経済産業委員会 第4号
- 発言数
- 154 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2005/03/18
会議録
○委員長(佐藤昭郎君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。 去る十六日、予算委員会から、本日の一日間、平成十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち公正取引委員会、経済産業省所管及び中小企業金融公庫について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 ─────────────
○委員長(佐藤昭郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 委嘱審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣参事官塩田誠君、内閣官房大陸棚調査対策室長島崎有平君、内閣府産業再生機構担当室長藤岡文七君、外務大臣官房審議官西宮伸一君、文部科学大臣官房審議官藤田明博君、厚生労働大臣官房審議官皆川尚史君、厚生労働大臣官房審議官北井久美子君、厚生労働大臣官房審議官大谷泰夫君、社会保険庁次長小林和弘君、林野庁林政部長岡島正明君、経済産業省経済産業政策局長北畑隆生君、経済産業省産業技術環境局長齋藤浩君、資源エネルギー庁長官小平信因君、中小企業庁長官望月晴文君、国土交通省鉄道局次長杉山篤史君、海上保安庁警備救難監横山鐵男君及び環境大臣官房審議官桜井康好君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤昭郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(佐藤昭郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 委嘱審査のため、本日の委員会に国際協力銀行理事星文雄君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤昭郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(佐藤昭郎君) 審査を委嘱されました予算について、まず中川経済産業大臣から説明を求めます。中川経済産業大臣。
○国務大臣(中川昭一君) 平成十七年度の経済産業省関係予算等について御説明申し上げます。 我が国経済は、一部に弱い動きが続いており、回復は緩やかになっております。景気回復は底堅く推移すると見込まれるものの、緩やかなデフレが継続していること、回復の程度には規模、業種や地域によるばらつきがあることには留意する必要があります。こうした状況の下、経済産業省は、将来にわたって日本経済が活力を持ち続けるよう、内外の諸課題に取り組んでまいります。 このため、平成十七年度予算においては、厳しい財政制約の中で、新産業創造戦略等に基づき、以下の八分野を中心としためり張りのある予算編成を行っております。 第一の柱は、人材の育成・活用であります。 産業人材は、我が国経済を支える重要な要素であります。産業界のニーズを的確に反映した産業人材の育成を図るとともに、若年者の雇用問題や中小企業の人材確保などの対策をより一層強化するため、総額百九十八億円を計上しております。 第二の柱は、科学技術創造立国の実現に向けた効果的な研究開発の推進であります。 市場や社会のニーズを見据えた技術戦略マップを策定し、国際標準化等の施策と効果的、効率的な研究開発プロジェクトを一体的に推進するため、一千四百二十三億円の科学技術振興費を計上しております。 第三の柱は、知的財産の適切な保護と活用であります。 模倣品・海賊版対策の一層の強化を図るとともに、世界最高レベルの迅速・的確な特許審査を実現するよう取り組みます。 第四の柱は、ITの利活用の促進と新たなサービスの創出であります。 先導的なITの利活用を推進するとともに、電気電子産業や情報サービス産業の競争力を強化することなどにより、世界最高水準のIT国家の実現を図るとともに、新たなサービスの創出を促進してまいります。 第五の柱は、創業・新事業展開の促進などであります。 我が国経済の活力の源泉である中小企業が積極的な事業展開を図ることができるよう、技術開発から販路開拓まで総合的な支援策を講じてまいります。また、金融セーフティーネット対策に万全を期すとともに、中小企業再生支援協議会の機能強化などを通じ、中小企業再生を推進してまいります。 これらの施策の実現のため、中小企業対策予算としては、総額で一千三百億円を計上しております。 第六の柱は、地域の独自性を生かした地域経済の再生であります。 研究開発投資を新たな市場の創造へとより効率的に結び付け、地域経済を再生させる産業集積である産業クラスターの形成を促進するとともに、地域の個性ある発展と国際競争力を高めるための施策を推進してまいります。 第七の柱は、東アジアにおけるビジネス圏の構築であります。 東アジアにおける経済連携協定等により、貿易投資関係の一層の活発化、緊密化を図るとともに、制度面での共通基盤を構築し、活力ある我が国経済を実現します。 第八の柱は、エネルギー環境政策の推進であります。 安全確保を大前提に、国民の理解を得た上で原子力発電を推進するとともに、我が国周辺の海底資源を探査する三次元物理探査船の建造など石油・天然ガス等の安定供給に向けて取り組むことなどにより、柔軟で強靱なエネルギー需給構造の構築を目指します。また、温室効果ガスの削減目標達成に向け、地球温暖化対策を進めてまいります。 また、自然の叡智をテーマとする「愛・地球博」が本年三月に開幕いたします。テーマにふさわしい発信をしっかりと行っていけるよう全力を尽くしてまいります。 以上御説明いたしました政策を中心に、平成十七年度の経済産業政策の実施に向け、一般会計で総額八千百七十五億円を計上しております。また、石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計に六千四百三十二億円、電源開発促進対策特別会計に四千四百九十二億円、特許特別会計に一千百七十六億円、貿易再保険特別会計に一千五百十一億円を計上しております。 さらに、財政投融資計画につきましても、産業金融機能の強化などを図るため、所要の措置を講じております。 なお、経済産業省の平成十七年度予算及び財政投融資計画の詳細につきましては、お手元に資料をお配りしてありますので、委員各位のお許しをいただき、説明を省略させていただきたいと存じます。 何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。
○委員長(佐藤昭郎君) 次に、竹島公正取引委員会委員長から説明を求めます。竹島公正取引委員会委員長。
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 平成十七年度における公正取引委員会関係予算につきまして、その概略を御説明申し上げます。 内閣府所管一般会計歳出予算のうち、公正取引委員会の予算額は八十一億三千百万円となっております。これは、前年度予算額に比べますと、総額で三億一千百万円、四・〇%の増額となっております。うち、人件費は三億一千九百万円の増となっております。人件費の中には、違反事件の審査部門を中心とした六十三名の増員のための経費が含まれております。また、物件費は八百万円の減となっております。 以下、その内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、いわゆる独占禁止法の施行経費等として七十九億四千八百万円を計上しております。 これは、独占禁止法違反事件に対する迅速かつ実効性のある法運用、ルールある競争社会の推進等、競争政策を積極的に推進するための経費であります。 第二に、下請代金支払遅延等防止法、いわゆる下請法の施行経費として九千九百万円を計上しております。 これは、下請法の厳正な運用と啓発・普及活動を積極的に行い、下請取引の適正化を推進するための経費であります。 第三に、不当景品類及び不当表示防止法の施行経費として八千四百万円を計上しております。 これは、景品表示行政を積極的に推進し、公正な競争を維持・促進することにより、消費者利益の確保を図るための経費であります。 以上、平成十七年度における公正取引委員会の予算につきまして、その概要を御説明申し上げました。 何とぞ、御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○委員長(佐藤昭郎君) 以上で説明の聴取は終了いたしました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○泉信也君 自由民主党の泉信也でございます。 ただいま中川大臣から御説明ございました中で、第一の柱に掲げてございます人材の育成・活用という問題につきまして、特に私もこのことが大変重要なことだと思いますのでお尋ねをさせていただきたいと思います。 団塊の世代がもう数年のうちに第一線から退かれるというようなことになってまいりまして、日本の産業あるいは物づくりの重要な人材が劣化していくのではないかということが大変憂慮されるわけであります。オン・ザ・ジョブ・トレーニングをやるにしても、そういう人がいなくなってきておる、あるいは今回新たな税制で設けていただいております人材投資促進税制というようなことまでやっていかなきゃならないような状態が間近に迫っておるという状況でございますが、いわゆる産業関係の人材の育成について経済産業省ではどのようなお取組になっておられるか、併せて厚生労働省の方からも御意見を聞かせていただきたいと思います。
○副大臣(保坂三蔵君) お答えいたします。 人は日本経済の活力の源泉でございます。したがいまして、その人を大事に養生し、また育てていくということは、持続的な日本経済の発展にも不可欠な要素であると思います。 とりわけ、昨今問題になっておりますのは、若年の労働力でございまして、先生も御案内のとおり、フリーターが既に私たち確認しただけでももう二百万超えておりますが、一方では派遣事業などを加えますと四百万じゃないかというような指摘さえあります。 それからもう一つ不可解なのは、ニートという存在が出てまいりまして、学校にも行かない、それから仕事にも就かない、またトレーニングも受けたくない、こういうような若者が既に五十万台になっております。これもまた昨年に比べて今年も増加傾向でございます。 完全失業率が五・五%から四・五%まで改善してまいりました。有効求人倍率も〇・九一というところまで上がってまいりましたけれども、問題は、若い人たちの有効求人倍率が一・六一あるんでございますね、それにもかかわらず、今の若年の、十五歳から二十四歳までの若年層で失業率が七・九というのは、これはいかにも不可解、また、もったいない現象だと考えております。 そこで、今までいろんな施策を打ってまいりましたけれども、特に若年労働層に対しましては、中川大臣が音頭を取りまして、関係省庁と併せまして若者の自立・挑戦戦略会議というのを昨年設けました。そこで十二月に若者の自立と挑戦のアクションプランというのを立てまして、具体的に施策を大きく前進をさせてきたところでございます。 また、今年、予算案に入っておりますが、人材投資減税は、これは若者だけではございませんけれども、現実的に企業の産業人をしっかり育てることによって定着率を高め、またその企業の将来性も支えていくというような初めての投資減税を税率控除でセットいたしました。 また、そのほか御案内のとおり、今年の夏にはものづくり日本大賞というのを、これも中川大臣が総理大臣賞を設けまして、単に今まで高度な技術者を顕彰するというだけではなくて、産業や社会を支える物づくり、あるいはまた文化を支える物づくり、こういう方々にも総理大臣賞を送呈いたしまして、若者がこの方々の背中を見て物づくりやあるいは職業に関心を持てるように、あらゆる手だてを取って若者の職業に就く機会を増やそうとしております。 また最後に、泉副大臣時代にやっていただきましたジョブカフェ、これはもう大好評でございまして、全国十五のジョブカフェに、名前も格好いいんですが、私も行ってみましたけれども、若いカウンセラーの人がとにかく若者の適性を調べてくれたり、カウンセリングしてくれるんですね。これは大きな効果が出ておりまして、中川大臣もこの間、十五のセンター長を集めて叱咤激励し、また頑張ってほしいという要請をしたところであります。 以上、関係省庁とよく連絡を取り合いながら努力してまいりたいと思っております。
○政府参考人(皆川尚史君) 私ども厚生労働省といたしましても、産業・物づくりを人材の面からどういうふうに支えるかと、これは大変大きな課題だと思っております。中でも、高齢化に従い二〇〇七年には多くの団塊の世代の退職者が出ますので、その物づくりをどう継承していくかと、これが重要な大変な課題だと認識しております。 あわせて、今御指摘がありましたように、フリーターやニート、この若者の増大についても重大な関心を持っておりまして、若年者の雇用というのは大変厳しいと、こういう認識でおります。 私どもとしては、こういう状況が続きますと、物づくりや産業を支える面でも、あるいは御本人が若年期に必要な技能、知識の蓄積がなされないという、将来にわたってキャリア形成ができない、こうした面でも重大な危機だと思っておりまして、様々なこれまでの施策と併せて、経済産業省あるいは文部科学省と共同で若者自立・挑戦プランというものを作りまして、十五年六月以来、若年者の職業能力開発施策に重点的に取り組んでいるところであります。 特に産業が求める人材につきましては、企業実習と一体となりました教育訓練を行って、企業が求めます即戦力としての人材を育成する、いわゆる日本版デュアルシステムというものを今年度から実施をいたしております。 九か月、二月までの九か月の実績ですが、これまでに約二万三千人がこのデュアルシステムの中でのコースを受講していただきまして、極めて高い就職率に結び付くなど着実な実績を上げていると、こういう状況でございます。 また、さらに来年度におきましても、こうした施策に加えまして、ニート等の働く意欲が不十分な若者に対してきめ細かい総合的な対策を併せて講じようというふうに考えております。 こうした取組によりまして、先生御指摘のように、産業界が求めるような能力を若者が身に付け、さらにそれらの方々が安定的な職業に就くことができるように私どもとしても精一杯努めてまいりたいと、このように思っております。
○泉信也君 フリーターが二百万とも四百万とも言われますし、まあ私なんかはびっくりするようなニートという人種が四十万とか五十万とかという、本当に信じられないような状況でございます。しかも、このニートというのはこれからもっと増えるんではないかと、今は序の口だというような分析をしておられる方もあるわけですが、こういう事柄が起きてくる根本は、家庭教育も問題がございましょうが、学校教育のところにこうした人柄を生む何か問題点があるのではないか。 そこで、文部科学省に、これからの産業界あるいは物づくり界が求める人材とこのニートというような人々が出てくることに対してどういう対応をしていただいておるのか、御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(藤田明博君) 御説明申し上げます。 泉委員御指摘のとおり、いわゆるニート、無業者の増加を始めといたします若年者の就業をめぐります問題は、今後の我が国の将来を揺るがす大きな問題でございます。 文部科学省といたしましても、関係省庁と連携協力をしながら、これに対して取り組んでいるところでございます。特に、文部科学省といたしましては、若者が勤労観、職業観を身に付け、明確な目的意識を持って職に就くとともに、仕事を通じて社会に貢献することができるよう、学校教育それから生涯学習などを通じましてキャリア教育の充実などにこれまでも努めてきたところでございます。 泉委員御指摘の学校教育におきましては、社会科、道徳、特別活動や総合的な学習の時間におきまして、勤労の尊さでございますとかその意義を理解させる学習を行いましたり、また実際の職場を見学・体験をさせる。これ、例えば平成十五年度につきましては、公立中学の八八・七%、また公立高校では五五・二%におきまして何らかの形で職場の見学・体験やインターンシップなどが行われておりますが、こういった将来の進路や職業にかかわります啓発的な体験活動を進めてきているところでございます。また、ただいま厚生労働省からも御説明がございましたけれども、専門高校などにおきまして、企業実習と教育とを組み合わせて行いますいわゆる日本版デュアルシステムの推進にも努めてきているところでございます。 さらに、平成十七年度におきましては、先ほど経済産業副大臣からお話ございました若者の自立・挑戦のためのアクションプランに基づきまして、中学校を中心といたしまして五日間以上の職場体験、これはキャリア・スタート・ウイークというふうに呼んでございますが、そういった形でのキャリア教育を強化をいたします。それからまた、専門高校、工業高校や農業高校などにおきましては、先端技術や伝統技能の習得などの特色ある地域の産業界等と連携をいたしました取組を行います専門高校等を支援をいたします、目指せスペシャリスト・プログラムなども拡充をさせていただきたいと考えておるところでございます。 今後とも、関係府省とよく連携協力をいたしまして、若者のキャリア教育を始め人材育成に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○泉信也君 ありがとうございました。 こうしたニートというような人々が出てくる背景は、ある先生の分析によりますと、いわゆる、従来、工業高校あるいは商業高校、短大、大学というふうにそのレベルに応じてその人の人生ある程度想定できたと。しかし、最近はそのパイプラインの水漏れが起きて、なかなか、勉強してもあるいはそういう職業教育を受けても、先行きは読めないと。したがって、だんだんやる気をなくしてきておるのではないか、こういうことを述べておられる方がいらっしゃいます。私はそんなことばかりではないだろうと思っておりますが、自分の人生が読み切れないところに若い人たちが生きがいを見いだせない、こういう状況をできるだけ、今お話ございました文科省もそうですが、厚生労働省それから経済産業省、よく連携を取ってこれからも進めていただきたい、このように思います。 そこで、先ほど保坂副大臣からお話しいただきましたジョブカフェの問題について、現状はどういう状況なのか、そして、この事柄がまだスタートして一年程度でございますので、まだこの施策の評価をするにはやや早いと思いますが、どんなふうに見ておられるのか、経済産業省の方からお答えをいただければと思います。
○政府参考人(北畑隆生君) ジョブカフェの事業についての御質問でございますけれども、私ども経済産業省が実施しておりますジョブカフェ事業は、先ほど副大臣からも御答弁申し上げましたけれども、全国の十五の道府県におきまして、モデル事業として関係府省と連携の下、実施しているものでございます。若者が自らの適性に合った職に就くことを支援するため、適職診断カウンセリングなどのサービスを一か所で、まあワンストップで実施をしているというところに特色がございます。また、各地域で、地域の創意工夫、民間のノウハウ等を積極的に活用いたしまして特色ある取組が進められているものと考えております。 実績でございますけれども、十五か所のうち大半のジョブカフェでは昨年の七月ごろから事業を開始いたしました。十二月までの約半年の間で約一万四千人の若者の就職を実現したという実績を上げております。 今後とも、関係府省とよく連携を取りまして、ジョブカフェモデル事業の効果的な実施ができるように、効果が上げるように取り組んでまいりたいと考えております。
○委員長(佐藤昭郎君) 厚生──いいですか。時間がないようです。じゃ、泉信也君。
○泉信也君 ありがとうございました。 厚生労働省からもお聞きをいたしたいところでございますが、今お話しいただきましたこうした御努力が、本当にその就職をされた方、職を得られた方が定着しておるのかどうか。いろんな施策を展開していただきますが、それが本当に生きた成果を上げておるかどうかというのは大きな問題だと私は思っております。取りあえず就職したけれども二、三か月で辞めてしまったというようなことでは、これはその政策が生きたかどうかということに疑問を投げ掛けなきゃならない。これは文部科学省も厚生労働省も同じでございまして、やってます、やってますということだけではなかなか事態は改善しないのではないか。したがって、しっかりそのフォローをしていただきたいというふうに思います。 一方、受け取る側の企業も、最近は随分、言葉が悪いんですが、いい加減ではないか。自分たちの企業の存続のために臨時的な方をたくさん雇っておられる。これは数値の上で見ましても、二〇〇〇年時点では、製造業に限ってみますと、二二・二%が非正規職員であったものが二〇〇四年には二七・〇%という、増えております。これは全体を見ますと、二〇〇〇年のときに非正規職員が三五・一%であったものが二〇〇四年では四五・九%というふうに増えておるわけです。 これは企業の経営上やむを得ない点もあるとは思いますが、この人材の無駄遣いをしておるのではないか。こういうことは経済産業省の政策としても是非是正をしていただくように、苦しい中でもしっかり人材を育てていく、そのためには使い捨てをしないような、企業に働き掛けをしていただきたいと思います。 余分なことでございますが、最近の経済界の一部には、小泉総理の靖国神社の参拝をやめれば中国との関係がうまくいくというような非常に短絡的な発想で発言をしておられる方があります。日本を代表するような企業の方がそうした発言をする。当面の経営を成り立たせるために人材の使い捨てをするというようなことは私はあってはならない。日本にとっては大変重要な貴重な資源である人材でありますので、是非、経済産業省の皆様方にも、また関係の省庁におかれましても、このことを強く意識して指導をしていただきたいと思います。 全然違う話題に変えさせていただきますが……(発言する者あり)それでは、お答えをお願いできればお願いいたします。
○国務大臣(中川昭一君) 泉委員は経済産業省の御事情を、つい最近まで中枢におられたので、そのことをよくお知りの上での御発言ですから大変重たい御発言だというふうに受け止めさせていただきます。 若者の方も、さっきちょっと、泉先生のお話の中で家庭のこともちょっと触れられておりましたけれども、数年前ですけれども、ある地域の高校の卒業時のその状況というのを聞いて、数年前でもないですね、二年ぐらい前ですけれども、三分の一は自分の行きたいところに行ったと。三分の一は、まあ希望ではないんだけれどもとにかく自分の好きなところに行ったと。残り三分の一はどこにも行かない。そのうちの大半は、何か家庭の方で親御さんたちが、まあ、好きなところに行けないんだったら、少しのんびりしていてもいいんじゃないのというようなことで親が子供を引き続き面倒を見るということで多くの、その三分の一の中の何人かの子供たちがそういう形でいわゆるフリーターの世界に入っていく。何か親がそれを奨励しているみたいな話を聞いて大変びっくりしたわけであります。 確かに、数年間の間はそれで取りあえずいいんでしょうけれども、親の方もだんだん、それこそ団塊の世代じゃありませんけれども、二〇〇七年には卒業みたいな時期に入ってまいりますし。だから、本人は大事な時期に何もしていない、ニート状態。で、いざ数年たってそろそろ自分も仕事をしようかといっても、その大事な時期の数年というのはもう取り返しが付かないぐらいに大きな問題になっているという、この矛盾を何とか打開をしていかないといけないということで、これはもう政府を挙げて取り組んでいかなければいけないと思っております。 その一つの成功例がジョブカフェだと思っておりますが、ジョブカフェももちろん全部が全部成功しているんじゃなくて、この前、今副大臣からもお話がありましたように、全国の十五のセンター長あるいは第一線の人の話を聞きますと大変苦労しておりますし、うまくいかない例が多いわけでありますけれども、しかしその中で、本当に一人でも二人でも、五人でも十人でもいい結果が出て、まあこの前テレビでもちょっと報道しておりましたけれども、おかげで今楽しく一生懸命仕事やってますなんてジョブカフェに戻ってきた場面をやっておりましたけれども、そういうものが、成果が積み重なっていくと、やっていく方も、またジョブカフェを利用しようとする人も、いい方向にますます行くのではないかというふうに思っております。 それから、企業の方も人材を使い捨てにしているんじゃないかという御指摘は、誠に鋭い、また重たい御指摘だと思います。一方では、自分たちの人材が流出していって海外で、優秀な技能者、頭脳者が海外で再就職をして、そして自分と競争相手になって、ひょっとしたら自分のところよりもいい製品を作って、さあ困った困ったと言っている事例も結構あるわけでございますから、やっぱり企業も最後は人だと思いますので、しかも日本は人が、数少ない、そして最大の戦力であるわけでありますから、やっぱり人は責任を持って頑張ってもらわなければいけませんけれども、やっぱり企業や社会も人を大事にするということについては全く泉先生御指摘のとおりだろうというふうに思っておりますので、我々も余り最後には、人のその心の部分とか、ああやれこうやれというところまでは、どこまで踏み込んでいいのか分かりませんけれども、与えられた職務の中で全力を挙げてこの問題打開のために取り組んでいかなければならないというふうに思って、今先生のお話を伺っていたところでございます。
○泉信也君 どうも、大臣、ありがとうございました。 それでは、もう残された時間がわずかでございますので、簡潔にお答えをいただきたい。 実は、平成十三年から熊野灘海域でメタンハイドレートの調査をやっておられたと思いますが、この成果、そしてまた今後の見通しを第一にお尋ねをいたしたいということと、海洋温度差発電について資源エネルギーとしての位置付けがなかなか難しいという状況を承知しておりますが、どういう状況になればこれが新しいエネルギーとして位置付けることが可能なのか、是非お答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(小平信因君) まず、メタンハイドレートでございますけれども、簡単にお答えを申し上げます。 今、先生御指摘の東海沖・熊野灘内海域でこれまで調査をやってまいりましたけれども、十六地点で基礎試錐を実施をいたしまして、そのうち十一地点でメタンハイドレートを確認をしておりまして、大変豊かな資源の賦存が期待される有望な地域であるというふうに考えております。 いずれにいたしましても、この基礎試錐の解析結果でございますとか、今後海外で実施を予定をしております陸上産出試験の結果も踏まえまして、その後どういうふうに研究開発を進めていくかということについて検討の上、適切に対応をしてまいりたいと考えております。 それから、海洋温度差発電でございますけれども、これは新しいエネルギー技術の一つということにつきましてはよく認識をいたしておりますけれども、発電効率が低いというような様々な課題がございまして、実用化のためには一層の研究が必要であるというふうに考えておりまして、そうした状況を見ながら資源エネルギーの中でどういうふうに位置付けていくかということにつきまして検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○泉信也君 ありがとうございました。
○小林温君 引き続きまして、自民党の小林温でございます。 今日は、予算案の委嘱審査ということでございます。これまで、まあ昨年、一昨年とこの委員会で法整備をした各種施策の現状、特に中小企業に関する部分について、今回の予算の中身を含めて質問をさせていただきたいというふうに思います。 まず最初に、昨年の中小企業金融公庫法改正の件でございますが、平成十六年度からこの中小公庫の証券化支援業務を行っております。これは、保証型と買取り型があるわけでございますが、十六年度の事業規模が九百億円、保証型が、それから買取り型が千五百億で、予算措置は合わせて四十億ということになっております。この証券化支援業務について、現在までの数字について御説明をいただけますでしょうか。
○政府参考人(望月晴文君) お答えいたします。 証券化支援業務につきましては、実施は平成十六年七月から中小公庫において取扱いを開始をいたしております。十六年度実績見込みといたしましては、お話しの買取り型につきましては、第一回が二十六億円、第二回が百四億円の見込みであり、合わせて百三十億円の見込みでございます。保証型につきましては、第一回が四百四十五億円、第二回が百九十七億円の見込みでございまして、合わせて六百四十二億円の見込みとなってございます。
○小林温君 保証型が九百億円に対して六百四十二億円。一方、買取り型の方が千五百億円の事業規模の予想に対して現在は約百三十億ということでございます。 この買取り型というのは、地域や業種によってばらつきがあって単独では証券化が困難な地方の金融機関を念頭にこのスキームが組み立てられたというふうに承知をしておりますけれども、この買取り型の実績がこういう状況にとどまっているということについて、どういう分析をされておりますでしょうか。
○政府参考人(望月晴文君) 買取り型の実績が当初の事業規模の千五百億円を下回っております理由につきましては、私どもなりに分析をいたしますと、まず第一に、我が国において証券化手法を活用した中小企業向け融資の経験というものがまだ大手の金融機関や一部の地域に限られておりまして、中小の地域金融機関におきまして十分その意義が理解されていない状況であるということが第一に考えられます。 また、利用する中小企業者にとりましても、まだなじみが薄く、その仕組みや利用のメリットが浸透していないこと、それから証券化支援業務は昨年の七月から取扱いを開始しておりますけれども、取扱期間が九か月ということで一年フルにはたっていなかったということと、それから対象となる中小企業者につきまして、当初、まあスタート時点においては堅くいこうということで、財務状況の比較的優良な企業を対象にしたというようなことが、要因があったものではないかというふうに考えてございますけれども、ただ、この規模の当初計画との差を考えますと相当大きいものがございますので、その点については私ども、もっともっと深く分析をしてみる必要があるということを考えていると、問題意識を持って分析をしていかなければいけないというふうに現時点では考えているところでございます。
○小林温君 まあ元々、買取り型のスキームがその経験のない地域の中小の金融機関を念頭に置いたものだということからスタートもしておりますので、残念ながらこの数字は足りないなという感想を持つのをぬぐえないわけでございますが、金融機関側あるいはそれを使います企業側にしっかりとこのスキームあるいは意義について十分な告知を行っていただいて、更にこの事業を進めていただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。 そこで、十七年度の予算措置でございますが、予算措置としては、これ、昨年が四十億でございました。十七年度は七十五億円に増えておりますが、事業規模は、これはほとんど同じというふうに承知をしておりますが、この予算の四十億から七十五億への増というのはどういうことでございましょうか。
○政府参考人(望月晴文君) 十六年度の予算では、証券化支援業務につきまして必要な費用として、一般会計において十億円、それから産業投資特別会計、産投会計において三十億円を計上しておりますけれども、合わせて四十億円ということでございますが、さらに、中小公庫の既存出資金の三十億円を振り替えて証券化支援業務に用いることといたしておりまして、実質的には七十億円という数字になっているわけでございます。 十七年度におきましても、買取り型につきましては、更なる証券化支援業務の推進を図るために、中小企業の、本制度を利用できる中小企業の範囲を、財務面から見て、先ほど申し上げた、ちょっと堅い運用をしていた、非常にいい、優良中小企業からもっと平均的な中小企業に拡大をするということであるとか、あるいは中小公庫の保有することになっております劣後保有の割合を二%から五%まで拡大をするなどの追加的な措置を講ずることとなっております。こういったことを全体勘案いたしまして、一般会計において三十五億円、産投、産業投資特別会計において四十億円、合計七十五億円を政府原案として計上させていただいているということでございます。
○小林温君 今、長官の方からも、リスク審査が厳し過ぎたかもしれないと、そこで追加的な措置もこの七十五億というところで行っていただけるということでございますので、是非この事業規模を達成をしていただきたいと思うところでございますが、先ほどいただいた本年度の実績を見て、本当に十七年度においてこの事業規模、特に買取り型ですね、達成できるのかどうか、ちょっと意気込みをお聞かせをいただければと思います。
○副大臣(保坂三蔵君) この証券化業務は、御案内のとおり、中小企業向けの貸出し債権の信用リスクを金融機関と投資家が分担してもらうことによって、結果的に担保や第三者保証に頼らない、そういう中小企業向けの円滑な融資を図ることを目的としております。 ただいままで説明してまいりましたとおり、何せ昨年の七月からスタートしたものでございますから、目新しさもございます。そして、なかなか金融機関の理解を得られておりませんので、地元の経済産業局を間へ入っていただきましていろいろ説明会などを開いてまいりまして、おかげさまでやっと結果が出てまいりました。この三月にも十四地域の中で約五百社以上が無担保で融資を受けられる、こういう見通しも立っておりまして、一層利用拡大に努めてまいることによりまして中小企業の金融の円滑化を図ってまいりたい、このように考えております。
○小林温君 是非、スキーム自体は大変その地域の中小企業にとって有り難いスキームであると思いますので、この事業規模達成できるように、また省としてあるいは中小企業庁としてのお取組をお願いをしたいというふうに思います。 そこで、経済産業大臣にお伺いをしたいんですが、中小公庫も含めて政府系金融機関の統廃合・民営化ということでございます。 今、郵政民営化の議論が行われておりますが、財投資金の入口である郵貯と簡保の民営化に併せて、政府系の金融機関も統廃合・民営化を検討しようと、経済財政諮問会議等でそういう意見が特に民間議員の方から出されているという報道もあるところでございます。 政府系金融機関の実績等見ますと、そのスリム化が遅れているのは事実だと私も思います。しかし、その一方で、不良債権処理のために、貸出しを抑えてきた民間の金融機関に代わってその中小零細向けの融資に応じてきたという、こういう部分もやはり評価はしなければいけないと私自身は思います。この点について経済産業省としてどういう御見解をお持ちか、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 平成十四年時点で、小泉内閣がスタートした直後に、小泉内閣の基本方針であります、民でできることは民へという中で、政府系金融機関についても作業が始まったわけでございますが、あのときは一番貸し渋りがひどかったり、中小企業を始めとして本当に資金が、ニーズが必要なのにもかかわらず、いろいろ自己資本比率の問題だとか金融機関の身を正す問題だとか、いろんな条件の中でいわゆる貸し渋り、貸しはがしが非常に強かった。したがって、これはある意味では政府系金融機関の役割が極めて大きな役割を果たすタイミングであったということもございまして、議論としては若干先送りになっていたわけでございます。 しかし、その間、例の三十兆円の保証にしても、あるいはいろいろと、先ほどの証券化等あるいは無担保無保証ローンとか、いろんな新しい中小企業金融向けの政府系金融機関がかかわった貸出しや保証のメニューがそろってきて、中小企業、借り手の方から見れば非常にお役に立てていただいた、役割は大きかったというふうに思っております。 しかし、これは、今御指摘のように、先日、経済財政諮問会議で、改めてもう一度議論をしましょう、そういう厳しい金融情勢から状況は変わったからということで、一応そのスタートをするということを決めた会議が一回目行われました。そのときに私は、いまだに中小企業あるいは地域によっては厳しい状況もあるわけですから、全く良くなったという状況には必ずしもないわけでありますので、是非現場の声をできるだけ幅広く聞いて議論を進めていただきたいということを申し上げたわけであります。これはもう、あの会議の模様はインターネットで公表されておりますので、そういう発言は公になっているというふうに思っておりますけれども。 そういうことで、民ができることは民でということでありますけれども、官、民でできないことで金融政策並びに国の政策として必要なものであれば、これはやっぱり官でやっていかなければいけないということは当然のことだろうと、逆に、裏返して言えばそういうことになると思いますので、あくまでも、特に金融等の現業部門は、官は民のあくまでも補完ではありますけれども、民でできないものは官でやるということが政府の責任だと思っておりますので、いずれにいたしましても、そういう大きな考え方を我々持ちながら、しかし議論としては改めてスタートをしたばかりでございますので、当委員会の御議論なんかもよく踏まえながら、私も経済財政諮問会議の常任のメンバーでございますので、先生方の御議論も踏まえ、実情を踏まえながら会議に参加していきたいというふうに思っております。
○小林温君 地域経済あるいはその中小零細企業の景況感というのもまだいろんな見方があるようでございます。是非そういう現場の声、ヒアリング調査等も定期的に行っていただいておりますが、そういったものを反映させる形で、この政府系金融機関の見直し等の中でもしっかりとした議論をリードしていただきたいということをお願いを申し上げたいというふうに思います。 続きまして、これも平成十五年に産業活力再生特別措置法に基づいて設置をされました中小企業再生支援協議会についてお尋ねをしたいというふうに思います。 各都道府県にこの協議会を設置をしていただきました。一か所に弁護士、公認会計士、税理士、あるいは中小企業診断士という地域の経済の現状を知っておられる専門家の方にいていただいて、正に再生を目指す中小企業の相談に乗っていただいた、そういう実績も実は上がっているんだろうというふうに思うわけでございます。 この協議会が事業を開始して二年を経過したわけでございますが、平成十七年度の予算案では二十九億七千万の予算を計上されております。これまでの実績あるいは各協議会の現場の声を踏まえて今後どのような点に力を入れていくというお考えか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(望月晴文君) お答えいたします。 協議会の実績につきましては、これまで約五千九百の企業からの相談に応じますとともに、特にその中から七百六十六社の再生計画の策定支援ということを行っております。そのうち三百五十九社の再生計画が完了し、再生計画が完了したということはつぶれないで済んでいるということでございますけれども、その結果、約二万六千名の雇用が確保されるということになっておるなど着実に成果が上がりつつあるというふうに考えております。 今後、こうした中小企業の再生に対するニーズは更に拡大をするというふうに考えておりますし、現に協議会に依頼をする中小企業者の数は引き続き増加傾向にあるというふうに考えておりますし、加えて、地域の金融機関からも持込み案件が今後更に増えていくという声を多く聞いているところでございます。 こうしたことから、特に再生計画支援を行うその外部専門家の拡充というのを図らなければいけないということで、再生ニーズが増大している協議会には重点的な強化を図るなど、必要な予算の配分を行い、拡大するニーズに的確にこたえてまいりたいというふうに考えているところでございます。 また、確実な再生を図るためにはしっかりとした再生計画の策定支援を行うことが重要でございます。こうした点から、よくDESとかDDSとかいう財政支援の手法がございますけれども、そういったこれまで培ってきた再生ノウハウを各協議会の間で共有を図りながら、各協議会の機能強化につなげてまいりたいということも考えてございます。 さらに、一度作りました再生計画を策定した後のその企業のフォローアップというのを適切に行う必要があるのではないかと思っています。企業の状況に応じた引き続いたアドバイスや各種支援制度の紹介などを行って、確実に再生に向けた支援を行ってまいりたいというふうに考えております。 こういった体制整備や支援の充実を図るために、先ほど先生おっしゃいました二十九億七千万円の予算を十七年度予算に計上して御審議いただいているところでございます。今後とも更に一層の努力をしてまいりたいと考えております。
○小林温君 時間も迫ってまいりました。簡単に産業再生機構についてお伺いをさせていただきます。 産業再生機構もこの委員会で議論をされて設立をされました。三月末で債権の買取り申込期限を迎えます。今後、新規の支援決定は行われないことになるわけでございますが、今後、産業再生機構は事業再生に向けてどのような業務を行っていくのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(藤岡文七君) お答え申し上げます。 産業再生機構法上、債権買取り申込み等の期限は三月三十一日までと定められておりまして、現在、機構は、これまで支援決定を行いました事業者に対しまして、買取り決定を行えるよう精力的に関係金融機関との調整を行っているというふうに承知いたしております。 お尋ねの四月以降でございますが、機構といたしましては、これもまた法で定められておりますが、買い取った債権等の三年以内の売却等に向けまして、支援決定をいたしました事業者の事業の再生を確実なものとすべく引き続き活動を続けていくということとなってございます。 機構は、今後とも、一件一件の事業再生を通じまして事業再生モデルを民間に提示するとともに、また、蓄積されました知見やまたノウハウ等を積極的に市場に還元するということをいたしまして、我が国の事業再生を担う人材や新しい仕組みを、また市場をつくり育てていくという目的のために大いに貢献してもらいたいというふうに考えてございます。
○小林温君 本来であれば、大臣に、今後また中小企業再生に向けた決意をお伺いしようと思ったのですが、時間がございません。また次の審議のときにお伺いさせていただくこととして、今日はこれで質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○直嶋正行君 民主党の直嶋でございます。 今日は委嘱審査ということでありますが、先ほど大臣の方から関係予算の御説明がございました。その方針も含めて御見解をお伺いしたいというふうに思っています。 最初に、FTA、二国間のFTA協定についてお尋ねをしたいというふうに思います。 今、世界的にWTOと併せてバイでのFTA協定というのが盛んでございまして、一種の流行と言ったら申し訳ないんですが、大変盛んになっているわけでありまして、当委員会もFTAの質疑が随分流行しているようでありますけれども、私は、このFTA協定をやはり日本が積極的に結んでいくということは大変大事なことだというふうに思っていまして、これはマルチのWTOと併せまして、このバイでの自由な貿易のできる協定を結ぶことによって正にこれからの日本が世界的に自由に貿易ができる、こういう体制をつくっていくということは、日本の国益上も極めて重要なテーマだというふうに思っております。 そういう視点に立って幾つかお尋ねしたいんでありますが、まず、先日の一般質疑の折にも大臣の方から、これからの締結対象国として南米のチリが非常に一つのポイントだというような御説明ございました。今、我が国とチリとの協定というのはでき上がっていないんですが、作業中といいますか、たしか今は共同研究を立ち上げたところだというふうに伺っております。 ただ、実はチリは米国、韓国との間で既にFTAを締結をしておりまして、日本だけが未締結であるということで、ちょうどメキシコが一時そういう状態のときに日本企業にかなり不利益が出ました。チリに関しても現実に、これはジェトロのアンケート結果なんかを見ましても、現実に不利益が出ているということのようでございます。昨年の秋の調査によりますと、関税の負担であるとか二重課税によって、今の段階で大体年間四千万ドルぐらいの実害が出ているというような報告がございまして、これから先展望しますと、二〇〇四年から七年にかけてざっと二十億ドルぐらいの日本企業における不利益、主として関税でありますが、これが出るというような報告が出ております。 それで、お伺いしたいのは、一つは、今お尋ねをしたこのチリについて今後どういう展望を考えておられるかということが一つと、それから、当然、このバイのFTA協定をそれぞれの国が行い始めますと、日本がまだ締結できていないところで重要な相手国と先方がFTAを締結してしまって日本だけがまだ残っている、したがって今お話ししたようないろいろ不利益が出てくるということは、これは一般論としてはこれからもあり得る話でありまして、したがって、二つ目として、こういうことによって生じてくる不利益についてどのようにとらえていけばいいのか、あるいは経済産業省としてどう見ておられるか、この御見解をお伺いしたいんですが。
○国務大臣(中川昭一君) まず、日本は言うまでもなく昔でいえば貿易立国、最近は、貿易立国に当たる言葉がFTAだとしますと、最近は、貿易のみならず経済一般について世界と一緒になっていわゆるウイン・ウインの関係を築いていかなければならないというのが日本の生きる道だというふうに思っております。それに対応するものがEPAと、こういうことになるんだろうと思いますけれども、今、チリの話について直嶋委員から御指摘がまず一点ございました。 なぜチリかということは、ある意味ではなぜメキシコだったのかということとちょっと重なる部分があるんだろうと思いますけれども、チリ、メキシコ、いわゆる中進国であると同時に巨大なマーケット、例えばメキシコであればアメリカあるいはまたNAFTAを通じてカナダ、あるいはチリですと、何といってもブラジル、アルゼンチンといった、これは経済連携としてはいわゆるメルコスールというグループに入っておりますけれども、チリの方はペルー以下のアンデス共同体という経済関係に入っておりますが、どうも昨年末APECでチリへ行ってみますと、やっぱり南米はもうほとんど一つと言ってもいいぐらいに、経済的な関係がアンデス山脈を越して向こう側とこっち側、あるいは南北含めて広がっているわけであります。 そしてまた、アメリカ全体もキューバを除いてFTAAというものをやろうということで数年前から作業をしておりますが、これがちょっと、その二大大国のアメリカとブラジルの間の思惑が若干うまくいかなくて若干スピードダウンしているような感じがありますけれども、とにかく北・中南米が今本当に急速に一体化しようとしている。 そのメキシコとチリのもう一つの共通点は、メキシコもチリも世界じゅうの国とFTA、EPAをやろうというのが国是みたいな、国家戦略みたいな国でございまして、メキシコは日本とスタートすることによって三十三か四のFTAを既にやっている、チリもヨーロッパそれからアメリカ、それから今御指摘のように韓国等々、積極的にやっているFTA立国である。したがって、そこにアクセスするということは、例えばそこに投資したものが、メード・イン・チリでつくられたものが世界じゅうにまたいい条件で広がっていくというメリットもあるわけであります。 それからもう一つの共通点は、メキシコもチリも日本とやりたい、アジアの中で日本とやりたいという先方の意向も非常に強い。我々は向こうからプロポーズされたから動くというものではございませんけれども、しかし、先方からの意欲というものも非常に強いわけでございます。チリの場合には韓国の例というものを我々もいろいろ勉強してまいりましたけれども、韓国にとっては初めての相手国がチリだったということもあって、政府間合意ができた後、実際発効するまで結構時間が掛かった、苦労したようでありますけれども、しかし、日本としても日本なりにチリというものは非常にメリットがある。そして、そういう前提で、昨年末、私、その後総理が行かれて、先方の大統領と総理との間で、チリと、勉強をしましょうということに合意をし、今作業しているわけであります。 いずれにしても、やる以上は、これはほかのASEANにしてもどこにしても同じでありますけれども、できるだけ早く上げるということも、先ほどおっしゃったように、置いてきぼりになってしまうということもある意味では恐れなきゃいけないことでございますから、締結しましたけれどもほかの主要国全部の一番最後でしたというんじゃ、やっぱり得べかりし利益は小さいし、失われる利益も先ほどの試算のように大きいわけでございます。 したがいまして、日本は、世界じゅうの国々、ほとんど世界じゅうの国々と日本はEPAを結ばないという理由はない。まあ例えば北朝鮮とか、あるいは戦争をやっている最中の国とかいうのは別にして、世界じゅうの国と平和の中で経済連携を深めていくというのが日本の基本方針であり、それはWTO整合性の範囲、前提の中でやっていく限りにおいては、それはもうあとは競争ということになりますので、そういう中で、ASEANのことはもう重々御承知だと思いますから、チリなんという、メキシコに続いて太平洋の、地球の裏側と、飛行機で行くよりもできることならこの真下を掘って行った方がチリに着くのが早いんじゃないかというぐらいに地球の正反対のところでありますけれども、チリと経済連携を結ばないことによるデメリットが大きいということがあるわけでございますので、これからは積極的にかつスピード感を持って、そしてレベルの高い、お互いに両国にとってプラスになるEPAを結んでいきたい。 ただ、それは、全部物事ハッピーで進むかというとそうではないんでありまして、これはお互いにカードを切り合うわけでありますから、やっぱり自分は一歩も譲らない、向こうから丸取りというふうにお互いが思っていたら、これは絶対まとまるものもまとまらないわけでございますから、やっぱり譲る、譲らなければいけないものは譲っていかなければならない。それが一時期は農産物であったり、あるいはまた人の問題であったり、我が省にも非常にセンシティブな部門もございますけれども、そういうものも含めてお互いにプラスに、トータルとしてプラスになる、そしてまた万が一それによって国内にダメージが発生するとするならば、それに対する対策も十分配慮をしながらスピード感を持って積極的に、WTOも大事な時期に参りましたけれども、東アジアがEPAの基本的な最大の今、正面にあるわけでありますが、それと並んでチリというものが、去年のAPEC閣僚会合、首脳会合以降急速に研究対象、そしてまた次の段階に進んでいく前段階がスタートしたという状況でございます。
○直嶋正行君 今もお話しに一部ならなかったんですが、国内の問題もありますが、先ほど私が申し上げたように、日本が取り残されることによって出てくる不利益というのがやはり出てくる、大きくなると思いますので、後れれば後れるほどね。大臣の御答弁から考えますと、とにかくそういう不利益が大きくならないようにできるだけ早くやろうと、こういうことではないかというふうに受け止めたんでありますが、是非そういうことでチリとの間もできるだけ早く交渉を急いでいただきたいというふうに思っています。 それからもう一つは、やはりそれぞれ相手があって、チリでいいますと、今回、アメリカとか韓国と先にやったということでありまして、当然、相手、締結の話合いをしている相手国の、相手側のこういう協定の進捗状況というのもやはり見ながら、こちら側のプライオリティーといいますか、そういうものを判断していくことも大事ではないかなというふうに思いますが、是非、そういう視点に立って国益を是非しっかりと守っていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。 それから二つ目に、今お話にありましたこのEPAの中で、ちょっと大臣もお触れになりましたが、人の移動についてです。先般もフィリピンとの協定でいろいろ議論になりました。 それで、ちょうど今朝ですかね、ちょっと新聞に報道されたんですが、何か法務省の方で基本計画を作って外国人労働者の受入れの拡大を検討していくというようなことで、昨日そういう考えが発表されたというふうに聞いています。 それで、今の日本で働いておられる外国人労働者と言われる方々を大略分けますと、いわゆる一番政府がいいですよと、こうおっしゃっているのが高度人材と言われるジャンルの人ですね、専門的な能力持っている方。これが今、大体十九万人日本にいらっしゃるというふうに聞いています。ただ、実はこの中に六万人ぐらいはいわゆるエンターテイナーといいますか、ダンサーみたいな歌手のような方が入っているんで、純粋の専門職の方というのはもっと少なくなるんですが、最近これ増えていないです、余りね。それからもう一つは、研修とか技能の実習生。これは研修をするということで、例えば製造業の現場なんかで研修を受けている方なんですが、約九万人と言われています。それから日系人、この方々が約二十三万人。ここまでが労働者なんですが、あと留学生が十八万人、不法滞在が二十二万と、こう言われているわけであります。 それで、さっきお話ししたように、日本の場合、今、専門的、技術的分野の方に限定されているんですが、実態をありていに申し上げますと、例えば日系人二十三万人、これは例えば製造業から見ると、この方々がやはりいらっしゃらないと成り立たない。さっきいろいろ指摘もありましたけれども、これはまあ現実でありまして、そういう意味でいいますと、今日のこの法務省の、ということで報道された内容の中にも、いわゆるこういった専門的、技術的分野に該当するとは評価されていない分野での外国人労働者の受入れについても着実に検討していくと、こういう報道もなされてまして、これからいろいろ議論もされるんじゃないかと思いますが、大臣にお聞きしたいのは、産業政策を所管するお立場から見て、こういった、いわゆるまあ、私あんまり言い方好きじゃないんですが、いわゆる単純労働者を受け入れていくということについてどのように今考えておられるか、お伺いしたいんですが。
○国務大臣(中川昭一君) 各国によって、何というか、労働政策といいましょうか、産業人政策というのは違うんだろうと思います。例えば、ヨーロッパ、まあドイツとアメリカとオーストラリアと日本とは違うんだろうと思いますけれども、まあいろんな考えがあるんだろうと思いますが。 一つは、歴史的に振り返ってみますと、今から十数年前、バブルのときには、とにかく三Kとか言って、まああのときは、先ほどのお話じゃございませんけれども、フリーターの方が収入が多いとかですね、三か月ぐらいアルバイトをやって、それで何かどこか遊びに行ったり休んだりして、またアルバイトをやると、で、結構な収入を得ているなんという時代があった。 あるいはまた、三Kですから、私も党でいろいろとその仕事をやっておりましたけれども、どこの国からどのぐらい労働者を受け入れたらいいのかと。しかし、単純労働者として受け入れるというのは日本の方針に反するんで、技能研修という名目で研修をしながら働いてもらうというような施設、これは経済産業省、厚生労働省、農林水産省、外務省、いろんな役所が集まって、そんなJITCOとかいう機構をつくったり、いろんなことをしました。 それから、不法就労問題というようなものもあったわけでございますが、現時点ではそれから若干様変わりがいたしまして、さて日本を支える労働力というのは今後どうなっちゃうんだろうかという観点が一つと。 それから、EPA的な観点からいいますと、例えばフィリピンなんというのは、いろいろな統計がありますから正確かどうか分かりませんけれども、フィリピンのGDPの何割かを支えているのが海外に出ていって一生懸命頑張っているお医者さんや弁護士さんや、あるいはまたハウスキーピングの方々というのは、ある意味では国家戦略、産業政策なわけですから、それを日本に対しても要求をしたいということは、これは交渉の立派な議題になってしまうわけでございまして、それに対して日本は、いや、ちょっと受け入れられませんよというところがフィリピンとの交渉の一番大きな論点の一つであり、まあ大筋合意とはいっても、今日は厚生労働省の方、見えられていたら現状を御質問いただければと思いますけれども、まだ具体的には数字のレベルまで入っているというふうに私は聞いておりませんので、そことの関係をどういうふうにしていくか。フィリピンだけではなくて、今後タイだとか、あるいはその他アジア、あるいは途上国とそういう協定を結ぶということになると、人の問題が出てまいります。 それから、WTOのサービス協定上に人という項目がありますが、これも四つの分類に分かれておりまして、例えば外国に行って、料理人として日本に来るとか、あるいは外国の施設を利用して日本の企業が一杯やるとか、いわゆる四つのモードに分かれて、形態はいろいろあるわけでありまして、日本は四つのうちの三つは是非やりたいというか、まあやってもいいよという部分がありますが、今言った外国の人が日本に来て日本で就労するということに対しては、どうも国際的に見ると日本はなかなか慎重なんでしょうというふうに私のWTO仲間からはよく言われているところでございまして、今後それをどういうふうにしていったらいいのかということ等々ございまして、この外国との関係において人、特に人を受け入れるということについて、現時点の問題あるいは将来的な問題、もちろん日本で同じようなお仕事で頑張っている人たちのこともまず第一に配慮しなければならないということは言うまでもないことでございますし、今申し上げたように将来的な問題とか、あるいは通商交渉としての位置付けをどうするのかとか、いろんな観点から、あんまり時間はございませんので、真剣に今議論をし、フィリピンなんかはできるだけ早い時期に結論を出さなければいけないと、これは厚生労働省の御担当でございますので、まあ私は横から見ていてそんな感じを持っているところでございます。
○直嶋正行君 恐らく今大臣が最後の方でおっしゃった、できるだけ早く結論出さなきゃいけないということにかかわると思うんですが、例えば、これは経団連が外国人受入れ問題に関する提言というのを出してます。それから、いわゆる経済連携、FTA、EPAの推進に関するこれは国民会議の提言がございまして、その中にやはり人の移動について触れてまして、まあどちらも、やはり日本の場合は受入れの制度そのものがきちんとしてないと。 例えば、これは主として専門的な職能の方のことも念頭に置いておられるのかもしれませんが、外国人雇用法というような法律をきちっと作って、例えば社会保障制度も含めてきちっと適用していくとか、あるいは先ほどの日系人のケースでいいますと、本当にその人に日本で働いていただこうと思うと、やはり言葉の問題がありますので、子供さんの教育も含めて受皿をしっかりしていかなきゃいけないというふうに思うんですが、私はやはりそういう、まあ名前は外国人雇用法がいいのか、あるいは外国人労働者基本法というようなものをまず作った方がいいのか、ちょっとここら辺は分かりませんが、やはり本音のところの議論もして、制度的な国内の受皿がきちんとやはりしていくべきじゃないかと、認めようとするものについては受皿をきちっとしていくと。 今、実態を見てますと、やはり相当ひどい労働条件で雇っているところ、働かされている人もいらっしゃいますから、こういうものがやはりいろいろと日本に対する非難にもつながっているんじゃないかというふうに思います。 特にそういう受皿の問題でいいますと、私はやはり労働条件も、もちろん労働基準法をきちっと適用するということを前提にして、やはり具体的に詰めていくべきだと。まあこれは別に経済産業省の仕事ではないと思いますけれども、さっき大臣がおっしゃったように、FTAとかEPAを話合いをしていくと必然的にこういう問題出てくるわけでございますから、またそれをクリアしないと本当にお互いにウイン・ウインの関係というのは結べないと思いますので、そういう視点も御努力をいただければと思うんですが、こういう具体的に制度を整備していくということについてどのように受け止めておられるでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) 私の所管するいわゆる鉱工業品の分野でありますとか知的財産の分野でありますとか、あるいは農業でも、あるいはまた人の分野でも、トータルとして、今、直嶋先生がおっしゃったようにウイン・ウイン、まあウイン・ウインというと非常に耳触りがいいんですけれども、ウイン・ウイン、イコール、ペインフル・ペインフルみたいな感じでも、トータルとしてウイン・ウインと、一足す一が三にも五にもなっていくということも含めて私はEPAというのは積極的にやっていくべきだというふうに思っているわけでありますけれども、そのときにはやっぱり国内改革というものもある程度セットにしないと、このままでいいんだと、ただ守るだけでいいんだということではよくない。まあ多少のペインが伴うにしても、国内の改革をすることによって、これは農業でも私どもの産業分野でもそうだと思います、多分人の分野もそうだと思うのでありまして。 そういう意味で、人の問題について、初めての体験でありますから、このフィリピンとの交渉におきまして関係者の皆さんは大変御心配をし御苦労されていると思いますけれども、そこはやっぱりやる以上は、そして何らかの仮に痛みを伴うとするならば、そこは単に補償をするとか切り捨てるとか、そういうことじゃなくて、国内のレベルをもうぐっと上げるいいチャンスだという見方で取り組んでいく。つまり、国内改革と痛い部分を外から受け入れることとは、ある意味では、いい意味でマッチングするんだろうと。それによって文字どおりウイン・ウインに結果的になっていくことがいいのではないかということを、今までのメキシコやシンガポールやフィリピン等の、私の所管する分野についての交渉の経験を申し上げれば、そんなようなことがある意味では必要というか、そういうことがあってこそレベルの高いEPAが誕生するのではないかというふうに思っておりますので、そこに正面から取り組んでいかなければいけないというふうに考えております。
○直嶋正行君 じゃ、続きまして、FTAの我が国の方の推進体制といいますか、についてお伺いしたいんですが、さっきちょっと申し上げました、日本活性化のための経済連携を推進する国民会議というところが昨年の夏に提言を出していまして、なかなかいいことをおっしゃっているわけですが、その中で、政府には、やはりこの東アジア経済連携共同体構築、こういう交渉を進めていけばそういう方向に行くんだろうということで、そのための戦略本部のような司令塔をつくるべきじゃないかと、こういう提言があります。 これはちょっと、実態を見たことはありませんが、気にせずにちょっと聞いていただきたいんですが、いろいろ外国との交渉の話を聞いていますと、どうしても我が国の場合は、さっきおっしゃったことで申し上げますと、縦割りの中でそれぞれが国内にいろいろと利害があるものですから、なかなかこの交渉が進まない。何か、極端なときは相手の前で国内同士で言い合いをしていると、けんかをしているとか、そういう陰口も聞かないわけじゃないんですけれども、そういう意味で、一体的なやはり交渉体制ということを考えていくべきじゃないかと、そのようにも確かに思うわけでありますけれども、今の体制で十分やれるというふうに受け止めておられるのか、やはりいずれはそういうことを、今申し上げたような戦略本部のようなことも含めて考えていかなければいけないと、このように受け止めておられるのか、その点をお伺いしたいと思うんですが。
○国務大臣(中川昭一君) よく、今、直嶋委員がおっしゃられるように、その相手の前で議論したということは、少なくとも閣僚レベル、私の場合にはメキシコ、フィリピン等の大詰めの段階で向こうとやりましたけれども、むしろ外務大臣、農水大臣、そして私がお互いにフォローし合って、例えて言うならば、私が困ったところは農水大臣の方である程度うまくフォローしてもらう、あるいはまた逆のことをやるということで、チームジャパンとしては私は非常にうまくいっている。 ただ、向こうは一人、メキシコの場合は二人、外務大臣と経済大臣でございましたけれども、向こうが一人でこっちが三人とか四人とかというと、形だけで余り格好いいものじゃないということは私も正直言って思うわけでございますけれども、それはある意味では、したがって、そういう御提言が名実ともに言われることがありますけれども、しかし、そのみっともいい悪いの問題は別にして、日本の体制というのは決して交渉する上でばらばらでもなければ、むしろチームワークを取って補っておる。 総理も、体制をどうするかということは最終的には総理の御判断でありますから、私どもからこういう体制がいいということは申し上げることはできませんけれども、あえて言えば、今の体制で十分対応できると思っておりますし、総理が、一人、責任者大臣はだれかと言えば自分だというふうに総理自身も言っておられるわけでございます。 そういう意味で、ほかの国のことは言いませんけれども、アメリカにはアメリカにも悩んでいる事情がございますし、EUはEUで、EUの場合には貿易大臣と農業大臣と二人、そしてそこには二十五のその後ろに国が付いていて、これがまたそれぞればらばら、ばらばらというか、立場が違うわけでありますから、こことの調整も大変でしょうし、また産業分野ごとの調整も大変でございますから、それは、日本だけが何か国内をまとめるのにえらい作業をやって外へ行ったときには何かばらばらだという御指摘は、それ自体当たっておりませんし、また各国には、各国でもそれぞれいろいろ苦労しているなというところを私自身も知っている部分もございます。 いずれにしましても、今の体制で十分これからの交渉は、少なくとも閣僚レベルとしてはできますし、事務レベルでも、事務レベルのことを一言申し上げますと、一つの交渉、協定を作る、合意した後の作業を含めて、これ物すごい何か事務的な作業が大変らしいんですね。何語と何語と何語で協定書を作るかとか、その一語一語にミスがあったら大変なことになるということで、そういうバックオフィス的な仕事が大変なようでございまして、そんなこともあるようでございますけれども、いずれにしても、やれるところとはスピード感を持ってやっていくというのが総理並びに私の基本的な方針でございます。
○直嶋正行君 今の件はまた、状況を見ながらいろいろとまたお話を申し上げたいというように思います。 続きまして、特に東アジアといいますか、ASEAN中心にしたアジアにおけるFTA協定についてお伺いをしたいのでありますが、東アジアと日本における貿易の特徴というのは、一言で言いますとやはり生産分業体制が非常に進んでいるというのが大きな特徴だというふうに思うんですね。今後、FTA締結を結んでいくということになるんですが、これからのその姿として、今のこの生産分業体制というのがどういう発展の仕方をしていくというふうに見ておられるのか、まずお伺いしたいと思うんですが。
○副大臣(保坂三蔵君) 済みません、出しゃばりまして。 今まで大臣と直嶋先生の議論聞いてまいりまして、大変御苦労が多い中、バイでEPAが形成され、そしていよいよ来月一日からは日本とメキシコのEPA、発効するわけでございまして、私たちも感無量なものがあるわけでございますが、いろいろ、チリあるいはまたスイスとか、戦略的に諸外国との交渉あるいは研究会やっておりますが、帰するところ、日本の場合は立ち戻れば東アジアと、こうなってまいります。 遠くはAPECあるいはまたASEANプラス3とか、いろいろ議論やってまいりましたけれども、今日、マレーシアあるいはタイ、そしてまた韓国、フィリピン、交渉を続けておりますのは、元々日本の経済のバックヤードは東アジアにある、こういうような国際分業体制の中での、日本が持続的に経済を維持し、また発展していくためには欠くべからざる地域だと思うのでございます。 ここにやはり一つのコミュニティーを形成していくということは、投資やあるいはまた技術の移転に関しましても非常に合理的に物が進んでいく、そしてまた自由な貿易体制によって一体となってやっていくことができる、こういうねらいでございますので、東アジア地区、ASEANを含めての東アジア地区のこの形成は一層努力していかなくちゃいけない、こう思っております。 大臣お話がありましたとおり、ウイン・ウインだけではなくて、互恵互譲、痛みも当然お互いにあるわけでございますけれども、日本はリーダーとしてこれらを受け入れるところは受け入れていく。また、日中韓あるいはまたASEANの協議が四月からまたスタートいたします。こういうものを一体となって、東アジア地区のコミュニティーの形成、これを目指しながら、一層自由貿易体制の促進のために一助になればと、このような思いでやっていくところでございます。
○直嶋正行君 今の件に関してもう一点ちょっとお伺いしたいんですが、今の中にもコミュニティーという話がありました。恐らく、特に東アジア、ASEAN中心にしたところ、各国と、あるいはASEANともこれから交渉始まるということになりますと、政府の方にも頭の中に、いわゆるよく言われる東アジア経済圏とか東アジア共同体とか、こういうものがおありになるんじゃないかと。今年の、この先ほど大臣がお話し、報告されたこの予算の、書を見ましても、取りようなのかしれない、やや、ちょっとそういう部分も触れておられるような感じがするんですが、今後、我が国がやはりそういう東アジア共同体構想とか東アジア経済圏構想というものも念頭に置きながらこの各国との話合いを進めていくと、こういうふうに理解さしていただいてよろしいでしょうか。
○副大臣(保坂三蔵君) そのとおりでございます。 特に、中国が必死になって、まあ覇権ではございませんけど、人民元を中国元に替えるような、ローカルカレンシーからの脱出などを図りながらまとめようとしておりますので、我々としては後れを取ることはできない、このような基本的な姿勢で、コミュニティー形成が一つの方向付けであると、このように思っております。
○直嶋正行君 今ちょうど出ましたね、僕、中国との話を是非、大臣がお帰りになったときにしたいと思ったんですが、もうすぐ帰られるかな。じゃ、しゃべっているうちに帰ってこられると思いますんで。(発言する者あり)はいはい、いやお聞きします。 今お話がちょっと出ましたけれども、結局これからのことを考えていくと、特に──あっ、済みません、急がせまして申し訳ありません。 東アジア共同体というお話もさっきあったんですが、これからそういうことも含めて我々は考えていくとすると、やはり中国との間をどうするかということにだんだん尽きてくるんじゃないかと。もちろん、その前に是非韓国とそういう協定も成就させたいという思いもあるわけでありますけれども、現実に今、東アジアの貿易構造を見ましても、いわゆる東アジア全体のやり取りの中で日中間の貿易量というのがやはり五〇%以上を占めていますよね。それから、もう申し上げるまでもなく、日中間の貿易は去年初めて日米間の貿易を上回ったと、こういうことも事実でありまして、やはり基本的には中国を念頭に置いたこういう自由貿易協定ということも考えていかざるを得ないというふうに思うんですが。 それで、実は、大臣もごらんになったかもしれませんが、二月の下旬に駐日中国大使の王毅さんが日経新聞の「経済教室」にこういう、「日中FTAの推進を」と、こういうことで、まあこれは多分御提言されたんだと思うんです。正にその中で、いろいろ今研究も進みつつあるんで、具体的に日中間の自由貿易協定ということを考えていくべきじゃないかと、当然そのことは東アジア共同体とか東アジア経済圏とか、こういうところにもいい影響を及ぼすんじゃないかと。 それから、この中でおっしゃっているのは、何よりも今、日中間はいろいろ、政冷経熱と言われますけれども、いろいろ障害があるわけですけれども、やはりこういう話合いをすることによって経済的な関係をしっかりつくっていくことが政治的な問題の解決にもつながってくるんじゃないかと、こういうこともおっしゃっているわけで、私はこの面、事実だというふうに思うんです。 実は、二、三年前、私も中国行きました折に、胡錦濤さん始め何人かの幹部の方と直接お目に掛かったことございます。その中で彼らも言っていたのが、やはり中国は近隣の国との経済依存関係をしっかりつくっていきたいと、そういう関係ができることが双方の安全保障上の問題にもいい影響を及ぼすし、文字どおり中国から見るとそれが安全保障の確保につながると、こういうふうに思っているというお話もありました。 したがいまして、今中国の方の国内整備の体制で、例えば法律であるとかそういうものが余りきちっとなってないのでまだ時期尚早であるというのが大方の日本の政府関係者の御見解なんですけれども、私は、少し時間掛かるのかもしれないんですが、こういう意志を出していくと。まあまだ、日中間のいろいろな法制度の研究とかされているようでありますし、中国もWTO加盟をした後、国内の、確かに知的財産権一つ取っても心配な面がたくさんあるわけですけれども、一つの方向としての意志をはっきりさして一つずつクリアしながら目標としてやっていこうよと、こういうことは非常に重要なメッセージになるんじゃないかなというふうに、私はそう思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) 失礼しました。 もう直嶋委員御指摘の、結論的にはとおりだと思います。 先ほど申し上げたお話、やり取りさしていただいたように、チリだとかあるいは中東やアフリカの国の方とお話ししても、日本とFTAやりたいなんてこう言われるぐらいに、有り難いことではありますけれども、やっぱり日本は戦略を持ってやっている以上は、その戦略の第一はやっぱり隣近所という、まあ親しみを込めた意味で隣近所から、しかも中国にしても韓国にしても、中国はあれだけの国、韓国はOECDに加盟をしている先進国の一つの国であるというところが隣にいるわけですから、ここと経済連携をしないで、やれ中南米だ、あるいはまた南西アジアだ、あるいはASEANだと言うのは、何か地元、隣近所と仲よくしないで何か隣の町の人と仲よくしても、これはやっぱりいろんな意味で不安定なことになるだろうと思います。今御指摘のように、貿易額が日中間が日米間を抜いた、それだけ中国の発展がすごいし、何といってもお隣同士だということもあります。 それから、もう一つ重要なポイントは、先日の、先週の全人代の後に温家宝総理が記者会見を二時間余にわたったやつを私、詳細にちょっと読んでみたんですけれども、温家宝首相は、経済関係だけではなくて年間四百万人の人たちがお互い行き来をしているんだと、やっぱりこの人の移動、まあ人の移動というか人の行き来の意味というものも非常に大きいわけでございますから、そういう意味で関係をもっともっと強化をしていきましょうと。また、王毅大使とも私も長時間一度お話ししたことございますけれども、彼も、彼というのは、私と同い年だそうでございますけれども、王毅大使も非常にそういうようなことをおっしゃっております。 それから、よくASEANなんかに行くときに、我々日中韓が参加をしてASEANプラス3という会合をやるんですけれども、そのときに、中韓日で三か国のマルチといいましょうか三か国会合と、お互い、バイを三つ、よくやります。そのときに必ず出てくるのが、日中韓のEPAをやりましょうと、こういうことでございまして、世の中見られているような中川昭一ではございますけれども、決してそのことを私は頭から排除をしてノーと言ってはおりません。是非、できるものならやりたいですねと。 ただ、これはお互いにとってメリットにしなければいけないわけでございますから、中国にとって日本とやるメリット、あるいはまた日本から見て中国とやることによるメリットというものがもちろん合致して初めてスタートするわけでありますが、今ちょっと直嶋委員からも御指摘がありましたように、中国は二〇〇一年の十一月にWTOに加盟をして、そして加盟時の約束がまだ実行されていない部分もあるわけでございますし、何よりもこれはお互いに主権国家同士がある意味では主権を制限してでも約束をしようということで、その約束をすることの重要性、つまりそのバックグラウンドにはお互いの法制度の安定性というものが大前提にないと、この主権を乗り越えた、例えば関税を撤廃しましょうとか、お互いに、認証制度をお互いに任せ合いましょうとか、ある程度、かなり譲り合う、お互いに譲り合うことでありますから、お互いの法的安定性なり、あるいはまたそれに従事する人たちのレベルなりというものが要求されるわけでございますので、そういう意味では日韓というのはその最低限を超えているわけでありますが、中国は今の段階では、今御指摘ありましたように、法制度そのものの安定性、あるいはまた知的財産権、あるいは投資ルールなんかが代表的でございますけれども、その辺のことを早くやってくださいと。 冒頭の予算説明でも申し上げましたが、模造品・海賊版対策なんというのは、正直言って中国が最もその分野で大きな、大きな存在というか、悪い意味で大きな存在に現になっているわけでございますから、去年、薄熙来大臣とお会いしたときには、それを撲滅するために五十万人を動員して今対策を取っておりますと、五十万人とはさすがすごいなと、けたがやっぱり一つ違うんだなと思いましたけれども、それにしても早く成果を見せていただかないとお互い、真の意味の経済連携にならないので、その辺は我々としても一刻も早くやっていただきたい。そして、真の意味の経済連携、そして、その後、東アジア全体をどうしていくかということになっていくんだろうと思います。 現状は韓国、そしてまた、まあASEANの中にももちろんベトナムのように今WTO加盟申請中というような国もあるわけでありますけれども、ASEAN全体としては一つのまとまり、お互いにルールを持ち合って、共有しているわけでありますから、そういう意味で四月からはASEAN全体ともこの問題をスタートさせようということになっておりますので、点と点を結んで一つの大きな東アジアの面として、みんなでこの十か国プラス三で十三か国がお互いに、さっき分業という言葉を使いましたけれども、それぞれの国の特性を生かして、トータルとしてこの地域が発展できるように是非したいというふうに思っております。
○直嶋正行君 いろいろ予定していまして、大分時間が進んだんですが、ここまでお伺いしたんで、ちょっと大臣、実は通告してないんですけど、いつもこの種の問題を、私、考えたときに常に気になっていることがありますので、お尋ねさせていただきたいと思います。答えにくければ答えなくて、お答えいただかなくて結構ですから。 それで、というのは、先ほど来議論していますこの東アジア共同体というか、東アジア経済圏とか、あるいはそれを中国も含めてということになりますと、どうしても気になるのがアメリカとの関係でありまして、こういうことを具体的に協定を結びながら一つのモデルを頭に置いて進めていく上で、私は、もう日米関係は絶対に揺るがしちゃいかぬと、こう個人的にはそう思っているんですが、しかし一方で、これだけ発展していくアジアの中でやはり日本は生きていくと、いかなければいけないということも事実でありますので、こういうことを、例えばアメリカとの関係で、どういうふうにアメリカに理解してもらうとか、あるいはアメリカをどういうふうに関与してもらうとか、こういうことについて今お考えのところがあればちょっとお伺いしたいと思うんですが。
○国務大臣(中川昭一君) 八〇年代に、一九八〇年代にマレーシアのマハティール首相が、東アジア経済圏構想、EAECというのを提唱されまして、マハティールさんはルックイーストと、日本のいいところをどんどん学ぼうということで、マレーシアにも先生方もよくいらっしゃっていると思いますけれども、交番なんていうのが一杯あるわけですね、交番という日本語のまんま。それから、いろんな交通ルールだとか、いろんなものを日本から学んでいるということで、私自身は個人的にあのEAECというのは大いに結構なことじゃないかと言って推進をしていたんですけれども、当時はやっぱり、あのマハティールさんはルックイーストであるけれどもノットウエスタンという感じで、アメリカとの関係が非常にうまくいっていなかったということもあり、日本としてはなかなかそれに乗りにくいというのが当時の外交当局の考え方だったというふうに私は理解をしております。 しかし、その後、冷戦も崩壊し、それから九七年のあの東アジアの経済危機を経験し、世の中も大分変わってきて、先ほど冒頭おっしゃられたように、WTOと同時にEPAが今、勘定の仕方はいろいろあるようですけれども、百二十を超える世界じゅうの経済連携協定が現に存在し、それから毎日もうこの、ここでできたあそこでできたというような情報が入ってきている状況でございますから、そういう中で、今申し上げたような東アジアの中で経済連携を深めていくということは、ある意味では、我々この近所付き合いをしている同じ町内会にいる人間としては、当然向かっていかなければいけない方向だろうというふうに思っております。 他方、直嶋委員が御指摘になりましたので、私も全く同じでございまして、アメリカというのは同じ自由主義国家であって、そして日本にとっては、経済的にもまた安保・外交面でも日本にとって重要な国家であります。まあ中国は、何といっても、さっき法制度と申し上げましたが、更にちょっと付け加えますと、政治体制が全く違う、政党も一党しかない、議会もある意味ではけんけんがくがくというような日本や民主国家の議会とも違います。あるいはまたマスコミも、まあ中川昭一がけしからぬといって新聞が一面トップで、政治的圧力を掛けるとか、そういうような報道が自由にできる国ではない、のマスコミを持った国ではない。いろんな意味で、まだまだ日、米、EUとは違っておりますけれども、しかし、近所付き合いはこれから少しずつでも進めていかなければならない。 他方、アメリカとはそういう意味で、まあ対等と言うかどうかということは別にいたしまして、経済だけを見ても、やっぱりいろいろな意味で、時間的にも、量的にも質的にも関係が深いわけでありますから、仮に東アジアでのそういう経済連携が進んでいったときには、私は、これは経済連携とかNAFTAとかEUというのは、一歩間違えれば戦前のあのブロック経済になりかねないということを絶対に意識をして、そうなっちゃいけないということを意識をしながらやっていかなければいけない。何といっても、その結果第二次世界大戦が起こり、それを否定するためにガットができたわけでございますから。それからまた、ガット、WTOから派生してまた地域ブロック経済に戻ってしまうんじゃ、何のためのこの六十年間だったんだろうということになるわけであります。 そういう意味で、WTOの中におけるそれぞれの地域経済連携というものは推し進めていかなければいけませんが、アメリカとの関係においては、東アジアの経済連携の深まりも大事であります。と同時に、アメリカとは過去においても現在においても将来においても太いパイプというものが必要でございますので、ちょうど日本としては、この太平洋を挟んだ自由主義陣営の大事な最大のパートナー、これは日本だけではなくて、多分韓国やあるいは東南アジアの多くの国々、民主主義を基盤とし、自由経済を基盤としている、レベルの差はあるにしても、そういうルールの国はやっぱりアメリカが大事だというふうに思っている国も、タイ、シンガポールその他、それからまたベトナムとアメリカも政治レベルでもまたもう一段関係が強化されてきているようでもございますから、そういうその東アジアと太平洋を挟んだ、遠いというよりも、太平洋を挟んだ隣の国であるアメリカとのある意味ではパイプ役として日本が貢献をしなければならないし、するのは日本だけであろうというふうに私は確信をして、両方とも進めていくことが、経済的に言えば、東アジアにとってもアメリカにとってもプラスになっていくようにしていきたいというふうに考えております。
○直嶋正行君 ありがとうございました。 ちょっと私の進行もまずくて、いろいろ予定していたんですけども、持ち時間がもう本当に限られてきました。それで……
○国務大臣(中川昭一君) 済みません、私の話が長くて。
○直嶋正行君 いえいえ、とんでもありません。 最後まで行くと夕方まで掛かっちゃうんで、あと時間の範囲内でちょっとお伺いしたいんですが、一つは、今の話の延長線上でいいますと、実はエネルギーの問題を今日はいろいろお伺いしようと思ったんですが、特にこれからの日本のエネルギー政策ということを考えますと、日本のこの経済発展も、あるいはこれから東アジア各国との間での経済的な関係も含めて強くなってくるということを考えますと、一つは、やはり日本だけのことを考えるんではなくて、アジア全体におけるエネルギー安全保障といいますか、そういう視点を持って考えていかなきゃいけないんじゃないかと。 昨今、中国が電力不足でよく停電するとか、あるいは夜間に工場を動かせと、こういうようなことが行われているようでありますが、あと、例えばタイなんかもいろいろ厳しいというふうに聞いていますが、ちょっと雑な言い方ですけれども、中国での停電は日本での停電と同じようにこれからは考えていかなきゃいけないんじゃないか。中国で停電が起きれば日本のそれぞれの企業に非常に大きな影響を及ぼすと。そういう意味でいうと、中国の停電は日本の停電なんだというようなことぐらいのことを考えながらこのエネルギー問題というのをこれから考えていかなきゃいけないんじゃないかと。 特に、昨今、原油がすごく上がってきていますし、それからもう石油エネルギーもそろそろ上限じゃないかと、こういうようなことも言われていますので、当然我が国としては、国内的に言いますと、中国やインドと石油を取り合うんではなくて、我が国としてはもう環境対策もしっかりやりながら、むしろエネルギーの調達量を拡大する必要ありませんので、環境対策をやっていけば、むしろ油を追い掛けて競争するんじゃなくて、国内的には原子力始め別のエネルギー源をしっかり確保しながら、外目にはやはりアジア全体を含めて対策を考えていくと。 そういう意味でいうと、石油の備蓄政策一つにしてもやはり幅広い視点で共同備蓄であるとか、そういうことも考えていかなきゃいけないと、こういうふうに思うんですけれども、この点の見方というのは大体一致しているんでしょうか、どうでしょうか、お伺いしたいと思いますが。
○副大臣(保坂三蔵君) 今朝もマーカンタイルで五十七ドル超したという原油の高騰、もう想像以上の速いレベルでの高騰ということは、これは、一番向後エネルギーの消耗の激しい、あるいはまたエネルギーを使うと言われているアジアにとっては打撃がもう最大のものがあると思います。 日本の場合は、決してダウンサイジングはありませんでしょうが、いろんな産業構造の変化等から、二〇三〇年以降はGDPなんかは横ばいから少しく減少ぎみということにあり得るかもしれませんが、アジア全体の伸び方は、世界のエネルギー消費の、仮にこれが六割ぐらい伸びると言われておりますが、そのうちの半分はアジアだと、こう言われております。 そこでどうしても、今お話がありましたように、北京の停電は日本の停電と言われるように連係が深いわけでございますが、例えば今お話がありました原油一つに取りましても、国家備蓄をアジアでしているのは日本と韓国だけでございまして、台湾と中国がやっと準備を始めたという状況でございます。 そこで、昨年六月、国際エネルギー機構の御支援もいただきまして、中川大臣音頭を取りまして、ASEANプラス3でエネルギーの将来性についてのフィージビリティースタディーを開始いたしました。これは、備蓄の問題もさることながら、あるいは石油の精製あるいはそのほか省エネ対策、すべて含めて話合いをこれからもしていくということで日本がイニシアチブを取る、それからまた具体的に国によってはアシストしていく、こういうような体制でアジア全体、東アジア全体のエネルギーの将来へ向けてのその対策を今から始めている、こういう状況でございます。
○直嶋正行君 それじゃ、またエネルギーのことは改めて議論させていただくということにさせていただきまして、一応私の時間が来ましたので、これで終わらせていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○藤原正司君 民主党の藤原でございます。 私は、一月二十六日に本会議で代表質問をさせていただいたわけですけれども、その中の幾つかの項目についてできるだけ具体的に、また所管官庁であります経済産業省の皆さんにお話を聞いていきたいと、このように思っております。 まず最初に、東シナ海の海洋権益をめぐる問題についてであります。 この点につきましては、最近、本院においても、そして衆議院においても、あるいはまたマスコミを通じてでも割合大きく報道されてきているわけであります。しかし、国の主権にかかわる極めて重要な問題でありますので、もう一度この辺りで整理をしながら話を聞かせていただきたいと。私は個人的に大臣については、この我が国の主権あるいは権益ということについて極めて真っ当に対応して行動されてきたというふうに、個人的に大変共感を覚えているわけでございまして、是非この件についても頑張っていただきたいということも含めて、質問させていただきたいと思います。 まず、我が国と中国との排他的経済水域といいますか、この境界線の設定については今なお合意がされていないと。この合意がされていない中において油田開発問題などが起きてきているというわけでありますが、まずこのEEZの境界線の設定問題についてこれまでの経過について、どうなっているんだということについて、まず外務省にお尋ねをしたいと。
○政府参考人(西宮伸一君) お答えいたします。 東シナ海の排他的経済水域及び大陸棚につきましては、日中間でこれまで境界が画定しておりませんが、我が国は、衡平な解決を達成するためには中間線により境界を画定すべきとの考え方を中国との間で主張しておるわけでございます。 本件につきましては、平成十年から開催しております海洋法の問題に関する日中協議などの場を通じまして、東シナ海における海洋の境界画定に向けて協議を行っておりますが、特に昨年十月に行われました東シナ海に関する日中協議におきまして、東シナ海における日中間の境界画定について我が方の立場を明確に主張したところでございます。 本件につきましては、日中間で主張に依然として大きな隔たりがございます。政府といたしましては、我が国の立場を明確に主張し、東シナ海の境界を画定すべく引き続き中国側と協議していく所存でございます。
○藤原正司君 そこで、これを、おたくの資料を見せていただく限りにおいても、平成十年からずっとこの中間線の画定の交渉がされてきているわけですけれども、現実には全然進んでいないということで、このまま外交交渉を継続しても、本当に外交交渉によってきちっとした結論を得ることができるのかと。要は、らちが明くのか明かぬのかという話だと思うんですね。 ところが、中国側はこういう外交交渉をずっと継続してきながらといいますか、中間線が画定していない中で春暁ガス田等を始めとして、この中間線付近の油田開発などを進めてきていると。要は、交渉の方はいつまでもぐずぐずぐずぐずと引き延ばしておりながら、既成事実を先行させていこうと。こういうことをされるということについては大変大きな問題があると。 ですから、このまま外交交渉を継続するのか、そして、何らかの形、例えば国際司法裁判所に提訴するというふうなことも含めて、何らかのここら辺りで違う行動を取って新たな展開を見せる努力をされるのか。この辺りについてもう一度外務省にお聞きしたい。
○政府参考人(西宮伸一君) 一部繰り返しになるかと思いますが、昨年十月にこの件につきまして日中協議をいたしまして、外務大臣同士のやり取りにおきましてもこの日中協議というものをやっていこうということになっております。 誠に遺憾ながら、まだ次回協議の日程というところまで行っておりませんが、我が国としては毅然とした態度を取りつつ、この協議を通じて問題の解決をいたしてまいりたいと存じます。
○藤原正司君 国連海洋法条約においても、要は、ここの境界線が画定しない間は、そういう交渉を危うくするような変な動きをするなというふうに書いてあるわけですね。にもかかわらず、ずっと変な動きしているわけです。そういう状態が継続しながら、しかも外交交渉においてはまだ次の会議の日程、めども立たない、そして何らかの歩み寄りを見られるということも全然感じられないと、こういう状況になっているわけで。 中川大臣は、これまでの国会における答弁においても、私が読ませていただいた雑誌においても、この国際司法裁判所に持っていくということも考えないかぬのではないかという発言をされておるわけですけれども、この点について大臣にお聞きしたい。
○国務大臣(中川昭一君) まず、藤原委員とお考えが基本的に一緒だという御発言を大変うれしく思い、大きな支えとして答弁をさせていただきますが。 まず、境界画定の問題について話が付いていないということはいわゆる係争水域というのになるわけで、これは外務省の専門家の方がどう答えるかは別です、別ですけれども、私としては、係争水域というのはどこを指すかというと、日本から見た二百海里と、中国が主張している、おれのEEZだと言っている沖縄トラフ、この間が係争水域だということを是非国民の皆さんに御理解をいただきたいと思います。中間線と沖縄トラフの間が係争水域なのではなくて、日本はあくまでも日本のEEZは二百海里、極端に言うと上海の手前までが日本のEEZですよと、で、向こうは沖縄トラフまでですよと。じゃ、日本は譲って中間線にしましょうよと言っているけれども、向こうが認めていない以上は係争水域は、日本の二百海里と向こうが主張している沖縄トラフの間が係争水域だと。何も日本側だけじゃないんだということを是非これは再確認をした上で御質問にお答えをさせていただきたいと思いますが。 いろんな選択肢があると思います。藤原委員御指摘のように下手に動いちゃいけない、もうそのとおりでありますが、一つは、この問題というのはもうずうっと昔から、もう数十年間続いているわけでありますが、七〇年代に尖閣の問題が出て、しかしここは日本が実効支配をしておりますから、向こうが何と言おうと侵入してきた人間は逮捕をし送り返すと、きちっとした日本の法治の下に置かれているわけでございます。 エネルギー資源がここに出てきて、一杯あるということが、今調査が、間もなく御報告できると思いますけれども、その可能性が高いということになって、ますますこの地域が両方にとって大事な問題になってきたわけでありまして。今後どういうふうにするかにつきましては、データが出てから一つ一つ判断をしていかなければいけないと思いますが、選択肢としては一杯私は考えておく必要があるんだろうと思います。 そのうちの一つは、もちろん我々加盟しております国際海洋法条約に基づく紛争処理としてICJ、国際司法裁判所の場に出ていって、出るところへ出ていって話をしようぜというのも重要な選択肢の一つでございますが、そこに向かって進んでいるわけでは現時点ではございません。 他方、今御指摘のように、長いこの問題の経過がございましたけれども、おととしの十月以降、例の春暁鉱区がどんどんどんどん開発が進んでいることに対して日本側から何回も中止と情報の提供を求めているわけでありますが、去年の十月、一応両国の代表が会ってかなり激しい議論をやりましたけれども、結論としては何も前進しておりませんから、そろそろそんなことはやめて次の段階に進んでいったらという御指摘もございますけれども、とにかく何回にわたっても問い合わせについては極めて不誠実な回答しかなかったことは事実でございます。 引き続き、我々は、データがそろったところで改めて先方に問い合わせをしたいというふうに思っておりますけれども、とにかく今までは我々もきちっとした調査をしていなかったということを、今一生懸命そのデータを取って、その上でこれからどういうふうにしていったらいいかということを、早急に次のステップを考えなければいけないと思っておりますが、いずれにしても選択肢としては、国際司法裁判所の場に出ることも含めて、いろいろカードを持っておくということが重要なことではないかというふうに思っております。
○藤原正司君 私が言いたかったのは、言わば係争区域があってまだ境界線画定していないと、本来、そういう状況においては、これは国連海洋法条約においても、最終的な合意への到達を危うくし又は妨げないためにあらゆる努力を行うということの逆をやっているわけですから、本来、この国際法の精神に全くもとる行為をやっていると。このことが、今最も話題になっている春暁以前からすべてが係争区域、区域といいますか、画定していない区域の中の問題である。そういう中で、次に我々としてはどう対応を取るべきかということではないかと思います。 そこで、今、大臣の方から話がありましたこの春暁の問題についてお尋ねをしたいわけであります。 この春暁油ガス田といいますか、春暁の鉱区につきましては、中間線からわずか四、五キロしか離れていない、こういう中で一九九五年から試掘が始まって、今年の春にももう生産が始まるんではないかと、こういうふうに言われているわけでございます。しかも、この鉱区といいますか、この油ガス田については、構造が中間線から日本側にも突き抜けているおそれがある、共通になっている懸念があるということで、大臣もこれ去年の六月ですか、ASEANプラス3の会合に出られたときに、張国宝副主任に対して何かコップのジュース、ジュース論議というのがあったようでありますけれども。 いずれにしても、最もデリケートな地域で今中国がこの生産に向けた作業を行っていると、こういう状況にあるわけでありますけれども、この春暁のガス、油ガス田と言いますが、これは言いにくいんやな、油ガス田開発と。これについて、具体的にこのガス田についての我が国の対応について大臣のお考えを聞かせていただきたい。
○国務大臣(中川昭一君) おととしの八月に、中国の二つの石油会社とアメリカ、ヨーロッパの石油会社とで春暁ガス田を開発をするということが、後で分かったことでありますけれども、合意をされたと。その後少したってそういうことを日本として情報が入った、キャッチしたものでございますから、先ほど申し上げたように、おととしの十月に外交ルートを通じて、中止、データの解析情報をよこせということを、自来、何回も言っているわけであります。 その根拠は、どうもあの辺は、日本の主張している、日本が譲って主張している中間線と重ね合わせてみると、春暁鉱区がどうも中間線をまたいでいる可能性がある。これは幾つかの根拠があるわけでありまして、その代表的な例が、一九八〇年代に中国の政府、正式にはちょっと忘れましたけれども、日本で言う国土地理院みたいなところが海洋調査をやった中国の正式のデータがございまして、これに日本の中間線を重ねると、春暁のところは見事に重なってしまう。 その他いろいろな情報等を総合いたしまして、疑いという言葉を使っておりますけれども、どうなっているんだということで、昨年六月、今、藤原委員御指摘のように、中国の国家発展計画委員会の副主任の方とフィリピンでお会いをしたときに、まあ、それは仮に、認めてないけれども、仮にあなたの言うとおりだとしても、四キロも五キロも下がっているから関係ないでしょうと言うので、オレンジジュースのコップにペンを乗っけて、こっち側はあなたのところ、こっち側は日本のところ、でもあなたがこっち側でストローでジュースを吸えば私の方のジュースも減るでしょうと言ったら、まあ向こう怒っちゃいましたけれども、要はそういうことだろうと思うんです。 あと、断層があるとかないとか、細かい専門的なことは今調査中でございますから間もなく分かるところでございますけれども、いずれにしても、そういう状況の中で、しかし自らがやっぱり三次元調査をきちっとやらないと、データをよこせよこせと言っても、こっちにデータがなければイコールフッティングになりませんので、去年の七月に三次元探査のできるノルウェーのランフォーム・ヴィクトリーという船を用船いたしまして、初めは三か月か四か月で終わる予定であった、あの中間線を中心にした結構広い海域でございますけれども、それが、台風が多発したり時々訳の分からない船が前を横切ったりして作業が遅れまして、いまだに、いまだにというのは、若干当初の予定よりも探査区域を増やしておりますので、間もなくその船自体のオペレーションは終わるわけでありますし、間もなく、できるだけ早くそのデータを公表したいと思いますが、先月の二月十八日の段階で中間発表、これは、中間線からちょっと下がったところよりも日本側のところの海域の物理探査をした結果では、直接春暁にはつながったところはまだデータ出ておりませんけれども、その春暁水域につながるであろう地域が、正に春暁に向かってつながっていっている可能性が非常に高い。それは、真ん中のところはちょっとまだ調査が残っておりますので、しかしその両側はつながっている可能性が、これは単なるその可能性というような確率の問題じゃなくて、コンピューターで三次元解析をやった地質状況でありますから、専門家が見ればそれはもうはっきりとした事実が分かるわけでありますけれども、それによりますと春暁に向かっている。 それからもう一つ、もう少し北の方に断橋という油田、これも日本側にはみ出して開発をこれから始めるという可能性がある。この二つについて、少なくともこの二つについては、中間線、日本の排他的経済水域の中の資源を中国側が吸い取る、吸い取っている、あるいはまた吸い取ろうとしているという可能性があるとするならば、日本の国益として、国民の大事な資源としてこれを黙って見過ごすわけにはいかないということで、今いろいろと作業をしているところでございます。
○藤原正司君 三D探査の話はまたちょっと後から聞くことにしまして、その前に、平湖油ガス田のパイプラインの融資問題について、実はこれ今日聞こうと思ったら、今朝の何か産経新聞の一面のトップに出てしもうたので、出すならあした出せというふうに、気持ちはあるんですけれども。 この平湖油ガス田について、我が国の旧輸出入銀行、輸銀ですね、輸銀が融資をしてパイプラインを設置しているわけですけれども、この経過について、今輸銀はありませんので、国際協力銀行の方にお尋ねをしたいというふうに思います。
○参考人(星文雄君) 本件融資につきましては、当時、我が国の施策としての開発途上国への資金協力計画の下、アジア開発銀行との協調融資案件として、我が国企業が多数進出している上海浦東地区などに必要なエネルギーを供給すること、同地区の環境改善を図ることなどを主たる目的として実施された案件でございます。
○藤原正司君 えらいシンプルやな。幾ら貸したのか、いつから貸したのか、そこら言うてちょうだいよ。
○参考人(星文雄君) 一九九六年八月に融資承諾しております。
○藤原正司君 もう僕の方から言いますわ。言わば、この平湖プロジェクトといいますか、平湖油ガス田というのは上海から三百七十五キロほど離れた地域にあると。ここの開発に伴って、ガス管と油管、言わばパイプラインを通そうということに対して当時の輸銀が、単独ではないですけれども、融資を行ったと。それで、その金額は一億二千万ドルという金額を融資をしたと、こういうことですね。 この平湖の油ガス田については、一九九八年にパイプラインが完成をしております。九六年に融資の調印をして、九八年にパイプラインが完成して、九八年には原油が生産され、九九年には天然ガスが生産されているということで、もう正に完全な操業状態に入っていると、こういう状況になっているわけですね。 ここまでならいい話なのかもしれません。ところが、先ほど中川大臣とやり取りをしました春暁というところは、この平湖から恐らく百キロも離れていないんではないかと。要は、我が国の輸銀が融資したパイプラインでガスや油を大陸に運んでいる平湖は大陸とは三百七十五キロ離れている。しかし、春暁はわずか百キロ未満の距離にあると。ということは、春暁で取れた油を平湖まで運べば、あとは我が国の融資した、融資によってでき上がったパイプラインで大陸まで届けることができると、こういう関係になっているわけです。こういう関係になっておる。しかも、春暁のこのプロジェクトについては、この春にももう生産を開始すると。そして、少なくとも油に関しては平湖のパイプラインを使って上海まで送るという見込みになっていると。 しかも、ここまでだけならちょっと腹立つ話で済むんですけれども、この九六年に融資の調印をする前の九五年に既にこの春暁で試掘が成功して、成功していますよということがこれはマスコミでも報道され、国会でも論議がされ、そして、当時は春暁とは言わなかったかもしれないけれども、中間線間際で試掘をしているところがありますよと。そうすると、いうことになれば、最も我が国が神経を使っているそこの開発鉱区、しかもそこから出てきたガスや油が我が国が融資したパイプラインを通じてどんどんと大陸に送られるという可能性が極めて高いわけでして、そのことが分かっている段階で、分かって以降融資がされていると。こうなると、腹が立ったでは済まぬ話になってくる。 この点について、このことについてまず国際協力銀行にお尋ねしたいのは、こういう事実、少なくとも融資の調印をされる前に春暁地域で試掘が行われて、それが成功しているということの事実を承知された上で融資をされたのか、いや、そんなことは全く知らない、知らないでされたのか、この点だけお聞きしたい。
○参考人(星文雄君) その点については、私ども承知しておりませんでした。
○藤原正司君 ということは、その融資の決定に当たっては、当時の輸銀としてはどこと相談されて最終、お決めになったのでしょうか。
○参考人(星文雄君) 当時は、一般的融資の在り方について財務省とだけ相談しておりまして、ほかの官庁とは相談しておりません。
○藤原正司君 実は、この情報を踏まえて、一九九五年十二月、時の河野外務大臣は中国に抗議をしておるわけですよ。何をやっているんだと、その中間線の辺りでと。一九九六年の二月、池田外務大臣に替わられても抗議されているわけですよ。その後に融資の調印をされておるわけです。 ということになると、当時のその輸銀の決定というのは、融資決定ということについては、単なるお金の貸し屋さんということ。すなわち、我が国の外交方針、外交政策だ、方針だというのは全く関係なくて、とにかくお金を貸すという、お金の貸し屋さんとしか機能していなかったのかどうか。そこに、外務省だとかあるいは経済産業省とか、そういうものは一切、当時ですよ、相談をして物事を決めるという、仕組みまでいかなくても、そういうルールになっていなかったのか。もう一度これは、外務省おられますかな、ちょっと外務省に、答えられたら答えてください。
○政府参考人(西宮伸一君) 委員お尋ねの件でございますけれども、当時は本件融資について外務省に協議はございませんでした。
○藤原正司君 すなわち、そういう融資の話がされていること自身が、外務省としては全然あずかり知らない状況に置かれていたと、こういうことでしょうか。
○政府参考人(西宮伸一君) そのとおりでございます。
○藤原正司君 余り素直に言われてしまうと、二の矢が継げないというのはこの場合の話、こういうお話でございまして、私は、済んだ話ですけれども、しかし、済んだ話ですけれども極めて重要な話なんですね。 今我々が、一番問題になっているのは、まず、そのEEZをめぐる境界線は中国との間で画定していない。にもかかわらず、中国は交渉を引き延ばし引き延ばししながら油田開発という事実を先行さしてきた。そのことについて、我が国としては許せないことなんだという基本的な姿勢がある。にもかかわらず、そのこととは全く別の関係で、その一つの油田開発、そしてそのパイプラインの設置に日本の政府系金融機関として金を貸すことが進んでいくと。これ、中川大臣、どう思われます。
○国務大臣(中川昭一君) 今、藤原委員は済んだ話とおっしゃいましたけれども、全然済んでいない話になっちゃって、要するに今、平湖だけ、平湖から上海だけでしたらば済んだ話ですけれども、春暁なり天外天なりから石油パイプラインが平湖につながって、そして、しかもその春暁は半分は日本のものである可能性が高いというものを、日本の政府系金融機関が支援した施設でもって日本のものを中国大陸に持っていくとするならば、これはとんでもない話でございまして、全然、質問と同じことを答えちゃうんで答えになっておりませんけれども、全くそのとおりだと思います。
○藤原正司君 だから、大臣の先ほどのジュースの話に戻れば、ストロー代まで貸しているということなんです、相手に。ストロー代まで貸して吸うなと言えますかということだと思うんですね。ですから、これは次に、話にやっていきますが、私はこういう、これまでの我が国の外交というものが縦割り行政の中で全く別々の動きをしてきたということに対してまず大きな反省をして、そこから考えていく必要があるというふうに思います。 そこで、先ほど、春暁のガス田問題について、中間線を越えて我が国のエリア内まで構造が延びているといいますか共通化している可能性が極めて高いという話がされましたように、この三D探査について、去年の七月からですか、大臣の強い御意志によってやろうということでされたようであります。 私も党の会議で、この調査を終えた上に立って、途中までの分析結果といいますか、中間線から数キロ日本側までの分析結果についてお聞きしたんですけれども、この数キロ、中間線から数キロ内部、日本側の残されたところの分析結果というのはもう出たんでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) 調査は終わっております、船自体の調査。その分析結果が、ほかの地域も併せて三次元物理探査という形でできるだけ早く、今月中に発表したいと思います。 その後、御承知のように、特殊解析調査とかいうのの、よりまた何か難しい調査の発表が、同じデータに基づいて発表されますが、物理探査としては、一番隣接しているところは今月中に公表させていただきたいと思っております。
○藤原正司君 それで、この春暁鉱区が中間線をまたいでいるということに関して、どうも中国は、間に断層があるんだからガスだとか油がつながっているわけがないという言い方をされている。それに対して、経済産業省の方にお聞きする範囲においては、断層はあるけれども、断層があるからといってその空間が寸断されているとは言えない。 それなら、結局は三次元探査とその分析によってこれは答えは明らかに出るんでしょうか。
○政府参考人(小平信因君) お答え申し上げます。 物理探査の解析結果によりまして判明をいたしますのは、断層がどういう深さに存在をするかということでございまして、これが構造の中において油層あるいはガス層を完全に切断をして中国側、中間線の中国側との間が切れているというようなことにつきまして確たる分析結果というのは、物理探査の解析結果だけからは出ないということでございます。 ただし、中間線の位置に断層があるのかどうかということについては、これは先ほど大臣から申し上げました、三月末をめどにやっております解析の結果によりまして断層の位置だけは分かるということになろうかと思います。
○藤原正司君 ということは、まず、その鉱区の仮に共通の空洞といいますか空間があって、その中に油があるのか、はたまた更にガスがあるのかということも含めてはっきりさせようと思えば、結局は試掘をすると、穴を掘って調べてみるという以外にはないということなんでしょうか。
○政府参考人(小平信因君) 正確に把握をいたしますためには、試掘をいたしまして同レベルの地層のデータを中国側のデータと照らし合わせるということによって推定をするということによって相当程度判明するということになるということであろうかと思います。
○藤原正司君 三D探査については、何もこの中間線の付近だけではなくて、四十三年でしたか、そのエカフェの調査によって、東シナ海については油だとかガスの地下資源が埋蔵されている可能性が高いという報告もあり、そういうこともあって、我が国としては幅広く、範囲を広く恐らく探査をされたというふうに思っておりますし、今どこにあるというようなことは絶対それは言う必要はないのでありますけれども、そういうことも含めて、先ほどの春暁の問題も含めて、今後試掘をやっていく考え方、計画があるのかどうかということと、これも大臣が大分前から言っておられますように、これ、三十年以上前から鉱区設定の申請が出されているということもあって、この鉱区設定の問題、それが今までは通産省の下にぐっと留め置かれておったわけですが、この鉱区の設定の問題あるいは試掘の問題も含めて、この東シナ海の我が国のエリア内における対応について今後どういうお考えをお持ちなのか、お聞きしたいと思います。
○副大臣(保坂三蔵君) 試掘を行うための鉱業権の付与につきましては、ただいま委員からお話がありましたとおり、許可、不許可ともに留保しております。この理由は、境界画定が現実にされていないという諸般の状況を勘案したわけでございます。 またもう一つは、試掘につきましては、現状では申請されている具体的な例がありませんのでこのままになっておりますが、いずれにいたしましても、今は春暁地区の探鉱あるいはまた開発に関しまして作業をやめてもらうということと、それから情報の提供を求めておりまして、これら中国の情勢、中国の状況をよく勘案しながら、基本的にはこれは日本の主権的な立場で決定できるものでございますので、将来に関しましては試掘の許可も行う、鉱業権の付与も行うということを視野に入れながら、今対応しているところでございます。
○藤原正司君 次に、ちょっと直接関係ないんですけれども、代表質問でも申し上げました大陸棚限界延長申請の点についてお尋ねしたいと思います。 先ほど同僚議員の質問の中にメタンハイドレートの話がございましたように、日本の大陸棚についてはメタンハイドレートだけでなく、レアメタルも含めて相当いろんな資源が眠っている可能性があると。 国連の海洋法条約によれば、原則的にこのEEZと大陸棚というのは上下の関係にある、同じ面積で上下の関係にあって、要は排他的経済水域の地下の海底と、その地下が大陸棚ということなんですが、一定の条件を備えればこの大陸棚を広げて設定することができるということになっているようですね。 そこで、広げて設定するに当たっては、極めて詳細なデータを収録をして、これは大陸棚なんですよという国連を納得させるだけのデータを提出しなければならぬということで、相当調査に時間と労力を要するということで、二〇〇九年のこの限界延長申請期限に間に合うんかなという心配があるんですが、大丈夫かどうか、この点だけお答えいただきたい。
○政府参考人(島崎有平君) お答え申し上げます。 先生御指摘のように、二百海里を超えた大陸棚の設定というのは、我が国の国益に直結をいたします非常に重要な問題であるという認識をいたしておりまして、内閣官房に設置をされております大陸棚調査対策室の総合調整の下、関係省庁が密接に連携しながら、政府一体となった取組を進めております。 国連への提出に向けたスケジュールといたしましては、平成十九年までに海域における調査を完了し、これを基に平成二十年までに大陸棚の限界に関する情報の取りまとめを終了し、国連へ提出することといたしております。 国連に提出する情報を作成するために必要な調査の内容につきましては、海洋科学等に関する専門家から、国連の審査に対応することができる水準を十分に満たすものとなるよう助言を得ております。 政府といたしましては、この助言を踏まえつつ着実に調査を実施し、申請に必要なデータ等を整備し、期限までに確実に国連に提出をするため、海上保安庁、文部科学省、経済産業省におきまして必要な予算を確保し、調査に当たっております。平成十七年度予算におきましても、調査に必要な経費といたしまして政府全体で約百十八億円を計上しておるところでございます。
○藤原正司君 とにかく、これが二〇〇九年外れると、もう一度見直しチャンスがあるかどうかは別にしても、海洋我が日本として海洋資源をきちっと確保していくためにも、この申請のための調査というのは極めて重要だというふうに思っておりますので、是非、もう予算も取ったというわけですから、必ず申請も取ってもらいたいということをお願いしておきたいと思います。 この海洋権益の問題について最後の質問をさせていただきたいわけでありますが、我が国のEEZの中において外国の船などが調査あるいは探査する場合のことについて、これは国連海洋法条約の中にも定めがあるわけですが、時間が余りないのでまとめて聞きますが、この定めに基づいて、外国から科学的調査の申請があって断ったケースはあるのかどうかと、どういう状況で断ったのか、無届け調査というのは、無届けで科学調査をやられた実態、現実というのはあるのかどうか、この点について、これは外務省、お願いします。
○政府参考人(西宮伸一君) 詳細な件数、恐縮ながら……
○藤原正司君 件数はいい。
○政府参考人(西宮伸一君) 断った実績はございます。 それから、通報、委員御指摘のとおり、我が国EEZの中での科学調査を外国が行う場合には我が国の同意を必要としておりますが、そうした同意なしに調査を行っている、具体的には中国のケースでございますが、昨年、これは暦年でございますが、東シナ海海域で四件、東シナ海以外の海域で十八件、都合二十二件を数えているところでございます。今年に入ってからはございません。
○藤原正司君 このような無届け調査、いわゆる違法調査ですね、違法調査に対しては当然これは保安庁が対応するんでしょうけれども、この実態について具体的にはどういう対応をされているんでしょうか。
○政府参考人(横山鐵男君) お答えを申し上げます。 我が国の排他的経済水域におきまして海洋の科学的調査を行う場合には、我が国の事前の同意が必要だということにしております。海上保安庁におきましては、このような事前申請等がない又はその事前申請等と内容の異なる調査を行っている外国海洋調査船を発見した場合には、現場におきまして巡視船艇、航空機により、繰り返し当該調査の中止要求を行いますとともに、我が国の排他的経済水域を当該外国調査船が出域するまで追尾、監視を行っているところでございます。 また、これに併せまして、外務省にも速報をいたしまして、外交ルートによる中止要求あるいは厳重な抗議を要請しているところでございます。
○藤原正司君 それは、例えば資源探査の場合、我が国は基本的に認めていないと思いますが、仮にそういう違法に資源探査がEEZ内で行われた場合の対応も、現行法の下では海上保安庁の対応は先ほどの違法科学的調査と同じ対応になるんでしょうか。
○政府参考人(横山鐵男君) お答え申し上げます。 資源探査を行う場合におきましても我が国の同意が必要だということでございますので、国際法、国内法の規定に基づきまして当該活動につきまして必要な調査を行い、適正に対処してまいる所存でございます。
○藤原正司君 法を守る部署ですから、法に基づいて適正に対処されるという以外のお答えは出ないと思いますが、この国連海洋法条約あるいは我が国のEEZ法も、実際そういうことに対して国内法的にきちっとした整備がされていないというふうに思うんですね、どう対応するかということについて。そのことに対する限界を感じないかどうかということなら、恐らく感じないと言うから。 例えば、調査の場合ですと、違法調査をやっていると。そういうことに対して、停船要求をするとか、許可の取消しをするとか、もう次の申請に対しては許可を与えない。それから、資源探査の場合なんかですと、今、このEEZ内の、関する法律でも、お魚に関しては割合厳しいんです。お魚というのは表現悪いですが、漁業に関して。これは割合厳しいです。 漁業に関して言いますと、この排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律というのが我が国の場合はあるわけです。これに違反する外国船があった場合については、乗船、検査、拿捕、これ全部可能なんです。お魚に対しては非常に厳しい対応が可能なんですが、この鉱物資源などの探査というか、違法なこういう探査、ことに関して、昨日も何で対応するんですか言うたら、鉱業法ですと。陸地の鉱山の法律しか適用できないという状況になっているわけでございまして、これでは保安庁として心置きなく我が国の権益をきちっと守るという対応ができるんだろうかという心配がされるわけでございます。 結局、我が国が外交的に、外務大臣がこれまでいろんなことで、中国の様々な行動というのは駄目だからという、こう申入れをしても、平気の平左で好き放題やっている背景には、様々な問題があるにしても、例えばこういうことに関して国内法がきちっと整備されていないとか、いろんな問題があるというふうに思うわけですが、この点について大臣、中川大臣、どういうお感想をお持ちですか。
○国務大臣(中川昭一君) 確かにお魚、漁業については拿捕、私のところは北海道でございますから、いろいろ拿捕したり拿捕されたりというのが多かったんですけれども、大変厳しいわけでありますが、この試掘あるいは資源探査、あるいは場合によっちゃその採掘含めて、国連海洋法上認められている部分と、それではカバーし切れない部分とがあるわけでありますけれども、今、藤原委員御指摘のように鉱山法に基づいてやる。 ちょっと、鉱山法がどの程度、法の趣旨として海まで当初からカバーしていたかという問題もあるんだろうと思いますし、これから、先ほどの例の三百五十キロ延長の問題なんかも考えますと、きちっとした法整備が必要であれば、やっていかなければいけないというふうに思っております。 ただ、これまた今度、来た船がいわゆるプライベートな船か公船かでもってまた扱いががらっと変わってくるわけでございまして、私船が駄目なら公船があるさということで公船でがんがん来られちゃうとこれまた困る。逆に言うと、日本は公船でもって向こうに行って調べることも逆に言うとできるのかなとか、いろんなことも考えてはおりますけれども、とにかくきちっとした、お互いにこうやって隣接している国、隣接している海、そして隣接している資源、まあ隣接というか重なり合っている可能性の高い資源ということでありますから、やっぱり二国間で誠意を持ってきちっと決めるのがまず最初であり、一番大事なことであるだけに、先ほどの春暁に関して言えば、先方は誠意を持ってきちっと、日本の主張が受け入れられないんであればそれだけの根拠を示すということが二国間の、私は、日中友好の精神にのっとった中国側の何よりの一番最初に取るべき態度だということをずっと私自身は根底に思っているところでございます。
○藤原正司君 ちょっと、時間が大分過ぎましたのではしょらしていただきますけれども、私も代表質問で実はこの関係閣僚会議を設置してもらいたいと。先ほど平湖の話をさしていただきました。今はそんな、輸銀は輸銀、外務省は外務省、経済産業省は経済産業省みたいなことにならないように、海洋、これ、何だったかな、関係省庁連絡会議というものを設けて意思疎通を図っておられるということでありますが、私は、こういう極めて高度な政治的判断を必要とするものについては政治レベルで責任を持ってきちっと対応していくということが必要だろうと。もちろん、私はお役人さんが駄目だと言っているわけではなくて、高度な政治的判断をするという上においてはやはり大臣級で意思の疎通を図るような、海洋権益に関してはですね、連絡閣僚会議のような、関係閣僚会議というようなのをやっぱり設置していただくということが極めて大事だということだけ申し上げておきたいというふうに思います。 次に、実は地球温暖化問題やろう思ったんですが、あと七分しかないのでもう簡単に、全部飛ばしまして環境税について、せっかく環境省から来ていただいているので。 環境税については、中環審の報告、それから環境省の案、それから自民党の税調に出された自民党の案など様々なものがありますが、まず取りあえず環境省の案として環境税について、今のお考え方についてざっとお聞きしたいんですが、何のために環境税をつくるのか、税額は幾らなのか、課税方式はどうするのか、非課税の扱いはどうするのか、それからエネルギー税制との関係などをざっと五分ほどで言っていただけませんか。
○政府参考人(桜井康好君) 環境省といたしましては、環境税が、二酸化炭素の排出量に応じまして企業、家庭など幅広い主体に公平に負担を求めるということで、六%の削減約束の確実な達成のために必要であると考えておるところでございますが、御指摘のように昨年の十二月に、環境省といたしまして、炭素一トン当たり二千四百円という環境税の具体案をお示ししたところでございます。 ざっとということでございますが、税額につきましては、炭素トン当たり先ほど申しました二千四百円。 それから、非課税の扱いにつきましては、国際競争力の確保あるいは産業構造の激変緩和、あるいは低所得者、中小企業等への配慮からの軽減措置を設けるということ。 あるいは、歳入の規模といたしましては四千九百億円。また、税の使途といたしましては、温暖化対策、森林吸収源対策あるいは省エネ対策などに充てるとともに、これらの促進など企業活力の維持向上に充てるというような案を昨年十一月にお示しをしたところでございます。
○藤原正司君 要は、この税金によって、目的は、要はその税金によって集めた金を使う方に目的があるのか、金を集める方に目的があるの。どっちなんですか。
○政府参考人(桜井康好君) 昨年提案をいたしました環境省の案といたしましては、企業、家庭などすべての主体に対して排出量に応じた公平な地球温暖化対策への参加を求めるということ、それから、昨年のその提案の中には、雇用の促進など企業活力の維持向上に資するということを目的としておったものでございます。
○藤原正司君 この課税によって、全化石燃料のカーボンに対して何%ぐらい税金掛かるんですか。
○政府参考人(桜井康好君) 昨年提案いたしましたものは、炭素トンに比例をした課税ということでございますが、様々の軽減措置を取っているということから、消費される全化石燃料の約六三%に課税をされるというような案になっておったところでございます。
○藤原正司君 要は、化石燃料の六三%に税金が掛かる、あとは税金が掛からないということですから、税によるインセンティブ効果は少なくとも六十数%の燃料にしか対象になっていないということが一つですね。それからもう一つは、税によるインセンティブ効果でお聞きすると、例えばガソリン一リッター当たり一・五円の税金になると。これ一・五円の税金というのはインセンティブ効果が働くのかどうかということなんです。 実は、去年だけでガソリンは百円から百十五円まで一五%上がっておるんですが、一個も減っていないんですね、ガソリンの使用料。一五%上がって一個も減らないものが、一・五、一%で減るかどうかという、その辺についてはいかがなんでしょう、インセンティブ効果について。
○政府参考人(桜井康好君) 私ども昨年提案をさせていただきました案におきましては、ガソリンでいえば一・五円というような水準でございますが、これは、そういったエネルギー価格に対する賦課を掛けることによって、中長期的にはより、例えば車でいえば、省エネの車への代替が進む、つまり消費者の方々がそういう、より省エネの車を選ぶ、あるいは企業がそういった省エネの車の開発を進めるというようなことで、中長期的な効果を期待しておるところでございます。
○藤原正司君 それと、この資料によると、例えばガソリンは上流課税だということなんです。要は、製油所から払い出す段階で税金掛けると。これは外税になるんですかね。最後にガソリンスタンドで売るときに、環境税といってぺたっと張った分が出るのか、いやそれは込み込みで、どっちになるんですか、例えばガソリンの場合。
○政府参考人(桜井康好君) 私ども環境税を提案させていただきました趣旨は、最終の消費者の方々がその負担を感じ取っていただく中で、その中でいろんな取組を進めていただくということでございまして、最終的にどういう形でガソリンのその価格の中に表示をするかというのは、これはまだいろんな細かい詰めが必要かと思いますが、何らかの形でそういったことが、消費者の方が分かっていただくような工夫が必要だろうというふうには考えております。
○藤原正司君 要は、途中の段階でいろんな事業者が合理化努力によってそれを吸収するようなことをしては駄目だぞと、ちゃんと税金は税金で最後に購入する人が分かるように、そういう仕組みをつくっていくと、こういうふうに理解しておいていいわけですね。 歳出の中で、この資料を見ると四千九百億円の税制、税の規模があって、このうち三千四百億を温暖化対策、それから千五百億は、いろんな使い道があるけれども、例えば社会保険料の軽減などというふうに書かれておって、少なくとも目的税ではないということ、もう一つは、必ずしも温暖化対策そのものに絞った税金ではないということ、その中で、この温暖化対策三千四百億の中で森林吸収という、森林対策というのが出てくるわけです。 私、この京都議定書の段階から森林吸収という意味はよくよく分からないんですが、昨日お尋ねすると、いわゆる森林を管理するということによってそれがカウントされるということなんですが、例えばロシアのようなところは、あれは管理しているんでしょうか。で、カウントされていないんでしょうか。
○委員長(佐藤昭郎君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
○政府参考人(桜井康好君) 森林吸収源を各国ごとに京都議定書の目標達成、目標の中でどのようにカウントするかは国際的な話合いの中で認められているところでございますが、ロシアについてもその量は認められているところでございます。
○藤原正司君 私は、ですから、森林吸収なんというようなものはお金を掛けないでカウントしてもらえるもんだと思っていたんです。というのは、ロシアなんか全然金掛けていないわけですよ。ロシアが枝打ちしたとか間伐したとか聞いたことないんで、植林したということも聞いたことない。それでもロシアはカウントされていると。 それで、我が国の場合はどうしたらカウントされるのかなという疑問があるし、金を掛けなければならないものかどうかということも私は疑問があるし、そのカウントの問題と国土保全のための森林整備という問題は全く別の話になってくるし、ここら辺りにはちょっとまだ、また折改めてじっくり聞かせていただきたいというふうに思います。 ただ、一言だけ言いたいのは、これから、いずれにしても温暖化対策大綱がこれから計画に、法制化されて、レベルアップしてステップ二ですか、に進んでいくということになるわけですが、正直言いまして、何かこの温暖化問題でいうと、環境省が白馬に乗った王子様で経済産業省は悪者と、こういうイメージになっているわけです。 私は、結局、環境問題というのは、温暖化問題というのは経済の裏返しの問題である、経済活動の結果として出てくる問題であるだけに悪者になるのは仕方がないというふうに思いますけれども、問題は、合理的、科学的、長期的にやっぱりこの問題を冷静にとらえていかないと、えらいこっちゃということでいくと、何せ目標は二分の一まで温暖化ガスを減らさないかぬわけですから。 すなわち、アメリカと中国と日本が即時に何もしないという状態に、例えば例示的に持っていかないとガスは減らないというわけですから、そういうプロセスの中で、いかに科学性と合理性と、そして全員が参加するかという仕組みをつくっていかないと、ちょっとヒステリックになり過ぎてもいかぬのかなという感じを持っておりまして、是非、悪者にされないようにきちっと対応していただきたいと思っております。 以上です。
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。どうぞよろしくお願いいたします。 今、藤原先生が環境税のことで御質問なさいましたけれども、大分時間が足りなかったようでございます。私は、今日は環境税のことは御質問するつもりはないんですけれども、地球温暖化対策というのは非常に重要でございます。けれども、まず税ありきというのは、やはり私は、大企業から中小零細企業に至るまで非常に大きな負担になるという意味で、まず税ありきというのはいかがなものかという私も思いでございまして、また別途これは御質問をさせていただきたいというふうに思います。 民間の信用調査機関であります東京商工リサーチの全国企業倒産白書二〇〇四というものを見ましたら、二〇〇四年の倒産状況を見ますと、倒産件数は一万三千六百七十九件で、負債総額は七兆八千百七十六億七千五百万円となっております。この倒産件数は二〇〇三年に比べますと二千五百七十六件の減少でありまして、一九九一年から見ますと十三年ぶりに一万四千件を下回っているんですね。また、負債総額も見ましても、一九九四年の負債総額五兆六千二百九十四億九百万円以来、十年ぶりに八兆円を下回っているわけであります。 〔委員長退席、理事泉信也君着席〕 今日の日経新聞を見ますと、上場企業が純利益初の十兆円突破というのが出ておりまして、その上場企業の最終的なもうけを示す連結純利益、二〇〇五年三月期初めて十兆円を超すということで、純利益の合計額は十二兆八千億円弱と、二期連続で過去最高を更新する見通しとなったそうでございます。これは非常に良い私はことであるというふうに思っておりますけれども、しかし一方、日本経済では九九・七%が中小企業である、大きな比重占めておりますけれども、その中小企業は一体どういう状況にあるのかと。大企業に比べて中小企業の業況の回復遅い、これはもう皆さんそういうふうに認識おありだというふうに思いますけれども、その原因はどこにあるのか。経済産業省の中小企業対策は本当に効果が出ているのでしょうか。その辺が私もクエスチョンマークでございます。 中小企業の倒産状況、負債の実態及び業況をどのように把握して、そして把握した結果をどのように分析されているのか、まずお伺いをさせていただきます。
○政府参考人(望月晴文君) 先生おっしゃいますように、倒産件数の推移を見ましても、今般の全体としての景気回復を背景として減少傾向にあることは事実でございます。 数字はもう先生おっしゃったとおりでございますけれども、ただ私ども気掛かりなことは、その中で特に小規模企業、従業員数が五人未満の企業の倒産件数というのが減り方が遅いということでございまして、その小規模企業の倒産のウエートが高まっているという、全体の倒産の中でのウエートが高まっているというのは気になるところでございます。 〔理事泉信也君退席、委員長着席〕 景況感につきましては、これは大臣からもう幾度も御答弁申し上げているとおりでございますけれども、経済全体としては、一部に弱い動きが続く中で回復が緩やかになっているということで、中小企業は特にその弱い動きが目立つわけでございまして、特に小規模企業を中心に厳しい状況にございます。地域、業種に応じましてもまだら模様にあるというところでございまして、そういった中で、私どもはこの一定の弱い動きが続いている昨今の情景が特に機微な情勢にあるというふうに考えておりまして、引き続きセーフティーネット等々の対策には万全を期していかなければならないというふうに考えているところでございます。
○松あきら君 長官から御答弁いただきましたように、正に倒産件数全体に占める割合は五九%、その中小企業はですね、二〇〇二年の五五・六%よりも実際増えているんですね、全体的には件数減っているけれども。これ、どういうことかといいますと、やはりこれは大手企業を中心として業績が改善する一方で、小規模企業の淘汰が進んでいるんじゃないか、そういうふうに私は思うわけでございます。つまり、今日の新聞にもありますように、二極化が進んでいるんじゃないでしょうかね、日本の経済も。その二極化という中で、小規模企業の業況は更に厳しい状況にあるのではないかというふうに思うわけでございます。 特にバブル崩壊後、小規模企業の業況回復のためにこれまで経済産業省としてはどのような対策を実施されてきたのか。少しおっしゃいましたけれども、そしてその実施してきた中小企業対策は効果があったのか。現在の中小企業経営状態を見て、本当にそうした効果が、実績が出ていると思われるのか。先ほど、泉先生の御質問の中でも、政策は生きているのか、生きた政策かというお話、正にございましたけれども、本当にそれ大事なんですね。客観的にそうした政策評価、お聞かせをいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(望月晴文君) バブル経済が崩壊した後に、経済活力の本来でいえば源泉である中小企業がその能力を十分に発揮できるような政策を打っていかなければいけないということで、これはそれぞれの中小企業の業況によってニーズはもちろん違うわけでございますけれども、私どもは幾つかの体系の中でその政策を打ってまいりました。 具体的には、創業とかあるいは経営革新など、その中小企業による前向きの取組に対する支援、それから激動するその経済社会情勢に応じました、特に資金の面が中小企業にとっては非常に重要になりますから、その資金調達環境の整備をすること、それから不運にして非常に厳しい事業環境に直面する中小企業を何とか再生をしていかなきゃいけないという意味での再生支援などを柱として私どもは政策をしてまいりました。 政策評価は常にしてまいらなければならないわけでございますけれども、途中経過で、私どもそれぞれの時点で反省をしてみますと、今の政策、幾つか例を挙げて評価を簡単に申し上げたいと思いますが、創業対策などにつきましても、例えば法律でこれは最低資本金特例などを講じましたことによって新たに設立された企業が二万件を超えているということでございまして、そこはそれなりに創業に寄与した政策になっているんではないかと思います。 それから、先ほど申し上げました経営革新についての支援でございます。これは、全体状況が非常に厳しい中で経営革新法に基づいて経営革新計画を出してこられた企業についての支援をしてきているわけでございますが、この企業が目標は年率三%以上の付加価値額の向上をすると、売上げの向上みたいなものでございますけれども、付加価値額の向上を達成するという企業、そういうものを目標にさしているわけですけれども、計画を作った企業のうちで三五・七%の企業が一応達成をしていると。これは、例えば計画を作らないでいる一般的な中小企業が一八・九%ぐらいのその三%以上の付加価値達成額でございますので、これに比較しますと、経営革新計画にのっとってやってこられた企業というのは、相対的に言えばいい成果を上げていると。 それから、これは金融システム危機の最中に、平成十年から十三年までぐらいの間に、金融対策として金融安定化特別保証というのをやりました。これは非常に当時の未曾有の貸し渋りの状況の中での政策でございましたので、臨時異例のことはございましたけれども、これによって中小企業の倒産の急増を回避するということには、相当なコストは掛かりましたけれども、政策的には評価を受けているものでございます。 それから、その後、少し落ち着いてまいりましたところで、今のデフレ経済のじりじりと、じりじりとした悪いところにおけるその金融対策としては、セーフティーネット保証とか貸付けを平成十二年末から今日までやっておりますけれども、八十六万件、約十五兆円の実績を上げております。 それから最後に、事業再生につきましては、これは各県に再生支援協議会をつくって、これが十五年からやってまいりまして、いよいよフル活動をしておりますが、五千九百社の企業から全国で相談に応じまして、七百六十六社が手作りの再生計画を作る支援に入っておりますし、その中では二百五十九社が既に再生計画を完了し、立ち直りつつあるわけでございまして、それによりますと、二万六千名の雇用が一応確保されたというような幾つかの、私どもの政策の柱に沿って検証してみますと、成果もございます。 もちろん、まだまだ足りないところもございますので、ここは前提といたしますが、成果が上がっているかということでございますれば、そういったものがあるということでございます。
○松あきら君 今、長官から種々お話しいただきました。常に政策評価というものをきちんとしながらより良いやはり私は支援をしていただきたい、無駄なところは削って、より良い伸びるところはもっと伸ばしていくと、それをお願いしたいと思います。 ところで、最近六年間におけます政管健保及び厚生年金に係る新規適用事業所数と全喪事業所数、これ、やめちゃったとか倒産しちゃったとか休業したところですね。推移は、まず新規適用届は、一九九七年度の十一万八千八件をピークに減少し続けておりまして、二〇〇二年度には五万三千六百五十八件となっております。また、全喪届の推移はどうかといいますと、九七年度は七万千三百九十七件でありましたが、二〇〇二年度には九万七百三十八件と、五年間で約二万件も増加しているわけであります。 厚生労働省にお伺いしますけれども、このようにその新規届、新規の適用届減少して、また全喪届増加している、こういう状況はなぜ起こるとお考えなのか、その原因をどのように考えていらっしゃるのか、お聞かせください。
○政府参考人(小林和弘君) 今御指摘のございました厚生年金、政管健保の適用事業所数でございます。平成九年度をピークといたしまして、ここ数年、基本的に減少傾向にございますことは、委員御指摘のとおりでございます。それに反比例するかのように、全喪の事業所数は増加傾向にございます。 これは、昨今の経済状況等を反映いたしまして、事業の休止あるいは倒産ということが増加している結果というふうに考えております。
○松あきら君 私が御説明するまでもなく、政管健保及び厚生年金が適用される事業所は厚生年金法によって、個人経営の事業所は、常時五人以上の場合は、農林水産や旅館、飲食店以外は加入が義務付けられているわけです。それからまた、株式会社、有限会社などの法人は、常時働く従業員が一人でもいれば加入が義務付けられているわけでございます。すなわち、個人経営の事業所であるならば、従業員が常時五人未満かあるいは農林水産、旅館、飲食店など以外は厚生年金に入らなくちゃいけないんですね。強制加入ですので、任意に、好き勝手にやめちゃう、脱退するというわけにはいかないわけであります。 厚生労働省に確認をいたしますけれども、厚生年金脱退するにはどのような理由があれば可能なんですか。
○政府参考人(小林和弘君) 今御指摘ございましたように、法人の事業所でございますれば、常時従業員を使用する事業所については強制適用、また、製造、建設等の所定の事業を行う個人の事業所につきましても、常時五人以上の従業員を使用するものについては強制適用ということでございます。そういう意味では、この要件に該当する以上、強制加入でありまして、任意に脱退できるという制度ではございません。 適用事業所が廃止、休止した場合、厚生年金保険法の施行規則におきまして、廃止、休止その他の事情により適用事業所に該当しなくなったときは、当該事実があった日から五日以内に届出書を社会保険事務所長等に提出しなければならないと、こういうふうに規定されておりまして、この届出を行うことによりまして適用から外れるという仕組みになっております。
○松あきら君 今お答えいただいたように、事業所が政管健保あるいは厚生年金から脱退できるのは、企業が倒産したり、あるいは休業に追い込まれた場合のみですよね。 それでは確認いたしますけれども、二〇〇二年度に九万七百三十八件の全喪届があったわけであります。このすべての全喪届について、内容が正確かどうか調査したんでしょうか。
○政府参考人(小林和弘君) 御指摘の、平成十四年度の全喪事業所数約九万一千件につきましての調査は実施できておりません。ただ、社会保険からの違法な脱退への対応ということにつきましては、平成十五年の十一月の時点で、解散や休業を理由とする全喪届を受け付ける際に、例えば解散の登記簿謄本の写しの添付を求めるということにするなど、違法な脱退の防止策を講じさせていただいているところでございます。 また、現在、昨年の一月から九月末までに届けられました全喪届、これは件数として約四万件ございます。それについての総点検の実施をさしていただいているところでございます。この総点検の実施の結果につきましては、今月中に調査を完了させていただきまして、結果は四月の上旬ぐらいにでも何とか公表させていただきたいというふうに思っております。
○松あきら君 ちょっと厚生年金例に取りまして試算しますと、今、御存じのように、年収の一三・九三四%相当する額を事業主と従業員が半分ずつ負担することになっているわけですね。ですから、例えば年収六百万ですと、一三・九三四%掛けますと八十三万六千四十円、これ、それぞれ事業主と本人が四十一万八千二十円、つまり約四十二万円を支払うことになるわけです。更に単純に試算をしまして、年収六百万の従業員が五人いれば、事業主は約二百十万円を負担するということになるわけです。それでいいんですよね、ね。──はい。 それで、法人税は赤字企業には当然課税されない、御存じのように、わけですけれども、その保険料は事業所が赤字であっても何でも支払わなきゃならないんです。事業主が二分の一の保険料を負担することは、従業員を考えれば当然のことですので、赤字だからといって負担しないでいいというわけじゃないと。本当に倒産、休業した事業主の方々には、この事業を継続したいと、中には御自分の大事な機械を売ってでもそれに、保険料に充てようという人もいると。あるいは、自分の事業所が蓄積した技術生かして事業展開をしたい、いろんな望みもある、思いもあると、そして、運営資金の調達にも努力をしたんだけれども、やむなく休業あるいは倒産、追い込まれたところもあると。 しかし、この経営難から厚生年金の保険料負担を逃れるための、実は虚偽というか架空の全喪届を提出しているのがあるというふうに聞いております。先ほどもちょっとお話ありましたように、お調べになった、今調べているということは、それが分かっているから調べられたと思うんですけれども、一体何件ぐらい、何万件ぐらいというか、まあそこまではいかないんでしょうか、あるんでしょうか、この虚偽の、あるいは架空の。
○政府参考人(小林和弘君) 先ほどもちょっと御答弁させていただきましたけれども、今、総点検、昨年の一月から九月末までに届けられた全喪届四万件につきましての総点検の実施をさしていただいております。調査の内容といたしましては、喪失の原因また添付書類、実地調査の有無と、こういう辺りについての調査をさせていただいております。 これらのうち、事業廃止等を議決した取締役会議の議事録の写しなど第三者の確認がない書類、こういうものが添付されていたものを中心に約四千六百の事業所につきましての実地調査をさしていただきました。その結果、昨年十一月の時点でございますけれども、約五十の事業所が事業を継続又は再開をしている、全喪届を出しながら事業を継続又は再開しているという事実を把握さしていただいたところでございます。 なお、昨年の十一月以降につきましても、約六千二百の事業所について引き続き調査をさせていただいております。これらにつきましても、結果が判明次第、公表さしていただきたいというふうに考えております。 いずれにいたしましても、全喪届の適正化に向けた取組を確実に実施をさしていただきまして、調査の結果、不適正な届出があるということが判明いたしました場合には、厳正に対処をさしていただきたいと思っております。
○松あきら君 ところで、会計検査院にお伺いします。 会計検査院は、平成十二年度決算検査報告におきまして、政管健保及び厚生年金適用事業所の全喪処理の適正化について処置要求されておりますよね。検査報告を読みますと、検査院は、北海道社会保険事務局ほか十五社会保険事務局の九十三社会保険事務所等において、十二年度に全喪処理された二万六百八十一事業所のうち、休業を理由とした八千百九十事業所を抽出して、このうち事業を行っていると疑わしい千四十八事業所を検査した結果、二百九十八事業所では全喪処理後も事業を行っていたと指摘をされております。 このことはどういうことかといいますと、先ほどお話ししたように、休業届を出し、保険料払いませんということを主張した事業所が、実は休業などしていないと。引き続き事業を行っていた実態があったということなわけでございます。 検査院、政管健保及び厚生年金適用事業所の全喪処理の適正化についての処置要求の内容は、私が今述べたことで合っているんでしょうか。
○説明員(増田峯明君) お答えを申し上げます。 ただいま先生がおっしゃいましたことはそのとおりでございまして、私ども平成十三年に検査を実施いたしまして、十三年の十一月に会計検査院法三十六条の規定によりまして、社会保険庁長官に対し処置を要求したものでございます。
○松あきら君 会計検査院は、なぜこうした事態が発生したとお考えになるでしょうか。企業が虚偽の休業届を出すという背景には、その保険料負担を逃れようとすることが大きな原因だというふうに思うんですけれども、いかがですか。
○説明員(増田峯明君) お答えをいたします。 私どもが指摘をいたしました事態、これが生じた理由といたしましては、事業主が保険料の負担を避けるなどのために全喪届を提出していたこと、あるいはその社会保険事務所等の指導等が十分でなかったこと、そういったことも考えられるわけですけれども、大きな理由といたしましては、全喪届の記載内容あるいは添付資料が法令等できちんと規定されていなかったということから、社会保険事務所等におきまして全喪届を提出した事業所の事業実態を十分に的確に把握することができないといったようなことがあったというふうに考えたものでございます。
○松あきら君 検査院が、その事業所が保険料を企業の運転資金に使っていたかどうかと、これは分かりませんかね。分かんない。
○説明員(増田峯明君) お答えをいたします。 私どもの検査では、先ほども申し上げましたように、全喪処理後も事業を継続あるいは再開をしているという事実は確認しておりますけれども、今おっしゃいましたような事業所での資金繰り、そういうところまでは把握をしていないということでございます。
○松あきら君 当然のように、事業所が厚生年金から脱退すれば、その企業で働いている従業員は当然のごとく厚生年金から国民年金に変わるわけです。しかも、事業所が全喪届出しているのを知らなかったと、分かんなかった、気が付かなかったという人いるんです。 そうすると、国民年金に入ろうと思ったら、ちゃんと届けて入んなきゃいけない、奥様の分も入んなきゃいけないんですよ。だから、例えば収入が低い方の場合、例えば厚生年金から引かれている金額と、今度、国民年金になると自分と奥様の分と両方払わなきゃなんない。負担も大きくなる。しかも、もらえる年金の額は下がる。しかも、仮に、いや、これ本当にあるんですけれども、何件も、分からなかったり、黙ってやっちゃうと、事業所が。そうすると、その期間、結局滞納ですよ、いっとき問題になりました、こうなるわけです。非常に大きな問題なんですね。 もちろん、年金制度というのはみんなで支え合っていくものでありますから大事なわけであります。社会全体で支え合いで成り立つものであるわけですから、事業所がその社会的責任を放棄していいわけはないんです。ただ、ただ、本当に苦しいところも今あるんですね。さっきお話ししたように、せっかく入れたいろんな機械も売らなきゃいけないとか、あるいはその敷地の、もう狭い敷地も半分は売らなきゃいけない。本当は全部売らなきゃならないぐらいだけれども、まあ何とか仕事しなきゃいけないから半分は残そうと、そういう方もいるんですよ。 私、実は平成十一年の予算委員会でこれも質問さしていただいたんです。そして、そのときに、経営の悪化によって保険料の支払ができなくなった事業者については、例えば時限立法でもいいですけれども、景気回復するまでの二、三年は公的資金による保険料の支払を担保する保険制度を創設する。すなわち、未払の保険料に相当する金額を事故発生のときから一定期間保険会社又は公的機関が会社又は事業者に代わって支払ってくれる。その保険料相当金額は公的資金によって賄って中小企業の経営をバックアップする、こういうシステムを構築したらどうだということと、それから保険料の支払猶予、これを設けてほしいと。しかも、これ行政の運用に任せるんじゃなくて、できれば、できればというか、これは、きちんと法律に基づいてこれをやってあげたらいいんじゃないかと、こう言ったんですけれども、もちろんできていないわけです。 けれども、最初に言ったことはともかくとしても、これはちょっと置いておいて、二番目の支払猶予ということに関しては、本当にまじめに取り組んでいる例えば中小企業の方たちが大変な状況になった場合は、今、あの当時は、平成十一年のときはもう全然駄目だったんですけれども、今、国民年金が支払猶予を設けていますよね。フリーターの人とか学生さんとか収入がない人は、届ければ猶予を認めてくれるんです。それは勝手に払わないんじゃなくて、それはそういう、ちゃんと届けておけばその期間は猶予してくれて、その代わり、支払えるようになったらその分もちろん返していくんですけれども、私は、やはりそういうことももう考えてもいいんではないかというふうに思いますけれども、厚生労働省、いかがでしょうか。
○政府参考人(大谷泰夫君) お答え申し上げます。 御承知のとおり、厚生年金の保険制度と申しますと、これは被保険者と、それから事業主が負担する保険料によって成り立っております。そうしますと、被保険者の老後生活を支える年金制度を安定的に運営していくためには、やはり保険料を確実に納付していただくということが不可欠と考えております。 厚生年金保険料というのは、支払われました報酬に応じまして被保険者と事業主が折半で負担するということになっておりますから、事業主は毎月の保険料をその翌月末までに事業主とその給料分と合わせてこれ一括して納付していただくと、こういう制度になっておるわけでございます。 今お話のありましたように、中小企業の厳しい環境ということはございますけれども、一方で、従業員であります被保険者の立場というものも考えますと、私どもといたしましては、事業主が事業を継続して報酬の支払を行っておられる間は保険料は必ず納付をいただきたいというふうに考えておるところでございます。 今、国民年金のお話ございましたけれども、確かに国民年金で学生や若い人に対して支払の猶予、後で十年掛かって追納を認めるという制度を近年発足して、またこの四月にも発足する部分があるわけでありますけれども、やはり個人で事情を判断し、あるいはその個人の状況に応じて構成している国民年金とはやはり違うのではなかろうかということで、厚生年金で同じようなものをつくるというのはなかなか難しいというふうに考えております。
○松あきら君 まあ分かっていたお答えではありましたけれどもね。私も、何回も何回もいつも、これやってほしいなとやっぱり皆さんが待ち望んでいるということは結構しつこく質問を繰り返すんですけれども、全喪届を出して、偽装して、本当に払えるのに、それはもう、ちょっとほかのことに回したいからって、これに対してはもう厳しくしてほしい。けれども、やはり本当に苦しいところには私は今後こういうことも考えていただきたいというふうにこれは申し上げておきます。 大臣には今まで御答弁していただいていない、私もお伺いしていないんですけれども、今、いろいろお聞きになっていたと思います。企業、大企業の方はなかなかいい状況になってきて、これはうれしい限りでございまして、もっともっと景気が良くなってほしい。けれども、中小企業の皆さん方はまだまだこの厳しい状況、二極化と言われる中で、私は、経営が苦しいからといってどうしても払えないところも実際にはあるということなんですね。 ですから、やはり、仮にこういうことで、反対に保険料払わなきゃなんないから会社がつぶれちゃったなんということになったら大変なわけであります。ですから、例えば一定の厳しい条件をつくっておいて、その条件を満たせば保険料支払のための貸付けを行う制度なんかをその中小企業の経営支援、これが、経産省でこういうことできないだろうか。いかがでございましょうか、大臣。
○副大臣(保坂三蔵君) よろしいですか。じゃ、私から。 お話を伺っておりまして、全くもっともだと思います。支払猶予に関しましては社保庁のマターということになりますが、我々の方といたしましては、現下の中小企業の状況の厳しさというのは十分承知しております。したがいまして、これを他の制度をもってピンナップで、保険料だけの支払支援基金みたいな、制度みたいなのはなかなか難しい。しかし、現にあるセーフティーネット保証みたいのを有効に活用していただけないだろうか、このように思います。 セーフティーネット貸付保証は、これはもう現にいろんな様々なニーズを全部含んでおりますから、運転資金として御活用いただければ、保険料は当然その中にも入ってくるわけでございます。それからまた、一方、保証貸付けを受けて借り入れている場合は借換え制度もございます。こういう制度を十二分に活用していただくことによって、運転資金としての確保をしていただくことによりこの危機を乗り切っていただきたい、このように期待しております。
○国務大臣(中川昭一君) 私は、うっかりミスで年金を払っていなかったものですから、余り偉そうなことを申し上げるわけには、ことはできないんですけれども、今の松委員の御指摘は、一部の中小企業、零細企業が厚生年金の企業者負担すらできない厳しい状況が現にあるんだということでございますから、その直接的な答弁は今、副大臣からやっていただきましたが、そのような中小企業も現に存在をしているということを我々政府、特に中小企業庁、経済産業省は現実としてきっちり認識をしなければいけないという意味で、例えば、先ほど泉委員のときに、正規雇用から非正規雇用に変わっているなんというのもある意味じゃコストカットであり、雇用形態を決して働いている人から見ればいい条件ではないようになっていかざるを得ないとか、いろんな問題点があるわけでございますので、その典型的な例、ぎりぎりの例として松委員がお挙げになっておられますので、中小企業、零細企業、頑張ろうとしても今苦しいところを一押しできるような政策を我々としても改めていろんな形でバックアップして、頑張っていけるようにするように、更にまた知恵を絞り、努力をしていきたいというふうに思っております。
○松あきら君 ありがとうございます。 大変力強い御答弁をいただきました。もちろんだらだら、後ろ向きの中小企業をいつまでも助けるということは問題もあります。けれども、前向きな、少し押せばより良くなるところには是非御支援のほどよろしくお願い申し上げます。 全然違う質問に変わりますけれども、今、少子化がもう言われて久しいというぐらいでございまして、アメリカからも二十一世紀の日本は、少子化対策と教育問題をやらなければ日本の未来はないみたいなことを言われまして、アメリカから言われたくないなんて思いましたけれども、その少子化対策というと少しあれなんですけれども、今実は妊婦バッジというのがあるんです。妊婦さん、おなかが大きい方。 やはり、日本の今、国は、一・二九ですか、かなり出生率も低く、なるべく若い方たちに子供さんを産んで育てていただきやすいやっぱり社会を私たちはみんなで協力してつくらなきゃいけない。しかも、今、女性が働く、しかも子供を育てながら働く女性には非常に厳しい状況であります。いろいろな政策取られてはいますけれども、なかなかそれが前に進まない企業も、やはり企業は当然利益ということも、利潤ということも考えますから、そうすると、いつ休むか分からない女性よりもしっかりと働いてくれる男性がいいとなるのはある意味では分かるんですけれども、でも、そこで、やはり私は、持続可能な成長をこれから求めていくのであれば、やはり女性の力が必要であると。特に、最近は学校でも企業でも実は優秀な人は女性に多いと、これ私が言っているわけじゃなくて、新聞に書いてありまして、いろんなものに書いてあるんでございますけれども、そういうふうに言われていると。 そして、その大きなおなかの妊婦さんは一目で、ああおなかが大きい方だなと分かるんですけれども、このごろ七か月くらいになるまで分かんないんですね、割と目立たない。(発言する者あり)そうですよ。分からないんです。その着るものにもよりますけれども、余り目立たせたくないというのもありますけれどもね。分からない方多いんです。 そうすると、その妊婦さんが通勤するときに、満員電車とかそういうときに非常に苦しいと。全然はた目からは分かんないんだけれども、もう本当に座りたいと。そして、その妊婦バッジというのは、実はあるんですけれども、これがいろんなところで違うんですよ。自治体とか、かわいらしいでしょう、こういうのもあるんですけれども、NPOですとか、いわゆる国の統一のバッジというのがないんですね。もしもその統一のバッジがあれば、そして、車内放送なんかで、今携帯なんかのをいろいろ言っていますけれども、そういうときに、例えばその国の基準というか、統一バッジがあれば、こういう妊婦の方あるいは妊婦バッジを付けていらっしゃる方には是非席をお譲りくださいとかというアナウンスもしてもらえると。これ、小さな問題のようですけれども、実は非常にいろんな声が大きいんです。 それで、是非私はこれ、厚生省、厚生労働省に統一規格を作っていただきたい。今の現状と、その作っていただきたいということを、よろしくお願いします。
○政府参考人(北井久美子君) 妊婦バッジの件でございますが、妊娠初期のおなかが目立たない時期に妊娠中であることを周囲に知らせる手段として、京都市などの自治体が母子健康手帳交付時に妊娠バッジを配付をしたり、あるいは一部の個人や民間団体がバッジやステッカーを頒布なさっているという、そういう活動を行っているということは厚生労働省としても承知をしているところでございます。 こうしたお取組は、もちろん意義ある取組だと考えておりますが、御指摘のように、国が引き取りまして、デザインを統一化することにつきましては、自治体や個人、民間団体のこういうせっかくの創意工夫のある取組を阻害することにもつながりかねないと思っておりまして、現在のところ、慎重な検討が必要かと考えております。
○副大臣(保坂三蔵君) 私どもの方からも一言発言させて。 全く違うんですけれども、今日は中川大臣の下のお子さんが小学校を卒業されまして、おめでとうございます、お父さんとして卒業式に出てくれたと、午前中。とてもいいことだと思って私は感激しております。 少子化のお話から入りましたけれども、厚生労働省の答弁はああいう程度だと私も思いました。確かに法律的には男女雇用均等法だとか、あるいはまた育児保障制度やなんかあります。また、本省といたしましても、私どもの省といたしましても、創業塾やあるいは低利の貸付けで女性の働く力を何とかと思っていますけれども、そのバッジに関しましては、本当に私はいい制度だと思うんです。 千代田区の例を申し上げますと、最初に母子手帳が出たときにくれるんですね、出たときに。そして、そのバッジの中にハブ・ア・ナイス・ベイビーって書いてあるんです。それで、ベイビー・イン・ミーって書いてありまして、女の人が指を指して、そこにハートのマークがかいてあるんですね。 私の娘も、長女なんですが、子供生まれまして、今日幼稚園の卒業式に行ったんですが、四月一日に赤ちゃん生まれるんです。こんなでっかいおなかしているんです。それで、今日出掛けていったんですよ。おまえ、四月一日ということは、今日生まれるかもしれないのに、いいのと言いましたら、私は苦労をして子供をつくりましたと、ですから堂々と誇りを持ってみんなに見てもらう、こう言うんですね。ところが、その娘が、初めての子供が生まれましたとき、勤めていました。電車の中で席を立ってくれる女の人さえいなかった。本当なんですよ、これが。ですから、そういう状況は、例えばちいちゃなバッジかもしれませんけれども、バッジ付けていたらさりげなく外部に、この人は妊婦さんですよと、これから努力して大事な大事な子供の魂を育ててくれているんですよというようなことが外部に知らせることによって、みんなが女の人を守ると、こういうことになると確信しておりますので、厚生労働省にも頑張っていただきたいと思います。
○松あきら君 もう大変うれしい御答弁でございました。(発言する者あり)はい。私は、その母子手帳のときに一緒に渡してほしいと。そして、本当に厚生労働省はもう……(発言する者あり)そうです、何か横から声がありまして、正にそのとおりでございまして、私は、そのバッジ、妊婦バッジ、こういうものがありますよ、そしてそれによって思いやりの心が生まれてくるんですよ、人と人とが、それが大事であると、それが正に人を思いやる心をはぐくめる社会だというふうに思います。 もう時間ですので……(発言する者あり)ああ、賛成でございますか。議員は、大臣も御答弁はちょっと今日はもう時間がないんでいただけないんですけれども、全員賛成でございますので、どうぞ厚生労働省、よろしくお願いいたします。 終わります。
○鈴木陽悦君 本日最後の質問をさせていただきます、無所属、鈴木陽悦です。どうぞよろしくお願いいたします。 今週の火曜日の委員会でもいろいろとエネルギー問題出てまいりまして、今日は新エネルギーについて質問させていただきたいと存じます。 燃料電池も出ましたが、風力そしてまた太陽光につきましても、今週、委員会の中でお話が出てまいりました。新エネルギーに対する期待は大変大きい、それからクリーンさ、さらには需要サイドのエネルギーとしても注目度高くなっていると思います。 このうち太陽光発電なんですが、かなり歴史はあるようで、私も随分昔から覚えている感じがしまして、いろいろと発電量を伺いましたら、何と日本の発電量というのは全世界の四七・五%を占めていて、世界のトップに位置していると。もう世界の半分ぐらいの太陽光の発電は日本が生み出しておるということに驚きました。 また、風力発電なんですが、ここ十数年の間に急激に導入が進んでおりまして、今では九百基台ということですが、千基に近づいている状況だということであります。大臣の北海道から津軽海峡にも、竜飛岬が大変有名でございますが、秋田、新潟、九州、沖縄の方まで最近は風力発電機が非常に目立つようになってまいりました。 さらに、バイオマスも廃材から、農業、畜産、水産系の残渣などを有効に活用することから国内全般で活発な取組が見られます。 こうした風力、太陽、バイオマスなど新エネルギーの関連予算ですが、新年度予算に千六百億円余りが計上されております。 この新エネルギーの導入目標につきまして、政府は、対一次エネルギー総供給比で、二〇〇二年度が一・六%、二〇一〇年度に三%程度、二〇三〇年度に六・四%と設定をしておりますけれども、積極的な導入促進政策を構えた割には、私の感想ではちょっとウエートが低いのかなという感じもいたしますけれども、この辺も含めまして、新エネルギーの現状とそれぞれの成熟度、太陽、風力、バイオマス、成熟度、さらには将来見通しについて小平長官の方から伺いたいと思います。
○政府参考人(小平信因君) ただいま先生からお話ございましたように、太陽光発電、風力発電、バイオマスといいます新エネルギーにつきましては、これはエネルギー自給率の向上、それから地球温暖化対策に資する大変貴重なエネルギーでございます。このために、政府といたしましては、我が国の重要なエネルギー源の一つであるというふうに位置付けておりまして、財政上の支援、それから法律上の措置など、様々な措置を通じましてその推進を図ってきているところでございます。 ただいま予算のお話がございましたけれども、やはり新エネルギーはコストが高いという課題がございますので、平成十六年度の新エネルギー関連予算で千六百六十六億円を計上をいたしております。具体的には、これによりまして研究開発への支援、それから初期コストを軽減するということで設備導入の補助を行うというような予算を計上いたしております。 また、平成十四年には電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法、これ通称RPS法というふうに言っておるわけでございますけれども、これによりまして電気事業者への新エネルギー利用の義務付け等様々な措置を講じまして、導入の推進に努力をいたしております。 新エネルギーの見通しでございますけれども、ただいま先生からもお話ございましたように、総合資源エネルギー調査会の需給部会、二〇三〇年のエネルギー需給展望、これはついせんだって最終取りまとめを行ったところでございますけれども、実績で二〇〇二年が一次エネルギー供給に占めます割合一・六%でございますけれども、二〇一〇年度で約三%、二〇三〇年度で約七%というふうに伸びていくというふうに見通しているところでございます。 内容でございますけれども、これも今先生からお話ございましたように、特に我が国はこれまで太陽光発電の導入が大変進んでおりまして、世界での約半分近くを占めているということでございます。 それから、特に燃料電池自動車につきましては、二〇〇二年から世界に先駆けまして政府自らが率先導入をするというようなことで、この分野におきましても世界をリードをいたしております。 また、風力発電につきましても、これも先ほどのRPS法の対象になっておるわけでございますけれども、これにつきましても、特に風況のよろしい北海道あるいは東北、それから九州等で次第に導入が進んできておりますけれども、これもこれから導入が更に進んでいくというふうに考えておりまして、政府としても必要な支援を講じてまいりたいというふうに思っております。 また、バイオマスにつきましても、各地で取組が行われておりますので、これにつきましても更に導入が進んでいくというふうに期待をしているところでございます。
○鈴木陽悦君 ありがとうございました。 成熟度にしては一番太陽が古い、そしてまた世界の半分近くというお答えをいただきました。 日本海側というのは冬場大変風が強いので、この冬の強い風を利用した風力、太平洋側というのは、私も太陽の陽という名前をもらいましたけれども、陽光が非常にふんだんに日差しが降り注ぎますので、これもまた太陽光としては非常に有効である。さらには、企業化を目指した新たな取組でバイオマスの発電、こうした取組というのは得意分野で、いつも私、地域の再生の話をしていますが、得意分野の産業集積がある。その産業集積の発電を自分たちの地域の得意な分野で生かす。これ、もしかすると電力版の地産地消につながるのかな。 地域循環型の電力が生み出される、そこから自分たちのまた誇りというものも出てくる、そんな地域循環型のエネルギーとして私はこの新エネルギーに大変期待を大きく持っているわけなんでございますけれども、それ自体も、地産地消の電力自体もその地域の売りになる可能性があると思うんですよ。これまでの動き見ていますと、民間の勢いというのは非常にこの電力、新エネルギーに対して強い感じがします。民間にとっても新エネルギーの魅力、ビジネスとしての魅力を備えているあかしじゃないかと思うんですが。 小平長官、去年の秋ですが、地方のフォーラムで太陽光、風力、バイオマスの新エネルギーの将来市場について講演なさいました。二〇一〇年で一兆円、五万人の雇用、二〇三〇年では三兆円、三十一万人雇用とのシミュレーションを示していらっしゃいます。 そこで、この新エネルギーを地域の活性化、地域再生の観点からどのように展開していかれるのか、その辺のお考えを聞かせてください。
○政府参考人(小平信因君) これもまさしく御指摘のとおりでございまして、地域の振興を図っていきます上では、その地域の得意な分野、あるいはその地域に存在をいたします資源をいかに活用をしていくのかというのが一番重要であるというふうに思っております。 新エネルギーにつきましても、そういう観点から、それぞれの地域で様々な得意な分野、あるいは既にある資源というのがあるわけでございまして、既に、例えば愛知県の田原市、これはたはらエコエネルギービジョンと申しますものを平成十年に既に策定をしておられまして、地域の資源を活用した新エネルギー導入を推進するために、太陽光発電、風力発電の公共施設への率先導入、廃食用油からつくったバイオ・ディーゼル・フュエルの公用車への利用、大規模風力発電事業者の誘致、市民、事業者への普及啓蒙活動を行っておられます。 また、同じような取組は岩手県葛巻町等でも行われているところでございまして、まさしくこうした新エネルギーの活用は、エネルギーの地産地消、地域主導によりますビジネスの展開などを通じまして、地域での産業の活性化、雇用の確保等にもつながり、地域再生に資するというふうに考えておりますので、単にエネルギーという分野だけではなくて、幅広くとらえて推進をしていく必要があるというふうに考えておりまして、政府といたしましても支援を引き続き続けていきたいというふうに考えております。
○鈴木陽悦君 ありがとうございました。 新エネルギー、地域の再生にとっても非常に有効な手段というお話をいただきました。 このたびの新年度予算には、地域レベルでこの新エネルギーを産業として導入していくためにマイクログリッドを活用したビジネス化支援など、こうした予算も盛り込まれております。マイクログリッドは、太陽であり風力でありバイオマスなどの分散型の電源によりますエネルギーネットワークでございます。今、青森県の八戸市において世界で初めての実験が行われていまして、これ十五年度から特区を利用した形で進んでおりまして、十九年度まで、十七年までが設備投資で、十八年、十九年度でたしか運用試験が行われるというふうに聞いております。 このマイクログリッドなんですが、電力料金を大きくコストダウンできるというのも大きな魅力の一つでありまして、今後産業面で大きな効果を発揮する可能性を秘めております。まだ試験の段階かもしれませんけれども、このマイクログリッドの将来的な見通しについて長官からお願いいたします。
○政府参考人(小平信因君) これからのエネルギーの需給を考えますときに、電力につきましては、大規模な発電、これを送電をいたしまして需要家に供給するというものと、分散型電源、その中にマイクログリッドが含まれるわけでございますけれども、こういうものの組合せで全体の需給の改善を図っていくというのが需給見通しにもうたわれておるわけでございまして、今先生からお話ございましたとおり、マイクログリッドは地域の中で新エネルギーを始めといたします分散型の電源、それから自らが電線、いわゆる自営線というふうに呼んでおるわけでございますけれども、これを用いまして特定の地域の中で特定のお客さんに電力供給を行うというものでございまして、幾つかの電源を組み合わせることによりまして、需要と供給のバランスをマイクログリッドの中で図れるようにするというのが基本的な考え方でございます。 経済産業省といたしましては、ただいま先生から御指摘ございましたように、この新エネルギーを使いましたマイクログリッドの技術面、経済面での実証を目的といたしまして、平成十五年度から八戸市、それからほかにあと京都、愛知でございますけれども、NEDOによりますモデル事業、十七年度予算は六十億円でございますけれども、これを実施しているところでございます。 その他の地域におきましても、マイクログリッドに対する関心を持っておられる事業者、地域が多くございます。中でも、この新エネルギー等を使いましたマイクログリッドは地域のエネルギー資源を有効に活用することによりまして地域経済の再生にも資するということで、経済産業省といたしましても積極的に支援をしてまいりたいというふうに考えております。
○鈴木陽悦君 ありがとうございました。マイクログリッドではないんですが、そうした一つのヒントというのは、先日視察いたしました愛・地球博の会場でも見ることができました。 それでは、続いて質問します。 新しいエネルギーには日本の得意とする技術と、先ほどからお話何回も出ていますが、その地域の特徴をうまく生かせるんではないか、これを利点にできるという感じがいたします。 しかしながら、今回の予算なんですが、新エネルギー予算は前年度をわずかに、四十七億円下回っております。これにはいろいろ事情があると思います。この点については、今後より重点を置いて予算を盛り込んでいただきまして、地域の再生、ずっと、私、訴えていますが、地域再生、活性化に結び付ける起爆剤的な位置付けをしていく必要があると思います。 特に、中小の民間企業などが新エネルギーを自分たちのエネルギーに変換いたしまして、ちょっと大げさな言い方かもしれませんが、自分たちのエネルギーに変換して、勢いを付けて、その地域のばねになってほしい、そんな期待も寄せたいと思います。新エネルギーの進展が地域の夢であり、また希望づくりにつながればと思っております。 最後に、中川大臣に、この太陽、風力、バイオマスなど新エネルギーをどのような形で今後この経済産業政策に生かしていかれるのか、この点を伺って、質問を終わらせていただきます。
○大臣政務官(山本明彦君) 鈴木委員の質問にお答えさせていただきます。 委員御質問ございましたように、自然エネルギーというのはこれから地球温暖化対策も含めまして大変大切であることは言うまでもないわけでありまして、余談を言って申し訳ありませんけれども、先週パキスタンへ私行ってきました。パキスタンへ行きまして、あの国が今度やっと京都議定書を批准したばかりであります。しかし、その国が、まだまだエネルギーがそうしっかりとしていないところが、もう風力発電を我々は重点的にやっていきたいと、こういう話をしておりました。びっくりしたんですけれども、それだけやはり世界じゅう地球温暖化に対する意欲が大分盛り上がってきたんだな、そんな感じを受けております。 今御指摘いただきましたけれども、予算が減っておるんではないかというお話をいただきました。四十七億円ほど減っておりますけれども、ちょっと見てみますと、太陽光発電関連で七十一億円ほど減っておるんですが、これ見ますと、プロジェクトがもう終了したということもありますし、それで減っておるわけでございます。逆に増えておりますのがバイオマスエネルギーの地域システム化実験事業とか、これは環境省も関係ありますけれども、地域、学校における新エネ導入支援等、百四億円ほど増えておるんですけれども、こういったやはり地域という言葉が各、いろんなところに出てきておるというわけでありまして、もう先生御指摘のとおり、地域の産業の育成にも間違いなくこれが貢献すると、こんなふうに思っております。 先ほどエネ庁の長官からちょっとお話あったんですけれども、本当は私が言いたかったんですけれども、地域ぐるみで行う新エネルギー導入事例として愛知県田原市のたはらエコエネルギー導入ビジョンとありまして、これ私の選挙区でありまして、本当は私にくれにゃいかぬわけですけれども、答えられてしまいましたけれども。 そんなことで、各地域ごとにいろんな問題を解決しながら自然エネルギーを進めてきておりまして、面白い例がございまして、新エネで発電された電気を買うことによって風でできたタオルというようなタオル産業も出てきたということでありまして、これは多少割高にはなるわけでありますけれども、正に新しいビジネスにこれは結び付くわけでありますので、そういったことについても経済産業省としては支援をしていくということでありまして、正に地域おこし、そして新エネおこしという形で頑張っていきますんで、よろしく御理解をいただきたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 今、鈴木委員のお言葉の中でマイクログリッドがいわゆるエネルギーの地産地消だと、非常にいいお言葉だなと思って、地産地消ということになりますと、今度は原産地表示というのが必要になってきて、じゃ日本が確保しているエネルギーの原産地は一体どこだということになると、メード・イン・ジャパンがほとんど少ないわけでございますから、そういう意味で、身近な御地元なら御地元、私の地元なら地元でバイオマスエネルギー、あるいは太陽光、あるいはまた風力、そしてまたこれからは家庭で例えば太陽電池でつくったエネルギーを売ったり、また電力会社から買ったりと、こういうことにもなってまいりますから、そういう意味で長期的な、元々エネルギー資源がない、化石中心にしたエネルギー資源がないという日本ではありますけれども、そうやって細かいところを積み重ねていけばかなりの部分、日本にはそういう技術を使うことによってエネルギーが正にある程度確保できるし、それはもちろん再生可能であり、環境にもいいエネルギーですから、大いにそういうところを推進していかなければいけないというふうに考えております。
○鈴木陽悦君 ありがとうございました。 以上でございます。終わらせていただきます。
○委員長(佐藤昭郎君) 以上をもちまして、平成十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち公正取引委員会、経済産業省所管及び中小企業金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤昭郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十六分散会