決算委員会 第9号
- 発言数
- 234 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2005/04/25
会議録
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日までに、津田弥太郎君、藤原正司君、林久美子君、高橋千秋君、齋藤勁君及び尾立源幸君が委員を辞任され、その補欠として峰崎直樹君、谷博之君、足立信也君、芝博一君、榛葉賀津也君及び広田一君が選任されました。 ─────────────
○委員長(鴻池祥肇君) 平成十五年度決算外二件を議題といたします。 本日は、外務省及び防衛庁の決算について審査を行います。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○武見敬三君 町村外務大臣、北京での外相会談、大変難しい状況の中で、我が国の立場として主張すべきことはきちんと主張して、その上で日中の新たな協調関係の枠組みをつくるという、もう非常に難しいお仕事を外務大臣見事にこなされたと思いました。大変御苦労さまでございました。その上でバンドンにおける首脳会談をセットされて、そして、バンドンにおける総理の演説も極めて優れた内容だと実は私思いました。そうしたお仕事をして、帰ってすぐにまたこの決算委員会で答弁をしなければならないというのは多少お気の毒だなと思いながらも、しかしやはり質問すべきことはきちんと質問はさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 まず、我が国の今二十一世紀の初頭に置かれた国内の情勢、そしてこの大きく変化する国際社会の情勢というものを見たときに、私は今ほど我が国が未来志向の強靱な平和主義というものを確立する必要性がある時期はないと思っております。 我が国の平和主義というのは、多分にさきの戦争での経験を踏まえて、いわゆる反戦平和論という平和主義が戦後我が国の平和主義の基本にございました。これは、極めて悲惨な経験に裏打ちされた、言うなれば武力の存在、軍事力の存在そのものをすべて悪として否定するという考え方からこの反戦平和論は形成されていたように思います。それだけに、徹底した非軍事の平和主義というものになるわけでありまして、それが時に非現実的な我が国の諸情勢をつくり上げたことも否定はできません。 しかし、我が国の国民があえて平和の尊さというものをきちんと理解をし、それを実現せんとする、そういう意思を持つ上において、この反戦平和論も戦後のこの一つの時代の中で一定の役割は担ったというふうに思います。しかし、戦争体験のある世代も徐々に少なくなり、こうした個人の経験にも裏打ちされた反戦平和論という平和主義のその役割は私は終わったように思います。 その上で、改めて、いかに未来志向で我が国の平和主義を新たにつくり上げるかということが、私はあらゆる面で我が国にとって必要な大きな課題になっているというふうに思うわけでありますが、この点についての外務大臣の御認識をまず伺っておきたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 大変に難しい御質問をいただきまして、どうお答えをしたらいいか、ちょっと頭が全くまとまっておりません。 個人的な体験を申し上げれば、私も昭和十九年生まれでございますから、事実上の戦後育ちでございます。私どもの学生時代、安保条約が是か非かというようなことで、六〇年安保、あるいは七〇年安保というのもございました。そういう中で、確かに、今委員言われたような、とにかく戦争そのものを絶対否定をする、あるいは、およそ例えば憲法九条、自衛隊は合憲か違憲かどころか自衛隊などという存在すら認めないというような論調がやっぱり相当強かったと思います。 しかし、昨今、例えば自衛隊の認知度といいましょうか、これを違憲の存在であると言う方は、まあ少しはいらっしゃるかもしれませんが、もうほとんどいないと。自衛隊そのものの活動、本来の活動に加えまして、本来の国の防衛をするという活動に加えて、様々な民生安定の事業とか、あるいは新しくはPKO、国際的な平和への貢献というようなことで、私は国民の意識というものも、例えば自衛隊一つ取っても相当変わってきていると、こう思います。 そういう中から、今委員御指摘のような未来志向の平和主義、そこにはただ単に戦争はいけません、武力はない方がいいんですという、ある意味では非常に分かりやすいけれども単純化された命題から、もう少し積極的に、どうやったら平和をつくっていくのかという方向へと議論が私は展開をしていると、これは国際的にもそうだろうと、こう思っております。 そういう意味での、今、未来志向の平和主義というのは、私なりに委員の言葉を解釈すれば、そういう世界の流れ、また日本国内での大きな動き、憲法改正も今や具体的な、かつてはもうおよそ議論することすら不可能であった日本の国会の中で、憲法調査会ができ、憲法改正の議論すらできるようになってきた大きな私は変化があると思います。 そういう中でありますだけに、私は、日本として戦後六十年、間違いなく平和を愛し、平和をつくる、そういうために努力をしてきた日本の戦後の歩みというものを私はもっと日本国民自身が自信を持って世界に向けて語り掛けてもいいと思いますし、であるからこそ、私は日本が安全保障理事会の常任理事国になるという主張をして、十分その資格があるという自信を持って言えるんだろうと思います。 そういう意味で、日本自らも世界の平和をつくるために努力をしていかなきゃなりませんし、世界全体もそういう方向で、現実はそれはなかなか容易なことはございません、核兵器保有国が少しずつでも増えてくるという実態がそうした未来志向の平和主義とどう合致するのかというような議論もありますけれども、しかし、大きな流れはそっちの方に向いているし、そのために日本としても様々な外交活動、また国内における理解を深める努力というものをやっていかなければいけないんだろうなと。 委員の大変高邁なる御質問に対する答えとして甚だ行き届きませんけれども、取りあえずのお答えとさせていただきます。
○武見敬三君 正に大臣御指摘のとおり、いかに積極的に平和を構築するかということを考えたときに、場合によっては一定の軍事力というものも必要となるという認識は、現実的には私は必要ではないかというふうに私も思います。 ただ、こういった考え方のみならず、今の人、物、金、情報が国境を越えて行き交うグローバライゼーションという時代背景の中で、国民国家を単位とした安全保障という考え方だけでは実際に対応し切れないような新たな脅威がたくさん出てきている。それは、従来のような伝統的軍事的な脅威である場合もあれば、テロリズムのような形での新たな脅威にもなる。他方で、こういう暴力的な脅威以外に、実際にエイズやSARSやあるいは鳥インフルエンザといったような、こういう新たな感染症といった脅威も出てくる。環境問題も国境を越えて広がる。いずれも、これらは国民国家を単位とした現在の国際社会の秩序の枠組みの中だけで考えて解決できるような新たな脅威ではありません。 こういったものにいかに我が国が国際社会の責任ある国として取り組むかというときに必要な新しい考え方というのが、私は平和主義そのものに直結してくるというふうに考えるわけであります。それは、あくまでもこれからの二十一世紀における人類社会を考えたときの普遍的な価値というものをきちんと裏付けとして持つ平和主義でなければいけないわけでありますが、こういったことを今、国際社会の知的社会がいずれも大変一生懸命考えているけれども、政策的な面と結び付くような形でそれを実現するということはなかなかできなかった。 かつて、この国際社会の中でいろいろ行き詰まりが生じますと、例えばブルントラント委員会みたいなものが国連との連携の下につくられて、そしてその委員会が持続可能な開発、サステーナブルディベロプメントというような新しい概念を打ち出して、国際社会の閉塞状況を打開するための新たな知的な方向性を打ち出すというようなことをやってきました。 そういう点で私は、我が国が、この大きな転換期において、国際社会の中でも一つの重要な知的なイニシアチブというものを発揮する重要な役割を担ったことがあると思います。それは、我が国が、外務省、大変協力をしてくださった形で、アジアの学者で初めてノーベル経済学賞をもらわれたアマーティア・セン教授と、それから今JICAの理事長をやっておられます緒方貞子さんを共同議長として設立された人間の安全保障委員会の活動が私はそれであったと思います。この人間の安全保障委員会において、実に政策概念としても活用し得る整理が大変分かりやすく行われました。二つのキーワードが私はそこでつくられたというふうに理解をしております。 一つが、地域社会に住む人々を対象とした上で、その人々自身が自らの持つ潜在的な能力というものを引き出して、そして自分の人生での選択肢というものをより多く広げ、そしてその選択肢が広がる過程でそれらを活用しながら意義のある人生を送れるように、まずその起点から支援をしようとする、そういうヒューマンエンパワーメントという、そういうまずアプローチであります。これは、例えば保健医療における地域社会における支援活動、そしてまた同時に基礎的な教育に対する支援活動、さらには、そういう生活環境の基本にかかわるような水、資源のための活用といったようなものがこの中に組み合わされた形で実行されるという考え方であります。 途上国では、いずれもこういった基礎教育にかかわる問題たくさんあります。例えば農村であれば、農耕期に入りますと、生徒は子供であっても実際に田んぼの耕作に駆り出される。授業に出ることができない。あるいは、教師も貧困であるために授業をサボってどこかでアルバイトをして金稼いでこなきゃならない。そうすると、こういった基礎教育の施設というものがきちんと機能するためには、こういった貧困対策というものを組み合わせなければ効果が上がらないという実態が途上国の中にはたくさんあります。 したがって、このヒューマンエンパワーメントという概念は、そういった複数の包括的なアプローチで地域社会の問題に取り組むことによって、それぞれのプロジェクト一つ一つだけでは限られた効果しかあり得ないものを、それを組み合わせることによってその地域社会の住む人々が発展し得る、そういう相乗効果をつくり出すという点に、この人間の安全保障という概念の中で生み出されたヒューマンエンパワーメントというアプローチが私はあるように思います。 ただ、問題は、そのようなヒューマンエンパワーメントのアプローチを上手に包括的に組み立てていったとしても、その地域社会の秩序が維持されなければその効果を期待することはできません。秩序維持というもののための、場合によっては一定の国際社会の警察力等も含めた支援活動が必要になることもありますし、また非常に重要なのは、途上国において極めて統治能力、行政能力の低い地域の行政組織というものを、その人材育成も含めて支援をし、そのガバナンスというものを強化するということも、上からの支援という点で重要になってきます。それを私たちはヒューマンプロテクション、保護というふうに呼んでいるわけであります。 これらの二つのキーワードによって組み立てられた、下からのアプローチと上からのアプローチをそれぞれ包括的に組み合わせることによって、地域社会を単位として、そこに住む人々に対して国際社会が最も効果的に取り組むという考え方が、この人間の安全保障委員会によって組み立てられた一つの基本的な政策概念というふうに私は考えます。 その中でとらえられたその基本的な目的というのは、あくまでも個々人がその潜在的な能力というものを引き出して自らの意思で有意義な人生を歩むためのその選択肢を増やすという点にあります。それは、言うなれば個々人の人間にとっての自由というものを徹底的に尊重し、その拡大というものを求めているわけでありまして、それによって、人間の尊厳、人間の生存、生活といったものを守ることができるというふうに考えます。 そこに、しっかりとした普遍的な価値としての人間にとっての自由というものに裏付けられた人間の安全保障という政策概念があり、私は二十一世紀における未来志向の我が国の平和主義を考えたときに、この自由と平和という問題を基本に置いたこの考え方というものは、国際社会の正に未来を先取りした平和主義として、私は、責任ある国家として日本が率先してこの考え方と価値観というものを国際社会の中に広めるべく、ODA等を通じてこれを実現していくということは、極めて重要な基本的な国の在り方にかかわるそういう取組というふうに考えます。 そこで、これを実行しようとするときのツールとして、既に我が国は二つ設定をしております。 一つは、国連に、国連本部につくられました人間の安全保障基金、信託基金であります。ヒューマンセキュリティー・トラストファンドと呼ばれております。これは、今申し上げたヒューマンセキュリティー・トラストファンドというのは国連機関に対してその支援を行うためのファンドになっているわけであります。 これともう一つ、マルチではなく、今度はバイで、二国間で我が国がこうした問題に取り組むためのツールとして草の根・人間の安全保障無償という、そういう方法があるわけであります。 そこで、いかにこの我が国が提供した二つのツール、バイの二国間である人間の安全保障無償とマルチのアプローチであります国連における人間の安全保障基金というものの運用を、いかにこれを効果的に組み合わせてバイ、マルチのアプローチをつくり、そしてそれを一つのモデルとしながら国際社会の中にそういう考え方を発展させていくということが私は必要だと思います。 そういう点で、まず草の根・人間の安全保障無償というものの予算の執行過程というのを見ておりますと、平成十四年、百億円の予算のところ九十四億円が執行されておりまして、執行率は九四・九八%。これが平成十五年になりますと、百五十億円の予算が付いたのでありますけれども、執行された予算額は百十二億三千八百万円、七四・九二%と、残念ながら執行率は落ちました、急激に。なぜこのような形で執行率が急激に落ちたのかという点を経済協力局長から御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤重和君) この草の根・人間の安全保障無償資金協力の執行状況でございますが、具体的な執行状況についてただいま武見先生からお話のあったとおりでございます。平成十五年度に若干執行率が落ちておりますが、平成十六年度は約八五%ということでございます。 これ、草の根・人間の安全保障無償につきましては、各途上国のいろいろな地域、それこそ相当地方の分まで含めまして、正に各コミュニティーのいろいろな人たちの、先ほどお話ありました教育とか保健とか水とか、そうした住民の方々の非常にきめ細かなニーズに対応をする、協力を行っていくということでございますので、これはその案件の発掘、形成の段階から、それから実施、それからその実施状況のモニタリング等を含めて、これは相当きめ細かく、案件が本当にきちっとしたものか、本当に住民の方々によく行き渡っているかどうか、そしてそれが実効を上げているかどうかということについて、これはきちっと確認をして、そしてあるいは場合によってはアドバイスをしながらということで作業を進めていくということでございますので、そういう意味ではかなり、こう言ったらあれですが、人手とか手間とか作業とか、そういうものがかなり掛かるプロジェクトということでございますので、私どもとしては、当然ながら、この与えられた予算につきまして、これをできるだけ執行すべく努力をしているということでございますが、場合によりまして、なかなかそうしたいろいろな地方、そしてきめの細かい作業を必要とするということで、実施が十分に行き届かないという面もあることも事実でございます。
○武見敬三君 実際に予算執行過程を見ていったときに、かつて一千万円以下であれば、この人間の安全保障無償というのはかつては草の根無償と呼ばれていました、その時代では、実際のところ、外務省の本省までの決済でその予算の執行が手続上可能であった。それが、財務省の主計局も実際に一千万円以下であったとしてもそのチェックを行う、そういう仕組みにいつ変わったんでしょうか。で、それは実際どのように今の時点で機能しているんでしょうか。もしお分かりになれば御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤重和君) ただいまお話のございました実際にこの予算を執行するに当たってでございますけれども、ただいまの状況を申し上げますと、基本的に、今お話がありましたその一千万円までのものにつきましては、かなり概括的に財務省の方と協議をいたしております。それから、一千万円を超えるもの、比較的大きいものにつきましては、これは一件一件財務省の方と協議をして執行すると、そういう体制になっております。
○武見敬三君 実際に、こういう地域社会を単位とした小規模のプロジェクトの案件の場合には、それに携わる、例えば市民社会でいえばNGOの関係者、あるいはその地域における行政組織というようなものは、非常にやはり会計的なものをきちんと執り行うためのそういう事務的な能力というものには限界があります。しかし、彼らを上手に活用してネットワークの中に組み込んで、そしてきめの細かい支援を行うようにしなければ、その効果を期待することはできないわけであります。 その際に、実際に会計とかお金がどう使われたかということをよりきめ細かくチェックするという視点だけでは、私はなかなかこうした案件についてその執行率を高めて、しかもかつ質の高い、効果のある、そういう案件を選定し実施していくのはなかなか難しいんだろうと思いますよ。 この点、財務省の主計局の方は、こういう小規模案件についてどのような認識を持って主計局としての対応をしているのかの御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(松元崇君) 草の根・人間の安全保障無償資金協力についての実施についての状況をお尋ねでございます。 この草の根・人間の安全保障無償資金協力につきましては、委員御指摘のように適切に執行していく必要があるということでございます。そういったことから、事業規模一千万円以下の案件につきましては、案件リストを基に一括して審査するとともに、必要に応じて個別に内容を協議するということといたしまして、手続の簡素化、効率化を図っているところでございます。
○武見敬三君 抽象的におっしゃればそのとおりなんだけれども、結果論としては、その結果として、この小規模案件にかかわる事務的な手続というのが、中規模、大規模の案件と同じぐらい煩雑な手続を全部踏まなければならないということになってしまって、結果として、現地でこういうODAの案件に携わる人たちは、どうせ同じ事務的なエネルギーを必要とするということであれば、小規模案件よりも中規模、大規模案件に取り組んだ方がいいというふうに考えて、小規模案件がなかなか上手に執行できずにそのまま放置されるということが結果として起きています。 こういう問題をじゃどうやって解決したらいいかというときに、私は、さっきの財務省の主計局の考え方だけで対応できるような話ではないと思っています。むしろ、財務省がそのきめ細かい緻密なチェックをしようとすればするほどこのアプローチはその効果が期待できなくなってしまう。残念ながらそういう相関関係にあります。 そういうときに、私は、非常に重要になってくるのは、こういった案件にかかわる評価の仕方をどう確立をして、お金がどう正確に使われたかという細かいチェックということよりも、むしろその政策の所期の目的が実際にどの程度達成されたかという評価をしっかりとしたより具体的な基準を設定しながら確立をして、それによってこの案件に対する執行が成功であったかどうかという判断を下すということによって私は政策決定過程というものを完結させていくことが必要だと思う。 そういう点、この草の根・人間安全保障無償と、それからマルチで多国間でやっている国連の人間の安全保障信託基金等のプロジェクトというものを組み合わせながらも、バイ、マルチで、あるいはバイの中でもそれぞれ組み合わせながらもその案件を組み立てていこうとするこの人間の安全保障アプローチの場合に、一つ一つの案件の評価だけじゃない、二つ三つ組み合わせたことによってどう効果が生じたかということの評価をも確立しなければ的確な評価体系にならないんです。 したがって、それをしっかりと研究調査をして、その評価の手法を確立することが、財務省主計局の不必要な関与を排除して、実際に意義のある小規模案件にかかわる評価、政策決定が可能になるというふうに思うのでありますが、この点は経協局長、どうお考えになりますか。
○政府参考人(佐藤重和君) ただいまお話のございましたこの評価の問題、御指摘のとおり大変に重要な問題だというふうに考えております。 正にお話しございましたように、国際的なその援助社会の中でも、いろいろな援助の評価ということにつきましては、援助の所期の目的というものがいかに達成をされたかということ、これを重視をする、効果主義のアプローチと言っておりますが、こうした評価、その効果がどれぐらい発現をされたかということをきちっと見ていこうということが国際的にも非常に大きな流れとなっております。 私どもといたしましても、この草の根・人間の安全保障協力、これにつきましても、私ども、現在でもその各国別の援助の評価、あるいは各国におきますその保健であるとか医療、教育であるとか、いろいろな分野別の評価というものを私ども実施をしてきておりますけれども、そうした中でこの草の根・人間の安全保障資金協力につきましても、そうしたその所期の目的がどれぐらい達成をされたかということについてきちっと見ていく必要があると考えております。 これは、こうした人間の安全保障の視点というものは、当然ながらODA大綱の中で基本方針として盛り込まれ、そして今回、今年定めました中期政策の中でも、具体的にどういうことを目標としていくんだということで、かなり詳しくかくあるべしということを記述をしております。 そういうことでございますので、そうした大綱や中期政策に掲げられたそうした目的、それがいかに発現をされていくか、効果が達成をされていくかということをこうした草の根・人間の安全保障協力のプロジェクトについてもきちっと評価をしていく、これが非常に重要だと考えておりますので、そうした方向を強化をいたしていきたいと考えております。
○武見敬三君 実際に、評価というのは具体的でなきゃいけない。そして、今までのこうした草の根・人間安全保障無償についての案件をそれぞれ具体的に、それぞれ類型化して、代表的なものをそれぞれ評価をするという作業を通じて、そして全般的な評価についての整理がようやくできてくるんです。 加えて、国連の方の信託基金のそれぞれ案件も百三十ぐらい実行されていますわね。あっ、もっとか、かなりの数ある。三十ぐらいがもう既に完了したんだというふうに聞いているんだけれども、そういう案件を具体的にそれぞれきちんとケーススタディーとして分析をして、評価の手法をどうすれば的確に確立できるかという研究調査ですね、これ実際にどの程度今やっておられるんですか。それから、これからどういうふうにそれを実行しようと考えておられるんですか、その説明を伺いたい。
○政府参考人(神余隆博君) ただいま委員から御指摘のありました点でございますけれども、確かに国連を通じます援助と、それからバイの、先ほどの説明のありました草の根・人間安全保障無償資金協力と、これが組み合わさっていくことが非常に効果的な援助をやっていく上で大切なことだというふうに思っております。 委員、今百三十幾つというふうにおっしゃいましたけれども、大体それに近い百二十幾つの案件が国連を通じるマルチの人間安全保障無償協力ということで実施をされておるわけであります。国連とも協力をしながら実施をしてきました百二十幾つの、百三十に近い案件についてどの程度効果があったのかということについては、国連にあります人道支援調整官事務所、OCHAと言っておりますけれども、そことも協力をしながら評価の在り方について現在検討を行っているところでございます。 なおかつ、省内におきましても、委員御指摘のありましたように、この草の根・人間安全保障無償資金協力については経協、それから国連を通じます人間の安全保障基金、これは国社部ということでございますので、そこの連携をどう取っていくかということも、当然ながら評価のコンテクストにおいてはきちっと確立をしていかなくちゃいけませんので、現在、今それをどうするかということについて事務的に協議をしておるところでございまして、今後、より的確な評価手法の確立を検討いたしまして、関係者間の連携を更に強めていきたいと、こういうふうに考えております。
○武見敬三君 本当におっしゃることはもっともなことなんですけれども、実はなかなかその縦割りの壁が乗り越えられなくて、国連の方の人間の安全保障信託基金、OCHAと連携しているのは国社部、そしてバイで人間の安全保障無償の方は経協局というふうになっているために、一時はアドホックなタスクフォースをつくって、そこの国社部と経協局との間で連携して組合せをした新しい政策決定ができるようにという試みも外務省の中では行われましたけれども、うまくいきませんでしたよね。実際になかなかそれが効果を持たない。これはやっぱり相当外務大臣御自身強い指導力を発揮していただかないと、この二つをきちんと組み合わせるという、そういう政策決定機能を外務省の中につくるのは私は難しいように思います。 また同時に、この評価についての具体的な調査研究というのを見たときに、非常にまだ限られた財源しかその中に配分されておりません。どこのだれにそれをやらせるかということも大事なんですけれども、やはりまずきちんと予算を取ってそうした研究、調査ができるように、私は、外務大臣、是非そのイニシアチブを取っていただきたいと思うのでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 委員、かねてよりこの人間の安全保障の問題について大変熱心にお取り組みをいただき、いろいろ現実の政策についても的確なる御意見、御指導をいただいておりますことを感謝をしているところであります。 今委員言われましたその評価のやり方、あるいはその関係する部局が複数にまたがるのでうまくプロジェクトが進まないのではないかという御指摘、それぞれなるほどなと、こういうことでありまして、先般来、委員の御指摘もございまして、省内でどういう体制で取り組んでいったらいいか、どういう評価のやり方をしたらいいのかということを今議論を積み重ねているところでございます。中には、その評価の手法を開発するための今新たな予算が必要ではないかという御指摘もいただきました。 その辺を含めて、来年度のまた予算の要求をそろそろ考えなきゃなりませんので、今、委員の御指摘も踏まえながら、どういうふうに取り組んでいくか真剣に考えてまいりたいと、かように考えているところであります。
○武見敬三君 是非、具体的な御努力をお願いします。 その上で、もう一つの大事なポイントは、ODAにかかわる、特にこういう小規模案件にもかかわる政策決定過程の現地機能の強化なんですね。そのために、平成十六年度は二・八億円であったその事務諸経費及び外部委託費というその財源を今度は十億に増やしました。これをいかにこうした現地機能の強化のために的確に在外の大使館に配分をして、そしてこれを活用するかという点が今問われてきているように思いますけれども、今、これ経協局、どういう具体的努力をこの十億の予算消化について考えておられるのか、説明をいただきます。
○政府参考人(佐藤重和君) ただいま御指摘ございましたとおり、この平成十七年度予算におきまして、この草の根・人間の安全保障無償の実施に関しまして、調査員謝金という形で、現地の機能を強化をするためと、こういうことで約十億円の予算が計上をされておりまして、これは正に前年度に比較をいたしまして大幅な増を認めていただいたわけでございます。 この調査員の謝金につきましては、小規模案件の発掘、それから、調査からそしてモニタリング、フォローアップまで、すべての段階で非常に必要な調査員ということでございますので、案件の適正な実施、そしていい案件を発掘をして実施をしていくということを確保する上で有効な活用を図っていきたいというふうに考えております。 具体的には、各在外公館に対しまして、こうした政府原案ができた段階から、そしてまた、今回予算案が認められたところで、各公館に対しまして、今回こうした謝金というものが認められた、そしてこの趣旨はこういうことであるということで、その有効活用を図るべしということで訓令を出しまして、そして各公館がこうした調査員につきましてどういうニーズを持っているか、どれぐらいのニーズがあるのかということを、全体としてそれを今集約をしているところでございます。 そうしたニーズを踏まえまして、この調査員謝金というものを適切に配分をして有効に活用をしていきたいというふうに考えております。
○武見敬三君 この十億の予算がどのような形で効果的に執行されるかということは、今後の我が国のODA行政全体の中でどういうふうに現地機能を強化していったらいいかということを考えるときの新しいモデルになりますので、もう絶対に失敗しないように上手に使ってくださいね、これ。 それともう一つ、ODAの予算全般に関してであります。 昨年は、シーリングだとかあるいは概算要求でもこういう文言になったんですよ。「ODAについては、我が国にふさわしい姿を目指し、諸外国の動向や外交を戦略的に展開するための適切な水準を見極めつつ、その内容を精査し、効率化を進める。」というのが去年のこの文言なんですね。ところが、実際にこの概算要求の段階で財務省主計局は、何と官房本体の予算を二〇%削減するという、ある意味では脅しに近い、そういう球を外務省に投げてきて、そしてODAで変に頑張るとこちらの官房の方の予算しっかり削らせてもらいますよという駆け引きに出てきた。その結果として、当時の官房長も相当慌てたようでありましたが、残念ながらこの圧力に屈して、去年ODAは引き続き削減されるという惨めな結果に終わりました。 私は、この財務省の主計局のやり方は極めて問題があったと思っていますよ。その結果として、いざ国連改革を進めよう、国連の常任理事国としての役割も確保するための積極的な外交を展開しよう、そしてさらに最近では、例えばUNDPの総裁というような人事が新たに行われるときに外務省からもその優秀な人材を候補者として送り込もう、こういう積極的な国連に対する働き掛けをしようとするときの基盤が壊れましたよ、これ。財務省主計局の果たしたこの罪は大変に私今から振り返ると重かったと思うよ。それを実際にきちんと認識をしてもらわなければ困る。 その上で、実際に組立ての仕方として、私は、今回外務大臣、非常に英断でやっていただけたと思っているんですけれども、国連の改革というものを実際に進めていくことは非常に重要で、制度や機構を変えるということも大変重要なんですけれども、これはなかなかやっぱり一朝一夕すぐできるものではありませんが、やはり国連関係機関の幹部に我が国から優秀な人材を積極的に送り込むことを通じて、現在の制度あるいは仕組みの中でおいても、我が国が国連に対して非常に大きく影響力を行使できるという人材戦略というのは私は一つの大きなかなめだと思います。 そういう点で、今回、現役の経済局長をそのUNDPの総裁の候補として立てられたことは非常に大きな意義があったと思う。今まででいえば、どこかいろいろ局長をやって、どこかいいところの大使幾つかやって、ある程度功成り名遂げた方がこういう国際機関の事務総長とか総裁とかいうそういう立場になるための候補者になられたと。しかし、私はそれじゃもう遅いと思うんですよ。現役の局長ぐらいで優秀な方がいたら、何も別に、その後、功成り名遂げて、先進国のいいところの大使をやって、ああ、私はいい外交官人生を送れたなんていうんじゃなくて、むしろそういういい人材は、積極的に政府が働き掛けて、こういった国際機関などの長として大きく活躍をするように育て上げるという戦略が私は必要だと思いました。そういうことを外務大臣初めてやってのけたので、私は本当、心からそれに対して敬意を表しているものであります。 実際にその当人も物すごく努力をして、そして最後まで候補者として残られました。私は、この御当人の果たした非常に大きな責任感と努力を心から敬意を表すると同時に、外務省の皆さんも一生懸命それを支援するために努力されたことは大変なすばらしいことだと思う。 しかし、残念ながらその際も、現実にこのミレニアムの目標というものに対して、GNIですか、国民総所得の〇・七%という一つのODAの達成目標、そしてそれが十分達成されていないどころかむしろ減らされているという我が国のODAにかかわる財政状況、加えて国連関係機関に対する拠出金というものが主計局によって大幅に昨年削られてしまったこと、これらがいずれもこういう積極的な国連外交を展開しようとするときに物すごく大きな足かせとなって今現在あるわけですよ。この罪は、財務省主計局、物すごく重いですよ。いざ積極的に国連外交、国連改革をやろうという、あらゆる努力をしようとするときの、その闘うための材料を半分以上取り上げたようなものだ、これは。 そういうような、正に近視眼的なそういう主計局の考え方というものは今後徹底的に改めてもらわないと日本外交などうまくいくわけがありません。この点について外務大臣はどうお考えになるか、お聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 力強い御激励をいただいたものと受け止めます。 二点について申し上げます。 一つはODAの予算の水準でございます。 一九九〇年代を通じて、もう既に日本の財政は厳しかったわけでございますが、それでも九〇年代、終始日本は、世界のODAの言わばトップバッターといいましょうか、一番、最大の拠出国であり続けたわけでございます。まあある意味では、その時期からもう既に大量の赤字国債を出しながらもそういう努力をやってきた。二〇〇〇年ごろを境にして一段と財政の厳しさというものが重荷になってまいりました。その辺りから日本のODAがトータルとして減り始めてきているというのが現在の姿。それでも世界二位でございます。ただ、フランスやらドイツやらの国々の援助の額がだんだん増えてきておりますので、この二位の座も早晩、三位、四位、五位と下がりそうな気配もございます。 これではやはり、今世界が改めて、委員御指摘のミレニアム開発目標というものがあり、それをみんなで達成をしようという中にあって独り日本だけがその世界の動きに逆行するような、そういうことはできないだろうということもありまして、先般の小泉総理のインドネシア・ジャカルタのアジア・アフリカ首脳会議でも、これはまだ、最終的な予算編成あるいはその前段階にある骨太方針ということでどういう形になっていくか、今後の議論でございますが、取りあえずの方針といたしましては、この「ミレニアム開発目標に寄与するためODAの対GNI比〇・七%目標の達成に向け引き続き努力する観点から、我が国にふさわしい十分なODAの水準を確保していきます。」云々ということで、あとアフリカ向けはどうするとか、こういう各論が付いてくるわけでありますが。 まだふさわしい水準というのはどういうものなのかということについては、今後政府部内でもまたよく議論をしていかなければならないと、こう思っておりますけれども、少なくとも来年度予算が減額ではないということについては、私は基本的な政府の方針は大体コンセンサスを得つつあると、このように理解をしております。あとは、どのくらいこれを、現下の財政状況はございますが、皆さんの御理解を得ながら増やしていくのかということが大きな課題であろうと、こう思っておりまして、是非、武見委員にも、また今日御出席の諸先生方にもお力添えを賜れれば幸いであると、こう思っております。 それからもう一つ、人事の話をお褒めをいただきました。 確かに、現職局長を出すということも一つの方法かと思いますが、やはりさっき長期的な戦略とおっしゃりましたが、正にそうだろうと思います。やっぱり急に持っていっても、急にこの人が候補者ですといってもうまくいかないですね。やっぱり五年から十年ぐらいの単位で、この人は将来こういうポストに持っていくんだということを考えながら、その関係する機関、関係する仕事に常に携わっているというような人事をやらないといけない。 それから、今度UNDPの件でつくづく感じたのは、よその国はみんな大臣なんですね。私がどこかUNDPに手を挙げればそれは、でも英語ができないからそれは当選しないんでしょうけれども、やっぱりよその国はみんな、開発大臣とか、あるいは経済大臣でありますとか何々文化大臣とか、大体大臣が出てきます。それで、幾ら私どもが優秀な局長でございますと言っても、やっぱりミニスターと言うと、やっぱりそっちの方が通りがいいんですね。ところが、我が国は非常にそこのところを厳格に、私は谷川さんも外国へ行くときは大臣という肩書で行っていいんじゃないかと思いますけれども、妙に律儀で、バイスミニスターとか、何かセクレタリー、何かパーラメンタリー何とかとか言って、ちょっと正確な名前ごめんなさい、済みませんけれども、ミニスターと名を付けないけれども、向こうはみんな、閣外大臣もみんなミニスターという名前で出ていくから非常に通りがいいんです。そういう人が国際機関のいいポストを得ていくと。 この辺も、今急にいいアイデアがないんですけれども、よほどいろいろ考えていかないと、どうも実績と肩書両方で日本は負けてしまうなということをつくづく感じております。 ちょっと長い答弁で済みませんでした。
○武見敬三君 緒方貞子さんがUNHCRの責任者になられたときには、その前のポストは上智大学の教授です。国連でも公使レベルの仕事を一回ちょっとやったことがある程度でしたよ。要は、政府が財源をも含めてどれだけバックアップする姿勢を持つかというのが僕は決定的に重要だと思いますよ。そこはもう一回よくお考えいただきたいと思います。 その上で、例えば五十代の中ごろぐらいでそういったポストに就いて、そして国際社会で大きな仕事をすれば、六十前後の時期においてまた更に大きな仕事ができる人材に育っているんですよ。そういう人の育て方を我が国はしなきゃ、これから長い目で見て国際社会で活躍し得る人材をつくることはできません。 したがって、現役の局長ぐらいでも遅いぐらいなんです。マロック・ブラウンっていう前総裁のケースの場合には、もう五十前後でUNDPの総裁になっています。その前のポストは、彼は世界銀行の副総裁でしたよ。したがって、イギリスは計画的にやっているところがあるんですね。したがって、是非この点はよくお考えいただきたいと思います。 時間ももう限りが来ましたので、日中関係と海洋権益の保護の話に移らせていただきたいと思います。 私は、この日中関係において、総理のバンドンでの演説というもの、また冒頭で歴史認識について真摯に述べられたことは、私は大変に良かったと思う。靖国神社に参拝しつつも、その問題を不必要に政治問題化させずに、これをより小さくして、政治問題としては小さくしていくための一つの重要な努力であったと思う。でき得れば、靖国参拝をする最初からこういう全体の戦略的な組立てがあって、不必要に靖国問題が政治問題化しないような努力が当初から組み合わされていることがよかったなと今になったらよく思います。 さて、その上で、この反日デモに対する、我が国の中国における反日デモに対する対応ぶりというものを見たときに、外務大臣が実際に外務大臣会談の中でその謝罪と賠償を求められたのは私は当然だったと思います。 しかし、なかなか中国という政府は謝罪をいたしません。過去においてこういうケースで謝罪をしたことがあったということは私も聞いておりません。 したがって、今度は賠償という件に関して直接、間接的な賠償行為をしようという動きが中国側でもあるようでありますけれども、この賠償についても、それがきちんとした、政府が関与した賠償であるかどうかという点については是非常に明確にしていただければというふうに私は思います。やはり政府が直接関与した賠償であるということが、より分かりやすい形でこうした問題が解決されることが望ましいというふうに思います。 その上で、こうした歴史認識の問題等については、我が国はやはりきちんと、謙虚で、そして真摯な態度で臨むということが必要であると思いますし、また村山談話にある内容については、私はこれは政府の基本的な考え方として、そして国民もでき得る限りそこをしっかりと受け止めて、歴史の問題については私は常に謙虚で真摯な態度を持ちつつ、二度と侵略国にはならないという政治的意思を我が国がしっかりと持ち、そのことが国際社会において理解されるよう常に私は努力をする必要があると思います。そういう点で、総理のバンドン演説の冒頭の発言については極めて適切であったというふうに考えます。 その上で、実際にそういった歴史認識の問題についてはそういう立場を取るということは必要でありますけれども、海洋権益の問題になりますと、これは主権国家にとって国益の基本にかかわるような問題であります。したがって、こういう問題についての安易な妥協というものは私はあってはならないと思います。 既に試掘権というものを設定するところまで入ったわけでありますけれども、実際にこの試掘権の設定、どのぐらいの手続期間が掛かるのか、この点についてまずエネルギー庁から説明を求めたいと思います。
○政府参考人(近藤賢二君) 今の御質問の点でございますけれども、私ども、四月十三日に、我が国の主権的権利を確保すべき緊要性の高い海域ということで、出願人が試掘権の設定を特に希望する出願について可及的速やかに処理を行うよう、処理手続、試掘権設定の出願の処理手続を開始したところでございます。 今御指摘の点につきましては、今、作業をこれから急いで行っておるところでございますけれども、関係都道府県知事への協議、また出願の審査等の手続が必要でございまして、通常のケースでございますと二、三か月を要すると、このように理解をしておるところでございます。
○武見敬三君 実際に二、三か月掛かるということでありますけれども、さらに、試掘権がそういう形で手続上設定され、完了したとしても、実際に試掘をするということになると更に期間が掛かるというふうに私は聞いておるところであります。 ただ、こうした点については、我が国は、淡々と国際法に基づいて我が国の立場をきちんと強化することを念頭に置きながらこうした手続を進めていくことが必要というふうに考えるわけであります。 そして、その上で、昨年十月以来開かれなかったこの日中の海洋権益に係る局長級の協議というものが五月に再開をするというふうに聞いておるわけでありますけれども、この再開によって実際にどのような協議が行われるのか。境界線の画定、さらには新聞の漏れ伝えるところによると、共同開発の問題が早くもテーマに上がっているというふうなことも聞いております。 実際に、そういう共同開発という点について、私は、もっと前提として議論をし、詰めておかなければならないことがたくさんあると思うのでありますが、ちょっと出し方が早過ぎたんじゃないかなという認識を持っておるのですが、外務大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(町村信孝君) さきの日中外相会談の席におきまして、この東シナ海における資源開発あるいは海洋調査、境界画定といった様々な問題があるということを指摘した上で、日中間の協議、昨年十月に開催されて以降、こちらの方から早くやりましょうと、一回目の会議の様子ではこれ議論にならないから、必要な情報提供等を求めながら、早く協議を再開をしたいということを申し上げてきたわけでございますけれども、先方からの反応はなかったわけでございます。 そこで、先般の外務大臣会合でこの問題を改めて提起をいたしまして、五月中の協議開催について中国側も検討するということで、どのレベルでやるか、前回は局長と資源エネルギー庁長官がたしか出ていったはずでございますが、どういうレベルかをも含めてよく協議をしようと。 その際の、今委員御指摘の共同開発、これも先方が共同開発ということを十月の時点でもたしか言ったはずでありますが、その中身が一切ないんですね。したがって、そちらが共同開発と言うのであれば、どういう具体的な共同開発の形というものを考えるのか、その場で、その場というのは五月の会談でそれを示してもらいたいという話をしたまででありまして、こちらから積極的に共同開発やりましょうというふうに言ったわけではございません。 ただ、まあ出口の一つとしてそれはそういうこともあるかもしれないが、まず現状は、先方のまず開発行為というものを一時中断をさせなければなりませんし、十分な情報の提供、あるいは共同開発に関する先方の考え方、具体的な提案というものを得た上で、我が方としても検討し、対応していくということであろうと思います。
○武見敬三君 実際に境界交渉が国際社会でどれだけ成立しているかという状況を見ますと、世界で百五十三沿岸国に三百六十五の海洋境界というのがあります。そのうち百六十の境界について、二国間、多国間で二百三十四の境界設定協定があります。成功率四六%です。非常に難しい。その中で、均衡のある解決という考え方で、これエクイタブルソリューションと言いますけれども、おおよそ納得のできる解決方法で年に四つの合意ペースですから、全部終わるまでにまだこれから五十年掛かる。物すごく時間掛かる。 じゃ、共同開発で何とか取りあえず乗り切ろうよという場合に、しかし、うまくいったためしは非常に少ない。境界設定への妥協を図る中で、最後の手段、譲歩策として細目交渉に入ると、この共同開発については利害が対立して総じてうまくいっていない。共同鉱区の設定、それから利益配分、それからそれぞれファイナンスにかかわる分担、なかなかうまくいかないんです。 したがって、こういう共同開発というのも安易にそう簡単にできる代物ではないという点についてもよく御理解をいただきたいと思います。 その上で、最後に海上保安庁長官、こうしたいろいろ協議を進めていく過程においても、しかるべきやるべきことは淡々とやっていかなければ国際法上の我が国の立場は守れないんであります。したがって、試掘についても、実際に必要とあれば私はやるべきだというふうに思っておりますが、その際の安全確保等について、現行法で一体どこまでできるのか、あるいはある一定の法改正が必要となるのかという点についての御質問をさせていただいて、私の質問を終わります。
○政府参考人(石川裕己君) 海上保安庁といたしましては、仮に試掘船への妨害行動があるという場合には、国内法あるいは国際法に基づいて現場で取り得るあらゆる措置というものを実施いたしまして、試掘船を保護することとしております。 具体的に申し上げますと、妨害行動、行為を行う船が公船又は軍艦である場合、これはその妨害行為の中止を要求いたしまして、試掘船に危険が迫る状況においては巡視船が妨害船と試掘船の間に割って入りまして進路規制を行うなどの事実上妨害行動を阻止いたしまして、試掘船を保護したいと考えております。 それから、妨害行為を行う船が漁船等の民間船である場合であって試掘船が日本船籍である場合は、これは海上保安庁法に基づきまして必要な強制措置を実施いたしたいと思っております。 さらに、試掘船が外国船である場合には、巡視船が妨害船と試掘船の間に割って入って進路規制を行うなどの事実上の妨害阻止行動というものをしっかりやってまいりたいと考えております。 以上です。
○武見敬三君 終わります。 〔委員長退席、理事田浦直君着席〕
○荒井正吾君 自由民主党の荒井正吾でございます。 今日は、外交・防衛分野の成果をどう評価するかということ、それから広報の重要性、それから情報の重要性について質問させていただきたいと思います。 こんなたくさん呼んだ覚えはないんですが、ちょっと質問の調整が遅くなって、こんな結果になって少々申し訳なく思いますが。 決算委員会の審議は外交、防衛の予算執行の成果を評価する役割があると思います。外交、防衛についても、成果を評価するシステムを開発、導入して、それに沿った審議がこの決算委員会でも行われることを日ごろから期待しております。 しかし、なかなか難しいことでございます。難しいせいで、外交、防衛の予算執行の合規性ばかりに焦点が当たってきた嫌いがあると思います。例えば、防衛力整備の経済性、有効性、効果性について評価したい、議論したいと思う面がございますが、軍事の専門的知識が必要となります。国民や政治家がそのような評価しやすい資料の提供というのも通常なかなか行われないというふうに思います。 先ほど外務大臣が御指摘がありました点でもありますが、従来国会では、憲法論議の関係がありまして自衛隊存在の是非は多く議論されてきた経緯はあると思います。自衛力整備の有効性の是非について、これから国会でももう少し議論がされた方がいいかというふうに考える次第でございます。 憲法解釈上は、我が国自衛隊の戦力は自衛のために最小必要限にとどまるべきだとされておりますが、一方、世界のリサーチャーは世界第二位の防衛力を持っているという指摘がございます。 防衛関係費全体の額が適正かどうか、それが評価できるのかどうかという観点でございますが、他国との評価、あるいは防衛白書なんかではその点、分析、公表などが余りされていないと思いますが、単に経済規模と防衛力の比が、ODAじゃありませんが、この程度というのもちょっと比較の吟味としては粗っぽいかと思います。 冷戦後のソ連の脅威が解消しても我が国の防衛費は余り削減されてこなかったというふうな感じもいたしますが、その点、日本の防衛関係費は全体として他国のものに比べてどのようなもので、どのように推移しているのか、冷戦後は予算が縮減されないといったような印象に対して、恐縮ですが、防衛庁長官、御所見を伺いたいと存じます。
○国務大臣(大野功統君) 荒井委員から、言わば防衛費をどういうふうに評価していくか、その面で見ますと国際的にどういう位置付けになるだろうか、こういう御質問でございます。 まず、国際的比較でございますけれども、国際的比較というのは大変難しい面があります。と申しますのは、例えば軍事一つ取りましても、徴兵制なのか志願制なのか、徴兵制でいいますと一般的に人件費は安くなる傾向がある、あるいは防衛費の中で開発研究費はどういうふうなことになるのか、開発研究費を防衛予算の中で入れているのか入れていないのか、いろんな問題がありまして一概に言うことはできません。しかしながら、数字で申し上げたいと思います。 これは、例えば一九八九年と直近の二〇〇四年度の比較でございますと、まず、その間にどうも日本の防衛費の伸び率はどうだ、各国と比べてどうだ、こういう御質問でございますけれども、この場合にも、やはりインフレ率をどういうふうに考えるか、こういう問題があることはもう御存じのとおりでございます。しかしながら、もう名目で全部割り切って比較してみる、こういうやり方でいきますと、アメリカはその間に一・五倍に伸びておりますし、イギリスは一・四倍、フランスは一・二倍でございます。日本はフランスと同じように一・二倍ということで、他国と比較しまして特別大きな伸びにはなっていない、このことが言えるかと思います。例えば、中国の場合は高いインフレ率を勘案する必要があるわけでございますけれども、やはりそういうことを抜きにして考えますと、一九八九年と二〇〇四年度の間では八・六倍、こういう高い伸びになっておるわけでございます。 それから、もう一つ物差しを替えまして、国防費を例えばGDP比で幾らになっているんだろうか、こういうふうな観点から申し上げますと、日本の防衛費のGDP比は現在〇・九八ぐらいでございますが、これはアメリカの四分の一でございます。イギリスの三分の一であります。フランスの二分の一になります。また中国の三分の二ということになるわけであります。したがいまして、GDP比が他国と比べて特別に大きいという現象も出てきておりません。 また、もう一つの観点、国民一人当たりの防衛費が幾らぐらいだろうか。これは為替レートの問題もありましょうけれども、大ざっぱに比較してみますと、例えば日本はドル換算で二百七十六ドル、アメリカは千三百三十七ドル、イギリスは七百七十ドル等々々でございます。この観点からも特に高いものではありません。 しかし、それだけ言ったんでは日本の防衛力どうなっているんだと、こういうことになりますので、一言だけ、長くなって恐縮ですが、やはりめり張りを付けた形で日本の場合はやっておるということを申し上げたいと思います。多機能、弾力的、効果的な防衛力、それは島嶼防衛から言わばBMDまで、ミサイル防衛まできちっとめり張りを付けて体制を整えていく、こういう形でやっておりますが、もちろん厳しい財政事情というものを十分勘案しながら必要な予算を確保する、こういうことでございます。
○荒井正吾君 冒頭から大変細かい質問で恐縮でございましたが、アメリカ、英仏なんかと比較いたしますと、米国、英仏は大変軍隊の活動が世界に喧伝される、一方、日本の自衛隊というのは余り動かないのがその存在意義のようなところがございまして、抑止力で勝負をしているという、あるいは国際協力で勝負しているというふうなところがあろうかと思います。 それで、使われない方がよいのが防衛力の整備だと、こう観念いたしますと、多額の税金をつぎ込むのは他国が攻めてきにくくさせる抑止力を持つことがあると。そうしたら、抑止力の実態というのはよく分からない、評価しにくい面があるわけでございます。我が国の自衛隊は諸元の自衛隊という、やゆする人もいます。性能の高い武器はそろえて、多額の税金でそろえているけれども、実際の機能というのはこれ、実際実践しないわけですからなかなか測れは、しなきゃいけないという面も全くございませんが、税金のつぎ込んだ評価が多少観念的、机上の理論だけになるという面も、これはやむを得ないかと思いますが、しかし、我々国民の側に立ちますと、我が国防衛抑止効果の実態をもう少し具体的に知りたいという要求もあるわけでございます。 過去の例を見ますと、戦車をたくさん整備いたしました。これはソ連の侵攻に対する抑止力ということで整備を議会が許したわけでございますが、幸い使われなかったという面もありますし、ただ、戦車を日本の国内で使うというのはどういうことだろうかという疑問を持ちながら過ぎたような記憶もございます。 また、ミサイル攻撃に対するミサイル防衛、これはなかなか、空から来るのをぴっと撃ち落とすというのはなかなか奇跡的な、手品のような技術のようにも印象がございますし、本当の抑止効果があるのか。大変多額の税金をつぎ込むわけでございますが、抑止力あるいは抑止の効果をもう少し実態的に説明されるといいんだがなという感じもするわけでございますが、その抑止力の効果ということを何か長官のお口から御説明願えるようなことはございますでしょうか。
○国務大臣(大野功統君) 大変鋭い御質問でございますけれども、抑止力と言った場合、これは抑止力とは何か、もう荒井先生十分御存じのことでございますが、撃ったらその仕返しの方が大きくて怖いよと、こういう言わば懲罰的な抑止力があると思います。それからもう一つは、やはり撃っても損だと。例えば、仮に日本へミサイルをどんどん撃つけども、全部撃ち落とされるからこれは撃ち損だと、こういう抑止的な、拒否的な抑止力。こういう意味の二つの抑止力があると思います。 日本の場合は、言わば専守防衛という防衛思想でありますから、これは懲罰的抑止ということにはなりません。やっぱり攻め損、撃ち損という、言わば拒否的抑止力という整理になろうかと思います。 しからば抑止力をどういうふうに考えるか。もう一つの観点は、やはり今歴史の流れの中で国際安全保障環境がどんどん変わっている。そうすると、その中の一例としましては、やはり二〇〇一年九月十一日のニューヨークテロ攻撃、あれは国家主体を持っていませんから、相手に攻撃を与えて、攻撃されるということでは何らの脅威を発射主体は、攻撃主体は持ってない。そういう意味で、本当に新しいスタイルになってきているなと、こういうふうに私は理解するわけであります。 そこで、そういう意味では、従来の抑止力というのは昔ほど抑止力が効果を上げるという面は若干少なくなったんじゃないか。したがいまして、今回の新しい防衛大綱におきましても、必要な抑止力はもちろん確保しますが、抑止力よりもむしろ新たな脅威に対する有効な対処、このことが問われている。これを一言で言いまして多機能、弾力的、実効性のあると、こう言っているわけでありますが、そういう問題、これがミサイル防衛とかこういう問題でありますけれども、島嶼防衛とかこういう問題でありますが。 したがいまして、今の抑止力、日本について申し上げますと、一つは装備、装備力という問題があると思います。装備力というよりも防衛力ですね、防衛力と言った方が正確だと思います。防衛力を保持する、実効的に対応できる防衛力を保持する。それから二つ目は、やはりここは非常に大きな問題であります。アメリカの抑止力が必要だと。言わば在日米軍の存在など日米安全保障体制を堅持していく、これが抑止力でありますし、それから、防衛力がその能力を最大限に発揮できるような体制をつくっていく。この一例としましては、例えば有事法制があるのではないか。説明するまでもないことですが、例えば有事法制で民間の土地を使用できるようにする、あるいは港湾とか空港を使用できるようになる、これはもう即応態勢で、本当に日本の自衛力というのは大変な展開力、移動力が、実効性があるよと、こういう意味になろうかと思います。 そういうことで、これ再び同じことを言って恐縮でありますが、防衛力整備、それから日米安全保障体制の堅持、強化、それから法整備、こういうことであります。 そういうことで、私どもは、やはりこういう幅広い視野からこの抑止力を考えていかなければいけない、このように思っているところでございます。
○荒井正吾君 ありがとうございます。 今、長官のお言葉で、仕返し抑止力と、させない抑止力というような二種類の話、それともう一つ重要だと思いましたのは、米軍の抑止力を我が国の抑止力と組み合わせてやるというようなお話を大変重要だと思いました。 我が国の防衛抑止力は米軍との協力関係に負っているという面もあると思いますが、例えばの話でお聞きいたしますが、先般、中国原潜が我が国領海内を潜航通過いたしました。我が国近海をひそかに航行する他国の軍艦の動向を正確に監視する能力は、我が国防衛のために必要不可欠だと考え、米軍にとっても必要不可欠だと思いますが、そこで、中国原潜の発見は我が国の能力だけでできたんでしょうか。米軍の協力があって初めてできたんでしょうか。米軍が発見して我が国に通報されたというのが実態でしょうか。我が国の監視能力に関心がございます。 また他方、近海の潜水艦を監視するためにP3Cを多数世界でも珍しく持っております。これは、たくさん持っておりますが、その人的な配置とか使い切っているのかどうかという、あるいは、潜水艦の動向把握というのは今安全保障上のニーズがかつてほどないような気もするんですが、これまでほどにP3Cが必要なのかどうか。それと、P3Cの収集した情報は我が国で分析されているのか。米軍との協調の中でどのように情報分析が処理されているのか。 我が国の抑止力の大変中心であります近辺の軍艦又はその他の武装勢力の動静監視というのが大変重要だと思います。コンピューターはソフトなければただの箱と言われるとおりでございますが、情報衛星も分析がなければ単なる空飛ぶカメラでございます。我が国の分析能力が自律的に確保されているのかどうかという観点でこのような質問をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(大野功統君) 御質問が多岐にわたりましたんで、必ずしも私全部答弁、もし漏れていましたら後で御注意くださいますようお願いいたします。 まず第一に、中国の原子力潜水艦が我が国領域に入ったことについてその情報はどうか、こういう御質問でございますけれども、早朝から国籍不明の潜水艦が先島諸島周辺海域の我が国の領海内を潜水航行しているのを海上自衛隊の対潜哨戒機P3Cが確認したことから、所要の措置として以後やったわけでございます。そのようなものでございます。 ただ、一般論として申し上げますと、情報というのは独自で収集する、これは非常に大事なことでございまして、まず日本の自衛隊としてもそういう面に力を入れさせていただきたい、こういう問題があります。 例えば、新中期防では、領空侵犯、武装工作船、領海内で潜没航行する外国潜水艦等に適切に対処するため、新たな固定翼哨戒機の整備、これは海上自衛隊でございます、早期警戒管制機E767の改善に、これは航空自衛隊でございますが、そういうものの改善に着手しております。こういう整備をやる。それからもう一つは、ゲリラや特殊部隊による攻撃等に備え、移動監視レーダーを整備するということによりまして沿岸監視能力を強化、これは陸上自衛隊でございますが、強化いたします。そういうような装備面の問題、独自にやります。 それからもう一つは、システムとして考えていただきたい。これは、今度の組織改編で情報本部というのを防衛庁長官の直轄の組織にする、このことはもう荒井委員十分御存じのことでございますけれども、そういうふうに、情報という組織を考える、これが自衛隊としてやるべきことであります。ただ、それだけではやはりいけないと思います。 次の問題は、やはり関係各省庁がお互いに情報を共有する、こういう問題があろうかと思います。分析は別としましても、あるいは中には分析も共通でやれることもありますけれども、やはり情報を共有する、連絡をし合う、絶対に縦割りにしてはいけない、こういう問題があろうかと思います。 それからもう一つ、最後に申し上げたいのは、やはり国際的な情報共有、こういう問題も一つ大きな問題としてあろうかと思います。その場合の分析等は、これは各国でやるとしても、少なくとも共有できる情報は国際的にも共有していく努力をしていくべきだと思っております。
○荒井正吾君 自衛隊の中での情報の組織が大変開発、推進されることを大変期待申し上げます。大変貴重なことだと思います。従来は、周辺の情報が、米軍との連携がより強くて国内の組織の連携がより薄かったような印象があるものですから、米軍に頼る以前に我が国の関係省庁が連携協力するというのがより重要じゃないかというふうにかねてから思っていたものでございます。 国境及び沿岸監視は我が国の安全保障上大変重要だということが確認いたし、北朝鮮の拉致についても沿岸監視が十分であれば拉致は起こらなかったかもしれないというふうにも思います。あるいは北朝鮮不審船の動向も、我が国の情報監視体制が十分であれば余りばっこできなかったんじゃないかというふうに思います。 海上保安庁に聞きますが、国境警備、国境監視、沿岸監視は国境警察である海上保安庁の大きな任務だと思います。米軍との、あるいは米コーストガードとの協力というのがあると思いますが、組織内あるいは防衛庁と協力して沿岸監視体制を整備していただきたいというふうに思うわけでございますが、海上保安庁の所見を伺いたいと思います。
○政府参考人(石川裕己君) 今御指摘のように、沿岸あるいは国境警備というのは海上保安庁の重大な責務の一つでございます。したがいまして、私どもも従来から船艇あるいは航空機の整備などにも努めてきたわけでございますけれども、今お話しのように、外国との関係におきましては、実は今から五年前に北太平洋長官級会議というのを、アメリカ、カナダ、日本、それからロシア、韓国、さらには中国も入りまして長官級会議というのを実は荒井長官のときから始めさせていただいていまして、毎年進めさせていただいております。そういう中で、各国の沿岸警備隊、それぞれ組織は名前は違いますけれども、情報の共有、交換ということについては頑張ってきたつもりでございますし、これからもそこについて力を入れていきたいというふうに考えております。 さらに、国内の関係省庁との連携でございますけれども、これも、防衛庁はもちろんのこと、例えば国土交通省の中でも海事局でありますとか関係する部局、さらには入管、税関というふうなところ等々との連携ということも努力をしてまいりたいと思っています。 さらには、私ども、多くの国民の方々の目というものを活用させていただきたいと思っておりまして、民間ボランティア組織との協調でありますとか、海での海難あるいは救難という意味では海の一一八番という緊急通話というものについても国民の方々に御披露して、できるだけそういうものを使っていただいて、多数の方々の目と情報によって更に頑張っていきたいと考えております。
○荒井正吾君 外交・防衛政策は国内世論の支持がなければ力強く展開できない。国内世論が大変大事だと思います。そのためには、実情を国内に広報、周知をしていただかなきゃいけないと思いますが、外交、特に防衛は生活に密着していない面が多くて身近な話題としてなかなか流布されない。広報の予算はハードの整備に比べて弱いわけでございますが、匹敵する重要性があろうかと思います。 そういう国内広報の観点から、現在日本の安全保障について起こっております幾つかの主要な課題について、対内広報という面も含めて、若干簡単に分かりやすく御説明願えないかというふうに思うわけでございます。 一つ目は、米軍再編構想の実施で我が国の米軍基地はどのようになるのかという点でございます。 米軍の再編は米陸軍が中心で、米海空軍が主体の我が国の米軍の変化、機能の変化は少ないというふうな話も聞いておりますが、横田の基地でございますとか、空軍の基地でございますとか沖縄の基地でございますとか、基地の機能あるいは周辺空域というものがどのように変化するのかというような点。 特に、沖縄の基地負担の軽減は我が国にとって大変重要な課題でございます。普天間基地に米軍のヘリコプターが墜落して、私も視察に行きましたが、大変危険なところにある基地だというふうに思いますが、移設は、基地機能を維持しながら移設をするというのは米軍のためにも必要でございますが、我が国にとっても大変必要な課題かと思います。普天間基地移転が、移設がどのように進んでいるのかというような点、二つ目。 もう一つは、先ほど防衛庁長官も触れられましたが、自衛隊の役割が変わってきつつある。大きな兵器、装備をするだけじゃなくて、小規模の脅威に対応せなきゃいけないという面が自衛隊の役割、これは市民生活にも密接に関係しますので、その面の期待はある面大きいと思いますが、それがどのようになってきているのか。日本の安全保障の面で新聞なんかによく出るんですが、なかなか実態が分かりにくいままの報道、ある程度軍事的な専門的知識がないと分かりにくい報道が多いわけでございますが、そのような点について、大変米軍との協調というのは必要だと思いますし、日本の基地ってのも極東の安全にとって大変重要な役目を果たしていると思うわけでございますが、その点を何か分かりやすく説明していただけないか。時間がないので、そういうようなことをいつも説明していただきたいという願いを込めまして、ごく簡単に御説明願えないかというふうに思う次第でございます。
○国務大臣(大野功統君) 荒井委員から自衛隊の活動と広報の重要性についてお尋ねがありました。 私も正に、自衛隊というのは、まず地元の住民の皆様の御理解と御協力がなければ円滑に練習も訓練もできない。そして最も大事なことは、励まされてやはりやる気が起こってくる、自衛隊員の心の問題もあります。そういう意味で広報活動は大変重要だと思っておりまして、ホームページその他広報の各誌でいろいろと広報活動をさしていただいているわけでございますが、なかなか分かりにくい、このことはあると思います。 反省の第一としましては、自衛隊というのはやはりハードな活動だと、こういうふうに今、荒井委員おっしゃいましたけど、私は、最近の海外での例えばサマワでの活動、これは正に自衛隊の活動が地元の皆様の共感を得ているわけですから、正にこれこそソフトな力を発揮してくれているんじゃないか、こういうことはもっともっと広報すべきであろうなと、こういうふうに思っています。 それから、反省の第二は、やはり北海道の大演習地で起こりました最近の百二十ミリ迫撃砲弾の問題でございますけれども、これもやはり人命にとって非常に危険が及ぶという問題であれば直ちに御連絡を申し上げる、こういうような考え方、体制、これをきちっとしていかなきゃいけないのではないか、このように思います。 そして最後に、トランスフォーメーションについて少し広報が足りないよ、こういうおしかりをちょうだいしているわけでございます。トランスフォーメーションについては、荒井委員御存じのとおり、まず今年の二月十九日に町村外務大臣とともにワシントンへ参りまして、いわゆる2プラス2という協議をいたしました。その結果は、言わば世界の国際的な戦略目標をどういうふうに考えるかということでありまして、このことは合意いたしました。これが第一段階目でございます。 それから、第二段階目として、いわゆる日本とアメリカの役割分担、任務の問題、それから能力の問題、こういうことを議論しようということで、今それを鋭意協議している最中でございます。私どもはそれにつきまして、言わば基地の共同使用というような問題も日本から積極的に持ち出して考えてみようじゃないかと、こういうことを指示しておりますし、また遊休施設があるとすれば、それについても洗い直してみて、遊休施設の返還につながるようなことはないんだろうか、こういうことも申しておる次第でございます。 そのようなアイデアの下に今様々な議論が交わされている段階でございまして、具体的に決定したということはございません。したがいまして、個々のことについては現在のところ申し上げられる段階ではございません。 とにかく御指摘の点、私は数か月、そんなに長く議論しているわけには、協議しているわけにいきませんので、三段階目、つまり着地点は個々の基地をどうするんだと、こういう問題になってこようと思いますけれども、そういう問題含めて、やはり町村外務大臣とともに力を合わせて、少なくとも年内ぐらいには着地点に到達したいな、こんなつもりで今頑張っているところでございます。
○荒井正吾君 恐縮でございました。 日ごろの広報、国民の理解が、いったん不祥事が起こったとき、あるいは有事が起こったときに国民の助けを得る最良最短の道だというふうにも思います。長年、防衛庁の広報が大変苦労されてきたこと、よく存じ上げております。最近は憲法論議も進んで広報環境も変わってきたように思いますので、今後とも国民の周知、理解というのが大変基本だと思いますので、引き続きよろしくお願い申し上げたいと思います。 外交における課題についてちょっと御質問させていただきたいと思います。 外務省改革に対する行政評価がこの三月に総務省の行政評価局から発表され、外務省に通知されました。外務省の行動計画十四項目、百六十事項についての評価が通知されておるわけでございます。 ポイントとなりますのは、行動計画のうち、措置が講じられているものが総じて九八%でありますが、実績や成果が上がっているかどうか、改善する必要があるものが三二・五%、改善する必要があるか否か判断できなかったものが一一・三%、外務省改革は実効性確保の途上段階という総合的な評価があるわけでございます。 また、外務省改革についての国民への説明責任ということが述べられております。改革の成果について十分説明されておらず、国民への説明責任の徹底という面については不十分だというような指摘があるわけでございます。当決算委員会でも、できればフォローアップして議論ができればという項目もございます。 この行政評価の報告書の中で、二点ちょっと指摘させていただいて、外務大臣の所見を伺いたいと思います。 一点目は、成果を評価する際に大事なのは、成果目標、外交成果の目標でありますが、外務省の行動計画では、館務目標、在外公館の館務の目標を設定されるよう指示されたわけでございますが、調査の中で、館務目標を設定していないところが見受けられるという指摘と、複数の館員が館務目標を知らないという指摘がございます。また、政策提言を求める窓口を外務本省内に設定しているが、これを知らないという館員が多い。外務省の中の意識徹底という点での指摘が一つございます。 二つ目は、国民への理解という点で、情報開示請求手続について、その処理が長期化しているという指摘がございます。情報請求者に通知した開示期限を遵守できなかったものが四八・九%という量でございます。外交の情報というのはなかなか開示できない性格のものだということは理解できますが、この行動計画の基になります国民の理解を得る外交活動という点からは不満の残る指摘があるわけでございます。 六か月後に外務省から総務省に回答があるということでございますが、今の二点を踏まえて、今後の外務省改革の、先ほど自己の評価を外務省でも徹底するというふうに外務大臣おっしゃったわけでございますが、どのように今後されるのか、外務大臣の所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 総務省の行政評価局の行った外務省改革に対する行政評価の内容、そして外務省どう今後対応するのかということでございます。 過去の一連の不祥事を受けまして、意識面、制度面、積極的な改革を進めてきたつもりでございます。特に、前大臣、川口大臣の下でかなり職員の意識改革、あるいは会計面の効率性、透明性、人事面における公平性や客観性の確保、あるいは本省の監察制度あるいは在外公館の監察制度の強化等々でございまして、十分であるかどうかは別にいたしましてかなりのことが進みつつあると、こういうふうに認識をしているところでありますが、更に一層全体として進めなければならないというふうに考えております。 特に、今委員御指摘のありました館の目標ですね、在外公館の目標が、今回調査をした三十六公館中二公館で目標が未設定であった、あるいは館務の目標を設定している公館でも実際その目標を知らなかった館員もいるというような問題は、大変これは残念なことでありまして、こうした点は改めて周知徹底を図らなければいけないなと、こう思っているところでございます。 それからもう一点、委員の御指摘があったのは情報開示の問題でございますね。これについて、確かに長期化しているという指摘があるということは承知をいたしております。外務省のこの情報につきましては、やはり当然のことなんですが、相手国のこともあるといったようなこともございまして、なかなか外交機密にかかわることでございますので、他の省庁と同様になかなか情報開示というものがスムーズにいかない面が性格としてあるということは委員も御理解をいただけるだろうと思います。専門の者も配置して大分一生懸命やっているようでございますが、なかなか進んでいない点もよく分かります。できる限りスピーディーな処理できるものもあると思いますので、大いに心掛けていかなければいけないと、かように考えているところでございまして、今後とも一生懸命より良い外務省になるように、また外交が展開できるように改革を進めていきたいと考えております。
○荒井正吾君 外交活動とかODAの成果というのはなかなか評価し難いというふうには理解できます。また、先ほどの武見議員の御質問でもその点が触れられておりました。しかし、国益の概念を明確化して、外交活動の目標を明確化して、成果目標を立てて省として実行し、その実行した結果と効果を検証しなければ組織の規律が緩んでしまうというのは、それは外務省だけじゃなしに、どの組織でも同じことでございます。 一方、ODAなんかは世界各地で日本、余り宣伝をしないけれどもまじめにやってくれているという日本流のやり方がもう各地で評価されているのを実際に見聞したりしております。それも日本流でなかなかいいのかなというふうに思うわけでございますが、欧米流でなくても、少なくとも国民の世論に訴えるような広報に努める外務省という印象を、是非町村外務大臣の下で確立していただきたいというふうに御期待する次第でございます。 引き続き、外交分野の広報の重要性について御質問をさしていただきたいと思います。 海外で日本のことが余り知られていない反面、外国のことが中途半端に日本で報道されるような気がいたします。外国のホテルに滞在しますと、多数の国の電波メディアが常時放送されて、世界的なニュースがバランスよく見受けられるというふうに、日本の電波メディアは、こう言っては悪いですが、訳の分からない人が出てきてふざけ合っている場面が多くありまして、メディアの悪口を言うとちょっといけない面もありますが、あるのかどうか分かりませんが、逆にそういう状態のままで国際感覚が発達しないんじゃないかというふうに危惧をいたします。 ライブドアのあのメディアの買収に対して、外国資本の電波メディアを奪取するというので大変そういう保守的な反応があったわけでございますが、ちょっと私は、ライブドアに買収して日本の電波メディアに一石を投じて変革をしてほしかったなという者の一人でございます。 出版メディアは外資活動が自由でございます。電波メディアが大変ありきたりで、画一的じゃないかという気がしていたりするわけでございます。また、インターネットを通じた広報、インターネットの市民をネチズンとかいうふうに言う人がいるらしいですが、インターネットを海外広報にどのように利用するか。あるいは、日本に来てもらうという、百聞は一見にしかずという対外広報をどうするか。あるいは、国内広報に対する、外交活動の国内広報というのは、まあ技術の開発も要るし、客観的にどう報道するか、役所の広報というのはなかなか難しい面もあるわけでございますが、外務省はこの点、外交活動に関する海外広報、国内広報というのは大変重要だと思いますし、外務省が中心的な組織だと思いますが、その点について、外務大臣、大変熱心な大臣だというふうに日ごろお見受けいたしますが、この点についての御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 日本の外交あるいは日本のことについて海外あるいは国内に積極的に広報していくということの重要性は、委員の御指摘のとおりであろうと思います。 やはり説明責任という言葉が今盛んに言われておりますけれども、それは積極的に果たしていかなければいけないと思います。国内向けにも、もちろん外務省のホームページがあったり、またいろいろな広報、文書による活動、あるいはネットワークを通ずる情報提供、いろいろやっております。例えば、海外渡航の情報などは、これはもう本当に海外に行かれる方は必ず一回は見ていくというぐらい非常にアクセスも多いようでございまして、こうしたことなどは今後積極的にやっていかなければいけないと思います。 また、特に外国の政府あるいは外国のメディア、あるいは外国の国民に直接日本政府の考え方を伝えることの重要性、情報が統制をされている国ですとなかなかそれもままならないこともありますが、大部分の国は自由でございますから、もっと私は積極的に攻撃的に日本のことを伝えていかなきゃいけない。 例えば、今回の例えば教科書検定の問題一つ取りましても、実は教科書検定そのものについて国内、日本国内でも実は、余り検定ってどんなことをやっているのか知らない方が実はたくさんいらっしゃいます。私はたまたま文部大臣をやっておりましたから、その全体のプロセスが一応頭に入っておるつもりでございますが、日本国民だって一体検定ってどんなことをやっているんだろうかなということがどれだけ知られているか。まして海外の方々が、例えば中国にしても韓国にしても、これは国定教科書でありますから、検定といったって何のことやら分からないわけですね。だから、日本の検定というのはこういう仕組みなんですよということを、韓国語で韓国の大使館のホームページに載せる、中国語で中国の大使館のホームページに載せるといったようなことが実はできていないということを私は発見をいたしまして、これでは駄目だと。 それから、教科書だって、何だか軍国主義を美化している云々と盛んに言われるんでありますが、私は今急いでこの日本の教科書の当該部分を翻訳して、どこに一体日本の戦前の活動をそんなに美化している部分があるとお思いですかというようなことを積極的に情報提供をしようと思うんです。そうすることによって、何だ、こんな教科書どこに問題があるのと。まあ、それでも文句付けたい国はそれはあるかもしれませんけれども、普通の方が読めば、まあ多分、あ、こういう内容ならば何も問題ないねということを分かっていただけると思います。 そういう意味で今、当面、特にホットな問題については、そういう積極的に海外の市民に対して我が国の考えておることあるいは実態というものをもっともっと、これには相当お金も掛かるかもしれませんが、そういう予算も確保しながら、人も投入しながら積極的な広報に努めていきたいものだと、急にはできない部分もございますが、心掛けてまいりたいと思っております。
○荒井正吾君 余りお金の掛かんない広報戦略を一つだけ今思い付きました。それは、外務大臣が外国のメディアにもっとたくさん出ていただきたいというふうに思います。 外国の、あのドビルパンだったですか、フランスの外務大臣が大変国連とかその他で活躍されて、フランスの外交広報に大きな役割を果たされました。やっぱり人はテレビによって、その国の外交政策を担うトップがどのようなキャラクターでどのような思想でやっておられるかというのは大変瞬時に判断できるメディアでございますので、是非、町村大臣のキャラクターでより多く登場していただいて、予算の節約にも努めていただけたらというふうにも思うわけで、余計なことを申し上げましたが。 次、我が国の外交、防衛の情報の収集、分析、評価、広報に対して、インテリジェンスの機能強化について御質問させていただきたいと思います。 我が国の危機管理、情報管理は発展途上国だと言う人もいますが、米国の情報機関の人が直接言われたんですが、分析のない情報は情報と言わないんだ、日本は情報の分析の必要性を感じていませんねと日本語で言われたわけでございます。同じ情報ですが、これはインフォメーションとインテリジェンスを明確に彼らは使い分けている。インテリジェンスの機能が日本で弱いんじゃないかということでございます。外交上、防衛上、大変重要だと思います。町村外務大臣も省内で情報戦略の検討を開始されたというふうに伝え聞きます。大変評価するところでございます。 外務省は大変情報官庁でございますが、公電が中心でございます。公電文化と言われるような少々クラシックな組織にもなっております。いろいろ改善の、大変立派なところあると思うんですが、改善の余地もあろうかと思います。多くは申し上げませんが、形式にやかましくて日常の取扱いがルーズになる傾向もあったり、マル秘といってもどこがマル秘か分かんない、マル秘の部分を取りちぎるとどこがマル秘か分かんなくなってしまうような、ちょっと悪口的で恐縮でございますが。それから、電子処理がもう少し導入されたらいいとか、ちょっと外務省で経験させていただき、幾つも目に付いたわけでございます。 健全な外交世論の形成には外務省の情報収集、分析能力の向上が我が国にとって極めて重要だというふうに日ごろ考えております。対外情報庁を設置したらどうかという意見もございます。対外情報活動関係法を整備したらどうかという意見も有識者の間にはございます。国家機密の定義をしたり機密をめぐる人権の擁護をどうする、国家関与の在り方、情報トップの設置、米軍の最近の情報組織の再編を見ましても、我が国の情報インテリジェンスの機能というのは強化が大変必要だというふうに思います。一つは、そのような点について外務大臣の所見を伺いたいということでございます。 それと、質問時間が限られておりますので、もう一点併せて質問したいと思いますが、内閣官房の方で内閣情報会議が設置されております、合同情報会議が平成十一年一月十一日から設置されております。私、海上保安庁の長官のときに、国境警備を受け持っておる海上保安庁がその合同情報会議に入んないのはおかしいなというふうに思って個人的に申入れもしておりました。その理由が分かんないまま、返事が私自身には届いておりません。他国の海外警備機関と情報連絡体制を整備しております面もございますし、内閣官房は、どうして海上保安庁はインテリジェンスコミュニティーに入れないのか、明確に答えていただきたい。 最後に、その二点、外務大臣と内閣官房に御質問をしたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 荒井委員、大変このインテリジェンスの問題に御造詣も深く、また御関心も強く持っていただいていること、大変に有り難いことでございます。 率直に言って、このインテリジェンス機能、戦後の日本の対外関係、あるいは国内も、国内は警察がかなりしっかりしているからいいのかもしれません、特に対外関係のこのインテリジェンス活動、非常に弱い分野でございます。かねてよりそういう問題意識を持って、私も、特に九・一一以降、この問題についてはいろいろな提言を当時の福田官房長官に申し上げたりしてきたこともございました。 たまたま今回、外務大臣を拝命いたしたものですから、実は明日第一回目の、まず、外務省だけでどこまでやれるか分かりませんけれども、対外情報機能強化に関する懇談会というものを数名の委員さんにお願いをして、明日実は第一回の会合を開くことにいたしております。その中で、今委員が御指摘になったいろいろな問題があるわけでございまして、外務省の中でできること、外務省限りではなかなかでき得ないこと、たくさんあろうかと思いますが、それ、線を総まとめにして一定の提言をできるだけ早くまとめていただきたい。私も可能な限り議論に参画をしてまいりたい。 いずれにしても、皆様方から、こんなことも外務省知らないでよく外交ができるなといっておしかりをいただくんでありますけれども、現実に、率直に言って弱い部分は弱いということは認めざるを得ないわけでございますが、いつまでもぼやいていてもしようがございませんから、できる限りインテリジェンス機能を高めるように、院の御理解、国会の御理解もいただきながら鋭意努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
○政府参考人(伊佐敷眞一君) お答え申し上げます。 情報の重要性につきましては、先生御指摘のとおりであると存じております。情報は国の政策を遂行する際の前提になるものでございますので、的確に必要な情報を収集し、集めましたいろいろな情報を突き合わせて分析をし、この際にはもちろん専門家の知見を最大限活用する必要があるわけでございますけれども、分析をして政策決定に必要ないわゆるインテリジェンスと英語では呼ばれます情報に到達するということが非常に重要であろうかと存じます。 同時に、このような情報の収集、分析、配付といいますものは、実務的には非常に難しい作業を伴うものでもございます。情報を入手する際にはいろいろな手段があるわけですけれども、人的手段、技術的手段には衛星ですとか電波傍受ですとか、御存じのとおりいろいろな手段があるわけですが、このような手段で情報を入手し分析するということは非常に困難な作業を伴います。 そのような背景で、(発言する者あり)そのような背景の下に、政府の情報機能を強化するという観点から、平成十年十月二十七日の閣議において内閣情報会議が設置されたわけでございます。(発言する者あり)その際の、その際の構成員が内閣官房、警察庁、防衛庁、公安調査庁、外務省となっておりまして、御指摘のとおり海上保安庁は入っておりません。 これは、この時点での閣議において、情報機能を強化するためにと、当面メンバーをこの五者に絞って始めるという意思決定があったものと考えております。ただし、必要がある場合にはこの構成員以外の省庁の方々の出席を求めることもございまして、事実そのような事例もございます。 今後、この構成員を変更する場合には、会議を開く場合に取り上げます議題にどの程度かかわってくるかと、その頻度、関与の度合いによるのではないかと考えます。海上保安庁が、海上保安庁において担当されている沿岸監視・警備、この分野が内閣情報会議においてどの程度の頻度、度合いで取り上げられるか次第によって今後判断されるべきものではないかというふうに考えております。
○荒井正吾君 時間の無駄と、もう時間過ぎていますので一言だけ言いますが、本当に時間の無駄の答弁で、しかも、最後に質問したから悪いかもしれないけれども、正確に答えていない。情報の管理の正確性というのを最初に一時間も掛けて言ったじゃないですか。冗談じゃないですよ。 引き続き、納得できない答弁なんで、答えに全然なってない納得できない答弁なので、どうするのかな、引き続き追及するしかないというふうに思いますが、ということを申し上げて質問を終わります。
○榛葉賀津也君 民主党・新緑風会の榛葉賀津也でございます。 決算が命であります参議院のこの委員会におきまして、質問をするチャンスをいただきましたことを先輩並びに同僚委員に感謝を申し上げたいと思います。 本日は、国民の税金がいかに有効的かつ効果的に使われているかと、こういった観点から幾つか質問をさせていただきたいと思いますが、冒頭、中国の話でございます。武見委員も指摘をされておりましたが、私は、現在の小泉外交のこの東アジア外交全体に対しては大きな憤りを感じております。 しかし他方、今回の対応に対しまして、そして町村大臣の冷静かつ毅然とした発言には敬意を表したいというふうに思っております。北京の外相会談に引き続き、バンドン会議の露払いもしていただきました。アジア各国が日本をどういうふうに見ているかということを肌で実感されたというふうに思うわけでございますが、私も昨年、ASEANの会議に党を代表して行ってまいりまして、様々なことを感じました。東アジア全体が日本に対して反日感情を持っているだけでは決してないと、ASEAN諸国等は大変日本に期待感を持っている、そしてインドと中国とのバランスをどのように取っているか、非常に微妙なかつ独特な雰囲気を感じて、私帰ってまいりました。 こういった時期でございますので、あえて決算委員会としてもこの対中関係改善の観点から、この対中国ODAの在り方について冒頭お伺いをしたいと思うんですが、対中ODAは、二〇〇八年度に円借款の新規供与を停止するというような方向性が確認をされているわけでございますが、しかしそれだけではなくて、報道では無償資金協力についても二〇〇八年度をめどに停止をする方向で調整をするということがあったわけでございますが、これは事実なんでしょうか。 〔理事田浦直君退席、委員長着席〕
○政府参考人(佐藤重和君) お答えを申し上げます。 お話ございましたとおり、対中国の円借款につきましては、これは二〇〇八年の北京オリンピックの前までにその新規供与を終了するという方向で中国側と協議を行っているということでございます。 他方、その円借款以外のODAでございますが、特に技術協力や草の根・人間の安全保障無償資金協力、あるいは文化無償資金協力等の両国間のその交流を促進する協力につきましては、貧困問題の解決に役立つ案件やあるいは環境案件等、あるいはさらに中国国民の対日理解増進に役立つ案件等を中心にいたしまして、日中関係の中で全体として積極的に活用をしていきたいというふうに考えております。
○榛葉賀津也君 私、今回の抗日デモは、その世代に実は注目をするべきだと思っております。日中間でこの共同歴史研究という提案もあるようでございますが、日韓の例を見ましても、この歴史研究という問題は参加される方がある程度世代が上の方なんですね。 今回のこのデモなんですが、どういった方がデモに参加されたかというと、地方から北京や上海に来た学生で、これは中国語の専門家が非常になまりでそれが分かるそうでございますが、しかも、一人っ子政策で生まれて、経済成長率が一〇%という異常な中で大きくなって、またインターネットを使って天安門事件以降の愛国教育を受けた世代がこれをやっていると。一部の中国政府が戦略的に、計画的にこれをやっているんではないかというようなことがあったわけでございますが。 ここに、今日資料を配付させていただきました。これは、中国のデモをやった学生たちの間でデモに参加しようというふうに出回ったメールでございます。このメールでデモをやろうというふうに大きくなったわけでございますね。 この中国語並びにこの資料は、私が敬愛する熊本のチャイナ・ウオッチャーであります三浦一水先生が翻訳をされましたので間違いはないというふうに思っておりますが、ここにあるように、一ページ目の左側の真ん中、直接参加したくない人も騒ぎを見に行くだけでよいでしょう、きっとめったにない場面が見られますよ、にこにこマークとか、そして、活動注意事項の五、石ころや金属類の硬いものは投げない、トマトや卵、小泉の像(写真)、ライター、日本国旗等を持つことを勧める、であるとか、最重要注意として二には、大使館の門前において、警官が見ているところで勝手に物を投げてはならない、だれも見ていなければ卵やトマトを投げる、万一投げた後で警官に見付かったら彼らにほほ笑み掛ける。それとか、商店、会社等に破壊的な打撃を与えてはならない、なぜなら破壊した後、日本人は中国政府に賠償を求める、皆は賢くなろうとか、いろんなことが書いてあります。 これを読みますと、非常に大学生の乗りで、まあサークルとまではいきませんが、政治的なメッセージも込められている、かつ、ただ学生の乗りの部分が非常にかいま見れる。こういった、具体的なこういったメールで学生たちが動員をされ、集まっていくというその背景を見ますと、私、やはりこの若い世代の中国人をどう理解し、若い世代の日中間がどう交流するかというのは非常に大切になってくると思っているわけでございます。 例えば、元OECD事務次長の国連大使谷口誠さんが、日本が中国の留学生に対し育英資金の形でODAを供与することというふうに提案されているんですね。これは、専門家同士の技術協力よりもその一歩前の段階になるわけでございますが、より若者にターゲットを絞った支援と、こういった支援を外務省は考えるべきだと思うんですが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 今、日本に来て学んでいる留学生、かつて中曽根内閣の時代だったと記憶をしておりますが、留学生十万人計画というものを提唱し、そのころは多分まだ一万人とか二万人というレベルだったと思います。今や十万人を突破するようになりました。その主たる原因といいましょうか、どこの国から来ているかというと、もう半分以上が中国の留学生でございます。それはもちろん、国費留学生というのは予算の枠が限られているから、私費留学生、専門学校に来たりいろいろな形で来ておられる方が大変多いんだろうと思います。それだけ彼らも日本に来て学ぶだけのある程度の豊かさができた部分もあるのかなと思ったりもいたします。 したがって、それだけ数多くの何万という若い人たちが来ているわけですから、そういう人たちに対して、まず日本国内でそれらを受け入れる学校であれあるいは家庭であれ、まあどういうところに寝泊まりするか、下宿かどうか分かりませんが、そういう接する人たちがあるいは学生の仲間たちが、どれだけ彼らを仲間として受け入れられるのかというところは非常に重要だと思います。しばしば、余りこれは外務大臣の立場で言っていいかどうか分かりませんけれども、白人のみ下宿オーケーですとか、とんでもない宣伝といいましょうか、下宿の宣伝をしているようなところもあるんですね。やっぱりこういうのはおかしいなと思います。そういう意味で、まず、お金を出さずともそれだけの人が日本に来てくれている、その人たちをいかに日本びいきにしてお国に帰ってもらうかということは大切なことだろうと思います。 委員御指摘のODAを活用してもっと若い人に来てもらったらばというのも、青少年交流という観点から私、非常に重要な御指摘だと、こう思っております。先般の外相会談でも、日中交流、文化に関する日中交流基金というものを新しくつくって、それでもっと高校生とか大学生の交流を活発にできる、あるいは文化面での交流を活発にできる方策はないだろうかと、お互いに年末までによく検討してつくろうではないかというようなことも合意をいたしました。 そうした様々な方途を考えていかなければいけないなということも痛感をいたしております。
○榛葉賀津也君 私、キーワードはやはり若い世代の交流だと思っておりまして、二十年後、三十年後先の日中関係を、先ほど人材育成の話もありましたが、今からきちっと草の根レベルでの交流を図っていくということが大事なんだろうと思います。慶応大学の小島朋之先生がこんな話をされていました。一九八三年、胡耀邦総書記が日中友好のシンボルとして三千人の日本人を中国に招待したんですね。翌年、日本はこのお返しをするわけですが、その数はたった五百でございました。今回、胡錦濤さんが先輩の指導者に申し訳ないという発言をされましたが、極めて政治的な発言だとは思いますが、私は大変重い言葉だと思っております。 今、町村大臣がおっしゃったように、現在、中国から日本への留学生の数は実は七万人を超えております。そして、この理由が、一・九・一一以降アメリカに行きにくくなった中国人が日本に来ているという理由もあるんですが、私、これは大きなチャンスだと思っているんですね。このチャンスをきっちりととらえなければならないと思っております。 外務省が作成した「ODAとNGO」というパンフレットがあるわけでございますが、この中を見ますと、二〇〇三年度の実績でという、NGOがどこでどういう活動をしたかという表があるわけでございますが、これは直接一般の日本人が現地の人と交流し、また助け合うという意味で大変友好的な効果は大きいというふうに思っております。国民の税金がより有効にかつ効率的に使われるという観点から考えますと、こういったNGOを絡ませることによって国民参加型のODAをつくっていくということが重要だというふうに私は考えております。しかし、その中でこの対中国を見ると、非常に少ないんですね。NGO事業補助金の交付事業、実はこの中に六十九あるんです。しかし、実施国が二十六か国に上っているんですが、中国はたった一件なんです。これは私、余りにも少ないというふうに思っているんですね。 良質なNGOを生かしまして、やはり国民を巻き込んだODAの使い方というものをきっちりと考えてこの両国の信頼醸成に私は寄与するべきだと思うんですが、もう一度大臣の御決意をお願いしたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 確かに委員御指摘のように、平成十五年度の対中国支援実績の中での日本NGO支援というのは三千八百万円ということで、全体が十三億円ある中の本当にそういう意味じゃごくわずかな割合だなと、こう思います。 そういう意味で、先ほど円借の方向性については局長がお答えをしたとおりでございますけれども、例えば草の根レベルの援助、あるいは人間の安全保障といったような分野での無償資金協力の分野でNGOがもっとこれに参画できるようにしていく、積極的に日中間の交流を深めるという意味から、NGOの果たす役割というものに注目して、もっとこの部分に活躍をしてもらいたいという気持ちは私どももあるわけでございまして、是非そういう面で中国におけるNGOの活動範囲がもっと広がるように努力をしていきたいと思います。 ただ、私も正確な事情はよく分かりませんが、先方がどこまで受け入れるのかというような受け入れるサイドの問題も若干はやっぱりあるやにも聞いております。先般、中国に参りましたとき、中国に学んでおられる学生さんやあるいは先方の大学で教えておられる教授の方々とも懇談をする機会がありました。そういう話の中でやはりそういう指摘も多少あったことも事実でございますので、やっぱり人と人とを通ずる協力を深めるということの重要性、榛葉委員御指摘のとおりだと思っておりますので、中国におけるNGOの活躍する分野をできる限り広めていくように努力をしたいと考えます。
○榛葉賀津也君 次に、パレスチナODAについてお伺いしますが、我が国のパレスチナに対するODA、これは一体総額はどれぐらいになっていますでしょうか。
○政府参考人(佐藤重和君) 我が国のパレスチナに対します支援、ODAの総額でございますが、オスロ合意がなされました一九九三年以降、二〇〇四年度末までの数字でございますが、総拠出額約七億七千万ドルに上るパレスチナ支援を行っております。 特に、二〇〇四年度につきましては、補正予算で手当てをいただきまして、六千万ドルの追加的支援を含め約九千万ドルの支援を行ったところでございます。
○榛葉賀津也君 局長おっしゃるように、二〇〇三年のオスロ以降は八億ドル弱ということでございますが、二〇〇〇年九月のアルアクサ・インティファーダの以降は緊急人道支援を中心に約一億九千万ドル支援しているんですね。 アラファトが亡くなったのが二〇〇四年十一月一日で、これは記憶に新しいところでございますが、アラファトの死去後の支援を考えますと、二〇〇四年十月八日に、先ほどおっしゃった選挙支援という名目で百六万ドル、十二月二十日には、パレスチナ新指導部の政権基盤強化という形で、補正を組まれまして六千万ドルを支援されております。二〇〇四年度の支援実績は過去最高ということでございますが、今年は食糧支援、これは例年実施されているやつでございますが、五百九十万ドルと。 世の中の常識を考えますと、人が亡くなると遺産相続の問題が発生するわけでございますが、これ、アラファトの場合も同様でございます。アラファト議長の財産というのは一体、吉川局長、どれぐらいあると把握されていますか。
○政府参考人(吉川元偉君) アラファト議長の資産総額についてのお尋ねでございます。 いろいろと報道は出ておりますが、パレスチナ自治政府からこの件についての発表は出ておりません。外務省自体といたしましても、それじゃ幾らあったのかということについての判断をするだけの十分な材料はないというのが現状でございます。
○榛葉賀津也君 果たしてそれでいいんでしょうか。国際通貨基金、IMFの推定によりますと、何と四十二億ドル、全世界で九番目の大富豪なんですね。 それでは、数が分からないということですが、その中でも、その自治政府の公金の相当額が実はアラファトの個人的な口座に流れているということも、もうこれはヨーロッパ始めとする調査、IMFの方でももう事実関係がほぼ分かっているということでございますが、実は一九九六年から二〇〇〇年までの五年間だけでも約九億ドルが議長管理下の特別口座に流れているということなんですね。 吉川局長、こういったお金は一体今どこにあるんでしょうか。
○政府参考人(吉川元偉君) 榛葉先生今引用されました数字については、多分イスラエルの新聞がIMFの報告書を引用して出した数字九億ドルということかと思います。 実は、このIMFの報告、二〇〇三年の九月の十五日に出ておりますが、IMFはこのイスラエルの新聞の報道に対しては正確じゃないんだということを言っております。九億ドルという数字については、パレスチナの商業サービス公社というところに流れたということが報告書には書いてありますが、アラファト議長の懐に入ったとか、ポケットに、管理下にいるという、そういうことは報告書に実は書いていないんだということを言っております。 実は、この問題については我々も問題意識持っておりまして、一月に町村大臣がイスラエルを公式訪問された際に、大臣から当時の外務大臣、外務庁長官のシャースさん、その後副首相になっておりますが、シャースさんに対して大臣から、国際社会の支援がアラファト議長の懐に入っているというような報道が出ていること、これは望ましいことではないんで、政府として、パレスチナ政府としてきちっとした透明性のある対応をしていただきたいという、こういうことは申し上げております。 当時のシャース外務庁長官からは、我々はこの疑惑問題についてはもう全力で解明に努めていて、ヨーロッパの調査団が来た際にも、ヨーロッパからの援助金が本来の目的以外に使われたという、そういう事実は見付からなかったんだということを答えております。
○榛葉賀津也君 このアラファトの資産については、それは様々な情報があります。そして、当然、なかなか目に見える形でこれが表に出ることがないというのは当たり前のことでございますが、ヨーロッパ始めとして各国がこのアラファトの資金、そしてこのPLO内の不正について非常に慎重になっている。だからこそ、このODAに対しても非常に丁寧に予算措置をしているという中なんですね。 例えば、一九九四年のカイロ協定で治安警察とPDPFと呼ばれるパレスチナ治安警察理事会ということを設置しようということになっているんですね。これでパレスチナの内部の治安を自分たちで管理していこうと。当初定員は二万名だったんです。しかし、気が付いたら、いつの間にか四万五千人に膨れ上がっているんですね。そればかりか、アラファトさんはそれとは別に自分の護衛隊をつくって、SSFであるとか議長護衛隊であるとか、一万人規模のこういった護衛隊をつくっている。そのお金が恐らくアラファトさんの口座から出ているんだろうという推測がされているわけでございます。 私は、決してアラファトさんが自分の口座を持っていたから駄目だと言っているんじゃないんです。アラファトさんは恐らく、パレスチナ国家をつくるときに相当な資金が要る、だからそれなりの準備をしていたのかもしれません。しかし、私が言いたいのは、無論この中東和平はイスラエル側に大きな責任がある。しかし他方、パレスチナ自治政府内も自分たちのこういったアラファトのばらまき型財政を改善して、お互いがウイン・ウイン・ゲームになるような構図をつくっていかなければならない。それにはやはりきちっとした透明性が必要だと思うんですね。この透明性なくしてパレスチナ政府の自治政府の浄化というものはあり得ないし、イスラエル、パレスチナの和平もないし、ひいては日本が望む安定した中東情勢というのは望めないと思っているわけでございます。 そのような中、今回初めて二〇〇三年度にノンプロの無償資金協力を五億円日本は決めているんですね。パレスチナ支援では初めてでございます。ノンプロですから現金で行くわけでございます。この透明性をどのように担保するんでしょうか。
○政府参考人(佐藤重和君) 御指摘のとおり、平成十五年度にそのノンプロ無償、五億円の供与を行っております。実際にその使用方法でございますが、これは間に公正中立な調達機関が入りまして、その調達機関が支出について厳正にその審査をしながら支出が行われると、こういうことでございます。 実際には、今回この五億円につきましてはすべて石油製品の購入に既に充てられているということでございまして、現在その見返り資金が積み立てられているという状況にございます。
○榛葉賀津也君 先ほど、パレスチナ、アラファト議長の個人的な口座の内容はよく分からないと言いましたが、私は、きちっとパレスチナ側との信頼関係の上でもこういったものを明確にするように求めていく、この努力も必要だと思うんですね。貴重な税金を使っている、それが、しかしどのように使われているかは明確ではない。 私はこの中東和平というのはゼロサムゲームではないと思っています。パレスチナが勝てばイスラエルが負けるであるとか、イスラエルが勝てばパレスチナが損をするとか、そういった形ではない。このウイン・ウイン・ゲームの活用をするために、日本には大変期待を両側がしているわけでございますから、この対パレスチナのODAの透明性とアカウンタビリティーをきっちりと担保していただきたいということを改めてこの決算委員会の場で要求をしておきたいというふうに思います。 次に、スマトラ沖災害の日本の支援についてお伺いしたいと思います。 二月十四日から十九日の六日間、私は現地のスマトラ沖地震及びインド洋の津波被害の現地調査にアチェとスリランカの方へ行ってまいりました。今回の日本の外務省や自衛隊、そしてJICAや民間のODAの素早い対応というのは非常に評価が高かったわけでございます。 邦人保護の観点から私は言いたいことがたくさんあるわけでございますが、この議論はまた後日に譲りたいと思いますが。 今回、国際機関を通じまして二・五億ドル、二国間の支援で同じく二・五億ドル、非常に素早い緊急支援を行いました。十二月二十六日に震災が発生して三週間後の一月十七日には交換公文を交わして、十九日にはもう資金の拠出を完了しているんですね。ところが、その後大変ショッキングな新聞記事が掲載されました。それにはこう書いてあったんですね。日本の二百四十六億円の緊急支援のうち売買契約が済んでいるのが、先月の段階ですが、四百五十万円だけだというんですね。緊急支援として資金を振り込んだにもかかわらず、その現実は、この現実には私いささか納得がいかないわけでございます。 日本政府は、インドネシアに百四十六億円、スリランカに八十億円、モルディブに二十億円、合計二百四十六億円のノンプロジェクト無償を供与しているんですが、現段階で入札手続が済んで現地にきっちりと物資が到着した分というのは一体幾らになるんでしょう。
○政府参考人(佐藤重和君) お答えを申し上げます。 これまでの実施状況でございますが、既に合計約六十億円分の案件につきまして、これは政府間で決定をいたし、調達の手続を開始をいたしております。そのうち、その業者との契約を終えて正に物が動いているものというものが約一億八千万円分でございます。
○榛葉賀津也君 二百四十六億円中、執行済みは一億八千、正確には百万円ということだと思うんですが、つまりは残りの約二百四十四億二千万円は災害から四か月たっている現在でまだ施行されていない、インプリメントされていないということでいいんですね。
○政府参考人(佐藤重和君) 御指摘がございました全体としてその二百四十六億円の支援でございますが、そのうち今業者契約等を終えたものというものは先ほど申し上げた額でございますが、全体としてその使途の決定ということを相手方政府とそれから調達機関が入って協議を進めているわけでございますが、ほぼ全体のその九〇%以上につきましては、その具体的な使途というものは決定をしているということでございます。
○榛葉賀津也君 通常ノンプロのこの案件は期限が一年なんですね。これ、どれぐらい時間が掛かるんでしょうか、それぞれの案件が。
○政府参考人(佐藤重和君) 正に御指摘のとおり、ノンプロ無償につきましては一年以内に使用をするということになっております。 現在、先ほど申し上げましたとおり、ほぼその九〇%以上については使途が決定をしているということでございますので、これからその調達手続というものを進めてまいりまして、当然これ公正性とか透明性ということを確保するということで、一定の入札期間、公示入札期間等を取らなくてはいけないということあるわけでございますが、そうした一定のどうしても必要な期間というものを経ましてできるだけ迅速に実施をするということで、できるだけ早いうちにこの全体について実施を進めたいと、完了をしたいというふうに考えております。
○榛葉賀津也君 もしこれ一年以内に使い切れなかった場合、この二百四十六億円のその残りの額というのは我が国の国庫に返納されるという理解でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(佐藤重和君) これは、はっきりとその使途が決まっておって明らかにその後使い得るというものについて、可能性としてその延長をするということはございますけれども、原則はもちろん一年以内に使用するということでございます。
○榛葉賀津也君 ということは、国庫に返納されるんですね。
○政府参考人(佐藤重和君) 使用されないものについてはそのとおりでございます。
○榛葉賀津也君 私は、これで二点指摘をしたいと思っています。 一つは、本来求められているこの緊急性というものが全く生かされていないということなんですね。私が現地に行って感じたのは、各国があたかもオークションをやっているかのように援助の競争をやっているんですね。ある方は好意的に援助のオリンピックと言いましたが、もうみんながどんどんどんどん援助を打ってくる。しかし、それは実際にまだ目に見えていないものであって、数字だけどんどんつり上がってくるんですね。あたかもインターネットオークションを見ているかのような感じでございました。 そして、今回、平成十六年度の予備費まで使いましてこの予算を付けたんですね。ところが、実際は緊急性が全く空振っているわけでございますよ、ほとんどがまだインプリメントされていないわけでございますから。日本政府のこの緊急支援というものが届かないうちに、現場ではもう緊急性というものは重視されておりません。もう復興の段階に入っています。 こういう巨額な緊急支援が空振ってしまったと。これをどういうふうに改善するかというのは非常に大事な問題だと思っています。決算の視点から考えますと、この援助資金が予備費である必要が本当にあったのかどうなのか、これじっくりと案件を考えて適時オファーすればいい話ではなかったのかということもあるわけでございます。 もう一点が、今年の二月の段階でODAの中期政策という問題というものがまとめられたわけでございますが、防災支援の強化という問題がうたわれています。しかし、実際に多額の資金を被災直後の国に供与した、これがどういうふうにワークするかという問題は、全く方法論がまだ定まっていないんですね。 この二点について、局長、どうですか。
○政府参考人(佐藤重和君) 御指摘のとおり、今回の支援については、正に災害の状況に応じてできるだけ早く支援を行うということで、こういう緊急支援の形を取ったわけでございます。それにつきましては、当然ながら、できるだけ機動性を持って行うという観点からこういった支援の形態を取ったということでございます。 実際に、これまでのところ、正に各国の、受入れ国の意思決定のプロセスというものに時間が掛かるといったこと、それから先ほど申し上げたいろいろな調達の手続に時間が掛かるといったこと、あるいは今回ノンプロ無償としては、これまでと若干違うのは、単なる物品の供与以外に学校とか道路の建設といった施設建設といったような用途にもその使用を認めるといったようなことがございまして、通常のノンプロ無償よりその実施が遅れているということは事実でございますが、私どもとしては、これは一般のプロジェクト無償でやるよりは、やはりこれは機動性を確保するという意味ではこういった形態を取るということであったろうというふうに考えております。
○榛葉賀津也君 ODAを供与する国ですから、当然ガバナンスに様々な問題があるケースが多いわけでございます。ただでさえそうであるのに、更に大災害で国の機能が麻痺若しくは国民や政府もパニクっているわけでございますね。そこにぽんとキャッシュをやって、さあ案件どうなんだと言っても、これは到底履行できない可能性が極めて高いのはもう火を見るより明らかなんですね。そして、緊急性が既にもう求められていない段階になってまだこのような状況であると。私は、これはいささかこういった、今後災害がたくさん起こると思うんですね。今回の私、失敗例と言っていいかどうか分かりませんが、今回の例をきちっとやはり検証して、その災害時のODAの在り方がどうあるべきかというものを議論する必要があると思うんですね。私自身の考えでは、ノンプロ無償で緊急支援のODAをこの災害に対してやるというのは、私は無理があるというふうに感じました。 加えて、こういう事態は、日本の外務省は技協は技協課であるとか有償資金は有償資金協力課というふうにスキームごとに縦で課が分かれています。しかし、こういったときはもうオール外務省であるとか、国際機関であるとか、ODAをもう一つにうまくブレンドして機動性のあるやはり支援の在り方、そして有機的な支援の枠組みというものをそろそろ考えるときに来ている。それが私は、外務省のおっしゃったこの防災支援の強化はここできっちりと形にする必要があると思うんですね。 この問題について、大臣のもしコメントがあればお願いしたいんですが。
○国務大臣(町村信孝君) 確かに、契約まで済み、案件が完了したものというのは確かにそう多くないかもしれない。 私も、先般、アジア・アフリカサミットに参りました折、インドネシアの飯村大使とも、随分大きなお金をインドネシア、百四十六億円お渡ししたけれども、一体これはどうなっているんだろうかという話をかなり具体的なケースを含めて突っ込んで聞く機会を得ました。 ようやっと、たしか三、四日前でしたでしょうか、このアチェ州のバンダアチェ周辺の復興庁というんでしょうかね、そういう組織がやっと立ち上がったと。やっと立ち上がってみたけれども、まだその長官も決まっていないし、これからだんだんその組織に人が各省から出ていって張り付くという状態だと。しかし、それは幾ら何でもあなたね、掛かり過ぎじゃないかと、もう災害から四か月もたっているのにまだそういう担当組織もできないのかと言ったら、それが現実ですと。 要するに彼らの、要するに、どういうんでしょうかね、余り外国の政府のことをあれこれ言挙げするのもいかがかと思うけれども、やっぱり彼らの行政執行能力、上に立つユドヨノさん以下はもう一生懸命やろうとしているんだけれども、現実にその事務を担当する段階まで行くと、もう今日はくたびれたから早く帰っちゃおうとか、まあちょっとこの日本ではおよそ考えられないような実態が現実にあるものですから、早くこういう契約をしてこの案件で詰めようと言っても、何か一か月ぐらい旅行に行っていなくなってしまうとか。まあ、事ごと困るんですということが大使の率直な感想でございました。しかし、だからといってこの執行が遅れていいという理屈にはそれはなりません。 ですから、例えば、今こういったことの資料を見ますと、インドネシアでも、例えば医薬品、医療品の第一弾、第二弾、第三弾というのはもう業者の選定も済み、契約も大体五、六月ごろに行われ、案件は大体六、七月に完了するであろうと。これなどは早い方ですね。他方、道路の復旧というのは、これは確かに時間が掛かります。これについても、今たしか大使は、要するに公開入札に掛けていると言っていましたから、これが済めば契約ができ、そして実際の事業が六月、七月にはこれどうも始まるんだろうなとかですね。 だけれども、これは緊急の事業であると同時に、ある意味じゃ中長期の復旧、復興と。これどこでこう線を引くのかというのは、なかなかこれ難しいところだろうと思うんですね。取りあえず、この道路にしても、もう全く使い物にならなかったものを取りあえずこう砂利でも敷いて使えるようにする。それから、これは幹線道路だからやっぱりきちんと舗装もしていくと。どこまでが緊急事業であり、どこまでが復旧であり、どこまでが本格復興なのか、なかなかこれを分けて考えるのは難しいなとは思いつつも、しかし、これだけの緊急のお金を先方に渡したわけですから、これしっかり使ってもらわなきゃ困るよということだろうと思います。 いずれにしても、のんびりやっているつもりもありませんし、大幅に使い残すということがあれば、それは国民の税金ですからお返しをするというのは当然のことだろうと、こう思います。
○榛葉賀津也君 正に大臣がおっしゃったように、そういう国がたくさんあるんですね、問題のある、大変のんびりした、独特のカルチャーを持った。だからこそ私は、緊急支援よりもきっちりと案件ベースでやるべきでないかと。そして、先ほど大臣がおっしゃったように、今の段階で決まってきている道路であるとか様々なインフラの問題は、正に緊急じゃなくていいんですね。これは中長期的にきっちりと案件ベースでやるべき問題だと思っています。 しかし、私は外務省の名誉のためにも言っておきますが、私は、ODAというのは日本で最大の、そして最強の武器だと思っております。そして、是非胸を張っていいと思っているのは、この日本のまじめさなんですね。きちっと約束した額をしっかりと払う、それが日本の外交の姿勢だと。これは非常に自慢をしていいし、胸を張っていいと思っているんです。 先日のイランの震災の際も、そして今回のインド洋もそうですが、各国が大変勇ましい数字を出してきます。しかし、どれだけ実際にインプリメントされたかというと、イランのときなどは半分程度なんですね。数字ではでかいことを言うけれども、現実的にはほとんどその金額を出してこない。しかし、日本はきっちりとまじめに全額を出しているんです。こういったことは私は、是非自慢をしていいことですし、これはきちっと世界にアピールしなければいけないし、だからこそ無駄のない、正しい、有効的なODAの活用を私は外務省に求めていきたいというふうに考えております。 指摘であり、エールと思っていただいて、是非インドネシアの復興に力を注いでいただきたいというふうに思っております。 外務省に、最後、もう一点、今回の会計検査院の指摘で明らかになった在外公館警備強化特別対策費についてお伺いするんですが、平成十五年度、在外公館警備強化特別対策費として三十二億円が予算措置されているんですね。これは、防弾車であるとか金属探知器、エックス線爆弾探知機等を各国の在外公館に配付をするんですが、この平成十五年というのは、瀋陽の日本総領事館に五人の脱北者が駆け込んだり、東南アジアや中東を始めとして各国でテロが起こった。八月十九日にはバグダッドの国連現地本部が爆発されてデメロ特別代表も亡くなった。十一月には奥さん、井ノ上さんも殺された。非常に日本の外交官の安全を考える意味で様々なことがあった一年でございました。 このような現状を踏まえた中で、平成十三年の三月には、据置型爆発物探知機が、これ十五台予算され、平成十四年一月には卓上型爆発物探知装置が三十七台、携帯式爆発物探知装置が五十四台、同年三月には郵便物エックス線探知装置が二十台、計百二十六台、総額四億六千三百五万円で購入しているんです。いかにこのテロに対する脅威があったかということですが、極めてテロに対する脅威度が高いところ、約七十六の在外公館に配備されているんですが、この七十六公館、百二十六台の爆発物探知装置の利用現状を調査してどんなことが分かったんでしょうか。
○政府参考人(塩尻孝二郎君) お答え申し上げます。 今御指摘になりましたように、確かに在外公館に百二十六の探知機がございます。平成十五年の会計検査院の方から、それが十分に活用されていないという指摘がありました。百二十六のうち五十六台が活用されていないという報告がありました。その後、我々、改善措置を種々とりまして、今のところ、現時点でチェックしたところ、一台だけ故障による修理で使われていないと、ほかのものは使われているという現状でございます。
○榛葉賀津也君 四十五公館において五十六台が平成十六年三月時点で利用されなかったと。この金額が二億二千二百四十九万円なんですね。その内訳をちょっと読んでみたんですが、信じられないんですね。 この探知機のソフトウエアのインストール作業が行われていなかった。故障していて装置が作動できず利用できなかった。これもっと言いますと、これアメリカの製品なんですが、インストールするそのアメリカのメーカーの技師、これが在外公館のある国にビザが取れなくて入れないというんですね。物は買ったけれども動かないんですよ、人間が行けないんですから。これが二十七公館、三十二台。そして、警備担当者が操作方法が難し過ぎて使えなかったというのが十二公館の十五台なんですね。そして三つ目は、爆発物探知装置を設置するのに場所がなかったというんですね。警備担当が爆発物の取扱いの知識がなかったと。これが七公館、九台。 大臣、こういう現状が実際起こっているわけですよね。これだけテロが危ないと言われて、約三十二億使ってこれ措置しているにもかかわらず、豚に真珠、猫に小判ということわざがありますが、これ本当に信じられないんですね。これもう漫画としか言いようがないわけでございます。喜劇が悲劇にならなくて良かったというふうにつくづく思うわけでございますが、これは二つの意味で私は許せないと思っています。当然一つは、二億二千二百四十九万円という税金の無駄遣い。そしてもう一つは、危ない地域だからこの爆発物探知装置を送っているんですね。にもかかわらずその爆発物探知装置が起動していない、守るべき外交官を守ることができていないということであります。 この七十六の公館や、そしてこれらの現地の人間が使いたくても使えない非常に難しい装置であります。こんな使えないような装置の購入をだれが決めたんですか。
○政府参考人(塩尻孝二郎君) お答えいたします。 今委員が御指摘になられたように、五十六台の探査機が十分に活用されていなかったということはそのとおりでございまして、その後、我々として、先ほどお話ししましたように種々の措置を講じました。その結果、今の時点で一台だけ使われていない、ほかの百二十五台は使われているということで、平成十五年度の会計検査院も、改善措置が見られたという報告を受けております。 いずれにしましても、そういう事実があったということは間違いありませんし、我々としては非常に遺憾に思っております。今後こういうことがないようにちゃんとやっていきたいというふうに思っております。
○榛葉賀津也君 だれが決めたんですか。だれが決めたんですかと聞いたんです。
○政府参考人(塩尻孝二郎君) 在外公館からのニーズ、要望を踏まえて、本省の方でこの予算の手当てをしております。
○榛葉賀津也君 詐欺師で消防署の方から来ましたというのがありますが、本省の方でと言われても、これきっちりと、私は今外務省に、邦人保護だけじゃなくて外交官に対する保護、安全を確保するという問題が極めて希薄していると思うんですね。七十六の公館がどこかということはあえてお伺いしません、ないところが分かってしまいますから。 しかし、私は今、これだけテロが多様化し、国際化した中で、危ないところだから、危ない国だから爆弾探知装置を設置しましょうという時代ではなくなってきていると思います。すべての在外公館にテロに対するこの警備体制というものを強化するべきだと思うんですが、外務大臣、決意をお願いしたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 余り、決意を申し上げる以前の問題だなと、こう思います。 委員御指摘のように、本当に予算厳しい状況ではありますが、すべての公館にこういったものは必要でしょうし、また余り確かに簡単過ぎるとこの効果がないだろうし、難し過ぎると使えないと。ほどほどのものが多分世の中あるんだろうと素人考えですが思いますので、だれにでも使え、かつそんなに高くないもので全公館に配置できるように心掛けるべきであろうと、こう思います。
○榛葉賀津也君 是非全公館に配置をするようにお願いをしたいというふうに思います。 最後に、残り時間で防衛庁にお伺いしたいと思うんですが、冒頭、F2を決算の観点からお伺いする予定だったんですが、残り時間が五分となってしまいましたので、これはまた外交防衛委員会の方で取り扱いたいと思います。 決算の観点から、最後に防衛庁に、防衛庁発注の燃料入札談合事件についてお伺いをしたいと思うんですが、これは平成十一年から現在まで係属中の案件でございます。 防衛庁発注の燃料をめぐる入札談合事件で、公正取引委員会は、出光興産などの石油会社十一社に対しまして独占禁止法違反で排除勧告が出されております。今年一月には防衛庁が、談合によって不当な利益を得た分として、十一社に対しまして合計約百四十一億三千万円の返還要求をしているところでございますが、決算の観点から考えますと、この不当な談合によって国損が生じているということでありますから、これ、しっかりと十一社から百四十一億円払い戻してもらわないと困るわけでございます。ただ、ところが、この十一社の中には既に返還に応じない姿勢を取っているというところもあるやに聞いておるんですが、防衛庁は一体この国損をどのようにして取り戻す考えですか。
○国務大臣(大野功統君) 御指摘の石油製品の問題でありますけれども、おっしゃるとおり、不当利益があったと考えられる石油会社十一社に対して十七年一月に不当利得返還請求を行っております。これは言わば法務省と十分協議しながら会計法上請求していると、こういう格好になっておるわけでありますが、残念ながらまだこの返還請求に応じておりません。 したがいまして、その後督促を実施しておりますけれども、最終的には不当利得返還請求訴訟、訴訟に持ち込まないといけないのではないかということで法務省とただいま調整中でございます。場合によっては法務省、法務省というよりも訴訟を起こす、こういうことを考えております。
○榛葉賀津也君 私もそうするべきだと思いますね。きちっと訴訟してでも国損を回復するということを改めて長官には国民の前でお約束をいただきたいというふうに思うんですが、他方、平成十四年に成立したいわゆる入札談合等関与行為防止法によって官製談合における発注省庁の責任も問われるように実はなっているんですね。ところが、防衛庁においては、その後も平成十六年、タイヤにまつわる談合がありました。防衛庁という確かに苦しい立場は分かるんですね。買物する先というのは非常に限られてしまっておりますから、どうしてもそういったところが甘くなるのかもしれないというふうに私も感じるわけでございますが、しかしやはり税金を使う以上、そういった防衛庁独特の環境とこれとは別だと思っております。 防衛庁自身がこういった再発防止策というもの、私は甘いとしか思えないわけでございますが、この辺の現実はどうなんでしょうか。
○国務大臣(大野功統君) まず、税金を使って調達しているわけでありますから、防衛庁の調達というのは難しいという問題はありますけれども、私はこの辺は厳格に運用していかなきゃいけない。この厳格に運用といった場合にやはり二つ問題があって、一つは運用、つまり綱紀の粛正の問題であります。これは当然のことであります。それからもう一つは、やはりシステムとしてこれが公正な、透明性をもたらすようなシステムになっているかどうか、この反省は必要であると思っています。 簡単に申し上げますと、平成十二年の石油製品談合を踏まえて、ただいま公正委員会に回答いたしておりますけれども、例えば、七項目ありますけれども、簡単に三項目だけ触れさせていただきます。例えば、入札参加資格のある企業、この企業の実態はきちっと押さえていこうと、こういう問題が一つあります。それから、やはり一番大事なのは予定価格をどうつくっていくか、こういう問題であります。予定価格が余りにも低いと、予定価格に収まるものがなくてやはりそこでまた話合いをしなきゃいけない、それではまた、この何というか、談合体質の芽になるようなことがあるかもしれない、こういう反省でございます。それから第三点は、やはり入札をやる場合に、一人だけ立ち会うんじゃなくてやっぱり複数の者を立ち会わせまして、そこでお互いに牽制する、チェックする、こういう体制が必要だと。 こういうことで、今申し上げたような、三項目だけ申し上げましたけれども、あらゆる制度とそれから綱紀の粛正と両方の面で今後万全を期していきたい、このように思っております。
○榛葉賀津也君 終わります。
○谷博之君 民主党・新緑風会の谷博之でございます。 早速質問に入りますが、まずJICAのコンサルタント等の登録基準の見直し、この問題についてお伺いいたしたいと思いますが、二月の二十二日のこの当委員会のODAの集中審議の中でも取り上げさせていただきましたパシフィックコンサルタンツインターナショナル、このいわゆるコンサルタント会社の問題でありますが、当委員会の遠山委員も細かくそのことについて質問をされておられますが、簡単に申し上げますと、中米のコスタリカ、ここの政府高官に対しいわゆる開発調査のその委託に対し贈賄の疑いがありと、不正がありということで、JICAとかJBICから今六月まで半年間の指名停止を受けております。 私は、この処分が甘いと、こういう立場から質問をさせていただきたいと思いますが、まずこういう案件の場合に、JICAはコンサルタント等登録基準というものを作っております。この第十二条、これにはいわゆる「登録の消除」、消し除く登録の消除と、こういう条文があります。まずお聞きしたいのでありますが、この指名停止半年、六か月間、これを決めた根拠、そしてどういう手順でこれを決めたのか、そしてこの第十二条、「登録の消除」との関係でなぜ登録の消除にならなかったのか、お答えいただきたい。
○参考人(畠中篤君) お答えいたします。 パシフィックコンサルタンツインターナショナルにつきましては、先生御指摘のとおり、指名停止の措置をしてございます。この指名停止の措置は、まず二回に分けて指名停止をいたしました。十六年九月の時点で分かりましたパシフィックコンサルタンツの業務内容の不適切なところを指摘いたしまして、二か月の指名停止をいたしました。そのときに指名停止にいたしました理由は、JICAの定めました再委託契約はこういうことでやるというJICAとのルールがございますけれども、それに違反したやり方でその再委託をしていたということでございます。 それは具体的に申し上げますと、JICAが定めております支払条件と違ったような形で支払を実施したとか、あるいは再委託先の契約相手先としてその者を選定した経緯がJICAに対する報告と異なったやり方でやっておったということで、まず最初の指名停止につきましては粗雑業務をしたということで指名停止をいたしました。 しかし、その後、パシフィックコンサルタンツにいろいろ事情聴取をいたしましたり、そういうことで、新たにそれだけではなくて、実は再委託先の責任者がその再委託の契約書の相手になる権限を持っていなかったということとか、あるいは再委託の金額としてJICAに請求しておりました二十三万ドル、二十三万一千ドルでございますけれども、それの一部しか先方に払っていなかったというようなことが判明してまいりました。そういうことを踏まえまして、新たに、JICAの中で措置委員会というものがございますけれども、そこで今の措置委員会の指名停止等措置細則に照らしまして、またこれまで過去においていろいろ措置をとってきましたこととのバランスを考慮いたしまして、六か月の指名停止ということにいたしました。 指名停止にはいたしましたけれども登録消除にしなかった理由でございますけれども、その時点におきましてはまだコスタリカの捜査当局の捜査の進展を見極める必要もございましたし、それから今申し上げました二番目のいろいろな事由につきましては、パシフィックコンサルタンツ側が、社内で調査をしたところこういうことが明らかになりましたといって自分の方でそういうことを申し出てまいりました。そして、二十三万一千ドルの委託契約の支払の分のうち先方に確実に渡っておったという五万九千ドル、これだけは先方に証拠書類がございましたけれども、その差額を返還するということに合意したこと、そういうようなことを勘案いたしまして、この場合には、この内規に定めております、措置の内規に定めております不正又は不誠実な行為に対する指名停止につきましては、細則によりますと一か月から九か月ということを指名停止できるわけでございますが、過去の例それから内容を判断しまして最長の九か月の指名停止にいたしました。
○谷博之君 答弁は簡潔にお願いします。その辺を言われると時間がもうなくなりますから。 それで、次にお伺いしますが、今、措置審議委員会ということを言われました。これは十二条に基づいてできている機関でありますけれども、これは十二条をよく見ますと、その措置審議委員会の設置というのはいわゆるこの基準の第四条、いわゆる登録の不適格者、こういうふうないわゆる認定といいますか、そういう扱いを受けたときにこの措置審議委員会というものを開催してそこで審議をすると、こういうことでありまして、したがってこのパシフィックコンサルタンツインターナショナルというのは第四条のこの条文に該当する、そういう案件なんですか。
○参考人(畠中篤君) そのとおりでございます、四条に該当するという。
○谷博之君 四条に該当するということになれば、これは当然、このパシフィックコンサルタンツインターナショナルというのは平成二十年の三月三十一日までいわゆる登録期限があると、こういうふうに言われていますけれども、この登録期限の中で、先ほど申し上げたようなコスタリカのそういう捜査の状況を見ながら、あるいはほかの国でこのコンサルタント会社が何か不正を起こした場合、そういうものを総合的に判断をしたときに、この期間の、登録期間の中でもこの第十二条が適用されることになるのか、あるいはこの契約期限の切れた後にそういう状況になってくるのか、その辺も重ねてお伺いしたい。
○参考人(畠中篤君) その登録の消除の件でございますけれども、これは登録の有効期間内でもそれは行うことがございます。
○谷博之君 それで、私は、この案件を実は調べておりまして、これはどうも我々が想像する以上の考え、何か配慮があるんじゃないかというふうに思ったんですが、この第十二条を見ておりますと、これは登録のいわゆる消除の期間ですね。例えば、登録が取り消されると、そうするとそれは当然永久に取り消されるのか、あるいは有期なのか、そして、それを、期限が切れたら再登録ができるのか、こういうことがこの十二条に入っていません。したがって、このコンサルタント会社がもし十二条の適用、措置審議委員会の審議によっていわゆる取消しの消除が行われたときに、再びこの企業は登録できなくなってくるんですよ。そういうものを背景にして、私は、措置審議委員会の審議がちゅうちょがあったんじゃないかというふうに想像するんですが、どうですか。
○参考人(畠中篤君) 御指摘のとおり、その再登録に関します期限についての明示的な定めはここにございませんけれども、しかしながら、それは直ちに再登録を永久に認めないということではなくて、私どもといたしましては、しかるべくタイミングでもし再登録がありましたときには、その時点でその再登録をしてきた企業の内容を判断しながら、再登録を認めるか認めないかということを判断することにいたしております。
○谷博之君 そういう答弁だとすると、この基準を、不備ですね、これは。そのことを文言として書かなきゃいけないんじゃないですか、これ。
○参考人(畠中篤君) 現行の規定では登録の消除とそれから再登録の関係が必ずしも明確でない、表現上の改善すべき点があると、御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましては早急に規定の見直し作業を行いたいと考えております。
○谷博之君 これは私もそういう、さっき言いましたように、このパシフィックコンサルタンツインターナショナルという企業は、これはいわゆる指名停止、前年度の実績を見ても六十六件、五十一億二千二百万円のコンサルタント、委託を受けてやっています。これは大変大きなコンサルタントの企業なんです。したがって、この企業がもしも指名停止になったときに、それに対する影響というものが一つはある、だからなかなか消除できない、こういう背景も分かります。そして、そこに働いている方々、いろんな関係者のそういう立場もある、だから一気にそれは取消しはできないんだということでありますけれども、だけれども、これは別問題ですよね。その辺、どう思いますか。
○参考人(畠中篤君) 冒頭御説明申し上げましたように、今回、パシフィックコンサルタンツインターナショナルを登録消除にいたしませんでした理由は、そういった今後のいろいろなことに対する影響ということを考慮したのではなくて、これまでの、いろいろ過去において措置をとってきました事例とのバランス、あるいは先ほど申し上げました幾つかの事項を踏まえまして、最長の、一番長い指名停止九か月ということにしてございます。
○谷博之君 いろいろ私言いたいことあるんですが、大臣、実はこのODAに絡んだ日本企業の贈賄防止対策、これは非常に不十分だということで、OECD、ここが非常に注目しています。そして、外国公務員贈賄防止条約、これに基づいて来年一月に日本に代表が訪日して再検査をしようと、こういう動きがあること、新聞に出ていますね。日本はこの条約を一九九八年に批准しています。そして、その条約に基づいて実施法を作っています。不当競争防止法という法律。しかも、それは三回も法改正している。 しかしながら、振り返ると、二〇〇二年に三井物産がモンゴルの政府高官に贈賄疑惑ということでもって問題になりました。しかし、これは立件されなかった。今まで法律ができてかなりの期間がたつけれども、一件の立件事件もないんですよ。こういうことがOECDからするとおかしいと言っているんですよ。 だから、このパシフィックコンサルタンツトインターナショナルもそうですよ。こういうふうな、どうもその事実を明らかにしない。しかも、中米コスタリカで収賄側の人たちが警察に逮捕をされて取調べを受けていくということになれば、当然、この条約や法律に基づいてこのコンサルタントの企業の関係者も当然それは私は責任を取らなきゃいけないと思うんですよ。 こういうふうなことを考えたときに、大臣として、この来年一月、OECDから再検査に来ると言っていますけれども、それに対してどういうふうな対応をするのか。そして、少なくとも私は、逆に外国の公務員からいわゆる賄賂をよこせというようなことが起きるかもしれない、そういうものに対して、日本の企業関係者に対して、少なくとも外務省として、例えば大使館にそういうふうな相談の窓口を設けるとか、そういうふうな私は対応をやっぱりしっかりしていかなきゃいけないと思うんですが、そこのところがないからこういうことになるんだというふうに思うんですが、どういうふうに考えておりますか。
○委員長(鴻池祥肇君) 石川経済局長。
○谷博之君 大臣、大臣。
○委員長(鴻池祥肇君) 町村外務大臣。
○国務大臣(町村信孝君) 大臣とおっしゃったから。局長の方がきっといい答弁ができるんだろうけれども。 諸外国の公務員のガバナンスの問題というのは、これ結構大きな問題です。先ほど、性格は違うけれども、インドネシア政府のお話をいたしましたけれども、誠にいろいろな国々でこうした公務員の贈賄というものが横行しているという話はもう国際会議等に出ると非常によく耳にいたします。 そして、これはそのそれぞれの企業が先方の政府の公務員にいろいろな形で働き掛けをすることだけではなくて、それぞれの国、政府そのものが相手国政府の公務員に、これは贈収賄の罪というのが果たして当たるのかどうか分かりませんが、形を変えたODAなのかもしれませんけれども、実にそういう話もまた実は多いのであります。 こういう意味で、私は、その発展途上国の公務員のガバナンス能力というのをいかに高めるのかと。これ、日本では本当に余り話題になりませんけれども、APECとかいろいろな国際会議に出ても非常に大きなテーマになっているわけであります。 そういう意味で、私は、もちろん日本の企業がだから何をやってもいいと言うつもりはもとよりありません。日本の企業がそうした条約に基づいて不適正なことをしないようにということはもう当たり前のことでありますし、今委員御指摘のこの来年、もう一度このOECDの審査があるということをよく踏まえて、まず国内法の一層の整備をやらなければいけないということ。 これは先方の指摘にもあるわけでございまして、組織的犯罪処罰法の改正、これは今国会で審議をいただいているようでございますけれども、成立するめどがあるのかないのか、これは国会でお決めになることでございます。 あるいは、この条約の担保法であります不正競争防止法の改正案もこの国会で出されておりまして、そうすると、公訴時効も三年から五年に引き上がったり、あるいは罰金刑の引上げもできるというようなこともあるようでございますから、是非こういう法案はしっかりと国会において成立をさせていただきたいし、また、今度は国内法のそうした運用面でも、いやしくも、日本というのはそういうガバナンスのいい国であるということで、私は国際的なある種の、不正競争防止法は既に一月に成立をしているようで失礼をいたしましたが、いずれにしても、日本という国はそういうグッドガバナンスをむしろ進めているような国なんだというような国際的な評価もあるわけでございまして、いやしくもOECDから何をやっているんだと言われることがないように、法律の整備の面、あるいは運用面、しっかりとやっていく必要があると、かように考えております。
○谷博之君 大臣の今の御答弁、いろいろお考えは分かりますが、いずれにしても、日本がやっぱりこういうOECDからそういうふうなもう一度問われるということは、私は、日本の海外におけるいろんな企業のやっぱりそういう存在というものが、いいにつけ悪いにつけやっぱり認められ、注目されているということだと思うんですね。したがって、それは私、やっぱりそこのところをコントロールし、しっかりとチェックしていくのはやっぱり外務省の役割だというふうに思っておりまして、もうこれ是非、今後とも私はこの動きを注目させていただきますので、是非この来年一月の件も含めてしっかりとした対応をしてもらいたいと思っています。 それから次に、若干時間がございませんのでもう一点だけ質問させていただきますと、実はイラクの在サマーワ外務省の連絡事務所、この活動について、私、ちょっといろいろ外務省からお聞きをいたしました。そして、現在、人的体制がどのようになっているかというふうに聞きましたところ、常時五名の外務省の職員がサマーワに駐在をしていると。そして、計十名のメンバーが一か月ごとに交代をしていると。こういう外務省の職員はどういう状況にあるかというと、自衛隊の宿営地にいて、そして二十四時間、イギリスの民間警備会社のいわゆる武装警備員に護衛をされて、そして行動をしているということです。これが事実かどうか。事実だとすると、その具体的なイギリスのそういう会社とどういう契約内容で、どのぐらいの予算でこれが行われているか、お答えいただきたい。
○政府参考人(塩尻孝二郎君) お答え申し上げます。 今御指摘になりましたサマーワに派遣されている外務省職員の安全対策でございますけれども、自衛隊の協力を得つつ、自衛隊の宿営地内で宿泊し執務をすることによって、安全確保に最大限努めているということでございます。 それから、その職員が宿営地外に移動する場合については、自衛隊の支援にかかわる業務のために移動をするという場合には、自衛隊の部隊等と行動をともにしまして、基本的には部隊等の車両に乗車して、その部隊等の管理下で行動することとしております。 それから、外務省員が任務遂行上独自で移動しなければならない場合の安全対策でございますけれども、これにつきましては、現地の状況を慎重に見極めながら、民間警備会社も活用して、現行法の下で外務省員の安全確保に最大限努めているということでございます。 民間警備会社との契約についての御質問につきましては、これは正に外務省員の安全に支障が及びかねないということで、説明は差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○谷博之君 もう一回確認しますが、この民間の警備会社の、そのイギリスのですね、武装警備員というのは、これは二十四時間、いわゆる警護しているんですか。
○政府参考人(塩尻孝二郎君) その内容について詳細について御説明することは、先ほど申し上げましたように差し控えさせていただきたいと思いますけれども、いずれにしましても万全を期して体制を取っているということでございます。
○谷博之君 私、今の答弁はなかなか理解できないんです。ここは決算委員会の場なんですよ。決算委員会として、少なくともどれだけの予算が実際に使われているか、このことを聞きたいんですよ。それが今のそちらのお話だと、警備上の問題で答えられない。どこが答えられないんですか。
○政府参考人(塩尻孝二郎君) 二十四時間体制、いずれにしても安全を最大限確保するという体制でやっております。
○谷博之君 我々は、その具体的な警備の内容についてのすべてを明らかにしろと言っているわけじゃないんですよ。少なくとも、全体としてどれだけの予算が使われているかということを決算委員会ではきちっとチェックしなきゃいけないんですよ。全然違う話だと思うんですよ。答えてくださいよ。
○政府参考人(塩尻孝二郎君) 外務省職員の安全確保につきましては、先ほど御説明したとおりでございます。 民間の方にお願いしている、民間の警備会社にお願いしているというのは、先ほど御答弁申し上げたとおり、外出時のみ行っているということでございます。
○谷博之君 全然言えない理由がはっきりしていない。 これ、委員長、私、納得できません、この答弁は。
○委員長(鴻池祥肇君) 塩尻官房長、質問に答えなさい。質問に答えてください。塩尻官房長、答えられないなら答えられないとはっきり言ってください。
○政府参考人(塩尻孝二郎君) お答え申し上げます。 先ほど答弁申し上げましたように、職員の安全にかかわるということで、予算額についてお答えできないということでございます。予算額をお話しすると、どういう規模でどういうことをやっているのかということが推察されるということになるということで、控えさせていただきたいというふうに思います。
○委員長(鴻池祥肇君) 速記止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) それでは、速記を起こしてください。 谷博之君、再び御質問をいただき、答弁を塩尻官房長にいただきます。
○谷博之君 もう一度お伺いいたしますが、決算委員会のこの場で、少なくともサマーワに駐在する合計で十名ですか、この外務省の職員の警備は非常に重要であります。その安全性というのは一番大事にしなければいけません。したがって、それがどのぐらいの予算で執行されているかについて、それだけをお答えいただきたい。その警備の中身とかそういうことについては、警備上の問題があるのであればそれはお答えいただかなくても結構ですが、その額を聞きたい。
○政府参考人(塩尻孝二郎君) 繰り返しの答弁になって誠に恐縮でございますけれども、派遣されている省員の安全に支障が及びかねないということで、予算額、契約額については答弁を控えさせていただきたいというふうに思います。
○谷博之君 大臣、これどう思いますか。答えてください。
○国務大臣(町村信孝君) 先ほど官房長がお答えしたとおりでございます。
○委員長(鴻池祥肇君) 速記止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。 それでは、同じことでありますが、谷博之君から再度質問をして、そして外務省側に御答弁をいただきます。
○谷博之君 外務省が今、在サマワの外務省連絡事務所に派遣をしているその外務省職員の警備として、英国の民間警備会社に契約をして、武装警備員に警備をしていただいている、その予算、具体的にどのぐらいの予算が組まれて、実際に使われているか。その金額を教えていただきたい。
○政府参考人(塩尻孝二郎君) お答えいたします。 今の御指摘、御質問でございますけれども、いったん持ち帰らせていただきまして、検討させていただいた上で、後刻理事会の方に御報告させていただきたいというふうに思います。
○谷博之君 私は、この決算委員会でその金額を出してくれということを申し上げました。それは、決算委員会というのは、最大限、国の予算の具体的な執行について、それがどうなのかということを審査する、そういう委員会だと思うんですよ。そのこの委員会の中で、私自身が、どうしてもそういう金額はやっぱりきちっとつかんで、それをどうなのかということをやっぱり審査しなきゃいかぬわけですよ。だけれども、それは限界がある、おっしゃるとおり。だから、すべて細かくそれを出せとは言わない。だけれども、少なくとも総額としてどのぐらいのやっぱり金額が使われているかということについては明らかにするのがこの場の当然のことじゃないですか。それは決算委員会の私は使命だと思うんですよ。どうですか。
○政府参考人(塩尻孝二郎君) お答えいたします。 この決算委員会の重要性についてはよく承知しているつもりでございます。他方、先ほど来から御答弁申し上げているとおり、総額であろうとも、そういった数字を示すことによって警備の内容が察知されるということでございますので、控えさせていただきたいということでございます。
○谷博之君 今の答弁は納得できません。
○委員長(鴻池祥肇君) 速記止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。 ただいまの理事間協議、そして外務省との協議におきまして、谷博之君の最後の質問につきましては、本日の委員会の開会中、終了までに、閉会までに塩尻官房長から御答弁をいただくと、こういうことに相なったようですが、それでよろしゅうございますか。 それでは続けて委員会を継続いたします。
○谷博之君 休憩が間に入りましたが、私の与えられた質問時間が参りましたので、以上で終わります。
○神本美恵子君 民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。 今の谷議員との外務省の方のやり取りを聞いておりまして、その前のお話では、外国の公務員はガバナンス、外国政府はなっていないというようなお話と、日本政府はそれに比べていいんだというようなお話の後にああいう場面に遭遇しまして、非常に、何年か前の外交機密費流用、私的流用の非常に大きな問題がございましたが、ああいうことを思い出したり、それから、私は今日は国際機関等への資金拠出の在り方についてということに絞って御質問しようと思っておりますが、これもまだ皆さんも御記憶に新しいと思います。いわゆるムネオ委員会と言われたあの支援委員会でございます。 〔委員長退席、理事田浦直君着席〕 そこで、政治と金や、まあ公務員による不正流用というような問題がありましたけれども、それを受けまして外務省としても外務省改革に取り組んでこられ、今その取組も正に進められているところだと思います。会計検査院では、この支援委員会の問題を機に国際機関等への検査が行われ、〇三年度決算検査報告でもそのことが掲記されてございます。 私は、ODAを始め、非ODAも含めて、この国連や国連の専門機関あるいは国際機関等に対する、日本がどれだけ、どういう外交政策を持って、基本方針を持って資金拠出をどの機関にするのか、どこに幾らするのかというようなことは、その厳しい財政状況の中でもめり張りを付けることによって国際社会に日本のメッセージを送る非常に重要な点ではないかというふうに思っておりますので、まず大臣に、町村大臣に、こういう国際機関等への資金拠出について、基本的にどのような方針、姿勢で臨んでいらっしゃるのかをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) この国際社会の中で今様々な課題があります。それは時としてどんどん変わっていったりしますし、昨今でございますと、新しい地球規模問題等も発生をしているのは委員御承知のとおりでございます。 それぞれに対応して新しい国際機関ができたり新しい事業が始まったりするわけでございまして、そうした国際的な動向というものを的確に把握した上で、もっとも財政には限りがございますので、その中で優先順位というものを私どもなりに考え、どうすれば日本の貢献というものが国際社会の平和と安定につながるだろうかということを考えながら実際の拠出額というものを決めていくということにしているわけでございます。
○神本美恵子君 国際社会の平和と安定に寄与するということで、優先順位を付けながらということですけれども、外務省として、外務省だけではなく、この国際機関等への資金拠出、援助というものは、ほかの経済産業省や文部科学省、関係するほかの省庁も様々に拠出をしていると思うんですけれども、それを日本政府として政府全体で把握していらっしゃるのかと思いましたらそうではなくて、それぞれが拠出金、金額を決め対象機関を決めというふうにやっているようなんですが、これは問題ではないかと思いますけれども、現状どうなっているんでしょうか。大臣、お願いします。
○国務大臣(町村信孝君) 分担金、拠出金等の所管は、外務省含めて十三の府省庁にわたっております。平成十五年度から外務省において、関係省庁の協力を得ながら政府全体の拠出実績というものを取りまとめて、国際機関等への拠出金・出資金等に関する報告書というものを作成し、幅広く国民の方々にもそれを知っていただくホームページ等の提供をしているということでございます。 こういうことでありまして、十三府省庁全部ばらばらにやっているのかというと別にそういうわけでもなくて、当然それぞれの国際機関には、例えばFAOであればそれは農林水産省が中心かもしれませんが、外務省もそれに大きな関係があるということで、常に相談をしながらこうした、どのくらいの拠出をしたらいいのかと、財務省は財務省で全体をその資金面から管理するという立場でそれは当然見ておられるんだろうと思いますが、外務省は外務省としてそれぞれの機関の活動ぶり、国際的な意味というものを関係府省庁と相談をしながら実際の金額、要求金額を決めているというのが実態でございます。
○神本美恵子君 私、事前にレクチャーを受けたときにも、そういう総合的にきちんと把握、一元的に把握されているんですかとお聞きしましたけれども、そういうふうなお話、そのとき伺えなかったんですね。それで、外務省が関係する分担金、拠出金を出している国際機関は、過去五年間どういうところに幾ら出しているかということをお聞きしましたら、資料がないので作成するのにちょっと時間が掛かりますと、担当の方は大変御苦労をしてかなりの期間を要して一覧表にしていただいたんですね。で、一元的にやはりどれだけ拠出しているのか、しかもそれが経年的に、今年度は幾ら、昨年度と比較してなぜ減っているのか、増えているのかというようなことをきちんと把握する必要があるというふうに思って、それができていないのかなというふうに私は理解していたんですが。 〔理事田浦直君退席、委員長着席〕 今日、ちょっとうちの事務所で見付けたのは、平成十五年度に国際機関等への拠出金・出資金に関する報告書というものが外務省によって作られているのが分かりました。ああ、こういうのが作られているんだなというふうに思ってそれは良かったと思うんですけれども、これが初めて作られたということなんですね。過去、こういう関係省庁の分もすべて入れて一元的な一覧表としてどういう国際機関に幾ら出しているというようなのが平成十五年度に初めて作られたということなんですが、これは私はよしとしますけれども、なぜ過去こういうことがされてこなかったのか。なぜ、じゃこういうふうにする運びになったのかということをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(塩尻孝二郎君) お答え申し上げます。 委員御指摘の点でございますけれども、そういった全体的な報告書というのを昨年から作っております。平成十五年度、それから平成十六年度ということで二回やっております。今後とも、こういうことでしっかりやっていきたいというふうに思っております。
○神本美恵子君 この報告書の中でも、めり張りのある予算編成に反映させるためにもこれは非常に有効であるというふうなことを外務省御自身お書きになっておりますので、是非そういうふうに生かしていただきたいと思うんですが、特に国連や義務的分担金が決まっている、分担率が決まっている金額は別なんですけれども、任意拠出金、これは当然任意ですので日本政府が決められるんだと思いますが、その決定はどのようにしてされているんでしょうか。
○政府参考人(塩尻孝二郎君) お答え申し上げます。 任意拠出金の決め方でございますけれども、まずいろいろな国際機関等から拠出を要望するということがあります。で、その関係する部署が、官房部門を始めとして関係するところと調整を経まして必要な予算要求をしていくということです。 それに当たっての判断材料ですけれども、我が国の国益にいかに資するのかという観点を踏まえまして、それぞれの国際機関等と我が国との関係、あるいはそれぞれの機関における邦人職員の活動状況、あるいは我が国から拠出した資金の使用状況、それからそれぞれの機関の活動指標の推移等を総合的に勘案してどの国際機関に拠出するのかと、任意拠出を出すのかということを決めております。
○神本美恵子君 そういうふうに外務省で作られた予算要求といいますか概算要求に出されるんだと思いますが、それを受けて財務省ではどのようにこの国際機関等の拠出金については査定されているんでしょうか。
○政府参考人(松元崇君) 国際機関等への任意拠出金の予算措置でございますが、毎年度の予算編成過程におきまして、財務省といたしまして、外務省その他関係省庁からそれぞれの国際機関等の事業年度の計画をお伺いするとともに、過去の事業実績あるいは次年度繰越金等の財務状況につきまして御説明をいただきまして所要額を査定いたしておるところでございます。
○神本美恵子君 外務省もそれから財務省も、その政策の優先順位、重要性とそれからその執行率といいますか使用状況等を見ながら次の拠出額を決められているというお話でしたけれども、会計検査院にお伺いしたいんですが、会計検査院では、こういう国際機関、まあ日本政府のみが拠出している国際機関等だと検査権限が及ぶということなんですが、検査権限が及ばないというふうに聞いておりますけれども、この国際機関に対してはどのように対処していらっしゃるんでしょう。
○説明員(諸澤治郎君) お答え申し上げます。 先生御指摘のように、国連や国際機関は、一般的には二国間以上の多国間の協定に基づいて設置されているものでございますので、日本の会計検査院の検査権限は及ばないものと考えているところでございます。 しかしながら、これら機関に対しましては我が国は多額の拠出金等を支出しておりますので、この支出を所管しております外務省等から、資料の提出、いろいろな説明を受けるなどいたしまして、拠出金等の状況を把握するように努めているというところでございます。
○神本美恵子君 この国際機関等への決算検査報告ということで掲記された例は、九一年度のPKOそれから二〇〇一年度の支援委員会やアジア女性基金、そういうことが過去掲記されているというふうに承知していますけれども、当時の新聞報道を見ますと、十二の機関を検査した中で九つの国際機関で合計四百億円の滞留金があったというふうに掲記されている中にもあったんですけれども、今日はこのアジア女性基金についてちょっと取り上げてみたいと思います。 こういう国際機関等、特にこれは会計検査院の検査が及んでいるんですけれども、及ばないところも委員の皆さんにはちょっとこう頭に入れながらお聞きいただきたいんですけれども、そこでの滞留金ということで、このアジア女性基金を掲記されるに至った、その検査の対象とされるに至った経緯とその内容をお伺いしたいと思います。
○説明員(諸澤治郎君) お答え申し上げます。 外務省が拠出金の支出を行っております女性のためのアジア平和国民基金事業運営委員会、これは御質問のアジア女性基金等が実施する事業に要する経費を繰り入れる事業を実施しているところでございます。そこで、同委員会の繰入れ先でございますアジア女性基金における拠出金の財務状況を私ども見ましたところ、毎事業年度多額の繰越金が生じているという、そういう状況でございました。 アジア女性基金では、十二事業年度又は十三事業年度におきまして、前事業年度の繰越金のみで支出予算額を十分賄えるものと認められますのに、外務省では同委員会に対しまして新たな拠出金の支出を行っておりまして、拠出金の支出に当たりまして十分な検討が行われていたとは認められない、そういう指摘を行ったところでございます。
○神本美恵子君 次、外務省にお伺いしたいんですが、そういう掲記をされて、指導というか改善の意見が出されたわけですよね。それを受けて、その前に、こんな多額の滞留金が生じていたことについての外務省としての見解と、それからそれに対して十分検討をしてないじゃないかという会計検査院の改善意見についてどのような処置を取られたのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(西宮伸一君) お答え申し上げます。 このアジア女性基金によります事業のうち、この拠出金で賄われる事業は基本的に医療・福祉支援事業と申しておりますが、これはいわゆる元慰安婦の方々の医療、福祉上のニーズに対応するということで行っている事業でございますけれども、慰安婦の方々の認定であるとか、あるいはその事業の執行に際しましてなかなか予見できないものもあるかと思います。そういった事情があったのではないかというふうに私ども思っておりますが、他方、今、会計検査院の方から御答弁申し上げましたとおりでございまして、アジア女性基金が行います、今申し上げました医療・福祉支援事業費の十三年度決算におきまして約五億五千八百万円の繰越金があったという御指摘、それから、ただいまございました支出額と繰越金の比がそれにしても大きいという御指摘を受けたわけでございます。 当省としての対応というお尋ねでございます。 会計検査院からの指摘を受けまして、ただいま話題になっています事業運営委員会、これが日本政府の拠出金の管理及び使用に関するガイドラインというものを設けておりまして、それの第六項、未使用金が生じた場合は、その扱いについて日本政府に協議するものとするという項がございますが、この項に基づきまして、日本政府、つまり外務省といたしまして事業運営委員会との協議を行ってまいりました。 その結果といたしまして、御指摘のあった十三年度の翌年度でございますが、平成十四年度以降に必要となる事業費を算定いたしましたところ、確かに会計検査院の御指摘のとおりこの繰越金で賄えるという結論に達しましたので、アジア女性基金に対します拠出金の支払を十四年度は終了いたしました。 さらに、翌平成十五年度でございますけれども、今後更にこの当該事業、つまり医療・福祉支援などの事業でございますけれども、この事業に必要となる所要額を除いた余剰見込額というのを算定いたしました。この金額は一億七千八百万円ということでございますけれども、これをアジア女性基金から事業運営委員会の方に返納させたと、このような措置を取った次第でございます。
○神本美恵子君 お手元に資料をお配りしているんですけれども、これを見ていただくと、分かりやすいようで非常に分かりにくい部分が私はあるんですね。元々、このアジア女性基金というのは、国民からの募金によって被害当事者の方々に償い金をお渡しするという償い事業と、それから政府の拠出金、補助金によって医療・福祉支援事業等を行うというような、大きくは、と、もう一つは、これからこういったことが二度と起きないようにというための、女性尊厳事業という名前が付いておりますが、三つがございます。今、外務省の方から御説明ありましたように、多額の滞留金があるのでそれを一部返納したり、それから拠出金を十四年度からなくして、拠出金ではなくて違う名称、この医療・福祉支援事業というふうに名称が変わっています。 この今の資料の裏に、収支計算書の十五年度分をお配りしておりますけれども、収入の部の医療・福祉支援等事業費収入、ここではもうゼロになっております。この前の年が一定の額が入っていたんですけれども。そして、支出の部を見ていただくと、事業費、医療福祉支援事業等というところで、二億一千四百万が予算額なんですが、決算額が七百三十五円というふうになっているんですね。これはどういうことなんでしょう。収入で入っていなくて、そして事業費では、事業費予算、支出の予算で二億一千四百万、決算は七百三十五円。全然意味が分からないんですけれども。
○政府参考人(西宮伸一君) ただいまの委員御指摘の表に従いまして御説明をさせていただきたいと思います。 ごらんいただいている収支決算書は十五年度の収支決算ということでございまして、年度でございますので実際には十六年の六月に決算をいたしておるわけでございます。 委員御指摘の支出の部の医療福祉支援事業等二億一千四百万円ということでございますが、これは、まず収入といいますか、その原資はどこかということであれば、先ほどもございましたけれども、前年度繰越しから賄っているということでございまして、その三つぐらい上に四億四千五百万とございますけれども、この一部を充当しておるわけでございます、予算といたしましては。 ただいま委員御指摘のとおりでございまして、他方におきまして決算は七百三十五円ということになっておる、そこのところはいかにということでございます。これは、収支決算書におきましては、念のため申し上げますが、この財団におきましては、今の御指摘に従えば医療福祉支援事業等という項目になるわけでございますけれども、これは事業が終了するまでに必要な金額の記載ということになっておるわけでございまして、当該年度ということではございませんが、いずれにしましても決算額が七百三十五円というのはいかにということでございます。 この平成十五年度につきましては、そこにございます二億一千四百万円が予算の額に示されておりますが、正にこの何年か掛かる事業の一部を当該十五年度に基金としては実施する予定でございましたが、基金とインドネシア政府の間の調整に相当手間が掛かりました。この更なる背景には、インドネシアの中で地方分権改革などいろんなことがございまして、予想外に時間が掛かった結果といたしまして、当該年度、十五年度内に基金からインドネシアへの送金が行われずに、翌年度にずれ込んだということでございます。したがいまして、十五年度の当該事業に係る経費が決算額に反映されなかったという事情がございます。 この実際の送金はカレンダー上はすぐ次でございまして、平成十六年の四月に約六千七百万円、それから平成十六年八月に約二千二百万円ということで、合わせまして八千九百万円相当、約でございますが、が平成十六年になってから送金しておりますが、ごらんいただいておりますのは十五年度の決算ということで、確かに御指摘のとおり七百三十五円という決算になっておる次第でございます。 なお、以上の送金を踏まえまして、平成十六年度の予算でございますけれども、ただいまの医療福祉支援事業費二億一千四百万に相当するところは一億四千四百五十万というふうに送金などを差し引いた形で計上されておりますが、これの決算につきましては今年の六月ごろということでございまして、まだ当初予算、これは三月に作ったものでございますけれども、当初予算では一億四千四百五十万ということになっておる次第でございます。
○神本美恵子君 詳しく説明をしていただいたようなんですけれども、さっぱり私には分からなかったんですね。皆さんも大変分かりにくい。一度レクでも聞いたんですが、やっぱり分かりません。 それで、この事業そのものが元々の、この被害当事者の方々に償い金をお渡しして、過去に日本が行ったことについて謝罪をする、そして補償するという元々の意味があったと思うんですけれども、これに対しては事業そのものが発足するときから賛否いろいろありました。今日はそのことは申し上げませんが、その被害当事者の方々に渡った金額、この下の方で、もうざっと合計しても、韓国、台湾、フィリピンの方たちに一人当たり二百万とか医療・福祉で三百万というようなことで、総額が十億八千万ぐらいですね。で、日本政府が拠出しているのは、拠出金が十四億、補助金が二十七億で、合計四十一億。もうこれだけ見ても四十一億のお金を出して日本政府としても償いの気持ちを表すと、謝罪の気持ちを表すということをしているはずなのに、実際にその方たちに渡っているお金は十億ちょっとしかないと。ざっと計算してもです、細かく言えばまた違うと思いますが。 そして、しかもこのアジア女性基金には長い間滞留金があってきちっと事業が進捗していなかった、そういうことを指摘された挙げ句に、また平成十五年度には四億四千五百万の前年度繰越金があるにもかかわらず、二億九千三百万円の国庫補助金が出ているんですね。 こういったことに対して、本当にこの事業をこんな形で続けていいのかどうかということを私は、その金額から見ても趣旨に乖離しているんではないかというふうに思うんですが、いかがですか。もうやめたらいいんじゃないかと思います。
○政府参考人(西宮伸一君) 政府といたしましては、いわゆる従軍慰安婦問題につきましてアジア女性基金を通じて対応することが最も適切かつ最善の方法であるというふうに判断いたしまして、最大限の協力を行ってきたわけでございます。 女性基金の方は、二〇〇七年、平成十九年の三月末をもちまして解散をされると。それまでの間、インドネシアの事業がまだ残っておりますが、それを粛々と実施していくと決定いたしております。 政府といたしましては、いろいろな御意見あるのは承知しておりますけれども、基金は設立以来、着実に成果を上げまして、償い金を受け取られた元慰安婦の方々から感謝の意も寄せられているわけでございます。基金の方も、今後解散までの間に事業を実施するとともに、解散後の課題についても検討されると承知しておりますので、政府といたしましては引き続き誠意を持って基金に対して可能な協力を行っていきたいというふうに考えております。
○神本美恵子君 言葉は悪いようですけれども、今、粛々と予定された二〇〇七年度までやるとおっしゃいましたが、この収支計算書で見て分かるように、過去五年間もそうだったんですが、運営経費に九千七百万円も掛かっているんですね。こんなにお金を掛けて、既に個人への償いは終わってしまって、インドネシアの事業だけが残っているからといって粛々と運営経費を使い続けることは私は税金の無駄遣いだと思いますので、私の意見としてはもう早期に解散を、店じまいを考えた方がいいというふうに思います。 最後に、大臣、こういったこのアジア女性基金の問題についてと、それから国際機関に対する決算が、材料が、私たち国会で議論するにもかなり外務省に言わないともらえないというか、なかなか整理されていないというふうなレクもありましたので、国際機関についての拠出の在り方について、大臣、最後にお願いをいたします。
○国務大臣(町村信孝君) 先生への資料の提出が大変滞ったこと、それは大変申し訳ないことだと思っております。実は、これで二年目ということですが、こういう大変立派な報告書ができておりまして、今後こういったものをちゃんとタイムリーに情報提供をしていかなければいけないと、こう思っております。 また、こうした大きな金額の資金の滞留、あるいは運営の在り方、これについては会計検査院からも指摘を受けたりしておりますので、国際機関に対する資金拠出に当たりましてはやはり国際機関側から適切な報告を求めていくということ、それから拠出金の支出に当たっては拠出の時期とか方法を精査をして当たること、それから予算要求に当たっては、当然のことですけれども、滞留金やら事業執行状況を踏まえて必要な予算要求をするということでこれまでもやってきたようでございますが、今後とも更にそのことを徹底をしていきたい、こう考えております。 いずれにしても、これは国民の税金を国際機関に出すという大変重要な仕事であるということでございますから、きちんとした説明をしなければならない、説明責任は大変重いものと、こう思っておりますので、今後ともしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○神本美恵子君 時間来ましたけれども、この決算委員会としても、委員長にお願いですが、決算委員会としても、この国際機関等に関しての決算を何とか審議できるように情報公開といったようなことを、情報収集といいますか、それを是非検討していただきたいことをお願いをしまして、質問を終わります。
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまの神本委員の発言につきまして、後の理事会において協議することをお約束をいたしておきます。 ─────────────
○委員長(鴻池祥肇君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、小林美恵子君が委員を辞任され、その補欠として小池晃君が選任されました。 ─────────────
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。 まず最初に、私は、先ほど谷委員も質問されておりましたけれども、当委員会におきまして私が二月二十二日に質問いたしましたコスタリカにおける開発コンサルタント会社PCIの不祥事に関連して伺います。 外務大臣、これ確認で私申し述べたいと思いますけれども、今回の事案は、二千四百万円の規模の業務をコスタリカの政府の国土地理院に委託をしたんだけれども、六百万円だけしか実は振り込まれていなくて、千八百万円は使途不明になっていたと。しかも、たった五年前の事業であるにもかかわらず、PCIは会計書類は一切ないということを言っていた事案でございます。さらに、その後、もっと深刻な問題でありますが、PCIの社員が架空のサインを使って、コスタリカの役人に成り済まして領収書を作って五百万円を流用したと。その結果として、今、指名停止処分を受けているという問題でございます。 最初の質問でございますが、佐藤経済協力局長で結構でございますけれども、二月二十二日の私に対する答弁で、私が過去の事例についても、類似の事例についても再調査の実施をお願いをしたいと申し上げたところ、そのような調査を実施しているというふうにおっしゃっておりました。これ、その際の答弁でございましたが、過去五年間にPCIが受注をした、外務省、JICA、JBICの事業の総規模は五百三件、九百二十七億円という大きな規模でございます。 このコスタリカの事件が仮に氷山の一角であるとすれば、ほかに同じようなことが同社のかかわった事業で行われているという、かなり深刻なダメージをODAに与えるということでございますので、どのような再調査をされるおつもりなのか、具体的内容をお示しください。
○政府参考人(佐藤重和君) お答えを申し上げます。 ただいまお話がございましたとおり、私、この案件につきまして、JICAが類似の調査案件等について、過去の事例について再調査を進めているということを申し上げました。これらの案件は、実際にJICAの方で調査を行っているわけでございますが、案件全体につきまして、先ほどお話ございましたが、五十一か国、八十五案件、これを現地の再委託契約件数で申しますと約五百件に上るわけでございます。このうち、これまでに二十三か国、二十三案件の現地再委託契約、百十六件に関する会計書類の国内での精査を行っていると、行ったと承知をいたしております。 これまでのところ、こうしたその書類の上では特段の問題は発見をされていないということでございますが、更に調査を徹底するために、一部の案件を対象に本邦からの調査員を派遣するなどの方法で現地調査をJICAが実施をしているというふうに承知をいたしております。
○遠山清彦君 対象案件の会計書類の精査にとどまらず現地に調査団を派遣をされると、こういう決断されたことについては高く評価をしたいと思いますが、念のために、これは抜き打ちでやる調査なのかどうかということ、それから何か国程度へ現地に調査員を派遣するおつもりなのか、お答えください。
○参考人(畠中篤君) この現地調査につきましては、できるだけ正確な事実の把握に支障が生じないようにということで、タイミングあるいは対象国につきまして……
○遠山清彦君 だから、抜き打ちでやるのかどうかを聞いているんです。
○参考人(畠中篤君) JICA独自のタイミング、独自の判断で、まあ抜き打ちと言っていただいてもよろしいかと思いますけれども、そういう実施をしてまいります。 今やっておりますのは、大体約十か国程度に人を派遣しております。
○遠山清彦君 その現地調査、十か国を踏まえて、この再調査の結果の取りまとめはいつごろに行われる予定なのか、お答えください。
○参考人(畠中篤君) 現在実施中の調査につきましては、海外でやっております調査でありますし、若干複雑な要素もございます。時間は掛かりますが、いずれにいたしましても現在実施中の調査の結果につきましては五月末までには取りまとめたいと思い、鋭意努力をしておるところでございます。
○遠山清彦君 委員長に御提案申し上げます。 再調査の結果については、このODA調査に衆参国会の中でも最も力を入れてきたこの参議院の決算委員会にしっかりとこの再調査の報告をしていただくべきだというふうに思います。報告の方法等については理事会等で協議をしていただきたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまの遠山委員の申出につきましては、後の理事会においてお諮りを、協議をいたしたいと思っております。
○遠山清彦君 ありがとうございます。 続いて、コスタリカでの例の先ほど申し上げた不祥事でございますが、二月二十二日の御答弁では、警察当局の、コスタリカの現地の、捜査の状況を見極めてまた再度考えたいということでありましたが、二月以降二か月たっておりますけれども、進捗ございましたでしょうか。
○政府参考人(佐藤重和君) コスタリカにおける捜査の状況でございますが、この捜査状況につきましてはJICAの方でもその状況を把握するように努めておりますが、私ども在コスタリカの日本大使館の方でもフォローをしておりまして、現在、私どものコスタリカの大使館からの報告によりますと、これは本件の捜査、現在コスタリカの検察当局の手に移っておりますが、検察当局の方ではコスタリカ国内の他の事件の対応もありまして、捜査の進捗、具体的な進捗というものはまだ見られていないというふうな報告が参っております。
○遠山清彦君 外務大臣に要望と御質問、併せてしたいと思いますが、今回のコスタリカでの事件は、私の感覚でいいますと、たまたま公になってしまったというような感じがいたしておるわけでございます。そういう意味では、コスタリカ政府のガバナンスの問題が当然あるというふうに思いますけれども、外務省としてしっかり捜査をして、できる限り真実を明らかにしていただきたいというふうに思います。 これは要望ですが、外務大臣にお聞きをしたいのは、今回の事件を受けて、外務省並びにJICAにおいて、似たような事案が再発をしないように措置をとるべきであるというふうに思いますけれども、特にその措置の内容については、PCIに限らず、ODAの事業を受注する可能性のある企業すべてに周知徹底をすべきであるというふうに思いますが、御見解をいただければと思います。
○国務大臣(町村信孝君) これまで外務省、従来から機会あるごとに、コンサルタント業務を行う方々に対しては、このODA、税金を使っているこの事業について適正に業務を遂行するようということを再三にわたって注意喚起をしてきたわけでございますが、今回こういう事件が起きて誠に遺憾の極みだと、こう思っているところであります。再発防止のためにより透明性の高い事業を遂行するように努めていかなければいけないと、こう考えております。 なお、JICAでは、こうした実情を踏まえまして、再委託契約手続の各段階を見直して、再委託先に関する情報のJICA在外事務所への報告の徹底、入札時の同事務所員による立会いの励行など監督体制強化の措置を講ずるとともに、コンサルタント業界に対しても注意喚起を行ってコンプライアンスの確保に努めていると、こう承知をしておりますので、こういったことをしっかりとJICAも、また外務省も取り組んでいかなければならないし、また現地の大使館等々もそういう方向でしっかり協力をしていかなければいけないと考えております。
○遠山清彦君 続きまして、先ほど谷委員も触れておりましたけれども、今年の三月七日にOECDがまとめた報告書に関連して伺います。 先ほどもありましたので詳しくはもう申し上げませんけれども、このOECDが報告書を作るに当たって、私もちょっと読みましたが、昨年末に調査団、日本に派遣をして主要な政官財の関係者に直接聞き取り調査をしたということが書かれております。しかし、この調査の報告書を読みますと、日本側が非常に非協力的であったという苦言が呈されておるわけでございます。 最初に、外務省ではなくて法務省にお伺いをしたいと思うんですが、先ほどもありましたけれども、OECDがちょっと批判的に記述をしておりますのは、日本が一九九八年に外国公務員贈賄防止条約を批准をいたしまして国内法制度は整えたと、しかしながら、それに基づいて立件が六年間一件もないということでございまして、これ法務省の刑事局が所管のお話でもありますので、今回のこの勧告をどのように受け止めておられるか、御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(大林宏君) 御指摘の勧告は、不正競争防止法上のいわゆる外国公務員贈賄罪を積極的に適用すべきとの内容を含むものであると承知しておりまして、法務当局としても真摯に受け止めております。検察当局におきましても、この勧告をも踏まえ、刑事事件として取り上げるべきものがあれば適切に対処するものと考えております。
○遠山清彦君 外務大臣、これ外国のこの贈賄の防止、外国公務員に対するこの防止の条約は三十五か国が加盟しておるわけでありますが、OECDの評価によれば日本はかなり最低の方、取組が弱いというような位置付けになっておるわけでございます。来年の一月に再調査ということでありますが、唯一再調査をされる国でもあるということで、是非、外務省、法務省、それから経済産業省もかかわると思いますが、しっかりとした対応をしていただきたいというふうに思います。 これに関連して、もう一問だけお伺いをしたいというふうに思います。いわゆる英語ですけれども、ファシリティーペイメンツというものについてでございます。 これは、ビジネスを円滑化するために認められる少額の上乗せ金ということでございまして、簡単に申し上げれば、ODAやあるいはほかの事業等でビジネスを円滑に進めるために、少額であり、また不正競争防止法に照らし合わせれば、営業上の不正の利益を得る目的でなければ、このそういった少額の上乗せ金、いわゆるファシリティーペイメンツを払ってもそれに対して罪を問われないと。こういうことに対して、OECDの加盟国でいいますと、アメリカ、カナダ、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、スイス、ベルギー、ギリシャの八か国がガイドラインを策定をして、このファシリティーペイメンツにかかわる免責措置というものをとっておるわけでございます。 ただ、問題は、この少額であればいいという少額のところなんですが、先ほどもちょっと谷委員触れておりましたけれども、二〇〇二年に日系商社の社員がモンゴル政府高官に百三十万円の現金提供を行ったと。 これは立件は見送られたわけでございますが、その理由として、いろいろな理由があるんですけれども、一つは、先ほど私が申し上げた営業上の不正の利益を得るためとの要件に合致していないんではないかということが一つあったようでございます。 もう一つは、最高検で議論されたと報道されておりますのは、百三十万円ですね、モンゴルの政府高官に払ったこのお金は少額だというような意見もあったと。しかしながら、百三十万円というのはモンゴルの一般の公務員の百か月分の給与に当たるわけでありまして、モンゴルでは大金であるということでございます。 この問題は解釈の問題でいうと、一義的には法務省の、正に今私が聞いたように法務省の問題ではあるんですが、ODA事業を舞台にこのファシリティーペイメンツというのが行われて、いやこれは認められていいじゃないかと、いやいや、これは少額じゃないから認められないんだとか、そういう議論になりがちなことでありまして、日本はこの六年間、一度もこういう件で立件されたことはございません。 しかし、私は、このODA改革の中でファシリティーペイメンツについてどういうお考えを外務省が持つかということが重要だと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(石川薫君) 遠山委員の御質問にお答え申し上げます。 御指摘のとおり、外国公務員贈賄防止条約におきましては、その交渉の場で採択されました条約の注釈というものが御存じのとおりございまして、そこでは、手続の円滑のための少額な支払は同条約が禁止している支払には当たらず、犯罪とはされていない、御指摘のとおりでございます。 その上で、この注釈では、許認可の発出等の職務遂行を促すために行われている支払が違法とされていない国もあるんだということを指摘しつつ、このような国に対しては良い統治のための計画を強化するなどの措置をとるべきであると指摘しております。このようなことから、この条約はもとよりファシリティーペイメンツを推奨しているものではございません。 外務省といたしましては、このような問題に対処するためには、良い統治の強化あるいはそのための一つの前提になると考えられておりますいわゆる人材育成、こういったものが重要であると、かように考えております。
○遠山清彦君 ありがとうございます。 続きまして、財団法人アジア福祉教育財団の難民事業本部に関連して伺いたいというふうに思います。 この財団は外務省所管で、昭和五十四年以降に主にインドシナ難民の受入れと定住支援をしてきた機関でございますが、まず最初に、平成十五年度の管理費、この事業本部のですね、事業費、土地借料の決算額とそれを合わせた総額を御提示ください。
○政府参考人(神余隆博君) お答え申し上げます。 平成十五年度決算におきます財団法人アジア福祉教育財団難民事業本部の管理費は二億四千二百三万円、事業費につきましては三億七千二百十五万二千円、土地借料につきましては二億一千百八十五万三千円でございまして、これらの合計額は八億二千六百三万五千円になっております。
○遠山清彦君 これは難民、元々はインドシナ難民の定住受入れと定住支援ということでやって、今は条約難民もいろいろ支援をしているというところなんですけれども、私は、八億ですからかなり大きなお金が入っているわけでございまして、この入っている予算に比して、本当に効果のある、期待されている政策効果を上げているのかどうか、こういう観点からちょっと伺いたいというふうに思うわけでございます。 ちなみに、この難民事業本部に今正規職員が二十一名いるということでございますが、政府、省庁からの出向者が四名いるわけでございます。外務省から二名、文化庁から一名、厚生労働省から一名ということでございます。予算も全額公費ということになっているわけでありますが、この組織の法的な位置付け、これは難民支援のための公益法人というふうに理解してよろしいんでしょうか。
○政府参考人(神余隆博君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、財団法人アジア福祉教育財団は、民法に基づいて設立されました公益法人でございます。 財団法人アジア福祉教育財団難民事業本部は、この財団法人アジア福祉教育財団の寄附行為において同財団の理事会に設置をされておりまして、閣議了解、昭和五十四年でございますけれども、この閣議了解に基づきまして外務省ほか所管の官庁から交付されます委託費によりまして、インドシナ難民と条約難民等の定住促進及びその他の難民支援に関する諸行事を実施する機関でございます。同本部の下に関西支部、国際救援センターが設置されておりまして、同本部により管理運営が行われております。
○遠山清彦君 今、条約難民とおっしゃって、私も条約難民と自分で言ったんですが、条約難民の支援を始めたのは最近なんですよね。ずっと、今合計で一万一千人以上になりましたインドシナ難民からの受入れの事業のためにこの難民事業本部というのがあって、そこに外務省からも二人、それからほかの省庁からも二人、人を出して、税金を入れて支援してきたと。ところが、今年度でインドシナ難民の支援事業は基本的に終わると。品川にある借料で二億円以上払ってきた土地もJRに返還をするということでございますね。 本来は、いわゆる小泉内閣の大方針というのを考えますと、主な業務が終わった公益法人というのは廃止するんですね。そうですね。ところが、今回、私、ただ廃止しろと言っているんじゃないんですよ。日本に来て定住してきたインドシナ難民が一万一千人以上いるわけですから、彼らの定住促進事業というのをやんなきゃいけない。しかし、今まで、昔は大規模に受け入れてきたインドシナ難民、もう来ません、もう最近でもほとんど呼び寄せ家族だったわけですから。ということは、来年度からは大幅な縮小を、事業のですね、するというふうに考えて当然だと思うんですが、その点の御認識を伺いたいと思います。
○政府参考人(神余隆博君) 財団法人アジア福祉教育財団難民事業本部が実施しておりますインドシナ難民支援事業は、委員御指摘のとおり、昭和五十四年から開始されたわけでありますけれども、その受入れ規模の縮小に伴いまして、その事業規模は縮小されてきております。御指摘のとおりでございまして、受入れ事業につきましては平成十七年度末をもって終了する予定となっております。 しかしながら、一方では、これまで受け入れました一万一千人以上に上るインドシナ難民及びその家族の方々に対するアフターケア、これは一万一千人おられる、あるいはそれ以上おられるわけでございますから、そのアフターケア、相談等々を含めまして引き続き重要な施策でありまして、そのような高いニーズに対して適切に対処していく必要があるというふうに考えております。 また、平成七年、一九九五年度からは難民認定申請者に対する保護事業、あるいは難民支援の海外事業及びボランティア育成支援事業が、また平成十五年度からは条約難民とその家族などに対する支援事業が新事業として同本部に委託をされております。 長くなりますけれども、さらに、平成十五年からは、難民認定申請者に対する支援事業の一環として、生活の困窮度が高くて宿泊場所の確保が困難な難民認定申請者向けに緊急の宿泊施設を開設して、インドシナ難民、難民認定者、難民認定申請者、関係民間団体、地方公共団体などからの各種の相談、問い合わせに対して初動的、基礎的な情報を迅速に提供するというための相談窓口を設置しております。 したがいまして、当初発足しました本部の事業は確かにインドシナ難民事業のみでございましたけれども、その後の難民事情の変化とその必要性に適切に対応する形で、一万一千人のインドシナ難民のアフターケアに加えて、先ほど申しました難民支援に係る多種多様な事業を展開しているところでございます。
○遠山清彦君 私、平成十四年の五月三十日の外交防衛委員会で、実は、難民事業本部が条約難民の支援に全然消極的だということで政府をただしたことが実はございます。大体その後から、今おっしゃっていましたけれども、平成十五年度ぐらいから新規の事業がいろいろ始まって、今難民事業本部はインドシナ難民だけじゃなくて条約難民もこんなに支援していますよということをアピールをして、予算もそれなりに取ってやっているわけなんです。 その条約難民を支援しようという姿勢を持ったということ自体、私は評価をするところなんですが、問題は中身でして、その今おっしゃった中で難民相談事業というものにちょっと特定して伺いたいと思うんですが、これは平成十六年度から新規事業として始まっていると。その名のとおり難民に関する相談の事業なわけですが、最初の予算は一千万、今年度は二千六百万円の予算が計上されておりますが、平成十六年度の相談件数、また相談に来た人数について私が聞いたら、今委員会でお手元に配った資料①の表が最後に出てきたわけなんですね。 それで、これ一番右端の一番下の段に一万七千三百二十四件の相談を受けたというふうに書いてあるわけなんですけれども、これ、私が今朝まではいただけなかった数字があるんですが、まず二つちょっと問いただしたいんですけれども、一つは、一万七千三百二十四件の相談がありましたと。私がずっと外務省に何度も確認をして、もう先週までですよ、このうちインドシナ難民が何割で何割ぐらいが条約難民ですと言ったら、最初は、条約難民で約半分、何千件ですね。でも、条約難民って、日本で認定、何人ぐらいされているかというと、去年が十五人ぐらいですか、おととし十人ぐらいでしょう。難民認定の申請中の者というのはせいぜい数百人ですよ。 インドシナ難民の方は、日本で受け入れた人は一万数千人、その人たちが何千件か、これだけブレークダウンして一人で何十件も重なっているんでしょうけれども、相談があるというのは分かる。しかし、条約難民で、一万数千件の半分条約難民ですよというふうにずっと先週まで外務省は言っていた。ところが、今日の朝になって急にある方から連絡があって、実は、難民の相談じゃなくて難民に関する相談で、地方自治体とかNGOとかも入れてこの数字ですと言い直してきた。 さらに、もっと奇妙なのは、私が、相談してきた条約難民は何人ぐらいいるんですかとずっと聞いてきたら、先週の金曜日までは人数の統計取っていませんと。いいですか、こんなに詳しい、もう項目ごとに分けた相談の集計取っておいてですよ、難民が何人相談しに来たか分かりませんというのはおかしいじゃないですか。ところが、今日の朝になって五十人くらいと推察されますと来たんですね、電話で。これ国社部長、これどうしてこういう、それは私が通告のときに、数出さなかったから、出さなかったら止めますよとかそういうことを言ったから出してきたんですか、今日、五十人って。 それは根拠ないんじゃないの。根拠ないということは、人数に根拠ないということは、ここに書いてある数字もにわかに余り信じられないんですよね。それちょっと釈明してください。
○政府参考人(神余隆博君) 先生から大分前に資料の提供がございまして、お出し申し上げました。その中には、相談者の内訳は、恐らく七千件が条約難民又は難民申請中の者からのものでと、その他がインドシナ難民及び家族からのものですというふうに確かに書いております。これは大変不注意なあれでございまして、七千件が条約難民あるいは難民申請中の者ではございませんで、七千件につきましては、条約難民又は難民申請者に関する方からの相談というふうに実はお書きすべきところを、これは大変な不注意でございますけれども、お出ししてしまったというのが実情でございます。その点につきましては心からおわびしたいと思っておりますが、特にこの点について意図的にということでは毛頭ございません。 ただし、御質問がございましたので申し上げますけれども、この相談の件数は、一人につきいろんな様々な方法でもって相談が行われております。これは難民本人もありますし、地方公共団体もありますし、あるいは難民の関係者もあるし、NGOからもある。その中で、お示ししておりますのは、ファクスによる問い合わせ、手紙による問い合わせ、それからこちらまで来訪する問い合わせ、その他その他いろいろございまして、そういうもの全部合わせると、一人につき複数回数の相談件数がございます。したがって、そういうものを小まめに丹念に取っていきますと一万七千三百二十四件ということになるわけでございます。 それの中で、内訳としては九千七百七十二というのがインドシナ難民でございまして、条約難民についてはまたそれよりも更に少ない数、七千幾らということになるわけでございます。ただ、その……(発言する者あり)七千五百、引き算をすればいいんですけれども、七千五百六十八でございます。
○遠山清彦君 それで、じゃ、その相談してきた件数は七千五百何人ですけれども、相談を実際してきた条約難民の数は何人なんですか。
○政府参考人(神余隆博君) 条約難民につきましては、お問い合わせがあるときに、私は難民でございますと、難民申請中でございますということをおっしゃらない方もあります。これはこちらからも聞かない、あえて聞かないということもございまして、この人が本当に難民であるか、難民の関係者であるのか、あるいは場合によっては偽っているのか、そういったことも含めて統計が完全には取れておりません。他方、恐らく難民であろうということで電話その他によって推測される数を合わせてみますと、五十人程度ではないかなというふうに思っております。
○遠山清彦君 国社部長、さっき言ったことと矛盾してないですか。だって、難民相談というのは非常にいろんな多岐にわたってきめ細かくやるんでしょう。相談してきた人が条約難民かどうかということを知るということは基本情報じゃないですかね、相談のときの。それやらないで、どういう相談できるんですか。それはちょっと私、相談の質として悪い、もしそういうことを本当にやってるんだったらね。いや、私がもし相談、私ちなみに、言っておきますけど、難民相談自分でやったことありますから。普通は、相手がどこの国出身で、今どういう立場で、全部聞きますよ。その上で相談乗るわけでしょう。だって、ここを見てくださいよ、項目。えらい細かく、妊娠だとか結婚だとか離婚だとか死亡だとか年金だとか就職とかって相談乗ってるんでしょう。相手が難民かどうか確かめることはしませんって、何でですか。
○政府参考人(神余隆博君) これはいろいろございまして、確かに私は難民でございますと言ってくる方もおられますし、それから難民の関係者の方でこれから難民になるかどうか分からないけれども一度聞かしてくださいということ、それから、難民一般論として難民についてはどういう申請をしたらよろしいですかという一般的な御質問もございます。したがいまして、それらについて、一般的な御質問に対して、難民ですか、どの方ですかということまでは聞いておりません。これは個人の事情、プライバシーに対する配慮ということもございますので、その点も含めて、あえて聞かない場合もございます。
○遠山清彦君 分かりました。 まあ、ちょっと観点変えましょう。 資料②をごらんください。私がこの一万数千件も相談を受けているということがにわかに信じ難かった理由がここに端的に表われているんです。 これは難民事業本部のホームページ、いいですか。それで、この二千六百万今年度付いている難民相談事業、どこにもないじゃない、ホームページ。難民の人が、あるいは難民の関係者がどこ見て難民事業本部に電話してくるんですか。ホームページにどこにも難民相談事業の、広報も何もないじゃないですか。どうやって周知してるんですか。何で何千件も掛かってくるんですか。
○政府参考人(神余隆博君) ホームページでございますけれども、これは日本語と英語のホームページ両方ございます。両方とも確かにちょっと見にくいんでございますけれども、ホームページの中にカウンセリングサービスというのが英語では載っております。
○遠山清彦君 何で日本語は載ってない。
○政府参考人(神余隆博君) 日本語は、これはちょっとカウンセリングサービスという載り方ではなくて、これは日本で暮らす難民定住者の方へというところをクリックすればそこに行き着くということでございまして、これは、「難民について知りたい!」というあれが、項目がございますけれども、その上に、「難民とは」、「インドシナ難民とは」、「日本の難民受入れ」というところの下の方に、「日本で暮らす難民定住者」というところをクリックいたしますと出てくることになっておりますが、ただ、先生御指摘のとおり、これはやはりホームページの上できっちりと……
○遠山清彦君 もういい、時間ないから。 「難民について知りたい!」というタイトルで、「難民とは」から始まる項目に、ここに行ったら難民相談を受け付けますっていう、常識的に、日本語としておかしいですよ。おかしいですよ。外務省、指導監督しているんだったらちゃんと直させなきゃ駄目じゃない。何で難民相談──いい、もういい。難民相談事業を頭に置いてないのに何千件も相談来てますって、おかしい。これ常識的におかしいですよ、今の御発言は。この説明かなり苦しい──ちょっと待って。 それで、そうしたら、次にこのホームページにちゃんと載っている事業を聞きますよ。 難民認定者支援事業という、条約難民に対して日本語教育、社会生活適応指導、就職あっせんを年二回実施する事業というものをやっております、ここでね。それで、平成十四年度、十五年度、十六年度、各年度のこの事業の利用者数、数字言ってください、簡潔に。
○政府参考人(神余隆博君) 平成十五年度からやっておりますけれども、平成十五年は十二名、それから平成十六年度については一名となっております。
○遠山清彦君 それで、これ、難民認定者支援事業は、平成十五年度の予算額は端数を取って二千九百万円、予算。決算千八百万円。で、利用者が十二名。平成十六年度予算は二千九百万円。決算はまだ聞いておりません。利用者一名。 いいですか。平成十七年度、今年度の予算で二千四百万円付いているんですね。これは、去年一名しか利用してないのに、今年二千四百万計上するというのは、これは担当している人の人件費払っているだけなんじゃないですか。これはどうして見直さないんでしょうか。お答えください。
○政府参考人(神余隆博君) これにつきましては、過去の統計を基にいたしまして大体年間最大二十名ということになるだろうということを、過去五年間の統計を取りまして予算の要求をさせていただいておるわけでございまして、したがいまして、そういう根拠でこの二十名ということが出てきております。ちなみに、平成十年度は十六名、十一年は十六名、十二年は二十二名、十三年は二十四名ということでございますので、合わせて合計八十名、これを四で割ると二十名という形になるわけでありますけれども、そういう根拠で算定をして国会の御承認を得たものでございます。
○遠山清彦君 国社部長、私ももう時間が大分なくなってきましたのでこの辺で激しいのをやめますけれども、さっきのホームページの話で、多分国社部長、いろいろ言いたいことはあったと思うんです。ただ、これを見たら、難民定住者でしょう、難民認定に申請している人なんてどこにも出てこないわけですね、表書きに。これはやっぱり難民事業本部が、ホームページの一番上を見ると、難民事業本部は唯一政府の委託を受け、日本に定住する難民の定住促進事業を行っている団体ですと書いてあるんですが、もうちょっと本気で条約難民を支援するんであれば、ほかにやり方があるというふうに思っているんです。 それで、最後に外務大臣、概括的にお伺いしますけれども、私は、難民事業本部が条約難民とか難民認定申請者に対する支援事業をやっておられる、それ自体はいいんですが、この億単位の予算を付けていて、外務省から出向者を出して、ある意味本部長も外務省出向者ですから丸抱えでやっているんですけれども、もう一回白紙から、この事業の内容とか効率性とか、そういうものを予算と見合ってどうなのかということを見直していただきたいと思うんですね。 それで、外務大臣、資料の③番と④番に新聞記事を付けております。長くは申し上げませんけれども、③番は、アフガン難民で初めて日本の大学に入った方の話でございます。④番は、北海道の酪農学園大学の博士課程にソマリアから来た難民の方が入学をした記事でございます。両方とも、民間のNGOとかあるいは基金、ソマリアの場合は犬養道子さんの基金から支援をされてこういう成果を出しているわけでありますが、非常にきめ細かい、NGOとか民間団体もいろんな団体がありますから一概に言えませんけれども、しかし、きめの細かい難民支援をやっているところもありまして、そういうところに入っている公的助成の規模と比べますと、難民事業本部は人も多いですし、役所が入っていますし、非常に額が大きいわけなんですね。 そこで、今後、品川にありますこのセンターも今年度で閉めるということでございますし、改正の難民認定法も五月十六日から施行されるということでございますので、幾ら外務省から出向者が出ているといって甘い見直しをしてはいけないんではないかというふうに思いますので、外務大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 国全体の予算も大変厳しゅうございます。また、外務省の予算も大変に四苦八苦して予算編成をし、その運営に当たっているという状況でございます。したがいまして、この難民についてのきちんとした政府としての対応はこれは必要だろうと、こう思いますけれども、今委員御指摘のあった実態と比較して、本当にこれだけの予算規模が要るのかどうかという辺りにつきましてはよく精査をしていかなければいけないと。毎年どのくらい不用額が出るかとかそんなことも見ながら、来年度の予算要求についてはしっかりとした、実情に合った、また難民支援にという大きな方向に沿った内容のものにしていかなければいけないと、かように考えます。
○遠山清彦君 終わります。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 神奈川県の池子の森の米軍住宅の建設問題についてお聞きしたいんですが、私も現地へ行ってまいりまして、本当に首都圏有数の照葉樹林であると。市長さんともお話をしました。実感したのは、本当に後世まで残すべき自然の宝庫だということであります。総面積約二百九十ヘクタールのうち、逗子側で八十ヘクタールが米軍住宅のために破壊されてしまって、残る緑地は逗子側と横浜側、合計二百十ヘクタール、これを守ってくれという声が広がっております。 防衛庁長官に最初にお聞きをしたいと思うんですが、もしも横浜市側で米軍家族住宅を追加建設するようなことになれば、これ、逗子市と一体としてまとまりがある池子の森ですから、貴重な生物、生態系を大きく損なうことになるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(山中昭栄君) これは昭和六十年当時、現在の逗子市域に建設がされております八百五十四戸の住宅を計画をいたしました際にも、当時の神奈川県条例に基づいてアセスを実施をいたしておるわけでございますが、当然のことながら、横浜市域におきまして現在建設を予定しておる七百戸の住宅建設を今後行っていく際にも、当然池子地域を含めた全体の生態系にどういう影響を及ぼすかといったような点について、しっかりと環境影響評価を実施をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
○小池晃君 ちょっと確認したいんですが、これ、一九八七年の今お話あったアセスの非常に膨大な報告書ですけれども、このときも逗子側ではなくて横浜市側含んで、一つとしてアセスしているわけですが、その理由についてちょっとお聞きします。
○政府参考人(山中昭栄君) 当時、住宅建設区域として予定をしておりましたのは八十三ヘクタールでございます。 ただ、県条例に基づきまして環境影響評価を実施をするに際しまして、私どもの予測評価書の案、これを県に提示をし、県の方から審査書というものが送付をされておりまして、その審査書におきましても、事業地の八十ヘクタールは基本だろうけれども、残る二百十ヘクタールの提供用地を含んで、全体として予測評価を環境保全の観点から行っていくべきだというふうな御議論ございまして、基本的には八十三ヘクタールが対象ということでございますが。 県といろいろ調整をし、例えば動物のように移動をするというようなものですと、当然調査対象は八十三ヘクタールにとどまりませんで、二百九十ヘクタール全体に及ぶ。逆に、水質ですとか大気の汚染の問題は、これは直接工事の実施に伴うものでございますので、逆に八十三ヘクタールよりも狭い範囲が評価区域になっているということから、条例で規定をされております十八項目それぞれの調査項目の特質に応じて、あるものは八十三、あるいはそれよりも少ない、あるものは二百九十ヘクタール全体を対象にしているというような考え方で実施をしたものでございます。
○小池晃君 鳥は空飛んでいても、横浜市と逗子市の境見えるわけじゃないですから、それは当然、トータルとして評価するということになると。 今、私、資料でお示ししたのが正にその池子の森の地図ですが、これで環境影響評価書で八十七種が池子の森で鳥類について観察されたというふうに報告されていて、例えば、紹介すると、逗子市側では貴重種がハヤブサ、オオタカが絶滅危惧種、それからフクロウ、チョウゲンボウが環境庁八三年第二回緑の国勢調査で重要種とされているもの。それから、カワセミが日ロ渡り鳥条約の保護鳥、ゴイサギ、オオルリが日中渡り鳥条約、アマサギが日米渡り鳥条約の保護鳥、これいずれも生息確認されている。 それから、横浜側でも貴重種が確認されておりまして、オジロワシもあります。これは北海道で生息して、冬、池子の森にやってくる天然記念物で、日米渡り鳥条約の保護鳥だと。それから、キビタキも、日米、日中、日ロ渡り鳥条約の保護鳥だと。 お聞きしたいのは、この時点でこういう確認されたわけですが、建設後、こうした貴重種の現時点での生息状況はどうなっているか、教えていただきたい。
○政府参考人(山中昭栄君) これは、住宅建設の計画をし、実際に工事をする過程におきましては、生態系にできるだけ影響を及ぼさないというようなことを含めまして、環境保全上必要な配慮をしてきたわけでございますが、その後のいわゆる事後調査と申しましょうか、御指摘の絶滅品種を含めてモニタリング等については実施をいたしておりません。
○小池晃君 だからね、それじゃ何のための環境影響評価だったということになると思うんですね。全く私、それ以後全く調査していないというのは無責任過ぎると。これ、環境影響評価書を見ても、米軍住宅建設後の環境モニタリングを約束しているんですよ。これ、建設後の変化を調査するというのは、これ国の約束だったんじゃないんですか。
○政府参考人(山中昭栄君) 当時の私どもが環境影響評価を行う根拠となっておりました県条例、これによりますと、いわゆるモニタリングそのものは、これは改正が県条例について四回ほどなされておりまして、現在の県条例の規定によりますと事業者がその後のモニタリング等をやる義務があるわけでございますが、当時適用されておりました条例の規定によれば、これは県知事が行うというようなことでございました。 県が私どもの方に送付をされました審査書におきましても、この点について行政当局によるモニタリングが必要なときに十分な対応が行えるようにするというふうなことがございました。この二百九十ヘクタール全体が米軍に提供するいわゆる施設・区域でございますから、条例の規定に基づいて知事が行うモニタリング等については当然立入り等についての米側の承諾といいましょうか、が必要なわけでございます。そういったものにつきまして知事が条例に基づいてモニタリングが必要だというふうな判断をされた場合には必要な協力を行うというようなことで、当時、米軍と調整を行ってきたということでございます。
○小池晃君 防衛施設局は、環境影響評価書で住宅供用後の環境管理については完璧を期すというふうに述べていたんです。にもかかわらず、県が言わないからやらないというのは、私、無責任だと。神奈川県に対して防衛施設庁何と言っているかというと、提供用地の将来的、長期的環境保全については長期的に環境が保全されるよう米軍も最大の配慮をすることとしており、必要に応じ米軍に対し環境に影響を与えるような土地の形質変更等行わないよう配慮を求めたと約束をしているわけです。 しかし、防衛施設庁は、将来的、長期的な保全対策を示すこともしないどころか、環境モニタリングをすることもやらないどころか、池子の森の横浜市域まで含めて破壊しようとしている。これ、どう考えたって、こんなこと許されないというふうに思いますが、いかがですか。
○政府参考人(山中昭栄君) 条例上、当然事業者に対して義務として課せられた事柄については誠実にこれを履行するということだろうと思います。他方で、当時、環境の保全について種々環境影響評価書の作成の過程等を通じてやり取りがございました。米側に対しても環境の保全等について十分な配慮をするような申入れ等ももちろんいたしておりますし、その後におきましても、これは折々に米側に対して環境保全上の必要な配慮を申入れをいたしております。 私どもとしては、決して、環境の保全、生態系の維持、こういったものについてないがしろにしてきたつもりは毛頭ございませんで、今後とも環境保全の観点から必要な対応というものはしっかりやっていきたいというふうに考えております。
○小池晃君 横浜側の建設進めながら対応しているなんというのは本当に矛盾だらけだと思いますよ。 防衛庁長官、今度答えていただきたいんですが、これは在日米軍が自ら持っている日本環境管理基準というものです。日本の基地の環境基準をこんなに分厚いものを米軍は作っているわけです。これは目的は日本における国防総省の活動と施設が人の健康と自然環境を保護できるように保障することとされておりまして、その中では自然遺産と文化遺産を保護すると言っているんですね。自然遺産では、貴重種や絶滅危惧種のような特別に指定されている植物相、動物相等、歴史的環境保全地区についてこう言っているんです。基地司令官は、自然遺産が軍事任務によって悪影響を受けるような状況を解決し、あるいは軽減する方策を取ると明記している。彼らはこういう基準を持っているわけです。 私、防衛庁長官、米国に対して、米軍に対して、あなた方が持っている基準に照らしても、こういう基準に照らしたって池子の森というのは本当に貴重な自然遺産なんだから、住宅建設というのはあなた方の環境基準に照らしても重大な違反になりますよということを伝えて、やはりここには造れないというふうにはっきり私言うべきではないかというふうに思いますが、長官、いかがですか。長官答えてください、長官。ちょっと長官答えてくださいよ。さっき答えなかったんだから、一つぐらい答えてください。これで終わりですから。
○政府参考人(山中昭栄君) これは、さっき御指摘がありました、例えばオジロワシあるいはオオタカ、ハヤブサ、こういったものにつきまして、例えば飛行中の一個体が確認されたけれども、その当該施設・区域の提供地域、これを生息地としている可能性は極めて少ないとか、オオタカについては、提供用地に広く見られるけれども、主として北側の樹林の集中している地域を生息地としているというようなこと、あるいはハヤブサにつきましても、これは貴重種でございますが、冬季に一例が観察されたのみであるというような、当地の現況調査の実態を踏まえて私ども必要な予測、影響評価をやっているということでございます。 それから、御指摘の米軍が作っておりますJEGS、これは日米で提供される法令のより厳しいものを適用するという考え方で、地位協定三条の精神をまつまでもなく、具体的な環境保全の適用例として米側がこういうものを設定をして保全のために必要な配慮をしているというふうに私ども理解をしておりますし、今個別具体のケース、ケースで私どもなりに、例えばこれは合同委員会に環境部会、分科会というものがございます。こういった正式の機関等を通じて必要な調整をし、環境保全のための取組や、これは環境省が主管でございますけれども、私どもなりの立場で鋭意協力をするなり、必要な取組をしていきたいというふうに考えております。
○小池晃君 実際環境モニタリングもやってないんだから、何か大丈夫だなんていうことをいろいろと言う根拠ないと思いますよ、私。やはり、三割の森を削って、しかもその米軍の基準に照らしたって、どう考えたって許されないような住宅建設を唯々諾々と進めるというのは私本当に情けない。アメリカ言いなりの姿勢だというふうに私思います。池子の森の環境を保全するという約束したんですから、当初。これは横浜側の住宅建設はやめるべきだということを重ねて申し上げます。 続いて横須賀の、二〇〇三年度予算でも四十億円の思いやり予算で十二号バース、総額百二十八億円掛けて原子力空母の配備に備えたという問題がございます。 町村外務大臣、二月にラムズフェルド国防長官に対して、これ母港化やめてほしいと、御自身の言葉ではっきり伝えたのでしょうか。それから、国防長官、その際、何も決定されてないと述べたと伝えられておりますが、これは原子力空母以外の選択肢もあり得るというふうに大臣はお受け止めになれましたか。
○国務大臣(町村信孝君) 二月十七日の日に沢田市長が外務省の方にお見えになりまして、そのとき、キティーホークの後継空母については通常型の空母を配備する可能性を見いだすようにアメリカ側に対して強く求めてほしいという要請をいただきました。要請文もそのときいただいたわけでございます。 このことを受けまして、十九日に私の方から、2プラス2の折にちょうどラムズフェルド長官と話をする時間がありましたので、ごく短時間でありますが、こういう事実があったということをラムズフェルド国防長官に伝達をいたしました。その際、長官からは、キティーホークの後継についてはアメリカ政府として何ら決定していないという旨の説明があったところでございます。
○小池晃君 いや、私が聞いたのは直接言ったのかと。まあ衆議院でも親書を渡したということは答弁されていますが、私は、やはり日本国民が地元自治体を挙げて反対しているのだから、その意思を直接大臣の言葉で伝えるのが外務大臣としての責任だというふうに思います。 そもそも、この横須賀の空母の母港化の問題で、ちょっと古い話ですが、七二年十一月十五日付けの外務省文書では、原子力推進航空母艦の本邦寄港問題は現在全く考えられていないと、寄港そのものを考えていないとその当時は言っていたんです。 その後、寄港はやられておりますが、当初寄港すら駄目だと言っていたものを母港化するなんというのは私とんでもない話だと。横須賀基地の百キロ以内には三千万人住んでいるわけです。人口が密集した首都圏の入口に二基の原子炉を持つこの空母を、母港を置くというのは本当正気のさたでないというふうに思います。 事故が起きたときの被害を考えれば、本当に神奈川県や横須賀市が反対するのは当然であって、大臣ね、私ね、こうした反対の声を代表して米側と折衝すべきではないかと、こう考えますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(町村信孝君) 今、私どもは2プラス2で議論をしておりますが、この横須賀の問題というのはその範囲の外でございます。政府としては、この今、安保体制の円滑、効果的な運用を図るため、国民の理解を得るように努めながら適切にこの横須賀の問題は対処してまいります。ただ、今の2プラス2の議論を正にやっている最中でございますから、この横須賀問題というのは入っていないということだけは申し上げておきます。
○小池晃君 入っていようが入っていまいが、もう地元住民のみならず、首都圏全体の本当に関心集まっている問題です。 アメリカは太平洋艦隊に二隻目の空母を配備する計画がある。先制攻撃戦略のために、前線拠点強化、これがもう正にアメリカの至上課題となっていて、原子力空母の横須賀母港化というのは在日米軍基地の機能を飛躍的に進めることになることは間違いない。 一方、アメリカ側も大変心配しているわけです。二月十日に明らかになった米議会調査局の報告書では、日本での強い反核感情のため、日本を原子力空母の母港にするという海軍の提案は潜在的にはかなり大きな世論の反対に直面することになるだろうというふうに、アメリカ側もこのことを海軍航空母艦ジョン・F・ケネディの退役提案という報告書の中で明確に言って極めて敏感になっている、こういう中なんですね。 ですから、私ね、大臣、この際本当にはっきりとこうした原子力空母の母港化というのは受け入れられないんだと、2プラス2の範囲に入っているか入っていないか、そんなこと関係ない。これだけ国民も心配をしているし、アメリカ側もこれだけ日本の世論に敏感になっているときにやはりしっかりと伝えておくということが外務大臣としての当然の責任ではないかと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(町村信孝君) 貴重な御意見として承っておきます。
○小池晃君 そういうことでは本当に日本の外交を預かる外務大臣としての責任を果たしていると言えないと。 神奈川県の大和市長も言っているんです。通常型空母だろうと原子力空母だろうと、市のスタンスは母港化返上だと。これが本当に地元住民の皆さんの声だというふうに思いますので、私どもは米軍の母港化、空母母港化そのものを返上する、そのことを求めて、質問を終わります。
○又市征治君 社民党の又市です。 初めに防衛庁の関係からお伺いをしたいと思います。 自衛隊の補給艦「ましゅう」がオマーン湾の洋上で米軍の揚陸艦ジュノーに二度にわたり給油をしていますね。これはイラク特措法に基づく米軍への支援なのかどうか。また、この無償提供はいつといつで幾らぐらいになっているのか、まずお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(飯原一樹君) まず、事実の確認……
○委員長(鴻池祥肇君) 起立してください。
○政府参考人(飯原一樹君) はい、済みません。 事実の確認からでございますが、テロ対策特措法に基づきましてインド洋に派遣中の海上自衛隊補給艦「ましゅう」が米揚陸艦ジュノーに対し燃料補給を本年一月十七日と二月二十三日の二回にわたり実施をいたしました。 これにつきましては、従来から交換公文におきまして、テロ特措法に基づく目的について周知をするとともに、今回、特に、外交ルート及び部隊の命令系統を通じまして、テロ特措法の趣旨にのっとった補給であるということを確認いたしております。
○政府参考人(大古和雄君) 金額のところでお答えさせていただきます。 この二回の給油につきましては無償で行っておりますけれども、金額については二回分合わせて約七千三百万円に相当いたします。
○又市征治君 防衛局長、ちょっとそれは違うんじゃないですか。ジュノーというこの艦船は、佐世保を母港にしておって、イラクの自由作戦に参加をして、普天間基地の米海兵隊をイラクに送り込んだわけで、その後もイラク近海にいたはずですよね。 イラク特措法上の事業としては不都合だから、テロ特措法を持ち出して、その事業費として計上しているにすぎないんじゃありませんか。これは大野長官にお聞きをいたしますけれども、ここらは大変重要な問題ですよ。ここのところをはっきりさしてください。 あわせて、二〇〇三年度から現在までの対米軍の給油の回数と金額をお示ししてください。
○国務大臣(大野功統君) まず、我々がやっておりますテロ対策特措法に基づく艦船の油、あるいは艦船搭載用のヘリコプターの油、そして水でございますけど、これは、テロ特措法というか、テロとの戦いで各国が活動しております、その各国の活動に対して支援をしているものであります。このことは明確に申し上げたいと思います。 ところで、お尋ねのポイントでございますけれども、そういう活動を我々はやる場合には必ず、一つは交換公文を相手国と交わすわけであります。そしてまた、問題点を、つまりテロ対策特措法に基づいてこれはやるんだという趣旨をきちっと相手側に説明しているわけでございます。したがいまして、今回の御指摘の点につきましては、テロ対策特別措置法に基づく活動である、そしてその相手先はテロとの戦いで活動している各国に対して行うものである、このことは明快に、明確に申し上げたいと思います。 したがいまして、私は、この活動、日本の海上自衛隊の活動が、つまり我が国が提供した物品についても、テロ対策特措法の目的に合致している、適切に使用されている、このように思っております。信じております。このテロ対策特措法の目的に合致した給油支援がテロ特措法の事業として計上されていることはもう当然のことである、このように考えております。 さらに、お尋ねの平成十五年度から十七年度における自衛隊による米軍への給油の回数及び金額でございますけれども、各年度ごとの資料ございますが割愛さしていただきまして、全体で百十四回、約二十八億円を提供しているところでございます。
○又市征治君 このジュノーの件はたまたま米軍の記者会見で分かったわけですが、この給油は、それは交換公文があると言うけども、イラクの戦闘にこのジュノーは参加をしているわけであって、それに支援をするということですから、だから問題にしているわけですよね。戦闘地域の活動を禁じたイラク特措法にはこれは明らかに違反をするから、だから、逆に言うと、結局、テロ特措法の範囲を広げてと言うべきか、アメリカとの間ではこの交換公文だけ取り交わしておけば、これはイラクの問題にはならないと、こんな格好で拡大解釈が行われているんじゃないですか。これ大変重大な問題ですから、引き続きこの点については監視をしていかなきゃいかぬと、こういうふうに思います。その点だけ申し上げておきます。 次いで、防衛庁関係の問題で、石油談合については先ほど榛葉委員からも出ましたからはしょりますけれども、石油製品の納入をめぐる談合に関して、防衛庁は今年の一月、不当利得分、約百四十一億円の返還請求を出光興産始め十一社に行ったけれども、先ほどの御答弁では、全く返されてないと、こういう話ですね。ですから、これは速やかに私は不当利得として提訴をされるべきだということを榛葉さんも話をされましたが、私もそのことを求めておきたいと思います。 ただ一方で、問題なのは、防衛庁の調達実施本部が主導的にこれにかかわっているわけでありまして、今年二月の公取委の審決にも、担当官がこの価格でよろしくお願いします、こう述べておって、入札価格を拘束していたと、こう書かれているわけですね。要するに、防衛庁の調達本部の係官がそういうふうに、この価格でお願いしますと言った。 事件が二〇〇二年の官製談合防止法の成立以前とはいえ、この法律そのものが作られるこれはきっかけになった事件ですね。そういう意味では明らかに官製談合なわけです。 長官ね、この法律では、発注機関は自ら調査をして具体的な改善措置をとると、こう書いてあるわけでありまして、長年にわたる談合を主導してきたこの調達本部の副本部長らは損害賠償の要件である故意又は重過失に該当するんじゃありませんか。この職員の処分をどのようになさるおつもりなのか、改めてお聞きをいたします。
○国務大臣(大野功統君) まず、関係した職員の問題でございます。 このことは、又市委員よく御存じのとおり、まず最低価格というのを決定させていただきます。そして、最低価格以下でない場合、この場合はやっぱり個々に話し合うという機会があろうかと思います。しかしながら、それが必ずしも最低価格である、どこが最低価格になるか、これは全く分かっておりません。一般的に言うと、分かりません。したがいまして、個々には話し合いますけれども、それが新しい最低価格として公表されるとか、あるいは入札者全部が分かるような仕組みではありません。したがいまして、この最低価格が、言わば二回目、三回目以降の話になりますけれども、事前に開示されたとか、事前に提示されたとか、こういう問題では私はないと思っております。 そういう意味で、関与した職員の問題云々とおっしゃいますけれども、この問題は今、公正委員会の審判でも、あるいは裁判所の公判でも対象にはなってないわけでございます。しかしながら、今後いろいろな動向を見まして、動向を見まして、もしそういうことが問題であれば、これはやっぱり懲戒処分権者としての問題、私の問題は発生してくると思います。しかし、今申し上げましたように、法的な談合という観点から見ますと、最低価格をお示ししたわけじゃありませんから、そういう意味では私はそういう角度の問題の取扱いというのは当面ない、このように存じております。 もう一言だけ、長くなって恐縮ですが、そういう問題がありましたので、内部におきまして、先ほど申し上げましたけれども、御説明申し上げましたような対応策をきちっとしまして、最低価格とか、あるいはこの関与する人間、相手方の会社の入札者の調査とか、こういうことをしっかりしていこう、こういうことにしてあるわけでございます。
○又市征治君 そうおっしゃいますけれども、さっき私読み上げましたけれども、担当官が、この価格でと具体的に金額で言って、よろしくお願いしますと述べて入札価格を拘束していたと、これは審判で出ているわけですよね、審決で。だから、最低価格を言ったとか言わないの問題じゃないんですよ。具体的に高めにこれは結局は金額を上げてしまった。だから、故意又は重過失じゃありませんかというふうに私申し上げている。したがって、それ以上のことは言いませんが、ちょっと正直言ってやっぱり生ぬるいんじゃないかという私は思いがありますから、そのことを率直に申し上げておかにゃいかぬ。 と同時に、コスモ石油はこの判決に対して、国防用燃料の調達に協力したのに残念であると、開き直っているわけですね、これ。こういう国民を愚弄したコメントを出して、なおかついまだに返さないと、こういうことであるわけでありまして、どうもこの防衛庁にまつわる、防衛費にまつわる談合や官製談合というのは、国防というにしきの御旗を使っていろいろとあるんではないかと。もちろんのこと、巨額に上るとか、そういう業者が特定をされてくるとかということがあるだけに、なおのことそういう要素を持っている。だから私は、やはり氷山の一角としか思いようがない。それだけに、より一層防衛庁は調達に関して厳正に臨むべきであろうと、こう思うんで、大臣のそこら辺の決意を改めてお聞きします。
○国務大臣(大野功統君) 又市委員おっしゃるとおりであります。これは税金を使ってやっている仕事でありますから、どんなことがあってもこれは厳正、公正、透明性を持ってやっていかなきゃいけない。 先ほども議論が出ました、防衛調達というのは難しい点がある。それは入札者が限られているという問題があろうかと思います。仮にそういう問題があったとしてもやっぱり厳正にやっていくべきであって、入札者を場合によっちゃ、もし入札者がもっともっとたくさんおれば入札者を入替えするとか、そういうことも含めて今後考えていかなきゃいけない。 本当にそういう面では厳格にやっていくべきだと思って、そういう指示をいたします。
○又市征治君 次に外務省にお伺いをしたいと思いますが、この草の根無償援助は元来ODAの中でも最も小規模でありまして、NGOなどによって担われてきた活動ですね。そこで、資料をお配りをいたしましたけれども、この実績を見ますと一件平均三百万円から五百万円台でずっとやってきたわけですね。ところが、最近大幅に増えまして、単価も大きくなっています。それはなぜかとこう見てみますと、人間の安全保障と称する政府系の大型事業をどうもここに突っ込んだと、こういうことではないかと思うんですね。 例えば、資料の右側見ていただきますと、ここ二年ほどの間に対イラクの関係が随分と増えているわけですが、こういう格好で見てみますと、給水だ、浄水だ、県の道路関係だ、こういう格好でかなり多額のものがどんどん増やされておって、左側の方のこの二〇〇三年、二〇〇四年の下段を見ていただくと分かるとおり、この草の根援助の全体額に対して、この二年間、二〇〇三年度、二〇〇四年度、二五%と四一%と増えてきている、こういう格好で金額も随分と増えてきていると、こういう格好になっているわけですね。 そうすると、草の根というのはもう名ばかりで、日本政府の大型事業がすべてここにカウントされている。今申し上げたように、ムサンナ県の給水及び浄水では十二件、一件平均五千五百五万円、ムサンナ県の道路では十一件、一件平均六千八百二十五万円、巨額になっているわけですね。これらは、とてもじゃないけれども草の根だとはもう言えないんじゃないですか。 本来の草の根協力事業というものを一体どういうふうにしていくつもりなのか、これについては外務大臣からしっかりとお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 確かに、草の根・人間安全保障無償、原則として一千万円未満のプロジェクトということでございますが、プロジェクトの内容に応じては最大一億円まで認めるという運用をこれまでもやってまいりました。 今、この委員の表が、本当にそのとおりかどうかちょっと私、今確認あれですけれども、例えば水というのは、給水車三十八台、給水タンク三百四台、浄水機六台等、正にムサンナ県水道局に資金供与をしているということで、正にこれは草の根レベルの住民の衛生とか安全な水の供給ということだろうし、道路も同じような理屈で、正に庶民の役に立つ支援というようなことでございます。このほか、教育問題等々、小学校の修理とかいろいろあるわけでございます。 いずれにいたしましても、全体の姿というのは、冒頭申し上げましたように原則一千万円未満ということでございますが、状況に応じてはこういったものもいいのではないかということで運用をしているということでございます。
○又市征治君 重ねて申し上げますが、その理屈付けはいろいろと、大臣苦労して理屈付けなさっておりますが、やっぱり今大臣自身がおっしゃったように、一千万円以下のものをNGOの皆さんにやってもらう、とりわけ日本のNGOなんかが現地へ行ってやるというのは基本的にやっていたと思うんですよ。 だけど、そういう意味で、ここに政府系の、水もそれは草の根でございます、道路も草の根でございます、それは全然違うじゃないですか。そういう点ではやはり、大臣も事実上お認めになっているけれども、草の根にこういう政府系の大型のプロジェクトを含める扱いはやっぱり必ずしも正しくない。ここはやっぱりきちっと整理をしてもらって、草の根は草の根でやっぱりしっかりやっていただく、このことにしてほしいと思うんです。 元々、そんなことをやるから、こんなこと言いたくなかったんだけれども、イラクへは民間人は入れないんだというのが、我々に対して小泉総理始め政府の答弁だったわけでしょう。だから、自衛隊派遣を正当化をしたこの理由にされておったわけですよ。 ところが、今こうなってきたら、草の根事業に名をかりてこんな格好をやっている、こんな矛盾した話ないじゃないですか。自衛隊しか入れないんだ。一体全体この草の根、みんな外国人にやらせたわけでしょう、日本人が入らないで。それで草の根と、こう称して、実際は今言ったように、自衛隊が現地へ行ってやったよりも、むしろこれで使った金の方が多くの給水や道路事業がやられている、こういう格好になっているわけで、随分と矛盾しているわけでありまして、日本人NGO自身が、また政府機関が、政府の非武装の援助機関がイラクで平和的に活動できるような姿が望ましいわけであって、そういうためにも我々は米軍に協力する自衛隊は早期に撤退をして、しっかりやれるような努力をすべきだということを主張してきたわけ。この点は主張だけにとどめておきたいと思います。 そこで、大臣、先ほどの同僚議員の質問に対して、ちょっと重大な発言をなさっておりますから、この点、もちろんのこと、さっきの答弁に対してお聞きをするわけですから事前に通告してあるわけじゃありません。つまり、谷委員に対する答弁の中で、発展途上国の役人からの日本の業者に対する賄賂の要求は形を変えたODAなのかもしれないがたくさんある、こう先ほどおっしゃいましたね。これは大変な問題ですよ。これこのままで、あなたがおっしゃった、そういう形でこのまま終わっていきますと、いろんな取り方ができる。例えば、途上国への役人への賄賂も日本の業者にとってはやむを得ない、こういう受け止め方がされる……(発言する者あり)いやいや、され得る、一つは。はたまた日本が途上国にODAをやっていく上で、いろんな金の使い方がある。業者からの賄賂という形で先方に渡っても、相手の国が潤うのであればODAと同じようなものだと、こういうとらえ方があるかもしれない。三つ目に、こうした業者からの賄賂の費用は企業の行動様式から考えて、当然政府への請求になってくるわけでありますから、契約額の中に含まれてくると思うわけですが、それも、じゃ、ODAのための必要経費でやっていいのか、こういう考え方もあるかもしれない。 もう一度改めて、これは外務大臣の、中途半端な答弁じゃ困りますから、改めてここのところは、おっしゃった意味、発展途上国の役人からの賄賂の要求は形を変えたODAかもしれないのでということについて明確にお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 委員に細かく分析をしてまでいただきまして、誠に恐縮でございます。決して、日本のODAがそういう形で使われていいといったようなことを申し上げるつもりは毛頭ございませんので、そこだけはひとつ明確にさせていただきたいと思います。 先ほど申し上げたかったことは、いろいろな国の外務大臣と、先進国、発展途上国を問わず、話しておりますと、しばしばそういう話が、表の席ではなくて、いやこの、困ったことというのはいろいろあるんだと。例えば何ですかと言うと、いや実は、某国の偉い人が来て我が国の役人にお金を渡していったりするケースがあって実は困っているんだというような話が、たまたま私今思い出したものですから、ちょっと一つの例が何か一般論のような話でしたことは誠に申し訳なかったと、誤解を呼んでしまったことは恐縮でございます。 また、又市先生の御指摘を受けてしまったわけでございまして、決して日本のODAがそんな使われ方をして、もう融通無碍に何でもいいんだと、賄賂まがいのことをやってもいいなんということを正当化するとか、そんな意思は全くございませんので、そこだけはひとつ御理解を賜りたいと存じます。
○又市征治君 私もそんなふうに、先ほどは例を挙げたようなことを思って言ったんじゃなくて、形を変えたODAなのかもしれないという、こういう発言だけがそのまま独り歩きすると、そんなことになりかねないということで申し上げたわけでありまして、今の説明で了解をするんですが。 今日はそのほか、ODAのGDPの〇・七%基準の問題もお聞きしたかったんですが、ちょっとこの点を聞きましたら時間がなくなりましたので、改めてその点についてはまたお聞きすることにしまして、今日はこれで終わりたいと思います。
○委員長(鴻池祥肇君) この際、さきの谷博之君の質疑に関し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。塩尻外務大臣官房長。
○政府参考人(塩尻孝二郎君) 民間警備員にかかわる経費についてでございますけれども、イラク及びアフガニスタンにおけるこの種経費の総額は、平成十六年度予算では八億円弱という規模でございます。 以上でございます。
○委員長(鴻池祥肇君) 他に御発言もないようでありますので、外務省及び防衛庁の決算についての審査はこの程度とし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時十五分散会