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162回国会参議院2005/06/09

財政金融委員会 第14号

発言数
65
登壇者
11
会派数
5
開催日
2005/06/09

会議録

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る七日、江田五月君が委員を辞任され、その補欠として広田一君が選任されました。     ─────────────

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) 証券取引法の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。伊藤内閣府特命担当大臣。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) ただいま議題となりました証券取引法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  政府は、最近の証券市場をめぐる状況等の変化に対応して、公開買い付け制度や企業情報開示制度の信頼性を確保すると同時に、我が国証券市場の国際競争力の向上を図るため、本法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、公開買い付け制度の信頼性を確保する観点から、公開買い付け制度の適用対象となっていない証券取引所の立会い外取引のうち、相対取引に類似した取引については、買い付け後の株券等保有割合が三分の一を超える場合に公開買い付け制度を適用することとしております。  第二に、企業情報開示制度の信頼性を確保する観点から、子会社が上場会社であって、親会社が上場していないこと等により親会社の企業情報が開示されていない場合について、その親会社に対して情報の開示を義務付けることとしております。  第三に、我が国証券市場の国際競争力の向上を図る観点から、外国会社等が、本国等において適切な開示基準に基づいて英語による開示を行っている場合等には、日本語による要約等の添付を前提として、外国会社等に英語による有価証券報告書の提出を認めることとしております。  以上がこの法律案の提案理由及びその内容でありますが、この法律案につきましては衆議院において修正が行われているところであります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員江崎洋一郎君から説明を聴取いたします。江崎洋一郎君。

江崎洋一郎自由民主党

○衆議院議員(江崎洋一郎君) ただいま議題となりました証券取引法の一部を改正する法律案に対する衆議院における修正部分について、その趣旨説明をいたします。  ディスクロージャーは証券市場を支える最も基本的な制度であり、発行会社が継続開示義務に違反して一般投資家を欺く行為は証券市場に対する挑戦であるとさえ言えるものであります。悪質重大な継続開示義務違反については刑事罰が発動されますが、更に広範に継続開示義務違反を抑止し、規制の実効性を確保するためには、刑事罰に加えて、発行開示義務違反等におけると同様、行政上の措置として課徴金制度を導入することが急務となっております。  衆議院における修正部分は、このような状況にかんがみ、証券市場に対する信頼を確保し、一般投資家を保護するため、継続開示義務違反について次のような課徴金制度を導入することとするものであります。  以下、衆議院における修正部分の概要を申し上げます。  第一に、衆議院における修正部分は、継続開示義務違反に対する課徴金制度を導入するものでありますが、その課徴金の額は、有価証券報告書等については三百万円を原則とし、虚偽記載時の株式等の時価総額の〇・〇〇三%に相当する額が三百万円を超える場合にはその額とすることとしております。また、半期報告書及び臨時報告書等に係る課徴金の額については、有価証券報告書等に係る課徴金の二分の一に相当する額としております。  第二に、罰金と併せて課徴金が課される場合には、その課徴金の額から罰金の額の全額を控除することとしております。  第三に、この法律の施行の日から一年を経過する日までの間に継続開示書類を提出した者については、初回の違反であること、当局による調査開始前に自主的な訂正を実施したこと、再発防止策を講じたことという三要件を満たす場合に課徴金の額を減額することとしております。  第四に、検討規定を置き、「政府は、おおむね二年を目途として、この法律による改正後の課徴金に係る制度の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、課徴金の額の算定方法、その水準及び違反行為の監視のための方策を含め、課徴金に係る制度の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする」こととしております。  以上が証券取引法の一部を改正する法律案に対する衆議院における修正部分の趣旨であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、午後一時まで休憩いたします。    午後零時二十分休憩      ─────・─────    午後一時開会

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、峰崎直樹君が委員を辞任され、その補欠として松岡徹君が選任されました。     ─────────────

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) 財政及び金融等に関する調査のうち、証券市場をめぐる諸問題に関する件を議題といたします。  本日は、本件の調査のため、参考人として株式会社産業再生機構代表取締役社長斉藤惇君、株式会社東京証券取引所代表取締役社長鶴島琢夫君及び日本公認会計士協会会長藤沼亜起君、以上三名の方々に御出席いただいております。  この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。  参考人の皆様におかれましては、御多忙のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。  本委員会におきましては財政及び金融等に関する調査を進めておりますが、本日は特に参考人の皆様から証券市場をめぐる諸問題に関する件について御意見を伺いまして、今後の調査の参考にしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。  これより参考人に対する質疑に入ります。  質疑時間が限られておりますので、簡潔に御答弁いただくようお願い申し上げます。  また、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おき願いたいと存じます。  なお、参考人及び質疑者ともに御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、質疑のある方は順次御発言願います。

山下英利自由民主党

○山下英利君 自由民主党の山下英利でございます。座ったままで失礼をいたします。  本日は、三名の参考人の皆さん、この財政金融委員会、お越しをいただきましてありがとうございました。そしてまた、事前の予定と変わって午後になったということに対しまして、御協力に対して改めて感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。  本日の参考人の皆様方からは意見陳述なしで御質問という形になっておりますので、三人の皆様からそれぞれの立場からの御発言をいただきたいなと思っていることが私はございます。  なお、本日は午前中に会社法の合同審査というのを我々やりました。今、会社法の改正というのが議案としてかかっております。そして、さらに、この当委員会でもこれから証券取引法の一部改正という形で、正に資本市場をめぐる法制度、これの改正ということがどんどんと進んでいくと。そういう中にあって、それぞれのお立場でどのように市場に対して対応されていくのかということについて私はお聞きしたいと思います。  まず、よく言われることであります、特に今年、ライブドア、フジテレビの買収劇のときに盛んに言われていた言葉の中に、会社というのはだれのものなんだという言葉がよく出てまいりました。もちろん、法制度上はそういった規定はございます。しかしながら、本当に、現場にいて、会社とはだれのものか、それを考えながらどこに軸足を置いていくのかということは、それぞれの役割分担を果たす上で大変重要なことではないかなと、私はそのように考えております。  例えば、株主のものである、あるいは従業員のものだ、あるいは債権者のものだというようなことで、いろいろ言われている中で、三人の参考人の皆様方それぞれが、会社というのはだれのものだというふうなところ、お考えとともに、そしてそれぞれの仕事の中で、その考えに基づいて仕事というものをどのように位置付けられているか、それについてお話を伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) じゃ、それぞれお答え願いたいと思いますが、斉藤参考人からお願いいたします。

斉藤惇株式会社産業再生機構代表取締役社長

○参考人(斉藤惇君) それでは、私なりの機構の仕事を通した立場から意見として述べさせていただきたいと思います。  先生まさしく御指摘のとおり、ステークホルダー四グループ、経営者、従業員、そして債権者、そして株主というふうな構成で会社というのはできていると思います。機構の場合、当然旧株主に対しましては大幅減資あるいは一〇〇%の減資というふうな形で責任を問う。つまり、会社は株主のものであるということをある程度認知した上でのオペレーションをやっております。法的にもそれは否めないことだとは思います。  ただ、では株主だけのものであるかというふうな問題になると、株主も二種類あると思います。一つは、非常に増資、あるいは企業のスタート時点から株を持たれる長期的な本当の投資家といいますか、オーナー的な投資家、アメリカでいえばバフェットさんとか、そういうのが一応話題になっているかと思います。ただ、一方では、非常に短期的に持ってマネープレーをする投資家、これも投資家であります。市場で株を買って一か月後には売るというのも投資家である。  これが全く同じ位置付けであるかというと、私は経験的には非常に疑問を持っておりますし、先生御案内のとおり、一九九〇年代、アメリカが経済回復いたしました一番の大きなポイントは、公的年金、カリフォルニアや、あるいは大学の先生あるいは普通の先生方の年金がリスク資本を投入したと。彼らがいわゆる企業のオーナーシップを発揮して、モニターを厳しくして、結果的には自分たちの年金運用のリターンを上げたということで、会社もきれいになったし、厳しい試練を受けたし、それから年金の方もそれを通してハイリターンを得たというような、これがアメリカの二〇〇〇年に至る発展の大原動力になっているわけでありまして、そういう意味では、短期売買者については私は必ずしもこの方々の会社はものであるというのはいかがなものかというふうにも思います。  ただ、一つだけ最後に申しますと、じゃ、といって、持ち合いに戻るということ、これはやはり異常な事態であって、甘えの構造に戻るだけでありますので、株式の同業者間の持ち合いですとか、それだけはやはり避けなきゃいけないと、こういうふうに思っております。

鶴島琢夫株式会社東京証券取引所代表取締役社長

○参考人(鶴島琢夫君) 初めに先生から御指摘のありましたように、法律の建前、商法の今の枠組みからいえば、確かに株式会社は株主のものであると言わざるを得ないかと思います。しかしながら、現実の会社というのは株主だけで成り立っているわけではございません。言われますように、従業員、顧客その他、多くのステークホルダーとのかかわりを持ちながら、かつ社会的な役割、責任というものを果たしながら行動しているのが会社だというふうに思います。したがいまして、そういう意味で、単に法律的に株主のものであるという視点からだけで見るのはやや狭過ぎるのではないかと思います。  私ども証券取引所として、会社、特に上場会社とのかかわりで申しますと、従来、今も御指摘のありました持ち合い構造というものを前提として、ややもすれば株主に対して重点が置かれない経営が行われていた。この株主というのは広く一般株主というふうにとらえていただいて結構ですけれども、そういう意味から、私どもは上場会社に対して常に株主に顔を向けた経営政策なり収益還元政策を取ってほしいということを言い続けてまいりました。これは、軽視をされているがゆえにもう少し目を向けてほしいという意味でいろいろなメッセージを発してきたということでございます。

藤沼亜起日本公認会計士協会会長

○参考人(藤沼亜起君) 私どもは、公認会計士として、正確な財務情報、企業情報が市場に出て、それによって信頼をして投資行動、あるいはいろんな重要な意思決定をするということでありますので、そういう財務情報の信頼性を担保するという立場で、当然ながら株主にはきちっとした情報を提供しなくてはいけない、それが第一だと思います。  確かに、法律的には、先ほどの参考人の方のお話のように株主第一ということになるとは思いますけれども、私どもの職責はパブリックインタレストの保護というふうに言われておりますので、我々は単に株主だけではなしに、債権者、企業の顧客、あるいは購入業者、あるいは従業員、ひいては国、これは税金という関係から、地方自治体等、広範な利害集団がいるわけですから、そこに対しても企業は責任を負っていると。  最近、御承知のように、CSR、企業の社会的責任というものが非常に多く言われておりますし、そこでは企業のステークホルダーに対して企業がそれぞれ答えを出していかなくちゃいけない、回答を出さなくてはいけないということでありますので、そういう面では、株主も当然ながら第一の利害関係者ですけれども、その他のステークホルダーについても配慮すべきであるというふうに思っております。

山下英利自由民主党

○山下英利君 ありがとうございます。  今お聞きしておりますと、やはり単に株主だけというところから、実態面においては会社というのはだれのものでもないという部分が浮かび上がってくるのではないかなと、そういうふうに思っています。ということは、一番大事なことは、その会社というものがやはりそれぞれの利害関係者から客観的にきちんと理解される、いわゆる透明性が担保されるということが大変大事なことではないかなというふうに私は思っております。  その中で、やはり最近法改正が進む中では、やはり資本市場を活性化させるためにディスクロージャー、これを進めていく。そして同時に、監視体制も強化していく。ディスクロージャーを進めていく中においてはルールの厳格な運用と同時にコーポレートガバナンス、いわゆる企業統治、これの在り方についても大いに議論をされているわけであります。  そこで、鶴島社長にお聞きをしたいんですけれども、株式会社である東京証券取引所、これの上場というふうなこともいろいろ新聞等で言われているわけですけれども、そういったときに、株式会社である証券所がルールを作って、しかも今度は監視の方へ力を入れていくと。もちろん、取引所としては広く会員をやはり集めていかなければいけない。ここにおいて利益の相反があるんではないかというようなことを言われておりますけれども、この辺についてのお考え、どうですか。

鶴島琢夫株式会社東京証券取引所代表取締役社長

○参考人(鶴島琢夫君) 東京証券取引所というか、証券取引所は、先生方御承知のように、証取法上に、内閣総理大臣の免許を受けて、そして成立をする会社でございます。その免許の条件として、いろいろな公共的な役割というものが法律上も埋め込まれております。証取法上は定款あるいは業務規程、こういうものを定めて、そして基本的な目的として証券市場の公正な運営、公益及び投資者保護に資する、こうした運営をしなければならないという目的が定められております。その上に立って、もろもろの制度の制定、そしてそれの運用、そしてそれのチェック、あるいは違反をすればそれに対する処分等々がきちんと行うことが義務付けられております。  したがって、株式会社組織ではありますけれども、公共財としての証券市場を運営する上で必要な枠組みというのは法的にも整えられておりますし、それから発行会社との関係でいいますと、上場契約ということで取引所と上場会社が契約関係に立って上場をするということになっておりまして、その契約書の中で法令を遵守する、取引所の規則を遵守すると。そこで定められている違反行為に対しては罰則を受けることもその契約書の中できちんとうたっております。それから、取引参加者も同じように、昔は会員組織でしたから会員との関係は契約関係ではございませんでしたけれども、今は取引参加者ということで、参加者との関係もそうした契約の中できちんと縛りが入っております。  したがって、逆に言えば、私どもは、そうした法律に基づく与えられた権限を、いわゆる自主規制機能ですね、これをしっかりと果たしていくことによって公正な市場の運営ができる、またそれをやらなければならないと。したがって、今の御質問ですが、株式会社ではあっても十分そうした機能を果たしていけると私どもは認識をしております。

山下英利自由民主党

○山下英利君 もう時間が来てしまったんで、本当に私の質問これで終わらなきゃいけないんですけれども、最後になりますけれども、株式会社といっても、そこで上場という形になるとまたこれ責任も変わってくると。それから、手数料をもらう場合におけるその手数料というのはだれからもらっているのかというところでの線引きが非常に大事になってくると思いますので、その話についてはまた機会があったときにお伺いをさせていただきたいと思いますんで、今日はどうもありがとうございました。  これで私は終わります。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚でございます。  今日は本当にお忙しいところ、お三方、おいでいただきましてありがとうございます。  また、御承知のとおり、国会は今総理大臣の号令一下、クールビズでございまして、ちょっとノーネクタイで大変恐縮でございますが、よろしくお願いいたします。  まず斉藤社長にお伺いをしたいんですが、当委員会では先般カネボウの件でも議論が行われたわけでございますが、カネボウの経営実態が明らかになったこと自体は、これは、産業再生機構がカネボウを言わば引き受けられて、新しい経営陣が真摯に対応した結果であるということで大変私どもも評価を申し上げているところなんですが、ただ、先般その事実が明らかになった直後に、言わば上場維持について産業再生機構としてペーパーをお出しになって見解を述べられておるわけですが、その後の展開は御承知のとおりですので、改めてそのときのことを振り返ってみて、ああいうステートメントをお出しになったことが適切であったかどうかについて御見解をお伺いしたいと思います。

斉藤惇株式会社産業再生機構代表取締役社長

○参考人(斉藤惇君) お答えいたします。  今ちょうど山下先生の方から会社は株主のものかという御質問がありました。法的には株主のものであるということになっております。  で、カネボウの粉飾はどの時点で行われたかと申しますと、相当前に行われて、その株主に対しましては、機構の支援決定時におきまして、資本金三百三十一億円をわずか一億円に減資するという、ある意味の株主に対する罰を既に与えておりました。そして、機構が新しい株主として五一%を持って現れた、そして大きな債権者として現れた。つまり、カネボウという会社のいわゆる所有者が全く替わってしまっていたわけであります。で、我々は、支援のオペレーション自体は非常に順調に着実に進んでおりまして、なおかつそれでも過去をきれいにディスクローズすべきであるという考えで東証さんへ事実をお伝えに行ったと。  我々の感覚では、過去の株主の下で起きた粉飾である。そのことは、過去の株主に対しては既に一回の処罰行為が行われ、全く違う株主、債権者が持った。しかも、コンプライアンスですとか、経理担当者等々は全部外から連れてくるとか、内部告発制度を導入するとか、全く違う会社に変えてしまっているわけでありまして、それが新しい株主の下で市場で取引されていた。そういう状況で、上場廃止というルールそのものが、そうでない場合と同様に、形式的に同様に適用されるのかどうかというのは、当然我々は、国民の、政府保証のお金を使って、最大の株主、最大の債権者という立場で、できるだけ毀損のないようにしながら支援をしている立場からいいますと、機構自身の考え方を東証さんにお伝えするということは必要な対応であったと私どもは今でも思っております。  ただ、強調しておきたいことは、むしろ粉飾など絶対許さない、そんなことがあっていいはずがないという、何でこんなものが堂々と東証に上場されていたんだというむしろ問題点を出したということなんです、はっきり言いますと。  それで、機構を何か特別に扱ってほしいとか、そういう立場で物を申し上げたわけではなくて、後の問題にあるのかもしれませんけれども、機構、いずれにしても二、三年でなくなっていくわけでありまして、この再生業務というのは恐らく民間ベースでどんどん行われなきゃいけない。そういうときに、ルールがはっきりしないままに再生プランを作るということは不可能であります。結果論、後で解釈されてジャッジされる、ディリストされる、上場廃止されるというようなことが繰り返されたんでは再生ということはできません。したがって、その辺をどういうお考えをお持ちかということをただ我々としては問題提起をしたということと、我々の意見をお伝えしたというだけであります。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 お手元にもし数字があれば教えていただきたいんですが、たしか四十一社、機構として引き受けられて、上場企業はその中に何社ございますか。

斉藤惇株式会社産業再生機構代表取締役社長

○参考人(斉藤惇君) 九社でございます。先生御存じのとおり、その中で大阪に上場しておりましたマツヤデンキは上場廃止にいたしました。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 ありがとうございます。  私が申し上げたいのは、斉藤社長を始め機構で御尽力いただいている、ないしはいただいた皆さんは当事者であられますので、いろんな使命感を持ってやっておられると思うんですが、さりながら、世間一般では、企業再生を担う破綻法制も、民事再生法、改正会社更生法も含めて整備されていますし、それから商法に基づく清算等も、その過程でMアンドAが行われたり、様々な言わば制度整備が行われ、かつ私的整理に関するガイドラインなどもあって、いろいろ体制が整備されている中で、さらに、言わば法的強制力はないんだけれども完全な私的な再生メカニズムでもない産業再生機構という非常に分かりにくい組織ができて、例えば、機構が引き受けられた四十一社と同業者の皆さんの中には、なぜあの会社だけがそういう処理を許され、なぜ自分たちは駄目なのかということについていろいろ疑問を持っておられる方もいらっしゃるわけですね。  加えて、この上場の問題も、今社長は再生プランにかける企業が繰り返し上場に関して不安定な立場に置かれると再生計画は作れないという趣旨のことをおっしゃられたと思うんですが、九社しかないわけですよね。極めてレアケースなわけでありますから、これが例えば何百社も機構が引き受けておられて、確かに上場企業がその中に五十社、百社とあれば今の御主張も理解できるところではありますが、元々、先ほど申し上げました機構が携わっておられる企業以外の企業の皆さんの思いや、あるいは機構が引き受けられた中で上場企業は極めて少ないということを考えると、一〇〇%国が株主である、国民から見るとほぼ政府の下部組織である産業再生機構が上場の件について先般のような見解表明をされるということは、私は個人的には適切ではないと思っております。  そういう意味で、今後更にあと数社の上場企業の再生を手掛けられるわけですが、同じような、ないしは似たような環境に置かれるような事態になったときに、再び同様に上場に関して速やかに意見を出すという行動を取られるかどうかについてお考えをお伺いしたいと思います。

斉藤惇株式会社産業再生機構代表取締役社長

○参考人(斉藤惇君) 御案内のとおり、資本主義社会で事業を起こす人、経営をやる人というのは、ある意味では非常に英雄視されるぐらい、そういうことによって資本主義社会がプロモートされていくという中で、当然御案内のように事業の失敗というのは伴います。アメリカで恐らく二十年単位でトップ百社を並べればがらりと変わっていくような状況で、日本の方がむしろ珍しくてですね。したがって、事業の失敗、再生というのは資本主義社会にとっては伴うものでありまして、このシステム、スキームというものは一つの思想の下で整理されていなければならないというふうに思います。  我々は一つ、先生がポイントアウトされました、なぜ同業者の中でも一社とか二社が救済されるんだとか支援の対象になるんだということですが、これはほかの委員会などでも私何度も申し上げておりますが、我々は企業を絶対に支援対象にしようとはしておりません。産業再生機構でありまして、事業をどうして守るか、したがって会社が犠牲になっても事業を生かすとか、結果として従業員が生きるというようなことをやっております。  例えばカネボウという単独会社を何とかして支援しようとか救済しようとしたことよりも、ここに働く万人以上の人間、関係事業者、そして日本にある特殊な技術、染色の技術ですとかあるいは化粧品の技術とかいうものをどうやったら整理して強い産業として再生できる、たまたまそれがカネボウという器を使っていたということでありまして、マツヤデンキの例をごらんになりましたとおり、マツヤデンキ、会社そのものは消えてしまっております。恐らく、今名前も変えたというふうに聞いておりますけれども、そのくらいの哲学を持って我々やっておりまして、御案内のように、アメリカでは法的整理のシステムの中にかなり日本で言われるところの私的整理的な、例えばDIPファイナンスですとか、そういうものが法的整理の中に入っている。したがって、株主はまず最初にシニアデットが、いろいろ債権放棄させる前に、一番最初に当然パニッシュを受けるということでゼロになるというふうに法律的になっています。  日本でも法律的にはそうです。しかし、日本の場合は法律的にやると非常に一般商事債権が傷むとか時間が掛かるとかありまして、産業再生機構というのが一時的に臨時的につくられたんだと思いますけれども、法律が十分に、日本の商法では、上場会社の株主の価値をゼロにするということは全株主の賛成が必要ですからほとんど不可能であります。したがって、我々は、カネボウの場合は九九・七%の減資というような形を取ったわけでありまして、そういうことでいいますと、我々が常に考えておきたいのは、ルールを、再生に関するルールは明確にしておいてもらいたい、そうでないと社会が動かないということであります。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 分かりました。  ルールを明確にするということについては、私どもも金融市場にかかわる分野をお預かりする委員会として今の御意見に沿うような努力をしますので、最後に端的にもう一度お伺いしたいんですけど、ルール整備は我々も努力します。しかし、今後、東証の上場に関して、産業再生機構があのような形で意見を出すということを繰り返しお考えになっているかどうかだけ端的にお答えいただきたいんですが。

斉藤惇株式会社産業再生機構代表取締役社長

○参考人(斉藤惇君) 仮定の話なんでよく分かりませんし、どういうケースが今ちょっと残っているか。上場会社、ほとんどもうスポンサーが付いている、カネボウ以外は付いているのではないかと思いますので、そういうケースは非常に少ないと思いますが、ただ、先生、我々は国民にも毀損を与えてはいけないと。一事業のために結果的に納税者のお金を傷めるということもできないわけでありまして、株主として、あるいは債権者としての立場というのもある。そういう意味で株式会社産業再生機構になっているということでありますので、その場になってどういう態度を取るのか、今ちょっと明言はできませんけど。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 国民を代表しておられるというロジックで語っておられますけれども、一〇〇%国が株主が産業再生機構であり、ここは国民の代表の議会ですから、そこは、あと残りマツヤ除いて七社ですから冷静に対応していただきたいと思いますけれども。もちろん今は私の個人の意見を申し上げておりますが、しかし国権の最高機関たる国会でそういう意見を受けているということに関しては真摯に受け止めていただかないと。産業再生機構は治外法権だということでは困りますし、いろいろ政治銘柄を引き受けておられるのは巷間よく言われている話ですから、出なくてもいい話が出ることのないように、そこは冷静に御対応をいただきたいなというふうに思います。それだけお願いをしておきます。

斉藤惇株式会社産業再生機構代表取締役社長

○参考人(斉藤惇君) よく分かりました。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 次に、鶴島社長にお伺いいたします。  今、上場の話がいろいろ出ましたけれども、東京証券取引所の自主規制機能ですね、上場を認めるあるいは上場を廃止するということに関して巷間いろいろにぎわしておりますけれども、そもそも自主規制機能は何かということについてかいつまんで御説明をいただければと思います。

鶴島琢夫株式会社東京証券取引所代表取締役社長

○参考人(鶴島琢夫君) 一言で申しますと、前回、私ここに参考人として呼ばれたときに、大塚先生からも同様の御意見をちょうだいいたしまして、そのときにもたしかお答えしたと思うんですが、一言で言うと市場運営者が市場を運営するに当たって、品質管理機能、これをきちんと果たしていく、これが一口で言えば自主規制機能であると、こういうふうに考えております。  実際の業務というのは、自主規制機能に基づく自主規制業務というのは一体どういうものがあるんだと、こういうことにつきましては、先ほどちょっと触れましたけれども、証券取引所というのは免許を受けてその目的を果たすために設立をされております。そこで、定款ではこういうことを定めなさい、業務規程ではこういうことを定めなさい、例えば業務規程でいいますと、売買のやり方、あるいは上場及び上場廃止に関すること、あるいは決済のやり方、こういうものを業務規程できちんと定めて、そしてこれは当然のことながら行政官庁の認可を得る規則でございます。  で、この規則を制定し、先ほど言いましたように、それを施行をし、ウオッチングをし、そして不適正があればそれに対する処置、処分を行っていく、これが一連の具体的な自主規制業務の中身であると、こういうふうに私どもは考えております。  したがいまして、市場運営を行う上で、公正かつ、先ほどもちょっと申しましたけれども、公益又は投資者保護に資する市場運営をするためには市場運営上不可欠の機能であるというふうに基本的な認識を持っております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 私も時々これいただきましたんで見ているんですけれども、上場審査ないしは上場廃止に関する審査というのは、これはちょっと抽象的な言葉ですが、実質審査ですか、それとも形式審査ですか。  つまり、例えば三年間連続して赤字だったら上場廃止とかですね、そういう形式的な事象を審査するのか。それとも、その企業が上場に足るかどうかという財務内容を含めた実質的な評価をするのか。これはどちらでしょうか。

鶴島琢夫株式会社東京証券取引所代表取締役社長

○参考人(鶴島琢夫君) これは、今先生がおっしゃられたように、廃止基準というものは、その廃止による影響というのは投資家を始め大変大きな影響を持つということから、こういう場合には上場廃止になりますと、できるだけ具体的に列挙主義を取っております。今、一号から十六号までが具体的な基準になっております。そして最後に、そうはいってもいろんなケースが出てまいりますので、バスケット条項的に、投資者保護の観点から、公益又は投資者保護の観点から上場を継続することが適当でないというものに対しては、そういうものもバスケット条項としてつかまえられるような、そういう体系になっております。  したがって、今おっしゃられるように、具体的な数値でもうはっきりしているもの、例えば債務超過が二年続いたら廃止になりますとか、それから分布状況がこうこうこういう状況になったら、例えば少数特定者持ち株比率が九〇%になったらこれは廃止をしますとか、はっきりともう定量的に議論の余地がない決め方をしてあるものはそこですぱっとそれで廃止が決まります。  ただ、若干、その重大性について審議をする、つまり実質的な部分、これが残っているものがあります。これは例えば虚偽記載あるいは不実記載、不適正な開示、これはいろんなパターンがございます。例えば粉飾でも、物すごく大きなものからほんの小さい、それも意図的なのかあるいは事務ミス的なものなのか、いろんなケースがございます。したがって、虚偽記載等についてはその重大性を判定をして上場廃止か否かを決めると。そこではやっぱり実質的な審議が入るということであります。  できるだけ我々も、そうした重大性とかあるいは審査をする余地のあるものについてできるだけ透明性を持ってガイドライン的なものを作ろうと努力はしております。ただ、なかなか、いろいろなケースがあって、全部ぴたっとするようなガイドラインがなかなかできにくいと。したがって、いろいろなケースの積み重ねの上で、判例的なものとしてできるだけそういうものが透明性を持ち、納得性が持たれるようなものにしていく努力をしていかなければならないというふうに考えております。  それから、上場審査の方ですけれども、これも定量的な審査基準というのは幾つかあそこにずらっと並んでおります。これは全部クリアをしなければ上場にはなりません。ただ、その上で、やはり我々はその企業の実態をある程度調べさせてもらいます。その実態も、例えば財務内容については公認会計士という専門的な職業の方がある程度の時間と労力を掛けて中身を見て、そして監査意見として適正であると、こういう判断を監査意見で出してまいります。それを前提に、財務内容についてはそれが正しいということを前提に我々は財務の内容については審査に入ると。ただし、そのときでも、その公認会計士の方々には、この財務の監査をするに当たってどういう点に留意されましたかとか、あるいは何か問題がありましたかとか、問題があったとすれば、それはどう解決されましたかとかいう、その一つ一つの伝票の突き合わせは我々能力的にも時間的にもそれはできませんので、そうした公認会計士が監査をしたその内容について公認会計士とは面談をして確認をさせていただくと。  それから、会社については、その会社の中できちんとした経理処理体制ができているか、あるいはディスクロージャー体制ができているのか、それからある特定の人に権力が集中をしてしまってガバナンスとして適当でないというようなことがないかどうかとか、そういうことについては実質的な審査をするという形で、できる限り投資物件の適格性、多くの投資家の対象となる適格性ということを可能な限り見ていくという姿勢で当たっております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 大分たっぷり御見解をお伺いしましたので、この後、是非手短に掛け合いをさせていただきたいと思うんですが。  今のお話承ると、要は形式審査の部分もあれば実質審査の部分もあるというふうに言っておられるようなんですが、まずその財務内容については、入口の部分ではしかし公認会計士や監査法人の皆さんの適正意見を踏まえてやるとおっしゃっておられますので、ということは、入口においては監査法人と同様の能力があるという前提で実質審査機能もあると言っておられるのか、入口は、いや、そうではなくて、単に監査法人の適正意見があれば、それを踏まえて形式的に審査すると言っておられるのかというのが質問の一点。  もう一点は、最後の方で、例えばガバナンスの体制とかについても、権力が集中してちゃんとガバナンスが行われない体制になっていないかとかというふうにおっしゃいましたが、それを東証がチェックするというのは、例えば西武グループの堤前会長がああいう状態になっていたかどうかということをチェックするということと同じことを言っておられるわけですから、果たしてそれが可能かどうかということなんですが、これが二点目です。端的にお答えいただきたいと思います。

鶴島琢夫株式会社東京証券取引所代表取締役社長

○参考人(鶴島琢夫君) 財務内容の監査については、やはり入口のところでは、あるいは継続開示の場合もそうですけれども、専門的な職業として公認会計士という方がそこを当たっているわけですから、それを一義的にはベースにして審査をするということであります。  それから、ガバナンスの問題については、例えば社内の経理規則、稟議規則というようなものがきちんと、例えば経理処理をする場合にどんぶり勘定になるようなおそれがないかとか、それから一人だけに権力が集中しちゃって社内の稟議規定等々が全く整っていないといったようなことは、上場をして多くの投資者の対象になる会社としてはできる限りそういう状況は取り除いていくべきだということであります。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 特に二番目の点について更にお伺いしますが、もしそのようにいい意味で高邁な上場企業に対する、会員企業に対する御指導をされるということは、東証自身も相当高潔でなければならないと、こう思うわけですが、例えば今上場問題が、東証さん御自身の上場問題が話題になっておりますけれども、先般、三月末には役員の皆さんが持っておられた東証株を手放されて、社員持ち株会に売り渡したというふうに報道されておりますが、そうすると、例えば欧米の他の証券取引所で上場している先で、その取引所の社員が社員持ち株会なるものを持って自社株を持っているケースというのはほかにございますか。これは実は金融庁に聞いたら分からないと言っていたものですから、もし御存じであれば。

鶴島琢夫株式会社東京証券取引所代表取締役社長

○参考人(鶴島琢夫君) 私どももその点について調べてみました。全部が全部分かったわけではありませんが、一般的に欧米の取引所もいわゆる従業員持ち株という制度、社員の福祉のためにそういう制度を一般的に取っているという報告を事務局から受けております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 分かりました。じゃ、それは是非、一度勉強させていただきたいので、情報をいただきたいと思いますが、私の個人的な意見としては、やはり東証が、先ほど社長がおっしゃられたような実質審査機能、しかも企業倫理を問うような、そういうところまで踏み込まれた実質審査機能を維持されるのであるならば、相当御自身の、東京証券取引所自身の企業倫理についてしっかりと立て直していただく必要があるなと思っております。したがって、欧米の市場が同様の制度があるからといって東京証券取引所もそれでいいのかということには必ずしもならないような気がしておりますので、是非そこはしっかり御検討いただきたいと思います。  その点についてはいかがですか。今後御検討の余地はありますか。まあ、最終的にどうなるかは別にして。

鶴島琢夫株式会社東京証券取引所代表取締役社長

○参考人(鶴島琢夫君) 基本的に東証自身が居ずまいを正す、そしてきっちり投資家や関係者あるいは広く社会一般から信頼をされる組織になる、これは全くおっしゃられるとおりで、私どももそこは十分にあらゆる点で気を付けてまいりたい、十分注意をしてまいりたいというふうに思います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 東証自身が上場されること自体がいいか悪いかという問題もあるんですけれども、仮に予定どおり上場されることになった場合に、例えば現在取締役や監査役に名前を連ねておられる方が所属しておられるような証券会社が幹事社になるというようなことはないですよね。

鶴島琢夫株式会社東京証券取引所代表取締役社長

○参考人(鶴島琢夫君) 東証の幹事社ということですか。──はい、これは昨年の暮れに幹事証券の選定を行いました。これはコンペ方式でやりましたけれども、そのときに、日本の大手、野村、大和、日興グループ、この大手三社を幹事証券として、共同幹事ということで選任をいたしました。  おっしゃるように、私どもの今社外取締役の中には野村ホールディングスの氏家氏が社外取締役としております。したがって、そういう意味では社外取締役の属するといいますか、関係する野村証券が幹事証券に入っているという事実はございます。ただ、この決定に当たっては取締役会で決議をいたしましたが、この決議の際には氏家取締役には退席をしていただいて、その妥当性について決定をしたという経緯はございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いや、つまり私が是非期待をしたい、東証さんに頑張っていただきたいと思うのは、例えば今の問題もこういうふうにお伺いすると、それだけ社長が言葉を尽くさないと公正に幹事社を決めたということが分からないようなガバナンス体制にすることなく、何しろ日本の上場企業の企業倫理、コンプライアンスまで問おうとしているわけですから、もう一々説明しなくてもいいぐらいに高潔なガバナンス体制にされるべき組織ではないかということを申し上げているわけです。例えば、ほかの社外取締役でも会員企業の役員の方々いますね、トヨタの奥田さんも入っておられるわけですよ。もちろん皆さん立派な方ですから変なことはしないと思いますけれども、説明が必要になるようなガバナンス体制を東証自身が維持をしていて、それでかつ会員企業に先ほどおっしゃったようなガバナンスのありようを問えるかというと、私が問われる立場になれば、それはちょっと本末転倒ではないですかと言いたくなるのが正直なところであります。  そういう意味では、実は今日も午前中会社法制の現代化ということで三委員会の合同審議があって、私、その場で、日本の会社法制は商法、証取法、税法のトライアングル体制で云々ということを取り上げさせていただいたんですが、アメリカでもファイブローズといって州法とかそれから会計基準とか含めて、制度という意味での会社法制も含めたこれを規定するものは、日本で言うところのトライアングルに加えて、取引所の規則とそれから会計基準というこの二つが加わって、向こうがファイブローズと言うぐらいですから、日本でもペンタゴン体制に私はなってきているんじゃないかと思うんですね。そういうふうに考えると、本当に大事なんです、東京証券取引所は。  例えば、あの大証は、今、村上さんの問題で新聞をにぎわしておりますけれども、結局、村上さんとの話を建設的な方向に進めるという意味で違約損失準備金を取り崩したというふうに聞いておりますけれども、これなどは、違約損失準備金を取り崩してMアンドAに対抗するというのは、証券取引所の本来の使命と株式会社たる証券取引所の本能とを混同した対応ではないかというふうに私は思っていて、大変危惧をしているんですが、そういう意味で東証御自身は違約損失準備金というのは今どのぐらいお持ちになっておられますか。

鶴島琢夫株式会社東京証券取引所代表取締役社長

○参考人(鶴島琢夫君) 違約損失補償準備金、これは額だけ申しますと百七十億前後だったと思います。これは、今、大証でそれを取り崩したという委員の御指摘がございましたが、それを取り崩したかどうかは私はちょっと確認が取れておりません。  この違約損失準備金というのは歴史がありまして、各取引所が決済を自分でやっていたときに、その決済を確保するために、そのときのメンバーが出来高に応じて準備金を積んだんですね。そして、万が一の場合にはそれを補てんしようということで積んだわけです。  ところが、現在は日本クリアリング機構という統一的な清算機構ができまして、ここでこの決済の安全性を確保しようと、こういう仕組みになっております。ところが、このクリアリング機構というのはまだできたばっかりですから、それの、自分自身でその補てんをするだけの準備金の積立てはまだありません。これを例えば保険で手当てをするとか、いろんな方法もあるんですけれども、まだその手当てが付いていない状況の中で、過渡的な知恵として、各取引所が決済のために積んだこの準備金を、万が一そのクリアリング機構でデフォルトが起きた場合にはそれを補てんしましょうという契約で今結んでいるわけです。だから、過渡的な措置だというふうに御理解をいただければと思います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いや、それはよく分かります。私が申し上げたいのは、上場すると、また東証さんのそういうキャッシュもMアンドAを仕掛ける側からすると非常に魅力的ですし、そのときに上場企業としての本能、そして証券取引所として会員企業に、例えばこういう準備金も含めて、どのようにこれを使っていくべきかということについて、どうしても矛盾した側面が出てきますので、慎重の上にも慎重に御対応いただきたいという趣旨であります。  最後に私の希望を申し上げますけれども、私はやはり上場はされるべきではないと思っています。もしされるならば、自主規制機能は切り離されるべきではないかなと。それは、やはりそれを維持したまま上場企業としてガバナンスをしていくということはなかなか難しい側面があるからだと思っているわけであります。  更に申し上げれば、本当は、上場もせず、かつ、それでも自主規制機能を切り離して、いわばインフラをつかさどる証券取引所と自主規制機能を運営する新たな組織というものをつくっていきませんと、何やら昨今の情勢を見ておりますと、また金融庁からかき回される可能性もありますので、まあ冷静な御対応をしていただきたいなということを希望として申し上げておきます。  ありがとうございます。  最後に、藤沼公認会計士協会会長にお伺いをしたいんですが、今の証券取引所の実質審査機能ともかかわりがあるんですが、企業のゴーイングコンサーンを、あるいはその財務内容をきっちり見極めるというのは本当に難しいことだと思っていて、監査法人の皆さんでも難しくてなかなかできないことを果たして証券取引所ができるんだろうかという問題意識を若干持っていまして、先ほど入口のところでは実質審査機能は監査法人の監査結果を踏まえてというふうにおっしゃいましたけれども、監査法人や公認会計士協会の皆さんがゴーイングコンサーンを見極めるということがいかに難しいかということについて御見解をお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。

藤沼亜起日本公認会計士協会会長

○参考人(藤沼亜起君) ゴーイングコンサーンの監査基準と言いますのは、会社として企業が継続するかどうか、そういうことで、もし継続するということが分かっておれば、会社は別に清算価値で財務諸表を評価するということではなしに、継続企業の簿価ベースで基本的に会社の帳簿書類を維持することができて、財務諸表もそれを表示するということになるわけですけれども。  実は、これは、この監査基準は平成十四年にできまして、そこで大きな監査基準の改正がありまして、これは国際化を意識して改善したわけですけれども、そこで二重責任という原則を導入したわけです。それは、これは言わずもがななことなんですけれども、財務諸表の作成は企業の経営者の責任である、監査人の責任はその企業の経営者が作成した財務諸表が正しいかどうかを監査意見として証明するのが監査人の責任であると、こういうふうに書かれたわけですけれども。  そこで、ゴーイングコンサーンなんですけれども、ゴーイングコンサーンも全く同じことでございまして、よく会社を監査人がつぶしたというふうに言われますけれども、ゴーイングコンサーンについても、やはり経営者が、例えば売上高が急に減ってきたとか、あるいはいわゆる資本欠損の状態になった、あるいは借入れの返済ができそうもないとか多額な訴訟を受けたとか、そういうようないわゆるそのゴーイングコンサーンについて前提がかなり怪しくなった、懐疑が出てきたものについては、まず経営者自身が継続企業ベースで財務諸表を作れるかどうか記述してほしいと、こういうことを言っているわけですね。監査人はその記述が正しいかどうかを判断しますよという、こういう二重責任の原則でやっておるわけです。  それで、じゃ監査人がそれができるかどうかということなんですけれども、それについては我々もかなり海外からのいろんなデータとかあるいは会計士協会でもいろんなガイドライン、実務指針等を出しておりまして、企業継続に疑いのある状態の場合にはこういうケースを言うんだよとか、そういう形でやっておりますので、会計士は企業の存続可能性が経営者のその自らの評価が正しいのかどうかということについてはそれなりに判断できるのではないかというふうに思っております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 ありがとうございました。

西田実仁公明党

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。今日は、お三方、大変にありがとうございます。  まず、最近の様々な企業不祥事に関しまして、今日御出席いただきました皆様方の機関並びに組織の役割がいろいろと変わってきている、その過程なんだろうなというようなことを思っておりまして、しかしながら一般論とかしても仕方ありませんので、具体的にカネボウの例を引きながら、それぞれの役割がどういう変貌の過程にあり、またどういう役割を今後担っていくのかということに関しまして確認をさせていただければと思います。  まず初め、産業再生機構さん、機構さんに関しましては、六月六日の日に第三者割当て増資、カネボウ化粧品を引受先とする第三者割当て増資、総額二百億円がなされたわけでございますけれども、このカネボウの経営再建スキームそのものについてまずお聞きしたいと思います。  時間に限りがありますので端的に申し上げますと、今回の第三者割当て増資によりまして、機構はカネボウに対して議決権保有比率が三一・九%、そしてカネボウ化粧品が第一位の株主になって三七・九%、機構はカネボウ化粧品に八六%と、こういうことでございます。  ちょうど一年前になりますけれども、二〇〇四年の五月に、機構の再建スキームはそもそもカネボウ化粧品とカネボウ、それは繊維及びその他というふうに分けているわけですけれども、カネボウとカネボウ化粧品を分離して再建をするというスキームでたしか始まったわけなんですよね。ところが、今回、第三者割当て増資によりまして、実は分離してそれぞれを再建していくというスキームが私から見るともう既に破綻してしまったんではないかというふうに思えてならないわけなんです。というのは、正にカネボウ化粧品に収益の貢献を大いに期待するというこの再建スキームに今回の第三者割当て増資によりまして変質してきているのではないかというふうに思っております。  元々証券市場では、このカネボウグループにつきましては化粧品が稼ぎ頭であるということは随分言われていましたし、それによって厳しい財務体質を糊塗してきたんじゃないかといううわさはもう絶えず言われてきたわけでございまして、そもそもこの経営再建スキームの当初の段階から化粧品事業と繊維とその他事業、こう分離して再建を図っていくというスキームに無理があったんではないかというふうに感想として思うわけですけれども、社長、いかがでございましょうか。

斉藤惇株式会社産業再生機構代表取締役社長

○参考人(斉藤惇君) 簡単にだけ申し上げますけれども、まず、先生御案内のように、我々は常に受け身でございますので、まず持ち込まれ方が、メーンバンクとそれから事業会社さんが化粧品だけをまず最初に持ち込んできたということであります。我々は、もうあのとき御案内のとおり非常にうわさが出ていまして、いろいろまずいことが起こったとかいうことで、非常なスピードでお客さんがどんどん離れていくとか代理店が離れていくとか、もう毀損が非常に激しくて、このままほっておいたんでは確かに化粧品は非常に窮境になるなというような状態で持ち込まれたということでありますので、まずは化粧品のバリューをちゃんと見ましょうということからスタートしたということは事実でございます。  同時に、我々見ましたときに、化粧品という事業と、カップヌードルですとかプラスチックですとか、いろんなものを作っておられました。相乗効果がほとんど考えられないということで、これは分離してサポート体制に入ると。化粧品だけのバリューでカネボウ全体を再生するという理論的な根拠はぴちっと出ておりました。仮にほかの、化粧品以外のものが価値がほとんどないとしても、支援計画の基準には十分合うという、これは数字的な基準があるわけでございますが、そこにマッチしておりましたので、まずは手順といたしまして化粧品からスタートをいたしたということがあります。  当然、持ち込んだ側は、最初は本体の方のデューデリジェンスを余りやらないで何とか済まないかというような話もあったんですが、我々はそれは絶対受けられないと。ここは、先生御案内だと思いますけれども、大変なやり取りを銀行や事業会社とやりまして、我々は三か月掛けて本体の方を調査して、結果的には九百八十億の債権放棄を金融機関に要請したということであります。  化粧品の方はどんどん再生が進んでいっておりまして、いつでもエグジットできるようになっておりますが、だんだん合繊とか、めん類ですね、天然繊維とかいうものを、事業を少しずつ譲渡しております。相乗効果が出ないために、今シャンプーみたいな、ホームプロダクトと申しておりますが、そういうものと、それから特殊な食品、アイスクリームですとか、そういうものでございますが、それから漢方、この三つの事業に集約していこうという戦略を取っておるわけであります。最初は化粧品とかファッションにもう少しバリューが出るであろうかというような見方ありましたけれども、もう限界利益が赤字になるというような状況でございましたので、これはもう譲渡しないと全体が駄目になってしまうということで譲渡を今進めてきたと。ちょうど終わり掛かったところでございます。  そうして残ってまいりますと、実は化粧品と非常にダブる、特に商標でございますね、ここはルールをつくっていたわけでございますが、現実にはこのごろ新しい薬のような化粧品のようなものを本体が開発したと。しかし、カネボウという名前が付けられないというためにマーケティングがうまくいかないとか、こういう問題が出てきたり、もういよいよエグジットが目前に迫っておりますが、これをばらばらにエグジットしまして、ばらばらに買手が出て、商標問題がぶつかってしまって、同じようにカネボウという名前を使った場合は、結局、毀損するということで買手が価値を付けてこないおそれがあると。そうすると、先ほどのお話じゃありませんが、我々が最初に入れました政府保証のお金が毀損するおそれが出てまいりますものですから、資本提携みたいな状況で全体的なバリューを上げようという戦略に変えたということであります。

西田実仁公明党

○西田実仁君 今大体理解できましたけれども、カネボウに関する株主責任、先ほどもちょっとお話ありましたけれども、この六月六日、片山執行役員はこのように言っておりまして、今言われたとおりなんですけれども、正に一体で再生を図っていくんだと。  その際に、私が大変に気になるのは、四月十三日に発表されたこのペーパーでも、先ほどの上場廃止をやめてくれというペーパーでもそうなんですけれども、非常に、普通、経営破綻した会社の株主に対する以上に大変に温かい思いやりというのがちりばめられておりまして、先ほど言った片山執行役員も、例えば一体で支援するというときに、複数の方法を挙げているんですね。スポンサー企業にカネボウ株のTOBをしてもらう可能性、あるいは売却後のスポンサー主導での株式再上場、あるいは支援企業の株式とカネボウ株式と交換する、そういう複数の方法を挙げて、大変な配慮を株主に対してしていると思います。  例えば西武鉄道の株主に比較して果たしてこれはどうなんだろうかと。あるいは、カネボウの再建が大変に難しいという状況の中で、機構の保有株式売却先であるスポンサー企業にこうした今のカネボウの株主への配慮というのを、配慮が逆に言うと非常に重い条件になってしまうというようなことになりはしないのかということを懸念するんですけれども、その点、端的にちょっとお答えいただければと思います。

斉藤惇株式会社産業再生機構代表取締役社長

○参考人(斉藤惇君) 先ほどもちょっと申しましたけれども、窮境に陥ったときの株主に対しては九九・七%の減資をしておりますので、今の問題は、その後とかですね、新しい株主が入ってきているわけでありまして、その方々は、例えば変な話ですけれども、千円とか、そういうことで取引をなさっていたわけであります。いろんな理由でデリストだということになりますと、そういう方々の流動性が消えてしまうということは、やはりある程度上場会社としては責任があるなと思っておりまして、一つの方法は、エグジットいたしますときに、相当数株数を持っておりますので、多分TOBみたいな形になるんではないかと。これは限定はできませんけれども、一応想像しております。  そうしますと、買手が全部一〇〇%買いましょうという形で出てきましたときに、今の株主の方もそこへ応じて出る方法がございますよというお話をしただけでありまして、何か特別に今の株主に何か優遇するとか、そういうことではございません。

西田実仁公明党

○西田実仁君 せっかく来ていただいていますので、東証の鶴島社長にもお聞きしたいと思います。  先ほどもちょっとお話ありましたけれども、私、その上場基準もさることながら、監理ポスト入りする銘柄が大変に多くなっているということを危惧しておりまして、この五年間見ただけでも、今年はまだ六月一日現在でしか分かりませんけれども、監理ポスト入りした銘柄が三十八銘柄ございまして、そのうち八割近い二十六銘柄は上場廃止という形になっているわけなんですね。投資家からすると、ある日突然このように上場廃止になっていくという大変に予測し得ない不利益を投資家が被らないようにするためには、どういう基準で監理ポスト入りするのかということが明確になっていなければならないというふうに強く思うわけなんです。  これにつきましては、六月一日に日本テレビと小田急の例を引かれまして、名義株につきましては監理ポスト入りする基準というのを三つほど挙げられておりました。しかしながら、決算の訂正とか、いわゆる従来型の不祥事についてどういう基準で監理ポスト入りするのかということがいま一つ明確ではないというふうに思います。思いますし、傍ら、先ほどの機構さんの四月十三日のペーパーにもあるように、カネボウの直近決算ではちゃんと自発的に正常決算化の努力をしているんだから上場廃止しないでくれと、こういうふうに要請をしておりまして、具体的にお聞きしたいことは、カネボウの例でいいますと、機構さんからそういう要請があったと。それに対して、東証としては上場廃止決定に際してどういうふうにして機構からの要請を扱い、どういう機関がどういう権限でどういう議論をしてどういう基準で監理ポスト入りを決めていくのか、あるいは決めてきたのか。カネボウにおいても最終的に上場廃止にしたのかということをやはり明確にすることが投資家の予測可能性を増すんではないかと、このように思っているわけですけれども、その点、いかがでございましょう。

鶴島琢夫株式会社東京証券取引所代表取締役社長

○参考人(鶴島琢夫君) カネボウについて申しますと、昨年の十月でしたか、調査委員会というのができまして、そこで虚偽記載、内部調査の結果、虚偽記載が行われたという事実が公表をされました。  我々の廃止基準では、虚偽記載があった場合に、それが重大であれば、重大な影響があれば廃止をするという上場廃止基準がございます。これに該当するおそれがある、あれだけの虚偽の数字が出たわけですからこの廃止基準に該当するおそれがあるということで監理ポストに割り当てたわけです。その監理ポストに割り当てている間にその重大性を審査を我々はするわけですけれども、これは、調査委員会はああいう形で公表をされましたけれども、実際に本当の数字が固まりませんと我々はその判定ができないということで、カネボウの方に対しては早く公認会計士がちゃんと見た正確な数字を出してください、そして公表してくださいということをずっと要請をしてまいりました。それが先般出てきたということで、正確な数字を基に我々は判定をさせていただいて、そして上場廃止という措置をとったということであります。

西田実仁公明党

○西田実仁君 最後に藤沼会長にお聞きしますけれども、先ほど大塚委員からもお話ありましたが、今金融庁の企業会計審議会ではいわゆる企業統治監査というものをこれから適用していこうということが審議、議論されておると承知しております。この従来の財務諸表のチェックも、外部監査の限界というものが随分この一連の企業不祥事の中で言われてきていることに加えて、さらに、単なる数字ではなくて、いわゆるガバナンスの監査までをしていくんだという方向性で今議論されているわけですけれども、従来の財務諸表の外部監査も大変難しい、限界があるとか言われる一方で、更にもっと大きな役割というものが今非常にこの監査法人に期待をされている時代だと思います。  そういう意味で、どう監査体制を強化していくのか、どう人材を育成していくのかという御決意を最後お聞きして、私の質問を終わりたいと思います。

藤沼亜起日本公認会計士協会会長

○参考人(藤沼亜起君) 藤沼でございます。  財務諸表が正しく作られるかどうか、先ほど言いましたように、まず第一は経営者の責任だと思います。監査人はその財務諸表が正しいかどうかについて監査をして監査意見を表掲すると、こういう立て付けになっていると思います。経営者は今、アメリカで御承知のようにエンロン事件等がありまして、企業改革法、そこではやはり財務諸表の適正性について経営者がやっぱり宣誓を求めるべきだと。その前提として、経営者が内部統制というものを自らチェックして自己評価をする、それを監査人に検証してもらうと、こういう構成になっておりまして、日本でもやっと企業の経営者が、財務諸表が適正かどうか、自分がそれを宣誓しなくちゃいけない。これは当初自主ルールで始めておりますけれども、これがその経営者が適正性があるかどうかということを言うには、経営者自身、自分の会社の内部統制がきちっと機能しているかどうかということを確認しなくてはいけない。  そういう面で、監査人も、財務諸表だけの監査証明ということ以外に、内部統制にも踏み込んで、経営者の内部統制の構築、それに基づく評価、それを監査人が検証するという、こういう内部統制の報告書の監査制度というものはどうしても必要だというふうに私は思っておりまして、そういうことが制度化されれば、会員の教育等を含めてきちっと仕事をしていきたいというふうに思っております。

西田実仁公明党

○西田実仁君 ありがとうございました。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史と申します。  今日はお忙しい中、ありがとうございます。私、ノーネクタイどころか、かなり軽装でございますので、皆さんもよかったら脱がれたら、自由にしていただければと思います。  まず、産業再生機構の斉藤参考人にお伺いしたいんですが、カネボウの話、既にありましたんでカネボウを除いてお伺いします。  ダイエーの再生の問題でございまして、私、この間、ダイエーの店舗が撤退するんじゃないかと言われるところに調査、北海道を含めて回っているところなんですけれども、その町によっていろいろですが、ちょうど地元商店街の中心にあって、ダイエーさんがあるおかげで地元の商店街も成り立っているという部分がかなりあります。そういうところでは店舗として存続してほしいという声がかなり出て、そちらにも届いているかと思いますし、斉藤参考人は毎日新聞で大変いいことをおっしゃっておりましたのは、スポンサー選びのときに、価格だけではない、事業計画の中身、従業員の処遇、地域に与える影響も配慮すべきだということをおっしゃっていただいております。  そういう点で、この前ですか、二十店舗ほど撤退有力視というような新聞記事も出ておりますけれども、産業再生機構として、そういう地域の経済といいますか、地域のいろんな関係に配慮した判断をしていかれる、そういうことを基本的にお持ちかどうか、まず伺いたいと思います。

斉藤惇株式会社産業再生機構代表取締役社長

○参考人(斉藤惇君) お答えいたします。  もちろん、ベースとしてはもう当然できるだけネガティブな影響が出ないような、しかし一方では、一民間の小売業者さんですから、そこがだらだらと赤字を出しながら、結果的にはまた国民のお金を投入しなきゃいけないというようなことを繰り返してもまたいけないと。この二つの問題を同時に解かなきゃいけないということで、地域的な閉鎖、撤退、あるいは個別の店の収益性の問題で撤退、二つのアプローチでやっております。  今のところ、実際ちゃんと新しい経営者が入ったわけですが、我々余りその出入りのあれには、ウオッチする程度にしておりますけれども、今のところ新聞発表になったその五か店の閉鎖を、これは相当検討したりしたんですが、家主さんがおられて家賃も下げないというような問題もあり、じゃどなたか代わっていただけないかということも随分やったんですが、駄目だということで、大変やむなく五店だけの閉鎖を決めたという話は聞いております。  それ以外についてはまだ何も実は決まっていなくて、新聞報道が何かやたらに数字を使いまくって非常にちょっと困っておるんですけれども、先生の御指摘の点は、我々常に、ほかのケースも常に慎重に考えております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 是非、非常に努力していただいているということですので、引き続きお願いしたいと思います。  もう一つ、産業再生機構でいきますと、私は、足利銀行問題にずっと最初から、破綻のときからかかわってきたんですが、ただ、これだけ、これはちょっと産業再生機構の取組、かかわり方に私大変疑問を持っておりますので、この機会に伺いたいと思うんですけれども、産業再生機構全体で四十一件の再生を手掛けて、うち十一件が足利銀行関係ということでございますね。大変大きな、占めるわけですけれども。  私、中小企業を回ったんですが、特に温泉街問題をずっと現地の人たちと一緒に取り組んできたんですけれども。例えば鬼怒川温泉でいきますと、四軒の旅館、ホテルだけが再生対象になって、もう名前、前回出しませんでしたけれども、今回出しますけれども、あさやホテルというところがかなり大きいんですけれども、この四軒で債権放棄が三百二十二億円でございますけれども、このあさやホテルだけで二百二十七億円という債権放棄が足銀からされています。これは巡り巡って国民の税金、公的資金でございますけれどもね。  これがどういう効果をもたらしているかというと、一度この委員会でも指摘させてもらったんですけれども、要するに、そのあさやホテルというのは過剰な設備投資をどんどんやって団体客をどんどんどんどん集めて、周りの旅館、ホテルが大変迷惑をしてきたと。借金をどっと増やしたわけですね。これが足銀の破綻によって不良債権化したと。そういうところが今度救われて、地道に一生懸命、過剰な投資しないで様子を見ながらきちっとやっていたところが債権放棄も何もなしに借金を返し続けなきゃいけないと。これは大変地元には悪影響を及ぼしております。  足銀問題というのはもうさんざん議論がありましたけれども、要するに地域一体で再生しなきゃ駄目なんだと、ああいう銀行は。特に温泉街なんというのは一軒、二軒助けただけでは駄目ですから、全体としてどう助けるかというのが、これは私だけじゃなくて、自民党の先生も含めてかなり委員会で議論やったところです。  ところが、結果、今申し上げたように、たった何百軒ある中の四軒だけが産業再生機構の支援対象になると。その四軒も私、見てきましたけれども、非常に設備が比較的新しいところ、つまり投資をどんどんやってきたところですね、借金を増やしてきたところですね。設備が新しいと、再生機構として、あるいはスポンサーとしても、それを引き受けて身ぎれいにしたら後で売却しやすいと。変な話になってきて、変な循環といいますか、借金しまくった方が救われると。それで周りの温泉街全体には非常に不満と怒りを生じていると、こんな事例が実際生じていると思うんですね。  まず、その辺のところを何かお聞きになっておりますか。

斉藤惇株式会社産業再生機構代表取締役社長

○参考人(斉藤惇君) そういう声が一部あるということは聞いておりますけれども、幾つか問題がございまして、まず、もう先生御存じのとおりですけれども、産業再生機構の方からこれを支援するとかしないとか決めるということはできない。銀行がその事業体と話して、その事業体が何か銀行のあれに賛成したらその案を持ってくるという形で、我々は持ってきたところを、一つは再生の可能性があるかどうか、支援基準というのが先生方によって決められておりまして、まずそれに合致するかどうか。  実は、余り細かく言うといろいろ問題があるんですが、かなりもっとたくさん実は査定をしているんですけれども、実は我々の基準で再生基準にはちょっと達していないというのが現状でございました。そういうことで、持ってこられた中では再生可能性のあるものをやらざるを得なかったということでございます。  それで、確かにいろいろな、この問題はほかの問題にもあるんだと思います。支援されるところとされないところの差というのは十分我々も認識しておりますので、先ほども申しましたように、我々は、考え方としては、企業とか経営者を支援するとか、そういう気持ちは毛頭ありません。やはりあの地域の再生のために、再生ができる、ひょっとしたらいいスポンサーがちゃんと付くようなものを二つ三つやらざるを得ない。  これは町全体を、我々百人ちょっとのスタッフで、ダイエーさんもあればカネボウさんもある、温泉さんもあるというところを全部もう徹夜に次ぐ徹夜でやっているわけでございまして、町全体を何とかせいといっても、ちょっと現実はなかなか難しいということでございまして、できるだけ、我々の考えは、再生のモデルをつくって、それを皆さんがいろいろ参考になさって自分でやっていただく、我々はできるだけ早く撤退すると。こういう、まさしく御指摘のとおり、半官的な組織がいつまでもあってはいけないと我々自分で思っておりますので、そういう考えでやっておりますために、少しそういう現場でお声があるということも分かってはおりますけれども、ちょっと今のところ、我々としてはいかんともし難いということでございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 一部ではなくて、温泉街の全体をまとめておられる方々の声ですので、何軒か以外の全体の声だということを是非今日は気が付いていただいて帰っていただきたいと思いますが。  この仕組みが産業再生機構だけの問題ではないのは当たり前ですね、いろいろ地域再生の問題は。ただこの仕組みが、ここでいきますと、大和SMBCが入っているんですけれども、つまり投資会社が入っていると。投資会社というのはリターンを求めます。比較的短期間で高いリターンを求めます。そういうところのお金を使うとどうしても手っ取り早く身ぎれいにして、売り抜けるといったらなんですけれども、そういうところが再生案件になりやすいというところから、事実、そんな感じの再生案件四件だけとなったというふうに、客観的に見ればそういうことだと思うので、もう終わっちゃったわけですけれども、何といいますか、産業再生機構の総括をされるときにこういう面も含めて総括してほしいし、今現在、いろいろまた進みますので、そういう点では中小といいますか、ほかのところの配慮も是非進めていただきたいというふうに思います。  東証の鶴島参考人にお伺いいたしますけれども、先ほどから議論がありました東証の上場の問題と自主規制、審査機能、これを分離する、金融庁と今いろいろやり合っておられるということですけれども、私は、大塚委員言われたように、はっきりと上場すべきではないとか分離すべきだというふうにまだ判断するだけの研究もしておりませんし材料もないので、お聞かせいただきたいんですけれども、仮に東証さんが言われるように、自主規制と市場運営というのは不可分の関係というふうなことだといたしますと、その理由はいろいろ読ませていただきました。  そうしますと、ニューヨークで四月に今度分離して、向こうは第三者機関といいますか、を考えているようでございますけれども、ロンドンは公営でやっていると。そうすると、国によっていろいろ違うのは当たり前なんですが、じゃ、ニューヨークは、自主規制と市場運営不可分と日本で鶴島さんおっしゃることは、どう考えてやっているのか、やろうとしているのか。ロンドンではそれはどうなっているのかと。国によって違うといっても、基本的な機能ですからそれほど違わないと思うんですが、その辺はどういうふうになっているんでしょうか。

鶴島琢夫株式会社東京証券取引所代表取締役社長

○参考人(鶴島琢夫君) 実はニューヨークの場合に、新聞報道、マスコミ報道で私どももこういう形になるんではないかというふうに承知をしておりますけれども、中身についてまだはっきりしたことが分かっておりません。私どもも今ニューヨークにいろいろ問い合わせをしながらその詳細を調べている最中であります。  今伝えられているところでは、持ち株会社みたいなものがあって、そこに市場運営と規制部門がぶら下がるような、その傘下に収まるような形というふうに伝えられているというふうに理解をしております。したがって、完全に取引所から分かれて全然別のところに規制機能が行ってしまうのかどうかということではないのではないかと。  ただし、この問題は、私どももそうですけれども、この自主規制機能がきちんと担保されるような、独立性がきちんと保たれるようなガバナンス上の手当てというのは必要だろうと思います。そのガバナンスの手当ての仕方に、考え方にやや差があるんだろうなと、こういう理解をしております。  それから、同じ自主規制機能といいましても、例えば市場の管理、それから我々でいうと事後の売買審査機能、それから不公正な取引の発見、摘発、こういうような市場周りのものを全く取引所から自主規制機能の部分を離しちゃっている取引所は、恐らく私の知る限り世界でないんではないかなというふうに思っております。  いずれにしても、今御指摘のように、ロンドンは確かに上場審査についてはFSAがその権限を持っているということはあります。ただ、したがって、いずれにしましても、その自主規制機能が侵されるような形は市場運営上好ましくないことは事実ですので、そうした、何といいましょうか、防衛策といいましょうか防御策といいましょうか、そういうものはガバナンス上もきちんとしていく必要があるという点では私どもも同じ認識であります。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 終わります。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。  本日は、お忙しい中、参考人として、三名の皆様には本当にありがとうございます。これから、まず名義株の問題、監査人の関与の在り方と株券ペーパーレス化の関係につきまして、藤沼参考人に最初にお伺いいたします。  東証と公認会計士協会とは、昨年秋の西武鉄道をめぐる問題を契機に、市場の信頼性確保に向けた共同プロジェクトを立ち上げて、今年の三月にその中間報告をまとめられました。  その中で、名義株への対応が一つの柱とされていますが、しかし、その後も小田急の名義株が発覚するなど、企業の自浄作用が十分機能し切れていないというその実態があらわになっているというふうに思われます。中間報告においても、企業の自主的訂正報告の分析結果を踏まえても、取りまとめられているものの、その内容は将来的な検討課題が大変多く、具体性や即効性に乏しいと思わざるを得ません。  そこで、公認会計士の業務内容の限界もあろうかとは思いますが、企業自身の自主的努力に限界があるのであれば、第三者である監査人がその点を厳しくチェックしていくしかないように思われますが、その点、今後、その名義株問題に対する監査人の関与の在り方についてどう考えていらっしゃるのか、まずお伺いいたします。  そして、あわせて、中間報告の中でも触れていらっしゃいますが、株券のペーパーレス化が実現した場合の名義株への影響というのはどのように考えたらよろしいのか。電子化、システム化によって株式の実質的な保有関係は現状より明確に示されることになるように思われますが、これまでのところでのその検討、そして問題点が浮かび上がっているのであれば是非お伺いしたいと思います。

藤沼亜起日本公認会計士協会会長

○参考人(藤沼亜起君) 名義株は日本のビジネス慣行の中で非常に長く行われておりまして、日本の法の体系の中でも、名義株を存在があるものと前提として法が作られていると。あと、税の立場においても、税の課税は実質的な所有者に課税すると。そういうことで、名義株自身が社会的な存在として認められているというようなことでございます。  それで、監査との関係なんですけれども、我々、基本的に財務諸表の監査ということをやっておりますので、株の所有が実質だれであるのかということについては、基本的には、会計士の立場としては、監査でそれが実質所有者がだれかどうかというところまでは分からない。ただ、大きな株主については、その人、その株主に対して例えば配当を幾ら払ったとか、そういうようなことで、もし実質的ではない名義株があった場合に、その部分も含めて払っている場合には、そこで何か糸口が出てくるかも分からない。その程度でございまして、名義株そのものと財務諸表監査を結び付けることは非常に今の段階では難しいというふうに思っております。  それで、私どもは、先ほど企業統治、内部統制の話ということがありましたけれども、やはり株主がだれであるか、真正な株主はだれであるかということをまず第一にチェックするのは、企業内の内部統制のシステムでやはりやるのがまず本筋ではないかというふうに思っております。ですので、そのような統制システムがあるのかどうか、そういうことを会計士として管理責任者に質問する、あるいは経営者等のディスカッションで、討議の中でそういう名義株の所有者が存在するのかどうかと、そういうような形で、間接的な手法になりますけれども、確認するというのが会計士の役割ではないかというふうに思っております。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 ありがとうございました。  続きまして、名義株の問題という点で、小田急と日本テレビの株の取扱いの差異について鶴島参考人にお伺いをいたします。  小田急のこの名義株をめぐっては、東証は小田急株を監理ポストに入れておらずに、昨年秋の日本テレビなどと比較してもその取扱いは均衡を欠くように見えました。東証自身の上場との関係で規制監査部門の在り方が問題になっていますが、少なくともこれらの取扱いについて明確に説明を行うことがやはり規制機関としての東証の最低限の責務ではないでしょうか。  今回の小田急株の取扱いについて、鶴島参考人に改めてその経緯と、なぜ日本テレビの取扱いと異なることになったのか、お伺いをいたします。

鶴島琢夫株式会社東京証券取引所代表取締役社長

○参考人(鶴島琢夫君) 今御指摘のありましたように、私ども、可能な限り私どものとった措置について分かりやすく明確に説明をしていくということに心掛けなければならないという御指摘については真摯に受け止めたいと思っております。また、そう努力をしてまいります。  それから、具体的に小田急と西武鉄道、これの差異がどうだったかということでございますが、先ほどもちょっと御説明をいたしましたように、監理ポストというのは上場廃止のおそれが生じていることを投資者に周知をするための表示区分であります。が、名義株が存在したからといって直ちに上場廃止のおそれがあるものとして監理ポストに割り当てるというわけではございません。  昨年の西武鉄道を契機といたしまして、今、藤沼参考人からもちょっと話がありましたけれども、この名義株という問題、名義株の名義偽装といいますか、そうしたものが多く出てまいっております。  私どもは、これらを踏まえて、この重要な訂正がなされる場合に割り当てることとしている監理ポストの運用が偏ることのないよう、一応の尺度となる指針を検討をいたしまして、それに照らして、以後、個々の事案を審査をしてまいりました。これは、先般、マスコミを通じてこの尺度、指針というものを公表させていただきましたが、三つございます。正確性を期するためにちょっと文書を見ながら御説明をさせていただきます。  一つは、親会社又は関係会社という属性を偽装する水準に及んでいたかどうか。つまり、この親会社とか関係会社とかというものが、本来は個人の名義株が個々の所有であれば、親会社になったり、それから関連会社という位置付けになったりするものを、名義株という形で外したために、親会社や関連会社という位置付けを免れていると、こういうような状況であったかどうかということが一点です。  二点目は、株式の分布状況に関する上場廃止基準への適合をおおむね最近十年のところで偽装する水準に及んでいたかどうか。つまり、ここ十年間ぐらいの間に上場基準に触れるような、そういう水準であったかどうかということですね。  それから、三つ目に、個人の所有割合などの株式の流通性、これを投資者が著しく誤認するような水準に及んでいたかどうか。これはやや抽象的ではありますが、非常に流動性があるというふうに見られていたのに実は余りなかったと、廃止基準に該当するほどではないけれども、なかったというようなもの、これら三つを尺度となる指針として運用をしてまいっております。いずれかに該当する場合には、名義株が投資者の投資判断に多大な誤りを与えてきたものとして、監理ポストに入れて投資家の注意を促すということにしてきたわけです。  この小田急グループ各社の名義株につきましては、当初、その存在が明らかになってから過去の推移などの全容が明らかとなるまで十日余り実は時間を要しました。発行会社に催促をしましたけれども、十日ばかりの時間を要しました。その途中で、一部の報道で株式の分布状況に関する上場廃止基準への該当を回避する目的があったというような報道が、不確実な報道が発生をいたしました。  私どもでは、そうした重要性が疑われる情報が明らかにされていない状況にあったことから、開示注意銘柄という、開示が十分でないという開示注意銘柄に指定をして、過年度のこの名義株の推移が明らかになったときには、その状況いかんによっては先ほど申しました二番目の上場廃止基準に該当するおそれがあると、そういうような水準にまでこの名義株が偽装されていたということもあり得るわけですので、そうしたことも視野に入れて事実関係を調査をいたしました。しかしながら、最終的には過年度においてもそうした状況には至っていなかったということが判明をいたしましたので、先ほどの指針に抵触するものではないということで監理ポストへの割当ては至らなかったということであります。  それから、一方、日本テレビの場合はどうだったかといいますと、昨年の日本テレビ放送網の場合の名義株の問題は、実際には読売新聞本社グループは法令上の関係会社に相当をしておりました。個人名義が本当は読売新聞社グループの持ち株だったということですので、それを足しますと法令上の関係会社に相当をするというものでございました。にもかかわらず、その関係にあることが隠されて情報開示がなされていたというわけであります。すなわち、日本テレビは読売新聞社から重要な影響を受ける関係にある、つまり関係会社ですから、あるにもかかわらず、名義株によってそのことが当事者に開示をされていなかったという重要性を伴う訂正でありましたし、更に言えば、関係会社の属性が変わるということになりますと、財務諸表上に当該関係会社と取引額の注記が必要となる、そういうことを開示しなければいけないというような大変密度の濃い情報開示が法令上要求をされております。  こうしたことから、私どもでは、日本テレビ放送網の事案については先ほどの指針の趣旨の一番目に抵触するものとして監理ポストに割り当てて、隠されていた事実、情報がどの程度に及ぶものかどうかということについて、証券市場の信頼を著しく毀損したと言えるかどうかについて事実関係を確認をし、審査を行ったと。その結果、そこまでには至らないということで元に戻したと、こういう経緯でございます。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 今とても丁寧に経過を御説明いただきましたので、私の持ち時間がもうなくなってまいりまして、斉藤参考人には大変申し訳ございませんけれども、二問ほど質問は準備しておりましたけれども、また次の機会に質問させていただきたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  一言お礼のごあいさつを申し上げます。  参考人の皆様におかれましては、大変お忙しい中、貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十五分散会

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