財政金融委員会 第6号
- 発言数
- 320 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2005/03/28
会議録
○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二十三日、中川雅治君、林久美子君及び井上哲士君が委員を辞任され、その補欠として若林正俊君、峰崎直樹君及び大門実紀史君が選任されました。 ─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長山木康孝君外十三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、参考人として日本銀行理事白川方明君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○大門実紀史君 おはようございます。よろしくお願いします。 前回、定率減税の縮小、廃止などをやらなくてももっと税金取るべきところはあるということで、外資の課税逃れの質問を若干させていただきました。これ、予算委員会の集中審議でもやらせていただきましたけれども、今日はこの問題の今回の法改正との関係で具体的にお聞きしたいというふうに思います。 今、もう株式取引の半分は外資がやっているという状況でございます。膨大な証券投資が行われておりまして、ただ、課税の実態は不透明というのが現実であります。さらに、外資は様々なファンドを作って投資とかあるいは株式取引をやっているわけですけれども、日経新聞の再生ファンド七十八社の調査だけで一兆二千億円の投資がされていると、平均リターンが三四%という、大変高リターンですね。つまり、再生ファンド関係だけでも何千億ももうけているというのが今の実態だと思います。 もちろん、このファンドには再生以外の、再生ファンド以外の投資を目的としたファンド、幾つもございます。ですから、外資ファンドというのは日本で毎年推定何兆という規模でもうけていると言っても過言ではないと思いますけれども、まず、これらの投資ファンドの実態についてどうなっているか、お聞きしたいと思います。 外資系のファンドが組合スキームを利用して課税逃れをするというのがこの間指摘されてきましたけれども、この組合という形式を取っているファンド、この組合の数はどれぐらいか、これは経済産業省ですか、ちょっと教えてもらえますか。
○政府参考人(舟木隆君) 御説明申し上げます。 組合の数というお尋ねでございます。 私ども所管しておりますのが投資事業有限責任組合でございます。この投資事業有限責任組合は、投資事業有限責任組合法に基づきまして設立される組合でございます。 その数について申し上げますと、これ、契約の登記制度がございますので、私どもその登記書を調査をしております。それによりますと、平成十六年十月現在で、この投資事業有限責任組合、四百八十二の組合がございます。 また一方、財団法人ベンチャーエンタープライズセンターが、ベンチャーキャピタル等投資動向調査を行っております。これはアンケート調査でございますので全数ではございませんが、この調査によりますと、投資事業有限責任組合によるファンドが百二十六、それから民法組合や匿名組合等々によるファンドが百七十四ございまして、大体このアンケートから、推計でございまして恐縮でございますが、推計いたしますと、投資事業有限責任組合二に対して民法組合等によるものが三でございます。二対三でございます。 これを、四百八十二という数字をこの比率で割り戻しまして、全体およそ一千程度の組合形式の投資ファンドがあるんではないかというふうに推計をしておるところでございます。
○大門実紀史君 ありがとうございます。 大体推計で約千ほどの組合があるということだと思いますけれども、こういった組合の出資額は全体で幾らぐらいか、つかんでおられますか。
○政府参考人(舟木隆君) 投資金額についてのお尋ねでございます。 これも財団法人ベンチャーエンタープライズセンターがアンケート調査を行っておりまして、平成十六年度のこの調査によりますと、その実績が約五千億円程度となっておるところでございます。これもアンケート調査でございますので全体を把握しておるわけではございませんが、この数字から割り戻してみますと、先ほど申し上げました二対三の割合でございますので、投資事業有限責任組合による投資金額は大体二千億程度ではないか、その他の組合による投資金額が三千億程度ではないかというふうに推計をしておるところでございます。
○大門実紀史君 ありがとうございます。 まあつかんでいる分だけでも数千億という単位だというふうに思います。 ちょっとここでお聞きしたいんですけど、今回このファンドに、財務省にお聞きしますけれども、主税局長さんに特にお聞きしたいんですけれども、今回こういうファンドに課税をするというのを与党の方でまとめられているときに、外資が、外資九社が主税局長あてに抗議文を、意見書といいますか、抗議の意見書を、反対意見書を出したということが報じられましたけれども、そういう意見書、お受け取りですか。
○政府参考人(福田進君) お答え申し上げます。 御指摘のように、私あてに反対意見書が出ているのは事実でございます。
○大門実紀史君 それについてどういうふうにお考えですか。
○政府参考人(福田進君) 私どもといたしましては、今回の法改正の趣旨、内容等について御説明を申し上げているということでございます。
○大門実紀史君 この九社のファンドが反対意見を出したその中に、私この委員会で何度も指摘いたしましたけれども、カーライル・グループが入っております。政策投資銀行から出資を受けて、ブッシュ大統領のお父さんが来て出資を頼むというふうないろんな経過があって、しかも元々は軍事投資会社、アメリカで相当いろいろ話題になっているところでありますけれども、そういうところも含めて財務省に反対意見を出すということでありまして、私はちょっと、非常に問題だなというふうに思っているところです。 これに関連して、もう一つは、日本ベンチャーキャピタル協会というのがありますけれども、そこの中のグロービス代表の堀さんがインターネットでこういうことをおっしゃっております。今回の税制改正の中身を去年の十一月二十六日に知ったと。それは私が理事を務めている日本ベンチャーキャピタル協会に経済産業省から連絡が入ったんだと。それでびっくりして反対意見を表明するということをやったというふうに堀さんが御自分でおっしゃっています。 私は、経済産業省はどういう立場でこの外資への課税問題とらえておられるのか、この機会に聞いておきたいと思いますけれども、そもそもこういう経済産業省から外資系のこの団体ですね、こういうところに、こういうことがさっさと連絡行くような関係なんでしょうか。経済産業省、来ておられるんで教えてください。
○政府参考人(舟木隆君) 御説明申し上げます。 今の先生の御指摘の点、私もつぶさには承知をしていないわけですけれども、一般論で申し上げますと、そういういろんな、政府におきまして、経済産業省におきまして税制の問題ですとかそういういろんな問題を検討します過程で、やはり関係者の意見を聴くべきであると判断しました場合はその関係者に意見を尋ねる、そのためにその進捗状況等を説明をした上で意見を尋ねるということはやっておるところでございます。
○大門実紀史君 いや、堀さんおっしゃったような、意見を尋ねるとかじゃなくて、そういうことが与党の中で相談されていますよということをいち早くこういう外資の団体に経済産業省から知らせると、こういう関係についてお聞きしているんですけれども。
○政府参考人(舟木隆君) 今の外資の団体というお話でございましたが、それが財団法人でございますれば、私ども所管しておる財団法人でございますれば、外資であるとか外資でないとかというふうなことではなくて、やはりそれに関係している人ということである程度情報を伝え、そういったことに関して意見を聴きながら行政を進めているというところでございます。
○大門実紀史君 余りしつこく言いませんけれども、要するに、与党でそういうことが相談されているということを経済産業省レベルから、これ外資ですよ、これは明らかに外資の問題ですからね、外資に伝えて、外資がそれを聞いていち早く反対の行動を起こすと、やっぱりちょっとまずいんじゃないかというふうに指摘しておきたいと思います。 経済産業省は、そもそもこの外資の課税逃れの問題をどういうふうにとらえておられますか。
○政府参考人(舟木隆君) お答え申し上げます。 課税の問題につきましては財務省で御担当でございますので、私ども、財務省さんといろいろ情報交換や意見交換をしながら政府全体として考えているところでございまして、個別の税の問題につきましては財務省さんの方からお答えをしていただくのが適当かと思っております。
○大門実紀史君 是非今、これは政府を挙げてきちっとした問題にしてほしいという意味で、経済産業省も財務省に協力をするというふうにお願いしたいというふうに思います。 本題に戻りますけれども、今回のこういった組合スキームの投資ファンドに課税を強化するという方向になりまして、これ一歩前進だと思いますが、非常にややこしい問題が幾つかあって、分かりにくい問題があります。 資料をお配りしました、一枚目の、非居住者等による事業譲渡類似株式の譲渡益課税の適正化、これを簡単に説明してもらえますか。
○政府参考人(福田進君) お答え申し上げます。 現行法上、非居住者等が日本企業の株式の譲渡益を得た場合には原則として日本では課税されませんが、当該非居住者等が日本企業の株式の大口の譲渡を行った場合、そこにございますように、いわゆる事業譲渡類似株式の譲渡、具体的に申し上げますと、内国法人の株式の二五%以上を所有していて一年間に五%以上を譲渡した場合でございますが、そういう場合には日本で申告納税しなければならないということになっているわけでございます。 ただ、これにつきましては、非居住者等がそこにございますように組合を通じて投資した場合には、これまでは組合ではなしに組合員個々人で判定をしていたわけでございますが、組合等を通じて組合全体で判断をするというふうにしたわけでございます。 これは、非居住者等がこの組合を通じて投資した場合には事実上課税を免れるという問題がございまして、今回の改正ではこのような課税の抜け穴を防ぐために、先ほど御説明申し上げました事業譲渡類似に該当するかどうかの判定、つまり、所有割合が二五%以上、譲渡割合五%以上であるかどうかというのは個々の組合員ごとではなくて、組合を通じて株式を所有している場合にはその組合を一体としてとらえると、組合全体で判断をするということにするような改正案を御提出した次第でございます。
○大門実紀史君 要するに、今までは個々の組合員というか投資家をベースにしていましたけれども、今度はまとまって二五%を超えると課税をするというふうにされたということですね。 この二五%という数字にどういう意味があるんでしょうか。
○政府参考人(福田進君) 二五%に、数学的な理論計算で出てきたというわけではございませんでして、他の制度との整合性、例えば受取配当の場合の所有割合であるとか、そういったそれ以外の制度との関係で一つの基準として二五%を所有しているかどうかというのを引用しているところでございます。
○大門実紀史君 そうすると、あれですか、今回のライブドアなんかのことにもかかわると思うんですけれども、いわゆる議決権とか、株の議決権、あるいはよく投資ファンドは再生して上場するとかあるいは事業譲渡するとか、こういう方式を取りますけれども、その議決権とのかかわりはないんですか。
○政府参考人(福田進君) 税法の観点で申し上げますと、数字似ておりますけれども、二五%が直接議決権に関係するから持ってきているというわけではございません。ただ、さっき申し上げましたように、どういうものを対象にするかというときには議決権ということも一つの判断要素にはなりますが、議決権であるからという、自動的に来ているわけではございません。
○大門実紀史君 それであれば、私、逆に二五%にそれほどの意味があるとは思えないわけですので、要するに、投資ファンドのやり方でいくと再生して売るとか上場するとか、その会社そのものをきちっと握らないと稼げないという点から議決権のかかわりで二五なのかなと思ったもんですからお聞きしたんですけれども、そうでないとしたら、そうでないとしたら二五に特に意味はないわけですから、ありますか。
○政府参考人(福田進君) 特に意味がないというふうに全否定されますとそうではございませんというふうに申し上げざるを得なくなるんですが、つまり、先ほどから申し上げましたように、どういうものを課税の対象にするか、後でも出てまいりますけれども、源泉徴収の対象にするか、そういったことを考えるときに一つの判断要素にはなるのは事実でございますけれども、それだけをもってやっているわけではないということを御理解いただきたいと思います。
○大門実紀史君 それは分かるんですけれども、つまり、投資ファンドのやり方に関係しての二五という数字でなければやり方との関係では余り意味、特に意味がないと、そういう意味で申し上げたんですけれども、したがって、二五じゃなくてもそういうことだったらいいんではないかと、もっと下げてもいいんではないかと、後々ちょっと研究をしてもらいたいなという意味で申し上げているわけでございます。 この二五という数字が、前回ちょっと少しだけ触れましたけれども、リップルウッドが、例の八兆円の公的資金を入れて長銀をわずか十億円で買い取ったあのリップルウッド、新生銀行ですけれども、この措置がとられるということを前提に、投資組合のLTCB・パートナーズを通じて六五%の株を保有していたんですけれども、それを去年に二五%より保有比率を下げて、海外の九十五以上の個別の投資家に所有権を移してしまうと。それで、今年の二月に株を三千億ぐらい売って、売り抜けたということになっているわけですね。 私、この前は、予算委員会では当局に聞きましたけれども、是非、谷垣大臣にお聞きしたいんですけれども、政府として、公的資金を八兆円入れる経過は金融庁も批判されたりしましたけれども、結果として、国民の公的資金が入っているところが、この財務省がこういう法改正をやるということを見越して、わざわざ二五%以下にして株を売り抜けるということが目の前でやられたわけですけれども、谷垣財務大臣はどのようにこの問題をとらえておられますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 個別の問題についてはお答えを差し控えさせていただきますけれども、私どもは、今回のいろいろな改正の中で、特に組合、非居住の組合のようなものに対してどういうふうな制度をつくっていくかということは、これは我が国だけではなくて国際的にも大きな検討課題でございますから、私ども、やっぱりこういう国際化した中で多くの、できるだけいろいろな情報も集めてきちっとした対応を、制度とそれから実際執行面と両方で、制度をつくっただけでもなかなかうまくいかないところがございます。国際的にどこまで情報を得られて、目を光らすと言うとちょっと言葉は悪いかもしれませんが、そういう執行面の努力、あるいは技能の向上ということも必要ではないかと思いますが、両方でいろんなことを考えていきたいと思っております。
○大門実紀史君 個別のことというよりも、やっぱり公的資金との関係でどうも国民感情として納得のできない話ではないかというふうに思いますので、何といいますか、リップルウッド問題というのはまだ起こりそうなんで、次は逃がさないようにしていかなきゃいけないと、今回は捕まえようがなかったというものもございますんで。 今後も、この二五%の問題でいきますと、リップルウッドのように、ほかの投資ファンドもこれを機会に組合としての所有を二五%未満に下げると、それ以上持っていた分を各投資家に分散するということも考えられますし、あるいはさっき言った、後で再生して売却とか上場とかいろいろ考えた場合、一定の比率は握っておかなきゃいけないということで考えると、今一つの投資組合を同じ目的の二つの投資組合に分散する、三つに分散すると、こんなことも考えられると。幾らでもいろんなことをやるんですね、外資というのは。 そういう点でいきますと、今回二五%という数字、これはいろんなあの手この手で逃れてしまうということもあり得るんじゃないかと思いますが、その点、国税庁でも財務省でも結構ですが、いかがお考えですか。
○政府参考人(福田進君) 個別の課税関係について具体的なケースごとに判断する必要ございますが、一般論として申し上げますと、今御指摘の中にございました組合が組合員に株式を払い戻すと、そういった場合に譲渡益課税が行われない場合も考えられます。御指摘のとおりでございます。 ただ、お話にもございましたように、投資ファンドと申しますのは、資金を集めてこれを一体的に運用する点に有利性あるいは効率性がございまして、これを求めて投資家が参加しているものと思われます。組合を解散したり、あるいは当該企業に対する一体的な影響力をそうしますと行使できなくなりますので、また払い戻された株式を自ら売却しなければならないことになるなど、組合員にとってマイナスのこともございます。 また、居住地国との租税条約によりまして、日本で課税されない組合員にとっては、組合を解散する税制上のメリットというのは余りないことになるわけでございます。居住地国で課税されている組合員にとっても、通常は居住地国において外国税額控除が受けられることになると考えられますために、解散するメリットはないのではないかというふうに考えております。 これらの点を踏まえますと、日本における課税を免れるためだけに組合の解散を行うことにはおのずと制約があるものと考えられるところでございます。 ただ、いずれにいたしましても制度、今申し上げましたように各国の制度、あるいは租税条約のすき間というんですか、差異を利用していろいろな行動がなされていることも事実でございまして、さっき大臣から御答弁ございましたように、私どもといたしましては、できるだけ御指摘のような事態を招かないように制度の見直し、改正をこれまでも行ってまいりましたし、これからもよく勉強してまいりたいと、かように考えております。
○大門実紀史君 もちろん解散すれば目的そのものが失われるんでそのとおりなんですけれども、私が申し上げたのは、解散じゃなくて、例えば今四五%の株を持っているところが、投資組合があると。これを一五%ずつの三つの投資組合に分けると、再編すると。その三つの組合は同じ目的を持ってその会社を支配するといいますか、後々見届けるというふうになった場合、私、手も足も出ないんじゃないかと。解散じゃなくて分割といいますか、そういうことも考えられるというふうに思うんですね。 ですから、これだけではまだまだ逃げられるといいますか、課税逃れが防げるとは思えない部分がありますので、是非そういうところも研究をしていただいて、大臣、前から言われていたとおり、実態面と執行面、両面で総力を挙げてやってもらいたいと、そうしないと今回の改正が生きない可能性もありますんで、是非お願いしたいというふうに思います。 もう一つ、時間がないんで一つだけお聞きします。 資料の二枚目にお付けしましたけれども、今回、申告納税だけではなくて源泉徴収方式によって、またこれでも把握をしようというふうに改正されております。ただ、先ほどから申し上げていたとおり、そもそも実態のつかめないところ、実態のつかめない組合、匿名組合、任意組合、投資ファンドですね。源泉徴収というのは、通常の観念でいきますと、事業体としてつかめるところにやってもらうというのが普通の話ですけれども、こういうつかみどころのないところに源泉徴収求めても、そもそもどうやってそれをチェックするのか、非常に難しい問題があると思いますが、その辺、いかがお考えですか。
○政府参考人(村上喜堂君) お答えいたします。 源泉徴収制度は、国内におきましてもう自動的に源泉徴収義務者が国税当局に例えば届け出るという制度にはなっておりません。給与を支給する場合の源泉徴収は、たとえ税額はなくても徴収高計算書を国税当局に出していただく必要があるんですが、源泉徴収の制度、いろいろありますから、国内においても必ずしもそう自動的には把握できない。 したがいまして、国税当局といたしましては、そういう制度の周知を行うとともに、各種資料情報の収集を行っております。今回の制度につきましては、支払調書が出るだとかいろいろ制度がありますので、そういうのを小まめに収集しまして源泉徴収義務者を把握しているところであります。今回の制度につきましてはそのようにさせていただきたいと思っております。
○大門実紀史君 今、日本の中で源泉徴収というのは確かに届出じゃありませんけれども、その代わりに、会社であれば登記をするとか社会保険でチェックされるとか、ほかのところでその存在を確認ができるというふうになっております。 ただ、届出そのものに義務がないということを申し上げているわけじゃなくて、任意組合ですから、そもそも匿名組合ですから、把握のしようがないという点が難しさはあるというふうに思います。 いずれにせよ、今回はこの点に関しては一歩前進だというふうに思っておりますので、実効のあるものにしていただくようにお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。
○尾立源幸君 おはようございます。民主党・新緑風会の尾立源幸でございます。本日は特例公債、そして並びに所得税の一部を改正する法律に関して九十分の時間をいただきましたので、質問をさせていただきたいと思います。 まず、残念ながら、先週、我々民主党会派が反対をする平成十七年度予算が成立をしてしまいました。しかし、一つ私が救いであったと思っておりますことは、当委員会にずっとそれまで出ておりまして、財務大臣を始めすべての委員の皆様が我が国の抱える財政危機の問題、特に少子高齢化、さらにはグローバル経済が進む中でのこの財政赤字の問題を非常な危機感を持ってとらえておられるということでございます。 今日は、さきに多くの委員がマクロ的なお話を質問をされましたので、私は若干ミクロな部分、さらには現場感に立った質問をさせていただきたいと思います。特に税の、お金の集め方ということで税制の問題、そしてお金の使い方ということで予算執行、歳出の、支出の、その辺りの問題を中心に質疑をさせていただきたいと思います。 その前に、私自身が、以前にも申し上げました、公認会計士、税理士という仕事をしてまいりました。その中で得た確信は、税はできるだけ安く、そして税制というのは簡単で分かりやすくあればあるほどいいという、その確信でございます。こういう信念を持ってやらさせていただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 そして、本題に入りますが、所得税の定率減税の縮減、赤字国債の発行について議論をいたしますが、この税収と支出の差額としてのいわゆる借金、なぜこれほどまでに我が国の抱える借金が膨らんでしまったのか、そしてまた現状はどうなのか、この点につき皆さんと意識を共有をさせていただきたいと思います。 これは非常に大きな問題でございます。私たち、現在の財政に影響を与えるだけではございません。将来の子供たちにツケを押し付ける、投票権を持たない、意思表示も何もしていない子供たちに彼らの未来の自由を奪うという形で借金を押し付けるという、大変大人として、また政治家として重い責任を持っているということを改めて確認をいただきたいと思います。 また、谷垣財務大臣にあられましては、私も同じ京都の福知山出身ということで、前回も申し上げましたが、四十七代目の内閣総理大臣、芦田均首相が誕生しておりますが、芦田均首相は戦後の復興に貢献をされ、また日本国憲法の制定にも携わられた偉大な総理大臣でございましたけれども、大臣も、谷垣大臣も是非二人目の総理大臣になっていただきたいなと思います。しかしながら、その条件として、この財務大臣の在任中に、膨れ上がるばっかりのこの借金地獄、財政赤字に初めて本格的に手を着けた、メスを入れたと、こういうふうに後世評価されるような仕事をしていただきたいと思っております。それが条件でございます。 それでは、債務の、借金の問題に入らせていただきますが、前回の当委員会でも同僚の富岡議員が質問をされました。国の抱える国債残高、さらには政府短期証券、また財投、特例債、政府債務保証等々入れますと、二〇〇四年度末、この三月末で何と一千兆円を超える、まあ隠れ借金も含めてでございますが、債務があるということになっております。 これは、私自身は、感想でございますが、財政規律を重んじる財務省の皆様を除いた他の府省庁の政治家やそして官僚の皆さんが一体となって、景気対策のため、そしてまた社会保障のためと言いつつ、予算をよこせよこせと、こういう大合唱の中で、残念ながら財務省がその圧力に屈してきた歴史ではないかと私自身も思っております。他の委員会に私も代理でいろいろ出させていただきますけれども、相変わらずそういった圧力、グループからの要求というものは相当なものでございます。 私自身、この財務委員会で皆さんがどんなに危機感を共有されても、他の府省庁の皆さんが意識を同じくしていただかなければ、なかなかこれは対抗できない、財政規律回復には難しいんではないかと思うんですが、その辺り、まず大臣、御感想というかお考えをお聞かせください。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今委員から私どもの郷土の大先輩である芦田均先生のお名前も出されて、気合を入れていただきまして、大変緊張して答弁に立ったわけでございますが。 今委員がおっしゃった我が国のこの財政状況、これはいろんな数字の取りようがございます。私たちが一番普通に使っておりますのは、原則として税金で返していかなければならないもの、これを中心に考えているわけですが、それを取りましても、先ほど委員がお挙げになった数字は年金とかいろんなものが入っておりますが、原則として税金で返さなきゃならぬというものを取りますと、平成十八年度末で国の残高が五百三十八兆と、地方も合わせると七百七十四兆と。いずれにせよ、これはもう大変厳しい状況でございます。 そこで、なぜそうなったかということになりますと、──平成十七年度末でそういうことになるわけでございますが、なぜそうなったのかということは、これはもちろん私ども財務省の予算編成の在り方ということももちろんあるわけでございますが、大きく言えば、我が国の政治や社会、経済の在り方そのものとも言ってもいいんではないかというふうに思っております。 それで、これだけ債務がたまってまいりました直接の原因は何か、端的にお答えすれば、これは特に平成に入って加速度的に累増しているわけですが、やはりバブル経済が崩壊して経済が底抜け、底が割れてしまうんじゃないかというような状況の中で、累次にわたる景気対策、経済対策、それから減税等を打ってきたということが直接の原因であるというふうに思っております。 そこで、これに対応していくためにはどうしてもまず歳出の聖域なき改革、歳出構造の見直し、併せて歳入面も考えていかなければならないわけですが、委員がおっしゃったことは、特に歳出面で聖域なき見直しと言うけれども、現実にはこういう歳出もすべきではないかと、こういう予算も付けるべきではないかと、非常な圧力がある中でよほど危機感を持ってやっていかなければできないぞという御指摘であろうと思います。 確かに私、今の仕事をさせていただきまして、本当にやはり必要な歳出というのはこれは当然もうあるわけでございますが、一番苦しいのは、やはり経済状況が悪くなってきておりますし、高齢化が進んできておりますから、どうしても高齢化関係のものは幾ら抑えてもこれは伸びざるを得ない。そうしますと、あとのものにもなかなか必要なものに回しにくいような状況になっておりまして、よほどここは私どももそれから先生方も危機感を共有してやっていかなければいけないところではないかというふうに考えております。
○尾立源幸君 大臣もおっしゃるとおり、いろんな圧力、既得権益を守るグループ、新しいグループいろいろございますけれども、もう一つ私いろいろな財務官僚の皆様とのやり取りの中で感じましたことは、特に若手の財務省の優秀な方々、この方が、要は政府のむちゃな予算を増やせというリクエストにこたえて次々と新たな国債の種類を増やしていかれた。例えば個人でも買えるように一万円から国債の販売をしたり、さらには変動利付国債とか、またさらには海外でもっと購入してもらいたいということでいろんなPRをされておりますけれども、逆にこういった優秀な方々がいらっしゃるがゆえに私は借金をどんどん重ねてしまったんではないかと。これはどっちが先かは分かりませんけれども、余りにもむちゃなリクエストにこたえ過ぎるのではないかと、そんなふうに思っています。この点は、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今の点は、委員自身もちょっとそういう口吻も漏らしておられますが、どちらが鶏でどちらが卵かというのはなかなか難しい問題でございますけれども、私は、個人向け国債とか新しい国債保有者層を多様したり国債商品を多様化していくことが国債を増やしたというよりも、やっぱり国債を、これだけ借金が積み重なりますと、いかに安定して国債を消化していくかということを真剣に試みざるを得ない、その結果として今おっしゃったようなことが出てきて、あるいは日本の国債ということから考えれば、保有者層を多様化するというのは、これほど積み重なる前からもっと早くから取り組むべき問題であったのかもしれませんけれども、多様化したりいろいろ商品を開発することがその借金を増やしていく原因であるというのは、ちょっと違うんではないかなという気がいたします。
○尾立源幸君 いずれにせよ、現実的に、一千兆円とは言いませんが、七百兆円を超える借金がございますが、大臣とも意識を共有していただいたかと思いますが、何はともあれ、この委員会だけではなく、他の省庁の役人の皆様や、また政治家、さらには国民みんなでこの意識を共有することが私は大事ではないかと思っております。すなわち、一人一人が納税者、タックスペイヤーとしての意識をしっかり持つ、ここから私はこの改革が始まるのではないかと思っております。 そこで、私も言いっ放しではいけませんので幾つかアイデアを出させていただきたいと思います。 一つは、皆様のお手元に今日資料として配らせていただきました一ページ目にあります借金時計と呼ばれるものでございます。中には御存じの方もいらっしゃるかと思いますが、実はこの借金時計、我が国と同じく財政赤字に苦しんでおりましたアメリカで、ある篤志家の方が自分のお金でこの借金時計というものを作りまして、今アメリカの国の借金はどれほど増え続けているのかというのをみんなに分かってもらおうということで、ニューヨーク・マンハッタンの六番街に設置をしたものでございます。 その結果、このインパクトがあったんだと思います、クリントン政権時代、二〇〇〇年には、下に細かく英語で書いてございますが、この時計、借金がゼロになった。止まった。しかしながら、今は残念ながら、ブッシュさんになって二〇〇二年からもう一度この借金時計が回り始めたと、債務が増え続けているということでございますが。 私も、日本のこの財政、これに当てはめて考えました。そうすると、御承知の方も多いと思いますが、何と一秒間に、私がこうやって質疑をしておる間にも九十二万円という新たな借金が積み上がっております。一日国会やったら七百九十四億円です。このような危機感を是非みんなで私は共有したいんです。そのために、時計まで作ってくれとは申し上げませんが、是非、もし我々がこの借金時計の表示板を用意しましたら、財務省の建物の、どうですかね、正面ぐらいにばんと付けさせていただきたいんですけれども、御許可お願いできませんでしょうか。これ民間で付けますと場所代だけで広告で何千万というふうに取られます。どうかちょっと、正門か正面をお借りしたいんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) この借金時計、財務省に設置せよ、財務省に場所だけでも提供せよということでございますが、ちょっと、にわかのお尋ねで、国有財産の管理上どうなるのかちょっとお答えがしにくいんですが。いや、私どもも国民に財政の状況をよく伝えて、それで国民の間にも当然不安なりあるいは不満なり、そういうものがあるわけでございますので、そういうものとよく対話をして、現状をお互いに正確に認識して、正しい方向に改革を進めていく努力は当然しなきゃならないと思っております。 それで、今までも、例えば国の財政状況を家計に例えるとどれだけ所得があってどれだけ仕送りをしているかというような説明もさせていただきましたし、あるいは公債残高を一万円札で積み重ねるとどのぐらいになるかとか、いろんなことで分かりやすい説明に努めてきたわけでございますが、私も、予算、先日、先ほど残念ながらとおっしゃいましたけれども、通していただきまして、やはりこれから、先ほど申しました国民の皆様にやはりその辺りもよく理解をしていただいて、濶達な御議論もお願いしなければなりませんので、更に四月から財政に関する国民との対話というようなものも工夫してやらしていただきたいと思っております。
○尾立源幸君 是非、時計を作った暁には、許可、検討願いたいと思います。 次に、歳出削減の具体的な方法論として一つ二つお話をさせていただきたいと思います。一つは、二ページ目に、資料お手元お配りした、ございます。 実は、無駄な支出そのものを減らすことは当然でございますが、私は、今ある支出の中でもっと効率的なコスト引下げをしたお金の使い方ができないということで、このグラフを皆様にお示しをさせていただいております。これは、実は一番上の①総計というのを見ていただきたいんですけれども、黒い太い線の方が公共建築工事の単価でございます。そして、下の線が民間建築工事での単価を示しております。これは多分全国平均ということでございますので、大勢を示しているというふうにお考えください。 一九九〇年、大臣おっしゃいましたバブル経済が破綻する前までは割とこの民間と公共の単価というものが、ちょっとやっぱり公共の方が高いんですけれども、一致をしておったと言ってもいいと思うんですが、九〇年、バブル経済崩壊してからぐっとこの乖離が見られております。公共工事の単価は高止まり、民間の方はぐっと単価を引下げ成功しておりますというか、引き下がっております。 そして、これを今の公共工事支出に当てはめますと、今、国は七兆五千億ぐらいを公共工事で使っておるわけですけれども、この乖離幅は実は民間と公共建築は一・七倍の差になっております。正に七割高、七〇%高というのが今のこの公共建築工事の現状でございます。逆に言うと、民間並みに七〇%を下げれば七兆五千億の公共工事支出というものは約三兆円減らせるんです。四兆五千億に減らすことができます。 いろいろまた理由はあるとは思うんですけれども、こういった客観的なデータがございます。やればできる、私はそのように思っております。少なくとも一割、二割、三割、四割できるんじゃないかと思いますが、財務大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 委員からこれはお配りいただいた資料を見ますと、確かにかつてに比べますと差が開いているというのがこのグラフにも表れているなというふうに拝見したわけですが、公共工事と民間工事とは、それぞれの目的も違ったりするところもありますので、一概に比較するのはなかなか難しいところもあることは事実だと思いますけれども、いかにしてその公共工事のコストを縮減してより効率的なものにしていくかということは、こういう厳しい財政状況の中で、先ほど申し上げた国民の不安や不満を解消していく上でも私は必要なことではないかと思っております。 そこで、平成十五年度から政府全体として、そのコストをどうして引き下げていくかという観点から、公共事業のすべてのプロセスを見直してコスト構造改革をやろうということで取り組んでおりまして、五年間で物価の下落率を除いて一五%コストを削減しようということに今取り組んでいるところでございます。 そこで、平成十七年度でも、事業のスピードアップであるとか、それから、計画から施工して完成するまでいろんな段階があるわけでございますが、その段階ごとのいろいろな最適化をどうしてやるかとか、それから調達をどのようにもう少し最適なものにやれるかというようなことを推し進めておりまして、コスト構造改革ということはきちっとやっていかなければならないというふうに考えております。
○尾立源幸君 是非その努力をお願いをいたし、引き続きモニターをさせていただきたいと思います。 もう一点、今ある歳出の問題ではないんですけれども、ちょっと懸念される事態が起こっております。 それは、御承知のとおり、今、小泉さんを始め政府全体で国連への安全保障理事国入りを、常任理事国入りを目指しておられますが、三月二十日に国連のアナン事務総長が発表された報告書の中には、国連の常任理事国になる場合には、ODA予算というものを、その国のGDP、GDPの〇・七%に達しているか又はそれに近い、近づけるよう努力しているかと、こんな基準がございます。 我が国に当てはめてみますと、五百兆のGDP掛ける〇・七ということで、三兆五千億にも上るわけでございますけれども、今、平成十七年度ODA予算は七千八百六十二億。一体、この三兆五千億と七千八百六十二億の差をどうやって解消されるのか。解消されないというなら結構なんですけれども、常任理事国に入るということは、三兆五千億にもっともっと近づけろ、支出を増やせという要求がこれから国連から参るわけでございます。それに限らず、これから、明日ですか、議論されるIDAの方にも三年間で二千四百七十八億円の出資も予定されている。 このような、常任理事国に入ればいいことも多分たくさんあると思いますが、しかしながら、それに伴う義務といったものを政府の皆さんはもっとしっかり国民に説明をしなきゃいけないんじゃないでしょうか。いいことばっかりおっしゃって、義務の方をほとんど私はおっしゃっていないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今委員がおっしゃいましたように、先日のアナン事務総長の報告書で、安保理改革に関連してODAについて対GDP比〇・七%を達成すると、それからそれに向けた進展がある、こういったことが重要な基準であるという指摘がなされております。他方、その報告の中でも、ODAの水準だけじゃなく、例えば外交面等も含めた国際貢献の大きな国に意思決定の関与を増加させるべきだという指摘もありまして、〇・七%が一義的に条件だというわけでは私は必ずしもそうではないというふうに思っておりますけれども。 この問題は、日本にとりまして大変悩ましいのは、かつて日本はやっぱりODAにしっかり取り組もうということで、十年近く世界でも最大のODA供与国であったという、これはやっぱり私は相当大きなことであり、大きくやはり評価していただくべきことであって、国連改革の場合でも、過去における実績というのをこれはやっぱり正当に評価していただかなければいけないと思うんですね。 日本にとってつらいのは、やはりそれだけ頑張ってきたけれども、財政も厳しくなってなかなか今までのようには継続ができないぞということになってきたときに、諸外国ではむしろODAを増やそうという動きになってきたところが日本にとっては非常につらいところだと思っております。 財政をお預かりする立場としては、今委員のおっしゃいますように、ODAの在り方等についてもしっかり説明をしていかなければならないと思っておりますが、当面、私どもがやはり考えることは、ODAもきちっと使われて、日本の外交上あるいは世界の安定的な発展の上で極めて大きな役割を果たしているものは厳然として存在すると。他方で、さあこれはどうかなというのもないわけではありませんし、ODAを受けた国が必ずしもそれを十分こなせないというような現実もあるわけでございますので、やはり、何というんでしょうか、効率的なものに、そしてより効果の上がるものに重点的に投下をしていくというような動きをしながら、日本の存在も低くならないように工夫をしなければ、一番そういう工夫が求められているところではないかというふうに思っております。
○尾立源幸君 参議院の方でも、ODAに関しては先輩や同僚の皆さんでODA改革ということでいろいろモニターしておりますので、引き続き、今大臣のおっしゃった視点で我々もしっかりチェックをしていきたいと思っております。 最後に、資料三ページ、四ページにお付けしております、これはスウェーデンの中学校の教科書でございます。ちょっと今ブームになっておりまして、皇太子様が誕生日に朗読された詩が入っておるこの教科書でございますが、その詩を取り上げるというわけではございません。 四ページ目、実はこの中学校の教科書の中で家計の話が出ていて、家庭のお金の使い方の話が出てくるわけでございますが、どうしてもお金が足りないときはどうするかというこの基本的なことに対する答えが「支出を切り詰める」、丸ポチで書いてあると思いますけれども、これを改めて少し読ませていただきたいと思います。お金が十分にないときは、人はどうすれば良いでしょう。その第一の方法は、追加的な仕事をするとか、パートを全日の仕事に変えるとかして、収入を高めることは明らかです。しかし、多くの人々にとってそれは不可能なので、彼らは支出を切り詰めるのですと、このように書いてございます。 正に、この最後の一文でございますが、「支出を切り詰める」、是非この、スウェーデンの中学校の皆さんはこうやって勉強しております。私たち日本の大人も、もう一度原点に返ってこの点をしっかりと認識しなきゃいけない、そんなふうに思って添付させていただきました。 それでは、具体的にお金の使い方、支出の部分に入らせていただきたいと思います。 先ほど、残念ながらと申しました、この平成十七年の予算が成立したわけでございますけれども、この予算の中には一般会計、特別会計、さらには特殊法人等独立行政法人、それらに対する交付金や補助金が含まれております。 お配りした資料の六ページ、済みません、資料ばかりちょっとぺらぺらめくらせて。 グラフがまたお手元に出てくると思いますが、一般会計と特別会計の歳出総額の推移ということで、青いグラフが一般会計の歳出を表したものでございます。赤いグラフが特別、赤と黒が同じで済みません。済みません、私のだけカラーになっていまして。上の方が特別会計の歳出でございます。これを見ていただければ一目瞭然なわけでございまして、一般会計は財務大臣がおっしゃるように何とか頑張っているよということでございますが、この特別会計に関しましてはぐんぐんウナギ登り。何かちょっと二年前でしょうか、へっこんだんですけれどもまた上がっていると、こんな状況でございます。この状況を称して、もうこの委員会でも出ましたが、塩川元財務大臣は母屋でおかゆをすすって離れですき焼きを食べていると、こううまいことをおっしゃっておるわけでございますけれども。 そこで、まずお聞きしたいのは、一般会計、特別会計から、一般会計、特別会計です、この総額、今年で、今年の予算で大体二百五十兆ぐらいになるんでしょうか。GDPが五百兆ですから、ほぼ五割をこの政府関係の支出で賄っていると。大した国だなと思うんですけれども、この一般会計、特別会計から特殊法人、独立行政法人等に流れている交付金、補助金のこの総額をお聞きしたいと思っております。財務大臣、どうかよろしくお願いします。
○政府参考人(杉本和行君) 一般会計及び特別会計から特殊法人、認可法人、それから独立行政法人に流れている財政支出の総額というお尋ねでございます。 平成十七年度、一つ特殊要因がございます。それは、年金資金運用基金というのがございますが、これに対する財政支出として、年金住宅融資事業等の廃止に伴いまして、その事業に係ります財政融資資金借入金を同基金の解散のときまでに償還するということにされておりますので、当該償還に要する資金として政府が行う財政支出、これが四兆四千億円強ございます。 これは実体といいますよりも、財投から借り入れたものを特会の関係に勘定上振り替えるということでございますので、実質的にはその会計上の整理だというふうに考えておりますので、この特殊法人を除いたところで、特殊法人及び認可法人向けの財政支出が一兆一千七十八億円でございます。 それから、独立行政法人向けの財政支出でございますが、これについても一つ特殊要因がございまして、石油公団の解散に伴いまして、公団が実施しておりました債務保証及び出資に係る事業の一部を独立法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構に移管するため行う出資分の増額、これも法人の改革に伴う、改定に伴う振替でございますので、これが七百六十二億円ございます。これを除いたところで三兆二千七百五十七億円でございまして、その両者合わせまして、特殊法人、認可法人、独立行政法人向け財政支出を合計した額は四兆三千八百三十五億円でございます。
○尾立源幸君 いずれにいたしましても、四兆三千八百三十五億円、大変な、ある意味で税金がこの特殊法人等独立行政法人へ流れております。 そこで、私、この特殊法人、独立行政法人、いろいろ調べさせていただいたわけでございますけれども、調べれば調べるほど、さっきの塩川元財務大臣の話の続きがございました。先ほど、母屋でおかゆをすする、そのとおりです。そして、離れですき焼きを食べる、そうだな。それで、その先があったんですね。その先は、外に出掛けていってどんちゃん騒ぎをしている、これがその話の結末でございます。その辺りについてこれから質問をさせていただきたいと思います。 やっぱりどんちゃん騒ぎ、まずいだろうということで、多分政府の皆さんもいろいろと取組をされたと思います。今日は行革担当の副大臣、また総務の副大臣も来ていただいておりますけれども、若干その辺りをお聞きしたいと思います。 特殊法人、よう分からぬ、そしてまた無駄遣いが多いんとちゃうか、それでさらには天下りが多いんじゃないかと、こういう批判があったわけでございまして、それを何とか改善していこうということで独立行政法人制度というものがその一つとして始まったと思います。 それでは、この独立行政法人制度が改めて導入された経緯、理由を担当大臣から教えていただきたいと思います。
○政府参考人(藤井昭夫君) 独立行政法人制度創設の経緯についてのお尋ねでございますが、背景としては、やはり従来、特殊法人とか認可法人の改革が問題になっておりました。それからもう一つは、やっぱり国の事務を一層アウトソーシングすると、そういう背景があったと思っております。 直接の契機になったのは中央省庁改革が御論議された行政改革会議でございまして、その最終報告において、国自らが主体となって直接実施しなければならないものではないが、民間の主体にゆだねた場合には当該事業が必ず実施されるという保証がなく、実施されないときには国民生活や社会経済の安定等に著しい支障を生ずるものについて、これからが重要なところだと思いますが、これを自律性及び透明性を備えた独立行政法人に行わせることとされ、そのための具体的な制度設計についてもろもろ御提言があったところでございます。
○尾立源幸君 それでは、改めてお聞きします。そのようにして創設された独立行政法人制度、特殊法人と何が最も違うのか、二つお答えください。
○政府参考人(藤井昭夫君) 特殊法人については、従来、親方日の丸であるとか経営の活性化が図られてないとか、いろいろ御指摘があったところです。 それで、そういう中で、財務会計についても企業会計を逐次導入しようとか、あるいは透明性を向上させよというような改革はなされていたところですが、なかなか統一的な形ではなされなかった。ということで、独立行政法人通則法というものを設けまして、通則法で必要な最小限な制度設計をやろうとしたというところが一つでございます。 その中で特に重要視されたというところでございますが、やはり国の関与というものを最小限にすると、それから自立性を高めさせると、あるいは経営責任というものを明確化すると、こういう一つのまとまりがございます。 それからもう一つは、民間企業なんかは市場メカニズムとか利潤といったものによって経営が逐次改革されているという要素があるんですが、なかなか独立行政法人についてはそういう要素が働きにくいというようなこともございまして、一つは、中期的な事業計画というものを作って、その中に客観的な目標管理の仕組みをビルトインさせると。その上で、まあ四年とか五年とか中期的に評価をすると、その評価については中立的で客観的な仕組みで評価すると、そういう制度がビルトインされたというところにあろうかと思います。
○尾立源幸君 それでは、要約して申し上げますと、予算が使いやすくなった、自由度が増大した、これが一点。もう一点は、いろんな目標を設定していく中で、いったんやっていただいて、その後、事後評価制、事後評価制度というものを導入した。これでよろしいでしょうか。
○政府参考人(藤井昭夫君) すべての目標というといろいろあろうかと思いますが、やっぱり主要なねらいであったということは御指摘のとおりかと思います。
○尾立源幸君 このように創設された独立行政法人制度でございますけれども、法人の受け取る予算というものが、交付金というものが弾力的、効率的運用ができるということが、これはメリットだと思います。 そして、お手元の資料、そのためにどういうシステムがつくられたか、八ページごらんください。今、お金を渡すというところは、真ん中に「各府省」というのが書いてあると思いますが、そこから運営交付金という形で独立行政法人にお金が流れております。ここの部分を指しております。このお金をいただくに当たりまして、まず独立行政法人自らが計画、中期目標と申し上げました、これを立て、そしてそれを実行して、さらに、右側に書いてありますが、各府省の独立行政法人評価委員会、これは各府省の下に置かれております評価委員会でございますが、ここで事後評価をすると。英語で「PLAN」、「DO」、「SEE」と書いてございますが、このサイクルがうまくぐるぐるぐるぐる回ることによって独立行政法人を本当に機能させていこうという、こういう仕組みだと思いますが、それでよろしいでしょうか。
○政府参考人(藤井昭夫君) 確かにこれが一つの大きなスキームの一つであると思いますが、あえて付け加えさせていただくならば、やはり財務諸表等というものをできるだけ客観的な形で評価可能なように作っていただいて、それをやっぱり透明性を向上するというか、世間の方も見られるような形で、そういう制度の上でこういうような制度が機能するということをねらっているんだと思います。
○尾立源幸君 ありがとうございます。その部分は恐らく業績報告というところで含まれていると思いますが、そういうことでよろしくお願いします。 次に、それでは細かく見ていきたいと思います。 今申し上げましたプラン・ドゥー・シー、計画・実行・評価というこのサイクルの各それぞれのパーツについて見ていきたいと思います。 まずプランの部分でございますけれども、独立行政法人の中期計画ではどの程度の、まず金銭的な面でございますが、経費を削減することになっているのでしょうか、財務省の担当の方お願いいたします。
○副大臣(上田勇君) お答えいたします。 独立行政法人の中期計画は、主務大臣がまず中期目標を定めまして、それを達成するために各独立行政法人がその中期計画を自ら作成をし、そしてその各独立行政法人ごとに主務大臣の認可を受けるということとなっております。 そういう意味では、それぞれの行政法人が主務官庁の認可を受けて、その経費削減あるいは効率化の目標、そういったものをいろんな係数などを使いながら、係数等を設定をしながらそれぞれ中期目標の中に定めているという形になっております。
○尾立源幸君 具体的な数値目標、削減数値目標はないということでしょうか、全部任せっ切りということでしょうか。
○副大臣(上田勇君) それぞれの独立行政法人ごとに数字で目標を定めているということではございません。 御承知のとおりだというふうに思いますが、中央省庁等改革推進本部で平成十二年四月に独立行政法人中期計画の予算等についてということで決めておりますけれども、その中にその予算の考え方などはまとめておりますが、具体的、それぞれの各法人の業務内容とか構造等、まあ財務構造等に応じましてそれぞれ効率化係数等が設定をされております。
○尾立源幸君 おかしいですね。私がいろいろ独立行政法人の皆様から今十八ぐらいヒアリングをしたところ、皆さん一律で、毎年少なくとも一%、五年間で五%ぐらいというふうにおっしゃるんですね。判で押したようにこのようにお答えになる。じゃ、財務省としてはそのような明確な指針は出されてないということなんでしょうか。 その前に、私、二〇〇一年四月に独法に移りました幾つかの行政機関について調べました。八十二の行政機関のうち、例えば国立近代美術館や国立西洋美術館、国立国際美術館、こういった三美術館を単一法人にいたしまして、八十二が五十五に統合された、これは結構かと思います。その次、独法の産業技術総合研究所は十六の、十六の研究所を一つに統合いたしました。次、独法の農業・生物系特定産業技術研究機構、大変長い名前が付いておりますが、これは七つの研究所、試験所を統合して一つとなりました。これらの独立行政法人のやはり中期計画を拝見すると、やっぱり運営交付金をもらわれているところは毎年一%の経費削減、効率化を行うと書いてあるんです。 改めて申し上げます。これは独立行政法人の統一目標なんですか。
○副大臣(上田勇君) 先ほども申し上げたとおりなんですが、それぞれの運営交付金の算定ルールというのは、独立行政法人のやはり自主性を十分尊重するというのが先ほどの御説明にもあったとおりでありますし、また、それぞれの独法の業務内容とか財務構造、こうしたことに即して適切なルールが定められております。 したがって、その効率化目標についてもそれぞれの独立行政法人の性格、特性等に応じて設定をされていまして、そのような算定ルールを含めた中期計画、それぞれが独立行政法人ごとに主務大臣により認可されているものだというふうに承知をいたしております。 もちろん、今委員から御指摘があった、そういうようなもっと効率化ができるのではないかというようなことについては、先ほどもその事後評価が非常に重要だというような御説明があったとおり、これはそれぞれ各府省の独立行政法人評価委員会において厳格な事後評価が行われて、それに基づいて更に見直しが行われるだろうというふうなことになるんではないかというふうに思っております。
○尾立源幸君 例えば大学入試センター、これは一つの行政機関が一つの独立行政法人に移行したわけでございます。そこは一%、何となく分かります。 しかしながら、先ほど申し上げましたような十六や七個を統合したような、民間であれば合併する、それは間接費を減らす、また効率化をするためにこれやるわけでございまして、統合前と統合後が同じようにお金が掛かっているようでは、民間並みとか民営化をにらんでみたいな、こんな話は全く通用しないと思いますが、どのようにその辺はお考えなんでしょうか。もっともっと効率化が合併当初で盛り込まれてもいいはずだと思いますが、いかがですか。
○副大臣(上田勇君) 先ほども御説明をさせていただいているところなんですが、一つはこれ独立行政法人に移行するというのは、それぞれの独立行政法人のなるべく自主性を尊重するということと、それから事前の様々な規制よりもそれはやっぱり事後評価に重視をするというようなことから、基本的に先ほど御説明させていただいたようなルールが定められております。 ただ、今御指摘にあった例えば産業技術総合研究所、これは今まで十六の機関を統合再編をしたというようなものでありまして、当然今その目標、目的というのは、今委員が御指摘になったように、できるだけ経費の効率化を図っていくというところが一つの目標であるのは間違いがございません。 それで、第一期の中期目標における運営交付金の算定では、この一般管理費と業務経費を区分せずに交付金全体を算定方式によりまして算定をしておりますけれども、これは対前年度比マイナス一%の効率化係数を乗じた金額をベースに、毎年度の政策的な必要性を踏まえて、これは政策係数と、これは政策的な必要性についてめり張りを付けるということでありますけれども、これを掛けたもので算定をしておりますが。 こうした交付金を管理部門の経費と、それから、これは間接経費ですね、それと研究開発等の業務経費、これに区分をしてみますと、十三年度と十六年度、これを比較いたしますと、最初の管理部門経費等の間接経費、これはこの十三年度から十六年度の間にマイナス一一・六%、一方で研究開発等の業務につきましては、これは今科学技術振興等が政策目標として推進をしているところでありますので、ここについてはプラス〇・八%という意味で、そういう間接経費についてはできるだけ効率化を図り、なおかつその業務部門についても政策目標を達成しつつ、その中でできるだけ効率的な運営を図っていくというめり張りは付けた形になっているというふうに思っております。
○尾立源幸君 いずれにいたしましても、この各省、府省庁、府省から予算の要求が出てくるわけでございますから、財務省の方としてもしっかり見ていただきたいと思います。そして、その一%削減でもいろいろ各法人によって何に対して一%削減かというそれぞれの個別解釈がございまして、人件費を含んだ総額であったり、人件費を除いたり、また追加の新しい仕事には適用しないとか、本当に焼け太りにならないように、是非きちっとチェックをしていただきたいと思います。 それで、今スタートの時点でちょっとつまずいておるわけでございますが、中期計画で事後評価をしてしっかり見るんだよと大臣、副大臣はおっしゃっております。それでは、じゃその中期計画における目標というのが本当にいいのか、私もこれちょっと調べさせていただきました。 そうすると、新しく独法になりました高齢・障害者雇用支援機構のこの中期計画、数値目標で障害者雇用納付金、これは法人が障害者の方を雇用しなかったときにペナルティーとして払うものだと思いますが、その収納率九九%を維持と、このように中期目標に書いてございます。しかしながら、財務諸表を見ますと、実際には三億七千万円の未収金が発生しております。これはなぜでしょうか。想像で結構でございますので、何でこの九九%、ほとんど収納しているのにこんな三億七千万の未収金が発生しているのか。想像で結構ですので、想像力を働かせてお答えください。
○委員長(浅尾慶一郎君) どなたに御答弁を求めますか。
○尾立源幸君 総務省、お願いいたします。
○副大臣(今井宏君) 詳細にわたりましては承知はしておりませんけれども、建前と本音ということがあるのかもしれません。
○尾立源幸君 おっしゃるとおりでございます。 実は、ヒアリングをさせていただきましたら、収納率とは企業が納付申告を行った率、つまり申告書、払いますよと言った率を収納率とおっしゃっているようでございまして、実際に納付金を受け取った率ではないそうです。ですから、要は払いますよというペーパーは出てくるわけでございますが、実際にそれを払ってもらえるかどうかは分からないと。逆に、私からすれば、回収することに非常に、回収することは非常に重要だと思うんですけれども、その辺はどのようにお考えですかね。
○副大臣(今井宏君) 尾立委員さん御指摘のように、最終目標というのはやっぱり回収をしなければならない、収集しなければいけない。その目標設定をきちんとして、そこに至る手だてというものを、ハンディを持っている方々に対するということもあるんでしょうが、あらゆる手だてを考慮する中で企業者の理解をいただくという努力をすることが大切なことではないか、このように思っています。
○尾立源幸君 先ほどの一%の経費の削減の問題や中期目標で定めている九九%、こういったものが実態と懸け離れておりますと、結局は意味のないものになってしまいます。どうかその点をもっと細かく見ていただいて、指導を逆にしていただく、こんな体制が必要なのではないかと私は痛切に思っております。どうぞよろしくお願いをいたします。 それでは次に、独立行政法人の実行の部分について御質問をさせていただきたいと思います。 まず、先ほど上田副大臣から運営交付金の話がちょっと出ましたけれども、仮にこの独立行政法人が自主財源を増やした場合、すなわち自分で収入を自らの手で得た場合、この運営交付金は減額されるんでしょうか。
○副大臣(上田勇君) お答えいたします。 一般的には、自己収入が想定される場合には、今委員が御指摘になったようにその額を運営交付金の算定上控除するということにはなっております。 ただし、それでは自己財源を増やそうというなかなかインセンティブが働かないことになりますので、法人に対しては、経営努力へのインセンティブを与える仕組みといたしまして、毎年度の決算結果において、法人の自らの努力によって予算に比較して自己収入の増加が生じた場合には、これは主務大臣のもちろん承認が必要ではありますけれども、それを中期計画の剰余金の使途の項目であらかじめ定めておいた使途に翌年度以降充当できるということとなっているところであります。
○尾立源幸君 なかなか厳しい縛りがあるようでございます。私もある独立行政法人の理事の方と面談をさせていただき、お話を聞きましたところ、やっぱり同じ悩みを持っていらっしゃるんです。幾ら頑張っても交付金が減らされてしまうんであれば自分たちの独自財源を増やす努力をもうやめてしまおうと、こんなふうにおっしゃっております。これは本当に残念なことだと思います。ですから、何とか、もっと経営努力をすれば、した結果収入が上がればどんどんどんどんその財源が、自由に使える財源が増えていくような、そのようなシステムを是非構築していただきたいと思います。 先ほどおっしゃいました剰余金の使途制限項目等々、まだまだそれでも厳しい縛りがあると思うんですけれども、その辺どのようにお考えでしょうか。上田副大臣。
○副大臣(上田勇君) 今の御指摘は非常に、両面ある問題だろうというふうには思います。 やはり、これはそれぞれ独立行政法人が自主的に運営をするというのが大前提でありまして、その中でその足りない部分を補てんをしている、その交付金という形で補てんをしているわけでありますので、これはやはり極力抑制をしていかなければいけないというのは一方でもう委員も全く御指摘のとおりだというふうに思います。その一方で、今お話にあったように、自己努力で自主財源を増やした分についてはやっぱり適正な評価をしていかなければいけない。 この二つの言わばちょっと相反する部分を両立をさせていかなければいけないということではないかというふうに思っておりますので、これらそれぞれ、先ほどから申し上げているんですが、独立行政法人のこの中期目標というのはそれぞれ主務大臣の認可ということでございますので、今後はどういう形が適切なのかどうか、それぞれの主務大臣とまた財政当局の方としてもよく協議をしていきたいというふうに思っております。
○尾立源幸君 もう一点、現場の声をお伝えさせていただきます。 それは、実は独立行政法人は企業会計に近い財務諸表をお作りになっておるわけでございます。これは独立行政法人会計基準という、こういった基準に基づいてお作りになっておりますが、しかしながら、各府省に報告書を出す際に官庁会計に準拠した書類ももう一つ作って出さなければならない。すなわち、二つのある意味で決算書、報告書を作らなければならない。これは大変だとおっしゃっておるんです。 どのようにお作りになっているかというと、企業会計的な帳簿をまず作って、それから手作業で足し引きをして官庁会計の決算書を、報告書を作る。せっかく企業会計を作って効率化やっているのに、こんな二度手間のことをやらせておるようでは、またこれ無駄遣い、非効率化、原因と思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(藤井昭夫君) お答えします。 この独立行政法人通則法では、その三十条、三十七条それから三十八条で今先生の御指摘の趣旨のことが定められてあるわけでございます。確かに、企業会計原則にのっとったその財務諸表の作成等は、その言わば財務会計の透明性を図るという意味では欠かせないことだというふうに、それはそれで重要だと認識しております。 ただ、一方では、法人もやっぱり事業運営をして組織を管理するという、そういう立場がございまして、そういう管理会計という観点からはやっぱり、各年度ごとの予算とそれに対する決算、そういうものがやっぱり必要不可欠だということでこういうことになっているんだというふうに考えております。
○尾立源幸君 民間では企業会計で予算の管理をしております。分析もしております。 現場の方おっしゃっていました。つまり、今、広野議員からもあったんですけれども、提出をされた、もらった方が企業会計的なものを出されても分からないから出せと言われていると、こんなふうにおっしゃっていました。是非、各省庁の皆様、財務省の皆様におかれましても、もう少しこの企業会計的な発想を取り入れていただきたいなというふうに思います。実情はそういうことでございます。 次、最後の一番大事なところでございますが、プラン・ドゥー・シーのシーの評価の部分について突っ込んだ質問をさせていただきたいと思います。 先ほど来、特殊法人とこの独立行政法人が最も違う点がこのプラン・ドゥー・シーのシーの部分であると、評価の部分であるというふうにそれぞれが、私と政府の間では認識共有できたと思うんですけれども、それでは実際、このかなめである、独立行政法人制度のかなめである評価委員会の委員が実際にどのように法人を評価しているのか、ちょっと概要を教えていただきたいと思います。総務省。
○副大臣(今井宏君) 尾立委員さんのシーの部分でございますけれども、御案内のように、独法法人にも評価委員会ができているわけでありまして、専門性及び実践的な知見を踏まえるため、主務大臣によりまして任命された外部の有識者により構成されておりまして、委員会が定める基準に基づきまして各法人の業務実績について評価をしていただいていると、こういうことであります。 実際の評価に当たっては、先ほど来あります中期計画、毎年六月末までに各法人から出されるわけでありますけれども、その実施状況を調査分析いたしまして、その結果に基づきまして評価を行っているというのが実態であります。
○尾立源幸君 ありがとうございます。 それでは、この独立行政法人制度の中で、この評価委員の方が適切に評価をされていると、このように御認識されていると、よろしいでしょうか。それと、中期というのは五年後でしょうけれども、それとは別に毎年毎年、単年度でも評価されていると思いますが。
○副大臣(今井宏君) 時間の関係もございますから結論だけ申し上げれば、まあおおむね適正に評価されているという認識をしておりますが、不十分な面が一部ある、そういったものは総務省としても担当から指摘をさせていただいているところでございます。
○尾立源幸君 不十分なところがある、じっくり聞かしていただきたいんですけれども、私が調べたところと同じであればいいなと思っておりますが。 私が調べましたところ、この独法の制度のかなめと言うべき評価制度、評価委員のうち、評価委員に対して約二億円の金銭が九十五名の方々に支払われております。全評価委員の数にしますと、一七%が自分が評価をしなければならない評価対象である独立行政法人そのものから金銭を受け取っているんです。もっと言えば、これは言い過ぎかもしれませんが、裁判に例えるならば、被告から裁判官が金をもらっている、こんなことが九十五人の委員によって行われております。 独立行政法人制度は行革の最大の目玉だと思っておりますし、その一つであると思っております。この件について、全く問題ないと思っておられるのか、見解を行革担当大臣、お願いします。
○副大臣(今井宏君) 先日、マスコミ報道によりまして、私も尾立委員さんの、(発言する者あり)お名前も承知いたしましたし、内容もマスコミを通して承知したわけでございますが、評価委員会の委員は、当然のことながら、任命されますと非常勤の国家公務員となりまして国民全体の奉仕者となるわけでありますし、公共の利益のために勤務するべき責務を自覚して公正に職務に当たらなければならないわけでございます。 いずれにいたしましても、評価委員会の委員につきましては各独法の各主務大臣が任命することになっておりまして、その人選に当たりまして、客観的にかつ中立公正な評価が可能となるように任命権者である主務大臣が適切に判断されるべきものであると、このように考えております。
○尾立源幸君 独立行政法人でポストを得ていながら評価委員をしている人が九名、一千万円以上の研究費を受けている例が七名、その他会議への出席謝金など、とにかく金銭を受け取っている人が七十九名、このようにポストや金銭を受け取っている評価委員が本当に適正な評価ができるのか、再度御答弁お願いします。
○副大臣(今井宏君) 評価委員の委員が法人から金銭を受領している例といたしましては、研究助成のほか研修講師の謝金、あるいは講演、シンポジウムへの出席したための謝金、あるいは技術的な評価基準検討のための委員会の手当、様々な例があると聞いているわけであります。これによって客観的な法人評価に影響を与えるおそれがあるのではないかという御指摘かと思いますけれども、これらにつきましては主務大臣において適切に判断していただくべき問題であると考えておるわけであります。 当然のことながら、各府省におきましても、必要に応じまして、法人から収入を得ている委員につきましては当該その法人の評価に参加させないなどの措置が講じられていると承知しているところであります。いずれにいたしましても、その人選に当たりましては、客観的かつ中立公正な評価が可能となるように任命権者である主務大臣において適切に判断するべきものと、このように考えているところであります。
○尾立源幸君 もう少し突っ込んで申し上げますが、先ほど言いましたポストの問題、独立行政法人の教授や特別研究員、研究主幹など務めながら、そういった自分の組織の属する改廃や存続を本当に公平に判断できるのか、一般常識から考えると非常にこのことは疑問でございます。是非、その常識というものをお持ちをいただきたい。 総務省は、このすべての独法のある意味で評価の親元でございます。二段階評価ということになっておりますけれども、そういった常識を是非働かせていただき、指導力を発揮していただかなければ、これが到底信頼できる独法評価制度とは言えないと、私はそのように思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(今井宏君) 今、具体的に大学の先生のお話がございました。当然、国立大学は独法法人になっているわけでありまして、その辺につきましては事務方から答弁させますけれども、いずれにいたしましても、今常識というお話がありました。正に法律そのものが常識であると言い換えても間違いでないわけでありまして、これからも常識というものを大切にしていく総務省でありたいと、かように思っています。
○政府参考人(藤井昭夫君) 私ども、独立行政法人通則法を所管している立場からということでお答えさせていただきたいと思いますが、この制度をつくったときの問題意識としては、当然行政改革会議最終報告というものがベースになるわけでございますが、その報告では、専門性、実践的な知見を重視するということと、客観性、中立性を担保できる体制という二つの点を挙げているところでございます。 専門性、実践的な知見というこの文言自体は、従来、審議会等の中に大所高所の観点からの審査みたいな審議会もあるんですが、むしろ実務家ベースの、実際に内容が分かる方というようなことを考えていたかと思います。それから、客観性、中立性を担保できる体制というのは、確かに構成員のメンバーも重要でございますが、そういう評価委員会の運営自体が透明性で公正な形で担保されると、あるいは事務局についてもやっぱり専門の組織を置くとか、そういう全体でやっぱり担保されるということを考えていたかと思います。 それで、その上で最終報告は、また外部有識者のうちから主務大臣が任命するとなっておりましたので、その外部有識者というのはどういう人たちを念頭に置いていたかということが問題になろうかと思いますが、通例、法人の経営について直接意思決定したり参画したり、そういったものは外部有識者とは到底言えないと思います。ただ、それ以外に、たまたま研修の講師に出たり、あるいは何ですか、その講座の一つに客員教授なり非常勤教授なり出ておられたと、それはいろいろなケースがあろうかと思います。なかなか、制度全体を管理する立場からは、そういう各省、各独立行政法人様々な形でなされていることについては把握するという立場でもございませんので、やはり各主務大臣において適切に判断して運営していただければというふうに考えている次第でございます。
○尾立源幸君 三月二十五日の参議院本会議で、我々の同僚の森ゆうこ議員に対する答弁で、村上大臣は大きな声で胸を張っておっしゃいました。「行政改革の分野では、特殊法人等の改革において、改革対象となる百六十三法人のうち、八割強について廃止、民営化、独立行政法人等の措置が講じられました。」と。そこでおっしゃったことは、官から民へということがどんどん小泉改革の中で進んでいるんだと胸を張っておっしゃっているわけでございますけれども、今日、行革担当副大臣来ていらっしゃると思いますが、これまでのやり取りを聞いていただいて、この村上大臣がおっしゃっていることと、例えばポストや金銭を受け取っている委員が外部有識者、公正な評価ができるのかどうかと、この点についてお聞きしたいと思います。
○副大臣(林田彪君) 独立行政法人制度はもうこの委員会でもいろいろ議論されておるとおり、大きな柱の一つであるということで、我が村上担当大臣も意欲を持って、あの馬力で頑張っておるところでございますけど、先ほど来、計画の段階、それから実行の段階、そして今議論されているのが評価の段階ということになろうかと思います。これ、申し訳ございませんけど、総務大臣の所管ということで、総務省からお答えいただくのがいいのかなというふうに思っております。
○尾立源幸君 わざわざ私が参議院本会議の村上大臣の発言を引用したのは、大臣が行革担当大臣として特殊法人の独立行政法人化や独立行政法人の見直しについて言及されているわけです。そしてさらに、行革事務局の下に独立行政法人に関する有識者会議というものを置いてしっかりやっていらっしゃるわけじゃないですか。なのに、なぜ全部総務省なんですか。
○副大臣(林田彪君) 今お答えしましたとおり、業績評価というのが二段階にわたってそれぞれ各府省からやる、そしてその元締と言ったら失礼ですけれども、トータルを総務省でやっておられるという関係で総務省にというふうにお答えさせていただきました。
○尾立源幸君 是非村上大臣におかれましては、行革担当、独法担当の大元締として頑張っていただきたいと思います。
○副大臣(林田彪君) 全体の話ということになりますと、これはもう私も含めまして内閣一丸となって頑張っていきたいというふうに思っております。
○尾立源幸君 委員の皆様、また政府関係の皆さんもこのやり取りを聞いていただいてお分かりになっていただいたように、とにかく客観性確保というために一丸となってこれ取り組んでいかなければ、ますます国民の信頼を失いかねない。ある調査がこの前発表されました。公務員を信頼しているか信頼していないかということで、大変残念な結果も出ておりますし、その中で一番大きな問題点が天下りというふうにも指摘されております。どうか我々政治家、また今日御答弁いただいているのはほとんど政治家でございます、政治家の責任としてきっちりこれをやっていこうではありませんか。いかがですか。
○副大臣(林田彪君) 今申し上げましたとおり、本当に常識の範囲とかいう話出ておりましたけれども、ある面では国民の目というのも非常に厳しいものを持っておられると思います。その辺を真摯に受け止めて、我々内閣府として一丸となって頑張っていきたいと思っております。
○尾立源幸君 是非その意気込みでやっていただきたいと思います。ありがとうございます。 それでは、ちょっとテーマを変えまして、お金の集め方、税制の方、今まで使い方の方をやってまいりましたので、集め方の方に入らせていただきたいと思います。 私も先日、確定申告の会場、大阪の方なんですけれども、実際に足を運んで現場を見てまいりました。今年は配偶者の特別控除がなくなったということで多少の混乱はあったわけですけれども、来年は大変な制度の変革が迫っております。御承知のとおり、定率減税の縮減、年金の課税強化、消費税の課税最低限の引下げ等々、恐らく確定申告の窓口は大変混乱するんではないかと、現場の税務署の皆さん、そしてまたそれを手伝っている税理士や仲間の皆さんもボランティアの皆さんも大変不安を持っておられたということをまず申し伝えたいと思います。 そこで、私が常日ごろ感じておりますことは、日本の個人納税者のうち約三千四百万人、これは若林議員からもございましたけれども、サラリーマン、医療費控除や住宅取得特別控除等、こういうことを受ける場合を除いてほとんどが年末調整で、企業における年末調整で何もしないままで申告が終わってしまうと。これは便利な反面、私は非常に納税意識の低下を生んでいるんではないかと、そのように思っております。 そしてまた、実務で私も税理士や会計士ということをやって税務に携わってまいりましたけれども、ここで強く思ったことは、本来サラリーマンも自分で確定申告をすると。自分の所得税額、社会保険料、労働保険料、介護保険料、いろいろ控除されます、そういうことをきちっと知っておくべきではないかと私は思っております。そうすることによって自分が幾ら払ったか、それによって自分の納めた税金の使い道にもっと厳しくなるんではないかと、このような確信を持っておるわけでございますが、谷垣大臣、通告しておりませんが、平成十六年における大臣の源泉所得税は幾らだったですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 申し訳ございません。私も一応税理士登録をしているんですが、ちょっと自分のがどうだったのか、にわかにお答えできる材料がございません。
○尾立源幸君 済みませんでした、突然の質問で。 いずれにしましても、これまでのずっと委員会の質疑の中で私が感じたこと、また皆さん共有していることは、これからの時代は自助、互助、共助、自助、互助、公助ですね、自助、互助、公助。互助を共助と言われる方もいらっしゃいますが、この順番でこの社会をつくっていくことが大事じゃないかと、これは皆の一致するところだと思いますが、幾ら口で自助が大事だ、互助が大事だ、公助が大事だ、こういう順番が大事なんだよと言っても、一向に私は改まらないのではないかと思っております。そこで、これを一気に意識改革をするために、お金の流れを変えればこの意識が私はしっかり根付いてくるんではないかというふうに思っております。 その一つが先ほど申し上げましたサラリーマンの総確定申告制度の導入でございます。これは面倒くさいなと思われる方もいらっしゃるかもしれませんけれども、確かに面倒くさい面はあると思います。そして、税務行政の方々も大変だと思います。しかしながら、これを必ずやり遂げていかなければ私は意識改革はできないと、そんなふうに今思っておるわけでございます。 で、私の考えるアイデアは、当然一年間、源泉徴収はやっていただいて結構だと思います。そして、最後の最後は自分で確定申告書を出す。ここで大事なことは、確定申告書を作成して税務署に申告書を出したら納税になってしまった、これではなかなかインセンティブがわきません。ですから、そこで何かの仕掛けが私は必要だと思います。その一つとして、例えば英会話に行った、何か資格取得をした、そういった自己投資の経費を追加で申告することによって税金がちょっと戻ってくる、また寄附金をどこかに寄附をした、そうすれば税金が戻ってくる、こういったうまい仕掛け、これはもう財務官僚の皆様が得意でございますので、こういった仕掛けをつくることが私は大事だと思います。このアイデア、いかがでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 税に対してやっぱり関心を持っていただくためには、委員がおっしゃるように、自分で確定申告をして、場合によってはそれによって税が戻ってくるというようなことをきちっとやるというのが極めて意味があるというのは私はそのとおりだと思います。 今の日本の制度は年末調整がございますから、ほとんどの方はもうそこで確定申告を要しないという形になっておりまして、これは効率の面では非常に役立っている面があって、政府税調でも基本的にこの仕組みを維持するというのが政府税調の基本的なお考えだと思います。ただ、いわゆるこの制度をもう少し考え直す必要があるんじゃないかというのはその政府税調の議論でもございますし、私もそう思っておりますのは、所得控除がマクロ的に見ると給与総額の三割に達しているということでありますから、通常の勤務費用を上回っておりますので、特定支出控除を適用して申告する方というのはもう極めてわずかになっちゃうと。それやってみても、さっき委員のおっしゃったように余分に取られるようじゃ、だれがやるかという話になるわけですね。 こういう状況を踏まえますと、政府税調の答申でも指摘していただいているわけですが、給与所得控除を勤務費用の概算控除として適切な水準にやっぱり見直していくというのが一方なきゃいけませんし、それとともに、特定支出控除の範囲について、今おっしゃったこともその一つになるのかなと思いますが、その範囲についても検討して、実際に確定申告をした場合に実額控除する機会が出てくるというふうな方向にもう少し持っていく必要があるのではないかなと。税調の御指摘もそうですし、私もその方がいいんじゃないかと思っておりまして、こういう指摘を踏まえて、納税者が申告手続を簡便にできるような環境整備やそういった税務執行の面でも少し研究をやって答えを、いい答えが出るように少し研究したいと思っております。
○尾立源幸君 この源泉徴収制度というのは、御承知のとおり、ヒトラーが戦費調達のために導入し、ああ、それはいいやということで日本も導入してきたという経緯がございます。そういうちょっと暗い過去を引きずっておる制度でございますが、少なくとも、今大臣がおっしゃったように、確定申告を奨励するような制度を是非つくっていただきたいと思います。 同じように、我が国と同じように源泉徴収制度プラス年末調整という制度を取っておりますドイツ、イギリスと言われておりますが、この国でさえ、税額が変更になるような場合、例えば子供が生まれた、こういった場合は自分で税務署へ行って届出を行うそうでございます。税務署に行くのがいいかどうかはちょっと分かりませんが、いずれにしても、自分で税務署に足を運んだり行政機関に足を運ぶ、又はインターネットでも結構だと思いますが、やはりそこの部分は最低限何らか、企業とではなく、税務署等々とのかかわりをつくっていただきたいなと思っております。 それで、五ページ目、資料に、お配りした五ページ目でございますが、またスウェーデンの例を参照して恐縮なんですが、非常にこの教科書いいもので、是非皆さんもお読みいただきたいと思いますが、五ページ目、中学校のこの教科書で、地域というものが税金で成り立っているということ、しっかりとここにコミューン税と、向こうは地方税が非常にウエート高いということで、コミューン税、地方税で成り立っているんですよ、そしていろんなサービスが行われているんですよと、こんな教育もしております。 そこで、私は、中等教育ぐらいからの納税教育というものももっとあってもいいのではないかと。いきなり大人になってどひゃっと、えっ、こんなに税が取られるのみたいな話が多いわけでございまして、ちょっとその辺の見解を財務省にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 私もこのスウェーデンの資料を拝見しまして、なかなか行き届いたというか、いい教育をやっているなと思いました。 私自身も、まだ大蔵省と言っていたころ、政務次官させていただいたときに、当時、文部大臣、有馬先生でしたけれども、文部大臣のところへ行きまして、日本の義務教育でも租税教育、これは民主主義教育の一番の基礎だから、もう少し充実させてもらえないかということをお話しに行ったことがございます。それで、財務省でもいろいろ工夫をしているんですが、いろんな教材を作ったり、それからこの二十四日から財務省のホームページの中に子供向けの財政問題のページも作りまして、まだどれだけ子供に読んでもらえるようになっているか私も十分自信がありませんけれども、良く、いいものにしていきたいと思っているわけです。 それから、ちょうど委員からこういう資料をいただいた直前に、私、愛知県のある小学校で租税教育をやっておりますレポートをいただきまして、四時間、小学校六年生の社会科の時間で租税の勉強をするんだそうですが、それで一人一人、六年生の生徒が日本の税や財政についてレポートを書くと。で、私、それをいただいて見ますと、わずか四時間の授業といってはそれまでですけれども、先生の大変な御努力や工夫もあるんだろうと思います。なかなかいい授業をしておられまして、私、これはその子供たちに手紙を書こうと思いましたら、もう翌日が卒業式だというものですから、慌ててファクスを送ったんですが、こういう工夫はあちこちでやっていただくべきことと思いますし、私どももそれにお手伝いができるんなら、もうできる限りのことをやらせていただいて、こういう教育が充実するように望んでおります。
○尾立源幸君 是非よろしくお願いいたします。 あと、インターネットで個人の確定申告ができるという、結構、売りにされておるんですけれども、実は問題がございます。 これは、我々の仲間で税理士からの話なんですけれども、税理士経由で確定申告を送った場合、申告書の一枚目は当然インターネットで行くわけですけれども、添付資料として源泉徴収票やら各種控除証明書が必要になるわけですが、これは当然インターネットで送れません。したがって、別便で、郵便なり宅急便で税務署に届けなければいけない。インターネットで送っておきながら、もう一方では物理的にその添付資料を送る、それなら最初からインターネットを使わずに別便で送ったらいいんじゃないかと、こんな話なんですね。 ですから、少なくとも例えば税理士が関与するような場合は、その添付資料は税理士事務所で保管しているからいいよと、もっとトータルで考えていただいて、どうすればスリム化するか。多分、行政の方も大変だと思います、税務署の。インターネットでもらったものと物理的に届いたもの、また探して併せてチェックする。何か無駄なような私は気がいたしました。是非、この点は改善をしていただきたいと思います。 それで、ちょっと時間が押してまいりました。互助、共助の部分、そして公助の部分、幾つかございますが、一つだけ、互助、共助、お互いに助け合う社会が大事だと。これで私は最も大事なのはやはりNPO、特定非営利活動法人等々への寄附金控除の充実だと思っております。これは、官僚の皆さんにいったん税金が集まって、それを皆さんが投資する先を決めるというところから、納税者自らが自分たちの意思でお金の使い道を選択していく、これこそ私は意識の高揚につながるものだと思っております。是非、その部分を充実をさせていただきたい。 その一例として、ハンガリー法、一%法というふうに通称呼ばれております。これは今、平成十七年の四月から市川市の方で実施されると聞いておりますが、個人住民税でございますが、その一%を、登録された、あらかじめ登録されたNPOやボランティア団体に指定をして、住民税の一%を振り分けることができるという制度でございます。これは画期的な取組が地方自治体の方でやられていると思います。 是非、国税の方でも、まあ十三兆七千億ぐらいですか、個人所得税、それの一%というと一千三百七十億円、大きなお金になるわけでございますけれども、こういった制度をひとつ考えていただきたい。それによって、一時的には税収減になるかもしれないけれども、結果的には地方に渡すお金が必要なくなったり、皆さんが直接やる仕事が少なくなる、こんな効果も必ず私は現れてくると思いますので、是非そういった視点でこれからのあるべき税制というのを考えていただきたいと思います。 最後に、公助の部分でございます。 これはもう皆さんの得意とされているところですので、余り私が取り立てて申し上げることはないんですけれども、一つおかしいなと思うのは、個人所得税の定率減税の縮減と、もう一つ、その裏返しと言っちゃなんですけれども、法人税の繰戻し還付制度の停止というのがございます。これは、財政が悪い、そして大変だということで法人が過去に納めた法人税を赤字が出たときに戻してもらえる制度というのがこれあるわけでございますが、実はこれは原則としてあるわけでございます。これを一時避難的に平成四年から停止をしております。原則に戻していないんです。所得税の定率減税は一時的なものだったからといって原則に戻し、この法人税の方は戻さないでそのままやっている。これを見れば、結局は取りやすいところから税金を取っているんじゃないかと、このように民間の方は思うわけでございます。原則に戻すなら法人税の方も原則に戻していただきたい。これは一つ私の要望として申し上げたいと思います。 それともう一点、最後でございますが、実は通関に関する消費税の立替えの問題を、関税の立替えの問題を取り上げさせていただきたいと思います。 実は、通関業者が輸入者に代わって関税を立て替えておるという、これ慣例に今業界でなっておるわけでございますが、業界全体で年何と一兆円もの立替えをしておるというふうに聞いております。その結果、何が起こっているか。つまり、民間の輸入業者が立替払のために資金負担をしなければいけないわけですね。で、これはもちろん自由競争の社会ですから、いろんなやり取りがあります、ビジネスですから。輸入業者は通関業者にもっともっと立替えをしてくれと、こういうふうに迫ってくるわけでございます。立替えしてくれないんだったらほかの業者に頼むよと、こういう半ば脅しにも似た言葉が現場ではやり取りをされております。 そこで政府にお聞きしたいんです。この立替えの問題、民間企業同士の問題だから関係ないというふうにおっしゃるのか。すなわち、税金が徴収されれば、本来、納税者である輸入業者ではなくて、通関業者から立替えでも何でもいいから払ってもらえればおれたちはいいんだ、そしてまた、その税の立替えによって中小企業がどんなに経営が圧迫されようとも、当然利息を負担しなければいけない、行き詰まっても我々には関係ないんだ、知らないんだ、このように御認識されているのかどうか。また、こういったことは良くない、やはり納税は納税義務者である本人が支払うべきだ、こんなふうにお考えなのか、御意見をお聞かせください。
○委員長(浅尾慶一郎君) どなたが御答弁しますか。──尾立源幸君。
○尾立源幸君 最後でいいです。最後でいいです。
○副大臣(上田勇君) どうも済みません。 たくさんお尋ねがありましたので、通関の関税立替えの問題について御答弁させていただきますが、今委員からもお話があったんですが、基本的には、これ民間企業間の取引のことではございます。しかも、現実に輸入貨物にかかわる関税を輸入業者に立て替わって、立替払をしているというようなサービスを提供しているという事例も私どもとしても承知をいたしております。 先ほど委員がおっしゃった一兆円というのも、この日本通関業連合会が加盟業者へのアンケート調査に基づいて平成十三年に行った推計に基づく数字だというふうに思っておりますが、このように、そういう実態があるということは承知をしております。 で、通関業者の中には両方ありまして、やはり立替え代金の回収ができないというような事態もあるということから、やっぱり立替払を極力これはやめたいという業者もある一方で、特にその反対では、例えば航空貨物を扱う業者などにおいては、これはもうどうしても迅速な取引が必要なものですから、これはサービスとして立替払、これをある意味で必要としているという部分もございます。そういう意味では、財務省としては、この通関業者によります輸入者の関税等の立替払自体は、これはやっぱりどうしても営業判断に基づいて行われるものでありますので、これは基本的には、冒頭申し上げましたように、民間企業間の契約の問題であるというふうに考えてはおります。 ただ、じゃ何も、じゃ財務省として何かそれについてどういうふうに対応するのかということでなりますと、これはやはり、まず財務省としてやらなきゃいけないことというか、その輸入者、本来は関税を払うべき輸入者が自ら支払いやすい環境を整備するということだろうというふうに思います。立替えをさせずにもう自ら支払をできるようにしやすい環境をする、それによって、これは正に自主的な契約判断、経営判断になるということでありますので、そういう意味では、これまでも関税の納期限延長制度というのも行っておりましたけれども、さらに昨年三月から、これはマルチペイメントネットワークを利用しまして電子納付も可能にするということから、そういういわゆる手続の煩雑さがゆえに立替えをせざるを得ないというようなことというのはやはり避けるというような方策は取らせておりまして、引き続きそうした制度があるということの周知、あるいは利用促進等、また関係者ともいろいろと協議をさせていただきながら推進していきたいというふうに考えております。
○委員長(浅尾慶一郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時一分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○平野達男君 民主党・新緑風会の平野でございます。一時間持ち時間がございますので、何点か、今日はテーマを絞らないで、あちこち飛ぶかもしれませんが、いろいろお聞きしたいと思います。ただ、テーマはいずれにせよ税と国債に関連することは間違いございませんから、あちこちはそんなにぶれませんので。 まず一番目、最初に、公債発行特例法の改正案の中に入っているいわゆる年金保険料の事務費の充当の問題であります。これは、国の特別会計、たくさんございますけれども、特別会計というのは一つの事業を独立して経理するという、そういう仕組みかと思います。 そこで、話を保険事業特別会計ということについてちょっと今、以下絞っていきたいと思いますが、保険事業特別会計というのは地震再保険とか国民年金とか、厚生年金とか国民年金以外にもいろんな保険事業特別会計があります。この保険事業特別会計を見ますと、年金特別会計とはちょっと違いまして、むしろ年金特別会計が例外なわけですね。何が例外かといいますと、保険料でもって事務費あるいは人件費まで負担するというのを原則としております。そして、国庫負担規定を設けて、一部国庫から負担をして、事実上国庫が保険財政を支援するという形になっています。ところが、年金だけは、年金保険料は給付だけに適用するという、明文上そういう規定はございませんけれども、法律はもうそういう仕組みになっているということなんですね。 これが第一点目の質問なんですけれども、なぜ保険だけ、年金保険料については給付にだけ充当する、ほかの事務費には使わないという本則になっているのかという、その考え方をちょっと改めてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(杉本和行君) 平野委員御指摘のように、国民年金特別会計、厚生保険特別会計以外の保険事業関係の特別会計においては、原則でございますが、事務費を含む必要経費を保険料で賄うということが基本になっております。農業共済、漁業共済については、基本的に事務費は、基本的に国庫負担で賄うことになっておりますが、ほかの保険会計においてはそういったことになっております。 これは、この考え方でございますが、これは例えば労働保険におきましては、労使折半の負担によるいわゆる労使の助け合いの制度という考え方の下で、被保険者に対する給付及びそれに係る事務費については、基本的に被保険者の負担である保険料によって賄うということにしているものでございます。このように、主に受益と負担の関係を見まして、費用をどのように負担するのが合理的、効率的かという観点から制度が構築されているんだと考えております。 年金事務費の費用負担につきましては、国民皆年金ということで、年金が広く国民を対象とした制度であることから、本則において全額を国庫負担とすることにされておるわけでございますが、基本的には年金事務費は年金給付に要するコストであり保険料で負担すべきとの考え方もございますし、労働保険等では保険料を事務経費に充てていることにかんがみれば、年金事務費に保険料を充てることも許されると考えておりまして、財政事情の厳しさにもかんがみまして特例措置をこの法律でお願いしているところでございます。
○平野達男君 原則的に、原則論は、年金保険料については保険給付金にしか充てないという前提だということで考えますと、年金給付を事務費に充てるということは年金保険料で国庫を一部逆に支援するという形になってしまうんじゃないかと思います。 ほかの保険制度は逆なんですね。原則年金の、年金事務費についても全部年金保険料で充当していいですよというんですが、規定を設けて国庫で納入すると。国庫を一部支援するというのは、国庫が支援するんですね。だけれども、この年金だけは逆の仕組みになっちゃっている。これは、年金保険料で国庫を支援するというのは、これはどう考えてもやっぱりおかしいんですよね。 私らに、国民にすれば、税も年金保険料も納めるお金ですからこれは同じという、払う側からすればお金という意味においては同じです。ただ、年金については、年金の給付ですよという仕組みがある以上は、やっぱり保険料についての対価というのは給付で受けるんだということで理解しているはずですよね。片っ方の税金については税金で、その事務費については税金の一部がそこに使われるという、そういう流れだというふうに国民は理解しているんだろうという前提で物事を考えるべきだと思うんです。 繰り返し、本来であれば、国庫というのは何らかの支援をするためにあるんですね。だけれども、今回の規定は全く逆で、年金保険料でもって国庫を支援するという仕組みになっている。全く逆転の現象が起きているんです。これを特例法でやるということについては、これは根本的に私どもはおかしいんじゃないかというふうに思っております。本則が本当におかしいんであれば、本則そのものの再検討をし直すべきだというふうに思うんですが、その点についてはどのような御見解をお持ちでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに委員がおっしゃるように、他の特会における保険制度の例を見ましても、あるいは民間における保険の場合を見ましても、本来その経費も保険料の中から賄うという仕組みを取っているわけですので、確かに委員のおっしゃるように、本則そういうことで年金の場合にもやるべきではないか、特例法なんかで小手先のことをやらずに抜本的に改めるべきではないかという考え方は、私、十分理由のある考え方だろうと思います。 ただ、現在は年金制度、社会保障制度の在り方についても様々な議論がございます。そしてまた、恒久措置として仮に今委員のおっしゃったような本則国庫負担の原則を変更するということになりますと、部分的な議論だけではなく、恐らく制度全体の議論が必要になってくるのではないかと。少なくとも現在進められている社会保険庁改革の在り方といいますか動向等も踏まえた議論にしなければならないのではないかと考えておりまして、私どももそういうような問題意識を見ながら、今の議論、推移を十分私たちもこなしていきたいと思っております。
○平野達男君 まあいずれ、国庫も大変だというのは分かりますが、年金財政だって決して楽なわけではないということですから。 私の言いたいのは、もう本則は本則なんで、やっぱり本則に戻ってやるべきだというのがまず第一の主張です。で、どうしても駄目であれば、先ほど私が言いましたように、本則の規定を根本からさかのぼってでも何ででもやっぱり議論するのが筋であるということを強く申し上げておきたいと思います。ましてや、財政事情がここ何年かで好転するなんというのは余り期待されません。毎年毎年こういう特例でやるということについては、繰り返しになりますけれども、年金保険料で国庫を支援するという仕組みになっていますから、これはこれ以上放置するというのはやっぱりおかしいと思います。これは再度申し上げておきたいと思います。 それから次に、定率減税に関しまして考え方をちょっと整理をさせていただきたいと思います。 政府は、これからは内需主導の緩い景気回復が見込まれるというふうに言っています。その一方で、定率減税が導入された時期と今の時期では、いろんな指標を見ると、経済状況は改善されているんだというふうにも言っています。 私の質問は、その後半のやつ、後半の、いわゆる導入された時点と今の時点の比較、これは私ら全然理解しているわけじゃないんですが、一定の主張はされているんでしょう。前段の景気回復が内需主導で緩い回復が見込まれるというのは、今回定率減税半減の前提条件になっているんでしょうか、なっていないんでしょうか。その考え方をちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今平野委員、二つに分けておっしゃったわけですけれども、これ導入しましたときの経緯から見ますと、私も、委員のおっしゃるように、二つの要素があったんだと思います。 一つは、需要の減少が生産の減少を招いて所得が減少する、それが更に需要を減少させるというような、言わば景気循環的な問題が当時あったと思います。しかし、その背後に、何というんでしょうか、構造的な問題といいますか、バブル崩壊後の、要するに金融システム全体を不安に陥れるような不良債権問題であるとか、そういったような問題が存在したと。二重の構造になっていたんではないかというふうに思います。 そこで、その二重の構造で申し上げれば、現在の状況は、不良債権処理やあるいはそれと車の両輪である産業再生というような構造改革が進んできた結果、企業の有利子負債というのがバブル発生後一番低い水準まで来て、後遺症を乗り越えつつあると、構造的な問題はいいところに、かなりいいところに来ていると、こういうふうに見ているわけです。 そうしますと、もう一個の循環的な問題ということになるわけですけれども、これは、これもごく簡単につづめて申しますと、企業業績自体は相当にいいところに来ている、しかし、それが民間に及んでいくか、個人消費に及んでいくかというところでございますけれども、それは有効求人倍率も戻ってきた、そして失業率も趨勢的にその改善の傾向が見られると、そういう中で雇用報酬も十―十二月期でプラスになってきたというようなことを考えれば、企業の好調が家計に及んでいくような流れができてきているんではないかと。それを要約して言えば、先ほど委員がおっしゃいましたように、緩やかな民需主導の成長が見込まれるということになってきているのではないかと思います。
○平野達男君 つまり、二つとも前提条件であるというふうに理解してよろしいわけですね。
○国務大臣(谷垣禎一君) 二つが前提条件というより、やっぱり一番大きなのは、この定率減税というものを入れたときにやっぱり一番大きなものは、私は構造的な問題ではなかったのかと思っております。
○平野達男君 つまり、今回定率減税の半減をするには、まず、先ほどの私が言ったことと繰り返しになるかもしれませんが、一つは、当時の状況と比べて今の条件は良くなりましたという、これが一つありますね。それからさらに、今後、もっと緩やかですけれども回復が見込まれるという、この二つがあるわけですというふうに私は取ったわけです。 この二つとも条件なんですかということを今確認しているわけです。
○国務大臣(谷垣禎一君) 条件というのに順位があるのかどうかよく分かりませんけれども、私は、やっぱり一番大きなものは構造的な問題であったというふうに思います。ただ、構造的な問題がある程度解決しても、循環的な状況が、循環的な問題がどんどんどんどん下降に向かっている局面で圧縮できるかどうかという点はあるんだろうと思います。
○平野達男君 ちょっと、私の理解がちょっと違っているのかもしれませんが、少なくとも定率減税というのは、非常に需要の落ち込みとか景気停滞が見込まれると、そういう状況の中でやったはずです。今回それを半減するということであれば、当然景気の動向とか今の経済状況とセットで判断しているはずなんです。そのことを私はお伺いしているんですが、もう一度。
○国務大臣(谷垣禎一君) そういう点であれば、確かにセットで考えているわけでございます。
○平野達男君 そうしますと、これから、私どもはこの半減には反対でありますけれども、景気の動向がある程度良くないと、当初の見込みより悪いというふうに、緩やかに回復しないということであれば、定率減税の半減というのはこれは元に戻すこともあり得るという理解でよろしいですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) いわゆる弾力条項というものがございますから、その弾力条項の読み方というのは、私も委員会、この委員会でも何度か申し上げていると思いますけれども、今委員がおっしゃったようなことを全く排除する趣旨ではこの弾力条項はないと思っております。
○平野達男君 この弾力条項は、政府の方では、半減の後のもう一つの残されたやつも次のステップとして検討するというふうに言っていますけれども、そのことだけを言っているのではなくて、既に今回出されている半減の部分についても含むという、そういう理解でよろしいわけですね。
○国務大臣(谷垣禎一君) これも委員がそこのところを非常に強調されますと、なかなかそうだとは申し上げにくいんですが、要は、景気は生き物ですからいろんなことはあり得ると思います。ただ、この条項のコアの部分は、残りの部分を来年度議論しますときによく景気の条項を見ろというのが一番コアだと思いますが、周辺部分は大分ばくっとしておりまして、委員のおっしゃったようなことを排除するものではないと思っております。
○平野達男君 これは前に質問申し上げたことなんですが、この景気の動向を注視しというこの景気の動向というのは具体的に何を見るかという、その指標みたいなものはこれはないというお話だったんですけれども、これはやっぱりある程度の、例えば雇用者総報酬の話でありますとか、あるいは名目GDPの伸び率とか、ある程度の一定の考え方はやっぱり示すべきではないかと思いますけれども、改めてそのお考え方をちょっとお聞きします。
○国務大臣(谷垣禎一君) いや、その点は、平野委員からもほかの委員の方々からも度々そういう御意見は承っているわけですけれども、この状況の、条項の意味は、やはり生き物である経済に柔軟に機動的に対応せよということでございますから、何%になったらどうするというようなものではないと思っております。
○平野達男君 なかなか指標化が難しいということは理解しますけれども、これからいろんな意味で財政再建を議論していく中で歳出カット、それからある意味では増税という議論も当然出てくると思います。だけれども、どういうタイミングで増税をやっていくかということについては、ある程度のやっぱり考え方みたいなものが、ばくっとしたものではなくて、国民から見て分かりやすいような指標の工夫っていうのはやってもいいんじゃないかなということだけちょっと申し上げておきたいと思います。 で、次の質問に移りますけれども、この定率減税に関連するわけじゃないんですけれども、やっぱり今の景気の中では、景気を考えた場合には、個人消費というのがやっぱり非常に大事だろうということで、我が党は、住宅ローン減税でありますとか教育ローン減税でありますとか、ローンに掛かる利子についてはこれはもう控除すべきだと、所得控除すべきだというようなことを考えておりますけれども、このローン減税に対する政府の考え方ということをちょっと一点お伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 残念ながら、この御党のローン減税の考え方は、私どもは必ずしも同調できないなと思っております。 それは、所得税は経済力を表す所得の金額に応じて税を負担するというのが基本だと思いますが、他の消費支出などと同様に所得の処分であるローン利子の支払を所得から控除するというのは果たして妥当なのかというのが一番基本的なことでございますけれども、もう少し、またもうちょっと立ち入って考えてみますと、ローン利子の控除制度は高額なローンを組むことができる高額所得者にはこれはなかなかいい制度、優遇される制度だと思いますけれども、現在の低金利の下で、例えば持ち家取得を支援すべき中低所得者にとって現行制度よりも減税効果はむしろ小さくなってしまうんじゃないかと、住宅の新規取得にとってかえって、マイナスとまでは言いませんが、必ずしも所期の効果がねらえないんじゃないかというようなことも考えるわけでございます。
○平野達男君 いずれ、私どもは、まだまだ景気は回復基調にはないと、景気を回復させるためには何といってもGDPの六割を占める個人消費だと、それに対する刺激策みたいなものをまず導入すべきだという考え方に立っています。ましてや、定率減税の半減についてはその時期にあらずということを再度強く申し上げておきたいと思います。 そこで、以下、国の財政状況と国債ということについてまたいろいろお伺いしていきたいと思います。 平成十三年の三月八日の予算委員会に、当時の大蔵大臣はこれは宮澤大蔵大臣であります、この宮澤大蔵大臣が国の財政状況に触れまして、このように答えています。「我が国の財政は、今おっしゃいますように非常なやや破局に近い状況でございます」ということを、これは平成十三年の三月八日の予算委員会で答えておるんです。ですから、これはもう四年前になるでしょうか。今、この宮澤大蔵大臣の、当時の大蔵大臣の、大蔵大臣ですね、財務大臣じゃないですね、この御見解、今谷垣財務大臣聞いて、どのような御感想をお持ちになるでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 宮澤大蔵大臣は、私も政務次官としてお仕えした大臣でいらっしゃるわけですが、委員御指摘のように、日本の財政状況はやや破局に近い状況であるというふうに答弁されております。 これは平成十二年度末の我が国のその当時、公債残高が約三百六十八兆に上っていたわけですが、そういったことをごらんになって、我が国の財政が非常に厳しい状況であるという趣旨の御発言であったと思いますが。 現在の我が国の財政状況は、確かに平成十七年度では一般会計のプライマリーバランスも三兆円の改善が見られるとか、財政健全化に向けた進展といいますか、取組を一生懸命やっているわけですが、その公債残高を取ってみますと、当時の三百六十八兆に比べて五百三十八兆まで行っているわけですから、その平成十二年末当時と比べてこれは厳しい状況が更に進んでいるというふうに私は思っているわけでございますので、こういった状況を何とか立て直さなければならないということで度々申し上げております、まずは二〇一〇年代初頭の国、地方合わせた基礎的財政収支を取っていくということを目標に相当な努力をこれから積み重ねなければいけないと思っております。
○平野達男君 この後、宮澤大臣は、ここではモデルの必要性を言って、これについては大塚委員が専門家ですから、どうのこうのと私は言えるだけの知識はございませんが、このモデルでシミュレーションして、今度こそは言葉のつじつま合わせではなく、これならば十年なり二十年健全な経済社会が営めるという案を作らなければならないというふうに言っておるんですね。果たしてこの四年間の中に、この財務、当時の宮澤大臣が言われたこの発言がどの程度生かされてきたのかというのは、今、私自身見ても非常に疑問なんですが。 これはちょっと通告申し上げておりませんでしたけれども、要は、宮澤当時の大臣は、早急に、十年、二十年これなら大丈夫だという、経済社会が大丈夫だと言われる案を作らなければならないんだというふうに言ってますけれども、今そういうことというのは実際に進んでおりますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今お話伺っておりまして、宮澤、平成十三年三月当時はもう宮澤財務大臣に名前が、大蔵省から財務省に変わっておられたんじゃないかなと感じましたけど、当時は、宮澤大臣がそういう大きな数字のつじつま合わせではなくてきちっとしたものをやらなきゃいかぬとおっしゃったのは、当時、経済財政諮問会議等で既にそういう議論が始まりつつあったのではないか、当時のことを私正確には承知しておりませんけれども、そのように伺いながら感じました。 現在は、経済財政諮問会議でいわゆる「改革と展望」のようなものを作りまして、よくこの委員会でも御議論をいただきますけれども、その参考資料等々で、平成、今度二〇一二年ということに今年の版ではなっておりますけれども、そういう、あれはあくまで一定の前提を置いたモデルでございますけれども、そういうものも作って取組をしているということであります。
○平野達男君 私は四年前の選挙で初めて国政に送っていただきまして、それ以来ずっと財政金融委員会に属しております。振り返ってみますと、最初の三年間ぐらいはほとんど金融でした。確かに金融がテーマでした。そして、確かに銀行の破綻問題でありますとか、りそなでありますとか足利銀行でありますとか、そういう問題がありまして、ほとんど財政については私自身は余り議論をする機会を持ちませんでした。 今回、たまたまいろんな意味で、郵政の問題でありますとか、そこから国債の管理の問題とかずっとひもといていったら、やっぱり実はまた財政問題というのは本当に大変だなという、これは私自身の自戒の意味も含めて気が付いたようなところがあるんですが、本当にこの宮澤大臣の三年、四年前の言ったこの発言はそっくりこのまま今生きているなと。生きているというか、そっくりそのまま移ってきているんじゃないかという意味において、私はこの財政問題というのは、特に国債管理問題も含めて相当真剣に議論していかなくちゃならないというふうなことを、今これはちょっと、私自身に対する自戒の意味も含めてちょっと申し上げておきたいと思います。 そこで、国の歳出構造を見ますと、公債費、社会保障費、交付税で三分の二であります。 公債費につきましては、これはもう今の方式で、今の方式というか、六十年ルールということで償還ルールでやっていますが、六十年、単純に言えば、債務残高の六十分の一ずつ償還していって、それに利払いを乗っけてそれで予算を組むということですから、これはもう減りようがない。それから社会保障費、これも今の計算でいくと毎年一兆円ずつ伸びていくとも言われています、今のままでやっていくと考えればですね。それから、地方交付税、これは私、岩手県出身だから削ったら困るということでありまして、そういうふうに言ってしまった途端に国の予算の三分の二を占める予算が膨れる一方になってしまう。 その一方で、税収は、景気が良くなればこれは非常に有り難いわけで、とにかく何とかして景気を良くしなくちゃならない、景気を良くすることで税収を伸ばすというのはこれは基本であります。基本でありますが、後でちょっと触れますけれども、少子高齢化という人口減少の時代に入っていく中で今までみたいに名目GDPがそんなに伸びるということも期待されないという中では、やっぱり、どこかでやっぱり歳出の大きな見直しと、それからやっぱり、これは余り口、大きく、言いたくないんですけれども、景気の動向をしっかり見ながらやっぱり増税の議論は本格的にやっていかなくちゃならないんだろうというふうに思います。 我が党は、民主党は消費税の増税というのを言っておりますし、旧自由党のときは、年金財政については基礎的な部分はもう消費税上げてそこを充当すればいいじゃないかというようなことも言っておりました。そういった意味での増税の議論もタイミング見ながらしっかりやっていくという必要があると思います。 そこで、一点目、これもちょっと通告申し上げていたかどうか分かりませんが、歳出につきましては、財務大臣は社会保障費についても、これはもうある意味においては抑制しなくちゃならないんじゃないかなということを言っておられました。私も、国債発行残高をGDPの中で一定率を保とうと思ったら、社会保障費の伸びも本来であればGDPの伸び率ぐらいまでに抑える必要があるのかもしれないんです。そういった意味で、社会保障費についてもこれからある意味においては抑制ということも考えなくちゃならないんじゃないかなと個人的には思っておりますけれども、そこの全体像につきまして、財務大臣、今どのようなお考えを持っているかをちょっとお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 委員がおっしゃいましたように、今の日本の歳出の一番大きなところが社会保障、それから国債費、そして地方交付税と、この三つで七割近く占めるわけでございますから。もちろん、どこを聖域を設けて歳出抑制をすればいいというものではないと思います。全部やらなきゃなりませんが、大どころがある程度行かなければとてもそれは先へ進まないと。それで、その中で国債費は、これはもう利払いでございますから勝手に圧縮するということはできないわけでございます。 それで、一番大どころの社会保障に関して言えば、私はやっぱり、社会保障いろいろございますけれども、要するに持続可能性ということがなければ安心にもつながらないということだと思います。それで、これはもういろんな議論があって、尾辻厚生労働大臣も、例えば医療のようなものはGDPの、名目GDPの伸びに医療費を合わせていくというのはとても技術的には難しいんだということもおっしゃっておられて、それもそうかなとは思うわけでありますけれども、やっぱり全体として何かこの日本の、すぐ毎年毎年一気に連動するというような硬直した仕組みがなかなかできるとも思えませんけれども、やっぱり大きな意味で日本経済の身の丈の中に収まっていくような制度改革というものがなければいけないのではないかなと思っております。 三位一体については、先日来の議論で端緒ができたわけでありますけれども、やっぱりここも透明性と申しますか、説明責任をきちっとして、必要なものは必要ですけれども、やはり説明できないものは改めていくという努力は徹底的にやらないと先へ進めないというふうに私は思っております。
○平野達男君 それと併せてやっぱり、今、先ほど公債費、社会保障費、交付税と大どころの三つの話をしましたけれども、そのほかにも、今日の尾立議員の質問にもありましたけれども、お金の使い方についてまだまだやっぱり不透明というか、無駄な部分がたくさんあるんじゃないかというふうにやっぱりみんな思っていますよね。そうじゃないんだということを国民にどうやってアピールしていくかということがまず基本という問題もあると思います。その上でないとやっぱり国家の全体の増税の議論なんかもなかなかしにくいという面もありまして、この歳出を徹底して見直しをやっているんだ、無駄はないんだというメッセージをどうやって出していくのかということについての、ちょっと抽象的な質問で申し訳ございませんけれども、大臣のお考え方をちょっとお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは極めて抽象的に答えますと、やっているんだやっているんだと幾ら言っても、信用がないと、やっているんだと言ってもなかなか、本当かと、こういう目で見られてしまうというところがあると思います。 したがって、なるほど確かにやっているんだなと思っていただくためには、もちろん地道な広報活動や説明の工夫、先ほど尾立議員の質問にもございましたけれども、教育等も含めて積極的に取り組む必要があると思いますが、他方、やっぱり何というんでしょうか、相当切り込んだなと、なるほど、このぐらい頑張ってやっているのかと、血を流してやっているのかというようなものも何かないとなかなか理解が得られないのかなと思っております。
○平野達男君 先般の参考人質疑の中で井堀参考人が、国民のだれもが今、国の財政状況を見ていて将来的には増税あると思っているというふうに言っておられました。私もその意見には賛成です。 その中で、そういうふうに思っているんであれば、しっかりとした増税のスケジュール出したらどうかというふうなことを言われました。私はそれに対して、スケジュールを出すのはいいんでしょうけども、先ほど谷垣大臣の言われた、出してそれを国民信用するかどうかという問題がありますねというコメントをしたんですけれども、この増税のスケジュール表、しっかりしたものを出すということについては、これは政府内で今そういう考え方があるんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 平野委員のおっしゃるしっかりしたという意味をどういうふうに解するかですけれども、このところ、政府・与党の議論はかなりそういうものを意識して議論してきておりまして、大きな流れの筋は、与党税調の答申であるとかあるいは「改革と展望」の中に大きな方向は書き込まれているのではないかなというふうに考えております。 それを更に具体的にどう肉付けし御理解を得ていくかということは、これは税の議論の前提として、例えば社会保障等々につきまして必要な公的サービス、社会保障の水準は何なんだと、そして、その給付と負担というものを、バランスを取るためにはどうしたらいいのかといったような議論を積み重ねていかないと、その結論だけをぽんと出してもなかなか理解が進まないんではないかなと思っております。
○平野達男君 そうすると、私も先ほど言った、しっかりとしたという、それ意味不明のままちょっと使ってしまいましたけれども、時期を見て、例えば消費税は何%、あるいは今の所得税の控除システムについてはこういう見直しをしますというような、そういった工程表みたいなものは出てくるということもあるというふうに理解してよろしいんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今のところ、これも何度かお答えをしたことだと思っておりますが、十八年度でいわゆる国、地方の三位一体の改革の一環として所得税から個人住民税、その実現していく、そういう中で、国、地方を通ずる個人所得課税の抜本的見直しを行うと。それから、十九年度を目途に、年金、医療、介護等の社会保障給付に要する費用の見通し等を踏まえながら消費税を含む税体系の抜本的改革を実現するというようなことが「改革と展望」に書き込まれているわけでございますが、今委員のおっしゃったような、じゃそういう社会保障の水準を見て消費税は何%であるというようなところに行くには、まだもうちょっと議論が煮詰まらないとそのようなお問い掛けも現在の段階では難しいのではないかと思っております。
○平野達男君 いずれ、年金制度でも国家の財政でもそうですけども、どれだけ入ってどれだけの支出をするかという、そこはどっちを先に議論するかという問題は常に付きまといます。ただ、いずれにせよどっかでは、どっかの時点では、保険料負担も含めて、税金も含めてこれだけの負担ですよと、まあこれ、国民負担率というのかどうか分かりませんが、それだけの負担をお願いしますという中でそちらを設定して、それに合わせた歳出規模を決定していくという仕組みをやっぱり早く導入しなくちゃならないんじゃないかなっていう感じが個人的にはしています。 そこで次の、国債管理政策に関連してちょっと質問に入っていきますけども、今の国債の償還は、先ほど言いましたように六十年ルールというのがありまして、十年債でしたら、満期が来た十年に六十分の十、六十分の五十については借換えして、また十年したらまた六十分の十ということで六十年で償還していくと。五年債については、五年の満期来ましたら六十分の五、六十分の五十五については借換えをして、また五年ごとに返していくというそういう、よく考えたシステムだなといえばよく考えたシステムなんですが、多少分かりにくい仕組みになっています。六十年ルールですから、国債発行残高が仮に六百兆とすれば、単純にやれば十兆が債務償還費で、残りの、それに利息の部分が掛かってきますから、残りが利払い費ということになるんでしょうか。 で、将来的に、例えばよく議論されるんですけども、これだけ財政がきつくなってきたら六十年償還ルールを例えば百年に延ばすんじゃないかとか、そういった議論もあります。ややこそくな議論だと思います。こういう考え方というのは今政府の中にあるんでしょうか。
○副大臣(上田勇君) 今のお尋ねでありますけども、結論から申し上げれば、これを百年に変更するというような考えはございません。これまでも衆議院の委員会等で御党の委員などからもそういう御提案もあったことではあるんですが、やっぱりこれ、長くすれば長くするほど将来に負担の先送りするということにもなりますので、今のルールにのっとって考えているところでございます。
○平野達男君 いずれそういう声が与党内から、与党内というか、与党内から出ないように希望しておきます。 そこで、国債発行の考え方でございます。 いろいろと最近は国債の種類が増えまして、私も全部理解しているわけではございません。物価連動債とか変動利付債とか、何か新しい名前が付いている、これをきちっと理解しているわけではございませんが、最近よく個人国債、個人国債と言われます。保有者層の多様化という中での目玉が個人国債だというふうに言われていますね。ところが、平成十七年度の発行予定は、これは予算委員会でも言いましたけども百七十兆ぐらい、借換債含めまして債務のやつ、発行予定百七十兆ぐらいあるんですが、個人国債は三兆六千億です。目玉だ目玉だと言う割には随分少ないなというのが率直な感想なんですけども、これが、個人国債、何でこんなに少ないのか。まあ、三兆六千億だから金目とすれば決して少ないわけではないんですが、割合とすれば非常に小さいという意味で、この個人国債の伸びない理由というのをちょっと改めてお聞きしたいと思います。
○副大臣(上田勇君) まず十七年度の国債発行計画、三・六兆円ということでありますけども、これは、これまで平成十五年の三月から八回にわたりまして個人国債の発行を行ってまいりました。その三・六兆円というのは、過去の平均的な一回当たりの発行額を基礎としてこの数字を計上しているものでございます。 で、今正に委員が御指摘になったように、個人国債、個人保有の国債の割合が非常に低いということもあります。今、非常に多額の国債残高を抱えておりますし、また今後ともそういう意味では国債の大量発行というのはもう避けられない中でありますので、国債の安定消化図るという意味からも個人や海外投資家による国債保有を促進、これも重要な課題だというふうに考えております。 なお、個人向けの国債について、これは申込みがされた分だけ発行するというようなことになっております。そういう意味では、国債発行計画に予定されている発行予定額以上の申込みがされた場合には、実際、十六年度も当初の発行予定額が一・六兆円に対して実際には六兆六千億円発行しておりますので、発行予定額を超えて発行することもあるということでございます。 いずれにしても、これから国債、個人保有、個人による国債の保有を促進する観点から、いろんな個人向けの国債を導入することによりましてこのような取組、引き続き国債管理政策の適切な運営に努めていきたいというふうに考えております。
○平野達男君 日本の国債は、御承知のように、九十数%が国内でファイナンスされているという状況です。これは、アメリカとか一時言われたアルゼンチン国債なんかと比べると全然違うという状況です。ですから、国債なんですけれども、これは先般の予算委員会で言いましたけれども、国の債務であるから片っ方に債権者がいますから、これは本当に国民の資産でもあるということだろうと思います。 その一方で、今副大臣の答弁にもございましたけれども、海外に向けても今いろいろアピールをしていると。アピールというか、保有者を増やそうという努力をしているということでした。先般の、ただ、日経新聞では、イギリス辺りで日本はこれから円高が進みますから為替差益でもうかりますよというふうに宣伝をしているというような報道がされていまして、これが本当だったら随分ひどいことを言っているなということになるわけですが、本当ですかと言ったら、それはやはり認めませんでした、そういうことはありませんでしたということだったんです。 そこで、海外についてなんですけれども、これはやっぱりメリット、デメリットやっぱりあるんではないかというふうに思います。この海外保有者を増やすことのメリット、デメリットについて、どのようなお考えでしょうか。
○副大臣(上田勇君) 先ほどから、先ほども申し上げたんですが、我が国は先進諸国に比べますと国債の海外での保有比率は低くなっておりまして、これは一つにはやっぱり保有者の多様化を図っていくということが国債消化、安定消化にとっては重要なことだろうというふうに思っております。ですから、これは個人の保有の割合も増やしますし、また海外の保有も増やすということでありますが。 これはやはり、なぜかといいますと、やっぱり我が国の国債保有の現状を見ますと、銀行等の預金取扱金融機関の保有残高が非常に高い、割合が高いわけであります。それで、その中で市場の状況が変化した場合などにおいて市場参加者の取引が一方向に流れがちな傾向がございまして、そういうことについて不安を指摘する声もございます。そういう意味では、国債の保有者層を個人や海外に多様化するということによりまして、そういった一つの方向へのリスクというようなものを分散をし、市場の見方や投資スタンスに基づいた国債取引がより的確に行われて、その結果として今の国債市場の安定化につながるんではないかというふうに思っております。
○平野達男君 今、日本の国債の利率というのはもう世界的に見ても非常に低いですから、単純に考えるとやっぱり海外投資家というのは為替差益ねらっているのかなというふうにも取れてしまいます、と取れてしまいます。 それで、これから日銀の出口政策でありますとか景気回復とかいろいろ言われていますが、仮にインフレ期待が出てきたときには円高が今度は円安に動くということも考えられるわけです。そのときに、海外保有者が、円安に向かうと判断すれば国債をやっぱりどんどん放すんじゃないだろうかという、そういうリスクもやっぱりあるんじゃないかなと思うんですが、それについてはどのように考えますか。
○副大臣(上田勇君) 海外の投資家がいろんな市場の見方を持っているんだというふうには思います。一口に海外投資家と言っても、その市場の見方とか投資スタンス、これは様々であるというふうに思っておりますので、為替相場の変動、円高に振れるあるいは円安に振れるといったことが、直ちに一方向にその投資家の行動がそれに沿って一律に動くというようなことでは必ずしもないんだろうなというふうに思っております。 なお、その為替のこと、為替との関係だけを議論すれば、まあ確かにそういうようなことを予想されることもあるんだというふうに思いますが、ただ市場にはいろんな要因があるわけであります。そういう意味では、国債を保有している保有者層を多様化する、そのことによって様々な変動や要因に対してより安定した市場になるんではないかというふうに思っておりまして、その一環としてやはり海外のものを増やそうという考えであります。
○平野達男君 今日は日銀の白川理事にもおいでいただいておりますので、ちょっと日銀に質問したいと思います。 いわゆる国債の消化の方法の中に日銀乗換えというのがあります。平成十七年度には今までのない措置として、従来でありますと当該年度償還を迎えたものについて一年間乗り換えるということだったんですが、今回は再乗換えということで、再乗換えの、基本的に二分の一についてもう一回乗り換えるという措置をとっています。 この乗換えというのは、御承知のように、国債を市場を通さないで直接政府から短期証券を買う、短期証券でしたか、を買い取るという意味において国債の市場に大きなインパクトを与えないという、インパクトというか、大量発行によるインパクトを是正するという目的があるんだと思うんですが、この目的についてちょっと御説明をしていただけるでしょうか。
○参考人(白川方明君) お答えいたします。 日本銀行は、昨年十二月の政策委員会におきまして、委員御指摘のとおり、平成十六年度に乗換え引受けを実施いたしました短期の国債の二分の一、約六・四兆円でございますけれども、これにつきまして平成十七年度においてこれを短期国債に再乗換えを行うことを決定いたしました。 本件につきましては、財務省から、平成十七年度におきます国債償還の集中を平準化するという観点から短期国債への再乗換えを行ってほしいという旨の御要望がございました。これにつきまして、日本銀行政策委員会におきまして、この要請に応じた場合においても日本銀行の基本的使命でございます金融政策あるいは金融調節を円滑に実行する上で必要となる資産の流動性を十分確保し得るというふうに判断し、その上で決定を行ったものでございます。 今回の再乗換えは、あくまでも平成十七年度におきます国債償還の集中への対応という例外的かつ時限的な位置付けでございまして、国債発行残高が累増する下で日本銀行がその一部をファイナンスするといった性格のものではこれは全くございません。
○平野達男君 今の御答弁の中で、要は国債、借換債を含めまして、市中発行分が大体日銀乗換え除きますと平成十七年度で百二十兆ですね。前の年は百十五兆なんです。この市中発行分の増えることの、激減というか、市場に対するいろんな影響を和らげるという目的だというふうに私は理解したんですが、そういう理解でよろしいんでしょうか。
○参考人(白川方明君) お答えいたします。 仮に、日本銀行が満期の到来しました国債を乗換え引受けしなかった場合には、その場合には政府におきまして新規に国債を発行し、民間から資金を吸い上げるということが必要になってまいります。その際、日本銀行としては、その部分を中和するように新たに資金供給オペをやっていくということになってまいります。 現在、日本銀行の量的緩和の下で大量の資金供給を行ってございますけれども、もしこの再乗換えを行わなかった場合には大量のオペレーションを毎日毎日行っていくということが必要になってまいります。そういう意味で、ある程度の根っこの部分につきましてはこれは再乗換えを行っても、これは、そういう頻繁のオペレーションを避けるという意味でこれは意味がございます。ただ他方で、これをすべて固定的に乗換えしますと、これは日本銀行の資産が固定化してしまいまして、最終的に日本銀行の資産の流動性が損なわれることになります。 したがいまして、その両方のバランス、つまり頻繁なオペレーションはこれは避けた方がいいということと、それから一方で、日本銀行の金融政策・調節の柔軟性を確保する、その両者のバランスを考えた上で、今回この要望にこたえても日本銀行の基本的な使命の達成には支障がないというふうに判断したものでございます。
○平野達男君 ちょっと私の理解が悪いのかもしれませんが、要は十六年度と十七年度で何が変わったのかということを見ますと、借換債が非常に増えたんです。だけど、財政融資特会債、これが減っていますね。だから、市場そのもので見た場合には、政府の発行する国債、政府保証債の発行予定額というのは前年度百六十二兆、今年は百六十九兆、百七十兆ぐらいですかね、七兆の増加なんですね。そういう変化率だけ見るとそんな大きくはないというふうな感じもするわけです。何が要するに問題なのかということを、この国債の発行額ということに関連して御説明していただければ有り難いと思います。いや、そうじゃなくて、一切この国債発行額の増減とかなんかは関係ないんだということであればそれでも結構ですけれども。
○参考人(白川方明君) 今回の措置でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、これは平成十七年度におきます国債償還の集中をできるだけ平準化していくということでございます。 したがいまして、国債発行額全体の問題といいますか、その国債の発行、国債の償還期がいつ到来するか、その期間をできるだけ平準化したいという財務省の御要請がございまして、それに対して日本銀行として調節上これが支障がないということで、したがいまして委員の御質問に顧みますと、これは国債発行総額の問題というよりか主としてこれは平準化、期間の集中の問題というふうに理解しております。
○平野達男君 そうすると、その平準化を円滑にするために乗換えをやったという、こういう理解でよろしいんでしょうか。
○参考人(白川方明君) 平準化を、国債の償還期間の平準化を行うということが財務省さんの御要望でございまして、それにつきまして、日本銀行の基本的な使命遂行上、それに応じてもこれは影響がないということで、したがいまして、御質問に顧みますと、平準化ということが主たるねらいでございます。
○平野達男君 はい、分かりました。 いずれ、この財政再建あるいは国債の発行の問題に関連して重要なことは、取りあえずはプライマリーバランス均衡させましょうということで、これは大変高いハードルなんですけれども、これは何としても達成させなくちゃならないということだと思います。その後に問題になってくるのが、あるいはその前からかもしれませんが、何回も議論しているところの名目成長率と名目金利との関係です。 ところが、名目成長率の中で非常に重要なことは、先ほど私も言いましたけれども、これから人口減少社会に入っていくと。過去五十年間で日本の人口というのは御承知のように五割増えました。いろんなその前提条件がございますけれども、今のままいくと、これから五十年で五割減るということもあります。人口が減って生産性が伸びればGDPはそんなに減らない、減らないというか場合によったら伸びることもありますけれども、それだけの人口が減っていく中で、生産性向上をやるというのはなかなか難しいだろうと思います。 ということは、何が起こるかといいますと、名目GDPは下がっていくんですね、インフレでも起こらない限りは。そうすると、そのGDPと名目成長率と名目金利との関係は、これからその人口の減少が入っていく段階ではもうなかなか反転させることが難しい状況に入っていくはずなんです。それに入っていくと思います。そうすると、国債発行残高をGDPの枠内で抑えるということは相当早くやっておいて、かつまた歳出と歳入の構造をしっかり見直していかないと、これは大変になるということだと思います。 そういった意味で、この財政再建はやっぱり待ったなしだろうと思います。ただ、私らに言わせていただければ、これだけの債務をつくったのは今の与党だし、五十年間ずっと政治をやってきたその掃きだめみたいな、おりみたいなものがたまっているんだと思うんですね。これはだれが掃除できるかといったら、やっぱり今の与党ではやっぱりできないと思いますね。これは是非政権交代をやって、私らに任せていただきたいということを再度申し上げておきたいと思います。 まだ時間がちょっと五分ほどございます。残りの質問に入らせていただきますけれども、補助金と交付金ということについてお伺いしたいと思います。 今度、交付金ということで、公共事業の中にも昨年度の予算の中にはまちづくり交付金、今回は集排と下水道と合併浄化槽、それから道路、農道等道路に関しまして交付金制度というのをつくりました。私は、この交付金制度というのは、個人的には大変評価しています。よくやったなという、よくやられたなという感じが強くしています。 改めてこの交付金についてお伺いをしますけれども、補助金と交付金、これは何が違うんでしょうか。
○副大臣(上田勇君) お答えをいたします。 今委員が御質問の中でお触れになりましたように、今度の十七年度の予算編成におきましては、省庁横断的な交付金の創設、約八百十億円を始めといたしまして、総額三千四百三十億円の交付金化の改革を実施することといたしております。 交付金の改革について、従来の補助金とどこが違うのかということでありますが、何点かございますが、大きく三点申し上げますと、一つには、複数の事業を包括的に対象とすることによりまして、一体的な事業計画の策定が可能となるという点があります。 二つ目として、その計画に基づく補助対象となる事業の間の予算の融通が可能となりますので、地方が事業進捗を一体的に管理することが可能となるという点があります。 三つ目には、やはり省庁の枠を超えた補助金の一本化によりまして、事業申請等、これはなかなか中央省庁に対するそういう申請手続煩雑だというような声もありました。そういう事業申請等の手続が簡素化される、そうしたメリットがあり、地方の裁量度を高めて自主性を大きく拡大する改革になっているんではないかというふうに考えております。
○平野達男君 今のお話聞きますと、交付金というのはいいことだらけなんですね。確かに交付金というのは補助金に比べて融通性があります。メリットたくさんあるんです。 今回、これを試験的に入れたのかどうか分かりませんが、これからいろんな補助金行政の在り方を考える中で、今回交付金化を、先ほど言いましたように、汚水処理施設あるいは道路に入れたという意味は非常に大きいと思うんです。今副大臣が言われたようなメリットあります。 それで、そういうメリットがあるということであれば、これからはもう補助金はガラガラポンして、どんどんどんどん交付金化の方向に行くのかどうか、これをちょっと考え方をちょっとお聞きしておきたいと思います。
○副大臣(上田勇君) 今申し上げましたように、交付金化には様々なメリットがあるわけでありますので、そういう方向を検討していきたいというふうに思っておりますが、ただ、やはり交付金を進めるに当たっては、やはり留意しなければいけない点も幾つかあるんではないかというふうに思っております。 一つは、やはり従来の補助金と比べて補助対象が非常に広い範囲に及びますので、その費用対効果、そうした分析だとか、事業の有効性、効率性等をやはり丁寧に検証していかなければいけない、更にその必要性が従来よりも増えていくんではないかというふうに思っております。 また、二つ目には、その事前の審査が、今まで行われていたのを、それを簡素化するわけでありますので、そうするとやはり事業実施後の事後評価が、これがやはり予算の効率的な利用という、効率的に使っていくという意味から十分なチェックを担保することが更に重要になってくるんだというふうに思っております。 また、補助が単一の事業に限られている地域もありますので、事業間の融通を可能とする交付金に加えまして、やはり単一の補助対象に特化したような従来の補助金を存続させる意義といったこともあるのかないのか、そうしたことも議論する必要があるんではないかというふうに思っておりますので、そういったことを含めて検討していきます。
○平野達男君 今の補助金行政の中での私の最大の問題というのは、先ほど副大臣にも答弁がございました、各事業の工程管理が自治体、できないんです。どういう意味かといいますと、例えば下水道は下水道、集落排水なら集落排水、公園なら公園、あるいは公民館なら公民館、何でもいいです、それを単一ごとに補助金申請という形で各省に要求します。例えば五年から五年、七年なら七年、十年でやるなら十年というふうに、各々事業について計画を作って、この期間までに完成させたいと思うんですが、その工程というのは国の予算の、毎年毎年付ける予算でその工程が抑制されてしまうんです。例えば、今言いましたように、市町村によっては、下水道、公園、公民館がありますけれども、うちの市町村は下水道だけどんどんどんどん進めたいと、早く終わらせたいというところがあるかもしれない。ところが、これが、下水道は下水道、公園は公園、公民館は公民館で各省で分かれていたらそれができないんです。 それからあともう一つ、補助金の問題は、繰越明許、繰越しもなかなか難しい、それから地区間流用もできない、目間流用も難しいんです。目間流用というのは予算の費目間の移動ですね。ところが、交付金はこの問題全部解決するんです。 それから、あと、副大臣の言われた費用対効果の問題ございますけれども、こんなの全然問題じゃない。総合メニューの中で、個々のメニューについての要するに費用対効果をやっておけばいいんですから、それは全然制限要素にならないんです。 交付金化でもって何が問題になるかといいますと、まさしくこれは省庁の縦割りなんです。今、下水道は下水道、集排は集排、それから公民館は公民館、公園は公園、各部局があります。今、話変わりますけれども、国から地方向けの補助金は十七兆あります。地方交付税交付金も十七兆です。これがいいかどうかは別ですけれども、十七兆の交付金というのは総務省が数十人で配分決定しています。これ、いいかどうかは別ですよ。同じ十七兆、十八兆ある地方向け補助金というのは、霞が関が一杯、農水省ある、国土交通省ある、財務省がある、それで一年掛けてわんわんわんわんやって議論して、それで決めている。しかし、それが先ほど言ったように、工程管理も自治体もできない、それから目間流用もできない、地区間流用もできない、そういう流れになっているんです。それは何かといいますと、今の霞が関の行政単位がそういう仕組みになっちゃっているから。 これ、交付金の最大の問題はこの縦割り行政をどうするか、今の仕組みにまでメスを入れなくちゃならないわけです。だけれども、私どもは、今回この交付金制度入ったことを非常に私自身は評価しています。これをきっかけに補助金の抜本的見直し、私らが言うところの一括交付金化、それの端緒になったと思っています。その端緒になったということで、これを部分的には評価していますし、これからの補助金行政の見直しにつきましては、この交付金制度出てきましたので、いろんなところでしっかり議論していきたいということを申し上げまして、総理大臣来られましたので、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○委員長(浅尾慶一郎君) これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○中島啓雄君 自由民主党の中島啓雄でございます。 公債発行特例法と所得税法等の改正案の審議もいよいよ大詰めを迎えまして、今日わざわざ総理に御出席をいただきまして大変ありがとうございます。 手元にお配りをしてあると思いますが、資料一枚目をちょっとごらんをいただきたいと思います。 いろんな線があって、大変見にくくて恐縮でございますが、これは一般会計の歳出総額がどういう財源で成り立っているかということで、この三本目の茶色い線が歳入総額、その下にある緑の線が一般会計の租税及び印紙収入と、その下のダイダイ色が国債の収入で、平成十七年度の予算については三十四兆四千億であると。その下に国債の内訳がございますが、この赤い字が正に赤字国債、特例国債で二十八・二兆だと。それから、紫の線が下の方にありまして、これが建設国債で六・二兆だと。その他収入がありますが。 こういった国債の今までの発行の歴史をちょっと振り返ってみますと、昭和四十年、一九六五年に初めて建設国債を発行するということが始まりまして、初めはおずおずと始まったわけでありますが、昭和五十年、七五年から特例国債、いわゆる赤字国債が発行が始まりまして、平成三年から五年はしばらく赤字国債がなくなって建設国債のみになったんですが、その後また復活をして、ついに平成十一年、一九九九年からは特例国債の方が建設国債よりも発行額が大きくなったと。 現状では、三十四兆四千の国債収入のうち二十八兆二千が赤字国債と、こういうことでありますから、実に八二%が特例国債であると。特例が主であって建設があくまでも従であると、こんな状況になっておるわけでございますが、こういった財政状況にあるということについて、総理の御感想を承ればと思いますが。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 財政状況が極めて深刻な情勢にあるという御指摘だと思いますが、そのとおりだと思っております。本来、特例公債というのは特別に例外だというのが、今やもう通例になってしまいましたから、そういう意味におきましてもこれは大変深刻な情勢だと思っております。こういう状況だからこそ、なおかつ財政健全化に向けて一層の努力をしていかなきゃならないと。 特に、平成十一年度以降ですか、建設公債よりも特例公債が上回って、その後ずっとこれが続いております。今や建設公債の方は減ってきているわけですが、なかなか特例公債の方は減るどころか増えていると。十七年度におきましてはようやく減額の傾向が出てまいりましたけれども、それでもまだ、今後当分、特例公債の発行を余儀なくされる状況だと思います。 今後、このような財政状況を少しでも改善していくような方策が必要ではないかと。当面におきましては景気の情勢もよく見極めていかなきゃなりません。この財政状況を健全化させる方法には増税もあるわけでありますが、現時点におきましては、諸般の情勢を全般的に考えて、歳出削減努力と、そして一層の、いわゆる構造改革といいますか、規制緩和とか、あるいは金融改革、歳出のめり張りを付けて予算をつくっていく、さらには税制改正全般を見た、そのような改革を主として今後、二〇一〇年代初頭にはプライマリーバランスを回復したい、そう思っております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 この特例国債が主体になっているという財政状況のもう一つの教訓は、公共事業費の関係と公共事業費を除く一般歳出なり地方交付税の問題と二つに分けますと、今後の財政の健全化の重点というのは、やはり公共事業費を除く一般歳出なり地方交付税等をどう削減をしていくかというところにポイントが移っていかざるを得ないのではないかというふうに感じております。 先ごろの予算委員会の席上でも、公共事業費はもっと削っていきますよというようなことを総理おっしゃいましたが、それを否定する気はありませんけれども、公共事業費の効率化、重点化あるいは費用対効果を詰めていくというのは当然の話でありますが、むしろこれからは一般歳出をどうやって削っていくかと、こういう観点で考えていかなくちゃならないだろうと。 そこで、二枚目のペーパーを見ていただきたいと思いますが、二〇一〇年代の初頭にいわゆるプライマリーバランスを黒字化させると、こういうことの絵が、内閣府の絵なり財務省の絵なりいろいろ出ているんですが、非常に分かりやすいのは、これ昨年の十一月八日に財政制度等審議会で出された資料で、これは十六年度予算から機械的に伸ばしたものですが、二〇一四年度でプライマリーバランス二十七・八兆円の赤があると。これを詰めるには、歳出削減のみだと三分の二ぐらいに圧縮する必要があると、歳入増のみでやると五割ぐらい税を増さなきゃいかぬと、こういう絵なんですが、両極端はなかなか難しい。中を取れば、例えば歳出削減と歳入増を同じ割合でやるとすると、歳出削減二〇%、歳入増二〇%ぐらいがちょうどバランスするところであると。 いずれにしても、今、平成十八年度ごろまでに財政に対する基礎的財政収支黒字化への具体的な道筋を明らかにすると、こういうことになっておりますが、将来の国民に対する不安、不満を解消するためには、やはり、小泉内閣の大きな課題として具体的道筋を明らかにしていただきたいと思いますし、その場合にはやはり歳出削減と増税とが組合せにならなきゃいかぬだろうと、こう思いますが、その辺について総理の御見解を承れればと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 財政収支を考えますと、確かに歳出削減だけでは無理であると、増税もという議論は分かります。 しかしながら、経済全体を見ますと、財政健全化だけすれば経済がプラス成長になっていくかというと、これまた考えなきゃならない点がございます。財政健全化の努力は常にしていかなきゃなりませんので、一般歳出を前年度以下に抑えるという努力を続けてまいりました。そういう努力もありまして、来年度予算におきましては、今までのいわゆる財政の基礎的収支、これも赤字が数年前はたしか五%だったと思いますけれども、四・五%台に改善の傾向を見せてきたと。国債増発も抑制できるような状況になってきたと。 かといって、ここで財政を健全化させる余り、その収支のために、削減では無理だから増税をというと、一挙にやるかというと、これまた、経済のプラス成長を目指しているわけですから、これも私は、経済全体を見て、果たして財政健全化を急ぐ余り今増税していいのかというと、これはやっぱり否定的立場を取らざるを得ないし、経済は生き物ですから、状況を見ながら徐々にこの財政健全化の方向に向けて努力していくと。そして、今のデフレ脱却して、経済成長が二%程度できるようなそのような経済環境に持っていかなきゃならないと。 確かに、財政赤字をこれ以上拡大させておきますと、これまた、もう将来に大きな負担を残すのも事実であります。だからこそ、私どもとしては、経済全般を見ながら財政状況を少しでも改善すべく努力をしていかなきゃならない、極めて限られた細い道であると思います。 まだまだ日本の財政状況は厳しいという状況でありますけれども、それほど大きな混乱が起きないというのは、日本経済全体を見ればもっと底力あるんじゃないかと。先進諸外国に比べれば、所得税の負担率もGDPの割合に比べれば低いと、消費税も、ヨーロッパ全体一五%以上なのに、日本はまだ五%以内かという議論があるのは承知しておりますが、かといって、そのヨーロッパ並みにもっと税収増だけ考えて増税していいかという状況にあるとは私は思っておりません。そこは全体を見て、より一層歳出削減努力、より無駄な部分を排除していくと、行財政改革、そういう点を併せて進めていかなきゃならない問題だと思っております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。
○若林秀樹君 民主党・新緑風会の若林秀樹でございます。 主に総理にお伺いしたいと思います。 先週、十七年予算が参議院を通過いたしました。しかし、今日この審議している二法が通らなければこの予算も執行できないと、そういう意味じゃ、厳密にはまだ予算は成立してないということでありますんで、是非緊張感を持って御回答願いたいなというふうに思っております。 予算、確かに新規の国債発行は減りましたけれど、やっぱり三十兆円を超える国債を発行しているというこの現実をやっぱり麻痺してはならないというふうに私は思っております。 産経新聞に、伊東正義元外務大臣が言っておりました。三十兆円もの赤字国債を出して予算を組んで、成立のときに大喜びしている政府・与党はおかしいと、こんなに後世に借金を残して申し訳ないと国民の前にわびて主計局長や財務大臣は辞めないといけないんではないかと、国に対する愛情を全く感じてない連中ばかりで情けないという大先輩のお話もありました。 やっぱり、この感覚を麻痺しちゃいけないと思うんですよ、本当にこれは。そういう意味で、我々は有権者から選ばれてきたわけですから、本当にこの財政問題に真剣に取り組んでいく必要があるのではないかという気持ちを持っております。 その意味で、まず小泉総理にお伺いしたいんですが、総理用にちょっと資料を作ってまいりました。この「一般会計歳出・税収」、これ財務大臣のときにも使ったんですが、少しアレンジしておりまして、特にこの四年間を振り返っていただきたいと思います。 平成十三年度から、予算を最初から編成するのは四回目になります、ただ、十三年度を入れると五回目ということになりますけれど、総理は三十兆円枠というある意味で財政規律を重視したやり方をやってて、私はそれなりに結構頑張ってこられたんではないかと、相対的な、比較感で恐縮でございますけれど、でも、実際にやってみて、この数字を見られて、税収は上がらない、国債の発行残高が減らない、一方で歳出は膨れ上がる、この状況を改めて四年間を振り返ってどんな御感想か、お答えいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政治というのはやっぱり理論どおりいかないなというのを痛切に感じております。 私が国債発行三十兆円枠を守るべしと言ったときには、税収が五十兆円あるというのが前提です。税収が五十兆円あるのに前年度予算というのは、二十八兆円程度でしたかね、国債発行が。そういう状況で、五十兆円が税収あるならばやっぱり三十兆円以下に収める努力をしなきゃならないと言ったわけです。そういう中で景気の低迷が続いていると。 ところが、実際は税収は五十兆円どころか、当時は四十兆円ちょっとだったですね。そういう景気の悪化によって税収が落ち込んできた。そのときに、じゃ、理論どおり三十兆円枠を守ったら経済全体どうなったかということを考えると、これまた経済のプラス成長を目指すということになれば、歳出削減も成長を考えればマイナス効果であります。増税もマイナス効果であります。というと、やはりある程度国債を発行せざるを得ないということで今日まで来たと。 しかしながら、当時もこういうような景気低迷を続くのが公共事業を増やさないからだと、減税もしないからだという意見が一部で強く言われました。そのとき、もしも、やはり景気良くするためには公共事業を国債を増発してでももっと増やせと、こういう景気が悪いときには減税をしろという要求を受けていたらどうなったかということも考えていただきたい。じゃ、そうなったらば、増税もいかぬというんですから、更に国債を増発しなきゃならなかった。 そこには一定の歯止めを掛けて、厳しい状況にありながら全体を見ながら予算を組んできて、現在におきましては、公共事業も減額しながら、そしてなおかつ一般歳出を前年度以下に抑制しながら景気の上向き状況は見えてきたということは、やはりこの改革の効果が徐々に出てきているのではないかと。構造改革なくして成長なしと。当時は成長なくして改革なしなんだという議論が盛んに行われましたけれども、やはり改革なくして成長なしだなと、最近の議論はそのような大方の見方になってきているのではないでしょうか。
○若林秀樹君 前年は税収五十兆ありましたけれど、公債の発行残高は三十三兆円という状況でありますが、やっぱりもう少し先を見通した上で、きちっと考えてやっぱりやるべきではないかなというふうに思いますが。 一般論としてちょっとお伺いしたいんですけれど、アメリカの、今はブッシュ政権でありますが、その前のクリントン、その前のブッシュ、お父さんの方のブッシュ大統領のときは財政赤字でした。クリントンが出てきて民主党政権になって徐々に経済は回復して黒字化になって、最終的には相当な額の黒字が出て、そして今のブッシュ政権になってまた赤字に転落という、こういう状況でありますが、財政運営の在り方を大きく非連続性の中で変更し、そして社会の活力を得るという意味において、やっぱり政権交代というのはそれなりに効果的な仕組みではないかという、一般論で結構ですんで、総理にちょっとお答えいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 一般論からいいますと、民主主義の国においては、自由な選挙が行われている限りは私は政権交代があって当然だと思っております。そういうのを決めるのは有権者ですから。私は政権交代を否定しているわけではありません。政権交代にはプラスもあればマイナスもあると。 プラスというのは、それは前政権のやり方と違う方を望んだ国民が新しい政権を選出すると。そうすると、新しい政権は前政権と違ったことをやると。そして、良くなれば、それは好感を持たれると。悪いと、ああやっぱり駄目だとまた政権交代が起こる、これがやっぱり民主主義の時代だと思います。同時に、戦後これまで日本が奇跡の発展を成し遂げたというのは、政策に継続性があったからだという議論もあります。政権交代をしょっちゅうすると、この継続性がなくなってかえって国民に一つの方向に対して迷いを持たすのではないかと。 で、こういうのは、特に自民党にしてみれば、長年政権交代がなかったから今日まで発展してきたんだというのは、与党からとってみればかなり都合のいい理論付けだと思っております。しかし同時に、政権交代を阻止するためには、かなり国民に負担を強いるような政策は取りにくいということから、やっぱり公共事業を減らすよりも増やした方がいいと、増税よりも減税がいいと。 事実、高度成長のときは、ケインズ理論からいって、ある程度国債発行すると、公共事業増やせば景気良くなってくるという理論が一時的には通じたんです。だからこそ、そのような景気の悪いときには公共事業増やして減税していると。で、税収が良くなったら、過熱を防ぐためにまた抑制すればいいんだと。それがだんだんだんだんその有効な手だてが効かなくなってきた。一層景気悪いと更に国債を増発して公共事業を増やそうと。この状況、景気悪いときに増税はできないから減税しようと、これが効かなくなっちゃったんです、今。そういう点から見て、なかなか現実は難しいと。 私は政権交代を否定するもんじゃありません。民主主義の時代ならいつかは政権交代があってしかるべきだなと思っております。
○若林秀樹君 ありがとうございます。 恐らく小泉総理も総理に就任されたときに、三十兆円、これやる、言われたときに、四年間今たってみて、こんなはずじゃなかったなと、多分思っていらっしゃるんだと思います。ある意味じゃ反省の念。そこにやっぱり小泉政権の財政運営のある意味での限界が私は生じている。 その上で、やっぱり政権交代というのは、本人も、今総理がおっしゃったように、有効な、財政運営を大きく変えるという意味において一般論としてそれは効果あるということを今お認めになったんではないかなというふうに思っておるところであります。確かに、政策の有効、継続性というのは重要ですが、一方、ずっと続いたことによる今弊害の方がやはり大きくなっているんではないかという思いでありますんで、やはり私はやっぱり政権交代をしながら、そしてまた替わる、そういうことを繰り返すことが今後この財政運営において一番いいことではないかなということをあえて申し上げておきたいなというふうに思っているところであります。 その上で、資料の二枚目、総理、ちょっと見ていただきたいんですが、これも前回の国民負担率の問題で申し上げたところであります。 私は、今の財政運営の在り方とかアプローチはちょっと間違っているんではないかということを申し上げました。それは、根拠のない五〇%という国民負担率を置きながら、結果、今潜在的な負担率を入れたことによって今四五%まで上がっていると、もう五〇%間近だと、上げることは良くないんだ、そのことが結果的には本質的な議論をなくしているんです。やはりもっとやるべきことは、公共サービスの在り方はどうあるべきか、社会の共同事業と税財源についてどうあるべきかということをしっかりした議論をやった上で、それをどう国民に負担していただくかということが、今本質的な議論が欠けているんではないかということを申し上げたところであります。 ですから、スウェーデンは国民負担率が高い、北欧系は高いけれども社会の満足度も概して高いんです。日本は相対的に低い。韓国、ロシアも、負担率の高いところは満足度も低いという結果が表れている。ここは難しい判断だと思いますが、少なくとも高いことが経済的な発展を阻害するということは必ずしも私はない。それが経験値として、実測値としてスウェーデンが実証していることではないかなというふうに思いますから、確かに経済規模とか人口の数違う、国の形違うんだということがありますが、スウェーデンから学ぶところもあるかもしれない。 その上で、日本は小さな政府を目指すのか大きな政府を目指すのか、小泉総理にお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは結論から申し上げれば、小さな政府よりも、ああ、大きな政府と小さな政府をどちらが目指すかといえば、小さな政府を目指しております。 というのは、民間にできるところは民間にと。何でも政府が、行政が国民生活に関与すべきものでもないと。やっぱり企業においても個人においても地域においても、自主性を拡大してそれぞれの振興策を考えてもらいたいということを考えますと、私は、大きな政府というのは税負担率が大きいわけですから、これは歳出の手当てが良ければいいという議論も確かにスウェーデンを見ればあります。しかしながら、国民の自由度ということを考えると、私は小さな政府を目指すということが望ましいと思っております。
○若林秀樹君 小さな政府を目指すということですが、既に中負担、中ぐらいにはなって、中福祉ぐらいになっているんではないかなと思いますが、私は、私の答えは、効率のいい有効な政府を目指すことではないかな、そこが今一番求められることではないかなと思います。 やはり日本はもう人しかいないんですよ、人が財産。この日本に住んでいる国民が本当にやっぱり生きがいを感じてやっていける安心した社会をつくらないと、結局プライマリーバランスを帳じり合わせのようなことで絵にかいてやったところで何の意味はない。経済危機なり社会の不安なり、いずれ財政危機はやってくるわけですから、そういう意味でこの財政の中身、正に有効な政府を目指すかということが私は今一番求められている。それを抜きにして、五〇%以下に抑えなきゃいけないとか、恐らく負担になると経済が阻害化するかということを国民は全部言われていれば、一円でも上がったら、もうそれは悪いことだということになっちゃうわけですよね。結果的にそれが国民の、社会の満足度を下げているという結果に私はつながっているんではないか。 その意味において、私は安易に上げることはいいことではないと思っていますよ。しかし一方では、アプローチとして本質的な議論ができるように私はやっぱり誘導することも一方アプローチの仕方としてあるんではないか。それはもう予算も全く同じでありますんで、是非ともそういう観点から今後財政運営を考えていただきたい。そういう面はないでしょうか、もし追加であればお願いします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、私もスウェーデンの方と会うとき、政府関係者なんですが、よくスウェーデンはこの財政負担高いことやっていけるなと、国民がまたそれほど不満がないなと、消費税を二五%までよく上げることできましたねと、どうしてこういうことが可能だったんですかという質問をするんですよ。そうしますと、それは国民全体が望んでいることをやっているから自然にそうなったというのが大方の答えでした。 だから、私どもとしては、現在、税負担拡大してもいいというふうに今取っていないんです、国民が。それではどの程度の歳出があったらば、手当てがあったらば、消費税が二〇%を超えるような大きな政府といいますか、負担をのむのかというと、これまた極めて難しい議論でして、これだけの手当てをすれば増税をしていいかというと、これまた別問題だと思っております。だからこそ、現在、私どもとしては、スウェーデン並みのそういう消費税を二〇%を超えるようなこと、租税負担率が七〇%を超えるというようなことはスウェーデンでは受け入れられても日本では受け入れられない。もしそういうことを与党がやったらば確実に政権交代が起こってくるんじゃないかなと思っております。
○若林秀樹君 スウェーデンの、日本の一番大きな違いは私は国に対する信頼度だと思います。国に信頼感があるから、多く払ってもそれが返ってくるんだ、今それがないから、国は、国民はそう思わないわけであります。 今、私もいろんなところへ行くと、やはりどのくらい負担したらいいんだと、最終的には、その姿を早く示してほしい、そうしたら喜んで払いましょうと。今はそこまで行っていないわけですよ。その前にもういろんな不祥事が出たり社会保険庁の問題が出て、無駄遣いしている、今でもこんなんじゃ払いたくない。だから、この政治の信頼度がやっぱりスウェーデンと一番大きな違い。なぜスウェーデン方式がうまくいっているか、年金の話ですけれども、やっぱり払ったら払ったで戻ってくるという信頼感があるわけですね。だから、今ここでスウェーデン方式入れても、私はうまくいかないかもしれない。そのぐらいやっぱり大きな違いがあるんじゃないか、そういうふうに私は思っているところであります。 その意味で、次、税制改革についてお伺いしたいと思います。 私はなぜ小泉総理が税制改革、抜本的税制改革を踏み込まないのか、そこが不思議でなりません。構造改革の本丸は税制改革だと私は思っております。やはり国の形であります。国の形で税制に代えて政策をどうやって変更していくかということを根本的に同時にやらないと。小泉総理は消費税の有効性を認めながら、これだけの財政赤字を目の前にしながら、在任中は私は知りません、やりません、これは無責任ですよ、やっぱり。で、確かにそれは分かりました。少なくとも在任中の残り一年半ぐらいの間にきちっとした税制改革の道筋を付けるべきではないかなと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、この消費税を上げないと言っているのは無責任だとよく言われますがね、全く反対なんです。私は、在任中は消費税を上げないと言っているのは、どんなに長くやっても来年の九月までですけれども、それまでに消費税を上げる環境にないというのが一つ。さらに、私は総理に就任したという大きな意義は行財政改革。歳出を、できるだけ無駄な部分を排除していこうと、そのために民間にできることは民間にと、いわゆる郵政民営化を掲げております。 私は、消費税を平成元年に三%導入するときには、率先して賛成論者でした。賛成、当時かなり反対がありましたけれども、物品税を廃止する、物品税よりも、個別の物品税よりも消費税の方がいいということで、当時は政見放送でも消費税賛成を掲げて戦いました、選挙。そうして、しかしながら、国民からひどい批判を受けました。そして、村山内閣になってから、今度は三%から五%に引き上げるときに、これはあの消費税を三%導入したときの批判を踏まえて、あのときなぜこれほどの批判があったんだろうかというのは、所得税の減税と消費税の導入を同時同額でやったんです、財政を、所得税を減らすから消費税三%というのを。しかし、これでも理解得られなかったということで、五%に引き上げるときには所得税の減税を先行させたんです。そして、二年か三年遅らして消費税を五%に引き上げますよと。それでもかなり批判が強かったんです。だから、そのとき私は、そのときも私は、五%、三%から五%のときに引上げに賛成しました。 しかし、その後、私は当時、大蔵省にもはっきり言ったんです。消費税三%導入も、三%から五%引上げも私は先頭に立って賛成したと。しかし、これから、これから引き上げる場合は、郵政民営化しない限り私は賛成しないとはっきり言ったんです。そこ、そこのときからですよ、私の信念は。民間にできることを民間にさせないでなぜ経済が活性化するのかと。そして、この郵政民営化は郵政省だけの問題じゃないと。財政投融資制度が始めて、全役所がこの資金を当てにして特殊法人等をやっているんじゃないかと。官の構造改革本丸だということで、これからは私は、この郵政民営化なしには五%以上に引き上げることは断固として反対するからそのつもりでいてくれと言って、たまたま総理大臣になったわけです。 私は、そのころの話をこれからも守っていくと。郵政民営化は正に官の分野の構造改革であり、これを成し遂げていくならば、将来必ず増税しなきゃならない状況になったとしてもその幅は少なくて済むはずです。
○若林秀樹君 郵政民営化すれば財政再建が本当にうまくいくような話というのは、これはちょっと別問題だと私は思います。確かに、消費税を上げる環境にない、もし仮にそうだとしたら、将来や未来に対する、総理は未来に対して責任があるんですよ。そういう意味では、やっぱり税制改革の、抜本的税制改革に向けたやっぱり道筋をきちっと付けながらやっぱり財政再建を見据える必要が、責任は私はあると思いますので、是非ともお考えをいただきたいなと思います。 その上で、納税者番号制度の導入についてちょっとお話をさせていただきたいと思います。資料の最後の三枚目に、時間がありませんので簡潔に申し上げたいと思いますが、所得税の総合課税化に向けたこれまでの変遷を書かさせていただきました。 シャウプ税制以降、一度はやはり総合課税化に向けましては、つい翌年から例えば利子所得は源泉選択課税が復活、非課税、かなり蛇行して今日まで来ております。で、節目は、グリーンカードを導入しながら何も一回も実現せず、昭和六十年に廃止しました。そして、昭和六十二年、六十三年には、総合課税化の移行問題も含め、抜本的に見直すと言ったんです、ここは。これは法律の附則まで入れたんです、これは。それにもしたにもかかわらず、平成四年になった、環境が整っていないということでこの約束をまた破棄したわけです。 そしてまた、今回も、この平成十五年の少子高齢化における税制の在り方で、納税者番号制度の必要性を指摘した云々でありまして、不可欠になっていると、納税者番号は。しかし、国民の理解を深めていくことが必要不可欠であるということで、私は、当時の例えば昭和六十年のグリーンカード時代からも含めまして、環境の変化があって、所得を公平公正に捕捉するインフラとして納税者番号制度を導入する環境は私は整いつつあると思います。あとは政治的な決断なんです。 前回、谷垣財務大臣にもお伺いしましたけれども、非常に前向きな御発言をされておりました。是非とも総理、もうあとは政治的な決断です。まだまだ国民の理解がないのかもしれない。しかし、政治的な決断をすることによって国民の理解を深めていく、それは正に小泉総理が郵政民営化をやろうとしている、そのことによって国民の理解を求めるというのと全く一緒なんです。ここまで何十年間やってきたら、あとはもう政治的決断しか私はないと思います。金融所得課税の一体化もそうです。総合課税化もそうです。公平公正な社会に納税者番号制度は、年金だけの問題ではなく、これは必要なんです。是非とも御答弁をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私も厚生大臣になるまではずっと大蔵委員会に所属しておりましたから、その議論は熱心に聞いておりました。自民党の税制調査会におきましても、私は厚生大臣になる前までは一番熱心に長時間出席した議員でしょう、自民党の中で。ですから、このグリーンカードの議論も消費税の議論も納税者番号の議論も、自分なりには理解しているつもりであります。 しかし、いざ実現の方向に進むとなると、必ず強い反対論が与野党を通じて起こってきます。言わば、所得の把握される、個人の情報をいわゆる行政側に管理されるのは嫌だという、これはもう単に自民党支持者だけじゃありません、野党の中にも根強いわけであります。そういうことから、具体論になると必ずそのような、総論賛成でありながら、強い反対、抵抗に遭って今日まで導入できなかった。 だからこそ私は民主党の皆さんにも言っているんです、早く具体論始めましょうと、どのような納税者番号を導入したらいいのかと。そこで、私は岡田代表との議論においても申し上げましたように、納税者番号導入が望ましいと、どういう納税者番号をするかということを早く同じテーブルにのって協議しましょうということを申し上げているんで、具体論が出てくれば、それは国民により一層理解を深める度合いは進んでいくと思います。 現に、利子、株式、譲与税。利子、株式の所得に対してどのように把握するかというのに対しても、もう分離課税がいいか、総合課税がいいか、これでも大もめですよ。そういうことから考えて、私は早く、ようやくこの与野党協議会ができたようであります、年金を含んだ社会保障、そのときには納税者番号、避けて通れませんから、その議論を早く私はした方がいいと思う。どういう手順でその納税者番号を総合課税制度に近づけるような方法がいいのか。それはいろんな段階がありますから、これを大いに与野党が一緒になって協議していくということについては私も賛成でございます。
○若林秀樹君 協議のその中身が出るのを待つんじゃなくて、総理自らがリーダーシップを発揮していただきたい、特に与党に対して発揮していただきたいということを申し上げたいと思います。 で、時間がないんで、最後、定率減税についてお伺いしたいと思います。 今回、縮減するということで、民主党につきましては、今そういう環境にないということで反対であります。その修正案を出したところです。これについては見解があろうかと思います。その上で、あえてこの定率減税の導入の評価、そして縮減する理由についてお伺いしたいと思います。 なぜ導入し、そしてこの間どうだったのか、そして今回縮減してどうだったのか。で、言い方を換えれば、これは評価して、将来同じ環境になれば、この定率減税というのは本当にまたやる必要があるのかどうか、そういうことも含めての評価のお話を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは定率減税というものに対して、景気が悪い状況に導入したものであると、現在の、導入した時点と現在を比べてみますと、この定率減税を縮小しても景気等に大きな悪影響は及ぼさないであろうと。と同時に、このまま減税をしないで、さらに歳出削減そして国債増発ということの是非、そういうものを総合的に勘案して、今回、全廃ではなくて二分の一に縮小していこうと。将来の今後のことにつきましては、今年の暮れに経済全般の状況を見ながら考えようということになったわけであります。 私どもとしては、財政全体のことも考えなきゃなりませんし、減税を続けてくれという声が大きいということも承知しておりましたけれども、そこは今の厳しい財政状況を見れば、仮に不人気であったとしても財政に無責任な立場でいるわけにいかぬということから縮小をお願いしたわけであります。 この点につきましては、将来、さらにこれを全廃するかどうかということにつきましては、今年暮れ、経済状況全般を見ながら判断しなきゃならない問題だと思っております。
○若林秀樹君 もう時間がありませんので、最後、申し上げたいと思います。 今回、年金の国庫負担の引上げのためにこれを充当したいという理由もあって縮減をするということだと思います。一方では、国民年金、年金払ってない人の保険料が八千億円ぐらいに上るというふうに聞いています。 そういう意味では、この穴埋めのために、ちゃんとまじめに払っているサラリーマンから更に縮減をして、結局それを埋めるような形で更に払うというのは、やっぱり二重に私はおかしいんではないかなという感じはしております。正に取れるところから取って、一方では平気で八千億円の未納の保険料をそのままにしているわけですから、私はやっぱりこれもおかしいんではないかなというふうに思いますので、また、心理的に、来年の一月からですから、これからいろんな負担の話あるいは年末の税制調査会の方の話があって、どうなっていくのか非常に気掛かりでありますが、今民主党としては断じてこれは縮減すべきじゃないということを申し上げておきたいと思います。 いずれにしましても、時間になりましたのでやめますが、財政再建に向けた私は小泉政権の限界が見えたんではないか、それはやはりもう政権交代しか私はない、その有用性も小泉総理も認められたんではないか、そんな思いを持って、私の質問を終わらさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。今日はありがとうございます。 まず、私の方からは、少子高齢社会における歳出増に対応してどのような税収構造を持っていくべきなのかというあるべき税構造につきましては、まずもってできるだけ早く国民にお示しすることが大事であろうかというふうに思いますとともに、その議論は先ほどございましたのでそこは省かせていただきますけれども。 もう一つ、やはり総理は、改革なくして成長なしと、こうやってこられました。正にこの次が、成長なくしては財政再建もないと、こういうことだろうかと思います。 そういう意味では、この自然増収、景気の拡大を維持することによって増収を、自然増収、税の増収を図っていくと、自然増を図っていくということで財政再建を進めるという側面も当然大事になってくるわけでありますけれども、今度のこの平成十七年度予算も含めまして、総理の成長政策、どうやってこの成長なくして財政再建なしというその成長の部分、コアの部分を是非御所見をお伺いできればと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 確かに、経済成長なくして財政再建なしというのも言えると思います。このままマイナス成長で財政再建できるかというと、そうは思っておりません。だからこそ、この厳しい財政状況を勘案しながら、ある程度国債の発行もせざるを得ないという状況であると。 さらに、今後の将来を展望すれば、このような財政赤字を解消していくためにも、経済成長を促すような改革はどうかというと、今ようやく税収も前年度に比べて上がってきたわけです。本来、この税収が上がってきたんだから、これだけ景気が良くないときにはもっと公共事業を増やせ、減税をしろと、この定率減税縮小なんかとんでもないというのが今までの普通の議論でした。 今回、そういう税収が上がって、なおかつ景気が本格的に回復しておりませんが、国債の発行も削減できた、抑制できたと、前年度より減らした。なおかつ公共事業も減らしたと。そして、なおかつこの定率減税も縮小をしたと。今までとは違った手法を行って、これから、そういう状況にもかかわらず景気は上向くと見ているんです。これ、今までのやっぱり、税収増があったらばもっと事業を増やせという状況とは違いますね。その点はやっぱり今までの手法の反省からもきているんだと思います。 今後、私どもとしては、財政健全化というものは大事でありますが、同時に経済成長をにらんでいくと。増税も経済成長にはマイナスであります。歳出削減も経済成長だけを考えればマイナスであります。しかし、経済成長だけを見ると、財政、現在の財政状況を見るとどうなんだと。現在だけの経済成長だけを考えていいんじゃありません。将来持続的な経済成長を目指しているわけですから、財政赤字を拡大していくというのは、当面経済成長プラスになっても将来大きな禍根を残すから、これ両にらみでなければいけないという点が極めて難しい道であると私どもは覚悟しております。
○西田実仁君 もう一つ、先ほど総理もちょっとおっしゃいましたけれども、郵政民営化の根本には財政投融資を民営化する、すなわち、国民の資金を、その使途を市場を通して民間で決めていくという仕組みをつくっていこうというその本丸である郵政民営化の問題。さらに、そこを推し進めていきますと、今検討されているようでございますけれども、政府系の旧金融機関、これを統廃合していくということにも当然ぶつかっていく問題であろうかと思っております。 その際にやや懸念されることですので御確認でございますけれども、この財政投融資の民営化というものを進めていくときに、なかなか顕在化してこなかったある意味で隠れた赤字というんでしょうか、そうしたものが顕在化し、国民の負担にもしつながっていってしまうんであれば、これは、まあ実際そういう例が確かに、例えば国鉄の民営化という問題一つ取ってもいまだに長期債務として残っているわけでございますが、この財投解体とあえて言わせていただきますけれども、財政投融資の民営化を進めていくときのその後の国民負担、ここをどういうふうに考えていくのか。増やしてはいけないと思いますけれども、どういう意味で、どういう形でその進めていくのかという、この財投解体後の国民負担について総理の御所見をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 財政投融資制度は、やっぱり郵便貯金の金、簡保の金を使いながら必要なところに投資、融資していくんだということで、今後、今までの日本の経済状況を見れば、まだ民間企業の役割がそんなに大きくなかったとき、政府が主導して発揮しなきゃならないということを考えれば有効な面も多々あったと思います。しかし、それに慣れて、民間ができる分野まで果たして、国民が必要としているから、お金があるから、政府で民間ができる仕事までやっていいのかということではないというのが今回の行財政改革の一つの大きな骨子になっております。 現に、政府系金融機関一つ取ってみても、根強い反対があるのは承知しております。これは民間がやらないから政府でやっているんじゃないか、それが何で悪いんだろうかと。国民の必要なところを民間がやってくれればいいんだけれども、今の政府系金融機関は全部必要だという議論が根強いことも承知しております。 しかし、住宅金融公庫一つ取ってみても、私が住宅金融公庫、これは民間でできるんじゃないかと言ったときも強い反対がありました。しかし、いざやってみたらできちゃったんですね。民間なんかこんな商品なんかできるわけないと。民間の方が住宅金融公庫よりもいい商品を出し出している。ああ、これはもう、廃止はもう何にも問題ないなという状況になってきました。 これは、廃止しなかったら毎年毎年数千億円の税負担をして、民間がやらないからということで住宅ローン組んでいたんです。なぜ民間がやらないからと。それは住宅金融公庫、政府系の金融機関の方が有利だからです。だれだって国民は、民間よりも低い金利で貸してくれるんならそっち行きますよ。 しかし、それは何でそういうことができるのかと。それは採算取れなくてもいいと。これは民間できないことをやっている。国民の所得のそれほど高くない人に住宅ローンを提供しているんだからある程度赤字は当たり前じゃないかと、どこで負担のむのかと。結局、郵便貯金等の負担させるわけにいきませんから、国民全体の税金で負担していたわけです。これは特殊法人、結構あるわけでしょう。そういうことをいつまでも民間ができないから政府でやるんだと。 確かに、国民、融資を受ける人は助かりますよ。しかし、その採算を考えてだれが負担するのかというと、融資を受けていない人の、国民全体の税金を負担しないと住宅金融公庫はもたなかったわけですね。今それが廃止して、もう民間でやるようになった。過去の清算分はやっぱり税金で負担しなきゃできませんよ。これから政府系金融機関にしても民営化していけば、政府が保証した分はある程度国民が負担していかなきゃなりませんね。しかし、将来、長い目で見れば、そのような今まで成長はしなくても国民に必要だという分野に金を付けられたのが、民間になればやっぱり成長分野に投資しないと経済は活性しない。それを必死になって探すわけですから、収益を上げるために。それがまた税収に跳ね返ってくる、国民負担の方は少なくなる、これは財政健全化に役立つ。長い目で見れば、やはり民間にできるものは民間にやってもらった方がはるかに今後の経済活性化の面においてプラスになると、それがやっぱり行財政改革の本旨であります。
○西田実仁君 今種々、御趣旨はよく分かりましたけれども、併せて申し上げますと、あえてもう一つだけお聞きしますと、民間にできることは民間でということなんですが、当然できないこともあるので、それは残る分も当然あるわけでございますけれども、この統廃合、政府系金融機関はしていく際に、先ほど申し上げたのは、結果的に、統廃合を進めた結果として、国民の実質的な負担がかえって大きく増えてしまうようなことがもしあるような統廃合の仕方というのは、果たしてこの小さな政府を前提とした民間の経済の活性化という視点から見た場合にどうなんだろうかというようなちょっと疑問を感じておりまして、そこを最後、総理に御質問したいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今の議論はこれからも強いと思いますよ。民間がやらないことをやっているのに何が悪いと。それは私は、政策投資銀行等一つ取ってみても、果たして本当に民間じゃできないのかと、民間でもできる分野があるのではないかという、これ一つ取ってみても反対が強いですよ。だから、今後秋以降、今ある現存の政策金融機関は本当に全部必要なのかとよく検証して、統合ができるか、あるいは存続が必要か、廃止できるかと、よく見極めて、民間にできる部分はできるだけ民間にやってもらうというようなことが必要ではないか。 確かに、今まで民間よりも有利な条件でお金を貸してくれた、それがなくなるという立場に立った人はこれは新たな負担と感じるかもしれませんが、国民全体の、経済全体の活性化を考えれば、これも必要な政府の関与は残しておきながら、民間にできることは撤退していくという方向は取っていかなきゃならないではないかなと思っております。
○西田実仁君 ありがとうございました。
○大門実紀史君 総理、御出席今日はありがとうございます。今日は大変お元気なようでございますけれども、答弁は是非簡潔にお願いしたいというふうに思います。 私は、総理とは景気、経済の問題で議論させていただいてきましたけれども、去年の予算委員会で総理がおっしゃったことが大変印象に残っております。総理が、私が退任するころには二%程度の成長を達成させていきたいとおっしゃいました。私は、この二%に非常にいろいろ最近も意味があると思っておりますけれども、あのときなぜ二%とお答えになったのか、お分かりでしたら。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、日本の経済の潜在力というのは、二%程度の成長は可能な経済力を持っていると、日本は。この改革を進めていけば、二%程度というのは不可能な非現実的なものではないと。数年たてば、私の就任後、二〇〇六年度にはそこを目指した運営が必要ではないかなと。いつまでもゼロなりマイナスでいいとは思っておりません。やはり政治というのは一つの目標を持って、あるべき姿にどうやって持っていくかというのが政治としては大事でありますから、私はこの二%程度の名目成長率というのは不可能ではないと。楽な目標ではありませんが、現在の状況を見て、実質的にはもうプラスになっているわけでありますから、まだ名目では思うようないい方向には進んでおりませんが、今年、来年にかけてそのような方向に持っていきたいなということから、二%程度の目標というのは妥当なところではないかなと思っております。
○大門実紀史君 おっしゃるとおり、これは竹中大臣も言われていますけれども、潜在成長率、日本の潜在成長率が二%弱ですけれども、そういう根拠があっておっしゃったんだというふうに思います。 それで、今回の定率減税縮小、廃止を含めて、この潜在成長率というのは一つの負担増に対する物差しで議論がされてまいりました。二月の補正のときでしたけれども、自民党の若林先生、私が予算委員会で同じ議論したときに、竹中大臣が九七年の負担増というのはGDPの一・七%になったと、これは潜在成長率そのものをゼロにしてしまうような負担であったと、そういう負担は避けなければいけないと。その中で、今回の定率減税は〇・五になるから大丈夫だという話をされておりました。私は、この見方というのは一つの物差しだと思います。つまり、潜在成長率をゼロにしてしまうような負担というのは、さすがに経済の運営として避けなければいけないということは共通の認識だと思いますけれども、そういうことが政府の見識でありながら二〇〇七年からの消費税の二けた増税と言われています。仮に八%であれ一〇%であれ大差はなく、日本の潜在成長率をほぼゼロにしてしまうといいますか吸い上げてしまう、それぐらいの負担増になる話が消費税の二けた増税でございます。一方でそういう政府は見識を出しながら、片や二けた増税がもう当然かと言いませんけれども、相当当たり前かのように議論されていると。私は、その判断と議論の方向がちょっとかみ合ってないなというふうに思っております。 総理は、いずれにせよ、みんなが議論してくれと、自分の任期中はやらないと繰り返されておりますけれども、この景気と消費税の今申し上げたような数字を基にした関係は、総理自身はどういうふうにお考えなのか。景気への負担ですね、消費税の問題と、お聞かせいただければと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、消費税の引上げ、増税が必ずしも経済成長にマイナスという一面的にとらえているものではございません。それは、ヨーロッパの消費税見てみれば明らかであります。ヨーロッパはもう消費税は二けた以上、そして経済成長はゼロかマイナスかというと、そうじゃないですね。だから、消費税が増税されると経済成長はマイナスになるかと、そういうとらえ方はしておりません。これは税制全般の問題にもかかわってくる問題であり、歳出等考えていかなきゃならない。消費税だけをとらえて、これは経済成長にマイナスになるというんだったらば、ヨーロッパの一五%以上あるいは二〇%以上の消費税を導入している国は経済成長マイナスかというとそうじゃないんですから、これは歳出の面、税制の面、歳出、歳入の面で両方全般的に見なきゃいけないと。同時に、今の経済では国内だけの情勢では成り立ちません。外国の景気も大きく左右されます、貿易等。そういうことを考えて、私は、必ずしも消費税を上げれば即経済成長はマイナスになるとかという見方はしておりません。全般的にとらえなきゃならない問題だと考えております。
○糸数慶子君 無所属の糸数慶子です。 私は、これまで所得税法改正、公債特例法、二法案については質問してまいりましたが、今日までこの問題点はもう尽きましております。既にあらかた議論されましたので、今回は総理も御出席でございますので、お許しをいただいて沖縄問題を質問させていただきます。 まず、小泉総理はこのジュゴンの住む沖縄の名護市の、この辺野古の海をごらんになったこと、おありでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 辺野古の海は見たことございません。じかに見たことはございません。
○糸数慶子君 是非ごらんいただきたいと思います。 小泉総理は三月十七日の予算委員会で米軍普天間飛行場の返還問題について、米国の話を聞くと同時に日本の考え方を打ち出すべきだと外務省、防衛庁に強く指示したと答弁されていらっしゃいます。総理はまた、SACOの着実な進展は大切だが困難な問題もある、その一つが普天間で、日本側の考え方を率直に示し、よく協議すべきだと述べていらっしゃいます。 普天間の困難性の最大の問題は、辺野古での基地建設の困難性のことを示すと理解してよろしいでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、この在日米軍の負担軽減と日本の安全を確保している抑止力、両方をよく考えてこの米軍との交渉に当たらなきゃいけないと。そこで、沖縄に過重な米軍基地の負担をこのまま認めることはできない、何とかこの沖縄基地の負担を軽減していかなきゃならないという点については、日本としてやはりどういう選択肢があるかというものも常に日本政府内で考えていかなきゃならないと。と同時に、これは基地を負担していただく地元の意向もあると。現在の状況を考えますと、一たび表へ出ますと、沖縄の基地を負担軽減するのは、大体日本国民賛成なんです、総論としては。しかし、だけど自分の市町村には来てくれるなというところが多いわけです。自分の都道府県には来てくれるなと。それでありますと、いつまでたっても沖縄基地の負担は軽減はできない。だから、そういう点も含めて、沖縄の基地の負担の軽減を日本全体としてとらえるべきだと。 まず、日本の案、日本政府全体の案、こういうものを持って米国と交渉していかないと、現実的な基地の負担の軽減もなかなか難しいということから申し上げているんで、今回、辺野古の問題も、当時合意された状況から考えますと、いまだに建設が進んでおりません。地元の協議を進めようとなると、過去、選挙がありましたけれども、そういう点についても賛否両論分かれている。いざ工事を進めようとなると、また根強い反対論が起こるということから、この問題なかなか解決付かないなということから、率直に今の全体の状況をにらんで、政府部内はもとより、日本全国のそういう基地の遅れで可能性のあるところも含めてよく考える必要があるのではないかと。別に辺野古だけを意識した問題ではございません。 問題は、このまま放置していくと、辺野古も進まない、ほかの移転先も進まない、そういう状況は避けたいと。何らかの進展が見られるような対策を日本政府内、地元等と始めなきゃならないということでそのようなお話をしたわけでございます。
○糸数慶子君 今総理もいみじくもおっしゃられたわけですが、沖縄は戦後ずっと米軍の基地のその負担をしております。昨年八月の十三日に普天間基地所属の米軍大型ヘリが隣接する沖縄国際大学の構内に墜落し、住民を恐怖に陥れました。九月十二日には、ヘリ墜落に抗議して三万人の宜野湾市民、沖縄県民が決起集会を開き、普天間飛行場の即時返還を決議いたしました。今、沖縄県民の八割以上が普天間飛行場の返還を求めております。辺野古沖の海上建設に反対しております。 総理は極めて現実的な対応をされる方で、無理なものは無理と明確に発言していらっしゃるというふうに思っております。辺野古の基地建設を、どう考えても無理であり、普天間飛行場は早期に返還させ、そしてSACOを根本から見直していく、これが沖縄県民の意思に即したより現実的な対応であります。小泉総理、どうお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そのような声があると、今糸数議員が御指摘されたような声を十分認識しております。だからこそ難しい問題であると、この問題、今の解決策しかないんだという前提から、どういう選択肢があるかということも考えていいのではないかということを申し上げているのであって、これは今交渉中の問題でありますから、その交渉中の問題をああでもない、こうでもないということを表に出して本当に沖縄の基地の負担の軽減ができるのかという現実的な問題はございます。 そういう点につきましては、やっぱり表に出すべきでない交渉の過程においては問題もありますので、その点は御理解をいただきたいと思っております。
○委員長(浅尾慶一郎君) 糸数君、時間が参っておりますので、簡潔に。
○糸数慶子君 はい。 普天間のその飛行場の代替施設をこの名護市の辺野古沖という、まあSACO合意の中にもございましたけれども、実際には米国に参りまして私が訴えたところ、多くのシンクタンクの方も政府要人も、やはりこの見直し案についての示唆もございました。2プラス2でもそのように言われておりますし、まず最後に総理にお願いしたいことは、是非ともあのジュゴンの住む沖縄のきれいな海、一度ごらんいただきまして、世界的にも本当に生息の数が限られております、そのジュゴンの生息も併せて地元の県民の思いも受け止めていただいて、この普天間基地の辺野古移設を是非とも県民の願いを受け入れて断念していただくように強く要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(浅尾慶一郎君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。 小泉総理には御退席いただきまして結構でございます。 引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○広田一君 民主党・新緑風会の広田一でございます。どうかよろしくお願いをいたします。 まず、いわゆる特例公債法に関連しましてお伺いをしたいと思います。 この問題、特に国債発行について、国民の皆さんも分かりやすくて、先ほど私たちの若林委員の方からも御質問がございました小泉内閣における国債発行三十兆円枠についてなんですけれども、実は小泉内閣となりまして、当初予算を編成するようになってから一度も国債発行三十兆円枠というのは実現しておりません。確かに、この十七年度も、対十三年度ぶり、四年ぶりに国債発行額を減額したとはいいましても、まだそれでも三十四兆三千九百億円というふうになっております。 小泉総理の任期を考えますと、先ほど御本人の方からもお話がございましたように、再来年の予算編成がラストチャンスになってしまうんですけれども、先ほどの答弁では何か、何としても三十兆円枠実現するんだというちょっと迫力のあるお答えがなかったように思うんですが、財務大臣としてこの問題についてどのような御所見があるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 国債発行三十兆枠というのは、平成十四年度予算、このときは税収が五十兆程度だったわけですが、歳出規模が八十兆を超えると見込まれる中で、今委員はそれが実現しなかったとおっしゃいましたけれども、平成十四年度の当初予算では財政規律を確保するためにそういう目標としてそうしたわけですね。それで、平成十七年度予算ではその税収が四十四兆程度と見込まれるわけですから、引き続きその財政規律節度を確保するという、その八十兆のとき五十兆と、八十兆、五十兆というときも財政の規律節度を確保するというのは基本精神だったわけですから、それは受け継いで一般歳出を三年ぶりに前年度以下に抑制したし、四年ぶりに国債発行額を減額するというような財政規律堅持の姿勢を明確にしたわけです。 そうすると、これから先どうするかというのが広田委員の御質問だと思いますが、まだ平成十七年度、予算執行もしておりませんし、やはりきちっとこういうものは、大体、税の、税収の見通しがどうなるかというようなことがある程度分かる状況になりましたときに、やっぱり私はチャレンジすべきものだと思うんです。そのときに、あらかじめ、できもしないことを言っても仕方がありませんが、やっぱりタイミングをとらえてチャレンジすると。まだ平成十七年度執行もしておりませんので、ちょっとそこまで大言壮語するのは時期尚早でございますから、私は、その時期が来たら、やはりその財政構造を改革するために積極的に平成十八年度もチャレンジすべきものだと思っております。
○広田一君 実は、小泉総理はもう大言壮語しているわけなんですよね。例えば、平成十三年五月十四日の予算委員会で、岡田克也委員の質問に対しまして小泉総理は、国債三十兆円枠について、私は、できたら三年に限らず、もっと継続して三十兆円以下に抑えていかないと大変なことになり、財政再建の道に進んでいかないというふうに明言をいたしております。 確かに今、谷垣大臣がおっしゃいましたように、例えば税収の見込みであるとか経済成長であるとか、そういったことを見通して今後のあるべき予算というものを考えて取り組んでいくということであれば、私も理解し、納得できるところがあるわけです。しかし、総理、もうちょっと帰っちゃったんで聞けないのが残念なんですけど、実はもうさにあらずでございまして、同じ委員会の中で小泉総理はまたこのように言っているんですよね。政治というのは大方針を提示することが大事なんだと、中身はみんなで考えていくんだというふうにおっしゃって、その意味で大臣が、谷垣大臣がおっしゃるように、税収とかそういうことじゃなしに、まずは枠決めて政治の方針としてやっていかなければいけない、これを、これは少なくとも三年以上継続しないと大変なことになるというふうにおっしゃっているわけなんです。 こういうことを考えたときに、私は非常に、この三十兆円枠というのは本当に小泉総理がただ単に思い付きで言った発言で私はないと信じたいわけです。つまり、一国の総理が言う以上、確たる基本的な方向性、見通しを持ってあのような発言をされたんだろうし、そしてされるべきだったろうというふうに考えます。 そう考えたときに、やはりきちっとした見通しのないまま、もしこのような発言をされているんだったら大変な問題だと思うし、こういうことについてやっぱり財務大臣としてどのように考えるのか、これは小泉総理の単なる個人的な発言なのか、やはり内閣として、また財政を預かる最高責任者としていかなる決意でもって取り組んでいくのか、いま一度お答え願いたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど、やはりある程度税収の見込みが立ったところで、よし今年はここまで、来年度はここまで突っ込んでいこうというようなことでチャレンジすべきものだと申し上げましたけれども、確かに今広田委員がおっしゃいますように、一年ごとにチャレンジすべきことはチャレンジすべきだとしても、やはり先の見通しもある程度示しませんと船がどっちに進んでいるのか分からないと、こういうことにやっぱりなるんだろうと思います。 そういう意味では、私どもは、二〇一〇年代の初頭に国、地方を通じてプライマリーバランスを回復していくんだという目標の下に今、船を進めているわけでありまして、先ほどのその三十兆という枠と、三十兆円枠ということがよく議論に出るわけでございますけれども、これは先ほども申し上げましたように八十兆、一般会計の規模が八十兆、税収が大体五十兆というときのやはり財政規律をきちっとしようという精神から出たものだと思いますから、私どもはその精神は大事にしなきゃいかぬと、精神はやはり基本にあると思っておりますけれども、私どもが船を進めていく方向はそのプライマリーバランスを二〇一〇年代初頭に回復していくことだと、こういうふうに考えて今仕事をしております。
○広田一君 おっしゃるとおり、これまでの過去を振り返って三十兆円枠というふうな御発言をされたんじゃないかということだと思うんですけれども、しかしながら、総理自身が先を見通してこれから三年以上三十兆円枠を続けなければいけないというふうなことをおっしゃったのは、ちょっと大臣が示された認識とは、当時発言されたときはかなり違っていたんじゃないかなというふうに思うわけです。 そうした中で、先ほど来プライマリーバランスというふうな言葉を繰り返されているんで、要は、これからのいろんな意味での財政規律の非常に大方針としては、もうその三十兆円枠というものの実現性を図っていくより、もうプライマリーバランスということで取り組むということの理解でよろしいんでしょうか。つまり、三十兆円枠については、もう内閣としては放棄をしたというような理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 放棄をしたというわけではなくて、先ほど申し上げたような財政規律をきちっとしていくという精神はやはり基本に、腹の中に据えてやっていこうということじゃないかと思います。
○広田一君 そうしたら、精神としては持ちながらも、じゃ、実現性という点ではいかがなんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今年はまだ三十兆、今年発行予定は、十七年度発行予定は三十兆に若干距離がございますので、今、じゃ、来年、おまえ、三十兆の枠内に国債を抑え込むかと言われても、今ちょっと、そうかと、そうだというふうにまだ、その点はもう少し税収の見通し等を見てから判断させていただきたいと思っております。
○広田一君 分かりました。 それでは、次の質問に移らさせていただきたいと思います。 定率減税の縮減についてお伺いをしたいと思います。 政府は、この定率減税の縮減をする理由の一つといたしまして、日本経済著しく好転をしているということを挙げられているわけなんですけれども、しかしながら、その定率減税縮減、導入当時の家計部門ですね、この家計部門が、果たして今の現状を考えたときに、定率減税導入時期と比較をして著しく好転しているというふうに私は言えないのではないかなというふうに考えます。 例えば実質の現金給与総額、これ、〇四年と定率減税を検討されました九八年とを比較いたしましても一五%減少をいたしておりますし、勤労世帯の可処分所得も一四・八%の減少をしております。そういった意味からも、定率減税導入の時期と比較して家計部門が著しく好転しているというふうには言えないと思いますけれども、いかがでしょうか。
○副大臣(上田勇君) 今御質問にありましたけれども、今の日本の経済の現状、企業の収益はずっと改善をしてきた、なかなかそれが家計部門に及んでこなかったというのがこれまでの課題、今もその課題があるわけでありますけれども。 ただ、平成十一年の当時と比べてみますと、この家計部門についてもやはり幾つかの点で大きく改善しているんではないかというふうに認識をいたしております。それは、やはり企業の雇用の過剰感、平成十一年当時は、が非常に強くて、有効求人倍率も減少しておりました。完全失業率も上昇しておりました。そういった雇用情勢が非常に厳しい状況が続いておったわけであります。それに伴いまして所得も減少しておりましたし、また大手金融機関の破綻等を背景にそういった金融不安もございまして、家計が非常に不安感が高まっていた、消費も低調な動きを示していたというのが十一年当時の状況だったというふうに思っております。 現在の状況について見ますと、まず一番大きなのが有効求人倍率、これが上昇しておりまして、失業率、まだ大きく数字が改善したというところではありませんけれども、改善の傾向にあるわけでありますし、また十月―十二月期について見ますと雇用者報酬もプラスに転じているということであります。消費者マインドも改善が続いているというふうに考えられますので、今後消費改善につながるというふうに期待される動きが見られているというふうに考えております。 そうしたことを考えますと、やはり今後についても、企業部門が引き続き堅調に推移する中で、景気回復が雇用・所得環境の改善を通じて家計部門に波及する動きが堅調に推移して、消費も着実に増加していくんではないかというふうに見込んでおりまして、そうした点はこの定率減税を導入した十一年当時と現在とは随分、改善している点ではないかというふうに思っております。
○広田一君 御答弁にあった、そこの改善されるような雇用等の状況等よりも、むしろ本当に一般国民の皆さんの実感としては、自分たちの年収がどうなったであるとか可処分所得がどうなったということが最も一番身近に感じられる問題であると思います。そういった意味で、十一年当時と、導入時期と比べましても、私はもう家計部門の回復、著しく好転しているというふうには断じて言うことはできないというふうに考えます。 そうした中で、少し後半部分で現状の家計等についてのお話もあったんですけれども、二月の日本銀行の政策委員会・金融政策決定会合のちょっと議事録を読まさせてもらいますと、先行きの個人消費につきましては、雇用者所得が穏やかに増加に向かう可能性が高いと見られる下で、これまた穏やかに回復していくというふうに予想されるというふうに会合では述べられています。 しかしながら、現状は、一人当たり平均で見た賃金はなお減少傾向が続き、実質GDPベースの個人消費は十月から十二月、前月比がマイナス〇・三%と、七から九月期に続きマイナスの伸びとなっているというふうな見方を示されておるわけでございます。そうした中で、やはり回復、良くなっていくんだ、良くなっていくんだという状況よりは、私はむしろ予断を許さない状況であるというふうに見るのが自然ではないかなというふうに思いますが、この辺に対する御見解をお伺いしたいと思います。
○副大臣(上田勇君) 確かに現在、ちょっと足下、踊り場というようなことも言われておりますし、特に昨年の消費支出で見てみますと、昨年の七月―九月期あるいは十月―十二月期など若干のマイナスになっているというのは今御指摘のあったところだというふうに思っております。 ただ、十七年の一月の消費関連指数を見てみますと、かなり強く出ているものが多く見受けられますし、現在の企業の経営内容等、収益の改善などを考えますと、これが雇用の改善、そして先ほども申し上げましたけれども、それが雇用者報酬の方の改善につながって経営マインドなども随分改善をしている中で、消費も急激に改善をしていくというような状況かどうかというのはこれからまだ見極めなければいけないところがありますが、堅調に推移をしていくんではないかというふうに認識しています。
○広田一君 そうした中で、民間のシンクタンクなんかもよく指摘しているんですが、こういった定率減税による税負担の軽減といったものが、先ほど副大臣がおっしゃられるとおり、家計の消費マインドとか消費支出を下支えをしているんだという指摘があるわけでございます。 つまり、今の定率減税の継続といったものが、今、これまで副大臣がおっしゃっているような、消費マインドなり消費支出といったものの堅調化にも寄与しているというふうな指摘についてはどのようにお考えでしょうか。
○副大臣(上田勇君) 確かに、税金、減税が行われれば、その分可処分所得がありますので、当然消費にプラスの材料が働く。だからこそ、定率減税というのが景気対策として導入されたことではないかというふうには思います。 ただ、やはりここで重要なことというのは、この負担増というか、定率減税による負担増の部分だけを取って、そこだけを取って考えるんではなくて、やはり負担とあるいは給付も含めたそういった総合的なことを考えなければいけないんではないかというふうに思います。 例えば定率減税についても、定率減税の縮減を半分にすることをお願いしているわけでありますけれども、あわせて、じゃ一方では、給付についていえば、社会保障の給付の総額というのはトータルでいえば年々増えているわけでありますし、また、この定率減税の縮減について必要な政策に充てる、例えば基礎年金の国庫負担率の上昇に充てているわけでありますので、これは、それがなければそういう社会保険料というか、保険料という形での負担をお願いするというようなことも考えられるわけでありますし、また年金制度の安定に対する将来の安心感といったこともそうしたことを通じて得られるのではないかというふうに思いますので、そういったことを含めて考えていかなければいけないことだというふうに思っておりますし、また定率減税の縮減についても、いろんなそういった御指摘も考えて、全部一遍にやめるというようなことではなくて、半分を取りあえず縮減するということでありますし、実施時期につきましても十八年の一月からということで、十七年度においては一千七百億円程度の負担増というようなことにとどめるなど、そうした経済情勢についても十分考慮した上で、今の経済情勢を考えれば、十分それは景気の回復にそれを維持できるというふうに判断をして、今回こういう提案をお願いさせていただいているところであります。
○広田一君 そういった見方の一方で、その上に、少し触れられたと思うんですが、その目的の是非はともかくといたしまして、今後、年金保険料の負担増や雇用保険料の引上げ、さらに配偶者特別控除の一部廃止など負担増が続く中で、年間個人消費を、日本総研の試算ですと一・三兆円押し下げるというふうに言われております定率減税の縮減、このいわゆる増税のインパクトというのはまさしく総合的に考えても小さくないというふうに言わざるを得ないというふうに思うんですが、こういった見方についてはいかがでしょうか。
○副大臣(上田勇君) 先ほども申し上げたんですが、当然それは税の負担が増えれば、それが経済に与える影響というのは、これはもうマイナスの影響なんだということはもう間違いがないというふうに思いますけれども、ただ、今委員もお触れになった、例えば配偶者特別控除の廃止といったことがございます。 しかし、これは同時に、併せて、例えば児童手当の支給開始年齢の引上げなど、そうした少子化対策に実施をされるわけでありますので、これは給付の面でいえばプラスというふうに働くわけであります。また、定率減税の縮減についても基礎年金の財源に充てるというようなこともあります。また、社会保険料の上昇を抑制するということもありますし、さらにこれを行わないで、そこの部分を例えば赤字公債で充てるということになれば、これはさらに財政の悪化を招くというような、これもマイナスのことがありますので、そうしたことをやはり総合的に勘案していかなければいけないことだろうというふうに思っております。 そうした中で、今回御提案をさせていただいている定率減税の廃止であれば、今の経済情勢の中で十分景気に腰折れさせることなく実施をできるのではないか。そして、併せて財政構造の改善といったことについても貢献、寄与できることじゃないかというふうに判断をして御提案させていただいております。
○広田一君 先ほど来、もちろん増税になるので家計に与える負担も増えるだろうけれども、それは様々な施策等で十分フォローできて、結果としては経済にはそれほどの悪影響は及ぼさないというような御認識だと思うんですけれども、特にこういった定率減税の縮減の家計に与える影響の中で、子育て世代、中堅所得層の負担増というものが、そうした色彩が濃いんじゃないかというふうな指摘がございます。 この層は私たちの世代にもなるんですけれども、世帯数とか人数、こういった割には教育とか、これから家を建てる、住宅といったようにライフサイクルの面からも消費のシェアが大きいわけです。つまり、そういった意味でもマクロ経済、消費への寄与が大きいというふうに言われておりますけれども、今回の定率減税の縮減でやはりこの層が一番影響を受けてしまう、このことが景気の足を引っ張るんじゃないかということが強く懸念されるわけなんですけれども、こういった中間所得層に対する負担増の懸念についてどのようにお考えでしょうか。
○副大臣(上田勇君) 様々な分析があるんではないかというふうに思いますけれども、確かに、いわゆる定率減税を行ったときに、一番そういう意味では、利益というかベネフィットがあったのが中堅の所得階層のところでありますので、当然これを縮減する際には現状から見ると一番負担が掛かるところであるということはそのとおりだというふうに思います。 ただ、一つにはそういったことも勘案した上で、今回は定率減税のうち半分についてその縮減をお願いをするということで、十七年度ではその影響が一千七百億円程度というふうにとどめておりますし、またそのほか、今の家計部門についても雇用情勢などが改善している中でそういったマイナスの影響というのも吸収できるんではないかということで、今回のこういう御提案をさせていただいているわけでありますが、そういったことと同時に、やはりこうした税制の負担増をお願いをしないとその分がやはり将来の財政赤字の拡大に、更なる拡大につながるわけでありまして、そうした点は委員も先ほどから将来の世代にやはり負担を残すべきではないというような御主張だというふうに理解をいたしておりますので、そういったことも含めて、今の経済情勢も併せて今回こういう提案をさせていただいております。 今の経済情勢、景気の先行きの動向を考えるときに、十八年一月からのこの所得税の負担増というのは十分今の景気の堅調さから吸収できるものではないかというふうに判断をいたしております。
○広田一君 先ほど財政再建にも寄与するんだというお話があったんですけれども、この点についてなんですが、今の減税の財源不足はどうやって賄っているかというふうにいいますと、それはほとんどが国債なんかの借金で補っているということだと思います。その意味で、定率減税を縮減しまして例えばその分国債などの発行が減れば、確かにおっしゃるとおり財政再建に役立つというふうに言えるというふうに思いますけれども、先ほども副大臣も御答弁になったように、それを、その是非はともかくとして、二・七兆円ですかね、というふうに言われております基礎年金の国庫負担引上げの分に充てるということになると、ちょっと趣旨がかなり、財政再建というふうに寄与するとは違ってくるんではないかなと。 また、当初の定率減税縮減の目的は景気対策というふうなこともおっしゃられました。そういう意味からも、この縮減した部分を年金の方に回すというところの合理性についてもなかなか説明が付きづらいんじゃないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 平成十七年度の定率減税の見直し、初年度増収額が千八百五十億と見ているわけですが、交付税率相当分は、当然それは地方交付税、五百九十二億行くわけですね。それから、特別障害者給付金支給法で必要となる百一億、医療観察法による必要となる額五十六億を除いた千百一億円を基礎年金の国庫負担に充てるということでありますが、確かにそれが全部財政再建の方に回っていって国債の発行が縮減できるというのはある意味では極めて望ましいことではありますけれども、他方、基礎年金の国庫負担割合の引上げに関しては、もう既に年金法改正のときに所要の税制上の措置を講じて基礎年金に二分の一入れるような方向に持っていけと法律でそういうふうに決めてあるわけでございますので、これやっぱり、仮に基礎年金を二分の一に、基礎年金の国庫負担分を二分の一に持っていくんでも安定した財源がないから国債で頼ろうというようなことじゃ、もうこれは全体ますます真っ赤になってしまうわけでございますので、そういう意味では歳入と歳出のギャップを、こういう年金の安定性を維持する、維持しながら歳入と歳出のギャップを拡大させないと、そういう意味合いは私は十分あるんではないかと思っております。
○広田一君 自分たちは、年金の基礎的部分については、これはやはり今の国民の皆さんの年金制度に対する不信というものを考えたらやっぱり徹底した歳出削減によって賄っていくべきではないかと、そういうふうな修正等も考えているわけでございますけれども、これまでずっと議論をしてきたんですが、やはり所得税の定率減税の縮減については、まずこれはもう時期尚早であると。仮にもし家計に負担を求めるとするんだったら、やはり少なくともやっぱり明確な所得の裏付けといったものが必要でないかなというふうに思うわけです。 本当にもう今景気が一進一退というものを続けている中で、このことによって、またほかの国民負担増によって景気に冷や水を浴びせてしまうと、このことによって景気が減速して税収が下がってしまえば結果として財政再建にマイナスに働くんじゃないかと、こういったことを強く懸念をいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。 ─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に政府参考人として内閣官房内閣審議官中城吉郎君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚でございます。 もう今日は朝から谷垣大臣におかれてはずっと御答弁していただいておりましてお疲れのことと思いますが、九十分間時間をいただきましたのでお付き合いをいただきたいと思います。 本予算は本会議でももう通ってしまったわけでございますが、去年の通常国会、年金絡みで厚生労働省や社会保険庁の予算について随分いろいろ議論になりました。本席におきましても、私のみならず複数の委員から、年金事業の事務費の取扱いについて平成九年から続いているこの特例措置を、やはり去年のような大混乱があったわけですから、平成十七年度の予算においては特例措置をやめるべきではないかということを申し上げ、大臣も、よく考えてみますという御趣旨の御答弁をいただいたと思っております。 やはり国民の皆さんの年金不信、社会保険庁不信を考えると、ここはまさしく政治家として大臣として、英断というよりも当然の判断として特例措置の見直しをされるべきではなかったかなというふうに思っておりますが、残念ながら継続ということで予算も通ってしまいました。 そこで、谷垣大臣にお伺いをしたいんですが、どのようなお考えでこの特例措置の継続をお認めになられたのか、財務大臣としての御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 昨年の国会でも随分この問題は御議論をいただきましたし、厳しい御批判もあって、もっともっとメスを入れなきゃならないところがあるというのが大方の方々の去年の議論の結論だったのではないかと思います。 それで、この年金の事務費の問題に関しましては、今委員が言われましたように、本則は一般会計から年金事務費を出すということ、法律の建前はそうでございますが、いわゆる財政構造改革法で五年間、国の財政の現状にかんがみて特例措置で年金の費用の中からそれを埋めていくことを認めるということになっていたわけで、それを今度は単年度ごとに引き続きながらやってきているということでございます。 で、私としては、平成十七年度予算をつくるに当たりまして厚生労働大臣ともいろいろ議論をしたわけでございますが、国会でいろんな御議論がありましたから、やはりどういう基準でやっていくかということについては国会の議論を踏まえて見直しがなければならないのは当然であるけれども、しかし、財政の厳しい中でやはりその財政構造改革法を全部乗り越えてしまうような状況にはいまだなっていないと、こういうことで、引き続き年金給付、年金の事務費に対して保険料で負担すべきことをお願いしたわけでありますが、ただ、従来から国庫負担としている人件費等については当然またこれは国庫負担で継続すると。それから、給付、適用徴収事務やシステム関係経費といった年金保険事業運営に直接かかわる経費については、これは引き続き保険料で負担していただくと。ただ、庁舎とか宿舎管理費、職員の厚生経費といったその他の、あるいはそのほかの内部管理事務に関する経費については、今まで保険料で負担していたけれども、十七年度予算では国庫で負担するということで、負担の区分というのを明確にしてまた今年もお願いをしようと、こういうことにしたわけでございます。
○大塚耕平君 この問題、別に片付いたわけでもございませんので、来年の予算編成の折には、引き続き同じような希望ないしは意見を持っておりますので、御検討を継続していっていただきたいなというふうに思っております。 また、去年、ああいうことがありましたので、これまた本席で平成十七年の厚生労働省の予算は相当厳しく査定をしてくださいねということもお願いを申し上げました。場合によって人手が足りなければ査定作業に下働きとして使っていただいてもいいということも申し上げました。残念ながら呼んでいただけませんでしたけれども。 事務方の皆さんとは、どのぐらいきっちり査定をしていただいたかということについてお話も伺いました。少ない人数でよくやっておられるとは思いますが、ただ、でき上がった予算を見てみますと、厚生労働省の予算増えていたり、社会保険庁の庁費も各目明細の項目によっては増えているものもあったり、よく分からないですね。 それで、事務方の皆さんともお話をさせていただきましたけれども、やはり、まず合理化、あるいは去年のああいういきさつを受けて厳しくカットしたものが例えば何割あって、しかし自然増でどのぐらいプラスになって、さらには政策的な配慮で増やしたものがこのぐらいあるとか、もう少しそのでき上がった予算の内訳について何がしかの数字を確認できるような仕組みが実務上確立されていないと、なかなか本当にちゃんと査定していただいたかどうかよく分からないなということで、そういう御提案を、ないしは私なりの意見を実務レベルでは申し上げているんですけれども、この辺について大臣の御感想なり御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 去年の国会でいろいろ御指摘を受けて、無駄を削ろうということで相当主計官には厳しく見直しをやってもらったところでございます。事務局の借料とか公用車の更新費用とか職員の研修費とか、あるいは宿舎関係、あるいは通知書、納付書の合理化というようなことをかなり踏み込んでやったところでございますが、全体でごらんいただきますと、年金事務費の計は〇・四%増えたという数字になっております。 これは、平成十七年度の年金制度改正に伴うシステム開発とか、レガシーシステムの見直しというようなこと、その一環として社会保険庁の端末をオープン化するというようなことで、やむを得ない経費の増があったということでありまして、こういうものを除きますと、年金事務費、それから保険システム経費を除きますと、保険事業運営に直接かかわる経費、それから内部管理事務経費については対前年度九・八%の縮減となっているわけでございます。 今委員がおっしゃいました、なかなか予算書を見てもそこのところはすぐにはぴんとこないという点につきましては、これ、私どもも予算書の、ちょっとこの今のテーマとすぐには結び付きませんけれども、予算書の表現というものをどうしていくかというようなことについて今検討しておりまして、できるだけ見たときに政策とその現実の予算というもののかかわりが分かるような予算書を今内部で検討しているところでございます。
○大塚耕平君 今日は朝から財政再建に絡む話も随分出ております。やはり査定のところでしっかりやっていただかないと、そのマクロの議論、例えば国債発行を幾らにするとか、そういう大きな話をしていても全然地に足の着いた展開になりませんので、是非実務のところできっちり工夫もしていただきたいなと思います。 私なりに、またいろいろ主計局の御担当の皆さんには提案をさせていただきますので、現実的な提案については、取り上げていただけるように大臣から御指示いただけるということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) できるだけ柔軟に、必要なものは取り入れていくということで臨みたいと思います。
○大塚耕平君 そんなに非現実的な提案はしないつもりですので、今大臣から御了解をいただいたものと思って、また主計局の皆さんとお話をさせていただきたいと思います。 また、主計局の皆さんが幾ら頑張っても歳出官庁の方が、予算を付けてもらった方がもらったものは全部使ってしまえという長年のあしき文化を維持している限りはなかなか、余ったお金で空出張するとか、余ったお金で必要ないものを購入してみるとか、こういうこともなくならないと思いますので、今日は人事院とかおいでいただいていませんけれども、やはり歳出官庁側の人事評価といいますか人事考課において、予算を効率的に使った結果余ったということが何かプラスになるような仕組みをつくっていかないと、なかなか本当に財政再建ということにはならないんだろうなというふうに思っております。 財務省として、そういう人事的なインセンティブを人事院なりあるいは政府全体に対して財政再建の観点から働き掛けていただきたいというふうに私は思っておりますけれども、その点について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) どういう人事をしていくかというのは、それぞれ各省庁で基本的に判断をしていただかなきゃなりませんけれども、財務省として予算を組んでいく、特に現状におきましては、どんどんどんどん予算の規模を拡大せざるを得ないというものもございますけれども、全体そんなこと言っていたら予算がつくれないわけですから、しっかり仕事をした主計官はかなり切り込んだというようなことがあって、それがやはり評価につながっていくというのは我が役所においてはあるのではないかと考えておりますが、一般的に、やはりそれぞれの役所でどういう予算の執行上、これは当然厳正にやっていただかなきゃなりませんし、そういう観点は、それぞれの役所で考えていただくべきことではないかと思っております。 〔委員長退席、理事平野達男君着席〕
○大塚耕平君 いや、その辺がもう一歩踏み込んでほしいんですね。 僕は本当に、小泉総理ひょっとするとそう長くないんじゃないかなと思っていますので、再三申し上げていますように、次は谷垣大臣、その次は伊藤大臣、有力候補だと思っていますので、今のようなところは、財務大臣としてやはり指導力発揮していただきたいですね。 それは各役所で工夫するなんということではなくて、財政再建の観点から、例えば歳出官庁の事務官のお一人お一人の人事考課のみならず、例えば、厚生労働省が全体として非常に効率的に使ったことによってどのぐらい余ったら翌年の概算要求時にげたを履かせるとか、省としてもトータルのインセンティブを付けるような工夫を提案されるなり指示されるというのは、これは財務大臣として重要な仕事だと思いますので、もう一回お伺いしますが、各省庁で工夫などとおっしゃらずに、財務大臣として来年度の予算編成に向けて何か御指示なり御工夫をされるお考えがあるかどうかをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 大塚委員がおっしゃるように、直ちに、すぐにストレートに人事に結び付くかどうかは別といたしまして、今やはり効率的な予算編成ということに私どもも取り組んでおりまして、そのためにいわゆるモデル事業というものを考えたり、あるいはよく言われるマネジメントでございますが、プラン・ドゥー・シー・チェックというようなこともやっている、あるいは主計官に現場に行ってもらって執行調査というようなものも今までに比べると充実してきたと、そういうようなことが当然ながら予算編成、次年度の予算編成には生かされなければいけないわけでございますから、私は、今委員のおっしゃったようなものは、考え方というのは、こういったものを活用していけば当然浸透していくということではないかと思っております。
○大塚耕平君 いずれにいたしましても、本当に財政再建、喫緊の課題であります。私なりの職業経験から申し上げても、金利の上昇とかハイパーインフレというのは地震と一緒ですので、明日起きても不思議ではないですし、ひょっとしたら十年後かもしれない、もうそういう状況であることは間違いありませんので、是非強力な、財務大臣としての指導力を御発揮いただきたいということをもう一回お願いを申し上げて、ちょっと次の質問に移らしていただきます。 これは通告してないんですが、一応確認だけさしていただきたいんですが、今日も定率減税の話、先ほど来も出ておりましたけれども、定率減税がそもそも始まった理由というのはどういうことだったでしょうか。私なりに理解していることもあるんですけれども、改めてちょっと大臣に確認をしておきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 当時、どういう経過で定率減税が導入されたか、いろんな、政治でございますから、いろんな方がいろんなところで議論をされていろんな形で決まってきましたのを、私全部詳細に把握しているというつもりはございませんけれども、やっぱりあの当時の経済状態、全体に縮小の方向に向かっていって、一つの悪い結果が次々とほかのものも冷え込ましていくと。それで、その背景に、やはり金融秩序等に予想以上の不安というか弱い部分があって、そういったものが全体の経済構造を揺すぶっていた状況と。それに対応して、何らかの手を打たなければならないと、当時いろんなことをやったわけでございますが、その一環として、何というんでしょうか、サラリーマン層の可処分所得を少しでも増やすということを考えようということでなかったのかと思っております。
○大塚耕平君 予定どおりであれば、今日この委員会の後に採決が行われて、この議論も、まあ議論自体は何回でもできますけれども、仕組みとしては国会で通ってしまうというそういう局面ですので、改めて確認をしておきたいんですが。 私なりの記憶ないしは、今回さかのぼって調べてみたところでは、平成九年、八年から九年ぐらいにかけて、大変、増税も含めて国民負担増になりまして、たしか九兆円ぐらいの負担増になったと。それが景気腰折れの原因になりまして、今大臣がおっしゃったような他の要因もあって急遽定率減税という発想になっていったわけでありまして、これはよく考えてみたら大増税、国民負担増を急遽相殺するように政策を打ったわけですから減税じゃないんですよね、本当はスタートが。増税の取りやめ、増税の中和だったんですよね。これを定率減税というふうに言うところが間違っているし、財務省が賢いなと思うところなんですけれども。 いや、でもこういうミスリードな議論をして、結局こうやって七、八年たってみると、そうかと、長い間減税しててくれたのを二分の一にするのも仕方がないななんというふうにしたり顔でしゃべっているエコノミストとか、あるいは新聞の論説なんか見ても、この時期、減税の縮減は財政を考えたらやむを得ないとかという論調になっているんですけれども、よく考えたら、これは大負担増をタイミングを間違えてやろうとしたことを慌ててブレーキを踏んだ対応だったんですね。 だから、これは正確に言うと、定率減税の縮減ではなくて増税をやめることをまたやめるという、こういう表現がより適切ではないかというふうに私は思っているんですけれども、その点についての感想を一言お伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) これについてはいろんな見方があると思いますが、今大塚委員がおっしゃった、いわゆる九兆円の大増税を中和させるためのものであったという点については、私は若干異なる見解を持っておりまして、消費税等を確かに高くして増税をして、そのために、まあ入れる前は当然その駆け込み需要等がありますから、それに対してだっと落ちてきて、その需要も低迷したという時期があったと思いますが、ようやくそういうものを吸収しつつあった時期にタイのバーツから出発した国際的な金融秩序の動揺というものがあって、それが日本の中にあった、必ずしも、皆ひそかに恐れていたといえば恐れていたわけですけれども、今まで顕在化していなかった金融不安に火を付けたという構造ではなかったかというふうに私は思っておりまして、直接あの当時の厳しい経済状況を当時の負担増が引き金を引いたというふうには考えておりません。 ただ、ここらは、その因果関係はなかなか難しゅうございますから、委員がおっしゃるように、さっき、金利等も明日上がるかもしれないし、十年上がるかもしれないと、常に予想していないものが起こるのは経済の現実だといえばそれまででございますけれども、私は、一応今言ったように整理をして、頭の中を整理しているわけでございます。
○大塚耕平君 ここはいろんな解釈があると思いますので、この程度に議論はとどめたいと思いますが、いずれにしましても、租税国家ですから、税制の在り方やあるいは税率を含めた税政策の作り方、運営の仕方一つで国は良くもなれば悪くもなるということだと思って日々自分なりに考えておりますので、是非誤りなき税制並びに税政策の運営をしていただきたいなということをお願いをさしていただきます。 その上で、もう随分この予算の議論はしておりますので、若干、昨今の、先般も予算委員会で集中審議が行われました問題に少し論点を移さしていただきたいんですが、ただ、これは財政と関係ない話では全然なくて、本当に企業社会が生産性が高くてプロフィッタビリティーの高いビジネスモデルになっていけば、当然利益も上がり、法人税収も上がり、財政再建にも寄与すると、こういう関係になっておりますので、実は何か、ライブドアの堀江さんとフジテレビの日枝さんが面白そうな戦いしているなということではなくて、これは日本の経済、財政にとっても非常に大きな問題だと思って、私もこの間の予算委員会の冒頭では中立的な立場で議論さしていただきたいというふうに申し上げたわけですが。 大臣、横におられて、小泉総理がいすに座ったままぼそっと言われたことを聞こえたと思いますけれども、私が今日も同じ配付資料を配らしていただきましたけれども、一体、日本の会社法制や企業社会をどういう位置付けにして言わば発展させていきたいのか、あるいは今後どうされたいのか、この日本と米国とEUの今こういう関係にある中で、どの辺に日本を持っていきたいんですかと聞きましたら、総理は座ったまま、任せるわと言ったんですね。 いや、もうこれは、私、それ聞いたときにもう本当に一刻も早く替わっていただきたいと思いました。こんなに残念なことはないです。まあ、この三年十か月、三年まだ八か月ぐらいですか、国会議員として仕事をさせていただきましたけれども、こんなに情けなくて、日本で国会議員をやっていることが恥ずかしいと思ったことはないですね。一国の総理ですからね。法務大臣がたまたまお詳しくないというのはこれは致し方ないとしても、総理ですからね、任せるわはないと思いましたけれども、ちょっと一言御感想をお伺いしたいんですが、いかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今大塚委員がおっしゃいました、最近、会社法、商法の改正等も頻繁に行われておりますし、私、もう今では法律のことなんかすっかり忘れてしまいましたけれども、元々は弁護士でございますから、友人の弁護士等に聞きましても、毎年毎年のその商法の改正とその動向をフォローするだけで結構現役の弁護士の皆さんも苦労しておられるぐらい変化の激しいときでありますけれども、私は、こういう基本法制がしょっちゅう大議論が起こるというのは、正に時代の曲がり角なんだろうというふうに思っております。 昔は私も法務委員会にいたことがございますけれども、かなり暇な委員会と言うと法務委員会に、今の方にしかられますが、非常に忙しい時代になっているというのは、私は基本法制をいじらなきゃならない時代になっているからだというふうに思っておりまして、私、余り、商法をどう持っていくべきだというのは余り表立って言いにくい立場でございますけれども、やはり大塚委員がおっしゃいましたように、企業社会がどう健全に動いていくかということがなければ、私どもの財政再建であり得ないというのはそのとおりでございますから、十分議論を積み重ねて良い制度をつくっていただきたいし、私たちも税制や何かでそれにこたえなければならないということがあれば、当然耳を長くして鋭敏にそれに反応したいと思っております。
○大塚耕平君 是非また閣議で総理にお会いになったら諫言してください。ほかに言う人いませんからね、いや本当に。是非お願いします。郵政改革やっている場合じゃないですと。こっちの方が本当に重要です。何か先ほどは郵政改革が成功しなければ消費税は上げないという何か意味不明のことを言っておられましたけれども。やっぱりそんな、何といいますか、面白い牧歌的な発言を繰り返している、そういう局面じゃないですからね、今ね。理詰めでやるべきことから順番にやっていっていただきたいなと思いますので、是非総理に一言お伝えいただければと思います。本当に私は残念でしたので。 その上で、大臣にちょっとお伺いをしたいんですが、今回の会社法制の現代化というのは、日本の企業社会を弾力的に再編が進んでいくようにしたいということでやっておられるわけで、これ自身大変いいことだと思いますし、去年からずっと議論にも参加を、党内の議論にも参加をさせていただいているわけなんですけれども、もちろん法務省の方々からもいろいろ意見は伺っております。 そういう中で、たまたま今回一年先送りになりました株式交換による三角合併。これは仮に一年施行が延期という、そういう原案にならずに、この後、原案が通ったとして予定どおり施行されていたとしても、被買収側の、株を受け取った方、受け取った方の繰延べ措置が税制改正で行われないと、なかなか実際にはそういうスキームで三角合併が行われるということはないというふうに私も思っておったんですけれども、これは来年度の、平成十八年度の税制改正ではその部分は財務省としては御対応になるという、今はそういうお考えでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今委員おっしゃったように、企業の再編成を柔軟にやろうということで商法改正が行われて、私たちもそれに対応して一応、平成十三年度だったと思いますが、税制、これに関連する税制もいじりました。 しかし、委員がおっしゃいましたように、三角合併というようなものが進んでまいりますと、今の税制では三角合併の対応はできていないわけでございますから、当然、今は平成何年度にこの税制改正をやるのかというお話でございましたけれども、法務省から当然その案が、案といいますか要望が出てくると思いますので、それに対して私たちも真剣に議論をしてきちっとしたものをつくっていかなきゃならないと思っておりますが、ただ一つ、これはもう余りそういう具体的な案が出てくる前に、その税を所管する官庁から余り結論めいたことを言うつもりはもちろんないんですが、ただこの三角合併やっていたときの、このやりやすいようにした場合に、本当に何か抜け道みたいに使われない方法というのをどう考えていくのかという点が、相当議論を詰めてきちっとした制度にしなきゃいけないんではなかろうかなと。今の段階ではその程度のことまで考えているとしか申し上げられません。
○大塚耕平君 今抜け道とおっしゃったのは、もう少し具体的に、例えばどういうようなことを抜け道ということで表現をされたんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 余り具体的にはまだ言いにくいんですけれども、かなりこれやることによりまして、本当に企業再編を柔軟にやってやるというだけじゃなしに、言わば、まあ何というんでしょうか、租税回避行為みたいなものに使われる可能性があるのかないのかというようなことではないかと思います。
○大塚耕平君 おっしゃるとおりだと思いますので、是非なるべくきめ細かい御検討をしていただいて、しかし世界の潮流から取り残されることのないように御対応をしていただきたいと思います。 さて、そこで、この間予算委員会で議論させていただいた続きをちょっとさせていただきたいんですけれども、今日はまじめにお答えいただける皆さんばっかりだと思っておりますので、是非御協力をいただきたいと思うんですが。 これ結構、大手町かいわいの人たち、この問題のこの議論聞いているんですよね。聞いていらっしゃるんですよ、インターネットとか通じて。で、みんな当然関心ありますから、小泉さんみたいな答弁されると、もう日本のビジネスマンみんながっくりきちゃうんですよね。日本のビジネスマン全体がこう士気が上がるような、そういう御答弁なり御対応を是非お願いしたいと思います。 まず、法務省にお伺いしたいんですが、もう予算委員会を財政金融委員会の、何といいますか、前さばきのように使って恐縮だったんですけれども、私の考え方はもう予算委員会で全部述べておりますので、それを踏まえた上でお伺いをしたいんですが、例えば今日お配りしました資料の三のところ、「会社法制・会計制度等を巡る日米欧の潮流」、もう詳細は申し上げません。実はアメリカ的な姿というのは必ずしも今時代の最先端ではなくて、日本というのは一体これからどこを目指そうとしているのかがこの会社法制の現代化の中でよく分からないなということで御質問申し上げたんですが、改めてお伺いをしますが、今回の法務省の基本的なスタンスは一体どういう姿を目指そうとしているのか。例えばこの絵でいうとどの辺を目指そうとしているのかについて御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(深山卓也君) お答えします。 会社法案の立案に当たっては、もちろん諸外国の会社法制も参考にいたしましたけれども、それぞれの国の社会、経済や文化の違いがございますので、それぞれの国の会社法制、これは大分異なるものになっております。したがいまして、あえて言えばですけれども、今回の会社法案は我が国の現在の社会経済情勢下の課題にこたえるということで行う改正ですから、その意味では具体的な仕組みは日本独自なものだということになるんではないかと思います。 〔理事平野達男君退席、委員長着席〕 EU的あるいはアメリカ的というお言葉がありましたが、これはもう委員御案内のとおりで、日本の会社法制は元々ドイツの会社法に倣って明治時代に導入した会社法制を、戦後、昭和二十五年にアメリカ法の影響の下に大幅な改正をし、更にその後、先ほど来お話に出ていますような累次の改正を経てきておりますので、その法制度論として見ても言わば独自の法文化になっているということが言えるんではないかと思います。
○大塚耕平君 ちょっと確認をしておきたいんですが、私、この間申し上げましたように、またこの絵の中にもありますように、何かポイズンピルをどんどん法制の中にビルトインしていくというのが世の中の潮流だというように今報道をされているわけですけれども、EUは実際にはポイズンピルをむしろ解毒する、もちろんいざというときには何がしかの対応策を取るにしても、ポイズンピルという概念で言われるものについてはむしろ解毒する方向にある、そしてアメリカもそういう方向にあるというこの認識について、間違っているか、そうであるかということについてちょっと御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(深山卓也君) 前回の御議論のときにも民事局長の方から御答弁させていただきましたけれども、今回の会社法案でそのポイズンピルという独自の制度があるわけではございません。これはもう委員も御案内のとおりですが、新株予約権あるいは種類株を使いやすくしたと。これが各会社の選択によりポイズンピルとして使うことが可能な、あるいは使いやすくなるという改正条項を含んでいるということでございます。 それで、その解毒するというお話、これはポイズンピルを仕組むときに解毒の仕組みを一緒に講じておくのが一般的であろうというふうに承知をしております。 諸外国の動向はどうかということですが、これも詳しく存じているわけではありませんけれども、一般的な議論としては、例えばアメリカにおきましても、一時期よりはポイズンピルを利用すること、このことに伴う様々な議論を経た結果、昔ほどは使われない。むしろ、やめるように株主から圧力を掛けられるような会社も出てきているというふうに言われていると承知しております。
○大塚耕平君 ということは、今回はその解毒条項というのはこの法案の中に盛り込まれていますか。
○政府参考人(深山卓也君) 今のお話の続きになりますけれども、例えば特殊な種類株を使う、あるいは新株予約権を発行するということで、それをポイズンピルとして使おうと思えば、どういう形のポイズンピルにするかというのを制度設計をいたします。 その際に、どういう条件の下でそれが働かないようにできるか、例えば取締役会の決議があればもうこれは効かないようにしておくとか、あるいは株主総会のこういう決議があればもうこれは解毒するようにするとか、そういうことも含めた形で最初に、どういう新株予約権、どういう行使条件、どういう働き方をする新株予約権なのかを決めた上で導入をすると、こういうことになりますので、そういう意味では解毒することも同時にやりやすくなっているということになっていると思います。
○大塚耕平君 企業会計を御所管になる伊藤大臣に今の点に絡んでお伺いをしたいんですけれども、そうすると、今の法務省の説明では、導入するときにそういうような配慮もして導入することは可能だというような言い方だったと思うんですけれども、企業の財務諸表なり有価証券報告書なり、企業の在り方をモニタリングするという意味では金融庁も御関係があると思うんですけれども、伊藤大臣はどういうふうにお考えになっておられますか、この問題を。
○国務大臣(伊藤達也君) 今の点、直接に私ども金融庁としてお答えをするということは、これはちょっとなかなか難しい点があろうかというふうに思いますが、ただ、私どもとしては、やはり市場の信頼というものを確保していくためには、透明性、公正性というのが極めて重要でありますので、そうした観点から、商法を所管する法務省の方々ともよく連携を取りながら、投資家の保護あるいは株主の権利の保護と、そうしたものがされるような制度設計というものをしていかなければいけないというふうに考えております。
○大塚耕平君 これは本当に、今すぐ何か事例があるわけではないですからいいんですけれども、この法案が、この法案というのは済みません、商法改正とかが法務委員会で通って、この国会を通っていったときに、この様々なスキルがどのような使われ方をするかという一つの事例が出た場合に、その事例が物すごく現経営陣を保護するようなそういう使われ方をして、また、そういう使われ方をしたときに政府なりがどういうコメントを出すかという、その内容によっては、いや、本当にその日から日本の株価ががらがらっと下がっていくというようなことになるような実は問題なんですよね。 この間も予算委員会でお伺いしましたが、今、日本の株式市場の売買高の半分は外国人投資家が占めているわけですから、外資がいいとか悪いとかではなくて、そういう現実を考えると、今回のこの商法改正の議論にどういう魂を込めて、実際にそれが運用されるときに企業の行動に対してどういうメッセージを政府として発していくかというのは物すごく大きな問題だと思っておりますので、是非、まだこれから本格的にこれ議論が始まりますので、是非法務省などとも意見交換をしていただきたいと思います。 そのために本来は閣議というものがあるはずであって、花押を押してサインするだけのための閣議ではないはずでありますので。で、何やらそういう難しいところは事務次官会議で全部決まっているとか、そういうことでは皆さんは本当に答弁のためだけに日夜苦労しておられるということになりかねませんので、是非そこのところをよろしくお願いしたいと思っております。 その上で、今日は、この間予算委員会で全く使うことができませんでしたが、もう私なりの考えはお配りさせていただきました「金融財政事情」の中に書いておりますが、例えば、この「金融財政事情」の下にページ数が出ておりますけれども、二十八ページに、二十八ページの上から三段目に、先ほど法務省からもお答えがありました今回の対応で盛り込まれる種類株や黄金株の話書いてありますが、例えばここに書いてあります、三段目に書いてあります三つのスキーム、これはいずれも、商法学者の中でもこれは株主平等原則に反するという見解を持っておられる方もいらっしゃるんですね。この点についてどういうふうにお考えになりますか、まず法務省の所見をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(深山卓也君) 先生の御論文のその三つの手続、これは一般的に言って、そこの株主平等原則に絶対反しないとか、どういうふうに決めてもです、あるいは絶対反するというようなことではないと思います。 これ非常に、黄金株にしろポイズンピルにしろいろいろな制度設計は可能ですので、どんなふうに定めても株主平等原則違反になることはないということはないと思っています。つまり、なり得ると思っております。 現在、経済産業省の方で、我々も参画しておりますが、企業価値研究会で合理的な防衛策の在り方を議論をして論点公表にまで至っていますけれども、それなども、この黄金株あるいはポイズンピルであろうが何でも許されるということではもちろんないので、一体合理的な防衛策というのはどういうものなんだろうかと、どういう条件が整えば法理論的にも問題がないものなんだろうかということを現に検討しているところですので、逆に言えば、株主平等原則に反するような対応のものもつくり得るということだろうと思っております。
○大塚耕平君 いや、そういう冷静な御認識を持っておられれば結構だと思います。 本当にこれ、株主平等原則に反するような仕組みを盛り込むことも十分可能ですし、そういうふうに運用することも可能ですから、どのようなガイドラインなりを政府が示していくのか。いや、あるいはそこはアメリカみたいに判例主義で、もう一々口出さないで、問題が起きたたびに判例積み上げて決めていくんだという立場をお取りになるのか、非常にここも重要な分岐点なんですけれども。 その点については、例えば、これは財務大臣にお伺いをできればと思うんですが、この問題、政府として、今申し上げたようなガイドラインを出して運営していくべきか、アメリカのように判例主義で積み上げていくべきか、大臣は、個人的な御意見で結構ですが、ちょっとお考えをお伺いしたいんですが。
○国務大臣(谷垣禎一君) 大塚委員と目が合ったら突然質問を受けまして……
○大塚耕平君 いや、次の総理大臣ですから。
○国務大臣(谷垣禎一君) いや、ちょっと今、委員会で自信を持って答弁するだけの準備がないんですが、私の印象だけ申し上げますと、非常にまだどういう運用をしていくのかというのはよく分からないと。判例で待つといいましても、判例で出てくるのはかなり時間も、時間が掛かりますので、さてどうかなと。というのがちょっと印象でございますが、正しいかどうかはちょっと保証の限りではございません。
○大塚耕平君 いやいや、今回のあのライブドアとニッポン放送の地裁、高裁の対応ぐらいの、あのぐらいのスピード感でやっていただければ結構判例は積み上がっていくと思いますね。 それから、これは私は判例で積み上げていくべきだというふうに思っているんですけれども。というのは、それはこの後、伊藤大臣にもお伺いをする問題とも関係してくるんですけれども、どうしてもどの分野の法律でも法のすき間というのはできるものですけれども、とりわけこの分野は法のすき間が一杯できますので、何かガイドライン的なものを示してもそのガイドラインにもすき間ができるという非常に目の粗い網みたいなものですから、なかなかあらかじめ何か一定のガイドラインなり指針を示すというのは難しいんじゃないかなと個人的には私も今そう思っております。何か出せればそれにこしたことはないと思うんですけれども。 そこで、その判例と同時に、もう一つは、じゃ実際にそれを運用するときに、例えば株主代表訴訟みたいな係争にならないように運用段階で適切な運用がされて、判例を積み上げるまでもなくマーケットや企業社会がある一つの事例を受け入れるというふうになるためには、この間も議論させていただきましたが、社外取締役というのは非常に重要な役割を担うんですね。だれがポイズンピルを駆使するかというときに、その会社の社外取締役が、いや、それは株主の立場を害することになるからやるべきではないとかということを社外取締役が、つまり自分たちの定款に盛り込まれているポイズンピルを実行するかしないか、あるいはそれを解毒するかしないかとか、そういうことを第三者的立場で判断をするという意味において社外取締役というのは非常に重要で、これが実はアメリカでは独立取締役と呼ばれていますというのは予算委員会の参考人の方もおっしゃっておられたわけでありますが。 そこで、経済産業省と法務省にお伺いをしたいんですが、まず経済産業省。この間もお伺いしましたが、企業価値研究会というもので、防衛策導入に当たっては第三者の審査を受けるなどの条件を満たすよう求め、経営者の保身目的での乱用を防ぐというような議論を今後行い、この企業価値研究会で五月中をめどに正式決定するという報道が、これは日経新聞の三月八日の報道なんですけれども、出ておりました。非常にもっともな御議論だと思うんですが、この独立取締役というようなコンセプトを導入する方向で議論が進んでいるのかどうかということが一点と、それからこの間も質問いたしましたが、親会社やメーンバンクの者が社外取締役に就任するということを抑制していくような方向での何か施策を考えておられるのか。この二点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(舟木隆君) お答え申し上げます。 まず、社外取締役と申しますか独立取締役に関しましてでございますが、企業価値研究会、この研究会自体、昨年の九月からやってきておるものでございますが、ここで三月の初めに論点公開の骨子というのを出しております。そこにおきまして、この企業買収に対する防衛策、これに対して、より合理性の高い防衛策を日本企業が導入をする、そのために求められる工夫といいますか、それにどういうものがあるかというところで、利益相反のない第三者がそういうその取締役会の意思決定に何らかの形で関与して株主の利害を反映させる、そういうような仕組みができればより合理性が高くなるんではないか、すなわちその取締役の保身であるとかそういうようなものではなくて、より合理性を高めることになるのではないかというふうに考えておりまして、利益相反のない第三者の中にその社外取締役も含まれ得るのではないか。 ただ、もちろん、先生御指摘のように、社外取締役と申しましても、商法上欠格事由になっている方はなれませんけれども、そうではない方は社外取締役になれるわけでございますので、私ども企業価値研究会で社外取締役であればどなたでもそれは利益相反のない第三者だというふうに議論しているわけではなくて、利益相反のない第三者の関与で一定、ケース・バイ・ケースの判断でございますが、社外取締役としてこの取締役会の意思決定に参加される方も、一定の要件の下では利益相反のない第三者に該当するのではないかというふうにこの論点公開の骨子でお示しをさせていただいているところでございます。 それで、二番目の御質問の、それじゃ親会社の役員ですとかそれから金融機関、関係金融機関の方がその社外取締役になるのは必ずしもその利益相反のないとは言えないのではないかと、したがってそういうものを制限するようなことを考えているのかという御質問でございますが、私どもとしましては、企業防衛策の合理性を更に高めるためにどういうふうにすればいいのかということを企業価値研究会で検討しておる段階でございますので、社外取締役の欠格事由等々について直接的にこの場で検討しておるというものではございません。 さらに、先ほどガイドラインというお話がございました。ガイドラインにつきまして、私どもとしましては、今申し上げましたように、買収に対する防衛策の合理性をより高くするためにどういうようなやり方でどういうような工夫をもってやるのがいいのかということにつきまして企業価値研究会で今有識者に入ってもらって検討しておりまして、近々最終的な論点公開ができるものと考えておりまして、それを踏まえまして、法務省と私ども経済産業省で一緒になりまして、何らかの形でこの企業買収に対する防衛策について、より合理性を高めるような防衛策はどういうものかということについて、このガイドラインを五月ごろにでもお示しをさせていただきたいというふうに考えておるところでございます。
○大塚耕平君 それでは、法務省は、今回の会社法制の現代化の中でこの社外取締役というのがどういうものであるべきかということを何かこの法律の中に盛り込んだり、あるいは法務省としての考え方を示していくおつもりなんでしょうか。法務省としてのお考えをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(深山卓也君) 今お話に出ています社外取締役は、現行法上はもう御案内のとおりで、会社の業務を執行しない取締役で、過去にその会社又は子会社の業務執行を行う取締役等々その他の使用人になったことがなくて、かつ現在もそういう地位にないという者を言うということです。 これが会社法案でどうなっているかといいますと、この点についての見直しの議論はいたしましたが、実は様々な意見が現行の社外取締役の要件についてはございまして、単なる社外性ではなくて経営者からの独立性を要求すべきであると、今お話に出ている独立取締役にすべきだというふうな意見がある一方で、過去一切その会社に業務執行に従事したことがないことを求めている現在の要件は厳し過ぎる、二十年も三十年も前にちょっと勤めただけでももちろん欠格条項に当たってしまうんですが、それがむしろ厳し過ぎるからそこを緩和すべきだという御意見もございました。 ということで、全く緩和、厳格化、両方の意見があったわけですけれども、そもそもこの社外取締役に関する規定は平成十三年の議員立法による商法改正で設けられたもので、その施行は平成十四年五月一日でございました。同じ改正で行われた社外監査役の要件の見直しについてはいまだ改正規定が施行されていない、これは今年の五月一日から施行ですが、そういう状況にあるということで、結局この要件を緩和する、あるいは厳格にするということについては今後の実務運用を踏まえて検討すべき問題だろうということで、現行法と同じ要件のままに会社法はなっていると、こういうことでございます。
○大塚耕平君 いずれにしましても、大変重要な問題ですから、是非多方面の意見を聴いて誤りなき仕組みをつくっていただきたいと思います。これを間違えると、財政再建にも大きな影響が出ると思います。日本の企業社会というのは、それこそ租税逃れをして、もう日本でビジネスやっていてもしようがないといって海外に出ていって日本には税金を納めないとか、そういう先も出てくるでしょうし、我々も建設的な意見を要所要所で言わせていただきたいと思います。 さて次に、先ほど後ほど御質問申し上げるというふうに伊藤大臣に申し上げたんですけれども、法のすき間という話をさっきいたしましたけれども、今回ライブドアの時間外取引がきっかけで大変これだけ国民的関心が盛り上がったわけなんですが、時間外取引についての私自身の認識は、この雑誌の一番冒頭、二十五ページの冒頭に書いてあります。私は違法ではないと思っていますし、現時点においてはですね、脱法でもないと思っているんです。 大臣は、この問題が起きた直後に、報道によればですよ、直接聞いたわけじゃないですから、違法ではないが脱法のおそれがあるというようなことをおっしゃったというふうに報道されておりますが、まずそういう事実があるかないかということをちょっと確認させてください。
○国務大臣(伊藤達也君) 私の国会答弁等を見ていただけば分かるように、今御指摘のような発言はいたしておりません。 立会い外取引は現行法において基本的にTOB規制の適用対象になっていないということをお話をさせていただいております。
○大塚耕平君 分かりました。 じゃ、それは誤報だということで結構ですが、しかしその直後に、この時間外取引もTOB規制の網に掛けるべきではないか、あるいはそういうことを検討を要するかもしれないということを非常にクイックレスポンスでおっしゃったわけなんですけれども、残念ながらその他いろんな金融庁をめぐる問題がある中でこれほどクイックレスポンスしていただけることというのは余りなくて、今回はなぜ即座にそう思われたんでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) スピード感がないというような御批判は今まであって、今回だけは特別じゃないかと、こういうことだろうというふうに思いますけれども、昨年の西武鉄道等に見られる不適切なディスクロージャーに関する事例を含めて、私どもとして、やはり証券市場の信頼性を確保するために必要な対応措置というものをしっかりとらなければいけないと、そういう考え方の下で対応させていただいてきたところでございます。 今回の問題についても、やはりTOBの制度というのは、株主の方々が平等に株を売却できるそのための情報開示の制度というものをしっかり設計をしていく、そうした中でTOBの在り方というものが設計をされているわけでありますので、こうしたものがもし形骸化していくことになるとするならば、これはしっかりとした対応をしていかなければいけない。私は、最初の発言の中で形骸化するおそれがありませんかという質問が出たからこそ、そうした問題について検討していきたいということをお話をさせていただいたところでございます。 市場行政を担当するに当たってやはり一番重要なことは、市場の透明性あるいは公正性を確保していく観点から、仮に問題が生じて、それに対して適切な措置を講じていかなければいけないとするならば、それに対してしっかりとした対応をしていくことが必要でありますから、そうした観点の中でこの問題を検討させていただいて、そして私どもとして、立会い取引の中で相対取引と類似するものについてはTOB規制の適用対象とすることができるように、証取法の改正案を国会に提出をさせていただいて御議論を賜りたいというふうに思っているところでございます。
○大塚耕平君 もし事務方の皆さんがデータお持ちになっていたら教えていただきたいんですが、時間外取引というのはどのくらい行われているものなんですか。イメージとして、どのぐらい行われているものなんですか。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。 ちょっと私の記憶でございますけれども、たしか、時間内、いわゆる時間内の立会い内取引との比較ですと、その一割程度ではなかったかと思います。
○大塚耕平君 私が申し上げたいのは、時間外取引相当行われているんですよ。これをTOBの規制外にしたのは株式の持ち合いを緩和するために場外で相対で取引してくださいということで、むしろ率先してその網の目を残したわけですね、粗くして。かなり行われています。事実上、TOBと同じようなこと、今回のように話題にはならなかったけれども、それとほとんど同じことをやっている例は過去に幾らでもあります。だから、過去にやっていたものを見逃して今回だけ話題にする、ないしは今回だけクイックレスポンスをするということにはそれなりに合理的な理由がなければならないわけでありまして、その辺は是非実態調査をした上で御対応にならないと伊藤大臣のそういう反応に対する信頼感が失われますので、是非そこは、何が過去と違ったために今回急にこういう話になったのか、あるいは過去に同様に事実上TOB、TOBというか、経営権取得のためにかなりのウエートを時間外で取得しているケースがなかったのか、これはやっぱりきちっとお調べいただく必要があるなということを申し上げておきます。 その上で、その法の網の目の話なんですが、この雑誌の二十八ページの一番下の段に書かせていただきましたが、つまり、これ非常に、ここのところを今日はっきりお伺いをしたいんですけれども、日本の法律というのは、特にこの証券法制とか会社法制に関して、一体、これは日本の法律は禁止規定なのか許可規定なのかということを是非はっきりしていただきたいんですね。 御承知のように、アメリカの法律というのは基本的に禁止規定で、やるなと書いてあること以外は基本的にやっていいですよと、そこでしかし問題が起きたら、また新しい法の網の目を掛けていくということですが、どうも日本の法律は、やるなと書いてあることは、いやいや逆ですね、やっていいと書いてあること以外は、法律から読み込めないものについては一々役所に判断を仰ぎなさいという許可規定のような気もするんですが、これは一体どちらがベースだというふうに考えればいいかということを端的にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。 今委員が御指摘された禁止規定かあるいは許可規定かと。これ、法律上定義されている言葉ではないものですから一般論でお答えをさせていただきたいと思いますけれども、金融庁の所管法令においても、これは他の省庁の所管法令と同様に、禁止されてない行為を行っても違法とはならないものと考えているところでございます。 いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、事前規制型行政から透明なルールに基づいた事後チェック型行政への転換が求められていると。そうした観点から考えれば、利用者保護ルールの整備、そして徹底やあるいはその明確化を図ることによって、市場規律を補完する信頼される行政というものを確立していくことが極めて重要でありますので、そうした問題意識の中で昨年十二月に策定をさせていただいた金融改革プログラムの中においても、そうした考え方というものを明示をさせていただいているところでございます。
○大塚耕平君 この部分は本当にみんな関心持っていますから、今の御答弁は基本的には禁止規定だということをおっしゃったんだというふうに思っていますので、いや、その法律をよく読み込んで、ああこういうブレークスルーがあったんだと思って、みんなが工夫をしてビジネスをやっていくというのが一つの活性化につながるわけですので、是非今おっしゃったスタンスでやっていっていただきたいなというふうに思います。 それからもう一つ、実務的なことをちょっと確認をさせていただきたいんですが、これは二十六ページの二段目に書かせていただきました。今回の東京地裁の判断の中で、ニッポン放送の新株予約権の発行が有利発行に当たるかどうかということについて、この部分だけは東京地裁は有利発行に当たらないということになって、ちょっと読ませていただきますが、第二段目の後ろの方に書いてありますが、東京地裁はこのように言いました。有利発行に当たるかどうかは、オプション評価理論に基づいて算出された価額と取締役会で決定した発行価額を比較して判断することになるというふうに、一般論としてこういうふうに言い、そして今回は有利発行ではないというふうに言ったんですが、しかしこれ、じゃどういうふうに、オプション評価理論といっても物すごいバリエーションありますから、どういうふうにその数字を出したのかということを今回、まあ我々に公にしないまでも、金融庁として司法当局の判断された客観的データというのを確認をしないとなかなか難しいと思うんですね、この後、こういう業界にいらっしゃる方々の行動がかなり制約されると思いますので。この点について、こういう抽象的な表現ではなくてもう少し具体的な議論を詰めていく御予定があるかどうかということについてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。 今委員御指摘のニッポン放送の件でございますけれども、何分個別の事案にかかわるものでございますので、なかなかお答えしづらい部分がございます。 いずれにいたしましても、ニッポン放送の開示書類によりますと、新株予約権証券の発行価額というのは、株価のほか金利、配当利回りなどを用いた一般的な価格算定モデルによる算定結果を参考に決定されたというような開示内容になっていると承知しておりますが、いずれにいたしましても、今申し上げましたように個別事案でありますのでコメントを差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○大塚耕平君 私なりに結論から申し上げれば、これはもう限りなく有利発行に近い、まあ有利発行だと思うんですよ。これをこういう理屈で、有利発行とは必ずしも言えないと言うだけではなかなか、実際にそのビジネスをやっていく人たちにとっては雲をつかむような話ですので、もう少し今後この辺は議論を詰めていただきたいなというふうに思います。 今日は、急遽、郵政改革、郵政民営化準備室の中城さんにもおいでをいただいておりますけれども、たまたまこのMアンドAに絡んで土曜日の読売新聞の朝刊に、民営化された郵政株式会社に、買収されないように黄金株を持たせるというような話が出て、そしてその翌日の日曜日の読売、あれは読売でしたかね、ちょっと新聞忘れましたけれども、やはり新聞でそういう買収規制、外資参入規制を掛けることはWTOの規定に照らして難しいといって、土、日にかけて、今議論させていただいている話題に非常に関連する報道がされたんですけど、事実関係についてちょっとお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(中城吉郎君) お答えを申し上げます。 御質問の新聞報道に関しましては、郵政民営化準備室としましては黄金株に関する報道についてのそのような事実は承知しておりません。
○大塚耕平君 何度もうちの調査会にもおいでいただいて苦言を呈させていただいておりますが、今回物すごく何か、我々政治家に御説明をいただく前に、もう垂れ流しのようにいろんな情報が出ていて非常に良くないと思いますね、これは。 まあ、何度聞いても今以上の答弁は出てこないと思いますけれども、この間予算委員会でもお伺いしましたように、株式会社化するにしても、株式会社化された、まあ四分社化されるのかどうか知りませんけれども、その企業形態、経営形態がどのぐらいのPBRを持ったものとしてつくられるのかということについて、これは何か定量的なデータを開示する形で何がしか、しかるべき時期に我々に対して説明があるという、そういう理解でよろしいですね。
○政府参考人(中城吉郎君) 先日の参議院予算委員会でも竹中大臣から御答弁申し上げておりますけれども、今の時点でそういった問題についての明確な数字というものは持っておりません。 これからそのこうしたものに対してのしっかりした経営をしていく、そういう基盤をつくっていくことが大事だという指摘をしているところでございます。
○大塚耕平君 本当に、これが仮に、外資が入ることが必ずしも悪いとは言いませんけれども、仮にですよ、仮に民営化され分社化され外資が入り、その外資が入った郵政株式会社が自主的な判断で日本の国民の預入金を使ってアメリカの国債を買うと。アメリカの国債でアメリカで財政政策が行われて、そこで発生したマネーサプライで日本に今度買収を掛けられると、日本の民間企業が。こういうふうになると、自分の金で買収されているという、とんまな、間抜けな国民に日本人はなりますんでね。 是非、何か、高校生ぐらいでもかけるような試算とか、そういうグランドデザインで国会に持ってくることのないように、相当詰めた案を持ってきていただきたいということをお願いをしておきます。まあ、中城さんたちも非常につらい立場だというのはよく分かります。 これ、竹中さんに伝えておいていただきたいんですけれども、この間時間がなくてちょっと私も十分に語り尽くせなかったんですけれども、例えばこのシステム統合の話、これこだわりますよ、私は。これ加藤寛さん、先生が悪いと言っているんじゃないんですよ。これ相当難しいと思います、私は。そして、二〇〇七年に統合するのは難しいと皆さんも思っているから、システム統合に関しては一年先送りとか、そういう話がもう出てきているわけですよね。それでも難しいと思います、私は。 なぜならば、例えば一つお伺いしたいんですが、今、郵便局の日計表、銀行員の方はすぐ分かりますけど、その勘定がきちっと合うというこの日計表、何日後に本部に上がってきていますか。
○政府参考人(中城吉郎君) 申し訳ございません。ただいまそういう資料を持ち合わせておりません。
○大塚耕平君 私が聞いたところによると三日後だそうです。三日後にならないと収支が合わないような実務をやっている中で、これをシステム統合するなんというのは、まず、まだまだ先の話なんですよ。 それで、私が申し上げたかったのは、物すごくフィージビリティーやリアリティーの低いことについて、加藤寛先生の一応座長としての報告書としてそれが上がってきて、本当にしかるべき後にかつてのみずほのような大トラブルが起きたら、これはやはり御本人の名誉も傷付くし、何ていい加減な報告書を出したんだということになるので、出すなら出すで竹中さんの名前で出すとか、そういうことをきちっとやっていただきたいということを申し上げたんです、私は。 ちょっと言葉足らずで十分伝わらなかったので、別に僕は、中城さんは本当に汗かいておられるんで、特に今日は御慰労申し上げたいと思うんですが、よく伝えてください、竹中さんに。 それから、もう一つ申し上げますけれども、郵政民営化準備室、相当大勢の官僚の皆さん、郵政公社からも三十人ぐらいの職員が行って、私のところに何本もメールが来てます、準備室の皆さんから。ほとんど情報を遮断されて、大勢の職員がいるにもかかわらず作業にタッチできない、じくじたる思いだと、で、特定の数人でやっていると。これ、国会のメールサーバー見ても駄目ですよ、プライベートのメールアドレスで来ていますから。 大臣、谷垣大臣、これ財政再建とも関係あるんですよ。元々国家公務員の数もスリム化しようとして、人数も足りない、仕事も一杯あるというときに、形だけ大議論していますというような体裁を整えるために準備室に人を集めて、実際は私のところにメールが来て、例えばあのシステムの話も、特定の某、財務省出身者と竹中さんの間だけでやっているけれどもよく分かりませんといって、私たちはこんなことなら早く本省や公社に戻してほしいといってメール来ているんですよ、私のところに。 こんなにリソースを無駄にしているから、この間も総理に申し上げました、総理は全然理解できていなかったですけど。こんなにリソースを無駄にするから日本株式会社のPBRは低いんですよ。だから買収されるんです。 いいです、だから、民営化議論する、何するのもいいですけれども、少人数でできるんだったら少人数でやればいいんですよ、ほかに仕事一杯あるんだから。そういう人たちをほかのところに是非もう解放してほしいということを申し上げておきます。そういうふうに思って、悶々としてストレスをためていらっしゃる準備室の皆さんがいるということを私の口からお伝えしておきます。 さて、次に貸し株の話をちょっとお伺いをしたいと思うんですけれども、ニッポン放送がソフトバンク・インベストメントに貸し株をするということで、急遽また北尾さんの名前とかが有名になったんですけれども、この貸し株というのは法律上どういうところに出てくるものでしょうか。これは金融庁と法務省と両方にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。 貸し株というのは、信用取引を行う投資者に証券会社や証券金融会社が行う貸し株というのがまずございます。それ以外に、今いろいろ問題になっております機関投資家や大株主が保有する株式を借り手のニーズなどに合わせて貸し株の用に供するものがあるというふうに承知をしております。 実態面では、いろんな貸手、借り手、両当事者の合意の上でいろんな条件を決めまして消費貸借契約等を締結をしているということで、相当契約形態も様々だというふうに考えております。
○政府参考人(深山卓也君) 法務省の方から法律的な性格についてお答えいたします。 一般的に、貸し株と申しますのは株式に係る消費貸借契約、民法上の消費貸借でございまして、借り手は貸手に対して賃借料を払う、借り賃を払うのが通常、有償であるのが通常と聞いておりますが、貸借期間が終了後には同種同量の株式を返還するということを内容とする契約だと承知しております。
○大塚耕平君 ちょっとお伺いした趣旨が違ったんですが、証券取引法三十四条以外に貸し株について書かれている法律はありますか。
○政府参考人(増井喜一郎君) 恐縮でございます。失礼いたしました。 先ほどの御説明の中でも申し上げましたが、信用取引を行う投資者に証券会社あるいは証券金融会社が行う貸し株というのがございます。これにつきましては法律上の規定があるということでございます。
○大塚耕平君 この貸し株ですけれども、新聞報道によると五年間でかつ議決権も移っちゃうんですよね。この貸し株は、ソフトバンク・インベストメントはこの五年間の間に売ることが可能ですか。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。 私ども、その具体的な、何といいますか、契約内容は承知しておりませんものですから、ちょっとそこのところは分かりかねます。
○大塚耕平君 いや、売ることは可能なんですよ。 で、その貸し株という言葉が使われていますけれども、これは九八年から導入されたと思うんですけれども、貸し株と言いながら消費貸借契約で売ることができるわけですよね。議決権も移っちゃうわけですよね。これを貸し株という言葉で表現していること自体に今後大きな混乱を招く要因があって、フジサンケイグループもホワイトナイトだなんと言って喜んでいますけれども、ソフトバンク・インベストメントがライブドアに売ることだって可能なんですよ、五年後には返すからと言って。 だから、本当にその貸し株の意味を御理解しておられるのかどうかなというのはちょっと不安なんですけれども、例えばこういうところも、今回の会社法制やらあるいは金融庁がそれに絡んでいろいろ御検討されると思うんですけれども、今後何か検討されますか、この国会中に。貸し株の運用の在り方について何か検討される御予定ありますか。
○政府参考人(増井喜一郎君) ただいま申し上げましたように、貸し株というのはいろんな機能に応じて行われている契約でございまして、証券取引法上このような貸し株自体が違反行為というふうにされているわけではないわけでございます。 したがいまして、もちろん今後いろんな問題がありますれば、私ども、証券市場の信頼性、透明性を確保するためにいろんな問題について検討するという意味では、今金融審議会等でも検討しておりますし、そういったものが出てくればもちろん検討するということになると思いますが、当面そういった、先ほど申し上げましたように、貸し株自体が証取法上違反行為というふうに考えておりませんので、そういう観点から今後とも注視をしていきたいというふうに思っております。
○大塚耕平君 いや、増井さん、別に貸し株が僕悪いと言っているわけじゃないんですよ。 例えば、今日お配りした、予算委員会のときと同じですけれども、この内外の主なMアンドA事例の中の海外の事例のオラクルとピープルソフトのときに、これはMアンドAの、これは何というか、陳列棚というか、まあMアンドA防衛策のフルラインナップをそろえた事例として大変有名なんですけれども、そこの中にも、今日本では焦土作戦と言われているクラウンジュエルというのがあるんですけれどもね。 例えば、この貸し株というのもニッポン放送にとって物すごく重要な、フジテレビの株を持っているというのは物すごく重要な財産ですよね。これを議決権まで含めて、しかも転売される可能性もある形で第三者に渡しちゃうというのは、これは言ってみれば焦土作戦なわけですね、まあそういう言い方をすれば。これをニッポン放送は、一体、取締役会にかけるとか、あるいは株主に諮るとかということをやった上で対応したのかどうか、事実関係について何か御存じのことがあれば教えてください。
○政府参考人(増井喜一郎君) 恐縮でございます。その個別案件については私ども承知しておりません。
○大塚耕平君 いや、だから、これ物すごく重要なんですよ。だから、時間外取引のときにあんなにクイックレスポンスされた伊藤さんが、この貸し株については証取法三十四条にしか明文上の付言がなくて、今後、これがみんなが使うようになったら、一体だれが正当な株主かということが善良な一般株主というのは分からなくなっちゃうんですね。こういうことについて至急検討する必要があるとか、そういうことを例えばぱっとおっしゃれば、ああこれは時間外取引のときと一緒でさすがだなと、伊藤さん、いつでも民主党に入れるなと思うんですけれども、(発言する者あり)いやいや、とんでもありません。そういう意味で、今回はどうしてそういう御検討をされることがないのかなということをお伺いしたいんですが。
○国務大臣(伊藤達也君) まずお断りをさせていただきたいのは、やはり質問の前提が個別の取引に関することでありますので、そうした意味でコメントは差し控えさせていただきたいというふうに思いますが、一般論として貸し株の在り方が、私どもからすると市場の公正性、こうした問題に仮に問題が生じるとするならば、それは私どもとして適切に対応していかなければなりませんし、また金融審議会においてもそうした議論というものをしていくことになろうというふうに考えております。
○大塚耕平君 是非貸し株については、本当に私も別にいいとか悪いとかという今先入観はないんですね。これは今回の一連の問題全部について、この間も申し上げましたし、今日も申し上げたとおり、本当にこれ冷静に考えていかなければいけない問題だと思っていますので、是非十分な御検討をしていただきたいと思います。 今日はもうだんだん時間がなくなってきましたので細かいことは申し上げませんが、この間予算委員会の中でも申し上げました、そもそもライブドアが資金調達をした手段ですよね、価格修正型のMSCBという。しかし、これ、実はあれ自体が一番問題なんではなくて、あの予算委員会のときには、あれが、株価が低迷しているという状況だから新たに生み出された新しいファイナンス手段ですよというところまでしか申し上げられなかったんですけれども、あそこでも重要な役割を果たしたのは貸し株なんですよね。ライブドアが貸し株ができなければ資金調達できなかったんです、あれは、リーマン受けなかったと思いますので。 そういう意味では、貸し株に対して貸し株で対応されるという、非常にある意味面白い展開になってきていると思うんですが、ちょっとこの貸株について法務省はどういうふうにお考えになっているか、今までの議論を踏まえた上でもう一度御見解をお伺いしたいんですが。
○政府参考人(深山卓也君) 先ほど申し上げたとおり、貸株自体は、これは民法上の消費貸借契約を締結したということだと思いますが、ただ、個別事案はともかくとして、この貸株に係る契約内容が貸手側の企業に著しく不利になっているというような場合には、そのことによって会社に損害を与えることになりますので、取締役の善管注意義務違反の問題であるとか、会社にそうした損害賠償を取締役がする、さらには株主代表訴訟の対象になる。甚だしい場合、先ほどクラウンジュエルという話が出ましたが、会社の主要な資産を著しく廉価で譲渡するようなことになりますと、刑法上の特別背任も問題になるというようなことだろうと思います。
○大塚耕平君 いずれにしましても、是非十分な御検討をしていただきたいなということを申し上げまして、最後の質問に移らせていただきますが。 今回、ライブドアの堀江さんの行動によっていろんな問題が提起された、そして国民の関心が盛り上がったということはプラスに評価できる部分もあると思います。そういう中で、私自身は、大企業が外資のそういうMアンドAに遭うということは、余りそれ自体について心配はしていなくて、というのは、企業経営とかガバナンスというのがいずれにしても市場に公開されて衆人環視の下に行われていますから、仮に外資から買収を掛けられてもそんなに変なこともできないし、ある意味、衆人環視の下で合理的な結論に行くと思うんですが。 心配しているのは、そういう国民的関心も盛り上がらないまま、関心も向けられないまま、中小企業、特に日本の製造業とかの、本当にベースになる部分を支えている技術を持った中小企業が知らない間にどんどんどんどん買収されていくということが、これが日本の経済力や国力にとって本当に心配なことだなというふうに思っております。 そこで、最後の質問ですが、これもたまたま予算委員会の日の二十二日に、中小企業向けの会計ルール、これは新聞報道によると、法務省、中小企業庁、金融庁の関係省庁と公認会計士協会、税理士会、企業会計基準委員会などで構成する検討委員会を二十二日に設置して、今後、統一指針を策定していくと、そして二〇〇六年度から適用すると、こういう報道があったんですけれども、中小企業のMアンドA対策として何かこの場で議論されていく御予定があるかどうかを関係省庁からそれぞれお伺いして、最後にしたいと思います。
○政府参考人(鈴木正徳君) 委員御指摘の中小企業の会計に関するものでございますけれども、少し経緯を御説明させていただきますが、中小企業にとりましても、資金調達力の強化やその取引先の拡大、これを行うにはやはり財務情報、これを適切に開示することが必要であるということで、当面の間は株式公開を目指さない企業、中小企業を対象といたしまして、平成十四年六月に中小企業の会計に関する研究報告書を取りまとめたところでございます。 実はこの報告書を受けまして、日本税理士会連合会、また日本公認会計士協会におかれましても、それぞれ具体的にどういうふうに処理をするのかということを発表されたところでございます。 このように、各機関が別々に発表したもので、中小企業の経営者の方々には何か別々の中小企業の会計、これが示されたんじゃないかという誤認が少なからずあるという御指摘を受けたところでございます。 これを踏まえまして、統一的な指針を取りまとめるべく、日本税理士会、日本公認会計士協会、日本商工会議所及び企業会計基準委員会の民間四団体の発意によりまして、委員御指摘のとおり、三月二十二日付けで中小企業の会計の統合に向けた検討委員会が設置されまして、私どもも、法務省、金融庁ともどもオブザーバーとして参加しております。 本指針でございますけれども、あくまでも当面の間は株式公開を目指さない中小企業を対象とした会計、その統一的な指針を作るというものでございまして、MアンドA対策とは直接関係はございません。
○政府参考人(増井喜一郎君) 今の中小企業向け会計ルールの点につきましては、今経済産業省から御説明のあったとおりでございます。 私どもといたしましては、こういった会計のいろんな指針の検討を通じまして、中小企業の統一的な会計ルールの指針を策定をする、検討する、そういった方向で検討がなされていくものというふうに考えております。
○大塚耕平君 終わります。
○委員長(浅尾慶一郎君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。 ─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、片山虎之助君が委員を辞任され、その補欠として水落敏栄君が選任されました。 ─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 両案の修正について平野君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。平野達男君。
○平野達男君 私は、民主党・新緑風会を代表して、平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 これより、その趣旨について順次御説明申し上げます。 まず、平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案に対する修正案の提案理由の説明をいたします。 以下、修正案の概要を申し上げます。 国民年金事業、厚生年金保険事業及び国家公務員共済組合の事務費につき、その一部に国の負担以外の財源を充てる、つまり年金保険料による財源を充当するという規定の削除がその内容です。 社会保険庁をめぐる無駄遣いのうわさは相変わらず絶えません。全国各地の一等地に事務所を構える社会保険事務局や、定義の不明瞭な福祉施設費による雑多な支出、物品調達や委託業務についての不透明な巨額随意契約、会計検査院による調査の結果、汚職事件まで発覚しております。 やはり給付以外には保険料は使わない、これを原則にしなければ国民の老後の安心はあり得ないということを、国会としてあるいは政府としてきちんと認識を新たにすべきです。 元々、保険料の年金事務費への充当は、財政構造改革特別措置法によって六年間の時限措置として導入されたものであり、本来なら昨年度から事務費の全額国庫負担というあるべき姿に戻っていたはずでした。ところが一年延長され、今年度更にもう一年延長されようとしております。もうそろそろ本来のあるべき姿に立ち返る時期です。 もし、百歩譲って保険料の年金事務費への充当が必要であるという部分があるのであれば、恒久的な制度改正で対応すべきであり、このような特例的措置で行うべきではないと考えます。 次に、所得税法等の一部を改正する法律案に対する修正案の提案理由の説明をいたします。 政府提案の税制改正案は、長期的な財政再建の見通しも抜本的な歳出構造改革もないまま、ただ安易に国民に対して負担増を押し付けるものであります。本年は増税元年とちまたで称されているように、本格増税の開始の年であり、今後更なる大規模増税が毎年次々と予定されております。このままでは、財政破綻が先か国民生活の破綻が先かの出口のない破綻競争になってしまいます。 民主党は、国民生活を守るために、すぐにでも実現可能な最低限の修正を求めます。 以下、修正案の概要を申し上げます。 第一は、定率減税縮減に関する規定の削除です。 我が国の景気は、個人消費の低迷が依然として続いているなど、先行きが大変不透明な状況になっております。これまで政府が主張してきた景気回復も、一部大企業のみを中心としたものであり、かつ雇用の犠牲や中小企業たたきを土台とした一時的な回復にすぎません。他方、大企業と中小企業、中央と地方、企業部門と家計など、国内における経済状況の格差は大きくなるばかりです。 現時点において定率減税の縮減を決めていくということが更なる雇用者たたきにつながり、景気の足を引っ張ることになることは明白であります。国民生活に対する重大な影響を考慮し、その速やかな撤回を求めます。 また、今年度の政府予算では、大型公共事業が復活する一方で、特別会計や特殊法人の改革は遅々として進まず、また昨年末の会計検査院による税の無駄遣いの指摘は、過去二十年間で最悪となりました。明らかに政府の歳出削減努力は全く不十分であると言わざるを得ません。政府は縮減により生じる財源を基礎年金国庫負担の引上げ費用の一部に充てるとしておりますが、我が党は徹底した歳出削減によりこの引上げ費用を賄うと公約しております。真摯な歳出の削減努力がなされないまま、安易に負担増を求めることは許されません。 第二は、新しいタイプのローン控除制度の創設です。 現在の住宅ローン減税を根本的に見直しつつ、減税対象を、住宅のみならず、自動車ローン、教育ローン等広範に拡大することによって、個人が借り入れるローンにかかわる金利分をおおむねすべて所得から控除することができるようにいたします。これにより、長期にわたる低迷傾向にある個人消費を刺激し、積年の課題である内需の拡大を図るとともに、真に豊かさを実感できる国民生活を実現していこうというものです。 第三は、NPO支援税制の拡充に関する規定の追加です。 パブリックサポートテストや対象年度、活動要件などのNPOの認定要件を大幅に緩和すると同時に、みなし寄附金制度の拡充や収益事業に対する法人税率の引下げなどによりNPOの事業活動への支援を手厚くします。また、個人寄附金の控除については現行の一万円のすそ切りを廃止し、税額控除と所得控除の選択制を導入し、NPOに対する寄附を促進します。 以上、修正案の概要を申し上げました。 繰り返し申し上げますが、明確な将来展望が打ち出されないまま次々と増税策が打ち出されるようでは、庶民の財布のひもはますますきつく締まり、経済は再び停滞の泥沼に沈み込むことになりかねません。民主党は、このような事態を避けるために一刻も早い政権交代が必要と考えますが、現時点では最低限の措置を行うため、以上の修正を求めます。 委員各位におかれましては、私の主張の真意を御理解いただき、何とぞ御賛同いただけますようお願い申し上げまして、趣旨の説明を終わります。
○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまの平野君提出の両修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から両修正案に対する意見を聴取いたします。谷垣財務大臣。
○国務大臣(谷垣禎一君) ただいまの平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案に対する修正案及び所得税法等の一部を改正する法律案に対する修正案については、政府としては反対であります。
○委員長(浅尾慶一郎君) これより両案並びに両修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○広田一君 民主党・新緑風会を代表しまして、政府提出の平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案に反対し、民主党・新緑風会提出の平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案に対する修正案に賛成の立場で討論を行います。 まず、いわゆる特例公債法案に反対する理由を申し上げます。 第一に、この法案は、政府のこれまでの財政運営の失敗に対する反省もないまま、将来の世代に赤字をツケ回す象徴的な法案であります。政府は、四年ぶりに国債発行額を縮減したと強調しています。しかし、その主な要因は民間の自助努力により生じた税収の増加のおかげであることは言うまでもありません。また、三年ぶりの一般歳出の削減ができたのも、税源移譲や単なるスリム化に伴う地方への国庫補助負担金の大幅な減額によるものであります。つまり、今回の国債発行額の縮減や一般歳出削減は、民間と地方頼みの結果であり、国自らの歳出削減努力の成果とは到底言えません。 第二に、この法案が、昨年、年金不信をもたらした年金保険料の年金事務費への流用を行おうとしていることであります。国民の皆さんは、自分たちが納めた年金の保険料の流用について大きな不信と不満を持っています。このことを払拭できないまま、その後も社会保険庁に関する不祥事は後を絶ちません。与党からも解体論が出ているほどです。 私たちの修正案は、まず時限的措置として始められたこの特例措置をやめて、制度本来の姿に戻して事務費を全額国庫負担といたします。むろん、保険料であれ税金であれ、国民の皆さんからお預かりした大切なお金に変わりはありません。その意味で、今後とも私たちは、国民の目線に立って、無駄遣いを廃し、事務費使用の適正化に取り組んでまいります。 次に、いわゆる所得税法等の改正案について反対する理由を申し上げます。 まず、所得税、住民税の定率減税縮減については時期尚早と言わざるを得ません。私たちが反対する最大の理由の一つが、私たちと政府の景気認識の違いです。政府は、平成十一年度の定率減税導入時期と比べて我が国の経済は著しく好転していると言います。確かに企業部門だけを見れば経常利益や設備投資の増加など改善されている面もあります。しかし、所得税、住民税増税の影響を直接受ける家計部門はそうではありません。定率減税導入時期と比較しても、年収に当たる民間給与所得者の現金給与総額は下がり続けているなど、厳しい状況にあります。その上に、配偶者特別控除の一部廃止、年金保険料、雇用保険料の引上げなど、負担増がのし掛かっていきます。さらに、回復をしていると言われている企業部門も、大企業と中小零細企業とでは大きな格差が生じ、問題化しているのは皆さん御承知のとおりです。当面の景気もいまだデフレが続き、GDP、実質成長率も一進一退を続けるなど、不透明感が増しています。このような状況での定率減税の縮減は景気に冷や水を浴びせることになり、明らかに時期尚早であります。即時撤回を求めます。 これらに対し、民主党・新緑風会の修正案は、次のような項目から成り立っております。 第一に、先ほど申し上げたとおり、定率減税縮減に関する規定の削除であります。また、政府は、縮減により生じる財源を基礎年金国庫負担金の引上げの一部に充てるとしています。これに対し私たちは、徹底した歳出削減により必要な費用を賄うことといたしております。 第二に、NPO支援税制の拡充を追加いたします。現在、約二万に及ぶ認証NPOが活動している一方で、寄附金が所得控除される認定NPOはわずか三十団体であります。毎年、NPO支援税制は改正されますが、小手先の支援にとどまっています。それに対し私たちは、パブリックサポートテストや活動要件など、認定NPOの要件を大幅に緩和すると同時に、個人寄附金などの控除を拡充し、NPOに対する寄附を飛躍的に促進させます。 第三に、ローン利子控除に関する規定を新設します。これは、所得控除の対象を住宅ローンのみならず、自動車ローン、教育ローンなどに拡大することによってローンに係る金利分をおおむねすべて所得から控除することができるようにいたします。このことによって低迷する個人消費を刺激して内需拡大を図ろうとするのが私たちの案であります。 最後に、今多くの国民の皆さんは様々な不安を抱えています。その不安を払拭するためには、今政府が進めているような先の見えない場当たり的な負担増や赤字のツケ回しではなく、しっかりとした財政健全化のビジョンとそれを裏付けする納税者の立場に立った税制改革が必要であります。このことを強く訴えて、私の討論を終わります。
○山下英利君 私は、自由民主党、公明党を代表して、平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案について賛成、民主党・新緑風会提出の平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案に対する修正案及び所得税法等の一部を改正する法律案に対する修正案に断固反対の討論を行います。 まず、いわゆる公債特例法であります。 平成十七年度予算においては、歳出改革路線を堅持、強化するという方針の下、従来にも増して歳出全般にわたる徹底した見直しを行い、一般歳出について三年ぶりに前年度の水準以下に抑制し、新規国債発行額についても四年ぶりに前年度より減額しております。 一方、我が国の財政収支が引き続き厳しい状況となっている中、予算の内容については、活力ある社会経済の実現や国民の安全、安心の確保に資する分野に重点的に配分するなど、めり張りのある予算の配分を実現しております。今回の特例公債の発行による一般会計予算の財源に充てることはやむを得ない措置であり、今年度財政運営を適切に行うためには必要不可欠であります。賛成するに当たり、今後、政府・与党においてなお一層の歳出抑制に取り組む姿勢を確認しておきます。 修正案についてでありますが、三つの年金事業の事務費につき、保険料財源を充当するための特例措置は年金給付を行う上で合理性のある考え方であり、これを廃止すれば、これら事務経費は全額国庫負担となり、国民に更なる負担を強いることは明白であり、反対であります。 次に、所得税法等の一部改正案であります。 いわゆる定率減税は平成十一年に施行され、景気対策のための臨時異例の措置として今日まで継続されてきました。実施以来、国内経済は不良債権の処理が進む中、この減税と政府の景気対策の結果、景気は長い低迷から脱し、景気拡大期間は三年に及び、平成十六年度は二・一%程度、平成十七年度は一・六%程度の実質成長が見込まれており、この景気回復を受けて、十七年度税収は昨年度に比べ増収、増加が見込まれております。 これらの明るい兆しが導入時と比較して経済状況の改善として見え始めた今日、国と地方のいわゆる三位一体の改革の中で、個人所得課税の抜本的見直しが必要であることから、定率減税の規模を二分の一に縮減することが持続的な経済社会の活性化を実現するためのあるべき税制の構築に向けた一歩であると確信するものであります。 その他、株式投資を促進するための金融・証券税制の特例の創設、外国子会社合算税制を国際的な企業活動の実態により一層即したものにする国際課税、中小企業の新たな事業活動の総合的な促進に資するための中小企業関係税制見直し等、現下の我が国経済財政状況を踏まえた適切な措置であります。 修正案についてであります。 我が国財政の現状は、平成十七年度末の公債残高が五百三十八兆円程度に達する見込みであり、非常に厳しい状況にあります。人口減少社会が到来する中で、経済活力を維持しつつ、持続可能な財政を構築することは政治家に課せられた将来世代に対する重要な責務であることは、総理始め政府・与党一致した考えであります。 我々も苦しい決断をしましたが、二〇一〇年代初頭の基礎的財政収支の黒字化を目指し、歳出歳入両面からバランスの取れた財政構造改革を進めていく上で欠かせない減税縮小であります。国民の皆さんも必ずや理解していただけると思います。 しかるに、民主党の定率減税の縮減を取りやめる修正案は、我が国が直面する課題、今実行しなければならない重要な課題を先送りするだけの案であります。その他、税制の公平を著しく欠いた住宅ローン控除、税の優遇措置を大幅緩和し、認定法人を増やすことだけが目的のNPO税制の規定の新設が提案されております。 我が党は、政府・与党の責任において、今年度税制改正では、耐震基準を満たす良質な中古住宅を住宅ローン減税の対象に追加し、また、民間非営利活動の役割がますます高まってきている状況を十分認識し、認定NPO法人の認定条件の思い切った緩和や、寄附金控除の控除対象限度額の拡充を図るため、今国会に政府からその内容を盛り込んだ所得税法の改正案を提出したところであります。 民主党の案は、公平公正をないがしろにする税制改正であり、税を知らない無責任極まりない政策であると断ぜざるを得ません。しかも、この修正案は、衆議院に提出され、与党により否決された案と同様の内容であります。政権準備政党と自ら唱えるならば、いま少し国民に責任を持った税制を考えていただきたい。民主党の猛省を促すものであります。 以上、修正案に反対し、政府提出の両案に賛成する趣旨を申し述べましたが、将来の我が国税制を考えるとき、欠いてはならない消費税問題や納税者番号制度の検討に今後、与党を挙げて真摯に取り組んでまいることを誓い、私の賛成討論を終わります。
○大門実紀史君 日本共産党を代表して、政府提案の両法案に断固反対、民主党提案の両修正案に賛成の討論を行います。 既に政府両法案の個々の問題点については指摘をいたしました。この討論では、こういう法案を出す政府の基本姿勢そのものが誤っていることを指摘したいというふうに思います。 予算委員会の討論でも申し上げましたが、増税や国民への負担増だけで財政再建に成功した国はございません。景気回復の道筋の中でこそ財政再建をなし得るというのが世界の常識であります。そういう点からいえば、財政再建の道筋を誤ったまま公債発行を重ねるのが今回の公債特例法案であり、国民に大きな負担増をもたらすのが定率減税の縮小、廃止を含む今回の所得税改正案でございます。これでは財政再建も本当の景気回復も遠のくばかりです。 また、今回の改正案には、私自身が取り上げてきた無認可保育所の消費税非課税措置、あるいは評価をしております国際課税など、賛成できるものが含まれております。本来こういうものは別途に審議すべきものです。改悪とごったになっているため、改正案全体には反対せざるを得ません。こういう審議の仕方にも強く抗議をしておきたいと思います。 なお、民主党提出の修正案については、国民の負担減となるものであり、賛成できることを表明し、討論を終わります。 以上です。
○委員長(浅尾慶一郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより順次採決に入ります。 初めに、平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案について採決を行います。 まず、平野君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 少数と認めます。よって、平野君提出の修正案は否決されました。 それでは次に、原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、所得税法等の一部を改正する法律案について採決を行います。 まず、平野君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 少数と認めます。よって、平野君提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、若林秀樹君から発言を求められておりますので、これを許します。若林秀樹君。
○若林秀樹君 私は、ただいま可決されました所得税法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党並びに各派に属しない議員糸数慶子君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 所得税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。 一 中長期的な財政構造健全化と経済社会の活性化の必要性が一層増大していることにかんがみ、今後の経済動向にも留意しつつ、歳出の重点化・選別化に努めるとともに、税制に対する国民の理解と信頼、税負担の公平性を確保する観点から、課税の在り方についての抜本的見直しを行い、社会経済構造の変化に対応しつつ持続的な経済社会の活性化を実現するための税制の構築に努めること。 一 社会的に重要性を増している非営利活動を更に促進するという趣旨等にかんがみ、特定非営利活動法人に対する寄附金税制の在り方については、その実態等を十分踏まえ、引き続き検討すること。 一 租税特別措置については、その政策課題の緊急性、効果の有無、手段としての妥当性、利用の実態等を十分吟味し、今後とも徹底した整理合理化を推進すること。 一 急速に進展する高度情報化社会において、経済取引の国際化・複雑化及び電子化等の拡大に見られる納税環境の変化、調査・徴収事務等の業務の一層の複雑・困難化による事務量の増大にかんがみ、更には、徴税等真に必要な部門には適切に定員を配置するという政府の方針に配意し、今後とも国税職員の処遇の改善、機構・定員の充実・確保を行うとともに、職場環境の整備及び事務に関する機械化の充実に特段の努力を払うこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(浅尾慶一郎君) ただいま若林君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 全会一致と認めます。よって、若林君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、谷垣財務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。谷垣財務大臣。
○国務大臣(谷垣禎一君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
○委員長(浅尾慶一郎君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 関税定率法等の一部を改正する法律案及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。谷垣財務大臣。
○国務大臣(谷垣禎一君) ただいま議題となりました関税定率法等の一部を改正する法律案及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 まず、関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 政府においては、最近における内外の経済情勢の変化に対応する等の見地から、関税率等について所要の措置を講ずるほか、税関における水際取締りの強化及び通関手続の迅速化等を図ることとし、本法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、暫定税率の適用期限の延長等であります。 平成十七年三月三十一日に適用期限が到来する暫定税率の適用期限の延長等を行うこととしております。 第二は、知的財産権侵害物品等の水際取締りの強化であります。 特許権等を侵害するおそれのある貨物の認定手続において、権利者からの申請に応じ、当該貨物の見本を分解して検査することを承認する制度の導入等を行うこととしております。 第三は、テロ対策等に係る水際取締りの強化及び通関手続の迅速化等であります。 爆発物等の輸入禁制品への追加、法令を遵守する体制を整えている輸出者に対する輸出通関手続の迅速化のための制度の導入及び関税についての重加算税の導入等を行うこととしております。 その他、所要の規定の整備を行うこととしております。 次に、国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 国際開発協会は、世界銀行グループの中核機関として、アジア、アフリカなどにおける所得水準の特に低い開発途上国に対し、長期かつ無利子の融資を行うことを主たる業務とする機関であります。先般、同協会の二〇〇六事業年度から三年間の財源を確保するため、第十四次の増資を行うことが合意されました。 政府においては、開発途上国の経済成長と貧困削減に果たす同協会の役割の重要性にかんがみ、この第十四次増資に係る追加出資を行うこととし、本法律案を提出した次第であります。 本法律案の内容は、政府が国際開発協会に対し二千七百七十五億八千五百万円の範囲内において追加出資を行い得るよう、所要の措置を講ずるものであります。 以上が関税定率法等の一部を改正する法律案及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(浅尾慶一郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 次回は明二十九日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十四分散会