財政金融委員会 第16号
- 発言数
- 124 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2005/06/28
会議録
○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十六日、松岡徹君が委員を辞任され、その補欠として広野ただし君が選任されました。 また、去る十七日、島田智哉子君が委員を辞任され、その補欠として大塚耕平君が選任されました。 ─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として防衛施設庁施設部長戸田量弘君外六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、参考人として日本銀行副総裁武藤敏郎君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。 まず、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。伊藤内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(伊藤達也君) 本年六月十七日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、平成十六年十月一日以降平成十七年三月三十一日までを報告対象期間として、その間における破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出申し上げました。 本日、本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、簡単ではございますが、本報告の概要について御説明申し上げます。 初めに、特別危機管理銀行である足利銀行について申し上げます。 足利銀行については、平成十五年十一月二十九日、金融危機対応会議の議を経て、預金保険法第百二条第一項第三号に定める措置を講ずる必要がある旨の認定及び特別危機管理開始決定がなされて以来、同法に基づき所要の措置が講じられてきたところでございますが、報告対象期間中には、昨年十月八日に業務及び財産の状況等に関する報告が提出され、特別危機管理開始決定の公告時における資産及び負債の状況が公表されております。また、同年十二月一日には、平成十六年九月期における経営に関する計画の履行状況の報告が提出されております。 また、本年二月四日、足利銀行により旧経営陣に対し損害賠償を求める三件の訴訟が提起されております。 さらに、本年二月二十八日には、預金保険法第百二十九条第三項に基づき、預金保険機構により五百六十四億円の資産買取りを行う旨の決定が行われ、同年三月二十二日、預金保険機構の委託に基づき整理回収機構により当該資産の買取りが実行されております。 次に、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容について申し上げます。 金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は、報告対象期間中には行われておりません。 続いて、新生銀行及びあおぞら銀行からの預金保険機構による瑕疵担保条項に基づく債権買取りの状況について申し上げます。 報告対象期間中に預金保険機構が引き取った案件は、あおぞら銀行についてはなく、新生銀行については四件で、債権額百三十二億円、支払額百二十二億円となっております。 なお、新生銀行及びあおぞら銀行から預金保険機構が今後新たに引き取る案件はなく、これまでの累計で、新生銀行から引き取った案件は三百三十一件で、債権額一兆二千百十九億円、支払額八千九百二十八億円、あおぞら銀行から引き取った案件は百五十五件で、債権額四千四百五十四億円、支払額三千二百八十六億円となっております。 続いて、預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び政府保証付借入れ等の残高について申し上げます。 破綻金融機関の救済金融機関への営業譲渡等に際し、預金保険機構から救済金融機関に交付される金銭の贈与に係る資金援助は、報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十八兆六千百五十六億円となっております。 また、預金保険機構による破綻金融機関からの資産買取りは、報告対象期間中には足利銀行からの五百六十四億円、これまでの累計で六兆四千二百七十八億円となっております。 これらの預金保険機構による資金援助等に係る本年三月三十一日現在の政府保証付借入れ等の残高は、一般勘定、金融再生勘定、金融機能早期健全化勘定、危機対応勘定及び金融機関等経営基盤強化勘定の各勘定合計で十六兆八千七百四億円となっております。 最後に、参考として報告しております公的資本増強行に対する取組のうち主なものについて申し上げます。 りそなホールディングス及びりそな銀行については、平成十七年三月末までを対象として策定されていた経営健全化計画の見直しが行われ、新しい経営健全化計画が昨年十一月十八日、公表されました。 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところであります。金融庁といたしましては、今後とも、我が国の金融システムの一層の安定の確保に向けて万全を期してまいる所存でございます。 御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○委員長(浅尾慶一郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○平野達男君 民主党・新緑風会の平野でございます。 今日は、破綻金融機関の処理に関連しまして、長銀のゴールドマン・サックスとのフィナンシャルアドバイザー契約について何点か質問させていただきたいと思います。 この件に関しましては、理事懇あるいは理事会の場においても何回か議論させていただきまして、前回の理事会では佐藤監督局長にもおいでいただきました。その議論もありまして、重複は避けまして、できるだけ重複避けた形で質問したいと思いますので、よろしくお願いします。 まず、お手元に資料二枚、今日は用意させていただいております。 一枚目が、新生銀行、旧長銀をめぐる動きということで、おさらい的にちょっとお話をさせていただきたいと思いますが、平成十年の十月に特別公的管理を申請し、破綻が確定しました。これで一時国有化されたわけです。その後十二月に長銀が、今これから議論になるところのフィナンシャルアドバイザーを公募しまして、十一年の二月にはゴールドマン・サックスと契約を締結します。そして、まあいろいろやり取りして、十二年の三月にはニュー・LTCB・パートナーズに譲渡されたということです。 それから、ちなみに、この長銀の処理に当たりましては瑕疵担保条項が国会でも随分議論になりましたが、この瑕疵担保条項の行使期間は三年間ということで、平成十五年二月には終了したと、こういうことです。 一枚めくっていただきますけれども、新生銀行に投入された公的資金の概要ですが、一番目が旧長銀の債務超過分の穴埋めで三兆約六千億。それから、債権の買取りそれから株式、これは旧長銀が持っていた保有株ですね、これが今、預金保険機構で買い取って旧長銀信託に大部分が今、信託されています。それから、瑕疵担保条項に基づく国の買戻し約九千億。これについては後ほどいろいろ質問させていただきます。資本注入が四千百六十六億。合計約七兆九千億という、こういう資金投入の状況になっているわけです。 そこで、こういう状況になって、そもそもそのゴールドマン・サックスというフィナンシャルアドバイザーがどういう役割を果たしたのか。果たして契約したとおり、期待されたとおりの役割を果たしたのか。それを是非国会の場で議論しようじゃないかと、そういう観点で、浅尾、今は委員長ですけれども、浅尾委員が何回も、このゴールドマン・サックスのフィナンシャルアドバイザー契約の契約書の公開をしていただきたいということを当委員会で要求したり、あるいは、その後、民主党の各委員が何回も要求しておりまして、これが一向に実現されていないということであります。 そのフィナンシャルアドバイザー契約の契約の開示につきましては、大きく二つの理由があって開示できないというふうに言われてきました。 一つは金融行政上の支障であると。すなわち、これからもフィナンシャルアドバイザー契約等々があって、そういったことで、その契約金を決めるときなんかの支障になるんだという、まあ金融行政上の支障だと。それからあと、ゴールドマン・サックス自身が自らの経営上非常に支障が出るのでこれは公表したくないと、よってこれは守秘義務があるという二つの理由であったかと思います。 で、今まで佐藤監督局長にもおいでいただきまして聞いたところによりますと、まず金融行政上の支障は、もうフィナンシャルアドバイザーを雇ってやるようなこんな事例は余りないだろうといったこともあって、現時点ではなくなってきていると。残るところは、ゴールドマン・サックスがまだ公開を了解していないと、よってこの守秘義務がまだ掛けられているために公開できないというお話でしたけれども、確認ですけれども、金融担当大臣、私が今このように申し上げたことで間違ってないでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。 平野委員から今御説明をいただいたところでございますけれども、金融庁といたしましては、従来より、金融行政上の支障、そしてゴールドマン・サックス社の反対の二つを開示できない理由として述べてきているところでございますが、仮にGS社が開示を了解すれば、現在は金融行政上の支障は小さくなっているので開示は可能であると考えております。ただし、GS社が開示に反対している場合には、依然として金融行政上の支障は大きいものと認識をいたしているところでございます。 より具体的に説明をさせていただきますと、従来は、GS社がFA契約の開示を了承した場合でも、事後のFA活用に支障を来すおそれを考慮し慎重な対応が必要との認識がございましたが、現在では、長銀の破綻処理時及びその後しばらくの間の状況と現在の状況を比較をいたしてみますと、現在の我が国の金融システムは当時と比べ相対的に安定した状況にあること、他方、当時と比較をして現在は費用面及びノウハウ面も含めFAのすそ野が拡大していること、こういった状況の変化を踏まえますと、開示に伴って生じるFA活用にかかわる支障は小さくなっており、当局側の事情により開示を拒む必要性はなくなっていると考えております。したがって、仮にGS社がFA契約の開示を了承すれば、当庁としては開示は可能であると認識をいたしているところでございます。 一方、GS社が開示に反対しているにもかかわらず当庁がこれを一方的に開示を行った場合には、国家公務員法上の守秘義務に抵触する可能性があり、GS社の反対を押し切って当庁が一方的に開示することは困難であると考えているところでございます。 より具体的に申し上げますと、私企業の競争上の地位その他正当な利益を害することにより経済取引の安定性、信頼性に悪影響が及ぶおそれがあること、民間企業の正当な利益を害することにより損害賠償請求訴訟が提起される可能性も考えられること、今後民間企業との間で守秘性のある契約の締結一般を困難ならしむるおそれがあること、こうしたことに照らしても守秘することの公益は大きいものと考えております。したがいまして、GS社がFA契約の開示に反対している現状におきましては、当庁から開示することは困難であると考えているところでございます。
○平野達男君 今の御答弁の中で、次に私がしようとした質問に対するもう答えもあったのかなと思いますが、守秘義務を守らなければならないということで、それは契約の段階で守秘義務が掛かったということは理解しております。 しかし一方で、今回の長銀の処理に当たりましては、先ほど言いましたように、七兆以上の公的資本注入をし、公的なお金を使っている。大体三兆六千は少なくとももう損失というか戻ってこないお金として確定しております。一方で、それを十億で売ったとも言われています。売って、リップルウッドですね、リップルウッドが中に入っているわけですが、十億で売って、それで最終的に新生銀行が株を上場するときには大体八千億から九千億ぐらいの利益を得たと、利益、含み益を含んで得たというような、そういう経過もありまして、本当にこのゴールドマン・サックスが何をしたんだと、どっち側の立場で仕事したんだと、どれだけの役割を果たしたんだということについては、これはやっぱりきっちり検証していく必要があるんだろうと思います。 そこで、この守秘義務が大事か、ゴールドマン・サックスのその契約を公表することによる国益と公表しないことによる国益、どっちが大事かということが多分問題になってくるんだろうと思います。その観点について、先ほどの答えの中に入っていたのかなという感じもするんですが、簡潔で結構ですから、ちょっと御答弁いただけるでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 今の点についてお答えをさせていただきたいと思います。 GS社がFA契約の開示に反対している中で、当庁がその反対を押し切って一方的に開示をした場合には、先ほども少し申し上げさせていただいたように、私企業の競争上の利益その他正当な利益を害することにより経済取引の安定性、信頼性に悪影響を及ぼすおそれがあること、損害賠償請求訴訟を提起される可能性も考えられること、今後民間企業との間で守秘性のある契約の締結一般を困難ならしめるおそれがあること、こういったことが懸念され、これらの事態を回避し得ることが当庁として国家公務員法上の守秘義務を守ることによる公益と認識をいたしているところであります。 他方、国政調査権の行使によって得られるべき公益につきましては、行政当局が断定的に申し上げる性格のものではございませんが、多額の公的資金が使用された長銀にかかわる破綻処理の事後検証に寄与するということが公益として考えられると思います。 当庁といたしましては、両方の公益というものを比較をいたしますと、GS社がFA契約の開示に反対している現状においては、国家公務員法上の守秘義務を守ることによる公益の方が大きいと判断をいたしているところでございます。 ちなみに、本件FA契約については、情報公開法に基づく当庁の決定に対し開示請求者から異議申立てがあり、それを受けて本年二月に情報公開審査会の答申が出されておりますが、当該答申においても、これを公にすることにより法人の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあると言える旨の判断が示されているところでございます。 なお、当庁といたしましては、国政調査権を背景とした国会からの資料要求の重みについては十分認識をいたしているところであります。GS社に対しては過去数度にわたりFA契約の開示の検討を要請するとともに、国会においても、FA契約の要点に加え、FAの選定基準や選定過程について可能な限り説明をさせていただいてきているところでございます。
○平野達男君 国政調査権の発動によってその資料開示を国会として要求するかどうかというのは、まずこの委員会で議論をした上で、院としてどういうふうな対応をするかということになるかと思います。 ただ、私どもは、いずれにせよ、今回のその長銀の破綻処理に関しましては本当に分からないことだらけだというふうに思っていまして、繰り返しになりますけれども、そもそもゴールドマン・サックスが一体何をしたんだろうかと、どういう役割を果たしたんだろうかということについては、しっかりと国会の中で検証しておくことが必要だというふうに思っております。いずれ、この開示を国会としてあるいは当委員会としてどのように扱うかにつきましては、この委員会としての今後の、今後というか、早急に議論をして方向付けをしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 そこで、要は、今の段階ではゴールドマン・サックスがどうしてもいいと言わないからこれはできないということなんですが、平成十一年の四月の十三日、これは当時の柳澤担当大臣なんですが、このように答えているわけですね。これは浅尾当時委員に対する、質問に対する、開示要求に対する答えです。 ちょっと読ませていただきますと、また公的管理が終わった後、この法律が失効して、こういったことの制度がなくなった後についてはすべてのことを明らかにするわけでございまして、そのときにまた御批判を賜りたいと私は思いますけれども、今この途上において、この途上においてというのは、ちょっと注釈付けさせていただきますと、今破綻処理期間中であるということを指していると思います、この途上においてそういったことをすべて開示することが今後の制度の運用上本当に適切かどうかということについては、私は責任を持たせていただいている立場からやや疑問に思いますと、このように答えているわけです。 何を言いたいかといいますと、この中では明らかに、この法律が失効して、こういったことの制度がなくなった後についてはすべてのことを明らかにするということは言明しているわけですね。その後、当時の森事務局長が立ちまして、いや、ゴールドマン・サックスがこれは同意しないとできませんよというような補足はあるんですが、当時の柳澤担当大臣は、明らかにこれは公表するということに対して、言葉だけか、ポーズだけか、本音かどうか分かりませんが、こういうことを言っているわけですね。 これ、今聞かれて、担当大臣、今どのように思われるでしょうか。本当は谷垣大臣も金融再生委員長をやられましたから同じことを聞きたいんですけれども、まず今日は伊藤大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 今御指摘のありました柳澤大臣の答弁につきましては、そのような答弁があったということは事実でございますけれども、それと同時に、国としての守秘義務やGS社の了解が必要なことについても言及をされているというふうに理解をいたしております。 また、柳澤大臣の答弁につきましては、長銀の破綻処理について、我が国の金融システムの危機を回避するために要したコストとその成果をどのように評価するかという歴史的な検証に関する将来的な意義についての大きな認識を示されたものではないかと考えているところでございますが、いずれにいたしましても、GS社がFA契約の開示に反対している現状におきましては、当庁から開示することは困難であることについて御理解を賜りたいと思います。
○平野達男君 これ、ずっと議事録をめくっていきますと、ゴールドマン・サックスがとにかく同意しないから開示できないんだということで、どんどん論点が移っているというか、開示できない理由の根拠をそちらに移していっているんですよね。しかし、この段階では柳澤大臣は、そういうことではなくて、やはりきっちり開示をするという、そういう姿勢を明確に出しているわけです。 私は、本当はこれ、柳澤担当大臣にここに来ていただいて、このときの答弁の趣旨をもう一回確認したいぐらいなんですけれども、この段階でやっぱり政府の中できっちりとした意思統一みたいなものができていなかったんではないかと。特に、当時の森事務局長は、金融再生委員会の議事録、これもちょっとぱらぱらめくってみましたけれども、そもそもフィナンシャルアドバイザー契約なんか外に出せないんだみたいなことをここで発言しているんですよね、その趣旨のことを。しかし、にもかかわらず、国会ではこういう答弁をして、どうも浅尾委員の当時の追及が厳しくて、その場限りで逃げたかったのかどうか分かりませんけれども、実に本当に、今こうやって見ますと、不誠実かつ不まじめな答弁ではないかというふうに思います。 これに対するコメントをお聞きするつもりはありません。ただ、機会があれば柳澤担当大臣に参考人として是非ここに来ていただきたいという気持ちはしております。理事会で協議していただきたいということも特にちょっと主張しておきます。
○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまの御発言につきまして、後刻理事会で協議いたします。
○平野達男君 それで、このゴールドマン・サックスのフィナンシャルアドバイザー契約の契約書の提示につきましては、先ほど来から何回も言っていますように、そもそも旧長銀の破綻処理に当たって、ゴールドマン・サックスがどのような役割を果たしたんだということについての検証をしたいんだということを先ほど来から私申し述べてきたとおりです。 このフィナンシャルアドバイザー契約につきましては、なぜ契約をしたかということにつきましては、当時の金融再生委員会の議事録あるいは国会のいろんな答弁なんかを見ていますと、三つあるかなと思います。一つは、早期に特別公的管理を終了すること、それから長銀一体としての譲渡、それからもう一つが公的コストの最小化ということで費用最小化の原則ということが、これは金融再生法の中にも、法律の中にもあるわけですが、この三つではないかと思います。あと、そのほかに透明性とかなんとかとか、いろいろ言われていたと思いますけれども、大体この三つではなかったかと思うんです。 本当は、私どもはこの国会の中で、契約書を見ながら、本当にその三つの目的が達成されたかどうかということを審議したいわけですが、残念ながら今の段階ではできません。しからば、金融庁として、このゴールドマン・サックスかゴールドマン・トランペットだか知りませんけれども、どういう役割を果たしたのかということについての内部の評価をしているはずです。少なくともこの三つの目的を持ってフィナンシャルアドバイザー契約が必要だと言っているわけですから、これについてどのような評価をされているか、これをきちんと答えていただきたいと思います。 特に、繰り返しになりますけれども、約八兆円近くのお金を使ったと。損失も最低限三兆六千、あるいは四兆ぐらいにもう確定しているかもしれません。そういうものを十億で売ったと。伝えられるところによりますと、フィナンシャルアドバイザー契約は数億だというふうにも聞いています。これは本当かどうか分かりません、公表されていませんから。最終的には、それを上場したときには、向こうの企業努力もあったかもしれませんけれども、九千億ぐらいの株の含み益も含めて利益を上げていると。こういう中で、本当にゴールドマン・サックスはどっち側を向いて仕事したんだろうかというような疑問がたくさん出てくるわけです。 そういうことも踏まえた上で、特にこの三番目の公的コストの最小化につきましては、これは本当にどのように評価されているかということについて特に重点を置いて聞きたいと思いますが、ちょっと御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 今、平野委員からも御指摘がございましたように、長銀の処理に際しましては、早期に特別公的管理を終了すること、長銀一体としての譲渡を目指すこと及び公的コストの極小化を図ること、こうしたことを目的に、長銀においてフィナンシャルアドバイザーとしてゴールドマン・サックス社を採用したところでございます。 金融再生委員会におきましては、長銀の資産劣化を防止し、国民負担を軽減する観点から、極力早期に処理することが重要であるという認識の下、長銀及びGS社の協力を得て、国内外の譲渡候補先の候補の中から譲渡先の選定を進めたところでございます。 長銀の処理につきましては、FA活用の目的ごとに具体的に申し上げさせていただきますと、まず第一に、早期に特別公的管理を終了することにつきましては、金融再生法第五十二条において、平成十三年三月三十一日までに特別公的管理を終えるものとされているところでございます。譲渡先を確保し、一年四か月余りで特別公的管理を終了できたところであります。 第二に、長銀一体としての譲渡を目指すことにつきましては、リップルウッド社が中心となって組成したニュー・LTCB・パートナーズ社への株式譲渡により、長銀一体としての譲渡が実現されたところであります。 第三に、公的コストの極小化を図ることにつきましては、FAの協力を得て譲渡先の選定を進め、最終的には金融再生委員会において各候補の提示条件を比較検討し、そしてリップルウッド社の提示条件が金融再生法が定める費用最小化の原則から見て他の候補より優位であること等から、譲渡先として選定をしたものであると承知をいたしているところでございます。 以上のとおり、長銀の処理に当たってのFAの活用については所期の目的に沿って処理が進められたものと考えております。
○平野達男君 その中で、三番目の公的コストの最小化についてですが、ゴールドマン・サックスは具体的にどのようにその中で、契約の中で役割を果たしたんでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 長銀の処理に当たっては、長銀一体としての譲渡という前提の下、GS社は長銀とともに短期間のうちに国内外の多数の譲渡候補先に接触するとともに、金融再生委員会における審議の過程で各譲渡候補先から提示されたビジネスプランの特徴等について意見を述べるなど、最も有利な譲渡先を選定するための作業に従事したものと承知をいたしております。 ちなみに、長銀とGS社との間で締結されたフィナンシャルアドバイザリー契約においては、GS社は長銀に対する第三者から見た公正な評価、譲渡先の選定、譲渡交渉、譲渡スキーム・条件の検討、譲渡契約書の作成にかかわる財務上の助言及び助力を提供することとされていたところでございまして、こうした作業を通じて御指摘の目的に沿った形で処理が進められたものと承知をいたしております。
○平野達男君 いずれ、契約書の内容が明らかにされていませんので、その点、今の答弁に対して具体的にちょっとコメントする材料がないわけですけれども、引き続き、この契約書の開示につきましては当委員会としてしっかり取り組んでいきたいというふうに思っています。 そこで、この旧長銀の破綻処理に関しまして非常に大きな話題、話題というかテーマになったのが瑕疵担保条項です。 先ほどの資料2の中に、三年間の瑕疵担保条項に基づく行使によって国の買戻しが八千九百二十八億円あったというふうに言われています。これは、支払額ベースでは債権額は一兆二千百十九億円。ちなみに、これは譲渡したときの貸出額が大体七兆九千億です。 一兆二千百十九億円というのは、実はこれは細かく言いますと、回収額がこれにちょっと上乗せされるようですが、今日はその話はちょっと捨象しておきまして、一兆二千百億円というふうにまずここで押さえますと、貸出金に対して大体一五%強になりますね。これは、新生銀行側が瑕疵担保条項を有効に使ったということがありまして、かなり保守的な債権管理をしたということはあるにせよ、三年間で一五%もその評価が変わってしまうというのは、今の金融検査からいったらちょっと考えられないことではないかと思うんです。 金融再生委員会でこれ鳴り物入りでやって、これは政府がやった資産査定でございますということで、当時は資産査定に絶対の自信を持っていたはずなんですが、三年間でこれ一五%以上も、実はもうこれ二割、一五%以上も毀損するというのはこれはどのように考えたらいいんでしょうか。 ちなみに、これは一方的に向こうから、これはもううちとしては受け取れませんということではなくて、預金保険機構としっかり協議をして、瑕疵があるあるいは二割以上の減価があると認められたときに両者協議して国が買い取ったものですから、この段階で合意しているわけですね。 しからば、もう一回質問に戻りますけれども、当初の七兆九千億に対して一五%の債権が毀損する、これは一体どういうふうに理解すればよろしいんでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 瑕疵担保条項に基づき新生銀行から解除権が行使されてきた場合は、預金保険機構は、その要件該当性、瑕疵、二割以上の減価、こうしたことを精査をして、要件に該当しないと認められる場合には解除に同意しないこととされております。また、新生銀行の責めに帰すべき事由により発生したロスについては瑕疵には該当せず、預金保険機構は瑕疵担保責任を負わないこととされているところでございます。 このような枠組みの下で、新生銀行から引き取った債権額の累計は約一兆二千億円となっているところでございますが、これは金融再生委員会において特別公的管理の早期終了が求められるという時間的な制約のある中で各債務者の状況把握に最大限努めたものの、当時の厳しい経済情勢の下で資産判定時に見通すことが困難であった債務者の経営悪化要因がその後に顕在化した結果ではないかと考えているところでございます。
○平野達男君 是非、その当時も金融検査やっているはずですから、金融検査やって資産査定したのが三年間で一五%も毀損した例があるかどうか、これを確認されたらいいと思います。 極めて短い時間でやったということでありますけれども、これだけの毀損が出てきたというのは、当時の査定というのは随分やっぱりいい加減なものではなかったかという感じがしますし、もっとたどれば、鳴り物入りで金融再生委員会までつくって査定までしたという資産がこれだけ毀損したのは、その前の銀行の検査というものはどういうものだったろうかという大きな疑問が出てきますよね。 そういった意味も含めまして、この瑕疵担保条項によって国の買戻し八千九百億にも上ったということについては、きちっとやっぱり整理をし、整理というか、なぜこうなったのかということについて金融行政当局としてもしっかり整理をしておく必要があるのではないかと思います。 あと、今日はちょっと時間が短いので、旧長銀関係につきましては、今日は取りあえずこれで質問を終わらせていただきたいと思います。 引き続きまして、中国の通貨の問題、元の問題について谷垣財務大臣にお伺いしたいと思います。 御承知のように、中国は一九九四年から管理変動相場制というのに入っていますが、事実上、一ドル八・三元ということで、ペッグ制で固定された形でずっと推移してきております。ここに来て、アメリカあるいはヨーロッパ、元の切上げすべきじゃないかと。特にアメリカが非常に強い調子でそれを求めてきているということは、もう皆様方御承知のとおりであります。 そこで、我が国がこの元に対してどのように見ているかということなんですが、一説によるとアメリカなんかは過小評価されているというような見方もあるようですが、日本としては、一ドル八・三元、百十円八・三元ということになると思うんですが、これは過小評価されているという理解なんでしょうか。それともどのような、そうでないという見方なんでしょうか。財務大臣、お願いします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 人民元の問題を議論するときに、私もいろんな国際会議あるいは中国のカウンターパートとの議論でいろんなことを申し上げておりますが、日本は、今、平野委員がおっしゃったように、低く見ているのか高く見ているのか、あるいは切上げを要求しているのかという御質問がよくいただくわけでございます。 ただ私は、率直に申し上げて、私個人としての見方はもちろんあるわけですけれども、高いか低いかというような議論を実はしているわけではございませんで、ちょっと委員の御質問に正面から答えないかもしれませんが、私がやっておりますのは、あれだけ中国の経済も大きくなってきて、中国経済の現状を見ておりますと、要するに、何というんでしょうか、過剰流動性と言っていいのかどうか分かりませんが、そういったような現象も見られる中で、あれだけ、九・五%近い成長をして、むしろそれをソフトランディングさせるにはどうするかということを中国当局は一生懸命やっておられる。そうすると、もっと選択の自由度というものが必要じゃないですかと、それには為替のもう少し柔軟性というものが必要ではないですかということを申し上げているわけでありまして、決して高いとか低いとか、低くしろ高くしろということを言っているわけではないわけでございますというお答えを差し当たってさせていただきたいと存じます。
○平野達男君 じゃ、元の通貨が高いか、過小評価であるか過大評価であるか、適正であるかについては今判断できないと、こういうことでしょうか。あるいは、しないということなんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) やはりこれはマーケットがどう見ているかとかいろんなことがあると思いますが、私は、もちろん円についてもそうでございますが、高いとか低いとか、そういう発言は為替については当局者は控えるべきであるということを基本的に考えておりますので、今のような答弁をさせていただいているわけであります。
○平野達男君 ちなみに、政府、政策統括官室が出した「世界経済の潮流」というのがありまして、これ、かなりのページを割いて中国の元についての分析しています。この分析によりますと、過小評価されているかどうかについては、必ずしも世界的にも見解は統一されているわけではないというような客観的な評価になっておるようですね。 しかし同時に、谷垣大臣は、これはロンドンでの日米財務相会談あるいはこの間の中国の天津で開かれたアジア欧州会議でしたか、その中で向こうの財政担当大臣ともお会いして、早期かつ果断な対応を求めるという発言をされておりますね。この早期かつ果断な対応というのは、マスコミでもいろいろ議論されているようですが、ちょっと意味がどういう意味なのか、ちょっと御説明願えるでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 早期かつ果断なというところが大分引用していただいているわけであります。ただ、その前に私がアメリカと、スノー長官とお話ししたときも、先日、金人慶財政部長と議論させていただいたときも常に申し上げていることは、この問題はそれぞれの国のやはり主権の問題でもあり、まず中国において責任を持って判断さるべきことであるということをまず冒頭に必ず申し上げております。 その上で、今の早期かつ果断な対応という、早期という表現についてでありますが、これはさっきも申しましたが、さっきは過剰流動性というような言葉で申しましたけれども、現在、中国国内のマネーサプライというのは非常に増えているわけでございまして、そういった状況と今の中国経済、中国の当局がやろうとしている経済財政政策の方向性をかんがみますと、為替制度の改革をそう遠い先の話として先延ばしするわけにはいかないんではないかということを申し上げているわけであります。 それから、果断なという表現につきましては、中国自身の利益のために為替制度改革については意味のある行動が必要だと。つまり、小出しにしていくようなやり方でありますと、マーケットがさらにまた何かあるんではないかというようなことを思惑を生んでマーケット自体が混乱をすると。そういうことを、何というんでしょうか、そういう思惑を招かないような、形ばかりではない対応が必要であるということを申し上げているつもりであります。
○平野達男君 今、アメリカが元の切上げということをはっきり言っていると思うんですが、急先鋒に立って中国にいろいろ働き掛けをしているということです。ちなみに、アメリカは対中貿易について巨大な貿易赤字を抱えている。それから、ヨーロッパも対中貿易に関しては赤字ですね。日本は、対中ベースでは赤字なんですけれども、香港入れますと大体最近のデータではとんとんぐらいではなかったかと思います。 そうすると、明らかに貿易という観点、貿易の財政赤字の縮小という観点からの中国に対して早期かつ果断な対応を求めているわけではないと。一方で、今財務大臣のいろいろお話を聞いていますと、どうもこれは中国国内の問題だと見ておられます。しかし同時に、中国国内の問題なんですけれども、中国がその為替改革についてそれを先送りにしますと、今もいわゆる固定相場制を維持するために相当のコストが掛かっている、不胎化についてももう利かなくなっているんじゃないかと、お金がじゃぶじゃぶになっちゃってそのうちインフレが起きるんじゃないかとか、いろんなことを言われています。 そういう中で、やはり中国も早期にその為替の改革について取り組むことが中国のみならず日本の国益にもなるんだという、そういうスタンスというふうに理解してよろしいんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、平野委員がおっしゃっていただいたことは大体私の考えていることでございます。 要するに、この問題を議論するのはいろんな立場があると思いますし、日本の国内でも、中国と競争関係にある方、あるいは中国に投資をしている方という方でもそれぞれ意見はかなり違われるんじゃないかというふうに思いますし、また、今のような貿易の不均衡があるのかないのかというようなことによっても議論する観点は違ってくるというふうに思いますが、私どもの観点は、先ほど申しましたように、中国経済と日本経済、今かかわりも非常に深くなってきておりますし、中国経済自体が非常に大きなものになってきておりますから、委員が指摘されたような懸念がもし顕在化してくると、単に中国の問題だけではなくて、我が国にもあるいは世界経済にも非常に与える影響は大きいと。そういうことで、政策の選択肢を広くして、何というんでしょうか、世界経済の中で安定的な動きをするためには人民元のフレキシビリティーが、柔軟性が必要だと、こういう考え方でございます。
○平野達男君 アメリカの中でも、スノー財務長官とグリーンスパンさんでは、要するに同じことを言っていてもその理由がちょっと違っているようでして、スノーさんはあくまでも、スノー財務長官はあくまでも貿易赤字の縮小であると、グリーンスパンは元を仮に切り上げたとしても貿易収支のアンバランスをそんなに解消するわけにはいかないだろう、するまでには至らないだろうというようなことで、ちょっと見解も分かれているようですね。 ただ、私が言いたいのは、今年の六月二十一日に、ロンドンでの日米財務相会談で谷垣大臣は、これ、新聞にはスノー財務長官と足並みをそろえたという、そういう報道になっているわけです。で、今の財務大臣とスノー財務大臣が、谷垣財務大臣とスノー財務大臣、スノー財務大臣の話、私、直接聞いたわけじゃなくてマスコミからしか情報は入っていませんからきっちりとした比較をすることはできませんが、少なくとも今財務大臣の、谷垣財務大臣との話を聞いた段階では随分考え方に開きがあるんじゃないかという感じがします。 つまり、スノー財務長官はあくまでもアメリカの国益を考えている。日本は確かに日本の国益を考えてしゃべっているわけですが、基本的には中国という一つのワンクッションを置いてしゃべっているわけでありまして、そこは日本のスタンスというのはきっちりやっぱり明らかにしてしゃべるということが、しゃべるというか発言していくということが、あるいは日本の財務大臣の考え方としてしっかり申し述べていくということが大事なような気がするんですが、そこはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) おっしゃるとおりだと思います。 それで、スノー長官がどういう角度から私、例えば私との議論でおっしゃっているかということは引用しないのがエチケットだというふうに思いますが、アメリカの議論もいろんな議論が今まであったということは御指摘のとおりだと思います。 で、これはちょっと、やや、こういうところでお答えするには少し踏み込み過ぎた言い方かもしれませんが、アメリカの財務省筋の議論の立て方も最近は我が国の議論の立て方にだんだん近寄っていると言うと語弊はあるかもしれませんが、ある程度我が国の主張の真っ当な点を取り入れていただいている点もあるように感じております。
○平野達男君 一部いろんな評論家の、評論家というか、いわゆるエコノミストの論文というんですか、お話の中には、元が仮に切り上がった場合に、これは巡り巡って円高につながるんだというようなことを主張される方もいるようです。これに対してはどのようにお考えでしょうか。まあ、答えはないんですかね。
○国務大臣(谷垣禎一君) これはいろんな見方があるんだろうと思います。ただ、私は、人民元が変動した場合、それが円にどういう影響を与えていくかということは、直接の関係は、すぐこうなればこうなるという関係ではないんだろうと思います。 市場にいろんな議論がありますので、私の意見というよりも、一つこういう見方があるということで例えば議論の題材にさせていただきますと、仮に人民元が切り上がるとした場合に、その中国の輸出というものがその人民元が切り上がった分だけ落ちていくだろうと。それを代替していくのは日本の役割ではないかと、日本ではないかと。したがって、日本は経済がその分強化されて円の切上げにつながっていくんだろうというような議論も一部にございます。 しかし、日本と中国の貿易の実態というものをよく見てみると、中国が輸出しているようなものに対して、じゃ日本が代替的な役割を果たしているかというと、競合関係に立つかというと、余り立ってないのが現実だろうと思いますから、今のその世上にある議論、例えばそういう議論であるとすると、必ずしもポイントをついた議論ではないのではないかというふうに私は思っておりまして、まあ、こういう議論に対してはどう、ああいう議論に対してはどうというふうには申しませんけれども、私は必ずしも人民元がどうなったら円がこうなるというような論理必然的な関係はないというふうに考えております。
○平野達男君 一部にそういうことが懸念されるから、日本はその中国の元に対しての切上げについては非常に慎重ではないかと言う方もいるということなんで、今ちょっと質問をさせていただきました。 そこで、この為替の世界には不整合な三角形という何か関係があるようで、いわゆる金融政策の自由化、それから為替の安定性、それから資本取引の自由、これ、三つは成り立たないということの原則があるようです。日本の場合は、これは為替の安定というのを事実上、今完全フロート制ではありませんけれども、変動相場制になっていますから、為替の安定性ということを一応捨てた形でほかの二つを取っていると。 で、中国はどうも伝えられているところによると、資本取引の自由、特に資本流出を非常に、国家の管理の下に置いているということのようですね。しかし、中国はもうWTOにも加入しました。これから中国は本当に世界の経済の中で主要な位置を占めていくためには、その資本の取引についてもやっぱり自由化をせざるを得ないと。となると、金融政策の自由化も国家としての自律性も確保したいということになれば、変動相場制に移行するしかないということなんだろうと思います。 しかし、同時に今中国では、これも伝えられるところによりますと、国営企業を中心にして大変な不良債権を抱えていると。で、その不良債権が、今経済が物すごい勢いで伸びていますから、不良債権が表に出てくることはないと。しかし、元の切上げが、その時期と幅によりますけれども、元の切上げがされますと、輸出が伸び悩んで経済が減速すると、その結果不良債権が表に出てくるんじゃないかと、それを警戒してなかなか中国も動きが取れないというふうな指摘もあるようです。 それに対して、中国の今の金融状況といいますか、果たして本当にその元の切上げに、切上げというか見直し、切上げといったらちょっと今財務大臣はお答えしにくくなるかもしれませんので言い換えさせていただきますけれども、元の見直しを、為替の見直しをやれるような金融状況、経済状況があるのかどうかについて、財務大臣の見解をちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、平野委員がおっしゃいましたように、中国の経済、財政の今の状況、現状を見ますと、単に為替の問題だけで判断できない、中国の社会情勢や政治情勢をどう持っていくかという意味での非常に難しい判断も私はあるのだろうというふうに思っておりまして、なかなかここは難しい問題があるだろうと思っております。 他方、先ほど私が申し上げましたような今の中国経済の現状を見れば、もう少し政策選択の幅を広げる道を取らないと、いつまでも続けられるわけではないということも私は間違っていないと思いますので、そういうことを全部含めまして、私は、中国当局がいろいろな状況をよく見ながら最善の道を責任を持って判断していただきたいということをいつも申し上げているわけであります。
○平野達男君 ちょっとこれは質問通告しておりませんでしたけども、いわゆるプラザ合意というのがありまして、日本は円安是正を迫られたということがありまして、プラザ合意以降、円高がかなりの勢いで進んで止まるところを知らなかったというような状況もあります。一説によると、中国はその日本の経験をよく見ていて、軽々に為替の見直しというか、変動相場制に移行をしないんじゃないかというようなことを言う方もおるようです。 で、財務大臣として、その日本のプラザ合意以降のいろんな経験が中国にひょっとして役立つことがあるんではないかというようなことが、もしお感じになる点があれば、是非この場でその考え、その感じておられることを披瀝していただければ有り難いんですが。
○国務大臣(谷垣禎一君) 余り中国当局の選択肢を狭めるようなことは申し上げるのは失礼だと思っておりますが、確かに我が国、プラザ合意というよりやっぱり固定相場制から、一ドル三百六十円から移っていった当時のこと、あの当時の経験で中国に参考にしていただく点はたくさんあるんだろうというふうに思っております。 もちろん、あのプラザ合意も我々にとりまして大きな経験でしたし、そこでの問題点も中国、意識して研究していただいたらそれはいいんだろうと思いますが、私は、どちらかというと固定相場制から移ったときの方がいろいろ、何というんでしょうか、中国に参考になる点が多いんではないかというふうに思っております。
○平野達男君 そろそろ時間になりましたので最後の質問に入らしていただきますけども、今、石油が相当高騰しております。こういう中で例えば中国が元の切上げをやりますと、ますますもって中国、つらくなるんではないかという感じもします。しかし、さはさりながら、今ここで議論されたように、中国もそんなに先送りできないんじゃないか、あるいはしない方がいいんじゃないかというような状況にあることも事実かと思います。 そこで、仮に元の切上げがなされたと想定した場合の日本経済、特に地方経済に与える影響について、これもちょっと通告申し上げなくて恐縮なんですが、どういう影響があるかということについて財務大臣の見解を最後に伺いまして、私の質問、終わらしていただきます。 なぜこんな質問をするかといいますと、前の塩じいじゃなくて、塩川財務大臣は、先鋒に立って、先頭に立って、とにかく元の切上げをせないかぬ、元の見直しをせないかぬということで、その場でおっしゃっていたんですね。で、そのとき、今ちょっとふと思い出しまして、多分あのとき当時の塩川財務大臣が言われたのは地方企業に対する影響が非常に大きいということではなかったかと思うんですが、そういったことを今ちょっと思い出しましたんで、ちょっと今の、財務大臣、見解をちょっとお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私も、もし人民元に何らかの動きがあった場合に日本経済にどういう影響を与えるのかというのは、できるだけいろんな地方に出ましたときも経済人や何かのお話を聞きながら頭を整理しようとしているわけですけど、率直に申し上げて、昔はどちらかというと仮に人民元が切り上がると困るという方が多かったように思いますが、今は業種とかどういう形で仕事をしているかというようなことによってもう御意見がまちまちと言うといけませんが、正に多様な御意見があると思います。それから、仮に人民元が今の水準から変わるとしても、どのぐらいのもので変わるかによってもその状況は全然違ってくるのじゃないかと思います。 ただ、一般論としてあえて申し上げれば、中国の生産コストが上昇することで中国製品の価格は上昇して我が国に安価な製品流入は減少するというのは、ある意味では日本の地方経済にとってはプラスかもしれません。 それから、我が国から中国への直接投資は減少して相対的に我が国の産業の空洞化には歯止めが掛かるという面もあるのではないかというふうに思いますが、他方、中国国内産業と補完的な関係に立っている我が国の産業分野がございますから、そういうところにとっては原材料価格の高騰というのは収益の圧迫要因となるということがあるだろうと思いますし、それから、中国に既に進出して製品を海外に輸出することを目的としておられる企業にとっては売上高の減少につながるというようなこともあろうと思います。 というようなことで、結論はなかなか簡単には申し上げにくいというのが結論でございます。
○平野達男君 終わります。
○広田一君 民主党・新緑風会の広田一でございます。どうかよろしくお願いを申し上げます。 谷垣大臣は、去る五月二十八日に母校東大の五月祭におきまして、後輩に対して以下のような趣旨で御発言をされております。財政規律の維持に闘志を持って挑んでいると、市場に受け止められるような改革が大事であるというふうな御発言をされておりますし、また、去る六月六日には財政制度等審議会の方から平成十八年度予算の編成の基本的な考え方について御報告もされたわけでございます。 そこで、まずお伺いしたいと思いますけれども、今年度、十七年度達成されましたいわゆる三つの改善、つまり一般歳出の削減と国債の新規発行の減少、そしてさらにはプライマリーバランスの赤字縮小、これは引き続き来年度予算においても闘志を持って取り組んでいかれる御決意なのか、まずこの点についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 我が国の財政は、もう今更この委員会で申し上げるまでもありませんけれども、大変厳しい状況にあるわけですね。 そういう中で、今委員がおっしゃっていただいたような平成十七年度予算の三つの、まあ私が達成と言うとちょっと言い過ぎかもしれませんが、三つ確保できたのは、私はほっと胸をその意味では、もちろん短期、今年だけの話ですが、胸をなで下ろしているわけです。 で、結局平成十八年度にどういう目標を立ててやっていくかということになるわけですが、平成十八年度予算編成に当たっては一般歳出の水準やあるいは新規国債発行額をどうしていくかと、これはまだ財政状況をよく見極める必要があると思います。税収等が例えばどのぐらいになってくるかとか、そういうこともよく見極めなければなりませんので、現段階ではまだ余りはっきりしたことを申し上げにくいんですが、骨太の二〇〇五にもございますように、ああいう方針にのっとって闘志を持って今年も目標を追求していきたいと、こう思っております。
○広田一君 大臣、是非この三つの改善、闘志を持って取り組んでいっていただきたいと思いますけど、何か非常に前段のお話が長くてすぱっと腹に来なかったんですけども、この三つの改善は大臣が先頭に立って取り組んでいっていただけるものと信じて、以下質問をしていきたいというふうに思います。 そうした中で、特に一般歳出の削減についてどのように取り組んでいかれるのかお伺いしたいと思います。 この平成十七年度の予算の場合には、社会保障費を中心とする義務的経費、この自然増が約一・三兆円あるのに対しまして、いわゆる三位一体の改革の関係で一・四兆円削減することができました。いわゆる相殺することによって達成できたということで、地方の側から言わせれば、地方頼みでこの一般歳出が削減されたんじゃないかなというふうに思われるわけなんですが、来年度、この一般歳出の削減について基本的にどの分野をメインにして、どこを柱にしてこの削減に取り組んでいかれるおつもりなのか、この基本的な方針をお示し願いたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 一番基本的なことは、もう聖域なくやらなければいけないということが一番基本ですが、それを大前提として申し上げれば、やはり歳出分野で社会保障分野、今おっしゃったように毎年一兆を超える自然増があると、こういう状況でございますから、それから平成十七年度予算では初めて二十兆円を超えまして、一般歳出の四三・一%という状況でございますので、ここにやはりメスが入りませんと、先ほど申したような三つの目標を今年もやると、頑張れという声援をいただいても、ここを切り込まなきゃ何ともならないんだろうと思います。ですから、第一は社会保障関係費の抑制ということになると思います。 そのほかの分野もいろいろございます。今まで申し上げてきたのは、三位一体等々の御議論がありまして、今年は一応それを、何というんでしょうか、第一段階仕上げる年でありますので、それもしっかりやらなきゃ駄目だと思っておりますし、ほかもいろいろありますが、大どころで申しますとそういうことだろうと思います。
○広田一君 大臣の方から社会保障費の抑制というお話があったんですけども、この点につきましては財政制度等審議会も、先ほど御紹介した基本的な考え方の中で、国の一般会計の社会保障関係費は一般歳出の四割以上を占めており、この自然増の抑制を図ることが我が国財政の持続可能性確保に向けた最大の課題であるというふうに位置付けておられるわけでございますけれども。 そこで、抑制を図っていくということなんですけれども、じゃ、どのように抑制を図っていくのか。例えば今年度、平成十七年度予算において社会保障関係費の自然増、先ほど言ったように一・三兆円あったんですけども、これをいかに抑制して五千億円台にまで削減できたのか、どのような分析をされているのか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 昨年も、今の段階ではまだどのぐらい切り込めるかということに対して確たる見通しを持って、ちょっと今、去年の今ごろの、何かすべて記憶がありませんが、たしか今ごろの段階ではまだどこまで切り込めるかということは非常に不安感を持って主計官、主計局長等々と議論をしていたように思います。 ただ、去年の場合は介護等々も相当やらしていただきましたし、それからやはり補助金改革というようなものも私は大きかったんではないかなと思っております。
○広田一君 いや、その中でも特に社会保障費関係においてなぜ、結果として五千八百三十億円の増加に抑制できたんですけれども、そこがどういった理由でこの額に抑え込むことができたのか、この平成十七年度はどういうふうに分析をしているのか、この点についてちょっともう一度御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) ちょっと去年の、去年というかその過程がよく、余り記憶していないんですが、今申しました補助金と申しますのは、補助金改革と申しましたのは、国民健康保険ですね。国民健康保険で補助金改革をやって、これは都道府県負担というのも入ったわけでありますけれども、それはかなり大きな成果になったというふうに思っております。 それから、先ほど申しました介護等々でも幾つかやりました。ちょっと今の点、十分頭がもう一回整理できておりませんのでこんな御答弁ですが、確かに補助金改革大きかったと思っております。
○広田一君 大臣の御答弁があったように、国民健康保険の地方の負担増というものがあったと思うんですけれども、来年、十八年度もまさか同じような手法で、つまり地方に負担を求める形で国のいわゆる一般歳出の削減を図るというふうな手法を取られるのかどうか。具体的には生活保護費について、これを社会保障費抑制の大きな柱として考えていらっしゃるかどうか、この点については明確な御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 生活保護と、それから児童扶養手当につきましては、去年十一月に政府・与党合意を結びましたときに、地方団体が参加する協議機関をつくって、この秋に、今年の秋までに結論を得て十八年度から実施するということになっておりまして、現在、地方関係者も入っていただいて協議をしているところでございますので、ここで検討をきちっと進めたいと思っておりますが、どういう形を取れば、特に生活保護につきましては、去年、地方団体の方々は非常に反対論が強かったところでございます。 他方、この生活保護について何らかの合理化といいますか、そういうものを進めなければならないという点においては地方自治関係者とも全く大きな意味でのコンセンサスがあるんだろうと思っておりますので、どういう解決をしたらいいかということについてはこれからよくその協議会で詰めていきたいと思っております。
○広田一君 これは御通告していないんですけども、今井副大臣、地方の自治の経験もあるわけでございますけれども、いわゆる今回の国民健康保険の都道府県負担分の増によって、この前もちょっと地方の方、地元の高知とかに聞いたんですけれども、じゃ自分たちの自主性といったものが大きくなったのかというふうな質問をしましたら、それはほとんど感じられないということなんです。 地方が今非常に不信を持っているのは、いわゆる国の一般歳出削減しなければいけないのはよく分かるんだけれども、それを地方に付け回すような形によって一般歳出が削減されても意味がないんじゃないかと。ではなしに、大臣おっしゃったように、やはりそういう事業自体がスリム化していく、このことによって国、地方を通じたスリム化が達成できなければいけないというふうに思うんですけれども、こういった声が出る中で、同じようにまた来年度も生活保護費について同様の手法を取られるかもしれない、非常にその危険性が高まっているということを地方自治の御経験も長い副大臣はどのような心境で見られているのか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(今井宏君) 広田委員さんの御質問でございますが、おっしゃるように、同じ法定受託事務でありましても生活保護なんかは所得再配分と言っても過言ではないわけでして、これはやはり国の大きな責任があると思っております。特に生活保護なんでございますが、いわゆる該当者が多い地域というものは、その地域の判断というよりも、むしろそれ以外の失業率の問題等々、背景がたくさんございまして、一概に地方の裁量でこれらの問題が処理できる問題ではありません。 したがいまして、これを一律に付け回しという形で行われた場合には、地方の側はかなり悲鳴を上げておりますし、そういったことはあってはならないと。先日も地方の協議の場に参加さしていただきましたけれども、強い意思が地方側から示されているところでありますし、私もそのように考えております。
○広田一君 このように、今非常に懸念するのが、国の一般歳出の削減といったものが三位一体という改革の名の下に地方に付け回すことによってここ近年進められているんじゃないか。是非、こういった主張、繰り返しはもうそろそろやっぱりやめていただきたいというのが地方の声だろうというふうに思います。 確かに、地方財政といったものは国の財政に比べれば健全であると思います、まあプライマリーバランスにしても地方債の累積額にしてもですね。しかしながら、その地方財政自身も歴史的に見れば大変危機的な状況であるには変わりないわけでありまして、よって、先ほど言いましたような国民健康保険の都道府県への負担増とか生活保護費のまた付け回しとか、こういったことは、地方から言わせれば、義務的な経費が増えることによって、そのことによって自分たちが本来独自でやらなければいけない事業が減っていく、このことによって地方財政も硬直化して自主性も損なわれていく、いわゆる国が今進めようとしている三位一体の改革の方向とは逆の方向に行ってしまうんじゃないかと、そういった強い懸念を持っておりますので、是非とも、谷垣財務大臣、その辺も踏まえて率直な議論をして、この点についての改善もお願いしたいというふうに思います。 それでは、ちょっと次の質問に移らさしていただきたいと思いますけれども、今三位一体の改革について御質問さしてもらったんですけれども、一つ谷垣大臣にお聞きしたいのが、私は、財政再建といったものを進めていく上で非常な重要なキーワードは何かというふうに問われたら、その一つが透明性であるというふうに思うわけでございます。これは国の財政においても地方財政でも同じようですし、また、カナダの財政再建の取組なんかを見さしていただいても、予算制度とか予算編成過程の透明性といったものがますます重要になってくるというふうに思うわけですけれども、この透明性の重要性の確保のために大臣としてどのような基本的な認識を持たれているのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) おっしゃるように、改革を進めていく場合に議論の透明性ということがやっぱり必要だろうと思います。 三位一体の改革について申し上げますと、去年秋にいわゆる全体像を取りまとめたわけであります。平成十八年度までの全体像という形で取りまとめたわけでありますけれども、これは、まず基本に地方六団体がまとめた改革案というのがあったわけですね。それで、それを基に地方とも協議を重ねた上でまとめたわけですが、そのプロセスでいろんな議論があったわけですね。相当激しい議論も行われました。 そこで、地方の改革案を実現していくということをまず基本に置いた上で、地方案に対して意見がある場合にはその理由を明らかにして代替案の検討を行うというプロセス。それから、同時に、いろんな役所の考え方や資料等を国と地方の協議の場を通じて公開していくというようなこともやりまして、透明性に配慮しながら進められた面があったと思います。 ただ、多分委員がおっしゃいますのは、先ほど申し上げたような国保なんか、国民健康保険に係る議論等は当初の地方案の中には入ってなかった問題でございまして、むしろ地方案に対しての厚生労働省案という中で出てきたものだったわけですね。ですから、これに対してまたいろいろ御議論もあるのではないかとは思っておりますが、これも何度か協議の場で案を公開して議論をして、透明性にはかなり配慮をしながら進められたのではないかなと私自身は思っております。
○広田一君 地方案についてのやり取りについては前回もちょっと幾つか質疑をさせていただいたわけなんですけれども、今回、ちょっとその地方案にないいわゆる国、地方を通じてのスリム化について、つまりは税源移譲を伴わないスリム化についてお尋ねをしたいと思うんですけれども、この問題につきまして、谷垣大臣、私の初陣の質問のときにお答えをくださったわけなんですけれども、以下のような趣旨のことを述べられております。廃止される補助金の対象事業の中で引き続き地方が主体となって実施する必要がないものは、やめるんだから財源も要らないというふうに言われております。 つまり、これは、国、地方とも行う必要のないものは事業そのものも廃止をする、廃止をするので税源移譲もする必要はないと、こういった理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) この三位一体改革を進めていくときに、いろんな視点があると思いますけれども、やはり国、地方とも財政の再建を求められているわけでありますから、言わば納税者の視点といいますか、不必要なものはやめるとか、あるいはできるだけそれは圧縮していくという努力は当然なければならないんだろうと思います。 したがいまして、もう国、地方ともにやる必要がない、あるいはもっと圧縮していっていいというものについては、そういうことも中に取り込んでいく必要があると考えておりまして、そういう場合は、委員もおっしゃったように、財源移譲というような、税源移譲あるいは財源移譲というような問題にはなってこないんだろうと思います。
○広田一君 私のこの問題についての基本的な考え方は、私はもっとどんどん徹底的にやるべきだという考えでございまして、十七年度は三千億円だったんですけれども、これはもっと強力に推し進めていくべきだというふうに思っております。つまり、もうこの時代に合わなくなった事業については、これは国、地方もやらないということを明確にして推し進めるということは、これは一番、まさしく大臣が言われている国、地方を通じてのスリム化に寄与することだろうというふうに思うわけでございます。 ただ、私自身感じますことは、この税源移譲を伴わないスリム化ということについて余り国と地方との議論がなかったのではないかなというふうに思うわけでございますけれども、ただ、このスリム化というのは十六年から十八年度にかけて取りあえず行うということなんですが、これ、三年間で一体どれぐらいの額をスリム化させるおつもりなのか、ちょっと数字的なお話ですけれども、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 去年は、おっしゃるように、三千十一億円、スリム化の改革をやったわけでございますが、今年はまだ、具体的にどのぐらい持っていくかということについて目安というものがまだできておりません。これから各省庁と議論をして整理をしていきたいと考えている段階でございます。
○広田一君 私がいただいた調査室の資料では、多分十六から十八にかけて約九千億円程度のスリム化をするであろうということでございまして、これは大変大きな額だろうというふうに思います。 これについて、国、地方を通じてのスリム化でありますのでどんどん進めるべきだと思うんですが、先ほど言いましたように、これについて地方自身が余り何か腹に入っていないような気がしてならないんです。といいますのも、先ほど来、大臣、その協議の場というお話がされているんですけれども、地方六団体と国との第八回目の協議の場で、「税源移譲の対象とならない国庫補助負担金のスリム化について」というふうな中で、地方六団体は、このスリム化と称するものに関しては、いかなる内容で、いかなる考えに基づいて行われるものなのか、各省庁及び財務省において明確に説明すべきであるというふうに言っちゃっているわけでございまして、いわゆる先ほど来言いましたような予算編成過程の透明性であるとか説明責任ということであれば、非常によく分からない現状になっているのではないかなというふうに思わざるを得ないわけです。 そこでお伺いしたいんですけれども、このスリム化について、どういった理由でこの事業は今後国、地方を通じて行う必要がないと決められたのか、その廃止をする、予算編成過程での客観的、合理的な基準は果たしてあったのか、この点について御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 去年の例を取って申し上げますと、三千十一億円やったわけですが、大半の二千五百億ほどが公共事業関係費の補助金を整理していったということでございます。 これは、「改革と展望」で、国の公共投資については、景気対策のための大幅な追加が行われていなかった、以前の水準を目安にするという方針を立てておりますので、重点化、効率化を図っていくという、一つはこれを踏まえながらやったわけです。そして、他方で地方の自主性や裁量性を尊重した改革にするということで、まちづくり交付金といったようなものに重点化をしていくと、それから整備の進んだ上下水道とかあるいは地方港湾などに対する補助金をスリム化すると、こういうようなことによって削減を行ったのが大体今の二千五百億ということになるわけでございます。 今年はどういうところでやっていくか、まだこれから各省庁とも議論をしなければならないと思いますが、今年も国と地方の協議の場等々でできるだけ考え方を透明に、オープンにして議論をしながら進めていきたいと思っております。
○広田一君 その公共事業のスリム化について、ちょっとまた後で法定受託事務と絡めてお聞きをしたいというふうに思うんですけれども、これ、ちょっとまた通告をしていなかったので恐縮なんですが、実はその地方六団体が出した同じ資料をばらばらっと見ていますと、別添資料でこのようなものが出てまいったんですけれども。実はこれ、何書いているかといいますと、これは、国は地方に更なる合理化を求めているが、国自身が不合理な補助負担金制度によって無駄を強制していると、スリム化を妨害していると、創意工夫を殺していると、こういった資料が出てるんですけれども、地方もかなり思い切ったことを言っているなというふうに思うわけでございますが、であるんだったら、私は、国の方から地方に対して、じゃ、これは一体具体的にどういうことなのかということを是非示してほしい。 つまり、この国、地方を通じてのスリム化というのは、今回の三位一体の改革の中では十分協議をされていなかったわけです。しかしながら、地方自身がこのように言うんだったら、まさしく国、地方が今後やらなくてもいい事業として一体何があるのかと、このことを出すべきだと。私は、ここまで書くんだったら説明責任あると思うんですよね。 大臣、やっぱり国、地方を通じてのスリム化について地方案を逆に出すべきというこの私の考えについてはどのように思われますでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、やはり無駄なものを削っていく場合にはよく議論をしながら、どういうところを無駄と感じているかという現場の声もやはり十分耳に入れて、頭の中に置いてやらなきゃいけないと思いますから、何を無駄だと思っているかということはどんどん出していただけたら有り難いなと思っております。 私どもとしてやらなきゃならないことはいろいろありますので、先ほどまちづくり交付金というようなことを申しましたけれども、やっぱり私ども、現場、自分の選挙区へ帰りますと、やっぱり町長さんや市長さんからいろんなことを聞いておりまして、なかなか言いたいんだけれども東京行って言いにくいというようなお声も聞かないわけではないんですね。なかなかおっしゃるのも勇気が要るだろうとは思いますが、是非御意見があれば伺わしていただきたいと思っております。
○広田一君 関連して、今井副大臣、地方、ここまで言い切っている分野があるんで、私としては、何か国が一方的にこれは国、地方を通じてのスリム化なんですよというふうに強制されるよりは、地方自身がこれからはこの事業はもう国、地方を通じて必要ないんじゃないかというふうに多分おっしゃっているものがたくさんあるというふうな意味だと思うんですけれども、であるんだったら、やはり地方自身がそういった案と額を出すべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○副大臣(今井宏君) 広田委員の御指摘のとおりだと思うんです。これからはお互いに国も地方も余り甘えの構造で依存体質に甘えることなく、情報の公開のみならず情報をお互いに共有すると、持つということがとても大切なことだと思っております。 現状では、例えば補助金を取りたいためにこの地方にとっては無駄なことまでやらざるを得ない基準なりなんなり、そのとおりやると大変無駄が多いねという地方がたくさん感じていることもあるわけです。わずかな国の助成を取るために大変な事務を強いられているということもございます。そういう意味では、本音で国と信頼関係に基づいて協議の場で明らかにして、お互いに理解を高めていくということがこれからの地方分権にとってとても大切なことだろうと、このように思っています。
○広田一君 どうもありがとうございます。 そうした中で、今回このスリム化について地方から上がっている声として一つありますのが、公共事業関係の中で特に法定受託事務についていろいろな意見が上がっております。この法定受託事務といいますのは、これ地方自治法の第二条の九項の方に書いてあるんですけれども、これは国が本来果たすべき役割のものであって、国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものというふうに規定をされているわけでございます。 去年まで法定受託事務でありながら、事業が廃止され、その上、税源移譲の対象にならなかったものがあろうかと思いますけれども、それはどうしてなのか、どういった理由でこのスリム化の対象になってしまったのか、お示し願いたいと思います。
○副大臣(上田勇君) お答えいたします。 法定受託事務であるかどうかにかかわらず、その財源措置というのは、補助金、負担金で行われるというものもあれば、地方財政措置で行われているものもございまして、その事務ごとに国の利害の度合いなどいろいろの、まあ様々な要素を勘案してその財源措置が行われているというのが実態でございます。 したがって、その事務の性質とその財源措置とが必ずしも対応していないということでございますが、そういうことから、今回、補助金改革に関してもスリム化された事業について財務省としては当該事業が法定受託事務であるかどうかという、そういった観点からの整理は行ってないところでありますので、今、委員から御質問のあったことについて正確にお答えすることはちょっとできないわけでございますが、ただ基本的な考え方としては、法定受託事務であれ、あるいは自治事務であれ、これはやっぱり事業の効率化による予算の縮減を図るということは同じことでありまして、いずれも納税者の負担があるわけでありますので、そういった事業の見直しはそういう事業の性格いかんにかかわらず行っていかなければいけないというふうに考えております。
○広田一君 そうしたら、ちょっと上田副大臣の方にまた重ねてお伺いをしたいんですけれども、確かに法定受託事務であろうが自治事務であろうが、これはもう聖域なく見直していかなければいけないというのは非常によく分かる話でございます。しかしながら、特に法定受託事務というのは、地方分権一括法の中で別表に個別に掲げて、これは、先ほど紹介しましたように、本来国が果たすべき役割のものであるけれども地方にも主体的になってもらっているんだというふうな位置付けだったというふうに思います。ですから、地方の側から言わせれば、これがどうして廃止されたのか分からずに、しかも税源移譲もされていない、交付税措置もない中でどうしてスリム化になってしまったのか、そういった明確な基準、説明がないことについて非常に戸惑っているし、混乱もしているんだろうというふうに思うわけでございます。 ケース・バイ・ケースで個々の事業を見て見直したといえばそれまでになってしまうんですけれども、そうでなく、やはり透明性とか客観性というものは当事者同士でなくて、やはり広く国民や住民、納税者の皆さんでも分かるような形での説明をしていかなければいけないんじゃないか。そういった観点に立ったときに、やはり法定受託事務のスリム化については相当きちっとした説明がなければ到底地方の納得なり住民の理解は得られないんではないかというふうに思いますので、やはりこの点についてはもう少し踏み込んだ御説明をお願いしたいと思います。
○副大臣(上田勇君) お答えいたしますが、若干ちょっと質問の趣旨と異なるかもしれないんですけれども、法定受託事務、自治事務ありますが、それぞれの、これは国が法令等で定めてそれに基づいて地方が行っている事務でありますので、それに対する財源措置が講じられているわけでありますけれども、その財源措置の方法というのは補助金、負担金で行っている場合、それから地財措置で行っている場合というのがございまして、そういう意味で、それぞれの事業ごとの性格によってその財源措置が異なっているということがございます。 補助金改革においては、財源措置が補助金で行われているもので今回スリム化の対象になったものの中に法定受託事務にかかわるものも一部例としては含まれておりますけれども、それらについてはそれぞれの事業の、今委員が御指摘になったとおり、それぞれの事業の内容などを見直して、効率化ができるもの、あるいはその必要性等が低下したものなどの効率化を図っていった結果として、法定受託事務についても、その財源措置が補助金で裏打ちされているものについてもそのスリム化の対象になったものがあるということでございます。
○広田一君 これは逆に言えば、これはやっぱり法定受託事務であるんで、地方の方も非常にこれ毎年やっていた事業だったと思うんです。 例えば、今回の公共事業関係では河川修繕費補助といったものが国、地方を通じてのスリム化になっているんですけれども、うちみたいに非常に西日本を中心に災害が多いところなんかは常日ごろから河川整備というものをやっていかなければいけないと。しかしながら、これが国、地方を通じていわゆる行政がやらなくてもいい仕事なんですよというふうにはなかなか納得がいかないというふうに思うわけです。 そうした場合には、じゃ県単独でこういった法定受託事務をやらざるを得ないというふうな状況になったとき、つまり、先ほど谷垣大臣が交付金化等によってそういったところもカバーできるんだというお話があったんですけれども、あれは四億円以上というふうな制限もございますので、じゃそれ以下のものについては一体どうするのかというふうに考えたときに、ここにぽっかり穴が空いてしまうわけなんですよね。スリム化と称して国も地方もやらなくてもいい、しかし住民とか流域の皆さんにとっては必要な事業としてあると、ここについてしっかりとした議論がなされていないんじゃないですかというのが地方の声だというふうに思うわけです。 個々について言えば、これはもう個々のケース・バイ・ケースの話になるんで私は余り建設的な議論ができないというふうに思いますけれども、であるんだったら、やっぱりこれ自身も地方から出していただいて私は議論するということの方がより透明性の高い建設的なお話ができるんじゃないか。やはり国が一方的に、いや、これは国、地方を通じて必要ないんですという趣旨のお話じゃない、特に法定受託事務としては私はそれは余りなじまないのではないかなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○副大臣(上田勇君) 法定受託事務の中にも、これは法定受託事務というのはすべてその法令で定められて、国が本来行うべきものを地方が行っているという性格ではあるんですが、そうした中にも、国からの補助金や負担金がなくて行われている事業というのも従来から、例えば戸籍の事務とか、そういったものもございます。 他方、例えば生活保護などのようにその大宗の部分が国の財政で賄われているといったものもございまして、そのように事業の性格と財政措置の在り方というのは必ずしもそういう法定受託事務であるか自治事務であるかによって定められているといったことではございません。 そういう意味で、今委員もおっしゃったように、個々の事業のそれぞれの内容に即して検討していかなければいけないことでありますが、今御提案がありましたように、地方のそういった御意見もやっぱりよく聞いていく必要があるというふうに考えておりますので、総務省さん、それからまた地方ともよく協議をしながら、法定受託事務、自治事務、双方できるだけ効率化を図っていけるような方向で努力をしていきたいというふうに思っております。
○広田一君 是非ともよろしくお願いしたいと思います。 続きまして、今井副大臣の方に中期の地方財政ビジョンについてお伺いをしたいというふうに思います。 この中期の地方財政ビジョンというのは、やはり平成十六年度のこれ急激な三位一体の改革の影響で、各県、市町村の予算編成といった、大変大混乱をいたしました。結果として、財政調整的な基金をほとんど取り崩さないと予算が組めないというふうな状態が起きて、地方から不安の声が上がってまいりましたし、その後も財政担当の方々のお話を聞きますと、来年一体どうなるんだろうかということばっかり気になって、本来のいろいろなしなければいけない仕事以上にどうなるんだろうか、どうなるんだろうかということを非常に気にされていると。 そういった意味で、地方財政の予見可能性の向上といった意味でもこの地方の、中期地方財政ビジョンといったものは求められているというふうに思いますし、あわせて、これによって今地方交付税の法定率分が非常にギャップがあるわけなんですけれども、再セットもしていただいて、しっかりとした地方固有の財源を確保していって、安定した運営を図っていくべきだというふうに思います。 ということで、今井副大臣のこの中期の地方財政ビジョンに対するお考えと、一体いつこれを策定するのか。何か計画と決算の乖離を是正した後に云々というお話がありますけれども、これやっているといつになるのか果たしてよく分からなくなりますので、もし年限というものが明示できるようでしたら併せてお答えをいただきたいと思います。
○副大臣(今井宏君) お話しいただきましたように、一昨年の地方財政に対して、とりわけ交付税の削減が大幅だったものですから、各地方自治体、大変な混乱を来したということは事実でございまして、それらの経過も踏まえながら、昨年、財務省等々の御理解もいただく中で財源の確保と、こういうことができたわけでありますが、それにも増して先が見えないという意味では、予見可能性の向上を図らないとせっかくの地方自治体、経営するための経営感覚を発揮して行財政運営を行うことができづらくなるわけでございますので、できやすくするためにもお話の中期地方財政ビジョン、これを策定することがとても大切なことだと私も思っておりますし、先日閣議決定されました、たしか二十一日だと思いますけれども、骨太の二〇〇五におきましても、御指摘の決算乖離の是正、あるいは今後の経営、財政運営に係る見通しを踏まえつつこのビジョンを策定すると、こういうふうに位置付けをされたところでございます。 このビジョンなんでございますが、国の方の主要分野であります公共事業、あるいは安全、社会保障等の国の方針、これとの整合性も図っていかなければ確かなビジョンにはならないわけでございますので、それらも十二分に状況を勘案しながら、特に総務省、総務大臣、地方六団体との協議の場ということも設定されておりまして、六団体、地方の皆さん方の御意見を十二分に聞きながら、策定の時期等を含めまして、具体的な検討を図ってまいりたいと、このように考えておりまして、いつかという御質問でございますが、今お話いたしましたように、国の主要分野の方針、それとの整合性も図りながらなるたけ早い時期に、地方の意向を尊重させていただく中でビジョンを策定していきたいと、このように考えています。
○広田一君 いつかというふうなことには具体的な御答弁はなかったわけでございますけれども、できるだけ早くというふうなお話がございましたんで、是非とも、今の地方の実態を踏まえて、この中期ビジョンというものは非常に求められているというふうに思いますし、安定した地方交付税等の財源を確保するためにも個々に取り組んでいただきたいなというふうに思います。 それで、ちょっと時間の関係で次の質問に移らさせていただきたいと思います。 私も地元を歩いておりますと、高知というところは非常に過疎地域、中山間地域が多いわけでございまして、そういったところに行きますと、今はいわゆる郵政民営化の問題の中で郵便局がなくなってしまうと、これは決して許されないことだというふうなお声を聞くわけでございます。これは、いわゆる年金等が下ろせなくなることによるいわゆる金融過疎というふうに言われているわけですけれども、しかしながら、それともう一方で、ひょっとしたら過疎地域、中山間地域に情報過疎が起きるんじゃないか、そういう懸念の声がございます。 それが、いわゆる二〇一一年までに地上デジタル放送が始まることに伴ってそういった懸念があるわけでございまして、地上デジタル化については様々なメリットがございますし、経済波及効果にしても二百兆円あるというふうに言われておりますので、これは非常にこの日本経済においても大変期待ができるところでありますが、一方、先ほど申し上げましたとおり、地方では難視聴地域が逆に増えてしまうんじゃないかというふうなお話がございます。特に、地方の過疎・中山間地域では中継局の整備が進まず、新たなそういった地域が広がるんじゃないかと、こういうふうな声があるわけでございますけれども、その一番の理由といったものが、二〇一一年までの中継局の整備計画、いわゆる地方ローカル局がどのように中継局を整備していくかというのは全く示されていないわけでございます。よって、民間ローカル局では、経営上の問題であるとか、あとまた時間的な制約なんかを理由にして、この整備が進まないことによって先ほど言ったような問題点が発生するのだと思います。 そこでまず、やっぱり免許を出している国としましては、この二〇一一年の完全デジタル放送化に向けて、ローカルの放送業者が中継局整備のロードマップを早期に策定して公表するよう指導すべきと思いますけれども、この点についての審議官の御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(小笠原倫明君) 今先生から御指摘ございましたように、地上デジタル放送がいつどこで視聴可能になるかということを住民の方々にお示しすることは大変重要なことでございます。そうした観点から、昨年十二月に県庁所在地レベルでは開局の目標時期をロードマップとして公表したところでございますが、それから更に続く中継局につきましては、現在、放送事業者の方々とともに鋭意作業に取り組んでいるところでございます。したがいまして、この作業が終了した段階から、逐次整備されるものからできる限り早く公表してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○広田一君 これ、具体的にいつこの計画を公表するのかということについては、なかなか現時点ではお答えができないということだろうと思いますけど、審議官、これ逆に言えば、これは二〇一一年に向けて間に合わすためには、逆算したら最低ぎりぎりいつまでにこういった計画は公表しなければいけないというふうに思われるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(小笠原倫明君) 現在のアナログのテレビ局のネットワークといいますのは、ある意味では数十年間掛けてこれまで構築されてございますので、大変時間が、二〇一一年までということは大変短いということは承知しております。したがいまして、先ほども申し上げましたが、現在、放送事業者とともに非常に複雑な技術的な計算を、鋭意作業を進めているところでございますので、できる限り早く、例えば可能なものは今年内にも公表してまいりたいというふうに考えております。
○広田一君 可能なものは今年内にというふうなお話がございました。 それで、一つ御確認をさしていただきたいんですけれども、これは、この地上デジタル化というのは先ほど言いましたように非常に期待をされておりますし、経済的な効果も大きいわけでございまして、これ、過去の答弁を聞きましても、国家プロジェクト、国策として進めていくというふうな趣旨のお話がございましたんで、つまり、国策として二〇一一年までに全国広くあまねく地上デジタル放送というユニバーサルサービスを実現するというふうに総務省は決意をしているという理解でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(小笠原倫明君) 一昨年七月のIT戦略本部で、二〇一一年までに地上デジタルテレビジョン放送のデジタル化への移行を完了し、全国どこでもデジタルテレビの映像が受信できるような環境を整備するというふうに明記されておりますので、私ども総務省といたしましても、関係省庁あるいは放送事業者と協力いたしまして、是非この目標達成のために全力で取り組んでいきたいと考えております。
○広田一君 最後になりましたけれども、是非この二〇一一年までの地上デジタル化というものを積極的に推進をしていただきたいと思います。 今、地方のローカル局とか地域の皆さんに聞いても、この点に対して本当に大丈夫なのかという声が上がっているわけでございまして、地域のローカル局が、お話にあったように、数十年掛けてようやくこれだけのカバー、エリアをできたのを、あと六年間で本当にできるのかという率直な疑問とか素朴な不安があるわけでございますので、そういったことを払拭できるように取り組んでいただきますように、そして、その場合には国の財政的な支援も含めて積極的に取り組んでいただきますように要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。 当初、谷垣財務大臣に人民元の話をお聞きしようと思いましたが、先ほど平野委員からもございましたので、日銀の武藤副総裁に最初お聞きしたいと思います。 最近の公表されました議事録等を見さしていただきましても、金融政策決定会合におきまして、この委員の間で残高三十兆から三十五兆という残高維持につきましては意見の相違が出てきていることが明らかになっているわけでございますけれども、例えばアメリカの場合、FEDにおきまして仮に意見の相違がいろいろ出てきた場合、伝統的にと言っていいんでしょうけれども、例外はもちろんあることは承知しておりますけれども、基本的には、議長の意見に対しまして、副議長がそれを、基本的に議長の意見を踏襲していくという一致が見られるわけでございますけれども、日本のこの日銀の金融政策決定会合におきましては、総裁と副総裁、副総裁にせっかく来ていただきましたので、この総裁と副総裁、特に副総裁の一票を投じるときに、そうした明示的なあるいは暗黙的な、あるいは伝統的というか慣行というか、そういった総裁に従っていくというようなことがあるのかないのか。そういう基本方針ないしは暗黙のルールがあるのかどうかということについて、まずお聞きしたいと思います。
○参考人(武藤敏郎君) 日本銀行の政策委員会の審議におきましては、副総裁も含めまして九人の委員がそれぞれ独立して与えられた職務を果たすということになっております。この点は、日本銀行法におきましてそのように法律上明確にされているところでございます。もちろん、その上で、そうして決定されました政策委員会の方針に従いまして、日本銀行の業務を運営するに当たりましては、副総裁は総裁を補佐するということが法律上の役割として決められているわけでございます。実際、今お尋ねの私個人のその金融政策決定会合におきます行動の考え方ということでございますけれども、独立した一委員ということで、私の考えに基づいて与えられた職務を果たしていると、そういうことでございます。
○西田実仁君 これから正念場になっていきますが、本当の意味での成長ということは、すなわち脱デフレということになってくるんだろうと思いますけれども、その際に大変に必要なこととして私自身が認識しておりますのは、日銀の総裁、副総裁の意思疎通というものを、まあ日常的にもやっておられると思いますけれども、より意思疎通を図って、外部からいたずらな理論闘争をしているというふうに変な誤解を受けないようにすることが大事だというふうに私自身は非常に強く思っております。 当然のことながら、この日銀内部におきまして真摯な議論というものを積み重ねて、異なる意見を持っていかれることは当然でありますし、また今おっしゃったように、お一人お一人がそれぞれ独立した一票を持っているわけですので、それは真摯な議論を十分にしていただくことが大事だと思っておりますけれども、いわゆる開かれた日銀というものが自分の主張を声高に叫ぶだけということであってはいけないというふうに思っておりますし、真摯な議論が変な形でこの市場の攪乱要因になってもいけないと、このようにも思っているわけでございまして、いろんな意見があることは、内部でいろんな意見の相違があることは踏まえた上で、いたずらな市場の攪乱要因になるような発言というものがあってはならないんではないかと、このように、これから特に大事な時期を迎えてまいりますので、感じているわけでございますけれども、これにつきましては、副総裁いかがでございましょうか。
○参考人(武藤敏郎君) 最近におきます政策決定会合の場におきまして、現在の量的緩和、三十兆円から三十五兆円程度を維持するということにつきまして、その目標額を引き下げてはどうかという意見が二名の政策委員から出されまして、それをめぐって議論が行われました。そういうことは、これ五月の決定会合でございましたが、既に議事概要という形でも明らかにされております。 御指摘のとおり、いたずらにといいますか、無用の混乱を起こすようなそういう議論は適切でないということは私も重々承知しておりますし、また委員の皆様方もすべて十分分かっていることでありますけれども、やはり透明性ある議論をして、それが日本銀行の中でどういうふうに、どういう考え方によって運営されているのかということがある程度議事概要という形でマーケットの方々に分かっていただくということも実は重要なことでございまして、その辺りの兼ね合いは難しいというところでございますが、九人の委員が、現時点におきましてターゲットを下げる下げないという若干の議論はありますけれども、量的緩和政策を堅持していくと、それが現状において一番大事なことだということについては意見の一致を見ているというふうに私は考えております。
○西田実仁君 この量的緩和策につきましては一致を見ているというお話でございますけれども、あえてそこに超を付けさせていただきますと、この超量的緩和というものについては意見が分かれていると、こういうことだろうと思います。 一つは、いわゆる金融秩序の維持あるいは信用秩序の維持という面からの超量的緩和の役割はもう終わったのではないかという意見が一つございます。もう一方では、超量的緩和は信用秩序の維持だけが目的じゃないんだと、このデフレの脱却ということもこれは意味としてあるんだと、こういうことで意見が分かれているというふうに私は理解しているわけでございますけれども、私が名付けるところによれば、見直し論と、もう一方で絶対維持論というこの二つの考え方の背景にございます経済、あるいは金融市場、あるいは資本市場に対する見方、どういうところがこう乖離しているというふうに理解すればいいのか、副総裁のお答えできる範囲でお答えいただければと思います。
○参考人(武藤敏郎君) 量的緩和政策を基本的にデフレ脱却に向けて堅持していくべきであるということについては意見の一致を見ておるということを申し上げましたけれども、一方、金融市場の状況を見ますと、これは御承知のことかと思いますけれども、最近の金融システム不安の後退を背景といたしまして、金融機関の流動性需要が減少していると、すなわち資金余剰感というのも市場にはあるということでございます。こういうことで、短期の資金供給オペにおきます札割れという現象が発生しておるわけでございます。 この資金需要が弱い場合に、調節運営上の対応によりまして当座預金残高目標を維持するということでやるわけでございますけれども、そのやり方いかんによっては市場機能に悪影響を及ぼす可能性というものも否定できないという面があるわけでございます。 先般の決定は、こうした金融市場の状況というものを踏まえまして、三十兆から三十五兆円程度という当座預金残高目標を維持した上で、金融機関の資金需要が極めて弱いと判断される場合には当座預金残高が一時的に目標値を下回ることがあり得るということとしたわけでございます。 そういうことで、いわゆるなお書きの修正という形で三十兆を下回る可能性というものを認めたわけでございますけれども、これは量的緩和政策の方向転換ではないかというような見方が一部にありますけれども、そういうことでは決してございません。量的緩和政策をむしろより円滑に運営していくためにはどうしたらいいかと、そういう若干の弾力性を持った方がよりスムーズな量的緩和政策を継続できるという、そういう観点からの議論でございます。 三十兆から三十五兆円という当預目標残高を維持した上で、今申し上げましたような弾力性を与えるということは、その市場機能というものを維持しながら資金供給を続けていく上で非常に大事なことであるというふうに思っているわけであります。それが今の政策委員会の多数の意見であるというふうに考えております。
○西田実仁君 この超量的緩和政策によって派生的にゼロ金利政策が生じて、また一種の過剰流動性が端的に現れている例として、このFB、政府短期証券につきまして、その事実をまず御指摘させていただきたいと思いますが、このFBにつきましては、今月、六月に入りまして、平均利回り、最高利回りともにずうっとゼロ%を続けておりまして、FBのゼロ%落札が恒常化しているということでございまして、また応札額も毎回二千二百兆円とか、あるいは二千八百兆円ぐらいの、この二千二百から二千八百兆円というもう天文学的な数字がこのFBに対して応札総額として上げられているわけでございます。 こうしたこの超金融緩和の政策そのものが、一部の識者の間では、金融機関の防波堤から政府の財政破綻の防波堤に変わったんではないかと、こんなようなことを言う識者もいるわけでございますけれども、景気が少しずつ回復してきているという途上において、本来であれば成長の分配というものが一般預金者にも与えられてしかるべきであると。それはすなわち、利子所得という形で一般預金者には景気回復の分配ということが、配当ということが本来なされてしかるべきだと思うわけでありますけれども、それを今逸失している状態にあると。 こういう状況、FBがかなり異常な天文学的な数字であり、ずっとゼロ%金利が、ゼロ%で要するに落札するということが常態化しているこの現状、そしてこれはFBですので、財務省さんに、副大臣にお聞きしたいと思いますけれども、まずFBの発行者である財務省に、こうした現状につきましてどう見ておられて、そしてこれをどういうふうに改善されようとしていくのか。また、日銀さんにも、武藤副総裁にも同じ御質問をその後させていただきたいと思います。
○副大臣(上田勇君) 今、西田委員から御質問がありましたとおり、六月の一日に行われた入札以降、五回連続で平均落札利回り、それから最高落札利回りがともにゼロ%というような状況が続いているのはもう御指摘のとおりでございます。 国債等の入札に当たっては、これはもう市場参加者それぞれのいろんな相場観だとかに基づいて様々な要素を取り入れて判断をし、応札しているものだというふうに思いますので、市場の中ではその要因についていろんな解説等が行われておりますが、我々は発行当局の立場でございますので、そうした要因についてこうだというようなことは、確たるものを申し上げるのはちょっと差し控えさせていただきたいというふうに思っております。
○参考人(武藤敏郎君) 日本銀行のこの量的緩和政策、同時に、消費者物価指数の前年比が安定的にゼロ%以上になるまでこの緩和政策を継続するといういわゆる約束を行っているところでございます。そういうことでございますので、短期金利はおおむねゼロ%近傍で推移しておりまして、その結果、預金金利も極めて低位にあると。先ほど逸失利益というお話ございましたけれども、恐らくこうした預金金利の極めて低い水準というものが家計部門の利子所得というものの減少をもたらしているのではないかということであろうと思います。その点につきましては日本銀行としても十分に認識をしているわけでございます。 ただ、この問題の評価に当たりましては、家計の利子所得の減少という確かに御指摘の面と、もう一方で、企業の借入金利の低下に基づく投資行動に与える好ましい影響ということを含めて、経済活動全般に与えるその効果を総合的に判断するということが必要になるかと思います。 日本銀行としましては、やはりこの日本経済にとって何が最も重要かといいますと、物価安定の下で持続的な成長を実現しているということでございます。消費者物価の前年比、御承知のとおりまだ小幅ではありますけれども、マイナスを続けている現状におきましては、この約束に沿って金融緩和を続けて、金融面から日本経済をしっかりサポートしていくことが必要と、そのために全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
○西田実仁君 先ほど、財務省さんに、副大臣にもう一度お聞きしますが、このFBの入札のやり方を七月からたしか変えられると思いますけれども、どのように変えられ、またそれはどのような効果を考えての変更なのかについて御説明いただければと思います。
○副大臣(上田勇君) 今御質問にありましたとおり、本年の七月から国債等の入札におきます応札上限を導入するということ、また十五年変動利付債の入札方式の変更を行うということなどの入札ルールの見直しを行うことといたしておりまして、五月の第五回の国債市場特別参加者会合後、対外公表を行ったところでございます。 こうした入札ルールの見直しというのは、国債市場特別参加者を始め、市場参加者からの要望を踏まえて実施したものでございまして、市場のニーズをきめ細かく反映した国債等の入札を可能とするというものでありまして、市場参加者からもおおむね好評を受けているというふうに認識しております。
○西田実仁君 最後に谷垣大臣に、先ほどの人民元について、先ほども御質問が詳しくありましたので、私一つだけお聞きしたいと思いますけれども、この人民元、端的に言って切り下げるという議論は基本的にはないわけでありまして、切上げ、柔軟化といったときに、だれも切り下げるということは考えていないわけですけれども、仮にこの人民元が切り上がった場合にどのぐらいの幅かとか、あるいは各業界やいろんな立場によってその及ぼす影響というものが異なるというのは、もう大臣もおっしゃるとおりであろうと思います。 その上で、例えばアメリカでは、繊維産業を中心に、かなり繊維産業の利益をバックにした意見が非常に強く出てきておりますけれども、一方で中国の高成長がもたらすリスクということも非常に指摘されているところでありまして、例えば、資源価格の上昇の問題とか、あるいは低価格輸出攻勢、デフレの輸出というようなことも言われることもございますし、当然人民元が低位に固定されていることでドル高が人為的になされていると、こういうような御指摘もアメリカからは聞こえてくるわけでありまして、日本経済にとってもプラス面もあるし、もちろんマイナス面もあるわけでありまして、アメリカが指摘する繊維産業というのは日本は当てはまらないと思いますけれども、それ以外については、実は日銀が今後の景気についても懸念している原油高の問題にしても、デフレからいかに脱却、デフレ脱却が遅れるんじゃないかという懸念とか、あるいは為替の円高懸念、こうしたことも実は日本経済にもそのまま当てはまるテーマであろうというふうに思っております。 その上でお聞きしたいのは、この人民元が仮に切り上がっていく場合に、そのデメリットの方、メリットの方はどんどん伸ばせばいいわけですけれども、仮にデメリットがあるとした場合に、その準備、その対策の準備というものを怠りなくするべきであるというふうに私自身は思っておりまして、当然為替はもう財務省の所管責任事項でございますけれども、今申し上げたとおり、原油の問題とか産業界に与える影響とか、これは必ずしも財務省だけの守備範囲ではないわけでありまして、こうした人民元が切り上げられた場合に、その悪影響をどれだけ軽減できるかというための検討なり政策の在り方について、財務省を中心としながら、ほかの省庁あるいは日本銀行との対策なり協議の場というものについてどのように今なっているのか、あるいは今後つくられて、既にあると思いますけれども、どのように対策を練られていくのかということについてお聞きして、終わりたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、西田委員からお話がありましたように、どういう人民元改革が進んでいくかによってインパクトも違ってまいりますから、まだ率直に申し上げてよく分からないというのが実情でございますが、そのタイミング、程度、いろんな問題があると思います。私どもはやはりよくその辺りを注意して観察して、その影響が日本にとって悪いものでないように、悪いことがある場合には乗り越えなきゃならぬと、おっしゃるとおりだろうと思います。 それで、政府の中で連絡会議とか検討会議というのを特に設けているわけではありません。ただ、例えば日本経済にどういう影響を与えて、どういう産業からどういう反応があるかというようなことは経済産業省が主として所管しておられることでございますので、実は、今朝も閣議の後、この為替の議論をしてきたということで中川さんとも若干意見交換をしたんですが、閣僚レベルというだけではなくて、いろんなところでそういう緊密を図っていくように現にしておりますし、またこれからも特にその辺りはよくやっていかなければいけないことだろうと思います。 よく、今委員の御指摘を受けて、我々もやりたいと思っております。
○西田実仁君 ありがとうございました。
○大門実紀史君 最初に税制の問題について一つ、二つだけお聞きしたいと思います。谷垣大臣、あと少しだけお付き合いをよろしくお願いいたします。 先日、政府税調の報告で所得税等々の増税案が出てきたわけですけれども、かなりすごい増税案ということでいろいろ取り上げられております。今日はその影響、こんなときにこんなことをやるのかといういろんな議論がありますけれども、今日はその影響というよりも、こういうもの、こういう増税案そのものの基本的な考え方についてだけお聞きしておきたいというふうに思います。 今回、お手元に資料をお配りいたしましたけれども、今回の政府税調報告による個人所得税にかかわる増税案について、一定の前提を置いてですけれども、モデルケースで試算をしてみました。 まず、ちょっと財務省に数字の確認をお願いしたいと思いますけれども、この前提で、細かく読みませんが、それぞれ年収ごとにこういう増税額で間違いないでしょうか。
○政府参考人(福田進君) 今、大門先生お話しになりましたように、今般の政府税調の報告書は、経済社会の構造変化を踏まえまして、言わば個人所得課税の在り方について今後検討すべき主な論点の整理を行ったものでございまして、ここに、表にございますように、その報告による増税云々ということには必ずしもなっていないんじゃないかなというふうに考えられます。いずれにいたしましても、具体的な議論というのは今後審議を深めると、こういうことでございます。 また、この論点整理におきましては、例えば、特定支出控除についての言及がなされておりますし、子育て支援の観点から税額控除も検討課題として取り上げられると、こういったこともございますので、大変恐縮でございますけれども、御指摘のような仮定のケースに基づいた税負担の変動を云々することは差し控えさしていただいた方がよろしいんではないかと考えておる次第でございます。 いずれにいたしましても、この論点整理に掲げられましたいろいろな課題につきまして、今後関係各方面での更なる御議論をいただく必要があるのではないかと私どもは考えている次第でございます。
○大門実紀史君 事前の打合せと違うんですけれども。私は、計算の数字を財務省に、このケースならこういう計算になりますねと。で、なりますと、計算で合っていますということだけ答えていただくはずだったんですけれども。計算は違いますか。それだけ答えてくれますか。
○政府参考人(福田進君) いろんな計算の仕方があろうかと思いますけれども、具体的なことにつきまして、ちょっと前提でここにいただいている資料、報告による増税と年収別負担率ということでございますけれども、報告には増税ということが出ておりませんので今申し上げたような答弁をさせていただいた次第でございます。是非御理解願いたいと存じます。
○大門実紀史君 もういいです。数字的には間違いありません。財務省の担当者に計算してもらってぴったり合っております。 申し上げたいのは、これでどんな影響があるとか増税だとかなんとか、それよりもこういう、税金の、何といいましょうか、仕組み、こういうふうに変えていく仕組みそのものについて大臣に一問だけお伺いしたいわけです。 見てもらったとおり、今度は中堅サラリーマンが直撃されると言われているとおり、試算いたしますと、ケースがいろいろありますが、局長おっしゃったとおり何も決まっているわけではありません。ただ、いろんなケースを、どのケース想定しても同じ方向になっていると、これを申し上げたかったわけです。 ケース1の場合ですと、給与所得一千五百万の人たちのところが一番負担率といいますか、重い負担になっていくと。ケース2だと、給与、サラリーマンでいくと七百万の人が一番重い負担になって、一千五百万ぐらいまではまだ重いのが続きますが、下がっていくと。これは中堅サラリーマンを直撃すると言われているゆえんだと思いますけれども。 全体として見ますと、私、中堅のところ大変なんですけど、全体としますと、何といいますかね、逆進性といいますか、累進がやっぱり緩和される方向になっております。これは、消費税の議論もありますけれども、いろんなこと取り上げてまいりましたけれども、お金がないからいろいろとか、それはおいておいて、税制の在り方として、ずうっと累進が緩和されて、どちらかというと所得の低い人ほど負担が増えてくる方向ばかりが打ち出されています。 政府税調の議論を聞いておりますと、さすがにこの前は、五月の段階では、もうそろそろ高額所得者とか最高税率の見直しとか、そういうところも手を付けないと駄目なんじゃないかという議論が政府税調の中でも出てくるような状況ですね。それでもまだこういう方向ばかりが出されていると。そういう最高税率手を付けろとか何かというのはもうタブーになっているようなところあるんですけれども、みんなで負担を求めるということでいくと、やはりずうっとこの間、所得の中堅から低い人ばっかりに負担が来るような案ばかり出てくるんですけれどもね。 これは前にも大臣と議論いたしましたけれども、所得の再分配の問題、竹中大臣とも議論したときにやっぱり所得の再分配というのは社会にとって大変重要な機能だとおっしゃっていましたし、谷垣大臣もそれは否定するものじゃないと、そういうことも含めて考えなきゃいけないとおっしゃったわけですけれども、こんな方向ばっかり行くと、今でも所得格差が非常に広がっているんですけど、本当に日本がどんな世の中になってしまうのかということをこれを見て感じたんですね。 そういう基本的な税の在り方としてこういう方向を大臣いかがお考えか、もうそれだけ今日お聞きしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今回は論点整理、所得税全体を見直していこうという論点整理でございます。もうくだくだしく申し上げるつもりはありませんけれども、働く環境も違っているし、高齢化も増えている、家族の環境も違うと。それから、もう一つ付け加えますと、三位一体のようなことでやらなきゃいかぬというのがありまして、どういう論点があるかというのを整理いたしまして、それが具体的にどういう数字になってくるかというのはこれからでございます。 今、大門委員がおっしゃった逆進性が強いじゃないかという御議論ですけれども、やっぱり大きな方向としていわゆる所得再分配みたいなものを考えようと思いますと、やっぱり所得税というものを重視せざるを得ない。そして、今のような御議論の前提として、もう一回所得税の機能を取り戻すにはどうしたらいいかということがやっぱり私はあるんだろうと思います。そういう問題点を整理させていただいたわけであります。 それで、この中で、サラリーマンのいわゆる中堅所得者層あるいは逆進性、直撃しているということでございますけれども、例えば子育て支援というようなものは税額控除でやろうという提案もありまして、こういうものは低所得者ほどメリットのあることだろうと思いますし、また実際控除等を考えるに当たりましては、やっぱり実際に申告していただいてもう少し柔軟に考えていったら、申告自体でやる控除も柔軟に考えていったらどうかということも含まれておりますので、全体像はこれからもう少し議論をしていただかなきゃいかぬということだろうと思います。
○大門実紀史君 ありがとうございました。 いずれにしても、間もなく具体的なものがまた来年度税制改正出てくるでしょうから、そのときに本格的な議論はしたいと思います。財務大臣の方はもうこれで私の方は結構でございます。ありがとうございました。 次に、先日取り上げました東京都の新銀行東京について、その後の展開も含めて質問をさせていただきます。 これは、前回申し上げましたとおり、中小企業に貸すための銀行というふうなことで開業したはずでしたけど、もうこの間、いろんな方が借りに行ったらなかなか貸してくれないと。自民党の議員さんと、地元の議員さんとお話ししましたけど、自民党の都議会議員でさえ貸してくれる銀行だと思って相談者連れて行ったら貸してくれないと。もうかんかんになって怒っているというようなことですね。我が党にも相談来ておりますけれども、今いろんなことが起きているところです。 まず、そういうことの前に、この前の問題のちょっと続きだけ簡単にやらしていただきますけれども、この前問題にしたのは、新銀行が金融庁に出した事業計画と記者会見とかリリースでやっている内容とが違うという問題を取り上げさせていただきました。 具体的に言えば、数字が違うのは大変問題だと思いますけれども、一般的にニュースリリースとか記者会見で言っているのは、経常利益だと五十四億ですと。ところが、金融庁に出しているのはわずか四億円と。いろんな数字も違いますし、事業内容として入ってないことを、金融庁に届けていることを公にはしていないという点も指摘したところです。例えば、中小企業に貸すというふうに一般的には言っているんですけれども、金融庁には大企業向けのシンジケートローンとか不動産売買プロジェクト等と書いてあるんですが、それを一切黙ったままと。 これについては、この前、いろいろ指摘さしていただいて、私、都議会でいろいろ東京都が説明するのはもう都議会でやってもらえばいい話で、私が申し上げているのは、金融庁の監督下にあります株式会社新銀行東京が一つの銀行として公に言っていることと金融庁に言っていることが違う問題をこの前指摘したわけですけれども。 前回、佐藤局長にこのままでいいんですかとお聞きしたら、五月十二日ですかね、適切な時期に事業内容等々含めて内容を公表すべきだとおっしゃいました。また、競争上の権利侵害するから事業計画をすぐ公表すべきと金融庁から言えないということも佐藤さんおっしゃったわけですけれども、かみ合わない議論のまま時間が切れちゃったんですが、私はすぐに何も事業計画を公に公表すべきだと申し上げたわけではありません。違うことを言っていることを、その状態がまずいんじゃないかと。だから、大まかな内容を記者会見で言ったっていいわけですよ。リリースしたっていいわけですよね、しょっちゅうやっていますからね。ずうっと黙り続けていると。で、あの後も今も同じ状況です。ずうっと黙っております、金融庁に出した内容についてはですね。この状態はやっぱり私は異常だと思うんですけれども。 普通の銀行はあり得ないですよね。普通の銀行はあり得ないですよね、今これだけの情報開示、ディスクロージャー、説明責任の時代に。違うことを公にずっと宣伝し続けると、普通の銀行ではあり得ないことだと思うんですけれども。まず、この状態はやっぱり異常だと私は思うんですが、この前の経過あるんで、佐藤さん、いかがお考えですか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 御指摘いただきましたように、新銀行東京が実質的な開業時、この四月に行ったプレスリリースにおきまして事業計画として東京都が策定した新銀行マスタープランというのが引用されているということでございまして、これと金融庁に提出した事業計画というものが併存している状態ではないかという御指摘でございますが、このプレスリリースにつきましては、これは新銀行東京が自ら作成した事業計画ではないということもございますので、独立した銀行の情報開示としては好ましいことではないというふうに思っております。 いずれにいたしましても、新銀行東京、御案内のとおり本年四月に本格開業をしたということでございまして、現在、同行におきまして、この本格開業したことを踏まえて中長期の経営計画を検討中というふうに承知をいたしております。この計画をできるだけ早期に公表する方向で検討しているというふうにも聞いておるところでございます。
○大門実紀史君 できるだけ、もう株主総会は先週の金曜日、過ぎましたので、速やかに公表するように金融庁からも指導をしてほしいと思います。 先ほど、中小企業はなかなかお金借りられないという話、申し上げましたが、金利も、やっと借りられても九%、一〇%とか、あるいは上限一五%という、何といいますか、もう商工ローン並みぐらいの話になっておりますし、なかなか困ったところが借りられないという事態が続いています。 私、見てきて驚いたんですけれども、新銀行の上野支店というのは、写真も撮ってきましたけれども、サラ金のビルの隣にあると。非常に都民としては印象の悪いところにあるんですね。何もねらったわけではないでしょうけれども、隣に行ってくれというわけではないでしょうけれども、非常に高い金利を要求されているという実例も出ております。 私、金融庁の関係で問いたいのは、これは新銀行東京の一つの商品でございますけれども、いろいろ融資の条件があります。異様だなと思った点が一つありまして、お金貸すときに当然、税金の申告書とか何か経営内容分かるものを出してくれというのはどこの銀行でもあることです。ところが、新銀行東京はそもそも、大銀行が貸し渋り、貸しはがしやっていると、けしからぬということでつくったはずの銀行にもかかわらず、そういう大銀行とかでさえやらないことをやっています。申告書は税理士さんの判こあるものでなきゃ駄目と、ふだん税理士に頼んでなきゃ駄目ですよということと、個人事業主の場合は青色申告者でなきゃ駄目と。 私、調べてみましたけれども、金融庁にも確認したいと思いますが、大銀行を批判してつくった銀行でありますけれども、大銀行の中で、信託除いてですけれども、こんな条件を付けているところ、同じような商品でこんな条件を付けている銀行ありますか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 信託銀行以外の主要行等におけるその主な中小企業向け無担保融資商品について調べてみた範囲でのお答えでございますけれども、いずれも融資申込みの際に税務申告書等の提出が求められているというのは共通でございますが、新銀行東京のように青色申告を添付することに、そういうケースに限定したり、あるいは税理士の氏名、連絡先の記載のある税務申告書の提出を必須とすると、そういう事例は把握いたしておりません。
○大門実紀史君 ないんですよね。異常な、もう門前払いになっちゃうわけですね。今、不況で税理士さんに頼めなくて、方も増えていますし、どうしてこんなことが、大銀行でさえやらないことを条件付けるのかというふうに思います。 ただ、この商品は金融庁も報告を受けて承認されているはずですけれども、どうしてこういう、ちょっと異常ですよということを指導されなかったんでしょうか。
○政府参考人(佐藤隆文君) 新銀行東京につきましては、開業準備の状況を確認していく中で、業務に係る収支の見込みが良好であるかどうか等、銀行法に基づく銀行免許付与に準じた監督上の対応を講じてきたところであります。 その際に、この銀行の融資商品の内容を含めた事業戦略についても報告を受けておるところでございまして、その中で、同行への融資の申込みの際に提出する税務申告書類等について青色申告書に限定するということ、あるいは税理士の関与が必須とされていることについても報告を受けていたところでございます。 この点についてでございますけれども、こういう無担保、第三者保証不要と、こういう融資商品を前提としたときの銀行サイドの審査の在り方の問題でございますけれども、この場合には、提出される財務諸表の信頼性というものが非常に重要になってまいりますので、言わばそれを確認するための一つの手法ということも言えようかと思います。 他方で、新銀行東京においてこの青色申告であるとかあるいは税理士の関与といった条件を付けていることによりまして、青色以外で税務申告をなさっている事業者、あるいは税理士の関与なしに自ら税務申告を行っている中小企業といったものが同行の潜在的な融資対象から外れることになるということもあり得るんだろうというふうに思います。 いずれにいたしましても、この銀行が具体的にどのような条件により融資商品を提供するか、あるいは審査を行うかということにつきましては、基本的には同行の経営判断の問題であろうかというふうに思っております。 ただ、いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、この銀行の設立目的である東京都内の中小企業に対する金融の円滑化につきまして、この銀行がその役割を十分に果たしていくということを期待をいたしておるところでございます。
○大門実紀史君 個別の経営判断という、そういうことを言い出しますと、かつて大銀行に対して、貸し渋りが大問題になったときに、金融庁は貸し渋りしないようにというふうな努力もされているわけですね、いろんな連絡を含めて。だから、貸し渋りだって個別の経営判断と言い出せば正当化されるというふうになります。こういう門前払いというのは異常でございますので、是非指導をしてもらいたいと思います。 実は、私、昨日行ってきました、新銀行東京本店にですね。審査役と執行役の方、責任ある方が対応していただきましたけれども、このことを伝えたら、知りませんでしたと、ほかの銀行はそうなんですかと、税理士さんの申告とかはもう当たり前だと思ってつい書いちゃいましたと、だから、そういう御意見あれば検討しますというふうに私には言っておりました。 つまり、金融庁はこういうことぐらい言えるはずです。こういうところは指摘できるはずでございます。新しい銀行なので、戸惑い、いろいろ混乱して、そういうことはよく分からなかったというふうにおっしゃっていましたから、いろいろまだ改善できるところありますし、金融庁は余り、何かというと個別の経営判断とか言われますけれども、きちっと指導すべきところはしないとどんどんどんどん変な方向に行くと思いますので、引き続きそういう指導を求めて、私の質問を終わりたいと思います。
○糸数慶子君 糸数慶子です。お願いいたします。 まず、金融担当大臣にお伺いいたします。 ローン担保証券、つまりCLOのこの発行構想についてお伺いいたします。 金融改革プログラムの中には、「活力ある金融システムの創造」の中に、ITの戦略的活用などにおける金融機関の競争力の強化及び金融市場インフラの整備の中で、直接金融あるいは市場型間接金融に対する利用者の信頼を高めて、市場機能を活用した資金仲介、資源配分の発展を促すというふうにされております。 特に、沖縄におきましては、金融特区において、現在、このローン担保証券、つまりCLOの発行構想を進めていますが、この中で、市場型間接金融や証券化、流動化の促進といった観点からこうした取組は評価すべきものというふうに考えますが、私は、この構想について、まず一点目に民間の金融機関が主導している点と、それから二点目に一つの地域にとどまらない広域のCLOであるという点にその特徴があると考えますが、伊藤金融担当大臣はこの点についてどう評価されていらっしゃるのか、まず最初にお伺いいたします。
○国務大臣(伊藤達也君) 今委員からも御紹介がございましたが、金融庁におきましては、昨年末に金融改革プログラムを策定、公表さしていただいたわけでありますけれども、その中で、貸出し債権の流動化、証券化を促進するためのインフラ整備等を打ち出さしていただいているところでございます。 委員からは、沖縄金融特区についてもお触れになられ、そして民間主導で、あるいはその広域性について御指摘があったわけでありますけれども、中小企業ローン資産担保証券市場構想のその実務的な検討が民間の金融専門家の間で沖縄金融特区の場合には進められていると承知をいたしており、こうした動きは沖縄金融特区の発展や貸出し債権の流動化、証券化の促進に向けた民間の自主的な取組として歓迎すべきものと考えており、更に議論が深められることを期待をいたしているところでございます。
○糸数慶子君 このCLOは、民間金融機関において新たなその金融の取組といたしまして取り入れられつつあるわけですが、このCLOに関する行政の取組としては、沖縄の金融特区におけるその取組のほかにも、例えば東京都の債券市場構想やそれから中小企業金融公庫によるこの広域CLOの発行などもあるわけです。 今後、市場形成が進む中で、これらの行政の取組が重複してしまう可能性も懸念されますが、市場インフラ整備のために何が必要というその観点、あるいは最終的に民間主導でこれは進められるべきものである、こうしたこのCLOの発行に関して、過渡的にどの程度行政が関与するのか、そういう観点からもこれらの取組をどう整理して評価すればいいのか、大臣の考えをお伺いいたします。
○国務大臣(伊藤達也君) 今委員からも御指摘がございましたように、沖縄の金融特区におけるCLO発行構想のほかに、東京都の債券市場構想や中小企業金融公庫による広域CLOの発行等の取組が進められていることは私どもとしても承知をいたしておりますが、中小企業向け貸出し債権の証券化は金融機関の証券仲介やリスク管理にかかわる能力向上のための有効な手法の一つであると考えております。 こうしたことから、本年三月に策定、公表させていただいた新しいアクションプログラムにおきましても、中小企業金融の円滑化や金融機関における地域集中リスクの軽減等を図る観点から、地域CLO等の証券化等に関する積極的な取組を参考事例として示しつつ、中小企業の資金調達手法の多様化等に向けた取組を推進するよう、中小地域金融機関に要請をいたしているところでございます。 金融庁といたしましては、金融機関がその経営判断の下、地域の特性というものを十分踏まえて、選択と集中によりそのような取組というものを推進をして、そして具体的な成果が早期に実現をされることを望んでおり、そうした形で進んでいくことが望ましいものではないかと考えているところでございます。
○糸数慶子君 ありがとうございました。 次に、今沖縄で大変大きな問題になっております都市型戦闘訓練施設についてお伺いをしたいと思います。 これは地元の新聞でも昨日そして今日も大きく報道されておりますけれども、この都市型戦闘訓練施設について今月の二十四日に、在沖米軍四軍調整官事務所、これは外務省沖縄事務所に対して都市型戦闘訓練施設の使用を通告をしてきております。その通告の内容をまず最初に明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(河相周夫君) お答え申し上げます。 御指摘がございましたとおり、二十四日、在沖縄米軍四軍調整官事務所より外務省の沖縄事務所に対しまして、二十七日以降、レンジ4の陸軍複合射撃訓練場の使用を開始するという連絡がございました。その際、外務省の沖縄事務所からは、本件訓練については米側として地元の懸念に十分配慮をして、部隊の練度維持のための必要最小限のものにとどめてほしいと、また安全にはくれぐれも万全を期すということを改めて働き掛けをいたしました。これに対しまして米側からは、部隊の練度維持のための必要最小限の使用にとどめるということ、また安全にはくれぐれも万全を期すという回答があった次第でございます。 実際、訓練が、いつから射撃訓練が開始されるかということに関しましては、二十七日以降ということではございますけれども、特定した日付につきまして、これ以上の詳細は米軍の運用に関することでございますので、ここで申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○糸数慶子君 ただいまのそのお話を伺いましたら、これは通告が六月の二十四日にされたわけですね、張り出しといいますか。 普通は、そういう訓練に関しては何日前でしょうか。
○政府参考人(戸田量弘君) お答え申し上げます。 沖縄におきます米軍の実弾射撃に関連します地元への通知につきましては、私ども通常一週間前に行っているところでございます。 本件につきましては、先生先ほど御指摘いただきましたけれども、二十四日に通知させていただいたところでございます。
○糸数慶子君 今伺いましたように、通常なら一週間前、しかし今回は二十四日に通告をして二十七日ということで、実際には昨日は訓練は行われてないわけなんですが、やはり沖縄本島の北部の金武町にある米軍のキャンプ・ハンセンの中のこのレンジ4に建設された都市型戦闘訓練施設は極めて危険な施設です。 外務省沖縄事務所とそれから那覇防衛施設局が二〇〇三年の十一月に明らかにしたこのキャンプ・ハンセン内のレンジ4の都市型訓練施設は、これはアメリカ陸軍、米陸軍の特殊部隊のグリーンベレー用の訓練施設で、米側によりますと、米軍側によりますと、総工費は四億円。施設の内容は、射撃用建物そして突破訓練施設、屋外射撃そして訓練塔、それから管理地区ということで構成されているようですが、この訓練は、建物内の敵に対する小型武器の射撃や、それから扉を壊して、破壊して建物の中へ強行突入をする、あるいはロープによる訓練、懸垂降下訓練などを行うもので、正に対ゲリラ、そして対テロ用の訓練施設ですね。これに関しまして、この射撃用の建物、鉄筋コンクリートの二階建て、そして建物面積が五百八十平方メートル。それから、訓練塔の高さが約十メートル。こういうことを考えていきますと、この管理棟が三つから成り、それから建設面積が七百二十平方メートル。 そして、この基地の問題は、やはりこの施設が民間地域に大変近く、沖縄の幹線道路である沖縄自動車道からたった二百メートルしか離れてないということですね。これは、屋外の訓練はこの自動車道と平行に近い角度で発射されることもあるわけで、少しでもその角度を間違えてしまいますと、走っている車が被弾するという極めて危険な施設になるわけです。 そこで、伊芸区の方では、民間地域にわずか三百メートル近い施設を何とか撤去してくれということで、過去の山火事の例や、それから砲弾のかけらが民家に飛び込んだり、それからガラスが割れたりという、そういう被弾事故がこれまでもありましたので、この伊芸の地域の皆さんがそれこそ一年以上前から決死の覚悟で、そのレンジ4を移転してほしいということで阻止闘争をずっと行ってきたわけですが。 そこで、お伺いいたしますけれども、このレンジ4の施設使用の中止を、こういう金武町の皆さんの立場を考えていきますと、沖縄では県知事や、それから現在、金武町長も昨日も政府関係者にきちんと対応されたということなんですが、是非ともこの訓練の中止をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(河相周夫君) お答え申し上げます。 本件の陸軍複合射撃訓練場の概要につきましては、今委員から御指摘のあったような内容の建物等々があるわけでございます。 政府といたしましては、本射撃訓練場に関しましては、射撃用建物では、流弾若しくは跳弾対策といたしまして、標的の後ろの方に高密度のゴム製の弾丸トラップを使用するとか、また屋外の射撃訓練につきましては、方向としては北西方向ということで、民家若しくは高速道路が走っている方向とは違う方向へ向けてのみ射撃を行うというような措置をとっております。 また、そういう中で、基本的に、政府としてはこれまで国会でも御説明しておりますところでございますけれども、安全、環境には配慮した内容になっているというのが政府の基本的な認識でございます。 片や、御指摘のとおり、地元で住民の方々が非常に不安を持っておられる、懸念を持っておられる、反対の運動がずっと続いてきたということは政府としても十分承知をし、また重くとらえてきたわけでございます。その中で、基本的に安全であるという認識を持ちつつも、地元の御要望を受けまして、このレンジを移設をするということを基本的に決定をいたしまして、できるだけ早急に新しい施設に移していくというのが基本的方向でございます。 ただ、代替施設ができるまでの期間というものがございます。その間につきまして、住民の方々の御懸念、御不安というものも政府としても十分重く受け止めておるわけでございますけれども、片や米軍の練度の維持、ひいては我が国そして極東の平和と安定ということを考えたときに、どうしても米軍の練度維持のための必要最小限な訓練は必要であるという状況の下で、米軍が訓練を行うに当たっては安全にくれぐれも万全を期してほしいということを申し込んでおるところでございます。 また、今般追加的な措置といたしまして、訓練塔から射撃用建物に射撃をする訓練があるわけでございますけれども、追加的な安全措置といたしまして、訓練塔に面した外壁に追加的に高密度のゴムを米軍は設置したというようにも聞いております。また、訓練場使用時には安全性確保のために専任の安全管理者を現地に配置をするというような措置をとっているということでございまして、地元の御懸念いろいろあろうかと思いますけれども、是非とも御理解をいただければと思う所存でございます。
○糸数慶子君 今いろいろと安全に配慮をしているというふうにおっしゃいましたけれども、実は欧米諸国を見ましても、まずこういう都市型の戦闘訓練施設が住宅地から三百メートルしか離れてないという地点にあるということはないんですね。そういう例はありません。今、住民の安全に配慮するというふうにおっしゃいましても、高速道路から二百メートル、しかも民間地域から三百メートルという、そういう環境におきましては、今おっしゃることには説得力を持たないと思います。 なぜかといいますと、過去にもそういう訓練の中でやはり住民地域に直接被弾したという実例があるからなんですね。今いろいろと米軍の張り付けられた項目の中に、例えば高密度のゴムを配置したとか、それからこのレンジ4の複合射撃訓練施設を使用した実弾射撃訓練を行わないというふうに米軍は張り出しの中にきっちり書いてありますけれども、しかし今までに、例えば嘉手納基地の問題でもそうですが、爆音の問題でも取り決めたことが守られないという実態、ましてやこういう都市型戦闘訓練施設の中で今おっしゃるようなことが果たして守られるかどうかというのが疑問であります。 なぜかといいますと、二十四日に告示をして、そして二十七日にまず訓練をすると言われたときの地域の住民の不安ということを考えていただきたいと思います。それこそ正にふだんの生活を捨てて毎日のように、戦場体験をされた八十歳を超えるようなお年寄りや、あるいは仕事を持っているような若者たちが毎日のようにこのキャンプ・ハンセンの基地のゲートの前に座込みをしているという実態を考えますと、本当に不安におののいているというこの地域の皆さんの気持ちを是非とも国は考えていただきまして、しかもこの施設を移転するということが日米の間で取り交わされているわけでございますから、今のレンジ4での訓練というのは即時中止を申し入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(河相周夫君) 繰り返しの答弁になりまして恐縮でございますけれども、先ほども御説明申し上げましたとおり、地元の方々の御懸念、御不安ということにつきましては、政府としてもそれを重く受け止めておるわけでございます。片や、この米軍の部隊の練度維持というものが我が国の安全、極東の平和と安全というものにとってやはり不可欠であるという状況の中で、政府といたしましては、米軍に追加的な安全措置というものをとりながら安全に十分配慮をした形で行ってほしいということを申し入れている次第でございます。
○糸数慶子君 では、防衛施設庁にお伺いいたします。 那覇防衛施設局によりますと、レンジ16への新たな代替訓練施設の建設に向けて既に地形等の調査に入っているということでございますが、この施設建設に向けて、全体的な工期、規模、予算などを明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(戸田量弘君) お答え申し上げます。 このキャンプ・ハンセンのレンジ4におきます米陸軍複合射撃訓練場でございますが、先生御案内のように、レンジ16の奥に日本政府予算で代替施設を建設しまして、レンジ4で予定されていた訓練を移転させるということで具体的な検討作業を行っておるところでございます。当庁、御指摘いただきましたように、五月下旬に移設先の地形図作成等の業務を発注したところでございます。今後、これらの成果を踏まえまして、訓練施設の具体的配置等につきまして米側と調整を行ってまいりたいと思っております。できるだけ早期に本件訓練場の移設を実現してまいりたいと考えておるところでございます。 なお、この具体的な建設工期あるいは建設経費の問題でございますけれども、これは移設先におきます訓練施設の具体的な配置等につきまして詳細に固めないとなかなかこれを申し上げることができないわけでございます。現時点で申し上げることができないことについて御理解賜りたいと思います。 いずれにしましても、私どもとしまして可能な限り早期に本件訓練場移設実現ができるように努力してまいりたいと考えております。
○委員長(浅尾慶一郎君) 糸数君、時間が参っておりますのでまとめてください。
○糸数慶子君 はい。 国の財政が大変な厳しい状況にあり、国民は歳出を見直せという声もあるわけですが、そういう中で改めてまた米軍の訓練施設を日本政府の思いやり予算で造っていくということは、私は大変疑問に思います。 なぜかといいますと、六月二十三日の慰霊の日には小泉総理が直接沖縄においでになりまして、基地の負担軽減ということをはっきりとそのごあいさつの中で触れていらっしゃいました。そうであるならば、本当に沖縄の基地負担の軽減につながるというところに税金を使っていただきたい。このレンジ4の暫定使用の中止、それに続く施設の閉鎖、撤去が実行されてこそ沖縄県民に対する基地負担の軽減になるのではないかということを指摘いたしまして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(浅尾慶一郎君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時四十七分散会