外交防衛委員会 第15号
- 発言数
- 146 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2005/06/14
会議録
○委員長(林芳正君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 現在、本委員会に付託されている条約の審査のため、本日の委員会に内閣府沖縄振興局長東良信君、防衛庁防衛局長飯原一樹君、外務大臣官房審議官中富道隆君、外務大臣官房審議官長嶺安政君、外務大臣官房国際社会協力部長神余隆博君、外務省北米局長河相周夫君、外務省欧州局長小松一郎君、水産庁資源管理部長竹谷廣之君、国土交通大臣官房技術参事官中尾成邦君、国土交通省自動車交通局次長松尾庄一君及び国土交通省政策統括官春田謙君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(林芳正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(林芳正君) 千九百六十五年の国際海上交通の簡易化に関する条約の締結について承認を求めるの件、千九百七十六年の海事債権についての責任の制限に関する条約を改正する千九百九十六年の議定書の締結について承認を求めるの件及び西部及び中部太平洋における高度回遊性魚類資源の保存及び管理に関する条約の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。 三件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山本一太君 まず、国土交通省に一問御質問させていただきたいと思います。 この千九百六十五年の国際海上交通の簡易化に関する条約、長過ぎるのでFAL条約と言わしていただきたいと思うんですけれども、これは国際航海に従事する船舶の入港、入出港に係る手続、提出書類が複雑なのでこれをしっかり統一しようという条約なんですけれども、日本が、随分長く掛かりましたけれども、やっとこれに加盟するということは大変歓迎すべきことだと思っています。ちょっと遅きに失したという感はありますけれども、これは非常に重要なことだというふうに受け止めています。 ちょっと一問だけ私が質問したいことは、このFAL条約に加盟をすると、締結するということは一つの手段にすぎないということなんですね。つまり、この目的は、日本の国際港湾というものが非常に、何というんですか、国際的に競争力が落ちてちゃんと競争できない状況になっているということが一番の問題であって、FAL条約はそのためのちっちゃな一歩だろうというふうに思うんですね。 ちょっとメモ作ってきたんですが、例えばコンテナ取扱いのシェアが物すごく大幅に低下をしているということで、香港とかシンガポールに比べてこの差がどんどん広がっているということで、例えば神戸港だと、ちょっとここにメモを見ると、コンテナ取扱量の世界ランキングが一九八〇年には世界四位だったと。これが何と、二〇〇四年ではもう三十位以下になってしまったということがあります。アジアの主要港をこうやって見てみると、去年だと思いますが、二〇〇四年になると思うんですが、香港が一番、シンガポールが二番、その次は上海で三番ということになっているわけなんですけれども、こういう状況がやっぱり続くと、コンテナ基幹航路の減少による物流コストが増えたりサービスが下がったりして国際競争力の低下を招くと。特に貿易立国である我が国にとってはこれは大きな問題だと思うんですが。 国土交通省に一問、一つだけお聞きしたいのは、こういうその国際港湾の国際競争力の低下はどういうことによって起こってきたと分析しているのか、これからこれについて、FAL条約に入ったことはいいことなんですけれども、どういう取組をする計画なのか、これだけ簡単にお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(中尾成邦君) 港湾の国際競争力についてお答えいたします。 まず、近年の我が国の港湾の国際競争力の低下の要因でございます。 アジア諸港を始めとします海外の港湾と比較しまして、一つは、コンテナ一つ当たりの取扱コストが高いということでございます。もう一つは、リードタイムと呼んでおりますけれども、港に貨物が滞留する時間、これを、非常に長いんです。これを、リードタイムを始めとするサービス水準が非常に低いということによるものだと認識しております。 このため、今国会におきまして港湾法等の一部改正を行いまして、スーパー中枢港湾、これは昨年七月に東京湾、伊勢湾、大阪湾を指定しております。このスーパー中枢港湾におきまして、同一の民間事業者により一体的に運営される大規模な国際コンテナ埠頭の形成を無利子資金の貸付けなどによりまして支援しまして、規模の経済性を実現することにしたところでございます。 あわせまして、港湾管理者ごと、これは一般的に県でございますけれども、港湾管理者ごとに異なっている入出港届の様式をFAL条約に定める国際標準様式に統一することによりまして港湾のサービス水準の向上を図ることとしております。 と同時に、スーパー中枢港湾におきましては、大型コンテナ船の接岸可能な大水深の岸壁の整備を重点的に投資することにしております。 これらの施策を行うことによりまして、アジアの主要港をしのぐ港湾コスト、サービスを実現いたしまして国際競争力の強化に努めてまいりたいと考えております。
○山本一太君 ありがとうございました。 この国際競争力を付けるという目的をしっかり踏まえた上で必要な措置をとっていっていただきたいと思います。 町村外務大臣に御質問したいと思います。 御質問する前に、一言まず大臣を激励したいと思うんですが、日本の常任理事国入り問題、安保理改革の問題がかなり正念場に差し掛かっておりまして、そういう中で、町村大臣は強力なリーダーシップを持ってこの常任理事国入りを目指して外務省を引っ張っているということについて、私は大変敬意を表させていただきたいと思います。 私は、国連に勤めていたころ、あるいは政務次官として一九九九年に、小渕内閣だったでしょうか、森内閣だったと思いますが、ニューヨークに行って各国の代表とお目に掛かったころ、まさか安保理改革の枠組み決議案が出るなんということは夢にも思わなかったので、そういう意味からいうと、ある意味でちっちゃな奇跡ではないかと思っています。 非常に、なかなか越えなければいけないハードルも多いですし、大変かと思いますが、引き続き大臣のリーダーシップで、この安保理改革実現に向けて是非頑張っていただきたいと思いますし、国会の方にも超党派で国連改革議員連盟というのができまして、八十人ほどいるんですが、同じ目的でいろいろと活動しておりますので、これからもいろいろ連絡を取りながら、大臣の御指導もいただきたいということだけお願いをしておきたいと思います。 さて、あともう十三分ぐらいしかありませんので、日中関係と日韓関係について外務大臣の御意見を伺いたいと思います。 日中関係についてなんですが、最近、大臣の方から大変興味深いコメントがなされまして、これは六月六日に東京都内で町村大臣が講演をされたときの言葉なんですけれども、日中関係について、無用にごまをする人がいるから日中関係がおかしくなると、率直に言わないと友好関係にならないと、こういうコメントをされたわけなんですが、この心はどういうものなのか。この発言についての大臣の真意について、まずお聞きを申し上げたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) ごまをする云々というのは、まあ適切な表現であったかどうかは別といたしまして、たまたま呉儀副首相が突然首相との会談をキャンセルをして帰られたと、それを外交当局は事前に十分知っていたはずだというような御発言があったものですから、いや、それは本当に当日の朝初めて知ったんですということを言いたかっただけでありまして、別にごますり云々ということを、どうもそこだけ取り上げてしまうのは誠に私の表現力のなさ、不徳の致すところだと思って反省もしておりますけれども。 いずれにしても大切なことは、いろいろな意見の違い、国内でもあるし国際的にも国と国との関係でもあります。その際に、やっぱりお互いに考えていることは率直に言い合うということが大切なんだろうと、こう思っておりまして、今までややもするとそういうことを少しずつオブラートに、厚いオブラートに包んで余り率直なことは言わないで来てしまった部分もあったんではないか。やはり本当の友達というものは、率直に思い考えていることを言い合って、理解するかしないかはまた別として、お互いに理解し合う努力もしていくというようなプロセスが大切なのではないかということを申し上げたかったわけでございます。
○山本一太君 ごまをするという表現は大変直接的ではありますけども、私は極めてうまく今の状態を表現している適切な言葉だったと思っておりますので、特に大臣は反省する必要はないと思っております。 私は、ちょっと今日は短い時間ですが町村大臣にお聞きしたいのは、大臣は日本の対中戦略、対中外交というものについてどういうグランドデザインを持っておられるのか。中国は日本にとって戦略的なパートナーなのか、中国はそれとも日本にとって潜在的な脅威なのか、中国とは情緒的ないわゆる信頼関係をつくるという哲学で日中関係を考えるべきなのか、それとももっと戦略的な実利に基づいてその日中関係というもの全体を見るべきなのか、ここら辺について、大臣が中国とどう付き合うべきかとお考えになっているかということについて、大臣の対中戦略全体について御意見をいただければと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 対中戦略、グランドデザインと言えるほど立派なものを持っているわけでもございませんが、自分なりに中国に関して考えておりますことを若干お話をさせていただきますが、何といっても隣国であります。引っ越すことができない地理的に近接したお隣の国、それは韓国もまた同様であります。やっぱりお隣さんとはいい近所付き合いをしたいなと、だれでもそう思っております。私もそういう思いでこれまで例えば日中議員連盟の私は幹事長というものを何年か務めさせてもらいました。自分なりに議員外交としての日中友好のために努力をしてきたつもりでございます。 そういう中で、近年中国が大変な勢いで発展を遂げている、開放政策の下で世界にも目覚ましい発展を遂げている、これは大変喜ばしいことだと思っておりますし、これもよく小泉総理が言っておられますように、これは、中国の発展は脅威ではなくてむしろ好機、チャンス、オポチュニティーであるというとらえ方が正しいんだろうと、私もそう思っております。何かこう封じ込めるとか、古典的な冷戦時代の用語で言えば封じ込め政策というのがありましたが、そういうことで中国をとらえるべきではない。ともに交わり、ともに発展をする、そういう関係を築いていきたいし、現実に人の往来も、また経済、貿易量、投資量等も非常に増えている、大変私はそういう意味でいい状態にあると、こう思っております。 ただ、現実に幾つかの問題で今懸案事項があることもまた事実でございます。それらを一つ一つしっかりと解決をする努力をしていくということが大切だと思いますし、そういう意味で、今私は、日中両国間で共同作業計画というものをお互いに作って、それに基づいて各方面にわたる交流を活発化させていこうではないかということを先方に提案をし、その中身を今いろいろ議論しながらやっております。今日もまた中国の外交部のアジア局長、ちょっと正式なタイトルは忘れましたが、アジア担当している局長と我が方のアジア担当の局長とで会合もやり、率直な実務的な意見交換もしております。 あるいは、先般、小泉首相がインドネシアで四月下旬に胡錦濤国家主席とも話をしたというようなことを通じまして、個々の分野で意見がそれは違うことあってもしようがないと。しかし、それはお互いが率直な話合いによって対話を通じて相互理解、相互信頼を深める中で、政治の面でも経済の面でも文化の面でもより生き生きとした交流が活発に行われるように、そういうふうに努力をしていくことが、これは日中双方の利益にとって大切であるのみならず、これはアジアにとって、国際社会にとってそれは大切なことだというふうに考え、そういう基本姿勢でこの日中の問題に取り組んでいるところでございます。
○山本一太君 今大臣の中国に対するお考えはよく理解をさしていただいたわけですけれども、私は、自民党には対中政策において三つのスクール・オブ・ソーツ、学派があると思っております。親中派の方々は、本当に日中関係を心配している方々はもちろん自民党の中にいるわけなんですけれども、あえてその方々とはやや違う情緒的親中派という方々がいて、これは町村大臣が率直に言わないと友好関係にならないという、この言葉が非常によく表していると思うんですが、やはり昔の対中政策のDNAがあって、中国とはとにかく波風を立てないように、うまくうまくお互いがその問題が表に出てこないように話し合って刺激しないでやっていこうと、そういう考え方の人々がおりまして、これは私は、今の日中関係の現状を考えたときに適切な戦略ではないと思っております。 もう一つは強硬派という方々もおりまして、この方々は時に中国を潜在的な脅威だと、敵だと言うと。明日からODAやめないと中国はモンスターになると言うと。むしろ、日中関係を安定させるというよりも、中国は分裂した方がいいというふうにおっしゃる方々もいて、これも誠にセンスがないというか、間違っていると思います。 やはり私は、対中関係においては、正に町村大臣がおっしゃったように、大きなグランドデザインはやはり戦略的に共生するしかないと。実利を求めてお互いのウイン・ウインを見付けていくしかないというふうな立場に立ちながら、しかし言うべきことは言うと。ごまをするという表現はこれは直接的ですが、何でもかんでも向こうに配慮して言うべきことを言わないというやり方ではうまくいかないということで、町村大臣は私が作った三つ目の学派、戦略派というところに属しておられるんじゃないかと思っておりますので、この発言はちょっとダイレクトなところもありますが、私は町村大臣のこの対中戦略は間違っていないと思いますので、私がこう言ったところで何の力にもなりませんが、自信を持って対中外交をやっていただきたいと思います。 さて、あと三、四分しかないんで、韓国の話をお聞きしたいと思います。 週末にソウルに行ってまいりました。一泊二日、実質一泊二日だったんですが、大体二十人の韓国のジャーナリスト、それから学者、若手議員に会ってまいりました。主なテーマは靖国問題でした。 大臣、御存じのとおり、どちらかというと靖国問題は日中関係の問題だった。韓国はどちらかというと教科書問題とか、そういう方にむしろ力点を置いていたような気がしますけれども、私は、この有識者二十人に会ってかなり夜遅くまで議論をした感触からいくと、この靖国問題は今かなり韓国で思った以上に大きな問題になっている、なかなか厄介な問題になっています。特に、小泉総理の靖国参拝の問題等々もあって、二十日の日韓首脳会談、これはもうほとんど、恐らく実質的にはセットされているはずなんですけれども、なかなか韓国の青瓦台の方から発表がないというような状況で、少し私は、日韓関係もかなり心配をしているわけですが、大臣がこのちょっとこじれた日韓関係についてどういうふうにこれをほぐしていけばいいと思われるか、日韓関係についての現状を踏まえての大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 日韓首脳会談につきましては、五月六日、京都で日韓外相会談を行いまして、六月下旬にソウルにおいて首脳会談をやろうということを合意をしておりまして、その合意が変わったという事実は全くございません。 一つには、余り、これは言っていいのかどうか、要するに我が国の国内政治事情といいましょうか、今もう端的に言えば国会延長の問題がいろいろ云々をされている状況の下で、なかなか総理の日程を確定的に今発表することがなかなか難しかったという側面があって今日まで一つには延びておりますし、他方、韓国国内にも、本当に開いていいんだろうかという慎重論も一部にはあるようでございますが、基本的には外相会談の合意どおり、ごく近いうちに日程を発表できるものと、こう考えております。 そういうことを前提にして日韓関係をどうするのかというお尋ねでございます。 これもさっき中国のとき申し上げたように、大切な隣人でございますし、特に日韓は何といっても同じ政治体制を取り、また市場経済体制も取り、正に日韓というのはまた日中とは異なった意味で大変深いつながりのある国と国との関係が築かれてきたと、こう思っております。 二月下旬ごろから急に、島根県条例の話から何か一挙にちょっと関係が、何か歯車がかみ合わなくなっている状況はありますけれども、これも今度の日韓首脳会談を契機として私はまたより良い方向に歯車がかみ合っていくんだろうと、こう思っております。 経済的な関係、文化的な関係、もろもろ含めて大変深い日韓の関係があるわけでございます。また、特に今は北朝鮮の問題等で、ともに同じ姿勢で臨まなければ解決できない北朝鮮の核の問題もある、ミサイルの問題もある、あるいは拉致の問題にも彼らの理解も得なければならないということでございますから、やっぱり日韓の関係も、これも非常に大事な隣国との関係で、より良いものにつくっていくために努力をしなければいけない、このように考えます。
○喜納昌吉君 今日は、まず条約関係の質問をしてから沖縄及び日本の防衛問題、さらに最近の出来事について質問します。 ちょっと私は言葉が早くなって聞きづらくさせてしまう部分がありますけど、この辺は今日は努力してゆっくりしゃべります。それから、官僚の言葉は少し長くなると聞き取れない部分が、理解できない部分がありますので、なるべく簡潔にしてくだされば流れが良くなるんではないかと思います。よろしくお願いします。 国際海上交通の簡易化に関する条約についてですが、四十年前の一九六五年にできた条約を今締結する理由は何ですか。逆の言い方をすれば、なぜ今まで締結しなかったか、理由を聞きたい。また、日本にとってどんな利点があるのかも聞きたい。お答えください。
○国務大臣(町村信孝君) 委員御指摘のように、確かに四十年も掛かってしまったのはいかにも時間が掛かり過ぎだという率直な印象も、私、この条約改正の勉強をしたときに思ったところであります。 先ほど国土交通省からもお話があったように、かつては日本の港湾というのは大変競争力があったと。したがって、国際的な標準に港湾手続を合わせる余り必要性を皆さんが、政府も含めて感じていなかったということがあろうかと思いますが、先ほどの御説明のように急速に競争力が失われてきているという状態、そしてもう一つは、二〇〇二年に新たに船舶の入港やら出港の書類の具体的な国際的な共通様式が定められたということもあるものですから、この際、EU諸国が取り組んでいるように日本も取り組もうということで平成十四年から現地調査を開始したりして、また関係する法案もいろいろ改正するということによってこの条約を締結しようということにしたわけでございまして、この条約の改めての締結によりましてもう一度日本の港湾の国際競争力を回復する一助になるのではないかと、このように期待を持ちながら今回の改正を行っているというところでございます。
○喜納昌吉君 第二条一項に「特別な必要」という文言がありますが、例えばどのような必要が想定されますか。
○政府参考人(神余隆博君) お答え申し上げます。 第五条(2)のところで公の秩序を維持するために一時的な措置をとることは妨げられないということで、御質問であると思いますけれども、この条約につきましては、船舶の入出港に関します手続、書類の簡易化等を定めるものではございますけれども、同時に、締約国が保安対策を講じる必要があるという点を十分に踏まえた内容となっていると承知しております。 例えば、我が国は、外国船舶に対しまして、海事関係の条約に基づきまして入港国による船舶の監督、これはポートステートコントロールというふうに言いますけれども、こういったものを行っております。国際海上交通簡易化条約の簡易化の義務は、これらの他の海事関係条約の実施を何ら妨げるものではございません。そういうプラクティスが確立をしております。また、条文上もそういうことになっております。したがいまして、我が国が行っておりますこうしたいわゆる入港国が行うポートステートコントロールがこの条約の締結によって影響を受けることはございません。 また、日本におきましては、これら海事関係条約に基づくポートステートコントロールのほかに、入管の職員あるいは税関の職員等が我が国の法令に基づいて必要に応じて船舶の検査等を行っております。この点、先生御指摘のありました条約第五条(2)におきましては、各国が個別の状況に応じて必要かつ一時的な保安措置をとるということを認めておりますので、国内法令に基づきますこのような検査なども、この条約の締結にかかわらず引き続き実施をされるというふうに考えております。 以上、この条約の締結によっても外国船舶に対する対応が影響を受けることはないと考えておりまして、我が国としては、引き続き保安対策に遺漏のないように的確に取り組んでまいる所存でございます。
○喜納昌吉君 北朝鮮の船舶を主な対象とした入港規制が既に行われていますが、その規制と本条項、本条約の条項が関連するならば、関連する条項を示してください。
○政府参考人(神余隆博君) 北朝鮮含み、外国の船舶が入ってくる際の様々な手続の簡易化、それからそれによる影響はどうかという御質問だろうと思いますけれども、これにつきましては、先ほど申しました条約の第五条(2)が該当するというふうに考えております。
○喜納昌吉君 二項と第二節、全文にも掛かるということですか。
○政府参考人(神余隆博君) 御指摘のとおりで、条約の全文に掛かるということでございます。
○喜納昌吉君 分かりました。 第五条三項に明文規定がない事項という文言がありますが、具体的にどのような事項が想定されていますか。
○政府参考人(神余隆博君) 第五条(2)以外に第五条(3)というのがあるわけでございますけれども、この第五条におきましては、(3)におきましては船舶の入出港に係ることでございまして、それの簡易化ということでございまして、それに直接影響を及ぼすことのない例えば貿易等につきましてはこの規定の影響を受けないというふうに考えております。
○喜納昌吉君 分かりました。 次に、海事債権についての責任制限に関する条約の改正は、海難に遭遇した船舶の賠償額の規定に関するものと理解していますが、改正部分の要点を簡潔に説明願います。また、日本にとっての利点を挙げてください。
○国務大臣(町村信孝君) この海事債権責任制限条約議定書の中身でございますけれども、これにつきましては、責任限度額というものを現在の二倍からおおむね三倍に引き上げようということ、それから旅客の死傷に係る債権について締約国の国内法によって責任制限を撤廃することを認めるという内容でございまして、これはひとえに被害者の保護を一層充実させようという目的であると同時に、船舶の運航により生ずる損害に係る国際協力を一層推進しようという見地で今回の改正を考えているところでございます。
○喜納昌吉君 今後、更なる改定の必要がありますか、あるとすればどのような点ですか。
○政府参考人(神余隆博君) 委員御指摘のありました、更にどのような改正が必要かということですけれども、これは一九七六年の条約を現在の状況に合わせてSDR等で目減りしたような部分を回復するために、大体損害賠償の責任限度額を二倍から三倍に引き上げるということでございますので、今回の条約が御承認いただきますれば、当面の間これを変更する必要性はないというふうに考えております。
○喜納昌吉君 最後の西部・中部太平洋での高度回遊性魚類資源の保存管理に関する条約ですが、五年前の二〇〇〇年九月に生まれたこの条約を今締結する理由は何ですか。逆に言えば、なぜ今まで締結しなかったのですか。
○政府参考人(中富道隆君) お答えいたします。 我が国は主要な水産物であるマグロ類を年間約六十万トン漁獲しておりますけれども、本条約の対象水域は我が国のマグロ類漁獲の約八〇%を占める重要な水域となっております。 今御指摘ございましたとおり、この条約は二〇〇四年六月に既に発効しております。我が国は、沿岸水域における漁業への影響の懸念もございまして、これまでこの条約を締結してきませんでしたが、条約の発効前から準備会合等における議論に積極的に参加しておりまして、また二〇〇四年十二月に開催された委員会の会合におきまして、我が国の懸念が解消される形でこの条約の運用がなされることが明らかになりました。それから、今後、本年十二月には委員会の第二回の会合が行われる予定が決まっております。そこから保存管理措置についての議論が本格化することが予想されるわけでございます。 この条約に入ることによりまして、中西部太平洋におけるマグロ類資源の国際的な保存管理体制の下で我が国の意見を適切に反映させることができるようになり、我が国の中西部太平洋におけるマグロ類漁業の安定的な操業に資することになるわけでございます。このため、今般、この条約の締結につき国会の承認を求めることとした次第でございます。
○喜納昌吉君 日本の漁業にとって、この条約はどのような利点と不利な点がありますか。
○政府参考人(中富道隆君) この条約は、マグロ類資源の長期的な保存だけでなく持続可能な利用をも目的としておりまして、資源の保存及び管理に当たって最良の科学的証拠に基づくということが条件となっております。このような形でこの条約に基づく管理措置の議論に参加をすることによりまして、我が国の重要な資源でございますマグロ類資源の保存及び利用が円滑に進むことが期待されるわけでございます。
○喜納昌吉君 日本の港のフィーダーポート化や、それから台湾漁船、台湾漁獲の、まあ何というのかな、力が付いてきたこと、それから捕鯨委員会のことをずっと考えてみますと、条約のやり方が、仕方が、何というんですかね、有利に展開するときにはすぐに締結して、不利なときにはやらないというやり方で今後の国際情勢に果たしてマッチするか、お聞きしたいんですけれども。
○政府参考人(中富道隆君) 先生御指摘のとおり、台湾のマグロ類等に関する資源の乱獲の問題、大変最近顕著になり、また重要な問題となってきております。これを未然に防ぎ問題化しないためにも、国際的な議論の枠組みの中に日本がきっちりと入っていく必要があるというように考えております。 幸いにいたしまして、この枠組みにおきまして、日本が意思決定にきっちり参加し、また不利にならないという確約が取れておりますので、この条約に参加することによりまして、我が国の権利をきっちりと確保するという積極的な方針で臨む所存でございます。
○喜納昌吉君 今後そのような態度でなされば、きっと安保理もスムーズにいくと思っています。 では、条約関係の質問はここまでとして、以下は一般の質問とします。 防衛、あっ、長官いらっしゃいませんね。防衛副長官に聞きますが、弾道ミサイル防衛、BMDは、戦域ミサイル防衛、TMDの範疇に属しますか。
○政府参考人(飯原一樹君) 技術的な問題なので、私の方から。 クリントン政権時代にTMDと、戦域ミサイル防衛という概念ございましたが、現在はNMD、ナショナル・ミサイル・ディフェンスと併せまして、全体をBMDあるいはMDという形で包含して言っております。
○喜納昌吉君 それはNMDも含まれているという概念、含まれているということですか。
○政府参考人(飯原一樹君) 現在のBMDはNMDもTMDも含んでおります。
○喜納昌吉君 これは非常に大変なことですね、それじゃ。分かりました。 呼び方はともあれ、一定の広がりを持つ戦域で使用されるBMDのねらいは、北朝鮮のミサイルもさることながら、本当のねらいは中国のミサイルではないかと考えるのが常識となっています。 政府や自衛隊の本音も、中国がBMDの対象ということではありませんか。こうした戦域の広がりを隠すためにBMDという言葉を編み出したのではないか。
○副長官(今津寛君) 長官が今衆議院の本会議に出ておりますので、代わって御答弁させていただきます。 我が国のBMDシステムは、北朝鮮とか中国とか特定の国の脅威を念頭に置いたものではありません。したがいまして、先生のおっしゃっていることではありません。
○喜納昌吉君 一部の専門家は、将来予測される中台軍事衝突に備え、日本のBMDは沖縄や本土の米軍基地などを標的とする中国軍のミサイルを撃ち落とすためという見方をしています。そのとおりですか。
○副長官(今津寛君) 御承知のとおり、BMDはあくまでも専守防衛、他国から飛来する、我が国に向かって飛んでくるミサイルを、我が国国民を守る、そういう意味で撃ち落とす、そういうシステムですから、他国を攻撃することは全くありません。
○喜納昌吉君 一九九四年から二〇〇一年までMDシステムの実験とその評価に携わったフィリップ・コイル元米国防次官補は、昨年五月十五日付け毎日新聞で、防衛史上最も金の掛かる防衛手段の一つであるMDを、現実的な有効性試験もせず、敵ミサイルを撃ち落とせるかどうか定かでないまま配備するのは納得できないという趣旨のことを言っています。コイル氏の意見をどうとらえますか。政府は、根拠が乏しいにもかかわらず、余りにも単純にBMDは有効だと言い張っているのではないですか。
○副長官(今津寛君) このことにつきましても何回かほかの委員会でも答弁をさせていただいているんですが、我が国のBMDシステムは多層防御の考え方を採用しておりまして、これによりまして、迎撃確率は相当に高い程度と自負をいたしております。 また、具体的に申し上げますと、これまでアメリカにおいて各種試験が行われておりますが、大変良好な成果を収めております。数字は省かせていただきたいと思います。そして、そういうそのアメリカにおける実験の結果、我が国独自のシミュレーションをいたしまして、コンピューター等で専門的な分析をするんですが、その能力も裏付けておりまして、十分に我が国国民を守るのに足るものだというふうに思っております。
○喜納昌吉君 敵ミサイルが多弾頭であったり、おとりの弾頭を付けて飛来したりしたら、BMDの能力、迎え撃つどころかお手上げ状態になるのではないですか。このおとり捜査ね、多弾頭であるときには、敵ミサイルがね、多弾頭であるときには、果たして本当にそのBMDで撃ち落とせるのか。副長官はそれを本当に信じておりますか。 もう一回、もう一回言いましょうか。もう一回ゆっくり言います。敵ミサイルが多弾頭であったり、おとりの弾頭を付けて飛来したりしたら、BMDの能力で迎え撃つどころかお手上げ状態になるのではないですか。
○副長官(今津寛君) そういう研究も含めて、今新しく次期ミサイルということでもう研究開発をしようと、そういうことを今考えているところです。
○喜納昌吉君 大野長官は今月五日、シンガポールで、おとり弾にも対応できる次世代型ミサイルの開発について言及しています。この長官の話は現在のBMDがおとりに対して役立たないことを示唆している。なのに、何を根拠にこれまでBMDは有効だと外防委員会で言い続けてきたのか聞きたい。
○政府参考人(飯原一樹君) 基本的に、BMDの技術、これから、もう既にかなり完成した部分と、今おっしゃったようなおとりと本物の弾頭を見分けるセンサー技術、これはまだ開発が完成しておりません。今研究中でございます。 ただ、私どもといたしましては、弾道ミサイルの拡散の状況という状況を踏まえまして、我が国の防衛に基本的に必要な機能の一つとして弾道ミサイル防衛は必要である、また、これが専守防衛の我が国の防衛システムとして適切であるということから導入いたしたものでありますが、今後研究開発、さらには、という進む段階でそうしたいろんな能力を備えるということも十分視野に入るということかと思います。
○喜納昌吉君 その今日、五日の大野長官の発言から見ると、非常に不確定な、何というのかな、その代物のためにアメリカが勝ってしまうという、このところをちょっと私は知りたいんですけどね。
○政府参考人(飯原一樹君) 固有の名前はこの正式の席で挙げますとかなりあれなんで、一般的に申しますと、例えば千三百キロ級の単純な弾道ミサイルであれば、ほとんど確実にと申しますが、破壊ができるという能力を備えております。
○喜納昌吉君 過去のパトリオット3型ミサイルによる撃墜は標的の模擬弾道ミサイルの飛行状況を把握した上での追撃であって、発射の事実や飛行ルートの早期把握が容易ではない実践では命中度は極めて低くなると見られている。過去の実験の成果を基に有効と主張するのはこっけいではないかと私は思っているんですけれども。
○副長官(今津寛君) 我々はそう考えておりませんでして、先ほども申し上げましたけれども、かなり高い確率、そして今防衛局長の方から申し上げましたけれども、今のところそれに対応できると、そういうふうに考えております。
○喜納昌吉君 高い確率というんですけど、すべて外交防衛はほとんど失敗しているんではないかと私は個人的に思っているんですけど、よろしくお願いします。 五月十七日付けの東京新聞の記事によると、大野長官は都内で五月十六日講演し、MDシステムで、敵の弾道ミサイルを着弾直前に撃ち落とした場合、核や生物化学兵器の破片が散乱して国民に影響が出ると発言しています。また、六月八日付けの朝日新聞記事は、朝鮮半島有事の際、米軍を自衛隊が支援すれば北朝鮮が日本に生物化学兵器さらには核兵器で攻撃してくる可能性があると判断し、政府は対策を検討しているとあり、北朝鮮のミサイル、ノドンが核弾頭を付けた場合、一発で数十万人の死傷者が出ると予測しているとあります。 長官、これでは広島、長崎の再来ではないですか。とんでもない話だと私は思いますけど、本気でこんなことを予測して、日米同盟を強化しようとしているのですか。
○副長官(今津寛君) 同じような質問も衆議院の委員会で出てきているんですが、それも長官から答えているんですが、やっぱり何よりも大事なことは、我が国にミサイルが飛んでくるとしたら、それをどうやって落とすのか、必ず落とさなきゃならないということが前提だと思う。それに、そのPAC3で当てて撃ち落としたときに、ときにですよ、そのときには破片がどういうふうに落ちてくるか。これについてはこれからも研究を重ねながらできるだけ国民に危害を与えないようにしていきたいということと、それから、最近も生物化学などを撃ってくるかどうかということもまだ確かではありませんけれども、しかしそういうものも飛んできたときでも、これから最善を尽くしてそういうものから我が国の国民をどうやって守るかということを今英知を結集して研究して、調査をして、重ねているということですよ。
○喜納昌吉君 そのようなことを想定することは非常に恐ろしいことだと思うんですけれど、想定する以上の、本来なら外交を強めていくという姿勢の方が大事ではないですか。
○副長官(今津寛君) もちろん、私は先生にお聞きしたいと思うんですが、少なくとも我が国に飛んでくるかどうか分かりませんけれども、しかし周辺に例えば二百発のミサイルがある、あるいは核開発も恐らくしている。三ないし八から九の核弾頭もどうもできているようだというような状況の中で、そういう中で、あるいは世界で四十六か国ですか、核ではありませんけれども、ミサイルを持っているという状況の中で、我が国は持たないわけですから、それが万が一我が国に飛来をする可能性が全くゼロではないんですが、〇・〇〇一%でもあるとしたら、それに対応して、そして国民を守るというのが私たちの務めだと思うんですけれども。むしろほかの方法があれば教えていただきたいと思うぐらいです。
○喜納昌吉君 分かりました。まあ民主党が政権取ったらお答えできますけどね。
○副長官(今津寛君) いやいや、今もし先生がそういう……
○委員長(林芳正君) 指名を待って御発言願います。
○副長官(今津寛君) ほかの方法があったら教えてください。
○喜納昌吉君 ほかの方法というのは、核弾頭を落とすのは決してBMDよりも、BMD以上のものがあるんです、これは。それは本当の対話、外交を本当にすることがあれば中国や北朝鮮のそういう核ミサイルのようなものを消すことができると私は言っているんですね。よろしくお願いします。
○副長官(今津寛君) 今、六か国協議などで相当苦労して北朝鮮から核を廃棄させると、あるいは削減させるということをなぜ努力をしているかということは、今先生がおっしゃったように、まずその核というものを発射されないように未然に外交努力で各国が協力をして、そしてそういうことで止めようという努力をしているわけでしょう。 核不拡散条約もそうですし、特に今、外務大臣なんかすごく御努力されておりますけれども、常任理事国になりたいと。我が国は唯一の核被爆国ですよ。そういう意味で核不拡散、核削減というものに日本は常任理事国になって先頭に立ってやると、こういうことの決意の表れです。それをよく理解をしていただきたいと思います。
○喜納昌吉君 そうですね、世界最初の核被爆国であるし、その経験を生かせればすばらしいことになると私は思っています。 さっきの質問なんですけど、どうすればいいんですかというお答え、何というんですかな、反対の質問があったんですけど、実際、最近の日本の外交が非常に下手だなという感がするんですね、いろいろな形で。もし、本当に町村外務大臣が私をスタッフとして使えばいい方向に行けるなと考えるんですけどね。それは個人的な見解です。まあジョークと思ってください。よろしくお願いします。 繰り返しますが、政府は核戦争さえ想定してBMDを装備しようとしているわけですね。とんでもない話で、恐ろしい話だと私は思っています。そのような事態を招く米軍と共同する日米同盟は改めた方がいいのではないかと私は思っているんですけど。
○副長官(今津寛君) それも再三申し上げておりますが、核戦争をしようというもくろみでもってBMD構想を推進しているわけじゃありません。我が国国民にもし他の国からのミサイル攻撃があったとすれば、あるとすれば、それに何としても守らなきゃならない、専守防衛、その唯一の目的のために今開発をしているということを是非理解をしてもらいたいと思います。
○喜納昌吉君 僕は非常に八方ふさがりというのは日本にとってはチャンスだと思っているんですね、あらゆる外交で。なぜかというと、八方ふさがりということは自分のところにしか帰れないようになっているんです、これは。ということは、自らの歴史をもっと深くするという。あらゆる歴史的命題が外から来たとしても、返すぐらいの歴史力を持ってほしいというのが私の考え方なんですね。そういう意味で、私は非常に、何というんですかね、政治家というのは歴史的には非常に勉強不足ではないかと私は個人的に思っています。よろしくお願いします。それから、もうそれは、話で終わらします。 数年前に、琉球新報が地位協定の考え方という外務省の機密文書をすっぱ抜きました。これは地位協定が公開されている文言の意味を超えた秘密の解釈を可能にすることを証明しました。この機密文書の存在は地位協定の不平等性と日本人の利益に反すること、国民の知る権利に反することを示しました。 このような反国民的な約束事を米軍と交わして、政府はよく平気でいられるのか、外相、この地位協定の考え方以外に地位協定に関する秘密文書はありませんか。この文書ですね。
○国務大臣(町村信孝君) 秘密協定がこの日米地位協定の関連であるかどうかというお尋ねでございますけれども、そういうものは一切ございません。
○喜納昌吉君 一九七一年に沖縄返還密約事件が起きました。毎日新聞記者だった西山太吉氏は密約を否定し続ける政府を相手取って訴訟を起こしています。密約を示す米側文書が既に発見されているのにもかかわらず、政府が密約を否定するのはなぜですか。米政府文書の真偽を疑っているからですか。
○政府参考人(河相周夫君) お答えいたします。 御質問の件につきましては、沖縄返還国会、これは昭和四十六年、四十七年にかけて行われたわけでございますけれども、その当時から一貫して、当時の外務大臣、その他政府担当者が繰り返して説明をしてきているところでございますけれども、沖縄返還に際する支払問題に関する日米間の支払というのは沖縄返還協定七条に規定されているもの以外のものはございません。
○喜納昌吉君 ということは、米政府から出てきたもの、文書はないということ、ということですか。
○政府参考人(河相周夫君) 今御指摘の米政府の文書というものがいかなる文書を指しておられるのか、私としては確認してないところでございますけれども、繰り返しになりますけれども、先ほども御説明したとおり、日米間の合意は沖縄返還協定がすべてでございまして、それ以外のものはございません。
○喜納昌吉君 まあ、言葉の使い方で分かりますけど。ほとんど、しかしみんな、ある世界ではもう完全にそういうことは認められていることだし、まあ皆様方がそれを否定する気持ちは分かりますけど、やはりこれは、日米安保の産物ですから、やはりそのような産物をある程度想定して、さっきの条約の話じゃないんですけど、そろそろその条約に関しても、このような条約に関しても、国際協調というところにシフトするという考え方を持たないと、日本のこの私は未来は危ないんではないかという感がありますので、是非、この辺は今後、それ以上追及しませんので、努力して、ある方向を探しに行ってください。 ちょっともう、質問進めます。 政府は一刻も早く密約を認めて、まあまあ、西山氏に、まあ調べてからですけれどね、一刻も早く西山氏に謝罪し、過去に国会で偽証した政府高官たちの責任をやはり認める方向に努力してほしいという気持ちがあります。外交にうそを抱えたままでは、国連安保理常任理事国入りもおぼつかなくなるのではないでしょうか。
○政府参考人(河相周夫君) 繰り返し同趣旨の答弁になりまして申し訳ございませんけれども、御指摘の密約と言われるものに関しましては、従来から一貫して御説明しているとおり、日米間の合意というのは日米返還協定がすべてでございまして、それ以外の密約は存在してないということでございます。
○喜納昌吉君 分かりました。 外相に聞きます。 先ごろ、日米2プラス2は、台湾海峡の安全は日米共通の戦略目標と規定しました。仮に、中国と北朝鮮が尖閣諸島海域の安全は中朝共通の戦略目標と規定したとすれば、日本人は強い衝撃を受けるはずです。こうした想像力を働かせれば、2プラス2のこの規定は踏み込み過ぎて問題だとは思いませんか。米国の言いなりになっただけで、一体日本にとってどんな利点があるのか、外交上の勇み足ではないか、本音で答えを聞きたい。
○国務大臣(町村信孝君) 二月の2プラス2で、太平洋地域における、地域の問題、あるいは国際的な問題についてそれぞれが共通に認識できる部分を戦略目標として掲げたわけでございます。 その中で、この台湾海峡をめぐる問題については、これまで日本も、そしてアメリカも累次述べてきたことを全くそのとおり書いているわけでございまして、それは何かといえば、この台湾をめぐる問題について、当事者が話合いによって平和的に解決すべきであると、そのための対話の早期再開を強く希望するという趣旨を述べておりまして、今までのこの日本そしてアメリカの、この地域、台湾海峡をめぐる問題についての認識を改めて確認をしたというにすぎないわけであります。 何か新しい方針を出した、何か新しい考え方をここに持ち込んだというわけではございませんので、したがいまして、私どもとしては、ある意味では当たり前のことをこのとおり書いて何が一体そう大きな問題になるのかなと、逆にそのことがよく分からないという印象すら持つほどでございまして、従前の考え方をここに再確認の意味をもって触れたのがこの2プラス2の文書でございます。
○喜納昌吉君 なぜそうなのか分からないと言って、おっしゃっているんですけど、だれが読んでも2プラス2のことではかなりの台湾有事に対して日本が今回踏み込んでいることは事実なんですね。 ただ、我々は今、教育問題、それから靖国問題、それから竹島、そういったような、尖閣列島も含めて、やはり内政干渉というところへ我々は今中国や韓国に切り出していく時期に、やはり日本側もそのような踏み込むということは基本的には戦争を誘発する原因になるのではないかというのが私は思うんですけどね。もうちょっとセンスがあってもいいんではないかと、外交は特に。それは防衛、それは防衛はいいですよ、防衛は、そのぐらい言ってもね。しかし、外交に関してはもうちょっとこの辺を和らげていくようなやり方がいいのではないかと思いますが、どうですか。
○国務大臣(町村信孝君) 今まで、もうそれこそ何十回、何百回となくこの台湾海峡をめぐる問題については対話を通じた平和的な解決を促すということはもう、もう何度も言っているわけでありまして、別に今回新しくこのことを言ったわけでもなんでもないという点は、是非委員御理解をいただきたいと思います。
○喜納昌吉君 いや、その何度もはいいんですけどね、ただ、やはり軍事的な表現よりも外交的な対話の表現の方が弱いっていうことですよ、これは。だから、本当は防衛よりも外交の方が力を持たなくちゃいけないんですよ、これは。これは何というか、文民政治という形で、そういう形でやはりそこに外交がそういう個性を出さないと危ないということなんですよ、私が言っていることはね。よろしくお願いします。
○国務大臣(町村信孝君) この地域における共通戦略目標についてすべて自衛隊が何かそこに絡むことを書いているわけではございません。外交的に、あるいは安全保障的に、あるいは場合によったら自衛隊を活用すると。いろいろな具体の手段はこの後出てくるわけでございましょうけれども、すべてについて何か我が国の防衛に、失礼しました、自衛隊が直接かかわり合いを持ってくることばかりがここに書かれているわけでは全くないわけでありまして、外交的に必要な共通認識というものをここに触れてあるというところも非常に多くあるということは、この全体をごらんをいただければよく御理解をいただけるのではないかと、こう考えます。
○喜納昌吉君 よく分かりました。とにかく、何回言っても何回言っても、同じことを、平和的なことは何千回、何万回言っても足らないと思いますから、是非何万回も何千回も言ってください。よろしくお願いします。 五月十二日付けの朝日新聞によると、日米両政府は、中台紛争も念頭に置いた有事の際、日本側が米軍に提供する空港、港湾など、民間施設を提示することを含む策定作業に入るということですが、外相、長官、そうなのですか。どちらでも。
○国務大臣(町村信孝君) その記事、直接、私は今記憶にございませんので、どういう内容のものであるか私は分かりませんけれども、具体に今特定の地域を挙げてお触れになりましたけれども、そういう形で日米間でケーススタディーとでもいいましょうか、そういうことをやっている事実はございません。
○喜納昌吉君 外務大臣は、日本でも代表する朝日新聞のこの記事に関しては個人的にどう思われます。信憑性はありますか。
○国務大臣(町村信孝君) 申し訳ありません、その記事そのものを、私、ちょっと今手元にございませんし、記憶にもございませんので、その記事についてのコメントは控えますけれども、事この米軍再編成にかかわる問題等について、ありとあらゆるメディアがいろいろな報道をしております。何を根拠にそういう報道をしているのか全く私どもには分かりませんけれども、それらについて私どもは、もう一々コメントをしたり反論をしたり修正要求などをしていると、もうそれだけで膨大な作業になりますので、一々はしておりません。 したがいまして、今その朝日新聞の五月の記事を言っておられましたけれども、それについて一つ一つ私どもはもうコメントにしないことにいたしております。
○喜納昌吉君 それは分かります。でも、火のないところに煙は立たないという言葉もありますから、この辺はよく留めておいてください。 中台紛争が起きた場合、日米共通の戦略目標に従って日本が米軍の軍事行動に協力した場合、想定される有事とは、中国軍による沖縄ないし本土の軍事基地・施設などへの報復攻撃だと思います。このような危機に直面する可能性は、政府は本気で覚悟しているのですか。この有事の、中国による核ミサイル攻撃を想定しているのですか。
○政府参考人(河相周夫君) お答え申し上げます。 先ほどから御説明しているとおり、日本政府の基本的立場といたしましては、台湾海峡をめぐる問題、これについては対話を通じて平和的解決をし、これを求めていく立場でございます。 今御指摘の、中台で仮に有事があった場合、どういうことが起こるかということでございますけれども、我が方の立場というのは、ともかく平和的に解決されることを強く希望するというのが基本的立場でございまして、この基本的立場を超えた形での仮定の前提を置いた議論は差し控えたいと思います。
○喜納昌吉君 それじゃ、まだ想定しているとも想定していないとも言えないということですか。
○政府参考人(河相周夫君) 先ほど申し上げたことの繰り返しになりますけれども、平和的解決というのを希求していくというのは基本的立場でございまして、それを超えた状況というのを想定した議論をすることは現在適当ではないというふうに考えている次第でございます。
○喜納昌吉君 日本の同盟国であるアメリカは、民主主義、平和を唱えながら軍事力を使うのですけれども、その点のこちら、日本のこの平和というのはどういう意味ですか。
○政府参考人(河相周夫君) 私、今の質問の点、必ずしも正確に理解していない点があるかと思いますけれども、アメリカの基本的立場というものも、物事を平和的に解決をするということが大前提である。そしてまた、その前提として民主主義というのが適切な政治形態であるというのが基本的考え方であるというふうに理解しております。
○喜納昌吉君 それは、アメリカの民主主義と日本の民主主義は同じものだということですか。
○政府参考人(河相周夫君) アメリカの民主主義、日本の民主主義、細かい点ですべて完全一致だということではない部分もあろうかと思いますが、基本的価値観としては合致しているものであるというふうに理解しております。
○喜納昌吉君 分かりました。 それでは、ちょっとこの、いいですか、それじゃ、この違いは、今後日本がイニシアチブ取るように、アメリカも決して完全国ではありませんから、将来は、日本の方がアメリカの民主主義に対しても貢献するような態度で挑めば、私は外交もすばらしいものになるのではないかとも思っています。ただ、最近、このBSE問題では弱腰で、アジアには強腰で、アメリカには弱いというのがちょっと少し見え見えですから、この辺をもうちょっと活を入れてください。 最近、台湾野党の党首が相次いで北京、ああ、これはちょっと後に回しましょう、じゃ。 私たち沖縄民族のふるさと沖縄は、平和憲法を物ともしない、まあこれも、ちょっと失礼しました、今の撤回します。時間がないですからね、回します。 現代ラテンアメリカ最悪のテロリストとして悪名の高い、元キューバ人でベネズエラ国籍を持つルイス・ポサーダが先月、米国内で不法入国を理由に身柄を拘禁されました。ポサーダは、一九七六年にキューバ航空旅客機をカリブ海上、カリブ海上空で爆破した主犯としてベネズエラで裁かれ、刑務所に入っていたところ、一九八五年に脱獄したため、ベネズエラ政府はポサーダの身柄引渡しを米国に求めています。ところが、米政府は身柄引渡しに応じようとしていません。 ブッシュ米政権は、テロに味方するのか、それとも敵対するのかという、国際社会に二者択一を迫ってアフガニスタンなどで戦争をしました。日本は、米政権の言い分に賛成して、自衛隊の燃料補給艦隊をインド洋に送っています。 ブッシュ氏は、テロリストをかくまえばテロ国家とみなされると言いました。ならば、ポサーダのようなテロリストを事実上かくまっている現実は、米国のテロ取締り政策に二重規範があることを示している。 政府は、この状態を二重規範と受け止めないか。また、米政府はポサーダの身柄をベネズエラに引き渡すべきだと思わないか。この二点を聞きたい。
○政府参考人(河相周夫君) 本件につきましては、今突然御質問をいただいたので、私どもとしては必ずしも細かい事実関係を私自身ここで把握しておるわけではないのでございますが、その前提で一般的に述べれば、本件につきまして私が報道で承知している範囲で申し上げると、基本的にはアメリカとベネズエラとの間の問題であるというのが基本的考え方だと思います。
○喜納昌吉君 分かりました。 それじゃ、次のまた質問の機会にこの件を重複して聞く可能性もありますので、それまでにある程度の、日本の外交上どうするか、あるいは日米同盟との流れの中で、さっき言ったように、日本の民主主義の違い、アメリカとの違いの断層上、どうとらえていくかということを少し考えてください。 イラクで武装組織に銃撃され、死亡したと伝えられる齋藤昭彦氏の件ですが、この人は、以前、自衛隊空挺部隊に属し、その後二十年間もフランス外人部隊の隊員でした。このような傭兵ないし準軍部隊員とみなされ得る日本人が国外の戦争や戦闘で敵兵への殺傷に関与した場合、刑法三条の国外犯規定が適用されるのかどうか、お答え願いたい。
○政府参考人(河相周夫君) 突然の御質問なので、私として必ずしも責任ある整理をしていないわけでございますが、基本的に、刑法に関する取扱いということであれば、政府部内であれば法務省若しくは警察庁の方からまた別途の機会に答弁をさせていただきたいと考えます。
○喜納昌吉君 分かりました。後で調べて文書でももしいただければ、この辺の件をよろしくお願いします。 平和憲法下にある自衛隊は、これまで一度も国外で外国人を殺していないことを誇りにしています。しかし、齋藤昭彦氏のような日本人が外国で殺傷行為に及んだ場合、自衛隊員と混同されたり、日本人兵士と誤解されて受け止められたりしかねません。そうなった場合、国際的な平和主義という、戦後日本が養ってきた誇るべき国益を害するおそれが出てくるのでないか。この点を防衛庁長官に伺いたい。
○国務大臣(大野功統君) 日本は平和国家という信念を、政策を貫いてまいっております。その中で、外国へ行ってどういう形で活動をするか、これは個人の自由であります。その個人の活動が、たまたまその個人が元自衛官であるということの意味でございますけれども、私どもは、国として、日本の、国としての日本はあくまでも平和を愛好する、そして専守防衛に徹する、こういう立場でやってまいっておるわけでありますから、その点は十分世界的に理解してくれると、このように思っております。
○喜納昌吉君 さきの、ちょっと名前忘れたんですけど、確かにNGOとかNPOの方々がそういう事件に巻き込まれてしまって亡くなったときに、自己責任という言葉がよく使われているんですよね、政府はね。そういう自己責任という観点からは、この件はどうお答え願えますか。
○国務大臣(大野功統君) 自己責任という問題と、それからその個人がどの国籍を持っているか、こういう二つの切り口があろうかと思います。 日本人である者がそういう目に遭った。こういうことは、やはり日本政府としては看過できない問題であり、そういう意味で外務省、町村外務大臣も随分心痛のところがあったと思います。 それはどういうことかというと、言ってみれば、外国にいる日本人をやはり守る、保護する、こういう責任は国としてあるのではないか。しかし、外国に行く場合に、やはり外務省の警告を無視して行く、こういう地域は危険だから行ってはいけませんよというような警告を無視して行く、こういうことは控えてもらいたいな、その両面の問題があるのではないでしょうか。
○喜納昌吉君 今、その日本人であるか日本国ではないかというのは、その外人部隊は日本人ではないという考え方なんですか。外人部隊に入っている方々は日本人では、日本国籍ではないということですか。
○国務大臣(大野功統君) その問題も、やはり邦人として、日本人として保護する、守る、こういうことは考えなきゃいけない、国として考えなきゃいけない問題であります。 一方において、私が申し上げているのは、危険な地域に赴く、これは個人として、危険な地域に実は国としては行ってもらいたくないんですよね、そういう警告制度もあるわけですから。そういう両面から判断していかなきゃいけない、こういうことを申し上げているわけであります。
○委員長(林芳正君) 喜納君、時間です。
○喜納昌吉君 私は、最後にちょっと私の理念を申し上げたいんですけれども、私は、すべての武器を楽器に、すべての武器を楽器に、すべての基地を花園に、戦争よりも祭りを、そうして、すべての人の心に花という形でずっと歩いてきたんですね。長官、外務大臣も含めて、将来私の夢というのは、日本の自衛隊が人類の先頭に立って武器を解体していくという一つの役割を果たす存在であれば、最もこの日本は愛される国になるなという感があるんですけれども、この辺はひとつ、おっしゃるような場にして置き換えてくれませんか。
○委員長(林芳正君) 大野長官、簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(大野功統君) 簡潔に申し上げたいのは、昨年末に出されました新しい防衛大綱でございます。その中には二つのこと書いてありまして、一つのことはもう除外しますけれども、もう一つは、やはり国際的な安全保障環境を改善していく、それが日本の平和と安全に役立つんだ、こういう認識でございます。世界の平和が日本の平和なんだ。そして、日本の自衛隊の活動がサマーワで、あるいはあのスマトラ沖で、鉄砲を撃たないでですよ、活動をしている、そういう活動が世界の中で高く評価している、してくださっている。そのことは、いわゆるハードパワーを、ハードパワーがソフトパワーとして有効に発揮されているんじゃないか。 私はそういう意味で、先生のおっしゃることにやや近い、近い存在として、自衛隊が私はやはり世界の平和という意味で、平和を構築していく、紛争を未然に防止する、それから、紛争が起こった場合には、この後でその地域の復興に全力を注いでいる、こういうこのソフトパワーというものをひとつ理解していただきたい、評価していただきたい、こういう思いであります。
○喜納昌吉君 どうもありがとうございました。
○荒木清寛君 まず、中西部太平洋まぐろ類条約についてお尋ねいたします。 我が国にとりまして中西部太平洋は、マグロ類漁獲量約六十万トンのうちの約八割を依存をしている重要な漁場であります。我が国はこの条約の採択には反対をしましたけれども、その後、協力的非加盟国という形で準備会合に参加をしてまいりまして、今回、加入することになったわけであります。 その間の経緯に、経緯といいますか、なぜそういう経緯をたどったかにつきましては先ほどの質疑でもございましたので、少し観点を変えたいわけでありますが、この条約の起草及び交渉のための多数国間ハイレベル会合というのが順次開かれておりまして、その条約起草の段階でオーストラリア、ニュージーランド等が、少しでもこの資源の減少が予想される場合には、予防的措置としてその資源を保護すべしという、そういう主張をして島嶼国の賛同を得たということでございます。 要するに、日本ほど魚を食べませんし、またそういう環境保護という思想が非常に強いわけでありますから、ある意味では我が国の魚に対する、漁業に対する考え方とは違うわけですね。現に、みなみまぐろ保存条約というのがありますが、この条約の中で、委員会の中で、オーストラリア、ニュージーランドが同様の主張をして国際海洋法裁判所にまで提起をしまして、最終的には裁判に日本は勝ったわけですけれども、随分その過程で難儀をしたというようなことがあります。単行本にまでなっているぐらい非常に日本としては大変な状況であったようでございます。 したがって、今回、この中西部太平洋まぐろ類条約に入るわけでありますが、そういう過去の経緯からしますと、同じ轍を踏むことがないのかという若干の懸念を持つわけでありますが、この点は大丈夫でしょうか。
○政府参考人(中富道隆君) お答えいたします。 先生御指摘のとおり、この漁場は我が国のマグロ生産、約六十万トンのうち四十五万トンほどを生む場所でございまして、また金額でいいますと、二千五百億中千五百億という生産額になっております。正に、我が国にとりまして死活的な重要性を持つ漁場でございます。 確かに、この条約制定の過程ではいろいろな議論がございました。この地域におります国の中には、資源の保存に過度な重点を置く国もございます。オーストラリア、ニュージーランド等は予防的な措置を強く主張したという経緯もございます。しかしながら、我が国といたしましては、一九九四年十二月から本件条約の起草及び交渉のための多数国間ハイレベル会合が七回開催されておりますけれども、それに積極的に参加をしながらこの条約の採択に持っていったわけでございます。 この条約の中には、我が国の関心を実現し、また懸念を排除するためのいろいろな項目がございます。例えば、一つ申し上げますと、この条約の締結主体でございますけれども、原則といたしまして中西部太平洋における沿岸国及び自国民が中西部太平洋で漁獲を行っている国に限定をしております。また、沿岸国の多くは、自国経済を漁業に依存している島嶼国あるいは我が国と同様の漁業国であるという事情がございまして、この枠組みの中で、もちろんそれぞれの国によって意見の差はあろうかと思われますが、過剰な規制が行われる可能性は低いと考えております。 ミナミマグロに関する訴訟の経験等も踏まえながら、この地域における参加国の各国と協調をし、また日本の立場を十分に主張しながら、我が国の権利が十分に保護されるように努めてまいりたいと思います。
○荒木清寛君 次に、本件のような地域漁業機関の非加盟国等に船籍を移したいわゆる便宜置籍船、FOCと言うんですか、便宜置籍船等による漁業、これもIUU漁業と言うそうでして、違法、無報告、無規制という、この英語の略だそうですが、このIUU漁業が国際社会の問題となっていると承知をしております。 現在、日本に搬入されております刺身用マグロ類のうち一〇%程度がこうした便宜置籍船による、便宜置籍船の所属国からのものではないかという推定もあるというふうに聞いているわけでありますが、この実態をどう把握をしているのか。そしてまた、こうした便宜置籍船によるマグロ漁獲対策にどう取り組むのか。私はそういう、条約に加盟していないような国の所属船からの買い付けというのはしてはならないと。そうしませんと、この条約の持続可能な漁業資源の確保という目的が達成できないと考えますが、この点はどうなっておりますか。
○政府参考人(竹谷廣之君) お答え申し上げます。 今先生から御指摘のIUU漁船の対策についてでございますが、大型のマグロはえ縄漁船につきましては、まず統計証明制度というものをそれぞれの地域の漁業管理機関を通じまして設けております。これによりまして、大型のマグロはえ縄漁船の船籍でありますとか、どういった漁獲状況であるかということを把握することになっております。その把握を通じまして、IUU漁船、先ほど先生から御指摘がありました、違法であり、無報告であり、また無規制のそういった漁船の動きというものを把握しているわけでございます。 この地域漁業管理機関の推計によりますと、二〇〇〇年の時点でこうしたIUU漁船が約二百五十隻いたという実態がございます。これに対しまして、各地域漁業管理機関が協力いたしまして、一つは、こういったIUU漁船から、IUU漁船の、便宜置籍の船籍を与えている国からのマグロ類の輸入を禁輸しようと、入れないことにしようという措置をそれぞれの機関で決定いたしまして、それを踏まえて日本としても国内的な手当てをしております。現時点では、ボリビアとグルジアといった国からのメバチの輸入というものは禁輸になっております。それから、それだけではなくて、さらに、正規に登録した船からのものでなければ日本に輸入できないというポジティブリスト対策というものを導入しております。これは各地域漁業管理機関共通で取り組んでいるところでございます。 そうした措置の効果も徐々に出てきておりまして、最近時点におきます地域漁業管理機関の資料によりますと、先ほど二百五十隻と申し上げましたが、それがもうそれの十分の一程度のIUU漁船の数字になっているというふうに推計されているところでございます。そういった形で一定の効果が出てきているところでございます。 今後ともIUU漁船の動向につきましてはしっかりと注視し、ポジティブリスト対策等を通じましてしっかりと対応してまいりたいと思っております。 このほかに、実は近年、中西部太平洋地域におきましては大型の台湾系のマグロの巻き網漁船といったものがございます。この巻き網漁船の増隻の動きがございまして、これの資源に与える影響というものも懸念されておりますので、これらにつきましてもしっかりと注視し、また関係国への働き掛けをしていきたいというふうに思っている次第でございます。
○荒木清寛君 次に、国際海上交通簡易化条約について、まず外務大臣にお尋ねいたします。 先ほど、四十年前に条約に署名しながらなぜ今日に至ったのかということについて答弁がございました。それにしましても、四十年間もたったということについてはもう大いに反省をしていただきたいと思います。 確かに、当初は圧倒的な競争力を日本の港湾は持っていたわけですけれども、しかしここ一、二年で急に競争力が低下したわけではありませんで、これはもうだんだんそうなってきたわけですね。したがって、今日まで遅れたのはやはり省庁間のいろんな調整に手間取ったとか、そういういわゆる日本の縦割り行政に伴う弊害もあろうかと思うんですね。この点どうなんですか、政府としてやはりもう遅きに失したという認識はお持ちですか。
○国務大臣(町村信孝君) もうこれは委員の御指摘を待つまでもなく、明らかに遅きに失したという率直な反省をしているところでございます。 〔委員長退席、理事三浦一水君着席〕 港湾に関しては、一つは、行政が港湾法、港則法、関税法等々、いろいろな縦割りによって分かれているという面もございます。それと同時に、港湾関係にかかわるいろいろな、仕事をする人たちにかかわる難しい問題、詳細の説明は控えますが、委員よく御承知のような、なかなかこれ難しい、歴史的な所産も含めて、状態というのがありまして、なかなかこの部分は、どういうんでしょうか、行政的に対処していくのは非常に難しいという現実の問題があったんだろうと、私はそう思っております。 そんなこともあって、本来、諸外国の動きを見ながらもっと早く取り組まなきゃならなかった分野なんだろうと思いますけれども、現実に取組が大変遅くなってしまったということは本当に遺憾なことでございます。 こうした点を反省しながら今回この条約をお出ししている、改正をお出ししているわけでございますけれども、今回のこうしたことを大いに反省をしながら、やはり日本国全体として港湾の競争力の強化ということに全力を挙げて取り組んでいかなければいけない、かように考えておるところでございます。
○荒木清寛君 最後に、国土交通省に、我が国港湾の競争力の強化についてお尋ねをいたします。 先ほど、我が国の港湾が競争力を低下させた原因としまして、コストが高いですとか、あるいはリードタイムが長い、そういう要因の分析がございました。我が国における港湾のいわゆるリードタイム、輸入手続の所要時間は三日間程度と伺っております。諸外国におきましては、最新の港湾のリードタイムは一日である。よくシンガポールが例に出されますけれども、誠に見事にやっていると思います。 現在、我が国もリードタイムの短縮目標を一日というところに定めまして努力をしておるところでありますけれども、本件のいわゆるFAL条約の締結により、どの程度このリードタイムの短縮に向けての効果が期待できるのか、お答え願いたいと思います。 私は、そうした意味では、この条約の締結だけではなく、IT化ですね、まあeガバナンスというようなことも言われている割にはなかなか各部門で進んでないわけでありまして、この部門で率先してやってもらいたいと思うんですね。こうしたことも含めて、国際力、港湾の国際力強化のために、今後、政府がとっていく措置、対策についてお答え願います。
○政府参考人(中尾成邦君) お答えいたします。 今国土交通省におきましては、我が国港湾の国際競争力の強化、向上を図るために、港湾コストの三割削減、それと、現行三日程度となっておりますリードタイムの一日程度への短縮、それらによりまして、アジア主要港をしのぐコスト・サービス水準の実現を図るということを目標としますスーパー中枢港湾構想をやっておるところでございます。これ、昨年七月に東京湾、伊勢湾、大阪湾の三つを指定いたしまして現在進めているところでございます。 そのために今国会におきまして港湾法等の一部改正を行いました。中身は、一つはFAL条約の締結、この条約でございますけれども、この締結によりまして港湾諸手続の簡素化、これに合わせまして、スーパー中枢港湾において、さらに同一の民間事業者により一体的に運営される大規模な国際コンテナ埠頭の形成を目指しまして、無利子貸付資金をやるというような支援を行っております。それによりまして規模の経済を実現することにしております。それと同時に、スーパー中枢港湾におきましては、大型コンテナ船が接岸可能な大水深岸壁、これの整備に重点投資をすることにしております。 以上、ソフト、ハードを併せまして、これらの施策によりまして、アジア主要港、香港、基隆とか、あるいは高雄、そのようなところに、主要港をしのぐ港湾コスト・サービス水準の実現を目指しまして国際競争力の強化を図っていく所存でございます。
○荒木清寛君 リードタイムの短縮の点については余り端的にお話がありませんでしたが、以上で終わります。
○緒方靖夫君 まず、七六年海事債権責任制限条約九六年議定書についてお伺いいたします。 これについては私たちは反対した経緯がございます。その理由というのは、加害船主の責任制限できる範囲を大幅に増やし、被害者の訴訟権などの権利の制限を強化するものだし、また保険会社も条約上責任制限できる主体に追加されるなど、被害者の保護のための措置を奪う内容だった、そういう理由からでした。 しかし、本議定書による改正は、七六年条約の基本的構造自体に変更を加えるものではなく、船主の責任限度額を引き上げることが主な目的だと思いますけれども、その点についてまず確認したいと思います。
○政府参考人(神余隆博君) 御指摘の点につきましては、確かにこの条約は両方ございまして、船主の責任制限をどの程度までにするのかという点と、それからもう一つは被害者をどう保護するのかという点でございます。その両方のバランスを取りながらということでございますけれども、この議定書の改正につきましては、日本が主として主張をした結果もあり、我が国の提案によりまして、この議定書に定める責任の限度額を下回らない限り、旅客の死傷に関する損害の責任制度額を各締約国の国内法令により定めることができるという規定が盛り込まれましたと。 したがって、こういうふうに我が国が主張したことが反映された議定書を締結するということは、船舶事故によって生ずる、我が国の船舶事故により生ずる被害者の保護を一層充実させるとともに、額に、被害額につきましても、責任限度額につきましても二倍から三倍に引き上げるということ等も併せまして考えますと、我が国が有数の海運国であるという事実もかんがみ、海運業の安定的な発展を図るとともに、その被害者の救済を図るという見地から極めて有意義であるというふうに考えております。
○緒方靖夫君 もっと簡潔で結構です。 責任限度額について七六年条約と本議定書による改正額を比較いたしますと、人損及び物損の両方が発生した場合の責任限度額はおおむね今言われたように二倍から三倍に引き上げられているということだと思います。この三十年余りのSDRの価値の減価を考えた場合、つまり、七六年当時は一SDR約三百四十円だったものが現在は百六十円程度ということで、実質的には据置きに近いということにもなるのかなと、計算上ですね。その点についてお伺いします。
○政府参考人(神余隆博君) この議定書の交渉に参加しました国々の多くは、一九七六年の条約が定める責任限度額の代わりに新たな限度額を設定すべきであるという認識を多く有しておりました。具体的には、御指摘のありましたように、一九七六年条約を作成した後の各国の物価水準の変化あるいはSDRの変化、実質的価値の程度等を考量いたしまして、考慮いたしまして、おおむね一九七六年の条約の二倍ないし三倍程度に引き上げるのが適当であるというのが多数の意見でございました。 こういうふうに、この議定書により定められた責任限度額は多くの国によって支持されたものでありまして、実際の海難事故に対する補償としては十分なものであるというふうに認識をいたしております。 〔理事三浦一水君退席、委員長着席〕
○緒方靖夫君 そもそも船主の責任制限制度自体の合理性については古くから批判があったと思います。旧船主責任制限法の下でも、一九八〇年に合憲性が最高裁で争われたこともある、そういう経過があったと思います。 今回の改正による責任限度額の引上げが必要最低限なものであるとしても、やはり余り低い水準で責任制限額を維持することはかえって責任制限制度の存在自体に大きな疑問を抱かざるを得なくなると、そういう思いもするわけですけれども、その点、大臣の受け止めについて伺っておきたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 確かに、これで十分かどうか、いろいろ議論はあるんだろうと思います。 SDR、先ほど御指摘のように、三百四十円から百六十円まで大体半分ぐらいになってきた、他方、引上げの幅が二倍から三倍ということですから、まあ前回、悪くとも前回並みというか、七六年並みと、あるいはそれよりも割合が上がってきているということもあろうと思います。 また、これは資料によりますと、法務省の調査でございますけれども、実際のその保険金の支払件数、年間八千件から九千件あるようでございますけれども、このうち、損害額が責任限度額を超えているため、保険金がその限度額に抑えられてしまったというのは年間数件程度であるということから見ましても、おおむね大体この程度のもので支払えることが可能なんではないのかなと、こう思っておりますので、そういう意味で、十二分に完全かどうかは別にして、おおむね今回の改正で必要な責任は果たし得るのではないだろうかと、このように受け止めているところでございます。
○緒方靖夫君 次に、国際海上交通簡易条約についてですけれども、我が国の現在の輸出入、港湾関係の手続を見ますと、主な手続だけで六省庁の管轄に分かれております。そのため、同一項目の複数回の申請が必要であったり、提出先や申請方法も多岐にわたるなど、諸外国と比べても複雑化している。また、我が国の港湾は地方自治体が管理者になっておりまして、国の関係省庁とは異なる独自の申請書類を求めていることから、複数の港湾に入港する場合の船舶はその港湾ごとに異なる手続を踏まなきゃならないという、そういう問題があります。これが先ほどから問題になっている国際競争力を阻害してきたと、そういうことであると思うんですね。 我が国が本条約に署名したのは今から四十年前のことです。今日まで四十年。先ほどから、なぜ遅くなったのか、反省はいかんということを問われて、先ほど大臣からも遅きに失したという反省もありました。私、本当に不思議に思うのは、なぜこういうことを先を見ずに放置されてきたのか、余りにも遅い対策ではないかと思うわけですよね。 大臣にお尋ねしても同じ答えが返ってくると思いますので、私は事務当局に、一体こういう問題いつ提起してきたのか、いつからそういう問題意識を持ってきたのかということを端的にお伺いしたい。
○政府参考人(神余隆博君) その点に対してお答え申し上げたいと思います。 具体的に、その問題意識をいつごろ持ち始めたのかということでございますけれども、具体的には、平成十四年の十二月以降、関係省庁連絡会議を立ち上げまして、前後六十回余りにも及ぶ勉強会を行ってまいりました。関係する省庁が極めて多いわけでございます。その中で、外務省といたしましては、我が国の、相違通告という制度があるんですけれども、相違通告の規定数を米国並みの二十台にするということを取りあえずの目標として掲げながらいろいろとやってまいりまして、国際標準への対応を関係省庁に粘り強く求めてきたということでございます。 その結果、簡単に申し上げますと、米英を下回る九規定にその相違通告を減らすことができたと、できるであろうという確信を得たために、この条約を締結するということになった次第でございます。
○緒方靖夫君 やはり、平成十四年というそういう時期というのは私は遅過ぎると思うんですね。そのことは述べておきたいと思います、はっきりと。 我が国の港湾の現状を見ますと、増加するアジア諸国のコンテナ輸送の中で、例えば北米航路での日本発着のコンテナ貨物量はほとんど増えておらず、その一方で、アジア諸国、とりわけ中国発着のコンテナ貨物量が全体の五〇%を占めるなど、大幅に増加しているわけです。 海上コンテナ輸送は今や世界の主要な定期航路で実施され、世界貿易・経済を支える輸送手段の主力となっております。こうした下で、我が国の港湾がコンテナ輸送の基幹航路から外れる事態、いわゆるフィーダーポート化するとさえ指摘されるほどの著しい相対的な地位の低下が示されております。こういう状態を大臣はどのようにとらえておられるのか。これは我が国のコンテナ貨物の輸送コストの増大にもつながる、そういうゆゆしき問題だと思いますけれども、その点の認識と、これからどうすべきかということについてのお考えを伺っておきたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) これも先ほど来から申し上げておりますとおり、著しい国際競争力の低下、委員の御指摘のとおりでございます。 この港湾組織の問題、これはこれで一つの答えだろうと思いますが、これがすべての問題ではないだろうと、こう思っております。先ほど国土交通省等からもお話がございましたけれども、スーパー中枢港湾ですか、ああいうような形でいろいろな対策を講じているようでございます。そうしたものを総合的に講じていかなければ、ここまで低下した港湾の国際競争力戻ってこないだろうと思います。 私も、たまたま数年前にシンガポールの港湾を見てまいりまして、ほとんど人がいないんですね。もうこれにはびっくりいたしました。物すごい取扱貨物があるにもかかわらず、人がほとんどいないと。いるところといえば、確実にいるのは、正にコンピューター類の計器の操作をする人だけと言っては言い過ぎですが、極端に合理化をされた姿、なるほどこういうものかと思って、実はそのシンガポールの会社ですか、まあまあ純粋民間会社かちょっとよく分かりませんが、会社がやっていると。この会社と北九州市が提携をしているんですね。北九州でも非常にすばらしい試みをやっているようでございます。こうしたケースが成功したりすることによって国内のいろいろな港が近代化されていくことが期待されます。 ただ、結局、例えば港湾労働者がほとんどいないということは、逆、裏を返すと、現在港湾荷役に携わっている人たちの雇用問題というのが当然発生をする。ところが、この人たちの力、広い意味の力が大変強いがゆえに、なかなかこうした面の近代化、合理化が進まなかったという側面もこれは率直に言ってあるわけでございまして、これはただ単に役所が縦割りでこういった条約を締結しない、様式を統一しない、だから競争力が低下した、それだけでは決してないということが、これ港湾関係の、私などは素人でございますが、詳しい方であればあるほど、誠にもってこれは難しい問題があるんだということをよくお分かりだろうと思います。 しかし、そんなこと言っていてどんどん取扱貨物が減ってしまったらそれで終わりでございますから、これを一つのきっかけとして、もう一度日本の港湾が再生できるように政府を挙げて取り組んでいかなければならないと考えております。
○緒方靖夫君 次に、まぐろ類条約の基本面についてお伺いしたいんですけれども、日本の食卓になじみのあるメバチマグロの乱獲についてはよく言われております。マグロ類の資源状況は、FAOの報告書、二〇〇四年度版、ここにありますけれども、これによると、世界の漁業と養殖業の現状は、マグロ類の四割が過剰漁獲、又は資源状態が枯渇状況にあると指摘されております。かなり資源状況としては厳しいわけですけれども、マグロ類の世界的な乱獲の実態の認識について、簡潔で結構ですが、伺っておきたいと思います。
○政府参考人(竹谷廣之君) お答えいたします。 今先生御指摘のように、世界におきますマグロ類の資源状況につきましては、カツオなどの一部を、資源を除きまして、そのほかの資源につきましては中位ないし低位のものが非常に多いと、そして過剰漁獲の可能性が懸念されているといった状況にございます。
○緒方靖夫君 零細漁業者ですけれども、今燃料として使うA重油の価格上昇部分を漁獲した商品に価格転嫁できない下で、自己負担がかなり強いられているという実態があります。A重油は一リットル三十五円ぐらいから五十円以上になっている。で、一航海は一週間単位で三十キロリットル以上のA重油を消費するので、一か月に五回の航海をすると月に二百万以上も負担が増える状況にあります。価格転嫁できない船は業を休むか撤退するしかないところまで追い込まれている、これが現状です。 零細漁業者はひき縄業で一万三千の船があると言われておりますけれども、条約第五条(h)は、零細漁業者と自給のための漁業者の利益を考慮するという項目でありますけれども、政府はこの状況に基づいて、これらの漁業者に対していかなる配慮を行っていく用意があるのか、伺っておきたいと思います。
○政府参考人(竹谷廣之君) お答え申し上げます。 今先生御指摘のように、この条約の第五条の(h)におきまして、条約の構成国はマグロ類資源の保存、管理に当たりまして、零細な漁業者の利益を考慮に入れるということが規定されております。 日本の沿岸域におきましては、先生今御指摘がありましたように、漁業者の方々がひき縄といった小規模の漁業形態によりましてクロマグロを取っているわけでございます。こうした方々に対して、今回の条約に入り、その資源管理措置をとる際には十分な配慮をしていく必要があるというふうに考えております。 具体的には、このクロマグロはこの北太平洋の水域に主に分布しております。で、その水域に関する資源管理措置をこの条約の下でとるに当たりましては、北小委員会という独自の小委員会を設けてありまして、その北小委員会は北緯二十度以上の沿岸国とそこでまた漁業をする国に限ったメンバーで構成されておりまして、そのコンセンサスによりまして、勧告を出し、その勧告に従って資源管理措置を決定していくという慎重な手続を踏む形になっております。 したがって、その手続の中で我が国の考え、今先生御指摘のいただいた沿岸漁業者に配慮しなきゃいけないという考え方を十分に反映できる手続的な手当てがなされておりますので、今後この条約における資源管理措置をとるに当たってそういった配慮を十分に講じて、配慮してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○緒方靖夫君 零細漁業者の業をしっかりと守っていただきたい、このことを要望いたしまして、時間となりましたので、終わります。
○大田昌秀君 議題となりました三つの件につきましては賛成の立場ですが、何点かお伺いしたいと思います。 まず最初に、外務省にお伺いしたいんですが、FAL条約、すなわち国際海上交通簡易化条約の主な目的は港湾での諸手続の簡素化にありますが、先ほど来何人かの方から指摘されておりますように、我が国が署名から四十年ぶりに本条約を締結するようになったのは、二〇〇一年の九・一一事件以降のテロ対策としての海運のセキュリティーの強化の問題と何か関連がありますか。
○政府参考人(神余隆博君) セキュリティーの問題につきましては、そのかなり前からSOLAS条約というその海上の安全に関する条約というのがございまして、九・一一が起こりましてからそれを新たに改定いたしました。というふうに、その海上安全あるいはそのポートステートコントロール、港、入国する国が行うその措置の強化につきましてはそういう意識がございましたけれども。ですから、その点と必ずしも無関係ではございませんけれども、主たるこの条約の締結理由は、我が国における海上の交通の簡易化、港における手続の簡易化ということで、競争力の強化と、もう大分前からいろいろと御答弁がございますけれども、ということでございますので、そういうのが主たる理由であったということでございます。
○大田昌秀君 一方で簡素化を進める、進めながら、他方ではまたセキュリティー面でより強化していこうとする、なかなか両立し難いことですが、どのような対策を講じられて調整なさるおつもりですか。
○政府参考人(神余隆博君) お答え申し上げます。 この条約は、先ほど申しましたように船舶の入出港に係る手続、書類の簡素化を定めるものでございますけれども、締約国が保安対策を講じる必要があるという点も十分に踏まえた内容となっております。既に申しましたけれども、SOLAS条約、海上人命安全条約等の関係条約の規定を実施するためにポートステートコントロールと言われているものを行っております。また、国際海上交通簡易化の義務は、これらの海事関係条約の規定の実施を何ら妨げるものではないということでございまして、我が国としましては、こういうこの海事関係条約で要求することとされております書類あるいはその他のものを要求していくということについては、この条約の締結によって影響を受けることはないというふうに考えております。 したがいまして、この条約の締結によって外国船舶に対する対応が影響を受けることはなく、我が国としては引き続き保安対策に遺漏のないように的確に取り組んでいくこととしております。
○大田昌秀君 これは通告しておりませんが、簡単な質問ですので、お願いいたします。 国際海事機関の事務局へ我が国はいつごろから職員を派遣していますか。そして、現在は何名派遣していますか。そして、その職員の処遇ですね、待遇は国家公務員と比較してどういうふうな状態ですか。簡単で結構でございますから。
○政府参考人(神余隆博君) 必ずしも的確にお答えできるかどうかは別といたしまして、現在我が国から職員を三人ほど派遣をしております。 IMOにつきましては、いわゆる国際海事機構につきましては国際機関でございまして、したがって、これは他の国連等の関係の国際機関と待遇はほぼ同じということでございますので、その点について差異があるというふうには承知はしておりません。我が国の公務員との比較でどうかということになりますと、これはちょっと具体的に今申し上げられる立場にありませんけれども、さほど悪くないという印象を持っております。 以上でございます。
○大田昌秀君 いま一つ外務省にお伺いいたします。 海事債権責任制限条約一九九六年議定書の締結に関連してでございますが、船舶の旅客の死傷に係る債権に関する条約として、旅客の被害の賠償に係る国際条約の乗客及び手荷物海上運搬に関する条約、すなわちアテネ条約と同条約の一九九〇年議定書があります。しかし、我が国はアテネ条約及び同条約の九〇年議定書を締結していません。 また、船舶輸送の被害に関連した危険物や有害物質の海上輸送に係る損害の船舶所有者の責任及び損害を定めたHNS条約も締結していませんが、それはなぜでしょうか。
○政府参考人(神余隆博君) お答え申し上げます。 御指摘のありました船舶の旅客及びその手荷物の運送に伴う事故に関しまして運送人の責任制限制度を定めますアテネ条約につきましては一九七四年に採択されたものでございます。 その後、この条約を改正する議定書が一九七六年、一九九〇年、そして二〇〇二年にそれぞれ作成されておりまして、御指摘のように、責任限度額の改正が行われてきております。 一九九〇年に改正されるまで、このアテネ条約におきましては、旅客の死傷に係る債権を一定限度に設定しておりました。我が国は、そのような債権については上限を設けるべきではないという立場から、この条約の締結を見合わせてきたわけでございます。 その後、二〇〇二年の改正によって、この条約の定める制限額を下回らない限り自国の法令によって責任制度を定めることができるという旨の規定が導入されたことを踏まえまして、現在、この条約を締結する意義につきまして改めて検討しているところでございます。 他方、その一九九六年の危険物質及び有害物質の海上運送に関します損害に対する責任及び賠償に関する国際条約、いわゆるHNS条約でございますけれども、は現在締約国数が八か国というふうに極めて少なく、発効の見通しも立っておりません。 さらに、被害者に対して十分な補償が行われない場合に追加的な補償を行うということを目的にした基金が設けられるということになっておりますけれども、その基金に拠出を行うこととなるこの関係者の間でこの条約を締結することにつきまして十分な支持が得られておりません。 そういうこともございますので、引き続き諸外国の締結状況などを注視して、見守っているところでございます。
○大田昌秀君 中部太平洋まぐろ類条約の締結に伴って我が国に対する漁獲制度が強まると思われますが、マグロの魚価にも影響が出てくるのか、本条約締結の消費者への影響について簡潔に御説明ください。
○政府参考人(中富道隆君) お答えいたします。 この条約の下での保存管理措置の具体的内容は今後の委員会における議論を経て決定されることになっておりまして、まだどのような保存管理措置が導入されるのか、現時点では未定でございます。本年十二月にも委員会が開かれますので、その第二回会合において議論が行われるということになろうかと思います。 本条約上の想定される措置の態様といたしましては、漁獲することのできる種又は量、漁獲努力量、漁獲能力の制限、漁獲することのできる水域及び期間等々の例示がございます。 いずれにいたしましても、今後の議論の中で決まっていく問題でございます。 御質問の点でございますが、この条約はマグロ類資源の長期的な保存及び持続可能な利用を目的としておりまして、資源の保存及び管理に当たりましては最良の科学的証拠に基づくということを重点としております。 我が国といたしましては、このような条約の趣旨に沿った適切な保存管理措置によりまして、我が国の中西部太平洋におけるマグロ類漁業の安定的な操業の維持を図るとともに、万が一にも過度な規制が課されることがないように委員会等の場で適切に対処していく考えでございます。
○大田昌秀君 一昨年の日本の通関統計によりますと、内陸国のボリビアからのマグロ輸入が急増していると言われています。いわゆる国際条約による国際規制逃れの便宜置籍漁船が取ったマグロが日本に輸入されたものであります。 こういうことを許しておりますと、どんな国際条約で漁獲制限してもマグロの適量を確保することは大変困難だと思われますが、便宜置籍漁船に対して国際的にどういう対応しているのか、また、我が国としてはどのような対応しているのか、教えてください。
○政府参考人(中富道隆君) 先生から今ボリビアの便宜置籍船の御指摘がございましたけれども、中西部太平洋におけるマグロ漁業に関する便宜置籍船の問題としては、特に台湾漁業者が近年、便宜置籍を利用して漁船を増隻しているという問題がございます。 我が国は二〇〇四年十二月の委員会の第一回会合でこの問題を取り上げ、マグロ類資源の悪化が懸念される中にあって台湾が大型漁船を急増させたことに多くの国が同様に懸念を表しました。それから、台湾の漁業者が便宜置籍船も利用して生じさせた過剰な漁獲能力の削減に向けて関係国が取り組んでいくということがその会合で確認をされたわけでございます。 このような形で、我が国といたしましては、違法、無報告、無規制な操業への対策について、他の水域の地域漁業管理機関においても積極的に推進してきているところでございますけれども、この条約の下でも関係省庁が一致協力して率先してこの問題の解決に真剣に取り組んでいく考えでございます。
○大田昌秀君 最後に、国土交通省にお願いいたします。 二〇〇二年二月の道路運送法改正によってタクシーやバス事業への新規参入が自由化されました。沖縄県は全国唯一、同年九月からタクシーの新規参入を規制する緊急調整地域に指定されています。 この措置は当初一年間でしたが、延長されまして、今年の八月で期限切れとなります。しかし、沖縄県のタクシー業界や県議会は状況は好転していないとして再延長を求めていますが、国土交通省としてどのように対応なさるおつもりなのか、お聞かせください。
○政府参考人(松尾庄一君) 緊急調整措置は、タクシーが著しい供給過剰となり輸送の安全や旅客の利便を確保することが困難となるおそれがあると認める場合に、客観的な指標に基づきまして、期間を定めて特定の地域を指定し新規参入や増車を停止させるという極めて権利制限性の高い制度、言わば非常手段でございます。 沖縄本島につきましては、ただいま委員御指摘のとおり、現時点指定されておるところでございますが、沖縄におきましては、緊急調整地域の指定以降、官民協調の下、長時間利用割引の実施や観光タクシーの振興などの各種方策の検討実施、乗務員の質の向上のための対策や苦情処理体制の改善等、タクシー事業の適正化や需要喚起の取組がなされてきたところであります。 この結果、沖縄本島のタクシーにつきましては、輸送実績が若干ではありますけれども向上するなど明るい兆しが現われつつあるところでありまして、先ほど申しました非常手段としての緊急調整地域として新規参入や増車の抑制を継続する必要まではないのではないかと考えております。
○大田昌秀君 終わります。
○委員長(林芳正君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、千九百六十五年の国際海上交通の簡易化に関する条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(林芳正君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、千九百七十六年の海事債権についての責任の制限に関する条約を改正する千九百九十六年の議定書の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(林芳正君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、西部及び中部太平洋における高度回遊性魚類資源の保存及び管理に関する条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(林芳正君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、三件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(林芳正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時一分散会