決算委員会 第11号
- 発言数
- 244 件
- 登壇者
- 48 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2005/05/16
会議録
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 本日までに、工藤堅太郎君、谷合正明君、佐藤雄平君、齋藤勁君及び高橋千秋君が委員を辞任され、補欠として遠山清彦君、松下新平君、平野達男君、藤本祐司君及び直嶋正行君が選任されました。 ─────────────
○委員長(鴻池祥肇君) 平成十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成十五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成十五年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、平成十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、平成十五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、平成十五年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)を一括して議題といたします。 まず、財務大臣から説明を聴取いたします。谷垣財務大臣。
○国務大臣(谷垣禎一君) ただいま議題となりました平成十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件及び平成十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外二件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、平成十五年度一般会計予備費予算額二千五百億円のうち、平成十五年四月二十二日から平成十六年一月二十七日までの間において使用を決定しました金額は千百八十九億円余であり、その内訳は、衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査に必要な経費等の十六件であります。 次に、平成十五年度各特別会計予備費予算総額二兆二百十四億円余のうち、平成十五年十二月九日に使用を決定しました金額は百十億円であり、これは、農業共済再保険特別会計農業勘定における再保険金の不足を補うために必要な経費であります。 次に、平成十五年度特別会計予算総則第十四条の規定により、平成十五年八月五日から同年九月二十六日までの間において経費の増額を決定しました金額は二百八十一億円余であり、その内訳は、道路整備特別会計における道路事業の調整等に必要な経費の増額等四特別会計の六件であります。 次に、平成十五年度一般会計予備費予算額二千五百億円のうち、平成十六年三月一日から同年三月三十日までの間において使用を決定しました金額は百三十億円余であり、その内訳は、退職手当の不足を補うために必要な経費等の五件であります。 次に、平成十五年度各特別会計予備費予算総額二兆二百十四億円余のうち、平成十六年三月二十六日に使用を決定しました金額は一億円であり、これは、国立病院特別会計療養所勘定における退職手当の不足を補うために必要な経費であります。 次に、平成十五年度特別会計予算総則第十四条の規定により、平成十六年三月二十六日から同年三月三十日までの間において経費の増額を決定しました金額は百十億円余であり、その内訳は、国立病院特別会計療養所勘定における退職手当の不足を補うために必要な経費の増額等二特別会計の二件であります。 以上が、予備費使用総調書等についての概要であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(鴻池祥肇君) 以上をもちまして説明の聴取は終わりました。 ─────────────
○委員長(鴻池祥肇君) それでは、これより平成十五年度決算外二件及びただいま説明を聴取いたしました予備費関係六件を一括して議題とし、質疑を行います。 なお、本日の平成十五年度決算外二件の質疑は締めくくり総括的質疑でございます。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山下英利君 おはようございます。自由民主党の山下でございます。 いよいよこの決算委員会が締めくくりの総括質疑ということで、昨年の秋の臨時国会から始まって、各省庁別の審査を経てこの総括質疑にまでやってきたということは、誠に私にとっても感慨無量のところがございます。というのも、やはり、今回は平成十五年度でございますけれども、決算が出て、そしてその決算をしっかり審議して、そこの指摘を踏まえてやはり次々年度の予算に反映していただく、そういった流れが一つ一つでき上がってきている、この流れを確固たるものにしなければいけないというふうな思いで決算に当たらせていただいているところでございます。 本日は締めくくりの総括の質疑ということで、トップバッターとしてまず御質問をさせていただきますが、私は、多数の委員からこの決算委員会の場におきまして都度質疑そして指摘がされてきております特別会計につきまして、改めて財務大臣にお伺いをしたいなと、そのように思っております。 まず最初に、特別会計につきましては、いわゆる財政制度等審議会、いわゆる財政審で、平成十五年の十一月には基本的な考え方と具体的方策という形で、平成十五年の十一月、十六年十一月と二度にわたって報告書が出されております。その報告書の中には、すべての特別会計に対して、いわゆる事務費等の在り方の見直し、そして特会、特別会計の分かりやすい説明、そして新たな特会の財務書類、以上を総括したフォローアップというような提言もなされているところではございます。 まず最初に、財務大臣にお伺いしたいのは、これまでの特別会計の見直しに対します対応の状況とその評価につきまして全般的に御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、山下委員から決算に懸ける信念の御披瀝がございましたけれども、参議院におかれまして決算を大変重視されまして、今日このような総括的質疑に至るまで充実した御検討をいただいてまいりましたことに、まず心から敬意を表したいと思っております。 そして、その過去のいろいろな在り方の検討の上で特別会計についてお触れになりまして、これについては、委員の御指摘のように、二回財政審で御検討の上、書類にまとめていただいているわけであります。特に、一昨年の財政審の検討で、総ざらい的な検討と、こういうふうにおっしゃっておられますが、一昨年の十一月でございました、提言をいただきまして、それを踏まえまして、十六年予算においては、事務事業等の見直し、あるいはそれぞれの特別会計の歳入歳出構造の問題点は何かと、それから特別会計における分かりやすいディスクロージャーと申しますか、開示といいますか、それから特別会計として区分経理をしていくと、一般会計とは別なものとしてやっていくことの必要性、これは一体何なのか、不断に検討せよと、こういうようなことで提言をいただきまして、それを基本といたしまして私どもも見直しに着手をしてまいりました。 それから、一昨年十一月の提言のフォローアップとして、昨年の財政審では、三十一特別会計のうち約三分の一、十特別会計につきまして、個々の実態に即して、深掘り的と言っていいかと思いますが、検討を行っていただいて追加的な提言をいただきました。それを踏まえまして、十七年度予算におきましては、例えば産業投資特別会計社会資本整備勘定と、これはNTT株式売却収入を活用した無利子融資制度がございましたけれども、これは現在計画されている案件に限って措置して一般会計繰入れを縮減していこうということであるとか、あるいは労働保険特別会計では事業主等に対する各種助成金について政策効果あるいは支給実績等を勘案して退職前の長期休業助成金を廃止するなどして、二十九ありましたものを二十四本に整理統合していこう、あるいは食管会計でも麦政策の見直し等によって収支改善を図りまして、十三年度からある繰越損失を解消する等々の措置をとってきたことでございます。 それから、具体的な提言のない特別会計につきましても、一回目の総ざらい的な見直しに基づきまして着実な見直しを行っているところでございまして、こういう取組が国全体としての歳出の合理化や効率化につながるということを私は強く期待をいたしております。 いずれにせよ、そこで示されました、財政審で示されましたお考えを踏まえまして、今後とも特別会計改革というものを着実に進めていきたいと思っております。
○山下英利君 今の大臣の御答弁、一歩一歩進んでいるということの御説明であります。 一歩一歩進める中で、やはりこの特別会計というのが非常に膨大な、そして見えにくいものだということをもう大臣も御理解をいただいていると思います。ですから、一歩一歩きちんと整理するところは整理していかなければいけないという思いだと私は理解をさせていただきます。 その中で、先ほどお話もございました今回の財政審の、今回というか、財政審の提言の中に、すべての特会に対してという項目で挙げられている提言の中で、やはりアカウンタビリティー、いわゆる説明責任というものが提言されているわけでございます。 私はこの点について御質問をさせていただきたいんですが、特別会計というのは一般会計に比べて規模が大きい。まあ言ってみれば、一般会計八十二兆円に対して、グロスといいますか全体額からすれば三倍強あります。それぞれの相殺勘定を除きましても三倍を超えるというぐらい大きい、だけども中身が非常に分かりにくいと、何に使われているか特別会計よく分からないっておっしゃる方がほとんどなんです。私も地元に参りまして、今年の一般会計予算は八十二兆円ですって、これは新聞にも細かく報道されていますし、しかし、その倍以上ある特別会計っていうのは一体何をやっておるんだというふうな質問に度々出くわすときがございます。 そういった意味におきまして、国民に対してもやはり特別会計っていうのはどういうものだっていうのは、やっぱり説明責任をいかに果たしていくかということが国全体の財政構造をこれから健全化させていく意味におきましても大変重要ではないかなと、そのように思っております。 そこで、私お伺いしたいんですが、実は「日本の財政を考える」という財務省のこのパンフレットございます。これ大変よく中身がまとまっている私パンフレットだと思って大変重宝させていただいておるんです。しかし、これ中身ずうっと見ていきますと、特別会計については、「特別会計の見直し」ということでわずか二ページしか使われていないわけです。そして、終わりのところのキーワードというところには特別会計の説明が入っていません。これにつきまして大臣の御所見をいただきたいということと、それから、国民にもっと分かりやすくするためにこれからどうしていくんだというようなところについて、お考えお聞かせください。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、山下委員からお話がありましたように、特別会計っていうのはもう一般会計に比べましてもはるかに大きなものでございまして、ややもすれば一般会計だけに焦点が当たりますけれども、特別会計までやはり目配りをいたしませんと我が国の財政の現状というものはよくつかめないと、こういうことになるのではないかと思います。 そこで、財政審、委員もお引きになりましたけれども、全体の一覧性というんでしょうか、ばらばらになってそれぞれ何かこう、何というんでしょうかね、何をやっているのか分かんない伏魔殿のようなことであってはいかぬということだろうと思いますが、一覧性を明らかにして国民の目に分かりやすいような説明を強化していくべきではないかという御指摘を財政審でいただいたのは、私は正にあるべきことだろうと、こういうふうに思っております。 そこで、各特別会計の人件費であるとかあるいは事務費であるとか資金の流れについて資料の作成、開示を進めてきたところでございます。 それで、今おっしゃった「日本の財政を考える」というパンフレット、これかなり力を入れて作っているものでございまして、私が言うのもなんですが、これを一読していただくと日本の財政の今の現状というものは割合分かりやすくまとまっていると自負をしているわけでありますが、その中で、一般会計に比べるとはるかに金額の多い特別会計には見開きの二ページしかないと御指摘をいただきました。 これは、元々は特別会計載っけてなかったんですけれども、特別会計をやはり重視していかなきゃいけないという流れの中で、平成十六年の三月版よりこれを入れさしていただいたわけでございますが、全体のバランスや分量の関係もありまして、現在のところ、この見開きでできるだけ分かりやすくということでやらしていただいているわけでございますが、今後もっといろいろ工夫をしていかなければならない、ここのところはどのぐらい分量を割けるかは別でございますけれども、分かりやすい資料の作成や説明の向上を、説明能力の向上を図るということにこれからも努めてまいりたいと思っております。
○山下英利君 是非ともよろしくお願いしたいと思います。 これはやはり特別会計というものがいろいろ出てくる、報道なんかも受けるときには、必ず、どちらかというと後ろ向きといいますか、特別会計に属する部分での不祥事であるとか、そういった部分で報道がされて、いや、実は特別会計ってどういうものなんだという理解がなければ、やっぱり国民から見ればやみの中じゃないかというふうな意見も、私自身も度々そういう意見を聞いておりますので、それを払拭しなければいけない。そして、ある面においては特別会計、必要なものであるということもしっかりと説明をしていかなければいけないと、私はそのように思っておりますので、よろしくお願いいたします。 そこで、特別会計の中でいわゆる資金運用特別会計というものに属する会計が二つあります。一つは外為の特別会計、もう一つはいわゆる財政投融資の特別会計。ここで、ちょっとまず外為の特別会計についてお伺いをしたいので、今その現状、いわゆる残高について、それから今後の見通しについて簡単に御説明ください。
○政府参考人(井戸清人君) お答えを申し上げます。 平成十五年度末におきます外為特会の貸借対照表において、資産総額は約百二兆五千億円となっております。その構成資産の大宗は、安全性、流動性の高い外貨証券や外貨預け金によって構成されております。一方、外為特会の財源の大宗は政府短期証券である外国為替資金証券の発行によって賄っておりまして、十五年度末時点における残高は約八十五兆円となっております。
○山下英利君 今の御説明を聞きますと、要するに百二兆円資産が積み上がりましたと、そのうちの八十五兆円ですか、は政府短期証券で調達する、いわゆる借金であります。しかし、この借金というのは、私は、資産の裏付け、資産といいますか、流動性のある資産の裏付けであるというふうな理解が本当にできるのかどうかというところが一番のポイントではないかなと、そういうふうに思います。 今、国の借金、どんどん膨らんできていますと。しかし、その残高の中にこの借金の残高も入っているわけですね。だけど一方では、これはいわゆる外貨預金であるとかあるいは外貨債権、そういったものに変わってきているわけです。これが本当に、じゃいつでも売れるんですよということであれば、この借金に対してはしっかりと担保されているということも言えるんではないかなと、そういうふうに思っておりまして、まずは抱えるリスクについての認識というものをしておきたいなと思います。 いわゆるよく言われるのは、為替リスクというものがありますと。しかし一方では、為替リスクに対しては運用の収益が入ってきているわけですね。それでまた、それと同時に最近よく言われている話では、この運用のリスク分散するべきだと、ユーロであるとかあるいはほかの通貨に替えるべきではないか、ドル資産に集中し過ぎているんではないかと、そういったことも言われているわけです。 その辺りのところにつきまして、私個人の考え方としては、やはり今、全世界的にドルが基軸になっています。それで、例えば先般大臣がコメントされたように、人民元の問題等もあると必ず出てくるのはドルですよね。そういった意味からすれば、むしろリスク分散をするんであれば、むしろ日本の円とそういった他通貨とが直接ドルを介さなければ、あるいはそれも、その分散も的を得ている部分があるかと思いますけれども、今の基軸通貨ではどうしてもドルが基軸になってくるという側面も踏まえて、大臣のお考え方をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今の外為特会の資産総額は、国際局長からも御答弁しましたように約百二兆と。それから、その百二兆の資産がありますけれども、一方、いわゆる政府短期証券八十五兆円の、これは借金ということになると思いますが、構成されていると。その差額が十七兆ほどあるわけですが、言わばこれは八十五兆円で調達した外貨資産、これの運用収益によって言わば自己資本部分が増えたと、こんなふうな形になっているわけですね。 ですから、まあバランスシートですから、言わばその両方、プラスとマイナスが両方あってバランスが取れるようになって、ですから、為替リスクとかいうことが強調されるけれども、一方、資産もあり負債もありと。じゃすぐ売れるかという話なんですが、大きな見方としてはバランスが取れていると言っていいわけですけれども、じゃ簡単にすぐ換金ができるかというと、なかなかそれは難しいということが実態だろうと思います。 これは、要するに外為特会にあります外貨準備というのは、結局、将来における為替介入の言わば原資でございますから、それに必要なやはり流動性、安全性というものがなければならない。それからまた、日本の為替介入というものを考えてみますと、ほとんど今おっしゃいましたように円とドルの関係で為替介入が今までも行われてきましたし、多分これは、将来考えましてもドルが基軸通貨であるということを考えますと、そういう情勢、見通す限りはやはりそういう情勢が続くんではないかということになります。 それで、今の外貨の私どもの準備の中身というものは、これは詳細は明らかにしていないわけでございますけれども、これだけ為替介入、ドルとの関係で行われますと、基本的にドルを買ったということになりますから、ドル建てのものが中心になっていることは、これは間違いないわけでございます。したがって、そういう基本的な構成はそう簡単に動かせるものではないというふうに私は考えております。 もちろん、安全性、流動性を確保しなければならないという中で、それを前提とした上での言わば収益性ということももちろん考えなければならないわけでありますけれども、あくまでそれは外貨準備の目的の中で安全性、流動性を重視した、その下位にある概念ではないかというふうに考えているところでございます。 それからもう一つ、委員もお触れになりましたけれども、結局、運用益というようなものが相当あることは事実でございますが、為替リスクということも言われます。ただ、これは将来の為替介入の原資であるということを考えますと、やはり持ち続けているということに一つの意味があるわけでありまして、円とドルとの価格がどうなったということで余り為替リスクということを強調するのは、私は、現時点においては強調し過ぎることはよくないんではないかなというふうに私は考えております。
○山下英利君 今の御説明で、為替リスクについてはその運用益というものもあり、将来の介入の原資だというようなところで、私は、為替リスクにやはり非常に集中した議論が起こるということは、必ずしもこの外為特会の実情というものを把握していないのではないかなと思います。 しかし一方では、やはりこれだけ残高が膨れ上がっているというところは重く見なければいけない。市場のことでありますから、やはり経済のファンダメンタルズというものを考えて介入をしなければいけない。しかし、だからといって、それだけ大きく残高が膨れ上がっているということは、今度はその資産の債券価格の暴落ということに対する備えというのはどうするんだというようなところになります。やはり適正なレベルに落ち着けるための施策として、やはり通貨面での、アジアでの通貨基盤の強化というものは本当に喫緊の課題だと思いますので、どうぞその辺のところを財務当局としても前へ進めていただけるようにお願い申し上げたいと思います。 ここで、いったん特別会計と一般会計の関係についてということで質問を戻させていただきます。 会計年度が終了ごとに予算の使用実績が決算として把握されて、また予算を使って行った事業の成果については政策評価が行われると、そして決算の委員会で審議をして、さらに次の予算へとつながっていくという一つの流れというものを今つくってきているところであります。しかし、まだまだ、予算、決算あるいは政策評価を含めて、こういった三位一体ですね、これこそ私は三位一体じゃないかと思うんですが、が一貫性を保って予算編成にフィードバックされるという点におきましては、この重要性というものを認識しながら、現状ではこのシステムがまだまだ道半ばではないかなと、そのように思っているところであります。 また、最近では、予算と予算の執行の実績が大きく乖離している事例、これも指摘をされているところであります。これにつきましては、予算の効率的な執行のために弾力的な執行が行われているんだということも言えるかと思いますけれども、一方、過去何年も執行されている実績がないような事業について要求がされて、それが予算で措置されているという事態は、歳出見直しを進めている中で目が行き届いていないという感もするわけでございます。この点につきましてもしっかりと是正されるべきと考えますけれども、財務当局の取組の方針につきまして、大臣から御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) まず、委員が最初におっしゃったことは、予算、決算、それから政策評価といったプラン・ドゥー・シーというんでしょうか、そういうマネジメントサイクルをきちっと徹底していく、まだまだやるべき努力があるのじゃないかということであったと思います。 そこで、こういうサイクルでよく見ていく、シーといいますかチェックといいますか、そういう機能強化を図るということがこの数年予算編成で重点項目として考えてまいりまして、政策評価を始め決算あるいは会計検査院による決算検査報告、それから予算執行調査といったことをいろいろ工夫してきたわけでございます。 それで、政策評価と予算の関係という点について申し上げますと、予算編成に政策評価を適切に反映していかなきゃならぬと、こういうことから、各府省に対して概算要求のとき、重点課題については政策評価調書という提出を求めておりまして、ここでは政策の意図であるとか目的、それから必要性、効率性、有効性というものを書いていただいているわけであります。それで、この政策評価の活用状況については、平成十七年度予算につきましても具体的な事例を昨年末に公表して御参考に供しているところでございます。 それから、予算と決算の関係について申し上げますと、財務省におきましては、今の予算書と決算書というのがその表示科目が事業の内容と必ずしも結び付いていなくて分かりにくい、こういう御指摘を今までいただいてまいりました。当委員会においてもそのような御指摘があったと思います。したがいまして、現在予算書と決算書の表示科目を施策単位とする方向で検討を進めているところでございまして、この見直しは、現在各役所の政策評価が施策単位を基本として行われておりますから、予算書、決算書の表示科目を施策単位としていきますと全体が施策のくくりで一致していくと、予算、決算と政策評価との連携強化にも資することになるのではないかと思っております。 それから、そのことに関連しまして、決算において不用額が多額に計上されていることについておかしいじゃないかと、実体のないものがたくさん計上されるのはおかしいじゃないかということ、御指摘をいただきました。これもできるだけ予算編成で不用額、適正に反映していかなきゃいかぬということだろうと思います。 例えば、産投会計の繰入れにつきましては、平成十五年度決算で六百十一億円の不用を生じたわけですが、十七年度では七百十億円、要するに圧縮いたしまして七百十億円として、十五年度が千六百三十六億円あったわけですが、九百二十六億円を縮減したと。 それから、こういう不用を予算へきちっと反映させていくという観点から見ますと、不用がなぜ生じるのかということがございます。これは、事故や災害など何らかの理由で執行に支障を来して予定どおりできなかったと、こういうこともあろうかと思いますし、また、ある経費の計上の前提条件とした金利情勢とか失業者数等が見込みと違ったというようなことによって不用が生じたというものもありますので、これ直ちに不用が生じたからといって削ってしまうというわけにもいかない、不適当が起こるということもございます。 いずれにしましても、今後とも、不用につきましては、その要因を十分精査して適切に予算編成へ反映させていきたいと考えております。
○山下英利君 いやもう、大臣から懇切丁寧な御説明いただきましてありがとうございます。実に私が質問しようと思っていたことをすべてカバーしていただいたようなところもあるんですけれども。 ただ、今のお話の中で一元化して管理をするというふうなお話もございました。これ是非ともやっていただきたいんです。予算の中には不要不急のものという評価せざるを得ないものも確かにあります。だけど、いろんな諸般の事情でこれは繰り延べなきゃいけないというものもあるわけであります。日本の場合には今単年度予算でありますから、どうしてもそこのところをきちっと対応していかなければ、そこで切ってしまってはいけないというようなところでいろんな不都合も生じているところがございます。 だけど一方では、例えば備品費等、特別会計では予算各目明細書の事項ごとにそれぞれ細かく計上されています。じゃ、一つの特別会計でもって備品費は全体で幾らで、それをどういうふうに予算査定上調整を、切り詰めるといいますか、見直しをされているのかといったところは非常に分かりにくいわけであります。 ですから、そういった横ぐしを入れるという方式について前進させていただきたいということは、先ほどちょっと私が申し上げました国民に対する説明、アカウンタビリティー、それと同時に、この決算審査の中でより具体的に審査ができるための、やはり分かりやすい形で財務書類等の見直しを進めていただきたいという思いが私にはあるわけであります。厳しくチェックはしますけれども、その際には、そういった全体の枠で見ていくというような観点から、必要なものは必要なものとして残すということを、これを今度は明確に示していただければ、審査の中におきましても審議内容は更に充実してくるんだと、私はそのように思っておるところであります。 そういった意味で、財務当局が公会計について、これは財政審からも提言もされているところでありますけれども、充実に努めていただいて、先月末には平成十五年度決算分の省別財務書類が公表されたということを、これはまず私は評価をさせていただきたいと、そういうふうに思います。 企業会計手法の活用によって各省庁の予算執行状況等も見れるということは、これは明らかに前進と受け止めておりますけれども、その上で、省庁別財務書類の役割であるとか、また公会計の持つ特殊性から、企業会計とは異なった、要するに基本的な考え方が違うというところから生じる誤解というものは避けなければいけないということで、この説明を十二分にしていただきたいという要望が私ございます。それにつきまして、ちょっと大臣の御見解いただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) できるだけ民間の会計というものも十分活用して、国の財政状況も民間的手法から見ても分かりやすくしていこうということは是非とも進めなきゃならないことだと思います。 そこで、財務省は、まず国の貸借対照表という、これは試案でございますが、まず作るというところから始めまして公会計の充実に努めてきたわけですが、昨年の六月には省庁別財務書類の作成基準というのを財政審で作っていただきまして、これに基づいて財務書類の作成を行ってまいりました。 省庁別財務書類というのはどういうことをねらっているかといいますと、それぞれの役所、財務省なら財務省、あるいは経済産業省なら経済産業省、これを作成単位として、それに関係する一般会計だけではなくて特別会計も加えて、さらにそれに関連する独立行政法人等々を通じた全体の財政資金の流れ、それから各役所に帰属する資産や負債の状況、それから業務執行に伴うコスト情報、こういうものを一体として明らかにするようにしようと、こういうことでございまして、これによって各役所の、各省庁の説明責任というのは大きく向上していくだろうというふうに思いますし、また、これを活用していただいて日本の財政の向上に役立てて、まだできたばかりですので、これを見てどういう分析をし、どういう御議論をしていただくかというところまでまだ行っていないんじゃないかと思いますが、十分活用して、これを基に議論を進めていただいて、私どももそれを参考にしていきたいと、こういうふうに思っているわけです。 ただ、委員も御指摘になりましたように、民間の会計と国の公会計といいましても、やっぱりねらい、目的というのが違うところがございます。要するに、民間でありますと、利益をどう生み出していくかと、利益を算定していくために、そのための財源、そのための費用と、こういう対応関係をきちっとしていくのが企業会計の目的とするということだろうと思いますが、国の場合は、税財源の配分、それをどういうふうに使っているかということを明らかにしていくのが目的でございますので若干違いがございます。したがいまして、企業会計で使われている損益計算書というようなものは若干国の場合にはねらいが違うところがあって、そのままではうまくいかないと、こういうことではないかと思います。 したがいまして、損益計算書に代えまして業務費用計算書といったようなものを作成しまして、各役所の業務実施に伴うコストを明らかにしていこうということで、国の財務状況を公会計の特性に合った形で説明するようにしているわけでございます。 公会計にこういうものを作る、やっていくという試みは日本では初めてでございますので、試行錯誤のところもいろいろあるかと思いますが、よりよいものにしていきたいと思っておりますし、これを利用して、先ほど申し上げたように、日本の財政の質を少しでも高めることに寄与できればと考えているところでございます。
○山下英利君 どうぞよろしくお願いいたします。 今日は会計検査院の方から来ていただいておりますのでお聞きをしたいと思いますが、各省庁において毎年、今の話の続きなんですけれども、予算計上されています。そして、それが剰余金として積み上がっている事例も散見されるというふうな指摘もございます。 会計検査院にお伺いしたいのは、そうした事例に対してこれまでの指摘実績、これについて教えてください。
○説明員(真島審一君) お答えいたします。 毎年度予算を計上しながら執行されない事態につきまして決算検査報告において取り上げたものといたしましては、平成十三年度決算検査報告におきまして、電源開発促進対策特別会計電源立地勘定について、また平成十四年度決算検査報告においては、石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計石油及びエネルギー需給構造高度化勘定について、それぞれ多額の剰余金が毎年度継続して生じている事態について検査、分析した結果を掲記している事例がございます。 これらの事態におきましては、そういう事態が生じている要因として、電源開発促進対策特別会計につきましては、電源立地促進対策交付金が発電用施設の建設についての地元との調整が難航したことなどにより交付に至らなかったことなどを、また石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計につきましては、毎年度多額の石油税収入が一般会計から特別会計に繰り入れられている一方で石油安定供給対策費を中心として相当額の不用額が生じていたことなどをそれぞれ分析、記述しているところであります。
○山下英利君 今検査院の方から報告をいただきましたけれども、そのような形で指摘をされているわけであります。 財務省の方にお伺いをしたいのは、これらの報告を受けて実際にどのような対応をしたかということをお聞きをしたいと思います。そして、この決算におきましてその不用額が多額に計上されたことを踏まえて、今後予算の査定にどのように反映させていくおつもりなのか、それも併せてお聞かせをいただきたいと思います。 すなわち、今大臣からの御答弁もありました、その剰余金として積み上がっている中に、本当に必要なものと、それからやはり不要不急なものがその中に混在しているんではないかと、そのような不明瞭な感触というのを伝え聞いているところでありますので、その辺りのところを査定当局として、この剰余金の中身を正当な理由のあるものとそうでないものにきちっと精査をしていただきたいと、そういうふうに思うわけでありますが、その辺のところの財務当局の考え方、対応につきお聞かせください。
○副大臣(上田勇君) お答えいたします。 今、山下委員から御指摘のありましたその石特と電特の件につきましては、これ、平成十五年十一月の財政審の特別会計小委員会の報告におきましても、一般会計の繰入れの抑制、歳出の合理化等を進めることで、今御指摘のありましたような不用、剰余金の縮減を進めていくべき旨の指摘があったところでございまして、それを踏まえまして、財務省としても、平成十六年度それから十七年度の予算におきまして改善をしたところでございます。 一つは、石特については、歳出面で多額の不用が発生しておりました石油備蓄関係予算等の縮減を進めまして、また、歳入面におきましては一般会計からの繰入れを縮減をしたというところでございます。また、電特につきましては、多額の不用が発生してきた電源立地地域対策交付金、これを減額をいたしました。また、今後の電源立地の進展に伴います将来、これは将来に財政需要が発生するというようなこともありますので、それについては周辺地域整備資金を十五年度に設置をいたしまして、そこに積立てをして必要なときに執行していくというような形に改めたところでございます。 また、今御指摘のありましたとおり、この二つの特別会計を含みますすべての特別会計におきまして不用、剰余金などの発生状況をしっかりと把握をしながら、これから不要不急の支出、歳出がないように、また一般会計からの繰入れにつきましても、できるだけ可能な限り合理化を図っていく観点から、今後予算編成に生かしていきたいというふうに考えているところでございます。
○山下英利君 一番最初にお話し申しました、特別会計というのは本当にきめ細かい、そして膨大なものであります。ですから、そういった基本的な姿勢しっかり持っていただいてやっていっても、まだまだ目が行き届かない部分が出てくると思います。そのときにはまた指摘もされると思います。そして、その際にきちっとした対応ができるように基本的なルールというものを明確にしておいていただきたいなというふうに思います。 そして、例えば先ほど私が申し上げたように、特別会計、事項ごとに備品費が細かく分かれているというようなところで、じゃ備品費全体としてどれだけの予算でやれば適正なのかというようなところの予算の査定の方式等につきましても、やっぱり分かりやすい形で説明ができるように仕組みというものを見直していっていただきたい、私はそのように思っているところであります。 それではもう一つ、これは一点だけ、ちょっと先ほどの、資金運用部特別会計でありますもう一つの財政投融資資金特別会計、これは今改革が進んでいるところでありますが、この点について一点だけお聞きをしたいと思います。 これは今財投債の、いわゆる国債ですね、これを減らしていく、そして財投機関債に置き換えていくというふうな形の改革というものが進められているというところでありますけれども、財投機関債、いわゆる政府系金融機関含めたこういったものの機関債は独自の調達で賄っていくというふうなことを言われているわけであります。 しかしながら、依然としてこれは陰の政府保証が付いているんだというふうなことも言われているわけであります。これは、やはりその管理、そして最後はそれは政府がしっかりと面倒を見てくれるんだというところの裏返しじゃないかなと私は思います。 アメリカにおいては、これは住宅公社だったと思いますけれども、実際に債権に対する債務不履行ということが出ています。これは、投資家に対しては、これは本当にいわゆる独自の調達だから国の関与はないんだというふうなことを実際に実例として表しているところでありますけれども、日本においてそういうことが本当にできるかどうか、そしてまたそれを進めていかなければいけないのか。そういったところについてのお考えとして、この財投機関債、これが将来的に、諸々の事情はありますけれども、債務不履行ということが物理的には起こり得るものなのかと。もちろん、そうさせないためにしっかりと管理をしていくということではあると思うんですけれども、この陰の政府保証というものを払拭するためには、この債務不履行ということもあり得るということが言えるのかどうか。その辺のところのお考え、ちょっとお聞かせください。
○国務大臣(谷垣禎一君) 基本的な考え方としては、政府保証を付けずに財投機関債を出しているということは、もしその財投機関において破綻を来し償還できないというようなことがあれば、そこに隠れた政府保証が付いているというような理論構成をするのは私は明らかに間違っているんだろうというふうに考えております。それは、政府保証を付けずにこういうものを出しているということの意味でございます。 財投機関債については、申し上げるまでもありませんけれども、市場の評価を通じて特殊法人等改革の趣旨に沿った業務運営効率化のインセンティブを高めていこうという観点で財投改革に伴い導入されたものでございますから、今おっしゃったような不測の事態、不祥事が起こらないように、まず財投機関自身において業務の効率化をきちっと図っていくことが必要だろうと思います。 それに加えて、その所轄官庁による、やはりそういう形で保証を付けずに出しているわけでありますから、所管官庁がやはり監督をきちっと加えていく必要があると思います。 さらに加えて、財務省としても、財投貸付けの償還確実性という確保の観点から、個別の財投機関について従来より財投編成過程において十分に精査を行うようにしなければならない、そういう方向で既に努めているところでございます。 それから、十七年度の財投計画の編成につきましては、財政審で、すべての財投事業について公認会計士の関与の下に民間準拠の財務諸表を作成していただきまして、それを参考にして総点検を行いました。住宅金融公庫や都市再生機構について抜本的見直しを実施するといったことによりまして、将来の財務上の懸念を解消して財投事業全体の健全性を確かなものとしたところでございます。 ですから、政府保証がない、もし本当におかしくなれば、それは債務不履行ということがあり得るわけでございますけれども、その前提として、まずきちっと財投機関自体の規律というものを保っていただく、それに加えて監督官庁にきちっと見ていただく、そして私どももいろいろな手法を通じて民間準拠の会計書類等々を通じてきちっと精査をしていく、さらにそのディスクロージャー等々も徹底していくと、こういうようなことによってこの財投機関債というものをうまく運用していくということではないかと思います。 それから、ちょっとさかのぼって恐縮なんですが、先ほど山下委員が、予算の執行に当たって不用額がたくさんあるではないかと。不用額についてどうしていくかということはお答えしたんですが、執行実績がないようなものが予算措置されているという事態がどうかということがあって、ちょっと御答弁を漏らしてしまったんですが、こういう予算の執行状況と積算が乖離している状況が何年も続いていくということは、これは望ましいことでないのは当然であります。 それで、いろいろ御議論もありましたし、私もかなり検討させていただきまして、これはこの乖離をうずめるようなことをやっていかなきゃいけない、的確に反映するように、執行実態を予算査定に的確に反映させるように検討を進めるよう事務方に指示をいたしました。 これを踏まえまして、事務方としては各省庁との間で、何年間にもわたって執行実績のない事務事業であるとか、それから名目と異なる執行が行われている事務事業であるとか、それから実績に比して過大な予算要求あるいは予算措置が行われている事業、こういったものの洗い直しに着手したところでございます。 この結果を踏まえまして、各省庁も十八年度から実態に合った予算要求を行っていただいて、査定においても執行実績を予算に反映する仕組みというものを強化していきたいと考えているところでございます。 先ほどの答弁に付け加えさせていただきます。
○山下英利君 追加の御答弁、ありがとうございました。 正に、不要不急であるかどうかという判定というのはそこに尽きると思います。私は、最初の答弁で大臣のお考え等は理解をさせていただきましたので、追加の答弁で更にその辺を明確にさせていただいたと思っております。また、これを決算委員会の審議にも生かさせていただきたいと、そのように思います。 そして今、財投機関債の話の延長で、これは財投機関はいろいろありますけれども、いわゆる政府系の金融機関もこれは入っているわけであります。政府系の金融機関はいわゆる中小企業融資のセーフティーネットとしての位置付け、これがあるわけであります。 今回、私からの質問は、この政府系の金融機関のみならず、最もやはり中小企業にとってセーフティーネット的な位置付けが強いものに中小企業信用補完制度というのがあります。いわゆる信用保証協会です。これについてちょっと御質問させていただきたいと思います。 時間も限られてまいりましたけれども、今この現状というものは、やはりバブルの崩壊後、非常に残高も膨れ上がりましたし、そして代位弁済といいますか、不良債権化と、いわゆる不良債権化していると言われるものも出てきているところでありますけれども、まず中小企業庁、経済産業省にお伺いをしたいんですが、この信用保証協会の融資について、その審査の責任、これは金融機関と協会でどのように分担していくのか、いわゆる適正化するべきではないかという私は基本的な考えが、考えというか思いがありまして、その審査の責任の所在が不明確ではないかというようなことも言われているわけであります。 先般、決算委員会で私も少し質問させていただいたときに、再生を打ち出して、これからは中小企業再生なんだといったところも言われているわけでありますけれども、信用保証協会の保証が受けられるような企業というのはなかなか再生プランに乗ってこない、そういった小体のところも多いわけであります。 信用保証協会を所管される中小企業庁、経済産業省として、この保証協会による中小企業者への再生支援についてどういった取組をこれからされていくのか、その辺について御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(望月晴文君) 信用保証制度につきましては、今や残高が約三十兆円ぐらいあるわけでございまして、中小企業の金融制度の中で大変重要な制度になっていることは先生御指摘のとおりでございます。 その際に、金融でございますので、融資の審査から、あるいは保証の審査から最後の、最後というか再生の問題のところまで含めて、金融機関と信用保証協会がそれぞれの立場で協力をしながら中小企業各社のために努力していくということが非常に大切なことだと私どもは考えております。 したがいまして、その際に、現行のところでいろいろな問題点を指摘されている中の最大の問題は、この保証制度が保証協会の一〇〇%の保証を原則としているということでございまして、この点につきまして様々な方々から、金融機関が適切に融資をした後、期中管理から支援、それから再生支援、そういった面において十分な役割を果たしていないのではないかという御指摘もあることも事実でございまして、私どもとしては、この責任分担を金融機関と信用保証協会がより適正にしていくという観点から、今の体制について再検討をすべきではないかということを考えております。 現在、中小企業の政策審議会におきまして、この点を含めまして金融機関、保証協会、中小企業者の関係につきまして適正化を図るべく検討している最中でございます。
○副大臣(保坂三蔵君) 後段の中小企業の再生について、私の方からもお答え申し上げたいと思います。 山下先生御案内のとおり、九七年の金融クラッシュの後、私どもは中小企業の救済ということで全力を挙げまして、九八年から特別保証制度をやりました。百七十二万件、三十兆、これはもう想像を絶する緊急避難でしたけれども、四百五十万件あると言われる中小企業の中で、ほとんど三人に一社はこれを活用したわけです。これは本当に私は生きたと思うんですね。 これが終わり掛けましてから、私どもは、今度は金融機関の破綻の影響など、あるいはまた災害などの影響を受けて、これをセーフティーネットで救おうという制度をやはり保証協会を活用してやりました。それから、その二年後には事業再生、これは民事再生法で認定された計画を助けるという意味で信用保証協会が立ち上がりましてこの制度を導入しました。 それから、引き続き、特別保証制度が終わりましてからもまだ景況観上がってまいりません中小企業に対しまして、やはり第二の創業という点もございますので、そこで返済条件を変更することを認めることにいたしました。あるいはまた、借換保証制度を導入しまして、全体的に返済条件を緩和することによって中小企業の救済に向かったわけでございます。 これらのことは、信用補完制度の今御議論がある中ではやはり問題があることは承知をしているわけでございますけれども、現実的に企業の再生ということになってまいりますと、例えば産業再生機構も一通りの役割が終わってまいりますから、今度、経済産業省が行っております中小企業再生支援協議会、これは四十七都道府県に置いておりますが、タイアップしてやっていこうということで今全力を挙げております。 なお、この五月の二十日、金曜日でございますけれども、ただいま中小企業庁望月長官がお話がありました中小企業政策審議会で、今お話がありました信用補完制度がすべていいという前提ではなく、問題があるということの認識の下での議論を進めておりますが、さはさりなれど、再生という点ではもう一歩前進しようということで、例えば既に代位弁済を受けたところに対しましても新規の融資を認めていこうじゃないか、あるいは今まで認めておりませんでした求償権の放棄もやっていこうじゃないかと、こういう見通しを立てて、新たに中小企業金融の見直しを全面的に行おうとしております。 いま一歩で再生していく中小企業のために敗者復活に懸ける私たちの試みをどうぞ一層御支援賜れば幸いでございます。
○山下英利君 時間が来てしまいましたのでもうこれで私の質問を終わりますんで、金融庁の方にはあえてちょっと質問させていただけないんですが、最後に、今の中小企業に対する資金支援、特に再生の部分でのニューマネーとかそういったところは、結局リスク分散するのは協会と銀行でありますから、そういった銀行の監督の金融庁におかれましても、これは全体的にうまく連携をして中小企業、いわゆる信用保証協会というのでなく、小さい中小企業がしっかりと頑張っていける体制に努めていただきたいと、その希望を申し上げまして私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○中原爽君 中原でございます。 本日は、平成十五年度の会計検査院報告書、検査の報告書から四点ほど質疑をお願いしておりますけれども、持ち時間の関係から、特に特定検査状況の方から質問をさせていただきたいと思います。 まず、独立行政法人のかかわりでありますけれども、検査院の報告には、「独立行政法人における還付消費税の処理及び納付消費税の会計処理について」という項目がございます。 消費税は、御存じのとおり、仕入れに係る消費税額と、それから売上げに係る消費税額の差額について、それがプラスであれば納税義務と、マイナスであれば還付してもらえると、こういうシステムであります。 それで、消費税の会計処理については、消費税そのものを税込み処理で行う方式、あるいは税抜きという形の処理の方式、二つが認められているわけでありますけれども、このうち税込みの方式で処理をいたしますと、収益と費用も税込みで計上されるわけでありますから、利益で算出されるもの、これも税込みで算出されますし、納付の関係、こういったものもすべて消費税が表に出た形で処理されるわけでありますけれども、民間の場合には、この消費の税務処理の仕方が税込みであろうと税抜きであろうとどちらでも結果は同じになるということでありまして、問題はないということであります。しかし、独立行政法人の場合には、国からの運営交付金がある、あるいは当初、法人化する当初に国からいろいろな施設等のものを移譲させてもらうということがございまして、それについてどういう処理をするか、当然消費税の問題が起こるわけであります。 平成十三年度から十四年度にかけて設立された独立行政法人、これを先行法人と言っているわけでありますけれども、この場合、設立の際に国から譲り受けた建物、こういったものについてその出資の財産というものは消費税の対象として取り扱われてきたということでありまして、かなり高額な消費税額になったということであります。ところが、平成十五年度以降の独立行政法人については、これ後発法人と言っているわけですけれども、これ十五年の四月の税制改正によりまして国からの現物の出資というものが消費税の対象から外されるということになりました。 したがって、このところが先行法人と後発法人がこの消費税の在り方について税制上異なったことになったと、これが一つあります。そうして、この還付する消費税、あるいはもらってしまう消費税という言い方かもしれませんけれども、納付のものと還付されたもの、あるいはその関係をどうするかということがいろいろ問題になってきたわけであります。 それから、一方、この独立行政法人の今後の経営状況につきましては、国から運営の運営費交付金というものが出てくるわけでありますけれども、この独立行政法人の財源措置ということが平成十六年の現在で三兆円、全部の独立行政法人で三兆円に及んでおります。そのうち運営費の交付金というのが約五〇%、五一%ぐらいでありまして、一兆五千億ぐらいの金額になります。 こういったものに基づいてこれから先独立行政法人が運営されるわけでありますけれども、十六年度現在でこの運営交付金をプラスした財政の措置という金額が一千億を超えるという法人が十法人あるということであります。したがって、今後、こういった運営費の交付金を、運営費交付金を毎年どの法人がどういう形で使うかということが非常に問題になるわけであります。 したがって、お聞きしようと思っておりますのは、最初の消費税の問題でありますけれども、消費税について、その後国に返すべきものをどうするかという問題があります。幾つかそれでお聞きしたいと思いますけれども、最初に少し触れました、平成十五年度四月の消費税の施行令によりまして国から現物出資が消費税の対象とならないような、譲渡範囲から除かれるという法人が後発法人でありますし、それと、それ以前の十三年、十四年に係る先行法人、これが税制上違っているということになったわけですけれども、どうしてこんなことになってしまったのかということをお尋ねしたいと思います。 先行法人と後発法人との税制上の違いが十五年度の消費税法の施行令の改正によって生じたということについてどう説明をされますかというふうに伺いたいと思います、これが一つ。どうでしょうか。
○政府参考人(佐々木豊成君) 独立行政法人の設立時の消費税の取扱いの変更についてお答え申し上げます。 独立行政法人制度は平成十一年に創設されまして、平成十三年の四月から多くの独立行政法人が設立されたところでございますが、その設立に当たって国等からの現物出資の方法が多く用いられておりまして、消費税におきましては現物出資に伴う建物や施設等の移転については課税対象だとされておりますので、そういうことからこれらの法人の設立時の現物出資も課税ということにされていたわけでございます。 しかしながら、独立行政法人の事業の承継方法につきましてつぶさに見ますと、各独立行政法人の設立に関する個別法の中でそれぞれ事業内容等を踏まえて定められておりますが、現物出資の形式を用いている場合でありましても、その実態を見ますと、個々の法律に基づきまして実質的に事業の承継は権利義務関係が一体的、包括的に行われておりまして、消費税が課税されます資産の譲渡等に該当しない、例えますと商法の新設分割とか新設合併による事業の承継に類似しているという状況がございました。 このような実態を踏まえまして、またさらに、平成十三年十二月に閣議決定をされました特殊法人等整理合理化計画に基づきまして平成十五年度以降も多数の特殊法人等の独立行政法人化が進められるという状況でございましたので、その税制上の整備の一環としまして、現物出資でも特別の法律に基づく承継に係るもの、これにつきましては資産の譲渡等に類するものとされております今の現物出資というところから除くという改正を行ったところでございます。
○中原爽君 ただいまの御説明に関係があることでありますけれども、この先行の法人で、特に先行法人の中には、先ほど申し上げたように税抜きで経理処理をする場合、税込みで経理処理をする場合、こういう形があるわけでありますけれども、税込みで経理処理をする法人の方が先行法人は多いということが言われております。そうしますと、平成十五年度の末の時点で、先行法人の中の税抜きの経理法人の還付消費税の国庫納入が確定していないものがあるんだというふうに会計検査院は指摘をされておりまして、この国庫納付金の法人内に長い間これ長期化して保有期間があるということは望ましいことではなかろうと、これをなるべく処理をしなさいという御指摘があったと思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(藤井昭夫君) 先生御指摘の十三年度、十四年度のいわゆる先行独法について還付消費税という問題が生じているということで、その金額については本来国庫に納付されるべきものというふうに私どもも考えているところでございます。 ただ、問題は、仮に残余金があったとしても、現行の独立行政法人制度の仕組みでは毎年度国庫納付にするという仕組みが取られていないと。これはなぜかといいますと、やっぱり独立行政法人制度の制度創設の趣旨にもかかわってくるんでございますが、基本的に従来、行政機関であればなかなか事業運営的な運営ができなかったと、例えば単年度会計主義による厳格な会計処理の問題もあるというふうなことで。そこで、通則法では中期目標期間というものを定めまして、その目標期間、大体五年から三年ぐらいなんですが、その間はやっぱり財務面でも総合的な運用と申しますか、そういうような仕組みを設けることの方がより独立行政法人制度の趣旨が生かされると、そういう仕組みになっているということでございます。 ただ、いずれにしても、繰り返しになりますが、この還付消費税の問題は、いずれ相殺という形もあるようでございますが、国庫に納付されるべきことは確かでございますので、やっぱりそういう目標期間中、まず明確にやっぱりその額というものを管理していただくと、その上で目標期間終了した後、精算していただいて納付していただくということが必要でございますので、その点につきましては、既に財務省からその趣旨の徹底が図られているところでございますし、また別途、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会というのもございますが、これも平成十四年十二月に第二次意見ということで公表しているところでございます。 私ども行政管理局としてもその制度を所管する役所として、やっぱりしっかりそういうお金が納付されるのかどうか注視していかなければいけないというふうに考えているところでございます。
○中原爽君 それでは、引き続きまして、運営費の交付金の件でありますけれども、「決算乃視点」という雑誌がございまして、そこに論文が出ております。そこに、「独法制度の特徴の一つとして、弾力的な財政運営を可能にするための運営費交付金(渡切費的な財源)」と、こう書いてございます、制度の創設があったということであります。 それで、先ほど申し上げたように、この交付金が十六年度で一兆五千億ほどあるということを申し上げました。このことについて、先ほども申し上げましたけれども、多くの独立行政法人は税込みの経理処理方式を採用しているわけでありますけれども、会計検査院所見では、納付消費税の会計処理について、納付消費税を運営費交付金の収益化の対象の事業費から除くということで、この当期の収益は税抜き処理となるということで、国からの運営交付金はすべて事業費として有効利用されるということが望ましいというような形のことが書いてございます。 すなわち、運営交付金以外のものの収入といった形のものの事業費との処理と、いろいろな形のものが掛かってくると思うんですけれども、この点について総務省の資料では、平成十四年度の十二月で、財政評価・独立行政法人評価委員会がございまして、そこで運営費交付金が全額収益化されず運営費交付金債務として残された場合の分析をどうするかとか、そういうことが検討されております。したがって、今後、運営費交付金が一種の渡し切りの財源ということであるのかどうかも含めて総務省として今後どういう御指導をされるのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(藤井昭夫君) 行政管理局は独立行政法人制度というのを所管するという立場から申し上げたいと思うんですが、これも先生既に相当御指摘のとおりでございまして、できるだけやっぱり独立行政法人という制度の趣旨が生かされるようにするためには、財務運営の面でも弾力的にやっていただくということが重要というようなのがやっぱり一番スタートになります。 その上ででございますが、当然、物とかサービスを買った場合は消費税を納付するというようなのは独立行政法人でも変わらないわけですから、ただそれを、財源を運営交付金から充てるか自己収入から充てるかという問題ですが、独立行政法人はその二つが主たるものでございますので、全体としてはそんなに事業経費の額に影響を及ぼすものというふうには考えてはおりません。 ただ、問題なのは、やっぱり全体としては、これ中期目標管理期間の中で独立行政法人が効率的、あるいは成果は上がったかどうかと、そういうものに使われたかどうかということが一番大事なんでございますんで、そのためにはやっぱり財務運営が、これも従来指導しているわけですが、企業会計基準にのっとってやっぱり透明性のあるような形で整理されていただくということと、あと事業の成果なんかもできるだけ目標管理と申しますか、そういう指標化されて客観的に判断できるような形でやっていただくと、その上で第三者の評価機関としての独立行政法人評価委員会なんかで適切に評価していただくという形で、全体としてやっぱり財務面での効率性、有効性というものも評価していただくというのは、現在の独立行政法人制度の言わば骨格となる仕組みになっているわけでございます。 そういう意味で、その第一歩としては、やっぱりそういう財源をどこから出すかということもあるんですが、そういう消費税、納付消費税をどういうふうに計上したかということをやっぱりきちんと透明性を持って整理していただくということがまず肝要だと思っておりますので、その面での指導なり注視なりはしていかなければいけないと思っているところでございます。
○中原爽君 ありがとうございました。 今申し上げましたこの独立行政法人にかかわる問題については、独立した時点で、法人化した時点で国から移譲されましたいろいろな資産についての消費税の処理の状況について御説明いただいて、ということであります。 それと、今御答弁ございましたように、今後、独立行政法人が財政運営をしていくに当たって、国からの運営費交付金のこの使い勝手をどうするかと。適正な使い方をしていただきたいという意味で、総務省及び会計検査院の御指導をひとつよろしくお願い申し上げたいというふうに考えております。 それでは、もう一つの税制の問題でございますけれども、お手元に一枚の資料を配付をさせていただいております。租税特別措置法の二十六条の関係のものであります。 これ、お配りした内容、上の半分が現在ずっと引き続いております租税特別措置法二十六条の関係で、医療機関、特に小規模の医療機関につきまして、社会保険の診療報酬の内容、それが五千万以下の場合に、この表にありますように四段階に税制の区分がございます、五千万円以下から二千五百万円以下までの四段階。二千五百万円以下の場合に七二%ということであります。これが、要するに社会保険診療報酬の七二%に満たない場合に、七二%相当額を必要経費あるいは損金として算入できるという計算をしていいというシステムであります。これは、今回初めてだと思いますけれども、会計検査院の方で特定検査の対象としてこれが検査をされたわけであります。 現在のこの税制は、昭和六十三年に改正されました以降、ずっとこの四段階の数字のまま経緯をしているわけでありますけれども、これ詳しく述べますと、この措置法の二十六条は所得金額の算定上、社会保険診療に係る経費として必要経費に算入する金額は、社会保険診療に係る五千万円以下の収入を収入階層別に区分し、それぞれの金額区分ごとに定められた率を乗じて計算した金額の合計額とすることを認めると、言葉で言うとそういう形になるわけでありますけれども、この創設されました経緯というのは、実に昭和二十九年でございまして、昭和二十九年の十二月七日にこの参議院におきまして成立した衆議院の議員立法であります。当時はこの控除率は、まあ二八%、すなわち七二%相当額から出発しているわけでありますけれども、その後、五段階になったりあるいは四段階に改正されたりしまして現在の状況になっているということであります。 この措置法が創設された趣旨というのは、社会保険診療報酬にかかわります改定率が大幅な引上げが困難だということに対する、まあ見返りと言うと語弊がありますけれども、そういう措置、特に零細な医療機関に対しての措置ということと、それから、社会保険診療報酬の適正化が実現するまでの措置という形であって、また、この医療機関が社会保険あるいは老人保健診療報酬にかかわる診療報酬の点数表によって規定されておりますので自由にはできないと、要するに統制経済の部分があるということでありまして、これが営利事業じゃないんだという性格があるということに対して面倒見ていただいたという趣旨で創設されたものであります。 そういう経過がございますが、まず会計検査院にお尋ねしようと思いますけれども、今回この社会保険診療報酬を取り上げました経緯、法律としては非常に古い法律になると思うんですが、そういったものを再検討するという趣旨であろうかと思いますが、これを取り上げられた理由を御説明いただきたい。
○説明員(諸澤治郎君) お答え申し上げます。 租税特別措置は、特定の政策目的を実現するための特別な手段ということでございます。公平、中立、簡素という税制の基本理念の例外措置として設けられているものでございます。 税制につきましては、国税収入の落ち込みによる国の財政への影響が懸念されていることなどから種々の議論が行われておりまして、またその中でも租税特別措置につきましても議論がなされているという状況でございます。本院といたしましては従来から関心を持ってきたところでございます。 お尋ねの十六年次の検査のことについてでございますが、これは前年度、十五年度の減収見込額というものが一兆二千八百二十億円という非常に、所得税に関する租税特別措置が、そういう大きな減収見込みが見込まれておりまして、その中からその適用状況、検証状況等を検査するというふうにいたしまして、その中で減収見込額が、所得税全体の中で、その中でもその減収見込額が二百二十億円というふうに大きいこと、それから、今先生からお話がございましたように、創設された年次が昭和二十九年という古いといったこと、そういったことを勘案いたしまして、お尋ねの社会保険診療報酬の所得計算の特例、これがどういったものかといったものを選定したという経緯でございます。
○中原爽君 御説明ありましたように、この二十六条関係で税収が減るというのが二百二十億円ということでございました。 お手元のお配りいたしました資料の下半分のところでありますけれども、表の4ということになっておりまして、上が診療科目別として歯科からその他の診療科が並んでおります。 一番左の下の段、総計がございまして、この五千万円以下の、社会保険診療報酬の収入額が五千万円以下の医業の業種の人が四千三百三十四名いたということであります。そのうち、この二十六条を適用してもらったという人が千六百七十二名、特例適用者(b)であります。その比率は、一番右側にありますように、三八・六%でありまして、五千万円以下の収入の医療業者が全部この二十六条を適用したということではないわけであります。 一番上の歯科のところをごらんいただきますと、(a)、該当者、五千万円以下の該当者が二千八百九十一名おりまして、そのうちの千六十七名がこの二十六条を申し出て適用したと。比率は大体六〇%を超える段階であります。これが、一番右側の科目別の適用率から見ると三六・九%しかないというふうに言われるんですけれども、しかしこれ、歯科に限らず全体の医療機関の五千万円以下収入ということで見ていただければ、少なくとも四千名おりまして、そのうちの千六百名が適用した中で、千六百七十二名のうち歯科の適用例が実に千六十七名ですから、六〇%を超える歯科医師がこの適用にあずかったということに理解していいだろうというふうに思うわけであります。 したがって、特に歯科医療というのは大きな病院はありません。二十九の歯科大学の附属病院、それから医学部の附属病院で二百幾つかの中の歯科診療科、それとあとは全部町のいわゆる診療所でありまして、有床の診療所も数えるほどしかありません。そういうことであれば、ここに書かれておりますように、一番上に書かれておりますように小規模零細医療機関、零細という言葉が適当かどうか分かりませんけれども、小規模な医療機関にこの経営を安定を図るということでこういう措置法があるんだというふうに理解をしていただければというふうに思うわけであります。 したがって、私は昭和二十九年に創設されたこの措置法の重要性というものは認識しているわけでございますけれども、今後、厚生労働省としてもこの措置法の意義というか、そういうことをどういうふうにお考えか、伺いたいと思います。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 先生御指摘のように、この措置法の適用が、地域で医療を確保していただいている歯科の先生あるいは皮膚科、眼科、耳鼻科等々の先生でございます。 私ども、高い公共性を有する医療機関の経営の安定を図る、そしてこのような地域医療の確保に資するということを目標として制度が創設されたということでございますので、このような特例というのは今日においても重要な役割を果たしているという認識をしております。
○中原爽君 それでは、この資料の一番下のところに、この診療科別における適用率は、皮膚科から始まりまして、診療科目によって開差が認められると、こういうふうに記してございます。これは会計検査院の報告書に書かれている言葉どおりでありますが、今後、会計検査院としてこの種の租税特別措置におきますいろいろな医療機関別の検査をおやりになる場合に、こういう開差についてどういうふうにお考えになるのか、一応伺っておきたいと思います。
○説明員(諸澤治郎君) お答え申し上げます。 私どもの今回の検査でございますが、先ほど申し上げましたように、租税特別措置が税制の基本理念の例外として設けられているということなどを踏まえまして、まず特例の適用状況はどのようなものとなっているのか、それから特例に係る課税の執行は適正に行われているか、また特例の検証といったものが適切に行われているかという点に着眼して行ったものでございます。 特例の診療科目別適用状況につきましては先生御指摘のとおりでございまして、歯科が他の診療科に比して高くなっているという、そういう状況がございます。このほかにも、私どもの調査では、地域別の適用状況でございますとか、特例適用者の税額の軽減の状況でございますとか、特例適用者と特例非適用者との比較等も記述をいたしているところでございます。 これらの特例の適用状況に関するデータの収集というのは難しい面があるなどしております。しかし、特例の検証については、より一層内容を充実するということが必要だと考えておりまして、これによりまして政策の実効性を高めていくということとともに、国民に対する説明責任を果たしていくということが必要ではないかと考えているところでございます。 本院といたしましては、今後とも、租税特別措置の実施状況につきましては、先生の御指摘も念頭に置きまして、その推移を引き続き注視していきたいと考えているところでございます。
○中原爽君 御答弁ございましたように、今後、この特定検査につきましてお進めになる場合には御答弁のとおりで御考慮をお願いを申し上げたいというふうに思います。 それでは、あと十分足らずでございますので、もう一点、雇用保険の関係についてお尋ねしようと思います。 雇用保険については二点ほどございまして、雇用保険の特定求職者雇用開発助成金の支給が、これは不適正であったということで不当事項になっております。それからもう一点、同じく雇用保険の失業等給付金の支給が不適正であったと、これ不当事項ということであります。 いずれにしても、この両方の問題については既に返還された処置がとられておるわけでありますので、そういう金額的な面については問題にするわけではございませんけれども、特定求職者雇用開発というのは、特定求職者ですから、六十歳から六十五歳未満の高齢者で就職が困難な者、あるいは社会情勢にかんがみて、社会情勢が非常に悪化しているという場合で就職が困難だということに対して支援するという内容でございます。これで事業主に対して賃金の一部を助成するという形になっているということでありますけれども、こういったものが、今後どういうふうに考えていくかということであります。 内容は、この失業等給付の財源というのは労使折半でありまして、この四月一日から千分の十四が千分の十六になりまして、各々千分の八ずつ労使が負担すると、こういうふうになりました。これが、財源として今後どういうふうに活用するかということの問題が一つあるわけであります。景気が良くなれば失業者は減るわけでありますし、政府としては失業率ということを非常に気になさるという状況になります。 それから、もう一方の雇用保険制度そのものというのもこの四月一日から千分の十七・五が千分の十九・五に改正されまして、事業主が十一・五、それから労働者側が八と、千分の八という負担になっております。 こういったことを踏まえて、この雇用保険というのは三事業、雇用保険の中の三事業というのも別建てであるわけでありまして、それも使用者負担、これは使用者の方が負担する、千分の三・五の負担になります。 この三つの財源から成り立っているわけでありますけれども、いかがでしょうか、この雇用保険の財源として四月一日、この本年度の四月一日から十九・五、千分の十九・五に改正されたということの内容についてひとまず伺いたいと思います。
○政府参考人(青木功君) 雇用保険の失業等給付にかかわる保険料分についてのお尋ねでございます。 御案内のように、バブル崩壊後、厳しい雇用失業情勢が続きました。雇用保険そのものは、御案内のとおり、景気によって失業者には波動がありますけれども、受給者が増えたときにも支払ができなければなりませんし、一定の幅でそのリザーブを持ってセーフティーネットとしての機能を果たすように仕組んでおります。 そこで、この状況がどうだったかと申しますと、例えばいわゆる保険料を受け取って保険給付をするという意味での経理でいきますと、平成六年度から平成十四年度まで九年度連続で赤字でございました。したがいまして、最盛期に四兆七千億ございました積立金が平成十四年度には約四千億、一か月の給付費にも満たないところまで参りました。 そのような事情がございまして、平成十五年に法律改正をお願いをいたしました。 で、これは、一つは保険を受ける方々についても就職の努力その他様々なことをしていただいて、給付が出る方を減らしていくというのが一つ。それから、一方で、しかしそれにも足らない分については労使に御負担をお願いするという考え方で行いまして、ただいま先生がお話しになりましたように、労使の折半保険料を千分の十六に引上げを行いました。 しかしながら、大変厳しい雇用失業情勢が平成十四年、十五年続いておりました。そういったことで、経営者の方々も非常に厳しいということで、十四年度の補正予算で早期再就職者支援基金事業ということで実質的に保険料の千分の二相当分の御支援を一般会計からいただき、保険料率を十五、十六年度に限り従来のままの千分の十四で据え置きました。 そういったことで戻ってまいりましたが、最近若干厳しい情勢から変わった部分もございまして、千分の十六ということで今年度からお願いをするものでございます。
○中原爽君 分かりました。 失業保険、失業等給付保険料につきましては、ちょっと時間の関係で割愛いたしますが、雇用保険の三事業について、この十五年度の予算額が二千六百三十一億円でありますが、その使用いたしました実績額が千四百五十一億円で、実績の割合が五五%、約半分、予算の半分しか使われていないということが先般、三月にマスコミ報道や何かで盛んに報道された経緯がございます。 しかし、これは今お話しのようにいろいろ景気状況によって左右されることでありますから、予算組みそのものが全部消化されるというわけにはいかないという事情がございます。それに伴って、この三事業の十六年度分のいろいろな目標、見直し、こういったことと、十七年度分についても新たな目標が設定されているわけでありますけれども、この点につきまして、あと二分ほどでございますので、御答弁をお願いしたいと思います。
○政府参考人(青木功君) 手短に申し上げます。 雇用保険制度三事業を適切に運営するために、平成十六年度から事業目標を設定いたしました。そして、今年度になりまして、その目標の成果が今年度表れるわけでありますので、目標設定の状況、そしてその目標に対する事業運営状況の検証、そして、その検証をした上で、その制度についての存続あるいは拡充、見直しといったものをやって、不断の検証をしながら、またさらに、これを公表をすることにより、透明性を持たせながらこの事業運営の効率化を図ってまいりたいというふうに存じます。
○中原爽君 十六年度の目標の結果がこの六月に出るわけでございますので、それを含めて十七年度につきましてもよろしく御指導をお願いしたいと思います。 以上で終わります。
○中村博彦君 また大きな事故が起こってしまいました。JR西日本福知山線の本当に大きな事故でございます。私たちは本当に重く受け止めなくてはいけない、そして、二度とこのような事故を起こさない対策をしなくてはいけないと、こういうように思うわけでございます。本当に、人為的、行政的、政治的また企業的な、人為的な反省点、大きいものがあると思っております。 びっくりいたしておるわけでございますけれども、JR東日本、東海、西日本は大きな利益を生んでおるわけでございます。それにもかかわらず、この新型ATS、ATCの整備率は、東日本では三五%、JR西日本では八%にしかまだなってございません。 JR西日本を取って見させていただいても、この新型ATSの設備工事費は九八年から二十一億円、十六億円と、本当に大きな数字を示しておりません。そして、特に、二〇〇一年からは二億円、三億円、一億円、二〇〇四年は五億円と。経常利益が二〇〇〇年には四百三十億円、二〇〇一年には五百四十億円、昨年は七百四十三億円の連続増益をしながら、本当に大きな問題でないかと私は思うわけでございます。 なぜこのような企業体質が生まれたのか、安全より利益重視の姿勢が生まれたのかは、本当に考えられないわけでございます。平成三年五月の信楽高原鉄道事故で四十二人の方が亡くなっておる。そして、JR西日本はこの事故にも大きくかかわっておるわけでございます。それにもかかわらず再発ということでございます。もう本当に企業体質、今、国土交通省担当副大臣としてどのようにお考えになられますか。 それと、私は一番やはり問題なのは、国鉄民営化の三人男と言われた松田、葛西、そして井手さんでございます。そして、今なお相談役でありながら会長以下を引き連れてすべてに取り組まれておる井手さん、私は大きいやはり責任があると思います。その辺も踏んまえながら、副大臣、御答弁をお願いいたしたいと思います。
○副大臣(岩井國臣君) このたびの尼崎の事故につきましては、大変ショッキングで、しかも重大な事故であったと思います。誠に残念至極でございます。 今回の状況を見ておりますと、やはりJR西日本の経営についての基本的な考え方あるいは安全管理技術面における対応の仕方、いろいろと問題があったのではないか。私の認識といたしましては、国鉄時代において培われてきたいろんな事柄があると思います、ノウハウがあると思いますけれども、それらが現在のJRにうまく引き継がれたのかどうか、その辺にも大きな問題があるのではないかと思っております。 事の重要性にかんがみ、これは大変重要なことだと思いますけれども、今までの私どもの、国としての、国としての鉄道行政についても、安全基準あるいは監査のやり方などにつきましてきっちりと検証をしなければならないというふうに考えて、今いろいろと取り組んでおるところでございます。
○中村博彦君 御存じのとおり、今回の急カーブそして速度超過が防止できなかった事故でございます。聞くところによると、六月には新型ATSもでき上がっておったとはいいますけれども、やはり行政とJR西日本の怠慢としか言いようがないわけでございます。 そこでお聞かせ願いたいんですけれども、このように、この急カーブでそして速度超過防止ができていない、新型ATSが付いていない。私は、本当に民間、民鉄でございますけれども、民鉄を見ますと、予算も本当に使われております、安全に対して。近鉄を見ましても、九七年が百九十三億、二〇〇三年が百二億というように、すべて新型ATS並びにATCが全部でき上がっておるわけでございます。それにもかかわらず、国鉄三社といいますか、これは大変な問題だと私は思うわけであります。 そこで、もう一点お聞かせ願いたいのは、近代化資金というのがございます。これは財務大臣も御存じのとおり、近代化設備整備費というのがございます。すなわち、この近代化設備費につきましては赤字企業でなくては駄目だと、こうなっておるわけでございます。それを考えたときに、国民の安全というのは、赤字路線だから乗らない、黒字だから乗るんだと、新型ATSができておるから乗るんだと、乗らないんだというものではないわけでございます。そして、この近代化設備整備費というのは三島JRはいまだに使っておりません。JR北海道、JR九州、JR四国。 副大臣、この危険と思われる急カーブですね、何か所ございますか。
○政府参考人(杉山篤史君) 今御指摘がございましたJR北海道、JR四国、JR九州の三社につきましてはATSが付いているわけでございますが、現在のATSは、赤信号の箇所に誤って列車が進入することを防止するためのATSが整備されているということでございます。 しかしながら、御指摘がございました急曲線における速度超過を防止する機能を有するATSにつきましては、JR北海道のいわゆる津軽海峡線部分を除きましては設置をされておりません。
○中村博彦君 それじゃ、JR四国はこの危険と思われる箇所、何か所ございますか。そして、それに対して、現在、どういうような国土交通省として対応するか、現時点でのお考えをお願いいたしたいと思います。
○政府参考人(杉山篤史君) 現在、急曲線の箇所につきましては月内を目途に調査中でございまして、その調査を踏まえながら、私ども今後の急曲線対策というものをやっていきたいという具合に思っておる次第でございます。したがいまして、今申し上げましたように、急曲線対策、これは四国だけではございませんけれども、先ほど申し上げましたJR三島、いずれにつきましても急曲線対策のためのATSというものは付いておりませんので、今至急その箇所数を調査をしていると、こういう状況でございます。
○副大臣(岩井國臣君) 今、中村先生の方からATS、新型ATSの話が出ておりますので、今回の尼崎の事故に関連して、現在私どもどういうふうに考えておるか、そのことについて御報告申し上げたいと思います。 今回の福知山線におけます脱線事故につきましては、現在、もうお聞き及びだと思いますけれども、航空・鉄道事故調査委員会において原因究明のための調査が行われているところでございますけれども、国土交通省といたしましては、その調査の原因究明を待つことなく、待つことなく、今回の事故の再発防止のために緊急対策を早急に進めてまいりたいというのが基本的な考え方でございます。そのために、現在、国土交通省の中でございますけれども、福知山線事故対策本部というものを設置しておりまして、急曲線に進入する際の速度制限に関する方策、あるいは運転士の資格要件等の在り方、そういったことにつきまして鋭意検討を進めているところでございます。 で、五月の九日、つい先般でございますが、福知山線事故対策本部、開催いたしました。その本部におきまして、既設のATSに急曲線区間の速度超過を防止する機能の付加を義務付けるということを決定させていただきました。同時に、対象線区、どういう線区についてそれを設けるかということですね、それから整備期間、時期の問題などにつきましても、その基準をやっぱり作らなきゃいけませんから、その基準を今月末までに決定したい、それを公表したいというふうに考えております。 なお、特に列車の運転速度の高い区間、これいろいろあると思うんでございますけれども、そういうところにつきましては、原則といたしまして平成十八年度末までに整備を完了したい、そういう基本的な考え方を持っております。 また、運転士の資格要件等の在り方につきましては、運転士の適性、教育訓練のやり方、方法ですね、それから健康管理などにつきまして外部の、これはちょっと外部のいろいろ専門家の意見聞かないといかぬと思いますが、外部の専門家の意見も聞きながら検討を進めて、できるだけ早いうちに議論の中間的な取りまとめを、まだちょっと時期申し上げられませんけれども、できるだけ早い時期に中間的な取りまとめをいたしましてそれを公表させていただきたいというふうに考えております。
○中村博彦君 早急にこの危険箇所といいますか、全国のJR、全国の私鉄を早急に調べていただいて、早急な手を打っていただきたい。ただ、JR四国管内でも五十四か所、事故が起こってもおかしくないという箇所が出てきておるわけでございます。そして、やはり赤字企業だとか赤字路線で対応していくときに、この近代化設備整備費は平成十五年が二十五億、そして十七年も二十五億、横ばいでございます。そしてこの事件が起こりました。そして、今これから総点検して、そして赤字企業に対してはこの近代化設備整備費再生プロジェクト予算というものを考え直さな、財務大臣、いかないのではないでしょうか。 そして、一例を取ってちょっと申し上げますけれども、この近代化設備整備費の中に踏切保安設備整備費補助金があるわけであります。これが、再三事故が起こっていますよね。それにもかかわらず、平成十五年二億四千万、二億四千万ばかり。それから、平成十六年が二億一千万、平成十七年が二億と計画的に危険踏切を解消しようという行政の計画性も全くないとしか言いようのない予算が組まれておるわけであります。 これに対して、もちろん財務大臣は直接的ではございませんけれども、やはり私はこの赤字路線だ、赤字事業体のみが補助対象だということをここで考え直さないかぬのでないかと、こういうように思いますので、財務大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、中村委員がおっしゃいましたように、基本的に制度の立て方として、安全対策、これは鉄道事業者が行うべきものだという考え方で整理をいたしておりまして、ただ、それだけでは赤字路線等々で不測なことが起こってはいけないということで近代化資金の制度を設けてATSの設置改良等々含みまして補助率のかさ上げというようなことも入れて対策を立てていると。今後とも、私はこれは経営の悪いところには必要だと思いますし、これに関してはまた国土交通省ともどういう予算を、措置を講ずればいいのかというのは十分協議をして遺漏のないようにしていく必要があるというふうに考えております。 委員のお尋ねは、さらにそれを超えて経営状況のいいところにも考えるべきではないかというお考えだと思いますけれども、私は、やはり鉄道事業者にとって最大の義務は何かということになれば、安全に対する配慮をするということが、安全対策をきちっとするということが鉄道事業者の最大の義務だと思います。収益を上げている鉄道事業者がそういうことをしないということであるならば、私は何をか言わんやというふうに思っておりまして、それはやはり鉄道事業者が本来お考えになるべきことでないか。ただ、それでは立ち行かない、とても安全対策手が回らないというところに対しては、それはきちっとやらせていただかなければならぬというのが私どもの考え方でございます。
○中村博彦君 今私が申し上げたのは、これは危険カーブを全部出す、それから危険踏切を全部出してまいりますと、JR東日本の範囲とか利益を出しておる私鉄だとか、そういうものにこの近代化整備費を使わせてというんではございません。ただ、これだけの数量がきっと出てくると、赤字路線がある、赤字企業では賄い切れないぐらいの危険踏切、危険カーブというものが出てくるんだと、そういうことを申し上げておるわけで、是非前向きに国土交通省と考えていただいたら有り難いんでないかと。手動式遮断機にしても、それから、皆さんが御存じのように、この遮断機に使われるさおでも千本以上折れるそうで、一年間に。それはJR東日本のところで折れたら、それはJR東日本にやってもらわないけませんよ、都市対抗野球まで持っておるんだから。それはもちろん、それはそれでいいと思いますけれども、やはり命、安全というのは、これは鉄道に乗る国民はすべて平等だという視点で対応願いたいと、こういうことでございます。 そして最後に、これ私は、井手相談役に岩井さん直接会っていただいて、私はあの方の責任は重いと思う。そして今でも、相談役でも実権を握っておるわけですから、今回の事件、そして私が質問した中身、そういう部分をペーパーでもいただけたら有り難いと思いますんで、ひとつそこは、副大臣、責任持って対応をお願いいたしたい、このように思うわけでございます。 それでは続いて、少子化対策を質問をさせていただきたいと思います。 御存じのとおり、今少子化は大きな問題になってきております。そして今、日本の少子化対策は本当に曲がり角に来ている、掛け声があって政策がないという状況でございます。 今年の四月一日に社会保障担当大臣の会合がございました、OECDの。そこで公表されたわけですけれども、日本の出生率は約二・〇%まで引上げ可能なんだと、こう言っておられるわけでございます。すなわち、待機児童をなくす、デンマークやアメリカ並みに減らす、そして税制優遇や児童手当で夫婦子供二人の四人世帯が二人の夫婦世帯並みに軽減すれば、子供二人おる家庭と子供がいない家庭とが同じ条件で生活できるぐらいにすれば出生率は二・〇%まで上がるという数値が示されて、データが示されておるわけでございます。 そこでまず、第一項目を申し上げさせていただきますが、待機児童ゼロ作戦の問題でございます。 今、厚生労働省はこの待機児童を、これ財務大臣、よく聞いていただきたいんですけれども、待機児童は実質二十五万人いらっしゃいます。だが、厚生省が発表されておる数値は、認可外だとか事業所保育所だとか東京都がつくりました認証保育所だとか、ここにおられる児童については待機になっていないわけです。だから、あくまでも今のデータでは、認可保育所の待機児童のみを二万五千人だとか、そういう数値だけで、だんだんだんだん待機児童ゼロ作戦は成功しておるように見えるわけでございますが、この一番のポイントが保育園の開所時間と開所日数、そしてその役割を担ってもらおうと思っておる幼稚園の開所時間と開所日数が余りにも今ニーズにこたえられていないんであります。 その数値を出していただきまして、厚生副大臣、御答弁いただけますか。
○副大臣(衛藤晟一君) 公立と私立の問題と、それから無認可との問題が出ておりますけれども、特に公立と民間との中におきましては、定員の充足率等見ましても、民間の方はオーバー、それから公立の方は足りないというような形になっておりますし、また保育サービスにおきましても、公立と民間で見ますと、延長保育では約一・九倍、それから休日保育では八・六倍、一時保育では二・六倍というような差が起こっておりまして、とりわけ公立保育においてそういうサービスが行き届いていないということは言えると思います。 そういう中で、また待機児童につきましては、私どもは、大きく見まして今待機児童の多いところはむしろ大都市を中心にしてということが起こっておりますので、そういう中を見ますと、五十人以上の待機児童を抱えている市町村が約九十五ございますので、それが全体の待機児童の中で約四分の三を占めておりますので、そのようなところに向けて積極的に手を打ってまいりたいという具合に思っている次第でございます。
○中村博彦君 今私が申し上げさせていただいたのは、ある程度の保育所、幼稚園のこの開所時間というのは、保育所、最低八時間、開所日数が三百日以上と、そして幼稚園が四時間、そして幼稚園は三十九週以上と。春・夏・冬休みがあります。そして公立は限りなく、財務大臣、公立は限りなく今の最低基準に近い形で開園をいたしておるわけでございます。だから、データを一つ見ましても、その基準、三百日以上。これ、高校野球であったら絶対甲子園は行けませんよね、三百日ぐらいの練習では、そういう状態でございます。 そして、特別保育というのがあるんですけれども、延長保育、今の八時間以上を延長保育と。八時間ですよ。延長保育、休日保育、一時保育、病児保育とあるわけですよ。公立は全体の三二%しかできていない。休日保育に至っては〇・四%しかできていない。一時保育に至っては一三・二%しかできていない。これは一体、南野大臣、少子化対策でございますが、こういう実態は、先ほども衛藤副大臣言われましたけれども、公立から民というのはどうお考えでございますか。
○国務大臣(南野知惠子君) 法務省とは関係のないことでございますので、私個人といたしてお返事しようと思っておりますが、今先生のお尋ねの公立と民間と、この問題点につきましては、本当に民間の方々はフレキシビリティーを持たせながらよくやってくださっているなというふうに思っておりますし、それは各園ごとにどのように体制を取っていこうかというふうに決めているところでございますので、その園の主体性ということもこれありと思っております。 それから、先ほど待機児童が少ないというような、待機児童の問題もお話しになられましたが、やはり都会と田舎ということでは、これ大幅に違ってまいります。子供の、働く母親の多いところというようなところにも差が出てくると思いますけれども、もう一つ、今みんなが願っているのは働いていない母親も預けさせてほしいと、そういう願いも出ておりますので、そういうフレキシビリティーをどのようにしてくれるのかというところも一つのポイントであろうと思います。
○中村博彦君 大臣も御存じのとおり、幼保一元化を受けまして、総合施設、進んでおるわけでございますが。そして、先ほども申したように幼稚園の保育、役割というものは大きく今重要視されてきたわけであります。 しかしながら、もう簡単に申し上げますけれども、保育士資格と幼稚園教諭資格の中で、幼稚園教諭の必須科目の中に、保育原理、養護原理、児童福祉、社会福祉、社会福祉援助技術、小児保健、精神保健、小児栄養、養護内容、乳児保育、そういう保育士は必須であるけれども幼稚園教諭は必須でないという条項がいまだに改まっておりません。これ文科省がもう一度考え直していただきたいわけでございます。 もう時間がございませんので答弁を求めませんけれども、次に、先ほど申し上げた一番の問題点は、これは南野大臣には申し訳ないんだけれども、財務大臣、保育所は月額六万円の公的補助が出るわけであります。だから、問題なのは、この利用者は、保育所利用者は公的補助が厚いと。そこで、今問題になっておるのが在宅育児家庭の問題であります。在宅で育児する。すなわちイコールフッティングでないわけであります。これをやはりどうしていくか。在宅育児世帯、在宅育児家庭に対して社会的支援が全然ないと言っていいわけでございます。そこで、考えなくてはいけないのは、その無業の母に対する支援が必要ではないのかということでございます。育児手当というものが育児費用の支援という形で考えられてきておるわけでございまして、この育児手当の創設が必要でないのかと。 確かに、児童手当というのは大きく平成十六年から拡充をされてまいりました。小学校三年生、九歳まで、九百四十万児童に支給されております。支給率八五%であります。しかし、先ほど申した保育園の公的補助とは二重になるわけでございます。この二重給付というのはまず考えなくてはいけない。そして、予算も約六千億円の予算が出てございますが、児童手当については。育児をするという視点から考える、その育児手当というものが必要でないかということでございます。 そして、大臣に、財務大臣にお聞かせ願いたいんですけれども、税制改革がございますけれども、やはり私は、扶養控除、基礎控除ございますね、配偶者控除とか、僕はやっぱり一番はそこを分析し直して子育て控除というのを考えていかなくてはいけないんでないかと、少子高齢社会に合わせた。それをどのようにお考えになるか、その辺も含めて総括的な御答弁をお願いいたしたい。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、中村委員の御質問を伺いながら、私も思い返しますと、国会出て初質問は保育の問題、幼保一元化の問題、もう昭和五十八年のことでございますが、させていただきましたのを思い出していたわけでございます。 しかし、今少子化が大問題でございますから、きちっと私どもも考えていかなければいけませんが、税についてお答えをいたしますと、確かに現在、扶養控除というものがあるわけでございますけれども、今後、特に所得課税を見直していくに当たっては、その控除全体をきちっと再整理といいますか、見直していかなければならないと。委員の御指摘のとおりでございます。 そのときに考えていかなければならない方向の一つは、やはり子供の育児といいますかね、あるいはこの少子化に対応してどういう、大変今高齢者の問題が大きく言われておりますけれども、子供たちの問題をどうしていくかということをやはり考えていかなければいけないと。 そのことは政府の税制調査会の答申におきましても御指摘をいただいておりまして、これは平成十五年六月の答申でございますけれども、「次世代の担い手である子供の扶養へ配慮することも考慮すべきである。」と。それから、その控除の問題に対しても、扶養に対する配慮について、少子高齢化における子育ての重要性を考え、今後、児童など真に社会として支えるべき者に対して扶養控除を集中することが考えられると。 これはまだもちろん一つの御提案でございますけれども、そういう御答申をいただいておりまして、私どももそういったことを踏まえながらこれから議論を整理していきたいと考えております。
○中村博彦君 今御答弁いただきましたが、やはりすべての家庭に子育て支援ということが最重要課題でないかと。 詳しく説明はできませんでしたけれども、公的補助は、保育園の利用者、幼稚園の利用者、家庭、それからまた市町村格差あり、公立民間格差あり、もう本当にアンフェアの世界をつくっておるわけでございまして、やはり同じ子育て支援というものの視点が要るんでないかと。そういうようなものを考えたときに、やはり私は、現在の少子化対策の予算は九省庁二百十事業、そして平成十五年度で一兆六千三百八十六億円を使っておるわけです。だから、私はやはりここで考えなくてはならないのは、少子高齢化省とか少子高齢化庁という形で一体的に、系統的に少子化対策に取り組む、この姿勢が必要でないか、そういう提案を申し上げて、質問を終わらさせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(鴻池祥肇君) 午後一時まで休憩いたします。 午後零時十九分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成十五年度決算外二件及び予備費関係六件を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○直嶋正行君 民主党・新緑風会の直嶋でございます。 今日は、北側国土交通大臣にも大変忙しいところ御出席をいただきまして、ありがとうございます。私は、今日は先日起こりました尼崎での列車事故について幾つか御質問させていただきたいというふうに思います。 質問に入る前に、死者百七名、負傷者四百六十数名という大変大きな被害が生じました。お亡くなりになられた方の御冥福を心からお祈りを申し上げたいというふうに思いますし、また、けがをされた方の一日も早い回復をお見舞いとともにお祈りを申し上げる次第であります。 あわせまして、被害者の救済活動を始めとして様々な形で御努力されました地元の警察、消防及び関係の皆さんの御尽力に対しましても心から敬意を表させていただきたいと思います。 さて、最初に国土交通大臣にまずお伺いしたいんでありますが、今回の事故の原因についてはいろんな角度から指摘や意見が言われております。もちろん、警察あるいは国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会による事故原因の究明を待つということになるんでありましょうが、私は、そういう中で、現時点における事故原因にかかわる様々な指摘を鉄道事業者を監督する国土交通省の御認識を伺う中で、当然行政府組織としての責任もあるというふうに思いますので、二度とこうした大惨事を起こさないための再発防止という視点から、率直に国土交通大臣に御質問させていただきたいというふうに思います。 まず、現時点において、事故の原因についてでありますが、もちろん詳細は、先ほど申し上げたとおり、警察や事故調査委員会の結論を待つわけでございますけれども、現在の段階でどのようにこの原因を見ておられるのか、分かる範囲で結構でございますので、大臣の御所見をお聞かせいただければというふうに思います。
○国務大臣(北側一雄君) 今委員のお話がございましたように、事故原因につきましては、航空・鉄道事故調査委員会が今究明中でございます。 現時点で調査の結果、少なくともこの事実は明らかだと言える話は、あの事故現場は半径三百メートルの右カーブの中ほどでございますけれども、委員も御承知かと思いますが、線路左側の電柱が大きく損傷をしております。また、そこのところに二両目の、パンタグラフといいまして列車の上に乗っかっているものでございますが、このパンタグラフが落下をしている等々、事故現場の状況から、制限速度を大幅に上回る速度により左側に脱線転覆したのではないかというふうに思われるわけでございます。 問題は、なぜそのような大幅な速度超過、あそこの箇所は制限速度が七十キロでございますけれども、それを大幅に超えるような速度が出ていたと思われます。なぜそのような速度が出ていたのか、そこが非常に重要なところだと思っております。車両側に原因があるのか、施設側に原因があるのか、それとも運転士の方の人的な要因に何か原因があるのか、それが複合的なものかもしれません。そうしたところを事故原因調査委員会が今究明をしておるところでございまして、ここは客観的、科学的に、非常に大事なところでございますので、きっちりと究明をしていただかないといけないというふうに思っているところでございます。
○直嶋正行君 もう一点、お答えにくいことをお聞きしたいと思うんですが、実は午前中のこの決算委員会の議論の中でも若干あったんですが、いわゆる新型ATSと言われる装置であります。 私も、事故の後、JR西日本の幹部の発言として報道されていました新聞を読んだ記憶があるんですが、新型ATSが設置されていればこの事故は防げたと、そういう趣旨の発言がされていましたし、現実に多くの専門家の方もそのように指摘をされています。私、素人でよく分からないところがあるんですが、確かに、新型ATSと、いわゆるATS—Pと言われるものだと思うんですが、いわゆる速度に反応するといいますか、そして制限速度を超えれば自動的にブレーキを制動させると、こういうふうに聞いています。 確かに、今度の事故は、今大臣お答えになったように制限速度を大幅に上回るスピードが出ていたということでありまして、その原因がどうかは別にしまして、そういった設備が付いていれば、確かに新型ATSの特徴を生かせればこの事故が防げた可能性が高いというふうに、素人目にもそのように思うんでありますけれども、この点についてはいかがでございましょうか。
○国務大臣(北側一雄君) 先ほど申し上げましたように、今回の事故が、制限速度を大幅に超過する速度で急カーブに来たというところが事故原因の大きな要因の一つであることは否めないと思います。 そういう意味で、今委員がおっしゃった、あのカーブの直前に、カーブの手前にATS—P型だとか若しくはATSの改良型のそうしたセンサー等が整備をされていたならば、今回の事故は防げた可能性は高いというふうに思います。
○直嶋正行君 ATSの話はまた後ほど時間があればお伺いしたいと思うんですが、もう一点、大臣に確認させていただきたいんでありますが。 現在、このJR福知山線は宝塚—尼崎間で運休しております。確かに今、ATSの話も含めて、大臣は新型ATSが設置されない限り復旧を認めないと、こういう声明を出されているというふうにマスコミ報道で承知をいたしておりますけれども、それは安全を重視するという意味で申し上げますと考え方として当然のことかもしれません。 ただ、この沿線の利用者は大変な私は不便をかこっているんではないかというふうに思っております。この福知山線を利用されていた方々の足の確保としてどういう措置をされているのか。あるいは、私が聞いているところによりますと、振替運転されているんですが、宝塚駅の混雑が物すごい、ピークのときにはお年寄りや特に小さな子供さんたちが非常に大変な目をしていると、こういう、実はこれは聞いた情報でございますので、事実関係をこの目で確認したわけではございませんけれども。 そういう状況も考えますと、やはり一日も早い運行の再開が望ましいと、こう思うんでありますけれども、いつごろぐらいを念頭に考えておられるのか、その点も含めてお答えをいただければと思います。
○国務大臣(北側一雄君) このJR福知山線、宝塚線とも言われますが、これは二十万人を超える利用者の方々が御利用になられておられます。そういう意味で非常に大きな動脈であるわけでございます。私どもの生活の足になっているわけでございまして、今大変利用者の方々に御不便を掛けておるところでございます。そういう意味で、早期の再開を、できるだけ早期の再開をしていかねばならないというふうに考えているところでございますが、しかしながらこのような大惨事が発生をしたわけでございまして、やはり安全対策がしっかりと取られることが運転再開の前提だというふうに考えているところでございます。 その一つの条件といたしまして、先ほど来話が出ております、元々この宝塚線のところにつきましては、JR西日本がこのATS—P型という自動制御装置をまさしく取り付けようとしておったところでございまして、既に工事にも入っておりました。六月にはそれが完成をいたしまして、整備がなされるという段階で起こったこのような重大事故であったわけでございます。まず、その一つの条件として、まさしくJR西日本がやろうとしておったこのATS—P型の設置を、これをやはりきちっとやっていただくことが運転再開の前提と考えました。 また、このような重大事故でございますので、JR西日本としても再発防止に向けての対策を当然今、社を挙げて検討をしていただいております。こちらの、私どもの方から指示もさせていただきました。これが、今月の末にはこの安全性向上計画が出てまいる予定でございます。しっかりとその間も私どもと連携を取って、しっかりした再発防止策を取りまとめをお願いしたいと思っておるところでございますが、これも今月末に出てまいります。 そういうことで、そうした安全対策がきちんと取られ、利用者の方々に信頼を回復することができて初めてやはりこの運転の再開というのがあるのではないか。早期の再開をしなければならないと思っているところでございますが、今日のところは、時期についてはなかなか申し上げられないところでございますが、できるだけ六月の早い段階に運転再開ができるように進めたいというふうに今考えているところでございます。 また、代替輸送のことでございますが、利用者の方々にできるだけ、この代替輸送で大変御迷惑をお掛けをしておりますけれども、振替輸送ができるように今やっているところでございまして、周辺の私鉄、阪急、神戸電鉄等、こうしたものによる振替輸送、JR西日本の定期券を持っていればそれで乗車できるということでございますけれども、また連休が明けました五月九日からは、阪神電鉄、さらには路線バスも大きく拡充をさせていただきまして、バスによる大阪市内の方向への輸送も今しているところでございます。 今御指摘ございましたJRの宝塚駅の件でございますが、これは施設の改良を行いまして、できるだけ利用者の方々に不便を掛けないよう改良を行って、振替輸送機関への乗換えの利便向上を図っているところでございます。
○直嶋正行君 ありがとうございました。 続きまして、運行ダイヤといいますか、この問題について国土交通省の御認識をお伺いしたいわけでありますが、事故の原因究明は、さっきお話がありましたように今その最中でありますけれども、列車が度々遅れて、そのダイヤの遅れを取り戻すためにスピードを上げて回復運転に努めていたと、こういうことも報道されております。 私は、定時運行を求められるJR西日本の乗務員の業務体制の問題というのが大きいんではないかとも思いますが、ただ、ダイヤを私も見ましたけれども、数だけでいいますと、大体ここでピーク時で四分に一本ぐらいでしょうか。東京圏で暮らしている者からいいますと、必ずしも過密とは言えない状況でありまして、私はむしろ、過密というよりも、ダイヤの時間設定そのものにかなり無理があって、常習的な列車の遅れが出ていたということもあります。そういうこともたくさん報道されておりますけど、そこに問題があるとすればあるんではないかと、そのようにも受け止めているわけであります。 それで、このダイヤの運行計画というのは、鉄道事業法十七条に基づく国土交通大臣への届出という形になっております。したがって、当然、国土交通省としては、その届出をされたダイヤを見て、この編成は無理があるのかないのか、当然これは審査をされているというふうに思います。もちろん、届出でありますから許可をもらって動くというものではありませんが、監督官庁としての審査をされているというふうに思うわけであります。 で、先ほども申し上げましたけれども、常習的にこのダイヤどおり運行されなくて遅れが生じているとか、そういう御認識があったのかどうか、それからそのことに対して国土交通省として何らかの御指導をされてきたのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(北側一雄君) 今委員御指摘のように、運行ダイヤにつきましては国土交通相への届出がなされるものでございます。その届出の内容がきちんと安全性が確保されているかどうか、それは当然チェックをしなければならない義務があるわけでございます。 この運行ダイヤにつきましては、当然これは前提として制限速度、制限速度がきちんと守られてこの運行ができるのかどうか、そこが一つは当然チェックがなされているわけでございまして、そういう意味では、この福知山線の路線につきましても、制限速度を守りながらこの運行ダイヤによる走行は可能というふうな判断をしているところでございます。 ただ、これは事故原因の今後の究明にかかわってくる問題で、安易に予断を与えることはできないわけでございますが、仮にこの運転士の方々に心理的なプレッシャーを与える、その余裕を失わさせてしまうというふうな運転ダイヤ、要するに余裕が十分に保たれた運行ダイヤであったかどうかということは、これはきちんと検証されていく、調査されていく必要があると私は思っているところでございます。 そういうこともございまして、今回の事故を受けまして、全国の主要な鉄道事業者に対しまして、列車の運行ダイヤ等を適切に設定しているかどうか、是非緊急点検やってもらいたいということで指示をしたところでございます。
○直嶋正行君 さっき私、ちょっと質問の中で申し上げたんですが、今ダイヤのチェックの話はいわゆる制限速度内で運行可能かどうかと、こういうチェックはしているということだったんですが、このダイヤがそのとおりに運行されずに常習的に遅れが出ていたと、こういうことについては国土交通省としては情報をつかんでおられたんでしょうか。その点、確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(梅田春実君) 当該の列車につきましてどの程度遅れが出ていたかにつきましては、我々、残念ながら今まで存じ上げておりません。
○直嶋正行君 当該列車、事故を起こした列車の話をしているんじゃなくて、先ほど大臣に御質問申し上げたように、このダイヤが届け出られた後、実際の運用の中で、報道なんかでは常態的に遅れが出ていたということも報道されているわけですけれども、そういう事実については国土交通省としてはつかんでないと、こういう理解でよろしいわけですね。
○政府参考人(梅田春実君) 全体的にダイヤが設定された後どの程度の遅れが出るかというのは、実際に走らせてみて、様々なケースがございます。したがいまして、こういうダイヤ、遅れのチェックをJR西日本がやっているということは知っております。 ただ、今回のこの路線で全体的にどうかと聞かれますと、全体的にどの列車がどういうふうに遅れているかということについては我々は存じ上げておりません。全体としてダイヤ設定した後、もう一度次のダイヤ設定に向けて調べてまいりますから、その状況を彼らが把握しているというのは我々も知っておりますし、次のダイヤ改正のときにはそういうことは聞いて我々は判断してまいりたいと、判断してきているところでございます。
○直嶋正行君 ちょっとよく分からないんですけれど、要するに、ダイヤを設定して、その後そのダイヤがどういうふうに運行、運用されているか。いや、一つ一つじゃなくていいんですよ。しかし、報道なんか見ると、もうしょっちゅう遅れていると。例えば、こういう事実が、情報としてつかんでいたのかどうかということなんですよ。 それは、だからJRが後をいろいろフォローしているのは聞いているけれど、知らないと、聞いていなかったと、こういう返事でよろしいんですか。
○政府参考人(梅田春実君) 全体として作られたダイヤが時刻どおり運行されているか、一分か二分遅れているか、平均的にどの程度遅れているか、こういう問題につきましては、我々は監査に入りますが、監査に入ったときなどには向こうにお尋ねをします。 ただ、ダイヤにつきましてその遅れを定常的に報告するような仕組みにしておりませんので、そういう意味では、すべてのダイヤを定期的につかまえるような格好にはなっていないということでございます。
○直嶋正行君 ちょっと時間の関係もあるので、次の質問と併せてお聞きしたいと思うんですが。 二〇〇二年でしたかね、京都ではJR西日本が事故を起こしまして、これに対して、これ出雲の事故もそうなんですが、併せて事故調査委員会が、JR西日本においては定時運行にこだわる意識が強過ぎると、こういう意味合いの調査報告書をまとめておられます。これは私も今手元にありますけれども、分厚い報告書ですが、要約しますとこういう内容だったというふうに思います。 それからもう一つは、これは衆議院でも出ていましたが、今年の一月でしたか、大阪地裁で判決が出ていますね。東海道線の二重衝突事故に関して、ダイヤの早期正常化に関心が傾き過ぎていたために救命救急隊の方をはねてしまったと、こういう事故なんですが、こういうことも含めて、事実として判決が出ている。事故調査委員会からもう既に、これだけじゃないですね、似たようなことがいろいろ指摘されている。このことに関して国土交通省としては何らかのアクションを起こされたわけでしょうか。
○政府参考人(梅田春実君) 事故ダイヤ、今先生御指摘のこれに対して直ちにというわけではございませんが、JR西日本はいろいろと、オーバーランとかいろいろ多うございましたので、三月でございますが、担当者を呼びまして、そのダイヤ、それから運転、運行状況についてどうなのか。オーバーランが多いというのはちょっと問題であるよというような指摘をして指導したことはございます。
○直嶋正行君 もう一つ、このダイヤ編成についてお伺いしたいと思うんですが、これは今後のことについてなんですが、今ダイヤ編成というのは届出になっておりまして、御答弁あったように、その実行可能性や、あるいは届出どおり運行されているかについて確認をされているということなんですが、今、三月に指導しましたということなんですけれども、私は今回のようなこういう大きな事故が起こったということを併せて考えると、やはり届出を受けた後、様々な指摘もある中で国土交通省としての対応にやはり問題があったんじゃないかと。まあ、どこにどういう問題があったのかは分かりませんが、結果的にこういう事故が生じたということを含めて考えますと、何らかの問題があったと、そのように受け止めるべきだと思うんですけれども、これは大臣、どうなんでしょう。
○国務大臣(北側一雄君) こうした大惨事が起こってしまったわけでございまして、今委員のおっしゃった御指摘については、私は謙虚に受け止めないといけないというふうに思っているんです。やはり、安全性の確保というのが鉄道事業者にとりまして最大の利用者に対するサービスであり、最大の役割、使命でございます。少々遅れようが安全性をきちんと守っていくということが、具体的に言いましたら、制限速度をきちんと守るということが大切なわけでございます。 私は、こうした重大事故が起こったわけでございますので、行政上の鉄道事業者に対するかかわりが、当然これまでも様々、手段として制度化されているわけでございますが、それが制度として法令上十分なのかどうか、また運用上十分なのかどうか、そこは謙虚に検証をしていく必要があるというふうに思っております。 やはり、安全確保ということを最優先にしていく必要があるわけでございまして、行政としても、そういう面でしっかりと事業者に対して更に指導が強化できるようなことをやはり検討をしていかないといけないのではないかというふうに考えております。
○直嶋正行君 今、この事故の後、国土交通省で各鉄道事業者に対して調査をされていますね。この点についてちょっとお聞きをしたかったんですが、時間の関係ありますので、また改めて機会があればお伺いしたいと思います。 次に、いわゆる、何て言っていいんですかね、専門用語で線形改良と言うんですかね、線路のカーブを、これも新聞等で報道されていることでありますが、いわゆる東西線との接続の利便性を高めるために、JR尼崎駅についてこの軌道変更を行っております。これは、正に今回、事故があったカーブはその入口だというふうに思っておりますが、この軌道変更についても、これも先ほど申し上げた鉄道事業法、これは十二条だったと思いますが、これに基づく認可、国土交通大臣の認可と、それから鉄道営業法に基づく技術基準への適合が必要だと、このようにされていると思います。 当然、営業法に基づく省令にあるとおり、認可に当たっては安全性を確保しなければならないと、こうされているわけでありますが、このカーブの線形変更というんですか、線形改良というんですか、この部分について安全性が十分確保できると、こういう判断で今回も認可をしたと、あるいはこのカーブそのものが安全であると、こういう御認識であったということでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(北側一雄君) これも、ですから制限速度がきちんと守られているということが大前提でございますが、安全性は確保されておるというふうな認識でございます。
○直嶋正行君 実は、このカーブについては、事故のすぐ後だったと思うんですが、JRの関係者が、計算上時速百三十三キロぐらいまでは脱線を起こさないんだと、そういう設計になっているんだという趣旨のことを発言されています。 しかし、過去にこの同じR三百のカーブの、そのぐらいのカーブでやはり百キロぐらいで脱線したケースというのは何件かありますよね。もう当然御存じだというふうに思いますが、函館でのJR貨物の脱線事故とか幾つかございますし、海外でも、アメリカなんかでもそういう例がございます。 これについても、結局、こういうことをきっかけに急カーブ対策というのはそれぞれ対策を打ったというふうに聞いています。例えば、先ほど来議論のATSも含めて対策を打たれたというふうに聞いていますが、特に、JRでいいますと東日本とかJR東海、これは改良型も含めてそういう対策を打ったんだけれども西日本だけがまだだったと、こういうふうにも報告されております。 したがって、まずこのことについて、私が今申し上げたような認識でよろしいのかどうか、ちょっと確認をさしていただきたいと思います。
○国務大臣(北側一雄君) あそこの事故現場は、直線のところは制限速度が百二十キロでございます。そこからカーブに入っていくわけでございますが、カーブの手前から当然この制限速度は落としていくことになるわけでございますが、カーブのところは制限速度七十キロというのがあの事故現場の状況でございます。 先ほど委員が、JR西日本の方で事故直後に、制限速度が百三十何キロでなきゃ脱線しない、あれは全くの、何といいますか、後々彼らも認めておりますが、それ自体は正しい話ではございません。当然、様々な要因が重なってこれは脱線をするわけでございまして、委員のおっしゃったとおりでございます。 で、JR西日本につきまして、このATSのP型と言われているものですね、こういう自動制御装置につきましては、委員も関西でいらっしゃいますのでよく御承知かと思いますが、環状線とか大阪から京都に行くものとか、中心的なところはこのATSのP型というのは既に整備されておりました。唯一、非常に多くの方々が利用される路線、区間の中でこの宝塚線、JR西日本の宝塚線のところがちょうどこのATS—Pの整備を進めている真っ最中で、そのときに今回の大変な事故が起こってしまったわけでございます。聞いているところによりますと、予定では今年の六月にはそもそもこのATSのP型が整備をされるはずだったところだというふうに聞いておるところでございます。 それともう一つ、少し専門的な話になるかもしれませんが、このATSのP型であれ改良型であれ、またこのカーブの、カーブのところの速度を今問題にしております。このカーブのところの手前に、きちんとしかるべきところにそのセンサーが装備される必要があるわけでございまして、そうした直線距離の、直線のところの制限速度が幾らなのか、カーブのところになったら幾らに落とさないといけないのか、その落差はどれぐらいなのか、そのカーブが半径何キロメートルのカーブなのか、そういうことも今全国の鉄道事業者に調査をしているところでございますけれども、そうした直線からカーブに入るところが、本件ではこれは五十キロの落差があるわけでございますけども、そうした速度を相当、徐々にでありますが、落とさないといけないところのカーブの手前にはやはりこうしたATSのP型なり改良型なりをやはりきっちりと整備をしていただく必要があるのではないかということで、今その義務化を検討しておりまして、その対象区間をどうするのか等は今月の末までに、今議論をしておりまして公表さしていただきたい。そして、事業者の方々にそうした地点についての装備を義務化をお願いしたいと思っているところでございます。
○直嶋正行君 谷垣大臣、今、北側大臣から御答弁ありましたが、JR西日本だけではなくて今全国的に国土交通省でそういうチェックをされて、これから安全装備、特にATSが問題になると思うんですけれども。で、これを早急に行おうとすれば当然来年度予算ということになるんでしょうかね。そうすると、例えば六月ぐらいまでにある程度手を打っていかないと、政府として例えば何らかの援助を考えるとすればこれは間に合わないと、こういう理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) まだ来年度予算の編成に関しては十分議論が進んでおりませんので、確定的なお答えはできないわけでございます。 ただ、先ほども自民党の中村委員に御答弁しましたように、基本的には安全確保というのは鉄道事業者の最大の使命でございますから、本来鉄道事業者でやっていただく。ただ、経営の状況の悪いところはそれでは進みませんので、それに対してどういう形ができるかということで近代化資金を用意しているわけでございまして、それをどの程度また予算上考えるかということについては十分国土交通省と協議をしていきたいと思っております。
○直嶋正行君 ちょっと私の時間がなくなってしまいましたので、もう一点ちょっと予算に関してお伺いしたいんですが、この平成十七年度予算の国土交通省のこの鉄道の部分を見ますと、いろんな項目あるんですが、いわゆるこのバリアフリー化設備等の補助として鉄道事業者に三十二億円というのがありまして、大きいのは新幹線の整備事業、これはもう別にしますと、都市鉄道・幹線鉄道整備事業に四百五十三億円というのが出ています。 この四百五十三億円の部分をちょっと私も予算書を見てみましたが、例えば、地下高速鉄道の路線の整備とか、同じようないわゆる鉄道整備という項目になっていまして、安全対策というのが余り明確には出てこないわけなんですが。こういう状況の中でいいますと、さっき財務大臣が御答弁ありましたが、赤字事業者だけに補助をして、あとは自前でやりなさいと、こういう考え方だけでは、今いろいろ指摘されているような安全面への対応をしていこうとすると、私はちょっと限界があるんじゃないかなと。場合によっては、従来考えていた事業を少し遅らしてでもやはり安全面の対策というのは手を打っていかなきゃいけないんじゃないかとも思うんですが、この点については、大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(北側一雄君) 予算面の対応、予算面の配分の問題も、今委員の御指摘のあった安全性の確保のところにもっとシフトをしていくべきではないのかという御趣旨かと思いますが、それも含めてしっかり検討をさせていただきたいと思っております。
○直嶋正行君 財務大臣、ちょっと今、国土交通大臣とやり取りさせていただいたんですが、これは内閣全体の、やはりこれだけの大きな事故の後でありますから、やはりお金の使い道も含めてこれは再検討をしていかなければむしろいけないんじゃないかと。赤字のところだけ、小さなところだけ応援してやるではちょっと問題が残るんじゃないかと思うんですけれども、ちょっと大臣の所見、伺わしていただければと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 安全対策並びにそれに係る経費というものについてまだ十分私どもも把握ができておりませんので、何ともお答えいたしかねるわけですが、ATSの近代化そのものですと私はさほど大きな投資額にはならないのではないかというふうに考えておりまして、かなり経営状態のいいところでは十分、本来自分のところでやるべきだという考え方で賄い得るのではないかというのは私の今の印象でございまして、この委員会で実はまだいろいろ資料、材料整えて責任を持ってお答えできるところまで検討は進んでおりませんが、現時点ではそんな感じを受けております。
○直嶋正行君 もう私の持ち時間来ましたんで、これで終わらせていただきます。 ちょっと事前に申し上げたこと、すべてお聞きできずじまいでありますが、また機会もあろうかと思いますんで、その次の機会に譲らせていただいて、私の質問はこれで終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○松井孝治君 民主党の松井孝治でございます。 今日は大勢の閣僚にお見えいただきまして恐縮でございます。時間がありませんので早速本題に移らせていただきます。 まず、経済産業省から政府参考人お見えだと思うんですが、会計検査院が、今日お手持ちで、今委員の皆様方にも配付させていただいています。これは二〇〇三年十一月の読売新聞の記事でございます。会計検査院が産業再配置促進費補助金について指摘を平成十五年度の報告でされておられます。 それで、経済産業省の政府参考人、工業再配置法という法律の公布日はいつですか。
○政府参考人(薦田康久君) お答えいたします。 同法の公布日は昭和四十七年六月十六日でございます。
○松井孝治君 そうなんですね。ちなみに、その年の六月二十日に「日本列島改造論」というのが初版で発行されております。要するに、工業再配置法あるいはこの補助金というのは、正に日本列島改造論の思想に基づいて作られた法律であり補助金であるわけであります。 私も地元に郡部を抱えております。谷垣大臣と同じところ、実は昨日も行っておったんですが、この補助金がたくさん使われている地域もよく存じ上げています。しかし、これはやはり時代が大分変わってきておりまして、この補助金の実際の交付実績というのは随分変わってきております。 経済産業省の政府参考人の方から、補助金の交付実績、最近の数字、もう短くでいいですから御紹介いただけますか。
○政府参考人(薦田康久君) お答えいたします。 この補助金の執行額でございますけれども、平成八年当時、執行額約六十六億五千五百万でございましたけれども、これが平成十二年の段階で執行額三十億五千四百万、それから平成十六年度で二十九億六千三百万となっております。
○松井孝治君 どんどん補助金の交付額も減っています。 この新聞記事を御参照ください。その他の閣僚の皆さんもちょっとしばらく御参考までにお聞きをいただきたいと思いますが。 この最初の一段目のところに、これはまあ工配補助金、産業再配置の補助金というのは、基本的に移転促進地域という過密地域から誘導地域と言われるような郡部で工場等ない過疎地域に工場を移転する。それに当たって、まあ昔は特に公害真っ盛りの時代でしたから、忌避施設、住民から嫌がられる施設ですから、その自治体やあるいは企業にいろんな研修施設、箱物の補助を付けてあげよう、そういう法律なわけですね。 それで、ここに指摘されているのは、一段目の一番左の方、「だが、町の研修施設は県内企業が新設した工場から十キロほど離れており、子供会や学生の合宿場所としての利用がほとんどだった。」。その次の段、「経産省の審査中に工場が倒産したり、単なる工場の建て替えだったりした場合でも交付されていた。」。上から四段目の右の方に、「三十年前と違い、今はどの自治体も工場誘致に取り組んでいる。」。補助金制度を自分で持っていると。 麻生大臣も今日御出席ですが、基本的に財源移譲をして、それはまあ自治体が自分たちの発意でそういうものを誘導していく、そういう時代に変わってきているというのは明らかです。中川大臣もお見えでございますが、経産省も、恐らく今日ブリーフィングを伺われたと思いますが、元々こうやって工場に着目していたんですが、工場だけじゃなくて、ハイテクの研究開発施設とかあるいはオフィスとかあるいはデザインセンターとか、そういったものをもっと誘導対象にしていかなければいけないというふうに変えています。もっと言うと、その移転促進地域で、過密地域から過疎の地域に工場やいろんなものを移転するという考え方だけではなくて、集積自体に意味があるんだと。むしろ、その産業集積をどうやってつくっていくか、その環境整備をしていかなければいけないというふうにかじを明らかに切り始めていると思うんです。 この法律、工業再配置法というのは角栄法というふうに言う方がいらっしゃるそうです。そういう本も出ているそうです。私は、今、田中角栄さんが生きておられたらこういう法律を今でも生かしておられるかどうかというのは極めて疑問だと思いますから、単に角栄さんがすべて悪かったというような言い方をするのは的外れだと思いますが、明らかに制度が変わっているんですね。その環境が変わっているんですね。 会計検査院はこれを取り上げていただいたんです。ちょっとこれ皮肉な記事で、何かいかにも会計検査院が及び腰だというような記事ですが、実際はこれから一年遅れて会計検査院は報告に盛り込みました。一年遅れたというのはいろいろの経緯があって、ちょっと検査院長笑っておられるけれども、恐らくいろいろあったんでしょう、役所とのやり取り。だけれども、結果として平成十五年度年次報告、今回の年次報告にこれは取り上げられた。 要するに、見直す必要がある。これはいわゆるところの、別に、一部にはそれは不当な補助金交付もひょっとしたら、つぶれているものに補助金出しているというのは不当かもしれないけれども、それよりは、むしろどちらかというと政策評価的にそろそろ、これ大臣の地元が、実は福知山市が一番今まで交付もらっている回数ナンバーワンなんですね、それは私にも降り掛かってくる話なんですが。だから、つらいところはあるけれども、従来は、これ政治家はどちらかというとこういうものは温存してくれということだったんだけれども、それはそれで役に立ってきた部分はあるんですよ、自治体の首長さんなんかから見れば。だけれども、やっぱりこれはそろそろ見直さなければいけない。 会計検査院に伺いますけれども、これ実際、例えば小さな市町村に箱物を交付していて、十キロ離れて、そこに体育館か研修施設か何か知りませんが、そんなものを造っても、実際のその工場誘致とは関係ないわけですね。市町村単位で十キロというと相当離れていますよ。 あるいは、本当にこれ、つぶれた企業に補助金交付されるような事例が実際調査されたものの中であったのかどうか。この記事だけを根拠に言うのもなんですから、会計検査院の検査の中でそういう事実はあったのかどうか。あったかなかったか、端的にお答えください。
○会計検査院長(森下伸昭君) お答えいたします。 ただいまの十キロ離れたようなところに施設があったかどうかということですが、我々の検査の結果、そういう施設も見受けられたということでございますし、それから新聞記事でいいますと、補助金申請のときは工場存在していたが、交付のときには工場は倒産していたというものも一件だけですけれどもありました。
○松井孝治君 あったということですね。新聞記事はその意味においては正確であるということであります。 それから、もう一つ伺いたいんですが、この工業再配置法というものに基づいた補助金なんですね、この補助金はね。それで、工業再配置法の中には、経済産業大臣は、中川大臣は工業再配置計画を策定しなければいけないという義務規定があるんです。 経済産業省、政府参考人で結構です。工業再配置計画、今策定されていますか。
○政府参考人(薦田康久君) 御説明いたします。お答えいたします。 現在、この工業再配置計画につきましては、これまで昭和五十二年に六十年を目標とする計画……(発言する者あり)現在、十三年以降を目標とする計画はございません。
○松井孝治君 要するに、平成十三年以降、今何年ですか、平成十七年ですね、もう十三、十四、十五、十六、十七と足掛け五年間、工業再配置計画は策定されてない。工業再配置計画を策定して誘導する、そのこと自体がひょっとしたらもう時代からいってどうだろう、見直さなければいけないという議論があるのに、策定されてないんですね。 法制局においでいただいていますが、これ別に私、違法とかそういうことをここで言うつもりはありませんが、法律上、これ工業再配置計画が策定されてないというのは適切なのか不適切なのか、あるいは法律が想定している状態なのか。一番最後の質問に答えてください。法律は工業再配置計画が五年間策定されていない状態を想定していますか。
○政府参考人(梶田信一郎君) お答えいたします。 法制局といたしましては、お尋ねの事案につきまして、必ずしもその詳細につきましては承知しているわけではございませんので、御指摘のございました状況が工業再配置法に照らしまして問題であるかどうかという点につきまして一般論として申し上げたいと思いますけれども。工業再配置法の第三条一項では、経済産業大臣は工業再配置計画を定めなければならないと、今御指摘ございましたような趣旨の規定が定められておるところでございまして、相当の期間にわたりまして工業再配置計画が定められていない、そのことにつきまして特段の合理的な事情がないということでございますれば、そうした状況はこの三条一項の規定の趣旨に反するのではないかというふうに思います。
○松井孝治君 法制局のお立場ではそれ以上言いにくいでしょうね。要するに、合理的な事情がなければ法律にやはり反するおそれがあるということだと思うんですよ。 それで問題は、これは合理的事情があるかどうかという点なんですね、大臣。私は、正直申し上げますと、昔、お役所に勤めておったこともありますから、いろんな人に話を聞きますよ。それはやっぱりもうそろそろこういう時代ではない、そういうことは恐らく経済産業省の役所の人も気付いてはいる。気付いてはいるけれども、じゃどうしたものか。自治体の首長さんなんかの集まる、やっぱりこの補助金を出してくれという、そういうグループもあるわけですね。 一番使っているのが福知山市だというとやっぱりちょっと、御本人はおっしゃってないでしょうけれども、なかなかやっぱりそういうことを廃止していいものかどうか、それを役人の判断でそういうことを申し上げていいかどうかというちゅうちょがあるというのが現実だと思うんです。 そうだとすれば、やっぱりこれは後で谷垣大臣からも、一般論でも結構ですから感想を伺いたいと思いますけれども、やはりこういう政策を見直すのが本来、国会の役割であり、あるいは内閣を構成される政治家の役割ではないかというふうに思うわけであります。 それで、具体的にはそう申し上げた上で、中川大臣にも御意見を伺いたいと思いますけれども、例えば大臣、これ質問通告していませんけれども、東京の大田区でどれぐらいの工場が減っているかというのは御存じでしょうか、数字を。と急に言われても、相当減っているなということは御認識だと思うんですが。 これ、私、財団法人大田区産業振興協会というところの資料で見ましたら、九千工場あったのがもう今六千工場に、三分の二に減っている。それから大阪でいうと、東大阪でもやっぱりここ十年ぐらい、それも平成二年から十二年ぐらいの資料ですから最近はもっと減っているんじゃないかと思うんですが、四分の一減っています、事業所が。そういう状況なんですね。ですから、追い出しを掛けるという対象になっているところ自身が物すごい歯抜けの状況になっている。 委員長の御地元の尼崎という町は物づくり特区ということで、もうこの工配法の適用を外してくれということで認められました。東大阪もそうです。京浜工業地帯は、松沢神奈川県知事とか横浜中田市長、それから川崎市長連名で、もうこの移転促進地域ってやめてくれと。もうただでさえも空洞化が進んでいると。そういう自治体の声も他方であるわけです。他方で、当然のことながら、過疎で工場欲しいという、その福知山市もそうです。それは私自身も郡部で選挙区を持っていますから、そういうところはたくさんある。 だけれども、もう日本全国が言ってみれば産業集積をつくっていかなければいけないときに、移転促進地域からお土産付けて、しかも、これはもう個別のあれは言いませんけれども、この検査院の検査の結果、物すごく利用度の低い施設がたくさんあるんですよ。北海道でも、ある施設なんかはもう二、三%しか使われていませんというものもある。そういう状況の中で、昔の公害問題が非常に盛んなころの、箱物を付けて、お土産を付けるから引き取ってくださいと。言葉は悪いですけれども、そういう政策というのはやっぱり見直していかなければいけないんじゃないか。 私、これはやっぱり大臣、経済産業大臣なり財務大臣がここは重く受け止めていただきたいと思います。 本来であれば、ちょっと経済産業省の新しい地域の経済分析、これ正に福知山も分析されているんですね。その分析というのは面白くて、僕も聞いて面白いなと思ったんですけれども、福知山なんかはむしろ工業集積が大分進んでいてうまくいっていると。だけれども、商業集積を、もうちょっと福知山市プラスアルファの、もう少し市単位よりは周辺市町村まで含めて商業集積を加えることによって、物すごく地域の振興効果があるんじゃないか。要するに、工業だけではない、しかも市町村単位ではない、もうちょっと広域で経済を振興していくという発想を持たなければいけないということは、実はこの工業再配置法を見ている部署はそういう勉強会もやっておられるわけです。私の地元の京都市とか、あるいは大臣の地元の福知山市とか、そういうところの分析もされているんです。 ですから、ここで私としては、役所の従来の工業再配置法を見ている部署が計画を作っていない、それを、じゃ、本当は法律義務違反じゃないかみたいなことを言うというよりは、やっぱりこれをそろそろいい機会なので見直していくべきではないか。会計検査院の検査の結果も、やはりそれは見直すべきではないか、再考を促していると思います。 ここで経済産業大臣、そして恐縮ですが、財政担当でもあり、地域としてこういう問題、肌で感じておられる財務大臣の順番で結構ですので、この問題について見直していこうじゃないかという政治的な答弁をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) 今までは、松井委員御指摘のように、現時点で計画がないということは、形式論かもしれませんけれども、一つは全総が今ない時代に入ってきているということで、今までは全総にのっとった形でこの工業再配置という政策を取ってきたことはもう松井委員も御存じのとおりだと思います。 また、時代によって産業集積、とりわけ工業、商業と二つ御提起になりましたけれども、これが必要だということは、実は私の地元北海道の地方ですけれども、ニーズは依然として高いわけでございまして、そういう意味で、福知山あるいは全国に時代に合った形のそういう集積を望んでいる地域はまだまだあるんだろうと思います。そういう意味で、地方が主体となった集積のニーズというものは大きいんだろうと思います。 他方、大田区とか東大阪のような中小企業の集積地域、かなり数が減っている。これは一つには景気が悪いということもあるんでしょうし、随分と周辺の中小企業が中国とかああいうところに進出しているということの影響もあるんでしょう。いろんな影響がありますけれども、他方、元気な中小企業もよく例示的に東大阪あるいは大田区で出てまいりますけれども、こういうところにも頑張ってもらいたいというふうに思っておりますので、時代に合った形での産業政策というものを経済産業省、政府が後押しをするということは私は必要なことだろうと。 松井委員も御勤務されました経済産業省は、そういう時代のニーズに的確にスピード感を持って対応できる役所だというふうに思っておりますので、そういうニーズにこたえられるような政策を今後も推進していきたいというふうに考えております。
○松井孝治君 大臣、それは、この産業再配置の補助金の見直し、工業再配置法の見直しも含めて、新しい政策の在り方を検討していくという御答弁と解してよろしいですか。
○国務大臣(中川昭一君) ですから、日本列島改造論時代に必要であったこの法律が時代とともにその目的が変化していくということであれば、法ありきではなくて、時代のニーズにこたえるべき政策という意味でそれはもう柔軟に対応していく必要があると思っています。
○松井孝治君 ありがとうございます。是非そういう趣旨で政策の見直しというものを果敢に行っていただきたいと思います。 私、申し上げましたのは、別に過疎地域、田舎の部分を何にもしなくていいなんということを実は申し上げているつもりは全くないんです。 今日、政務官も財務省からおいででございます。参議院議員というのは、性格上、都市だけではなくて地方も両方見ている立場にもありますし、また、政務官はずっと財務省を代表してこの省庁別審査、ほとんどの省庁別審査立ち会っていただきました。今、経済産業大臣からも答弁がありましたが、もし率直な御感想が一言おありであれば、政務官の方から一言いただきたいと思います。
○大臣政務官(段本幸男君) 一般的なお答えとして申し上げますが、ずっと決算委員会参加させていただいて、議員おっしゃるように、どうしても役所は一つでも希望があればなかなか予算を切っていけない、変えていけない、そういった面もあるんかなというふうな印象を持ちまして、そういうふうなものに、やはり今この財政事情の中で果断に決断していかなきゃいけない。こういうものは、こういう決算委員会、特に参議院の場合は決算から何を学ぶかということを一生懸命やっておられますので、その議論を踏まえながら、受けて、予算なんかをやっていかなきゃいけないんだろうなというふうな印象を持ちました。 財務省はたしか、もう既に十七年度予算から参議院の決算委員会の状況を受けて予算の編成をやっておりますし、また、十八年度予算においてもそのような対応をしていくものというふうに考えております。
○松井孝治君 いい御答弁いただいてありがとうございます。 是非、財務大臣も、今も政務官の御答弁聞いていただいたと思いますので、御配慮をいただきたいと思いますが、この工業再配置法あるいは産業再配置補助金の扱いについて、もし一言財務大臣として御見解がありましたら承りたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 福知山市、私のホームタウンでございます。後ろに座っている尾立さんの御出身地でもあり、松井さんの選挙区でもあるわけですが、全国一位とおっしゃいましたけれども、今時点で申しますと、苫小牧、それから北上に次いで三番目ということになっております。 昭和四十年代当時のいろいろな公害なんかありました中で、長田野という全国の内陸工業団地では最初の団地を造りまして、一つは公害のない団地でなければいけない、それからやはり均衡ある国土の発展の中で町をどう良くしていくか、当時の塩見精太郎という市長でいらっしゃいましたけれども、一生懸命国の制度も研究されまして、この工場再配置の補助金を非常に活用されて、今も町のために私は役立っているというふうに思っております。 ただ、確かに、今委員が御指摘になりましたように、当時とは情勢も変わってきた部分が多分にございます。あの大田区のように、空洞化が生じている、集積があったところでもそういうところがございますし、また、どちらかというと工場団地のようなものは、当時は迷惑施設と見られてたんでしょうけど、今は公害に対する苦情件数というのもほとんどないという状況でございますし、むしろ来てほしいというところが多くなっているという等々の情勢の違いがございます。 そこで、財務省としては、予算執行調査というのをやっておりますが、平成十七年度のこの執行調査の中にこの工場再配置の補助金の問題を取り上げておりますので、十分に今年はそのことを研究していきたいというふうに考えておりまして、また、その結果を踏まえて経済産業省ともよく協議をさせていただきたいと思っております。
○松井孝治君 この問題はもうこの辺りにしたいと思いますが、麻生大臣も、せっかくこの議論を聞いていただいています。私は、方向性として、今、財務省、経済産業省と協議してということですが、私はむしろ総務省とも御相談をいただいて、こういう問題はやっぱり地域に財源移譲をしていく、で、地域の自治体の判断で、それは、いろんな税目を軽減するとか、あるいは補助金を出すということも含めて、それは地域の判断でやっていくべきだと思います。通告しておりませんから麻生大臣には御答弁を求めません。 それで、今日たくさんの閣僚においでをいただいております。麻生大臣や棚橋大臣にも関連した問題に移らせていただきたいと思いますが、この問題は尾辻大臣中心にお尋ねをしていきたいと思います。 この資料二というものをごらんをいただきたいわけでありますが、これはそんなに新しい記事でもないんですね。「怪奇 賃貸料は「電話代」で」。 これは、実はこの委員会が、今年の、委員長、二月八日でございましたでしょうか、社会保険庁の三鷹業務センターというところにお邪魔をして、いろいろ施設を拝見させていただきました。非常に立派な業務センターでございまして、なぜか、あの日余りお天気が良くなかったせいかもしれませんが、マイクロバスで移動しましたが、バスが門の外側ではなくて内側まですっと入られまして、はい、どうぞといってもう自動ドアの方まで案内された記憶がございますが、この三鷹業務センターというのはどこにあるかと、もう御承知のとおりでありまして、前回まで、私、個別企業名は余り言わないようにしてたんですが、これはもう事実関係ですが、NTTデータという会社に間借りされているんですね。いろんな資料を見ていくと、社会保険庁の三鷹庁舎というふうに書いてあるんですが、どうも施設は全部NTTデータという会社のビルであります。そこに間借りをされているわけであります。 基本的なことですから、もう御説明を受けておられると思いますんで大臣にお伺いしますが、この平成十五年度決算を今日は審議する場ですが、平成十五年度において三鷹業務センターがNTTデータからそのスペースをお借りをされているんですが、その契約書というのをごらんになられたことありますか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 契約書を直接見たことはございません。
○松井孝治君 大臣は契約書をごらんになられたことはない。 私は、この問題は通告はしてございました。政府参考人で結構ですが、そもそも平成十五年度に、この「怪奇 賃貸料は「電話代」で」と、こう書いてあって、我々が三鷹業務庁舎というものを拝見をさせていただいたんですが、平成十五年度にNTTデータと社会保険庁はこの業務庁舎の賃貸借契約を結んでおられたのでしょうか、おられなかったのでしょうか。答えだけ下さい。
○政府参考人(青柳親房君) 平成十五年度におきましては、このNTTデータと私どものこの家賃についての契約は、いわゆるデータ通信サービスと一体のものとしての契約でございましたので、通信専用料という形で予算の執行等をさせていただきました。
○松井孝治君 大臣、通信専用料だそうです。電話代と書いているのは、あながち間違いではないですね。やはり日本の新聞がちゃんと書くだけのことはありまして、そういうことなんです。電話代なんですよ。電話代でその支払がなされていた。 じゃ、その平成十五年度にこれ実際電話代で支払なされた。まあ、それはしようがないでしょう、そういう払いをしたんですから。だけど、幾らの単価でこの面積を支払いますということを、ちゃんと事前に予算書に書いていたんですか。
○政府参考人(青柳親房君) 先ほどもお答えをさせていただきましたように、予算書の上ではデータ通信サービスと一体のものとしての契約でございましたので、家賃そのものを予算書上明記をしているという形ではございませんでした。
○松井孝治君 じゃ、家賃はどこで書いているんですか。で、どこでそのチェックを受けているんですか。
○政府参考人(青柳親房君) チェックそのものは、先ほど申し上げましたように、予算書上、そのデータ通信契約と一体ということでございますが、金額そのものにつきましては、その年度その年度ごとに言わば不動産鑑定士の方にこの金額が幾らになるかというようなことを判定をしていただきまして、その単価を基にNTTデータと協議の上で個別に決定をするということで契約金額を算出しております。
○松井孝治君 これ、財務大臣も聞いていただきたいんですけれどもね、これ予算の決め方ではないですよ。それは別に、要するに、今、先ほどから申し上げているようにとおっしゃるけど、先ほどから申し上げているといったって、電話代の中で含まれていますということしか言ってないじゃないですか。これぐらいの面積が必要だから幾ら分賃貸料が必要かということをきちんと、それは財務省の査定、これは特会だから財務省の査定抜きなんでしょう、きっと、事実上ね。 だけど、国会で予算審議するときに、これだけの、しかもこれ十億、二十億の話じゃないんですよ、これ、社会保険庁のシステムの問題というのは。八百億この個別の企業に払っているんですよ、毎年。そういう金額のものについて、ちゃんと国会議員が、我々決算委員会が視察に行くといったら、いや、三鷹業務庁舎に視察に行きますと、三鷹業務庁舎でしたよね、皆さん一緒に行っていただきましたよね。 ところが、今の話、電話代です、後の精算のときに不動産鑑定士がこう判断して客観的な費用を払っています。それはないでしょう。そんなことだったら予算なんて要らないじゃないですか。決算の審議やっているんですから、もうちょっとまじめに答えてくださいよ。
○政府参考人(青柳親房君) 繰り返しになりますが、このデータ通信サービス契約は、先生御存じのように言わば長期の継続契約でございまして、様々なハードあるいはソフト、通信回線の利用料、こういったものを言わば安定的に支払をするための一つの方式として構築されたものというふうに承知をしております。 その中で、建物使用料というものも言わば一体のものといたしまして、予算書上は通信専用料として払わせていただいているものでございますので、予算上は、その意味でこの通信専用料の中に含まれているということでこれまで取り扱わさせていただきました。
○松井孝治君 麻生大臣、麻生大臣が政調会長のときにこの問題にメスを入れられましたね。それで、平井卓也衆議院議員などを中心に特命委員会をつくって、この問題を言わばあぶり出されたわけです。ですから、これは別に野党だけが言っているんじゃない。もう与党も野党も関係ないですよ、この決算委員会でね。やっぱりこういう予算の組み方、明らかにおかしい。予算の組み方というか、予算を組んでないんですよね。要するに、後払いで適当に精算しますということなんですよ。 これは、谷垣大臣、やっぱり特別会計だからこういうことをやっているんじゃないかというふうに世の中の人は見ていますよ。でも、実際は特別会計じゃないものまで含めてやっているんですけどね。こういうものをどうしていくのかということがやっぱり国会に問われていると思うんですよ。 ちょっと違った観点から、まあ厚生労働大臣に後で御見解を伺いますけれども、違った観点であれをいたしましょう。 今日、会計検査院のチェックする立場の方だけじゃなくて、自ら調達する立場の方に来ていただいているんです。 会計検査院も決算確認システムというコンピューターシステムをお持ちなんです。平成十五年度が二億四千三百二万円掛かっているんですね。まあ会計検査院のそんな大きなシステムじゃないですから。これは、平成十七年度に何と七百七十万円まで削減されているんですね。元々平成十五年度に発注しておられた会社は、その社会保険庁の今の問題になっている会社と同じところです。それを、要するに二年間で、十五年度を十七年度で三十分の一にしているんです。 今日、一生懸命働いていただいた上席調査官においでいただいていますが、もう時間もないので簡単に、会計検査院の方から、何をやったからこれだけカットができたのか、御答弁願います。
○説明員(山本秀嘉君) お答え申し上げます。 会計検査院では、決算確認システムの運用を平成十五年の四月から開始いたしておりますが、その運用委託業務につきまして経費の削減を図った経緯について簡単に御説明いたします。 決算の確認は、日本国憲法第九十条に定められております検査院の最も重要な業務の一つでございますが、このシステムの運用開始後、当初はシステム障害などのリスクを最小限にとどめるためにシステムを開発した業者に運用業務を委託いたしました。 委託期間中に業務内容の見直しを行うとともに、契約方法について随意契約から一般競争契約へ移行させるための検討作業を行いました。このうち、業務内容の見直しにつきましては、委託業務の実態を発注者として詳しく調査することにより不要な業務についてはその削減を図るなどいたしまして、業務委託仕様書に反映させたところでございます。また、契約方法を随契から一般競争契約に移行させるためには、まずシステム開発の過程で生じた著作権や特許権、これらがすべて検査院に帰属していることなどをまず確認いたしました。 次に、システムの開発業者以外の一般業者でありましても、委託業務の内容を理解し、入札金額を合理的に見積もることができて、競争入札に参加することができるよう、委託業務の内容を詳しく具体的に仕様書に記述いたしますとともに、過去の作業実績でありますとか障害の発生状況、こういったデータも仕様書の中で明記して、広く参入が促されるように条件整備をいたしたところでございます。 さらに、落札後の業者がシステムの運用を支障なく行えるように、業務マニュアルなどのドキュメントも理解しやすいように書き改めたところでございます。 こういった一連の作業の実施に当たりましては外部の専門家の支援を受けることといたしまして、本院に設置しておりますCIO補佐官からの支援、助言、それから平成十六年の四月からはコンサルティング会社と業務委託契約を締結いたしまして、入札化移行検討業務を実施したところでございます。 このように、一般競争契約に移行させるための条件整備を行いました上で平成十六年の十一月に入札を実施いたしましたところ、それまで運用業務を随契により委託しておりました本システムの開発業者、これを含めまして五者からの応札がなされ、入札の結果、それまでの運用業者とは別の業者が落札いたしますとともに、運用経費の削減が図られたところでございます。 以上でございます。
○松井孝治君 それで、結論だけでいいです。一生懸命やっていただいたんで、それはもう多とするんですが。この三十分の一の価格にして、実際、そのシステムの安定性、損なわれましたか。パフォーマンスはどうなっていますか。安かろう悪かろうになっていませんか。
○説明員(山本秀嘉君) 運用開始以降、本システムの障害の発生状況等についてはモニタリングをいたしておりますけれども、システムは安定して稼働いたしております。運用業務の品質は確保されておりまして、契約方法を一般競争に移行後も支障は生じてございません。
○松井孝治君 大事なことはそこなんですね。パフォーマンスは下がってない。で、三十分の一にコストを削減した。 今御答弁いただきましたけど、私なりにそしゃくすると、一つのキーワードはやっぱり競争入札ですよ。それからもう一つは、言い値で特定の会社から随意契約でサービスを受けていたのを、自分たちで、その外部の専門家を入れながら、本当にどういうプログラムが必要なのか、どういう運用体制が必要なのかと自分たちで書き出された。そして、それをスペックにされた。それがやはり、今三十分の一に削減してシステムの運用障害も起こっていないということの大きな理由なんですね。それを私は社会保険庁に言いたいわけですよ、大臣。 社会保険庁の場合は、その会計検査院の三十倍、今よりも三十倍掛かっていたシステムよりも全然ひどいんですよ。何がひどいかというと、自分たちで、どれだけの人が、配置が必要かとか、そういうことをスペックとして出して契約も結んでいないんですよ。会計検査院の場合は、三十倍、今よりも三十倍掛かっている時点で既に何人の体制、どれだけ張り付けてということを全部項目にして出しています。ところが、平成十五年度、社会保険庁はそういうこともしていないんです。単に要求されたものをそのまま、はい、そうですかと言って払っている。特別会計ですからチェックは働きませんから、電気通信役務契約という形でそれが払われている。 やっぱり大臣ね、これはメスを入れなきゃいかぬと思います。私は、大臣が議員としてこの決算委員会でも非常に鋭い質問をしておられた、それを見て、やっぱり大臣ならこれを見直していただけるんじゃないかと思います。 大臣に聞くときに、もう一つ大臣に伺いたいと思うんですけれども、これ社会保険庁だけじゃないんですよ、大臣。具体的に大臣のところのこれ、この記事、大臣見ていただいたかどうか分かりませんが、今年の三月二十八日の東京新聞の記事、三年間で三百四十五億円受注、厚労省元室長ら天下りの企業ということで、雇用情報システムを、発注者がその受注企業に天下りをして、しかもそれも歴代天下りをして、事務次官まで天下りをして、そこに随意契約で発注しているんですよ。この細かい事実関係は、私、さっき事務方に確認しましたから大臣に確認するまでもない。こういうことも含めて、もう随意契約で特定のところの言い値でこれだけの巨額の、千百億以上ですよ、今、社会保険庁のシステムというのは、今現在で言うと。そういうものの大半が随意契約で、レガシーと言われるシステムになっている。 これ、ちょっと本当に見直していただく。真剣に、もう大臣自ら、場合によっては専門家をアドバイザーに付けて見直していただけるかどうか。そこの御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 個々にやれることからやらなきゃいけないと思いまして、まず冒頭お話しになりました庁舎の話も十七年度予算では既に改めておりますことは御案内のとおりでございます。それから、その受注企業のことも、企業に申し入れまして、これは民間会社のことでありますけれども、六月で退任してもらうということも決めております。 申し上げておりますことは、その個々にやれることは、既にやれることはやっておりますということを申し上げた上で、ただ基本的なことがございますので、これはもう本当にしっかりやり直さなきゃいけないと考えておりまして、おっしゃるような何か方策取らないと、個々の対症療法みたいなものではうまくいきませんから根本的な治療を考える必要があると、こういうふうに考えております。
○松井孝治君 大臣、もう一回お願いしたいんですが。 そういう意味では、これもう通告していませんが、社保庁の改革案を今、政府・与党でいろいろ議論されている。外庁でいいじゃないかという声もあるようですが、本当にそれでいいんでしょうか。全部含めて徹底的に見直すと。こういうことをそのままにしておいて、もう形の上で外庁で、やっぱり公務員だ、公権力の行使がある、徴収事務がある、だから外庁だということではなくて、きっちり大臣の責任でやっぱり無駄遣いを見直す。本当にどういう体制が必要なのか。さっきの会計検査院なんかは、むしろ外部のコンサルタントを入れて効率化しているんですよ。 だから、市場化テストだってまだまだ不十分だし、一円入札がいいかどうか分からないけれども、そういうことも含めて大臣がしっかり見直していただくという、その決意だけ最後に伺いたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今、社保庁の改革につきましてはいろんなところで御議論いただいております。それらの答えがだんだん出てきてはおります。しかし、私は、国民の皆様に国会の場でも解体的出直しをいたしますということをお約束したものでございますから、その方針で事を進めていきたいと考えております。
○松井孝治君 麻生大臣、棚橋大臣にこの議論を聞いていただきました、あえて、お忙しい中ではありましたが。これは、予算を査定するときに、麻生大臣のところに総務省の、これは行政管理局だと思いますが、全部各省のIT調達というものが予算要求のときに、財務省経由だと思いますが、回されて査定意見を述べられます。で、麻生大臣は政調会長時代からこの問題取り上げておられるので非常にお詳しいし、棚橋大臣も内閣官房でCIO補佐官会議みたいなものをIT担当室つくってやっておられます。 ちょっと両大臣から、これは、決算という意味においてはこの委員会できっちりやらなければいけないけれども、予算査定というものについて、これはやっぱりしっかり見ていただくという御決意だけ伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 松井先生、基本的には商売していると予算より決算なんですよね。ただ、国会に来ると決算より予算の方が大事みたいな話するでしょうが、おかしいでしょうが。
○松井孝治君 そう。正におっしゃるとおり。
○国務大臣(麻生太郎君) 思っているでしょう。
○松井孝治君 おっしゃるとおり。そう。
○国務大臣(麻生太郎君) だから役人辞めたのかと思っていたんだけど。 基本的にそういうものなんですよ。会社にありゃ決算の方が大事なんだから、という感じで私はもう二十数年間そう思っていたんですが、まあこのところ参議院が非常に決算というものに非常に目覚められておられるのは大変、両院制度のためにもええこっちゃないですか、私はそう思っていますよ、そういった意味では。だから、そういった意味で一番大事なところですよ、ここのところは。 そこで、今の話ですけれども、ここのコンピューターのシステムの話が今特に言われているところですが、これは基本的にコンピューターの知識があっても、今一番新しい物を知ってない人は全く駄目、私に言わしたら。もう今の時代のスピードに付いていってないんですよ。それは、しょせん、長いことずっと同じことをやっていたら、それはとてもじゃないけど、ましてや国会議員でこんなこともできなくて、こんなこともできなくてコンピューターなんて言ったって分かるわけないですよ、そんなもの。と、私は天からなめておるんです、正直なことを言って。 しかし、じゃ、おれができるかといえば、今の最も新しい、今日、新宿京王プラザホテルでも是非帰り掛けに行かれるといいですけれども、あそこで世界じゅうの頭脳を集めて、いわゆるトロン関係、坂村健率いるあの関係で、ユビキタスの世界サミットのここで十一月やる分のを前倒しでもう今日やっているわけで。そこに行ったら、ほとんどぽかんとするような技術が今そこにある。あれが役所にあるかと。これは使えるなと思いますよ。幾つも見たもので二つぐらい、あっ、これ使えるなと思うのは幾つかありましたけれども。それをしょっちゅう見ていくというのが役人でできるか、議員でできるかといったら、これは難しいと思いますね。 となると、そこはCIO、いわゆるチーフ・オブ・インフォメーション・オフィサーと称するCIO、何というか情報統括官というものを今つくったんだと思いますけれども、情報統括官というものは正にそういったものをやるためのプロを外から雇ってくるというような形に三年前、いわゆる三年半ぐらい前、それつくり替えるようにして、それが今、少なくとも作動し始めるようになっておることが一点。 もう一個、予算のことで言わしていただければ、新しくつくり替えようと思ったら初期投資が要るんですよ。ところが、それを仮に二十億なら二十億としたら、それ三年間で、七億円、七億円の四億円ですと言われたら、今までのやつ使う以外手がないというのを、財務省と話が付いて、政策群とかいう形でまとめてできるようになった形になったんで、それはどんと逆に下げられることにもなったということなんだと思いますので、まあ後ればせながら進歩しつつはあるんだとは思いますけれども、この人だったら常に新しいものをやる、そういった意識を持った人をきちんと役所でもって業者と対応しない限りは、この種の話は言い値でやられる、私どもはそう思っております。
○国務大臣(棚橋泰文君) お答えをいたします。 お答えしたいことは全部麻生先生が、麻生大臣がお答えになってしまいましたので、特に私の立場から言わせていただきますと、松井先生御指摘のように、この問題、いわゆるレガシーの問題については調達する側にどれだけの意欲と知識があるかと、そういう観点から、また麻生大臣も今お話しになりましたが、いわゆるCIO補佐官、これを各府省に原則としてすべて民間からということでお願いしておりますが、この機能を更に十分に活用していただくことによって問題に対処していきたい、またそういう働き掛けをしてまいりたいと思っております。
○松井孝治君 竹中大臣にもお見えをいただいています。 実は、一つ伺いたいのは、これ新しい郵政民営化会社にとっても、さっき麻生大臣がおっしゃったCIO、要するに情報システムというのはビジネスのかぎを握ると言われているんですよ。二〇〇七年から民営化されるということですが、これは麻生さんが全部さすがにおっしゃっていただきましたが、これ開発するのにえらい時間が掛かるんですよ。だれが開発するんだと。各会社がそれぞれのビジネス戦略を持って開発するんだったら、逆に言うと、それ、二〇〇七年四月に間に合いますか。だれが二〇〇七年四月までに共通システムを開発するんですか。これ、もし郵政公社が開発するということで基盤的なものを開発するとしたら、各社のビジネスの非常に一番中核の部分を郵政公社が開発するということになります。本当にそれが将来を縛らないんでしょうか。逆に、各社がきちんとビジネスモデルをつくりながら開発するというんなら、それはしっかり各社の新しい経営陣に任せるべきではないか。 二〇〇七年四月、民営化、大丈夫ですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 松井委員の御指摘は、基本的にはCIOを中心としたしっかりとした正にガバナンスを発揮して良いシステムを安いコストでつくるというガバナンスの問題と、組織である以上、それが継承される、サクセッションの問題というのがあるわけですから、それをどのようにバランスを取ってしっかりと良いシステムをつくっていくのかという、非常に基本的な問い掛けであろうかと思います。その意味では、郵政公社に限らず、どこの会社でもそういうサクセッションの問題はあるわけでございますから、組織変更もあるわけでございますから、そういった意味での問題提起としては非常に重く受け止めさせていただかなければいけないと思っております。 公社に関して申し上げるならば、公社については、御指摘のように公社の現経営陣が決定する枠組みの中でこの準備が進むということになるというふうに予想されます。これは、あくまで民営化のために不可欠な範囲でこれを行うということ、そして民営化までに公社が行う作業というのは、これは公社の意思決定機関である現経営陣の責任においてこれは行われざるを得ませんので、そういう制約というのは一つある。もう一つ、政府としては二〇〇七年四月の民営化を基本方針に決定しておりますので、そのシステム整備はその実施のための目的に沿って行われるという、そういう枠組みもあるんだと思います。 ただ、現実には、他方、新しい経営陣の問題もここは当然のことながらできていくわけでございまして、その経営陣のいろんな御要望、考えというのは、作業スケジュールに支障のない範囲内でその公社の経営陣、ベンダーと密接に連携を取りつつその反映が図られていくというふうに思います。すなわち、これは経営委員会というようなものをつくりますので、その経営委員会の中で、現実にはその運用として、意思疎通を現経営陣と新経営陣と図りながら進めていくということに当然なろうかというふうに思います。 そういう形で、先ほど申し上げましたガバナンスとサクセッションの問題を現実的な問題として是非解決していきたいと思っております。
○松井孝治君 これ難しいんですよ。麻生大臣がにやりと笑われましたけれども、いろいろ言いたいけれども時間が過ぎていますから、これはむしろ別の委員会でしっかりと、これは与野党も含めて、今の議論は非常に大事な議論ですよ。 これは、みずほが何であんなふうに失敗があったのかという、特に金融の、保険とか金融サービスにおいてこのシステムというのは死活問題ですから、これをどういうふうに各社の企業戦略と、そんなもの郵政公社が先取りしていいのかどうかという議論は物すごく大事なことで、本当はちょっと麻生大臣に聞きたいんだけれども、麻生大臣に聞いているとまた恐らく五分ぐらい掛かると思うんで、これはまた別の場に譲ります。別の場に譲って、最後、外務大臣に来ていただいています。 ちょっと同僚議員の御理解をいただいて、最後に、私の資料にくっ付けている問題がパスポートの問題であります。 これはもう本院の外交防衛委員会においてずっと議論をされていて、恐らくあした以降また検討されるものだと思うわけでありますが、パスポートの手数料ですけれども、これは委員の皆様方御存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、固定的な手数料と効用分、一番下に注で付けてありますが、要するにパスポートの利用者はどこで、海外でどういう問題、トラブルに巻き込まれるか分からない、救援、救護のための費用分ということで年間一人千円取られているわけです。これ年間千円を取るということ、しかも金額を、普通だったら政令で手数料というのは決めるんですが、法律で決めているというのは、法律でやはりそこを議論する必要があるということで旅券法上位置付けるという形にしているんです。 ところが、これIC型の新しいパスポートに切り替えて、私が今、今年、十年のパスポートを取ったとしますね。これを、せっかく政府もおっしゃっているんだから、私も何かやっぱりセキュリティー大切にしたいということで新しいものに替えるということにしますね。これから旅券法改正を受けて新しいパスポートに替えますと、この効用分ということで、私が九年有効のパスポートを持っていて、それは交換になるんですが、その九年、要するに九千円分は戻ってこないんです。もう一回、例えば十年パスポートだったら一万円払わなきゃいかぬ。これは効用分という手数料を一年間当たり、そういうサービスを受ける可能性があるということで積み上げているにもかかわらず、その九千円分二重取りじゃないかと。(発言する者あり)これは恐らく自民党も、武見議員が今二重だといって言っておられるけれども、おかしいんですよ、これ、こういう仕組みは。そもそもこれ、外務大臣、やっぱり僕は見直していただくべきだと思うんです。 で、外務省に資料を要求したんです。大体平成十五年度で、十五年度決算ですから、どれぐらいの金額をパスポートを取っておられる方からこの効用分ということで平成十五年度得ておられるんですかと。二百億円という話がありました。じゃ、平成十五年度決算ですから、その効用分といって国民に説明しておられる金額で、実際に平成十五年度に日本人が海外に行って、恐らく大使館、領事館のお世話になった方いらっしゃるでしょう、盗難に遭ったとかね、そういう人の救援とか救護にどれぐらい使ったんですかと私先週伺いました、木曜日に。そしたら、今日の時点で来たお答えは、それは分かりません、じゃ、ちょっと待ってくださいと、分からないのにどうして一人年間一千円という根拠が出てくるんだと。 一人年間一千円分というのは、これ財務省にも確認しましたが、あえてそうやって効用分としているからには、過去に大体、これだけの数の方々がパスポートを取得されていたら、平均して年間幾ら幾らの救援、救護費用が掛かっているから、その部分をある種の利用者負担で、受益者負担でいただこうという考え方。じゃ、そういう考え方あってもいいと思いますよ。まあ、海外の邦人保護が本当にその受益者負担で考えられるべきものなのか、政府の基本的な任務なのか、私は後者のような気もしますが。しかし、効用分ということで、そういうふうに説明されているようなものが、何か土日作業をしていただいたらしくて、ある程度あらあらさっき出せましたという旅券課長さんから御報告がありましたから、それはもう時間がないからいいんですけれども。 いずれにしても、そういうものについて使い道がどれだけ掛かっているのか、一人当たり千円といって、年間千円といって請求されているものが使い道がどんぶりでいいのかどうか。それからもう一つは、それを切り替えたときに、これは国策としてセキュリティーの確保をするということでパスポートの切替えを推進して、法律改正をしているわけですから、そのときに少なくともある程度の割合で減額したらいいじゃないですか。五年以上残っている人は半分に、五千円に減額その分はしてあげるとか、それぐらいのことを考えるのがやっぱり私は政治家の役割だと思いますが、あわせて、町村大臣、御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 余り早口で一杯質問をされたので、何を聞かれているのかちょっとよく分かんなくなったんですが。
○松井孝治君 全部事前通告しています。
○国務大臣(町村信孝君) いやいや、だけれども、今あなたはその場でずっとたくさん言われたから。 そこで、まず、その二重取りではないかという御意見ですね。これについては、まず、いろんな国が今回こうした新しい生体情報を入れたパスポートを出すということをやっておりますけれども、そういう形でやっている国はないというのは参考までに申し上げておきます。 そして、現実に、確かに多くの人がパスポートを所持するわけですが、実際にはまだ全国民の約四分の一ぐらいということですから、これがもう四分の三、五分の四、十分の九というふうになると、これはまあ税金で全部やるのかなという議論はある程度分かるのでありますけれども、いまだに四分の一程度ということになりますと、やはり邦人保護の対象となり得る旅券の申請者に一定のそうした特別の御負担をいただくということは妥当なことであろうと、こう思っております。 それからもう一つは、これ法律で全部書換えを強制をした上で、なおかつ一年のものも八年のものも全部同じ料金だということになると、それは問題があるかもしれませんが、それは願わくば、今これテロ対策という趣旨でやるわけですから、できるだけ多くの方が切り替えていただきたいとは思っておりますけれども、しかしその選択はそれぞれの申請者があるわけでありまして、古いパスポートでも依然として有効なんであります。今年、あと九年残っていても、それを九年間使い続けることは有効なんであります。したがって、これ強制ではないわけですから、その分について選択を認めて、いやいや、おれはそんな払いたくないとおっしゃる方には別に今までどおりのパスポートを使っていただけばいいんだと、こういうことであります。 それから、今積算云々という話がありましたが、これちょっと資料があるんですけれども、これをとても説明をしているとあれですし、私もどこまでこの資料を理解しているか分からないところもあるから、これは担当課長から説明をさせます。
○松井孝治君 もう時間が参りましたので結構でございます。 ただ、これ、効用分としてどれだけの使い方がされているかということは、別途資料をいただきまして、委員会として、理事会として、こういう効用分の扱いがいいかどうか議論を継続していくことを委員長にお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。 〔委員長退席、理事田浦直君着席〕
○平野達男君 民主党・新緑風会の平野でございます。 決算委員会では初めて質問をさせていただきます。四年前の農林水産省脱藩組でございます。島村農林水産大臣にも初めて質問をさせていただきます。 今日は、全農秋田本部で、これは先般明らかにされたところですけれども、粉飾決算と架空取引の問題がございました。これに関連して質問をしたいと思います。 御承知のように、農家が形成する組合として市町村単位で農協がございます。その農協は信用事業をやったり共済事業もやっているんですが、一番重要なのは肥料の売り買い、あるいは米の集荷、そういった経済事業を中心にやっておりまして、それらを束ねる形で県段階で全農の県本部というのがあります。県によっては、旧、昔の形で経済連というのもあるんですが、県段階では全農県本部というのがあります。それを更に束ねる形で全国に全農本部があるという、こういう流れになっているわけです。ですから、今回出てきた秋田県の全農本部というのは、言わば全農の支店みたいなものですね、今組織が一体化していますから、そこで発生した事件であります。 それで、ちょっと時間も今日はないんで、今回出てきた米横流し事件、それから米架空取引、事実上これは疑惑というよりも事件だと言ってよろしいかと思うんですけれども、この概要を手短に、本当に手短にお願いしたいと思うんですが、御説明を願いたいと思います。 お手元に資料をお渡ししておりまして、一枚目にその流れ図がありますので、それを見ながらちょっと聞いていただければ有り難いなというふうに思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 今般、二つの事件がございます。 まず、米の横流し事件でございます。全農一〇〇%子会社でございますパールライス秋田が、十五年度決算、特定の取引先からの米代金の納入が滞ったということで、このまま行くと債務超過の懸念があったと。その対策のために全農秋田県本部と協議を、共謀と言ってございますけれども、共謀をいたしまして、農家から販売を委託されているお米を横流しを受けまして、これを簿外で販売をいたしまして、その赤字を埋めたという事件でございます。そうして、これに関連いたしまして、十六年の六月に農林水産省の在庫調査というのが入りまして、このまま横流しが露見するということを恐れまして、十六年の四月、そして六月に正式に販売したというふうに装いまして、それにかかわります補助金を不正受給したと、これが横流し事件でございます。 それから、もう一つの架空取引事件、下の方でございますが、十五年、これ冷害の年でございまして、お米の価格が高騰したわけでございますが、そのうち在庫がたまってき出しまして、十六年に入りましてお米の価格が低落をしていったと。十六年の五月、六月には、全農秋田県本部の扱いますお米が入札で落札しないんではないかということを懸念をいたしまして、卸会社二つと、一つはパールライス秋田でございますけれども、共謀をいたしまして売渡しを行った、落札をした直後に買い戻すということで架空の取引をいたしまして、それを指標価格としてその後の相対取引に反映させたということでございます。実体のない取引にもかかわらず、正規に販売をしたということで補助金を不正受給したということでございます。
○平野達男君 時間がありませんので、事件の概要については私が繰り返すことはいたしません。ただ、後半の部分に関してはいろんな、価格の下落基調にあったとかいろんな説明がございましたけれども、事実関係とすれば米の、米価の価格操作をやったという事実だけは、これはしっかりあるということですね。 二枚目の資料を見ていただきたいと思います。 全農はここ何年間で八件の事件で六回業務改善命令出しています。何か話聞きますと、ここにも額が一杯飾ってありますけれども、全農では農林省から出された業務改善命令を額に入れて飾ってあるというようなことがあながち冗談ではないというぐらいの感じの今業務改善命令出されていますね。しかも、今回出てきたのは、私に言わせれば、今までの中でも最もたちが悪い、まあ前のやつもたちが悪いですけれども、事件だと思います。 これは、農林省の出す改善命令というのはそんなに軽いものですかね。どうでしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) 御指摘のとおり、私もこのことは唖然ともいたしましたし、謝罪と説明に見えた言わば代表者の方に、一体どういう考えで仕事をしているのかと、基本的に、言わば我々を納得させるまでの説明してから帰ってほしいまで言い寄ったところであります。 そういう意味では、平成十二年の例の千切り大根の言わば偽装表示事件に始まりまして六件あるわけでありますが、その都度全農からは、コンプライアンス体制の強化とか、あるいは子会社管理体制の強化というような報告があって、今度こそ今度こそでずっとやってきているわけであります。 そういう意味では、もう長い説明を御説明申し上げるより、専門の平野委員でございますから、結論から申し上げますと、私は、正に今度こそ最後の抜本的改革の機会、言わばもうこれを超えてこの後の容赦はないということをわきまえて、その意味で国民からの信頼回復に向けて全力で取り組んでもらいたい、これは最終通告と受け止めてお帰りいただきたいと、こう申したところでございます。
○平野達男君 全農は、既に全農秋田はパールライス秋田を告発するというようなニュースも流れております。農林省の方も両方の事件で告発を検討している、あるいは補助金適化法に基づく告発も検討しているということでございます。告発するかどうかは、今ここで聞いても告発するとは言えないでしょう。ただ、そういう方向でその検討を進めているということで、私はもう本当にそれに該当するんであれば厳しく対応していただきたいというふうに思っています。 そこで、三枚目の資料をちょっと見ていただきたいんですが、これは全農の組織図であります。 今日注目したいのは、ここにある経営管理委員会と理事会です。この経営管理委員会というのは、この全農全体のいろんな経営、あるいは最近いろんな、コンプライアンスでありますとかガバナンスの強化でありますとか情報開示とかいろんなことが言われていますけれども、そういったことに対してどのように対応するかということの司令塔であります。それに基づいて、その司令塔で決めたことに基づいて理事会がいろいろ具体的な行動を決定するという、多分こういう流れになっているはずです。 大臣、もう率直な考え方をお伺いしますけれども、この経営管理委員会、今のメンバーで、今の仕組みでこれ機能していると思いますか。
○国務大臣(島村宜伸君) 経営管理委員会は、業務執行に関して重要事項の決定権と担当理事の選任権などを有する組織の統治機構でございますが、結論からいえば、その体を成しているとは思いません。我々の、まあ前提となる基本を完全に逸脱していると思いますし、その意味では、これは現行、説明の余地のないものでありますので、もうそれこそ正に、今度こそこの形が成し得るのかどうか、この確認を我々は急ぎたいと思っております。
○平野達男君 今もう誠に大臣から、率直に体を成していないという指摘がありました。私もこの経営委員会の状況を見たわけではありませんから何とも言えませんが、多分そのとおりだと思います。 特にも、こう言ったら語弊があるかもしれませんが、このメンバーは各農協の組合長さんとか、そういう方がほとんどであります。外部の方はほとんど入っていません。その一方で、先ほど言いましたようにガバナンス、ガバナンスの強化とか、それからあとコンプライアンスがどうのこうのとか、最近耳慣れない言葉が出てきています。そういうことに、最近の社会情勢の変化にひょっとして付いていっているんだろうかという危惧をたくさん持ちます。 それで、農水省は今まで業務改善命令六回出しましたけれども、これが聞かれない場合には、例えば業務停止命令あるいは一部業務の停止命令、こういうことも出せるはずです。もっとできるのは、役員の交代命令出せます。 私は、今回、強権発動という意味でもこの経営管理委員会を一掃すると、一新するというぐらいの命令を出してもいいんじゃないか、勧告を出してもいいんじゃないかというふうに思っています。少なくとも、このメンバーには外部の人間を入れると。特に、経理それから情報公開、そういったものに詳しい人間を入れて、少なくとも、全農というのはこれは農家の、経営委員会というのは農家の代表ですから、農家の立場に立って物を考えるということが大事ですけれども、同時に、消費者を相手にしますので、外部の血を入れる、外部の見解を入れるということをこの経営委員会の中では、是非これはこの改革を進めさせてもらいたいんです。大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) 平野委員のお考え、私、全く賛成であります。 私もこの委員の構成を調べました。二十八名から成っておりますが、外部からというのは三名でありまして、純粋外部というのは一名ではないのかと、こんなふうに思えています。 そういう意味で、やはりこれは農業者全体のためと同時に、国民自身の信頼を前提にしての組織でありますから、そういうことをきちんと確認して行動してもらうためにはもっと外部の人を入れるということが必要なことだろうと、こんなふうに思います。 二十八名中三名では、これは声を出しても声にならないと、そういう現実をよく考えてこれから対応したいと思います。
○平野達男君 是非その方向で対応していただきたいと思います。 そこで、私は、この二つの事件のうち一番目の粉飾決算問題、これはもう正直言って国会で議論する気にもならないという事件でして、これは是非厳正に対応してもらいたいということだけ今日は申し上げておきます。 問題は、二番目の米架空取引問題です。これは事件、事件というか、この架空取引というその事態も非常に問題なんですが、私は背景には構造的な問題もあるのではないかと思っております。 資料四に、ちょっと見ていただきたいと思います。これは米の価格がどのように決定されるかということなんでありますが、これは御承知のように、前は、食管のころは生産者米価、消費者米価も国で決めておりました。今は市場原理に基づいて市場で決めてもらうという仕組みになっております。 そこで出てきたのがコメ価格センター、正式には米穀取引・価格センターなんでありますが、ここで上場された米で入札をしていると。それで、価格が決まるというよりは、これは厳密に言えば指標価格であります。今、米の生産量は大体八百六十万トン、そのうち農協に集まるのは五百万トンで、五百万トンのうち更に全農で四百万トン扱っています。その四百万トンのうち上場米になるのが今まで大体百万トン。ところが、最近は上場義務が廃止されましたから、五十万トンとか六十万トンというふうにどんどんどんどん扱い量が小さくなっています。ただ、重要なのは、ここで形成された米価が指標価格ということで、じゃ、この米穀、コメセンター以外で取引された米というのは相対で今度はやっていますから、相対で取引するときの指標の価格になっているという、こういう流れではなかったかと思います。 そこで、今回の問題の一点目は、確かにこれは架空入札です。価格の操作をやろうとしました。取引は基本取引と言います。この基本取引のときには、これ取引監視委員会が開示されまして、当該取引が大丈夫か、ちゃんとやられているかどうかをチェックすることになっていますね。これ取引監視委員会、何やっていましたかね、これ、今回は。
○政府参考人(村上秀徳君) 取引監視委員会でございますけれども、基本取引が行われた当日に、個別の取引の中で応札価格や数量が特異なものを中心に疑わしい応札の有無を監視するのが基本的な役割でございます。そして、不公正な取引の疑いのある事案があった場合には、取引監視委員会がその売手又は買手に対して説明や資料の提出を求める、あるいは自ら調査を行うということができることになっているわけでございます。しかしながら、今回これが機能していなかったということでございます。 多種多様な銘柄について大量に行われる入札取引を対象に、短時間のうちに判断する必要がある中で、どのようなケースが特異で疑わしいと言えるかということを、これを見極めるその基準が必ずしも明確でなかったということで今回のケースが見抜けなかったんではないかというふうに判断しております。
○平野達男君 今の言われた、今のお話聞きますと、どういう基準で、何も基準も設定していない。じゃ、何をもって審査していたんですか、今までは。これ何にもやっていなかったということでしょう、事実上は、早い話が。 これは米の入札ですから、入札を入れて高い順に落札していきますね。単純に考えたら、その価格の中で、例えば異常値があるかどうかとか、それからあと、落札した人は売らなくちゃならないですから、一切、今までの量に比べて落札の数量が多いなとか、そういったものはチェックするとか、そういう基準さえなかったわけでしょう。これは全くやっぱり農林省、これ、うっかりというよりも不作為と同じですよ。 後でちょっと言いますけれども、しかもこのコメ価格センターの中での価格の取引というのは一般の市場とは違います、これは。これは売手はもう寡占状態。買手も全農とは切っても切れない縁ですよ。そういう中で公正な取引ができるかどうか分からないような仕組みになっているんです。 後でちょっと触れますけれども、今の言ったその基準ということに対しては、これ本当にこれからどうされるおつもりですか。何か具体的にどのように考えていますか。
○政府参考人(村上秀徳君) 取引監視委員会につきまして今まできちっとした基準がなかったというところ、確かに反省すべき点があるかというふうに思っております。 今までもその不公正な取引に該当する事例を具体的に列挙しまして売手、買手に周知徹底するというようなこと、こういうこともやってきておるわけなんですけれども、それも更にきちっと徹底する必要があると思いますし、それから、取引当日以降も取引監視委員会を開催して、取引の結果を分析して動向について把握をするというようなことの徹底を図っていく必要があると思っております。 一定の基準ということでございますが、例えば系統、卸の、あるいは特定の買手の数量が前回に比べて増えている場合、あるいは価格が全体の価格に比べてその当事者の落札の価格が一定以上乖離しているような場合について基準をきちっと設けていきたいというふうに思っております。
○平野達男君 それはもう本当遅過ぎるという感じなんですけれども、是非やらなければならないというふうに思います。特にこの架空取引については、米が動いたかどうかというのをチェックすればいいだけの話ですからね、架空取引の部分については。 ただ、問題は、その入札の価格が本当に適正かどうかというのは、これはなかなか判断難しい場合があると思います。しかし、やはりこういう場合にはチェック入れますよというその基準を、公表するかどうかは別として、常に何かの基準でもって監視委員会が動いているんだよということは入札する側に常に、あるいは売る側にそういうメッセージをやっぱり与えておかないと、この取引監視委員会なんていうのはもうほとんど体を成さないというふうに思います。 ちなみに、参考までに伺いますけれども、これ、取引監視委員会、この事件が発覚してから何回開催されました。
○政府参考人(村上秀徳君) その後、二回開催いたしております。
○平野達男君 二回目のときはたしか処分を決めて、上場を禁止し、当分自粛しろという処分が出されたと思います。それ以外に何が話されました。
○政府参考人(村上秀徳君) 取引監視委員会のまず最初の任務といたしまして、今回の取引について不正の中身についてきちっと把握する必要があるということで、まずこの当事者に対するヒアリング、それからそれを踏まえた調査を行っております。 それから、取引のルールそのものの見直しにつきましては、取引監視委員会ということではなくて、見直しのための検討のチームをつくって別途これは検討さしているところでございます。
○平野達男君 私は、この取引監視委員会自体もなぜこういうことが起こったのかということについては議論をしてなくちゃおかしいと思いますよ。それすらもやってないでしょう。だから、自分たちもそういう意識ないんですよ、この取引監視委員会というのは。私はこの委員会のメンバーの大学の先生というのはよく知っている方なんですけれども、余り文句言いたくないんですが、だけれども、そういう扱いを多分農林省もしてきているんですよ、取引監視委員会というのはそんなものだといって。だから機能してないんですよ。だから、そういう意味で本当に今回のことを奇貨として、やっぱりこの部分についての抜本的見直しも必要だと思いますよ。 それから、今日、ちょっと話が変わりますが、公正取引委員会に来ていただいております。 今回の場合は、全農秋田本部が売りに出して、入札を入れて、まあ何社か入れたんですが、入札を入れた一社がパールライス秋田です。一〇〇%子会社です。当時、この事件が起きたときはパールライス秋田の社長と全農本部の本部長は同一人物であります。で、売手と買手、かつてはこれ、経済連のときは同一な母体でありまして、これはおかしいということで、独占禁止法のおそれがあるということで公正取引委員会から注意が出されましたですね。それを、それじゃということで一〇〇%子会社というのを分離したんだろうと思います。しかし、私は、本当に公正な入札の中で売手が買手の関係を見たときに、買手が一〇〇%子会社、これは公正な取引と言えるのかどうか、公正取引委員会、どのように見解をお持ちでしょうか。
○政府参考人(伊東章二君) お答えいたします。 その個別の案件についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論で申し上げますと、市場において親子会社が売手と買手となって取引に参加すること自体が独占禁止法上直ちに問題となるものではございません。あくまで、個別具体的な事案ごとに実態を踏まえて、独占禁止法に照らして判断する必要があるというふうになっておるところでございます。 親子関係にあるものが売手と買手となってコメ価格センターでの取引に参加することについての問題ということでございますが、これにつきましては、センターの機能、あるいは公正な価格形成の観点等から、センターにおける入札参加者の在り方、取引ルールの在り方等の問題として議論、検討されるべき問題であろうかと考えておるところでございます。
○平野達男君 今日のところはそういう見解だというふうに、時間もありませんので承っておきます。 それで、また農林省の方にお伺いしますけれども、今まで、これは一定数量この米管理センターに上場するように義務付けがされておりました。ところが、平成十六年からこの義務付けが廃止になっております。この義務付けをなぜ廃止したんでしょうか。
○政府参考人(村上秀徳君) 従来、義務上場にしていたときは自主流通米計画というのを策定いたしておりまして、流通につきましてもいろいろ規制をしておったわけでございます。農林水産大臣がその集荷団体、全国の集荷団体の自主流通計画を認可するに当たりまして、上場数量の義務付けを行っていたわけでございます。今回、流通の大幅な規制を緩和いたしまして、自主流通米制度というのをなくしたわけでございまして、その中で、やはり上場数量についての義務付けということも、これは流通なり価格形成をできるだけ規制緩和していくという考え方の中でその義務上場という制度をなくしたということでございます。
○平野達男君 今も言ったような規制緩和、今、規制緩和というお言葉を使われました。一般的には大変いいことだと思います。ところが、私先ほど言いましたように、米の生産量が八百六十万トンあります。そのうち、農協が集まるのが五百万トン、全農が四百万トン扱うんですね。 それで、米の取引には、こういう形で基本米価の価格を形成するコメ価格センターにおける取引と相対取引があります。相対取引というのはどういう形でやるかというのは、これは外には分かりません。それで、今言いましたように、規制緩和というのはだれにとって規制緩和かといいますと、市場にとっての規制緩和じゃないんですね。何となれば、これは全農が今ほとんど寡占状態ですから、これで規制緩和をするというのは、全農の好きにやってくださいということと同じことなんです。 だれが得するかといったら、市場がどうのこうの、規律を基にするということじゃなくて、繰り返しますけれども、扱い量の圧倒的な部分は全農ですから。しかもその全農の中に、全農があって、県本部があって、県本部の下には一〇〇%子会社がいる。それからもっと言えば、一〇〇%子会社じゃなくてもいいですよ、扱い量のほとんどを全農が持っているんだから、民間の卸だって全農に対しては対等な口利けないですよ。こういう中で、コメ価格センターの中で、これが市場原理でございますとやっているのが今の状況なんですよ。 こういう状況の中で、じゃ、行政は何をしなければならないかっていったら、何をしなくちゃならないと思います。
○政府参考人(村上秀徳君) 全農の流通におけるシェアというのは、近年、自由化、流通の規制緩和の中でかなり減ってきている状況でございます。 それから、全農がかなりのシェアを占めておりますけれども、例えば十五年産でいきますと、全需要量に単純に計算いたしますと三六%ぐらいでございますが、旧計画流通米ということでありますとかなり大きなウエートを占めているという状況にございます。 先生御指摘のとおり、規制緩和の中で、センターの中での参加ということにつきましては、基本的には銘柄ごとに各県本部あるいは経済連が上場するという形で参加しておりまして、全農自体が取引そのものを行っているという状況にはないということ。それから、そうはいいましても、やはり全体の中で流通を全農が扱っているウエートが非常に高いわけでございますので、やはりセンターのルールの見直しの中で、上場数量をできるだけたくさん確保していって、ある特定の事業者による価格の形成というのを難しくする必要があろうというふうに思っております。 そういう意味で、先ほど御指摘のありました監視委員会の監視の強化ということも併せまして、そういう取引ルールの見直しの中で、できるだけ取引数量を拡大して競争条件を確保していく、それから参加者が、いろんな参加者が参加できるような形にしていくということが非常に重要ではないかというふうに思っております。
○平野達男君 私も基本的にはその方向に賛成です。つまりは、コメ価格センターの扱い数量が小さくなれば小さくなるほど、ここで価格操作をしようという動機が私はやっぱり働いてくるはずです。つまり、一回当たりの入札によってそれで決まれば、これは平均価格で価格が決まってくるんですが、架空入札にせよ、あるいは談合でもいいですよ、札を入れて高値で一回落札してしまいますと、全体のロットが小さくなりますとその分だけウエート的に変わってきますから、そういった意味でも、この上場の数量はやっぱり増やした方がいいという、そういう意味もあります。 ただ、それ以上に私は、先ほど言いましたように、米というのはかつて政府統制ですべてが動いていました。ですから、全農もあって農協も一体で動いてきた。で、今のお話の中では全農の取扱いが、シェアが徐々に減ってきている。これはそのとおりだと思います。だけど、基本の枠組み変わってないんです。 その基本の枠組みは何かといいますと、政府統制の下の枠組みなんです。そこに今、自由市場経済ということでコメ価格センターというのを入れようとしているんですね。これは、元々コメ価格センターを入れるときに大分議論があったはずです。これは、私は当時米のことなんか全然やっていませんから分かりませんでしたけれども、恐らく仕組みの母体が経済統制なんです。だけど、そこに市場原理を入れる、これは大変難しいんですね。 そういう中で、本当の公正な取引をやるためには何をするかといったら、私に言わせれば徹底的な監視ですよ。監視をしないと駄目なんです。 それからもう一つは、そういった意味でも、上場の、このコメ価格センターというのはこれは非常に、ある意味ではこれ画期的な制度だったわけですね、有効だと思います。何でここで上場義務を廃止して、全農の要するに自由にやらせるという言葉で妥当かどうか分かりませんが、これは私は逆だと思います。米の価格の決定をできるだけ多量、大きなところを、せめて土俵だけは透明なところで形成されているということをやるのが、これは筋だと思いますよ。これは規制強化でも何でもない、仕組みがそうなっているんだから。 今の米の市場の、市場というか価格形成、米市場というのは私はまだまだ発展段階だと思います。発展段階なんだけれども、規制強化というものがどんどんどんどん進んでいるものだから、規制緩和規制緩和というふうに進んでいるものですから、規制緩和をすればいいと思っている。だけど、繰り返しますけれども、その根本の枠組みというのは余り変わっていませんよ。だから、更にもっと言えば、繰り返しますけれども、全農の県本部の下に先ほど言った一〇〇%子会社がある。卸でも、これ同じことを何回言ってもう恐縮ですけれども、全農に対して口利き、対等になんか口利けませんよ、これは。そういう中でそのコメ価格センターで入札だ、落札だといってやっているわけです。 こういうときに、繰り返しますけれども、本当に農林省の監視の目というのが、行政の監視の目というのが本当に大事なんですよ。その中でだんだんだんだんその仕組みが変わっていって、全農のシェアが変わっていって、じゃもっともっと規制緩和しようというのが分かるならいいですよ。 そういう私は考え方が必要じゃないかと思うんですが、島村大臣、どのようにお考えになりますか。
○国務大臣(島村宜伸君) 一々御指摘のとおりだと感じながら話を伺いますが。 全農は、農家の協同組織の全国団体でございます。そういう意味では、組織体制を自ら定めるという自律あるいは自治的な組織として自主性を尊重して今までやってきているところではございますものの、少なくも今般の事件はその体質に起因するところと見られることでありますから、これを刷新することが何より我々にとって、これ、取りあえずのやるべきことだと、こうとらえているところでございます。 そういう意味で、いろいろ御指摘にありましたけれども、センターの価格形成の適正化を図るためには、まず個々の取引が適正に行われるための条件整備、これをきちっとやることが必要だと思いますし、具体的には、センターにおいて取引ルールの検証、見直しを進める中で、センター上場数量の大幅な増加、あるいは取引結果の透明性の向上、あるいは不正行為の監視機能の強化等について、今度は具体的にこちらからも、何でも自主性を尊重するのでなくて、やはり責任官庁としてきちんとこれに対して監視の目が行き届くような、そして同時に、お互いに考え方の交流が図れるようなことを考えていく必要があると、そう考えております。
○平野達男君 この米架空取引にせよ、粉飾の問題にせよ、似たような事件というのは民間であります。カネボウの粉飾事件、それからコクドの虚偽記載、あるいはUFJの検査忌避、これは私は粉飾決算未遂だと思っていますけれども、UFJのですね。こういった事件がありますと、大体そういうものは市場で非常に手痛い仕返しを受けます。検査によって業務改善命令が出されるだけじゃなくて、株価が下落するとか、そういった市場の手痛い仕返しを受けます。ところが、全農はこれに代わる組織というのがないんですよね。だから、こういうことをやっても株が下がるわけでもない、何が下がるわけでもない。それで、どこかの、前に全中の会長さんでしょうか、全中の会長さんは何か引責辞任しましたけれども、ちゃんと県に行って、県の農協の組合長さんは辞めていませんから、悠々自適か何か知りませんが、暮らしをされている方もおられるようです。 何の罰則の規定もないんですよ。だから、本当は全農にしても何にしても、全農が一番自ら、これはガバナンスですから、本当に自分たちの置かれた位置の、恵まれたというか、位置にあるというその状況を理解すると同時に責任をしっかり認識してもらうということと併せて、それだけに、相当の力を持っている全農ですから動き出したら好き勝手なこともできるという危機感を持って、そのことで必要なのが、繰り返しになりますけれども、監視機能だということをもう一度申し上げておきたいと思います。 そこで、もう一つ、この全農に関して一点だけお聞きしますけれども、全農は国の補助金の受渡し機関にもなっているんですね。たしか補助金の、農家に渡すときの要するに受渡し機関ということで、全体で二千六百億円ほど全農にお金が行って、うち百八十億円が全農で止まり、全農に支払われる補助金ですね。ほかは農協に、農家にいろんな形で支払われます。今回事件になりました不正受給の米流通システム改革促進対策費補助金、これも今日はちょっと議論しませんでしたけれども、不正受給が議論になっていますが、これもその中に含まれますね。 こういう公金を扱う機関として、全農というのは、これから抜本的に改正すると言っていますけれども、本当に信頼に足りる機関だというふうにお思いかどうかを、これをちょっと農林水産大臣に確認しておきたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 前の、私が農林水産大臣のときもそういうことですが、組織については私も性善説でいろいろ取り組んではきたところですが、こう事件が相次ぎますと信じてばかり話ができないというようなことで私は厳しく迫ったところでありますが、これからの組織につきましては、今、平野委員いろいろ御指摘になりましたけれども、ここで一々御説明している時間はありませんが、必ず、我々がそういうことに対してきちっと改善をしている方向が見えたというだけのものにしないとこれは責任を果たせないと、こう思っております。
○平野達男君 私も岩手県のちっちゃな農家の出でありまして、私の親戚では農協に勤めている人もたくさんいます。そして農協もいろいろ不祥事ありました。だけど、やっぱり全農経由の肥料は高いとか農薬は高いとか一杯批判もあります。ありますけれども、やっぱり今のところ頼れるのは農協なんですね。農協はやっぱり電話一本で肥料一俵持ってこいと言っても、聞けば持ってきます。よもやま話もして帰ります。どっか何となく郵便局に似ているような感じもありますが、そういう意味でやっぱり頼りにしなくちゃならない存在なんですよ。ところが、こういう中で、そういうような状況の中にもかかわらず、相次いでこういう米の架空取引、今回出てきましたけれども、不祥事が出てくるというのは誠に残念です。 今回の場合、米架空取引については全農さんも農家のためという弁解もしていますけど、全然農家のためになっていませんからね、こんなものは。決定的にもう要するに信頼を、信用を失墜していますから、その点からの意識改革も必要だということを申し上げまして、私の時間になりましたので質問を終わらせていただきます。
○山下栄一君 四月の二十七日にも少し取り上げさせていただきましたけれども、私は、国家公務員の研修の在り方につきまして、特に行革の観点から質問をさせていただきたいと思います。その際、財務省の財務総合政策研究所のことを少し取り上げさせていただきましたけれども、今日、お手元に三枚セットのA3の資料が行っているというふうに思います。最初の二枚が、一番上の表題にも書いてございますように、主に国家公務員を対象とする研修、公務員研修のための施設でございます。最後の三枚目は国家公務員以外を対象とする施設ですけれども、国の施設でございます。独立行政法人になっているところは網掛けがされております。 それで、この紙ですけれども、ずっと各省庁別に研修施設の名前が書いてございまして、右の方にずっと項目が並んでおります。最初に、職員というのは、これは人数が書いてございますけれども、この職員というのは、公務員研修の企画立案をする人だけではなくて、右の方にずっといろんな施設がございますけれども、宿泊施設等、その施設の管理するお仕事をされている方も含めまして十人とか三十四人と書いてございます。この人数の中には併任、兼務されているところが多いわけですけれども、それも含めた人数でございます。そのうち指定職は何人いらっしゃるかということがその次の欄でございます。 で、この施設を運営するに当たっての運営経費、研修そのものの教材その他外部講師料だけではなくて、施設の光熱費とかいうのが入っております。 その次は、年間延べ研修者数と。それからその次は、研修者数に含まれる対象者と。基本的に国家公務員、一枚目、二枚目は国家公務員ですけれども、それ以外に特に多いのが、自治体職員が非常に多いということを感じます。 それから、本校所在地。これは、本校という意味は、大学校なんかもございますので、研修所の本部があるところ。あとは、土地と建物の面積と台帳価格が書いてございます。分校等の数というのは、本部以外に地方に、出先にあるところがございまして、例えばさっきちょっと言いました財務総合政策研究所、財務省の場合でしたら十一、本部以外に十一の、一番右の欄に研修支所と書いてございますが、があるという、そういう意味でございます。 それから、付帯施設としてこれ五つ書いてございますが、宿泊施設、図書館、グラウンド、体育館、テニスコートと、そういう一覧表でございます。 こういうことにちょっと関心を持ちましたのは、前回も申し上げましたけれども、社会保険大学校、ここにもございますが、厚生労働省の施設で、これは非常にマスコミでも大きく報道されたもので、このような研修施設が、今の時代こんなんがあっていいのかというふうな観点からの宿泊施設とかグラウンドとか体育施設、そしてその他の、場合によってはゴルフ練習場もあるというふうなことが言われて問題提起されたわけですけれども、それがきっかけでございます。 まず、最初に質問させていただきますのは、この中に指定職という欄が二番目にございますけれども、これは既に本省で言うたら事務次官とか局長さんと同じ扱いになる、まあ幹部職といいますか、でございます。 それで、例えば経済産業省に経済産業研修所というのがございます。これは、既に経済産業研究所の方は独法になっておりますけれども、研究と研修が一緒になっているのもあるんですけれども、経済産業省の場合は研修所という形で施設等機関になっているわけですが、ここは、見ていただくと分かりますように、職員数二十四人なんですけれども、兼務の方が六人いらっしゃいますので専任の方は十八人と。そこで指定職が二人いらっしゃると、こういうことです。ほかにも、同じようなレベルなんだけれども指定職じゃないという、空欄のところもゼロというふうに考えていただいて結構ですが、こういうのを見ますと、基準がよく分かりません。 そういう意味で、本来、この指定職の基準、一体何をどういう理由でこれを指定職にするのかしないのかということ、特にこの研修施設にかかわることが非常に気になるわけですけれども、指定職に入れるかどうかの基準、またその理由について、これは人事院でしょうか、お聞きしたいと思います。
○政府特別補佐人(佐藤壮郎君) 国家公務員の給与につきましては、その職責と責任の度合いに応じて決めるというのがこれは基本でございます。指定職俸給表につきましても、当該職務の組織上の位置付け、あるいは職務の困難性、複雑性、責任の度合い等を総合してその適用を決めているわけでございます。 研修所の所長等の幹部についてでございますけれども、現在、行政需要の高度化、複雑化が大変進んでおります。したがいまして、各府省とも研修には大変力を入れておられるというふうに聞いております。研修所の幹部職員についての指定職俸給表の適用につきましても、以上のような、このような事情を勘案いたしまして適切な評価を行う必要があるというふうに考えております。 職員の人数に比べて指定職が多いんではないかという御指摘もございましたので、今後とも実態を精査して、必要なものについては見直しを図っていきたいというふうに思っております。
○山下栄一君 必要なら見直しを行うという話がございましたけど、例えば経済産業研修所の場合、今申し上げました、専任の方十八名の職員で指定職が二人もいらっしゃるという。例えば、総務大臣お見えですけど、総務省の統計研修所の場合は、同じような職員の数でこれ指定職ゼロになっているわけです。 この前、財務総合政策研究所の話しましたけれど、この二十七というのは、財務総合の場合は研修の方が二十七人、そのうち十七人併任ですから、各出先にもう大体一人ずつ担当がいらっしゃるんですけど、それも含めての数でございますが、ここは所長さんじゃなくて、前も言いましたように、所長は非常勤職でもできる、次長さんが指定職をあてがわれているわけですけれども、これもよく分からない。いずれにしましても基準が非常にあいまいだと。 非常に批判されているのは、この施設等機関、国家行政組織法の施設等機関の研究所とか研修所とか、本体じゃない附属機関の方の所長さんなり次長さんがいわゆるキャリアの皆さんの腰掛けの役職になっているんじゃないのかと、たくさん給料もらいながら、本当に複雑、困難、そして重要度という観点からの、そういうふうになっているけれども、本当にそういうふうに実質なっておるのかという、このことについては人事院の方でよく全般で見直しをお願いしたいなというふうには私は感じましたので、最初にこれを指摘しておきたいと思います。 それから、その次にですけれども、ここの一覧表の中のほとんどが施設等機関扱い、国家行政組織法第八条の二、そうでないのは米印が打ってあります。中にちょっと、ちょっと分かりにくいのがございまして、例えば二枚目の一番上の、これは厚生労働省の医政局の看護課の看護研修研究センターです。これは施設等機関じゃなくて、一つの課の、局の中の課の中にこういう部署がございまして、ところが宿泊施設を持っている、附属施設を持っているという、目黒区にあるということでございます。 また、国土交通省の地方整備局研修所と書いてございますが、こんな名前の研修所はないんですが、地方整備局の方で各出先の、近畿地方整備局とかその他の施設が全国に八つあるわけですけれども、ここは実質的には技術事務所、技術事務所が研修をやっておりまして、地元の職員の研修なんですけど、担当一人です。担当の方一人なんですけれども、大体一人ずつこの八か所にいらっしゃると、研修担当は。そして、この横に書いてございますように、宿泊施設は八つもあると。これ施設等機関じゃございません。出先の局の中の一つの部の中の研修担当、一人だけいらっしゃるんですけど、宿泊施設があるという、そういう意味で書いてあるわけです。北海道開発局にいたしましても、部の中に研修室というのがあって、これも、これ五点セット全部、宿泊その他全部入っているわけですけど。 本省の中の一つの課の中にある研修室なのに、なぜそんな独自の研修・宿泊施設があるのかというようなこともよく分からない。この施設等機関以外の研修の在り方について、非常にこれも大きな疑問でございます。 それで、これは総務省だと思いますけれども、国家行政組織法第八条、ここにはこの研修施設のことが書いてございます。ここでは、その施設等機関ではない機関の形で、法律や政令によらない形でこの文教研修施設、宿泊等の施設も含めまして、そんなこと本来つくれるのかということを感じさせるような条文になっておりますので、この施設等機関以外の、本省にそういう課の下に室があったりして、ところが実態は霞が関以外のところに宿泊等施設を持っているという、こんなやり方は国家公務員研修の在り方としてこの国家行政組織法が期待しておったのか、想定しておったのかということを確認したいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 八条の二項についての御質問なんだと思うんですが、これをお読みいただきましたら分かると存じますが、この中に、いわゆる法律によりましてそういったものが地方でも置けるということを書いておるというところが法律の根拠なんだと思うんですね、このところでいきますと。 そういった意味からいくと、地方が持っちゃいかぬというように取られるような御質問だったように思いますけれども、これは地方で「法律又は政令の定めるところにより、」という形で持てる形になっておるということなんだと思うんです。 私どもの方からいたしますと、地方に置いちゃいかぬと言われても、これは地方の方が第一宿泊施設等は安いんで、これは当然、地方になるのは当然なんですが、加えて、今地方分権を進めるに当たりましては特にいろんな形で地方の公務員の資質が問われている。中央が高くて地方が低いというのはかなり偏った見方だと思いますが、そういう御意見は多い。そういうのに裏付けられて、何となく地方に任せるのは危険であるかのごとき話がまかり通りますが、そういった意味からも、地方公務員の資質というものを、これは定期的にある程度いろんな研修をやるというのは非常に大切なことだと思っておりますんで、警察とか防衛大学、自治大学校、いずれもそういったようなところ、消防も含めまして、それぞれいろいろ国家と地方と一緒にやっておられるところも多いんだと思いますが、場所等々につきましてはそのような観点から必要なのではないかと思っております。
○山下栄一君 ちょっと、私、正確に申し上げたいが、地方にはたくさんつくって、ほかのところも一杯つくっているんですけどね。私が申し上げたかったのは、法律、政令によらない形で、この組織法八条二は、法律又は政令の定めるところによって文教研修施設又はこれらに類する機関及び施設を含む、置くことができると書いてあるわけですね。今私が申し上げた厚労省のところとか、国交省のこういう本体に研修室があって、それでその根拠法令がないわけですわ。ない形で実質つくってしまっているという。確かに、本体の方には研修課の中に研修室あるんですけど、ところが、そのどこどこにこういう施設を置くことができるというのは普通は政令等に書いてあるわけですけども、この場合は書いてないのが散見されるわけですね。そういうのもよく見ていただいて、この本来の国家公務員研修の研修施設の在り方というのはきちっと根拠法に基づいて、やはり国有財産でもあるわけですから、設置しなきゃならないというふうに思うんですね。 それがそうでない形で実質つくって、まあ研修はしっかりやっているんですけど、その施設の根拠法はどこにあるんだというと、政令にもない、法律にもないという形でできている例を私申し上げたんですけど、こういうのがございますので、まあよくチェックしていただきたいという意味で私申し上げましたので、細かく点検をお願いしたいというふうに思います。 それから、あと残された時間でちょっと、この国家公務員の研修の在り方なんですけれども、今も総務大臣おっしゃいましたように、国家公務員の資質向上というのは非常に大事なテーマだというふうに思います。地方公務員の場合でも、特に学校の教師の場合が非常に今教員の在り方という形で問題になっておるわけですけれども、総務省等におかれましても能力評価の話がございます。これはきちっとしたルールづくりがないので、一生懸命頑張っても頑張らなくても昇任したり昇給してしまうというふうなこと、これが大きな問題になっているわけですけれども、公務員の研修をやる場合にこのような立派な施設がないとできないのかということ。そして、役職別に応じた研修の中身、日進月歩、どんどん時代は変わっていきますので、そういうところをどこでこの研修の内容を点検し、より充実した国民の期待にこたえられるような研修内容にしようということを検討されておるのかという、そういうことが非常に不明確だなというふうに私思いました。 〔理事田浦直君退席、委員長着席〕 今、民間ではこの教育訓練、会社にとっては人材が宝なわけですけれども、ところがだんだん自分たちで育てる余裕がなくなってしまって人材派遣会社に求めたり、そして特に大会社でも独自の研修施設を手放していって、本体が厳しいのでと本体の研修施設をもう売却したりして、そしてできるだけ外部発注したり、研修の中身も外部発注をしたり、地元の大学と提携して大学の施設を使ったり、民間の施設を使ったりしながら、やりくりしながら人材育成をしているというのが民間の実態だと思うんですね。だから、高度経済成長に比べると終身雇用も崩れていって、民間の教育訓練、企業の教育訓練は非常にカットされる、広告費と並んで教育訓練というのはカットされる対象になるほど厳しい状況の中でもう必死になって人づくりのためにやっている。経済産業省においては、人が大事だということで人材投資減税まで考えながらやろうとしている。 そういう時代の中で、公務員のこの研修の在り方が今までどおりでいいのかなということを非常に感じましたので、こんな立派な施設を持っているということもそうなんですけれども、研修の企画立案はほとんど自前でやらないで、その施設の管理運営ばっかりに職員取られているみたいな面があって、企画立案は本省でやっているのでわざわざこんな出先でやる必要があるのかなという、そんなことを感じましたもので、今、私、抜本的な在り方を検討してもらいたいなというふうに思っております。 質問時間、ちょっと余りないんですけれども、そこで、中央省庁改革基本法という法律がございますけれども、この条文のことについて確認さしていただいて今日はもうこれで終わってしまいますが、ちょっとお願いしたいというふうに思います。 これも総務省だと思うんですけれども、中央省庁等改革基本法の中の四十三条六項に、ちょっと読み上げますけれども、若干中略をしますけれども、「政府は、文教研修施設及び作業施設について、国の行政機関としての必要性を見直し、その結果に基づき、民間事業への転換をはじめ、民間若しくは地方公共団体への移譲若しくは廃止又は」「独立行政法人への移行等により、その運営の効率化を図るものとする。」というふうに書いてございます。 一部独立行政法人化されたんですけれども、私はこの時期、民間との比較を考えながら、この中央省庁改革基本法の四十三条六項の精神を生かす形でもう一度見直す必要があるのではないかと。特に、財務省におかれましても本当にこの国有財産、宿泊等を含めた五点セット等も含めまして、中にはちょっと温泉施設にあったりカラオケルームがあったり、えらい豪華過ぎて、そして研修だけじゃなくて一般のお客さんまで泊めているみたいなところも具体的にはございまして、ちょっと今日は時間の都合で申し上げませんですけれども、いろんな、スタートはそうでなかったんでしょうけど、どんどん経過する中で本来の研修の在り方から逸脱した施設の在り方、研修の中身も、民間が必死で頑張っている中で公務員の研修の在り方もやはり大学等とよく相談しながら見直す必要があるのではないかということを感じましたので、この中央省庁等改革基本法の四十三条六項の精神を生かした全般的見直しを総務省にお願いしたいと思いますし、そして財務大臣には、国有財産の在り方として、民間とも比べながら、民間はどんどんそういう施設は撤退している中で国がいつまでも持っている、場合によったら新しく造っているところもございますので見直しをお願いしたいということを、この二点申し上げたいと思いました。
○委員長(鴻池祥肇君) 答弁は要りますか。
○山下栄一君 それぞれ。
○国務大臣(麻生太郎君) 今お話にありました今後の行政改革の方針ということで、これは昨年の十二月に策定をされたものでありまして、その中で国の事業とか事務の見直しをずっとやらせていただいて、廃止、縮小、民営化、特殊法人化等々、民間委託を含めましていろいろさせていただいておりますが、こうした取組を通じて今後五年間で一〇%以上の定員削減を政府として行う、スリム化するということを決めておりますが、これは今までの倍ということに意味しますので、昨年がこれまでの最高を記録しておりますのですからそれを更に上回るということになりますので、そういったような形で、今言われました文教研究施設というものもその中の対象外にすべきではなくスリム化を図っていかないかぬところだと思いますが、同時に、この研修というのだけは、これは役人、それこそ人間の質が最も問われるところでもありますので、この研修だけは手だけは抜かぬ方がええと、それだけはまた確かなところであろうと思っております。
○国務大臣(谷垣禎一君) まず国有財産の管理という点から申し上げますと、研修施設、行政財産としてやっているものは、まず基本的にそこの官庁、当該官庁においてまず管理をしていただくということが基本でありますが、財務省では、国有財産法第十条第一項というのがございまして、有効利用の観点から監査を実施してきております。したがいまして、今後とも、研修施設を含む行政財産については監査を実施して、非効率な使用となっている施設については改善を図るように指導していかなきゃいかぬということでやっております。 それから、もう一つやっておりますのは、国有財産有効利用の観点から使用状況実態調査というのをやっておりますが、その中で研修施設についてもこの調査を行っておりまして、平成十年度から十三年度にかけて実施した使用状況実態調査では六万二千三百八十七件、これは研修施設だけではありません、行政財産を含めてやったわけですが、そのうちに、もっと有効利用する必要があると認められた研修施設は三十一件ございました。こういった施設については所管官庁で利用計画を策定して処理を行うということをやっていただいておりまして、財務省としては、毎年その結果をフォローアップして、必要があれば更に指導も行っていかなければならないというようなことをやっております。
○山下栄一君 ありがとうございました。 西田委員に替わります。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。 山下委員に続きまして、私の方からは、当委員会で四月十一日にも取り上げさせていただきましたけれども、文科省、その際は文科省所管の財団法人の破産につきまして取り上げさせていただきました。 本日は、外務省所管であります財団法人国際教育情報センターが昨年十一月に破産に陥りまして、その件につきまして、公益法人、本来は公益を守るべく存在する組織である公益法人が逆に公益に対しまして害をなすというようなことが繰り返されてはならないという思いも込めまして、その事実関係等について大臣また政府参考人の皆さんにお聞きしたいと思います。 この財団法人国際教育情報センターといいますのは昭和三十三年に設立された財団でございまして、歴史教科書に関する民間交流の担い手として大変な有意義な仕事、事業をこれまでにも重ねてまいりました。とりわけ、今、日本と中国、あるいは日本と韓国といったアジア諸国との様々な歴史問題、また教科書問題等が大変に大きなテーマになっているときに、そうしたことを民間で、その第一線で担ってきたのがこの財団法人、センターなわけでございます。こうした事業の重要度にかんがみまして、これまで昭和三十三年から累計で二十六億円もの税金がつぎ込まれ、また維持されてきたわけでございます。 町村大臣も、たしか九七年だと思いますけれども、文部大臣の際に、都内のホテルで開かれました、このセンターが取り仕切りました日中友好歴史展にも御参加されているかと思いますけれども、今回、こうした財団が、長い歴史を持ち有意義な事業をしてきたにもかかわらず破産に至りました。そのことにつきまして、まず大臣から率直な御感想をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 西田委員御指摘のこの財団法人国際教育情報センター、私もたしか文部大臣のときに、その展示会ですか、都内ホテルで開かれたものだったと記憶をしておりますが、そこに参加をして、その折、賀陽理事長ともお目に掛かった記憶がございます。その時点で、もうかなりお年ではあるかなと思いましたが、しかし大変な情熱を込めてこの事業に取り組んでおられるという姿に大変感銘を受けたことを覚えております。 今、ちょうど委員からお話のあったような、外国の教科書とか辞書とか、そういうものに誤りがないかどうかきちんとチェックをしたり申入れを行ったり、非常にいい活動をしている団体だというふうに思っていたわけでございますけれども、債務超過で再建不能ということで破産をしてしまったというのは、私自身、残念な思いは個人的にはいたしておりますけれども、運営に責任を持つ理事の判断で、理事さん、理事長以外理事全員が破産やむなしという判断をされたということなものですから、やむを得ない選択であったのかなと、こんな思いがいたしております。
○西田実仁君 このセンターにつきましては、平成十三年四月三日の参議院の外交防衛委員会におきまして、当時の河野外務大臣がこのような答弁をされておられます。公益法人に対していろいろな批判がある昨今ではございますから公益法人について我々もいろいろ考えなければなりませんが、こういう非常に重要な仕事をしてくださっている、あるいは極めて必要な役割を担っておられるというところとは外務省としてはできるだけ連絡を取って、材料の提供だけではなくて、その他どういうサポートをする必要があるかということについてはよく考えて云々という、そういう公益法人、特にこのセンターの有している大変に重要な役割ということにかんがみて、できるだけ連絡を取りサポートしていくと、こういう当時の外務大臣の御答弁があったわけでございます。 しかし、今回、この破産に至る経緯を私もいろいろと調べて、また当事者にも、理事長にも御高齢ではございますけれども直接話をお聞きしました。また、関係者の方にも、いろいろと調べてまいりましたところ、率直に申し上げまして、この破産に至る経緯を眺めてみますと、まず、この歴史の長い財団の運営に当たりまして、主務官庁である外務省から、これまで適切な指導ないし監督がほとんどなされていなかったということが指摘できると思います。 そして、一たび資金繰りが悪化、先ほど債務超過というお話がありましたけれども、七千万円の債務超過でありました。私が前回、四月十一日に取り上げた文部科学省の所管の財団法人は六億円の債務超過。基本財産はこのセンターの方が大きい、先ほどの文科省の所管のと比べてですね。そういうセンターでございますけれども、一たび資金繰りが悪化したということが発覚しますと、外務省としてはかなり右往左往したんではないかというふうに正直言って見えるような節がございまして、再建への努力を決して促す、あるいは試みることもなく、言わばかなり計画的、意図的に破産への道をまっしぐらに進んだというふうな印象ばかりが正直言って目に付くわけでございます。 本日の質問に至るまで、私も外務省の当局の皆さんといろいろとやり取りをさせていただきましたけれども、三点指摘したいと思います。 まず、この財団が破産するに至った資料の収集等を要求いたしますと、本来、公益法人が出すべき、提出すべき財務諸表類、財産目録等も含めまして、最初に過去三年分を要求したところ、一部に欠落した諸表しか出てきませんで、資料がすぐにそろわないという状態がありました。 二つ目に、この破産に至る経緯のペーパーを、私、二回にわたりいただきましたけれども、一回目にいただいた資料と二回目にいただいた資料では随分と違うところが出てきておりまして、一回目の資料におきましては、要するに、理事長が御高齢で、事務局長が亡くなるという、そういう事務の停滞、これによって急速に資金が悪化したというペーパーが出されてきたわけでございます。 しかしながら、それが四月二十六日付けですが、今度、五月二日付けで出てきたペーパーでは、そうではなくて、本当の理由は、不況によってもう企業、個人からの会費、寄付収入が減少したことによるんだと、こういうペーパーが出てまいりました。 さらに、センターの破産、解散の経緯についてという時系列に追ってどういう経緯があったかということが記された資料も二種類出てきてまいりまして、五月十日付けでいただいたものの、実は私にいただいたのは五月十日付けのものですけれども、その前に内部資料として三月五日付けで作られているものに一部内容が違っておりまして、その内容の違うところは何かといえば、一つは、今日お見えになっていますけれども、近藤部長が理事長を説得したけれども、それはかなわなかったということ。そして、理事長からの回答として、センターの活動は縮小しつつ、債務は寄付金を集め徐々に返済するという趣旨のことが理事長からあったということ。さらに、理事長名で十五年度提出されていないと外務省が言っていた収支決算書ないし貸借対照表が実は送付されたこと、銀行の借入れのためにということでございますけれども。こうしたセンターを継続していこうという理事長側の努力を告げる事実関係については、私にいただきました最初の資料はそこはあえて削除されているという不思議なことが起きておりました。これが二つ目。 そして三つ目には、実はこの破産後について、少なくとも今現状、この四十七年の歴史を持ち、様々な歴史の専門家の交流をし、教科書のやり取りをしてきた、いろんな資料あるいは財産があろうかと思いますけれども、現状でこの蓄積されてまいりました、二十六億円という税金を注ぎ込み、蓄積されてまいりました資料類が現在どこにあり、どのように保管されているかということについてすべてを掌握はされていないという、こういう事実であります。 そして、更に言えば、裁判所に今年二月に二度にわたって提出された申立書並びに上申書、こうした理事長側から出されてきたものについても、当局である外務省としては一切知らない、あるいは調べようともしていないという、こういう大変不自然な三点にわたることがございまして先ほどのような印象を私は持ってしまったわけでございますけれども、まず近藤部長の方から、今申し上げた指摘につきまして御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(近藤誠一君) お答えいたします。 まず、委員の下にお届けをいたしました資料でございますが、いろいろとファイルの中から適切なものを探してお届けをしたつもりでございます。 破産に至る経緯につきましても、私どもとしては、長引く不況による寄付金の減少あるいは外注の減少、そして補助金も若干ながら減りつつあると、そういうマクロ的な状況と、それからセンター自身のマネジメントの問題、そういったものが複合的にかみ合って、そういった客観的な事態に必ずしも事務の効率化ですとか整理統合といったことがなされていなかったという、そういう複合要因が今回の破産に至る重要な原因だったというように考えております。 それから、破産後の資料でございますけれども、私どもとしましては、すべての財産、資料等が管財人の下に一括して管理をされたわけでございます。その中で、特に重要と思われます外国の教科書、約一万冊でございますけれども、それが麗澤大学の方で引き取っていただくということで、その大事な資産が今後とも生かせるようになっていると。あるいは、外務省の方にも、これまでセンターが行ってきました様々な歴史家の、あるいは専門家の交流の報告書、そういったものもそれぞれ備えてございます。また、センターが発行してきました広報資料等につきましても、外務省を含めそれぞれのあて先に保管をされていると。 ということで、委員御指摘のように、すべて一〇〇%ではございませんけれども、主要なものについてはできる限り保存をし、今後のこの種の活動に生かしていくということで最大限の保存の努力をしてきた次第でございます。
○西田実仁君 もう時間もございませんので、その破産についてもちょっとお聞きしたいと思いますけれども、裁判所の方に確認をいたしましたところ、公益法人の破産、この場合は、このセンターの場合は破産申立てを十一月一日にしていますよね。そして、その同日午後五時に破産宣告が発せられています。こうやって、申立てをして宣告をされるまでに同じ日になされるというのは極めて、極めて異例なことであるということが分かります。 最高裁判所に私の方で調べました。過去にわたりまして、公益法人が破産を申し立てて、そしてその日のうちに破産宣告をされるというケースがどのぐらいあるのか過去について調べてみましたら、一件だけありました。すなわち、このセンターの件であります。つまり、過去には一度もそうしたことがなされていない。異議申立てをするような期間が一切与えられていないというのはかなりまれなケースでございまして、なぜこのような形になったんでしょうか、御答弁願います。
○政府参考人(近藤誠一君) 本件の破産申立てを受けました東京地裁がどのような判断をされたのか私どもの知るところではございませんが、恐らく私の推測では、置かれた客観的な状況、特に理事が全員が、その時点の状況は極めて厳しく、債務を解消し、そしてまたこれまで続けてきた業務を改めて再開をするということは不可能であるというような判断をしていたという、そういう状況にかんがみれば、かなり早い決定ではありましたけれども、そういった客観情勢を判断した上での決定ではないかというふうに推測をしております。
○西田実仁君 この最高裁判所によりますと、今日はもう時間ないんでお呼びしませんでしたけれども、普通、一般的には東京地裁、東京地裁に出されましたけれども、東京地裁の場合も、専門部署があっても、公益法人の場合は普通は一週間から二週間掛かるのが普通であると。なぜならば、やはり債権者の数が非常に多いということもございます。 じゃ、即日にそうした宣告がなされる例はどういう例なのかということを更に聞きますと、余りそうした公益法人ではそうした例はほとんどありませんという回答が裁判所からありました。しかしながら、まれにあるとすれば、申立て代理人の弁護士が裁判所の方と内々で十分な話合いがなされている場合。この場合、このセンターの破産宣告の弁護士は外務省が推薦をした弁護士であります、そこに至る経緯はお聞きしましたけれども。また、債権保全の必要のために即日決定されることもありますと、債権が保全されない、分散してしまうと。こういう二つの条件から即日破産開始決定される場合が極めてまれに、特に公益法人の、個人の場合は別ですけれども、公益法人の場合はあるということであります。 しかし、この二つの点、今申し上げたとおり、一つは代理人の弁護士が裁判所の方と内々で十分な話合いをなされたというけれども、実はこの代理人の弁護士、理事側の代理人の弁護士でありますけれども、外務省が推薦して、外務省の顧問弁護士を独立された方がやっているという事実。そしてもう一つ、債権保全のため、先ほどもおっしゃいましたけれども、現状が、全部ではないけれども、ほとんど把握されているかのようなお話をされましたけれども、裁判所に出されました申立て書あるいは上申書によりますと、これは、権限のない、管財人の命ではない、元職員が資料を勝手に倉庫から盗み出しているという、持ち出しているというような申立て書が裁判所に出されておりまして、これについても債権保全の必要のために即日決定されたと言うには値しない事実関係があるわけでございまして、どう見ても、やはりこの破産に至る経緯がちょっと乱暴ではないかというふうに正直言って思います。 しかしながら、もう既に破産してしまったことでありますし、今更取戻しもできないわけでございますけれども、もう時間もないので、あえてここから学び取ることが必要ではないかということについて申し上げさせていただきたいと思いますけれども、一つはやはり公益法人につきまして主務官庁が、このセンターでもそうでしたけれども、基本財産がもう二十三年前から取り崩されているということについ最近気付いたという、立入検査をしていても、預金通帳を見合わせて決算書に記載されている基本財産と合わないか合うかということも確認をしていないという非常にずさんな立入検査という状態が、直さなければならないというふうにまず思います。 と同時に、町村大臣にお聞きしたいと思いますけれども、この継続事業として今やっている、例えば標準日本語という事業が、中国の教育部直轄機関である人民教育出版社とこのセンターとの間で既に編集作業を終えている、そうした継続事業もあるやに聞いておりまして、今後の日中、日韓あるいはアジア諸国との様々な関係を考えたときには、このセンターが復活するということではなくて、こうした重要な機能を一刻も早く受皿として、あるいは新たな機関か分かりませんけれども、いずれにしても、この機能回復に早急にやはり取り組まなければならないんではないかということを非常に強く感ずるわけでございますけれども、大臣いかがでございましょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 非常に重要な役割を担ってきたこのセンターに対する外務省が所管官庁としてどれだけきちんきちんと見てきたか。まあ定期的な立入検査をやってきたようではありますが、現実的にはこの基本財産の取崩し等のことに十分気が付かなかったということで、そういう意味では、所管公益法人の指導監督、十分ではなかったということは、率直にこれは反省をしなければいけないだろうと、こう思っております。 その上で、いろいろな仕事、先ほど近藤部長がお話ししたような、収集した資料は幸いなことに廣池学園麗澤大学の方でほとんど、大分、一万冊という書籍あるいは資料あるいは外国教科書というものが引き取られたということでありますが、委員御指摘のその彼らがやってきた事業に関するノウハウ、こういったものをうまく継承しなければ、本当に長年の補助金の成果も雲散霧消してしまうではないかという御指摘は誠にごもっともでございまして、限られた外務省の予算ではございますけれども、これらをうまく活用して、外務省あるいは民間でこういったことをやろうという方々を支援したり、あるいは外務省ベースでも何かうまくこういったノウハウが継続するような工夫をこれから大いにやっていかなければいけないと、このように事態を受け止めているところでございます。
○西田実仁君 終わります。 ありがとうございました。
○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。 今日、私は、非正規雇用労働者問題について質問させていただきます。 まずは、お手元にお配りをいたしました資料の一枚目をごらんください。これ、総務省の統計でございますけれども、非正規雇用労働者の全体、また男女別、二十四歳以下の推移を示したものでございます。 パート、アルバイト、派遣、契約社員など、とにかく非正規雇用労働者は、二〇〇四年度でいきますと一千五百六十四万人、全体の三一・四%、女性は五一・七、二十四歳以下は四五・二%と、一九九〇年度と比べても、それぞれ一一・二%、一三・六%、若者はとりわけ二四・七%も増大をしています。しかも若者の場合は、年収がパートやアルバイトでいきますと百五万円でありますとか、派遣や請負になりますと二百万円台ということがございます。不安定な雇用で、低賃金で、こうした非正規雇用労働者の増大というのは日本の未来にとっても本当に重大だというふうに思わざるを得ません。 こうした点についてまず政府の認識をお聞きしたいと思いますけれども、まず、少子化担当大臣として、こうした若者の雇用状態で少子化に歯止めが掛けられると思われるでしょうか。
○国務大臣(南野知惠子君) お答え申し上げます。 昨年の十二月に国会報告をいたしました少子化社会白書の中でも指摘させていただいておりますけれども、近年、雇用形態が多様化いたしております。特に、若者の間ではパートタイム雇用の割合が高くなっております。また、パートタイムなどの不安定就労を繰り返すいわゆるフリーターの増加も、高い失業率などによる若者の経済的な不安定、それもまた増加いたしております。さらに、それが未婚率又は晩婚化を通じて少子化に影響を与えているものとも考えられます。 さらにまた、政府といたしましては、昨年十二月に策定いたしました子ども・子育て応援プランの中で、若者の就労支援やパートタイム労働者の処遇改善なども取り組んでいるところでございます。 安心して子どもを産み、また子育ての喜びを実感できる社会を実現するために着実な取組を進めてまいりたいと考えており、先週の五月十日にも、官房長官に呼び掛けをいただき、関係大臣が集まっていただき、経済界、労働界のトップの皆様に仕事と子育ての両立支援ということでお願いし、意見交換をしたところでございます。 今後とも、特命担当大臣として、関係省庁の相互調整に努めてまいる所存でございます。
○小林美恵子君 その不安定な就労の状態がやはり少子化に影響を与えているという御答弁でございました。 それで、次は経済産業大臣にお聞きしたいと思います。 昨年六月でございますけれども、経済産業省が出されました「若年者を中心とした産業人材育成政策について 人材・雇用をめぐる神話と真実」というのがございます。そこで、神話というところで、リストラで人材投資を削減した方が企業は利益は拡大するということがあるんですけれども、一方で、教育訓練費の増加が利益をも雇用も増加している統計が出ています。さらに、シャープの社長などは、社内のノウハウ、人材ストックをいかに積み重ねるかが重要だという指摘がここにあります。 こうした指摘というのは、正にリストラで人材投資を削減した方が企業は利益は拡大すると、これについてある意味で否定しているというふうに考えますけれども、大臣はいかがですか。
○国務大臣(中川昭一君) いわゆる非正規雇用の数が増えているということは今、小林委員御指摘のとおりで、十年前に比べますと二〇%だったものが三〇%になっていると。 この要因はいろいろあるんだろうと思います。一つは、経済状況が良くないから非正規の方がコストが掛からないということもありますけれども、他方、やっぱり企業の最大の力は人材、また人材力のアップでございますから、企業においてその人材のレベルを上げていくという様々な努力をしていかないと競争の中で勝ち抜いていかないわけでございます。そういう意味で、今年から人材投資促進税制でありますとか、あるいはまた、いわゆる経済産業省で申しますとジョブカフェみたいな形で、自分の仕事をしたいところとのマッチングのためのいろんな対策を取っているところでございます。 単なるコスト面だけではなく、企業の経営の強化という意味で人間力を強化すると同時に、被雇用者、雇用される側の方もやはり非正規の方がいいんだというニーズも他方あるんだろうというふうに思っておりますので、多様な雇用形態の中で雇用者ができるだけ満足がいくように、あるいはまた会社の方もそういう意味で企業が競争で勝ち抜いていけるような体制を取っていくという両面から、こういう御指摘のような点について施策を充実していきたいというふうに考えております。
○小林美恵子君 人材は大切だという御答弁でございました。 今の御答弁の中にもございましたけれども、この政策の文書の中には、若年人材対策の問題意識の中で、多くの若年人材がフリーター化していると、貴重な若年人材が有効活用されない状況が続けば産業の競争力に支障、社会保障も含めた経済社会基盤の崩壊というふうに明記をしています。大臣もこういう立場であるということを改めて確認をさしていただきたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 少子化という問題と、それから、現に若者を中心にして仕事に就かない、いわゆるニートという人たちが徐々に増えてきているということは、御本人にとっても、また日本全体にとっても決してプラスなことではないというふうに考えておりますので、そういう意欲を持って仕事に就けるようにしていくということに政府やあるいはまた地域、あるいはまた家庭、教育機関がいろんな意味で支援をしていくということが極めて大事なことだろうというふうに考えております。
○小林美恵子君 今、両大臣の御答弁からいきますと、今の非正規雇用労働者の増大というのは、少子化の面でも、企業にとっても、そしてその本人にとっても大変将来にわたって問題が出てくるという認識だということを理解をしました。 しかし、私は、こういう状態に陥っているのは労働者の問題ではないと、責任はやっぱり、これまで政府が派遣労働でありますとか有期雇用とか労働分野の規制緩和を行ってきたことが問題だと思うんですね。しかも、企業がリストラすれば税金まける産業再生法など、そういう制定したことに大きな責任があるということを私は申し上げたいと思います。 それを指摘をしながら、次に、こうした非正規雇用労働者の実態、要望について質問していきたいと思います。 全大阪労働組合総連合が非正規雇用労働者に対する昨年十月に行ったアンケート調査があります。四千二百七十六件の回収でございますけれども、その中で雇用不安が常時あると答えたのが、派遣労働で七三・一%です。臨時労働者でいきますと七三・九%。全体を平均しますと五六%を超えています。しかも、待遇では、一番の要求が賃金の引上げの土台になる最低賃金の引上げです。これが四七・一%。法律の差別の規制が三四・四%です。 先ほど経済産業大臣、この非正規というのは雇用労働者のある意味ではニーズというふうなお答えもございましたけれども、この結果からいきますと、雇用不安、いわゆるそういう非正規の人たちほど雇用不安を訴えているというのが調査結果にも出ているということを私は改めて申し上げたいと思います。 その上で厚生労働大臣にお伺いしますけれども、厚生労働大臣は、今私は大阪の数字を出しましたけれども、こうした非正規雇用労働者の要求といいますか、実態は把握されておられますか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今いろいろお述べになりましたように、非正規労働者というふうに言いましてもいろんな形がございますけれども、一番代表的なパートタイム労働者について、じゃ、どのように考えておられるか、私どもがどのように認識しておるかということをお答え申し上げたいと存じます。 平成十三年のパートタイム労働総合実態調査によりますと、パートタイム労働者の五四・三%が今の会社や仕事への不安や不満があるといたしておりまして、そのうち、賃金が安いと答えた方の割合が五一・一%となっております。これはもう調査の答えでありますから、そのとおりであるというふうに私どもも当然認識をいたしております。 こうした中で、パートタイム労働者の処遇は必ずしも働きに見合ったものとなっていない面がございますので、パートタイム労働者の公正な処遇を図っていくことは重要な課題であると認識をいたしております。
○小林美恵子君 では、私、具体的にお聞きをしたいと思います。お手元の二枚目の資料をごらんいただきたいと思います。それは厚生労働省がお出しになっております資料ですけれども、一般労働者とパート労働者の賃金格差の推移、一時間当たりのいわゆる給与額を一〇〇としての賃金格差の推移です。二〇〇四年度でいきますと、女性は六五・七%、女性同士ですね。男性の場合でいきますと、一般とパートでいきますと五〇・四%になっています。 ここ二年はこうして見ますと若干伸びているという傾向もありますけれども、全体としましては、ピーク時からいくとやっぱり格差は広がっていると言わざるを得ません。大阪で二十年間パートで働いてきた女性は、その間、時間給も年収も二十年間変わらなかったというふうにおっしゃっていました。 先ほどパートの労働者の状況についてお話しになり、改善は必要であるというふうに大臣に答えていただきました。改めて厚生労働大臣にお伺いしますけれども、こうした格差というのをやっぱり是正していくべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今お話しになりましたように、パートタイム労働者と一般労働者との一時間当たり平均所定内給与の格差につきましては拡大傾向が見られるところでございます。その背景には、職種構成の変化でありますとか勤続年数、就業調整の影響など、様々な要因が考えられるところであります。 しかし、そうした中でございますけれども、正社員が行ってきた役割の一部を担うなど、基幹的役割を果たすパートタイム労働者が増加をしておる中でございますから、パートタイム労働者の処遇は必ずしも働きに見合ったものになっていない面があると認識をいたしております。パートタイム労働者の処遇につきましては、先ほど来申し上げておりますように、正社員との均衡を図っていくことが必要と認識をいたしておるところでございます。
○小林美恵子君 では、私、こうした格差が起きる原因には、やっぱり低賃金が許されているという問題があるというふうに思います。その要因となる最低賃金について質問をいたします。 大阪のスーパー「ライフ」でございますけれども、時間給が七百四円から九百円の賃金のところがございました。七百四円といいますのは、大阪府の二〇〇四年度の地域別最低賃金額そのものなんです。それも三年ぶりに一円アップしただけです。今、全国には六百六円の県もありますけれども、平均は六百六十五円ですね。 最低賃金は、政府の方から見ても不当に低い賃金から保護する安全網として第一義的な役割があるというふうにされていますけれども、ここで厚労大臣にお聞きしますけれども、今の最低賃金額が安全網として十分だと大臣はお考えでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 御質問は、その今の最低賃金が安全網とおっしゃいましたか、セーフティーネットという意味でございましょうか、そういうお尋ねでございますね。 今、地域別最低賃金というのは、これはもう申し上げるまでもないですが、最低賃金法に基づき賃金の低い労働者の労働条件の改善を図って、もって労働者の生活の安定等に資することを目的として決定されておるものでございますから、そういうことで決定されておる最低賃金は正にセーフティーネットの役割を果たしておるというふうに理解をいたしております。
○小林美恵子君 それが大変なんですね。 例えば、埼玉の二十六歳の青年が最低賃金で一か月生活したという話がございます。それを見ますと、その額六百七十九円で、月額に換算しますと十一万九千五百四円、それで所得税、住民税、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険、さらに家賃を引いて差し引き七万円だと。そこから水道・光熱費を引くと、一日の生活費が八百二十二円になると。三十日間で朝食を食べたのはたった七日だけだと。病院にも行けないと。やる気も喪失すると。正に、こうした賃金額のベースでは、労働者が人と足る生活にするには本当にほど遠い話だというふうに思います。 そこで今、最低賃金にかかわる厚労省のあり方研究会というのがあると思いますけれども、そこの報告には一層適切に機能することが求められるというふうに指摘されています。この指摘事項については、大臣も同じ考えですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今、私どもの中で最低賃金制度のあり方に関する研究会を設置いたしまして、その報告書も取りまとめられたところでございます。その中での記述は幾つかございますけれども、今最後にお述べになった記述のところはどこの部分でございましょうか。 申し訳ございません、よく聞き取れなかったものですから、もう一度、どの記述の部分かを言っていただくと有り難いのでありますけれども。
○小林美恵子君 一層適切に機能することが求められるというふうに書いてあるんです。それは大臣もそういう同じ考えですかということをお聞きしました。
○国務大臣(尾辻秀久君) そのことは報告書に書いてあることでもございますし、私も当然そのように考えております。
○小林美恵子君 では、私、もう一度お聞きしますけれども、大阪の最低賃金、七百四円を月額計算でいきますと十二万三千九百四円になるんです。これを十八歳、単身者の生活保護基準の十六万三千六百八十六円と比べますと、四万円も低い水準なんですね。 生活保護との関係について、二〇〇一年の国会で、我が党の吉川春子議員の質問に対しまして、時の厚生労働大臣はよく検討したいと答弁されております。 そこで、私、お聞きしたいんですけれども、生活保護との関係で、今どのように検討されておるでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 確かに、御党の吉川春子先生からの御質問に対して当時の坂口大臣がそのような検討するというお答えをいたしております。そこで、今お触れいただきました最低賃金制度のあり方に関する研究会において、生活保護と地域別最低賃金との関係を含めて、その在り方について研究してもらって報告書を取りまとめてもらったところでございます。 その報告書の中で幾つか述べておりますけれども、まず、政策的に定められる生活保護の水準に最低賃金の水準というのは直接リンクして決定することは必ずしも適当とはいえない、こういうふうに述べておるんですが、といって一方で、単身者について少なくとも実質的に見て生活保護の水準を下回らないようにすることが必要であると考えられるというようなことも述べまして、今後、技術的検討が必要であると、こういうふうに述べておりますので、私どもといたしましても、今後、こうした諮問を受けたわけでございますから、更に検討を進めていきたいと存じておるところでございます。
○小林美恵子君 今の御答弁でいきますと、単身者についてですけれども、実質的に見て生活保護の水準を下回らないようにすることを検討していくと言いましたけれども、つまり最低賃金の引上げについて、生活保護との関係でその水準を引き上げる方向で見直しも考えるということで理解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) この報告書、最後のところ、技術的検討が必要であるというふうに言っておるわけでございますが、その前に何というふうに述べているかといいますと、この最低賃金の生活保護の水準との比較に当たっては、最低賃金の設定単位、比較の対象とすべき住宅扶助のとり方、課税等の関係などを含め技術的検討が必要であるということを述べておりますので、こうしたもろもろの条件考えながら私どもも検討すべきである、こういうふうに考えておるところでございます。
○小林美恵子君 いずれにしましても、水準を引き上げていく方向で総合的に見直しを検討していくということですね。もう一度確認します。そういうことですね。
○国務大臣(尾辻秀久君) 再三申し上げておりますように、この研究会の報告書が取りまとめられたことでございますので、これを踏まえまして、本年四月に労働政策審議会に今後の最低賃金の在り方について諮問をいたしておりますので、諮問して答申に向けてまた検討していただいていますから、私どもが今諮問をしておりますので、そしてその諮問に向けて検討をしていただいておりますので、その検討の状況をお聞きしてまた私どもが答えを出すと、こういう手順にいたしたいと考えております。
○小林美恵子君 今、非正規雇用労働者が本当に増大する中で、低賃金で働かされているわけですよね。そのためにも、やっぱり土台になる最低賃金が引き上がれば非正規雇用労働者の賃金もどんと引き上がっていくわけですから、そういう点では、本当に水準を引き上げていただきたいということを強く申し上げたいというふうに思います。 そして次に、正規労働と非正規労働の均等待遇についてお聞きしたいと思いますけれども、先ほど厚生労働大臣、パートの場合、処遇も改善していくというお話がございました。 改めて聞きますけれども、二〇〇三年、パート労働指針を改定した理由というのがございますが、これは公正な処遇を実現するために改定されたと思います。実際はどうかということですけれども、例えばこれも大阪の例でございますけれども、同じ企業に勤めていて、一般労働者は一時金を取ると、正規の場合は二・二か月、パートは一・五か月という差がございます。これは公正な処遇ということに値するでしょうか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今の具体的な部分については、もし必要があれば局長に答えさせますけれども、私ども、まず基本的に、これはもう先ほど来申し上げておりますけれども、パートタイム労働者と正社員との間の公正な処遇を図っていくことはこれは極めて重要な課題であると基本的に認識をいたしておるところでございます。 そうした中で、パートタイム労働者の均衡処遇に向けた考え方あるいはルールを示した改正パートタイム労働指針についても今各企業にも説明をいたしておるところでございまして、その浸透、定着に努めておるところでございます。
○小林美恵子君 先ほど申し上げました例でいきますと、私は、賃金に既に差があるわけで、差があって、一時金のその月分といいますか、一般労働、正規の場合は二・二か月で、パートの場合は一・五か月というのは明らかに不均衡だというふうに思うんですよね、これはね。その点で、そういうふうな状態を企業がまだ続けているということは、この間改正されましたパート指針についても、結局は努力規定で義務規定がない、実効性がないことが問題だというふうに思います。 そこで、改めて、こういう規定も本来現場に即して実効性のあるものにしていく方向が必要だと思いますが、この点は大臣、いかがですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) それじゃ、私からお答え申し上げます。 法規制を強化するということでございますけれども、このことについては今まだ労使間で見解が大きく分かれておるところでございまして、私どもといたしましては、先ほど来申し上げておりますこの指針の浸透、定着を着実に行うことにより労使を含めた国民的合意形成を図っていくことがまず必要だと、こういうふうに考えておるところでございます。
○小林美恵子君 では、もう最後になりますけれども、いずれにしましても、労働というのは国民が生活する上で本当に大事な生活基盤の土台ですよね。それが不安定な雇用の状況に置かれていては、正に人間として当たり前に生活することも支障を来しますし、日本の将来にとっても重大な問題だというふうに思います。そういう点で、先ほどの最低賃金の引上げと同時に、正規との均等待遇、さらには、本来は正規雇用の拡充を政府として推進するということを求めて、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(鴻池祥肇君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、直嶋正行君が委員を辞任され、その補欠として和田ひろ子君が選任されました。 ─────────────
○又市征治君 特別会計の改革について、引き続きと言うべきか、しつこくと言うべきか、質問をしてまいりたいと思います。むしろ、谷垣大臣の、私、サポーターみたいなものでありまして、特別会計削減という問題では、非常にこの点、ずっとやってまいりました。 そこで、産業投資特会のうち社会資本勘定についてはついに廃止を決めていただいたんですが、じゃ残りの産業投資勘定の方は、これは意味あるのかということが出てくるわけで、そもそも今なお政府系金融機関へ投資をする必要があるのかという根本的な私は疑問があるわけです。その上、その投資すら毎年度多額の使い残し、剰余金を出してきたことをずっと指摘してきました。 そこで、政府は、史上初めてというのは大げさな言い方ですけれども、二〇〇五年度に剰余金一千七百八十八億円を一般会計に戻すことにされたわけですね。原資の半分が一般会計保有のNTT株、JT株の配当金ですから、これは当然のことといえば当然です。財源囲い込みに対する国民の批判にこたえたと言えますし、産業投資勘定自体もむしろ廃止の日が近いんじゃないかと、こう私は受け止めますけれども、そこで財務省、このように剰余金を繰り戻す、こういうことについては更にこの後も引き続き努力をされていくのかどうか、この点についてまずお伺いをいたします。
○政府参考人(浜田恵造君) お答えを申し上げます。 ただいま御指摘のように、十七年度の産業投資特別会計、産業投資勘定におきましては、その歳入規模が、出資の回収金等により前年度剰余金の増加が見込まれ、二千八百五十八億円と歳入規模がなっております。他方、同勘定の所要の歳出規模について、十七年度予算編成の基本方針を踏まえまして、真に必要な資金需要について的確に対応する観点から厳しく精査し、千七十億円としたところでございます。したがいまして、この結果、歳入と所要の歳出の差額千七百八十八億円を一般会計に繰り入れることとしておりますが、これは増加した歳入規模に対しまして、歳出規模の増加を抑制しつつ、出資対象事業の重点化、効率化に努めた結果でございまして、財政構造改革にも資するものと考えております。 なお、今後でございますけれども、産投勘定の歳出規模につきましては、真に必要な資金需要を厳しく精査していく必要があると考えておりますが、歳入の規模につきましてはその時々の状況に応じまして変動いたしますので、来年度以降の歳入歳出の差額の動向につきましては一概には見通し難いところでございます。
○又市征治君 次に、じゃ、原資が特定財源である場合どうかということがあります。 これは、電源開発特会は核燃料サイクル機構に多額の支出をして、なおかつ剰余金出しているわけですね。しかし、一般会計はこの機構に対して戻る見込みのない出資を一兆四千億円してきたわけであります。ならば、この特会の剰余金から形を変えて一般会計の出資の回収分として繰り入れることはやるべきじゃないのかと、こう私は前から申し上げているんですが、この点、もう一度お聞きをします。
○政府参考人(松元崇君) お答えいたします。 核燃料サイクル開発機構の政府出資の毀損につきまして、同機構が独法に移行いたしますということを予定されているわけでございますが、そういったことも踏まえまして、資本金として整理されております金額、これにつきましてこの一般会計分からの出資を確保する形で特会の剰余金を用いられないか、こういう御提案かと存じますが、これまでもお答えいたしておりますが、一般会計、特別会計からの出資金につきましては、それぞれ出資対象の法人、事業等の性格、目的等が異なるものであることなどから、処理に当たりまして特別会計に一方的にしわ寄せするといったような方法は必ずしも適当ではないのではないかと考えております。 そういったことから、出資対象の法人、事業等の性格、目的に応じまして、その原則の中で出資割合による平等な減額という形にいたしておりますので、議員御指摘のような形にはなっておらないということでございます。
○又市征治君 何かえらい、一般会計も随分と裕福なんですね、その発想でいえば。えらいのんきな話だなというように私は受け止めます。 今年十月にこれ合併して、この出資金全部毀損してしまうわけでしょう、この電源特会のやつは。基盤研究促進センターの二千八百億円は雲散霧消してしまったわけですが、特会のこの剰余金の一般会計繰戻しという一つの改善策を私はもたらしたというふうに理解をしています。しかし、今回のサイクル機構で毀損する金額というのはその十倍あるわけですよ。だから、出資しているわけだから、一般会計から。そこで、この回収する権利があるわけだし、特会剰余金という立派な、剰余金持っているわけですから、言い換えれば差押資産あるじゃないですか。このことをなぜやらないんですか。
○政府参考人(松元崇君) お答えいたします。 核燃料サイクル開発機構に対する出資金、これが多額に毀損している形になっているではないかということでございますが、この出資金につきましては、財務諸表の形式上は欠損金が累積しているという形で処理されておるものでございますが、実際には、この一般会計からの出資分であれ、あるいは特別会計からの出資分であれ、研究開発の成果が将来にわたりまして国民の有形無形の資産として残っておりまして、我が国の経済社会の発展に寄与するという形でその利益が国民に還元されてきておりまして、国民経済的には出資金としての役割を十分果たしてきていると考えております。 したがいまして、核燃料サイクル開発機構に対します出資金につきましては、その欠損額につきまして電源特会の剰余金から回収するといったことは必要ではないと考えております。
○又市征治君 まるでそのBSは虚偽じゃないかと、こう私は言わざるを得ませんね。一方で民間BS導入を自慢をして、他方では無形の資産だからなくてもいいんだと。正に使い分ける御都合主義じゃありませんか。 財政審も、特別会計小委員会の審議の中で、特定財源の囲い込みを打破することが課題じゃないかと、こう挙げているわけですね、ずっと。だから私も冒頭から、財務大臣の私なんかサポーターだと、こう言ったのはそういう意味ですよ。各省が自分たちの予算だと思っていると、このことをやはりきちっと崩さなきゃ駄目だと、こういって、小委員会の皆さんが苦労をいただいて、御審議いただいて言っているわけでしょう。この一線にやっぱり踏み込まなきゃ、特別の会計の言ってみれば改革なんてのはできないんじゃないのか、こう申し上げているんですよ。だから、そういう意味では甘い、こう言わざるを得ないわけです。 そこで、大臣に今度はお伺いをいたしますが、これは前回も指摘して、若干ちょっと擦れ違いがあるんですけれども、特別会計全体で歳出純計が二百五兆円ある、その中で政策的改革が当面可能な分として、私は、その他事務、業務費等という、こういう仕分がございますね。ここに十四兆七千億円実はあるじゃないか。ここのところは、もちろんのこと、個別の会計ごとのいろんな理由がありますから、全部これにトータルで、例えば三パーとか五パーとか全部削ったらどうだというような、そういう乱暴なことを言うつもりはありません。しかし、ここのところは、年金財源とかあるいは地方交付税だとかの会計と違うわけですから、そういう点ではこれはトータルとして例えば三%ぐらいは削ろうじゃないかと、その中でやりくりはいろいろとあるかもしれない、こういう格好で指標を設けてやらないとなかなか進まないんじゃないのかと。そして、それをやっぱりこれだけ財政再建というんだから、一般会計に繰り入れるとか、あるいは国債整理基金に繰り入れるとか、こういう方向性を目指さなきゃいかぬのじゃないかと、こう申し上げてきたんですね。 この点について、大臣、もう一度明快な御答弁いただきたい。
○国務大臣(谷垣禎一君) 又市委員がこの特別会計の問題、熱心に取り上げていただいているのは、私、大変有り難いことでございまして、大きな方向として先ほどサポーターだとおっしゃっていただいたのは私もそのように思っているわけでございます。 ですから、産投会計でNTTの売却益からの無利子融資みたいなものを廃止するというのは委員の御提言の趣旨にも沿ったことだと思っておりますし、財政審の御指摘を踏まえてこれからもやりたいと思っているんです。 そこで、数値目標ということですけれども、委員のおっしゃったように、十四兆何千億かあるわけですね。それ以外のところは義務的経費であったりなんかいたしますので、そこを圧縮するというのはもうこれはなかなか難しい、できないことでございますので、残っているのはそういうところだと。そういうところにメスを入れない限り、特会改革は成り立たないだろうという御趣旨は私、そのとおりだと思います。 ただ、具体的に考えてみますと、外為特会などの場合にはこれからの為替介入の在り方というものが関与してまいりますので、今直ちにどのぐらいの規模にできるかということは言いにくい面が率直に言ってあるわけですね。それと同じようなことは、例えば公共事業等につきましても、公共事業に関する特会については、むしろ公共事業そのものをどの程度のものにしていくかというのが主でございまして、その従となってその特会の今おっしゃった十四兆何千億かの特会分がどのぐらいなのか出てきますので、どうもそこだけでやるのは実はなかなか難しい。 ただ、私どもこれからやらなきゃならないのは、結局、そうなりますと個々の特会ごとの特質をよく見てやっていかなきゃいかぬということだろうと思います。そこで、委員の御趣旨も生かしながら、それぞれの特会ごとにどういう目標を立てて進んでいけるかということを私どもももう少し精査をして、見通しを立てて進んでいかないとなかなかその特会改革というものは成り立たないだろうと思っておりまして、その辺りの努力はこれから更にぎりぎりとやってみたいと、このように思っております。
○又市征治君 是非、そういう意味で前向きで御努力をいただきたい。そういう点でいえば、もう政党を超えてこれは応援をしていきますと、こういうことで申し上げているわけですから、頑張っていただきたいと思います。 それじゃ次に、JR西日本の大惨事の問題と安全対策について伺います。 北側大臣、本当に大変御苦労さまでございます。余りこんなことで御苦労なさるというのは苦労のしがいがないように思いますが。 この事故の原因については、航空・鉄道事故調査委員会で鋭意科学的な解明などをされていくものと、こうも期待をしたいと思いますけれども、一方で、この事故の背景には他社との競争、あるいは利益を上げることに偏重してスピードアップやダイヤ過密化というものを強行してきた、こういう経営方針もあるということも次第に私は明らかになってきたと、こんなふうに思います。例えば、このダイヤ遅延やオーバーランをした運転士などに対しても、日勤教育と称して正しい教育や労働安全対策とは全く無縁の、そういう意味では缶詰にして始末書を書かせたり、あるいはいわゆる草むしりといった懲罰的な作業をさせる。つまりは全く人格無視の精神主義の労務管理、こう言わざるを得ないんですが、そんなことをやられている。この点については兵庫県警もあるいは事故調査委員会も、こうした日勤教育を忌避する心理が運転に影響を与えたんではないか、こういう立場で調査に入ったと、こういうふうに報じられています。 そういう意味で、国土交通省は昨年十月に、こうした状況を把握をしておってJR西に是正を求めたけれども、その後改まっていないということですけれども、この点についてどういうふうに今考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(梅田春実君) 今御指摘のいわゆる日勤教育でございます。 昨年の九月にJRの関係者から、再教育として行う日勤教育につきまして草むしりをやめるよう要請されました。私ども、そういう事実を知りましたので、JR西日本に対しまして事実関係を連絡いたしまして、どういう事実なのか聞きました。十月に、運転取扱いに必要な教育とは別に、職場の環境整備の一環として草むしりをしていますという回答を得ましたが、その際に、再教育として草むしりなど懲罰的なものは含めるべきではないという指導をいたしました。この点につきましては、私ども、これが本当に再教育に役に立つかどうかというのは極めて疑問なしとしないものでございます。行き過ぎたあるいは不必要な教育については是正すべきだというふうに承知しております。 今月末までに安全性向上計画というものを策定していただくように大臣から指示をいたしておりますけれども、この再教育の在り方についても見直されると考えております。必要に応じて指導してまいりたいというふうに思います。
○又市征治君 ところで、その問題はしっかりと指導もし、是正措置を求めていく努力をしていただきたいと、こう思います。 ところで、一九九六年十月に規制緩和を金科玉条にした運輸行政の大転換があったと。需給調整の廃止政策、こういうことでした。これがやっぱり今日の競争をあおり、参入も撤退も業者の自由だ、運行も運賃も自由化するという形で公共性を軽んじて利益優先の方針を取ることを容認をしてきた、こういうことだと私は思います。そういう意味では、これは公共交通全体に言える問題なわけですね。 ですから、例えばこのJR西の問題でいうならば、村井さんという方が会長に就任以来、こういうふうに言っていますね。古い国鉄風土の構造を破壊し、国をイメージするものはすべて払拭する、こう述べて、あの安全綱領、一九五〇年の桜木町事故以来のこの安全綱領というものも削除してしまう。私たちはあらゆる機会をとらえて売上げの増加に努める、同業他社をしのぐ強い体質づくり、このことが叫ばれるようになってきて、二〇〇一年の中期目標では、社員数四万一千人から九千人削減をする、コスト競争力を強化をする、標準化、つまり人減らし、工事費の縮減を一層推進する、こういうふうに中期目標に書かれているわけですね。私流に言わしていただくならば、正に経営方針として危険とサービス低下を進めてきたんではないのか、こういうふうに言わざるを得ない。 この点について、国土交通省は、ここら辺まではチェックをする権能というか、この安全問題としてこんなことについて十分されてきたというふうに御認識されていますか。
○政府参考人(梅田春実君) JR西日本は、今特殊会社ではなく、普通の大手民鉄と同じような民間の鉄道会社でございます。そういう鉄道会社でございますが、当然のことながら安全の確保は第一だというふうに考えておりまして、そういう指導をしてきております。 先生御指摘のような例えば賃金の話につきましては、これは私どもに届け出る必要はございません。ございませんが、私どもは別途資料でどの程度の例えばドライバーについて賃金が支払われているかというのは知っております。それから教育時間、これは運転士の教育の時間でございますが、これは把握しております。これは他社とほぼ同じでございます。それから、線路とかあるいは車両の安全コスト、これも私どもに対してこのくらいの額にしますという了解を求める必要はありませんが、どの程度の額であるかというのは存じ上げております。他社と比べても大体その全体の投資額のほぼ半分ぐらいでございますので、そんなに変わった額ではないというふうに考えております、変な額ではないと思っております。それから、ダイヤにつきましても、ダイヤの届出は受けますけれども、届出につきましては、その後必要に応じまして立入りとかあるいは報告の聴取等、何回も監査に入っております。その際にチェックをしてきております。
○又市征治君 そこで、北側大臣にお伺いしますが、このような事故は残念ながらあちこちで世界的にも民営化という流れの中でやっぱり起こっているわけですね。そういうことを踏まえて、残念ながら多くの国民の犠牲を出した。その中で、例えばイギリス、ドイツ、ニュージーランド、ここらでも公共交通ではこうした民営化に対する警告が出されて再び公共性を重視する政策へ転換が図られている。このことはもちろん大臣も御承知だろうと思います。 そこで、先ほど申し上げた九六年の規制緩和政策、このことについても、今度の大事故をやはり教訓としながら、やはり根本的に見直して修正すべきところは修正をする、思い切ってそういう立場で努力を、このことを、この大惨事というものを生かしていただく、こういう方向に向かって努力をいただきたいというふうに思いますが、その点についていかがでしょう。
○国務大臣(北側一雄君) 需給調整規制につきまして、規制の緩和がなされてきたわけでございますけれども、これはあくまで経済規制の話でございます。経済規制については、やはり経済の活性化をしていく、また利用者の方々の利便性を向上していくという観点から、そうした規制につきましてはやはり不断の見直しが必要でございまして、緩和がなされてきたというふうに思っております。 ただし、今委員のおっしゃいましたように、私は、経済的な規制が緩和される。一方で、安全規制については、安全に係る社会的規制については、これはなお一層やっぱり強化をされていかないといけない。経済的な規制は緩和されればされるほど、私は安全に係る規制についてはやはりきちんと強化をしていくことが必要であるというふうに思っているところでございます。 今回、このような大惨事が起こってしまったわけでございまして、私は、行政のこういう事業者の方々への関与の在り方、これは航空事業でも同様かもしれません、そうした行政の関与の在り方として、安全規制の部分で、安全を確保していくという観点から、従来の制度、また従来の様々な法令等、また運用、そうしたものをきちんとやっぱり検証をもう一度この機会にしていかないといけないというふうに思っているところでございます。 委員のおっしゃっていますように、安全に係る規制について、安全に係る基準等につきましてはやはりしっかりと強化をしていく必要がある、充実をしていく必要があると考えております。
○又市征治君 是非そういう立場で頑張っていただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。 時間がなくなってまいりまして、町村大臣にODAについてお伺いをしたいと思います。 国連の二つの場でこのODA、GDPの〇・七%基準というものが言われてまいりました。日本の現状は〇・二、まあ正確に言うと〇・一九だということだそうですけれども、かなりの乖離があるわけですね。 そこで、日本の場合は平成九年の、前の中期計画ですけれども、このときに数値目標を出すというのは閣議決定でやめたんですね。その後、だから七年続けてずっと減らしている、こういう状況にあるんですが、三月八日の日経新聞を見ますと、外務省は再び増額の方向でそのための新中期目標の検討に入った、こういうふうにあります。 そこで、大臣、これ政府の方針は減らすことなのか増やすことなのか、どっちなのか、ここのところをお聞きをしたいと思います。 それがまあメーンですが、時間がなくなりましたからまとめさせていただくんですが、このODAの中身、私どもも去年調査も行ってまいりましたけれども、私の感じでは、日本企業にフィードバックするような利権的な事業もあれば草の根の活動支援まで、千差万別なわけですから一概に増減の良しあし論じてもしようがないんですけれども、しかし、いずれにしましても、やはりこれだけの経済力を持った我が国が、まして私の立場で言うならば平和憲法を持った国が、そういう点ではこうした立場でODAを増やしていく、このことは大事だ、こう思っているわけですが、これまでのODAの実績というものを内容を精査をしながら、ODA基本法というものも視野に入れて、本当に現地の住民に歓迎される方向で増やしていくべきだろうと、こう私は思っているわけですが。 そこで、先ほど申し上げたことについてお答えをいただきたい。
○国務大臣(町村信孝君) このGNP比、GNI比〇・七%というのは、いわゆる二〇〇〇年にジェフリー・サックス教授辺りが中心になりましていろいろ作業をして、国連でミレニアム開発目標というものを定めたわけでございます。ODAを対GNI〇・七%にしようと、国際的にこれ努力をしようということで、それぞれの国がどこまでやるかは別にして、日本も大きな方向としては賛成をしているわけでございます。 ただ、現実には、今委員御指摘のとおり、日本の財政も大変厳しいということもこれありまして、実績でいくと二〇〇〇年を、ドルベースでは二〇〇〇年をピークに、円ベースも二〇〇〇年をピークですか、以降減り続けているということでございます。 ODAに対するいろいろな御批判、今委員が御指摘になったようなことも含めてあったものですから、いろいろ改善を図り、大綱を作り替え、中期目標も作りして今日までやってまいりました。大分国民の皆様方の理解も今得つつあるのかなと、こう思っているところであります。 二〇〇〇年以降、日本は減らしてまいりましたが、諸外国は二〇〇〇年を境にぐっと増やしてきております。このまま行くと、今世界で第二位でございますが、三位、四位、五位と落ちていってしまう。これはやはり、日本が平和国家として今後も存在を主張していくに当たって、これでいいんだろうかという率直な思いがあります。 そこで、今年度予算は率直に言うと減でございますが、前年度の補正を一月早々お認めをいただきましたが、それと足すと大体前年横ばいということを確保できたと。いよいよ、ここから先はまだ財務省と合意ができているわけじゃございませんが、我々としては、これで底を打って今後増やしていきたいということでございました。 その辺を踏まえて、先般、アジア・アフリカ首脳会議で小泉総理も我が国にふさわしい十分なODAの水準を確保していきたいという表現で取りあえず今収めているということでございますが、今後更に、別にぎりぎりとという表現を使うつもりもございませんが、財務省と鋭意積極的に交渉をし、やっぱり政府全体として来年度予算、厳しい財政でございますから、大切な大切な税金を本当に有効に使わなきゃならないと思いますけれども、でき得べくんばこれを来年から増加に転じさせていきたいというのが外務省の考えでございまして、今後検討にそういう意味では入り、今後、政府全体としても、最終的には年末の予算ということになるのかもしれませんけれども、そういう方向で各方面の御理解をいただき、参議院もODAについて厳しい御意見を昨年いただいたところでございます。そういう意見も踏まえながら、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○又市征治君 それぞれから丁寧なる答弁があったものですから、時間がなくなって総務省関係の質問できなくなりましたが、それは次回に回すことにして、これで終わりたいと思います。ありがとうございました。
○委員長(鴻池祥肇君) 他に御発言もないようでありますので、平成十五年度決算外二件の本日の質疑はこの程度といたします。 なお、先ほど松井君より御要望のありました件につきましては、後日理事会においてその取扱いを協議することといたしたいと思います。 予備費関係六件につきましては、質疑を終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鴻池祥肇君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより予備費関係六件を一括して討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○小林美恵子君 私は、日本共産党を代表して、二〇〇三年度予備費六件について討論を行います。 まず、二〇〇三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)について、承諾することに反対であります。 その理由は、第一に、自衛隊イラク派兵及びテロ対策の経費であります。イラク特措法を根拠にした自衛隊の本隊派兵は、米軍を中心として進めている事実上の占領支配に加担する戦争協力にほかなりません。 第二に、テロ特措法に基づく軍事支援の経費は、アメリカ等の武力行使と一体となった兵たん支援活動にほかならず、こうした活動の撤退の目途も示さないまま延長を繰り返していることは重大であります。また、東チモールへの国連平和維持活動派遣も自衛隊員派兵に係るものであり、認められません。 次に、二〇〇三年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)について、承諾することに反対であります。 その理由は、東京外郭環状の大深度調査や圏央道の整備事業など、自然環境の破壊など問題の多い大規模開発であり、賛成することはできません。 ほかの四件については、妥当な経費であり、承諾することに賛成であることを述べて、討論といたします。
○委員長(鴻池祥肇君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鴻池祥肇君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決を行います。 まず、平成十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)について採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(鴻池祥肇君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、平成十五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)について採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(鴻池祥肇君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、平成十五年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)について採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(鴻池祥肇君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、平成十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)について採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(鴻池祥肇君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、平成十五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)について採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(鴻池祥肇君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、平成十五年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)について採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(鴻池祥肇君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 なお、これらの案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鴻池祥肇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会をいたします。 午後四時五十九分散会