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162回国会参議院2005/03/18

財政金融委員会 第4号

発言数
232
登壇者
31
会派数
5
開催日
2005/03/18

会議録

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十六日、岩本司君が委員を辞任され、その補欠として大久保勉君が選任されました。     ─────────────

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) 去る十六日、予算委員会から、三月十八日の一日間、平成十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち金融庁、財務省所管、国民生活金融公庫、日本政策投資銀行及び国際協力銀行について審査の委嘱がありました。     ─────────────

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府大臣官房審議官加藤裕己君外六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、参考人として国民生活金融公庫総裁薄井信明君外四名の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) 平成十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち金融庁、財務省所管、国民生活金融公庫、日本政策投資銀行及び国際協力銀行を議題といたします。  委嘱されました予算について順次政府から説明を聴取いたします。谷垣財務大臣。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 平成十七年度一般会計歳入予算並びに財務省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明申し上げます。  まず、一般会計歳入予算額は八十二兆千八百二十九億円余となっております。  この内訳について申し上げますと、租税及び印紙収入は四十四兆七十億円、その他収入は三兆七千八百五十九億円余、公債金は三十四兆三千九百億円となっております。  次に、当省所管一般会計歳出予算額は二十兆千百二十四億円余となっております。  このうち主な事項について申し上げますと、国債費は十八兆四千四百二十一億円余、政府出資は二千百二十四億円、予備費は三千五百億円となっております。  次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算について申し上げます。  国債整理基金特別会計におきましては、歳入二百二十一兆七千二十一億円余、歳出百九十一兆七千二十一億円余となっております。  このほか、財政融資資金等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては予算書等をごらんいただきたいと存じます。  最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。  国民生活金融公庫におきましては、収入千九百七十八億円余、支出千四百四十一億円余となっております。  このほか、日本政策投資銀行等の各政府関係機関の収入支出予算につきましては予算書等をごらんいただきたいと存じます。  以上、財務省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。  なお、時間の関係もございまして、既に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明に代えさせていただきますので、記録にとどめてくださるようお願いいたします。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) 伊藤内閣府特命担当大臣。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) 平成十七年度における内閣府所管の金融庁の歳出予算要求額について、その概要を御説明いたします。  金融庁の平成十七年度における歳出予算要求額は百八十七億二千百万円となっております。  このうち主な事項について申し上げますと、金融庁の一般行政に必要な経費としまして百四十六億六千百万円、金融機関等の監督等に必要な経費としまして六億七千五百万円、証券取引等監視委員会に必要な経費としまして三億五千百万円を計上いたしております。  以上をもちまして、平成十七年度内閣府所管の金融庁の歳出予算要求額の概要の説明を終わります。  よろしく御審議くださいますようお願いいたします。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。  なお、財務省所管の予算の説明については、お手元に配付しております詳細な説明書を本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

中島啓雄自由民主党

○中島啓雄君 自由民主党の中島啓雄でございます。今日は、日銀総裁にも御出席をいただきまして、大変ありがとうございます。  お礼を申しながら、引き続いて苦言を呈しては大変恐縮でございますけれども、三月九日の夜に総裁が民主党の岡田代表らと夕食をともにしながら会談をしたという新聞報道がございました。昨年の十月二十八日には、当委員会において同僚議員からの質問で、木村剛さん編集のフィナンシャルジャパンという雑誌に登場されたことについての指摘があったというようなことで、もちろん、総裁がいろいろな方と意見を交換されるということは結構でございますけれども、日銀の中立性を尊重するという意味からも、密室において何かをやっているといったような誤解を招くようなことは避けていただいた方がいいのではないかと、こう思っておりますが、三月九日の会談ではどのようなお話があったんでしょうか。

福井俊彦日本銀行総裁

○参考人(福井俊彦君) お答え申し上げます。  ただいま中島委員御指摘のとおり、民主党の岡田代表から、一度日本銀行と話し合って日本銀行の考え方もよく聞いておきたいという御要請がございました。これに答えさせていただきました。  具体的な会談の内容は差し控えさせていただきますが、私ども、世の中の識者、リーダーの方々と、もちろん主義主張あるいは立場を離れて、一般的な情勢について意見交換をさせていただくということは、私ども物の考え方を形成する上に大変有意義だというふうに思っている次第でございます。

中島啓雄自由民主党

○中島啓雄君 ありがとうございました。  まあ内容についてはそういうことだろうと思いますが、記事によれば、民主党さんは、日銀が採用する量的緩和政策について、異常な政策であり、できるだけ早く正常な状態に戻すべきであると、こういうような御主張をされたというふうに書かれておりますが、確かに今、金融緩和というのは異例な政策を取っておられるには違いありませんけれども、デフレはいまだ続いておりますし、十月—十二月の実質GDP、まあプラスになったとはいえまだまだ踊り場的な景気状況と、こういうことだろうと思いますので、二〇〇一年以来続いております日銀当座預金残高を積んで緩和政策を継続する、消費者物価指数の前年比上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで継続するという方針は堅持すべきであると、こう思っておりますが、どういうお考えか。  最近、いわゆる売りオペの入札に際して札割れというような事態に関連してちょっと総裁なり審議委員等の発言にぶれがあるような感じもありますが、その辺の真意を伺いたいと思います。

福井俊彦日本銀行総裁

○参考人(福井俊彦君) お答えを申し上げます。  経済情勢と金融システムの状況が徐々に良くなる、良くなりつつある方向と、このことはマーケットも広く認識が浸透しつつあるような感じでございまして、マーケットにおきまして、今委員御指摘のとおり、私どものオペレーションに対する市場の反応というものは微妙に変わりつつあると、これは事実でございます。  日本銀行は、御承知のとおり、市場においてオペレーションを施し、市場を通じて金融政策の効果を浸透させていくものでございますので、もちろん金融政策は経済理論を大きな背景に踏まえながらではございますけれども、現実の市場の実勢の変化にはいつも十分注意を払っていかなければならないということでございます。  ただ、今委員御指摘のとおり、日本銀行の金融緩和政策の基本スタンスは、いわゆる量的緩和の枠組み、これは金融機関に求められている所要準備額というものを大幅に上回る流動性を供給し続けるということでございます。この枠組みは消費者物価指数の前年比変化率が安定的にゼロ%以上となるまで堅持すると、これは固い約束でございます。この姿勢に断固変更はございません。

中島啓雄自由民主党

○中島啓雄君 ありがとうございました。  札割れというような事態が生ずると三十兆円枠というのを場合によっては少し欠けるような場合もあるかと思うんですが、やはり今必要なことは、デフレから一刻も早く抜け出して経済を本格的な回復軌道に乗せると、こういうことだと思いますので、当座預金残高以外にどういった手段でデフレ、景気回復ということを支えていくか、何か代替手段をお考えかどうか、お聞かせいただければと思います。インフレーションターゲットというような話もありますが、私はそろそろそういったことも本格的に検討すべき段階に来たんではないかと思っておりますが、いかがでしょうか。

福井俊彦日本銀行総裁

○参考人(福井俊彦君) まず第一に、市場の状況、市場の実勢というものがこの先どういうふうに変化していくかということをよく注目したいというふうに思います。  それとの関係で、技術的に当座目標残高の維持が困難になるかどうかということは正確に判断しなければいけませんが、そのことは今後の政策委員会の中できちんと議論をして判断をしたい、いずれにしても、繰り返しになりますけれども、所要準備額を極めて大幅に上回る流動性を供給し続けると、この基本スタンスにはいささかも揺るぎがないという姿でいきたいというふうに思っています。  なお、この量的緩和政策は、景気の動きが少しでも良くなり、金融システムの安定度合いが強まれば強まるほど実態的な緩和効果は強まるということでございます。  この強まった緩和効果をフルに、景気を持続的な回復のパスに乗せ、そしてデフレから脱却させると、この目的にフルに振り当てていきたいと、これが基本姿勢でございます。更に追加的な措置が更なる将来に向かって必要であるかどうか、これは今後の政策委員会での検討事項でございます。現在のところは予断を持って臨んでおりません。

中島啓雄自由民主党

○中島啓雄君 ありがとうございました。  次に、財務大臣にお伺いしたいんですが、今のような日銀のスタンスについて、二月二十一日の衆議院の予算委員会において、これは別の年金か何かの質問なんですが、財務大臣が、今みたいなときに金利がちょっとでも上がれば、日本経済は耐えられないだろうというような答弁をされて、これはむしろ海外において、フィナンシャル・タイムズは、丁重なる目覚まし時計、ポライト・ウエークアップ・コールと、こういう表現をして大きく報道しておりましたが、当面の金融政策に関する財務大臣の見解、簡潔に、結構でございますから、お願いします。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 金融政策については、これはもう日銀の専管事項でございますし、今、日銀総裁から御答弁があったとおりでございますが、今、中島委員おっしゃいましたように、デフレが継続しているような状況の下で金利ががあっと上がっていくというのは、これは私は景気に悪い影響を及ぼすというふうに考えております。それから、今多額の公債残高を抱えておりますので、国債金利の上昇による利払い費の影響ということについては、私どもとしてはこれはもう常に細心の注意を払わざるを得ない状況にございます。  こういうことを踏まえますと、政府としては、引き続き金利の動向によくよく注意していきますとともに、歳出、歳入両面からバランスの取れた財政構造改革を推進して国債に対する信認を維持できるようにしていくということではないかと思っております。

中島啓雄自由民主党

○中島啓雄君 もう一つ、最近の報道に関連してですが、三月十日の参議院予算委員会で、これは峰崎委員が外貨準備資産の運用が米国債に偏っているのではないかということに対して、総理が「投資先を分散するということは、これは必要だと思います。」と、さらっと答えられたものですからですね。日本の新聞はちょこっと載っただけなんですが、むしろ海外の、ニューヨーク・タイムズとかフィナンシャル・タイムズで大騒ぎになって、まあ火消しに追われたというような記事もございました。  外貨準備の当面の運用の方針について財務大臣にお伺いしたいと思います。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 外為特会の外貨資産というのは円買い介入をしたりするときの原資でありますから、その運用というのはもちろん安全なものでなきゃいけませんし、それから必要なときにはぱっと使えるような流動性というものが必要でございますので、まず一番に考えるのはそういうことでございまして、その範囲内、そういうことが前提で、その範囲内で、もちろん収益性も無視するわけにはいかないねというのは我々の基本的なスタンスでございます。  それで、当面、どういう運用をしているのか、運用の具体的方針は何かということになりますと、マーケットへの影響もありますので、具体的なコメントは差し控えたいと思っておりますが、現時点で、外為特会の外貨資産についてその通貨構成を大きく変更していくなどという考え方は持っておりません。

中島啓雄自由民主党

○中島啓雄君 ありがとうございました。まあこの辺は総理にも、よく補佐をしていただきたいと思いますが。  ちょっと話題を変えて、本年度の予算編成に絡んで、一月に「平成十七年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」というのを財務省で出されました。内閣府でもいわゆる「改革と展望」の参考資料という試算もございますので、ちょっとこれ、前提がいろいろ異なって比較がしにくいと、こういうことなんですが、財務省の試算も金利が二つございますんですが、これはどういうことなんでございましょうか。

上田勇公明党財務副大臣

○副大臣(上田勇君) お答えいたします。  今委員御指摘いただきましたように、財務省の後年度影響試算では、金利二%という想定のほかに、参考の試算といたしまして三%を想定したものでも財政の収支を計算させていただいております。  これは、平成十七年度の公債残高が五百三十八兆円程度になるという見込みの中で、こうした債務残高を踏まえれば、やはりその国債金利の上昇というのが財政に非常に大きな影響を与え得るというようなことから、その金利の動向を常に意識をしていかなければいけないという観点に立ちまして、この二%とする標準的なケースのほかに、三%と置いた場合についても計算をさせていただいているところで、提出をさせていただいているところでございます。  政府として、こうした点も十分踏まえた上で、持続可能な財政構造の構築に向けまして、まずは二〇一〇年代初頭の国、地方を通じた基礎的財政収支の黒字化を目指しまして、歳入歳出両面からのバランスの取れた財政構造改革、更に強力に進めていきたいと考えているところでございます。

中島啓雄自由民主党

○中島啓雄君 ありがとうございました。  金利一%の差で、財務省の試算でも二〇〇八年度の歳出が四・七兆円ぐらい違ってくると、当然三%金利の方が多いと。二〇一二年ごろには恐らく七、八兆というようなオーダーになると思いますので、今後の財政運営にとって利子の動向というのは非常に大きなファクターになってくると思いますが、金利をですね、内閣府は割と甘い計算をやっているんじゃないかと思うんで、金利を政策的にコントロールするということが簡単にできるのかどうか、ちょっとその辺の見解をお聞かせください。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 長期金利をどうコントロールしていくかということでございますが、これはやはり日銀総裁の専管でございますが、長期金利を簡単にコントロールすることができるのであれば、私は是非やってみたいと思いますが、なかなかそんなものではないと思っておりますので、私の立場として申し上げられることは、やはり国債の長期金利というものがございますから、その国債の長期金利がおかしくなるということは、つまり国債価格が下落するということでございますから、その国債価格をきちっと、国債に対する信認を維持して、そしてやっていくというふうに先ほどお答えをしたことに尽きるわけでございますが、その上で国債管理政策をきちっとやって、市場のニーズであるとか、あるいは国債の保有者層を多様化していくとか、そういうことをきちっとやって、国債に対する信認を確保していくというのが私のなすべきことではないかと思っております。

中島啓雄自由民主党

○中島啓雄君 時間が参りましたので、日銀総裁にお尋ねするのはもう省略させていただきますが、いずれにしても、金利というのは簡単にはコントロールできないということで、今後、プライマリーバランスを目指した財政政策をやっていくにしても、十分慎重な想定に基づいて計画し、将来、日本が安心と希望の持てる世の中になるように御努力いただきたいということを要望して終わります。  ありがとうございました。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 民主党・新緑風会の平野です。  今日は、主としてテーマを二つ設定させていただいております。一つは、政府は今、内需主導の緩い、緩やかな景気回復が行われているというふうに言っておりますけれども、本当にそれがどうか、本当にそうなのかということが第一点目。それから、平成十五年一月から十六年三月まで三十五兆円の介入がされていますけれども、あれは一体何だったのかということについて、二点目ということでテーマとして掲げております。  まず、一点目の内需主導の景気回復、これの意味なんですが、その前に、この内需主導の景気回復というのは本当かどうかということを検証する手段として、今日は、いわゆる貯蓄投資バランス、ISバランスということに着目しながらいろいろと議論をしていきたいなというふうに思っています。  そのISバランス、貯蓄投資バランスというのは一体何なのかということをまず冒頭分かりやすく、余り長く説明されても困りますので、分かりやすく、できるだけ短くちょっと説明いただければ有り難いと思います。

飛田史和内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部長

○政府参考人(飛田史和君) お答えいたします。  貯蓄投資バランスでございますけれども、日本経済全体の貯蓄額の総額から投資額の総額を差引きした額でございます。これは概念上、海外に対する債権の変動と一致するわけでございますけれども、具体的には、推計は両辺で別々にやりますので統計上の不突合が発生いたします。したがいまして、SNA上の恒等式といたしましては、貯蓄投資差額と統計上の不突合の和が海外に対する債権の変動というふうになっております。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 余り簡単過ぎて分かったかどうかちょっとあれなんですが、ありがとうございます。  資料1で、数字が細かくて目がちらちらしてくるんですが、最後行ったところの、いわゆる貯蓄投資差額の部分がプラスであれば経常収支プラス、貯蓄投資差額がマイナスであれば経常収支マイナスという、そういう御趣旨だったと思うんですが、右側にちょっと、式1、式2、式3と書いてありまして、その一番下に、「式1に式2、式3を代入」と書いてありますが、ここをちょっと読ませていただきますと、民間貯蓄引く民間国内投資、これが民間貯蓄投資差額と言われるものです。それから、政府収入と政府支出、この差額が政府貯蓄差額と言われるもので、これが合わさってプラスであれば経常収支はプラス、合わさってマイナスであれば経常収支マイナスという、こういう公式が成り立っているということですね。  さらに、この民間貯蓄投資差額なんですが、上の表で見ますと、これは内閣府の資料なんですが、三つに分けてあります。非金融法人企業、いわゆるこれは製造業が主体だと思います。それから金融機関、まあ銀行ですね。それから家計というふうになっておりまして、これが一九八〇年から、これは貯蓄投資差額ということでグロスの数字をずっと推移を示しています。  一枚めくっていただきたいんですが、それを対GDP比の比率でプロットしたのがこの表です。これも内閣府の資料であります。  そこで、この表を見ていろいろ感想を伺いたいんですけれども、その前に、内需主導の景気回復というのはどういう状態をもって内需主導の景気回復というのか、これをちょっと伺っておきたいと思います。

加藤裕己内閣府大臣官房審議官

○政府参考人(加藤裕己君) 内需主導、民需主導でございますが、民需主導という言葉は厳密な定義はございません。しかし、一般的には、GDPの経済成長率の中で個人消費や設備投資といった民間需要の増加寄与が相対的に大きいことを民需主導と言っております。  今回、二〇〇一年からの景気回復におきましては、民間企業設備投資等々が経済を牽引しておりまして、その意味では民需主導の経済回復となっていると考えております。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 今のお答えは、民需の中にも家計部門と、まず、企業がまずあるとすれば、企業の設備投資が増えていますよ、だからこれは民需主導だというふうに解釈したと、こういうことでしょうか。

加藤裕己内閣府大臣官房審議官

○政府参考人(加藤裕己君) 個人消費もわずかながら増えてございます。個人消費もですね。個人消費、民間設備投資、両方でございます。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 一番近いデータで結構ですから、個人消費というのはどれぐらい増えているんですか。

加藤裕己内閣府大臣官房審議官

○政府参考人(加藤裕己君) 暦年ベースでございますけれども、成長への寄与率で見まして、〇二年が〇・三、〇三年が〇・一、〇四年が〇・九でございます。これは寄与度でございます。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 ちょっとよく分かりませんでした。もう一回教えてください。

加藤裕己内閣府大臣官房審議官

○政府参考人(加藤裕己君) 経済成長への寄与度で換算してみまして、〇二年が全体でマイナス〇・三%経済成長の中で個人消費は〇・三の寄与をしております。プラスの〇・三ですね。それから、〇三年が一・四の経済成長率の中でプラスの〇・一の寄与度でございます。それから、〇四年が二・七%の経済成長の中で〇・九%が民間個人消費でございます。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 その程度の伸びで本当に個人消費が伸びているかどうかというのはちょっと疑問であります。  先ほどもちょっと、質問に戻りますけれども、この資料2、これは二〇〇三年までしか残念ながらデータがないんです。ないんですけれども、この表を見てどういうことが言えるか、これ財務大臣と金融担当大臣にお聞きしたいと思いますが、財務大臣からお願いします。何でも結構でございます。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 何でも結構とおっしゃられますが、これは長い間、要するに国際的に見ても、かなり高い家計の貯蓄率が最近では少しこれが高齢化の傾向でやっぱり落ちてきたんだろうと思います。それで、これが法人部門や政府部門の投資超過を補ってきたけれども、それが大分変わってきた姿になるなと。企業部門は、だけれども、今度はその体質が強まってきたというか、貯蓄超過になってきている。これも長い間の傾向と違うなというふうに思います。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) 今財務大臣からお話があったわけでありますけれども、これを見て金融行政上どう思うかということでありますが、この中には必ずしも表れていないのかもしれませんが、恐らく、委員のこうした御質問の背景の中に、政府は景気が回復をしてきているというふうに言っているけれども、金融機関の企業に対する貸出しというのは伸びてきているのかと、そういう点から見ると、やはり増加をしてきていないと、そこに対するやはり問題意識というものをしっかり持つべきではないか、そういう観点がおありではないかというふうに思います。  私どもも、こうした背景を考えた場合に、不良債権のオフバランス化が進展をしていく、あるいは債権が流動化していく、様々な要因がその背景にはあろうかというふうに思いますが、その一つの要因として、GDPに占める企業の貸出し等を含めたその貸出しの総額を見てみますと、七〇年代は大体七〇%であったものがバブルのときにこれが一〇〇%を超えて、そして現在は八二%ぐらい低下をしてきたわけでありますけれども、企業部門においては、やはりいまだ、借金を返していくと、そういうマインドといいますか、そういうスタンスというものがまだ維持されているんではないかというふうに考えますし、そうした中で、資金需要を本格的に回復していくということが今後の課題として私はあるんではないかというふうに思っているところでございます。  そうした現状の中で、金融面において大変重要なことは、金融をめぐるフェーズというものが、不良債権問題をめぐる緊急対応から、これからは、やはり利用者のニーズに的確にこたえた活力ある金融システムというものを構築をして、そして企業部門から生じる資金需要にやっぱり的確にこたえていく、そういう金融システムを構築していくことが極めて重要でありますので、そうした問題意識の中から金融改革プログラムを策定をさせていただき、その諸施策というものを着実に実施をしていかなければいけないと考えているところでございます。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 どうもありがとうございました。  今、金融担当大臣が言われた企業の部分なんですが、確かに、もうこれはこの図を見ますとはっきりしているのは、かつては貯蓄、家計部門の貯蓄過剰部分は全部企業に回っていたと。それが今、企業は銀行、金融機関からお金を借りなくなって、内部留保もしくは借金の返済に充てているかもしれませんが、貯蓄過剰になっているというそういう状況です。しかも、過去、最近二、三年の状況を見ますと、家計部門の貯蓄過剰の幅はちょっと狭まっていますが、家計部門、それから製造業、それから金融部門、この三つの、その三つですね、三部門が全部黒字なんですね。それから、あともう一つ大事なのは、政府系の赤字、これはもうこれからはもう増やせない。  そういう中で経済規模を維持しようと思えば、どうしても経常収支は黒字黒字になるんですね。経常収支の黒字というのは、ちょっと後でまたいろいろ出てきますが、これは貿易・サービス収支と基本的には所得収支の足したやつ、大きな要素はその二つなんですが、結局何かといいますと、経常収支が黒字ということは、要するに輸出が伸びなくちゃならないということですね。この図でどこを見て内需主導と言うんだろうかと。構造的に見たら、基本的に日本の経済というのはもう外需主導になっているんじゃないかと。だから、この企業が、企業も内部の、自分たちでもうファイナンスできちゃう。  それから、家計部門は、繰り返しになりますけれども、確かに今雇用者総報酬が減っている。それから、少子高齢化という中で高齢者の方々が自分の貯蓄を崩していますから、崩しながら生活している人も出てきていまして、こういう形で確かに貯蓄の幅は減っているんです。減っているんですが、今しばらくは三部門は多分黒字続くんですよ。じゃ、黒字はどこに行くかといえば、基本的にこれ輸出でサポートしなくちゃならない。  どこをどう見たって、繰り返しになりますけれども、内需主導の緩やかな回復なんていうのは言えないと思いますよ。どうでしょうか、政策統括官。

浜野潤内閣府政策統括官

○政府参考人(浜野潤君) 先ほど申しましたように、一般的には、実質GDP成長率に対する民間需要の寄与がどうかということで民間需要主導型というふうに申しております。それから、内外需別の寄与度を見て、内外需のどちらのウエートが大きいかということで内需主導かどうかということを見ております。そういうふうに申し上げたところでございます。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 念のために、内外別と言いましたけれども、じゃ、その内外のその数字をちょっと教えていただけます。

加藤裕己内閣府大臣官房審議官

○政府参考人(加藤裕己君) 先ほどの経済成長の関係で申しますと、〇三年に一・四%の経済成長をしまして、外需が〇・六、内需が〇・八でございます。それから、〇四年が二・七の経済成長で、一・九が内需、〇・八が外需でございます。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 数字的にはそういう数字だということなんですけれども、私は、日本の今の経済構造というのは、こういうふうなマクロ経済収支の観点から見ると、どうしてもやっぱり外需に向かっていかざるを得ないということだろうと思います。  それで、この間の本会議で、私はプラザ合意のことからずっといろいろ御質問させていただきましたけれども、私は基本的にこの外需に頼らざるを得ないという日本の経済構造というのは全く変わっていないんじゃないかというふうに思うんですが、これについて改めて、今日はちょっと総理いませんけれども、財務大臣と金融担当大臣に、これは通告申し上げておりませんが、感想で結構ですから、ちょっとお願いしたいと思います。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほどこの表を見て、それぞれの点線が何を意味するのか理解するのが精一杯だったものですから十分なお答えができないでおりますけれども、確かに、これを見ますと、国が最大の資金の取り手であって、企業部門もむしろ貯蓄過剰であると、こういうことになっているのは、私は、余りその図表の上ではっきり表れておりますので、ある意味でもう鮮明な、何か目の覚めるような気がしながら拝見させていただいたんですが。  ちょっと委員の御質問とずれるかもしれませんが、企業部門がこういうふうに貯蓄過剰になってきているということの背景には、いわゆる三つの過剰というようなものを克服してきたと、それなりに解消してきたということもあると思いますし、企業の収益構造が良くなってきたということもあって、いい指標ではないとは言えない面があると思います。  それから、やっぱり企業も、国際化の中で競争が激しくなりますと、やはり投資というようなものも、企業行動の中の非常に投資の効率性というのは大事な要素になってまいりますから、そういう意味では、こういう構造の中で企業が更に良い行動をしていくということもできる、全く否定的にとらえるばかりではいけないんではないかと思います。  その上で、先ほど申し上げたことを、国が最大の資金の取り手となっているというのは、この図表で見ますと、やっぱりバブルがはじけたころからずっとそういう構造が顕著になって、一九九〇年代の終わりごろから甚だはっきりしてくるわけでございますけれども、私どもが今構造改革ということで言っているのも、結局、国があるいは公的部門が余り資金の取り手である、取り手であり過ぎるという体制を何とかもう少しスリムなものにしていくことによって変えていこうとしているわけでございまして、これを見るとまだまだやるべきことは多いなと。ちょっとお答えになるかどうか分かりませんけど、そういうふうに感じております。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) 今財務大臣がお話しになられましたように、やはりここから読み取れるその一つのメッセージとしては、先ほどお話をさしていただいたように、企業部門としては、やはり今まで抱えてきた三つの過剰、これを是正し、解消していくための努力がされてきたと、そして、まだその努力というものを維持していかなければいけないスタンスというものが残っているということと、それと、先ほど少しお話をさしていただいたように、資金需要というものを十分に回復をしていく、そういう課題というものがあるんだということを私どもとしてやはり考えていかなければいけないのかなということを思っております。  こうした問題にやはり適切に対応していくためには、一つには、企業において、やはりこれからは中長期的に企業価値というものを高めていく、そのために積極的な設備投資でありますとか、あるいは雇用に取り組んでいると、雇用の増加に取り組んでいくということがやはり重要なことだというふうに思いますし、また政府といたしましても、これは私の直接の所管ではありませんけれども、知財戦略でありますとか、あるいはe—Japan戦略でありますとか、規制緩和でありますとか、需要創出型の構造改革というものを積極的に進めていく、攻めの構造改革というものを進めてこれからの日本の経済の成長基盤というものをしっかりつくっていくと、そのことが極めて重要でありますから、そうした諸施策というものを展開していくことがとても重要ではないかというふうに思っております。  さらに、金融行政的に言えば、やはり家計の金融資産の選択、この幅が広がっていくということが非常に重要でありますので、家計が安心して様々な金融商品やサービスというものが選択できるような環境を整備していくために金融行政としての取組というものをしっかり進めていかなければなりませんし、また、国債市場に見られるようなリスクフリーの市場だけではなくて、リスクの高い株式市場を始めとした各市場の活性化という問題も今後の日本経済の再生にとっては非常に重要なことでありますので、そうした市場の活性化に向けた取組というものを引き続き進めていくことが重要だというふうに思います。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 私、あとこの図見て一つ気になるのは家計部門なんですけども、いずれこれから高齢化が進むという中では、何年か、何年か先は分かりませんけども、貯蓄投資バランスがマイナスになってくる可能性があるということですね。そのときに日本経済がどういう状況になってるんだろうかということなんですが、まあこれはまた別途いろいろ機会を改めて議論をさしていただきたいと思いますが、そういう状況というのは日本経験したことないんですね、今まで。だから、そういったことも頭に入れたやっぱりマクロ経済運営といいますか、そういったものをやっていかなくちゃならないんじゃないかなという、そういう気が強くします。  それから、これ金融担当大臣にお伺いしますけども、企業が今貯蓄過剰になっている、この状況というのは一時的な状況なのか、それとも当分続くというふうに見るのか、これはどのような考え方を、御感想をお持ちでしょうか。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) 企業の設備投資の動向、これは経営判断によって左右されるところもございますので、私の立場として将来にわたる長期的な動向について確たることを申し上げることは困難だというふうに思っておりますが、先ほどお話をさせていただいたように、企業においてはまだやはり借金を返していくと、そうしたスタンスというものが維持されている状況だというふうに思いますし、また設備投資についても、やはり内部留保といいますか、手持ちのキャッシュフローの中で設備投資をしていくという傾向があるのではないかというふうに思っているところでございます。  しかし、そうした中でも、企業においてはやはり中長期的に企業価値を高めていくために積極的に設備投資に取り組んでいくと、あるいは雇用の増加に取り組んでいくということは極めて重要な課題であろうというふうに思っておりますので、そうした中で資金需要というものが創出されていく、そのことに対して的確に金融システムがこたえていけるように今後の金融行政というものを進めていかなければいけないというふうに思っているところでございます。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 私は、企業というのは一時やっぱり相当のお金を借り入れたと、で、大変な思いして借金をしているということから、もう場合によったらもう二度と要するに借金はしたくないと思ってるかもしれません。だから、そしてしかも、今金融担当大臣は明確な見通し示しませんでしたけども、この企業の動向がどうなるかによってこれから金融情勢変わって、金融行政が変わってくるはずなんです。企業がずうっとこのまま自分たちのキャッシュフローの中で要するに資金を調達、資金繰りをやっていくということであれば、じゃ銀行のお金はどこへ行くんだろうかと、地方の金融機関はどうなるんだろうか、そういうことを考えにゃいかぬわけですよ。だから、私はさっきの答弁はちょっと納得できないんですね。  これから五年後、十年後の、そのタームで資金繰りを考えたときにどうなるかということは、もう繰り返しになりますけども、これからの金融行政をいろいろ考える上において一つの有力な判断材料というよりも、判断した上で臨まなければならないということじゃないでしょうか、もう一度御答弁お願いします。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) だからこそ今政府といたしましては本格的な資金需要というものをこう回復していくために様々な構造改革に取り組んでいるわけでございまして、知財戦略でありますとか、あるいはe—Japan戦略、規制改革の取組というのは、正にそうした構造改革の取組だというふうに思っております。  例えばe—Japan戦略の中でブロードバンドの環境を国際的にも最高水準のものを実現をしていくという取組を進めてまいりました。このことによってデジタル家電という新しい市場が創出をされて、その中でニュービジネスやベンチャービジネスというものも起きてきたわけであります。  そうした中で生じる資金需要に対して金融システムというものが的確にこたえていくことが極めて重要でありますし、また、今まで金融機関というのは不良債権問題が企業経営にとって極めて大きな足かせになっていたわけであります。こうした状況から脱して、資本も含めて経営資源というものを利用者の様々なニーズに的確にこたえていけるような、そういう経営改革に向けての努力が今行われておりますので、私どもといたしましては、やはり利用者から見て非常に満足度が高くて、国際的にも高い評価が得られ、そして地域経済にも貢献できるような金融システムというものを実現をしていくために金融改革プログラムというものを昨年の十二月に策定をさせていただきましたので、このプログラムに基づいた諸施策というものを着実に実施をして、活力ある金融システムというものを構築をしていきたいというふうに思っております。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 まあいずれ前向きな資金需要が出てくるようなそういう政策をしたいというのは分かりましたけども、繰り返しになりますけども、これが本当にどれだけ続くのかということについては一定のやっぱり見通しを持ってやる必要があると思います。ただ、まあ多分持っておられるんでしょうけども、こういう場では言えないということなのかもしれません。  それで、ちょっと、これ、質問の内容を変えますが、これだけ企業が貯蓄過剰になっていますと、普通はやっぱり内部留保もたまってるはずですから株価がこれに反応するんではないかと思うんですが、どうも最近の株価の動きを見ますと、多少の変動はありますが、大体フラットで、この動きに対応した株価の動きになってないんではないかという気がするんですが、これは一般的な感覚というか感想で結構ですから、伊藤大臣、どのように思われるか。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) この株価の動向につきましてはもう様々な要因というものを背景として市場において決定されるものでありますので、株価の要因というものを特定をしていく、また、今の御質問の観点から株価というものをどう考えるかということをお答えするのは極めて困難ではないかというふうに思っております。  いずれにいたしましても、この株式市場というものを活性化していくために、私たちの視点からいえば、やはり市場の構造改革を進めていく、あるいは活性化を実現していくために今日までも様々な取組というものを進めてまいりましたので、その結果において、今個人の株主の方々が市場に参加をしていく、そうした傾向というものも強く現れてきたところでございますので、金融改革プログラムにおきましても、こうした金融資本市場の活性化、魅力ある市場というものをつくり上げていく、そうした認識というものを持ちながら金融改革プログラムを策定させていただいておりますので、その中の諸施策というものをしっかり実現をしていきたいというふうに思っております。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 今ライブドアが随分話題になっています。これはTOBじゃなくて市場外取引ということだったんですが、これは一般的に見ますと、私はこの株の、株というのはよく分からないんですが、一般的なあちこちの話聞きますと、企業に大分内部留保がたまっているよと。にもかかわらず、株価が要するに低く抑えられているという状況がありますと、TOBを仕掛けられやすいというようなことをよく聞きます。つまり、株を買って、それで株主総会に行って、内部留保が一杯たまっているじゃないか、配当もっと出せということで、配当を引き出せば株価が上がります。上がった段階でキャピタルゲインが出ますから、そこで株価を売って、それでそのキャピタルゲインを得るという、要するに外資が得意とする方法だということを言う方もいます。  実は、こういう状況というのはTOBが仕掛けられる状況に限りなくいい条件を作り出しているんじゃないかという感じがするんですが、そういう認識はお持ちになりませんか。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) 今委員が御紹介された議論があることは承知をいたしておりますけれども、株価の変動の要因をやはり特定していくということは困難ではないかと。その中で、例えば今委員が御指摘をされた配当性向を高めることが株価の上昇要因の一つとなる場合もあるものと、その点については考えられるというふうに思います。  しかしながら、どのような企業が買収されやすいのかといった点については、これは外資、内資にかかわらず、御指摘の配当性向だけではなくて、企業の手元流動性でありますとかあるいは株価水準、事業内容や業績等、様々な要素から判断されるものと考えております。  いずれにいたしましても、私どもといたしましては、株式市場の動向については今後とも十分注視をしていきたいというふうに思います。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 後で為替のときに図を使いたいと思ったんですが、資料4をちょっと見ていただきたいんですけれども、二〇〇三年、二〇〇四年の株価の推移の状況を見ますと、二〇〇四年というのは一万二千のライン上に出ていませんが、一万一千円ぐらいでしょうか、この水準を上下しているという、こういう状況ですね。片一方でその内部留保が増えているという状況の中で、私の質問はTOBが仕掛けられやすい状況になっているんじゃないですかという質問をしているわけです。そうでないというならそうでないというあれでもいいです、答えで結構です。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) 先ほどもお答えをさせていただきましたように、一つの要因をもってTOBが仕掛けられやすいか、やりにくいかということではなくて、様々な要因があるんではないかというふうに思います。  先ほど委員が御指摘をされたように、配当性向の問題だけではなくて、やはり企業の手元の流動性の問題でありますとかあるいは株価水準でありますとか事業内容や業績、様々な要素からやはり判断されるところがあるんではないかというふうに思っております。  いずれにいたしましても、私どもとしては市場の動向というものを注視をしていきたいというふうに思います。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 いずれ、つい最近まで持ち合い株とかと言われまして、お互いが株を持ち合ってまあ仲良くやっていきましょうという状況があったと。それが今いろいろな政策を通じて持ち合い株の解消がなされていまして、言わばこれからはだれが入ってきてもいいというような、そういう状況になってきているわけです。  そういう中でこういう企業部門の貯蓄過剰が進んでいるということは、やっぱりかなりのいろんな、これからの金融行政を考えるに当たって、あるいは証券行政考えるに当たって、重要な警告といいますか、十分注視して見なくちゃならない状況だと思いますよ。そこも多分分かっておられるんですけれども、なかなか返事を、答えづらいという話かもしれませんが。  それからもう一つ、これ通告していたかどうか分かりませんが、先ほど個人消費が若干伸びているという話がございました。これから雇用者総報酬も伸びれば個人消費も伸びるんじゃないかというような答弁もこの間の本会議でちょっとあったように思います。  だけれども、私本当に、雇用者報酬が仮に伸びたとして、個人消費が本当に伸びるだろうかどうか、伸びるのかどうか、私は本当に大きな疑問を持っています。何でかといいますと、やっぱり多少の余裕が出てきたらまた貯蓄に向かうんじゃないかと。だから、その一点においてもやはり内需主導というのは、少なくとも個人消費の部分には期待できないんじゃないかなという感じがしますし、それから、また繰り返しになりますけれども、三部門の貯蓄過剰が続く段階においては、私はやっぱり外需主導と言った方が実態により近いんじゃないかなということを最後に申し上げて、一点目のテーマを終わりたいと思います。  そこで二点目は、今の貯蓄と投資バランス上の結果出てくる経常収支の話に移っていきます。経常収支に絡めて為替取引の話にちょっと入っていきたいと思います。  それで、資料の3をちょっと見ていただきたいと思います。  これも、今日、大学の講義みたいで申し訳ないんですが、その表の中の経常収支と資本収支それから外貨準備増減というのがありまして、今までずっと経常収支の話をしてきましたが、この経常収支を軸に国際収支を見るといろんなことが、面白いことが出てきます。  そこで、まずこの経常収支と資本収支、外貨準備増減、プラス誤差脱漏イコールゼロというこの恒等式の意味について、荒唐無稽なんという説明はないと思いますが、分かりやすくこれも、素人、私も素人ですから、説明していただきたいと思います。

井戸清人財務省国際局長

○政府参考人(井戸清人君) 御説明申し上げます。  国際収支は、IMFの国際収支マニュアルに従いまして、複式簿記の原則に基づいて作成されております。したがいまして、一つの取引について同額を貸し方と借り方、この双方に計上しておるわけでございます。すなわち、対外資産の減少あるいは対外負債の増加、これはプラスと。それから、対外資産の増加又は対外負債の減少、これはマイナスの符号で記録されております。  もう少し具体的な例で申し上げますと、例えば、一億円の財を輸出いたしました場合には、実物資産の減少として経常収支にプラス一億円と、こう記録をいたします。同時に、輸出代金の受取を金融資産の増加といたしまして資本収支にマイナス一億円と、こういう記録をするわけでございます。  これ、今の資料3の恒等式で申し上げますと、この経常収支のところがプラス一億円、それから資本収支がマイナス一億円となりますので、必ず常に、まあネットアウトといいますか、ゼロになる形になっているわけでございます。  同様に、貿易取引、金融取引、それぞれにつきまして、経常収支、資本収支、外貨準備増減の間で必ずあらゆる取引がゼロになるように調整されますので、誤差脱漏を含めますと、この経常収支、資本収支、外貨準備増減と誤差脱漏の合計というのは常にゼロになると、こういう形になっております。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 その資本収支がマイナスになるという意味をお金の流れでいくとどうなるんでしょうか。  つまり、アメリカに一億円の輸出をしましたと。その支払代金の一億円は日本に残るのか、またアメリカに還流されるのかという、そういう、まあ問いが正しいかどうか分かりませんが、そのお金の流れからちょっと説明していただけますか。

井戸清人財務省国際局長

○政府参考人(井戸清人君) これ、なかなかマイナスになるというところが理解しにくい面があるんだと思うんですが、例えば、日本の企業なり個人が海外からお金を借りると、このお金が入ってきて、国内にその部分外貨がたまるという形になりますので、そういった意味においてこれを、お金が入ってまいりますが、マイナス、資本勘定ではマイナスという形で記録いたします。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 マクロ経済の教科書によると、経常収支の裏側に資本収支があって、経常収支がプラスであれば資本収支がマイナスという、ほかの要素がなければこの等式が成り立つというのは分かります。  ただ、結局、黒字ということは、その部分の出たお金が要するにどこに行くかということになると、国内に残るというわけじゃなくて、その部分はまた海外に出ていくというふうな理解でよろしいんでしょうか。    〔委員長退席、理事若林秀樹君着席〕

井戸清人財務省国際局長

○政府参考人(井戸清人君) 海外に出ていく場合もあるかと思いますが、例えば、この外貨を国内で、銀行、何といいますか、銀行が日銀に売却いたしますと、外貨準備の方が増えて、他方、国内の民間部門が持っている外貨が減ると、こういう形の場合もございます。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 それで、資料3をちょっと見ていただきたいんですが、これには一九九六年から二〇〇四年までの経常収支、これ経常収支は貿易・サービス収支と所得収支が大きな要素なんですが、内訳と資本収支、それで外貨準備増減ということと誤差脱漏ということの推移を示してございます。  ここで非常に特徴的なことは、資本収支は二〇〇二年までは赤字なんですが、二〇〇三年、二〇〇四年に黒字に転じるんですね。これはたしか一九八六年からこの統計を取り始めた、あるいは八五年だったかもしれませんが、統計を取って以来初めてのことなんです。しかも、この年に外貨準備増減のマイナス付いていますが、マイナス幅が非常に多くなっている。これは要するに為替介入がされたということなんですが、この資本収支が黒字になったというのは、分かりやすく言えばどういうことなんでしょうか、先ほどの話からいきますと。

井戸清人財務省国際局長

○政府参考人(井戸清人君) これは、先ほど申しましたように海外から資本が入ってまいりますとプラスになりますので、海外からお金が入ってきた、あるいは、若しくは海外、国内にあります銀行、民間部門が持っております外貨が減って外需が増えるという形になれば、当然ここの部分はまた黒字が、プラスが増えるという、これはなかなかちょっと理解しにくいかと思うんですが、IMFのマニュアル上こういう計算をするということになっておりますので、そういう計算を行っているわけでございます。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 何度聞いても分かりませんね。分かりませんけども、ちょっと話を進めます。  日銀の二〇〇三年の国際収支動向速報が出ています。この中に、二〇〇三年に、先ほど言いましたようにかなりの資本収支の黒字が出るわけです。で、こういう書き方しているんです。「資本収支は、外貨準備の増加に対応した非居住者の余資が本邦に対するその他投資や証券投資として流入したことなどから、現行公表項目での統計が存在する一九八五年以降」、一九八五年以降ですね、「初の黒字(ネット流入超)となった。」と書いています。  これはどういうことなんでしょうか。つまりは、先ほどのお話からすると、日本に対する投資がネットで増えたということで、そういう理解でよろしいんでしょうか。

平野英治日本銀行理事

○参考人(平野英治君) お答えいたします。  その前に、今、井戸局長が御説明をされました国際収支の恒等式に沿って二〇〇三年、先生がお配りになっておられます表の二〇〇三年、二〇〇四年で大体どういうことが起こったのかということを確認さしていただきたいと思います。  国際収支統計の恒等式によりますれば、二〇〇三年、二〇〇四年ともに経常が黒字なわけでございますが、その下で、御指摘のように外貨準備増減、これは大幅な赤字になっているということは、これは外貨準備が増えたということでございますが、大幅な赤字になりますと全体の収支じりは、これは定義によりゼロでございますので、資本収支が黒字になる必要があると、こういうことでございます。  こうした関係は、実は国境を越える実に様々な取引の結果として言わば事後的に成立する恒等式ということでございます。したがって、統計を構成する個々の勘定の間の因果関係を示すものではありません。  先生が今御指摘されました日本銀行の論文のくだりにつきましては、これは二〇〇三年中の外貨準備の動き、つまり外貨準備が大幅に増えたという動きと資本収支の動き、実は資本収支が黒字になったという動きに関する一つの事後的な解釈を示したものでございます。  つまり、非居住者が例えば本邦への投資のために円資金が必要になるわけでございますけれども、その円資金の調達方法については様々な経路がありまして、実はどこでどういうふうに調達したのかは分かりません。しかし、その一部と、つまり非居住者が本邦への投資のために必要とした円資金の一部と外貨準備の増加、すなわち本邦当局による円売りドル買いを通じた円の投入が対応しているという見方も実は事後的には可能ではないかということであります。  こうした可能性を踏まえまして、外貨準備の増加に対応したという表現を使わせていただいたわけでございます。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 今の答弁の後半の中で、為替介入の影響があったというふうな答弁だったと思うんですが、そういう理解でもよろしいでしょうか。それ全部じゃなくて、少なくともそういう影響はあったと。

平野英治日本銀行理事

○参考人(平野英治君) 先生にこれちょっと確認をさせていただきたいんですけど、影響があったというのは、資本収支の動きについて影響があったと……

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 そうです、そうです。

平野英治日本銀行理事

○参考人(平野英治君) 影響があったという点を因果関係としてとらえますれば、そこは必ずしも判然としないということだと思います。ただ、その動きといたしまして、例えばその外貨準備の増加、すなわちその介入の結果投じた円が外国投資家、非居住者の本邦資産を買うために使われた円に対応していたと見ることが可能であるということを申し上げているわけであります。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 そこで、今度は為替介入の話なんですが、平成十五年の一月から十六年の三月まで三十五兆です。三十五兆というお金は国家予算の半分近くです。それで、今までの為替介入はこの資本収支が黒字になるぐらいの、結果としてですね、黒字になるような、恒等式の結果として黒字になるようなところまでの介入はされていません。この二〇〇三年、二〇〇四年は、この間の本会議場でも質問しましたけれども、イラク情勢がどうのこうのとかいろいろありました。これは本当にどういう年だったんでしょうか。  繰り返しますけれども、三十五兆という金はもう本当に巨額です。もっと言えば、この三十五兆を何に使ったかといいますと、円を売ってドル買っているわけです。ドルを買ってそのドルはどこへ行ったかといったら、全部ほとんどアメリカの国債に行っているはずです。アメリカの財政のファイナンスとして使われているという、そういう面もあると思います。まあそれはちょっと後でまたやりますけれども。  この年に、その為替介入という一点から着目しまして、本当に何があったのか、なぜこれ三十五兆も必要だったのか、これをちょっと御説明できるでしょうか。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) まず、為替介入という点から申し上げますと、この間もあるいはお答えしたことだったかと思いますが、イラク情勢等のいわゆる地政学的リスクと言われたものが非常に喧伝されたときでもありました。それから、現在でもそういう面がございますが、当時はまた米国の双子の赤字というものがマーケットでも非常に注目されて、ナーバスな状況があったわけでございます。米国経済、当時の経済のいろいろな指標を見ましても米国経済というのは決して弱くないんですが、米国経済が強かったにもかかわらずこういったリスクが非常に強調されまして、思惑的なドル売りの動きが非常に強い状況でございました。  我が国の為替介入は、こういう動きが、デフレまだ克服できていない状況での悪影響を回避するために、そういう観点から行ったと。そのような思惑から日本経済を乗り越えさせようということで行ったということでございます。  それから、資本収支が黒字になったと、先ほどその介入とその資本収支の関係について平野理事も、御説明もなかなかデリケートな説明で、私も十分理解できたかどうか分からないんですが、我々はこのときに、非居住者の資金が我が国へ株式ないし中長期債を中心とする証券投資とかあるいは短期資金として大幅に流れ込んできた時期であったと、こういうふうに見ております。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 後半の部分、じゃそうすると二〇〇三年、二〇〇四年はどうも会社、日本の会社が突然良くなってきたと、そういう状況にもちょっと取れるんですが、まずこの質問は、まずこちらへ置いておきます。  まず、その三十五兆の介入のその意味なんですが、いろんな社会、世の中の、世界情勢でいろんな要素があったという御説明はありました。しかし、このときに、ドルは介入の当初は百二十円でした。しかし、資料の5を見ていただきたいんですけれども、二〇〇四年の三月まで、ここまで介入が続くんですね。特に二〇〇四年は、これはちょっと表が出ていませんが、一月から三月までたしか十五兆ぐらい介入しているはずです。  どうもこの図から見ますと、三十五兆も使って本当にこれ円高の介入の意味があったのかどうか。逆にこれ、三十五兆使わなかったら大変なことになっていたということになるわけですよ。だから、そういうことが先ほどの説明の中では何にも伝わってこないですね。何か投機筋の方で動きがあったとか、そういう話はありますけども。  もう同じこと何遍も言いますけれども、三十五兆ですから。三十五兆というのは、繰り返しますが、三十五兆のやつを日本からかき集めたんです。それで三十五兆分、今短期証券で今債務として残っています。ただ、これは国債の五百兆とかなんかのには出てきませんね。これは将来アメリカから返ってくるという財源見合いということで財投債、財投機関債みたいな位置付けになっちゃっているから、どこにも出てこない。だけれども、それが今回の予算総則で百四十兆円まで拡大されて、今九十何兆まで膨らんでいます。  政府の債務が五百何十兆って言いますけれども、この短期証券、為替だけで九十何兆の一応今債務が片っ方で計上されている。しかも、その中の三十五兆は一年と三か月ですよ。こういうことがなぜ説明できないのか。しかも、この為替の問題については、いつ介入するかというのは、これは突然今から介入しますと言って介入するわけじゃないですから、介入し終わったら後で報告されてきますね。で、終わってみて、ああ、こんなにやったのかということになっています。あと、先ほど言ったように、この百四十兆、予算総則の中で入っていますが、これ認められれば、まだすき間がありますから、いつ何どき十兆単位、十五兆単位の、十兆単位の介入をやってもそれは構わない。  しかし、これだけの金を使って、なぜこの三十五兆が使ったんだということについてはもうちょっと国民に分かるように、あるいは国民に、国会に分かるように説明してもいいんじゃないでしょうか。好き好んで、要するに何かこう、だてや酔狂で三十五兆も使っているわけじゃないでしょうから、これは相当の意味があるはずなんです。  で、ああ、いいです。まず、どうぞ。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) いや、一生懸命御説明しているつもりなんですが。  ちょうど委員からいただいた資料を見ていただきますと、二〇〇三年主要三通貨の推移、ドル・円ですね、この二〇〇三年の九月からたあっと円高に移っていく図になっておりますね。私が就任したのがちょうどこの辺りでございまして、当時ありましたのが、私の就任する直前でございますけれども、あれ、ドバイだったかな、ドバイでG7がございました。その前から若干、私は自分の就任前については余り細かなことは分かりませんけれども、その前から若干いろんな動きはあったようでありますけれども、やはりこのG7をきっかけとして、やはりアジア通貨というものに対して何かこう、世界じゅうでもう少し柔軟性を求める動きがあるんじゃないかというような感じが非常に強くなりまして、日本はやっぱりアジア通貨の中の尤なものでありますから、やはりそういう全体の思惑の背景にさっき申し上げたような地政学的な不安感というようなものがあった。これは主としてドルに対する不安感ということだろうと思いますが、そういうものがあり、それと同時に、そのアメリカの持っている言わば構造問題でありますけれども、双子の赤字という感じがあって、それがそういうものの調整にやはり為替が使われるんではないかというような思惑が非常にあったんだろうと私は思います。私がちょうど就任したときはそういう状況でございました。  で、極めてその動きが急な状況でございまして、それを手をこまねいていれば非常に、日本の当時の経済の状況に非常に有害な、何というんでしょうかね、急な動きが頻繁に起こるという状況であったということであります。  そういうその当時の市場の思惑的あるいは無秩序な動きに対して相場の行き過ぎを防いでその乱高下を抑制すると、こういう目的で対応したということであります。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 私は多分無理だろうと承知しつつ質問しているわけですけれども、要は、その三十五兆というお金が今までに比べても余りにも大きいわけです。それで、これまでずうっと円高ドル安という傾向が進んできました。先ほど来言っているように、一年三か月で三十五兆とお金を使ってもこの円高の傾向がまだ止まっていない。だから、その効果のほどはいかがなものかなということがまず一点と。  と同時に、大事なことは、三十五兆というのは、先ほどちょっと言い掛けましたけれども、日本からお金を集めて、それでドルを買っていますから、で、ドルを持っていてもしようがないからってほとんど米国債なんかに行っているはずなんです。これだけの、三十五兆の買いが入れば、それは当然アメリカも有り難いでしょう。向こうの、要するに米国債を発行したときの資金調達コストが、日本から三十五兆も買いが入りますから、金利が相当抑えられて物すごい有り難いはずです。だから、そういう目的でやったのかなというふうにも取れちゃうんです。  だから、この介入の目的と、介入の目的というのはあくまでも円高の進行の防止ですよね。それが何兆円が入ればどれだけの防止ができますという、それは関係式はないんでしょう。ないんでしょうが、過去の経験や推移に照らしてみれば、これだけの介入をやったというのは単なる為替の円高の防止、円高の進行の防止だけではないんじゃないかというふうに思えてきちゃうわけです。だから、それは先ほど言った、結果として米国債のファイナンスになったというのはそれは附属品でございますという形になるかもしれませんが、実はそういうことが目的ではなかったかというような感じが非常にしてくる。  それから、資料の4を見ていただきたいんですが、これは偶然の一致かどうか分かりません。先ほど来から日本の、先ほど来、先ほど非居住者の余資が本邦に対するその他投資や証券投資として流入というお話がございましたが、その結果かどうかは分かりませんが、これ、二〇〇三年の一月からこれ為替介入が始まっていますけれども、この二、三月ぐらいから株価が上がるんですね。これが介入とどういう関係があるかどうかは分かりません。介入と関係がございますかという質問をしたいんですけれども、それは答えは大体見えていますから、やめておきます。ただ、いずれこういう状況が出てきている。物の本によると、このころ小泉再選があったとかアメリカの大統領選があったとか、そういうことも言う人もいるんですよ。で、と言うかのごとく、この三十五兆というのは一体何だろうかということはずうっと付きまといます。    〔理事若林秀樹君退席、委員長着席〕  これ、繰り返しますけれども、この為替介入をやることのコストベネフィットということはさっきのような抽象的な話ではちょっと私は納得できないんですよね。ましてや、繰り返しに、これも先ほど言ったことの繰り返しになるかもしれません。米国債でやるということは、三十五兆円そのままもう塩漬けになってしまいますから、アメリカにずうっとそのまま預けっ放しです。当面、返ってくる当て、ないですよね。そういったことに対する、いわゆる、場合によったらその機会費用というか、それの損失もあるかもしれません。  そういったことを踏まえた上で、もう一度、その三十五兆使ったということを、答弁は同じになるかもしれないということを承知しつつ、もう一回財務大臣にちょっとお聞きしたいと思います。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) これは、市場がある思惑で投機的な動きを繰り返していくときにはいろんなことが起こり得るんだろうと思います。例えば、かつて我が国も一ドル七十円台に突入したこともございました。そういうような状況がもしあの当時、二〇〇三年から二〇〇四年にかけて起こっていたとすると、私は、明らかに日本経済の、あるいは、日本、ドルと円の関係から見ても、何というんでしょうか、ファンダメンタルズを完全に逸脱した形になって、現在もデフレを脱却できているわけではありませんけれども、デフレ脱却の努力に苦闘をしていた当時の日本経済には多分壊滅的な影響を与えたのではないかというふうに今も考えているわけでございます。  そういうことを阻止しようというのが当時の、円高を阻止するというよりかは、そのような思惑的な、つまり、先ほど平野さんはその後の図をお示しになって、結局、円高の傾向は克服できてないじゃないかと、それだけやったにもかかわらずと。私は、経済の実態とその為替の実態がある意味で連動していれば、それはそれほど問題ではないんです。問題は、あるときの思惑などで一方の方向にがっと行ってしまう、振れてしまう、そういうことが問題であると。それを回避するのがあの当時の目的であったと申し上げているわけであります。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 私は何とかしてその定量的な分析みたいなものが欲しいなという感じがずうっとしています。ただ、日銀の例の三十五兆の金融緩和も同じで、あれは量が意味あるのか、積み増しすることに意味あるのかという質問したんですけれども、あれもよく答えが返ってきませんでした。  どうも、この金融の世界というのは、私ら、通常、予算やるときは一円単位や千円単位でめちゃくちゃないろいろ詰めをしますけれども、こういう金融の世界に入りますと、数十兆単位がばこっと行っちゃうんですね。それで介入をやりましたと。それから日銀当座預金も三十六兆積み増したと。ああそうですかというんですが、そういう説明の仕方はこれは何とかやっぱり工夫してもらいたいですよね。繰り返しますけれども、扱うお金が本当に大き過ぎますよ、これは。  それで、あとちょっと話が、話題が、話題というか質問が変わりますけれども、アメリカの赤字、これずっと続きますと、単純に考えれば円安ドル高の方向性は、方向というか流れは変わらないということになると思います。今これは、この状況いつまで続くのかなということであります。この間G7で、G7でしたか、米国の双子の赤字が問題にされたというふうに報道されていましたけれども、アメリカはこの赤字の解消にどれだけ本気なんでしょうか。ちょっとこれも通告申し上げていなくて恐縮ですけれども、アメリカは、これは本当にやる気があるのかどうか、この辺についてのアセスをちょっと、評価をちょっとお願いしたいと思います。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) アメリカ政府当局のやる気と政策については私、国会で成り代わって申し上げる立場にはございませんけれども、今年の年頭の予算教書等を見ましてもなかなか、例えば年金改革の取組とか野心的な取組を出しておられまして、アメリカのいろいろな財政の構造を改革していくということについては極めて鮮明な姿勢を出しておられるんではないかというふうに思っております。

平野達男民主党・新緑風会

○平野達男君 いずれ、いずれといいますか、アメリカの経常収支あるいは国際収支の赤字を減らすということがこれは望ましいんですけれども、日本の立場に立てば単純に喜ぶわけにもいかない。日本が要するに内需拡大をしない限りは、アメリカの国際収支あるいは経常収支の赤字を減らされてしまいますと日本の経済もおかしくなってしまうという可能性もありますから。この構図は、だけれども本当にプラザ合意の当時の状況と同じですよね。本当に日本というのは何が変わって何が変わっていないのかというのをもう一回ここ二十年間の状況をやっぱり検証してみる必要があるんじゃないかということをちょっと感想として最後に申し上げまして、私の時間となりましたので、質問を終わらせていただきたいと思います。

西田実仁公明党

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。  私の方からまず、おとといだったでしょうか、銀行のカードの偽造キャッシュカードに対する提訴がなされました。公明党といたしましても、私も事務局長としてずっとこの対策に取り組んでまいりまして、訴えられた皆さんに、原告の人たちにも随分何度もお会いして様々なお話をお聞きしてまいりました。立法措置も含めて今鋭意検討しているところでございますけれども、ちょっと絞ってお話をお聞きしたいと思います。今金融庁さんの方でもスタディーグループで検討されているということでございますので、絞ってお聞きしたいと思います。  結局、被害者の方の最大の銀行に対する不信ないしは不満というものは、かつてと同じ約款にもかかわらず、かつては被害に遭っても補償しませんと。しかし、同じ約款にもかかわらず今はそんなことは言っていませんと、補償することもあるんですと。約款そのものは変わらないんですけれども、被害者に対する、偽造キャッシュカードの被害に対する補償の態度がまず過去と今と違うと。しかも、それが今度横に行きますと銀行によって違うと。こういうことが大変に、約款のロジックはほとんどどの銀行も金融機関も同じなんですけれども過去と今と違うと、銀行によって違うと、こういうことが被害者に大変な不信と不満を呼んでいるように思っておりまして、この同じ約款で違う対応を取っているという、その運用の中身が非常に漠としているというか柔軟といえば柔軟なのかもしれませんけれども、この点についてまず金融担当大臣からコメントいただきたいと思います。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) 委員はこの偽造キャッシュカード問題について公明党の事務局長として取り組まれているということを承知をいたしておりますし、過日も皆様方から要請を私どもも直接受けさせていただいたところでございます。  今、被害者の方々のその心情について御指摘がございました。約款が変わらないにもかかわらずその対応というものが変わってきていると、そのことに対して被害者の方々が大きな疑問を持っておられるという御指摘でございました。私どもといたしましても、この偽造キャッシュカード問題につきましては、やはり被害が発生した後、適切に対応していくことが重要だと。適切な対応も含めて偽造キャッシュカード問題に対する実効性ある対応を金融機関に求めてきたところでございますし、また委員御承知のとおり、一月の二十五日に全銀協においてはこの問題に対する申合せというものを発表されて、偽造キャッシュカード問題のその補償の問題も含めてその申合せがなされているわけでありますから、こうした申合せというものが実効性あるものになっていくように私どもとして期待をしておりますし、またその状況を今後とも注視をしていきたいというふうに思っているところでございます。  さらに、委員からも御紹介がございましたように、私どもといたしましては監督局内に専門家の方々に御参加をいただいてスタディーグループというものを設置をさせていただいて、今補償の問題も含めて精力的に御議論をいただいているところでございます。こうした御議論の結果も踏まえて、さらに私どもとしてこの偽造キャッシュカード問題に対する対応策を取りまとめて、その一つ一つを着実に逐次実施をしていきたいというふうに思っております。

西田実仁公明党

○西田実仁君 特に海外における事例も熱心にお調べになっていただいているというふうにお聞きしておりますけれども、一つだけ具体例として、例えばドイツなんかの場合は、基本的には責任は銀行が負うということになっているんですが、預金者に過失がある場合にはその限りにあらずと、こういうことで、過失が預金者にない場合、軽過失がある場合、重過失がある場合と。で、軽過失はこういう過失ですと、重過失はこういう過失ですというふうに、過失一つもいろんな、預金者により安心を与えるという意味で申しますとかなりきめ細かく、その約款の運用の部分ですけれども、決められてきていて、じゃ、こういうことはしちゃいけないんだなと、これしていれば安心なんだなという、こういう安心感を与えていると思うんですね。  こういうように約款が非常に、ロジックとしては決められていて、あとはそれぞれ運用がそれぞれ勝手にというか、その銀行によってかなり異なったり、あるいは時期によって異なったりというのは非常に預金者にとって分かりにくい、あるいはそこが不満になっている、不安になっていると、こういうことなのかなというのはちょっと今、正直思っておりまして、ここをどうするか。約款できちっと統一していくのか、統一的なルールを求めていくのか、それとも立法していくのか、この辺は私どもとしても熱心にまたやりたいと思っております。  時間も限りがございますので、次のテーマ、今日は二つほどお聞きしたいと思いますが、まず一つは、ペイオフ解禁を間近に控えておりまして、これまでのこの金融安定化のための施策が一つの区切りというか、総括をしなければならない時点に来ていると、こういうふうに思いますので、あえて確認をさせていただきたいと思います。  これまでこの金融安定化に向けまして金融機関向けに注入されました公的資金の総額と、そのうち既に国民負担として確定した金額、これについて当局より御説明いただきたいと思います。

佐藤隆文金融庁監督局長

○政府参考人(佐藤隆文君) 金融システムの安定化のために使われました公的資金でございますが、預金保険機構におきましてこの平成十六年三月末までに実施された資金援助等の状況でございます。  一つ目に、預金者等の保護のために行われました金銭の贈与、これが十八兆六千百六十二億円という規模でございます。二つ目に、破綻金融機関などからの資産の買取り、これが九兆六千四百八十三億円という規模でございます。三つ目に、金融システムの安定化のために行われました資本増強、これが十二兆三千八百六十九億円ということでございまして、四つ目に、その他の資金援助等ということで六兆一千五百三十九億円ということでございます。  このうち損失として確定をいたしておる部分でございますけれども、先ほど申し上げました金銭贈与十八・六兆円のうち、ペイオフコストを超える部分につきまして、預金の全額保護のためでございますけれども、このために行われました金銭贈与の部分に充てられました交付国債の償還、すなわち交付国債を使ったということでございますけれども、この額が十兆四千三百二十六億円ということでございまして、この部分につきましては既に国民負担として確定しているということでございます。

西田実仁公明党

○西田実仁君 この十兆というのが今確定している、これだけのコスト負担の見合いとして金融機関がどれだけ体質改善したのかということをやはり、先ほどの話じゃありませんけれども、十兆とかなりというか物すごい大きな額でございますので、国民に分かるように、この十兆がコスト負担になったことによってこんなに金融機関は強くなったというところをできる限り分かりやすく大臣に御説明いただければと思いますが。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) 委員から、これだけの公的資金というものを投入してそれが本当に有用に使われたのか、そのことについてしっかり説明しなければいけないと御質問いただいたわけでありますが、私どもといたしましては、この公的資金の投入を通じて、預金者の保護、あるいは我が国の金融システムの安定化、信頼の回復と、こうしたことに対して一定の役割を果たしてきたというふうに認識をいたしているところでございます。  また、公的資金の投入を含めたこれまでの金融機関の健全性確保に向けた様々な取組というものが行われているわけでありまして、こうした取組を通じましてリスク管理体制あるいは資産査定の信頼性というものは全体的に改善をしてきているというふうに思いますし、それを反映する形で我が国金融機関は全体として不良債権比率というものも低下をしてきておりますし、また自己資本比率というものも改善をしてきているんではないかというふうに思っているところでございます。  不良債権問題について見ますと、主要行につきましては金融再生プログラムの諸施策を展開をさせていただいてまいりました。十六年九月期におきましては主要行の不良債権比率が四・七%まで低下をしてまいりましたので、十七年三月期までに十四年三月期の不良債権比率に比べておおむね半減をさせていく、こうした目標を立てさせていただいたわけでありますが、その目標の達成に向かって着実に低下をしてきておりますし、その目標の達成が視野に入ってきているというふうに思っております。  また、地域の金融機関におきましては、リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムに基づいて、中小企業の再生と地域経済の活性化、そして同時に不良債権問題を解決をしていくということで様々な取組が展開をされているところでございますけれども、地域金融機関、中小金融機関全体を見ましても不良債権比率というのは全体的に低下をしてきておりますし、また自己資本比率というものも改善をしてきておりますから、全体として見ると進捗をしてきているというふうに思っているところでございます。  金融庁といたしましては、引き続き、こうした取組というものに全力を尽くしてまいりたいというふうに思いますし、より強固な金融システムを構築をしていくために努力を続けていきたいというふうに思っております。

西田実仁公明党

○西田実仁君 次に、ライブドア、フジテレビ並びに西武鉄道のいろんな不正事件について、私としては、やはり様々な法の不整備を直していくということ大事ですけれども、より根本的にやはり企業の透明性をいかに高めていくかということが主題になってくるんではないかというふうに思っております。  その際に、例えば大株主の公開義務につきましては、今上位十社、十位まで公開する義務付けされておりますけれども、例えば、この大株主をもっと三十位まで公開していくというような透明性を高めていく、あるいは先ほど大臣おっしゃった家計の選択の幅を広げる、あるいは各種市場の活性化をしていくと、こういうことを考えたときには、一つ懸念されているのは、個人情報保護法がこの四月一日から導入をされるに当たりまして、役員の履歴その他が個人情報に当たるとして、これを盾にして、個人情報保護法というものを盾にして、個人株主から抗議されたら対応できないと、こういうふうにして情報公開渋るような企業も公開企業にもかかわらず出てきているというふうに報道の現場からも聞いておりまして、ちょっと時間もございませんので、あわせて、今お聞きしております大株主の公開義務の話と、それからこの個人情報保護法と企業の透明性確保と、この点についてまとめてお答え願います。

七条明自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(七条明君) じゃ、私の方から先に、前段に、上位十社までの公開を上位三十社までと、こういうようなお話でございましたから。  これにつきましては、上位各大株主の情報開示を求めるについては、投資判断資料となるべく多くの大株主の情報の開示を求めるべきことが指摘される、あるいはその一方で、所有株数が非常に少ない株主についてまで個人情報を開示することが適当でないというような見方の二通りの見方が出てまいりますものですから、そのバランスを考慮していわゆる十名程度とすることが開示の適当であろうと。そういう形で大株主の数を拡大することについては慎重に考えなければならないと。  後段については、大臣の方からお答えいただきます。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) 個人情報保護とそして企業の情報開示の関連についての御質問いただいたわけでありますけれども、個人情報の保護ということは、これは極めて重要なことでありますので、そうしたことに配慮する必要があるということは当然のことだというふうに思っておりますが、一方で、有価証券報告書において重要な情報を開示をすることが求められているわけであります。こうした情報というのは現状において投資者の投資判断において極めて重要な情報であると広く認識をされているものでありますので、私どもといたしましては、引き続き、証取法令に基づき適切な開示というものを求めてまいりたいというふうに考えております。

西田実仁公明党

○西田実仁君 この役員の履歴その他が個人情報に当たるとして情報を、この四月一日からこういう厳しくなるということで、それを盾にしてこういう企業の中で、報道の現場からお聞きしますと、先ほどおっしゃった公的資金が一番入っている金融機関がこうしたことに対してやや、余り根拠の薄弱な守秘義務みたいなものを持ち出して情報公開にいま一つ渋るところもあると。すべてがそうとは言いませんけれども、金融機関の中にはそういうところも見受けられると、こういうことを現場の方からも聞いておりまして、最後一言、大臣から、特に金融行政を担当されるところでの情報開示と、一般的な企業の情報開示のお話ありましたけれども、特に金融機関ということについてコメントをいただきたいと思います。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) もう金融機関はやはり非常にその業務の公共性の高いものでありますので、こうしたことにかんがみれば、健全性や持続可能性について国民の皆様方の十分な信頼を得ていくことが不可欠であるというふうに考えております。  そのためにも、一般企業に比べてより充実した情報開示というものを促進していく必要がありますので、私どもといたしましては、銀行法令等におきまして金融機関がその業務及び財産の状況を十分に利用者の方々に開示することを義務付けているわけでありますので、こうした義務付けに対してしっかりとした適切な対応をしていただいて、そしてさらに、利用者の方々から見て、預金者の方々が見て、やはり分かりやすく丁寧な情報開示というものが非常に重要だというふうに思いますので、そうした観点から情報開示がなされるように私どもとしても努めてまいりたいというふうに思います。

西田実仁公明党

○西田実仁君 終わります。  ありがとうございました。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 二月の二十八日に全国銀行協会が全国紙に全面使った意見広告を出しました。「郵政民営化にあたり、私たちは「公正な競争」が行われることを望みます。」という、この一面のやつですけれども。  私、これ見て、変なことを言うなあといいますか、よく言うなあと思っているんですけれども、いろんなこと書いてあるんですけれども、要するに郵政民営化についていろいろ言っているわけですけれども、官業ゆえの特典は見えない国民負担に支えられていますとか、郵政事業は何か経営上の問題が起きても政府が必ず救済してくれるという期待が生じて、それが公正な競争を阻害しているとか、万一郵政事業、郵貯とか簡保がですね、万一経営困難な状況に直面した場合、金融システム安定化や健全な保険制度の維持などのために莫大な国民負担が生じる可能性がありますと。こんなことを全国銀行協会が一面広告で出しております。  私は随分好き勝手なことを言っているなと思いますが、大臣、いかがお考えですか。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) そうした意見広告がなされたことは承知をいたしておりますけれども、それぞれの意見につきましては全国銀行協会の中で御議論されて、その判断の中で意見広告がなされたということだろうというふうに思いますので、そのことに対するコメントは差し控えさせていただきたいというふうに思いますが、今政府といたしましては、郵政民営化に向けて郵政民営化準備室を中心に詳細な制度設計というものを与党の皆様方と御議論をさせていただきながら進めさせていただいているところでございます。  その中に当たって私ども金融行政とすれば、民間金融機関とのイコールフッティング、あるいは金融・資本市場に対する影響、こうした金融行政の観点から適切に対応していきたいというふうに思っております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 私は、今日は郵政民営化について議論するつもりはありません。こういうことを言う資格が銀行にあるのかという点でございます。  お手元に資料をお配りいたしました。「主要行の自己資本の内訳試算」ということです。これは、要するに大手行をまとめて見ますと、自己資本比率、自己資本の中に何が占めているかというと、もう見てもらったとおり、公的資金漬けになっていると、偉そう言うなと、自ら何だという点の資料でございます。  ちなみに経過を申し上げますと、これはずっと日銀さんがこういう資料を出してこられたんですね。どういうわけか去年辺りから、私この問題三回、四回取り上げていますので、出されなくなりまして、それで独自に試算をした数字でございます。計算方法は間違いないと思いますので、数字も確認してありますので間違いない数字でございます。  こういう状況にもかかわらず、自分たちのことを棚に上げて、国民負担生じますとか、面倒を見てもらっています、郵政事業のことを言うと。そういう点を、私は、もうこんなことを言う資格ないし、天につばするような話だし、自分たちのことを棚に上げている話だと。こういう点からいくと、私はこの広告はまずいなと思うんですが、大臣、もう一言お願いします。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) これは、先ほどもお答えをさせていただきましたように、全銀協の中で様々な議論があり、そうしたことを踏まえて郵政民営化の問題に対して意見広告として出されたものだというふうに承知をいたしているところでございます。したがって、そうしたことに対して私ども行政としてコメントすることは差し控えさせていただきたいというふうに思います。  いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、金融システムの健全性というものを確保していくことが極めて重要なことでありますし、また資本増強行に対しまして経営健全化計画というものが着実に履行されて、そして公的資金の返済というものが確実に確保されるということがとても重要なことでありますので、こうした経営健全計画に対する適切なフォローアップというものをしっかりやっていきたいというふうに思っております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 まあ、大臣なんですから、そんな気の弱いこと言わないで、やっぱりこういうことは良くないですよと、身のほどをわきまえた方がいいですよと注意されるべきだと思います。  この中身が問題でございまして、これは民間資本の部分について内訳わざわざ載っけておりませんが、例の不良債権処理のときには予算委員会で問題にいたしましたし、問題になりましたあの税の、例の税金の繰延資産ですね。  これ入れていませんけれども、ちなみにそれを申し上げますけれども、税の繰延資産が、例えば〇四年九月のときに七・八兆円民間資本があると書いてありますが、実はこの中身も五・二兆円が税の繰延資産でございます。それだけで三三・八%占めます。つまり、純粋な民間資本というのは、自己資本というのは二・六兆円にすぎないんですね。これは一六・八%でございます。だから、十五・四兆円の自己資本があるといって何か胸張って言っているようですが、中身はひどいもので、公的資金漬けになっているし、税の繰延資産という、そういう計上で、決算上の話で、がかさ上げしていると。純粋には二・六兆円しか民間資本がないというのが今の大手行の実情でございます。  つまり、このことは、四年前、三年前ですかね、日銀の当時の速水総裁と質疑をさせていただきましたけれども、速水総裁も、これは非常に、何といいますか、日本の大手行の自己資本比率は八%を超えて何%だという胸を張れる話ではないと。アメリカ並みの計算すると、例えば税の繰延資産を、まだ五年計上になっていると思いますけれども、これは検討するとなっていますが、これ例えばアメリカ並みの一年でやったらがくっとこの自己資本が落ちるわけですね。正にもう、何といいますか、日本の大銀行大丈夫だと言えるような状況では全然ないというふうに思います。  そういう点でいきますと、さっきの協会のことおいといて、この自己資本の中身そのものですね、大臣としてどういうふうに評価されますか。

伊藤達也自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(伊藤達也君) 今御質問の点は、私も、もう一年半ぐらい前ですか、二年前ですか、副大臣のときに、委員が竹中大臣やあるいは当時の日銀の方々と御議論されていたということを記憶をいたしております。  そのときにも、委員のこの御資料、それぞれの数字はもう極めて正確だというふうに思いますが、例えばこの民間資本の定義については、その全体から公的資金を引いた上でというような御議論があったり様々な議論があることは承知をいたしておりますけれども、繰延税金資産の問題についてまずお話をさせていただければ、主要行の平成十六年九月期における自己資本額に対する繰延税金資産の割合というものは一八・四%になりまして、これは十五年三月期の三一・三%からは低下してきているものと承知をいたしております。  速水総裁との御議論も今踏まえて御質問いただいたわけでありますけれども、私も竹中大臣の下で金融再生プログラムを策定をさせていただきましたときには、やはり不良債権問題を解決をしていく、そして日本の金融システムに対する信頼というものを回復していくためには三つの点が重要であろうと。その中の一つとして、やはり資本を充実をしていくということを掲げさせていただきました。さらに、厳格な資産査定、そしてガバナンスの向上というものが重要である、そうしたことを中心に金融再生プログラムの諸施策というものを展開をさせていただいてきたところでございます。  そのことによって、先ほども少し答弁をさせていただきましたけれども、主要行としての不良債権比率というものは低下をしてまいりましたし、半減目標の達成に向かって順調に推移をしているというふうに考えているところでございますし、また先ほど答弁をさせていただきましたように、繰延税金資産も、これは不良債権処理をしていくと、今のその税の仕組みの中ではどうしてもこの繰延税金資産が膨れてしまうわけでありますが、資本の充実という取組を進める中で繰延税金資産というものも着実に低下をしている状況にあるのではないかというふうに思います。  そして、今日までその収益や資本というものをその不良債権問題を解決をしていくために使ってきたわけでありますが、この不良債権問題から脱却すると同時に、こうした収益や資本というものを利用者のニーズに合わせた形で金融商品やサービスというものを提供していく、そのことに使っていくことができるわけでありますので、そうした中で、利用者からの満足の高い金融機能というものを遺憾なく発揮をしていただきたい、そのことを期待をいたしているところでございます。  資本につきまして、やはりその基本的な方向性というものは、利用者の方々のニーズにこたえることによって収益を上げて、そしてそのことによって資本を充実していくというのが基本的な方向性であろうかというふうに思っておりますので、そうした方向に向かっての経営努力がなされていくことを重ねて期待をしたいというふうに思っております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 もう今日は時間がありませんので、またこれの続きをどこかでやりたいと思いますが、ともかく、公的資金早く返せと、返すまで余り偉そうなこと言うなということを是非伝えていただきたいと思います。  質問を終わります。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 私、日米合同委員会の環境分科委員会の活動についてお伺いいたします。  まず、せんだって、質問主意書を提出いたしました。これは在日米軍から排出される廃棄物の処理及び環境調査にかかわる質問主意書なんですが、その答弁書の中で、合衆国軍隊に係る環境問題が生じた場合には環境分科委員会の枠組みを通じて適切に処理してまいりたいというその答弁がありましたが、まずこの分科委員会はどのくらいの頻度で問題を話し合っているのか、最初にお伺いいたします。

福井雅輝環境大臣官房審議官

○政府参考人(福井雅輝君) お答えいたします。  環境分科委員会は、平成十二年九月の日米安全保障協議委員会において発表されました環境原則に関する共同発表におきまして、日本における在日米軍施設及び区域に関連した環境問題等について協議するために定期的に開催されるということになっております。環境分科委員会は、現在原則として四半期に一回開催されているところでございます。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 今、委員会の、年四回ほど開催されているということなんですが、それでは、米軍の環境問題を適切に処理する組織として期待されている日米合同委員会に対してですが、それについて沖縄県当局は、二〇〇三年の九月の一日に、鉛汚染問題に関連して、沖縄本島中部の具志川市に所在しておりますが、キャンプ・コートニーへの立入り申請を行っておりますけれども、一年半を経過いたしましてもそこに入れるという回答がないのですが、どうしてでしょうか。

谷川秀善自由民主党外務副大臣

○副大臣(谷川秀善君) ただいま委員のお示しの件につきましては、県が同水域で実施を希望いたしております調査の具体的な実施方法や調査結果の評価方法等につきまして検討が必要でございます。現在、各省庁と協力しつつ日米間の調整が行われているところでございます。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 今お答えございましたが、実はこの地域におきましては、実際に地元の方々がこの海域から例えばモズクを採取したり魚を取ったりということで、具体的に県民の食卓に上っている食材が取られております。ですから、鉛の汚染などを考えていきますと、早急にここは調査する必要性があるということで御質問をしたわけでございます。  次に、米軍のごみ問題についてなんですが、現在、沖縄には米軍の施設が日本全国の七五%所在しておりますけれども、こういう地域から出されるごみに関しては日本環境管理基準、これは在日米軍司令部が発行しておりますが、それが九五年に発行されて、これまで大体一年ないしは三年ごとに改定が行われておりまして、一番最新の改定版が二〇〇四年の八月に発行されています。  この日本環境管理基準、通称JEGSと言われておりますが、それで規定されているごみの種類は、例えばその資料の第六章には有害廃棄物、それから第七章には固形廃棄物、それから第八章には医療廃棄物、そういう管理をするようになっているとの紹介がございますけれども、この三つのカテゴリーに含まれない、軍事訓練などから出る廃棄物もあるのかどうか、お伺いいたします。

福井雅輝環境大臣官房審議官

○政府参考人(福井雅輝君) 在日米軍における環境保護及び安全のための取組につきましては、在日米軍が作成する日本環境管理基準、JEGSに従って行われております。また、JEGSによれば、排出されるそれぞれの廃棄物の性状など、つまり有害でありますとか固形でありますとか医療系でありますとか、そういった性状等に応じた処分の規定が定められているというふうに理解をしております。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 今の御答弁ですと、例えば軍事訓練などから出る薬きょうなど、そういうものをきちんと管理する、調査するということはその中には入っていないのでしょうか。

福井雅輝環境大臣官房審議官

○政府参考人(福井雅輝君) 今申し上げましたことでございますが、若干補足いたしますと、排出が軍事演習によるかとか、あるいは米軍の事務所であるか一般家庭であるか、そういったものかなどという区分ではなくて、性状等に応じた区分で定められているということでございます。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 繰り返しになりますけれども、先ほども申し上げましたように、例えばそういう米軍の演習などで実際に出ております海岸に、キャンプ・コートニーなどに、海の方にあるこの薬きょうなど、実際にその鉛汚染があるのではないかというその住民の不安もあるわけで、具体的にそういう、今紹介されましたように、例えばこの有害廃棄物の中で、固形廃棄物や医療廃棄物などもある中にこの米軍の演習などから出てくるような薬きょうなどの廃棄物も実際に入れていただきたいわけですが、軍事訓練に伴う廃棄物は具体的にどのように処理されているのか、これは産業廃棄物になるのかどうなのか、お答えをお願いしたいと思います。

福井雅輝環境大臣官房審議官

○政府参考人(福井雅輝君) 軍事演習に伴い発生する個々の廃棄物が具体的にどういう処理をされているかということについては国としては把握しておりません。  ただ、この先ほどの三つのカテゴリーにつきましては、JEGSの文面から見ます限り広く定義されておりますので、すべての廃棄物はこのいずれかに含まれているものというふうに考えられております。実際の運用については私ども把握しておりません。  なお、その在日米軍から排出される廃棄物につきましては、基地内で処分されるもの、また基地外で処分されるもの双方があると考えられます。  いずれにしましても、産業廃棄物又は一般廃棄物として適切に処理されているものというふうに理解しております。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 なぜ繰り返しこういうことをお伺いしているかといいますと、今適切に処理されているというふうなことをおっしゃっていらっしゃいますが、実際、今沖縄県では第三セクターによる廃棄物の処理センターを設置するということで、平成十六年度以内にこの基本構想を策定するということで調査をしておりますが、ところが、その中で、実際に米軍の方から廃棄されてくるこの廃棄物が実はかなりの分量を占めておりまして、例えば、この委員会での最終報告で危惧しておりますのは、在沖米軍のその施設や区域から排出されてくる廃棄物が年々増加の一途をたどっておりまして、沖縄県環境整備課によりますと、平成十四年度の四月から平成十五年の三月まで在沖米軍基地から排出された生活系廃棄物は三万三千九百六十三トン、それから産業系の廃棄物が五千百七十一トンというふうになっておりまして、この廃棄物の数字は県民一人当たりの約二倍に相当しております。  その排出量もさることながら、それにも増して問題なのは、米軍施設における廃棄物の収集やその運搬及びその処分の方法だということで、実際にその委員会から出されていることに関しましては、これは米軍が分別は行っていないということで、そのリサイクルが困難な上に、それから最終処分においても大量の廃棄物が搬入されると予測されるわけです。  それで、沖縄県のその環境整備課では、基本構想の策定中の廃棄物の処理センターに搬入される廃棄物は年間五千八百トンと推計しているわけですが、この量は、現在の廃棄物が適正に分別、リサイクルされた上での最終残量として、分別されなければ当然のように量は増えますし、最終処分センターのその容量を危ぶむという状況の中で今私、伺っているわけです。  実際に今分別されているとか、あるいは適正に処理されているとはおっしゃっていらっしゃいますが、具体的にこうやって数字を挙げていきますと、県の環境管理計画にもかなり支障を来すような状況であります。  その件に関しまして、実際に日本の循環型社会では政府もしっかりといろいろごみの処分に関しては取り組んでいるわけですが、米軍のこの分野においてどのようにこれから協力が得られるのか、是非御所見をお伺いしたいと思います。

福井雅輝環境大臣官房審議官

○政府参考人(福井雅輝君) お答えいたします。  JEGSにおきましては、廃棄物の分類、収集、運搬、保管、処分等にかかわる基準が定められております。また、合衆国軍隊における環境問題が生じた場合には、環境分科委員会の枠組みを通じて適切に対応してまいりたいというふうに思っております。  それで、循環型社会に向けての取組でございますけれども、在日米軍に対しましては、今後とも、循環型社会に向けての取組をこれまでも紹介をしたりしてまいりましたけれども、これを続け、廃棄物の更なる減量化に向けて一層の理解を求めてまいりたいというふうに思っております。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 今お答えがございますけれども、実際には米軍から排出される廃棄物ですね、地元のその業者と契約を取って廃棄物を出していますけれども、実は三年ほど前から現場調査をしておりまして、調査に行きましたら、明らかに医療系のごみであるというものが普通の産業廃棄物と一緒くたになった状態で排出されているという現状もございますので、実際にきちんとその分別をされたりあるいは排出されていく先のこの処分の方法に関してきちんと指導されているというふうには思えないんですね、現実的に。  ですからこういうことを、是非、地元沖縄におきましても、もちろんチェック機能である私たちは、機能して、調査してまいりますけれども、是非国におきましても具体的に、あのJEGSの中にも書いてありますように、きちんと排出された、分別しているもの、あるいはまた分別されていないそのごみの行方についての監視活動といいますか、それをきちんとしていただきたいのですが、その件について御所見を伺います。

福井雅輝環境大臣官房審議官

○政府参考人(福井雅輝君) 環境分科委員会におきましては、日本で新しい環境法令ができましたときにはその内容を逐一米側に紹介するとか、あるいは環境行政の中で重点と思っていることを逐次紹介するということを今後引き続きやってまいりたいというふうに思っているところでございます。  いずれにしましても、この問題も含めまして、環境問題が生じた場合には環境分科委員会の枠組みを通じまして対処してまいりたいというふうに思っております。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 次に、このごみの減量のために、地方自治体ではきちんとそのごみ処理が有料化されています。例えば、ごみ袋を購入したり、あるいは大型廃棄物の処理費用、その費用などは排出する側が負担していくという状況ですが、米軍の基地から出てくる一般ごみの処理費用、これ日本国内と同様に個人が負担するものなのか、あるいは日本政府の思いやり負担で負担をしているのかどうか、お伺いしたいと思います。

土屋龍司防衛施設庁業務部長

○政府参考人(土屋龍司君) お答えします。  現在、防衛施設庁におきましては、地位協定の範囲内又は特別協定に基づきまして、在日米軍駐留経費負担としまして提供施設整備費、これは基地内の家族住宅とか庁舎を造る費用でございますが、それから労務費、これは駐留軍従業員の給与等の経費でございます。それから光熱水料費、そのほか訓練移転費を負担しているところでございます。  今、先生御質問のごみの、廃棄物の処理費用でございますが、在日米軍駐留経費として廃棄物の処理費用を負担しているということはございません。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 それでは、一九七三年に日米合同委員会の合意で「環境に関する協力について」という合意文書が出ました。これ二〇〇三年の一月二十三日に日米地位協定室より公表されましたが、この合意の趣旨についてどのようなものであるかをお伺いいたします。

谷川秀善自由民主党外務副大臣

○副大臣(谷川秀善君) 御指摘の日米合同委員会での合意は、米軍施設・区域から発生をいたします環境汚染に関しまして、国や地方自治体が米軍現地司令官に対して調査、報告を要請するための手続や汚染場所への立入り視察やサンプル入手を申請するための手続を規定したものでございます。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 今、具体的に調査して基地内に立入りができるというこの合意文書ですよね。  私、今手元の方に持っておりますけれども、これは実は、環境問題に対する意識が高まりつつあることを踏まえて、日本国政府と米国政府の共同責任を認識し、地位協定により提供された施設・区域を米軍が使用する際に生じ得る汚染について適切な注意を払い、相互に満足し得る解決を見いだすことは両政府にとっての利益となる、米軍としては汚染のない社会の構成員となる意思があるということで、この関連で、原則として汚染の問題が下記の手続に従い地元のイニシアチブを通じて解決することを趣旨とするというその中に、実際に米軍がその返還された跡地に対して、具体的な例を申し上げますと、北谷町の、沖縄県中部の方にございます北谷町というところがございますが、そこのキャンプ桑江の北側に、平成十三年の三月に返還された場所なんですが、その返還後に有害物質のPCBやそれから銃弾などが見付かり、そして油臭もある土壌汚染が確認されたわけです。これは、その地域において事前に返還される前に、実はその調査をさせてくれという……

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) 糸数慶子君、時間を過ぎていますので、簡潔にお願いします。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 はい。  申出があったわけですが、実際にこれが調査されずに返還されました。返還された後に、この環境調査の必要性があるということで、今、政府の対応においては、実際に合意文書に違反しているのではないかと思いますが、その件についてお伺いいたします。

谷川秀善自由民主党外務副大臣

○副大臣(谷川秀善君) 今先生の御指摘の点でございますが、日米地位協定第四条第一項におきましては、米側が施設・区域の返還に際し、これを提供されたときの状態に回復し、またその回復の代わりに日本に対し補償する義務を負わない旨規定いたしておるところでございまして、その点につきましては具体的に現在どうなっているか、今のところ、私、省としては承知をいたしておりません。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 時間もありませんが、一言言わせていただきます。  実際には法律上では今の地位協定の中でしっかり合意されているということですが、やっぱりその土地を使った米軍にとって本当に使い捨て、後はもうどうなってもいいという状況で、使用後に発見されたという、返還後に発見されたという状況をそのまま残してしまう状況では、やっぱり地域の住民のこれからのその土地利用に関しましても、返還された跡地の不安が残るものでございますから、是非今後はやはり返還前の基地内の立入調査、特に環境面においては御配慮をいただきたいということを強く要望したいと思います。

谷川秀善自由民主党外務副大臣

○副大臣(谷川秀善君) ただいまの御要望、十分念頭に置いて今後処理したいと思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) 以上をもちまして、平成十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち金融庁、財務省所管、国民生活金融公庫、日本政策投資銀行及び国際協力銀行についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府計量分析室長大守隆君外八名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) 平成十七年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

若林秀樹民主党・新緑風会

○若林秀樹君 民主党・新緑風会の若林でございます。  冒頭、やや骨太の政策をちょっと議論していきたいなと思います。  目指すべき国の姿、そしてその財政運営はどうするかということで、今日、お手元にカラフルな資料を三枚ほど用意をさせていただきました。非常に秘書が一生懸命徹夜をして作っていただいたということで、私のオーダーが厳しいんですけれども、きちっと作っていただいたということで、これは院内のテレビの方には見れないわけですけれども、こういうものももう少し電子情報が国会の中でもう少しビジュアルにみんなで共有化できるようにすべきではないかなと思いますので、e—Japan、その中にもe—国会ということで、いい国会をするためにも是非そういう設備をきちっと設けていただきたいなというふうに思っております。  私は、政府の役割として外交、防衛を除いては、やはり公共財を最適な形で国民に提示をする、それが一つ、二つ目はやはり所得の再分配を行う、そして三番目が広い意味での景気対策ではないかなというふうに思っております。その前半のその二つについてこの二法と関連してお伺いしたいと思います。  冒頭のその国民負担率の図は何回も見ていらっしゃるというふうに思います。ここに国際競争力、国民の満足度、ジニ計数の改善度等々入れて、どういう国を我が国が目指していくべきかということについて、まずお伺いしたいと思います。  私は自分自身の政治の目標として、物理的な豊かさというのはありますけれども、私は最後は国民の満足度ではないかなと思います。自分が死ぬときにこの国に生まれてよかったかどうか、そういう尺度で考えたときに、私は国民の満足度というものをどういうふうにとらえるかというのが一つ必要な尺度ではないかなというふうに思っております。  御案内のとおり、このスウェーデンを見ますと、社会の満足度というのが七五%で非常に高いんですね。大体北欧系は非常に、負担率の高い国は満足度が高い。一方、ロシア、韓国、日本、負担率の低い国は大体満足度が低いというのが、私も定点観測でずっと見ているんですけれども、そういう傾向が表れているわけです。  いい国だから一杯お金を払うのか、払うからいい国になるのか、満足度が高いのか分かりませんけれども、私は相対的なその関係として満足度と国民負担率の関係もあるんではないかなというふうに思いますが、その辺についてまず谷垣大臣の御見解を個人の認識としてお伺いしたいと思います。私は、これは何が正しい悪いということは申し上げるつもりはありませんので、ある意味で谷垣大臣のこれからの国の在り方という考えをお伺いしたいなと思っています。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 今、若林委員は政治おやりになるについて、国民の満足度というものが一番大きな指標、導きの旗印になるんではないかというお考えをお示しになりまして、伺っておりまして私もそれはそのとおりだなと思います。  ちょっと表現は違うかもしれませんが、私まあ今の仕事をやらせていただいて、日本にとって今後何が問題だろうと考えると、結局二つだろうと思うんですね。非常に高齢化も、少子高齢化が進んでむしろ人口も減少してくるという中で、今後日本が活力を持って元気よくやっていくためにはどうしたらいいかというのが一つあると思います。もう一つは、エマージングマーケットといいますか、中国やインド等人口十数億の国が非常に発展してきて、かつてのように西側先進国だけで競争しているという状況でもない。そういう中で、メガコンペティションというんでしょうか、そういう中で日本がどういうところに日本の存在意義を発揮し、独自性を発揮していけるのかという、その国の中の問題と国の外でどうしていくかという、二つあると思うんですが、結局いろいろ、細かな議論は避けますが、結局いろいろ行きますと、日本の魅力を高めるということじゃないかと思うんですね。  それで、そのことは日本人からしてみると、さっきおっしゃったように、何かのコマーシャルじゃありませんけれども、日本人に生まれて良かったと思うか思わないかということだろうと思いますし、外の方から見たら、いやあ、なかなか日本というのは魅力ある国で、どうせ学問するんなら日本行って勉強したいなとか、投資をするなら日本に投資をしてみたいなと思わせるような国にするということではないかなと私考えておりますので、そういう意味では若林委員のお考えと私のねらうところはそう違いはないというふうに思っているわけであります。  それで、一方、今示された中で国民負担率と満足度の関係ということをおっしゃいましたが、そこが実はなかなかよく分からないなというのが率直なところでございまして、私の仕事で申しますと、財政の状況がこんなんだというようなことを示しますと外に向かってなかなか魅力的な国だろうとは言えないなというふうには思うんですが、じゃ、それを解決する方法として、物すごく、言わば、例えば社会保障がこれだけ増えますから、それに対して極めてもっともっと税金もたくさんいただいて、それで立て直しをしていくのか、それともできるだけスリムにしていくのかというようなところについては、これは相当議論を闘わせて、これは我々の議論は経済学者の議論とは違いますから、そういう議論をすれば必ず具体的な制度設計でどういう公共サービスを提供して、その給付と負担はバランスが取れないようじゃしようがありませんから、どこまで我慢、負担がお互いに堪えられるんだというのをチェックして進まなきゃいけないと思っておりますが、ちょっとまだ大きな政府と満足度と、負担率とその満足度というところは私ぴたっとした答えをまだ申し上げられないわけでございます。

若林秀樹民主党・新緑風会

○若林秀樹君 私は谷垣大臣の一政治家としての思いとして、やっぱりどういう国を目指したいかということも併せてお伺いしたいなと、その中に負担率との関係はやっぱり出てきますから、その中で負担率が、結果として大きなやっぱり政府も志向せざるを得ないような状況なのかどうなのかという思いで伺っているところであります。  それは後ほどまた大臣の方からのお答えで伺いたいと思いますが、その次に、一般的に負担率を高めると国際競争力は落ちるんだと、活力をそぐんだという議論があります。御案内のとおり、ここに出しましたように一番上のオレンジ色の四角のやつが競争力、去年の世界経済フォーラムの国際競争力のよく見る図でありまして、一位がやっぱり負担率の高いフィンランド、三位がスウェーデン、出ていませんが五位がデンマーク、六位がノルウェーというみんな負担率の高い国であります。これを見ますと、私はやっぱり必ずしも負担率が高いから競争力が落ちるということは私はないと思いますが、谷垣大臣の御認識を伺いたいと思います。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) これもなかなか答えは難しい、負担率だけでもって競争力を論ずることができるかどうかというのは私は大変難しいと思います。それは今お示しいただいたような資料を見ましても、国民負担率の高いデンマークとかフィンランドといったような国が国際競争力で上位にはなっておりますが、一方でアメリカとかカナダとかいうようなところ、オーストラリアとかスイスと、これは相対的に負担率は高くないと思いますが、こういうところも競争力上位というところにランクされておりますので何とも申せませんが、今の私の、おまえ自身はどう考えているんだということをおっしゃいましたので、負担率ということをおっしゃる場合、議論されます場合、どちらかというと社会保障の規模をどのぐらいにしていくかという議論が背景にあると思うんですね。  それで、それはやはり国民の満足度と、どの程度のものにしていったらいいかという議論があると思いますが、もう一つこれは負担率とは違うのかもしれませんが、今の日本の置かれている課題は、やっぱり大きな中で、資金の流れの中で公的な部門がつまり資金を受け入れて使っていく、それが必ずしも民間の方に回っていかないという構造がありまして、それがまあ大きな政府と小さな政府論とは直接関係ないのかもしれませんが、日本はもう少し資金の取り手が、最大の取り手が国であるとか公的部門であるということではなかなか元気が出ないんではないかなと。もう少しこれが民間の方に流れて、それが構造改革の目的でもあるわけですが、これはいわゆる国民負担率の議論というのとはちょっと違う局面ですが、ある意味では極めて密接な関係のある議論だろうというふうに思います。  私は、大きな政府小さな政府論といいますか、むしろその資金の流れをもう少し民間で自由闊達に使えるような方向に持っていかないと今後うまくいかないんじゃないかと、それが委員のおっしゃる負担率とどういう関係に立つのかというのは自分でも十分整理できないんですが、なかなかここはデリケートな関係に立つんじゃないかと思っております。

若林秀樹民主党・新緑風会

○若林秀樹君 大臣もお考えは私と一緒だと思うんですが、負担率の高さが必ずしも経済的な活力をそぐわけではない、様々な要素の中からやっぱり競争力というのは決まってくるんだろうなと思いますので、ですから負担率が高いから活力をそぐという議論に余り乗らないでいただきたいなということを申し上げておきたいと思います。  私は、これまで国民負担率の目安を五〇%ということを、過去ずっと二十数年にわたって政府は閣議決定等をしてきたわけです。私調べましたら二十三年前に当時のヨーロッパの水準が五〇%だったと、それが出てきたのかなというふうに思いますが、当時の水準が五〇%でそれをより少ない、低位にとどめるという考え方が出ていつの間にか五〇%になって、ある日突然財政赤字の分の潜在的な負担も含めて負担率だと言い始めて、どんどんそのハードルを厳しくしているんです。今は潜在的負担率を見ますと四五ぐらいですからもう五〇までほとんどないんですよね。  じゃ、五〇が根拠がある数字かというと全然根拠がないということで、一昨日の竹中大臣も、根拠はないんですとお認めになっているわけですね。区切りのいい一つの目安として、上げないような目安として置いたということでありますんで、私はやはりその根拠のない数字を置くことによる弊害というのが非常にあるんではないかなと思います。そのことが独り歩きをして、結果的には経済界から負担率を上げるなというところになり、国民から見れば上がることイコール悪なんだという状況の中で、結果的には本質的な社会の共同事業として、税とか社会保険料を使ってどうするかという本質的な議論が妨げているんじゃないかなというふうに私は非常に痛感しているわけでありますので、私は、結果的に、それが最終的に社会に対する満足度を国民に対して下げていると。その意味において、私は、アプローチとして、安易に上げろと言っていることではないんですが、五〇という定めをすることによって結果的には逆方向に私は行っているんではないかと。五〇は置きながら、もっと本質的な議論をするために、一回、潜在的負担率は除いておいてやっぱり議論することも必要ではないかと思いますが、これは非常に重要なところなんで、是非御自分のお考えでお答えいただきたいなというふうに思います。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) これはなかなか難しい議論なんですね。昨日も予算委員会で、あれ、どなたと議論させていただいたか、ちょっと、大勢、たくさんの方と議論しておりますので忘れてしまいましたが、要するに、事柄は、何%というような目標が先にありきということではなくて、先ほど申しましたように、具体的な本当に必要な公共サービスというの、水準は何なんだということをそれぞれ制度論を含めてきちっと議論して、一方、我々が本当に堪えられる、お互いにこれならできると思う負担の在り方は何なんだと。その二つが乖離をするようじゃしようがないので、その二つを合わせなきゃいけないわけですが、そういう議論をぎりぎり詰める必要がある、これが私は本当の議論だと思うんです。  もっとも、この議論を詰めていっても、多分私はみんなの考えはぴたっと一つのところには集まらないと思うんです。それぞれ、やっぱりその社会の在り方とか、そういうものの価値観の置き方も違いますから、それは大きな政府論者もあれば小さな政府論者もあると思うんですが、そういうことを議論をきちっとしなければ、初めに数字ありきではなかなか解決しない。こういうのは、多分そこは委員と同意見ではないかと思います。  他方、ただ、政治の現実を考えますと、例えば今社会保障負担は政策経費の中の四三・一%を占めているわけですね。昨年度は政策経費の方では四割、その前は三七%ぐらいだったと思いますが、要するに一両年の間にばばばっとこう伸びていくような状況で、これはこのままではなかなかもたないなと、それはもうみんな暗黙のうちに思っていると。それで、それをどうしていくかという議論をするときに、ある意味では、時々政治の世界は乱暴な議論もございますけれども、大体これで、よくキャップとかシーリングとかいうのもそのたぐいでございますが、一つ一つ何でこの何%とシーリング置くんだと言えば、根拠を言えと言われると非常に難しいんですが、そうやって乱暴にぎゅうぎゅう押し込んでいかないとなかなかつじつまが合っていかないという現実もあるなということで、答えはなかなか難しいと。余りちょっとクリアな答えでありませんが、そんなふうに思います。

若林秀樹民主党・新緑風会

○若林秀樹君 私も民主党の次の内閣の財務副大臣ということで、財政問題についての問題認識は共有化しているんではないかなというふうに思いますが、その上であえてお伺いしているというところでありますので、やはり、もう日本というのは、例えば知的創造立国を目指すのでも、とにかく人材が我々の財産ですから、やっぱり人々が安心できる、満足できる国の姿ということをきちっとやっぱり政治でも図って、本当にこれが必要なんだということであれば国民は私は喜んでそこは負担してくれると思うんですよね。そういう議論に行かないんですよ、こういうことを余りにも強調し過ぎることによって。そこの点について、是非、今後の財政運営に当たって御配慮をいただきたいなというふうに思います。  その上で、次に二枚目の資料をお開けいただきたいというふうに思います。  これは内閣府の試算でありまして、これをグラフに出してきたものであります。最終的に財政赤字というのが二〇一〇年代初頭にということが内閣府の試算で一応二〇一二年度になったと。その中身をグラフで表してみると一応こういうことになるということでございます。確かに、二〇一二年に財政、プライマリーバランスはゼロというか、ほとんど、〇・一ですけれども、一応均衡するということになります。ただ、これは、御案内のとおり、国と地方と合わせてでございますので、依然として国だけ見ますと基礎的財政収支は一・四%の赤字であります。  ですから、財政収支が二〇一二年度でゼロになるといっても、現実として国は赤字であると。そのときの名目成長率と名目長期金利の状況を見れば、〇・七%名目長期金利が上回っているという意味におきまして、私の計算によれば、本当であれば六・六三兆円ぐらいプラスになっていないと対GDP比の赤字の残高は増えるという計算でありますので、決してこの状況を一定に保っているという状況じゃないんですよね、これは。これは、考え方として、細かく試算すればあれですけれども、いわゆる名目金利の差をそのときの残高に掛けて割ってこういう数字が出ると。その意味においては一・〇三%の黒字が、対GDP比公債残高を一定に保つために必要だということにおいては、とても一二年度でこれ、仮にこれが達成したといっても財政赤字を克服したということにはもう全くなっていない。まだ、更に対GDP比が膨れ上がっているという状況でありますので、私のこのとらえ方が間違っているかどうか、大臣も含めてお伺いしたいと思います。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 当面の目標が、委員がこの図でビジュアルにお示しいただいたように、二〇一〇年代初頭、この表でいえば二〇一二年にプライマリーバランスを回復すると、せめてその年いただいた税金でその年の政策を打って、ツケを先に送らないようにその部分ではしていこうというのが当面の目標であるわけです。  ただ、その後に、それだけの目標でいいのかということになれば、正に委員のお示しになったことがその次のといいますか、現在からもう既に視野に置いておかなければいけないんですが、最大の論点はそこにあるわけでございまして、名目成長率の方が名目金利よりも高ければ、その時点でもうだんだんだんだん借金の総額といいますか、そういうものは小さくなっていく方向になるわけですけれども、そうならなきゃだんだんだんだん膨れていくわけですから、その後どういう、その後といいますか、要するにこのプライマリーバランスを回復した後にどういう目標を視野に置いてやっていくかということはよく考えておかなければいけないわけで、ようやく経済財政諮問会議でもその辺りのことを少し議論しようじゃないかということになっております。  ただ、今朝ほども日銀総裁がいらっしゃいまして御議論がございましたけれども、じゃ長期金利がどういうふうにコントロールできるのかといったって、これは長期金利のコントロール自体を政策的な目標に持っていくことはなかなか難しゅうございますし、いろんな問題があると思いますけれども、ちょっとどういうことをあれしていけばいいのか、これからもう少し私どもも議論をして国会での御議論にも供せるように少し努力をしなければいけないと思っております。

若林秀樹民主党・新緑風会

○若林秀樹君 私のこの考え方にまあ間違いがないという理解でいいのかなと思いますが、もしあれば、政府参考人にもお伺いしたいと思いますが、やや気になるのは、本来であれば長期金利と名目成長率というのは一致すべきなんですけれども、例えば私が調べたところでは、九〇年代、どの国取っても長期金利の方が高いんですよね。ですから、日本が今デフレを克服して成長率を高めれば、それは成長率が高くなるということはありますけれども、あのアメリカでさえ九〇年代あれだけの高成長をし、デフレには陥っていないわけです。それでも結果的には長期金利の方が高くなるという、この全世界見てもこういう状況というのは何が起こっているのかなという単純な疑問なんですけれども、そこも含めてちょっと、うまく分かりやすくちょっと説明していただければ有り難いと思います。

大守隆内閣府計量分析室長

○政府参考人(大守隆君) お答え申し上げます。  まず初めの債務のGDP比の動向に関してでございますけれども、一般論としては、債務のGDP比を増やさないためには債務残高のGDP比に金利と成長率の差を掛けたものよりも基礎的財政収支のGDP比が大きくなければならないという関係がございます。先生御指摘の一・〇%というのは、参考試算の二〇一二年度の諸計数からこうした考えで導かれるものだと思います。  ただ、やや技術的になって恐縮でございますが、債務に掛かる実質的な、実効的な金利は、今から申し上げます二つの理由から、そのときの長期金利に一致するとは限らないということがございます。一つ目の理由は、実際の債務の利払いは公債を発行した時点における金利によって行われるものでして、そのときの市場金利よりは後れて変化をするということがございます。二つ目の点は、実際の国や地方の債務は満期の異なる債券によって調達されておりますので、参考試算でお示ししている金利は長期金利ですので、十年物国債の金利でございますけれども、近年はそれより期間の短い国債の割合が高まっているということがございます。私どもの参考試算においてもこうした点を反映させて推計を行っているということでございます。  それから、名目成長率と金利との関係でございますけれども、これは、定常状態と呼ばれるような経済がバランスした状態ではおおむね同じぐらいになるという考え方も多うございますが、実際には、その時々の環境によって一方が他方を上回る、あるいは下回るという状況が生じると思っております。  御指摘のように、主要国の状況でございますけれども、八〇年代から九〇年代にかけては名目金利が名目成長率を上回っておりました。例えばアメリカでは、八〇年代に高インフレに対処するために金融引締めが行われておりまして、それに加えて巨額の財政赤字を抱えていたということで高金利が継続したという背景がございます。ヨーロッパでは、市場経済への移行に伴って大量の資金需要が発生したことですとか、財政赤字が増加傾向にあったことなどによって、おおむね九〇年代前半において高金利が生じたということが要因として考えられます。ただ一方で、ここ一、二年を見ますと、アメリカ、イギリスなどで名目成長率が名目長期金利を上回っているということも事実でございます。  私どもの今回の参考試算では、二〇〇六年から一〇年度までは名目成長率が名目長期金利より高くなっておりますが、一一年度以降はこの関係は逆になっております。六年から一〇年度におきましては、デフレ脱却まで金融緩和が継続されるという想定をしていることなどから、名目長期金利の上昇テンポが緩やかという結果になっておりまして、そのために名目成長率が名目金利よりも高くなっております。長くなりまして。

若林秀樹民主党・新緑風会

○若林秀樹君 事実を述べられただけで余り説明になっていないんで、やっぱりこういう状況が何を意味するかということが、この長期にわたってあるということに対する経済がどういう状況が起こっているかということについて何か御説明いただければと思ったんですが、多分、なかなか難しい状況を私は聞きながら感じておりますので、そういう回答は難しいのかなというふうに思いますが、いずれにしましても、これから財政再建に向けた道のりは長いと。これはあくまで一里塚であり、これ自体が絵にかいたもちである可能性もあるわけですから、しっかりとした財政運営をしていただきたいという指摘をして、次の質問に入らさせていただきたいなというふうに思っているところであります。  次に、税の問題にだんだん入っていきたいというふうに思いますが、三枚目の資料を見ていただきたいと思います。  これは、税収、国税ということで、平成二年度が六十・一兆円、そして今審議されている十七年度が税収が四十四兆円ということでありますので、どうでしょう、十五年たって三割ぐらい下がっているんですね。この間、様々な減税をやってきたというのは御案内のとおりです。  一方、財政の支出の分はどんどん上がって八十兆円を超え、右肩上がりと。経済規模については、鈍化しておりますが、一応上がってきてはいるという、ある意味でのまた裂き状態というんでしょうか、歳出は増え、税収はこれだけ下がっているということに対して、私は基本的にはやっぱりここまで放置してきた政治の責任というのはあるんではないかなというふうに思いますが、特に所得税、申告分も含めて激減しているという状況で、ここまでしてきたということに対して、谷垣財務大臣の政治家としての認識をお伺いしたいと思います。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 若林委員の今のおっしゃったことは、財政が悪いというその原因にやっぱり減税をしてきたことがあるんだろうと。特に所得税ですね。それで、その減税をしたということをどう見るかということになると思うんですが。  これなかなか、さっきからお問い掛けに対して難しい、難しいとばっかり言っているんですが、やはり、例えば今年お願いしております定率減税のもう一回元に戻すというのにしましても、定率減税入れたときはやっぱり二〇%一律減税をしたわけで、当時の底の抜けてしまうような経済情勢から、私はあのとき大蔵政務次官というのをさせていただいて、当時、大臣は宮澤大臣でした。やろうと、こう宮澤大臣がおっしゃったその省議で宮澤大臣の横に座っていたわけですが、ああ、やっぱりこんなことまでしなきゃいけないのか、しかし、大臣がやろうと言ったらこんな思い切ったこともしちゃうのかと思いながら宮澤さんの隣に座っていたわけですが。  私は、一定の効果は確かにあったんだと思うんです。それで、当時の底が抜けるような経済状況を回避して、その後何とか戻していく効果はあったんじゃないかと思いますが、やっぱり後、ツケが残っているということは紛れもない事実でありますから、私は、こういうものを導入した政治の責任と問われますと、私自身も実は責任者、それは大きな責任者でございますので、どこかそれを、私はその入れたときにやっぱりどこかでこれはもう一回戻さなければいけないものだなと思っていたわけでございまして、今日その元に戻すことをお願いしているというのも、私、まあ個人のことはどうでもようございますが、一種の感慨はございます。  しかし、なかなか経済の情勢であるとかいろんな見方の中でそう簡単なことばかりではないと思っておりますが、やはり先ほど申し上げましたように、何の、どういう公共サービスが本当に必要で、どういう負担が堪えられるのかと、これはもうきちっと議論をよく積み重ねてやっていくべきことだと思います。

若林秀樹民主党・新緑風会

○若林秀樹君 まあ、これは与野党ともに私はやっぱり政治の責任というのはあるというふうに思いますので、ここまでの財政赤字をある意味では放置してきた責任に対してやっぱりきちっと今後対応していく必要があるんではないかなというふうに思っているところであります。  これを見ていつも思うのは、平成二年、四百五十兆円のGDPのときに六十兆円あった税収が、平成十七年度に四十四兆円というふうに下がっていると。今は五百兆円GDPで超えているわけで、この間様々な減税をやってきたという意味におきまして、今、十七年度の税収を平成二年度の税制体系に置き換えたときにどのくらい税収能力があるか、数字で、ちょっと置き換えてみると出てくるんじゃないかなと思いますが、ちょっとお伺いしたいと思います。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 一般会計税収については、平成二年度決算が六十・一兆で、平成十七年度予算は四十四兆ですから、十六兆程度減ってきているわけですね。  それで、この要因としては、平成二年当時のバブルに起因した一時的な増収がはげ落ちていったということや、そのほか、景気の低迷、累次の減税の実施と、いろいろあるんだろうと思います。このうち、その税制改正による影響分について、平成二年度から平成十七年度までにおける各年度の主な税制改正、これ増減収額を単純に合計することで試算してみますと、六兆円、マイナス六兆円程度の減収じゃないかと見込まれます。  したがって、お尋ねの平成二年度当時の制度を前提とした場合の税収については、これは今と経済の要因が違いますので確たることは申し上げられませんけれども、あえて申し上げれば、おおむね五十兆円程度ということになるのではないかなと、粗々のことを申し上げるとそういうことじゃないかと思います。

若林秀樹民主党・新緑風会

○若林秀樹君 まあバブルですから、一時的な税収が飛び抜けて上がり、特に固定資産税はこの国税には入っていませんのでその辺がよく分かりませんけれども、今でも当時の税制に戻せば五十兆円ぐらいは税収能力はあるというお答えですから、その関係においてまだ五十兆円でも財政赤字は続いているという状況でございますので、この点について、今後どういうような財政再建をこの税制という、この落ち方のグラフを見ながら、御認識とお考えがあればお伺いしたいと思います。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 財政再建の結局方法というのは、もうこれは言うまでもなく三つしかないわけで、一つは、出るものをできるだけ無駄をカットするということと、税金を、まあ増税をお願いするということと、それとやっぱり一番大事なことは、全体の景気が良くなって体力が高まって自然に増収が入ってくるという、この三つの組合せではないかと思いますが、税の方から申しますと、これは度々申し上げておりますように、平成十七年度、十八年度、これは平成十八年度に所得税を地方住民税へ持っていくという三位一体の改革で税源移譲をしなければなりませんので、所得税の抜本的な見直しという、所得税体系の抜本的見直しが必要だろうと思います。  それで、これをやります場合に、地方税、地方住民税の在り方と関係してまいりますが、地方住民税の在り方は、応益負担ということでありますので、住民割りをフラット化していくということを中心に考えているわけですね。それで、それに対応して所得税の方は、どちらかというと所得再分配機能をもう少し強化していく方向で考えてその組合せでやっていこうと、そういう形で平成十八年度に抜本的な所得税改革、地方住民税改革、所得課税の改革ができるように持っていこうというのが今の考え方でございます。  それから、税もたくさんございますけれども、消費税で申しますと、やっぱり社会保障の水準、これも先ほどから言っていることの繰り返しになって恐縮でございますが、どういう公共サービスが必要かというようなこと、特に社会保障との関係、社会保障には限りませんけれども、きちっと議論していって、何がどういう負担を国民にお願いすべきかということを議論していけば、恐らく消費税というものにたどり着かざるを得ないだろうというふうに私は思っておりますが、平成十七年度、十八年度のいろいろな議論の中でそれを煮詰めていかなければいけないのではないかなと思っております。

若林秀樹民主党・新緑風会

○若林秀樹君 ありがとうございます。  そういう目に見えた改革も含めてなんですが、もうちょっと長期展望で税制改革のお考えをお伺いしたかったのですが、またの機会にさせていただきたいと思います。  その意味で、定率減税についてやはり触れないわけにはいきませんので、お伺いしたいと思います。  民主党は修正案を出す予定にしておりまして、定率減税の縮減は行わないという修正案でございます。これは、民主党としても定率減税をいつかはやっぱり戻さなきゃいけないという認識はありますけれども、今は時期尚早ではないかということであります。私は、この今回の恒久的な減税の中でまず、いろんなことをこれから私に続く質問者が聞くと思いますけれども、まず、なぜ定率減税だけを選んでそれを縮減をするのかということについてお伺いしたいと思います。  過去の経緯はいろいろあろうとも、法律の一条を読む限り、私はこの九九年当時は一国民でしたので分かりませんけれども、法この一条を読む限り、個人の所得税も法人税も同列の位置付けになっておりまして、抜本的な改革をすることによってこれを戻すということでありますんで、これは私は議論の経過知りませんが、法律に純粋にのっとって見れば、当然法人課税も含めて改革しなきゃいけないんではないかなというふうに思いますが、その辺についてお伺いしたいと思います。  それから、最高税率を触れなかった、それから、特定扶養控除ですか、そこについても触れなかったということで、さっき所得再配分機能を高めると言っていますが、一方では、ここには何も触らないで、最高税率はそのまま、議論さえしていないような状況でありますので、その辺についての整合性についてお伺いしたいと思います。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 平成十一年の税制改正では、定率減税のほかに、委員が今おっしゃいましたように、所得税の最高税率を下げていく、それから法人税の最高税率も下げていくというのをともに行ったわけでございますね。それで、当時は、この減税に関しては、恒久減税なのか恒久的減税なのかとか、いろんな政争も絡んだ議論があったわけでございますけれども、当時も、これはそれぞれの、当時の税制の議論に参加されたそれぞれの陣営でそれぞれの解釈とお考えがあろうかと思いますが、私どもはどこかで、特に所得課税の抜本的改革をやらなければならないけれども、やはりそれをやるにはまだちょっと、時間がないけれども事は急ぐねという気持ちがありまして、定率減税というのはもう一律に二〇%ばさっと削ってしまおうという、減税してしまおうという税金でございます、減税でございますから、かなりある意味では、乱暴という言葉が適当かどうか分かりませんが、景気状況を見て蛮勇を振るって、えい、これでやってしまえということであったと思うんです。  それに反して、所得税の最高税率あるいは法人税の最高税率についてはやっぱり、特に法人税率についてはグローバル化が進んでいく中で、やっぱりある程度の最高税率というものが国際的に見てこの辺だなというところでないと、結局長続きしないねというのがあったと思います。  それから、法人税の最高税率につきましても、やっぱり余り個人の税率の最高税率が高いと、当時は地方住民税と合わせますとたしか六五%ぐらいだったと思いますが、やや高いんじゃないかという感じがあって、それは将来あるべき抜本的税制改革の言わば先取りになるものだというような考え方が、これは、これ議論に参加したそれぞれの陣営でまたお受け取り方は違うと思いますが、私どもはそういうふうに見ておりました。したがって、今回手直しする場合も、言わばこの法人税と所得税の最高税率のところは言わば先取りをしたことであるから、今回は、今回というか、むしろこれはその先も、まだこれで完全にいじる必要はないかどうかは別ですけれども、あるべき税制を先取りしたものと。  それから、やはり定率減税は、さっき、えい、やっと申しましたけれども、今の非常に悪い景気状況を何とか乗り越えようと思ってやったもんだから、これは克服しなきゃならないねと、こういう考え方でございます。

若林秀樹民主党・新緑風会

○若林秀樹君 そういうことであれば、やっぱり法律の書き方も少し工夫すべきではなかったかなというふうに思いますんで、やっぱり法律が独り歩きしますから、どう見てもこれはバランスを欠いていますし、おかしいんではないかなと思います。また、個人の最高税率は触る必要はないと言いましたが、さっき所得再配分機能が弱まっていると。これを大事にしなきゃいけないということでいえば、最高税率を上げずに再配分機能を高めていこうというお考えだという認識で私はとらえますんで、よろしいですね、それで。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) まだこれは十分議論が煮詰まっておりませんし、おおむねそういうふうにお考えいただいていいんだというふうに思っておりますが、まだ議論を整理しますと二つあると思うんですね。一つは定率減税、あっ、じゃない、地方住民税に税源移譲をしていきますから、そっちの方はどうしてもフラット化の方向ですから、所得再分配と相反する方向になるわけですね。その分、こういう地方住民税に移したことによって、個人個人の税率があんまり急激に変わるようでは困りますから、できるだけそれに合わせて所得税をやっていこうということになりますと、そっちの方はどうしても所得再分配機能を高めると申しますか、累進というものを利用してやっていかないと双方のつじつまが一人一人にとってもでらい合わないことになるという問題がございます。  これはだから、何というんでしょうか、三位一体との関係での議論と。あと所得課税、所得税そのものとしてどうしていくかということはまだもう少し議論を、それとは別の所得税の課題ということになりますと、もう少し議論の時間をいただきませんとまだ十分なものをお答えするだけの材料が現在私まだ十分持っておりません。

若林秀樹民主党・新緑風会

○若林秀樹君 三位一体改革の中で抜本的に改革して、そのときに累進構造も、所得税をいじる可能性もあるということなんですが、それこそ、もしそういうことをやるんであれば、その抜本改革の姿が見えた上で併せて定率減税をやるというのがこの一条のやっぱり趣旨だというふうに私は思いますので、そういうことが見えない中で、一方、累進構造云々とかいってここをいじるということは、私はやっぱりちょっと順番が違うんではないかなというふうに思います。  先ほどの資料の一枚目を見ていただきたいんですが、ここにジニ係数の改善度ということを各国別に並べてみました。改善度で日本がやっぱり少ないんですね。所得再配分機能が弱まっているということでありまして、スウェーデンというのは、所得格差があっても、改善が五二%上がっているという意味で非常に再配分機能が強いということが言えるんではないかなというふうに思います。特に、税制による所得再配分の改善度が極めて弱まっているんです、今、日本は。この二十数%の中身見ますと、そのほとんどが社会保険、社会保障制度による再分配になっていまして、どんどん税制による再分配が下がっている。これ労働省の資料によると、改善度の二〇%ぐらいは社会保障制度で、税が〇・八とか一を切っているんですね。そういう意味では最高税率を下げ、様々な減税制度をやってやっぱりゆがんできているという認識は、私は、私個人はあるんですけれども、その辺の認識とともに、やっぱり所得再配分機能をどうやって高めていくかというのはやっぱり喫緊の課題ではないかなというふうに思いますが、そういう認識はありますでしょうか。ジニ係数の改善度。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど三位一体との関係での所得税率、累進構造を強くする必要があるということは申し上げたわけですが、それを超えて所得税にどういう役割を発揮させる必要があるかということについては、今委員がおっしゃいましたように、日本の所得課税の水準が非常に低くなってきておりますので、税の上で所得再分配機能を果たさせるということになると、やっぱり一つ主役を負うべきは所得税であるわけですけれども、余りにも言わば所得税、基幹税であるわけですが、基幹税として税を集めてくる機能、それからもう一つ、所得税として持っている再分配機能、どちらもかなり弱いものになってきていることは私は否定できない事実だろうというふうに思っております。  ですから、そこのところの議論は必ずしも三位一体の議論とはまた別個の議論として若林委員の御指摘のところはあるわけでございまして、政府税調答申でも度々指摘しておりますが、大多数の納税者が所得税の最低税率の適用のみで済んでいるというような特異な税率構造でいいのかどうかというような問題とか、各種の非課税収入や諸控除があって課税ベースが非常に狭くなっていると、こういうようなことについてもっと議論を積み重ねて結論を出していかなきゃならないわけですが、ただ、これは累進構造、所得再分配機能というのはやっぱり一方の重要な役割ですが、他方、先ほど申しましたようなグローバル化の進展とか国民のやっぱり働く気持ち、あるいは事業意欲といったようなものも踏まえながら議論する必要があるとは思っておりますが、所得税についてはやっぱりもう一回その所得税の機能というものをどう引き出してくるかという議論をしなきゃいけないんだと思っております。

若林秀樹民主党・新緑風会

○若林秀樹君 その中で、基本的な考え方をお伺いしたいんですけれども、今、納税者、納番制度の話がまた出ております。過去も営々とこの議論はしてきたわけで、古くさかのぼればシャウプ税制のときからやっぱり垂直的な公平性を保つと、その意味において累進構造を保つんであれば、総合的な包括的なやっぱり総合課税化が必要だということをずっとやってきて、途中で崩して、利子配当課税なんて途中でやめたり、分離したり様々なことをやって今日に繰り返してきているわけですね。グリーンカードはなくなり、そして昭和六十二年、六十三年には、所得税法の改正の一部に附則として、利子配当、有価証券の課税の在り方について、総合課税化も含めて平成四年までに抜本的に考えると言っているんです。法律まで考えておいて、結果、平成四年はやらなかったんですね。そのときの理由は、やっぱり納税者番号制度ができていない、それをほったらかしておいて、納税番号できていない、インフラができていないということでまた元に考え方を戻したという、これをずっと繰り返してきていますんで、本来の基本的な考え方に戻って、今後どうしていくのか、納税者番号制も含めて、もう一度きちっと財務大臣としてのお考えを伺いたいなというふうに思っていますんで、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほどの平野議員の御議論の中にもあったんですが、今、日本では少子高齢化が進展してきて、貯蓄率がだんだん下がってくるということがございますので、日本経済の活力を維持していくという観点に立ちますと、家計の金融資産、幾ら貯蓄率が低下したとしても相当なものがあるわけでございますから、それをどう効率的に使っていくかという視点は、日本の元気という点からは私は欠かせない視点だろうと思うんですね。  それで、そのために、税制では、やはり貯蓄を中心に資産運用を行っていた方々に投資を行いやすい環境をつくると。まあ貯蓄から投資へというような標語で言われておりますが、こういう観点はやはり私は推し進めなきゃいけないんだろうというふうに思っているんです。それで、そういう観点から金融商品とか所得の種類ごとにまちまちとなっている課税方式を二〇%の分離課税にそろえると、それから、金融所得の間で損益通算の範囲を拡大をやっていくと、こういう方向で金融所得課税の一体化に取り組んでいくというのが私は必要なんじゃないかというふうに思っているわけです。  それで、金融所得を、今までもいろいろ総合課税、総合累進課税というのはもう延々議論されてきたわけですが、金融所得を含めたすべての所得を総合累進課税にしていくというその考え方は、そうしますと垂直的な公平は確かに確保されるんだと思いますが、そういう投資というものを進めていこうという観点に立って考えますと、同じ金融商品について税引き後収益の納税者間の差異が生ずることによって中立が損なわれないかとか、あるいは海外などへの資金シフトといった影響が予想されるのじゃないかといった点をやはりどうしていくかというような議論を詰めていかなきゃいけないのじゃないかと思います。  それからもう一つ、納税者番号制度についてお触れになりまして、今度の国会でも随分納税者番号制度についてはいろいろ御議論があると思うんですが、これは総合課税との関係という論点だけではなく、金融所得の課税方式との関係をどうするか、それから、もちろん税務行政の効率化、高度化といった観点からは私は相当な効果があると思うんです。  それから、適正公平な課税という意味でもいろいろ意味がある制度だろうと思いますが、あと、番号を活用した簡易な申告手続の導入といった、納税者利便の向上というようなことを政府税調でもいろいろ今まで議論していただいてきたわけでございますけれども、他方、そういったものにかかわるコストとか、あるいは今までなかなかできなかったことの一つはやっぱりプライバシー問題というようなことがありまして、ここは相当まだまだ議論が必要なんじゃないかなというふうに思っております。

若林秀樹民主党・新緑風会

○若林秀樹君 もうその議論はずっとやってきたんですよ、もう。その上でお伺いしているんで、今後、総理もいいじゃないかと言っているんで、今こそもう納税者番号制度の制定に踏み込むべきだというふうに思います。  その今おっしゃった議論は全部これまで言ってきたんです。あとは決断だけなんです、政治的な決断だけなんです。谷垣大臣の政治的な決断、お言葉を聞きたいと思います。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) いや、議論は確かにたくさんございました。決断だけでできるなら簡単でございますが、やはり何のためにこれを設けるのかということについては、まだ私は決断だけと言うには相当やっぱり、これをめぐる利害状況と申しますか、利害状況と言うと言葉悪いですね、やっぱりどういう制度を目してこれを入れていくのかということについては、まだ相当意見は分かれているというふうに私自身は思っております。  だから、そこらを詰めないと、えい、やっというだけではなかなかいかないという、ちょっと煮え切らない答弁でございますが。

若林秀樹民主党・新緑風会

○若林秀樹君 そういう答弁もずっとこれまでやってきたんで、それは政治的決断して、そういう細部にわたって様々な論点をきちっとここへ収れんさせていかなきゃいけない。その気持ちがあるかなんですよ。そのお気持ちはあるというふうに私は理解しましたんで、是非よろしくお願い申し上げたいというふうに思っております。  時間がないんで、最後、サラリーマンの確定申告について伺いたいと思います。  もうこれも御案内のとおり、源泉徴収が一九四〇年のときに戦費調達の中で出てきて、結果、シャウプ税制勧告もこの源泉徴収、年末調整はおかしいんじゃないかという話があって、結局申告納税制度に戻って、過去の経緯あったんですが、結局今日まで年末調整は続いているわけですね。形としては申告納税制度になっているんですが、年末調整ということを入れることによって結果的にはそれは事実上なっていないと私は思っているわけであります。  私は、やっぱりこれを、年末調整はなくして、自ら、個人がやっぱり確定申告をするということが政治的にも非常に重要ではないかなというふうに思っております。  例えば、特定支出控除というのがあるんですが、給与所得控除が非常に高く引かれているんですね。サラリーマンは確定申告で年末調整しているからこんな給与所得控除があるなんて全然思っていないわけです。せっかく特定支出控除があって、研修費とか通勤費とか移動費とか、様々な控除ができるにもかかわらず、これ調べたら、四千数百万人給与所得者がいて、特定支出控除を利用したのは十人です。たったの十人であります。そういう制度があることさえ知らないんであります。  私はやはり、税制民主主義の確立、あるいは国民が税金の無駄遣いをやっぱりなくすというその監視する力を付けるためにも、そして何よりもやっぱり税制の政策の効果を現すためにも、私は年末調整というものをなくして確定申告にすぐすべきだというふうに思いますが、大臣の決意をお伺いしたいと思います。

上田勇公明党財務副大臣

○副大臣(上田勇君) お答えをいたします。  最初に、特定支出控除の話がございまして、これは委員がおっしゃったように、平成十五年、まだ十人しか利用している人間がいないということでありまして、その理由については、余り周知されていないという面もあるのかもしれませんが、もう一つは、やはりサラリーマンの給与所得者の経費というのはどういうものが該当するのか、あるいは、今、給与所得者につきましては相当給与所得控除の部分で控除が認められておりまして、果たしてそれを上回る、実際にそういうのを積み上げていったときに経費に相当するものがどれだけあるのかというようなことを考えると、数が少ないというのは、今の所得控除が結構大きな割合を占め、持っているからということもあるのかもしれませんし、また実際にそれを積み上げていく労力といったものというようなことの関係があるのかもしれませんが、いずれにしても余り利用されていないというのは事実であります。  年末調整ですけれども、これは正に今おっしゃったとおり、年末調整がありますと、本来納税すべき税額、これはもう年末調整で精算されますので、実際に最近は確定申告を利用される方が増えているとは言われておりますけれども、それでも大体の給与所得者の場合は年末調整で終わって確定申告をする必要がないという制度となっております。  この年末調整制度というのはある意味で簡便な納税制度だと、手続が簡略化をするというメリットもあるわけでありますし、そういう納税者あるいは行政側の合わせたそういう社会的な費用を、何というんですか、節約するという意味から、という意味もあるんではないかというふうには思います。  そういう意味では、政府税調ではこの年末調整の制度を今後とも継続すべきではないかという意見でございますが、ただ、今おっしゃった、委員がおっしゃったように、やっぱり納税、給与所得者についても納税意識をやっぱり持っていただく、税金の在り方について意識を持っていただくというのも非常に大きな意義ではないかというふうに思いますし、また、その特定控除を使われる方が余りにも、十人というのもほとんどゼロに近い話でございますので、こういった状況というのはやっぱり制度としていかがなものかというようなこともございます。  そういう意味では、これからもその特定支出控除の範囲等についても検討する必要がありますし、また、今の申告納税の制度はやっぱり電子申告も増えているわけでありますので、そういった手続やそういう方法も、申告手続も簡便化する、そういった環境整備であるとか、あるいは税務署の体制の整備、そういったことも含めて考えていかなければいけないことだろうというふうには思っております。  そういう意味では、更にこの確定申告、全部を確定申告で義務付けるというようなことというのはいかがかとは思いますが、もう少しそれを使ってもらえるような形、それをやはりいろいろな、今申し上げましたいろんな総合的な検討の中で更に議論を深めていく必要があるんではないかというふうには思っております。

若林秀樹民主党・新緑風会

○若林秀樹君 やるのかやらないのかはっきりしないようなお答えでしたけれども、非常に、多分おっしゃっていて矛盾を感じられていたんじゃないですか。  特定支出使わないというのは、やっぱりこれは年末調整があるからやっぱりやらないんであって、そんなわざわざ税務署行ってそんなやらないですよ。だから、やっぱり年末調整はやめる。それはやっぱり企業がコストを負担しているんですよ、これは。本来はやらなくていいことをやっぱりやっているわけで、一方、やっぱりe—Japanというんであれば、電子申告制度をきちっとやっぱり整備すれば今の税務署の職員数を大幅に増やさなくても私はできると思いますし、現実にアメリカではそういうことをやりながらそんなに多くない人数でやっているわけですから、私はこれもまたやっぱり政治的な決断ではないかなというふうに思いますんで、是非またこれは引き続きまたやっていきたいと思いますし、勤労者の集まりや連合もこの完全な申告納税制度というのは政策に置いていますんで、むしろ彼らがやりたいと言うわけでございますんで、是非また御検討をいただきたいと思います。  八分までですが、最後、NPO法人に対する優遇税制、ちょっとお伺いする時間がないんですけれども、今回の民主党の修正法案の中に含めていますんで、パブリックサポートテストなり、その緩和を緩めるということで、今回調べたら、二回、前回、二年前にそのNPO、この認定、NPO法人のサポートを少し緩めたんですが、今三十ですかね。ほとんど増えていないんですよ。  私はやっぱり、これからの日本社会の在り方を考えれば、本来政府がやってきたことをNPOがやることによってやっぱり社会的なコストを下げる。そのことによって税収が下がっても、社会的コストを下げることが大きければ大きくやっぱり社会の在り方をダイナミックにやっぱり転換できるんではないかなという、そういうダイナミックな考え方も是非財務省としても取り入れていただきたいなというふうに思っているところであります。  今日お話しした話は、国の在り方、そして財政再建、それをどうするのかということであります。私は、スウェーデンの例を挙げましたけれども、決してスウェーデンがいいと言っているわけではありません。まずやっぱり国の在り方をどうするか、税金と保険料を使って社会の共同事業をどうするかという本質的な議論にいっていない、そのことに対しての私は最大の危機感を感じていますし、これからいろいろ税の話が出てくると思います。そのときに一番重要なのはやっぱり政治の信頼度ではないかなというふうに思っておりますんで、その政治の信頼度を我々の尺度に当てはめれば、政権交代がやっぱり必要だと、そのことを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。

広田一民主党・新緑風会

○広田一君 民主党・新緑風会の広田一でございます。  大臣始め皆様方、長時間お疲れさまでございますが、もうしばらくお付き合いをしていただきたいというふうに思います。  私はまず、この平成十七年度の予算案に対する評価についてお伺いをしたいというふうに思います。  谷垣大臣は今回の予算案につきまして三つの改善がなされたというふうなことを強調をされているわけであります。一つは一般歳出の削減、もう一つは国債の新規発行の減額、そして三つ目はプライマリーバランスの赤字縮小ということでございます。  大臣、先日、広野委員の十七年度予算案について点数を付けると何点だと思われるのかという質問に対しまして、点数は言わずに、比較的できのいい予算というふうに評価をされたわけでございます。  そこで、先ほど来議論のございましたように、これからの国債等の発行の規模にいたしましても、また定率減税の縮減の是非等にいたしましても、一つの判断材料といたしまして、やはり国のスリム化といったものが国民の皆様から見て本当に進んでいるのか。その意味で、一般歳出の削減について、予算編成方針の下でどのように立てられて、実際どうなったのか、このことについてまず大臣にお伺いをしたいというふうに思います。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 一般会計歳出削減、何をやったのかというお問い掛けですね。  それで、これは平成十七年度予算、これは歳出改革路線を堅持、強化するというのが一つの目標でございました。具体的には、高齢化の進展がございますので、社会保障関係を中心とする義務的経費はほっておくと一・三兆、自然増の増加圧力があるわけで、先ほど、一般歳出について三年ぶりに対前年度比マイナス、これは〇・三兆円マイナスにしたわけでございますが、その背景にはそういう自然増を圧縮していくというのがなければできなかったということがございます。それで、社会保障関係はそういうことでプラス二・九%ということでございました。  それからあと、我が国の経済の活性化とか将来の発展ということを考えますと、科学技術振興費はこのところずっとプラスにしております。これはプラス二・六%ということでありますが、そのほかは、主要な経費については、三位一体とか防衛、公共事業など、どこも相当切り込んだということではないかと思っております。文教費はマイナス六・七%、それから防衛関係費はマイナス一%、公共事業関係費はマイナス三・六%、そういった社会保障と科学技術振興費以外はすべて対前年度マイナスだということでございまして、先ほど申し上げたような結果をつくるためにはそういうことをやったと。  結局、今後の課題となってまいりますのは、これも度々申しますように、四十数兆の一般歳出のうち四三・一%、二十兆が社会保障ですから、社会保障を更にどうしていくかということがございますし、引き続き、三位一体等、国と地方の関係も見直しの大きな項目であることは事実でございます。  しかし、他方、ちょっと先に言ってしまうかもしれませんが、他方、平成十三年度から平成十七年度までの予算を見てみますと、社会保障については恐らく、ちょっと今数字が手元にありませんが、一七、八%は全体で伸びていると思いますが、ほかの経費は軒並みもう数年前に比べると二〇%減ったとか十数%減ったとかいうことでありますから、もう社会保障の伸びとあとのところのこの抑え方というものにもう画然とした差が、はっきりとした特徴が出てきておりまして、このまま推移すると財政全体のバランスも非常に悪いものになってしまうと。回すべきところにもなかなか回らないという状況も一方でございますから、そういう無駄なところは徹底的に締めるということは必要でありますが、同時に、歳入面からの視野も併せて持っていかないと、全体のバランスが非常に悪くなってくるかなと思っているところでございます。

広田一民主党・新緑風会

○広田一君 どうもありがとうございます。  大臣の冒頭の部分の説明の中で、確かに一般歳出は、平成十七年度予算編成のポイントということを見させていただいても、社会保障関係費等の増加圧力の中、この御説明がございました、三位一体の改革、これもございましたけれども、またいろんな削減努力の積み重ねによって三年ぶりの対前年比のマイナスを達成というふうにあります。確かに、四十七兆二千億円と三千四百億円余りのマイナスというふうになっているのは事実でございます。  しかし、私は、本当に先ほど来大臣がおっしゃったように、徹底的な無駄等を省いた一般歳出の見直しがされたのかどうか、このことについて甚だ疑問な点がございますので、以下質問をさせていただきたいと思います。  まず、数字の確認なんですけれども、先ほどのお話の中でありました三位一体の改革、この中で、引き続き一般歳出に当たるものが交付金化の改革になると思うんですけれども、これを除きました税源移譲に結び付くものと、国、地方を通じたスリム化、この合計額は一体幾らになりますでしょうか。

杉本和行財務省主計局次長

○政府参考人(杉本和行君) 数字でございますのでお答えをさせていただきます。  十七年度予算編成の一般歳出の増減の中で三位一体改革の税源移譲につながったものが約一兆一千億円でございます。それから、三位一体改革による地方向けの補助金等のスリム化、これが三千億円でございますので、両方合わせますと約一兆四千億円ということになります。

広田一民主党・新緑風会

○広田一君 御答弁のとおりで、一兆大体四千二百五十億円ということになると思います。この部分につきましては、義務教育の国庫負担金は十六年度と比べて一五・八%減額されているというふうに、ということで計上されていますように、三位一体の改革に伴う一般歳出の削減分であるというふうに考えられるわけでございます。  それから、先ほどの大臣の御説明の中にございましたように、そうは言いながら、もう社会保障関係経費というのはどうしても増加せざるを得ないと、その部分が五千八百三十八億円あるわけです。これらは仕方ないとして、先ほど言いました一兆四千二百五十億円から五千八百三十八億円を引きますと、これが八千四百十二億円となります。つまり、この数字というものは、単純に、最低でもこのくらいは今年度の予算案において一般歳出のカットとして自動的に可能であったんじゃないか。しかし、実際は、出てきた数字は三千四百九十一億円の削減にとどまっているわけでありますけれども、これは一体どうしたわけでしょうか。御説明をお願いします。

杉本和行財務省主計局次長

○政府参考人(杉本和行君) 概算要求基準時点で見込みました義務的経費の増、これが九千六百億円ございました。うち、社会保障関係、年金、医療等の増が八千六百億円でございます。それに概算要求基準時に社会保障改革によって削減することとされました自然増が二千二百億円ございました。それから、概算要求のときに、例外事項といいますか、予算編成過程で検討するということになりました事項、これが年金国庫負担の定率分とか、それから障害無年金者に対する措置だとか、それから年金事務費の関係、こういうものがございまして、これが合計で一千四百億円ございました。  したがいまして、今申し上げました概算要求時における義務的経費の増、それから社会保障の削減されることとされた自然増、それから概算要求基準の例外事項、こういうものを合わせますと、合計一兆三千二百億円でございました。  それに対しまして、今申し上げました三位一体関係の税源移譲関係が一兆一千億円強、それから三位一体関係が三千億円。したがいまして、その他の削減努力を二千四百億円やりまして、その結果といたしまして、対前年度一般歳出の関係で三千四百九十億円の減が達成されているというふうに私どもは分析しております。

広田一民主党・新緑風会

○広田一君 御説明の中で概算等のところからの積み増しのお話等があったわけでございますけれども、私が問い掛けたいことは、確かに社会保障関係でいろいろな御努力をされたというお話なんですけれども、結果といたしまして、三位一体改革絡みでは、そういった御努力の中でもどうしても増えざるを得なかった社会保障関係分の五千八百億円というものを差し引いても、結果として三位一体の絡みで一兆四千億円が一般歳出からこれ自動的にカットされるわけでございますので、どうしても単純にやりましても八千億円、八千五百億円近くのこれは歳出カットが元々できたのではないか。しかしながら、現状では三千四百億円余りにとどまってしまっていると。  つまり、その五千億円近くというのが実質的には一般歳出の増加分に当たるんじゃないかなというふうに思われますけれども、そういった視点での疑問についてはいかがでしょうか。

杉本和行財務省主計局次長

○政府参考人(杉本和行君) 一つ申し上げたいのは、概算要求時には織り込んでおりませんでして、予算編成過程で検討すべきだとされたものがございまして、それが先ほど申し上げました年金の国庫負担の、基礎年金の国庫負担の引上げだとか無年金障害だとか年金事務費とか、そういうものがございます。そういうことが一点ございます。  それから、予算編成時におきまして、やはりその義務的経費が一体どれだけになるのかということを社会保障の自然増等に対して見込んだわけでございますが、その概算要求時点で削減したものもございまして、それが先生のおっしゃった社会保障関係予算、結果としてそうなったということでございますが、本来のその自然増から考えますと、削減努力をいたしまして落としてきたというところがございますので、その努力も織り込んでいただかなきゃいけないんじゃないかと思っております。  それから、予算編成時に向けまして、例えば社会保障関係費につきましてもいろんな概算要求時からの見直し等がございます。具体的な自然増の計数とか見直しがございます。そういう努力を織り込んでまいりまして、今申し上げましたように、全体で義務的経費の増が一兆三千億円ございまして、それに対しまして三位一体改革のマイナスが一兆四千、それ以外の努力で二千四百ございましたというのが、私たちが全体の予算を概算要求時、それから概算要求時の例外事項になったもの、概算要求時からいろいろ変化があったもの、そういうものを織り込んで分析しているところでございます。

広田一民主党・新緑風会

○広田一君 じゃ、その社会保障関係についてちょっとお伺いをしたいんですけども、確かにそのような積み上げの自然増分をいろいろな見直しで縮減していったというお話なんですが、けど、その大本は都道府県に対する国民健康保険の負担分の移譲、その額が実際は大宗を占めていたんじゃないかなと。本来だったら、先ほどのお話のように、一兆円ずつがこの五千億円台でとどまったというのはまさしくそこが占めているんであって、おっしゃるところのいろいろな努力はされたとは思うんですけれども、結果的にはその部分が非常に大きかったんじゃないかなというふうに思うんですけども、いかがでしょうか。

杉本和行財務省主計局次長

○政府参考人(杉本和行君) 三位一体改革の中で、国民健康保険の関係で地方に、三位一体改革で国から地方へというのがございまして、それが非常に大きな要素を占めているということはおっしゃるとおりでございます。  私どもは、これも全体の制度改革の中の一つの大きな要素だと思っておりますが、それ以外にも介護保険制度の改革、それからその他いろいろ、生活保護の一部見直したりいろんなことをやっておりますので、そういうものを合わせたものの結果として社会保障関係費が申し上げているような数字になっているようなものでございまして、確かに国民健康保険の制度改革は非常に大きな要素でございますが、それ以外にも今申し上げましたように介護保険改革、その他福祉の面、いろいろ改革を積み上げた結果が申し上げたような二・九%という増加額になっているということでございます。

広田一民主党・新緑風会

○広田一君 それでは、ちょっと視点を変えてこの一般歳出の削減分についてお伺いをしたいというふうに思いますけれども、先ほどの大臣の方の御説明のとおり、実際、先ほどの社会保障関係費と科学技術振興費、こういった除く費用につきましては軒並みマイナスで、十七年度の一般会計歳出概算主要経費の内訳を見ましてももう三角だらけでございます。確かにそのとおりなんですけれども、しかし一方で、予算編成段階においてめり張りを今後付けていかなければいけないということで、十六年の十二月三日に閣議決定をされました予算編成の基本方針、この中で重点四分野というものを掲げられております。  それは、人間力の向上、教育関係であるとか、あと魅力ある都市と地方の形成であるとか、少子高齢化対策、そして地球環境問題への対応と、こういうふうなことで四項目を掲げて、それに対してめり張りのある重点化をしていこうというふうなことで、私はやはりこの部分が結果的に、めり張りという名の下において結果として、本来、先ほど申し上げたように、もっと一般歳出の削減ができたんだけれども、結果として削減率が圧縮された要因になっているんじゃないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

杉本和行財務省主計局次長

○政府参考人(杉本和行君) 先生がおっしゃるように、四分野に対して予算の重点的配分ということを心掛けて十七年度予算編成は行われております。  人間力の向上に関しましては、大学改革の一層の推進だとか若年者雇用対策の推進だとか、こういったところはそれぞれ予算の増額をさせていただいております。それから、公平で安心な高齢化社会対策につきましては、少子化対策といたしまして保育所経費の増額、保育所運営費の増額だとか、健康フロンティアという形でいろんな予防的な措置、こういうところを新規で増額したりしております。それから、個性と工夫に満ちた魅力のある都市と地方ということでは観光立国の実現だとか、中小企業の創業への支援、こういうところも増額させていただいております。それから、循環型社会の構築等についても、脱温暖化社会の構築ということで増額をさしていただいています。  そういう意味で、おっしゃいますように、主要経費別に見ますと、先ほど大臣から御答弁ございましたように、社会保障関係費と科学技術振興費がプラスでございますが、それ以外のそれぞれの経費の中身を見ていただきますと、文教科学だとか文教費の中におきましても、中小企業関係費の中におきましても、それから公共事業関係費の中におきましても、それぞれめり張りを付けさしていただいているところでございまして、それぞれの経費の中身でめり張りを付けました結果、最終的な姿として一般歳出がマイナスになっているということは先生の御指摘のとおりだと思います。

広田一民主党・新緑風会

○広田一君 済みません、もし数字が分かれば教えていただきたいんですが、その四つの分野のめり張りを付けためりの方になるのか張りの方になるのか分かりませんけれども、増加分は一体お幾らになるのか、概算で結構なんでお示しをいただきたいと思います。

杉本和行財務省主計局次長

○政府参考人(杉本和行君) それぞれの施策につきまして、例えば人間力の向上でございますと、大学改革の推進につきましては五百三十三億円で一八%増にしておりますとか、若年者雇用対策でございますと、三百七十四億円といたしまして二四%の増としております。それから、少子化対策でございますと、保育所運営関係費で二千七百九十六億円で、これ五%の増。健康フロンティアでございますと、マンモグラフィーで三十九億円、日常生活圏域の介護予防拠点の重点整備で二百二十五、これは新規でございます。それから、個性と工夫に満ちた魅力ある都市と地方ということでございますと、観光立国の実現ということで、これは三十八億円で一一%の増。中小企業の創業支援につきましては、百五十八億円で三九%の増。循環型社会の構築、地球環境問題への対応でございますと、脱温暖化社会の構築で二百三十億円で、これは八六%の対前年増になっておりまして、こういった個別の施策の数字はございますが、最終的にそれぞれ足し上げて幾らというところは今のところまだ集計しておりません。

広田一民主党・新緑風会

○広田一君 そういったお話を聞いたときに、確かにこれから時代に合った重点化というものはしていかなければいけないというふうに思います。そうした中で、めり張りを付けた予算編成というものが私は大事なことだろうというふうに思います。  ですから、その一方で、いろんな意味で、国そのもの自身として時代に合わなくなった、不要となったそういった事業を、まあ使い古された言葉ですけれども、スクラップ・アンド・ビルドですか、こういうことをすることがやはり重要だったんじゃないか。で、今回の予算編成においてその視点が欠けていたがために、実際、一般歳出が削減というふうになったんですけども、その削減率というものが圧縮をされてしまったんじゃないかなというふうに考えるわけでございます。  それとちょっと関連してお聞きしたいんですけれども、小泉総理は、参議院の本会議の答弁等でも強調されていることに、財政健全化のために歳出の無駄を徹底的に排するというふうなことをおっしゃっております。そうした視点で一体幾らの無駄を今回の予算編成において排したのか、その数字が分かればお示しをいただきたいと思います。

杉本和行財務省主計局次長

○政府参考人(杉本和行君) 歳出改革の中で具体的にどういうことをやったかということでお答えさせていただきますと、例えば社会保障関係費でございますと、先ほどありました介護保険制度の見直し、これにつきましては、十七年度予算ベースで、国庫負担ベースで申し上げますと四百二十億円の削減になっておりますし、これは平年度ベースにいたしますと約千億円の削減になっております。給付費ベース、社会保障給付のベースで申しますと、初年度千三百十億円、平年度三千億円といったことになってございます。  それから、その他、例えばいろんなところで、スクラップ・アンド・ビルドというお話もございましたので、例えば省庁を超えた交付金の創設ということで、地方の自主性、裁量性の向上と地方再生の観点から、汚水処理等の補助金を内閣府の下で一本化するような地域再生交付金を創設してございますが、これはいろんな経費をまとめまして八百十億円創設するといったこともやってございます。  それから、細かいところに参りますと、その事務コストの削減ということで、航空割引運賃の活用だとか公用車の効率化、台数削減、こういうこともやってございますし、事務運営の見直しということで刑務所等の実施業務の効率化ということもやってございます。これは八億円の効果があったと考えております。  その他、国税庁の電算システムをオープンシステム化して維持費を減らしていくとか、庁舎の割当てを見直してオフィスを民間賃貸ビルより庁舎内の空きスペースに移転するだとか、こういったこともやってございますし、歳入の方の対策といたしましては、細かいことでございますが、国有財産の売却促進だとかそういったこともやってございますので、いろんな、細かいところから大きな制度に至るまでいろんなところに目くばせしながらできる限りのスクラップ・アンド・ビルド、効率化を図った結果が今申し上げている最終的な姿になっていったと考えております。

広田一民主党・新緑風会

○広田一君 どうもありがとうございます。  そうした中で、少しちょっと分かりやすいところでお伺いしたいのが、さっきの三位一体の改革の関係で、一兆四千億円の結果として国庫補助事業等がなくなったわけなんですけれども、このことによって、それに伴う経費の削減であるとか、そして将来的には人員の整理であるとか、これはもう一兆四千億を超える事業がなくなるわけですから、こういったことが国のそのようなスリム化にどのような貢献をされるというふうにお考えなのか、教えていただきたいと思います。

杉本和行財務省主計局次長

○政府参考人(杉本和行君) 一兆四千億円のうち、義務教育国庫負担金それから国民健康保険の関係、そういったものは、義務教育国庫負担金の場合は、国庫負担から今暫定的な形で税源移譲予定交付金という形で地方に配付されるということになると思っております。それから、国民健康保険の場合は、国で見ておりました経費のうちの一部が地方に移管されますので、地方の方で全体として医療の地域間格差をどうするかとか、医療の効率化をどうやって図っていくのか、そういうことが、いろいろ考えながら経費が地方の方で措置されることになると思っております。  それから、その他、養護老人ホームの関係とか、個別の補助金の一般財源化がございますので、そういったものにつきましては、地方の創意工夫、国で一律的にやっているよりも地方の創意工夫がいろいろ勘案される場面があるんだと考えております。  それから、十七年度で申しますと、公共投資関係の補助金の交付金化が三千四百億ございますが、これにつきましては、先ほど申し上げましたような、補助金が交付金化されるということによって非常に大ぐくりになり、かつ地方の裁量が増えたような事業が実施されるんではないかと思っております。  それから、スリム化の関係でございますが、これにつきましては、スリム化いたしましたので、その分の事業費がそのまま減っていくことになっておりますので、思いますので、全体としての国、公の部分がやっていく事業が減っていくということにつながると考えております。

広田一民主党・新緑風会

○広田一君 私は、そういうことを通じて結果的に人員的にとか経費的にどういった削減があるのかというふうな質問だったんですけれども、じゃ、この一般歳出の削減努力についてるる御答弁をいただきましたが、確かに国の方も努力をしているというふうなことは、私も一定、御答弁等で理解をすることができました。  しかしながら、金額的にも結果的に見ましても、今回の十七年度予算案に占める一般歳出の削減はやっぱり地方頼みの結果であったんじゃないかなというふうに言わざるを得ないというふうに思います。やはり、その部分が大宗を占めた結果、歳出削減が可能だったんじゃないか。ということは、逆に言えば、今後三位一体の改革等が一段落をしたときにいかにして国の一般歳出の削減といったものに取り組んでいくのか、非常になかなか難しい問題が出てくるんだろうなというふうに考えます。  そうした場合に、やはり今回のことを見たときには、冒頭申し上げましたように、いろんな社会保障の歳出アップの圧力とか、それに対していろいろな取組をした、また個々細かいことを積み上げながら歳出削減努力をしたということなんですけれども、私は、結果としては何か、四点の重要分野に対する増加とかそういうことを見ると、まだまだ切り込みが足りない部分があったんじゃないかなというふうに思うわけでございます。  そして、ちょっと次に移らさせていただきたいと思いますけれども、これも一般歳出削減の関連なんですが、このことのまた評価についての関連なんですけれども、先ほども申し上げたように、単に、前年度と比べてとか過去と比べてというふうなお話ももちろん重要なんですけれども、いろいろな視点で比較をすべきだろうというふうに思います。  例えばその一つが、実際に財務省さんも総務省さんも行っておりますけれども、地方財政との比較だろうというふうに考えるわけでございます。地方全体との比較等はされておりますけれども、私自身がすごい非常に気になることが、財務省さんの方は、例えば経済財政諮問会議に提出した資料の中で、地方財政は国民の皆さんに対してアカウンタビリティーを損なっているというふうな趣旨のことを提出資料の中で述べられております。確かに地方も無駄な歳出があるということはもう事実で、率直に認めなければいけないところもあろうかと思います。しかし、事一般歳出の削減努力ということを見れば、国に勝っている地方自治体というものが多いんじゃないか、特に財政力指数の低いEグループに属しているところなんかは私はかなりの努力をしているんじゃないかなというふうに思います。  私の出身である高知県の例を引いて恐縮なんですけれども、これと、うちの県と国の一般歳出の推移を比較しますと、平成五年を一〇〇とした場合に、平成十七年度の予算案時点で高知県の場合はマイナス二六・六ポイントです。対して、国の方はプラスの一八・五ポイントというふうになっております。もちろん、国と地方との、単純に比較することはできませんし、規模も違えば歳出の内容もおのずから違ってくるわけです。しかし、繰り返しになりますけれども、歳出の削減努力ということを考えたら私は一つの目安となるのではないかなというふうに考えております。  国、特に財務省さんが、地方財政はアカウンタビリティーを果たしていないとか、地方交付税絡みでモラルハザードを起こしていると言うのは結構なんですけれども、一方で、地方の努力、個々の県の努力とか取組についても評価すべきところは評価して、また学ぶべき点は学んで、このこと、そういう姿勢が、結果として財務省が目指す国、地方を通じたスリム化というふうなことの推進につながるんじゃないかと思いますけれども、谷垣大臣の御所見をお伺いします。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 広田委員がおっしゃることはよく分かるわけです。  私が確かに経済財政諮問会議の中で、地方財政、アカウンタビリティーが足らない、透明度が足らないというようなことで問題提起をしたのは事実でございます。  それは、主として申し上げますと、私ども財務省が地方財政に関与します分は、地方財政計画の策定、そしてそれに伴って歳出と歳入のギャップがあれば、当然、特例加算やそういったもので対応するわけでございますから、私たちが関与するのはそういう場面でございます。  あのとき主として申し上げたことは、一つは、単独事業の投資的経費のようなものは計上されているよりも後から決算が出てくると相当低くなっているけれども、必ずしも、低く積んであるのに高く計算してあるところもあって、そこのところの乖離があるではないかということを申し上げたのが一つであります。  そこもいろいろ議論が当然あるんだろうと思いますね。余り、それぞれの自治体の自治というものがある中で、余り細かに国が裁量をするようなことは果たしていかがかという御批判も私は当然あるんだろうと思います。ただ、足らないところを特例加算なんかで入れていくということになりますと、ある程度その背景に合理的な説明がないといけないと。そういうようなことをもう少し改善してほしいということを申し上げたわけで、今日は政務官がおいででいらっしゃいますが、大分この今度の予算ではそういった辺りの透明性というようなことも意を用いていただいて、私どももお認めし、それでいこうと、まだ緒に就いたばかりでございますけれども。  そういった意味での、何年かたってみて、地財計画のその算定はそう大きく乖離が、決算が出てきたら物すごく大きな乖離があったというようなことではやっぱり説明責任にならないんではないかという気持ちは今でも持っておりまして、今後とも、総務省もそこは非常に御努力をいただいておりますけれども、今後ともそういうところは、なるほど決算をやってみたら割合ぴたっと合っていたという、それは完全にぴたっと合うということはないわけですけれども、かなりそこのところはえらい乖離があったなということではなかったんだなというようなことを目指したいと思っております。

広田一民主党・新緑風会

○広田一君 確かに、地財計画から見てのいろいろな御指摘であったというふうに思います。  地財計画から見て、けど、実際の何か無駄遣いについては非常に事細かな具体例を挙げられて、ペットの避妊云々とかいうふうなことがあったんですけど、私はだけど、大きなところからいきなり事細かなところまで視点が行くんであるんだったら、そこの中間かどうかは分かりませんけれども、各県の取組ですよね、実際問題になっているのは地方財政計画と各県なり市町村なりが予算編成するときに実態との乖離が相当あると。それと同時に、地方財政計画を、確かに地方もそれを見ながらいろんな予算編成しているんですけれども、現実的には財政力の弱い、厳しいところであるほど非常に私は削減努力をしているということを是非大臣に御理解をしていただきたいですし、ここがやはりしっかりお互いが信頼関係、つまり地方の歳出削減努力といったものについても評価すべきところがないと、繰り返しになりますけれども、国、地方を通じたスリム化の推進というところでお互い一致協力してできなくなるんじゃないか、そういったところはやっぱり都道府県の、四十七しかないわけですから、そこの取組については個々是非分析をしていただいて、評価をしてもらいたいなというふうに思います。  そこで、ちょっと提案になるんですけれども、そうした中で、是非財務省の若手の方々だろうか、中堅の方だろうか、ちょっと分かりませんけれども、そういった方々に是非地方の方に出ていっていただいて、地方の予算編成といったものに携わっていただきたいと。このことによって、地方の無駄遣いといったものも改めて分かることもあろうかと思いますけれども、一方で、やはり自分たちがちょっとマクロから見たところでは見えなかったいろいろな地方の苦労、努力といったものもまさしく実感として感じられると思いますので、そういった地方自治体との人的交流、今もやっているというふうにお聞きするんですけれども、そのことを拡大をすべきじゃないかなというふうに思うんですが、大臣の御所見をお伺いします。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに今、広田委員がおっしゃいましたように、相互の理解を持ってやっていかないと進むべきものも進まなくなってしまうということがあると思います。  それから、私ども財務省が予算をつくるに当たりまして、その地財計画についてかなり言わば具体的にと申しますか、細部までと言うとちょっとまた地方自治との関係で問題があるんだろうとは思いますが、かなり細かに見ていこうというようなことができるようになりましたのも比較的最近のことでございます。  で、それはなぜそういうことができるようになったのかと申しますと、今、広田委員の御提案のように、財務省からもそれぞれのその自治体に出向して、いろいろ地方財政のことを勉強さしていただく機会がございまして、そういうようなことが多少蓄積してきたということもあるわけでございます。  ですから、今後とも、地方公共団体との間の人事交流については、今言ったような相互理解の促進とか、私どもも人材を育成していく上で意味があると思いますし、組織の活性化という点でも意義があると思います。特に、三位一体をあれとして、こう地方分権が進んでいく場合には更にそういうことを理解しないとなかなかやれないと思いますので、これは我々だけの考えでやるわけにはいきません、地方公共団体のお考えも踏まえなければならないわけでございますので、私どもはそういうお考えも聞きながら、少し進めて、もう少し進めてみたいと思っております。

広田一民主党・新緑風会

○広田一君 是非よろしくお願いをしたいと思います。そのことを通じまして、私も国の方が歳出削減努力をしてないというふうには思わないわけですけれども、その努力が足りないと、十分じゃないと。そうした中で、財政力の厳しい、弱い地方が本当に国に先駆けて歳出削減努力をしているわけでございますから、言わばそこから学ぶべきところを是非とも酌み取っていただきたいなということを要望しておきたいと思います。  その関係で、国と地方との関係で、いわゆる三位一体の改革についてちょっとお聞きをしたいというふうに思います。  この問題を考えるときには、まず今年度、十六年度の三位一体の改革の評価というものについて考えなければいけないんじゃないかなというふうに思うわけですけれども、今年度の地方財政計画では、地方向けの補助金といったものが一兆三千億円削減をいたしましたし、さらに地方交付税と臨時財政対策債、これが合わせて二兆八千五百九十一億円削減をされました。これは、この部分は地方から見れば大幅なマイナスということになるわけでございますけれども、プラスに当たる税源移譲といったものが四千五百九十四億円にとどまったわけでございます。差引き三兆四千億円の大幅な減少です。確かに、先ほどのマクロ的な地方財政計画上は収支は合うわけでございますけれども、現実はさにあらずで、特に財政力の弱い県や市町村に対しては相当な打撃になったわけであります。  例えば、うちの高知の場合なんかは、実は平成十四年に一般会計で約五千四百億円で収支均衡予算ということを組むことができました。それからわずか二年後の今年度、予算規模を更に一一%削減をして、額にしては六百億円なんですけれども、これを縮小したにもかかわらず二百三十六億円もの財源不足が生じたわけでございます。この額が地方交付税等の削減分である二百三十七億円とほぼ同額なわけです。  つまり、今回の各地域出ておりました地方の財政危機、つまり自分たちの貯金に当たる財政調整的な基金をほとんど取り崩さないと予算が組めなかったというふうな危機的な状況は、やはりこの国の一方的な政策変更によってもたらされたというふうに言わざるを得ないと思いますけれども、今年度の三位一体の改革についてどのような評価をされているのか、御所見をお伺いしたいと思います。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 平成十六年度は、具体的に言いますと、四兆円という補助金改革の目標を定めた中で一兆円やったわけですね。それで、それを所得譲与税と税源移譲予定特例交付金という形で地方に所要の財源を手当てしたと。それから、地方交付税については必要な財源を確保しながら補助金縮減とか地方歳出見直しを通じた縮減を行ったわけでございます。それで、今のお話のように、財政力の弱い地方団体では予算編成が非常に厳しい状況にあったという話、これは私どもも伺っております。  ただ、地方財政については十六年度末に交付税特会の借入金の残高が五十兆になるわけですし、また地方の借入金残高が二百兆を超えるというふうに見込まれておりますので、これはそういう状況の中で地方歳出の徹底した見直しを通じた財政健全化は避けられなかったというふうに私は思っております。  それで、今おっしゃったように、いろいろマクロで見た、何というんでしょうか、地財計画と、ミクロで見たそれぞれの配分というので見た場合、随分違いがあったというふうに私どもも聞いております。例えば、私、広田さんのところと私の地元とはちょっと違いますが、段階補正がなくなって、その上に今度こういうのまで、こういうのって、三位一体まで掛かってきて、もうたまったもんじゃないなんというのは、私も地元へ帰りますと、私の地元の小さな町長なんかにはもうさんざん突き上げられたというようなことは確かにあったわけでございますが。  十六年度の地財計画の規模は、十五年度と比べますと、マイナス一・五兆円。ただこれは、実は十四年度、十五年度ともほぼ同じ額のスリム化をやってきたわけですけれども、去年はそこのところが、いろんなことが重なってきたということがあったんだろうと思いますが、去年が非常にやっぱり大きく、大きな反応があったということは私もよく承知しております。去年、十六年度ですね。

広田一民主党・新緑風会

○広田一君 その大きな反応があって、十七年度のこの三位一体の改革については、地方の方に補助金改革の具体的な案とかが投げ掛けられたり、そして国と地方との協議の場といったものができて、いわゆる、今まで財務省さんと総務省さんが作っていた地財計画等についても、いろいろな形で国の思い、考え方というものが反映できるような仕組みが今後できていくだろうということが期待されるという意味で、この十七年度の三位一体の改革を通じてもたらされたことは、私は、非常に画期的なことも多かったし、評価をすべき点も多々あったというふうに思います。  それは逆に言えば、余りにも、この十六年度、今年度の三位一体の改革というものが一方的であり、急激なものであり、地方に対する説明責任が十分できていなかったということの裏返しにもなるんじゃないかなというふうに考えるわけでございます。そうした中の、私は教訓を酌んだこの十七年度の取組であってほしいというふうに思うわけなんですけれども。  ただ、この十七年度の三位一体の改革の評価についても、谷垣大臣と地方の見解とはかなり開きがあるのではないかなと。財政演説の中でも、この三位一体の部分につきましては、大臣は、「地方の権限と責任を拡大し、必要な行政サービスを地方自らの責任で選択できる幅を拡大する」と、そういうふうなところも意義を見いだしているんですけれども、一方、全国知事会の地方分権の趣旨に沿った三位一体の改革の推進に関する決議では、今回のことについては、単なる数字のつじつま合わせじゃないか、それに終始しているんじゃないか、そして全国知事会等が主張してきたものとは懸け離れた甚だ不十分なものと断じざるを得ないと。かなり手厳しい評価というふうになっております。  これはもう大臣の耳にも入っているんだろうというふうに思いますけれども、なぜこのような評価になってしまったのか。このことの理由や背景を考えたときに一つ思うのが、確かに金額的にはほぼ妥当な形で地方案と政府案というものは折り合ったというふうに思います。しかし、その中身が著しく違うんじゃないかなと。つまり、税源移譲すべき補助金、国庫補助負担金の項目、百四十一項目ですか、地方は挙げたわけなんですけれども、これに対して政府は、地方案を真摯に受け止めたというふうに言うんですけれども、数がかなり少なかったように思うわけであります。  そうしたことを踏まえて、実際の地方が、自分たちの裁量、自由度を持ってこれからこういった行政サービスするんだということに対して、具体的な事業の項目の移譲として余りにも少な過ぎたんじゃないかということが地方の厳しい評価につながっているというふうに思うんですけれども、どのようにお考えでしょうか。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 私は、今回のこの三位一体ですね、国と地方でそれぞれ評価が違うじゃないかと。それから、厳しい評価も耳に入ってまいります。  これ、ちょっとまた、余り大ざっぱな議論をしてもいけないんですけれども、私はいろいろ、それがどこに原因があるのかなということを考えますと、結局、これ平成十四年度の決算ベースでございますが、国と地方を合わせた歳出規模は大体百五十兆なんですね。ところが、国と地方を合わせた要するに税収というのは八十兆しかないわけですね。結局、根本の問題はそこのところに私はあるんだろうと思います。そこで、やっぱりお互いに過大な期待を抱いてもなかなか解決できないというのがやっぱり私は根本のところにはあるんだろうと思います。  それで、要するにこの問題を根本的、この問題の道筋を付けていきませんと、やっぱり大きな意味でのお互いの満足と納得にはなかなかいかない。その中で、どっちの負担が多いとかいうことを押し付け合ったって、私は限界があると思うんです。そういうものを更に超えて言えば、確かに委員がおっしゃったように、百四十八件の中でできたのは四十一件しかなかったじゃないかというか、四十一件までできたというか、見方は違うと思いますが。  やってみましてですね、私つくづく感じましたのは、もう一つは、総論としてはですよ、総論としては、例えば補助金の移譲なんかにしても、地方のやるべきものは何か、国のやるべきものは何かという議論は、総論としてはありました。しかし、具体論になりますと、なかなか議論が詰まっていない。  典型的なのは私は義務教育の国庫補助負担金の在り方だと思います。要するに、一方でいえば、教員のその給与の半分だけ、今までだんだん譲り渡してきて、半分だけ持つことが本当に国の責任を担うことになるのかという議論があれば、いや、だから、要するに教員の給料であろうと全部国が持つべきなんだというような議論も一方ではございますね。それで、他方はやっぱり、そのぐらいは地方を信頼して、地方だってそんな教育の、図書費のよく多い少ないなんて言いますけれども、教育費をめっためたに切り刻むような知事さんや町長さんがそうそう選挙でいつまでも勝ち続けるとも思えないんですね。そういう辺りの、国が果たすべきものは何で、地方が果たすべきものは何かってやってみたら、まだまだ議論は煮詰まってなかったということだろうと思います。  それで、特に例えば災害関係なんかは、ちょうど台風が起こって、あの後と前では全然議論が私は違ったと思うんですね。ですから、今後まだ三位一体、特に義務教育の問題であるとか、あるいは、特にこれから論争が予定、議論を詰めていかなきゃならないのは生活保護の問題とかあるわけでありますけれども、相当その、まだそもそも、とにかくやろうということでやったんですが、そういったそもそも論も相当詰めませんと、お互い納得いくものになかなかならないんだろうと思います。  相当難しいですが、胸突き八丁ですが、何とかその良い答えを見いださなきゃならないんじゃないかと思っております。

広田一民主党・新緑風会

○広田一君 その問題意識は私も本当に全くそのとおりだというふうに思います。  いみじくも義務教育の国庫補助負担金の話をされたんですけれども、まさしく、あれは金額的に大きかったから非常に注目をされたんですが、一方で、百四十項目を超えるあのメニューにいたしましても、やはり地方それぞれの問題意識があっての提案であり、それについてのやっぱり十分な議論がないままに、四十項目強というところで決着をしたというところは一つの課題として残るんだろうというふうに思います。  さらに、いわゆる税源移譲を伴わないスリム化、これが十九年度までの、十八年度ですか、トータルを考えますと合計で九千億円に上るだろうというふうに、十六年から合わせて九千億に上るだろうというふうになると、これはかなり大きな額になります。それが税源移譲がなくスリム化をされる。ここについてもやっぱりいろんな議論、課題があるんじゃないかなというふうなことがありますので、やはりそこの国と地方の役割ということを、是非とも大臣の方もリーダーシップを発揮して取り組んでいっていただきたいなというふうに思います。  そうした中で、冒頭、非常に国も地方も少ない税収の中で多大な、倍以上の行政サービス、歳出を行っているというふうな御指摘がございました。そういう中で、やっぱり地方との関係を考えるときには、やはり地方交付税の在り方を見直していくということは、これはどうしても避けられない課題だろうというふうに思います。  私自身は、政府が目指しますように、税源移譲の結果として地方交付税が減少することは、自治体の財政運営における責任と自由度の拡大という点では望ましいと思います。しかし、今、残念ながら人口も企業も少なく、地理的に厳しい大多数の自治体にとりましては、増収効果というのは限定的にならざるを得ません。例えて言えば、地方税収、今の倍になっても職員の給料も払えないというところが多々ある厳しい現実がございます。  そのため、やっぱり地方交付税制度という、この維持と制度上の改善というのは不可欠なわけでございますけれども、やはり今の地方交付税というものは、先ほども言いましたように地方になくてはならないものなんですが、一方で、地方固有の財源というふうに言いながら、地方のあずかり知らないところで何か人為的、意図的に、質の変更とか量の増減といったものが決められているんじゃないかと。  小泉総理が一億円地方交付税減らすと言ったら減ってしまって、また先ほどの十六年度の予算案に本当、突然一方的に二兆八千億も削減されてしまったりとか、そして今回の三位一体の改革の全体像の取りまとめも、何かいろんな議論があった末、何か十七年度、十八年度は地方交付税の総額は確保するとかいう、そういうふうな決着を見るにつけ、これ一体、地方交付税というのはやっぱり在り方を見直していかなくちゃいけないんじゃないかなと。そうしたときに、地方交付税の持つ財源保障機能、これを経済財政諮問会議でも行く行く廃止するんだという議論があるんですけれども、しかし国が保障すべきナショナルミニマムということと、これ密接な関係がある議論になると思います。  今、本当、人口減社会とか成熟社会と言われる中で、時代に合ったナショナルミニマムの在り方というものを議論して、先ほども何か国の形という議論がありましたけれども、まさしく国と地方を通じた、国の形に直結する私は議論だろうというふうに思うわけでございますので、この地方交付税改革の具体的な視点、財源保障機能と併せて地方債と地方交付税との関係を考えた場合に、今の地方財政を非常に圧迫している一つの理由が、そして大臣が言うようにモラルハザードを起こしているんじゃないかというふうに懸念される一つの理由が、地方債の元利償還金の交付税措置といったようなところがあったというふうに思います。  こういったところも併せて、どのような方向性で見直していくのか、御所見をお伺いしたいと思います。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 総務省の松本政務官も御答弁が、私と全く同じでは多分ないと思いますが、御意見がおありだろうと思います。  それで、まず、財源保障機能はどうするんだという御議論がございました。それで、私はやっぱり地方財政のあるべき姿、さっき言ったような国、地方合わせて百五十兆使っているのに八十兆か税収がない中で、あるべき姿といっても相当遠い目標ではあるわけですけれども、これはやっぱり国もそうですけれども、要するにこういう公共福祉サービスをやるんだと、だからこういう負担をしてくださいと、やっぱりその自治体と住民の対話、こういうものが成立して、そういう中で負担と給付の関係を定めていくという、これは国もそうですけれども、やっぱりそういう姿がなきゃいけないんだろうと思うんですね。  それで、これに対して地方交付税ですが、私は、そうは言ったって財政力の違いがありますから、あくまでこの地方交付税の調整機能というものは、これはなくすわけにいかないだろうと思うんです。ただ、今おっしゃった財源保障機能ということになりますと、確かにナショナルミニマムは何なんだという視点が一方にございますが、他方、そうやって住民と、受益と負担の関係を厳しく問い詰めながらこれをやろうという観点からいきますと、足らなかったら入れてあげるよというのは、これはややもすると緩んじゃうという要因でも私はあるんだと思います。  だから、こういう負担感なく行政サービスを拡大できる仕組みになっているとすると、私はそこに問題があると思いますので、これはまあ将来的にはというと、まだそれは相当遠い将来だろうと思いますが、廃止するということを私は考えるべきではないかと思っておりますが、少なくとも当面、やはりこの機能をだんだん小さくしていくように考えるべきではないかというふうに私は思っております。  それからもう一つ、地方債の元利償還金等についてどうするんだというお話がありましたけれども、これは当面、今までずっとその地方債の地方財政計画の財源の中に、いや経費の中にちゃんと、歳出項目の中にきちっとこれの償還費を見込んできておりますから、従来ともに、従来からずっとこれの償還財源は地財計画でマクロ上算定されているわけでございますから、これは今後とも基準財政需要に入れるということではないかと思っておりますが、この辺、またどういうふうに総務省の方でお考えなのかということはございます。

松本純自由民主党総務大臣政務官

○大臣政務官(松本純君) お答えします。  まず、中期的には地方団体の交付税に対する予見可能性を高めることが重要と考えておりまして、そのために、総務省といたしましては次のように考えております。  一つ、行政サービスの水準と国民負担の在り方を議論し、早期に国、地方を通じた財源不足解消にめどを付ける必要があると考えており、そのためにも中期的な地方財政の姿に関するビジョンを示すことを一つとしております。二つ目に、これに沿って必要な交付税総額が確保されるよう法定率分をセットし直すこと。三つ目に、国の関与の廃止に対応した交付税の算定方法の簡素化を行うことが必要と考えているところでありまして、これらにより、交付税総額やそれぞれの地方団体に対する配分額について予見可能性が高まることになり、交付税の本質に沿った運用が可能になるものと考えております。  いずれにいたしましても、今後抜本的な税制改革を含めて、行政サービスの水準と国民負担の在り方を議論する中で、中期的に法定率分等の見直しを検討していかなければならないと考えております。  そこで、地方交付税の財源保障機能についての御質問でございますが、我が国においては内政のほとんどを地方団体にゆだねつつ、多くの分野において国が法令基準の設定などを通じて全国的に一定の行政水準の確保を求める仕組みを取っております。  一方で、地域間には地理的条件や経済力格差に起因する大きな財源偏在があり、税収のみによって地方団体がその責任を果たすことはできません。このため、地方団体が標準的な行政水準を維持するのに必要な財源を保障しつつ、地方団体間における財政力格差を調整する仕組みとして交付税制度が設けられているところでありまして、今後もこのような制度は必要不可欠と考えております。  特に、三位一体の改革を進める間、昨年の十一月に政府・与党合意であります三位一体の改革の全体像にあるとおり、税源移譲に伴う財政力格差が拡大しないようにしつつ、円滑な財政運営、制度の移行を確保するため、公立保育所の一般財源化で見られるとおり、交付税によりこれを調整するなどの万全の措置を講ずる必要があり、交付税の財源保障機能は一層重要性を増すものと考えております。  そして最後に、地方債の元利償還についてのお尋ねでございますが、毎年度の地方債の償還に必要な財源については、地方全体の償還に必要な総額を地方財政計画の策定を通じて確保することにより、地方団体の円滑な財政運営に支障のないように全力を尽くしてまいる所存でございます。あわせて、今後とも公共事業等の事業費補正について都道府県分を中心に適宜見直しを進めることとしております。  以上でございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) 広田一君、時間が経過していますので、簡潔にお願いします。

広田一民主党・新緑風会

○広田一君 どうもありがとうございました。  私自身も本当に一人小さな子供の父親でございまして、やはり将来のことを見たときにはどうしても次の世代にツケを回すわけにはいけないと思います。そうした意味で、国、地方を通じた財政再建、スリム化というのは大変重要なテーマだというふうに思います。  今日はほかにもいろんな質問をしたかったんですけれども、今後ともこういった問題意識で議論していきたいと思いますんで、よろしくお願いします。  どうもありがとうございました。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 お疲れさまです。  定率減税の縮小、廃止と景気の関係について伺います。  この問題はもう随分議論がされてまいりました。予算委員会でも毎日のように、私も議論させていただきましたけれども、今日はちょっと少し整理して伺いたいと思いますが、政府の方は、定率減税の縮小、廃止をしても家計、景気が大丈夫だというその根拠として、当初はちょっとアバウトなことをいろいろ言われていましたが、例えば不良債権の処理が進んだからと、企業の環境が良くなったからとか、それで企業利益が良くなっているとか、あるいは失業率が改善しているとか、九七年よりはましだとか、何ですかね、いろんなことを言われてまいりました。  ただ、要するにそういう状況的に良くなっても、家計との関係でいくと、やはり収入の問題、賃金の問題だというふうにつながるかどうかと。例えば失業率改善しても、細かく申し上げませんが、パートや非正規雇用がずっと増えているんで一人当たり賃金上がっていませんよと、こんな議論もいろいろしてきたわけですけれども、何となく家計が良くなっていくだろうというふうなことばかり言われているような気がいたしまして、この点では竹中大臣とは議論しておりますが、竹中大臣はさすがあいまいなことは申されません。  要するに、ずばり雇用者報酬に改善の兆しがあるから、来年、再来年プラスで見込んでいると。だから、家計も良くなるということをはっきりと竹中大臣言われてきましたけれども、これについてもこの前予算委員会で議論させていただきましたが、この間良くなっているという根拠も、去年の十—十二月の雇用者報酬がプラスになっているということを根拠にこれから良くなるとおっしゃっているのも、よく中身を見ると、去年の十—十二月というのはあの十一月の特別給与が前年との関係で五割増しになっていると、五割増しなんて数字、普通出てこない数字が出てきていると、それでプラスになっていることは根拠にならないんじゃないかとか、あるいは正社員がこの間ずっと減ってきたけれども、増え始めているということもおっしゃいましたけれども、その三倍の数で非正社員が増えていますよというような、そういう議論をしてきて、かなり詰まった議論、詰めた議論をしてきているところですから、すなわち余り良くなるという根拠が、私も良くなってほしいと思うんですけれども、今の時点で良くなるという根拠には乏しいんじゃないかというふうなことがずうっといろんなこと議論してきたある到達点といいますか、そういうところにあると思うんですけれども、谷垣大臣とはここまで詰めた話をしておりませんので、どういう御認識か伺いたいと思います。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 今、大門委員が今までなさってきた議論を整理されておられましたんで、伺っておりまして、結論は多分ちょっと大門委員と私は違うんだと思いますが、論点は正におっしゃるとおりではないかなというふうに思っております。  ですから、私は竹中さんよりちょっとラフに申し上げますが、大きな経済の、景気のトレンド自体は、企業業績も良くなってきているし、それを支える構造的なものも不安はずっと減っていると。ただやはり問題は、家計というか個人消費に、より今までの回復過程と見てもなかなかそこまで及んでいかなかったねというのは共通の心配事であったというふうに私も思っております。  ただそれが、やはり失業率等もようやく少し回復の、単に一か月回復というよりも趨勢的に見て回復の動向に入ってきましたし、それから竹中大臣の引かれておりましたけれども、私も雇用者報酬が戻ってきたということがありますので、企業業績や何かが堅調だということを考えますと、その辺りはこれから戻ってくるという形ができているんじゃないかというふうに思っております。  そういう中で更に申しますと、ニート問題があるとかいろんなこともございますけれども、そこら辺りも少し、例えばフリーターが多いではないかとか、何というんでしょうか、雇用の質がそういう意味での問題であるというような御議論もあったわけでありますけれども、その辺りもそのフリーター等の伸びが少し弱くなってきて雇用の質が変わってきているんじゃないかというふうに私は思っております。ちょっと、大分粗っぽく申しますと、そういうことであります。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 じゃまた詰めた議論は竹中大臣としたいというふうに思います。  消費税のことをちょっと伺いますが、この間、二〇〇七年から消費税二けたという話が当たり前のことのように議論をされておりますけれども、私は、そんなことはこの状況から、二〇〇七年といったらもうすぐですけれども、可能なのかどうかと思います。もちろん我が党はいろんな財源論を、消費税に求めるべきじゃないという立場ですけれども、仮に将来消費税が必要だと思われている方でも、景気が悪くなったらやっぱり元も子もなくなる部分があるわけですね。景気が悪くなって税収も落ちますからね。だから、景気との関係は共通して消費税の場合はよく判断をしなきゃ、どういう立場の違いがあっても判断しなきゃいけないというふうに思いますが、その点で一言申し上げておくと、世界の事例見ますと増税によって財政再建に成功した国はございません。必ず景気の回復の道筋の中で、もちろん増税をやったりしていますけれども、増税によってだけ財政再建に成功した国ありませんので、景気の回復の道筋の中で再建が成り立っていますので、それは申し上げておきたいと思いますが。  その上で、この間、政府の見解といいますか、いろんな経済見通し等でこの定率減税の縮小、廃止のときにも言われておりますけれども、GDPの〇・五%以内の、つまり二・五兆円ぐらいですかね、単年度の国民負担がGDPの〇・五%以内なら今のトレンドでいくと景気は持ちこたえると。で、もう少し、内閣府なんかの見通しでいきますと、潜在成長率今一・七か八ぐらいだと、二%行かないと思いますけれども、潜在成長率を超えるような負担を掛けると九七年の二の舞になる可能性があると。これは政府の方も言われているわけです。これを政府の一つのメルクマールといたしますと、例えば二〇〇七年から二けた増税、消費税やるとすると、これは十兆円を超える規模になると思います。つまり、先ほど言われた政府のメルクマール、単年度で〇・五%をはるかに超えるし、潜在成長率そのものと匹敵する負担増になると思います。  こういう点で、いろいろ議論されていますけれども、二〇〇七年からの二けた増税というのは政府の、何といいますか、今のマクロ経済の判断と合わない。そうすると、そこまでやると景気が悪くなるという判断をされていながら、二〇〇七年から二けた増税という、当たり前かのように財務省一生懸命今やられていますけれども、これはちょっと矛盾しているんじゃないかと思うんですが、いかがですか。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) いや、それは大門さん、当たり前のように二けた増税とおっしゃいますけれども、まだそう決めたわけのものではありませんで、私どもが言っておりますこと、あるいはやっておりますこともまだブレーンストーミングというとちょっとつつましやか過ぎるかもしれませんけれども、要するに、これから本当に必要な、特に社会保障に関して本当に必要な公共サービスの水準というのは何なんだろうという問題とよく連動させ、整理させながら、じゃそれを支える負担というのは何なんだろうというのを議論していこうというのを今やり始めているわけでありまして、もちろん私自身は、個人的な考え方としては、それをやっていけば公平にあまねく負担していただくという意味では消費税というものを中心に置いて考えざるを得ないだろうと思っておりますけれども、ただ、それを入れるときどういう状況で入れるのかというようなことは、今、大門さんがおっしゃったような景気判断もよくよくしていかなければ、何にもそんなことしないで行け行けどんどんというわけにはいかないのは当然のことだろうと思います。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 私は、竹中さんと、竹中大臣と何度も議論しているんですけれども、こういうことじゃないかなと。要するに、単年度の景気への負担がGDPの〇・五%以内ならというのは、これは内閣府の一つの数字でございます。政府の数字でございまして、そうすると、消費税をひょっとしたら段階的に上げていく、政府のメルクマールであるGDP〇・五を超えない、段階的に上げていくということを実際には当局は考えておられるんではないかと。そうでないと、見通しとつじつま合わないじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) まだ考えていないんでちょっと御答弁のしようがないんですけれども、そういうアイデアもあるのかと思って聞かせていただきました。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 誤解のないように、私がアイデアを提案したわけではございません。当局の方はそういうシミュレーションをしているとしか思えないような発言だと思いますが、もしよかったら当局の方。

福田進財務省主税局長

○政府参考人(福田進君) お答え申し上げますけれども、税制、税財源が必要なときにどれだけの所要額が必要か、つまりどれだけの歳出が必要か、それに対してどういうふうに歳入を調達するのか。その一つとして税制があり、その税制の中でも主なものとして、今大臣から御答弁がございましたように、消費税が有力な候補者になっている、こういうことであろうかと思いますが、その先どういうふうにしてやるかというのは前提条件によって大きく異なりますので、どういうふうに、いろんなケース、もちろんシミュレーションやりますけれども、これでやるというようなことは現段階では決まっているわけでも何でもございません。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 私は税金取るべきところはほかにもあると思うんです。もちろん、いつも議論している大企業から取るか庶民から取るかという話は今日はちょっとおいておいて、もっと取るべきところがあるというお話をしたいと思います。  外資系の、今、リーマン・ブラザーズとか、いろんなことが出ておりますけれども、外資の問題、私、ずっと取り上げてまいりました。特にこの間、非常に目立つわけですけれども、私は別に鎖国政策を取るべきだと言っているわけではございません。外資入れるなとか、そんなこと言っているわけじゃなくて、外資であろうと、日本で取引、商売するならばちゃんとルールを守るべきだと、こういう立場でずっと言ってきたわけですね。グローバル化の中ですから、外資がいろいろ入ってくるのは、それはもう仕方のないことだというふうに思います。  一口に外資と言っても、二つ、種類といいますか、あるかなと。例えば、実体経済に直接投資をしてくれる、こういう外資の動き方があります。もう一つは、ただ投機マネーで入ってくる、この外資の動きもございます。よく外資に課税をすると逃げてしまう、投資が減るというふうな、特に経済産業省辺りからの話がありますが、私が言っているのは投機マネーの方ですね。これは元々逃げ回っているわけですから、あっちこっちを。これ、いいときだけ来るわけですからね。これの話をしているわけで、課税したら逃げるということではない、その部分のお話をしたいと思います。  それでもう一つは、今の、どれだけのお金が動いているかということなんですけれども、世界の貿易額というのは一年間で約七兆億ドルですね。大臣にお渡ししました私は本出しましたけれども、そのときに調べましたけれども、一年で約七兆億ドルです。ところが、このマネーの動きというのは一日で一兆億ドル。つまり、世界の貿易取引、一年間掛かるお金を一週間で動かしていると。すごいお金が動いているわけですね。この中に膨大なさっき言った投機マネーがあるわけでございます。  今、国際課税の問題がやっと日程に上ってきたところでございますし、こういう逃げ回って、逃げ回りながらもうけている、このお金は世界の国々がみんなで税金掛けようといえばいいわけですよね。トービン税という発想もございますけれども、みんなで掛ければ逃げられないというのがこの世界でございます。  リップルウッドの問題を一つ申し上げますと、この問題は我が党の赤旗の経済の取材チームが突き止めましたけれども、リップルウッドというのは、御存じのとおり、長銀をわずか十億円でLTCB・パートナーズですかね、買って、新生銀行にしたわけですけれども、新生銀行株を、去年の十二月に今度国際課税がされるという動きになってきたというんで、事実上、パートナーズを解散して海外投資家に分散をして、幾ら売っても課税されない仕組みを作って、約こちらの調べでは三千億円の利益を上げております。もうそういう課税の動きになってきたからということもあって、そういう逃げたわけですけれどもね。  こういうことも起きておりますし、今ライブドアの問題でリーマン・ブラザーズの動きも派手になっておりますけれども、この国際課税について今日は基本的なところを教えてもらいたいなという意味で質問をさせていただきますけれども、そもそもこういう投機マネーが税金を逃れている、課税を逃れている仕組みというのを、どんなものがあるか、ちょっと幾つか教えてもらえますか。

村上喜堂国税庁次長

○政府参考人(村上喜堂君) お答えいたします。  近年、経済の国際化の進展に伴いまして、税負担を不当に回避するような国際的な租税回避行為が多々見られるところでありますが、これらはかなりの程度オーダーメードになっておりますので、いろいろケースがあるかと思います。  一つのよく見られるケースは、不良債権ビジネスの収益につきまして匿名組合等を利用して我が国での課税を逃れているようなケースもございます。また、タックスへーブンにある関係会社に利益を付け替える、日本にある、本来なら日本に申告すべき利益を海外に付け替えるといった事例もございます。あるいは、租税条約を不正に利用いたしまして、条約相手国にペーパーカンパニーを設立し、我が国での課税を逃れるケースもございます。それから、必ずしも国際課税ではないんですが、リース取引等を利用しまして、リース取引を組合事業として行いまして、投資家に損失を分配するようなケース、こういったケースが見られるところでございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 今回の法改正で国際課税に踏み込まれたのは一歩前進と、この部分は評価しておりますけれども、外資系の投資ファンドなどが課税逃れをしたり申告しなかったり、こういうところにメスが入ったということなんですが、問題は、そういう海外の投機マネー、投資ファンドとか投資家とか、そういう組合形式、いろいろありますけれども、こういうところが、日本において恒久的施設があるかどうかが課税のメルクマールになるという一つの物差しございますね。この恒久的施設の認定が甘くなっていないかどうかという点があると思いますが、それはどのようにお考えですか。

村上喜堂国税庁次長

○政府参考人(村上喜堂君) 恒久施設、パーマネントエスタブリッシュメントと申しますが、この規定は基本的にOECDの条約で決められておりますので、国際的な共通なルールで運用されていると思います。特に我が国において甘くなっているということはないと思いますが。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 いや、私が言っているのは、甘いかどうかではなくて、まず基本的な話ですけれどもね。  申し上げました、例えば言いますが、あのリーマン・ブラザーズというのは、リーマン・ブラザーズ・ジャパンというのは東京支店で桂木さんいらっしゃいますが、あのリーマン・ブラザーズ・ジャパンというのはケイマンにありますね。ケイマンにあるんですね。で、東京支店というのがあります。本拠地はジャパンでいえばケイマンですね。みんな租税回避のためにケイマンに本拠地を置くわけですが、こういう場合はどうなりますか。支店は、支店だけ、いかにもジャパンだから東京支店に、六本木にあるような、みんな思っているかも分かりませんが、あれはケイマンにあるんですね。この場合はどうなりますか。どちらが恒久的施設とみなしますか。

福田進財務省主税局長

○政府参考人(福田進君) 個別のことはともかくといたしまして、支店が我が国にあれば、いわゆる先生おっしゃいましたPE、パーマネントエスタブリッシュメントに該当いたします。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 ありがとうございます。来週この問題で集中審議があると思いますので、その個別の話はそこでまた伺います。  もう一つは、外資系の投資ファンドというのは組合形式を取っている場合が多いわけですね。その業務執行組合員をケイマン諸島などのいわゆるタックスヘーブンのところに置いて、日本にはアドバイザーという形で、それがさっき言った支店形式を取ったり、いろいろ複雑でややこしいんですけれども、アドバイザーという者を置いて課税逃れをしているケースというのがあります。こういう場合は、いわゆるアドバイザーを置いているという形なんかはどういうふうに判断されますか。

福田進財務省主税局長

○政府参考人(福田進君) 当該事案において、アドバイザーと称されている者、今おっしゃった者がどのような役割、位置付けを持っているのかということで個別の判断がなされるというふうに認識しております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 役割で、実態で判断するということでよろしいでしょうか。──ありがとうございます。  こういう租税回避がいろいろ行われておりまして、ある学者の方の試算によりますと、こういう投機マネーが日本だけでも何百兆、年間にしますと、出たり入ったりですけれども、動くと。これに課税すれば十五兆円の収入になるという試算も一つあります。それぐらい大きな規模のお金が動いていて、租税回避がされているというのが今の実態でございます。  最後に大臣に伺いますけれども、こういう租税回避行為ですね、こういうものに対してこれから財務省として、今回も法案出されておりますけれども、これからどういうふうに対処をされていくか、決意をお伺いしたいと思います。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 今、大門さんから国際的な経済活動が複雑化、多様化する中で、やっぱり税制面の、何というんでしょうか、一種の穴といいますかね、そういう問題点を指摘していただきましたけれども、これは税制面でもこういう国際的な経済活動の実態に即した見直しを随時行っていかなければいけないんだろうと思います。そうして、そういう租税回避行為を防ぐということが大事ではないかなと思います。  平成十七年度の税制改正では、いわゆる航空機リース等への投資を組合形態で行って租税回避行動をしていくというような例がありますが、こういう投資に参加する投資家への損失を分配して、そこを何かうやむやにしちゃうわけですね。それを厳しく制限する措置を今度の改正で講ずると。  それから、非居住者が組合を通じて日本企業の株式の大口の譲渡を行った場合に事実上課税を免れてしまうという問題があったわけですけれども、これに対応して、課税要件の判定で組合を一体としてとらえる措置を講ずるといったような措置を講じて穴をふさいでいこうということを今度考えております。  それから、執行面でも、国際的な租税回避行為に対しては国税の組織の総力を挙げてきちっとやっていくと、厳正な態度で臨むと。それから、税務調査を通じて適正公平な課税の実現を図っていくということを更に徹底していかなきゃいけないと思っております。  制度、執行の両面で連携を図りながら、租税回避行為の防止、適切な課税の実現と、努めていきたいと思っております。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 私、名護市辺野古沖でのボーリング調査について伺います。  名護市辺野古沖の海上基地建設に向けたボーリング調査ですが、現在、名護市辺野古沖のその海域では那覇防衛施設局の作業船や海上保安庁の船、ヘリ基地反対の市民や住民のボートや漁船、それからグリーンピースの船など、合わせて三十隻近い船がひしめき合って、緊張状態が続いています。  それというのも、施設局が、三月の十五日の夜中、そして十六日の未明にかけて、大型の足場の設置作業に取り掛かったからです。海底に穴を掘るための大型の足場、スパット台船一基が夜間に中城湾港から運ばれて、朝の六時三十分から作業が始められました。  実は、この海域にはジュゴンが生息していることから、施設局が沖縄県に提出したボーリング調査の作業計画の中にはジュゴンへの配慮事項が盛り込まれています。それによりますと、ジュゴンへのその配慮事項、作業時間は一日、まあこれは日の出の一時間後からそれから日没の一時間前まで、夜間の作業は行わないということになっておりますが、今回の設置作業は明らかにその事項に違反しています。  そこでお伺いいたしますが、防衛施設庁はこの那覇防衛施設局の今回の作業について承知していますか。

河野孝義防衛施設庁建設部長

○政府参考人(河野孝義君) お答えいたします。  普天間飛行場代替施設のボーリング調査における御指摘の足場作業、設置作業につきましては、以下のとおり那覇防衛施設局から報告を受けております。  今先生御指摘のように、三月十六日早朝、午前五時ごろでございますけれども、船舶で曳航されたボーリング足場、スパット台船が現場海域付近に到着しております。スパット台船の設置作業は午前七時ごろから開始したところでございます。  御指摘の作業計画では、ジュゴンの配慮方策としまして、ボーリング作業の時間は、一般にジュゴンが夜間に浅瀬の海草藻場で採餌し、昼間はやや深い海域に戻ると言われていることを踏まえ、日の出一時間程度後から日没一時間程度前までの間で設置する旨、記載しているところでございます。  作業計画に言うボーリング作業の時間とは、特に音の影響を考慮しまして、ボーリング機材を用いて実際に掘削する作業を行う時間を念頭に置いたものでありまして、それ以外の作業の時間を含まないものとしているところでございます。したがって、今回のスパット台船の曳航や設置に係る作業が作業計画上問題あるとは認識しておりません。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 今、その作業時間をしっかり守っているから別にジュゴンには影響がないというふうな答弁に聞こえましたけれども、実際にはその海域にジュゴンが生息をしておりますし、ジュゴンのはみ跡なども出ているところから、やはりこれはかなりジュゴンの生息には影響があると思うわけです。  ですから、今回、スパット台船の設置作業は施設局が沖縄県に提出したこの作業計画に反していると考えるわけですが、この作業計画書の作成の際に環境省が助言をしたと言っておりますが、環境省、このことに対してどう判断されますでしょうか。

桜井康好環境大臣官房審議官

○政府参考人(桜井康好君) 環境省では、平成十五年九月に防衛施設庁に対しまして、現地技術調査の実施に当たりましては可能な限り環境への影響が少ない調査の方法を選定すべきであるという助言を行ってきたところでございます。具体的には、ボーリング調査地点の選定、あるいは調査手順、作業方法などにつきまして、ジュゴンや藻場、サンゴ等への影響をできるだけ少なくなるよう配慮することなどを助言したところでございます。  先ほど防衛施設庁から答弁ございましたように、防衛施設庁におきましては、環境省からの助言を踏まえて、作業計画あるいは環境配慮事項を作成して、これらに沿って作業が行われていると理解をしているところでございます。  いずれにいたしましても、ボーリング調査などの実施に当たって、防衛施設庁におきましてジュゴンなどへの影響に最大限配慮しながら適切に作業を進めていただきたいと考えているところでございます。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 今、防衛施設局と環境省の立場、大変違うわけで、指導したとおりに実際に行っていないという現実ではないかというふうに思います。  昨年の十二月の二十七日にボーリング調査に反対する市民やそれから近海海域の漁業者らが、沖縄県内六十八人の方々が、この自然環境が破壊されているということで、国を相手にボーリング調査の差止めを訴える裁判を起こしております。  弁護団長であります池宮城紀夫団長は、今回のこの訴訟の目的と意義について次のように述べています。ボーリング調査そのものが辺野古海上基地建設の一環をなし、その新基地は県民への新たな基地負担を押し付けること、そして奇跡的に残る豊かな自然環境に壊滅的な破壊をもたらすこと、これを何としても止めることが訴訟の目的であると。県民の八〇%が反対している世論の中で、国はあえてそれを無視してこの調査を強行しておりますが、この無謀な政策と不当性を裁判で明らかにしていく。巨大な基地建設は沖縄の基地の固定化につながり、県民の願いに全く反すると述べています。  環境保護の主張からいいましても、今始めているボーリング調査ですらサンゴの破壊が進んでおりまして、専門家らの警告が現実化し、危険が、危機的な状況はどんどん進んでいるわけです。今止めないと回復不可能になってしまい、法的な歯止めの必要性は極めて差し迫っていると。ボーリング調査のこの作業を今すぐ中止すべきだと訴えていますが、施設庁はこの裁判についてどう受け止めていますか、お伺いいたします。

河野孝義防衛施設庁建設部長

○政府参考人(河野孝義君) お答えいたします。  ボーリング調査は普天間飛行場の移設・返還に向けた必要不可欠な調査でございます。当庁としては、より多くの方々の理解を得られるよう、ボーリング調査の具体的な内容、環境配慮方策を盛り込んだ作業計画などにつきまして、名護市議会議員や地元行政区の方々に説明する機会を開催するなど、事業者として必要な手順を踏んでいると認識しております。このような状況において差止め訴訟が提起されたことは誠に残念なことだと思っております。  いずれにしても、今後とも、より多くの方々の理解が得られるよう不断に努力するとともに、自然環境に十分配慮しつつ、安全対策に万全を期して、円滑にボーリングが実施をできるよう努めてまいりたいと思います。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 実は、去年の十二月の八日ですが、琉球朝日放送は、「足場で傷ついたサンゴ」と題して、ボーリング調査のために設置された船がサンゴを破壊している様子を海中撮影で生々しく報道しておりました。これは、スパット台船といいまして、この足場を二メートル四方の鉄板で支えられ、それが生きたサンゴを押しつぶしている様子が紹介されて、大変ショッキングな映像が出ておりました。日本サンゴ礁学会の会長である山里清さんは、これを見て、かなりのダメージであり、施設庁は全然この作業に関して注意を払っていない、やはり危惧したとおりであるというふうに述べていらっしゃいます。  沖縄県も、公有水面の使用許可を与えた際に、海生生物に著しい影響が確認された場合には、一時中断も含め適切な措置をとる用意があるとしております。県として待ったを掛けることもあるということになっております。  そこで、お尋ねいたします。  那覇防衛施設局は、昨年の十二月二十七日に、ボーリング調査でサンゴ破壊が指摘されていた問題で海底状況確認の調査結果を沖縄県に報告し、十四か所のハマサンゴなど、計三十か所のサンゴや岩礁の破損を認めました。施設局は、原因を足場の底板の接触だと判断し、今後は原則として底板を装着せずに設置するとその改善策を発表しています。その程度のことでサンゴ礁の破壊は起こらないと保証はできるのでしょうか、お伺いいたします。

河野孝義防衛施設庁建設部長

○政府参考人(河野孝義君) お答えいたします。  ボーリング調査は、護岸の構造の検討に用いるデータ収集の目的のために行っているものでございまして、昨年十一月から足場の設置を開始しており、潜水により事前に確認した海底状況を踏まえ、サンゴが比較的少ない場所に調査箇所を選定し、波の状況や気象状況を見極めて設置作業を慎重に実施するなど、サンゴ等海底の環境にも十分配慮して実施しております。  本件調査箇所につきましては、足場をいったん設置、これは十六年十一月二十日でございますけれども、した後に、台風が接近したことにより、安全対策のため一時足場を撤去したものでございます。足場設置中と撤去後に海底状況を目視により確認したところ、足場周辺においてサンゴの破損等が確認されたものでございます。御指摘のように、三十三個でございますが、面積でいえば全体で約二平米ということでございます。  足場撤去の作業の際に、波の影響等により足場脚部に装着をされた金属板の底板、これは二メーター四方のものでございますけれども、これ四か所付いております、これが周辺にちょっと接触してそのような状況が生まれたということでございます。  それで、本件を踏まえ、今後の同型の足場設置に当たっては、気象状況や波の状況を見極めて実施することに加えまして、岩礁部へ設置する場合は、原則足場の底板を取り外して設置することとし、調査実施に伴うサンゴ等への影響を更に低減、回避するよう努めてまいりたいと考えております。  ボーリング調査は必要不可欠な調査でありますので、繰り返しになりますけれども、自然環境に十分配慮しつつ安全対策に万全を期して円滑に進めていきたいと考えております。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 今、環境に配慮してサンゴ破壊をせずに調査をするというふうにおっしゃいますけれども、それが本当に可能かどうか、とても現場でのサンゴの破壊状況を見ると疑問でございます。  環境省は、沖縄本島周辺のジュゴンの保護に向けて生息環境の広域調査を実施し、ジュゴンは、名護市辺野古域を含むんですが、本島の東海岸の中北部、それから西海岸の北部を主として回遊していると考えられるとの調査結果を二〇〇四年の十二月二十八日にまとめています。環境省の調査でもこの海域の重要性が指摘されたと思うわけですが、それについて、環境省、再度この調査された結果をお伺いしたいと思います。

小野寺浩環境省自然環境局長

○政府参考人(小野寺浩君) 十三年から沖縄本島海域、ジュゴンと藻場の広域的調査を実施してきているところであります。調査の中身は、航空機からの目視、えさ場である海草藻場の分布、ジュゴンが食べている、はみ跡と言いますが、食痕の調査等を確認してきたところでございます。  これらの調査を総合的にまとめて判断いたしますと、ジュゴンは辺野古沖海域を含む東海岸中北部、これは嘉陽沖から金武湾にかけて約四十キロぐらいを指しますが、その地域と、西海岸北部、屋我地沖というふうに取りあえず言っておりますが、その二つの地域においてかなり頻度の高い利用をしているということを確認しております。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 今の調査結果にもありましたけれども、大体ジュゴンの目視された数が現在のところ五ないし七頭というふうに言われております。  このジュゴンについてなんですが、実は今年の三月の二日、サンフランシスコのアメリカ連邦中央裁判所は米国の文化財保護法の域外適用について米国の国防総省の訴えを却下し、この私たちの申立てを実際に採用しております。これはジュゴンの、いわゆるジュゴン訴訟と言われまして、二〇〇三年の九月に日米の原告団がアメリカの文化財保護法に基づきまして沖縄県名護市辺野古のジュゴンの保護を求めて提訴したものです。争点は、辺野古海域の基地建設が米国政府の行政行為に当たるかどうか、ジュゴンに影響を与える基地建設が同等の意義を持つ他の国での法律で保護された文化財も保護対象とすると定めた米国文化財保護法に違反するかどうかでありました。  環境省はこの訴訟について承知していますか、伺います。

小野寺浩環境省自然環境局長

○政府参考人(小野寺浩君) ジュゴン訴訟の概略については承知しております。ただし、ジュゴン訴訟、このジュゴン訴訟については現在係争中であり、またアメリカのことでもありますので、お答えする立場にありませんけれども、今後とも注目をして情報を集めてまいりたいと思っております。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 裁判そのものはこれからも続いていくわけですが、米国の文化財保護法の域外適用についてはどう考えているか、お伺いいたします。

小野寺浩環境省自然環境局長

○政府参考人(小野寺浩君) 今詳細については、その裁判と論点の詳細については把握しておりませんので、的確なお答えを今この場では、申し訳ありませんけれども、できかねます。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 今回のこのボーリング調査は、護岸構造検討のための現地技術調査で、四項目の調査のうちに、既に二〇〇三年の四月に地形調査、同五月に気象調査が実施されておりまして、今回は残りの地質調査と海象調査のためのボーリング調査が実施されています。自然保護団体が二〇〇二年から実施した調査結果によりますと、ボーリング調査地点六十三か所のうち、少なくとも十八か所が海草の分布範囲内にあって、海草藻場の生育やジュゴンの生息に大きな影響があることが懸念されていますが、環境省の見解はいかがでしょうか。

桜井康好環境大臣官房審議官

○政府参考人(桜井康好君) このボーリング調査の足場につきましては、ジュゴンのえさ場となります海草類、海草類の被度、覆われている度合いでございますが、五%以上の区域をできるだけ避けて設置するほか、ジュゴンが移動経路として利用する可能性もあると言われておりますリーフの切れ目には設置をしないということになっております。また、作業の実施に当たりましては、環境攪乱をできるだけ避けることとしているというふうに防衛施設庁から聞いておるところでございます。  ボーリング調査等に当たりましては、ジュゴン等への影響に最大限配慮するため、防衛施設庁におきまして、先ほど申しましたように、環境省からの助言も踏まえまして作業計画あるいは環境配慮事項というものを作成しているところでございまして、今後とも、防衛施設庁におきまして、これらに沿ってジュゴン等への影響に最大限配慮しながら適切に作業を進めていただきたいというふうに考えておるところでございます。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 防衛施設局は、沖縄県が施設局に対して求めた調査実施の際の環境配慮事項において、ジュゴン、藻場、サンゴへの影響を回避、軽減するとしています。しかしながら、環境影響評価書は事業内容についての記述が十分でなく、調査・予測・評価手法が論理的に関連していないなど、方法書の核心部分が欠落しているのではないでしょうか。また、縦覧の仕方が、沖縄本島内のみで実施されたにすぎず、排他的であるなど大きな問題を含んでいます。  このような方法書は、環境アセスメントの形骸化を進めるものであり、これらの問題点が解決されないままボーリング調査を実施することの根拠、正当性についてどのように考えていますか。施設庁の見解をお伺いいたします。

河野孝義防衛施設庁建設部長

○政府参考人(河野孝義君) お答えいたします。  環境影響評価は、事業の内容を決めるに当たって、その実施が環境に及ぼす影響について調査、予測、評価を行い、その結果を公表して国民、地方公共団体などから意見を聴き、環境保全の観点からより良い事業計画を作り上げることを目的とした制度でございます。  代替施設建設に係る方法書につきましては、環境影響評価の一連の手続の中で、地方公共団体や一般の方々の意見を環境影響評価の方法に柔軟に取り入れるために、事業計画の早い段階で作成されたものでございます。現時点で決定していない事項については記載しておりませんけれども、事業内容のうち既に決定している事項はできる限り記載し、また、影響評価項目につきましては、事業の特性や地域の特性を考慮し、適切に記載したところでございます。  代替施設の環境影響評価につきましては、方法書に対して提出された沖縄県知事や一般の方々の意見を踏まえ、最終的な環境影響評価の方法としてまいる考えでございます。現在、方法書に記載していない事項につきましても、環境影響評価を行うために必要な事項は、準備書の段階までには明らかにする等、適切に手続を進めてまいる所存でございます。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 辺野古のサンゴ礁においては、二〇〇三年に日本初の記録となる貝が七種類発見され、改めて辺野古海域の貝類の多様性が明らかになりました。  また、二〇〇四年には自然保護団体により、ボーリング調査地点ナンバー一から十一周辺においてジュゴンのはみ跡が確認されています。那覇防衛施設局の事前調査においては、当該地域は海草なしという調査結果だったにもかかわらず、このようなジュゴンのはみ跡が確認されたということは、ジュゴンがこの海域を利用していると考えられるわけです。  調査結果の食い違いからも明らかになるように、事業を所轄する省庁単独の調査ではなく、客観性が確保できる第三者による調査が必要だと思いますが、施設庁、いかがでしょうか。

河野孝義防衛施設庁建設部長

○政府参考人(河野孝義君) お答えいたします。  まず、事実関係でございますけれども、普天間飛行場代替施設のボーリング調査箇所につきましては、海草藻場などへの影響を回避、低減するために潜水調査により海底状況を事前に確認した上で選定しております。平成十六年九月から開始した現地作業では、ボーリング足場を設置する前に再度潜水調査により海底環境の変化の有無を確認した後に、リーフラインの海草藻場でジュゴンのはみ跡の有無を確認しております。  ボーリング調査箇所の潜水調査や海底状況などの確認に当たっては、海草藻場など海底の自然環境の知識を持ったダイバーにより実施をしており、また潜水調査や確認の結果については、那覇防衛施設局のホームページ等でボーリング調査箇所やその周辺の海底状況を撮影した写真とともに公表しております。  このように、当庁が実施した調査等については、できる限り客観性が確保されるよう努めているところでございます。したがって、お尋ねのような第三者による調査を実施する考えはありませんが、引き続き、ボーリング調査に当たっては、調査箇所周辺の海底状況を十分に確認するなど自然環境に配慮しつつ実施する所存でございます。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 今、防衛施設庁と、それと環境省との調査の結果の食い違い。先ほど指摘いたしましたように、実際に防衛施設庁からの出された調査書の中には貝類の、新しい貝類の想起などもありませんでした。それから、先ほど申し上げましたジュゴンのことに関しましても、やはりはみ跡に対する見解も食い違うところもありました。そういう意味で、是非とも複数省庁と調査をしていただきたいということを要望いたします。  二〇〇四年の十一月にタイのバンコクで開催されました国際自然保護連合、IUCNでは日本のジュゴンやノグチゲラ、ヤンバルクイナの保全勧告が多数決で採択をされました。この勧告に対する政府の見解をお伺いいたします。

神余隆博外務大臣官房国際社会協力部長

○政府参考人(神余隆博君) お答え申し上げます。  二〇〇四年十一月のバンコクにおけるIUCN第三回世界自然保護会議では、普天間飛行場代替施設の建設予定地域におけるジュゴン、米軍ヘリ着陸帯移設事業予定地におけるノグチゲラ及びヤンバルクイナを保護するために建設計画の中止の可能性の検討を含む環境アセスメントを行うことなどを日本政府に求める内容の勧告がそれぞれ採択されております。  一方、政府としては、これら三種の保全のため、これまで様々な調査研究や対策を行い、また、これら施設の建設に当たっては自然環境に著しい影響を及ぼすことのないように最大限の努力を行うとの方針を既に決定し、環境アセスメントの手続に着手しているところであります。  このような政府の方針を踏まえまして、昨年のIUCNの会議の期間中、外務省は環境省とともに勧告案の内容について関係者と協議を行いましたが、調整が整わなかったために勧告の採択に当たっては棄権をしたものであります。本件勧告の中に我が方政府のとってきた措置や考え方が反映されていなかったのは残念でありました。  日本政府としては、今後とも、これら施設の建設に当たっては、自然環境に著しい影響を及ぼすことのないように最大限の努力を行う所存であります。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 今回のその勧告に従って日本政府は直ちに辺野古海域におけるボーリング調査を中止し、ボーリング調査と、それからゼロオプションの検討を環境アセスメントに含めるべきであるというふうに思います。先ほど紹介いたしましたジュゴンやノグチゲラ、ヤンバルクイナの保護区の設定とそれから保護計画について具体的に取り組むべきであるというふうに思います。  自然保護や環境保全の分野で日本が世界的な貢献をしていくためには、まずこの勧告を実現し、国際社会の中で義務を果たして信頼できる国との評価を得る必要があるのではないかと思います。  最後に、政府の重要閣僚として谷垣財務大臣にお伺いいたします。  米軍再編の中で、二月十九日の日米安全保障委員会、2プラス2以来、普天間飛行場の閉鎖と、辺野古沖への代替施設建設というSACO合意について見直しの声が日米両政府の高官から出てきておりますが、谷垣財務大臣の現時点での見解をお伺いいたします。

谷垣禎一自由民主党財務大臣

○国務大臣(谷垣禎一君) 普天間飛行場等の取扱いについては、在日米軍の兵力構成の見直しという議論に関連して、これはいろんな考え方があるんだろうと思うんですね。それで、今後この在日米軍の編成については、その抑止力維持あるいは沖縄、地元の負担軽減という観点から、日米間であらゆる可能性について集中的に協議されることになっておりますので、現時点で何ら決まっているということはないと思っております。  そして、SACOの最終報告については、この間の2プラス2のコミュニケでも触れられているわけですけれども、現時点で政府としてはどう考えているかとお答えを求められますと、これを着実に実施することが必要と、こういうふうにお答えさせていただきます。

糸数慶子各派に属しない議員

○糸数慶子君 この2プラス2でも、やはり普天間基地のその移設先として名護市辺野古以外も検討しているというその状況が発表されておりますし、やはりこれは、今、普天間の代替施設につきましては、現在のこの辺野古辺りでの調査費、平成十五年度で十六億円、平成十六年度で十九億円の調査費が付き、平成十七年度予算でも二十七億円が計上されているわけです。しかし、こういう見直しの計画もあるという状況の中で、これだけの予算を使って本当にこういうジュゴンの住んでいる海域を今のような環境破壊を続けながら継続していくのが、SACOの合意に沿って着々と計画を進めていることなのかということを考えますと、大変大きな疑問がございます。  今、私の手元にこのジュゴンの写真がございます。(資料提示)是非、これ皆さん見ていただきたいと思いますが、実はこの写真は、三月の七日にグリーンピースが沖縄にやってきたときに、佐敷町に住んでいらっしゃる仲里さんというパラグライダーのショップを経営している方が、実際にこのパラグライダーに乗りまして、飛び立って名護市の辺野古の海域で調査した、こういう写真です。  こういう、私たち、昔はジュゴンのことをよく人魚に例えられていたということで、オーストラリアから今、北限が沖縄の辺野古海域というふうになっておりますけれども、こういう正に日本の天然記念物にも指定されているようなジュゴンの生息するこの海を本当に守っていただきたい。ジュゴンは声こそ出しませんけれども、恐らくこれから先もこの辺野古の海を埋め立てないでほしいと、そういうふうに願って回遊をしているというふうに思います。  やはり私は、これから是非とも多くの委員の皆さんに、沖縄のすばらしい自然の海域である辺野古、これは沖縄だけの財産でもありません、世界のすばらしい財産の一つになるこの海を、戦争のための基地を造るものではなくて、本当に持続可能な環境を守っていくという、これがもし国が観光立国を標榜して、世界に本当にこの観光を、外国からも多くの方々に来てほしいという、そういう思いを持つのであれば、このすばらしい海を埋める前に国として取るべき対応はほかにもあるのではないかということを訴えまして、ちょっと予定の時間に二分ほどお時間があるようですが、先ほどはちょっとオーバーいたしましたので、これで終わりたいと思います。  ありがとうございました。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○委員長(浅尾慶一郎君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。  次回は来る二十二日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時四分散会

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