予算委員会 第17号
- 発言数
- 229 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2005/02/22
会議録
○甘利委員長 これより会議を開きます。 平成十七年度一般会計予算、平成十七年度特別会計予算、平成十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 この際、分科会設置の件についてお諮りいたします。 平成十七年度総予算審査のため、八個の分科会を設置することとし、分科会の区分は 第一分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府所管及び他の分科会の所管以外の事項 第二分科会は、総務省所管 第三分科会は、法務省、外務省、財務省所管 第四分科会は、文部科学省所管 第五分科会は、厚生労働省所管 第六分科会は、農林水産省、環境省所管 第七分科会は、経済産業省所管 第八分科会は、国土交通省所管 以上のとおりとし、来る二月二十五日、二十八日の両日分科会審査を行いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○甘利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次に、分科会の分科員の配置及び主査の選任、また、委員の異動に伴う分科員の補欠選任並びに主査の辞任及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○甘利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次いで、お諮りいたします。 分科会審査の際、最高裁判所当局から出席説明の要求がありました場合は、これを承認することとし、その取り扱いは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○甘利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次に、分科会審査の際、政府参考人及び会計検査院当局の出席を求める必要が生じました場合には、出席を求めることとし、その取り扱いは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○甘利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○甘利委員長 この際、お諮りいたします。 三案審査のため、本日、参考人として食品安全委員会委員長代理寺尾允男君の出席を求め、意見を聴取し、政府参考人として内閣府政策統括官柴田高博君、内閣府政策統括官山本信一郎君、内閣府男女共同参画局長名取はにわ君、内閣府食品安全委員会事務局長齊藤登君、防衛施設庁長官山中昭栄君、法務省大臣官房司法法制部長倉吉敬君、法務省民事局長寺田逸郎君、外務省アジア大洋州局長佐々江賢一郎君、外務省北米局長河相周夫君、外務省欧州局長小松一郎君、外務省中東アフリカ局長吉川元偉君、外務省領事局長鹿取克章君、厚生労働省健康局長田中慶司君、農林水産省消費・安全局長中川坦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○甘利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○甘利委員長 これより一般的質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。玉沢徳一郎君。
○玉沢委員 自由民主党の玉沢徳一郎であります。 本日は、本委員会の貴重なお時間をいただきまして質問させていただきますことを感謝いたしたいと思います。 以下、質問要旨に従いまして、外交、国防問題を中心にお尋ねさせていただきたいと存じます。 まず、中東問題を取り上げてまいりたいと思います。 先月十六日、町村外務大臣は、イスラエルに訪問をされまして、そのイスラエルからパレスチナのラマラ入りをされまして、アラファト議長死後の選挙で自治政府長官に当選されたアッバースにお会いをして、イスラエルとの和平交渉の条件を引き出し、その日の午後にはイスラエルのシャロン首相にそれを伝えまして、両国の和平交渉の道を切り開きました。その結果、二月の八日には、エジプトのシャルムエルシェイクで両者の会談が行われまして、武力行使の相互の停止の宣言がなされました。 このことは、従来から進めてきた日本の中東外交が非常に大きな成果を上げたと私は評価するものでありまして、大臣の西岸地区のラマラ入りに当たりましては、治安上の問題からイスラエル当局は必ずしも賛同しなかったようでありますけれども、在日イスラエル大使のエリ・コーヘン氏が説得をいたしまして、これが可能になったと聞いております。 私はここに、エリ・コーヘン大使の御尽力に対しまして感謝申し上げますとともに、危険を顧みずにパレスチナ入りをされまして努力された町村外務大臣の勇気と外交手腕に心から敬意を表するものであります。 そこで、町村外務大臣にお尋ねしますけれども、この委員会には、与野党とも、これは自由民主党、民主党も含まれるわけでありますが……(発言する者あり)まあ、そこまでです。将来の日本を背負って立つ有為なる人材がおられるわけであります。私は、この歴史的な評価を、後学のためにもぜひここで詳しく御披露していただきたいと思うわけであります。和平交渉の仲介に至った経過、また両国との会談の内容、さらに中東和平に対しまして日本の果たす役割、その展望等について、大臣の御所見を承りたいと存じます。
○町村国務大臣 いつも玉沢委員には各般にわたり御指導いただいておりますことを心から感謝申し上げます。 今御指摘の中東和平問題でございます。昨年アラファト議長が亡くなりまして、その後、一月九日の選挙でアッバース・パレスチナ自治政府長官が選出をされた、さらに連立内閣をイスラエルのシャロン首相もつくったということで、ある意味では、今まで何度も何度も、今度こそはうまくいくかという期待を持ちながら、結果的には挫折を繰り返してきたこの中東和平が歴史的な転換点を迎える、そういうような認識を私ども持っておりました。やや楽観的に過ぎるかもしれませんが、非常にいいチャンスだ、こう思ったわけでございます。 そんなこともありましたものですから、私も、一月十五日から十八日までイスラエル及びパレスチナ自治区を訪問いたしまして、委員御指摘をいただきました、ちょうどアッバース長官が選ばれた直後、しかも、一月十三日の夜には、ガザ地区で本来であれば起きるはずのないまたテロ活動があった、それに対して、イスラエルがまたガザ地区を封鎖するというような緊迫した中ではございましたが、それぞれの首脳に会うことができたわけであります。 アッバースさんには、とにかくまず、自分の国の国内というか、パレスチナの国をつくるという考えであるならば、そうした過激な暴力行為をしっかりと取り締まる、抑える、こういう努力をしてもらうことが一番まず大切である、これは現実、言うべくしてなかなか難しいことでありましょうが、そのことを強く要請をいたしました。 その上に立って、途絶えている両者の協議を再開することに全力を挙げてもらいたいという要請をし、ただ、その時点では、両サイドの対話ができない状態にありましたので、アッバースさんからは、ぜひイスラエルの首相に、その意欲がある、対話を再開したいんだということを、町村外務大臣、ぜひ伝えてもらいたい、こういう依頼を受けたところでございます。 その直後、イスラエルの首相あるいは大統領等にお目にかかりまして、並々ならぬ意欲を持ってアッバースさんが取り組もうとしているのだから、ぜひ協議の再開を進めてもらいたいということを申し上げたところであります。その時点では、なかなかシャロン首相も、私は、イスラエル国民の生命を守る、そういう責任があるから、そう簡単に暴力行為がとまるとも思わないから、受けかねるという話でしたが、結果的には、四年四カ月ぶりということで、二月八日にエジプトで首脳会談が開かれるということになりました。 そこで、暴力行為の停止でありますとか、あるいはガザ地区からの撤退計画をロードマップに沿った形でやっていこう、両方で話し合いをしてやっていこうであるとか、具体の成果が見え始めております。そのような意味で、日本が、ささやかではあったかもしれませんが、そのきっかけをつくることができたという意味で大変意義があったのではないかな、こう思っております。 ただ、この先、そう簡単にいくものとも思いません。いろいろこれから山あり谷ありだろうと思いますけれども、やはり、この中東和平が実現をする、その方向に向かうということになれば、そのことはまた翻ってイラクの和平にも大きな成果をもたらすでありましょうし、また、中東地域全体の平和と安定、そのことは翻ってまた日本にとっても世界にとっても大変大きな意味がある、こういう重要な問題であろうと思います。 先日、2プラス2でアメリカのライス長官ともその話をし、ライスさんも全力を挙げるというようなお話でありました。そういう意味で、これから日本としても、三月の初旬には有馬龍夫中東和平担当特使をイスラエル、パレスチナ両地域に派遣して、引き続き働きかけをやっていこう、あるいは、さきの補正予算で六千万ドル、六十六億円の補正予算をいただきまして、早速これをパレスチナの経済支援に振り向ける、さらに新年度の予算の中でもできる限りのパレスチナ支援をしていって、私どもとしてはこの中東和平を支援していきたい、かように考えているところでございますので、どうぞよろしく今後とも御指導いただきますようお願いします。
○玉沢委員 私は、非常に厳しい情勢は続いておりますけれども、この中東和平に向かっている流れというものはもはやとどまるところがない、こう考えるものであります。 と申しますのは、町村外務大臣がイスラエルを訪問する前に、私ども日本・イスラエル友好議員連盟は、野呂田会長を団長といたしまして、その直前に訪問をいたしました。そして、国内の情勢等を見てきたわけでありますが、日本で報道されておる、これとは違いまして、イスラエルの国民もパレスチナの国民も、この和平の方向に向かいまして、七〇%から八〇%の人々がこの流れを支持しているということを確信を持って見てまいったところでございます。 そこで、この和平を促進するために、イギリスのブレア首相は、三月一日に、中東和平を国際的に推進を図る、こういう観点から、ロンドン会議を主宰しようとしておると聞いております。これに対しまして、先般大きな役割を果たした町村外務大臣にも出席の要請が来ておると伺っておるわけでございますけれども、残念ながら国会の都合等によって出席がかなわない、こういうことになったと聞いておりまして、まことにこれは残念なことだと思っておるわけであります。 今後、こうしたことを改善していくということが大事ではないか、私はそう思うわけでございますけれども、何とぞ、大臣におかれましては、今、この動き出した中東和平というものに対して、日本が一番仲介の労をとる、また和平に大きな役割を果たす、こういう立場にいるということを御認識いただきたいと思います。 それはどういうことかといいますと、我が国は、歴史的にも、あるいは宗教上の問題からも、あるいは軍事的な地域の利害の関係からも、全く中正公平な立場でこの和平交渉を推進する立場にある、そういう資格がある、こう私は考えるわけでございますので、町村外務大臣のこれからのより一層の御活躍をお祈り申し上げたいと思う次第であります。 次に、日本とロシアの領土問題についてお尋ねをさせていただきます。 先般、イスラエルを訪問するに当たりまして、その前に町村大臣はロシアを訪問されまして、プーチン大統領の訪日の問題あるいは領土問題について意見を交わしたと思うのであります。 ロシアは、昨年、長年の間大変な紛争のもととなっておりました中国との国境紛争、これは四千三百キロメーターあると言われておるわけでありますけれども、その国境線のすべてを画定した、こういうように報じられておりますので、さぞかしプーチン大統領は、日本に対しましても、この領土問題に対しては意欲的ではなかったか、こう思うわけでございますが、大臣の御見解を承りたいと思います。
○町村国務大臣 一月の十四日にロシアのラブロフ外務大臣と、この北方領土問題を中心として、幅広いさまざまな、エネルギーの問題等々ございますので、話し合いを行ってまいりました。 特に、北方領土問題につきましては、昨年の十一月ごろから、プーチン大統領あるいはラブロフ外務大臣がテレビ等で国民に対して、二島は返還する、そういう義務をロシアは日本に対して負っているんだという、考えようによっては真剣さのあらわれとも言える、そういう発言をしております。そういう発言は決して彼らにとって人気の出る発言ではございませんから、そういう意味では私どもは一定の評価をしているわけでございますが、ただ、現実には、私どもの四島という要求に対して、先方はもう約束した二島までだということで、大きな隔たりがあるということを現実として認めなければならない。しかし、その隔たりをどうやってかけ橋をかけて両方から結びつけていくのかというこの努力を真剣に両国ではやろうということで、ラブロフ外務大臣とは合意を見たところでございます。 日本としては、北方四島の帰属問題を解決して、早期に平和条約を締結するという基本方針があるわけでありまして、戦後それで一貫してやってまいりました。しかし、戦後六十年たち、あるいは一九五六年の日ソ共同宣言以降五十年近くたち、全く交わることのない平行線で今日まで来ております。諸先輩、先人がいろいろな努力をしてこられ、それぞれの努力はあったけれども、結果を見ると、翻って実態は何も変わっていないというのが今の姿であろうと思います。 本当にこの状態をまたこれから五十年、百年続けていいんだろうかということを考えたときに、やはり、先ほどお話のあった中ロ間の国境画定も行われたというようなことを考え、さらに、このアジア地域、極東地域におけるロシアのプレゼンスというものがもっとあってもいいんだろう、こう私は思っております。 そういう意味で、日本とロシアは共通の戦略的な利益がある、こう思っておりますので、そういう基本的な了解に立ってこの領土問題を解決していきたい。プーチン大統領の訪日もあるわけでございますから、両国首脳を初めとして、それぞれのレベルで一生懸命努力をして、この問題の解決に努めてまいりたいと考えております。
○玉沢委員 ことしは、日本とロシアにとりましては非常に記念すべき年なんですね。例えば、日露通商条約調印百五十年、日露修好百五十年、そして、第二次世界大戦が終わりましてから六十年。また、あえてつけ加えてまいりますと、日露会戦で勝利した百年、終結百年、こう言ってもよろしいかと思うわけでありますが、両国にとっては極めて記念すべき節目の年だと思うわけであります。こういうときにこそ、長年の懸案であった領土問題にけりをつけまして、平和条約を結んで不正常な状態に終止符を打つときに来ているのではないかと考えるわけであります。 そこで、今大臣が言われましたように、我が党の主張は四島の返還、ロシアは二島の返還を主張されて、その差がなかなか縮まらないというところに問題があるわけでありますけれども、お互いに原則論に終始しておったのでは、なかなかこれは問題解決しないことは先ほどのお話でもわかるとおりであります。 問題は、やはりこの両者が歩み寄るためには、お互いに互譲の精神を持ってやっていくということが大事ではないかと思うわけでありまして、中ロが国境画定に際しまして最終的な決め手となったところを見てまいりますと、非常に示唆するものが多いということを私は感ずるわけであります。 北海道大学の岩下明裕教授の論文によりますと、この決め手となった考え方は、フィフティー・フィフティー方式とかメンケセリ方式とかというような方式を用いておるようでありますけれども、これは、不確定な地域に関しましては両国が共同統治を行うとか共同管理を行うとかあるいは共同利用を行うとか、それぞれの地域によってそれぞれの方式をもって納得のいく線を決めたようであるわけでございまして、こうしたことをやってあと二、三年後に最終的な決着を見たいというふうに私は見ております。 したがいまして、我が国とロシアはお互いに友好国でなければならぬわけでありますから、原則論に終始しないで、やはり政治的な決着を目指して、第三の道もあり得るということで、この選択を広めて、精力的にこの問題の解決に当たられるように切望するものであります。 次に、昨年の十一月に起きた中国の潜水艦の領海侵犯を取り上げてみたいと思うわけでございます。 この問題におきましては、海上警備行動を発令しまして、そして中国に断固とした抗議をした。それによって中国も、事実を認めて遺憾の意を表したという点において評価されなければならぬ、こう思っておるわけでございますけれども、最初の海上警備行動、つまり中国の原潜が朝の五時四十分に領海侵犯をいたしまして、石垣島と多良間島の間を抜けまして、七時四十分、領海の外に出たわけであります。このときに、領海侵犯はキャッチしておったわけでございますけれども、海上警備行動の発令が八時四十五分ということで、侵犯をされましてから発令までの間に三時間に及ぶ時間がある、これは非常に残念なことだと私は思うわけであります。 私は、ここであえてその理由は問いませんけれども、この点を外国の国々が見ておって日本に対してどういう印象を持つかといいますと、日本は非常に奇襲対処に危機管理上の問題がある、なかなかこれは、ここが日本の弱点だ、こういうように見られることを私は心配するものであります。 したがいまして、やはりこれは、閣議決定によらずして、領海侵犯の事実が明確になった場合におきましては、直ちに海上警備行動を発令しまして、相手の潜水艦が浮上せず、また潜航を続けていくというような場合におきましては、例えば一九八二年のスウェーデンがソ連のものと思われる潜水艦に対しましてとった爆雷攻撃等、そういうこともとり得ると私は思うわけであります。あえてそれをとれとは言いませんけれども、ここは秘密にしておいて。それで、改善をしていく、そして、何としても奇襲対処というものに日本が強いんだということを示しておく必要がある。 これは、BMDの問題等におきましても、長官の命令を受けずとも現場の司令官の判断でこれを撃ち落とす、こういう極めて切迫した判断を求められるわけでありますので、いかに奇襲対処していくかということが喫緊の問題になってきておるわけであります。 したがいまして、防衛庁長官の決意としまして、改善の処置においてどのような対処をするのか、その点について御説明をいただきたいと思います。
○大野国務大臣 玉沢先生にはいつも国防、防衛問題につきまして御激励をいただいておりますこと、改めて厚く御礼申し上げます。 ただいま、このような緊急の場合に直ちに行動しろ、それがやはり国防のイロハのイじゃないか、こういうお話でございます。 今回も、十九日にワシントンで行われました日米安全保障協議会、2プラス2におきましても、中国問題を論ずるときに、私の方から、中国という国はやはり良好な関係を維持すべき国である、維持強化すべき国である、しかし、最近このような中国の原子力潜水艦が日本の領海を侵犯した事件がある、このことについては、海上警備行動の発令が極めて遅くなったこと、これを反省しておる、したがってこれは改善しました、こういう話をしました。 どういう点で改善したか。これは、自衛隊法八十二条によりまして、総理大臣の承認を得て防衛庁長官が海上警備行動を発令するわけでございますけれども、その枠組みは変えておりません。しかしながら、やはり各省庁間でもうちょっと情報を共有すべきじゃないか。いきなり領海を侵犯するわけではありません、やはりある程度わかっているわけでありますから、事前から、第一には、領海に接近する潜水艦情報を早くから政府部内で共有する。二番目、防衛庁長官は、潜水艦が領海内に侵入した場合には、特段の事情がない限りは直ちに海上警備行動を発令する。このような方針を実施するためには、必要なマニュアルを関係各省できちっと共有している。こういう点で改善をいたしました。 したがいまして、今申し上げましたように、海上警備行動のいわばキーワードというのは、一つは迅速な対応、もう一つはやはり透明性、国民の皆様にお知らせする、こういうことだと思って、これからも十分に早期、いち早い発動、発令を目指して、目指すというよりも実施してまいります。
○玉沢委員 我々は、今後、中国の軍事的な動向に十分注意を払っていかなきゃいかぬと思います。今までも、中国の調査船が我が国の経済水域を無断で調査する、こういうのも、潜水艦の航海するための海底の地形等を調査しているものと思われるわけでありまして、その目的、やっているのは何か。やはり、東シナ海の海底資源を確保するとか、あるいは台湾に対して武力統一を図るとか、こういうような目的があるものと考えられるわけでありまして、十分これからも警戒をしていかなきゃいかぬ。 そして、今中国におきましては、核戦略潜水艦を開発しまして太平洋に進出するということを私どもは聞いておるわけでございまして、そこで、これは質問ではありませんけれども、私の見解を申し上げて終わりにしたいと思いますけれども、先般、日米安保協議が行われまして、その委員会の共同声明におきまして、大量破壊兵器及びその運搬手段の拡散がアジア太平洋地区において脅威を増しつつあるというのは、私は、これは中国のことを指しておるものと解釈をするわけであります。 したがいまして、この地域の安全というものに対しまして日米が協力をしながら万全を期していくということがこれからは大事であるということを強調いたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○甘利委員長 これにて玉沢君の質疑は終了いたしました。 次に、伴野豊君。
○伴野委員 民主党の伴野豊でございます。 本日は、予算委員会という貴重なお時間で、しかも一時間賜りましたことを、まずもって御礼申し上げたいと思います。 本日は、今国民的関心の高い事柄の一つでもある、小泉総理と申しますか、小泉内閣の構造改革、その痛みの先に何があるのかというような観点で、国の使命、意思、国の形、国として守るべきは何なのかというようなところをぜひ大臣の皆さん方と政治家として議論させていただければ、そんなふうに思っております。ぜひとも小泉総理みずから、いろいろお聞きしたかったんですが、そのもとでいろいろお仕事をしていらっしゃる大臣の皆さん方からお話を賜れれば少しでも理解ができるのかな、そんなふうに思っております。 きょう質問に臨むに当たりまして、小泉総理がこの数年間どんな政治的なメッセージを発せられたか、少し調べてみました。そして、私なりに考えてみました。 御案内かと思いますが、改めて申し上げれば、まず最初にあったのが聖域なき構造改革。聖域なき構造改革をしていただけるのか、これはいいと私どもも正直言って思いました。その次に出てきた言葉が、これは二〇〇三年ぐらいだったと思いますが、構造改革なくして景気回復なし。その次に出てきたのが、民間にできることは民間に、地方にできることは地方に。 ここ数年間、この四つのフレーズで改革を推し進めてこられたのかなという感がございますが、この四つのスローガンでやってこられたのは、ある意味すごいなという感覚を持っておりますけれども、最近はそれに、改革の芽が出てきた、大きな木に育てよう。正直に言いまして、この大きな木が私にはよくわかりません。どんな木になるんだろう、ぜひきょうは、そんなあたりを教えていただければと思うわけでございます。 それでさらに、小泉総理が、最近といいますか、ここ数年、いろいろ対談をされてきたものも読ませていただきました。総理になってすぐ、アルビン・トフラーさん、あの「第三の波」で有名な方といろいろ議論をされているんですね。最後に、やはりアルビン・トフラーさんも、小泉さん、あなたの言う構造改革の痛みの先に何があるのか、こう問いかけました。そうしたら、小泉さんはノー・ペイン、ノー・ゲインとおっしゃったんですね。痛みなくして得るものはないとおっしゃったんですけれども、アルビン・トフラーさんは、その論評の中で、マクロ経済的には方向性はある程度正しいのかもしれないが、小泉さんは、郵政改革とあわせ持って、それ以外のことに余り興味がないんじゃないかというような論評もされております。 そしてさらに、最近では経団連の奥田会長とも御議論をされております。そうした中で、これも最後の方ですが、質問者が、この先には何があるんですかね、日本はどうなっていくんですかねという質問に対して、奥田会長は、社会保障の問題をまず何とかしなきゃいけませんね、そして、我が国は科学立国ですね、最後に、国民的な理念がどうしても必要だ、徳のある国家にしなければならないですねというようなことをお答えになっています。 しかしながら、総理は、そのときの司会者の問いに対して、やればできる、これが魔法の言葉だと。さらによくわからなくなってしまいまして、魔法でできるんだったら引田天功さんか何かに任せた方がよっぽど改革が進むんじゃないか、そんな思いもあるわけでございますが、ぜひきょうは、このあたりのところを各大臣からいろいろお聞きしますので、お答えいただければな、そんなふうに思っております。 先ほど国民的関心の一つにも、私も地元の後援会でいろいろ座談会や講演会をさせていただきます。そのときに、最近とみに質問の中に出てきたのは、おじいちゃん、おばあちゃんたちがこういう質問をされるんですね。伴野さん、我が国は七百兆円も借金を抱えているんですよね、今はこういういい国にしてもらったかもしれないけれども、孫たちにこんな負担を残していくんでは、わしはあの世に行けぬがねというようなことも言われます。 これは、そういう座談会でも例え話をするんですけれども、一家に例えましたら、月五十万円のお父さんが、あるいはお母さんとかでもいいです、借金三十万円をどこかで借りてきて、それなりの生活をしているんだけれども、いつの間にか七千万円を超える借金を抱えちゃった。こうしたときに一家が何を考えるかといえば、当然、月々の収支を合わせようと思うわけですし、早くこの七千万円を少しでも返そう、だけれども、返すばかりじゃ、家もちょっと老朽してきたね、おじいちゃん、おばあちゃんの面倒も見なきゃいけない、いろいろこれは優先順位を決めて考えなきゃいけないと思うんですが、家族でも、一家でもやるんですね。しかし、我が国、どうかなというところなんです。 そんなところで、先般、小泉総理も所信の中で、男子の本懐ということで浜口総理のお話を出されました。御案内のように、金解禁のときに、浜口総理は、一緒に死ぬ覚悟で頼むよと井上大蔵大臣に言ったそうでございます。小泉総理が財務大臣におっしゃったかどうかわかりませんが、どんな思い、一緒の思いでやられているのかどうかも含めて、先週の末にも決意の言葉を聞いたような感じがしておりますけれども、財政再建のお話から順次お伺いしていきたいと思っております。もうこれもいろいろなところでお話しされているかもしれませんが、できるだけ具体的に、端的にお話しいただければと思います。 まず一点目の質問でございますが、プライマリーバランスを黒にする、あるいはゼロにする、それに向けていろいろ方策も練っていくんだというお話があったかと思いますが、改めて、現時点におけるプライマリーバランス黒字化に向けたその目標と道筋について、まず財務大臣からお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○谷垣国務大臣 小泉総理から抱き合い心中しようと言われたかどうかというお話がございましたけれども、どなたが今政権をとられても、あるいはどなたが私のポジションにお立ちになっても、財政の維持可能性を高めて、二十一世紀に持続可能なシステムにしていくというのが我が国の国政の最大課題であることは、私は間違いないだろうと思います。 伴野委員が御指摘になったように、今、国と地方を合わせますと、平成十七年度末には七百七十四兆円の長期債務残高がある。国だけでも五百三十八兆円ということでありますから、先進国の中でも、これは恥ずかしながら最も悪い水準であるわけでございます。 そこで、どういう手順でこれを回復していくかということ。先ほど伴野委員もおっしゃいました、二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスを回復していこうということで取り組んでいるわけですが、プライマリーバランスというと何だかマジックワードみたいで、それこそ、何かわかったようなわからないような話でございますが、かみ砕いて言えば、その年にいただいた税金でその年の政策を打っていこうということで、心は、ツケを後の世代に残さないようにしていこうということであります。 もちろん、これが二〇一〇年代初頭に達成したからといって、それで課題がすべて解決したわけじゃない。その先に幾らも課題があるわけでありますが、差し当たってそこに問題を絞ってやっていこうということで今当たらせていただいております。 そこで、先ほど家計の例えをお出しになりましたけれども、結局、国においても、財政を立て直していくというときにやることは三つなんですね。 一つは、やはりむだな支出を避ける。国でいえば歳出をできるだけスリムにしていくということが一つあります。 それから二番目は、そういう場合に、入るをはかって出るを制すと申しますけれども、バブル崩壊後の、景気の底が抜けるんじゃないかというときに、累次の景気対策も打ち、あるいは減税もやってきた。そのために、日本の税制といいますか、歳入というのもかなり厳しいものになっておりますから、やはりこれは税をどうするかというお願いもしなければならない。 それから三番目に、そういうこととあわせて、しかし、日本の経済の体力自体が元気になっていって、おのずから力がついてきて、無理な増税、無理というのは私は言いにくいですけれども、増税なんかしなくても自然に税収が上がってきて財政の体質がよくなる。この三つを組み合わせてやっていくということしか結局はないんだろうと思います。 そこで、まず、どういうふうに歳出をスリム化していくかという話ですが、これは骨太の方針等で今まで公表もしているところでありますが、平成十四年度、二〇〇二年でございますが、この水準を上回らないように、平成十八年度までの間、歳出を抑制する努力をしよう。この一番の心は、ほっておきますと、高齢化が進んでまいりますから、どうしたって社会保障経費なんかがふえる圧力が働きます、いろいろ工夫して、それを基本的に大きくしないようにしていこう。もちろん社会保障だけではありません、むだなところを省く、これがまず第一であります。 二番目に、平成十八年度までにといいますと、今お願いしている予算、税制は平成十七年度のものでございますから、平成十七年度、十八年度二年間かけて、そうはいっても必要な行政サービスというものがあるじゃないか、幾ら圧縮したって、そういうものの水準はどこに求めたらいいのかということをよくよく議論して、そして、ではその必要な行政サービスの負担をどのような形でお願いすればいいのか。これは、税制を含めて、所得課税も含めて、さらに言えば消費税も含めて、そういうものをこの二年間で答えを出していこうじゃないか。それで、平成十九年度からはそういう形でスタートできるように持っていこうじゃないかというのが二番目でございます。 三番目は、そういう中で、全体の経済の体質を、やたらな財政出動とか公需中心に頼らなくても、民需中心で持続的に成長していけるように持っていこうじゃないか。大体この三つを組み合わせてやっていこうという形で、毎年度毎年度の具体的な予算や税制を考えているわけでございます。 まだまだ取り組みは緒についたというところではないかと思っておりますが、先ほど申し上げたプライマリーバランスの問題点でいえば、平成十六年度、十七年度二年連続改善をすることができまして、いわゆるプライマリーバランスの赤字が十九兆を超しておりましたのが、三兆ちょっと平成十七年度予算では圧縮することができまして、マイナス、十六兆円を割り込むことができました。 まだまだ、公債依存度が四一・八%ということですから、手を緩めるわけにはまいらぬわけでございますが、こういうことで今後も努力を続けてまいりたい、こう思っております。
○伴野委員 プライマリーバランスを黒にするというのは、先ほどの例えでいいますと、月々の収支をとんとんにするというところだと思うんですね。やはり根源は、大きな大きな借金、これをどう始末をつけていくか、ここが見えてこないことには、私はなかなか安心できないと思うんですね。一家もそうだと思います。 そうした中で、新たな財源のお話も出ましたけれども、端的に言いまして、借金、ばくっと言って七百兆円、どうしていくんだ、いつまでにどうしていくんだというところをぜひお示しいただきたい。 どうも、いろいろこの小泉構造改革、私なりに勉強させていただきましたが、二点不足しているような気がしてなりません。一点目は時間軸の問題です。とりわけ中長期の展望が非常にわかりづらい。二点目は、感覚的なお話をすれば、光と熱が感じられない。光というのはビジョンや展望でございます。熱とは、やはり人間ですから、ぬくもりとか体温とか温かさ、これが欠落してならないわけでございます。 例えば長期債務につきましても、諸外国なんかはGDP比に対してというようなたがをくくって、ここまでならば安心できるんだよ、あるいは、建設国債はこれだけだから、ここの部分はいわゆるアセットマネジメントをしていけば何とかもつんだとか、そういう指標が出てきているように伺っているんですけれども、我が国はそういった国の意思が非常に見えてこない。 私は、国の意思を示せば少しは安定してくるんじゃないかと思うんですが、ぜひ、財務大臣、ざくっとした借金七百兆円、これからいつまでにどうされていくか、お答えいただきたい。
○谷垣国務大臣 先ほど、二〇一〇年代初頭までにプライマリーバランスを回復するのが我々のとっている目標だということを申し上げました。それから先にも問題があるということを申し上げたのが、まさに今の委員の御指摘でございます、七百兆を超える借金は、プライマリーバランスを回復したから、バランスがとれたからといって、それでなくなってしまうわけじゃない。残る。 そこから先の問題は長期金利と経済成長率の関係というのが非常に問題になってくるわけでございまして、成長率の方が大きければ抱えている借金はだんだん負担の軽いものになっていくけれども、逆だと荷の重いものになっていくという問題が残っているわけでございますから、この長期債務をどうして処理していくかということを考えなきゃいけない。 そこのところが欠けているのじゃないかという御指摘でございましたけれども、政府の方針としても、プライマリーバランスの回復をした後、何を目標にしていくかということの議論が実はようやく始まったばかりでございます。 先般の経済財政諮問会議で、民間議員の方々からそのような問題意識で提言が出まして、その中に、基礎的財政収支が回復してもそれは財政再建の第一ステップにすぎない。その後も長期金利が上昇すれば公債費の拡大が続く。したがって、財政再建の第二ステップとして、公債費残高、対名目GDPでこの引き下げを図っていくことが必要ではないかという提言をいただいております。 そのための手段としては、民間議員の方々のペーパーとしては、長期金利を上回る名目成長の実現、それから、一定の基礎的財政収支黒字の確保ということを挙げているわけでございますが、もちろん長期金利というものが、なかなかこれは政策で簡単にコントロールできるものでもございませんし、そのあたりをどうしていくかということはこれから精力的に議論して、こういうことで日本は安定に向かっているんだ、持続可能なものに向かっているんだというのを、私どももそういうボールを出せるように努力してまいりたいと思っております。
○伴野委員 ぜひできるだけ早い時期に国としての意思を示していただければ、そんなふうに思うわけでございます。 そうした中で、先ほど少し金利のお話も出ましたけれども、東京大学の伊藤先生なんかからの御指摘もあるように、財政負担の増加がインフレに結びついていくことはないのか、それ抜きでは考えられないじゃないのか。あるいは、そうなってしまうと、今、国民の皆さん方の中ではやはり貯蓄中心の生活をしていらっしゃる方が多い。ここにも大打撃を与えますので、ぜひその展望なんかも考えつつ中長期の展望もお示しいただければ、そんなふうに思います。 一般会計を中心にして私なりにもいろいろ勉強させていただきましたが、そうしたところ、特別会計というとんでもないものまで出てまいりました。 これは時間もないので突っ込ませていただくのは別の機会にさせていただきたいと思いますが、この特別会計、塩川前財務大臣に言わせると、母屋でおかゆを食っているのに、息子が離れですき焼きを食っておるというような表現をされていましたけれども、それが正しいかどうかは、やはり効率性とか透明性を明らかにしていかないとわからないんじゃないかと思います。 これは、あえて、どなたがそうしたかということを申し上げませんけれども、あるいはだれに聞いたかは申し上げませんが、ある省庁に聞きまして、おたくの特別会計、全部ちょっと教えてくれという話をしましたら、局ごとにやっていてよくわからないというお答えが最初に返ってきて、びっくりした覚えがあるんです。 この特別会計、財務大臣、どうされていきますか、どう切り込んで改革されますか。
○谷垣国務大臣 今、伴野委員から御指摘がありましたように、国会での御議論で塩川前大臣が、離れですき焼きを食っている、母屋でおかゆをすすっているのにという発言をされまして、なかなかユニークな御表現でありましたので、多くの方の関心も引いた。私はこれは非常にいいことだったんじゃないかと思います。国会の御議論も、その後、特会をどうだというのは非常に盛んになってまいりました。 確かに、従来、一般会計については関心を持って、どうそこをよくしていくかという御議論はあったし、私どももそこを一生懸命やってきたわけですが、特会となるとやや幅が広過ぎて、目が届かない面があったというのは事実ではないかと思います。 そこで、さっきおっしゃった国会での御議論、塩川大臣の発言を機に、財政審でも集中的に御議論いただきまして、平成十五年の秋に、総ざらえ的な見直しをしたレポートをいただきました。それから平成十六年、昨年にも、三十一会計のうちの三分の一ぐらい、さらにもう少し深掘りした議論をしていただきまして、またレポートをいただきまして、そういったことは、十六年度、十七年度の特別会計の予算には相当程度反映させていただいております。具体例を申しますとちょっと時間が長くなるので、はしょります。 それから経済財政諮問会議でも、さらにその財政審の答申をもとに、各省が所管しておりますので、各省に、こういう指摘を受けてどういうふうに改善していくんだとボールを投げ返しまして、その答えが出てきております。 さらに経済財政諮問会議等でも御議論をいただいて、特会のむだといいますか、効率化、そういったものに努めていかなければならないと思っておりますし、国会でもそのあたりを十分御議論いただいて、国会での御批判にこたえられるものにしていきたいと考えております。
○伴野委員 特別会計につきましても、大臣の鋭い切り込みで効率性、透明性を高めていただきまして、国家財政につきまして中長期の展望をわかりやすくお示しいただけることをぜひお願いしておきたいと思います。 大臣、ホームページを拝見させていただきますと、好きな言葉は「いつでも口笛を吹いて歩こう」ということだそうでございます。ぜひ、我々の孫たちが口笛を吹いて歩けるような国家財政にしていただきたい、そんなふうに思うわけでございます。 続きまして、その国家財政を厳しいものにしているいろいろな原因の中で、いわゆる社会保障費、さらには、今話題になっている地方の財政のお話、補助金の改革、地方税改革、地方交付税の改革ということで三位一体の改革ということでお進めいただいているわけでございますが、正直言いまして、これにつきましても中長期の展望が私はなかなか理解できないというのが正直なところでございます。 確かに、平成五年に地方分権の推進に関する決議を国会でいたしました後、平成十二年に地方分権の一括法、さらには平成十六年の十一月には三位一体の全体像をお示しいただけるということで、私も、いよいよ全体像が見えるのかと期待をしていたわけでございますが、残念ながら、ここ数年の展望ということであったと理解しております。 これにつきましても、私はそろそろ、例えば、最初の基礎自治体はこれぐらいで、国の役割はこういうこと、地方の役割はこういうこと、さらに、それをつなぐいわゆる広域圏が必要だから、例えば道州制が必要なんだというような大きなフレームを提示していかないと。 私は、いろいろな問題解決のアプローチには二つあると思うんですね。わかりやすく言えば、各論と総論両方から攻めていく。各論だけ攻めてもいけない、総論だけ攻めてもいけない。手法としては、対症療法的な機能的なやり方と、理念とか普遍的な思いということで演繹的なやり方をする。今、残念ながら、この三位一体改革は、対症療法的な、少し近視眼的なところになっていないか。そのために、やはり、いろいろ作業をされている方も、同床異夢といいますか疑心暗鬼。中央と地方の人たちもそうです。 最終的には、私は、これも国の意思として国民の意識改革が必要になってくるんじゃないかと思いますし、さらには、まず政治家の意識改革が必要になってくる。一生懸命これを進めていけば国会議員の仕事はどんどん少なくなっていくという思いが本当に国会議員の中にあるのかどうか、そんなことも思うわけでございますが、いつも鋭く切り込んでいただいている麻生大臣に、このあたり、骨太の大きなフレームを一度示していただけないかと思います。よろしくお願いします。
○麻生国務大臣 今の御指摘の話は、基本的に正しいと思っております。 具体的に検討するに当たりまして、一昨年の九月にこの総務大臣職を拝命したときには市町村数は三千百八十一あったと思いますが、町村合併が進みまして、おかげさまで、この二月の十五日で二千二百八十。約九百数字が減った形になったと思いますが、こういったことによってある程度基礎的なものができ上がって、今、事が少しずつ、伴野委員のお言葉をかりればミクロのところで事が進んでおる。 問題はマクロの方ではないかという点だと思いますので、この点につきましては、第二十八次地方制度調査会というのが昨年の三月一日にスタートしておりますので、この問題に関しましては道州制の導入というのを検討ということが大きな議題になっておりまして、過去、既に九回にわたり熱心な議論が行われております。 道州制をやるに当たっても、全国せえので一斉に、はい九州、はい何とかとやるのか、また、どこからか、逐次できるところからやっていくのかという意見もあれば、道州制ができたとしても、その中に一応県というものはある程度存続させて併存させるべきではないか等々、具体論を含めていろいろな意見が出ているのは、事実、議事録を読ませていただいても、そういった形で結構議論が出てきております。 今後、言われる中で、やはり地方がどこまでをやるのか。まあ簡単に言えば、一番小さな行政と言われます、日本でいえば村、その地にあります一番小さな、直接住民とやっております地方団体がどこまでをやるのか、国がやるのはどこまで、とするとその中間はどの程度あくのか。基本的には多分そういうことになるんだと思いますが、そこらのところの詰めもきちんとしていくというためには、ちょっとこれは雑駁な意見ではいかがなものかということで、この二十八次の地方制度調査会にいろいろ研究をお願いしたというのが今の経緯であります。 これは、かなりいろいろ道州制というのが出てきておりますが、正直言って何がぶつかっておりますかというと、これは同じ地域でも、大島先生の顔を見たから言うわけじゃないけれども、岩手県の中でも、いや、あっちは津軽でこっちは南部だとか、同じ岩手県の中で……(発言する者あり)あれは青森か。青森で、あっちは津軽でこっちは南部だとか、いや、おれのところは、同じ岩手県でも、あっちは伊達じゃろうがとか、もう、言葉が違うとか人種が違うかのごとき話が延々とまかり通る。 私の九州も決して例外ではないんですが、そういう中にあって、いきなり、はい東北一緒と言われてできるかと言われると、これはなかなか、住民意識とさっき言われましたけれども、国会議員の意識より何より、住民の意識が、文化も違う、何も違うという話が、地方に行ったらこれは必ずと言っていいぐらい町村合併ですら出てくる話であります。 昔のように、廃藩置県をせえのでばっとやっちゃうというような強権発動みたいなことができるはずもありませんので、この問題に関しましては、大きな絵をかきつつも、その中で住民の理解というものを得た上で、事を進めていくには、かなり丁寧にきちっとやっていく必要があるだろうなという感じがいたしておりますのが率直なところであります。
○伴野委員 厳しい言い方をすれば、少し、その三兆円とか四兆円とか、数合わせの方が先にありきかなという感を受けないわけではないわけでございまして、先ほど、住民の方あるいは地方のお話もございました。これはやり方を一つ間違えると、この人口減少の少子高齢化の時代、疲弊するところは疲弊し切っちゃって、もう取り戻しのつかないことになる可能性もございます。自立できるところはいいんですが、自立できないようなところは、やはりここは国がやるべきところだという、これも意思だと思うんですね。ぜひ大臣におかれましては、クレー射撃がお得意だというふうに聞いておりますので、ねらいを定めてやっていただければ、そんなふうに思います。よろしくお願いいたします。 続きまして、先ほど来から、小泉構造改革には、時間軸で言えば中長期の展望が欠落しているんじゃないか、感覚的に言えば光と熱が感じられないんじゃないかという大変生意気なことを申し上げてまいりました。 国民の感覚的に言えばこういうことじゃないかと思うんですね。非常に国家財政、大変なことがよくわかる。国民の皆さん方の多くは、まじめに額に汗して、痛みに耐えて働いて帰ってきた。しかしながら、家の部屋の明かりは全然ついていないし、火の気もない寒い部屋だったというような感覚を受けていらっしゃるんじゃないかな。光というのは、私は、ビジョン、展望、意思だと思います。それから熱というのは、先ほど申し上げましたように、どうしても自立できない地域、あるいは一生懸命やっていてもうまくいかなかった人、そういったところに、体温が感じられるというかぬくもりが感じられるというか、温かさが感じられなければ、安全、安心な国家は、私はなかなかつくれるものじゃないと思います。 そういった中で、小泉内閣の中長期展望というのを一生懸命探しましたけれども、先ほど申し上げたようになかなか出てこない。いろいろ戦略的なことは、経済諮問会議から出てくるようなこともあるんじゃないかなと思っていろいろ調べさせていただきました。そうしたら、平成十七年一月二十一日付で閣議決定されておりました構造改革と経済財政の中期展望ということで、やっと日本の二十一世紀ビジョンをお考えいただけるのかなという感を受けました。 先ほどの東京大学の伊藤先生のお言葉をかりれば、経済を見る目は三つあるそうですね、大臣。マクロの鳥の目、ミクロの虫の目、潮の流れを読む、変化を読む魚の目。竹中大臣はどんな目をしていらっしゃるのかと思うわけでございますけれども、今お考えになっている範囲で結構でございます、この二十一世紀ビジョン、どのあたりに目標年次を置いて、今どんなことをお考えになりながら、どんな光を国民に与えていただけるのか。わかる範囲で、もしそれが小泉さんのおっしゃる大きな芽とつながるなら、そのあたりもどうつながっていくのか、ぜひ御開陳いただければ。よろしくお願いいたします。
○竹中国務大臣 伴野委員、きょうはもう一貫して中長期の展望についてお尋ねくださっております。まさに、今御指摘くださいました内閣府の日本二十一世紀ビジョンというのはそういう観点からの取り組みでございまして、そういう御指摘をいただいたことに、むしろ私も感謝申し上げたいと思います。 このプロジェクトそのものの趣旨でありますけれども、まず、お尋ねは、いつごろをめどにしているのかということであります。 なかなか大胆で難しい試みではあるけれども、やはり四半世紀先ぐらいをめどにしようではないか。その意味では、二〇三〇年ごろというのが一つの目標年次であろうと考えております。 もちろん、これはテーマによりますから、もう少し長く見なければいけないものとか、もう少し短くしか見られないものとかいろいろありますけれども、それを目標に、諮問会議のもとに専門調査会をつくって、四つのワーキンググループをつくって、実は、何度か今名前を御紹介くださいました東京大学の伊藤教授も、その主査としてお入りをいただいております。 中身そのものは、ぜひ専門家の立場で思い切って将来の大きな絵を描いてほしい、ビッグピクチャーを描いてほしいというふうに申し上げております。中身そのものについてはまだ検討の段階であるわけですけれども、例えば、人口が減少する社会にあって、日本の成長率は一体中期的にどうなっていくのか。それとか、まさに貯蓄、投資が一体どのようになっていくか。貯蓄がどうなっていくかということは、私たちが今後社会資本をどのくらいつくっていけるかということにも関連するので、そうした大きな芽を示してほしい。さらには国際的には、中国の成長、アメリカの力の中で、日本の社会的な、国際社会の中での地位はどうなっていくのか。そして、御指摘の、地域と社会の姿はどうなっていくのか。そういう視点をぜひ織り込んでいただきたいということで、今まさに専門家の方に鋭意議論していただいております。 自助自立の社会の中で、国際的な厳しい環境の中で、日本が四半世紀後どのような姿になっていくかということをできるだけ明確に示していただきたいと思っております。
○伴野委員 ぜひ期待しておりますので、できるだけ早い時期にお示しいただければと思います。余り期待しない方がいいという与党さんからのお話もございますが、要は、見せていただいてからということかもしれません。 先ほど来申し上げてきましたように、中長期の展望、それから光と熱が感じられないというような指摘もさせていただきました。やはり、計画の中心には、経済よりも人であっていただきたいと思うんですね。残念ながら、我が国は、高度成長期時代を経てバブルまで、経済中心であったと言っても過言ではなかったと思いますし、そのもたらした意味は、いろいろ発展したいい面もあるんですが、置き忘れてきたものもたくさんあったんじゃないかな。 やはり、人が人であるために、さらには、最近の安全、安心社会が築けないのは、人と人がうまくコミュニケーションがとれていない。いろいろな電子施設あるいは機器、Eメール、携帯電話、発達してきたけれども、人が会ってコミュニケーションをとることが非常にやりにくくなってきたといいますか、できない人も出てきたやに思います。ぜひそのあたりにも、経済の側面だけではなく、温かい目をお持ちいただいておつくりいただければ、そんなふうに思っております。 では、続きまして、竹中大臣を中心にしてつくられる二十一世紀ビジョンが、昔、経企庁がつくっていたものとするならば、昔、国土庁がつくっていた国土総合開発計画というのがあったと思います。過去、我が国というのは縦社会といいますか、特に官僚の世界の皆さん方には、縦の世界での議論、そこに終始してしまって、計画も縦の中での計画、横のつながりがいま一つよく見えない。場合によっては全然リンクしていない。例えば、ある計画をやっていくときに、これだけの投資が必要なのに、財務的には全然保証されていない。そんなのは、正直言いまして、計画論からいえば計画になっておりません。こういうのを絵にかいたもちと言うわけでございます。 そうならないためにも、きょう国土交通省の大臣にお越しいただいて、一九五〇年につくられたいわゆる全総が曲がり角に来ている。本当は、私はプラザ合意のときにその曲がり角はあったと思うんですね、社会資本整備のあり方を問うならば。しかしながら、ここまで来てしまいました。 いわゆる開発から、ストックを生かした計画に移転されるやに聞いております。そういった中で、どんな展望あるいは考えをお持ちいただき、おつくりになるのか、お話を承れればと思うわけでございますが、当然考えられていることは、二〇〇六年から我が国は未曾有の人口減少国家になってしまいます。少子高齢化も一緒にその波を受けます。財政事情もこんな状態でございます。 社会資本整備の社会資本という定義はいろいろあるわけでございますが、例えば、私的動機にゆだねると著しくその供給が不足する資本を社会資本整備のやるべきものだというふうに仮定するならば、今後は、先ほど申し上げたように、既存施設の有効利用、つまりメンテに金がかかってくるということですね。だから、先ほど申し上げたようなアセットマネジメントの思考もぜひ国家の社会資本にも入れていただかねばいけませんし、先ほどの三位一体の改革ではありませんが、市町村合併も推し進められて、圏域構造の変化というのも出てくるわけでございます。そうしたら、その圏域構造の変化に合わせて、今ある施設の統廃合もやっていかなきゃいけない。これにも金がかかります。さらには、中国の台頭やさまざまな諸外国の台頭があれば、国家戦略もつくっていかなければいけない。強いところを強くして戦うというのは、これはチームワークを有するスポーツの、勝つ方法の最高手段でございます。そのために、ではどこを日本は強くしていくんだ。これにも金がかかります。 そういった意味で選択と集中ということをお考えになっていくんだと思うんですけれども、ぜひ大臣、今の時点でどんなことをこの来るべき国土形成計画に生かされていくのかお話しいただければ。よろしくお願いいたします。
○北側国務大臣 これからその内容を御議論いただくとともに、私どももしっかりと議論していきたいと思っております。 きょう私がこれから申し上げることは、私の現時点での意見ということで聞いていただけば結構でございますが、限られた予算の中で、社会資本整備、優先順位を明確にしていく必要がある。また、どの程度の投資効果があるのか、そこもよく見ていく必要があると思います。今委員がおっしゃったように選択と集中、全くそのとおりであるというふうに思っておるところでございます。 そういう意味で、では、どういうところに優先順位があるのかと考えますと、例えば、昨年は大変災害の多い年でございました。やはり、国民の安心、安全を確保する意味で、防災、減災ということは国の大きな役割であると思っております。そこは非常に優先順位が高いんだろう。 それから、今委員も御指摘ございました、特に東アジアの経済が大変な発展をしていく中、また経済がますますグローバル化する中で、国際競争力を向上させていく基盤整備というものは非常に重要であると私は思います。例えば国際空港もしかりでございますし、国際港湾もしかりでございます。こうした国際競争力を強化していくような基盤整備、これを重点的に進めていく必要があると思います。 さらには、今おっしゃった人口減少社会、少子高齢化、高齢社会にふさわしい社会資本整備をやっていかないといけないと思いますし、また、環境重視、地球環境保全。京都議定書も発効いたしました、そういう中で、やはり環境を重視した社会資本整備にも努めていく必要がある。 こうしたことは非常に優先順位の高いものであると思っておりまして、その中から投資効果の高いものをさらに絞って進めていくということではないかと私は考えております。
○伴野委員 何か大臣の信条は、波が高ければ高いほどその強さを増すというものらしいですけれども、公共事業に対する世論やあるいはマスコミの厳しさというのはどんどん増しております。その中で、先ほど申し上げたように、メンテには金がかかりますし、いろいろな統廃合にも金がかかります。やるべきことはやってもらわなきゃいけないので、そのためにも、透明性の高い財源をしっかりと確保すること、特別会計の見直しも含めてやっていただかなければいけない、さらには社会資本の証券化ということも考えていただく時代ではないかな、そんなふうに思っております。 そうした中で、先ほど大臣も、選択と集中が大事だというお考えを示されました。そういうことをやっていきますと、優先順位、プライオリティーというのがさらに重要になってくるわけでございます。しかしながら、これは多くは政治家の責任じゃないかと思いますけれども、さらに、そこの優先順位を決める中でのキーワードとして、時間管理という考えをぜひ入れていただきたい。 そして、ここでちょっとわかりやすい例題を一つ大臣に出させていただきますので、一緒にお考えいただきたい。 例えば、A地区、B地区、C地区で同じような、似たようなプロジェクト、五百億円ずつどこもかかる。これはどこもやっていかなきゃいけないんだけれども、予算は残念ながら年間百五十億しかない。五百億ずつのこの三つのプロジェクト、A地区、B地区、C地区。 今のやり方といいますか旧来のやり方というのは、どこにも五十億ずつつけて、まあ、はっきり言って地域もいろいろあるし、お地元から出てくる先生方もいろいろあるから、同じスタートで十年かけてやろうということを今まで残念ながらやってきてしまった。 それは、右上がりの時代はいいかもしれませんよ。しかし、もうこれだけ財政が逼迫してきて、経営感覚で日本の財政も考えなきゃいけないときに、普通の投資家はこんなことはやりません。どうやるか。一番回収率の高い、やりやすいところから先に金をつぎ込む。 年間百五十億だったら、例えばB地区が、地元の支えも大きくて、地盤も安定していてどんどんプロジェクトが進む、しかもBバイCをとったら非常にいいというんだったら、ここにまず先に五百億をつぎ込むんですね。そうすれば回収が早くなります。さらには、B地区で得た技術的なノウハウが次のA地区、C地区にも使えます。さらには更新時期もずれる。 会社の社長なら大抵こういうことをやるんですが、国の意思となるとなかなかこれができない。できない理由もある程度わかっているつもりですが、先ほどの選択と集中ということをおっしゃるならば、さらには優先順位ということをおっしゃるならば、ここまで切り込んでいかなければいけないんじゃないかと私は思います。ぜひ大臣にはそれをやっていただく先駆けになっていただきたいという思いで、今の考え方いかがでしょう、どう思われますか。
○北側国務大臣 非常に大事な視点であると思います。 例えば道路。道路の必要性というのは、全国どこでも道路は必要でございます。また、道路整備の要請についても全国どこからもあるわけでございますが、例えば、あと少しやればネットワークができる、こういうのはやはり早くやって経済効果を出す必要があると思いますし、また、大都市でいいますと環状道路、環状道路を早く完成させることは非常に経済効果が高いわけでございますし、さらには防災という観点でいいますと緊急輸送道路、こういうのはやはり早くする必要がある。 おっしゃっているとおり、その辺のところも優先順位をつけて、全体を順序よくというのではなくて、やはり優先順位をつけて社会資本整備は進めていく必要があると考えております。
○伴野委員 要はマネジメントなんですね。先ほど申し上げた例でも、そういったBバイCがいいものから、回収率のいいものからつぎ込んでいってもおしりが一緒だということをきちっと説明していけば、多分、今言ったやり方でも終わりは十年目ですから。ぜひそういうお考えを、これは私は政治主導でやらないと、やり出すといろいろ血の雨が降るかもしれませんが、やはりそこまでぜひ切り込んでいただきたい、そんなふうに思って、期待も込めてお願いをしておきます。 では、時間がございませんので、本当は質問の中で申し上げたかったんですが、全総の今まで一番足りなかったところは、評価と総括をしてこなかった、これを徹底的にやってこなかった。多分官僚の皆さん方の中には、あるいは、国土審議会でやられた大先輩のことを後になっていろいろ難癖をつけるというのはやりにくかったんだと思いますが、しかし、前計画を評価、総括しない新しい計画というのはあり得ません。ぜひ、今回新たな国土計画を立てられるときには、徹底的に過去の遺産にメスを入れていただいて、総括して計画を立てていただければ、そんなふうに思います。 では、続きまして、時間がございませんので、各大臣にもお越しいただいていますので、足早に質問させていただきたいと思います。 やはり地元へ帰ると、南野大臣、寝屋川の事件とか安城の事件それから奈良の事件、安城の事件は私の地元のすぐ近くでございます、予算の理事の島議員のお地元でもございますけれども。今率直に、お母さん、お父さん、私も小学校三年生の娘を持つ父親でございます、本当に子供を守りたいというこの一心なんですね。子供を守れるなら、そんな、幾ら使ってもいいじゃないかぐらいの感覚なんですよ。人の命なんというのはそういうものだと思うんですね。それは、財政のバランスがございますからいろいろあるんだと思いますが、やはりこれにこたえるのが国家のミッションだと思うんですね。国のミッションだと思います。 残念ながら、先ほど申し上げたように、いつの間にか疎外されてコミュニケーションができていない方々が、ふえているとまでは言いませんが、非常に目につく時代に入ってしまいました。冗談半分にこういうことをおっしゃるお母さん、殺されるぐらいなら引きこもりになってくれた方がいいぐらいの、そんな思いもあるわけなんですね。 そうした中で犯罪をゼロにするということは、確かに理想郷かもしれません。しかし、そこに一生懸命お金も人もつぎ込んでいく。今、非常事態だと思うんですね。都市再生本部やあるいは地域再生本部をつくるんだったら、安全・安心回復再生本部というようなものを内閣府に置いて、官房長官、ぜひこれは国の英知を使ってやらないと、もう取り返しのつかないところまで来ているんじゃないか。 一方でワイドショーなんかでは、ちょっと耳の痛い話かもしれませんが、社会保険庁のむだ遣いのお話が出てくる。こんなことをやるなら、我が子を守るためにいろいろやってくれよというのが親心じゃないかと思うんですね。 そして我が党も、こういう状況をかんがみて、全国の刑務所も見せていただきました。私も三カ所行ってまいりました。どの世界もそうですが、現場の方は総じてまじめに一生懸命やっています。刑務官の方が丸腰でやっていらっしゃることに対して、私は、もう本当に感謝以外、言葉がありませんでした。 そういった中で、今、再犯の問題、累犯の問題、一度入ってしまったら二五%から半分近くが戻ってきてしまう。それはなかなか大変だと思います。しかしながら、ここに何か、先ほど申し上げた、民間の知恵をかりながら、国としてお金も人もつぎ込まなきゃいけない時期に来ているんじゃないかな。町が栄えても、地域が栄えても、子供たちがいつ殺されるかわからない社会、これはとんでもない社会でございます。 ぜひとも南野大臣には先頭に立っていただいて、赤ちゃんを取り上げてきたお仕事をされてきた方でございます、ぜひとも先頭に立ってやっていただけないか、そんな思いで、どうやってこれから安全、安心社会を実現されていくのか、ぜひお聞かせいただければと思います。
○南野国務大臣 本当に先生のお気持ちはわかりますし、私も、国民の不安、それにどうこたえていったらいいか、本当に真剣に考えていこうと思っております。そういう心の痛みに我々どのように対処していけるかということについて真剣に取り組んでおります。 そのように本当に痛ましい事件が相次いでおります。法務省といたしましては、国民の皆様の不安な気持ちを受けとめ、再犯を防止するための緊急の対策として、次の、今から申し上げる施策を実施するということにいたしました。 第一に、性犯罪者に対する適切な対策を講じるために、性犯罪者の実態、再犯の状況などに関する多角的な検討を進めてまいりたい。今はそのような情報がないときでございますので、そのようなことを進めてまいりたい。 第二には、具体的な施策ですけれども、これには三本の柱から成るものを検討していこうと思っております。 一つ目は、犯罪者に対する処遇の充実強化でございます。まず、精神医学、心理学等の専門家の協力を得ながら、施設内処遇、社会内処遇における科学的、体系的な犯罪防止プログラムを策定するとともに、行刑施設におきましては、心理技官を活用するとともに、民間カウンセラーの導入をしてまいりたい。処遇方法、処遇体制を整備するということでございます。また、受刑者につきましては、近く提出を予定しております法案におきまして、その者にふさわしい矯正処遇を受けることを義務づける。そして保護観察対象者につきましても、教育処遇を受けることを遵守事項として定める運用を進めてまいります。 二つ目は、犯罪者の社会復帰を円滑に実現するための支援体制の強化でございます。勤労の意欲のある人に対する職を提供する。国民の皆様の御理解と御協力を得て、犯罪者の更生に協力していただける雇用主をより多く確保する取り組みを強めてまいりたい。この就職の問題は大きな課題でございます。 三つ目は、犯罪の取り締まりを実効的に行うための情報の共有でございます。当省が有している情報でこれに役立つものについては、犯罪者の改善更生にも配慮しつつ、関係当局に積極的に提供していきたいと考えております。 それぞれの施策につきましては、関係省庁の御協力が不可欠なものが多うございます。その必要性を御理解していただけるよう努めるとともに、他省庁からの協力を求められる事項があれば、当省としてもできる限りの協力をしてまいりたいと真摯に考えております。よろしくお願いいたします。
○伴野委員 具体的な詳細な件につきましては法務委員会の方でやらせていただきたいと思いますが、先ほど来申し上げている、小泉改革の中に足りない、法務の所管の部分は熱の部分だと思っております。専門家に言わせますと、安定したコミュニケーションを得るような社会、これが一番大事だ。文明が発達してコミュニケーションをとる器材や器具はたくさんふえてきたんだけれども、本当の人間としてのコミュニケーションがとれていない社会になってきているという指摘もあります。ぜひとも、温かさが、ぬくもりや体温が感じられる、そういった法務行政によって、安全、安心な社会を実現していただくようによろしくお願いいたします。 時間がなくなってまいりました。足早で行かせていただきます。 きょうは防災担当大臣もお越しいただいております。幾つかお聞きしたかったんですが、一つだけお聞かせいただきたいと思います。 先ほど、子供を守りたいというのは、お母さん、お父さんたちの切なる願いだと申し上げました。地震から自分の子供を守りたいというのも、これも国民の多くのお父さん、お母さんの気持ちだと思います。そうした中で、阪神・淡路大震災の反省の中で、自分の家に殺されたという、要するに自分の家が倒れてきて死んだ方がたくさんいらっしゃる。 ということは、一般の方の、いわゆる四分の一の未耐震地域をどうするんだというお話と、あと、こういうお話をしますと、すぐ、省庁の縦割りでできないんだということをおっしゃるんですが、早く、小中学校の五四%の未耐震地区、それから病院、病院がなければけがした人を救えません。命からがらになっている人を救えません。ここに手厚く耐震の予算をつけるということをやるのが、私は内閣府にその本部がある理由だと思うんですね。省庁の枠を超えて財政措置をする。どうしてそれができないのか。あるいは、やるつもりだったら教えていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○村田国務大臣 まず冒頭に、住宅、建築物の耐震化につきまして、十八日に、国土交通省におきまして地震防災推進会議を設置していただきまして耐震化を計画的に進めるということでございまして、私ども、大いに評価させていただいているところでございますが、今委員が御指摘なさいました、特に学校、病院。学校につきましては、避難所になっているというところもありますし、病院につきましても、けが人が震災等によって出た場合に対応しなければいけないということでございまして、これらの施設の耐震化というのは大変重要でございます。 平成七年度に地震防災対策特別措置法ができまして、この法律に基づきまして地方公共団体では計画的に耐震化を進めているところでございますが、例えば学校だけ言いましても、平成十五年の調査をやりましたけれども、これでも四九%の耐震化率ということで、まだまだ足りない、十分ではないという状況にございますし、県によって非常に取り組みにばらつきがあるということでございますので、私どもとしましても、平成十七年予算で必要な事業量を確保して、なお一層耐震化を進めていきたい、こういうふうに考えております。 この法律に基づきまして計画的にやるのでございますが、耐震化をやる場合には七施設につきまして補助率のかさ上げをやるという形で、地方公共団体の耐震化の努力をバックアップしているところでございます。
○伴野委員 親の思いとしては、自分が助かるよりも子を助けたいという思いが強いかと思いますので、ぜひ小中学校の耐震化から、あるいは病院の耐震化から、極力お金をつぎ込んでいただきますようお願いしたいと思います。 最後に、時間がなくなってまいりましたので、総括して、これは本当は最初にお聞きしたかったんですが、大臣がお忙しいということで官房長官にお聞きしたいんです。 いろいろ今まで議論してきましたけれども、最終的にこの痛みの向こうに何があるのか、わかったようなわからないような。小泉内閣が構造改革を推し進めるとして、その先にどんな社会があるのか、ぜひとも内閣官房長官に最後締めていただきまして、どんな社会を実現できるのか、お聞かせいただければ。
○細田国務大臣 何よりも、この十年間、バブル崩壊によりまして、戦後未曾有の大不況、失業の増大、経済の不安定、そういったものがさまざまな労働環境の変化ももたらして、社会的不安を増大させたということがございます。これから立ち直って、経済がしっかりとした足取りで立ち直れるようにということが第一だと思っております。 しかし、経済的に困ったからといって、あるいは、しゃくにさわったからといって、暴力を振るったり盗みを働いたり、あるいは麻薬に走ったりということは許されるはずもないわけでございますから、これはやはり教育をしっかりすること、そしてできるだけ新しい職場の機会をふやすこと等、大切なことだと思いますし、また、再犯ということで非常に多くの方々に大きな不安を与えているということについては、先般、内閣の閣僚懇談会におきましても、ぜひ再犯対策をとれという強い指示で、内閣官房、内閣府、警察庁、法務省、文部科学省、厚生労働省で積極的に集まって知恵を出しつつありまして、その一つの成果が、先ほど法務大臣が答弁した内容でございます。 今後とも、再犯をしそうな人がいるにもかかわらずそれをあらかじめ察知できないということはいいことなのかどうなのか、余りプライバシーの面を侵すようなことではいけませんけれども、再犯率の高い者についてはしっかりとフォローして、社会における防護体制もとっていく、こういうことも検討を進めておるところでございます。
○伴野委員 もう少しわかりやすくお話しいただけるのかなと期待もしていたわけでございますが、ある面、教育の話も出てまいりました。 最後に、小泉構造改革、その中には政治構造改革も入っているんじゃないかと思います。ぜひとも目指すべき社会をおつくりいただくという思いの中で、我が党がお願いしております証人喚問を実現していただくことはその社会の実現に一歩近づくんじゃないかということをお願いして、終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○甘利委員長 これにて伴野君の質疑は終了いたしました。 次に、藤田幸久君。
○藤田(幸)委員 民主党の藤田幸久でございます。 きょうは、谷垣財務大臣、官房長官ほかに質問をさせていただきたいと思います。 私、先週、スマトラ沖地震の被災地を視察ということで、私どもの鳩山ネクスト外務大臣ほかと、インドネシアのアチェ、それからスリランカのゴールという南部の地域、それから東海岸、三カ所視察をしてまいりました。 そこでまず感じたことでございますけれども、余り日本のテレビ局等の映像等に出ていないんですけれども、特にアチェでございますが、実際に行ってまいりまして、今まで報道されている、あるいは政府の関係者の方からお話を伺っている以上に実は大変な被災地であるなという感じを受けました。 今、理事のお許しをいただきまして、資料をお配りしております。実は、一枚目の紙は、バンダアチェという、スマトラ島の一番北部でアチェ州の首都の地図でございます。国連がつくった地図でございます。 これはどういうことを意味するかといいますと、まず、一番上の緑の部分が、左下にスケールが出ていますから、海岸から大体三、四キロでございますが、この部分が実は高級住宅街であったり商店街であったりという、鉄筋コンクリートとかあるいはれんがづくりの大変強い家屋であるわけです。その家屋部分が、まるで根こそぎブルドーザーで押しやられたように、広島の原爆被災地、あるいは、もちろん私は生まれておりませんでしたが、東京大空襲の跡のようになってしまった。その写真が二枚目でございます。 つまり、この部分は、よく映像として、鉄砲水のように建物の間に津波が押し寄せてきて、車がくるくる巻き込まれながら流されてしまったという映像がございますが、実は、その鉄砲水のように家の間をくるくる回ってしまったというのは、戻っていただきますと、この地図で真ん中の紫の部分です。 ということは、鉄砲水のようにあれだけすごい映像が出てきた津波被害の部分は真ん中の紫でございまして、それ以上に、コンクリートやれんがづくりの強固な建物で、人口密集地、高級住宅街、商店街であった、人がたくさんいたような部分が、海岸から三キロ、四キロぐらいにわたって根こそぎ持っていかれてしまって、そういった建物も、数百メートルとか離れたところまで流されるか、あるいは、この二枚目の写真にございますように、基礎を残して全部持っていかれちゃったというのが状況です。 したがって、今回の津波のアチェの被害というのは、先ほど申しましたように、広島の原爆被災地あるいは東京大空襲の跡、あるいはドイツのドレスデンのような跡がこの緑の部分である。したがって、人口の半分以上が亡くなってしまった、あるいは、クリントン前大統領、ブッシュ元大統領がおとつい訪問をした地域は、人口の四分の三ぐらいが亡くなってしまった、そっくり持っていかれたというのがこの状況であるということをこの地図及び二枚目の写真でお示ししたいということでございます。 したがって、きのうも実はあるテレビでお話をしていましたら、なぜこんな映像なりあるいは状況が日本で伝わっていないのだろうかということも含めまして、これは今まで伝えられてきたような対応とは全く違ったレベルでの復興の必要性があるのではないかということを、クリントン大統領も百聞は一見にしかずとおっしゃっておられましたが、私どもも百聞は一見にしかずという認識で帰ってまいりましたということをまず大臣、各委員方にお伝えいたしまして、ぜひそういった意味の情報、現状の確認をまずしていただきたいというふうに思っております。 その上で、まず財務大臣にお伺いをしたいと思います。 これだけの被害でございます。それで、これは現地のある大使の言葉によりますと、広島の原爆の三十万倍のエネルギーであった。実は、アチェからコロンボ、スリランカまで、シンガポール経由でございましたが、大体三時間四十分かかりました。ところが、津波は二時間でスマトラからスリランカに到着した。ということは、飛行機よりもはるかに、一・五倍ぐらいのスピードで津波がスリランカ全体を襲ってしまった、それだけのエネルギーということでございます。 それで、実は日本政府の方も、有名な五億ドルのプレッジをしたということで大変評価を得ているわけですが、先週、ロンドンで国連のパシャ事務次長という方が、復興には、これは私は質問通告のときには数字が間違っておりましたけれども、大体今まで緊急援助は五十億ドルぐらいだろうと思いますが、その二倍以上に当たる百ないし百二十億ドルぐらいの資金が必要であるというふうに述べておられますが、谷垣財務大臣、これはやはり相当な復興費用がかかるのではないかというふうにこれからもうかがわれるわけですが、どういうふうに認識されますでしょうか。
○谷垣国務大臣 藤田さんがわざわざバンダアチェへいらしてこういう調査をしてこられたことに、心から敬意を表したいと思っております。 それで、我が国は、先ほどおっしゃいましたように、一月の一日でしたか、小泉総理から、当面五億ドルを限度とする無償資金、これをプレッジいたしまして、そのほかに緊急支援物資の供与や各種救援活動を展開する、それから、あと津波の早期警戒といったような、資金、知見、人的貢献、三点でやっていこうということでやらせていただいているわけですが、災害から二カ月たって、今藤田さんのお話にもありましたように、これは我が国の地震なんかでもそうですけれども、全貌なり被害の詳細がわかるのに若干時間が要るわけですね。だんだん全体のすごさというものがわかってきたということだろうと思います。 そこで、当面やることは、それぞれの国がプレッジしているわけですから、そういう各国、各国際機関が表明した緊急援助の内容を、必ずしも言ったばかりですぐやっているとも限らないところもありますので、まずこれをできるだけ早くやっていく。そして、被災国の中期的な復旧復興も支援していく。我が国としても、それは、やることをやらなきゃいかぬと思います。 それからもう一つ、この際に申し上げておきたいことは、中長期的な復興になりますと、あの五億ドルの緊急のプレッジということじゃなくて、やはりマルチでの、世銀やあるいはアジア開銀を利用した支援というのも必要だろうと思います。ここには、我が国は、両機関につくっている信託基金を活用して合計四千万ドルの支援を行う旨を既に言っているわけですが、こういうものも利用していただかなきゃいけません。 それから、今後は、円借款の活用を含めて、中長期的な復旧復興支援策というのを検討しなければならないわけですが、それについては、藤田さんがおっしゃったように、各国や国際機関とまず情報等をよく集めて、被害の全体像、それからどこに実際ニーズがあるのかというようなことをもう少し把握していかなければいけないんではないかと思っております。
○藤田(幸)委員 一月に、実は、国際協力銀行、JBICと世銀とアジ銀が調査をいたしました。それで、厚い文書ですが、その一部だけさっと読んだ限りですが、例えば、インドネシアだけでも四十四億ドルの被害と見積もっています。それから、スリランカに関しては、これから三年間で十五億ドル必要だと。そうすると、単純に足し算にはできませんけれども、インドネシアとスリランカだけでも六十億ドルぐらいというような、これは三機関による、JBICが一番メーンですけれども、そういう数字が出ています。 そこからしますと、国連の事務次長が先週おっしゃった百ないし百二十億ドルと数字的にはかなり符合するんではないかという気もするんです。ですから、調査を既にされているんですよ、三つの銀行が。それは御存じですか。それで、その辺も踏まえて、大体どの程度というふうにお考えでしょうか。
○谷垣国務大臣 世銀、それからアジア開銀、JBICもやっていたと思いますが、その辺は、我が方は十分連絡をとってやっておりますので、大体そういう報告は承知しております。 さらに、具体的には何なのかということもこれからやっていかなければいけないと思っております。
○藤田(幸)委員 それで、先ほどの、つまり、プレッジした国に実行させるということは当然重要で、日本の場合には、国際機関に対しても、それからインドネシア、スリランカ等に対しても、一月の末までにしっかり払い込みをされておられるわけです。そういったことに対しては、大変政府の閣僚等は喜んでおられます。スリランカの外務大臣が、来週ですか、日本からの支援に対するお礼のためにわざわざ来日をされるという話も聞いております。 そういう意味の評価はあるんですが、日本の場合には、半分が国際機関、半分が相手国政府に行ったということは、国際機関の下で使っているNGOは外国の方が多いんです。ですから、実際に行ってみますと、テントも、オランダのテントがあり、ほかの国のテントがあって、日本の方は非常に少ない。つまり、受益者の手に、直接目に触れるのは、残念ながら日本より多いという現状があるんです。 これは質問通告のときに、私は広報活動に問題はなかったかというのを書きましたけれども、よく考えてみますと、広報活動以上に、現地に見えるように、現地の人に触れるような方法、国際機関、日本及び外国のNGO等を使ったふうに、せっかくのこの五億ドルを、使い方を単に、いつものようにやり、今までのとおりに国際機関と相手国政府だけを通してやるのではなくて、広報活動も十分ではなかったけれども、そういった方法自体をこれからやはり変えていくいい時期であり、かつ、必要な時期に来ているんではないか。 これは非常に大きな政策的な問題ですので、そういうふうな印象を今まで以上に強く持って帰ってきておりますが、その点について、財務大臣、いかがでしょうか。
○谷垣国務大臣 ちょっとその点は、私どもももう少し、せっかく出すわけですから、私どものところにお見えになるのは、確かに、今藤田さんがおっしゃったように、先日もスリランカの財務大臣がおいでになって、非常に我が国の素早い対応には高い評価をしていただいていたわけですけれども、それぞれの国の実際に被害に遭っておられる民衆の方々に対して、日本の貢献というものをどう評価していただくかというのは、もっと意を用いていかなければいけないと思っております。外務省ともよく相談をして、もう少し工夫をしたいと思っております。
○藤田(幸)委員 ありがとうございます。 それからもう一つ、インドネシアの復興支援を総括する大臣とお会いをしました。総括をするというのは、大統領、副大統領、その次の横断的な責任のある、つまり各省庁の大臣の上の方にお会いをしました。その方が、副大統領と一緒に今回の総括的な災害対策に当たっている方でございます。 お会いをしましたら、いわゆる外国から受けた資金に関して、インドネシア政府とは独立した国際的な監査機関を設置する、そして、まず外国からいただいたお金をアチェとか各地域にどれだけ使っていくかということを公開します、その上で、それがどういうふうに使われたかということについてチェックをしていくと。したがって、今まで残念ながら汚職についてのうわさもあったけれども、そういったうわさを払拭するためにも、透明性と説明責任を果たせるような独立した機関をつくってチェックしていきたいということを大臣の方から直接おっしゃられました。 それから、同じように、クリントン、ブッシュのお父さんの前元大統領がユドヨノ大統領に三日ぐらい前にお会いをされたときに、アメリカの大統領経験者の方からも、インドネシア政府に対して、使い道に関してしっかりと透明性のある使い方をしてほしいということをはっきりおっしゃっている。 そのぐらいこのお金の使い方、インドネシアに関しては大きな政治課題になっているわけですが、そういった中で、インドネシア政府の方から、向こうからそういう独立監査機関をつくるというようなお話がございますが、こういったものに関する評価と、それから、日本政府としてどういうふうに、そういった機関ができ得るならばかかわっていくかということについて、これも財務大臣にお伺いをしたいと思います。
○町村国務大臣 委員が、インドネシアの国民福祉担当調整大臣とおっしゃるそうでありますが、お会いになったというお話でございます。その折の話は、国際的な監査機関という感じではなくて、一つは、諸外国の支援に対して、まずインドネシアみずからがしっかりと会計検査をやる、必要があれば、それぞれの国に会計検査院といったようなものがあるでしょうから、それぞれの国の方々に会計検査に参加していただいてもいいですよという発言があったと私どもは理解をしておりまして、何か、この際、新しい独立の国際的な機関をつくるという趣旨ではなかったと私どもは理解をいたしております。 いずれにしても、透明性を高めるということは大切なことでございますから、インドネシアについては、今委員お触れになったような、いろいろ汚職等々の話もうわさとしてあるわけでございまして、今回、きっとそういった背景を踏まえてだろうと思いますけれども、インドネシア政府がこういったことを透明にやっていこう、透明性を高めていこうということは大変いいことだと思っておりますし、我々もそういう意味で、被災国や国際機関と協力をしながらモニタリングとか評価をしっかりとやっていきたい、かように考えているところでございます。
○藤田(幸)委員 国際的なというふうに申しましたのは、インドネシアの独立した政府機関であるけれども、国際的なかかわりも認めるということをおっしゃっておられましたのでそういう表現をいたしましたが、私はなぜ、もともと谷垣財務大臣にこの質問を申し上げたかといいますと、外務大臣が答えると、今のようにモニタリングとか経協の方法論の話しか答えないんです。今回のこの調整大臣の話はそれ以上のレベルの話だろうと思って、そうでなければ、クリントン、ブッシュ、大統領経験者がこんな話をしないんです、インドネシア政府に対して。 今回、インドネシア側が言っていますこの透明性というのは、つまり、そういった汚職的な問題、今までのスハルト時代以来とは違った国際的な経験もあるユドヨノ大統領であると同時に、アチェというものが大変な紛争地域であるので、援助の使い方によっては、この和平の復興の兆しになるものが逆にもなりかねない、そういった思いもあるいは背景もあっての、私はインドネシア政府側の強い意思だろうと思うわけです。 そういう意味で、非常に政策的に政治的にこれは意味の重いものであるということで財務大臣にお伺いをしようと思ったら、外務大臣が出てこられて経協の方法論的なモニタリングとか、そういうレベルじゃないという、そこまでの踏み込んだ実は意味がある。 そういう意味で、今後の、せっかくインドネシア側がそういった意思を表明している以上は、今までのいわゆる技術的なレベルを超えた政治的な意味も含めた援助の仕方、そして当該国との、いわゆる援助の受け手と貸し手の関係について、政治的にもより高いレベルで判断をするいいきっかけになり得るのではないかという意味で、財務大臣にお答えいただきたいと思った次第でございますが、いかがでしょうか。
○谷垣国務大臣 確かに、今町村大臣からもお答えがありましたように、インドネシアに対する援助については、いろいろ問題点もあったことだと思います。それから、藤田委員が御指摘になったように、あそこは紛争のあるところでありますから、今回のこの機会がむしろそういうものを乗り越えていくものになってほしいと我々は思っております。 今、藤田委員がおっしゃったように、向こうからそういう考え方が表明されているとするならば、私どももこれは高く評価するところでありますけれども、外務大臣ともよく連絡をとりまして、日本としても、そういう大きなアジアの安定ということにつながるような対応をこれからさらに研究したいと思っております。
○藤田(幸)委員 それでは、財務大臣、また後で別のことでお伺いをしたいと思いますが、官房長官、今回、私、三カ所ほど被災地を回りまして、ジャパン・プラットフォームの力が一番ある意味では比較優位のある形で活用されたというふうに現場でも感じたわけであります。これは、長官自身がこのジャパン・プラットフォーム創設には大変御尽力をいただいたわけですけれども、私も、ジャパン・プラットフォーム、たまたまアチェにおきましては三人の女性が本当に瓦れきの中で活躍をされておられました。私は、思わずエンゼルが活躍をしているようだというふうに思ったわけであります。 それから、自衛隊の医療チームも含めまして、いわゆる日本の総合力の、援助のオリンピックのような形で、大変いろいろな方々が活躍をされているというふうに感動したわけであります。しかし、一方で、冒頭で申し上げました被害の大きさから比べますと、焼け石に水と言ってはなんですけれども、まだまだ十分でない、エンゼルも本当に気の毒だなという気がしたわけであります。 それで、今後は、いわゆる緊急人道支援体制から復旧復興支援へと大きくかじを切る時点になってきていると思います。ジャパン・プラットフォームは、緊急援助の調査から始めて、二十六日に津波が起きた翌日にぱっと飛んでいけた、スターターとしてはいいんですけれども、所期の目的は十分とまでは言わずとも相当果たしたと思っています。 これからは復旧復興支援になってきますと、まず一つは、前から長官ともお話をしておりますけれども、NGOへの直接資金協力が、やはり規模の面と範囲の面、つまり緊急支援以降についてはカテゴリー的に十分でないということ。それから、申請を前倒しで外務省の方で実質的には受け入れて審査を前倒ししているとか、補正から本予算にかわる際も、執行が早まるような工夫を経協で今やっていただいているということもあるんですけれども、やはりまだまだその部分が薄いと思うんです。 したがって、もう少し直接資金協力等が、範囲と規模を拡大し、柔軟性が拡大するような検討が必要ではないかと思っておりますけれども、官房長官、いかがでしょうか。
○細田国務大臣 藤田議員がこの問題をライフワークの一つとされて本当に御活躍になっていることを、平素、敬意を表するわけでございますけれども、私自身も、通産省におったときに有償無償の援助を担当しておった。そして、自民党外交部会長のときに、コソボの難民問題が起こって、現地に行き、そしてWFPなどの日本の食糧支援が、先ほど委員がおっしゃっていましたが、日の丸がついていない、小麦がどこから出たか、お金がどこから出たかわからないような援助であるということはおかしいんじゃないかというので、そういうことをはっきりさせようじゃないかというようなこともやりました。 それから、大きなプロジェクトはNGOが出せないということで、政府の制度を改正して、そしてジャパン・プラットフォームというような中核団体を育てて、たくさんの団体も傘下におさめながら、巨額なものも対応できるというような体制は整備したわけでございますけれども、今回のインドネシアあるいはスマトラ沖大地震の関係で言うと、まだまだジャパン・プラットフォームに対する支援は三億六千万円、当時のコソボに二千万円とかという時代から見ると飛躍的ですけれども、実際の資金需要から見るととても足りないわけですね。 そこで、私は、個人的考え方も含みますけれども、二つあると思います。 政府は、有償無償にかかわらず、国際的に協力して、これだけの大災害からの復興でございますから、やはり全部が連携をして、そしてしかるべき負担をする。そこにはきちんとした復興計画があって、国際的にどういうお金を投入すべきか、また、日本政府はあるいは日本の企業も含めまして、どういう技術があるか、そこにどう貢献できるかということをしっかり確定することがまず大変大切であると思います。 それから、このジャパン・プラットフォームを中心とするNGOは、本当に、先ほど天使と言われましたが、個人で貢献されている方もすばらしい方が多くて、現地で献身的な活動をしておられますが、まだまだお金が足りません。政府が、それでは、この三億六千万円をまたふやして幾らになるかというとなかなか大変だと思うんですね。 私は、日本の国内で余っているお金を寄附してもらったり、そういうお金を集めて、それを例えば税制上の優遇措置などで、それこそ何十億あるいは百億、そういうお金でも国内で集めてもらって、そしてNGO活動をより豊かで建設的なものにすべきじゃないか、政府と民間であわせてやるべきじゃないか。ところが、これは余り政府内で言うとあれですが、なかなかそういう寄附税制もままならないし、いろいろなことが障害になっておる面もあると思います。 私は、藤田議員のおっしゃることをきちっと国際的にも対応して実現するためには、そういった制度面での改革も必要でなかろうか、私も微力を尽くしてまいりたいと思いますが、そのように考えております。
○藤田(幸)委員 財務大臣、突然の質問なんですが、今官房長官の方から、寄附税制も含めた、つまり三億六千万円、コソボのときよりは大分ふえたけれども、ただこれをふやすというよりも、日本で余っているお金が集まるような寄附税制も含めた対応が必要ではないかというお話なんですが、財務大臣、いかがでしょうか。
○谷垣国務大臣 寄附税制については既に今までいろいろな議論がありまして、例えば、ちょっと今の委員の問題関心とはずれてしまうかもしれませんが、国立大学が独立大学法人になった。それぞれが自分のところの財政的基盤を充実するにはどうしたらいいかというようなことで、やはり寄附税制というものがその背後にあるのじゃないか、大学関係者からもそういうような御指摘をいただいたりしているわけであります。 それから、ちょっと話を大きく広げますと、いつぞや総理が、憲法八十九条でしたか、私学助成というものが果たして憲法にぴたっと素直に読めるかどうかというような問題提起をされたこともあります。個人的な考え方としては、多分ああいう法制が憲法に入ってきているのは、非常に寄附というようなものに対して前向きの社会、個人の寄附というものに前向きな社会は、ああいう学術であるとか技芸であるとかあるいは宗教というようなものは私人の寄附によって維持できる。そういう制度を持ったところでは、ああいう憲法体制が割合すんなり出てくるんじゃないかというような気もするわけですね。 その辺も含めて、私ども、寄附税制どうあるか、これはNPO法人の寄附の問題なんかでも随分いろいろ議論がございましたけれども、財政の問題もございますので、直ちに私もここでどうと言うことはできませんけれども、広い観点からさらに議論をしていきたいと思っております。
○藤田(幸)委員 財政のグローバルスタンダードと、一方で、こういった問題に対するグローバルスタンダードということも問われていると思いますので、歴代の財務、大蔵大臣以上に、ぜひ今の点を、ほかの閣僚の方々等も含めて、前向きに取り組んでいただきたいというふうに思います。 そこで、もう一度細田官房長官にお伺いしたいと思います。 資金的な支援に続いて、やはり今回、NGOの方々、ピースウィンズ・ジャパンのエンゼルに限らず、AMDAの方とかほかのNGOの方々とお会いをしましたが、NGOのエンゼルが、体が伸び切っちゃっているんです。つまり、アフガニスタンにもヨルダンにも、それから、スーダンからカンボジアからコソボから、伸び切っているんです。ですから、本当に、とっさに、おっ取り刀で十二月二十七日に飛び出していただいたわけですが、結局、ほかの国に行っている人も含めて飛んでいっている。ですから、お金も伸び切っていますし、体も伸び切っちゃっている。 そうしますと、例えば今回の緊急援助隊、診療チームですが、例えば日本医大のお医者さんがコーディネートしていて、起きたらすぐ翌日飛んでいける体制があるんです。それは、要するに、人材を登録しているんですね、そういったお医者さん、看護婦さん等々が。 同じように、多分NGOだけでは人材が伸び切っちゃっておりますので、例えば民間企業も含めて、それからJICAとか国際機関の職員、これはOB等も含めて、そういった経験のある人を国際緊急援助隊のように、例えば国際人道支援隊と呼んでもいいし、あるいは国際復興支援隊でも結構ですけれども、予備役と言ってはなんですが、人材バンクのように登録をしておいて、こういった災害復興、あるいは紛争地域、難民支援等が必要になった場合にさっと送れるような、そういう仕組みをつくったらどうか。 例えば、青年海外協力隊の場合も、一部の民間企業、二年間机をあけていても、帰ってきた後で二年分の昇給も含めてその会社に復帰ができるというような制度がありますが、そういったものを、民間企業、国際機関、JICA等も含めて、人材バンクのように登録をしておく。そうでないと、もう伸び切って、これからも自然災害や紛争は残念ながらまだ続くことが予想される中で、そういった仕組みも必要ではないか。 それには、雇用の問題、待遇の問題、昇給体制の問題、税制の問題も含めて必要ですが、そういった段階に来ているのではないかと思いますが、官房長官、この点についてお答えいただきたいと思います。
○細田国務大臣 詳細は担当の外務大臣にお答えいただきたいと思いますが、こういう大規模自然災害の場合は、国際緊急援助隊の派遣というものが非常に大きく機能します。そのうち医療チームについては登録制をとっておって、医療関係者六百八十八名が登録されている。 いわゆるスマトラを含む東南アジアの特に南部の場合は、一つ大きな問題がありまして、医療とセットでなきゃなりません。つまり、非常にマラリアの多い地域でもあるし、コレラのある地域でもあるし、医療的にしっかりと面倒を見ながら、またNGOの人が活躍しなきゃならないという特別な地域でもあると思います。それは、トルコの地震だったり、コソボだったり、アフガンだったりするのとはまたさらに一味違うところがありますので、いい対応をしなければならないと思います。 それから、JICAの国際協力人材登録制度等では、五千七百名を超える専門家が登録されておるわけでございます。五千七百六十八名ということでございますが、そういった人たちを活用し、またお願いをしながら、団を組んで積極的に派遣するというようなことを考えていかなければ、これだけ大規模な災害にはなかなか対応しがたい。 しかも、どうも、日本だけで対応できるのかというと、やはり国際的にも対応しなきゃならない面がございまして、一地点に、一隅を照らすという援助でいいのかということを考えますと、インドネシア全体の復興に対する考え方とも深く関係をいたしますので、私は、一刻も早くそういった構想のもとで日本がきっちりとした対応をする、貢献をするということも必要ではないかと思います。
○藤田(幸)委員 今の国際緊急援助隊の医療関係者六百名とかJICAの専門家等々五千七百人というのは、意味が違うんです。 つまり、一つの特定の分野に限った技術専門家ではなくて、柔軟性があって、機敏であって、その場で判断ができて、そして、ほかの文化、やり方が違う人ともコーディネートができる。そして、その場で例えばアセスメントをして、別の人間がニーズ調査をしたものに対してどう仕事をするか。あるいは、命令を受けてその場で仕事をするというタイプの方々だけで済むならばそれで済むんですが、先ほど来、エンゼルといいますか、コーディネートができるNGOのような方々、国際的な方々の層が一番薄いので、今官房長官がお答えになった人のカテゴリー以外の部分が一番すそ野が狭くて、薄くて、伸び切っちゃって、そして緊急のときのお金が出にくい。その部分の強化が必要ではないかということで申し上げているんですが、いかがでしょうか。
○細田国務大臣 おっしゃいます必要性については、私もそのとおりだと思っております。 これはもちろん、日本の制度あるいは関係省庁の協力なくしては、外務省、厚生労働省であったり、あるいは警察、防衛庁、消防庁その他さまざまな部署、協力が必要な問題であると思いますので、全体が連携して取り組んでいかなければならないと思っております。
○藤田(幸)委員 というよりも、コソボのジャパン・プラットフォームができたときもそうですけれども、むしろ、政党同士というか超党派で、政治家の方が例えば企業の社長なんかにも呼びかけてとか、あるいは広報活動もしながらそういったキャンペーンをやっていくとか、労働省にこの部分を聞いて、どの省庁にどこの部分を聞いてという以上のものが必要になってきているのではないかという意味で申し上げ、したがって官房長官にお聞きしたということでございますので、その点よく御理解をいただき、努力を続けていただきたいというふうに思います。 それから、時間の関係で、これから外務大臣に少し細かい質問をさせていただきます。 今回、日本が、五億ドルの援助も含めて、インドネシアあるいはスリランカ等外国の被災者に対する支援は、したがって相当な評価を防衛庁・自衛隊も含めて得ていると思いますが、一方で、今回、いろいろ調べてみますと、外国の人に比べて日本人に対する支援はどうだったのということをいろいろなところで聞いております。 つまり、被害を受けた、お亡くなりになった方も含めて、インドネシアそれからスリランカ、それから日本の被害者に関しましては、タイのプーケット島が多いわけですけれども、まず、被害に遭われた日本人に関して、例えば財布やパスポートも失った日本人被害者に対する帰国のための渡航証明書、これはタイの場合ですけれども、九百二バーツ、二千数百円ですけれども、これは九百バーツがその手数料であって、二バーツがコピー代だといううわさがあって、外務省に聞きましたら、いや、二バーツも含めて手数料だと言うんですけれども、手数料ならば、なぜそんな半端な数字が出てくるのか。 いずれにしても、こういった渡航証明書を発行し、ところが、後に、この大災害に関しては、大臣の判断で渡航証明書を発行しなくてもいいようにしたとか、あるいは一たん、九百二バーツ、二千数百円払った人に対しては、今度は世論の動向もあったせいかと思いますけれども、返しているという話がございますが、その経緯、実際の状況について、まず外務大臣に伺いたいと思います。
○町村国務大臣 全体の姿勢のことについて申し上げるならば、私も、インドネシアあるいはタイの大使館の方々ともお話をいたしました。 あの十二月二十六日、その日の夕方からとにかく可能な限り現地に行ける人は行くというようなことで、その後、もちろん休みも返上してずっと現地に張りつく。少しずつ今引き揚げてきているという状況でありますけれども、私どもとしては、それはいろいろな細部にわたっての御批判があることは承知をしておりますが、最善を尽くしてやっている、こう思っております。これは、本当に私は、現場にいる大使館の諸君、よく一生懸命やっていたな、こう思っておりますので、その点はぜひお認めをいただかなければならぬ、こう思います。 ただ、その中で、今委員御指摘の九百二バーツ問題が発生をしたようでございます。二千五百円をバーツに換算すると九百二バーツであるということでありましたが、こうした大規模災害においては、渡航書を無料で発給するための制度を今度整備いたしまして、したがって、既に手数料をいただいた方々、タイが七十三件、スリランカ九件、計八十二件につきましては、これらの方への手数料をお返しするという措置を今進めているところでございます。
○藤田(幸)委員 もう一つ、被災者の方々は、もちろんパスポートばかりではなくて、全部お金がなくなっちゃったわけですから、最低、格安航空券なりで日本に帰ってくるということ、あるいは友人、家族と連絡をとるというようなことも含めて、とりあえず当面必要なお金が必要だということで、五万円までの範囲で日本大使館が貸し出しをしたということですけれども、これは実際にいろいろな方に伺ってみますと、とにかく大使館員に、もうしつこくしつこく、本当に返してくれるのか、どうやって、どこで連絡をとったらいいのかということを随分しつこく聞かれて、それで貸したというんですね。 それで、外務省の資料ですと、これは二つの国で二十二件で六十六万四千円だろうと思います。そうすると、外国には五百億円支援をしていて、その大変な被害に遭った日本の方に、そんな場面において、渡航証明書で九百二バーツ、それから、着のみ着のままの人に対してお金を貸すに当たっても、それを取り逃げする人がいると思ったのかどうか知りませんけれども、しつこく、本当に返してくれるんですかというふうに迫ったという証言が随分ありますけれども、その点についてはどういうふうに認識されておられますか。
○鹿取政府参考人 今委員が御指摘になりました、貸し付けに際して時間がかかったり、あるいは手続的に必ずしも円滑に進まなかったという状況は残念ながら一部あったと思いますけれども、我々は、今回の件をも反省しまして、今後はできるだけスムーズにこういう事態に対応できるようにしたいと思います。 なお、我々の領事部の担当者もそれぞれ、規則等があったものですから、その規則を踏まえて対応したと思いますけれども、これからこういう経験も踏まえまして、今後できるだけ円滑に進むように努力してまいりたいと思います。
○藤田(幸)委員 それからもう一つ、残念ながらお亡くなりになった方々の御遺体ですけれども、家族の方が御遺体を日本に搬送したい、ところが、どうやったらばそもそも搬送できるかということについても、在外公館の方からのいろいろな支援、アドバイス等もないまま、皆さん方が本当に手探りで御遺体をプーケットなりから日本まで搬送された。もちろん自腹でございますけれども、これは、御遺体を搬送するとなると特別な料金が必要だということで、大体百万円以上だというふうに聞いております。 実際に、この亡くなった方々が、百万円以上かかって御遺体をそれぞれ日本まで運んでこられているわけですが、そういった御遺体の移送方法について、在外公館の方は何もしなかったのか。何もとは言わないけれども、いろいろな意味で便宜を図ってもらわなかった、あるいはいろいろなアドバイスなりをしていただけなかった方が圧倒的に多いと聞いておりますが、その事実認識について、正確に報告がされているのかどうか、どういう情報を得られているのか。これは大臣に直接お答えいただきたいと思います。
○鹿取政府参考人 事実関係について、私の方から御説明いたします。 私どもとしては、もしもそういうことで御家族の方にそういう気持ちが残っているとすれば、非常に私どももまた反省したいと思いますけれども、我々としては、葬儀社の紹介、だびの手続、死亡証明、遺体、遺骨証明の発行等、可能な限りの支援を行ってまいったつもりでございます。また、今回、残念ながら二十九名の方の遺体が確認されましたが、タイにおいてはそのうち十五名が現地でだびに付されております。また、遺体を日本に搬送された方におかれても、かなりの方が保険でカバーされたというふうに承知しております。
○藤田(幸)委員 政府委員の方の受け入れに関しては、私が指名したときのみお答えいただくという条件で私は受け入れたわけですから、もしその条件が守れないということであれば、今後の委員会において私は政府委員の出席を断らざるを得ない。それは、私はきのう申し上げたはずでございます。 したがって、事実関係を大臣が知らないということを今遠くで答えられておりましたけれども、これは人命にかかわることでございますから、大変なことですよ。人命にかかわることの事実関係について大臣が事実を知らないということであるならば、これは政策判断ができないということであります。しかも、条件をつけて私は参考人を認めたわけですから、それを守っていただきたいと思います。確認をして出てきてもらってもいいわけですから、今後、参考人、気をつけていただきたいと思います。 それで、大臣、葬儀社を紹介した、あるいは結果的には保険で済んだじゃないかという話、あるいはいろいろな証明を出したというのは、これは後づけの問題でありまして、私は黙っておりましたが、大使館員はベストを尽くしたという話でした。それから、細かい規則に忠実であったというお話も承りました。 しかし、被害者の方々にとっては、細かい規則とかあるいは大使館員がベストを尽くしたということ以上に、そういった待遇を受けたということを認識したということは事実なんです。これは、単に細かい規則の問題ではなくて、大変大きな政治的な問題でありますし、もしこういったことが起きた場合に、そういった細かい規則を超えるような体制、危機管理がないということの証明でもあります。 さらに申し上げるならば、私は、たまたまほかの国の方々が同じような地域で同じ被害に遭ったときの、在外公館が大変温かく自分の国の国民を迎えてくれたという話も聞いております。 具体的に言いますと、例えば、十二月の二十六日に日本の大使館に駆け込んだ日本人の方々が、外で数時間待たされて、裸同然だったけれども衣服も与えられずに食事も与えられなかったのに対して、同じ仲間であった別の外国人は、やはりそれぞれの国の大使館で迎え入れられて、食事等も与えられて、衣服も与えられて、本当に親切に困ったときに介してくれたというのが、ほかの国の方々の同じ場所で起こった証言であります。 そうしますと、これは、大臣自身が、政府委員に事実関係を報告させなければ自分でわからない。それから、これは日本人に対する危機管理でもあり、被害者に対してどういう扱いをするかという、大変大きな政治的な課題でありますけれども、全然そんな意識がない。大使館員がベストを尽くしたという次元をはるかに超えた対応が必要であり、ほかの国ではそういうことをしていたということと比べますと、これはやはり無責任であり、全く新たな対応が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか、大臣。
○町村国務大臣 まず、事実関係を政府委員が答えることは、別に何ら本委員会において差しさわりがないことであるということをまず申し上げます。 その上で、今のお問い合わせでございますけれども、私どもは今、例えば委員、二十六日に何か着のみ着のままで大使館に駆け込んだと、そのこと自体があり得ないことだと私は思うんですよ。なぜならば、二十六日、大使館がですよ、プーケットに大使館はございません。バンコクですからね。それから、コロンボまで行くことは、それは何らかの方法で可能であったかもしれないけれども、しかし、私どもとしては直ちにそれは対応をとる、現地にも飛んでいく。それこそ飛行機が飛ぶかどうかわからないから、車で行く人、飛行機で行く人、両方のチームをつくって、例えばタイのバンコクの大使館からはプーケットに直ちに派遣をするというようなことをやっております。 ですから、それは現地の対応に、私も一〇〇%十分であったと、すべての事象を私だって知っているわけじゃありませんから、そう申しかねますけれども、しかし、私どもとしては最大限の努力をしているということはぜひ委員、お認めをいただきたい。 それから、遺体の葬儀社の紹介等々、これは事後的な話ではないかと。それは事前か事後か、そこまでも正直言ってお一人お一人のケースについて私が承知をしているわけではございませんが、しかし、私どもとしては、葬儀社の紹介とかだびの手続、死亡証明書等々、これらについてはもちろん先方政府、あるいは先方の保健所とかそういうのもあるんだろうと思いますが、そういうところのかけ合い、交渉も含めて、それこそ不眠不休の努力をしてやっているという実態もあったということはぜひ御理解をいただきたいと思います。 ただ、その中で、それらがすべての御家族の方々が満足のいくものであったかどうか。それは、ああいった特殊な状況でございますからいろいろな思いがおありになるであろうかもしれませんけれども、しかし、私どもとしては最大限の努力をしてきたということだけはどうぞひとつ御理解を賜りたいと思います。
○藤田(幸)委員 大臣がいかに事実を知らないかということを証明したと思っています。 コロンボの大使館というのは、この地図でもわかりますけれども、海岸沿いにあるんです。スリランカというのは、東海岸ばかりではなくて、コロンボという島全体が被害が出ているんです。したがって、コロンボに、その日、日本人の方々が駆け込んでいるんです。 二十六日というのは確かに休みの日でありましたけれども、ほかの国の大使館でコロンボに駆け込んだところはちゃんと受け入れて、食事も出して、衣服も出して、そしていろいろな帰還手続までとってくれているんです。これは新聞の記事にもはっきり実は出ております。したがって、プーケットだけではなくて、コロンボにおいては十二月の二十六日に日本人がしっかり駆け込んでいるんです。タオル同然の人もあった。 ですから、そんな事実を知らないで、政府委員だけに頼っていて、プーケットでそんなはずがないと。コロンボで実際に大使館に日本人が駆け込んでいるんです。そんな事実も知らないで、そして日本人に対するそういった対応がなかったというような答弁をするならば、事実が間違っているんだから訂正してくださいよ。
○町村国務大臣 どういう事実があったか、それならばお示しをいただきたい。
○藤田(幸)委員 今言ったじゃないですか、十二月二十六日、コロンボの日本大使館に日本の方が駆け込んだと。そんなはずはないというふうに先ほど大臣は言ったじゃないですか。コロンボの日本大使館に日本人がちゃんと駆け込んでいるんです。
○町村国務大臣 これについては、私どもスリランカの大使館から報告が来ておりまして、十二月二十六日の夜、スリランカ南西部ベルワラ地区のホテルに宿泊していた女性より大使館に緊急電話で、津波の被害に遭い、現在十六名の日本人と安全な宿泊先に避難しているという電話があった、お名前もそれぞれいただいた。大使館から各人の家族等へ連絡するので電話番号を教えてもらいたいということをお話しし、直ちに電話をもらって、家族の方に連絡をして感謝されたというお話。 それから、二十七日、再度同じ方から連絡があり、宿泊施設では車の確保ができない、それから、コロンボのホテルの確保ができないので、可能ならば大使館でホテル等を手配してほしいという要請があったので、ホテルに関してはガラダリ・ホテルというものを確保できたということを先方に連絡し、そして、その後ホテルには入っていただいたというような話があります。 そのほか、個別に挙げますと、いろいろなケースがタイ及びスリランカ等々から来ておりまして、私どもとしては、そういう方々、だから、さっき申し上げたように、すべての方に完璧であったかどうかという点については、それはいろいろ現実に反省すべき点もあるのかもしれませんが、総じて私どもとしては最大限の対応をしたということを先ほど来から申し上げているわけでございます。
○藤田(幸)委員 ですから、スリランカで、それは電話のことだけしか言っていないけれども、実際に大使館の外に行った人がいたわけですから、コロンボの大使館に日本人が来るはずがないというのが先ほどの発言でございましたから、全く事実関係と違っておるわけですから、しっかり訂正をしていただきたいというふうに思います。(発言する者あり)
○甘利委員長 静粛に。静粛に。
○藤田(幸)委員 さっきは、コロンボの大使館に日本人が来るはずがないというお話があったわけですけれども、実際に、そういった連絡をしたり、行っているわけですから、訂正をしていただきたいと思います。
○町村国務大臣 プーケットのお話はいたしました。私は、もしコロンボという趣旨で申し上げたら、それは私の不正確な表現であったことはおわびをいたします。
○藤田(幸)委員 つまり、被災者、被害を受けて自分が家族を失ったり、あるいは自分が死に直面した人の気持ちに対して、大使館の方々はベストを尽くしたのかもしれませんけれども、その受けとめ方がどうだったかということと、それからほかの大使館等がしたことに対する差が余りにも大きいという事実関係もあるんです。 ですから、例えばいろいろな細かい規則があるならば、今回のことを、教訓を受け入れながらそれを改善する必要もあるし、それから、このことは、先ほど領事部の方がという話がありましたが、領事部の問題ではなくて、それぞれの国の大使なり、責任ある方々が対応し、かつ、その情報に基づいて外務大臣なりがしっかり指示を出す対応が必要である。そして、そういったことが起こった場合には、柔軟性を持って対応ができるという体制が在外公館においては必要だろう、そしてほかの国ではそういうふうな対応をしたということを申し上げているわけであります。 そして、例えば遺体の身元確認に関しても、いわゆる歯形の専門家が三人行ったという話がありますけれども、ほかの国は、例えばDNAの専門家をたくさん派遣して、それぞれの国の御遺体の捜索活動を積極的にしているんです。例えば、香港というのは小さな地域ですけれども、百人ぐらいDNAの専門家が行って捜索活動をしている。日本の場合には、本当に受け身の確認作業しかしていない。 つまり、ほかの被災国支援以前に、まず被災した日本人を保護する仕組み、体制がないということが今回非常に明らかになったわけですから、その対応について抜本的な改革を求めたいと思います。 例えば、私、パスポートを持ってまいりました。このパスポートには「日本国民である本旅券の所持人を通路故障なく旅行させ、かつ、同人に必要な保護扶助を与えられるよう、関係の諸官に要請する。 日本国外務大臣」とあるんです。日本人に対して、ほかの国の政府に対しては、保護扶助を与えるよう要請をしておきながら、自国の国民に対して保護扶助を、まして、命からがら、あるいは命をなくした、そしてあるいは自分の親族なり家族が亡くなった、けがをした、そういった人々に対する、そういう場面においての保護扶助なんですよ。 ふだんの、日常における細かい領事部の規則の問題を言っているんじゃないんです。こういう事態が起きたときの、自国民が助けを求めてきたときの保護扶助に対してどうするか、そういう体制がないということについて、かつ、そういうことに対して、先ほどのいろいろな、遺体の搬送から、渡航証明書の関係から、借り入れに関しても、こういった危機が起きたときの抜本的な対応の仕方の変更が必要ではないかと思いますけれども、今回の反省を踏まえて、大臣、いかにお考えになりますか。
○町村国務大臣 まず、御遺体の確認のことでございますけれども、タイあるいはスリランカでは、政府関係者それから専門家によって構成される津波被災者身元確認情報管理センターというものができておりまして、そこで身元不明遺体の身体的特徴でありますとか指紋、歯医者さんの治療記録、DNAサンプル等と行方不明者の生前情報とを照合して、データの一致によって身元が特定される、こういうプロセスを踏んでやっているところであります。 スリランカに対しては日本から一名、それからタイには十名派遣をしておりまして、タイには現在もまだ二名の方が残って、引き続きこの作業をやっていただいているところでございまして、在プーケットの日本大使館連絡事務所、それからスリランカの大使館では、行方不明者の家族から得られた情報やこのセンターが収集した情報に基づいて確認作業、支援活動をやっているということであります。 それからさらに、日本国内でもこういう作業ができるということで、警察庁の協力も得まして、行方不明者の生前情報を採取いたしまして、鑑定したデータを現地に送付し、また、順次各国の、これは外交ルートで送付をして、その確認作業をやるということであります。 その結果、これはここまでやらなくてもわかった方がたくさんいるわけでありますが、最大限三千三百名を超える安否の問い合わせがあり、そして現在時点では、二十九名の方々の死亡が確認をされ、なお邦人で行方不明の方々が十六名いるというところまで減ってきているというのが今の姿でございます。 こういうことで、こうした確認作業というものが、まず着々と進んでいる。しかし、まだ十六名の不明、プーケットの地域がどうも多そうだということで、現在もまだ二名の方が専門家として現地に滞在しながらその確認作業をやっておりますというのが現状でございます。 そして、今回の状況を踏まえて、さらに緊急事態への反省はないのかということについては、もうちょっと落ちついた段階で、今回の一連の動きというものをしっかり検証した上で、さらにそれぞれの現場でどういう対応をしたらいいのかということをしっかりまた反省をして、見直していくべきは見直すというふうにやっていこう、こう思っているところでございます。 なお、私どもは、それはいろいろな方の御不満、あるいは、おかしかったという御指摘が確かにあろうと思います。そういった点も含めてしっかり受けとめますが、全体としては、私ども、申し上げましたように、随分一生懸命対応したんだということだけは、ぜひこれは藤田委員にもお認めをいただきたいということを申し上げさせていただきます。
○藤田(幸)委員 随分長答弁でしたが、結局、確認作業について聞いたんじゃなくて、捜索活動がなかった、不十分だったということを申し上げたわけです。 済みません、大分長い答弁だったので、最後に谷垣財務大臣に一つ。 この間、財務大臣もお会いになったスリランカの財務大臣、スモールグループの方なんですけれども、結局、あの方がおっしゃったのは、住宅建設資金のために最高二十五万円のキャッシュをもう払い始めている、既に六億円ぐらい住宅支援のお金を実は払い始めたという話でございました。 日本には、中越大震災、阪神大震災を初め、こうした直接支援がないんですね。これは、やはりこういうことが本当に必要になってきたんじゃないかということを感じましたけれども、それについて一言だけ感想をお伺いして、質問を終わりにしたいと思います。
○谷垣国務大臣 短く答弁いたしますが、これは補正予算のときから随分議論の重なっているところでございます。 全体状況としては、今のような御議論も日本でもあろうかと思いますが、地震保険と、それからJAの住宅のあれのと合わせますと、もう三割ぐらいの方が加入しておられるという状況で、政府のやるべきことは、そういう自助努力をもっとやりやすい形、それから公共的なものをもう一回再整備していく、こういうあたりに重点を置くべきではないかというもとで、昨年、ああいう法の改正をやっていただいた。 現段階では、感想を言えとおっしゃいましても、そういうことを繰り返して申し上げることになるわけでございます。
○藤田(幸)委員 ありがとうございました。
○甘利委員長 これにて藤田君の質疑は終了いたしました。 次に、三日月大造君。
○三日月委員 民主党の三日月大造と申します。 光栄にも予算委員会で質問をする機会をいただきました。年末年始に国民の皆様方からいただいた声、そして年明け、一月、二月とまた非常に景気の動向が厳しくなるという中でいただいている疑問や怒りといったようなことを代弁しながら、税金の集め方、そして予算の使い道について、大きく二点に絞って質疑をさせていただきたいと思います。 まず、定率減税についてです。 これはもう本会議、予算委員会、委員の方々の質疑の中でも多く出てきておりますけれども、谷垣大臣、取りやすいところからのみ負担を取る、取りやすいところに負担を強いていくといったような典型的悪質な今回の定率減税の半減、縮減という提案に対しては、国民の不満や不信というのは非常に大きいものがあるということをまず自覚していただきたいと思います。 そもそも、平成十年の自民党の総裁選挙で恒久減税として公約された定率減税が、いつの間にか恒久的減税というふうに修正をされて、他の税制改正とともに平成十一年の税制改正において実行されたものであります。 その定率減税が、景気を支える地方だとか中小企業、何より働く人の懐ぐあいが全然温まっていない、景気の回復がまだまだ認識できていない、実感できていないというこの時期に、また、八十二兆円の一般会計もそうです、そして四百十二兆円もの特別会計、この歳出削減努力が全然国民にわかる形で示されていない中で、例えばきょうの新聞にもありますけれども、社会保険庁の刷新可能性調査の最終報告書で、社会保険庁の予算は五百二十億削減可能だ、これは予算の提案がなされた後で出てきているようなことまで明らかになっているんですよ。社会保険庁の五百二十億の削減可能、これは社会保険庁の刷新可能性調査の最終報告書でこういう数字も出てきているんです。こういった形で、歳出削減努力はしています、していますと大臣は繰り返し答弁をなさっていますけれども、こうやって事例がぽろぽろ出てきているんです。 加えて、こうやって歳出削減努力がなされていない中で、年金初め、そして配偶者特別控除の上乗せ分の見直しも含めて、働く方々にどんどん保険料負担がのしかかる形で、今回この定率減税の縮減というものがされようということで提案をなされているんですね。感覚的にも感情的にも、また後ほど詳しく議論しますけれども、経済政策的にも全く理解できない今回の定率減税の縮減の提案なんです。 現状の景気認識についての議論はぜひこれからしていきたいと思うんですけれども、まず、一体どれだけの影響を見積もってこの定率減税の縮減を提案なさっているのか。ミクロで、マクロで、そしてともに景気に対する影響も含めてお答えをいただきたいと思います。大臣にお願いします。 〔委員長退席、渡海委員長代理着席〕
○田野瀬副大臣 数字だけちょっとお答えを申し上げます。
○三日月委員 手短にお願いします。
○田野瀬副大臣 私の方から、この縮減による税の負担増につきまして、ちょっと数字を御報告申し上げて、後また大臣からお聞きいただいたら結構かと思います。 このたびの縮減によりまして、所得税、個人住民税の負担増となる金額は、夫婦と子供二人のサラリーマン家庭の場合には、年収五百万円の方では、月々約千二百円、年間約一万八千円、それから年収七百万円の方では、月々約二千九百円、年間約四万円の増となります。
○谷垣国務大臣 三日月さんは滋賀県の御出身で、私と選挙区といいますか県が隣ですから、若い方が出てこられて頑張っておられるのに私も敬意を表したいと思うんですが、先ほど、この定率減税を、取りやすいところから取る悪質な減税だとおっしゃったことは、私は真っ向から違うと申し上げたい……(三日月委員「悪質な縮減だ」と呼ぶ)悪質な縮減だとおっしゃる、私もちょっと興奮して言葉を間違えまして、済みません。 それで、三日月さん、まず前提にありますのは、平成十一年、確かにあのときは非常に景気が悪い、底が抜けるような状況でした。そこで、恒久的という名前になって、随分わかりにくい名前であったことも私は事実だと思います。 ただ、あのときの小渕総理のいろいろな、この趣旨説明などにもはっきりあらわれておりますけれども、未来永劫続くという意味での減税、恒久減税を考えているわけではない。ただ、景気に対する影響を考えますと、単年度の臨時的なものではやはりそれはきいてこないだろうということで、抜本的な所得税改革をするまでの、つなぎという言葉は使っておられなかったと思いますが、そういう意味での、すぐには変えないけれどもという意味で、恒久的という言葉を小渕当時の総理は使われていたと思います。 そしてもう一つ、三日月さん、私どもがこういう案を提案させていただきました背景にありますのは、やはり日本の個人所得課税というものが極めて低い水準にあるという認識が現在私どもにはございます。それでもう一つは、ではそうなりますとこれは、では、ちょっと数字を挙げましょうか、首を振っておられますからね。 個人所得課税というのは、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、いずれも一〇%台を超えております。例えば、イギリスは一三・七%、フランスは一〇・六%ですね。日本は六・〇%ですから、そこは諸外国とかなり違う状況。ですから、当時、あの景気の状況を克服するために、相当思い切った、非常な手段をやはり私どもはとったんだと思います。 そうしますと、では、それをどうやって回復してくるかという課題があるわけですが、三日月さんの前提は、景気がまだまだ実感できないじゃないかということだろうと思います。これは、もう少し後で多分また御質問になると思いますから、もう少し細かな議論をいたしたいと思っておりますが、私は、当時の状況から比べますと、大きく言いますと、不良債権処理や何かが進んできた、そういうことで全体の経済は底がたくなっていると思います。それをどう見るかについては、またもう少し、余り私ばかり一方的に答弁してもいけませんから、御質問に従ってお答えをしたいと思います。 〔渡海委員長代理退席、委員長着席〕
○三日月委員 いや、ですから、先ほど田野瀬副大臣がおっしゃった数字、定率減税の縮減に伴う影響が、ミクロとマクロでどのように景気に影響を与えるのかということを聞いたんですよ。経緯、経過はもういいです。数字ももういいです。 いいですか、大臣、そもそもこの定率減税は、個人及び法人の所得課税のあり方についての抜本的見直しと、著しく停滞した経済活動の回復に資するというのが目的だったはずなんです。先ほどの、五百万、子供二人、月額にして二千円、そして七百万円、子供二人、月額にして三千六百円、年間にして二万四千と四万三千二百円、恐らくこの影響が小さいという意味で数字の例を出されたんだと思うんですけれども、こういう認識だからこういう提案ができると思うんです。 私は、ここの敏感な数字、定率減税の縮減に伴う影響をきちんと見る必要があると思うんです。もちろん前提は、今から述べますけれども、今の景気の状況がどのようにあるのかという認識ですね。ここも非常に重要なんですね。 それで、大臣、この根幹である景気回復が明確に確認できていないこの状況の中で、縮減イコール増税を行うということは重大な政策ミスだということをまず冒頭指摘をしながら、今の経済情勢、例えば、先週行われました財務金融委員会の野田議員の質問に対する大臣答弁の中で、大企業はいいが中小零細企業はだめ、大都会はいいが地方はだめ、企業業績はいいが家計や個人消費に反映されてきていない、それはそのとおりだと大臣も認められた上で、GDP統計の三期連続マイナスは、好調だった前期の反動、気候などの一時的な特殊要因、在庫調整などが原因とされ、企業収益や設備投資面での動きに期待をしますというような、極めて矛盾をし、そして現状を直視されずに楽観的な見通しを示されているんです。 もっと詳しく言えば、過日発表されたそのGDP統計の三期連続マイナスというのを私はもっと真摯に受けとめるべきだと思うんです。これは明らかに景気の下降局面のあらわれです。 そしてもう一つ、十二月十五日に発表されました日銀短観ですね。企業業績判断、これは総じて下降局面に入っています、グラフとしても確実に。そして、販売価格判断も下がってきて、仕入れ価格判断はむしろ逆に上がってきている。これは将来的に、短期的に企業収益を圧迫する要因になるんですね。この動きが事実あらわれているんです。 加えて、もっと言います。輸出、これまでの一時的な景気の回復の指標であった、大きな要因であった輸出というものを見たときにも、これはブッシュ大統領が円安を容認されたり、金融政策の動向にも非常に大きな変化が予想されてきています。中国の経済だって非常に不透明な状況が出てきて、原材料価格、原油価格も含めて高騰をまだまだ続けている。 もっと言います。設備投資をよく引き合いに出されます、竹中大臣もそうですけれども。しかし、これはまだまだ弱含みの中での判断です。 そして雇用、これも大臣よく言われますよね。失業率は改善されてきている、有効求人倍率だって上がってきたじゃないかとおっしゃいますけれども、失業率の改善はこれは遅行指数です。半年前、一年前の企業の頑張りがここにあらわれてきているだけであって、今の経済状況をあらわしている数字とはとても言えませんし、有効求人倍率も、ここにはパート、契約、派遣、こういう不安定で非常に苦しい生活をされている方々の数字まで含まれた数字だということをきちんと認識すべきです。 また、もっと言います。そういった中で、雇用者報酬ですね……(発言する者あり)いや、ぜひ御認識いただきたいと思って言うのですけれども、雇用者報酬、これは前年比、前期比に比べてプラスに転じたというデータも一部あります。しかし、この間の、今の時期の春闘のいろいろな労使交渉の動向を見ても、賃下げか雇用かと言われる大きな決断、選択を迫られる中で、中小、パート、そして先ほど申し上げた非正規の働く方々の懐にまでまだまだ至っていないという状況が続いているんです。 そして最後に、これが一番重要だと思うのですけれども、やはり消費ですよ、消費。これも大臣よく引き合いに出されますけれども、あくまで見通しとして、個人消費は回復すると思っていますという答弁でしかないのです。同じく先週末発表された総務省の家計調査報告では、総世帯で、すべての世帯で明らかにマイナスに転じているではないですか。 この状況を見て、どこが景気は回復してきたと言えるのか。定率減税というものがそもそも導入された状態にまだまだ改善の兆しは見られないと言って差し支えないと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○谷垣国務大臣 確かに、この間発表されましたGDP統計、三四半期連続でマイナスになっているのはおっしゃるとおりだと思います。それで、どこがよくないかと見てみますと、一番特徴的なことは、今もおっしゃったんですけれども、貿易がやはり弱含みだということが一つありますね。それから、個人消費が伸びていないということもやはり御指摘のとおりだと思います。 それで、貿易面について言いますと、今まで日本の、この間まで景気回復してきたと言われたのは、やはりそれは貿易に、特に米中に引っ張られたというところがあったのは、私は事実だと思います。ただ、アメリカの景気は双子の赤字とかいろいろな問題が指摘をされておりますけれども、私は、やはり日本、アメリカ、欧州が一番堅調で、これからも力強い動きであろうというふうに思っております。為替の動向とかいうのはもちろん注意しなきゃなりませんけれども、基本的にそうだと思っております。 それから、中国の方は、御承知のように、むしろ過熱したような状況ですから、今後これはどうしていくか、注意深く見ていかなきゃならない面があるのは事実ですね、さっきおっしゃった。ただ、中国の場合は、いろいろな不安はありますけれども、ああいう社会主義国でありますから、例えば何かありましたときに、アジア危機のときのようにすぐ連動してくるというようなことではないだろうと思います。中国は引き続き注意深く見ていかなければなりませんけれども、私は、貿易の状況は基本的にそういう状況にあると思っております。 それから、消費については、この前のとき、野田さんと議論しましたときのことをお引きになりました。確かに、この間の消費が悪かったのは、私は、台風とか地震の影響とか、あるいは季節的にやや暖かかったので冬物が売れなかったとかいうようなことが左右しているというふうに考えておりますけれども、今後は、さっきまさにおっしゃった、お引きになったことの繰り返しでございますが、企業業績はやはりいいんですね。日銀のああいう短観なんかを見ましても、割合、中小、中堅、それぞれ先のことはよく見ておられる。それから、設備投資も好調である。 それで、さっき、春闘等で所得分配率の問題もまだ余り明るくなってきていないという見通しを示されましたけれども、先ほどのQEでも雇用者報酬等は改善の兆しが見えてきているというのは、要するに、企業業績、全体の失業率も十年来ようやく戻ってくる趨勢とかそういうのがございますから、私は、雇用報酬がそういう形になってきているというのは、企業業績が家計や個人に及んでくる、そういう流れが出てきているのであろうというふうに思っております。ですから、若干三日月さんの見方とは違うというふうに申し上げたいと思います。
○三日月委員 申しわけありませんけれども、その景気認識のまま今回の提案を出されたということに、私は非常に大きな疑問と不安を持ってしまいます。 いいですか、大臣、気候だとか災害だとか、そういうことがあって、これが特殊要因であったとしても、それは重要な景気のマイナス要因として認識すべきなんですよ。そして、事実数字としてあらわれてきているじゃないですか。 企業業績が回復してきたとおっしゃいますけれども、雇用者報酬は部分的に改善されてきたとおっしゃいますけれども、先ほど私が指摘をしたとおり、パートだとか派遣だとか契約だとか、まだまだ不安定でしかも低賃金に置かれてしまっている方々の賃金に、またひいては消費に波及してきていないという状況を私は直視すべきだと思うんです。 そうした中で、大臣、政府税調の答申の中で、定率減税については、平成十八年度までに廃止すべきである、平成十七年度改正においても縮減を図る必要がある、段階的に取り組むことが適当という答申を受けた中で、御党、自民党の平成十七年度税制大綱の中ではきちんと、一部良識をお持ちの方もあるんでしょう、平成十七年度改正において、「定率減税を二分の一に縮減する。なお、今後の景気動向を注視し、」ここが大事なんですよ、「必要があれば、政府・与党の決断により、その見直しを含め、その時々の経済状況に機動的・弾力的に対応する。」。「その見直し」の「その」、「その時々」の「時々」というのは、定率減税の縮減であり、そして今じゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○谷垣国務大臣 確かに景気は生き物ですから、そういう今お読みになったところがつけ加わっているということは、私は、景気は生き物だからよく見ていけ、当然そういう趣旨だと思うんですね。ただ、それが今だと三日月さんがおっしゃるのは、私は、先ほど申し上げたような認識ですので、違うと思っております。 それで、まだ、税制は単年度で出しておりますから、ことしはああいう形で、縮減を半分にするということで案を出させていただいているわけですけれども、私どもの考え方としては、十八年度はさらに、定率減税を廃止するという方向で制度設計をすべきだと考えておりますが、今のお読みになったところは、景気動向をよく注視していけというのはもちろんですけれども、特に来年度、議論をするに当たっては、十八年度の議論をするに当たっては、そこをもう一回よく見ながら再度議論をしようという意味が主たるものなのではないかというふうに私は受けとめております。
○三日月委員 いや、経済は生き物だからよく見ろと、だからこそ言っているんです。だからこそここで、国民の皆さんの感覚や感情を代弁して強く申し上げているんです。しかも、半分にはしますけれども、その先の廃止についてはそのことをよく見ろと言っているんですなんて、こんないいかげんな答弁はないですよ。半分にするところからやはりきちんと今の経済状況を見るべきだと思うんです。 これは、いろいろな目的があると言われています。例えば、社会保障の財源に、年金の国庫負担を伸ばしたその財源にともし仮におっしゃるなら、これは消費税というものもあわせて議論すべきですよ。消費税は先になるから、今とりあえず定率減税の縮減でその費用負担を賄おうということは、私はもう全然おかしな議論だと思いますし、これこそまさに取りやすいところから取りやすいときに取っていくという、財務当局の言いなりにならないでくださいよ、大臣。 もう一つ、所得課税の抜本改革、その一環として定率減税の縮減をやるんだとおっしゃるかもしれません。しかし、それなら、累進税率の最高税率も含めてもとに戻していくべきだし、法人税の大きな改革についても道筋を示すべきだと思います。 もっと、これは必ず言われることなんですけれども、三位一体改革の一環です、平成十八年度に個人住民税の定率化、フラット化をやります、だから今つなぎで定率減税の縮減をやるんです。これも全然理解できません、そのつながりが。もし仮にそうだとしても、個人住民税の定率化で各所得層に負担増にならないという保証を今ここでやるべきだと思うんです。そういうものがない中で、半分定率減税の縮減をやります、しかも誤った景気の判断でということに我々は全然納得がいかないんですけれども、いかがでしょうか。
○谷垣国務大臣 今、前半おっしゃったことは、平成十一年のときに、定率減税だけではなくて、法人税の最高税率や所得税の最高税率を下げた、では、一体ならそれもあわせてという多分御趣旨だったわけですね。 その点は、平成十一年の税制改正でも、それぞれ意図した、目的としたところが違ったというふうに私は理解しております。法人税の最高税率を下げるとか所得税の最高税率を下げた、あの趣旨は、やはりグローバル化やなんかが進んでいるところで、日本の企業の競争力というものも必要ではないかという趣旨からあれは入れさせていただきまして、むしろあれは、現在でも基本的な考え方は維持すべきものではないかというふうに考えているわけです。定率減税の方は、まさに当時の非常に低迷した状況に対する対応として出したものですから、今後どう所得税を考えていくかというときにも、この二つの対応というのは違ってくるというふうに私は考えているわけです。 それから、それならば消費税でやるべきだというふうにおっしゃったんだろうと思いますけれども、これは、私どもは段階をかけてやっていこうというふうに考えております。まず所得課税で、これは何度も言いましたように、三位一体は所得課税でやりますので、平成十七年度、十八年度かけて所得課税の見直しをしてまいります。それから同時に、何度も申しておりますが、消費税の見直しというのも、社会保障等の一体的改革というのを横目でにらみながら、あるいは同時にそれは議論していかなければならないと思っております。 それから、最後の論点は、三位一体でやる所得課税の改革を十八年度にやるについては、増税しないということを明言すべきだという御趣旨だったと思います。 それについては、地方に移譲していくという関係で申し上げますと、地方税は地方割のフラット化、それから所得税に関しては、つまり全体として所得課税による納税者の負担を、平準化するというか大きな差を生じないという考え方で地方への移転はやろうというふうに考えておりますが、そのほかに、定率減税の問題であるとか所得税の累進機能というようなものをどう見直していくかというようなことは、これから議論をして詰めていきたいと思っております。
○三日月委員 これから議論をしてとか、また、所得課税の改革の中で一番言いやすいところだけを重点的に答弁されて、消費税についても道筋を示されずに、これからこれからという状況の中で安易に負担を押しつけるということはあってはならないと私は思うんです、間違った経済判断で、景気の判断で。 しかも、見識のある大臣に私はあえて、もう心から申し上げたいんです。増税を言う前に、また歳出削減努力、これはやるべきです。何よりも政治に対する信頼、やはり政治と金の問題ですよ。 昨年、私は、政倫審の委員として、あの橋本元総理の答弁を聞きました。非公開でした。私は、一国の総理大臣としてこれでいいのかなと思いましたよ。八十兆円を超える国家予算の総責任者であった方が、一億円のお金をもらったことを、事実なんだろうと思うとしか答弁できないんですよ。 しかも、タクシーの運転手さんやコンビニの店員さんだったら、十円、二十円なくたって床をはいつくばって捜すんです。我々だって、千円、一万円借りたら、借りたからちゃんと返さなくちゃいけないと絶対覚えているじゃないですか。なのに、何で政治家だけが、こうやって国民負担を求めようとする政治家が、一億円もらって、覚えていない、どうやって使ったかは言えない。こんなことが許されていいはずないじゃないですか。そうでしょう。 そして、この一億円の献金のおかげでかかりつけ初診料の二百八十億の増額がされた、この可能性が指摘されている中で、あくまで、政策を金で買うという体質も全然変わっていないんでしょう、これをやはり明らかにした上で、説明した上で、対策をとった上で、この財政再建についても、そして三位一体の改革についても語っていくべきだというふうに思うんですけれども、大臣、いかがですか。 このままだったら、うやむやで、ごまかしで、そして強行採決、全然国民の生活には耳をかさないという……
○甘利委員長 質疑時間は終了しております。 簡潔にお願いします。
○三日月委員 年金改悪のときのやり方と全く同じだということを指摘したいと思うんですけれども、財政当局を預かる大臣、いかがですか。
○甘利委員長 質疑時間は終了しております。 ごく簡潔にお願いします。
○谷垣国務大臣 我々は、予算をつくり、税制をやりますときに、むだを省くということは徹底的にやってまいりたいと思っております。 その上で、今委員がおっしゃったような問題は、これは政府が関与できることは限られております。やはり議会の中できちっと議論を詰めていただくべきだと私は思います。
○三日月委員 どうか、この政治の不良債権こそ、この政治の不良債権こそまず清算すべきですよ。このことを強く申し上げ、そして、大変お忙しい中、文部科学大臣にも来ていただきましたけれども、きょうは、まずお金をどう集めるのかという議論に終始をしてしまったため、質問ができなかったことをおわび申し上げ、私の質疑を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○甘利委員長 これにて三日月君の質疑は終了いたしました。 この際、暫時休憩いたします。 午後零時四分休憩 ————◇————— 午後三時二十四分開議
○甘利委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。中津川博郷君。
○中津川委員 民主党の中津川博郷でございます。風邪を引きまして、ふだんの調子が出るかどうかわかりませんが、一生懸命元気よくやらせていただきたいと思います。よろしくお願いします。 きょうは、前回できませんでした変異型ヤコブ病、そしてBSEの問題、これを中心にやらせてもらいたいと思うんですが、その前に、まず冒頭、私、日曜日午前中、家にいるときはいつも「サンデープロジェクト」という十チャンネルの番組を見ておるんです。多分皆さん方も見ているんじゃないかと思うんですが、そこで非常に気になったというか不快な思いをいたしました。まずそのことを冒頭質問させていただきたいと思います。 今時代の寵児でありますライブドアの堀江社長が登場いたしまして、これは視聴者にとっても大変興味のあることなので、彼が出てお話をするということは大変結構なことでありますが、最初から最後まで堀江バッシングなんですね。これにはびっくりしましたね。あの若い野望を持った、従来にない発想で一生懸命今闘っている、それこそ命をかけて闘っている人だと思います。 私は、個人的にこの堀江さんと面識はありませんし、またライブドアの株も一株も持っておりません。そういう立場で申し上げるんですが、その中で、田原総一朗さんが司会でありましたが、あそこに出ている、物を知ったような評論家たちが、まあ悪口は言う、バッシングはするで、本当に私はもう腹が立って腹が立ってしようがありませんでした。 その中で、決定的に、ああいう公衆の、多くの人が見ている前で言ってはいけないこと、田原さんの隣にいた、たしか評論家でありますが、あした株が下がると言うんですよ。とんでもないことですね。それを堀江さんが聞いて怒った、かあっと怒って、当たり前ですよ。株価操作じゃないかと。これは言ってはいけないことですよね。とんでもないことですよ。さも知って、年が三十二歳という若い人、その人を、上からみんな物を言うように。ひどい話だなと。おじさんたちがみんないじめている。 そこで、もっといけないことは、時間外取引、これが今問題になっているんですが、これがまるで違法であるようなことを言う。私、これを調べてみたら、合法なんですよ。ただ、常識的に考えてみてグレーゾーンだということで、逆にこれは法の不備を指摘してくれたんですね。金融庁は感謝しなきゃだめですよ。そういえば、きのう金融庁の五味長官が、こういうことについてまたしっかり勉強して見直すというふうな記者会見をしたというふうに私理解しましたけれども、調べてみましたら、これはちゃんとライブドアは平成十六年一月三十一日に金融庁の市場課に今回の一連のことを、こういうことがTOBに該当するか否か、問い合わせしてちゃんと仁義を踏んでやっているんですよね。やっている。 それから、さも、またその評論家たちが、株式分割を一対三やって、一対十やって、一対百やった、一対百をやったときは私もすごいなとびっくりしましたけれども、これも何か間違いであるようなこと。これは、株主をふやすということで当然の経済行為なんですね。 堀江さんは、少なくとも資本の論理で今一生懸命やっているわけですよ。三百億しかないところで八百億のお金をリーマン・ブラザーズ証券という、この証券会社は日本でいう証券会社とは質が大分違うようでありますけれども、こういうことを放映するということ、これは、今まさにNHKで報道の公正中立ということが言われているときに、こういう物をわかったような年配の人たちが、しかも法律は全くわかっていない。そして一人の今まさに闘いの最中にあるこの若い、ここまでやってきた、私も経営者だったですけれども、こんな年商三百億なんてこれはできなかった。これだけ立派な人をたたき続ける、こういう報道をしていいのかどうか。麻生大臣、管轄の大臣として一言御意見をお聞かせ願いたいと思います。
○麻生国務大臣 今御質問のあった点を、これは放送法を見ていただくと、放送法の三条の二の第四号のところでありますが、「放送事業者は、国内放送の放送番組の編集に当たつては、」というところで、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」というように決められております。これは法律をごらんになったと思います。 そういうことになっておりますので、放送事業者は放送の持ちます社会的影響というのを考えなければいかぬのは当然のことでして、社会の公共の問題につきましては、賛成、反対、中立、いろいろな立場がありますので、さまざまな意見をバランスよく取り上げるように心がけて放送しなければならぬ、こういうことになろうかと思います。 今回、私、その場面を見ておりませんのでわかりませんけれども、そういった放送法の趣旨を踏まえた放送をしていただいていることが当然というように考えなきゃいかぬ問題だと思っております。
○中津川委員 テレビの影響力というのは大変大きいんですね。大人も子供も、多くの人が見て、しかもこういう経済行為、それこそ翌日の株価に影響するような、たまたまこれは上がって、多分ライブドアの人たちも安心したかと思うんですけれども。しかし、やはり今回のこの十チャンネル、堀江さんが好きか嫌いか、あるいはこの人を評価するかしないかは別にして、一方的に、知ったかぶった評論家、あるいはその企画等でたたくのは本当によくないということを、私、申し上げておきたいと思います。 次に、前回、私、RCCの質問をいたしました。あのときもNHKのテレビは入っておりませんでしたが、あの後、地元の事務所とそれから議員会館の方に大変な反応があったということなんですね。私もこんな被害に遭った、何々銀行、こんなケースなんだと。電話と、中にはメール、それからお手紙等も今もいただいておるわけであります。 やはりこのRCCの被害というのは多いんだなと改めて感じましたし、そして、同僚議員、自民党の議員の私の友人も言いました。中津川さん、私もこんな相談があって、自分は専門じゃないんだけれども、本当にひどいんだねと。あるいは、今ちょうど対応しているところなので、ちょっと一緒に対応、相談に乗ってくれないかという。じゃ、いろいろなケースを集めようよということで、今私もやっているところでありますが、非常に、金融庁、このRCCの、私から言えばこれは被害者です。私はこの間、個人名を出してやりました。許可を得ております。ああいう方が、目に見えない方が、私は物すごい数いると思う。 そこで大臣、金融庁も実態が多分わかっていないと思う。これはやはり実態調査をしなきゃだめですよ。そして、ホットラインでもいいから、まずそういう生の声を聞いて、何もその場で解決できる道を探すということではなくて結構だから、まず実態、どういうような声があるのか。それは、一方的な話だから、いろいろあるでしょう。当然RCCの言い分も聞かなきゃいけないかもしれない。しかし、まずはともあれ、いいですか、この予算委員会でも私が取り上げました。そして、終わった後多くの反応がありました。一体、全体像としてどうなのかという実態調査、これはやるべきだと思いますし、ホットライン等をつくってください。いかがですか。
○伊藤国務大臣 お答えをさせていただきたいと思います。 委員から、RCCの問題について前回も御質問をいただきました。お答えをさせていただきましたように、RCCもこれは銀行法上の銀行でありますので、私どもとして検査監督、適切に行っていかなければいけないというふうに思っておりますし、法令に抵触するようなことがあれば、法令に基づいて厳正に対応していかなければいけない問題だというふうに思っております。 金融庁にはさまざまな苦情でありますとか相談というものが寄せられております。そうした中で、RCCについて全体的な体系として把握しているわけではありませんが、その中で検査監督に活用していかなければいけない情報があれば、それを活用して、検査監督の中で生かしてきているところでございます。 委員からの御指摘は、しっかりRCCの問題について金融庁も把握をして対処していかなければいけないという御指摘だというふうに思いますので、そのことを受けとめながら、私どもとして、得られる情報の中で検査監督に生かしていかなければいけない情報はしっかり生かしていきたい、その旨で適切な検査監督を行っていきたいというふうに思っております。
○中津川委員 前向きなんですが、こういうことですね、今、RCCだけの問題じゃなくていろいろな話があると。それで、RCCのことも力を入れたいということは、ホットライン、つくるんですね。つくらないんですか。そこのところをもう一回ちゃんと答えてください。
○伊藤国務大臣 RCCそのものを体系的にということは、内容についてこれは非常に多岐にわたるところがあるものですから、私どもとしては、今、こうした苦情、相談を一元的に対応していくために、相談室を十七年度から設置していきたいというふうに考えているところでございます。 そして、先ほども答弁をさせていただきましたように、寄せられた情報というものを私どもとしても活用をしながら、適切な検査監督というものに生かしていきたいというふうに思っております。 また、RCCにおきましても、委員御承知のとおり、相談室を東京、大阪、そして札幌に設置されているものというふうに承知をいたしておりますので、RCCにおきましてもこうした苦情処理に対して適切に対応していくことも重要なことだというふうに思っております。
○中津川委員 今、RCC相談室、東京、大阪、札幌にあるということですね。うなずきで結構です。はい。それをぜひ広報なりなんなりを使ってはっきりやってください。多分、多くの人はそのことを知っておりません。うなずきで結構ですから、それを、RCCの相談室、こことここにあるということを広報でやってくださいね、いいですか。はい。 話は一つ一つ進めていきたいと思います。 次に、同じようなことが、サービサーというのがあるんですよ。私も最初は、サービサーというんだから、サービスがERがついて名詞になって、サービスをする人、何かいいことをしてくれるのかと思ったら、これはとんでもないことで、余りいいことをしていないということがわかったわけでありますが、これは民間版のRCCなんですよ。これは、法務省の管轄なんですね。 いわゆるサービサーというものも、これはたしか四年前から法務省は認めているというふうに私は認識しておるんですが、法務大臣、同じようなことがさらにもっと、これは民間ですから、この間法務大臣もそこにいらして、私、いろいろお話をしました。千円債権というのがありました。RCCは千円で買う。ところが民間ですと、二千円、三千円、四千円、五千円、幾らでも買う。そして、少しでも高く売る。同じように、これは、連帯保証人になっている債務者あるいはそのお子さん、その子供の嫁さんあるいは親、言葉は悪いですけれども、やくざみたいな取り立てをしているんですよ。そういうようなケースがたくさんある。物すごいたくさんあるんです。こういう現状というものを、法務大臣、御存じでいらっしゃいますか。
○南野国務大臣 お答え申し上げます。 法務省は、債権回収会社に対しまして、我々としてはしっかりと手をつけているということでございますが、そういう問題点については、ちょっと今から御報告しながら私の考えを述べさせていただきたいと思います。 債権回収会社、おっしゃっておられるサービサーに対しましては、年ごとに事業報告書を出しております。提出を求めております。さらにまた、定期的に立入検査を実施いたしております。そういうことなどによりましてこの業務の実情の把握に努めております。 さらに、債権回収会社の取り立て方法にはさまざまなものがございます。そして、債務者や保証人に対する請求、またその給料、不動産等の財産に対する強制執行などは、法務省としても把握しておりますけれども、これらは法律上認められた債権回収の手段であり、特に問題がないものというふうに思っております。 他方、私生活の平穏を害すような言動をして困惑させることや、債務者や保証人の親族などに債務者等のかわりに弁済することをみだりに要求することなどは、これは法によって禁止されております。これまで、債権回収会社がこのような債権回収を行ったと認める事例は承知いたしておりません。
○中津川委員 大臣、役人がつくった文章か、あるいは役人からレクチャーを受けたかでありますが、南野さん、実態を全くわかっていない、失礼ですけれども、そう思わざるを得ませんよ。お友達、そういう方は一人もいらっしゃらないんですか。大変な厳しい取り立て、最後はみんな自殺まで考えるんですよ。先ほど、やくざがと言いました。今、やくざだってそんなことしないんです。しなくなったと聞いている、実態を私は知らないけれども。それほどこの取り立てというのは、これは大変な状況であるという認識が、ちょっとのんびりし過ぎていますね。 では、こういうクレーム、先ほどRCCについてはあったと。いろいろ、そういう相談室があった。どうなんですか、これは。法務省でそういう相談、今まで何件ぐらい来ているんですか。また、そういう窓口というのはあるんですか。あったとしたら、こういうのがあるよという広報はしているんですか、いかがですか。
○倉吉政府参考人 法務省では司法法制部におきましてサービサーに対する監督というのを所管しておりまして、したがいましてそこに、今先生御指摘のとおり、苦情等の電話もございます。いろいろな中身のものがあるわけでございますが、とりあえず、電話等がかかってきた、あるいは書面が来たというときは、それをカウントするようにしております。 今の御質問の苦情の件数でございますが、平成十六年度は、これは十二月末現在まででございますが、四十一件でございます。ちなみに、前の方からまいりますと、十三年度は三十九件、十四年度四十件、十五年度四十八件。件数は若干、今御説明したとおり増加しているわけですが、実はこの間、債権回収会社がふえております。その関係もございまして、一社当たりの苦情件数ということにいたしますと、それほど増加しているわけではない、横ばいか……(中津川委員「苦情の場所を言ってください、何という場所」と呼ぶ)苦情の場所は、我々のところの司法法制部の審査監督課というところでございます。 これにつきましては、法務省のホームページ等でもこの辺の苦情は受け付けるということで啓発はしております。
○中津川委員 十六年四十一件というと、これは私のところの方が多いですよ。私のところ、四十件以上はあると思う、多分皆さんたちを集めたら。今、審査監督課なんというところがあることをみんな知らないと思いますよ。それは、やはりおざなりだね。もっと実態を知ってほしい。これは、先ほど金融庁、それから法務省、同じなんです。 私、不思議に思うんですよ。これは、何で銀行が金融庁で、サービサーは法務省なんだろうね。こういうところもやはり何かまとまりがないというか、取り組みに一貫性、その被害に遭っている人は同じなわけですからね。(発言する者あり)今たらい回しというやじがありましたけれども、そういう要素もあるし、これは法務省、金融庁、そして僕は、これはやはり金融庁の最終的には大きな問題だと思う。 これはやはり一体としてこれからやっていくべきだと思うし、それから、現状調査をして、どういう今不満なのか。そして、それを分析して、その不満が本当に、ちゃんと理解できるものか、理解できないものか、それはあると思いますよ、よく精査をする必要があると思うけれども、どういうものが問題になっているかということをやはり調べなきゃだめなんじゃないですか。いかがですか、大臣。
○南野国務大臣 お答えいたします。 法務省は、毎年ごとの事業報告書の提出または定期的な立入検査、そして半年ごとの実態調査等によりまして、債権回収会社の実情の把握に努めております。 債権回収会社の取り立て方法にはさまざまなものがございますけれども、法律上請求することのできる債権を法律上認められた手段で回収するということにつきましては、違法性がなく、取り締まることはできません。 また、債権回収会社が購入価格をはるかに超える金額を債務者から回収することについても、それが直ちに不当であるということは考えておりません。
○中津川委員 伊藤大臣、伊藤さん、あなた専門家だから、ぜひ金融庁と法務省が一体になって、これをこれからしっかりと、本当のこの現状というものを把握していくように取り組むということをはっきり言ってください。
○伊藤国務大臣 サービサーの業務の適切性を確保するためにという趣旨で委員から御質問があったというふうに思いますけれども、恐らく、法務省の方から弁護士法の趣旨については御説明があろうかと思いますが、いわゆるサービサー法というのは、弁護士法の特例として定められたものでございます。 また、債権回収会社が行う債権管理回収業というのは極めて弁護士法と密接な関連を有する業務でございますので、こうした点を踏まえますと、いわゆるサービサー法について法務省が所管をしていく、このことの合理性が私どもはあるというふうに考えております。
○中津川委員 実際、今本当にこれで生きるか死ぬか、日本人というのはもともとまじめなんですよ、借りた金は返す、人から借金するなとみんな親から言われて育ってきている。しかし、今のこの金融システム、社会情勢の中で、どうしても返したくても返せない。これは保証人があったり、この間少し進みましたけれども包括根保証が廃止になった、いろいろなことをやってきた。本当は、こんなのは与党がやらなきゃだめなんですよ。我々が一生懸命やったんだ。 そういう中で、まだ本当に今苦しい人たちがたくさんいる。被害を受けている。実際に、この間も三件の例を挙げましたけれども、サービサーについては恐ろしいことがたくさんあるんです。 私、この次また個人名、ここで名前を言う場合はやはり許可が要りますから、ちゃんととってやりますが、全くお二人とものんびりしちゃって、危機意識ないですよ。そういう話を聞いて、少しでも改善していこう、国が今何をしたらいいか、そういうものがないですね。このぐらいにしておきます。 変異型ヤコブ病の発生について御質問したいと思います。 今月四日、我が国において変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の患者が初めて出ました。厚生労働省も、この間たくさんの問い合わせがあったという数字が、同僚議員の方から質問してあったわけでありますが、問題は、この男性がどこで感染したかという点なんですよ。 これは、厚生労働省健康局疾病対策課から出された資料によれば、平成元年ごろ、英国渡航歴一カ月間という情報ありということですが、この情報が、男性の母親、七十歳の方から聞き取り調査で得られたものである、このことは事実ですか。
○田中政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘の英国渡航歴に関する情報につきましては、患者の診断に必要な情報を集める立場におります主治医さんが確認しまして、専門家から構成されますCJDのサーベイランス委員会におきましてその情報を聴取した上で、結果を厚生労働省に報告していただいたものでございます。 それ以上の詳細につきましては、個人のプライバシーの問題がありますので、控えさせていただきます。
○中津川委員 渡航歴、パスポート、入管記録なんかは調べたんですか。
○田中政府参考人 繰り返しになりますけれども、詳細につきましては、プライバシーの問題がございますので、控えさせていただきます。
○中津川委員 何言っているんだよ。初めて出たんでしょう。どこでこの人が感染したかということが、これは今、日本国じゅう、世界が注目しているんですよ。この感染ルートを突きとめることが、これは役所の、あるいは政府の、我々の役目じゃないですか。 渡航歴、パスポート、入管記録を調べたのかどうか、ちゃんと答えてくださいよ。
○田中政府参考人 詳細につきましては、御答弁を控えさせていただきたいと思います。 なお、感染ルートに関しましては、不明な点もあることでございますので、関連の委員会とも相談しつつ、厚生労働省としましても今後さらに調査してまいりたいというふうに考えております。
○中津川委員 だめだよ、こんなの。何言っているんだよ。基本じゃないか、これ。何がプライバシーですか。渡航歴、パスポート、入管記録なんかを調べたんですかということですよ。調べたか調べないか、どっちかでしょう。この委員会よりももっと大事な委員会というのは一体どこなんですか。 ちょっとストップしてください。これからもいっぱい質問があるから。
○甘利委員長 田中健康局長、個人情報に抵触しない範囲で答えられることがありませんか。調査したかどうか。
○田中政府参考人 お答え申し上げます。 患者さんの診断に必要な情報を集める立場にいる主治医が確認しまして、専門家から構成されますサーベイランス委員会においてその情報を聴取した上で、結果を厚生労働省に報告していただいたものでございます。その時点では、少なくとも、入管記録あるいはパスポートについて直接調査したということはございません。
○中津川委員 その後は。その後もないんでしょう。最初から言ってくださいよ、時間がもったいないんだから。していないということがここではっきりしました。(発言する者あり)もう一回聞く。では、その後はどう。
○田中政府参考人 現在、サーベイランス委員会で詳細、調査している途中でございますので、まだ調査中でございますので、お答えできません。
○中津川委員 だめだよ、もう、これ。いいですか、政府は、この男性はイギリスに一カ月行ったことがあるらしいと言ったんでしょうよ。だから、イギリスで感染したんだ、マスコミもイギリスで感染とばあっと書く。 この感染地はイギリスなんですか、どうなんですか、農林水産大臣。
○島村国務大臣 今まで、御承知かと思いますが、この変異型クロイツフェルト・ヤコブ病で亡くなった方、百五十九名と記憶しますが、うち百四十八名がイギリス、その他、大体、いろいろな国がありますが一名ずつ、こういうことですから……(中津川委員「この場合だけでいいですから」と呼ぶ)何をですか。(中津川委員「この人の場合、日本人の場合を聞いているんです。ほかの国じゃないです」と呼ぶ)この人の場合には、私は直接これは聞いたわけじゃありませんけれども、少なくも、イギリスに以前滞在されたという彼には経験があり、かつ、その場でいわば罹患したと言わざるを得ないというのが専門家のテレビで聞いた感想でありますから、私はそれ以外のことは、私の、自分の専門ではありませんので、私自身は、罹患されたのはイギリスへ行った際に、こう理解しています。
○中津川委員 大臣、これは大変な問題ですよ、後世。これは大臣が責任者ですよ。さっき言ったようなことを調査していないんだったら、あなたが調査させる。私は専門家じゃないから知らない、こんな大臣、どこにいますか。もう一回答えてください。
○島村国務大臣 こういう問題の所管は厚生労働省ですから。私自身は、当然のことにすぐこのことについての調査を命じまして、私たちが得た情報については今申し上げたとおり、そういうことです。
○中津川委員 厚生労働大臣、同じ質問をします。この男性はイギリスで感染したんですか。イエスか、ノーか、わからない、この三つしか答えはありません。どうぞ。
○尾辻国務大臣 この発症が明らかになったときに私どもが申し上げたのは、英国滞在時の感染が有力と考えている、こういうふうに発表をさせていただいております。
○中津川委員 有力だと。だから、イギリスで感染したんだ、マスコミに載ったじゃないですか。 今まで国内では、十四頭の牛について肉骨粉を与えたという形跡はないとずっと答えておりましたが、これは、我々民主党の調査では、非常に疑問がある。いいですか。八八年、これはこの男性が英国滞在の前年、英国では肉骨粉使用禁止になりました。それから八九年、同年には、その危険部、脊髄とか脳ですね、それを国内で食材に使用しちゃいけないよということですが、しかし、危険部位は肉骨粉に加工されてアメリカや我が日本にもどんどん来ているんです。しかも、日本は、八〇年代、九〇年代は何一つ狂犬病対策はなかったんですよ。(発言する者あり)狂牛病ですね。いや、皆さんたちの答弁が変だから、おかしくなってしまった。 いいですか、これは大事な問題があるんです。変異型ヤコブ病の潜伏期間にいる日本人がたくさんいるのではないかという不安が今あるんですよ。この不安をどうやって解消しますか、厚生労働大臣。
○田中政府参考人 直後から健康相談の窓口を特に開きまして、電話で一般の方からの問い合わせには対応しております。また、ホームページもQアンドAを提供しておりますし、さらに、都道府県に対しましても問い合わせに応じられるような窓口の整備を要請しているところでございます。
○中津川委員 きょうのこの質疑を国民が全部見て、ああ、この人、日本で感染したということも考えられるなと思うんじゃないかしら。イギリスで感染した、しっかり調査をしたということが返ってこない。みんな逃げているじゃないですか。本当に頼りないですね。 それと、アメリカの牛肉なんですけれども、農林水産大臣、アメリカの牛肉というのは非常に危ないですよね。EUも韓国も中国も台湾も輸入していない。成長ホルモンを生後六カ月になると耳たぶのところに注射して、どんどん大きくしちゃう。それで、牛の管理というものを余りしていない。 それで、今、アメリカでは、実はアメリカの管理というのは実にずさんでありまして、ヤコブ病で死んだ、例えば八八年から九二年、私が調べたのは、ニュージャージー州の競馬場の職員がそこで食事をして十三人ヤコブ病で死んだとか、二〇〇四年十月、ニューヨーク州の村で短期間に五人が連続してヤコブ病で死んだとか、それで、アルツハイマーの病気も実はこのヤコブ病から来ていると言われるような、そういう今アメリカで非常に問題になっているところがたくさんあるわけなんです。 こういうアメリカの、注射をしてホルモンを挿入して、どんどん大きくしていって、それでアメリカの男の子の乳腺、おっぱいが大きくなってきているとか、異常な状態が今どんどん出ているという現状、これは御存じですか、農林水産大臣。
○島村国務大臣 存じません。
○中津川委員 では、私が今言ったことをよく覚えておいてください。 では、中国も台湾もEUも韓国もアメリカの牛肉は輸入していないということぐらいは知っていますね。答えてください。
○島村国務大臣 現状そのように承知をいたしております。 ただ、一つだけ確認をさせていただきますが、アメリカで十三名の人がヤコブ病で亡くなったとかいうことは全部事実なんでしょうか。むしろお教えいただきたい。
○中津川委員 それはそっちで調べてください。 ニュージャージー州の競馬場の職員十三人がヤコブ病で死亡したという確率が非常に高いということです。これはもう多く報道されております。いろいろな雑誌に報道されております。 それで、農林水産大臣、大臣になられて、大変おめでたいことで私も祝福をいたしましたけれども、しかし、あなた、最初から何か米国の牛肉輸入ありきのような発言をずっとしているんですよね。違いますか。いかがですか。
○島村国務大臣 あなたは初めに解禁ありきと申されたいんでしょうが、私は、アメリカのいろいろな人たちともお話し合いをしましたけれども、初めから、日本の国内に入れる牛肉については日本の国内措置と同等のものを求め、あくまで科学的知見に基づいて、食の安全、安心を大前提にして輸入を再開したいということなので、そのことの確認がまず必要であると私がくどく申したところから、結果的には向こうも納得をし、現在いろいろ協議が続けられている、こういうことであります。
○中津川委員 何言っているんですか。就任前の去年の九月に、外食産業の業界団体の幹部を連れて細田官房長官を訪ねて、米国産の牛肉の輸入解禁へ向けて陳情したという疑惑がありますね。それで、あなたは、陳情の場づくりには協力したけれども私からの陳情ではないという、何かわけのわからない答弁をしていました。そして、その後、つけ加えて、先日官邸を訪ねて、いつまで神経質なことを言っているんですか、日本人は海外で、いろいろなところで大いに食事を楽しんでいるのに、日本にいるときは神経質になるのはつじつまが合わないですよと。これ、確かにおっしゃいましたね。
○島村国務大臣 農林水産大臣就任の前に、私は、当時は食品産業振興議員連盟の会長を務めておりましたので、依頼を受けて、いわば官房長官に私が陳情の場づくりをしたことは事実であります。ただ、このことについては私は専門家ではありませんから、その際、業界の代表の方が専門的に話をしたのであって、それ以外のことで私が何かの圧力をかけたり、あるいは恣意的に動いたことはありません。 また同時に、あなたが二つ目につけ加えた発言については、何の根拠に基づくものか、お教えいただきたいと思います。
○中津川委員 これはプレス発表であります。必要なら後で紹介いたします。 今そうおっしゃいましたけれども、では、いいですか、就任後のインタビューで、米国でのBSE発生から一年となる十二月二十四日までに決着をつけないと、これは政治の怠慢と言われるというふうに述べておりますね。私はこれを聞いて、何だ、やはり輸入再開ということ、今就任前とおっしゃったけれども、これは、日米協議の決定時期については具体的には言及しなかったものの、今のようなことはおっしゃった、これは事実ですね。
○島村国務大臣 私が米国側に言ってきたことは、今ほど答弁したとおりであります。
○中津川委員 つい最近、パーティーで、テレビで、あなたの発言、見ました。アメリカも大分反省してきた、本当にそう思っていますか。
○島村国務大臣 日本のいわば衛生に対する考え方がここまでシビアであるとは知らなかったとアメリカは認識を変えたというふうに思っております。
○中津川委員 よくそんなこと言えますね。 皆さんたちに資料をお配りしております。ごらんいただきたいと思うのですが、数字が書いてあるものでございます。総合的成熟度別月齢分布表、米国農務省の最終報告書、これは十七年一月十九日、米側からの提出であります。A40ですね、これを出してきた。まあ反省をしてこういうのを出してきたんでしょうか。これを見ますと、A40より上のところが、まあこれは大丈夫だという。皆さん、この数字を見て、これは小学生にでも幼稚園でも説明できないですよ。納得させることは、これは不可能です。 いいですか。アメリカでは年間三千六百万頭の食肉が処理されている。A40という検査対象となったのはたった百九十六頭。一番後ろを見てください。いいですか。それで、ほかに安全だというA20、A30。五十七、三です。これを足しても二百五十六頭ですよ。三千六百万頭、三千六百頭じゃありませんよ、三千六百万頭のうちわずか〇・〇〇五%の程度にしかすぎません。しかも、調査対象のサンプルは米国の限られた施設。どのくらい施設があるかというと、六千五百所あるそうであります。そのうちの九カ所であります。たったの九カ所であります。いいですか。これが、反省をしたと言われるデータですよ。合計にしても三千三百三十八です。 しかも、アメリカには、この検査をするとき、BSEの専門の獣医さんいないんですよ。日本の場合は獣医さんいるんです。これは農務省の役人なんです。こういうずさんなデータであるわけなんです。大臣、いかがですか。
○島村国務大臣 御存じかとは思いますが、私どもがいわば恣意的に選んで云々ではなくて、我が国のそれぞれ解剖学とか統計学とかいろいろな分野の権威者を集めた食品安全委員会、これは農林水産省でも厚生労働省の所属でもありません。いわば独立したその機関の中でいろいろ御検討いただいて、昨年十月十五日から既にずうっと検討をされているのを私どもは黙って待っているというのが実情でありまして、恣意的なものは何らございませんので、御理解をいただきたい。
○中津川委員 きょう、食品安全委員長、委員会からお越しになって、大変御苦労さんでございます。 今までのやりとりを聞いて、御感想を言ってください。
○寺尾参考人 感想と言われましてもなかなか難しい問題ですけれども、これはやはり専門家がデータを見て議論をして結論を出していることでございますので、それで私どもは従うべきだろうと思います。 以上でございます。
○中津川委員 二十カ月ということで合意したんですけれども、この二十カ月、今国民がちょっと錯覚しているのは、BSEかBSEでないかというのが二十カ月という境でというような、ちょっと錯覚をしているんですね。そうじゃないんです。これはBSE、二十カ月未満は少ないというか、ほとんどいない、日本は。そういうことなんですよね。ところがこれは、十九カ月でも十七カ月でも、二十カ月以下でも可能性はあるという学者はたくさんいるわけなんですよ。 それで、例えばこのA40というのをちょっと見ていただいて、A40とA50とか、この違いを何で判断するかというと、見た目でやるんですって。A40の牛肉は明るい赤色で、それからA50はやや明るいとか、見てやる。それからもう一つは骨による判別で、やわらかいとか、やややわらかいとか、部分的にやわらかいとか、ほぼやわらかいとか。うそのような小ばかにしたこういう判断で二十カ月を決める。これは本当にふざけているとしか言いようがないと思うんですが、いかがですか。
○中川政府参考人 お答えを申し上げます。 牛の月齢判別に関する検討会、これは日本の専門家、特に解剖学ですとか肉の格付あるいは統計の専門家に集まっていただいて検討をいただいたわけでございますけれども、このAの40とAの50の違いにつきましては、評価決定ポイント、どこを見ればAの40と50の違いがわかるかというところは、例えば腰椎の棘突起の先端部の軟骨が骨化しているその程度でわかる、これは専門家の方々がきちっと確認をして、この点については十分客観的な指標であるので、その判別は可能であるというふうに判断をされたところでございます。 そういう意味で、Aの40という基準を見分ける点については明瞭なものというふうに考えております。
○中津川委員 今の説明じゃ納得しません。目で判断するんですよ、皆さん、目で。目で判断するんですよ、目で。オレンジ色とか赤いとか。目の悪い人だっているじゃないですか。近眼も老眼もいるじゃないですか。 農林大臣、これが科学的知見と言えますか、どうですか。
○島村国務大臣 私たちは、観念的、感情的にこのことに当たっているわけではありませんで、あくまで科学的知見に基づいてということで専門家に御依頼を申し上げて検討しているところであります。 御存じのとおり、例えば、EUなどの場合には三十カ月が基準でありますから、昨年七月にフランスは従前の二十四カ月を三十カ月に改めたくらいです。我が国においても、全頭検査を実施して以来三百五十万頭のいわば検査を続けてきた。そういうことごとを考えまして、我々は、最善を尽くして、万全の上にも万全を期して、まず安全の管理の上にこれらの問題を検討しようということに立っているわけですから、何らやましいものはありません。
○中津川委員 それじゃ、農林水産大臣、安全、安心、消費者の立場に立つ、そういうことであれば、八月ぐらいに、もはやもうこれはアメリカの牛肉輸入決定じゃないか、この間の吉野家を見て、上手に流れているなと、私はこういう世界にいるから思いましたよ。そういうことはあり得ないですね。
○島村国務大臣 私どもでは、そういうことを考えればとっくに結論を出しております。
○中津川委員 宮崎大学の原田教授は、月齢判別法というのは、品種やえさによっても肉質は変わる、四、五カ月の誤差は避けられない、ちゃんと局長、聞いておいてくださいよ、正確な月齢把握は出生管理による個体識別しかないと。そうだと思いますよ。しかも、私がきょう申し上げました、成長ホルモンやっているんですから。四カ月や五カ月、六カ月、元気のいい牛だったら一年ぐらい早く大きくなっちゃうでしょう。これは不可能ですよ。これがどうして科学的な知見なんですか。厚生労働大臣、答えてください。
○尾辻国務大臣 食品安全委員会がまさに科学的に判断をしておられる、私どもはそれを信じます。
○中津川委員 元気ないね。もう本当に、自信が全然ないじゃない。皆さんたちが自信がない中で、私たち、私も牛どん大好きなんですよ。牛どん大好きだし牛しゃぶも好きだけれども、今、豚しゃぶしかないからね。本当に一日も早くお肉を食べたいけれども、前提はやはり安心で安全な肉なんですよ。 そこで、皆さん方にきょうお渡ししています「ケルシー女史の活躍」というのをちょっと私、読ませてもらいます。 一九六〇年九月、サリドマイド発売申請が米国ウィリアム・メレル社よりFDA、米国食品医薬品局に提出される。担当官はフランシス・ケルシー女史、一九一四年カナダ生まれ、当時四十六歳で、一九六〇年八月一日からFDA新薬部門の医務官、医学博士として勤務を開始したばかりであった。ケルシーは、提出されたデータだけでは安全性を示す動物実験が不十分であったと考え、追加データを求め承認を保留したんです。 その後、ケルシー、FDAとメレル社との間で激しいやりとりが繰り返されることになった。発売申請から一年余りがたった一九六一年十一月に西ドイツでサリドマイド販売中止及び回収が行われた。ケルシーがメレル側の圧力にもう持ちこたえられないと感じられるようになっていたまさにそのときである。 こうして、米国のサリドマイド販売は阻止された。時の大統領ケネディは、ケルシー女史を米国の救世主としてたたえ、一九六二年に大統領市民勲章を贈った。 有名な話であります。小学生の教科書にも載せるにふさわしい話であります。だから、ドイツではたくさんサリドマイドが出ました、しかしアメリカでは一人も出なかった。 私は、この話で何が一番偉いかというと、ケルシー女史も偉い、しかし、このたった一人の意見を尊重し、とめた上司、FDA長官はもっと偉いですよ。食品安全委員会のメンバーの中に、サリドマイド事件の、このときのようなケルシー女史、私はいるというふうに信じたいです。いいですか。もうサリドマイドあるいは薬害エイズの問題を起こしてはいけないんです。 食品安全委員会の方、全員一致で二十カ月以下は検査しないと決めたんですか。それだけで結構です。
○寺尾参考人 ただいま厚生労働省、農林水産省から、今後のBSEの措置の見直しというものを私どもは受けておりまして、今議論中でございます。ですから、二十カ月云々というあれはまだ決まってございません。
○中津川委員 よくマスコミにも出られている、大変勇気のある先生だと思うんですが、山内一也東大名誉教授、この方も委員だと思いますね。私は、この方がこのケルシーさんに思えてならないのでありますが、BSE感染が見つかった時点の月齢で二十カ月以下の牛はいなかったというだけで、EUでは潜伏期間を入れると十三カ月ぐらいでも見つかる可能性がある、全頭検査しかないんだと言っているんです。アメリカのカリフォルニア大学のプルシナー教授、BSEの異常プリオンを発見した教授であります。我が子には絶対にアメリカの牛肉は食べさせない、何よりも安心な肉というのは日本の全頭検査をしている牛肉なんだと。このプルシナー教授、日本にも参りました。 疑わしきは罰せずという言葉があります。疑わしきは食べずであります。牛肉は、日本が今まで行ってきた全頭検査、そして危険部位の除去、この二点しかないんです。アメリカの場合は、危険部位を除去するのでもバキュームを使わないのですってね。だから、散るらしいんですよ。日本は、危険部位を除去するのも非常に精度が高い。何で今、世界のどこも輸入していないアメリカの牛肉を日本は輸入しているのか。このままいくと、第二、第三のサリドマイド、そして薬害エイズが出るということは明らかであります。 民主党は一体となって、全頭検査、危険部位の除去、これをこれからも基本としてやっていく以外に、何も急いで、アメリカのブッシュがたくさん米国牛肉協会から献金をもらっているからといって、ことしは全部共和党一本の支持でしたね、それだからといってアメリカ、ブッシュの言うことを聞いて、これから生まれてくる赤ちゃん、子供たちに取り返しのつかないことを、両大臣、しっかり肝に銘じていただきたいと申し上げて、終わります。
○甘利委員長 これにて中津川君の質疑は終了いたしました。 次に、篠原孝君。
○篠原委員 民主党の篠原でございます。 私は、質問通告を四点ほどしてありましたけれども、同僚の中津川議員がBSE問題についてはほとんど質問し尽くされましたので、原料産地表示が一つありますけれども、これは後回しにしまして、この前の続きの農山漁村の活性化の問題、それから、その延長線上にありますけれども、学校給食の問題、それからCO2の排出削減について、ちょっと盛りだくさんなので、矢継ぎ早に質問させていただきたいと思います。 まず最初に、厚生労働大臣にお尋ねいたしますけれども、最近、Uターン希望者がふえている、UターンだけじゃなくてJターン、Iターンですね、そういったことが国立社会保障・人口問題研究所の調査結果で明らかにされておりますし、ほかの調査結果でも明らかにされておるんですが、どんなぐあいでしょうか。
○尾辻国務大臣 御指摘のとおりに、国立社会保障・人口問題研究所が二〇〇一年に行いました第五回人口移動調査によりますと、一たん県外に出た経験を持つ者のうち出生県に戻ってきた人、すなわち、よく言いますUターンの割合は増加をしております。数字を申し上げますか。(篠原委員「はい」と呼ぶ) 二〇〇一年と一九九六年の調査がございます。五年の差があるわけでありますが、男性でいいますと、一九九六年、二七・二%であったものが二〇〇一年には三一・八%になっております。女性でいいますと、一九九六年調査で二四・九%であったものが二〇〇一年の調査で二七・四%、このように割合が増加をしておるということがまず数字として一つ言えます。 それから、同じく同調査なんですけれども、今後五年間に、ではどういうふうに移動する見通しを持っているかという調査をしておりますけれども、これもそれでは数字を申し上げます。今後五年間に移動する見通しを持っている者のうち、大都市圏から非大都市圏への移動希望者が六・一%、非大都市圏から大都市圏への移動希望者が四・五%でありますから、わかりやすく言うと大都市から地方に行こうと思っている人の割合が多いということでございます。数字で申し上げると、そういうことでございます。
○篠原委員 これは前回ちょっと申し上げましたけれども、団塊の世代が動きつつあるわけですね。我々、それほど大した勉強をした覚えはないんですが、大事な青春をむだにしてそこそこ勉強して大都会へ出てきた。それほど勉強しなくても出てきた人はおられるかもしれませんけれども、集団就職列車とかいうのがありまして、夢と希望に胸をはち切れんばかりにして来た。そして、皆さんまじめに働いたわけです。 さて、老後をどうしようかと思ったときに、どうも東京はいにくいんじゃないか。数字を申し上げたりするのはもうやめますけれども、皆さんがおわかりのような孤独死というのがあるわけですね。人知れずアパートなりマンションの中で亡くなるという人たちの数が急激にふえている。東京都はそれを察しましたので、独居老人たちの訪問をし始めたんです。ですから、最近新聞に出るのは、皆さんおわかりいただいていると思いますけれども、死後三カ月たって老夫婦お二人がと。つまり、看病している方の人がバタンキューで倒れてしまって、そして看病されなくなった二人も放置されていてというようなのになってきているわけです。それならば、田舎に帰ってもいいんじゃないかという人たちがふえているわけですね。 厚生労働大臣、先ほどお答えいただきましたが、あの調査結果を私よく見ましたら、団塊の世代が特に希望が多いようですね。今現在既に三〇%ぐらい、かつて田舎に生まれて東京に来た人の三分の一ぐらいが帰っている。しかし、これから定年を迎える団塊の世代になると、その割合が、非常に希望者が高いという。これはやはり、集団就職列車に乗って田舎から東京に出てきた、出てきたのを帰ってもらうすべというのも、私は国が考えてもいいんじゃないかと思います。 国土の均衡ある発展というときに、すぐ、大規模なのが好きですから首都機能の移転とかというふうになります。国会の論戦なんてやはり東京でしこしこやっていれば私はいいんじゃないかと思います。それよりも大事なのは、一般大衆の皆さんがどう考えて、どう行動しているか。団塊の世代六百八十万人、前回、我々も入れろというふうに大島前農林水産大臣がおっしゃいまして、それも入れると一千万人ぐらいが大挙して定年になる、この人たちが帰りたがっている。 それはいい機会ですから、地方定住を促進し、地方を活性化し、国土の均衡ある発展、人口の適正配置ということを考えるべきではないかと思いますけれども、国土交通大臣、このような観点から政策は立案されておられますでしょうか。 〔委員長退席、渡海委員長代理着席〕
○北側国務大臣 今委員御指摘のように、都市にお住まいの方々が地方に住みたい、そういうニーズが高まっていることは間違いないと思います。そういう中で、地方定住を促進することは非常に大事な政策であるというふうに考えております。 例えばこのUJIターンなんですけれども、これにつきまして、そういう意向、関心を持っていらっしゃる方々に情報をできるだけ提供しようということで、国土交通省のホームページにもUJI応援サイトをつくらせていただきまして、そこからまたいろいろなサイトに移れるようになっておりまして、各県、各市町村でも、UJIを希望する方々にこういうさまざまな政策を用意していますよというのがわかるようなホームページを提供させていただいているところでございます。また、都市と地方との交流を促進するような助成措置も今進めているところでございます。 さらには、地方に帰っていただいて、やはり地方が魅力あるまちづくりをしていただくことが非常に大事であるというふうに思っておりまして、そういう意味で、まちづくり交付金、これも大幅に拡充をさせていただこうというふうに考えておりますし、また、十七年度予算案では、地域住宅交付金ということで、住宅制度につきましても、住宅また住環境についても地方公共団体が使い勝手がいい交付金制度もつくらせていただきました。そういうのも活用していただきまして、ぜひ魅力ある地方のまちづくりを進めていただきたいというふうに思っております。
○篠原委員 それでは、また前回に引き続きですけれども、長野県の宣伝みたいになっちゃいますけれども、資料をお配りしてありますが、一ページをちょっとごらんいただきたいんです。この前のおさらいでございますけれども、長野は高齢者就業率あるいは一般の就業率も一番だ。それで、三ページでございますけれども、ですから、老人医療費も少ない、平均寿命も長い。これはテレビ放映されておりませんでしたが、これをやりましたらいろいろ反響がありまして、大島大臣いらっしゃいませんけれども、長野県が長寿なのはもう一つ理由があるぞ、何か、粗食だからだと。青森県は魚もうまいし、肉がうまいから、ぜいたくして余り長生きできないんだとかいう立派な説というか新しい説を加えていただきました。 それから、きのう総務大臣がお答えになっておられましたけれども、福岡県が高齢者の就業率が一番低いんです。一番というか、見ましたら沖縄の次でしたけれども、低い。それで老人医療費が高いというんですね。それで、数字、ちょっと私、ぐじゅぐじゅと申し上げましたけれども、四ページを見ていただきたいんですが、社会保障費、きのう集中審議いたしました年金問題ですけれども、二十兆近く、十九兆円もふえている。医療が八兆円、年金が五兆円、介護保険が一兆七千億と申し上げました。全員が長野県人、全員が福岡県人になったと仮定した場合の医療費だけでも七兆円、平均に比べても三兆円。だから、田舎に住んで生活していただくのがいかに効率的か、そういう観点から農政をやってもいいんじゃないか。農林水産大臣に対する応援、賛歌のようなものですけれども、中山間地域の直接支払いというのは農政予算と考えていただきたくないんです。私は、社会保障、福祉、高齢者福祉という観点でも考えていただきたいと思うんです。 それで、これはちょっと専門的になりますが、五ページを見ていただきたいんですが、高齢者就業率と老人医療費の相関関係をちょっとグラフにしましたら、私は完全な専門家じゃないですけれども、そこそこ経済学をやった人だったら、ある程度相関関係があるというのはこのグラフでおわかりいただけるんじゃないかと思います。長野県が一番高齢者の就業率が高くて、そして福岡県が一番低くて医療費も高い。要するに、ちゃんと働いていただくということが一番幸せにつながるんじゃないか、これは高齢者の方の問題ですけれども。 もう一つありまして、もう一つ、ついでに資料の方だけ説明しておきますと、六ページでございます。今度は、少子高齢化というのが問題にされておりますけれども、合計特殊出生率でございます。これを見ていただきたいんですが、これもやはり田舎の方が出生率が高いわけですね。一番高いのは沖縄、それから次が福島県。そして、なぜかしらというか、東京が一番低いわけです。その右側の方を見ていただきたいんですが……(発言する者あり) いいんですか、続けて。足りてないから、やめますか。
○渡海委員長代理 ちょっととめてください。 〔速記中止〕
○渡海委員長代理 起こしてください。 篠原孝君、続けてください。
○篠原委員 では、活を入れまして、六ページをちゃんと見てください。今度は、少子高齢化と言われていますけれども、少子化の方の問題です。 少子化の方を考えると、右側を見ていただくと、これは市町村、市町村別でどうかと見ますと、県別に見ても田舎県が圧倒的に出生率が高いわけです。都会が低くて、東京が一番だめで、なぜかしら首都、捨てられた首都ですかね、京都とか奈良とかが、しりから二番目、三番目。都会が低い。それで、右側を見ていただきたいんですが、上位十位は、何とか村とか何とか町になっていますけれども、全部島です、なぜ島が出生率が高いのかよくわかりませんけれども。そして下位の十位というのは、みんな東京とかそういったところばかり。 こういうことを考えた場合に、今問題になっている少子高齢化のことを考えた場合は、この根本的解決というのは、年金制度をいじくるとか、何か少子化のためにいろいろなことをする、これは大事でないとは言いません。しかし、根本的に考え直して、もっと農山漁村に多く住んでいただく。 なぜかといいますと、江戸時代の人口配置を考えてみていただくとすぐおわかりいただけるんですが、三千万人の静止人口のときに大江戸八百八町は百万人で、三十分の一しか住んでいなかったんです。それを今、一億二千七百万人のうち十分の一が東京に住み、さらに千葉都民、埼玉都民、神奈川都民だとか、そういうものを入れると、四分の一ぐらい住んでいるんです。それから、太平洋ベルト地帯にみんな住んでいる。これはやはり異様なわけです。 これを直していくということ、これが国全体の幸せのためにつながるんじゃないかと思いますけれども、総務副大臣、そういった観点から地方、農山漁村地域をバックアップしていくべきじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。 〔渡海委員長代理退席、委員長着席〕
○今井副大臣 専門家の篠原委員の御質問で、十分な答弁ができるかわかりませんが、せんだってから大変この問題に関しまして熱心に、専門的な視点から御指摘をいただいているわけでありますが、お話しいただきましたように、やはり都市と山村、それから地域の活性化のための交流というのは一番大事なことですし、今日的な課題ではないだろうか。しかも、人口が減少しているわけでございますので、総務省といたしましても、共生と対流につきまして十二分に、しっかりと受けとめていかなきゃならないと思っております。 とりわけ、山村、漁村の活性化、あるいは農林漁業の担い手対策、あるいは市民活性化運動、NPOの支援等々につきましても、交付税、地方財政措置を講じていかなければいけない。また、そういった手だてもさせていただいているところでございます。あわせて、都市と地方の格差では、情報通信基盤、いわゆるデジタルデバイドの関係もございますので、この辺につきましても、十二分にこれらの事業の推進を図っていかなければならない、このように考えて、それらの予算対応もさせていただいているところでございます。 いずれにいたしましても、これらの問題につきましても、都市側にも、農村、山村側、漁村側にもいろいろなニーズがあろうかと思いますので、来年度につきましては、それらについてモデルの調査をしていきたい。しっかりそういった把握をしながら政策を推進させていただきたい、このように考えている次第でございます。よろしくお願いします。
○篠原委員 きのうの年金問題の延長線上にあるわけですけれども、高齢化というのが問題になっています。大きな改革の一つですけれども、もうきのうも議論されておりますが、やはり定年制というのがあるわけですね。 農業には定年がないわけです。長野で高齢者の就業率が一番高いといいますけれども、そう大した立派な仕事をしているわけじゃありませんで、農業なんです。農家戸数が全国一位です。茨城県が二番で……(発言する者あり)済みません、立派な仕事といえば立派な仕事ですけれども、高度な知識を要するとかいうものではないんです。手間がかかるわけです。農業は北海道でも東北でもやっているわけですけれども、長野がなぜお年寄りが働いているかというと、簡単なんですね。考えてみたってわかるんです。野菜とか果物でお年寄りの手が必要なんです。畑作じゃないんです。ですから、いつまでたっても働く。 これは、農業だけの話じゃなくて、ほかのところでだって当てはまるんじゃないかと思います。それを、日本の社会保障制度は二十兆円もかけて、働きたいというのに六十歳か六十五歳でやめさせて、そして早く、なるべくいっぱい医者にかかるようにして、何とか介護老人にして二十兆円にもしているような気がするんです。子供たちが減っていく、お年寄りがふえる、そうしたら賦課方式なんというのはだれが考えたってもたないのです。ですから、根本的に考えなくちゃいけないんです。 そうすると、欧米社会ではもうしているわけですけれども、いつのころからかサラリーマン社会になり、なりなんと言っちゃいけない、成り下がりですかね。昔は、私の田舎では日傭取りとか言ってサラリーマンを軽べつしていました。農家でちゃんと自立しているのが偉いんだという感じがありました。士農工商の気風が残っていたのかもしれません。ところが、給与所得者の云々で定年でということですべての仕組みができ上がっている。これはやはり、今給与をもらっている人たちの中でも何等級何号俸というのは、役所は決まっていますけれども、民間会社はもう標準の月額報酬なんという概念はなくなっているわけです。 そういうものから考えたら、いろいろ変えなくちゃならない。変えなくちゃならないものの一番の根本は、お年寄りに働いてもらう。怠け者の若い人よりも勤勉な高齢者の方がいいですし、だめな男よりも立派な女性の方がよっぽど役に立つわけです。そういう人たちにちゃんと働いていただくという仕組みを考えるのが年金問題を解決する糸口にもなるかと思うんですが、厚生労働省で役所が一緒になりましたから定年制も一緒に考えておられるんだろうと思いますが、厚生労働大臣、いかがでしょうか。
○尾辻国務大臣 今いろいろなお話をお聞きいたしました。そして、長野県の例のお話もございました。農業に従事するなど、高齢者の就業率が日本一高い、そのことが、先ほどのお示しいただいたような、例えば老人医療費が安くなるということとの相関関係がある。まさに示唆に富んだお話を伺ったと思っております。 そういう中で、厚生労働省として、高齢者の就職ということで考えてやっておりますことは、昨年改正されました高齢者雇用安定法に基づく六十五歳までの雇用の確保措置の段階的な導入の事業主への義務づけでありますとか、要するに六十五歳まで定年をぜひ延ばしてもらおうという法律でありますけれども、そうしたことでありますとか、中高年齢者失業者の再就職支援、ハローワークなんかでぜひそういうところに力を入れて、就職していただこうという取り組みをするとか、そういったようなことでございます。あるいはまた、シルバー人材センター事業等による高齢者の多様な就業、社会参加の促進、こうしたことを考えまして、高齢者の雇用、就業の支援に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 また、だんだん日本の労働力は少なくなってまいりますから、人口が減るわけでありますから、その労働力が減る分をどこでカバーするか、これも考えなきゃいけません。そうなると、そういう意味でも高齢者の皆さんに働いていただいて、少なくなる労働力のカバーをしていただかなきゃいかぬ。 私ども厚生労働省としても、いろいろな努力を、そういう意味でも、申し上げたような意味でもしておりますけれども、きょう先生に御指摘いただいた観点というのは、これはまさに、先ほども申し上げましたけれども、非常に示唆に富むお話だと思いまして、私どもも大いに参考にさせていただきながら、今後の施策を考えていきたいと思います。
○篠原委員 長野県の話ばかりしていて恐縮です。 次に沖縄でございますが、沖縄はかつて、一番の長寿県だったわけです。それで、出生率も高いですし、一番よかったような気がするんですけれども、二〇〇〇年の国勢調査では、女性は断トツのトップなんですが、男性が二十六位になってしまった。沖縄では、よく存じ上げませんけれども、二六ショックと言われている。 男の平均寿命だけがいきなり、相当上位だった、二位か三位だったのが二十六位になってしまったので、いろいろ検討されていると伺いましたけれども、沖縄担当大臣、どのように分析されておられるんでしょうか。
○小池国務大臣 御指摘ありましたように、二〇〇〇年の都道府県別の平均寿命で、沖縄県の男性が、五年前の前回の調査時から、四位から二十六位へと転落してしまった。確かに、二六ショックということで、大変重く受けとめられていることは事実でございます。 沖縄の人口ピラミッドを見てみますと、男性の高齢者の方々、やはり戦争の影響もあるのか、そのあたりかなり薄くなっているということも事実なんですが、最近、この調査の結果の原因としてさまざま言われておりますけれども、中年世代の方々を中心として、都市化が進む中で、食生活などのこれまでの生活習慣の影響が出ているのではないかというような分析もあるようでございます。現在、沖縄県そして地元医師会などが対策に取り組んでいるということでございますけれども、長寿県としての沖縄の将来にもかかわることでございます。自分としても注視してまいりたいと思っております。 また一方で、沖縄のおじい、おばあ、何かこれは向こうではむしろ尊称になるわけでございますけれども、おばあは確かにとても元気な方が多いんですね。おじいにももっと頑張っていただけるようなこともこれからも考えてまいりたい、このように思っております。
○篠原委員 沖縄は何で、男女差がこれだけあるのは余りないんですね。先ほどもお答えいただきましたけれども、やはり、いろいろな原因があるのかもしれませんけれども、数字はきちんと物語っているわけでして、米軍基地があり、結構沖縄の食生活は欧風化しているわけですね。女性はしつこく地元のものを食べますけれども、男性は外で飲んだり食ったりする機会が多い、泡盛とかいうのも飲んだりするのがあるんだろうと思います。そういうことが考えられている。 そういうことを考えますと、食生活のことを考えますと、食生活に対して政府が介入するというのはよくないとか言って、すぐそういう議論になるんですが、アメリカでは三分の二が肥満になりまして、アメリカの競争力が落ちたのはみんな太り過ぎてしまったからじゃないか、もっとやせて、機敏に動けるようにしないといけないんじゃないかということもまじめに議論されておりまして、アメリカ政府は、農務省と、それからあちらの厚生省に当たるところですが、共同で五年ごとに、ダイエタリー・ガイドラインズ・フォー・アメリカンズというので、二〇〇五年のバージョンをつくりました。これには非常に懇切丁寧なことが書いてあります。この辺の人たちも必要なんだろうと思いますけれども、飲み方の注意なんかもちゃんと書いてあるわけですね。 こういったことを、今、食育というのが盛んに言われておりますけれども、厚生労働省では、沖縄が二十六位になった、やはり生活習慣病で、食原病というのが大きく影響しているんだろうと思いますが、日本国民の健康維持の観点から食生活のガイドラインとかいうのをよく言われるんですけれども、きちんとしたものは出しておられるんでしょうか。
○尾辻国務大臣 お尋ねのことは、食生活指針のようなものということでございましょうか。それでございましたら、平成十二年三月に、文部省、厚生省、農林水産省、三省で出しましたものがございまして、食事を楽しみましょうから始まって、十一項目を掲げた指針を出しております。よろしいでしょうか。
○篠原委員 しかし、余り国民の皆さんに知られていないんじゃないかと思います。やはり食生活と病気の関係というのはいろいろあるわけですから、きちんとした情報、先ほどのBSEについてもそうですけれども、何が安全でどこを注意したらいいのかというのをきちんと国民に知らしめるべきじゃないかと思います。 今の食育の関係ですけれども、食育の根幹はどこかというと、大人はある程度悪い習慣がついちゃって、もう直しようがない人たちがいるのかもしれません、それだって直すべきだと思いますが、やはり子供のときの習慣というのが一番大事だろうと思います。そういう意味では、死活的重要性を持っているのは、私は給食じゃないかと思う、学校給食。 それで、学校給食、一体幾らぐらいかけているかというと、これは皆さんある程度御存じなんだろうと思いますけれども、小学校の低学年は二百三十円ぐらい、一食ですよ。高学年、中学生になっても二百六十五円。非常に低いような気がするんです。それで、月でいいますと、ほとんどの月が二十回、二十食で五千円未満。 世界じゅうで小中学校あるいは高校まで学校給食をやっているところがあるはずですけれども、国際比較というのはされたことがあるんでしょうか、文部科学大臣。
○中山国務大臣 国際比較というのは余りやっていないようですね。要するに、学校給食の実施形態というのが、我が国のように児童生徒ほぼ全員を対象としている国もありますし、希望者のみを対象としている国もあるなど、非常に多様でございますし、また、保護者が負担する給食費の負担区分も一様とは考えられないということから、国際比較はなかなか簡単にできない、こういう説明でございました。
○篠原委員 それでは困るんですね。例えば自給率がどうかとか、エネルギーの自給率、食糧の自給率がどうですか、授業料がどのぐらいですかといったときに、今、国際比較がないというのは珍しいんですね。後で結構でございますから、学校給食費の、主要先進国あるいは隣の韓国、台湾ですけれども、一体どの程度のお金をかけて給食をしているかということをきちんと調べていただきたいんです。 なぜこれを申し上げるかといいますと、やはり皆さん常識で考えてみていただきたいんです。一食二百円あるいは二百三十円ぐらいでまともな食事ができるかどうか。 私の経験で一つだけ申し上げますと、私は十年ほど前パリに住んでいまして、子供をパリの小学校に入れておりました。その経験でいえば、最近幾らかというのも調べました、一食十ユーロ、千円から千二、三百円です。そうすると、学校給食費が二万円超えているんです。では、それだけ払えない人がいるんじゃないか、それは生活保護費でちゃんと払っています。 それで、私が授業参観に行った記憶が鮮明なわけですけれども、私の息子に、おい、信州、これは授業参観スペシャルだなと言ったら、お父さん、毎日こういうの食べているよ、うちよかよっぽどいいよと言って減らず口をたたきました。それをフランス人に話しますと、フランス人は信用しません。何で日本人はそんな安い学校給食なんだ、日本人は一番金持ちじゃないか、パリに来ている観光客を見るとブランド品を買いあさっている、そんなところに金をあれだけ払っているのに、学校給食、これから日本を背負う小学生、中学生たちに何でそんな安い食事をさせているんだと。フランスは食文化を大事にしているわけですよ。地元のものを食べさせるということをしている。 これは今さら言ったってしようがありませんけれども、おさらいで申し上げますと、学校給食にパン食を導入した、アメリカの余剰小麦があって、脱脂粉乳で。私は、小学校三年のときに学校給食が始まりました、それで育ちましたから。しかし、ほかの国が全部したかというと、日本だけだったわけですね。 フランスでそれをちょっと考えたんですけれども、我々日本人はちゃんと論理的に考えられないわけですけれども、こういうことをフランスでするかどうか。世界大戦でフランスが負けて、フランスがちょっと飢えていた、アメリカに余剰米、米がいっぱい余っていた、この米を安くフランスにやるから、学校給食に米飯給食を導入したらどうだと言ったとすると、日本の場合はこれが麦で、貧乏人は麦を食えといって学校給食にパン食を導入したわけですけれども、フランスは米飯給食を導入するはずがないですし、大蔵大臣がそういうことを言うはずがないわけですね。我々はそういうところをちょっと間違っておるんじゃないかと思います。 学校給食は、一体だれがどのように献立を決めて、幾らぐらいにするかというのはだれが決めているんでしょうか。校長先生でしょうか、学校給食会でしょうか、栄養士でしょうか。どういう人たちがどうやって食事の献立を決めておるんでしょうか、文部科学大臣。
○中山国務大臣 学校給食でどのような食材を使用してどのような献立にするかということにつきましては、大きく言って、各学校や共同調理場において献立作成を行いまして食材を調達している場合と、市町村の教育委員会において統一的に献立を作成し、一括して食材を調達している場合があるということでございまして、いずれの場合におきましても、学校長、学校栄養職員、保護者などで組織されております物資選定委員会や献立作成委員会におきまして、学校給食の教育的な意義も踏まえつつ、食品の組み合わせの多様性、栄養バランス、食材の価格変動あるいは必要数等を考慮しまして、地方の実情に応じて決定しているというふうに聞いております。
○篠原委員 注意深く伺っておりましたけれども、だれが一体決定権者かというのは、まあ完全な決定権者というのはないんだろうと思いますけれども。 文部科学省も、これを直そうということをいろいろ考えておられるのは承知しております。去年でしたか、養護教諭と同じように栄養教諭というのを設置して学校給食をちゃんとしていこうというふうに方針を変更されたはずですけれども、栄養教諭の設置状況はどうなっておりますでしょうか。
○中山国務大臣 学校栄養職員の配置状況でございますが、平成十五年の五月現在、国公私立含めて、小学校には五千五百四人、中学校には千三百七人、小中学校の共同調理場には三千七百五十七人、特殊教育諸学校等には千四百六十名、合計一万二千二十八人が配置されております。
○篠原委員 全体の小中学校に占める割合はどのぐらいでしょうか。割合は大体どのぐらいになりますでしょうか。
○中山国務大臣 大きなところは一人おりますし、共同でやっておるところもありますから、割合というのはすぐには計算できませんけれども、その地区その地区によってばらばらのようでございます。
○篠原委員 今伺ったところによると、合計でも一万人ぐらい。学校の数は非常に多いでしょうから、それほど入っていないというような感じなんですけれども、それはこれからどんどん設置して、そしてきちんとした食事を小中学生に提供していただくことになるんだろうと思います。 それで、問題なんですけれども、先ほど伺っていますと、やはり栄養士さん、栄養教諭さんが非常に大事なデシジョンメーカーというか、どういう食生活にするか、どういう献立にするかというのを決めるかぎを握っているうちの一人じゃないかと思うんですが、その人たちに日本の食文化とかあるいは農業問題、食糧問題というのを教える科目が入っておるんでしょうか。
○中山国務大臣 その前にちょっと、先ほどの職員の配置基準でございますが、単独給食実施校は、学校給食を受ける児童生徒数五百五十人未満の場合には四校に一人、それから五百五十人以上だったら一校に一人、五百五十人未満の給食実施校が三校未満の市町村では一市町村に一人ということですね。それから、共同調理場というのは、児童生徒数が千五百人以下の場合は一場に一人、それから千五百一人から六千人以下の場合は二人、六千人以上の場合は三人、こういうふうに、一応基準はあるようでございます。 それから、大学におきます栄養士とかあるいは管理栄養士の養成課程におきまして、食糧問題だとかあるいは農業問題とか、そういったカリキュラムがあるか、こういうふうな質問でございますけれども、大学におきます栄養士及び管理栄養士の養成に必要な教育内容につきましては、これは栄養士法施行規則及び管理栄養士学校指定規則において決められております。食糧問題とか農業問題に関する知識は重要なものと考えておりまして、具体的な教育内容としては、栄養士養成課程においては栄養の指導などの分野で、また管理栄養士養成課程においては社会・環境と健康などの分野で、食糧問題や農業問題について取り上げられているということでございます。 もっと言いますと、例えば、栄養士養成課程におきましては、山脇学園短期大学食物科が、栄養の指導の分野として公衆栄養学を開設して、国民栄養の現状や課題と食物の需給と供給などを学ばせております。あるいはまた、実践女子大学の生活科学部生活科学科が、社会・環境と健康の分野として健康環境学を開設いたしまして、農業生産が生態系に与える影響や残留農薬の安全性に関する考え方などについて学ばせているということで、栄養士や管理栄養士の養成課程におきましては、いろいろと教育の中にそういったものを取り込んでいるようでございます。
○篠原委員 なぜこれをしつこく申し上げているかというと、私が聞いているところでは、栄養士さん、管理栄養士さんたちは、PFCバランス、たんぱく質と脂肪と炭水化物のバランスとかビタミンが何とかとか、そういうことだけで献立を考えて、その地域で何が一体特産物かとか、今、日本の食糧事情がどうかということを全然頭に入れないで、そういったことだけで献立をつくっているという弊害が非常に見られるということで、なるべくいっぱい、広い観点のことを教えていただきたいということをお願いしているわけです。 どうしてこれを申し上げているかというと、やはり学校給食でもってどういうものを食べたかというのは、その人間の一生の食生活、もちろん家庭も大事なんですが、それを形成する。今、農林水産省で食料・農業・農村基本計画を見直しておりますが、その中の大事な項目として地産地消という言葉が入っております。そこでできたものをそこで食べるということ、やはり私は学校給食でこれをまず断行していただきたいわけです。地域でとれたものを地域で食べる、地元の水産物もそうですけれども、こういったことが一体行われているのかどうか。 文部省は一体、学校給食について、献立についてまで、管理とかいうことじゃないんです、地元のものをちゃんと食べていくべきじゃないかと思いますし、それは農林水産省の政策を助けることにもなるんです。そういうことをしていただいているのかどうか、していなかったら私は絶対していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○中山国務大臣 私も田舎の出身でございまして、地産地消ということについてはもう随分前から唱えておりまして、子供たちは大体十歳前後に、食べ物に対する嗜好といいますか好き嫌いといいますか、どういうものが好きだというふうに決まるということも聞いていますので、早い段階から、子供たちにとにかく一番おいしいもの、地元で一番おいしいもの、お米でも少々高くても一番おいしいものを食べさせるべきだということをずっと主張してきたわけでございます。 文部科学省も同じことを考えておるということはわかったんですけれども、要するに、地産地消、学校の食材として地域の産物を活用することは、食事内容をまず多様化させることができる。また、児童生徒に地域の産業や文化に関心を持たせる上でも効果が期待できる。さらに、地域において農業等に従事している方々に対する感謝の気持ちや地域との触れ合いを実感するなど、教育的な効果がある。 加えて、顔の見える生産者により供給される食材というのは安全性が高い、このように言われているわけで、こういったことから、学校給食に地域の産物を取り入れる、いわゆる地産地消については極めて有意義であるという認識から、文科省におきましては、学校給食指導の手引、これは平成四年でございますが、あるいは通知、平成十五年度において、郷土食や地場産物の導入について工夫するように指導しております。 また、児童生徒用の食生活学習教材の中におきましても地元の産物や郷土料理等を取り上げているほか、本年度におきましては、教師用に地場産物活用事例集を作成して各学校等に配付することにしておるわけでございます。 文部科学省といたしましても、今後とも、各種の施策を通じまして学校給食における地産地消の推進を図ってまいりたい、このように考えております。
○篠原委員 最近、地域通貨とかエコマネーとか言われています。そこまでいかなくても、地元でとれたものを使えば、その分だけ地元にお金が落ちるわけです。まさに循環するわけですから、非常にいいことですので、ぜひそれを進めていただきたいと思います。 次に、環境問題についてお尋ねしたいと思います。これは、国全体の循環、あるいは地球全体の循環の問題です。 京都議定書が発効いたしました。一九九〇年レベルにCO2の排出量を抑えるというのを、その間にもう八%近くふえてしまった。六%下げるという約束を京都で日本が主催した会合でした。ですから、二〇〇八年から二〇一二年までの間に一四%も削減しなければならないわけですけれども、我が国はこの削減の準備、ちゃんとできておるんでしょうか。環境大臣、お答えいただきたいと思います。
○小池国務大臣 御指摘のように、既に基準年度の一九九〇年に比べますと八%上回っているというのが最新の数字でございますので、約束との間には一四%の開きがある。この一四%の開きといいますのは、富士山に例えてみれば、大変高い山であるということは事実だと思います。しかしながら、登れない山ではないというふうに思っております。 今、政府全体といたしまして、各種の温室効果ガスの排出抑制対策、吸収源対策、京都メカニズムの活用などの追加的な施策、対策を盛り込みました目標の達成計画を策定することとなっております。つまり、山の登り方、こちらからこう攻めるのか、何に乗るかなど、今政府全体で、どういう形が一番可能なのかということでこの計画の策定という作業へ入っているわけでございます。 ちなみに、今後、三月に推進本部を開催いたしましてこの計画案を取りまとめ、そしてパブリックコメントなどを経て四月から五月までの間に閣議決定をする運びでございますが、目標達成の計画は立てましても、それを実行しなくてはなりません。これはまさに官民挙げて実行をしていただけるように、しっかりとPRにも努めてまいりたいと思いますし、そのバックアップをしてまいりたい、このように考えております。
○篠原委員 発効がわかっていて、減らさなくちゃならないというのにずるずるふやしてきたりしているぐらいなわけですね。それで、例えば森林でも三・九%吸収なんて言っていますけれども、森林整備がそんなに進んでいない、二・六%ぐらいしか吸収していない。それから、省エネとかいうので八・五%とか言っていますけれども、いろいろな産業界に自主削減目標を立ててやっていただいているはずですけれども、なかなか実現していないというのが実態じゃないかと私は思います。 ほかに、環境関係の国際条約、モントリオール・プロトコルとかバーゼル・コンベンションとかありますけれども、京都議定書は日本が主催してやったわけですね。そして、皆さん覚えておられると思いますけれども、アメリカは今政権がかわりまして脱落しましたけれども、あの当時、クリントン・ゴア体制でして、特にゴア副大統領は非常に環境問題に熱心で、非常にアメリカの主導的な立場があったんだろうと思います。それで決まったわけです。ですから、これはぜひ守っていただきたいと私は思います。 資料の七ページをちょっと見ていただきたいんですが、我が国のCO2ですけれども、どこでどういうふうにふえたり減ったりしてきているか。これは、見ていただくとわかると思うんですが、産業界はなかなか努力して減ってきているんです。それで、ふえているのが業務用その他、これは小売とか事務所とかビルとか、フロア面積がふえたりして、三六・七%も一九九〇年レベルと比べるとふえちゃっているわけですね。意外とふえているのが、皆気がつかないんですが、輸送なんです。運輸の部分が産業に次いで大きい比重を占めているわけですけれども、二億六千百万トンに、二〇〇二年度になって二〇・四%もふえているわけです。これは、自動車がこの間に、十年の間に三〇%もふえたりして、かつ大型化しているという問題もあるわけです。 そうしたときに、次のところをちょっと見ていただきたいんですが、八ページを見ていただきたいんですが、輸送によるCO2の排出量というのは輸送機関によって違うわけですね。やはり鉄道が一番環境に優しい交通機関です。それから、船というのも余りCO2を出さない。それに対して、トラックとか乗用車とか飛行機とかいうのは出すわけです。ですから、おのずとどういうものがいいかというのが出てくるんだろうと思うんですね。 こうしたときに、CO2の削減を図るための一つのヒントとして、なるべくむだな輸送はやめようと。物が移動すると必ず汚染が伴うということで、いろいろな考え方が生まれています。例えば、食べ物。食べ物は、先ほど地産地消ということを申し上げました。食卓と農場の距離をなるべく少なくしましょう、それがトレーサビリティーのことを考えてもいいんだということ。それから木も、やはりカナダから持ってきたりするよりも、地元でつくった木でもってつくった方がずっと環境にはいいのではないか。それは全部、輸送のときに大分CO2を出しているからということなんですが、こういう考え方は、農業白書、林業白書あるいは環境白書でももう取り入れられておりますけれども、我が国のこの取り組みはどうなっておりますでしょうか、農林水産大臣にお答えいただきたいと思います。
○島村国務大臣 たまたま篠原委員がよく指摘されている、しかし昔から研究なさったフードマイレージあるいはウッドマイレージ、やはりそれぞれの地域にとれたものをなるべく近くであれする、まさに地産地消の精神につながるものだろうと思いますが、今、我々はこのことを重視いたしまして、これを軌道に乗せるべく鋭意努力をしているところであります。
○篠原委員 農林水産大臣と環境大臣はおわかりいただいていると思いますけれども、フードマイレージ、ウッドマイレージというのを、ちょっと資料を用意しましたので見ていただきたいと思います。私の資料の十ページですけれども、ここのところでちょっと書いてありますが、後でお読みいただきたい。それから、十一ページに、フードマイレージ、ウッド、それから後でちょっと触れますが、グッズマイレージというもの。それから、十二ページ、十三ページにフードマイレージとウッドマイレージ。 これは、総理がこの間ちょっと北海道に行かれて、北海道の木材屋さんで、北海道でできた木材でもって北海道の家をつくるんだというのも、まさにこのウッドマイレージを少なくして、そして環境に優しい家をつくろうということで、これは十三ページの下の方を見ていただきたいんですが、図がかいてある。トン掛けるキロメートルなんですが、この場合は立米でやってありますけれども、太字で書いてあるんです。近くの山の木ですべてを建築した住宅を一とすると、全部北米材で建築した住宅は一五〇、これだけたくさんのCO2を出してきている。 これは環境経済学で内部化というわけですけれども、カナダのブリティッシュ・コロンビア州の山の中で木材を切って、バンクーバーまで運んできて、そこから横浜港に来て、そこからさらにトラックで川越に行って住宅ができると、確かに価格は安い。しかし、その間にCO2を一体どれだけ出しているか、それを内部化、インターナライズすると、カナダ材でつくった方がずっと高価になってしまっている。ですから、秩父材でつくったのでやりましょう、こういう考え方ですね。これをぜひやっていただきたいと思います。こういうことをしていくことが環境に優しい国づくりになりますし、排出量を削減することにもなるんじゃないかと思います。 先ほどの年金制度の改革にもつながるわけですけれども、なかなか一四%も削減するということなんてできないと思いますよ。給料を一四%削減なかなかできないのを、歳出削減を一四%なかなかできないのと同じです。そう簡単にCO2の排出量を一四%、数年の間にできるのかどうかと、私は心配です。 しかし、運輸のことを考えたら、せっかく国土交通省ということで、道路も鉄道も船もみんな一緒になったわけです。統合的にできるわけですから、あっちにもこっちにも飛行場をつくり、列車をつくり、高速道路をつくりというのじゃなくて、よくよく考えて、一番効率のいい交通体系というのをつくるべきじゃないかと思いますけれども、国土交通大臣、いかがでしょうか。
○北側国務大臣 おっしゃっているとおり、環境負荷の小さい交通体系を構築していくことは急務であるというふうに思っております。 ただ、今飛行機の話とか高速道路の話もなされたわけでございますが、確かに、今日本の運輸部門における二酸化炭素の排出量、これは全体の二一%になります。ただ、そのうちの航空機というのは、その二一%を一〇〇%にしまして、運輸部門全体の中では約四%なんです。大宗を占めますのは自動車、これが約九割ですね。九〇%、この運輸部門の中で二酸化炭素を排出しているという状況でございます。 それで、高速道路のお話もされましたので、ちょっと一点だけお話しさせていただきますと、高速道路をつくることによって交通が流れまして、逆に、高速道路がないために一般道路が込んでしまって、CO2が排出をされるという側面があることもぜひ御理解をお願いしたいと思っております。 しかし、運輸部門におきまして二一%も占めているということで、これはしっかりと抑制に努めていかないといけないと思っておりまして、まずは、やはり低公害車の開発普及、これをさらに進めていく必要があると思っております。これまでも進めてまいりました。運輸部門におけるCO2の排出量というのは九〇年代の後半が一番高くて、最近はむしろ少しずつ減ってきておる傾向にございます。これは、これまでのグリーン税制等がきいて、低公害車が相当普及してきたという側面があると思いますが、これをさらに開発し普及していくということが非常に大事だと思っております。 さらに、交通を円滑化していく、渋滞をできるだけ少なくしていくということ、これも大事でございます。今ITSといいまして、高度道路交通システムというのを開発普及させようとしております。また、ETCについても、御承知のとおり、今普及をさせようとしております。ETCが普及をされますと、高速道路の料金所での渋滞は相当解消をされてまいります。 さらにまた、物流についても、今委員御指摘のように、効率化できることがいっぱいございます。物流の効率化をしっかり進めていきたい。先ほどの資料にもございましたが、自家用の貨物自動車の方がCO2の排出が多いんですね。これをやはり、営自転換といいまして、営業用のトラックの方にできるだけシフトしていただくということも大事だと思っておりますし、また、荷主の側からいいますと、共同発注をしていくような仕組みもしっかり進めていきたいというふうに思っております。今国会で、流通、物流の総合化、効率化を進めていくための法案も今準備をさせていただいているところでございます。 また、環境負荷の小さい交通体系にシフトするモーダルシフト、これも非常に大事でございます。海上輸送それから鉄道貨物の輸送力を強化していく、また都市鉄道を使っていただく。また、それを整備していくことも大事だと思っておるところでございますし、さらに言いますと、自転車の利用促進を進めていく。自転車道というのは日本は少ないんですよ。自転車道をもっとつくることが、これから高齢社会でございますので、非常に大事だと思っているところでございます。 さらに言いますと、まちづくりなんかも、これから高齢社会です、やはり自分の住んでいるところ、空間、この居住空間で用はほとんど足すというふうなまちづくりをしていくことも、歩いて暮らせるまちづくり、そういうことも非常に大事な視点ではないかと私は思っております。 また、今国会では省エネ法の改正、これは経済産業省の方で主管されますけれども、省エネ法の改正をさせていただきまして、運輸部門も新たに対象にさせていただくということで、しっかりと運輸部門のCO2の抑制を努めてまいりたいというふうに考えております。
○篠原委員 大局的見地から御丁寧にお答えいただきましてありがとうございます。 交通体系も大事なんですが、一番出しているのは産業なんですよね。やはりこれも見直していくべきじゃないかと私は思います。 我々、小学校の教科書でずっと教わってきました。これといった資源に恵まれない日本は、外国から資源を輸入してそれを加工して輸出して生きていくしかないんだと。 先ほどの私の朝日新聞の「視点」というところを見ていただくとおわかりいただけるんですが、七億トンから八億トン、原材料を輸入しているんです。それで輸出製品は一億トンです。ですから、六億トンがCO2になったりなんかして、何しろ日本に残るんです、このごみが。それで十兆円ぐらいずつ稼がせていただいている。そして日本を汚している。外国から見ると、日本は何かごみをみんなためていてくれているというふうに映るかもしれないんです。我々が今ぜいたくなことをして子孫に禍根を残しているわけです。 やはり、ずっと続いてきたこの加工貿易立国を直していく。今、北側大臣にお答えいただきましたけれども、大胆な発想でもって、省エネ型の工業、重厚長大から軽薄短小になってきつつありますけれども、これをもっともっと大胆にしていくべきなのではないかと思いますけれども、経済産業大臣、いかがでしょうか。
○中川国務大臣 篠原委員の名著に、「農的小日本主義の勧め」という本がございますが、やはりできるだけ自己完結的にやっていく、しかし、日本はエネルギーを海外に依存しなければいけませんので、そういう中でできるだけ省エネ、新エネというものが大事だろうというふうに思っております。今委員御指摘のように、七億トン輸入して、世界じゅうから買って、一億トン輸出して外貨を稼いでいるということでありますが、やはり節約ということが、これは世界に対する貢献であると同時に、日本にとっても大事なことでございます。 先ほど御指摘がありましたように、産業界は九〇年比でマイナス一・七%。それから、運輸部門が二十数%、民生部門が三十数%でありますから、例えば家電にしても、あるいはまた省エネ自動車にしても、ペットボトルの回収等々にしても、日本はかなり努力をしていると思いますけれども、さらにさらに、これは国民一人一人の心がけといいましょうか努力として、こういうことをさらにやっていかなければなりませんし、もちろん産業界も、それから先ほど北側大臣からもお話がありましたが、政府一体となってやっていく。その象徴が、三月から開かれます愛知万博が一つのシンボルになっていくんだろうというふうに思っておりますので、引き続き御指導をよろしくお願いします。
○篠原委員 最後に、環境大臣にお尋ねしますけれども、京都議定書の約束事の中に、さっきから問題になっています輸送の部分が入っていないんですね、国際輸送にかかわる部分。ここの部分で見ていただくとわかるんですが、物すごく日本が貢献しているんですよね。先ほどの九ページを見ていただくとわかるんですが、世界じゅうの貿易量が約五十億トン、そのうちの、さっき言いました七億プラス一で八億トンも使っている。そして、かつ遠くからやっている。 この部分、大問題なんですが、なぜ入らなかったのか、そして、今後これがどのようになっていくのかという見通しをお聞かせいただきたいんですが、お願いします。
○小池国務大臣 京都議定書では、第二条二項で、国際航空、海運由来の温室効果ガスの排出量について、排出の抑制または削減を追求することという規定にとどまったわけでございますが、この分野からの排出量というのは、京都議定書の約束において、各国の総排出量の中に実際に含まれてはおりません。国際航空、海運、バンカー油由来の温室効果ガスの排出量というのは、先進国全体で締めますと大体カナダとか韓国ぐらいのボリュームを出しているということで、確かに重要であることは事実であります。 ただ、この分野の排出量を、航空機、船舶が、例えば出発する国で、充てんをする、それから到着する国なのか、もしくは登録されている国、船籍など、どこでどう配分するかというのでかなりもめたような経過がありまして、現時点では合意が得られていないということでございます。 今の時点ですけれども、これらの問題をまず技術的な観点から分析、整理するために、COP、気候変動枠組み条約の締約国会議、それからICAO、国際民間航空機関、そしてIMO、国際海事機構と連携しながら、この排出量の配分の前提となる排出量の算出方法などについて検討を行っているところでございます。 今申し上げましたように、どこの国ので計算をするのかというのはなかなか難しい問題だ、このように思っております。
○篠原委員 どうもありがとうございました。 今、地球環境問題を最後に聞かせていただきましたけれども、もう一つ、我が国の政治環境もちょっと汚れておるところがありまして、ずっと我が党が要求しております、政治と金の問題で証人喚問をお願いしておりますけれども、その点について、ぜひきちんとしていただきたいということを申し述べまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○甘利委員長 これにて篠原君の質疑は終了いたしました。 次に、石井郁子君。
○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。 きょう、私は、少子化傾向克服と男女平等の課題について質問をさせていただきます。 政府は、一九九四年にエンゼルプランを出しまして、昨年十二月には子ども・子育て応援プランを策定、今後五年間の目標もかなり詳細に出されたところでございます。そして、この間、少子化対策としてさまざまなプランをずっと発表してまいりました。しかし、出生率は、十五年前の一・五七、これは一・五七ショックということでしたけれども、昨年度の一・二九へと低下し続けているわけですね。(発言する者あり)
○甘利委員長 静粛にしてください。
○石井(郁)委員 昨年九月の内閣府の意識調査では、少子化対策で特に期待する政策として「仕事と家庭の両立支援と働き方の見直しの促進」と挙げる人が五一・一%と、最も多い結果が出ています。私は、やはりこの分野の施策のおくれというのを直視しなければならないというふうに思うんです。 実際、結婚や出産、育児を機に離職する、再び働き始める女性が多いということは、女性の労働力がいわゆるM字カーブを描いている。こうした国は日本と韓国だけだと言われているわけであります。きょうは資料にそこら辺はお示しをしたところでございます。そして、出産前まで働いていた女性のうち、三人に二人が出産後無職になっている、こういう調査も出ているわけでございます。 昨年の少子化白書を見まして、出産・育児か仕事かという二者択一が、女性の自立やキャリア形成への障害、子育て世代の収入の低下、結婚への消極的原因となっている、これは否めないというふうに述べられているわけですね。 そこで伺いますが、政府としてこうした問題についての認識はいかが持っていらっしゃるかということで、これは、官房長官そして少子化担当の南野大臣に伺いたいと思います。
○細田国務大臣 女性は、仕事をしたい、かつ子育てもしたいという非常に強いお気持ちの方がどんどんふえているわけですから、これに合った政策をとっていかなければなりません。そして、これに対する障害があれば、すべてを調べ上げ、かつそれを消滅させるぐらいの気持ちで政府が取り組んでいかなければならないと思っております。 男女共同参画社会に関する世論の調査におきまして、女性が職業を持つことにつきまして、子供ができてもずっと働き続ける方がよいという考え方への支持が男女ともに最も多くなっているわけでございます。 いわゆる基本法におきましても、基本理念の一つに家庭生活における活動と職業生活等他の活動との両立を掲げておりまして、これに基づいて、政府は、平成十三年、仕事と子育ての両立支援策の方針についてを閣議決定して、待機児童ゼロ作戦等に取り組んでまいりました。今後、この両立問題につきましては集中的に取り組むこととしております。 今後、先ほど申しましたように、そこに障害があればすべて取り除くというつもりで取り組んでまいりたいと思っております。
○南野国務大臣 お答えさせていただきます。 先生がおっしゃるとおり、仕事を続けることを希望しながら、育児との両立が困難であるために仕事をやめる女性が多い、それはもう本当に残念なことであろうかと思っております。男性も女性も、希望どおり、育児をしつつ働くことができる環境整備を図ることが重要だなと思っております。 最近の調査によりますと、今先生おっしゃいましたとおりでございますが、初めて子供を出産した母親の場合、出産一年前に仕事を持っていた人の六七%が出産半年後は無職となっている、そういうことであります。また、子育て期にある三十歳代の男性に注目しますと、家事、育児にかける時間が極めて少ないということが明らかになってきております。特に女性にとって、出産・育児か仕事かの選択を迫られているということが裏づけられているのかなと思っております。 さらにもう一つ申し上げるならば、そのために、少子化社会対策大綱に基づく重点施策の具体的実施計画として策定しました子ども・子育て応援プランということに基づきまして、保育所の待機児童の解消を進めるほか、育児休業の取得促進ということでございますが、それにつきましては、育児休業制度を定着させようと思う観点から、育児休業制度を就業規則に規定している企業というのが今六一・四%しかない、これを五年後には一〇〇%にしたいというふうに思っております。 さらに、子育て期間中の勤務時間の短縮、それの普及促進、また、長時間にわたる時間外労働の是正など、男性を含め、仕事と生活の調和のとれた働き方を進めていきながら、仕事と両立のできるように進めてまいりたい。 安心して子供を生み育て、そしてその喜びを実感できる、そういった社会になっていかなければいけないと思っております。
○石井(郁)委員 お二人の担当大臣から大変御丁寧な答弁をいただきまして、そして、働くことと子育てをめぐってのそういう障害があるならばすべて取り除くという、大変力強い政府の決意も伺いました。しかし、現実は大変厳しいものがあります。 ちょっと御紹介したいんですが、「子持ちじゃ周りに迷惑がかかる。ほかの支店から男性に来てもらうことにしたよ」。運送会社の女性社員が妊娠を報告したのは昨年夏。秋にはもう退職を促される。二人目が生まれたら復帰したいと訴えたけれども、やはり男性がいいと退けられている。これは、日経の一月三日付でありました。 また、二〇〇二年の夏から本格的なリストラが始まった。子供がいる女性は確実らしいということが話題になって、秋になると割り増し退職金が示されて、考えさせてくださいとささやかな抵抗をしたけれども、その日のうちにもう退職せざるを得ない。これは、毎日新聞の一月六日。ことし、少子化はいろいろ各紙が特集をいたしました。 こうした、結婚とか妊娠した女性の退職強要というのは、妊娠リストラと言われて、これまでもメディアに取り上げられてきました。私は、まず、政府としてこうした実態を把握しているかどうか。また、嫌がらせなどで、あるいはこういう形でやめざるを得ないという状況に追い込むのは人権侵害だというふうに思いますが、いかがですか。これは厚労大臣。
○尾辻国務大臣 今お話しいただきました、妊娠、出産を理由にする解雇は、これはもう御案内のとおりでありまして、男女雇用機会均等法により禁止をされております。 私ども厚生労働省では、この法律に基づきまして、全国の労働局雇用均等室において、まず、この法律の周知徹底を図りますとともに、労働者からの相談や事業場訪問を通じて違反する事業主を把握した場合は、解雇の撤回を指導するなど、厳正に対処しておるところでございます。 そして、妊娠、出産を理由にした解雇というのは、これは法律でだめだというふうに規定されておるわけでありますけれども、それ以外の、解雇以外の不利益の取り扱いについては、現状では規制が設けられておりません。ここが問題だと私どもも問題意識を持っております。 そこで、現在、こうした問題を含め、男女雇用機会均等のさらなる推進のための方策について関係審議会で検討を行っておるところでございまして、そうした御議論を踏まえて対応してまいりたい、こういうふうに考えております。
○石井(郁)委員 南野大臣にお聞きしたいんですけれども、こういうことがあるんですね。 子育てと仕事の両立を選んで産休明けに出ていきます。すると、犬や猫でも母親の手で子供を育てているのに、君は保育所に子供を預けている、犬畜生にも劣る母親だ、こういうことがあったり、また、育児時間を取得した女性に対しては、転勤、退職、出向のうち一つを選択せよ、あなたの働く部署はどこにもない、ここで働くのはわがままだと言われるわけですね。これは、住友金属工業株式会社というところで実際にあったことなんです。 南野大臣には、女性であり、また助産師としてやってこられましたので、こうした女性に対する発言や扱いについてどう思われますでしょうか。
○南野国務大臣 今、先生のお話を聞いて、耳を疑ったぐらいでございます。もっともっと理解してくださる熟した男女がそろわなければ、大人が立派に大人にならなきゃいけない世代だなというふうにも痛感いたしました。 男女雇用機会均等、そういった中で、しっかりと、我々、女性の味方をしながら頑張っていかなければならない、もう少しマチュアになるまで応援していかなければならないなと思っております。
○石井(郁)委員 女性の差別ということでは、昇進とか賃金の問題というのが大きいんですね。 これも住友金属であったことですが、イ、ロ、ハ、ニ、ホという五段階に分けて従業員の取り扱いがあるわけです。男性をイ、ロ、ハ、ニの四段階、女性は、業務内容や学歴に全く関係なく、すべて最下層の処遇です。ホに分けられるわけです。女性は、その結果、同期同学歴の男性と比べて、年収で五百万円、退職金で千三百万円の格差を強いられる。これは、将来、年金にも反映していくわけであります。 こういうことは明らかに女性への差別ではありませんか。厚労大臣に伺いたいと思います。
○尾辻国務大臣 今お話しいただいたようなケースは差別であるかないかというふうにお尋ねになれば、差別である、こういうふうにお答えを申し上げます。
○石井(郁)委員 重ねてですけれども、実はこの問題でいいますと、こういう取り扱いというのは、従業員や労働組合にも一切知らされていないんですよ。だから、やみの人事あるいはやみの制度と言われているわけですね。昇進とか賃金という重要な労働条件ですから、これを従業員に隠したまま管理ということは許されるのか。許されるわけはありませんよね。いかがですか、重ねて。
○尾辻国務大臣 今お話しいただいたようなことは問題であるかないかとまたお尋ねになれば、それは明らかに問題でございます。
○石井(郁)委員 私は一つの例で申し上げたんですけれども、妊娠リストラという話を最初に申し上げましたように、派遣の労働者のところでとか、あるいは正規労働者のところでも、大中小というか、企業の中で、本当にさまざまなそういう差別や、あるいは均等法違反というような事例だってあるわけですね。 そこで、企業の問題としてですが、最近、コンプライアンス、法令遵守を掲げる企業がふえています。この住友金属でも、人権を尊重し、不当な差別につながる行為をしてはなりませんとあるんです。当社は、労働関係諸法規の遵守はもちろん、雇用に関するあらゆる局面において、社員に対し常に公正な処遇を心がけてきました。真に公平で差別のない職場社会を実現することは、企業に課せられた当然の任務ですと。本当にそのとおりだと思うんですよ。 問題は、そういうコンプライアンスに照らしても、実際に行っていることが、結婚や出産を理由にした退職強要であったり、あるいは賃金差別であったりということがあるわけですから、やはりこういうことは、コンプライアンスに照らしても直ちに是正されなければならないというふうに思いますが、それがいかがかということと、こうした法令違反の企業とか事業主に対しては、政府として強く指導するという措置がとられるべきではないかと思いますが、その点はいかがでございますか。
○尾辻国務大臣 何にいたしましても、言っていることとやっていることが違う、それはもう明らかにまずいことであります。 そして、今お話しのようなケースがありましたら、私どもは是正指導は行っておるところでございます。
○石井(郁)委員 今本当にこの瞬間にも、仕事を続けるのか、それとも子育てに専念しなければいけないのかと、いろいろ女性が責められているという問題なんですね。 ということで、やはり今女性が置かれているこうした実態を把握しまして、企業、事業主の指導、そして均等法の見直し、今審議が始まっているということですけれども、ぜひ、解雇は禁止ですけれども、不利益扱いについてもきちっと禁止を入れる。それから、日本では罰則規定がないんですね。もっときちんと罰則も入れた見直し、改正が必要だということを申し上げておきたいというふうに思います。 そして、この男女平等というのが進むということが、実は出生率を高めるということとも関係しているんですよ。私はそういう立場できょうは問題にしているんですね。もちろん、産む産まないというのは、それぞれの個人の選択であったり、国が強要したりするものでは決してありませんけれども、ジェンダー・エンパワーメント指数というものがございます。これは、女性が積極的に政治や経済活動に参加し、意思決定に参加できるかどうかを図る指数でありまして、国連が発表しています。具体的には、女性の所得あるいは行政職や管理職に占める女性の割合等々を用いて算出するんですが、高い数値で〇・八ですけれども、〇・七以上の国になりますと、幾つもあるんですけれども、そういうところでは合計特殊出生率というのは一・五人を超えるんですよ。例えばスウェーデンがよく言われますが、カナダ、ドイツ、アメリカ等々、ずっと入ってまいります。 そういう点で日本はどうかといえば、指数は〇・五で、そして今申し上げたように、このときの数字では一・三二です。今は一・二九です。ですから、明らかに女性の進出と社会的な地位そして出生率というのはリンクするということをぜひ見ていただきたいと思うわけです。 実際、これは内閣府が男女共同参画社会についての世論調査をしておりまして、それを見ますと、職場における男女差別として賃金を挙げた人というのは、十年前は五四・三%でした。ところが、今十年後はどうか。五五・八%なんです。だから、減るどころかふえている、微増ですけれども。減っていないということが問題なんですよ。だから、賃金の格差というか差別、そういうことが全然埋まっていない。 この問題もきょう私はちょっと資料に持ちましたけれども、これも世界の調査がありますけれども、日本はこれまた下から二番目ですよ。男性を一〇〇としますと、日本は女性が六五・三です。もう先進諸国ですと七〇%、八〇%行っている。当のアメリカだって七六・五ですから。これは正規労働者の場合で比較をしています。これに非正規を入れるともっと男女の差というのは開くんですけれども、そういうことになっているわけですね。 ですから、本当に日本の女性の置かれている状況というのは、一口で言えばまだまだおくれている状況があるし、とりわけ賃金の格差というのは大きいものがあるということがあるわけでございまして、その点での政府としての認識をお持ちなのかどうか、そして、こういう格差の解消に向けてどういうふうに取り組んでいかれるのか、そのことを伺っておきたいと思います。
○尾辻国務大臣 冒頭、お二人の大臣からもお答えになりましたけれども、少子化対策、私どもは最初にエンゼルプランをつくりました。そして次に新エンゼルプランをつくって、今、子ども・子育て応援プランということで施策を行っておるところでございますけれども、その中での反省の一つとして、最初、どうも、少子化対策を保育の充実ということに集中し過ぎた。 しかし、結局それでは少子化対策というのはうまくいかない。もう国全体で取り組まなきゃいけないという少子化対策を今考えておりまして、そうした中で、今の例えば男女間の賃金格差とかというような問題も出てくるわけでありまして、今、大きく社会全体で少子化対策に取り組もうと考えておりますということをお答えとして申し上げたいと存じます。
○石井(郁)委員 時間が参りました。 私は、もちろん保育所の充実も必要ですし、児童手当の拡充も必要だというふうに思うんですが、やはり、子育てに責任を果たせるような職場の環境、これを整えなきゃいけない。それから、雇用のあらゆる面で男女平等を貫かなきゃいけない。女性は仕事もしたいと思っている、それで子育てもしたいと思っているわけですから、ぜひそれにこたえるような施策の充実を求めまして、質問を終わりたいと思います。
○甘利委員長 これにて石井君の質疑は終了いたしました。 次に、東門美津子君。
○東門委員 社会民主党の東門でございます。よろしくお願いします。 まず最初に、騒音問題についてお伺いいたします。 米軍機の騒音は違法であるとした二月十七日の那覇地裁における新嘉手納爆音訴訟の判決を受けて、翌十八日には沖縄県から原告団、弁護団が上京して、一九九六年に日米間で、夜間十時から翌朝六時の間の飛行制限を合意したわけですが、その嘉手納基地飛行場周辺における航空機騒音規制措置、いわゆる騒音防止協定を米軍に守らせてほしい、米軍機の騒音は違法であるという判決が出たわけですから、しっかりとそれを米軍に守らせてほしいと外務省、防衛施設庁に要請したところ、両省庁とも、協定は守られていると思うと強調しておられました。 ですが、外務大臣、その件についての御認識、いかがでしょうか。その騒音防止協定は守られているとお考えでしょうか。
○町村国務大臣 平成八年三月に、日米合同委員会で嘉手納飛行場に関する航空機騒音規制措置の合意がありまして、そこには、例えば、二十二時から六時の間の飛行などの活動は、運用上の所要のために必要なものに制限をされる、夜間飛行は任務達成、練度維持のために必要な最小限に制限される等々、日曜日の飛行その他、飛行経路など、いろいろな点について定められているものと理解をいたしております。 こういう合意について米軍が遵守をするということは当然のことでありまして、実際、今委員お尋ねの、遵守をされているのかいないのかというお尋ねでございましたけれども、私どもとしては、この規制措置が遵守されていないという確定的な情報を得てはおりません。 いずれにしても、遵守されるべきであることは当然のことでございますから、その都度必要に応じてこう申し入れをするということで今までもやってきているところでございますし、これからもそうだろうと思います。
○東門委員 今の大臣の御答弁は、遵守されていないということは確証を持っていないから、だから遵守されている、短く言えばそういうことだったかと思いますが、そうですね、確かに。そういうことですね、今私が繰り返したんですけれども。 そういう中で、守られている、遵守されていると大臣はおっしゃったんですが、それは、御存じだと思いますが、去る二十一日、二十二日、二日連続で本当に真夜中に、夜中の二時半から、最初の日は三時半までの間、二十六機ですか、離陸しているんです、嘉手納飛行場からF15、KC135とか、すごい音を立てたと。周辺住民は寝られない夜を過ごしているんです。不安な夜を明かしたんです。それで、翌日も続く。 そういう中で、その合意事項は遵守されているとまだおっしゃるんでしょうか。お聞かせください。
○町村国務大臣 先ほど、当該の措置が遵守されていないという確定的な情報は得ておりませんと申し上げました。 したがって、夜二十二時から六時までの飛行などの活動は、運用上の所要のために必要なものに制限をされるということでございますので、この運用上必要なものであったのであろう、こう私どもは考えております。
○東門委員 今の御答弁を伺っていますと、その協定はあってなきに等しい、あっても何の役にも立たないものだというふうに聞こえます。アメリカが運用上必要だと言えば、それが何時であろうが、その協定になくても、とにかくやれるというだけですね。そういうことのように伺えます。 それで、離陸については事前に通告があったようですが、その時間に離陸するということについて、周辺住民の立場に立って、米軍に離陸する時間を考慮してほしいと外務省から申し入れをしたことはないでしょうか、今回の場合で。
○山中政府参考人 これは、私ども、外務省といろいろ連携をしながら対応してきておりまして、今回の早朝の離陸につきましては、昨日の十一時、嘉手納基地の渉外部の方から連絡がございまして、地元県、市、町にも連絡をいたしました。その際、私ども、そういう情報を入手し、那覇防衛施設局の方から嘉手納基地の渉外部に対しまして、もちろん騒音規制措置との関係では外務大臣が答弁をされたとおりで、私どもも同様の認識を持っておりますが、ただ、基地周辺住民に与える影響、そういったものが大きくなるということも考えられますので、早朝の離陸の実施に当たっては最小限のものになるようにという配慮方要請をいたしているところでございます。
○東門委員 何かよくわからないんですよね、最小限にしてほしいと配慮方を頼んだというんですけれども。実際に、時間を変更してほしい、要するに、この夜中の離陸に対しては時間を変更してほしいという申し入れはしたのでしょうかというのが私の質問です。それだけに答えてください。
○山中政府参考人 これは、例えば二十一日の飛行ですと、米本国ネバダ州の空軍基地の方への訓練参加のための飛行だということで、日が明るいうちに現地に着く必要があるというようなことから、なかなか離陸の時間等の調整は難しいというような説明を受けております。
○東門委員 米軍が、こうであるからそういうふうにしますと言えば、ああそうですかと言うことが政府の姿勢だと。これまでも随分それは感じてきたんですが、今になっても全然変わらない。県民の負担の軽減に努めるというのは、本当に口ばかりだなと思います。言葉ばかりでは何とでも言えるということなんですよ。 嘉手納町ははっきりと申し入れているんですよ、時間の変更も含めてどうにかできませんかと。どうして政府が、県民の立場に立って、住民の立場に立って、あそこに日中に着くためには夜間飛ばなきゃいけない、なら乗り継いでどこかで時間を合わせて行くような飛行の仕方はできないのかと、それぐらいお願いできないんでしょうか。 一〇〇%米軍の運用の問題だから、日本は何も言えないという立場ですか。そうすると、被害は全部県民にかかってくるということ、これは沖縄県だけではないと思います。嘉手納だけではないと思います。横田だって厚木だって同じ問題を抱えています。どうしてもう少し住民の立場に立って、日ごろ本当に苦労させているから、では、ここのところはどうにかできませんかということが言えないのか。とても残念です。こういう姿勢で政治をしておられるのかなと思うと、悲しくなるような思いがいたします。 では次に、2プラス2についてお伺いいたします。 二月十九日、2プラス2が終了して、共通の戦略目標についての合意が発表されました。沖縄県民は、この2プラス2で、沖縄の負担軽減について少なくとも方向性が示されるのではないかと期待しておりましたが、「沖縄を含む地元の負担を軽減しつつ在日米軍の抑止力を維持するとのコミットメントを確認した。」と、これまでの政府の在日米軍再編に対する方針が確認されただけで、具体的な進展は見られないばかりか、「環境への適切な配慮を含む日米地位協定の運用改善や沖縄に関する特別行動委員会(SACO)最終報告の着実な実施が、在日米軍の安定的なプレゼンスにとって重要であることを強調した。」としており、現状維持を追認しているとしか言いようがないものでした。これでは、トランスフォーメーションで何が変わるのか全くわかりません。 他方で、「閣僚は、現行の特別措置協定が二〇〇六年三月に終了することに留意しつつ、特別措置協定が在日米軍のプレゼンスを支援する上で果たす重要な役割にかんがみて、」在日米軍駐留経費負担、思いやり予算を「適切な水準で提供するための今後の措置について協議を開始することを決定した。」とし、特別協定による駐留経費の日本負担の継続を決めています。 それで、一問伺います。政府は、沖縄の負担軽減について、今回の在日米軍再編協議を通じて、何をどのように軽減していくなどの具体的なビジョンをお持ちなのでしょうか。それとも、日本側からの提案はなく、米側の提案待ちなのでしょうか。町村外務大臣にお伺いいたします。
○甘利委員長 質疑時間は終了しておりますので、簡潔にお願いします。
○町村国務大臣 これはかねてより委員にもお答えを申し上げておりますけれども、この日米協議、三段階で私どもは分けて考えている。今回は、第一段階の共通戦略目標ということで日米が合意をしたということで、第二段階、第三段階の議論、今後数カ月集中的にやっていく。その中で、具体の沖縄の負担軽減をどうやっていくのかということを、一方的に米側の提案というだけではなくて、これは日米共同作業という形で私どもはやっていきたい、かように考えているところでございます。
○東門委員 時間が来ましたので終わりますが、ぜひ日本側から、沖縄県民の思いを受けとめて提案をしていくというのを強く貫いていただきたいと思います。要請しまして、終わります。ありがとうございました。
○甘利委員長 これにて東門君の質疑は終了いたしました。 次回は、明二十三日午前九時から公聴会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時五十八分散会