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162回国会参議院2005/03/18

農林水産委員会 第4号

発言数
197
登壇者
16
会派数
4
開催日
2005/03/18

会議録

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨十七日、広田一君、尾立源幸君及び工藤堅太郎君が委員を辞任され、その補欠として主濱了君、松下新平君及び小川勝也君が選任されました。     ─────────────

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  委嘱審査のため、本日の委員会に厚生労働大臣官房審議官岡島敦子君、厚生労働省医薬食品局食品安全部長外口崇君、農林水産大臣官房長小林芳雄君、農林水産省消費・安全局長中川坦君、農林水産省生産局長白須敏朗君、農林水産省経営局長須賀田菊仁君、林野庁長官前田直登君、水産庁長官田原文夫君及び海上保安庁次長石井健児君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) 去る十六日、予算委員会から、本日一日間、平成十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管及び農林漁業金融公庫について審査の委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。  島村農林水産大臣から説明を求めます。島村農林水産大臣。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 平成十七年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。  平成十七年度一般会計予算における農林水産予算の額は、関係府省計上分を含めて、二兆九千六百七十二億円となっております。その内訳は、公共事業費が一兆三千百二十四億円、非公共事業費が一兆六千五百四十八億円となっております。  平成十七年度の農林水産予算は、消費者を重視した食料の供給・消費システムの確立、農業の構造改革の加速化と農業環境や資源を保全する対策の確立、未来志向の取組に対する積極的な支援を図るとともに、森林吸収源十か年対策の第二ステップの推進や、元気が出る水産業の確立を進める観点から、重点施策に思い切った予算配分を行うなど、新たな政策展開が図られるよう編成いたしました。  また、地方分権の理念に沿って国の関与を縮小するという三位一体改革の趣旨にのっとり、骨太な目的ごとに補助金を統合・交付金化するとともに、公共事業について省庁連携を強化することなどにより、地域の実情に応じて地域の自主性、裁量性が発揮できる仕組みに改革することとしております。  以下、予算の重点事項について御説明いたします。  第一に、消費者が安心し納得できる食生活が実現できるよう、消費者を重視した食料の供給・消費システムの確立に努めてまいります。  このため、家畜の伝染性疾病の発生防止の徹底や発生時の蔓延防止対策の充実等により、産地段階から消費段階にわたるリスク管理の確実な実施を図るほか、最先端の情報処理技術を活用した食の安全・安心システムの開発、導入を推進します。  また、食育については、関係府省と連携し、一層力強い国民的な運動となるよう尽力してまいります。  さらに、担い手を始めとする生産者と食品産業の連携強化により、安全で安心な国産農産物の利用拡大を進めてまいります。  第二に、食料自給率向上の前提となる人と農地、水を確保するため、農業構造改革の加速化と農業環境や資源を保全する対策の確立を図ってまいります。  このため、担い手への施策の集中化、重点化を一層推進するとともに、農地の利用集積の加速化と総合的な遊休農地解消対策を推進してまいります。  また、担い手を対象とした品目横断的な経営安定対策の導入に向け、必要な調査や交付システムの設計を実施してまいります。  さらに、環境や農地、農業用水を適切に保全する政策体系を構築するため、どのような手法が効率的、効果的か、調査を実施してまいります。  このほか、本年度に引き続き、米政策改革に関連する施策を着実に推進してまいります。  第三に、農業者や農村が、創意工夫を発揮しながら、前向きな取組に挑戦していけるよう、未来志向の取組に対する積極的な支援を行ってまいります。  このため、農林水産物や食品の輸出促進に向けて、海外における通年型販売拠点の設置等により、販路の創出や拡大を図るとともに、産地づくり、輸出検疫条件の整備等を総合的に実施してまいります。  また、国の内外における新品種の権利侵害への対応や、産学官一体となった商品の開発促進等を通じ産地ブランドを確立してまいります。  さらに、産地における競争力強化に向けた攻めの取組を支援し、国産農畜産物の力強い生産供給体制を確立してまいります。  このほか、国際競争に打ちかつための新技術の開発と成果の普及を推進するとともに、バイオマス・ニッポン総合戦略の強力な推進を図るほか、農山漁村地域の再生に向け、地域の個性や創造力を活かした取組に対し、地域の裁量性、自主性が発揮されるような形での支援を推進してまいります。  第四に、森林・林業政策については、森林の有する多面的機能の発揮及び林業の持続的かつ健全な発展に向けた施策により、森林吸収源十か年対策の第二ステップにおける取組を強力に推進してまいります。  このため、団地化により効率的な間伐を一層推進する新たな間伐対策を実施し、多様で健全な森林の整備、保全を重点的に進めてまいります。  また、間伐材を中心とする地域材の利用拡大に向けたキャンペーンの開催や木質ペレットの規格化等により木材と木質バイオマスの利用を推進するとともに、緑の雇用の着実な実施と地域資源を活用した起業支援により、担い手の定着と山村再生を推進してまいります。  このほか、近年の台風、地震等による激甚な災害の多発を踏まえ、山地災害の発生の危険性の高い地域で治山施設と森林の整備を一体的、重点的に行ってまいります。  第五に、水産政策については、水産物の安定供給の確保と水産業の健全な発展を実現するための施策を総合的に推進してまいります。  このため、経営の改善を図る漁業者等への支援のほか、魚価の安定対策の強化、漁協等の販売力や体質の強化、内水面漁業の振興等を通じ、元気が出る水産業の確立を図ってまいります。  また、我が国周辺水域における水産資源管理の強化やつくり育てる漁業の推進等により、海の恵みの持続的な利用を進めるとともに、漁港における衛生管理機能の充実等により、安全で安心な水産物の生産・供給体制の強化を図ってまいります。  さらに、離島漁業の再生を図る取組に対する支援や、都市と漁村の共生・対流等により、多面的機能を発揮する水産業、漁村への支援を推進してまいります。  次に、特別会計については、食糧管理特別会計等について、それぞれ所要の予算を計上しております。  最後に、財政投融資計画については、農林漁業金融公庫等による財政融資資金の借入れ等総額二千二百五十億円を予定しております。  以上、平成十七年度農林水産予算の概要を説明いたしました。  委員各位におかれましては、よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) 以上で予算の説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次発言願います。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 自由民主党の野村哲郎でございます。  私は、十七年度予算についての内容の中で、特に、昨日、食料・農業・農村政策審議会の答申がございまして、十七年度の畜産価格並びに関連対策が、答申があったわけでありますが、このことにつきましては、島村大臣を始め、そして常田副大臣、加治屋政務官、役所の皆さん方の大変な御労苦に心から感謝を申し上げる次第でございます。  そこで、昨日答申のありました畜産の関連対策について、二、三質問をさせていただきたいと存じます。  まず一つ目でございますが、環境対策につきましては、平成十六年度で終了となっておりましたけれども、皆さん方の大変な御尽力によりまして十七年度より更に三年間延長され、本年度百二十八億の予算措置が図られたところでありますが、ところで、この家畜排せつ物処理法が昨年の十一月、完全施行になったわけでありますが、この実施状況について御報告いただきたいと存じます。

白須敏朗農林水産省生産局長

○政府参考人(白須敏朗君) ただいま委員からお話しのとおり、昨年の十一月から家畜排せつ物法、完全施行になったわけでございます。  これにつきまして五年間の猶予期間があったわけでございますが、おかげさまで全国の畜産・酪農家、それぞれに大変に御努力をいただきまして、昨年の十二月段階で私どもが調査をいたしましたところ、この管理基準へ対応いたしております農家は全体で九九・四%ということでございまして、ほとんどの農家がその管理基準に適応していただいたということで大変に、農家の努力もさることながら、先生方からも大変御指導いただきまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 今お話がございましたとおり、簡易対応の農家がまだあるということで認識をいたしておりますが、これから本格的な施設整備に進めるためには、今回のリース事業の延長につきましては大変農家の皆さん方も安心した、そして本格的な施設の整備や、あるいはまた規模拡大が図られる、こういうことになっていこうと思います。  しかし、この事業は、浄化処理施設やあるいは堆肥舎、これらに対するもので、中小家畜の農家につきましては大変中小零細でございますので、ふん尿処理施設への投資なりあるいはランニングコストに耐えられないために発酵床によります飼育に転換しておりまして、ふん尿をリサイクルする農家も実は出ております。  こうした取組につきましては、あるいは飼育方法といいましょうか、これにつきましては、去る二月の六日、常田副大臣、鹿児島においでいただいたところでありますが、常田副大臣や加治屋政務官には実際のところを見ていただいておりますので、率直なこの発酵床によります飼育についての御感想をいただきたいと存じます。

常田享詳自由民主党農林水産副大臣

○副大臣(常田享詳君) 何しに行ったかということでございますけれども、鹿児島で森林、林業の大会がございまして、大臣の代わりに行かせていただきました。その際に、大変有意義な視察をさせていただきました。それが、今、野村委員御指摘の発酵床による豚舎であります。  養豚経営では家畜排せつ物の処理が重要な課題であり、畜舎内において土壌菌等を含んだおがくずの上で豚を飼育する発酵床方式は、まず、独立した尿処理施設を設ける必要がなく設置及び維持管理に多額のコストを要しない、また、ふん尿処理作業の効率化が図られる等、長所があり有用なものと受け止めているところであります。  なお、実はこの発酵床豚舎を経営しておられる方は鹿児島の方でありますけれども、民間結集型アグリビジネス創出技術開発事業という農林水産省の補助事業でこうじ菌の発酵熱だけで水分九五%のしょうちゅう廃液を乾燥して飼料化することに成功しておられまして、この飼料化したものをこの今の豚にも食べさせるということで、正にしょうちゅうと、鹿児島の芋じょうちゅうと黒豚が連携して循環型の形をつくっているというすばらしい施設でありました。大変いい勉強させていただきまして、ありがとうございました。

加治屋義人自由民主党農林水産大臣政務官

○大臣政務官(加治屋義人君) ただいまの常田副大臣お話しのとおり、私も全くそのとおりだと思っております。  ただ、一口言わせていただきますと、全くにおいがないよねと、きれいだよねと、そして人手が掛からないよねと、豚が生き生きしてるよね。  私はかねて、豚というのはイメージ的に言わせていただきますとローカル少年だというふうに言わせていただいていたんですけれども、ここの豚舎で育った豚というのは、野村先生のごとく、正にシティーボーイだと、こういうふうに感想を持たせていただきました。  終わります。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 今、常田副大臣と加治屋政務官から、実際見ていただきました感想を述べていただきましたけれども、実は、この発酵床につきましては、御存じのない委員の方もいらっしゃると思いますけれども、今、常田副大臣からございましたように、土着菌なりあるいはまた酵素菌によりまして豚が排せつするふん尿を発酵させる方式でありまして、言わばふん尿処理を豚舎内で完結をする。したがいまして、浄化処理施設が要らない。これは無排水のシステムであります。  それからもう一つは、今お話がありましたように、臭気、においが出ない、ハエが発生しにくい、こういうメリットがあります。さらには、大変この農家の皆さん方の高齢化している中で、ふん尿のかき出しをしなくてもいいと。  大変私は何拍子もそろったすばらしい仕組みだ、方式だというふうに思っておりますが、実はこの発酵床は畜産環境対策として環境に負荷の掛からない大変すばらしいシステムだと思っておりますが、ただ、今回の延長されました環境対策のリース事業の中に入ってない、そういう問題が実はあるわけであります。  したがいまして、今回、継続をいただきました関連対策の中でこの発酵床に対する支援対象になるかどうか、ここについてお伺いをしたいと存じます。

常田享詳自由民主党農林水産副大臣

○副大臣(常田享詳君) 先ほども申し上げましたけれども、また加治屋大臣政務官も言われましたが、大変そのにおいが、本当全くにおいもない、また、床に敷いてある土壌菌と混ぜているおがくずも一年半に一回取り替えればいいというようなことでありまして、発酵床方式は養豚経営における家畜排せつ物処理に対応する上で極めて効率的であるし、本当に新しいそういう技術を取り入れているということはすばらしいことだと思います。  このため、その導入に当たり必要となる床材、壁材等の資材等について、地域における多様なこういった活動を支援するために、確かに今御指摘のとおり、今までそれに対する補助事業がありませんでした。このたび、その視察を踏まえまして、地域養豚振興特別対策事業において今後、補助の対象とさせていただくことにいたしました。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 いや、もう今までこの事業は何年もお願いをしてきた案件でありますけれども、なかなか補助対象にならないということで農家自らやっておりましたが、今回、常田副大臣の大変な前向きな御答弁をいただきまして、もう心強く、もう勇んで帰りたい気持ちが実はいたしております。これからやはりこの養豚の肉資源、どうしてもやれるところは限られておりますので、守っていかなきゃならない。そして、基本計画の中でもうたってございますように、担い手としてやっぱり育てていかなきゃならない、そういう意味での投資も大きいわけでありますが、今の大変な前向きな御発言、御答弁をいただきましたので、元気の出る養豚に私どもも一生懸命、またその方面でも働かさせていただきたいと思います。本当にありがとうございました。  それから二つ目の御質問でございますが、肉用牛対策の中で二百六十一億措置されておりますが、今回の酪農対策の一環として、新規事業として、乳用種牛肉の評価向上のための生産・販売対策の創設ということで六億が計上されているというふうに伺っております。ただ、新規事業でございますので、どういった対策を打たれるのか、内容を教えていただきたいと存じます。

白須敏朗農林水産省生産局長

○政府参考人(白須敏朗君) ただいまの乳用種牛肉の評価向上のための対策の内容でございますが、御案内のとおり、乳用種牛肉、いわゆる乳雄でございます。これにつきましては、我が国の牛肉生産の四分の一を担うというふうなことで、現在でも手ごろな価格の国産牛肉というふうなことで消費者からは一定の評価を得ているわけでございますが、ただ、流通業者等の実需者から見ますと、肉質の点で若干ばらつきが多いといったような点が問題点ということで指摘をされているわけでございます。  したがいまして、この乳雄、いわゆる乳用種牛肉につきましては、通常の和牛といった肉の専用種ほどの肉質自体の追求は必要はないわけでございますが、ただ、飼養管理技術をやはり向上をさせまして肉質を底上げしていく必要がある、あるいはまたトレーサビリティーといった制度を軸といたしまして、より信頼性の高い、そういうブランド化を進めていく必要があるというふうなことでございまして、このいわゆる乳雄に対する評価の向上というものを図っていくことが必要なわけでございます。  したがいまして、ただいま委員からもお話しのとおり、十七年度から、国産牛肉の市場開拓緊急対策事業というふうなことで生産者の取組を支援してまいりたいわけでございますが、具体的に申し上げますと、一つには、生産から育成、肥育と、それぞれ段階があるわけでございます。それぞれの段階におけます生産者なり実需者という皆さん方に集まっていただいて、どういうところが問題点があるのかといったようなことをよく議論していただく協議会、それからそれを具体的に販売する戦略を、地域販売戦略を作っていただく。  それからもう一つは、やはり酪農家のところで、具体的にはぬれ子が出てまいるわけでございますが、そういった場合に哺乳ロボットというふうなことで、生産性を向上する機器がやはり必要であろうという、そういった機器の整備、あるいは研修会の開催といったようなことで、具体的に飼養管理技術というものを向上させていく。  あるいはまた、申し上げておりますこのトレーサビリティー制度、牛のトレーサビリティー制度といったものを軸といたしまして、飼養管理情報というものを公開していくと。そういうシステムを活用いたしまして、この乳雄の、乳用種牛肉のブランドを確立していこうと。それで、それを通じまして実需者との連携を行いまして、具体的に消費者に対する販売促進活動を行っていくというふうなことでございます。  こういったことを通じまして、実需者のニーズに対応した形で国産牛肉の新たな市場開拓、獲得ということで取組を支援してまいりたいというふうに考えている次第でございます。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 乳用種の牛肉は国内肉資源の重要な位置を占めているわけですが、今お話が局長からございましたとおり、やはりこの黒牛と、それから輸入牛肉とのきちっとした差別化をしていかないと、これはもうバッティングしていくというふうに思います。  したがいまして、今お話がありましたように、飼養技術の管理なり、あるいはまた実需者との販売対策、こういうのをこの事業を通じて是非とも強力に進めていただきたい。そのことが今後想定されておりますいろんな輸入牛肉とのバッティングのところで有利性を発揮していくんじゃないかという気がいたしておりますので、新規事業といえども、このことについては是非成功をさせていただきたいと思います。  それからもう一点、最後にお聞きしたいと思っておりますのが食肉流通対策であります。  この中で、農水省では、この食肉流通対策として、産地食肉センターにおけるピッシングの中止に対応した体制の整備として十五億を計上されております。このことにつきましてはいろいろ今までの中で、安全、安心の仕組みの中でも議論がされてきたところでありますが、この管轄をしておられます厚労省は、ピッシング問題に対する今後の基本的な取組についてお答えをいただきたいと思います。

外口崇厚生労働省医薬食品局食品安全部長

○政府参考人(外口崇君) ピッシングについては、BSE発生当初からこれを中止するよう都道府県を通じて屠畜場を指導してきたところであります。  一方で、中止した屠畜場で事故が発生したとの報告もあるため、従事者の安全の確保と食肉の安全性の確保を両立させることが必要であることから、直ちに禁止措置をとるということは困難と考えております。やむを得ず継続する場合には、ピッシングの際に脳などの組織が付着した表皮等については取り除いて焼却処分するなどの汚染防止措置を行うようにしておりますが、ピッシングの中止を進めるために、現在、既にピッシングを中止できた屠畜場の事例を集め、中止するために行った様々な取組や中止後の状況を整理して都道府県に情報提供するための作業を進めているところであり、いまだ中止されていない屠畜場についての対応方針作成を都道府県に要請する予定であります。  農林水産省や都道府県ともよく連携し、ピッシングの中止に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 今のお話で、なかなか禁止は無理だと、やむを得ず継続している施設についてはいろんな情報を与えながら今後中止に向けた取組を進めると、こういうお話でありますが、ピッシングを中止している屠場は全国でどのぐらいあるか、数字でお答えいただきたいと思います。

外口崇厚生労働省医薬食品局食品安全部長

○政府参考人(外口崇君) 平成十六年十月末の数字では百六十施設中四十五施設においてピッシングを中止しております。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 約三割近くのところが中止をして、七割がまだピッシングをしている、こういう状況だと思いますが、ピッシングを中止させる方法はもう今までどおりのような指導という形で行われるかどうか。先ほど、いろんな成功している工場といいますか、実施している工場の情報を集めてやる、その程度のものなのかどうかの基本的な姿勢のところをお伺いしたいと思います。

外口崇厚生労働省医薬食品局食品安全部長

○政府参考人(外口崇君) 先ほど申し上げましたように、実際にピッシングを中止した施設において、例えば、その後、作業員の方が牛の足でけられて事故を起こす、例えば顔面をけられたりとか胸をけられたりとかそういった事故が実際起きておりますので、今直ちに規制というルールを作るということはこれは難しいと思います。  ただ、やはり枝肉汚染の可能性というものはできるだけ少なくしていかなければいけませんので、これを進めていくわけでございますけれども、その方法としては、いろいろお話を聞いてみますと、それぞれの屠畜場によって状況が大分違います。そういったこともあるわけでございますので、四十五施設、中止に成功しておりますそれぞれが行った取組についてできるだけ細かく情報提供をして、それらを組み合わせてそれぞれの屠畜場に中止に向けた取組をしていただこうと、このように考えておるわけでございます。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 そうしますと、農水省では、今回そうしたピッシングのための、導入するための予算措置として十五億計上しておりますが、厚労省としてはこれに対する予算措置があるのかないのか、お聞かせいただきたいと思います。

外口崇厚生労働省医薬食品局食品安全部長

○政府参考人(外口崇君) ピッシング中止をするために、例えば設備とかそういったもので実際決定的なものがあればよろしいんでございますけれども、実際には各施設とも何か特別の設備を入れればそれで中止できたというわけではございませんで、いろいろな組合せ、いろいろな工夫の組合せをして中止しているのが実情であります。  私どもといたしましては、そういったこともございまして、先ほど申し上げましたようなそれぞれの事例を整理して、各都道府県でそれぞれの屠畜場でどういった対応が必要かということを今整理してもらおうと思っているわけでございますけれども、それを踏まえて、どういう対応が必要か、御指摘も踏まえてよく検討してまいりたいと思います。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 それでは、農水省の方にお伺いしますけれども、今回農水省においてピッシング中止に伴う予算措置、これは具体的にどういう内容で組まれておるか、お答えいただきたいと思います。

白須敏朗農林水産省生産局長

○政府参考人(白須敏朗君) そのピッシングの廃止に向けました取組ということでございまして、私どもの事業の具体的内容ということでございます。  御案内のとおり、先ほどもお話ございましたが、やはり作業中に牛の、神経反射というふうなことで牛が暴れる可能性があるわけでございます。そういった場合に作業員の方がとっさに逃げられる程度のスペースといったものを広げる必要があるということとか、あるいはまた安全のために作業手順を見直すということ、あるいはまたそこで働く作業員の方の十分な理解が必要であるというふうに私どもとしては聞いているわけでございます。  そこで、従来から私どもとしては、食肉センターの整備に当たりましては、屠畜の一連の工程に係ります機械施設は補助の対象にしているわけでございますが、今般、こういったこともございますので、補助事業を拡充をいたしまして、ピッシングの廃止のために使用されます機械、例えば脳に穴を空けることなく牛を失神させるといったような、そういうことができるスタンガン、こういったものを使用した屠畜システムの導入でございますとか、あるいは、ただいま申し上げました退避スペースといったものを確保していくというふうな施設の改修ということを補助対象に追加するということにしたわけでございます。  こういったことを活用いたしまして、今後とも食肉センターにおけますピッシングの廃止の取組というものを積極的に支援してまいりたいというふうに考えている次第でございます。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 今お話しのように、農林省では、農水省ではスタンガンなり施設の退避スペースを整えるための予算措置を十五億もしてある。一方、厚労省の方では、まあソフト的な面の予算はあったにしても、こうした非常に目的のはっきりしている、いわゆるピッシングを中止さしていくという、そこのところが農水省と厚労省によって全然違う。これは、受ける屠場におきましては、農林省管轄ではどんどん十五億を使ってやっていく、厚労省管轄の屠場においてはこれができない、補助もない。そうなりますと、行政の横の連携、縦割り行政の非常にひずんだ形が出てきたんじゃないか。非常にこれは私は、両省の取組に温度差もあるし、取組の内容にも全然違うものがありますので大変おかしいと思うんです。ですから、本当に厚労省の方で全く予算措置がされていないというのであれば、これはなかなか農水が十五億つくったにしてもやらない、こういう話になっていくんじゃないでしょうか。  先ほどお話がありましたとおり、確かにピッシングをやっているところはけがが少ない、あるいはまた屠場の、屠殺の時間が二分掛かるものが、ピッシングをやめれば四分掛かる、今まで八十頭処理できたものが、牛は四十頭しかできない。そしてまた、社員のトレーニングをしない限りこれはなかなか難しい、できたらやりたくない、やめたくないというのが実態なんですよね。ですから、そういう意味におきましては、厚労省と農水省のここの予算措置から一つ取っても姿勢が変わってまいりますと、同じそういった行政の中で大変私は現場は混乱していくのではないかと、かように思います。  ですから、島村大臣、是非ここのところは連携を取っていただいて、農水省の方はもう十五億円予算措置があるわけですから、じゃ厚労省管轄の屠場はどうするんだというところまで一緒にやっていただかないと末端に非常に混乱を起こしますので、そのことは是非厚労大臣ともお話しをいただきながら連携を取っていただきたい、お願いを申し上げたいと思います。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) そのように努めてまいります。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 それでは、時間がありませんので、基本計画のところで質問をさせていただきたいと思います。  実は、基本計画、この委員会でもいろいろ、担い手の問題であり、あるいはまた経営安定対策の問題であり、意見が出ておるところでありますが、本日私は、土地利用の問題で、特に担い手に対する農用地の利用集積を促進する、そういう観点から農水省の方で大変な御苦労いただいて新事業をつくっていただきました。  新事業として、事業再生支援スキーム、こういうことに、構築することになっておりますが、予算の編成段階で資料を見せていただいただけでございまして、その後の内容が詰まっているのではないかというふうに思いますので、どうかその内容について現時点での御説明をお願い申し上げたいと存じます。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 農業再生支援スキームでございます。これは、地域農業の担い手を目指す農業経営で、経営が困難になっている経営がある場合に、関係者が経営を診断をいたしまして、一つは、再生が可能だという農業者に対しましては経営の再生に向けた支援を行う、他方、もう再生が困難だという農業者に対しましては経営を整理をいたしましてその資源を他の担い手等に承継する、そういう承継に向けた支援を行うというスキームでございます。  具体的には、農協系統金融機関、弁護士、公認会計士といった関係者から成ります農業再生委員会というのを都道府県段階に設置をいたしまして、経営困難な農業経営に対しまして、先ほど申し上げました再生可能といった経営に対しましては再生計画を作成してフォローアップする、再生が困難だという農家、農業者に対しましては経営資源を承継する受皿農業者をあっせんする、あるいはその人の新しい就農先をあっせんする、こういう仕組みにしているわけでございます。なお、この受皿農業者あるいは再生可能とされた農業経営が地域農業の担い手たる法人といったような場合には再生ファンドから別途出資をすると、こういうスキームでフォローをするということにしているところでございます。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 昨年の予算編成の段階での内容とほぼ、余り変わっていないんですけれども。  それでは、農業再生委員会の立ち上げの時期はいつごろをお考えになっているのか。早くしていかないと、やはりこれはそれぞれ担い手に利用集積していくためには再生委員会の設置というのが一番最初に来るわけでありますので、その辺の御指導はどうお考えかお聞かせいただきたいと思います。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) これは、現在、私ども、担い手の育成確保を目指しまして、集落営農の組織化等に取り組むために都道府県段階で担い手育成のための協議会をつくって、これに、集落営農の育成に取り組むことにしております。  この担い手育成の協議会は、予算の成立とともにスタートできるように、現在四十七都道府県できちっとやるというふうなことをしておりまして、今日もまた全国から関係者集めましてハッパを掛けることにしております。この農業再生委員会はその下に置くということでございまして、そんなに時間の掛からないところでこの設置をしたいというふうに考えております。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 それで、実は受皿農業者、これが出ているわけでありますが、なかなかどういう農家を対象にしているのかが分からない。そういう農用地を受けていく、あるいは廃業され、経営中止をしていく農家の土地を受けるその農家について、最初のうちは認定農業者等の一定の要件を満たす者とかこうありましたが、これは正しいかどうか分かりません、私が最近聞いた話では農業法人しか想定してないんだとか、いろいろ情報がふくそうをしているんですが、そこの受皿農業者の認定要件というのはどうなっているか、教えていただきたいと思います。

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) 須賀田経営局長、時間が来ていますので、簡潔に願います。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) はい、分かりました。  この出資という概念からいきますと、これは受け手は法人じゃないといけないわけでございまして、この出資の対象となる法人の要件としては、認定農業者又はその見込みのある法人、そして財務面では債務超過に陥ってないという経営内容を持っている等の条件を満たすというものを考えております。  また、この出資の対象とならない法人以外、個別の経営だとこれは出資ではないんですけれども、別途、農地保有合理化促進事業等を通じて個別の経営を探しまして、そこへ経営資源を移転するということも別途考えておるところでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 民主党の小川敏夫でございます。  ただいま大臣の、この平成十七年度の農林水産予算の説明をお伺いしまして、大変すばらしい部分があると思いました。予算の重点事項について説明しますのこの第一に、「消費者が安心し納得できる食生活が実現できるよう、消費者を重視した食料の供給・消費システムの確立に努めてまいります。」と。さすが消費地東京出身の大臣だと思いまして、まあ私も東京出身でございますが、すばらしい観点だなと思って、大変高い評価をしているところでございますが。  それで、大臣にお尋ねしますが、この「消費者が安心し納得できる」と、この「消費者を重視した」という政策のこのポイントが、BSEの問題、米国産牛肉のこの輸入問題についてどのように生かされるんでしょうか。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) まず、基本的に食の確保と安定供給、これ、私たちの言わば何よりの責務でございますが、当然のことに、そこに安全、安心の言わば食を提供するという義務が伴うわけであります。  そういう意味で、BSEの今御指摘でありますが、御承知のように、平成十三年九月に我が国でBSEが発生して以来、言わば翌月から全頭検査を実施、言わば三年間の全頭検査を実施して、約三百五十万頭の言わば検査を実施した結果を踏まえて、言わば食品安全委員会の中間取りまとめを受けて、現在、言わばその見直しについて食品安全委員会に諮問しているところでございますが、当然のことに、危険のものを我々は冒して、それを供給することにおいて先行きの不安を伴うようなことは当然にまた慎まなきゃいけないことでありますから、万全の上にも万全を期して、言わば安全を期していくという考えに立っております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 米国産牛肉の輸入に関しては、最近の世論調査でもまだ不安であると、すなわち消費者が安心し納得できる状態にはないというのが今の消費者の認識だと思うわけですが、これについて大臣は、いわゆる全頭検査の問題、非常識であるというような発言をもって、あたかも、消費者が安心し納得できるという、この政策とは全く別のこうした発言、あるいは行動を取られているんではないかと思って大変危惧しておるわけですが、いかがですか、大臣。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 実は、BSEが我が国で発生した当初、言わば農林水産関係の議員がいろいろ集まってこれに対応に苦慮したところです。  御承知のように、東京の肉屋さんも、牛肉はおろか、ほかの肉まで言わば需要が大きく減退し、特に一番のもうけ頭の牛肉が姿を消していた、また外食産業までこれに影響を受けて客足が物すごく鈍ってしまった、大変な悲鳴にも似た意見があったわけです。  そこで、この言わば消費者の誤解を解き、また不安を取り除くためにはどうしたらいいのか、党内でもいろんな議論があったところですが、その当初、言わば当初は全頭検査というのは少数意見でありまして、諸外国の例に倣ってどのような対応をするかという意見がある中で、言わば、当時は武部大臣でしたけれども、全頭検査を実施するべきじゃないかという意見がにわかに台頭し、私もそれに賛成して、これはそのぐらい思い切ったことをしないとこの不安は取り除けないんじゃないかと、そういったことがあったわけであります。  その当時としては、これは結果を見ましても大英断であったと思いますが、その後、導入三年の期間が経過し、その間に先ほども申し上げたように三百五十万頭、約、言わば検査を終えて、その間の言わば検査の結果を踏まえて、少しくその検査の見直しをしてもいいんではないかということで、言わば食品安全委員会にいろいろ御検討いただいた結果、現在、我々はその中間取りまとめを受けて諮問をしているというのが実情であります。  たまたま、私の発言についてよく触れられますが、要するに全頭検査は他のBSE発生国においては実施されていないのが実情であること。それから、こういったことを踏まえて発言したものでありますが、正直言って、大変な誤解と批判を受けました。そこで、私も当時は、発言の際にもちょっと言葉が過ぎるのかなと思いつつも、世界の常識にはあらずと、そういう否定している言葉を自分は頭の中で反すうしたんでそのまま使ってしまったんですが、その後、冷静に考えてみて、これは好ましくないというので先般来、撤回をしたところであります。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 その問題について、また順を追って議論したいと思いますが、まずBSEについて、人の関係、いわゆる変異型クロイツフェルト・ヤコブ病ですか、これがせんだって、日本人として最初の感染患者、死亡患者が確認されたということでございました。私は、その患者の状況を聞きますと、イギリスのその流行時点に二十四日間ですか、一時滞在したと、そのときの食事が原因であろうと、このように公表されております。  私は、そこで、BSEというもののその恐ろしさというものを感じました。短期に滞在した国で、その国で食事をしたと、そのことでBSEに感染してしまうのかと。大変にBSEの恐ろしさを直観したわけでございますが、日本人の最初の確認者となりましたこの患者の方のBSEの感染状況、これについてもう少し具体的に説明していただけますでしょうか。

岡島敦子厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(岡島敦子君) 日本におきます最初の患者の状況につきましては、これ、クロイツフェルト・ヤコブ病のサーベイランス委員会と、そしてそれを受けました審議会におきまして変異型クロイツフェルト・ヤコブ病であるということを確定したわけでございます。  それにつきましては、二月四日に公表させていただきまして、更に調査をいたしまして、三月七日に更に詳しい結果を公表いたしましたので、その内容に沿いまして御説明させていただきたいと思います。  これの調査につきましては、御家族と主治医等へのヒアリング調査とかあるいは御本人のパスポート、出帰国記録によりまして確認をいたしました。その結果、一九九〇年前半にクロイツフェルト・ヤコブ病の患者発生国であるイギリスに二十四日間程度、そしてフランスに三日間程度滞在していたということが判明いたしました。  それから、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の発生の原因としましては、BSE発症牛を食べるということのほかに、輸血あるいは硬膜の移植といったような医学的なこともございますが、この方につきましては、手術歴、輸血歴、歯の治療歴、それからはりの治療歴などはなかったということが判明しております。  そして、食生活の状況も調査いたしましたけれども、国内の食生活、それからイギリスでの食生活ともに牛由来食品を食べていたということが判明いたしました。イギリスにおきまして食べたとされる食品の中には変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の発生原因である可能性が指摘されている機械的回収肉を含有している可能性のある食品に該当するものが含まれていたということが分かっているところでございます。  そして、専門家の方々の調査検討の結果、必ずしもほかの可能性がないということは断定できないにしましても、イギリスにおきまして感染した可能性が有力であるという結論になっているところでございます。  以上でございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 その二十四日間の滞在期間中に肉を食べたと。そうすると、人が感染するBSEですが、プリオンと言われていますけれども、これを一回でも食べてしまうと感染するという可能性があるということなんでしょうか。

岡島敦子厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(岡島敦子君) 専門家によりますと、BSE発症牛の混入した食品を一回食べれば発症するかどうかにつきましては、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の発生機序がいまだ解明されていないということもありますので確かなことは言えないところでございますが、いずれにしましても、一回食べたから必ず発症するというものではないというふうに考えられているということでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 食べても発症しない人もいるでしょうし、いろんなケースがあるということでしょうけれども。  じゃ、聞き方を変えますが、一回あるいはそれに近いぐらいの少数回、非常に少数回であってもプリオンを摂取といいますか食すれば発症する可能性があるということを否定はできないという聞き方をすればどうでしょうか。

岡島敦子厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(岡島敦子君) 先ほども申し上げましたように、必ずしも変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の発生機序が解明されておりませんので確かなことは申し上げられませんが、一回食べたから必ず発症するというものではございませんし、またその反対といいますか、少数回食べたから発症しないというわけでもないかと思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 これは、発症したら治療方法がなく、ほぼ死に至るわけでございますね。

岡島敦子厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(岡島敦子君) 先生おっしゃられるとおり、現在、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の有効な治療法につきましては確立していないところでございます。現在、厚生労働科学研究におきまして治療法の開発を目指した研究に取り組んでいるところでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 それで、私はこの最初の人の例を聞きまして非常に怖さを感じたんですね。プリオンを含んでいる肉を非常に少数回食べただけ、時期的には二十四日間という短い中で、毎日肉じゃないでしょうけれども、少ない回だとは思うんですが、それだけでBSEに感染して、発症して、死亡してしまうという、治療方法がないというこのBSEの怖さを、正に第一号となりましたこの患者の例からいって、恐ろしさを痛感しているわけでございますが。  人に感染する牛のBSEのことについてこれからお尋ねしますが、そもそもいわゆる感染牛が、プリオンが蓄積されるということなんでしょうけれども、なぜプリオンが牛に蓄積されるのか、BSEの仕組みといいますか、状況はどの程度解明されているんでしょうか。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) このBSE、イギリスで一九八六年に初めて発見されたものでございます。まだ発見されてから二十年ということでありまして十分解明されているわけではございませんが、基本的には、最初どうだったかは別としまして、その後伝播しているその経路というのは、異常プリオンが肉骨粉の形などで口から入る、そういうことによりまして小腸の一部、パイエル板というところにまずは感染をするということは分かっております。その後どういう形で移動するかというところは必ずしも十分明確になっておりませんけれども、最終的な段階では脳の方に蓄積をしていって、そしてその後症状が出て死に至るというふうなことが分かっているということでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 何板と言いましたっけ。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) パイエル板。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 パイエル板ですか。じゃ、パイエル板に蓄積されて、いずれ脳の方に蓄積されるということですが、脳の段階に行ったプリオンだけが危険なんじゃなくて、初めのそのパイエル板というところにあるプリオンでもこれはBSEを発症させる危険性は、これはあるわけですね。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) BSEに感染した牛のどの部位に異常プリオンが存在するかということはかなりの程度明らかになっておりまして、脳ですとか脊髄、あるいは小腸の一部、最初申し上げました最初に感染する部分というふうなところを含めまして、そういったところに異常プリオンの九九・数%と、大部分というか、もうほとんどのところがそこに存在をするということが分かっております。  それから、そういったところは特定危険部位と総称されておりますけれども、それは、それぞれの部位を他の牛あるいはマウスなどに接種をしまして感染性があるかどうかということを確認をし、感染性のあったところがそういった特定危険部位として指定をされているということでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 ですから、異常プリオンがどこの部位にあろうと感染性がある危険な状態であるということだと思うんですが。  牛の場合、すると、経口摂取した場合に、プリオンを経口摂取した場合に感染牛となるということですが、その感染牛となるタイミングですね、これは、牛が生まれてから成牛になるまでの間、時期的な差異はあるんでしょうか。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 専門家の一般的な認識としまして、比較的若い時期に経口摂取した場合に感染する確率が非常に高いというふうに聞いております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 感染する可能性が高い、言わば感受性ですが、生後一年以内がそれ以降に比べて明らかに高いんではないでしょうか。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) BSEの感染牛が発見をされますと、その感染牛と同じ農場などで飼われていた牛につきまして、同居牛ということで一定のものについて処分をいたします。この点はOIE、国際獣疫事務局に一定のガイドライン、ルールがございますが、それは当該患畜の前一年から、それから一年後と、その間に同じような飼料を食べた牛ということになっておりますから、今、先生がおっしゃいましたように、生まれてから一年以内というのが非常に感受性が高いという認識は、そういうことを基礎にして今のようなルールができているというふうに承知します。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 食料から経口摂取したプリオンで感染すると。生まれてから間もない牛が感受性が高いと。それで、感染した直後と、つまり感染したときにプリオンが体のどこかに蓄積されるわけです。それから、年月を経て、その部分かあるいはほかの、体のほかの部位にも移転するでしょうけれども、その感染直後のプリオンと時間がたった後のプリオンでBSEのこの危険性というものは違いがあるんでしょうか。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) プリオン病の専門家でございませんので、ここで今のような非常に専門的なところについて的確なお答えはできませんけれども、基本的に、感染直後の小腸の一部、それから、その後かなり時間がたった後に検出がされます例えば延髄のかんぬき部分のようなところ、いずれも感染性があるということを聞いておりますから、そういう意味では、ある時期のある特定の部位に存在するプリオンが少なくとも感染性があるということは実証されているというふうに思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 大臣、今のやり取りお聞きしていただけたと思いますが、牛は生後一年以内の牛が成牛よりも感受性が高いと、プリオンのですね、感染性が高いと。で、感染した直後のプリオンでもBSEとしての危険性は何にも変わらないということだそうです。一年以内ですと、まあ十二か月ですけれども。  大臣は二十か月齢以下の牛について検査する必要もないと言っておりますが、私は二十か月齢に限定することなくて、やはりこうした生まれた直後の牛から私は検査する必要があるんじゃないかと痛切に感じておるんですが、いかがでしょうか。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 初めにお断りいたしますが、私は、二十か月齢以下は問題ないと私が言っているんじゃなくて、今までの検査の結果で言わば二十一か月齢未満はいいんではないかと。そういう言わば中間取りまとめに従って今諮問をしているという段階ですから、あくまで専門の方に御検討いただいているわけでございまして、この結果を見てから御返事すべきことだろうとは思います。  ただ、私、別の例で申し上げるのは、例えば世界各国、やはりどこの国も国民に対する食の提供というのは、安全、安心、やっぱりその辺を大前提に置いているのはどこの国も同じだろうと思います。そういう国々の中に、要するに、例えば私どもの諮問している段階よりはもっと厳しいものが一国もないということはやはり一つの意味を持つんではないかと、こういうふうには思います。  ただ、だからEUの例などを私は引いていろいろ私の言わば感じたままを申してきたところですが、専門的にどうかということになれば、これは今正に諮問をし、そのお答えを出していただくのを待っている立場でありますから、それは私のような素人が申し上げるべきことではないと、こう思います。

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) 中川消費・安全局長、さっき手を挙げたですね。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) はい。  事実関係として少し補足をさせていただきますけれども、九月の九日に食品安全委員会プリオン専門調査会で取りまとめられました中間取りまとめの結論部分にも書かれておりますけれども、このBSEの検査というのは、当然技術、一つの技術でございますから、その技術に伴います検出感度というのがございます。これまでのいろんな知見、三百五十万頭に及ぶそういった実際のBSE検査のデータ等から見まして、現在の技術水準におきましては二十か月よりも若い牛については検出できなかったと。そのことを、そういった事実については今後の我が国のBSE対策を検討する上で十分考慮に入れるべき事実であるということ、それから検出限界以下の牛を検査対象から外しても、それ以外の様々なBSE対策、特定危険部位の除去などでありますけれども、こういった措置を講じれば変異型クロイツフェルト・ヤコブ病のリスクが増加することはないと考えられると、こういった様々な事実を考慮して、そして中間取りまとめというものがなされているということでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 一つ確認しますが、すると、二十一か月齢未満ですか、の牛については技術的に、つまり異常プリオンを、BSEに感染しているかどうかを技術的にこの検査結果を得ることができないと、こういうことなんですか。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 例えば日本の例で言いますと、二十一、二十三か月という若い牛でBSEの感染というのが確認をされています。迅速検査法で疑陽性になり、さらにウエスタンブロットというやり方で確定診断がされたわけでありますけれども、このウエスタンブロットの結果を見ますと、通常感染している牛のプリオンの濃度に比べて五百分の一から千分の一の濃度であったと。ですから、エライザ法でもって検出をするということがまあぎりぎりのところであったということでもございます。  そういう意味で、今の技術水準でいえば、二十か月よりも若い牛で検出されるということはまず難しいというふうに専門家は見ているというふうに思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 その感染が確認された二十一か月齢、二十三か月齢の牛の場合、では、その程度の感染であれば安全であるということが確認されたんですか。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 安全であるかどうかということではなくて、この二十一、二十三か月齢につきましては、今申し上げたように、非常に濃度が薄かったということもありまして、果たしてこの二つの牛について検出をされた異常プリオンが感染性を持っているかどうかということも議論になっております。  そして、昨年の春、この二つの検体から取られた異常プリオンは牛型の、何といいましょうか、遺伝子に組み換えたマウスに対しまして接種試験を今しております。その結果はまだ私どもは聞いておりません。まだ結果が出ていない段階かというふうに思います。こういったマウスへの接種試験、感染試験なども見て、そして専門家が果たしてこの若齢牛についてどうであったかということを更に検証されるものというふうに承知をしております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 だから、二十一か月齢、二十三か月齢の例で今試験中だと。安全が確認されたんならいいですよ。だけど、安全が確認されたわけじゃないわけですね。だから、BSEを他に感染させる危険性だって可能性はまだ否定されてないわけですね。その点、いかがですか。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 今も申し上げましたように、この若齢牛二例についての感染性についてはまだどちらとも結果が出されておりません。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 ですから、国民の安全、安心という観点に立てば、やはり危険性がまだあるものとして対策を講じる必要があると思うんですがね。  その二十一か月齢で検出された、二十か月齢以下だと検出するのが技術的にできないというのがちょっと私素人で分かんないんですが、単に、ただ単に個体が小さいだけだから、別に検査すれば検出できるものは検出できると思うんですがね。そこら辺、ちょっともう少し分かりやすく説明してもらえますか。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 私もその任に堪えるかどうかは自信がございませんが、まずは、牛のBSE検査といいますのは、いずれにしても屠殺をする必要があります。それから、今一番その異常プリオンが集まりやすいとされております延髄のある特定の部分、部位、かんぬき部と言われておりますけれども、そこのところから材料を取って、そしてエライザ検査という検査をいたします。それで、この際に一定の抗体とその異常プリオンが結び付いてそして発色をする、そういうのを光学的に検査をするということでありますけれども、当然非常にこういう変化というのは連続した変化でありますから、どっかで線を引いて、その一定の値よりも高ければ感染している可能性大、それよりも小さければ感染していないというようなことで判断をするというふうに聞いております。  したがいまして、今の技術水準からすると、非常に若い場合には色もはっきり変化が起こらないというふうなことで、検出ができないということでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 しかし、二十一か月齢で検出できるなら、二十一か月齢に近い二十とか十九とか、そこら辺だって検出できる可能性が否定できないと思うんですがね。まあここは答弁はいいです。  大臣、大臣は、全頭検査が非常識だと、世界の常識にあらずというふうに言っておるわけですが、これは大臣自身がそういうふうに考えていらっしゃるからそういうふうに発言されたわけでしょう。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) さようではありませんで、人それぞれの意見があるわけですが、中には全部全頭検査、全部全頭検査はおかしいですが、全頭検査をこれからも続けるべきだと、我が国独自でもやるべきだと、こういう御意見もあるわけですね。  しかしやはり、三年間三百五十万頭のいろいろ検査をやってみた経験に立って、それで我々は今諮問している段階でありますが、ここまでやってみて、言わば今、中川局長からももっと詳しい説明がありましたように、ここまでやってきたら、これはもう私たちが諮問をするものに対する答えがすべてでありますが、その答えを待って、場合によっては検査の基準を少しく変えてもいいのではないか。  そういう中で、やり取りの中ではありましたけれども、言わば全頭検査というのは少なくとも世界じゅうどこでもやっているわけじゃないんで、BSE発生国で全頭検査をやっているのは日本一国ですから、だから、これは世界の常識にあらず、常識にあらずだから非常識という表現した。なるほど、非常識という言葉は私も言っている最中にちょっときついかなと思いましたけれども、常識にあらずという否定があるので、私はそのままそれを別に訂正をしなかったというのが経過であります。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 何か、大臣のお話ですと、何か評論家的に意見を述べたかのような印象を受けるんですが、そうじゃなくて、大臣御自身が全頭検査はもう要らないという認識に立っているからそういう発言になったんじゃないですか。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 人間というのはみんないろんなことを考えていますが、やっぱり立場が立場ですから、うかつなことを言いますと、またこれが皆さんの楽しむ話になってもいけませんので、発言はこれ以上申し上げないようにしたいと思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 確かに、大臣というお立場がお立場ですから、発言を控えるのは大変、まあその範囲で理解しますがね。  ただ、発言を控えるんであれば、遅いですよね。全頭検査が非常識という発言そのものを本来控えなくちゃいけないのに、そういう発言をされて、食品安全委員会の方に圧力を加えているんではないかとだれもが思うような発言をしてから、今この場に及んでそういう態度を取っても遅いんじゃないかと思いますがね。どうですか。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 人間、完全ではありませんから、例えば、自分の考えていることがストレートに言えない場合もありますし、時には言い過ぎることもあります。そういうことについて、訂正したことをいつまでもおっしゃることもいかがかと思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 こうした問題発言をしたことについて、いつまでも責任を取らないで、その都度その都度、非常識という言葉が常識にあらずという評論家的な言葉で、何にも反省も責任をしない大臣の方が私は非常に問題であると思っておりますが。  大臣、厚生省は全頭検査をやる都道府県にその全頭検査の費用を一〇〇%補助を出すと、こういうふうになっておりますね。そうすると、これは、そんな世界の非常識なことについて補助金を出す厚労省も非常識だと、こういう理解になると思うんですが、そういうことですね。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 事実関係だけ先に。済みません。  厚生労働省が経過措置をとるに至った経緯について私の方から承知している範囲で御説明をさしていただきます。  リスク管理措置というのは科学に基づいてやるというのが原則だという、そういう意味で食品安全委員会の答申を得た上で最終的に決まることではありますけれども、諮問した時点でのリスク管理サイドの考え方、厚生労働省の考え方といいますのは、まずは科学に基づいて、今の、先ほど申し上げましたような様々な理由から、若齢牛に、若い牛についてBSEの検査をしても検出することができないというその事実を踏まえて、二十か月以下についてはBSEの検査を屠畜場で行う義務を今課しておりますけれども、その義務は外すということを判断したということでございます。    〔委員長退席、理事田中直紀君着席〕  それで、では、それが事実であれば、そのある時点から一斉に義務を外すだけでということも一つの考え方ではありますけれども、現に今まで全頭検査を続けてきたと。そうしますと、ある時点で急遽それをやめてしまうということは流通、取引の混乱を招くことにもなりますし、もう一つは、これまでもリスクコミュニケーションというのは随分やってまいりましたけれども、消費者の方々もまだその点について十分理解されていない部分もなきにしもあらずと。そういった様々な流通、消費にかかわる混乱を避ける意味で、経過措置として一定の間、自治体が全頭検査、二十か月以下も含めて検査を続けたいという希望があるところに対しては国の方から補助金を出すということでございます。  ですから、基本的なやめるということの考え方と、それから補助金を一定の間、期限を限って出すと、それは経過措置、無用の混乱を避けるためという、そういった整理をした上での措置というふうに聞いております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 しかし、元々、二十一か月齢未満の牛については技術的にその成果が得られないと、だからやめるんだと、だからやっても無駄だということでしょう。それをただ、混乱するから、流通の問題、消費の問題で混乱するからといって補助を出すと。何かもう一つつじつまが合わないですね。その国内での措置については、流通の混乱とか、正に消費者の安心ということを考えての措置だと思いますがね。  じゃ、輸入の牛肉については同じような措置を求めないんですか。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 今、先生が念頭に置かれているのはアメリカとの関係のことだということと思いますので、その範囲でお答えをさしていただきますけれども。  アメリカでBSEの感染牛が発見をされました平成十五年の十二月以来、アメリカとの間では牛肉の貿易再開に向けての交渉はずっと行ってきておりますけれども、当初から、我が国と安全確保のための同等の措置をアメリカに対しても要求していくということはこれまで終始一貫、貫いてきたところでございます。昨年の春などにおきましては、日本の国内のBSE対策として現に全頭検査も行われておりましたし、それからそれを見直すということも、食品安全委員会での議論もまだ結論めいた、結論のようなものが出ておりませんでしたので、その時点においての日本に現にとられている措置と同じことを要求してきたわけでございます。    〔理事田中直紀君退席、委員長着席〕  昨年の九月の九日に食品安全委員会の方では中間取りまとめがなされたと。その中身を踏まえて、厚生労働省及び農林水産省では、国内のBSE対策を見直すということで諮問をいたしました。これは十月の十五日でございます。リスク管理サイドとして、この十月十五日に諮問したことをもって、日本のBSEの国内対策のこれからの在り方ということが言わばはっきりしたわけでございます。  ですから、このことをベースにして今度はアメリカと交渉をいたしたわけでございます。十月の二十一日から二十三日までの三日間、局長級協議を行いました。その結果が日米の共同記者発表という形でまとめられましたけれども、その主要な点は、アメリカから輸入される牛肉については、特定危険部位はすべての月齢のものから取ってもらうということ、それから二つ目は、肉は二十か月以下の牛由来のものであるということでありまして、この二つの条件は、BSEの国内対策の見直し後のものと同じでございます。  そういう意味で、昨年十月の日米局長級協議での認識が一致した主要な枠組み、条件というものは、やはり日本の国内で安全確保のためにとられている措置と同等のものというふうに私ども認識しておりますし、この点に関しまして、ずっと終始一貫日本の措置と同じものを相手に要求するという意味で貫かれたものというふうに考えております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 私は、全頭検査というものが国民に安心を与え、肉の消費も回復したということで効果を上げた措置だったと思っておりますが、なお継続する必要があるというふうに考えておりますし、輸入肉についても同じ対応をすべきだというふうに考えておりますが、今の御説明の中で、米国産輸入肉についても国内産の牛肉とBSEに関しては同じ対応措置をとるということでございました。そして、二十一歳未満の牛の肉については検査は要しないと、(発言する者あり)二十一歳未満の、(発言する者あり)ああ、一歳じゃなかった、失礼しました、二十一か月齢未満の肉については、牛の肉については検査を要しないということでございました。  国内と輸入肉を同じに扱うということであれば、じゃ、その月齢を判定する基準、これも同じ基準で、同じ定規で判定するべきだと思いますが、その点はいかがですか。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 月齢の判別の仕方というものは、それぞれの国のシステムがございます。  日本におきましては、トレーサビリティーというのが今実施されておりますから、何月何日生まれということも含めてきちっと分かるわけでありますけれども、アメリカにおいては、全国的なシステムとしてはそういうものは備わっておらないわけであります。ですから、アメリカの場合におきましても一部そういった生産記録で月齢が分かるものもあります。それは当然のこととして、生産記録、個体識別のデータがあるものについては、それによって二十か月以下ということを証明するということは、これは当然のことであります。  それからもう一つは、成熟度、枝肉の成熟度でもって測るということであります。これはアメリカ側から要求があった仕組みであります。  やや長くなりますけれども、この点については、先方から、アメリカ側からの要請があった時点では必ずしも十分な知見も我々持ち合わせておりませんでした。それで、そこで、局長級協議の中で、アメリカ側は具体的にサンプルを取ってその点の特別の研究をすると。我々の方とすれば、そういった結果が出された際に、専門家によってきちっとやはりそのことと月齢との関係を検証していただく必要がありますので、日本には月齢の判別に関する検討会というものを立ち上げまして、解剖学ですとか生理学、あるいは格付、それから統計の専門家の方にもお入りいただいて、アメリカから出された結果に、研究、特別研究の結果について三回にわたって、かつまたすべての情報を公開して検討いただいて、その結果が二月の八日に取りまとめられたわけであります。  一定の統計的な信頼度の範囲内で判別がされるということがその結論でありますし、また、この制度を採用するかどうかというのは、アメリカから入ってくる牛肉のBSEの感染リスクの程度を勘案して採否を決めるべきであるというのが専門家の結論でございます。  ということは、いずれにしましても、アメリカから入ってくる肉のBSEリスクは食品安全委員会において諮問をして検討いただくということであります。その結果を待って、最終的な仕組みについては判断したいというふうに思っております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 大臣、どうですか。日本も国内産の牛肉も、アメリカからの輸入牛肉についてもBSEについては同等の措置をとるということですから、二十一か月齢未満、日本の牛の場合にはトレーサビリティーが確立しているのでかなり明確に判定できるわけですが、同じような措置を米国産の牛肉には求めないんですか。

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) 中川消費・安全局長。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 大臣に聞いているんです。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) いや、おれ、いいよ。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 おれいいよじゃないよ、あんた。そんなこと、何だよ。もう聞いたよ、もうそのさっきのあんたの説明は。聞いたよ、さっき。同じ質問をしているんだよ。

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) 中川消費・安全局長。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) アメリカに対して、その同じトレーサビリティーを要求するのかどうかという御質問でございますから、その点について申し上げたいと思います……

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 さっき長々と、五分もしゃべったじゃないか。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) いえ、それは判別方法でございます。  それで、トレーサビリティーを要求するかどうかという点について、私どもの考え方を申し上げたいと思います。  お許しをいただいてよろしゅうございますか。  WTOのSPS協定でもって相手方に要求する場合、それは科学的な根拠というものが必要になります。それで、トレーサビリティーは蔓延防止措置としては有効な措置ではありますけれども、そのこと自体が直接安全性を確保するための措置ではないというのが一般的な理解でございます。そういたしますと、アメリカから輸入される牛肉についてトレーサビリティー自体を課すということは必要以上の条件を相手方に課すということで、SPS協定上の点で大変慎重に判断する必要があるというふうに私どもは思っております。(発言する者あり)

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 今の趣旨を踏まえて大臣の答弁をいただきたいんですが。

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) 質問をしてください。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 さっき大臣に質問しました。

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) 分かりますか、意味。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) よく分かりませんが。

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) それじゃ、島村農林水産大臣、先ほどの質問に答えてください。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 今、中川局長が御説明したとおりであります。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 では、WTOのそうした点を考慮して、米国産の牛肉についてはトレーサビリティーを求めないということですね。

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) 中川消費・安全局長。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 大臣に聞いているんですよ、大臣の答弁を。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 今、委員長から指名をされましたので、お答えしたいと思います……

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 委員長、大臣に聞いているんですよ。

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) 私が委員長ですから。一体となってやっているわけですから、それからまた大臣に答えてください。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 現時点で、現時点で申し上げれば、アメリカに対してトレーサビリティーを要求するということは考えておりません。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 先ほど来、誠実にお答えしていたしておりますが、全く質問予告を受けていたわけではありません。しかし、中川局長は専門にこのことに取り組んでおりますし、私よりはるかに知識も深いし、例えばアメリカの局長級会議などにも出て両方の意見交換などもしているわけでありますし、取組も長いわけでありますから、言わば、中川局長が今判断することがむしろ正しいと、こう申したとおりであります。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 大臣の判断は、中川局長の判断そのままに従うと、こういうことなんですか。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 中川局長に従うのでなくて、中川局長の判断は、私には常々いろいろ報告等を受けますので、私と考えが違い、もしどちらかに正しい方向を求めるとすれば是正をしますが、今までのところ、彼は非常に誠実に、的確に対応してくれていると思いますし、今の答弁もそう受け止めていたところです。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 ですから、大臣の判断として、米国産の輸入肉について、その月齢の判定についてはトレーサビリティーを求めないと、これが大臣の判断と、これでよろしいわけですね。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) いや、大臣の判断ではなくて、今の交渉ポジションということで御説明をさせていただきます。  アメリカについて現時点では要求しないというふうなことでございます。(発言する者あり)

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 大臣に答弁求めているんだよ。大臣が言いなさい、今のことを、言うんなら。へらへら笑っているんじゃないよ。大事なことじゃないか、これは、政治の政策判断で。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 求めないと考えております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 例えば、屠殺の現場におきますピッシングの問題、屠殺方法の問題ですね、ピッシングのことも話題になりましたが、屠殺方法の問題なんかについてはどうですか。日本と同じような屠殺の在り方、ピッシングをどうするかというようなことについても、日本と同じものは米国産牛肉については、アメリカについては求めないということでよろしいんでしょうか。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 屠畜場におきます処理は厚生労働省の所管でございますが、私の知り得る範囲で御説明をさせていただきます。  ピッシングという手法につきましては、アメリカでは禁止をしております。むしろ日本においては一部といいますか、七割程度のところでやられているというふうに承知をしております。  したがいまして、そういう手法のこともありますけれども、やはり一番大事なことは特定危険部位がきちっと取られるということでございますので、今回アメリカから輸入される牛肉について屠畜場での扱いということでいえば、今申し上げたような特定危険部位が月齢にかかわりなくすべてきちっと取られること、そのほかにも幾つか技術的な問題あろうかと思いますけれども、そういう大事な点、安全確保のために大事な点はアメリカ側にきちっと要求をしていくということでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 その肉の解体の方法、危険部位の除去の方法ですが、これについても大臣、いかがですか。国内の牛肉について行っている措置をアメリカの、米国産の牛肉についてもこれは求めますか。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 私は、再三申し上げているように、食の安全、安心を大前提にこの問題に取り組んでいくということでございますので、それらに照らしてこれからも対応していきます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 食の安全、安心を大前提に取り組んでいただくことは大変に結構でございますが、そのために日本で行っている肉の解体の方法、危険部位の除去の方法について、日本と同じ方法をアメリカ産の牛肉についても求めますかと聞いておるわけです。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 私はかつて、アメリカの代表からいろいろな交渉を受けた際にも、我が国に持ち込む牛肉については我が国と同等の措置を求める、これが私の責任者としての立場であると、こうはっきり申したところですし、小川委員はこの私の説明は、かつていろんな席で聞いているはずであります。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 今、大臣、ちょっと今の答弁確認しますがね、アメリカに対して日本の国産の牛肉と同じような措置を求めると言いましたが、それはトレーサビリティーも含んでの話ですか。さっきはトレーサビリティーについて求めないと言いましたね。今、何かそれも含めてすべて国産の肉と輸入肉について同じ対応を求めるかのような発言をしましたが、どうなんですか。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) トレーサビリティーは牛肉の安全性を直接保証する措置ではありません。一方、SPS協定は、衛生植物検疫措置を、人、動物又は植物の生命又は健康を保護するために必要な限度においてのみ適用することを定めております。このため、SRMの除去等の牛肉の安全性を確保するために必要な措置が講じられた上でトレーサビリティーまで求めることはSPS協定上問題を生ずるおそれがあると、こう理解しております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 じゃ、同等の措置を求めるということについては、トレーサビリティーについてはしないということで今答弁を伺いました。ですから、私がその後に聞いているのは、解体の方法、危険部位の除去の方法、これについてはいかがですかと聞いておるわけです。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) これ、私の方より厚生労働省にお聞きいただきたい。

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) これは厚生労働省所管の話ですから、だけどいないんだな。あの人も違うんだな。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 質問予告がないんだよ、大体。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 質問要項、米国産牛肉の……

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) あっ、ちょっと待ってください。  小川敏夫君。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 失礼しました。  米国産牛肉の輸入について質問すると通告しているじゃないですか。見てみなさいよ。  それで、米国産の牛肉の輸入、これ農水省の所轄じゃないんですか。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 外国からの牛肉の輸入につきましては、農林水産省は家畜伝染病予防法、それから厚生労働省は食品衛生法、それぞれ所管の法律がございます。そういった仕組みに基づいて両省で対応いたしております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 両省で対応しているということは、農水省も対応しているということですね。ですから、責任者の大臣、答えてください。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) ちょっと今の訂正します。  言葉足らずであったかと思います。両省で一緒になって対応しておりますけれども、おのずと所管の範囲はございます。屠畜場での解体の方法等については、国内におきまして御存じのようにこれは厚生労働省が所管をいたしております。このところにつきましては、アメリカから輸入される場合のものも当然厚生労働省の方で責任を持って対応されております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 おかしなことをおっしゃりますね。解体の行政は厚生省の所管かもしれませんよ。だけど、牛肉を輸入するかどうかの安全性のことに関して同じ措置を求めるかどうかの判断は厚生省の問題じゃないでしょう。農水大臣の問題でしょう、これは。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 小川さん、私に質問書をぶつけているとおっしゃるけれども、私にある質問書は、農林水産大臣の非常識発言の真意いかん、これですよ。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 ちょっと時間止めてくださいよ。何を見ているんだ、それ。書いてないよ、そんなこと。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 僕のところに来てないよ。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 ちょっと委員長。止めて、止めてくださいよ。(発言する者あり)

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) 速記を止めて。    〔速記中止〕

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) 速記を起こしてください。  小川敏夫君の質問を続けてください。  答えるんだったら、今はっきり答えてください。  中川消費・安全局長。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 屠畜場におきます特定危険部位の除去などについては厚生労働省が食品衛生法の観点からきちっとチェックをしているということでございます。

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) 手を挙げないとね。  大臣、答弁できるの。  島村農林水産大臣。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 私、国会へ初めて出てもう二十八年になりますが、こんな個別専門的なことを大臣が逐一お答えするというケースを見たことありません。  もし、そういう質問があるならば、あらかじめいただければ、私の分かることは調べてお答えするし、分からないことは専門の人間に答えさせる、これが質疑の在り方だと思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 本当、日本国民はこんなお粗末な農水大臣を持って本当に不幸だと思いますが。  私は専門的なことを聞いているわけじゃないんで、米国産の牛肉を輸入する、その安全性について、国民の世論はまだ不安を持っている、そのことについて私は大臣の姿勢を聞いているんで、手続の細かいことを聞いているんじゃないんで、全頭検査のことを聞いている。それから、全頭検査のこの話の次として、国内で取っているBSE対策と同じ措置を米国産の輸入する牛肉にも求めるのかと聞いておる。何でそんな細かい手続のことなんだ。失礼じゃないか、そんなことは。答えなさいよ、だからもう一度これ、もう一度お尋ねするから。  国内産の牛肉に対して取っておるBSE対策の措置を米国産の輸入牛肉に対しても同じ措置を求めるんですか。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 事実関係の質問になりますので。  昨年十月の局長級協議の中身ということで、先ほどもちょっとお答えをいたしましたけれども、主要な点は二つであります。一つは、すべての月齢のものから特定危険部位を除去するということ、もう一つは、二十か月齢以下の牛から取られた牛肉であること、この二つでありまして、先生今おっしゃいました特定危険部位の扱いにつきましてはすべての月齢のものから除去するということで、これは現に日本でもすべての月齢のものから除去いたしております。  アメリカは、国内におきましては、現在は三十か月齢以上の牛からのみ特定危険部位を除去しております。  そういう意味で、昨年の十月に日米間の協議をした結果といいますのは、アメリカのルールではなくて、日本で現にやっているルールに合わせたということであります。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 じゃ、最後、結論だけ聞きますが、大臣は答えないと言うんだからいいですけれども、その米国産の輸入牛肉について、屠殺の方法、危険部位の除去の方法について国内と同じ措置を求めるのかどうか。国内で扱う役所の所管がどうのこうのという問題じゃないですよ。同じ措置を求めるのかどうかお聞かせください。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 手法ということではなくて、安全性確保のために同等の措置をアメリカに要求するというふうに承知をしております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 質問は変わりますが、鶏の卵の価格についてお尋ねしますが、このところ大分価格が上昇しているようですが、この鶏卵の価格上昇の要因について御説明いただけますでしょうか。

白須敏朗農林水産省生産局長

○政府参考人(白須敏朗君) 鶏卵の価格の関係でございます。  平成十五年度、これは大変に供給量が多かったものですから、卸売価格なり小売価格ともに低迷をいたしまして、その結果、生産者が飼養羽数を減らしたわけでございます。したがいまして、十六年度に入りまして生産量が減少したということでございます。  こういった中で、大体卵は十二月から正月にかけまして上がるわけでございますが、冬場の需要期を迎えまして、まあ生き物でございます鶏が生産をいたします鶏卵の生産量、これ急に増やすことができないというふうなことでございますので需給が大変に引き締まりまして、昨年末以降、価格が高い水準になっていると、こういうことかというふうに理解をいたしているところでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 鶏の卵、私も思い出しますと、今五十七ですけれども、五十年前、やっぱり一個十円、十一円、十二円ぐらいだったと記憶がありますが、そうしますと、大変に価格、物価の優等生、しかも国内の自給率も高いということで、この鶏卵の産業は国内の農業の優等生だと思うんですが、こうした優等生として、すなわち価格面、需給面で大変にいい状態にあるということがこれまでのこの鶏卵産業の上において、どういう努力、工夫があったのか、分析できますでしょうか。

白須敏朗農林水産省生産局長

○政府参考人(白須敏朗君) 今、委員御指摘のとおり、卵は物価の優等生といったようなことでございます。この原因につきましては、やはり全体といたしまして飼養規模の拡大が大変に進んでまいってきているわけでございます。特に、現在では四千戸、約四千戸の農家によりまして年間二百五十万トンの鶏卵生産が行われているわけでございますが、特に特徴的なのは、やはり生産者、これ大規模化が非常に進んできておりまして、この言わば生産者の二割の方々が、これが実は飼養羽数の五万羽以上ということで大変規模の大きな生産者の方でございますんですが、この二割の生産者の方が七割強の羽数を飼養しておられるということでございます。  したがいまして、こういった生産者の方が規模拡大をも積極的に進められまして、そういうことによりまして生産コストの低減が図られてきたと。そういったような結果、今、委員からも御指摘のとおり、価格的には昭和五十一年の価格と現在の価格もほぼ変わりのないような、そういった意味で御指摘のとおり物価の優等生かというふうに言われているところというふうに承知をいたしているところでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 鶏、鶏卵は非常に評価できると思うんですが、これが牛、豚になってくるとなかなか価格面でも消費者が納得できるような状態じゃないというふうに思っておりますが。  大臣、大臣の所信表明の中で、我が国の農業について、安心、安全な食料を安定して供給することという方針が述べられておりました。確かに安全、安心で安定供給、大変に重要なことであると思いますが、私はもう一つ安の字が抜けているんじゃないか。安心、安全で安価な、消費者が手にしやすい価格の食料を安定して供給する、これが農業のあるべき姿じゃないかと思います。ですから、安心、安全、安定供給も必要だけれども、これを安価に供給するという姿勢もより必要ではないかと。この鶏卵や鶏、それは実現できているわけですけれども、まだまだできていない分野がたくさんあります。  私は、安い方がいいといっても、どんどん安くて生産者がつぶれちゃってもいいというふうには全く考えていないんで、むしろ反対で、生産者にもっともっと強くなってもらって、安い生産物を供給できる、そういう農業体制、畜産体制をしっかりと築いてもらいたいと、こういう希望を持っておりますが、大臣、私のこの考えについてはいかがでしょうか。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 安心、安全だけでなくて、安価な言わば農産物を提供する、あるいは畜産物も含めて、それらについては全く同感であります。ただ、御承知のように、卵の場合には、鶏舎の中で飼われていますから、比較的言わば台風とかあるいはその他の気象条件に影響されませんが、例えば野菜類、あるいは米にしてもそうですが、ある期間を通してずっと気象条件が整わないと思わぬ言わば減産に陥ったりなんかすることもあります。また、キャベツをたくさんにトラクターで踏みつぶすような過剰生産に陥ることもあります。そういうことをトータルで考えると、それ、個別にいろいろその立場、状況は違うんだろうと思います。  そういう意味で、畜産に関しての御指摘もありましたが、申しますが、畜産の安定供給を十分に果たしていくためには当然に競争力の強化を図ることが重要であります。そういう意味で、生産、加工、流通、それぞれの段階においてコスト低減や衛生管理の向上などを図ることにより、我が国畜産業の安定的な発展と、同時にまた消費者から支持される畜産物の安定供給の実現を図ってまいりたいと、こう考えております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 安価な食料を供給していただくということについて御賛同いただけましたことを大変有り難いと思っておりますが、是非その実現に向けても努力していただきたいと思っております。  質問を変わりますが、最近の北朝鮮問題に関連してアサリが大分話題になっておりますが、国内で消費されるアサリの大半が北朝鮮産だという事実があるにもかかわらず、一般の店頭では北朝鮮産の表示が著しく少ないんではないかというような指摘がされておりますが、これについてはいかがでしょうか。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 農林水産省で一月十五日以降、このアサリの原産地表示の調査を行ってきております。二月末までのデータがそろったところでございますけれども、その調査結果によりますと、小売店舗などで北朝鮮産と表示をされた商品は二品目、中間の流通業者、卸などでありますが、そこも含めて合わせますと十四、中間流通業者だけでは十二品目ということでございました。このことは、先生も今おっしゃいましたけれども、国産とそれから輸入を合わせました全体の供給量の中に占めます北朝鮮からの輸入の割合というのは三五%ほどでございますから、いかにも不自然な感じは否めないところでございます。  この点につきましては、これからも小売のところだけではなくて、その原料調達としての、原料といいますか、仕入れの元であります卸の段階、それからさらに大卸の段階、さらにまた蓄養されている業者の方そして輸入業者というふうに、今それぞれさかのぼって商標等も含めてチェックをしているところでございます。  なお、先ほどの北朝鮮産からのシェア三五%ということ等の不突合の一つの理由として考えられますのは、輸入のアサリは小売店で販売されるほかに外食用や加工用にも回っております。JAS法でチェックをいたしますのは、直接消費者に売られるということで、その際の表示の有無あるいは不正というものが対象になるわけでありまして、その点からいたしますと、直ちに表示の偽装というふうに断定をすることはできません。ただ、今申し上げましたように、いかにも不自然ということでございますし、偽装のいろんな報道もされたところでありますので、私ども農政事務所約二千人の表示担当の職員がおりますけれども、最大限その不正の有無についてチェックをいたしているところでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 産地が正しく表示されていないというのは、これは流通段階でその産地の表示について不正があったということなのか、それともそうではなくて、産地表示に関する法規制が不備であって言わば脱法的にそうした正しい産地を表示しない方法がまかり通っているのか、これはどうなんでしょうか。

常田享詳自由民主党農林水産副大臣

○副大臣(常田享詳君) このアサリの調査につきましては、副大臣会議等でも大変重要なテーマで今挙げられております。  その中で、私もいろいろ調査をさせておりますけれども、今、局長が言っておりますように、日本の国内に揚がってきた後の流通の過程では、JAS表示違反ということからいえばあのような数字になってしまうと。しかし、大量のアサリが現実に、今、下関が八割だと言われておりますけれども、揚がってきてどこかで蓄養されているということも事実だと思います。これはやはり、蓄養しないと鮮度が落ちますから蓄養して入れるわけですけれども、それがその後、今お話がありましたように、生鮮品として使われているとすれば大変、表示違反がほとんどではないかなと思います。しかし一方で、加工食品については表示を必ずします、外食産業とか加工については。そのことがありませんので、今調査させているのは、揚がった後の、まず何に使われているのかという実態を解明しろと。  それからもう一点は、蓄養の段階で、一つ誤解があったら訂正しておきますけれども、よくマスコミが、日本の近海まで持ってきてアサリを入れて、蓄養したら北朝鮮製のアサリが日本製に変わるという話がよく出ていますが、これは脱法行為でありますので、もしそういう事実があればこれは摘発の対象になります。したがって、それがまかり通っているということはあり得ないと思います。しかし、それがないとも言い切れない。  そういうことで、今、局長も言いましたけれども、さっきその蓄養のところまでさかのぼって調べろと、蓄養のところまでさかのぼって調べろ。その蓄養されているアサリがどこへどういう形で国内へ入ってきているのか。それも三五%、四十億という額ですから、わずかなものならあれですけれども、それだけたくさんのものが入ってきてこのように実態が解明できないということではやはり問題だと思っております。  今、鋭意、しっかり調査しておりますので、御報告申し上げておきます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 次に、昨日も質問の中にありましたが、花粉症のことですが、私も六年前にこの、六年半前か、参議院に送っていただいた後、農水委員会で花粉症対策のことについて質問しました。この国会で、予算委員会とか農水委員会で答弁を聞いておりますと、何か六年前に聞いたことと全く同じ答弁を聞いているような気がしてならないんですが、私が質問した後、この五、六年間の実際に取り組んできた施策について御説明いただけますでしょうか。

前田直登林野庁長官

○政府参考人(前田直登君) 森林・林業関係からの取組といたしまして、実は平成八年度から花粉の少ない杉、こういったもの、品種の開発、推進してきたわけでございますけれども、これでこれまでに花粉の量が一%以下、こういった品種が百十二品種開発されております。これにつきましては、平成十一年度から、一般に苗、これの供給を開始いたしまして、平成十一年から十五年度まで約二十四万本苗木を供給したところでございます。それで、今後五年間に約六十万本を超える苗木の供給を見込んでおるところでございます。  また、今年、本年一月でございますけれども、独立行政法人林木育種センターというのがございますが、そちらの方で、花粉ができない、花粉が全くできない杉、「爽春」というふうに名付けておりますが、そういった品種、開発いたしまして、先ほど申し上げました花粉の少ない品種と併せましてこれらの普及に努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。  さらに、平成十四年度から、都市近郊におきまして雄花の着花量の多い杉、こういったものを優先して抜き切りすると、こういった実証事業、例えば二〇%ぐらい抜き切りいたしますと花粉の量が五〇%以下となるというような結果も出てきているわけでございますが、そういった実証事業に取り組むとともに、雄花の量の多い杉、こういった林分に重点を置いた間伐を進めるといったような形で取組の強化を図ってきているというような状況にございます。  今後とも、関係省庁の方と十分連携を取りながら花粉症対策の推進に努めていきたいと、かように考えている次第でございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 これまでに二十四万本の苗木を植林したということですが、これは全体から見るとどのくらいの割合になるんでしょうか。

前田直登林野庁長官

○政府参考人(前田直登君) 率直に言いまして、ごくわずかの部分でございます。我が国杉林が約四百五十万ヘクタール、そういった中で、本数にいたしますと五十億本近いものがございます。そういった中で、そういう意味では、先生御指摘になりましたこの本数というのは微々たるものかもしれませんが、こういった都市近郊を中心にいたしまして少しでもそういったものに切り替えていきたいということで、少しでもこういったものの供給を増やしていくという形で取り組んでいきたいというふうに考えている次第でございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 ごくわずかということではなくて、これからもうその百倍も千倍も、なるべく早い時期にそういう対策を取っていただきたいと思っております。まあ中年の私は、どうも私が死ぬまでには杉が生え替わることはないようですからあきらめておりますが、次の世代のためにも是非しっかりとした対策を取っていただきたいというふうに思っております。  競馬のことについてお尋ねしますが、地方競馬が大変不振で廃止が続いておりますが、施行者の自治体は赤字だから廃止するということでしょうけれども、しかし競走馬を生産する馬産地から見れば、競走馬はこれ競馬にしか使い道がないんで、競馬場がなくなれば当然その影響は馬産地に及ぶわけであります。実際、今、大変に馬産地が、一部の大手が活況ではあっても、全体としては大変に苦しい、厳しい状況にありますが、この馬産地対策についてお聞かせください。

白須敏朗農林水産省生産局長

○政府参考人(白須敏朗君) 馬産地対策の関係でございます。  ただいま委員からのお話のとおり、全体として競走馬の生産農家の経営環境、景気が一つには大変低迷をしておるといったようなこと、あるいはまた、お話しのとおり、地方競馬の主催者の方々の競馬事業からの撤退ということもこのところ相次いでいるわけでございます。したがって、全体としてのこの競走馬の需要が減少してきておるということかと思っております。  したがいまして、私ども、昨年、競馬法の一部を改正する法律を出さしていただきまして、この一月から、本年の一月から施行されているわけでございます。その中で、地方競馬の主催者の方が連携して行いますトータリゼータシステムでございますとかあるいは共同の場外馬券売場、こういった整備にも助成をしまして、そういう形でのこの地方競馬の支援というのが一つございます。  それからもう一つは、お話しのとおりのやはり馬産地対策といいますか、競走馬の生産振興に資するための事業に対しまして助成を行うというふうにいたしたわけでございます。これは、この馬産地対策といたしましての競走馬の生産振興事業と言っておりますが、全体としてやはり競走馬のこの生産構造を望ましい生産構造に変えていこうというふうなことでございまして、担い手の、経営の担い手の方々の経営の組織化、こういったための施設整備、あるいはまた、資質に優れましたいわゆる繁殖牝馬、こういうものを導入していくということのための支援、あるいは既往の借入金の借換えのための長期低利資金の融通といったようなことで、この競走馬の生産の合理化促進ということでございます。  このためには、やはり対策が効率的に行われなきゃならないと思いますし、あるいは地元でやはり使いやすいというところが一番大切なことかと思っておりますので、私どもとしても、そういう観点からも、十分地元での説明会なり連携を取りまして大きな成果が得られるように指導してまいりたいと考えている次第でございます。

福本潤一公明党

○福本潤一君 公明党の福本潤一でございます。  本日は、予算の委嘱の質疑でございますが、水産業、離島、排他的経済水域の問題を中心に質問をいたしたいと思います。  と申しますのも、一昨年、離島振興法の改正がございまして、排他的経済水域に占める離島の役割というものが明確になったところでございますし、そのとき党の離島振興小委員長といたしまして長崎の対馬、五島列島、沖縄、与那国島、瀬戸内海の島々、小笠原諸島等も視察いたしましたけれども、水産業者又は漁業の方々からの質問、陳情が大変多かった。特に難しい問題が多いということでございますし、昨年農水大臣政務官をさせていただいたときにも、農、林、水産、畜産、こういう中で特に水産業、大変難しい問題を抱えておりますし、先ほどの農林水産予算の説明の中でも、第五の柱に元気が出る水産業の確立というふうにありました。かつての海洋王国の片りんを取り戻していただきたいという思いで質問をさせていただこうと思います。  最初に、離島漁業再生支援交付金についてお伺いいたします。  平成十七年度予算で離島漁業再生支援交付金、これが新たに創設されました。十七年度予算では十七億四千万円が計上されておるところです。農業の多面的機能確保のための施策はかなり進んでおるわけでございますが、漁業、水産業で多面的機能確保ということで初めてこの予算が通ったと。離島の漁村において期待が大きいと思いますが、大臣はこの交付金の意義についてどのように考えておられるか、お伺いしたいと思います。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。  水産業、漁村は、我が国国民に対する水産物の安定供給や地域経済の発展に重要な役割を果たすとともに、環境保全や海難救助等の多面的機能を有しております。  このような水産業、漁村の重要性を踏まえ、平成十七年度予算から新たに離島漁業の再生のための交付金を創設することとしたところであります。  本交付金は、水産業、漁村の多面的機能の維持増進にも資する施策であること、水産行政において初めての直接支払という手法を取った施策であることという点で、極めて意義のある施策と考えておりますし、離島の皆さんからも大きな反響があることを私どもはひそかに喜んでおります。

福本潤一公明党

○福本潤一君 この交付金の内容、初めてでございますので、交付要件、交付期間、また期待される効果、これについてお伺いいたします。

田原文夫水産庁長官

○政府参考人(田原文夫君) お答え申し上げます。  まず、交付の要件ということでございますが、この離島漁業再生交付金、当然のことながら、対象となります地域は離島振興法ですとか沖縄、奄美、小笠原、こういったいわゆる特措法の対象となっております離島、こういったところが原則でございまして、ただし、すべての離島ということになるかどうかという点は若干問題があろうと考えておりまして、例えば、本土と橋でつながっている離島もございますし、あるいは物すごく本土に近接しているような離島もあるということで、こういった扱い等につきましてはちょっといろいろと詰めていく必要があるんじゃないかというふうに考えております。  それで、その離島ということでございますが、この離島の中におきまして漁業集落の話合いによりまして集落協定を結んでいただきまして、共同で種苗放流ですとか漁場環境の整備ですとか、そういった積極的な行為を行っていただく、こういった漁業集落に対しまして交付金を交付すると、こういったことにしてはどうかということをただいまのところ考えているところでございます。  それから、交付の期間でございますが、予算は単年度ではございますが、当然のことながら、こういったことが一、二年ということで効果を現すということはいかがかということで、私どもといたしましては、平成十七年度から五年間ぐらいは続けさせていただけたらと、こういうふうに考えているところでございます。  それから、そういったことで期待されます効果ということでございますが、大臣からも今お答えがございましたように、離島というのは漁業生産活動におきましても非常に今厳しい状況にあります。高齢化率ですとか漁業就業者の減少率ですとか、こういったことも本土の漁業集落と比べますと高いという傾向にございまして、今回のこの漁業再生交付金の交付によりまして、我々といたしましては、離島におきます漁業の、漁村の多面的機能の発揮、さらには漁業の再生自体ということにつながっていくんではないかと、かように考えている次第でございます。

福本潤一公明党

○福本潤一君 先ほど、一月十八日から三日間、農林水産委員会で北海道を視察いたしましたけれども、そのときも十勝の漁業組合から、離島ではないけれど離島と同じ状況にある漁村にも離島漁業再生交付金を適用してほしいという要望ございました。離島漁業と同じような漁業、漁村、こういうところにも適用の余地はないのか、また、こうした問題について検討の必要性についてお伺いしたいと思います。

田原文夫水産庁長官

○政府参考人(田原文夫君) 先ほどもお答えいたしましたけれども、今回の交付金は、離島におきましては生産条件、居住条件、こういったことが本土とはかなり違った格好で厳しいということで、離島漁業の振興、元気付けということでこの予算をお願いしているところでございますが、そういった言わば不利な条件の補正といいますか、そういった観点からということでの今回の事業でございまして、私どもは、大臣が先ほども申し上げられましたように、本交付金が水産の世界においては初めてのこうした交付金の支払という手法であるということから、まずはこの交付金自体がどういうふうに定着していくのか、それから、そうした事業を続けることによりましてどうした効果が出るかという検証もする必要があるのではないかというふうに思います。  またさらに、この基となっております漁業、漁村の多面的機能といいますか、こういった点につきましては、昨年、日本学術会議から答申をいただいたわけではございますが、一般国民の方々にそうした漁業、漁村の多面的機能ということにつきましてどの程度浸透しているかという問題、いろいろと検証しなきゃいけないという点があるんではないかと考えておりまして、ただいま先生の御指摘のありましたような点につきましては、今後の検討課題とさせていただくことが適当ではないかというふうに考えている次第でございます。

福本潤一公明党

○福本潤一君 検討した上で前向きに取り組んでいただければと思います。  次に、沖ノ鳥島の問題、質問したいと思います。  排他的経済水域に貢献する度合い、大変大きいものがございます。また、いろいろな外国からの島論、岩論、含めてございます。小笠原諸島からも一千キロ遠隔に立地しておるこの沖ノ鳥島、大変本土とも時間が掛かるところでございますが、沖ノ鳥島周辺のみ漁場とした漁業活動、難しいんではないかと思いますが、同時にカツオ、マグロがおって、高知また東京都も漁業振興したいというふうに言っております。  この沖ノ鳥島周辺の漁場で操業実績について、具体的にどういうふうな状況にあるのか、また、二百海里における魚の種類、どんなものがございますか、質問したいと思います。

田原文夫水産庁長官

○政府参考人(田原文夫君) お答えさせていただきます。  まず、この沖ノ鳥島周辺水域においてはどんな魚の種類があるのかという点につきましてでございますが、この沖ノ鳥島周辺、沖ノ鳥島の二百海里水域を含む周辺水域は、主としてカツオ・マグロ漁業関係の対象魚種、すなわちカツオですとかビンナガですとかメバチ、キハダ、こういったものが広く分布、回遊しているんではないかというふうに考えております。また、ごく近場のこの沖ノ鳥島周辺ということで、ここら辺は漁業実態というよりはむしろ水産庁あるいは東京都の調査船の調査結果ということによりますと、例えばコクハンハタですとかアオノメハタといった南方系のハタ類、それからオニヒラアジなどの大型のアジ類、こういったものですとか、さらには観賞魚で最近人気が出ておりますチョウチョウウオ、こういったもの等が見掛けられると、こういうふうな調査結果も出ているところでございます。  二点目の漁業種類、どういった漁獲量、こういう実態にあるかという点についてでございますが、実は、沖ノ鳥島周辺ということではなくて、かなりメッシュとしては粗い、緯度経度それぞれ十度ずつ取りますと面積的には百万平方キロメートルを超えるような海域、こういった漁獲成績報告書しかありませんので、場合によりましては沖縄の大東島周辺の海域まで含まれる海域ということになりますけれども、この海域での漁獲成績報告書を拾ってまいりますと、過去三年の平均で見ますと大体年間約六千九百トンぐらいの漁獲量があるという実態でございます。  重立ったこの漁獲量でございますが、カツオが約三千五百トンぐらい、ビンナガが各年平均で二千二百トンぐらい、こういう実態にあるというふうに承知をいたしております。

福本潤一公明党

○福本潤一君 大変水産業としても大きな漁獲量、漁獲高持っているところであるようでございます。  こういうところで具体的に漁業者が取り組んでおるその方々はどんな種類の船で操業して、どういう地域の方多いのかということもお伺いしたいと思います。

田原文夫水産庁長官

○政府参考人(田原文夫君) 沖ノ鳥島周辺海域ということではなくて、先ほど申しましたような緯度経度に取りますとそれぞれ十度ずつあるような海域でないとなかなか漁獲成績報告書から明らかになりませんので、ちょっとその広い範囲ということでお答えさせていただきたいと思いますが、まず、出漁しておられます県ということでは静岡県ですとか三重県、高知県、それから沖縄県、こういったところの漁業者の方々が多いということでございまして、主とした漁業ということではカツオの一本釣りとマグロはえ縄漁業ということでございます。  このうちカツオの一本釣りは主として百二十トン前後の漁船を使用すると、それからマグロのはえ縄漁業は主として十九トンぐらいの漁船が操業しているということでございまして、大体操業しております漁船数は、カツオの一本釣りが約百二十隻ぐらい、マグロはえ縄船、これもちょっとトン数が十九トンということになりますと百十隻ぐらいかということでございまして、このほかに大きい船、マグロはえ縄船が十隻から十五隻ぐらいは出ているんではないかと。合計しますと、二百隻から二百五十隻ぐらいかという感じではないかというふうに承知をいたしております。

福本潤一公明党

○福本潤一君 そういう意味では、かつての大変な水産王国、瀬戸内海の近辺では、遠洋漁業に行った方々は御主人はいなくても自宅の方は水産御殿が建つというような時代からはるかに遠くなった現状ございますので、そういったところの水産業の振興のためにも排他的経済水域の問題も取り組んでまいりたいというふうに思っております。  と同時に、ここは東京都でございます。ここ東京都沖ノ鳥島周辺海域の活用という観点から、沖縄で見られるような中層の浮き魚礁、こういう具体的な設置をやったり、漁場の整備、小笠原の漁業者が行っておりますカツオ・マグロ漁業の試験的操業に支援するというような方針も打ち出して東京都はおるところでございます。  こういう沖ノ鳥島周辺の漁業の振興に取り組むというふうに東京都は打ち出していますが、こういう動きに対しまして水産庁としてどのように対応するのか、これもお伺いしておきたいと思います。

田原文夫水産庁長官

○政府参考人(田原文夫君) お答えいたします。  東京都の方も予算の審議中ということで、実は私ども、詳しい中身につきましての御説明を今の段階で受けているわけではございませんが、大体の考え方ということで東京都から聞いておりますのは、この沖ノ鳥島周辺水域におきまして、カツオ・マグロ漁業の試験操業でございますとか、あるいはただいま先生が御指摘なされましたような漁場の調査、整備ということで、浮き魚礁を含むかどうかまではちょっと具体的に私も承知しておりませんが、そういった整備、さらにはこの沖ノ鳥島周辺における漁業の振興ということで何ができるかということをちょっと事務的には今から検討しているという段階であるというふうに聞いております。  こうした東京都の意向に対しまして、それでは我々水産庁としてどういった対応が考えられるかということでございますが、まず一つは、カツオ・マグロ漁業の試験操業ということになりますと、これはトン数によりまして、すなわち二十トン以上であれば農林水産大臣の許可が必要でございますし、十トンから二十トンということになりますと大臣への届出が必要というふうになっておりまして、試験操業の許可、届出と、こういうふうになっておりますが、そうした問題につきましては東京都の申請の状況、それを見ながら我々も適切に対応していきたいというのがまず一点目でございます。  それから二点目の、漁場の調査ですとか整備、これも具体的な話がちょっとありませんのでどういった話になっていくのかということがまだあれでございますので、お話をよくお伺いしました上で、我々の予算の中で対応できるものにつきましては御協力していきたいと、かように考えている次第でございます。

福本潤一公明党

○福本潤一君 ここらの取組がまだまだやはり水産庁頑張っていただかないと、頑張れ水産業という形にはなかなかなりにくいなというふうに思いますし、と同時に、この沖ノ鳥島一つあることによって日本の国土面積以上の排他的経済水域、四十万平方キロですから、もう一・数倍、これが我が国の水産業の対象、さらには海底資源まで、これは沖縄の方の海底も含めて海底資源の方もこの排他的経済水域では取れるわけでございますので、もっと本腰を入れて水産振興に対しても取り組んでいただきたいと思います。  と同時に、この海難事故が沖ノ鳥島の方でも起こっているというふうに伺っております。具体的にどういうような海難事故が起こっているのかということも聞いておきたいと思います。

石井健児海上保安庁次長

○政府参考人(石井健児君) お答え申し上げます。  沖ノ鳥島の周辺海域における海難事故の発生状況というお尋ねでございますが、過去十年間で見てみますと、沖ノ鳥島周辺海域におきましては、日本漁船二隻、外国船籍の貨物船二隻の乗り上げ海難が発生しているところでございます。  これらはいずれも沖ノ鳥島の環礁の外縁部に乗り上げたものでございまして、具体的に申し上げますと、平成七年に日本漁船が一隻、同平成八年に外国船籍の貨物船が一隻、平成九年に同じく外国船籍の貨物船一隻の乗り上げがございまして、その後、平成十年から今日までの約七年余りの間におきましては、日本漁船一隻、これは平成十五年に発生を見ておりますが、そうした発生状況になっているところでございます。

福本潤一公明党

○福本潤一君 ここ、今のような事故状況ということで、漁船が二回で貨物船など商船が二回、大きな事故で計四回報告されておりますし、これだけ年間に多くの貨物船が航行しまして、さらに我が国の遠洋漁船等数多く操業しているということになりますと、日本側としても、この島にこれからの漁船、商船の安全航行のために今後のことも考えまして是非ともこれは灯台をきちっと造ったらどうかと。これは大変大きな意義がこの灯台を造ることによって出てくるんではないかというふうに私思いますのですが、その点について、海上保安庁の見解をお伺いしたいと思います。

石井健児海上保安庁次長

○政府参考人(石井健児君) 灯台などの航路標識でございますけれども、御案内のとおり、船舶交通の安全、また運航能率の増進というものを図ることを目的として設置をしてきているところでございます。  この沖ノ鳥島周辺海域につきましては、一般通行ルートから若干離れております。本土の周辺海域と比べますと、通行量も比較的少のうございまして、これまでのところ、沖ノ鳥島に灯台は設置をされていないという状況でございます。  ただいま先生の御指摘の点、灯台設置の件も含めまして、沖ノ鳥島の利活用につきましては、御承知のとおり、いろいろな議論があるところでございまして、御指摘の点につきましては、沖ノ鳥島の利活用をめぐる総合的な検討の中で、海上保安庁としても更に検討を続けてまいりたいと、こういうふうに考えているところでございます。

福本潤一公明党

○福本潤一君 検討を重ねる重ねるという状況で、これ国際海洋法条約でも第一条で日本はきちっと島であると正当な主張をしておるわけですけれども、中国船も含めて最近かなりこちらの方にもやってきている。そういう状況の中で、岩の定義はこの国際海洋法条約にもございませんけれども、岩だと主張されて、主張し合いが続いているということがいつまでも続くと思うんですね。  ですから、今回の農林水産省の予算ではございませんけれども、具体的に大きな予算がここへ付いております。御紹介いたしますと、平成二十一年五月までに調査データを添えて国連の大陸棚の限界に関する委員会に申請するための調査が急がれているところでございますし、平成十五年十二月、内閣官房に五省庁の連携によりまして大陸棚調査対策室、これを設置しております。平成十六年度の予算では、三省庁、文科省、経産省、国土交通省、百四億の予算を計上しておるわけでございまして、これは対前年度比六〇〇%増でございます。平成十七年度予算におきましても、海上保安庁において六十七億円の予算を計上している。合計百十八億の予算となっておる。灯台一つの予算に比べてもはるかに小さい予算でございますけれども、今年度も引き続き力を入れておるということでございます。  この百十八億の予算、私、大学時代の同期の海洋研の玉木賢策教授、この方、熱心に取り組んでいかれると思いますけれども、その海洋性、もちろん沖ノ鳥島以外にも沖縄の方も調査したらどうかというような話も私しておりますけれども、これだけの大きな予算ある中でのほほんと、こういう灯台を一つ造ること、簡単なことだと思いますけれども、造らないでおくというのには、やはり日本としてこれだけ大きな排他的経済水域を持つ意義がある、その対応、対策としてはやはりまたきちっとした対策してないと言われる、言われかねないというふうに思いますが、これ、海上保安庁、また農水大臣にも一言御意見をお伺いしたいと、こういうふうに思いますが、よろしく。

石井健児海上保安庁次長

○政府参考人(石井健児君) ただいま先生からお話しいただきました大陸棚の調査の関連につきましては、お話、先生の中にも御紹介いただきましたように、十七年度、政府全体で百億を超える予算の中で、私ども海上保安庁がそのうち六十七億を要求をいたしまして、大陸棚の調査を実施を進めようとしているところでございます。  そういうことで、国連の限界画定委員会に平成二十一年の五月までに調査データを提出をいたしまして、その審査を経てこれが国際的に確認をされますと、私どもの日本国の大陸棚の延長が更に広がるということで、この分野についてはもとより一生懸命努力を進めているところでございます。そういうことで、我が国の領土の保全、領域の拡大といった問題につきましては、私どもも真剣に取り組ましていただいているところでございます。  なお、御指摘の灯台の件につきましては、これは繰り返しになりますけれども、先ほどの御議論にも一部漁業関係もございましたけれども、沖ノ鳥島の利活用の拡大という、めぐる問題につきましては非常に様々な議論がございまして、そうした総合的な検討の中で私どももその必要性について更に今後検討を進めてまいりたいということでございます。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 私も福本委員と全く同じ考えでありますし、さすがにすばらしい着眼だと思います。  たまたま沖ノ鳥島が一時、大分、何というんでしょうか、自然の破壊を受けた際にあそこの補強の工事をおやりになったのは私どもの地元の特殊能力を持つ業者でありまして、そのころから私もこのことに非常に関心を持っておりますが、今御指摘のとおりの趣旨に立って、我々はこれからも努めてその努力を続けていきたいと、こう考えます。

福本潤一公明党

○福本潤一君 大臣の力強いお話、お伺いさせていただきました。  もうこの排他的経済水域の問題、これは尖閣列島の方でも大きな問題、海底資源の問題にとっても大きな問題でございますし、本来事前通報が要るこの調査、これも事前通報なしの違法調査が日本のEEZ内でも三十四回あったというのは現実に起こっています。是非とも島村大臣、これ政府、閣内の全体的な取組でこの対応、対策も頑張っていただければというふうに思いますので、今の決意、私心強く聞かしていただきましたので、よろしくお願い申し上げます。  以上で終わります。

紙智子日本共産党

○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  まず初めに、BSEの問題についてお聞きします。  食品安全委員会による国内措置に関する検討が続いているにもかかわらず、アメリカ産牛肉の安全性評価を食品安全委員会に諮問する際は検討期間のめどを指定して諮問することを検討しているような報道がされているんですが、こういう事実はありますか。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 私もそのような報道があったことは承知いたしておりますが、私なりに調べてみましたところでは、そういう事実は今まで全くございません。まあ恐らく推測記事なんだろうと思いますが、そのことをまず申し上げたいと思います。  また、米国産牛肉の輸入再開につきましては、従前どおり、科学的知見に基づき、消費者の食の安全、安心の確保を大前提に、必要な手続を着実に進めていくこととしております。  また、食品安全委員会はリスク管理を担当する農林水産省や厚生労働省からは独立しまして、言わば科学的知見に基づきリスク評価を行うという立場にあるわけでありますから、あらかじめ答申時期を区切って諮問することは適当でないと私は考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 もう一つ確認したいんですけれども、今日の読売新聞なんですね。ここでは、食品安全委員会の審議期間を短縮するために諮問項目を絞り込む方針を固めて、来日するライス米国務長官に説明する方針だと報道されているんですけれども、これ事実ですか。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) それは聞いたことがございません。

紙智子日本共産党

○紙智子君 記事の方がこれは違うと、事実じゃないということですね。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) もしそれが本当に事実の形で進むならば、当然私には事前から御相談がある、こう思います。

紙智子日本共産党

○紙智子君 事実ではないということで確認してよろしいですかね。──はい。  この問題も非常に重要な、重大な問題だというふうに思っています。この間の議論の経過を経てもそうだと思います。  それで、早期再開先にありきという形でやはりこの食品安全委員会の結論を急がせるということは、これは許されないことだと思うんです。  米国産牛肉の評価を進めるためには米国の汚染状況やそれから飼料規制の問題など全面的な評価が必要になってくるわけで、この二十か月齢以下の牛を肉質で判断するということもこれ科学的な知見に基づかないもので、やっぱり安全性に対する評価、ここのところが必要なわけです。アメリカの会計検査院が再度このアメリカのBSE対策について、国内の対策について、飼料規制に欠陥が続いているということを指摘していることが明らかになっているわけですから、当然このような新たな事実も踏まえた検討が必要になってくると。  プリオン専門調査会の吉川座長はインタビューなどにも答えて、新聞に載っていますけれども、分析を進める中で必要な情報がたくさん出てくる、米国のリスク評価では米国がデータや資料提示ができるかどうかというのが最大の課題だというふうに語っているわけです。アメリカがどれだけ必要なデータ提示に応じるかと。月齢判定の追加的検証を日本側からも要求したわけですけれども拒否していることに見られるように、疑問の声も上がっているわけです。そうなりますと評価の作業というのは進まないことになっていくと。  昨日私、予算委員会で小泉総理に質問したわけですけれども、食の安全の問題なんだと、だから政治的ではなくて科学的判断でその決着付けていくというか、そういうことを答弁されていましたけれども、やっぱり科学的検討を行う食品安全委員会の諮問に検討期間や検討内容に縛りを掛けるようなことがあってはならないというふうに思っているんですけれども、その点、同じ意見ということでよろしいですか。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 私もそう考えておりますし、今まではそういうことで来ていると、こんなふうに思います。

紙智子日本共産党

○紙智子君 じゃ、次に移ります。ビートの生産についてです。ビートの生産努力目標について。  ビートの生産は北海道の畑作の輪作体系を維持するためには本当に不可欠なものです。しかし、今度の新たな食料・農業・農村基本計画によりますと、一五年度までの生産努力目標というのは二〇〇三年度の実績よりも五十万トン少ない三百六十六万トンとなっています。これでは北海道のビートの作付面積は二千ヘクタール減ることになるんですね。これではやっぱり適正な輪作体系の維持が困難になるんじゃないかということで、生産者にも大変大きな衝撃を与えているんです。  やはり自給率を引き上げるというふうに言いながら、なぜこの生産努力目標の引下げになるのかということについて、まずお答え願います。

白須敏朗農林水産省生産局長

○政府参考人(白須敏朗君) ただいまのてん菜の生産努力目標の関係でございます。  この基準となりました平成十五年度のてん菜につきましては、委員も御案内のとおり、大変に気象条件に恵まれたときでございまして、単収は平年で十アール当たり五・六トンでございましたんですが、一割増の六・一トン、あるいはてん菜の生産量は四百十六万トン、また歩留りも一七・九%といったようなことで、要すれば、通常でございますればてん菜糖換算でいきますと大体六十万トンの中ごろが標準なてん菜糖の取れ高なんでございますが、その十五年度は七十四万トンといったことでございまして、史上まれに見る豊作であったわけでございます。  一方、ただいま委員からもお話ございました、生産努力目標として私ども考えております平成二十七年でございますが、これ、規模で、北海道畑作農業の経営規模を見てみますと、当然のことながら拡大をするというふうに想定をされておりまして、十勝でいいますと現在の約三十五ヘクタールから約五十ヘクタールへということで一・四倍程度拡大するというふうに見込まれているわけでございますが、委員も御案内のとおり、三月から四月の時期は、てん菜はもちろん播種あるいは移植でございます。他方、同時に春小麦の播種でございますとかあるいは芋の植付けといったようなことで、いわゆる春作業の競合が起こるわけでございますので、現在の技術体系をもっていたしますと、一戸当たりの経営面積は畑作農業三十ヘクタールから四十ヘクタールが限界というふうに言われているわけでございます。  そういう中で、委員も御指摘のとおり、やはり輪作体系、これを維持していくということがもう最大の課題でございますので、そういう中で輪作体系を維持しながらてん菜を作付けしていくといいますためには何といいましても省力化が絶対的に必要であろうというように考えているわけでございます。  現在のところは、御案内のとおり、ポット苗によります栽培体系が一般化しておりますが、これではやはりコストも掛かりますし労働時間も掛かるということでございます。したがいまして、今回の生産努力目標の策定に当たりましては、その省力化という観点から、直播栽培というものの普及を相当程度見込みまして、てん菜の生産量を三百六十六万トン、てん菜糖の換算としては六十四万トンといったようなことで算定をいたしたというところでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 一つには豊作、非常にまれに見る豊作だったということを言われたんですけれども、ビートは豊作のとき、凶作のときで物すごく幅があるんですよね。面積を減らしますと、凶作の場合は、今まででさえも国産の需要を圧迫してきたわけですけれども、輸入調製品などが増えて定着をしてきていると。そうすると、国産糖に置き換わってしまう可能性もこれ否定できないことになるわけですね。影響なしというふうには言えないわけですよ。  それから、今、直播、直まきですよね。直播栽培にすればもっと手間も掛からないだろうという話なんですけれども、そんな簡単な話じゃないですよ、現場では。元々は直播だったんですよね。だけれども、やっぱり寒いところで、気候的にも直播でやれば被害を受けやすいということで、ハウスを造ったりして施設や機械の装備に本当にお金掛けて投資して、移植栽培に移行して品質も向上させていくということでやってきた経緯があるわけです。だから、今更また直播に戻せということを言われても困るというのが、生産現場ではもう逆戻りというのは難しいんだという声もあるんですね。  ですから、やはり豊作と言っているんだけれども、三年続いてきたわけです。つまり、これは何を示すかというと、条件が良ければ北海道にはそれだけの生産する力があるということの裏返しなわけで、それをやっぱり引き下げる目標を掲げるというのは、これ生産力を縮小しろと言っているのと同じじゃないかというふうに思うんですね。本来、生産されたビートというのは全量この最低生産者価格ということで買い取らなきゃいけないことになっていると。しかし、自主的な取組だという形で、この間、豊作になった分については最低生産者価格での買取りの対象にしないで、二割とかということで対象から外して生産者がトン当たりで千円も拠出すると、自分たちでお金千円出すと、こういうふうな形でやってきているわけです。生産者から見れば、これペナルティーだという言い方してるんですけれども。  生産努力の目標の三百六十六万トンが事実上このビート生産の上限になってしまって、今後、恒常的にこれ以上は買い取らないと。ペナルティーの対象になってしまうんじゃないかと、こういう不安の声もずっと出ているんですけれども、いかがですか。

白須敏朗農林水産省生産局長

○政府参考人(白須敏朗君) ただいまの委員のお話でございますが、やはりこれから北海道畑作農業、規模が当然のことながら拡大していくだろう、これは想定がされることであろうというふうに考えているわけでございます。  そういう中で、私どもやはり何としても省力化が必要であるというふうなことでございまして、今も委員のお話のとおり、やはりそうなりますと直播栽培というのが当然考えられるわけでございますが、確かに単収は一割強低いというふうなデメリットがあるわけでございます。ただ他方、移植に係る作業も省ける、あるいはまた労働時間が約半分に短縮するといったようなことでございまして、ですから全体としてそのコスト低減が非常に可能であるということでございますので、さらに加えましてその技術開発も行われまして、直播でありながらいわゆる狭畦栽培といったようなことで、一種の密植栽培でございますが、こういうことで行いますと、通常の直播の単収よりも更に一割程度向上させるというふうなことも可能であるというふうなことになってまいったわけでございます。  したがいまして、今、委員のお話しのように、一方的な所得の減ということではございませんで、私どもとしてはこの規模が大きくなった、大きくなる中でこの輪作体系を維持しながら農家所得の確保も十分に可能であろうというふうに考えているわけでございます。  この生産努力目標というものは、今、委員からもお話ございましたが、私どもとしてはやはり農家所得をも考慮いたしました望ましい生産規模を示すということでございまして、ただこれは、要すれば平成二十七年の目標といたします生産の努力目標ということでございまして、委員もお話ございましたとおり、この生産自体を、来年以降の生産自体を何ら規制するということではございません。  それと、今、委員からお話ございました、生産者の方々が豊作の過程におきましてそれぞれ拠出をされましてその一部財源に充てられたというふうなお話でございます。これは、この生産努力目標とはまた別の問題だというふうに私どもは理解をいたしておりまして、それはこの現在におけます糖価調整制度という制度を、やはり生産者としてもその制度の在り方をしっかり自ら守っていこうというふうな、私どもはそれは大変高く評価するわけでございますが、生産者の皆さん方の努力の表れだというふうなことでございまして、そのこととこの現在の生産努力目標の策定ということは、私どもとしては別の問題であるというふうに理解をいたしておるところでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 これまでの議論を踏まえた課題と検討の方向っていう、この砂糖・甘味資源作物関係のこの資料がありますけれども、この中で、検討会の中で砂糖分科会が示した検討方向で言っていることは、財政負担を軽減することが必要だと。で、国産糖の供給量が適正規模を超える場合には、政策支援の上限設定を行うことが必要だというふうに言っているわけですよ。ビートの適正規模が最大でも三百六十六万トンだということになると、生産縮小に追い込まれかねない問題だというように思うんですね。  先ほども言いましたけれども、生産者は余剰分だということでトン当たり千円の拠出を行っているわけです。これは農家の規模にもよるんですけど大体農家一戸当たり五十万とか六十万なんですよ。それだけのお金を出してやらなきゃいけないと。豊作だといってこれだけの重い負担が強いられるということになると、生産意欲どころじゃなくなるんですね。  食料・農業・農村基本計画では、この国内生産の増大を図ることを基本とするというふうにしているわけです。新たな基本計画の案でも、食料自給率の向上は生産面では国内の農業生産の持てる力の最大限の発揮を前提にすると、こんなふうにも言っているわけですね。  じゃ、持てる力を最大限発揮したと、頑張ってやったところがペナルティーの対象になってしまって、更に今度出さなきゃいけないということになったら、これあべこべじゃないかというふうに思うんですよ。自給率向上というのであれば、やっぱりこの砂糖の自給率をまず引き上げるべきだというふうに思いますよ。いかがですか。

白須敏朗農林水産省生産局長

○政府参考人(白須敏朗君) 先ほど申し上げましたように、十五年、非常に史上まれに見る豊作だというふうなことでございまして、そのときは自給率三五%だったわけでございます。  私どもが二十七年の目標といたしております自給率三四%というふうなことでございまして、そこのところは、ただいま申し上げましたような史上まれに見る豊作ということを除きました平年の大体収量というふうなことになりますと、自給率としては三四%というのは私どもとしては適正なところだというふうに理解をいたしているわけでございます。  それと、ただいま委員からもお話ございましたお挙げになりました資料は、ちょっと私あれでございますが、多分それは現在、砂糖の、それぞれ在り方について、それぞれ生産者の方々あるいは消費者の方々、それぞれ学識経験者、お集まりいただきまして、将来のその制度の在り方について検討会を行っているわけでございますが、その検討会の議論の過程のお話であろうかなというふうに思うわけでございますが、この砂糖の制度というのは、もう御案内のとおり、これはやはり相当な内外価格差があるわけでございます。その高い国産のお砂糖を、やはりそれを、外から入れてきます粗糖を国内で精製いたしまして、それをまた同じ価格にいたしまして消費者に提供しておるというふうなことで、大まかに言いまして、大体その国産の自給率、大体三分の一だというふうに御理解をいただきたいわけでございますが、そこのところを調整金という形で消費者の方に御負担をいただいておる、それと国からも交付金を出しておるというふうなことで、この高い国産のお砂糖を輸入しておる粗糖からできる精製糖と同じ値段にして消費者の方に提供しておると、こういうふうな制度、仕組みになっているわけでございます。  したがいまして、私ども一概に消費者の負担を高くする中で、幾ら生産してもこの消費者が負担してくれればいいということにはこれはなかなかならないわけでございまして、やはりそこのところはコストを削減しながら消費者にも適正な価格で提供していくという生産者としても安定供給の義務があろうかというふうに考えているわけでございます。  したがいまして、そこのところはやはりこの制度の負担の私どもはバランスが大変必要だろうというふうなことでございますので、そこの生産者、消費者そしてまた精製糖あるいは国産糖と、それぞれの皆様方がそれぞれ御負担をいただきながら消費者に対する安定供給ということでございますので、そこの点はひとつ今後とも更に検討を進めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 消費者にすごく負担を掛けるというようなことを何か印象付くような話をされるんですけれども、そうじゃないんですよね。豊作になってすぐ超えるような数字が、これ自給率の向上目標というふうには言えないというように思います。  砂糖は国際的に見ても酪農と並んで最も各国で手厚く保護されている部門だと思うんですよ。本当に砂糖を御飯のように食べる人はいないんだけれども、しかしなければ困ると、糖分というのは。これはやっぱり水や塩と同じように、なければ困るということで、各国が安全保障の問題としても位置付けている問題ですよ。欧米を含めて各国が保護政策を取っているんですね。国内のこの砂糖の需要を圧迫しているのが実は輸入の加糖調製品です。国内の砂糖需要が減少しているにもかかわらず、関税の低い、糖分の含有率が八五%ですね、これ以下の調製品の輸入が増え続けてきているわけですよ、一方で。この対策は長年求めてきているのにいまだ抜本的な対策が打たれていないと。  そういう抜本的な対策を、この加糖調製品の対策をやっぱり打つ必要があるし、そもそもこの加糖調製品の問題というのは、九八年までは輸入数量の制限を行ってきたわけです。ところが、アメリカからガットに提訴されてこの輸入数量制限廃止に追い込まれて、八五%以下の含有率の、含糖率ですね、糖の含まれている率の調製品は低関税にさせられたというのが原因ですよ。ところが、その実際に提訴してきたアメリカはどうかというと、この糖の含む含糖率ですね、これ六五%以上で線を引いて調製品の輸入を規制しているんですよ。日本に対しては八五%じゃなきゃ駄目だと、しかし自分の国はそうやって守るということでやってきているわけで、これに対してやっぱり毅然として日本は国内対策でしっかり対策を取るべきだということを申し上げまして、ちょっと時間になりましたので終わります。

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) 以上をもちまして、平成十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管及び農林漁業金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十一分散会

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