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162回国会参議院2005/03/10

農林水産委員会 第2号

発言数
167
登壇者
20
会派数
4
開催日
2005/03/10

会議録

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨九日、松下新平君が委員を辞任され、その補欠として加藤敏幸君が選任されました。     ─────────────

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農林水産に関する調査のため、本日の委員会に内閣府食品安全委員会事務局長齊藤登君、厚生労働省医薬食品局食品安全部長外口崇君、厚生労働省保険局長水田邦雄君、農林水産大臣官房総括審議官伊藤健一君、農林水産省総合食料局長村上秀徳君、農林水産省消費・安全局長中川坦君、農林水産省生産局長白須敏朗君、農林水産省経営局長須賀田菊仁君、農林水産省農村振興局長川村秀三郎君及び林野庁長官前田直登君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) 農林水産に関する調査のうち、平成十七年度の農林水産行政の基本施策に関する件を議題といたします。  本件につきましては既に説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

岩永浩美自由民主党

○岩永浩美君 おはようございます。自由民主党の岩永浩美です。  過日の島村農林水産大臣の所信表明をお伺いをし、所信に対する質疑をさせていただきたいと思っております。  御案内のとおり、島村農林水産大臣は二度目の農林水産大臣をお務めいただき、私自身も大変長い間御指導をいただいている島村大臣が大変、今回の予算委員会の中でも農林水産行政に対する真摯な立場に立って御努力いただいていることを大変頭の下がる思いがいたします。そういう農林水産大臣、今回の予算委員会でもいろいろな点で御指摘をいただいた点も含めて質問をさせていただきたいと思っております。  まず、BSEと米国産牛肉輸入再開の問題について伺いたいと思います。  私は、平成十三年のBSEの発生当時、大臣政務官の職を拝命をいたしていました。当時を振り返ると、牛肉の消費は落ち込み、そして肉や牛乳など様々なところで風評被害も受けるなど大変な状況でありました。そんな中で、全頭検査をすることにより安全宣言を出してようやく消費の回復に向かったこと、それはその当時を振り返ると、私自身も全国の十六都道府県に対し、知事さん並びに農業団体の皆さん方に謝りをし、行政の不手際だったことを私どもは陳謝をしながら皆さん方に御納得のいく説明をさせていただく、そういう仕事をさせていただきました。そんな思いが私自身にあっただけに、今回大臣の非常識発言について、決して大臣御自身が非常識だという御見解をお持ちだったと私は思っておりません。大臣の考え方の中には、全頭検査をやっているのは日本だけで、EUですら三十か月、あるいはフランスは二十四か月から三十か月齢に上げたではないのか。国際社会の中で全頭検査というのは特別なことであって、このままでいいのかということをおっしゃりたかったんだろうと私は推察をいたします。決して、全頭検査をやっていることが非常識、そのことをおっしゃっていないことは私は十分に理解をしています。  ただ、テレビのニュースや新聞の報道等によると、非常識という言葉が独り歩きしてしまって、本当に大臣のその真意が伝わっていない部分というのが多分にあったのではないのか。そのことによって、生産農家の皆さんやあるいは消費者の皆さん方にとって、正に大臣はそのことの安全宣言をしてきたその全頭検査が、全頭検査をやっていることが非常識だというようなことで受け止められてしまったことは、私は大変残念です。それを契機にして、日本の国内における生産農家に対するトレーサビリティーあるいは耳標の着標、そういう、いろいろな一つの課題を、責務を負ってそれぞれの立場で生産農家も努力をしてきました。  また、この委員会では毎年、畜産物価格のその決定の時期には委員会の決議をしています。今月の十七日には大臣は畜産物価格について諮問されるやにお聞きしていますが、去年この委員会で決議を行ったその内容は、国際化の進展に伴って、家畜伝染病の我が国への侵入の危険性が高まっていることから、海外情報の収集に努め、感染のおそれがある物品についてはより迅速かつ確実な防疫措置を講ずること。また、途上国における家畜伝染病の検査・防疫体制確立に向けた国際協力を積極的に推進するとともに、我が国において若齢牛のBSE感染が確認されたことにかんがみ、各国及び関係国際機関に対して検査対象牛の範囲を働き掛けるなど、国際的なBSE検査体制の強化に努めることと決議をしています。世界一厳しい検査をやっている日本がリーダーシップを取ってBSEの検査体制の強化を、そして世界のOIEに働き掛けるべしという、これは内容です。これは各党とも全会一致で行った決議です。  しかし、政府の方針、そして大臣がおっしゃっていることは、輸入再開を求めてきているアメリカですらBSE検査を強化せずに、逆に国内の措置を緩和する方向で協議をしているような感じを受けているのは、私一人ではなくて国民はそういう見解を持っているのではないだろうかと私は思います。  島村大臣が、先ほど申し上げたように、全頭検査は世界の非常識という言葉を収めることにこだわらないとおっしゃいました。私は、大臣のお気持ちは十分に察することができます。非常識という言葉を収めることにこだわらないという、そういう言い回しではなくて、率直に非常識という言葉を使ったことは不穏当だったということを言われた方がいいのではないかという思いがいたしますが、その非常識という言葉を撤回されることはいかがでしょうか、お尋ねを申し上げたい。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 大変御配慮をいただいたことにまず感謝申し上げたいと思います。  私の非常識という発言についていろいろ物議を醸したことは恐縮に存じておりますが、これがもし不穏当であるならば収めることに異議はないと再三答弁をしてきたところであります。さきの予算委員会でも撤回していただけるかと問われ、そのとおり受け止めていただいて結構ですと申し上げたところでありますが、この際、発言を撤回させていただくこととしたいと思います。いわゆる非常識であると、世界の非常識と言った発言を撤回することにさせていただくこととしたいと思います。  なお、私の発言の真意ということですが、これは、全頭検査は我が国でBSE感染牛が確認された直後、平成十三年の十月から言わば導入されたわけでありますが、消費者の不安を解消するという役割を果たす意味で私は英断であると、当時の講演等でも再三述べてきたところでありまして、この方法は正しかったんだろうと思っています。  他方、導入後三年が経過し、言わば昨年九月の食品安全委員会による全頭検査の見直しに関する中間取りまとめを受けて、この見直しについて昨年十月十五日に厚生労働省と共同で食品安全委員会に諮問していること、また、全頭検査は他のBSE発生国においては実施されていないのが実情であることから、こういったことを踏まえて発言したものであることを申し添えたいと思います。

岩永浩美自由民主党

○岩永浩美君 大臣が率直に非常識という発言を取り消されたこと、大変私は有り難いと思っております。ややもすると、大臣の真意が伝わらず、非常識な発言をした島村大臣という形容された言い方で今後とも大臣に付きまとうことはあってはならない、本当によく日本の農林水産行政に一生懸命御努力いただいている、正しい評価を国民の皆様方にしていただきたく、そういう思いを込めて御質問をさせていただきました。  それでは、次の質問に移らせていただきます。  BSEが発生してから三年たちました。世の中の空気も随分変わってまいりました。ただ、生産農家の皆さん方や多くの国民の中に、あのBSEの発生は心の中に深く私は刻まれていると思っております。  全頭検査を始めるに当たっては、当時、EU並みにしておけばいいのではないかという御議論もありました。しかし、全頭検査を行ったのは、国民に対して安全と安心を約束するという一つの観点があったことは事実です。当時、武部農林水産だったわけですが、食の安全と安心の確保、そして消費者に軸足を移した農政ということを強くその当時訴えられました。消費者に軸足を移した農政、それはBSEを発生させてしまったという農林水産省の反省もその中に私はあったと思っています。  今まで、ややもすると生産農家向けにだけ農政の一つの柱を持っていた、その一つの農政の考え方を、やっぱり生産者と消費者が向き合って、消費者の顔の見える農政、生産者の顔の見える農業政策を打ち出していくことが問われた大きな一つの時期だったと私は思っています。  それに基づいて、食品安全委員会というのが当時設立をされました。当時の議論の中で、農林水産省の中に置くべきではないのか、あるいは検査体制は厚生労働省だから厚生労働省の中で置いておくべきではないのかという、それぞれの縦割り行政の中における主張があったことは事実です。しかし、国民の食の安全と安心という一つの立場に立てば、独立した、ほかの人たちが相入れることのできない一つの組織を作ることが望ましいという意見に集約されて食品安全委員会が内閣府の中にできた一つの経緯を考えると、私は今振り返ってみると、食品安全委員会が内閣の中にできたことは大変良かったと私は思っております。私はこの食品安全委員会がそのときの雰囲気や世論や圧力に屈することのない、やっぱり食品の安全と安心を確立していくために、独立したその組織が今後も守られていくようにしなければいけないと思っております。社会の空気や圧力に屈することのない気概、そして、これこそが食品安全委員会の基本精神だと私は認識をしている。グレーを黒でないから白と言うような安全委員会なら、食品安全委員会の必要性はありません。  私は、牛肉に対する国民の信頼というものは関係者の皆さん方の努力によって回復したわけでありますから、それが失われることのないように今後とも全力を挙げて取り組んでもらいたい。その点は、今、食品安全委員会が果たしている役割について、今後もこういう形で推進をしようとしておられるのか、まずそこの点についての確認をしておきたいと思います。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 今、先生がおっしゃいましたように、平成十三年九月のBSEの発生を契機といたしまして、政府におきましては食品安全行政についての在り方の点検が行われたわけでございます。その結果、リスク分析の考え方を導入するということとされました。食品安全基本法が制定され、その中で食品安全行政の基本理念が定められましたし、また、リスク評価を行う独立した機関として食品安全委員会の設置など、食品安全行政の体制が整備されたところでございます。  また、農林水産省におきましても、産業振興部門から独立して食品のリスク管理などを一元的に担う消費・安全局が設置をされました。消費者重視の農林水産行政を推進する体制というものが整備をされました。食の安全と消費者の信頼の確保を通じて消費者の方々に安心していただける、そういう施策を進めてきたところでございます。  今後とも、こうした考え方に沿いまして、食品安全委員会との一定の役割分担の下で、リスク管理官庁としての農林水産省と厚生労働省と、それと食品安全委員会が連携をしていくと、そういうことに努めまして、国民の方々への情報提供や意見交換など努めながら、やはり食品安全基本法の理念であります国民の健康の保護を第一として消費者の方々に信頼をされます食料の供給体制の確立に取り組んでいきたいと、引き続き努力をしていきたいというふうに考えております。

岩永浩美自由民主党

○岩永浩美君 今、消費・安全局長から御答弁ございました。大臣は今の組織の在り方についてどういう見解をお持ちでしょうか。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 食は国民生活に一日たりとも欠かせないものであることから、食の安全の確保は極めて重要な課題であると考えておりまして、国民の健康保護を第一に取り組んでいかなければならないと考えておるところであります。  こうした考え方に立ちまして、リスク分析の考え方に基づき食の安全確保を推進するとともに、トレーサビリティーの導入の促進、あるいは生産・流通情報等に係るJAS規格や食品表示の充実などを通じて食に対する消費者の信頼の確保に努めてまいりたいと、こう考えております。

岩永浩美自由民主党

○岩永浩美君 是非、今、大臣の御答弁のように、やっぱり生産者はこの食品安全委員会で示される食の安全に対する一つの認識を持って生産にいそしむ、その一つの体制が確立されていかない限り、本当に消費者の皆さん方の信頼をかち得ることができないことになりますから、是非独立した機関の中で公平公正な、その時々の社会の一つの圧力に屈することのない食品安全委員会として機能していくようにしていただきたいとお願いをしておきたいと思います。  それから、BSEの国内措置の見直しの件ですが、主なものは全頭検査の緩和だと私は思います。先ほど大臣は、その非常識発言の答弁の折に、中間取りまとめの件について御答弁をいただきました。今までその中間取りまとめに対するその指針に対して、答申は、大臣の諮問ですから答申は速やかに出てくるのが、普通はやっぱりすぐ出てくるというのが大体常識ではないんでしょうか。しかし、その答申がまだ出てきておりません。去年の中間取りまとめをよりどころにされたことに問題があったのではないのか。そのために諮問に対する答申がなかなか出てきていない、若しくは出せずにいるのではないのかなと、委員の皆さん方の中に。  その去年の中間取りまとめは、検出限界以下の牛はシロではないことを示していますけれども、感染リスクは示していません。むしろ、検査しても分からないのでリスクは増えない、したがって大丈夫だという内容になっている。プリオン専門調査会の委員である東大の山内先生は中間取りまとめについて、検査から二十か月齢以下を外す根拠と誤解を招く記述が残ったことに異議を出されたとのことが書かれている。この中間取りまとめについては、プリオン専門調査会の中でも異論があったのではないんですか。  過日、新聞に報道されていた人に対する変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の感染の危険性についても、異常プリオンをどれだけ摂取すれば感染してしまうのか分からないと言われています。そして、日本人の約九割がこのヤコブ病に感染しやすい遺伝子を持っていることも書かれておりました。中間取りまとめの結論では、日本で見付かった二十一か月齢、二十三か月齢の感染牛の異常プリオンが非常に微量であることを掲げて、特定危険部位を除去すれば感染リスクは変わらないとしています。  現在の知見で異常プリオンの量と感染リスクは必ずしも明らかではないにもかかわらず、どうして結論が出せるのか私には分かりません。仮に感染していたとしても、若齢の牛は、異常プリオンが脳に蓄積されるのではなくて、腸や末梢神経に潜んでいるのではないかという知見も出されているようです。  このような知見も見付かる状況の中で、専門家が答申を出すに当たって慎重に審議せざるを得なくなっていると思います。私は、答申を出すに当たって、国民に分かりやすく、専門家にだけ科学的知見が分かるのではなくて、みんなに分かりやすい、そういう一つの答申を出していかなければいけないのではないのかと私は思います。  先ほど申し上げたように、大臣は中間取りまとめについての諮問をされました。諮問をしたとおりに答申されるのが筋だと大臣はお考えになっておられるかもしれませんが、逆に諮問が認められないというようなことをお考えになるようなことは、大臣、ございませんか。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 私どもは、やはり食の安全のためには食品安全委員会が言わばそれをきちっと御検討いただいている、権威者が集まって御検討いただいていることでございますから、それを黙ってじっと待っているという立場でございます。  そのことについては、どこからどういうお話があろうとも、私どもはこの結果を尊重するという姿勢を貫くという基本に立っているわけでございまして、今、委員の御指摘のとおり、私どもも考え方に全く違いはございません。

岩永浩美自由民主党

○岩永浩美君 是非、諮問したことが当然のごとく答申をされるということではなくて、やっぱり国民の不安そのものにやっぱりこたえられるような、仮に諮問したことであったとしても、その答申は十分に国民に理解されるような答申として出てくることを期待したいと私は思うし、そのために、諮問どおりに答申されなかったからというようなことでプレッシャーを掛けることがないように是非私はお願いをしておきたいと思います。  次に、全頭検査というのは非常に分かりやすい措置です。消費者にとっても、国産牛はすべて全頭検査をしています。だから安全だという安心感を抱いています。  私は、今、国内で二十三か月のやつについては検査する、あるいは十八か月齢以下については検査をしないと、こういうふうにしてやっておられますが、人がやることですから、やっぱりラインを別に、仮にやっぱり区分けしてやったとしても間違いが生じないということはやっぱりあり得ないと私は思います。  二、三日前の新聞やテレビの報道の中でも、何か二十か月以上たっているかたっていないかと、人の目で確かに二十か月以上たっているたっていないの区別は判断を付きかねるという報道もなされていました。私は、それは当然だと私は思います。どんな検査であっても、区別するということになればいろいろな間違いが生じることがあり得ることを前提に私はしなければいけないと思います。  過日、十五頭目の感染牛が北海道で発見されました。ちょうど三年ほど前、BSEが発生した折、大体五、六頭ぐらいで恐らく終息をするのではないかというような世論でした。もうそれ以上はBSEは発生しないという世論でしたが、もう十五頭目の発生をしました。当時は、その原因が肉骨粉であったりとかいろいろ言われましたが、その原因は定かなものではありません。  私は、大臣は今まで三百五十万頭の検査という経験を踏まえて見直しを諮問したとおっしゃっていますが、今なお十五頭目のそのBSEが発生したことを考えると、まだやっぱり緩和策を取るというのはちょっと私は無理ではないのかなという思いがいたします。三年有半たって、今十五頭目が出ました。今、先ほど私が申し上げたように、発生した当時は、やっぱりもう五、六頭ぐらいで恐らく終息をするであろう、肉骨粉を遮断すればBSEは発生しないといって言明をして推移をしてきたことを考えると、私は、先日十五頭目の感染牛が発見されたときに少々衝撃を覚えました。  今、アメリカから輸入再開の問題が浮上しています。今朝のテレビの報道によると、小泉総理に対する肉の輸入に対するアメリカの要請があったやに聞きました。その肉の輸入については、正に国内における全頭検査をやっていると同じ水準で安全が確保されない限りアメリカからの輸入はしないという国内措置を、大臣並びに農林水産省は今まで固く守りながら今まで引き延ばしてきましたけれども、ここで緩和策を取るというその一つの施策はまだちょっと早いのではないのかなという思い。私は、国際社会の中で、科学的知見の下に二十か月齢以下についてはBSEの発生はあり得ないという、そういう一つの議論が一方にあることは多としながらも、国内でこれだけ安全と安心を確保してきたその全頭検査の一つの方針を、緩和策を取るのはちょっとまだ早い。まだまだやっぱり全頭検査をしていくことによって国民に対する肉の安心と安全をもっと確認をしていく、その必要があるのではないかと思いますが、大臣の所見はいかがでしょうか。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 委員の御発言も一々ごもっともにも思いますが、ただ正直申しまして、まず私どもは、アメリカ自身がアメリカ流の物の考え方で日本に輸入再開を迫るというような姿勢が初めのうちはなきにしもあらずだったように思います。例えば、大統領選挙があるというような話もございましたし、言わば、例えばベーカー大使が離任に当たって、非常に心残りだという思いを抱いて私にあいさつに見えたことも記憶に新しいところであります。  しかし、そういう際も私は断固として、郷に入っては郷に従えという日本には言葉があるが、少なくも我が国に言わば牛肉を輸出しようとする場合には国内措置に従っていただく、これが基本ですと。我々はあくまで科学的知見に基づき食の安全と安心を大前提にこの輸入問題を考えているので、その点を御理解いただいた上で対処すべきだし、また同時に、アメリカの牛肉についてもクエスチョンマークが付いたことは事実なんですから、またそういう事実があったことも事実なんですから、これは言わばその専門家のいろんな御検討の中で問題がないという証明を受けた後の方が結果的にお互いにいいのではないか。そこまで言及して相手に物を言ったところでございまして、それ以後アメリカは極めて紳士的に、私たちはあれですし、ベーカー大使などは本当に初めから終わりまで圧力めいたアの字もない、本当に紳士然とした話合いの中で、あなたの御主張はよく伺ったと言って帰られた。情においては忍びないものを感じましたけれども、これはやむを得ないことでございまして、我々はその辺においては、圧力も何もない、きちんと我々の主張を貫いていることだけは御理解いただきたいと思います。  ただ、一つだけ、なるほどまだ早いというお考えもあろうかと思います。しかし、その辺についてはあくまで専門家の御判断にゆだねるということと、既に三百五十万トンというのは諮問段階でございまして、その後調べてみると、いや、たしか四百二十万トンぐらいになっているはずでございますが、その間にも言わば問題が生じていないということから、我々は一応二十か月未満はよしとするというような判断で今まで諮問をいたしておると、こういうことで御理解いただきたいと思います。

岩永浩美自由民主党

○岩永浩美君 まあ、専門家の御意見は専門家の御意見としてやっぱり聴かなきゃいけない部分もあります。ただ、消費者重視の農政に変わりがないのであれば、やっぱり十五頭目が先日出たということの現実を見ると、やっぱり当初予想された以上にやっぱり長引いてBSEが発生をしているわけですね。そうすると、そのことについて専門家の皆さん方のそれぞれの意見、それは一か月に一頭あるいは一年に一頭出たものは、それはBSEの発生は余り関係ないやと、そういうふうになってしまったのでは私はおかしいのではないのかと。やっぱり消費者に軸足を移した農政を今後は推進をしていくんだと、そのためにはやっぱり私はBSEの問題は、今なぜ緩和が必要なのかという私自身の疑問があって、やっぱりこれは慎重に行っていくべきことが正しいのではないのかなと私は思うので、強くそのことについては慎重な取扱いを要望をしておきたいと思います。  また、先ほどアメリカからの輸入の件について大臣からるる御説明がありました。仮に、アメリカ内部の中における輸入再開についてのいら立ちが仮にあったとしても、日本の国民の中にやっぱり安心して食べられる状況だと思えない限り肉の消費は伸びないわけですから、それは焦らず慌てず、やっぱり国民の納得する、その一つの輸入の再開に向けた措置が講じられていくことを心からお願いをしておきたいと私は思います。  次に、食料の自給率について伺いたいと思います。  今回、食料・農業・農村基本計画の見直しに当たって、重要な課題の一つに食料の自給率があります。平成十二年三月の現在の基本計画で、食料として国民に供給されるカロリーを五割以上国内生産で賄うことを目指して、今まで努力をしてこられました。しかし、計画期間の最終年度の今年、目標のカロリーベースで四五%と設定をいたしました。現実の問題として四五%には至らず、五年間四〇%の横ばいで推移をして、一向に上昇の気配はうかがえません。これをどのように考えるべきなのか。  よく大臣は、米の消費量等々が非常にやっぱり落ち込んできたことが自給率の底上げにつながらなかったというお話をされておりますが、ただそれだけなんだろうか。当初想定されたいろいろな諸問題というのが解決されてなかったのではないのか。あるいは、解決されたとしても、想定外のことが起こってきたために自給率が向上しなかったというふうに考えておられるのか。そこら辺についての御説明をまず伺いたいと思います。

村上秀徳農林水産省総合食料局長

○政府参考人(村上秀徳君) 自給率の関係につきましてお尋ねでございますが、現在の、現行の基本計画の食料自給率目標を達成するために置いておりました前提といたしましては、消費面では、米の消費量が維持されると、それから油脂類、肉類の消費が抑制されて栄養バランスの取れた食生活が実現すると、それから生産面では、米以外の品目の需要に即した生産拡大というようなことを前提の条件としていたわけでございますけれども、その後の推移で、消費面では、今、先生御指摘の米の消費量の減少が継続して、それから栄養のバランスの改善、油脂類、肉類の消費などについてのバランスの改善が進んでいないというところがございます。それから、生産面では、基本計画策定後、麦、大豆などについては目標水準を超えるまでに生産量が増加している一方で、品質や生産性などの向上の課題は遅れているということでございまして、また、これら以外の品目について総じて生産量が減少しているというような状況ございます。  このように見ますと、消費、生産両面において設定しておりました諸課題の解決が図られていないということで、食料自給率の上昇には至っていないと、カロリーベースで四〇%というようなことで推移をしているというふうに認識をしているところでございます。

岩永浩美自由民主党

○岩永浩美君 私は、四〇%でやっぱり推移しているっていうのは、カロリーベースのやっぱり食料の自給率を算出をしてくるとどうしても私はそれだけ上がってこないと思うんですよ。だから、やっぱり健康の維持にとって必要不可欠な野菜とか果物とか、低カロリーの品目、幾ら生産を増やしてもそのカロリーベースでは自給率には寄与しません。  だから、それに、むしろ私は、需要量に比べてどれだけの量を国内で賄っているのかという、そういう形の自給率を私は示す必要があるのではないのかなと。必要なものがどれだけ自給されているのか、そういうことを分かりやすく説明することによって、国民はやっぱりこの品目については国内の中でこれだけ自給されているということが分かってくると思う。だから、現行の基本計画で重量ベースの品目別自給率は示されていますね。ただ、カロリーベースの自給率に比べて余り注目されていませんね。だから、私は重量ベースによる総合自給率が今どうなっているのかということが一つ。それ、新たな基本計画において重量ベースによるこの食料の自給率目標を設定すべきだと私は思うんですよ、カロリーだけじゃ、熱カロリーだけじゃなくてね。  それは今度の基本計画でそういう形でお示しになる計画はありますか。

村上秀徳農林水産省総合食料局長

○政府参考人(村上秀徳君) 現在の基本計画では、御案内のとおり、基礎的な栄養であるカロリーに着目して食料自給率を設定をいたしておりますけれども、それと併せまして、主食用の穀物、それから穀物の自給率につきましては、先生おっしゃいましたように、重量ベースの自給率の目標も設定をいたしておりまして、例えば主食用の穀物自給率につきましては、二十二年度目標として六二%、十五年度ではまあ六〇%というような実績になっているところでございます。  それから、あわせまして、金額ベースの食料自給率、国内で需要されるもののどれくらいが賄われるかという一つの尺度として金額ベースの自給率ということも当然考えられるわけでございまして、これは現行の計画では参考として示しているところでございます。  御指摘のとおり、カロリーベース自給率ではカロリーの比較的低い野菜、果実の国内生産活動が適切に反映されないというような問題もございますし、多様な消費者・実需者ニーズに的確に対応した国内生産の増大を図ることが一層急務になっているというようなこともございます。  そういうことで、次回の新しい基本計画におきましては、カロリーベースと併せまして生産額ベースでの自給率についても目標として設定するということについて食料・農業・農村政策審議会の方から御答申をいただいていると。それから、引き続き、重量ベースにつきましては主要穀物の自給率などについて設定をしていきたいというふうに考えているところでございます。

岩永浩美自由民主党

○岩永浩美君 食料に対する一つの関心、国民の関心というのは非常に高い。そういう意味においては、やっぱりカロリーの低いものであっても、品目別にやっぱり自給率というものを示すことによって国民の安心というのは出てくると思うので、重量ベースによるやっぱり自給率の目標設定もしていただくこと、そのことは私は大切なことだと思うので、そういう示し方を是非していただきたいと思います。  ちょっと時間も参りましたが、もう一点だけ是非聞かしておいていただきたい。兼業農家のあるべき姿について伺っておきたいと思います。  特に、自給率を上げるためには担い手の確保と農地の有効活用が必要であることは言うまでもありません。  今後の農政において四十万の経営体を担い手として施策を集中していくということが予算委員会の大臣の、質問の中で繰り返し繰り返し四十万のその担い手を中心に御答弁がなされました。私は、四十万の担い手を中心に農政が推進されていくことについては是とします、担い手を中心とした。ただ、やっぱり平野部ばっかりではなくて、大規模農業だけが中心である農業ではそれぞれの地域の集落を守っていくことができません。  過日、私どもは北海道の視察をした折に大規模農業を中心とした十勝平野の農業の一つの実態を見てまいりましたが、大変すばらしい農業を推進をしておられました。しかし、御案内のとおり、我が国は急峻な地形が多く、一戸当たりの農地の規模が大変狭く、拡大が容易にできない地域が六割から七割あります。その地域の皆さん方はやっぱり農業で拡大しようとしても拡大できない。あるいは、都市化現象が著しくなってきている昨今、やっぱり省力化を図っていくことによって余剰労働力としてのその労働力を生かしていかなければいけないそういう地理的条件。そういうことを考えると、小規模農家の皆さん方、いわゆる兼業農家の皆さん方の施策、兼業農家に対する施し方が十分になされない該当地域の集落は守っていくことができないと私は思います。  集落の営農体制を確立をしていくためには健全な兼業農家を育成していくことが一点、必要です。それから、担い手に土地を集約をするにしても、やっぱり担い手の皆さん方が規模を拡大していくその農地は、担い手にゆだねることがあったとしても、非常にやっぱり狭隘な土地を有効に活用し、国土の保全や多面的利用、多面的機能を発揮していくための農用地はやっぱり小規模農家の皆さん方じゃないとそこを守っていくことは不可能なんです。  しかし、今、基本計画やあるいは農政の推進をしていかれる過程の中で、兼業農家を守っていくということについては文章の中には示されていますが、施策の中で兼業農家の育成ということにはほど遠いような感じが私はします。日本の長年培ってきた地方の文化、これはやっぱり集落の営農が支えて日本の文化を支えてきたと私は思います。そういう意味で、今度の基本計画の中には、担い手の育成と新たな経営、集落における経営形態、そこに対する補助政策は手厚く補助することを示されていますが、兼業農家の育成と兼業農家の健全な発展のための施策として生かされる項目が示されておりません。  私は、是非、今度の基本計画の中で兼業農家の果たす役割がおろそかにされることがないように、ややもすると、担い手に集中をさせるということによって弱小並びに零細な農家の切捨てにつながっていくようなことにならないように、項目を掲げて兼業農家の育成に向けた施策を講じていただく基本計画の策定を是非お願いをしたい。そのことについて、大臣の所見を伺いたい。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 兼業農家の果たすべき役割と方向についてお尋ねでございます。  先生おっしゃられますように、兼業農家、農村社会に定住をいたしまして、他の農家と協力をしながら、農業生産を通じまして地域の農業資源の適切な管理という貴重な役割を果たしているわけでございます。そういう意味で、地域社会の安定層として重要な一員と位置付けられているわけでございます。  一方で、農政の進むべき方向といたしまして、やはり農業を取り巻く情勢にかんがみますと、将来に向けて持続的に農業を継続していかなくてはいけないという意味で、いわゆる構造改革、担い手の育成という方向、これまた避けて通れない方向でございます。  そういう意味で、兼業農家の在り方を考えますと、一口に兼業農家と申しましても、農業所得のウエートあるいは農業への意欲、能力、こういったもので区々まちまちでございます。兼業農家の中でもやる気と能力を持って他産業並みの所得を上げてやるんだという方につきましては、将来の効率的、安定的な経営としてその育成を図っていきたいというふうに思っております。これが私どもが示しました中の個別の家族農業経営を平成二十七年に三十三万から三十七万にするんだと、その一翼を担い得る経営として発展をしていただきたい。特に、有機農法だとかあるいは高付加価値農業だとそう規模大きくなくても所得が上げれるということがございます。  それから、それ以外の方々、これは私ども、将来の担い手として集落営農経営、これ二十七年に二万経営体から四万経営体つくるんだということを展望さしていただいております。この集落営農経営といいますのは、集落を単位として、集落の全部又は相当な農家が参画をし得る営農形態でございまして、これまた担い手として位置付け得るものでございます。で、その中に兼業農家、小規模の農家の方も参画をしていただいて担い手の一員として活躍をしていただく、これが第二の道だろうというふうに思っております。  それから、担い手に農地を出すんだという役割を果たされる農家の方でも、やはり実態を見ておりますと、出した後、水管理だとか草刈りだとか、担い手の方々と役割分担しながら農村に定住をして一定の役割を果たしていただいておるということがございますので、そういう役割も期待し、それなりの政策を講じていきたいというふうに考えているところでございます。  さらに、その地域資源の保全管理、これはまたそういう産業政策とは別に、兼業農家を含む地域の農家の方々全員、あるいは更に地域住民、都市住民も含めまして、多様な主体の参画を得て行う取組に対する施策の在り方についても検討するということを基本計画に明記をさせていただく予定でございまして、そのような兼業農家の進むべき方向につきましては、分かりやすく現場に下ろしていきたいというふうに考えているところでございます。

岩永浩美自由民主党

○岩永浩美君 あのね、局長ね、兼業農家の皆さん方は他産業並みの所得というのは、兼業農家の人は専業じゃないんだから、農外所得を得てやっているのが兼業農家なんです。他産業並みの所得を兼業農家が得るわけじゃないんですよ。これは他産業並みの所得を得るためにと、そんなことじゃなくて、農外所得を得て一家の一つの生活を営んでいるんです。その人たちが置き去りにされることがないようにして、それは先ほどの御説明にもあったように、国土の保全や集落の営農に御協力をいただき、担い手の育成にも役立っていただいている小規模農家の皆さん方は、やっぱりそこを、やっぱり労力は掛かっても一生懸命耕作をしておられるその人たちが置き去りにされない兼業農家の保護育成のために、見捨てることがない施策を基本計画の中でお示しをいただく一項目を基本計画の中にお示しをいただきたい、示しておいていただきたい、そのことを強く私は要望したいと思っているんです。  農村振興局長には御質問の通告を三項目しておりました。時間が来たので、次の機会にさせていただくことをお許しをいただきたいと思う。  最後に大臣に、兼業農家の今あるべき姿について、基本計画の中にやっぱり項目を掲げてそれをやっていただかないと、非常にやっぱり農家の切り捨てにつながっていくようなことにならないように基本計画でお示しをいただきたい、その思いについて大臣の所見を伺って、私の質問を終わります。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 昨日、言わば答申をいただいたところでございますが、一年三か月に及ぶ約三十回の言わば大変熱心な御審議を経て、各分野の代表の方々のいろんなおまとめに感謝したところでございますが、その際にも、やはり一般の農家の方々は、何か零細なところは切り捨てられるんではないか、あるいは先行きに大きなこの変革があるので、何かそれを非常に気重に受け止めている向きがないではないと。率直に私が感じているままを申し上げたところですが、それらについてもいろいろ御検討をいただいた上のことでありますし、当然農業者の代表の方も加わって大変活発な御議論の中でこの結果を得ておりますので、私どもは今、岩永先生御指摘の、その農家の、まじめにやろうとしている農家が全く切り捨てられることで先行きを詰められるということが起きないように、やはり本当に血も涙もある、本当に将来に向かってやる気さえあればこういう道が開かれるんだということに対しては十分意を用いていきたいと思いますし、集落営農というと何か自分の個人の自由が奪われるような気持ちを持っている方も多いようですけれども、そういうことについても十分私たちは説明を行き届かせていきたいと、こんなふうに思っているところでございます。

岩永浩美自由民主党

○岩永浩美君 ありがとうございました。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 自由民主党の野村哲郎でございます。  農業や、そして漁業、林業、非常に課題が山積している中で、課題解決に向けて大臣を始め役所の皆さん方が本当に努力されておりますことに心からの敬意と感謝を申し上げる次第でございます。  私は、岩永委員に引き続きまして、BSE対策についていろいろ御質問をしようと、こういうふうに思っておりました。先ほど岩永委員の質問の中で大臣が発言を撤回されました。ただ、私はやっぱりこの報道がなされたときに、畜産県鹿児島出身としては極めて残念だと、非常に苦々しく実は思いました。ただそのときに、大臣も御一緒に仕事をされましたでありましょう山中貞則先生がもし生きておられたらどういうお気持ちになられたかなということも実は考えたところでございます。  ところで、今日の新聞に、非常識発言はアメリカに対して日本も頑張っているんだぞという島村大臣のメッセージだと、こういう記事が実はございました。私は、そういう高度な政治発言、アナウンス効果よりも、きっちりとやっぱり言うべきは言ってアメリカの理解を求める方がいいのではないかと、そういうふうに思った次第でございますので、大臣、その新聞を、今朝の、ごらんになっていらっしゃらないかもしれませんが、そういう記事を掲げてありましたので、どのようにお考えか、御所見をお伺いしたいと思います。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 私は、就任時は、すべてに迅速的確を旨とし、前向きな取組をしていきたい、これが我々の新しい農政に対する期待であるはずであると、こういうことを申して、アメリカはそれを自分の方に前向きにとらえて、例えばこの食肉問題も一気に解決に導いてくれるんじゃないか、そういう期待を抱いたようであります。しかし、その後の私のちょっと頑固なまでに徹したその姿勢を見て、随分最初のイメージと違ったよというような話が当初私たちに、交渉に見えた方々から聞いたところでございます。  ただ、私はアナウンス効果とか何か言うよりは、やはり本当に我々のあるべき姿というものを常に、国際化時代でもありますから、世界の常識に照らしてやっぱり我々は考えなきゃいけないという、一面にはそういう考えを持っております。ただ、言わば全頭検査が非常識だと言った私の本当の意味は、やっぱり二十か月未満の牛を言わばこの検査の対象から外すと、この諮問についていろいろ御質問を受けた際に、私の方から、これは少なくも二十か月未満という、全頭検査というのは世界の常識にあらずと、自分の言葉で言いながらも、言葉の中で反すうして、まあこれなら間違いないかなと思ったんですが、後々やっぱり考えますと、非常識という言葉が独りで躍りますと一般的には別の意味に取られることが通常のように思えましたので、私はこれちょっと言い過ぎだったかなとは思いましたけれども。  それはそれとして、今、委員から御指摘ありましたように、私も別に海外を気にするわけでは全くありませんが、やっぱりそれはそれとして、また一方で日米関係の信頼というのはいろんな意味で非常に大きなこの国の支えでもありますから、私はそれらについてもいろんな情報をいただくままに伺っていますけれども、実は私の友人で、例えば海外で学者としての勉強に励んでいる方、第一線で教えをしている方、あるいは報道関係の方、実業家の方、たくさんの方からいろんな情報を寄せてくださるわけですが、そういう中では、やはり日本の大臣はきついことを言うけれども、その一方ではやっぱり国内に対しても勇気ある発言をしていると。こんな話があるということを、おっしゃられたから申しますけれども、そういうことは事実でございます。  さはさりながら、確かに畜産県の代表格である鹿児島県御出身の委員のお気持ち、重々分かることでございまして、私どもの言葉の足りなかった点だけは改めてまた申し上げたいと思います。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 生産者を始め、私どもは輸入再開にがむしゃらに反対しているとか、そういうことじゃございません。やはり生産者の気持ちというのは、先般もずっと回らせていただきましたけれども、やはりいろんなBSEなり、そのほか鳥インフルエンザの問題だとか、いろんな形が農産物に対する不安感、こういうものが非常に国民の間に広がってきた。生産者の皆さん方の気持ちというのは、農産物、食材を食卓に単に届ける、そういうことだけではなくて、一緒に安心、安全も届けたい、そういう思いが非常に強うございます。  そういう意味におきまして、実は鳥インフルエンザが昨年出たときも、卵が、百六十円から百八十円ぐらいの相場が一挙に九十五円まで落ちたことがあります。一切卵には食べても影響はないにもかかわらず、そういうアナウンスも農水を始め行政の皆さん方も一生懸命生産者団体もやってきたにもかかわらず、卵の消費が伸びずに、そして相場といえばまさしく半値以下になってきた。これやっぱり日本人の食文化というか、やはりそのマインドというのはなかなか外国に比べて違うのではないのかなというふうに思います。  ですから、やはりここは、今のBSEの問題も含めまして、食品の安全性、このことにつきまして、安全性というのは私は、後ほど申し上げますけれども、きちっとやっぱり科学的な知見に基づかなきゃいけない。一方、安心というのは、これはマインドの問題でございますので、そういう意味におきましては、日本人のそういう安全性について大臣がお考えいただいておりますならば、少し御所見をお伺いしたいと思います。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 私どもも、仕事柄もありまして世界じゅうを旅することが多いんですが、いろんな国の生活実態と比較しまして、日本人くらい衛生観念が言わば発達した国はないのかなと、こんなふうに思わせていただいています。  それは、御承知のように、例えばフランスの一流店なんか行って、フランス料理でも有名なブイヤベースなんか食べようとすると、何か店頭に極めて無造作に魚介類が積んであるのなんか見まして、これで果たして衛生管理が徹底するんだろうか、こんなふうに思いますし、いろいろ実態を勉強するためにチャンスをつかんでいろんな家へ入り込んでみますと、アパートなどではちょっとパンが無造作に立て掛けてあったりしますですね。ああいうのは日本だととてもとても考えられないことでありますが、その点はどうも向こうの人たちの方がかなり言わば大づかみ、大ざっぱなのかなと、こんなふうに思う面があります。言い換えれば、それだけ日本の国は子供のときからきちんと衛生観念が植え付けられて、食事をする前後には手を洗う、お手洗い行ったら当然に手を洗うとか、いろいろなことを教えられております。  最近少しくその面が後退していることは残念ですが、しかし、それはそれとして、やっぱりこういう問題が起きたときに、あの対する日本人の反応というのは大変シビアでありまして、その後のEU各国その他の肉の消費量その他を調べますと、最近は急激にまたみんな随分急角度に上向いているんですね。ところが、日本の方がむしろその意味でも大分後れているという現実も目にするわけでありますから、そういう言わば日本人の食文化に対する言わば繊細さに我々も十分配慮しながらこれから対応していく必要があるのかなと勉強しておる次第であります。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 ありがとうございました。非常に大臣のそういう姿勢に対して敬意を表する次第であります。    〔委員長退席、理事田中直紀君着席〕  ところで、その食品の安全性、これをきちっと科学的にリスク評価する、そのために設置された食品安全委員会があるわけでありますが、私は、国民に安全な食料を提供するために設置された、リスク評価を行う権威ある独立した第三機関だと、こういうふうに理解いたしておりますが、それでよろしいかどうか、答弁をお願いいたします。

齊藤登内閣府食品安全委員会事務局長

○政府参考人(齊藤登君) お答えいたします。  食品安全委員会は、国民の健康の保護が最も重要であると、そういう基本的認識、それから、食品安全行政におきましてリスク分析手法の導入等、これを定めました食品安全基本法、これに基づきまして設立されているものでございます。  食品安全委員会は、食品安全基本法に基づきまして、厚生労働省や農林水産省等のリスク管理機関から独立いたしまして、内閣府に置かれております機関でございます。その役割は、最新の科学的知見に基づき、客観的かつ中立公正に食品健康影響評価を行うというようなことを主要な役割としておるところでございます。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 その食品安全委員会が昨年九月に出しました中間答申には、二十か月齢以下のBSE感染牛を確認できなかったことは今後の我が国のBSE対策を検討する上で十分考慮して入れるべき事実であるという内容になっております。  同委員会は、三百五十万頭の牛を検査いたしまして、科学的知見に基づいて中間報告を出した。その報告に基づいて、私ども自民党内でも集中的に議論を実はいたしてきたところであります。そのときには大変様々な意見が出ましたけれども、最終的には、科学的知見を重視しなければならないという観点から、検査対象を二十か月齢以上とすることについての是非を食品安全委員会に諮問することに同意した経過が実はございます。これはもう御承知のとおりであります。    〔理事田中直紀君退席、委員長着席〕  そこで、私は、食品安全委員会は、科学的知見に基づいて、先ほどおっしゃいましたように、客観的かつ中立公正にリスク評価する機関である、こうした独立した機関たる食品安全委員会に政治が関与してはいけない。先ほど岩永委員もおっしゃりましたように、いろんな社会の圧力に屈してはいけない、そういう食品安全委員会に対するお話もございました。やはり今、食品安全委員会が諮問されました内容を審議検討しているときに、やはり雑音を入れずに私は粛々と委員会は科学的知見に基づく審議をしていただきたい。そのことが安全委員会の権威を守っていく、そして食品安全委員会の出す結論に消費者も生産者も納得するし、私はその結論に信頼を置くというふうに思います。  したがいまして、やはりそういったように食品安全委員会というのを、これはBSEだけじゃございませんので、すべての食品に関するリスク評価をしていくわけでありますから、是非とも権威ある食品安全委員会にしていただきたい。そのためにも、岩永委員も御指摘されましたように、絶対に雑音に惑わされることなく、粛々とやっていただきたい、そういうふうに思います。どうかその辺の決意をお願い申し上げたいと思います。

齊藤登内閣府食品安全委員会事務局長

○政府参考人(齊藤登君) 食品安全委員会、BSE対策につきましての諮問を受けまして、我が国におけるBSE対策に係るリスク評価につきましては、昨年十月十五日の諮問以降、これまで計六回にわたりまして審議を行ってきておるところでございます。この中では、中立公正な立場から科学的な論議を尽くすということで議論を続けておるところでございまして、またあしたの十一日には第二十一回ということで引き続き議論をさせていただくということになってございます。  いずれにいたしましても、今後とも中立公正な立場から十分に科学的な議論を尽くしていただくということが、私ども委員会としてはプリオン専門調査会の議論に期待しているところではございますし、また委員会の責務であるというふうに考えてございます。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 ところで、十五年の十二月一日よりトレサ法が施行されたわけであります。実はこのトレサ法に基づきます作業というのが大変な作業でございます。これはもう生産者の段階から消費者の口に入るまですべて過程があるわけでありますが、生産者は、年月日、いわゆるその生まれた年月日、あるいはまた種類、それから性別等々の書類の作成、そして生産者団体や行政は、個体識別の登録の確認作業、そしてまた食肉処理場では、出荷牛の履歴証明書の内容確認、これは四項目の確認がありますし、またそれに関する報告書の作成、そして検査をしていくわけであります。小売段階では、十けたの生産履歴照会の印字のシールを張る、あるいはシステムの開発をしていく、いろんな作業が実は出てまいります。大変な労力が要るわけであります。  ところで、このコストを実は見ていきますと、これはまさしく鹿児島の経済連に試算をさせた内容でありますが、生産者のところは、これはコストの中にはなかなか入れられないんですが、掛かったコストだけでいきますと、生産者団体で個別の個体識別の登録確認作業に要するシステムの開発費等々、年間五百万、一頭当たり四百三十一円、こういう試算が出ております。食肉処理場におきましては、先ほど言いました内容確認のためのいろんなシステム開発等々、これも年間大体九百万程度。そして、特定部位の除去に掛かります、それと焼却に掛かりますのが大体七百円から千円程度。そうしますと、この特定部位の除去と焼却だけでも、十万頭でありますんで、一年間にやはり一億円程度掛かってくる。  これは、消費者の安心、安全を確保するために必要なことだということでそれぞれ負担もしております。ただ、検査につきましては国の方で全部を御負担いただいております。  また、小売の段階では、これは鹿児島のAコープでありますけれども、やはり先ほど申し上げました履歴照会のためのいろんなシステムの開発等々八百三十万程度いっていると。  何を言いたいかといいますと、やはりこのように、生産者なりあるいは団体、そして食肉処理場、そしてまた小売の段階におきまして、大変な労力、そして費用をつぎ込んでトレサ法を遵守している、そのことであります。ただ、今回、何となくこの全頭検査だけが突出した形に、まあこれは大臣の御発言があってからかもしれませんが、非常になっておりますけれども、先ほど申し上げました生産者から小売段階に至るまでのトータルでの取組の中で、食の安心、安全、牛肉の安心、安全を確保している、そのことをやはりアメリカにきっちり言っていただきたいというふうに思う次第であります。これだけ日本は生産者の段階から小売の段階まで大変な労力と費用を掛けながらやっているんだということをやはり言っていただかないと、ただ全頭検査だけが象徴的に話が出てきているように思えてならないんです。  したがいまして、このような徹底した生産履歴の管理をしている国があるのかどうか、ちょっとお尋ねを申し上げたいと思います。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 牛のトレーサビリティーシステムについての各国の状況ということでございますが、日本のような個体識別番号をきちっと割り振って、その流通の過程において、あるいは生産の過程においての様々な情報をデータベース化をし、さらに屠畜場以降の川下の部分にまでそういった仕組みが整えられているというのは、これはEU諸国では日本と同じような仕組みが行われておりますけれども、それ以外の国々、例えばアメリカですとかカナダですとかあるいは豪州等、それぞれの国におきまして多少の取組は行われておりますけれども、日本と同じような厳格な仕組みかどうかという点、それから義務化されているかどうかといった点につきましては、日本とは相当違っているというふうな状況でございます。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 ということは、世界の中でも日本が一番厳しい管理をしている、こういう理解でよろしいですね。ありがとうございました。  最後に、マチュリティーの問題を質問をいたしたいと思います。  先般来、日米協議の中で輸入再開に向けてのいろんなお話合いがあるわけでありますが、仮に今、食品安全委員会に諮問いたしております二十か月齢、その答申が出たという仮定でありますけれども、月齢の把握をするのにアメリカから今提案されているのが肉の熟成度、マチュリティーだというふうに聞いております。ただ、私は、このマチュリティーについて本当に確信が得られるのかどうか大変不安を持っております。それはなぜかといいますと、三回、四回の協議の中で示されたのは、そういう枝肉の写真であったり、あるいは向こうから出されました統計的なデータであったり、あるいは説明であったり、こういう話を伺っております。  そこで、そのことをよしとするような、マチュリティーで月齢確認ができるんだという、そういう検討委員会での結論に至ったというお話を聞いておりますが、大変本当に、先ほども申し上げますように、不安だし不満であります。なぜ、なぜそのことを踏まえて検証していかないのか、きちっとやっぱり裏付けを取る必要があると私は思っております。  したがいまして、いずれにしましても、また食品安全委員会にこのことも諮問をされるわけでありますが、検討委員会で出された結論をそのまま諮問として出されるのか。きちっとした私は検証していただきたいと思うんでありますが、そのところについてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 牛の枝肉の生理学的成熟度を用いて月齢判別をするというこの方法でございます。  アメリカから提案がありました際、当初は正直申しまして私どもは十分な知見がなかったわけであります。したがいまして、日本人の専門家の方々に集まっていただいてこの月齢判別のための検討会ということで、解剖学的な見地あるいは生理学的な見地、肉の格付といった、そういう専門家の方々がいろいろ議論していただいて、アメリカの提案について三回にわたって審議をしていただいたわけでございます。  最終的な取りまとめ、二月の八日に出ておりますけれども、このAの40という基準を用いて二十一か月齢以上の枝肉、それ由来の牛肉を排除するかどうかという点につきましては、統計学的にも一定の信頼度での数字などを示した上で、最終的には、このアメリカ産の牛肉のBSEの感染リスクがどうかという、そのリスクの程度と併せて判断をすべきであるというのが結論でございます。  また、このA40という基準を採用します際に、当然屠畜場で検査官が見ていくわけでありますので、どこを見るか、どの場所のどの違いをよく判別をするのかといった、そういう評価決定ポイントの明確化ですとか、あるいは格付検査官へのそのことの周知徹底、それからきちっとした記録の保全、記録を残しておくというようなことも大事だというふうに指摘をされておりますし、それからこの基準としての有効性を確認するために追加的検証又は実施後のフォローアップというふうなものも必要だということで、この二つの点が留意点として指摘をされております。  こういった点につきましては、この報告書を受けた後、アメリカ側にその実施方を要請をしているところでございます。  今、先生が御指摘ありましたような、そういうこの手法につきましての信頼度を高めるためにいろいろやることにつきましては、アメリカ側にもこれからもきちっと要求していきたいというふうに思っております。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 今、局長の方からお答えいただきましたけれども、ただ、私はやっぱり、いろんなアメリカに資料を求めていく、そういうことじゃなくて、なぜ、私が質問しておりますのは、この日本でそのことを検証していかないんだと、そういうことでありますんで、私は、食品安全委員会にやっぱり諮問する以上は、そういうことまで踏まえてリスク評価をしていただく、そしてそのことがきちっと月齢の把握はできますというそういう話になっていきませんと、なかなかこれは国民的な理解を得られにくい。私は、生産者も自分たちが牛をつくっているわけでありますんで非常に分かりづらい、こういうふうに思いますんで、どうかその辺も御配慮をいただきたいと思います。  このBSEの問題では、非常識発言に始まりまして島村大臣には大変口幅ったい物事を申し上げたと思いますけれども、ただやはり、先ほど申し上げましたように、畜産県鹿児島としての思いのたけを是非酌み取っていただきまして、御容赦いただきたいと思います。  次に、先ほどの、これも岩永委員とダブるところがあるんですが、少しもう簡略して御質問させていただきたいと思います。  食料・農業・農村基本計画でございまして、昨日、審議会より答申が出され、日本農業のいよいよかじを切っていく内容になっているし、具体的な取組が求められてくるわけでありますが、そこで私は、一つこのことをお伺いしたいのは、今回の基本計画では、これは岩永委員もお話がありましたように、食料自給率の目標設定についてであります。いろんなこれは党内でも議論があったことは承知いたしておりまして、やはりカロリーベースなのか、あるいは生産額ベース、いろんな表示の仕方もあるわけでありますが、今まで島村大臣にお答えたくさんいただきましたので今回は常田副大臣に、いろいろ開発途上国なり先進国等をお回りになってきた、そういうお話も伺っておりますので、この食料自給率の考え方につきまして、御自分の目で確かめてこられたその感想を含めて是非とも御所見をいただきたいと思います。

常田享詳自由民主党農林水産副大臣

○副大臣(常田享詳君) 野村委員の御質問にお答えをしたいと思います。  昨年、参議院選挙が終わりましたすぐ、国民保護法に関する調査団ということで超党派で、院の派遣でフランス、ドイツ、それからスイス、シンガポールの民間防衛の調査に入らせていただきました。それらの国々はそういった民間防衛、国民保護に対して非常に先進国と言われている国でありますが、いろいろお話が出た中で、食料の安全保障、自給率ということについてはどの国においても大体七割以上確保するのが常識であるということでありました。  そのときは行きませんでしたが、その前に行きましたイギリスにおいては、日本が自給率七三%カロリーベースであった昭和四十年の時点では、イギリスは四五%まで落としていたと。しかし、イギリスは日本と同じような海洋国家で、周りが海に囲まれている国で、いざというときに国民の生命をしっかり守っていく食料の確保は大事だということで、日本とは逆に、日本は昭和四十年からどんどん落として今四〇%、イギリスはそれを、四五%だった自給率を今七〇%以上まで戻してきておるということがあります。そういった食料の安全保障という点での視点が一つ。  それから、今年の一月十五日からインドに行かせていただきました。インドが今、人口十億であります。インドの国会議員の方たちといろいろ話をさせていただきましたが、インドは近い将来十三億、そして産児制限しておりませんから中国を抜いて十五億まで人口が伸びていくということの中で、インドももうこれまでのように自国で国民の食料を賄うことはできない、輸入に頼らざるを得ないということでありました。そこへあわせて、中国が御案内のとおり去年から五十五億ドルの輸入に転じて、純食料輸入国に転換していって、これから毎年毎年巨大な食料輸入国に転換していくと。そういった人口問題との、そしてインド、中国がASEAN諸国も巻き込んでアジアでの食料の安全保障にしっかり取り組んでいるという背景、その中で日本が取り残されていくのではないかという危機感。  もう一点だけ申し上げますと、異常気象の問題であります。この異常気象が及ぼす影響というのは計り知れないわけでありまして、今後、そのことが生産面や価格面で、今までと同じようにお金があれば買えるんだということが本当にもう言えるのかどうなのかというようなことを考えますと、この食料自給率の問題は極めて我が国にとっては重要な課題であるというふうに思っております。このたびの食料・農業・農村基本計画におきましては、入口のところで一番議論したのはこのことであります。このことをしっかり踏まえて、今まではそうやって落ちてきて、四割、四〇%というところまで落ちてきているけれども、ここはもうどん底だと、ここからどうやって上げていくのかということの中で生産面と消費面でしっかり取り組んでいこうと。  時間の関係ではしょりますけれども、あわせて、もう一点だけ申し上げますと、今まで何で落ちてきた。それはもう五年に一回とかそういう見直しのときに、振り返ってみれば、横ばいになっていたとか落ちていたということだから、今後はその施策の工程管理を毎年毎年やって、なぜ上がらないのか、なぜ、上がらないのにはどういう原因があるのかということを取り組んでいこうと。それから、先ほど来の生産額ベースの自給率も併せて取り入れることによって生産力を高めていく、生産力と消費力で自給率を上げていくというのがこのたびの方針であります。  以上であります。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 今、インドなり中国の現地を見られて、非常に食料安全保障の面からも日本はきちっとやっぱり自給率を高めていく、四五%という目標に向かっていく。先ほど副大臣がおっしゃいましたように、やはりこれは私は食料自給率の問題は生産者だけの問題でもなく、そして消費者だけの問題でもない。食品流通業界、いろんな形での国民的課題だ、全体で取り組んでいかなきゃならない国民課題だというふうに考えておりますので、どうか、先ほどお話がありましたように、工程管理をしっかりやっていただきまして、そして着実に、そして確実にこの自給率の向上を目指していただきたいという思いでございます。ありがとうございました。  次に、基本計画の中では品目横断的政策への転換の中で土地利用型農業、水田なりあるいは大規模畑作、先ほども岩永委員からもありましたけれども、これと連動して何だかこの品目別の政策がかすんでしまっているのではないかという私は感じを持っております。  しかし、いろんな委員会を立ち上げられて、部会を立ち上げられて品目別の検討をなさっているというのも十分認識をいたしておりますので、その中で特に水田なり大規模畑作、こういうことから離れまして、酪肉近代化基本方針が今策定されつつございますが、この中で時間もありませんので二点だけお伺いをいたしたいと思います。  一つは、やはりこれは水田、畑作も一緒でありますが、認定農業者、この認定農業者のほかに認定農業者に準じた一定の要件を満たす営農形態についても担い手として位置付けると、こういう書きぶりがあるわけでありますが、その一定の要件を満たす営農形態というのはどういうことを想定されておるのか、教えていただきたい。  この中で特に私は畜産で考えていきますと、やはりこの繁殖農家、繁殖農家は非常に規模が小そうございます。全国平均でも八頭を切っていると思いますが、そういう意味におきましてはなかなかこの認定農業者というのはこの中には少ない、そういうふうに思います。したがって、この一定の要件を満たす営農形態とはどういうものなのか。  それからもう一点は、これは自給飼料基盤に立脚した畜産経営の中で、国産稲わらの飼料利用の拡大、こういうことが掲げてあるわけでありますが、この大規模農家はなかなか輸入稲わら、国内産の稲わらよりも輸入稲わらを使っている。これの、稲わらの今の中国からの輸入量がどの程度になっているのか。ただ、私どもがいろいろこう調べている中で、大規模農家の意向調査をしましたところが、どうしてもその輸入物でないと駄目だと、こういう話であります。その中は何かといいますと、御承知のように稲わらは大変容積が大きくなっていくわけで、大規模になればなるほど倉庫を確保できないというのが一点。もう一つは、中国から輸入してくる稲わらはカッティングしてあって、しかも圧縮してこん包してありますから、非常にえさをやるときが労力が少なくて済む、こういうのがあります。それから、三点目は価格の問題であります。  そういうふうに考えていきましたときに、日本全体でトータルで考えたときには稲わらは余っているところもある、私ども鹿児島みたいに非常に足らないところもある。そういう中で、耕畜連携はやれるところは鹿児島もやっているわけでありますけれども、トータルでやっぱり考えていただきながら、この稲わらの自給、農家の皆さんの声を聞きますと、やはり安全、安心な国内産の稲わらを使いたい、こういう気持ちは多々ございます。しかしながら、実質的にそういうものが先ほど言いました理由で確保できない、こういうことでございますので、この稲わら確保については是非何か仕組みを作っていただかないと、ただ掛け声だけでは私は自給率一〇〇%にならない、こういうふうに思いますので、先ほどの担い手の問題と、特に国内産の稲わらの飼料利用の拡大、この二点に絞って御答弁をいただきたいと思います。

白須敏朗農林水産省生産局長

○政府参考人(白須敏朗君) ただいまの野村委員の御質問でございます。  一つ、お話しのとおり、認定農業者に準じた一定の要件を満たす営農形態というものを私ども担い手として位置付けてまいりたいというふうに考えているわけでございますが、特に畜産、今、委員からも御指摘ございましたが、他の作目と比べましても大変に特色があるわけでございます。  一つには、畜産全体として見ますと認定農業者の割合が現在でも高いわけでございます。ただ、委員お話しのとおり、特に繁殖農家などはその割合は畜産全体の中では低いわけでございますが、ただ、私ども着目いたしておりますのは、やはりこの品質向上とかコスト低減、あるいは統一的な出荷といったようなことで、生産組織というふうなことで部会制度というものがこのJAの中でも特に発達をいたしておるわけでございまして、そういう部会制度の中におきましては、既存の認定農業者を核とするわけでございますが、そういう中で、その部会の中で新たな認定農業者を育成してまいったり、あるいはまた部会全体でその生産性向上を積極的に今取り組んでいただいているといったような事例も出ているわけでございまして、そういう中から、この部会の中から、直ちには認定農業者になれないけれども将来的には認定農業者となるというふうなことも見込まれる方も多々おられるわけでございます。  したがいまして、私どもとしては、今後どういう形態をこの認定農業者に準ずる担い手として位置付けるかということを考えます場合に、ただいまのようなそういう繁殖経営、畜産経営の実態というものも十分踏まえまして、そういうところを十分踏まえた上で担い手に準ずる者というところを位置付けるということを検討してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。  それからもう一点、稲わらの飼料利用のお尋ねがあったわけでございます。  御案内のとおりで、現在、飼料用の稲わらは全体で百二十万トン需要があるわけでございますが、百万トンは国産稲わらで賄っているわけでございます。ただ、今、委員からも御指摘ございましたとおり、平成十五年で約十八万トンの稲わらが中国から輸入されておるというふうなことでございまして、御指摘のとおり、やっぱり安全、安心、口蹄疫といったそういう海外からの疾病防止、侵入防止と、あるいは粗飼料の自給率の向上という観点からも、これを何とか国産稲わらへ置き換えてまいりたいというのは私どももそういうふうに考えているわけでございます。  他方、焼却でございますとかあるいはすき込みといったようなことで、大変せっかくの国産の稲わらが無駄に処理されておるという実態もあるわけでございますので、ただいま委員からも御指摘ございましたように、やはり何といってもまずはこのマッチングといいますか、需要と供給でございます。したがいまして、そこはそれぞれ地域で協議会もつくっていただきまして、欲しい人、あるいは出し手というところの安定的なこの供給の体制づくりということが必要であろうと。あるいはまた、今お話ございましたように、ストックポイントといいますか、そういった、稲わらを収集しまして、あるいは調製して、そういう保管しておくといったような、そういう施設整備ということも必要でございますし、そういう作業を行う、受託する組織、そういうコントラクターづくりということも必要でございます。  私ども、これまでもそういったところも手当てをしてまいったわけでございますが、今後とも、委員の御指摘も踏まえまして、しっかりと国産稲わらの利用拡大という方向でやってまいりたいというふうに考えております。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 時間が参りましたので、以上で質問を終わらさせていただきます。  ありがとうございました。

岸信夫自由民主党

○岸信夫君 自民党の岸信夫でございます。  近年の厳しい財政事情の中、また三位一体改革という大きな枠組み見直しの中で、様々な幅広い政策課題に取り組むための新しい予算案、二兆九千六百七十二億円という予算案を作成されましたことに対しまして、大臣始め農水省の皆さんの御努力にまず敬意を表したいと思います。  治山事業や農道、林道あるいは集落排水や漁港の整備など、農林漁業関係の振興をするのみならず、広く地域の活性化、また国土保全、そしてまた都市住民に対する生活環境の保全など、国民と国土を守る重要な予算がこの農林水産省の予算だと、こういうふうにも思っておるわけでございます。  大臣は、せんだっての所信表明の中の冒頭で昨年の自然災害についてお述べになりました。例年にない多くの台風を始め、もろもろの天災により多くの農林漁業の被害が発生したわけであります。本年が実り多い年になりますように、大臣と同様、我々も心より祈って、願っておるわけでございます。  ただ、願っても願ってもこの天災、自然災害というのはどうしても発生してしまうわけでありまして、近年の地球温暖化の影響もあるんだと思います。我が国の気候も年々変わってきております。これらをコントロールするということはなかなか難しいことだと思いますけれども、足腰の強い農業を目指すと、こういう視点からすれば、この自然災害に対しても非常に強い、そして被害が発生したときもそれをサポートするような体制を日ごろから整えておく、こういったことが農林漁業の従事者にとっても非常に安心して仕事に打ち込めるという環境をつくっていくという意味で大変重要なことだと思っております。その意味で、昨年の自然災害というのは我々に対して様々な教訓を残してくれたのではないかというふうにも思っております。  限られた予算の中で、有効に使っていかなければいけないのはもちろんのことなんですけれども、例えば治山治水事業とかあるいは圃場整備、きっちりとしたこういう整備によって水害の発生などをこう抑えることができたということもあったんではないかというふうにも思います。一般公共事業費、削減されております。昨年比で九五・六%ということです。まあ三位一体の改革の中ですから一概には言えないとは思いますけれども、こういう自然災害に対する備えというものをという視点からもしっかりとしたことをお願いしたいと、このように思っております。  農林水産予算の重要な役割について、更に国民の皆さん、納税者の皆さんに理解を得られるように不断の努力、これは大変必要なんだと思います。そして、効果的な執行、このことに是非全力を挙げていただきたいと思いますけれども、この点につきまして大臣の所見をいただきたいと思います。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 御指摘いただきました点、一々同感でございます。  我が国は、狭隘な国土、そして全くの資源がゼロに近い無資源国という厳しい言わば条件ばかりか、御承知のように、千島、鳥海、あるいは那須、乗鞍、富士、白山、霧島と七つの火山帯が狭い国土のいわゆる地勢にはあるわけでありますし、また太平洋とかユーラシアとか、いろいろなプレートのずれがいろいろ指摘している中で、地震も決して安閑としていられないような環境があるわけであります。また一方で、昨年に例を取るまでもなく、言わば台風の常襲地帯というようなまた大変なハンディキャップを担っているわけでありまして、その中で最近の気象の異常さ等を考えますと、農政も言うべくしてなかなか簡単ではございません。  しかし、さはさりながら、やはり私たち、全国を飛び回りまして、非常に厳しい自然環境を克服するべく、もう本当に英知を傾けて努力をしている農山漁村の皆さんの言わば御努力というものを目の当たりにすればするほど、政治家としての責任に改めて、を痛感するわけでありまして、そういう意味では、農林水産業、また農山漁村は、言わば食料の安定供給の確保、あるいは国土・自然環境の保全といった重要な役割も担っているわけでありますから、私たちはこれからも最善を尽くして我々の職責を全うしていきたいと、まず基本的に考えているところであります。  そういう中での平成十七年度予算でありますが、我々は、少なくも食の安全、安心の確保を第一義とし、農業構造改革の加速化、あるいは多様で健全な森林の整備保全、さらには元気が出る水産業の確立等々を重点といたしまして、いろんな折衝の結果、二兆九千六百七十二億円を言わば計上しているところであります。  当省といたしましては、様々な機会をとらえて農林水産施策の重要性をアピールするとともに、予算成立後、その効率的な執行に努めまして、諸課題の解決に向け全力を尽くしてまいる所存でありますので、よろしくお力添えのほどお願い申し上げる次第であります。

岸信夫自由民主党

○岸信夫君 ありがとうございます。是非、不断の努力をもってお進めいただきたいというふうに思います。  次に、新しい基本計画についてお尋ねを申し上げます。先ほども岩永理事からもいろいろと御質問がございました新しい食料・農業・農村基本計画でございます。  前回の平成十二年に策定されたこの計画ですけれども、その後いろいろな状況の変化がございました。特に国民の食に対する、食の安全性に対する関心の深まり、また高齢化、あるいは農業従事者の減少など、いろいろ農業の生産構造の脆弱化につながる厳しい状況が続いておるわけであります。  昨日、答申がなされ、大臣に対してなされましたけれども、この新しい計画策定に当たりまして、これまでの計画のまず反省がなくてはいけない。まず、そこの点の成果と評価、そして新しい基本計画のポイント、特にここに重点を置くということをもう一度お考えをいただければと思います。

常田享詳自由民主党農林水産副大臣

○副大臣(常田享詳君) 岸委員にお答えをしたいと思います。  今、委員がおっしゃいましたとおり、現行の計画は平成十二年三月に策定したものであります。私どもといたしましては、この現行の基本計画も、それなりに各方面にわたって施策を展開し、一定の成果は収められたというふうに考えております。  例えば、加工食品の原料原産地表示など食品表示の施策を充実したと。その結果、産地表示など消費者に浸透し、消費者の方々に食品の合理的な選択の幅を広げていただくことができたと思っております。また、農産物の価格が需給事情などを反映するよう、例えば大豆や砂糖などについて価格・経営安定対策を改善したことにより、消費者の需要に即した農業生産の拡大に寄与できたというふうに考えております。もう一点だけ申し上げますと、中山間地域などに直接支払制度を導入したことにより、農業生産活動の継続や集落機能の活発化に役立ったというふうに考えております。  しかし、その一方で、先ほど来委員会で出ておりますように、BSEを契機にして食の安全に対する信頼が揺らいでいるということ、また先ほど申し上げました食料自給率が依然として四〇%で横ばいの状況にあるということ、また土地利用型農業を中心に農業の生産構造の脆弱化が進行しているということ、そして、これも委員もおっしゃいました、過疎化、高齢化、混在化の進展により、集落の機能や農村の活力が低下しているということ、こういったことが挙げられるというふうに思います。  今回の食料・農業・農村基本計画に当たりましては、今申し上げましたような点について重点的に施策を打ち込んでいきたいというふうに考えておるところであります。

岸信夫自由民主党

○岸信夫君 先ほどからも話が出ておりますけれども、その食料の自給率の問題です。  前回、計画でカロリーベースで四五%という目標を平成二十二年度に向けて取組なされたわけですけれども、結果的には、ずっとその後四〇%レベルでの横ばいということで自給率がなかなか向上しない。また、ただ、この四五%の目標自体は変えずに更にまた目標に向けて頑張っていくということですけれども、非常に厳しい状況にあるとは思います。  先ほどからもその点につきまして岩永理事からも御質問ございましたので重複は避けたいとは思いますが、自給率を考える場合に、やはりこれは日本人にとっても生存権にかかわるような大きな問題だと思います。カロリーベースというのが、物差しが必ずしも適当かどうかの議論があります。金額ベースあるいは数量ベース、そういったものも併せて考えていかなければこれはいけないんだというふうにも思っております。  また一方で、日本人にとって望ましい食のモデルということを、これはもう一度きっちりと詰めていかなければいけないと思います。現状がどれだけ理想の食のパターンからゆがんできているか、それをどういうふうに是正していくか。その国産カロリーを例えば引き上げることによって寿命が短くなってしまったのでは、これは何をやっているか分からないわけであります。その意味でも、私は、この食育という問題、これは大変重要な意味があるんじゃないかというふうに考えております。健康な食生活を取り戻して、その上で自給率を上げていく、この必要があると思います。  たしか一九九二年に、アメリカUSDAがフードガイドピラミッドというものを発表したと思います。これは、このときはたしかアジアンエスニックに対するフードガイドというのも出していると思います。こういったものを、日本人にとってのフードガイドの策定ということが大変重要な意味を持ってくるんではないかと、こういうふうに思いますけれども、この点につきましての御見解をお伺いしたいと思います。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 国民の食生活には様々な問題があるということを踏まえまして、健全な食生活を実現していけるようにという観点から、平成十二年の三月でございますけれども、食生活指針というものが策定をされました。私どもこれの普及啓発に努めてきたところでございます。  ただ、これは文章で書いてある、こういうことに注意をしましょうというふうなことが書いてあるわけでございますが、現実にそれぞれのその食生活の場で具体的な日々の行動に結び付けられるような、そういう今先生がおっしゃいましたフードガイド、これは諸外国には既にございます。こういったものをやはり作る必要があるということで、現在厚生労働省と共同作業をいたしておりまして、この策定の今途上にございます。  こういったこのフードガイドといったものを食生活の場面で活用されることによりまして、米を中心に水産物あるいは畜産物、野菜など、多様な副食から構成されました栄養バランスの優れた日本型の食生活というものが実現されてまいりますと、食料自給率の向上、それから国民の健康づくり、そういったものに寄与するというふうに考えておりますので、是非この策定に努力していきたいと、また普及にも努めてまいりたいというふうに考えております。

岸信夫自由民主党

○岸信夫君 このフードガイドですけれども、是非、非常に分かりやすい形で作っていただきたいと思います。ただ数字を羅列するだけでは国民にとっては全く分からない。広く国民の方々が理解をして、それに向けてじゃ変えていこうと、こういうふうに思えるようなものを作っていただきたいというふうに思います。  中山間地域の直接支払についてお伺いをいたします。  この国土の約七割を占める中山間地域でありますけれども、農業については産出額四割ぐらい、大変これでも重要な地域なんだと思います。私の地元である山口県におきましても、これ非常に中山間地域多いわけでありまして、平成十二年度に導入されたときにも、これいち早く導入いたしまして取り組みまして、今、十五年度では四十四市町村で千百を超える協定が締結されておられると、約十七億円余りが交付されているというふうに伺っております。  本県においても、この営農の一体性、発展を促すために集落協定を、一集落に限らずにまたがった形での連携、これもまた進めております。これまでにも百三十以上の複数の集落による協定というものもできているというふうに聞いています。こうした協定をベースに、話合いも広がったり、あるいは農道、農地や道路、水路の保全などの活動で非常にその地域コミュニティーが良くなっていると、こういうことも聞いています。農業機械の共同利用なんかもどんどん進められておるわけで、非常にこの地域の活性化に役立っておりまして、この制度に参加している農家の方々から非常に喜ばれている。是非続けてほしいと。また、関係の市町村役場の方からも評価の非常に高いところであるわけです。  一応、平成十七年以降もまた引き続き実施するということで伺っていますけれども、どういう点、変更点とかですね、そういうことがございましたら、またいただきたいと思います。  あわせて、その使い勝手の点なんですけれども、中山間地域、非常に高齢化進む中で、この集落を守るということで非常に重要なところですけれども、例えば道を一本隔てているがために、同じところでも認められない、参加できないと、こういうような不満というのが出ていることも、これもまた一方で事実であります。このような農業者などを含めての農地の維持管理というものを行うべきだと思いますけれども、この点について御見解をいただきたいと思います。

川村秀三郎農林水産省農村振興局長

○政府参考人(川村秀三郎君) ただいま委員から中山間地域等の直接支払につきましてお尋ねがございました。今御質問の中でございましたとおり、この直接支払制度は十七年度から二期目を迎えるということになります。一期目の評価等を踏まえまして改善を加えたところでございます。  具体的に申し上げますと、この中山間地域で農業生産活動が継続されるということが正に多面的機能の維持増進、こういうことに不可欠なわけでございますので、この自律的かつ継続的な生産活動がより円滑な形で進むようにということでの仕組みとしたところでございます。  例えて言いますと、一つは、集落協定におきまして集落の将来像を明確にしまして、その実現のための具体的な活動を位置付けていただくと。それからまた、取組につきましては非常に全国ばらつきがございました。それで、一定の要件を満たす協定、それから満たさない協定の間で交付単価に差を設けるということも導入をいたしました。また、最低限の要件として耕作放棄地を新たに発生させないということが最低限の要件でございますけれども、むしろ積極的に耕作放棄地を復旧していく、あるいはより強固な取組とするために法人化等を図りまして取り組んでいくといったようなより積極的な取組をされるところには更に加算を行うといったような形での取組をしております。  それから、今御指摘ございまして、地域の条件、いろいろ様々でございますので、できるだけその地域の実情を踏まえた形で運用ができないかという御指摘でございました。特に、この団地の取り方、一団地、まとまった一ヘクタールということで指導しておりますが、間に国道等が通るともう分断されてしまって、一体としての取組を認めないといったような地域によっては厳格な運用がされているところがございましたので、今回の二期目に当たりましては、そういうところはより弾力的に開始して、必ずしも連檐していなくても、その取組が共同でやるということが可能であれば、積極的にそういうことも認めるようにといったような指導もしたいと思っておりますし、また対象地の周辺の農家と連携してやった方が効率的であるといったような地域もございます。そういうところはむしろ、交付金の積算の対象にはなりませんけれども、その周りを含めた活動にその費用を支弁するということも認めるということで、よりそういった広い取組も推進してまいりたいと、こういうふうに思っているところでございます。

岸信夫自由民主党

○岸信夫君 是非、それぞれの地域で使いやすい形で進めていただきたいというふうに思っております。  最後の質問でございますけれども、大臣は攻めの農政ということをこれからの一つの柱としてお考えだと思います。その中で、輸出、農産物の輸出でございます。七日の話だったと思いますが、農林水産物の輸出を五年間で倍増させるという目標を掲げて、これから輸出促進に積極的に取り組むということが表明されました。大変大きな目標で、これまでの状況からすると大変厳しいかもしれません。  それに、目標の達成に向けての今後の取組方針について、大臣にお伺いしたいと思います。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) お答え申し上げます。  アジア諸国の所得の向上などを背景にいたしまして、最近は、米とか果実あるいは水産物など、我が国の高品質な農林水産物の輸出が拡大する可能性を大きくしているように感じます。これを好機ととらえまして、我々は、輸出促進に向けまして関係者の取組の機運を高める観点から、輸出拡大目標として輸出金額を五年で倍増するという目標を立てたところでございます。  今後、この目標が達成できるように、各国の輸入制度や流通の実態の情報収集、あるいは言わば分析、そして各方面への提供等に取り組むほか、現地高級百貨店における通年型の販売活動や料理講習会によるPR活動、あるいは輸出を阻害する外国の制度上の要因の是正の取組など、総合的な支援策を実施していこうと考えております。  また、幅広い関係者で構成する全国協議会を立ち上げまして、官民一体となって農林水産物の輸出拡大を図ってまいりますが、現時点で申し上げますと、やはりせっかく日本の鮮度の高い優れた高品質な農産物が、一つは鮮度をいかに保持するか、それから同時に、輸送コストその他をどう低減するか、そして同時に、これから国際競争力を持つためにも、言わば大きく、何も倍にすればいいというんではなくて、まだまだ少ない言わば絶対枠ですから、これを一気に伸ばすためには、決して倍でいいんだというふうな考えにとどまらずに大きく取り組みたいと思っております。  それから、ちなみに、委員も御存じのことと思いますが、例えばリンゴなどは台湾の関税の引下げ等の機会をとらえまして、平成十二年との比較で四八二%伸びておりますし、桃は何か最近台湾では希少価値で、言わば富裕層の贈答用に大変もてているそうでありますが、これは言わばパーセンテージでいえば二八一〇%という大変な数字ですけれども、これらはこれからの扱い方によっては一気に伸ばしていくことが可能なんではないか、こんなふうにも思います。  また、我が国は、御承知のように、世界一の長寿国になりましたけれども、日本型の食生活というのは高い評価を受けておって、言わば日本食ブームというのはこれも世界的な現象として受けているわけで、我々は、そういう意味では、どのようにしたら日本型食生活をもっともっと受け入れてもらえるか、そういう意味の、むしろこちらから他国へそういうものの知恵を持ち込むという、そういう意味の言わば努力をして、言わばそれらを地ならしにしたらもっともっと底辺はしっかりしたものになるだろうと、こんなふうにも考えるところで、今みんなで知恵を絞って一気に攻めに入ろうという意欲に燃えているところでございます。

岸信夫自由民主党

○岸信夫君 時間になりましたので、最後に一言だけ申し上げます。  これも輸出の話、日本の農業は弱い弱いと言われて農家の方々も落ち込んでどうしても暗くなりがちなところですけれども、そこにシンボリックなものとはいえ非常に明るさを与える、勇気を与えることだと思います。是非進めていただきたいと思いますが、当然、海外ですからいろんな他国との競争になるわけです。  例えば、相手が悪いかもしれませんけれども、アメリカのケースですけれども、彼らは大きな輸出国で、大体六兆円の輸出金額がある。農産物ですね。それに対して百八十億円以上の輸出の促進の補助への予算であるというわけです。六兆円に対して百八十億。六千億だったらその十分の一ぐらいは是非、我々もその販促費としても確保していかなきゃいけないんじゃないかというふうには思います。なかなか厳しい財政事情の折ではありますけれども、アメリカよりも競争力まだまだというところもあります。是非この点についてはしっかりとしたサポートを持って頑張っていただきたいというふうに思います。  終わります。ありがとうございました。

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩      ─────・─────    午後一時開会

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、加藤敏幸君が委員を辞任され、その補欠として広田一君が選任されました。     ─────────────

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) 休憩前に引き続き、農林水産に関する調査のうち、平成十七年度の農林水産行政の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

ツルネンマルテイ民主党・新緑風会

○ツルネンマルテイ君 民主党のツルネンマルテイです。  私も食の安全について主に質問させていただきます。ただし、午前中のように、BSEの問題とかトレーサビリティーの問題とか食品表示の問題というのには触れません。ほかの委員たちはそういう問題を恐らくこれからもたくさん取り扱うと思っています。  私は、この大臣の所信表明の中で、もちろんこういう問題が、食の安全の問題がはっきり書いてあります。さっき言われたような問題はもちろん大きな問題です。それの解決も、私たち日本人にとっても、食の安全にとっても、消費者の信頼を戻すためにも重要な問題です。  私は、今日は、問題にしたいのは、この中に指摘されていない食の問題です。それは、なぜ指摘されていないか私は疑問に思っています。私はとてもその三つ、さっき言いましたような問題と同じくらい、もしかするとそれよりも大きな食の安全の問題であると私は思っています。しかし、これはあくまでも大臣の所信ですから、所信というのは文字どおり信じることですね、信じている事柄のことですから、ちょっと今、後で答弁でそれを確認することできますけれども、私は懸念している問題を同じように大臣も認識しているかどうか。ひょっとしたら認識していないかもしれません。あるいは、認識していても自分の立場上それをはっきり言えないということもあるかもしれません。それは、一番目の質問のときにももう明らかになるかと思います。よろしくお願いいたします。  その問題をどういう問題かというのを指摘する前には、一つの私たちは日本人の健康状態についての驚くべき、本当にびっくりすることを、データをちょっと紹介させていただきます。  日本人の八割が病気であるというデータです。成人の八割が病気であるということ。これは、そんなばかなと思っているかもしれません。しかし、これにもちゃんとした裏付けがあります。一つ、ちょっと古い、十年くらい前のデータですけれども、ちょっと読ませていただきます。  日本病院協会に加盟する二千五百の病院が一九九二年に人間ドックや職場などの健康診断で百六十七万の人の健診をしました。その統計を取り、このときはまだ厚生省ですね、厚生省の予防医学委員会で分析したところ、次のような結果が得られました。健診結果は大きく三つの段階に分かれています。異常なしをA、軽度の、軽い程度の異常が認められるが日常生活に差し支えなしをB、身体に異常が認められたをCとします。AとBを合わせると二〇%、残りの八〇%の人たちは異常がありとなっています。つまり、どこかで病気を抱えながら働いている日本人の姿です。  この結果では、まず、さらにこの調査によると、六十歳以上の人でその健診結果がAに該当する人は一人もいませんでした。Bは六十代では二・九%、七十代では一・九、八十代では該当なしとなっています。  よく言われている、よく知っていることは、日本人の平均寿命は世界トップのレベルですね。男性が七十七歳、女性が八十四歳ですね。しかし、これは決して高齢者が元気で生きているということではないんですね。薬漬けとかあるいは寝たきりはもちろん多いですというふうな状態で生きているということだけですね。  ここで私は、これを私は厚生省のデータは、これ十年前のはちょっと見付かりませんでしたから、私はこういう本の中からこのデータ取ったんですから、だから厚生省に確かめたことありません。しかし、これは中嶋常允という有名な専門家が書いてあるものだからほぼ間違いないと思っています。この中から取ったデータであります。  そこで、一番最初には島村大臣に質問させていただきます。  一体、なぜこれほどの多くの日本人が病気になってしまったのでしょうか。その原因が、もちろんいろんなのあると思いますが、例えばどんなところにあると思うんでしょうか。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 私は医学の専門家ではございませんが、そういうもし病気の方が増えているということが現実ということになれば、一番考え付くのは、一つには戦後の食生活、これがかなり洋風化して、言わば日本人の体型も変わってきているように思いますし、また同時に日本型食生活がこれだけ世界的に評価を受ける中で、むしろ日本では日本型食生活離れが顕著であると、これが一つ原因なんだと思います。  もう一つは、やはり戦後いろいろな薬品その他が開発されて出てきましたし、現実に農業なんか営む場合には農薬が使われたりいろいろしておりますし、我々の目に見えないところで大気が別の意味で汚染されている現実があるだろうと思います。それは、例えば高度成長の過程で一時は大変な大気汚染が指摘されました。やっぱりそういうことの影響を受けたこともありますけれども、人体にそれがどのように蓄積されているかまでは私には分かりません。私は、そういう意味でいろいろなものの要素がない交ぜになって日本人の健康に何かの影響が出ているのかなと。  しかし、その一方では、御承知のように、戦後、昭和二十二年から平成十五年までの統計を見ますと、男性は二十八・三〇歳ですか、寿命延びているんですよ。それから、女性に至っては三十一・三七歳寿命が延びているんです。これ、もし本当に体が侵されて不健康であったら、そんなに寿命が延びるかなという気持ちも一方ではいたします。  以上です。

ツルネンマルテイ民主党・新緑風会

○ツルネンマルテイ君 今言われたところは私も賛同できます。もちろん、その中にいろんなものを加えることができますね。いわゆる生活習慣病、これももちろん食事にも関係していますけれども、食べ過ぎ、飲み過ぎ、そして働き過ぎとか、いろんなことあるでしょう。そういうのも影響しているんですね。  一つだけちらりと答弁に出た言葉は私は、かなりうれしく思いました。例えば農薬という言葉も出ました。  実は私は、この質問のためには、昨日は役人たちの質問取りがありました。これをレクという言葉もありますけれども、レクではないんですね、レクチャーではないんですね。でも、レクチャーのような雰囲気もその質問取りのときにはありました、聞いている人には申し訳ないと思いますけれども。私は、この農薬というのも自分の説明の中では一つの原因じゃないかなというふうに質問取りの役人には言いました。そうすると、役人の一人は、いや、そういう答弁は無理ですよ、農薬は安心です、安全ですから、そういうのをちょっと期待するのはちょっとできません。  でも、もちろん、そういうふうな立場は、もちろんかなり長い間は、公式的には農林水産省あるいは厚生省も取っています。まあ、適切に農薬を使ったらすぐ人間がそれで死ぬとか病気になることはもちろんありません。しかし、日本では、後でも指摘しますけれども、農薬が使い過ぎていると私も思います。その一つの原因にはそれもなっているかなと。  例えば、その中で私たちは、よく言われている、殺虫剤を使っているときは、これは文字どおり虫を殺すということですね。人間はそのくらいの量では死ぬということはないでしょうけれども、例えば土の中の有用微生物は当然それでは死ぬということですから、だからこれの使い過ぎはやっぱり土を病気にします。そうすると、農産物もそこから病気になって、それは決して私たちの健康にも良くないということですね。そして逆に、もちろんこれは、私たちは、土が健全になったら私たちも農産物ももっと健康なものになります。  日本人の病気がどのくらい増えたか、はっきりしたデータはありませんけれども、一つは私たちは、薬あるいは医療費の量がどんどん毎年増えているということです。そのためには、私、厚生労働省の方からもちょっとお願いしましたけれども、参考人としては、二番目の質問は厚生労働省の方にさせていただきます。  国民の一人当たりの医療費は現在幾らですか、年間の平均で。あるいは、その中では高齢者の医療費は幾らですかと質問には書いてありませんけれども、昨日もお願いしましたから、例えばこれを十年前と比較して、十年前と現在の医療費のちょっとそのデータを教えていただきたい。

水田邦雄厚生労働省保険局長

○政府参考人(水田邦雄君) お答え申し上げます。  直近のデータ、平成十四年度でございますけれども、国民一人当たりの医療費は二十四万四千円になってございます。それから、老人保健制度の対象となっております高齢者でございますけれども、この高齢者一人当たり医療費は七十三万七千円となってございます。  で、十年前の水準との比較でございますけれども、平成四年度について見ますと、まず国民一人当たり医療費の方は十八万九千円でございましたので三割、約三割増ということになっております。それから一方で、高齢者一人当たりの医療費についてでございますけれども、これ、実は平成十二年度に介護保険制度が導入された影響がありますんでちょっとイレギュラーな要素がございますけれども、平成四年度、十年前は六十六万一千円でございましたので約一割増加をしていると、こんな状況になってございます。

ツルネンマルテイ民主党・新緑風会

○ツルネンマルテイ君 まあ、このデータでも分かりましたように、やはり医療費がどんどん上がっている、一割とか三割というのは上がっていますね。それはやっぱり薬漬けの生活というのを表しているということもあると思います。これもこれと関連していますから。  厚生労働省の方にはほかに質問ありませんから、もうほかにありませんから、私はこれだけです。ありがとうございます。  そこから、三番目の質問は、これ農林水産省の方にお聞きしたいんですけれども、さっきの農薬についてのことですけれども、単位面積当たりの農薬の使用量は今は幾らですか。あるいは、それは世界のほかの国と比較すると日本の使用量は世界で何番目になっていますか。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 我が国の農薬の使用量、また各国との比較についてのお尋ねでございますけれども、データとしましてはOECDが二〇〇二年にまとめたデータがございます。それによりますと、我が国の一ヘクタール当たりの農薬の使用量、年間でございますけれども、約十五キログラムというふうになっておりまして、このOECDの調査によりますと、加盟国中最も多い量と、日本は最も多いということになってございます。  これは先生も御案内のことかと思いますけれども、それぞれの国の農薬の使用量といいますのは、それぞれの国の置かれた自然条件、例えば日本は高温で多湿で雑草が繁茂しやすいとか害虫の発生が多いということがございます。また、別の国によっては冷涼で乾燥している国もございます。そういった自然条件もありますし、それから、どういう作物がそこで多く作られているかという、そういう栽培の条件などがございます。こういうことから、単純に国によって農薬の投下量を調べるというのは余り意味がないのではないかというふうに私どもは思っております。  何よりも安全性という意味で一番大事なことは、やはり定められた使用基準に従って、それが守られて適正に使用されるということが一番大事なことだというふうに思っております。

ツルネンマルテイ民主党・新緑風会

○ツルネンマルテイ君 もし分かりましたら、今通告した質問には入っていませんけれども、例えばそれをちょっと、以前に比べると増えている方向ですか、それとも減っている方向ですか。もしデータがなかったらこれは後でも教えていただきたいんですけれども、増加しているか、減っているかということ。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 今、手元に具体的な数字は持ち合わせておりませんけれども、全体としましては、日本での農業生産におきまして農薬の使用量も適正に、必要なものは適正に使っていくと、できるだけそういった形での注意が生産現場で行われておりますから、データとしては今手元では確認できませんけれども、傾向的にはやや減少しているのではないかというふうに思います。

ツルネンマルテイ民主党・新緑風会

○ツルネンマルテイ君 さっきのデータでは、日本の世界一、平均としては十五キロ。そして、韓国も割合に気候的には条件はそろっているんですけれども、韓国の方もそれよりも二キロも低いということですから、だから、これも日本では、いろんなデータでは日本では本当に農薬は、化学肥料も、今はデータは求めていませんけれども、これも、一番ではないんですけれども、やっぱりトップクラスであるということですね。これを頭に置いて私はこれからの次の質問に進めたいと思っています。  四番目には、これもちょっとデータを教えていただきたいんですけれども、慣行栽培、いわゆる今の農薬とか化学肥料を使われている栽培及び特別栽培での農薬の使用回数、これは基本的にいろんな条件がありますし、その農産物にも違いますけれども、例えばこれ以上は、これは限度ですね、これ以上使ってはいけないとか、いろんな農薬の種類もありますけれども、大体、例えばここでトマトの栽培を一つの例にして平均使用回数を、何らかのそういうデータを教えていただきたいんですが。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 今、委員もおっしゃいましたように、これはそれぞれ都道府県によっても違いますが、御地元の神奈川県の例で申し上げたいというふうに思います。  これは各都道府県が特別栽培農産物に係る表示のガイドラインというのがございまして、これによりまして、この特別栽培農産物であるためには、慣行の使用基準のおおむね半分以下というのが一つの基準になっております。ですから、それぞれの都道府県において、こういった慣行栽培においてはどれぐらいの使用回数かということが一応の基準として定まっております。  そこで、神奈川県のトマトの例で申し上げますけれども、慣行栽培において化学合成農薬が使用されている成分回数、ちょっと、この成分回数といいますのは、農薬には成分が二種類以上ある場合がございます。ですから、回数といいましても、成分が二種類あれば一回散布をしたとしてもそれは二回と数えるわけですが、そういう形で申し上げますと、トマトの促成栽培では三十一回というふうになってございます。ですから、特別栽培農産物という表示を付けるためには、この回数よりも二分の一以下であることが一つの条件でございます。

ツルネンマルテイ民主党・新緑風会

○ツルネンマルテイ君 ありがとうございます。  私もいろんな、同じような条件では、あるほかの県のデータをちょっと一つの資料をここで持っています。で、似ているところですけれども、ここでは慣行栽培のは、トマトの場合は二十三種類の農薬をトータルで四十八回農薬を散布するということですね。で、これは特別栽培のときは大体半分になります。  私はここで感じているのは、私たちは、トレーサビリティーとか食の安全に消費者の信頼を得るためには正しい情報を与えることは私たちには必要ですけれども、もし、私たちはこのようなところ、例えば、スーパーマーケットではこのトマトには四十八回農薬が散布されているという、ちょっと迷うんじゃないかな。仮にそこには全く有機栽培のものはゼロということだったら、もし、そういうふうにはっきりした、私たちは有機栽培では有機JASマークがありますから、それで使われていないということは分かりますけれども、この農薬はもちろんいろんなありますけれども、やはりこれは私たちはなかなかもう消費者にはここまで教えられないということはそこまでの大きい問題、私だけが気にしている問題ではないんですね。  幾ら、幾ら農薬は安全と言っていても、やはり農薬漬けということ、私たちみんなよく知っていることは、慣行農業で、慣行栽培で行っている農家の中でもよく言われていることは、売る方は農薬を使いますけれども自分たちの食べる分には農薬を一切使わないということもあるんですね。だから、私は、やっぱりこの農薬も、ひょっとしたら私たちのさっきの、日本人が病気になったことの原因の一つであるということは、私だけじゃないよ、専門家の多くの人もそれを指摘しているということですね。これをどうしたらいいかということは、これからも私もまだ、次の質問ではそっちに入っています。  ここから有機農業の方に質問を移らせていただきます。  私は、確かに十一月にも有機農業のことを、有機栽培のことを質問しましたけれども、今違った角度からそれを質問させていただきます。  まず、現在の農林水産省の、この有機農業の農業政策全体の中の位置付けというのを、今の段階ではどういう位置付けになっているか、これは大臣の方からお願いしたいんです。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 釈迦に説法する気はございませんが、有機農業は、御承知のように、土づくりを基礎といたしまして、化学肥料や農薬を使用しないで言わば農業生産をするということを基本としておりますが、環境保全を重視する農業生産の一つの形態としては一番望ましいとは正直言って思います。  しかし、このような環境保全を重視した農業生産は、環境問題に対する国民の関心の高まりの中で環境との調和を目指す必要があること、また、消費者の安全、安心の要請にこたえて農産物を供給することによりまして農業経営の発展にもつながることから、農政の重要な課題として取り組んできたところであります。それが私どもの今時点の位置付けでございます。

ツルネンマルテイ民主党・新緑風会

○ツルネンマルテイ君 ある、これも農林水産省の一つの資料の中からピックアップしたんですけれども、その中では、この小規模農業のところには有機栽培も入っていますし、ホビー的農業もそこに、同じランクの中に入っています、あるいは高付加価値の農業。  だから、一つのことで言えば、悪く言えば、今の農林水産省の位置付けは、重要性が今は認めていますし、それをもっともっとこれから増やさなくちゃならないけれども、現在のところは、やっぱり有機農業は小規模でホビー的な農業であったり、あるいはコストが高い。だからなかなか伸びない。この三つの位置付けを大臣は今どう思っていますか。小規模、ホビー的、そして高付加価値農業、有機農業はこういうふうに農林水産省の資料の中では位置付けられていますけれども。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 小規模というのが現実なんでしょうか。趣味的という感じは、これはかなり限られますから余り対象にならないと思いますし、やっぱり小規模が私どもの今時点の認識でいえばそんな感じになろうかと思います。

ツルネンマルテイ民主党・新緑風会

○ツルネンマルテイ君 もちろん、大半はそうかもしれませんけれども、今は私たちも、後で議連のことも話しますけれども、かなり大規模で成功している農家もたくさん増えているということも事実です。それで生計を立てている専門農家もあります。でも、もちろん全体の中ではそうなるかもしれません。  それと関連して、六番目の質問ですけれども、この全体の販売農家の数の中で、いわゆる有機農家、別な言い方をすれば生産行程管理者の中にいろんな有機農家がありますけれども、その有機農業にかかわっている生産行程管理者の数と、そこから出てくる、実際には有機栽培を行っている有機農家の数をちょっと教えていただきたい。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) まず、販売農家の数は平成十六年の一月一日現在で約二百十六万戸でございます。  これに対しまして、有機JAS制度に基づきます認定生産行程管理者の方々の数ですけれども、平成十七年の一月一日現在で約二千百件でございます。この認定生産行程管理者の方がお一人いて、その仲間としてグループで有機農業を営んでおられる方がいらっしゃいます。そういう意味で、実際にこの有機農業に携わっておられる方々、農家の数でいいますと四千七百戸ということになると思います。

ツルネンマルテイ民主党・新緑風会

○ツルネンマルテイ君 つまり、今のところは農家の数でいえば、販売農家として四千七百の有機農家が頑張っている。これはその全体の中のパーセンテージから見れば本当にほんのわずかですけれども、彼らの中では、もう三十年前からとか二十年前から一生懸命頑張っている人もいます。  私は、彼らのところに、いろんなところに今も視察にも行きますし、彼らのミーティングにも議連の事務局長としても参加させていただいています。彼らの、その中には慣行農業から有機農業に転換した人もいるんですね。そのときは、なぜ転換したかという一つのよく聞く話が、やはり自分が農薬の散布で病気になってしまった、だから、これはやっぱり危ないんだからもう農薬を使わない、そして、そこで自分たち、少しずつですけれども苦労しながら農薬を使わないで有機農家になったということですね。こういうのも言えると思いますね。  私自身も、私は現在はほとんど家庭で妻とも一緒にほとんど有機栽培の農産物しか食べない。どうしてもどこかでやむを得ないときもありますけれども、以前は私もそうではなかったんですね。例えば、私は十年前までも肉もたくさん食べました。そうして、もちろん選ばなかったということはありましたけれども、やはりそのせいでは私も一つの生活習慣病、痛風で悩む時期もあったんですね。でも、私はやっぱりこういうのはもっともっと安全な食べ物食べるのは必要ですから、今はもうかなり前からはそういう生活に変えている。私はBSEの問題は余り自分で取り上げないんだから、自分も肉は全然食べないですから、でも、それは多様性とか選択がありますから、私はそれをほかの人には押し付けませんけれども、自分がそういう菜食主義に近い生活に変えて十キロ体重が減って、そして今は本当にもう病気にもならない、非常に健全な生活を送っていますから、だから、私はやっぱりもっと多くの人は同じような生活の習慣に変えることは非常にいいと思っていますから、私も苦労して自分の経験ではそういうふうになったということであります。  七番目の質問、これも島村大臣に聞きたいんですけれども、さっきは現在の有機農業に対する農林水産省の位置付けは聞きました。それと関連して、これからまだ新たな政策を考えている、これからもっと増やそうとする、そういう政策はもしあったら教えてください。例えば、基本計画の中で、今、基本計画はもうほぼ今できておりますから。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 有機農業の推進につきましては、これまでも化学肥料とかあるいは農薬の使用を低減する技術の開発普及、あるいはまた有機農産物などの表示の適正化、そしてさらに、環境保全を重視した生産に取り組む農業者に対する支援などに取り組んできたところでございます。  ただいま御指摘ありました新たな基本計画についてでありますが、有機農業に関しましては、経営の展望を示すとともに、農業生産活動による環境への負荷を大幅に低減しようとする先進的な取組に対する支援の検討など、新たな施策に盛り込むこととしております。

ツルネンマルテイ民主党・新緑風会

○ツルネンマルテイ君 それも具体的な、実施することを私も心から望んでいます。  さっきもちょっと触れましたけれども、ここでその有機農業推進議員連盟の今の現在の状況をちょっと紹介させていただきます。  十一月にも、ちょうどそれは発足させたとき、私はここで質問させていただきました。そのとき、設立総会のときは六十七名の超党派の議員がそれに入会しました。昨日の時点では更に増えて、ほとんど倍くらいに増えて百二十一名が入っています。ほぼ半分が与党の方であります。私たちは、この農林水産省も今、少しずつは、もっともっと積極的に、もっともっと、これはまだまだ足りないと思っていますけれども、国会議員の中では、やはりこの推進は、食の安全あるいは環境保全のために、私たちの健康のために必要ということを認めているということが非常にうれしいです。  私たちの会長には元農林水産大臣の谷津義男衆議院議員も入っています。で、私は事務局長を務めています。私たちは、毎月は勉強会を行っています。この前の役員会で決めたこれからの方針というか目標というのは、来年の通常国会には何らかの有機農業推進議員立法案を提出するということを超党派でやっています。そのために私たちは視察も行いますし、いろんなこの有機農業にかかわっている団体とのヒアリングもやっています。決して簡単なことではないんですけれども、やはり、ここで是非、今の皆様の委員の中でももうメンバーに入っている人もかなりいますから、私たちは国会の方でも、そして私たちはやはりそれを農林水産省の方にも、政府の方にもこれをプッシュしたいという働きであります。事務局長として私もそれに毎日のように奮闘しています。これはその今の状況の報告と考えてもいいと思います。  次に、今日のもう一つの私のかなり大きな問題であるのは、これも十一月の十八日のここの委員会のとき、私は諫早の干拓地に公的有機農業試験場を造ったらどうですかと、時間がほとんど終わったところで大臣の答弁を求めたところ、後で日本農業新聞にもその答弁はこういう形で紹介された。「興味深い話だ。その可能性を探りたい。」という内容の答弁があったと思います。そこから今は四か月ぐらいたっていますけれども、何かその探りたいという動きがその後あったでしょうか。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 御指摘の点につきましては、私ども、当然のことにすぐそれの指示をいたしまして、長崎県当局と農林水産省との間にいろいろ今検討が進んでいるというふうには承知しております。  具体的な問題につきましてはよくわかりませんが、少なくとも、今時点で申し上げられることは、この諫早湾干拓の営農につきまして、長崎県の諫早干拓営農構想を踏まえ、環境に配慮した農業を推進することとしておりますが、具体的には、国と長崎県が協力して干拓地内に営農試験場を設置しておりまして、この中で営農の定着のための栽培試験に加えて、土づくり、環境保全型農業の適応性など、有機農業に資する研究を進めているところであります。特に、昨秋からは、干拓地での営農に意向を示した農業者に依頼して、環境保全型農業の実証試験にも取り組んでおることの報告があります。また、有機農業を含む環境保全型農業の研究については、独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構が公的試験研究機関と連携して取り組んでおる、これも報告を受けております。  農林水産省としては、引き続きこうした環境保全型農業の推進に取り組んでまいりたいと思いますし、私も実はこの有機農業に大変興味を持っております。私のところは、御承知のように、都市農業の非常に多いところで、都内でたしか二番目だと思いますが、かなりこの道で成功している人もおるわけでございますので、私の方も私的公的を問わず更に勉強をしたいと、こう思います。

ツルネンマルテイ民主党・新緑風会

○ツルネンマルテイ君 今もはっきり、その有機農業の試験場はどうなるかというまでは今の答弁はありませんでしたけれども、その環境保全型農業の推進のために前向きな答弁であるかと思います。  実は私も、その後すぐ、やはり向こうからも、やはり是非、私のこの提案というのは新聞にも載りましたから是非来てほしいということで、地元の有機農業の関係者とかあるいは県とかの案内でも視察させていただきました。その今ある七百二十ヘクタールですか、ちょっと多いですか、のところは今は、工事差止め仮処分に従って工事が今止まっているんですね。これは実際にはどうなるかまだ分かりませんけれども、私は自分のホームページでもさらに、これは私案ですね、あくまでも私の、これは有機議連の案でも何でもありません、私は個人的にはさらにこれを地元の人たちの意見も聴きながら提案、提唱というか、という形で進めていますけれども、私は一つは、今は、工事がいつまで止められているか、この間は割合に今までの利用計画を見直す一つのチャンスでもあるんじゃないかなと思っていますから、是非これをもっと積極的に前向きに、十一月にも話したように、ヨーロッパではもう有機農業試験場、有機農業だけの試験場は多分八十以上あるんですね。母国フィンランドにも二つあります。それも私も視察に行きましたから。それから、有機農業は今まではなかなか農薬を使わないで成功しないとか小規模とか、しかし、今はその技術が非常に進歩していますから、やろうとすればできる。  もし、例えばここで私の、これは私の提案ですけれども、そこに試験場ができて、さらにそこに、今利用計画では地域の農家の人たちには例えば六ヘクタールくらいとかを一つの資料では四千五百万円で売るという計画もどこかに書いてありましたけれども、私は今の状況の中では、六ヘクタールを新たに四千五百万円も払ってそこで新しく慣行農業をスタートする人はどのくらいいるかなと。私は、向こうの地元の人たちもこれはなかなかうまくいかない。  しかし、仮にそこには、条件としてはそこに入るときはリースで、非常に安いリースで有機農業を条件としてそこに入ってもいいし、そしてその指導がやはり国と県の方でやらなければならないと私は思っています、技術の指導ですね。あるいはそこには、市民農園というのを同じようにファーマーズマーケットとか、こういうイメージが今何にもないところだから非常にいいチャンスでありますから、だから、できればもうすべては有機農業の条件で利用したらどうですか、こういうとっぴなアイデアですけれども、これを大臣の方から、どう思いますか。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 私は、ツルネン先生のお考え賛成の人間、会長を務める谷津君も私、親友でございますんで、また彼の方から通じてもやりますけれども、私も先生とお約束したとおり、うそついておりませんで、あの後すぐ役所へ戻って指示をしまして、それはどうなったかという確認をしましたら、先ほど申し上げましたように、言わば干拓地内に営農試験場を造りましたと、有機農業も含めて今現実に検討をして、いろんな試験研究も進めておりますと、こういう報告は受けているわけですが、有機農業がウエートが低いというような御指摘がもしあるならば、更にまた連携を取って私も進めたいと思います。

ツルネンマルテイ民主党・新緑風会

○ツルネンマルテイ君 今後の働き、動きには期待しています。まだいつか、私もまだそれを伺いたいと思います。  一つだけ、ここでもう一つの最後の質問に入る前には、私も、賛成の声もたくさんだったんですけれども、はっきり言って私たち民主党の方からも反発の声もありました、こういう私の提案に対して。つまり、干潟を干拓して農地にする。もちろんそこでは民主党の意見も分かれていますけれども、その水門を開けて、これをやっぱり元のとおりに戻すという動きも、そしてそのための今の仮処分もありますから、だから私も、もしこれからは新たにどこかで干潟を干拓するといったら、私も、環境破壊の可能性もありますから、私も絶対反対です。これを私は、これは自分のホームページでも説明していますけれども、これはもうここまで進んでいるんだから、これはどうしてもそこに七百何十ヘクタールの農地ができるんなら、できるんならそれをこういうふうに有効に新たなところで使いましょうということで、だんだん民主党の方でもそういう考えの人も増えているんじゃないかなと思っています。とにかく、これは是非もっと夢のある話にこれから発展してほしいんですけれども。  最後も、やはりこの前にも質問したことですけれども、これも大きな新しい私は食料自給率にも貢献するということであります。小さいかもしれませんけれども、提案させていただきます。  さっきは午前中もだれかが言いましたけれども、この遊休農地、耕作放棄農地ですね。これは日本ではたくさんありますね。それの利用計画は、この前にも答弁ありましたけれども、いろんな進んでいると思います。しかし、こういうところも、これは地方自治体が主にやらなければならないことだと思いますから、国がどこまでそこまで指示できるか分かりませんけれども、もしできるとしたら、やはりそういうところも地方自治体の提案とか指導で市民農園にして、そのときの条件もこれは有機農業をやるんなら、そして指導も地方自治体の方からあったら、そこで新しくやっていったら、そうするとこれをもっと生かすことできます。  どうしてこれは食料自給率に貢献するか、それはまず答弁を聞いてからもう一つ例を出してみたいと思いますけれども、こういう市民農園に遊休農地を生かすという考えは農林水産省の方にありませんか。これも大臣の方からお願いします。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 市民農園は都市住民の自然志向の高まりなどを背景に年々増加していることは御存じのとおりですけれども、平成十五年度末に二千九百四農園が開設されているという報告がございます。  また、御指摘のように、市民農園においていわゆる有機栽培に取り組む利用者が出てきていることから、農林水産省ではこうした方々のお役に立つことができるよう、栽培技術指導員の育成などについて支援を行ってきているところであります。  さらに、本年二月ですね、市民農園を一層整備促進するために地方公共団体や農業協同組合以外の者が市民農園を開設できるように特定農地貸付法の改正法案を国会に提出しているところであります。これは従前、特区の中で言わば試験的な実施をしてきたところでありますが、今国会に今出しておりますものは全国展開を図ろうというので、割と容易にこの道に入れるような環境づくりをしようというための改正を今、今国会で提出をしておりますので、申し添えます。

ツルネンマルテイ民主党・新緑風会

○ツルネンマルテイ君 今日は意外にも私のいろんな質問にはかなりこう賛同するというか、考え方として前向きには、大臣の答弁があるのは、私はこれからも是非そういう方面で日本の将来のために、農業のために私たち民主党も野党と考えないで一緒に頑張りたいと思います。  私は、もう一つ、ありがとうございます、もう一つ、(発言する者あり)あっ、その言葉に、ありがとうございます。  なぜこれは食料自給率に貢献する可能性があるかというのは、これドイツの例を私はちょっと最後に紹介したいと思います。  残念ながらその資料が今ありませんので、私、二回ほど新聞でこれを読んだことだけありますけれども、御存じのように、ドイツの自給率は以前は非常に低かったんですね。それで今は非常に上がっているんですね。その一つの要因としては、多くの都市に住んでいる市民が市民農園を、これは国の政策ではどんどん増やしたということです。それで、今までは農業をやってない人たちは、これは有機農業だけじゃなかったと思いますけれども、だんだん増えたということです。その人たちは今までは輸入農産物を買ったということですね。それはもう自分たちで作っているんだから買わなくても済むということ、間接的にはこれはやっぱり自給率を上げるということに、輸入の分は、その分は減るということ、だからこれを、私たちはやっぱりそういう方面でも考えなければなりません。  今日は私は用意した質問はこれで終わりますから、同僚の和田委員には場を譲りたいと思います。  本当にありがとうございました。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 所信に対して質問をいたします。  民主党の和田ひろ子でございます。  まず最初に、農地の利用集積についてお伺いをいたします。  旧農業基本法の下で土地利用型とか、特に水田農業の規模拡大、構造改革が進まなかったわけですが、その理由は地価の高騰とか米価政策の問題なんかが挙げられたと思います。しかし、私は相続の在り方にも問題があったんじゃないかなというふうに思います。新たな基本計画の下で構造改革を加速すると言われており、大臣は所信の中で、土地利用型農業を中心に担い手への農地の面的な利用集積を促進するとされておられますが、この相続の在り方についての検証なしに、今の相続問題の在り方について検証なしには構造改革が進まないのではないかという懸念が残ります。  今はすべての子供さんに相続権がありますから、担い手が農地を購入して規模拡大をしたとしても、また次の相続の段階で後継者以外の子供に農地の所有が分散するかもしれない。そうであれば、我が国の農業の先行きが不透明であることにも加わって、担い手とされる農家もなかなか規模拡大に意欲がわかないんじゃないかなというふうに思いますけれども、構造改革とか担い手とされる農家の規模拡大に、構造改革とか担い手への農業の集積が本当に進むのかどうか、ちょっと疑問がありますが。  そこでお伺いをしますけれども、農地の後継者への相続、生前の贈与というふうなことが行われているのはどの程度なんだか、ちょっと教えてください。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 平成十五年の例で申し上げますと、平成十五年の一年間で贈与による農地移動が件数で二万三千三百九件、面積で一万四百六十二ヘクタールございました。そのうち後継者、同一世帯内での後継者への贈与が件数で一万七百五十五件、これ全体の四六%でございます。面積が七千五百七十七ヘクタール、これが全体の七二%強でございますが、これが贈与のうち後継者へ贈与した部分でございます。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 相続で農地の所有実態というのはどうなっていますか。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 実は、私どもの農地法、贈与は農地法三条による農地の権利移動の規制の対象になっておりまして、贈与の数、面積は把握できるわけでございますけれども、相続の場合は、これは原始取得でございまして、規制の対象外になっておりまして、具体的に把握ができてございません。  過去、ちょっと古い話で恐縮でございますが、昭和五十五年から十年間、平成の二年まで事例調査をしたことがございます。七千五百戸の相続が生じた農家の事例調査をいたしました。そのうち、世帯主、要するに後継者に一括して相続したケースというのが七六%でございました。そして、分割した、同居の世帯に分割した、あるいは世帯から離れている子供に分割して相続したのが一六%でございました。残り七%ちょっとはまだその調査の時点では協議中ということでございましたので、全体の約四分の三が相続によっても後継者に相続されているという状況でございます。古い資料で大変恐縮でございます。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 ちょっと古くて私にも判断が付かないんですけれども、農業後継者への寄与分というのがある程度認められているというふうに思いますが、どの程度認められておりますか。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 民法上、これも御承知のとおり、相続の配分は原則として配偶者に二分の一、子供は残りを均分するということでございます。ただ、その特定の相続人が被相続人の遺産の維持、増加に特別に寄与する。例えば、農業でいいますと、お父さんに代わってお父さんの生きておる間から農業をするとか、あるいは病気で倒れられたお父さんを介護するとか、そういう場合には、寄与分として全体の相続財産から差し引いてその人の寄与分にするわけでございます。これ実は、何年間代わってやったかとか、どの程度介護とか療養の面倒を見たかによってケース・バイ・ケースで違うわけでございますけれども、私どもが把握している判例によりますと、岡山の判例、農作業を被相続人に代わって何年かやって父母の老後を見ていたということで、岡山のケースでは三分の一認められました。それで、横浜のケースでは五割が認められたケースもございます。このような状況になっております。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 私は今の相続の法律を否定するものではないんですけれども、今、農林省が進めておられる、集積していくという段階で、今農業やっていらっしゃる方は六十五歳以上の方、もう八十歳とかそういう人を集積してもらっても次の世代に移るときにこういう問題が起きやしないかというのをとても懸念しているんですが。それは、例えば農協で指導するとかだれかが指導するなんということはありますか。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 特別に相続に当たってどういうことをせよという指導はないわけでございますけれども、実は私も、昭和四十八年でしたか、相続実態調査というのをしてきました。やはり農家の方でいろいろ考えられまして、農業地帯でございますと、共同のほかの相続人に相続を放棄してもらう、あるいは、例えば次男以下の方が学校へ行っておれば、その学資について特別受益だということで引く、いろいろな工夫を凝らして特定の後継者に農地が行くような工夫をされておりました。  問題は、地価が上がってきまして農地が資産として見られるような都市近郊のところで、分割請求あるいはそれをめぐる争いというのがあるようでございまして、私ども、これ民法上の大原則でございますし、憲法の二十四条では、たしか相続は個人の尊厳と両性の本質平等に即して法律できちっと定めろというようなことも書いている平等の問題でもございますし、なかなかこうしろああしろの指導はできないわけでございますけれども、制度として、例えば先ほど申し上げました贈与に関しては、一括贈与の納税猶予制度でございますとか、そういう制度を、税制上の特例というようなものを用意するという形でこれを指導するという格好にしているわけでございます。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 私も、あなたが、須賀田さんが言われるように、そんなことを言えるわけがないんですよね。ただ、今、今のこの所信の中では、大きい、集積しなさいと、ちっちゃい農家は集まってやりなさいと、そんなこと言っていますから、そんなばんそうこう的な言い方は、その次のことを考えて、そんなこと検証なしに言えないんじゃないかなということを指摘させていただいただけでございますので、よろしくお願いします。  次は林業の問題についてお伺いをいたします。  二月十六日に京都議定書が発効しました。昨日、私たちは本会議場でも議決をいたしました。この議定書で、日本は、一九九〇年に比べて、二〇〇八年から二〇一二年までの五年間の平均で六%のCO2削減を約束して、このうち三・九%を森林吸収源で担うことになっています。  大臣は、所信の森林・林業政策の中で、京都議定書の国際約束を達成するために、森林による二酸化炭素の吸収量を確保することが不可欠であると、このために多様で健全な森林の整備保全に取り組むというふうに言われておられますけれども、多様で健全な森林の整備保全ってどういうことなんですか。どういうイメージでおっしゃっているんだか教えていただきたいと思います。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 言わば森林の果たす役割というのは、単に木材を供給するとかあるいは言わば空気の清浄化をするだけではとどまりませんで、言わば都会においては水源として大変価値がありますし、また一方で田畑を潤すという効果もありますし、また健全な森林は、言わば表土に下草が生えて、そこに言わば栄養分が蓄えられて、降雨の都度それが適宜適切な量で川を通じて海に注いで、これが言わば藻を繁茂させたりあるいはプランクトンを発生させたり、非常にすばらしい魚礁をつくるということが最近全国的に評価され始めています。また、災害を最小限に食い止めるとか、いろんな効果が指摘されておりますが、そういう意味では、森林というのは単に言わば見てくれだけのものではなくて、本当に言わば重要な存在価値を持っていると思っています。  特に、日本のように、約七割が急峻な山でありますし、森林率も約六七%ぐらいで世界でも第三位に列する森林国でもありますし、やっぱりこういうものがあって初めてこの国の健全さが確保されているわけでありますから、私どもはそういう意味では森林の整備というのは初めから非常に重要なものであるということをまず基本に置いて、私は、よく農水大臣と言われたり農水相と言うと正直言って怒りまして、農林水産相と言ってほしいと、言い直していただくくらい林業が非常に大切だと思っている人間です。  そういう姿勢は前から一貫しているんですけれども、そういう中で、今御指摘があった京都議定書の言わばCO2の吸収率、まあ六%のうちの三・九%を森林が担うということになっておりますが、我々としては、少なくもこれを達成するために最善を尽くしてはおりますものの、現状の言わば予算の規模では正直言って三・九%を達成できますということはなかなか申し上げにくい。公にも申しておりますけれども、約二・六%ぐらいが現在言わば大体確認できる範囲と、そう思っているところですが、さはさりながら、要するに、平成十四年の地球温暖化防止森林吸収源十か年対策を策定したところでありますから、これらに基づいて、健全な森林の整備保全、あるいは木材、木質バイオマス利用の推進など総合的な取組を進めていきたいと、こう考えているところであります。  そういう意味で、平成十七年度には植栽、間伐等の森林整備予算として事業費は二千五百億円の予算を計上しておりますが、更なる獲得に努め、また、この国際的な約束事が果たし得るためにこれからは最善を尽くしたいと考えているところであります。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 大変、三問続けてお答えをいただいてしまいました。  次の質問は、二千億、十七年度の森林予算は二千億となっていますけれども、三・九はちょっと無理じゃないですかというふうな質問。最初から二・六だというふうにお答えをいただいてしまいました。  それで、林政審で二・六しかできないという、あとの一・三はどうするのという質問は次の次の質問なんですね。林政審ではあと一千億から二千億くらい足りないんじゃないですかということが出ましたよね。もしかしたら二千億でも足りないかもしれないんですよ。今までは、何というか、道路のわきのやりやすいところだけやっているんだけれども、今からやるところは山の上とか奥とかになってくるから、林政審で例えば二・六%を、一千億から二千億要るんじゃないのというふうに言われていますけれども、それでも少ないのではないかというふうに私は考えています。  平成十七年度の林野予算の重点事項を見ると、森林の有する多面的機能の発揮及び林業の持続的かつ健全な発展に向けた施策を引き続き推進するというふうに言っています。特に、十七年度から始まる地球温暖化防止森林吸収源十か年対策の第二ステップが強力に推進するために以下の予算を編成するというふうに言われているんですが、私は、これはいつでも私、林野庁の皆さんに言うんですけれども、三・九のための森林じゃないでしょう、日本の国の森林を守るためだ、日本の国の森林の有する多面的機能が持続的に発揮されることが国民生活及び国民経済の安定に欠くことのできないものであるということであって、将来にわたってその適正な整備及び保全が図られなければならない。  きれいに森林が手入れされていれば、三・九というのはおのずから、もうおのずからCO2がなくなるんであって、発想が逆なんですよね。もう京都議定書で六やらなくちゃいけない、その三・九を森林が担うから、森林三・九のためには伐採しなくちゃいけない、こうしなくちゃいけない、こうしなくちゃいけないなんだけれども、そうではなくて、国民の森林を守るという、そういうことの立場で私は発想してというか、そういう立場で行ってほしいんです。  森林の適正な整備及び保全を図るに当たっては、山村において林業生産活動が持続的に行われることが重要であること、定住の促進等による山村の振興が図られるように配慮しなければいけないとされて、それは正に政府に森林・林業政策の実施に必要な財政上の措置を義務付けているわけです。森林が地球温暖化の防止機能も有していることは否定しませんけれども、地球温暖化の防止のための森林整備ではない。そういう国民生活とか国民経済の安定に不可欠な問題、国全体の問題であるという意識をしっかりと持って、国を挙げて森林吸収源対策を講ずるべきではないかというふうに思います。  そして、いつもいつも林野庁というか農林水産省は、財政面で大変厳しいと、まあ二千億しか来ないなんというふうに言われますけれども、京都議定書なんというのは、これは日本の国が約束したことだから、皆さんはもう、例えば二千億しか来なかったら、それ以上はいいよ、その代わり三・九なんて絶対できないよ、そのくらいの、開き直って小泉さんに言ってくださいよ。そんな、何も下さいなんて行くことないですよ。よこさなかったらできないんだというふうに言えばいいですよ。そういう思いで、大臣のお言葉。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 御主張にはほとんど賛成で、反対の考えはありません。  先ほどちょっと答弁先回りして申し訳なかったんですが、いろいろ、どう言ったら一番親切な説明ができるかと考えているうちに話がちょっと一緒になりましたけれども。  確かに、三・九%ができるかというお触れもあったので先ほどのような答弁をしたんですが、正直言って、その予算の話をしたのは、これは予算とはやっぱり切っても切れないことで、今はまあ、十七年度予算では二千五百億で一応我々は計上したんですけれども、正直言うと、一方で環境税を導入していただくという考えに立っているものですから、これで約六千億のうち二千億をちょうだいできると四千五百億。この四千五百億円があれば要するに目的達成が言わば現実のものになると。そういう考えで、実はちょっと予算が入り込んだわけでございますので、御理解いただきたいと思います。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 予算の面はよく分かります。三・九、もし達成すればすばらしいことだというふうに思いますけれども、要するに林業がなりわいになっていないんですね。なりわいになっていないから、もう伐採ができないんですよ。間伐ができないんですよ。だから、なりわいになることを考えないと駄目なんです。今、放棄している山林にお金出して伐採してもらうんではなくて、その林業が業になるように、なりわいになるようにしていくことを考えることが私は一番大切なことだというふうに思います。  林業の採算が合う状況を作るためにどうするかという問題です。  我が国の林業は、森林所有が小規模分散的で非効率的であるというふうにされています。だから、木材産業という方たちは安い外材を持ってくる、住宅メーカーは品ぞろえが一杯ある外材を持ってくる、そういうふうになってしまうんですね。住宅メーカーのユーザーにとって国産材を利用しにくいというふうに何回も言われていますよね。まだ日本は尺貫法でやっているんだもんというふうに言われますよね。そういうことを是非クリアしていかなければいけないというふうに思います。  材価を向上させるために国産材の需要を高めていく必要があると思いますが、そのためには、機械化とか自動化による林業の効率化、コストを削減するとともに、小規模分散的な森林所有による態様を見直して、地域が組織的にまとまった量の木材を全国的に流通させる仕組みを構築して、販路の開拓が可能な各地のユーザーの需要にこたえていくような、そういうふうにすべきじゃないかというふうに思います。  例えば、この何センチの材木といったら、もう全国から、地域だけで言うからなかなかそろわないなんというんだけど、全国の林家一緒に、もうITでも何でも駆使してやれば日本の材木だって絶対に外材に負けないというふうに思いますので、どうですか。

前田直登林野庁長官

○政府参考人(前田直登君) 最初に先生の方から御指摘ありました地球温暖化防止だけのためにやっているんじゃないかという話なんですが、それはそうではございませんで、正に先生おっしゃられますように、私どもも森林・林業基本計画、こういったものを策定いたしまして、将来のあるべき日本の森林の姿、そしてまた、そういった中で林業生産の活性化、こういったことを総合的に図っていきたいということで、当時、森林・林業基本法を制定して取り組んでいるわけでございます。そして、そういったことをやっていく、それが同時に、先ほどからお話出ておりました地球温暖化防止の三・九%、そういったものの達成と、ちょうど、予定調和じゃないですけれども、そういったことになっていくということで、ただ残念ながらそういったものに進めていくに当たりまして、いかんせんやっぱり金がまあ掛かる、俗に言えば金がないということで、何とかそういった財源、安定的な財源がもらいたいということで取り組んでいるわけでございます。  そしてまた、今お話ございましたように、確かに我が国の木材、端的に言いましたら外材が、すなわち、求められるときに一定の品質のものを安定的に供給できるという強みを外材は持っておるわけでございますけれども、やっぱり国産材だって、そういった中できちっと安定的な供給を図っていけば十分私どもは対抗していけるんではないかというような思いがいたしております。  そういう意味で、私どもも実はこの十六年度から、地域の間伐材ですとかそういったものをまとめまして、そして一定の集成材なり合板、こういったものも含めまして集成加工する、そしてそれを大手需要ハウスメーカー、そちらの方までダイレクトにつないでいくと、そういった形でその流通の安定を図っていく、そういったことに実はモデル的に今取り組み始めたところであります。  正に先生が御指摘されたような形で流通の効率性、そういったものも含めながら取り組んでいく、そういったことによって木材供給の安定並びにそれがひいては日本の山づくりに跳ね返っていくということで、私どもも積極的に取り組んでいきたいというように考えている次第でございます。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 国産材の需要拡大あるいは材価の向上や林家の収益を上げるため、上げる方策を考えるためには、まずもって理想的な森林経営のモデルを作られてはどうかなということをちょっと提言したいんですが。例えば、まとまった面積がある国有林において、現在のような素材生産だけにとどまることをやめて、木材需要を喚起するような生産計画を立てて契約取引なども推進したり、国有林から産出される木材の加工事業なども実施して、自立した農業経営のモデルとして国有林を活用すべきではないかっていうふうに思います。こういうふうになっていけば、民有林の人たちも目標ができて、その民有林の方たちもそのモデルに沿ってできるんではないかな、これがうまくいけば国有林野事業が抱えている負債軽減も図られるんじゃないかなというふうに思います。  島村大臣は衆議院の答弁の中で、杉は三千円、ヒノキは四千二百円なんていうふうにおっしゃいましたけれども、それだけではなくて、何かもっともっと国有林として付加価値を高めるような林産材の活用というか、そういうことを考えていかれたらどうかなという思いがいたしますので、どうですか。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 今ほど御指摘があった立ち木の価格は、実は私、就任して聞かれて答えられずに困って、聞いてみて驚いたからちょっと御披露したんです。要するに、五十年物の杉の木が立ち木で買うと三千円、ヒノキでももう四千二百円しかならない。これじゃたまらんなと思ったんで、ちょっと何か関係のあったときにお話ししたことであります。  なお、ただいま御指摘の林業経営についてでありますが、意欲のあります林家とか林業経営体、あるいは効率的に林業生産活動に取り組む森林組合などを育成して、やはりこれらの人たちの言わば施業や経営集約化、経営を集約化していくことがやはり重要なんだろうと思います。これ、個々ばらばらではやっぱりこちらも対応しにくいと同時に、皆さんも本当に、林業を言わば経営とは言いますけども、あっぷあっぷしておられる現実は、もうそれは全国方々で耳にするところでありますから、これらは本当に深刻な問題と我々もとらえているところであります。  このため、地域の実情に応じまして、例えば施業の受託による規模拡大や施業の団地化を進めるとともに、路網の整備や高性能の林業機械の導入などによりまして生産の効率化やロットの拡大などを図るなどしてモデル的な取組を推進し、普及に努めているところなんであります。  なお、国有林につきましてですが、国土保全や水源涵養を始めとする公益的機能、先ほども申し上げたところですが、これらを発揮することを旨とする管理経営を行っているところでありまして、御指摘の林業経営モデルにはなじみにくいと考えてはおりますものの、引き続き効率的な管理経営に努めてまいりたいと、そう考えておるところでございます。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 大変難しい、無理だというふうにはおっしゃらないで、是非考えていただきたいっていうふうに思います。  例えば、今野菜は地産地消とかいって、なるべく地元でっていうような取組なんですけれども、林業に関しては地域だけではどうしてもそろわないとすれば、今度は逆に、地産地消ではなくて全国的なあれで、みんなで出し合ってやっていけるような、広域的なものでやっていけるような、市場の流通を野菜とは逆に全国的な市場の流通なんていうふうに考えていってほしいなっていうふうに思うんですが、そんなふうにできますかね。

前田直登林野庁長官

○政府参考人(前田直登君) 今のお話の関係ですが、今、大臣の方から申し上げましたのは、いわゆる国有林の役割が国土保全とかあるいは水源の涵養と、そういったことを第一義にやっていこうという観点から、経営の効率性だけを追求するというのはなかなか難しいんではないかと、今は既に国有林自体が九割が公益林に、かつて五割以上木材生産林だったのがもう九割以上が、九割までが公益林ということでやっているもんですから、そういう形で申し上げられたわけでありますけれども。  もちろん、その実施の段階に当たりましては、当然例えば安定供給システムとか、そういった形で特定のところと、ある意味ではその全国的な規模で、流通でもって材を供給していく。そういった中で、一定の安定的な製材なり加工、そういったものが地域としてなされるようにという形で国有林としても対応いたしておりまして、そういう意味で御指摘の形の方向ではやっているというふうに思っております。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 林業の活性化について最後の質問ですけれども、今後の木材の需要を林野庁はどういうふうに考えていますかという質問なんですが、例えば建築用材でも、従来の構造材よりも内装材そして家具材の需要が中心になるっていうふうに思います。今、日本の国に杉がたくさんあるんですが、杉の木の何か内装とか杉の木のテーブルなんということはなかなかないことで、植林でも、樹種を何か違った方向に考えていかなければいけない。重要な森林・林業政策のポイントになるっていうふうに思います。  そして、例えば三・九の削減というのも、あれも一年だけで、あとまた次の年も次の年もこういうことがあるとすれば、本当にこう何か林野庁の大きな変換期ではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

前田直登林野庁長官

○政府参考人(前田直登君) 木材需要の今後の見通しに絡む話だと思いますけれども、私どもの方では、平成十三年、新たなる森林・林業を制定されまして、これに基づきまして長期的な観点からの将来の木材需給、こういった目標を立てて取り組んでいるところでございます。数量的には、確かに現在林業が疲弊している、そういった中で年間一千七百万立米ぐらいでございますけれども、これを将来的には二千五百万立米ぐらいに持っていきたい、そういう形で需要の拡大、各般のいろんな形の取組をやっているわけでございます。  そういった中で、その需要の中身はどうなっていくのかというお話であろうかと思いますが、現在、国産材の需要の約七割、これが住宅等の建設に使用されておりまして、言わばその杉、ヒノキ等の針葉樹を主体といたします製材用材、これが占めております。そして、国産材の需要の中心がこういうふうに針葉樹中心ということになっているこういった傾向につきましては、今後ともそれほど大きく大胆に変わっていくものではないというふうに思われますけれども、質的には消費者ニーズに対応しながら、品質の高度化、乾燥化、こういったものも進めながら取り組んでいかなきゃいけないというように思っております。  また一方では、災害の防止の問題あるいは地球温暖化防止の問題等々いろいろ森林は多面的な機能を持っているわけでございますので、そういった機能、こういったものを現地の立地条件に応じた形で適切に管理経営していかなきゃいけないということで、そういう意味で、多様な森林整備を進めていくということがそういう面からも非常に大事なことではないかなというふうに私どもとしては考えておる次第でございます。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 みんな国民は木のおうちに住みたいんですよね、本当はね。ただ、五十年物の杉が三千円なのに、今建てるとするともう本当にすごい高いものになってしまって、そんな三千円の杉でおうち建てられる人はだれもいないわけですね。そういうことからすれば、もっともっと何か考えて、乾燥は国でやるとか何か考えていかないと、もう使っていい木がすっごく一杯あるのにだれも使えないでいる状況なんですから、何か考えてほしいなというふうに思いますね。  それで、今回、山村振興という法律が、十年後の今ちょうど日切れになって、継続するということになるんですが、その中の一つに、野獣というか、クマとかイノシシが来るのを防ぐなんというのが出ているんですけれども、考えてみれば、山にドングリのなる木がなくなっちゃったんじゃないですか。クマたちが本当はああいう、野ウサギだのクマだの、ああいう本当の動物と私たちは共生していかなくてはいけないのに、杉材とかそういうものばっかり植えた結果、ああいうふうに人間のところまで来てしまっているという状況なので、ああいう野獣を防ぐというんではなくて、野獣と共生していくというようなことを考えながら、是非、山林、林業の振興に当たっていただきたいというふうに思います。  BSEについてお伺いをいたします。  二十か月齢以下で仮に異常プリオンが存在したとしても、通常の感染牛に比べて非常に微量なので影響がないと思われるというふうに政府は言っています。しかし、本当にそうでしょうか。  まず、どれだけの異常プリオンで変異型クロイツフェルト・ヤコブ病が発症するのか、確かなことは全く分かっていません。さらに、我々日本人の九割が、先ほども言われましたように、感染しやすい遺伝子を持っているという研究結果もあります。異常プリオンが微量だから大丈夫ということは言えないのではないでしょうか。イギリスで感染されたと言われる人は、わずか一か月で、一か月の滞在で感染しておられます。このこともそういうことを示しているんではないかというふうに思いますが、いかが思われますか、二十か月以下。

外口崇厚生労働省医薬食品局食品安全部長

○政府参考人(外口崇君) 昨年九月に食品安全委員会が取りまとめました国内BSE対策の評価、検証の結果におきましては、BSEプリオンの人への発症最少量は明らかではないとしておりますが、vCJDの感染に対する日本人の遺伝的要因を踏まえた考察も行った上で、検出限界以下の牛を検査対象から除外するとしても、全月齢の牛からのSRM除去措置を変更しなければ、それによりvCJDリスクが増加することはないとしております。また、十分考慮に入れるべき事実として、二十一か月齢以上の牛については現在の検査法でBSEプリオンの存在が確認される可能性があるなどとされております。  厚生労働省といたしましては、こういったことを踏まえまして、二十か月以下の牛を検査対象から除外してもリスクが増加することはないと考えて食品安全委員会に諮問を行ったものであり、現在、食品安全委員会において審議が行われているところであります。その結果を踏まえて対応してまいりたいと思います。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 最近では、特定危険部位以外でも、微量だけれども、肝臓や筋肉や末梢神経などからも異常プリオンが検出されるという報告があります。さらに、最新の研究では、牛がBSEに感染した場合、感染後約六か月から十二か月の、六か月から十二か月です、二十か月以下でなくて六か月から十二か月で腸に異常プリオンが見付かる。見付かるけれども、その異常プリオンはしばらくするとどこに行ったか分かんなくなっちゃって、それで三十か月になって初めて出てくるという、脳に蓄積されるのが見付かるというふうに分かりました。これは、若齢牛については特定危険部位の除去だけでは異常プリオンを除くことができないということの証明ではないかというふうに思います。  BSEの検査で感染を見付けることができない以上、逆に、若齢牛の食用を禁止する、若齢牛は食べないということを私たちは決めなければいけないんじゃないですか。感染が判明する月齢になって検査したら初めて食べられるというふうにしないと、そういう発想の転換が必要じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

外口崇厚生労働省医薬食品局食品安全部長

○政府参考人(外口崇君) 現在実施されておりますBSEの迅速検査法でございますが、御指摘のように、延髄かんぬき部の異常プリオンたんぱく質の量が検出限界に満たない場合は陰性と判定されるわけであります。しかしながら、そのような原理でございますから、厳密に申し上げれば、二十一か月以上の感染牛でも、仮に検出限界以下の量のときに屠畜される場合は陰性と判定されるわけであります。したがいまして、安全なものを食用に供するために、検査だけでなく、脳や脊髄などのSRMの除去を全頭、全月齢で行うとともに、間接的にリスクを低下させるために飼料規制が行われております。  いずれにいたしましても、現在、食品安全委員会では、BSE国内対策について、多くの科学的知見に基づいて審議されているところであります。議員御指摘の点もその科学的な多くの知見の中に含まれておりますけれども、そういったことも踏まえて現在審議が行われておりますので、その結果を十分踏まえて対応してまいりたいと考えております。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 今後の流れとしては、食品安全委員会プリオン専門調査会で国内措置の見直しについての答申が出されて、諮問どおり全頭検査の緩和がなされれば、その後は米国産牛肉の輸入再開についての諮問をして、答申が得られるということになります。  今日も新聞に出ていますけれども、総理は早く再開したいなという気持ちだそうですが、米国産牛肉の輸入再開については、アメリカからあの手この手の、圧力とは言わない圧力ですよね、政府間交渉が先行して、二十か月齢以下のBSE検査をやめるという前提で論議がされています。  このような状況の中で、食品安全委員会が諮問に対して否定的な答えを出しにくいんじゃないんですか。物すごく出しにくいと私は思いますよ。食品安全委員会は、BSE発生の教訓を踏まえ、行政主導の安全対策から、専門家主導の安全対策にするために設置されているんですけれども、こんなに政府側がというか、諮問をしたら、絶対に言いにくいこと、たくさんあるともいうふうに思います。ここまでの様子を見ていると、相変わらず食の安全というのは行政主導になっているんじゃないかなというふうに思います。  もし食品安全委員会が今回の見直しについて、島村大臣はさっき黙ってじっと待っているというふうにおっしゃいましたけれども、否定的な答申を出した場合、どのように対応なさるんですか。また、先ほども言いましたけれども、最近になって異常プリオンが肝臓にも微量ながら存在するということが分かりました。感染後すぐには腸で異常プリオンが見付かるが、その後どこに行くか分かんなくなっていて、脳に蓄積される。どこにあるか分からなくなるということが大変な危険なことで、その後三十か月になって脳に蓄積される。これもう本当に、皆さん、本当にこれは国民の命に係ることなんですから、本気で考えていただきたいというふうに思います。  BSEに関する新たな科学的知見が見付かっています。分からないということが分かっただけなんですよ、まだ、科学的知見というのは。このような新たな知見が得られつつある今、単に月齢で区切る安全対策の見直しについて、科学者が安全だと言うことは難しいのではないかと思います。幾ら大臣が審査を急がれても、不十分な資料で結論を出すことは、ちゃんとした機関であればあるほど難しいのではないかというふうに思われますけれども、いかがですか。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 再三申し上げておりますように、私どもはあくまで科学的知見に基づいて安全、安心を確認して、それで言わば次の対応をしようという考えに立っておるわけでございます。そういう意味では、今御検討をいただいている食品安全委員会のメンバーの方々はそれぞれの道のもう専門家であるし、大変な権威者でありますから、その方たちの言わば御判断の結果をお待ちするというのが私たちの今取っておる姿であります。  なお、先ほどちょっと気になった御発言があったんですが、それは和田委員ではなくてですけれども、十五頭目が出たじゃないかと、こういうお話があったんですが、実は十五頭目、後で調べてみますと百二か月の牛だそうでございますので、やはりそういうものと言わば今や検討していることとをやっぱり混同して考えることは私は適当でないと、こう思っております。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 じゃ、今おっしゃったことに私関連して言いますと、日本の国が肉骨粉を禁じて、禁じた後に八頭目、九頭目が出ているんですよ。だから、十五頭目に限らず二十か月以下で出ていますから、そんなことは絶対に大臣がおっしゃる言葉ではないというふうに私は思います。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 事実関係もございますので、私の方から少しお話を申し上げます。  先生が今御指摘になりました平成十三年の九月にまず日本で一頭目が発見をされまして、その後対策を急遽打ったわけでございますけれども、飼料規制、えさの規制につきましては平成十三年の十月にそういうことを法的な措置として導入をいたしました。その後、今御指摘の二十一か月と二十三か月齢の若齢牛が発見されましたけれども、これの二つの牛の生まれましたのは平成十三年の十月とそれから十四年の一月であったと思います。ですから、この二つの例について申し上げれば、飼料の肉骨粉の牛への給与を禁止した直後に生まれたのは事実でございます。  ですから、法的に規制をした直後であったとはいえ、そのルールがどこかで何か守られなかったか、あるいは何かの原因で牛に給与されたえさの中に肉骨粉が混じっていた、そういう可能性があるのは御指摘のとおりでありまして、私どもえさのコントロールというものをきちっとやっていく立場の者からすれば、これはこれとして重く受け止めていかなければいけないと思います。なお一層えさの規制がきちっと守られるような点検はしていかなくてはいけないのは事実でございます。  それで、そういうこともありまして、昨年の十月十五日に食品安全委員会に諮問をいたしました見直し、BSE対策の見直しの中には、BSEの検査の月齢の話だけではなくて、飼料面につきましては更に念には念を入れてきちっとしていくという意味で、輸入の混合飼料のところの届出ですとかあるいは製造工程を経た後農家のところに届くまでの間のいろんなチェックも強化をするということにしたわけでございまして、その点は私ども十分意識をして更に強化をしていきたいというふうに思っております。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 それが正しいお答えだと思います。  政府はBSE発生後、全頭検査を開始するに当たって、先ほど言われました反省を込めてというふうにおっしゃって大変私うれしかったんですけれども、農林大臣と厚生大臣の連名で国産牛の安全宣言を出しました。そして、これから流通する国産牛肉は全頭検査と脳などの特定危険部位の除去をしているので安全ですというふうに言われました。このことで、消費者は全頭検査による安全性を信じて牛肉を再び買い始めたのではなかったでしょうか。また、輸入牛肉についても、政府は当初BSEが発生した国からは輸入しないというふうにおっしゃいました。  ところが、一昨年、アメリカにBSEが発生すると、我が国と同様の措置が取られるなら輸入を再開するというふうに言われました。それはいいですよ、我が国と同等の措置が取られるなら輸入するというふうに言われたんですから、それはいいと思う。その基準となる国内の措置も変更する、これがおかしいんですよ。  そんな方針を打ち出しました。全頭検査に限界があるので、二十か月齢以下の牛の検査はやめる、危険部位の除去等の措置で安全性は変わらないとしています。絶対にあのBSEが発生した国からは取らない。そしてもし、もしアメリカが、アメリカが頭にあるんなら、日本と同じ措置ならいいって言っておきながら、日本の措置を緩和するということはおかしいじゃないですか。全頭検査だから安全と多くの消費者はこれまで理解してきたのに、実は二十か月齢以下は検査しても分からない、ただ蓄積量が少ないから危険部位を除去すれば大丈夫でしょうと言われても、それは納得できませんよ。  そもそもこれまで全頭検査の意義は何だったのか。もしかしたら国民にうそついていたんですかって私は言いたいんですが、いかがですか。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 私どもは、要するに食品安全委員会の中間取りまとめの言わば趣旨に沿って、我々は二十か月未満のものは言わば対象から外していいのではないかという諮問をしているんですが、これの是非についても御検討いただいた結果をいただいてから私たちは結論を出すということでございますんで、御理解いただきたいと思います。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 だから、諮問をするに当たって圧力を掛けないで、本当にね、あのアメリカの方を向かないで日本の方を向いて言ってくださいよ、日本の国民の安全のために。  もしBSEにかかったら十年以上、先ほどヤコブ病で亡くなられた方は、もしかしてイギリスでかかったとしたら、十二年掛かってます。十二年掛かるんですよ。今、日本の国で、BSEの全頭検査の前にもしそういう人たちがいたとしても、まだ十年もたっていませんからどういう状況になるか全然分からないんですよ。安全委員会は分かってきたこと、分からないことということを言っていますけれども、分からないということが分かったというだけなんですよ、まだ安全委員会では。そういうことをしっかり踏まえていただきたいと思います。  国産牛肉についてほぼ安全というレベルにあるということはみんな分かっています。ところが、米国産牛肉になるとほぼ安全かどうかなんて全然分かってませんよ。何せBSEの検査しているのは〇・五%しかすぎないんですから。肉骨粉の飼料規制も不十分なんですから。これらの情報は日本の消費者には全然分かっていませんけれども、日本の消費者の思いをどういうふうに、分かっていらっしゃらない日本の消費者に何ておっしゃいますか。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 現在、食品安全委員会で審議をいただいているのは、御案内のとおり、国内のBSE対策の見直しについてでございます。で、この問題について食品安全委員会で審議をいただいた上で答申をいただいた、そこがまず一つの節目でございます。で、国内措置について食品安全委員会から答申をいただくということにおいて、国内措置の見直しの方向が固まります。で、この国内措置の見直しということをまあ一つの与件としまして、そしてアメリカに対しましても具体的な輸入再開の条件を固めていくということになります。で、その場合に、アメリカとこういう形で輸入の条件が整ったということは、私ども十分消費者の方々始め関係者の方々には意見交換、いわゆるリスクコミュニケーションをして情報を提供し、また御意見も伺う、そういうことをした、そういうプロセスを経た上で、今度はアメリカから入ってくる牛肉の輸入条件、その下での肉のリスクは国内のものと同じかどうかということについて改めて食品安全委員会に諮問をするということを、そういう手続を考えております。  こういったことを一つ一つ段階を踏んで丁寧に行っていくということを通じまして、国民の方々の理解を得たいというふうに思っております。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 リスクコミュニケーションですけれども、いろんな各地で開かれたということはニュースや何かで見ましたけれども、あれはもう本当に普通一般の人たちは、リスクコミュニケーションが行われたとか、それは何のためだったなんてだれも分かりませんよ。今スーパーで買っている奥さんたちにリスクコミュニケーションあったの知ってるって言ったって、きっとだれも知らないっていうふうに思いますよ。  そして、全頭検査の緩和ですが、いまだに消費者も生産者も反対の意見の方が根強いというふうに思います。全頭検査の見直しについて消費者の理解が得られないのは、政府が信用されていないからだというふうに思います。ここにアメリカの圧力を感じているからだというふうにも思います。  予算委員会で我が党の福山議員が大臣に農務長官からの書簡がありましたかという質問に、それはないと思う、あったんじゃないですか、調べておくというふうにおっしゃいましたが、どうでしたか。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) ございません。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 農務長官がアメリカの議会で日本に出したというふうに、あれ、外国ではちゃんとこう、何というの、聖書に誓っておっしゃっているんだと思いますが、全然分かんないんですか。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) これはうそを言うわけにいかないでしょう。それから、同時に、私に、全然、出した、ないし、いろいろ調べたんですけれども、全くそのあれがありませんので。  恐らく、ですから、まあ想像なんですけれども、加藤大使あてに何かの文書を出したのかなと思ってはおりますものの、私あてのものは調べましたけれどもございません。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 我が国は、アメリカとの関係を優先して、様々な外交交渉でアメリカに譲歩してきた歴史があります。基地の問題とか、本当にいろいろあります。日本の国民はまたかというふうに思ってるんじゃないかなというふうに思います。見直しを行う理由に疑問を感じていれば、どれだけリスクコミュニケーションを行っても形だけで消費者の信頼は、信頼とか安心は得られないというふうに思います。  また、今回の国内措置の見直しを前提にした日米のBSE協議については、諸外国がどのように見ているか、日本のことをどんなふうに見ていると思いますか。これからWTOの農業交渉やEPA交渉があります。このような中で、諸外国が日本はアメリカの言いなりにしかなってない国だというふうに認識されたとすれば、どんな、まあ信用されない国になってしまうのがとっても心配なんですが、もっと毅然とした態度を大臣はお取りになっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) いや、私が毅然とした態度を取ったんで、私はアメリカの側がやっぱり姿勢を改めて今までじっと黙っておられるんだろうと、私は自負しております。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 大臣は国会での答弁や記者会見で、BSE検査に関して、三十か月以上という国際常識を全く無視して通るのかというふうに述べられました。食品安全委員会の判断とか専門家からの科学的知見を基本にするとのことでした。確かに、国際常識や基準、外国の状況などに気を配っていくことも必要だというふうに思いますが、EU、欧州食品安全機構が去年BSEの地理的リスクを再評価して、アメリカもカナダもメキシコもリスクレベルを上げました。リスクは物すごいものだというふうに指摘をされました。このような中で、アメリカと輸入再開の交渉を行っており、メキシコからの牛肉の輸入は急増しています。何か、韓国に行った牛肉の中にはアメリカ産というふうに書いてあったのもあったそうで、韓国はもうメキシコからは取らないというふうなことも聞きましたが、大いに違和感があります。  アメリカのBSEリスクは上昇したというのも国際常識だと思いますけれども、EUの評価についてどのような認識をされておられるのか聞きたいと思います。アメリカの屠殺そのものが国際の非常識だというふうに言われる方もいらっしゃいます。スタンガン後のピッシング、あれがすごい問題だというふうに指摘をされていますが、大臣はどのようにお考えですか。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) まず、EUが行いました地理的リスク評価、GBRと言われておりますが、これについてお答え申し上げます。  欧州食品安全庁が行っておりますこのBSEの地理的リスク評価、その目的でありますけれども、EU加盟国あるいはEUに牛肉を輸出をしたいというそういう関心を示している国などを対象といたしまして、EU各国が牛肉あるいは牛肉製品を輸入する際の措置、どういう措置を取って輸入するかと、そういうことを決める際にこれを使うということでこういった評価が行われているものでございまして、委員御案内のとおり、この評価の対象のレベルというのはレベルの一から四までの四段階になっておりまして、そのどこに位置付けられるかということによって要求される措置が決まってくるというふうな、そういう目的のためにこれは作られているというふうに理解をしております。  そこで、アメリカでございますけれども、このアメリカのGBR評価というのは二〇〇〇年にレベルの二でありました。で、レベルの二といいますのは、リスクはないと考えられるけれども完全にないというふうには排除できないという程度のレベルであります。ところが、昨年の八月に行われました評価では、その後、アメリカには、BSEの発生が後で分かったそういう国から生きた牛がアメリカに輸出をされてたといったような事実を考慮いたしまして、レベルの三に引き上げられたわけでございます。で、レベルの三というのは、BSEがそこに存在するという可能性があるが確認をされていないか、あるいは確認をされていても低率、低い率での確認という、そういうランクでございます。  このリスク評価につきましては、専門家によります一定の手法に基づいて行われているのは事実でありますけれども、それがほかの国で援用されているといった、そういうものではございません。  それから、なお申し上げますけれども、EUではBSE発生国からの牛肉の輸入を禁止してはおりませんで、このレベルの二あるいはレベルの三というふうにまあその位置付けは変わりましても、それぞれ要求される、肉に対してこういう措置を取らなきゃいけないという形で要求されるその措置については、レベルの二とレベル三では特に変わりはございません。ガス注入とかあるいはピッシングなどを用いて屠殺された牛由来でないといった、まあ今先生が御指摘になりましたようなことも一つの条件にはなっているわけでありますけれども、そのほか一定の月齢以上の特定危険部位はちゃんと除かれていることと、そういったたぐいの条件が付された上であればEUも輸入は認めるというふうなのが今の実態でございます。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 レベルの二とか三とかというふうに言われますけれども、私は、日本人の命を守るということからすれば、一だろうが二だろうが三だろうが、もうしっかり守っていくのが政府の役目だというふうに思いますので、よく守っていただきたいというか、もう絶対に危険なものは入れないという形でやっていただきたいなというふうに思います。  BSEについては、どのような仕組みで感染するのか、国内における研究は始まったばかりです。去年、つくばの動物衛生研、動衛研で人工的にBSE感染させた牛、牛を試験するための施設ができたばかりで、これから様々な試験を重ねていくことでBSEに対する知見が見付かっていくと思います。この試験の進行状況をまず見守って、今後、得られた知見に基づいて対策の在り方などを議論すべきであるというふうに思います。  全頭検査の有効性などは、試験が始まったばかりのこの時期に公然と議論していることがおかしいというふうに思います。政府は、消費者に対して専門家の意見を聴き科学的根拠に基づいてBSE対策の在り方を見直すというのだけではなくて、つくばの施設において人工感染試験などを重ねて、結果、提示した上で議論を進めていくようにしなければ消費者の理解は得られないと思います。国民の命は守られないというふうに思います。  いずれにしても、大臣が言われる非常識な全頭検査を日本の大半の都道府県がやろうと今希望しています。そういう非常識な検査が、厚生省の皆さんにちょっと、厚生省にお尋ねしますけれども、どのくらいの都道府県がこの全頭検査に手を挙げておられるのかお聞きします。

外口崇厚生労働省医薬食品局食品安全部長

○政府参考人(外口崇君) 屠畜場におけるBSEの全頭検査でございますけども、十三年十月から四百二十一万頭について、本年三月五日までの数字ですけども、検査を実施して、その中で十一頭のBSEの陽性牛を発見しております。これに死亡牛が三頭と一番最初の発端になった一頭を合わせると十五頭であります。  それで、御指摘の、どのぐらい手を挙げるかというのは、それは経過措置の希望ということでございましょうか。で、これについては、私ども、まだ国内措置の見直しについて食品安全委員会から答申をいただいておりませんので、都道府県にはまだ聞いておりません。そういう先走ったことはやっておりませんので、データとしては持っておりませんけども、これはいろいろ直接お話を伺いますと、やはり、見直すとしても、そのときに起きる流通の混乱等の措置をなくすために経過措置は必要だという考え方が大半でありますので、恐らく皆さん方それをお考えになるんではないかと考えております。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 三年間の措置として、何、一〇〇%補助して厚生省はやられるんじゃないんですか。その都道府県はどのぐらいですか。

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) 短くやって。短く。

外口崇厚生労働省医薬食品局食品安全部長

○政府参考人(外口崇君) 予算措置は、次年度につきましても全頭検査分の予算はすべて確保しております。  それで、どのぐらい希望されるかということについては、これはあくまでも、その全頭検査を見直すという方針が食品安全委員会から出てから私どもは正式にお聞きして決めていこうと思っておりますけれども、もちろん、心積もりとしては、委員御指摘の、三年間の全額の補助という準備はしております。

和田ひろ子民主党・新緑風会

○和田ひろ子君 終わりたくないんだけど、いいです。

谷合正明公明党

○谷合正明君 公明党の谷合正明です。  まず、攻めの農政についてお伺いいたします。農林水産物の輸出促進についてであります。  昨日の食料・農業・農村政策審議会におきまして、新しい基本計画の工程表に、平成二十一年までに輸出額を倍増ということが明記された、そのことが明らかになりました。先ほど午前中の質疑の中でその目標達成に向けての支援策ということがありましたので、その質問を省かせていただきます。  青森のリンゴなど、以前から欧米中心に輸出されてきた農産物もありますが、ここに来て国産農産物の輸出機運が高まっているのは、確かに、中国を中心とします東アジアの経済発展により、これらの国や地域の購買力が高まっていることがあると思います。また、中国や台湾がWTOに加盟したことで輸入制限が緩和され、輸出しやすくなった、そういう環境も大きいと思われます。私の地元であります岡山県におきましても、切り花や特産のピオーネを輸出しようという取組もございます。  これまでは、GATやWTOの農業交渉といいますと、外国からの農産物をもっと輸入しろと言われて、それに対していかに最小限にそれを抑えるかというきゅうきゅうとした議論ばかりされてきた感じもありますけれども、我が国も自由貿易体制をしいておりますし、ルールにのっとり、工業製品だけでなく農産物も積極的に輸出していくべきだと思っております。  先ほど大臣より、輸出額を倍増のみならずそれ以上を目指すというような趣旨の発言もございました、将来的にですね。そこでの輸出を増やすということで、単純にその分だけ国内の生産量が増えれば農家の手取りも増えるということなのか、あるいは実態として生産量が増えることで自給率も向上するということなのか。あわせて、農産物の輸出を促進する意義について伺いたいと思います。

伊藤健一農林水産大臣官房総括審議官

○政府参考人(伊藤健一君) 農林水産物の輸出の拡大が実現しますと、今、先生から御指摘がありましたように、まず国内生産の拡大につながるわけでございますので、農林漁業者の所得の向上にもつながると、そういった直接的な意義を有するというふうに思っております。  ただ、それにとどまらず、自分が生産した農林水産物が海外で高い評価を受けるということになってまいりますので、農林漁業者の発想の転換あるいは勇気と活力にもつながるという意味でも農林水産業の活性化にとって大変大きな意義があるというふうに思っております。  またさらに、食生活あるいは食文化といった面も海外で逆に評価されるということにつながっていくんではないかという期待もしておりますので、そういった意味では、日本型食生活あるいは食文化ということの国内での見直しにもあるいはつながってくるんではないかという、そういう期待も持っております。

谷合正明公明党

○谷合正明君 我が国は、生産が過剰のため生産調整している農作物があります。代表的なものが米であります。また、畜産におきましても、脱脂粉乳の過剰在庫が今非常に問題になっております。食料自給率の向上、また食料安全保障の観点からいえば、これら国内において生産に余力がある農作物、農産物、こういうものを積極的に輸出していくことも考えてもいいのではないかと思います。  我が国の米につきましても、以前は国際価格との価格差が大きく輸出が難しいとされてきましたけれども、現在では海外でも非常においしいということで高評価を受けております。また、輸出用の米は生産調整からも外すということも聞いております。  今後、我が国が農産物を輸出する有望な相手先として中国が挙げられると思いますが、現在、その中国には、我が国からはリンゴ、そしてナシのみが輸出されております。米を含めまして、国産の農産物を輸出するために解決しておくべき課題というものはどういうものがあるか、伺いたいと思います。

伊藤健一農林水産大臣官房総括審議官

○政府参考人(伊藤健一君) 農産物の輸出拡大にとりまして中国が大変潜在的に大きなマーケットであるということは委員の御指摘のとおりというふうに認識しております。また、課題も幾つかあるのも現実と思っております。  今、先生から御指摘ありましたような植物検疫の関係でございますけれども、まず、中国におきましては二〇〇三年の二月に輸入植物及び植物生産物のリスク分析管理規定というものが施行されておりまして、こちらの方でまだ輸入実績がない品目ですとかあるいは輸入数量が極めてわずかな品目につきまして、事前に病害虫の侵入がないかどうかというリスク分析を受けなければならないという問題がございます。  それで、今現在、輸出実績があるものとしてリンゴ、ナシがあるわけでございますけれども、それ以外に我が国として輸出したいというふうに考えております米のほかに、カキですとか桃、イチゴ、ブドウ、メロン、スイカ、あるいはキウイフルーツ、サクランボ、かんきつ属、ナガイモといった、こういった十一品目につきましてこのリスク分析を受けるべく資料を提出しまして、できるだけ早いリスク分析をお願いをしているところでございます。  まずこういう検疫の問題をクリアするという問題がございますほかに、我々としては、やはり中国の市場の動向ですとかあるいは商慣習の実態ですとか、そういったものをよく勉強しておく必要があると思いますし、また、何といっても継続的に販売していけるルートを確保すると、そういったことも必要だろうと思っております。そういったことを今一生懸命準備しておるところでございます。

谷合正明公明党

○谷合正明君 我が国がこれまで長年の研究によりまして育種し栽培方法を改良することでブランド化した農産物がまずは海外に輸出されることになると思いますけれども、その種や苗木が海外に無断で持ち出され、また海外で生産され、さらに加工され我が国に入ってくるという問題も起きております。また、輸出先で我が国の農産物が高価格で販売されることになれば、当然ながら日本産に偽装する現地の農産物も出てくると思います。実際に、鳥取県産のナシが台湾で偽装されて販売されたという事例もございます。    〔委員長退席、理事田中直紀君着席〕  偽装問題が起これば、それまで積み重ねた努力も無駄になりかねないわけでありますが、このような二つの問題、二国間の問題ですので少々立入りが難しいところもあると思いますが、相手国とも密接に連携していく必要があると思いますが、その辺、どのようにお考えしておりますか。

白須敏朗農林水産省生産局長

○政府参考人(白須敏朗君) 前段の、委員御指摘の苗木やら種子の流出の関係、お答えしたいと思います。  委員からも御指摘ございましたように、近年、せっかく育成をいたしました、例えば北海道が育成をいたしましたインゲンマメとか小豆の新品種、あるいは栃木県が育成をいたしましたイチゴの新品種などが、我が国の育成品種としての種苗が不法に海外に持ち出されまして、その品種の農産物が向こうで生産されまして逆に我が国に輸入されてくると、委員の御指摘のような事態が生じているわけでございます。  したがいまして、私ども平成十五年に種苗法を改正をいたしましてこういった事態に対処をいたしまして、育成者権の侵害に対する罰則というものを強化をいたしたわけでございます。また同時に、関税定率法も平成十五年に改正をされまして、税関におけますこういった育成者権の侵害物品の輸入のいわゆる水際の取締りというものも可能になったわけでございます。  こういった制度に基づきまして、実は、熊本県が、イグサの新品種の「ひのみどり」、これをまた中国から、せっかく日本で育成をしました新品種のイグサが中国から輸入されてくるというふうなおそれがあるということで、輸入の差止め申立てを行っておりまして、現在、税関において検査が行われておる状況でございます。    〔理事田中直紀君退席、委員長着席〕  また、委員からも、さらに加工品というふうなお話もございましたが、実は、さらにこの我が国の育成品種の更なる保護の強化を図るという観点から、私ども今回、この通常国会に育成者権の効力を更に加工品にまで拡大しようということを内容といたします種苗法の改正法案を提出をさせていただいたということでございます。ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。

伊藤健一農林水産大臣官房総括審議官

○政府参考人(伊藤健一君) もう一点は、海外の農産物を日本産と偽装表示する問題でございますけれども、これは、我が国の農産物が大変高い評価を海外で受けておりまして、高価格で取引されるということを背景にしてそういうことが現に起こっておるわけでございます。日本の農産物をこれから輸出拡大するに当たりまして一番のポイントは、高い、値段は高いわけですけれども、高品質で安全、安心であるということが最大のポイントでございますので、ブランドの保護ということは大変、極めて大事なポイントだというふうに考えております。  このため、まず輸出先国において商標登録等を行うということが一つの考え方でございまして、それに必要な情報を収集、分析して、関係者の方にそれを提供するということをまず実施しております。また、実際に偽装表示問題が発生した場合には、その輸出先国に対しまして調査、それから取締り強化を要請するということの対応を行ってきておりまして、今後もこれらの対応を強化してまいりたいというふうに考えております。

谷合正明公明党

○谷合正明君 農産物を初めて輸出する場合、相手国の情報不足や商習慣の違いによる取引リスクも考えなくてはなりません。農産物の輸出を支援するに当たりまして、現地情報の収集、取引先との打合せなどする現地コーディネーターを置き、輸出に関する展示商談会の開催や、テスト輸出などに行政が積極的に支援していくことも必要だと考えております。  また、良い品質のものを輸出するためには、作物のしゅんや輸送方法といったことにも配慮が必要であります。そのためには、農業の専門知識を持ち、強いリーダーシップで産地と輸出先の連携、調整をしていくコーディネーターを確保していくことが重要だと思っております。  先ほど岸委員の質疑の中で輸出促進の取組について大臣より説明がありましたけれども、こうしたコーディネーターの確保の重要性については、その認識と今後の取組についてどうなのか、見解をお伺いしたいと思います。

常田享詳自由民主党農林水産副大臣

○副大臣(常田享詳君) 谷合議員の御指摘は誠に的を突いた御指摘だと思っております。  私の経験からいきましても、つたない経験でありますが、鳥取県の二十世紀ナシ、一昨年、台湾で、今御指摘のとおり、偽ナシが出ました。私もすぐ入りまして、関係方面にその対応方をお願いし、いち早く火消しをやっていただいた。その場合、その場合は農林水産省から亜東関係協会に出ている出向職員が大変活躍してくれました。日ごろのそういう職員のネットワークが生きたという一例であります。  あわせて、昨年も行きましたけれども、台湾のデパートで二十世紀ナシを販売した場合も、例えばジェトロの、鳥取の方が同行していただいて、そういった方々が一緒にやっていただく。また、過去、そういう輸入をしていただいている台湾のバイヤーの方々とのそういうパイプ役等もしていただくというようなことで、日ごろからのそういうコーディネーターの育成というのは大変重要なことだと思っております。  実は、鳥取県の二十世紀ナシも十か国ぐらいに輸出しておりますけれども、黒字になったのは、黒字になったのはここ二年ぐらいの間で、ずうっと赤字だったんです。それを耐えに耐えて、耐えに耐えてやっとここ二年ほど黒字になったのは、台湾が、中国がWTOに加入した、そしてその輸入価格が広がった、そしてそれまでに、今、先生御指摘のとおり、いろいろ耐えながらコーディネーターを育成してきた、パイプを作ってきたということでありまして、誠に今の先生の御指摘は的を射た御指摘だと思っております。  今後とも、ジェトロを中心にして、こういった輸出先の情報の入手を始め、その人間関係の構築等も含めて、しっかりコーディネーターの育成に努めていきたいと、このことなくして輸出振興はあり得ないということは私のつたない経験でも実感しているところであります。

谷合正明公明党

○谷合正明君 是非そういった輸出促進策の充実を図っていただきたいと思います。  攻めの農政につきまして国内に目を転じますが、現在、地方では様々な取組がなされております。農協におきまして、農産物を出荷するだけでなく、農産加工に取り組み、都市圏において直売所とレストランを経営することで中間のマージンを省き、消費者にはより安い価格で新鮮な農産物を提供している。そして、組合員である生産者は、そうした高付加価値が付くことによりまして高い収入を確保することに成功している事例もあります。  攻めの農政では企業による農業経営の参入を進めるということも言われておりますけれども、やる気と能力のある農業経営を重点的に支援するということであるならば、これまで農業生産者がなかなか参入できなかった加工や流通、外食という消費者に結び付く分野を視野に入れた生産をするのが重要であると考えますが、その対応について大臣の御所見をお伺いいたします。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) まず、輸入農産物に対し競争力のある農業を確立するためには、やっぱり多様化している消費者の嗜好や、あるいは加工、外食など実需者の要請にきめ細かく対応していくことが重要であると基本的に考えます。  このため、強い農業づくり交付金などにより、高品質で高付加価値な農産物の安定生産に取り組む攻めの言わば産地を対象に、業務用の需要にこたえ、野菜のカットなど一次加工を行う処理加工施設の整備、あるいはまた加工需要にこたえ、収穫されたお茶のカテキン分析を行うなどの品質に応じた仕分を徹底する新たな生産システムの導入、そして、消費者や実需者の要請に対応し、産地オリジナル品種を普及するための実証試験などについて支援を行うこととしております。  加工や流通あるいは外食分野も視野に入れた生産を振興し、輸入に奪われている国産シェアの奪回を目指して国産農産物の競争力強化に努めてまいりたいと、そう考えております。

谷合正明公明党

○谷合正明君 話題を変えます。  先日、私は、大手派遣会社パソナが取り組んでいる地下農場の視察に行ってまいりました。大臣も大変興味があるというふうに伺っております。  この地下農場の取組自体は、そのものを普及するということではなくて、それを置いた都心の一角にある場所を通じて、多くの例えばこれまで農業に縁がなかったサラリーマンや、また若い世代に農業を身近に感じてもらう、そういったことが目的だと聞いております。  こういった雇われての就農、雇用就農を進めていくには大変新しい方向で斬新的であると私は感じましたが、まず大臣の認識を伺いたいと思います。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 実は先ほどお話ありましたように、実は私、総理とこの間御一緒に行こうと約束をしておったんですが、公務で私は果たせませんで、この次、常田副大臣と行こうねとさっき約束したところです。非常に興味のあることでございますし、総理からもお話を伺いました。  そこで、株式会社パソナの取組は、都市住民が農業に対する理解を深めたり、あるいはまた最先端の農業に触れる機会や職業として農業を考える機会を提供するという点で非常に注目すべきものだと認識いたしております。  また、将来の農業の担い手を育てていく上でも、農業内外からチャレンジ精神を持った新規就農者を迎え入れ、育成していくことが重要であります。  その意味で、平成二十七年を目標年次とする農業構造の展望(案)では、将来の担い手たる法人経営を一万経営体育成することとしておりまして、その意味で雇用形態での就農はこのような動きを支えるものと考えております。これはまた、自ら経営を開始する場合の技術あるいは経営面でのハードルを低くする、できるというメリットもあることから、農林水産省としてはこのあれを積極的に応援していきたいと、こう考えております。

谷合正明公明党

○谷合正明君 是非その視察へ行っていただきたいと思いますが、そこには新規就農として新たに秋田県の大潟村に研修して、今度本当にプロ農家として巣立つという若い人がおりますので、是非そういった方の声を聞いていただきたいと思います。  続きまして、森林の話題、違法伐採について伺いたいと思います。  地球環境を守る上で違法伐採の問題は非常に重要な問題であると認識しておりますが、現在、世界の違法伐採の状況がどのようになっているのか伺いたいと思います。

前田直登林野庁長官

○政府参考人(前田直登君) 違法伐採につきましては、一般的にはそれぞれの国の法令に反して行われる伐採、これを指すというふうに考えられておりまして、違法伐採が多いと考えられている地域といたしましては、東南アジア、ロシア、アフリカ、ブラジルなどが挙げられております。  これらの違法伐採の実態の把握、大変難しい状況にあるわけでありますが、例えばインドネシアにつきましては、英国とインドネシア両政府の合同調査によりますと、生産される木材の五〇%以上が違法伐採木材であるというふうに報告されております。また、ロシアにつきましては、伐採される木材の二〇%が違法に伐採されたものであると、そういった環境NGOの報告もございます。  今後とも、二国間協力あるいは地域間協力、こういったものを通じまして違法伐採の実態の把握に努めていきたいというふうに考えている次第です。

谷合正明公明党

○谷合正明君 その違法伐採について、対策でございますけれども、林野庁が今年の二月から本格的な検討を開始したと聞いております。日本はこれまでどういう対策を取ってきたのか、また今後どういう対策を取るんでしょうか。

前田直登林野庁長官

○政府参考人(前田直登君) 違法伐採につきましては、地球規模での環境保全、あるいは持続可能な森林経営の推進にとりまして極めて重要な課題であると、そういったことで、我が国といたしましても、これまで違法に伐採された木材は使用しないといった基本的な考え方に基づきまして取り組んできたところでございます。  具体的には、一つには、二国間協力といたしまして、日本とインドネシアの間における森林現況あるいは伐採状況の把握などの違法伐採対策の協力、これは一昨年でございましたか、日本とインドネシア両大臣で合意して発表したりいたしております。また、地域間協力といたしましては、アジア森林パートナーシップ、AFPと呼んでおりますが、そういったところを通じまして合法性の基準、あるいは木材追跡システムの開発、やってきておりますし、また、多国間協力といたしましては、ITTO、いわゆる国際熱帯木材機関、ここを通じまして違法木材取引の把握などのプロジェクトへの支援、こういったものの取組を行ってきているところでございます。  御案内のように、違法伐採問題につきましては、これまでもG8サミットなどにおいても取り上げてきたところでございまして、今後、輸入国として可能な取組について検討を進めるほか、様々な国際的な場において、関係省庁とも連携しつつ、積極的に取り組んでいきたいというふうに考えている次第でございます。

谷合正明公明党

○谷合正明君 特にアジア諸国の違法伐採の原因については、突き詰めていくと、違法という認識があるわけでもなし、貧困がまた原因であるとも聞いております。そういった観点からも、是非国際協力、あるいは、まあ国際協力という形で、そういう視点も持って日本の取組を世界にアピールしていただきたいと思います。  我が国でも、近年、木材の良さが見直されてきたわけであります。しかし、大部分が輸入木材で、先ほども話にありましたかもしれませんが、輸入木材のうち約二〇%近くが違法伐採に関係していると推測されております。現在、国産木材の利用度は、木材自給率として計算すると一八%でしかありません。農林省は、世界の違法伐採を防ぎ、地球環境を守るためにも、この国産材の利用を高める仕組みづくりに積極的になるべきだと思っております。このことは、地球温暖化の防止のための京都議定書の目標の三・九%、先ほども話がありましたが、そういった実現のためにも必要と考えておりますが、いかがでしょうか。大臣によろしくお願いします。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 国産材の利用拡大は、森林を健全に育成し、国土の保全や地球温暖化防止など各種の機能を発揮させるとともに、林業の活性化を図る上でも極めて重要と考えております。  このため、木材利用の普及啓発や公共施設などへの地域材利用の促進、木質バイオマスエネルギーなど新たな需要の開拓に努めているところであります。また、農林水産省独自でも率先して木材の利用拡大に取り組むべく、木材利用拡大行動計画を策定し、公共土木事業の安全さくを木製とするなど、その推進を図っているところであります。  今後とも、関係府省との連携の強化を図り、国産材の一層の利用拡大に努めてまいりたいと、そう考えております。

谷合正明公明党

○谷合正明君 木材の場合は、食料品と違いまして、消費者に見えにくい、どの木がどこから来ているのか、私、今使っている机がどの国から来ているのか分からない、そういう問題もありまして、この違法伐採も含めまして、この森林、国内の国産木材の利用促進ということに関して言えば、もっと国民に分かりやすくアピールすることも考えていかなければならないと私は思っております。  それで、日本は一九六〇年代から木材の貿易自由化、関税引下げをしてまいりました。そのために大量に木材が輸入されまして、木材の自給率で、先ほど言いましたように、一八%に落ち込んでおります。日本で戦後盛んに行われてきました拡大造林は放置され、利用されておりません。先ほどありましたが、樹齢四十年近い人工杉でも一本が三千円程度しかなく、切れば切るほど赤字になるという現実があります。手入れをしなければ、国土保全、あるいは水資源涵養、二酸化炭素吸収など森林の多面的機能も落ちてしまうわけであります。それらを守るためにも、我が国はきちんと人工林を整備管理していく必要がございます。  林野庁によりますと、人工林だけで国内の木材消費の七割は賄える、そういう、それほど資源は充実してきているということでありますが、この人工林の整備におきましてこの間伐がなかなか進んでいないと。この重要な間伐の推進についてはどのように考えているのか、大臣にお伺いいたします。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。  森林は、国土の保全、あるいは水源涵養などの多面的機能を有しておることはただいま委員が御指摘いただいたとおりであります。これらの機能を十分に発揮するためには、森林の状況に応じて適切に保育やあるいは間伐を行うことが重要であります。  特に、人工林の多くはいまだ育成途上にあることから、間伐の推進は極めて重要でありまして、このため平成十二年度から緊急間伐五か年対策に取り組んできたところであります。さらに、平成十七年度より新たに間伐等推進三か年計画に取り組むこととし、年間三十万ヘクタール規模の間伐を進めることとしております。  今後とも、これらの取組を通じて健全で多様な森林の育成に努めてまいりたいと、そう考えます。

谷合正明公明党

○谷合正明君 いずれにしましても、この日本の山が少しおかしくなってきているんではないかと、私はそういう認識をしております。昨年から起きている自然災害の多発の中で、山がいとも簡単に崩れてしまうような現状、あるいは野生動物が人里に下りてきているような現状、いろいろ見てまいりました。このわずかの期間だけでも様々な問題が起きておりますが、こうした山づくり、何十年と掛かる長期的な問題でございますけれども、是非とも全力を挙げて取り組んでいただきたいと私の方から強く要望させていただきまして、若干早いですけれども、質問を終わりにさせていただきます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  最初に、BSEの問題から質問いたします。  二月八日に、アメリカが示した月齢判定方法について、牛の月齢判別に関する検討会が報告書を出しました。この検討会は、この月齢判定方法を採用するためには、留意点として追加的検証又は実施後のフォローアップを求めています。  なぜこういう留意点が付けられたんでしょうか。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 二月八日に取りまとめられました牛の月齢判別に関する検討会の報告書におきましては、二十一か月齢以上の牛の枝肉を排除する基準として、アメリカで用いられております格付基準でありますAの40というものを採用する場合の留意点、今、先生もお話しになりましたけれども、その留意点の一つといたしまして、A40の有効性を確認するための追加的検証又は実施後のフォローアップが必要であるというふうに指摘をされてございます。  これは、当該報告書におきます統計学的な分析の精度を検証するということ、あるいは報告書での検討結果が実際にも確保されていることを確認をする、そのためにこの追加的検証又は実施後のフォローアップ、そのいずれかはやる必要があるという、そういう委員の方々の御意見が反映されているものでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 最後の報告書がまとめられた第三回検討委員会の会議録ですね、こちら私も読みましたけれども、この中で統計学の専門家から、アメリカが出したデータについて随所で統計上のサンプリングの偏りですとかデータの不十分さが指摘されているわけですね。例えば、その問題の十五か月齢の九十二例のうち九十例がすべて一人の格付員で格付されているという問題ですとか、いろいろな形でこういう意見が出されていると。  ですから、検討会が追加的検証かフォローアップをあえて求めたというのは、やっぱりこのアメリカの出したデータが統計学的にも不十分ということだったんじゃないんでしょうか。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 検討会におきます議論の過程で、若干の制約がある、統計的分析をする上で制約があるというふうな御意見はありましたけれども、ただ、それを踏まえた上で統計学的な分析をした結果といたしまして九九%の信頼度で一・数%といったような、そういう数字が出されているわけでございます。  しかも、この報告書におきましては、この統計的に分析した数字、一・九%であったと思いますが、そういった数字がそれ自体でもって高いとか低いとかということではなくて、このA40というものを用いて二十一か月齢以上の枝肉を排除する、そのことの、手法として使うかどうか、使えるかどうかという判断は、目的物でありますアメリカからの牛の枝肉のBSEリスクそのものの大小というものを踏まえて考えるべきであるというのが今回の検討会の結論でございます。  ですから、その点については食品安全委員会の方で、これは肉のリスクでありますので、それを評価していただいた上で私どもとしては最終的に決めたいというふうに思っております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 米政府関係者が、この検討会が出した追加的検証について日本は繰り返し要求を出してくる、いかがなものかと述べて、現時点で応じないという考えを明らかにしたという報道がされているんですね。  アメリカに対していつこの追加的検証を要求したのか、またその回答は正式に出されたのかどうか、この点どうですか。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 先ほど申し上げましたように、この報告書が取りまとめられましたのは二月の八日でございます。直ちにアメリカ側にその検討会の報告書の内容を伝えました。中身について説明もいたしましたし、今御指摘がありました留意点につきましても具体的にそのことをアメリカ側に要請をし、対応を要請したところであります。  その後、随時アメリカとは事務的な協議を進めているところでありますけれども、具体的な回答は現在のところ得られていないということでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 専門家が留意点として求めている以上、アメリカ側がこの追加的検証に応じないというふうに言った場合、月齢判定法の採用の前提が崩れるわけで、その場合、A40による線引きというのは採用不可能にすべきじゃないかと思いますけれども、どうでしょう。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) 実際に月齢判別方法としてこのA40を用いるかどうかというまでには、まだまだいろんな段階がございます。先ほども御答弁申し上げましたけれども、まずは食品安全委員会で国内のBSE措置についての答申をいただくことがその一つのステップでありますし、その後、今度は具体的にアメリカ側との条件を整えた上で、改めて米国からの輸入の条件について、その下での牛肉の、アメリカから入ってくる牛肉のBSEリスクについて食品安全委員会で審議をいただくということになります。  その審議の過程でも様々な議論がされますでしょうし、私どもとしても、この間を利用してアメリカ側に引き続き、月齢判別に関する検討会の報告書で指摘をされている留意点について、その実施方を要求をしていきたいというふうに思っております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 報告書は、A40の評価決定ポイントということで言われている、これは骨の部分の名前だと思うんで、ちょっと難しいんです。仙椎の明確な分離、それから腰椎棘突起というんですかね、棘突起の上部の部分的な骨化、骨、硬くなる部分だと思うんですけれども、等は、若い牛の特徴ではあるが、これらの特徴に基づく月齢判定については、従来の生物学の分野では十分な知見がないと認めています。  生物学的にも十分な知見がない状態で、かつ統計学的にも不十分で、しかも検査する当事者であるアメリカの検査官の労組の委員長は、肉の色や骨の硬さを見て判断することは非常に困難だ、科学的根拠に欠けるというふうにNHKの取材に答えているわけですね。  格付ではなくて、やっぱり食の安全に係る基準を、生物学的にも知見がなく、米国の検査官も科学的根拠がないというふうに言っているものを採用するのは、科学的知見に基づいて判断をするという政府の立場に反するんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょう。

中川坦農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(中川坦君) この月齢判別に関する検討会でアメリカ側から特別の研究の結果が示される以前、こういった、そもそもA40といったものは、アメリカにおいて流通している牛肉の格付をするために用いられているものでありまして、そのことと月齢判別とということを関連付けて学術的に研究がされたというものは確かにないわけであります。ないからこそ、改めて日本人の専門家、それからアメリカ側の専門家と交えて議論をしながら、これが本当に使えるものかどうかという視点から検討をいただいたわけであります。  その結果といたしまして、報告書の中にもありますように、Aの40とAの50との間を見分けるその視点は、今先生がおっしゃいましたように、腰椎の棘突起の先端の骨化の程度、その他明瞭にその見分けをする箇所というのがあるということが分かっておりますし、そういう意味ではAの40をAの50と見間違えたり、あるいは逆にAの50をAの40と見間違えたりするという点においては、そういうことはありませんと。そこははっきりした判断基準があるということが専門家の結論でございます。  また、このAの40とそれから二十一という、二十一か月齢以上の枝肉がA40に格付されないということの確かさについては、一定のサンプル数を基にして統計学的な分析をしますと、先ほども申し上げましたが、九九%の信頼度でAの、失礼しました、二十一か月齢以上の枝肉がAの40に格付される可能性というのは高くても一・九二%だったという、であろうというのがその統計上から出てくる結論でございます。  この点については、先ほども申し上げましたけれども、そのことだけで是非を云々することではなくて、対象物のリスクというものと併せて考えるべきだというのも報告書に記載されているところでございます。  なお、少し補足させていただきますと、労組の検査官のお話もありましたけれども、通常、アメリカで検査官が格付をしている際には、月齢を意識をしていないのは当然だと思います。それは、現場においては、アメリカの中で肉が格付をするときに判断の基準としてやっているのであって、それは月齢とはアメリカにおいては関係ありません。私ども、アメリカの肉が日本に輸入をされる一つの条件として、月齢を二十か月よりを超えているか超えていないかということが一つの条件になるものですから、それをAの40という格付を使って判別することができるかどうかというのを日本とアメリカとの間で専門家も交えて検討しているわけでありまして、現場の検査官は、そのことと、つまりAの40が二十一かどうかということとは、それは知らないのは当然だというふうにも思います。

紙智子日本共産党

○紙智子君 今いろいろ言われましたけれども、食の安全ということとの判断というふうにはならないというわけですよね。いずれにしても、このような方法で牛肉の安全を左右する基準が決められるということがあってはならないというふうに私は思います。  それで、次、大臣にお聞きしたいんですけれども、アメリカは、五月に開かれるOIE総会に、感染牛の発生頭数が一頭とか二頭だったら牛肉貿易が停止できないルールを提案するというふうにしているわけです。  各国がBSEの清浄化のために今本当に真剣に努力をしているときに、自国の利益だけを考えて、牛肉の安全をないがしろにするような主張だと。これはもう本当受け入れられないというふうに思うわけですけれども、政府としてこのような提案は認められないということは、やっぱり明確に姿勢を示すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) OIEのBSEに関する規約について米国が行った提案につきましては、現時点ではその内容、具体的な内容を承知いたしておりません。また分かりましてから内容を検討したいと思います。  なお、OIEの現行のBSEに関する規約では、牛関係の産品について、輸出国のBSEリスクの程度に応じた貿易条件を定めておりますが、BSEが一頭でも発生すれば貿易を禁止すべきとのルールを一律に定めているわけではありません。しかし、現実にはBSE発生国の牛関係の産品については多くの国が輸入を禁止していると承知しております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 もう一点、大臣、お聞きします。  先ほどもどなたか触れられていましたけれども、今日の日経新聞でも書いています。昨日、ブッシュ大統領が首相に電話で輸入再開を要請すると。小泉総理も、日米関係を害することのないように努力したいというふうに答えているわけです。来週はライス国務長官が訪日をすると。牛肉の輸入再開の時期を具体的に示すように求めたいというふうに報道されているわけです。しかし、国内措置についてもまだ結論が出ていないわけですね。  こういう中で、この後、アメリカ産の牛肉の輸入再開に対する食品安全委員会の評価、これが非常に必要で、とても期日を示す段階には今ないというふうに思うわけですけれども、その立場を明確に米国に示すべきだと思うんですけれども、いかがでしょう。

島村宜伸自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 周囲からどうごらんになっているかは知りませんが、私は一貫して、米国のいろいろな筋のお話に対しては、あくまで我が国の言わば国内措置に準じた、準じたというか従った措置を希望し、同時に、我々はあくまで科学的知見に基づく食の安全と安心を大前提に取り組んでいるので、その点をよく御理解をいただきたい、かたくなにそのことを主張し続けているわけです。  こういうことですから、米国産牛肉の貿易再開に向けては、まず国内措置の見直しについての食品安全委員会の答申を受けた後に消費者の方々などと意見交換を行うこととしているわけでありますが、それらの手続を踏んだ上で、米国産の牛肉の輸入の是非について我々は検討していくことになります。  いずれにいたしましても、この際にも食品安全委員会に諮問し、その答申を踏まえて具体的な輸入条件を決定する考えでありますので、このような手順を踏んで進めることを是非御理解いただきたいと思います。  輸入再開の期日については、現時点においてはしたがって示すことは困難であると、こういうことです。

紙智子日本共産党

○紙智子君 米国に対してもその趣旨、はっきりするということだというふうに思います。  それで、やっぱりのど元を過ぎれば熱さを忘れるということもありますけれども、二〇〇一年に初めて日本でBSEが発生して、本当に大きな被害が出て、大議論がされて、食品安全委員会そのものの設定も、そういう反省という話もさっきありましたけれども、踏まえてなされたものだと思うんです。やっぱりそこで反省された中身というのは、当時も専門家の方たちがやっぱり重要な発言をしていたわけですよ。だから、WHOの勧告に基づいて法的なそういう措置取る必要があると言っていたのにもかかわらず、無視して行政指導にとどめたという問題があったわけで、そういう意味では、そのやっぱり反省点を踏まえて対応していくということが大事だということを申し上げておきたいと思います。  じゃ、ちょっと時間が押してきていますので、次、米価の問題について質問いたします。  それで、ちょっと最初の質問は飛ばしまして、二年間、二年続いて不作ということで、普通なら価格が多少上がるのかと思うんですけれども、米価は下げ止まらない異常な事態になっているというふうに思うんです。  それで、北海道では米の生産者の仮渡し金がもうついに一万円を割るという状況になりました。これは、オーストラリアの米が九千六百五十四円ということなんで、もう並ぶような状況になってきているんですね。この価格では、北海道の大規模な農家、担い手と言われるような農家も生産費をとてもこれ上回れない、下回るものになっちゃうわけです。北海道で全額算入生産費で計算されているのを見ますと一万四千五百九十六円ですから、大幅にこれ生産費下回るということになるわけです。  しかし、担い手経営安定対策の発動はされないんですね。共益経費で、まあ二千五百円ですけれども、差し引いた手取りが九千四百円と言われているわけです。このままでは北海道の米作りは途絶えると。作る人いなくなっちゃうということで、本当に悲痛な声が上がっているんです。  二〇〇五年度からの特例で見直しを行っているわけですけれども、二〇〇四年度の補てんというのはないわけですよね。それで、やっぱり二〇〇四年度産から特例を認めるべきではないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

村上秀徳農林水産省総合食料局長

○政府参考人(村上秀徳君) 担い手経営安定対策の特例の問題でございますけれども、北海道につきましては、先生御指摘のとおり、いろいろ価格の問題、それから実際に発動されるかどうかという問題で、北海道が、この対策の設計をするに当たって、過去三年の価格を取り、それから産地づくり交付金の方に一部その積立ての方を回すというような設計をされたというようなことも、事情もございまして、担い手経営安定対策の発動は今の状況では難しいであろうというふうに見ているわけでございます。  これを、現十六年産について特例といいますか見直しをすべきではないかという御指摘でございますけれども、やはり国の税金とそれから生産者の拠出金で一定の前提の下にその収入の不足分を補うというプログラムを立てたわけでございますので、その後の価格の変動においてその設計を見直すということになりますと、やはり途中でルールを変えるというようなことになるということで適当ではないということで、途中での見直しというのはできないというふうに考えているところでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 農水省は、価格決定、市場に任せても、担い手にはセーフティーネットがあるから大丈夫だというふうに言ってきたわけです。でも実際には、いろいろ回って話を聞いても、空知は米を作っているところなんですけれども、ここの農家の人に聞いても、〇四年産で十八ヘクタール作っていても、去年は十アール当たりで大体七・五俵しか取れないと。八万ぐらいなんですね。これでは経費、それから負債、償還金を支払うと畑の収入があっても組勘は赤字になると。補てんはゼロなわけです。こういう状況ではセーフティーネットとは言えないんじゃないかというふうに思うわけです。  今回、価格下落について、政府の備蓄の管理に対する批判も強く出されているんですね。現在、百万トンが適正備蓄ということなんですけれども、そのうち大半が超古米と。だから、九七年産、九八年産、九九年産入っているわけですね。二〇〇四年の十一月現在で、政府備蓄が六十万トンのうち、この九七年から九九年産以前のお米が五十七万トンなわけですよ。六十万トンのうち五十七万トンがその古い米なわけです。その後、二〇〇四年産を二十五万トンを買い入れているんですけれども、新しい米は三十万トンにすぎないと。  古い米は、私、実は去年申入れもしたわけですけれども、実際食べてみたと。そうしたら、やっぱり古い米はかなりにおいのするのもあるというのが局長のお話だったわけですけれども、やっぱり、備蓄米を今ランクに分けて、昨年の段階で二十六万トンが主食用としては最低ランクのA3ですよ。A1、2、3というふうにいい順から行くわけだけれども、A3だと。実際に消費に堪えないような米を備蓄している状況があると。  もし今年不作だったら、たちまちこれ不足しちゃうんですね。やっぱり、我々はもうこれでは足りないと言ってきたわけですけれども、百万トンの備蓄は農水省が決めたルールなわけで、最低限でも直近のお米でルールどおり買入れをするべきじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょう。

村上秀徳農林水産省総合食料局長

○政府参考人(村上秀徳君) 政府備蓄米の在庫の関係でございますけれども、先生御指摘のとおり、十六年十月末現在で五十七万トンということで、その大部分が九年産から十一年産という状況になっております。  そういう状況の中で、十六年産米の作柄が九八となったようなことを踏まえまして、十六年産米の買入れにつきましては、備蓄の適切な運用を図るという観点から、昨年十一月に策定しました米の需給及び価格の安定に関する基本指針におきまして、本年六月までに四十万トンを買い入れるということにいたしました。これを受けまして、二月までに二十五万トンを買い入れて、残り十五万トンについても四月以降に順次買い入れることにしているところでございます。  政府備蓄米につきまして、古いものについて早く処理をして新しいものに換えるべきという御指摘でございますけれども、全体として、本年六月末には備蓄水準が九十一万トンに回復するというふうに見込んでおりますし、それから生産者団体の方も、十六年産米の需給状況の下で、政府の設定した四十万トンの数量を、これを確実に政府に売り渡すということをまず目標にしているという状況でございます。そういう意味で、今の計画に基づいて粛々と買入れをしていきたいというふうに考えているところでございます。  なお、先生御指摘のその備蓄米のうち品質劣化等により主食用に適さないと判断されたものにつきましては、引き続き主食用以外の用途に処理するということとしておりまして、その需給実態に応じて順次実施することにしているところでございます。  先ほど先生から御指摘ありましたA3というのがございますけれども、これも、Aランクというものは品質的に見て主食用としておおむね供給可能であるというふうに現在のところ判断しているところでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 昨日も、基本計画の答申が出されて、意欲ある担い手を育てるというんですけれども、全く逆だというのが現場の皆さんの率直な声ですよ。しかも、二〇〇三年も戦後最低の収穫量だったわけです。価格の安定に関する政府の責任を放棄した結果で、やっぱり市場に、担い手と食料基地を窮地に陥れると、市場に任せて。これが米改革の目指すあるべき姿なのかということで、本当に強い怒りもあります。  是非そのことを受け止めていただいて、本当に、あるべき姿ということでは、今の実態を踏まえてしっかり農政をやっていただきたいというふうに思います。  以上で質問を終わります。

中川義雄自由民主党

○委員長(中川義雄君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十四分散会

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