国土交通委員会 第6号
- 発言数
- 85 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2005/03/29
会議録
○委員長(田名部匡省君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 公共工事の品質確保の促進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に国土交通大臣官房長峰久幸義君、国土交通大臣官房官庁営繕部長奥田修一君及び国土交通省総合政策局長丸山博君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田名部匡省君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(田名部匡省君) 公共工事の品質確保の促進に関する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○北澤俊美君 おはようございます。 民主党の北澤でございますが、ただいま議題となりました、いわゆる品確法について御質問を申し上げますが、今日は衆議院の方から橘委員長始め御関係の皆さん方、御出席をいただきまして誠にありがとうございました。 それではまず最初に、提出者にお尋ねをいたしますが、本法案が今この時点で出されたということについて、提案理由の説明には本質的なことは書いてありましたが、今なぜ品質確保の法案を出さなきゃならぬのかと、こういうことをお尋ねしたいというふうに思うんですが、通常、法律ができるときには、経済的あるいは社会的な変化の中で国民が不利益を被るとかそういうことが予見されるような場合に行政府が責任を持って法案を作り上げると、こういうことが通常だと思いますが、今回は議員立法ということで、衆議院の側で委員長提案で出されたということでございますので、どんな背景に危機感を持ってお出しになったのかということをまずお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(橘康太郎君) 衆議院の国土交通委員長を拝命いたしております橘康太郎でございます。 ただいま北澤先生から御質問いただきました点についてお答えを申し上げます。 先生御承知のとおり、公共事業の量が経済的な制約によりまして量的に減ってまいりまして、その結果、入札等に当たりまして安かろう悪かろうというふうなものが契約されるという事態が散見されるようになってまいりました。こういう状況に、自由民主党におきまして危機感を抱かれた議員連盟が発足いたしまして、これに対応すべくいろいろと検討をしたいということで、議員立法による法律を検討されました。そしてまた、単に自由民主党だけではなしに、与党つまり公明党の方々も御参加になりまして、与党で議員立法をいろいろ検討されたわけでございます。 自由民主党におきましては、政調会そしてまた総務会を経まして自由民主党として了承をした案でありますし、一方、公明党さんにおかれましても党内手続を経て、私のところに議員立法でやりたいというお申込みがございました。 私の方は、この法案につきまして委員会にお諮りをいたしました。そして審議をしていただくべく、いろいろと理事会等で検討したわけでありますが、与党案とその他の政党間では多少見解の相違があるということでございまして、私の方から、議員立法にするためにはやはり各政党間で御検討していただいて、そして調整された案でなければ委員長としてちょっと提案には応じられないというお話をいたしまして、その結果、与野党で本案を調整をしていただいたわけでございます。 与野党間におきましては、総論賛成、各論において多少違うと。いわゆる安かろう悪かろうの工事はよくないという点では一致をしておったわけでありますが、各論のところに参りますと、与党案では少し恣意的な文面も見受けられるのではないか、ここのところは是非ひとつすり合わせてくれというふうなお話でございまして、与野党間で慎重にすり合わせをしていただきました結果、本案になったわけでございます。大変な御努力をいただいたわけでございます。 そして、この案を社民党の方々にも提示をいたしました。ここに渕上先生おられますが、大変有り難いことに社民党は賛成である。一方、共産党さんにも本案を提示いたしました。共産党さんにおかれましては、もう少し我々の意見を取り入れていただけないと賛成できないということでありましたが、いろいろのすり合わせによって、御提案の趣旨は衆議院の決議案の中で採択させていただいたものと了承をしておるところでございます。 その結果、衆議院におきましては、本案につきましては共産党さんを除く全党が御賛成をいただきました。決議案におきましては、おかげさまで全党一致ということで提案に至ったわけでございます。 よろしく御理解の上、速やかに御可決いただきますよう、心からお願いを申し上げまして、ごあいさつに代えさせていただきます。(「答弁、答弁」と呼ぶ者あり)なお、答弁に代えさせていただきます。 なお、内容等につきましては岸田議員から補足説明をいただきますので、よろしくお願いをいたします。 ありがとうございました。
○北澤俊美君 ちょっと短く。
○衆議院議員(岸田文雄君) はい。 法案取扱いの経緯につきましては今委員長から申し上げたとおりでありますので、ちょっと内容につきまして、今なぜこの法律なのかという部分につきまして簡潔にちょっと付け加えさせていただきたいと存じます。 この分野につきましては北澤先生大変もうお詳しくいらっしゃいますとは存じますが、御案内のとおり、この公共工事というもの、他の物品調達と違いまして、調達してみないと品質を評価できないというような特性等がございます。 要は、受注者の技術力に大きく左右されるわけでありますが、にもかかわらず、昨今、低価格入札ですとかあるいはくじ引ですとか、こういったものに象徴されるように、その技術力がない者が受注され得る状況にあるということが指摘をされていますし、また発注者側も技術を評価する目がなかなか持ち合わせていないというようなことも指摘されています。さらには、予定価格等のありようによって民間の優秀な技術力を公共工事で吸収できないという点も指摘をされています。 こういったことから、公共工事の品質というもの、国民の財産であります公共工事の品質がこのままいきますと低下してしまうんではないか、こういった危機感がまずもって背景にあるわけでございます。この背景の下に、価格のみならず、技術力、品質等を総合的に評価する新しい方式を導入するということの大切さ、こういった考え方、さらには具体的な施策、こういったものをこの法案の中に盛り込んで公共工事の品質の低下に何としても歯止めを掛けたい、これがこの法案提出の内容における趣旨でございます。 どうぞよろしくお願いいたします。
○北澤俊美君 今、提出者の意図は分かりました。 私は、実は与野党の協議のときにほんのわずかですけれども関与した一員として、議事録にそのことは残しておくべきだと思って今質問をしたわけですが。 さて、国交省の方にお尋ねしますが、今と同じことですが、少なくとも公共物を調達する場合、それが品質が良くて、しかも値段が安いということは、公務員としてはこれ一番の課題だというふうに思います。そういう意味では、難しい公共工事の調達について相当努力はしてきたというふうに思います。したがって、品質の確保というのは国交省にとっては常に意識している課題だというふうに思うんですけれども、今と同じようなことで、どういう事象について危機感を持って今、これはまあ議員立法ではありますが、皆さん方も一生懸命に取り組んできたという経過がありますので、まずそこのところと、それからもう一つは、公共工事の落札価格の低下がもたらす様々な影響について、その現状、それから原因、それから今までの対策、そういうものについて簡潔にお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(峰久幸義君) おっしゃられましたように、公共工事の品質確保に当たりましては、発注者としてはやはり監督検査を適切に実施するということ、それと同時に、企業の技術力を適切に評価して、技術提案の活用などを通じて企業の技術力が遺憾なく発揮されるという、こういうことが重要だというふうに思っております。 そういう意味で、これまで企業でありますとか配置予定の技術者について、過去の工事の施工経験や工事成績について審査をするということ、そういうことと同時に、民間の優れた技術力を活用するため、価格と品質双方において優れた調達を行うということで総合評価方式を活用してきているところでございます。 一方、公共団体におきましては、受注者の選定に当たって十分な技術力の審査が行われていない場合もあり、また監督検査要領もなかなかできていないというような団体も少なくないということでございます。こういうことで、そういう公共団体に対しましては、国土交通省の工事経験等を確認するデータベースを整備して使っていただくとか、あるいは工事監督検査に当たっては総務省と共同しまして、所管の補助金の中からお金出してもいいから外部機関の適切な活用をするという、そういうことについての要請をしてきているところでございます。 おっしゃられました落札価格が低下しているのではないかというその状況でございますが、それで、低価格入札の状況につきまして、これは我々のところで調べたところですと、予定価格の八五%以下となったものは年々増加しておりまして、平成十五年度においては、国土交通省の発注工事では約七%、地方公共団体の発注工事では約一〇%というふうになってきております。もちろんこれは背景としましては、建設投資がピーク八十四兆円ございましたが、十六年度には五十二兆円ということで六割にまで落ち込んでいるという、そういうふうな中で、建設業者数が五十五万と依然と多いということで競争が激化しているということが背景にあるというふうに思っております。それと同時に、先ほど申し上げました地方公共団体における技術的審査能力が少ない場合が多いと、こういうことで不良不適格業者が非常に安い価格で落札しているケースがあるという、こういうことも原因だというふうに思っております。 それで、こういうことの低入札価格工事につきましては、低入札の価格調査をやると同時に、そういうものが見られるものについては点検頻度を高めたり、前払金が下請へ支払がちゃんとできているかどうかと、こういうことについての確認を国土交通省としてはやっております。 また、さらに、そういう低入札価格の防止につきまして、技術者の増員を求めたり、あるいは通常は一割の履行保証を三割に引き上げたり、あるいは前払金を通常四割払っておりますがそれを二割に下げたり、こういう形で対応させていただいてまいります。
○北澤俊美君 私は、この法律は品質確保というだれも反対のできない名前を付けてやっていますから、これはなかなか要領のいい法律だと思うんだが、極めて危険な部分もあるんですよ、危険な部分も。 一つには、発注者側の職員に相当な負荷を与える。これから、あれは公正取引委員会の地方団体へのアンケート調査なんかでは、事務量が増加するから必ずしもこのことを一〇〇%取り入れたくないということがあるのと、それからもう一つは、これは大臣にちょっとお伺いしたいんだが、今、公務員の倫理規程か何かで、だれと酒飲んじゃいかぬとか、だれと会っちゃいかぬとか、だれは訪ねてきちゃいかぬとかいう。笑えないような話ですが、私の知り合いの人で運送関係で全国の主要な役員をやっているおやじさんが、おれの息子は運輸省へ入って、偉くなったらゴルフも一緒にやっちゃいけないし、うちで酒飲むのはいいが外で酒飲むのも駄目だ、こんなばかな国があるかと、こう言って笑っていましたが。 そこまでやっている現状の中で、この法律でいくと、一対一で業者と提案について話し合うわけですよ。これは何社か来るわけです。おれの会社は五分で済んだと、あの会社は一時間ばかりやっていたなと、こういう話になってきたりするケースが予想されるんですよ。そのときにあらぬ疑念を抱かれたりする、そういうことに対して、国土交通省を始め調達官庁あるいは地方公共団体というのは、かなり神経質になると思うんですね。それからまた、ありもしないことについて投書が出たりいろいろするんですよ。こういうことについての心構えというようなものは、大臣、これ、何万人かいる関係者に対してどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(北側一雄君) 恐らく現場では、今委員がおっしゃったような御苦労が出てくるというふうに思っております。したがって、一方でそうした国民の方々、市民の方々からあらぬ疑念を持たれないようにやはり透明度を高めていくと、また情報公開に努める、そうしたことがこれまで以上に大切になってくると思いますし、また先ほど官房長が答弁しておりましたが、私どもも、国といたしましても、地方公共団体の方々に協力できるところはしっかりと協力をさせていただきたいというふうに思っているところでございます。また、外部の方々を活用していくということも非常に有効であると思っておりますし、いずれにしましても、透明性を確保することが非常にこれからますます重要になるというふうに思います。
○北澤俊美君 それからもう一つは、国土交通省は入札について随分と努力をしてきていますよ、確かに。私がちょっと思い浮かぶので今メモしてきたのだけれども、平成十三年に入札の適正化法、それから十五年には入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律、それから十五年には品質確保を図るための著しい低価格による受注への対応についてという、これは官房長と総合政策局長の連名で通達も出した、あらゆることをやってきているわけだね。 しかし、なおかつ、こういう法律を作って品質確保に努力しなきゃならぬということになったということは、今までの施策が効果を現していないのかと。だからこの法律をやろうと、こういうわけでしょう。どうでしょう。
○政府参考人(丸山博君) 今、北澤先生から御指摘ございましたように、入札契約適正化法でございますとか、それから官製談合防止法、それからダンピング受注の防止のための通達に従いまして、国土交通省としては入札契約の適正化の観点から様々な対策を講じてきたところでございます。 ただ、その面についても見まして、私ども、入札契約適正化法に基づきまして、毎年度、発注者が法律に基づいた、あるいはマニュアルに基づいた取組をちゃんとやっているかどうかと、こういう調査をしてきておるわけでございますが、全体として見ますと発注者の対応は徐々に改善されてきているというところでございます。ただ、業務執行体制が整わない特に小さい市町村などを中心にしまして対応が遅れております団体もあるというのも、これもまた事実でございます。 入札契約制度につきましては、品質の確保もさることながら、絶えずその改革、適正化を進めていくということが必要でございまして、私どもとしましては、取り得る限りの政策手段を用いましてその適正化に今後とも努めていかなければいけないというふうに認識しております。
○北澤俊美君 今お話聞いていると、おおよそ、入札の結果として低落札があるから心配だと、こういうことですよね。本当にそうなのかなと私は思っているんですよ。 島根県は、今のようにいろんな施策の、あの地を今見ていると、島根県というのは全産業の中で最も公共工事が多いところだと、こうやって代表的に言われていますが、九五%以上でずっと推移しているんですよ。同じ年代に長野県は七五%を割るところまで落札率が落ちてきて、それで、今やや、新しい総合評価方式で地元貢献度とかいうようなものも入れて今ちょっと持ち上げてきているけれども、まあ七五%ぎりぎりのところにいると。島根県ではそれで手抜き工事や何かが全くなくてきちんとしているのか、長野県にはたくさん手抜き工事による品質の悪化が起きているのかというと、私は長野県に住んでいるもんだから、今のところそういうことはない。競争が激しくて建設会社がたくさん倒産したということは長野県にあります。私、島根県のことは分かりませんが、そのことはどうですか。 それと、そのように落札の金額がうんと落ちてきていても長野県の場合は今のところ不祥事が起きていない。やがて、こういう公共物というのは年数がたつ中でそういうものが起きる可能性があるのかどうか、その辺どうですか。
○政府参考人(峰久幸義君) おっしゃられますように、必ずしも価格が下がるからといって品質が悪くなるとかそういうことでないということももちろんあろうかと思います。 ただ、我々の心配しておりますのは、我々のところで調査、直轄工事についての調査をしておりますけれども、その中で見ますと、十五年度に、低入札と工事の品質との関係の調査でございますが、十五年度に工事成績評定を行った工事について見ますと、低入札工事において合格点六十五点に満たない工事が約一二%ございまして、低入札以外の工事の、これは三%強でございますが、約四倍となっております。また、十三年度末以降に契約して十五年度までに完成した入札工事について、下請業者の当該工事における収支状況、こういうものについても調査しておりますけれども、それによりますと、低入札価格の調査対象工事では下請業者が赤字となるケースが四割を超えているというような、こういうしわ寄せの実態も見られるところでございます。 必ずしも全部が全部ということではないと思うんですが、こういう傾向もあることなので、我々は品質確保の点からいろいろ注意していく必要があるということでございます。
○北澤俊美君 それからもう一つは、各省庁に私、この質問するに当たって落札率を調べて報告してもらったんですよ。全部九五%前後のところで推移しているんですよ、依然として。依然としてね、直轄工事が。 これだけ世間が騒いで、新しい法律を作ったりいろんな通達を出したりしていても、公共工事というのは落札率が九五%前後のところで国の直轄でも動いていないんですよ、それは。文部科学省で一年だけ八五%になったが、これは業界の混乱の中でたたき合いがあったか何かで八五%になったというケースはあったようですけれども、あとは全部そう。これは国民から見ると、今六十五点以下が一二%あったと、こういうことについて、国民は必ずしもそのことを大変なことだと思っていないと思いますよ。国民の感覚と今ここで議論していることとは少し違うと僕は思っている。 長野県の県行政が今混乱しているんですよ。だから、中では大変なことになっちゃっている、長野県の中では。しかし、長野県を一歩離れたところから見ていると、田中知事というのはすごいいいことやっているじゃないかとみんな思って、自由民主党まで意見聞いてみましょうなんて言って田中知事を招聘したら、長野県の議員がとんでもないからといってやめたケースもありましたがね。これもまた変な話だが、事ほどさように国民の意識と今のここのところは僕は違っているんじゃないかと思う。 僕は中身が幾らか分かるから、この法律についても、何とかその難しいことをクリアしながら国民に理解できるようにしなきゃいかぬと、こう思ってはおりますよ。思ってはおるけれども、声高に、低落札によって品質が劣化して国民に不利益を与えているということが証明できますか。できないんですよ。 そこで、国土交通省が一番意を用いなきゃならぬことは、入札適化法で工事施工台帳をきちんと発注者に渡す、それから二次下請、三次下請については第三者機関のところへそれを報告して、そこへとどめておくと。そうすると、二次下請、三次下請の人たちが、幾らで契約したということがはっきりして、その契約の金額がちゃんとそこへ払われたかどうかということが後で検証できるわけですよ、争いになったときも。それをやっていないんですよ、もう四年もたっているのに。 私は当時ちょうど委員長やっていたから、当時の総合政策局長や審議官といろいろ話をした。その結果として、この委員会の議論の中でもそのことが言われたんですよ。ところが、それがどうですか、国の方はほぼ九〇%そういう第三者機関作っているけれども、あっ、都道府県も、市町村に至ってはほんのわずかでしょう、二、三〇%だと思いますよ。そんなことを放置しておいて、また新しい法律を作って、結果として、これは私の邪推かもしらぬが、本来、今までのこの経過からすれば、これでもし駄目だ、それでもなおかつ公共工事に心配があるとするならば、国土交通省が挙げて、全力を挙げてこの法律を閣法で上げるべきだった。それを議員立法にゆだねて、自分は身を少し引いて、それで入札適化法の完全実施ができていないことから逃げようとしているんじゃないかと邪推したんだ、僕は。だから最初反対したんだ。どうもそこまでの悪知恵はなかったようでしてね。 この今の関係、どういうふうに整理していけばいいんですか。今回もまた第三者機関作ると、こう言っているんですよ。前の、四年前の法律でできなかったことをまたもう一回やる。これは地方に負荷掛けるだけですよ。どう思いますか。
○政府参考人(丸山博君) 北澤先生御指摘のとおり、入札適正化法の中では、すべての公共事業の発注者に対しまして、例えば入札監視委員会などの第三者機関を設ける、それから受注者に対しましては施工体制台帳の提出を求めると、こういうことにされているわけでございます。この結果、すべての都道府県につきましては第三者機関が設置されております。 ところが、今先生からも御指摘ございましたが、業務執行体制が整わない市町村につきましてはなかなか、依然として対応が遅れているというのもまた事実でございます。そういうこともございまして、衆議院で決議がございまして、第三者の意見を適切に反映する方策を講じなさいと、それから工程表及び施工体制台帳の発注者に対する提示を徹底しなさいということが再度言われたわけでございます。 私どもとしましては、衆議院の国土交通委員会の決議を踏まえまして、第三者機関の設置の促進でございますとか、苦情処理への適切な対応、それから施工台帳の提出の徹底等につきまして、再度積極的に取り組んでいきたいと思います。 それから、なぜ議員立法かと、こういうお尋ねがございましたが、別に悪知恵もなく逃げたつもりもないんでございますが、公共工事の品質確保につきましては、極めて、先ほど委員長、それから岸田先生からもお話がございましたが、喫緊の課題であって重要な課題であると、こういうことが言われておったわけでございます。それから、多くの省庁とか地方公共団体にまたがる話であるというようなことから、先生方から強い問題意識を持っていただきまして、かねがね活発な議論をしておいていただいたと。その過程を踏まえまして、どうしても立法措置が必要だということで、議員立法として提出されたというふうに私ども承知しております。 私どもとしましてはこれを尊重するということで、今後一生懸命対応していきたいと思っています。
○北澤俊美君 これはしっかりやってもらう以外にないんですよ。ちょっと時間が、済みませんね、たくさん通告してあるにもかかわらず全部できませんけれども、今のことはしっかりやってほしいんですよ。 それから、提案者に一つだけ、つまらぬ質問ですけれども。私は今までのこの法律からいきますと、この法律は品質確保法というだれも反対できないような格好のいい名前じゃなくて、今までの会計法や地方自治法をクリアしながらやってきたこの経過からすれば──自分で何て言ったのか忘れちゃったな、待ってくださいよ、むしろ公共工事調達特例法という名前にした方が私はよかったと思うんですよ、その方が。品質確保法なんていって改めてやったら、今まで品質確保してなかったのかと、こう思われちゃいますよ。 その感想をちょっと言ってもらいたいということと、もう一つは、国土交通省にお尋ねしますが、今は予決令を整理して、大蔵大臣との間で協議が調って総合評価方式で幾らでもできるようになっているんでしょう。それを約二〇%というものを目標にしてやってきた。でも、これはクリアしているようですけれども、今後一体、国交省とすれば直轄工事の中でどのぐらいその比率を上げていくのか。 それから、地方は事務その他が煩雑だから余り歓迎していないようですけれども、しかし事は公共物の調達ですから、国がやったら地方も同じにやらなきゃいかぬ。そうしたら、地方に対して、それは命令もできないだろうけれども、しかし全国的に波及させようとするのがこの法律の趣旨でありますから、そういう意味では、地方にどのぐらいのパーセンテージで実施をするように考えておられますか。
○衆議院議員(岸田文雄君) まず最初の、法案の名称についてでありますが、先ほどこの法案の背景、趣旨を御説明した際に、その公共工事というものが公共調達の中で特別な性格を有しているということに着目したというふうに申し上げましたので、今先生から御指摘がありましたように、公共調達特例法というこの名称につきましてもなるほどなと思う部分もあるわけでありますが、ただ、こうした公共工事の特性に着目しながら、あくまでもこの目的としましては公共工事の品質の低下を防ぎたいというのが本来の趣旨でありますし、また現状、どうも多くの市町村においてはこの技術というものに対する認識、あるいは評価の能力、随分低いようであります。 こうした現状に対して、公共工事の品質というものはいかに大切か、あるいは価格だけではなくして、品質、技術力、こういったものを総合的に評価するものがいかに大切か、こういったものをしっかり理解していただく、こういったことを後押しする意味からも名称として公共工事の品質確保法という法律を付けさせていただいた次第でございます。是非御理解いただきたいと存じます。
○政府参考人(峰久幸義君) 先生御指摘のとおり、十一年度から国土交通省では総合評価方式を施行しておりますけれども、十五年度以降では全発注金額の二割以上を目標としております。それで、現時点でそういうふうになっております。 今の段階で、今後のこの法律の施行後の目標ということでございますが、残念ながら現時点でそこのところまで用意できておりませんが、いずれにしましても、この工事内容等を見ますと、今までそれぞれの工事現場の環境条件なんかを考えながら、ライフサイクルコストの観点、あるいはリサイクルの観点、あるいは工事中の騒音防止、あるいは工事期間を短縮がどれだけできるかとか、そういう短縮によりまして工事渋滞がどれだけ削減できるかだとか、いろいろ評価できる項目がたくさんあります。 そういうことでございますので、本法案が成立した以降においては、そういう個々の工事内容、条件等をかんがみながら、この方式を一層積極的に活用していきたいと思っております。 なお、地方公共団体においても極めて少ない、事例が少ないのが現状でございますけれども、国土交通省における取組、あるいは事例集や活用ガイドラインを作成することによりまして、あるいは公共団体から相談があった場合にはそれに懇切丁寧に応じるという、こういうことを通じまして公共団体における総合評価方式についても活用の促進に努めてまいりたいと思っております。
○北澤俊美君 佐藤さん、済みませんね、これで最後にしますから。 この法律は公共工事と、こう言っていますから、当然土木関係、建築関係も対象になるわけだが、今日、本当は営繕部長に来てもらいたいと思って、あっ、おいでか。建築関係はこの法律によって改めて対応をするようなものはないんだろうというふうに僕は思うんですよ。削除した、原案から削除した十六条のところではコンサルというものを入れてあったから、それは建築のコンサルも入るというふうになるんだろうと思うんですけれども、しかし、あれを削除して、法の条文の流れからいくとほとんど土木工事に限定されているなというふうに読めるんですが、改めてこの法律で建築関係が何か対応しなきゃならぬものがあるのかないのかということをお聞きをいたします。 それから、最後のことですが、今こうやってここで議論していますが、この後、基本方針を作っていかなきゃならぬ。そうすると、この法律というのはどこの省庁が所管をするのか。私は大臣やったことないから分からぬが、法律が上がると総理大臣と主務大臣が署名するわけですね。北側大臣も初めてだ、もうもう既にやっておられるかもしれませんが、それは国土交通大臣なんですか、それとも複数の大臣なんですか。そうでないと、ここで一生懸命議論してみたって、ああ、とんでもないと、ほかの大臣がやっているんだという話になったら何だかむなしい気がしますので、この法律の主務大臣は国土交通大臣でいいのかどうかということをお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(奥田修一君) 建築工事に関する御質問がございました。 この公共工事の品質確保という観点からは、土木工事、建築工事いずれも非常に品質確保は重要なテーマであるというふうに考えております。建築工事、土木工事、それぞれ特徴がございますけれども、私どもといたしましては、本法案が成立すれば更に品質確保について一層の努力を建築工事についてもしていきたいというふうに考えているところでございます。
○北澤俊美君 官房長、官房長でいい。
○委員長(田名部匡省君) 官房長でいいの。
○北澤俊美君 はい、結構です。
○委員長(田名部匡省君) 峰久官房長。
○政府参考人(峰久幸義君) 法律の所管ということでございますが、いろんな法律に関係しますので、恐らくそこの中でいろいろ調整が行われるものと思っておりますが、いずれにしましても、国土交通省は中心的な役割を担うべきだというふうに思っておりますので、関係省庁と連携する中で我々のところで品質確保の促進に向けて最大限の努力をするということだと思っております。
○国務大臣(北側一雄君) 今、官房長の答弁したとおりでございますが、公共事業の最も主たる官庁が国土交通省でございまして、私どもが一番の責任があると思っております。
○北澤俊美君 結構です。以上です。
○佐藤雄平君 佐藤雄平でございます。 北澤委員がもうほとんど質疑をしていただきましたので、発議者の方に対する質問は割愛させていただきます。 この法案は理念法で、最も大事なのはやっぱりその運用であるということですから、この法案ができた後の国土交通省の運用というのも大変なこれは責任があるというふうなことに思っております。そういうふうな観点の中から懸念することが幾つかありまして、通告は六問、四、五問ということですけれども、二つずつもうまとめて質問させていただきます。 国土交通省の方に、これは私が最も懸念するのは技術提案型といって、正にその新しい方法なんです。これは国土交通省としては技術者がいるからそれは対応できるでありましょうけれども、この通達がそれぞれの都道府県に出されると、特に市町村、それだけの技術者がいないところがたくさんあるんです。となってくると、発注者側の主体性が保てなくなる可能性があるんです。これは、町村は今いろいろ陳情に来ています。建設省にお世話になって予算もらっていると思っておりますから、そういうふうな中で建設省、国土交通省の通達が品確法を施行することになったというふうなことになると、どうしてもそれにそぐわないとしかられるんじゃないかと、そんな心配をする向きも必ず私は出ると思います。そういうふうなときに発注者側の自主性をどうやって担保していくかということがまず一つ。 それからもう一つは、その技術提案というのは非常にこれ確かにいいことなんです。未来永劫に立派な公共を残していくと、財産を残していくということで、技術提案がそれぞれ出されると、これなかなかその地方の発注者側が断られなくなる。そのとき、私が懸念するのは、例えば一千万の予算でやろうかと思っていたことが、技術提案の中で場合によっては環境問題、騒音問題で一千五百万掛かると、場合によっては二千万掛かるといったときに、町村側がなかなかそれを断れなくなってしまうんじゃないかと。そのときに、結果的には今の補助制度からすれば、一千万のものが二千万になったときに、いわゆる補助率としては一千五百万出すでしょうけれども、あっ、一千万のうち五百万、五百万だとする、それが二千万になったとき、その二分の一を補助だとすれば、町村側が一千万出して国側がまた一千万出す。そのとき、国側は一千万出しても町村側がそれだけの裏負担ができるかどうかというようなことも懸念されるところもあるんです。 この二件についての御答弁をお願いしたいと思います。
○政府参考人(峰久幸義君) 品質確保のための取るべき施策は法案のとおりでございますが、その場合に当然のことながら地方公共団体の自主性が尊重されなければならないというふうに思っております。各発注者が公共工事の品質確保の重要性にかんがみてそれぞれの実情に応じてできることから取り組んでいくという、そういうことが適当であるというふうに思っております。その際、国土交通省としては、あくまでも公共団体の自主的な取組を支援するという形での姿勢で臨んでまいりたいと思っております。 〔委員長退席、理事大江康弘君着席〕 それから、特に技術提案とコストとの関係の質問でございましたけれども、これは先ほども申し上げましたけれども、今のところ国土交通省では、総合評価方式につきましては全発注金額の二割以上を目標として二億円以上の工事でやっております。昨年度は六百十七件、二三%ぐらいの金額のウエートを占めておりますけれども、今後の総合評価方式の運用でございますけれども、多くの場合は、基本的に工事中の安全対策でありますとか、濁水の防止対策の環境対策、あるいは交通の切り回し等の施工上の比較的簡易な技術提案を求めるというのが多いのじゃないかと思っております。こういう場合については、標準的な工法を基本として予定価格を決定して、その範囲で提案を求めるということになろうかと思います。 それから、特に重要な場合で、大幅な品質の向上を求めるような場合には、技術提案の審査を踏まえて予定価格を作成することになりますけれども、その場合には、提案される品質とそれから費用の妥当性についてよく審査して、限られた予算の範囲で価格と品質の総合的に優れた技術提案を採用できるように予定価格を定める必要があるというふうに思っております。 いずれにしましても、法案に基づきまして、その際には中立かつ公正な立場にある学識経験者の意見を聴取する等の透明性、公平性の確保が必要だというふうに思っております。 なお、どういうふうな形で、特に技術提案を求めるケースがあったとか、あるいはこれから予想されるかとか、その場合の価格がどういうふうになるかということで、補助単価等についてのいろいろ中身が変わってくるようなことも当然あるかと思いますが、そういうものについてはよくそういう調査をしながら対処していきたいと思っております。
○佐藤雄平君 私がやっぱり懸念するのは、国と地方の事情というのは相当違いますから、官房長、ずっと町村の状況を頭に描いて、町村には必ず町村長の選挙があったりする。その中にやっぱりコンサルタントの人がいる可能性もある。それで、同じ部落の中にコンサルタントの会社があれば、そのコンサルの人が、それはどうせならもっと立派なものを造った方がいいよという、その部落の人に話しする可能性もある。そこに町村長を応援している後援会の者がいたりすると、必ずそれは町村長に言う。そうすると、どうしてもやっぱりこれ導入しなきゃいけなくなるのかなというような御懸念もあるんで、この本当に運用については、国交省の発注とまた地方の発注は違うんだと、客観情勢が違うんだということをきちんと運用していただくことをまず要望しておきます。 次に、どうしても技術提案になると技術サイドの話になってしまう可能性あるんです。そうなってくると、役所の技術屋さんといわゆる仕事をする方の技術屋さんの話になってくると、一般の文官には分からないような話も相当そこではなる可能性があるんです。すると、どうしてもやっぱりそこで、いわゆる今一番の問題になっている談合の問題があります。これの温床になりやしないかなというような懸念があるんですけれども、この件についての御見解はどのような御見解でございますか。
○政府参考人(丸山博君) どのような事態でも談合などの不正行為は、これはあってはならないということであるというふうに考えております。ただ、今先生お話がございましたように、価格のみならず技術を見ていくと、それから技術や品質を重視していくということになりますと、発注者がある意味で主体的に判断する範囲というのが広がっていくわけでございます。 したがいまして、国土交通省といたしましては、そういう制度的な枠組みの中でいやしくも国民の疑惑を招くことがあってはいけないというふうに考えております。これまでもやってまいったところでございますが、まず情報公開の徹底を図ると、透明性を確保すると、それから入札監視委員会など第三者機関を設置すると、それから苦情処理制度を活用するということによりまして談合などの不正行為が起こらないように徹底を図っていきたいというふうに考えております。
○佐藤雄平君 局長ね、それ逆なんですよ。そうじゃなくて、いわゆる国と地方のさっきの違いと言ったのは、地方にやっぱり技術者がいないんだ。村役場、町役場には農林課長と建設課長一緒にしているところがたくさんあるんです。ですから、逆にコンサルが中心になって、コンサルが役場の中に入って主客が逆転するようなケースもあるんです。それは技術の話というふうなことで、それが中心になってしまうと。ですから、その点は全く逆な話ですから、主客転倒にならないような歯止めというのもひとつ考えておいていただきたいと思います。 次に、時間もありませんので移らせていただきます。 この実績データというのがどうしても今度出てくるんですね。いつも、どこの先生方のところでも話を聞くことがあると思うんですけれども、実績がないとなかなか入れないという話になってくる。この品確法についても、過去の今までのいろんなそのデータを見ながら適当であるか適当でないかというふうなことになる。それはもう当然のことながら、不適当なもの、いわゆるペーパーカンパニーとかそういうふうなものは排除してよろしいと思うんですけれども、そこにどうしてもやっぱり恣意的なものが入ってしまうんじゃないかなという懸念があるんです。ですから、新規参入の業界、業者もそこに入れるような一つの仕組みというのかな、余り今までの実績があるかどうかというと、どっかでその仕事の実績を取らないと実績にならないからいつまでたっても入れない状況というのは見られるところもあるんで、この辺はどのようにして新規の参入ができるような形になるのか、この辺についての御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(峰久幸義君) 技術的能力の審査が極めて重要でございますが、そのねらいというのは、もう先生御指摘のとおり、技術的能力を適切に審査してペーパーカンパニーなどの不良不適格業者を排除するということ。それと併せまして、工事内容や規模等に応じて必要な技術力を持つ者にはやはり競争に積極的に参加していく機会を増やすんだという、こういうふうなことが目的であるというふうに思っております。 その場合に、実績がないと入れないんじゃないのかということで、新規参入に配慮せよということでございます。 国土交通省におきましては、今企業でありますとかあるいは配置予定の技術者について、過去の工事の施工経験あるいは工事の成績について審査し判断しておりますけれども、その際、直轄工事の実績を持っていない企業につきましても、都道府県あるいは市町村などの他の発注者の工事の実績、さらに民間工事の経験につきましても審査することとしておりまして、そういうことによりまして競争に参加できるように配慮しているところでございます。今後とも、こういうことで対処していく必要があると思っております。
○佐藤雄平君 時間もなくなってまいりましたので、最後の質問にさせていただきます。 公共事業の品質確保というのは、もう当然、優良な工事をしなさいと、品質の担保というふうなことになると思いますが、この中で、聞くところ、公共事業の瑕疵担保というのは極めて短いというふうに聞いております。ただ、二、三年前、住宅の瑕疵担保責任法というのを作って、あのときは十年になったかと思うんですけれども、当然のことながら、この品確法が施行されるんであれば瑕疵担保というふうなことも議論しなきゃいけないことになってくるのかなと。 この件についての答弁をお願いして、私の質疑にさせていただきます。
○政府参考人(丸山博君) 民法では一般的に工作物についての瑕疵担保期間は十年間とされているところでございます。これに対しまして、公共工事につきましては検査が厳重に行われていると、それから請負者を十年間、長い間不安定な状況に置くのはいかがなものかというような議論がございまして、標準請負約款におきましては瑕疵が請負者の故意又は重過失によって生じたものである場合を除きまして二年とされているところでございます。 ただ、今先生からもお話がございましたが、ダンピング受注の横行などによりまして疑念を抱かざるを得ない状況というのも出てきておるのも確かでございます。したがいまして、品質確保という観点からは、瑕疵担保期間でございますとか瑕疵保証制度を含めまして公共工事全体の瑕疵担保制度の在り方について検討する必要があるというふうに考えております。 このため、昨年の六月に国土交通省といたしましては瑕疵保証のあり方に関する研究会を設置いたしまして、この夏を目途にこの問題につきまして検討、整理を進めているところであります。今回この法律が通りました暁には、その趣旨も踏まえまして更に議論を深めてまいりたいというふうに思っております。
○佐藤雄平君 ありがとうございました。
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。 良質な公共工事は国民の願いでございますし、また国民経済上も大事なことだと思っておりまして、今まで各機関、長年の努力を積み上げられてきておりまして、今回の法案もその集大成の一つではないかなというふうに思っておりまして、その意味で各先生方のおまとめに心から敬意を表するものでございます。 今、先行質問の中でも、過当競争等ということで、ダンピング受注が後を絶たないというような現状を踏まえての適正な入札の執行を促すべく提案されたというふうに認識をしておりますが、ただ先ほど、先行の北澤先生の方からは、公共工事調達特例法ですか、そういう名前の方がいいんじゃないか、もっと分かりやすく言えば、たたき防止法という、そういう声が、廊下で教えていただいたところでございますが、簡単で結構でございますので、本法律案のねらいといいますか、目的についてお伺いをしたいと思います。
○衆議院議員(高木陽介君) 今回の法律案のねらいというふうな御質問でございますけれども、先ほどからの質疑でも出ておりましたけれども、この公共工事というのはこれまでのほかの物品調達とはちょっと異なっていると。 例えば、ほかの物品調達というのは、既に市販をされていて市場原理の中で淘汰をされている。どれがいいか悪いかというのは、これはある程度の部分では見極めが付くという部分がありますけれども、公共工事の場合は、これは、その工事が終わりまして、その目的物、構造物ができて初めてその品質というものが分かってくると。 また、施工者の技術力、そういったその技術力によって品質が左右される、こういった問題、特性が有しておりますので、価格のみの競争から、価格、更にそれに加えて品質という総合的に優れた調達を原則とすることが必要であると、このように考えておりまして、しかしながら、先ほどからこれも質疑の中で出ておりましたけれども、多くの発注者においてはその受注者の選定に当たって十分な技術力の審査が行われていない、又は監督検査についても要領さえ整備されていない、そういう実態が明らかになっておりまして、低価格の入札やくじ引による落札者が決定、こういうのが急増しておりますことによって、技術力を持たない、そういった者が施工することによって不良品ができると、こういうことも考えられますので、今回はこの法律案によりまして品質をしっかりと確保していこうと、このような考えの中で法案を提案させていただきました。
○魚住裕一郎君 その今のねらいを含めて、長年の努力というものが、工夫というか、されてきたわけで、国土交通省でもしっかり通達等でやってきたというふうに思いますが、あえて閣法ではなくして議員立法でやったという意味がどういうところにあるんでしょうか。
○衆議院議員(高木陽介君) 公共工事自体は、これは社会資本整備の上において私たち又は国民の生活にとって重要であると、このような認識の下で、先ほど申し上げました品質を確保しなければならない。その上において、今現在の公共事業の発注量が減る中にあって、先ほど委員も御指摘がありましたたたき合いという言葉もございましたように、低価格競争、これがかなり各地で散見される状況の中にありまして喫緊の課題であると。閣法で国交省の方で検討されて出されるという、こういう考えもありましたけれども、逆にそういう現状をしっかりと認識をして、その問題点を抽出し、さらにその対応策を練るというのが本来私たち議員の責任でもあるということでの議員立法の提案というふうにさせていただいた次第でございます。
○魚住裕一郎君 先ほどもございましたけれども、この技術提案ということが大きくクローズアップされておりますけれども、この審査が非常に専門家という形になるわけですが、発注者側の恣意的な運用を排除するということが必要かと思いますが、透明性、公正性の確保ということが大事かと思いますけれども、この法律案ではどのような措置がなされているのか、お伺いをしたいと思います。 あわせて、談合ということが言われておりますけれども、全般的なこの法律の中でどのような配慮がなされているのか、お聞きしたいと思います。
○衆議院議員(高木陽介君) 今二点御質問があったと思います。一つは、その技術提案の審査における恣意的な運用を排除するための透明性、公正性の確保と、もう一つは、談合等これをどのように防止していくかということで、それについては自民、公明、民主三党でこの議員立法を作り上げるときにいろいろ議論を重ねてまいりました。 その結果、まず本法律案の第三条四項におきまして、基本理念の中でございますけれども、この品質確保に当たりまして、透明性、公正性が確保されることにより、談合等の不正行為が排除されること等により、入札、契約の適正化が図られるように配慮されなければならないと、このように、配慮規定でございますけれども、明確に透明性、公正性の確保をうたった法律案にさせていただきました。 また、その第十二条第二項におきまして、発注者は技術提案の審査及び評価に当たり、中立かつ公正な審査が行われるよう、当事者からの苦情を適切に処理すること、その他の必要な措置を講ずるものと、このようにも規定をさせていただきまして、一方的に発注者側の恣意的にやらないという、こういったことで苦情処理に関しても規定をさせていただきました。 さらに、その同第十二条四項におきましても、技術提案を求めて落札者を決定する場合には、あらかじめその旨及びその評価の方法を公表するとともに、その評価の後にその結果を公表しなければならないということで、評価の方法、これが一番重要であると思います。この点についてもしっかりと情報公開をしなさいということで条文の中にしっかりと規定をさせていただきまして、委員御指摘の透明性、公正性の確保又は談合等、こういった問題をしっかりと排除し、適正に運用していただけるように提案をさしていただきました。 〔理事大江康弘君退席、委員長着席〕
○魚住裕一郎君 今回はこの品質確保ということが主眼ではありますけれども、やはり一連の入札適正化法でありますとか、あるいは逆の面からいえば官製談合防止法とかやってきたわけでございますが、入札の改革といいますかね、そういう中で、例えば入札のボンドの方式でありますとかあるいは複数年度継続案件というような場合には国等の債務負担行為の活用というようなことも考えられるところでございますけれども、今回はそういうことは見送られているようでございますが、これはどのような理由からでしょうか。
○衆議院議員(高木陽介君) 談合防止に関しましてこれまでも様々な立法措置が図られてまいりましたけれども、その今委員御指摘の入札ボンド、これに関連しまして、国交省の方で平成十三年十二月から平成十四年の七月まで研究会をずっと持っておられまして、その中で、受注業者の破綻リスクの回避と適切な施工確保、建設産業の淘汰・再編の観点で意義を有するということのほか、公共工事の受注者選定における恣意性の排除等の観点においても効果があるものと考えられると、このように入札ボンドに関しては評価をしておりますけれども、ただ、現状、その保険市場、これの方の問題として、収縮等の背景があるということで、その引受手の方の問題として、現状ではその導入は困難であると、このようにその国交省の研究会の方も結論を出しております。 そういった観点から考えますと、今回、入札ボンドの問題については、研究会で指摘したようにその効果は認められますので、そういった受入れの保険市場、こういった問題もかんがみながら今後更に改めて検討を行っていくべきであろうと、このように考えております。 もう一つ、複数年度の継続案件に対する債務負担行為ですね。これに関連しまして、公共工事という場合には単年度でできる場合と複数年度、特に大規模工事の場合には複数年度にわたることが多々ございます。そういった観点。これは年度ごとに分割されて発注される結果、競争性の確保の観点から問題がある場合も指摘されておりますし、このため、複数年度にわたる調達全体については、どのように競争的公共調達を行うことが適当かを検討した上で、複数年度にわたる契約の締結や事業を実施することが合理的な場合、その方がしっかりとした公共調達になるであろうと、こういう場合には国庫債務負担行為を積極的に活用することで競争性を確保していくべきであろうと、このように考えております。
○魚住裕一郎君 いや、だからね、今の、何でそこの部分はパスしたのかということなんですが。
○衆議院議員(高木陽介君) 今回の法案を検討するに当たりまして、これは国だけでやる問題ではございません、公共工事の場合には地方公共団体を始め地方全般にわたってやるということで、これも先ほどからの質疑でございました。 審査をしていく上において、それだけの能力があるのかどうか、さらには、今この債務負担行為の部分もそうですけれども、財政の問題もあると思います。国の場合には国債を発行して複数の、複数年度の公共調達ということが割に可能である、しかしながら地方公共団体の場合にはそれだけの財政能力があるのか、そういった観点もございますので、やはり現状をかんがみながら、今回はこの法律に入れるのは適切ではないと、こういう判断で、更に検討を進めていくべきであろうと、このように考えております。
○魚住裕一郎君 今も地方の話出ましたけれども、技術者が一人もいないというような市町村が二六%もあるようでございますが、やはり財政力だけではなくして、技術能力といいますか、それも非常に大事かと思いますけれども、地方公共団体のスキルアップを国土交通省としてはどのようにお考えなのか、お伺いをいたします。
○政府参考人(峰久幸義君) 地方公共団体におきます検査体制の強化あるいは技術評価能力等の技術力の向上、この点に関してでございますが、これは国土交通省におきまして、今各発注者が適切に技術評価ができるように工事経験や工事成績のデータベースの構築等を図っております。そういうものでありますとか、総合評価方式を今やっておりますけれども、これの事例集などを作成しまして、国土交通省のデータあるいはそういうふうな取組を紹介して、その技術力の向上に努めていきたいと思っております。あわせて、工事の監督検査の充実についても、総務省と協力しながら、外部の機関に適切に委託できるようなことも要請しているところでございます。 いずれにしましても、国、地方を通じまして、発注者間の協力連携するということと同時に、積極的に我々も資料提供等に取り組みまして公共団体の支援に努めてまいりたいと思っております。
○魚住裕一郎君 ちょっと通告はしておりませんけれども、今データベースの話が出たわけでありますが、いよいよ四月一日から個人情報保護法が適用になるわけで、適用といいますか施行になるわけでございますけれども、そのデータベースで各地方公共団体等を含めて情報を提供するというような場合、各企業のかなり秘密にもなっていくわけでありますが、その辺の準備といいますか対応をどのようにお考えなんでしょうか。
○政府参考人(峰久幸義君) 技術力といいます、企業のこれまでの経験あるいはその技術者がどういうふうな経験を持っているかということについての情報提供を今CORINSとかそういうのでやっておりますけれども、これにつきましては、その情報をいただくときに、当然、各発注者に、一般ではございませんが、各発注者にそういうものを提供しますよという形で情報を入手しておりますので、そういう目的の範囲内でやるということでございます。 それと同時に、もちろんそれが外部に出ないように、漏えいをしないということ、それから目的外に使用しないということ、こういうことについては当然のことですので、そこのところについては、やはり個人情報が含まれておりますので、そういうことが守られるように徹底する必要があると思っております。
○魚住裕一郎君 終わります。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 法案によりますと、品質確保のためにダンピング受注の対策ということで、受注企業の技術力審査が行われ、競争参加者を限定するということになります。そうすると、二つのことが私懸念されると思うんですが、第一は、技術力審査を通じて中小の業者がますます排除されるのではないかという問題です。 もう御存じのとおり、今大変な不況の中で中小の建設業者、深刻な事態になっています。この中でまちづくりや災害対応を担い、あるいは地域経済を支えている中小業者、こういう皆さんの仕事がますます少なくなりかねないと。その大きな一つの原因として、今でさえ地方の仕事を大手ゼネコンが受注をし、中小業者の皆さんの仕事が奪われるという事態があるわけですが、これがますます拍車を掛けられることになるのではないかという点をまず提案者にお伺いをしたいと思います。
○衆議院議員(阿久津幸彦君) 現在、多くの発注者において、経営力等に着目して企業をランク分けし、そのランクに応じて入札に参加できる工事規模が決められております。技術力の重視は、それぞれのランクごとに不良不適格業者を排除し、適切な施工能力を持つ企業による競争が行われることを目的とするものであり、ランク区分を変更するものではないことから、大企業に仕事が集中するものではないと考えております。 なお、技術的能力の審査に当たっては、競争制限的な要件の設定とならないようにするとともに、審査結果等を公表することにより透明性を確保していくことが必要であると考えております。さらに、技術審査において、公共工事の品質には中小企業の持つ多様な技術というものも念頭に置きつつ、本法第三条第二項において「価格以外の多様な要素をも考慮し、」という文言を加え、まじめな中小業者の日々の努力が正当に評価され契約がなされるよう配慮したところであります。 いずれにせよ、まじめな中小の優良業者が排除されぬよう、しっかりと運用面のチェックを続けていきたいと考えております。
○仁比聡平君 そのお話が本当にしっかり現場でされていくように強く求めておきたいと思うんですね。 もう一つ、大臣にお伺いをしたいんですが、競争参加者が限定をされるという方向になると、今日も議論が出ておりますけれども、結果として談合がしやすい環境が生まれるんじゃないかと私は懸念をしています。今まで政府が取り組んできました入札契約適正化法やあるいは入札や契約の適正化に関する指針、その中では談合、不正行為の徹底排除ということが当然方向として盛り込まれてきたわけですが、これに逆行するのではないかと思いますけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(北側一雄君) いずれにしましても、談合等の不正行為はあってはならないことであると思っております。 これまでも、今委員が御指摘のように、様々取組をしてまいりました。ただ、今回のこの法律が成立をいたしますと、発注者の方が判断をしなければならない事柄が大変多くなってまいります。そういう中で公正さというものをきちんと確保していくことが非常に重要でございますので、より一層透明性の確保等に努めていく必要があるというふうに思っているところでございます。 情報公開の徹底を図る、また入札監視委員会等の第三者機関を積極的に活用する、また建設業者からの苦情処理制度等をしっかり活用する等々をしっかり執り行うことによりまして、談合等の不正行為の防止の徹底を図ってまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 私は、公共工事に品質確保が必要だということは、これはもう当然のことだと思います。それはもう議論の余地がないだろうと思うんですけれども、これまでも国土交通省も、先ほどお話のあったように、入札契約適正化法やあるいは指針という中でこの品質確保の問題でも対策をしてこられたわけですね。なぜそれだけでは不十分なのかというところ、つまり根本的なところにメスをしっかり入れる必要があるのではないかなと私は思います。 その根本問題の大きな一つは、手抜き工事やその背景にある大手ゼネコンから下請、孫請、そして現場で働く労働者という重層的な下請構造の中で、その現場の業者や労働者に負担が押し付けられているというところにあるのではないかと思うんですね。ですから、私たちは直接工事を施工する業者の対価あるいは労働者に対する適正な労務賃、これがきちんと支払われるようにということを基本理念に盛り込んでいただきたいということを衆議院でもお願いをいたしました。 それで、ちょっと率直にお答えをいただければと思うんですが、衆議院段階でこの内容を法案に入れることは委員長も先ほど御紹介いただいたように検討いただいたんですが、これが盛り込まれなかった理由、これをお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(阿久津幸彦君) 民間部門における賃金等の労働条件については、公共工事に係るものであるか否かにかかわらず、基本的に個々の労使当事者が取り決めるものであり、その際の適正な労働条件については労働基準法を始めとする労働関係諸法によって規定されております。 このため、公共工事の品質確保を図ろうとする本法案においては、工事の適正な対価の支払及び労働者の賃金の確保についての規定は設けなかったものですが、本法案では、建設産業の特徴である元請と下請という重層的な関係を踏まえ、その適正化のために、第三条第六項において請負契約の当事者が公正な契約を締結し、これを履行する旨を規定しているところであります。 御指摘の点は、恐らく入契法成立の際、参議院において附帯決議に盛り込まれた、建設労働者の賃金、労働条件の確保が適正に行われるよう努めることとする文言が本法では衆議院の決議の中に盛り込まれなかった、あるいは修正の中に盛り込まれなかったことを指していると推察しているんですけれども、私の個人的な見解を述べさせていただければ、入契法に述べられているからあえて入れる必要はないとする考え方はあるとは思いますが、強調する意味で御指摘の点を衆議院の決議等に加えてもよかったのではないかと考えております。
○仁比聡平君 公共工事に当たって発注者がきちんと労働者の賃金に責任を負うべきだというのは、これ、私は多くの皆さんの共通の願いだと思います。例えば全建総連を始め公共事業にかかわる労働者団体が全国でこの方向での法や条例の制定を目指して取組をされまして、つまり公契約法というルール作りですね。国や自治体が公共工事や委託事業を民間業者に発注する場合に、この事業に働く労働者の賃金を適切に確保させたいということなんですね。これ、ILOでも一九四九年にその旨の条約が制定をされて世界の大きな流れになっていますし、我が国見ましても、ここ三年振り返ってみて、このようなルールの制定を求める意見書が、全国の自治体で七十八の意見書に上っているということなんです。 そこで、大臣にお伺いをしたいんですけれども、この公契約法のルール、これ、是非今こそ作るべきではないでしょうか。
○国務大臣(北側一雄君) 民間部門における賃金等の労働条件につきまして、これは公共工事に係るものであるかにかかわらず、その基準というのは労働基準法で定めているところでございまして、その労働基準法等の法規の範囲内で当事者間の自主的な取決めにゆだねられるというふうに認識をしているところでございますが、しかし、やはりいい仕事、いい工事をやっていただくためには、今委員がおっしゃったように、この事業を担っていただいております建設労働者の雇用、労働条件の改善を図るということは極めて重要であると考えております。 建設業法等にも様々そうした現場の労働者の方々の雇用、労働条件の改善に向けての制度があるわけでございまして、それをしっかりと運用するとともに、厚生労働省とも十分な連携を図って、建設労働者の一層の雇用、労働条件の改善に努めてまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 不況の下でのダンピング競争、その中でのコスト削減、これが末端の現場の事業者や労働者にしわ寄せをされている。そこで賃金や労働条件が削られる中で、技術を持っている技能労働者の確保に困難が生まれたり、あるいは若年労働者、つまり後継者の確保や育成がままならないと、そういう事態が放置をされたままで工事の品質だけが確保されるということは、私はできるはずがないだろうと思うんですね。 その点を今後しっかり皆さんに検討もしていただきたいし、私も是非求めていきたいということを申し上げて、質問を終わります。
○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。 去る三月の二十日に十時五十三分ごろ発生をいたしました福岡県西方沖地震に対して、北側大臣を始めとして、国土交通省の方々の御努力と関係者の皆さんの御協力に対して深く感謝を申し上げます。 なお、地震の性格上でしょうか、港が大変やられておりまして、岸壁、漁港というんでしょう、そこが大変な被害でございまして、予算も大変要ることだとは思いますけれども、あえて国民の生活が懸かっている、漁民の生活が懸かっているということでございますので、引き続きひとつどうか御配慮と御指導をよろしく大臣にまずは申し上げておきたいと思います。御期待を申し上げておきたいと思います。 そこで、この法案についての質問に入りますが、技術的能力と受注の関係についてお伺いをいたします。 価格が安ければだれでも受注できるという従来の仕組みを根本的に変えようとするものですが、価格以外、例えば技術力が伴わない者には受けさせないということでもありますし、第七条の「技術的能力」はどの部分を指して、どのような技術を要求するのでありましょうか。また、これにより中小企業、中小建設業にとって受注のハードルがこれまでより以上に高まる可能性があると思いますが、いかがでございましょうか。
○政府参考人(峰久幸義君) 国土交通省におきます技術的能力の審査は、今具体的に技術的能力として、企業や配置予定の技術者につきまして発注しようとする工事と同様の工事の施工経験があることや、あるいはその工事成績について審査、判断しております。そういうことで、この技術的能力というのはその工事の内容、規模等に応じた適切な技術力を有しているかどうかと、こういう企業を選定するということだというふうに思っております。 それと同時に、中小企業の受注のためのハードルが高くならないかという御指摘でございますが、これは、国土交通省におきましては、経営力等の審査をし、企業をランク分けして、そのランクに応じて入札に参加できる工事規模等を定めておりまして、技術的能力の審査はこのランクごとに行っておるものでございます。そういうことで、ランクの区分を変更するものではありませんので、中小建設業者にとってハードルが高くなるということはないというふうに考えております。 なお、技術的能力の審査に当たって、競争を制限的な条件の設定とならないようにすると同時に、そういうふうな審査の結果については公表するなどで透明性の確保をしていく必要はあると思っております。
○渕上貞雄君 次に、先ほども同僚議員の方から質問がございました公契約の制定の問題についてでありますが、契約段階で、今も申し上げましたように、価格が低ければ低いでいいと、そこが受注していくということに今往々にしてなっているものですから、やはり私はこのILOの第九十四号条約、それは先ほどもお話ありましたように一九四九年、昭和二十四年に採択されたものでありまして、現在は五十八か国が条約を承認しているようでありますし、日本はまだありませんし、公契約法を一言で言えば、公共工事において労働者の賃金、労働条件を決めて、その決めた内容が実際に労働、現場労働者に適用されるということでございますけれども、今こそこの公契約法の制定が必要だと思いますが、見解はいかがでございましょうか。
○政府参考人(丸山博君) 先ほど大臣からもお答えしたところで恐縮でございますが、我が国におきましては、今先生御指摘になりました公契約における労働条件に関する条約を批准しておりません。 批准していない理由でございますけれども、これも先ほど大臣から申し上げたところでございますが、公契約の下における労働であると否とを問わず、民間部門における賃金等の労働条件については、労働基準法等に定める法定労働条件に反するものは別として、個々の労使当事者間で自主的に取り決められてきており、政府がこれに介入することは適当でない、こういう理由に基づくものでございます。 だからといって、労働雇用条件改善を図ることが大事でないと言っているわけではございませんで、そこは非常に大事だというふうに私どもも認識しておりまして、今後とも建設業法に基づきます制度でございますとか、あるいは労働行政を所管しております厚生労働省とも密接な連携を取りながら建設労働者の一層の雇用労働条件の改善に向けて努力してまいりたいというふうに思っております。
○渕上貞雄君 次に、共通仕様書の違反問題についてお伺いをいたします。 先ほどの議論でも明らかなように、安かろう悪かろう、これをやめたい、できるだけ公共工事における質の確保をやりたいというのがこの法案の目的だと、こういうふうなお話がございました。私は、さきの予算委員会で、新潟中越地震震災復興工事生コン問題についてお尋ねをいたしましたが、その後新たな事実が出てまいりまして、再度お尋ねをするわけですが、予算委員会での答弁もございましたが、生コンの品質確保のためにはマル適制度の工場から購入するようになっておりますけれども、どうも工事契約を定めた共通仕様書に違反をした工事を震災復旧工事で行ったゼネコンがあるというふうに聞いております。本来なら、違反、契約違反である以上工事のやり直しを命ずるべきだと私は思うのでありますけれども、このような事実が把握されておるかどうか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(峰久幸義君) 不特定多数の国民が利用されるコンクリート構造物についての長期間にわたっての品質の確保は重要でございます。そういう意味で、国土交通省の工事におきましては、請負業者が一定の品質を備えた生コンを安定的に調達するために、共通仕様書でその事項を定めております。 具体的には、生コン業界におきましてより高い品質の確保を目的としたマル適制度を運用されていますので、この制度に合格しているものにつきまして、また、かつJISマークに適合していなければいけませんけれども、そういう工場から調達する生コンについては我々が確認することなく基準に合致するものとして取り扱っております。ただ、制度的なことで恐縮でございますが、品質が基準に合致しているかということを確認する手続を踏めば、マル適の制度に合格した工場以外からの調達も可能となっているわけでございます。 中越地震の復旧に関して国土交通省の発注工事についても把握しているかということでございますが、すべて把握できていないかもしれませんが、ほとんどの工事ではマル適制度に適合した工場から調達されておりますが、数件それ以外のものもあるというふうに聞いております。
○渕上貞雄君 もし、このようなことがあってはならないことでありますから、再発防止のために努力をいただきたいし、もし新たな問題として審査の結果そういうものが出てくれば報告願いたいと思っているところでございます。 次に、行政指導の問題についてお伺いをいたしますが、企業には営業の自由があることは百も承知でございますし、しかし、こうしたゼネコンが言わば買いたたきといいましょうか、生コンの製品、品質維持に努力する業界に水を差すような行為があっては私はならないと思っておるところで、大いに懸念をするところでありますが、ゼネコンにはゼネコンの言い分があるかもしれませんが、事災害復旧という将来にわたって高い品質維持が要求される工事に関しては、やはり生コンはしっかりとした協同組合の組織から購入をしていく、そして地域の生コンの価格の値崩れを誘うような行為はやはり慎んでいただくこと、そんな配慮をやはり国や県が心掛けるべきではないかと私は思います。このような観点からゼネコン並びに建設業界団体に対して指導をしていくべきではないかと考えますが、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(北側一雄君) 今委員の御指摘のように、品質の確保ということ、観点からは、このマル適制度の活用、しっかり図っていくということは重要であるというふうに考えております。また、これ手続を簡素化するという観点からもその方がいいわけでございます。 しかしながら、それを行政指導するかどうかという話になりますと、先ほども委員がおっしゃっておられましたが、これは請負業者の自主施工によってこの工事というのは、発注工事というのは行われているわけでございまして、資材調達も自主調達というのが基本でございます。生コンにつきまして品質が基準に合致しているかが確認ができましたならば、これはマル適制度に合格した工場以外からの調達も可能ということになるわけでございます。しかしながら、今委員のおっしゃっている御趣旨もよく理解できますので、マル適制度の活用はしっかり図っていきたいと考えております。
○渕上貞雄君 終わります。
○委員長(田名部匡省君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 本案の修正について仁比君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。仁比聡平君。
○仁比聡平君 公共工事品質確保法案に対する修正案を提出をし、その提案理由を説明をさせていただきます。 我が党の修正案は、第一に、同法第三条の基本理念に、公共工事の品質確保にあっては、建設産業の特徴である元請から下請という重層的な関係を考慮し、直接、公共工事を施工する事業者の対価及び作業に従事する労働者の賃金、労働時間などの労働条件を適正に確保することなどを内容とする趣旨を追加することです。 建設産業では、元請から下請業者に対し、少なからず単価の切下げが要求され、まともな賃金さえ払われないという現状にかんがみ、公共工事の品質確保には、直接、仕事を実施する下請業者の対価や労働者の賃金の適正な確保が不可欠であるからです。 第二に、十四条の発注者が高度な技術等を含む技術提案を求めた場合、予定価格を定めることができるとする趣旨の規定の削除です。 これは、予定価格が高度な技術提案をする事業者側の価格見積りによって左右され、大型ゼネコンなどの受注者が思いどおりの高値で受注する可能性があり、公共工事の適正な価格の確保を阻害するおそれがあるからです。 以上、二点について修正を求め、提案をいたします。
○委員長(田名部匡省君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。──別に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより公共工事の品質確保の促進に関する法律案について採決に入ります。 まず、仁比君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(田名部匡省君) 少数と認めます。よって、仁比君提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(田名部匡省君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、佐藤君から発言を求められておりますので、これを許します。佐藤雄平君。
○佐藤雄平君 私は、ただいま可決されました公共工事の品質確保の促進に関する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 公共工事の品質確保の促進に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一、公共工事の入札契約に関し、不良不適格業者の排除の徹底を図ること。 二、公共工事の入札及び契約の過程等に関して学識経験者等の第三者の意見を適切に反映する方策を講じるとともに、当事者の苦情に適切に対応するため、法的整備を含む検討を行うこと。 三、発注者による競争参加資格の設定に当たっては、新規参入企業の競争への参加が阻害されないよう配慮すること。 四、入札に参加しようとする建設業者が適切に評価されるよう、入札参加希望者登録制度における格付け及び経営事項審査制度の適切な運用に努めること。 五、施工体制の適正化を図るため、工程表及び施工体制台帳の発注者に対する提示が徹底されるよう努めること。 六、技術提案制度の運用に当たっては、発注者の自主性が尊重され、工事の内容に応じた適切な判断がなされるよう配慮すること。 七、体制が整っていない地方公共団体においても、技術提案に関する審査及び評価を適切に行うことができるよう配慮すること。 八、技術提案の審査の結果を踏まえて予定価格を定める場合においては、学識経験者の意見も踏まえ、適切に定めること。 九、適正な施工体制の確保、下請代金の適正な支払の確保等の観点から、施工体制台帳の活用、営業所への立入調査等により、施工の範囲や条件が明確な契約が締結され、下請代金の適正な支払が確保されるなど、元請企業と下請企業の関係の適正化に努めること。 十、公共工事の品質確保の一層の促進を図るため、瑕疵担保期間の延長、瑕疵担保責任の履行に係る保証の在り方などについて総合的な観点から検討を行うこと。 十一、公共工事に係る工事実績、評価等に関する情報の共有化のため、発注者支援データベースの整備に努めるとともに、その適正な運用の確保に十分留意すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ、各委員の賛同をお願いいたします。以上。
○委員長(田名部匡省君) ただいま佐藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(田名部匡省君) 全会一致と認めます。よって、佐藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、北側国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。北側国土交通大臣。
○国務大臣(北側一雄君) ただいま御決議のございました本法案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重し、関係省庁との連携を図りつつ、公共工事の品質確保の促進に努力をしてまいる所存でございます。
○委員長(田名部匡省君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田名部匡省君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(田名部匡省君) 下水道法の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。北側国土交通大臣。
○国務大臣(北側一雄君) ただいま議題となりました下水道法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 下水道の整備等により、公共用水域の水質は総じて改善傾向にあるものの、湾や湖沼などの閉鎖性水域においては改善が進んでおりません。したがって、その原因である窒素及び燐の流入負荷量を一層削減するため、下水の処理水質を向上させる高度処理を推進する必要性が高まっています。 また、近年、集中豪雨による浸水被害や、さらには下水道へのシアン等の有害物質や油の流出事故が多く発生しており、広域的な雨水排除を推進するとともに、事故発生時における措置の充実を図ることが求められております。 この法律案は、こうした状況を踏まえ、公共用水域の水質の保全、都市における浸水被害の防止等のため、下水道がその期待されている役割を最大限発揮できるよう、必要な措置を講ずるものです。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一に、公共下水道により排除される雨水のみを受けて、二以上の市町村の区域における雨水を排除する下水道を、雨水流域下水道として整備することができることとしております。 第二に、流域別下水道整備総合計画に定めるべき事項として、終末処理場から放流される下水の窒素含有量又は燐含有量についての削減目標量を追加するとともに、地方公共団体が、その削減目標量を超えて他の地方公共団体の削減目標量の一部に相当する量を削減する場合には、同意を得て、当該他の地方公共団体に費用を負担させることができることとしております。 第三に、特定事業場において一定の物質又は油が下水道に流入する事故が発生した場合における応急の措置及び下水道管理者への届出を義務付けることとしております。 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。 以上がこの法律案を提出する理由でございます。 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議よろしくお願い申し上げます。
○委員長(田名部匡省君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十分散会