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162回国会参議院2005/07/25

行政監視委員会 第9号

発言数
157
登壇者
36
会派数
5
開催日
2005/07/25

会議録

山口那津男公明党

○委員長(山口那津男君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十一日、紙智子君、島田智哉子君及び小林正夫君が委員を辞任され、その補欠として吉川春子君、岡崎トミ子君及び蓮舫君が選任されました。  また、去る十二日、森ゆうこ君が委員を辞任され、その補欠として津田弥太郎君が選任されました。     ─────────────

山口那津男公明党

○委員長(山口那津男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に政府参考人として、理事会協議のとおり、内閣官房内閣参事官猪俣弘司君外二十六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山口那津男公明党

○委員長(山口那津男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

山口那津男公明党

○委員長(山口那津男君) 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。  本日は、行政機関における不祥事案等に関する件について質疑を行うことといたします。  質疑のある方は順次御発言願います。

水落敏栄自由民主党

○水落敏栄君 自由民主党の水落敏栄でございます。  今国会における本委員会の質問は三回目でございまして、質問する機会を与えていただきまして誠に光栄に存じております。また、私の質問のために、大野防衛庁長官、また保坂経産副大臣、さらには福島外務政務官始め政府参考人の皆さん、御出席いただきまして誠に有り難く、御苦労さまでございます。  まず初めに、一昨日でございますけれども、土曜日の午後四時三十分ごろでありますが、千葉県北西部を震源とする強い地震が発生をいたしました。東京都の足立区で震度五強、東京、埼玉、千葉、神奈川の四都県の一部で震度五弱を記録いたしました。幸いにも人的被害は、福岡地震などに比べて、二十七人が重軽傷ということで少なくて済みましたけれども、不幸にしてけがをされた方々には心からのお見舞いを申し上げたいと存じます。また、首都圏に近いということで、土曜日にもかかわらず、JRだけでも千二百本が運休をして、また四十四万人にも影響が出ました。また、エレベーターが止まって救出要請が四十六件も出たと、こういうことであります。  実は、私もその被害を受けた、被害といいますか影響を受けた一人でありまして、千葉県のJR外房線の一ノ宮発四時三十二分に乗車をいたしまして、三分後に電車が止まってしまいました。途中の誉田駅に着いたのが地震発生から二時間後の六時三十分。千葉駅に着いたのが三時間後の七時三十分でした。この間、駅のアナウンスや車内放送は、地震の発生による運転状況、すなわちJRの内房線あるいは京葉線、総武線が全部止まっていると、こういう放送だけでありました。ようやく千葉駅の放送で京成線が復旧した、こういうふうな放送がありまして、八時三十分過ぎに、地震発生から何と四時間目にしてようやく超満員の電車で京成千葉駅を出発をしまして、午後十時三十分に宿舎に到着いたしました。何と一時間半ぐらいで着くところを六時間も掛かってしまった、こういうことであります。  私、その体験から思ったことは、乗客はJRの電車等が止まった場合、いかなる方法で自宅やあるいは目的地に行くのかと考えるわけでありまして、JRであれば、路線バスの運行状況とか、私鉄はどうなっている、地下鉄各線の運行状況はどうなっているか、あるいは高速道路を始め道路の状況はどんな状況なのか、こうしたことが知りたいわけでありまして、個人的にはこうした心理が働くわけでありまして、私は各駅での案内や車内放送で是非このような告知が必要だと思っています。まあ自分自身も携帯電話はありましたけれども、携帯ラジオも必要だなと身をもって体験をしたわけであります。  しかし、申し上げたように、このような災害に対して、住民の皆さんはテレビ、ラジオ等で情報が入りますけれども、電車等交通機関で移動中の方々は車内放送以外には情報が入らない。したがって、移動中の方々に対して被害状況とか交通移動の手段等々の告知は何らかの方法で速やかに知らせるべきだと、私はこういうふうに思いました。このことは告知しておりませんけれども、お答えは結構ですけれども、政府全体でかかわる問題でありますから、内閣府なりに委員長からひとつこういうこともお申入れをしていただきたいなと思う次第であります。  さて、与えられた時間も限られておりますので、早速質問に入りたいと思います。  私は、去る三月二十八日に開かれた本委員会におきまして対中ODAの事業内容についてお尋ねをいたしました。そして、対中ODA関連で東シナ海における海洋権益、特に中国の春暁ガス油田から平湖油ガス田を結ぶ輸送管敷設の事実とか、これ以上春暁ガス油田を開発を行うことは正に我が国の資源を盗掘されることであって、それはすなわち我が国の主権を侵されるもので、このことに対して我が国は中国にどのように対応策を講じていくのか等々の質問をさせていただきました。  政府は、昨年の十月に第一回目の日中局長級会議を開いたほか、本委員会の開かれた三月二十八日にも行われた外務省担当局長協議などの場で日本側がガス油田周辺の地下構造のデータ提供や開発の即時中止を要求してきましたが、中国側は応じておりません。  一方、我が党の海洋権益特別委員会は、中国側の行動を看過できないと、こうして三月二十五日に、この際試掘権設定と試掘実施を行うべきだと政府に提言しております。  そこでお聞きしたいと思いますけれども、この問題をめぐる日中局長級協議は、たしか五月三十日から三十一日に二回目の協議がなされていると思いますけれども、五月に行われた協議の主たる内容についてお聞かせいただきたいと思います。

福島啓史郎自由民主党外務大臣政務官

○大臣政務官(福島啓史郎君) この五月三十日、三十一日の日中局長級会合でございますけれども、双方はこの東シナ海をめぐります諸問題につきまして率直かつ突っ込んだ意見交換を行いました。原則的な立場にはなお隔たりがあるわけでございますけれども、お互いの立場についての理解は深まったというふうに考えております。  この協議では、三つの点、一つは中国によります春暁油ガス田などの開発問題、二番目に東シナ海におきます海洋境界画定に関する問題、三番目に共同開発の可能性につきまして議論したところであります。  日本側は、中国が進めております春暁油ガス田などの開発問題について特に重視しているわけでございまして、改めて試掘データなりあるいは物理探査等の関連情報の提供と開発活動の中止を強く求めましたが、結局、中国側はこれを受け入れませんでした。本件については引き続き中国に強く求めてまいる考えでございます。  また、境界画定に関する問題につきましては、我が国と中国側の立場の間には根本的な相違があるわけでございます。この問題につきましては、法律専門家による協議を行うことで合意をいたしたわけでございます。  また、本件協議におきまして、中国より暫定的措置としまして共同開発の提案がなされたわけでございます。これに対しまして我が国からは、対象水域が中国側の提案では中間線から沖縄トラフという日本側が主張している中間水域よりも東側の水域を対象とするということでございますので、その問題点を指摘して、その案では受け入れられない旨を伝えたわけでございます。  日本側としましては、今回の中国側の提案は交渉の出発点だというふうに理解しておりまして、今後日中双方において引き続きこの共同開発を通じて問題を解決する可能性について検討してまいりたいというふうに考えております。

水落敏栄自由民主党

○水落敏栄君 ありがとうございました。  今お話を伺いまして、また一連の新聞報道などを見ましても、一番問題であるのが我が国が主張する日中中間線の日本側にある資源が中国に盗掘されるということであるというふうに私は思います。  私が知る限り、国際海洋法条約は、沿岸国の経済的主権が及び、排他的経済水域、いわゆるEEZでありますけれども、これを沿岸から二百海里、約三百七十キロメートルと定めておりますけれども、東シナ海は日中双方がEEZを主張できる海域が重なっているために、日本は重なり合う部分の中間でEEZを分けようと主張しております。  一方、今お話がございましたように、大陸棚に対する沿岸国の主権的権利も国連海洋法上認められていることから、中国は、大陸棚が延びている沖縄トラフまで中国の権力が及ぶと、こう主張しているわけであります。  この日中境界線について、中国側との交渉経過といいますか、現段階で中国側はどう主張しているのか、お尋ねをしたいと思います。

福島啓史郎自由民主党外務大臣政務官

○大臣政務官(福島啓史郎君) お尋ねの中国側の主張でございますが、中国は、排他的経済水域と大陸棚の境界は相互に関連している問題であり、東シナ海における大陸棚の境界画定につきましては衡平原則によるべきであると。したがいまして、大陸と島の対比あるいは大陸棚の自然延長などの東シナ海の特殊性を踏まえ、中間線による境界画定は認められず、大陸棚については沖縄トラフまで主張し得るという立場を主張しているところでございます。

水落敏栄自由民主党

○水落敏栄君 まあ中国側の主張は変わっていないと、沖縄トラフまでが自国のEEZだと、こういうことだそうであります。  そうであれば、日本も中間線ではなくて二百海里を主張して、いわゆる日本側の沿岸から三百七十キロまでが排他的経済水域だと、こういうふうに主張して、春暁、天外天といった中国の一連のガス田開発が我が国の権益を侵しているという基本的な姿勢を主張しなければならないと思いますけれども、そこで、日中の境界線の画定について政府はどのような方針であるのか、お尋ねしたいと思います。

福島啓史郎自由民主党外務大臣政務官

○大臣政務官(福島啓史郎君) 先ほど中国側の主張を申したわけでございますけれども、これに対する我が方の主張でございますが、我が国は、この日中両国間で境界画定を行うべき水域は双方の領海基線から二百海里までの水域が重なり合う部分であると、その上で、衡平な解決を達成するために日中間の境界線は中間線を基に画定すべきであるという立場に立っているところでございます。  本件につきましては、平成十年から毎年開催いたしました海洋法の問題に関する日中協議等を通じまして、東シナ海におきます海洋の境界画定に向けまして協議を行ってきたところであります。昨年十月と今年五月に行われましたこの東シナ海に関する日中協議におきましても、東シナ海における日中間の境界画定につきまして我が国の立場を明確に主張したところであります。  こうした本件の法的な側面につきましては、先般の日中協議で法律専門家による協議を行うこととなりました。双方の主張に依然として大きな隔たりはありますけれども、政府としまして我が国の立場を明確に主張し、東シナ海への境界を画定すべく引き続き協議をしてまいりたいというふうに思っております。

水落敏栄自由民主党

○水落敏栄君 この日中中間線が一番私はやはり問題であると思っておりまして、このことの画定については、私は中国との交渉だけではなくて、国連の海洋法条約の整備やあるいは国連に日中の間に入っていただくなどして是非強力にこの解決に向けて進めていただきたい、交渉を進めていただきたい、このように思うわけであります。  そこで、一つ疑問に思っておりますことは、中国の、まあ中国名で言うのも私ちょっと引っ掛かるものがあるんでありますけれども、いわゆる天外天とか春暁とか断橋とか平湖といったガス田は、日本の主張する日中中間線の中国側であります、ですね、日本側ではないですね。このことを確認させていただきたいと思います。

福島啓史郎自由民主党外務大臣政務官

○大臣政務官(福島啓史郎君) 今、水落先生言われました春暁油ガス田、それから平湖油ガス田の構築物はいずれも日中中間線の西側、つまり中国側に建設されております。  ただし、春暁の油ガス田につきましては、その地下構造が日中中間線の日本側にまで、つまり東側にまで連続しているということが言われているところでございます。

水落敏栄自由民主党

○水落敏栄君 ちょっとですけれども、中間線の中国側であるということで、まあ安心をいたしました。  そういたしますと、中国は、中国が開発、操業しているガス田が中間線の中国側、西側ということは、中国は日本の主張する、我が国の主張する中間線を認めているということにもつながりますけれども、この点、政府はどのような見解をお持ちでいらっしゃいますか。

福島啓史郎自由民主党外務大臣政務官

○大臣政務官(福島啓史郎君) 中国側は累次、この春暁構造等の開発は中間線の西側で行っているものであり、中間線の東側水域の資源に影響しないと言い、また、中国はその主権的権利が及ぶ水域について鉱区を設定する権利はあるが、自制しており、実際の作業を行っていないなどと発言をしておりまして、中間線の東側水域での活動を自制しているという旨の説明をしているところでございます。  ただし、中国側は、東シナ海におきまして中間線を基に境界を画定することは受け入れられないと明確に述べておりまして、政府としましては中国側が我が国の主張を受け入れるよう、東シナ海におきます排他的経済水域及び大陸棚の境界画定につきまして中国側と引き続き協議を行ってまいりたいと考えております。

水落敏栄自由民主党

○水落敏栄君 中間線の西側でやっているということでありますけれども、しかしそれは自制しているんだと、こういう今御答弁でございました。しかしながら、排他的経済水域は沖縄トラフまでであると、このようにも主張しているわけであります。したがって中国は認めていないということでありますけれども、ところが、ガス田群が中国側にあるといたしましても、問題でありますのが春暁油ガス田であります。  この春暁油ガス田は日中中間線のわずか中国側約四キロにあるわけでありまして、そこで操業するということは正に地下でつながっている日本側の資源を吸い取る、吸い取ってしまう可能性が大であるわけであります。  中国は、さきの日中局長級協議で日本に共同開発を持ち掛ける一方で、現在春暁施設の建設工事を行っております。共同開発を持ち掛けている一方で春暁施設の建設工事を行っていると、そして今年の九月には生産を開始すると、こう言っております。言わば、表では共同開発をと言って裏では建設工事をと言っているわけでありまして、正に中国は国際信義が分からない国であると、このように私は思っています。そして、この日中中間線は国益につながるもので、我が国は絶対譲れない、このようにも思っています。  そこで、五月の協議では、東シナ海での日中の境界を画定させるために日中両国外務省の国際法・条約担当者らによる作業グループを設けることで合意したと、このようにお聞きしておりますけれども、作業グループはできたんでしょうか。できたとすれば、具体的にいつどこでどのように作業をしていくのか、お教えをいただきたいと思います。

福島啓史郎自由民主党外務大臣政務官

○大臣政務官(福島啓史郎君) この専門家会合でございますが、これは局長級会合と同時に開催するということで進めているところでございます。  次回の局長級会議でございますけれども、できるだけ早期に開催すべく、今、日中間で調整中でございまして、その際には併せてこの境界画定問題に関します専門家会合につきましても調整しているところでございます。

水落敏栄自由民主党

○水落敏栄君 是非、国際社会にその日本の主張が正当であるということを明確にするためにも、しっかりとして交渉を進めていただきたいなと、このように強く要望したいと思います。  ところで、政府は去る七月十四日に東シナ海の天然ガス田開発で帝国石油から申請が出されていました試掘権設定を許可したと、こうした報道がございました。本来ですと三十五年も前に申請されていたわけですが、今回の許可に至るまでの流れを説明していただきたいと思います。

近藤賢二資源エネルギー庁資源・燃料部長

○政府参考人(近藤賢二君) お答え申し上げます。  東シナ海におきます試掘権の設定につきましては、今年の四月十三日に出願人が試掘権の設定を特に希望する区域について処理のための手続を開始するということを決定をいたしました。その後、四月二十八日に帝国石油から特に希望する区域についての申請が行われました。その後、私どもの方で処理を進めてきたわけでございます。六月の九日に鉱業法に基づきまして関係都道府県知事への協議というのをいたしました。関係都道府県知事は鹿児島県知事及び沖縄県知事でございますが、それぞれ、鹿児島県知事から七月五日に、また沖縄県知事から七月七日に回答をいただきました。その回答も踏まえて審査を行いました結果、七月の十四日に、東シナ海の日中中間線の東側、帝国石油から申請のあった三つの区域につきまして試掘権の設定に係る許可を行うことといたしまして、その旨を帝国石油に通知したところでございます。

水落敏栄自由民主党

○水落敏栄君 分かりました。  ところで、その報道によりますと、試掘対象となる鉱区の一部は、我が国が主張する、今お話がございましたけれども、日中中間線に接しておりまして、中国が開発を進めております春暁とか断橋と中間線を挟んで隣接していると聞いています。  そこで、試掘権が付与された鉱区の場所と面積、鉱区名の由来についてお聞かせください。

近藤賢二資源エネルギー庁資源・燃料部長

○政府参考人(近藤賢二君) お答えを申し上げます。  今回試掘権の設定の許可を行いましたのは、やや細かくなって恐縮でございますが、北緯二十八度十分から五十分、東経百二十四度五十分から百二十五度四十分の範囲内の日中中間線付近に位置する三つの鉱区でございます。三つの鉱区の合計面積で約四百平方キロメーター、これは一区画三百五十ヘクタールの鉱区がございますが、それの百十八の鉱区について許可をしたところでございます。  また、今御質問のございました構造の名前でございますけれども、これは帝国石油が北から順番に名前を付けておりまして、今御指摘の、順番に申し上げますと、ちょうど春暁に当たる部分は白樺、それからもう少し北方の、北側の天外天に当たるところを楠、また、中国名は冷泉と言っておりますが、これを桔梗という名前で、それぞれ名前を帝国石油が決定をしたというように承知をしておるところでございます。

水落敏栄自由民主党

○水落敏栄君 鉱区名が白樺とか楠とか桔梗ということで、日本に由来の樹木に、有名な名前の木にちなんでおりまして、いい名前でよかったなと、こう思っております。  そして、私はできるだけ早く試掘してほしいと願うわけでありますけれども、試掘に至るプロセスはどうなるのか、試掘まではどのぐらいの期間が必要なのか、教えていただきたいと思います。

近藤賢二資源エネルギー庁資源・燃料部長

○政府参考人(近藤賢二君) 試掘につきましては二通りのやり方がございます。一つは、試掘権者が自らの費用負担で実施をする場合、それから二つ目は、国が試掘権者に委託をいたしまして国の調査として実施する場合があるわけでございます。  まず、試掘権者が自らの費用負担で実施する場合ということについて御説明を申し上げますが、試掘を実施するか否かということにつきましては、まずは試掘権者の判断になるわけでございますが、今回この試掘権の設定に当たります許可を与えた際に、試掘を実施する場合には前もって政府とよく相談するように帝国石油に求めたところでございます。  また、国の委託による試掘についてでございますけれども、現時点では国の委託により試掘を実施する具体的な計画はございません。仮に国の委託により試掘を実施する場合には、国が鉱業法上唯一の試掘を実施することを認めた試掘権者に対して国の調査として試掘作業を委託する、すなわち国が帝国石油に試掘作業を委託するという形になろうかと思います。  実際に試掘をすることになる場合には、いろいろな試掘の方法でございますとか操業上の危害防止に係る事項といったことを試掘の前に施業案という形で国に届け出る必要がございます。現実に試掘に至るまでの期間は、リグの、ちょうど試掘をするために穴を掘る、掘削の装置の手配等がございまして、様々な準備もございますので、一概にはなかなかどのぐらいかということは申し上げにくいところでございます。

水落敏栄自由民主党

○水落敏栄君 新聞等の報道によりますと、今お話しになったこととは、まあ若干関連性もありますけれども、これから帝国石油さんが登録免許税を納付して、そして計画書を九州経済産業局に届け出て、そして六か月以内に試掘に着手すると、こういうふうに報道しているわけでありますけれども、そういうふうにして計算をいたしますと、早くても来年の一月ぐらいに着手できるのかなと、こんな感じを受けるわけでありますが。  そこでお尋ねいたしますけれども、大体こういうふうな考え方でいいのかどうかということと、試掘から本生産までどのぐらいの期間が必要なのか、これをちょっと教えてください。

近藤賢二資源エネルギー庁資源・燃料部長

○政府参考人(近藤賢二君) 今御指摘のとおりでございまして、登録免許税の支払をいたしますと鉱業権の、試掘権の設定が確実に行われて原簿に載るわけでございます。その後、試掘をすることになるわけでございますが、例えばリグをどこからか借りてこなければなりません。そういう船を持ってきまして、そういう試掘をする専門の船を雇わなければいけないわけでございますが、そういったものの手配等もございまして、必ずしもどのぐらいでということは言いにくいわけでございます。ただ、その手続を含めていろいろと、できるだけそういうことについても私どもも目くばせをしながらいこうと思っておるところでございます。  また、試掘の手続も六か月という一つの目安があるわけでございますが、これはまた許可を延長することもできますので、そういった点についても帝国石油ともよくよく話を、相談をしていきたいと、こんなふうに思っております。  また、試掘が完了してから本格生産になるまではどのぐらい掛かるかという御質問でございますが、これもなかなか必ずしも幾らという事例はないわけでございまして、個々の事情によって異なるわけでございます。一般的には、試掘を終了しました後、その結果を踏まえて開発に移行するかどうかということを判断をいたします。生産に至るまでに開発計画の策定、それから、ちょうど掘るときの土台のような足場のところでございますが、プラットホームの建設作業等を行いますので、数年から十年程度が掛かるというのが通常でございます。  必ずしもぴったりではないわけでございますが、私どもの国内で、新潟県沖で岩船沖という実際にこういうようなプラットホームを造って掘削をし、資源を開発しているところがございます。この場合には約八年ほど掛かったというように承知をしておるところでございます。

水落敏栄自由民主党

○水落敏栄君 六か月ぐらいで着手できるということでありますが、しかし、着手してから本生産までは数年から十年ぐらい掛かると。今の岩船ですか、新潟沖ですね、そこでは八年掛かっていると、こういうお答えがございました。  そういたしますと、日中中間線からわずか四キロにある春暁油ガス田が今年の十月から操業を開始すると、こう言っているわけでありますから、あと、仮にもう急ぎに急いで五年後、六年後に操業を開始したとすれば、その間に中国側から海底資源が吸い取られてしまって、我が国が本格生産始めるときは空っぽになっているという、こうしたおそれはあるわけであります。  そこで、登録免許税だ、あるいは届出が必要だ、こうした手続上のことは、この際国益を重視して、簡素化といいますか、語弊がありますけれども、速やかにやっていただいて、早急にこの試掘ができるように万全の措置をしなけりゃならないと思いますけれども、この点、いかがでしょうか。

近藤賢二資源エネルギー庁資源・燃料部長

○政府参考人(近藤賢二君) 今御指摘の、特に春暁でございますが、これ中間線から四キロという御指摘がございましたけれども、私ども一番新しいデータで確認をしておりますと中間線から約一・五キロというように理解をしておるわけでございます。  今御指摘のように、中国側が先に取ってしまったら空っぽになってしまうではないかと、こういったこともありますので、私どもは、先ほど外務省の方からも御答弁を、福島政務官の方から御答弁もいただきましたように、まず開発をやめろということを中国側にも強く言ってきておるわけでございます。  さはさりながら、今御指摘のとおり、いろいろな手続をできるだけ早く処理をしなければいけないということで、私どもの方も処理手続を遅滞なく進めようということで努力をしておるわけでございます。この四月の末に帝国石油からの申請が行われて以降、処理手続につきましても遅滞なく進めてまいりまして、七月の十四日に試掘権の設定についての許可を行ったところでございます。  今後の問題につきましても、我が国の海洋権益を守るという観点から適切に対応していきたいと、このように考えておるところでございます。

水落敏栄自由民主党

○水落敏栄君 新しい事実が出てまいりました。春暁、中間線から四キロと思っておりましたが、今御報告いただきますと一・五キロしかないということでありまして、正にこれは我が国が生産を始めるころには全部地下資源が吸い取られているんじゃないかなと、こんなように私は思うわけであります。  原油など埋蔵資源の有無を調べるために三次元調査を行う船があるわけでありますけれども、我が国には一隻もない。ところが、中国は四隻も持っているわけですね。我が国は、申し上げたように一隻もないわけでありまして、その探査をするために、昨年、ノルウェーの調査船をチャーターして三次元調査を行いましたけれども、中国が我が国の中間線内で二次元調査、三次元調査を行っているんですね。であれば、残る有望な鉱区についても早急に調査を開始する必要があるんではないでしょうか。  今年度予算に調査船建造費の一部が計上されたようですけれども、その建造を待っていたんでは今回と同様なことになってしまう、私はそう思っています。尖閣列島の領有権の問題も絡んできますけれども、我が国としても、中間線以南は我が国の排他的経済水域であるということを示す必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。

近藤賢二資源エネルギー庁資源・燃料部長

○政府参考人(近藤賢二君) 今御指摘のとおり、私ども、昨年来、ノルウェーのランフォーム・ヴィクトリーという船を借り上げまして、中間線より東側、ちょうど中間線より右側でございますけれども、調査をやってまいりました。  その調査をやっていく段階で、やはりこれは三次元の物理探査をしっかりやる必要があるということで、昨年、予算査定時に、夏の概算要求には盛り込まれていなかったんですけれども、急遽財政当局とも協議をいたしまして、最後大臣折衝までして、三次元物理探査を行うための三次元の物理探査船の建造に係る予算をお認めをいただいたところでございます。  現在、その建造に向けた準備を進めておるわけでございまして、十七年度、十八年度で建造いたしまして、十九年度に艤装、船に設備を載せまして、またトレーニングをして、その後実行、実際に調査を始めるわけでございます。  ただ、その間、調査をしないわけではございませんで、三次元の物理探査船が建造されるまでの間につきましても、これはいろいろなものを借り上げるといったことも含めまして、我が国の周辺水域において調査を機動的に進めていこうと思っておるところでございます。  また、この中間線の東側水域につきましては、この昨年来の調査だけではなく、一九七〇年代以降、まず、ちょっとやや細かくなりますが、昭和四十七年から平成二年、また平成八年から平成十一年と二回に分けまして、これは二次元の物理探査でございますけれども、調査を実施をしてきたわけでございまして、こういったことも含めてこれからも適切に対応していきたいと、このように考えておるところでございます。

水落敏栄自由民主党

○水落敏栄君 政府としても、我が国の海洋研究にかんがみて是非早急にそのお取組をお願いしたいと、このように思います。  そこで、大変心配でありますのは、試掘に対する中国とのトラブルであります。  中国は自国の排他的経済水域を、申し上げたように、日中中間線のはるか東側の沖縄トラフまでと主張しているわけでありまして、今回試掘権が設定されたエリアで帝国石油が作業を始めれば、中国にとっては自国の水域での実力行使と、こう映るのではないかなと思います。  したがいまして、中国は我が国が試掘権を設定したということにすぐさま反応して、最新鋭の海上巡視艇を導入して、巡視海域を中国沿岸海域から天然ガス田開発を進める東シナ海まで拡大すると、このように新華社通信は伝えております。これは正に我が国を牽制しているわけであります。  そこでお尋ねしますが、帝国石油は政府から委託を受けて試掘作業を行うと、このように聞いておりますけれども、事実でしょうか。その場合、作業をする方々の身分はどうなるんでしょうか。また、使用する船舶の数、作業に従事する方々の人数はどのくらいの規模になるのか、教えていただきたいと思います。

近藤賢二資源エネルギー庁資源・燃料部長

○政府参考人(近藤賢二君) 先ほど御説明申し上げましたように、試掘につきましては、試掘権者が自らの費用で実施する場合と、それから、国が試掘権者に対して委託をして、国の調査として実施をする場合の二通りがございます。  仮に試掘権者が自らの費用負担で実施する場合には、試掘権者たる帝国石油が試掘を実施するか否か、まず試掘権者の判断になるわけでございますが、今回許可を与えた際に、試掘を実施する前には前もってよく政府と相談するようにと求めたところでございます。  また、国の試掘の実施の具体的な計画は現時点ではございませんけれども、仮に国の委託により試掘を実施する場合には、帝国石油に対して私どもが国の調査として試掘作業を委託するという形になるわけでございます。  その際の試掘の作業の規模についてでございますけれども、これは個々の事例により相当異なってまいります。ただ、一般的に、あくまでも一般的に申し上げますと、海上に設置するリグ、掘削装置でございますが、リグ、それから資材等の積卸しに必要なサプライボート数隻程度を用いまして、リグの上では五十人前後が作業に当たるのが通常のケースでございます。  また、委託作業に従事する者の身分につきましては、国からの委託の場合におきましても、国から試掘作業を請け負った民間企業の作業員という形になるわけでございます。

水落敏栄自由民主党

○水落敏栄君 ありがとうございました。  これは是非、作業をする場合は国の委託事業ということでしていただければなと私は思っております。そして、作業をする方々は今までの慣例によると五十人前後だろう、そしてこれはあくまでも民間作業員であると、このような見解でございますが、やはり先ほど申し上げましたように、私、心配するのは中国の阻止行動であります。漁船が何十隻も来て妨害をするとか、以前、同海域で地下資源を調べる探査船に中国の軍艦が近寄って威嚇したと、こうした事実もございます。  御報告のように、試掘は大変大規模な陣容になるわけでありまして、作業に当たる方々の安全確保、この安全確保が一番大切なことである、このようにも私は思っております。  そこで教えていただきたいのは、試掘を行う際に当然、中国の過激な阻止行動が考えられますけれども、こうした阻止行動による被害あるいは損害を想定して万全の態勢を取る必要があると思いますけれども、政府はいかがお考えでしょうか。例えば、海上自衛隊の護衛艦を出すことはできないでしょうか。教えていただきたいと存じます。

大野功統自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大野功統君) お尋ねの問題点の核心は、やはり作業の安全確保であると思います。  そこで私は、基本的な問題として二つばかりあるのではないか。まず第一には、水落先生御自らおっしゃっておられましたとおり、情報を共有すること、これは相手側の情報もさることながら、我が方、日本側の情報もきちっとお互いに関係各省で共有していなきゃいけない。その連携体制をいかにつくり上げておくか、これが第一の問題点だと思います。  第二の問題点は、情報だけ持っていても、いざというときに出動できなければ何にもなりません。だから、そういう場合に備えてきちっとふだんからそういう連携体制、各関係省庁が協力して、政府としていかなる対応を取るのか、こういうことをあらかじめきちっと考えておく必要がある。この二点がまず基本的に重要だと思っております。  そのことを申し上げた上で、自衛隊として、じゃどうするんだ、こういう問題点が御質問でございますけれども、まず第一に、自衛隊の対応といたしましては、今現在、警戒監視態勢というのをやっておることはもう先生十分御存じのとおりだと思います。ふだんから、東シナ海を含めて、我が国周辺の海域におきましては海上自衛隊の哨戒機、P3Cでございますが、P3Cによりまして警戒監視態勢を、活動を実施いたしております。必要に応じ所要の情報を関係省庁にお伝えする、これが一番大事なことではないかと、このように思います。  ちなみに、一日一回は必ず監視態勢を取っておることを申し添えたいと思います。  それから、御指摘のような状況についてもこのような自衛隊の警戒監視活動による協力を行うことは可能でありますし、それから非常に効果的ではないか、このように思っているところでございます。  もちろん、警戒監視のために海自の艦艇を、今度は護衛艦とおっしゃいましたので艦艇の話に移りますけれども、護衛艦を現場海域に派遣することは法律的には、法的には可能でございます。  そこで、自衛隊の、次は海上警備行動でございますけれども、海上警備行動、これは海上保安庁との連携協力によって行っておりますが、まず第一に、海上自衛隊は、まず保安庁、海上保安庁が一義的にはこの責任を負っているわけでございまして、そして、それがもし不可能である場合には自衛隊の方が、海上自衛隊の方が協力する、このようなシステムになっているわけでございまして、今、法律的に言いますと警戒監視態勢、これは防衛庁設置法五条でございます。それからもう一つは海上警備行動、これが自衛隊法八十二条、こういう体制になっております。  したがいまして、申し上げますと、護衛艦を派遣することは現法律の下でも可能である。その運用につきましては、情報を共有して、どういうふうにやっていくか、ここでしっかりと考えていかなきゃいけない、こういうことだと思います。

水落敏栄自由民主党

○水落敏栄君 ありがとうございました。  P3Cによる警戒監視態勢が毎日行われていると、こういうことで非常に安心はいたしましたけれども、また、護衛艦は法的には可能であるけれども運用については厳しいものがあるだろうと、こういうふうに私は受け止めをいたしました。したがいまして、場合によってはきちっと海上自衛隊が出動できるような法整備が必要だと思いますけれども、そのような法整備について政府の見解をお聞かせいただきたい、このように思います。

大野功統自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大野功統君) 御指摘の趣旨はよく理解できますけれども、ただいま申し上げましたとおり、法律的には警戒監視態勢、それから海上警備行動、こちらの方はもちろん海上保安庁と協力しながらやっていくわけでありますが、できるわけであります。そういう場合には、現場においては基本的に海上保安庁にしっかりと対応してもらう、自衛隊は航空機による警戒監視活動により協力することを基本としている、こういうシステムになっております。  いずれにしましても、関係省庁が協力して、先ほど申しましたとおり、連絡体制をきちっとする、情報共有体制をしっかりしていく、これが一番大切なことでありまして、現時点におきまして、先生のお言葉、御示唆でございますけれども、法律を改正してという必要はないし、それから現実的に必要がないわけでございますから、そういうことは考えていないわけでございます。

水落敏栄自由民主党

○水落敏栄君 現段階では海上保安庁にしっかりやってもらいたいと、こういうことと受け止めております。  そこで、海上保安庁の巡視船を出す等の措置を講じて作業の安全確保を図らなくちゃいけない、このようにも思うわけですけれども、試掘をする際に、その試掘する船舶が日本のものか、あるいは外国船を買い上げたものかで保安庁の警備の制限があるんじゃないかと、警備に制限があるやに聞いておりますけれども、その点についてはどんなふうになっているのか、教えてください。

石川裕己海上保安庁長官

○政府参考人(石川裕己君) 海上保安庁でございますが、先ほど防衛庁長官からもお話がありましたように、本件につきましては関係省庁としっかりと協力をしながら対応してまいりたいと考えておりますが、私どもとしては、現場において不測の事態が予想されるときは、海上保安庁として国際法及び国内法に基づきまして、巡視船艇等の派遣などによりまして警備などの所要の措置をとるというふうに考えております。  この場合に、今先生お話ございましたけれども、試掘船の国籍によりましてやや対応が違っております。試掘船が外国船である場合でございますが、この場合には、一般的に公海上にある外国船、こういうものに対しましては我が国の国内法令に基づく措置というものはとれないわけでございますので、私ども、試掘船を仮に保護するという場合には、妨害する船に対しまして当該妨害行為を中止を要求する、このような、などの措置をとることになると思います。中止を要求するということでございます。試掘船が日本国籍船である場合には、当該日本国籍船に対しましては我が国の国内法令の適用がございますので、したがいまして、この船の保護のために、私ども、国内法令に基づきまして必要な対策を取る予定、取ることとしております。  なお、今御説明申し上げましたのは試掘船の方の話でございますけれども、逆に試掘船を妨害しようとする船、これが外国の軍艦又は公船という場合にありましては、海洋法条約の第九十五条及び第九十六条によりまして、これらの外国の軍艦又は公船というものにつきましては当該旗国以外の国の管轄権から完全に免除されるということにもなりますので、これにつきましては、先ほど冒頭申し上げました試掘船が外国船、外国籍船の場合と同様に、妨害行為の中止を要求するなどの措置をとるということになろうかと思います。

水落敏栄自由民主党

○水落敏栄君 やはり作業員等の安全確保が一番大切なことでありまして、この今お答えの事柄につきましては後日の本委員会でもう一度私質問させていただきたいと思います。  で、実際の試掘を行うに当たりましては高度の政治判断が求められると思います。政府は、海洋権益関係閣僚会議、仮称でありますけれども、早急に設置すべきでありまして、同会議の下で政府一丸となって取り組むべきであると我が党は昨年六月と今年の三月に提言しております。このような国益にかかわる問題は各省ばらばらで対応するのではなくて、総理の下に関係閣僚が集まって意思決定を行っていくべきだと、このように思います。  最初の提言から一年が過ぎましたけれども、政府ではどのような現在動きになっているんでしょうか、お尋ねします。

猪俣弘司内閣官房内閣参事官

○政府参考人(猪俣弘司君) お答えいたします。  我が国の海洋をめぐります問題というのは当然国益に直結する問題であると、重要な課題であるという認識の下に、御指摘のとおり、政府全体として密接に連携調整して取り組むことが必要であるというのは当然のことでございます。  このような観点から、昨年夏でございますけれども、大陸棚調査・海洋資源などに関します関係省庁連絡会議というものを設置いたしまして、内閣官房のほかに防衛庁、外務省、文部科学省、水産庁、資源エネルギー庁、国土交通省、海上保安庁、環境省の次官、局長級に御参加いただいて取組の一層の強化を図ってまいりました。このような連絡会議、この会合は既に昨年八月、十二月、それから本年三月の三回にわたり開催しておりますが、いずれの会合におきましても官房長官が出席されまして、国益に沿った高い見地から関係省庁が緊密に連携協力して政府一体となって取り組むように指示を受けているところでございます。  また、今関係閣僚というお言葉ございましたけれども、必要に応じまして関係閣僚による打合せをしていただくことも場合によってはあろうかと思っております。  いずれにしましても、今後とも実効的な政府部内の連携強化を図りまして、海洋権益の確保に万全を期す考えでございます。

水落敏栄自由民主党

○水落敏栄君 是非、早急に立ち上げて協議をいただきたい、こう思います。  何回も申し上げておりますけれども、中国の春暁油ガス田等の開発、生産、これは我が国の主権が侵されると、私はそう思っておりますので、あらゆる困難を排除して早急に試掘して、早期生産に着手しなければならない、このように思います。  したがいまして、ガス田をめぐる次回の日中協議が八月にも開かれると、このようにお聞きしておりますけれども、政府はどのような方針で臨むお考えですか、お聞きします。

保坂三蔵自由民主党経済産業副大臣

○副大臣(保坂三蔵君) 本日、水落委員におかれましては時宜を得た問題としてお取り上げいただきまして、心から感謝を申し上げます。  本件に関しましては、先ほど来から御答弁申し上げてまいりましたとおり、昨年の十一月、第一回、そして本年の五月、第二回、事務レベル、いわゆる局長級会談を行ったわけでございます。  論点整理などは確かに進みましたが、こちら側の主張につきましては回答は返ってきておりません。したがいまして、第三回目を早急に開くべき必要性を感じておりますが、現在、両国間におきまして日程を検討中、調整中でございます。できるならば八月というお話でございますが、その件も含めましてまだ本席では御答弁できないことを大変申し訳なく存じております。  なお、今後この実務者レベルにおきます会合におきまして我が国政府が取ってまいります基本的な方針につきまして、この際申し上げておきたいと思いますが、一つは境界の画定の件でございます。  これはただいまも議論がございましたとおり、中国側が主張している議論と日本が主張している議論は相当な隔たりがあります。しかしながら、沿岸国から二百海里のいわゆる大陸棚の権原がその国に有するというのは、現在のほかの国の情勢、世界的な動向を見ましてもこれがプライオリティーが第一位の説になっております。中国が主張いたしますいわゆる大陸棚延長論はもう三十年前の古い理論なのでございますが、しかし現実に中国は南シナ海の南沙諸島などではこの論法を取っておりますので、非常に警戒を要するということでございますが、我々といたしましては主権的な権利を侵されないように、ちょうど折り合う、二百海里、中国、日本の二百海里が重なり合う部分の真ん中を中間線に決める、これが最も具体的かつ最終的な解決策であると考えております。  それから二番目でございますが、第一回目は十月でございました。二番目でございますが、現実に向こうはもう探査の、調査から既に生産活動に入ろうとしているわけでございます。そこで、我々といたしましては何度も、再三にわたりましてまず作業を中止してほしいと、この申入れをしております。それから、あわせて情報の提供も要求しているのでございますが、もう一向に答えてきておりません。このことに関しましては、我々といたしましては粘り強く話合いを続け、また要求を続けていかねばならない、このような思いでございます。  それから、最後でございますが、共同開発の問題、特にお尋ねございませんでしたが、二回目の実務者レベルの会合で中国側から提案がございました。このことは基本的に、原則的に排除するわけではございませんが、向こうの共同開発をしようという地域がいわゆる日本側が主張している中間線から東側、沖縄トラフまでの間ならば共同開発をしていいと、そして今の中国側のところはそのままおれがやるというような非常に得手勝手な主張でございますので、主権的な権利は私たち侵されるわけにはまいりません。このことに関しましてはそれでは結構ですと言うわけにはまいりませんので、しっかりと主張していく決意でございます。  なお、先ほど私ども、近藤部長から御答弁申し上げました構造の名称でございますが、ちょっと間違えて御答弁申し上げましたので、訂正をお許しいただきたいと思います。

近藤賢二資源エネルギー庁資源・燃料部長

○政府参考人(近藤賢二君) 済みません、一言。  先ほど私、楠を天外天と申し上げたんですが、誠に失礼をいたしました。楠というのは断橋でございます。ちょうど中間線の南側から春暁、それから天外天、断橋というところが並んでおるわけでございますが、春暁のところが白樺、それから天外天は中国寄りでございまして、やや構造上日本に掛かっておるところがあるわけでありますが、ここに日本名を付けてはおりません。その北に断橋という構造がございまして、これは日本側に掛かっておりまして、これを楠と名前を付けたわけでございます。  それからもう一つは、桔梗という名前を付けましたのは、これは中間線よりも完全に日本側ということでございまして、先ほど私、楠というのを断橋と申し上げるべきところを天外天と申し上げまして、誠に失礼をいたしました。

水落敏栄自由民主党

○水落敏栄君 今、保坂副大臣から日中中間線の画定、これが一番大事なんだと。ましてや、作業中止も申し入れるし、それから情報の提供も欲しいと、これも申し入れるというふうなお言葉をいただきました。誠に有り難いと思っております。  私は、我が国が試掘をすることによって独自の資源のデータを得ることができる、こうしたことによって中国と対等のテーブルに着けると、こう思っておりますので、試掘は必ず行うことを宣言していただきたい、このように思いますし、副大臣お話しのように、中国にガス田の開発中止をきちんと求めることが重要なことではないかと、このように思いますが、いま一度、副大臣としてのお立場としての御決意をお願いします。

保坂三蔵自由民主党経済産業副大臣

○副大臣(保坂三蔵君) 全く御説のとおりでございまして、中間線の西側一・五キロというのは、西側を計算してあちら側は試掘をし、そしてまた探査をした結果で生産をしようとしているわけでございます。したがいまして、我が国の主権的な権利からいいましたらば、中間線からの東側、ここにそれが近かろうと遠かろうと、私たちが試掘権を設定することは何ら問題がないものと思っております。  しかし、現実には中国側に作業の中止を申し入れております。こういう過程からいいまして、直ちにこれを国の委託によって作業を開始するか、あるいは帝石が自主的にやろうか、いずれにいたしましても非常に重要なセンシティブな問題でございますので、この辺りは急ぎながらもかつ慎重にやっていかなくちゃいけない。我々の中川大臣は、この東シナ海の中国と日本との紛争、紛争のある海から友好の海へ変えなくちゃいけない、このように何度も申し上げておりますので、このメッセージが中国に正確に届くことを強く期待しております。

水落敏栄自由民主党

○水落敏栄君 ありがとうございました。  今、経産副大臣もお話がございましたけれども、試掘について、外務省の言葉でありますけれども、同じようなことを言っております。これ以上日中関係を悪化させたくない、こうした考えから、中国との話合いにより東シナ海を対立の海ではなくて協力の海にする方向で努力すると、こんなコメントが出ておりますけれども。もっともなお話でありますが、高度成長を続ける中国はエネルギーについてはのどから手が出るほど欲しいと、こう思っておりまして、日中友好という美名の下に穏便にだけはなどと言っておれない状況だと私は思っております。  したがいまして、申し上げましたように、何度も申し上げましたように、我が国の主権の問題だけに毅然とした交渉を行うと、こう努力することを要望して、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

松岡徹民主党・新緑風会

○松岡徹君 民主党の松岡徹でございます。  南野大臣、ありがとうございます。  今日は私は、去る七月の一日に東京の地方裁判所である事件についての判決が出ました。懲役二年という、私自身も聞いて非常に厳しい判決が出たというふうに思っています。この事件の判決あるいは事件について様々教訓となるところがございまして、この事件に関します法務省の、法務大臣も含めまして、御見解なり考え方を聞かせていただきたいということであります。  それで、この事件でありますが、二〇〇三年、平成十五年に、五月ぐらいから始まったんですが、差別はがき事件が、舞い込むようになりました。匿名でございまして、だれが差し出したのかどうか分からないということであります。それで、この事件の概要でございますけれども、検察側の論告求刑なり等もございますけれども、どんなはがきが届けられたのかということでありますが、二〇〇三年の五月から始まって、これは一年半近くに、ずっと続くわけです。延べにして四百通ぐらいが届いていったわけであります。  この事件で犯罪事実として認められたといいますか、その一部を紹介しますけれども、脅迫文あるいは差別はがきなんですが、差し出しの相手は実際にいる人でございまして、おまえなんか綾瀬川に沈めてやると、おまえたちは豚殺しだということで、血も涙もない鬼以下のやつらやということですね。そして、えたはダニのように何かあるとすぐに集団で襲い掛かってきて、人間に迷惑を掛けるゴキブリやハエのような厄介でうるさい下等生物で殺す必要があると。部落民は焼き殺せばいいと。ごみ、ダニ、えた、ほんで実名を書いて、死ねと。そして、この事件の被害者となった実名を書いて、仮にU氏ですが、U氏を殺す会よりと。こういったはがきが二〇〇三年の五月からずっと連日のようにまかれていったんです。  これの判決の内容を見ますと、被害者が特定されたのが五名でございますね。これで判決の内容は懲役二年ということでありますが、量刑の理由のところで、差別表現を含む脅迫文言を記載したはがき等を郵送して脅迫した事実、あるいはその被害者の住んでいる周辺の、全く関係のない周辺の住民のところにこの被害者を誹謗中傷するようなはがきをまいた名誉毀損をした事実、あるいはこの被害者の名前をかたって他のところに差別はがきを郵送した署名偽造、同使用の事案ということですね。  この事件については、この被害者たちが告訴をしたわけでありますが、そのときの検察側の論告を見ましたら、我が国の憲法第十四条第一項は、すべての国民は法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により政治的、経済的又は社会的関係において差別されない旨規定しており、法の下の平等という理念、原則は基本的人権の尊重等と相まって我が国憲法の重大原則の一つとされていると。被告人の本件一連の犯行は、被害者らを一方的に差別し、同人らを脅迫、名誉毀損等したものであるから、我が国の憲法が定める重要な原則の一つである法の下の平等を根底から否定するものであり、我が国憲法に対する挑戦とも言うべき悪行であると、こういうふうに論告の内容も出ている。この犯人の人が昨年の十月に検挙されて、逮捕されたわけであります。それ以後数回の裁判が開かれて、七月一日に判決が出ました。結果は今申し上げたとおりであります。  これについて大臣のまず感想といいますか見解といいますか、というのを聞かしていただきたいというふうに思います。

南野知惠子自由民主党法務大臣・内閣府特命担当大臣(青少年育成及び少子化対策)

○国務大臣(南野知惠子君) 今先生の方から御紹介ありましたこの案件につきましては、本当に私自身も大変腹が立つ課題であろうかというふうに思っております。被害に遭われた方々、これだけ多くのはがきなどの投函を得て、又は聞くに堪えない言葉を発せられたということについては本当に遺憾であるというふうに思っております。  そういう意味においては、その方々の胸のうちを察し、そういう形を是非なくしていく方向に行かなければならない。人権という問題は、一番大切な課題であるというふうに思っております。

松岡徹民主党・新緑風会

○松岡徹君 ありがとうございます。  人権擁護行政といいますか、それの最高責任者である大臣から同じ思いとして怒りを感じていただいているということについては非常に有り難いと思います。  それだけではなしに、この事件は名誉毀損、脅迫等々でございます。その動機になったことが何であるのかという認識なんですね。その方法が名誉毀損あるいは脅迫をする動機あるいは道具といいますか、そういったものが何であったのかということについての認識をお聞かせ願いたいと思うんですけど。

小西秀宣法務省人権擁護局長

○政府参考人(小西秀宣君) 私の方からでよろしゅうございましょうか。

山口那津男公明党

○委員長(山口那津男君) 御答弁。じゃ、南野法務大臣。

南野知惠子自由民主党法務大臣・内閣府特命担当大臣(青少年育成及び少子化対策)

○国務大臣(南野知惠子君) 正確なところは存じ上げておりませんけれども、その根底にあるものはやはり差別意識であろうというふうに思っております。あってはいけない差別であろうとも思っております。

松岡徹民主党・新緑風会

○松岡徹君 あってはいけない差別、それが部落差別なんですね。今回の動機になったのが部落差別です。政府の審議機関であります同対審答申や一九九六年の地域改善対策協議会の答申でも今なお深刻な問題として位置付けられています。それは、今なおこういった形で部落差別が存在するということの事実があるからなんですね。  私は、名誉毀損や脅迫がいろんな方法で行われますけれども、差別自身も脅迫に当たるあるいは名誉毀損に当たるということの判決が出たということについては、私は歓迎をしたいというふうに思うんですね。そのことを大臣、是非とも理解をしていただきたいというふうに思います。当然、同じ認識だというふうに理解をさしていただきたいというふうに思うんです。  それで、問題は、どうしてこの事件を解決するかというところではもう一つ重大なことがあるんですが、この人は実はそれ以外にも様々なところに出しています。しかも、被害者と認定されたのが五人であります。この判決の中にも、あるいは論告求刑の中にも、被害者は相当多数に及ぶであろうということも論告の中にもございます。すなわち、被害者を特定しなかっても、その被害者は想像できるというところなんですね。そのことの認識を是非とも大臣にお持ちいただきたいというふうに思います。  そして、もう一つ大臣の考え方をお聞かせ願いたいのは、この人は、部落差別だけではなしに、何といいますか、この被害者の名前をかたって他の被差別の人たちにも差別はがきを送っているんですね。その判決の中で犯罪事実として出ていたのは、例えば差出人はこの被害者の名前を使っています。大臣も御存じだと思いますが、ハンセン病回復者の人たちの黒川温泉の宿泊拒否の問題がありましたですね。あのころであります。  熊本恵楓園という療養所、ハンセン病療養所があります。そこに彼はどんなはがきを送っているかといえば、おまえたちハンセン病にかかったやつらはハンセン病発病の時点で人間ではなくなった。ダニやゴキブリやハエやノミやシラミやウジ虫よりもばかであほでうざったくて汚い下等単細胞生物になったのである。あるいは、ハンセン病、おまえたちふざけたことをするのもいい加減にしろ、本当に承知しないぞ。どうして何も悪いことをしていないアイスター、すなわち宿泊拒否をした旅館ですが、アイスターのホテルに三日間の営業停止や略式起訴なんてふざけたことがされなければいけないんだよという、こういったはがきをずっとハンセン病のその菊池恵楓園のところにこの被害者の名前をかたって送るんですね。あるいは、障害者団体のところにも同じようなことを送ります。あるいは、在日外国人の団体のところにも送ります。すなわち、今回の判決は、そういう意味では五人の被害者に対する犯行に対する判決なんです。  しかし、この事件は、論告求刑のところにもありますように、被害者は多数に上るであろうというふうに言われています。同時に、ハンセン病の人たちやあるいは障害者の人たちや、そういったところにも送られています。これは大臣はどういうふうに感じられますか。

南野知惠子自由民主党法務大臣・内閣府特命担当大臣(青少年育成及び少子化対策)

○国務大臣(南野知惠子君) 今先生がお話しになられたハンセンの方、その他いろいろな方の中で弱い方たちがおられると、社会的に弱者がおられると思います。その人たちに対して何のあれもなく差別扱いをするということは、これはけしからぬことだというふうに思いますし、その方々の人権をどのように守っていかなければならないかという人権擁護の課題というのが今早急に考えられていかなきゃならない課題だというふうに思っております。

松岡徹民主党・新緑風会

○松岡徹君 大臣からそういうふうに言われると非常に有り難いです。  私も実は被差別部落の出身でありますし、就職やあるいは結婚のときも自らそういう被差別体験をしておりまして、そのときに私は、今のような人権擁護といいますか、救済という議論が全く、まあほとんどなかった時代でありますから、救済を申し入れる場所もありませんでした。すなわち、泣き寝入りなんですね。そして、自らが希望する就職ができなかったという私も経験をしておりまして、やっとここまで議論がされるようになってきたと。しかし、一方でこういう厳しい現実があるということを見ると、私自身も非常に身を切られる思いでございます。是非とも大臣のその決意を忘れないようにお願いを申し上げたいと思います。  そして次に、この事件が起きたのは、先ほど申し上げたように、約二年ほど前の二〇〇三年、平成十五年の五月から差別はがきが始まりました。そして、その延べの枚数は一年半で四百枚を超える差別はがきがそういう形で全国にまかれました。その中で、この事件で被害者として認定されたのが五人。しかし、裁判の中で議論になった、この行為によって多くの被害者が想定できるというふうに言われています。しかし、いずれにしても、この五人の、裁判の議論によりまして、大事だと思うのは今申し上げた、いかにこういった差別をなくしていくためにも救済をしていくのかという課題であります。  そこで、法務省自身が、人権擁護行政というのがありまして、擁護局長、今日来ていただいております。この被害者の彼は、五月にそういうはがきがどんどん舞い込んできて、八月に、その年の八月に実は東京の法務局に人権侵害救済の救済申告をしておるんですね。それで、ずっと、行くところないですから、しかしまあ擁護行政、法務局、東京法務局の方に救済申立てをしていくわけであります。  私は、結果的に見ても、この間の法務局、特に人権擁護行政の、行政の対応はちょっと非常に軟弱といいますか、弱いんではないかという気がします。私、事前に擁護局の方にその事実の関係を教えてほしいと、どんな対応をしたのかということを聞かせていただきました。まだ、これでもまだ不十分でありますけれども、どんな対応をしてきたのか、ちょっとお聞かせいただけますか。

小西秀宣法務省人権擁護局長

○政府参考人(小西秀宣君) お答え申し上げます。  今、議員の方で御説明になったような経過をたどりまして、私どもの東京法務局の方が被害申告を受けましたのが平成十五年八月でございます。その被害の内容が重大な人権侵害でありますことから、被害者の方々から聴取を行うなど所要の調査を行いましたけれども、相手方が不明であるということで、相手方に対する説示や勧告、啓発といった措置をとることができないという事案の特殊性にかんがみまして、関係行政機関とも連携いたしまして、次に述べますような四つ、ほぼ四つの取組を行っております。  まず第一は、犯人の検挙については、浅草警察署に対しまして迅速かつ適正な捜査の遂行を数度にわたって要請をしております。一回は文書による要請を行っております。  次に、そういう被害者の方々を差別し、あたかも暴力集団に属しているかのようなはがきが被害者の方の近隣住民の方に送付されておりまして、これが名誉毀損ということになるわけですけれども、そういうことから、被害者に対するいわれない中傷、誹謗が生じることを防止する目的で、東京都及び区の人権担当者らとともに被害地域の自治会等に啓発活動、要するに人権についての啓発活動を行っております。  それから三つ目には、これは、この判決には載っておりませんが、この被害者の方々のところに犯人が差別はがきを送付するのみならず、注文しないような商品を送ったり、そういうこともしておりまして、そういう相談も出ておりましたので、そういう相談に応じるために法曹資格を有する弁護士さんの人権擁護委員を相談者として指名して、相談に応じていただきました。  それから四つ目にさらに、東京都住宅供給公社の機関誌、これは結局、その被害者の方がおられるのが都営住宅でございまして、それが幾つかございましたので、その近隣の方に先ほどのような啓発をすると同時に、その都営住宅を管理しております住宅供給公社の機関誌、これに啓発の宣伝をさせていただくということをしております。  以上のようなほぼ大きく四つの取組をさせていただいた上で、平成十六年十月に被疑者が逮捕されたという情報に接しまして、浅草署に対しまして適正な刑事処分を求めて告発を行うと。同時に、被疑者、被告人となった相手方から事情を聴取いたしまして、面会をいたしまして啓発をしておるというのが私どもの取組でございます。  以上でございます。

松岡徹民主党・新緑風会

○松岡徹君 私もこの被害者の人と話ししたんですね。事情も聞いてきました。  八月に第一回目の法務局に人権救済の申入れをしました。そのときに法務局は、お気の毒だができることは限られているというふうにこの被害者に答えておるんですね。あるいは九月にもう一度東京法務局に申入れをしに行ったんですね、話合いをしに行った。そのときの法務局の対応は、被害者の被害状況を聞くだけに留まって、具体的な回答は即答できないと。即日できないと。回答はもういつできるか分からないというふうに答えているんですね。  今、局長がおっしゃったように、人権擁護行政って一体何やと、何をしてきたんやと。被害者をまず守るという立場に立っているのかどうか。この場合は犯人分からなかったんです。犯人分からない。しかし、人権侵害の証拠といいますか、はがきは、あるいは行為は分かっているんですよ。でしょう。それで、だれが被害を受けているかというのも分かっておるんですよ。分かっておったんでしょう、法務局。なのに、周りに啓発ビラをまいて説得したと。  被害者は一体どういう状態に置かれているんですか。なぜ被害者に対してこんな冷たい回答をしたんですか。

小西秀宣法務省人権擁護局長

○政府参考人(小西秀宣君) 今、議員のおっしゃいました時期に被害者の方が私ども法務局の方へおいでになっておるということはそのとおりでございまして、ただそういう、今おっしゃいましたような、どういう言いぶりをしたかは私ども正確には把握しておりませんけれども、私どもが承知しておりますのでは、できる限りの対応をしたいというふうにお答え申し上げたということでございますが、ただ、私どもも任意の調査機関でございますので、なかなか御満足のいける対応ができなかったかもしれませんので、その点はおわび申し上げたいと思います。

松岡徹民主党・新緑風会

○松岡徹君 人権擁護行政というのは被害者の立場にまず立つということが大事なんですよ。このときは、彼らは、自らの名前を名指しで殺してやるというようなはがきが連日来るんですよ。しかも、その周りの、自分の住んでいる周りの人たちのところにも不特定多数で、あいつは部落民だ、あいつはえただ、殺してしまえというようなはがきを周りにまくんです。彼自身は身の危険を感じているんです。だから救済を求めている。  あなたはそのときに何をしたか。こんな事実を彼らは聞いたと言っているんです。こんな対応やったと、法務局に行ったらね。非常に冷たいというか、そういう対応やったと言うんですよ。結局、彼は何をしたかといえば、警察にも相談に行きまして、十月の二十一日に自らが警察に告訴したんです、犯人不明のまま。そして、法務省は告発したのは二十六日ですよね。でしょう。犯人逮捕された後ですよ。この間、被害者たちは法務省に、法務局、人権擁護行政に行って、告発してほしいと言っているんです。  皆さん方の中にある、人権侵犯事件調査処理規程というのがあるんです。これは法務省の訓令であるんです。その中に告発という行為があるんですよ。重大な事案の場合は、法務省が、人権擁護局が告発すると言っているんです。なぜ今回のとき告発しなかったんですか。

小西秀宣法務省人権擁護局長

○政府参考人(小西秀宣君) 今回確かに、議員おっしゃるとおり、告発をしましたのは逮捕後でございます。人権擁護機関としましては、人権侵害を行っている者を告発するに当たりましては、人権侵害を行っている者を特定した上で、事実確認を行った上で告発の措置を講じるのが相当と考えていたためであります。ただ、その前にじゃ何もしなかったというわけでもございませんで、誠に不十分かもしれませんが、その皆様方おいでのときに、必要の都度浅草警察署に説明し、迅速な捜査の遂行を要請しておりますので、そこのところはひとつ御理解いただければと思います。

松岡徹民主党・新緑風会

○松岡徹君 局長が不十分だと言うのは、僕らもそう思うんですよ。決して悪気があるとは思っていませんが、被害者の彼らにしたら、こういう事実がしっかりと客観的に存在していますし、彼らは、一番最初に自らの立場に立って相談を聞いて安心できるような立場がまず法務省の人権擁護局だと思うんですね。そこに駆け込んでも、しかしそういう対応だった。  彼らは最後に言っているのは、やっぱり一番頼りになったのは東京都あるいは区の行政なんですね。そして警察の対応だったんです。警察も、犯人が不明のままでも告訴を受け入れて、身の危険からその不安を取り除くような対応をしてくれた。だけれども、人権擁護行政は、擁護局は何もしていない。その辺についてはこたえ切れていない。それが不十分だと。まあ、やっていないとは言いませんよ、なぜできなかったのかということを私は明らかにすべきだというふうに思うんです。  これは、今日は時間ありませんから追及、今日のところはとどめますけれども、大臣がおっしゃっていただきましたように、やっぱりその決意を忘れないでいただきたいと思いますし、大変なことだと思うんですね。  しかも、人権擁護行政が行った対応については、この事件だけではないんですよ。実は七年ほど前に起きた慶応大学生による差別はがき事件も御存じですね。これも、判決自体、この大学生は逮捕されて有罪判決出ています。この場合、執行猶予付いております。このときにも出ていますよ。このことを、こういったことで、このような事件が広がる可能性があるということを予知しています、もう既に。すなわち、予防ということも、この人権侵犯事案調査等処理規程の中にも書いてあるんです、その観点から。  そういうことから考えると、なぜこんな四百通もあの時点で、彼らは、これ犯人は一回犯行を思いとどまっておるんです。しかし、また繰り返しておるんです。すなわち、広がるということ。もっと有効な手だてをやれば、四百通にも及ぶようなはがきは行かなかったというふうに私は思うんです。そういう反省を是非とも受け止めてほしいというふうに思います。だからこそ、今の人権擁護行政は、非常に人権侵害を受けた人を適切な対処するに当たっては非常に不十分だというふうにまず指摘をしておきたいと思います。  それと、後ほどまた次の法務委員会でもそのことについては細かくお聞きをしていきたいと思いますけれども、この判決出た後、判決の中でもですけれども、私はなぜ執行猶予が付かなかったのかというふうに思うんです。非常に厳しい判決です。私たち自身も差別を憎みますけれども、そういう差別を犯した人については、私は憎まないようにするべきだと。  むしろ、この人は年齢からしたら三十の半ばですけれども、おぎゃあと生まれたときから差別してやろうという意識で生まれた人はだれもおりません。しかし、この三十数年間の間に彼は間違った認識を植え付けられていくんです。すなわち、社会にある差別の、この彼は、彼自身も犠牲者なんです。私は思います。だからこそ、そういったものの認識を正していくということが大事です。判決の中にもあります。判決の中に、これは猶予ではなくて実刑なんです、この矯正教育を施すことが大事だと書いています。  そこで、私も先日も府中刑務所視察にも行かせていただきました。こういった場合の矯正プログラム、あるいはこういった人に対する矯正の在り方についてどう考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。

横田尤孝法務省矯正局長

○政府参考人(横田尤孝君) いわゆる差別に関する矯正教育プログラムの有無について取り急ぎ調査いたしました。その結果、同和問題や人権問題に特化したプログラムを実施している施設はございませんでした。  しかし、そうではございますものの、被害者の心の傷や苦境を理解させ、被害者の立場に立って自らの加害行為を考えさせる「被害者の視点を取り入れた教育」、これは矯正施設における処遇プログラムの一つの、処遇プログラムの名称でございますけれども、そういう被害者の視点を取り入れた教育といったプログラム等におきまして人権に関する内容を実質的に指導しているほか、部外講師による講演や各種の講座等におきまして、人を差別する心の卑しさや差別行為が人権侵害であることを教える内容のものを実施している施設、それから人権啓発に関するビデオ教材を視聴させている施設などがございました。  また、刑務所におきましては、面接等を通じまして、受刑者個々の犯罪に至る原因となった性格、行動傾向、物の見方、考え方等に見られる問題点に対する個別の働き掛けも実施しておりまして、例えば本人の差別意識が犯罪に直接結び付いているような場合におきましては、個別にその問題に対する指導を行い、改善を図っていくことになります。  行刑施設における教育内容につきましては、受刑者を健全な社会人として社会に復帰させるため、御指摘の観点も含め、様々な観点から検討し、今後ともその充実を図ってまいりたいと考えております。

松岡徹民主党・新緑風会

○松岡徹君 彼は、その裁判の間の供述のところで、なぜこういった考え方を持つように至ったのかということを彼は述べています。その中で、やはり周りの影響が強いです。すなわち、何の根拠もなしに、あそこの人たちと付き合ったらいかぬよとかいうようなことを植え付けられていく、あるいは最近のそういう出版物とか、あるいは、そういうメディアとまでは言いませんが、そういう他の様々な出版物の影響を受けるというのがあります。  私は、そのこともしっかりと受け止めていただいて、私はその矯正局の側の職員の皆さん自身がどれだけ部落問題について、同和問題について認識があるのかということです。すなわち、周りの人にたくさん影響されます。だれが彼を矯正するのか。物ではありません。やはり人だ。その人がどれぐらい部落問題の認識を、正しい認識を持っているのかということがいい影響を与えていくと思います。矯正局の中にあって、是非ともそういった専門的な矯正プログラムを作るためにも、職員の皆さんの学習や能力を高められるような取組を是非お願いを申し上げたいというふうに思っております。  時間が参りましたので、最後に、細かなところまで今日は申し上げられませんでしたけれども、是非とも最後に大臣にお答えを、決意をいただきたいと思うんですが、要するに、私たちは、この事件の教訓ということは、なぜこんなことが起きたのかという背景とかいうものをしっかりと受け止める、そのことは、再犯を防いでいこうあるいは予防していこうということにつながります。しかし一方で、こういったことによって多くの人たちが被害を被っているという事実にもしっかりと目を向けなくてはならないと思います。この事件の経過の中で、この被害を受けている人たちに有効な救済の手だてあるいは体制が私たちの社会にはまだ十分とは、整っているとは、十分とは思っていません。  そういう意味では、今問題になっている、これからのこういった人権侵害や差別からの被害者をどう救済するのかということを、大臣の、最後に決意を、見解をお聞かせいただいて、私の質問を終わりたいと思います。

南野知惠子自由民主党法務大臣・内閣府特命担当大臣(青少年育成及び少子化対策)

○国務大臣(南野知惠子君) 先生、もう御自分のことに触れながらいろいろと今論説していただいたかなというふうに思っております。私も、引揚者というようなことから、いろいろな被害に遭ったということも過去の体験の中からございます。  そういう中からどのように立ち直るかという本人の問題ということもあるでしょうけれども、やはり先生御指摘のように、環境をどのように整えるかということが一番大切だと思っております。そのような環境の最先端に立って法務省は何すべきかということになってくるだろう。先生御指摘のような職員に対する問題点ということもありますでしょうし、いろいろな啓発活動ということも我々通していかなければならないと思っております。  このような差別は絶対あってはならないことであるということを一番の基本にしながら、我々真剣に取り組んでいきたい、人権擁護の問題は人としての、人の道としての大切な課題であるというふうに認識いたしております。しっかりと頑張っていきたいと思っております。

松岡徹民主党・新緑風会

○松岡徹君 終わります。

岩本司民主党・新緑風会

○岩本司君 民主党・新緑風会の岩本司でございます。  まず、アフガニスタンの復興支援について外務省にお伺いいたします。  日本政府はアフガニスタン復興支援のために六百億円の支援を決めて、もう実行されているわけでございますけれども、この六百億円の内訳を御説明いただきたいと思います。

佐藤重和外務省経済協力局長

○政府参考人(佐藤重和君) アフガニスタンに対する復興支援について、現状を御説明をさせていただきます。  ただいまお話がございましたとおり、まず我が国、二〇〇二年の一月に東京で復興会議をやりまして、そのときに五億ドル、正に約六百億円という支援を表明をいたしまして、その後、追加支援ということも行い、コミットをいたしまして、現在まで総額九億二千万ドル以上の支援を実施をいたしております。  その内訳でございますが、和平プロセス、治安改善、それから復興支援、それから人道支援と、こういった分野にわたっております。和平プロセスに約一億二千万ドル、治安改善で一億五千万ドル、復興分野で約五億一千万ドルと、こういった内訳の支援を行ってきております。

岩本司民主党・新緑風会

○岩本司君 九億ドルでございますか。

佐藤重和外務省経済協力局長

○政府参考人(佐藤重和君) 現在までに総額で約九億二千万ドル以上の支援というものを行ってきているということでございます。

岩本司民主党・新緑風会

○岩本司君 ありがとうございます。  私、当初、六百億円というふうにお伺いしていたんですけれども、これはなぜ約一千億円まで膨れ上がったんでしょうか。

佐藤重和外務省経済協力局長

○政府参考人(佐藤重和君) 先ほど申し上げましたが、当初、二〇〇二年の一月に東京でアフガニスタン復興支援国際会議というものを開催をいたしまして、その会議におきまして、その後二年半で実施をすると表明をいたしましたのが五億ドル、約六百億円ということになろうかと存じます。その後にまた復興関係の国際会議等がありまして、追加のコミット等をいたしまして、それから、それ以前に行っていた人道支援等をすべて積み上げると先ほど申し上げたような額になるということでございます。

岩本司民主党・新緑風会

○岩本司君 その約一千億円の中で、私も平成十四年、三年前の行政監視委員会で道路工事を重点的にお願いしたいというふうに、当時、外務大臣いらっしゃらなかったんで植竹副大臣にお願いを申し上げまして、私も、アフガニスタンの戦争の直後に現地に行ってまいりまして、大統領、現大統領にもお会いしまして、また近隣諸国、イランのハラジ外相、またスポークスマンの御意見も聞いて、お隣の国のイランがアフガニスタンからの難民を受け入れて、パキスタンとちょっと違って、パキスタンは難民収容所で保護といいますか、そういう対応をされているんですけれども、イラン政府は社会に入れるというんですか、教育も与え、しかも職業も与えていると。そういう状況の中、現在はどうか分かりませんけれども、当時の、二年前ですと失業率が一六%まで膨れ上がった。ですから、アフガニスタンが早く復興してもらって、イランにいらっしゃる難民の方に早く帰っていただきたいと、そういう思いも込めて、イラン政府、外相、またスポークスマンからそのように、日本政府に、何とか、ちょっと今、地図をお持ちしましたけれども、ドガルーン—ヘラート間、この道路工事をお願いしたいとイラン政府から言われたんですね。(資料提示)  これ植竹副大臣にも確認しまして、その後、平成十六年に外交防衛委員会で大臣に、今もう大臣代わられましたけれども、大臣にこの質問をさせていただいたところ、九割近くこの道路工事は進んでいると。しかし、それは日本のお金ではないと。イラン政府が日本にお願いしたにもかかわらず、それを断って、イラン政府にお金を出させているというか、こういう現状で、私、六百億と聞いていたものですから、予算が足りなくてそういうことができなかったのかなとも思ったんですけれども、しかし、アメリカと日本が協力して、このアフガニスタンの周り、これ山手線のように、その下をアメリカと協力してこれ復興したと。あと、このタジキスタンとアフガニスタンのこの間の道路ですとか、そういうところには日本政府は国際協力銀行を通じて支援しているというふうに聞いておりますけれども。  なぜ私がこの道路にこだわるかといいますと、イランは天然ガスの埋蔵量が第二位なんですね。原油では第四位と。資源のない日本としては、ここは慎重に、また、人がやっぱり困っているときに助けないと、例えば昔の銀行で、僕は中小企業の代弁者でもあるんですけれども、困っているときにお金貸さないで楽なときにお金を出すような、雨が降っているときに傘を出さずに雨がやんで晴れているときに傘ありますよと、そういうような外交を私はするべきではないと思うんですね、それだけ余裕があるのであれば。  しかも、御承知のとおり、アメリカとイランの関係そんなにいいわけじゃないですよね。いいか悪いか、どっちかといったら悪い。日本は今までの信頼関係がありますからイランとはいいはずなんです。しかし、アメリカとのここ数年の関係をイランから見ますと、少しずつ離れていっているように私は感じているんです。日本の役割は、私は、イランとアメリカの仲介役を務めると。これ私、非常に大切だと思います。資源もありますし、私どもないわけですから、それは国益にまたつながりますから。大臣、御見解をお伺いしたいと思います。

逢沢一郎自由民主党外務副大臣

○副大臣(逢沢一郎君) 岩本先生から大変重要な対イラン外交の在り方について御指摘をいただきました。  言うまでもなく、イランは中東の大国でありますし、御指摘のように資源にも恵まれた、正に資源大国の一か国であります。日本にとって、日本とイランの二国間関係を安定的に発展をさせるということは大変重要なことでありますし、いみじくも先生御指摘のように、アメリカとイランの関係は大変厳しい状況が続いているわけでありまして、政治的には、戦略的には、特にそのことも念頭に置いた外交を多角的に、正に複眼志向で進めるということでなくてはならないというふうに考えております。  八月三日に正式にアフマディネジャード大統領が就任をされますが、新大統領がどんなイラン政治を進めるのか慎重に見極める必要もあろうかというふうに思いますが、しかし、様々な困難を乗り越えてアザデガンの油田開発権を日本は獲得をした、そういうことも念頭に置きながら、イランとの良い関係を発展をさせるということは日本にとっても大変重要なことであると認識をいたしております。  したがいまして、そういう認識の下、町村外務大臣が去年の秋就任をされてから既にハラジ・イラン外相とは三回も会談をいたしたわけでありまして、あらゆるレベルを通じて、特に政治レベルの高い水準での対話、会話を新大統領の下でも重要視をしていかなくてはならないというふうに考えております。  私自身も今年の一月にイランを訪問をいたしたわけでありますが、そういった政治面での高いレベルの交流、そして、幸いにも、最近、民間の動きを見ておりますと、イランに対する投資が右肩上がりで推移をする、そういう兆候が明らかになりつつありますし、また、テヘランにおきます日本の金融でありますとか商社でありますとか、そういった駐在の方の数も増える方向にあるということを耳にいたしておりますが、政府の立場からも間接的にそういった前向きの動きをフォローをしていきたいというふうに考えております。  また、イランについてやはり言及をしておかなくてはならないのは、やはり核開発のいわゆる広い意味での疑念にどう国際社会が対応していくかということであります。イランとEU、英国、フランス、ドイツの間でこの核のことについての対話が進んでいるわけでありますが、開かれた、また安全性が確保される、国際社会が疑念を持たない方向に結論を導き出していかなくてはならないわけでありまして、そのことについては日本は国際社会と共通歩調で対イランにその核の問題については強い姿勢で臨んでいく必要があろうかというふうに思います。  また、イラン、アフガニスタンの両国を念頭に置いた復興の問題、これも大変重要なことであると承知をいたしております。イランに対しては技術協力を中心としたいわゆる協力を行っておりますが、例えば今年度は水資源あるいは農業の分野を中心に開発調査を実施をいたしますし、また、イランは日本と同様に地震大国でございます。二〇〇三年十二月にバムの大きな地震がございましたが、そのときにも国際緊急援助隊の派遣をいたしました。また、総額二千万ドルを上回る支援も行ったわけでありますが、そういったことも含めまして、日本とイランの関係強化を図りながら、それをベースにある意味では中東外交を進めていく、そういう視点も大切かと思います。  最後に、今年の八月末には、かねて予定をいたしておりましたJICAのテヘラン事務所が開設をされる運びになっておりますが、それも一つのきっかけにいたしまして、委員を始め国会の先生方の理解と協力を得ながら強力に日本の対イラン外交を推進をしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

岩本司民主党・新緑風会

○岩本司君 副大臣、ありがとうございます。  引き続き、本当に困っているときに助けるような温かい、そういう、また国益につながる外交を実行していただきたいというふうに思います。  副大臣はもうお引き取りいただいて結構でございます。

山口那津男公明党

○委員長(山口那津男君) どうぞ、御退席いただいて結構でございます。  質問、お続けください。

岩本司民主党・新緑風会

○岩本司君 続きまして、郵政民営化の広報に関するスリード社との随意契約についてお伺いします。  これ、衆議院郵政特別委員会でもさんざん議論されておりますけれども、これだけ問題が大きくなっておりますので、行政監視委員会で取り上げさせていただきました。  予定価格一億六千百九十万九千四十二円、これはスリード社が提出した見積書の金額一億五千六百十四万四千五百九十二円、これを上回っているんですね。見積書の金額よりも予定価格がこれは上回っていると。この見積りよりも高い予定価格を立てるということは予算の無駄遣いそのものでありまして、法令面からいいますと、これは予定価格は適正に定めなければならないと、このことを規定した予算決算会計令第八十条の第二項、また第九十九条の五、これに違反するのではないかと思われるわけであります。  また、スリード社の提出されましたこの広告企画案、これが、マラケシュ条約を踏まえて作られました政府調達協定第十五条(b)及び国の物品等又は特定役務の調達手続の特例を定める政令、これ第十三条第一項第一号における排他的権利に該当するならば、これはもう衆議院で永谷内閣府官房長も該当するとおっしゃっていますけれども、これ完全なざる協定、またざる政令になってしまうと私は思うわけでありますけれども。永谷内閣府官房長は本日はお呼びしていませんけれども、繰り返しでもう時間だけが過ぎていきますから。企画書には著作権というこの排他的独占的権利が著作者に与えられると、こう解釈しているわけですね。こう答弁されております。これは内閣官房じゃなくて財務省に御見解をお伺いしたいと思います。

松元崇財務省主計局次長

○政府参考人(松元崇君) お答えいたします。  まず、予定価格がこの見積書の金額を上回っているという点に関してでございますが、本件につきましては個別具体的な事実を承知する立場にはございませんが、一般論として申し上げますと、予算決算及び会計令、いわゆる予決令第八十条第二項におきましては、「予定価格は、契約の目的となる物件又は役務について、取引の実例価格、需給の状況、履行の難易、数量の多寡、履行期間の長短等を考慮して適正に定めなければならない。」ことといたしておりまして、随意契約におきましても、予算決算及び会計令第九十九条の五によりまして、これに準じて予定価格を定めるということにいたしております。  このように、予定価格は種々の事項を総合的に勘案して適切に定めることとされておりまして、単に見積書の金額を上回ったことをもって法令に反しているということは言えないのではないかと考えております。  次に、議員御指摘のこのマラケシュで作成されました政府調達に関する協定第十五条1(b)における関係でございますが、同第十五条1(b)におきましては、産品又はサービスが、美術品若しくは特許権、著作権等の排他的権利の保護との関連を有するものであって、かつ、他に合理的に選択される産品若しくはサービス又は他の合理的な代替の産品若しくはサービスがない場合には、随意契約ができることとされております。  また、この政府調達協定の対象となります国の調達契約につきましては、いわゆる特例政令が制定されておりまして、同様の規定がなされておりますが、単に著作権が認められることのみをもって随意契約によることができるとされているわけではないということでございます。  なお、こういった要件に該当するか否かにつきましては、予算の執行を行う各省各庁の責任において判断することとされておりまして、本件につきましては、契約の詳細を承知する立場にはないことを御理解いただきたいと存じます。  しかしながら、随意契約の透明性、効率性を確保することは重要であると考えておりまして、財務省といたしましても、先般、各省各庁あてに通知を行いまして、随意契約の公表の対象を拡大し、再委託を原則承認制とするとともに、各省庁の内部監査におきまして随意契約について重点的に監査を実施するよう依頼したところでございます。  また、国の決算は会計検査院が検査することとされておりまして、個々の契約の法令適合性につきましては会計検査院において必要に応じて適切に検査されるものと承知いたしております。

岩本司民主党・新緑風会

○岩本司君 一言で言ってくださいよ。そんな何分も時間取って。会計検査院のでしょう、会計検査院の結果を報告して、それで判断するということ、最後にもう、初めにそれ言ってくださいよ、そんな。時間ないんですから。  それで、途中で何か、これは見積書よりもその予定価格が上回っていても、財務省としてお金どんどん出していいんですか、本当に。  もう次行きます。  内閣官房にお伺いしますけれども、この予定価格は何に基づいて決めたんですか。

岩崎達哉内閣府大臣官房参事官

○政府参考人(岩崎達哉君) お答えいたします。  本件のような民間からの斬新なアイデアに基づくものにつきましてはなかなか市場価格が存在しにくいということもございまして、スリード社の見積りを基に予定価格を作成をしたところでございます。なお、併せまして、企画制作でありますとか印刷等に掛かる価格につきましては、他の客観的な物価に関する資料、あるいは同種の事業がございます、それらの会社の単価などを参考にチェックをして作成したところでございます。

岩本司民主党・新緑風会

○岩本司君 はい、もう次行きます、もう。  もう一回、今度は内閣府大臣官房政府広報室にお伺いしますけれども、この契約先に対する支出の妥当性を担保するために、極めて重要な書類がこの検査調書なんですね。しかし、我が党にはこれまで提出された資料の中には折り込みチラシ、これが全国にきちんと配送されたことを示す証拠書類が添付されておりません。これ、本当に期日までに契約どおりに部数が配送されたのか、これ、ちゃんと確認したんですか。広報室、お願いします。簡潔に。

山本茂樹内閣府大臣官房参事官

○政府参考人(山本茂樹君) お答え申し上げます。  本年二月二十一日にスリード社から広告を実施した旨の報告がございました。配送センターの折り込み配布証明書の提出を受けましたので、私ども政府広報室で検査を行ったということでございます。

岩本司民主党・新緑風会

○岩本司君 そういう答弁だと思っていましたから、次に行きますけれども。  これ、予定価格を適正に定めていなかったり、先ほどの御答弁のように配送結果をきちんと、きちんと確認していないわけですから、その証拠書類がないわけですから。この場合に、予算執行職員等の責任に関する法律第三条、これに違反するんじゃないですか。これ、もう一度財務省の御答弁いただきます。簡潔にお願いします。

松元崇財務省主計局次長

○政府参考人(松元崇君) お答えいたします。  予算執行職員等の責任に関する法律第三条第一項におきましては、予算執行職員は、法令に準拠し、かつ、予算で定めるところに従い、その職分に応じ、支出等の行為をしなければならないとされているところでございまして、この予算決算及び会計令に違反する事実があったと判断されれば同条違反となるところでございます。  いずれにしましても、個別具体的な事実が会計法令等に違反したものか否かにつきましては、その詳細を承知する立場にはない点を御理解いただきたいと存じます。

岩本司民主党・新緑風会

○岩本司君 内閣府大臣官房会計課には、この根拠となる、何に基づいて決めたのか根拠となる資料を本委員会に提出していただきたいと思います。  また、広報室には、チラシがちゃんと、きちんと配送されたことを示す証拠書類がないんで、証拠書類を委員会に提出していただきたいと思います。  委員長、お取り計らいをよろしくお願いします。

山口那津男公明党

○委員長(山口那津男君) ただいまの件につきましては、後刻、理事会において協議いたします。

岩本司民主党・新緑風会

○岩本司君 次に、人事院にお伺いします。  懲戒の場合、これ国家公務員倫理法第三条、これに違反して、また国家公務員法第八十二条の懲戒に該当するんじゃないかと思うんですけれども、この国家公務員法第八十二条の懲戒の場合、ちょっとこれ読ませていただきますけれども、八十二条、「職員が、次の各号のいずれかに該当する場合においては、これに対し懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。」と。「一 この法律若しくは国家公務員倫理法又はこれらの法律に基づく命令に違反した場合」、「二 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合」、「三 国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合」、これに対しては懲戒扱いといいますか、懲戒に該当するんじゃないでしょうか。人事院、お願いします。簡潔に。

関戸秀明人事院事務総局職員福祉局長

○政府参考人(関戸秀明君) 今、先生の方で制度、法律をお読みいただきましたけれども、制度はそのとおりでございます。ただ、個々の非違行為に対して懲戒処分に付すかどうかというのは、任命権者において非違行為の動機なり態様なり結果等諸般の事情を総合的に考慮して責任を持って決定されるべきものというふうに考えております。

岩本司民主党・新緑風会

○岩本司君 で、会計検査院もしっかりお願いしてもらいたいと思いますけれども。  次に、もう時間ないんで行きます。社会保険庁のコンピューターシステム刷新の先送りについてお伺いします。  これ、七月十日付けの朝日新聞のウエブニュースで、社保庁はコンピューターシステム刷新を先送りし、改正分を優先で実施するとこれあるんですね。これ、刷新調査報告書では、千八百四十億円出せば全面構築でレガシー、これ旧型の大型コンピューターシステムですけれども、これからオープンシステムに刷新できるとあるんですね、千八百四十億円出せば。しかし、新聞の記事では千二百三十億円の費用が掛かると。  これはどうなんですか、大型コンピューターシステムからちゃんと刷新してオープンシステムに変わるんですか。それとも、今までの、旧来、古い大型のコンピューターシステムにこんな、先日も我が党の松井議員の質問でもあったように、天下りが横行してもうむちゃくちゃなやり方やっているのに、更に今までの随意契約で千二百三十億円という国民の血税を払うんでしょうか。  社保庁、お願いします。

村瀬清司社会保険庁長官

○政府参考人(村瀬清司君) 今御指摘の部分につきましては、先月末に公表いたしました社会保険業務に関する業務・システム見直し方針、この内容を報道されたものというふうに思っております。  具体的な中身でございますけれども、まず、三月末に御報告ありましたシステム刷新案、これ三案ございます。一案が現行システムの形態を維持しつつハードウエアの集約化を図る漸進型、それから二点目がシステムを全面構築する全面再構築型、それから三点目が全面再構築型と漸進型の中間的刷新案として部分再構築型、この三案が提案をされてございます。  そのときに、千八百四十億という金額でございますけれども、これが全面再構築案でございます。それから千二百三十億が、先ほど申し上げました中の全面再構築と漸進型の中間的刷新案と、こういう形になっておりまして、先般の報告書はこの三番を社会保険庁としては採用したいという形で考えております。  その中身でございますけれども、システムには三点の大きなシステムがございまして、記録管理システム並びに基礎年金番号管理システム、これにつきましては再構築をいたします。一方、年金給付システムにつきましては、現在、十六年度の年金法改正に伴いまして年金法改正絡みのシステムを開発中でございまして、それを見た上で、現行システムのまず品質向上を図りまして経費を節減を図る、その刷新案ができた後にこの部分については構築を図ると、こういう段取りで考えております。  したがいまして、御質問の中で、部分再構築案にいたしますと、先ほど申し上げました中で、記録管理システム、それから基礎年金番号管理システムにつきましてはオープン化を行い刷新をすると、こういう形になります。

岩本司民主党・新緑風会

○岩本司君 これ、大変大きな問題で、分かりやすく国民の皆さんに申し上げれば、家をもうがたがたになって新築しなきゃいけないのに、新築しながら同時にリフォームをしているような、これ本当に税金の二重の無駄遣いなんですけれども。  これ、財務省、もう時間ないんで、財務省と会計検査院に一言ずつ御見解というか、もうお願いを申し上げますけれども、こういう状況で本当にいいんですか、お金出して、財務省。また、会計検査院、これしっかり検査していただかないと、二重、三重の本当税金の無駄遣いにつながっていきます。国交省の天下りで逮捕者一杯出ていますけれども、この問題も社保庁に一杯天下りしているともう指摘されているわけですよ、ほかの同僚議員から。そういう状況の中で会計検査院、この千二百三十億円、これオーケーとか出しちゃ駄目ですよ、これ。  こういう状況の中、しっかり検討をしていただきたいと思いますが、一言会計検査院から御所見をお伺いして、終わります。

山口那津男公明党

○委員長(山口那津男君) 簡潔に御答弁願います。

増田峯明会計検査院事務総局第二局長

○説明員(増田峯明君) お答え申し上げます。  先生がお触れになりましたレガシーシステムの調達につきましては様々な問題が指摘されているところでありますし、そうした点を含め、去る六月七日に参議院の方から私どもに対して各府省等におけるコンピューターシステムについて国会法百五条に基づく検査要請がなされたところでございます。  私どもといたしましては、こうした状況を踏まえ、社会保険庁を含む関係府省におけるレガシーシステムの最適化に向けた取組状況等について厳正に検査を実施していく所存であります。その際には、ただいま先生が御指摘になった点も十分念頭に置いて検査を実施してまいりたいというふうに考えております。

山口那津男公明党

○委員長(山口那津男君) 財務省、簡潔に御答弁願います。

松元崇財務省主計局次長

○政府参考人(松元崇君) 御指摘のありましたレガシーシステムの刷新、この現在の財政状況の下で歳出削減という観点から無駄がないシステムにしていただく必要があると考えております。今後の予算編成過程におきまして十分議論させていただきたいと考えております。

岩本司民主党・新緑風会

○岩本司君 終わります。ありがとうございました。

松あきら公明党

○松あきら君 公明党の松あきらでございます。どうぞよろしくお願いをいたします。  まず、人事院にお伺いをしたいと思います。  ここ最近、五、六年で結構なんですけれども、国家公務員の外国の大学院への留学状況を御説明をお願いいたします。

藤野達夫人事院事務総局人材局長

○政府参考人(藤野達夫君) 平成十二年度から平成十六年度までの五年間で申し上げますと、長期在外研究員として派遣された者の総数は五百九十九名でございます。ちなみに、本年度、平成十七年度は百二十五名を派遣する予定でございます。

松あきら公明党

○松あきら君 それから、退職状況も併せてお願いいたします。

藤野達夫人事院事務総局人材局長

○政府参考人(藤野達夫君) 先ほど申し上げました平成十年度から平成十四年度の五年間で派遣しました者につきまして、そのうちの五百六人について、平成十六年の十月現在で、昨年の秋でございますが調査したところ、四十五名が復帰後五年間以内に退職をしております。

松あきら公明党

○松あきら君 私がなぜお伺いしたかと申しますと、先般の新聞報道でもございましたように、国家公務員が外国の大学院に留学した後辞めてしまった場合の費用の返還について、人事院が動かないために法制化が困難、こういった記事が掲載されていたんですね。まあ、国家公務員の方が希望した方全員が留学できるわけではないわけです。各省庁やはり選ばれた方、つまり、そのそれぞれの省庁で優秀だと言われる方数人が毎年留学できるというわけで、だれもかれもが留学できない。しかも、給与を除いて約千三百万円ぐらい掛かるというわけですね。それで留学をして例えばMBAを取ったから、あるいは修士を取ったからというので、そうした二、三年あるいは四、五年で辞めてしまっては、正に私は、その成果を国に還元しないうちに自己都合で辞める、これは大変遺憾であると。ましてこの千三百万、約ですね、これは国費、つまり国民の血税であるわけでございますので、やはりこれは非常に不公平でないかと。その費用を国に返還するのは当然だと思います。  その新聞報道によりますと、国費で海外留学をした若手のキャリア官僚が一人当たり約千三百万の費用を返還せずに早期退職するケースが続出をしていると、こういう問題があると。そしてまた、返還義務の法制化を検討している人事院が改善に二の足を踏んでいると、こう書いてあるんですね。後ほど総裁にこれ、お伺いいたしますけれども。これは労基法に抵触する可能性があるから二の足踏んでいるというふうに書かれておりますけれども、例えば防衛医大の卒業生はその授業料の返還義務を明記されておりまして、やはりこういうことを考えますと、やはり自衛隊法では例えば卒業生が、防衛医大の卒業生が卒業後九年未満で自衛隊を退官した場合、授業料の返還を義務付けているわけなんですね。  で、民間企業ではどうしているかといいますと、やはり民間ですから、まあ言葉は悪いですけれども、逃げ得されたら困りますので、やはりこれは留学費用を貸し付ける、シビアですから貸し付けるという方法を取っていて、もちろんその年数が決まっていて、それ、ある程度の年数以上企業に勤めていたら返済は免除という、そういうふうに決まりがそれぞれあるみたいでございます。  こうした考えを下に法整備をすれば、国家公務員にも労基法に触れずに返還義務を負わせることができるというふうにおっしゃっている法律家も、専門家もいらっしゃるわけでございます。  是非私はその法律が必要であるというふうに、早急に整備すべきというふうに思っておりますけれども、人事院総裁の御意見をお伺いしたいと存じます。

佐藤壮郎人事院総裁

○政府特別補佐人(佐藤壮郎君) 今委員の御指摘のように、そもそもが税金である公費を使って海外へ留学し、帰国してから公務にそれを還元しないままに早期に退職してしまう、しかもその後、留学費用の返還を求めても約半数がそれに応じていないという現状でございます。これはやはり大変問題であり、国民に強い批判があるのはこれは当然であると思います。  そこで、当面の措置といたしまして、平成十七年度の派遣者からは、帰国後も早期に退職しないこと、それから、やむを得ず五年未満に退職した場合には費用を、例えば授業料でございますけれども、それを自主的に返納することという言わば念書を取って派遣させるようにしたところでございます。ただ、これもあくまで自主的でございますので、これは当然効果は限定的であります。  それからもう一つは、やはり制度全体がやや不自然な形にこれなってしまっているということで、人事院といたしましても、この際、留学費用の返還の義務化、早期退職者についてはですね、義務化とともに、それから、ちょっとさっき先生から御指摘があったように、今、業務命令で、出張命令を出して留学させております。したがって返還を強制的にさせるということが難しくなっているわけでございまして、そこら辺の見直しを含めて法制化へ向けて検討するように今指示を出しております。  なるべく早急に成案を得たいと思っておりますけれども、関係方面との協議もございますので、しばらく時間をいただきたいというふうに思います。

松あきら公明党

○松あきら君 是非、人事院の皆さん、総力を挙げて、やはりこれは国費、つまり国民負担にならないように、逃げ得とならないように法整備の点をよろしくお願い申し上げます。  それでは、人事院の皆様は結構でございます。

山口那津男公明党

○委員長(山口那津男君) どうぞ御退席いただいて結構でございます。

松あきら公明党

○松あきら君 次に、サッカーくじについて御質問をさせていただきます。  こちらにいらっしゃいます北岡先生と本当に私は当時、ちょうちょうはっしとさせていただきまして、私もしつこい方でございますので、一度かかわった法律に関しましてはやはりずっとそれについて見てまいりたいと、こう思っておりまして、スポーツ振興投票、いわゆるtotoですね、このサッカーくじについてお尋ねをいたしたいというふうに思います。  サッカーくじは、スポーツの振興のために必要な財源確保の手段として平成十三年度に始まったわけでございます。サッカーくじの売上げは、制度スタート当初の十三年度こそ六百四十二億円に達しまして、この収益金を利用して翌十四年度には五十九億円がスポーツ振興に使われることになりました。一例挙げますと、地方自治体が地域のスポーツクラブの活動を支援するのに用いられたり、あるいはJOC、日本オリンピック委員会ですね、の選手を育成する財源になったりと、助成金は多くの団体に確かに喜ばれました、喜んでおられました。  ところが、その後、くじの売上げどんどん減っていきまして、平成十四年度は三百六十億円、十五年度は百九十八億円、そして十六年度は百五十五億円にまで落ち込んでいると報じられております。そのためにそれぞれ翌年度に交付される助成金の額もどんどん減っていきまして、十五年度は半分の二十七億円、そして十六年度は五億八千万円まで落ちちゃったわけでございます。これだけでも大変なのに、十七年度に至ってはわずか二億五千万円となりまして、助成を受ける団体の中には困惑しているところもあるというふうに伺っております。  サッカーくじの運営は独立行政法人日本スポーツ振興センターが行っておりますけれども、独立行政法人ですから中期計画を立てております。十五年十月に立てられたその計画の中では、十七年度の助成額は三十六億円と見込んでいたわけでございました。それが実際はわずか二億五千万円なわけでございます。  そもそもサッカーくじの存在意義はスポーツ振興のための財源確保にあったはずでございます。それが計画を大幅に下回る結果となっている現状ではその機能を果たしていないと言わざるを得ないのではないかなというふうに思います。このような現状をどのように認識をしていらっしゃるのか、文部科学省の御所見をお伺いいたします。

下村博文自由民主党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(下村博文君) 先生御指摘のように、このスポーツ振興くじはだれもが身近にスポーツを親しめる、そういう環境整備やあるいは世界の第一線で活躍する選手の育成など、スポーツを振興するための財源確保を目的として導入されたものでございます。  このことによりまして、平成十四年からは地域のスポーツの施設の整備、あるいは地域のスポーツクラブ活動、各種のスポーツ大会、あるいは国際的競技大会などを対象にいたしまして、御指摘のように平成十六年度までの三年間では二千八百八十二件、八十八億円の助成が行われてきたところであり、一定のスポーツ振興に役割を果たしてきたというふうに考えております。  しかしながら、御指摘のようにくじの売上げが年々減少してきておりまして、それに伴い助成額も減って、現在は十分な助成ができないという状況でございます。このように、くじの売上げ減少により我が国のスポーツ振興への貢献が小さくなっているということは非常に残念でございまして、売上げを回復させることが喫緊の課題であるというふうに文部科学省の方でも認識をしております。  このため、実施主体のスポーツ振興センターと連携しまして、様々な販売促進策を実施することにより売上げの拡大に努めていきたいというふうに考えております。

松あきら公明党

○松あきら君 御答弁願いましたけれども、ところでサッカーくじについてのお金の流れでありますけれども、売上金の四七%が払戻金に充てられております。残りの三五%から運営経費を差し引いた残りが収益ということでございます。収益の三分の一はまず国庫に納付され残りの三分の二が翌年度の助成事業に充当される。こんな仕組みになっているかというふうにただいまのお話でも存じております。  十四年度は売上げが三百六十億円で、その五三%は百九十一億円。一方、この年の職員給与、一般管理費、事業費の合計は百八十一億円だそうでございます。差引き十億円、これに時効収入等もあったりいたしますので実際の収益はもっと多いんですけれども、基本的にこれが国庫納付金やあるいは助成金に回るわけでございます。それが十六年度は売上げだけで百五十五億円ですから、その五三%となると八十億円ちょっとですね。これですべての経費を賄った上で、さらに少ないとはいえ国庫納付ですとかいろいろ助成金捻出いたしております。  これだけ聞きますと、センターの方でも随分頑張って経費を節減してきたのかなと一瞬思えてまいります。ところが、よくよく聞いてみますと、もちろん経費節減努力はしてくださっていらっしゃるんですけれども、実は経費の中にはtoto立ち上げのときに投じたシステム開発費用などがありまして、これ最初から私申し上げていた、コンピューターの開発のために経費が掛かりますよ。ですから、正直私は反対でございまして、当時、私ども公明党参議院は全員反対でございましたけれども、青少年に影響が出るのではないか、あるいはこうしたコンピューターの開発システムに巨大なお金が掛かるということで、これについても本当にどんどん右肩上がりで良くなっていくのかどうか疑問であると、これを申し上げましたところでございます。その償却のために十七年度までに毎年七十億円ずつ払わなければならないことになっているんですね。最近、政府のIT調達でも残債問題が指摘をされておりますけれども、それと同じ状況になっているわけでございます。  そして、本当ならば毎年支払わなければならない七十億円を十五年度からは払ってないんです。つまり、払えない、ないそでは振れないということですね。支払を待ってもらっている状況であります。そうして先送りをして何とかその年の経費を見掛け上抑えてきたという、こういう仕組みになっているのかなというふうに思います。  さて、今までこうやって先送りをしてきました初期費用でございますけれども、今年度でシステムを運営してきた会社との契約が切れてしまうので、これまでの未払分を含めた三年分の二百十億円をとうとう支払わなきゃならなくなりました。二百十億円というと、それだけで今の一年間のtotoの売上額を大きく上回るわけでございます。これだけの費用を一体どうされるおつもりなんでしょうか。まさか、ひょっとして国庫から税金を投入して救済するようなことがあり得るんでしょうか。私は非常に心配いたしておりますけれども、その対処方法についてお聞かせくださればというふうに思います。

素川富司文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。  先生今御指摘ありましたように、十三年から十八年の三月までの期間におきましてのシステム開発費、端末機の製造等につきましての、言わばその初期投資経費として三百五十一億円支払うということになっておりまして、これにつきましては日本スポーツ振興センターが償還を行っていくということになっているわけですが、十六年度末では二百二十四億円ということが残っているというわけでございます。  この償還の残額につきましては、今後、平成十八年度以降も含めまして、日本スポーツ振興センターにおいて、くじの業務経費の節約でございますとか売上げ向上の努力によりまして、できるだけ速やかにその償還を図っていくということになっているところでございます。今後ともその売上げの償還努力によりまして対応してまいりたいと考えているところでございます。

松あきら公明党

○松あきら君 今のじゃお答えにならないんですよ。これは与党とか野党じゃなくて、やはりどこから払うんですかと申し上げているわけでね。どこから払うんですか、お答えください。

素川富司文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(素川富司君) これは毎年度の経費として償還していくということでございます。ちなみに、十六年度におきましても九億円分につきましてこれを償還したところでございます。この分は経費の中に当然含まれているわけでございます。経費というのは、その売上げから経費を引いて収益を出す、その引き算する経費の中に当然その償還分というものが含まれているということでございます。

松あきら公明党

○松あきら君 償還分を払えればいいんですけど、計算上払えないからどうなさるんですかとお聞きしているわけで、まあこれ以上聞いても同じお答えになると思いますけれども。  一番心配していたことなんです、私どもが。ですから、もうこれサッカーくじをつくっちゃった以上、一つだけ私がただ、まあ少しだけほっとしているのは、このtotoをつくった、サッカーくじをつくって青少年に悪影響が出たら困る、これが一番大きな問題でございましたけれども、この点はまあそういう問題がないということで、非常にほっとしております。  けれども、せっかくつくった以上、こうやって赤字になったから、答えができないような、結局は黒字になるまで努力をして、その間はやはりこれは国費、まあ大きく言えばですね、に頼らざるを得ないような状況に私はなっているのではないかと。もちろん、来年度から爆発的にこれが、売上げが伸びればまたそこで話は違ってくると思いますけれども、特にこれからのシステム運営というものももう切れるわけですから、今度はどこがシステム運営するんだろうかと、そういうことも含めて私は非常に心配をいたしております。  この十一月にはサッカーくじ制度そのものの在り方を見直すことが法律で決まっております。次に行かないともう時間がないので。こうしたことも含めまして、是非私はせっかくつくったサッカーくじをみなさんに喜んでいただけて、そして売上増につながるようにしていただきたいということで、文部科学省の御所見をお伺いいたします。

下村博文自由民主党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(下村博文君) 先生おっしゃるとおり、このスポーツ振興は国の重要な施策でもございますし、また諸外国におきまして今十六か国がスポーツ振興くじを導入して独自の財源確保をしているということでもございますし、是非これを更に充実をさせていきたいというふうに思っております。  我が国のスポーツ振興くじの売上げ回復がまずは喫緊の課題であるというふうに思っておりまして、このくじの種類やあるいは販売方法について工夫するなど様々な取組を進めていきたいと思っておりますし、また議連の先生方にもお願いをしているところでもございます。  今後とも、我が国におけるスポーツ振興のために必要な資金を確保すべく、スポーツ振興くじの売上げ向上のための更なる取組を進めていきたいと考えております。

松あきら公明党

○松あきら君 ありがとうございました。  文科省の皆様、結構でございます。  それでは、生活保護の質問に移らせていただきたいと思います。  我が国の経済状況が悪化する中で、生活保護世帯数は平成四年以降年々増加をいたしておりまして、十五年度合計はついに一千万を超えて千百二十九万五千二百三十八世帯となってしまいました。生活保護の最低生活費は、生活扶助、住宅扶助、教育扶助、介護扶助、医療扶助等の各種の扶助の必要性から計算をされておりますが、今回は特に住宅扶助についてお聞きをしたいと思います。  まず、住宅扶助が設けられている事由、ちょっと、半までですので、簡潔によろしくお願いいたします、御説明をよろしくお願いいたします。

小島比登志厚生労働省社会・援護局長

○政府参考人(小島比登志君) 生活保護の住宅扶助のお尋ねでございますが、生活保護制度は、生活の困窮する者に対して最低限度の生活を保障するという制度でございます。  住居は衣食とともに最低限度の生活を維持する上で最も基本的な要素でございますので、家賃等住居の確保について必要な費用につきましては、別建ての住宅補助として一定の範囲内でその実費を給付することとしているところでございます。

松あきら公明党

○松あきら君 ただいま御説明いただきましたように、住宅扶助は被保護世帯が家賃を滞納して居住権を喪失しないように設けられております。  しかし、近年、最近ですね、住宅扶助が算入されているにもかかわらず民間アパートにおきまして家賃滞納が増加しているというふうに聞いておりますけれども、その実情を把握されていらっしゃるでしょうか。また、あわせて、住宅扶助を算入しているにもかかわらず家賃を滞納することに対する厚生労働省の所見をお伺いいたします。これも簡潔によろしくお願いいたします。

小島比登志厚生労働省社会・援護局長

○政府参考人(小島比登志君) 被保護者の家賃の支払でございますが、これは被保護者と家主との間の民法上の契約というものに基づくものでございます。  その滞納の具体的な件数等については私ども把握しておらないわけでございますが、しかしながら、監査あるいは打合せ等々の場で地方自治体からも、被保護者の中には家賃を滞納し、その対応に大変苦慮をしている場合があるというふうに聞いております。  被保護者の家賃の滞納につきましては、本来、家主と入居者である被保護者の間で解決されるべき問題ではございますけれども、家賃に使途を限定して支給された住宅扶助費、これを他の用途に充てることは生活保護の趣旨に反するものでございまして、住宅扶助費につきましては家賃の支払に確実に充てられるべきものであるというふうに考えております。

松あきら公明党

○松あきら君 今、国民年金を満額いただいても、月に直しますと六万六千二百八円ということになるんですね、申し上げるまでもないんですけれども、これ二か月まとめていただくわけですけれども。そして、まじめに働いて、こうした国民年金の中で生活していらっしゃる方も一杯いるんです。  片や、例えば生活保護費、これは世帯の型、形、例えば人数、単身ですとか夫婦ですとかあるいは子供さんいるとか、また地域によって差がありますけれども、例えば東京二十三区を標準世帯、夫婦と子供二人、一世帯当たり生活保護幾らになると思います、二十二万七百円が生活保護のお金であります。  何でこういうことを申しますっていいますと、まじめに働いていて、生活保護の方ですね、住宅の費用を払えないというのであればまだ家主さんはある程度、それは払ってもらわなきゃ、生活ですから、お互いに、でも一生懸命やっているから仕方がないと思うけれども、最近ギャンブルですとかあるいはお酒に、かなりそういう、例えばこの標準世帯二十二万、あるいは二十二万まで行っていない方でも使っている人が多い。そういう人に限って家賃を踏み倒すと。片や、そうした国民年金でもまじめに支払い、あるいはもちろん生活保護の方でもまじめに払っていらっしゃる方もいると。非常にそういう中で矛盾を多く感じるということを私は、その家主さんが、ですから、もうこうした生活保護の人には貸したくないということになっちゃうんですね。  けれども、実は平成十四年度で公営住宅に入居している世帯、二一・六%なんです。残りは民間のそうした住宅あるいはアパートですね、そういうところに入居しているんです。だから、公営ですべて賄えればいいですよ、けれどもそうじゃない。ところが、公営の場合は代理納付、これを認めた。  ちょっと私、もう時間がないので、今日せっかく副大臣にお越しいただいているんでちょっと飛ばしますけれども、これは、つまり家賃の支払は本来、住宅管理者と入居者間で解決する問題ですけれども、代理納付を認めているんです、公営については。公営だけはしっかりともらって、民間はまああなたたち損したってそれはしようがないでしょう、ギャンブルで使おうがお酒で使おうがそれはしようがない、これはやはり公平、平等の精神に反する、あるいは生活保護の趣旨に反するのではないかというふうに思います。  ですから、やはり代理納付制度を民間の賃貸住宅にも適用するお考えがあるかどうか、最後に副大臣にお伺いをして、質問を終わらせていただきます。

西博義公明党厚生労働副大臣

○副大臣(西博義君) ただいま委員御指摘のように、公営の住宅に関しては代理納付という形で納付することになっているところでございます。  先ほど局長からも原則的なことについては申し上げましたとおり、家主とそれから入居者、いわゆる被保護者との間で民間の場合は家賃の滞納については解決をしていただくということが原則でございますが、家賃に使途を限定して支給しているこの住宅扶助に関して他の用途に充てるということについては、これは生活保護の原則からは全く外れたものであると言わざるを得ません。また、委員御指摘のとおり、被保護者が家賃を滞納して、そして民間住宅のこの家主さん、経営者の皆さんがその対応に大変苦慮されているという現実についても、これは認識をしているつもりでございます。  こういうことから、公営住宅にもう既に適用されております代理納付の扱い、これを参考としながら、地方自治体の御意見も実務上のことがございますので伺い、また被保護者のプライバシーのことも考慮する必要があろうかというふうに思います。  そんなことで、それぞれの配慮は必要なんですが、民間住宅の家賃を滞納している被保護者につきましては、その家賃の代理納付、いわゆる公営で行っている仕組みについて今後検討していきたいと、こういうふうに考えているところでございます。

松あきら公明党

○松あきら君 前向きな御答弁と伺いました。大変にありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。  終わります。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。  株式会社東京リーガルマインド大学の業務委託契約問題で伺います。  まず公取委に伺いますが、小泉内閣は規制緩和を進めるため、特区法を成立させました。利潤追求の企業に大学教育への参入を認めたわけです。政府は、地域産業を担う人材や不登校児に対する、不登校ですね、不登校の児童に対する特別な教育、これが既成の学校が対応できない面で株式会社やNPOなどの学校の設置が必要だということを言いました。  さて、リーガルマインド株式会社は、従前より司法試験等国家試験の受験指導を行う株式会社でありますが、二〇〇四年の四月に特区による株式会社大学第一号となりました。しかし、このリーガルマインドは、公正取引委員会から排除命令、最も重い処分だそうですが、受け、同大学の特区申請者である千代田区からも、学校設置会社の社会的信用を失墜させ、大学設置事業に係る経営を危うくする事態を憂慮せざるを得ないと厳重注意を受けています。  排除命令の内容について簡単に御説明いただきたいと思います。

舟橋和幸公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長

○政府参考人(舟橋和幸君) 御説明申し上げます。  私どもは本年の二月十日に、御指摘の株式会社東京リーガルマインドに対して排除命令をいたしております。その中身でございますけれども、司法試験の合格者の中で、同社の受験の講座を受講した者の数を水増しをして表示をしていたと、そういう事件でございまして、水増しの手口いろいろございましたけれども、例えば口述試験の会場ちょっと遠うございますんで、そこへ送迎サービスのバスがございましたけれども、そのバスを提供していたわけですが、そのバスを使っただけの人もカウントしていたとか、いろいろございました。そういう事件でございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 平成十五年度司法試験合格者千百七十名の九四%に当たる千九十九名等がリーガルマインドの司法試験対策講座を受講した者であるかのように表示をしたということで排除命令を出されたと。そして、排除命令の内容は、今後こういうことをしてはいけないと、これは事実に反する内容でしたよということを公告しなさいと、こういうようなことでしたね。時間がないんで簡単に。

舟橋和幸公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長

○政府参考人(舟橋和幸君) 御指摘のとおり、公示義務ですね、公告できちんともう一回そういうのがうそだったということを言えと、それから将来の不作為、この二点を行政処分という形で命じております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 文科省の副大臣にお伺いいたしますけれども、リーガルマインド大学は雇用契約ではなくて業務委託契約によって専任教員を雇っています。賃金も週一こま一万円とか一万二千円で、専任教員は月額五万円程度で働いています。大学設置基準の第十二条によれば、「教員は、一の大学に限り、専任教員となるものとする。」と。しかも、「当該大学において教育研究を担当するに支障がないと認められる者でなければならない。」とされています。  専任教員の生活や大学の質がこの程度の収入で保たれるとお考えでしょうか。

小島敏男自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(小島敏男君) 前段の関係につきましては私の方から簡単に御説明いたします。東京リーガルマインドの大学においては、多くの教員が大学間との業務委託契約書を取り交わしているのが現状でございます。  今、吉川委員御指摘がありましたように、五万円の報酬で生活ができるかどうかという点がありましたけれども、この点についてはうちの局長の方から御答弁させていただきます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 ちょっと、いいです、時間がないので簡単に。ちょっと、じゃ、一言ね。

石川明文部科学省高等教育局長

○政府参考人(石川明君) ただいま専任の先生についての待遇のお尋ねがございました。  現時点で、LEC東京リーガルマインド大学における具体的な教員の待遇条件につきましては、必ずしも詳細は把握できてはおりませんけれども、月額報酬が十万円に満たない教員が相当数いるということは承知をしているところでございます。  教育研究活動の実施ですとか、あるいは学校運営への参画等の面で、専任教員としての役割、責任にふさわしい待遇としてどの程度の給与額が必要かということについては法令上の規定はございませんで、個別の事情ごとに判断することが必要であろうと、このように考えているところでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 大学の教育研究の質を担保する上で非常に設置基準の十二条、十三条等必要なんですけれども、委託契約の専任教員には研究費の保証が全くなし、研究室も個室はなし、十坪ほどの大部屋に十四、五の机が置かれ、教員名簿に名前が載っていない講師が席を占めている。文科省自身、収益に結び付かない分野において低調な面が見られると大学設置・学校法人審議会へ提出文書でも認めているわけです。  研究環境としては余りにもお粗末で、研究室もない、研究費の契約もない、図書館すらまともにない、これは設置基準違反ではないかと思いますが、その点はいかがですか。

石川明文部科学省高等教育局長

○政府参考人(石川明君) 委員からのお尋ねでございますが、私の方からお答えをさせていただきます。  特に教員の研究室につきましては……

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 ちょっと、簡単にね。

石川明文部科学省高等教育局長

○政府参考人(石川明君) はい。設置基準上は、「研究室は、専任の教員に対しては必ず備えるものとする。」というふうに規定されておりますけれども、個々の教員ごとに個室の整備までは求めていないところでございます。  そして、LECリーガルマインド大学につきましては、設置の際には必ずしもその十分なスペースが確保されてはいないというような委員の感触もございまして、今後十分充実するようにという指摘が行われているところでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 厚労大臣にお伺いいたします。  一般論として、最近、企業は社会保険料の負担を回避するために、業務委託契約とか業務請負契約で労務提供を受けて問題になっています。厚労省は労働者性に対する基準として、使用従属性に関しては指揮監督下の労働者であること、仕事の依頼、業務に従事すべき旨の指示に対する許諾の自由の有無、指揮監督の有無、拘束性の有無などを判断基準としていますですよね。確認です。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 今のお話はそのとおりでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 それで、東京リーガルマインド大学の教授としての仕事の内容は、ちょっと資料をお配りいたしました、皆様に。業務委託契約という資料がありますけれども、資料1、これは専任教員として交わしている業務委託契約書なんですけれども、第一条の二では、委託業務を再委託できないとされ、代替性はありません。第二条、講義の場所、内容、日時を指定し、さらに資料2の一、教員のルールとして、学生の前で授業計画は自分が書いていないから分からないなどと言うな、最後の六では、出席の取り方、収録手続、教室の割当てまで教務部の指示どおりやれと、完全に会社の指揮命令の、監督下に置かれています。その上賃金も、さっき言いましたように、週一こま一万円、一万二千円の時間給、業務従事の指示等に対して拒否する自由はありません。第五条、委託業務に関して発生した著作権は会社に譲渡する。社員でもないのに社内規定、マニュアル遵守をと拘束し、業務レベル、他の社員との協調性等に問題があり、指導しても改善しなければ契約解除、首というふうにしています。  この内容は、これまでの内容に照らして、業務委託ではなく労基法九条に言う労働者そのものではないかと思いますが、その点についてどうでしょうか。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 従来も個別の事案については御答弁申し上げておりませんので、この個別の事案ということでは答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。  先ほども一般論としてというお話でございましたが、一般論として申し上げれば、業務請負であるか労働基準法上の労働者であるかについては、その実態見て判断することになりますし、その実態の判断基準は先生御自身お話しになりましたようなことで私どもも判断いたしておるところでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 先ほど、まずスケール、基準を言いまして、その基準に照らしてこの契約は非常に拘束性が強く、これは労働者と言うほかないと思うわけですけれども、実態面の問題について私は厚労大臣に調査を要求します。  リーガルマインドは、二百十九名と報告されている専任教員のうち百四十八名、六八%が業務委託契約の教員です。社会保険の適用なし。こういう実態を是非調査していただきたいと思いますが、いかがですか。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 実際に労働基準法等に照らして問題があると考えられる御相談がありました場合には、必ず適切に対応をしてまいります。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 厚労大臣、リーガルマインド大学は、ここの労災保険加入実績、強制適用を見ますと、開設前の二〇〇二年の労働者は二千百三十三人、大学開設後の二〇〇四年は千八百五十七人、二百七十六名も減少しているわけです。異常ではないでしょうか。本当は増えるわけでしょう、大学を開設しているわけだから。  雇用、介護、医療保険も含めて確認していただきたいと要請しておきますが、その点は大臣、いかがでしょうか。調査、調査。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 申し上げましたように、御相談があれば必ずそれに対して対応するというのが私どもの仕事でございますから、そのようにいたします。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 文部副大臣にお伺いいたしますけれども、このセーフティーネットの問題ですけれども、千代田区長や新宿区長が、社会的信用を失墜させ、大学設置事業に係る経営を危うくする事態と指摘するとおり、キャンパスは千代田区を含め全国で十一か所、収容定員が四千九百二十人なんですが、入学定員は千百四十五人、在籍生徒数が五百五十五人、専任教授は二百十九人になっていて、学生の集まりも非常に悪いようです。評判も良くありません。  万一経営が破綻したときは、校舎も土地もなくて企業立の大学は設置できるふうになっていますので、学生に対してどう責任取るんですか。特区法の十二条七項にセーフティーネットの規定が置かれていますけれども、本学の場合、いざというときにキャンパス別にどの大学に編入させるのか、その点明らかにしていただきたいと思います。

小島敏男自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(小島敏男君) お答えいたします。  構造改革特区の問題につきましては吉川委員が大変に御心配をされていることでありますけれども、この関係につきましては、特区の地方公共団体において転学のあっせん等必要な措置を講じるものということが決まりになっているわけでありますけれども、地方公共団体ではLEC株式会社との間に協定を締結して、定期の報告を受けてその経営状況を把握することによりまして経営困難への対応を図ることとしております。  万一という話がございましたけれども、学生の修学機会の確保を図ることとしておりますけれども、その際の転学先が実際どこになるかはこれらの対応を通じて決まることになりますので、現時点において特定をするということはできないことを御了解いただきたいと思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 この特区法成立のときも、セーフティーネットがあるから大丈夫だ、大丈夫だと当時の河村副大臣が繰り返しおっしゃっていることですので、そこはきちっとしていただきたいと思います。  時間がなくなりました。最後に、厚労大臣とそれから内閣官房にお伺いしますけれども、要するに、こういうもうけ本意の企業大学を設置させたのは内閣の責任なんですよね。特区はうまくいけば全国展開するなんて言っていますけれども、この企業立大学に限っても到底全国展開なんかやってほしくない、やるべきではないということを質問いたします。  それから、厚労大臣、さっきの業務委託契約は非常に拘束性の強いものなんですね、この契約は。ですから、これが業務委託などという形ではなくて労基法に言う労働者そのものではないかと思うんですけれども、非常に拘束性が強いものだということはお認めになりませんか。その点、最後に伺います。

江渡聡徳自由民主党内閣府大臣政務官

○大臣政務官(江渡聡徳君) 今、特区のこの制度についてということでの御質問があったわけでございますけれども、ただいま株式会社立の学校についてということも踏まえて全国展開の御質問だというふうに伺っておるわけでございますけれども、その点についてお答えさせていただきたいと思いますけれども。  まず、もう委員も御承知のとおり、この特区制度というのはあくまでも地域の特性に応じた規制の特例措置を講ずることによって構造改革の推進を図るということ、そして地域の活性化を図ることを目的とした制度であるわけでございます。  その流れの中において株式会社立の学校の特例措置ということを認めてきたわけでございますけれども、もう先ほどの答弁等でもお話がありましたとおり、株式会社立であったとしても学校教育としての公共性、継続性、安定性を確保することというのは必要でありまして、ですからこそ特区法の第十二条の三項、五項、七項において、さらにこの特区における学校については情報公開あるいは第三者評価の実施、セーフティーネット等の構築などを行うこととして御懸念にこたえるだけの十分な措置が講じられているというふうに私自身も考えているところでございます。  いずれにしましても、この特区を実施していくそれぞれの地域において、まず地域自身が自ら考えて立ち上がっていく、つまり、大臣が常々申し上げているように、自主、自立、自考ということをしっかりと取り組みながら今後運営していくだろうというふうに思っているところでございます。  それで、この全国展開につきましてですけれども、全国展開に関する評価につきまして、特定の地域における規制改革を全国規模へと展開させる観点から私どもとしては重要なことだと思っておりますし、また、このためにおいても、民間有識者で構成されております評価委員会におきまして特段の問題がないと判断された規制の特例措置につきましては、速やかに全国展開を行うこととしているところでございます。  本特例につきましても、特区における実施状況を踏まえて適切に判断し、十分な評価が行われていると、そのように考えているところでございます。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほど来申し上げておりますように、業務請負契約が締結されていたとしても実態として労働基準法上の労働者に該当する場合には同法が適用されるものでございます。  では、その実態をどう判断するかというのは総合的に判断をしなきゃなりませんけれども、先ほどお述べになりましたようなものも判断の材料になるということは間違いないことでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 時間が過ぎましたので、終わります。

山口那津男公明党

○委員長(山口那津男君) 質問は終わりました。御苦労さまでした。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道です。  アスベスト問題について質問をさせていただきます。  七月の二十日、衆議院の厚生労働委員会でこの問題の集中論議がございました。この際に、我が党の阿部知子委員が、国、当時、旧労働省でありますが、一九七六年にアスベストに関する通達を出しておって、この段階でアスベストが周辺に健康被害を及ぼすことを既に把握していた事実を明らかにいたしました。  質問でございますが、この通達を出した後、厚生労働省、旧労働省でありますが、業界に対してどのような具体的な指導をしたのか、また、この通達に関連して関係省庁との間で連携はあったのかどうか、お尋ねをいたします。

小田清一厚生労働省労働基準局安全衛生部長

○政府参考人(小田清一君) お答えいたします。  五十一年の通達につきましては、石綿粉じんによる労働者の健康障害予防、この対策の推進のため、石綿粉じんの発散抑制措置の徹底、呼吸用保護具の使用等について……

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 簡潔に言ってください。

小田清一厚生労働省労働基準局安全衛生部長

○政府参考人(小田清一君) はい。記述したものでありまして、参考資料として、石綿の用途、がん原性を確認した根拠などのほか、家族、周辺住民にも石綿による健康被害が発生した事例を記載した資料を添付しているものでございます。  労働省といたしましては、本通達の関係者への徹底を図るために、都道府県労働局及び労働基準監督署において関係団体のみならず個別の事業主に対して周知、指導を行ったところでございますが、指導に当たりましては、まず、作業衣の持ち出しを避けるといったことを強調すること、それから、工場等から地域に石綿が発散しないよう局所排気装置に除じん装置を設置するということが、これはもう既に特定化学物質障害等予防規則によって義務付けられているところでございますので、これを再確認するようにしたところでございます。  また、関係省庁との連携につきましては、昭和五十一年通達の資料につきましては、これは旧環境庁から昭和四十七年に、四十七年度に委託調査として実施されております研究の一部を添付したものでございまして、環境庁としては当然承知しているものと思っております。  それから、経済産業省との関係でございますが、当時、特定化学物質等障害予防規則を五十年に策定いたしましたが、その策定段階から協議を行うなど密接な情報交換を行っておりまして、本通達の内容につきましても、当時、通商産業省担当官に説明をしていたと。  こういうことを踏まえるならば、当時としては必要とされる連携は確保されていたというふうに考えております。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 今ほど、環境省ともあるいは経産省とも連携を取っておったという趣旨の御発言がございましたけれども、その後の事態の流れを見るととてもそういうふうには思えないと、単に通達を出しただけで後は何もなかったんではないかと思われてなりません。  この通達の翌年の七七年に、埼玉県の曙ブレーキ工業羽生工場からアスベストが外部に飛散をして住民十数名が死亡した可能性があると、地元行田の労基署が埼玉労働基準局に早急な対応を求めた事実がございます。  つまり、現場は、先ほど来の通達に基づいた対応を行ったにもかかわらず、上の方、政府の方は何もその対策を取った気配が見られなかった。あるいは、環境庁も、七二年からアスベストが工場周辺住民に健康被害を与える可能性があるということを知っていたにもかかわらず、さしたる動きも見せなかった。  あるいは、八六年にILOでアスベストの使用における安全に関する条約が採択されておりまして、これを契機に、この年、市民とか労働組合あるいは専門家で石綿対策全国連絡会議、こういうものが結成されておりまして、この連絡会議が翌年の八七年から毎年のように関係省庁にアスベストの全面使用禁止の申入れを行っていたわけでございますが、にもかかわらず、政府から誠意ある対応が打たれた、取られたという事実はございませんでした。  そして、この間、八三年のフィンランドを皮切りに、ヨーロッパ諸国では相次いでアスベストの全面使用禁止に踏み切る、そういう事実があるにもかかわらず、日本はそういう対応をしなかった。ここで大きな差が出るわけでございます。  しかも、九二年、当時の社会党がアスベスト規制法案を議員立法で提出をいたしました。このときに、何と、日本石綿協会、アスベストの業界団体でありますが、これが意見書を提出をした。この意見書の中に、今後は作業従事者の健康障害は起こり得ない、こういう主張がありますし、また、一般環境においてはアスベストによる健康問題は発生していない。つまり、厚労省の通達を真っ向から否定するような中身が盛り込まれている、そういう意見書を日本石綿協会が出しているにもかかわらず、それを受け取っているにもかかわらず、厚労省あるいは経産省も全くこれについて沈黙を守った。自分たちの出している見解と真っ向から反する、ある意味では事実誤認、非常識な意見書が出ているにもかかわらず、これに対して全く物を言わなかったという事実がございます。そういうこともありまして、この議員立法は廃案ということになったわけでございます。  いずれにいたしましても、政府は、危険性を十分に把握していながらこの意見書に沈黙を守ったということでございまして、私はこれはやっぱり大きな問題だというふうに思っております。  こうした政府のアスベスト規制・禁止の大幅な遅れがあったにもかかわらず、ここへ来てこのアスベスト問題が大きな議論の的になってきたのは、何といっても、中皮腫死亡者数あるいはアスベストの労災認定者数が急速に最近増えてきた、このアスベストによる健康被害が隠しようもなく増大してきた、そして被害者と家族の声がもう隠しようもなく大きくなってきた、このことがやっぱり大きな原因に、背景になってきたんだろうというふうに思っています。  なぜ、七六年に通達を出しながらしっかりと指導、規制をしなかったのか。すべて後手後手、政府の不作為あるいは怠慢は私は明らかだというふうに思っております。このために大勢の命が失われたのではないかというふうに思っております。業界から圧力があったのか、あるいは旧労働省と業界との間に何かのっぴきならぬ関係でもあったのか、あるいは政官業の癒着があったのではないか。正に大甘の規制、このために三十年近く被害が放置をされたというふうに思っています。  西副大臣、さきの衆議院の委員会で、取り返しの付かない問題であるけれども、決定的な私ども省庁の失敗だったのではないかというふうに私自身は個人的に考えておりますと、こういうふうに阿部議員に答弁されております。  改めてお尋ねをしたいというふうに思いますが、このアスベスト被害の発生拡大に対する政府の責任、この不作為の責任を明確にしていただきたいというふうに思います。

西博義公明党厚生労働副大臣

○副大臣(西博義君) 先週の衆議院の委員会における私の発言に関連したことがございましたので、若干御答弁申し上げたいと思います。  昭和五十一年、一九七六年の当時の労働省が所掌している内容については私も存じ上げた上で、当時の環境庁ですね、今省になっておりますが、環境庁の情報が届いておらず、環境行政、厚生行政、それから労働行政、この三つの行政の間に守備範囲の、お互いの守備範囲の間にすき間があったんではないかという、私はあの当時、委員会の質問に対して瞬間的にそういうことを考えまして、ああいう御答弁を申し上げました。それぞれの省庁がどこが悪いとか、どこに責任があるとかいうことではなくて、それぞれが精一杯やってはいるんだろうけれども、お互いの連携の問題、それからお互いの守備範囲の問題等で、申し上げるならば、私どもが所管しております労働、それから厚生、これは一緒になっておりませんですので、そういうところに問題もあったのではないかということを申し上げたのが、この間の私の答弁の趣旨でございます。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 それは分かりましたけれども、改めて、これだけ被害が拡大をした、私は行政の不作為というのは明らかだったんだと思いますけれども、この行政の責任について端的にお尋ねをしたいというふうに思っております。

西博義公明党厚生労働副大臣

○副大臣(西博義君) 私は、そこのことについては早急に今の段階でどうだということは申し上げるつもりはございません。  実は、内閣の方にも、また私どもの省内にも、このアスベストの問題の対策のための委員会を私どもも立ち上げさせていただいて、金曜日に私が委員長で具体的に出発をいたしましたが、早急に、官邸の方ではもう今月中にという早急なお話でございますので、今までの経緯等も含めまして早急に取りまとめて皆様に公表するという今つもりで物事を進めているところでございます。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 これだけの被害が出ているわけでございます。  私は、まずアスベストの全面禁止が対策の第一歩だというふうに思っておりますが、しかし政府は、全面禁止は二〇〇八年、三年後だと、こういうふうに言っております。これはやっぱりおかしい。直ちに全面禁止に踏み切るべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。  時間がありませんので、続けてお尋ねをいたしますが、アスベストは暴露後二十年から四十年あるいは五十年でがんを発症する、非常に現われるまで時間が掛かる。ところが、労災申請は死亡から五年以内の申請が条件でございます。この際、アスベストについて労災申請の特例を検討すべきではないかというふうに思います。いかがでしょうか。  もう一つでございますが、アスベストの輸入は七〇年代から九〇年代がピークでございました。そして建築物の建て替え、解体を考えると、被害は正に始まったばっかりでありまして、これから被害は急速に拡大をする、こういうふうに多くの人たちが見ているわけでございます。定期的に住民が健康診断を受けられる体制や抜本的な安全対策、そして被害者の救済対策の整備が必要だというふうに思いますが、政府はどのように対応されるのか、まとめて厚労省にお尋ねをいたします。

西博義公明党厚生労働副大臣

○副大臣(西博義君) 何点かお話がございました。  三年後の二〇〇八年まで全面禁止という方針は既に出しておりますが、このことに関しては、次第に、青石綿、茶石綿等は既に平成七年全面禁止、それから、その他白石綿を中心に平成十五年に全面禁止をしてきたということで、平成十四年の調査ではもう既に九八%が製造禁止ということになっている。ただ、もう本当にこのアスベストそのものが特異な性質、性能を有しているものですから代替品がなかなか見付からないと、ここの部分をどうするかということが最後の課題になっているということは事実でございます。これを今すぐにやめちゃうということになりますと、安全性も、実は代替品の安全性もある程度確証を持たないとかえって社会的な問題になるという部分もございまして、そうはいいながらも、このことについては一日も早く問題の解決をするために、私どもは、二十年と言わず、できるだけ早いこの代替品の開発並びに全面禁止に向けて努力をしていかなければならないというふうに思っているところでございます。  その他のことにつきましては、相談体制をいかにこれからやっていくかということとか、それから被害の実態の把握、それぞれやらなければいけないことがたくさんございます。このことにつきましては、今日も早速アスベスト問題についての対策本部二回目を、金曜日にやって月曜日ですから、もう本当に休みなく担当の人たちに作業をしていただいているんですが、今月内に基本的なことについては、もちろん一部、治療の方法とか少し時間掛かる問題もございますけれども、できることにつきましては、大きな骨格は今月中をめどに頑張って一応の方向性は出していこうというふうに考えているところでございます。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 代替品の安全性という話でありますが、正に自己撞着だろうというふうに思っています。アスベストの危険性がこれだけ具体的に顕在化をしている中で代替品の安全性を言うということは、これは私は非常におかしな話ではないか。世界の動向から見ましても、直ちに全面禁止、できるところから速やかにやるべきだというふうに思っております。  全体像は今月の末をめどに今検討中ということでありますが、是非その際に、今ほど申し上げた点のほかに、労災という制度、問題はそれなりにあるわけでありますが、労災の枠から漏れる周辺住民の補償の問題だとか、あるいは労働者を媒介とした二次被害の問題等については国で救済する制度がありません。是非、この点については新たな救済の枠組み、補償制度も検討していただきたい。  そういうことも併せて、今月末までに出される、今、西副大臣をキャップにしているその委員会の中で議論をしていただきたい、方向性を出していただきたいというふうに思っておりますが、コメントできる範囲でいただければと、こういうふうに思っております。いかがでしょうか。

山口那津男公明党

○委員長(山口那津男君) 簡潔に御答弁願います。

西博義公明党厚生労働副大臣

○副大臣(西博義君) 代替品の安全性と申しますのは、特殊なジョイントの部分が十分な能力がないことによって液が漏れ出したりというようなことが、その性能だけではなくて作業の安全性等もなければいけないというつもりで申し上げたところでございます。御理解をいただきたいと思います。  その他の問題に関しましては、今おっしゃるように、労働分野だけではなくてその周辺の課題がございます。このことにつきましては、今回、内閣を中心に各省庁の首脳、担当者が今立ち上がって検討会を、検討会といいますか、解決のための会合を開いているのはまさしくそのことでございまして、責任を持ってそういう問題についても種々検討をしていこうという趣旨でございます。私どもも、与えられた立場で全力で頑張ってまいりたいと思っております。  以上でございます。

山口那津男公明党

○委員長(山口那津男君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時三分散会

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