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162回国会参議院2005/06/13

厚生労働委員会 第24号

発言数
83
登壇者
12
会派数
5
開催日
2005/06/13

会議録

岸宏一自由民主党

○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  介護保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、参考人の方々から御意見を聴取いたします。  本日御出席いただいております参考人は、社団法人日本医師会常任理事野中博君、筑波大学大学院人間総合科学研究科助教授久野譜也君、社会福祉法人恵仁福祉協会常務理事・特別養護老人ホームアザレアンさなだ施設長宮島渡君、国立長寿医療センター研究所生活機能賦活研究部長大川弥生さん、特定医療法人財団健和会柳原診療所所長増子忠道君及び特定非営利活動法人サポートハウス年輪理事長安岡厚子さんの六名の方々でございます。  この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多忙中のところ、当委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。  参考人の皆様からは忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。  次に、議事の進め方でございますが、まず参考人の皆様からお一人十五分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。  なお、参考人、質疑者ともに発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず野中参考人から御意見をお述べいただきます。野中参考人。

野中博社団法人日本医師会常任理事

○参考人(野中博君) 日本医師会の野中でございます。  本日は意見を聞いていただく機会をいただきまして、本当にありがとうございます。  私は、日本医師会にお邪魔をして介護保険ずっと担当しておりましたので、介護保険の今回の見直しにつきまして意見を従来の経験から述べさせていただきたいと思います。  国民一人一人が健やかな生活を営むためには、自らの健康を守ることは当然でありますが、やむなく疾病や障害を抱え、介護や社会的支援を必要とするとき、保健、医療、福祉の連携によって、その人の能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように、さらに、人間としての尊厳が尊重され、住み慣れた地域で家族や地域の人々とともに暮らし続けることの実現を目的として介護保険は創設されました。  この本来の目的を着実に実現するには多くの課題がございますが、特に、徹底したケアマネジメント、そして適切な医療提供体制の構築、在宅生活に対する基盤整備が重要であることをまず主張したいと思っております。  徹底したケアマネジメントにつきましては、日本医師会の総合政策研究機構の調査から、要支援者の片足での立位保持や立ち上がりは何かにつかまったり支えがないとできないことが多く、また軽度要介護者は歩行などの下肢機能が低下しやすい傾向にあり、転倒歴や歩行速度の低下並びに活動範囲の縮小傾向が判明しました。  そして、要支援者の約八割は、家事援助、通所介護、福祉用具貸与等の単品サービスしか受給しておらず、さらに、下肢機能が悪化しやすいにもかかわらずリハビリ系サービスはほとんど選択されていなかったという事実もございますし、すなわち高齢者の機能低下の実態と介護サービス提供にミスマッチが生じていると判断されました。  このミスマッチが生じる大きな要因としましては、本来、介護サービス計画、いわゆるケアプランでございますが、介護支援専門員や医師を始めとする様々な職種がサービス担当者会議において検討し作成される規定にもかかわらず、現状ではこの行程が適切に実行されていないことが原因として挙げられます。  また、介護費用の増大によって、現状ではその削減を目的として、同居家族に対しての場合には家事援助が制限が加えられていることが現状でございまして、同居家族でもお年寄りがいる、お年寄りでも生活が困難になっている事例も私ども診療、医療の現場では現在経験しております。この辺の部分のことが改善が必要でございますし、この辺を適切なケアマネジメントが重要だろうと思っております。  介護保険が従来から目的としております要介護度の進展予防には、これらの行程を十分に理解した徹底したケアマネジメントが必要不可欠でございます。  今申しました話を少し簡単に申しますと、現状では、例えばひざが痛い、そのことによって例えば食事あるいは掃除ができないというようなことをケアマネジャーに訴えますと、容易に訪問介護やヘルパーが提供されます。しかし、本当にアセスメントをして、その患者さんのアセスメントをして実行しますと、ひざが痛いことを、まずなぜひざが痛くなったかという要因を治療して、そして改善することがまず必要でありまして、例えば安易にヘルパー等を提供しますと、そこでその人は何もしなくなるということによって、かえってひざと下肢機能が低下するということがあります。これも実際には、ケアマネジメントということを実際に実行すれば、実はその部分が適切なサービスが提供できて、本来の自立した姿が実現できることでございます。現状ではその徹底したケアマネジメントが足りません。  今回提案されている介護予防に関しましてもいろいろ様々な問題がございますけれども、一つの問題としましては、要介護認定作業におきまして、新予防給付とそれから介護給付との選別が必要となります。その選別作業が現在の認定審査会においては非常に混乱を生じる原因となりまして、この混乱を克服するためには多少、時間的な経過措置も含めて、ケアマネジメントも含めて経過措置が必要と考えております。  日本医師会は、厚生労働省の介護予防サービス評価研究委員会におきまして、徹底したケアマネジメントの意義を繰り返して主張してまいりました。介護予防サービスが安易に筋力トレーニングと誤解されることなく、介護予防本来の意義が理解され、適切なケアマネジメントが提供されることにより、生活の質を向上し、閉じこもりの防止や地域参加、そして最終的には新たな町づくりを実現する施策につながることを期待しております。  また、認知症高齢者に対する処遇におきましても、家族による認知症症状の早期発見並びにかかりつけ医への相談、そして専門医との連携体制の実現が重要であります。さらに、認知症高齢者の在宅や施設における生活、そしてグループホーム等の利用においても、前述の行程を理解した徹底したケアマネジメントに基づく介護サービス計画立案とその実行が重要であると考えております。  続きまして、適切な医療提供体制の構築としまして、要介護の状態になっても、在宅や施設のどちらにおきましても、日ごろの健康管理と同様に、病状の急変に対する適切な医療の提供体制構築は重要な課題であります。  日本医師会では、昨年十一月、「日本医師会 高齢者医療と介護における地域医師会の取り組み指針」、図一を提案しました。図一を参照していただきたいと思います。その内容としましては、高齢化における地域医療再編と包括的システムの構築、地域ケアの機能向上への地域医師会の積極的関与と地域づくり、そして三として、保険者と連携強化、介護予防等への積極的関与であります。主に地域医療再編と包括的システム構築を目指し、在宅医療の推進を地域医師会に求めました。そのためには、一つは、急性期病院における退院支援と在宅ケア資源との連携推進も重要課題と考えております。  介護保険三施設における医療提供におきまして、利用者の病状に応じた医療の提供が現状では限られております。適切な医療提供がかなわない課題が指摘されています。今後、ターミナル時期への対応など、施設における医療の必要性が従来より増加することが予想されます。現状でも、現場にかかわる多くの医師から、これら介護保険施設入院入所における医療提供体制について、制度間の整合性を理由に必要な医療へのアクセスが阻害されるなどの問題点を多く訴えられています。  今後は、従来のかかりつけ医との連携の仕組みや介護保険施設での診療行為を外部の医療機関とトータルで考え、利用者にとって最良の医療が提供可能となる制度の検討と改善が強く望まれている現状でございます。  高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには在宅・施設サービスの充実が望まれ、中でも、介護保険三施設が適切にその役割を果たすためにも、在宅生活に対する基盤整備が重要であることを重ねて強調したいと思います。  改正案の諸問題としましては、社会保障制度は、人々が病気、高齢化、経済難などの何らかの事情で稼得の機会を喪失し、中断した場合に、個人の努力を超えて社会ないし国家がその個人の安心、安全を保障する制度であります。この制度は、個人のリスクを補うことを目的としているため、公助、共助が中心のはずでございます。自助を過剰に期待することは甚だ不適切であり、社会保障制度は人がどのような状況になろうとも必要不可欠であり、その実現には自助、共助、公助が適切に組み合わされた制度として構築される必要があります。  適切な社会保障制度の実現には、政府は適正に公費負担をすべきであり、一方で国民には共助としての保険料を支払う義務も生じます。しかし、何らかの疾病や障害を抱えた人は本来受難者であり、保険の恩恵を受けても決して受益者ではありません。受難者に対して過度な負担を課し、さらに、給付をやみくもに抑制するのは適切な社会保障制度ではなく、この点に対する認識を改めて強調したいと思います。  今後、社会保障制度として医療保険制度そして介護保険制度には様々な改革が予想されますが、これらの制度を利用される人々は、好んで利用するのではなく、やむなく利用することを十分認識していただきたい。さらに、現在の高齢者は戦後六十年、少なからず我が国の復興や繁栄に努力された方々であり、これらの方々が医療を必要とするとき、また介護など生活支援を必要とするとき、適切に医療や介護が提供されることは、国民にとって我が国が住み続けるに値する社会と認識されるはずでございます。  今回、持続可能な介護保険制度の構築を図る目的で介護保険三施設における居住費と食費の利用者負担が提案されています。しかし、在宅と施設における利用者負担の不均衡是正、また制度効率化の美名の下、受難者に対して居住費と食費の負担を強いることは、社会保障制度本来の姿としては不適切と考えております。あえて居住費と食費を利用者負担とするのであれば、介護保険三施設の生活部分に応じて配慮すべきと考えます。  図二を見ていただきたいと思いますが、図に示すごとく、介護老人福祉施設には、利用者は生活するために入居され、住所も変更します。この施設における生活部分は大でございます。関連法は介護保険法と老人福祉法でございます。介護老人保健施設は、利用者は在宅復帰のリハビリテーション目的に入所され、この施設における生活部分と医療部分はおおむね半々と考えられます。関連法は介護保険法であります。そして、介護療養型医療施設は、利用者は抱えた疾病や障害などの医療依存度が高いためにやむなく入院されています。この施設における生活部分は小であり、医療部分は大であります。関連法は介護保険法並びに医療法であります。  介護保険三施設には各々役割があり、一様な施設ではありません。居住費と食費を利用者負担とするならば、各施設の特性を勘案し、適切に配慮すべきと考えます。  終わるに当たり、国民が介護保険制度を適切な社会保障制度として実感するためにも、徹底したケアマネジメント、適切な医療提供体制の構築、在宅生活に対する基盤整備、そして受難者に対しての思いやりの心あふれた制度構築を日本医師会は改めて切望する。  以上でございます。どうもありがとうございました。

岸宏一自由民主党

○委員長(岸宏一君) ありがとうございました。  次に、久野参考人にお願いいたします。久野参考人。

久野譜也筑波大学大学院人間総合科学研究科助教授

○参考人(久野譜也君) 筑波大学の久野でございます。よろしくお願いいたします。  私の専門はスポーツ医学で、特に今日は、我々が九年前、茨城県の大洋村というところとプロジェクトを起こしまして、その中で非常に高齢者の方でもいわゆる筋肉づくり、筋力トレーニングなんかの必要性をこれまで研究成果として蓄積してきましたが、その辺に関してのお話をさせていただきたいというふうに思います。スライドを使いながらお話をさせていただきます。  最初、お願いいたします。(資料映写)  まず、これは日本人の寝たきりになる原因を示してあります。日本人の場合は、ここにありますように、寝たきりの第一要因は脳卒中なわけです。第二位が、これはちょっと古いデータでまだ痴呆となっていますが、いわゆる認知症。第三位が転倒・骨折。ただし、この二位、三位、四位辺りはデータによって結構順位は入れ替わります。ここに脳卒中と転倒・骨折を赤くしてあることが実は意味がありまして、九年前の段階でこの二つの要因に関しては運動や栄養をうまくコントロールすれば予防が可能であるということがある程度分かっておりました。  例えば、私は運動が専門ですので運動の観点からいきますと、脳卒中の予防という観点からいきますと、いわゆるウオーキングや水中運動、いわゆる有酸素運動が効果的であることは九年前から言われておりましたし、今でもそれは世界的に認められているわけです。  しかしながら、転倒・骨折を予防という観点からいきますと、当時はウオーキング、歩く量を増やせば同様に可能だということが言われておりましたが、実際にはそのようなデータはなかったわけです。我々の研究室のデータからしますと、逆にウオーキングでは予防は不可能であると。  では、どうしたらいいかということで研究を進めてきました結果、実は転倒・骨折予防という視点では非常に筋力トレーニング、筋肉づくりがポイントであるということが我々の研究によって明らかになりました。また、これに関しては実は非常に性差が認められておりまして、女性は男性の約二倍以上のリスクを持っております。そういう意味では非常に、というのは女性の場合骨が弱いという問題があるわけですが、その辺りが関係するというふうに考えられております。  そういう中で、我々は、このように予防が可能なところをきちんとした地域システムのプログラムとしてやれば、一定のそういう医療費の抑制や、あるいは非常に元気な高齢者を村や町の中に一杯つくれるんじゃないか、そういう発想の下に進めてまいりました。  このスライドはMRIという方法で撮った太もも、いわゆる大腿部の横断画像になります。白い部分が皮下脂肪で、中が筋肉、真ん中の白い部分が骨になるわけですが、これ同じ倍率で二十代と七十代示してありますが、見ていただいて分かるように、一般的に脂肪の多さの方に目が行きがちですが、実はこのように筋肉が低下します。これが典型的な老化現象です。老化現象のようで、このように筋肉量が低下します。筋肉量が低下しますと筋力が低下することが分かっています。筋力が低下しますとどういうことが起こるかといいますと、一つは非常に転倒する機会が増える、あるいはいろんな生活機能が落ちる。特に、生活機能という中でも歩行能力ですね、歩く能力の低下が実はこの筋肉量の減少に非常に影響をしているということが明らかになりました。  じゃ、これを予防するにはどうしたらいいか。このように筋力というのは筋肉の量と比例関係にあるということが分かっておりますので、加齢による筋肉量の低下を抑えるか、あるいはもう既に低下してしまった人は筋肉量を増やしてあげれば筋力が上がり、結果的に生活機能の向上にもつながるというふうに考えられるわけです。  しかしながら、歩くだけでは実は駄目であると。ということで、当時、高齢者に筋力トレーニングなんかは医師会やあるいは学界でもとんでもないというのが通説でしたが、しかしながら安全で効果的にやるやり方は一方では検討されてなかったわけです。それを我々は研究のプロジェクトとしてこの九年間検討をしてまいりました。  それをまとめましたのがこのスライドですが、大洋村プロジェクトにおける筋力トレーニングの基本コンセプトとしまして、まず第一には、科学的根拠に基づく個々に適したプログラムの作成、実はこれが非常にポイントになります。何でも運動であれば何かやればいいということではなくて、個人の状況に応じたプログラムを処方することが非常にポイントになるということになります。  それから二番目、自治体や家庭への普及を考慮し、従来の運動強度より低めに設定したプログラムの開発。実は我々が今現在、後でデータもお示ししますが、全国の市町村と共同で我々のプログラムを供給しておりますが、その中では、いわゆる教科書的に書かれている運動強度のステートメントに書かれているような内容よりは強度的には落としてあります。落としてもきちっとした指導者や個別に合ったプログラムが処方されれば効果が出るということが分かっています。  三番目が、今申し上げたことですが、幾ら効果があっても、いわゆるそれで事故、けが等が起こっては話になりません。ですので、必ず効果と安全性を両立するようなプログラムが全国どこでも受けられるようにすべきだというふうに考え、プロジェクトを進めてまいりました。  次、お願いいたします。  これが我々が今採用している、一般の方に分かりやすく、らくらく筋力トレーニングというような言い方をしておりますが、実は大洋村プロジェクトにおきましても、当初は、いわゆる我々は余りパワーリハビリという言葉を使わないんですが、機器、マシンを用いた筋力トレーニングで実験をしてまいりました。もちろん一定の成果が得られていたわけですが、我々は、全国多くの方に速やかに普及するには、必ずしもマシンを用いずに、このように、スライドにありますように、自分の体重などを利用しながら筋力トレーニングの方が普及度が速いだろうという仮説を持ちまして、このような筋力トレーニング方法の検討をしてまいりました。  次のスライドお願いします。  これがその一例ですが、これはMRIで腹部、ちょうどおなかのおへそ辺りの輪切り写真というふうに見てください。左側が運動習慣のない方、右側が我々の筋力トレーニングのプログラムを三年間継続された方です。両方とも七十歳の女性の方です。  特に真ん中辺りに赤く囲ってあります大腰筋という筋肉に注目していただきたいんですが、これは我々の研究で、非常に転倒の予防のために重要の筋肉である、あるいは七十、八十、九十になっても元気に活動していただくためには非常にポイントである重要な筋肉だというのが我々の研究で初めて明らかにされたわけですが、我々のプログラムを三年間実施された方の大腰筋の太さとそうじゃない方を見ていただければ明らかに違うことが分かります。しかも、左の方は当然三年前より加齢で細くなっているのに対して、右側のプログラムをやられた方は、三歳年を取ったのにもかかわらず、実は筋肉は増えております。我々の研究室での最高齢は九十歳の方ですが、九十歳の方でも先ほどのスライドでお見せしたような筋力トレーニングできちっと筋肉が増え、筋力が上がり、生活機能が上がっているというデータを持っております。  次のスライドをお願いします。  ちょっとこれ、細かいデータで申し訳ありませんが、新聞等で見ます、今議論されている内容で、筋力の向上が必ずしも生活機能の向上につながらないんじゃないかという指摘があるということで、このデータを持ってまいりました。  これは、まず一番左側、今お話ししました大腰筋の横断面積ですが、赤い方が筋トレ実施群、グリーンが非実施群です。平均年齢六十七歳ですが、一年間を追ったデータです。いわゆるグリーンがコントロールということになりますが、見ていただくと、我々のプログラムを、筋トレをやっていただいた赤の群は一年後に有意に増大しています。それに対して、非実施群は加齢現象で有意に低下しています。  その結果が、次は歩くときの歩幅なんですが、大腰筋が増えた群は歩幅が延長、増えたのに対して、逆に大腰筋が落ちた群は歩幅が落ちています。実は、このように歩幅の低下が非常に高齢者の方の歩行の特徴であり、この歩幅が狭くなることが非常に転倒を誘発したり、あるいは生活機能の制限につながることは多くの研究で実証されています。  そして最後がこの右側、歩行速度ですが、これは日常での歩行速度というふうで見ていただきたいんですが、大腰筋が増え歩幅が増えた結果、歩行速度が若い方に戻った、それに対してグリーンは落ちているということで、明らかにきちっと、どこの筋肉が非常にポイントで、そこをきちっとトレーニングをするとこのように生活機能に反映されるということはデータ的に実証されているわけです。  次、お願いいたします。  それでは次に、じゃ本当に今のような方法が機械を使った筋トレとどうなのかということで、そのデータを持ってまいりました。これも大腰筋の増加率で、これは半年間追ったデータです。  そうしますと、見ていただいて分かるように、やはり機械を、マシンを使った筋トレの方が肥大率は高いわけです。しかも週二日で一定の効果が得られています。それに対して、今お見せしたようなやり方ですと、肥大率は約、効果は六割ぐらいで、週五日必要であると。普通の考え方ですと、日にちが少なくて効果が大きい方がいいという考え方もありますが、しかしながら普及の速度や安全性、いろんな方がいらっしゃることを考えた場合、我々は必ずしもマシンを用いた筋トレにこだわる必要はないだろうと。これ、両方併用、つまり効果があるわけですから、相手のニーズとか状況に合わせてこの二つをうまく使い回すことが非常にポイントではないかというふうに考えております。  次、お願いいたします。  それを今まとめたものがこのスライドですが、自体重を利用した筋トレと機器を使用した筋トレの考え方ということで、効果はどちらにも認められます。機器の方が効果は高いが、しかしながら危険度も一方では高いと。自体重は、普及度は圧倒的に利便性を持つと。これはあくまでも私の私見ですが、非常に緊急度が高い方に関しては、専門の指導者による機器を使用し、一定の成果を得た後、自体重の筋トレに移行する。グレーゾーンという意味は、非常に、要支援認定を受けるか受けないかというような意味ですが、あるいは一般的な人に対しては、該当者が物すごい多数になるわけですから、自体重を中心としたそういうような筋トレプログラムを基本とするというような考え方も成り立つのではないかというふうに考えております。  次、お願いいたします。  このような取組を大洋村でやってきましたが、実は大洋村プロジェクトの一つの、割合注目を浴びたのは、いわゆるこのように筋トレの効果だけではなくて、いわゆる老人医療費が下がったという結果が出ております。一人当たり年間で、いわゆる教室運営費、ランニングコストを引いても二万三千円下がった。今、現在我々全国二十市町村と一緒にやっておりますが、ほぼ同様に近い結果が出ていることからいきますと、このようなヘルスプロモーションが一定の医療費抑制効果を生むということに関しては、ある程度間違いがないというふうに考えております。  次、お願いします。  次に、これは二年前に茨城県と千葉県全市町村に調査をかけたデータなんですが、最後五分間程度ですが、いわゆる市町村のこの今の健康事業の実態を少しお話しさせていただきます。  先ほどから述べてきましたように、特に高齢者の方は非常に個人差が大きいため、いわゆる個別性というものが非常に重要なんですが、茨城県、千葉県で全市町村調査をかけたところ、個別プログラムを実施している市町村はわずか一〇%しかない。九割の市町村ができてないわけです。実際に市町村の方とお話をしても、必要性は分かっても実際に個別をどうやってやっていいか分からない、我々はできないんだということをおっしゃっているわけです。  また、下の図は、事業の参加者数は年間何名ですかということなんですが、このグリーンの部分は一年間通して市町村がやる教室への参加者数が五十名以下の市町村です。茨城県約五〇%、千葉が六四%と。いわゆる自治体が約五十人ぐらいの方に対して税金を使って健康事業をしていると。百名以下にしても六割から七割の市町村が該当してしまう。ここが私たちは大きな問題だと思うわけです。今度の新予防給付の適用でも、従来的な、このように五十人や百人の方に対してやってもほとんど意味はないだろうと。これをもっと大きくマスに広げていくようなきちんとした施策がされるべきだというふうに考えております。  次、お願いします。  実は、我々は大洋村のプロジェクトを全国に広げるために、実は私たちは三年前、筑波大学発ベンチャー企業というものを立ち上げまして、その名前がつくばウエルネスリサーチという会社なんですが、今そこが、今我々の事業のやり方の基本コンセプトをこのスライドに示してあります。  一つは、従来、今申し上げてきましたような市町村が実施してきた少人数事業からの脱却。二番目、税金のみの事業形態を取らずに必ず住民から一定金額の参加費を徴収する構造。三番目、全国どこでも個別運動プログラムの提供及び継続支援を可能とするITを利用したe—ウエルネスシステムの構築。実はここがポイントでして、今まで研究者は個別性を求めると。現場の人は分かっていてもできない。きちっとしたこのようなITを利用した個別性のできるようなシステムがなければ、やりたくてもやれないわけです。ですので、我々はこういうものをつくってまいりました。  次、お願いします。  これが今我々がこの十六年度まで、十七年度増えたところちょっと足していませんが、全国二十以上の市町村と、我々の考え方のポリシーで今一緒にやってきている市町村を示しております。特に千葉県。三年前に堂本知事から連絡をいただきまして、今、千葉県全体で我々の考え方、つまり個別性のプログラムをどこでも受けられるようということで、今、千葉県で大きなプロジェクトを実施しています。  じゃ、実際に本当に効果があるのか。これが運動の効果ということで、千百名のデータですが、今お見せしているのは全国の市町村できちっとシステム化をし、そしてこのe—ウエルネスというITを使ったシステムをやった結果、すべての市町村で同様な結果が出ておりますし、ここに悪化例はゼロというふうに書いてありますが、きちっとした指導者を育成して、個別性のプログラムをきちっとやれば、実は悪化例というのはゼロなんですね。千百名ぐらいやってもゼロということは、きちっとしたシステムさえあればきちっとした結果が出るということを証明しているものだというふうに考えております。  さらに、これは、我々は今新潟県の見附市、一緒に組んでいます新潟県見附市、非常に今先進的にやっている例ですが、初年度は百四人でスタートして、二年目には二百四十名、三年目には五百名以上超えていまして、実は今年度プラス千名増やすと。ですから、実際に、約四万人の町で今年は千五百名の方の高齢者が実際に週二回教室に出て週三回自宅でやるというプログラムに参加するところまで来ています。  先ほど千葉県、茨城県の例で五十名以下だというふうにデータを出しましたし、多くの市町村がそんなことできないというふうによく言うんですが、実際にきちっとやれば、このデータが示しますように、多くの方がちゃんと参加する仕組みというのはできるものだというふうに考えております。  もう一つ我々のポイントは、これは継続率。こういう健康活動というのは続かないというふうによく言われていますが、一年間のこれ継続率ですが、九〇%の方が継続されています。一般的には、我々研究者の中では六割ぐらい続けば十分だというのがこれまでの見解でしたが、見附市以外のほかの市町村でもほぼ九割近い継続率が達成されています。  これを要因を考えますと、これが一つ、e—ウエルネスシステムの例ですが。  次、お願いします。  一つは仲間づくりが促進されたこと。これは、非常に良い指導者をきっちり我々が養成したということがあると思っております。それから個別プログラムであったこと。個別プログラムでありますと早期に効果が出まして、その方が実感して継続につながると。これには今お見せしたe—ウエルネスシステムが効果的だというふうに考えています。また、参加者自身が自分でデータを入力したり定期的に効果を確認しながら進めていくということもプラスになっていると。このようなことを勘案した介護予防のための地域システムが構築されるべきだというふうに考えております。  以上でございます。ありがとうございました。

岸宏一自由民主党

○委員長(岸宏一君) ありがとうございました。  次に、宮島参考人にお願いします。宮島参考人。

宮島渡社会福祉法人恵仁福祉協会常務理事特別養護老人ホームアザレアンさなだ施設長

○参考人(宮島渡君) 私は、長野県で特別養護老人ホームを運営している施設長の宮島渡と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、スライドに従いまして御説明をさせていただきます。(資料映写)  長野県の上田市というところから車で二十分ほど離れた真田町のあります施設でございます。百八十一平方キロと、大変広大な土地の町でございます。そこで、平成五年四月に、私たちは施設を中心としてこの町づくりに取り組んでまいりました。来年三月には上田市、丸子町、武石村と合併し、およそ十五万人の上田市になります。  一九九三年、平成五年、特別養護老人ホーム五十床、デイサービスセンター、在宅介護支援センターとを併設した施設でございました。私どもの理念は、自分の入りたい施設をつくろうということでした。  平成六年、菅平という比較的中心地から離れたところで、お年寄りの一人が、不便なところだけれども、ふもとの施設には行きたくないという御意見をいただきまして、初めて公民館を使ったサテライトのデイサービスというのを運営させていただきました。  平成六年四月から、菅平高原の公民館を使って運営をしております。そこで私たちは大変勉強になったのが、施設に集めるから地域へ出る、新築から既存の建物、大規模から小規模、意図的から自然に集まる、地域に集まるというような様々なヒントをいただきました。  平成七年、また一方では、特別養護老人ホームには様々な資源がある。これらの資源を地域に出前をしたらどうだろうかということを考え、取りあえず三百六十五日、三食配食サービスを配ることをいたしました。また、訪問入浴サービスや訪問看護、ホームヘルプ等、特別養護老人ホームにある資源を一つずつ地域の生活をしている人たちのために提供してまいりました。  また、特別養護老人ホームの中で最もケアの困難だというふうに言われております認知症の皆様に対しては小グループでのケアが有効ではないかということで、グループリビングケアを始めました。  私たちは、介護と称してその方たちを至れり尽くせりお世話をすることは、むしろ本人の生きる力を奪っていた、生活する力を奪っていたのではないかというような仮説から、御利用者の皆さんに生活を返すという空間と時間をつくりました。これは最近ユニットケアというふうに呼ばれておりますが、生活を通じて利用者同士、職員との関係になじみ合ったものが生まれました。認知症の高齢者の方を治療、介護、指導によって変えるのではなく、適切な環境やかかわりを提供する、それがこれまでと違う専門性ではないかということに気付きました。  そして、この取組をなるべく施設の中あるいは地域の中でもできないだろうかということで、特別養護老人ホームの入居者を一時、地域の民家をお借りしまして、そちらに出ていって、同じような小グループのケアを行いました。  グループホームをつくられたスウェーデンのベックフリス女史は、意欲を引き出すには、何をするかではなくてどこでするかが重要だと言ってグループホームをつくったという話を聞きました。ユニットケアや逆デイサービスは意欲を引き出す、認知症高齢者の存在を明らかにする取組ということで大変勉強になりました。  こちらの写真が特別養護老人ホームの入居者あるいはショートステイの御利用者です。施設の中でユニットケアを、今度は地域に出ていって、民家を使って活動しました。名付けて逆デイサービスというふうに命名いたしました。認知症を持つ施設入居者が、施設の中に閉ざされた環境から日中は地域の民家に出向く、そこで再び自分らしい生活を取り戻すのではないかということで、一年間この活動をさせていただきました。そして、特養の高齢者がわざわざ地域へ、地域の民家に出向くことで生活を取り戻す、失ったものを再び取り戻す、それは施設だけではなくて地域というものを考えていくべきであるということを学びました。  そのことから、もう少しきめ細かく地域支援をすることはできないだろうかということを考えまして、平成六年にサテライトのデイサービスを行いましたが、小学校区に一つ、公民館あるいは生涯学習館を使ったサテライトのデイサービスを取り組みました。  また、グループホーム、平成十年から国の方で制度化されましたが、グループホームを運営することにいたしました。これがグループホームであります。一見すると非常におんぼろなおうちでございますが、認知症の方の適する環境というのは、新しいものではなく、むしろこういった使い慣れているものの方が彼らには適するのではないかと思い、あえてこの古い民家を使っています。改築費は国、町の方から補助金をいただきまして、五百万円で改築しております。  平成十一年、こちらもやはりもう一つの小学校区にグループホームを整備いたしました。同様に民家を改修して整備しております。これも国、県、町の方から補助金をいただきまして、五百万円で整備しております。  平成十二年、ちょうど介護保険が始まった年でございますが、こちらももう一つの小学校区にグループホームを整備いたしました。こちらも同様に民家を改修したグループホームでございます。同じく補助金五百万円で整備をしております。  平成十四年、長野県では宅幼老所支援事業というものが誕生いたしました。それをいただいて、こちらも民家を改修し、今度は在宅に暮らしていらっしゃる認知症の方たちが通所、宿泊、訪問の多機能なサービスを受けられる資源を、こちらも小学校区に一つずつ整備してまいりました。  こちらが一つの小学校区にある宅幼老所でございます。定員は十二名、緊急宿泊や通所。緊急宿泊は自己負担で六千円でございますが、訪問介護と通所介護の方は介護保険制度を活用させていただいております。こちらの改築費は七百七十万円でございます。  もう一つの地域の宅幼老所でございますが、平成十五年十一月、同じ年に開設いたしました。同じく通所十二名、緊急宿泊、訪問介護の多機能でございます。改築で五百五十万円でございます。  平成十七年、今年度でございますが、左側のところに宅幼老所がすべて整備されたときの状況で、全部で七か所整備されます。また、グループホームを地域に三か所。そして、菅平地域には共生型住宅、障害を持っている方も独り暮らしの健常な方も介護保険を利用される方も住めるような共生型の住宅。そして、特別養護老人ホームの地域サテライト特区の認定を昨年度いただきまして、今サテライトの特別養護老人ホームを進めております。  こちらも民家を改修した宅幼老所でございます。改築費八百三十万円、定員は十二名、緊急宿泊と通所と訪問でございます。  こちらは真田町ではなく上田市の方に整備させていただきました宅幼老所でございます。通所十二名、緊急宿泊、訪問、改築費は七百万円でございました。  そして、今年の四月でございますが、標高が千三百メーターから千五百メーターぐらい高い地にあります菅平高原というところに整備いたしました。こちらは新築で整備をいたしました。三千七百万円の宅幼老所でございます。通所十二名、緊急宿泊、訪問介護でございます。  こちらが真田町に配置してあります施設群でございます。中学校区に応じて黄色、青、オレンジ、赤と分けておりますが、特別養護老人ホームが中心にあって、それぞれの地域に小規模なサービスをつくっております。  なぜこのような考え方に私たちがなったのかということでございますが、私たちは経験から、施設にお入りになる皆さんたちは何を求めていらっしゃるのかというと、施設の中にある様々な資源と機能と環境ではないかと、このように考えております。これまで私たちは入居者の方にこれらのサービスを提供してまいりました。しかし、これと同様のものが地域の中にいらっしゃる方たちにも大変有効であると、このように考えました。  そして、一方では、自宅と施設の中にはこのようにアンバランスな部分では、あるのではないか。生活の主体者と介護の客体者、主客転倒の矛盾を解消するためには、やはり自宅も施設も地域も改善をしていかなければならないんではないかと、このように考えました。すなわち、施設を自宅のように自分らしい生活ができる空間に、また自宅も施設のようにリアルタイムにサービスが提供される空間に、そして地域の中も多機能、地域密着のサービスが提供される、この三つの次元でサービスを提供することが必要ではないかと考えました。  そして、これまでの特別養護老人ホームの考え方が、単に特別な場所で特別な人に特別な予算を使って特別に支援するというものから、ノーマライゼーションの考えに基づいて、当たり前に地域社会でだれもが社会連帯によって相互に支え合う仕組みを施設が運営していく必要があるんではないかと、このように考えております。  これからの施設の役割は、施設にある豊富な人材、設備、資金を地域の福祉に活用することであると、このように考えております。そして、今後は重層的な支援による費用対効果を期待するためには、地域の規模を分け、そして特養が支援する規模、そして小学校区ではこのような小さなサービスで支援することでお互いが相乗効果を生み出すことができるのではないかと、このように考えております。  また、投資するコストに関しましても、民家を改修したり、あるいは既存のものを造ることによって、こちらは、グループホーム、宅幼老所、それぞれ町民一人当たりの単価を出してございますが、三か所で町民一人当たり千二百八十円、宅幼老所におきましては四か所で五千五百九十円ということですので、特別養護老人ホームとこのようなグループホームや宅老所のようなものをうまく組み合わせながら地域づくりを進めるのが有効ではないかと考えております。  一方、真田町の財源はいかがかと申しますと、このように高齢者が増えるに従って介護保険にかかわる費用も右肩上がりで増加するように予測されております。しかし、真田町と全国を比較してみますと、在宅給付と施設給付をごらんいただいたとおり、施設を特に五十床以上増床していないということも理由にありますが、在宅の給付が五七・二%ということでございます。  また、利用者におきましては、およそ二〇%が施設の入居者、およそ八〇%が在宅の利用者というふうに、在宅の利用が非常に進んでおります。  一人当たりの給付と保険料の比較でございますが、給付額は一人当たり二万一千三百二十六円、保険料も三千五百四十円と全国に比べると高いのですが、在宅給付が一万二千百九十八円と全国や長野県を超えております。また、施設給付の方は九千百二十八円と全国平均を下回っているというような状況です。  こちらの方は真田町と長野県の特徴を表しておりますが、特に真田町、長野県、冬が長いものですから、短期や訪問系のサービスを使って在宅で生活する方が非常に多いというところでございます。  施設の地域展開のメリットについてですが、要介護者の早い支援と長い支援が可能になる。高齢者と家族の地域生活を支えることが可能になるのではないか。地域にある既存施設の活用で、地域住民とのふだんの交流が可能になり、障害を持つ高齢者、特に認知症への理解が深まる。また、高額な投資を解消できる。多機能化によって種々の事業を持つリスクを法人で抱えることがなくなる、分散することができる。四番目といたしましては、施設で運営間接コスト、一般管理費を引き受ければ、一方で小規模多機能、サテライトは直接コスト、労務費、事業費に集中できる、小規模多機能のデメリットを解消できるのではないか。五つ目としましては、在宅事業収入の比率を上げることで施設経営が安定するのではないか。六つ目としましては、要介護者の多様な収入を活用できるのではないかということでございます。  今後の課題につきましては、認知症が大半を占める要介護者、適切な環境とかかわりを断ち切らず、生活や人生を見る介護が主流になるべきではないでしょうか。  二番目としましては、つまり、これまで隔離・分離型の介護ではなく、また身体介護中心ではなく、地域社会で、人、精神、社会、文化的側面を見る高齢者の尊厳に基づく介護を標準化すべきだと思います。  したがって、これまでの環境や地域づくり、介護人材づくりを踏襲するのではなく、新しい地域支援システムや人材育成づくりが重点化されるべきだと思います。特に、施設のユニットケア、グループホーム、小規模多機能サービスには新しい人材が必要となり、しかも数多く必要となります。これが今後ケアの質を担保することになると思います。  また、施設長等の管理者の資格や資質はもちろんですが、それ以上に、この新しい人材を束ねる人材、つまり現場のリーダーが数多く必要になると思います。この新しい人材育成の責任は是非国の方で持っていただければと、こういうふうに考えております。  一方、今後育成される人材は貴重であります。人材がそれぞれが使い捨てにならないよう、労働環境や身分保障、資格の要件化、適正な報酬などによって健康でプライドを持って長く就労できる制度、キャリアアップや労働環境、介護労働の安全に関する法律なども整備していただきたいと、このように考えております。  七番目としまして、施設の展開や地域密着サービスは地域の個性が重要な要素になります。施設は創意工夫によって財源を捻出したり人材の確保や育成を行ってきました。しかし、このように積極的に地域貢献を目指す施設と何もしない施設の評価が同じであることは、地域貢献の意欲を阻害し、何もしなくてもよいという悪貨が良貨を駆逐する状態が生まれてくると思います。積極的な地域展開が標準化するよう、正当な評価と介護報酬が備われるべきだと思います。  一方、事業者、社会福祉法人が独力で事業を推進するには、これまでの様々な法規制が残存しており、今後の施設による地域展開や小規模施設の整備運営の足かせになる可能性があると考えております。  これらは、国制度のみならず、地方公共団体の許認可や指導監査などで顕著に見られ、硬直的で画一的な制度解釈は刻々と変化する地域住民のニーズに柔軟に対応することを規制し、今後、地域サービスの事業の展開を阻むことになると思います。  また、地域密着型の支援を基本とする場合、市町村保険者の理解が重要になると思います。しかし、市町村合併による行政区域の拡大は地域密着を推進することとは逆行し、そのため、市町村の事務的経費、経費的負担が増加になることと併せて、地域割りや小地域での支援について市町村が消極的になるということが私どもの心配でございます。  最後に、地域の高齢者、障害者の生活を継続する、支援するためには、介護のみならず医療機関との連携が重要であります。医療機関の地域密着などトータルな仕組みが必要であると、このように考えております。そして、将来は、障害を持たれている方もこのようなサービスを共有することで共生的な社会が期待できるのではないでしょうか。  以上で私の報告とさせていただきます。ありがとうございました。

岸宏一自由民主党

○委員長(岸宏一君) ありがとうございました。  次に、大川参考人にお願いします。大川参考人、どうぞ。

大川弥生国立長寿医療センター研究所生活機能賦活研究部長

○参考人(大川弥生君) 国立長寿医療センターの大川でございます。  本日、私は、今回の介護保険法改正の一つの大きな焦点でございます介護予防に関しまして、本質的な問題についてお話し申し上げたいと思います。  介護予防といいますのは、介護保険法の発足のときから重要な課題であったものでございます。では、今なぜこの予防重視ということを強調しなければならないのかといいますと、いろいろな面があることは確かでございますけれども、根本的なことは、この介護予防重視の理念を本当に効果的に実現するための技術体系と、それを有効に生かすシステムが確立されていなかったからだと思います。  そこで、早急に解決することで、介護予防だけではなく介護保険全体が大きく前進し、それだけではなく、高齢者をめぐる様々な分野の向上、さらには子供や成人まで含めましたすべての世代の健康や福祉の問題にも大きく寄与することができると考えております。  では、資料を用いまして具体的に御説明申し上げます。  まず、本日述べさせていただきます要点をお手元の資料の一枚目にまとめております。大きくは三点ございます。  まず一点目は、介護予防とは生活機能低下予防・改善であるということであります。要介護度の改善とか、ある特定のメニューを使う事業であるとかいうことではなく、生活機能、これはすなわち、お一人お一人の人の生活、人生の低下を予防し、改善させるというものだということです。  この生活機能ということは、人が生きるということをトータルに見るという新しい概念で、今回の介護予防重視におきますキーワードとも言えますけれども、これは介護予防、また介護保険に限られたものではございません。  ここに生活機能低下予防の三つの特徴を示しております。  まず一点目ですが、病気中心から生活機能の重視へということ、また高齢者、要介護者のみから全世代の国民へ、そして形式化した自己決定権を真の自己決定へと転換させることでございます。この最後の点は、本人、家族と専門家が生活、人生を中心に考えるという方向への転換です。この三つのすべての点での考え方の大転換が必要だと考えております。今回の介護予防重視の方向は、制度として正にそのような方向に大きな第一歩を踏み出すものであり、画期的なものであります。これまでは古い考え方、例えば医療モデルや福祉モデルにある程度縛られてきたことが問題だったように思われます。  第二点ですが、年のせい、病気のせいで悪くなるのは仕方ないのではないということでございます。このように思われております場合、実は生活不活発病、廃用症候群が原因であることが多いものです。そして、これは生活の活発化によって改善できる場合が多いのです。しかも、その活発化とは、何か努力してわざわざ訓練的に行うというものではなくて、御本人が望む生き生きとした人生を送ることで生活が自然に活発になるというのが最も望ましく、効果的なものです。  第三に、これまで述べましたことを実現するためには、介護保険におきましては特に良くする介護への転換が望まれることです。これに関しまして、まず介護が必要な状態とは、生活動作、これは生活機能の三つのレベルのうちの一つですが、例えば顔を洗うとかトイレをするというような身の回りの動作や屋外歩行や家事などの日々の生活の中で行っている動作でございますが、それが低下をした状態です。ですから、生活動作の改善が介護予防のターゲットであるということの認識が大事です。そして、その生活動作は良くすることができるものであるということ、病気や身体能力が良くならなければ良くならないというものではないということが大事です。すなわち、不自由さを補うというだけの補完的な介護からこのような考え方に立ちました良くする介護への転換が必要であり、その方向への介護技術・システムの発展が望まれます。  では、次のページに進んでいただきまして、第一点目に挙げました生活機能向上に向けて介護予防が先駆的役割を果たすということについて説明させていただきます。  そもそも、まず生活機能向上というのは、高齢者、要介護者のみではなく、患者、障害者、妊婦などの共通の課題であります。障害者、患者などというそのマイナス面を中心とした呼び方ではなく、生活機能というプラス面から出発しまして、生活機能低下の状態にある人すべてを生活機能低下者としてとらえることが今後の方向性として大事かと思っております。  なお、生活機能とは、現在、国際的に注目されております健康についての新しい概念です。これは、別とじの資料として提出させていただいておりますその一にWHOのICF、国際生活機能分類のモデル図、また病気との違い、今後の方向性などをまとめておりますので、後でごらんいただければ有り難く存じます。  また一方で、このように全世代を通じて医療、福祉などの広い分野での生活機能向上の取組で初めて介護予防は最良の効果を上げることができると言えると思います。このように、介護予防、さらに介護保険制度自体を広い生活機能向上の観点からとらえて制度上の検討をしていただければというふうに思います。  なお、このような考えの基盤といたしましては、健康とは、病気がないというだけではなく、生活機能も高い水準にあるものとしてとらえることが望まれると思います。このような真の健康の向上のために必要なのは、基本的なスタンスの転換を、介護予防だけではなく、保健、医療、介護、福祉のすべてで行うことであります。すなわち、囲みの表の左の方が現状であり、これを右の方へと大きく転換することだと思います。  では、ページを進めまして、このような方向性を前提といたしまして介護予防の現状を整理してみたいと思います。  一言で言いましたらば、サブタイトルに示しておりますように、生活機能低下の因果関係と改善策とを同一視する傾向が強く、その弊害が起こっていることだと思います。この図の中央の三つのもの、人生の豊かさ、生活動作、身体能力というこの三つのレベルを包括したものが生活機能でございます。一番上のものは、社会参加、家庭内での存在意義などのような人生の豊かさというふうにまとめております。二番目は、具体的な日々の生活の動作でございまして、一番下の身体能力、この三つから成るものでございます。  これらの生活機能低下発生の因果関係と改善のキーポイントは同じではないわけです。それなのに、図の左下の病気、加齢から右側へ因果関係を示す矢印が向かっておりますが、それが身体能力の低下を起こしていると。そしてそれが上に向かいまして、生活動作や人生の豊かさの低下を生みます。ですから、解決策としても病気の治療や身体能力の低下の向上が中心だと、それしかないというふうに考えがちでございます。そして、生活動作の低下、これが要介護状態なのでございますが、これに対しては、できない生活動作はしてあげるだけという補完的な介護になりがちです。これは、生活動作自体の改善は難しい、できないと考えるからであります。そして、このような考え方なので、改善のプログラムはメニュー中心、専門家主導になりやすいというふうに言えます。  では、これに対しまして、次のページに介護予防のあるべき姿を示させていただきます。  まず、要介護状態の原因として、赤字で示しております生活不活発病の重要性を認識することが大事です。これは、生活の不活発化から起きます。そのきっかけには、上からの矢印で示しております生活動作の制限、すなわち病気やけがのときの過度の運動制限や生活の消極化などがあります。また、その上でございますが、退職や転居や死別などで起こる社会参加や家庭内役割の低下などの問題がございます。すなわち、病気や加齢以外の生活機能自体の状態が大きな要介護状態を生む原因となっているということでございます。  ページを進めていただきまして、ではこれに対してどのように改善をするのかということですが、サブタイトルに示しておりますように、生活動作の回復、向上に重点を置くということが最も重要な点でございます。  すなわち、解決のターゲットとしまして、黄色で示しております生活動作に対しまして、右側からの矢印で示しております直接その回復、向上を図ることが重要です。この中に良くする介護も含まれるわけでございます。そして、それと並行して、人生の豊かさに対し、社会参加、家庭内役割の拡大を図ることも大事です。この両者を通じまして生活の活発化というものを目指します。これが生活不活発病の克服につながるわけでございます。  これら解決策の進め方ですが、右側に示しましたように、自己決定権を尊重した個別的、個性的なものとして、上から下への矢印で示しますように、その人の最も内容豊かな人生はどういう状態かを御本人と専門家が考え、それに必要な生活動作は何なのかを明らかにします。そして、その上でその生活動作に必要な身体能力は何かというふうに明らかにしていくということでございます。さきに現状で示しました下から上へと考えていくものとは全く逆に、上から下に考えていくというものでございます。このようにして一人一人独自の解決策を決めていく、言わば一人一人のメニューを作っていくものであり、既存のメニューに人を合わせるというものではないということでございます。  また、左の端に示しましたように、御本人への生活不活発病の啓発、そして医療も病気の治療技術だけではなく、生活機能向上に向けて行うことが望まれます。  では、介護予防におきまして重要な廃用症候群、生活不活発病に話を進めます。  ページを進めていただきまして、生活不活発病ですが、これは生活が不活発なことによって生じるものでして、表に示しますような全身のあらゆる機能の低下でございます。この中の特定の症状にだけ注意を払うべきものではございません。しばしばこの表の左のごく一部の症状に注意がいきがちのようでございます。この原因は生活が不活発ということでして、これは生活動作が低下した状態でございます。これには質と量の二つの側面に注意する必要がございます。  では、ここで、廃用症候群という学術的な名称ではなく、生活不活発病という名称を使っている理由を御説明申し上げます。  これは既に厚労省におきましても廃用症候群と並んで用いられてきつつありますが、その最も大きな理由は、廃用症候群の概念を一般の国民に普及する必要があるからでございます。そのためには廃用という表現は難しく、また廃用症候群の廃という字は当事者に不快感を与えるおそれが多いということでございます。これは私自身も患者さんに説明するときにはよく経験することでございます。また、三に示しましたように、学術的にも問題がございます。そして、御本人、家族自身に生活が不活発であるという原因を明らかに示せることがこの名称が適切な理由でございます。  なお、動かなければ体が衰えるということは言わば常識にはなっておりますが、具体的な防ぎ方、起こったときの具体的対策は知られていないというのが現状でございます。なるたけ動きなさいという一般的な指導では極めて不十分でございます。  では、またページを進めまして、生活機能低下の悪循環の重要性を示させていただきます。  生活不活発病というのは身体能力の低下ではありますが、大事なのはそれだけではなく生活機能全体、三つのレベルすべてが低下をして悪循環をつくっていくということでございます。  では、この生活機能低下の悪循環と生活不活発病の予防、改善のかぎは何かといいますと、生活の活発化でございます。この生活の活発化というのは、生活動作の量的な増加だけではなく、質的な向上も重要です。そして、前のページの表で示しましたように、あらゆる身体機能が低下するわけですので、ここの一つ一つの身体能力低下への対応のみで解決できるものではございません。  ここで大事なことは、安静にも害があるということです。手術だけではなく、例えば捻挫とか風邪などの小さな病気やけがのときの安静や、慢性疾患で自分自身で運動を制限するなどで生活が不活発になるということが多いものでございます。これには、病気のときは安静が第一であるとか、年だから無理をしないという思い込みは強く、それを変えることが大事だと考えます。例えば、お見舞いのときにお大事にというようなあいさつ、また医療の現場で安静度が中心でございまして、これはむしろ活動度として具体的にどう動くべきかを専門家が具体的に指導するということが必要かと思います。このようなところからも介護予防として考えていくことが大事だというふうに考えます。  では、次のページに参りまして、これが生活機能低下の悪循環でございます。  中心になりますのは中央の生活の不活発化でございまして、ここから赤の矢印で示しますような生活不活発病が起きますが、そのほかの黒の矢印で示しますようにすべての生活機能のレベル、申し遅れました、これは左から身体機能、真ん中が生活動作、右が人生の豊かさという三つの生活機能のレベルを示しているものでございますが、それぞれが相互に関連をし合って悪循環になっていくということでございます。  下にこの悪循環、また生活不活発病が起きる契機の三つの、きっかけの三つのタイプを示しておりますが、通常、その真ん中の生活動作の具体的なやり方、質の低下が重要だと思われがちでございますが、実は両端の生活動作の量的な減少や人生の豊かさがかなり大きなきっかけになるというのが私どもの調査でも明らかになっております。  では、またページを進めていただきまして、九ページでございますが、ここでは生活不活発病との関係も深い生活機能低下の経過の二つのモデルを示します。左右の図とも生活機能経過の現状を黒線で示し、今後の介護予防などの発展により黄色の線に大きく向上することを示しております。  これまでは、左に示しております生活機能が急激に低下をする脳卒中モデルが主な対象と考えられてきましたが、右側の廃用症候群モデル、これは徐々に生活機能が低下をするタイプですが、これが介護予防やリハビリテーションなどで重要視されてきたというものでございます。  次のページですが、ではこれに対してどのように対応するのかということでございますが、一言で言いますと水際作戦ということでございます。これは、生活機能低下を早期に発見し、早期に解決をするということでございます。  まず、生活機能は、下の線で示しておりますように、階段状に低下をしてまいります。この理由は、先ほど申し述べましたように、生活機能の三つのレベルすべてが関係をいたします。これは、こういうことを早期に、この階段状になったところを早期に発見して早期に対応していくということが極めて重要であり、効果的でございます。  次のページでございますが、最後ですが、では具体的にどういうふうに水際作戦をやるかということでございます。これは、生活動作の実際に行っている状況を短期間に向上させるということであります。生活動作への働き掛けというのはこのように切れ味が鋭く、短期間に効果を上げることができるものでして、身体機能への働き掛けよりもむしろはるかに効果的なものだというふうに言えます。具体的内容はここに示しております。  一応、介護予防の大きな考え方について、生活機能を基本軸として述べさせていただきました。介護予防がすべての世代の国民の生活機能向上に向けた取組として、より良い方向に制度化されていくことを願っております。  今回はこのような機会をちょうだいしまして、感謝しております。ありがとうございました。

岸宏一自由民主党

○委員長(岸宏一君) ありがとうございました。  次に、増子参考人にお願いいたします。増子参考人。

増子忠道特定医療法人財団健和会柳原診療所所長

○参考人(増子忠道君) このたび意見を述べさせていただく機会いただきまして、大変ありがとうございます。感謝しております。私は、今回の介護保険の改革案に対する大きな批判的な立場で意見を述べさせていただきます。  私は、足立区にある柳原診療所ということで所長をやっておりますが、三十年前から在宅医療や訪問看護や様々な経験を通して、介護保険の成立前夜においても、このことによって日本の介護事情が大きく変わるのではないかということで大変期待を持って眺めてきた一人であります。そして、当時はいろんな意味で出されてきたものに幾つかの不備があるということは分かっておりましたので、そのことは五年後に見直しが行われると、抜本的に見直しが行われるということで、その五年間の経過を見て、次に新しく登場してくる改革というものに大きな期待を持ってきたものであります。  しかるに、今回出されてきた改革案は、抜本的改革という名には値しないと、大変期待に外れた内容であるということを申し上げたいと思っております。幾つかのところについて述べますが、まず大きなところから述べさせていただければ有り難いと思います。  私たち現場で医療や介護を行っている者からいたしますと、一番心を痛める部分は最重度の大変重い状況で在宅にいる方々であります。現在、在宅にいる要介護者は大変最近多くなっておりますが、一方で、その主介護人は十年以上も前からもう既に配偶者が中心になっております。御承知のとおり、この配偶者も年々高齢化をしておりまして、一方では独居老人と言われる人々も多くなり、この独居老人の方々も障害を持っているという状態がかなり多く見られてきております。  そういう状況にありますので、高齢者世帯ないしは独居世帯で一方が、あるいは本人が介護が必要となった状態では、今の中で介護保険が十分機能できているかといいますと、ここの点についてはまだ不十分であると。しかも、最も重い重介護の方々にとっては極めて不十分であるというふうに言わざるを得ないと思っております。  医療制度、保険制度がこの間大きく変転をいたしまして、長期の入院がだんだん困難になり、一方では施設が、それほどな形ではスピードがなく、増えないという状況になっており、地域の医療施設ないし介護施設でのケアを受けるということがどんどん狭い門になっております。率直に申し上げて、最重度の要介護者の多くが在宅に沈殿しているというのが現状であります。しかも、支給限度額という制度がありまして、それ以上超しますと自費完全負担になってしまうということで、この負担に大変苦しんでいるという実態がございます。  既に介護保険の始まる前後に私たちが在宅の二十四時間ケアをやっておりまして、そしてその中での調査によれば、在宅の一番最重度だと言われている人たちの必要金額というものを、私たちの算出したところによりますと、大まか六十万前後であるというふうに試算されておりますが、その支給の今の限度額から見ると、とても届かないという状況にあるということでございますので、本当に十分なケアを受けようとすると、その差額分はほぼ全額自己負担にならざるを得ない。当然そういうことを負担できる家庭は大変少ないということがございますので、同じ負担で認められている施設の方がよろしいということになるということで、割安という言葉がありますが、本来の意味はここにあるということを最初に指摘をしておきたいと思っております。在宅においても本人が希望をすればどんな障害があっても住み続けられるということを基本理念として介護保険が出発したはずだというふうに思っておりますが、この点で今の制度が十分機能していないということが大変残念であります。  現在の、少なくとも介護度五と言われる支給限度額を撤廃するか、若しくは、すぐに行かなければ二倍程度の枠を広げて、その金額については行政と合意をやって、一人一人の個別を見た上で実施するというような対策が必要であろうというふうに思います。また、がんで苦しんでいる患者さんについても介護保険が上手に適応できるといいなというふうに思っております。  また、このような重介護の場合においてだけではありませんが、特に重介護の場合においては医療と介護の連携が大変重要であると。たんを吸引する問題も含めて今いろんな議論があるようでありますが、これも簡単に医行為論がどこまで許されるか、専門的行為かどうかというような議論が、線引きをしてうまくいくということではなく、むしろそうではなくて医療と介護が本当の連携をして、医者や看護婦も含めた全体のチームの中でこのことが上手に行われると。ケアプランへも看護婦の積極的な関与が必要であるといったようなことによって解決していかなければ大変危険であるというふうに考えております。  そして、二十四時間巡回型の、看護婦と介護職のペアにおける巡回型のケアということを日本全国でできるような形での制度化を希望するものであります。  抜本的な欠陥と私が思うもう一つは、医療保険と介護保険のすみ分けがはっきりしないということであります。  医療保険の本来の目的、それから介護保険の本来の目的は違ったものがある。もちろん融通するものがあると思いますが、そこをはっきりさせていくことが大変大事であり、そのことが不明確なままに国民負担の議論がされるということは国民にとって大変理解し難い、難しいことになるというふうに思っております。施設においても、医療と介護の役割を正当に評価し、それぞれがそれぞれに支払う方式が合理的ではないかというふうに思います。また、在宅においても医療と介護の役割をそれぞれ明確にし、現在、訪問看護は介護保険が中心に支払われておりますが、支給限度額の中で大変な苦しんでおるということがあったりしますし、本当にケアプランの中で正確に位置付けられているというふうにも言えない状況があったりする現状から見れば、医療と介護の部分をもう一度整理しておくことが大変重要なのではないかというふうに思っております。  それから、保険料と一部負担金について、今の介護保険が全体的に見れば高齢者に大変過酷な制度であり、一定のところで見直しが必要だというふうに思っておりましたが、依然としてその傾向が更に強くなると、後で出てくるホテルコスト論もそうですが、大変厳しい過酷なものであると。年金についても、多くの高齢者は大変少ない年金の中で生活をせざるを得ないということでありますので、そのことは大変重要なことだというふうに思っております。さらに、ヘルパーさん、介護職の待遇が十分に改善の方向が打ち出されていないということが残念だというふうに思っております。  さて、今回の改革案はそういうふうに触れていないので不満ではありますが、幾つか提案されていることについて若干意見を述べさせていただきます。  新予防給付については、今までの先生方が述べられてきたように、基本的に大きな意味があると私は思っておりますが、問題は、それは、本来そこで主張されていることは医療保険又は保健事業で行われるべき内容であると、その混同があるということが大変議論に混乱を持ち込んでいるのではないかというふうに思います。  ドイツにおけるリハビリ前置という考え方を日本的に踏襲したというお考えもあるようでありますが、その場合でも、このリハビリという言葉は基本的には医療保険ないしは保健事業としてきちっと位置付けられるべきであると。  それから、そういうリハビリテーションの技術は、ほかのいろんなことがありますが、いろんなふうに言われていても、基本的に専門的な知識を持ち、正確な診断、判断をし、そして正しい方針が打ち立てられることがなければ効果的ではありませんし、危険ですらあると。しかも、リハビリテーションは介護度の高い人にも必要であり、予防という言葉がいろいろと言われておりますが、もっとその状態を改善するという、今の状態よりも改善する。何を改善と言うかということはいろいろあるかもしれませんが、それはもうあらゆる介護度の方にいつでもあるというとおりで、それはおっしゃるとおりであります。そういう点で言うと、予防給付という言葉をそのまま使えば介護度の高い人にも本来必要な考え方だろうというふうに思います。  それから、現在提案されているような要支援、介護一の人たちが全体のものに耐えるということになると実際のところどうなるか。運用次第ではあるでしょうが、このまま介護保険の給付を受けられないというようなことになるとすれば、まあならないと思いますけれども、なるとすれば介護保険制度への国民の信頼を大変大きく崩すものになると。  それから、プランを作成するという場合にも、こういったことをやるためには本当に専門的な知識ということが必要になり、個別的な判断も必要になるわけでありますから、そういうスタッフを今の、これから来年にかけて本当に準備できるんだろうかと。結局、マニュアルに従って行う形式になって、選択の自由もない形で進められる危険は大きいのではないかというふうに思います。  それから、逆にこの利用者が、もし要支援、要介護者のことが新予防給付ということで現在の業者の中での対応ができないということになれば、現在の事業者にとってみれば経営の危機を招くことになりますし、またそれをある程度聞こうと、そういうことになれば現状の財政危機は解決しないという、どちらにもなってしまうということであります。  そういうことから考えると、今の状況から見て医療保険又は保健事業での予防給付という言葉はどうか分かりませんが、予防事業を最大限に準備して、そういうスタッフを養成し、地域全体、国全体に派遣する年次計画を作成し、実施すべきであるというふうに思います。  また、生活習慣病の健診や予防の支え合い事業とか、いろいろ計画もこの介護保険の中に行われるということです。理念としてはそういうこともあり得ると思いますが、しかし介護保険の財政が苦しくなったら保健事業も縮小するということになりはしないかと。そういうことはないといっても、基本自治体が今財政危機がかなりいろんなところで普遍的に見られている状況で、しかも介護保険も今後どんどん苦しくなるという見込みの中ではこの危惧は必ずしも杞憂とは言えないだろうと思います。  それから、介護保険の本来の趣旨はQOLの改善であるというふうに思っておりますので、ADLの改善にあるというようなことは考えられない。それは、その中に副産物としてはあるというふうに思っております。  それから、高齢化による病気の重なりは、先ほどのモデルでも示されておりますが、いろいろとありますが、私たちが現場で見ていると、そういう想定では尽くされないはるかに複雑な頻繁なことが行われます。ナチュラルコース自身がなかなか確定できない中での改善とか悪化とかいう議論は大変難しい議論だと。どういう母集団を取るかにも話がいろいろ変わるという点で私たちは必ずしも議論に賛成できないものであります。  それから、ADLがどんどん悪くなり、介護度が悪くなったとしても、例えば私たちのところの認知症のグループホームでは、年々介護度は上がりますがQOLは大変よく保たれていて、大変生き生きと暮らしていけるといっている現状があります。これこそ介護保険の成功の例であるというふうに思います。  今後のサービスの効率的提供にはケアマネ業務の質的向上が必要でありますが、是非そのときに成功報酬のシステムの検討をいただきたいというふうに思っております。  最後に、もう一つありますが、ホテルのコストについては、先ほどの、述べましたが、施設の割安感によってこのことを議論するのは余り正しい議論ではないと。むしろ地域における介護保険の展開をもっと密にすることによって実際は施設に行かなくても済む人たちをつくれると、増やすことができるというふうに思っております。費用が高くなることで結局入所できなくなるということは、在宅に沈殿するか、老健施設か療養型施設にたまり込むことになって、結果としては本末転倒ではないかと思います。  小規模多機能や地域密着型サービスの創設は大変賛成でありますが、今の状況を見るとなかなか実効が危ういのではないかというふうに感じております。何しろ、報酬が低ければ効果がないのもありますが、実際にはベテランの指導者の配置がかなり重要であるということでありまして、この指導者の養成に相当の時間を要するというふうに思います。  以上で私の意見を述べさせていただきました。ありがとうございました。

岸宏一自由民主党

○委員長(岸宏一君) ありがとうございました。  次に、安岡参考人にお願いいたします。安岡参考人。

安岡厚子特定非営利活動法人サポートハウス年輪理事長

○参考人(安岡厚子君) 最後になりましたけれども、よろしくお願いいたします。  私は、特定非営利活動法人サポートハウス年輪の代表をしております安岡です。こういった機会を与えていただきまして、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。  お手元に三種類ほど資料を出させていただいております。サポートハウス年輪の概要につきまして、ピンクの簡単なパンフレットですが、こちらを簡単に説明いたしたいと思います。  九四年に、サポートハウス年輪を、私たち公民館を使っておりましたグループが中心となって自分たちで立ち上げました。  これをつくる前に、前年、九三年に当時の田無市、現在は合併をいたしまして西東京市になっておりますが、そちらの独り暮らしの高齢者の方の実態調査を市民グループで行いました。そのときの資料が、今日一冊持ってまいりましたが、テーマが「私はこの家で死にたい」というテーマにさせていただきました。六十五歳以上の高齢者の独り暮らしの方が約千人いらっしゃいまして、この方たちの半数を二人一組で調査をいたしました。この中で、高齢者の方が望んでいらっしゃることは、この町にこのまま住み続けたいという、そういう願いでした。九五%の方が今住んでいるところに住んでいたいということでした。  じゃ、もし要介護になられたり、いろいろな事情があったりしてこの町にどれぐらいまで住み続けられるんだろうかと思って調べましたところ、今から十二年前ですね、ほとんどサービスがない状況でしたので、何かがありますと、痴呆症状が出たり、あるいは転倒をされて骨折、あるいは脳梗塞等で半身麻痺になられますと、ほとんどの方が救急病院からたらい回しで遠くの病院に行って亡くなっておられる状況でした。ほとんどの高齢者の方がこの町に住んでいたい、私はこの家で死にたいという願いを持っていらっしゃるにもかかわらず、その願いは遠くの遠くの夢の世界であったということをまず御報告させていただきます。  それから、私たちは、地域でいつまでも暮らし続けるためには、二十四時間、三百六十五日の介護ヘルパーさんの派遣と、それから夕食の配食が必要だなというふうに考えまして、それを発足させまして、事業を少しずつ広げながら、多くの方の力をいただきながらやってまいりました。  当時から、サポートハウス年輪と、名前の中にハウスというのが入っておりますけれども、認知症の方に対する非常に劣悪な環境がございまして、介護サービスがほとんどない状況の中で穏やかにお過ごししていただけるグループホームというものを、私がスウェーデンに行って九二年に見てきたものですので、是非とも町につくりたいという思いが強くて、ハウスと名前を付けました。それから、地域の方たちに広めるためにバザーを行ったり、いろいろなことをしてまいりましたけれども、なかなかこれは実現ができませんでした。介護保険の力は本当にすばらしいと、ここは思っております。  九九年に特定非営利活動法人格を取得いたしまして、二〇〇〇年から介護保険事業を行っております。左にありますように、介護保険サービスとしては六事業、それから独自サービスとして食事サービスを行っております。  やっと二〇〇三年の一月に、痴呆性高齢者のグループホーム、ねんりんはうすが開所いたしました。一般のマンションを、賃貸マンションを借りておりまして、一階にサポートハウス年輪の本部があります。そこの三階部分の三つのお部屋、二DKですね、四十平米の二DKのお部屋を三つ、真ん中のコンクリートをぶち抜きまして、都市型のグループホームということで、東京都ではこれは初めてだということでしたが、行っております。是非機会がありましたら見に来ていただきたいと思います。そんなようなことで、サポートハウス年輪をずっと運営してやってきました。  私は、今日この場に来まして、現場の多くのお年寄りの方と、私もホームヘルパーをやっておりましたし、特養にも勤めておりました。それから、二〇〇〇年からはケアマネジャーとして利用者さんの相談、あるいはコーディネーターとしてヘルパーの派遣の方、それからグループホームの計画作成担当者、現在は認知症介護の東京都の指導者もしております。こういった立場の中で、多くの利用者さんの御相談あるいはサービスにかかわる中で、今回の介護保険の改正につきまして、市民の立場から、あるいはNPO法人としての立場、利用者さんの声をお届けしたいという思いで発言をさせていただきます。よろしくお願いいたします。  先ほど申しましたように、地域で暮らしていらっしゃる高齢者の方、高齢者とは問わず私たちはこの町でいつまでも暮らしていきたい、暮らし続けるための制度であってほしいというふうに思っていらっしゃる方が一〇〇%とまず思っていただきたいと思います。  じゃ、今の西東京市で要介護五の方がどれだけ暮らしていることができるか。皆さん、住んでいらっしゃる地域で要介護五、最重度の方が在宅で暮らしていけますでしょうか。そういう制度になっているかどうかということをまず検証いただきたいと思います。  私の経験から申しますと、要介護五の方で在宅で暮らしていらっしゃる方には条件があります。一番には、おうちを自宅で持っていらっしゃること、在宅ですね。賃貸ではなかなか難しいですね。持ち家であるということ、家賃を払わなくてもいいということですね。ローンがないということですかね。それと、あとは介護してくださる方がいらっしゃるということです。介護保険制度は在宅中心でしたけれども、家族介護に負っているところが非常に多いですよね。ここをなくして介護保険制度の改革はないと思っております。御家族がきちんと介護することができる方、そうじゃない限りは在宅で要介護五の方が地域で暮らしていくことはできません。ですから、在宅中心の介護保険制度ですけれども、介護度が限られているというところを是非注目いただきたいと思うんですね。  今回の介護保険の改正の目玉であります予防重視型システムへの転換、これは言葉が悪いかも分かりませんが、私は、勝ち組、負け組という言葉がありますね、最近よくテレビで出ておりますが、これを促進する可能性が非常に高いんではないかなというふうに思っているんです。是非ともこの点をお考えいただきたいなと私は思います。  じゃ、どんな勝ち組、負け組なのかといいますと、御利用者さんにとっては、自立者は勝ち組ですね、介護予防ですから。介護になった方は負け組になります。  私は、介護予防という言葉はどうなんでしょうかということで、十月に厚労省の有識者ヒアリングに出ましたときに、何とかいい言葉ないんでしょうかという話をしました。非常に切り分けていく言葉じゃないかなと思いますので。介護予防の内容自体は特に悪いとは言っておりませんが、そういうふうに、要介護者、介護を今受けていらっしゃる当事者ですよ、御本人さんの気持ちが、ああ、自分は介護を受ける身になってしまったんだというふうに落ち込んでしまわれるような状況が現在もあるんですね。そういう意味で少し危惧をしております。  それから、じゃ事業者にとってどうか。私のところもNPO法人で介護事業をやっております。訪問介護がどうなるか分からないという状況の中で、資本力のある事業者は勝ち組ですね。資本力のない団体にとっては、負け組になるかも分からないという不安を非常に抱えております。訪問介護事業所は非常に脆弱ですね。資本力のない団体がたくさんおります。そういった事業体の中で訪問介護の収入が減っていきますと、倒れるところはたくさんなりますね。介護保険前から地域の中でニーズを拾い上げて一生懸命頑張ってきた、そういう事業者が消えていく、吸収されていくということがあります。現在もう既に始まっておりますね。大手の訪問介護の事業者さんが西東京市でも小さい事業所を吸収しているという状況がもう始まっております。ですので、事業者にとっても勝ち組、負け組が出てくるのかなという不安があるという、こういったようなことが懸念されている現場であることをまず御報告させていただきます。  それから、訪問介護につきまして私は今日は中心でお話しさせていただきたいと思っておりますが、要支援・要介護一の軽度の利用者さんが訪問介護を利用したために自立度が落ちてきたというような調査があるということで、家事援助じゃなくて家事代行サービスになっているということで、ちょっと目の敵のように言われているかと思います。これが見直しの大きな項目になっていることは御承知だと思いますし、私もそのように聞いております。  じゃ、何で家事代行になったんですかというところなんですね。介護保険で算定できる家事援助の内容というのは全然示されていなかったんですよ。介護保険制度が始まったときに、じゃ、介護保険でできる調理、洗濯、掃除というのは一体どういうものかという内容についての示しが何もありませんでした。こんなふうになるのは当然の結果だと私は思っています。現場任せで家事援助の内容を示してこなかったツケが今、回ってきているかなと思います。  私は、デンマークの訪問介護ですか、ヘルパーの現場に行ってきたときに見せてもらったものがございますが、例えば、掃除でしたら一週間に一回を頻度とするとか、洗濯は一週間に二回までとするとかというふうに決まっていますし、内容も決まっているんですね。そのようなことを何もしないで、介護保険の中での家事援助というだけでやってきたツケは今大きく回ってきていると思うんですね。現場のヘルパーが勝手に利用者さんの言われるようにやってしまった例もあるかも分かりません。それは認めますけれども、でも、きちんとした制度の中で、家事援助というものを介護保険に入れた以上は、やはり示すべきであったんじゃないかと思います。これは今後も是非とも示していただきたいというふうに思いますし、各自治体でそのモデルを出すんであれば、そういった形を示した方がいいと思います。  例えば、調理を、一汁一菜なのか、こんなものが介護保険でできる調理だよというのがないと、日常生活を営む上で援助する調理というのが利用者さんによって違うんですね。うちはフランス料理を毎日食べていますという家もあるわけですよ、例えばですけどね。現場のヘルパーは非常に混乱しているということがあります。何で家事代行になってしまったのかということをもう少しきちんと評価をし、やるべきことはやっていただきたいなというのが私の考え方です。  それと、訪問介護員のことを家事代行をするロボットのようには考えていませんかというふうに今回の改正で私は感じられます。訪問介護の仕事を私も長年やってきましたが、これは対人援助技術を要する仕事です。単なる、訪問介護ですね、ヘルパーさんはおうちに入って料理を作ったりお掃除をするロボットでは決してありません。対人援助ですね、メンタルケアが現場で行われているということを是非評価しなきゃいけなかったんではないかなというふうに思っております。家事援助とかそういう内容だけではなくて、対人援助の仕事をしているのが訪問介護員だということを是非とも御理解いただきたいというふうに思っています。  そういったようなことが案外介護予防につながっている例は山ほどあるわけなんですよ。ですから、軽度の方に対する訪問介護が、介護給付が行われなくなったときに、筋肉トレとか転予とかいろいろメニューが出ておりますけれども、要支援、要介護者の介護にちょっと不安を感じていらっしゃる、生活にちょっと不安を感じていらっしゃる方のメンタルケアをどのような形でしていくのかということが非常に大事になります。ここを抜きにして新予防給付の方に移行していきますと、私は、かえって介護予防じゃなくて介護を促進することになりはしないかというふうな危惧を現場の中では非常に感じておりますので、このメンタルケアというところを是非とも御協議いただきたいというふうに思います。  最後になりますけれども、最重度の方の利用者の尊厳についてお話しさせていただきます。  グループホームもやっておりますし、多くのいろいろなところのグループホームも見てきておりますけれども、さりげないサポートということで、利用者さん本位の、尊厳を守りながら拘束をしないケアを提供しているグループホームも幾つかたくさん出てきていると思うんですね。それで、最後になりまして入院になりますね。入院になられる利用者さんがいらっしゃいます。そうなりますと、今の今まで自由に暮らしていらっしゃった利用者さんが、入院した途端ばりばりの拘束で、なってしまわれる現実というのが最近あるんです。グループホームのスタッフは見舞いに行きましてもがっかりして帰ってきます。僕たちは一体今まで何をやっていたんだろうかということの現実がございます。  グループホームは通過施設と言われておりますけれども、最後のところで利用者の、高齢者の尊厳を守るということが認知症介護の大きなテーマになっておりますね。これは、尊厳は、最後、死を迎えられるまで守れるような仕組みを医療と介護とが連携していくべきではないかなというふうに思っているんですね。グループホームあるいは施設のぎりぎりの介護のところで尊厳を守っていても、最後のところで尊厳が守れない、守れないというか、守ってられないというんですかね、医療の方に行くという現実もあることを皆さんの方に御報告させていただきたいと思って言いました。  本当に最後なんですが、九十歳の利用者さんから、私が今日ここに行くんだよというお話をしましたら、是非言ってもらいたいっておっしゃった言葉がありますので、これを言って最後にしたいと思います。  自宅ほどいいものはないんだ、家でいつまでも暮らせるような仕組みに是非ともなってほしい。介護保険制度がそういうふうになるんだったら、もう一生懸命税金も払うし、保険料も払うし、自分は、私が最初に申しましたように、私はこの家で死にたいんだと、それを支えてくれる介護保険制度に是非ともなってほしいということを今日は訴えてきてほしいと言われましたので、最後にそのことをお伝えして、終わりにいたします。  ありがとうございました。

岸宏一自由民主党

○委員長(岸宏一君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  なお、質疑の時間が限られておりますので、参考人の方々には簡潔な御答弁をお願い申し上げます。  また、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。  それでは、質疑のある方は順次御発言願います。

西島英利自由民主党

○西島英利君 自由民主党の西島でございます。  本日は、それぞれの立場で非常に貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございました。  その中で、まず野中参考人にお伺いしたいんでございますが、実は私自身も介護保険がスタートする前からこの制度に深くかかわっておりまして、そのときに、大きな最初の問題は、介護認定審査会の中で、このような状況ではなかなかしっかりとした明確な認定ができないということで、大変な混乱が起きたというふうに考えております。  今回、さらにこの要介護状態区分、新要支援一、要支援二という形で、これを介護認定審査会できちんとまた分けていくんだというような考え方も実は示されているわけでございますが、私はこの委員会でも、これはまた新たな混乱を起こすことになるというふうに言っているわけでございますけれども。  先ほど参考人が経過措置を付けたらどうかというようなことをおっしゃったんですが、具体的にお教えいただければと思います。

野中博社団法人日本医師会常任理事

○参考人(野中博君) 確かに要介護認定の現場ではまだまだ混乱が解消されたとは言えませんし、今回の見直しにおいて、また新予防給付という部分で、新予防給付とそれから介護給付に対するスクリーニングということの役目があるわけでございます。このことに関しましても新たな負担ということでございます。  一つには、この問題の選別に関しましては、調査認定項目、七十九項目、現在の七十九項目に加えて約十項目ぐらいの調査項目を置く。さらには、主治医の意見書に対しても、生活機能に関する項目を加えて選別するということも現在検討されております。このことに関して、果たして選別が可能であるかどうかの検証がまだされていないということが一つございます。  それからまた、この選別とともに、サービスが地域包括支援センターというところで実施されたケアマネジメントに対して行われるということから考えますと、その辺で、地域包括支援センターが約二年間の猶予期間があるということも考えますと、その認定、選別、スクリーニングに関しましても約二年間から検証が必要ではないかと思っています。  最後にもう一つ加えますと、要介護度の認定にとって必要なことは、一つは、コンピューターによる一次判定も必要でございますけれども、適切なケアマネジメントのケアプランとの対比ということによって、その認定が適正に行われているかどうかと。その検証がまだまだ行われていませんので、その検証なくしては適切な要介護認定ができないという部分も付け加えさしていただきたいと思いますので、委員の御質問としては、私は少なくても三年間前後の経過措置というものが必要だろうというふうには考えておりますけれども。

西島英利自由民主党

○西島英利君 もう一点お伺いしたいんですけれども、先ほどからそれぞれの立場の参考人からも出てきたんですが、医療と介護の密な連携ということがよく出てくるんですけれども、ただ、介護報酬、医療保険の診療報酬上、その連携を阻むような、そういうやっぱり私は報酬制度になっているような気がするんですけれども、この辺り、どういうふうにしたらいいのかという具体的なものがありましたらお教えいただきたいと思うんですけれども。

野中博社団法人日本医師会常任理事

○参考人(野中博君) 医療と介護との連携は非常に重要なことでございますし、先ほどほかの委員からも言われましたように、在宅における医療依存度の高い患者さんに対して様々な医療があるいは介護が提供できるかということに対しても問題がございますけれども、施設という部分で一つ、会員の方々から言われている苦情が一つございます。  実は、特別養護老人ホームでございますけれども、そこに医師がいわゆる施設長から依頼を受けて往診をしてほしいという場合に、実際には診療報酬表にはみだりに往診してはならないという項目がございます。これは実は、配置医師であれば往診等の健康管理は必要でございますけれども、配置医師とされていない医師が施設からの依頼を受けて、その従来の患者だった、従来の患者に対して治療を行うために施設を訪問しますと、これに関しましてはみだりに訪問してならないという項目がございまして、適切に医療が提供できない現状がございます。  一つは、いわゆる特別養護老人ホームの施設がその患者さんの医療依存度、医療の依存度におきまして適切に医療が提供できるような体制というのを整備することが必要でございますけれども、どうもそこが生活する場ということで医療の提供体制が不整備であるということが現状でございますので、この点に関しましては、外部の医師が要請に応じて適切に医療を提供できるような制度が、今後、その患者さんのいわゆる病状の重症度に加えては必要だろうというふうに考えておりますので、今後それに関しては是非御検討いただきたいということでございます。

西島英利自由民主党

○西島英利君 大川参考人にお伺いしたいんでございますが、先ほどからのお話の中で、生活機能低下のことをお話をしていただいたわけでございますけれども、今回の介護保険の見直しの中で新予防給付というのがどうして出てきたのかといいますと、やはりその不適切なケアプランの結果、要介護度が悪くなってきたというところからこの新予防給付という考え方が出てきたというふうに私は考えているわけでございますけれども、その中で、もう一枚の資料に生活機能モデルという、ICFということがございますが、これはまさしく参加活動というこの言葉があるわけでございますけれども、こういう参加活動という視点の中でどのようなケアプランを立てていけばいいのか。  それから、やはりそのケアプランを立てるときにケアカンファレンスをしなければならないことになっているわけでございますが、そのためには、それぞれのサービス事業者がこのカンファレンスに参加をして、ケアプランを一緒になって立てていくという、そういう役割があるというふうに思いますけれども、それが縦割りになっていまして、それぞれのサービス事業者の役割が明確でないと。  それから、先ほど安岡参考人が家事援助のお話をされましたけれども、どういう内容をしたのかの明確な指示がなかったのでというお話だったわけでございますけれども、しかしこの参加活動という一つの共通の理解の下で、じゃそれぞれのサービス事業者、サービスを提供される方がどのようなサービスをすればいいのか、それをやはりお互いに話し合って決めていけばこのような結果にならなかったんだろうというふうに私自身思うんでございますけれども、そういう視点から、このICFを使ったケアプランの考え方で何かお考えがあればお教えいただきたいと思います。

大川弥生国立長寿医療センター研究所生活機能賦活研究部長

○参考人(大川弥生君) 先生がおっしゃいましたその不適切なケアプランというところからまず考えますと、一つは、いろいろな事業者さんなどが関与なさいますけれども、そのチームワークがきちんと発揮されていたのかという点があると思います。それから第二点目としては、やはり本当の意味の自己決定権がきちんと行使されていたかと、そういうその二つを基にしたケアプランであったかということだと思いますが、その観点をきちんとやるためには、このICFの考え方、生きることの全体像についての共通言語ということが非常に有効だというふうに考えております。  この共通言語というのは共通の物の考え方ということでございまして、特に先生が御質問いただきましたように、活動、今日は生活動作というふうにお話ししましたし、参加は人生の豊かさというふうに言いましたけれども、この観点というのはやはり御本人がある意味私は専門家だというふうに思います。ですから、御本人の分かりやすいような表現できちんと議論をするということが大事かというふうに思います。  そのときに、専門家といいますのはどうしても自分の専門の領域のことを中心として、ある意味自分の専門的な言葉で議論をするというところがございますので、やはりすべての専門職が、もちろん自分たちの専門的なところは深く掘り下げながらですけれども、このお手元の別刷りの資料の一の一にありますような、これがICFの全体像でございますが、このすべての生活機能の領域、それからそれに関与します、上でしたらば健康状態、それから、環境因子、個人因子がそれぞれどういうふうに関与するのかというのを、自分の専門分野だけではなくて、すべてのところに関してきちんと考えて、その上で相互の様々な専門家が持ち寄って議論をして一つの全体像をきちんととらえると。しかしながら、それはもちろん御本人と一緒にとらえてどのようにすべきかということを、特に参加活動を中心として決めていくということが大事かと思います。  そういう際におきまして、このICFで共通言語としての、このモデル図として相互関係なんですけれども、具体的にはこの資料の一の二に何が特徴であるかということは書いておりますので、今日述べませんけれども、こういう観点で整理しながら議論していただくのが非常に有効かと思っております。  以上です。

西島英利自由民主党

○西島英利君 久野参考人にお伺いしたいんでございますが、先ほどのあのすばらしいデータをお示しいただきましてありがとうございました。そのときにちょっと気になったのが、ウオーキングではなくという言葉が出てきたというふうに思うんですが、例えばウオーキングにもいろいろありまして、例えば階段とか坂とか、こういうのはやっぱり筋力向上には非常に有効であるというふうに私自身考えておるんですね。  それはなぜかといいますと、これは実は前回の厚生労働委員会の質疑応答の中で、今日おいでになっています小池委員が、長崎は要支援が非常に多いということだったんですが、長崎は非常に坂が、坂といいますか階段が多いんですね。それから、先日実は地震の関係でお伺いしたところは島ですけれども、そこはもう自分の家に行くのには階段をずっと上っていかないと行けない。そこは余り寝たきりの方がいらっしゃらないというような状況もございまして、こういうような階段の上がり下りとか、そういう坂とか、そういうのをリハビリ的に考えてやれば、私は散歩というのも非常にそういう意味では効果があるのかなというふうに思うんですが、それを一点と。  もう一つは、緊急のときには筋トレマシンを使っても意味があるというようなことを先ほど一言おっしゃいましたけれども、この緊急というのは何をお考えになっているのか、お教えいただければと思います。

久野譜也筑波大学大学院人間総合科学研究科助教授

○参考人(久野譜也君) まず最初の御質問に関してですが、今日ちょっと途中で大腰筋という筋肉が非常にキーだというふうに申し上げましたが、実は階段を上ったりするときに非常にこの筋肉を使って実は上るわけです。そういう面では先生がおっしゃるような点はポイントだろうと。  ただ、私が今日申し上げたかったのは、一般論的に考えたときには、実は筋肉を肥大あるいは維持させるのにはいわゆる有酸素的な、特にウオーキング的なものでは実は肥大しないというのははっきりと出ています。実は、ウオーキングよりもう少し運動強度としては強いジョギングですね、ジョギングをしても実は筋肉は増えないということも実は分かっているんですね。そういう意味では、一定のいわゆる有酸素的なウオーキングだけでは筋力系に関しては足りないということに関しては科学的に言えばそういう結論になるだろうと。  ただ、気を付けたいのは、私はいろんな今全国呼んでいただくんですが、私が呼ばれていきますと、よく自治体の方が、今まではウオーキング教室をやっていたのを筋力トレーニング教室に変えましたとおっしゃるんですね。つまり、今日お話ししましたように、日本人の寝たきりの第一要因は脳卒中で、いわゆるウオーキングなどの効果というのはもうはっきりしているわけですね。そこを両方うまくやる、バランス良くやるというところが、下手すると一つのブーム的にどちらかに乗ってしまうという現状があるんじゃないだろうか。そういう面では、現在の介護、今度の新予防給付の筋力向上プログラムというふうに一つの筋力だけをフォーカスを当てた運動名を挙げていることには若干個人的には懸念を持っております。  それから、緊急度という二つ目の御質問に対してですが、いわゆるマシンを使った筋トレの場合は、やはり相当、PTの方やあるいは運動指導を相当経験を持った方じゃないとやはり危険度が高いだろうというふうに判断しております。  現状、三百五十万人以上の要介護者がいらっしゃるわけですが、そういう中で果たして現状でそれが可能だろうかと。そういう点で考えると、まず、非常に可能性がある、しかもこのまま行くとどんどん要介護度が進む方を最初に、そういう意味で緊急度というふうには申し上げた、意味、意図は、そういう意図でございます。

西島英利自由民主党

○西島英利君 ありがとうございました。  終わります。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 民主党・新緑風会の足立でございます。  まず、大変勉強になりました。それからまた、あしたからの質疑にできるだけこれを有効に生かしていきたいと、そのように思っております。  ところで、私は昨年まで茨城県医師会に属しておりましたし、一昨年までは筑波大学の大学院の教官でございましたので、まずはそのなじみの方々から質問させていただきたいと思います。  野中先生にお伺いしたいんですけれども、介護予防の新介護予防給付と介護予防給付、これを峻別しなきゃいけないんだと、そして地域に対して医師の役割、関与を広げていかなきゃいけないんだと、そのようなお話があったと思います。  私どもは、高齢者をスクリーニングして、その中の方々、選び出した方々を地域支援事業として、いわゆる介護予防という言葉を使っておりますけれども、それをやるんだということは非常にいいことだと思ってはいるんですけれども、実はそのスクリーニングという考え方が、どうも厚生労働省と我々が、普通一般の方が考えるのと大分違うような気がしまして、我々はできるだけ多くの方々、高齢者を対象にスクリーニングってやるものだと。その中から将来介護が必要になる可能性があるような方を抽出することによって、あるいは今は大丈夫だけれどもという方も選んでやるというのがスクリーニングかなと思うんですけれども、どうも厚生労働省は、要介護認定に手を挙げて非該当になった方、あるいは保健師さんが地域からどうもこの人は虚弱で危険性があるよという方をピックアップする、非常に限定された対象がスクリーニングと表されているんですね。  先生のお話の中で、要介護認定を受けて非該当になった方、これは私は、主治医としては関与があると思うんですね、医療を受けている方だと思うんです。ところが、医療を受けていない方々は仮にスクリーニング、我々が考えるようなスクリーニングの意味で介護予防給付に回った場合にどこで医師が関与するのか。医師の関与のシステムがこの場合成り立っていないんじゃないかと思うんですね。そこら辺の、峻別が必要だと先ほどおっしゃいましたが、峻別された場合は、医療機関に掛かっていない人は一体だれの指示でやるのかと。そこら辺のお考え、どうでしょう。

野中博社団法人日本医師会常任理事

○参考人(野中博君) お答えしたいと思いますけれども、ある面では大切な質問でございまして、一つは大事なことは、一つ介護予防で大事な視点は、私は治すという視点ではなくて支えるという視点が大事だということをまずお話をしていいかと。そういう中で、確かに非該当という方々に対して医師が関与していないケースがございます。しかし、要介護認定を受けたり、あるいはその場合には医師の、主治医の意見書もございますし、それからスクリーニング、地域から保健婦さんとか様々な方々が連れてくる方々に関してはそこに医師が関与していかない場合が確かにあるのは事実でございます。  しかし、これから新予防給付としてサービスを提供されるときには、先ほども何人かの先生方が介護予防の中で言われましたけれども、やはり医療で安全にサービスが実行できるかどうかの鑑別は実際に必要でございますから、私は、最終的にはそれは、サービスを提供する時点で一回医師との関係を設定すべきだろうというふうに考えています。従来は、医療に関係なくても、サービスを設定するときにやはりそこで医師が地区でどう関与するか。ある面では医師にとって予防という理念で患者さんと接点をするということが生まれるということもございますので。その視点で制度設計に対しては意見具申をしてまいりたいと思っていますので。以上のことがお答えでございます。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 その中の、地域支援事業の中に、そこからサービスを提供するときになったら医師の関与もはっきりしなきゃいけないと今おっしゃいました。今回の改正案では、そこに医師の関与が書いていないんですね。その点だけ申し上げておきます。  もう一つ、ちょっと話題が変わりますが、予防サービスについては久野先生にまたお伺いしますので、ちょっと内容を変えます、野中先生なんですが。  今年の正月に広島県福山市の福山福寿園、ノロウイルスの感染で七名の方が亡くなりましたですよね。その後、厚生労働省からこれといった報告書みたいなものはないんですね、いまだに。  もちろん、医師ですから私がお伺いしたいのは、先ほど三施設とそれから医療との関係なんですけれども、今回、この事件をどのようにとらえられて、どうあるべきだとお考えでしょうか。実はその後、調査で、ノロウイルスに関しては、感染性胃腸炎を起こした方が全国二百三十六施設で七千八百二十一人、そのうちノロウイルスの検出者は五千三百七十一人、死亡者十二人というデータが出ております。いかがでしょうか。

野中博社団法人日本医師会常任理事

○参考人(野中博君) 私自身は一つは、これは適切に、こういう場所であれですけれども、やっぱり起きた施設における医療提供体制の不備が一番やっぱり大きいだろうと思いますし、先ほど西島議員から御質問にありましたように、ある、特に特別養護老人ホームに対する医療提供体制という部分が、配置医師という、健康管理の下に配備、設定されているということが大きな問題だろうと思っています。実際にはそこで、そこの患者さんに関しては集団的にそういう感染があるわけでございますから、そのときに対してどういうふうに対処するかということが特別養護老人ホームの中では設定されていない現状がございます。  私も三月三十一日までは浅草というところで特別養護老人ホームの配置医師でございましたけれども、盛んに、そういう休日とかあるいは夜間とか、そういうことに対する医療体制に対して具申しますけれども、なかなかその辺に関しては興味が薄いというのが現状でございます。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 その辺の対処がちょっと足りないという解釈でよろしいかと。ありがとうございました。  それでは、久野先生にお伺いいたします。  先生の研究事業は私もずっと前から存じ上げておりますし、昨年やられました厚生労働省のモデル事業なんかに比べてはるかにすばらしい。研究としてもすばらしいし、きちっと解析されていると、そのように思っております。  三点お聞きしたいんですが、一つだけまずは確認なんですけれども、先生の述べられたことの中で、自体重を利用した筋力トレーニングは個別プログラムであることが大事だと、個々の人にとって個別プログラムが大事だ、そして時間を掛けることが大事だと。その二点は私のそういう解釈でよろしいでしょうか。

久野譜也筑波大学大学院人間総合科学研究科助教授

○参考人(久野譜也君) 先生のおっしゃるとおりです。  非常に個別性と、あと、状況に応じて時間を掛けることということが非常にポイントです。そのためには、だれがそれを判断するかというと、良い指導者がそこにいることということになると思います。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 おっしゃるとおりだと思います。  そこで、良い指導者のことについてお伺いしたいんですけれども、今現在は、地域支援事業にしても、それから新予防給付にしても、機能訓練指導員という名前で職種が挙げられております、PT、OTとか看護師さんだとかいろいろ入ってくるわけですけれども。先生の考える筋力トレーニング、自体重を利用した筋力トレーニングに必要な専門的な指導員という職種の方々はやはり今までのそういった国家資格を持たれた方々とは若干異なる、あるいはその方々に更に研修を加えるべきだ、そのように思われていますか。

久野譜也筑波大学大学院人間総合科学研究科助教授

○参考人(久野譜也君) 非常に対象者が多いと思っているんですね。いわゆる介護保険の適用者だけではなくて、その予備軍まで考えますと、一般的に高齢者、今、介護保険対象者が全体の二であり、そうじゃない方は八になるわけですね。すると、両方を視野に入れるとすると、今いる専門職だけではとても足りないだろうと。  それからもう一つ、私が気になっておりますのは、いろんな講習会、資格のカリキュラムを精査、今しているところですが、非常にいわゆる指導法だけの講習会なんですね。いわゆるそこの評価をしてあげたり、あるいは非常にもう一つ気になるのは継続。先ほども申し上げましたが、始めて続けられなければ意味がないんですが、いかに続けていただけるかと。そういう指導法とか、そういう点では非常にまだ欠けている部分があると、そういう点が解決しないとなかなかうまくいかないだろうというふうに考えております。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 じゃ、久野先生に最後の質問なんですが、その自体重を利用した時間を掛けた個別プログラムの筋力トレーニング、これは、いわゆる高齢であるけれども自立された方あるいは今までの認定で要介護度一の方、それでもう一つ、いずれ要支援、要介護が必要になるであろうと思われるような方、このような方々にちゃんと群分けしてその有効性について検討されたことはありますか。

久野譜也筑波大学大学院人間総合科学研究科助教授

○参考人(久野譜也君) 今先生がおっしゃっていただいた群に関してはすべて検討しておりまして、いずれの群においても我々の研究室では効果を確認しておりますし、更に付け加えさしていただければ、いわゆる生活習慣病予備軍ですね、四十代、五十代に関しても効果は認められております。特に、いわゆる糖尿病対策として今非常に筋肉量の維持が重要だということが指摘されていますので、そういう面では幅広い層に対して必要だというふうに考えております。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 といいますと、できるだけ多くの方々に、生活習慣病の予防も含めて、できるだけ多くの方々が対象となるべきだということでよろしいですね。

久野譜也筑波大学大学院人間総合科学研究科助教授

○参考人(久野譜也君) 全くそのとおりだと思っております。特に私が気になっているのは、我々の、科学的には例えば三か月掛けて上げた筋力といいますか、生活機能は三か月やらなければ元に戻るということはもう科学的な常識なんですね。そうしますと、あるときだけやってその後の受皿というのが今非常に、指摘もされていますが、我々が全国いろいろ見ていて、あるいは調査を掛けても非常に不足をしていると。ですから、その点を同時にやはり進めていかないと、結果的にはうまくいかないだろうというふうに考えております。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 はい、ありがとうございます。  宮島さんにお聞きいたします。  長野県の取組としましては、私たちは、手前みそな民主党の話になって申し訳ないかもしれませんが、今井先生を始めとして、地域全体あるいは県全体で健康というものを考えて、そしてまずは啓蒙活動、啓発活動を住民にやっていくんだと、それから医師はできるだけ、あるいは看護師さんも地域へ入っていくんだと、そのような取組、私は先ほどおっしゃったことがその一環であるような気がするんですね。それを受け入れられるような県民の感覚もでき上がっているんだと思うんです。だから、やはり一人当たりの医療費が日本で一番少ないし、健康寿命は一番長くなっていると、そういうことだと思うんです。  そこで、内閣府がやられている国民の意識調査というもので医療従事者、これは医師や看護師あるいは介護に携わっている方々の意識調査で、最後はどこで亡くなりたいかという質問に対して、医療従事者は自宅が一番なんです。で、次が介護施設、その次が療養型の医療施設、そういう順番なんですね。ところが、医療に全然関係ない一般の国民の方の意識調査では、自分がどこで亡くなりたいか、一番は病院なんですね。二番が老人ホーム、三番に自宅が出てくるんです。  ということ、医療従事者と一般の国民の方は大分違うということなんですけれども、このような取組で、できるだけ地域へ、地元へ、我が家へという取組の中で意識が変わってきているという感覚はありますでしょうか、あるいはそのような分析をされたことがあるでしょうか、今の国民の意識としては、長野県民の意識として、あるいは「さなだ」の方の意識としては違いがあるでしょうか。

宮島渡社会福祉法人恵仁福祉協会常務理事特別養護老人ホームアザレアンさなだ施設長

○参考人(宮島渡君) 大変申し訳ないんですけれども、まだそういった意識調査はしてございません。今後、ちょうど合併することを機会にして今の福祉サービスについての満足度を調べる調査を今年度行いたいというふうに考えておりますが、これだけ整備が進んでおりますので、どのような結果が出るのかは非常に楽しみにしておりますが、そういうふうに進めていきたいと思っております。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 残りのお三方、大変申し訳ありません。時間がなくなってしまいましたので、私の質問を終わります。  どうもありがとうございました。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。今日は六名の参考人の皆さん、大変貴重なお話ありがとうございました。  まず、大川参考人にお伺いをしたいというふうに思います。二点ございます。  まず一点目は、参考人のお話で生活不活発病、いわゆる一般には廃用症候群と言われているものが原因でどんどん身体機能が低下していくということを正確に把握をした上で、生活不活発病という表現を取れば、それを治していくのは生活の活発化が大事であるという御趣旨のお話があったかというふうに思いますが、私はお話を伺って、問題は、確かに先ほど参考人おっしゃっていたとおり高齢者御本人が一番の専門家であると。自分の体の状況、生活の実態等、お分かりだという意味でそうだというふうに私も思うんですが、他方でメンタルな要素が生活が不活発になっていく過程で非常に強いのかなと。  つまり、自分の体はかなり弱っていると。それが病気であれ、あるいはどこかの痛みであれ、あるいはけが等がきっかけであれ、それがだんだん固定観念化していって、仮に、参考人が資料の中で御指摘になっていたように、例えば本人がもう私は動けないというこの固定観念が強くなったときに、周囲の人間がそうではないということを言って、さらにその生活を活発化すべきであるということを言ったとしても、なかなか心理的に受容できない、それを認められないという状況があり得るのではないかというふうにちょっと想像をするわけでございますけれども、そういうメンタルな部分の御本人の固定観念がこの生活の活発化を妨げるような状況になっている場合はどのような対処をされたらいいのかというのが一点でございます。  それから二点目は、参考人のレジュメの資料で十一ページ目のところに、いわゆる水際作戦ということでいろいろと対処が具体的に出ているわけでございますけれども、ここで生活動作が低下していることについて、発見をだれがするかということが書かれておりまして、本人・家族、それから医療関係者、それからまた介護の関係者、民生委員・地域住民グループ等々が発見のルートという形で挙げられているわけでございますけれども、実際に現在の介護保険制度の中でこの考え方を実行していく際に、例えばヘルパーさんが家に行きまして生活動作が低下しているということを仮に発見をしたといたしましても、ヘルパーさんは介護サービス提供者としてその家に来ているわけでございまして、なかなかこの生活動作の低下を指摘をして、そしてこの生活の活発化を促すような作業というのが、そもそもこのヘルパーさんの仕事の中に予定されてないのではないかと。  先ほど、安岡参考人でしたかね、いろんな現場では作業があるけれども、それがいろいろ明記はされてないということが指摘あったんですが、そういう現状を踏まえて、現実にこういった早期発見とその対処というのが今の介護保険制度の中でも可能なのかどうか。また、今回改正をするわけでありますけれども、どのように改善していけばいいのか。少々質問が長くなりましたけれども、二点についてお教えいただきたいと思います。

大川弥生国立長寿医療センター研究所生活機能賦活研究部長

○参考人(大川弥生君) まず一点目でございますけれども、メンタル的に問題がある場合ということでございますが、確かに先生がおっしゃるように、高齢者は、私の今日の資料では消極化というふうに書いたんでございますけれども、年だからということで生活の活発性がかなり落ちるという方がある意味かなりいらっしゃる。ほとんどそういう面を持っていらっしゃいます。そういう方たち、細かく実は拝見しましてお話伺いますと、やはりそれなりの理由があるということがあります。そのベースになりますのは、やはり年だからとか病気があるからとかいうことがありますので、そういう基本的な誤解は解く必要があると思います。  それからもう一つは、周辺が、やはりお年だから、おばあちゃま、もう無理しないでとか言うようなこともありますから、そういうところに関しましても、やはり家族や周囲の方にもきちんとした対応をするということが必要でございます。  そして三点目ですけれども、やはりなぜそのように消極化になったのかという原因はかなり丁寧に細かく聞いていきます。その場合も、やはりどうしても病気やそういうことを中心として聞きがちですけれども、例えば独り暮らしになったとか、それからお友達がいなくなったとか、それからそういう社会的な面も含めて細かく聞いて対応していくということになります。  じゃ、結局は積極化するにはどうしたらいいのかということになると思いますけれども、ほら、こういうことができるじゃないですかということをやはり見付けてあげて、積極的に活動性が上がるということが大事だと思います。そのときに、やはり、動きなさい、外に出なさいというふうに漠然と言いましても、それは正直申しましてなかなか無理でございまして、やはり人生の豊かさというレベルで、楽しいことはどういうことだろうということを見付け出して、ほんのちょっとしたことができたということを認め合って、そして、それをきっかけとしてどんどん範囲を広げていくということが私どもの臨床の経験上も非常に効果的なものだと思っております。ほんのちょっとしたきっかけが非常に大きな扉を開くというふうなことを実感しておりまして、それを見付けるのが専門家の腕かなというふうにも思います。  それから、二点目の早期発見のときの介護職の役割ということですが、厳密に法律的にどうなのかということに関しましては、私十分には把握していない面もあるかと思います。そこはもしかしたら問題があるようなことを申し上げるかもしれませんが、現実問題、介護職におきましても、ただサービスを提供する、介護をするというだけではなくて、そのいい介護を提供するためには、やはり診断的な、評価的なものをした上で、それは、毎日毎日、この方の状態はどうなのかという状況を見極めた上で、今日はどういう介護をするのが一番いいのかということを考えてやっていくわけですから、非常に低下をしたというのはともかくとしまして、軽度の低下や、今日は調子いいなとか、そういうことは日々の介護の中で実は本当は介護職はやっているというふうに考えていいんではないかと思います。  ただ、水際作戦の対象となるような非常に大きな低下のときにはどうするのかということを考えますと、これはやはりあくまでも介護保険サービスというのはチームワークとしてやっているというふうに考えまして、やはりそういうふうにほんのちょっとでも問題かなと思ったときには介護支援専門員なりそのチームの中のお医者さんなりと相談して対応するというのは、これは必要ですし、ある意味義務ではないのかなというふうに考えております。  以上でございます。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 ありがとうございます。  次に、久野参考人にお伺いをしたいというふうに思います。  先ほど足立委員とのやり取りも興味深く伺わせていただきましたけれども、私もお話を伺って、この筋力向上プログラム、トレーニングでも結構なんですが、介護予防事業の中に導入をして一定の効果をサービス利用者に上げていただくというためには、かなり専門性の高い指導、ガイダンスが必要であるというふうに私なりに理解をいたしました。  他方で、参考人からも御指摘あったとおり、指導を誤ればリスクも高いというところは、例えばマシンなんかを使う筋力向上プログラムにはあるかと思いますが、厚生労働省はこの介護予防事業に関して新しい国家資格等をつくる予定はないということを言っておりますし、また実際にこの介護予防事業が実施されていくときにどういう条件を備えた業者が指定業者になれるかということも実は明示をまだしていないわけでございます。国会での審議の中身を反映をして省令等で決めていくというふうに言っておるわけでございますが。  そこで、参考人が用意された資料を見ますと、ウエルネスマネジャーという名前が出てきまして、その養成を図るべきであるという御指摘がございます。一方、厚生労働省が今、現段階で提示をしておりますいわゆる介護予防マネジメントを実施をする主体者はだれかといいますと、この地域包括支援センター、中でも保健師等が具体的に明示をされておるわけです。そこに社会福祉士とか主任ケアマネジャーも入っていくわけでありますけれども、私がお聞きしたいのは、正にこの久野参考人がおっしゃっているウエルネスマネジャーというものが、恐らく厚労省の今の想定では、この主任ケアマネジャーとか保健師さんたちがそれなりの研修を受けて地域包括支援センターでやるという想定だというふうに思うんですが、参考人のお立場から、それが本当にうまくいくのかどうか、また、いや、それじゃうまくいかないから、やっぱりウエルネスマネジャーという職種をちゃんと発達させていかなきゃいけないのかどうか、その点について伺いたいと思います。

久野譜也筑波大学大学院人間総合科学研究科助教授

○参考人(久野譜也君) 非常に重要な御指摘だと思うんですが、一つは、今、多分、厚生労働省のお考えというのは、あくまでもこの介護予防給付、そこの中での仕組みだということで、我々が今養成していますウエルネスマネジャーといいますのは、そこももちろん一定部分は含んでいるというふうには考えているんですが、先ほど申し上げました、例えば高齢者だけ取っても二対八の割合で、八がいわゆるその予備軍だというふうにとらえれば、そこ全体を変えるための指導者といいますか、そういう人材育成という考え方でやっております。ですので、そこが今のところどうしても分かれているんですね。どうしても、こっち、介護保険というはっきりしている中での、今委員の御指摘というのはそこでの指導者資格だということで、そこを全体にもっと広げていく。  あるいは、今、高齢者というのは六十五歳以上をいうわけで、先ほど足立先生からの御指摘もあるように、いわゆる三十代、四十代も含めてもう一体として本来考えるべきで、そういう点では、今我々一番先導的なモデルとしては千葉県においてそういう考え方で進めていますので、その辺りが今後参考になるのではないかと。  あと、我々のウエルネスマネジャーも実は地域の保健師さんなんかが結構研修を受けて取っていただいておりまして、ただ、残念ながら、やはり介護予防といいますか、国で指摘されたところがまず第一優先で、大多数の八の方になかなか、なかなかそっちまで手が回らないという現状があります。その辺りがやはり今後の大きな課題だろうというふうに個人的には考えております。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 野中参考人に一点お伺いをいたします。  参考人のお話の中で、要支援者の約八割がリハビリ系サービスを選択をしていないと。その要因としては、サービス担当者会議等でのケアマネジメントが適切に実行されていないという御指摘がございました。私もそういう問題意識を共有をしておるわけでございますが。  そこでお伺いしたいのは、野中参考人のお話で一番強調されておったのは、徹底したケアマネジメントが必要だという表現がされているわけでございますが、今、国会の議論の中では、ケアマネジャーの独立性を高めていく、強化をしていくことがこれから介護保険制度を改善していく上で一つの重要な柱であるということが言われておるわけです。  具体的には、多くのケアマネジャーが特定の介護サービス提供事業所に所属をしておりまして、それが公正なケアプランの作成を妨げているんではないかという指摘も一部あるわけでございまして、いずれにいたしましても、参考人のお立場からこのケアマネジャーの独立性を強化すべきであるという点をどう評価されるのか、また、そのことが徹底したケアマネジメントという御主張とどういうふうに関係があるのか、お答えをいただければと思います。

野中博社団法人日本医師会常任理事

○参考人(野中博君) 介護保険の中で、実はサービスの公平性、不公平性というか、それを担保しているのは、私はサービス担当者会議だと思っております。  実際には、確かに現場ではケアマネジャーが事業所に属していると。その事業所のいわゆる要望に応じてケアプランが作られているということはございますけれども、実際には御本人のいわゆる希望あるいはその生活の設定、そのことをきちっとサービス担当者会議が集まって協議をしていけば、実はそのサービスの偏向というものはないはずでございます。  介護保険制度が設定された最初の設定の中に担当者会議が設定された理由は、私は正にそこにあると思っています。ケアマネジャーが、ある面では、そういう面で、見方として、ケアマネジャーが事業所に属しているから偏向しているという見方もあると思いますけれども、ケアマネジャー一人一人がそういうことをしようと思っているわけではないと思うんですね。そういう観点から考えますと、徹底して、サービス担当者会議ということの中で、患者さんの自己実現あるいは公平性を考えていくという作業が本来の姿だというふうに私は判断して、徹底したケアマネジメントということを言っております。  以上でございます。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 ありがとうございました。終わります。

小池晃日本共産党

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  増子参考人にお伺いしたいんですが、新予防給付の問題点、指摘していただきました。  これ、マネジメントの主体が地域包括支援センターということになって、選択の自由を踏みにじるという先ほど御指摘もありましたが、これは専門家の関与は保健師ということを厚労省は主張しておりまして、これ大体、地域支援事業で二百ケースから三百ケース、それから新予防給付で二百四十ケースから三百六十ケースを一か所で持つと。これ、果たして可能なのかと。軽度のマネジメントというのは非常に大変だというふうに言われていますが、現実問題、こんなことができるのか。こういう別体系のシステムにマネジメント自体を移していくことも含めて御意見をお聞かせ願えればと思っております。

増子忠道特定医療法人財団健和会柳原診療所所長

○参考人(増子忠道君) 今御指摘のとおり、新しい地域包括支援センターが、今の想定されている数がどうかということですが、私たちのところでも在宅介護支援センターで今後地域包括支援センターに立候補するか、やろうかというような議論をしているところでもありますが、今のような数字が想定されているとすると、現状から見て大変困難である、ほとんど不可能に近い。しかも、我々のケースでもそうですが、重度、重介護の人たちや、そういう人たちのケースマネジメントも大変難しいんですが、むしろ今後のことも考えれば、かなり軽度の方や、先ほどの予防介護の問題も含めてですが、そういう人たちは本当にあらゆるケースやあらゆる問題を十分把握するということが大変重要なわけで、そのために費やす時間はむしろ重症の人よりも多いかもしれないというのが私たちの現場からの意見であります。  そういう点でいいますと、このような形のケースを担当するということになると非常に困難。しかも、専門性のことを先ほどいろいろ御議論聞かせていただいておりますが、そのことで適切な個別プランをするということは、まず大変困難だというふうに思わざるを得ないと思います。

小池晃日本共産党

○小池晃君 それから、参考人のお話の中で、ヘルパーの待遇改善がやはりこの問題では必須なんだというお話ありまして、早急な改善という御提言もあったんですが、具体的にどういう改善策が必要なのか、御提案いただければと思うんですが。

増子忠道特定医療法人財団健和会柳原診療所所長

○参考人(増子忠道君) 私たちのところでもヘルパーの派遣の仕事をやっておりますが、現在いろいろ公募して、足りなくて公募しておりますが、非常に最近は応募者が少ない状況にあります。いろいろ事情を聞いておりますと、結局かなり身分が不安定、直行直帰型の勤務というもので大変困っていると。実際に一か月収入としていただける平均が十万そこそこであるというのが我々の調べで明らかであります。こういう状態で本当に本腰入れてといいましょうか、プロとしてヘルパーの仕事をやるということに本当に満足できない、やっていけないという声をたくさん聞いております。  そういう点でいいますと、本来近代的な雇用関係で始まる予定だった介護保険が、最近は多少改善の動きがあるようには聞いておりますが、もっと徹底してまず身分とその待遇を改善するということが必須だと思いますので、その点で直行直帰型については一定の期間を設けて確実に改めるということが必要だと思いますし、実際に訪問するその中身の時間だけじゃなくて、訪問に行く行き帰りやまとめる時間等々のことも含めて考えると、相当の時間、あるいはカンファレンスや先ほどのサービス提供者会議の問題もありますが、そういうところに出る会議、相当ないろんなものが含まれてくるわけでありますから、そういうことをトータルとして見た待遇が必要であるというふうに思っております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 野中参考人に続いてお伺いしたいんですが、ホテルコストの徴収の問題で、中身もともかく、これ十月一日からやるということで、ほとんど利用者には知られていないし、私は厚生労働省が本当に一人一人説明してほしいと思っているぐらいなんですが、これ大混乱生まれるんではないかと思いますが、その点、どのようにお考えでしょうか。

野中博社団法人日本医師会常任理事

○参考人(野中博君) ホテルコストに関しましては、議員の言われる、もっともそうだろうと思いますし、先ほど足立委員が言われましたように、いわゆる医療関係者じゃない患者さんの方々にどこで亡くなりたいですかというような話をされたときに、やはり病院、施設というふうに言われることは、やはりまだまだ在宅の、いわゆる家という部分の基盤というか、そのものに対する国民の認識が少ないわけで、やはり病気や障害を抱えたらやむなく施設に入るしかないという方々が多いわけでございます。  そういう方々に対して一律に、特に十月からホテルコストを課すということは、本当に正におっしゃるように大混乱になりますし、そのために施設を出なければならない、そして不幸にも家族とともに在宅生活を余儀なくされるという部分では、やはり私は不幸な現状を認識しておりますので、それに関しては議員のおっしゃるとおりだろうと思っています。

小池晃日本共産党

○小池晃君 野中参考人は先ほど適切な公費負担が必要なんだという御発言もされまして、かつて介護保険制度始まる前は、高齢者介護に対する国庫負担五〇%でした。臨調行革前は八割でした。それが今の制度では二五%になっております。この国庫負担比率についてはどのような御見解をお持ちでしょうか。

野中博社団法人日本医師会常任理事

○参考人(野中博君) 国庫負担の額に関しまして私ちょっとコメントすることは差し控えたいと思いますけれども、やはり介護保険が始まりまして、従来の措置から変更されまして、利用される方が多くなり、気楽に利用されることになりまして、やはり介護というものがいわゆる国民に広く認識されたという部分でございます。  その部分の、介護というものが適切に認識されるには、今言われるように公費がもうちょっとやっぱり増えることも必要でございますし、それから保険料もやっぱり適切に負担する、利用者が負担することが大事だろうと思いますし、それはむしろ、利用される方ではなくて、支える方々がそのことに対する理解という部分では、私は必要な認識というふうに思っております。  額に関しましてはちょっとコメントを差し控えさせていただきたいと思います。

岸宏一自由民主党

○委員長(岸宏一君) 小池参考人。

小池晃日本共産党

○小池晃君 久野参考人にお伺いしたいんですが、先ほど筋トレによって日常の歩行能力が改善されるというデータをお示しになりました。統計学的にいうと、やはりコントロールスタディーする場合は無作為化がどうしても必要になってくると思うんですが、この教室参加者、非参加者という母集団の選定に当たって無作為化の検証というのはされているのでしょうか。

久野譜也筑波大学大学院人間総合科学研究科助教授

○参考人(久野譜也君) これはあくまでももう地域で自治体との共同事業でやっておりますので、いわゆる今先生がおっしゃったような無作為化はしておりません。  ただし、データとして議論をするときに、いわゆる運動、トレーニングへ入る前のプレの段階で両方に関して十分な比較、同質な集団であるかの検定も含めてやった上で比較をしております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 統計的に有意差ということを証明するのであれば、やはり私は無作為化というのは当然必要ではないかというふうに思っております。  それからもう一点、医療保険と介護保険のすみ分けというお話が野中参考人、増子参考人からそれぞれ出されまして、ちょっとその点についてお伺いしたいんですが。  野中参考人にお伺いしたいんですけれども、施設における医療保険と介護保険の給付で特養の例、出されました。私、よく聞くのは、老健も必要な医療サービスが報酬上保障されないんだという話聞くんですが、その点はどのようにお考えでしょうか。

野中博社団法人日本医師会常任理事

○参考人(野中博君) 介護三施設は、やはりいわゆる施設の特性に応じていわゆる利用者さんが移動するというふうな条件になっておりますので、重症度、医療の重症度に関してはある面では制限は加えられているということは一面でございますけれども、現実にはやはり各特養あるいは老健、あるいは介護療養型の施設においても医療がある程度制限されておりますので、その現状から、五年間たった現状から考えると、中の利用者さんの病状が変わっておりますので、その辺に関しましては適切に医療が必要なときには医療が提供できるような体制というものは検討すべきだろうというふうに考えております。

岸宏一自由民主党

○委員長(岸宏一君) ちょっと待ってください。  私、今、ただいま小池参考人と申し上げちゃいまして、大変失礼しました。訂正いたします。

小池晃日本共産党

○小池晃君 増子参考人にお尋ねしますが、医療保険と介護保険のすみ分けについて参考人からは在宅の問題でお話あったんですが、施設においてはどのような問題点あるとお考えか、お聞かせ願えますか。

増子忠道特定医療法人財団健和会柳原診療所所長

○参考人(増子忠道君) 今回は余りそれを図式化してお話しすることができなかったので補足させていただきますと、私は三施設とも目的としては同様のものを持っているというふうに思いますが、医療の比重が確かに違うということは言えるわけであります。  しかし、実際にそこに入所あるいは入院されている患者さん、御利用者を私たち直接見ておりますと、いずれの場合でも医療の部分が大変重要な役割をしている。特に老人保健施設におきましては病状の変化は大変頻繁に起こります。そういうところでそこにいる医者が対応できるかというとなかなかできない場面があり、しょっちゅう病院とのやり取り、行き来をしなければいけないということがあります。むしろ往診をするなりなんなりというようなことがあってもいいなというふうに時々思うのですが、それがなかなか難しいということがあって、本来はやっぱり老人保健施設においても介護保険と医療保険とという組合せで、医療保険も十分その場合には使えるような形の仕掛けをつくっていただくのがよろしいのではないかというふうに思っております。  特養についても、我々が知っている特養についても同じ問題があります。それは野中先生がおっしゃったところと同じであります。

小池晃日本共産党

○小池晃君 安岡参考人にお伺いしたいんですが、参考人はいろんなサービスを地域で展開されているわけですが、今回、小規模多機能、地域密着型ということがある意味でいうと今度の制度改革の中で唯一前向きなところかなと思っているんですが、実態が全然伴っていないじゃないかと、先ほど増子参考人からもそういう御意見ありましたが。現場で事業を展開されている立場から、今言われている地域密着型、小規模多機能というのが実効性があるのかどうかという点、どのようにお考えか、お聞かせ願えますか。

安岡厚子特定非営利活動法人サポートハウス年輪理事長

○参考人(安岡厚子君) 現在のサポートハウス年輪の活動内容とか事業内容を小規模多機能だというふうに言ってくださる方が多くて、見学が非常に多くなっているんですね。地域密着というのは、もう既に私たちがやってきていることをこういう名前で呼ばれてきたのかなというふうに思っているんですけど、厚労省から出ている小規模多機能は、まあ十五人程度で、ちょっと自由度が余りない感じで、事業が本当に成り立っていくのかなというところはあります。  あと、泊まりというのもあるんですけれども、なかなか、言葉は非常に、通って、泊まっていって、住んでというのは、あれはすごくいい言葉だとは思うんですけれども、事業の点からいきますとなかなか難しいかなというふうに思いますし、今宅老所をやっていらっしゃるところも、なかなかこれに介護保険外でやっていこうと選択される方も多いですので、制度的にこれが、小規模多機能と地域密着って非常にいいと思うんです。特に認知症の方にとっては見慣れた風景となじみの人間関係というのはいいことはもう現場で実証済みなので、もう少し自由度のある制度になっていかないと広がっていかないかなと。現在やっているところをもうちょっと取り入れられるような制度にしていくことが非常に大事なことだというふうに私は現場では思っております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 増子参考人、この小規模多機能、地域密着型、実効が危ういというお話ありましたけれども、その点で何か付け加えることあれば、最後にお聞きしたいと思います。

増子忠道特定医療法人財団健和会柳原診療所所長

○参考人(増子忠道君) 私も小規模多機能、地域密着型サービスのことの理念や発想は大変賛成をいたします。  しかし、実際私たちもいろいろ検討して、この事業が我々のところで可能かどうかというようなことでいろいろ検討しておりますと、先ほど言ったように、まずはリーダーがかなりきちっとしていなければいけないということで、リーダーの育成に相当時間が必要だということと、それから孤立してやるということはまず難しいのでサテライト形式でやろうというふうにすると、例えば泊まりの問題一つ取ってみても、これを実行するとなると、大変人手の問題や、それを待遇的にきちっと身分保障も含めて考えると経済的になかなか成り立っていない。元々点数がまだ出ていないので試算もできない状況ではありますが、そういう意味でいうと、本当にこれをやろうとすれば、一定の計算に基づいた、成り立ち得るような報酬体制を必要とするというふうに思います。

小池晃日本共産党

○小池晃君 ありがとうございました。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  今日は本当にありがとうございます。  まず、安岡参考人にお聞きをいたします。  先ほど筋力トレーニングに関して勝ち組、負け組というふうにおっしゃいましたが、もう少し展開をしていただけますでしょうか。

安岡厚子特定非営利活動法人サポートハウス年輪理事長

○参考人(安岡厚子君) ちょっと言い切って申し訳なかったんですけれども。  利用者さんの方で、今でも要支援、要介護一、二、三、四、五でカテゴリーに分かれていることに対して、今の状況では軽度に判定された方ががっかりされる状況があるんですね。要介護三の方が二になりますとがっかりされるというような状況があって、これは、介護保険の元々の考え方、自立支援に向けてのことがなかなか利用者さんの方に伝わっていないのかなというふうに思います。  ベースとしては、やはり介護保険の制度自体がまだまだ周知がされていないというところがあって、これを取り組むのはやはり国であり自治体であるというふうに私は思います。これがなくして介護予防のことも実施できないんではないかというところがまず一つありまして、自立になった方は、介護予防がどんどん進んでいきますと、介護予防をやらなかった人間だから要介護になったんじゃないかという負け組という形に、自分たちはやったから勝ったんだよみたいな感じになりはしないかということが非常に気になっているということを申し上げました。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 次に、増子参考人にお聞きをいたします。  レジュメに「最重度の対象者への、全く不十分な救済に対して、改革なし。」、「介護度五の支給限度額を撤廃、もしくは二倍化」とありますが、この点についておっしゃってくださいますか。

増子忠道特定医療法人財団健和会柳原診療所所長

○参考人(増子忠道君) これはもっと資料を持ってくればよかったんですが、私たちが介護保険の前後からこのことについては地域で実践をしております。往診や訪問看護やありましたが、それ以外に二十四時間の巡回型のシステムをつくり、独りでもどんな障害を持っても最後まで家にいられるということを実現しようということでやってまいりました。その結果、私たちの地域では現在でも、その人が望めば、どんな重症の状態であっても独り暮らしでも在宅に住み続けられることが実現しております。  しかし、そのときに私たちが統計を取ったりいろいろした結果、これは平均値でございますので、在宅で重介護の方々が必要な経済的な保障というものを平均値で取りますと大体五十万から六十万であるということが分かっております。もちろん、その中に百万以上の必要な方がおりましたし、三十万や二十万で済む方もおりました。独り暮らしということを前提にして考えると、本当に二十四時間、様々な形のサポートが必要であります。ケアだけではなく医療ももちろん必要でありますから、そういうことを、本格的にそれを保障しようということでありますと平均値がそのぐらいだということでございます。  したがって、今の介護度五の支給限度額のおおよそ二倍程度であれば、介護度五の方々の大体八割から九割が救済できるだろうというふうに思っております。今では、大体今の支給限度額では半分以下しか救われていない、もうちょっと少ないですね、ということで、これが老人保健施設や療養型のことやあるいは特養の待機者をたくさん生んでいることになるというふうに思います。  したがって、経済的な問題で財政上の保障がどうかということがあって危惧される面があろうかと思いますが、こういう介護度五の人で、しかも本当に最重度のような人の場合は、パーセンテージとしてはそれほど多くあるわけではございません。そういう人たちに保障することによって、実際は社会的入院や社会的な入所ということをかなり防げるということは私たちの実践で明らかでありますので、そういった面でもこの制度的な改革を是非お願いしたいと思っております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 久野参考人にお聞きをいたします。  二点ありまして、今日、話を聞くと、やはりかなり専門的なスキルやいろんなものが筋力トレーニングの指導には必要ではないかということをちょっと痛感をしたのですが、今回新予防給付という形でやると、果たしてそのことが間に合うのか、あるいは本当にいい、筋力トレーニングも含めてやることができるのかという点が一点です。  二点目は、実は今日、大川参考人からもありましたが、かなり中年期から長い間掛けて訓練をすべきであって、六十五歳からという話ではないだろうというふうに思うんですね、筋力トレーニングなどについて。そうしますと、私は今回の新予防給付はどうしても保険と税の関係をあいまいにしてしまうのではないか。本来は、保険業務というのは、税でやるべきところを保険でやってしまう、あるいは地域包括センターに保険料をぶち込めば本来は税でやるべきことを保険でやると、個人に還元すべき点が違ってくるのではないかという、税と保険の関係が非常にあいまいになってくるということを思うのですが、ちょっとその二点について、いかがでしょうか。

久野譜也筑波大学大学院人間総合科学研究科助教授

○参考人(久野譜也君) 済みません、最初の質問をもう一度よろしいですか、ちょっと。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 ごめんなさい。  専門的なことで十分できるかという。

久野譜也筑波大学大学院人間総合科学研究科助教授

○参考人(久野譜也君) ああ、そうですね。  間に合うかということですね。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 はい。

久野譜也筑波大学大学院人間総合科学研究科助教授

○参考人(久野譜也君) 一つは、今いろんな、逆に過剰だという報道もありますが、いろんなグループといいますか機関がそういう指導者育成をしていると思います。そういう中で、我々、私の考えは、ずっと十年間こういうことをやってきた中で、基本的にもう待ったなしの状況であることは、もうそういう状況だというふうに考えています。という点では、間に合わせるためにどうするべきかという考え方をすべきではないかと。で、実際に今我々もそういう指導者の育成準備をしておりますが、十分、あるいは実際今まで育成してきた中でも成果を出していることを考えると、それをなるべく早く広げていくという、そういう施策を構築するべきではないかという私は立場に立って考えております。  それから二点目の御質問なんですが、一つは、若いときからやった方が効果がある一方で、逆に、先ほど申し上げましたように九十歳で筋トレを始めても、実は筋肉というのは非常にいい臓器でして、効果があるということがはっきりしているわけですね。そういう点では、どの世代でも開始してよいという点がまず根底にあるだろうというふうに考えております。  それから、税と保険のその問題に関しては、ちょっと私は専門ではないので、コメントを差し控えさせていただきたいと思います。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 宮島参考人にお聞きをします。  地域で非常に様々なあるいは包括的な取組をされていらっしゃることに本当に心から敬意をいたします。  ところで、今回の介護保険改正法案、評価どうですか。実際、現場で困るんじゃないか。いかがでしょうか。

宮島渡社会福祉法人恵仁福祉協会常務理事特別養護老人ホームアザレアンさなだ施設長

○参考人(宮島渡君) 一つ一つの事柄については様々な問題があると思います。  私は施設の運営をしておりますが、一方では小学校区に小規模多機能施設も造っております。小規模多機能の単体で運営するというのは先ほどのお話のようにかなり厳しい話ですし、非常にリスクが高いと思います。なかなか、その報酬の設定の仕方によっては、それに参入するかどうかということはなかなか難しいかもしれません。  私は、一つのモデルとして、特別養護老人ホームだけではなく、特別養護老人ホームの資源を使ったり、あるいは特別養護老人ホームの持っているノウハウや人材を小規模多機能のサービスの中にうまく組み入れて、そして特別養護老人ホームのサービスのいいところと小規模多機能のサービスのいいところを、とにかくいいとこ取りをして地域を支援していくというモデルを考えていきたいというふうに思っています。これは、単純に小規模多機能だけの報酬の問題ではなく、もう少し包括的に、全体的に地域をどう支えていくのかというような部分があった方がいいと思います。  そういう意味では、地域密着イコール小規模多機能というような構図ではなかなか難しくなっていくし、逆に小規模であるということが様々なデメリットを生みますし、報酬も高く設定しないと事業として成り立たないという部分についてはいつまでたっても解決されないかなというふうに思っておりますので、今ある資源、例えば施設、それから診療所、いろんなサービスがあると思うんですが、そういう今ある資源をうまく使いながら今問題となっているサービスを少しずつ改善していくようにしていっていただきたいなと思います。新しいものをつくるということだけではなくてですね。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 安岡参考人にお聞きをいたします。  介護責任者の報酬、あるいは、この委員会でもヘルパーさんやケアマネジャーの報酬などについて労働条件の向上について議論をしてきたんですが、その点についてどうすれば改善できるかについてお考えを教えてください。

安岡厚子特定非営利活動法人サポートハウス年輪理事長

○参考人(安岡厚子君) 訪問介護員のことにつきまして、質が悪いとか、苦情もすごく多いとかということが各調査でも出ていると思うんですが、ホームヘルパーさん、訪問介護員を管理をするというか利用者さんに派遣をするコーディネーター、あるいは訪問介護計画を作るサービス提供責任者というのを常勤で雇用するというのが事業所に義務付けられているんですが、このサービス提供責任者の報酬というものの体系が介護保険の中には組み込まれて今いないんですね。  ですから、訪問介護員が仕事をして得た介護報酬の中でこのサービス提供責任者の報酬も出していかなきゃいけないということになっているために、サービス提供責任者の質がきちんと担保できていないところがこの訪問介護の大きな私は問題だというふうに思っております。  このサービス提供責任者の役割は非常に重要で、介護支援専門員とほとんど同じぐらいの能力も要求されますし、利用者さんと訪問介護員の間に立ってコーディネートをしていく力が必要なので、こちらの、このサービス提供責任者が利用者宅を訪問しても、それもすべて報酬には一切カウントされないという状況になっております。  ですから、この訪問介護の質を高めていくには、提供責任者の報酬体系を介護報酬の中でどう見ていくかということが私は大きなポイントであるというふうに思っているんですが、なかなか今示されていないので、是非その辺は検討いただければ変わってくるというふうに思います。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 安岡参考人にお聞きをいたします。  今回の改正案には、ホテルコストというのが十月からもし成立すれば施行ということで大きな問題になっているんですが、その点についての御意見をお聞かせください。

安岡厚子特定非営利活動法人サポートハウス年輪理事長

○参考人(安岡厚子君) ホテルコストにつきましては賛否いろいろあるというふうに思いますが、今回の改正全体に言えることだと思うんですが、利用者不在になっているんではないかなというところなんですね。  利用者さんにとっては今回の改正のこの騒ぎといいますか、そんなことは現場にはほとんど届いていないんですね。利用者さんの声とかというのは全然反映されていないのかなというふうに思うんです。  ですから、特養に住んでいらっしゃる方が、家賃が取られるみたいという話はほとんど御存じないです。御家族だけですね、利用者さんですよ。御本人になかなかこの声が、訪問介護も要支援の方、要介護一の方には、何かヘルパーさん来なくなるみたいというのはあるんですけれども、そういった意味では本当に利用者不在の介護保険の改正の論議というのが私は実感としてあります。  それで、家賃を払いたくないとだれがおっしゃっているのかというのもありますし、利用者さんがおっしゃっているわけではないのかなというのもありますし。ただ、今までの特養の三施設につきましてのホテルコストの問題というのは、論議は必要だと私は思います。他のサービスとの差ですか、が非常に格差が大きかったということは確かにあると思いますので、在宅との格差ですね、そこは是正すべきだと思いますが、じゃ即ホテルコストを取ればいいという問題ではないというふうに私は思います。もっと議論が必要であるというふうに思っております。今の私の感覚ではそう思っております。利用者不在であることは確かです。利用者さんの意見をどれほど聞いて論議がされているのかなということは非常に感じているところであります。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 じゃ、時間ですので。どうもありがとうございました。

岸宏一自由民主党

○委員長(岸宏一君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の方々には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございます。委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十分散会

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