厚生労働委員会 第18号
- 発言数
- 306 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2005/04/28
会議録
○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、遠山清彦君が委員を辞任され、その補欠として浜四津敏子さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(岸宏一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局長青木功君外二十三名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○水落敏栄君 おはようございます。自由民主党の水落敏栄でございます。 今日は一般質疑ということで四十分時間をいただきましたので、まず初めにハローワークのことや雇用について質問させていただきまして、次に慰霊事業等戦後処理問題についてお尋ねをしたいと思います。 質問させていただく前に、去る二十五日朝、JR福知山線で快速電車が脱線した事故は、報道によりますと死者が九十七名、多分百名を超すんじゃないかなと、こう思っておりますが、負傷者が四百五十六名という、国内の列車事故としては未曾有の大惨事となってしまいました。不幸にして亡くなられた方々の御冥福と負傷された方々に対し、心からのお見舞いを申し上げたいと存じます。そして、再びこうした事故が起きないよう、徹底的に事故の原因究明を関係者にお願い申し上げたいと思います。 それでは、質問に移ります。 四月二十六日に総務省が公表いたしました労働力調査速報によりますと、三月の雇用失業情勢は、就業者数が六千二百六十万人で、前年同月に比べ十九万人の減少、これは三か月ぶりの減少であります。完全失業者数が三百十三万人で、前年同月に比べて二十万人の減少、二十二か月連続の減少となりました。また、完全失業率が季節調整値で四・五%、前月に比べて〇・二ポイントの低下となっております。平成十四年に完全失業者数が三百五十九万人、完全失業率が五・四%であったことを考えますと、随分改善したなと、率直にこういう感想を持つわけでありますけれども、こうした結果について厚生労働省はどのような要因分析をされておられるのか、まずそのことをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(太田俊明君) お答え申し上げます。 完全失業率につきましては、今お話もございましたように、平成十四年度平均五・四%から平成十六年度平均が四・六%と〇・八ポイント改善しているところでございますし、また、直近の数字で申し上げますと、平成十七年三月時点で四・五%まで改善しているところでございます。 この完全失業率につきまして、平成十五年から十六年への改善の要因につきまして分析いたしますと、一番大きな要因というのは、やはり失業者から就業者になる者が増加したということ、この要因が三六・五%を占めているところでございます。二番目は、就業者が失業者になる確率が低下したこと、この要因が二六・九%でございます。それから三番目は、失業者から非労働力化ということで、労働市場からリタイアする者が増加したことによる要因が二一・二%、こういう順番でございます。したがいまして、やはり失業者の増加でございますとかリストラが一段落したこと等によって完全失業率が改善してきているものと認識しているところでございます。 こういう就業者の増加等の要因でございますけれども、これは、一番はやはり景気回復、景気の回復によります労働市場の状況の好転がございますし、これに加えまして各種雇用対策の効果も相まってこういう状況になっているのではないかというふうに考えているところでございます。
○水落敏栄君 ありがとうございました。 景気が着実に回復している、こういうことであろうかと思います。 それはそれで誠に結構なことだと思いますけれども、私には一つ気になるところがございます。それは、労働力率がここ十年低下傾向にある、こういうことであります。この点は、平成十六年版の労働経済の分析でも厚生労働省が明らかにしているところであります。 労働力率とは、申し上げるまでもなく十五歳以上人口に占める労働力人口の割合でありますけれども、この労働力率が減るということは、我が国において働いている者と働こうとしている者の数が減少していると、こういうことにほかなりません。完全失業者というのは、言うまでもなく働く意欲がある者でありますけれども、このことを考えますと、完全失業者数が減少したのは、働こうとしている者の数が減少したことも大きく影響しているんじゃないかな、こんなふうに思います。 そこで、厚生労働省にお尋ねしますけれども、こうした労働力率の低下と完全失業率の改善にはどのような相関関係があるとお考えか、お聞かせいただきたいと思っています。
○政府参考人(太田俊明君) お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたように、最近の失業率の低下状況、これを要因分解いたしますと、今お話しのございました失業している者が非労働力化する、労働市場からリタイアする、この要因というのが大体二割程度でございます。一番大きな要因というのは、失業者から就業者になる者の増加、これが三六・五%、それから就業者から失業者になる者の確率の低下、これが二六・九%ということでございます。 したがいまして、十五年、十六年比較しますと、就業者の増加によって完全失業率が低下しているわけでございまして、非労働力化する者の増加による失業率の低下要因は比較的小さいということで、十五年、十六年比較しまして、失業率の改善に対する労働力率の低下の影響は比較的小さいのではないかと考えております。ただ、長期的なトレンドを見ますと、御指摘のとおり労働力率が低下しているわけでございまして、これは社会経済の支え手が減っているということでございまして、これに対する対策というのは極めて重要なことだと考えているところでございます。
○水落敏栄君 私は、やはり要因というものは、高齢化に伴う人口構成の変化が大きく影響しているんじゃないかな、こんなふうに思っております。そのことが大きな要因になっていると思いますけれども、果たして本当にそれだけなのかという疑念が、私は持っております。 と申しますのは、若年者の完全失業率、これ大変高いんです。調べてみましたら、平成十六年の数値を見てみますと、全体の完全失業率が四・七%に対しまして、十五歳から十九歳で一一・七%、そして二十歳から二十四歳で九・〇%、二十五歳から二十九歳で六・四%と、いずれも平均値の四・七を超えているわけであります。 加えまして、最近ではよくニートという言葉が聞かれます。ノット・イン・エデュケーション・エンプロイメント・オア・トレーニング、英語の略だそうでございますけれども、要するに、教育も受けない、働かない、訓練も受けない、こうした若者だそうでございます。この言葉は主に若者の現況を示す、指すもののようですけれども、要するに若年層の現状は、完全失業者が多い、加えて働こうとしない人々が多い、こういうことなんだろうと思います。 政府は、そうしたことで若年者雇用対策としてどのような施策を講じておられるのか、簡潔に御説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(青木功君) ただいま委員の方から労働力率の問題が出ましたが、若干、対策を申し上げる前にその状況を御報告しますと、平成五年と平成十六年を対比した数字があるんですが、二十歳から二十四歳までの方々の労働力率、これは平成五年は七四・八%、これが平成十六年ですと六八・八%ということで六%落ちております。これは、全体の計が六三・八%が六〇・四%に比べると、かなり大きくなっています。これは進学率その他の影響もあろうかと思いますが、ただいま委員お触れになったフリーター問題、ニート問題というのが深刻な状況にあるということを物語るものであるというふうに考えております。 そこで、私ども、この問題、既に御案内のように今が大変と同時に、次の将来の社会の中心になる人たちが仕事をしないまま、あるいはフリーターのままいってしまうということで大変危機感を持っております。そういったこともございまして、平成十五年六月に若者自立・挑戦プラン、これを関係府省との連携の下で作らせていただきました。また、今年度におきましては、若者の働く意欲や能力を高める総合的な対策として若者人間力強化プロジェクト、これをその若者対策の中心施策ということで推進をしてまいります。 その中身といたしますのは、一つはいわゆる若年者トライアル雇用でございます。これはお試し雇用で、三か月間企業と若者がそれぞれ向かい合って仕事をして、良ければ続けると。これは大体、常用に移行する率が八割ぐらいございます。こういったものを、五万一千人が十六年度でございましたが、今年度六万人強にすると。 あるいは、フリーター、ニートになることを防止する観点から新規学卒者に対する支援をする若年者ジョブサポーターというものを六百人から七百人に拡充をしております。 また、合宿生活の中で生活訓練、労働体験などを通じて、働く自信と意欲を喚起、向上させる若者自立塾といったものも今年度からスタートをしております。 さらに、フリーターに対する就職支援といたしまして、大体今のところ、フリーター、毎年年間十万人ぐらいずつ増えております。これを、この増加傾向を逆転させるということで年間二十万人の常用雇用化を目指す目標を今年度掲げまして、ただいまのハローワークあるいは地方に地域でつくっていただいていますジョブカフェその他の行政資源をフル活用して目的達成をしたいというふうに思っております。
○水落敏栄君 ありがとうございました。 ニートの数が八十五万人、そして今お話しのようにフリーターが毎年十万人ずつ増えていると、こういうお話でございます。やはり全体の完全失業者を低下させることは若年者の完全失業率を低下させなければならない、こういうことだと思いますので、なお厚生労働省としての御努力を、また施策をお願いしたいと、このように存じます。 そこで、失業した場合、やはり一番頼りになりますのが、また相談するところがハローワークでありますけれども、そのハローワークの窓口の改善、就職相談に来館する方々への対応が悪い、こうしたことが本委員会で同僚議員から指摘がございました。そういう指摘に対しまして、尾辻大臣は直ちに改善する、こういうふうに言明をされました。そして、三月二十九日の本委員会でハローワークにおける勤務体制の新たな方針を示されました。 その改善の内容、もう一度読んでみますと、第一に、受付時間を午前十一時まで、午後四時までの設定を撤廃する。 二番目に、昼休みは、本年度当初のできるだけ早い時期に職員のシフト制を取り入れ、職業相談、職業紹介を実施する。 第三に、サービスの提供時間の延長については二段階で考えるとし、本年度当初の早い時期に、東京都二十三区、人口二十万以上の都市、県庁所在地等のニーズの高いところ八十か所において、平日夜間及び土曜日における職業相談、職業紹介を実施する。 次に、平成十七年度前半を目途に、東京二十三区及び人口二十万人以上の都市で、先ほど申し上げた以外の残りの約八十か所においても、担当職員のシフト制等により平日夜間の職業相談、職業紹介を実施する。土曜日については、体制の整備等を進め、可能なところから実施し、利用者の皆様に満足していただく、またハローワークのサービス向上に誠心誠意取り組んでいく、このように大臣がおっしゃっておられます。 私は、そうした大臣の決断に心から感謝をいたしておりますけれども、大臣の決断に対し、いつ、どのような通達を出して指示をされたのか、お聞きしたいことがまず一点。 二点目は、通達に基づいて既に実施しているハローワーク、実施していないハローワークの問題点について、代表的なハローワークで結構ですけれども、実例を示して御報告いただきたい、このように存じます。
○政府参考人(青木功君) お答え申し上げます。 先般、ただいま委員お触れになりました事項でございまして、大臣からきつい御指示をいただきました。これが三月二十九日でありますが、同日付けで地方労働局長にこの体制整備について通達をさせていただきました。 そして、現在の実施状況でございますけれども、受付時間の制限の問題、いわゆる十一時だとか四時とか、これは直ちに撤廃をいたしました。これは全ハローワークで撤廃をいたしました。 それから、昼休み時間帯の対応については、四月当初からスタートをしたところもありますが、今月を準備月間として、五月の連休明けからは全ハローワークで対応することになっております。 さらに、サービス提供時間の延長の問題でございますが、まず、十七年度当初の早い時期に実施するというふうにお話をさせていただきました八十か所のうち、七十か所については既にシフト制等により平日夜間及び土曜日のサービスをスタートをいたしております。また、それ以外の第二陣となる八十か所につきましても、現在、鋭意準備を進めておりまして、この七月をめどに実施をすべく着々と進行をさせていただいております。 なお、ただいま問題点等はないのかと、こういう御指摘でございます。 そこで、実はその八十か所のうち、第一陣の八十か所のうち七十か所がスタートをしておりますが、残りの十か所について、ちょっと遅れておりますので事情を聴いてみました。 一番大きなものは職員の問題でありまして、職員やサービスに当たる相談員の皆様の状況でありまして、育児や介護といったような家庭的な状況もおありになって、そしてそれを、一つのハローワークだけじゃなくて、ほかの隣接のハローワークとか上で指導する労働局の人たちも加えた中でシフト制をつくるということで、その調整にちょっと時間が掛かっているというふうに報告を受けております。
○水落敏栄君 もう一度、私、ちょっと聞き漏らしましたけれども、どなたの名前で通達を出しておられますか。
○政府参考人(青木功君) この通達は、平成十七年三月二十九日付けのものでございまして、大臣官房地方課長、職業安定局総務課長の連名の通知でございます。
○水落敏栄君 これは通告しておりませんけれども、やはり大臣がきちっとこうした委員会で御自分のお考えを述べておられるわけでありますから、そうしたことをきちっと反映させるような内容をやっていただければと思っておりましたけれども、そうしたきちっとした内容で通達されておりますか。
○政府参考人(青木功君) 現物もございますが、大臣の御指示のとおり通達をさせていただきました。
○水落敏栄君 やはり、そして、通達だけではやはり徹底しない場合もありますから、そこのハローワークの責任者、所長さんですか、そういう方を通じてやはり職員一人一人に徹底させるというふうな方式を是非ともお願いしたいと、このように思います。 大臣が決断をしてくださって、十七年度前半には全国百六十か所のハローワークのサービスを改善する。こういっても、まだ最初の八十か所のうち十か所がやっていない、こういうことでございます。一番のネックは、社会保険庁でもそうでありますけれども、やっぱり労働組合の皆さんに徹底させることが一番肝心なことじゃないかなと思っておりますけれども、この問題について、組合対策どうしておられるのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(青木功君) まず、お答えをする前に、先ほどの徹底の状況でございますが、実は、大臣の御指示を受けて通達をした後、今月中でございましたが、四月十二日に緊急に全国労働局長会議をまず開いて、大臣のお考えを徹底いたしました。さらに、先々週でございますが、全国労働局の職業安定部長、これも全員呼びまして、大臣のお気持ちを、事務次官を先頭に、全員から徹底をさせていただいたところでございます。 さて、お尋ねのハローワークの職員団体とのかかわりでございますけれども、当然でありますが、一人一人の職員が頑張っていただく上で、そういった職員の人たちが加盟をしております職員団体の理解を得ることは大切だというふうに思います。この経過を御報告を申し上げますと、私の方から、当委員会における審議の経過それから大臣の御指示につきまして、率直にこういうことでやりたいということを申し上げました。そして、当該団体の方からも、この委員会の審議経過あるいは大臣の方針、大変重く受け止めていただきまして、この私どものハローワークのサービス改善について理解し協力する旨の態度表明をまずしていただきました。 以上でございます。
○水落敏栄君 正にその大臣のお言葉重いわけでございまして、是非ともそうした徹底を図っていただきたい。そして、やはり会社の倒産とかあるいはリストラによりまして、失業したそのことが原因で自殺する方も増えているというふうな現状もございます。したがいまして、是非、再就職や雇用対策について、やはりハローワークのサービス改善を図って、より一層の就職率を高めていただきたい、このように強く要望したいと思います。 次に、ハローワークは全国に約六百か所設置されていると、こう伺っておりますけれども、ハローワークの数、それから非常勤も含めた職員数、年間の運営費についてお聞きします。
○政府参考人(青木功君) ハローワークの数でございますけれども、本年四月一日現在でハローワーク本体が四百七十四所それからその出張所が百五、分室が二十二、合わせて六百一か所となっております。 また、関係の職員数でございますが、ハローワーク全体では、常勤が約一万二千人、非常勤が約一万一千人、合計で約二万三千五百人であります。このうち、主として職業紹介業務を担当している職員は、常勤が約六千四百人、非常勤が七千九百人、合計で一万四千三百人でございます。 また、これに要する経費でございますけれども、十七年度当初予算の中で、人件費約六百六十四億円、管理費約百七億円、業務費五百五十九億円の合計約千三百三十億円となっております。また、これに加えまして、障害者雇用や高齢者雇用につきまして事業主の指導のための会合あるいは具体的な指導のための大会の開催、その他もろもろのものを加えますと、トータルで千五百五億円ということになっております。
○水落敏栄君 ありがとうございました。 三月二十八日の読売新聞によりますと、非常勤も含めて職員数は約二万四千人、雇用保険料や税金を財源とする年間の運営費は約千五百億円に上っているということでありますが、そうした一方、ハローワークにおける平成十五年度の就職率は二八・八%、就職件数は二百十五万件にとどまっておりまして、実績がコストに見合っていない、こうした批判も出ておりますけれども、こうした指摘についてはどのようにお考えでいらっしゃいますか。
○政府参考人(青木功君) この問題でありますけれども、ちょっと実績を御報告をさせていただきますと、平成十六年度には、新たに求職を申し込まれた方、新規求職者が七百十万人強でございます。そして、その方々に職業紹介をさせていただいた件数が九百六十四万件でございます。そして、その中で二百十四万人の方が就職をしております。これはハローワークが直接御紹介をした方々の数字でございまして、ハローワークの様々な職業指導によってそれ以外のところで就職をしたという方は含まれておりません。 この三〇%がどのような数字であるかというのは議論が分かれるところでございますが、大体民間の有料職業紹介事業の就職率が二〇%前後というふうに言われております。こういったこととも比較をするとそこそこの数字ではないかとは思っておりますが、いずれにしろ一〇〇%就職というのが理想であります。 そんなことで、それは実際はなかなか難しいんでありますが、ハローワーク全体が目的意識を持って実績を上げていくということで、平成十六年度は三〇%の目標に対して三〇・七%でありました。本年度は更にそれを目標を上げまして、三二%に引き上げて、ハローワークグループ一体となってサービス向上に力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。 ちなみに、一般職業紹介状況でございますが、平成三年ごろまでは三百万人台、平成四年、五年が四百万人台、平成六年から九年までが五百万人台、平成十年から十二年までは六百万人台、平成十三年度から十六年度までは年間に七百万人の方がハローワークに新しくおいでになっておられます。以上、付け加えさせていただきました。
○水落敏栄君 なかなか景気が良くならないということで就職も大変なんでありますけれども、どうか、就職率そして就職件数、増加させるように御努力をお願いしたいと、こう思います。 そして、このことに関しまして、小泉首相の諮問機関であります規制改革・民間推進会議は、ハローワークの無駄は職員の人件費や事務費にある、職業訓練と職業紹介をばらばらにやっているから効果的な再就職に結び付かない、したがってハローワークの業務を民間委託にしたらよい、こうした提言をされておりますけれども、このことについて大臣の御所見を伺えれば有り難いと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、ハローワークの業務についてでございますが、この業務は憲法に規定される勤労権の保障ということが一つございます。さらにまた、ILO第八十八号条約を遵守するという観点からいいますと、国が全国的なネットワークにより無料の職業紹介サービスを実施する必要がございます。さらにまた、雇用保険制度の健全な運営のためには、国による雇用保険と職業紹介の一体的実施が必要不可欠であるということもございます。こうしたことがございますので、国が直接行うことを必要としております。まずそのことを申し上げたところでございます。 その上ででありますけれども、先ほど来局長も御答弁申し上げておりますけれども、ハローワークの平成十六年度の業務実績は、就職件数が約二百十三万件、就職率三一%、就職一件当たりのコストが約八万円となっております。これをどういうふうに評価するかというのはそれぞれあるところでありましょうけれども、局長も申し上げましたように、民間との比較でいいますと、それなりに評価してもいい実績ではあろうというふうに考えてはおります。ただ、今後ともコストパフォーマンスの向上を十分意識して、効率的、効果的な運営に努めていくことが当然必要なことでございます。 そこで、職業紹介業務につきましては、冒頭申し上げましたように国が直接行う必要がございますので、そのことを前提にした上ででありますけれども、民間に委託して行うことがより効率的、効果的な分野もございますから、と考えられる分野もございますから、そこの分野につきましては民間開放を進めておりまして、平成十六年度より長期失業者に対する就職支援業務の民間委託の実施を行っておるところでございまして、平成十七年度にはキャリア交流プラザ等について市場化テストのモデル事業の対象とすることにいたしておるところでございます。
○水落敏栄君 ありがとうございました。 それでは、今度は質問を変えまして戦後処理問題、それに伴う、旧ソ連に抑留された方々について御質問をさせていただきます。 さきの大戦が終結した後に、旧ソ連は国際法を無視して、不当にも六十万人もの軍人軍属、一般邦人の方々をシベリア及びヨーロッパ・ロシアの約千二百か所の箇所に分散収容して、厳寒の中を過酷な強制労働を強いたわけであります。そして、そのために約五万五千人の方々が尊い命を失いました。しかしながら、五万五千人死亡したわけでありますけれども、ロシア側が提供した死亡者名簿は四万件、四万人だけであります。 私は本委員会で、残りの一万五千人以上の方々の名簿をロシア側に早急に求めてほしい、こうした要望をいたしました。今年は、申し上げているように戦後六十年の節目の年であります。抑留され祖国日本に帰還した方々は八十五歳前後、また御遺族でも、抑留中死亡者の妻の方々は八十七歳前後となってしまいました。大変失礼な言い方でありますけれども、あと何年生きられるのか、残念ながら今年中に亡くなる方もおられるわけであります。せめて自分が生きているうちに夫の亡くなった状況が知りたい、自分の兄弟がどんな生活をしていたのか知りたい、抑留中に死亡した状況が知りたい、こうした肉親への思いは強くあるわけであります。 政府は、一万五千人の名簿の提供をいつ、どのような形でロシア側に要望したのか、御報告いただきたいと思います。
○政府参考人(大槻勝啓君) 委員御指摘のロシア政府から未提出となっております約一万三千人分のシベリア抑留中死亡者名簿などに関しましては、最近におきましても、例えば昨年十一月及び本年三月におきまして、当省職員をモスクワに派遣をいたしましてロシア政府に対して名簿の提供を申し入れております。また、本年二月に開催されましたシベリア抑留者問題に関する日ロ協議におきましても、ロシア政府に対しまして名簿の早期提供を求めたところでございます。 そういった経過もございまして、四月十二日でございますが、ロシア国立軍事古文書館から、外務省を通じまして、旧ソ連抑留者のうち北朝鮮に移送をされた約二万七千人分の名簿の引渡しを受けたところでございます。 いずれにしましても、御指摘のその未提出の約一万三千人分のシベリア抑留中死亡者名簿につきましては、依然引渡しを受けていないところでございます。今後とも、ロシア側に対しまして粘り強く名簿の提供を要請をしてまいりたいと考えております。
○水落敏栄君 戦後六十年であります。申し上げたように、関係者は高齢化しております。どうかひとつ一日も早い名簿の提供をしていただくように、外交、非常に難しいと思いますけれども、どうかひとつ強くまた申入れをしていただきたい、このように思います。そして、その名簿を基に、遺骨収集やあるいはその他抑留史の全容を解明していただきたい、このように思います。 今、大槻審議官お話がございましたけれども、そのソ連のシベリアに抑留された六十万人のうち二万七千人が北朝鮮に移送されていた、その名簿が四月十二日に厚生労働省に届いた、こうした報道がございました。 私は、さきの大戦において北朝鮮では戦闘がないわけでありますから、戦没者は、病気やあるいはけがで亡くなった方のみ、このように認識をしておりました。しかし、旧ソ連から移送された方々二万七千人のうち一万人ぐらいの抑留者が死亡しているんじゃないかな、こんな推定もあるわけでありますけれども、政府は、北朝鮮における戦没者、抑留中死亡者の人数をどのように把握しているのか教えていただきたいと思いますし、また北朝鮮で戦没又は抑留中死亡した方々の御遺骨はどうなっているのか、分かる範囲で結構ですから、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(大槻勝啓君) 北朝鮮地域における状況でございますけれども、一つは、旧ソ連が参戦をしてきましたときの戦闘によりまして亡くなっている方がおられるというふうに考えております。また、戦後、旧ソ連領に強制連行されました方のうち病弱等のために北朝鮮に移送された方がおられると、そういった方の中にも死亡された方がおられるであろうと推定をいたしております。また、栄養失調、伝染病等によって亡くなった方もいらっしゃるということで、合わせまして約三万五千人が北朝鮮地域において死亡をされたと推計をいたしております。 その遺骨収集、遺骨の問題でございますけれども、海外戦没者の遺骨収集につきましては昭和二十七年から相手国政府の理解と協力を得ながら現在まで推進しておるところでございますが、北朝鮮につきましては、やはり国交が樹立されていないということもございまして、これまで遺骨収集は実施できていないという状況でございます。
○水落敏栄君 お話のように、日朝平和条約が締結されておりませんので、これは情報が得られないと、こう承知しておりますけれども、あらゆる方途を通じて情報の収集を図るように努力をお願いしたいと思います。 六月二十三日、沖縄戦が終結した日であります。沖縄県ではこの日を慰霊の日として、官庁や学校は休日、各家庭では半旗を掲げて、さきの戦いで犠牲となった方々の御冥福を祈って平和への誓いを新たにしております。 そこで、小泉首相は就任以来、沖縄戦没者追悼式に出席して犠牲となった方々に敬意と感謝の誠をささげておられます。ところが、私はここのところ毎年毎年戦没者追悼式に参列しておりますけれども、厚生労働大臣御自身の出席は余り私は見ておりません。 今年は、何度も申し上げましたけれども、戦後六十年の節目の年であります。今年の六月二十三日、尾辻厚生労働大臣自ら出席されて、戦没された方々に哀悼の誠をささげていただきたい、こう思いますけれども、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 個人的には、この二十年ぐらいさかのぼって、この沖縄の全戦没者追悼式に参加をしなかった、参列をしなかった年は記憶にありません。したがいまして、毎年参加、参列をさせていただいておると言ってもいいと思います。 また一方、厚生労働大臣に対してということでいいますと、これも毎年沖縄県から出席要請をいただいております。したがいまして、今年も、他の公務に支障がない限り、私も出席をいたします。
○水落敏栄君 どうか、戦後処理そして慰霊事業も所管しておられる厚生労働大臣であります、どうかひとつ今年は前向きに出席をしていただくようにお願いを申し上げて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○西島英利君 自由民主党の西島でございます。 今、中医協の在り方に関する議論が様々行われておるところでございます。本日は、中医協の見直し、在り方について少し確認の御質問をさせていただきたいと思います。まさしく中医協の在り方に関する有識者会議が行われておりますので、この内容について言及するつもりは毛頭ございません。あくまでも、この議論の中で聞いております、見ておりますと、幾つかの誤認があっての議論がなされているようなところもあるんではないかというふうに思われますので、一つ一つ確認をしながら今日の質問をさせていただきたいというふうに思います。 私は、平成十年から日本医師会の常任理事を七年やりまして、今国会議員としてこの場にいるわけでございますけれども、今日は、日本医師会の内部事情に非常に詳しい立場であったという状況から、その日本医師会の立場としての発言というふうに受け取られる面もあろうかと思いますが、あくまでも国会議員の中立的な立場として質問をさせていただきますので、よろしく御了解のほどをお願いを申し上げたいと思います。 先ほどから申し上げましたけれども、平成十年から常任理事として七年間仕事をしてまいりました。その間に、医療提供体制の見直し、医療保険体制の見直し、それから診療報酬体系の見直しにも深くかかわってまいりました。また、診療報酬の改定作業にも、中医協の委員と一緒になりまして六年間かかわってまいりましたし、平成十五年からは中医協の委員も実はさせていただきました。 その中で、平成十四年七月に成立をいたしました健康保険法等の一部を改正する法律、これは三割負担を認めるというところでございましたけれども、この法律の改正に当たりまして、附則の第二条第二項におきまして、保険者の統合及び再編を含む医療保険制度の体系の在り方、新しい高齢者医療制度の創設、診療報酬の体系の見直しに関する、この三つについて基本方針を示すように求められまして、具体的な改革の内容が示され、検討がされ始めたところでございます。 これにつきましては、私が常任理事時代の話でございますので、かなり日本医師会が積極的にこれに関与してきたという自負を持っておるところでございます。 しかし、その後、日歯連、日本歯科医師会の事件が起きまして、中医協の見直しの議論が始まったところでございます。改革が行われていこうとしたそのやさきでございまして、この改革の内容がいったんとどまった内容の中で、犯人捜しのような中医協の在り方ということがマスコミ等でも盛んに書かれてきたところでもございますし、国会の中でも議論がなされたところでございます。 先ほど申し上げましたように、この改革の方向というのは進もうとしております。そして、今までも過去かなりの部分は進んできたと私自身は感じているところでございますが、しかし、その中で、誤った知識の中で報道されたり提案がなされたりしております。 そこで、この中医協というのは社会保険医療協議会法という法律に基づいて運営されておりますので、中医協の見直しは、場合によっては法律の改正も必要となる場合もございます。当然、国会議員として議論しておくべき問題であると考えますので、本日は取り上げさせていただきました。 まず最初に、日本歯科医師会の事件、これは組織の問題なのか、個人の問題だったのか。恐らく厚生労働省の方で御検討されたというふうに思いますので、その点、答弁をお願いいたします。
○政府参考人(水田邦雄君) お答え申し上げます。 今般の中医協をめぐります贈収賄事件につきまして、厚生労働省といたしましては昨年の九月末に報告書をまとめてございます。 その中で、ポイントとなりますこの位置付けでございますけれども、今回の事件は、歯科診療報酬について、自己に有利なものとなることを目的として、一部の診療側委員及びその推薦団体が一部の支払側委員に対し金品の授与による不正な働き掛けをしたというものであるが、一方で、中医協における診療報酬の決定過程、診療報酬そのもの、さらには我が国の医療保険制度全体に係る国民の信頼を大きく損ないかねない事件であると位置付けまして、中医協の構造的な問題に係る様々な指摘につきまして論点整理を行ったところでございます。
○西島英利君 私、あの報告書を読ませていただきますと、かなり個人的な問題が大きいのではないかというふうに思いますが、再度御答弁をお願いしたいと思います。
○政府参考人(水田邦雄君) 繰り返しになろうかと思いますけれども、個人的な問題であるという側面もありますし、また、そういった事柄が可能であると思わせたその中医協の在り方というものも問われていると、このように考えてございます。
○西島英利君 それでは、確認でございますけれども、この中医協というのは何によって定義をされているのか、そして役割は何なのか、簡単にお答えいただきたい。
○政府参考人(水田邦雄君) 中医協、すなわち中央社会保険医療協議会でございますけれども、法律的には社会保険医療協議会法に基づき設置をされているものでございます。 また、その所掌事務につきましては、先ほど申し上げました法律によりまして、診療報酬に関する事項、保険医療機関及び保険医療養担当規則に関する事項、訪問看護療養費に関する事項等につきまして、厚生労働大臣の諮問に応じて審議、答申するほか、自ら建議することができると、このように法定されてございます。
○西島英利君 それでは、この中医協の在り方に関する議論の中で、その医療政策を決めるのは一体どこなのかということがよく言われます。医療政策を決めるのはどこなんでしょうか。大臣、よろしければ。
○国務大臣(尾辻秀久君) この医療政策、すなわちその基本的な方向性についてどこで議論をするかということでございますが、これはもう様々なところで御議論をいただいております。 まず、厚生労働大臣の、中医協も諮問機関でありますけれども、また別の諮問機関でありますところの社会保障審議会の中での御議論もいただいております。 そうした中で様々な御議論いただいておるわけでございますが、中医協とのことで申し上げますと、中医協においては、このような医療政策の基本的な方向性も考慮に入れつつ議論もされておる。したがって、今申し上げました、まずはこの社会保障審議会と中医協との関係、この辺が明確に位置付けられていないということがよく、今も委員もお話しになりましたように、中医協で医療政策が決定をされておるというふうに言われる一因となっておるのではないかと私は考えております。 したがいまして、現在、中医協の機能、役割の在り方について中医協の在り方に関する有識者会議において御議論いただいておるところでございますけれども、正に、そうした医療政策の基本的な方向性を議論する社会保障審議会と中医協との関係についても議論を行っていただいておるところでございます。
○西島英利君 今おっしゃいましたように、この医療政策というのは様々な審議会等で議論をされているところでございます。 そして、その議論されてきた内容を政策誘導、経済誘導的に、そしてその決定をしていくというのが中医協ではないかというふうに思います。つまり、それを点数化することによって誘導していくと、それが中医協のもう一つの役割ではないかというふうに思うんですけれども。 それでは、医療政策として決定される経過についてお教えいただきたいと思いますが。つまり、医療政策が決定されて中医協にそれが投げ込まれるというその経過について、そしてそれが点数化されていくという経過について、もしお分かりであればお教えいただきたいと思いますが、局長、いかがでございますでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) お答え申し上げますが、診療報酬の改定、二年ごとに行われているわけでございまして、正に、ただいまは平成十八年の診療報酬改定に向けての議論をしているところでございます。 この中で、改定の基本方針というものを、一つは中医協の中で御議論をいただく、そして改定率についても御議論をいただく、そういったものの集大成として診療報酬改定が行われると、このような過程であるかと思っております。
○西島英利君 つまり、私が言いたいのは、中医協が独立に議論をして、そして中医協で決めていくのではなくて、様々な審議会等で行われた議論の結果がこの中医協の方へ反映されているのではないかということを私は申し上げたわけでございますが、もう一度御答弁をお願いします。
○政府参考人(水田邦雄君) その点は正に先生おっしゃいますとおりでございまして、医療政策に関しましては、社会保障審議会の医療保険部会並びに医療部会それぞれで今後の在り方について議論がなされるわけでありますので、それらを反映する形で行われていると。で、ともに厚生労働大臣の下にあるわけでありますので、そういったプロセスの中で診療報酬改定についても行われるということでございます。
○西島英利君 それではもう一つ。 新しい技術とか新しい薬等が保険として収載されてくるわけでございますけれども、これを決定していく経過、これが、例えば一般国民には中医協の総会等でそれがいきなり決められるというふうに誤解を持っておられる方々もいらっしゃるわけでございますけれども、どういう経過の中でこれが決められてくるのか、お教えいただきたいと思います。
○政府参考人(水田邦雄君) 新しい医療技術を例に引きまして御説明を申し上げたいと思います。 我が国の医療保険制度におきましては、有効性、安全性等の確立した技術につきまして、中医協において御議論をいただいた上で保険適用の是非を決定しているわけでございますけれども、そのプロセスといたしましては、中医協の外部の専門家から成ります診療報酬調査専門組織の医療技術評価分科会におきまして、学会等から提出されましたデータを基に、技術の普及性、有効性、効率性、安全性、技術的成熟度等の観点から総合的な検討が行われまして、これらを踏まえて、中医協での審議を経て保険適用にされていると、このような手順で行われているわけでございます。
○西島英利君 それでは、そういう議論が行われる場というのは、これは公開されているんでしょうか、非公開なんでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) すべて公開されております。
○西島英利君 そして、それは大まかに決める点数なんでしょうか、それともきちんとしたルールの中で決められる点数なんでしょうか、ある程度の、コストも含めたという意味でございますが。
○政府参考人(水田邦雄君) その点は、先ほど申しましたように、学会等から提出されたデータ等を基に議論され審議されるわけでございますので、そういう意味では、データに即したものであるということであります。
○西島英利君 つまり、これは確認でございますけれども、中医協の委員だけで決めているのではないということをもう一度確認させていただきたいと思いますが。
○政府参考人(水田邦雄君) 繰り返しになりますけれども、中医協の外部の専門家から成る、医療技術に関しましては診療報酬調査専門組織の医療技術評価分科会におきまして検討されるものでございます。
○西島英利君 もう一つの問題でございますが、その診療報酬の改定率、二年ごとに改定が行われるわけでございますけれども、プラス改定のときもありマイナス改定のときもあったわけでございますが、平成十六年は、これはプラス・マイナス・ゼロという改定率でございました。具体的にはどこで決めたんでしょうか。 私は、聞くところといいますか、私もかかわっておりましたので、最終的には小泉首相が決断されたというふうに聞いておりますけれども、いかがでございますでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) 診療報酬改定、政府の予算編成に当たって大きな影響を持つものでございますので、その改定率そのものも医療費にかかわります予算編成の際の算定根拠となる計数でございます。したがいまして、最終的にはこれは政府の責任において決定されるものでございます。 中医協とのかかわりでございますけれども、個別点数の設定と密接に関連するものでございますので、改定率についても議論を行いまして、年末の予算編成に向けて議論の成果を審議報告として取りまとめてきたというのがこれまでのプラクティスでございますけれども、先ほど申し上げましたように、最終的には政府の責任において決定されるものであると、このように認識しております。
○西島英利君 実は、社会保障の在り方に関する懇談会の第八回の議事録がございます。この中で、西室委員がこういうふうにおっしゃっております。まず、中医協の在り方について、医療給付費の総額に至るまでを、医療の積み上げによるミクロからの議論でやっていく中医協という組織が検討することについて問題があると思う。やはり中医協の外側で、マクロの議論がしっかりできる形をつくるべきだと思う。総合的な審議をするのが中医協の立場ではないのではないか、ということをおっしゃっております。 少なくとも、私は、中医協の委員としての経験から言えますことは、このミクロの積み上げによって改定率が決まるのではなく、改定率が決まった上でそれぞれの点数設定がされていくというふうに私自身は経験から感じておりますが、いかがでございますでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) その点は仰せのとおりでございまして、年末の予算編成過程で改定率が定まり、それを言わば前提として個別の点数設定が行われるというふうに承知をしております。
○西島英利君 ということは、これは確認でございますけれども、点数改定決定は政府の予算編成上の改定率が決定して行うということでございまして、これは政府が決めるということと考えてようございますですね、改定率につきましては。
○政府参考人(水田邦雄君) 繰り返しになりますけれども、改定率につきまして、最終的には政府の責任において決定されるものでございます。
○西島英利君 つまり、ここにも一つの認識の違いが、過ちというのが私はあっているように感じているわけでございます。 続きまして、この中でもう一つ、これは先日行われました中医協の在り方の有識者会議での宮内規制改革・民間開放推進会議の議長さん、それから同じように先ほどの西室委員もおっしゃっているわけでございますが、病院と診療所の初診料の点数に病院格差がある、診療所が高く病院が安いため患者が病院に集中していったと。実はこの裏には、診療所に厚く点数を付けたのではないかというのが暗に示されているのではないかと私自身は思うんですが、これは何らかの政策誘導によってこういう点数の付け方、設定がされたのではないかと思うんですけれども、当時の事情をお分かりであればお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(水田邦雄君) 病院と診療所の初診料の点数格差の点でございますけれども、これは平成四年度の診療報酬改定以降、言わばその医療機関の機能、特性といたしまして、病院については入院医療機能を評価しよう、診療所につきましては外来機能を評価しよう、そういう形で、診療所のかかりつけ医機能を重点的に評価するために診療所の初診料をより高い点数、具体的に申しますと、現行、病院二百五十五点に対して診療所は二百七十四点と、こういう差が付けられているわけでございます。 ただ一方で、患者負担の観点からいたしますと、結果として診療所の方が高くなるということがございますので、診療所をより高い点数とすることが、必ずしも診療所の外来機能を推進する効果が期待できないのではないかとの指摘があることもこれは事実でございます。これが先ほど来の引用されました発言の内容であろうかと思っております。 いずれにしましても、医療機関の機能分担、連携を図りながら地域における医療を確保するという観点から、かかりつけ医の機能の推進というのは重要であろうと考えておりまして、この点数設定の在り方につきましては引き続き検討していきたいと、このように考えております。
○西島英利君 つまり、これは医療政策の結果としてこういう点数設定がなされたわけでございますね。経済誘導的になされたわけでございますが、結果的に患者さんの受診行動が全然それに従ってこなかったという意味での問題点があったのかなというふうに思いますけれども、いずれもこれは診療所に厚くということではなく、要するに機能分化という形の中で行われた点数設定であったろうというふうに思うんですが、もう一度それ確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(水田邦雄君) これは先ほど申し上げましたとおり、病院につきましては入院医療機能を、診療所につきましては外来機能をそれぞれ評価するということを平成四年度の診療報酬改定以降やっておりまして、診療所のかかりつけ医機能を重点的に評価するためにこういった点数設定を行っているということでございます。
○西島英利君 次に、やはり今回の見直しの中で大きな問題になっております委員構成の問題でございます。 やはり先ほどの西室委員の発言をちょっと引用させていただきますと、この構成人員の中で医療関係者の数が多いという問題があるが、その中でも特に医師会の代表が多く、病院側の代表が少ないという現実がある、しかも初診料では先ほどのお話のように診療所の方が点数が高い、そして、診療所の医師の数は十一万六千人いるのに対し、病院の医師の数は十七万四千人である、それに対して、中医協の構成人員は今四対一だったと思うが、医師会の方がはるかに多い、診療所側の意見が極めて通りやすい人員構成について問題があると思うというふうに実は発言をされているわけでございます。 ここで確認でございますが、全国の病院の数をお教えください。
○政府参考人(水田邦雄君) 平成十五年の医療施設調査によりますと、平成十五年十月一日現在、病院の数は九千百二十二となってございます。
○西島英利君 この日医の会員数で見ますと、病院の開設者又は管理者、これ院長でございますけれども、を兼ねる法人の代表者の数、これが四千九十五名でございます。そして、勤務する者、勤務する者ですから病院ですね、病院に勤務する者で管理者、つまり院長である者が、数が五千三百八十五でございます。会員数でございます。もちろん、開設者と管理者を兼ねるということでございますのでダブっている部分もあろうかと思いますが、しかし、先ほどの九千百二十二のこのかなりの部分、大部分は日本医師会の会員として実は登録をされているわけでございまして、この議論の中でよく出てきますけれども、また報道の中で出てきますけれども、日本医師会が開業者集団というふうに位置付けられておりますけれども、やはりこれも認識としては私は間違っているのではないかというふうに思います。 このことから、私は、日本医師会というのは日本の医療提供者を代表している団体として考えていいのではないかというふうに思いますが、厚生労働省としてのお考えを聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(水田邦雄君) 日本医師会につきましては、定款上、「医道の高揚、医学及び医術の発達並びに公衆衛生の向上を図り、もって社会福祉を増進することを目的とする。」としておられまして、この目的の下に設立された医師の職能団体であるものと承知をしております。
○西島英利君 さらに、この委員構成の中で言われていますのが、診療側、支払側の委員が、これは宮内議長がおっしゃっていることでございますけれども、診療側、支払側の委員が個人の資格として又は限られた団体としてばらばらに意見を述べれば、個人の資格としてこの委員になるべきであるということをおっしゃっているわけでございますけれども、しかし、ばらばらに意見を述べれば余りにも利害だけが強調されて、やっぱり中医協としてはまとまらないのではないか、やはりそこには調整機能というのがどうしても必要ではないかというふうに思うわけでございますが、そういう観点から、この中医協の法律の中には、関係団体からの推薦を得るという形になっておりますけれども、その意味で関係団体からの推薦というのは必要ではないかというふうに私自身は考えているところでございます。 さらに、本来、支払側というのは被保険者、これは患者さんの立場でもあるわけでございますね。今回、連合から患者さんの立場として勝村さんという方が委員として入られたということでございまして、これは大きく私自身は評価していいことであろうというふうに思います。 そして、もう一つの問題は、公益委員の数が少ないというふうに言われております。今、診療側八名、そして支払側八名、そして公益委員四名ということでございますけれども、公益委員というのは、ある意味では国民、患者さんの立場もあるのではないかというふうに考えておるわけでございますが、公益委員の数を多くしろということでございますけれども、要は、中医協というのは多数決で物事を決めているんでしょうか。それについて確認をお願いしたいと思います。
○政府参考人(水田邦雄君) 規則上は多数決で意見が分かれた場合には決するということにされておりますが、慣行上は全員一致で決めてきていることがほとんどでございます。
○西島英利君 そういう意味で、公益委員の方々は調整機能というのを発揮されているんだろうというふうに思いますけれども、しかし、公益委員は衆参両議院の同意を得てなるということになっているんですね。そうしますと、この公益委員の権限って私は非常に大きいというふうに考えるんですけれども、それとも、支払側、診療側の委員と同等だというふうにお考えでしょうか。 その点につきまして、これは通告はいたしておりませんけれども、お考えがあればお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(水田邦雄君) 権限上の差異というのはないかと思います。ただ、当然ながら、診療側、支払側、大きく意見の隔たりがある場合があるわけでありますので、その具体的な調整を行っていくという意味でその役割は大変大きいものがあろうと思っております。
○西島英利君 そのときに、もう一つの問題は、透明性の確保ということが言われている中で、密室で取引をしているのではないかということが盛んに報道からも、それから国会の議論の中でも言われてきたところでございますが、密室での取引と。過去、今までどのようなことを俗に言う密室ということでやってきたんでしょうか。事例があればお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(水田邦雄君) 中医協におきます審議は、先ほど申し上げましたとおり、総会、部会それから小委員会ともすべて公開で行われているわけでございますけれども、その審議の過程において非公開で協議が行われることがございます。 例えば、平成十六年度の診療報酬改定におきます議論におきましては、改定率につきまして支払側及び診療側委員の意見の隔たりが大きいということがございまして、公益委員が各側を別個に呼び込みまして意見の調整を行ったということが事実としてございます。正に公開の場での議論の中でこういう個別折衝が行われる形でありますので、事実として見えたかと思います。 ただ、この点につきましては、昨年十月に中医協においてまとめられました当面の改善策におきまして、審議過程でこういった個別協議が行われた場合には、公益委員から、協議の経過について公開の場で報告することとするという取扱いになったわけでございまして、そういう意味で、一層の透明化を図る措置がとられたものと考えております。
○西島英利君 つまり、いろんな問題がありましたけれども、今回の事件を契機にして中医協の在り方というのも中医協内部で見直されて、特にこの透明性の確保という点では、公益委員が、密室といいますか、そういう中で行われたことについてはきちんと報告するということで透明性を担保するということになったということでございますですね。 もう一つの問題は、余りにも中医協の中での診療側の意向が強過ぎるのではないかということが言われております。しかし、私自身も、先ほどから何回も申し上げますが、中医協に出ておりました。日医側だけの発言ではなく、支払側もきちんと発言をされ、まして病院団体の方もお一人出ておられたんですが、発言をきちんとされていたというふうに思うんですけれども、その辺りの状況はいかがでございますでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) それは、正に公開の場での協議が行われておりますので周知のことでございますけれども、近年におきましては、そもそも議論の材料として様々客観的なデータが提出され、それに基づいて支払側委員も活発に御発言をいただいておりますし、また、全日本病院協会に所属する委員を含めまして、すべての委員から自由な御発言をいただいていると、このようなことは明らかであろうかと思います。
○西島英利君 もう一つ、今回の事件を起こした方でございますね。お名前は申し上げませんけれども、かなり長期にわたって委員をなさっていたということでございますが、この方以外に、特に診療側で長期にわたって委員をしていたという事例はございますでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) これまでの中医協の歴史におきまして、日本医師会推薦委員の方で在任期間が十年を超える方が一名おられました。最長で十年八か月ということでございます。 ただ、これは平成十一年度以降事情が変わってございます。すなわち、審議会等の委員につきまして、十年を超える期間継続して任命しないということが閣議決定が行われております。この閣議決定の後、これ以降の在任期間の最長は八年七か月の方がおられます。
○西島英利君 委員の任期についても、中医協の内部で改革案として出されたのが、六年を上限とするという案が出されたわけでございますが、宮内さんは任期四年とすると、二期四年とするということをおっしゃっているわけでございます。 しかし、私自身がこの改定作業にかかわった経験から申し上げますと、その一回の改定作業では、とても実務的なそういうものをなかなか習得できないというふうに考えております。そういう意味では、やはり三期というのは非常に妥当を得たこの委員の任期ではないかなというふうに思うんですが、実践的な面を考えられて、二期四年ということで委員の役割が果たせるのかどうか。 もしこれは、これも通告はしておりませんけれども、御意見があればお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(水田邦雄君) 先ほど申しましたように、昨年十月の中医協の全員懇談会で当面の改善方策について議論されまして、その中で三期六年という水準が、期間が出てきたわけでございます。恐らくその過程におきましては、長過ぎることの弊害はある一方で、短過ぎるということも考慮された上で三期六年というお考えが示されたものと考えております。
○西島英利君 中医協というのは、長い歴史の中で、そしてそれぞれの役割を果たしてきたわけでございます。しかし、時代の流れの中でやはり疲労を起こしてきたこともこれはそのとおりであろうというふうに考えております。 しかし、こういう事件が起きたときに改革をするというのは、過去の歴史を見ますと、うまくいっていないケースの方が多いんですね。つまり、なぜかといいますと、犯人捜しから始まってくる。そうしますと、もう徹底的な犯人捜しから徹底的な改革が行われ、非常にスムースにいっていたそういう議事運営そのものもうまくいかなくなってしまうという、こういう歴史もたくさん私は知っております。 そういう観点から、是非、この中医協の在り方のこの協議会の中で議論をされる場合には、こういう歴史的な事実もしっかりと情報として御提供いただき、その情報の中で御判断をいただくような、そういう御配慮を是非、厚生労働大臣にお願いを申し上げたいというふうに思いますが、いかがでございますでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) この中医協をどうするかという御議論でございますけれども、これは昨年の秋、こうした不祥事が起きたということもありましたけれども、今委員御自身もおっしゃいましたように、中医協の在り方、長い歴史がある、それなりの役割を果たしてきたことも事実でありますけれども、やはり新しい時代に沿った組織にする必要があるのではないかということもありまして見直しの議論が始まり、そしてその見直しをする組織、これをどこに置くかということからそもそも議論がございました。 最初は、私はそのときに、厚生労働大臣の諮問機関であるから厚生労働大臣の下に置いてほしいと、置くべきだということを言ったのでありますけれども、いやそもそも、もうその辺から問題があるんだから、厚生労働大臣の手の届かないところでそうした議論をすべきであるという意見もございました。そこから議論が始まりました。で、私はそのときに、率直に言います、私を信じてほしい、私の下に置いてしっかりした議論をし、しっかりした中医協の見直しをやると強く主張をいたしまして、私の主張が言わば認められる形で、今の中医協を見直す有識者会議は厚生労働大臣の下に置かれております。 したがいまして、今改めて私は、そこまで言ったわけでありますから、責任を持って、そして私にやらしてほしいと言ったことに恥じないようなことをしなきゃならない、強く思っておりますということをまず申し上げたわけでございます。そうした中で、きっちりした議論をしていただこうと思っておりますし、先ほど公開ということもございましたけれども、正に、どうぞもうマスコミの皆さん、お聞きになりたい方はどうぞ皆さんおいでくださいといって、毎回百人を超す方が取り囲んでおられる中での今議論をいたしております。 したがって、今いろいろ御懸念もいただきましたけれども、私はそのような御懸念のない議論が今続けられておると思いますし、正にそうした今御懸念いただくようなことのないようなしっかりした答えが出るというふうに信じておるところでございます。
○西島英利君 これは、まあこういうことまで言わなくていいんでしょうが、日本医師会の前会長は実はがんの専門病院の理事長、院長をされていた方でございますし、やはり病院のことをしっかりと考えての診療報酬改定でなければいけないということを、常日ごろ私自身も聞いておりました。私自身も病院でございましたので、そういう観点からの意見は述べてきたつもりでございます。 是非、そういう事実も踏まえまして、誤りなき道へということを、厚生労働大臣、是非御指導をお願いし、そして本当に改革と言われる中医協、実践的な改革と言われる中医協にしていただきたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 これは蛇足でございますけれども、審議会等の委員の任期の制限、これは先ほどお話がございましたように十年ということが大体こう決まっているようでございますけれども、宮内議長は十年以上、鈴木さんも十年以上私はされているんじゃないかなと思いますが、これは答弁は求めません。 もう一つの問題を最後に御質問さしていただいて終わりたいと思いますけれども、今年の七月から施行が予定されております心神喪失者医療観察法の問題でございます。 指定入院医療機関の整備がなかなか進まないということで、衆議院の決算行政監視委員会で谷公一議員も御質問をされております。この心神喪失者医療観察法のもう一つのその目的は、それぞれの機能を明確にして機能連携すると、そういう形の中でのこの法律ができたというふうに私自身は考えておりますし、その結果として医療機関の底上げにもまたつながるというふうに思います。また、これからは精神障害者の方々は入院中心から地域ケア中心へ変えていかなきゃいけないということで、自立支援法もそういう観点から私は今法案が提出されているところだろうというふうに思いますが、その中で先日の谷議員の質問に対しまして、法制の、法制化の改正はしないのかという質問に対しまして、御指摘のような法的な面も含め、国会の先生方や都道府県の方々の御意見やお知恵をいただきながら幅広く検討していきたいと思っておりますという答弁が、当日、これは塩田部長の方からたしかなされたというふうに思います。 やはり、ようやくここまで来たこの法律でございます。まさしくこれからの精神医療をきちっとしていくためには必要な法律だと私は考えております。そういう視点から、是非大臣の御決意をお聞かせいただければというふうに思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今既にもうお話しいただいたところでありますけれども、精神障害を持っておられる方々を含めまして、障害のある人もない人も地域でともに安心して暮らせる地域社会づくりが必要であると考えております。今般、国会に提出させていただいております障害者自立支援法案でもそのことを申し上げておるわけでございます。そうした中で、精神障害者に対する社会復帰、地域生活支援、これを抜本的に強化をしたいと考えております。そうした大きな流れの中で、医療観察法も社会復帰支援の一環としての役割を担うものでございますから、その施行に当たって全力で取り組んでまいりたい、こういうふうに考えます。 そしてさらに、今後ということになりますと、正に部長がお答え申し上げたそのことの繰り返しになりますけれども、指定入院医療機関の整備に向け、地域住民の方々あるいは自治体の理解を得なきゃなりません。このために今最大限努力をいたしておりますので、更に努力を続けながら、申し上げておりますように、関係省庁、都道府県はもとよりでありますけれども、この委員会でも先生方の御指摘もいただいております。そうした先生方のお知恵もいただいて、今後の検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○西島英利君 終わります。 ありがとうございました。
○坂本由紀子君 先般のJR福知山線での大きな事故により、大勢の命が失われ、またたくさんの方がけがをされました。亡くなられた方には心から御冥福をお祈りいたしますとともに、けがをされた方は一刻も早く回復されるようお祈りしている次第であります。 厚生労働省は災害防止についての責任を持つ役所でありまして、今般のJR福知山線の事故については、国土交通省を中心にして事故原因の究明と再発防止についてしっかりとした取組が行われることを期待するものでありますが、厚生労働省としては今回のこの事故をどうとらえていらっしゃるのか。新聞報道等によりますと、運転士についてはこれまでも何回かの処分を受けたことがあった。適正配置の点で問題があったのではないか、あるいはその安全教育についてしっかりとした教育が行われていたのかというようなことが指摘されたりしておりまして、この辺について担当としてどうとらえていらっしゃるのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(青木豊君) 去る二十五日に、兵庫県におきましてJR西日本の列車が脱線いたしまして、大変大きな災害事故ということでありました。厚生労働省といたしましては、事故発生当日に、直ちに所轄の兵庫労働基準局、それと尼崎労働基準監督署において職員を現地に派遣いたしました。労働安全衛生等の観点から、事故対策本部を設置いたしまして、現在、被災状況等の把握に努めているところでございます。 お話ありましたように、鉄道車両、線路の構造、運転などに関しましては、運行あるいは旅客の安全の確保等の観点から、国土交通省、鉄道営業法等関係法令によりその基準が定められております。原因究明の方も航空・鉄道事故調査委員会において行われるというふうに思っておりますけれども、厚生労働省といたしましても、その事故の背景要因となります事業場の安全衛生管理体制でありますとか、あるいは列車の運転手についての安全衛生教育でありますとか、また健康管理、そういったことについて問題がなかったかどうか、そういったことを調査をいたしたいと思っておりますし、引き続きそのための被災状況の把握にまず努めてまいりたいというふうに思っております。
○坂本由紀子君 大きな事故が起こった場合には、ハインリッヒの法則というのは御存じだろうと思いますが、一件の重大事故の背景には二十九件の軽微な事故、そして三百のささいな事例が潜んでいるんだということはよく知られているところであります。安全対策については随分いろいろなハードの面、あるいはいろいろな体制的な取組も含めて進んできてはいると思います。ただ、人間は必ずうっかりしたミスをするというようなこともありまして、どうしてもこのヒューマンエラーがなくせないということが結局のところ事故の絶滅ができない一番大きな原因になっているんではないかと思いまして、このヒューマンエラーがあってもなおかつ事故を起こさない、あるいはヒューマンエラーをどうしたら根絶できるかということが永遠の課題であろうと思いますが、この点について厚生労働省としてはどういう対策を今後講じていこうとしていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(青木豊君) 今御指摘になりましたように、非常に小さく見えるいろんな危険がその大きな危険への言わば伏線になっていたりするということでありますので、私どもとしては、お話しになりましたヒューマンエラーというような観点も含めまして、極めて直結するような小さなものであってもそういったものを少なくしていこう、キャッチしていこうということも含めて安全対策を進めているところでございます。 また、一昨年十一月に、それまで日本を代表するような大規模製造工場で大きな事故が頻発をいたしましたので、自主点検をしました。そういった自主点検の結果なんかによりますと、その災害発生率の非常に高い事業場では、むしろその事業場のトップ自らによる率先した安全管理活動というものが不十分でありましたり、あるいは事業場のトップ自身がその安全管理に必要な人員、経験あるいは経費に不足感があるというような結果が得られておりまして、そういう意味では安全意識という面でも経営トップの積極的な取組が重大であるというふうに考えております。そういうことで、平成十六年度から十七年度も引き続きまして、経営トップの役割と責務に重点を置いた指導をしていくというようなことも対策として行っております。 いずれにしても、その事業場における自主的な安全衛生活動というのがとりわけ大事でありますので、そういう観点で今後とも対策を進めてまいりたいというふうに思いますし、今国会にも労働安全衛生法の、そういう観点から労働安全衛生法の改正ということをお願いをいたしているところであります。いろんな経験を踏まえて、これまでも調査分析をしながら対策を講じてきているところでありますが、今後とも引き続きそういうことで対策の徹底に努めていきたいというふうに思っております。
○坂本由紀子君 今お答えになったことは大変大事な点をおっしゃっていると思います。企業経営が厳しくなる中で、安全がコストとしてとらえられて、切り捨てられるというようなことがあってはならないわけであります。安全は、軽視することによって事故が起これば、結果としてより大きなコストとして企業経営には跳ね返ってくるわけでありまして、企業のトップ自らがこの安全の問題を何にも増して優先して取り組んでいただくということが大事だろうと思います。経営トップに指導をすると口で言うのは簡単なんですが、本当にトップにそこまでの必要性が認識されて、そういうことを自ら行動していただくということが実現できるということは生半可なことではなかなか難しいと思います。一人の監督官が出掛けていって、事業所に、これはトップが大事ですから頼みますと言ってトップに届くとも思えませんので、そういう意味では、本省を挙げてトップへの直接的な働き掛けをやっていただくことが大事だろうと思いますので、重ねてこの点ではしっかりとした取組を要請をいたします。 あわせて、安全の問題については、よく分かっている人間がいなくなっているのではないか。安全は素人がやって簡単に片付くという問題ではなくて、やはりどこが危険なのかと、これに対してはどういうことをやらなきゃいけないかという安全についての専門家が各事業所の中にいなくてはいけない問題だろうと思いまして、この点での人材確保について日本の中の企業は果たして大丈夫なのかどうか。その辺、行政としてはどういう認識を持っていらっしゃるかということをお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(青木豊君) 先ほど申し上げましたように、大きな事故が随分頻発をいたしましたものですから、いろんな危機感から自主点検を行ったり、あるいは関係省庁とも連絡会議をつくって議論をしたり、あるいは分析をしたりしてまいり、その中では、御指摘のように、事業場の中の安全について極めて知識、経験あるいはそのノウハウ、その回避についてのノウハウを持っているような人たちが少なくなっていく、特にベテランの、そういったベテランの人たちが退職をし出しまして、そういうことから、そういう担当者の知識、ノウハウの継承といいますか、そういったことも大変心配な点になってきております。 そういうことで、私どもとしては、安全衛生への、関する担当者あるいは現実にそういう場面で働いている労働者の人たちに対して、安全に関する知識、経験の付与ということで教育、そういった訓練、そういったことが大切だというふうに思っております。今後ともそういう徹底をいたしまして、必要な安全衛生に関する知識、経験、技能の伝承というものについても、言わば個々の人たちに頼るのではなくて、組織的に可能となるようなことを考えていく必要があるだろうというふうに思っております。 そういう意味で、各事業場で自主的にまず危険性、職場の中にどういう危険性あるいは有害性、そういったものがあるのかということをきちんと調査をして、また把握、分析をすると。そして、それに対するチェック、措置を講じていくということを継続的、組織的に行えるような、そういうことを一つのやり方として、今既に民間で安全衛生のマネジメントシステムというようなことで言っておりますので、そういったものも労働災害防止には極めて有効だということでおりますので、そういったことも事業場に促していくというようなこともしていきたいというふうに思っております。
○坂本由紀子君 今回の事故は、どこの事業所でも事故として起こり得る普遍的な原因から起こっているのではないかと思えてならないわけです。一分三十秒の遅れを取り戻そうとしてスピードを上げた。営業を落とさないためには、そういう自分たちに与えられた営業面での課題をこなさなきゃいけないというのが一方であって、それは多分どこの企業、どこの事業所でもあると思います。それをやって、たまたま事故にならなければいいんですが、それがちょっとしたことで今回のような事故につながって、取り返しのないことになる。 これは、一つJRだけの問題あるいは交通に携わる人だけの問題ではなくて、すべての事業所でこういうことがあるんだということは、私はこの際、厚生労働省としてはしっかりと各経営トップに伝える、各、人が働いているところにはしっかりとこの問題を自らの問題として認識をしてもらうということがとても大事ではないかと思います。 そういう意味で、この問題を契機として、安全確保についての緊急的なお取り組みをしていただくということも大事なことではないかと思いますが、この点について是非前向きの御検討をお願いしたいと思います。いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 大変痛ましい事故が発生をいたしまして、多くの方がお亡くなりになっております。改めて私からもお悔やみを申し上げますし、また負傷された方々も大勢おられますので、お見舞いも申し上げたいと存じます。 今委員がお話しになりましたところで、まず申し上げておかなきゃいけないかなと思いますことは、事故の原因が究明されたわけではございませんので、いろいろマスコミ報道等もありまして、こうしたことが原因ではないかと言われておりますことは承知いたしておりますけれども、そうしたことに対して予断を持ってお答えするというのはまだ早過ぎると思うものですから、そのことを申し上げた上で、一般論でお答え申し上げたいと存じます。 今お話しいただいておりますように、安全面で企業のトップの姿勢が重要であると、これはもうおっしゃるとおりであります。そしてまた、今企業間の競争が厳しくなっておりますから、安全をコストとして考えるようなところがある。そうしたことを気を付けながら、私どももまた私どもの政策を進めていかなきゃいかぬ、これはもうまた当然のことでございます。 そうした中で、じゃ何をやるのかということでございますが、今私がここでお答えしたいと思いますことは、これもよく委員は御案内のとおりでございますけれども、全国安全週間が六月一日から始まりますから、その機会をとらえまして是非改めて、それこそ改めてでありますけれども、各事業場の経営トップに対してこうした安全面に対する私の考え方もまた申し上げ、是非安全への取組をお願いをしたいというふうに考えておるところでございます。 まずは、そこから始めさせていただいて、そして今お述べいただいておりますように、この問題というのは簡単なことではございませんから、引き続ききめ細かくまた私どもも努力してまいりたいと存じます。
○坂本由紀子君 是非よろしくお願いいたします。 次に、ものづくりについて伺います。 我が国は、ものづくりで経済の大きな牽引をしてきてもらいました。就業者数等からいきますと大分第二次産業の比重は小さくなってきてはいますけれど、でも、その生産性の高さであるとか、あるいは優れたものづくりの技術、技能というのは世界のどの国にも負けないすばらしいものだと思います。そういう意味で、このものづくりについては、これからも日本の基幹産業としてしっかりと位置付けて頑張っていただかなければいけない。そのためのいろいろな環境整備も必要だろうと思う次第であります。 行政としては、我が国が今後とも、ものづくり立国であり続けるために現在何が課題だというふうにお考えでいるでしょうか。そして、それら課題についてどのように取組をしようとしているのかということについてお答えください。
○政府参考人(上村隆史君) ただいま委員御指摘のとおり、我が国のものづくりを支えてきました優れた技能、これを今後とも維持継承していくことは非常に重要であるというふうに思っております。 そのため、これまでも高度熟練技能者を活用した技能継承の支援施策あるいは技能五輪の全国大会の開催などの振興施策を実施してきたところではございますが、しかしながら、先ほど委員から御指摘がありましたように、若年者の製造業離れは依然として続いておりますし、さらにそれに加えまして、二〇〇七年、昭和二十二年生まれが六十歳になる年でございますが、団塊の世代が二〇〇七年から定年ラッシュがスタートするということになっておりまして、これまでのベテラン社員が培ってきた技能をどのように継承していくか、それが大きな課題であろうかというふうに思っております。 そこで、これらについてでございますが、若年者に対しましてものづくり技能の魅力を啓発、魅力を見せ、若年者がものづくり現場に対して興味を持ち、関心を抱き、進んで技能の習得に取り組み、そういった産業への就職が進むようにすることが重要であるというふうに考えておりまして、今年度、ものづくり立国の推進ということで工場、民間あるいは公共の訓練施設等の開放の促進、若年者によるものづくり技能競技大会の実施、ものづくり技能に関するシンポジウムの開催等、こういったことを実施していきたいというふうに考えているところでございます。
○坂本由紀子君 ものづくりというのは目に見える、形として表れるということで、非常に分かりやすい仕事だろうと思うのであります。ですから、若い人たちが、特に子供たちが、仕事ってどういうものか分からないとか、あるいは自分が何をしたいか分からないとかいうような漠然とした状況の中では、私は、仕事へのかかわりなどを示すにはこのものづくりというのは非常に分かりやすいきっかけになるのではないかと思います。また、人間がすばらしいというのは、こういうものづくりの現場で示すこともできるんだろうと思うんです。 もう、少し前の話ですが、技能五輪の国際大会で、たしかモスクワであった大会だと思いますが、あのときに参加した日本の若者が出題のミスを見付けた。その問題のとおりにつくったのではきちっとしたものができないと、むしろ問題にミスがあるというところを指摘して、言ってみれば日本の若者のすばらしさを世界にアピールした。あるいは、いろいろな旋盤の機械等々がありますが、例えば百分の一ミリの差で磨くのは機械ではできるけれども、千分の一ミリの精度で物を磨こうと思えば、それは機械ではできなくて人間の手でしかできないということで、正に機械よりも人間の方がすばらしいんだということを示す非常にいい証左にもなるんだろうと思います。 そういう意味で、今度、二〇〇七年、この二〇〇七年問題は、団塊の世代が引退をしてこの後継者がいなくなるという問題が多く知られておりますが、実は二〇〇七年に日本で技能五輪国際大会と、あと障害者の技能五輪であります国際アビリンピックが日本で開かれるわけです。私は、これは若者の可能性を示すという意味で、それからものづくりのすばらしさを示すという意味で、それから障害者の可能性を示すという意味で大変意義のあるものだと思います。単なるイベントではなくて、そういうメッセージをこの日本の社会に送る、若者に対しても障害者に対しても送るという意味で大変大事なことだろうと思っております。 二〇〇七年というと先のことであるようですが、実はいろいろな準備を考えると、もうさして時間がないということもあります。この日本で開かれるユニバーサル技能五輪の現在の進捗状況についてお伺いいたします。
○国務大臣(尾辻秀久君) 御指摘のとおりに、二〇〇七年には静岡県において、二十二歳以下の若者が技能を競います大会であるところの三十九回技能五輪国際大会が開催をされます。そして、この大会は、同時に、障害のある人を対象とした第七回国際アビリンピックと史上初めて同時に開催をされます。したがって、二〇〇七年ユニバーサル技能五輪国際大会というふうに呼ばれることになっております。 この二〇〇七年ユニバーサル技能五輪国際大会は、単なる一回きりのイベントではなくて、今お話しいただいております、ものづくりの大切さを国の内外にアピールする重要な機会であると私どもも考えておりますので、子供から大人までの国民各層が技能の重要性を広く認識して、ものづくりに親しむ社会を形成することを目的としたものづくり立国の推進事業の一環として私どもも支援をいたしてまいりたいと考えております。 本大会の準備、運営を担う組織としては、経済界等から構成される組織委員会が本年三月に設立をされたところでございます。さらに、本事業は文部科学省、経済産業省などの連携の下で昨年末に策定されました若者の自立・挑戦のためのアクションプランにも位置付けられておりますので、こうした産業界、学校への周知も含めまして、関係省庁との連携を図りながら準備を進めてまいりたいと考えております。
○坂本由紀子君 それについて少し具体的にお伺いしていきたいと思いますが、日本で技能五輪の国際大会が開かれるのは実は今度で三回目であります。これまで東京と大阪で開かれてきまして、今回、静岡ということであります。 これは、世界四十か国近くからたしか若者が来て、それはすばらしい技能を競うわけでありますので、そういう意味では、現在工業高校に通っている子供たち、あるいは国立高専のようなそういうものづくりに携わることを学んでいる子供たち、それから養護学校や盲学校、聾学校に通っている障害のある若者、こういう人たちに是非これを見てもらって、その経験を糧に人生を生きていただくということが大変大事なことではないかと考えておりまして、この点についての文部科学省の御認識とこれからの取組についてお伺いいたします。
○政府参考人(藤田明博君) 御説明申し上げます。 二〇〇七年ユニバーサル技能五輪国際大会につきましては、若年者がものづくり技能を習得することにより職業的自立などにつながること、また障害のある人が技能を習得することによって就業支援を促進をいたしまして、障害の有無にかかわらず相互に人格と個性を尊重し支え合う、いわゆるユニバーサル社会の実現につながると、こういった基本認識の下に進められるものというふうに理解をいたしております。 文部科学省におきましても、本大会の開催計画の検討などを行います準備委員会に委員として参画させていただくなどいたしまして、厚生労働省や静岡県を始め関係機関と積極的に連携協力を図ってきたところでございます。 委員御指摘の国立高等専門学校、工業高校、盲・聾・養護学校の生徒などに対します周知等につきましては、厚生労働省とも連携を図りながら、地方公共団体でございますとか、それからその他の、例えば全国高等学校長協会、そういった関係の団体などを通じまして積極的に情報提供を行うなどいたしまして広く周知を図りまして、より多くの生徒の見学が行われるよう対処してまいりたいと思っております。
○坂本由紀子君 百聞は一見にしかずでありますので、多くの生徒がそういうことを学ぶ機会があるように、文部科学省としては、通知だけではなくてもっと踏み込んだサポートを是非御検討願いたいと思いますし、その実施に向けてやっていただきたいということを強くお願いしておきます。 それと、担当局長に加えてお伺いいたしますが、私は、このユニバーサル技能五輪国際大会が行われる際に一つ大事なことは、その地元でやっていますけれども、地元の取組、きっちりと国の方でもサポートをしていただきたいということが一点。 それからもう一点は、障害者の大会について、これまでともすれば、障害者のすばらしさを見せるというよりは、むしろ障害者でもこのくらいのことはできますよ程度のものでしかなかったと思うんですね。だけれども、障害者の能力というのは決して健常者に劣るものではなくて、健常者がかなわないような能力を持っている障害者というのは一杯いるんです。例えば絵画の部門だとか、そういう部門では本当にたくさんあります。 それから、これまでの国内のアビリンピックには出てきていないけれども、企業の現場で、障害者だからということで仕事をしていない、むしろ一人の個人としてすばらしい能力を発揮している障害者がいる。そういう人たちにも是非このアビリンピックの場に登場していただいて、障害者というのはかわいそうだから助けてやる、何か手伝ってやれば、助けてやればこれだけのことができるというような対象として見るんじゃなくて、本当にすごい力を持っている、だからその力が出せるように社会全体としてサポートをしていこうというような機運が盛り上がるような、そういうものにしていきたい、いただきたいと思っていまして、そういう意味では、職種の選定であるとかいうことについてそういう認識でお取り組みをいただきたいと思いますので、是非その点についての局長の答弁をお願いしたいと思います。
○政府参考人(上村隆史君) まず、最初の話でございますけれども、三月に組織委員会が立ち上がってスタートしておりますが、国といたしましても一生懸命努力をしていきたいというふうに思っておりますので、その決意を申し上げておきたいと思います。 それから、後半にお話のありました件につきましては、なかなか難しい点もあろうとは思いますが、正に委員おっしゃるとおりだと思いますので、一生懸命それも踏まえて取り組ませていただきたいというふうに思います。
○坂本由紀子君 次に、子育て支援についてお伺いをいたします。 少子化は依然として傾向に歯止めのめどが付いておりませんで、先般の国立社会保障・人口問題研究所の推計、中位推計でほぼいろいろな施策が組み立てられているわけでありますが、またこれが低位推計を実際にはたどることになって本当に社会保障制度の根幹を揺るがすというようなことがないように、子育て支援については一層しっかりとしたお取り組みをしていただかなきゃいけないと思うのであります。 私は、子育て支援をするについては大きく二つが大事じゃないかと思っておりまして、一つは、いろいろな子育て支援の環境を整えている市町村、ここが本気で取り組んで子育て支援の環境をパーフェクトに整えていただくということが一つ。 それともう一つは、企業や社会の意識改革。子育てをしている人間が頑張ればいいとか、そういう、その人個人の問題として片付けるとか、あるいは子育て中の人を企業にとってみれば労働力としてはやや負担だというような形でとらえるのではなくて、むしろそういう企業や社会にとって言ってみれば本当に大事なことをやってくれている担い手としてとらえ、子育てをしてくれている人は当たり前の人として社会で生活でき、職場で働くことができるというような、そういう意識と様々な諸条件を整えると。 この二つが整えられれば、多分若い人たちの子育てについての認識も変わってきて、子供を産みたいという人たちについては、我慢をするとか辞めるとかいうこともなくなってくる、減少してくるのではないかというふうに思うのであります。 次世代育成支援法が動き始めて、市町村については行動計画が策定されてきているかと思います。この行動計画については、作るだけではなくて、その中身が本当に地域にとって必要なニーズが充足されているかどうかということについて、国としても踏み込んだ指導を引き続いてやっていただきたいということが第一点。 それから、その計画の中には恐らくハードのものもいろいろ入っていると思います。現在でも、先般予算委員会でも伺いましたけれども、保育園の耐震化が全部できているかといったらまだ半数にもいっていないと。子供たちの命を守るという点でも、この耐震化等については可及的速やかに整えていただかなくてはいけない。そういう意味では、この子育て支援についてはハード面での整備もまだまだ整えられていないというのがありますので、そういうところもしっかりと引き続いてやっていただきたい。 それから、ハードだけではなくて、やはり大事なのは、地域の中で子育てを支え合うというソフトの仕組みも大変大事だろうと考えておりまして、今般、このソフトの仕組みを応援するための交付金の事業も新たに創設をされているわけですが、これについては具体的にどのようなことで運営していかれるおつもりなのかということを、これについては教えていただきたいと思います。
○政府参考人(伍藤忠春君) 二つの方向からのお尋ねがございましたが、市町村の行動計画、今、四月以降、私ども今集計をしておりますが、ほとんどの市町村で策定をしていただいておるということで、お尋ねのありました中身がどうなっておるかということについては今、鋭意集計中でございますので、今までいろんな補助事業等をやってまいりました、十四事業と言っておりますが、十四の事業を中心にして様々な事業にどの程度の目標を設定して市町村が取り組む計画を作っておるかということを集計中で、早急にこれをまとめたいと思っておりますが、その具体的な概要が明らかになったところでまた御報告さしていただきたいと思います。 概数といいますか、基本的な流れを申しますと、昨年秋口にどういう計画を考えているかということを取りあえず私ども全体を集計いたしまして、その時点での見込みを基に、政府としての五か年の子ども・子育て応援プランという新しい計画を策定したわけでございますが、最終的に各市町村がどういう事業についてどのような目標を設定して取り組んでおるかということを最終的な形で近々まとめたいというふうに考えております。 それから、ソフトの形の面ではどうかというお尋ねでありますが、正に行政が施設を造り、サービスを提供するということのみならず、この子育てといった非常に身近な問題につきましては、住民自身の取組あるいは地域の自発的な取組というのが大変重要な課題だというふうに私どもも考えております。 従来から取り組んでおる事例で申し上げますと、伝統的にこの分野では、母親自身が母親クラブというような、いろんな名前、名称ございますが、そういった形でいろいろ地域で取り組んでおる。現在でもこれは三千八百ぐらい全国にございますが、そういう取組を始めといたしまして、あるいは児童館とか学校に地域のシニアの世代が遊びを教えに来ると、こういうような取組もありますし、それから最近、今展開をしております、子育て、つどいの広場という親子で集えるようなところに、私も実際に見に行きましたが、その辺りの中学生とか高校生とか、若い世代も含めて、あるいは家庭の主婦などもボランティアといいますか、そういう形で参画をするというような新しい形態もいろいろ展開をしてきておりますので、こういう住民自身の力とかネットワークとか、そういうものをどう活用するかということを、先ほど御指摘のありました交付金の中でも、今までの、従来の補助事業以外のこういう地域単独の取組というものをできるだけ評価をしていくように、私ども、今、市町村、これから交付金の申請が具体的に上がってくるところでありますが、既に交付要綱等でもそういう地域自身の取組を是非考えてくれと、こういうふうなお願いをしておりますので、どの程度まで出てくるかは分かりませんが、初年度、できるだけそういうことを私どもも期待しながら、できるだけそれが評価に結び付くような形で交付金を運営していきたいというふうに考えております。
○坂本由紀子君 地域に行きますと、結構、お年寄りの方が子育てについて自分たちもいろいろ応援したいんだと、何をしたらいいだろうというような声はよく聞きます。そういう力がうまくその社会の中で生かされるような仕組みをつくることが行政の仕事だろうと思いますので、是非、各市町村でそれが進むようにしっかりとした支援をしていただきたいと思います。 それからもう一点は、企業においても行動計画を作ることになっています。行政の方には届出がなされるということになっていますけれども、私は、ここはもうちょっと踏み込んでやっていただくことが大事ではないかと。 やはりこういう問題は、トップが理解をして組織の中に徹底するとかなりうまくいく。この問題は、負担だけではなくて、そういうことで、働いている人が生き生き働ければ、結果的には企業にいい人材が確保できて企業にとってもメリットがあるんであります。ここのところがなかなか、トップの理解がそこまでいっていない。あるいは、うちはできていると、事実を必ずしも検証しないでそう思い込んでいらっしゃる経営者も多いのではないかと思いまして、是非この点については大臣自ら、日本経団連という組織だけではなくて個別の企業にまで、個別の企業の経営者にまでこの問題が理解されるようにお働き掛けをしていただきたいと思いまして、御決意のほどを伺いたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 次世代育成支援に果たす企業の役割は、申すまでもなく大変大きいところでございまして、先ほどの安全対策もそうでございますけれども、こうしたことに対する各企業トップの意識変革、リーダーシップがまた極めて重要になるという御指摘は全くそのとおりでございます。 そこで、来月の十日に予定をいたしておるのでありますけれども、主要経済団体等トップに対しまして、私どもの方は官房長官を始めとした関係閣僚でお伺いをして直接お願いをしようと思っておりますけれども、そのことは御承知の上で、そうした団体の人たちだけじゃなくて各企業それぞれにという今のお話でございます。 まずは、申し上げたように来月十日、そうした団体の長の皆さんにはお願いをしようと思っておりますけれども、さらに、企業トップに対しましても機会あるごとに、正に粘り強くお願いするしかないと思いますから、粘り強いお願いをしてまいりたいと存じます。
○坂本由紀子君 私は昔、障害者雇用の担当をしていたことがあるんですが、そのときに雇用率の低い企業のトップの方、専務さん以上ということですべての方にお越しをいただいて、個別にお話をしました。そのときにおっしゃったのは、ほとんど知らなかった、我が社がそういう問題を抱えているとは知らなかった、恥ずかしいことだって、もう十人が十人おっしゃってくれて直ちに改善措置を指示してくれて、ほとんどの企業は良くなりました。 ですから、えてして障害者雇用は大企業ほど認識が低いと世間一般では思っていますが、実は大企業ほど雇用率は高いというのが実態です。数が多いので辞める人が多いから、必ずしも雇用率充足までは行っていないけれども、その採用意欲たるやかなり前向きなので、そういう意味で、トップの方は知らないということはかなり多いんじゃないかと思いますので、その点では是非重々お働き掛けをお願いしたいと思います。 最後、恐縮ですが、発達障害者支援法が先般成立をいたしました。それで、この問題についてはなかなかその専門家がいない、あるいは診断が難しいというふうなことがありましてなかなか進んでいないということもありますので、こういう点についてのこれからの取組を是非お願いをいたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございます。
○委員長(岸宏一君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午後零時六分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山本孝史君 連休前でございますけれども、ちょっと数が少ないのが気掛かりでございますが、今日、被爆者援護の問題とそれから自殺の問題について、委員の皆さん方と言って、おられないのがあれなんですが、委員の皆さん方に是非御理解をいただきたいという思いがあって質問させていただきたいと思います。 まず、大臣、ここしばらく中国残留邦人の問題について、中国に帰れるような、その旅費あるいはその他様々手当を出してあげるということで御努力をいただきまして、ありがとうございました。また、中国残留邦人の日本への帰国にかかわる継子と養子の問題について、南野法務大臣も中国からの引揚者だということで、御本人の体験の中で大変お世話になったことであるのでということで、大臣告示を見直しをして継子、養子の方々が日本で生活できるようにという対応をしてくださるという、この間、御答弁が衆議院の決算行政監視委員会でございまして、これも少しずつですけれども、前に進んできたというふうに評価はしております。 今日取り上げます在外被爆者の問題は、実はこの被爆者援護法ができましたときの本会議質問を、会派を代表して新人の私がさせていただいたという思いがございまして、以来、毎年必ず一回、どこかで質問をさせていただいております。今年は、申し上げるまでもなく被爆六十年でございますので、在外被爆者の問題について一定の決着をある意味では付けたいという思いで今日も質問をさせていただきたいと思います。 今日、資料をお手元にお配りをさせていただいておりますのをごらんいただきたいと思いますが、被爆者援護法の中で、いわゆる健康手帳の交付申請、それを受けての各種手当の支給あるいは葬祭料、在外での医療給付等々、様々な法の中での施策がなされております。しかしながら、御承知のように在外被爆者についてはすべて適用できないということになっております。 このことについて、資料二をごらんいただければと思いますが、在外被爆者の皆様方が裁判に訴えて、これまで様々に主張されてこられました。ごらんいただいて分かりますように、国はすべて負け続けております。その裁判所の判断は、被爆者は世界どこにいても被爆者である、法律で明確に在外被爆者に対することが規定されていない中で、恣意的に法律を運用して手当を支給しないのは間違っているというのがこれまでの裁判で示されていることでございます。そして、この裁判の判決を受けて、資料一に戻っていただきますと、在外での医療の給付あるいは医療費の支給というものについては保健医療助成事業で今対応をしていただいております。 その次が、この健康管理手当の支給という問題で、これをどういう形で取扱いをするのかというのが今裁判でも、あるいは我々の思いの中でも議論されているところでございます。 そこで、できるだけこの問題についての解決を図りたいと、こういう思いでございましたら、町村外務大臣が四月七日の日韓外相会談で、健康管理手当の支給申請に当たり在外公館の活用を検討すると表明をされました。このことは福島委員もお触れになったところでありますが、今日は外務省からわざわざお越しをいただいておりますけれども、まず外務省の方に、どのような思いから外務大臣はこのような表明をなさったのか、またそのことについて韓国側はどのように受け止めておられるのか、このことについて御説明をいただければと思います。
○政府参考人(小井沼紀芳君) 日韓外相会談についてのお尋ねでございますが、四月七日に会談が行われました。町村大臣の方からは、韓国国民の過去をめぐる心情を重く受け止めるということを述べるとともに、九五年の村山内閣総理大臣談話等に盛り込まれている考え方について言及をいたしました。 その上で、大臣の方からは、過去に起因する諸問題について人道的対応を更に継続して進めるという方針の下、在韓被爆者支援につきまして、健康管理手当の支給申請に当たり在外公館の活用を検討するという旨、説明をいたしました。 こういった我が国の考え方の背景には、日韓間の財産請求権の問題につきましては日韓請求権・経済協力協定により解決済みでございますが、我が国といたしまして、在韓被爆者の方々に対し、人道的観点から可能な限りの支援を行うということにより我が国としての誠意を示したいという思いがあったものでございます。 こうした町村大臣の発言に対しまして、韓国の潘基文外交通商部長官の方からは、在韓被爆者問題に関する日本側の姿勢を評価すると、日本側が正しい歴史認識に基づき前向きの姿勢を取るよう促すとともに実践面での努力に期待したいという旨の発言がございました。 今後は、在外被爆者の高齢化が進んでまいりますので、こういった現実にも配慮しつつ、健康管理手当の支給申請に当たりましてどのような形で在外公館を活用するのが適当かということにつきまして、可能な限り早急に結論を出すべく厚生労働省と協議を更に進めていきたいと存じております。
○山本孝史君 そうしますと、日韓間の様々な懸案事項ございますけれども、日韓条約もお触れになりましたけれども、これは、被爆者援護法はその後にできている法律でございますし、いずれにしましても、この問題についての解決なり一定の前進がなされることが日韓の外交関係においても非常に重要な問題であると、こういう御認識でございますね。
○政府参考人(小井沼紀芳君) 日韓間のこの問題の解決につきまして、外務省は従来から厚生労働省と緊密に協議、協力をしてきております。現在におきましても、様々な観点からどういったことが可能かということを検討しているところでございまして、引き続き協議を緊密にしていきたいと存じます。
○山本孝史君 そこで厚生労働省にお伺いをしたいのですが、お配りをしました資料にございますように様々な手当がございます。健康管理手当と町村外務大臣がお触れになりましたので、この部分について対応するということなのだと思っておりますけれども、いずれにしましても、公式の場で日本国の外務大臣が健康管理手当という表現を用いて態度を表明をされたわけですから、日本政府が表明をされたものだと受け止められるのが当然だと思います。 したがって、そのことを前提に、この健康管理手当の支給というもの、これを行う場合に現行法制上で何らかの問題があるのかと、こう思うわけですけれども、下に書きましたように、原爆症の認定申請や各種手当の支給認定、葬祭料については政令、省令で定められているという形になっておりますので、ここは工夫をすればこういったものの手当は支給することができるのではないかと、かように考えますけれども、厚生労働省の見解をお示しください。
○政府参考人(田中慶司君) 御説明申し上げます。 被爆者援護法でございますけれども、被爆者健康手帳につきましては、交付を受けようとする者は、その居住地、居住地を有しないときはその現在地の都道府県知事に申請しなければならないというふうに規定しておりまして、健康管理手当等につきましては、被爆者がその支給を受けようとするときは、要件に該当することについて都道府県知事の認定を受けなければならないというふうに規定しております。委員の御指摘は、この違い、この規定ぶりの違いというのを御指摘されたものだというふうに理解します。 確かに法文の、その文面上の規定というのを比較しますと、確かに違いはございますけれども、被爆者援護法の立法の経緯、あるいは立法者の意思、法全体の趣旨、それから適正な支給の確保の要請、そういった点に照らしますと、法は、手当についても手帳と同様に居住地又は現在地の知事の認定を受けることを求めているものと解すべきであるというふうに私ども考えているところでございます。
○山本孝史君 その地点に戻ってしまうとまた話が、今の裁判でどういう判断を示されているのかということをまた御指摘しなければいけなくなってしまうわけですけれども、しかし申し上げましたように、日韓外相会談で表明をされ、そのことの解決が日韓間あるいは日本のアジア外交の中で大変に大きな役割も占めているという事態にも至っているわけですし、裁判所は、常に国は恣意的に法律を運用してきたのは間違いである、こういう御判断をされているわけです。したがって、皆様方の方が裁判で負け続けている限りは、常に上告なり控訴しなければいけない立場におられるということは承知をしますけれども、しかしそれでは一向にやはり問題は解決しないわけです。 今、健康管理手当の支給をするということを考えますと、それがどのような手当になるのかということになるわけです。健康管理手当というものは健康管理手当として法定されているものですから、それを出すということは横並びの手当はどうするのかという問題に当然なってきます。 先急ぎますが、最終的にはこの、ごらんいただきまして分かるように、その法律においてというのと政令においてという、先ほど局長、御説明されたわけですけれども、法律において健康手帳の交付申請は、居住地又は現在地の都道府県知事に対して行うこととされていると。この条項がある限りは、その居住地というものが日本国内にないと手帳の申請はできないんですね。 しかし、その他の手当はいったん、今でもそうですが、日本に来て手帳をもらわれて帰られた後は、手当は在外からも支給申請できるということになっていますので、そういう意味でいくと、最初の部分だけなんですよ、問題は。とにかく、大臣の答弁もそうでしたけれども、いったんは日本に来てくださいと。しかし、もう高齢で動けないじゃないかと。その方まで来ることについて、それはおかしいのではないかという裁判所の御判断もありますし、ここは、在外公館の活用という言葉が何を意味するのかというところはこれから外務省と厚生省で詰めていただくところだと思いますけれども、例えば日本の指定医療機関のお医者さんが在外公館の場を使って診察をされる。そこで診断書を作成されるということもあり得ますし、厚生省の方がそこに行かれて、そこで出されてくる申請書類を受け取りになるということもあり得るわけですね。しかし、厚生大臣が受け取る、あるいは書類をたとえ受け取るとしても、それは外務大臣が受け取るのか厚生大臣が受け取るのかによって違ってきますし、厚生大臣が受け取るとしても事務は都道府県知事がやることになっていますので、そこの部分で法律の整理をしませんと先に事務が進まないわけです。 で、そういうことも含めて考えて、できればこの二条の条文のところをほかの法令と同じような形で書き直して、あるいはここの部分を居住地あるいは国が直接受け取るという形にして、それで、受けたからといって全部支給ができる、あるいは認定ができるということではないとは思いますけれども、受け止めてあげて、各都道府県なりがそれぞれ事務を分担していただいて、そして手当の支給をするということが考えられる一つの方策ではないかと私は思うんです。 で、わざわざ西副大臣に来ていただきましたのも、坂口前厚生大臣が検討会をおつくりになって、その検討会の中で出てきました結論の一つも、そういう在外公館の活用による被爆者援護法の適用だったんですね。 繰り返しですけれども、国内にいる被爆者と在外の被爆者と全く同じ、一〇〇%同じことができるかと言われると、私はできないと思います、正直申し上げて。しかし、手帳の申請すら門戸を閉ざしてしまうということについては、ここは政府としては改善する余地があるのではないかと思っているものですから、るる御説明申し上げましたけれども、大臣もいろいろ御検討いただいているとは思いますけれども、法律が改正が必要であるならば国会の側で法律改正を働き掛けてまいりますし、その中でどうしてもそこがやっぱり壁になるのか、あるいは手当等についても在外公館活用しながら支給できる方向に持っていけるというふうにお考えをいただけるのか、こういった点について是非、大臣のお考えをお示しをいただきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、在外被爆者の皆さんの高齢化が進んでおります。そういうときでもございますから、この支援の在り方をどうするかということを考えることは、これはもう極めて重要な課題だと私は認識をいたしております。ですから、やれることから一つずつやれるようにしていくことが肝心なことだと思っておるところでございます。まあ基本的にそう思っておりますということをまず申し上げるところであります。 従来、先ほどの局長答弁でもそうなんですけれども、私どもが言ってまいりましたことは、被爆者援護法の立法の経緯や立法時の議論など経緯がございますということを言ってまいりましたけれども、今そのことを言い出すと、私が冒頭申し上げたことというのはもう進まなくなるわけでありますから、これは率直に申し上げてちょっと横におきたいというふうに思います。そうでないと話が進んでいきませんから、おいておくということをまず私は今考えていますということを率直にまた申し上げたところであります。 そうした中で、じゃ、さっき申し上げたやれることを一つでもというと、まず外務省が随分踏み込んだことをこの前から言っていただいております。これは、私としてはまた極めて歓迎をいたしております。そこで今、事務方には外務省があれだけ言ってもらったんだから、厚生労働省としても積極的にそのことを外務省と相談をするようにと、詰めていくようにということを指示をいたしております。 聞くところによりますと、今日もと言いましたか、まあとにかく近くまた詰めるということを言っておりますので、そしてまた、外務省の方も局がまたがったりもして対応なさるという面もあるようでございますから、それぞれそうしたまた省内での詰めもあると思いますが、そうしたことを一つずつ詰めていきたいというふうに思っております。そして、その上でまた、今先生言われるように場合によっては法律をというところも出てくるかもしれませんが、整備をしていって、この問題を一つでも解決させたいというふうに考えております。
○山本孝史君 できるところからできるだけやっていこうということで、これまでも裁判の結果を受けて取組をしてきていただいていると私も承知はしております。 医療費についても、日本国内ですと保険があって、その足りない分公費で負担するという形でやっておりますけれども、諸外国それぞれによって医療制度なり保険のシステムが違いますので、医療費の助成をやるということもその国に応じた形でやっているわけですね。そういう意味で、私、先ほど申し上げましたように、日本と一〇〇%同じことができるかどうかというと、そこはできない部分もあるということは在外被爆者の皆様にも御理解いただかなければいけない点だと思います。 しかし、いろんな手当が、例えば同じようなもので横並びで出ていったとしても、最終、最後のところでその手帳を持っていないということになりますと、ある意味では法律上被爆者ではないという形になってしまって、その後で出てくる手当等は、言葉は適切ではないかもしれませんが、ある意味ではもどきのものになってしまうわけですね。同じようだけれど実は、似ているけれど実は全く違う。それは、外務省は人道上のと、こうおっしゃいましたけれども、単なる支給金にしかならなくなってしまうわけで、最後はやはり多分在外の皆様方も思っておられるのは、日本政府としてやはり法律の中で被爆者としてまずは認めてほしいと、それで健康手帳をやはり交付をしてほしいと、こういう思いだと思うんです。 そこは、先ほど委員の皆様方に申し上げましたように、法律改正がどうしても必要なんだと私どもは思っておりまして、議員立法でできた法律でもございますし、被爆六十年、間もなくまた日韓首脳会談があるというふうにも聞いておりますので、そういった場面も含めて、日本政府が少しずつ取組を前に進めてきているということを表明するためにも、是非今国会で与野党の皆様方の合意がいただいて、この被爆者援護法の改正につながると非常に私はいいなと、こう思っているわけです。 今日は大臣にも前向きに御答弁いただきましたので、在外公館が単なる受付の窓口になるのか、あるいはそこを厚生省が活用させていただくのか、事務の進め方等も是非早急に詰めていただいて御検討いただければというふうに思っております。国会の側もできるだけ対応させていただいて、被爆六十年の今年、日本のこの問題についての一定の前進をさせていただきたい、こういうふうに思っております。是非、委員の先生方の御協力、よろしくお願いしたいと思います。 それから、もう一つの問題は自殺者の問題なんでございますけれども、人口動態の数字を見ておりますと、十一月末現在、昨年でもやはり三万人に近い数字が出ておりますので、去年一年間で少し数は減るかもしれませんが、しかし同じように、やはり三万人を超える方たちの自殺者というのが、残念ですけど記録をされてくるだろうというふうに思っております。 この委員会で、委員の先生方の御理解をいただいて、自殺の問題にかかわっておられる学識経験者の皆様方等々お三方に来ていただいて、取組について御説明をいただきました。フィンランドを、くしくも三人来られたうちのお二人までがフィンランドの総合対策についての御説明をいただきまして、やはり国を挙げての取組が大変重要であるという、こういう御指摘をいただいたわけでございます。 その中で、いろいろと聞いておりますと、なかなか、自殺をしてしまった方あるいはその家族の方、あるいは命を助かった方等々含めて、なぜ自殺に至ってしまったのかということについてのそのプロセスあるいは心の軌跡というものが必ずしも数多く把握されているわけではない、したがって対策がしっかり取れるわけではないのだというような御指摘もございまして、そういった意味で国がまず、前から申し上げておりますように国が国家的なプロジェクトとして自殺予防対策をしていくんだという、先進国の事例を引きながら、是非そういう体制を取っていくべきだと、こう思っております。 そのときに、厚生省としては地域の保健福祉センターございますし、あるいは学校の現場の方々、警察の方々、病院の方々、ケースワーカーの方、いろんな方たちがそれぞれ地域の中でお取り組みをそれぞれにしていただく。地域では、ある意味ではそういう方がお集まりになって地域の協議会のようなものをつくっていただいて、そこでいろんなアイデアが出てくるものを国の方に集約をしてくる中で、国の方としては、例えば関係閣僚会議のようなものを是非、厚生大臣なり文部大臣なり、あるいは様々関係しておられる、多分全大臣に関係しているのかもしれませんが、そういう関係している方たちが関係閣僚会議のようなものをつくりながら、いい事例があればそれを全国に広めていくようなこういうアイデアを提供していく、また、それがこういう結果が出ましたよということで回っていくような、国としては何かポンプになるようなものを持っていただいて、地域と力を合わせながら、こういう情報がうまく回っていく、いろんな仕組みがうまく回っていくようなものを是非考えていただきたいというふうに思います。 どこにどういう組織をどうつくるかというのはいろいろと委員の皆様方とも御相談をさせていただかなければいけないと思っておりますけれども、国会の場も全力で取組をしたいと思っておりますので、厚生大臣だけのお仕事ではないと思いますが、そうした関係する閣僚の皆さん方と御一緒に自殺の総合的な予防対策を進めていくということについて、是非大臣にも大いに御発言をいただきたい、このように思っておりまして、是非御発言をいただければと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(尾辻秀久君) 自殺死亡者の数でありますけれども、警察庁の統計によりますと、平成十年以降は三万人を超えて推移をいたしておりまして、平成十五年には過去最高の三万四千人になっております。もうこの数字は、交通事故の死者数が約七千七百人ぐらいでありますから、もうこれを大きく上回っておりまして、今お話しいただきましたように、自殺予防に向けて緊急に対応を要する事態であると私どもも認識をいたしております。 そこで、今具体的な御提案もございまして、私どもも是非そうした御提案を踏まえながらまた検討をし対応も考えたいと思いますので、是非また、こうした委員会の先生方と御一緒に頑張れるものはもう御一緒にやらせていただきたいと思いますし、御指導をよろしくお願いを申し上げます。私どもも頑張ってまいります。
○山本孝史君 今のような案をこの間来ていただいた参考人の方とか、あるいは一生懸命自殺の問題に取り組んでおられる皆さんにお話ししましたら、厚生省がやるとどうもうつ対策だけになってしまってというふうにおっしゃるから、いやいやそういうわけではなくて、厚生大臣も関係閣僚会議のお一人として一生懸命お取り組みをされるんですと。 私、予算委員会で子供のうつのことについて申し上げましたけれども、今自殺は年齢を問いませんので、やはり子供たちに命の大切さというものをしっかり考えてもらうというか知っていただくということは重要で、それは学校教育の中でもいろいろなことをやっていかなければいけないんですね。 先般、長崎で悲しい事件があって、長崎県の教育委員会が心を育てる道徳教材集と、こうなっていますけれども、道徳教材集とはなっていますが、しかし中に出てくるのは非常に簡易なお話を用いながら、命の大切さというものを考えていこうとしておられる。 今日は一冊の本しか御紹介しませんが、「いのちのまつり」というこれは子供の絵本ですけれども、これは沖縄を題材にしながら、僕はだれから生まれてきたの、お父さんとお母さん、じゃ、お母さんとお父さんはだれから生まれてきたのと、こういう素朴な会話がある中で、実は一人の子供の上に二人の親がいて、その上に親がいてというような話に、こうどんどんどんどん広がっていくと。実は、こんなにたくさんな人の命のつながりの中であなたはいるのよということを子供にそっと教えるということで、自分の命というのは非常に大切なものだと、こう考えてもらう。そういういろんな教材もあるし、いろんな取組の仕方があると思うんです。やはりそういう取組を、いろんな例を挙げていきながら、それを各地域に下ろしていって、地域の中で取組をしていただくということがとっても重要だと思っています。 そのときに一番大切なのは、やはり国が、この問題について真剣に考えているんだ、子供の命はとっても大切なものだ、あるいはだれの命であれとっても大切なものだというメッセージを国が発信をしているということがとっても重要で、その意味では、フィンランドにあるように、総合的な対策を国全体挙げて取り組んでいるという姿勢を示していくということがとっても重要だと思っています。 どういうアイデアが、どういうスキームがいいかというのはいろいろとまた、西島先生なり、あるいは武見先生なり、皆様方と御相談させていただくことだと思いますけれども、ひとつ、役所の中でもできること、あるいは役所だけじゃなくて政府の中でできることというものを是非お考えをいただいてお取り組みをいただきたいということを重ねてお願いして、今のお話聞いていただいて、もし副大臣も含めて御発言いただけるようでしたら是非お聞かせください。
○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほども御答弁申し上げましたけれども、改めて申し上げます。 厚生労働省内でやれることはそれなりにまた私ども取り組んでまいりますし、それから、今お話しのように、政府として関係省庁が連携しながらやらなきゃいかぬことはまた関係省庁と相談をしながら私どもの努力は続けてまいりますので、是非、今お話しのように、先生方の御指導もよろしくお願いを申し上げます。
○山本孝史君 ありがとうございました。
○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日でございます。 午後の一番睡魔が襲う時間帯ですので、頑張ってやりたいと思います。 今日、医療保険制度改革の進捗状況やいかにというところに絞って御質問をさせていただきます。 〔資料配付〕
○朝日俊弘君 今皆さんのお手元に資料を配らせていただいていると思いますが、二つ資料がございます。 そのうちの資料一は、二年前になりますか、平成十四年度の医療制度改革のときに、法律の一番最後の部分、附則のところで、随分と何項目かにわたって医療保険制度の改革ということで、たしか六項目か七項目か、随分丁寧に、これこれについてはいつまでにこうしますという検討規定が盛り込まれました。それを要約して一枚紙に整理したのが資料一であります。 それから、資料二の方は二枚紙になっていますが、その中で医療保険制度改革に関する基本方針というのを定めなさいということになっていまして、この一番上の欄の経緯のところに書いてありますように、平成十五年の三月二十八日、あっ失礼、平成十四年はもう三年前でした、十五年が二年前。ちょっと年数を間違えていました。二年前の三月二十八日に基本方針が策定をされまして、閣議決定をされた。ですから、その後、この二年間、この基本方針に沿って着々と検討が進められているものと信じております。 そこで今日は、何がどこまで検討が進んでいるのか、あるいは今後の検討課題は何かということを順次お尋ねしていきたいというふうに思います。是非、お手元の資料をごらんいただきながら議論をお聞きいただければと思います。 そこで、具体的な項目に入る前に大臣にちょっとお伺いしたいんですが、多分、今日午前中にも質疑がございまして、医療保険制度改革を含めて、医療政策については主として社会保障審議会の医療保険部会での審議というか議論が中心的になると思うんですが、ただ、去年の夏から社会保障の在り方に関する懇談会というのが設置されました。もう既に、何回ですか、八回、九回を数えようということだと思います。それから、つい最近、私も一員になっておりますけれども、年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する両院合同会議というのが設置されました。いずれも社会保障全体の在り方について議論をするということでありますから、当然に医療保険制度改革についてもどんなふうに御意見をいただけるのかな、大変注目されるわけであります。 さらに、それとは別に従来から設置されています経済財政諮問会議、これが難物でありまして、つい昨日も開かれたようでありますが、昨日の経済財政諮問会議では、社会保障給付費の伸びの管理についてと、こういう具体的な注文というか御意見が出された。当然に尾辻大臣もそこに参加をされて厚生労働省としての意見を述べられたというふうに伺っていますが、最初にお尋ねしたいのは、何かちょっと頭の中を整理したいんですね。 つまり、どうも話は経済財政諮問会議のところから出てくる話中心に動いているように見えちゃう。しかし、社会保障全体に関しては今さっき申し上げたように、審議会あり懇談会あり、更には合同会議もあるということですから、これからの医療保険制度改革をだんだんこれから煮詰めていくというか、詰めていく段階になると思うんですが、これらの諸会議がどの分野についていつごろどんなふうにアウトプットするのかということと、これからの医療保険制度改革の進行状況というのはどういうふうに絡んでくるんだろうか。非常にいろいろあちこちで検討をしていただくのはいいんですけれども、それをずっと待っていると進まないし、私はどこを軸に動いていくのかどうも見えないんで、大臣に、その辺どういうふうにお考えになっているのか、まず最初にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今お話伺いながら、私自身も整理しなきゃいかぬなと実は思っておりました。したがいまして、整理しながらお答えをすることになりますのでうまく整理が付くかどうかということがございますが、お答え申し上げたいと思います。 まず、経済財政諮問会議でありますけれども、これ毎年六月に骨太の方針を書きます。今年も骨太の方針を書くために今それに向けての作業も進めておるということでございます。 この骨太の方針は、今年の六月の分は平成十八年度の予算編成に非常に大きな影響を与えるものでございますから、また、ある意味で言うと予算編成方針を述べると言ってもいいものでございますから、これは骨太の方針がまず非常に大きく、来年度予算についてのまず方針を示すということになろうかと思います。 まず、この経済財政諮問会議とは私もずっと議論を続けてまいりました。もう今更申し上げるまでもないと思いますが、私は、社会保障費というのはやっぱり積み立てていって、このぐらいどうしても必要だというのを出す、その額をまず国全体で認めてもらわないと駄目ですと言うんですが、経済財政諮問会議は、あそこは特に財政をどうするかというところから議論を始めていますから、そんなこと言ったってこれ以上赤字が増えたらどうするんだということで、絶えず議論になるということであります。 昨日も随分、また新しい向こうも指標を出してきましたので、その指標に対しても私なりの意見を述べたりをしながら議論いたしましたが、とにかくその中で経済財政諮問会議が今言っていますのは、機械的にいきなり枠をはめようというのではなくて、五年なら五年の一つの考え方を示し、そしてまた五年後にその結果と目標としたものなどを見比べてまた次のことを考えると言ったりもいたしておりますから、来年度、私どもが通常国会に改正法案を出そうということに対して強い規制は、経済財政諮問会議の考え方が加わるものではないと、私はむしろ期待を込めてそう言っておるわけでございます。 したがって、まず経済財政諮問会議との関係においては、まあこれで整理して申し上げたというふうに申し上げるのは私も自信はありませんが、今申し上げたことで取りあえず御理解をいただきたいというふうに思います。 その上ででありますけれども、これも先生言っていただいておりますように、まず一昨年の三月に閣議決定された医療保険制度体系に関する基本方針、今日も出していただいています、これがあります。また、それを受けての、これまでの骨太の方針に述べられていることがございまして、現在はそれを踏まえながらの議論で社会保障審議会が議論しておりますから、やはりここの議論をまず私どもは一つ見て、私どもの考え方をそれに合わせて整理をするということが一つの基本になると思います。 ただ、一方からは、これまた先生お話しいただきましたように、社会保障の在り方に関する懇談会という社会保障全体を議論している場がありますから、そして、この場ではそうその個々の問題についてそこまで具体的な答えを出してくるとも思わないんですが、やはりしかし、とはいえ、かなり踏み込んだ答えも出してくる。これはもうそろそろ議論の整理を行われると思いますから、この答えは出てくる。それと整合性を持たせながら、また、そうした社会保障審議会辺りが具体的に出してくる答えと私どもの考え方を併せて整理をしていくと、こういうことになろうかと思います。 ただ、いずれにいたしましても、タイムスケジュールからいいますと、来年度の通常国会には私ども考え方をお出ししたいということを再三申し上げておりますから、それに向けて作業を進めなきゃいけないということで、余り時間はないわけでありまして、そろそろもう具体的にかなり詰めた議論をしていかなきゃいかぬというふうには思っておるところではございます。
○朝日俊弘君 なかなか整理の難しい質問をしましたから、そういうお答えになるのかなと思うんですが、こういうことですよね。 そうすると、来年の医療保険制度改革に向けての基本方針は、二年前の三月に定めた基本方針があくまでも基本ですよと。しかし、それにかかわる課題がいろんなところから御議論出てくるかもしれない。そこはそこで整合性を問われる場合もあるだろうけれども、来年の制度改革に向けての基本は平成十五年三月の基本方針に沿って作業を進めますというふうに理解をしてよろしいですかね、念のため。
○国務大臣(尾辻秀久君) 私もそのように理解しております。それに対して各ところで議論いただいているものとの整合性を図っていくという作業だと私は理解をいたしております。
○朝日俊弘君 そういう理解で私も考えていきたいと思いますが、だからこそ余計、基本方針がどこまで検討されていて、今後どういうふうに詰めていかれるのかが大変重要だというふうになると思います。 そこで、以下、基本方針に書いてあることに沿って、基本方針にはこう書いてあったと、しかし今はどこまで検討が進んでいるのか、そして今後どういうふうに検討がまとめられていくのかということで、幾つか項目的にお尋ねしたいと思います。 そのまず第一は、医療保険、保険者の再編統合についてであります。もちろん、健康保険それぞれ幾つかの保険者がありますから、各論的にはまたあとでお尋ねしますが、まず基本的な方向として、基本方針は被用者保険、国保それぞれについて再編統合を推進すると、その際、都道府県単位を軸とした保険運営について検討すると、こういうふうに基本的な全体にかかわる考え方を示しているわけですが、これについてはその後どこまで検討が進んでいるのか。基本的な考え方に沿ってそれを具体化するための検討は今どこまで来ているのか。そして、今後の方向はどうなのかということについて、各論は別として、全体としてどういうふうにお考えか、まずお聞きします。
○国務大臣(尾辻秀久君) これは今先生もお述べいただきましたように、まず基本方針には、「都道府県単位を軸とした保険運営について検討する。」と、こういうふうに述べてございます。当然、保険者の再編統合でありますから、保険者の財政基盤の安定、保険者機能の発揮、受益と負担の公平性の確保といった観点が重要でございますから、私どもは、そうした観点に立ちながらの検討を進めさせていただいておりますということになります。 まだ、それぞれの社会保障審議会医療保険部会における御議論でございますけれども、今まだ、私どもからこういう議論の進み方になっておりますという御報告が私からは今できないものですから、今議論が進んでおりますと、そこまでしか申し上げられないことをお許しいただきたいと存じます。
○朝日俊弘君 現在、検討作業が進んでいるというのは重々承知しています。で、総論的にこの基本方針で述べた、あるいは述べられている方向、つまり被用者保険、国保それぞれについて再編統合を進めていく、その際、都道府県単位というのを軸とした保険運営について検討するというこの基本方向は変わっていませんね。そこだけ確認させてください、基本方向が変わっていると困るんで。
○国務大臣(尾辻秀久君) そこのところは変わっておりません。
○朝日俊弘君 それじゃ、全体的なお答えはまだ難しいようですから、各論的にちょっと聞いていきます。 まず国保、つい三月にも国保制度の改正がありましたが、「市町村国保については、「市町村合併特例法」の期間中は、市町村合併の推進や事業の共同化等により、保険運営の広域化を図る。」とこう書いてあります。 そこで、今日は総務省からも来ていただいていると思いますが、この「「市町村合併特例法」の期間中は、」というふうに基本方針で書いてあるわけですが、さて直近の市町村合併の推進の状況はどうなっているのか、あるいは今後どうされるのか、ちょっと説明をいただきたいと思うんです。 私の理解では、今年の三月までが合併特例法の期限であったというふうに理解をしていますから、一応は一区切り付いたのかなというふうに思っているんですが、この辺、まず総務省の方から御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(荒木慶司君) お答えいたします。 市町村合併につきましては、これまで旧合併特例法に基づきまして推進をしてきたところでございますが、同法は、ただいまお話がございましたように、この三月三十一日で時限の期限が来ております。この法に基づきまして合併が推進されてきたわけでございますが、その状況を申し上げますと、平成十一年三月三十一日時点で三千二百三十二市町村ございましたが、これが来年の三月三十一日、今年度末でございますが、この時点で千八百二十二になることが確実となっているところでございます。 一方、市町村合併につきましては、今後とも推進をしていくと、自主的な市町村合併を推進していくということで、本年四月一日に平成二十二年三月三十一日までの五年間の時限で合併新法が施行をされているところでございます。同法におきましては、市町村合併に当たっての障害除去のための特例措置を引き続き定めますとともに、国が定める基本方針に基づいて都道府県が市町村の合併の推進に関する構想を策定し、この構想に基づいてあっせんや勧告などの措置を講ずることができるとされているところでございます。 総務省としましては、この新法に基づきまして引き続き自主的な市町村合併を推進してまいる所存でございます。
○朝日俊弘君 ちょっと確認させてください。 そうすると、従来の今年の三月までの市町村合併特例法を丸々五年間延長したということではなくて、いったん市町村合併特例法はこの三月で切れて、この一年間で千八百幾つまでなりますよと。で、それとは別にこの四月から新法が動いていると。この新法は特例法と同じものですか。引き続き特例法と同じような期間が続いているというふうに考えていいのか、一区切り付いたと考えていいのか、どっちなんでしょうかね。
○政府参考人(荒木慶司君) ただいま御説明申し上げましたように、旧合併特例法は時限を迎えましたが、新法は、新しい正に法律として制定されておりますが、法の内容、基本的な考え方あるいは具体的な措置内容、ただいま申しましたように合併に当たっての障害除去、これは具体的に申しますと、合併に当たりまして普通交付税の合併算定替えを行っておりますが、こういったものは引き続き、若干期間等は短縮されますが、引き続き制度としては設けられております。また、地方税の不均一課税でありますとか議員の在任特例、こういった障害除去の制度につきましては従前と同様の内容を基本的に盛り込んだ法律でございます。 ただし、新しい法律では、前の法律でも、旧法でもそうでございましたが、あくまでも自主的な合併ということは変わりませんが、新法では都道府県にできるだけ積極的に関与いただく、都道府県知事のできるだけ積極的な参画をしていただくような制度にしておりまして、知事が必要に応じまして、合併協議会の設置でありますとか合併協議の推進等について、あっせんでありますとか調停、勧告などもできると、そういった内容を盛り込んだ法律になっております。 したがいまして、法律は新しい法律になっておりますが、合併を促進する、自主的な市町村合併を促進するという特例法、時限の特例法ということでは従前の法律の考え方を引き継いでいるものでございます。
○朝日俊弘君 そうすると、いわゆる平成の大合併、第一ラウンドがこの三月で一区切り付いたとすれば、この四月からは第二ラウンドに入るというような理解でおおむね間違ってはいませんかね。はい。 じゃ、そういう理解の上で、そういう理解の上でお尋ねしたいのは、基本方針では、市町村合併特例法の期間中は、まずはその推進状況を見守るというようなスタンスで書いてあるわけですね。 さて、市町村国保について、市町村合併の特例法一区切り付いたところで次のステップに大きく踏み出そうというお考えがあるのかどうか、この点についてお尋ねします。
○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。 先生御存じのように、国保につきましては、これは各地方で大変財政が悪化しているところが多くて、安定化をするために保険運営の広域化を進めるということは是非とも必要なものだというふうに考えております。 御指摘のように、今総務省からもお話ありましたようにかなり合併が進んで、来年三月末では千八百二十二まで広域化が進むということですが、厚生労働省といたしましては、具体的な合併の状況それから既存の二次医療圏のことも関係ございますが、この関係等、十分踏まえた上で今後の再編統合の在り方について検討する必要があると考えております。より一層の広域化を進める必要があるという考えの下に、今後、広域連合等の活用によって、最終的には都道府県単位の保険運営を目指していく方向で検討を進めてまいりたいと思っております。
○朝日俊弘君 そうすると、一つの区切りを受けて次のステップをどう踏み出すかということについて検討されているということだと思いますが、さて、そのことと関連をしますが、どうもすっきりしないのが、この三月に出された国の補助金等の整理合理化に伴う国民健康保険法の一部改正というのがありましたよね、十本ほどまとめてぐじゃぐじゃっとやったやつ。あの法律で改正した中身と、これから、今後の市町村国保の再編統合の中でうたわれている中身と同じなのかどうなのか。言い方を換えれば、もうその部分は三月の改正で済んでいるということなのか、いやいや、これからまた更に検討するんだということになるのか。この関係はどうなりますか、ちょっと説明してください。
○政府参考人(水田邦雄君) お答え申し上げます。 市町村国保、今お話ありました市町村国保の保険者の再編統合あるいは医療費適正化を行うためには、私どもは都道府県の主体的な取組が必要であると考えておりまして、このために、前回の国民健康保険法の改正におきましては、制度改革の第一歩として、都道府県に財政調整権限の一部を移譲しまして都道府県の役割を強化し、ひいては国保の基盤、体力を強化すると、こういうこととしたところでございます。 しかしながら、今回の都道府県負担導入をもって国保改革が完了したということではもとよりございませんで、保険者の再編統合等を進める中で国保運営におきます国、都道府県、市町村の役割についても更に検討を進めていくと、こういう関係になろうかと思います。
○朝日俊弘君 そうすると、三月の法改正はその第一歩と、こういうことだと思うんですが、引き続き更に都道府県の役割の強化を求めていくという、具体的にはどんな方向で検討されています。ちょっと参考までに聞かせていただけます。
○政府参考人(水田邦雄君) 大きな流れといたしましては、私ども、基本的にこの医療保険改革の道筋としては二つ大きな課題があろうかと思っております。 一つは、やはり増えていく医療費の伸びをどのように抑制していくかという、重荷をどのくらい重くないものにしていくかという課題、それからもう一つは、増えていく医療費をどのように公平に分担していくかと、この二つの課題があろうかと思っております。したがいまして、かぎとなるものは、やはりこの医療費の適正化をどのように進めるかということが根本にあるものだと思っております。 そのときに、私どもの考え方として、これ、この間の前回の改正のときに何回も述べさせていただきましたけれども、私どもとしては、地域格差ということに着目をいたしまして、やはり都道府県におきまして相当の医療費の格差があります。一方で、都道府県は医療費の適正化に関しまして、医療計画でありますとか生活習慣病に関する健康増進計画でありますとか介護保険事業計画、様々な政策のツールを持っておられるわけでありますので、そういった都道府県に医療費適正化計画を立てていただくということをひとつ据えてはどうかというふうに考えております。 そういった都道府県の努力と相まって、保険者につきましても、国保については都道府県単位にまとめていく、政管健保につきましては逆に都道府県を財政の単位としてしていくというようなことをすることによりまして、保険医療の行政主体である都道府県の努力とそれから保険者の共同した努力というものを車の両輪として医療費の適正化を進めていく。 したがいまして、制度改革に当たりましても、こういった医療費適正化に適合する姿とはどういうものかということを考えの視点に置きたいと、このように考えております。
○朝日俊弘君 目指している方向については今やや抽象的ながら御説明いただいたと思うんですが、是非要望しておきます。知事会と十分相談しながらやってください、途中ではじけることがないように、その可能性大いにありと思っていますので。 それじゃ、次に、今、市町村国保の話を聞きました。どこまで行けるかな、今度は政管健保の話について。 政管健保についてはもう皆さん御存じのとおりで、社会保険庁の在り方等々も含めて組織全体の在り方の検討が進められているので、そういう状況は承知していますから、政管健保だけを取り出してこれがどうなるという話はまだ言いにくいのかもしれませんが、政管健保についても財政運営は都道府県単位にしていこうという方向を打ち出しています。この点についての検討状況について御説明ください。
○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。 政管健保につきましては、一昨年の三月の閣議決定がございまして、財政運営は基本的には都道府県単位とする、それから被保険者等の意見を反映した自主性、自律性のある保険運営が行われるような仕組みを検討すると、こういう二点が方向性として示されております。 この基本方針に基づきまして社会保障審議会の医療保険部会において議論が行われておりますが、一つは保険者機能を強化するという観点から国とは切り離された公法人において運営する、それから都道府県単位での財政運営とする、そして地域の医療費を反映した保険料率を都道府県単位で設定をする、それからさらには公法人の意思決定に被保険者等を参画していただく、それから適用徴収業務につきましては引き続き国が実施をしたらどうかというような方向で検討が進められているところでございます。 この内容につきましては、来年の通常国会に向けて法案提出ということで、引き続き検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○朝日俊弘君 ということは、今までの基本方針に沿って検討作業が続けられているというふうに理解をしましたが、ただ、既に議論出ていると思いますけど、都道府県単位に保険料を決めるといっても、なかなかそこの、それぞれの地域の経済状況なり中小企業の実態なりを踏まえて考えるとそう一律に決められても困るし、かといってばらばらに決めろと言われても困るという、いろんな御意見があると思いますから、十分検討を、慎重な検討をお願いしたいと思いますが。 さて、そのこととも関連をしますが組合健保、組合健保については、健康保険組合については再編統合の新たな受皿として都道府県単位の地域型健保組合の設立を認めると、こういう方向で検討を進めるように書かれていますが、この点については何がどこまで進んでいますか。
○副大臣(西博義君) 組合健保に関しましては、我々、イメージとして全国展開の組合健保が多いというふうに一見感じるんですが、実はそうではなくて、今、全国展開の組合健保四百組合それからおおむね都道府県内で展開する健保が千二百程度ということの実態がございます。 そのことを反映してのこの方向性なんですが、御指摘の地域型の健保組合につきましては、健保組合の再編統合の有効な受皿となるように、既存の健保組合の再編統合に当たって支障となっている保険料率それから積立金などの問題について、再編統合する健保組合については一定期間経過措置として、再編した後も複数の保険料率を設定をする、それから統合前の組合ごとに保有していた積立金の別勘定での管理を一定期間認めるというような措置を講じることも検討しておりまして、先日開催された医療保険部会においても議論をされたところでございます。 このような措置についてはいずれも法律的な手当てが必要ですので、来年の通常国会への法案提出に向けて今後とも検討をしていきたいというふうに考えております。 それは合併をしたいというところだけでして、すべてがということでは当然ございません。
○朝日俊弘君 ああ、そうですか。そうするとこれは、都道府県単位の地域型健保組合の設立を認めていくには法改正が必要だということですか。何か私の理解では、今の制度でもやろうと思ったらできるというふうに理解していたんですが、そうではないんですか。ちょっと確認させてください。
○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。 今、二点のことを申し上げました。経過措置としての保険料率を別建てに取りあえずする、特例としてやると、それから積立金をしばらく別勘定で管理するという部分についての法律改正が必要だということでございます。
○朝日俊弘君 まだクリアしなきゃいけない課題があるということです。 その次に、もう一つ難しいのが共済組合短期。さすがに基本方針にも難しいのが分かっていたと思うんですけど、「共済組合については、その自立性を尊重しつつ、保険者としての運営の在り方を検討する。」という漠とした書き方になっています。 しかし、医療保険にかかわる保険者を再編統合していくんだという観点からすると、共済の短期だけ別に置いておくということにはならないのかなと、論理的には。しかし、共済はそれぞれ所管の省庁も違えば、長期と併せての運用をやっているところもあるので、そうすると共済年金制度をどうするかという話と絡んできちゃうというふうに思います。横っちょにいる、総務省の方いて、いろいろと気にしながら聞いていると思いますけど。 そうすると、一体どこから、その共済組合の短期についてこの再編統合をどういう方向でやっていくのかということについて、どこからボールを投げるのかというのは物すごく難しいと思うんですが、私はやっぱりこれは、基本方針に書いてあることからして厚生労働省からボールを投げるしかないと思っているんですが、どうですか。
○副大臣(西博義君) 今先生御指摘のとおり、長期、短期という二つの制度が絡まっておりまして、またそれぞれ、中央省庁でもそれぞれのところにたくさんの組合が存在する、その条件がまた一つ一つ違うということで、非常に難しい側面があることは事実でございます。 共済組合につきましては、医療保障である短期給付だけではなくて、御指摘のように、年金に相当する長期給付も一体として実施するなど健保組合と異なる面もあることから、共済組合の再編統合においては、それぞれの制度を所管する省庁において検討が現在進められているものと認識をしております。 いずれにいたしましても、共済組合の短期給付の財政基盤の安定を図って医療保険者としての機能を発揮しやすくするように、共済組合の再編統合を含めた在り方について、医療保険制度全般を所管する私ども厚生労働省として、各共済制度を所管する省庁とも協議しつつ検討に入りたいというふうに思っております。
○朝日俊弘君 非常に慎重な表現だったと思うんですけど、私もそう簡単に割り切っているわけではないんですが、ただ、保険者の再編統合、それも市町村単位でというふうに打ち出したからには、初めから例外ありきではこれ再編統合は進まないわけで、しかもそれを打ち出したのはこの基本方針であるからして、したがって、所管する省庁と協議をしながらというのは分かるんだけれども、ある種の提案は厚生労働省がしなければいけないのではないかと私は思っているんですが、これはそういう問題意識を持っているということだけお伝えしておきます、今、さあどうするとお尋ねしても答えにくいと思いますから。しかし、そういう問題意識を持っているということだけは受け止めていただければと思います。 さて、基本方針、その次に「地域における取組」というのが書いてあります。その「地域の実情を踏まえた取組」というところの中で、保険者、医療機関、地方公共団体が協議する場を設けると、こういうふうに書いてあるわけですね。これ、先日、例の国保等の一部改正案の中のときにお尋ねをした、保険者協議会を都道府県ごとにつくるというふうにおっしゃっていましたが、そのことかなというふうに思っているんですが、その点も含めてちょっと、改めてここの基本方針の中に書いてある「保険者・医療機関・地方公共団体が協議する場」というのは何かということと、それから、ここの中で指摘されている医療費の適正化に向けての計画を策定するというふうに書いてあるんですが、一体どんな計画を想定されているのか、ちょっとこの点について御説明ください。
○政府参考人(水田邦雄君) お答えいたします。 この基本方針に示されております地域の実情に応じた医療費適正化計画を進めていくための協議の場ということが必要であると言っているわけでありまして、これは実はこれからどのような場づくりをするかということを正に検討することとしております。 ただ、その中で、おっしゃいましたように、保険者、医療機関、地方公共団体と言っておりますこの保険者を体現するものとして、現在、各都道府県ごとに都道府県内の保険者を構成員として保健事業などの共同事業などを実施する保険者協議会というものが活用できるのではないかと、このように考えているわけでございます。 ただ、そのためには、この保険者協議会の実績というものも見た上で、それを協議の場の保険者の一員として、代表する、体現するものとして当てはめられるかどうか、これは慎重な検討が要ると思いますけれども、イメージとしてはそういった展開を想定しているところでございます。 それから、三つ目の質問で、医療費適正化計画、どういうことを考えているのかということでありますけれども、これは実は三つの点を柱と考えてございます。 一つは生活習慣病予防を中心とします保健事業の推進、それから二つ目が医療機能の分化と連携、それから平均在院日数の短縮、それから三つ目が地域における高齢者の生活機能の重視。こういった点を特に重視をいたしまして、都道府県ごとに取組の目標を設定していくということを考えてございますけれども、具体的内容につきましては、次期制度改革に向けて関係審議会の意見も伺いながら検討していくと、こういう手順で進めたいと思っております。
○朝日俊弘君 ちょっと今の説明では分かりにくかったんだけれども、要するに今モデル的に各県、幾つかの県に設置を求めている保険者協議会、これがイコール協議する場ということではないと、しかしそれを発展させてこの場というふうに活用することもあり得るということなんですか。ちょっとよく分からなかった。
○委員長(岸宏一君) 水田局長さん、ちょっと、もう少し聞こえやすいように答えてください。
○政府参考人(水田邦雄君) はい、失礼いたしました。 ちょっと説明が不足したかと思いますけれども、保険者協議会、基本的にその都道府県内の保険者の集まりなわけであります。それにつきましては、現在、各都道府県ごとに設立を進めているものでございます。将来的にこの保険者協議会とは別にといいますか、これとは別に、各都道府県内におきまして保険者、それから医療機関、それから地方公共団体、こういう方々をメンバーとする協議の場という、より大きいメンバー構成、より大きい協議の場というものが設けられるだろうということでございます。そのより大きな協議の場における保険者のところにこの保険者協議会というものが保険者を代表するという形になるのかどうか、なればいいなというふうに思っているところでございます。 したがいまして、協議の場というのは、繰り返しになりますけれども、より大きな医療機関、繰り返しますが、地方公共団体、保険者の集まり、その保険者のところにこの保険者協議会というものが適合すれば仕組みとしてうまく動くのかなと、こういうふうに思っているわけでございます。
○朝日俊弘君 そうすると、まだ今つくりつつある保険者協議会というのは、もっと、保険者自身の集まりという感じで、これから考えているのは保険者だけじゃなくて地方公共団体も医療機関も入った形の、もう少し大きな場をつくってできないかと、こういうことだというふうに理解をしました。うまく機能するものができるのかどうか、今後の作業を見守りたいと思います。 時間がなくなってきちゃったので、まだ予定した質問の半分ぐらいしか済んでないんですが、ここで、次の質問で一応終わります。 次の質問は、新しい高齢者医療制度の創設について、この部分はわざわざ括弧して、「(おおむね二年を目途に)、所要の措置を講ずる」というふうに法律では書いてあるので、そろそろ姿がはっきり見えてきていないと困るなと思っているんですが、実はこれ、二年前の四月一日に当時の坂口厚生労働大臣と議論をして、何か議論すればするほど分からなくなっちゃった経緯があるので、そのことをちょっと頭に思いながら、現時点で新たな高齢者医療制度の基本的な枠組みをどう考えているのか。そして、二年前からどこまで議論が進んで煮詰まってきたのか。今後どういうふうに更に詰めていかれようとしているのか。 ここは大臣にお答えいただきたいと思います、新たな高齢者医療制度の基本的な枠組みについて。
○国務大臣(尾辻秀久君) この新たな高齢者医療制度というのは、これはもう今度の医療保険制度改革の中で一番重要と言ってもいい、言い過ぎでないと思いますし、とにかく一番議論をしなきゃならぬところだというふうにまず考えております。 この基本方針において述べておることはもう今お述べいただいたとおりであります。ただ、基本方針の中で非常に明確に言っていますことは、六十五歳以上の者を対象に後期と前期に分けるということをはっきり言っておりますので、前期と後期では大分違う制度になるということも言っておりますから、ここのところがはっきりしておるという、まずそのことは言えるわけであります。 ただ、それから先の議論というのは率直に言ってまだ余り進んでおりませんで、実は来月から社会保障審議会において検討を始めるということになっておりますので、これ今先生がお示しになったスケジュール観からすると少し遅れておるということも申し上げざるを得ないわけでありまして、精力的に検討を進めてまいりたいと考えております。
○朝日俊弘君 ちょっと時間が来たのでやめますけど、ずっと聞いてみると、みんな全然ほとんど進んでないんじゃないかという印象があるんですよ、二年前と一緒じゃないかみたいな感じが。 それで、本当に来年、いや法律改正するんだって、こうおっしゃっているんだけれども、今いみじくも大臣おっしゃったように、とりわけ新しい高齢者医療制度をどうつくるかというのが一番コアなところで、ここは例えば、おっしゃいませんでしたけど、保険者をどうするかとか、もうそろそろ腹くくって決めないと駄目なんですよ。それを皆さんにお示しして、さあどうでしょうかとやらないと議論始まりませんよ、こんなことをやっていたら。本当に来年の通常国会にこの新しい高齢者医療保険制度の創設も含めて、医療保険制度の抜本的な改革案が出せるのか、だんだん心配になってきているんですよ、私。また先送りするんじゃないか。しかし、今度は法律に書いてありますからね。さすがに法律にあそこまでがちっと書いてあって先延ばしということはないだろうと信じたいわけですけど、全体として作業が非常に遅れていると。また間際になってどたばたとやるんじゃないかという気がしてならない。 できるだけ、まとまったところというか、固まったところというか、ある程度案ができてきたところで早めに提示をしていただかないと我々もきちんと議論ができませんので、ここのところだけは大臣にお願いをしておきます。骨格が決まってくればそれはそれで早めに御提示をいただきながら全体像についての議論をいただく、できるような、そういうこれからの対応をしていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。 本日は、厚生労働行政の姿勢を問うというようなテーマで御質問をさせていただきたいと思っております。 まず最初は、三月十八日に当委員会において私御質問したことについて最初一点お聞きしておきたいと思うんです。 これは出産育児一時金の話をさせていただきまして、三十万ということで長らく来ているわけでございますけれども、その根拠ということで、最初は出産前後の検診費用も入れるというところから出発したと。それが、平成十年まで社会保険庁が監修していた社会保険の手引には、平成十六年の直近のやつにまでその検診費用も含んでいるよという表現も出ているということですから、そのことについては今もそうなんですねというふうなことを確認しましたところ、いえいえ、そうではなくて、十二年のときに考え方を変えたんですと、こういうことの御答弁がございました。そのことをちょっと確認しておくところから出発したいと思うんですが。 十二年のときに、前回の御答弁でも、それまでは分娩介助料と出産前後の検診費用等を加味して三十万円としていたけれども、十二年改正時に出産一時金は分娩料を補てんするものと位置付けたということで、そこで考え方を変えたと。しかし、政令でしたか、定めている三十万は変えていないと、考え方だけ変えたんだと、こういうことだったと思うんですけれども、そういう理解でいいんでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) 御指摘のとおり、平成十二年の健康保険法等の改正検討時におきまして、出産育児一時金の積算根拠を変更いたしまして、分娩料を補てんするものとして位置付けたわけでございます。ただ、その際、三十万円という金額自体の変更はなく、法令等の改正はしなかったということでございます。
○辻泰弘君 今の御説明もそうなんですけれども、そのことは間違いではないんだけれども、その裏に、その前までは考えていた検診費用も入れていたという考えを変えたということになるわけですよね。その部分が言われないことなものですから分からないし、まず、今のやつも政令とか省令とかで公に出たものには書いていないわけなんですね。もうそれは、その時点ではもう監修はしてなかったかもしれないけれども、社会保険庁が十年まで監修していた本に、十六年版までそれは含めているんだという表現が出ていたわけですね。聞くところによると、最近のやつは変えられたという話がありますけれども。 いずれにしても、それぐらい要は全く世間に分かっていないままに進められていたと。要は、全く内部的にやられてたんじゃないかと、そのことなんですね。変えるんだったら変えるということで言って、基本的な出産育児一時金の算出根拠になるわけですから、そこで考え方を変えるというんであれば、そこではっきりおっしゃればよかったと思うし、そのことが流れとしてあって今の御説明であれば分かるんですけれども、何か今から振り返ってそういうことだったんですよというふうな言い方というのは、私は、フェアなことじゃないし、やはり本当にそうだったのかなと疑ってしまうんですけれども、大臣、どう思っていらっしゃいますか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 私が大臣になりましてからこの件で説明受けましたときは、こういう説明でございました。金額三十万、で、その根拠は、今の国立病院における出産費用の平均的な額が三十万であるから三十万、こういう説明を受けましたんで、そういうものかなと思ってずっとその説明を聞いておりました。 ただ、先日の御質問で平成十二年以前の考え方をお示しになって、今の説明でもお聞きいただきましたように、それ以降の説明が私に説明をしてくれたということの考え方だということでございます。 したがいまして、率直に言って、三十万という金額が変わっておりませんから、恐らくもう財政的な理由で三十万円以上出せない。そうすると、もうそういう説明せざるを得なかったんだろうなと、そう思いながら私は今の説明を聞いておるところでございます。
○辻泰弘君 保険局長、お聞きしておきますけれども、御説明のように、十二年改正検討時に分娩料を補てんするものと位置付けたという説明は、それはそう間違いではない、うそではないんですけれども、要は、私が言いたいのは、位置付けたということはそれまでの考えを変えたということなんですよね。そこを言わずに、マイナスというか、裏の方の言い方をされるものですからよく分からないわけですけれども、これはどこで検討されたんですか。
○政府参考人(水田邦雄君) 検討したと申しますか、正に法律改正、制度改正をするときにこの出産育児一時金の額を変更するかどうかということで、三十万円を維持するという決定を政府としてと申しますか、厚生労働省としてしたということだと思います。で、そのときに、平成十二年の改正時におきましては、分娩料を補てんするものという積算根拠でこれを説明するということだと思います。 それから、この金額自体が変わらなかったということで検討内容については特に公表してはおらなかったわけでありますけれども、平成十三年の国会におきまして、政府参考人から、この出産育児一時金として一律三十万円が支給されており、これは全国の国立病院の分娩費の実態調査をし、その平均値を勘案して支給額を決めているという答弁はしてございます。
○辻泰弘君 要は、それまでの考え方でいくと、分娩介助料と出産前後の検診費等を勘案して三十万というところから出発したわけですから、その時点でも、まずそれでいったらどうなのかと考えたら、三十四万とか、そんなふうになったと。しかし、それはちょっと財政的に大変なので三十万に抑えるということの要請があって、それでその理屈はそういうふうにしたという流れだと私は思うんですよ。 ただ、それを三十万で変えなかったということは明示されているわけですよ。しかし、その考え方のその裏の部分といいますか、背景が全く表に出ないまま考え方を勝手に変えているわけですよ。今おっしゃったように、その三十万変えなかったというのはそのとおりなんです。しかし、その根拠を変えているわけですよ。だから、その根拠は厚生労働省の、言わば厚生省の局の中で考えたんでしょうということを確認したいわけですね。それでしかないということだと思うんですよ。それはどうですか。
○政府参考人(水田邦雄君) それは正に制度改正をまとめた部局たる、まあ局でいいますと私ども保険局で決めたことだと思いますけれども、ただ、その積算根拠を示した、それも法令上のものであって、それに基づいて計算をするという算定方式が書いているわけではございませんので、ある意味で三十万円という金額が示されているわけでありますので、その点、変わりなかったということです。 ただ、その時点で説明が不足していた、あるいは議論が不足していたということであれば、それはそうだったかなというふうに思います。
○辻泰弘君 私、これ以上申し上げても水掛け的になるかもしれませんのであれですけれども、やはり私は、今日的にやはりこういうことについても、当然国民生活に重要にかかわってくる問題だし、やはり考え方の基本の部分でございますし、何よりも、まあ皆さん方どう思っていらっしゃるかは知りませんが、私は社会保険の手引という本を非常に愛用させていただいて、非常に基本の部分を教えてくれる本だと思っておりまして、参考にさせていただいていて、監修がなくなったのは寂しいぐらいでございますけれども、その本が十六年度版までそのことを、検診費用まで含むと書いていたわけですよね。だから、それだけ、恐らくみんなそう思っていたと思うんですよ。そういうものだと思うんですよ。 だから、そういう意味では、まあ今後のということになるわけですけれども、こういった、当然のことですけれども、今おっしゃったように、出てくるものは三十万とか、そういったことが結論かもしれませんけれども、それがもたらされたところの考え方が変わったら、それは国会で質問がなくてもやはり説明するということはあってしかるべきじゃないかと、このように思いますので、その点については御指摘を申し上げておきたいと、このように思います。 大臣、一言お願いします。
○国務大臣(尾辻秀久君) お話のとおりだと思いますから、今後そうした記述は十分気を付けて行ってまいりたいと存じます。
○辻泰弘君 それで、次に、かねてより私が問題にしてまいりました労働局のことについてまずお伺いしておきたいと思うわけでございます。 それで、まず、去年から広島、兵庫と続いてきているわけでございますけれども、まず最初に、大臣が意を強くするような御発言をされたというふうに聞いておりまして、それについて確認をしたいんでございます。大臣がこうおっしゃったと聞いておりまして、私は幕府を倒した薩摩出身だから古い組織を壊すのは得意だと、このようにおっしゃったと聞いておるんですが、そのようにおっしゃったんでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 飲んだ席でそう言ったことは事実でございます。
○辻泰弘君 小泉総理の場合、つぶす対象は自民党かもしれませんけれども、尾辻大臣の場合の古い組織、つぶす対象というのは何なんでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 飲んだ席での話だということでお許しをいただくことを先にお願い申し上げながら、そのときに話題になっておりましたのは社会保険庁でありましたことを申し上げたいと存じます。
○辻泰弘君 社会保険庁といいますか、監修料のことは後でお聞きしたいと思いますけれども、労働局のことでお聞きしておきたいと思うわけでございます。 それで、このことも、一部の地方部局という意味じゃなくって、やはり厚生労働省全体にかかわる体質とその一つの現れというような位置付けで取り上げさせていただいているわけですけれども、昨年の十月二十一日の予算委員会においても大臣にお伺いしまして、兵庫労働局の不正経理事件の調査結果、いつ出てくるのかというふうなことをお聞きしましたら、早ければ年内にも、要は昨年という意味ですけれども、年内にも報告したいというふうにおっしゃっていただいておりましたが、それが、それなりに理解もいたしますけれども、事情もあって遅れていると。三月末がめどじゃないかというふうに言われていた節もあるわけですけれども、それも超えてしまったということになっているわけですが、いつ御報告される予定なのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(鈴木直和君) 今御指摘のありました兵庫労働局の不正経理問題、私どもとしてもそれをできる限り早く全容解明をしていきたいというふうに考えております。 ただ、今御指摘もありましたように、結果として捜査の期間が長くなったこと、あるいは関係資料が捜査当局に押収されていること、あるいは関係職員も相当数に上ること、それから業者の関与の問題等もありまして、現在引き続き全容解明を進めているところでございます。 先ほども申し上げましたように、できる限り早く事実関係全体を解明して、職員の厳正な処分、それから不正に形成された金額の返還を行っていきたいと考えておりますが、現段階で具体的にその全容解明を終了する時期については、いつまでということはちょっと今の段階では断言できない状況でございます。
○辻泰弘君 ずるずるずるずる遅れているわけですけれども、それは厳密に言ったらめどは示せないということになるかもしれませんけれども、できれば年内とおっしゃっていて、それは年度末ということも一つ伝えられていて、そして今日に至っているわけですけれども、最終報告というのはどうかにしても、やはり何らかの報告はそれなりにあってしかるべきじゃないかと、そういう時期に来ているんじゃないかと。制約要因も、幾つかおっしゃったのはそれなりに理解いたしますけれども、そういう制約要因は分かっている上で、やはり中間報告的なことでもあってしかるべきじゃないかと。 とりわけ、前にも御質問申しましたけれども、三月三十日に上司の方を処分されているということがあったわけで、それは、あのときも申しましたように、何らかの一つの、中間的であろうとも何らかのことが、報告といいますか分析があった上でそういった処分につながっていると理解せざるを得ないわけですから。そういった意味で、最終報告と言わぬにしても、その現状報告というものがあってしかるべきだと思うんですけれども、どうですか。
○政府参考人(鈴木直和君) 今御指摘がありました三月三十日の処分でございますが、これは全容解明がまだできてはおりませんが、その中で、当該処分を受けた、管理者でございますが、部下が空出張等で不正経理をしているということを知っていながら黙認したということで、その人間が定年退職をするということもありましたので、これについてはその全容解明を待っていては処分ができないということもありまして処分をいたしました。 それから、中間報告というお話でございますが、現在のところ、私どもいろいろ調査をしておりますが、例えば不正経理の方法、どんな形でやっているかということは把握をしておりますが、それ以外の、例えばどれだけの職員がかかわっていて具体的にどう関与をしているのか、金額が幾らかというところについてはまだ解明ができておりません。したがって、そういった具体的な問題を解明せずして中間報告ということは難しいんではないかと考えております。 いずれにしても、全体解明をできるだけ早くやりたいというふうに考えております。
○辻泰弘君 そうすると、その解明の任に当たっているのはだれがやっていらっしゃるんですか。
○政府参考人(鈴木直和君) これは大臣官房に調査のチームをつくっております。これについては、地方課長をキャップにして、その下で合計十二名で調査のチームをつくっております。 これについては、先般といいますか、今御指摘のありました辻委員からの御質問の際にも大臣からお答えしておりますが、その調査チームにつきましては、やはり前回の調査が、本省で調査した上で具体的な解明を兵庫労働局に任せるという形式を取って、その結果、事実解明が不徹底に終わったということもありまして、その本省のチームで事実解明をやると。それから、主に職業安定部門で起こっておりますので、それに関係ない分野の職員、あるいは旧厚生省の職員、そういった者を中心にこういった調査チームをつくって現在解明に努めているところでございます。
○辻泰弘君 そうすると、本省の方々が、編成されたチームが現場へ行っていろいろ事情聴取していると、そういうのが日常的に続いているという状況なんですか。
○政府参考人(鈴木直和君) 具体的に調査チームの者が、兵庫労働局といいますか、兵庫の方に、兵庫県の方に直接行って、そこで関係者からいろいろ事情を聴きながら現在調査をしているということでございます。これからゴールデンウイークにも掛かりますが、そういう中でもその事情を聴く相手の都合が付けば、そのゴールデンウイークのさなかでも調査をずっと続けてほしいということを調査チームにも今話をしております。
○辻泰弘君 実は、三月十七日に神戸地裁で公判がございまして、証人尋問で被告の同僚の方がこういう発言をされているようなんです。被告は自分で使うために裏金をつくったのではないと、彼は組織の被害者だと、このように述べられたと。上司に刃向かうのは勇気が要る、職務怠慢とみなされる、このように言われたと。そして、陪席の裁判官が、被告が被害者なら加害者はだれかと、このように問われたところ、その同僚の方は兵庫労働局だと思うと、このように答えられたということで、まあ裁判官があきれた話ですねと答えられたようですけれども。 いずれにいたしましても、要は組織的な問題であるということになるわけでございまして、個人のそういった裁判で終わるということではないと。まあそういう認識の上でのお取り組みだと思っておりますけれども、しかしその意味において、やはり組織的なけじめというものが求められているということになるわけでございます。 まず大臣、今のこういう話があったというのは、まあ恐らく初めてお聞きになったかもしれませんけれども、兵庫労働局が加害者だと言ったというその被告の同僚の発言、どう受け止められますか。
○国務大臣(尾辻秀久君) その話は初めて聞きました。しかし、今指示をいたしておりますことは、徹底して事実関係をまず解明しろ、はっきりさせろということを言っております。したがって、今そのことに全力を挙げておるわけでございまして、その結果がまた今のお話のような形になって出てくるのかどうか、これは更に今調査を申し上げておりますように進めておりますから、その結果を待つしかないところでございます。 いずれにいたしましても、事実関係がはっきりいたしましたら、それ次第で厳正な処分もいたさなきゃいかぬと思っておりますし、また不正に支出された額については国庫に返還をさせる方針でございます。
○辻泰弘君 当初は三千万ということを、調査結果だったのが、一億七千万、二億だとかいう話になっているということはあるわけですけれども、恐縮ながら、大臣はそういうことも私から見れば含んだ上で年内に、早ければ年内にもというふうに私はおっしゃったと思っておるんです。それが、まあ事情があって遅れるということはそれは絶対ないとは言えないことで、三月までとかというのはそれはあるかもしれませんけれども、しかし、それが今に至ってもこういうことがあるんでと、こういうことがあるというのも最初から分かっているような理由なわけでございまして。 そういった意味で、私は大臣のやはり御発言にもかんがみて、それは、まあ何遍も後追い的に監修料のことなど結果がどんどん後で出てくるのも、それもいいかどうかは別でございますけれども、しかし、まずは報告というのを年内にもしたいとおっしゃったお立場からすれば、いつまでか分からないというのは私はやはり無責任のそしりを免れないと思うんですけれども、何らかの時期を限ってその段階での報告と、それがすべて解明には至っていませんというのは、それはあり得ることだと思うんですが、何らかの時期を示していただけないでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) こんなに長く掛かるとは私も最初は思っておりませんでした。ただ、大変時間が掛かっておりますことはそのとおりでありまして、お約束した時期から随分遅れておることはおわびを申し上げなければなりません。そこで、今もまたできるだけ急ぐように指示をいたしておるところでございまして、どの程度まで急げるか、これは官房長に今指示をいたしておるところでございます。
○辻泰弘君 本委員会で私も申し上げ、皆さん方の御配慮をいただいて、会計検査院が調査を全国のをするということを言っていただいたわけですね。その報告を今国会中に、まあ中間報告なりともいただくと、こういうことになっているわけです。 ですから、それと併せてということも、必ずしも必然性はないかもしれませんけれども、少なくともそれぐらいのことはあってしかるべきじゃないかと思うんですけど、まず一つ、会計検査院がもう既に調査入っているというふうに聞いておられるかどうか。それと、それは会計検査院が今国会中に報告するわけですから、少なくともそれまでに労働局のことも報告いただきたいと思うんですけど、どうでしょう。
○政府参考人(鈴木直和君) 会計検査院の方で各労働局について調査をしているということは私どもも把握をしております。把握をしております。 それから、それに併せてという御質問でございますが、いずれにしても、この兵庫労働局の問題、早急に事実解明をしなければならないと考えております。 現在、兵庫労働局、先般御質問のありました定年退職者の処分以外、処分をやっておりません。それから、人事についても、その定年退職者に係るもの以外のところは、人事異動は現在凍結をしております。 この全体の事実解明をして必要な処分をし、新たな体制で業務体制を進めないと、業務自体もうまく進まないんではないかということも私どもは考えておりまして、そういう面では、本当にもう徹底的に事実解明を早期にやるという気構えでこの問題取り組みたいというふうに考えております。
○辻泰弘君 今の人事のことやらも含めての御発言というのは、そう遠くないときにそういう形で対応するよと、そう受け止めていいですか。
○政府参考人(鈴木直和君) 私ども、私どもの願望といいますか、一か月前後でこの全体の事実解明を終わりたいという内心の気持ちは持っておりますが、ただ、事情を聴く相手方の都合とかそういったこともありまして、そういう意味で現在断言するに至っていないということでございます。
○辻泰弘君 今の一か月というのは、いつから一か月という意味なんですか。
○政府参考人(鈴木直和君) これから一か月前後くらいで事実解明を終わりたいということで、現在、調査チームを督励しているところでございます。
○辻泰弘君 これからといいますと、私が質問をしなかったらどう考えていらっしゃるのかというふうにちょっと思ってしまうわけで、まあそれはあれですけれども。 そういうことで、とにかく早く調査を進めていただいて結論を導いていただくということですが、同時に、それが出た結果どう対処されるのかと。まあ先読みになっちゃうわけですけども、例えば広島の場合は中央三、地方七でございましたか、そういった比率で自主カンパといいますか、そういった形で関係者の負担の中で返済したということをなさったわけでございました。あれは一億三千万でございましたですかね。そんなことというのはやはり一つの流れとしてあり得るんでしょうか。いかがでしょう。
○政府参考人(鈴木直和君) まず、この不正に支出された公金の返還、これは全額について返還しなけりゃならないと思っております。 その返還方法でございますが、具体的な方法としては、まず不正の事実関係それから不正経理の金額、この解明に全力を挙げて、その結果明らかになった事実を基に、具体的にどうやって返還していくかということを検討することになると考えております。そういう意味では、不正経理に関係した職員なりあるいは兵庫労働局の関係者、そういった方で返済することになるのではないかと思っておりますが、いずれにしても、事実解明を基に検討していきたいと思っております。
○辻泰弘君 そうすると、御報告が公表されて、その後対処を考えるということになるでしょうか。広島のときは何かそれが一緒にない交ぜになっていて、何か監査が入る前にそういう手当てが、もう既にカンパが始まっていたというような、そんな流れがありましてちょっとよく分かんないところがあったんですけど、どうでしょう。
○政府参考人(鈴木直和君) 現時点ではまだ不正の事実関係の解明とその金額が確定しておりませんので、現段階で具体的な返還方法を申し上げることは困難でございますが、いずれにしても、その事実関係、金額、これを確定した上でどういった形で返還するかということを検討したいと、そういう意味で、全容解明の中でそういった返還方法についても具体的に明らかにしたいと考えております。
○辻泰弘君 それはそのとおりなんですけど、私が申し上げたいのは、やはり物事の手順として、その報告といいますか結果報告があって、その後対応を考えるという手順を公に踏むべきであるということを申し上げているわけで、広島のときは、まあ厳密なところはちょっと一年前であれでしたけども、何か両方が同時進行していたような、たしか四月になって監査が入ったんだったと思いますけども、もう二月ごろからカンパが始まっていて、三月には何か大分集まっていたというような何か訳の分からないことがあって、そういう意味ではよく分かんない状況だったので、そういう意味ではその辺はしっかりやっていただきたいと、そのことについてです。
○政府参考人(鈴木直和君) 先ほど申し上げましたのは、全容の事実解明、これをして、その中で、事実解明の中でその返還方法についても具体的に明らかにしたいというふうに考えております。
○辻泰弘君 済みません、ちょっと確認しますけど、要は、そうすると報告するときにはもう返済方法は決まっていると、こういうことなんですか、そこだけ。
○政府参考人(鈴木直和君) 辻委員の御指摘は、広島労働局の場合には、全体の事実の解明の発表の前に既に返還に向けての動きが出ていたと、で、今回の場合にはそうではなくて、全体の事実解明を踏まえた上でそういった具体的な返還を始めるべきだという御指摘だろうと思いますが、先ほどから申し上げているのは、全体の事実解明の中でそういった具体的な返還方法も明らかにし、それから進めていきたいと考えております。
○辻泰弘君 申し訳ないです、ちょっと私の理解力が悪いかな。 そうすると、その結果報告が出た段階ではもうそのことは、どうやってみんなで手当てするかというのは決まっているということですか。
○政府参考人(鈴木直和君) 全容解明の前に具体的にそういった動きが進んでいて、誤解を受けることのないように対処したいと考えております。
○辻泰弘君 当然のことだと思いますけど、まあそういうことで。去年の場合はどういう仕掛けでそれぐらいの、そういうようなサーカスみたいなことができたのか不思議に思うわけでございますけれども、当たり前の対応としてやっていただくように改めて申し上げておきたいと思います。 それで、このことと監修料にかかわることではありますけれども、大臣はこのことについて非常に実は強い決意を予算委員会で披瀝されたことがございました。十月二十一日の質問、私さしていただいたときに「必ずきっちりうみを出しますと言っておりますから、部下を信じたい」と、「万が一のときには信じた私が責任を取ります。」と、このようにおっしゃっておられました。このことは、労働局のことなのか、社会保険庁あるいはそういった監修料全体のことを指しておられるのか必ずしもクリアでないところもあるかもしれませんが、いずれにしても御決意のほどは了とさせていただくわけですが、そのことについての思いをお伝えいただきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 大臣に就任いたしましてからその思いでずっと仕事をしてまいりました。したがいまして、別にどこの部分ということじゃありませんで、絶えずその覚悟を持って仕事をしてまいりましたし、そのつもりでありますということを改めて申し上げたいと存じます。
○辻泰弘君 どうか、先ほどは官房長からできれば一か月というふうなお話もございました、まあ必ずしも決定しているわけじゃございませんけれども、そういったこと。 それから、プロセスを踏んでというふうに私申し上げましたから、常識的な対応ということですけれども、そういったことをしっかりと踏んでいただくように、大臣、そのような御決意もお持ちいただいていると思いますから、そのことについてしっかりとお取り組みいただいて、これは一つの地方労働局ということにとどまらない、これは旧労働省そしてまた厚生省は厚生省でまたあるわけですが、今、厚生労働省という区分けの中で、やはり残念ながら現在もあり得る状況になっているわけでございますので、そういったものをしっかりと正して、国民の信頼にこたえる行政、やはり厚生労働省というのは私は大事な役回りを担っていただいていると思っておりますので、そういった意味からも、しっかりとした体制をつくっていただくように、大臣にもこれからも御指導していただくようにお願いしておきたいと思うんですが、その兵庫労働局のことについて大臣の御見解をお示しください。
○国務大臣(尾辻秀久君) 決して言い訳しようとは思いませんけれども、この兵庫の、兵庫労働局の件は広島の場合とまた違って少し複雑な構図になっておるようでございまして、したがって、その事実関係の解明に手間取っておるようでございます。捜査が一段落する、そして裁判がきっちり始まるということも待たざるを得なかった、いろんな事情でお約束よりも時期が延びたということは、改めておわびを申し上げたいと思います。 ただ、今官房長も、この後一か月ぐらいをめどにしてきっちりと事実解明をして、そしてまた当然のこととして、不正に支給されたような額については国庫に返還すると、お返しするということも言っておりますし、当然のこととして、厳正な処分もしなきゃいかぬというふうに思っておるわけでございます。 まあいずれにいたしましても、きっちりとした処理をするということを改めてお約束を申し上げたいと存じます。
○辻泰弘君 労働局の問題は以上で終わらしていただきまして、もう一点の現在進行形でございます監修料のことについてもちょっとお聞きしておきたいと思います。 それで、実は昨年、監修料のことも議論になって、十月二十二日に一つの報告もされたと。そして、また改めてということになっているわけでございますけれども、ただ、私、去年、年金審議の折にこのことも質問したときがございました。そのときにも、私は組織的プールというものがないのかということをお聞きしていたわけでございます。具体的には五月十一日に、年金審議の過程、年金審議に入る前でございましたか、聞かしていただいたときに、そのときも、当時の局長が、決して組織的なものではないと、組織的にプールしているというようなものではないと、組織的プールというような理解を持っていないと、そういうふうなことを明言しておられたわけです。 しかし、振り返って考えますと、十月のときは調査をした結果としてそうだったというふうなことになっているわけですが、五月の時点では、調査はもう別になかったんじゃないかと思うんですけれども、なぜこの時点で言えていたのかなと。結局、そのことと同じ表現が十月にも来ているわけなんですね、何もまあしていなくて書いたとは言いませんけれども。 振り返ってみますと、五月のときのこの答弁、実は十月のときとほとんど変わらないように思うんですけれども、あのときの、まあ当事者はおられませんけれども、五月のとき何ゆえ言えたのかなと、これちょっと、事務局、分かったら教えてください。
○政府参考人(水田邦雄君) 昨年の五月に、保険局長の答弁におきまして、保険局が受け取っていた監修料につきまして、組織的にプールしているものではないと申し上げたわけでございますけれども、この答弁を申し上げましたのは、一つには、複数の監修を行った者同士で自発的に拠出したものであるということ、もう一つには、組織の責任者である課長自身は関与しておらず、承知していなかったと、このことを指しまして組織的なプールではないとしたところでございます。
○辻泰弘君 まず、これは保険局のことだけ聞いたつもりじゃなかったんですけどね。これは保険局のことをお答えになっていたという理解ですか、それを言ってください。
○政府参考人(水田邦雄君) 正に保険局の問題として答弁をしていたものと私は承知しております。
○辻泰弘君 まあそれはそれとしまして、十月二十二日のときに、私は、今の局長答弁とはまた別の局面ですけれども、監修料はすべて個人の所得として適正に確定申告がなされていたと、こういう表現になっているわけですね。 それで、今度改めて調査しようということで四月五日にお示しいただいているわけですけれども、それも確定申告の控えの保管状況について調査を行い、保管分の内容を確認するというふうなことが入っていて、より厳格ではあるんですけれども、しかし、十月二十二日のときは、適正に確定申告がなされていたというのが報告になっているわけですね。そうすると、これはどういうことで適正だと判断されていたのか、ここはどうだったんですか。
○政府参考人(鈴木直和君) 監修料を受け取っていることが特定された人間についてヒアリングした結果、その職員からは適正に確定申告をしておりますという話がありましたので、その旨を、適正に確定申告がなされているということであの十月の調査の中で表現をしております。
○辻泰弘君 そうすると、この適正に確定申告がなされたというのは、あくまでも個人の自主申告といいますか、おっしゃったことをそのまま表記したと、こういうことですね。
○政府参考人(鈴木直和君) 今御指摘ありましたように、ヒアリングの結果でございます。
○辻泰弘君 まあ、これ見ますと、判明した状況は次のとおりということで、適正に確定申告がなされていたということになっているわけですね。まあしかし、それ、ここまで書いてあったら、何かちゃんとしっかりした裏付けがあるんだろうというふうに思っちゃうわけですけれども、まあこの四月、これから調査内容で、また確定申告のことをしっかり調べようというのがまた四月に出していただいて、どんどん深くお調べいただくことになっていて大変だと思うんですけれども、しかし、どうも、じゃ、十月のときは何だったのかということを思うわけですね。 じゃ、実はそれほどしっかりした状況、判明していなかった、確定していなかったというか、そんな確たる裏付けなしに判明した状況ということの中で適正に確定申告がなされていたと、こういうふうに表現しているということじゃないかと思うんですね。これはやっぱり、このとき自体が不適切なことであったんじゃないかと、それで終わらせてしまいたいということだったのかもしれませんけれどもね。その辺ちょっと、私は、このこと自体丁寧でないといいますか、正確さを期していないといいますか、やはりどうも隠蔽してしまおうとしているといいますか、そこを思ってしまうわけでございます。 今、新たにその四月の五日からということで進行しているわけですけれども、そのこと自体了としたいとは思いますけれども、そのことについてもしっかりとお調べいただいて、それと同時に、先ほどおっしゃった組織的でないというやつも、課長が絡んでいない、関知していないからというのは、その十月二十二日のときもあるし、今までの答弁もそうなんですけれども、課長が知らなかったら組織的でないということになるのかどうかと。管理職ということにおいてはそうかもしれませんけれども、しかし、恐らくそれは組織的という表現がどうか知りませんけれども、多分それは慣習化し常態化していたことだろうと。すなわち、課長補佐さんなのか係長さんなのか、私はつまびらかに分かりませんが、課長さんでないレベルの方々が窓口になってやっているということが常態化していたと。で、それを組織的か組織的でないかというのは判断の分かれるところかもしれませんが、課長が知らなかったからそれは組織的でないんだということは、私は本当は無理があるんじゃないかというふうに思っております。 大臣、どうですか、この辺の今までの報告の流れと、それから今のその組織的でないという部分について御所見お伺いしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) まあ組織的であるとかないとかというのは、今お答えしておるその判断で申し上げたものと思います。 私がそうした組織的であるかないかということの、一つの分かりやすく判断しておりますのは社会保険庁のケース、このケースはやはり明らかに組織的にプールしたと言わざるを得ない面を持っておりますので、まあそれはそうであったと。で、これは一月に公表さしていただいた調査報告でもそのとおりに述べさせていただいておるところであります。 それと比べて、比べてといいますか、まあ正に比べてであります、この本省関係の分はやはり違いがある、明らかに違う形を取っている。まあこちらはやはり、お答え申し上げておりますように、組織的とは言えないやり方、そういう実態であったと、まあ私は今のところそういう理解をいたしておるところでございます。
○辻泰弘君 それで、この四月五日に御報告があった流れで調査が進んでいると思うんですけれども、その進行状況といいますか、どの主体がどのような形でされているのか、簡潔で結構ですのでお答えください。
○政府参考人(鈴木直和君) この前提出しましたペーパーでは、大臣官房を調査主体としてという表現にしております。したがいまして、今回の調査は、大臣官房を調査主体として関係部局を指揮しつつ行うということで実施したいというふうに考えております。
○辻泰弘君 その調査の結果を踏まえてまた御質問をさせていただきたいと、このように思っておりますが、鋭意お取り組みいただくようにお願いをしておきたいと思います。 それで、残された時間、あと七、八分になっておりますけれども、次のテーマで一つまたお伺いしたいと思います。 これは、四月の十四日でございましたか、年金担保融資のことで摘発が初めてあったということがございました。これは、昨年の十二月に議員立法でいわゆる年金担保融資についての罰則規定を持った貸金業法の規制改正があって、たしか十二月二十八日から施行されたんだと思いますけれども、そのことの結果だと思いますが、まず四月十四日のその摘発について、経緯を、状況をお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(伊藤哲朗君) お尋ねの事件でございますけれども、都内の貸金業者が金銭を貸し付けた年金受給者七人に対しまして、本年一月中旬から三月上旬までの間、債権の弁済を受けることを目的として、年金が振り込まれる預金口座の通帳又はキャッシュカードの引渡しを求め、これらを保管していた事犯でございます。 今お話にございましたように、平成十六年十二月に改正施行された貸金業の規制等に関する法律におきまして、貸金業を営む者が貸付けの契約に際し、年金等の公的給付が払い込まれる口座の預貯金通帳あるいはキャッシュカード等の引渡し等を求めたり、これらを保管することを罰則をもって禁止する規定が新たに設けられたところであります。 警視庁では、この規定を適用しまして、貸金業者の従業員一人を四月十四日に逮捕いたしまして、責任者一人を指名手配するなど、現在捜査中であると承知しております。
○辻泰弘君 昨年の議員立法は、公的給付が払い込まれる債務者等の預金通帳等の引渡し、提供を求めたり、保管してはならないと、それに対して罰則を付したと、こういうことだったわけでございます。この部分が今回の立件を可能にしたと、このように理解してよろしいですか。
○政府参考人(伊藤哲朗君) 今回の立件につきましては、貸金業の規制等に関する法律の第二十条の二の改正によって立件ができたというものでございます。
○辻泰弘君 実は私、このいわゆる年金担保融資について、実は一番最初は平成十四年の五月でしたから三年前に質問させていただいて、去年の年金国会の五月二十七日のときも御質問しているわけでございます。 そこで申し上げたいのは、厚生労働省はずっと、年金担保融資というのはそもそもないんだと、あるのは年金福祉事業団、今の福祉医療機構ですね、その福祉医療機構においては公的に融資はしていると、それはいわゆる年金担保ということになるわけですが、しかしそれ以外はないんだと。そもそも口座を変えればそこに、別のところへ振り込むわけですから、その年金担保融資というのはないんだと。そもそも預金となったものは既に、年金までは責任持つけれども、預金となったものは年金じゃないんだと。だから、それは私は知りませんと、そういう、突き詰めればそういうような論理立てになっていて、そもそもその福祉医療機構以外は年金担保融資がないという理解で来ていたわけです。 例えば、昨年の五月のときに私が御質問したとき、年金局長は、現実にそれは担保に供されていないという状態だと。罰則の適用によってこの事態を解消ができるという可能性は非常に少ないだろうと、このようにおっしゃっていたわけです。形態に対して多分罰則の適用が非常に難しいだろうと、こういうふうな見解を示しておられました。 私はあの時点でも、何も、年金法に罰則を規定するということもあるし、貸金業法に規制、規定をするということも両方あり得るけれども、いずれにしても年金という老後の国民の生活の安定というのを目指すべき厚生労働省の立場とすれば、そういった、考え方はいかがあろうとも実質的に年金担保融資ということがあるならば、そのことの、そういうことが起こらないように努力する、年金法であればここの委員会だし、もし違うならば金融庁なり警察の方にも行ってやるべきだということをずっと申し上げておりましたけれども、結局、厚生労働省としては対応ないままに十二月に議員立法で対応して、今回のこういった立件に結び付いたわけでございます。 すなわち、私が申し上げたいのは、やはり厚生労働省が言っていた罰則の適用が非常に難しい、このことによって事態解消ができる可能性は非常に少ないだろうというのは全く違っていたというふうに言わざるを得ないと思うんですけれども、その点、まあ先輩がおっしゃったことではありますけれども、どう思っていますか。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 年金受給者が、自らの預金口座に振り込まれる年金を貸金業者に引き出されるということによって年金が手元に残らないと、こういう被害が発生しておりますことについては私どもも大変遺憾であり、心を痛めてきたところでございます。この点につき誤解があるとすれば、しっかりそう申し上げたいと思います。 それから、かねてより御指摘の年金法の中に罰則規定を設けてはどうかという御指摘につきましての認識につきましては、前局長の答弁と私は変わるところはございません。と申しますのは、言葉巧みに通帳を取り上げ、言わば事実上、年金受給権を担保を取るに等しい行為ではありましても、担保に取っているわけではないという事実が認定されるような行為に対し、年金担保禁止規定に罰則を付けても有効打にはならないのではないかという認識に変わりはございません。 こうした中で、御指摘のように立法府の御努力により貸金業の規制法が改正されて、本件のような事案が生じたと。これを契機といたしまして、今後、年金受給者の被害の防止が一層促進されることに、私どもとしても期待を掛けているところでございます。 厚生労働省といたしましても、年金受給者や公的な年金担保融資申込者に対するこうした貸金業規制法の改正内容、あるいは悪質な貸金業者による違法な事例等に対する啓発活動に更に力を入れたいと、こういうふうに考えております。要すれば、法律の所管省庁が違うというふうに言わずに、これこれは犯罪だということについてはしっかり広報周知してまいりたいというふうに考えております。 そしてまた、そうした事情が疑われるような事案につきましては、福祉医療機構のお仕事の窓口におきましても、消費者生活センターのみならず警察等に相談するようによく御説明をすると、こうした対応を更に進めていくべきであると考えております。そういう面でも金融庁や警察庁さんと更によく相談の上、引き続き努力してまいりたいと考えております。
○辻泰弘君 こういう現実のことを目の前にしてもいまだに強弁されるのは私は本当に腹立たしいと思いますけれども、例えば、心を痛めていたけれども何もできなかったと言うんですが、心を痛めていたけれども結局何もしないでほったらかしていたということでしかないじゃないですか。議員立法をしていなかったらいまだにそのことをやっていなかった。今回の摘発も、あれが有効打になっているわけですから、あのまま議員立法がなかったらそのまま続いていたわけじゃないですか。そういう中で今のような御答弁というのは、私は本当に承服しかねるところがあります。 それと、この預金通帳等の引渡し、提供、保管、このことについて罰則を掛けた、このことがさっきお話があったように決定的となって、それがやはり非常に手掛かりとなって立件に至ったというわけですから、私は何も年金法でやれと言っていたわけじゃなくて、貸金業法とかほかのところとも調整するということを三年前のときも局長は答弁していますよ。だから、何もその年金法の中で答えが出ないならば、貸金業法でもあり得たわけですから、そういうことも含めてそちらに行って是非そっちでやってくださいということもあるわけですから、そういう意味合いで申し上げていたのに、今は何か年金法の中でだったし、いまだに前局長の答弁は正しいとおっしゃっているという認識は私ちょっと非常に不本意でございますけれども、時間が来ておりますのであれですが。 ただ、大臣にお伺いしたい、確認しておきたいと思いますけれども、やはり私は厚生行政というのは非常に心の温かさといいますか、厚生の生たるゆえんは生を厚くする、人生、生命、生活、衛生、生身の人間、それを厚くするのが厚生労働行政の使命だと私は思っておりますが、また政治の使命もそこにあると思っておりますけれども、そういった意味で、今局長がおっしゃったことは、官僚の考え方の延長線上ではそうかもしれないけれども、しかし、本来厚生行政があるべき姿の帰結ではないと私は思うわけでございます。 そういった意味で、大臣としてそういったことにも十分しっかりと官僚にその辺のことを、本来の厚生労働行政のあるべき姿を大臣のお立場でお示しをいただいて、こういったことは私はやはり厚生労働行政の限界だったといいますか、自分らの前の庭先だけはきれいにするけれども、元々目指しているものは何なのかということを忘れたことで、結局この年金担保融資のこともこういう経緯だったというふうに思っております。そういった意味で大臣に善処していただくように求めて、一言御答弁いただいて終わりたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 厚生労働省のあるべき姿につきましては、今お述べいただいたとおりだと思っております。したがいまして、そのあるべき姿に沿って私どもは仕事をするべきでございますから、今御指摘いただいたことをまた肝に銘じてこの後の職務を進めていきたいと存じます。
○辻泰弘君 以上で終わります。
○浜四津敏子君 公明党の浜四津敏子でございます。 本日は、各地を回る中で寄せられた様々な現場のお声などに基づきまして質問をさせていただきます。 まず初めに、西副大臣にお伺いいたします。 現在、我が国には、強度の遠視や近視、両眼の視力が著しく異なる不同視、先天性の白内障などの原因によりまして、弱視や調節性内斜視などの眼疾患と闘っている子供たちがたくさんおられます。これらの病気は、治療しないまま放置いたしますと、低い視力のまま固定したり、正常な両眼視機能が発達しないなど、視機能に一生障害を残すことになります。しかし、視機能が発達する子供のうちに治療を受けることで症状が大きく改善又は完治することが期待できます。 治療法としましては、それぞれの子供の症状に合った眼鏡やコンタクトレンズなどを装着して、目の網膜に像を結ばせて物を見る訓練をしながら、子供の視力の変化に合わせて眼鏡やコンタクトレンズを買い換えながら治療を継続するということになります。 また、左右の視力が著しく異なるお子さんの場合には、良い方の目をアイパッチと呼ばれるばんそうこう、本日ちょっと皆さんに見ていただきたくて現物をお持ちいたしましたが、(資料提示)これを目に張って遮断して、悪い目を強制的に使う健眼遮断訓練を毎日何時間も長い間継続して行います。見える目を遮断して、見えない目で学校に行ったりあるいは日常の生活をする、この訓練は子供たちにとっては大変な苦痛を伴います。 斜視のお子さんの場合には、角度を調整するためにプリズム状のシールを眼鏡に張って目を真っすぐに向ける訓練を続けるなどの治療法があります。 これらの治療に使用する眼鏡、コンタクトレンズは、子供たちの症状が様々なため、既製品では間に合いません。特注をせざるを得ないというのがほとんどだそうでございます。眼鏡を一つ作るのに二万円から六万円ほど掛かっているということでございます。また、度の変化などの治療上の必要性や子供たちの成長などによりまして頻繁に買い換える必要があります。 弱視や斜視のお子さんを持つ家族の会である「あいぱっちくらぶ」というのがありますが、その「あいぱっちくらぶ」のアンケートによりますと、眼鏡、コンタクトのために支出した費用として五年間で三十万円以上、また一年半で二十万円以上などという結果が出ておりまして、家計に大きな負担となっております。 専門の医師の診断を受け、医師の指示と指導の下で治療のために眼鏡やコンタクトレンズを装着しているにもかかわらず、現在こうした眼鏡あるいはコンタクトレンズとも療養費として認められておりません。その最も大きな理由となっているのが、昭和三十九年十一月二十六日に厚生省が出した以下の通達でございます。 その通達とは、疾病又は負傷の治療のために必要な用具、補装具は支給されることになっているが、眼鏡はこのような用具とは性質を異にしているので支給の対象から外されていると、こういうものでございます。恐らく四十年前の当時には治療上必要な眼鏡の存在というものはなくて、通達にある眼鏡というのは私たちが日常使用している近眼や老眼、乱視などの屈折異常を矯正するいわゆる一般の眼鏡のことを念頭に述べておられるものと考えられます。しかし、現在は眼鏡やコンタクトレンズを装着して弱視等を治す方法が確立されておりまして、この通達は現状に即していないものと考えられます。 昨年四月、「あいぱっちくらぶ」が厚生労働省に対し以下のような問い合わせをしております。すなわち、この通達は治療用かどうかということが考慮されずに、一律対象外とされているのはなぜか、こういう質問でございます。それに対しまして厚生労働省の答えは、眼鏡については現在は治療目的のための装具ではないと判断されています、それは、治療上必要なものか、それとも単に日常生活に必要なものであるかの判断が不明瞭であるためと説明をされております。 現在、多くの子供さんが専門医の指導、指示の下、治療のために眼鏡、コンタクトを使用しているにもかかわらず、厚生労働省は眼鏡は一律に治療目的のための装具ではないと判断しているわけでございます。また、その理由として、治療上必要なものか生活に必要なものか、その判断が不明瞭だからとしておられますが、専門の医師の診断書や意見書で明らかにできるものと考えられます。 帝京大学医療技術学部長の丸尾敏夫教授も、弱視の治療用の眼鏡は最初はっきり見えないが、眼鏡が視力を発達させる役割をして次第に見えるようになると、眼鏡は掛ければすぐ見える日常用の眼鏡と明らかに異なると、こう述べておられます。 また一方、療養費の支給については各保険者の判断にゆだねられていることから、支給、不支給の判断が大きく分かれております。例えば、東京社会保険事務局では幅広く支給が認められております。しかし、大阪社会保険事務局は一切認めないと断言しております。また、北海道社会保険事務局は、煩雑な審理請求を経て認めていると、こういう状況でございます。昨年十月現在で百十一の保険者で療養費の支給が認められておりますが、国保を中心に、先ほどの厚生省の通達を理由に不適用、若しくは受付すら拒否するということが圧倒的に多いという現状でございます。 このような状況の中、「あいぱっちくらぶ」を中心に多くの皆様が、こうしたコンタクトレンズ等を保険給付の対象とするよう求めて全国で署名運動を展開しておられます。私も、本年二月二十四日、尾辻大臣あての子供の眼疾患治療に必要な装具への保険適用を求める要望書を持って、「あいぱっちくらぶ」の皆様とともに西厚生労働副大臣を訪ね、三万人の署名を手渡させていただいたところです。 通達が出された昭和三十九年当時に比べ、現在は比較にならないほど医療技術は飛躍的に発展しております。弱視等の治療方法として眼鏡、コンタクトレンズを使用することは既に確立した医療であり、しっかりした効果を上げているという現状を御考慮いただき、新たな通達等により、治療目的の眼鏡、コンタクトレンズ、アイパッチ、プリズムフィルムなどを保険給付の対象とすべきと考えます。 厚生労働省においては、現状に即した新たな通達を出して、すべての保険者が混乱なくこうした治療用の眼鏡等を補装具として認めて療養費の支給対象とすべきと考えますが、いかがでしょうか、西副大臣にお伺いいたします。
○副大臣(西博義君) 先生御指摘のように、弱視それから斜視等の患者の皆さん、眼鏡、コンタクトレンズ、アイパッチ等で矯正をされている皆さんに、私、お目に掛からせていただきました。種々お話をさせていただき、そのときの状況は今もよく覚えております。 具体的な装具等も御説明をいただいて、これが医療の給付対象にはなってないという問題点を御指摘をいただきました。 先ほどから御指摘の弱視等の治療に用いられる眼鏡、コンタクトレンズそれからアイパッチ等の治療用の装具、確かに先生御指摘のように、昭和三十九年のこの眼鏡の支給ということに対する見解は、その当時は治療という側面は多分入ってなかったんじゃないかというふうに私も想像しておりますが、現在において保険給付の対象である治療費の支給対象にするかどうかということについては、委員もよく御認識のように、治療上の必要性をきちっとさせる、必要であるかどうかということが、区分をきちっとするということが大事だというふうに思っておりまして、一般の眼鏡ではなくて、治療用の眼鏡がこれだと、またコンタクトはこれだというふうな形ではっきりさせる必要が、まず必要だろうと。 そのことについては、関係の学会、医学関係の学会の方もこちらに要望があったということは認識をしていただいておりまして、その学会等からのデータの提出等がありましたら、現在また医療の次の議論が進んでおりますが、中医協の下に専門のそういう判断をする組織がございますので、そこに議論を具体的にしていただくということを検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○浜四津敏子君 是非、その方向で改善されるように取り組んでいただきたいと思います。 次に、大臣にお伺いいたします。 我が国におけるがん患者さんの数は年々急速な勢いで増加しておりまして、現在がんが日本人の死亡原因の第一位となっております。住み慣れた我が家で家族に囲まれて暮らしながら最期を迎えたい、病院のベッドの上で大事な人生を終えたくないという多くの声に後押しされて、今、訪問介護や在宅医療、在宅ホスピスなどの体制が徐々に整備されておりまして、自宅で最期を迎えるがん患者さんが増えております。 末期のがんの患者さんが自宅で療養する際には、ベッドの角度を変化できるなど様々な機能が付いた特殊ベッドや、トイレ、車いすなどの福祉用具や、入浴、食事など身の回りの世話のためのホームヘルプサービスが不可欠となります。六十五歳以上の患者さんであれば、当然介護保険の中から必要なサービスを受けることができます。しかし、現行の介護保険の給付対象は六十五歳以上の人と加齢に伴うパーキンソン病や脳血管疾病などの十五種類の疾病に該当することとなっておりまして、がんは特定疾病になっておりません。そのため、六十五歳未満の末期がん患者さんは介護保険を使ってサービスを受けることができず、全額自己負担するか若しくは在宅療養をあきらめざるを得ない状況にあります。 在宅ホスピスに取り組んでおられるグループ・パリアンがケアされた患者さんのうち、六十五歳未満の患者さんは全体の約三分の一、三五・五%を占めまして、その平均ケア日数は五十日となっております。また、自宅で最期を迎える四十歳から六十四歳の末期がんの患者さんは年間二千名に達すると言われております。 二月十五日に開催いたしました尊厳死とホスピスを推進する与党議員懇話会において、在宅ホスピスの第一人者で、上記グループ・パリアンの代表を務めておられる川越厚先生からも、介護保険の特定疾患にがんを加えていただきたいという強い要望がありまして、その時点で、与党の懇話会として、この末期がんを介護保険の対象とするようにということで厚生労働省に要請することを決めさせていただいたところでございます。 被保険者、受給者の拡大は今後の課題として見送られまして、今国会での介護保険法改正案には盛り込まれておりませんが、報道によりますと、昨日の衆議院の厚生労働委員会で前向きの御答弁があったということを伺っておりますが、再確認のために大臣に伺わせていただきますが、厚生労働省として特定疾患にがんを加えるということで御検討いただいているという報道がありまして、多くのがん患者さんが期待しているところでございますが、一方、しばらく前に一部の報道の中で乳がんは除くという報道がありまして、関係者の皆様が大変危惧をされております。乳がんだけを特定疾病から除外することなく、すべてのがんを特定疾病に加えるべきと考えますが、大臣のお考えを伺います。 また、介護保険制度では、要介護状態が原則六か月以上続くと見込まれる場合に給付が行われますけれども、末期がんの場合には症状が固定することはなく一日一日状態が変化するものでございまして、介護基準を見直す必要があると考えますが、これについてもお考えを伺います。
○国務大臣(尾辻秀久君) お話しいただきましたように、がんは今、日本の死亡原因の一番でございまして、約三十万人の方が亡くなります。そうした中で、ターミナルケアをどうするのかというのは大きな課題でございます。まずこのことが一つあります。それから一方、これもお話しいただきましたように、介護保険の対象になる、四十歳から六十四歳の方の場合でありますけれども、給付の対象になるものはこれは加齢に伴う疾病ということで、具体的に十五の疾病を特定いたしておるところでございます。 そうした中で、最初に申し上げた、がんをどうするのかというのがこのところの御議論でございます。したがいまして、乳がんをどうするんだとか乳がんが加齢に伴う疾病なのかどうなのかという議論がいろいろあったことは事実でございますけれども、これは昨日の衆議院の委員会で私が御答弁申し上げたのでありますけれども、御指摘の乳がんを含め、末期のがんを介護保険の対象に加えることについては専門家の御意見も踏まえつつ前向きに検討してまいりますと、こういうお約束を申し上げておりますので、そのことで御理解をいただきたいと存じます。 それから、もう一点、要介護度の変化についてのお話もございましたけれども、これも今後検討をしてまいります。
○浜四津敏子君 次に、小児慢性特定疾患についてお伺いいたします。 昨年秋の臨時国会におきまして、小児がんや気管支ぜんそくなどの小児慢性特定疾患を法的に位置付ける改正児童福祉法が成立いたしまして、本年四月一日から施行されたところでございます。小児慢性特定疾患はこれまで法的裏付けがありませんで、財政難の中で削減を余儀なくされてまいりましたが、改正によりまして法的に裏付けされ、将来にわたり安定した支援が可能になるものと考えられております。 対象疾患も四百八十八疾患から五百十疾患に拡大され、通院治療も支援の対象とされました。さらに、医師の判断で対象年齢を二十歳未満まで延長できるようになりまして、その結果、対象患者数は約六千名増加するなど大幅に改善されました。また、それに伴いまして、予算額も年間九十六億円から百二十八億円に大幅増額されております。 しかし、二月十日の官報に掲載されました小児慢性特定疾患の新しい適用基準を見た医療関係者からは大変厳しい意見が寄せられております。 というのも、例えば気管支ぜんそくを例に取りますと、これまでは一か月以上の入院を要する患者さんが小児慢性特定疾患の適用の対象となっておりましたが、新しい基準では、一、三か月以内に三回以上の大発作がある場合、二、一年以内に意識障害を伴う大発作がある場合、三、治療で人工呼吸管理又は挿管を行う場合のいずれかに該当する場合に対象とするとなっております。 本年一月、小児アレルギー学会が小児気管支ぜんそくの専門医療機関四十七施設を対象に新基準に該当する患者数の調査をしております。この調査によりますと、現在、四十七施設の総患者数は約二万八千人でございます。その約一割に当たる二千五百人がこれまで小児慢性特定疾患の適用を受けておりました。それが、新しい基準を適用いたしますと、わずか百三十一名、約二十分の一になってしまうと、こういう結果が報告されております。また、ある国立病院機構では、現在約二千人の小児気管支ぜんそく患者さんが受診されていますが、新基準では適用される患者さんはゼロになる可能性もあるというお話も伺いました。 小児気管支ぜんそくは、早期に入院して十分な治療を受け、また病院で親子そろって日常のケアについて学習し、患者さん自身が症状のコントロールをできるようになることで重積発作を起こさないようにすることができます。しかし、新しい基準では、正しく治療を受けて日常のケアをしている人はほとんど適用対象にならないことになります。そして、治療に失敗した又は適正に治療を受けることを怠ったために重篤になった患者さんだけが適用対象となりかねない基準になっているとの指摘があります。こうした厳しい基準を適用していくと、発作を起こして入院すべき状態でも負担が大きくて入院できないという患者さんが出てくるのではないかと心配する声が現場の医療担当者の中から多く出ております。 また、先ほどの小児アレルギー学会の調査によれば、気管支ぜんそくで長期入院を余儀なくされている子供たちでさえ新基準では八割近い患者さんが対象から外れるということになるという結果になっております。当然、高額療養費の支給を受けることはできますけれども、毎月七万円以上の負担が生じることになりまして、家族にとって大きな負担となることは目に見えております。 また、例えば川崎病では、現在、全患者さんが適用対象になっております。しかし、新基準によりますと、川崎病性冠動脈病変となっておりまして、冠動脈瘤ができた人だけを対象にしております。病院では冠動脈瘤ができないように治療しているわけでして、川崎病で冠動脈瘤ができる患者さんは百人に一人もおりません。先ほどの国立病院機構でも年間二十名から三十名の川崎病の患者さんが治療を受けておられますけれども、冠動脈瘤を防ぐ治療をしているため、対象となる患者さんはいないということでございます。しかし、新基準が適用されますと、冠動脈瘤ができないようにするための治療費等の費用は自己負担となり、そのために治療を受けられなくなる患者さんが出てくることを大変心配されております。このように、新基準は、川崎病においても冠動脈瘤をできないようにする治療を受けなかった、あるいは手後れになった患者さんだけを小児慢性特定疾患の対象にするという基準になっております。 さらに、ネフローゼ症候群でも同じような問題があります。現行制度ではネフローゼ症候群のすべての患者さんが適用対象になっております。しかし、新基準では半年で三回以上再発と、こういう内容になっておりまして、この新基準によれば対象はゼロと言ってもいいような結果になりますというのが現場のお医者様の御意見でございます。今回の新基準は、現場からは、対象疾患を増やす一方で適用患者さんを一%にする内容だという指摘もあるほどでございます。 これまで小児慢性特定疾患の適用になっていたから安心して質のいい治療を受けることができた、そのおかげで健康になることができたという子供たちがたくさんいるわけでございます。子供の病気を治すことと成人の病気を治すことは質が全く異なります。正しい治療、質のいい治療を受けることで健康になり、子供たちの大切な将来の道を開くことができます。そうでないと、後遺症を伴うリスクが増えまして、将来に大きな障害を残すことになります。 また、これまで小児慢性特定疾患の適用の対象になっていない患者さんに対して、都道府県や市町村が独自に医療費助成をしておりました。しかし、今回の厚生労働省の基準告示に合わせるように、多くの都道府県、市町村が一斉に小児慢性特定疾患の新基準と同じ基準に合わせることにしておりまして、多くの患者さんにとって大きな負担増になる可能性が指摘されております。 厚生労働省の新基準は、このように地方自治体の取組にも大きな影響を与えていると思われます。現場のお医者様からは、小児慢性特定疾患の適用対象として、小児気管支ぜんそくの場合は入院しなくてはいけない子供を対象にする、また川崎病やネフローゼでは、これまで同様、病気にかかった子供は全員適用対象にすべきとの意見があります。 小児慢性特定疾患の適用基準のハードルを余りに高くし過ぎますと、子供たちの医療の質をゆがめることにつながりかねません。新しい適用基準を是非再検討していただきたいと考えておりますが、厚生労働省のお考えを伺います。また、その際には、対象疾患ごとにそれぞれの専門医から十分に意見を伺っていただくよう要望いたします。この点についても厚生労働省のお考えを伺います。
○政府参考人(伍藤忠春君) この小児慢性疾患の見直しにつきましては、昨年の児童福祉法の改正でいろいろ委員会でも御議論をいただいたところでありますが、その際に御説明申し上げましたように、今回の見直しはいろんな子供あるいは家庭を支援するためにできるだけ幅広くこの対象を広げていくと。しかし、限られた財源の中でこれを有効に活用していくためにはある程度の疾病についての重点化、対象を重点化していくということも併せて実施をするということ。そういうことを含めて見直しをし、それを、かつ予算補助から法律の補助にして継続的、安定的な制度にしていくと、こういう大きなねらいで見直しを図ったところでございます。 そういう観点から、いろいろ今御指摘のあったような個別の問題のことが出てくるわけでありますが、四月から新しい基準を適用して今実施をしておるところでありますから、幾つか私どもも早急に、新しい基準でどのような、どのぐらいの疾病ごとに対象になっているかというのを早急に把握する必要があると思っておりますが、今事務がスタートしたばかりでありますから、これから自治体の事務の流れの段階も見ながら、早めにこれを把握したいというのが一点であります。 それから、御指摘のありましたような基準の問題につきましては、これはかなりの時間を掛けて、専門家会議というんですか、各分野の専門家の方々が入った検討会議で議論をしていただいて、原案もつくっていただきながら最終的な基準を策定したものでございますが、その中、そういったものではありますが、その個別の基準を具体的な現場で当てはめていった場合に、専門家会議で議論をし、意図した方向とかなり乖離が生じてきておるというようなこと、今御指摘があったんではないかというふうに思っておりますので、この辺りも、例えば気管支ぜんそく、それからネフローゼ、川崎病、それぞれある程度重点化を図るという疾病もありますし、そうではない、今現状程度でこの基準を作るとすればこういう基準になるんではないかというような考えで議論をしたものもありますし、疾病ごとにいろいろ目指した方向は違いますが、そういった議論、専門家会議で議論した方向と余りにも乖離があり過ぎるんではないかという多分御指摘だろうと思いますので、そこは四月以降どういうふうに自治体で具体的にこれを適用し、対象患者を認定をしておるかという数字の把握と併せて、あるいはそれに先駆けて、個別具体的に今御指摘のありましたような事例につきましては、関係の専門家なり現場のお医者さんなりそういった、あるいは自治体の関係者なり、私どもが二月に告示で示しました基準が具体的な現場でうまく適用されているのか。あるいは、こちらの意図どおりに解釈をされて適用されているのかどうか。あるいは、適用されたとしてもこれが、この基準自体が非常に厳し過ぎる内容になっておるということであれば、その辺りを早急に私どもも把握をしてみたいというふうに考えておりますので、そういった少し作業を、点検作業を行わしていただいて、その上で今後これをどうするかということを考えてみたいと思いますが、制度の基本的な見直しの方向は、ある程度疾病に、それぞれの疾病の事情はありますが、疾病によってはある程度の重点化を図らざるを得ないというものもあったということは御理解をいただきたいと思いますし、その上で今作業をやっておりますが、その作業が意図どおりに行われておらないんではないかという御指摘は、御指摘のとおり受け止めさしていただきたいと思います。
○浜四津敏子君 是非、新基準施行によって生じている実態を早急に把握していただいて、適正な措置をしていただきたいと思います。 次に、西副大臣にお伺いいたします。 今、全国にある子供病院や小児専門病院には広い地域からハイリスク妊婦と呼ばれる妊婦さんや出産前の時点でお子さんに障害があると分かっている妊婦さんが入院しまして、また他の病院で重度の先天性の障害を持って生まれた新生児の受皿にもなって、高度な先進医療を提供しております。 このような病院では、広範囲から患者さんが集まりまして増え続ける一方で、入院している重度の障害のある子供たちは、転院する病院や施設がないため、増加の一途をたどっております。例えば、国立成育医療センターでは、開設時の重症心身障害児は二十三名でした。しかし、二年後には三倍の七十四名に増加しております。現在は入院患者さんの十数%を占めております。その中の多くの子供たちは、自発呼吸もできませんし、口から栄養を取ることもできない、こうした重い障害を持っております。 このまま増え続けますと、成育医療センターのベッドの多くが重症心身障害児、慢性期の子供たちで占められるようになりまして、早期に治療が必要な急性期の患者さんを受け入れられないなど、十分に機能を果たすことができなくなることが危惧されております。 重度の先天性の障害を持つ新生児が慢性期に入った後の受皿となる施設や病院、また在宅支援サービスの確保が不可欠と考えますが、厚生労働省としてはどのように考えておられるのか、お伺いいたします。
○副大臣(西博義君) 私も、たまたま昨年末に重症心身障害児施設を訪問する機会がございました。大変込み合った収容状態でございまして、しかも十八歳以上の比較的年齢の高い人が大変多いなという印象を受けまして、最近ますます医療の高度化によって障害の重い皆さんも生存することができ、また大きくなることができる状況の中で、この状態は一体将来どうなるんだろうかなという問題意識を実は感じながらその施設を帰ってきた印象がございます。 現在、重度の先天性の障害に対する急性期の医療が終了して、そして慢性期に入った子供たち、この支援の充実がどうなっているのかということを今お尋ねだと思いますが、御指摘のように、この支援の充実を図るために、重度心身障害児施設などの入所施設、それから医療機関の整備、それから訪問看護ステーションを含めた在宅医療・福祉などのケアのサービス、それからその他、患者と家族を支える医療、福祉、教育などの相談体制、これが大きな課題だというふうに考えております。 これまでも、この重症心身障害児施設の整備に要する費用を国が一部国庫補助するというようなこと、それから障害児施設の整備等に取り組んできたわけでございますが、大変、この問題は、今はまだ、先生御指摘のように、十分な体制にはなっていないというふうな私も思いがいたしております。特に、常時医療のケアを受けなければならない方の、この子供たちの支援については、これはこれから大変重要になってくると思いますので、病院、施設それから在宅、こういう全体的な体制の整備に向けて検討して、我々としても取り組んでいかなければならないと思っております。
○浜四津敏子君 是非、今後ますますこうした重症心身障害児の慢性期の子供たちの患者さんは増え続けていくわけですし、その受皿不足というのは深刻になってまいりますので、今後の緊急課題として是非認識していただき、取組を開始していただきたいと要望しておきます。 次に、小児在宅医療の充実についてお伺いいたします。 病院に長期入院している重い障害のある子供たちにも、自宅で家族に囲まれながら安心して暮らしたいとの希望を持っておられる家族が大勢おられます。このような方々のために小児の在宅医療を推進する必要があると考えております。 人工呼吸器を付けていたり、気管切開をしているなど、重度の障害のある子供たちを在宅で看護する場合には、現行の医療保険制度では大人の在宅看護と同じ基準になっております。しかし、例えば、たん吸引一つを取ってみましても、その回数は大人の何倍も必要となってまいりますし、そのための医療器具・材料も、また人手も必要となってまいります。その多くが医療機関の持ち出しになっているのが現状でございます。その結果、病院は赤字覚悟で在宅医療にかかわっているという実態にあります。 家族のためにレスパイト入院の制度を充実させたり、小児の在宅看護につきまして加算や新たな評価などによりまして手厚くするなど、医療保険制度を見直す必要があると思いますけれども、この点についての厚生労働省のお考えをお伺いいたします。
○政府参考人(水田邦雄君) お答え申し上げます。 在宅看護の充実そのものは今後推進していくべき重要な課題であると考えてございますけれども、御指摘のとおり、現行の診療報酬点数におきましては、小児に対する在宅看護につきまして特段の区別は行っていないところでございます。 今後の取扱いでございますけれども、平成十五年三月に閣議決定されました基本方針におきましても、患者の心身の特性を踏まえた適切な評価を進めるということとしてございますので、重度の障害児に対します在宅看護の充実という御指摘の点につきましても、学会等から具体的な御要望をいただければ適切に検討してまいりたいと考えてございます。
○浜四津敏子君 それでは、学会の皆様などと意見を交換しながら要望させていただきますので、是非前向きにお取り組みいただきたいと思います。 次に、出産育児一時金の引上げにつきまして、西副大臣にお伺いいたします。 若い世代の方々が安心して子供を産み育てることができる環境を整備することは子育て支援の重要なポイントとなってまいります。公明党は、これまでも子育て支援の推進に積極的に取り組んでまいりました。出産育児一時金につきましても、一九九二年に二十四万円に、九四年に三十万円へと実態に即して引き上げてまいりました。こども未来財団の二〇〇三年の調査では、平均的な妊娠・出産費用は約五十万円に達しております。現在の三十万円では出産の際の病院の費用にも足りない金額でございます。若い世代の夫婦にとりましては、妊娠、出産に伴う支出は一時に大きな金額を支払うこととなり、大きな負担になっております。また、三十万円に引き上げられてから既に十三年もたっております。 〔委員長退席、理事国井正幸君着席〕 この際、負担の実態に即して、病院に掛かる費用のほかに、新生児のための準備費用を含めまして、出産育児一時金を四十万円に引き上げることを検討すべきではないかと考えますが、お考えをお尋ねいたします。
○副大臣(西博義君) 今、平均の出費が五十万円というお話がございましたが、実は、旧国立病院の分娩費の全国平均、平成十四年度が約三十万円という、正確には三十一万七千円ぐらいという、厚生労働省の五十五施設の平均でございますが、そういうデータがございます。近隣の施設の分娩料もそれぞれ格差がありますが、平均を取りますと大体三十万円から三十五万円、東京は若干高いですから三十五万円、これは国立じゃございません、近隣の施設でございます。そんなデータもございます。 具体的に四十万円というお話でございましたので、ちなみに現在は、御存じのように、給付費すべて各医療保険制度の保険料で賄われているわけでございますが、出産の件数等からして、その追加分が千二百億円程度必要であろうというふうに見込まれている、もしも四十万円といたしましたらそういう追加が必要であろうということが見込まれているところでございます。 〔理事国井正幸君退席、委員長着席〕 分娩料の額は、これ、地域、医療機関等によって様々でありますが、今申し上げましたような平均的な分娩料の実態等を勘案すると、今、実は直ちに支給額の引上げが必要だというふうには考えていないところですが、今後、御指摘のように、よく実態等を見守っていく必要はあるというふうに思っているところでございます。 今、高齢化と同時に少子化対策が大変重要だということで叫ばれている折でございます。全体的な少子化対策の中でも、子供さんが一人でも多く生まれていただかないとこれは少子化が解消されない。その後の教育にしろ、また就職にしろ、一連のこの政策というのは実現されないわけですから、私は、そういう意味では、出産ということに掛かる費用の軽減というのは大変大事なことだというふうに思っております。 同時に、出産は、そのときに行ってそれでおしまいじゃなくて、それに係る定期検診等、一連の経過があって出産というところに行き着く、また出産後も定期検診がございます。そういう面についても、やはり全体の中で、少子化というこの問題を解消していくための一つの要因としてこの議論をしていくことが大事だというふうに考えております。 厳しい保険財政の状況も十分これを考慮に入れた上で、先生御指摘の件につきましては、平成十八年度に向けた医療制度改革の中で検討することになっているということでございます。
○浜四津敏子君 出産育児一時金につきましては、本来、実態に即しまして五十万円にしてもらいたいと要望したいところでございますけれども、それを裏付ける財政状況を考えますと、それでも少なくとも四十万円に引き上げていただきたいと、こういうふうに要望させていただき、是非実現していただけるようにお願いさせていただきます。 次に、女性健康支援センターの推進についてお伺いいたします。 三年前から公明党は全国の公立病院に女性専門外来の設置を積極的に推進してまいりまして、おかげさまで現在では全国約百か所の公立病院で女性専門外来が開設されまして、大変好評でございます。 さらに、多くの女性から、病院に行くほどではないけれども、気軽に相談できるところをもっと身近につくってほしいと、こういう声が多くございます。専門の看護師さんや保健師さんに女性の健康に関する問題を何でも安心して気軽に相談し、必要があれば医療機関を紹介していただけるというようなところがあれば、どれほど日常の不安や悩みを解決できるか計り知れないと思います。 すべての世代の女性が気軽に健康相談できる女性健康支援センターを全国各地の市町村に更に設置、拡充すべきと考えておりますが、厚生労働省として今後の取組についてお尋ねいたします。
○政府参考人(伍藤忠春君) 現在、こういった身体的、精神的な悩みを有する思春期から更年期に至るまでの女性を対象とした専門相談機関として、女性健康支援センター事業というものを各都道府県あるいは中核市等の保健所で私ども実施をしてきておるところでありまして、平成十六年度で現在二十七の自治体で実施をしているところでございます。 御指摘のような、女性特有の悩みとか相談に気楽に応じるということで一定の効果を上げておるというふうに考えておりますので、こういった事業を今後更に推進をしていくということと、それから、各地、市町村に地域保健センターというのがございますが、こういったところでもいろんな保健指導の推進に努めておりますので、併せてこういったところの活用を図っていただくということと、できれば、先ほど申し上げましたこの女性健康支援センターという明確な看板を掲げて自治体で実施をしていけるように私どもも支援をしていきたいというふうに考えております。
○浜四津敏子君 是非、全国の各自治体で女性健康相談センターが設置できますように、更なる推進に尽力をいただきたいと思います。 次に、臍帯血バンクについてお伺いいたします。 昨年の秋、臍帯血移植は二千例を突破いたしまして、白血病等の治療方法として定着をしております。公的バンク設立当初に保存臍帯血数として目標にしてまいりました二万個の臍帯血の保存も既に完了いたしまして、現在、臍帯血移植が必要になった患者さんの九割以上に適合する臍帯血の保存ができていると認識しております。 臍帯血バンクは、全国、現在十一の公的バンクが設立され、稼働しております。しかし、各バンクによって臍帯血の保存数も、また移植への供給数も大きな格差が生じております。一方、臍帯血移植の先進国であるアメリカでは、臍帯血移植の成功率を高めるために、より品質の高い臍帯血を保存できるよう詳細な基準を法律で制定する動きが現在あります。我が国でも、患者さんのために、より品質の高い臍帯血の保存を進める必要があると考えております。 当初の目標である二万個の保存が完了した現在、厚生労働省として、臍帯血の品質の向上も視野に入れて、今後の各バンクの在り方をどのように考えておられるのか、お伺いいたします。 また、さい帯血バンクネットワークと各公的臍帯血バンクの役割分担について、厚生労働省としてどのように考えておられるのか、お伺いいたします。
○政府参考人(田中慶司君) お答え申し上げます。 臍帯血バンク事業によります臍帯血の保存数、委員御指摘のとおり、当初の目的でありました二万個というのが達成しております。ただ、移植成績を向上していくために、より多くの造血幹細胞が含まれます臍帯血を確保していく必要がございまして、引き続き、質の高い、細胞数の多い臍帯血の確保に取り組んでいくこととしているところでございます。 こうした点を含めまして、臍帯血バンク事業の今後の在り方につきましては、臍帯血移植に関します研究動向あるいは諸外国の状況、こういうものを参考にしつつ、各バンクの意見等も聞きながら今後適切に対応していきたいというふうに思っております。 また、ネットワークとバンクの役割分担でございますけれども、バンクの方は、臍帯血の採取及び分離保存、さらに臍帯血の利用の受付、臍帯血の供給等の諸活動を行うこととしておりまして、また、バンクのネットワークの方は臍帯血バンクの共同事業というのを行っておりまして、具体的には、臍帯血バンク間の連絡調整、それから臍帯血情報の共同管理、公開、臍帯血の品質の標準化、それから各バンクの運営及び臍帯血の安全性等の評価等を行っているところでございます。 厚生労働省といたしましては、各臍帯血バンクによります自主的な取組を支援するとともに、日本さい帯血バンクネットワークが行います共同事業が適正に実施されるように、必要に応じた適切な対応をしてまいりたいと考えています。
○浜四津敏子君 あるお医者様の言葉によりますと、臍帯血の移植が日本で定着するようになって、おかげで白血病という病気は日本では不治の病ではなくなったと、治る病気になったと、こういうふうに言っていただいております。白血病だけではありませんで、再生不良性貧血とかあるいはクラッペ病などの難病にもこの臍帯血の移植というのは非常に画期的な効果がある治療法でございます。 今後も是非、こうした患者さんがいつでもどこでも公平に、また質の高い臍帯血の移植の手術を受けられますように、まずは、今十一バンク、各バンク、様々苦労しておられます。特に財政難で苦労しているという声をよく伺います。このバンクが財政難に直面いたしますと、そのツケが患者さんの負担として回されるという結果になりますので、是非各バンクを財政的にしっかり支援していただきたい。また、このさい帯血バンクネットワークがしっかりその本来の使命、責任を果たしていただくよう、是非厚生労働省として見守っていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 看護師の不足が改めて医療現場で問題になりつつありまして、日本看護協会が今年二月に実施した調査では、二〇〇三年度の新卒看護職員の十二人に一人が一年以内に離職をしたとされております。 今日、文科省おいでいただいていますが、国立大学病院の看護師の退職者数について、勤続一年未満、三年未満ということでお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(泉紳一郎君) お答え申し上げます。 国立大学の附属病院におきます常勤の看護師及び准看護師の在職一年未満の退職者数でございますけれども、平成十三年度が七十四名、十四年度が百四十名、十五年度は百五十七名でございます。 また、在職一年以上三年未満で退職した数というのは、平成十三年度が二百八十八名、十四年度は三百五十二名、十五年度が四百十七名となっております。
○小池晃君 勤続一年未満、三年未満で増加していますけれども、その原因はどうでしょうか。
○政府参考人(泉紳一郎君) 国立大学附属病院におきます看護師の在職一年未満あるいは三年未満の退職者の退職の理由等につきまして、全国的に網羅的に調査を行っているわけではございませんので、増加の要因については必ずしもつまびらかではないわけですけれども、幾つかの大学病院に対しましてこの在職三年未満の退職者の退職の事由を照会してみたところでございますけれども、それによりますと、例えば、知識や技術が未熟などであることから命を預かるという業務の重さ、あるいは現場の業務量に対してなかなか自信を持って当たることが難しいといったようなこと、あるいは重症の患者さんのケアやリスク管理等に伴って大変緊張した業務が長時間続いて精神的な負担が大きい、それから現場、職場での人間関係の困難さがあった、あるいは勤務条件、待遇等についてより条件の良い勤務先の病院が見付かったといったようなことが原因であるというふうに聞いているところでございます。
○小池晃君 日本病院会など病院関係四団体の調査でも、四九・七%の病院が看護師不足を訴えている。六八・六%の病院が採用困難だというふうにしていますが、医政局長にお伺いしますが、今需給見直しの作業をやられているわけですが、やはりその必要数、養成数を大幅にこれは見直していくという必要があるんじゃないでしょうか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) マクロで見て、私ども平成十七年に需要と供給が均等する、均衡するという見通しを立てておりますが、十八年以降の需給見通しということでは現在検討会で検討しております。 確かに、医療現場においては、在院日数の短縮化などを背景に看護師の不足感が強まっているという指摘もございますので、今後、少なくとも、もう少しミクロに見ようということで各都道府県ごとに需給見通しの策定を行っていただいて、その結果を積み上げていく、本年末にはこの全国の需給見通しは策定したいと考えております。
○小池晃君 ある看護雑誌に大学病院の看護部長さんが座談会をやっておりまして、ちょっと大臣にこれを紹介したいんですが、こんな議論になっているんです。 新卒者ケアできる余裕が現場の中になくなっている。せっかく勉強して免許取った人が一年もたないと。私立大学の看護部長会というのが二、三か月に一回あるんだけれども、そこの最初のあいさつが、おたく何人辞めたというあいさつだと。そういう実態なんだと。同時多発テロが起こっているなんという議論もありまして、これは何を言っているかというと、在院日数短縮の圧力とそれから電子カルテなどのIT化、それから医療事故対策のリスクマネジメント、これが現代医療現場における同時多発テロだと、そんな議論があって、こういう状況をこのまま放置していたらいけませんと。やっぱり矛盾は今噴出しているところかなと思うんだけれども、でもその噴出する矛盾が社会に知られていない、どうしたらいいでしょうかと、こういう議論が大学病院の看護部長さんの間でされております。 在院日数十日ちょっとでどんどんどんどん患者が入れ替わるわけですから、夜勤やって次の夜勤になるともうほとんどの患者が入れ替わっていて、大半は知らない人で、もう看護の喜び感じられないなんていう声も私聞くんです。例えば看護学校の退学者の割合というのも、ここ十年で三、四%台だったのが一〇%以上に急増しているんですね。やっぱり現場の忙しさ見て、とてもこれは私にはできないということで、一割の学生が在学中に辞めてしまうと。 やはり看護師というのは、私、医療の根幹支える職種だと思うんですが、今こういう事態が起こってきているというのは、私、放置できないんではないかと思いますが、大臣、今の話聞いてちょっと御感想なり、お聞かせ願えればと思うんですが。
○国務大臣(尾辻秀久君) 在院日数を短くするということでの関連してのお話でありましたけれども、私が理解いたしておりますところでは、日本の日数というのはまだ外国との比較において長いわけでありますから、そうするともっと短い外国では一体今のお話がどういうことになるのかなと、もし今のお話をそのまま言うともっと離職する人の割合が大きくなるのかなと、そんなことでもないんじゃないかと思いながら今のお話を、最後の部分はお聞きをいたしました。 ただ、まあ、新たに看護職に就いた人ができるだけ働き続けられるということは大切なことだと、これはまた当然思うわけでございまして、新人看護職員の受入れ環境を整備していく、このことはまた同時に必要なことだというふうに考えます。
○小池晃君 外国のお話出ましたけれども、百床当たりの看護職員の数、全然違うわけですよ。イギリスは日本の三倍です、アメリカは日本の六倍看護職員がいるわけです。だから、短いけれどもそれだけの人手があるわけですね。日本は少ないところに、今急激にそういうプレッシャー掛かってきているという問題がある。 日本看護協会の実態調査では、こんな調査もあるんですね。半数以上の新人看護師が入職二か月後までに夜勤に入るんだそうです。しかし、七割以上の人が、基本技術百三項目のうち六十八項目一人でできないというふうに答えております。本当に、先ほど大学病院の話ありましたけれども、技術付いていけないと、本当に率直なそういう悩みがある。 私は、この間御努力いただいて、医師の卒後研修制度というのは一定、体制がつくられてきたというふうに考えるんですが、学校での教育の見直しも必要なんですけれども、やはり看護師についても、医療現場できちっと新卒看護師の教育担当者を置くとか、あるいは卒後研修制度化するとか、もちろん抜本的な人員増を図るということをやりつつ、そういう手だてを考えていくべき時期に来ているのではないかと考えるんですが、大臣、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほど冒頭でお述べになりました日本看護協会が行いました調査の中にも、新卒看護職員の職場定着を困難にしておる要因という調査がありまして、まず一番目に出てくるのが基礎教育終了時点の能力と看護現場で求める能力とのギャップというものがございます。 こうしたことなどを踏まえますと、やはり新人看護職員の臨床実践能力の確保は、看護の質でありますとか医療安全の確保上も重要な課題でございます。そのためには、看護の基礎教育と卒後の臨床研修、両方の充実が必要であると考えます。看護教育の面では、技術教育の標準化でありますとか実習環境の整備に取り組んできたところでございまして、本年度はカリキュラムの見直しに取り組むこととしておりまして、医療安全などの今日的な課題に対応する内容としてまいりたいと考えておるところでございます。 新人看護職員の臨床研修につきましては、平成十六年に標準の研修到達目標と指導指針を策定しておりまして、その中で教育担当者の配置など、研修体制の充実を図ることとしておりまして、現在、その普及に取り組んでおるところでございます。 さらに、新人看護職員の研修の在り方につきましては、現在行っている医療提供体制の在り方の議論の中でもまた検討しておるところでございます。
○小池晃君 目標とか指針を示されても、財政的な裏付け、診療報酬上の裏付け、やはりそういうものがなければこれは絵にかいたもちになるわけでありまして、むしろ矛盾はますます深まるわけですから、そこのところを本当に真剣に考えていく時期なんだということを問題提起をさせていただきたい、是非検討してほしいと思います。 それから、歯科診療についてちょっと簡単にお答えいただきたいんですが、在宅歯科診療の現場でポータブルレントゲン撮影を行われることありますが、これは医療上必要であれば保険請求できるということでよろしいですね。
○政府参考人(水田邦雄君) 歯科のエックス線撮影に係る診療報酬についてでございますけれども、外来診療、訪問診療にかかわらず算定できる取扱いとしているところでございます。 したがいまして、歯科訪問診療におきまして、診療上必要があって歯科用ポータブルエックス線撮影装置を用いて撮影を行った場合には、所定の歯科診療報酬を算定することが可能でございます。
○小池晃君 障害者加算を算定している患者でも、その条件が、もちろん条件があればですけれども、歯周疾患指導管理料、これは算定できますね。このことも確認をさせていただきたい。
○政府参考人(水田邦雄君) 歯科診療におきます障害者加算につきましては、条件が幾つかございます。 脳性麻痺等で身体の不随意運動や緊張が強く、体幹の安定が得られない状態でありますとか、知的発達障害により開口保持ができない状態や、治療の目的が理解できず治療に協力が得られない状態等にある患者に対しまして歯科診療を行った場合に算定できるものでございます。したがいまして、障害者認定を受けているということだけではなくて、こういった正に状態にあるということが必要なわけでございます。 一方、歯周疾患指導管理料でございますけれども、歯周疾患に罹患している患者に対しまして、診療方針を明確にした上でプラークコントロール、栄養等に係る療養上必要な指導を行った場合に歯科診療報酬で算定が可能でございまして、この指導管理料を適切に運用するために、算定要件に係る通知におきましては、歯周疾患に罹患している患者に対し診療方針が明確でない場合、それから実際に当該疾病の療養上の指導が行われていない場合、実態的に当該疾病に対する治療が当該保険医療機関では行われていない場合においては算定できない取扱いを明確にしているところでございます。 したがいまして、一般に歯科診療におきまして障害者加算の算定が可能な患者さんにつきましては歯周疾患指導管理を同時に行うことは困難であると考えられますが、この歯周疾患指導管理が適切に行われた場合であれば、所定の歯科診療報酬を算定することが可能でございます。
○小池晃君 何でこんなことを聞いたかというと、これは神奈川県で指導医療官がいずれもこれ算定できないという一律のルールを指導しているんですね。 お尋ねしたいんですが、診療報酬にないような新たなルールを県の独自ルールとして保険医の皆さんに押し付けるということは、これはあっていいんでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) 歯科診療報酬の算定要件等につきましては、診療報酬に係る告示、通知等で規定されているところでございまして、その解釈は全国統一で行われているところでございます。 ただ、このような全国統一ルールの下に、個別具体的な事案への適用に当たりましては、その趣旨等を踏まえて適切な判断がなされているものと考えてございます。
○小池晃君 いや、ルールにないものを別のルールとして示すと。個別の解釈についてはありますよ、しかしこれは一律に駄目ですと、そういうのはいけないんじゃないですか。
○政府参考人(水田邦雄君) あくまでもルールとしては全国統一でございまして、それを具体的な事案への適用に当たりましては、個別にそれはその趣旨等を踏まえて判断がなされるべきものであると考えております。
○小池晃君 神奈川県保険医協会の調査では、支払基金の審査内容について問題があると答えた開業歯科医が八八・三%なんです。保険診療を進める上で現場のドクターの大半が問題があるというふうに言っているようなことでは、私、本当に信頼関係ないのはゆゆしき事態だというふうに思いますので、こういったことがないようにきちっと指導なりチェックをしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。 続けて、混合診療解禁の動きについて関連して聞きたいんですが、制限回数を超える医療行為について、二十二日の中医協で、患者の選択という観点よりも、医療上の必要性から制限回数を超える医療行為が実施されると考えられる項目、これを保険外負担を患者に求める対象として挙げておりまして、実例としては、血漿交換療法など六十項目あるんですね。これは、医療上の必要性があるのであれば、これは保険適用するということが本来の筋ではないんですか。
○政府参考人(水田邦雄君) 制限回数でございますけれども、これ自体は、医学的な知見に基づいて必要とされる標準的な回数を診療報酬で賄うと、こういう観点から設定されているものでございます。今般、制限回数を超える医療行為につきまして、患者の要望に的確にこたえるという観点から、適切なルールの下に併用を認めるとしたものでございまして、正にその条件等について検討を行っているところでございます。 なお、厚生労働大臣と規制改革担当大臣の合意におきまして、医学的な根拠が明確なものについては保険導入を検討するとされているところでございまして、医療技術評価分科会における検討におきましてそのような評価がなされたものにつきましては保険導入の可否を検討すると、こういう手順になろうかと思います。
○小池晃君 医療上の必要性がありながら、保険外負担に取るというのは、私、根本的に間違いですよ、これ。血漿交換療法をやる事態というのは本当に救命治療で、やはりこれをやらなければ助かるか助からないかと医師が判断してやっているわけですから、こういったものはやはりきちっと保険で対象にしていくということをすべきだと、当然のことだと。 それから、未承認薬の治験の問題を聞きたいんですが、これ、今回、医師主導の治験で患者に対して薬剤料負担を求めるというふうになっているわけです。これ、私、本来薬剤料の負担というのは患者に求めるべきものではないはずだと思うんですが、通知の中では、この料金について、特別な料金については社会的に見て妥当適切な範囲の額とするということを示しております。しかし、その社会的に見て妥当というのは一体だれが判断するのか、高いという場合は変更させることができるのか、この辺が非常にあいまいだと。ここは一体どうなっているんですか。
○政府参考人(水田邦雄君) 治験の費用、治験におきます医薬品の費用の問題でございますけれども、メーカー主導の治験と異なりまして、医師主導の治験におきましては、これまでも患者等に、患者にその費用負担を求めることは禁止されていなかったわけでありますけれども、今回そのことを明確化するということをいたしますとともに、その料金が、徴収する料金が不当に高くならないように二つのことを手を打とうというふうに考えてございます。 一つは、患者から薬剤料等の特別の料金を徴収するに当たりましては、患者に対し当該徴収額を文書で提示すること。もう一つは、特別の料金の内容を定めたり変更しようとする場合には、当該薬物の購入額、外国における価格などを示す資料の添付を求めつつ、治療実施医療機関から社会保険事務局長にその都度報告させることとしたものでございます。 今後、医師主導の治験の推進に当たって、不当な患者負担が生じないように適切な運用を図っていきたいと考えてございます。
○小池晃君 いや、だから、その不当に高くしないようにするというそういう通知出したんですけれども、保証はないじゃないですかと。 私、この治験の薬剤料というのはメーカー負担当然であって、これまでもメーカーは無償提供でやってきているし、どうしても採算ベース乗らないんだったら国が支援するということをするべきだと。患者に負担求めるということを根本から考え直すべきだというふうに思いますということを申し上げておきたいと思います。 最後、この間何度も取り上げてきた抗がん剤イレッサの問題についてお聞きしますが、副作用の現時点での最新の状況を示していただきたいと思います。
○政府参考人(阿曽沼慎司君) お答えを申し上げます。 平成十七年の一月二十日の第一回のゲフィチニブ検討会で公表いたしましたけれども、販売開始しました平成十四年の七月十五日から平成十六年の十二月二十八日までに報告されたイレッサの急性肺障害、間質性肺炎等に関する副作用報告数でございますが、千四百七十三例でございまして、うち死亡症例は五百八十八例でございます。直近の数字で申し上げますと、これはまだラフな数字でございますけれども、平成十七年四月二十二日までに新たに報告された副作用症例を加えた粗い推計でございますが、イレッサの急性肺障害、間質性肺炎に関する副作用報告数でございますが、千五百五十五例でございまして、死亡例数は六百七例ということでございます。
○小池晃君 今、亡くなった方は六百人を超えたと。 私は、本当にけしからぬと思いますのは、アストラゼネカは、今年一月の検討会まで推定使用患者数八万六千八百人と言っていたのを、三月二十四日になって急に間違っていましたと、実は四万二千人でしたと、もう半分なんですよ。これだけたくさん副作用の被害出して、社会的にも問題になっている薬の使用実態を本当に把握してなかった。厚労省もこの企業の言いなりにその数字を国会での答弁でも使っていたし、検討会にも報告してきた。私ね、これ、責任重大だと思うし、徹底的にこれ洗い直すべきではないかと思うんですが、その点いかがですか。
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 推定の累積使用患者数でございますけれども、これは、企業が各月の販売金額を基に一定の仮定を置きまして使用患者数を推計しているということでございます。したがいまして、厚生省への報告義務というものは特にございません。企業の方で判断をして、そういう推計をしているということでございます。 したがいまして、今回の患者数の修正について、私どもとしては企業側がもう少しきちんとすべきだとは思っておりますけれども、厚生省に責任問題が発生するというふうには考えておりません。 ただ、急性肺障害、間質性肺炎のリスク等、このイレッサについては副作用情報があるわけでございますから、従来から添付文書の改訂など必要な安全対策を企業に対して指導してまいりました。したがいまして、私ども、この安全対策を引き続き実施をしたいというふうに思っております。
○小池晃君 いや、これね、半分、八万七千人が四万二千人ですからね、誤差の範囲の話じゃないんですよ。 それで、患者数の把握については、検討会後一か月たっていますけれども、どうなっていますか。
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 今の患者数の修正の問題でございますけれども、一月二十日のゲフィチニブの検討会の後に、私ども厚生労働省の方から企業にもう一回推計方法を確認してほしいということでいたしました。そういたしましたら、企業の方で幾つか修正がございまして、その結果が、今お話しのようなことが三月二十四日に報告をされました。 三月二十四日の検討会におきましては、御指摘がございましたように、企業は患者情報の把握に一層努めるということでございまして、私ども厚生労働省といたしましても、企業に対して患者情報の把握を指導いたしました。その進捗状況を確認するということにいたしております。 現在までのところ、アストラゼネカ社におきましては、いわゆるMRによる患者数の調査方法、あるいは病院を選定して推計に用います平均投与期間の調査等を行っているというふうに承知をいたしております。
○小池晃君 まだその使用者数も把握できてないと。 これね、検討会の中でもやはり全例調査、すべての使用患者を登録して追跡調査行うべきだって意見出ました。これ、世界で初めての承認だし、作用機序が不明の薬だと言われているし、どういう人に効くのかということを克明に科学的に判断する上でも、私、これ全例調査するというのが必要な薬だということを以前から主張もしておりましたし、当然大事だというふうに思っているんです。 検討会では専門家からそういう声が出た。ところが、出席していた厚労省の幹部が検討会の最後になって全例調査に消極的な意見を述べたというふうに聞いております。結論としては、患者情報の把握に努めると。ところが、こうした発言をした人たちがどういう人たちかというと、発言した医薬担当の審議官、この人はイレッサ承認のときの安全対策課長ですよ。それから、もう一人の現在の安全対策課長というのはイレッサ承認時の審査第一部長なんですよ。だから、その承認したときの責任者が今安全対策の責任者に座っていて、そのこと自体、私、本当に問題だというふうに思う。その人が審査会の最後に発言をして全例調査やる必要ないという結論に持っていく。 私ね、こういうやり方したらば、これは被害者の皆さんからも国民から見ても、これは一体何の議論しているんだと不信を呼ぶのは当然ではないかというふうに思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 三月二十四日の検討会でございますけれども、一部の委員から全例調査はどうかという提案といいますか、お問い掛けがありましたことは事実でございますが、全体の委員の中で議論をした結果、最終的には検討会の取りまとめといたしまして、先ほど申し上げましたように、企業は患者情報の一層の把握に努めるべきだという結果になったわけでございます。 それから、全例調査について申し上げますと、そもそも全例調査といいますのは、国内で治験症例がない場合とか、非常に少ない場合、あるいは重篤な副作用が高頻度で発現している場合において、承認後の副作用の発現等を把握するということで、適切な市販後の安全対策を講じていくために、承認時の条件として必要最小限度の範囲で製薬企業に義務付けるということでございます。 したがいまして、イレッサにつきましては、販売から既に二年経過しておりまして、必要な安全対策も講じているということでございますので、私どもとしては、全例調査を義務付ける必要はないものというふうに考えております。
○小池晃君 いや、承認時に全例調査はすべきだったと私は思うんです。で、それしなかったと。それしなかったときの当事者が今検討会で厚労省の責任者として座っている。 大臣、この一点だけ取っても、私は、これ疑念招くんじゃないですか、こういう人を配置しておくということは。だって、審査、承認した人たちが今その副作用が出たその安全対策の検討会に出て、そこで座っているというのは、これはどう考えたっておかしいじゃないですか。大臣、おかしいと思いませんか、こういうやり方。
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 厚生省内の人事異動でたまたまその審査に担当しておった時期の……
○小池晃君 たまたまって、そんな。
○政府参考人(阿曽沼慎司君) 担当の審査センターにおった部長が二年後に安全対策の課長になったということでございまして、別にそれによって安全対策に問題が出るとかということはないというふうに考えております。
○小池晃君 全く納得できません。 終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 今日、山本理事が在外被爆者の支援の現状について質問をされました。私も、是非これはもう一歩進めていただくよう一言また改めてお願いをいたします。 先日、韓国の人たちと話をしていましたら、やっぱりこれ、シンボリックな意味でやっぱりこれは注目をされているというふうに私は思っています。是非、尾辻さんが大臣になられて、やはり政治的決断で進んでいることが幾つもあります。この間申し上げた残留孤児の問題もそうですし、この在外被爆者の問題も以前と比べて明らかに一歩前進をしつつあります。 これについて、先ほどの答弁でも一つずつということの答弁でしたけれど、改めて決意をお聞かせください。
○国務大臣(尾辻秀久君) これはもう先ほど山本委員にお答えしたとおりでございまして、在外被爆者の皆さんが大変高齢になっておられる。こうしたことなどを考えますと、とにかく前向きに考えなきゃいけないというふうに思っておりまして、まあ一遍にというわけにもなかなか難しいとこもありますから、私が申し上げたのは一つずつでも解決をしていきたいと、こういうふうに申し上げたわけでありまして、その決意は変わりません。 それで、今韓国の話が出ましたが、ただ、在外被爆者の皆さん、世界じゅうにおられますから、韓国だけというわけにはやはりいかない。解決するんなら、韓国だけでなくて世界じゅうの在外被爆者の皆さんが公平にまたやれるように方法は考えなきゃいかぬというふうに考えております。
○福島みずほ君 そのとおりです。 そして、今アジアの中で日本は関係が冷え切っているところもありますが、是非、やはり誠意を示すとか、前進を示すということが、大きく、もちろん人権の問題ですから関係改善のためにやるわけではありませんけれども、是非、節目の年に大きくもっと前進するように心からお願いを申し上げます。 次に、二度目、またお願いなんですが、学生無年金障害者訴訟について、お手紙を全国学生無年金障害者訴訟の方たちからいただきました。 五月六日の控訴期限までまだ予断を許さない状況ですが、全国で行われている裁判の中で福岡勝訴判決は、初めて精神障害者の方に対する判決で障害者及び家族の生活実態を直視し、病気の症状に適した判断であったと思います、国側にこれ以上裁判を長引かせないよう、全国の支援者とともに活動していますので、今後とも御理解と御協力をよろしくお願い申し上げますとあります。 大臣、また二度目で済みませんが、いかがでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) それは、先日来お答え申し上げているとおりでございまして、判決を重く受け止めております。 その上でどうするかということでございますが、これは協議すべき関係省庁ございますので、協議をして私どもの結論を出したいと考えております。
○福島みずほ君 大臣の重く受け止めるという言葉を重く受け止めておりますので、よろしくお願いいたします。 次に、兵庫県で起きた列車の事故についてお聞きをいたします。 私は、実は事故の起きた十日前にこの列車に乗っておりまして、知り合い、親類も多いもので、とても本当に人ごととは思えないというふうに思います。本当に、朝、元気に出ていった人が遺体となって帰ってこられた方たちも多く、本当にその心労と、それからまた今いろいろ病院で闘っていらっしゃる皆さんも含めて、本当に家族の皆さんにも心からお見舞いを申し上げたいと思います。 それで、この事故につきまして、いろんな方からメールや手紙や、あるいは現場で働く人たちから多くの声が寄せられております。 例えば、これはメールなんですが、私鉄との競争に勝つためスピードアップさせ、新快速は時速百二十キロ、駅の通過でもスピードダウンせず百キロ以上でぶっ飛ばす、そのため眼精疲労が激しい、電車の遅延は処分、スピードアップのため軽量の車両にチェンジ、過密なダイヤ、ホーム要員の削減、廃止、いつか大事故につながるのではと心配していました。あるいは、現場での労働実態、運転士さん、保線区、車掌さんからもいろんな声が、ヒアリングの結果、たくさんたくさん寄せられております。 それで、労働実態についてお聞きをいたします。航空・鉄道事故調査委員会のここ数年の重大事故インシデント報告書を読みますと、要員不足及び教育、連絡などの不備が指摘されておりますが、そういう理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(福本秀爾君) お答えいたします。 先生の御質問は、西日本旅客鉄道株式会社につきまして、過去、当委員会で公表いたしました調査報告書におきまして、要員不足あるいは教育、連絡等の不備を指摘したことがあるかという御質問かと存じます。 当委員会が鉄道事故等を取り扱うことになりました平成十三年十月一日以降、当該西日本旅客鉄道株式会社につきましては五件の事故等調査報告書が公表されてございます。 このうち、平成十四年十一月六日に発生いたしました東海道線塚本駅構内での鉄道人身障害事故に関しまして、当委員会では調査報告書を平成十五年九月十二日に国土交通大臣に提出いたしますとともに公表いたしましたところでございますが、その際、所見におきまして、同種の事故の再発防止を図るという上で、緊急時における情報伝達の確実化について実践的な教育訓練を充実させることが有効であるという指摘をしたところでございます。 なお、同報告書では、当該西日本旅客鉄道株式会社におかれましては、当該事故後、同種の事故の再発防止のための教育訓練あるいは関係機関との連携強化のための訓練を実施したと記述されてございます。 以上でございます。
○福島みずほ君 JR西日本会社は、四月初めに、列車の遅れはお客様の信頼を裏切ると社員に文書で配付した、こういう事実はあるのでしょうか。
○政府参考人(杉山篤史君) お答えいたします。 JR西日本では、本年三月でございますが、平成二十年度までの新たな中期経営目標というものを策定いたしまして、この経営目標を達成するために、社員が日々の業務において取り組むべき点などを示しました社内目標の冊子を社員に配付したという具合に聞いております。 この冊子の中の記述でございますが、抜粋でございますが少し読まさせていただきますと、列車の遅れは信頼を裏切るものです、特に車両や設備故障等を原因とした遅れはお客様の御理解を得ることはできません、そこで、過去に発生した故障等の原因を踏まえて故障予防の徹底を行うなど、社員の皆さんにあっては輸送品質の管理に努めていかなければなりませんとの記述がなされていると聞いております。
○福島みずほ君 JR西日本大阪支社が、事故前の二週間、JR尼崎発着の全列車について一秒単位で遅延状況を把握する調査を実施した、そういう事実はありますか。
○政府参考人(杉山篤史君) お尋ねの調査の件でございますが、JR西日本におきましては、定時運転確保の取組の一環といたしまして、四月四日から四月十四日までの平日でございますが、朝の通勤時間帯の列車につきまして区間を指定いたしまして十一本、うち福知山線関係は五本でございますが、これにつきまして乗務員による各駅の遅延時分の秒単位の調査を行ったという具合に聞いております。
○福島みずほ君 秒単位の調査というのがプレッシャーになったのではないかというふうにも思いますが、一分、二分の遅れで乗務停止となる、あるいは処分をされるというふうにも報道されておりますが、その点について、JR西日本会社の処分について教えてください。
○政府参考人(杉山篤史君) 遅延の場合の処分のお尋ねでございますが、例えばオーバーランなど人為的なミスが加わりまして遅れたというような場合につきましては処分の対象になり得るという具合に聞いておりますが、単に遅れのみの理由で乗務停止などの処分をしたということはないと聞いております。
○福島みずほ君 オーバーランをするとそれは処分になるのか、あるいはオーバーラン一回で乗務停止になるのか、例えば運転士さんが。その辺はいかがなんでしょうか。
○政府参考人(杉山篤史君) 現時点では、そこの個々の細かいケースまでは申し訳ございませんが把握しておりませんが、今申し上げましたように、単に遅れたということのみでは乗務停止をするということではございませんで、その遅れに何らかの人為的なミスが加わって、それによって遅れを生じたという場合にはやっぱり処分の対象になっているという具合に聞いております。
○福島みずほ君 そうしますと、運転士さんの責任において遅延が一分でも、さっきでは一秒ですけれども、生ずればそれは処分の対象になる、そういうことでよろしいでしょうか。
○政府参考人(杉山篤史君) そこの程度の問題につきましてはまだ私ども、例えば一秒でも遅れたら駄目なのかということにつきましてはまだちょっと聞いておりませんが、恐らくそこは程度の中で、いろんなケースによって、そのケースごとに適切な処分がなされているのではないかと思っております。
○福島みずほ君 処分として行われている再教育の中身について教えてください。
○政府参考人(杉山篤史君) まず、処分として行われる再教育というお尋ねがございましたが、トラブルを起こしまして再教育が必要だと判断された場合につきましては再乗務に向けまして教育を行っております。しかし、これはあくまで教育の一環でございまして、社内の処分ではないという具合に聞いております。 で、その具体的な教育の内容でございますが、これはトラブルの内容や本人の過去のトラブル歴を総合的に勘案しながら、トラブルを起こしました乗務員の動揺を収めること、本人の弱点を補うことを目的として現場長が責任を持って必要な教育を実施しているという具合に聞いております。
○福島みずほ君 日勤と戒告処分というのを見てみますと、就業規則の筆記、花壇の草引き、花壇の草引きが続きという、庁舎周りの草引きとかいうのが続くんですね。 処分として、就業規則の書き写しやこういう草むしりなどが入っているんでしょうか。
○政府参考人(杉山篤史君) 申し訳ございませんが、具体的なその処分の内容までは現時点ではちょっと把握しておりません。
○福島みずほ君 こちらの方で資料でいただいているのは、例えば十四日間再教育を受けると。その中で、就業規則を書き写す、あるいは花壇の草むしりと庁舎周りの草むしりなどが続いているという、そういう再教育でありまして、これは再教育というよりも一つの、ちょっと言葉は悪いですが、いじめかあるいは見せしめ、罰則みたいな形に現場ではどうも受け止められている面もあるというふうに思っております。 一九八七年にJR発足以降、社員数が五万千五百三十八人から二〇〇四年四月一日現在で三万二千九百四十人と、一万八千六百人以上減っております。社員一人当たり稼いだ利益は、八七年で千百九十九万円だったのが、二〇〇三年では二千四百四十一万円と、生産性は向上しておりますが、非常に非正規の契約社員が増えていたり、現場ではとても厳しい労働条件で、特に運行優先でなされていると。一秒の遅延も調査をする、遅延が本人の責任があると見られる遅延であればそれが処分の対象になるということが、現場ではやっぱり物すごくプレッシャーになっているということが現場から寄せられております。郵政民営化も今、国会では議論中ですが、民営化にひた走った結果、むしろ利益優先、競争原理の強化、利潤追求が、安全性をどこか置き去りにされた面もないかということがきちっと検証されるべきだと考えます。 イギリスにおけるサッチャー政権下で列車が民営化された後、大きな列車事故が起き、イギリスにおいてもむしろ公共サービスの安全という観点からもう一回元に戻そうという動きが出ております。 公共輸送はとにかく安全第一で、物すごい数の人を毎日運んでいるわけですから、個人的な問題、個人的に何か問題があったということではなく、是非、背景事情も含めてきちっと取り組んでいただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(杉山篤史君) 今お話がございましたように、公共輸送機関にとりましては安全は運輸サービスの基本でございまして、安全性の確保が利用者に対する最大のサービスであるという認識の下、安全対策に全力を挙げて私ども取り組んでまいった次第でございますが、今回のような多数の死傷者が出ましたことは誠に遺憾でございます。 事故原因の究明等につきましては今、航空・鉄道事故調査委員会が全力を挙げて行っているところでございますが、私どもも、今も御指摘もございましたように、安全性を追求するという意味で、事故原因の究明と並行いたしまして公共交通機関にかかわる安全対策の徹底を図るという観点から、事故当日、二十五日でございますが、早速、公共交通事業者に対しまして安全対策の徹底を強く要請する文書を発出したところでございます。これに基づいて、交通機関への安全を確保する取組を徹底してまいりたいと思っている次第でございます。
○福島みずほ君 JR西日本は、運転業務を除く駅関係業務の一部に一年以内の有期契約の契約社員制度を導入し、この一年ほどで三百名以上採用しました。しかし、有数の大企業であるJR西日本の労働環境と低レベルの労働条件や労務管理に対して、こんなはずではなかったと途中で辞めてしまう労働者が数多く発生したと言われています。一年を過ぎても更新を自ら希望しない労働者も多い。西日本会社は今後、駅関係以外にも契約社員を導入し、約三千名の体制をつくろうとしていると。 厚生労働大臣、ここは厚生労働委員会ですので、先ほどの一秒の遅延についても例えば調査をする、あるいはこのような労働実態について、まだこれからもっと調査をすべきですが、感想をお願いします。
○国務大臣(尾辻秀久君) 一義的には国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会において原因究明がなされるものでございますけれども、厚生労働省といたしましても、事故発生当日、直ちに所轄の兵庫労働局及び尼崎労働基準監督署において職員を現地に派遣をいたしております。そして、労働安全衛生等の観点から事故対策本部を設置いたしまして、被災状況等の把握に努めておるところでございます。 今後、事業場の安全衛生管理体制や列車の運転士についての健康管理などに問題がなかったか等を調査いたしますとともに、その結果は踏まえまして必要な対策を行ってまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 今後、再発防止というためには、やっぱり本当の意味での背景事情も含めてきちっとした、ある意味、反省、総括が、あるいは点検、改革が必要だというふうに考えております。民営化という名の下に安全を犠牲にし、効率化が図られ過ぎたのではないか、問題ではないかという点を社民党としては提起をしていきたいというふうに思います。 次に、人身取引対策行動計画の実施と運用についてお聞きをいたします。 婦人相談所の心理カウンセリングについて、これはどういうふうになっているのでしょうか。通訳はどうするのか、多言語対応の心理療法担当職員の育成はしているのか、それについて教えてください。
○国務大臣(尾辻秀久君) 人身取引被害者に対しますカウンセリングでございますが、これを行う際には、恐怖感、不安感等を取り除くために多様な言語にも対応する体制が必要であると認識をいたしております。このために、婦人相談所の運営費に外国人の一時保護に必要な経費として通訳の雇い上げ費が計上されておりまして、必要に応じて雇うことにいたしております。それが可能になっておるところでございます。 また、婦人相談所に配置されております心理担当職員等が被害者に対して必要に応じてカウンセリング、心理面接等による援助を行うこととしておりまして、こうした心理担当職員と通訳との共同作業により被害者に対するカウンセリング効果を実施しておりますし、またそうしていきたいと考えておるところでございます。
○福島みずほ君 国会では刑法の改正法案と風営法の改正法案が議論されているわけですが、警察の保護について、警察で保護ができるかどうか、これはいかがでしょうか。
○政府参考人(伊藤哲朗君) 人身取引事案は被害者の心身に著しい苦痛をもたらす人権侵害行為でございまして、被害者の保護は重要であるというふうに考えております。 人身取引被害者が交番に駆け込んできて保護を求めるというケースが考えられるわけでございますけれども、そうした交番等に保護を求めた被害者につきましては、大使館などと連絡を取りつつ、特段の支障のない限り婦人相談所等において保護がなされるよう都道府県警察に対して指示をしているところでございます。昨年も、交番等に駆け込みました人身取引の被害者十四名につきましてはすべてこういったところで保護したところでございます。
○福島みずほ君 言葉の問題や様々生活条件の問題、あるいはこの人が外国人として来たときに人身売買の被害者であるということでの保護などについて是非また警察の方で取組をお願いいたします。 今日は内閣府にも来ていただきました。DV防止法はかなり横断的に各関係省庁が頑張り、できるということの体制をつくったわけですが、内閣府の取組について教えてください。
○政府参考人(名取はにわ君) お答えいたします。 人身取引対策行動計画においては、女性に対する暴力をなくす観点から人身取引根絶に向けた広報活動を行うこととされており、内閣府男女共同参画局におきましては、同計画に基づき女性に対する暴力をなくすため広報啓発を推進しているところでございます。 具体的には、本年三月には、内閣官房や関係省庁との連携の下、人身取引は重大な人権侵害であることを記載したポスター約三万枚を作成し、関係省庁や都道府県等に配付したところでございます。男女共同参画局におきましては、引き続き広報啓発に努めてまいりたいと思っております。
○福島みずほ君 広報啓発以外に是非取組をよろしくお願いします。 内閣官房に、是非内閣官房あるいは内閣府が責任を持って、もちろん、法務省、警察、厚生労働省は頑張るんですが、是非、内閣官房が責任を持って、ある意味、司令塔ではないですけれども、取りまとめ役として頑張ってほしいというふうに思いますが、覚悟のほどをお聞かせください。
○政府参考人(鈴木基久君) 人身取引は重大な人権侵害、国際的な組織犯罪の一形態でもございまして、先生御指摘のとおり、政府を挙げて対策を講じる必要があると考えております。 そうしたことから、政府といたしましては、昨年四月に人身取引対策に関する関係省庁会議を設置いたしまして、十二月に人身取引の防止、撲滅、被害者の保護を柱とする総合的、包括的な人身取引対策行動計画を策定し、関係省庁が連携して人身取引対策を推進しているところでございます。 今後とも、引き続き関係省庁連絡会議の枠組みにおいて、政府を挙げて、NGOの皆様とも緊密に連携を図りつつ、必要な調整、情報の共有を図りつつ、政府を挙げて適切な対策を講じてまいるように努めてまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 今日来ていただきました各関係諸省庁におきましては、是非この問題に取り組んでくださると同時に、法務省にちょっと質問ができなくて申し訳ありませんでした。頑張ってくださると同時に、是非、できれば被害者救援やいろんな形の議員立法などができないかと思っておりますが、是非これからも取組をよろしくお願いいたします。 以上です。
○委員長(岸宏一君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時五十二分散会