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162回国会参議院2005/04/19

厚生労働委員会 第15号

発言数
298
登壇者
22
会派数
5
開催日
2005/04/19

会議録

岸宏一自由民主党

○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、社会保険庁運営部長青柳親房君外八名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸宏一自由民主党

○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

岸宏一自由民主党

○委員長(岸宏一君) 次に、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

中島眞人自由民主党

○中島眞人君 自由民主党の中島眞人でございます。  本日は、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案について質問をさせていただきます。  既に我が党の武見先生を始め各党の同僚議員からきめの細かい質問がなされておりますので、と同時に、過日は七名の参考人から意見を聴取したわけでありますけれども、大臣、思い切ってよくぞこの法案を踏み切ったと。一年延ばし、二年延ばしになっていくと、これまた難しい問題を抱えているのに、よくぞこういう法案を提出してきたと、そういう御努力にまず敬意を表したいと思います。  まず、四月十二日に我が党の武見委員から質問がございました。今回の出資対象施設約三百余ありますが、そのうちの、この保険料、どのくらいの投資、投資といいますか、出資がなされておるのか。簿価では八千九百億円くらいになっているけれども、その時点で三百余施設の投資資金は幾らくらいであったのかと。まずこのことについてお聞きをいたしたいと思います。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) ただいま今回の出資対象施設についてのお尋ねがございました。  これまで投入いたしました保険料につきまして、平成十五年度までの決算を基に推計をさせていただきますと、施設整備費及び土地の取得費を合わせまして、年金の福祉施設に関しては約一兆二千六百億円、政府管掌健康保険の保険福祉施設につきましては約一千四百億円でございますので、合わせますと総計約一兆四千億円になろうかと存じます。

中島眞人自由民主党

○中島眞人君 一兆四千億のお金が投じられて、現在の簿価が八千九百億円。  そこで、同僚からも質問がございましたけれども、今回の五年間で売却するに当たって、大体二七・五%くらいが売却収入、約二千四百億円くらいが見込まれるのではないかということですが、これ間違いございませんか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 売却収入につきましては、一つは、すべての施設を解体せずに売却をするという仮定を置かさせていただいております。  そういたしますと、今お尋ねの中にもございましたが、年金福祉施設等の簿価八千九百億円でございますが、これに、直近の私どもの類似施設の売却実績、これ平均いたしますと、簿価に対してその時価が二七・五%ぐらいになりましたので、これを機械的に乗じまして試算をさせていただいた金額は、ただいまお尋ねにもございました二千四百億円程度になろうかと存じます。

中島眞人自由民主党

○中島眞人君 大体こういうのは絵にかいたもちでございまして、これだけ確保できると言っておきながら実際にはできなかったという例がたくさんございますので、これは後ほどの質問の中でも確認をしながらお聞きしたいと思います。  さあそこで、これは一般競争入札でやると。一円でも高いところに売却をしているんだということですけれども、厚生労働省の中において行われているこれらの国有財産を売却をしたり払い下げていく過程の中で整合性が本当にあるんだろうかということを、一、二例を挙げて申し上げますと、例えば国立病院の場合ですね、国立病院の場合には、払下げは地方公共団体、社会福祉法人あるいは厚生連というところ、そういう施設が払下げを受けていく場合や、そこの職員を三分の二抱えていただければ九〇%でよろしいと、免除するとか、そういう例がございました。これ今なお続いていることだろうと思います。そういう問題が出ている。  同時に、労働省の保養施設など、昨年、一昨年辺り、この払い下げていく、譲渡していく過程の中では、地方公共団体等には、例えば山梨県にある小淵沢町にあった憩いの家などでは、その自治体に、当該自治体に、土地は財産区のものでしたけれども、百万円で払い下げた。ところが、地方自治体すべてがみんないい人ばっかりじゃございませんでして、地方自治体はそれでもうけようとして保証金を一億五千万円乗っける入札をしたと。だれも応諾がなくて、今もって不調に終わっていると。  こういうふうに、この機構では敷居をつくらずに一般競争入札でやると。しかし、国立病院の払下げは今までどおりの形でやる。あるいは旧労働省の保養施設はそういう一つのケースがあると。この辺の整合性は、厚生労働省、同じ省の中で整合性が取られているんですか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 国立病院につきましては、ただいまもお尋ねの中でございましたように、特に職員の、これは国家公務員ということでございましたので、この方々の身分の問題をどうするかというのは大変大きな問題となり、そのために特別な立法が行われて、ただいま御紹介のございましたような特例を講じて移譲したというふうに承知をしております。  また、旧労働系の施設につきましては、相当数のものが、例えば地方自治体からお借りしている土地の上に建物を建てているようなケースも多かったことから、その処分についてはおのずとその地主であるところの地方公共団体の御意見も尊重しながら処理をしなければならなかったという事情があると承知をしております。  今回私どもがお願いをしておりますこの年金等の福祉施設につきましては、基本的にはそういったような制約条件はないということでございますし、また、それら言わば先例となりました様々な施設の譲渡、売却に当たりまして、例えば値段が必ずしも適正ではなかったんではないだろうかということなど、様々な御批判もまたいただいたところでございます。  したがいまして、私ども、そういったこれまでの様々な施設の譲渡等に係ります経緯というものを踏まえた上で、より年金資金等の損失を最小化するという大原則に立った整理合理化のやり方を今回お願いをしているというふうに御理解を賜りたいと存じます。

中島眞人自由民主党

○中島眞人君 今の答弁では私が指摘をした問題をクリアをした答えとは私にはまずは理解できませんけれども、それなりに努力はしていると、そして整合性を保つようにしていきたいと、こういう答弁で、今後見守りたいと、このように思いますけれども。  この間から質問が、同僚議員の質問の中に出ておりましたように、厚生年金病院を、リハビリテーション等でその地域になくてはならない施設だと、こういうものは例外にしてほしいと。実は、大臣からもこれらについては検討したいということですけれども、この場合、一般競争入札で厚生年金病院を落札したら、大臣、場合によっては株式会社が落とす場合がございますね、厚生年金を。厚生年金を株式会社が落札をしたという形になりますと、厚生省も私どもも、病院とか医療というものを株式会社が運営をするということについては一定の、私どもは問題点としてこれはあり得ないと主張をしているんですけれど、そういう可能性もなきにしもあらずということを大臣、お考えになったことございますか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 最初にまず私の方から、株式会社での病院経営の可能性について若干技術的なお答えをさしていただきたいと存じます。  これは議員もよく御存じのように、現在の医療法におきましては、株式会社が直接に病院を経営したいというようなことで設立認可の申請が出てきたときに、これは適切ではないということで原則としては設立が認可されないという取扱いがされておると。そのために、一昨年あるいは昨年にかけまして、例えば特区というような非常に例外的なやり方で、またその用途についても極めて限定的な形で言わば試行的にそういったものをやってみようということの取組が行われたものと承知をしております。  したがいまして、まず株式会社でそういう病院を運営すること自身は、厚生年金病院であるか否かにかかわらず極めて限定的に、現時点では困難なものというふうに理解をしておるところでございます。

中島眞人自由民主党

○中島眞人君 しかし、今までの説明の中では、我と思わんものはだれでも応札できると、こういう質問に対する答えだったと私は認識していますよ。ですから、この辺も整理しておかないとやっぱり問題点がまた出てくる可能性が出てくる。そしてその問題点は、小さな糸口であるけれども、日本の医療行政そのものに波及をしていくような大きな課題を残す要素を持っているということを私はよく認識をしておいていただきたいと、このように思います。  それと、社会保険病院、厚生年金病院、これ地域の実情があって、そういうことはなるべくないようにしようと言っているけれども、残したとする。そしてその施設が、病院が老朽化してくる。老朽化してきたときに、医療は日進月歩ですから、それを修繕をする、あるいは老朽化をあるいは新築化していくと、その財源は、もう今や国もこのような形で、今までのような形で金も出さないとすると、その修繕とか老朽化を防ぐための修繕、修理はすべてその病院が単独でいわゆる資金を確保しなきゃならぬ。しかし、そこの底地は国有財産である、建物も国有財産である、そういう国有財産にいわゆる金融機関が金を貸していけるんだろうかということを考えてみれば、私は、大臣がこの間言ったように、本当に買い取ってもらうならいいけれども、従来型のような形のものを残しながらいわゆる厚生年金病院や社会保険病院を残していくと多大な大きな問題点を先送りしてしまうんではないかと思う心配があるんだけれども、その辺については、すべて売却であって、従来型のような形式の運営は一切あり得ないと、こういうふうに認識してよろしいかどうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 厚生年金病院の場合と社会保険病院の場合と同時にお尋ねでございましたが、これをちょっと区別してお答えをさしていただきたいと存じます。  まず、厚生年金病院については譲渡をするという原則でこの整理合理化を進めさしていただくわけでございます。その際には、お尋ねの中にもございましたように、そもそも地域医療にとって重要な病院について、地方公共団体等と協議の上、機能が維持できるように十分考慮するという考え方の下に、具体的には、その譲渡に当たって病院機能の公益性を損なうことがないよう十分に検証した上で適切な方法によって結論を得るとされておりますので、譲渡に当たって御心配の点、いろいろとお尋ねございましたけれども、私どもはそういった御懸念に当たらないように、しかし厚生年金病院についてはきちんと譲渡をしていくということで対処させていただきたいと考えています。  また、社会保険病院につきましては、現在、平成十五年度から十七年度の三年間を掛けまして、まあ移行期間ということで、これらの社会保険病院について、自前で自立して運営ができる病院なのか、あるいは地域にとって必要な医療を提供している病院なのか、あるいはそれら以外のものなのかということを見極めをいたしまして、十八年度に整理合理化計画を作るということでございますので、前二者については、例えば民間の公益法人に委託をするという形で、従来とは若干そのやり方は変えるものの、基本的に、国が保有したものを委託してやってもらうというやり方を念頭に置いておりますが、三番目の類型のものについては、場合によっては統合したりあるいは厚生年金病院と同様に譲渡をするという形で整理合理化を進めていきたいというふうに考えている次第でございます。

中島眞人自由民主党

○中島眞人君 質問にまた突っ込んでいくということじゃなくて、一つ一つを確認をする意味での私は今日は質問の趣旨で質問をさしていただいておりますけれども、先ほど局長が話になったように、国立病院の場合は職員が国家公務員であるので云々と。国家公務員であろうとなかろうと、国が関与して造ったこれらの施設の雇用の問題については同じいわゆる意識で同じ対応をしていかなければ、国の職員だからこれは優遇して守る、これは国が出資したものだからこれは一等下げてもいいんだというように伝わりますので、先ほどの局長の話の中では。その辺はそういうことのないように、この間も委員会の中でも出てまいりましたように、やっぱり職員の雇用の問題についてはまず第一番目に考えていかなければならない問題だという点で、国立病院の分は国家公務員でありこれは違うんだと、その辺の認識が言葉に見られましたけれども、たわいなく使ったかと思いますけれども、しかし、これは聞く方ではやっぱり差別を付けられているなという感じがするんで、この辺については重々発言なり行動なりに注意をしておいていただきたいと、こんなふうに要望しておきます。  さて、まとめですけれども、大臣、今までの論議もございましたけれども、年金保険料は給付に関係しないことに使わないという考え方を政府も共有しておりますが、この場で改めて厚生労働大臣にお聞きをいたしたいと思います。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) さきの年金制度改革における国会での御議論がございました。そうした御議論、あるいはまた与党合意、その後の与党合意もございます。そうしたものを踏まえますと、まず大規模年金保養基地でありますとか年金住宅融資については、これは平成十七年度をもって廃止することといたす、それからまた年金の福祉施設、今日御議論いただいておりますけれども、こうしたものについては整理合理化を進めていくということになっておるわけでございます。また、年金給付に関係して年金保険料を財源として行っております年金相談については、これは国民のニーズに対応したサービスの確保を図ることといたしております。  そうした整理になっておるわけでございますけれども、改めて申し上げますと、年金保険料は年金給付及び年金給付に関係する経費以外には充てない。これはもう大前提の方針でございますから、その方針で今後とも臨んでまいります。

中島眞人自由民主党

○中島眞人君 大臣から、年金会計というのは年金に付随する事務以外のものには使わないと、そしてこれからも民間でできるものについては民がやっていくと、そういう考え方を持ちながら大臣の発言があったわけでありますけれども、この評価は、過去のことは過去のこととして、私は、新しく年金制度というものを維持していく上においても、国民の理解を受けるという点からいたしましても、大変重要な、あるいは重みのある発言であるというふうに思いますので、大臣のこの言葉を守りながらこれから進めていただきたいと、このように思います。  次に、本年の三月三十一日に厚生労働省社会保険庁により年金福祉施設等に関し整理合理化計画が取りまとめられております。そこで、整理合理化計画の内容について、ひとつ柱をお答えいただきたいと思います。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 三月三十一日に策定をさせていただきました整理合理化計画は、平成十六年の三月の与党の年金制度改革協議会におきましてお決めをいただきました合意、すなわち厚生年金病院については平成十七年度に、それから病院以外の施設については平成十六年度に整理合理化計画を策定するという旨の合意に基づいて対応させていただいたものでございます。  具体的には、年金福祉施設等の整理合理化の円滑かつ適切な遂行を図るために、整理合理化の推進体制をどのようにするか、あるいは整理合理化に当たっての基本的な視点をどのようなところに置くか、また年金福祉施設等の譲渡あるいは廃止に当たりましての具体的な考え方をどのようなものにするかというような、言わば整理合理化の実施に係ります基本的枠組みといったようなものを策定させていただいたものでございます。

中島眞人自由民主党

○中島眞人君 その中で、整理合理化計画に基づいて、これは五年間の間にこれらの三百余の施設が売却をされていくわけでありますけれども、情報公開についてはどのように触れられておるか、お答えをいただきたい。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 整理合理化計画におきましては、まず機構は施設の譲渡実績及び機構の収支状況について積極的に情報公開を行うこと、そして機構は施設の譲渡を円滑に実施する観点から個々の施設に関する情報提供の充実に努める、この二点がこの整理合理化計画において定められております。  具体的には、これらにつきましては、例えば機構のホームページを活用して国民に広く分かりやすく周知してまいりたいというふうに考えていますし、また福祉施設の譲渡を円滑に行うためには、例えば売却の公告は官報に掲載をするというようなこと、それから売却の物件等の情報につきましても、適宜、機構のホームページ等を積極的に活用するというふうなことを考えております。

中島眞人自由民主党

○中島眞人君 先ほども申し上げましたけれども、私は、新しく生まれてくるこの機構、役割、これは五年間で一つの期限が切られているわけですね。この五年間にやるというのは、同僚議員からの再三の質問もございましたけれども、並大抵のものじゃないと。これのスタッフの構成というのはどのように考えているのか。  と同時に、間々質問がございましたけれども、厚生省の役員のOBがこれに携わってはいけないと、こういう形であくまでも民間の力をかりながらやっていくんだということに間違いないのか。この辺についても再確認をしておきたいと思います。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) それでは、まず私の方から法人の理事長についての考え方をお答えをさせていただきたいと思います。  独立行政法人の理事長は、法人設立の目的である施設の譲渡等を適切に行うため、法人の行う業務に関する知見を有し、これらの事務事業を適切かつ効率的に運営できる者がふさわしいと考えております。これは当然のことであります。  そこで、具体的な人選についてでございますが、理事長については民間から登用したいというふうに考えておることをお答えを申し上げます。

中島眞人自由民主党

○中島眞人君 かつて、同僚の質問に対して、約、機構の経費は三百億というふうになっておりますけれども、人件費が大体六十億くらい掛かると。大体、理事長はどのくらいの報酬を予定しているんですか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 具体的な金額についてはまだ確定をしておるわけではございませんが、独立行政法人の他の例等をよく参照しながら、決して世の中、言わば常識なりから懸け離れた水準にならないようにということで考えてまいりたいというふうに現時点では考えております。

中島眞人自由民主党

○中島眞人君 ちょっとやそっとの金では来てくれないと。五年間でこれだけの、僕は、八千億の施設を売却をしていくという処理をやっていくというのは、これは並の人ではできないと、それを支える職員も並の職員ではできないということで、私は、六十億円の経費というのはもっと伸びてくるんではないのか、こんなふうに思いますが、この辺については、また委員会もあることですから、あのとき六十億円とほぼ言ったけれども倍になってしまったということはないように、経過等についてはその都度委員会等あるいは情報公開の中で明確に伝えていっていただきたいと思います。  時間が来たようでございますから、今までの同僚議員が質問をした内容の詰めを、詰めになったかならないか分かりませんけれども、さしていただきまして、私の質問を終わります。

西島英利自由民主党

○西島英利君 今日の質問は、一つ一つの病院を問題視するものではございません。先日行われました参考人の意見陳述で、今回のこの立法に至った問題意識というものをほとんどお持ちでないのではないかと、つまり体質が全く変わっていないのではないかというふうに感じましたので、ここの細かいところの質問を少しさせていただきたいというふうに思います。  まず、九州厚生年金病院というのがございますが、この九州厚生年金病院は新しく建築したわけでございますけれども、着工はいつでございますか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 九州厚生年金病院の建て替え工事につきましては、平成十一年の十一月一日に着工しております。

西島英利自由民主党

○西島英利君 平成九年の十月の二十一日に、年金審議会提出資料、つまり厚生年金保険及び福祉施設の在り方を見直して、以下の基本方針に基づき整備運営を行うと。つまり、年金事情が悪化しておりますし、経済状況の変化もあったわけでございまして、その中で、施設整備費を大幅に圧縮し、平成十一年度までに半減をするということが記載をされております。  ところで、先ほどの九州厚生年金病院の建設費は幾ら掛かったでしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 建築費は約二百二十三億円、不動産の取得費が約六十六億円、総額で二百八十九億円でございます。

西島英利自由民主党

○西島英利君 総額で二百八十九億円でございます。  普通、病院で一床当たりの建築コストというのは約千五百万円、一床当たり六十から七十平方メートルというふうなことで、これは公開をされているデータでございます。国土交通省建築統計年報平成十六年度版にもそういうことが書かれております。また、民間病院は約七百万円ともここに書かれているところでございます。  しかし、今おっしゃいましたように、二百八十九億円でございます。先ほどの千五百万円で計算をいたしますと、五百七十五床でございますから、八十六億二千五百万で実は建築ができたはずでございます。このように高額な金額になったことについて何か分析されておりますでしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 建て替え後の九州厚生年金病院の一床当たりの建築コストは、ただいまもお尋ねにございましたが、計算をいたしますと三千八百八十六万円という金額になるわけでございます。これは、建物の免震構造という形で建築をしたこと、あるいはヘリポートを設置したということで、特殊工事を行っている分、一般的な病院よりも一床当たりの建築コストが割高になったものというふうに承知をしております。

西島英利自由民主党

○西島英利君 先ほどもお話をいたしましたように、施設整備費を大幅に圧縮してということが書かれているわけですね。ですから、その辺での御検討もなさったんでしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) ただいまも御説明をさせていただきましたように、こういった社会保険の病院あるいは厚生年金病院というのは地域の医療の中で相当いろいろな役割を果たさなければならないということで、先ほども御紹介したように、建物の免震構造をしたことやヘリポートの設置などもそういう要請の中から行われたということがございます。  したがいまして、そういった公益的な役割を果たすという片方の要請と、ただいま御紹介がございましたようにコストの圧縮を図るということを、両方を兼ね合いをしながらも、なおかつこれだけのコストを掛けざるを得なかったというふうに御理解を賜れればと存じます。

西島英利自由民主党

○西島英利君 今、公益的なというお言葉が出ましたけれども、しかし本当にこの九州厚生年金病院、周辺の医療事情を見ますと、かなり高度な医療をしている病院がたくさんあるわけですね。すぐ近くには産業医科大学もあるわけでございます。本当に地域医療事情がそれを求めていたのかということは、一つ大きな問題点ではないかなというふうに思っているところでございます。  ところで、今まで厚生年金病院、それから社会保険庁病院にどれだけのお金を投入されて建築をされてきたのか、お教えいただきたいと思います。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 社会保険病院、厚生年金病院に投入してまいりました建設費、不動産購入費等の累計額でございます。  これは、さかのぼりますと昭和二十三年までさかのぼるものでございますので、昭和二十三年から平成十五年度までの決算額で推計せざるを得ないというちょっと技術上の制約がございますが、その場合に、社会保険病院については約七千七百二十三億円、厚生年金病院につきましては約二千六百八十六億円と推計しております。

西島英利自由民主党

○西島英利君 これだけのお金を実は投入をしているわけです。このことにつきましては後ほどまた御質問をさしていただきたいというふうに思います。  ところで、先日の参考人意見陳述を聞いておりますと、吉矢星ヶ丘厚生年金の病院長、それから吉原厚生団の理事長のお話の中で、努力をして黒字になったということをおっしゃっておりました。ですから、黒字になったんだからこの経営はそのまま存続してもいいのではないかというようなニュアンスの私は御意見ではなかったかというふうに思います。  しかし、平成十五年のこの決算書を見てますと、厚生年金保険整形外科療養委託費、これが二十三億円入っております。しかし、この委託費に関しては、たしか平成十七年より廃止になったというふうに聞いております。そして、厚生事業団の七か所の厚生年金病院、総収益が四百八十四億円でございます。これは平成十五年の決算でございますが。しかし、補助金がこの中に、先ほど申しました二十三億円が入っているわけでございます。実にこの四百八十四億円の中、四・八%がこの二十三億円の形で投入をされているということです。しかも、臨床研修等の補助、これが三千九百四万円別途入っております。また、看護学校の経営委託費、これが一億一千三百八十一万一千円というふうに、様々な補助金が入っている中での実は黒字だというふうに思います。  先日の参考人、吉矢さんの資料の中で、東京厚生年金病院、星ヶ丘厚生年金病院、高知の厚生年金病院は、減価償却費に建物更新費用が入っていますと、これをやった上での黒字ですというお話でございました。この建物の更新費用の算定根拠は何でございますでしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 建物の更新費用につきましては、独立行政法人福祉医療機構、これはかつて社会福祉・医療事業団と呼ばれていた組織でございますが、そこの医療貸付事業の標準建築費の算定方式によって算定した額を法定耐用年数で割って得た額ということで計上しているものと承知をしております。

西島英利自由民主党

○西島英利君 減価償却費用というのは、将来的に建物を建て替える等のために実は認められている費用だというふうに思っておりますが、今おっしゃいましたその算定の費用、これで十分にこれを積算していくことによって新しい建物を建て替えることができるというふうにお考えでしょうか。  つまり、減価償却というのは、建てた後は物すごく高いんですね。それから年を追って実は減価償却というのはどんどんどんどん安くなってくるわけでございますけれども、その点と、今おっしゃいました算定根拠との違いは何かありますでしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 従来、御存じのように、厚生年金病院につきましても、その減価償却という考え方を取り入れた施設運営というものは行われておらなかったということがございます。したがいまして、それをどういう形でやるかというのはいろんな考え方はあろうかと存じますが、先ほど申し上げましたように、星ヶ丘については、こういう形で更新費用というものを計上をしてみて、それを減価償却ということで充てていこうという、一つの試みとして行われたものというふうに承知をしております。  通常であれば、議員御存じで、私が今更申し上げるまでもありませんが、病院は、最初建てるときから、言わばそういう減価償却をどういう形で更新していくかということを計算に入れた上で必要なコストを算出をし、必要な資金調達を行うという形で計画が組まれるものでございますので、そういった通常の病院の言わば建設に当たってのやり方とは、若干やり方としては異なるやり方かなというふうには認識をしておりますが、従来取ってこなかったということを少し割り引いていただければ、一つの試みとして御評価いただければというふうに考えております。

西島英利自由民主党

○西島英利君 先ほど中島委員の質問にもございましたように、一切これからこの年金の費用は使わないということをおっしゃっているわけでございます。ですから、建て替えの時期が来たときに問題が起きないかというのが先ほどの質問の趣旨だったというふうに考えております。  そこで、皆さん方のお手元に資料を出しております。「国公立病院・社会保険病院と民間病院との比較」という形で出しておりますけれども、一番上が、これは医業収入に占める財政支援率でございます。医業収入を一〇〇%としたときの財政支援率は、社会保険病院が二・九%、そして厚生年金病院が四・五%でございます。これは減価償却負担、税負担という形での費用でございます。逆に言いますと、民間の医療法人の診療報酬単価は厚生年金病院、社会保険病院と比べて三から五%低く設定をされているというふうに考えてもいいだろうというふうに思います。  また、この二番目は、医業収入に占める減価償却費率でございます。厚生年金が〇・九%、そして社会保険病院が二・五%でございますけれども、医療法人は実に四%の減価償却費率でございます。これは、社会保険病院、厚生年金病院の土地、建物等は保険料で整備されてきましたので国有財産であって、病院自前の資産ではないわけです。このため有形固定資産、これは土地を除きますけれども、一年分の費用計上額を示して、減価償却費の比率で民間医療法人に比べますと二から三%低いわけでございます。すなわち、医業利益率で二から三%、これは民間医療法人よりは優位であるということをこの表で示しているところでございます。  またさらに、その最後の表でございますけれども、先日の参考人意見陳述で、厚生年金病院、必ずしも賃金は低くないという話でございましたが、看護師一人当たりの年間給与・賞与をこういう形で見てみますと、厚生年金病院は五百七十九万、そして社会保険病院は五百五十一万、ところが、法人・その他、この法人・その他には国立、自治体病院、公的病院が重複して含まれておりますので、自治体病院の給与水準というのははるかに高いわけでございます。となりますと、民間の医療法人というのは、ここには五百二十九万と出ておりますけれども、更に低い金額になるということでございまして、今回の社会保険庁病院が十五、十六、十七年で賃金をカットしたという話でございましたけれども、それだけの賃金カットでは将来的な対応は私は非常に困難ではないかということを考えておるところでございます。  ところで、厚生年金病院は地域医療の中で重要な役割をしているということを先日申し上げましたし、今、青柳さんも言われたところでございます。  ところで、この地域医療の中で重要な役割をしてもらうために実はできているのが地域医療支援病院制度でございます。  その中で、地域医療支援病院として認可をされている病院、現在九十八か所あるようでございますけれども、社会保険病院それから厚生年金病院、この中の何か所が地域医療支援病院として指定をされているでしょうか。

岩尾總一郎厚生労働省医政局長

○政府参考人(岩尾總一郎君) 平成十七年四月一日現在、九十八病院のうち、社会保険庁の病院につきましては一病院、福岡県の社会保険小倉記念病院が承認を受けております。

西島英利自由民主党

○西島英利君 つまり、まさしくこの地域医療の中で指導的な、リーダー的な役割を果たすということになりますと、やはりそのために地域医療支援病院を、この指定を受けなければ、はっきり申し上げて意味がないと思うんですね。今出てまいりました北九州、小倉記念病院、これは今年の四月一日に実は指定を受けたばかりでございます。そういう視点から考えますと、本当に地域医療の中で重要な役割を果たしているのかどうかということにいささかの疑問を持たざるを得ないわけでございます。  さらに、厚生年金病院と民間病院とでどこが機能が違うのかと。リハビリが非常に重要な役割を果たしているという話でもございましたが、リハビリ施設として今は全国的に幾らあるのかというのも、これは厚生省から資料をいただきましたので報告いたしますと、総合リハビリテーション病院が実にもう九百七十四か所あるわけです。その中で厚生年金病院がリハビリテーションとしては非常に優れているということは必ずしも言えないわけだろうというふうに私自身は思うわけでございます。  そこで、もう一つ視点を変えますと、先日の参考人意見陳述で、全社連の伊藤参考人が、これからは同じような機能を持った病院が北海道から九州までグループをつくるということの意味が大変薄れてきているのではないかと、医療圏、生活圏の中で異なった開設者、異なった機能の病院がいかに地域に切れ目のない医療の提供体制をつくっていくことが、これが非常に重要になってきているということを言っておられます。  そこで、来年行われようとしています第五次医療法改正の中で、地域医療計画の見直しはまさしくこれが一つのポイントになるだろうというふうに思うんですが、このことについて御説明をお願いします。

岩尾總一郎厚生労働省医政局長

○政府参考人(岩尾總一郎君) 平成十八年に予定をしております医療制度改革で医療計画について検討しているところですが、従前、病床規制ということが焦点を当たっていたかと思います。  私ども、今回、それだけではなくて、まず自分の住む地域の保健医療提供体制の現状の姿がどうなっており、将来どのように変わるのか、変わるためには具体的にどういう改善策が必要なのかということについて住民、患者に分かりやすく説明できるものに改善する。  二つ目に、原則として、日常生活の圏域で急性期から回復期、在宅療養に至るまでの適切なサービスが切れ目なく提供できるよう、がん、脳卒中といった主要な疾病ごとの診療ネットワークを構築する。  三つ目として、原則として、日常生活の圏域における医療機能の把握や各医療機関の医療機能の内容に関して住民への情報提供など、医療計画の作成、実施に当たって都道府県が自主性、裁量性を発揮できるよう都道府県の役割を強化したいというようなことを基本的な考え方として、現在、学識経験者や医療関係団体をメンバーとした検討会において見直しの検討をしているというところでございます。

西島英利自由民主党

○西島英利君 つまり、来年のこの地域医療計画の見直しのところ、まさしく機能連携をいかにしていくのかというのが重要なポイントだろうというふうに思いますし、やはり一つの病院が自己完結型でやっていく時代ではないというふうに私自身は思うわけでございます。そのためには、地域の医療圏、生活圏の中で地域事情に合った機能連携をつくっていくためには、その地域の事情をよく知ったそういう経営主体に任せるということがやはり一つのポイントになるのではないかなというふうに思っております。  その意味で、前回からも大臣もお話しになりましたように、今回の厚生年金病院、地域医療にとって重要な病院については、地方公共団体等と協議の上、その機能が維持できるように十分考慮をすると、こういうふうにおっしゃいましたが、もう一度これを確認をさせていただきたいと思います。大臣、いかがでございますでしょうか。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 今日、先生からもいろいろお話しいただいておりますけれども、厚生年金病院については今日においても地域医療等で一定の役割は果たしておる、こういうふうに認識をいたしております。ただ、今回、年金福祉施設については例外なく譲渡、売却をするということを決めましたので、例外はつくらない、厚生年金病院もそういう意味で例外としない、こういうことを今御説明を申し上げておるところでございます。  ただ、申し上げましたように、今日一定の役割を果たしておる、地域医療に大きく貢献をしておる面はそのとおりの厚生年金病院でございますから、譲渡に当たりましては、譲渡はいたすことといたしておりますけれども、ただ、その譲渡に当たっては、病院機能の公益性を損なうことがないように十分検討した上で結論を得るべきであると、こういうふうに考えております。

西島英利自由民主党

○西島英利君 実は私も、地元の医師会それから地元の市議会から、この九州厚生年金病院を存続させるようにという要望も非常に強く受けているところでございます。しかし、今回のこの立法の精神というのを考えたときに、やはり、地方の公共団体等としっかりと協議の上、経営できる状況の中で、やはり地域へ私は渡していくべきではないかというふうに考えております。  そのときに、この件については先ほどの中島委員の質問にはあったわけでございますけれども、しかし、入札方式ではなくて、柔軟な対応が必要であろうというふうに考えております。そして、しっかりと経営ができる環境の中での譲渡というのが必要だろうというふうに思います。  そして、これが民間に譲渡された場合には、しっかりと税金を納めていただくということが結果的には国庫にリターンすることになり、それが結果的には国民にフィードバックすることにもなるのではないかというふうに思うところでございます。  大臣、今までの私の質問の中で何かコメントありましたらいただきまして、質問を終わらせていただきたいと思います。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) まず、先ほど申し上げたことの繰り返しになりますけれども、厚生年金病院が地域医療に一定の役割を果たしておる、このことはもう認識を十分いたしております。その上で譲渡をするということを決めたわけでございますから、どうするかということでございます。  ただ、その譲渡に当たって私どもは、国民の皆様方からお預かりしておる大事な年金を大事に給付に使わしていただかなきゃいけない、したがって今度の譲渡に当たっても損失ということはできるだけ小さくしなきゃいけない、こう思っておりますので、そういう意味でできるだけ高く売りたいという、そのことを申し上げておるわけでございます。しかし、今お話しのように、そして冒頭申し上げておりますように、地域医療で一定の役割を果たしておる病院でありますから、その公益性というのが損なわれないように努力をしなきゃいけない。  大変難しい話でありますけれども、両面満足できるように、できるだけ満足させられるように私ども努力をしながらやっていきたいというふうに思っております。

西島英利自由民主党

○西島英利君 終わります。

坂本由紀子自由民主党

○坂本由紀子君 自由民主党、坂本由紀子でございます。  私も西島議員と同様に、先般の当委員会における参考人質疑に当たっての参考人の御意見を伺っていて、特に、これら施設を受託している法人のトップの方々の認識を伺っている中で、置かれている状況についての御認識が随分足りないのではないかという思いを感じました。  今日は、そのうちの特に厚生年金事業振興団につきまして状況を少しお伺いしたいと思います。  先ほど同僚議員の質問に対して、これら施設の建設に一兆四千億円というお金をこれまで投じてきたという説明がございました。財団法人の厚生年金事業振興団、これまで各種施設を受託してやってきたわけですが、この法人に対してこれまで委託費等として幾らの資金が投入されてきたのか、お答えください。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 国から財団法人厚生年金事業振興団に対して支払われました委託費の事業内容、額についてのお尋ねでございますが、余り古いものはちょっと記録が残っておりませんので、平成十一年度から平成十五年度までの五か年間の合計でお答えをさせていただきたいと存じます。  まず、厚生年金の被保険者あるいは受給者を対象に、義手、義足、あるいは補聴器の支給、修理を行う事業のための整形外科療養等委託費、五年間で百十九億円でございます。また、厚生年金病院に適格な看護師を養成するために、厚生年金病院看護師養成所経営委託費として、これまた五年間で約六億円でございます。また、厚生年金老人ホーム等において看護師による健康及び栄養相談等を実施するため、老人福祉事業開発委託費として五年間で約五億円を支給しております。  これら三事業を合計いたしますと、五年間で約百二十九億円を支払っている計算になります。

坂本由紀子自由民主党

○坂本由紀子君 かなり、五年間で百二十九億という多額の資金が投入されておるわけでございます。  ちょっと質問の順番を変えますが、先般の参考人質疑のときに厚生年金事業振興団の理事長は、毎年二十億の黒字を出していると、決して大幅な赤字を出しているわけではないという言い方をされておりました。しかし、今伺った五年間で百二十九億という経費が国から投入されておるわけでございますし、それ以外にも、これら施設については、国の施設だということで税法上も税金の納入を免除されている、あるいは公益法人であるということで税法上の優遇措置というのもあるわけであります。そういうことでありますので、経営努力で黒字を出しているというよりは、むしろそのような優遇措置が結果的には黒字を生んでいるのではないかと思うんであります。  といいますのは、それ以前、平成四年から十年までは毎年赤字決算だったというお話でありました、そしてこれを解消しようということで改革をしましたと。その改革と称して御説明いただいたのが、業績に連動した賞与を支給するとか、あるいは実績を重視した人事考課を行うと。言ってみれば、当たり前の制度を改めて導入することにしたということであります。裏を返せば、それまでの間はかなり実績とは懸け離れた人件費の支出等が行われて、民間に比べると非常に甘い経営をしていたということも考えられるわけであります。  先般の、参考人の一人としておいでいただきました全国社会保険協会連合会の伊藤理事長が、経営改革のために給与見直しをすると、そのために労働協約を破棄したというお話をされました。破棄した労働協約というのはどういうものだったんだろうということで伺ったんですが、現物はいただけなかったんで表題から推測するしかないんですが、例えば勤勉手当について、基準日には在職していなかったと、それ以前に定年退職した職員にも支給をするというような覚書でありますとか、あるいは住居手当を時間給の算出基礎に入れるというような協定書でありますとか、あるいは組合専従休職者の復職後の俸給調整というようなテーマのものもありまして、こういうものを子細に見ていくと、果たして国民が納得するようなものであるだろうかと考えますと、極めて問題のあるものがあるのではないかと思うんです。  それで、この厚生年金事業振興団についても、そのような国民の目から見たらいかがなものかというような取扱いが行われていることがないのかどうか、もしあるとすれば、そういうものについては直ちに改めていただく必要があると考えますが、どういう実態になっているでしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 厚生年金事業振興団におきましては、お尋ねの中にもございましたが、平成十三年度からいわゆる年功序列の給与体系を脱却いたしまして、職員の実績や能力に応じた給与体系を導入して人件費の抑制を行ってきたところであります。こうした新しい給与体系を導入するに際しましては、当然のことながら、そういったものを導入するたびごとに労働組合と団体交渉を重ねられて、そしてそれの結果を労働基準法に定めるところの所定の手続を経て給与規程等の就業規則の改正という形に一つ一つ改めていったと。したがいまして、そういった改正内容に抵触するようになる例えば過去の労働協約などがあった場合には、これはそれを解約をするということで対処をしてきたものというふうに伺っております。

坂本由紀子自由民主党

○坂本由紀子君 是非、社会保険庁は事業運営を委託している法人に対しては指導監督権限を持っておるわけでありますので、具体的に適正な運営が行われているかということを一つ一つ確認をして、今後きちっと指導をしていただきたいと要請をしておきます。  それで、次に、一方、この厚生年金事業振興団の貸借対照表を見ますと、利益剰余金、これは平成十六年の三月末現在で三百三十五億円というものが計上されております。これは大変多額な金額でありますし、これはどうしてこういうものができたかというと、結局、国から様々な形で資金が投入された、あるいは税法上の優遇措置が与えられたということによってこのようなものが蓄えられてきたのではないかと思いますが、この点をどう認識していらっしゃるでしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) ただいまお尋ねのございました厚生年金事業振興団の利益剰余金についての考え方でございますが、これは、七か所の厚生年金病院、それから二十一か所の厚生年金会館のほか、数十か所の施設を数十年にわたりまして健全に経営してきた結果であるというふうに認識をしておりますし、また、大変巨額の利益剰余金とおっしゃる、御指摘いただいた中には、いわゆる流動資産のほかにも医療機器等の固定資産が含まれているものと承知をしております。  これらの資産の中で、例えば先ほどお尋ねのございました委託費等の金額が相当これに、形成に寄与しているのではないかというお尋ねもございましたが、委託事業については、一義的にはその入ったお金の分だけ、言わばそのための事業をやっていただくということでございますので、委託事業があるから何か利益が膨らむということは基本的にないものというふうにまずは認識をしております。  いずれにいたしましても、これらの資産は国有財産たる年金福祉施設を運営して得たものでございます。また、委託契約の終了時には、残余が生じた場合には国の特別会計に返還するというのが現在の契約の内容でございます。したがいまして、税法上の優遇措置等もあずかり、御指摘のような優遇措置によるところの利益が生じたといたしましても、結局はこれは国に帰属するものになるんではないかというふうに私ども受け止めている次第でございます。

坂本由紀子自由民主党

○坂本由紀子君 今、青柳部長から国に帰属するものという御説明がありましたが、私も正にそうだと思います。この膨大な利益剰余金についてはしっかりと国に返していただくと、国民が納めた年金の保険料等にしっかりと戻していただくということが大事だろうと思います。  今般、この施設の譲渡、売却が行われるわけですが、併せて、できるだけこの剰余金についてはそのままの形で残しておいてしっかり返していただくことが大事だと思っておりますが、この点について確認の意味も含めて御答弁いただきたいと思います。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) ただいまのお答えは、現在の国と委託法人との関係のことで、契約上の問題でございましたが、今のお尋ねは、今度は独立行政法人設置後にこれらの関係がどうなるかということにわたるお尋ねかと承知いたしました。  独立行政法人の設置後におきます福祉施設の経営委託につきましては、現在、国が各委託先の公益法人と結んでおります契約内容を基本といたしまして、委託先の公益法人と独立行政法人の間で改めて委託契約を締結するということを考えておる次第でございます。  したがいまして、委託先の公益法人の負担により、今後は例えば修繕でありますとか手直しを行う必要が施設整備という関係では出てまいるわけでございますが、これにつきましても、現行の委託契約と同様に、独立行政法人の承認を一々に得ていただいてそういった手直し等の施設整備を、最低限のものをしていただくということを考えておりますので、当然のことながら、施設の維持管理に必要最小限度の整備にこれは限定されるものであると。したがって、御懸念のように、例えばその利益剰余金をそれぞれの法人がいたずらに消費してしまうような、そういう事態には至らないものであるというふうに考えておりますし、私どももそのように独立行政法人との間できちんと対応してまいりたいというふうに考えております。  いずれにいたしましても、剰余金、最終的には、委託契約に基づきまして、委託契約が解除された時点でまずは独立行政法人に引き渡されます。そしてさらに、独立行政法人が五年後に解散いたしますときに施設の譲渡益と合わせて国に引き渡すということになりますので、先ほどのお答えと同様、最終的にはその利益は国に帰属するというふうに考えている次第でございます。

坂本由紀子自由民主党

○坂本由紀子君 ところで、厚生年金事業振興団には有形の固定資産というのが十六年三月末で百二十九億計上されております。この有形の固定資産の中には、事前に説明を伺ったところでは、例えば、国から受託している施設の運営に当たって、駐車場等が手狭で足りなかったので、近くに土地を取得して駐車場に使っているというようなものもあるのだというような御説明でありました。  であるとすれば、そういう有形固定資産については、施設を譲渡あるいは廃止する際に一体的にこれも処理をした方が適切ではないかというふうに思われますが、いかがお考えでしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) ただいまのお尋ねにもございましたが、公益法人の所有する福祉施設等に付随いたしまして、例えば駐車場等の不動産、あるいは公益法人が事業収入等で購入して施設に配置している様々な備品、こういったものがございます。これらについては、それらの言わば機能ということを考えますと、福祉施設の譲渡の際に一体として整理すべきものが相当あるのかなというふうに認識をしております。  こうした公益法人の所有する資産につきましては、例えば本部の建物など公益法人が一般会計で購入したようなものは除きまして、最終的には独立行政法人に納付をされ、年金給付の原資となるというふうに考えておりますので、御指摘の点も踏まえまして、個別具体の点についてはよく公益法人と連携を図りながら、いずれにいたしましても、年金資金等への損失を最小化するという大原則、これを実現するべく適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

坂本由紀子自由民主党

○坂本由紀子君 先般、参考人がいろいろおっしゃった中に、この年金施設の整理合理化に当たって、健全経営といいますか、自立して経営していける施設は残した方がいいのではないかというような意見をおっしゃったものがあります。また、その職員の雇用については国も責任を負っているというような言い方をされた部分もありました。  私は、自立して経営していけるからそれを残すというのは必ずしも適当な措置ではないのではないかと。つまり、この三月末に策定された整理合理化計画におきましても、地域医療に貢献している施設だとか入居者に配慮すべき施設だとか、そういう一定の役割をしっかり継続する必要があるというものについては、譲渡に当たっての条件として付けてそういう施設の機能を維持していこうと、そしてその年金の受給者、被保険者の役に立てていこうという配慮はきちっとしているわけです。  それ以外の施設、例えば厚生年金会館であるとかスポーツセンター、あるいは福祉センターというようなものは、これと同じような機能を果たしているのは民間の施設でももう十二分にあるわけであります。そういう、十二分にそのような施設があるわけですから、今後は施設を一般競争入札に付して、民間等々それを適当なところで買っていただいて、それぞれに有効に活用していただけばいいというのが本来の考え方ではないかと思うのですが、参考人については、国の方としては特にお考えを言う機会もなかったでしょうから、ひとつそういう自立していける施設については残してほしいというようなことについて、コメントがあればどうぞおっしゃってください。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 委員会がお呼びになられた参考人の御発言に対して私どもの方からコメントを申し上げるというのは、場合によってはちょっと失礼かなというふうに思いますが、あえて今、坂本議員からのお尋ねでございましたので申し上げさせていただきます。  私どもとしては、委託契約によっていろんな施設の経営をお願いしているという、言わばパートナーという関係が参考人として見えた各施設の理事長さんたちとの間柄ということになろうかと思います。そういう目で見ましたときに、私どもは、その契約に基づいて適切に運営をしていただくということが私どもから各法人に対してお願いをすべきテーマということになりますので、その点についていろいろ御評価、御批判の向きもあろうかと存じますが、私どもは総じてよく施設を運営、適切にこれまでは行ってきていただいたものというふうに認識をしております。  しかしながら、今般の年金福祉施設の整理合理化に当たりましては、年金制度の厳しい財政状況の中で、あるいは年金施設に対する社会環境の変化、あるいは国民のニーズの変化という状況の中で、年金資金への損失を最小化するという大原則の下にこれらを整理合理化していくと。その場合には、経営状況のいかんにかかわらず、例外なくこれを整理するということが現在求められているものかなというふうに思います。  そういう意味では、当事者としていろんな御意見をお持ちになるということについては、私どもとしてやむを得ないのかなという気持ちも正直言ってないではございませんが、しかし、そういった大きな要請というものの中で、今回のこういった独立行政法人を設置して整理合理化を進めていくというものは、やはりこれが社会的な要請というふうに受け止めていただきまして、今後五年間の期間の中で適切に対応していただくことを心から願うというところが正直な気持ちでございます。

坂本由紀子自由民主党

○坂本由紀子君 そもそも、自立して経営していけるかどうかということについての認識も多分に甘いのではないかという思いがいたしまして、民間と同じように税金を払えば、恐らくほとんどのところが黒字を出すということはできないのではないかと思いますので、そういう意味でも、この際、民間のノウハウ、知恵を生かした形でそれら施設が運営されていく方がむしろいいのではないかという思いがいたします。  ところで、今回譲渡の対象となる施設の中には、全国四十七都道府県に、それぞれの地域の中でいろいろな役割を果たしているものもあります。地方自治体等においても、それがどうなるだろうかということについては多分に心配をしておるというのもまた一面事実であります。  私は、国がこの独立行政法人を設立して譲渡をするということについて、どういう考えでこういうことに至ったのか、あるいは、それぞれ個別のものについてもどういうふうになるのかということについては、しっかりと関係者に情報提供をして御理解をいただく努力をするということは大事だろうと思います。これまでいろいろ国会の方で議論をされているということもあって、そういう途上の中で先走って説明をするということはなかなかできる話ではありませんので、やってこれなかったのも無理のないところかなとは思いますが。  今後、方向が決まって、取扱いが進められるということになれば、しっかりと関係者に対して説明をしていく、できるだけ御理解いただくような努力をするということは大変大事なことだろうと思います。そのためにも、様々な情報を公開するということ、透明性を確保するということが大事なことだと思います。この点をしっかりやっていただきたいということをお願い申し上げたいと思いますが、その辺の決意のほどをちょっとお話しください。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 情報の公開を中心にして地方自治体関係者等へ十分説明をせよというお話であったかと存じます。  情報の公開につきましては、先ほどもお尋ねがございまして、具体的に情報公開を進めていくと、しかもそれについては、例えばホームページを利用する、あるいは物件については官報公告を活用すると、こういうことも考えているところでございます。  また、特に、今回の整理合理化につきましては、参考人の質疑の中でも例えば風評被害ということについての御懸念などが示されたところでございますので、私どもは、先ほどお尋ねの中にもございましたけれども、例えば、病院あるいは老人ホームのように十分に考慮をしながら進めなければならないようなもの、それからその施設の中心的な機能を維持していくということを譲渡の条件にするもの、こういったものは、具体的にこういう条件になっているということをもうちょっと声を大にしてお伝えをすることによって地域の方にも安心をしていただき、また、その中で施設の機能が引き続き維持できるような、そういう働き掛けをしてまいらなければならないというふうに考えている次第でございます。

坂本由紀子自由民主党

○坂本由紀子君 そこはしっかりお願いをいたします。  地方自治体に優先譲渡をすべきだという御意見もありますけれど、私は、地域医療に貢献している施設ですとか入居者に配慮すべき施設について、しっかりとその機能が維持されるような譲渡条件が付けられれば、それは地方自治体というところが優先されるということは必ずしも必要ないのではないかと思いますので、かつ、そういう条件を付けると、往々にして、今地方自治体も必ずしも財政状況が豊かではありませんので、できるだけ施設の譲渡に当たって低廉な価格で譲渡してほしいというような要望がきっと出てくるでしょうし、雇用・能力開発機構が各種施設を特に売却するに当たってあのような安い価格であったということが結果として国民の大きな批判を受けたということを考えますと、やはりこの施設の譲渡に当たって考慮すべきは、いかに年金財政の損害をしっかりと回復をしていくかということに尽きるのではないかと思うのであります。  そして、そういうことをしっかりと踏まえて、もう一つ、社会保険庁として併せて大事なことは、国民の年金に対する信頼をいかに回復をするかということであろうと思います。  様々に出る不祥事にもう国民は飽き飽きしておりますし、国民にとって本当に年金を始めとする社会保障制度というのは欠くことのできないものでありますので、こういうものをしっかりと確保していく、しっかりと維持運営していくんだと、国民に対してゆめゆめそういう期待を裏切ることはないのだということを具体的に一つ一つの行動の中で示していかなきゃいけないんだろうと思います。それは、管理者はもちろんなんですが、職員一人一人がそれを示さなければいけませんし、いわゆる職員団体もそういう姿勢でやっていただかなくてはこの国民の信頼は回復できないのだと思います。  今般議題として取り上げられておりますこの法案は、そういう国民の信頼回復への一里塚の第一歩ではないかと思います。したがいまして、この施設を譲渡して年金財政にしっかりと貢献をして、貢献というよりはむしろ損失を少しでも補うということだと思いますが、そういうことをやって、今後それを機会に一段と社会保険庁挙げて年金の信頼回復のために努力をしていくんだということについての大臣の御決意をお伺いしたいと思うのであります。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 今日、国民の皆さんから年金に対する信頼が十分でない、損なわれておる、そのことはおっしゃるとおりであります。私どももそのことを認識をいたしております。  そこで、年金に対する信頼を取り戻さなきゃいけませんけれども、やらなきゃならないことが幾つかある。そのうちの大きな一つが社会保険庁を抜本的に改革するということだと考えております。そして、その社会保険庁を抜本的に改革するということのためにまた幾つかのことをしなきゃならないと考えておりますが、そのうちの大きな一つが、この福祉施設を譲渡、売却する。そういう表現がいいのかどうか分かりませんけれども、私なりに表現をさせていただくと、譲渡、売却をして身ぎれいにするということが必要なんだというふうに思うわけでございます。  今回お願いしております法律案は、そのためにこういうことをやりたいということでお願いをしておるわけでございますから、是非この法案をお認めいただいて、そしてその中で、正に国民の皆さんの年金に対する信頼回復のために私どもは更に努力を続けていきたい、こういうふうに考えます。

坂本由紀子自由民主党

○坂本由紀子君 それでは、この法案の趣旨が国民に正しく理解され、年金の信頼回復に貢献するものとなるよう、しっかり頑張っていただきたいということを要請いたしまして、私の質問を終わります。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 今大臣から国民の年金制度に関する信頼の回復という御決意を伺ったばかりなんですけれども、これははっきり言って二つの大きな側面があります。  一つは、やっぱり年金制度本体にかかわる国民の不信感、これをどのように払拭し、信頼を回復するかという部分です。そのために、立法府の中でも衆参で合同会議を開いてこの議論をしようということになっているわけであります。もう一回目が始まりました。  もう一つは、年金制度を運用する組織そのものに対する不信感、そしてこの不信感をいかに回復する必要があるかという点で、この社会保険庁の改革が政治課題として浮上したわけであります。  この組織の信頼の回復ということを考えたときに、実は財政的な面も大事なんです、損失を最小化するという。しかし、実は、私はそれ以上に国民の信頼を回復するために必要だと思われるのは、言うなれば、この年金特別会計とそしてこの政府管掌健康保険特別会計という二つの特別会計というものの過去の運用というものが、一部の政治家や官僚組織、そして労働組合といったところがすべてある意味で共通の利害関係を持って、そして余り好ましくない形で連携をしてしまって、そこに安住をして、この二つの特別会計に正に群がるような形でとてつもないネットワークをつくり上げてしまった。俗な言葉で言うと、しがらみがそこにでき上がってしまった。いかにこのしがらみを解消して国民の信頼を回復するかという部分が正に独立行政法人の持つ一つの政治的な意味だと私は思いますよ。  この点について厚生労働大臣、どうお考えになるか、お考えをお聞かせください。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほどの坂本先生の最後の御質問にお答えしたとおりでございまして、改めて申し上げますと、それからまた今の武見先生の言われた特に前段の部分、もう全く私もそのとおりに思いますということになるわけでありますけれども、年金に対する国民の皆さんの不信、大きく二つの要素がある、その二つの要素はお述べいただいたとおりだというふうにまず理解をいたします。  その大きな要素の一つの方を、国民の皆さんから信頼回復するためにということで社会保険庁改革というのが出てくる、そしてその中のまずやるべきこととして今回の福祉施設の譲渡、売却ということがある。これはもう先ほど申し上げたとおりでございまして、そのことをしっかりやらなければいけないんだという今の武見先生のお話も全く私はそのとおりだというふうに考えております。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 組織の在り方についての改革を行うときに、これはもう非常に難しいのは、ただ単に社会保険庁という枠組みの中の改革というそういう視点だけでは、この組織自体の改革さえもままならないという複雑さなんですよ。  これは、今も西島さんの方の質問からありましたけれども、例えば公的病院としての厚生年金病院、社会保険病院、これ一つ取ってみても、実際にこれらの社会保険病院、厚生年金病院が地域医療の中で一定の公的な機能というものを担ってきたということ、私は事実だと思いますよ。したがって、参考人の皆さん方からお話を伺えば、当然それぞれ大変いいことをやってきたというお話が出てくる、これ当たり前なんです。  問題は、こうした地域医療の中での公的病院のこの公的な機能というものを維持するために、こうした公的な病院という、そういう一つの在り方というものがどうしても必要なのかどうか。あるいは、そうした公的な機能については、その他の医療法人、民間でやるということも、できる範囲内であるのかどうかという見極めが大変に難しい。  それで、おおよそいろんな公的病院のお話も参考人の方々から伺いまして、私は、それはもうなるほどというふうに皆さん伺ったと思う。しかし、実際にそれが本当にこういう厚生年金病院あるいは社会保険病院という形でなければ実施不可能であるかどうか。その検討はもっと徹底的に本当はやるべきだと思っています。  その見極めをするときに大事な基準になるのが、じゃ、公的病院の果たす役割は何かという点についての明確な規定なんですよ。残念ながら、今、今日に至るまでその明確な規定がない。その公的な病院の在り方についてのきちんとした整理、それができて初めて、実はこうした社会保険病院や厚生年金病院についても、それを公的な機能として、公的な病院として更にそれを受け止めるということの継続的な必要性がそこで初めて認められるんです。こういう議論もやはり本来ならばしていかなければならないんですよ。  そういう中で、是非私は、この際、厚生年金病院の処分、さらに社会保険病院の処分とをこれから考えるときに、そういった観点からの配慮をきちんと組み込んでその処分をしていくということが必要だと思います。  したがって、一般入札という形だけではなくて、そういった公的機能というものをきちんと担保した形での一定の条件付の入札ということだって当然あるべきであって、そうしたことをやはりきちんと検討をして、この独立行政法人を通じた処分の在り方というものが私は確認されていくべきだというふうに考えるわけでありますけれども、この点についての御所見を伺いたいと思います。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) これは、先ほど来の先生の御議論、御指摘、その基本の部分にまたもう一度戻るわけでありますけれども、国民の皆さんの年金に対する信頼を取り戻すために社会保険庁を改革しなきゃいけない、そのためにどうするかというところからの大きな議論が始まりました。その中で、まず福祉施設を譲渡、売却しようということになりまして、このときに一番基本は、私は例外を作らずということだったと思います。  ただ、実際にそうしたことが始まりますと、そうしたことがと申し上げていますのは、売却、譲渡ということになりますと、有料老人ホームだとか、どうしてもというものがありますから、そうしたものの幾つかの例外は出てくるでしょうけれども、基本が例外を作らずということでこの議論は始まったと私は理解をいたしております。  したがって、厚生年金病院の話も、どうしてもその最初の例外を作らずというところから始まった、そういうことに立ち戻りますと、やはり例外は作らないんだ、厚生年金病院といえども例外としないんだという、ここに戻ると思いますということをまず申し上げたわけであります。  しかし、これも先ほど来お話がありますように、地域医療に一定の役割を果たしてきた、そういうことは当然認めなければならないところであります。  そういうことで、今後ということでありますけれども、今後どう医療提供体制を考えるか。その中での配慮といいますか、考え方が必要であろうということを今お述べになったと思うのでありますけれども、私は全くそこのことについてもそのとおりだと思っております。  いずれにいたしましても、医療機関でありますから公益性は持っております。これは公的病院であれ民間の病院であれ、公益性を否定することはできない。したがって、医療機関である以上、必ず公益性を持っている。ただ、公的病院と民間病院に対して、その公益性をまた細かく分析していってどういうことを求めるかというのが今後議論すべきだとおっしゃったんだと思いまして、私はもう全くそこの部分についてはそのとおりに思いますと。そういうことを検討しながら、私どもは、また十八年度にお示しをしたいと思っております、今後の医療をどうするかというものの中でもお示しをしなきゃいかぬのだと思っております。  ただ、差し当たっては、申し上げておりますように、これも例外を作らず、できるだけ高く売るという、そういうやり方の中でやらせていただかなきゃなりませんけれども、しかし、やはり地方自治体との御相談も当然申し上げるべきだと思っておりますし、公益性ということをどういうふうに今後の公的医療機関が果たすべきかということも検討しながらこのことに当たっていきたいというふうに考えておるところであります。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 実際にある程度病院について理解をされている方々であればもう常識になっているんですけれどもね、厚生年金病院や社会保険病院、特に社会保険病院の相当部分ですよね、これも民間病院で十分にできる程度の病院機能しか持ってないところ、ほとんどなんですよ。しかも、そこに余計なお金たくさん付けて、非常に非効率的に実行しているというのが現実なんです。そのことを大臣も是非御理解をいただければと思うんです。  したがって、改めてそういった処分をきちんとしていくことが国民の信頼回復につながりますし、また同時に、そのことを進めていく過程で、今非常にあいまいに位置付けられている公的病院の在り方というものを是非、厚生労働大臣のそのイニシアチブの下で明確にしていっていただきたい。  そして、改めて来年度しっかり議論されることになるであろう地域医療の提供体制全体の見直しの中で、その果たす役割というものをしっかりと位置付けていただくということが私は必要であって、この独立行政法人を通じたこうした施設の処分というのも、そういった大きな問題をまた同時に考えながらこの処分をしていかなければならないという、そういう性格を持っているということを申し上げておきたいと思います。  それから、もう一つの重要な年金制度にかかわる国民の信頼回復というのは、やっぱり年金制度の正にその組織運用ではありますけれども、その本体の問題もそうなんですけれどもね、社会保険庁の場合には、政管健保、厚生年金、国民年金、これらを一括して社会保険庁として運用してきました。  しかし、今、今日、社会保険庁、改めてこの国民の不信感というものを払拭し信頼を回復するためには、どうもこの年金とそれから医療保険の部分というのは分離して、新たな組織を再構築をしていくということの必要性ということが求められてきているような、そういう受け止め方を私などはしておるんですが、この点についてはどういうふうに見ておられるのか、そのお考えをお聞かせください。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 御存じのように、社会保険庁の組織の在り方につきましては、官房長官の下に設けられました有識者会議で御議論を政府の方としてはさせていただいておるわけでございます。  その中で、政管健保の組織に関します点につきましては、三月三十一日に取りまとめられましたこの有識者会議のグランドデザインにおきまして、被用者保険の最後の受皿の機能は確保しつつ、医療費適正化等の保険者機能を強化する観点から、国とは切り離された公法人において運営することが適切というお考えが示されたわけでございまして、今お尋ねは年金と医療をどうするかと、こういうお尋ねでございましたが、まずはその政管健保については、国とは切り離したところで自律性の高い保険者機能を発揮できるような運営が必要だということが考え方として示されたところでございます。  これ、具体的にどのような形で組織として形を作っていくかということにつきましては、この社会保険庁改革の議論のみならず、医療保険制度改革の議論の中でも更に検討が進められるかというふうに承知をしております。  しかしながら、その際にも、一点、ちょっと留意を願いたいという点がございます。それは何かと申しますと、厚生年金と特に政管健保の適用徴収についての関係、かかわりをどう見るかという点でございます。  この点につきましては、まず実態といたしまして、政管健保の事業所は厚生年金の適用事業所と重なっておると。したがいまして、事務の効率性あるいは事業主の方の負担軽減という観点からは、年金と一体にこの適用徴収の事務を実施することが望ましいということが要請されようかと思います。  また、政管健保は、その被保険者の態様が健保組合などと異なりまして、言わば自主的に適用あるいは保険料の納付を期待しにくいような事業所あるいは被保険者の方々も対象となっておりますので、その意味では強制性を帯びた公権力の行使という観点でこの適用徴収を考えなければならないと。したがって、こういった公権力を迅速かつ確実に行使できる運営主体というものが求められているという点、この点を御配意いただければと存じます。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 次に私が質問しようと思っていたことまで答えていただいちゃいましたけれども。  この医療保険、政府管掌健康保険については、これを分離して、新たな医療保険制度全体の大きな改革の中で、整合性のある形で位置付けながら新たな受皿としてそれを再発足さしていくという考え方は私は正しいと思う、これは。しかし、それを行うときにも、これから高齢者医療保険制度を創設する議論もこれに更に加わるわけでありますから、どのように高齢者医療保険制度、そして新たな政府管掌健康保険という中小企業を対象としたこの保険制度、それから組合健保といった健康保険組合、それに今度は国民健康保険、共済組合といったようなものをどのように全体としてこれを持続可能な形でもう一度再整理するか、これは大問題なんですよ。それをきちんと議論しながら、やはり私は、医療保険として新たにこの中小企業を対象とした医療保険制度をどう組み替えていくかという議論していただきたいと思っていますよ。  これ、長年、自由民主党がやろうやろうとしてもできなかった。昭和三十六年の皆保険制度発足のときからこれはもう議論されてきたけどできなかった。昭和四十三年にこの問題が提起されたときにもこれができなかった。しかし、今ようやく、実はこの社会保険庁の見直しの議論をきっかけとしてこうした大きな医療保険制度の改革の議論というものができる政治的な環境がようやく整ったんですよ。したがって、ここでしっかりとそうした基本を見直しながら、医療保険制度全体の改革を考えながら、その新たな分離してつくり上げる医療保険制度についての議論を是非、大臣、進めていってください。これも正に、社会保険庁の改革の議論というのが、実はもっと別のもっと大きな制度改革の議論と密接に関連している事例としてもう一つ挙げられる、そういうケースだと私は思います。  しかし、そういった形で医療にかかわる部分を分離して考えたときにも、保険料というのの徴収事務というのは、実は、青柳さん御指摘のとおり、厚生年金とそれから政府管掌健康保険というものは緊密に連携して今行われていて、そのことが保険料徴収事務の機能というものを上げております。他方で、国民年金の保険料徴収事務と国民健康保険の保険料徴収事務というものについても、今正に、改めてこれを連携し、効果的に保険料徴収事務の機能強化を図ろうという動きが出てきている。  こういうような中で、実際に組織としては分離していきながらも、保険料徴収事務のところは引き続き一体的にその機能を確保していくということが必要であるというふうに私は考えますが、この点、どうお考えになるのか、お聞かせください。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 先ほどはちょっと先走りまして、大変失礼いたしました。  ただいま御指摘ございましたように、この厚生年金と政府管掌健康保険の適用徴収の事務というものは歴史的にも一体で運営がされております。また、先ほどお答えをさしていただきましたように、実態としても事業所は重なっておると。事務の効率性、つまり別の組織にしたりしますと、二重にその仕事に当たる人員、組織等が必要になってくるということ、あるいは事業主の方の負担軽減、これは今でも一枚の申請で同時に両方の適用徴収の対応ができるという便宜が図られているわけであります。  こういったことを考えますと、年金と政管健保の適用徴収事務を一体に実施するということが、これは広く国民からも望まれる姿ではないだろうかというふうに思います。  また、私どもの仕事をする立場から申し上げますと、政管健保の事業所というのは黙っていて保険料を納めていただけるようなところばかりではない、自主的な適用保険料納付が期待しにくいというところが多数ございます。したがいまして、強制性を帯びた公権力の行使、最終的には滞納処分をして差押えをするというようなことまで含めた適用徴収というのが必要であると、残念ながらそのような実態にございます。  したがいまして、こういったケースの場合に迅速かつ確実に、実は年間でも今二万件ほどこの滞納処分を政管健保、厚年で行わさせていただいておるわけでございますが、こういった大量のものを迅速かつ確実に行える運営主体というものをどうやって考えていったらいいだろうかという点が、繰り返しになりますが、私どもとして大変に頭の痛い、また御配意を願いたい点でございます。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 その問題意識は常に基本としてきちんと持ってもらいたいと思いますよ。保険料徴収事務については、強制徴収の執行というものが実は根底の中に一つあって、それは公権力の、国民のプライバシーにもかかわる部分を侵すようなそういう権力機能でもあると。したがって、それは常にしっかりと管理された中で行われなければならない。  しかし、他方で、そのような強権力の行使というものがあることが、残念ながら実際に未納者という問題を解決していくときの一つのバックボーンになっていくことも事実でしょう。それをどのように、年金と医療保険含めて保険料の徴収事務というものを円滑に機能するかという一体的なこの見直しの中で、しっかりと整理をしていっていただきたいと思うんですよ。実際に組織機能としては分離させても、保険料徴収事務のところは一体的に考えるという、ある意味で矛盾したようなそういう論理にもなります。これをどのようにきちんと組織として再編していくのかという議論は、これから私はこの社会保険庁の改革の議論を進めていくときの一つの大きなポイントになると思います。  そのときに、更に結果として関連してくるのが平成十四年の健康保険法改正附則第二条なんですよ。その中で、政府は、おおむね三年を目途に、社会保険及び労働保険にかかわる徴収事務の一元化について、その具体的内容、手順及び年次計画を明らかにし、所要の措置を講ずるものとすると規定されております。これは平成十四年で三年間でっていうんですから、今年、平成十七年度がその三年目です。そうすると、今年度中にこの社会保険と労働保険の徴収事務の一元化についてここまで具体的な内容を策定をして、手順や年次計画まで定めるということになると、正に今我々が議論しているような年金や医療保険の保険料徴収事務についてのこれからの一体的な見直しをするときに、結果としてこれ関連してくることはもう必定ですよね。この点についてはどう御認識されているのか、伺っておきたいと思います。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 今、私が今回の社会保険庁改革の中で一番大事なことの一つといいますか、ポイントの一つだと考えておりましたことを御指摘をいただきました。これはおっしゃるとおりだと思います。  私はこう思っているんです。縦の線で考える縦の改革とでもいいましょうか、この改革と、横の改革とあると思っております。私が言わんとしておりますのは、正にこの横の部分で徴収が出てくると、徴収をどうするのかということだというふうに思います。  そうした中で、これは今また御指摘ございましたように、社会保険庁の改革という次元だけではなくて、労働の方を含めました保険の徴収、これとの徴収の一元化ということは、これは私どもの大きな宿題であるというふうに思います。そして、宿題やるべき時期、今のお話でありますけれども、そう時間が与えられているわけではありませんから、この際私たちはしっかりとそこの部分は議論をして、今度の社会保険庁をどうするかという御議論とまた一体となる議論としてこれを検討し、答えを出さなきゃいけないというふうに考えておるところであります。

武見敬三自由民主党

○武見敬三君 この問題は、合体したとはいえ、旧労働省と旧厚生省との間で非常にこの調整が難しい課題だと思います。お役人に任していただけでは恐らくできないんだろうと思います。したがって、この点について是非厚生労働省としての職員の士気を全体としてきちんと高めるという方向を確保しながら、この問題のしっかりとした解決と実現に向けて厚生労働大臣がそのイニシアチブを取られることを切に期待をするものであります。  そして、改めてこの独立行政法人の持つ意味の大きさというものについて確認をしていきたいと思います。この独立行政法人を通じて、先ほども申し上げたようなある種のしがらみというものを明確に断ち切る、それを行動で示すということが私は国民からまず最初の信頼感を回復するための第一歩だと思います。それはもう坂本さんさっき御指摘になったとおりなんですよ。ここでもしそれをうまくできないような事態に陥った場合に、最初からこの年金制度全体の改革にかかわる国民の信頼失っちゃうんですね。したがって、これは極めてそういう最初の一歩という重要な意味を占めているものでありますから、その点についての御理解を賜りたいと思います。既に回答は大臣から得られているのでこれ以上御回答を得ようと思いません。改めてこの点についてしっかりとやっていただきたいということ。  それから、こういう問題については、私は、与党、野党とか、衆議院とか参議院、関係ないと思いますよ。こういう点についてしっかりと共通認識を持って取り組むことがやっぱり立法府の中では求められるというふうに私は考える者の一人であります。  以上、これにて私の質問は終わらせていただきます。

岸宏一自由民主党

○委員長(岸宏一君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十三分休憩      ─────・─────    午後一時一分開会

岸宏一自由民主党

○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、国井正幸君及び蓮舫さんが委員を辞任され、その補欠として狩野安さん及び前川清成君が選任されました。     ─────────────

岸宏一自由民主党

○委員長(岸宏一君) 休憩前に引き続き、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

小林正夫民主党・新緑風会

○小林正夫君 民主党・新緑風会の小林正夫です。  四月の十二日の本委員会における答弁、それと十四日の参考人陳述を踏まえて、病院以外の福祉施設の雇用問題について改めて質問をしたいと思います。  まず、四月の十二日の本委員会で、私の方から、今回の法律案に雇用確保について十分配慮するということを法案に明記しないのは本法案を提出している厚生労働省の任務に反するのではないですか、こういう質問をいたしました。青柳政府参考人からは、通常こういった組織法の中に規定することは余り例がない、このように答弁がされました。  余り例がないということは、過去に少しは例があったこと、このように私は理解しますので、どういう例があったのか、具体的に報告を願いたいと思います。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 四月十二日の私の答弁に対するお尋ねでございますが、四月十二日の段階では、私、そういう例があることは承知をしておりませんでした。しかし、これはつぶさにこういったものを調べた上での認識ではなかったものですから、えんきょくに余り例がないというふうにお答えをしたところでございます。  その後、改めて、その制度の基本となる共通の法律事項を定めている独立行政法人の通則法及び各独立行政法人の名称や目的、業務の範囲等を定めております独立行政法人の個別法、これらについて調べさせていただきました。既存の独立行政法人は百九の法人がございますが、その個別法において雇用への配慮等に関する事項を規定した例はないということを確認しております。

小林正夫民主党・新緑風会

○小林正夫君 過去はなかったということですけれども、今回のこの法律は、この法律が成立をしますと、仮に成立をしますと、その後ろには雇用の問題が付いている法律だと、私はこういう認識をしております。後ほどまた質問をいたしますけれども、私は、しっかり法律の中に雇用について十分配慮していくということを明記する必要があると、このように私思っております。そのことだけお伝えしておきたいというふうに思います。  次に、先ほど言った組織法、こういうことですけれども、十二日の答弁で、職員を施設に付けた形で売却をするといったような条件は、一切私どもとしては原則付けない、このように政府参考人の答弁がありました。また、条件なしの一般競争に入札に付される施設は二百六十一施設になると考えている、このようにも言われました。したがって、今私が言ったように、この法律が、組織法とはいうものの、成立をすれば、そこに働いている人たちを整理をしなきゃいけない、こういうことが発生するんだと思います。  それと、十二日の武見委員の発言の中に、売却益についての質問がありました。今日の午前中の質疑の中でも、売却益についての質問もありました。要は、年金福祉施設等の簿価八千九百億円に売却実績の二七・五%を乗じると売却益は二千四百億円程度になる、この旨の答弁がされました。さらに、整理機構の運営経費は三百億円ぐらい掛かる、こういう見通しが言われていまして、この三百億円は二千四百億円の中から支払うということを考えているというお話でした。ですから、特別会計に戻せるお金というのは二千百億円程度になるのかなと、私はこのように思います。  このお金から使うわけじゃありませんが、雇用を整理するということになれば、そこで働いている人たちの退職金など、これは別の形で今積み立ててあるんでしょうけれども、結局そういうものも働いている人に支払うということになると思います。そのお金はこの保険料から払うということじゃありませんけれどもね、雇用を整理するということはそういうことだと思います。  この二千百億円というお金は、私たちの生活から見れば非常に大きいお金なんです。これはもうそのとおり間違いないんですけれども、ただ、年金積立金の百四十七兆円というお金の規模から見ると、この二千百億円というのは、私の計算が間違えていなければ〇・〇〇一四二%でしかないんです。だから、十兆円だとか二十兆円売却してお金が戻るということならば別ですけれども、この二百六十一施設で働いている人たちの雇用を無視して、生身の人の首をはねて失業者を発生させるということに私はなるんじゃないかと思うんです。  それと、施設の中には黒字で採算の取れているところもある、このような報告を聞いております。  そこで、一番大事な人のことを考えないで建物とお金だけ、建物とお金だけを考えて売却するメリットはあるんですか。費用対効果はどのように考えているのか、お聞かせ願いたいと思います。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 四月十二日の委員会におきまして一定の前提の下にお示しをしました売却収入につきましては、ただいまも御指摘ございましたように、確かに積立金と比較すれば少額というお考えもあろうかと存じます。しかしながら、一方で年金財政につきましては、御存じのように、平成十七年度の予算におきまして、厚生年金及び国民年金のそれぞれにつきまして、単年度の収支均衡を図るために積立金の取崩しを行うという極めて厳しい財政状況になっております。  こうした厳しい年金の財政状況も踏まえ、また施設を取り巻く社会環境あるいは国民のニーズの変化等によりまして、年金福祉施設を例外なく整理するというのが今回のこの法案をお出しした背景にございます。このことは、被保険者や年金受給者の年金に対する信頼の回復というものにつながるものでありまして、これは金額では換算できない大変大きな効果があるものというふうに私どもは考えております。  なお、施設の譲渡によりまして生ずる雇用問題について、前回も御懸念お示しでございましたが、一義的には雇主である委託先法人が責任を持って対処することになりますけれども、私どもといたしましても、整理機構と協力をしながら、委託先の法人が行います再就職の援助に対して可能な支援を行いまして、職員の雇用については十分に配慮をしてまいりたいと考えております。

小林正夫民主党・新緑風会

○小林正夫君 そこで、大臣、お聞きをしたいんです。  被保険者や国民のニーズにこたえる施策だと私は思えないんです。人の扱いも乱暴ですし、今の施設の処分についても、黒字のところもあるけれども、全部取っ払っちゃう、売っちゃうんだと、こういうことは余りにも乱暴だと思うんです。  前回の質問でもお話をしましたけれども、厚生労働省の任務は、職業の確保を図ることを任務とすると、これが厚生労働省の役割ですから、そういう点から見て、今回はこの被保険者や国民のニーズにこたえている施策だと、大臣、どのように思われているのか、御見解をお聞きしたいと思います。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 午前中もお答え申し上げましたけれども、昨年来の年金を取り巻く議論でありますとか、そうした中でのまた社会保険庁に対する不祥事、いろいろな御批判、そうしたことの御議論でありますとか、そういう御議論が国会の中、また外でもいろいろ続けられてまいりました。私どもは、そういう議論の中で、やはりこうした社会保険庁が持っております福祉施設というのは売却すべきである、譲渡すべきであるというお声が極めて強かったというふうに理解をいたしております。したがいまして、まず今回の私どもがお願いをいたしておりますことは、一つに国民の皆様のお声を受けてというふうに考えておりますということをまず申し上げたところでございます。  そうした中での今回のことというふうに思いますけれども、また同時に、国民のニーズの変化とか、御説明申し上げておりますけれども、これも確かにあるというふうに思います。それぞれの施設、できたころはそれなりの意味があり、また正に時のニーズに応じて造られておりますし、そしてまた、それにこたえて一定の役割は果たしてきたんでしょうけれども、今日、そうした施設がどうしても、社会保険庁の一つの組織の中でといいますか、社会保険庁が持っておる施設として必要なのかどうかという判断はまた今日しなきゃいけない。そういうことを考えますと、やはりもう役割を終えたという、私どもは役割を終えたものが非常に多いという判断もいたしておりますし、そういう中での今回のことであるというふうに申し上げておるところでございます。

小林正夫民主党・新緑風会

○小林正夫君 いろいろ意見があることは承知をしておりますけれども、本当に今回のやり方を見ていると乱暴過ぎるなと、このように思います。人を一番大事にしなきゃいけない厚生労働省として、本当に大臣が今おっしゃったようなこと、国民のニーズに本当にこたえた提案だったのかどうか、どうしてもその疑問は払拭できない、私はこのような状況です。  次に、年金事務費などに関して質問をいたします。  この質問に入る前に、今日の午前中のやり取りを聞いていまして、一度大臣に確認をまずさせていただきたいと思うんですけれども、年金保険料は今後福祉施設の整備費及び委託費には投入しないと、こういう答弁が何回もありました。ということは、今後施設は造らない、こういうふうに理解しておいていいですか。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) そのとおりでございます。

小林正夫民主党・新緑風会

○小林正夫君 実は、厚生年金保険法の第四章に福祉施設という章があるんです。福祉施設は造らない、このように大臣今明確におっしゃいました。でも、この厚生年金保険法の第四章に福祉施設という章があって、そこにいろいろ法律が書かれているんですが、このことはどのように考えればいいんでしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) ただいまのお尋ねは、厚生年金保険法で申し上げれば七十九条の条文に関するお尋ねかと存じます。  これは、福祉の増進のため、必要な施設をすることができるというふうに規定がされておるわけでございますが、この必要な施設というのは、被保険者の福祉を増進するために必要な施策を行うという意味で法令用語としては使われている言葉でございますので、施設というのが、いわゆるハードの意味での建物という狭い意味で申し上げれば、先ほど大臣からお答えしたように造らないということで私ども決定をしているわけですが、例えば年金相談等、被保険者に対する様々なサービス向上に資するような事業、こういったものは引き続き行っていかなければならないと考えておりますので、そのための必要な施策は引き続き行ってまいるということになります。

小林正夫民主党・新緑風会

○小林正夫君 七十九条については後ほど質問をしますけれども、要はこの第四章に福祉施設というこの言葉が残って、この章があるんですよ。それで、今後は福祉施設を造らない、こういう方針が決まったわけですね。このままこの章として福祉施設というものを残しておいていいんですか。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 今、七十九条に触れてもお答えを申し上げておりますけれども、私も、この七十九条の施設をするというこの言い方、引っ掛かったものですから前に調べたことがあります。そのときに、この施設をするというのが、実は事業をするあるいは施策をするというふうに読むんだと、そのころの法律に幾つかそういう書き方があるというふうに言われましたけれども、施設をするというのは、事業をする、こういうふうに読むのだと、そういうためにこういう書き方がしてあるというふうに私は今理解をいたしております。  したがいまして、福祉施設というところも、施設を事業に置き換えれば福祉事業になるなというふうに理解をいたしておるところでございます。

小林正夫民主党・新緑風会

○小林正夫君 施設を造ってきた、このことが大変大きな問題になっていろいろ今日まで検討してきた。でも、福祉を今度はすると。そのことをきちんと、今までの法律をそのまま残しておけば、施設が造れるという、こういう法律の下で今日までやってきたと私は思います。ですから、施設を造らないというならば、私はこの第四章を含めて検討する必要があるんじゃないかと思います。  そこで、確認のためなんですが、今後年金保険料を充当する項目と金額を教えてください。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 平成十七年度の予算におきまして、年金の保険料を用いまして行います広い意味での福祉施設事業ということで申し上げますと、一つは年金住宅融資の利子補給金として五百三十六億円、これは、御存じのグリーンピアあるいは年金住宅融資について平成十七年度で廃止をいたしまして、今後年金保険料は投入しないということになっておるわけでございますが、そのためには財政投融資資金からの借入金を一括で償還するというようなことをこの十七年度に併せて行うわけでございまして、十八年度以降はこうした利子補給金等の経費は予算計上は行われないということになっております。  また、年金の福祉施設ということで限定いたしますと、廃止する施設の解体費、これは独立行政法人に出資をするわけでございますが、その廃止する施設について解体する経費というものを十五億円、これを十七年度、計上させていただいております。  さらに、年金相談業務ということで、被保険者等へのサービス向上に直接寄与するものについて、国民のニーズに応じてサービスの確保を図るということから一千十億円を平成十七年度に計上させていただいております。

小林正夫民主党・新緑風会

○小林正夫君 何回も同じことを言っているとしつこくなりますからこれでやめますけれども、今言ったようなところに年金保険料は使っていくんだ、施設には使わないんだ、こういうことですね。  ですから、私は、きちんとそのことを明確に、法律でもだれが見ても分かるような法律にしておく必要があるんじゃないでしょうか、このように思います。  したがって、今回のこの法律の提案は、冒頭言ったように、人のことも、本当に失業者が発生してしまうという心配のあるやり方、施設についての売却も、一円でも高ければどんな買手にも売っちゃってもいいんだという、こういう方針。それと、今言った、私から見れば法整備も必要じゃないかと思うんですけれども、この整備もされてこない。私は、非常に乱暴な提案なんだな、このようにどうしても思えて仕方ない、このようにお話をしておきます。  次に、視点を変えて、福祉施設、特に宿泊の施設についてお尋ねしたいと思います。  厚生労働省の年金福祉還元事業に関する検証会議で、年金福祉施設などの役割について有識者からいろいろな検証が行われました。厚生労働省として、年金福祉施設等の果たしてきた役割、また今果たしている役割をどのように評価しているのか、お聞きをします。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 年金の福祉施設につきましては、被保険者や受給者の健康の増進あるいは福祉の向上を図り、また年金の場合には、若いときから年金の受給年齢に達するまで大変長期にわたり保険料の拠出をお願いするわけでございますので、そういった保険料を拠出していただく被保険者等へ被保険者である間から福祉の還元を行うと、こういうことを目的として設置をされたものでございますので、これらの施設造らせていただいた後に、文化、教養の場の提供であるとか、あるいは健康で文化的な老後の生活を確保するだとか、あるいは健康づくりや生きがい対策といった、被保険者等の健康の増進あるいは福祉の向上というものに役立ってきたものと承知をしております。

小林正夫民主党・新緑風会

○小林正夫君 特に、平成に入って今の経済状態がずっと続いて各企業も大変厳しい事業運営をされている、こういう今の時代です。ですから、各企業も福利厚生費をできるだけカットして、自分のところで持っていた福利厚生施設を廃止をして、こういうのが今の私たちの働く環境になっているんじゃないかと思います。  そこで、この福利厚生施設を廃止して、今言ったように企業が廃止をしている中で、公的な福祉施設として年金福祉施設等の役割は私は引き続きあるのじゃないか。今回のお話の中にも、黒字で採算の取れている、こういう施設もあるわけですから、本当に一括処分をしちゃっていいのかどうか、この辺について御見解をお聞きします。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 年金福祉施設等につきましては、先ほどもお答えをさせていただきましたが、これまで一定の役割を果たしてきたというふうには認識をしております。しかしながら、近年の年金制度等を取り巻く厳しい財政状況、あるいは施設を取り巻く社会環境、あるいは国民のニーズの変化といったことを踏まえますと、今後は、保険料を年金福祉施設等に投入しないということに加えまして、年金資金等への損失を最小化するという基本原則の下に、年金福祉施設の廃止、譲渡が求められておるというふうに認識をしております。  なお、まだ公的な宿泊施設というのは必要ではないかというお尋ねがございましたが、例えば、平成十二年の五月に政府におきましては、民間と競合する公的施設の改革についてという閣議決定を行っておりまして、この中で、国等が設置主体となる公的施設については、早期に廃止、民営化その他の合理化を行うということが定められております。年金福祉施設としての宿泊施設につきましても、こういった閣議決定の対象として、廃止、民営化その他の合理化の対象になるものでございますので、その意味では、今回の法案はこうした考え方の整理にも沿ったものになるのではないかと考えております。

小林正夫民主党・新緑風会

○小林正夫君 特に、最近の労働関係の状況を見ますと、非正規社員、いわゆるパート労働を始めとして、正規労働者じゃない方の雇用の形が非常に増えています。そういう方たちからいろいろ調査、アンケートなど聞いてみますと、やはり福祉施設を確保してほしい、あるいは疲れたときにそういう施設を利用したい、こういう要望も大変強く回答としては出てきているんです。  国が勤労者の福祉の増進や健康の保持をどのように図っていくのか、このことも大変国としては大きな役割だと思いますけど、このことについてどのように考えているのか、また被保険者などの福祉を推進するための役割は今後だれがどのように担っていくのか、このことについて考え方をお示しいただきたい。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 非正規職員の福祉増進、健康保持についてのお尋ねでございますけれども、まず申し上げますと、これは通常の労働者と同様に、基本的にはその事業主が取り組むべきものであるというふうに申し上げなければなりません。  そうした中ででありますけれども、厚生労働省におきましては、パートタイム労働者の処遇改善について、パートタイム労働法及びパートタイム労働指針に基づき事業主を指導いたしますとともに、相談・援助事業や助成金の支給により、処遇改善に取り組む事業主への支援を行っておりますし、また派遣労働者についても、労働者派遣法及び派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針等に基づき、派遣先の労働者との均衡に配慮した取扱いを講じるように指導しておるところでございまして、私どもは、そうしたことを進めながら、非正規職員の皆さんの福祉増進、健康保持についても取り組んでまいりたいと考えております。

小林正夫民主党・新緑風会

○小林正夫君 福祉施設の設置場所、まあ今回廃止ということですけど、これは造る基準はあったんでしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 私どもが設置しております病院、会館あるいは老人ホーム、保養施設などの福祉施設につきましては、当時の様々な社会的な要請あるいは国民のニーズに基づいて設置をさせていただきました。  個別の施設についての場所、どのように選定したかということについてのお尋ねにつきましては、その当時、住民の方々あるいは地元企業等の要望を踏まえて、地方公共団体、これは首長さんの場合もございますし議会の場合もあったと承知をしておりますが、そういった地方公共団体からの設置要望というものをまずは前提といたしまして、ただ、要望があったら造るというわけではなくて、それぞれの施設の設置目的にかなうかどうかということ、あるいは利用人口がきちんと見込めるかどうかということ、あるいは交通の利便性がいかがかということ、それから今後の利用見込みがきちんと立つかどうかと、こういったことを考慮した上で個別の施設を造らせていただいたということでございます。

小林正夫民主党・新緑風会

○小林正夫君 大臣、最後の質問ですけれども、今青柳参考人からこの選定基準あるいは設置基準的なもののお話がありました。その中に、各地域や自治体からの要請によっても、まあそのことを全部聞いて造ったわけじゃないけれども、そういうものを聞きながら今日まで建設をしてきたと、こういうことだと思います。  現在、いろいろ私どもにも各自治体始めとして地域から、一生懸命そこに働いている従業員、働いている人の努力によって黒字として採算が取れている施設もある、そのことも踏まえて各自治体から存続をしてほしいという声も私は多くあるんだと思うんです。  そういう声を大臣としてどうとらえて、その声に対してどうこたえていくのか。この大臣の所見をお伺いして、質問を終わりたいと思います。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) これも午前中お答え申し上げておりますけれども、今回、年金福祉施設等の譲渡、売却というのは例外なく行うということをまず基本原則として決めております。その上での話でございますので、やはり例外なく整理合理化を進めるということでありまして、例外はつくらずということをまず基本原則にしておるということを改めて申し上げておるところであります。  ただ、そういいましても、地域における一定の役割を果たしてきたこと、これは事実でありますし、また今日、その役割が続いておるということも認めるべきところもあろうかと思いますので、それぞれまた地方自治体の皆さんとお話をさせていただくといいますか、いろいろ御相談だけは申し上げていきながらそうしたことを進めていくということでございます。  ただ、繰り返し申し上げますが、まず例外なく整理合理化ということを決めておる、それからまた一円でも高く売りたいということで、競争していただくということが大原則にして進めていくということは方針でありますということを申し上げているところであります。

小林正夫民主党・新緑風会

○小林正夫君 私の印象は、先ほど言ったように、人の扱いの関係、それと施設の売却の何か乱暴な方法、それと法整備も本来必要じゃないか、このように考えると、今回の提案は本当に乱暴な提案だなと、このように思うことを発言をして、質問を終わります。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 民主党の足立信也でございます。よろしくお願いします。  午前中の終わりに武見理事から、こういった問題あるいは医療制度改革の問題に引き続いて、これから続いてある問題は与野党の枠を超えて検討していかなければいけないとお話がございました。私はそのつもりで質問をしておりますし、是非その考え方で答弁をしていただきたいと、そのように思います。  まず確認しておきたいことは、この法案の持つ意味合いです。今までの議論、いろいろ話はございますが、要はこの法案は何を意味しているかということについて確認をしておきたいと思います。  三月三十一日の整理合理化計画では、社会保険庁が、施設ごとの、三種類に分けられると思うんですね、施設ごとの経営分析、それから評価分類を行った後に廃止する施設、それから評価分類はせずに、もう持続的に赤字のところは早期に廃止、売却するんだという種類のものが一つ、それから独立行政法人が廃止、売却する施設のこの三種類。これが三百十八施設だと思います。それに厚生年金病院十施設、それから社会保険病院五十三。この法案が国民年金法及び健康保険法事業のこれらの三百八十一施設を対象として、厚生労働大臣がそのうち独立行政法人に出資すると決める、出資すると決めた施設を譲渡又は廃止、これを独立行政法人が行う、そういう趣旨の法案だという解釈でよろしいですか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 整理合理化計画とこの法案との関係についてのお尋ねかと理解をいたしました。  この法案につきましては、独立行政法人という形で出資をした施設を譲渡、売却をすると、そのためにこの独立行政法人組織をつくって行うということを規定したものでございます。  その場合のやり方等あるいは基本的な考え方、あるいはこの出資によらずに整理合理化を行うもの等については、整理合理化計画の中で、これは病院を除いてではございますが、規定をさせていただいているという関係になっております。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 それで、同じ三月三十一日に社会保険庁の在り方に関する有識者会議のグランドデザイン出されました。それと先ほどの整理合理化計画、条件はいろいろあるけれども、原則として一般競争入札だということでこれはよろしいわけですね。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 原則として一般競争入札であるということはおっしゃるとおりでございます。  その際に、ただ、お尋ねにもございましたように、幾つか、その中心的機能を維持すべきということで配慮をするとされている、そういう意味で条件を付けるとされているものがあります。また、入居者がおられる老人ホームあるいは地域の医療に重要な役割を果たしている病院、これらについては慎重にその取扱いを行うべきということで整理合理化計画の中でも整理がされているところでございます。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 しかし、原則は一般競争入札だということだと思います。  この法案が成立すれば、あとは大臣にお聞きしたいんですが、厚生労働大臣として、新しく設立される独立行政法人に、その整理機構に出資すべき施設を決めなければいけない。この中にはもちろん医療機関もありますし、介護のための施設もある、そしてまた政府・与党の大好きな介護予防のための施設も含まれています。福祉の施設ももちろんあると。  これを大臣が出資すべき施設を決めるということは、この国の将来の医療、介護、福祉の姿を全部俯瞰して、そしてGHQ以来、昭和二十一年以来過去六十年近く国有民営方式でやられてきた、国の政策として行われてきた事業をここで一回整理して、過去にどれだけの総理大臣や厚生大臣、厚生労働大臣、それから官僚の方、利用者、医療従事者、どれぐらいの方がおられるかちょっと把握できないぐらいですが、そういう思いをここで一回大臣の判断で廃止、譲渡を決めるということになるわけです。非常に重い選択だと思います。  これから質疑をしていく過程の中で、この選択が過去六十年近いものを総括する非常に重い選択だという認識はおありですか。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 決して小さなといいますか、そうした意味で、今正に小さなという言葉使いましたけれども、そうした判断ではないというふうに理解をいたしております。そして同時に、やはりこうした一つの時の流れなのかなというふうに思うところでもございます。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 時の流れというお話がございましたが、ということは、この国の先ほど言いました将来の医療、介護、福祉のあるべき姿、これを既にもう大臣としては心の中に描いているものがあると、そういう認識でよろしいですか。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) お尋ねの、言っておられる医療だとか介護だとか、年金ということもおっしゃったかどうか、とにかくそうした社会保障全般のあるべき姿というのがどういう姿といいますか、どういうことでということが、どう理解をしてお答えをすればいいのかなということを今思いながら立ったところでございますけれども、今後の日本を考えていきますときに、社会保障全体をどうするのか、正に今、一体的見直しの議論というのが行われておりますが、それも幾つかの場所でやっていただいておる、そういうところでございますから、非常に大きな課題である、そのことは私もそういう認識を持っておりますということはまず申し上げたいと存じます。  そして、一番のやはりそこでの課題というのが、持続可能なものにしなければいけない、どうしたらこれらのものが持続可能な姿で今後やっていけるかということだというふうに思っておるところであります。そうしたところで国民の皆さんの御理解いただきながら必要な負担もお願いをしなきゃいけない。その国民の皆さんの御理解をいただく、信頼していただくということが非常に大事なことだと思っておりまして、今回の見直しもその信頼回復ということのためにお願いをしておるというのが私の理解のいたしておるところでございます。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 それでは、描かれる将来像を質問をすることによって描き出していただければ、あるいははっきりさしていただければと、そのように思います。  まず最初にお伺いしたいことは、私、参考人の方々の御意見、それから委員の先生方の御意見いろいろ伺っておりまして、自分自身これは違うと思うことがございます。それは、公的と公益性ということをどうも取り違えているという認識が私にはあります。国立病院、それから地方自治体立、あるいは年金病院、社会保険病院、厚生連、日赤、済生会、公的であるということとその施設が公益性を持っているということの認識の違いをはっきりさしていただきたい、あるいは大臣がどのように考えているかということを私はお聞きしたいと、そのように思っています。  医療提供者がだれであるか、それで公益性を区別することは間違っていると私は思います。公益性イコール不採算だということも間違っていると私は思います。公的であるということは、午前中、西島委員から提示がありました、税の面あるいは補助の面で優遇されている面があるという、ただそれだけの違いだというふうに私は考えます。多くの患者さん、医療従事者が求めているのは非営利だという理念です。その施設で剰余金があった場合に、特定の個人に帰属するんではなくて全部医療のために使うと、それが公益性である、非営利であると私は考えます。その考え方を持っていないと医療制度改革は私はできない、そう思います。  そこで、医療制度改革、何を考えるかと。今まで、政府案あるいは与党案かもしれませんが、どうも出口の方の診療報酬やあるいは保険料の話に終始してしまう。私は、医療制度改革という、まず第一に考えなきゃいけないことは医療提供体制、これをどうするか。そして、保険料を始めとする保険者機能、これをどう考えるかということが二番目に大事だと思います。もう一つ国としてやらなければいけないのは、どの分野に取り組んで、この国は将来この分野では間違いなくきちんとやるんだと、そういう方向性ですね、国が取り組むべき方向性、これを出すことが大事だと、そのように思います。  それで、まず初めに、公的であるか否かと、そのことと病院の持つ公益性について大臣の御見解を伺わせてください。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) これは午前中にも申し上げたところでありますけれども、公益性ということでいえば、何も公的な医療機関だけではなくて、民間の医療機関であれ何であれ、医療に携わるということで公益性ということがないはずはないわけでありますから、いずれにいたしましても公益性というのはある、それはまず基本的にそう思います。  ただ、公益性がより高いかということはあると思いますので、例えて言いますと、今まででしたら小児救急医療でありますとかへき地医療だとか地域に不可欠な医療、そういうもの、あるいは不採算部門とでもいいましょうか、不採算になりがちなところといいましょうか、そうしたところが言うならば公益性の高い医療だというふうに考えます。公益性について、まずそのように思います。  その公益性の高い医療を従来は公的な性格を有する医療機関が中心になって携わっていただいたということでありまして、そこは、申し上げておりますように、公益性の強い、高い医療を公的などちらかというと医療機関にやっていただいたことは事実でありますけれども、それは何も、そこまででありまして、公益性と公的な医療機関というものがイコールとか、そういう関係ではないというふうに理解しておりますということを申し上げたところであります。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 大方は同意できるような内容だと思いますが、一つ私が大臣の午前中からの答弁で気になるのは、病院であれば公益性があるというのは、これは間違っていると思います。採算部門に特化する病院ももちろんございます。それは必ずしも公益性ではないということは一つ申し上げておきます。  そして、今、日本が迎えている状況、高齢者の増加、少子高齢社会、少産多死社会の中で、医療費抑制のために、では方策としてはどういうことを思い描かれておりますか。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 今私どもが申し上げておりますのは、やはり介護でもそうですけれども、医療でも、医療費抑制ということでまずなさなければならないことは予防の分野だと、そこに力を入れることだというふうに思っております。したがいまして、健康フロンティア戦略ということも言っておりますけれども、そうした、申し上げますと予防というところに力を入れた施策ということを考えておるところであります。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 非常に広い意味で予防とおっしゃっているんだと思います。  それには、でも、今のこの現状でまずやらなければいけないこと、それはあさっての法案審議でもあると思いますが、無駄を省くこと、これが第一。それから、予防ですね、予防医療。この中には、私はやっぱりこれから高齢者が増える中で非常に重要なのはリハビリテーションだと思うんです。介護予防のためのリハビリテーション医療です。あるいは、寝たきりの人を起こすと、そういったリハビリテーションというものにどのように取り組んでいくかということは医療費抑制に直結している問題だと私は思います。  そして、リハビリテーション医療の特徴というものは、これは身体のリハビリだけではないんですね。精神的なフォローがないと途中で挫折して投げ出してしまう人が非常に多い。それを、心のケアをやっていかなければ続けることはできないんです。  今の医療で何が足りないかと言われている、心の医療ですね、説明する医療、それからいやしの医療、こういったものはリハビリテーション医療の中に含まれていることなんです。これは今の日本の医療としては私は足りないところだと、午前中に質問の中で充実しているという話がございましたが、私は足りないんだという認識でおります。リハビリテーションで、先ほど言いました要介護度を下げるのもこれだ、あるいは介護予防をすることも、介護の状態にならないこと、これもリハビリテーションだと私は思いますし、廃用性萎縮あるいは廃用性症候群にならないようにする、これもリハビリテーション。  その中でちょっと一例を申し上げますが、リハビリテーション医療の流れについてです。年間の脳卒中の患者さん、これは脳内出血あるいは脳梗塞、二十三万人。不幸にして亡くなる方を除けばほとんどすべての方が急性期のリハビリに入ります。そして、その後、急性期のリハビリが終わった後、そのまま家に帰られて維持期のリハビリというものに移る方が三、四〇%、大体三分の一。それから、残念ながら家に帰ることができずに施設の中で維持期のリハビリに移行してしまう、まあ安定期と、それ以上悪化しないという意味の維持期だということなんですが、これが大体一〇から二〇%。残る半分近くの方々は回復期リハビリと。これから改善していくんだと、日常生活がより良く送れるように回復していく過程ですね、改善していく過程の回復期リハビリというものが約半分。それを受けた後に家に帰る、在宅で維持期のリハビリできる方が七〇%。残念ながら施設に入ったままという方が三〇%。  要約しますと、脳卒中発症後に在宅でのリハビリ、家に帰れる方が三分の一、施設に入られる方が三分の一、あとの三分の一の方が急性期から回復期へリハビリを続けながら在宅に帰る、生活ができる。つまり、この部分を多くしていかなきゃいけないんです、これからの医療は。  そこで、その回復期リハビリ病棟、今全国にどれだけあるかという数をまず教えていただきたいと思います。

水田邦雄厚生労働省保険局長

○政府参考人(水田邦雄君) お答えいたします。  診療報酬の算定に当たりまして、お尋ねの回復期リハビリテーション病棟入院料の施設基準に適合しているものとして届出のあった医療機関数ということでお答えをいたしたいと思いますけれども、平成十六年七月一日現在で、全国で五百二十一病院、六百五十六病棟、病床数にいたしまして二万七千八百九病床と、このようになってございます。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 二万七千八百九病床。人口十万人当たりに換算しますと二十二・何人、人口一万人に二ベッド。これは足りていると考える方がおかしいんだと私は思います。  先ほども言いましたように、維持期のリハビリというのは、これ以上悪化しないように防止する。回復期のリハビリというのは、これから改善していって一般生活が送れるようにしていく。そういったリハビリテーションの部門が人口一万人に対して二ベッドしかないという状況をまずとらえていただきたいと。  ということで、今回の法案に直接結び付いております厚生年金病院と保養ホームのことについて絞ってお伺いをいたします。  御存じのように、皆さん当然御案内のように、保養ホームは病院と家庭の中間的な施設であると。入退院を繰り返すなど長期にわたる患者さんへのリハビリテーション及び生活指導、栄養指導を行うと、こういったものが保養ホーム。今、全国四か所あるわけですが、そのうち三か所は厚生年金病院と非常に近い関係にあって、お互いに連携を取り合いながらやっていると。  私の地元の湯布院厚生年金病院と保養ホームについて更に申し上げます。湯布院の保養ホームは、七十二室、八十一人、利用者数は二万七千人、利用率は九五%以上となっております。  地域への貢献という言葉が盛んに出てまいりますが、湯布院の保養ホームの利用者を地域別に見てみますと、福岡が一番で約五〇%、二番目が広島で八・六%、三番目が大阪で六・一%、四番目が兵庫で四・九%、大分は四・一%で東京の三・七%とほとんど変わりません。それから、保養ホーム滞在者の病院利用率、九〇%です。午前中は自主トレーニングとして病院でリハビリテーションを行っております。紹介率は八五%から八九%。  そして、私が取り立てて申し上げたいのは、反復して保養ホームを利用される方、これは何を意味するかというと、施設に入る必要がなくて在宅生活を送りながら、でも時々ここへ来てリハビリテーション、病院と連携しながらリハビリテーションやることによって在宅の生活を送れている人という意味です。この率が三八・一%。恐らくこういう施設がなかったら、施設に入ったままの維持期のリハビリテーションに行く人たちなんだと思います。ここが重要なんです。在宅へ帰していくための中間的な施設であって、それが病院と連携を取りながらある一定の成果を上げていると。そして、湯布院、湯河原、玉造の病院とホーム、一体として見た場合も収支はすべて黒字です。  こういったことを考えていきますと、私は先ほど、この国の将来抱えている問題、あるいは医療費抑制するための問題として、このリハビリテーション医療を、先ほどの回復期リハビリ病棟の少なさも挙げましたが、国の政策医療として取り組むべきではないのかと、私はそう単純に思っております。そのことに対する御意見、いかがでしょうか。

岩尾總一郎厚生労働省医政局長

○政府参考人(岩尾總一郎君) 患者のQOL向上の観点から、急性期の病院、そして急性期、回復期の施設における治療を経て自宅に、住み慣れた環境におけるかかりつけ医の下での療養という、患者の症状に応じた一連の流れが地域において確保されるということは、医療機関同士、それから医療機関と福祉施設の連携という意味では大変重要だと思っております。  したがいまして、私ども十八年度に予定している医療制度改革においては、原則として、日常生活の圏域で急性期から回復期、在宅療養に至るまでの適切なサービスが切れ目なく提供できるように診療ネットワークを構築していくということを基本的な考えとして現在医療計画の見直しを検討しているところでございます。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 ちょっと、どこがポイントか理解が難しかった答弁でしたので、もう一度繰り返します。  リハビリテーション医療をこの国に広めていく、これは喫緊の課題、それから将来を見据えた課題、政策だと。このことをまずは認識する必要があると思います。  となった場合に、先ほどのように厚生年金病院と保養ホームの連携、これはリハビリテーション医療の私はモデルケースだと思っております。そのモデルケースがすべていい評価を、いい成果を上げられていると、しかもそれが地域だけではなくて全国シェアであると。この状態でこの厚生年金病院と保養ホームを切り離すこと、その意義は一体どこにあるんですか。国の政策医療として取り組むべきだという意見と併せて、その二点についてお答えを願います。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) まず、厚生年金病院に隣接をして設置をいたしております厚生年金保養ホーム、この果たしてきた役割についてでございますけれども、これはもう今先生もるるお述べいただきましたように、病院との連携の下で、食事療法でありますとか運動療法などを必要とする方々に、正に栄養士による栄養相談だとか温泉を利用した滞在型のリハビリテーションなどを行って利用者の社会復帰に貢献してきた、これはもう私もそのように認識をいたしております。  その厚生年金保養ホーム、今回の厚生年金病院を譲渡するということの中でどうなるのだということでございますけれども、そして切り離していいのかというお話でございますけれども、この厚生年金の譲渡に当たりましては、施設の中心的な機能を維持することを条件としてというふうに私ども言っておりますので、そして原則一般競争入札でございますから、その原則どおり一般競争入札にはいたしますけれども、もう一度申し上げますと、施設の中心的な機能を維持することを条件にしてと言っておりますから、今日お話しいただいておりますように厚生年金保養ホームが果たしておる機能を考えますと、その必要な機能は一体化して維持されるものというふうに理解をいたしておるところでございます。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 ちょっと私が間違えているのかもしれません。今の大臣の説明は厚生年金病院に関することであって、保養ホームも今御説明にあった方針でしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) この点については、三月三十一日に私どもが策定をさせていただきました整理合理化計画の中に、地域医療に貢献している施設の中身といたしまして、社会保険診療所、健康管理センターと並びまして保養ホームを挙げさせていただいております。これらについては、一定期間施設の中心的な機能を維持することを譲渡条件とするというふうに明記させていただいております。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 今の説明ですと、厚生年金病院と保養ホームは同じに考えているというふうにも私は取られますし、でも実際は法案上は全く別に扱うというふうにも取られます。どちらなんでしょうか。  私が実数を出したり説明してきたのは、リハビリテーション医療のモデルケースとして厚生年金病院と保養ホームが一体化して連携を取って成功しているということを申し上げたわけで、ですから切り離す必要はないんではないか、あるいは、当然のことながら一体化してこの形を進めるべきではないか、それが国の医療政策ではないかということを申し上げたわけです。今の説明はどちらにとらえればよろしいんでしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 整理してお答えを申し上げますと、まず厚生年金病院につきましては、繰り返し申し上げておりますように、病院の譲渡に当たりまして、病院機能の公益性を損なうことがないように十分検証した上で適切な方法によってその結論を得ると、こういうふうに整理をしております。一方、保養ホームにつきましては、ただいまも申し上げましたように、譲渡をするということは大前提とした上で、施設の中心的な機能の維持を条件とした一般競争入札によるとしております。  したがいまして、病院そのものについて、先ほど申し上げましたように、機能の公益性を損なうことがないようにという制約条件の中での譲渡を考えるわけでございまして、その際に、保養ホームについても、また保養ホームが現に果たしている中心的な機能の維持が果たされるようにということで譲渡をさせていただくということになりますので、両者、言わば併せて御理解をいただければ、基本的に現在それぞれの施設の果たしている機能というのがおおむね維持されるというふうに御理解をいただいて差し支えないかと存じます。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 役割というか、その施設の、地域における果たしていることですね、それは変わらないんではないかと。それは物は言いようですよ。でも、経営者あるいは施設を運営する人が違った形になることの可能性の方がはるかに高いわけですよね。一円でも高く売りたいんですよね。そこは、その地域にとっては、機能が保たれるということと、一体化で考えるんだということはまるで違う話ですよ。そこを明確にしていただきたい。  やはり私は、一体化してこその施設だと思っているんです。しかも、それが国にとって大事なことなんだと思っているんです。その説明にはなっていない。そのことをもう一度お願いします。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 現在におきましても、保養ホームを利用しておられる方のサイドからこの利用の状況を見ますと、例えば保養ホームを利用しておられる方は、例えば厚生年金病院の診療から継続して利用しておられる方ばかりではございません。先ほど御紹介ございました例えば湯布院の厚生年金の保養ホームを一つ例として平成十五年度の利用実態を見てみますと、保養ホームの全利用者が二万七千九百九十五人、およそ二万八千人ぐらいこの十五年度にいらっしゃったわけでありますが、そのうち、厚生年金病院の診断書を言わば持参して、そういう意味では病院から継続した形でこの保養ホームを利用されたという方は三千八百人余にとどまっております。  したがいまして、それ以外の方は、保養ホームで例えば温泉に入るために、それだけを目的にして見えた方というのが大部分ということでもございますので、その意味で申し上げれば、先ほど申し上げたような形で、それぞれの施設の機能の配慮というものの中で、従来どおりの利用が可能になるということを中心にこれらの施設についての取扱いを考えさせていただくのが適切ではないかと思う次第でございます。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 ちょっと墓穴を掘るような答弁なような気がします。  私が言っているのは、そこの数に、じゃ、在宅で暮らしながら、短期間でもそこに反復して、保養ホームに反復してやっと在宅生活を維持できている人、この方が厚生年金病院の紹介状を持って来ますか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 在宅でこの保養ホームの近隣にお住まいの方は、リハビリテーションという、医学的な意味でのリハビリテーションにとどまらず、広い意味での介護予防でありますとか、そういったことで広く御利用いただいているものと思いますので、そのような利用を引き続き、言わば中心的な機能として果たすことができるようにという譲渡条件を付させて私ども譲渡をさせていただきたいと考えている次第でございます。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 全国シェアだという説明はどこに消えたんですか。その回答の仕方というか答弁の仕方、やはり本質がつかまえられていないと言わざるを得ないですね。中間的な施設であるからこそ、しかも、そこに反復して通いながらやることによって在宅でいられることを維持できている人たちなんですね。  これは、この方々は厚生年金病院から、急性期ではないですから、紹介状を持って訪れるという方に該当しないわけですよ。そういった方々を増やすことが、これからの少子高齢社会、高齢者が多くなる社会にとって大事なことなんではないかという問題提起をしているわけです。それが、地域の方が安易に温泉に入るために使われているとかそういった説明では、先ほど大分が実は東京の方とほとんど同じぐらいだということの説明には何もならないじゃないですか。  これは、今の私の質問とそれから青柳部長の答弁聞かれていて、やはり大臣も、言っていることがかみ合っていないという認識は十分あると思うんです。私は、これから先目指すべき方向はそこなんだという提案に対して、しかも一体化していることが大事なんだというもう一つの提案に対して、大臣の御意見を伺わせてください。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) リハビリテーション医療の重要性については、今先生のお話を伺っておりまして、改めてその重要性、認識をさせていただいておるところでございます。  そしてまた、ちょっと話は違うのかもしれませんが、昨日、私は尾道に参りまして、あの尾道方式というものを見てまいりました。正に医療と介護が一体になっておるというあの姿を見て、これも今後の私どものあるべき姿として、取るべき姿として大変参考になるものを、いいものを見せていただいたと思って帰ってまいりました。  その話と今日の今の先生のお話、かなり私の頭の中ではダブっておりまして、今後の医療のあるべき姿についての一つのまた答えをお示しいただいておるものだというふうに思います。まずそのことは申し上げます。  その後の、一体ということは、完全に同一敷地内だとか、その運営する人が同一であるということまで言って一体というふうなことがどうかというのはあろうかと思いますが、正に一体的にこうした医療とまたリハビリテーションが行われること、これもまた大変好ましいことだというふうに存じます。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 そのお話ですと、じゃ、端的にポイントを絞ってお伺いします。  この法案の取扱いの保養ホームと今年度中に検討する厚生年金病院に対して、事業者が一つになる可能性、あるいは全く別々になる可能性、地方自治体との協議も繰り返しながら恐らくやられると思うんですが、その見通しはいかがでしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 大変申し訳ないお答えになろうかと存じますが、現時点で、個々の施設について、それをどのような方に個別具体に引き受けていただけるかというところについては、私ども全く見通しも立っておりませんし、ちょっとお答えするすべがないということでお許しをいただくしかございません。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 個々の施設ではないですよ。厚生年金病院と保養ホーム、このくくりをどう考えて、それの今後の構想ですね、正に。今の法案で取り上げられることと、今後一年間、今年じゅうですか、決めることについて、その見通しは少なくともあるんじゃないですか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 保養ホームにつきましては、先ほどの繰り返しになって大変恐縮でございますけれども、いずれにしろ、現在この保養ホームが果たしている中心的な機能というものの維持、これを中心に譲渡していくということになります。  したがいまして、いろんな可能性ということで申し上げれば、もちろん同一の主体がこれを、病院と保養ホームを引き受けていただく可能性もあると思いますし、全く別々の方々がそれぞれ引き受けて連携をしていただくような場合というのも当然予想されるわけでございますので、私ども、その点については、例えばこういう形でなければ売却をしないというような制約条件はなるべく付けないということで、それぞれの施設の中心的機能をどうやって維持していくかという点を重視して対処していくべきではないかと考えております。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 傍聴される方々には大変申し訳ないんですが、これ以上繰り返しても、前向きなというか、解決策というか、そういうものは得られないと思います。私の将来の医療政策、それから日本の現状をとらえた考え方は先ほど申し上げたとおりです。是非参考にしていただきたいと思います。  続きまして、社会保険庁としての責任の取り方についてお伺いします。  この法案は、私ども野党側の人間としましては非常にその取扱いに苦慮するものがございます。それは、元々この法案は社会保険庁廃止論から出た、で、委託先の公益法人、それからその先の福祉施設を廃止するためには、社会保険庁の廃止論があるからこういう独立行政法人が必要になるというところから出たものではないのかという認識があります。国民の信頼が失墜している社会保険庁を廃止するから新しい独立行政法人に廃止、売却をお願いすると、そういう立場なのではないかととらえております。  社会保険庁を、これを独法化するなら新しいこの整理機構の独立行政法人は要らないわけですね。今、社会保険庁に関しては、自民党の行政改革推進本部は公務員型の独立行政法人を推している、自民党の社会保障制度調査会及び厚生労働省、社会保険庁そのものは、厚生労働省の外局、スリム化してそのまま残すと。この結論は武見理事に一任されているわけですが、私どもとしては、やはり廃止があるからこの独法の案が出てきたのであるというふうに考えます。  社会保険庁を厚生労働省の外局で存続するなら、責任を持って徹底的に整理合理化する計画を作る、これがまず第一だと思います。そして、委託先公益法人と新たな契約を結べばいい、一年ごとに更新しているわけですから。そのやり方で十分だと思います。施設を整理合理化するためのそのまたプロジェクトチームを内部につくればいい。そういったことが責任持ったやり方だと私は考えます。  今の流れですと、社会保険庁がやることは整理合理化計画とその後の中期の目標の策定だと、計画はもう終わったと。  もう一つ大事な仕事は、委託先公益法人への指導監督の責任が社会保険庁にはあります。本庁に二百八十六人、社会保険業務センターに五百七十九人いるわけですから、まずやるべきことは、きちんとした分析から始めて、きちんと類型別に福祉施設を分類すること、整理合理化の目標設定だけではなく、その後の計画作り、そして実行することが、本当にこれから先つらい、大変なことだと思うんですね。  この数年、民間企業が行ったことは血と涙を伴った整理合理化ですよ。その徹底だったわけです。その背景に恐らく年間三万四千人を超える自殺者まで生んできたんだと私は思います。そのつらいことを、実行するというつらいことを民間に学ぶという姿勢がどうも感じられない。その姿勢で国民に対する責任が取れるのかということがどうしても気になります。  そこで、確認していきますが、まず、今回の独立行政法人整理機構法案は社会保険庁廃止論から出たのではないのかと。その点はいかがでしょう。それとは関係なく、将来の医療、介護、福祉の将来像、それに基づいてこういう形が出てきた。どちらでしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 今回のこの年金福祉施設の整理合理化は、あくまでも年金財政の近時の財政状況、厳しい状況、それから施設を取り巻く社会環境の変化、そして国民ニーズの変化というものに対応して、年金福祉施設について年金の保険料を新たに投入しないということにとどまらず、現在ある施設についてもこれを譲渡、売却することによって整理合理化を図っていこうというものでありまして、まずは社会保険庁の組織の在り方とはいったん別のところでこういった年金福祉施設の整理合理化そのものの政策的必要性というものがあるものというふうに承知をしております。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 全く別のところからというお話でした。ならば、厚生労働省それから社会保険庁そのものも、今後の案として、今の社会保険庁を多少スリム化して厚生労働省の外局、つまり今のまま置くということになって、そして整理合理化のための機構を独立行政法人としてつくると、そういうことになるわけですが。  ということは、社会保険庁には整理合理化を実行する力はないけども、民間に任しておけば無駄なものをきちんと廃止してくれるだろうというお考えがあるということですか。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) まず、最初の方のお話についてもう一回申し上げますと、とにかく社会保険庁に対する御批判が高まりました。そして、このままではいけない、新しく生まれ変わる必要があるということからこの話が始まったのは、もう先生も繰り返しお述べのとおりであります。  順番として、そのときに、この福祉施設、これをまず全部例外なく譲渡しよう、売却しようと、まずこのことが決まりました。そして、社会保険庁を新しく生まれ変わらすために二段構えでやろう。差し当たってできることといいますか、まずやれることということで、窓口業務のことだとか、そうしたようなすぐやれることをまずやろうということを言いました。そして最後に、じゃ、社会保険庁を抜本的に見直す、組織を見直すという答えを出そうというこのことで作業を進めてきたと、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。  そうした中で、じゃ、こういう独法をつくらなければ一体処分ができないのかという話でございますけれども、これももう先生御自身お述べいただいておりますように、三百を超える施設を対象にしておるわけでございますから、このような多くの施設を集中的かつ効率的に売却するには、これはもう理事長ですとか職員を民間から登用して、民間の持っておる知識、そうしたものを最大限活用できる専門の組織が必要だと今私たちは考えておるわけでございます。  特に、年金への損失を最小化するという考え方で、これは先ほど来少しでも高く売りたいということでありますけれども、そうした考え方に立って施設の譲渡等を行うに当たりまして、より有利な価格で買い受けてくれる譲渡先の開拓等、こうしたことを国が自らやるということはなかなか難しいことでございますので、不動産売買の専門的な、先ほど来申し上げておりますように、知識持った民間人を活用することでこの作業をいたすということでこの法律案をお願いいたしておるところでございます。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 ということは、既に譲渡をされたグリーンピア、八施設が既に譲渡、で、二施設が今年度中に譲渡予定、これはまあ別に独立行政法人をつくって廃止、売却の方にしたわけでも何でもないわけで、じゃ、この十施設の譲渡に関しては失敗だったということですか。うまくなかった。もっといいやり方をしたいためにつくるということですか。

渡辺芳樹厚生労働省年金局長

○政府参考人(渡辺芳樹君) ただいま、先生、グリーンピアの件についてお触れになりましたので、私の方から少し過去の経緯も含めまして簡単に申し上げたいと思いますが、現在のグリーンピアは特殊法人年金資金運用基金というところが設置運営をしておるわけでございます。この組織は間もなく独立行政法人に変わっていくということでございますが。  このグリーンピアは、昭和五十年代からずっと整備されてきたものを、平成七年の閣議決定におきまして、地元の意向を踏まえつつ、県への譲渡など地域利用を図るという大きな方針転換を行って今日に至っております。そのために様々な条件設定をしました基本方針というものを定めてこれをやってきておりまして、ほぼ先生御指摘のように全体の処理が十七年度中に付きそうなところまで来ておるわけでございます。その年金資金運用基金を中心に、都道府県、市町村、場合によっては民間ということもありますが、一定の条件の下に処分が進み、残っておりますものも、地元の地方公共団体での予算措置等を含めて進んできておる、こんなような状況でございます。

足立信也民主党・新緑風会

○足立信也君 もう時間ですので質問を終わりますが、社会保険庁はスリム化して残す、政管健保の独立行政法人をつくる、整理合理化のための独立行政法人を結局二つつくる、そういうことはなかなか納得できないということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

柳澤光美民主党・新緑風会

○柳澤光美君 民主党・新緑風会の柳澤光美でございます。  私は、大変言いにくいこの独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案について四月の六日の本会議で質問をさせていただきました。ただ、法案の質問よりもおまえの思いの方が長いじゃないかという声もちょっといただきましたが。済みません、今日もちょっと法案の質問に入る前に私の思いの続きをちょっとさせていただきたいと。  私、昨年当選させてもらって、秋の初質問でも尾辻大臣にこういうお願いをしました。私の場合には、民間に働いている者の職場の現状、そしてそこでどんな思いで今働いているかという声をできるだけ率直に伝えさせていただきたいと。その思いの本会議のあの冒頭に私がお話ししましたのは、小泉改革、あえて言いますけれども、私は、竹中大臣も一緒にグローバルスタンダード、グローバルスタンダードと言いながら、本当に強い者しか生き残れない、あるいは市場経済至上主義のアメリカンスタンダードを急激に私は日本に取り入れ過ぎたと、早く入れ過ぎたというお話をさせてもらいました。そのことが、今まであった日本の、人に対する思いやりだとか助け合いだとかという心、あるいは血縁、地縁、職場の縁というジャパニーズスタンダードを壊してしまったという問題提起をさせていただきました。  そこで、実はお手元に、週刊ダイヤモンドの記事を一月二十二日付けと四月の二十三日付けの記事をお手元に配付をさせていただきました。この問題は、実は三月三十日の衆議院の厚生労働委員会で自民党の御法川議員、それから私ども同僚の城島議員の方から厚生労働委員会で質問をさせていただいて議論をいただいております。  ただ、今日私がここでもう一度させていただこうというふうに思っていますのは、それ以降、全然改善が進まないどころか非常に混乱状態が続いているということ、それからこの参議院の厚生労働委員の皆さん、御存じの方いらっしゃると思いますが、是非この実態を知っていただきたいということでちょっと簡単に経緯を説明させていただきたいと思います。  この問題は、昨年の三月に東急電鉄グループがそのグループのリストラの一環として子会社の東急観光の株を売却すると。その発行済株式の八五%を取得したのがAIPという、アクティブ・インベストメント・パートナーズというところが経営をする投資ファンドのJPEとAF2、どういう略から来ているか分かりませんが。ちなみに、この筆頭株主になったJPEとAF2は日本での営業実績、実態はありません。所管する国土交通省も衆議院の答弁の中で、その実態はつかめていないというふうに話されています。  この二社のファンドを運営するのがアクティブ社なんですが、そこの代表が青松英男氏という方で、その方も入った上で、取締役九名中五名、それから監査役三名中二名の役員を送り込みました。ですから、東急観光の実質的な経営権をすべてそこに握られたと。  実は、東急観光の労働組合の方は、むしろ新しい経営陣になってアメリカの新しい手法できちんとまた会社を立て直そうと、すばらしい会社にしようという形で逆に意気込みが燃えていたわけですね。ところが、実際動き出してみると、その新経営陣は組合と全く交渉を行わないで、労働協約の一方的な変更を行ってくる。ですから、比較的今まで良好だった労使関係が根幹から崩れてしまうという状態になりました。  で、実質的な経営権を握っているその青松氏というのはファンドを動かしている上のアクティブ社になりますから、そこの会社、かいらいの社長等がいらっしゃる、そこまで言いません、いるんですが、実権はむしろ親元のアクティブ社の青松氏が握っていると。その方と話したいという組合の方の申入れをしても、使用者ではないので団体交渉を受ける立場にはないというふうに発言をされているようです。  その中で、次々と大変なことが起きました。  まず一つは、夏のボーナスが突然なくなりました。年間で払うと。今度は冬のボーナスになったときに、今度は事実上、実態的にはほごになりました。この中で苦しんで、東急観光の労働組合の皆さんは東京都の労働委員会に救済を求めました。ところが、労働委員会の勧告にも一切応じない。それどころか、そのことを契機に本当に悪質な組合つぶしが始まりました。その典型例が、社員会という組織をつくって、職制を使ってそちらの社員会に移れ、今の組合を辞めろというのが、職制を使ってその脱退工作が、あるいは強要が始まりました。挙げ句には、労働組合から脱退した者にはボーナスを支給すると、脱退しない者には支給しないと。ですから、東急観光の中の働く者はもう全部疑心暗鬼になってしまって、組織全体がおかしくなってしまうというような状況になりました。  詳しい内容は、是非お配りした記事を皆さん目を通していただきたいんですが、大枠の事実関係はこういう内容です。  これは衆議院の方でも問題になりまして、私はこれの一番大切なことは、青松氏という方と直接交渉できない。このことについて、この状況と、労組法上、使用者性、その責任者というのはどうなっているのか、その辺の考え方とその使用者性について厚生労働省としての御答弁をいただければというふうに思います。

太田俊明厚生労働省政策統括官

○政府参考人(太田俊明君) お答え申し上げます。  本件につきましては、今先生からお話ございましたように、東京都労働委員会が不当労働行為事件として処理しているところでございまして、厚生労働省としましても重大な関心を持って見守っているところでございます。  係属中の案件でございますので個別具体的なコメントは差し控えさせていただきますが、まず一般論として、今先生お尋ねの労働組合法上の使用者性でございますけれども、一般論としましては、労働組合法上の団体交渉の当事者となります使用者とは、労働契約上の雇用主をいうものとされているところでございます。  ただ、しかしながら、学説におきましては、例えば親会社が、株式所有、役員派遣、下請関係などによりまして子会社の経営を支配下に置き、その従業員の労働条件につきまして現実かつ具体的な支配力を有している場合には、その親会社は、子会社の従業員の労働条件につきましては、子会社と並んで団体交渉上の使用者たる地位にあるというのが通説でございます。最高裁判決も同様の考え方を示しているところでございまして、通説、判例によりますれば、このような考え方に従って判断されるというものでございます。

柳澤光美民主党・新緑風会

○柳澤光美君 済みません、もうちょっと確認させてもらいます。  ということは、親会社の青松氏は団体交渉に出なければいけない責任があるという判断でよろしいですか。

太田俊明厚生労働省政策統括官

○政府参考人(太田俊明君) お答え申し上げます。  まず、個別具体的なことにつきましては、東京都労委が、今係属中の案件でございますので、そういうことも含めて判断するところでございます。  ですから、一般論で申し上げますれば、親会社が今申し上げた現実かつ具体的な支配力を有しているというふうな判断になれば、子会社と並んで親会社の方も使用者となるということでございます。

柳澤光美民主党・新緑風会

○柳澤光美君 分かりました。  責任があるということは、個別事由では難しいとしても、確認を取らさせていただきたいと。  私は本当にジャパニーズスタンダードが壊れてしまったという思いが非常にありまして、例えば最近ライブドアとニッポン放送とフジテレビの件が大変話題になりまして、まあ昨日どうも決着したようでありますが、私は、コーポレートガバナンス、特に株式会社というのは、決して僕は株主のためにだけあるんではないというふうに思っています。  企業にはたくさんのステークホルダーがいます。株主はもちろんです、株式会社ですから。ただ、そこに働く従業員もそうですし、それから多くのお取引先もそうです。もっと言えば、地域社会というのもそうなりますし、もっと言えば、企業というのは日本のためにという大きなロマンがあるべきですし、日本の企業というのは、そのコーポレートガバナンス、株主のためだけだということではないだろうというふうに私は思っています。ところが、今回の場合は、本当にその記事によれば、ボーナスは支給しない上に、株主の配当だけは行っている。この辺のところがもう根幹から崩れてきてしまう。  私は実は長年労働組合の役員をやってきました。日本の労働組合というのは、世界の職種別の横断組合とは違って、企業別組合が民間はほとんどです。ですから、私もいつも経営陣とは真正面から議論をしました。それから、組合員にも厳しいことを言ってきました。その根幹にある考え方は、かれた井戸からは水はくめないという考え方です。井戸がかれてしまったら、私たちの働く場も賃金もすべてなくなってしまうと。だから、井戸に水をためるまでは労使の対立はないんだと、生産性向上は労使の共通目的なんだと、そしてそのたまった水を分けるときに堂々と主張しようよと。場合によったら、ストライキ権もあるし、主張をすると。でも、なくなってしまったら何も残らないということが前提にしてきました。ですから、常に労使で真剣の交渉もしてきたわけです。ところが、この部分が日本の労使関係で崩れてしまうと、日本の本当の国を伸ばしてきた企業の根幹が私は崩れてしまうというふうに思っています。  ですから、私たち民間は、労働組合は、労働条件上げるだけではなくて、お客様にまず喜んでいただく、お取引先や地域社会にも喜んでいただく、そして結果として井戸に水がたまって自分たちの労働条件も上がる、そしてこの会社に勤めていて良かったという思いを持ちたいと。僕は東急観光の労働組合の皆さんも本当そう思ったと思うんです。それがこうやって崩れてしまう、ジャパニーズスタンダードが崩壊をしてしまう。  是非ここでお願いをしておきたいんですが、私は、去年の十一月九日の初質問が、五十五年ぶりに改正する労組法の改正でした。これは、労使の不当労働行為を中心に紛争が非常に長引いている、それを今回もっとスムーズに、迅速にする方法にしようではないかということでこれを通過させました。今年の一月一日からスタートしています。  先ほど、東京都の労働委員会の件で、個別件だとかいろいろありますが、そのとき私、大臣にお願いしたのは、厚生労働省が中心となってその辺の指導だとか全体のバランスを是非取ってほしいと。そういう意味では、今回これがどの程度のスピードで、こんな不幸な状態がどう長く続けないようにするかということを是非お願いしたいということが一つ。  それからもう一つは、衆議院の厚生労働委員会で、大臣の方からも、この件に関しては新たに研究会をつくって検討を始めたいという答弁をされています。始めたいではなくて、私は大至急やってほしいと。本当にプロジェクトをつくってでもいいからこの問題というのをやらないと、せっかく労組法を変えても実態が動いていかない。現実のところが良くならなければいけないというふうに思いますが、その辺の御見解をお伺いしたいと思います。

衛藤晟一自由民主党厚生労働副大臣

○副大臣(衛藤晟一君) 委員御指摘のとおり、これは、投資ファンドはJPEリミテッド、そしてAF2リミテッド、ともに社長は青松氏でございまして、このファンドを運用委託受けている会社がAIP、アクティブ・インベストメント・パートナーズでございまして、これまた代表が青松氏でもあります。そして、この投資ファンドは東急観光の八五・三%の株を譲渡を受けて、そしてこのAIPから東急観光に取締役で五名、この取締役会議の議長が青松氏がやっているということでございまして、言わば大変こういう形で投資ファンドが株式を保有するという新しい類型の持ち株会社ができたところでございまして、それについて労使関係の実態を把握したいと思っております。  また、御指摘のように、都労委の勧告を二〇〇四年の十一月、そして今年の二月、三月というように三度にわたって和解勧告について拒否をされているところでございまして、三度にわたっての都労委の勧告拒否というのは余り例を見ない、私どもにしますと、やっぱり一種の異常な事態だとも思っています。  そういう意味で、大変重大な関心を持って見詰めているところでございまして、そこで、やはり先日大臣からもお話を申し上げましたように、研究会の設置準備をただいま進めているところでございます。何とか五月中にも立ち上げたいということで準備を進めておりますので、どうぞ御理解をお願い申し上げたいと思っている次第でございます。

柳澤光美民主党・新緑風会

○柳澤光美君 はい、ありがとうございます。  どちらにしても、私はできるだけその不幸な状態を、特に働いている皆さんのこの苦しみというのは、疑心暗鬼の中で大変な状況にあるということは是非御理解をいただきたいと思いますし、私の方も、この後もいろんな形で追跡をさしていただきたいというふうに思っておりますので、是非よろしくお願いしたいと思います。  いよいよ本題の法案の方なんですが、言いたいことはたくさんあります。私は本会議で何点か質問をさしてもらいました。その質問をさしていただいたことは、今回多くの審議が行われて、参考人質疑があっても基本的には変わっていません。本当に、今回のこの独立行政法人をつくるというのは、何のためにつくるのかという目的が本当見えない、本当に見えない。それで、その問題点をつっついていくと、独立行政法人がつくってみなきゃ全部分かりませんと、結果としてはそういう答弁になります。  前提をちょっと確認さしてもらいたいんですが、私は、今回年金て付いたものが全部何か悪者になってしまって、社会保険庁が全部スケープゴートになってしまって、そこだけが何かぐちゃぐちゃになっている。ただ原点は、年金がうんと問題になっているということだけではないんですね。  国の、今年、今年度、毎年三十兆以上積み上げてきた国債が、赤字国債が今年五百三十八兆円になると。地方の借金も入れれば七百七十四兆円だと。国民一人当たり入れれば、赤ん坊も入れても一人六百万以上の借金になると。四人家族だったら二千四百万あると。ただ、国民は目に見えないものですから、でもそれだけの大きな借金になっている。しかも、国がやっている財投だとか短期証券だとか保証債務だとかって入れると、今年どうも一千兆円超える、一千六十二兆円になるというような新聞記事が出ました。国の税金、財政もここまで行っている。年金どころか、国の税金、国税、地方税ひっくるめてびた一文無駄遣いできない、これは年金だけの問題ではないと思っています。  それからもう一つは、社会保障給付が今年八十六兆円を超えると。二十年後にはほぼ八割増しになるだろうと、もっと行くかもしれないと。ということは、年金だけでなくて、医療も介護も、もっと言えば雇用保険も、すべてびた一文無駄遣いできないんですね。この前提は是非この場で確認をさしていただきたいなというふうに思っています。何か今回は年金のことにだけ行っていると。  ひとまずちょっと、後ほどつなげさしてもらいますが、今回、もう一度確認さしてもらいますが、一番の目的は、年金機構を、いわゆる独立行政法人をつくることではなくて、今まで一兆五千億近くもつぎ込んでしまった無駄遣いを一円でも多く取り戻そうということでよろしいですか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 先ほど来繰り返しておりますように、年金資金への損失を最小化すると、これが大変大きな原則になっていることは御指摘のとおりでございます。

柳澤光美民主党・新緑風会

○柳澤光美君 福祉施設を全部譲渡、廃止することというのは、私はメーンの目的ではないと思いますが、どうですか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 年金福祉施設につきましては、一つには年金財政の大変厳しい状況、それから施設を取り巻く社会環境の変化、また国民のニードの変化というようなことを踏まえますと、単に保険料を新たに投入しないというのみならず、これらを、年金資金の損失を最小化するという考え方の下に、例外なく譲渡、売却をするということが求められておりますし、それを目的とするものがこの独立行政法人の設立でございます。

柳澤光美民主党・新緑風会

○柳澤光美君 いや、要は、今回大きく決まった最大の前進があります。それはどういうことかというと、年金と健康保険料をいわゆる運営費に一切出しませんと。ですよね。ですから、今、年金からは、この後、赤字の垂れ流しというのは止まるわけですよね。そうですね。そうすると、今ある施設を少しでも早く売る必然性というのもありませんよね。できるだけ高く売るというのが必然性ですよね、流れとすれば。なぜかといえば、譲渡と売却することが目的ではないんですよ。一円でも高く回収することなんですよ。ですよね。この前提、ちょっと押さえさせておいてください。  順番にちょっと聞きます。  今回、十一月一日の前に処分するものは処分するというふうに答弁されています。何施設、どの程度の処分するんですか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 独立行政法人を設立する前に早期に廃止する施設、どのようなものかというお尋ねでございます。  これは、継続的に赤字運営が見込まれ、今後の経営見通しが極めて厳しいような施設、あるいは借地の上にある施設でありまして、建物を解体し、土地を所有者に返還する必要があるような施設、こういうものにつきましては、機構の設立前に社会保険庁において早急に譲渡、廃止することとしております。  具体的には、平成十六年度におきまして、厚生年金老人ホームが六施設、健康保険の保養所・健康増進所が五施設、国民年金健康保養センターが四施設、社会保険健康センターが二施設、健康保険の保健福祉センターが二施設、厚生年金の健康福祉センターが一施設で、総計二十か所を予定しております。

柳澤光美民主党・新緑風会

○柳澤光美君 社会保険庁では、三百二十八ある施設を自分たちで売るのは自信がありませんと、民間の理事長さん、民間の知見をいただいて独立行政法人でしかきちんとした売り方はできませんと、だからこの独立法人が必要ですと。  その前に何で二十施設も自信のないところが売るんですか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 先ほども申し上げましたが、この二十施設、まだすべてが売れる見通しが立っておるわけではございません。しかしながら、先ほど申し上げましたように、赤字の経営であるとか借地の上に建てているということから、これ以上経営を続けるということは不適切であろうということで、廃止をするということをまずこの十六年度でやらせていただきました。これが独立行政法人設立までの間にうまく条件が整って売却ができれば当然譲渡、売却をいたしますが、できなかった場合には、この部分も合わせて独立行政法人に出資をし、譲渡、売却をしていただくと、こういうふうに考えております。

柳澤光美民主党・新緑風会

○柳澤光美君 だったら、僕は、余計なことを自信がなかったらしない方がいいんじゃないかなというぐらい不信感を持っています。  次に、国有財産を処分するときに、青柳部長の方から、国が国有財産を処分する際は、通例といたしまして、その設置しております地方公共団体に購入の意思を確認する手続を取りますというふうに何回か答弁されているんですが、今回はこれを基本的にはしないと。で、国有財産法というのもあるらしいんですが、この辺との絡みというのはどうなります。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 国有財産法上は、必ず地方自治体にそういった意味で事前に話を持ち掛けなければいけないということは規定されておりません。しかしながら、これまで私どもが国有財産という形で処分をする場合には、地方自治体に公共目的等の予定があるかどうかということを問い合わせてきたことがあるのは事実でございます。  しかしながら、今回の年金福祉施設の譲渡に当たりましては、そういった例えば地方自治体への優先譲渡といったような、言わばあらかじめ譲渡先についての制限を設けることなく、年金資金等への損失の最小化を図るという考え方に立ちまして、不動産鑑定の手法に基づく適正な価格を予定価格と定めた上で、原則一般競争入札により譲渡するという考え方を取るものでございまして、これはこれまでのそういった処分のやり方と矛盾をするとか、あるいは国有財産法に触れるといったようなものではないと承知しております。

柳澤光美民主党・新緑風会

○柳澤光美君 今回はそういう意味でははっきりそういう表現をしていますよね、一切配慮もしないと。特に、二百六十一というふうに明言されているんですが、条件なしに、早く言えば競争入札で売ると。  本当は、ちょっと時間があったらもう一回、その三百二十八で十の厚生年金病院の、二百六十一以外のはどんなところがあるのかと聞きたかったんですが、どっちにしてもそれは売ることには変わりないと、ただ、機能を残してという条件付で売るということでよろしいですね。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 厳密に申し上げますと、厚生年金病院については、これも繰り返し申し上げておりますように、その譲渡に当たりましては、病院機能の公益性を損なうことがないよう十分に検証した上で、適切な方法によって結論を得るということでございます。また、終身利用型の老人ホームにつきましては、終身利用という言わば特別な事情を踏まえまして、譲渡の在り方を適切に判断するとされております。その他社会保険診療所、健康管理センター、保養ホームあるいは有料老人ホーム、こういったものにつきましては、施設の中心的な機能の維持を条件として一般競争入札をするという考え方でございます。

柳澤光美民主党・新緑風会

○柳澤光美君 そうしますと、それを除いた二百六十一は一般競争入札で、地方自治体もそうですが、どんなところが買うかということも一切関係なしに、一円でも高く付けたところに売るということですよね。  そうしますと、先ほどあったように、外資系のファンドが買って切り売りをする、あるいは暴力団の方が買って町の中心にある会館を事務所にする、風俗営業を行う、あらゆる可能性がありますが、それに関しては一切関知しないということですね。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 今、暴力団その他、非常に具体的な例がお示しをされたわけでございますけれども、当然のことながら、売却先あるいは売却後の用途について、入札参加資格の制限、あるいは契約内容に用途条件を付すというようなことで、言わば公序良俗に反するような使用にならないようにするということは、私ども最低限の条件として当然のことではないかと考えておりますが、そういった言わば手法を講じた上で、お話しのように、一般競争入札に付して売却をするということでございます。

柳澤光美民主党・新緑風会

○柳澤光美君 分かりました。  ということは、社会保険庁で責任取るんですか。それとも独立行政──僕は、今回の話は、厚生労働省と社会保険庁は一切、全部のことを独立法人にかぶせてしまうと。本当に民間でこんな理事長をだれが受けるんだろうというふうに、受ける人が決まりそうになったら僕が説明に行ってあげようというふうに思っているんですが、その責任とかそのチェックというのはどこでされるんですか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 独立行政法人に対します私どもの言わば枠と申しますか、これは一つには、整理合理化計画で既に示したものが当然のことながら独立行政法人で仕事をする上での枠になりますし、また、実際上は、独立行政法人が設立いたしますときに中期目標という形で、私ども、言わば仕事の大枠というものを改めて大臣からお示しをすることになります。  したがいまして、その大枠の中で必要なものをお示しをして、その大枠の中で独立行政法人が中期計画を作っていただいて、これに従って事業をしていただくと、こういう考え方で整理をしております。

柳澤光美民主党・新緑風会

○柳澤光美君 今回ずっと質疑を聞いてきて、確かに官僚の皆さんというのは、特に社会保険庁の皆さんは、ここまでいろんな形で厳しくされると本当に元気がなくなってしまうのかなという思いがちょっとしているんですね。  率直に言いますと、僕は本会議でも言わせてもらったんですが、現実に二百六十一まで減ってきます。それはもう一般競争入札でやると。それだったら、三百億も予算組んで四十一人も社員を置いて本当にやる必要があるんだとかいまだに思っているんです。社会保険庁が民間の企業と委託をしてチェックをして少しでも高く売ってほしいという方式の方が、青柳部長は僕は本当乱暴だなというふうに思うんですが、八千九百億で二七・五%だから二千四百億ぐらい、それ丸々取っても三割回収できないんですよ。で、三百億は、そこ経費から引くんですよ。だったら僕は民間に委託する方がずっといいというふうに率直に思うんですが、御答弁いただけますか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 今回の年金福祉施設の整理合理化におきましては、大変多数の施設を集中的かつ効率的に譲渡するということで、民間の専門的な知見を最大限活用できる独立行政法人の設立をお願いをしているところでございます。  民間の売却方法、様々なやり方があろうかと存じますが、例えば売却手数料収入を得るために単に施設を売却すればよいというような考え方ではなく、年金への損失を最小化するという大原則、基本方針の下で適正な時価で譲渡されることが担保されなければならないというふうに考えております。そのために、条件を付すことなく、一般競争入札にする施設を含めて独立行政法人において譲渡を行うということがやはり適切ではないかと思っておるわけでございます。  なお、ただいまお尋ねの中に民間に任せたらというお尋ねもございましたが、独立行政法人が何から何まですべてやるということでは当然ございませんので、例えば、入札物件に係ります情報収集あるいは入札案内の作成、こういったことは幅広く民間への外部委託を有効に活用して、効率的な事業運営を図っていくということは心掛けてまいりたいと考えております。

柳澤光美民主党・新緑風会

○柳澤光美君 時間がないんでこんなのを読み上げたくなかったんですが、今回の答弁、全部隅から隅まで読ませてもらいました。  独立行政法人については、集中的かつ効率的に売却するためには、理事長あるいは職員をすべて民間から登用する、私たちにはできませんと。大臣の仕事は、理事長の任命、中期目標の提示、枠組みの中で行うことを示唆するだけです。枠組みの中で個別施設の売却の順序、施設の組合せ、地域医療への配慮など、一義的には独立法人の裁量に属する問題です。そのため、各施設の経営状態、働いている人の実態は全く把握しておりません。簿価は分かりますが、不動産鑑定に基づく時価評価は、実際に譲渡するときに分かるはずですが、今は予測もできません。すべては最終的な判断は独立行政法人の判断です、私たちもできるだけのお手伝いをします。  すべて丸投げです、私から言わせてもらえれば。  で、公益法人に関してもそうです。  天下りとその運営の甘さ、目をつぶってずっとこれだけ垂れ流してきました。そこの責任問題は一つも議論をしないで、予算、決算の報告は受けたがきちんとチェックできたかどうかについてはじくじたるものがあります。しかし、指導監督は難しかったです。例えば、厚生年金会館の収支について同僚の蓮舫議員が、平成十四年度三千万の黒字だった、それが減価償却すると幾らになりますかと。二十五億の赤字になる、ちょっとずれました。あるいは小林議員の方から、各法人の職員数は事業所報告で把握しておりますが、そのうち施設で働いている方がどうなっているかは分かりません、職員の雇用問題はその雇主である委託先の公益法人が責任を持って行うことで、私たちは直接的には関係ありません。  私は、本当に僕は社会保険庁だけは今回は解体してほしいと思っています。  大臣、一つちょっと済みません、この関係で質問します。  私は、本会議で国民年金の未納率の問題提起をさせてもらいました。で、十九年に八〇%まで持っていくと。これは、それに対して大臣は、計画どおり、きちんと計画を持ってやります、今着々と進めていますと。ところが、十日の産経新聞に、村瀬さん、民間から来られて苦労されていますけど、村瀬さんがもう無理だと答えています。無理だとは言っていませんが、十六年度全く予定どおりいっていないと。そうですよね。もう二月末で五五・幾つかで、それで〇・〇四ぐらいしか。このまま行くと十六年度も行かない。十七、十八、十九で何で八割まで行けるのか。もう一回ちょっと答弁いただけませんか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 国民年金保険料の平成十九年度の納付率の目標八〇%ということを達成するために昨年十月に行動計画というものを各社会保険事務所、事務局単位に作成をいたしまして、これに基づいて納付促進を進めておるところでございます。  この行動計画は、各年度の目標達成ということで、例えば、未納者の特性に応じた催告状や電話、あるいは戸別訪問などの納付督励をどうやって進めるか、それから保険料免除申請の勧奨などをどうやって進めるかといったことを具体的な数値で示した行動目標を作ったわけでございまして、これに併せまして、平成十六年、昨年の年金制度改正で改正をしていただきました様々な効果などを盛り込んで作成をしたものでございます。  平成十七年の二月末現在の納付状況は、ただいまのお尋ねにもございましたが、対前年度同期に比べて〇・〇四%プラスということではございますが、依然厳しい状況にあるということでございます。  ただ、私ども、平成十七年度入ったわけでございますが、本年度からは、一つには、平成十六年の制度改正でやっと取得が可能になって昨年の秋から段階的に導入が図られておりますが、市町村からの所得情報の最大限活用と。これは、一つには効果的な免除勧奨にこれを充てる、またもう一つには効率的な強制徴収の実施に充てるということで、よりきめ細かな未納対策が徹底できるだろうと考えております。また、先ほど申し上げました昨年の年金制度改正によりまして、本年の四月からは口座振替割引制度や若年者の納付猶予制度を導入していただきました。また、来年の七月からは多段階免除というのが図られることになりますので、これらの周知を図ることによりましてこの納付率の向上ということが図られるものというふうに、私ども、またそういう方向に向かって取り組んでまいりたいと考えております。

柳澤光美民主党・新緑風会

○柳澤光美君 本当に民間と余りにも感覚が違い過ぎて、何て言っていいか分からないんですよ。民間であれば、これだけの利益を上げます、決算ができなければ、それはトップから責任を取りますよね。これは単年度で追っていくんです。で、十九年度に八〇パーと。もし行かなかったらだれがどういう責任取るんですか。  もう答弁要りません。それで──じゃ、取られる方がいたら答弁してください。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) いずれにいたしましても、いろんな納付促進を図るための材料というのがやっと昨年の秋ごろから少しずつそろい出しております。したがいまして、効果が出るのに若干私どもが当初見込んでおりましたのよりも時間が掛かっていることは御指摘のとおりかと存じますけれども、私ども、これだけの材料をいただきました以上、責任を持って正に所期の目的を実現するように努力をしてまいりたいと考えております。

柳澤光美民主党・新緑風会

○柳澤光美君 何か議員になって、こういう立場になって質問しても、本当、むなしさだけが残ってくるんですが。実はもう、ちょっとやめます。  それで、私は、社会保険庁は本当にやっぱり解体した方がいいと思っています。先ほど武見理事の方からもありましたけど、だけど、徴収と、特に年金と政管健保というのは事業主から集めてくるんで一緒の方がいいだろう。だったら僕は、税金と一緒に、民主党が言うように歳入庁をつくって税金と一緒にきちんと集めると。それだってどうせできっこないですよ、このまま行けば。だったら今のうちに僕は丸投げした方が絶対いいと、毎年つらい答弁をするだけになるということを言って、これ以上やめます。  今回、一番問題なのは、与野党で議論になってきたのは、非常に今回の法案は性急過ぎると。しかも、これは表現が、十把一からげだとか玉石混交だとかっていろんな議論になりましたけど、余りにいろんな種類を全部突っ込んでしまったと。その中で一番議論になったのは、ずっとここのところなっていました厚生年金病院の部分ですね。そこに保養ホームも、僕も足立さんと一緒に、本当はそれはセットでやるべきだというふうに思っているんですが。  で、私、実は小林議員と、当選しまして労働分野よりも厚生分野が非常に私たちにとっては弱い分野なので、二月中に同僚の柳田議員の方にお願いをして厚生労働省の厚生分野の局単位に担当の方に来ていただいて、大体午後一時から五時ぐらいまで特訓の勉強をずっとしてきました。その中で一番分かったのは、私は、医療改革が一番遅れているなというふうに率直に思いました。今回、病院の見直しというのは厚生年金病院だけじゃないんですね。  実は、もう一回確認しますね、時間ないな。厚生年金病院というのは、この独立法人に大臣の判断で、全部チェックをしていって、出資しないということはあり得るんですか、絶対ないんですか。どっちですか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 大臣がどういうものを出資するかということを定めるというふうにこの独立行政法人機構法は定めております。  これの趣旨は、一つには、その社会保険病院について現在三年間……

柳澤光美民主党・新緑風会

○柳澤光美君 短くお願いします。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) はい、恐縮です。

岸宏一自由民主党

○委員長(岸宏一君) 簡潔な答弁をお願いします。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) はい。  社会保険病院について、追加出資があり得るということを念頭に置いたものと、先ほど話題に出ました独立行政法人の設立前にその廃止あるいは譲渡を行うものがあるということを念頭に置いた規定でございますので、厚生年金病院については譲渡するということを、出資するということを前提に私どもこの法案を出ささせていただいております。

柳澤光美民主党・新緑風会

○柳澤光美君 済みません、社会保険庁病院はどうなりますか。ここへ出資してくる可能性はあるんですか。あっ、社会保険病院ね。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 社会保険病院につきましては、現在その経営実績を評価するということで、平成十五年から十七年度までそれぞれの病院で言わばそれぞれの経営をいたしまして、平成十八年度に整理合理化計画をまとめることとしております。  その際に、この病院を三つの類型に分けると。一つの類型は、自前で言わば経営のできるもの、それから二つ目の類型は、地域医療として必要性があるもの、そして第三の類型、その他のものと。その他のものにつきましては統合ないしは譲渡というものを考えるということになっておりますので、このその他の類型になったものにつきましては追加出資をこの機構に対してするということは当然予想しております。

柳澤光美民主党・新緑風会

○柳澤光美君 ということは、社会保険病院は、ここへ出資して、譲渡、廃止まで持っていかないで残すところは残るということですね、公益法人を使って。イエス、ノーで答えてください。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 民法法人等、公益性の高い法人への経営委託を中心にその在り方を検討するということとされております。

柳澤光美民主党・新緑風会

○柳澤光美君 社会保険病院がそうなって、何で厚生年金病院だけはそういう手続踏まないんですか。何で厚生年金は、年金が付いているから、もうふたしたいから処分ですか。どういう違いがあるんですか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 社会保険病院は、御存じのように政管健保を私ども保険者として運営をしております。したがいまして、保険者病院という意味合いを元々持っておるものでございますが、厚生年金については、そういう意味では保険者の機能とは別の意味合いで造られておるということを御理解賜りたいと存じます。

柳澤光美民主党・新緑風会

○柳澤光美君 実は、同じこういう公的な病院で、国立病院は今回あれですよね、二十五年掛けるんですよね、見直しに。融資を二十五年やる。それから労災病院も、見直しはスタートしていますけれども、この厚生年金病院みたいな厳しい見直しにはなっていませんよね。  私は、十八年度に医療改革があるんですから、厚生年金もひっくるめて医療の関係は本当に、国立病院も社会保険病院も労災病院も、自治体病院もそうです、これは自治体だって僕らの税金を使っているんですから、少しでも無駄遣いしない、トータルでもう一回全部在り方も見直す。社会保険病院が、たった一年で、三億の赤字の計画が二十一億の黒字になったという青柳部長の答弁でしたよね。こんなの民間でいったら信じられないんですよ。じゃ、今まで何していたんだろう。  でも、逆に言うと、可能性からいえば、一年二年もう一回本当に真剣に取り組んだら、すごい赤字が消えて黒字転換を始める。労使交渉の中でも、職員の組合員の皆さんと、その皆さんも今、ここまで厳しくなる中で、今までの既得権をやめようと、前向きにとらえようという動きが出てきている。とすれば、それもひっくるめて、あらゆる公的病院、自治体病院が、これも実は新聞に昨日出ましたよね毎日新聞に、全国に千か所ある自治体病院の六割が赤字だと。総額は二〇〇三年度で九百三十二億に達していると。地方財政を圧迫していると。こういうのを私は何でトータルにやらないんだろう、何で厚生年金病院だけこんなところへ持ってくるんだろうと。  時間がないので、もういい、答弁は要りませんが、もう一個、一番僕は民間から見ておかしいなと思っているのは、五年という期限を切っていることです。  これ五年って切るということはどういうことですか、売りますということです。じゃ、買う立場になってください、待てばいいんです。しかも、参考人質疑でもたくさん出ましたけど、本当に働いている人のモラル落ちるんですよ。だって、どんな努力したってつぶれると言っているんですから。何で努力のチャンス上げないんですか。三年努力のチャンスをやってから、もう一回売るということを決めてもいいじゃないですか。私からすると、五年って期限を切ることは最悪の手法です。そうでなくても、その取組が進み始めているわけでしょう。  私から言わせれば、民間でいえば、まず公益法人のトップ替えますよね。少なくとも理事長と常務理事までは替わるべきだと思います。それから、施設の責任者も替わるべきです。それで、もう一回新しい体制で上から責任を取って、どういう改革ができるだろうと。すぐできることたくさんあるんですよ。クリーンネスあります。民間で苦しくなったところは社長が便所掃除始めます。クリーンネスをやろう。あるいはフレンドリーって、お客様の接客をどう変えよう。あるいは営業をみんなでやろう。何で三年間ぐらいの営業努力の期間上げないんですか。  今回の法案通ったら、五年間で必ずつぶしますという法案です。モラルなんて上がるわけない。はっきり言います。五年のうちに今の資産価値がんがん落ちます。優秀な人が全部逃げ出します、間違いなく。それをねらっているのは、ぎりぎりまで待って少しでも安くたたけるところが全部待っている。結果、絶対そうなりますよ。  僕はね、与党の皆さんに、もう武見さんなんてその一番力を持っているんだから、これ本当に参議院先議に来たんで、今度衆議院あるんですが、その辺のところは、だって一円でも多く取り戻すのが目的なんですよ、僕らの貴重な年金と保険料をつぎ込んでしまったんですから。それをこういう形の法案を出すというのは、私は大変間違っていると思っています。  今日は参考人の方に、済みません、労災関係の方も来てもらったんですよ。労災保険絡みだっていろんな施設一杯あるんですね、納骨堂まで。労災保険病院もあります。会館もあります。ということは、これは年金とか健康保険の問題だけじゃないんですよ、縦割りになってばらばらになっているから。だって僕は、しごと館も言いたかったんですよ。だって新聞にみんな、見てくださいよ、こんなでかく出て。年収一億なのに、人件費だけで一億六千万、毎年の維持費二十一億だそうです。同じことなんですよ。年金の問題だけじゃないんですよ。すぐつぶすべきですよね、改善できなかったら。  というふうに、私は最後に尾辻大臣に是非お願いしたいんですが、本当になりたくってなられたかどうかは別として、巡り合わせとしては本当に大変なときになられていると思うんですよ。私たちも、もうじき政権交代になりますから、そしたら参議院でも大臣出れるって、でも厚生労働大臣だけは断ろうねという話をするぐらい、ここのところ本当におわびと、トータルに見直さなきゃいけないことを山ほど抱えている。  とすれば、私は、こんなこそくな手段って発言とってもおかしいんですが、本当にこんなことでごまかしていくような議論になっていいんだろうかと。もっと枠を広げていくというふうにしていかないといけないんじゃないかなというふうに率直に思っています。  ということをお願いして、もしコメントがあればお答えいただいて、質問を終わります。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 極めて率直に、そして、またある意味大変愛情あふれる表現をしていただいたと思っております。  私も、極めてそういう意味で、おっしゃっていただいたお言葉におこたえしようと思うんですけれども、こうして御議論をお聞きしながら、本当にそれが正しい、私が納得してそうだと思うことは、今までやれることはすぐ事務方にも指示して取り組んでまいりました。そして、やれる範囲で力一杯そのことを今後ともやりたいと思っております。したがって、御議論をお聞きしながら、そこまで言ったらちょっと言い過ぎになるかもしれませんが、私の良心に基づいてしっかりやっていきたいというふうに思っております。  ただ、そこまで言ったんで正直に言わせていただきたいんですが、今度のこのことは、やっぱり、売るということになったら私の感覚ではこういうやり方しかないような気がしておるというのを、もう今日一生懸命言っていただいて、また言っていただいたことも分かりながら、やっぱり国が直接売るというのは難しいなということを非常に正直に思っておりますということだけは、もう極めて正直に申し上げたいと存じます。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。  私も後ほどこの法案関連でいろいろと御質問をさせていただきたいと思っておりますけれども、柳澤委員の非常に情熱こもった議論の後でありまして、最初に、ちょっと法案とは関連していない、以前委員会で私積み残した質問があるものですから、幾つかやらせていただきたいというふうに思っております。  まず最初に、小児科医の不足している問題についてでございます。  小児科医が不足しているのではないかという指摘があることは、以前当委員会でも私るる申し上げたところでございますが、小児科学会もそういう主張を強くされているわけでございます。しかし、一方で全く違う観点の議論もございまして、国立成育医療センターの小児科医の大矢先生が大要次のような御指摘をされているわけでございます。それは、小児科医が足りないということは実は問題じゃないと。人口当たりの小児科医の数はアメリカ、イギリスと日本はさほど変わらない。しかしながら、変わるところは、アメリカとかイギリスでは、この小児の一般診療とか救急診療をそれぞれ総合医あるいは家庭医あるいは救急医が担っていると。それで、実際にその小児を専門としている医師は、大変に難しい症例の専門医療に従事をしていると。日本では、小児科医が、患者さんが子供であれば全部引き受けるという状況になっていると。そこで、日本でも、生後三か月未満の赤ちゃんが来たときとか、あるいは難しい症例のときだけ小児科の専門医を活用して、それ以外の場合には総合医とか家庭医と呼ばれるような方々に一時的な対応をしていただくと、こういう体制にすればいいのではないかという指摘があるんですけれども、これは厚生労働省としてもこういった方向を目指されるのかどうか、そういう点について伺いたいんですね。  実は、前回この議論をさせていただいたときも引用した政府の内閣府の少子対策実施計画の中にも、かかりつけ医を持っている子供の割合を、平成十二年の八一・七%から、五年後というのは今年度になるんですが、一〇〇%にしたいという目標が実は掲げられております。この目標を掲げているということは、先ほど私が御紹介申し上げたいわゆる家庭医というか、そういった方々、かかりつけ医という形で子供さんを診ていただいて、小児科の専門のお医者さんはある程度限定したところに集中的に対応できるようにすると、そういう方向を目指されているのかどうか、御答弁いただきたいと思います。

西博義公明党厚生労働副大臣

○副大臣(西博義君) お答え申し上げます。  私の小さいころのことを思い出しながら聞いていたんですが、私たちは、子供時代、病気になっても、特別の小児科医というのは遠くて、とにかく近くのお医者さんに駆け込む、そこで相談するというようなことが通例であったんですけれども、最近のお母さんは、できるだけ専門の先生に飛び込んでいって安心してその診断を受けたい、治療を受けたいというような思いが大変多いということを私の地元でもよく聞くわけでございます。  先生御指摘の件につきまして、我が国においては、患者さんは医療機関を自由に選択をしていただく、いわゆるフリーアクセスという仕組みを採用しておりまして、今御指摘のように専門の小児科医以外のところで一次診療していただいて、そこから紹介をしていただいて小児科医のところに行くというような考え方というのは、その考え方を導入するということは現在は考えておりません。  しかしながら、日常生活の中で日々のその子供さん一人一人の様態をよく知っていただくいわゆるかかりつけ医、ふだんからどういう子供さんだということをよく把握していただく、このことは大変重要だというふうに考えておりまして、このかかりつけ医をきちっと配置するといいますか、そういう意識でやっていっていただきたいということにつきましては御指摘のとおりだというふうに思っております。我が国の実情に即した小児医療体制の確保に向けて、今後とも重大な問題として取り組んでまいりたいと思っております。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 よく分かりました。かかりつけ医というのは、日本では大人でもなかなか持っておらないのが通常だというふうに理解を私しておりまして、私も以前イギリスに住んでおりましたときは、一番驚いたことの一つは、イギリスにおいては、皆さん、主治医というかかかりつけ医というか、そういうのを持っておられて、旅行とか出張をしている場合は別でしょうけれども、日常的に自分や家族の健康状態をかなりよく把握をしているお医者様が身近にいるというところから出発しておりましたので、是非日本もそういった方向を目指していただきたいと思います。  それから二点目に、これも小児医療にかかわる最後の質問でございますけれども、先ほど言及いたしました同じ政策文書の中にこういう表現がございます。文言がございます。「子どもが入院中も「子どもらしく生活」できるように小児医療を支える保育士の十分な確保を図る。」というところがございます。  病院内での生活というのは、私は個人的に長くしたことはございませんけれども、大変いろんな不自由がございます。病気ですから当然なわけでありますけれども、他方で、特に長期で入院されるようなお子さんについては、大事な成長期にいろんな嫌な思いとかつらい思いを治療以外にも、生活面でもありますと、いろんな成育面でも影響があるという指摘があるわけでございます。  そこで、実はこの入院時のQOR、クオリティー・オブ・ライフを向上させるために、小児科学会も言っておるんですが、病棟保育士という職種の人たちの導入が必要だという提言がございます。この病棟保育士の役割としては三点ほど想定されておりまして、一つが、医療体験に伴う子供の心的外傷を予防、軽減し、発達を促すと。二番目の役割が、安静度、感染管理、体調に配慮しつつ発達を促す遊び、体験の提供、あるいは環境づくりを図ると。三番目が、保護者、兄弟を含む家族に対する心理的支援、母子相互作用など親子関係の発達促進になっております。  ただ、私が聞きましたところ、現行制度ではこういう病棟保育士の人件費の捻出が困難であるということで余り普及をしていないということでございますが、今後厚生労働省としてこの病棟保育士の普及を図っていかれるのかどうか、お聞きしたいと思います。

西博義公明党厚生労働副大臣

○副大臣(西博義君) 子供さんたちが親元を離れて病院暮らしをする、またその上に不安な治療を受けるというそういう環境の中で、子供らしく生活をしていくことができる、そういう環境をつくるということは大変大事なことだと思います。そういう意味で、小児医療を支える保育士の十分な確保を図ることが求められておりまして、病棟保育士の配置は非常に重要な課題だというふうに考えております。  このために、平成十四年度の診療報酬改定におきましては、子供の成長発達の観点から、適切な療養環境を確保するために小児の集中的な医学管理を行う。例えば、今言う病棟保育士、また看護師さん等の、集中医学管理を行う病棟の内で病棟保育士の配置、それからプレールーム、例えば本を置いたり玩具を設置をしたり、こういう要件を満たす病棟に対して診療報酬を加算をする、こういうふうな評価をするということで決めて今実施をしているところでございます。  これからそういうことが、これを活用してそういうところがますます多くなれば有り難いというふうに思っております。今後とも、病棟保育士の配置に係る適切な評価については努力をしてまいりたい、こう思っております。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 ありがとうございます。  先ほどの質問の中で、私、QORと言ってしまいましたけれどもQOLの間違いでございまして、生活の質の向上というものを病院内でも図っていくという努力は私、大変重要だと思っております。  今、小児関係だけで聞いたわけでありますが、先日、私、大臣、大人の方で難病にかかっている方がある国立病院から違う国立病院に移られたそうなんでありますが、その移った先の国立病院の病室の状況が余りにもひどくて手紙で切々と中身を訴えてきて、これは御答弁当然要りませんけれども、それ読みまして何に一番びっくりしたかというと、この方はもうずっと、ある意味亡くなるまで病院にいなきゃいけない病気らしいんですが、その病棟には、その人が好きなDVDを見る場所も、要するに病室の中にDVDプレーヤーとかテレビを置くところも全くない、コンピューターをいじることもできないというところで、ここにずっといなきゃいけないと思うと、それだけで死にたい気持ちになるというような中身のものがございました。  これは個別の病院の名前が挙げられていましたのであえてここでは申し上げませんが、やはり日本は、医療機関というと、まず治療として技術が高いかどうかとか効率がいいかとか、そういう基準が優先されるように思いますが、今後はやっぱり、こういうアメニティーというか、生活の質がちょっとした工夫でも向上できるように配慮しながら病院の改革をしていただきたいと思います。  それから、もう一項目だけ法案と関係のない質問を今日させていただきたいんですが、若年者向けのキャリアコンサルタントの問題について伺いたいというふうに思います。  若年者の雇用問題については、多様な側面について当委員会でも様々な委員から議論があるところでございますが、また厚生労働省も鋭意様々な取組をしていただいているところなんですけれども、その中で、実は厚生労働省としてキャリアコンサルタントを増やしますよと。今、お聞きするところによると二万四千人ぐらいらしいんですけれども、五万人ぐらいまでキャリアコンサルタント増やして、特に若年者向けにしっかりとやりたいということをおっしゃっているんですが、実は、いろいろ厚生労働省お取り組みになっている内容を調べますと、いろんな種類があって、若者に就職関係のアドバイスをする。非常に分かりづらい。キャリアコンサルタントという言葉も実は定義が余りはっきりしないというところがあるんです。  そこで、最初に、厚生労働省所管の施策の中で、若年者雇用対策関係の相談員をやっている、そしてハローワーク等に配置されている人はどういう方々がいるのか、ちょっとお答えをいただきたいと思います。

上村隆史厚生労働省職業能力開発局長

○政府参考人(上村隆史君) 先生から今お話がありましたように、若年者を始めとしまして、そのキャリア形成に関する相談支援を行うということでキャリアコンサルタントというものをハローワークに配置しているところでございますが、そのほか、若年者に対します就職に向けた職業相談、職業紹介機能を強化するということで、まず高校生等の就職希望者に対しまして、職業意識の形成の支援、企業訪問等による求人開拓、あるいは就職から職場定着まで一貫した支援を行う若年者ジョブサポーター、これを全国のハローワークに配置しております。  それから、大学生等の就職希望者に対しまして、その適性と能力の理解、職業選択に当たっての心構え等についての相談、助言等を行う学生職業センター相談員というものを学生職業センターなどに配置しております。  また、フリーターや若年失業者に対しまして職業適性診断、職業カウンセリングを行う者といたしまして、就職実践活動指導員というものをヤングワークプラザに配置しているところでございます。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 それから、今日、文部科学省からも来ていただいていると思いますが、文部科学省も若年者のキャリア支援、どのような体制をしいているか、お答えください。

山中伸一文部科学大臣官房審議官

○政府参考人(山中伸一君) 文部科学省でございます。  学校におきましては、中学校、高等学校を中心にお話しいたしますけれども、進路指導主事という生徒の進路の相談、指導を担当する教員が置かれております。また、雇用環境の急激な変化に対応いたしまして、外部の方に、専門的な方にキャリアアドバイザーという形で学校に来ていただいて、情報提供あるいは就職相談をしていただいているというものがございます。  この場合、キャリアアドバイザーとして活躍していただいている方でございますけれども、特に特定の資格を持つということを求めているものではございませんで、企業の人事部門の担当者でございますとかハローワークで就職業務を経験されている方、そういう方に来ていただきまして、講演、講話、あるいはグループ別の懇談会と、そういうところで活躍していただいているところでございます。  また、このほかに、高校の就職支援ということで、高校の就職支援教員という方をお願いして、進路指導主事と連携した形で就職相談とかあるいは職場の開発、そういうふうなものに当たっていただいているということも行っているところでございます。  このほか、今ございましたけれども、厚生労働省の方で実施していただいております若年者のジョブサポーターの活用、あるいはキャリア探索プログラムという、高校、中学校に人事担当者とかハローワークの職員を派遣していただく事業、こういうものと連携いたしまして子供のキャリア教育というものの充実に努めているというところでございます。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 ありがとうございます。  山中審議官、一点だけ。私、この質問をするために、キャリアアドバイザー、今お話しありましたけれども、文科省さんが全国の学校に派遣されている職種の方々について、その予算の規模とか人間の数を聞いたら、両方とも分からないという御返答があったんですね。ちょっと私、以前から文科省さんのこの若年者雇用対策に対する取組が弱いなという気がしておりまして、今回聞いても、予算も分からない、何人がやっているかも分からないということであるとこれ問題なんではないかと思いますので、是非ちょっとその辺もしっかり改善をしていただきたいというふうに思います。  それで、大臣、尾辻大臣、お伺いしたいと思いますけれども、今つらつら御答弁がありまして、私も自分なりに整理をしたんですが、実は今お話しになった中で、要するに、一つは能力開発支援アドバイザーという方々が職業能力開発局の下にキャリアコンサルタントとして働いておると。それとはまた別に、職業安定局の所管の中で若年者ジョブサポーターという人たちもいますし、学生職業センター相談員という人たちもいますし、就職実践活動指導員という方々もおりまして、それぞれ微妙に役割が違うといいながらも、一般の国民の目から見ますとどうも違いがよく分からない。似たような仕事をしている人たちが違う肩書とか名前でハローワークにまた配置をされていたり、ヤングワークプラザというのは要するに若者向けのハローワークで全国に五か所だか六か所あったと思いますが、そういうところにいるわけですけれども、非常に混乱をしているような気がしてしようがないんです。  それで、是非、行く行くこれ厚生労働省の中で整理をしていただいて、統合できるものは統合をして、このキャリアコンサルタントという職種の中で効率的に若年者向けのキャリア形成支援をできるような体制にしていった方がいいんではないかと私は思うんですが、いかがでしょうか。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 今、若者対策をさせていただきながら、まずつくづく思いますことは、この若者の対策はもう本当にきめ細かくやらなきゃいけないということは痛感いたしております。まず、きめ細かくやらなきゃいけないということをまず申し上げたいと思います。そうすると、今度は勢い今の御指摘になってしまいまして、きめ細かくやる、そうすると専門性を高めようとかということになって、どうしても今度はそのことが今の御指摘につながるわけでございます。  これは必ずしも効率のいいことではありませんので、私どもも統合をしなきゃいかぬというふうに考えておりまして、改めてこんなことを申し上げると、そんなにいろいろあったのかと、こう言われそうな気もするんですが、例えて言いますと、未就職卒業者就職支援活動員というのが平成十六年度まではおりました。同じく若年早期離転職者相談コーナー相談員、これもおりました。これを学生職業センター相談員に統合いたしたところでございます。挙げればまだあるんですが、平成十七年度でもかなり統合いたしておりまして、私どもは今後効率よく進めるための努力は続けてまいりたいと存じております。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 大臣、ありがとうございます。非常に前向きな御答弁だったというふうに有り難く思っておりますけれども。  実は、こういう視点は私も気付かなかったんですが、坂口前大臣のときに、やっぱり日本ももうちょっとこのキャリアコンサルタントの数を増やそうと。特に日本では、やっぱり学校任せ、学校の進路指導の担当の先生任せで今まで若者の就職支援をやってきた感がございまして、ところが、学校の先生というのは自分は学校の先生しかやったことがない人がほとんどでして、教員になりたいという人にはきめ細かく指導できても、ほかの職種目指す人にはなかなか効果的なお話ができなかったと。今みたいにインターンシップの普及もされておりませんでしたし、実社会というものを全く感じられないまま大学まで行ってしまいまして、大学行っても、今度またまともな就職支援が受けられないということがあったわけでございます。  そういう意味では、今、もう大臣おっしゃったとおりいろんなきめ細かい政策をやり出してきたんですが、ところが一点だけ問題が、今度キャリアコンサルタントになりたいという若い人が増えているんです。いや、それは五万人つくりますなんて坂口大臣おっしゃったわけです、前大臣おっしゃったわけですから。ところが、そのキャリアコンサルタントの資格取った人たちが自分たちのキャリアマップがない。だから、キャリアコンサルタントとしてどういうふうに自分がキャリアを積み上げていってその人生プランしていくかということが実はなかなかないんですね。  それで、新しい職種をつくって、これはすごく大事な職種だよと言うのはいいんですけれども、人にキャリアの指導をしている人が自分のキャリアについて不安であるという、インセンティブもなかなか生まれないという。それはハローワークの職員だったら厚生労働省の職員ですからいいんですけれども、別のキャリアマップ描けますからね。しかし、民間でいろいろと働いているキャリアコンサルタントもいらっしゃいますから、是非そういう観点も考えていただきたいと思うところでございます。  よろしいでしょうかね。大臣、何か一言ないですかね。ないですね、はい。  そうしたら、法案の関連にちょっと私ももう時間がなくなってきましたので行きたいと思いますが、先ほど来いろんな委員からも御議論があって、私も用意した質問をほとんど聞かれてしまいましたし、私が申し上げたい点もいろいろと言われているところなんですが、私は個人的に、今回の整理合理化計画を決定するということはやはり画期的なことであって、基本的には評価されなきゃいけないというふうに思っております。  先日の参考人質疑の中でも岩渕参考人が妙を得た表現で言っておったわけですけれども、この年金福祉施設がどんどん造られてきてなかなか整理されてこなかった歴史というのは、正に国がブレーキの利かない車であるということが象徴されているという話をしておったわけです。  さらに、これは岩渕委員だけじゃありませんけれども、いろんな方言っておりますけれども、やはりこの年金福祉施設というのは構造的になかなか止まらない。一つは、赤字になっても倒産してもなかなか責任も問われませんし、そもそも年金財源にいろいろやっていますから、倒産ということが余り前提としてあり得なかったということが一つあるわけですね。  それからもう一つは、先ほど柳澤委員が引用した政府側の御答弁の中にもありましたけれども、じくじたる思いがある云々とありましたけれども、公益法人に指導監督しようとしても、みんな元厚生事務次官とか大先輩の人たちが理事長とかやっておられているところに指導監督できるわけがやっぱり人情としてないだろうなというふうに思います。  それから、その年金福祉施設、私も幾つか視察させていただきましたけれども、やっぱりこれは非常に難しいところだなと私が思ったのは、それを造るときに、民業を圧迫しちゃいけない、民間と競合しちゃいけないといって、わざわざアクセスの悪いところに土地買って造ったりするんですね。ところが、施設はすごく立派にすると。ところが、余り高い値段を取ってしまったら、これ勤労者のためとか年金の被保険者のためといって造るわけですから、高くしてもいけない、しかし赤字になってもいけないと。  だから、安くしちゃいけないし、赤字になっちゃいけないし、だけど黒字になり過ぎて民間と競合して同じようなホテルを圧迫してもいけないという、普通に考えたら、だれがどう考えても、そんな存在造るのって無理でしょうということを全国に何百か所も造ってきたということだと思うんですね。それを尾辻大臣の時代に、これはやめると、整理合理化するということを基本的にお決めになるということは、私はこれは、いろんな議論ありますけれども、大局に立てば評価されるべきことだと思っております。  実は、これ余談ですけれども、私も今回いろいろ調べておりましたら、よく、昭和五十八年ぐらいからこの年金を財源とした施設見直すべきだという議論があったということでありますけれども、昭和五十年六月三日の参議院社会労働委員会で、公明党の小平議員が、ちょうど朝日新聞に年金の保養基地計画を見直せという社説が四月に、昭和五十年、載っかるんですね。それに言及をしながら、これ、もうそろそろこういう年金を財源にレジャーセンター造るのやめた方がいいんじゃないかと、昭和五十年にちゃんと参議院では言っているんですね。それに対して、当時の田中大臣が答弁で、言っている御趣旨はよく分かりますけれども、何と言っているかというと、実際問題としてこれがかなり大きな施設なものですから、したがって、これを当て込まれた地域では非常な期待を持っているところに実は行政当局の悩みが現実問題としてあるわけでありまして、そうした期待なり希望なりというものを余りためないようにしながらやはり時勢に合わせてやっていく方向はどうかと。つまり、でっかい施設を造るので、それを当て込んだ地域がもう大変だから、もう造るしかないんだというような答弁を昭和五十年にして、それでこの話は終わっているんですが。  いずれにしても、実は最近になって、特に去年になって社会保険庁がたたかれて、もうとにかく年金を財源にした施設は全部売却、譲渡という話に去年なったということなんですが、実際には、国会でもマスコミの中でも昭和五十年代からこういう声上がっていたわけで、それがそこからもう三十年も止まらなかったというのは、止まらなかったことを今回止めると、もう整理するということは、私は基本的に評価をすべきだと思っております。  ただ、その上で次の質問させていただくわけですが、ちょっと矛盾をされているかもしれませんが、もう先ほど来何度も出ているあの厚生年金病院のことでございます。  今日もお昼休みの時間に大臣にお時間をいただいて、東京厚生年金病院の院長と、それからその周辺の地元の商店街の皆さんと一緒に申入れを私させていただいたわけでありますけれども、要するに、これは与党の合意の中でもあるとおり、地域医療にとって重要な役割を果たしている病院については、その公益性の高い病院としての機能を存続させるということは、私、大事だと思うんです。  これ、私も後で武見理事の以前の議論も引用しながらちょっと質問したいと思っておりますが、やっぱりこの東京の厚生年金病院を具体的に取り上げますと、日経メディカルという専門誌の二〇〇四年の良い病院のランキングで、この病院、実は総合病院としては第一位にランクをされているわけでありまして、決して、何というか、地元の方々が主観的に言っていることを私取り上げてそういうことを言っているんではなくて、客観的な基準で評価されて非常に高いクオリティーを持っている病院だというふうに思っているわけです。  ただ、これは青柳さんで結構なんですけれども、地域で重要な役割を果たしているかどうかという点について、だれがどういう基準で調査をするのか。独立行政法人ができて、まだこの厚生年金病院については整理合理化計画の具体的詳細が決まってないと思うわけですけれども、しかしそうであっても、元々、さっき私何回も申し上げておる、地域医療にとって重要な役割を果たしているところは十分考慮しますよと、地元の地方自治体と協議をしますよということは、これは明確に政府・与党合意にも書いてあるわけでありますから、じゃ、その協議をする基になる調査というか、そういったものはどこがどのようにやるのか、お答えをいただきたいと思います。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 厚生年金病院の整理合理化計画は、これから平成十七年度に策定してまいるということにしております。  しかしながら、個々の厚生年金病院の譲渡に当たりまして、地域医療を維持していく上で必要な機能というものをどうやって評価、判断をしていくかということについて、現時点で想定できることをお答えするとすれば、機構において地方公共団体にそういった機能を確認をするというようなことが一つのやり方としては想定されようかと思います。  いずれにいたしましても、この具体的なやり方につきましては、厚生年金病院に係ります整理合理化計画を策定する過程において十分に検討してまいりたいと考えております。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 それで次に、先ほど何か御発言になっておりました武見理事の先日の四月十二日の委員会での御発言をちょっと紹介をさせていただきたいと思うんですが、武見理事の方からこういうお話がございました。ちょっと私の方で要約しますと、厚生年金病院の中には、すべてではないけれども、実際にかなり高度な医療をやっているところもあると。そして、その地域医療の中での公益性というのもかなり高い、そういう病院もあるんですよというふうにおっしゃっております。  その上で、一つ実は武見理事が御提案をされておりまして、実は私、議事録を読んでおりましたら、政府はそれに対してノーコメントというか、全然答えておらないので、ここでちょっと確認をしたいと思うんですが、武見理事の方から、例えばこの独立行政法人国立病院機構のようなところに、公益性の高い、そして地域で重要な役割を果たしている医療機関については、その国立病院機構の方に一部引き取ってもらうというようなこともあり得るんではないかと。当然、その後にいろんな、年金財政に対しての損失を最小限にするための努力をするという条件を付けてのお話でございますけれども、こういった提案、私は個人的に強い共感を持って聞いた御意見であるわけでありますが、厚生労働省としては、このような方向性というのはあり得るということで御検討くださるのかどうか、お答えいただきたいと思います。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 厚生年金病院の譲渡に関しましては、先ほど来お尋ねの中にもございましたが、地域医療を維持していく上で必要な機能は維持できるように十分考慮すると、こういうことになっております。その譲渡先につきましては、現時点におきまして特定の主体を排除することは想定していないと。したがって、国立病院機構が駄目だということを特に想定しておるわけではないと。  ただ、いずれにいたしましても、厚生年金病院の譲渡方法については、今後具体的な検討を行った上で、整理合理化計画を十七年度中に策定してまいりたいというふうに考えております。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 分かりました。今の御答弁は、私なりの解釈では、整理合理化計画が厚生年金病院については決まってないわけですから、可能性としてはいろんなことがまだあり得ますよというように受け止めております。  その譲渡、売却という原則論は当然残るんでしょうけれども、しかしそれをどういうところに行って、特にその地域の医療機関として大事な機能、公益性の高い機能というものを残すという判断になったときに、具体的にそれをどうやって担保していくかというところについては、是非とも、独立行政法人の手の中にこの案件が移行した後も、厚生労働省、社会保険庁として適切な助言等をしていっていただきたいと念願をするところでございます。  続きまして、先日の参考人質疑の議論を聞きまして、私もその場でも質問したんですが、幾つか質問したいというふうに思います。  先日の厚生年金事業振興団などの公益法人の理事長等から伺った意見の中で、複数の理事長から、この既存の、今回整理合理化の対象となっている健康福祉施設を、一部を介護予防事業で活用することはできないかという御意見がございました。当然、この介護保険法等の一部改正案は今衆議院で審議中でございまして、介護予防そのものについては私も後日、別途議論をしたいと思っているわけでありますけれども、本日お伺いしたいのは、厚生労働省として、今回整理合理化の対象になっている施設、この施設の中には、正直申し上げると、介護予防を、その事業を進めるのに非常に適切な施設設備を持っているところはあるというふうに私も理解をしておるわけでありますけれども、そういうこれから始まる事業に転用をするという可能性ということはあり得るんでしょうか。じゃ、大臣。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 介護予防事業の拠点としては、地域のどのような施設等を活用するか、そのあくまでも事業主体であります市町村が判断することでございます。介護予防事業でありますから、事業主体が市町村でありますので市町村の判断になるわけでございまして、その市町村の判断で譲渡された年金福祉施設等もその対象になり得る、こういうふうに考えます。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 これは参考人で結構ですけれども、今の大臣の答弁に関連してお伺いしますが、介護保険の保険者たる市町村の判断で、今整理合理化の対象になっている施設を場合によっては、結果として介護予防の拠点として使うこともあり得るんだというふうに思うんですけれども、その場合は、これは今回の法案に書かれている手続に従って地方自治体の手にこの施設が渡ってから、市町村が、それをじゃ介護予防に使う、使わないという判断をするということなのか、それとも、例えば市町村の方から、厚生労働省がこれから進める介護予防で使うからこの施設を買いたい、ついては、何というか、例えば譲渡の条件とか売却の条件等にその介護予防事業の用途として使うということを明示することで、何かその価格の設定とか譲渡の在り方に影響あるような形というのはあり得るのかどうか。そこをちょっと、もしお分かりであればお聞きしたいと思います。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 今回の年金福祉施設の整理合理化に当たりましては、幾つかの施設については、先ほど来繰り返して申し上げておりますように、その中心的な機能を維持するということを条件として譲渡するというケースは想定をしておるわけでございますが、介護予防の施設に使うからということで、例えば値段を安くするとか、あるいは市町村に優先でそういった施設を購入してもらうとか、こういうことは現時点では考えておりません。  ただ、介護予防への転用可能性というのは、市町村がそういう形で自ら取得するというケースのみならず、何らかの主体がそういった施設を取得した後に市町村との契約でそれを例えば介護予防などに使うと、活用するということも考えられようかと思いますので、私ども、そういう意味では、市町村に優先的に利用するということをしなくても、可能性としては、そういった介護予防にこういった施設が活用される可能性は残るんではないかと認識している次第でございます。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 分かりました。  次の質問でありますけれども、これは社会保険協会連合会の伊藤理事長がおっしゃっていたんですけれども、公益法人の所管の病院で風評被害があるという御指摘がございました。すなわち、病院の整理合理化について、先ほどの柳澤委員の質問にも一部関連いたしますけれども、もうこの病院は近いうちにつぶれてしまうということが風評というか、うわさとなって巷間伝わりまして、その結果として、医大とか大学の医学部が医師の派遣を渋ったり、あるいは引き揚げてしまったり、あるいは看護学校の卒業生がもうつぶれてしまうんだからということでこの病院に来ない。また、そういうことになってくると、利用者である患者もほかの施設へ移ってしまうと。  そうなりますと、厚生年金病院も一部この下に入っているわけでありますけれども、まだ病院として機能しなきゃいけない、実際に機能している、で、今後どうなるかということは、はっきり言うと全く決まってない、不透明な状況でありながら、風評によって事実上この病院が非常に厳しい状況に追い込まれていくというのは、私はこれはちょっと問題なんではないかというふうに思っておりまして、現に今病院の中にいる患者さんの立場から見れば、これはとんでもないことだと思うんですが、この点について厚生労働省の見解を伺いたいと思います。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 先日の参考人質疑の際にも、ただいま議員から御紹介ございましたような事例が紹介されておりますし、私どもそれ以外にも様々な風評被害ということについては仄聞をする機会がございました。このような問題につきましては、患者サービスの低下が生じることがないように、まずはそれぞれの病院を運営する立場としての委託先法人において適切に対応していただくことが必要であるとは考えておりますが、厚生年金病院を例にして申し上げれば、いずれにしろ、これは関係する地方公共団体等と協議の上、その機能が維持されるように十分に考慮することとされ、譲渡に当たりましても、病院機能の公益性を損なうことがないように十分検証した上で適切な方法によるというふうにされておるわけでございます。  したがいまして、地元の関係者の方々にも、こうした事情、すなわち病院がどこかへ行ってしまうとか、何か従来の公益的な機能が果たせないようなものになってしまうというような、言わば誤解が生じないように、こうした事情を正しくお伝えをしていくということは必要ではないかというふうに認識をしております。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 是非、この問題については、厚生労働省として、根拠のない風評によって現に今機能しなきゃいけない病院が機能不全に陥るということがないようにしていただきたいということを改めて強く要望をいたします。  続きまして、副大臣にお伺いをいたしますけれども、年金の保険料を払っている現役世代に対する、そもそも、今回整理合理化する施設も、現役世代への年金の還元事業ということで実施されてきたわけでありますけれども、今回、というか昨年以来の議論では、傾向としては、与野党を通じて、社会保険庁が年金還元事業としてやってきたことはとんでもないと、無駄遣いであるという議論が強く出されたわけでございます。当然、私も、箱物的な年金還元事業というものは、これはもう相当慎重に考えていかなければいけないという立場なわけでありますが、他方で、この年金還元事業そのものを、今の現役世代に全くしない、あるいは、これから年金保険料を払って我々を支えてくれる次世代の方々に対する育成に対して、この年金財源で何もしないということは、果たしてこれはいいのかというのも私一方で思っているわけでございます。  昨年にも、たしか一時期厚生労働省内で、年金の基金を一部活用をして、例えば現役の学生さんに対して奨学金の貸与制度をつくったらどうかというような案があったというふうに私は記憶をしております。もう御存じのとおり、教育費は家計を圧迫する主要な項目に今、日本ではなっているわけでございまして、その部分に対して、ちょっとでも負担軽減をするためにこの年金を使うということについては、私はこれは国民のコンセンサス得られるんではないかというような思いもあります。  他方で、技術的には難しいところは当然あるだろうと。奨学金を借りた学生が大人になって年金保険料を納めなかったらどうするかとか、あるいは奨学金そのものを返さなかったら年金から減額するかどうかとか、いろんな技術的にはもう考えると難しいところあるんですが、しかし次世代育成支援に何も年金を還元しないというのもいかがなものかと私は思っているわけでございまして、是非、厚生労働省としてどういうふうにお考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。

西博義公明党厚生労働副大臣

○副大臣(西博義君) 次世代、現役世代に対していかにこの年金というものを還元していくかという観点からの御質問でございました。今後の在り方。  今正に議論をしているところでございますが、今日、年金給付の原資であるこの保険料財源によって行われてまいりました福祉還元事業に対して国民より大変厳しい批判をいただき、それを十分に受け止めた上でこのたびのこの法案ということになっております。そういう意味で、これは慎重に考えていくべき問題であるということをまず御理解をいただきたいと思います。  なお、御指摘のように、ハードではなくて、そういう次世代の皆さんの育成のための奨学金という言わばソフト面の活用はどうかということでございますが、年金保険料を用いて奨学金の貸与制度を行うと、こういうことにつきましては、年金資金の活用の在り方としてまず適切かどうかの議論、それから他の公的機関、これ奨学金も公的機関で貸与したりということを事業として、今日文科省見えられておりますけれども、やっております。その他の機関の動向、それから次世代育成支援対策全体を今後どういうふうに持っていくかというその大きな方向性なども踏まえながら、全体として慎重に検討していく必要があると、こういうふうに考えているところでございます。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 慎重に議論進めていかなければいけない問題であることは私も重々承知をしておりますが、先ほど来出ている例えば国民年金の未納問題なんかも、やはり若い世代にお話聞きますと、三十年先、四十年先に出るか出ないかも分からない年金払いたくないということを言う人が、まあこの議論が正しいと私は思っておりませんけれども、そういう感情がある中で、やはり若い世代というか、現役世代にもこの年金制度を通じて何らかの還元があるんだということは、私は未納を防ぐインセンティブにもつながるんではないかと思いますので、是非御検討を続けていただきたいと思います。  最後の質問になるかというふうに思いますが、先ほど来言及しております公益法人、五法人の今後の問題でございますけれども、今までの委員会でのやり取りを私も確認をいたしまして、私が理解しているところでは、公益法人の今後については、主たる業務が施設の運営のところについてはめどが付き次第廃止ということでございますが、その他の法人については、これは統廃合もあり得るとしながらも明確なことをおっしゃってない。それに対して、一部の委員から、施設自体が全部整理された後にやる業務は余りないじゃないかと、そもそも、ほかの法人もですね。ということで、全部これは廃止すべきじゃないかという御意見もあるんですけれども、これは、五つのこの公益法人は絶対廃止をしないということなんでしょうか、逆に。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 公益法人の廃止につきましては、民法上の規定に基づきまして、一定の要件、手続を経た上でなければ役所として勝手に廃止しろとかやめろということができない形になっておりますので、私どもは、そういう意味で、一義的にはまずそれぞれの法人がどういうふうな将来的な方向を取ろうとしているのかということを見守りつつ、適切にこれを指導していくということが必要ではないかというふうに考えている次第でございます。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 原則論としてそれは良としますけれども、法律にのっとってすべてやんなきゃいけないというのは分かりますが、余り業務がないのに、ごちゃごちゃ条件を付けて存続させるのも何かなと思いますので、ここは是非、大臣、副大臣にリーダーシップ取っていただいて、本当に必要のない公益法人残す必要ないわけですから、もう小泉改革、小泉内閣になってから特殊公益法人どんどんどんどん改革してきているわけですから、それと同じ路線で考えていただきたいというふうに思います。  ちなみに、この公益法人が取りあえず存続することを前提に伺いますけれども、残る公益法人の今後の役員の報酬とか職員の給与体系の見直しということは、これは存続させたとしても行っていくんでしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 年金福祉施設等の委託先の公益法人の給与体系につきましては、既に、財団法人の厚生年金事業振興団や社団法人の全国社会保険協会連合会におきましては、公務員準拠型の給与体系から民間準拠型の給与体系に変更されているということでございますし、その他の法人におきましても給与の削減等既に着手しております。  また、役員の報酬につきましても、平成八年九月二十日の閣議決定に基づきまして見直しを行ったところでございますが、いずれにしろ、今後の公益法人の整理合理化までの間におきましても、国民の理解が得られるよう、民間の水準等と比較して不当に高額になることがないように私ども適切に指導してまいりたいと考えております。

遠山清彦公明党

○遠山清彦君 最後に一言です。  是非、民間、先ほど来民間から見ればというお話がございます。公益法人及びそれが運営、管理をしてきました施設については、元々、本来つくったときの趣旨から、民間市場とは違う原理原則に基づき、また違う利益を追求するということで建てられた施設でありますから、一概に比較をして論評することは適当でない面もあるわけでありますが、しかしながら、今、国の財政状況厳しい中で、また社会保険庁が強い批判にさらされる中で、こういった整理合理化が進められるわけですので、是非そのことを、原点を忘れることなくやっていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

小池晃日本共産党

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  最初にお伺いしますが、今回の独立行政法人は五年たてば解散すると。こういうふうに期限を付けた独法というのは過去例があるんでしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 他の独立行政法人の個別法におきまして、このように解散の時期を規定しているものはないものと承知をしております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 極めて異例な形なわけです。  先日の審議の中で、議事録読んでいましたら、青柳運営部長がこう言っているんですね。二、三年程度で売却するとなればたたき売りになることも懸念されるが、五年間で当たるというのは最適な方法ではないかと考えていると。  私、これ読んで分からないんですが、二、三年だとたたき売りになって、五年だと大丈夫というのはなぜなんですか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 今回の年金福祉施設の整理合理化におきましては、三百を超える多数の施設を譲渡の対象としておりますので、いずれにしろ、期限を付して速やかに整理合理化を進めることが必要であろうというふうに考えております。  しかしながら、これらの対象施設の中には、地域医療に貢献している病院など、単に施設の売却だけではなくて、施設の機能を損なうことがないように十分に配慮した対応が求められているものもあります。また、施設の譲渡に当たりましては、年金資金等への損失を最小化するという大原則、これに基づいて、より有利な価格で買い受けてくれる譲渡先の開拓ということも求められてまいります。  仮に二、三年程度の短期間で売却をするということになった場合に、多数の施設について独立行政法人設立後すぐに売却手続を始める必要が出てくるというようなことが物理的には求められてくるわけでありますので、そうなりますと、先ほど申し上げましたような必要な配慮を行うことが困難になる可能性もありまして、五年という期間を設定させていただいたものでございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 今のはちょっと説得力ないと思うんですよ。  先ほど議論もあったように、期限定めれば、これはそのときになれば必ず売るんだというなら、これ資産価値どんどん下がるわけですよね。足下を言わば見られるということになるじゃないですか。五年と二、三年で何も違わないんで。  結局、こういう期限決めてやれば、これ結局、もうこれ、たたき売りというのは青柳さんがおっしゃったことですよ。こういうことになる懸念というのは、やはり同じようにあるんじゃないですか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 御指摘のような御懸念もあろうかと存じますが、いずれにせよこれは、今回の整理合理化の基本となっておりますところの年金財政の厳しい状況にかんがみ、施設を取り巻く社会環境の変化、あるいは国民のニーズに対応するために整理合理化を進めていくという観点からいたしますと、やはり何らかの期限を付して、その間に最も適切な方法で譲渡、売却を進めるということが求められてこようかというふうに私ども認識している次第でございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 結局、こういう期限を切ったやり方では、たたき売りになる懸念もあるということを認めざるを得ない。  お聞きしたいのは、五年後に解散する際に、「機構の資産及び債務は、その解散の時において国が承継する。」となっておりますが、この国が承継するというのはどういう意味でしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) この年金福祉施設の整理合理化につきましては、限られた期間の中で三百を超える福祉施設を売却するということを目的としたものでありますので、当然のことながら、その所期の目的が達成できるように取り組んでまいるというのは前提ではございます。  しかしながら、法案におきましては、独立行政法人が解散する際に、その資産を厚生保険特別会計及び国民年金特別会計が承継するということにしておりまして、仮に売却ができなかった場合の資産についてはそれぞれの会計に引き継がれるということを想定したものでございます。  いずれにいたしましても、御懸念のような事態に至らぬように適切に対応してまいりたいと考えております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 大臣にお伺いしたいんですが、私、やり方が本当にこれおかしいと思っていまして、まずその三百二十八の施設それぞれについて、これを売却していいのかどうかということを徹底的に検討をすると。その上で、一つ一つ厚生労働省として検討して、その結果、売却、廃止が必要だともし判断すれば、それを、その処理を進めるということが物の順序であって、今回のやり方というのはそういうことないわけですよ。ただ箱を作っちゃう、独立行政法人つくる、そこに全部何の検討もなしに投げ込んで、一律に一括整理すると。  私は、これでは、地域の医療にも責任持っているわけですから、厚生労働省としての行政の責任果たしたことにならないというふうに思うんですが、その点、いかがですか。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) これはもう今朝からのずっとお話しいただいたこと、また、それに対して私どもがお答えしたことの繰り返しにもなるわけでございますが、今回のこうしたことになりましたそもそもはといいますと、やはり社会保険庁に対する各方面からの、国民の皆様方からの御批判でございます。その御批判の中で、やはりもうこうした施設は全部売るべしという極めて強い御批判、御意見があった。そしてまた、そうでもしなければ年金に対する不信というものが回復しないぞという御意見等も強くございまして、そういうことを踏まえての私どもの今度の判断でございます。  もちろん、施設を取り巻く、これもずっとお答え申し上げておりますように、社会環境だとか国民のニーズの変化というのはあるわけでございますが、私がまず申し上げた、冒頭申し上げたようなことで、もう全部例外なく売却ということをまず私どもが判断したということでございます。その方が年金に対する国民の皆さんの信を取り戻すということのためにもいいという判断をしたということを申し上げておるところでございます。  したがって、例外なく売却ということにしたわけでございますけれども、ただ、各施設の具体的な売却方法につきましては、先般策定いたしました整理合理化計画や機構の中期計画等に基づいて行うことにしておりますので、個別の施設の有する機能に即した、譲渡はいたしますが、譲渡に当たってそういう譲渡を進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 今度の三百二十八施設というのは、もうそれぞれ本当に経過も目的も違う施設であります。厚生年金病院、保養ホーム、あるいは社会保険診療所。  大臣は国民の要求なんだ、国民の願いなんだとおっしゃるけれども、国民から厚生年金病院売れという声来ましたか。一律にやらなきゃ駄目だという声ありましたか。私は逆で、今、地方自治体も含めて、厚生年金病院は現状で残してくれ、そういう声が圧倒的に来ているんじゃないですか。いかがですか。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 最近そうしたお声寄せられておることは私も承知をいたしております。  ただ、やはり、当初こうしたことを私どもが、社会保険庁をいかにすべきかという検討を始めました当初において、非常に強い、もう福祉施設全部売却すべしというお声があったことは、またそのように私は理解をいたしております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 いろんな宿泊施設などについてはそういう声があった、我々もそういう主張をしたことは事実ですが、しかし、こうした医療機関も含めて売却しろなんという声は、私は、国民からは上がっていない。自民党の中で一部あったのかもしれませんが、それは国民の声ではなかったし、もう例外なく取り扱うということで、個々の施設の必要性を検討することなく一律に扱うということは、私は、全く根拠のないやり方だし、厚生行政として責任放棄したことになるというふうに思いますが、いかがですか。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 病院の売却ということにおいての今の厚生行政に対するお話だと思いますけれども、私どもが今申しておりますことは、売却に当たって、その病院機能というのはそのまんま維持していただくというのを前提にして売却をいたすわけでございますから、病院がなくなるわけではないという意味において、私どもがそういう地域における医療の、今行われているサービスがなくなるという意味において厚生行政を放棄するといったようなことにはつながらないものと考えております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 機能を維持すると言うけれども、その担保は極めて弱いというふうに私は思うんです。  厚生年金病院の取扱いについて伺いたいんですが、先日小林議員が、私どもの小林議員が仮定の話として、厚生労働大臣が定めるものから除外すれば対象外にできるのかという質問に対して、そういう仮定は想定していないという答弁だったんですが、この想定しているかどうかということは別の問題として、法案の構成として、構造として、仕組みとして除外することも可能な法案の構成になっているかどうか、この点確認したいんですが、いかがですか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) ただいまのお尋ねは、機構法の三条の規定の中で、機構への出資対象施設を厚生大臣が定めるということにされているものにかかわるお尋ねだと思います。    〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕  こういう規定を設けました趣旨は、一つには、平成十五年度から十七年度の三年間において経営実績を評価することとしている社会保険病院、この中で、言わばその他の病院というジャンルになったものについては追加出資をするということがあるわけでございますが、この社会保険病院をどうするかということ。それから、機構の設立までの間に廃止、譲渡が行われる施設、これは先ほど申し上げましたように、十月の設立までの間に赤字が見込まれるもの等については速やかに廃止、譲渡をすることとしております。  こういったものを除くことがこの条文の趣旨でございますので、これら以外の年金福祉施設あるいは政管健保の保険福祉施設は例外なく出資することを前提にした規定であるというふうに御理解を賜りたいと存じます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 いや、その趣旨を聞いているんじゃなくて、法案の構成として、純粋に読めば厚生労働大臣が定めるものとしか法案には書いていないわけで、社会保険病院とか書いていないわけですから、これは法案の仕組みとしてはそういったことも除外することが可能な仕組みになっているということですねと。純粋に法案の構成についてお聞きしているんです。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 厚生大臣が定める場合には、先ほど申し上げましたような言わば政策的な判断に基づいてこれを定めることといたしますので、今のような想定の下での状況は起こり得ないものと私ども承知しております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 厚生年金病院の取扱いについて、これ整理合理化計画まだ決まっていないわけですよ。これも私、順番おかしいと思うんですね。言わば白紙、どうなるかというのはまだ分からない状況の中で中身は言わば白紙委任で、売却するという枠組みだけ作るという法案にこれ賛成しなさいと言われたって、余りにもこれはむちゃな話なんです。順番だってこれ逆で、厚生年金病院なら厚生年金病院の計画についてちゃんと示して、それでどうなんだということを進めるのが筋ではないかと思いますが、大臣、こういうやり方は余りにも、我々に対して白紙委任ということを強いるというのは、これは余りにも無責任だし、むちゃじゃないですか。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 今まず病院のことについて御議論をいただいておりますけれども、まず申し上げたいことは、病院を除く方の年金福祉施設等のことでありますけれども、これはもう既に先月末に整理合理化計画を策定いたしておりまして、この計画に基づいて、本年十月に予定しておる機構の設立後は速やかに譲渡を進めることといたしております。したがって、病院以外のことについては既にもう整理合理化計画も策定をしておるということをまず申し上げました。    〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕  そこで、厚生年金病院についてはまだ整理合理化計画はできていないんじゃないかと、こういうお話でございますけれども、これにつきましても十七年度には計画を作ることにいたしておりますし、まず、先ほど来申し上げておりますように、譲渡という言葉も既に基本的なこととして決まっておりますので今回こういうお願いをさせていただいておる、法案を提出さしていただいたと、こういうことでございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 これは審議のやり方としても、法案の枠組みとしても極めて無責任な中身になっているというふうに私は思うんですね。  それから、健診についてちょっとお伺いしたいんですが、社会保険関係施設では年間百十七万人が政管健保の生活習慣病予防健診を受けて、これは健診事業全体の三六・一%を占めているわけですが、そもそもこの政管健保の予防健診事業の受診者の数とか受診率の引上げについて厚生労働省は目標をお持ちなんでしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 政管健保におきます生活習慣病予防健診につきましては、御承知のように、四十歳以上の被保険者あるいは被扶養配偶者などを対象に実施をしております。  従来は、言わば限られた予算の中で受診機会をとにかく増大させたいということを目指してきており、特段目標を設定した事業実施は行ってまいりませんでした。しかし、平成十七年度、社会保険庁の事業計画というのを作らせていただいたわけでございますが、この中では、大変厳しい財政事情の中ではございますが、健診単価等の見直しなどを行って、まずは目標値を設定して事業を行うということといたしました。  具体的には、十七年度の目標といたしまして、各社会保険事務局管内におきます健診あるいは事後指導の実施率が十六年度の全国平均値を上回り、かつ当該都道府県域内における前年実績を上回るように健診を充実するというふうにさせていただいているところでございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 これ今まで目標すら持たずにやってきたということ自体が非常に驚きなわけですが。  これは、健診実施率引き上げるために民間の実施機関を増やしていくということは、もちろんこれは大切なことだし、受けやすくすることは当然だというふうに思うんです。しかし、現時点でも健診の実施率は十人に三人ということで非常に低いわけで、こういう中で健診事業の三分の一以上を担っている社会保険関係施設を売却、廃止する、健診が受けにくくなってしまうということは、正に健康日本21で掲げていた目標に照らしても極めて問題が大きいのではないですか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 政管健保におきます生活習慣病予防健診の実施機関につきましては、ただいまもお尋ねの中でございましたが、近年は民間の医療機関を中心に指定の拡大を図っております。実施機会を拡大するという観点から、これについては引き続き適切な指定の拡大に努めてまいりたいと考えております。  また他方、社会保険健康管理センターあるいは社会保険診療所の売却に当たりましては、これらの施設が地域において担う機能を十分に勘案いたしまして、施設の中心的な機能を維持することを条件とした一般競争入札による売却を予定しております。その場合には、これらの施設は引き続き政管健保の健診実施機関になるものが多数に上ると考えております。  こういったような施策を通じまして、社会保険健康管理センター等の譲渡によりましても健診実施率が低下することのないように十分に配意してまいりたいと考えております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 この政管健保の健診の実態を見ますと、予算で見ると、五年前に比べて二五%、百四十億円も予算減らしているわけです。私ども、これ保険財政に依存しているからこういう事態になるわけで、必要な国庫負担を投入すべきだということをかねてから主張してまいりましたが、やはり、この病気の早期発見早期治療にとっても、中小企業で働く労働者にとっても極めて重要な事業なので、これはやはり抜本的に見直すことが必要だというふうに思っております。  続いて、機構の職員の問題についてお聞きしたいんですが、民間から登用するといいますが、民間とはどのような職種を想定しているのでしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 具体的には今後の検討でそれを具体化していくということになるかと存じますが、一例を挙げれば、信託銀行あるいは不動産コンサルティング会社等において、不動産取引や不動産信託の経験を有する方というようなことを念頭に置いたものでございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 これね、箱物売るんじゃないんですよね。病院というのは正に、その職員の意欲とか質とか、あるいは地域住民の信頼とか、地域の医師会との関係とか、近隣医療機関との連携とか、そういうものが病院の価値になっている。そういうときに、この信託銀行とか不動産会社とか、そういう人たちに売却任せて、まともな地域医療を引き継ぐなんということできるわけないじゃないですか。大臣、こういうやり方でいいんですか。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 今回のお願いしております機構において譲渡等を行う対象施設といいますのは、宿泊施設もありますし、今先生が話題にしていただいております厚生年金病院もございますし、また終身の利用型老人ホームなどもございますし、正にこの施設類型というのは多岐にわたっております。したがって、法人における職員の採用に際しましては、今お話ございましたけれども、いろんな角度から適任者の確保に努めていく必要があるというふうに考えております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 ですから、今例として挙げられたような信託銀行、不動産会社、コンサルティング会社という人たちが、病院という極めて、医療ということを扱う、そういったものを売却する担当者として、これで利用者や住民や職員に対する責任が果たせるんですかと、私はお尋ねしているんです。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 今、箱物売るんじゃないよというお話でございますが、正にそういう面を持っておることは申し上げたところであります。  しかしまた、一面、不動産売買ということでもありますので、そうした不動産売買に通じておる人たち、その人たちにこの機構の職員として仕事をしてもらうということも必要でありますし、しかしまた、病院という話に限って言えば、必ずしもそういう人たちだけでうまくいくとも私どもも思っておるわけじゃありませんから、お話のように、適任者の確保という、適任者という意味の中に今指摘していただいておるようなことを含めて私どもも考えておる。そういう留意は必要だというふうに考えておりますということを申し上げたところであります。

小池晃日本共産党

○小池晃君 こうした施設運営を委託しているのは、厚生年金事業振興団、全国社会保険協会連合会など九十五の法人になります。  今日、配付資料でグラフ作りましたが、本当に年を追うごとにこの公益法人の数は増えていっているわけですね。これらの法人には厚生労働省、社会保険庁からの天下りが何人いるのか。役員の数、職員の数をお答えいただきたいと思います。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 年金や健康保険福祉施設の委託先法人におきます厚生労働省出身の役員及び職員の数についてお答え申し上げます。  これらの数には、地方事務官であった都道府県の保険主管課あるいは国民年金の主管課あるいは社会保険事務所の出身者を含めた数でお答えをさせていただきますが、平成十六年の十月現在で、非常勤を含む役員が百六十七名、職員が五百六十五名、これらの合計七百三十二名となっております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 七百人以上の天下りの受入先になっているという、本当に驚くべき実態だと思うんです。  あわせて、これらの法人から天下り役員に対して出された退職金の総額をお答えいただきたいと思います。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 年金・健康保険福祉施設の委託先法人におきます厚生労働省出身の役職員の退職金については、協力を得られた公益法人について役員分のみ私ども把握をしておるところでございますが、五年間の退職金の総額でお答えを申し上げますと、まず、社団法人の全国社会保険協会連合会におきましては六千七十四万円、社団法人全国国民年金福祉協会連合会におきましては七千八百三十九万九千円、財団法人社会保険健康事業財団におきましては三千二百八十七万一千円、財団法人社会保険協会におきましては八百四十五万六千円となっております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 厚生年金事業振興団は数字すら明らかにしていない。しかも五年間だけしか出ない。なぜ五年間しか明らかにできないんですか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) この公益法人が各団体共通してさかのぼれる期間は、実は文書の保存規定等によりまして過去五年間ということであったために、この調査については平成十二年度から十六年度の五年間ということで取りまとめをさせていただいた次第でございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 これね、本当にとんでもないと思うんですよ。天下り先九十五法人もつくって、その状況を示すデータは五年分しかそろっていないと。しかも、一番大きい厚生団は公表すらしないと。こういう状況で、国会でこの問題を明らかに議論しろって言われたって、本当に余りにも無責任な話だと私思う。  大臣、私お尋ねしたいのは、国民がやっぱり怒っているのは、年金積立金の問題で怒っているのは、施設の誘致が一体どういう背景があったのか、政治家がそこにどう関与したのか、金や票がどう動いたのか、あるいは官僚の天下り先にどういうふうになっていったのか。つまり、政治家や官僚が寄ってたかって食い物にしてきた、このことに一番怒りが私集中していると思うんですよ。  ところが、その政治家や官僚が一つ一つの施設の建設にどのように関与したのか、あるいは天下りの問題がどう進んだのか。私、その問題を徹底的に解明して国民の前に明らかにすることこそが今の国民の、先ほど言った要求、怒りということにこたえる、真っ先にやるべきことではないかと思いますが、大臣いかがですか。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) ただいまの御指摘の件でございますけれども、これ昨年九月に設置をいたしました検証会議がございます。年金の福祉還元事業に関する検証会議というものでございます。この検証会議におきまして、今正にこうした事業の実施の経緯でありますとか在り方等の検証を行っておるところでございますので、この検証会議の結果を踏まえて私どもは総括を行いたいというふうに考えておるところでございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 いや、だから、それだったらまずそれを徹底的にやるべきじゃないですか。  国民が怒っているのはね、別に厚生年金病院に対して怒りなんて持っていないんですよ。こういうものに対して本当に政治家や官僚がどうかかわったのか、そこを徹底的に究明しろというのが、私国民の願いだと思うんです。  例えば、グリーンピアについて先ほど議論がありましたけれども、そういう経過が一切あいまいにされたまま、これは全部売却が閣議決定されて、どんどんどんどん二束三文で売っているわけでしょう。しかも、今回のやり方も同じで、やっぱり本来一つ一つの施設についてどういう歴史があったのか解明し責任を明らかにすべきなのに、そういうことが全然やられていない。それをせずに、自分たちが過去やってきたことに対する言わば追及をかわすために、まるで十把一からげで売却してしまう。身ぎれいにするというのは正にそういうことじゃないですか。これ余りにも無責任だと。  大臣、こういうやり方で、この年金にかかわるお金の使い方について、その中身こそ明らかにしなければいけないのに、それをせずにただただ売却するという形で、先ほど国民の信頼を回復するためだと、そうおっしゃいましたけれども、こんなやり方で国民の信頼が回復すると思いますか。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) これも先ほど来申し上げておるわけでございますが、国民の信頼回復するために社保庁、社会保険庁をきれいにしなきゃいけない、新しく出直さなきゃいけない。まず、そのためのまずやるべきこと、そのことが福祉施設の売却だと私は考えております。その後に、また二段階で社会保険庁をどうするかということを考えていかなきゃならない。また、その過程にあるわけでございますけれども、まずは、福祉施設の売却というのが信頼回復のためのまずやるべきことというふうに私は考えております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 今の説明では全く私は納得できないし、これを聞いている国民もそうだというふうに思う人いないと思うんですね。  正に、やり方、本当に暗い過去を封印するためにこの独立行政法人というごみ箱を作って全部投げ込むと、そういうやり方で、経過は一切こんなやり方をしたって明らかになりませんよ。で、結局、もう決着付けたんだと、これにて一件落着、それで終わりにするという話になっちゃうじゃないですか。私はこんなやり方では年金に対する国民の信頼を回復することなんて絶対にできないというふうに思います。  もう、ちょっと何度聞いても同じ答えしか返ってこないので、これで終わりにしますけれども、こういうやり方こそ私は逆に年金に対する不信を高めるだけになるんだということを申し上げて、質問を終わります。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  私も、今回の審議を通じて、立法趣旨、立法理由が全く納得がいきません。  提案理由のところで、「厳しい年金財政の状況及び社会経済状況の変化等を踏まえ、その整理合理化を進めることとしております。」とあります。また、三月三十一日付けの年金・健康保険福祉施設に係る整理合理化計画の中でも、同じように、「近年の年金制度等を取り巻く厳しい財政状況、施設を取り巻く社会環境及び国民のニーズの変化等を踏まえ、整理合理化を進めることとしている。」としています。  ただ、年金の財政であれば、むしろ私は、年金積立金百兆円を国債やアメリカの国債、社債を買って運用していくということそのもの、使い方そのものについてメスを入れるべきだと考えておりますし、どんなに聞いても国民のニーズ、地域からの要望があったということは一切出てきておりません。むしろ利用者あるいは自治体の皆さんからも維持してほしいという声が上がってきております。  立法趣旨が全く分からない、五年間の間にたたき売って、ないものにしてしまおうというこの法案は、やっぱり非常に陰謀に満ち満ちた法案で、国民の方に全く顔を向けていないというふうに思っております。  余り今まで議論のなかったことについて、今日少しお聞きをいたします。  社会保険健康センターについてですが、社会保険健康センターの果たしている役割について教えてください。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 社会保険健康センターにつきましては、保健師による健康相談や健康指導、あるいは心身の健康保持増進のための運動指導講座あるいは教養文化講座の実施、あるいは生活習慣病予防健診の受診者に対します事後指導、一次予防を中心とした健康づくり事業など、健康づくりや生きがい対策の事業を実施しているものでございます。  全国に現在四十四か所設置されておりまして、平成十五年度は約四百五十万人延べで利用者の方が御利用いただいておりますが、いずれにしろ、地域の健康づくり等に貢献している施設というふうに認識をしております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 四百五十万人が利用しという、地域の健康づくりに貢献しているところが今回この法案によれば譲渡又は廃止ということになるわけですが、その必要があるのでしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 年金福祉施設につきましては、今回、年金制度の厳しい財政状況、あるいは施設を取り巻く経済社会環境の変化、そして国民のニーズの変化ということにかんがみまして、年金保険料はまずは年金施設の施設整備に投入しないというだけではなく、年金資金への損失も最小化するという考え方が基本原則にございます。したがいまして、社会保険健康センターを含み、例外なく年金福祉施設の譲渡あるいは廃止をさせていただくこととしたものでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 健康づくりのために使うというものであれば、納得される国民の皆さんもいらっしゃると思います。要するに、無駄遣いをするなということであって、国民のために使うのであれば、それは納得するというふうに思います。  社会保険健康センターの事業内容及び実績、財政についてお聞かせください。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) まず事業内容ということでございましたが、これは先ほどのお尋ねのところで若干申し上げましたように、全国四十四か所の社会保険健康センターは、平成十五年度で延べ利用者が約四百五十万人、これが利用状況ということかと存じます。  それから、財政状況でございます。平成十五年度におきます社会保険健康センター全体四十四施設の収支状況は、約一億六千万円の黒字ということになっております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 黒字であれば、赤字垂れ流しのためにこれを譲渡又は廃止しなければならないということにはならないのではないですか。  また、この法案が、立法趣旨が厳しい年金財政の状況というふうにありますが、財政の点は問題がないのではないでしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 厳しい年金財政の状況は、御承知のように、平成十七年度に厚生年金、国民年金、それぞれについて積立金を取り崩すという予算を組まなければならなかったということに端的に象徴されている状況でございますので、年金福祉施設自身の負担が年金財政にどれだけの影響があるかということではなく、現在、現時点における年金財政の状況が大変厳しいということを踏まえた対応であるということを御理解賜りたいと存じます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 全く理解ができません。  家計が例えば無駄遣いばっかりして、新車を買ったり無駄遣いばっかりしていると、だから今度は食費を切り詰めて御飯食べるなと言っているようなもので、今の答弁だと、全くこの社会保険健康センターは黒字であると、でも年金積立金を崩さなければならない厳しい財政状況が生じたと。しかし、年金積立金を取り崩さなければならなかったのは、グリーンピアを始めとした放漫経営ということが理由ではないですか。それをなぜこういうふうに違う方向で問題を切り替えるのか。もうこの審議の中で全く理解ができません。  本当の無駄にメスを入れたり、本当に無駄を生じたことにきちっと責任追及するのではなくて、黒字で、多くの四百五十万人の人が使っている、あるいは、後でまた質問しますが、病院が地域医療の中で、特に、大都会ならともかく、地域の地方都市でこれしかないと言われている基幹病院をなぜこういう形で扱うのか全く分かりません。これが厚生労働省の姿勢としたら、本当に残念です。  もう少し財政について、あるいは利用者、具体的にどのような実績が上がっているかについて、もう少し教えてください。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 社会保険健康センターの収支状況ということかと存じます。  先ほど申し上げましたように、十五年度の当期剰余ということで申し上げますと一億六千万円の黒字ということになっておりますが、ただ、四十四施設中、十五年度の当期に赤字を出している施設が六施設ございます。また、十五年度末での累積剰余ということで見ますと、二十三億九千八百万円余の黒字にトータルではなっておりますが、累積で赤字を出している施設が五施設ございますので、まあ財政状況、トータルとしては先ほど申し上げましたように黒字ではございますけれども、個別に見ますと黒赤混在をしているということが一つは財政状況ということで申し上げることができようかと存じます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 この法案は、十把一からげ、全部本当にごみ箱に何でも、役に立っているものも立ってないものも取りあえずごみ箱に捨ててしまう、そういう法案で問題です。黒字で、利用者が四百五十万人もいて、価値があって、健康づくりをこれから私たちはしなければならないのをなぜ廃止あるいは譲渡をするのか、立法趣旨が分かりません。  健康日本21の実施、健康増進法の施行などを受け、今後ますます健康づくり事業が必要と思われます。今回、国会の中で議論になる、まあ衆議院で議論になっております介護保険の改正法案も、御存じ、筋力トレーニングや健康づくりに主眼を置いて、その評価はともあれ、長期的に健康づくりをやるのだということを置いているというふうに思われます。  事業の受皿でもある社会保険事業センターを廃止、売却することは、国の施策に逆行することになるのではないですか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) ただいまのお尋ねにもございましたように、社会保険健康センターが現在その被保険者や年金受給者に対しまして心身の健康の保持増進のために各種事業を行い、例えば健康日本21等を踏まえた健康保険におきます一次予防を中心とした健康づくり事業を実施している拠点になっておるということはお尋ねのとおりかと存じます。  私ども、こういう健康づくりを含めました保健事業の推進そのものは今後とも大変重要なものだというふうに考えております。したがいまして、この一次予防の事業ということにつきましても、平成十七年度からは対象施設をこうした社会保険の関係施設に限定せずに、運動療法に知見を有する医師から指導や助言を受けられる体制が整備されておりますような厚生労働省の指定運動療法施設に言わば拡大をしてこの事業は実施していくということにしたところでありますので、今後とも、事業の実施という点では効果的な健康づくり事業の拡充に取り組んでまいりたいと考えております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 全く理解できなくて、このように実績を上げております、しかしということで譲渡、売却をするわけですが、三月三十一日付けの厚生労働省が出している整理合理化計画の中についてお聞きをいたします。  「譲渡条件」のところで、「一定期間施設の中心的な機能を維持することを譲渡条件とする。なお、施設の機能廃止が適当とされた施設についてはこの限りではない。 ア.地域医療に貢献している施設(社会保険診療所、健康管理センター及び保養ホーム)」となっております。この「地域医療に貢献している施設」と非常に限定しておりまして、なぜこの中にこの社会保険の健康センターは入っていないのでしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 社会保険健康センターがその健康づくりあるいは生きがい対策ということで一定の役割を果たしてきたというのはお尋ねのとおりだと承知をしております。  しかしながら、民間にも例えばいわゆるアスレチッククラブのように類似の施設が増えてまいります中で、この社会保険健康センターについて、機能の維持を優先するよりは、年金資金等への損失の最小化を優先すべきものというふうに考えた次第でございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 しかし、スポーツクラブもピンキリあるかもしれませんが、入会金等高額なところもあります。また、地域の中で非常にないところもありますし、だからこそ延べ四百五十万人の人たちが利用しているのではないですか。  今回、この審議に当たって、いろんな声を書面で、あるいは、例えばリハビリテーションで利用している、別の施設ですが、いろんな声をいただきました。例えば、財団独自の調査研究によると、十五年度の実践参加者の限られたデータの中で、この事業に参加する前、高血圧の範囲内にある人が七千百十八人いたが、事業参加後は約四五%、三千二百二十人の人が正常範囲となったと。つまり、スポーツセンター、民間のスポーツセンターとは別に、本当に専門家が健康づくりに貢献しているということは言えないでしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) いわゆる一次予防の事業、健康づくりの重要性については御指摘をまつまでもないわけでございますので、私どもは、その意味では、運動療法等に知見を有する医師から指導、助言を受けられる体制を整備している指定運動療法施設というものを念頭に、今後ともこの一次予防の健康づくり事業というものの拡充を図っていきたいというふうに考えておる次第でございます。  したがいまして、社会保険健康センターにつきましては、先ほども申し上げましたように、箱物としての健康センターに言わばその機能維持を求めるのではなく、事業としてより幅広い対象施設に拡充することにより、所期の目的を達成してまいりたいというふうに考えている次第でございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 私も、箱物が大事というよりも、その機能が大事と思うからこういう質問をしているわけです。  青柳局長、そうしますと……(発言する者あり)あっ、違うんだ、間違えた。大変失礼しました。申し訳ありません。  機能が重要なわけですから、機能の拡大をするということであれば、むしろこういう社会保険健康センターは残して、健康づくりの厚生労働省の中にきちっと位置付けて大事にしていくことが重要ではないですか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 繰り返しになり大変恐縮でございますが、社会保険健康センターにつきましては、民間にも類似の施設等が増えてきたことを考えますと、逆にこういった社会保険の関係施設にこういった一次予防の事業を限定して実施するということが必ずしも適切ではないというふうにも私ども考えておりますので、そういう点も併せて、今回、この社会保険健康センターにつきましては特段その機能維持の対象にはしなかったというふうに御理解賜りたいと思います。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 いや、これ、ここだけで健康づくりをやれと言っているのではなく、ここも重要な機能ではないかということです。  じゃ、改めてお聞きをします。  これで、譲渡に当たり、一定期間施設の中心的な機能を維持することが条件とはなっていません。だとすると、売るとき、売るときというか、五年以内にどこかがそれを買うといった場合に、この社会保険健康センターとして買わなくてもいいわけですよね。それは問題じゃないですか。ほかのところでもやれるのかもしれない、しかし重要な機能で、その地域で重要な役割を果たしているんであれば、ここの機能を維持することを条件とすべきだと考えますが、いかがですか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 私どもとしては、繰り返しになりますが、一次予防の重要性は強く認識しているところでございますし、そのために、特定の施設に限定されずに、広くそういった一次予防の事業が行える機会というものを増大させていくということが必要であろうかと存じます。  その意味では、こうやって特定の社会保険の関係施設に言わば従来はどちらかというと限定するような形で行われていた事業をより広く実施をすると、このこととの見合いで、この社会保険健康センターについては特段中心的機能の維持を求めないということを判断した次第でございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 いや、やはり答弁がおかしいですよ。  というのは、今まで一定の役割を果たしてきた、これを中心的な機能の維持をすることを条件としなければ、非常に営利的なものもあるかもしれないけれども、健康づくりというのは非営利的な部分もあります。そうすると、買う側は採算が取れない。これを例えばパチンコ屋さん、パチンコ屋さんが悪いわけではないですが、遊興施設になる、パチンコ屋さんになる、遊び場所になるということだって十分あり得るわけじゃないですか、別に健康づくりセンターを引き受けなくてもいいわけですから。そうすると、地域で困る人がいる。これについてはどうですか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 健康づくりの事業の実施については、様々な保険者がこれを進めていくということと併せて、市町村が非常にイニシアチブを取ってこれを進めていくということが例えば健康日本21や健康増進法の中でも求められているわけでございます。したがいまして、そういう事業実施の中にたまたま例えば社会保険健康センターが将来的に活用されるというケースは決して否定するものではございませんが、逆に言えば、その社会保険健康センターを必ず現在の形で維持しなければこういった健康増進なりが進まないというのも、やや狭くこの健康増進事業なりの展開を見ているものではないかなというふうにも思いますので、私どもといたしましては、あくまでも、公序良俗違反については一定の枠をはめて、その地域の中で言わば公序良俗違反の利用の仕方にはならないようにしてまいりたいとは思いますが、それ以外については特に用途を限定せずに譲渡をしてまいりたいというふうに考えております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 公序良俗違反のものが建たないようにというのはもう当たり前のことであって、そんなことを聞いているのではありません。  今まで一定の役割を果たし、地域の人が残してほしいと言われていることをなぜつぶすのかと。譲渡の条件にしてなければ、これは維持できない可能性もあるわけです。健康づくりをやるのだと、介護保険の改正法でも筋力トレーニングと健康づくりをやるんだと宣言しながら、言っていることとやっていることがめちゃくちゃではないですか。  やっぱりこの譲渡に関して、これがもし、じゃ逆に厚生労働省にお聞きしますが、条件付けなければ全くこの社会保険健康センターがなくなってしまうかもしれない、そのことについていかがですか。  それからもう一つ、専門職の方がいらっしゃいますよね。保健師さんとか、他の民間に転用するとしたら、その地域の中でほかに場所がないというようなことがあります。そういう場合は雇用は一体どうなるんですか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) まず、社会保険健康センターがなくなった場合をどういうふうに考えるかということにつきましては、これは他の年金福祉施設についてもそれなりに今日それぞれの地域の中で一定の役割を果たしているということでございますので、整理合理化計画で一定の留保をさせていただいたもの以外については、大変残念ではございますが、用途が他のものに転用されるということは致し方ないのかなというふうに思います。  また、後段のお尋ねでございますけれども、こういった社会保険健康センターがそれぞれの地域の中で果たしている役割というものについて、例えば地域の中でも存続要望を含めて大変大きな期待があるということは承知をしておりますけれども、いずれにいたしましても、繰り返しになりますが、今回の整理合理化計画の考え方が年金財政の損失を最小化するという大きな原則の下に進められているということで御理解を得てまいりたいというふうに考えております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 今度の法案は非常に簡単なもので、中身については全く白紙委任です。合理化の基本計画の三月三十一日付けの書面に若干出ているだけで、私たちはこの白紙の真っ白けのものにサインをしろと言われているようなもので、立法機関にいる者として納得いきません。  大臣、ちょっと今の青柳部長の答弁などを聞き、もう少し私は歯止めを掛けるべきではないか。今まで、もちろん放漫な経営は駄目だけれども、黒字でやってきて、まじめにやってきて、地域で一定の役割を果たし、みんなも使っていて、すぐ民間に転用できない、それを譲渡、売却となったら、もうこの健康づくりセンターなどなくなってしまうかもしれない。これは厚生労働省として何の歯止めも掛けなくていいんですか。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 私は、素朴にという表現がいいのかどうか分かりませんが、私が今思い付く言葉で言いますと、もう素朴に社会保険健康センター、これは売却でいいと、もう民間の施設が似たような施設もできてきているわけでありますから、考えておるところでございます。  これと健康づくりの、私ども厚生労働省が進めております健康づくり事業とこれを、何というんでしょうか、つなげて考えるものでもまたないというふうに思っておるところであります。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 私がもしこの土地を買う人間だったら、手間暇が掛かるその健康づくりにお金を使うよりは、ばんともうかるような施設を造ろうというふうにきっと思うと思うんですね。そうだとすると、公益的な面だとか、その地域で健康づくりを果たしてきた。じゃ、もう何の歯止めもないじゃないですか。実際、譲渡の条件になってなければ、買う側は何もそれを健康センターとしてやる必要は一切ないわけですから、それはもっと厚生労働省としては丁寧に、本当にその地域の中で果たしている役割などを検討されたのでしょうか。  青柳部長、ちゃんと地元の声などは聞かれたんでしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 社会保険健康センターの存続につきましても利用者の方々から様々な要望があるものというふうに伺っております。  私ども、一々の施設につきましてこれが必要かどうかということを地元にお尋ねをするというような性格の事柄でもないと思いますので、その意味で個別にお伺いはしておりませんけれども、いずれにいたしましても、今回のこの年金福祉施設の整理合理化について私どもが、その厳しい財政状況あるいは国民のニーズの変化にかんがみて、年金資金への損失を最小化するためにやむを得ず講じておる措置であるということについては広く御理解を得てまいりたいというふうに考えております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 いや、もうひどい答弁で、厚生労働省がこういう形で公共サービスをおやりになっているというのは、正直がっかりというか驚いています。施設や機能は地域の人たちに支えられ、国民に必要とされ、だからこそ公共サービスとして今までプライドを持って厚生労働省はやってこられたんじゃないですか。もう売れる、何でももうこの際売っちゃおうという、ちょっとそういう感覚が全く理解をできません。  是非、大臣、私がお願いをしたいことは、やっぱり地域の人たちに愛され、病院であれ健康センターであれ、機能を果たしてきたのであれば、やはりそれは大事にしてほしいと、こういう考えは間違っていますか。

尾辻秀久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(尾辻秀久君) 今までそれぞれの施設ができた、造ってきた、そのときそのときでその役割はあったと当然のこととして思います。その役割に基づいて造られてそれなりの役割を果たしてきた、そのことを否定するものでは全くありません。そして、その間において地域の皆さんに利用していただいたという、そのこともまた大変有り難いことだったというふうに思うわけであります。  ただ、やはり時代の流れで役割を終えるものもある、また、民業圧迫なんという言葉もありますけれども、民間でもうやっていただいておる、そういう類似の施設が民間でできてくる。そうした中で、あえて例えば社会保険庁が福祉施設として持っておかなきゃならないかどうかという新たな判断をするべきときが来る。そうしたいろんな判断の仕方だというふうに思っておりまして、今回例外なくというふうに私どもは申しておりますので、例外をつくらずということで、このことも御説明を申し上げておるわけでありますけれども、具体的に社会保険健康センターのお話でございますのであえて申し上げると、やはり私が途中で申し上げましたそれなりのときが来ての判断というのがあろうかというふうに考えるところであります。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 この委員会で雇用の確保をどうするかということをずっと質問をしてきました。病院の中での雇用の確保もさることながら、健康センターであれば保健師さんやいろんな方たちがいます。もしこれは売却されるあるいは廃止されるとなると、どういう形で雇用の確保が地域で可能なんでしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 社会保険健康財団におきまして保健師さんを雇用しておりまして、この保健師さんが大変大きな戦力になりまして、一次予防等あるいは健診後の事後指導について大きな機能を果たしていただいております。したがいまして、これは財団自身の活動が将来的にどうなるかということにも大きくかかわっているわけでございますが、私どもは、こういったマンパワーがやはり有効かつ適切に活用されるということが大変必要であろうというふうには思っております。  しかしながら、ちょっと財団の将来像を現時点で私どもが描き切るということはなかなか困難でございますので、これらのマンパワーの方々をむしろ有効に地域の中で活用していただくにはどうしたらいいかということを財団共々我々今後考えてまいりたいというふうに考えております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 今後考えるのではなくて、この法案を提案するときに考えるべきではないですか。今後考えるなんて私たちは言われて、何の保証もないんですよ。雇用の問題に関して全く考慮していないじゃないですか。当たり前のことじゃないですか。これが売却されたり廃止されたら失業者が大量に出ることも分かっている。今後協議をするという今日の青柳部長の答弁は極めて無責任です。  次にお聞きをいたします。  じゃ、もう一つ、済みません。厚生年金病院は、これもまた条件になっておりません。地域医療に貢献している施設、社会保険診療所だけ入っておりますが、なぜ厚生年金病院は除外されているんでしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 厚生年金病院につきましては、まずこの整理合理化計画そのものから除外をされておりますので、まずはこの整理合理化計画の対象施設にはなっておらないということを御認識をいただきたいと思います。  その上で、本年の二月二十五日に与党の社会保障政策会議の合意事項といたしまして、まず、昨年の与党合意の中で「地域医療にとって重要な病院については、地方公共団体等と協議の上、その機能が維持できるよう十分考慮する。」というふうにされておったということ、こういった合意を踏まえて、病院の譲渡に当たっては、病院機能の公益性を損なうことがないよう十分に検証した上で、適切な方法によって結論を得るべきというふうにされております。  したがいまして、平成十七年度に、厚生年金病院につきましても整理合理化計画を作ってまいるわけでございますが、その中では、こうした与党の合意というものをきちんと踏まえて必要な整理合理化計画に反映してまいりたいと考えております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 譲渡に関しては、譲渡条件になっていたとしても、私が懸念をするのは、譲渡をするときには条件になっていて、社会保険診療所としてこの地域でやってもらう。ところが、もう時期がたって転売されるということもあるわけですよね。ずうっとそこが診療所として、病院として機能する必要はないわけです。譲渡の際には病院であった、しかしここは非常に、例えば新宿で場所が良くて、例えばですよ、これは何かホテルを建てた方がいいとかですね、というふうになるかもしれない。その歯止めはこの法律の中にあるのでしょうか。

青柳親房社会保険庁運営部長

○政府参考人(青柳親房君) 一定期間をどのような長さに取るかということが今の恐らくお尋ねにはかかわってくるのかと思います。  私ども、現時点では、例えばそれを一律に五年とか十年とかというふうに想定はしておりませんが、一定期間である以上、それが非常に短い、次から次へと転売されていくような形でなるようなものは、当然のことながらこの譲渡条件からは排除されるというふうに考えておる次第でございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 ということは、この法案は、譲渡をした後については全然実は法律上拘束ができません。三年あるいは五年病院として機能したけれども、その後やはりホテルを建てた方がずっとお金がいいとか、こういう施設を建てた方がずっと実入りがいいということになれば、その地域から医療がなくなってしまうということがあるわけです。  各地方自治体などから出ている要望書を見ると本当に切実です。唯一の、地域の中で緊急病院として機能しているとか、是非残してくれというたくさんのたくさんの意見書が出ております。それを全く無視して二束三文に売り飛ばすこの法案には賛成できないということを強く申し述べ、私の質問を終わります。

岸宏一自由民主党

○委員長(岸宏一君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。     ─────────────

岸宏一自由民主党

○委員長(岸宏一君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、草川昭三君が委員を辞任され、その補欠として谷合正明君が選任されました。     ─────────────

岸宏一自由民主党

○委員長(岸宏一君) これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 民主党・新緑風会を代表して、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案に反対する立場から討論を行います。  年金や健康保険の保険料を使って建設や運営を支えてきた福祉施設等に対して、これ以上保険料から資金を投入しないことは当然の措置です。しかし、そのことと厚生年金病院などの各種の福祉施設等を廃止、売却するということは次元を異にする問題であり、慎重な対応が求められます。政府・与党は一円でも高く売ることを強調するばかりで、極めて乱暴です。迅速になすべきことと拙速に行うことは全く違います。  以下、反対する主な理由を申し述べます。  第一に、売却に当たっては一般競争入札が取られるため、施設の設置や運営に協力してきた地元自治体等の意向は聴かれず、施設の活用が図られないばかりか、貴重な保険料で設置された国民の財産がとんでもない施設に変わり果ててしまう危険性が否定できません。  第二に、雇用への配慮が全くなされていないことです。一円でも高く売るためには、現に働いている人は邪魔だという厚生労働省に、雇用政策を任せておいてよいのでしょうか。  第三に、健康増進や皆健診体制の確立のために、健康センターなどの施設をいかに活用するかの視点を欠いていることです。  第四に、施設の廃止、売却のために新たな独立行政法人を設置する必要性に欠けていることです。  今後は、年金の福祉還元事業に関する検証会議での作業などを通じて、施設の建設責任と委託先法人の監督責任、法人の運営責任を明確にするとともに、地方自治体などとの協議を進め、明確な医療提供体制の将来構想の下で、厚生年金病院等の医療施設や厚生年金病院と一体となった保養ホームなどの機能を存続させるとの前提の下に、施設の有効活用を柱にした整理合理化計画を再度策定し直すことを求めます。  特に、雇用については格段の配慮がなされるべきであることを強く求めて、反対討論を終わります。

小池晃日本共産党

○小池晃君 日本共産党を代表して、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案への反対討論を行います。  反対理由の第一は、年金資金を流用してきた政府・与党の責任、施設建設に政治家が関与したり、官僚の天下りの受入先にしてきたことに対する責任を何ら明らかにしないまま、年金・健康保険福祉施設の売却、廃止によって一件落着にしようとするものだからです。今必要なのは、一つ一つの施設について、どのような経緯で、だれの責任で建設され、そこにどのような利権が生じたのか、どれだけの天下りの受入先になったのか、どれだけ年金財政に損失を与えたのかを国民の前に示し、その責任を明らかにすることです。  そうした検証を行うことなく、施設の売却、廃止で身ぎれいにして、厚生労働省社会保険庁の年金行政への批判をかわそうというやり方は断じて認められません。国民の激しい批判にさらされたグリーンピアは、二束三文で売り払われつつありますが、政治家や行政の責任は一切あいまいにされたままです。今回の法案は、こうしたやり方を更に大規模に進めるものであります。  しかも、こうした施設の整理のために新たな独立行政法人をつくる必要などありません。これも、政府の責任をあいまいにするだけでなく、新たな無駄遣いそのものであり、誤りの上に誤りを重ねるものにほかなりません。  反対理由の第二は、売却先にありきで、それぞれの施設が国民、地域住民、利用者、入居者にどのような役割を果たしているのか、その役割を今後も継続するためにどのような方法があるのか、一切検討することなく、一律にすべてを売却、廃止しようとしていることです。  厚生年金病院や社会保険診療所などは、地域で重要な医療機関としての役割を果たしています。とりわけ厚生年金病院は、地域医療に貢献するとともに、リハビリテーション専門病院として、隣接する厚生年金保養ホームと連携した滞在型のリハビリテーション、温泉療養施設として全国各地から患者を受け入れ、病気の回復と社会復帰に役割を果たしてきました。厚生年金病院のある仙台、湯河原、大阪、玉造、湯布院などでは、公的医療機関としての存続を求める住民が職員とともに声を上げ、地方議会や地元医師会、商工会など、多くの団体が存続を求める意見を表明しています。こうした住民世論を無視した強引なやり方に賛成することはできません。  以上述べて反対理由といたします。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案について反対討論を行います。  反対をするまず第一の理由は、立法趣旨が理解できないということからです。立法趣旨として、厳しい年金財政の状況及び社会経済状況の変化等を踏まえ、その整理合理化を進めることとしたということが挙げられています。しかし、審議の過程の中でこのことが明らかになっていません。年金財政の状況の改善であれば、年金積立金の投資などの運用も含めて改善をすべきであり、今回問題になっているものが財政逼迫を招いているということは立証されておりません。  第二に、責任をうやむやにして整理機構をつくり、五年以内に年金・福祉施設等の譲渡又は廃止の業務を図るとしており、全く乱暴です。  第三に、立法趣旨に国民のニーズと答弁がありますが、むしろ、地域のニーズが高く、利用者からも法案について危惧の声が上がっています。厚生年金病院、社会保険病院、診療所、健康管理センター、介護老人保健施設、保養ホームの存続、充実に関する地方議会、自治体首長などから実に多くの意見書が出されております。これらの声は全く反映されていません。  第四に、雇用問題や老人ホームの入居者の皆さんに対する配慮も全くありません。  以上によって、反対するしかない法案であり、反対をいたします。  以上です。

岸宏一自由民主党

○委員長(岸宏一君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

岸宏一自由民主党

○委員長(岸宏一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸宏一自由民主党

○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時十分散会

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