農林水産委員会 第3号
- 発言数
- 119 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2005/03/17
会議録
○委員長(中川義雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十一日、広田一君が委員を辞任され、その補欠として松下新平君が選任されました。 また、昨十六日、主濱了君、松下新平君及び小川勝也君が委員を辞任され、その補欠として広田一君、尾立源幸君及び工藤堅太郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(中川義雄君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に農林水産省消費・安全局長中川坦君、農林水産省生産局畜産部長町田勝弘君及び林野庁長官前田直登君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中川義雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(中川義雄君) 農林水産に関する調査のうち、畜産物等の価格安定等に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○田中直紀君 自由民主党の田中直紀でございます。 本日は畜産物等の価格につきまして審議会に諮問をされたと伺っております。内容につきましてはまた拝見をさせていただきたいと思いますが、今日は、その関係もありまして、畜産・酪農対策につきまして、その考え方あるいは将来展望についての施策についてお伺いをいたしたいと思います。 去る一月、当委員会の皆さん方と北海道の十勝地方の酪農専業農家を視察させていただきました。放し飼いの牛舎があり、あるいは自動搾乳機等の機械が導入をされておりまして、大変施設が近代化をされてきております。北海道の大地を活用して、そしてまた大変生産者の皆さん方が意欲を持って取り組んでおられるということに大変印象深く拝見をしてきたところでありますし、また、中川委員長がきめ細かく御説明いただきましたんで、私も酪農農家の皆さん方の努力がそういう面では報われるような思いで帰ってきたところでございます。 そういう中で、四百頭の生乳、そしてまた二千トンの出荷をしておる、規模拡大ということで億単位の投資をしておると、こういうことでありますから、償却をしていかなきゃいかぬと。こういう状況の中で、御存じのとおり、飲用乳の消費の拡大をしていかなきゃいかぬ、あるいは加工乳の需要を拡大していく必要も出てきておりますし、また、輸入が非常に多いチーズ分野の商品の開発をしていこうと、こういうお話を伺ってきたところでございます。 今回、限度数量の問題、大変心配を生産者の方々がされております。大変厳しい経営状況を余儀なくされるのではないかと、こういう状況でありますので、今後の酪農に対する対策につきまして、どのように取り組んでおられるか、御説明をお願いしたいと思います。
○副大臣(常田享詳君) 加工原料乳の限度数量については、脱脂粉乳の需要減により過剰在庫が生じていることから、生産者の生産意欲をそがないよう配慮しながら、これを早期に解消する道筋を付けられるよう、そのような水準に設定をしたいというふうに考えております。 また、補給金単価につきましては、一定の算定ルールが定着していることから、これに従い、生乳の再生産の確保を旨とし、適切に決定したいと考えております。 これらを踏まえ、十七年度の限度数量については二百五万トン、五万トン減であります。それから、補給金単価については十円四十銭、十二銭減とすることについて、本日、食料・農業・農村政策審議会に諮問し、御審議いただいているところであります。 以上でございます。
○田中直紀君 生産量につきましても、あるいは価格につきましても、いろいろ議論の中で出てきたんではないかと思いますが、将来に向かって、生産者の努力あるいは販売の努力の下に、今の状況が打開されるように誘導をしていただきたいと強く望むところでございます。 その牧場内で農林水産省が十五年にバイオマス事業として採択をいたしましたバイオマスプラントが稼働をいたしておりました。士幌町では既に三基導入をしてきたというふうに伺っておるわけでありますが、説明の中で、点検費用が非常に掛かる、あるいは売電価格が低廉で大変コストが掛かってきておるわけでありますから、そういう面で、非常に方向としてはこの導入、活用をされてきておりますし、これからの時代を担っていくバイオマスというふうに感じたわけでありますが、やはり導入促進のための規制の改善が是非必要だということを農家の方が陳情をされておりました。 農林水産省管轄でありますので、今後の取組についてお伺いをいたしたいと思います。
○大臣政務官(加治屋義人君) バイオガス施設は生ごみあるいは家畜の排せつ、田中委員の御指摘のとおりでございまして、生ごみあるいは家畜の排せつ物をエネルギーに変えてそれを再利用をしていくと、こういう大変夢のあるものだと思っておりまして、農林水産省でも大変期待をしておりまして、その導入の促進をすべくいろいろな対策を立てさせていただいております。 メタン発酵などのバイオガス施設の導入につきましては、一つには、十七年度予算案においてバイオマスの環づくり交付金などによって施設整備を支援しておりまして、初期投資の低減を図ろうといたしております。また、二つ目には、固定資産税などの税制優遇措置によって農家の負担を軽減をさせていただいているところでもございます。 また、御指摘の、経済産業省はいわゆる新エネルギー法の制定によりまして、電気会社などに対して一定のバイオマス起源等の電力を用いるように義務付けておりまして、ただ、ちなみに、この売電価格というのは農家と電力会社との間の交渉によるものでして、これらによってバイオガス施設にかかわる売電単価が最近上昇をしてきていると、そういうことも報告をいただいております。 今後とも、大変大切なことでございますので、家畜排せつ物の高度利用の推進に努めてまいりたいと思っております。
○田中直紀君 農林水産省、主管でしておられるわけでありますので、各省にも大いに働き掛けて、コスト割れがならないように更なる努力をお願いいたしたいと思います。 次に、島村大臣にお伺いをいたしたいと思います。 さきの大臣の所信表明の中に、これ相当長文の所信表明をお伺いをいたしたわけでありますが、畜産・酪農対策について具体的に言及をどうもされていないという状況を読ませていただき、聞かせていただきまして、どうもこの分野の対策ではどうも物足りない感じが私はしたわけでありますが、その中で、農地制度の分野においては土地利用型農業、農地の利用集積と、こういうものの促進をしていこうと、支援をしていくよというお話でありますし、また、環境問題におきましては、農業生産全体を環境保全を重視するというものに転換をする必要性があるんではないかと強く表明をされておるわけでありますので、今お話をいたしましたように、畜産・酪農分野におきましては、農地の問題、規模拡大の問題、あるいは環境問題、積極的に取り組んできておるわけでありますので、是非大臣にその強い指導の下に皆さん方に心配なきようにしていただきたいと思うわけでありますので、そのお考えを伺うとともに、私が、大規模経営でありますから多くの皆さん方が携わっているんであろうと、こういうふうに思いましたが、五十ヘクタールの酪農家で経営者夫婦、あるいは後継者の夫婦、そしてまた孫の二人と、こういう家族経営なんですね。 そういう面では非常に自分たちの仕事として、家族として誇りを持ってやっておられると、こういう姿を拝見してきたところでありますので、今、将来の対策の中で認定農家を中心にしてこれからやっていこうというようなお話もありますし、そういう中で私は、家族経営というものをもっともっと、ほかの分野もそうでありますが、見落とすことがなく、しっかり育成をする、そしてまたそれを後押しをしていくような、そういう姿勢で是非取り組んでもらいたいと思うわけでありますが、大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。 畜産は他の作目に比べて認定農業者の割合が高く、JA酪農部会などの生産組織では新たな認定農業者を育成する取組も少なからず見られるところであります。生産組織の構成員には、現在は認定農業者ではないが将来に認定農業者となる者も少なくないと考えております。 このため、近く策定する酪肉近代化基本方針においては、認定農業者を基本とするが、それだけでなくて、認定農業者に準じる者も担い手として位置付けることとしております。また、認定農業者に準ずる担い手の考え方については、地域の実情などを考慮しつつ、十七年度中をめどに検討を進めてまいりたいと考えております。 なお、田中委員は環境問題にもお触れになりましたので続けてお答え申し上げますが、畜産環境対策としては家畜排せつ物法への対応が進んでおりますけれども、緊急避難的にシートなどを利用して簡易な対応をした農家もあると承知しております。このため、今後とも、これら農家に対して堆肥舎などの整備を継続することが必要と考えておりまして、平成十七年度予算案においては共同処理施設のための予算を確保したほか、今般の畜産物価格の決定に伴う関連対策として、個人処理施設の整備が可能な補助付きリース事業についても継続することとしております。 なお、今後とも、これらの事業を始め、制度資金あるいは税制上の優遇措置の活用によりまして地域の実情や経営規模に応じた畜産環境対策を推進してまいりたいと、このように考えております。
○田中直紀君 是非、積極的に取り組んでいただきたいと思います。 牧場に参りましたら、経営者の奥さんがやはり搾乳といいますか、機械が近代化されてももう大変忙しくやっておられましたし、そしてまた、後継者の息子さんはやはり地元の高校の酪農科を学ばれまして、そしてまた多くの体験学習を経て、そして自分の職業としてしっかりと地域を守ってくれておると、こういう姿があるわけでありますので、是非、家族経営の育成というものに取り組んでいただければと思っております。 畜産・酪農の分野におきましては、先般の所信表明の十一ページには述べられておるわけでありますが、これは米国産牛肉の輸入再開問題が述べられておるわけでありまして、当然、食品安全委員会の科学的知見の下に判断をしていこうと、こういうことを述べられているわけでございます。 で、ちょっと心配といいますか、気掛かりなのは、一昨日ですか、米国産の牛のBSE対策が大変不備ではなかったかと、こういうことが、GAOの、米会計検査院から報告がなされておると、こういうことですね。内容としては、一九九七年に牛の飼料への肉骨粉などの使用を禁止した後、二割近くその検査が滞っていたんではないかと、こういう指摘があるわけであります。 思い起こしますと、我が国のこのBSEの発生を検証してみますと、やはり同じ時期に肉骨粉が行政指導で禁止をしたんでありますが、どうも一部ではそれが原因でBSEが発生してしまったんではないかと、こういう苦い経験があるわけであります。 私は、三年前に参議院の議員の皆さん方とヨーロッパに、スイスにその関係で現地の専門の皆さん方に話を聞きに参りました。そのときの話でありますが、やはりこのBSEの特徴というのは潜伏期間が五年ぐらいあるということ、常田副大臣はよく御存じでありますけれども、感染した若い牛ほどなかなか見付けにくいと、やはり必要かつ十分な検査体制を取らないと後々非常にそれ以上の対策をせざるを得なくなってしまうと、こういう指摘がありまして、我が国は全頭検査というものに踏み込みました。確かに、検査方法としては若干それはお金は掛かり過ぎる、そしてまた、それによって若い牛が感染しているかどうか分からないんじゃないかという議論はあったんでありますが、しかし、発生いたしましたらやはり必要かつ十分な検査をしなきゃいけない、こういうことを指摘を受けたわけでありますので、やはり妥当な我が国の体制ではないかというふうに思ったわけでございます。 そういうことを考えたら、私は、アメリカの畜産業というのは立派な産業でありますし、国を支えておるということでありますから、そういう面では、安全局長はいろいろアメリカと事務的に折衝されてきたと、こういうふうに伺っておりますけれども、これから何回もこの問題話し合う機会があるんだと思いますが、私は、アメリカの畜産業というものをやはりそういう面ではしっかりしたものにしていただいて、そして我々が安心して大いに輸入をするという、その体制も非常に今私は大事なところではないかと思いますので、その辺の体験を基に、科学的知見の検討は検討といたしましても、我が国の経験を生かして、大いにやはり意見を述べて、そして体制を整えてもらうということも大事だというふうに思うわけでありますが、大臣の御見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) 再三申し上げているとおり、我々はあくまで科学的知見に基づいて食の安全、安心に最大限の努力をし、これらを前提としてこれからも対処していくという基本方針に立っております。 さはさりながら、委員御承知のように、平成十三年の九月に発生して以来、翌月から全頭検査を実施しまして、昨年、諮問の段階でももう実に約三百五十万頭、そしてその後の数字を足しますと約四百二十万頭に及ぶと承知していますが、その間、二十一か月未満については言わば問題が全く生じていないと。これらを踏まえて、私どもでなくて専門家によって構成される食品安全委員会の中間取りまとめがあり、これに基づいて我々は諮問を今いたしているところでございまして、やっぱりそれらについては、ほかの国々が仮に、仮に七対三でもいいですけれども、三〇%の国は全頭検査をやっているんだと、こういう場合にはいずれを取るかということがありますけれども、実はこの全頭検査を実施する段階でも是か非か論はあったんです。この是非論のときに私はたまたま質問受けたんで、私はこの際、緊急避難として思い切ってやるべきだと言った賛成論者の一人なんです。その後の私は経過を見た上で、今回は諮問する側に今立っていると、こういうことでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○田中直紀君 いろいろ日米間でこれから話をする機会も多かろうかと思いますが、万全な体制の下に、そしてまた両国の国民、生産者が、消費者が理解できるような、そういう御努力を、更なる御努力をお願いを申し上げたいと思います。 また、視察の中で、士幌町にあります、年間出荷頭数が約二千五百頭、飼育は四千四百頭されておりましたが、大規模な畜産・畑作農家の視察を同時にさせていただきました。 堆肥センターを整備をされておりまして、生産した堆肥を流通をさせるということでありますが、自ら畑作と畜産の複合経営をされておると、こういう状況でございました。そういう中にありまして、やはり大変、先ほど大臣もお話がありましたように、環境対策に力を入れておられるということでありました。そういう面では、新潟なんかにおきましても新発田で堆肥センター、今でき上がってきておるところでありますが、なかなかこの堆肥を使ってもらえるいわゆる耕種農家の理解というものを進めていかなければいけないわけでありますが、今のところ、海岸沿いのスイカ農家だとかあるいはそのほかのハウス農家ですか、というようなところに使ってくれているわけでありますが、地元の堆肥センターもなかなか経営が厳しいと。 必要性は非常に分かるわけでありますけれども、なかなか定着をさせていくということに苦労をしておるというのが実情であるわけでありまして、今後、是非、堆肥センターの整備を農家ごとにもできるようにしてもらいたい、あるいは耕種農家の連携を図っていくような、そういう組織づくりを支援をするということを是非大臣にお願いをしたいと思いますが、よろしくお願いします。
○副大臣(常田享詳君) 田中委員御指摘のこと、ごもっともだと思っております。 堆肥の円滑な流通を進めていくためには、耕種農家と畜産農家との連携、いわゆる耕畜連携は極めて重要だというふうに認識しております。その上で、連携を更に図っていくためには、堆肥の生産や利用に関して畜産農家と耕種農家の間でやはり話合いの場をもっと設けるということは大変重要なことだと考えておりまして、そういう機会づくりに努力をしたいと思っております。あわせて、耕種農家側で堆肥の散布に必要な機械や労働力を確保すること等についても重要と考えておりますので、支援をしていきたいと思っております。 このため、国としては、さらに耕種連携を図るための協議会の設置、良質な堆肥の利用の促進、農作業請負組織による堆肥の運搬、散布作業の推進などの支援をより一層進めてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○田中直紀君 今回の審議会の諮問で畜産あるいは酪農対策ということでいろいろな事業の予算も答申をしていただいたわけでありますが、その前段に、畜産・酪農対策の財源については、財源の予算が大変厳しい状況にあると、こういうことがいつもまくら言葉で出てくるわけでありますけれども、その中身を聞きますと、BSE対策で相当予算を使ってしまったんだと、農畜産業振興機構の資金残高も非常に減少したと、こういうような話でありますが、参考のためにちょっとまずはお伺いいたしたいんでありますが、我が国のBSE対策で今までに予算としてはどの程度、トータルでどの程度、あるいは項目別に、国としてあるいはその他としてどんな状況だったか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(加治屋義人君) 御質問の中身でございますが、消費者、生産者、関係事業者が受けた影響を緩和をする、またBSE対策特別措置法を円滑に施行する、これらを目的として、平成十三年度から十六年度の間に国と農畜産業振興機構から四千八百六十三億円の対策を措置をさせていただいております。 その内訳でございますが、一つには監視体制の強化、死亡牛の検査、処理の推進として二百六十四億円、二つ目に知識の普及、畜産物の安全性のPR対策として五十二億円、三つ目に食肉処理・流通体制の整備として三百四十三億円、四つ目に畜産経営の安定対策として三千三十六億円、五つ目に畜産副産物の対策処理として千百六十九億円となっておりまして、この九割近くを平成十三年九月の発生からその翌年の三月までの間に集中をさせていただいております。 以上でございます。
○田中直紀君 私も肉骨粉の輸入が原因ではないかというような話を聞いたときに、水際でそういう施設で焼却をすることによって、百億、二百億の予算で水際作戦ができるんではないかというようなことも話したことがあるわけでありますが、いや、我が国は絶対BSEは発生いたしませんというような話の前提で発生が始まったわけでありますが、大変な予算が掛かってきたわけでありまして、それだけ効果があったんだと思いますが、そういう面では今後の政策に影響がなきように畜産・酪農対策に予算を付けていただければと思っております。 最後になりますが、林野庁の長官に来ていただいておりますので、花粉症対策で、私は幸いにして花粉症まだなっておりませんが、これは農林水産省だけではなかなか難しいんじゃないかという、一生懸命頑張っておられると思うんですけれども、これ関係省庁でやっておられるんでしょうが、東京なんかはもうコンクリートジャングルになっちゃっているわけですね。ですから、確かに杉花粉症が、もうこの春一番でどんどん飛んでくるんでありますが、この地域としてやはり、桜の花が散る姿と同じように、このコンクリートジャングルになった東京がもう花粉で舞っているわけですね。そういう中にアレルギーの方々が大変苦労されておるということでありますから、林野庁もいろいろと御努力をされておると思いますが、各省庁に働き掛けて、やはり東京においても都市においても、今あるグラウンドといいますか、土地といいますか、そういうものは、これ以上そういう面ではコンクリートにしないようなぐらいの意気込みでやらないと、農林水産省の、杉が原因ばかりで大変苦労しておるんじゃないかなと。 応援団として、是非取り組みながらも、その環境をどういうふうにしていくかということをひとつ考えていただきたいと最後にお願いをして、終わらせていただきます。
○委員長(中川義雄君) 時間ですので、簡潔にお願いいたします。
○政府参考人(前田直登君) はい。 林業関係の方では、そういった関係で、樹種の関係ですとか、間伐に当たってそういったものを進めていくとか、そういった形で取り組んでいるわけでございますけれども、この問題につきましては関係省庁多くかかわっているわけでございます。そういったことで、関係省庁で連絡会議、こういったものを持って対策を進めているわけでございますので、そういった場を通じまして、また、私どもも積極的に各方面の方にもお願い、働き掛け、そういったことをしていきたいというふうに考えている次第でございます。
○和田ひろ子君 民主党の和田ひろ子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 今日は食料・農業・農村政策審議会の生産部会で畜産物価格が今検討をされております。そこで、政府からは諮問をされました。この諮問をされる前に生産者の皆さんとか中央会とかいろいろ御要望があったのは、生産者の意欲をそぐようなというか、労力が無駄にならないような価格の決め方であってほしい、そういうふうに要望が出ていたと思います。 でも、今日の政府からの諮問は全部下がっております。限度数量も、この現行から絶対に下げないでほしいと言って、二百十万トンなんですが、二百五万トンを諮問をされました。この意味をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(町田勝弘君) 加工原料乳の限度数量のお尋ねでございます。 限度数量の設定の基礎となります生乳の需給を見てみますと、脱脂粉乳の需要が減退しておりまして、脱脂粉乳の在庫が過剰となっております。私ども、こうしたことを踏まえまして、十七年度の限度数量につきましては、生産者の意欲を、お話あったように、そがないように配慮しながらも、過剰在庫の早期解消に道筋を付けるような水準に設定をしていきたいと、そういう必要があるというふうに考えております。そういったことで、お話ありましたように、二百五万トンということで本日審議会の方に諮問し、審議をいただいているところでございます。
○和田ひろ子君 生産者の皆さんは脱脂粉乳の在庫対策とか消費拡大対策に対する取組や何かをされていて、大変な努力をされています。そこにもってこういう諮問が出ているということは、とても何か政府を信用していただけないというか、おれたち本当にこれ頼っていていいんだろうかという思いをされているんじゃないかな、とても残念な思いがいたします。まだ決まったわけでないので言えないんですけれども、どうしてこんな諮問を出されたのかなという思いでお聞きをしました。 まず、ミルクは生乳のまま飲むのが一番いいんですよね。でも、ただ、いろんな中で、脱脂粉乳が在庫がすごく多くなっていてと今のお答えにもあったんですけれども、そういうことからしまして、まず年間の生産量と年間の需要をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(町田勝弘君) 現時点で、十六年度の脱脂粉乳の生産量は十八万四千トン、また消費量は十八万五千トンというふうに見込んでいるところでございます。
○和田ひろ子君 えっ、消費量は何ですか。
○政府参考人(町田勝弘君) 十八万五千トンでございます。
○和田ひろ子君 それで、例えば在庫で残ってくる脱脂粉乳をどういうふうにストックしておくんですか。
○政府参考人(町田勝弘君) 十六年度末の在庫量、大体消費量の半年分の九万二千トン程度と見込まれておりますが、この在庫につきましては乳業メーカーによって保有されております。乳業メーカーの倉庫等にあるということでございます。
○和田ひろ子君 その在庫を保管しておくのは乳業メーカーの持ち出しというか、乳業メーカーがそれ全部出して在庫しておくんですか。
○政府参考人(町田勝弘君) 御指摘のとおりでございます。
○和田ひろ子君 政府がそういうふうに言われるのはとても簡単なんですけれども、在庫を抱えている乳業メーカーというのはもうそれは本当に大変なもので、それが結局は消費者に掛かってくということも政府は考えなくてはいけないと思う。メーカーが抱えているんだから知らないよと言うんではなくて、それがもしかして消費者に掛かってくるとすればこれは本当に大変なことなんだから、そういうこともよく見極めてやっていかなければいけないと思いますけれども、どうですか。
○政府参考人(町田勝弘君) 私ども、やはりこの過剰在庫は乳業者が負担しているわけでございますが、これは結局、消費者の前に、生産者の方に乳価の下げ圧力になってくる、生産者の経営を圧迫していくんじゃないかというふうに思っています。 そういったことで、生産団体も自ら過剰在庫の解消に取り組んで、今年は去年の二万トンに加えて五千トン対策をして、在庫を五千トン減らそうということで取り組んでおりまして、先ほどの限度数量もそれと整合性を取った形で設定をさせて今諮問をさせていただいているところでございます。
○和田ひろ子君 それは、五千トン対策どういうふうにされるんだか、本当は内訳聞きたいんですけれども、大体、攻めの農業と言っているからには海外に出してもいいはずだし、例えば飢餓の問題でFAOが大変苦しんでいるとすれば、日本はそういうところにも支援もしていいと思います。そして、先ほどの、すごい地震のところに何か、日本の脱脂粉乳やれないのかななんて素人考えもあります。そして、例えば米なんかはエネルギーにもできるなんていう研究がどんどん進んでいるんですけれども、脱脂粉乳に対しては、飲むとかそういうことに関してだけでない、新しい取組なんかはしているんですか。
○政府参考人(町田勝弘君) まず、脱脂粉乳については食品としての需要開発、こういったことにメーカー、研究者は研究に取り組んでおりますが、食品以外ということになりますと、今年やりました生産者団体による二万トンの需要拡大対策の中で、えさ、飼料用でございますが、そういったものに取り組んでいるというふうに承知いたしております。
○和田ひろ子君 FAOとか、そういうのは。
○政府参考人(町田勝弘君) さきのインドネシア・スマトラ沖、大変な被害があったわけでございます。私ども、この食糧援助を行っております国連世界食糧計画、WFPでございますが、そちらの方に脱脂粉乳についての要請はないかということを何回かお尋ねしたわけでございますが、やはり脱脂粉乳につきましては、本来やはり加工原料用であるということ、また、当地におきましては牛乳の飲用習慣が余りないというような理由から、現地からの援助物資としての要請はないというふうに聞いております。
○和田ひろ子君 それはスマトラ沖で、FAOは飢餓のためのあれにはならないんですか。
○政府参考人(町田勝弘君) 一般的なお話でございますが、国際調達を原則とするというのが海外援助でございますので、国産脱脂粉乳を活用するということになりますと、二倍以上の価格水準がありますので、現実的に見ますとなかなか困難ではないかというふうに考えております。
○和田ひろ子君 お米のときも、いつもそういうお答えなんですが、そういう努力をされたことはありますか。
○政府参考人(町田勝弘君) お米の場合と脱脂粉乳の場合、違うところもあるというふうに承知しております。やはり穀物等と違いまして、適切な温度管理ができないとやっぱり腐りやすいということ、そういうことになりますと、冷蔵施設とかそういったコストが掛かるわけでございます。また、先ほど言いましたように、すぐ食べれるものでありませんので、そのままでは食用にできないということ。また、一番米と違いますのは、政府が所有しておりませんで、多数の民間企業によって先ほど言ったように保有されておりますので、そういった調整が必要という様々な課題があるというふうに思っておりまして、実際にはなかなか海外支援には結び付いていないというのが実態でございます。
○和田ひろ子君 生乳で飲んでいただくのが一番いい、生の。それで、ちょっと福島県に聞いたら、小中学校は、福島県の場合は、生産の七%は小中学校で給食で飲むけれども、それ以後の子供たちにやる方法はないかということを考えているみたいですが、政府はどうですか。
○政府参考人(町田勝弘君) 御指摘のとおり、中学校まで学校給食牛乳ということで飲んでいるんですが、中学校を卒業した後、急速に牛乳の消費が減るという実態がございます。牛乳は大変カルシウム含んで重要なものでございますので、そういった需要が急に減る年齢層、高校、大学生、その辺を念頭に置いてカルシウム重視の消費拡大について現在検討をしているところでございます。
○和田ひろ子君 今日の審議会での答申が出て決定をされるわけですけれども、私は、皆さんが諮問されたけれども、それがもっと多かったなんという、そういう期待も持つんですけれども。 ちょっとスーパーで見てきたんですが、五百ミリの六甲の水、百二十円なんです。ボルヴィックは五百ミリで百三十七円。牛乳は一リットルで二百八円です。もう本当に牛乳を生産している人たちはどんな思いだという、水より安いんだねというふうな思いをしていると思います。そういう皆さんのお気持ちを考えて、本当に生産意欲をそぐようなことがないようにというのは本当の話だと思いますので、もう一言。
○政府参考人(町田勝弘君) 減産というのは、大変生産者の方々の意欲をそぐというふうに私ども思っております。今回、限度数量二百五万トンということで五万トンの減でございますが、その分については、今後需要が伸びる、したがって生産が伸びる可能性のあるチーズ等、そういったことに取り組んでいただきたいというふうに思っておりまして、私どもも所要の支援、そういったことについて検討しているところでございます。
○和田ひろ子君 それでは、ちょっと畜産のことをお尋ねをいたします。 先ほどの諮問にもあるとおりに、乳用種というのだけが平成十五年、十六年、十七年と下がっているんですよね。これはどういうことなんですか。
○政府参考人(町田勝弘君) 乳用種でございますが、大変近年飼養規模の拡大が進んでおります。そういったことで労働費、そういったものが削減している、そういった結果が出ているというふうに承知しております。
○和田ひろ子君 先ほどの牛乳もそうです。畜産物もそうですけれども、同じ値段、何ていうか、毎年毎年同じ生活している人っていないと思うんですね。例えばサラリーマンだって毎年昇給をお願いする。本当に農家の皆さんは我慢強いなというか、すばらしいなというふうに思うんですけれども、心痛みませんかね。──痛んでるの。
○政府参考人(町田勝弘君) 現場の大変御苦労いただいている生産者の方々の意欲にこたえられるような、そういった算定なり施策関連の価格決定の施策、こういったことを講じていきたいというふうに考えております。
○和田ひろ子君 先ほど大臣からいろんな施策を今後も続けていきたいというふうなお答えがありましたけれども、是非そういうことは、いろいろ地元の農家の皆さんから聞いてきたところによると、もう本当に自分たち畜産農家の足腰を強くしてもらいたい、そうしたら必ず頑張れるというふうに言っていました。 例えば、和牛の繁殖牛の基盤を強化するために規模拡大をするなんというふうにしてほしいとかって言われているんですけれども、なかなか和牛の繁殖をさせる農家というのは大変な御苦労なんですよね。一度に何匹も生まれるわけないから、その段階が一杯あって、育てるのが大変なんだそうです。だから、もう規模を拡大してなんて前向きに言われても、自分たちはそんなこと全然できないと言っていました。 だけれども、何しろ、何ていうか、和牛をたくさん育てていくことによって、日本の国民から和牛の、何というか、需要があるとすれば、自分たちの足腰を強くしてもらえば絶対に頑張れるというふうに言っていました。 例えば、今回、肉用牛ヘルパーとか酪農ヘルパーとか、例えば酪農ヘルパーなんかは、福島県で七百七十七戸の酪農家がいらっしゃって、そのヘルパーの組織に四百二十四戸の方が入っていらっしゃるそうです、会員となって。そして、県内には十二の組合ができていて、すごく、一か月に一回ないし二回ぐらい休めるようになってとってもいいななんていうふうに言っておられました。 それで、七百七十七戸の酪農家の中で四百二十四戸ということは、あとの人たちは休みなしなのと聞いたら、やっぱり政府とか県がそういうものにお金を出しているので、それに入れない人は近所のお友達、酪農家と手を組んで休みを取るような努力をしていて、やっぱり国がやられる、県がやられるということになると、みんなそれに倣って休みも取ろうというような形になるので、是非この酪農ヘルパーの仕組みはずっと続けてほしいというふうに言っていました。 そして、コントラクターというのもあったんですが、福島県の場合は専門職としてはまだまだ、何というか、育ってはいないんだけれども、地域の農業を営む人たちが自分たちで組織を今つくろうとしているので、是非、このことも是非続けてほしいなというふうに言っていました。 あとは、ちょっと皆さんからの御要望の中で、食肉センターの脊柱のというのは、畜産副産物供給円滑化緊急対策事業というんだそうですが、それを続けてほしいというふうに言われておられましたけれども、これはどうなんですか。
○政府参考人(町田勝弘君) 今お話しいただいた事業でございますが、畜産リサイクルの推進を図るということで、化製業者さんとの間で牛の脊柱、これを含まない原料供給契約を締結した食肉事業者の方に対しまして契約締結の促進費を交付するという事業でございます。これ十六年度の事業でございますが、この契約はほとんどの業者で締結しております。そういったことで事業目的を達成するということで、これは十六年度をもって終了するということといたしております。 一方、十七年度、この四月一日から豚の肉骨粉等の規制解除が行われることになっております。これを踏まえまして、この解除をされます豚肉骨粉等の飼料利用に向けた取組を強力に推進したいということで、今、十七年度限りの措置でございますが、新たに牛の脊柱の分別処理を行う者を対象といたしまして、牛の分別供給契約を促進する事業を行うといったことを検討しているところでございます。
○和田ひろ子君 ちょっとハードの事業の中でピッシング対策、これはなかなか、生き返ってくる牛が大変な力なので、周りの人が危ないとか、いろいろあるそうですけれども、このハードの対策はどうですか。
○政府参考人(町田勝弘君) 屠畜場のピッシング対策でございます。 屠畜場につきましては、一義的には厚生労働省の所管でございますが、今お話しいただいたように、ピッシングの廃止に当たっては、作業中に起こります牛の暴れから作業員がとっさにこう逃げれるような程度のスペースが要るとか、その安全のための手順をよく見直す必要があるとか、そこで働く方々の何といっても十分な御理解が必要だというふうに聞いております。 私ども農林水産省といたしましては、従来から食肉センターの整備、これをやっております。この中で、屠畜の一連の工程に係ります機械施設、この補助を対象としております。 今後とも、こうした事業を活用いたしまして、お話しいただいたピッシングの廃止、有効な機械等の導入を行うといったことで、食肉センターにおけるピッシングの廃止の取組を支援していきたいというふうに考えております。
○和田ひろ子君 ピッシングというのは、大好きなお言葉で、世界の非常識ですから、やめるような努力を絶対にしていただきたいと思います。 それで、ちょっと戻るんですけれども、和牛を何か、和牛を育てる、育牛じゃなくて、繁殖の農家はみんなお年寄りなので肉用牛ヘルパーという方がいらっしゃるんですね。それと、あと、酪農ヘルパーのことについてお言葉をいただきたいと思います。
○政府参考人(町田勝弘君) 肉用牛ヘルパーでございます。 お話しいただきましたように、繁殖経営、なかなか高齢化が進んでおりまして、リタイアされて、それを補うということで、規模拡大が順調にといいますか、大きく進んでおりません。一番大切なのは、その省力化を図ることだというふうに考えております。 そういったことで、肉用牛ヘルパー組織というのが出てきています。端的に言いますと、家畜市場に牛を出すときに、その高齢化された農家の方に代わってそういった活動をするといったような事業、活動でございます。こうした活動に支援することによりまして、特に高齢者の方、また女性の生産者の労働負担の軽減を図っているところでございまして、十七年度におきましてもこの事業を継続していきたいというふうに考えております。 また、酪農ヘルパーでございますが、毎日搾乳作業があるということでございます。そういったことで休日を確保していただいて、ゆとりある酪農をやっていただこうということで、十二年からこのヘルパー、酪農ヘルパー事業を実施して、後押しをしているところでございます。 この事業につきましては十六年度までの措置ということになっておりますが、関係の皆様から強い継続要望もいただいておりますので、事業内容の見直しを行った上で、十七年度におきましても、ヘルパーの利用日数が増えた方、そういった方に対する助成ですとか、けがをされた、病気になった、そういったヘルパー利用の負担軽減などについて引き続き助成するという方向で今検討しているところでございます。
○和田ひろ子君 十頭以上の牛を飼っている人たちに義務付けられているふん尿の処理のことで、リース事業なんですが、それは今後も続けていきたいというふうにおっしゃったので、そのことをちょっとお尋ねしたいと思います。 福島県の場合は県単独でもこれをやっていて、法律に引っ掛からないようにきちんと対処はしているんだけれども、その前に、シートで簡易的にやっている方がまだまだたくさんいるので、そういうことを、その方たちがきちんと整備できるように国からの補助も欲しいというふうに言っていました。このことについてお答え願います。
○政府参考人(町田勝弘君) 二分の一補助付きリース事業でございます。 これは、平成十一年十一月に家畜排せつ物法が施行になったということに伴いまして、不適切な管理をなくしていこうということで、リース方式で個人施設の助成をするというもので、基本的には十六年度までの事業というふうになっております。 ただ、今お話しいただきましたように、法律の完全施行、昨年の十一月でございますが、それに向けて簡易な対応、シート等、防水シートを使ったというようなことでやった方があって、その中で補助付きリース事業を使って本格的な施設整備を行いたいといった農家もあるというふうに承知いたしております。 こうしたことを踏まえまして、それぞれの農家の経営条件等勘案した上で、より持続的で環境保全効果の高い本格的な施設整備への移行を促進するということで、十七年度においてもこの事業を継続するという方向で今詰めているところでございます。
○和田ひろ子君 これは文字どおり臭い物にふたをしているんですけれども、私は、この間、北海道でも見てきました。メタンガスから電気を取って売電する。これはモデル事業で、お金もたくさん掛かって、コストは掛かるそうなんですけれども、こういうことをしていくこと、また肥料に直していくなんていうのを一生懸命やっておられるところもありますから、臭い物にふただけすることだけではなくて、こういう環境にいい、前向きの取組というのがあればいいと思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(町田勝弘君) 家畜排せつ物につきましては、きちっと管理をして、その後、利用なり活用を促進していくと、再資源化を図っていくということは大変重要であると思っております。 したがいまして、堆肥舎の整備をした堆肥は耕種農家さん等で使っていただくということで今進めているわけでございます。 お話しありましたエネルギー利用でございますが、バイオガスプラント等、そういったエネルギー利用が可能な地域にありましては、その利用も推進していくということはこれは必要だというふうに思っております。 バイオマス・ニッポン総合戦略、あります。他省庁の事業なんかも使いながら、メタン発酵施設、こういった整備も進めていきたいというふうに考えております。
○和田ひろ子君 今お答えの中にもあったんですが、他省庁を取り込んでというか、環境とか通産省とか取り込んで、農業だけで頑張っていないで、そういうことをやられたら是非いいことだというふうに思います。 これで畜産、乳価、畜価の問題を終わりまして、BSE対策についてお伺いをいたします。 先日のNHKのニュースにもありました。専門家の議論がまとまるのを待つべきだというアンケートの答えが八四%を記録しておりました。やっぱり国民のみんなが、今拙速にアメリカから牛肉の輸入再開には疑問を持っているんだというふうに思います。 例えば、大臣の所信の表明の中でも、国民の皆さんに安心していただくものをというふうなお言葉なのに、大臣は、全頭検査は非常識で、それは、言葉は撤回されたけれどもお心は変わっていないような感じに私は見受けます。 でも、大臣の言葉ってすごく重いんですよね。国民みんな、これは大臣が言ったんだというのをすごく気にしています。世界各国でも、日本の農林大臣はこういうふうに言ったというふうなニュースがきっと流れているんだというふうに思います。 言ったことは撤回しましたよ、三月三日のどうのこうのなんていうことではなしに、その本当のお気持ちを変えていっていただかないと日本国民の食の安全は守れないというふうに思いますが、大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(島村宜伸君) 私の発言につきましては再三御説明をしてきたところでございますが、まず、全頭検査は消費者の不安を解消するための緊急避難的措置として私は非常に英断であったと。その当時から、全頭検査までやる必要はないのではないか、世界にもその例がないという御指摘があって、意見は対立しておりましたけれども、私はむしろこの全頭検査を支持した側であります。 他方、導入後三年が経過しまして、その間だけでも約三百五十万頭の検査を終え、さらに、今日まで見ますと約四百二十万頭と言っておりますが、こうしたいろんな言わば経験に基づいての検討の結果、昨年の九月の食品安全委員会による中間取りまとめでは、言わば二十一か月未満は一応検査の対象から外していいのではないかと、こういうことで現在は諮問をいたしているところでございます。 したがいまして、世界じゅうどっかが、みんながやっているとか、あるいは逆に、全頭検査を始めたとか、こういうことでありますと、これはやはり、各国がみんなその国の国民に対して安全、安心に対する配慮をしていることでありますから、これ我々はかなり注意深く見守る必要ありますけれども、新たな事態の発生しない中で、例えばEUは三十か月以上と、こういうふうにしておりますが、フランスなどは去年の七月から二十四か月を三十か月に言わば増やしたと、こういうことの経過を見ましても、世界では日本の全頭検査は例を見ないと、こういうことでございますから、私も随分その後いろいろなテレビその他の取材も受けて発言をしましたけれども、それらについての誤解はないと思っております。
○和田ひろ子君 大臣のお言葉、今もおっしゃいました、実施した時点で消費者に安心してもらうためにやったんだと、緊急避難措置だったんだと、不安解消の役割は済んだ。これは国民にうそをついていたのかなという思いがしますよね。 本当はやらなくてもよかったんだけれども、国民が動揺するので、あくまでも全頭検査必要ないんだけれどもやったんだ、もうみんな食べ始めたからやっぱりやめたらいいんじゃないのって、それはないんじゃないですか。 この意義は何だったのか。国民によらしむべし、知らしむべからずみたいな、昔の何というか、政治というか、国民が安心さえすればうそでも何でもやらせておけばいいというようなふうに取られかねないんですけれども、それに対してどう思われますか。
○国務大臣(島村宜伸君) そう一々お取りいただきますと、これは御納得いただくまでにどれだけの説明をしたらいいのか分かりませんが、少なくも、委員会の場でも正式に撤回を意思表示していることでもありますし、そのことは新聞報道にも出ていることでありますから、私はこれ以上の説明を必要としないと、こう思っております。
○和田ひろ子君 大臣は確信犯でいらっしゃいます、とっても。大臣に就任されたときは、ブッシュの選挙の前に再開したらいいんじゃないのって軽口たたいたら、それが新聞に出ちゃった。それは本当は自分の意思ではなかった。それ、言った以上は大臣のお言葉に取られるんですよ。それは、新聞が悪い、何が悪い、自分はそんなつもりで言ったんじゃないと言っても、そういう意味に取られちゃうんですよ。大臣のお言葉ってそれほど大事な、大切な、重いものだということを受け止めていただきたいなというふうに思います。 全頭検査のことでいいますと、日本の国は全頭検査をしたからこそ、二十一か月、二十三か月のBSEの検出がされました。外国はそれはしてないんです。全頭検査してないんです。だから、三十か月でいいなどいろんなこと言いますけれども、日本は全頭検査をした結果、二十一か月のBSEも発見できたわけですから、その意義についてどういうふうに思われますか。
○政府参考人(中川坦君) 二十一、二十三か月齢の感染牛が発見されたということは事実でございますけれども、これの感染性その他については、専門家の間でまだ検証のためのマウスへの感染テストというのを今やっている最中でございまして、その結果が出てきておりません。ですから、その結果も踏まえて専門家の間できちっとした議論がされるのを期待しているところでございます。
○和田ひろ子君 そうなんですよ。マウスの検査だってまだ終わってないんですよ。そして、審議会の答申だってまだ出てないんですよ。それなのに再開の話をいろんなところでなさるというのは、もうとっても国民、ばかにしていますよ。日本の国民の命を守ってくれないんじゃないかというふうにみんな思っていますよ。そういうことをよく踏まえていただきたいと思います。 坂口大臣だって国会の答弁で、若い牛はよいのではないかというふうに言われたけれども、どれが若いか分かりにくいこともあって全頭検査にした、そういうことを言っておられます。 そして、特にその二十一か月、二十三か月というのは肉骨粉のえさを完全に禁止してから出たわけですから、そのことについてどういうふうに思っておられますか。
○政府参考人(中川坦君) 若齢牛が発見をされまして、私どもといたしましては、飼料の給与状況につきまして、その他のケースとも同様でありますけれども、原料として何が使われたか、あるいは貯蔵、それから輸送の過程で交差汚染の可能性がなかったかといった、そういった点いろいろ調べました。その結果、具体的な交差汚染等の可能性を示す事実は得られなかったわけでございます。 その点につきまして、昨年の三月に食料・農業・農村政策審議会の中のプリオン病小委員会、専門家の方々にそれまでの調査結果をお示しをして議論をいただきました。その結果、先生方、専門家の方々の見解としましては、この若齢牛のケースについては、やはり現在、感染テストをしているところであるので、その結果を待って、疫学的な分析検討も含めて行う必要があるというのがその当時の結論でございます。今、その点について結果を待っているという状況にございます。
○和田ひろ子君 亀井大臣は原因究明に全力を尽くすというふうにおっしゃいました。それが今のお答えだというふうに思いますが、その原因究明にどのぐらいこれから掛かると思われますか。
○政府参考人(中川坦君) これは、予断を持って申し上げることはできません。できるだけ事実関係をきちっと把握をして、そして専門家の方々にきちっと検討いただくということに尽きると思います。
○和田ひろ子君 えさの規制の後で二頭の牛が感染したというのは、これは事実ですから、もうきちんと原因究明をされるべきだと思います。それからいろんなことが発生していくのが本当であって、その前に再開の話をするなんというのは言語道断だというふうに思います。 ドイツ、フランスは二十四か月、さっき三十か月になったなんというふうにお話をされましたけれども、全頭検査で見付かった日本が、これが二十一か月と二十三か月なんですけれども、だから二十か月以下は検査しなくてもいいというんではなくて、本当は、だから全頭検査を続けるべきだという思いにはなりませんか。
○政府参考人(中川坦君) このBSE対策の問題は、科学的な知見に基づいてやるということが何よりも大事だというふうに思っております。 そこで、食品安全委員会の方では、これまでの国内のBSE対策について、昨年の春から自主的にいろいろと議論をされた。その結果が昨年の九月に中間取りまとめとしてまとめられたわけでございます。私どもリスク管理サイドとしましては、この食品安全委員会の中間取りまとめを受けて、そして国内対策の見直しをして、その諮問をしているところでございますけれども、あくまでもリスク管理のレベルを下げるということではなくて、中間取りまとめにもありますように、検出限界以下の牛を検査対象から除外したとしても、特定危険部位の除去をきちっとしていれば変異型クロイツフェルト・ヤコブ病のリスクは高まらないということもあり、そういった事由、科学的な知見というものを踏まえて国内対策の見直しを諮問したということについて御理解をいただきたいと思います。
○和田ひろ子君 私は本当に、常識、非常識の言葉で言えば、全頭検査こそが常識で、世界の常識をこの日本の全頭検査に変えていくのが日本の役割だというふうに思っています。 亀井大臣も総理大臣も、一月二十六日の予算委員会で農林大臣の言うとおりだというふうに総理大臣のお言葉もありましたし、さっきの予算委員会でもそういうようなお言葉があったというふうに思いますので、是非に全頭検査こそが常識だということを世界に発信していくべきではないかというふうに思います。そして、アメリカが日本に輸入再開を迫ってきたら、日本と同等の全頭検査なら対応してもいいよ、そういうふうに言うべき言葉だというふうに思います。 例えば、アメリカは月齢も分からないんですよね。大体、どこで生まれているか分からないんです。そして、ホルモンを注入しているアメリカは、一か月、二か月の差なんてどこにあるか分からないんですよね。ホルモンの問題はすごくこれ世界的に問題、EUはこのアメリカのホルモンの注入されている牛は絶対入れていないそうですけれども、そういうことで分からない。えさの規制も万全でない。屠殺もピッシングを使用している。これ、アメリカは日本と全然違いますよ。日本の国民を守る皆さんでしたら、このアメリカの牛肉は絶対に受け入れられない。もし受け入れて、やってほしいなら、日本と同じ全頭検査でいらっしゃいというふうに言うべきだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(中川坦君) 一昨年の十二月にアメリカでBSEが発見されまして以降、アメリカと牛肉の輸入再開について交渉いたしてきておりますけれども、その際、一貫して日本から主張しておりますのは、安全確保の面で必要な措置につきましては我が国と同等の措置を要求するということでございます。この点につきましては一切変えることなく主張してきているところでございます。 その国内措置につきましては、先ほどるる申し上げましたように、科学的知見に基づいて食品安全委員会の方で検討された結果を踏まえて、厚生労働省、農林水産省は見直し措置について諮問をいたしております。この諮問をした結果というのが、その考え方というのがアメリカとの交渉のベースに現在なっているわけでありまして、十月、昨年の十月の局長級協議において認識が一致をしました点というのは、この食品安全委員会に諮問したこの点については確保されたということであります。 したがいまして、アメリカには日本の国内と安全確保の面で同等の措置を要求していると、この点については確保されましたし、それは終始一貫しているというふうに思っております。
○和田ひろ子君 中間取りまとめをすごく皆さんよりどころにされて、いつも中間取りまとめが出たから出たからっていうふうにおっしゃるんですけれども、国民はそんなことは、何というか、信用していないっていうか、そんなことで私たちのところ、うそつくのかねっていう思いがしていると思います。例えば私の友達なんかは、前はいろんな肉、いろいろ食べていたけれども、牛肉食べるなら一か月に一回でもいいから和牛食べたいっていうふうに言っています。そんな皆さんのそういうお気持ちを大切にして、そして、例えばこのアメリカ産牛、早くに入れたらアメリカ産牛肉が嫌いになる日本国民が出てしまうかもしれないということもみんないろんなところで言っていますよね。 そういう意味で、もう政府の皆さんは、本当に日本の国民の命を守る、そのことだけを大切に牛肉の再開をしていくべきだというふうに思いますが、私は再開はするべきでないっていうふうに思いますが、そういう思いでやっていただきたいと思います。 日本の検査のレベル、方法のレベルを下げるんではなくて、外国のレベルを日本のレベルに持っていくっていうことが絶対に必要だというふうに思います。 何か、メキシコの農業大臣がおいでになって、どうしてアメリカの、あんな言い方をするアメリカの牛肉を日本では入れるんだ、輸入と輸出、貿易のルールっていうのは買う方側に主権があるんじゃないのっていうふうに言っておられますが、そういう思いをどういうふうに受け止められますか。
○国務大臣(島村宜伸君) 私は和田委員の御質問にも誠実にお答えしているつもりですが、大臣の発言が重いとおっしゃるならば、やはり正確に聞いて、そして正確な言わば引用をしていただきたいということをまず申し上げたい。 例えば、私は再開をいつやるべきだなんていろんなところで言っているとあなたおっしゃったけれども、どこで言ったんでしょうか、お示しいただきたい。私はそういうことをしておりません。 それから、同時に、要するに、言わば全頭検査云々ということについて、その是非については、今、食品安全委員会という権威ある専門家の言わば御審議にお任せして、その答えをお待ちしているところです。もう五か月余になります。これをあなたの観念、それこそ確信犯はむしろあなたに返上したいわけで、あなたのように全頭検査しか考えられないということを我々が押し付けるなら、何のための諮問かというんでおしかりを受けますよ、それは。やっぱりその辺はお互いに良識ある対応をすべきなんだろうと思います。 さて、このウサビアガ・メキシコ農牧大臣と私はいろんなお話合いをしましたけれども、今あなたがお話しになっていることは私は聞いておりません。それから、同時に、メキシコは誠意を持って、言わばFTA交渉も成立していることだし、これからお互いに仲良くやっていきましょうと、こういうことであって、余りいろんな尾ひれを付けられると、私はその話に今度うなずくわけにいかなくなってしまうわけでありますから、正確に言わば情報を入手して、それで、それで御質問をいただければ有り難いと思います。
○和田ひろ子君 私は正確に入手しているつもりです。 さきの農業新聞に、島村大臣はちゃんと写真入りで、ブッシュの選挙前に再開したいねっていうふうにおっしゃったんじゃないですか。
○国務大臣(島村宜伸君) アメリカ側はそういう強い希望を持っていると。私も政治家だから、大統領選挙の前に自分の有力な支援団体の強い要請を受けているブッシュさんの気持ち分かんなくはないと。気持ちにおいてはそうだけれども、そうはいかないということですし、もっと分かりやすいのは、アメリカ側からも私にはそれは公式、非公式ありましたよ。 その際にも、私はいつもこの答弁申し上げているように、あくまで言わば科学的知見に基づいて安心、安全を基本に我々は食肉の輸入を考えているし、先ほどいみじくもあなたがおっしゃったように、アメリカの牛肉の信用というものを取り戻すにはこっちの方がむしろ早くて的確なんじゃないんですかと強く言ったところであります。 したがいまして、向こう側からその後は全く来なくなって、むしろ恐縮しているぐらい彼らは紳士的に態度を変えました。申し添えます。
○和田ひろ子君 私、もうちょっと何をしゃべっていいか分かんなくなっちゃったんだけど。もう余りにも大臣のお言葉が、だってね、そういう気持ちは分かるけどって言ったら、それ言ったと同じですよ。
○国務大臣(島村宜伸君) それは違うな。
○和田ひろ子君 でも、でもそういうふうに受け取りますよ。
○国務大臣(島村宜伸君) おかしいよ、そんなの。
○和田ひろ子君 おかしくないですよ。私は、例えば洋服を買いに行って、私は何号の洋服が欲しいんだけれども、十一号の洋服が欲しいんだけれども、十一号の洋服がなかったら九号で間に合わせなさいといっても間に合わせられないんですね。じゃ、十三号でどうですかって言われても間に合わせられないんです。次のお店に買いに行きます。それが消費者の選択だと思います。そういう選択をできるのは輸入国の主権だというふうに思います。 そういう意味で、日本の国の国民の命を守るっていうか、そういうことを大切にして、今、二国間でやっていると経済制裁だの何だのっていうふうに言われるんだけれども、多国間でやるべきだというふうに私は思います。 いろんなお店に行ってみたらどうでしょうか。そういう思いでやっていただきたいというふうに思いますが、いかがですか。
○政府参考人(中川坦君) 動物の国際間の移動あるいは畜産物の貿易に関する様々な国際基準の策定機関としましては、OIE、国際獣疫事務局というのがございます。こういった動物の検疫措置につきましては、各国それぞれいろいろと衛生条件ですとかあるいは衛生対策の内容が異なりますので、一律に国際基準を採用するということは現実問題としては困難な面がございます。 現実にいろいろ各国の状況を調べてみますと、輸出国と輸入国との間の二国間で個別の条件を取り決めて実施されているというのが一般的だということでございます。もちろん、国際機関として一定の基準を設定をする、またそれにできるだけ適合した格好で各国は措置をとるというのが基本としてはございますけれども、実態は今申し上げたとおりでございます。 また、さらに、このBSEにつきましては、OIEが国際基準というものを一応は定めてはおりますけれども、このBSEは科学的にも未解明なところがいろいろ多くございまして、新たな知見も次々加わるということでなかなか流動的でございます。 このため、多くの国は予防的により慎重な検疫措置をとっているというのが現実でありまして、国際基準がそのまま採用される状況にはないということでございます。
○和田ひろ子君 私、もう本当にちょっと頭にきちゃっているんですけれども、大臣は本当に確信犯だと思いますよ。衆議院の公明党の質問に答えて、私もそう思うんだけれども、でも大臣として言えないとかね、そんなふうにお答えになっているくせに、こんなところで言われたくないって思います。 お答えは要りません。終わります。
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。 まず初めに、牛肉のトレーサビリティー制度について伺いたいと思います。 牛の耳に付ける個体識別番号を記しましたタグ、いわゆる耳標、耳と書きまして標本の標と書きまして耳標、その耳標の偽装事件について伺いたいと思います。 この耳標を別の牛に装着しまして品種や血統を偽って販売していたということで、昨年の十二月に北海道の畜産業者が逮捕されました。そして、昨日の十六日に、その釧路地裁で、北見支部で判決公判がございました。本件は、トレーサビリティー法が施行されてから初めて摘発されたというケースで非常に関心があるわけですが、まずこの経過と事実関係を簡潔に教えてください。
○政府参考人(中川坦君) 事実関係、簡単に申し上げますけれども、北海道におきまして、死亡した子牛から耳標を取り外し生存中の別の子牛に再装着をしたという事実が、昨年の九月の二十四日に、北海道農政事務所の検査によりまして明らかになりました。このため、その後様々な調査をいたしまして、十一月の二十四日に北海道農政事務所長が告発をいたしまして、十二月の七日には北海道警察で被疑者を逮捕し、翌日、釧路地方検察庁に送検をされたわけでございます。その後、本年一月十一日に起訴がされました。先生今おっしゃいましたように、三月の十六日に判決が言い渡されたということでございます。
○谷合正明君 その判決ですけれども、耳標付け替えの行為自体は認定したものの、その耳標が農林水産省令に適合しておらず、犯罪が証明できないとして無罪になりました。この耳標が省令に定めるところの耳標でないということですから、この案件はトレーサビリティー制度そのものの根幹を揺るがす大事件につながりかねないと私は思っております。 そこで、今後の対応について伺いますが、この耳標の取り外しの実験がされたときに、アプリケーターやペンチやプライヤーを使いまして、わずか十六秒で取り外しができて、更に再装着、牛の耳に装着できたと。再装着後も耳標としての機能を失わなかったというふうに聞いているわけですけれども、簡単に付け替えることができたということでありますが、この耳標の改良ということは今後どうされるんでしょうか。
○政府参考人(中川坦君) 本件で問題になりました耳標につきましては、我が国だけではなくてEUでも四割のシェアを誇っているというものでありまして、広く使われているという意味で高い信頼度を有しているというふうに私どもは考えております。 本件の内容、判決の内容につきましては詳細に検討する必要があるというふうに思っておりますけれども、耳標自体に大きな欠陥があったというふうには考えておりません。ですけれども、制度のより適正な実施のために、この耳標の構造の強化に努めていくということは大変大事なことだというふうに思っておりまして、既に昨年の九月ですけれども、この事件の違反事例、これが明らかになりました時点で、各製造メーカーに対しましてこの耳標の強化を検討するようにということで依頼をしてございます
○谷合正明君 その省令によりますと、耳標の構造は、第十一条の第一項第一号に「装着した後、容易に脱落しない構造であること」、そして第二号に「取り外した後、再び装着することができない構造であること」と規定されております。今回は再装着が、それが不完全再装着であろうとなかろうと、再装着できたという点について、私は構造上の欠陥、問題があるのではないかと思っております。 今回、改めて問いますが、タグの、耳標の構造上の欠陥についてどう思っているのか、また全国の牛のタグ、耳標を取り替えるようなことは考えているのか、お伺いします。
○政府参考人(中川坦君) 耳標の構造でございますけれども、容易に脱着しないということと、それから取り外した後に再び装着することができない構造、これはまあ、両方満たすということはなかなか技術的に、完璧にやるというのは難しい。その中で、これまでも耳標の強度その他については改善がなされてきたのは事実でございます。 ただ、これ、現状で満足するわけではなくて、こういった事件もあったということで、更なる改善ということでメーカーにもお願いをしているということでございます。 二点目の、今回のことを受けて、その他の付いているものについて取替えをするのかどうかという点でございますけれども、今まで申し上げてきましたように、既に国内だけではなくて海外でも広く使われているという、信頼度が高いというふうに思っておりますので、今すぐ、直ちに耳標をほかの牛のものについても付け替えるということは考えてございません。
○谷合正明君 今回、海外のオールフレックス社製の耳標が使われたわけでありますけれども、そのほか他社製の耳標でも取替えをしていたのではないかというふうに言われております。そういう意味では、私は、もう一度この耳標の構造について欠陥を認めていただいて、改良をしっかりと重ねていただきたいと思っております。そして、その構造上の欠陥、問題だけではなくて、システムそのものに問題があるのではないかというふうにも考えております。 そもそも、この制度は生産者の性善説に基づいております。耳標はすべて農水省が買い上げて家畜農家に配っているわけであります。その農家は、牛の出産前にあらかじめ配られたものを装着する際、公的機関の立会いがないと、そして耳標が脱落して損壊した場合は書類のみで再交付されるということだと聞いております。 私も畜産農家に伺いました。よく子牛に付いた耳標が引っ掛かったりして取れるということは聞いております。ということは、一頭の子牛で屠畜前の段階で耳標を取り替える、取り付ける回数が数回あるということでありますので、このトレーサビリティー制度の中でチェック体制というものも非常に、生産段階においてチェック体制は非常に重要だと思っております。 生産者が屠畜する前の段階においてそれをチェックできる仕組みはあるんでしょうか。
○政府参考人(中川坦君) 現在、我が国では約四百五十万頭の牛が飼われているわけでありますし、一年間に新たに生まれる牛の数というのも百四十万頭程度ございます。こういった新たに生まれたものについては耳標をその都度付けるということでありますし、また、点検という意味では移動のたびに報告がございますから、そういった届出のたびごとにつきましてもチェックをしていかなければいけないわけであります。 こういった耳標の装着その他につきまして職務を担当する職員、これは全国の農政事務所を始め約八百四十人の職員が配置をされておりまして、装着なりあるいは届出といったものが適正に実施されますように巡回指導あるいは立入検査というものを行っているわけでございます。 今回の事件を奇貨にいたしまして、一層の点検あるいは指導の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
○谷合正明君 それで、そのチェック体制なんですけれども、二月二十二日に酪農協同組合から組合員に通達が行っていたものがあるんです。その中に書かれているのが、耳標の届出についてエラーが数多く発生しており、適正な報告をするようにと書いてありました。特に、販売時等の転出の届出ができていないため、多くのエラーが発生していますと書いてあります。 多くのエラーというのは、私、数を承知していないんですけれども、事前通告していなかったですけれども、この多くというのはどのくらいの件数があるんですか。もし分からなければ結構です。
○政府参考人(中川坦君) 今、具体的な数字は持ち合わせておりませんけれども、私もこのデータ管理をしている会社の、白河にありますが、そこも視察をしたことがございますけれども、ファクスなり電話なりで、実際にエラーがあったものについての修正作業というのは大変な事務量になっているというのは承知いたしております。まあざっと、割合でいきまして一割程度、件数にして一割程度についての修正作業等があるというふうに聞いております。 〔委員長退席、理事岩永浩美君着席〕
○谷合正明君 一割という数は、私は、全国で四百五十万頭いる中で相当な数に上っていると思います。そういう意味で、この制度そのものを、特にこのチェック体制というのは見直すことが重要ではないかと私は考えております。特に、EUと違いまして、日本の場合は屠畜する前の段階でたくさんの中間業者がおりますので、転売する機会が多いと。それは、裏返しますと、偽装を生みやすい構造でもあるわけであります。 今回、トレーサビリティー法の目的は、屠畜後の偽装防止、生産段階でのBSEなどの伝染病蔓延防止の目的があるというふうに承知しておりますが、そもそもこの生産段階での偽装というのは想定していたんでしょうか。
○政府参考人(中川坦君) 御指摘の生産段階におきます耳標の付け替えにつきましては、この牛肉のトレーサビリティー法でも想定をいたしておりまして、耳標の取り外し等につきましては同法第十条第一項で禁止をしておりますし、それに違反しました場合には三十万円以下の罰金ということで罰則も措置されているところでございます。
○谷合正明君 農水省の北海道農政事務所が二月四日に、北海道の道内すべての酪農家、畜産農家を含む関係施設一万三千か所を対象とした立入検査を新年度に実施する方針を明らかにいたしました。耳標が適正に装着されているのか、子牛の出生届や移動届が適正かを調べるというふうに聞いております。 偽装する原因として、構造的な欠陥もそうですけれども、日本の場合、優良品種、血統が牛の価格を決める大きな要因でもあります。そういう意味ではこの検査というもの、非常に重要になってくると思いますが、北海道では大部分が乳牛と、ホルスタイン牛が大部分でありますので、実は和牛の方が、和牛の産地での方のこの偽装ということはもっと可能性があると、誘発される可能性が高いと私は考えております。 この案件を北海道の、遠く離れた北海道の一事件で終わらせるのか、そうじゃないのか。そもそもこのトレーサビリティー法の施行責任者として、トレーサビリティー法に基づく立入検査を全国展開する考えはありますか、大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。 今回の被告人の逮捕を受けまして、昨年十二月九日に、農家への巡回指導や立入検査時において耳標の装着の適正な実施について指導を徹底するよう全国の地方農政事務所に指示したところであり、北海道だけでなく、全国的に現在取り組んでいるところであります。 〔理事岩永浩美君退席、委員長着席〕 なお、御指摘のような牛を肥育する牛飼養農家ですね、牛飼養農家約十三万戸全戸の立入検査を直ちに実施することは困難でありますが、地域の実情を踏まえつつ、引き続き指導強化に努めてまいりたい、こう考えているところでございます。 一言だけ申し添えますが、実は私も今回の判決、ちょっと驚きまして、耳標を外したこと自体は余りとがめられないということがとても納得しにくいと、率直には感じます。ただ、これはやっぱり司法の言わば判断でありますから、それ以上言及することは遠慮しなきゃいけませんが、しかしながら、やはりこういう禁じられた行為をして、まあ三十キロぐらいの力で外せるそうですが、またこれが十キロぐらいで再装着ができると。しからば、なぜもっと強力なものと、委員と同じ私も疑念も持ちました。ただ問題は、余り強力なものをくっ付けますと、今度はそれが引っ掛かった場合に、今度は牛の生命を奪ってしまうというようなことで、いろいろそういうことが主張があるんだそうです。そこで、先行きに向けて鋭意検討するように命じたところであります。
○谷合正明君 いずれにしましても、この案件が氷山の一角、私はもっと本当に本格的に調べた方がいいんではないか、そのように考えております。 トレーサビリティー法は、先ほども申し上げましたけれども、家畜の伝染病蔓延防止という観点が強いわけでありますけれども、生産段階で偽装されると、なかなかこれを病気の原因追求ということができなくなるわけであります。そういう意味でもトレーサビリティー法の目的というのをしっかり果たせるように、この制度の検証というものが私は必要ではないかと思います。 いずれにしましても、こういった案件が消費者の目に留まりますと、国産牛肉の信頼にかかわる問題でありますので、国産牛肉の消費が落ち込んでしまうんではないか、極端な話でありますけれども。国内でBSE感染牛が見付かったとき、農水省の対応が遅れたという反省があります。実際、それによりまして消費が落ち込みました。 そういう意味で、今回、十二月一日に小売段階も含めてトレーサビリティー制度が施行されたわけでありますが、その施行された直後に逮捕されていると。そもそも、昨年の七月に事件が明るみになってから、九月に農林水産省がその畜産農家を立入検査するまで二か月たっていると。さらに、立入検査から十一月に告発をするまで二か月経過したわけであります。その結果、十二月七日に最初の逮捕ということが、承知しているわけでありますけれども、これまでの対応について、大臣、率直にどのように思われておりますか。
○国務大臣(島村宜伸君) この制度の根幹を揺るがすものでありますから、これはもう厳重に言わばこれからもチェックをしなきゃいけないと思いますし、私は、自分が就任したときにも、一切の不正を許さないと。私が率先してやるけれども、それに対しての同情の余地はないので、言わば粛々と仕事に取り組んでもらうと言っておるわけですが、こういう問題に至るまで、やはり規則は規則でありますから、善意な、言わばその規則をきちっと守れる方々の立場を守る意味からしても、我々は正邪をきちっと判断し、それに対して指導を徹底していくことが必要だ、こう考えます。
○谷合正明君 その制度に欠陥があるということと対応が遅れてしまうということが重なりますと、消費者の食の安心という部分が一気に崩壊しかねない問題だと私は思います。アメリカ産の輸入牛肉を再開するかどうか、言える立場にもないということも一面感じております。そういう意味で、大きな影響がもたらされる前にしかるべき対応を取るべきだと私は訴えたいと思います。 その判決では、今回の判決では、牛の履歴管理制度に対する信頼が損なわれたのは、この制度が信頼される基盤であり、農林水産省令で取り外した後再び装着することができない構造であると定められ、一般にそのように信じられていた耳標が実際には容易に付け替えられた、付け替えられるものであった上、当初からそのことが看過されていたという、言わば裸の王様のような事態であったことにもよると厳しい指摘があります。 今回無罪になったということで、実際にその使われていた耳標が省令に定めるところの耳標ではないということになります。それは、ともするとトレーサビリティー制度そのものが成り立たなくなるのではないかと。この点、このトレーサビリティー制度そのものの見直し、検証について、大臣、どのように考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(島村宜伸君) 谷合委員の御指摘、誠にごもっともだと思います。 しかも、この農林水産省令自身にも、再び装着することができない構造と、こうなっているわけですから、それが現実にできるということですし、私が確認した範囲では、何か十キログラムぐらいの力で再装着ができると。やっぱりそういうことが、この事件が起きて分かったのかどうか私には分かりませんが、やっぱりこれらについては正に過ちて改めざる、これは過ちていますんで、早急にこれらに対する対策を徹底するように指示をしたいと思います。
○谷合正明君 今回捕まったその畜産業者は、この畜産、まあ家畜商というのはだましだまされの世界だというふうに新聞紙上でコメントが載っておりました。 そういう意味で、そういうのを聞きますと、消費者にとって何を信頼していいのかということになってきます。その消費者重視の農政ということでありますから、これは本当に大事だと思いますが、消費者の信頼維持を果たすべく、今後、農水省としてどういう対応をされるのか、もう一度大臣にお伺いします。
○国務大臣(島村宜伸君) やはりこのトレーサビリティー法の意義といいますか、言わばこれに対する社会的な責務といいますか、こういうことについて趣旨を徹底することは当然でありますし、また裁判の結果でも指摘されているようなこういう問題が二度と指摘されることのないように、言わば内容の改善、それはその装置そのものですね、強度の問題その他もありましょうが、先行きに向けて、こういうトレーサビリティー制度自身が言わば社会から疎んじられるといいましょうか、誤解を受けるようなことがないように指示を徹底したいと思います。
○谷合正明君 十二月一日から始まったわけでありますので、本当にこの制度そのものはしっかりとしていただきたいと思います。 まだ、消費者自身が、例えば個体識別番号を実際に店頭に行ってチェックして確認するという、まあ数はそう多くないと聞いています。むしろ業者が使っていると。そうはいいましても、消費者の目がしっかり生産農家まで行っていますので、本当に、世界の中でも本当に誇るべきこのトレーサビリティー制度をつくっていく責任が農水省にあると私は断言をいたします。 それで、畜産物の価格安定に関する件ということで最後に質問をいたしますが、話題が変わります、牛乳の国内需要ですね、牛乳の国内需要について伺います。 最近は、いろいろ、豆乳だとかお茶とかいった飲料水の競合もありまして、牛乳全体の消費量も減少傾向にございます。ただ一方、牛乳は、御承知のとおり、カルシウムの人体への吸収がほかの食品より優れるなど、栄養面において優れていると。特に最近では、ラクトフェリンですか、ラクトフェリン、これが薬として非常に有効であるということも分かり始めました。そういう意味では、牛乳の研究開発もすごく進んでおりまして、厚生労働大臣の許可を受けて特定保健用食品の表示をしている食品には牛乳由来の成分が含まれているものも多くあるということでありますが、今後、この牛乳の国内需要を伸ばしていくために、これまでの枠にとらわれない様々な用途に牛乳を有効に活用していくためには、牛乳に関する研究、そして研究開発を積極的に推進していくべきだと思いますが、この点につきまして、常田副大臣の御所見を伺いたいと思います。
○副大臣(常田享詳君) 私も薬剤師でありますので、大変この分野には興味を持っているわけでありますけれども、今、委員御指摘のとおり、牛乳・乳製品の需要を拡大していくためには、消費者に対して、カルシウムや各種機能成分に富む牛乳の良さをアピールしなければならない。今、委員からラクトフェリンのお話がありましたけれども、これは生乳中に含まれる微量アミノ酸でありますけれども、大変これが細菌に対する抑制力もあり、免疫力も高めるというようなことで、がんの予防になるんじゃないかというふうなところの研究も今されているというふうに聞いております。 また、カゼインホスホペプチド、牛乳中のたんぱく質の一種のカゼインからできる物質でありますけれども、これなんかも腸内でのカルシウムの吸収を非常に高めるということで、牛乳は四〇%、カルシウム吸収率がですね、小魚が三三%、野菜一九%というようなことで、大変吸収力を高める、こういう効果があるというふうに言われております。 珍しいところでは、先般、去年、副大臣になる前に台湾に行きましたら、北海道のナガイモが大変愛され、消費されているわけですけれども、そのナガイモと牛乳を混ぜて、大量に台湾の方々に飲まれているんですね。駅の売店なんかに、日本の生ジュースと同じように、ナガイモと牛乳を混ぜて飲んで、それで非常に台湾の方々の毎日の健康増進に役立っているという、大量消費されているという話を聞きました。こういった面も国内でも生かせるでありましょうし、ナガイモに牛乳を付けて台湾に売れないのかなという、委員長、御提案を申し上げたいと思うんですけれども、そういうようなこともありました。 そういうようなことで、従来から牛乳・乳製品の機能成分に関する調査研究、それから新商品の開発支援、これは国産生乳需要拡大定着化事業ということで十一億六千万円等の事業費で二分の一補助をしているところでありますが、機能性を強化したヨーグルト飲料など、既にこれらの事業で新製品の開発、販売がされているところであります。 引き続き、牛乳・乳製品の機能性に関する研究開発を進めるとともに、それを活用した商品化を大いに支援してまいりたいというふうに思っております。 以上でございます。
○谷合正明君 終わります。
○紙智子君 日本共産党の紙智子です。 最初に、農水省は、本日の審議会に加工原料乳の限度数量の引下げを諮問しました。これは北海道の酪農家にとっても大きな打撃になります。 脱脂粉乳の在庫が過去最高の水準というわけですけれども、これは二〇〇〇年に雪印のあの食中毒事件が起きて、それを契機にして急激に需要が減っていると。しかし、この粉乳調整品ですね、この輸入が年々増大をして定着してきていると。毎年、脱脂粉乳の換算で約四万トンが輸入されているんですね。加工原料乳の限度数量を引き下げれば輸入に置き換わる可能性もあると。 新たな基本計画の案では、一五年までに生乳生産量を八百四十万トンから九百二十八万トンへと増産する方針を打ち出しているんですけれども、これでは際限のない生産縮小になるんじゃないでしょうか。
○政府参考人(町田勝弘君) 脱脂粉乳につきましては、十六年度末で九万二千トンということで、消費量の約半年分以上を上回る量の在庫があるということでございます。 これにつきましては、生産者団体自ら二万トン対策、今年やっているわけでございますが、その中身は、今お話がありました粉乳調整品、輸入が入ってきております。これを価格を安くすることで輸入調整品に置き換えていこうと、こういった対策を講じているというふうに承知いたしております。 また、それに価格が下がることに伴います低下分の八割につきましては、いわゆるならし事業ということで国と生産者がそれぞれ負担をして支援、国については支援をしているということでございます。
○紙智子君 加工原料乳の補給金、十二銭引下げになったわけですよね。いろいろな対策という中にチーズの対策拡充したということもあると思うんですけれども、しかし、聞きますと、チーズへの奨励金引き上げたといっても、そこに向けた乳価というのはキロでいうと四十円から五十円ですよね。例えば十円とか十二円の上乗せをしたとしても、手取りでいえば加工原料乳には及ばないと。生産者は輸入調整品との置き換えのために、お話もありましたけれども、既に負担を出してやっているわけです。全体としては酪農家の手取りの収入というのはやはり減少にならざるを得ないと。コストの削減、それからこの間、ふん尿処理のための施設の整備に非常にお金を使ってきていて、規模拡大のための投資も行ってきている農家にとっては大変大きな打撃になるんですね。 こういう点で、やっぱり非常に大変じゃないかと、そういうふうに御認識ありませんか。
○政府参考人(町田勝弘君) 脱脂粉乳の過剰在庫につきましては、現在でも乳業メーカーの大きな負担になっているというふうに考えております。 仮にここで限度数量を需要を上回るような形で設定いたしまして生乳生産を行いまして、脱脂粉乳の在庫は更に増加するということになりますれば、乳価の引下げ圧力、また一層強まるということで、私ども、かえって生産者の所得の減少につながるおそれがあるのではないかというふうに考えておりまして、今後需要の伸びる可能性のありますチーズ等、そういったものへの仕向け、これを増やしていく、そういった方向で考えているということでございます。
○紙智子君 伸びる可能性という話もありましたけれども、実質的にはやっぱり大変な状況というのは変わらないわけで、そこはよく状況も踏まえて支援をしていただきたいというふうに思います。 それから、乳用種の肉用子牛の補給金のことなんですけれども、今回算定方式が見直されました。大規模な育成農家のコストの削減と、それから農産物の統計によるぬれ子の価格、これを反映させた結果として、保証基準価格というのは大幅下げの諮問になっていると思うんですね。 乳用種の育成農家には一万頭を超えるところから小規模なところまで、いろいろと幅があるわけです。今の育成農家は補給金でようやっと経営が成り立っているわけです。大規模な農家に合わせてコストを計算して大幅に引下げということになれば、農家戸数でいえば多数を占めている中小の規模の育成農家というのはこれやっていかれないことになるんじゃないでしょうか。
○政府参考人(町田勝弘君) 今回の乳用種の保証基準価格の算定の見直しでございますが、昨年、十六年度の価格決定に当たりまして、政府の方の審議会からこれを実態に合わせて見直すべきという建議をいただいていまして、私ども、それに踏まえて算定の見直しを行ったところでございます。もちろん、この保証基準価格の算定に当たっては、再生産の確保を旨としてやるという法律の規定もございますので、それに沿って算定をしているところでございます。 御指摘いただきました大規模だけの統計というか、そういうふうになっているのではないかということでございますが、私どもは、大規模だけではなく頭数規模別のウエート、加重平均をして使っておりますので、したがいまして、小規模層、コストが比較的高い方の値も含んでいるというふうに承知いたしております。
○紙智子君 現場を踏まえておられるのでしょうか。この保証金の価格が大幅に下がっていきますと、ぬれ子の価格も下がることになるんですよね。やっぱりいろいろなバランスを取りながら、足りないところはいろいろ補てんをしながらやっているわけですけれども、酪農家の経営にも影響していく問題なわけです。和牛とホルスタインとを掛け合わせてF1というようなことで生産がこの後更に増えて、酪農の生産基盤を崩しかねない問題にもつながりかねないと。 そもそも牛肉の輸入自由化の代償措置としてこの農家経営を維持するために導入されたものなわけでしょう、この仕組みそのものが。その補給金は、やっぱりそもそものこの導入のことからいっても、下げるべきでないというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(町田勝弘君) 今回の算定によって酪農家から供給されるぬれ子の価格が下がるのではないかという御指摘でございますが、私ども、ここ十年ぐらいの統計を見てみますと、ぬれ子の価格というのはこれまでも、保証基準価格というよりは、むしろ子牛価格、枝肉価格、こういったものに連動いたしております。また、ぬれ子の販売収入というのは、これは酪農経営におきましては副産物でございまして、全体の収入に占める割合は二%程度ということでございます。こうしたことから、そう酪農家に大きな影響があると、そういうことはなく、影響は限定的であるというふうに考えているところでございます。
○紙智子君 何かもう全然現場の状況って聞いておられるのかなというふうに、もうさっきから全然影響がないというようなことをおっしゃるんですけれども、現場へ行って歩いてみたら大変だという話が出てくるわけですから、そこはやっぱりちゃんと見ていただきたいというふうに思うんですね。 それから、続けて行きますが、新たな食料・農業・農村基本計画の案の中で、我が国のこの農業生産全体の在り方を環境保全を重視したものに転換することを推進しと、農業生産活動に伴う環境への負荷の軽減を図るというふうにしています。これは畜産・酪農経営において特に重要な問題になってきていると思います。 北海道の酪農地帯でも、このコスト削減に追われて、多頭化し搾る量をいかに増やすかということで追求されている中で深刻な状況が生まれているんですね。 多額の資金を投入して例えばふん尿処理の施設を整備しても、北海道で寒い、寒冷地ということもあってなかなか、何というんですか、温度の関係でコンクリートの中でなかなか完熟していかないというか、だから生のまんまということなんですよね。だから、本当は環境のためにということでそれを整備しようというんだけれども、実際に生のまんまというか、まかざるを得ないというか、そういうのはもう実態としてはあちこちから出されるわけです。本来の趣旨からいえば、これは違うんじゃないかということで出されるわけなんです。そういう方向で努力するということはみんな一致してやっているわけですけれども、現場はそうなっていると。なかなか発酵しないと、それで飼養規模に見合う施設が造れないで間に合わない状況になっているわけです。堆肥にしなきゃいけないわけだけれども、こういう環境汚染、逆にそういう形でどんどんまいていきますと汚染になるんじゃないかという心配の声も出されているんですね。 農水省のやり方はふん尿を隔離するだけじゃないかと、こういう批判の声も上がっているんです。ふん尿処理の対策について主産地の農業の関係者から、やっぱりちゃんと循環させるためには、北海道のように土地の制約がないところですけれども、そういうところは草地に対しての頭数の制限というのもやっぱり必要なんじゃないかということなんですね。環境や安全や国土保全を考えると欧州のような仕組みが必要じゃないかと、例えば一頭につき一ヘクタールの草地が必要だという、こういうふうなことなんかも意見として出されているわけです。 それで、新たな酪肉近代化方針も策定されるんですけれども、この環境保全型、持続可能な酪農経営形態がどういうものであるのか、そういう経営を増やすためには農水省としてどのように支援していくのか、是非具体的に示すべきじゃないかと思うんですけれども、これ、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(島村宜伸君) 御指摘の近く策定いたします酪肉近代化基本方針におきましては、資源循環型の畜産を確立するため、飼料畑を持ち、自給飼料に立脚した経営の育成や家畜排せつ物の適正な管理と利用に関し、基本的な方向を明記することとしております。 このような基本方針を踏まえ、飼料生産基盤の整備や耕作放棄地の放牧利用、また、耕畜連携による堆肥の利活用などの各般の施策を推進してまいりたいと、こう考えております。
○紙智子君 書いてあることはいいんですけれども、それを実際にやるとなると、現場ではやっぱりなかなかできないできているんですよ。 何というのかな、実際には、そうなればいいと思っているわけですけれども、そのコストをもっと下げなきゃならないと、そうするとやっぱり飼う頭数を増やさなきゃいけないというようなことで、なかなかやっぱり生活をやりくりするということで考えればそのとおりになっていかないというか、言っていることが、アクセルとブレーキを一緒にやられているようなものだという声もありまして、もっとやっぱり踏み込んで、具体的にどこで詰まっているのかという、その打開しなきゃならないところはどこなのかということでやらないと、せっかくこの示す方向はいいんですけれども、それが実行されていかないということになると思うんです。 最後に、ちょっともう一問お聞きしたいんですけれども、欧米や韓国で取り組まれている環境支払制度、この導入によって環境の負荷を減らしていくと、こういう農業経営への転換を誘導していくというのが今日ますます必要になってきているというふうに思うんです。 酪農では土地利用型の酪農推進事業が環境に対する負荷を軽減をして自給飼料の生産体制の維持のために実施されているわけですけれども、加工原料乳に限ったもので、しかも、農水省の一般会計でなくて農畜産振興事業団による関連の対策ですよね、やられているのは。で、〇五年度限りの制度になっていると。これをやっぱり、事業団で関連で五年だけということじゃなくて、やっぱり環境保全に対する位置付けといいますか、直接支払として位置付けて、欧米でもやっているわけですけれども、畜産全体に広げて制度化するということを農水省として検討すべきじゃないのかと思うんですけれども、これ、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(島村宜伸君) 私ども、こうして御答弁申し上げる際にも、誠実にお答えすることと、もう一つは事実に即してお話しする、さらにはまた議事録にも余りいい加減な言葉が載るといけないんで、努めてその辺は努力をしているところであります。 また、こうした基本は、私どもも、我が党も、今、公明党さんと連携をしておりますが、それぞれの意見と知恵を持ち合って、それでかんかんがくがく、いろいろもみにもんで初めて方針が決定しているところでありまして、例えば中川委員長を始めとして専門家は党内にもたくさんおられるわけですから、そういう意見が言わば盛り込まれて初めて政策が立案されていると、そういうことでございますんで、まず御理解いただきたいと思います。 また、今の御指摘のことにつきましては、自ら飼料畑を持ち、飼料を自給する酪農・畜産は、家畜排せつ物を飼料畑に還元できることから、環境の保全に役立つものであり、これを振興していくことがまず重要であると、これを基本的に考えております。 また、飼料畑を自ら持つ酪農経営を育成するために、平成十一年度から飼料作物の作付面積を基準として定額の奨励金を交付する事業を実施してきているところであります。本事業は十七年度までの実施となっていることから、今後、酪農・畜産分野における環境保全や飼料生産基盤の強化につながるよう、その在り方につき検討していきたいと考えております。 なお、いろいろ御提言をいただくことにつきましても、我々は謙虚に耳を傾け、導入可能なことやあるいは我々の気が付かない点に御指摘をいただいた場合には、これらを誠実に受け止めて検討の中に入れていきたいと、このことを申し添えたいと思います。
○紙智子君 終わります。
○委員長(中川義雄君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十分散会