に応じて教員が特に配慮すべき事項を記載しているところでございまして、聾学校の高等部におきましては、日本語の習得が既に成果を上げていることを前提として、卒業後の就職や大学等への進学を念頭に置いて、手話を含めた多様なコミュニケーション手段を適切に活用することによって、意思の相互伝達が正確かつ効率的に行うことができる力を養うために指導上配慮する旨を学習指導要領に記載しているところでございます。  一方、幼稚部から中学校部の段階におきましては、日本語の習得に指導のウエートを置く必要があることから、そのような配慮すべき事項としては記載してないのが事実でございます。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 幼稚部の方には記載されないということだったんですけれども、私も現に聾学校も見に行ってきたんですけれども、本当に小さい子供たちが口を見て、人の口を見て、口から何かを、先生方もすごいゆっくり、あ、い、う、え、お、のように話すんですけれども、その小さい子供たちが、まだ日本語も理解できてない子供たちが人の口を一生懸命見て理解するというのもとても大変で、まだ不可能ではないかなというのを実感した次第でございます。なので、やはり小さいときから手話などを用いて教えていってあげた方がよいんではないかなという、現場で私はそれを感じたんでございますけれども、既に、本当に現場では手話の導入が進んできております。これを書くことに問題がもしないのであれば、是非ともこれを書いていく方向で考えていただけたらと思います。  近年、米国と北欧諸国からバイリンガル聾教育という指導法が入ってまいりました。これは、第一言語として手話を獲得し、そして第二言語としてその国の音声言語、例えば日本語の読み書きを獲得するというものです。発話や読話ということを重視する従来の考え方とは大きく異なり、耳が聞こえない、正確な発音ができないという現実を直視して、視覚という残された能力を最大限に生かすことが自然であり、聾児たちにとって学習の負担にならないという考え方に基づきます。  この方法は、学力レベルの向上にかなり効果を上げていると報告されております。デンマーク聾学校の報告では、バイリンガル聾教育において熟達した指導が継続的になされるならば、聴覚障害児の集団団体全体が健常児に勝るとも劣らぬ学力レベルを達成することを可能とする指導方法であるということを示したと報告されております。  また、ベトナムを始めアジアの幾つかの国々でもバイリンガル聾教育の実践をしているようです。近年、聾児やその親の方々がこのバイリンガル聾教育を自らNPOとして立ち上げ、取り組んでおられ、日本でも公立の聾学校でバイリンガル聾教育を取り入れてほしいということを主張されております。  このように、効果もニーズも指摘されているバイリンガル聾教育ですが、このバイリンガル聾教育の聾学校への導入についてどのようにお考えでしょうか。大臣にお伺いしたいと思います。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) バイリンガル聾教育というのは、今お話がございましたように、聴覚障害の子供がその国で用いられている手話を習得した後に、その国の文字言語の習得を目指す指導方法であると理解をいたしております。  我が国の聾教育におきましては、聴覚口語法を始めいろいろな指導方法が用いられているわけでございますが、その一つにもちろんバイリンガル聾教育法があろうかと思いますけれども、バイリンガル聾教育につきましては、日本においてはそれほど実践例が多くない状況であるというふうに認識をいたしております。  教育におきましては、指導方法を不断に見直し、発展をさせていくということは大変重要でございますので、私どもといたしましては、バイリンガル聾教育を含む学校現場の多様な実践ということを見守ってまいりたいと思っております。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 例えば、幼児部から高等部の各段階でバイリンガル聾教育を取り入れたいという学校が出てきた場合、それは学習指導要領に反するということで認められないということはあるのでしょうか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 先ほど来申し上げておりますように、指導方法ということにつきましては特に制約はございませんので、認められないということはないと思います。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 聾教育については、これまでどのような方法が正しいかなどについてかなり厳しい対立が現場や理論レベルであったようでございます。しかし、要するに聴覚障害を持った子供たちにとって何が一番いいのかが重要であり、その観点から判断していくべきだと思います。子供たちの学力が向上する中、親や教員、生徒とのコミュニケーション能力がどれだけ発達するのか、知的成長、人格的な成長が図られるのか、また、社会参加をしていける能力を身に付けることができるのかという観点から、諸外国やNPOなどの取組で効果が出ていると言われる様々な方法について、開かれた態度で積極的に客観的な検証をしていくことが重要だと考えます。  諸外国においても、長年真剣な取組の成果として今のバイリンガル聾教育というものが出てきているわけでございます。口話法、手話、口話法と手話の併用等、障害の程度や学習の到達度に応じてどのような方法が日本語習得及び科目習得における学習効果が高いのかについて客観的、実証的な比較研究をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) やはり教育の充実を図るためには、客観的、実証的な研究というのは大変重要だと思います。御指摘の比較研究につきましては、学校現場の多様な実践事例、あるいは期間的にも相当期間の検証が必要だと認識をしております。  現在、新しい一つの試みといたしまして、独立行政法人国立特殊教育総合研究所におきまして、聾学校におけるコミュニケーション手段に関する研究、特に教職員の手話活用能力の向上とこれを用いた指導の在り方の検討というテーマの調査研究を平成十六年度から実施をしているところでございます。今後とも、特殊教育総合研究所などにおける指導方法に関する調査研究を推進をしてまいりたいと考えております。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 大臣もおっしゃられたように、「甦れ、日本!」、現場主義、今スクールミーティングでいろいろ学校を回られていると思われるんですけれども、是非ともこの現場に足を運んで皆様の声お聞きしていただきたいと思います。  また、先日、つい最近、三月の十二日なんですけれども、日本経済新聞の夕刊に載っておりました、「東大チームが確認 「教育に活用を」」というのがあったんですけれども。東大の助教授の研究チームが発表したことでございますけれども、長い間、手話は不完全な表現方法と見られてきたため、多くの聾学校では、読話術や発声の訓練が中心で、手話は禁止されたり補助的な役割にとどまっていたりしていた。しかし、耳の聞こえない人、聞こえる人、計三十三人を調査。日本手話や日本語の会話のビデオや音声で視聴した際に脳のどの部分が活性化するかMRIで調べた。その結果、聞こえる人が音声による会話を理解するときに活性化する部分と、耳の聞こえない人が手話を理解する際に活性化する部分は完全に一致したとのことでございます。「手話が単なる身ぶり手ぶりとは違い、高度な脳機能による「言語」だと証明された。」と新聞に載っておりました。  私も、本当に子供たちにとって何が一番良いのかという観点から積極的な取組をお願いしたいと思います。  大臣が先日、たしか大仁田議員の方に対する御答弁で、やる気のある、勉強したい子供たちの才能が開花するようにしていきたいという趣旨のことをおっしゃっていましたけれども、まさしく聾児たちも同じです。先ほどにも大臣は、考えるために基礎、基本が大切だともおっしゃっておりましたけれども、本当に良いものであれば積極的に取り入れ、聾児たちの才能を最大限に開花させていっていただきたいことをお願いしたいと思います。  また次に、聾学校の教員の手話能力についてお伺いいたします。  まず、聾学校の高等部指導要領に手話を含む多様なコミュニケーションの活用が明記されておりますけれども、教員の手話を含む多様なコミュニケーションの活用、能力を確保するための手だては講じられているのでしょうか。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 私も、今から十三年前、政務次官のとき聾学校を訪問したことがございましたが、是非早い機会にもう一回行ってみたいと。聾だけじゃなくて、いろんな障害の学校のところに足を運びたいと、このように考えております。  そして、今、浮島委員がおっしゃいましたけれども、いろいろな障害を持った子供たちも精一杯生きているわけでございますから、やっぱりその能力が最大限に活用されるように、またそれを指導する先生方の養成というのも本当に大事だろうと思うわけでございまして、今政府委員が言いましたように、この国立特殊教育総合研究所、ここでもいろんな研究がなされておりますし、また学校現場でもいろいろ実践が行われているというふうに聞いているわけでございますが、私ども、そういった研究とか実践例を本当に率直に耳を傾けて、本当にできる限りの努力をしていかなきゃいけないと。最初に言われましたけれども、正に子供たちのいろんな持っている才能が十分開花できるような、そういう手だてをこれからもやっていきたいと、このように考えております。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 先ほど申しましたけれども、先日、八十年来の歴史のある都立の聾学校に視察に行ってまいりました。その学校は、かつて口話法を厳粛に守っていた伝統のある学校でございましたけれども、今の新しい校長先生になられて四年目なんですけれども、手話を積極的に取り入れられるようになったと言われております。手話を導入して生徒たちが本当に生き生きしたという校長先生の御意見でございましたし、私も子供たちを見て、本当に小さな幼稚園の子供たちも生き生きと手話を使って遊んでいる姿を見て、本当に明るいなということを実感してまいりました。  しかし、この学校では、校長先生の方針で教員の方は全員が手話を習いに行かなければならないということになっております。しかし、手話の研修については費用が出ないので、教員の先生方が自分で手話の研修費用を払わなければならないことになっております。聾学校に赴任する先生というのは、必ずしも聾学校の教員免許を持っているわけでもなければ、自ら聾学校へ赴任を希望しているとも限らないわけでございます。普通学校に勤めていた教員が突然の異動の通知が来て、準備する間もないまま、わずかな研修を受けて聾学校の教員になることも多いと、その学校の校長先生もおっしゃっておりました。そういう仕組みをつくっておきながら、自分で何とかしろというのもとても酷な話ではないかと思うわけでございます。  また、手話については研修をするかどうかも含めて学校が判断するということなので、全く手話を学ばなかったり、研修が著しく短かったりするようなこともあるとお伺いしました。それでは教員と耳の聞こえない生徒のコミュニケーションに支障が生じますし、授業の質にも影響してくることになると思います。  今、聾学校において、手話を含む多様なコミュニケーションの手段を導入して耳の聞こえない子供たちの可能性を最大限に引き出していこうという方向になっているわけですから、時期や方法はいろいろあるにせよ、どこかで聾学校の教員の手話能力というものを確保できるような仕組みをつくる必要が是非あると思います。この点について真剣に取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 大学の先生の研究でございますけれども、授業における手話の使用ということで、先生方が授業でどのぐらい手話を使っているかという調査研究がございます。その率が最近やっぱり高まってきております。全員が手話を使っている学校も半分前後出てきております。ですから、手話というのはやっぱり重要なコミュニケーション手段でございますので、指導に当たる教員においても、手話を含めた様々なコミュニケーション手段を活用できる専門性を確保することは大切なことだと思っております。  そこで今、各学校や教育委員会において必要に応じて手話を含めた研修が行われておりますし、大臣からもお話がございましたように、特殊教育総合研究所において研修を実施をして、この中で手話も取り扱っております。  なお、今後、教員養成において手話を含めた言語指導に関する内容をカリキュラムの中に含めることについて、今中教審でも議論をしているところでございます。

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) まだやられます、まだ。──はい、先生。浮島とも子君。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 是非とも積極的に進めていただけますように、よろしくお願いします。  先生になられる、教師になられる方々は本当に子供たちが好きで、子供たちとともにコミュニケーションをつくって、教えて一緒にやっていきたいという方々だと思います。やっぱり子供と先生たちのコミュニケーションがこれからも大切になっていくと思いますので、是非とも全力で取り組んでくださるようによろしくお願いいたします。  これで終わります。ありがとうございました。

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) ありがとうございました。それではいいですね。  じゃ、山下栄一君。

山下栄一公明党

○山下栄一君 私は、大学入学資格検定、大検制度が廃止になり、高等学校卒業程度認定試験制度にこの四月一日から変わることの問題につきましてちょっと質問をさせていただきたいと思います。  この制度につきましては、我が党の松あきら参議院議員が熱心に繰り返し質問にも立たれ、また、文部科学省にもいろいろ申入れされたり意見交換しながら、この制度が中教審でも取り上げられ、そして様々な検討を経て、いよいよ四月一日から実施されると、こういうことになったわけでございます。  この制度の意義、大検制度が新しいこの高等学校卒業程度認定試験制度に変わる意義、それからこの制度の根拠法令ですね、ちょっと教えていただきたいと思います。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) 大学入学資格検定に関する見直しのお尋ねでございますけれども、若干経緯を申し上げますと、大学入学資格検定は昭和二十六年に、経済的理由等によりまして高等学校に進学できなかった勤労青少年を対象に大学入学資格を付与することを目的として発足したものでございます。  しかしながら、高等学校進学率の上昇に伴いまして勤労学生の受検割合が低下するとともに、一方で高等学校中途退学者が増大いたしまして、現在の大検の受検者の六割程度が高校中退者が占めるというような状況になっておるわけでございます。そういう中で、その大学入学資格検定に対して、大学入学資格だけではなくて就職等においても高等学校卒業と同程度に扱われたいという御希望が寄せられるようになったわけでございます。  そういう中、一方、その大学入学資格につきましては平成十五年九月に制度改正が行われまして、大学の個別審査によりまして入学資格を付与することが可能となったと。  そういう状況を踏まえまして、今後、大学入学資格検定につきましては高等学校卒業程度の学力を認定する試験としての性格をより明確にし、その学習成果がより適切に評価されて就職や各種の職業資格の受験資格における取扱いにおいてもより広く活用されるよう見直しを図ったところでございまして、平成十五年十月に中央教育審議会に対して諮問を行いまして、昨年八月に答申をいただき、今回の改正を行ったところでございます。  また、今回の、今回のと申しますか、高等学校卒業程度認定試験の根拠法令でございますけれども、これは学校教育法施行規則の第六十九条に、大学入学資格に関しまして、高等学校を卒業した者と同等程度の入学があると認められる者というものを定めておるわけでございますけれども、その中の四号に、高等学校卒業程度認定試験規則による高等学校卒業程度認定試験に合格した者というものが掲げられておるところでございまして、この規定によりまして、この高等学校入学資格検定を合格いたしますと大学入学資格が与えられるというような法令の仕組みになっておるところでございます。

山下栄一公明党

○山下栄一君 就職それから進学ですね、大学進学、また各種職業資格を得るに当たっての前提となる高校卒業程度の学力認定だというふうには思うんですけど、そういうふうなことを証明する、そういうことで非常にメリットがあるわけですけれども、これ、高校卒業程度認定するっていうか、合格を認定するのかな。何を認定するのかということと、認定するのはだれかということをお聞きします。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) この高等学校卒業程度の学力を認定する試験でございまして、これは文部省におきましてこの試験を実施しておるところでございます。

山下栄一公明党

○山下栄一君 認定の主体者は文部科学大臣でいいんですかね。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) はい。

山下栄一公明党

○山下栄一君 はい。それで、これ中教審の議論でも慎重な扱いが必要であるということをおっしゃっているんですけど、ちょっと心配な点をちょっと確認させていただきたいというふうに思っております。  ちょっとこれ、試験の名前は高等学校卒業程度認定試験と、こうなっているんですけど、ところが、第一条ですかね、第一条では「高等学校を卒業した者と同等以上の学力があるかどうかの認定のための試験」と、こうなっているわけですね。これが非常に微妙というか慎重な取扱いが今後必要であるというふうに言われた背景だと思うんですけどね。高等学校卒業と同じ資格はありますよと、この試験を合格をすればと、卒業資格ですね。卒業資格を付与せよという意見と、高校卒業程度の学力を認定する、条文には学力認定って書いてあるけど、この制度そのものは学力という言葉は出てこないんですね、これね。高等学校卒業程度認定になっているんですね。  この辺の、こういうふうになっていく背景があると思うんやけど、ちょっと微妙なとこなんですけど、私はこれは非常に重要なところだと思うんですけどね。こういう言い方で規則作ったら、本当は学力認定なのに学力という言葉抜けてる、それをちょっと教えてもらいたい。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) 今回のその大学入学資格検定を高等学校卒業程度認定試験と改めます場合に、中央教育審議会の中におきましても御議論のございましたのは、今先生がおっしゃられましたように、高等学校卒業程度の学力があると認める試験とするか、高等学校卒業資格を与える試験とするか、どっちにするかという議論があったわけでございますけれども、これに関しましては、試験で測れるのは、高等学校を卒業したと同程度の学力があるということをこの今回の試験で測ることができるんだろうと。高等学校と全く同じ勉強をしてきたということまで、高等学校卒業資格を与えることまでこの試験でやることは難しいんじゃないかと。  中教審の中でもいろいろ御意見があったわけでございますけれども、最終的には、今回の見直しにおいても、やはり高等学校卒業と同程度の学力があると認める試験ということで性格付けがなされたところでございます。

山下栄一公明党

○山下栄一君 いや、そのとおり、そういうふうに条文に書いてあるんですけれども、試験の名前がね、学力という言葉が抜けているんですよ、これね。これは抜けさした意味があると思うんですけれども。  これ、例えば就職するときにですね、就職するときに、高校卒業していません、しかしこの試験は合格しましたと、試験の中身は正にこの主要教科が中心の学力試験やからね、高卒というわけにはいかぬと思うんですけれども。ところが、受け入れてくれる、就職するときには、そういう学歴欄かどこの欄か知らぬけれども、そういうところに、この試験を合格したということを文部大臣から認定してもらっていますと、合格したですと、その試験の名前が卒業程度認定試験の合格者というふうにするわけよね。だから、卒業程度の学力を認定したと書かへんわけですよ。そうして、もらった雇主は、ああこの人は高校卒業程度、まあ分かりやすく言えば高卒だということになるという。  私、心配するのは、これ高校中退したと、一年生入ってすぐやめたと、もう。もう学校に合わないと、自分の望んだ学校じゃないと。それで、もうこういう勉強をするための例えば予備校的なところに行ったと。そういうことを、今少子化で受験産業もこういうところに進出する背景があるんですけれどもね。そうすると、出席が、高校に行っていないと、ほとんど。それで、中心的な英語とか地理とか数学、理科、単位数も、卒業単位は七十四単位やけれども、この卒業程度認定試験は多くて二十八単位でこの試験になるわけだから全然単位数違うわけよね。だから、これは丁寧に世間に認知しないと。この辺が非常に微妙な問題で議論になったと思うんですけれどもね。  時間がないので、私一番心配するのは、実際これはあったことなんですけれども、例えば高校に入学しましたと。で、三年生になりましたと。三年生になって、年齢は大学受験の年齢になってくると。高校を中退すると。中退して大検を受ける。この制度やないけど大検を受けて、それで、そうすると、受験に要らない科目捨てて専念できるわけやね。高三になった後ほとんど学校行かなくてもう受験勉強に専念できると。それで、大検合格して、実際有名大学に通った人もおるわけですよ。それは非常に悪用しているわけやけれどもね。  ただ、これ、そういうことをちょっと議論もされているんですけれども、中教審でもね、高校卒業認定試験というふうに言ってしまうと高校卒業資格を与えてしまうわけよね、これ。ほとんど三年間高校行かないと。行かないで、例えばそういう専門にする受験産業が現れて、例えばね、それで高校卒業認定試験合格すれば大学受けれるわけやから、もう受験に要らないのは全部捨象、捨ててしまって、そればっかり専念してというふうなことをあおるようなことになってはいけないなということを思うんです。  だから、ちょっとこれは、確かに中教審でも今後慎重な扱いをせないかぬということを書いてあるのに、結果的にこの試験の名前がこういう名前にしてしまうと、学力認定試験やなくて卒業程度、高卒、卒業程度認定試験になってしまうと、これはちょっと世間に誤解を与えるんじゃないかなというふうに思うんですよ。  さっきもちょっと触れましたけれども、受験産業でそういうふうなことを、今も、中退扱いにしないで転学の形を取って、単位制高校を受験産業がつくって、実質はもう受験勉強を一生懸命さして、もちろん単位ももう与えるわけですけれども、単位制で高校卒業の単位を与えてというようなことが実際始まっているんだ、世間では。だから、こんなことにこれを、試験が悪用されたら、せっかくのメリットが変なふうにいってしまうと。やっぱり中退者に配慮してこの制度をつくったのに、受験テクニック的なことでこれを利用してしまうとえらいことになるなと。  要するに、高校の空洞化を恐れるわけよ、僕はね。高校卒業というのは別に主要教科を勉強するためだけにあるのではなくて、それはまあ中教審でも議論されていますけれども、そういうことにならないような配慮を、これ実際四月一日から始まるんですけれどもね、世間でもこれ認知してもらって、就職とか単に大学進学だけやなくて、様々な高卒で受験資格あるような国家資格もあるし、就職で高校卒業の資格を欲しいというふうなこともよく分かるんですけれども、それが、そのバイパスの制度が本当にこれ悪用される可能性もあるなということを感じましたので、ちょっとこれは慎重な扱いと同時に、実態もよく調べていただきまして、高校教育が空洞化にならぬように、是非ともしっかりとした取組をお願いしたいと。中教審でも、心配であるということで引き続きというようなことがあった話ですしね。この試験の名前そのものが誤解を与える名前になってしまった規則になっているので、ちょっとこれは非常に今後心配だなと思いますので。  最後、ちょっともう時間ないので、大臣の方から御感想をですね、このやり取り聞いていただいて。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 高等学校教育への影響についての御質問でございますが、高等学校は、教科・科目の履修だけではなく、その他の様々な活動、生徒間や教員との交流などを通じて知徳体のバランスの取れた人間形成を行うという大きな意義を有する教育の場だと、このように思っております。  私、個人的なことを申し上げて大変恐縮ですが、私、高校二年のすぐ、おやじが急死いたしまして、家が農家だったものですから、もう学校をやめて大検を受けようと決心して家に帰っておりましたら、有り難いことに、授業料も寮費も免除すると、奨学金までいただいて復学できて卒業できたんですけれども。この前の寝屋川の小学校のあの加害者も十七歳でございました。正に十七歳だったわけでございますが、自分のことを考えますと、学校に残ってて良かったなと、単なる教科とか科目の勉強だけではなくて、仲間との交流とか先生方とのいろんな御指導をいただきまして高校を卒業できたということは本当に良かったなと自分でも思っているわけでございまして、中教審の答申でもありますように、新しい試験の実施によって現在の高等学校の意義、重要性は何ら変わるものではないと、このように御指摘されているわけでございます。  御懸念のような悪用ということもあるかもしれませんが、しかし、教育の弾力化といいますか、多様化ということに資するようなプラスの方向になるようにこの制度が運用されるようにやっていきたいなと、このように考えております。

山下栄一公明党

○山下栄一君 終わります。

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) よろしいですか。  それじゃ最後に、小林美恵子君。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。今日私は、学校の耐震化問題を中心に質問させていただきます。  先月私は、被災地であります新潟の長岡市、十日町市の学校へお伺いをいたしました。国立長岡高専では校舎が、私が見るところ十センチほどの亀裂が入っていて、もう分断されているというような状態でもございました。本当に恐ろしいなというふうに実感したんです。また、長岡市では五十四校すべての公立の学校が被害を受けており、三校は使用できないと。四郎丸小学校などでは、グラウンドにプレハブを建てて、被害があった校舎というのは足場を組まれていて痛々しい状態で、復旧に向けた状態でございました。子供たちはプレハブの教室で勉強もしていました。  また、十日町市の中学校では、体育館の窓枠が崩れて、全部外へ出て、体育館が避難所の役割を果たさないで、それで避難される方々は教室の校舎の方に三百人余りも避難をされたというお話がございました。私が行きましたのは先月でございますので、震災から四か月たっておりましたけれども、でも、改めてあの地震による被害がどんな大きなものであったのかということを本当に痛感をした次第です。  それで、現場では、印象的な話が、耐震補強しているかいないかが明暗を分けたという、そういうお話もございました。改めて私は耐震診断、耐震化が本当に重要だと思います。しかし、新潟での耐震化は四二%、また診断率は一三・四%でした。全国的に言っても、耐震化四九・一、診断率は四五・二%。やっぱりここの推進というのは急務だというふうに思います。  そこで質問いたしますけれども、文部科学省は今年一月に市町村に対して調査をされておられると思いますけれども、そこに耐震化が進まない理由が挙げられていると思います。それはどういう理由でしょうか。

萩原久和文部科学大臣官房文教施設企画部長

○政府参考人(萩原久和君) 耐震化の進んでいない理由でございます。  先生御指摘のように、今年一月に都道府県教育委員会を通じまして市町村から事情をお聞きしたところでございます。  それによりますと、一番大きいのは地方自治体における財政上の理由、耐震化をやるその工事費のことでございますが、財政上の理由が一番多うございました。  それから、耐震化を進めているんですが、莫大な施設量があるといいますか、学校数多いものですから相当数の量があるために、一生懸命計画的にやっているんですけれども年数が掛かっているという、それが二番目でございました。  それから、学校の統廃合が計画されておりまして、せっかく補強してもすぐ建て直すということになりますと無駄になりますけれども、そういう統廃合を併せて検討しているために耐震化少し見合わせていると、こういうような事情が寄せられております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 その予算措置が、例えば財政が大変だというふうにおっしゃっている、そういう市町村といいますか割合というのはどれほどあるでしょうか。

萩原久和文部科学大臣官房文教施設企画部長

○政府参考人(萩原久和君) 数でございますが、設置者の数で約二千九百ほどの設置者にお聞きしております。そのうちの事業費について、その事業費でもって耐震化が困難と答えられた方が二千百強ございまして、比率にしますと約七三%ということでございました。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 大変財政が大変だということが七割も声が上がっているということでございました。  では、私はここで耐震化の前提となります耐震診断についてお聞きしますけれども、文部科学省として二〇〇二年七月に耐震診断未実施の建物について実施計画を策定するように依頼をされていると思います。この計画はいつまでに終えることになっているでしょうか。

萩原久和文部科学大臣官房文教施設企画部長

○政府参考人(萩原久和君) 先生御指摘のように、文部科学省は設置者に対して、まず耐震診断をやって、耐震診断やらないと補強工事できませんのでやるようにお願いしているところでございますが、平成十七年まで、十五年から三か年で耐震診断をやっていただくようなお願いをし、各設置者において計画を立てていただいて、その計画についてお聞きして、三か年計画ということを我々承知しているところでございます。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 じゃ、今の御答弁でいきますと、いわゆる二〇〇五年度中に終える計画になっているということになりますよね。  そこで聞きますけれども、この間のいわゆる診断の実施率の伸びの推移はいかがでしょうか。

萩原久和文部科学大臣官房文教施設企画部長

○政府参考人(萩原久和君) 毎年四月に調査しております。一番最新のものとしましては平成十六年四月に実施したものでございますが、それは十五年度中に耐震診断したというものを調べているわけでございますが、四五・二%ということでございます。  ちなみに、その前年度、十四年度分について十五年四月に調査したものが三五・〇%でしたから、約一〇%伸びているということでございます。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 ですから、直近でいきますと一〇%の伸びだと。そうしますと、このテンポでいきますと、今四五・二%ですから、二〇〇五年度中に終えるというのは大変厳しい状態にあるというふうに私は見ざるを得ないというふうに思います。  そこで、大臣にお聞きしますけれども、こうした状況になっているのはなぜか、そういう点を大臣はどのように見ておられるか、お聞きしたいと思います。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) この耐震診断三か年計画の実施状況について見ますと、計画初年度であります平成十五年度の場合には実施予定率が四七%に対しまして四五・二%でございますから、ほぼ順調に進捗しているんではないかなと、このように受け止めておりまして、今後とも各設置者におきまして計画どおり耐震診断が行われるようにいろんな機会を通じて指導してまいりたいと考えております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 順調に推移しているというふうにお考えなのですか。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) そうです。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 いや、それは先ほどの御答弁でいきますと、一〇%ぐらいしか年間伸びていないというふうにおっしゃっていました。それでどうして順調に伸びるのかなというふうに、私は不可思議でなりません。ここはやっぱり現状を見る分析の仕方というのに大きな問題があるのではないでしょうか、大臣いかがですか。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) この計画表によりますと、十五年度で四七・四%、十六年度で六三・〇%、十七年度で八九・七%実施すると、こういうふうな計画でございまして、十五年度は今申し上げましたように四七・四%に対しまして四五・二%ということでほぼ計画どおりでございますから、十六年度、十七年度で同じペースでいけば大体計画どおりいくんではないかと、このように考えておるということでございます。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 いや、私は、先ほど大臣とそれから文部科学省からの御答弁いただきましたけれども、それを見合わせてもそういうふうにはなかなか見えないというふうに思います。  それで、現場でいきますと、先ほどの理由もございましたように、とにかく財源がないというのが現場の声でございました。十日町市では、すべての学校の診断をしていなかったというふうに市教委の方がおっしゃっていました。診断だけでも、とにかく一学校で三百万から四百万円掛かり、財源がないのだと。そしてこの地震で、そして、こうしてこの地震で甚大な被害になったんだと私は思うんですね。  そういう点からいきますと、私は、耐震診断をする補助もやっぱり国として具体化していかなくてはならないと思いますけれども、大臣はいかがでしょうか。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 耐震診断の経費につきましては、補助事業の申請がある際に、補助事業の実施年度の前年、前々年度までに実施しました耐震診断経費については補助対象にしているところでございます。また、平成八年度からは、地震防災緊急事業五か年計画に計上されております耐震補強事業については、その事業のために計画期間内に行った耐震診断経費についても補助対象としているところでございます。  文部科学省といたしましては、今後とも耐震化推進の前提となる耐震診断がより一層進むように、引き続き地方公共団体への取組の支援に努めてまいりたいと考えております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 診断して、要するに二年以内に補強すれば補助をするという仕組みになっているという御説明でございますけれども、しかし、長岡市では実際に診断を実施しておられましたけれども、例えば旧基準の建物で、古い建築のほど耐震性が低いというふうにおっしゃっていました。その棟が百四十五棟ある中で、耐震化はわずか五棟だというふうに話されていました。つまり、補強にもやっぱり費用が掛かるわけですよね。  で、耐震化を進める上でも、どこから手を付けていいのか見通しが持つという意味では、やっぱり診断は重要であると思うんですね。それが二年以内であれば補助をしてくれるというふうにはありますけれども、でも、それではどこから付けていいか分からないと、後もたくさん莫大な費用が掛かるということで、やっぱり自治体は手が出ないんですよね。その点では、私はどこから手を付けていいか、その点を見据える上でもやっぱり耐震診断というのは本当に大事で、その補助というのは国としてやっぱり行うべきではないかというふうに思うんです。  それで、改めて、診断への補助に今こそ、こうした大きな被害があったわけですから、国として踏み切るときだというふうに思いますけれども、大臣、改めてお伺いします。

萩原久和文部科学大臣官房文教施設企画部長

○政府参考人(萩原久和君) 耐震診断をやらないと耐震補強ができないということがございまして、耐震診断がその耐震補強の前提であるということでございまして、それに対して先生先ほど御指摘のように一校当たり数百万ということがあります。ただ、耐震補強の方はその十倍あるいは百倍のお金が掛かってきますから、数千万円から数億円掛かるということもございます。これがワンセットなものですから、耐震診断のお金もそれは自治体にとって問題なんですけれども、よりその工事費が問題でありまして、これがセットになっているということでその耐震診断がなかなか進まないという面もあるわけでございまして、ですから、そこをいかにして効率よくその耐震診断をやり補強をやっていくかということ、それを今有識者会議で検討していただきまして、実は今日、その報告書を受けたところでございます。  工事費についても、効率よくやるために建て替えから補強へというような提言いただいています。工事費がそれで三分の一あるいは二分の一になれば相当なお金が出まして、一校分のお金でもう耐震診断も全部できるというぐらいのことになるわけであります。ですから、耐震診断だけに注目するのじゃなくて、工事とセットでその辺を効率よくどうやってやっていくかということを提言いただいたわけでございます。  それと、耐震診断も、先ほど先生、古い学校ほど危険だとおっしゃいました。確かにその傾向はあるんですが、やはりよく見てみると、新しくても危険なのはあるんですね。ですから、それを見分けることが大事でありまして、その有識者会議の専門家の岡田先生によりますと、約三分の一が大破、倒壊するおそれがあると。だから、それを早く見付けて、その危険なものからやっていくようにというような御指摘も受けているわけですが、その危険なものを見分ける方法としてみまして、優先度調査というのを岡田先生提言しております。それに基づいて効率的にやっていきたいと、このように考えております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 新しいものも危険なものはあると、そういう意味では改めて、学校の施設の整備の安全性というのは改めて重要視されるということですよね。  そこで、私はお聞きしたいと思います。今、地方自治体が公立小中学校の新増築、改築、改修などの建築費、さらに維持管理、運営のための修繕費、水道光熱費、さらには過去の施設整備に費やした地方債の償還の経費など、年間どのぐらいの金額になっているでしょうか。

萩原久和文部科学大臣官房文教施設企画部長

○政府参考人(萩原久和君) 公立学校の施設関係経費でございますが、平成十五年度の地方教育費調査報告書というのがございます。それによりますと、公立の小中学校及び盲・聾・養護学校の小中学部相当の施設関係経費でございますが、総額で平成十四年度で約一兆八千億円となっております。その内訳としましては、中身でございますが……

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 それはいいです。

萩原久和文部科学大臣官房文教施設企画部長

○政府参考人(萩原久和君) はい、それはよろしいですか、はい。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 一・八兆円というお話がございました。  そこで、これは今日公表されているんでしょうか、学校施設整備指針策定に関する調査研究協力者会議というところがお出しになりましたその報告の中に国の財政支援の必要性ということがございまして、そこの中にこういうことが書いてあります。設置者の財政負担の大きい公立小中学校施設の整備については、地域間の財政力格差がそのまま学校の安全性の格差につながらないよう、国が必要な財源を安定的に保障しというふうに書いてあります。  そこで、私はお伺いしたいと思いますけれども、実際はどうかということなんですね。で、お手元に資料を配付さしていただきました。それは文科省さんが作成されたものでございますのでよく熟知されている資料だと思いますけれども、この間の公立学校施設整備予算額の推移をグラフにしたものでございます。一九八〇年度でいきますと五千九百二十九億円、これがピーク時です。そして二〇〇四年度では一千四百二十一億円、補正予算二百八十億円ありましたけど、震災関連で。で、二〇〇五年度でいきますと一千二百二十一億円になっています。  ここで私はお聞きしたいと思います。これはかなり減額をされてきています。これが、例えばこの会議で報告されている国の財政支援が必要であるというふうに書かれている文書からいってもこの減額というのは余りにも矛盾をしている。これでどうして必要性になるかということを大臣はどのようにお考えでしょうか。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 確かに、このグラフを見ますと、二十五年前は六千億近くあったんだなと、随分減ってきたなと、こう思うわけでございまして、これは何といいますかね、少子化が進む中で量的な整備の段階から質的な整備の段階に移ってきたと。とりわけ安全とか健康とか、あるいは多様な教育内容あるいは方法等に対応して、できる限り豊かな環境整備の必要性というようなことも踏まえながら、減ってはきながら、まあ頑張ってきたのかなということを見たところでございます。  特に、何度も答弁しておりますが、この学校設備というのは、児童生徒がその一日の大半を過ごす活動の場でありますし、また非常災害時には地域住民の応急避難場所にもなるということでございまして、その耐震化が最優先の課題であるということは、これはもう紛れもない私は事実だと、こう思うわけでございまして、今年の予算におきましても相当な力を入れていると。財政非常に厳しい中においても、このことにつきましては力を入れてきたと思っていますし、また今日の有識者会議の御提言もあります。これから相当の額のこれはお金が要るなと、こう思っておりますけれども、これからも引き続き最優先の課題として取り組んでまいりたいと考えております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 今お示ししましたその公立学校施設整備費の予算額の推移をごらんになって、財政難の折によく頑張っているなというふうに大臣はおっしゃいましたけれども、この推移で頑張っているという、そういう御答弁が私は問題だというふうに思います。  やっぱり耐震診断、耐震化を進める上でも、ここの予算の増額を抜本的に図らなければ、本当に必要な学校に対する安全な施設整備というのは拡充されないというふうに思います。  改めて私はこの抜本的な予算の増額を求めまして、今日の質問を終わります。  ありがとうございました。

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) ありがとうございました。  どうも長時間ありがとうございました。  それじゃ、以上をもちまして、平成十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち日本学術会議及び文部科学省所管についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) ありがとうございます。御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) それでは次に、国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。中山文部科学大臣。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 大変お疲れのところ恐縮でございますが、提案理由を説明させていただきたいと思います。  このたび政府から提出をいたしました国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  義務教育は、知育、徳育、体育の調和の取れた児童生徒を育成し、国民として共通に身に付けるべき基礎的資質を培うものであり、国は、憲法の要請により、すべての国民に対して無償で一定水準の義務教育を提供する最終的な責任を負っております。  一方、政府においては、いわゆる三位一体の改革に関する政府・与党合意に基づき、国及び地方を通じた行財政の効率化を図る観点から国庫補助負担金の改革等を進めているところであります。  このうち、義務教育制度については、その根幹を維持し、国の責任を引き続き堅持する方針の下、費用負担についての地方案を生かす方策と教育水準の維持向上を含む義務教育の在り方について今年秋までに中央教育審議会において結論を得ることとし、それまでの平成十七年度予算については暫定措置を講ずることとしております。  この法律案は、こうした政府の方針を受け、義務教育費国庫負担金についての平成十七年度限りの暫定措置を講ずるとともに、文部科学省関係の補助金の整理及び合理化を図るものであります。  次に、この法律案の内容の概要について御説明いたします。  第一に、義務教育費国庫負担金について、平成十七年度限りの暫定措置として本来の国庫負担額から四千二百五十億円を減額するための所要の措置を講ずるものであります。  第二に、市町村が行う就学援助に係る国の補助についての対象を要保護者に限定するなど文部科学省関係の補助金の整理及び合理化を図るものであります。  なお、このことに伴う地方財源の手当てについては所要の財源措置が講じられることとされております。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いいたします。  ありがとうございました。

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) ありがとうございました。  以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  次回は来る二十二日の午前十時から開会することとして、本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十二分散会

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