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162回国会参議院2005/04/14

国土交通委員会 第11号

発言数
157
登壇者
13
会派数
5
開催日
2005/04/14

会議録

田名部匡省民主党・新緑風会

○委員長(田名部匡省君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十二日、水岡俊一君が委員を辞任され、その補欠として池口修次君が選任されました。  また、昨日、岩本司君が委員を辞任され、その補欠として大久保勉君が選任されました。     ─────────────

田名部匡省民主党・新緑風会

○委員長(田名部匡省君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  民間事業者の能力を活用した市街地の整備を推進するための都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に都市再生本部事務局次長清水郁夫君、内閣府産業再生機構担当室長藤岡文七君、経済産業大臣官房商務流通審議官迎陽一君、国土交通省土地・水資源局長小神正志君及び国土交通省都市・地域整備局長竹歳誠君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田名部匡省民主党・新緑風会

○委員長(田名部匡省君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

田名部匡省民主党・新緑風会

○委員長(田名部匡省君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  民間事業者の能力を活用した市街地の整備を推進するための都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本政策投資銀行副総裁山口公生君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田名部匡省民主党・新緑風会

○委員長(田名部匡省君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

田名部匡省民主党・新緑風会

○委員長(田名部匡省君) 民間事業者の能力を活用した市街地の整備を推進するための都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

岡田広自由民主党

○岡田広君 自由民主党の岡田広であります。  都市再生特別措置法の質問に入る前に、先日、四月十一日に千葉県北東部と茨城県南東部で発生した地震に関連しまして要望をさせていただきたいと思います。  今回の地震は、震度五強という大変大きい地震が朝の七時二十二分ということで発生をしました。鉄道においては、震源近くを走行中の列車が長時間停車をするということで運休が多数発生をしました。多くの通勤通学者、この時間帯でありますから、足に影響が出たわけであります。例えば、鹿島線では列車が停車してから運転再開までに三時間も掛かったということであり、長時間列車に閉じ込められた乗客からは、停車した原因、運転再開の見込み、代替輸送などの情報提供が十分ではなかったと声が出ております。  地震が発生した際は、鉄道事業者は、走行中の列車を停止させ、線路等の被害状況等を確認し、安全確認した上で運転を再開するわけでありますけれども、安全確認に必要な時間はケースによってそれぞれ違うと思いますが、運転再開見込み時間はできるだけ早い段階で判断するとともに、運転再開までに長時間必要と判断した場合には速やかにバス等による代替輸送の手配を行うとか、あるいは乗客を長時間列車に閉じ込めることのないようにしていただきたいと考えるものであります。列車が運転を停止した場合には、乗客に対する情報提供、これが大変遅かったということでありますので、是非適時適切に行うことも徹底していただきたいと思います。鉄道事業者から適切な聞き取りをしまして情報をしっかりと把握をして、適切な指導をしていただきたい旨を要望させていただきたいと思います。  さらに、日本航空の副操縦士の発令に関する社内規定違反がありました。  先週、国土交通大臣に要望した安全でありますけれども、これは、国土交通省の仕事は国民の安全、安心を確保していくことが最大の役割、使命であると答弁をされ、再発防止に向けて厳しく指導していくことが国交省の責任であると大臣が答弁をされました。しかし、またこういう事故が起きました。今朝、日本航空から事業改善命令、警告に対する改善措置が提出をされたということでありますが、しっかりと現地の立入調査もされまして、国民の安全、安心を確保するために強い指導を要望をしておきたいと思います。  それでは、都市再生特別措置法に関して質疑をさせていただきます。  都市再生については、内閣の企画立案、総合調整機能として設置された都市再生本部を中心に各省庁横断的な取組が進められているものと承知しております。具体的には、都市再生本部が平成十三年五月に設置されて以降、一つ目が、都市における既存ストックの活用など、都市再生のために各主体が協力して行う都市再生プロジェクトのテーマ選定とその推進、二つ目が、平成十四年に施行された都市再生特別措置法に基づく民間都市開発投資を促進する都市再生緊急整備地域の指定、三つ目が、平成十四年以降の新たな取組としての、稚内から石垣まで、地域が主体の多様な活動を基調に、地域経済・社会の活性化等を図る全国都市再生の推進などの施策が進められたところであります。  しかしながら、依然として全国的に中心市街地の衰退が進んでおります。中心市街地は、経済、文化の中心だけでなく、高齢者を始めとする地元住民の生活の場でもあります。高齢者が安心して暮らせるまちづくり、地域コミュニティーの維持等の観点からも、中心市街地の活性化は地方都市にとって大きな課題であります。  このような課題に対して、平成十六年度に創設されましたまちづくり交付金は、地域の実情を反映し、市町村の創意工夫を生かしたまちづくりを進めるために創設された制度でありますけれども、都市再生の三つ目の柱である全国都市再生を強力に推進するためのツールとしての期待は大変大きいものがあります。まちづくり交付金は、駅舎の整備、駅舎の橋上化とか駅前広場の整備とか道路の整備とか、ハード、ソフト両面に使えるので、大変地方には使い勝手がいいということで評判がいいわけであります。市町村の創意工夫を引き出すためにも大きな効果を与えています。私は、正にこれからのまちづくりはこの創意工夫が大変大事であるということを基本的に考えております。  仕事の「かきくけこ」というのがありますけれども、まず地域のまちづくりをやるためにはいろんな考え方、政策が考えられると思います。考えることから始まって、そしてそれを記録をして、二十、三十の考え方が出た。しかし、一年あるいは都市整備計画は五年という期限の中でやる。その中で三十のことできないからこの半分をやろう、十五をやろうというときには工夫をすると思います。そして計画して行動をする。正にこの「かきくけこ」の中で「く」というのが大変、工夫が大事だということを私は考えているところであります。  このまちづくり交付金については、市町村の評判も良く、平成十六年度においては千三百三十億円の予算の下、三百五十五地区において活用され、さらに本年度、十七年度には千九百三十億円の予算、大変これは国土交通大臣の努力に敬意を表したいと思っています。  このまちづくり交付金の活用を更に一層進める観点から、今後の普及、そしてPRが大変大事だろうと思っております。何日か後に全国の議員さんを集められまして、市町村議員を集めて、この担当であります脇山国土交通省の企画専門官が講義もされるということも聞いておりますけれども、更にこのPRを私は広げていただきたい、そして全国の自治体においてこのまちづくり交付金を活用してそれぞれの色の付いたまちづくりを進めてもらいたいという考え方を持っておりますので、そしてそうなりますと、当然、この所要額が更に膨らんでいくということになってくるわけでありますので、今後の所要額確保に関する大臣の考え方をお尋ねをしたいと思います。

北側一雄公明党国土交通大臣

○国務大臣(北側一雄君) 今、岡田先生の方からお話のいただいたとおりでございます。  このまちづくり交付金、平成十六年度からスタートをさしていただいたわけでございます。非常に地方団体の皆様からは好評をいただいております。  一つは、これまでの個別の補助制度ではございませんので、非常に地方の自由度があるということで、これが一つ。それから、手続が非常に簡易で済むというお声もちょうだいしています。さらには、縦割りというのは国だけではなくて地方にも大なり小なりあるわけでございますが、地方団体の中で、違う部局の間での連携が、このまちづくり交付金の活用を通して連携ができるようになったと、そういう声もいただいておるところでございまして、非常に好評をいただいているところでございまして、そういうことも踏まえまして、平成十七年度は今委員のおっしゃったように大幅な増額、予算の増額をさしていただいたところでございます。  このまちづくり交付金につきましては、今委員の方からPR、普及をしっかりするようにというお話をちょうだいいたしました。全くそのとおりでございまして、これまでも説明会だとかパンフレットを作ったりだとか広報宣伝に努めてきたわけでございますけれども、更にしっかりこの広報を努めていきたいというふうに思っているところでございます。  昨年は、先生方も御承知のとおり、三位一体改革が大きな議論になったわけでございますが、私は、このまちづくり交付金という制度は、そういう意味では、この三位一体改革の趣旨といいますか目的といいますか、そういうことに非常に沿う制度であるというふうに考えております。  三位一体改革の議論はまたこの秋にも、年末にも議論されるんだろうというふうに思いますが、私は、このまちづくり交付金はこれからも着実に実績を残すとともに、実績をつくっていくとともに、是非これを拡充を今後ともできるようにさしていただきたいと考えておるところでございます。

岡田広自由民主党

○岡田広君 地方都市は、一般の大都市に比べても民間事業者による経済活動のテンポは、ポテンシャルは低いです。地方公共団体が道路や公園等の公共施設の整備を積極的に行っても、なかなか中心市街地は空き地や空きビルの解消が進まないという現状もあるわけであります。  また、意欲ある企業が設備投資等を行おうとしても、なかなか企業の信用力が相対的に低い場合は金融機関からの資金調達も難しいと、そういう側面もありますけれども、正に地方都市の再生に向けた民間事業者の支援策、大変大事であります。事業リスクが多少高くても、将来的な採算見通しの下に、地方経済の活性化やあるいは都市利便性の向上に貢献する見込みが高いプロジェクトに対して民間事業者が積極的に取り組むことができる制度という、これが大変大事であります。  そういう中で、今回創設される民都機構の出資制度は地方の中小都市においてどういう効果がある、どんな仕組みになっているのか、その点についてお尋ねをしたいと思います。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) お答えをいたします。  御指摘のとおり、中小都市におきましては、民間事業者は大都市に比べまして開発リスクに対して慎重になるというのが一般的な傾向でございます。そのため、優良なプロジェクトでございましても必要な資本が十分集まらないということが想定されます。  例えば、地方の中規模の都市の実例でございますが、大型店が撤退した後、これをPFIで市民プラザに造り直そうというプロジェクトが持ち上がりました。これは総額予算十一億ぐらい掛かるところでございましたが、いろいろ手を尽くしても最後の一億がなかなか大変だったというようなお話がございました。こういうような実例を踏まえますと、民都機構が今回の法律改正によりましてこのプロジェクトを実施する会社にこの最も集まりにくい資本の部分を出資するということは非常に重要ではないかと考えます。  この出資によりまして大きく三つぐらいの効果が期待できますが、まず一つは、直接的に事業実施に必要な資金を集めることができるということでございます。二つ目は、民都機構という公的な機関が出資することによって信用力が上がって、その結果、呼び水的に、三番目でございますが、地方銀行等からの円滑な資金調達、こういうことが可能になるんではないかと期待しております。  さらに、この民都機構におきましては、今申し上げましたような出資だけではなくて、遊休化した空きビルとか、そういうものを用途変更、コンバージョンする事業でございますとか、商店街の活性化のために複数の空き店舗を順番にリニューアルすると、こういうような事業にも参加する、そういう支援も考えておりまして、これらの制度を活用することによって、地方の中小都市で行われる、規模はそれほど大きくなくても、地域の特性に応じたプロジェクトを支援できるものと考えております。

岡田広自由民主党

○岡田広君 中心市街地の活性化を進めるに当たっては、中心市街地のまちづくりだけではなくして、市街地周辺への無秩序な大規模店舗の立地等を、これも規制をしなければならないと考えているところであります。  この大規模店舗の立地については、平成十年以前は中小小売業の事業活動機会の適正確保という観点が重視をされていました。営業時間あるいは店舗面積、休業日数等に係る調整のための法律であったと思います。しかし、平成十年に大店立地法が施行されまして、周辺地域の生活環境の保持という観点から、施設の規模とか配置等にかかわる対応に変わってきたわけであります。この結果として、大規模店舗の立地が中心市街地商業との調整なくして進んだ、中心市街地の衰退の要因の一つにもなったと私は思っているところであります。  大規模店舗が立地しますと、隣接する市町村の商業がダメージを受ける、その影響範囲は一つの市町村を超えるケースが多いわけであります。このため、立地調整も隣接市町村を含み広域的に行う必要があり、利害が対立する市町村間の調整は都道府県が行うべきでありますけれども、現状の法律の中では都道府県はその機能、調整機能は果たせない。  一方で、都市計画法に基づき開発をコントロールする仕組みである開発許可制度についても同様であります。近年、中核市や特例市への権限移譲が進む中で、広域的な調整がますます困難になりつつあります。  私の水戸市でも、約九万平米という日本一の大型量販店が市街化調整区域に立地をするということで進められておりました。対応は、当該町の意見書で県が判断をするということであり、これできますと、当然、日本一の売場面積ですから、近隣市町村の小売商業にも影響があるわけでありますけれども、商業団体あるいは近隣の意見調整の機能はないということであります。現行の規制では、市街地周辺への大規模店舗の立地は止められません。都道府県の役割を強化をする、そして市町村間の調整をスムーズに行うことのできる制度の見直しを行うべきというふうに私は考えているところであります。  そこで、市街地周辺における大規模店舗の立地について、隣接する市町村の調整の下に規制をする仕組みが必要ではないか、まちづくり三法についての見直しという考え方、こういうことについて、これは都市・地域整備局長にお尋ねをしたいと思います。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 大規模店舗の立地に関しましては、都市計画の制度としてゾーニングや開発許可によって、法律上は都市計画上の規制ができるということとされております。しかしながら、今先生御指摘のように、このゾーニングの権限は市町村が持っておりますし、開発許可についても地方分権の流れの中で県から市へと権限が移譲されていると、こういう状況にあります。  そういうことで、実は大規模店舗の立地規制を含む特別用途地区についてはこれまで八都市しか使われておりません。また、大規模店舗の立地規制を含む特定用途制限地域というのもございますが、これも八都市の指定にとどまっているところでございます。十分に法律の制度が活用されているとは言えない状況にあります。  この原因としては、一つの理由は、今御指摘のように、一つの市町村のみが大規模店舗の立地の制限を行いましても、広域的に行われない場合には十分にその効果を発揮しないということでなかなか使われないんではないかなと一つ考えております。例えば、愛知県の豊田市でございますが、豊田市では特別用途地区を定めて大規模店舗の立地を制限しておりますが、周辺の市町村ではこのような制限がされておりません。その結果、豊田市の小売の売上げが減る、その代わり周りの町や市の年間の小売販売額が増えるというような、こういう状況になっております。このように、大規模店舗の立地につきましては市町村の区域を越えて広域的観点からの調整が必要ではないかという問題意識を持っているところでございます。  そこで、国土交通省といたしましては、学識経験者にも参加していただいたアドバイザリー会議を設け中心市街地再生のためのまちづくりの在り方について検討しておりますが、その中で、今御指摘の広域的観点からの調整機能の在り方も含めて総合的に検討を進めてまいりたいと考えております。

岡田広自由民主党

○岡田広君 是非、中心市街地の商業の衰退しないようなことでこの見直しを進めていただきたいと要望をしておきたいと思います。  そして、一方では、都市再生機構においてもこれまで郊外の大規模開発を進めてきたわけであります。その中で、保有している土地を大規模店舗に売却あるいは賃貸して、それが結果として中心市街地の衰退の一因となっている事例が見受けられます。都市の人口が減少する中で、都市再生機構の事業についても、郊外拡散型の都市構造を助長することがないよう、中心市街地の活性化施策の整合性を十分に確保する必要があると思います。  中心市街地の再生等の観点から、都市再生機構が保有している郊外の土地を売却又は賃貸する上で地元の市町村と十分調整すべきではないかと思われますが、これについての見解をお尋ねをしたいと思います。これは土地・水資源局長にお願いいたします。

小神正志国土交通省土地・水資源局長

○政府参考人(小神正志君) お答え申し上げます。  ただいまの、岡田先生から、中心市街地再生の観点から都市再生機構が保有する郊外の土地の売却あるいは賃貸について地元市町村と十分調整すべきではないかというお尋ねでございますけれども、都市再生機構が先生も御指摘のように大規模開発、ニュータウンの整備を行っているわけでございますけれども、その際に商業施設の用地を確保するということは原則でございます。これは、そのニュータウンに新たに居住することとなる住民の方々の利便性を考慮いたしまして、商業施設のみならず、学校ですとか公園ですとか、そういった各種施設を用意するわけでございますけれども、このような土地の利用計画を定めて行っております。  この土地の利用計画を定めるに当たりましては、地方公共団体とも協議を行いまして、その計画に従って整備をし、売却あるいは賃貸をするというような仕組みになっております。したがいまして、今後とも都市再生機構におきましては、良好なまちづくりに資するよう、土地利用計画を定めるに当たって地方公共団体とも十分に協議を行いまして団地の整備を適切に行っていくものと考えております。

岡田広自由民主党

○岡田広君 是非、地元市町村との十分な調整をお願いをしたいと思います。  ダイエーの再建についてお尋ねをします。  昨年の夏辺りからダイエーの再建が話題になり、秋には丸紅グループが支援に乗り出す、そして産業再生機構が昨年支援を、十二月ですか、決定をした。いろんな紆余曲折がありました。最終的には丸紅グループが支援に乗り出すということが決定をしたわけであります。  このダイエーの再建が産業再生機構の支援の下に進められており、情報によりますと、五十三の既存店舗の閉鎖が予定されているということでありますが、これらの店舗は地方都市の中心市街地に立地しているケースが多いわけであります。この閉鎖の動向は中心市街地のまちづくりのためにも大きな影響を与えるものと考えるものであります。  産業再生機構の役割は、健全なる企業間の競争メカニズム、企業金融メカニズムの機能回復、再活性化でありますけれども、企業の再生を通じて地方都市の中心市街地の活性化による貢献をするという、こういうことも求められているんだろうと私は思うわけであります。  水戸市にもダイエーがちょうど中心市街地にあります。どこの都市でも中心市街地というのは高齢化が進んでいます。産業再生機構によるダイエー再建に当たっては、中心市街地活性化等の観点から、特に高齢者が多いわけでありますから、総合スーパーから食料品にシフトするという、そういうニュースも流れているわけでありますけれども、正に生鮮食料品、これは大変住む人にとっては重要なことであります。食料品店としての活用を進める等により、この既存店舗の閉鎖を慎重に行う、そういう観点から、経済産業省、そして産業再生機構を担当する内閣府にもそれぞれこの考え方をお尋ねしたいと思います。

迎陽一経済産業大臣官房商務流通審議官

○政府参考人(迎陽一君) お答え申し上げます。  ダイエーの店舗は中心市街地におきます商店街の核店舗として存在する店舗も少なくないものと認識しております。したがいまして、その雇用、取引先への影響、それと同時に地域経済に与える影響というのも大きいものだろうと考えております。  ダイエーの再建に当たりましては、適切な事業再生に取り組んでもらいたいと思っておりますけれども、経済産業省としては、産業再生機構の支援決定及び買取り決定に際しまして、主務大臣及び事業所管大臣といたしまして、こういった地域経済、雇用及び取引先への影響、それから既存店舗の有効な活用について十分に配慮していただくよう意見を申し上げたところでございます。  ダイエーの再建につきましては、新しい経営陣も決まりつつあり、事業の再生が具体化していく段階になっておりますけれども、私どもが述べましたこういった基本的な考え方を踏まえまして、関係者の努力によって再建が実現していくということを期待しておるところでございます。

藤岡文七内閣府産業再生機構担当室長

○政府参考人(藤岡文七君) お尋ねのダイエーに関しまして、全国的に展開する小売事業者といたしまして地域経済において重要な役割を果たしていると。そうした点も踏まえまして、産業再生機構はしっかりした事業再生支援に取り組んでいると承知いたしてございます。  個別具体的なことについては恐縮でございますがお答えできませんが、一般論といたしまして申し上げますと、機構が関与いたします事業再生計画の実施に当たりましては、経済合理性の追求を基本とする中で、撤退が避けられない場合にありましても、雇用や地域経済等への影響に配慮しつつ、できる限り他の事業者に有効に活用してもらうことを念頭に置いて事業の売却等を行うことといたしております。  ダイエーの事業再生につきましては、正に先生がおっしゃいました中心市街地や雇用など地方経済への影響を懸念されまして、各店舗の営業の存続等を求めて、地方自治体、商工会、地元商店街等の方々が機構等を訪問されているものと承知いたしてございます。  今後、スポンサーの関与の下で、ダイエーと、また産業再生機構、関係者が力を合わせて取り組むこととなりますが、申し上げました考え方の下で、雇用の安定等に配慮しつつ、適切に対応してもらいたいと考えてございます。  以上でございます。

岡田広自由民主党

○岡田広君 是非、地域経済の活性化、中心市街地の活性化という大変重要なことでありますから、その考え方でお進めをいただきたいと思っております。  中心市街地に限らず、今後のまちづくりを進めるに当たっては、美しい町をつくる、きれいな町をつくるということはキーワードの一つであると思っています。美しさの重要な要素としては、ごみの問題もあります。それぞれの地方都市では、ぽい捨て条例とか、あるいは飼い犬のふん害、犬のふん害防止条例とか、いろんな条例を作ってきれいな町、美しい町を目指している地域がたくさんあるわけであります。  私は、ごみの問題一つ取りますと、道路にごみ一つないきれいな町、そういう町は、地方によっては高齢者がボランティアで町や公園の清掃活動を行ったりして地域に貢献している姿が見受けられるわけであります。高齢者クラブという組織がどの地域にもあると思いますが、そういう組織を活用して、ごみ一つ落ちてない町、高齢者の方々に当番を決めて道路を回ってもらう、これは正に高齢者の健康づくりにも役に立つんだろうと思っています。お金が掛かるわけではありません。このようなソフト的なまちづくり活動というのは、町の美しさの維持だけではなくして、高齢者の健康づくり、そして最もまちづくりで大事な地域のコミュニケーションをつくるという、そういうことになるんだろうと思っているわけであります。  すばらしいきれいな環境をつくる、ごみのない美しいまちづくり、高齢者の社会参加の促進等の観点から、公共施設の維持管理を始めとして広くまちづくりに関して住民参加を進めるべきではないか、これが正に地域のことは地域でやるという住民自治の基本ではないかと思うんですが、この住民参加のまちづくりに関してお考えをお尋ねしたいと思います。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 御指摘のとおり、まちづくりを進めるに当たりまして、広く住民参加を進めていくということは極めて重要であると認識しております。  我が国におきましては、都市計画制度としての住民参加のほか、昨年制定されました景観法、これは美しく風格のある日本をつくっていこうと、こういうねらいを持った法律だったわけでございますが、この景観法におきましては、住民による景観計画の提案など、住民参加の充実が図られてきております。  また、身近な公園や道路の管理について、住民参加が各地で進んでおります。例えば、公園では計画段階から公園の整備管理に住民が参加する等の取組が行われておりますし、道路でも住民グループの皆様方が道路管理者と協定を結んで美化活動を行うというような活動が増えております。  例えば、千葉市におきましては、地元の住民の方々が自ら公園の計画から花壇管理、こういう整備後の管理も含めてやりたいというような要望が出されまして、この結果、コストが約二〇%近く削減されたというような事例もございます。  また、道路の関係でございますと、ボランティアサポートグループということで、道路の美化活動だけではなく、道路の異状の発見、通報など、こういうことを住民の方々中心に取り組まれるというような活動が行われておりまして、平成十六年の段階で各地にこの団体が千七十六まで増えてきております。これらの方々は半数が住民の団体、それから学校の関係者、企業の方も三分の一ぐらいいらっしゃるということで、いろいろな方々がこのボランティアサポートグループということで道路の美化等に取り組んでおられるわけでございます。  今後とも、私どもといたしましても、こういうまちづくりを進めるに当たって積極的に住民参加というものを支援してまいりたいと考えております。

岡田広自由民主党

○岡田広君 是非、住民参加を進めていただきたいと思います。  区画整理について質問をいたします。  土地区画整理事業は、着工面積は全国の市街地の三分の一に相当する約三十九万ヘクタールに上るなど、宅地供給において大きな役割を果たしてきたわけであります。しかしながら、我が国の人口増加が頭打ちとなり、都市への人口集中も収まってきている中で、新しい宅地の需要がなくなってきている状況も一方にあるわけであります。  今回創設される区画整理会社制度のメリットとして、専門家による経営ノウハウの導入ということが大きな柱となっていますが、土地区画整理事業を円滑に進めるに当たっては、住民の合意形成をいかに進めるかも大きなポイントであります。住民の合意形成が進まないために事業が停滞するケースが全国に数多く見られるわけでありますが、宅地需要が減少する中で施行者に追加する区画整理会社はどのように活用されていくのか、お尋ねをしたいと思います。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 土地区画整理事業は、これまで高度経済成長期の人口増加に伴う急速な都市化に対応するため、郊外のニュータウン開発でございますとか工業団地開発等の、そういう宅地供給を目的とした事業が数多く行われてきました。しかし、今御指摘のように、人口増加が頭打ちとなる中で既に市街地になった区域を再生しつつコンパクトな市街地に再構築することが必要になっております。  このため、区画整理事業に関する展開の政策の重点につきましては、郊外の新市街地の整備から既成市街地の再生にシフトしていく必要があると考えております。特に既成市街地では中心市街地の活性化、密集市街地の防災性の向上等の課題がありますが、区画整理事業は、不足している道路、公園等の整備と、細分化している敷地や街区の統合化等を図ることが可能であり、住民の方々の参加を基に広く活用されることを期待しております。  今後この区画整理会社というのがどういうところで、この既成市街地でどのような役割を果たすであろうかというお尋ねでございますが、例えば、土地を活用する意向のある地権者を中心にいたしまして、上物の建築等に参加意向のあるディベロッパー、建設会社、地場の工務店、こういう民間事業者の方々が共同出資して区画整理会社をつくる、そして区画整理事業を実施する。そして事業が終わりましたら、この区画整理会社だった会社が今度は商業施設とか共同住宅等を建設して、中心市街地の活性化にも役立つような賃貸、分譲をするというようなことが期待されていると思います。

岡田広自由民主党

○岡田広君 土地区画整理事業は、多数の権利者が関係する事業であり、合意形成の促進はもちろんでありますが、事業遂行のために必要な資力を備えていることも必要になるわけであります。このような観点から、区画整理会社の場合、適切な資金計画となっているのか、事業途中で破綻することがないよう採算見通しが十分に確保されているといった点が円滑な事業推進が可能かどうかを判断するに当たっては大変重要なポイントになると思います。  そこで、区画整理会社の採算性確保という観点から、施行認可の基準、そして支援方策がどうなっているのか、お尋ねしたいと思います。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 区画整理会社の施行認可の基準でございますが、これは土地区画整理組合の設立認可と同様に、区画整理事業を施行するために必要な経済的基礎が十分でないとか、それからそういう能力がないというときには、これは認可をしないということになっております。したがいまして、採算性の確保が見込まれないときは区画整理会社の施行は認可されないということになります。  また、区画整理会社による土地区画整理事業の施行に当たりましては、都道府県知事による事業、会計についての検査、命令等の監督規定が設けられておりまして、事業の途中時点において経済的基礎等が欠如して事業が中断することがないよう十分な指導監督ができることになっております。  次に、区画整理会社に対する支援でございますが、これは組合の場合と同様の支援を行うことにしておりまして、国庫補助の対象に区画整理会社を追加しておりますし、都市開発資金の無利子貸付けの対象に追加する、税制上も特例措置を講じるということにしております。

岡田広自由民主党

○岡田広君 市街地の整備を進めるに当たって、地籍が混乱しているということのために地権者の調整に時間が掛かる、そういうことで事業推進が遅れているという、これも大きな課題の一つになっております。地籍調査の進捗率は全調査対象面積の四五%、都市部においては一八%にとどまっており、全国における都市開発事業や公共事業を円滑に進めるに当たってもこの問題を早急に解決することが求められているところであります。都市の再生に資する事業の促進を図るため、地籍調査を積極的に推進すべきではないかと思います。  さらに昨年、十六年度からスタートした都市街区基本調査事業は人口集中地区に限ってスタートしたわけでありますけれども、これを都市計画区域のエリアまですべて広げていくべきと考えるものでありますが、これについてお尋ねをしたいと思います。

小神正志国土交通省土地・水資源局長

○政府参考人(小神正志君) ただいま先生御指摘ありましたように、地籍調査につきましては全国ベースで進捗率が四六%、道半ばまでにも行っていないような状態でございます。さらに、都市部におきましては一八%ということで非常に遅れているという状態にあります。地籍調査は、先生も御指摘ありましたように、都市開発事業あるいは公共事業の促進に大きく貢献をいたすものでございますけれども、そのほかにも土地取引の円滑化にも役立っているというふうに認識をしております。  このため、市町村が事業の実施主体でございます地籍調査を促進する観点から、平成十六年度より、全額国費で地籍整備の前さばき調査ともいう内容でございます都市再生街区基本調査を実施しております。この都市再生街区基本調査におきましては、地籍整備の前段階になります基礎的なデータの整備を行っているものでございまして、要は、この都市再生街区基本調査そのもので特定の効果を導き出すというよりも、これをてこに地籍整備を促進するという性格のものでございます。この都市再生街区基本調査につきましては、十六年度から三か年間で完了するということでスタートをしております。  御指摘は、さらに、この都市再生街区基本調査の調査エリアがDIDを抱える市町村ということになっておりますので、それを更に拡大すべきではないかということでございますけれども、今申し上げましたように、着実にこれを地籍整備につなげていくということが私どもの本来のねらいでございますので、まだ十六年、それから今年度十七年ということでございますけれども、まずはそちらの方に力を注いでいきたいというふうに考えておりまして、そのエリアの拡大についてはそれからの、今後の課題だというふうに認識をいたしております。

岡田広自由民主党

○岡田広君 是非、現在の都市街区基本調査事業、三年間ということですからしっかりとやっていただいて、またエリアの拡大についても検討をお願いをしたいと思っています。  二十一世紀はITの時代と言われ、社会経済活動の基盤である国土の様々な情報についても、これらをデジタル化して統合するという電子国土の構想が進展しているところであります。世界最先端のIT国家を目指しているわけでありますから、当然この地籍の重要性は言うまでもありませんけれども、そのためには、地籍調査事業促進のための先行事業ともいえる公共物の電子境界確定事業の創設も是非お願いをしたいと考えているところであります。  ちょうど時間になりましたので、質疑を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

前田武志民主党・新緑風会

○前田武志君 民主党・新緑風会の前田武志でございます。今議題になっております都市再生について質問をさせていただきます。  国土交通省、政府の方からいろいろ資料をいただいているわけですが、今回はまち再生丸ごと総合支援と、こういうことになっておりまして、先ほど来同僚議員の質疑の中にありましたように、市町村の創意工夫、民間の資金、ノウハウを活用したまちづくり支援と、こういうことでございます。  中身については大体各同僚議員のお話とダブってくるかと思うもんですから、なるべく見方を変えて質疑をさせていただきたいと思うわけでございますが、多少地元のことに関連付けて、まずは冒頭、私のまちづくりの感慨みたいなものを申し上げますと、私は今、奈良県の橿原市というところに住まいをしております。橿原市といいますと、神武天皇が御即位なされたまさしく歴史発祥の地であるわけですが、片一方で奈良県の副県都と言われるぐらい、奈良県というのは県都奈良市が京都府との境にありまして北に寄っているもんですから、この橿原市が副県都の役割を果たしております。  交通の結節点でもあるんですね。近鉄の名古屋、伊勢等から来る本線と、そして京都、奈良、橿原、吉野に行く線がクロスしている。大阪から、都心の難波から三十分といったような土地にあります。しかし、道路は悪いんですね。ちょっと横にそれますが、京奈和道路を大いにやってもらわにゃいかぬのですが、京都、奈良、和歌山のこの背骨、できておりませんから、ひとつこれ大臣、ひとつよろしく頼みますよ。  実は、この橿原市に今井町という非常に古い町がございます。近世の環濠都市なんですね。海の堺、陸の今井と、こう言われました。海の堺は大臣、北側大臣の地元でございます。ちょっと信長さんと折り合いが悪かったり、それから戦災を受けたりして、今はまあ恐らく当時の面影はほとんどないんだろうと思うんですね。陸の今井の方は、当時大和の富をすべて集めるというぐらい発展した寺内町なんですね。浄土寺の寺内町ですが、実はこれが信長さんともうまく折り合いを付けまして、浄土宗ですから戦っていたんですよ。当時大和にはなかなか大政治家がおったんですね、最近はどうか知りませんが。信長さんとちゃんと折り合いを付けまして、その町が今に至るに、人が住まい、大きな活動をしてて残っているんですね。  戦後、都市計画がどんどん進む中で、確かに不便になってきて一時停滞したことがあるんですが、国土総合開発事業調整費調査なんかを入れまして、今や近世の町がよみがえっておりまして、町ごと重要文化財というような感じでございます。非常に風格のある環濠都市、個々の家なんかも数十軒重文に指定されているぐらいのすばらしい町で、観光客も随分参っております。  言いたいのは、やっぱりまちづくりというのは、その当時から、経済的、社会的な背景の中で住民が寄ってきて、そしてその中で本当にやる気のあるまちづくりを自らやっていくと、これはまさしく自治都市であったわけなんですが、すばらしい町をつくっている。お上に頼ったわけじゃないんですね、税金に頼ったわけでもないんですね。自ら富を集めて、すばらしい町をつくってそれが今に実は生きているわけなんです。  八木駅というこの、副県都の一番のかなめになる特急も止まる駅がありますが、そこから歩いて十分も掛からぬところです。ところが、その駅降りた、八木駅のその目の前が、これ何十年掛かっても町がなかなか再生されないんですよ。公がかかわっているんですね。市が一生懸命やる、県も後押しする、国も後押し。しかし、一向に進みません。  公共が入っても、本当にその地元、そして地方自治体、すべてがかみ合ってその気にならないと、うまくいかない典型的な二つの例がまさしくこの地元にあるというようなことを御紹介をしながら、まちづくりそのものは、自分たちの生活の基盤といいますか舞台であると思います。老いも若きも女性もすべて、子供たちも、自分たちの人生の舞台といいますか、人生いろんなことをやっていく、その人生の自己実現の舞台が町であると思うんですが、それだけにこのまちづくりというのは、多くのそういう地元の方々、そして外からもどんどん魅力を感じて来るというようなものになっていこうとすると、すべての知恵を結集して、そして気持ちを結集してやっていかないと実現しないと思います。まさしくまちづくりというものは歴史であり、そして現実の自分たちの生活であり、その舞台であり、そして次の世代の人たちに引き継いでいく大きな魅力を抱かせる未来であると思うんですね。  そんなことを感じながら、確かに今の時代というのは、人口減少時代に入りましたし、それは当然高齢化である、そして子供が少なくなった、そういう中で、町でバランス良く、子供たちも、そして若い人たちも働く、お年寄りたちが非常にこの町、自分たちのふるさとに魅力を感じて日常生活ができるそういう町にして、こういう、この本案が大きな議題になっているということは、そういうことが実現されていない。いやいや、逆に、戦後のまちづくりの中でむしろばらばらになってきたのではないか。  ニュータウンなんというのはどんどん造りましたが、これも今空洞化しております。中心市街地の空洞化、非常にこれまた大きな問題でありますね。そして、先ほど来の議論のように、中心市街地の空洞化でございます。大きな社会的な、あるいはグローバル化した中で、市場ということになってくると、世界とツーツーになっておりますものですから、そんなことも背景に入れながら、いよいよまちづくり、この市場化を進めていく段階になって今回の提案になってきたのかなと、こんなふうに考えております。  そこで、前置きが長くなりましたが、そんな私の感想も前提にして、北側大臣から、今までの、施策としていろんなことを打ってきたわけでございますが、これまでのまちづくりの政策全般について、都市が抱える、具体的にはこういうところが一番問題なんだというようなことも含めまして、歴史的な経緯を総括してお述べいただきたいと思います。

北側一雄公明党国土交通大臣

○国務大臣(北側一雄君) 是非、陸の環濠の今井町に私も近いですので、自宅から。一度行かしていただきたいと思います。  我が国の戦後は、本当に急速な経済の発展、また急速な都市化というものが進んでまいりました。国としても、また地方の行政の方もその急速な経済の発展、急速な都市化、その基盤をともかく早く整備をしなければならないという要請が大変強かったわけでございますので、結果といたしまして、例えば災害に対して非常に脆弱な密集市街地が大都市部、東京にも大阪にもございます。また、これは本当に大きな課題といいますか長年の課題でございますけれども、長時間の通勤、これがもう当たり前になっている。また、交通渋滞もあちこちで慢性的な状況がある。こうした、急速な都市化、また経済の発展の中で、こうした負の部分というのが今も残っていると思います。  一方で、景観とかそれから環境というものに対してやはり重視をする時代になってきております。景観や環境の保全という観点からこのまちづくりをやはり考えていく必要があるわけでございまして、景観の問題につきましては、昨年、先生方の御支援をちょうだいして法律を通さしていただきました。また一方で、今、経済は非常にグローバル化する中で、都市間競争というのがよく言われておりまして、単なる国内だけの問題ではなくて、やっぱり大都市の場合はほかの国々の大都市とまさしく競争をしているわけでございまして、そういう意味での基盤はしっかりと国際競争力の強化のために整備をしていく必要があるという要請もございます。  また、先ほど来御議論いただいております中心市街地の活性化、特に地方都市において顕著でございますが、この中心市街地の活性化、中心市街地が非常に閑散としている、この中心市街地をいかに活性化していくか、本当に大きな課題であるというふうに思っているところでございます。  また、これからの時代は、そういう人口がどんどん増えていくという時代ではなくて、まさしく人口の減少時代、本格的な高齢社会がこれから到来をするという中で、これまでの整備されてきましたストックをいかに活用していくかというような観点も大事でございますし、またまちづくりに当たりましては、どんどんどんどん広げていくというのではなくて、いかにコンパクトな、都市機能が集約されたまちづくりをしていくのかということがこれからは非常に大事である。これからは、新しい市街地を造るのではなくて、既成の市街地をどう再生するかというふうな観点が非常に大事であるというふうに考えているところでございます。  こうした、今はそういう意味では大きな変化の私は転換点に来ていると思っておりまして、そういう中でそうした時代の要請にしっかりとこたえていけれるようなまちづくりができる、そうした手法、制度というものをしっかりと提案をしていく必要があるというふうに考えております。

前田武志民主党・新緑風会

○前田武志君 今の大臣の御答弁にもありましたですが、確かに、平成十三年の都市再生本部をつくって以来と、去年辺りから、まちづくり交付金ですか、そして今年のこの法改正というようなことで地方都市に重点が移ってきたのかなと、こういうふうに思います。  今までこの都市再生関係については、先ほどの大臣のお話にもありましたが、いろんな施策をその時々打ってきているわけでございまして、これはもうまちづくりの専門家であってもどんな制度があるかなんというのはなかなか分からないんじゃないのかなと。そのツールとしてはいろんなメニューがあるんですけれども、それを統合して、このまちづくりにはどこが問題でどれを効果的に使えばいいかというようなことが、本当にその地元自治体の担当者にそこまでうまく、どの包丁を使ってどう料理したらいいかというようなことまで分かってないんだろうと思うんですね、メニューが一杯あり過ぎて。  例えば、政府側からいただいたこの都市再生特別措置法の改正に関する関係資料が手元にございます。これを見ていますと、この都市再生特別措置法の一部を改正する法律案の新旧対照条文というのがあるんですね。そこに目次が載っております。この目次を見ておりますと十以上、この法律を改正するだけでも関連法案が十以上あるわけですね。それがすべて分厚く載っているわけなんですが、なかなか私もこれは読み切れない。  具体的には、都市再生のその事業というものについて、民間の資金がどういうふうに入ってきたかというような観点から見ると分かりやすいかなと、こう思うんですね。都市再生そのものは、もちろんこの法律によって自治体が公共事業基盤整備をやっていくわけでありますが、当然それはそういう公共投資をやった上に付加価値を高めて、地元の民間あるいは外からも含めていろんな経済活動が入ってきて付加価値を高めていくと、それが結果としてはいい町になるということでありますから、当然そこにいろんな投資が入ってくる。一番見やすいのは、我々は開銀と言う方がぴんとくるわけですが、政策投資銀行がこの分野については、都市関係については随分といろんな融資、最近は投資もやっておられるんでしょうかね、それを随分やってこられたと思います。  そこで、今日は山口副総裁に来ていただいておりますので、後ほどまた議論をさせていただきますが、まずは政策投資銀行がこの都市関係で、都市再生関係でどのような事業について融資、投資をやっておられるのか、御紹介をいただきたいと思います。

山口公生日本政策投資銀行副総裁

○参考人(山口公生君) 御説明申し上げます。  私どもの銀行で取り扱っておりますまちづくりは、先生の御指摘のとおりいろいろなメニュー、たくさんございます。  それを少し御紹介させていただきますと、まず、市街地再開発事業というのがまずございまして、そのほかに防災の観点から、防災街区整備事業、密集市街地整備事業というようなものがございます。それから、別途の観点から、都市計画に位置付けられた建築物の整備ということで、特定街区とか総合設計、地区計画等区域内建築物というようなものを整備する事業がございます。それから、都市再生の絡みで申し上げますと、都市再生緊急整備地区内建築物整備とか認定都市再生事業という事業がございます。それから、少し変わったものとしましては、歴史的建築物活用・整備事業、あるいは市街地コミュニティー施設整備事業というようなメニューもございます。その他、中心市街地活性化とか、あるいは不動産の流動化事業等も私どもは手掛けております。  以上でございます。

前田武志民主党・新緑風会

○前田武志君 今御紹介していただいたのは、多分その融資等の対象になっている事業の一部といいますか、概要なんだろうと思うんですが、御紹介いただいた件だけでも随分とあるわけですね。  そこで、この都市の再生事業というものについては、その時々のいろんな条件に合ったようにということで政府側はメニューを用意してやってこられたわけでございますが、先ほど来議論をしておりますように、平成十三年五月の都市再生本部設立以降、都市再生に関する施策がシフトしてきたのではないのかなと、こういうふうに思います。まずは、あの十三年当時というのは、景気対策ということで大都市を中心に民間を呼び込んで大都市整備をやっていこう、都心整備をやっていこうということであったと思います。  その結果が、えらい東京だけ景気が良くなったねというぐらい、まあまあ、にょきにょきと新都市ができてきたわけでございますが、やっとで大阪あるいは福岡、名古屋も最近は好調のようでございますが、大都市というものはある程度そういうスキームをつくってやればというよりも、むしろ規制がきつくてなかなか民が入ってこれなかったというところがあると思います。  その辺の規制緩和と、市場にうまく乗るようなスキームをつくっていったのでこういう大きな流れができたと思いますが、いよいよ地方都市、地方都市こそ言わば日本の地域の中心を担っているわけでございますから、グローバルに展開する大都市の中枢機能と違って、日本の国の地域そのものを支えているわけでございますから、そこの活性化ということが一番大きなこれからの政治課題、ずっと今までもそうでございますが、我々が一番苦慮する課題であるかと思います。  そこで、先ほど来議論のように、中心市街地の空洞化、シャッターが閉まった通りというふうなことで言われるわけでございますが、それと同時に、近郷のニュータウンが、これまた大体同年齢層が入ってくるものでございますから、数十年もたつとこれまた空洞化、多分、多摩ニュータウンにしても、大阪の千里ニュータウンなんというのは、これはひどいんですね。我が奈良県も、奈良市の近くに学園前、生駒という大ベッドタウンがありますけれども、しかしここもまた今やもう非常に空洞化が進んでおります。  空洞化というのは、したがって駅前の商店街の中心の商店街のみならず、近郷の住宅地まで空洞化してしまった。これはもう子育て、教育、あらゆるものに及んでいきます。結果としてどうなったか。まちづくりの面からいうと、コミュニティーが崩壊し始めているんですね。コミュニティーの崩壊というのは、そういうハードの面だけではなしに、もっともっとソフトの面の問題も大きいわけでありますが、それでも自分たちの住まいするところ、日常生活圏においてコミュニティーが崩壊をし始めている、これが一番の問題だと思います。  そのコミュニティーをどう再生していくかという器の面でこのまちづくり、地方都市の再生というものが非常に大きな意味を持ってきた。この再生ができなければ中心市街地の商店街ににぎわいが戻らないというような話だけではなしに、これからの高齢化時代、そして大事な次の世代の子供たちの教育、こういったことも含めて、このコミュニティーが再生されなければ日本の先はないというぐらい、私はこのコミュニティーの再生ということに一番大きなすべての施策がかかわってくると、こう思っております。  いささか話を広げ過ぎたかと思いますが、そんな認識を背景にして、これは都市整備局長で結構でございますから、十三年五月の都市再生本部以降、これまで行ってきた施策について分かりやすく評価をしていただきたいと思います。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 都市再生として取り組んできたものについての評価についてのお尋ねでございます。  都市再生につきましては、大きく三本の柱で進めてまいりました。一つは都市再生プロジェクトの推進、二つ目が民間都市再生の推進、それから三番目が地方都市、全国都市再生の推進ということでございます。  最初の都市再生のプロジェクトでございますが、これは先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、大都市が外国の都市と大きな競争環境にあるというようなことで、国家的視点から必要なスーパー中枢港湾でございますとか、いろいろな環状道路の整備を行うとともに、密集市街地の緊急整備、それから最近ではやはり地球温暖化対策、ヒートアイランド対策というような観点から、十八のプロジェクトを選定して今推進しているところでございます。  二番目の民間都市再生でございますが、先ほどお話しございましたように、規制の緩和を中心にして都市の再生を進めようというようなことで、都市再生特別措置法に基づきまして都市再生緊急整備地域を指定し、ここに規制緩和、金融支援、税制の優遇措置、こういうことを講じてきたわけでございます。  この結果、主なプロジェクトとして、民間都市再生事業計画の認定を得たプロジェクトが十六事業、それから規制緩和、事業者からの都市計画の提案ができる都市再生特別地区の都市計画決定が十三地区ということで、全国各地、東京、大阪、札幌、仙台、高松等々、政令指定都市、県庁所在都市などでこういうプロジェクトが行われております。これらのプロジェクトの中には、都心において緑化が進められるということで、開発の前と後を比べますと三・五倍の緑ができ上がるというようなプロジェクトも出てきております。  一方、全国の都市再生でございますが、先ほどからお話にございますように、公共団体の創意工夫を生かして中心市街地の活性化などに取り組むということで、まちづくり交付金でございますが、昨年度の三百五十五地区に続き、平成十七年度は三百八十四地区ということで、今コミュニティーの再生というお話がございましたが、こういうような問題も含めて様々な取組が地方で行われてございます。  このように、大都市だけではなく、地方都市においてもそれぞれ意欲的な民間事業でございますとか公共団体のまちづくりが進みつつあると認識しております。

前田武志民主党・新緑風会

○前田武志君 大都市の方についてはそうやってかなり既に進みつつあるわけですが、ちょっと一つ興味ある例をお聞きいたしました。  青山の都営住宅になるんでしょうか、これの建て替えに絡んで、民都機構なんかが入って、これは大都市のケースではあるんですが、ある意味ではコミュニティーの再生のような事業をやっておられるというふうに聞いておりますが、ちょっと簡単に紹介をしてくれますか。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 南青山の、これ一丁目団地建替プロジェクトということでございますが、従来、公営住宅があったところを、民間企業がSPC、特定目的会社を設立いたしまして、賃貸住宅、都営住宅、図書館、グループホーム、それから保育園、それから商業業務施設等々、いろいろな、その場が一つのコミュニティーになるようなプロジェクトを今立ち上げているところでございます。底地は東京都でございまして、SPCが定期借地をしていると。それから、これのプロジェクトに必要な資金調達はSPCが行うということになっておりまして、この一部につきまして民間都市開発機構が支援をしているという状況にございます。

前田武志民主党・新緑風会

○前田武志君 今のお話を聞いておりまして、本来、都営のアパートだったんでしょう、低層の。それを、SPCを使ってそこに多様ないろんな地元のコミュニティーのニーズ等も入れた上に、多分マンション的な、これは賃貸なのか分譲なのか、分譲なんでしょうかね、まあまあそういうものも入れてまちづくりをやってきたと。  大都市のケースではありますけれど、要は、都市の再生というのはそこにバランス良く、年齢層からいっても、また働く人たちからいっても多様な住まいの仕方、多様な生活の仕方、多様な経済活動の在り方、そういうものをすべて包含した町でなければ魅力もなければ長続きもしないと。  世界の都市というのは、欧米系だって、大都市だろうとあるいは地方都市であろうと、職住接近といいますかね、大体一致していて、夜間人口だって結構あるわけで、その辺が日本の戦後の住宅政策、都市政策の中で、まあとにかく高度成長期であったものですから無理もなかったと思いますが、ああいう一種の分離政策的なまちづくり、住宅政策やったものですから、そのツケが今どんと回ってきているというところもあると思うんですね。  同じ都心でも、中心部の森タワーですか、六本木タワーですか、あそこなんかも都市再生の一番先鞭を着けた民間の事業であったんだろうと思うんですけれど、ある人が、ある人はというのは、村上さんですね、あのファンドマネジャーの、あれはデビルタワーという別名もあるんですよと、こう言っておりましたが、ここはもう世界にツーツーになっていて、とにかく投資市場で切った張ったをやるような青い目をした鬼たちも来ておるわけですよ。それはそれで世界の大きな中心都市である東京においては一つの形としてあってしかるべきかとも思うんですけれど、やっぱり都心においてもこういう青山何ですか、団地の建て替えプロジェクトであるわけですが、そういった方向というのは私は評価をするわけですね。  後ほどまたいつかこの住宅問題というものが本委員会で議題になるかと思いますが、この住宅の在り方あるいは公共公営住宅の在り方といった中にも、何か層を余りにも一つに、一つの層に絞り過ぎると、こういったことはかえってコミュニティーを崩していくことになりかねない。今回、都心においてもそのコミュニティーの再生という観点からこういうまちづくりをやったという、そういう面で評価をするわけですが、まさしく地方都市の再生というのはこのコミュニティーの再生ということを目的とするものでなければならないと、このように考える次第であります。  北側大臣の何か御見解をお聞きをしたいと思います。

北側一雄公明党国土交通大臣

○国務大臣(北側一雄君) 前田先生から、これ予算委員会でもこのコミュニティーの再生のお話をテーマにして御意見をちょうだいいたしました。  私も、全国都市再生、地方都市の再生をこれから進めていくに当たって、コミュニティーをどう形成していくか、どう再生していくかという観点は極めて重要な視点であると思います。  昨年は本当に災害が多い年でございましたが、例えば新潟県での地震も中山間地での地震でございました。また、台風、豪雨におきましても、関西では例えば兵庫県の豊岡等で川が決壊する、こういう水害もあったわけでございますが、そういう一つ災害があったときの対応を考えましても、コミュニティーが、しっかりしたコミュニティーが形成されているかどうかによって私はその減災能力というのが全然変わってくるということを実感を改めていたした次第でございます。  防災だけではございません。福祉の問題、教育の問題、防犯の問題等々、どれを取りましてもコミュニティー、地域がきちんとその役割、機能を果たせるかどうかというのが非常に大事な要素になっておりまして、そういう意味で、これから進めていく地方都市の再生、まちづくりに当たりまして、このコミュニティーをいかに再生していくかという観点は非常に大事な視点であり、重要視しなきゃならないというふうに思っております。

前田武志民主党・新緑風会

○前田武志君 北側大臣からこの地方都市の再生の問題についての力強い考えを述べていただいたわけでございますが、確かに大都市から地方都市ということになってきますと、地方都市の持っている問題、言わば総合的なパワーというものが大都市に比べるとはるかに落ちるわけでございますから、いろんな支援策というものもやっていかにゃいかぬのだろうと思います。そんなことも含めまして、地方都市再生の難しさというものがあると思います。  そして、本委員会の同僚議員の方々も、それぞれ自分の地元でこの都市の再生、自分の地元の中心都市であったり地方都市であったり、そういったものの再生についてはいろんな形でかかわり、指導され、随分と御苦労され、しかし結果としてはなかなかうまくいかないといったところなんだろうと思うんですね。  そこで、地方都市、それぞれの地元の、あの町この町というイメージがあるわけですが、何かちょっと具体的にケーススタディー的にイメージがわくような例を引いて、これは我が田に水を引くという話ではなしに、イメージがわくような具体例として古都奈良をちょっと取り上げて、どういうようなことになっているかというようなことをまず政府の方から現状を報告してもらって、そして議論をさせていただきたいと、このように思います。  お手元に、これは奈良県、奈良市が作ったパンフレットがあります。(資料提示)JR奈良駅付近連続立体交差事業という名前が付いておりますが、この表紙を見ていただくと大体イメージがわくと思うんですね。  御承知のように、奈良市というのはまさしく古都奈良でございます。平城宮に遷都されてもうじき千三百年という節目を迎えるということで、奈良市そのものは奈良の東大寺の大仏さんで代表されるように古都の風格というものを保っておりまして、もちろん観光客なんかも随分多いわけでございます。そして奈良県の県都でありまして、奈良県、今は百四十万ぐらいの人口でありますが、私が子供のころは七十万ぐらいだったんですね。それが、高度成長期に大阪の近郷都市として急激に拡大して、今や百四十万。したがって、それだけ実は都市化、宅地化が進んだということでございますが、それがまた空洞化につながっていくわけです。  しかし、この古都奈良というものは、もちろんこの東大寺を始め南都の六大寺もありますし、それから近世の奈良町というこれまたすばらしい町が残っているんですね。この奈良町の再生についても、これは割と早い時期から地元の、今で言うNPO、市民が中心になってこの奈良町を今に生かして再生していこうというような随分と先見的な動きがありました。私もかかわって後押しをして、当時の、もう亡くなられましたが、市長さんにつないだりいたしました。当時は、もちろん私も当時は自民党でございまして、今でも保守本流だと思っておるわけでございますが、当時の市長さんとか政治にかかわる人たちは、まちづくりのボランティアなんというと、これはまあ何か左翼の過激派だというぐらいの認識しかなかったんですね。そんな時代じゃないぞ、まちづくりというのはその町の中から本当にやる気のある若い人たち、問題意識を持った人たちが出てきて、こういう人たちをうまく生かして初めてまちづくりができるんだぜというようなことで随分と説得をしてやり始めた事業が今実って、この奈良町というものは見事に今や観光客も訪れるすばらしい町になっております。  それに対して、やっぱり県都でありますから、百四十万のうちの四十数万人の都市で中核都市に指定されております。しかし、その中核都市の近代的な中枢機能を担うべき都市がまだ再生されておりません。それの場として当時の国鉄の奈良駅、JRの今の奈良駅ですが、ここに貨物操車場も含めて大きな遊休地が出るということになって、これを中心に都市再生に取り組んできたんですね。既に二十年以上やっておるわけでございますが、やっとで最近になって姿が現れてまいりました。連続立体事業も進み始めたわけですね。バブル期を挟んだというようなそういう条件も、悪条件もあったわけでございますが、開いて、見開きにこの将来のイメージというようなものがございます。  さて、これをPRしようと思って言っているわけじゃありませんでして、先ほど来、山口副総裁あるいは政府の方からも紹介があったまちづくりの歴史でありメニューであり、いろんなものがあるんですが、この古都奈良の中心市街地再生事業、二十年の歴史がありますが、ひとつ、どういうような事業をどの時期にどういうふうにやって、今何が進まなくて何をしようとしているのかといったようなことについて、まず概論を御説明ください。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 奈良市における事業でございますが、高度成長期以降、西側の方に市街地が拡大いたしまして、市中心部を南北に走りますJR線による開かずの踏切の解消と、それから、これが平城京の歴史的な都市空間を分断して土地利用の制約となっているということが奈良としては最大の都市構造上の課題と指摘されてきたわけでございます。また、古都奈良の表玄関としてJR奈良駅周辺を整備し、業務・商業機能を集積しようという構想が国の支援を受けて、県、市が事業主体となって様々な事業が進められてきました。  先ほど御指摘がございましたように、まちづくり総合支援事業、区画整理事業、再開発事業、連続立体交差事業、街路事業、密集住宅市街地整備促進事業等々、こういうものが行われておりまして、現在、二〇一〇年に開催予定の平城遷都千三百年記念事業に向けて、連続立体交差事業と周辺街路事業を中心として着々と事業が行われております。

前田武志民主党・新緑風会

○前田武志君 実は、区画整理事業にいたしましても、駅前の一等地のところはこうやってクリアランスもできたんですが、もちろん地価の関係もあるんでしょうが、なかなか民間が進出してまだこないんですね。ホテルが一棟建ち、それから公共的なホールができたという程度なんですね。それだけに、こうやって、今回、地方都市の再生に向けて、民都機構も含めて民間がどんどんどんどんその持てる資源を投入できるような装置をつくろうということについて期待をするわけなんです。  多少各先生方と共通するわけなんですが、この区画整理、うまくいかないところもあるんですね。道路を造ろうとしても、二十年来掛かってやっとで動き始めたというところもございます。連続立体事業が動き始めたんでこれを契機にして動き始めた。  やはりそこに住んでおられる方々はもう数十年もたつと高齢化してきておりますから、余り大きなまちづくりについてのインセンティブを感じなくなってしまっているんですね。やはりちょっと区画整理なんかやると、今までの近所付き合いがどうなるのか、それこそ本能的に自分たちの最小限のコミュニティーが壊れてしまうんじゃないかということの抵抗感の方が大きいんだろうと思うんですね。したがって、こういったことについて、いやそこもちゃんと皆さん方の近所付き合いというのはそこにちゃんと保つことができる上に、また若い人たちも入ってくるし、また日常の生活ももっともっと便利になってにぎわいが戻ってくるんですよといったようなことがしっかりと伝わるようなまちづくりのプランナーであったりデザイナーであったり、実行していく、そういった人材というものがないとなかなか進まないなというようなことをつくづく感ずる次第なんです。  そこで、まちづくり交付金、このまちづくり交付金とこの今回の民都機構であったり、そういった市場をもっともっと活用するというものがうまく組み合わされてくると、今指摘しましたようないろんな資源ですね、人材、資金、情報、デザインあるいは説得、そういったものもこういった施策を通じて導入することができて進んでいくのではないかと、そのように思うわけでございますが、まちづくり交付金事業と、そして都市再生の新しい事業、これを連携させてやっていくんだという御説明でありましたが、具体的には、例えばこの奈良のまちづくりというようなことでイメージするとどういうことになるのか、政府の、局長の何かお考えを聞かせてください。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 奈良に限りませず、実は県庁所在都市の、県の中心の都市の駅前の土地が空いていてそれがなかなか活用されないということは奈良だけではございません。地方につきましては、やはり民間だけに期待してもなかなかプロジェクトは立ち上がらないということで、まず地元の市町村が中心になってまちづくりを進めていくことができるようにというようなことでまちづくり交付金というものを昨年つくっていただいたわけでございます。これを土台として、やはり官だけで町ができるわけではございませんで、やはりその土台の上に民間の投資を呼び込んで地方の都市を活性化していくということが非常に重要だと考えているわけでございます。  今回、この地方都市の民間プロジェクトを支援する民都機構による出資というような制度の創設をお願いしているわけでございますけれども、この制度創設に当たりまして、各地方公共団体の方からどういうニーズがあるかというようなことをいろいろ伺っております。今まで御相談いただいている案件、奈良のケースともよく似ているんではないかと思いますので御紹介をさせていただきますと、北関東のある大きな県庁所在都市でございますけれども、地元自治体が国鉄清算事業団等から買い取りました駅前の遊休地がございまして、ここに自治体がまちづくり交付金によって道路や公園、こういう基盤整備を行います。そこに民間の方々が、これは五百億を超えるような大きなプロジェクトが考えられているようでございますけれども、オフィスビルでございますとかホテルの建設と併せて、市民の方々が楽しく快適に散歩できるようなアトリウム、屋内の回遊広場とかオープンスペース、こういうような公共公益施設を整備するというようなことが一つ具体的な事例として今相談を受けております。  また、少子化によりまして廃校となった小学校の跡地を活用すると。これも市町村がまずまちづくり交付金によって公営住宅でございますとか公園を整備する、それに併せて民間の方がケア付きのマンション、それと公園と一体利用が可能なオープンスペースを整備すると、こういう例が徐々に各地から上がってきているというのが実態でございます。

前田武志民主党・新緑風会

○前田武志君 今挙げられた、局長が説明していただいたのを一つのモデルと考えた場合、なかなかいいことだなというふうに考えていたわけですが、そうすると、そのモデルに対して、この都市再生特別措置法が改正された暁には、例えばそれが適合すれば、この民都機構が、何かSPCができたとして、そこに出資をするというようなことはあり得るんでしょうか。可能なのでしょうか。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 区画整理をしたところ、基盤の上に民間が投資をするというときに民間の方が建物を造られると。そこにペデストリアンデッキでございますとか駐車場、そういうような公共公益施設を伴った開発をされる、プロジェクトをされるというときに民都機構が出資という形でお手伝いできると思っております。

前田武志民主党・新緑風会

○前田武志君 今のは出資の話なんですが、となると、そこに多様な資金の需要があるわけでしょうから、例えば政投銀行がそこに融資をする、出資は民都機構、融資は政投銀行、そしてそれが呼び水になって地元の金融機関がどんどん入ってくる、そんなイメージも抱けるわけでございますが、これは山口副総裁、いかがですか。そういう条件が合えば可能なんでしょうかね。

山口公生日本政策投資銀行副総裁

○参考人(山口公生君) このまちづくりの問題の最大の難しさを申し上げますと、非常に長期にわたる事業でございますので、その事業性の判断、つまりリスクの判断が非常に難しいというところであります。したがいまして、民間の金融機関もなかなかそこの判断がしにくいという部分がございます。それで、先生がおっしゃったような事業は是非成し遂げるべき性格のものとは思いますが、民間金融機関は非常にリスクの小さい部分は取ろうとするんです。  ちょっと専門的になって恐縮でございますが、大きく言いまして、一番リスクの大きいところは出資の形ですね。今民都機構のお話あります。そこのエクイティーという部分ですね。一番リスクの少ないのはシニアのデットという、つまりローンですね。それも金利の割と低いけれども安心できるローンと。それで、真ん中がメザニンというのがございまして、これは中リスク・中リターンみたいなもの。  そうすると、もし事業が駄目になったとき、まず出資者がまず毀損されて、それからメザニンが毀損されて、最後にシニアというふうになりますから、シニアに出したいという人は結構いるんです。それから、出資者の方は、やっぱりスポンサーになる人とかあるいは公共団体だとかあるいはディベロッパーとか、そういうところはあえて、もうかったらえらく収益が上がりますから、やろうという人はいるんですね。すると、問題はそのメザニンという部分。つまり、貸出しあるいは優先株ではあるけれども、ちょっと駄目になったときにはほかの融資よりは先にカットされるよという部分をいかに仕組むかというのが難しいんでございます。  そうすると、やっぱり十年、十五年あるいは二十年掛かってやっと回収できるプロジェクトを十分によく吟味した上で、メザニンをある程度私どもが主導して、そのリスク量を量って、そこの適切なメザニンの量を量って、私どもが出しますと、そうすると、ちょっと自慢になるような話で恐縮ですが、ほかの金融機関もじゃ私も付き合いましょうと、あるいはほかの投資銀行等がそこなら私も出してもいいですよという人たちが現れてきます。そうすると、メザニン部分が埋まると。すると、シニアはその上に乗っていますから、それはもうたくさん貸したいという人はいます。  そういう、つまり事業性をよく見た上で、きちんとエクイティー、メザニン、シニアというふうに切り分けられれば、そういった事業が実現できるということでございます。そういうふうに考えております。

前田武志民主党・新緑風会

○前田武志君 今の御説明で随分すっきりしたわけですが、要は融資ということにおいても、政府系の政投銀行が吟味した上で、メザニン、融資の中では劣後というか、そんな感じですよね。そこを受け持つと。そうすると、政投銀行がそこを受け持ってくれるならひとつリスクの少ないところで我々融資をやろうじゃないかということで金が出てくると。しかも、その前の出資の一番の基本的なところ、言わばこのプロジェクトを組成する資本ですよね、そこに民都機構が入ってくるということですから、これは私は、非常に大きな政策のある意味では転換というよりも、政策的にはかなり踏み込んだんだなと、こういうふうに思うんですね。  多分出資の中にも、資本の中にも、金融危機のときに国会でもいつの間にか劣後債だとか優先債だとか、そんな言葉が飛び交ったわけですが、多分出資の中にも優先度の高いところと、そして一番優先度の低いところとあると思うんですが、先ほどの山口副総裁のお話、これは融資の方だったと思いますが、出資の方について、リスクの大きいところを取ってやろうということになっておるんでしょうか。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) お答えいたします。  出資の中に優先と劣後があるというお話でございます。  それで、今回のこの法案、予算と併せて財政当局ともいろいろ協議をしてまいりました。それで、今こういう形になっております。単独で一人だけびりというのは駄目だけれども、友達がいると。幾つも段階があるわけでございます。単独で民都が一番厳しいところを取るというのは駄目だけれども、友達がいればびりでもいいということで、幾つもありますけれども、やはり民都としては、公的な機関として一番厳しい部分に近いところを担当したいと、このように考えております。

前田武志民主党・新緑風会

○前田武志君 ということで、私は評価をするわけでございますが、それだけに、国民の税金が入っておるわけでございますから、民都自体としては全国のそういう地方都市、中心市街地活性化、いろんなプロジェクト、各プロジェクトに出資をしていく。まあ大抵は査定といいますかね、きちっと評価をしながらやるわけですからうまくいくんでしょうが、中にはうまくいかないケースもある。しかし、民都全体としては、多分連結決算というか、全体としてはそう大きくむちゃなことにはならないんだろうと思いますが、各プロジェクトは地方公共団体が中心になってつくる、地方都市の再生でありますから、その地域の死活の問題みたいなプロジェクトであるわけですね。  したがって、当然、理事者、議会、地元、一生懸命取り組まれると思うだけに、そこにまたそうやって民都を通じて、市場を通じて外から資金あるいは人材、情報、いろんな資源を呼び込んでいくわけでございますから、ここは透明性といいますか、説明責任というものはよほどしっかりしていないと、私は、非常にその決意を持って踏み込んだのはいいんだけれど、今までの号令一下、都市整備局、県の都市計画課、市の都市計画課というところで、縦の筋で、大体まあ統制取れてやっていた世界じゃないわけですよね。  出ていくところはもう日進月歩の市場です。それこそ、ホリエモンさん始め、デビルタワーの住人たちがつめを研いで、どうやってもうけるかということをやっている市場に、まあ極端に言えばですよ、直ちにつながるわけじゃないんでしょうが、必ず出資者というのは機関を通じて、いろんな銀行あるいは金融機関を通じて国民一般につながっているわけなんですから、そういった市場に出ていくということのこの意味合いというもの、よほどこれは深く認識して、そして、どうしても役所というのは情報公開だとかそういうことについては守勢、守りになるんですよね。  そういうことだとかえって足をすくわれることがある、よほど透明性、説明責任というものを果たしていかなければいけないと思いますが、このことに対する、そうですね、これは北側大臣自身がどういうふうな覚悟といいますか、御認識で取り組んでおられるか、お答え願えますか。

北側一雄公明党国土交通大臣

○国務大臣(北側一雄君) 今、山口副総裁や竹歳局長の方からお話をさしていただきましたように、民都機構の出資する部分というのは、やはりリスクが比較的高いところを役割を担わせていただくわけでございます。したがって、当然のこととしてリスク管理というのが極めて大事になってくるというふうに思っております。  今回の制度では、大臣認定の際に事業実施の確実性について審査をさしていただきまして、また民都機構の審査では事業の収益性を審査するということとなっております。支援を行うこととなった事業につきましては御報告もきちんとちょうだいをするようにさしてもらいますし、今委員のおっしゃいました透明性の確保ということが非常に大事であると、情報公開をきちんとなされていくことがそのリスク管理という観点からも非常に大切であるというふうに考えております。

前田武志民主党・新緑風会

○前田武志君 大体そういった線でやっていただけるものと期待をしておりますが、竹歳局長にもう少し具体的なことをお聞きいたしますが、要は民都の本社というか、そういうところと、個々のプロジェクトは、これはもう地方の都市でございますから、そこには県でありあるいは市であり、そういったところが主体的にやっていくわけでございますから、もちろん議会、住民、あらゆるものがあるわけでございます。  それだけに事業の評価というものが、特に事後評価ですよね、SPCつくって何かこう呼び込んでいくというような、そのプロジェクトそのものを組成していって実際に動き始める、その事業の評価というものが地元にはっきり分かるような、個々のプロジェクトごとにまあ事業評価委員会というんですかね、そんな感じのものを用意しようとされているのかどうか、そんなことを含めて竹歳局長にお尋ねをします。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 民都機構が地元の具体的なプロジェクトに関与していくわけでございまして、その場合にはもちろんいろいろなプロジェクトに関係する地元の関係者による協議会とかできてくるわけでございます。今回の法律改正では、この出資と併せて、この法律案におきまして民都機構は必要な助言とかあっせんとかいろんな援助をできるというような規定も設けてございまして、そういう地元の協議会に参加する中でいろいろサポートをさしていただきたいと考えております。

前田武志民主党・新緑風会

○前田武志君 お手元に、各委員のお手元にもう一つ資料を配らしていただいていると思います。それは、平成九年十二月四日に、私のことで恐縮なんですが、当時、平成九年の十一月の二十四日、二十五日にバンクーバーでAPECの総会があったんですね。そこに橋本総理が出られて、帰ってこられて、十二月の四日に本会議で御報告をいただきました。そのときに私が代表質問をしたわけでございますが、実はそのときの、そのAPECのバンクーバー・フレームワークというのが出ておるわけでございます。  その中身というのが、そこにちょっと何か赤線を引いてあると思いますが、インフラ開発のための官民のパートナーシップ進化のための枠組み、いわゆるバンクーバー・フレームワークというものが出されたと。そして、その中で、持続可能な都市並びに地方の統合及び多様化を支援する、まあ言わば都市再生であったり地域開発であったり、そういったことでございますが、そういったことのインフラストラクチャーを整備促進するのが喫緊の課題だということがバンクーバー・フレームワークでまとめられたわけです。そして、その大規模なインフラプロジェクトの民間投資を増進する資産担保証券の市場を含む流動性の高い国内債券市場の整備を促進すべしというようなことまで具体的に指摘されているんですね。  その当時、私が申し上げたのは、当時は橋本総理は金融ビッグバンをやり始められたときだったんですよ。私自身は、ほとんど整備がされていない中で、これは大変なことになるよという問題意識を持って質疑をしていたわけなんですが、それと同時に、このまちづくりに市場の力を生かそうという当時の先端の、欧米なんかはもう既にそこへ行っていたわけなんですが、具体的に言えば、住宅であればモーゲージであるだとかあるいはREITであるだとか、そういうものがどんどん進んできているのに、日本は全くそこは未開の地だったんですね。これはまさしくまちづくりを証券化して市場に乗せ、民間の直接投資を呼び込むスキームを整備するということを意味しているんじゃないかということを指摘したわけであります。  それから七、八年たっているわけでございますが、十三年に都市再生本部ができ、そして今やついにこういうスキームも出ようとしている。時間は掛かりましたけれど、やっぱり大きな世界の流れに乗ってきているのかなという感慨を受けるんですね。  しかし、遅いんですよ。世界はもう何周も先を行ってしまっておるものですから、逆に心配をするわけですね。和製REITなんというのも市場としては相当大きなものになってきておるようでございますが、例えばこの民都機構がSPCをつくって、そのSPCに出資をする、あるいはその出資したSPCが債券を発行する。債券を発行すると、それは市場で吸収されるわけですよね。これからできるであろう町のその中身が非常に付加価値の高いいいものだ、魅力のあるその町に入りたい、そこに出店したい、そこに住みたいというような魅力があれば、その社債はあっという間に証券市場で吸収される。言わば、まさしく市場を通じて国民の金融資産を一挙にまちづくりの中に入れ込むというようなことができる時代になってきたんじゃないかと、こう思うんです。  そういうようなことを前提にしながらお聞きをしたわけでありまして、区画整理の方もちょっと話をしたいと思いますので、これで私のこの民都機構関係の質疑は終わるわけでございますが。  利用の仕方によってはまちづくりにいろんな知恵を、金じゃないんですよね、金にはあらゆる情報が重層的に付いておりますから。それは、もう自分が、例えばその当該、私の地元であれば、奈良のまちづくりの証券化されたもの、SPCの債券を買ったよと。そうすると、インターネットでのぞいて、ああどうなっているかなということは当然興味があるわけだから、いい町つくってほしいと思うだろうし、ということになれば世界からいろんな提案だって出てくる可能性もあるわけです。そんなことをうまく誘導するような都市政策というものにやっていく責任が出てきたということですね、もう乗ってしまったわけですから、この大きな市場に、グローバルな。  という意味において、北側大臣にそういった、何といいますかね、覚悟といったようなことをお聞かせください。

北側一雄公明党国土交通大臣

○国務大臣(北側一雄君) 非常に大事な御指摘ちょうだいしたと思っております。前田先生のこの本会議での質疑は平成九年でございますので、本当に以前からそのような御提言をちょうだいしていたことに心から敬意を申し上げたいと思います。  ようやく我が国の金融も健全化してきたといいますか、この四月一日からペイオフも完全解禁になりましたし、ここ何年間かはともかく金融機関が金融機能を果たせないと、そういう状況がずっと続いておりまして、それが日本の経済、景気のなかなか良くならないもうネックになったわけですね。それがようやくこの不良債権問題が峠を越えて、今ようやく、私は、そういうまちづくりに当たっても、金融面というものを活用してまちづくりを進めていくということができる環境、条件が整ってきたのかなというふうに思っているところでございまして、今回のこの法案につきましても、今委員のおっしゃった流れの中で位置付けてとらえていきたいというふうに考えております。

前田武志民主党・新緑風会

○前田武志君 それでは、区画整理の問題、区画整理に民間会社を参入させるという件についての質疑に移ります。  実は、この区画整理については、ここで委員長席におられる田名部委員長が区画整理の言わば経験者であり、プロであり、もうずっとやってこられた。我々も委員一同、災害視察のときに八戸市でその実態も見せていただいたわけでございまして、何だかこっちを向いてこの質疑をすべきじゃないのかなと思うわけでございますが、区画整理についてもいろいろ既に質疑がなされておりまして、問題点等はかなり明らかになってきたと思います。  今までの議論の線上にもあるわけですが、民間会社を入れるということは非常に大きな意味を持っていると思いますね。その民間会社にまた、一つこれ確認いたしますが、民都機構、出資をするということも可能なんですか、これ。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 区画整理会社は組合と基本的には類似の仕掛けでございますので、区画整理を中心にしてやるということになります。民都機構が出資するのは、やはり施設の建築物を造って、それに伴う公共施設をやるということになりますので、少し場面が違うのかなという気がいたします。

前田武志民主党・新緑風会

○前田武志君 まあそうだと思います。先ほど来の区画整理の議論を聞いておりまして、この会社は多分、この区画整理が終了して、その土地の上に具体的なまちづくりとして施設、それが複合ビルであったりあるいはマンションであったりいろんな施設ができてくる、そこに続けてその会社でやっていこうというふうに受け止めたんですが、それでよろしいんですか。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) お答えいたします。  組合区画整理の場合には、区画整理が終わったらそれで組合は解散するということになります。区画整理会社につきましても、事業が終了いたしますと終了についての知事の認可ということが必要になりまして、区画整理法上は区画整理会社ではなくなります。  しかしながら、この今回区画整理会社を提案させていただきました一つの理由は、やはり保留地がなかなかすぐには売れないという中で、分譲で事業を完了させるという方式から賃貸に転換して、少し長期的にこの事業をうまくいくようにしようというようなねらいもございます。そうしますと、事業が一応区画整理会社としては終わるわけでございますけれども、そこに非常に熟知した方々、民間の方も入っているということで、今度はその区画整理の終わった基盤の上にどういう町をやっていくかというようなことは、定款を変えるというようなことで、会社としては一応衣替えをしてその地区に少し長くかかわるというようなことが考えられるんじゃないかと思っております。

前田武志民主党・新緑風会

○前田武志君 ちょっと今の説明で、要請される場面というのは分かるんですが、ちょっと心もとない感じもあるんですね。  あくまでも、区画整理というものは、会社であれ組合であれ、区画整理、土地の換地、分合等をやって整理をして、それで終了するわけですね。そこから先のこの整理された当該区画地にどういうようなまちづくりをするかというのは、これはもう全く違う次元なんだろうと思うんですね。その面については、先ほど来議論してきた町の再生そのものの話になってくる。そこを、幾ら区画整理会社といえ、その終了した後に同じ会社がその利用の方についてもずっといくということになると、実は市場を通じてのとんでもない問題に巻き込まれていく可能性もある。そこから先はいかに利益を生むかという投資の世界に入っていくわけですから、そこの何か締めというものをしっかりしておく必要があると思うんですね。  そのまた前提に、既にもう議論は衆議院の方でもあったようでございますが、土地区画整理そのものがバブルを挟んだということもあるんでしょうが、うまくいっているケース、うまくいかなかったケース、そして、もうついに破談したケースというようなことがあるわけですが、ちょっと実態を教えていただけますか。もう大きな数字で結構です。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 区画整理の実態でございますが、国土交通省が平成十三年と十六年に調査した結果によりますと、バブル崩壊等によりまして収入不足が見込まれる組合というのは、平成十三年には千五十九組合のうち百三十三組合ございました。平成十六年になりますと、この百三十三組合のうち、皆様のいろいろな努力によって七十四の組合が収入不足が解消いたしましたが、また新たに六十九収入不足になったというようなことで、結果としては五つしか減っておりませんが、平成十六年は八百九十二の組合のうち百二十八の組合で収入不足ということで、収入不足の見込額は約千五百二十億円と、こういうような状況にございます。

前田武志民主党・新緑風会

○前田武志君 今御紹介ありましたように、区画整理も、もちろんそれはうまくいかないケースも随分あるわけでございます。そういうことを前提にして考えると、この区画整理会社というものも当然うまくいかないケースも出てくるということが考えられます。そのときの始末の仕方というものは明確にしておく必要がある、会社でありますからね、当然市場というところでも評価されるんでしょうが。  しかし一方で、会社ということになると、地元だけではなかなかこの区画整理というのは合意形成が難しい、人間関係が余りにも濃厚過ぎるということもある、言いたいこともちょっと言えないという場合もある。ついにそれが、ずっとストレスがたまってきて、最後は爆発して感情論になってしまうというケースが多いわけですね。会社が入ればもうからにゃいかぬから、幾ら地権者中心といえども、外からも入ってくるわけでしょうから、そこには専門のチームも入ってくるでしょうし、しがらみのない信頼される専門家という方々も入ってくるというようなことも想定される。そこに地元の指導力のある、信頼される方がその組合の中にあれば、今よりも多少、楽観的に見ればですよ、今よりも区画整理というのが進めやすくなるんじゃないのかなというふうにも思うんですね。  是非そういう活用をしてほしいということと同時に、そして区画整理が終わった段階でいよいよ新たなまちづくりという観点で出発をするわけですから、区画整理会社、せっかくつくった会社をそのまま利用しようというような観点に立つよりも、市場に出た以上は、それぞれその時々の目論見書といいますかね、定款といいますかね、それに沿って、仕事が終わればそこで締めをする、それが言わば透明性と説明責任を果たし、次のまちづくりに大きなステップを踏み出していくことになると、このように私は考えます。  そんなことを申し述べて、最後に大臣の御見解をお聞きして、終わります。

北側一雄公明党国土交通大臣

○国務大臣(北側一雄君) 土地区画整理会社方式ということを今回の法案で提案をさせていただいております。従来の組合方式ではなかったメリットもたくさんあると思っております。  今委員の方から御指摘のあった点につきましては、しっかりそれを踏まえて運用をしてまいりたいというふうに思っております。

前田武志民主党・新緑風会

○前田武志君 終わります。

田名部匡省民主党・新緑風会

○委員長(田名部匡省君) 午後一時四十分から再開することとし、休憩いたします。    午後零時三分休憩      ─────・─────    午後一時四十分開会

田名部匡省民主党・新緑風会

○委員長(田名部匡省君) ただいまから国土交通委員会を再開します。  休憩前に引き続き、民間事業者の能力を活用した市街地の整備を推進するための都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

佐藤雄平民主党・新緑風会

○佐藤雄平君 佐藤雄平でございます。午前中に引き続いて、都市の再生と土地区画整理事業の一部改正する法律について質疑をさせていただきます。  小泉内閣ができて、ちょうど四月で四年目を迎えます。小泉内閣の国土政策の中心は、実は経済財政諮問会議の目録を読んでみますと、特色ある地方と都市の再生ということになっております。正に小泉内閣の国土政策の主眼が都市の再生であったんだろうな、そんな思いをしながら、まずこの第一段階での緊急整備事業がありました。  この緊急整備事業というのは、多分に不良債権、バブル後の不良債権、そしてまた経済政策にどれぐらいこの都市の再生が寄与するかと、正にあの当時は失われた十年をいかに取り戻すかということで始まったわけであります。  あの当時の緊急整備事業についてずっと見てみますと、全国で十七か所ありました。しかし、十七か所をずっと見ると、この箇所は東京と大阪、名古屋、それぞれ分散しておりますけれども、面積数で見ると、三分の二が実は東京でございます。まあ余り私は思い出したくないんですけれども、六本木ヒルズであの子供の痛ましい事故があったんですけれども、あそこから都合、ほとんどがもう東京なんです。ある意味では、これは東京再生の都市政策でもあるかなと、多少疑った面もありました。そうこうしているうちに、今度は北海道から九州、沖縄までと、その全国からのいろんな声があって、何か追加的に地方の都市の再生政策を出してきたのかなと、そんな思いもしているわけでありますけれども。  まず冒頭、この緊急整備事業、これのその経済的な効果と、これによってどれぐらいの不良債権の処理ができたのか。これはなかなか、経済効果の現すというのは何年間、長期にわたることもあり、難しいと思うんですけれども、しかしながら当初の政策課題はどれぐらいこれ充足しているのか、この点についてお伺いしたいことと、ちょうどこれ四年前完成したときに、東京全体の空きビルがいろいろありました。五か所、六か所、東京で再開発事業をやって立派なビルができる。その立派なビルにどんどんどんどん事業所が入っていく。そうすると、今までのビルは空き家になる。まあ空き家になったところに、またもうちょっと古いビルから移ってくる。あのとき、たしか二〇%近いその空きビルの面積全体の、非常に困っていた話を思い出しているわけでありますけれども、まず冒頭、その三点について、局長から御所見とその状況をお聞きしたいと思います。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) お答え申し上げます。  都市再生緊急整備地域でございますが、第一次の指定としては、今先生御指摘のとおり、東京都、横浜市、名古屋市、大阪市等において十七地域、三千五百十五ヘクタールが指定されました。その後、四次にわたって札幌、仙台、高松、岐阜、静岡等々、地方の県庁所在都市等も含めまして六十三地域、六千四百二十四ヘクタールが指定されております。  この第一次指定されました都市再生緊急整備地域におきましては、これまでに民間の都市再生事業で国土交通大臣の認定したもの、全体で十六ございますが、今御指摘のように、十一件がこの第一次指定地域にございまして、その中には防衛庁跡地の再開発でございますとか、秋葉原をIT産業の拠点とするという秋葉原クロスフィールドプロジェクト、それから名古屋では、名古屋の駅前に今建ち上がってきておりますけれども、豊田・毎日名駅四丁目ビルと、トヨタの自動車が入居する予定と伺っておりますけれども、こういうようなプロジェクトが含まれておりまして、これによりまして、良質なオフィス、商業施設、住宅等が供給されまして、都市の国際競争力、魅力の向上が図られると、このように考えております。  そこで、今お尋ねでございました景気対策等の経済的な点でございます。この一次指定地域につきまして公共団体のヒアリング結果等から、民間の投資見込額は六兆円と推計されておりまして、波及効果を加えると十二兆円と、こういうような効果を期待しておったものでございます。  不良債権につきましては、経済全体の中で減りつつあるということで、この都市再生政策と直接結び付いてなかなか御説明は難しいところでございます。  それから、三点目の空きビルの関係でございます。かつて二〇〇三年問題と言われましたように、大規模な再開発が行われることによって中小ビルを中心とした空き室が増加するんではないかというような懸念がございました。オフィスの空室率でございますが、この三月末時点で都心五区のビルの空室率は大型ビルが五・五%、中型ビルが七・九%、小型ビルが六・九五%と、これは民間の調査でございますけれども、いずれも改善傾向にあるという調査結果となっております。  この空きビルの問題でございますが、実は東京のオフィスのストックというのは、都心の三区でも昭和五十六年の新耐震基準を満たしていないというビルが五五%ございます。そういう意味で地震に対して脆弱だと、そういうビルが五五%ありますし、さらにこの新耐震基準を満たしているビルでも、ITとかいろいろな最近の経済動向にそのサービスが合致していないというのが一三%ございまして、実はそういう危ないビルとかサービスが不十分なビルが約七割ございまして、やはり空きビルの問題ございますが、こういう耐震性を備えてIT化に対応した優良なオフィスのストックというのを供給していくことが必要であると考えております。

佐藤雄平民主党・新緑風会

○佐藤雄平君 この緊急対策というのは一定の効果は現しているのかなと、そんな思いもしているところでございます。しかしながら、これ冷静に考えてみますと、この四年間で、まあ一年間に大体社会的要因の中で人口が八万人ずつ東京は増えているんです、約三十万。三十万というと、私は福島県ですが、郡山が一つできているぐらいのもう大変なこれ人口移動になって、このことがさらにまた一極集中をどんどんどんどん追加しているような状況になっているんです。  先般から大臣とも何度か地震を含めた都市災害についての質疑をさしてもらってきました。地震は防ぎようがありません。台風も防ぎようがありません。いかに被災者を少なくするかということは、やっぱり人口の多いところがどうしても被災者が多くなってしまう。そんなことを考えると、このような状況がどんどんどんどん続いていって、この地震でも起きたらさらにまた被災者が多くなってしまう。そういうふうなことを考えたときに、このような都市政策がどんどんどんどんある意味では進んでいった場合に、災害に対してどういうふうな対応をしていくのか、まあ災害対策が私はますます難しくなってしまうんです。  ですから、何回か私も申しておりますけれども、国土政策の中でやっぱり人口のある意味では分布をも含めた国土政策を進めていかないと、これは大変なことになってしまうなと、そんな思いの中で大臣のその見解をお伺いしたいと思います。

北側一雄公明党国土交通大臣

○国務大臣(北側一雄君) おっしゃっているとおり、東京一極集中が進んでいるというふうに思います。危機管理という観点からは、東京にすべてが集中しているという今の状況というのは決して良くないというふうに考えております。やはり国土利用の在り方として、東京に一極、東京だけにすべてが集中するのではなくて、地方にも様々な重要な機能が担われていると、また担うことができるというふうな国土利用の仕方をすることが非常に大事な視点であるというふうに考えております。  今回提案をされております法案につきましては、その全国都市再生を更に進めていくという観点から様々な制度の創設につきまして提案をし、また予算面におきましてもまちづくり交付金という形で拡充をさしていただいておりまして、全国の地方における都市の再生に向けて更にそれを促進できるようにしたいというのが今回の法案の大きな目的でございます。

佐藤雄平民主党・新緑風会

○佐藤雄平君 午前中の審議の中でもありました、これは前田委員からいろいろありましたが、都市政策のこの三、四年見ていると、毎年都市の再生に絡む、またまちづくりとか、政策がどんどんどんどん法改正で出ているんですね。これ、今ちょうどその町村合併がそれぞれ今なさっておられて、三千二百から千五、六百になるということでありますけれども、私は、合併の中で、関東地方はどうか分かりませんけれども、地方に行くと、やっぱり村と町が合併すると、村の方で何かやっぱり拠点を持ったにぎわい的なものも必要だと、これがその合併の大前提になっているところも幾つかあるんです。  そういうふうなことを考えると、これ平成十四年に、十五年に、十七年にそれぞれ都市再生、まちづくりについての法案の改正するんであれば、何でこれはもっと早く合併の施行がされる前にこのような発想ができなかったのかなと。まあ百歩譲って、この十四、十五、十七年、これだけでも何か一くくりでできなかったのかな。十分そういうふうなことが予測されたと思うんです。あの緊急都市整備、いわゆる東京を中心にやったとき、地方もいずれ必要であると。しかし、地方が今合併するのにつけてその村と町の構図を考えると、どこかににぎわいが必要だと。そうすると、やっぱり総務省辺りを通して国土交通省にも入ってきたのではないかなと、そんな思いをしますけれども、この件についての御所見を局長からお伺いしたい。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 都市再生緊急整備地域に係る特例、それから昨年つくっていただきましたまちづくり交付金、そして今回の出資制度と、毎年のように法律改正をしている、これを一遍にやるべきではなかったかという御指摘でございます。  確かに、今から振り返りますと、一遍にやればよかったという面があるわけでございますが、若干御理解をいただきたいと思いますのは、新しい政策、我々取り組んでおる中で、なかなか一足飛びにはいかない面がございます。例えば、去年つくっていただきましたまちづくり交付金、これも今までの政策の流れからするとかなり思い切った政策であったという評価を受けておりまして、今回の政策もやはりまちづくり交付金をつくっていただいて、それを地方の皆様が御活用いただいて、これはいいということが、土台があって初めて今回の一歩踏み出したという面もあると思います。  それから、何よりも国会等の御議論でもっと地方都市の問題に目を向けるべきだという御議論をいただきながら、我々一歩でも地域再生、都市再生進むようにと検討をしておりまして、そういう中で今回また出さしていただいたということでございます。  また、合併の関係でございますが、確かにもう少し早くやっていればもっと活用されたと思われますが、昨年からでございますけれども、今年に向けて合併市町村、旧村の、旧市町村のそれぞれに一地区ずつというようなところも活用もしていただいているということで、今後とも是非活用していただければと思っているわけでございます。

佐藤雄平民主党・新緑風会

○佐藤雄平君 まちづくり交付金、極めていい美名に聞こえます。しかしながら、現実問題としてその中身はどういうふうなことかと申しますと、まあ四割は国から交付金として出しますよと。しからば六割はどうするの、自治体が負担しなければなりません。自治体の窮状というのは、もう十分皆さん御承知だとは思いますけれども、もういかに今リストラクチャーして、人件費でほとんどを取られちゃって、一方ではまた、これは社会保障も高齢化社会の中でしなきゃいけない。もう大変な財政状況であります。  そういうふうなときに、私も、ある程度のそのまちづくり交付金の活用度合いを聞きましたけれども、結構使っているとはいうものの三千二百のときから比べると余り使っていないんじゃないかなと思うんです。活用されていないんじゃないかと。それには、やっぱり一番の問題というのは地方の財政の状況というふうなことがあります。余りにも私はもう、四割であと民活なんて、地方には民活全くありませんから、結果的には町、村の財政をそこに投入しなきゃいけない。それはどういうふうなことかと申しますと、それは交付税で何とかお願いしなきゃいけない。起債を起こしても、起債も向こう五年とか十年間ずっとこれはもう借金を払わなきゃいけない状況があります。  そういうふうなことを考えたときに、私は本当にこのまちづくり交付金がもっと活用されるような状況になるには、交付金の率も上げて、更にはまたやっぱり交付税、これの特別な措置でもしないと、本当のこのおつくりになったまちづくり交付金が活用されないと思うんです。  その件についての御所見をお伺いしたいと思います。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 御指摘のように、まちづくり交付金は使い勝手が良いという評価もいただいておりますが、今御指摘のございましたように、やはり六割相当分は公共団体の持ち出しとなるという問題があることは事実でございます。この点につきましては、この四割が国費の限度となっておりますけれども、その市町村負担分につきましては、総務省ともいろいろ協議をいたしまして地方債及び交付税による地方財政措置がとられております。  地方債につきましては、下水道整備等、他の起債措置で対応するものを除きまして一般単独事業債を一括して充当するということにしておりまして、その充当率はおおむね七五%、政令市については七〇%となっております。また、地方交付税措置については、原則として地方債の元利償還金の一〇%に相当する額が対象となっているということで、このような措置も合わせますと、五割近くは国の国費で賄われているという状況になっております。

佐藤雄平民主党・新緑風会

○佐藤雄平君 局長、今までのまちづくり交付金を利活用して、まあ成功例というか、これはつくって本当に地域の方に喜ばれているよと、この例。そして、まあこれはいろんな町によっても規模があると思うんです。場合によっては、まちづくり、五億円でやるところあって十億円でやるところあって、もっと大規模なところがあると思うんです。この辺の例を提示いただきながら、そしてそれがまた民活をどれぐらい誘ったのか、誘発したか、このような例をお示しいただければ有り難いなと思います。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) まちづくり交付金は、市町村がそれぞれ抱えておられる課題に対応して創意工夫を生かしてまちづくりを行おうということでございまして、いろいろな地域地域の目標設定にして計画を作っておられます。  幾つかのテーマを御紹介したいと思いますけれども、一つは富山市でございます。富山市ではJRの鉄道線というものを路面電車化と。LRTという、今ヨーロッパなどで非常に人気があります、自動車交通だけじゃなくてLRTをやっていこうというのを取り組んでおられまして、このLRTの沿線を総合的なまちづくりをしようということで、駅前広場等の交通結節点とか、それから賃貸住宅の整備、歴史的な町並みの修景と、こういうような事例がございまして、これは全体の事業費ですと六十三億ぐらいの事業を考えておられます。  それから、福祉という観点から、これは神奈川県の大和市でございますが、福祉施策と一体となった生活拠点としての町中の再生を図るための道路のバリアフリー化、医療施設、福祉施設の整備と高齢者向けの賃貸住宅の整備というので、これは総事業費五年で三十億ぐらいの規模。  それから、北海道の虻田町、洞爺湖温泉地区ですが、有珠山の関係で激甚災害を受けた温泉街の魅力を向上し、にぎわいの再生を図ろうということで、足湯を設けたポケットパークの整備とか空き店舗を活用したチャレンジショップの開設、メーンストリートのライトアップという、これは非常に、額はそれほど大きくなくて七億というようなことでございますが、地域地域の状況に応じてこういう取組がございます。  それから、民間投資の誘発ということで、制度創設後間もないものでございますから、まだまだそういう評価をするには時間が掛かると思われますけれども、一つ、群馬県の高崎市で、これは高崎問屋町駅周辺地区というのがございまして、これは従来の流通商業業務地からの脱皮を図ろうと土地利用転換を誘導するため、新駅設置と合わせた歩行者空間、地域交流センターの整備、インターネットを活用した情報発信と、このような取組も行われているところでございます。

佐藤雄平民主党・新緑風会

○佐藤雄平君 これも一定の効果は上げているなと、そういうふうな認識をさせていただきます。  今度の都市再生法の改正の一番の主眼というのは、民都機構が今度交ざりますよということだと思います。午前中の審議の中でもありました。これからの地方都市の再生というのは、今までの大都市の再生とはこれは相当やっぱり違う部分が出てこなきゃいけないだろうと思います。それは、今までの都市の再生というのは、基本的には機能性、合理性、利便性、場合によってはこれは市場経済に向いたものというふうなことでの都市の再生をやってきたのかなと、そんな思いをします。このような思想の中で、それが地方に移っていくとまた大変なことになってしまう。さっきもコミュニティーの話がありました。地方の良さ、地域性の良さ、伝統とか文化が良さがある、そういうふうなものをいかにまた醸し出して地方の都市づくり、まちづくりしなきゃいけないであろうということが私は強く求められるところかなと思います。  また、民都機構を私懸念するのは、こう見ますと、それぞれの役員の方おられて、そしてそれぞれの理事がおられる。その中で約七団体ほどいわゆる建設業界関係の方がずっと入っておられるわけです。これも民活というふうな意味からいいのかなと思いますと、どうしてもやっぱりかつてのバブルとか、それからもう日本列島改造論のときのあのすごさをどうしても再来するような感じがしてなりません。そういうふうな中で、民都機構とこの参加しているディベロッパーが、場合によっては地方都市の再生について開発型になってしまうとこれは困るなと、地方の文化も伝統もなくなってしまうなと、そんなことが懸念されてなりません。  つけては、大臣に、その辺の地方のことも十分考えた、そういうふうな伝統文化をも考えた、そしてコミュニティーも考えた、そのような地方都市の再生を是非実行していただきたいと思いますけれども、大臣の御所見をお伺いいたします。

北側一雄公明党国土交通大臣

○国務大臣(北側一雄君) これからのまちづくりに当たりましては、それぞれ地方の特性というのがございます。良さというのがございます。それはもう様々でございまして、今委員のおっしゃった歴史、文化、伝統等、その地域に根付いたものを大切にしながらまちづくりを進めていくということが非常に大切な観点であるというふうに私も考えておるところでございます。  まちづくりの主体者はやはり市町村、そしてそこの地域に住む地域住民の方々、そしてもう一つはやはり民間の事業者、専門家の方々だというふうに思います。この三者が一緒になって、今申し上げたような趣旨にのっとってまちづくりを進めていくことが大切であるということで、今回の法案につきましても、そういう方向に沿った提案をさしていただいているところでございます。  国交省といたしましては、今回の法案、様々な制度を提案をさしていただいておりますが、そうした制度を活用していただくことによりまして、全国の地方の都市のまちづくりがその地域の主体性、自主性に沿った形で更に進められていくことを大きな目的としているところでございます。

佐藤雄平民主党・新緑風会

○佐藤雄平君 地方の心を本当大事にして地方都市の再生を是非お願いしたいと思います。  次に、土地区画整理事業に移らしていただきます。  土地区画整理事業、今までは組合施行と公共の施行があった。それに今度株式会社になるということが今改正の一番の中心であるかなと思います。これからの私は土地区画整理事業、これは結構うまくいきそうな感じがします。最大の問題は、今までの土地区画整理事業、これがうまくいってない。特に組合施行の場合というのは保留地が売れなくてどうしても困っちゃってる。これが大体先ほどのその国交省の報告にもありましたけれども、全部で四十三組合、その負債総額というかその不足見込みが一千五百二十億円。  これ大体個別的に見てみますと、どういうことかというと、バブルの前に計画した、バブルのときに計画したものがほとんどやっぱり赤字になっているんです。バブルのとき計画すると坪二十万円ぐらいで売れると思っていたと。ところが、バブルがはじけたらそれが十万円になっていたと。その赤字分はみんな組合員が借金して、大変なそのときの利子で今納めている状況であります。  そういうふうなことを考えると、むしろ新しい株式会社制度というよりも、今日までのいわゆる極めてつらい状況にある土地区画整理組合、これに対して今法案の改正でこの組合に対してどれぐらいの利便があるのか、これをお伺いしたいと思います。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) ただいま御指摘ございましたように、組合につきましては、バブル以降の地価下落とか、それから郊外での宅地需要の減少等によりまして収入不足が見込まれて、経営が困難になっている組合がかなりの数あるわけでございます。こうした組合に対しましては、まず総事業費を縮減するとか、再減歩や賦課金の徴収、補助金や無利子貸付けの活用、保留地の販売方法の工夫等、様々なその地域地域の経営改善に努めていただくようお願いしているところでございます。  この問題については、実は平成十一年度にまず都市開発資金の無利子貸付けと、保留地を取得する保留地管理法人に対してこういう無利子貸付けの制度を創設したところでございますが、今回の改正においては更にこの支援を充実するということで、今組合の方々が事業計画を抜本的に見直すといったときに、その貸付けの償還期限を延ばすという措置をまず一つ盛り込ましていただきました。  それから、組合の事業がどうしても成り立たなくなると、しかし地権者の方がたくさんいらっしゃるというときに公共団体が引き継いでいただくというときに、公共団体に無利子貸付けができるようにするということで、そういう公共団体が引き継ぎやすいような措置も盛り込ましていただいているところでございます。

佐藤雄平民主党・新緑風会

○佐藤雄平君 局長ね、局長の認識は極めて甘いよ。  二つ申し上げますね。無利子貸付け、いかにもこれもう本当に立派なことをやっているなと思う。これ無利子貸付けは、組合が例えば百万借りるとき、半分は自治体が貸して、半分は国交省が貸してあげるよという話なんですよ。それは多分、無利子貸付けのお金、相当余っていると思うんだよ。町村が貸し付けるだけの財政なんかそんなゆとりない。大変な私は、局長、認識間違っている、そんなことで土地区画整理事業の改正が成功すると思ったら、大間違いですよ。  もう一つ、組合施行のものを町村が、自治体が引き受けるわけないじゃない。本当にこれできると思っているの。町村、そんな財政的な余裕なんて全くないよ。いかに職員を首切るか、そればっかり今考えているんだもの。国土交通省と違うんだよ。もう一回その答弁してください。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) まず第一点目の都市開発資金の無利子貸付けは、公共団体が二分の一出して、公共団体と……

佐藤雄平民主党・新緑風会

○佐藤雄平君 公共団体というのは市町村だというの。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 市町村と国が出すということでございます。これは、制度の仕組みとしましては、やはり市街地の整備というのは公共団体が中心となって取り組むということで、その負担比率は国と地方公共団体が二分の一ずつとしているところです。  ただ、先生今御指摘のように、なかなか公共団体が出せないという状況もあるというので、実は我々もいろいろ考えまして、国と地方が共同して支援とする原則はやはり維持せざるを得ないわけですけれども、更に何か工夫できないかとか、今後とも更に、いろいろ考えていますが、なかなか良い結論には達してないんですが、更に検討をしていきたいと思います。

佐藤雄平民主党・新緑風会

○佐藤雄平君 あなた、二分の一だったら、二分の三ぐらい、じゃ貸してあげると言ったらいいじゃない。だって、余っているんでしょう、聞きたくないけれども、融資する金が。聞いていますよ。だって、それはもう丸々貸すんならみんな借りたいと言うけれども、これ自治体が二分の一出す。自治体が出せないんだもの、それは貸し付けることにならないんですよ、これは。  だから、これは何かやっぱりせっかくこういう無利子の融資制度を考えているんであれば、やっぱり受ける人が喜ぶ、組合が喜ぶ、そういうふうなことを何かどこかで考えてもらわないと、いわゆる今までの組合施行の区画整理組合というのはもうみんなパンクして、やっぱりもうかわいそうな人が一杯いるんですよ、保留地が売れなくて。十年前、銀行から借りて、あのときの金利が五%だったとか四%だと、それがそのまま引きずっているから。だから、これが場合によっては借換えでもできればまた更にいいのかなと思うんですけれども、そのときの貸付けというふうな、こんなこともやっぱりひとつ考えてもらいたいなと思っております。  次に移ります。  保留地のやっぱり問題なんですね。組合の中で保留地というのはやっぱり完成しないと担保にならないんです。完成させるには保留地が売れないと完成できない。ですから、あれ大体、組合施行の場合の予算の内訳でいくと、半分、例えば十億円の区画整理事業をやろうとすれば、五億円は保留地が処分できるという前提でやっているわけですから、これできないと大変なことになっちゃうんで、これ完成して登記、これは法律的な解釈、私知りませんけれども、登記しなくとも担保にできるような制度というのか、こんなことは何かその一考に値しませんかね、考えられませんか。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 今先生御指摘のとおり、区画整理事業の保留地というのは、換地処分が行われたその公告の次の日に施行者が取得するとなりますから、それ以前の段階では登記や抵当権はできないというのが一つの建前です。  しかしながら、例えば換地処分後に保留地を施行者が取得するということは、これは法的に決まっているわけでございますから、換地処分を停止条件、換地処分があったら契約を結ぶというような形で将来の保留地に一定の担保能力を認めるということは実は制度上は可能でございます。実際、保留地を買われる方が金融機関からお金を借りるときに、まだ換地処分がされていませんから、まだそれ担保にはできないんですけれども、換地処分後の保留地に抵当権を設定するということを条件にお金を借りて買われるということもあります。  したがって、制度としては組合がそういうこともできるんですけれども、幾らお金を借りるかということと、それから換地処分がどれぐらい先なのかと、すぐなのか先なのかとか、そこら辺、金融機関としてもいろいろ御判断があるんではないかと思います。  いずれにしろ、先生から非常に厳しい御指摘を受けておるわけでございまして、私たちとしては、この区画整理組合による事業が資金不足で阻害されることのないように、更に補助金とか無利子貸付けとか充実していきたいと考えます。

佐藤雄平民主党・新緑風会

○佐藤雄平君 そういうふうな状況をよく認識していただいて、何か救助の手があればきちっと指導してもらいたいなと要望をしておきます。  次に、これは事業をするときのその補助金なんですね。これは多分、各都道府県が一番やっぱりある意味では困っている、また町も困っているかなと思うんです。いかにもいろいろ補助金とか財政的な助けをしているように思われるんですけれども、現実問題として、いろいろ話を聞きますと、いわゆる組合施行土地区画整理事業で望まれる支援策、多分これは都道府県から行っていると思うんです。  一つ、幅員十二メーター未満の都市計画道路への補助。要するに、十二メーターの区画道路というのはもう相当なものですよ。だから、もうでっかい大変な平米数のところは十二メーターの道路も必要ですけれども、ほとんどやっぱり五メーター、六メーターなんです。そこにやっぱり補助がいただけないんです。となってくると、やっぱり組合員の減歩の中で払っていくしかない。払うには払えなくてまた借金する。これ悪循環、もう本当にスパイラル状況になっているわけですから、これに対してやっぱり何か考慮してもらいたい。  もう一つ、整備済区画道路について市町村が用地費相当分を支援する。要するに、市町村がやっぱり地域社会だからどうしても用地を買ってやるということになる。だけれども、これについてやっぱり国からの補助が全くないんです。だから、さっきから言っているように、市町村の窮状を考えると、その辺も何か一つの工面がないのかなと。  三番目、これが今度、今防災の整備がどうしても必要です。そこで公園とか防災調整池、これも結果的には組合が全部造らなきゃいけない状況になっていて、これも本当に財政が厳しい状況のところにまた輪を掛けているというふうな状況ですから、この三点について、何か考え方というか、助けられる考え方というのは何かないでしょうか。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 今御指摘のとおり、道路特会で補助対象となるのは幅員十二メートルでございますが、既成市街地では八メートルまで引き下げられて対象が広がります。それから、既成市街地では区画道路とか公園等、こういうことについては一般会計の方から都市再生区画整理事業というようなことで少し広く補助ができると。それから、小規模な公園や防災調整池等の公共施設についても、やはり今申し上げましたような都市再生の区画整理事業で国庫補助できます。  それから、最近は区画整理のお金が減っているものですから、まちづくり交付金と併せて、そうしますと、提案事業というような形で少し幅広く応援ができるというふうなことになっております。

佐藤雄平民主党・新緑風会

○佐藤雄平君 さっきから何回も私、これは一般財源からと、一般財源がないんだよ。ただ答弁書を読んでいるだけじゃなくて、ちゃんと私の話を聞いて答弁してくれないかな。一般財源がないの。だから一般財源を何ぼでも、それは一般財源があれば何も国土交通省からの補助金要らないよという話になる。ないわけだから、この辺、もう一回答弁してください。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) ちょっと私のお話がはっきりしなかったかもしれませんが、今申し上げたのは、補助の対象が非常にいろいろ広くなっておりますということで、そういう意味では、もちろん裏の部分は一般財源でございますけれども、これ読んでいるのはちゃんと仕組みを書いているものですから読んでいますが、補助をなるべく広く、それを全部一般財源でということではございません。

佐藤雄平民主党・新緑風会

○佐藤雄平君 そのような地方の状況ということは、もう十分局長含めて理解してもらいたい。  もう最後、大臣に、今度の都市の再生、そしてまた土地区画整理事業、それぞれやっぱり民間が入ってくるわけです。先ほども言いましたように、これからの、今までの都市の再生、東京、大阪、名古屋、これとは違った文化それから伝統、こういうふうなことも考えた、さらにまた民都機構に様々なディベロッパーが入っておりますから多分に民都機構がまちづくりのプランナー、要するに企画するというふうなことになると、具体的にはそれぞれの建設、やっぱり不動産、こういうふうなところが入っていく仕組みになるのかなと思います。  このとき一番やっぱり私は困るのが、地方の文化なくなりそうな感じになって、利益優先の事業になってしまう。これも繰り返すようですけれども、やっぱり町、村、やっぱりそこは生活が中心である、企業活動が中心でない、地方の場合は、そんなことも十分考えていただきながらその都市再生、地方都市の再生を進めていただきたいと思います。  これについての見解を大臣から伺い、私の質問を終わらせていただきます。

北側一雄公明党国土交通大臣

○国務大臣(北側一雄君) 今日の佐藤先生の御質問は一貫して、当省の緊急整備地域の都市再生、大都市部における都市の再生と全国の地方の都市の再生、これは質的に違うぞというお話を一貫してなされているというふうに思います。  確かに、大都市の場合は、これはむしろ大都市というよりも、我が国の大都市が非常に大都市間競争がある中で魅力ある、競争力ある町にしていかないといけないという観点がございました。また、当時は非常に、日本の経済そのものが非常に厳しい中で即効性のある、経済に即効性のある、また効果の高い経済対策というふうな観点も強かったんです。それとこれからやろうとしている全国の都市再生とは少し違う。  全国都市再生におきましては、今おっしゃったように、むしろそこにお住まいの方々の生活ということを常に念頭に置きながらまちづくりというのを進めていく必要がある。その地域地域には、もう全国の地域地域にはその土地柄の歴史、文化、伝統があるわけでございまして、その歴史、文化、伝統という特性にふさわしいまちづくりをやはり進めていかないといけない、そういうふうなことがしっかりと進められる制度でないといけないというふうに思っております。  いずれにいたしましても、まちづくりは地方が主体でございます。地域が主体でございます。地域の方々が自分たちの住む町をどうしたいのかというところが出発でございまして、そこのことをしっかりと忘れずに地方の都市の再生を進めてまいりたいというふうに思っております。

佐藤雄平民主党・新緑風会

○佐藤雄平君 是非お願いします。  終わります。

山本香苗公明党

○山本香苗君 公明党の山本香苗です。北側大臣、今日もよろしくお願いいたします。  昨年から始まりましたまちづくり交付金につきましては、午前中も、また今、佐藤先生の御審議の中でもございましたけれども、このまちづくり交付金、いろんな地方の取組が生かされているわけでございますが、去年、今年とどういった重立った使途があって、どういう傾向があるのかについてまずお伺いします。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) お答えいたします。  まちづくり交付金、平成十六年度は全国二百九十市町村、三百五十五地区で行われております。  いろいろな切り口がございますので、まず目標について申し上げたいと思いますが、この三百五十五地区の中で一番多い目標は、交通の利便性を高めるというのがあります。これが百九十五地区ございます。二番目が人口定着、それから三番目が観光交流、それから中心市街地活性化、地域コミュニティー、これが百二十六。防災、百十七というような、こういうことが各地区の目標になっております。  それから、事業で見ますと、道路、公園などの公共施設整備が三八%でございますけれども、市町村の提案によるソフトな事業、この割合が一四%、全体の事業費に占めております。  それから、具体的な内容でございますが、まちづくり活動とか社会実験、特にこの提案事業につきましてはいろいろな取組が行われております。例えば、まちづくり活動では、まちづくりや子育て支援など地区内施設を活動拠点とするNPO法人等への支援でございますとか、社会実験では、コミュニティーバス、コミュニティータクシーの試験運行、それからTDM、交通量の需要抑制、そういうマネジメントの通行規制実験とかオープンカフェ、こういうようないろいろなことがございます。  また、こういうソフトの事業のほか、福祉のまちづくりを進めるため、幼保一体化施設、高齢者の生活支援施設の整備など、公共施設の整備と連携した、こういう地域の創意工夫を生かしたものが全国で二百八十八ございます。  最後に、人口規模別に見ますと、人口五万人以下の市町村の地区が百七十四地区と約半分を占めておりまして、二十万人以下で取りますと約七割になっておりまして、このまちづくり交付金は中小都市において非常に積極的に利用されていると考えております。

山本香苗公明党

○山本香苗君 今いろんな目的をおっしゃっていただいたんですけれども、最近、内閣府の調査におきましても、一つ、景気とかが悪くなるというよりも今本当に悪くなるのは治安じゃないかということで、治安ということが非常に住民の皆さん方の中でも関心の高いテーマとなっております。まちづくり交付金を使ってこうした治安の確保、防犯というテーマで取り組んでいるところもあると伺っておりますが、まだまだ少ないとお伺いしております。  具体的に、どういうふうに使われておりまして、また今後こういうことをやりたいと思ったときにこういうふうに使えるぞというところがございましたら御教示いただきたいと思います。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) まず、政府全体の取組として、都市再生本部におきまして防犯まちづくりというのを一つのテーマとして取り組んでまいりました。関係者が協議会をつくり、モデル地区を指定していろいろ実験をやられました。  例えば、東大阪のモデル地区の例でございますが、関係者、警察、府、市、自治会、PTA、こういう方々による地元協議会活動を踏まえまして、住民による防犯ボランティア組織の結成、パトロール、こういうことをやってこられたと。この結果、実は平成十四年のときにはこのモデル地区の犯罪件数が三四%も増えておったのが、十五年には二二%減り、十六年の上半期で二八・六%というような効果が上がったというのが一つ事例でございます。  まちづくり交付金もこのような防犯まちづくりというものを応援しているケースがございます。例えば、平成十六年度に採択した町田の駅の周辺では、町に来た人がゆったりと楽しく安心して歩くことができる町を目標に、歩行者空間の整備、それから地元の商店街による防犯カメラの設置費や防犯パトロールの実施に係る経費についても交付対象にしているということで、そういうハードの整備だけじゃなくてソフトの部分についても防犯まちづくりということでいろいろ御支援をしているということでございます。

山本香苗公明党

○山本香苗君 是非、こうした取組、いろいろと出てくると思うんですけれども、また採択していただければと思うんですが。  もう一つ、防犯とともに防災というのも先ほど目標の中に一つあるというふうにお伺いしましたけれども、地域住民にとって一番最も身近な公共施設というのは学校でありまして、学校というものもこのまちづくりの中で使われることがあると思うんですが、文部科学省の最新の調査におきましては、この学校の公立小中学校、防災の拠点ともなりますけれども、ここの耐震化というのが非常に悪い、半分ぐらいしか耐震性があるものがないというような調査結果が出ておりまして、こうしたものを今後使っていく上での前提として耐震化も進めていかなくちゃいけないんじゃないか。  文部科学省の方で耐震化の費用というのは出ている、補助事業としてあるわけでございますけれども、かなり限られたところでありまして、まちづくりをつくっていく中で国土交通省としても一緒に連携して耐震化を推進していくということが望ましいのではないかなと思いますけれども、どのようにお考えでしょうか。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 最近、我が国においては大きな地震が各地で発生しておりまして、地震等の災害に強いまちづくりを推進するということは非常に重要な課題であるわけでございます。  従来から、避難地、避難路の整備、建築物の不燃化、小中学校等の公的施設の耐震化などの事業を総合的に推進しております。このうち、今御指摘ございましたように、公立小中学校の耐震化率については、十六年四月の文部科学省の調査で現在全国平均で四九・一%と、大変整備状況は低いということで、その耐震化の推進ということは非常に大事でございます。  本格的な耐震化となりますと、やはり文部科学省の大きな予算でやっていただくということになりますが、このまちづくり交付金、既にいろいろな形でこの耐震改修にも使われております。  例えば、愛知県の豊川の街なか地区という、豊川市でございますけれども、小中学校、保育園などの施設の短期集中的な耐震改修等のハード整備とともに、自主防災活動の積極的支援等のソフト事業、地域防災の推進を図るということで総額十九億の計画を立てておられます。また、必ずしも耐震改修は入っておりませんが、神奈川県の藤沢市では、避難路としての都市計画道路でございますとか、消防訓練センター整備、防災簡易トイレの購入、防災カメラの設置等、こういうハードからソフトまで体系的に整備していると。それから、岩手県の陸前高田では、街区公園の中に災害時に備えた飲料用貯水槽を整備するというようなこともこのまちづくり交付金を活用して進めていただいております。  今後とも、関係省庁とも連携して、この防災対策に意欲的に取り組む市町村に対してまちづくり交付金で応援してまいりたいと思います。

山本香苗公明党

○山本香苗君 それでは、改正案の方について御質問させていただきたいわけなんですけれども、午前中にも、先ほどの佐藤先生の御質問の中にもございましたけれども、今回、市町村が行うまちづくり交付金と連携して行う民間のプロジェクトに対して民都機構の方から出資が受けられる、まち再生出資業務というものが創設されるわけでございますけれども、実際、民間の活力が必ずしも十分でない、まあ大都市と比べて地方都市は十分でないところにおいて、大都市と違って民間のプロジェクトがぱっと立ち上がりにくいというのが現状であると思います。  そこで、今回こういった新しい業務を創設するわけでございますが、実際、これで果たして本当に地方都市に民間のこのプロジェクトを立ち上げることができるのに十分な措置であるのかどうか、この辺りのことについてお伺いいたします。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 今御指摘のように、地方都市では、大都市と比べますと民間のプロジェクトを行う人が開発リスクに非常に敏感というか慎重になるということで、事業立ち上げの障害となっております。  この制度を創設するときにいろいろな方にヒアリングを行いまして、どういうことが一番この立ち上げを進める上で役に立つかという中で、実は今回の出資と民都機構による支援、こういうものが浮かび上がってきて制度化しようとお願いをしているところでございます。  ただ、そうは申しましても、地方都市ですと、やはり事業を立ち上げた、まあ立ち上がったとしても、立ち上げた後、なかなか事業が軌道に乗るまで利益を確保することは大変だというふうな問題がございます。そこで、この出資制度に加えまして、平成十七年度の税制改正でこの国土交通大臣の認定を受けた事業に対しては税制の特例の措置が創設されております。これは、法人税の割増し償却や、登録免許税の軽減税率、不動産取得税の課税標準控除などの措置を講ずるものでございまして、この割増し償却をすれば手元資金が増えるとか、それから軽減税率や課税標準控除は民間事業者の負担を軽減するという効果がございますので、これらの措置も地方におけるプロジェクトの立ち上げ、安定軌道に乗るまでの支援に役に立つんではないかと考えております。

山本香苗公明党

○山本香苗君 地方都市において大都市と比べてプロジェクトが立ち上がりにくい、その辺りのことも実態をきちんと配慮をしなくてはいけないところではあると思うんですが、さはさりとて、民間事業者がそうしたところでプロジェクトを立ち上げた後に利益というものがわずかながらであったとしても上げ続けられないと、市場原理が全く働かないような状況であったら長期的なまちづくりというものに影響が、悪い影響が出るんじゃないかと思います。  そうした、持続的にわずかであったとしてもきちんとこう利益が出るような状況、プロジェクトというものを、これが出るのかどうかという形で判断をするというのは非常に難しいことだと思うんですけれども、その辺りの判断というものはきちんとできる体制に本当にあるのかというところはどのように御判断されていらっしゃるのでしょうか。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 民都機構の出資というのは、午前中の審議の中でもございましたように、リスクの高い部分を取る、それによって地方のプロジェクトを応援していこうと。そういうリスクの高いところを民都機構が取れば、あとはシニアのローンというようなところは貸してくれる人も結構いるんじゃないかというようなお話もあったわけでございます。  そこで、リスクが高いといっても、これは国民の税金を使わせていただくわけでございますから、民都機構の出資の前提といたしましては、国土交通大臣が認定をするということで、事業の施行に必要な経済的基礎とか、この当該事業を的確に遂行するために必要な能力が十分あるかどうかというようなことをチェックして、まず認定をいたします。  それから、実際に、この認定がありますと先ほど申し上げましたように税制上の措置も効いてくるわけでございますけれども、加えて、本当に出資がもらえるかという話になるときに、民都機構は金融機関とか、それから建設会社とか不動産会社とか、その道の専門家もかなりの人数を抱えており、昭和六十二年度からそういう経験も積んできているということでございまして、この民都機構が事業者の資金調達能力でございますとか事業実施の確実性等を十分審査して、デフォルトとかそういうリスクが最小限になるように措置していくということになっております。  さらに、出資後も、民都機構は出資者として事業者の経営の健全性を注視して、また民都機構のノウハウを最大限に活用して必要な助言やあっせんを行うということで、対象とする事業が円滑に進むよう支援をしていくということにしております。

山本香苗公明党

○山本香苗君 その整備が進んでたら、一応国として、お金出した、物できた、残っているということで一応目的を達していることになりますと衆議院の委員会で竹歳局長がおっしゃっていらっしゃって、余りにちょっとあっけらかんとし過ぎているんじゃないかなと思ってですね。幾ら設備が残っていますからいいですよという話ではなくて、やはり公的なお金も出ていて、それが出ているというだけじゃなくて、この事業が失敗したらこのまちづくり全体に大きく響くんだというところをもっとしっかりと認識をしていただきまして、本当にリスクを最小限にするための努力というものは最大限努めていただければなと思っております。  まちづくりにおきますNPOの役割というもの、前田委員の方からもお話ございましたけれども、これからもっとますます大きな役割になっていくんじゃないかと思います。  今回、出資制度と併せて住民参加型まちづくりファンドへの支援業務というものが創設されますけれども、これファンドができないと、ここ受皿がないとできないわけでありまして、このファンドというもの自体の数を聞きましたら、まだ増えてきているといってもそんなに多いわけではないわけで、まずこのファンドを立ち上げるというところの支援、立ち上げに際する支援というものが必要ではないかと思いますが、どのようなことをお考えでしょうか。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) まちづくりは、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、その主役は住民と、それから行政、市町村などの行政、そして地元の企業も含めた民間の事業者の方々ということであると考えております。  ファンドにつきましては、今まちづくりの公益信託というのがだんだんと増えております。平成元年には十一件、財産の残高が十二億円でございましたが、これが平成十五年には三十六件、百十八億というような規模になっております。  代表的な例を申し上げますと、例えば、京都市景観・まちづくりセンター、これは京都市が全額出捐をしてつくられた公益法人でございますけれども、個人、法人からの寄附を募りまして、京町家の保全、活用に関する調査、研究、景観保全、こういうことをされているわけでございますが、さらにファンドを増額して、景観法というのができたこともございまして、更に積極的にやろうとしておられますし、神戸まちづくり六甲アイランド基金というのは民間の方、主導でできております。また、世田谷まちづくりファンドというのもあるということで、幾つかのファンドはできてきております。  それで、幾つかできておりますけれども、やはりこれをもっともっと支援していきたいということで、まちづくり交付金という仕組みに加えて、十七年度予算では住民自らがお金を拠出してその活動を行政が支援するということで、民都機構も資金拠出を行うというようなことができるように予算措置がされました。  こういうことをやりますと、そこに住んでおられる住民の方もそうですが、都会へ働きに出ておられる地縁血縁のある方とか、それから景観形成とか観光振興とかいろいろその町で取り組もうという方がいらっしゃるわけでございまして、こういう方々から資金を募ってまちづくり公益信託などのファンドをつくっていくと。民都機構は、先ほど申しましたように、この資金拠出を行うほか、ノウハウの提供でございますとか、いろいろの相談とかソフト面からの支援もしていきたいと思います。  また、若干付け加えますと、実はこういう住民の方々の活動につきましては、まちづくり交付金で、地域でまちづくりに取り組むNPOやまちづくり団体、例えば茨城の真壁町では住民団体が歴史的建築物の管理運営をするとか、小田原ではボランティアが空き店舗を活用したリサイクルプラザをやる、それから三島では水辺自然環境の改善に取り組んでいる、こういうせせらぎ整備をやっているグラウンドワーク、三島グラウンドワークというのがございまして、こういう方々にも交付金も使っていただいているということで、こういう交付金とか、それからファンドとかいろんな形でこのまちづくりの支援をしてまいりたいと思います。

山本香苗公明党

○山本香苗君 京都で今おっしゃられたようにまちづくりファンドできているんですけれども、きちんとこれ運用益出してそれを事業に使っていくとなると、まだまだ地元の企業の方だとか住民の方々から寄附を募らなくてはなかなかうまくいかないような状況にあるわけなんです。  日本では余り、海外と比べて寄附文化って余りないなとは思うんですけれども、こういったところにインボルブしていくために、寄附した場合に税控除受けれるような形のまちづくりファンドへの拠出金にかかわる税制特例、平成十七年度税制改正大綱においては長期的検討課題と整理されておりますけれども、是非ともこの税制特例というものを実現していただきたいと思いますが、具体的にこの検討はどこまで進んでいるのでしょうか。また、国交省としては今後どのように取り組まれますでしょうか。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) この今御指摘の点は、非常に我々は大きな課題と考えておりまして、是非一生懸命取り組みたいと思います。  今ございましたように、国土交通省では予算要求と併せて、この十七年度税制改正においてまちづくり活動を行う公益法人と、それからまちづくり公益信託に係る税制特例を要望しました。特に、景観法というのを作っていただいて、今後地元の方々が中心になって景観整備機構とかつくっていただいて良好な景観のまちづくりを進めていただくためにやはりこういうファンドが要るなと思うわけでございます。  このファンドは、寄附金をいただいたときに、所得税に関する所得控除でございますとか法人税に関する別枠の損金算入、それから相続税等々、こういう寄附をしやすい、していただきやすいもの、特例をつくっていただきたいということで、例えばこの特例がつくられますと、企業の寄附金のうち税金が掛からない額を二倍に増やすことも可能となります。  昨年のてんまつでございますが、今ございましたように長期的検討課題と。なぜかと申しますと、今、一つには公益法人改革というのが行われていて、それの進捗状況を見極める必要があるという点が一つございましたし、昨年ですとまだ景観法ができたばかりで景観整備機構まだできていないじゃないかとか、そういうような御議論もございまして、長期的検討課題になっております。  しかしながら、これは冒頭申し上げましたように非常に重要な課題だと。日本全体の仕組み、税金だけじゃなくて、そういう個人の、それから企業のお金をいただきながら進めるというようなことを是非実現したいと考えておりまして、一生懸命取り組みたいと思いますので、是非御支援のほどをよろしくお願いしたいと思います。

山本香苗公明党

○山本香苗君 寄附していただいた方にサポーターになっていただく、サポーターを増やすために必要なことだと思いますので、是非とも頑張っていただきたいと思います。  今回、この法案を勉強いろいろさせていただく中で、日本のまちづくり、外国に四年間ほどいて初めて日本に帰ってきたときに、日本の町ってきれいだなとそのとき思ったんです。でも、今改めて町の中をいろいろ歩いてまいりましたり回ったり、去年の一連の災害を見ていく中で、日本の都市の多くというのは高い高層の建物とまた古い木造の住宅がぐじゃぐじゃっと密集した地域があると思ったり、環境とか防災の面でも非常に問題を抱えているところがあるんだなと。また、利用されていない土地があちこちにあって、本当に無駄の多い形になっているんではないかなということを痛感しました。  また、午前中の審議の中にもございましたけれども、どんどん人口増を前提として広がっていく町というもの、これによって都市を取り巻く農地とか緑地の消失というものが招いていると。こうした現状を前にしたときに、これからのまちづくりはどうしなくちゃいけないんだろうかと考えていたときに、コンパクトシティーという考え方というのが最近よく言われるわけですけれども、これが非常に重要だなと思いました。  国交省としては、経済産業省とかよくこれ、コンパクトシティーという言葉をよく使っていろんなところで御説明されているんですけれども、国土交通省としてはこのコンパクトシティーという考え方というものをどのように認識されていらっしゃるのか。事前にレクでお伺いしたときは、こういうものも取り組んでいかなくちゃいけない目指すべき姿ですというお話でございましたけれども、こうしたものを目指していくに当たってきちんと調査研究等がなされているのか、この二点についてお伺いします。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 今後、人口減少社会、高齢化社会を迎える中で、市街地のコンパクト化、これはエネルギーの問題とも関係してきます。このコンパクトシティーというのは非常に重要だと思います。私たちも、平成十五年の四月十四日のこの社会資本整備審議会の中の小委員会の取りまとめでも、こういう市街地のコンパクト化というのが今後の市街地整備、都市交通の基本方向ということで打ち出されております。また、中心市街地の活性化を取り組む基本理念としても、やはりこのコンパクトシティーというのが重要ではないかということで取り組んでいるところです。  調査も幾つかやっておりまして、大都市圏において、例えばコンパクト都市構造はどうあるかと。やっぱり持続可能性の高い都市につくっていくにはやはり、この都市圏の中でやはり幾つかのコンパクトな市街地を形成していくというようなことが必要だというような調査も行っておりまして、コンパクトシティー、青森なんかではもう既に農地や自然環境の保全等の観点からコンパクトシティーというのをはっきりと打ち出されておりまして、そういうことも先進的な事例として勉強、青森市でございますけれども、勉強して、そういう方向をはっきり出しておられますので、そういう参考にさしていただきたいと考えておるところです。

山本香苗公明党

○山本香苗君 調査は確かに大都市圏のものだけでございますので、地方都市におけるコンパクトシティーというものもどういうものになるのか、引き続き調査をしていただきたいと思っております。  コンパクトシティーの実現の手段の一つとして町中居住を推進するということがありますが、やっぱり市街地に活気を取り戻すためには何といっても住む人も増やさなくちゃいけないんじゃないかなと思います。中心市街地でこういった人口が減っていると同時に、今高齢化も進んできております。そこで、何とかして若い人を町中にどうやったら呼び込むことができるだろうかということはいろいろ考えていたわけなんですけれども。  そうした中で一つ目を付けたのが、さっきオフィスビル、大都市では需要がどんどん呼び起こされてきていて空室率が下がってきているというお話でございましたけれど、地方都市のビルは空室率が一〇%ぐらいのところも結構ありまして、大阪も結構空室率が高いところでありますけれども、今後、こうした空きビルというものを、ずっと空きっ放しにしていくのはもったいないだけではなくて治安上もやっぱり問題が生じてくると。これをオフィスとしてリフレッシュするというだけでは、もうオフィスにそういった需要が少子高齢化の中でそんなに増えないということを考えれば、これを住宅に転用するということも発想の転換として図っていったらいいんじゃないかと思います。  内閣府とかで、どこに住みたいかというこの住宅に関する調査なんかをしますと、郊外に住みたい方が多いわけですけれども、私たちちょうど団塊の世代のジュニアに当たる世代だけを切り取ってみますと、結構市街地に住みたいという声は多くなってきているわけなんです。ですから、こうしたニーズはあると思いますので、また実際新築するよりも、お金は掛かるんですけれども、新築よりは安く済むということもありますので、是非ともこういった住宅へのコンバージョン、こうしたことによって職住近接のライフスタイルも実現いたしますし、こういうものを政策的に誘導していったらどうかと思うんですが、いかがでしょうか。  また、既存のストックということで、さっき学校の話しましたけれども、学校も廃校が多くなってきます。これもうまく使えるようにしたらどうかと思いますが、いかがでしょうか。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 中心市街地のにぎわい、再生のためには、委員御指摘のように、子供を持つ若い人向けの住宅を整備したり、地域住民が活用できるコミュニティー施設を整備していくということが効果的だと思います。非常に今市町村財政、地方財政、厳しいという中でございますので、こうした施設を、空きビルとか廃校となった小学校、こういう既存ストックを活用するということがコスト削減という観点からも重要です。  国土交通省では、平成十五年度にはこの既存の空きビル等の住宅への用途変更、いわゆるコンバージョンでございますが、用途変更について優良建築物等整備事業による支援や税制特例、こういう支援措置を創設したところでございます。また、まちづくり交付金でも、既存の建造物活用事業というのを基幹的な事業だと、道路、公園とかそういうのと並ぶ基幹的な事業だと位置付けて、既存ストック活用によるまちづくりを支援しているところです。例えば、宮城県の登米市、これ旧中田町というところでございますが、中心市街地の活性化のために廃校となった小学校を地域交流センターとして整備して地域住民、NPO等の活動の場として活用する事業が考えられております。  また、十七年度予算から、遊休化した空きビルを新しい床需要に対応した建築物に用途変更する事業や商店街の複数の空き店舗を順次リニューアルしていく、こういうことについて民間都市開発推進機構が支援するというようなことも措置しましたので、これらのいろいろな措置を活用して、先生今御指摘の点についても取り組んでまいりたいと思います。

山本香苗公明党

○山本香苗君 確かにいろいろと用意してくださっているわけなんですけれども、なかなか進んでいないんですね。  実際、お金の問題もありますけれども、これが実際住宅にオフィスビルが転用された場合に不動産としてどういう形で評価されるかというところもちょっとまだ定かでないというところもあってちゅうちょしてしまうところもあるそうですので、実際、具体例、どういう形でやっているかということも広く広めていただきながら、結構本当に若い人はこういうことを格好いいという形で取って、今、我々は分かるんですが、でも分からないと言っているわけではないんですけれども、絶対次にはこういうことが必要になってくると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  最後に、大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、このまちづくりというものを考えていったときに、さっきコンパクトシティーという話もいたしましたけれども、少子高齢化の中でだれもが分け隔てなく生活しやすい空間をつくるといったときに、ユニバーサルデザインというものがやはり重要になってくるんだと思います。大臣はこのことにつきまして非常に熱心に取り組まれていらっしゃるとお伺いしておりまして、就任されてすぐに省内にユニバーサルデザイン政策推進本部設置されて、懇談会も設置されたと伺っておりますが、その後の検討状況というのがよく見えないんです。どうなっているんでしょうか。  また、まちづくりにおけますユニバーサルデザインといったときに、これ広い概念でございますけれども、大臣はどのようにお考えになっていらっしゃるのか。最後の時間全部使っていただいて結構ですので、しっかりと御答弁いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

北側一雄公明党国土交通大臣

○国務大臣(北側一雄君) 今コンパクトシティーというお話がございましたが、歩いて暮らせるまちづくりと私はずっと言わしていただいているんですね。  これから日本の社会は高齢化が進んでまいります。本格的な高齢社会がこれから到来するわけでございますが、その中で高齢者の方々が、ある一定の空間の中で必要なものはすべてそろっている、お住まいはもちろんでございますけれども、病院もある、様々な機関もある。もう自転車や徒歩はもちろんのこと、自転車やちょっとバスに乗って、ちょっと電車に乗って、そうすることによって生活がすることができる、そういうコンパクトシティー、いわゆる歩いて暮らせるまちづくりをつくっていくというのはこれからのまちづくりの重要な私は方向性であると思います。  今御指摘のあったユニバーサルデザインの話でございますが、これはいつでもどこでもだれでも自由に活動ができるという意味でございますけれども、昨日、昨日でしたっけ……(「おとつい」と呼ぶ者あり)ああ、おとつい、おとついですね、私、浅草に行ってまいりました。浅草で今ちょっとモデル実験やっているんですけれども、ユビキタスといいまして、ユビキタスを利用して、こういうちっちゃな端末を使うんですけれども、ICチップがあちこちに埋めてありまして、その端末を近づけますと観光案内をしてくれるんです。その観光案内も、英語とそれから韓国語と中国語と日本語、四か国から選べるわけですね。で、仲見世がありますでしょう。仲見世の前にその端末が埋めてありまして、端末じゃないですね、ICチップが、近づけますとその店の名産品をしゃべってくれるわけですね。  そういう今実験をこの浅草でやっているんですが、この今浅草だけではなくって、観光という観点からも、今我が国はVJC、ビジット・ジャパン・キャンペーンということで、もっと外国人の方々に日本に来てもらおうということで今様々な取組をしておるんですけれども、そういう意味では、これからのまちづくりを考えましても、外国人の方々がいらっしゃっても、特に観光地の場合は、そう困らないような様々なことをやっていくことは非常に重要であると思っております。  これからは障害があるなしにかかわらず、年齢の差にかかわらず、団塊の世代であろうとジュニアの世代であろうと、また高齢者からそれから幼児まで、また内外国人を問わず、本当にだれでもが安心して生活ができる、また観光ができる、そうしたまちづくりをしっかりすることが大事だと思っております。  今委員の方からお話ございましたように、ユニバーサルデザイン政策推進本部というのを国交省の中に昨年設けました。今年六月に向けて今専門家の方々、様々な方々の御意見をちょうだいしながら取りまとめをしているところでございまして、是非十八年度の予算、税制改正等も含めまして、反映できるように取りまとめを今しているところでございます。これからのそういう社会を見据えまして、安心、安全のまちづくりができるようにしっかりと進めさせていただきたいと思っております。

山本香苗公明党

○山本香苗君 ありがとうございました。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  この法案は、三大都市圏を中心に進められてきた都市再生の地方都市版というもので、言わば民間活力による土地再生手法を全国に広げるものです。  確かに、地方の中核都市などが、中心市街地の空洞化あるいはシャッター通り化の中で駅前再開発や区画整理事業を進めています。しかし、なかなかこれがうまくいっていないというのが現状だと思います。  その一つの指標として、区画整理事業が行き詰まり、収入不足が見込まれる組合が増えています。国土交通省も、先ほど一部御紹介がありましたけれども、全国一千組合の規模で土地区画整理事業の実態の調査をされておられまして、これは二〇〇〇年、そして二〇〇一年、二〇〇四年、三年の分があると思うんですね。  そこで、それぞれ不足見込みの総額と、そして収入不足が見込まれる組合の数、そしてその調査組合総数の中での収入不足が見込まれる組合の比率、これがどうなっているか、お尋ねしたいと思います。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) バブルの後の地価下落や宅地需要の低迷によりまして収入不足が見込まれる組合が発生しておりまして、それについて国土交通省、調査したものがございます。  まず、平成十二年調査ですが、収入不足の見込総額は約千六百三十億円、収入不足が見込まれる組合の数は百十二組合、調査組合総数は千八十三組合でございますのでその比率は約一〇%となっております。  次に、平成十三年調査では、収入不足の見込総額は千八百八十億円と、十二年調査よりは増えました。収入不足が見込まれる組合の数も百三十三組合と増えました。調査組合総数千五十組合に対する収入不足が見込まれる組合の比率は約一三%と上がっております。  平成十六年調査でございますが、収入不足の見込総額は、平成十三年調査と比べて三百六十億円減少して約千五百二十億円となっています。また、収入不足が見込まれる組合の数は、平成十三年調査の百三十三組合のうち七十四組合が収入不足を解消しましたが、新たに六十九組合が収入不足になった結果、五組合減って百二十八組合となり、調査組合総数八百九十二に対する比率は約一四%となっているわけです。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 たった四年間の間で一割の、その収入不足見込まれる組合の数が一割から一五%近くになっていると。不足見込額は総額で一千五百億円から一千八百億円のオーダーになっていると。これは私は本当に大変な事態だと思うんですね。  十六年度調査で収入不足が解消されたという数の紹介がございましたけれども、今日も同僚委員の質疑の中でもありましたが、伺いますと、これの解消の手法というのは、賦課金を増やすとか、あるいは自治体が何らかの形で支援をするとか、それから事業計画の見直しの中で保留地の面積を増やしてその解消に向かうとか、そういった手法が行われているということなんですね。  ここには、私、土地の値上がりを前提にして保留地の売却益で事業費を捻出するという、その区画整理事業の在り方そのものの問題性が現れているんじゃないかと思うんですよ。確かに、右肩上がりで土地の値上がりがずっとあるという想定の下ではよかったかもしれませんけれども、バブルが崩壊をして今日のように地価が大きく下落をする。その中で減歩される割合が大きくなるわけですし、その手法自体が考え直さなきゃいけないという事態になっていることは明らかではないかと思っています。  そこで、大臣にお伺いをしたいんですが、こういった事態を大臣がどんなふうに認識をされ、そして今回の改正によってこの根本問題がどういうふうに乗り越えられるとお考えになっていらっしゃるのか、ここをお尋ねしたいと思います。

北側一雄公明党国土交通大臣

○国務大臣(北側一雄君) これはこの問題だけではなくて、もうこのバブルの崩壊、そして資産デフレ、長引く資産デフレ、そういう中で、これはその一つの例だと思うんですが、これだけではなくて、様々なところで、今委員がおっしゃったように、一九八〇年代までは、日本の土地の値は下がらないと多くの方が思ったわけです。そういうことを、また経済は右肩上がりであるということを、そういうふうに思っておったわけです。  そういうことを前提にして様々な制度の仕組みがつくられていたというのは私はそのとおりだろうと。そういうのをやはり今変えていこうというふうに様々な場面でさしていただいておるところだというふうに思っております。  この土地区画整理組合の収入不足の問題につきましては、従来より、当然経営改善、まずは経営改善に最大限の努力をお願いをしているところでございますし、また今回の法改正におきましては、組合の経営改善の取組を支援するために、組合が事業計画を抜本的に見直した場合には都市開発資金の無利子貸付金の償還期限を延長する等の制度の拡充を行っているところでございます。  さらには、今回の制度改正におきまして、組合員による会計帳簿、書類の閲覧、謄写など、財務面での透明性を確保するための規定も併せて拡充をして、運営における透明性確保を通じて健全な財務運営に資するようになるようにというふうな規定も設けているところでございます。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 先ほども議論がありましたけれども、組合がその事業を見直しをするというふうなお話ですけれども、それは結局、その右肩上がりになるということを前提に組まれているものについて、そうじゃない状況になっているわけですから、それは見直しというのも状況そのものが許していないわけですよね。  その中で、都市開発資金、そういった公費の負担、公的資金の負担、これが増えるとか、あるいは事業計画の見直しの中で地権者の負担が大きく増えていくという形での犠牲が増すばかりなんじゃないでしょうか。あるいは、自治体の支援というものが、現実には地方自治体にそういった財政がないんだということも先ほど厳しく指摘をされました。  その中で、大臣がおっしゃる今度の改正の中での透明性の拡大確保の点は、区画整理の問題に携わってきておられる方々の中からも、今回の改正で、本当に組合員あるいは地権者が知りたいことあるいは知るべきことが公開されるかどうか、それは不安だという声も実際に私は出ていることを指摘をしておきたいと思うんですね。  そういった中で、中心市街地あるいは密集市街地、ここでの事業は必要だというふうに政府は、というか国土交通省はおっしゃっておられると思うんですが、これは局長でも、それから大臣、よろしければと思いますけれども、中心市街地だからといって、そこだけが土地の値段は上がっている、つまり区画整理事業が想定し得るような経済情勢がそこだけはあるということではないですよね。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 区画整理の重点を新市街地の宅地供給から既成市街地に移していくというのは、都市政策の基本的な方向の転換という意味でございまして、コンパクトシティーとか歩いて暮らせるまちづくりとか、こういうことを実現したいということです、まず。  その中で区画整理事業をやるときには、今御指摘のように、その保留地を売って収益を上げるという仕組みは既成市街地では非常に難しい。元々過小宅地でございますから、やはりそういうまちづくりは、やっぱり補助を拡大するとか、そういうまちづくり、本来公的部門がやらなくちゃいけない部分はたくさんあるわけで、そういうことを充実していかないと既成市街地の区画整理というのはなかなか進まないんじゃないかと思います。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 密集市街地なら一体どうなるのかと。今現実に地方が抱えている問題にその手法を取り入れたらどうなるのかという具体例として、四国の徳島で進められようとしています鉄道連続立体交差事業、それと併せての区画整理事業の問題について例に取り上げたいと思うんです。  まず、国土交通省が進めておられるこの鉄道連続立体交差事業の採択要件、これがどんなものなのか、簡単に御紹介ください。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 連続立体交差事業の採択基準でございますけれども、一つには、まちづくりの上で効果のある事業費十億円以上の事業であるということ、それから二番目に、鉄道と幹線道路とが二か所以上において交差して、その交差する両端の幹線道路の中心間の距離が三百五十メートル以上ある鉄道区間について鉄道と道路と同時に三か所以上において立体交差させ、かつ二か所以上の踏切道の除却を行うもの、それから三番目に、高架区間のあらゆる千メートルの区間の踏切道において五年後における一日踏切交通遮断量の和が二万台、一日当たり二万台時以上であることというのがまずあります。  それから、連続立体交差事業を機動的に実施するため、踏切道等総合対策プログラムに位置付けられた連続立体交差事業については採択基準を緩和するということにしておりまして、例えばボトルネック踏切が、これは今千か所あるわけですけれども、ボトルネック踏切が含まれる場合にはこの幹線道路の要件を緩和する等々の採択基準がございます。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 この事業は、主に開かずの踏切の解消あるいは渋滞の解消というものが主要な柱とされていると思うんですけれども、徳島のこの連立事業についてはこの効果が大変小さいものになっていると私は思うんです。  昨年の六月十五日付けの徳島新聞がこんなふうに書いています。花畑踏切、これは徳島市内で交通渋滞を助長していると言われているお花畑という踏切があるんですが、この花畑踏切の渋滞の解消というねらいもあるが、遮断機の下りている時間は二十年前の一日延べ八時間四十分から現在は三時間四十七分に短縮されている、県の試算でもこの工区の投資効果は一・〇と低いというふうに紹介があるんですね。ですから、最近、あの痛ましい事故が起こりました東京の竹ノ塚駅、例えばここで朝夕のラッシュ時は一時間に一分しか踏切が開かないというような事態とはこれかなり違っているというふうに思います。  国土交通省は開かずの踏切の五百か所の解消というのを打ち出しておられますけれども、それはどのようなもので、その中に徳島市内の踏切が入っているかどうか、このことをお尋ねします。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 開かずの踏切のまず定義でございますが、これはピーク、一時間に四十分以上閉まっている踏切をいいます。一方、このピーク時に遮断時間四十分以上又は踏切交通遮断量が一日当たり五万台以上の踏切をボトルネック踏切といっておりまして、このボトルネック踏切というのは全国に千か所ありまして、これを平成二十二年度までに半減しようということが社会資本の整備計画に書いてあるわけでございますけれども、一時間に四十分以上閉まっている開かずの踏切だけではなくて、このボトルネック踏切という解消が大事になっています。  それで、今御指摘の花畑踏切は遮断時間は約二十三分でございます。四十分には達していませんが、遮断交通量は八万台時と、一日当たりですね、ということで、開かずの踏切にはなりませんけれども、ボトルネック踏切の一つということで連続立体交差事業の採択基準に合致しています。  先ほど先生が報告書でこの部分の費用便益比が一・〇とおっしゃいましたが、我々の手元にあるのは一・一となっております。全体で見ますとこの費用便益は二・一ということになっておりまして、そういう費用便益分析の面からもこの連続立体交差事業は進める必要があると考えるわけです。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 結局、開かずの踏切の中には入っていないわけですね。ボトルネック踏切の解消の仕方については、この徳島の踏切についてはいろんな工夫、提案が住民の側からもなされているというふうに聞いています。  その問題に入る前に大臣にお尋ねをしておきたいと思うんですが、財政にはもちろん限りがあるわけです。ですから、優先順位というものを常に考えなければならないと思うんですが、開かずの踏切の五百か所、この対策を急ぐということは、この間の事故の経験、教訓からしてもとりわけ今求められているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

北側一雄公明党国土交通大臣

○国務大臣(北側一雄君) 開かずの踏切につきまして、これの立体交差化も含めまして様々な対策を取ることは急務だというふうに考えています。ですから、優先順位を持ってもちろんやっていきますが、今局長の方から答弁をさせていただきましたように、開かずの踏切だけではなくて、さらにボトルネック踏切が一千か所あるんですね。大体開かずの踏切、これまあ五百か所でございますけれども、これは大都市、ほぼ大都市でございます。ですから、立体交差事業を大都市でしかしなくていいという論にほとんど近い話になってしまうわけでございまして、今局長が申し上げました遮断時間の問題と、それから遮断される交通量の問題、両方見ているわけなんです。  このボトルネック踏切の方は、これは地方都市にも存在をいたしまして、このボトルネック踏切によって交通渋滞だとか、それから地域の分断だとか、そういう地方都市にとっても都市活動全般に支障を生じさせているということは、これはまた大きな問題だというふうに認識をしているところでございまして、そういうことで、今、政府といたしましては、全国にある一千か所のボトルネック踏切につきまして平成二十二年度までに半減をさせようという目標に向かって今整備を進めているところでございます。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 私は、連続立体交差事業を、これ地方で行う必要ないというふうに言っているつもりは全然ありませんで、それが、連立事業も含めたまちづくりが、これが一体だれのためのもので、一体だれのものなのかということを大臣にお尋ねしたいと思うんですね。財源が限られているんですから、この中で優先順位をしっかり考えなきゃいけないということは、これはもうはっきりしていると思います。  この徳島の例では、連続立体事業の、先ほど御紹介した、ボトルネック踏切だと省がおっしゃるそこの部分の工区の費用対効果というのが省の御紹介でも一・一なんですね。その一・〇にしても一・一にしても小さいものであることは私は変わりないと思うんですが、だからというんだと思いますけれども、県と市の方ではその対象路線を延ばして、徳島駅から先になるJR牟岐線にも延ばして、その牟岐線沿線に二軒屋という地区がありますが、ここに区画整理事業を付けることで事業採択を求めたいというふうに考えたようなんです。ところが、区画整理事業の提案を現実にしたところ、住民の猛反発に遭いまして、住民の九〇%の方々が反対をすると。それでとうとう徳島市も二月の二十三日にこの計画を白紙撤回をしたというふうに伝えられているわけです。鉄道高架化を見ても、牟岐線というのは一日に三十往復で、ラッシュ時はともかく、一時間に二、三本程度しか走っていないというところをどうして高架にしなきゃいけないのかという根本的な疑問が指摘をされています。  結局、県や市がそういった事業採択をもらうために区画整理事業を無理やり組み込む、それを住民に押し付けるというような形の、住民不在の公共事業をまちづくりと称して押し付けるやり方が破綻をしたということなんではないかと私思います。  そこで大臣に、区画整理事業というものはあくまで住民が主体であって、その合意なしに強行することは許されないと私は思いますけれども、その点についての御認識、そしてこのように様々な矛盾がある区画整理事業に、法案ではいろいろ条件は付けてはいますけれども会社が参入できるということになっています。そして、ここで参入が認められる会社というのは会社法上の株式会社ですね。つまり、営利を目的とする会社です。営利企業の参入を認めれば、その採算のためにスピードが必要だとなれば、住民の納得と合意に逆流するということになることは私は明らかだと思うんですけれども、そういった中で住民が納得いくまで話し合う、住民の合意を得るということに、私は今回の改正というのは妨げにかえってなるのではないかというふうに思っていますが、大臣の御見解伺いたいと思います。

北側一雄公明党国土交通大臣

○国務大臣(北側一雄君) まちづくりにおきましては、今日も様々な御意見をちょうだいいたしましたが、これはあくまで住民の方々、そこにお住まいの住民の方々の参画というのが不可欠であるというふうに思っております。それは土地区画整理事業についても同様でございます。特に土地区画整理事業につきましては、これが終わっても従前の住民の方々が事業後も引き続き地区内に残るわけでございますので、そもそも住民参加型の事業手法ということになっているところでございまして、住民の方々の御意見をちょうだいする機会というものをしっかりと保障もしているところでございます。  今、今回の改正では、区画整理会社のお話がございましたが、この区画整理会社につきましては、株式会社又は有限会社ではありますが、しかしながら地権者が議決権の過半数を保有することが要件となっておりまして、地権者が支配する会社でございます。また、事業実施の手続におきましても、施行の認可、換地計画の決定に際しましては全地権者の三分の二以上の同意を必要とするというふうになっております。これは、土地区画整理組合の場合は過半数なんですが、それ以上の要件を設けて更に慎重な手続を踏んでいるということでございます。  このように、区画整理会社の方も事業意欲を有する住民が中心となって会社を立ち上げて、また専門家のノウハウなんかも活用できるようにしよう、また民間からの投資も受け入れるようにしようと、そういうことでやっているわけでございまして、あくまでこれは住民が中心となって他の住民のコンセンサスを得ながら事業を実施していくという意味では従来の土地区画整理組合と何ら変わるものではないというふうに理解をしております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 先ほど御紹介した二軒屋地区の住民代表の方は、この法改正の中身を聞いて、そんなことはとんでもないことだと、ディベロッパー始め会社がどんどん計画を進めるなら住民合意どころではなくなってくるというふうに怒りの声を上げられました。現場で実際に御苦労されてきた皆さんの言葉、大変重たいと思います。このことを申し上げて、質問を終わります。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。  都市再生施策と効果についてお伺いをいたしますが、二〇〇一年五月の八日、都市再生本部が設置をされました。これにより都市再生にかかわる各種の施策が取り組まれていると思いますが、この間の施策において都市の再生は進んでいるんでしょうか、どうでしょうか。また、都市再生にかかわるこれまでの施策の効果についてどのように認識されているのか、お伺いいたします。

北側一雄公明党国土交通大臣

○国務大臣(北側一雄君) 今先生おっしゃいましたように、都市再生につきましては、都市再生本部がこれは平成十三年の五月に設置をされたわけでございます。以降、三つの流れがございまして、三つの柱があるわけでございます。  一つは、都市再生プロジェクトでございます。都市再生プロジェクトは全国で十八のプロジェクトを選定をいたしまして、今、官民が協調して推進をしているところでございます。  また、もう一つの柱は民間都市再生でございます。これは、都市再生特別措置法に基づきまして規制緩和、金融支援、また税制の優遇措置をとりまして、この民間主導の民間都市再生を支援をしていこうというものでございます。これは現在六十三地域が指定をされておりまして、この地域の中で金融支援、また税制の優遇措置を講じた民間都市再生事業計画の認定は、十六事業が実績となっているところでございます。  さらに、今日も御議論いただいております全国都市再生でございますが、全国都市再生につきましては、平成十六年度からまちづくり交付金というものを創設をさしていただきまして、昨年度は三百五十五地区で実績をつくっているわけでございますが、この十七年度予算では予算も拡充をさしていただいて新たに三百八十四地区採択をさしていただいているところでございます。  このように、地方都市も含めまして地域の特性、創意工夫を生かしたまちづくりを支援をしていこうということで、今、様々提案をさしていただいているところでございます。    〔委員長退席、理事佐藤雄平君着席〕  これの評価でございますが、まだこれは進捗中のものが大分ございますので、まだこれから評価が今後なされていくものだというふうに思いますけれども、例えば先生のお地元の福岡でいいますと天神地区ですね、民都機構の債務保証を活用した認定事業でございます新天神地下街建設事業が本年二月から供用開始となっておりまして、このようにかなり具体的な成果も今あちこちで現れつつあるという状況であると思っております。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 地方都市の再生についてお伺いします。  私もいろんな地方都市を訪ねる機会がありまして、町の様子などを注意深く見ているわけでございますけれども、駅前を中心とした商店街は依然としてシャッター通りが増えているというのが現状ではないかというふうに認識をしているところです。中心市街地の活性化の取組や施策は進められているかどうか。このような状況を見ていますと必ずしも十分効果が上がっていないのではないかというふうに思えてなりません。  地方都市の再生、活性化について総合的な施策を早急に講じる必要があると考えますが、いかがでございましょうか。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 御指摘のとおり、地方都市ではシャッター通り等いろいろな問題が起きておりまして、この中心市街地の活性化を図るという、中心部に人口を呼び戻す、生活に必要な都市機能を集積させる、こういうことが必要となっております。こういう観点から、まちづくり交付金のような財政的な支援措置をするとともに、今回の法改正によりまして民都機構の出資制度と、こういうような手だても講じているというところでございます。  そして、さらにこうした総合的な支援策が不足しているんではないかという御指摘でございましたが、更にこうした支援措置の効果を高めるために、昨年末から、学識経験者、公共団体に参加していただいたアドバイザリー会議を設け、まちづくりの在り方、土地利用の規制の在り方について検討しております。この検討を踏まえ、まちづくり三法の見直しを念頭に置きつつ、地方都市の再生、中心市街地の活性化の処方せんとなるべき総合的対策について更に検討していきたいと考えております。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 金融支援措置についてお伺いいたしますが、現行法におきましては国が指定する都市再生緊急整備地域における民間都市開発事業に対する金融支援措置が講じられていますが、現行の制度とは別に新たに金融支援措置を制度化する理由は何でございましょうか。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 都市再生の緊急整備地域は六十三地域、主として大都市ということでございます。まちづくり交付金は全国の市町村ということになりますので、地域指定がない限り金融支援が受けられないというのではまちづくりがなかなか進まないんではないかということで、今回の金融支援はまちづくり交付金とセットとなって進めようというものでございます。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 次に、関係住民の意見の反映についてお伺いをいたします。  本法律案では、大臣は民間都市再生整備事業計画を認定しようとするときには関係市町村や公共施設管理者などの意見を聴くということになっておりますが、認定申請がなされるような民間都市開発事業は地域にも大変大きな影響を与えることが考えられます。したがって、民間事業者による事業計画の作成や国による事業計画の認定に当たって関係住民の意見を反映させる手続を設ける必要があると考えますが、いかがでございましょうか。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 国土交通大臣がこの民間都市開発事業を認定するに当たりましては基準がございまして、工事着手の時期、事業施行期間及び用地取得計画が当該都市再生整備事業を都市再生整備計画に記載された事業と一体的かつ確実に遂行するために適切なものであることということをチェックします。この確実に遂行するためという点からは、今御指摘の点、住民の方々への説明ということも非常に重要でございます。  したがいまして、国土交通大臣の認定のための申請書類につきまして、事業区域内の土地及び付近地の住民に対する説明会の開催の状況及び当該住民から提出された当該都市再生事業に関する意見の概要、こういうものを大臣認定の際の添付書類として提出してもらいたいと、このように考えております。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 小規模事業への支援についてお伺いいたしますが、本法律案に基づいて認定する民間の都市開発事業は、施行区域面積を〇・五ヘクタール以上とする旨政令で定める見込みとのことでございますけれども、先ほども少し触れましたが、地方都市の中心市街地における商店街などの活性化のためには、より小規模の民間都市開発事業についても支援する必要があると思うんですが、いかがでございましょう。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 面積要件のお尋ねでございます。  大都市を中心といたします都市再生緊急整備地域ではこの面積が一ヘクタールでございますが、地方であるということを考えまして、その半分の〇・五ヘクタールという面積要件を設けております。もちろん、〇・五ヘクタールというのは決して小さいものではございませんけれども、中小都市は地価が低いというようなことも利用しながら、ゆったりとした開発も工夫ができるんじゃないかと思います。  また、この出資だけではなくて、実は小規模な商店街の方々の空き店舗を順次リニューアルすると、こういうようなことについても応援を別途していきたいと思いますので、この中小都市、地方における中小都市のプロジェクトもいろいろ支援ができるんではないかと思っております。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 次に、民間都市機構出資金についてお伺いしますが、本法律案に基づく民間都市機構の出資のための資金はどのように措置されるのでしょうか。また、出資先の民間事業者が倒産をした場合は、民間都市機構の出資金の取扱いはどのようになるんでございましょうか。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 民都機構の出資の前提といたしまして、国土交通大臣の認定が必要となります。この認定に当たりましては、事業の施行に必要な経済的基礎や当該事業を的確に遂行するために必要な能力が十分であることが要件となっています。    〔理事佐藤雄平君退席、委員長着席〕  また、実際に民都機構が出資による支援を行う際には、事業者の資金調達能力や事業実施の確実性等を民都機構として十分審査することとしており、このような慎重な審査を通じて、デフォルト、倒産発生のリスクが最小限となるように措置しております。  さらに、出資後も民都機構は出資者として事業者の経営の健全性を注視してまいります。また、民都機構のノウハウを最大限に活用して、事業者に対して必要な助言やあっせん等を行うことによって、対象とする事業が円滑に進むように支援します。万一事業者が破綻した場合でも、当初の出資の目的が達せられるよう、民都機構が事業を引き継ぐ事業者をあっせんするということによって、この民間都市開発事業が実施されるように努めてまいります。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 その民間都市機構が出資をしてきました事業において、出資先というんでしょうか、支援先というんでしょうか、民間事業者が倒産などにより開発が中止になった事業と金額、いわゆる塩漬けとなっているものはどれくらいあるんでございましょうか。また、今後それをどのようにしようと考えておられるか。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 今のお尋ねは、これからつくる制度ということよりは、むしろ今まで民都機構が政府の保証枠をいただいて土地取得譲渡業務、こういうことをやってきた関係のお尋ねだと思います。  この土地取得譲渡業務では、民都機構は事業予定者との間で民都機構の取得価格に管理費用等を加えた価格、いわゆる簿価で売り戻しを行う契約を締結しておりまして、相手方が倒産等しても、基本的には簿価での売り戻しを行い優先的に回収することとしております。しかしながら、倒産等をした相手方の財務状況から簿価での売り戻しが困難であると判断した場合には、最大限の回収を図る中で、公募により第三者に時価で売却して回収を図る場合があります。  御指摘の事業予定者がいわゆる倒産した案件、法的な整理、民事再生、会社更生等の法的整理に至ったもの又はその手続中のものは、事業予定者の数で申しまして十二件ございます。このうち、既に簿価で売り戻しを行った案件は一件、第三者に土地を譲渡し譲渡損失が発生した案件は二件、今後第三者に土地を譲渡する予定の案件は四件、簿価での売り戻しを協議中の案件は五件となっております。  この譲渡損失の処理につきましては、保有している土地の不測の事態に備えるための財源として民都機構内に積み立てた積立金等により処理してきたところでございます。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 区画整理会社の追加についてお伺いしますが、土地区画整理事業についてなぜこの時期に区画整理会社を施行者に追加するのでしょうか。その理由は何か、お伺いします。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) なぜこの時期にというまずお尋ねでございますが、今全国の各都市におきましては、やはりコンパクトな市街地に再構築することが求められております。特に既成市街地においては、中心市街地の活性化でございますとか密集市街地の防災性の向上などが大きな課題となっており、これらの解決のために、街区の再編、低未利用地の集約化や道路、公園などの基盤整備を面的に進める区画整理事業の活用のニーズが高いところです。  先ほども御議論がございましたが、土地区画整理組合という場合には、必ずしも事業を熟知しているとは限らない地権者自らが経営に当たっておられるというようなこと、資金調達の難航やノウハウの不足により事業が遅延したり事業化が困難となる例が見られるところです。このため、今回の改正においては、区画整理会社を土地区画整理事業の施行者に追加し、民間事業者の資力、信用とノウハウを活用した円滑な事業展開を可能とし、全国の各都市が抱える課題の解決に資することをねらいとするものでございます。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 区画整理会社の閲覧の問題についてお伺いしますが、市街地再開発組合や土地区画整理組合における会計帳簿や通常総会の議案である事業報告書などの閲覧に関する規定が整備されておりますけれども、区画整理会社にも組合と同様、会計帳簿の閲覧などに関する規定を整備することが必要ではないかと思いますが、いかがでございましょうか。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 今回施行者に追加いたします区画整理会社に関しましては、土地区画整理法により事業計画、換地計画等の関係簿書を事務所に備え付け、閲覧に供さなければならないこととされているほか、区画整理組合とは異なり、商法等により貸借対照表や損益計算書の公告など情報の開示の仕組みが措置されているところです。したがいまして、区画整理法において組合の場合と同様の義務を課することがなくとも必要な情報開示が行われるものと考えられます。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 特別決議の事項についてお伺いをいたします。  本法律案は、事業計画の決定を総会における特別決議の事項から普通決議事項に変更する内容ですが、変更する理由は一体何でございましょうか。  私は、事業計画は組合の権利に大きな影響を与えるものですから、これまでどおり特別決議とすべきと考えますが、いかがでございましょうか。

竹歳誠国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(竹歳誠君) 今回の改正は、いわゆる前倒し組合における事業計画の決定手続を変更し、組合員にその内容を十分に理解して検討する機会を与えた上で、その意向が十分に事業計画に反映されるよう措置するためでございます。  一つとして、事業計画案について事前の説明会の開催など、周知措置を行います。二番目に、組合員による意見書提出、三番目に、意見書に係る意見を勘案した事業計画案の修正という手続を踏むこととしたものです。  総会の特別議決が必要とされているのは、事業計画の重要性にかんがみ、多くの組合員の理解を得て決定することが必要なためであることを踏まえれば、新たに義務付ける先ほど申し上げました手続を踏むことにより、十分にその趣旨は達せられるものであり、事業計画決定を引き続き総会の特別議決としておく必要はないと判断したものでございます。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 終わります。

田名部匡省民主党・新緑風会

○委員長(田名部匡省君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 日本共産党を代表して、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案に対する反対の討論を行います。  本法案は、民活による都市再生手法を全国の地方都市に広げるものです。長引く不況や地方自治体の財政難の中で地方都市の再生は容易なことではありませんが、政府がこれまで地方再生のためとして行ってきた施策によって地方の空洞化現象や衰退に歯止めが掛かったとは思えません。  今回の法改正で、新たに民間事業者への出資等を支援することになります。郊外への大型店の身勝手な出店やもうけ本位の大型開発を事実上野放しにし、社会的規制を強めるなどの抜本的な対策はないままで、民間を支援しさえすれば町が再生するというのは、方向が間違っています。  土地区画整理法では、事業施行者に換地処分や建物移転など私権を制限する権能があることから、これまで地権者、借地権者の権利を保護するため、施行者は個人、公的団体、組合に限ってきました。  改定案は、新たに区画整理会社を加え、迅速な事業実施を目指すとしていますが、区画整理事業は個人の財産と暮らしそのものにかかわることであり、合意形成に時間が掛かるのは言わば当然のことです。  今回の改定では、少数の地権者の意思を抑え込んで事業を早く進めるなど、地権者の権利や利益が侵害されるおそれがあり、賛成できません。むしろ、土地区画整理事業をめぐる大問題は、バブル時に計画された事業が不況や地価下落の影響で保留地処分できないなど破綻するケースが増加し、また地価上昇を前提とした保留地処分方式が小零細な地権者に耐え難い減歩を強いるものとなっている点にあります。  住民本位、住民生活を基本とした真のまちづくりの視点から、その在り方を根本的に問い直す必要があることを申し述べて、反対討論とします。

田名部匡省民主党・新緑風会

○委員長(田名部匡省君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  民間事業者の能力を活用した市街地の整備を推進するための都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

田名部匡省民主党・新緑風会

○委員長(田名部匡省君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、佐藤君から発言を求められておりますので、これを許します。佐藤雄平君。

佐藤雄平民主党・新緑風会

○佐藤雄平君 私は、ただいま可決されました民間事業者の能力を活用した市街地の整備を推進するための都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     民間事業者の能力を活用した市街地の整備を推進するための都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。  一、民間都市再生整備事業計画の認定に当たっては、市町村の創意と工夫による都市再生の推進に支障が生じることのないよう、市町村の意見を尊重するとともに、当該地域における伝統や文化及び良好な都市環境や景観の創造・保全に十分留意すること。  二、民間都市再生整備事業計画に係る都市再生整備事業に対する民間都市開発推進機構の支援措置については、情報公開を適切に行いその透明性を確保するとともに、事業評価を厳正かつ的確に行い結果を公表すること。また、民間都市開発推進機構の運営状況や財務内容についての情報公開を積極的に進めるとともに、事務・事業や組織のあり方を検討すること。  三、区画整理会社による土地区画整理事業の施行に当たっては、地権者及び地域住民からなる協議会組織を設ける等、事業に地権者の意見が反映できるよう特段の配慮をすること。また、区画整理会社については、経営や財務の健全性確保について適切な指導監督が行われるよう配慮するとともに、万が一区画整理会社による事業の継続が困難になった場合には、地権者等の権利の保全が確実に行われるよう万全を期すこと。  四、土地区画整理事業においては、地価の下落等により保留地の価格設定や売却が困難な事例が増加し、土地区画整理組合等の経営が悪化しているところがあることから、経営の見直しに向けて適切な支援を行い、事業の健全性の確保に配慮するとともに、今後は、密集市街地の解消など既成市街地の再生に重点を置いた活用に努めること。  五、地方都市においては、空き店舗の増加が相次ぐなど中心市街地が衰退傾向にあることから、その原因の分析及び関係法律を含む各種支援策の有効性についての検証を行うとともに、中心市街地の活性化を図るため、予算、税制及び「まちづくり三法」等の適切な見直しの必要性について早急に検討すること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。  以上。

田名部匡省民主党・新緑風会

○委員長(田名部匡省君) ただいま佐藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

田名部匡省民主党・新緑風会

○委員長(田名部匡省君) 多数と認めます。よって、佐藤君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、北側国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。北側国土交通大臣。

北側一雄公明党国土交通大臣

○国務大臣(北側一雄君) 民間事業者の能力を活用した市街地の整備を推進するための都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝を申し上げます。  今後、審議中における委員各位の御高見やただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。ここに、委員長始め理事、委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。大変にありがとうございました。

田名部匡省民主党・新緑風会

○委員長(田名部匡省君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田名部匡省民主党・新緑風会

○委員長(田名部匡省君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十九分散会

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