予算委員会 第16号
- 発言数
- 337 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2005/02/21
会議録
○甘利委員長 これより会議を開きます。 平成十七年度一般会計予算、平成十七年度特別会計予算、平成十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 この際、お諮りいたします。 三案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省労働基準局長青木豊君、厚生労働省保険局長水田邦雄君、厚生労働省年金局長渡辺芳樹君、社会保険庁長官村瀬清司君、社会保険庁次長小林和弘君、社会保険庁運営部長青柳親房君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○甘利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○甘利委員長 本日は、社会保障についての集中審議を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長勢甚遠君。
○長勢委員 おはようございます。 きょうは、社会保障制度の集中審議を行っていただけるということでございます。 現在、いろいろな問題を我が国は抱えておりますが、国民の最大の関心事は、年金、社会保障でございます。また、これをいかに持続可能なものとしていくかということが政治の最大の課題であると思っております。こういうことで毎年、医療だ、年金だと議論をしてまいりました。しかし、その問題ごとに政治が大変混乱をして、改革のための本当の真剣な、冷静な議論ができたかということを大変疑問に思います。そういうこともありますから、ますます国民の皆さんの不満あるいは政治に対する不信というものを増大させておるのが今日ではないか、これは大変国民にとっては不幸な事態と言わざるを得ません。 こういうことが起きておるのは、この問題がどうしても選挙の争点になる、与野党対立の争点となっておるために、選挙のことばかりを考えるものですから、きちんとした議論が政治の場で行われていない、こういうことになっておるのではないか。私も、長年この問題にかかわってまいりましたが、こうなっておることを大変残念に思っておる次第でございます。 社会保障や社会福祉制度というのは、個人の生活設計なり企業の経営に直接かかわる問題でございますから、くるくる変わるというわけにはいかない。そういう意味で、改革というものは長期的に一貫した方針のもとで進められるべきものであると考えます。そうなりますと、政権ごとに変わるということでは困るわけでありまして、そういうことは許されない。こういう問題は、党派を超えて国民の前で真摯にとことん議論する、論点を明らかにして国民の皆さんと一緒に考えて進めていく、納得していただくということが政治の責任であると思います。 我が党は、こういう観点から、党派を超えての与野党での協議というものを一貫して提案してまいりました。幸い、今国会で、代表質問あるいは当委員会での答弁、質問を通じて、与野党とも積極的な姿勢が示されつつあることを、私は大変高く評価いたしたいと思います。国民各層にも与野党協議についての期待は大変高いわけでございまして、国民の期待にこたえて与野党協議が早急に実現するように強く期待するものでございます。 こういう立場から、これから同僚議員と一緒に質問させていただきますが、この質問を通じまして、今我々は政治の場において何を議論すべきか、また国民の皆さんに何を考えてもらわなければいけないかということを明らかにして、与野党協議の実現にお役に立てれば大変幸いであると思っておる次第でございます。 いろいろな論点があると思いますが、まず、これからの社会保障、社会福祉についての国民の不満、不安、政治に対する不信というものがどこにあるかということを考える必要があると思います。 国民の皆さんも、社会保障、社会福祉が危機的状況にあるということは漠然と理解されておると思いますけれども、同時に、なし崩しに高負担になるんじゃないかとか、あるいは必要な給付が受けられなくなるのではないかという不安をみんな感じておるわけでございます。そういう中でありますから、財政がもたないとか経済がもたないというだけで負担増や給付減、引き下げが安易に行われているんじゃないかという不安、納得できない気分が高まっておる、こういうふうに感じます。 さらに、与党と野党で賛成、反対と激しく対立するわけでありますから、しかも違ったことを言うわけでありますから、本当はどうなんだ、こういうふうな疑念を国民もお持ちになる。本当に政治は国民のことを考えておるのかという不信も高まっておるのではないかということを思います。そういうことにこたえていくために、幾つかの議論を政治の場できちんとして、国民の皆さんに明らかにしていく義務がある、このように私は思う次第であります。 いろいろな論点があると思いますが、まず何よりも、今、日本の社会保障、社会福祉というものが大変な危機的状況にあるという認識を与野党とも共通に持つ、これを国民の前に明らかにするということがまず大事なことだと私は思います。今、少子高齢化がどんどん進んでいくわけでありますから、どの政党がやっても、給付の減なり引き下げなり、負担の増というのは避けられない、こういうことはみんなわかっておるわけであります。しかも、それがどれだけ大変なことなのか、どれだけの規模で今危機的状況にあるのかということを与党、野党きちんと整理をして、国民の前に明らかにし、国民にメッセージを送っていくということが私はまず一番大事なことだと思います。 今、一部では、何か国民の皆さんの中には、これも大事な問題ではありますけれども、社会保険庁改革だとかむだ遣い問題だとかを解決すればもう問題は解決できるんじゃないかという誤解を持っておる方々もおられるわけでございます。こういう問題に我々はこたえていかなきゃいかぬ。そうじゃないんだ、それはそれとして大事な問題であるけれども、根本的に考えなきゃならない大変危機的状況にあるんだということを、与野党ともきちんとメッセージを送らなければならないと思います。 次に、去年も年金で大変議論したわけでございますが、今まで一つ一つの制度ごとに改革の議論をしてまいりました。それぞれの制度が維持可能になっていくということは大変大事なことでありますけれども、一つ一つが仮にうまくいったとしても、全体としてどうなるのか、全体としての負担がどうなるのか、その中で全体の生活がどうなるのかということがわからなければ、また、そのことがますます不安になっているというのが現在ではないでしょうか。社会保障、社会福祉全体としての姿が、給付がどうなって、負担がどうなって、生活がどうなっていくかということをひとつきちんと考えながら、こういう議論をしているんだよということを国民の皆さんに見てもらわなきゃなりません。 たて糸としての個々の制度を維持する、持続可能なものにしていくということと同時に、よこ糸としての社会保障、社会福祉のあり方というものが整合性がとれるような議論をしていかなければなりません。一体見直しということが前回の年金法案の改正でも行われましたけれども、ぜひこの一体見直しの議論を与野党できちんとしていくことが必要であると考えております。 また、社会保障というのは、しょせん、つまるところ、我々の生活をどうやって安定したものにしていくかということであります。現在の社会保障制度、社会福祉制度が、今言ったように大変危機的状況にあって、このままの枠組みあるいは給付、負担では維持できないということであるとすれば、では、これからどうやって我々の生活を安定したものにしていくのかということを一緒に議論しなければ、国民の皆さんの不安は解消されないわけでございます。 そういう意味で言いますと、我が国は、戦後一貫して社会保障、社会福祉制度の充実に努めてまいりましたが、その結果として、今や公的制度がなければ生活設計ができない、いわば公的制度に依存体質の国家になっている、そういう社会になっておる。このことをもう一度みんなで見直さなければならないのではないでしょうか。こういう公的制度依存の社会ということが本当に活力ある社会と言えるのかどうかということも議論されなければなりませんし、また、現行の制度が今と同じような水準、内容で、枠組みで維持できないとすれば、それを負担する公的制度以外の、家族や地域などを含めてみんなでどのような支え合っていく社会をつくれるかということも議論しなければ、国民は安心できないと思うわけであります。 次に、もう一つの問題は、社会保障制度、社会福祉制度は、これまでそれぞれに発展をいたしましたから、その間での不公平あるいは矛盾というものもたくさん明らかになってまいりました。 一つは給付の重複の問題であります。こういう問題も議論しなきゃならない。また、不公平という問題もございます。今、フリーライダーという問題もありますが、たくさんの負担をしている人がきちんとした給付をもらえているのかという不公平の問題、あるいは、規模は大きくなったけれども、その結果として、本当にもらわなければならない人の給付の水準がかえって低くなっておるのではないか、こういう問題も議論しなければなりません。 以上、考えてまいりますと、根本的にこれからの社会福祉、社会保障というものはどういうものであるべきかという意義、役割そのものも議論をして、それについての国民的な合意を形成していくことが必要になっておる時代ではないかと私は考えております。 私個人の考え方を言わせていただければ、今や、個々の制度の枠組み、内容の議論のみでは対応できない、そういう時代になっておるのではないか。そういう危機的な状況にあるという認識に立って、制度全体を一体的に見直しし、公的制度依存体質の社会の改革も視野に入れながら、社会保障、社会福祉の意義、役割を明確にし、家族、町内、企業など、生活共同体を基盤にした支え合う社会づくりというものをどうするかということをぜひひとつ議論してもらいたいものだと思っております。もちろん、私と全く違う考えの方もおられると思います。そういうことを国民の前できちんと議論するということが、国民に社会保障の現在の状況、これからの進め方について理解をいただける最大の政治の役割だ、このように思っておる次第でございます。 以上、私は、今後政治の場で議論すべきことについての考えを申し上げさせていただきましたが、政府においても、従来の制度の枠組みにとらわれずに、このような議論に真剣に取り組んでいただきたいと思う次第であります。 各大臣から、私が取り上げた論点についての検討の状況及びこれからの社会保障、社会福祉のあり方についての御所見、改革に取り組む決意をお伺いいたしたいと思います。 まず、官房長官にお伺いしたいと思いますが、社会保障制度のあり方について政府においても今検討が行われておると承知をいたしております。どのような議論が行われておるか、お伺いいたしたいと思います。骨太方針では、論点を明らかにして整理していくということになっておるわけでございますが、仄聞しておるところでは、どうも個別の制度の問題点の議論のみが行われておって、全体としてのあり方についての論点整理というのがされていないのではないか、このように感じますが、今の進め方、今後の進め方についてお伺いをいたしたいと思います。
○細田国務大臣 社会保障制度のあり方については、長勢先生は国会きっての専門家のお一人でございます。まさにおっしゃるとおりの論点で進めていかなければならないと思っております。 昨年の通常国会におけるさまざまな議論を踏まえまして、私ども政府といたしましては、昨年七月に社会保障の在り方に関する懇談会を設置いたしまして、まずは社会保障の一体的見直しに関する視点を総論的に議論した後、当面する課題であります年金一元化、介護保険制度改革、生活保護、少子化対策等の給付の各論について順次の議論をいたしておりまして、そして、十二月に一応のそれまでの整理を行い、ことしに入りまして医療制度の議論を開始したわけでございます。 個々にまず議論をいたしませんと、全体あるいは負担の問題に行くことも難しいということからそのような議論から始めておりますが、委員の構成としては、税の専門家である石先生、それから労働界の代表である笹森会長、そして地方の代表で御専門の潮谷熊本県知事、それから言論界では日経新聞社の杉田社長、経済界から西室経団連副会長、そして座長には社会保障制度審議会等で御活躍いただいております宮島先生、この六人で、非常に少人数ながら専門家の御議論をいただいているわけでございます。 さまざまな議論がございますが、例えば一体的な年金の一元化の問題にしても、昭和三十六年に国民年金自体を創設したときに、当時の最大野党の日本社会党とか総評とか、絶対反対だといって議論をしてきました、被用者の利益を害するんじゃないかと。そういうこともありますので、ぜひ労働界からもいろいろ入っていただいて、いいお知恵を出してほしい、こういうことをやっているわけです。 ただ、スピード感でございますが、私どもは、国会、与野党間でまた冷静な御議論をいただくということをお伺いしておりますので、そちらのスピードと合わせながら私どもはこれに取り組んでいくことが一番いいんじゃないか。政府で一方的に結論を出して、これでどうだというんじゃなくて、その間国会でも御議論をいただいて、冷静な御議論をいただき、先週も大島議員からすばらしい御質問をいただきましたが、この問題は魔法でもなければ何でもない、ちゃんとした数値ですべて出てくるのであるから、冷静に国会で各党が議論すべきであるという御議論もいただきましたが、そのようなお立場で党派を超えて取り組んでいただきまして、政府側もまたしっかりとした結論を得る、こういうことで今取り組ませていただいているわけでございます。
○長勢委員 次に、厚生労働大臣にお伺いいたしたいと思います。 厚生労働省、いろいろ各制度ごとの検討は一生懸命やっておられるように見えますが、全体として一体的にどうあるべきかという議論はほとんどされていない、まだ、むしろそういうことに関心がないというふうに見えます。私は、そういう観点を踏まえた個々の制度の検討という視点が必要だと思いますが、どうお考えでございましょうか。
○尾辻国務大臣 大変重要な御指摘をいただいたと考えております。 そこで、社会保障制度の、今お話しの一体的な見直しを検討し、推進するための部局横断的な組織をつくるよう指示をいたしました。早急に立ち上げて作業に入りたい、こういうふうに考えております。
○長勢委員 次に、財務大臣にお伺いいたしたいと思います。 財務省におきましても、財政を預かる立場から、社会保障、社会福祉の見直しについて大変真剣に議論されていると聞いておりますが、どうも、国家財政をお預かりになるお立場ですから当然ではございますけれども、とにかく金がないから負担を上げる、給付を下げるという話が前に出過ぎて、これじゃ国民は納得できないですね。国家財政を預かることも大事ですが、ぜひ、国民生活の安定を考えるという視点のお考えはどういうふうに今議論されているのか、お伺いしたいと思います。
○谷垣国務大臣 平成十七年度予算におきましても、介護保険制度改革等の構造改革をやろう、そして、社会経済情勢の変化に対応して、今委員からもいろいろお話がございました国民の安心を確保する観点、こういったところから、歳出全体の効率化も図りながら、健康フロンティア戦略であるとか若年者の雇用対策といったいろいろな施策を推進することにしておりまして、この結果、社会保障関係費については、厳しい財政事情のもとではございますけれども、一般歳出を厳しく抑制する中で、二十・四兆円と対前年度比二・九%増の伸びを確保しているわけでございます。 社会保障については、今おっしゃったように、単に財政を圧縮せよという観点からだけじゃなく、国民の安心を確保するという観点から毎年度の予算でも対応しているところですが、一方、社会保障関係費は毎年度多額の自然増がやはりございまして、既に一般歳出の四割を超えている。平成十七年度予算で初めて二十兆の大台を超えるという状況となっております。 財政が持続可能でなければ社会保障も持続可能とは言えないわけでございますので、国民の安心を将来にわたって確保するためにも、持続可能性ということを考えていかなきゃいけない。こういう状況のもとで、将来にわたって持続可能な制度をつくっていくためには、年金、医療、介護等を総合的にとらえて、給付と負担の規模を国民経済の身の丈に合ったものにしていくというのが第一に必要じゃないかと思っております。 それから二番目には、自助と公助の役割の見直しを行って、社会保障が担うべき役割というものをもう一回再定義する、その上でまた、先ほど委員の御指摘もございました制度間の重複等にもメスを入れていくというようなことが必要じゃないかというふうに思います。 それから、高齢者を一律に弱者としてとらえていく、そういう考え方を転換して、あるいは次世代の国民を育てていくことが大切であるということを再認識していくといった、制度を支える側、支えられる側双方の意識改革もなければならないだろうというふうに思っております。 そういう総合的な取り組みの中で、子や孫の世代に負担を押しつけない持続可能な制度にしていくためには何をしたらいいかということで私どもも取り組ませていただいているわけでございますので、今後とも、委員のいろいろな意味での御指導をお願いしたいと思っております。
○長勢委員 次に、竹中大臣にお伺いいたしたいと思います。 経済財政諮問会議でもいろいろ議論があるというふうにお伺いしておりますが、どうも聞こえてくる話が、経済を優先する、財政を優先するということに偏重しておって、国民の生活の実態を無視しておるのではないかとか、あるいは学者の議論ではないかという批判も聞こえてくるところでございます。どういう議論が行われているのかということをお伺いしたいのと、それから、社会保障制度改革について、経済財政諮問会議が主導になるんじゃないか、在り方懇談会とはどういう関係になるんだ、また、政治も無視されているんじゃないかということを懸念する向きもあるわけでありますので、それについての大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○竹中国務大臣 長勢委員から二点御質問をいただいておりますけれども、まず、どういう議論が行われているのか。 これは、決して経済、財政優先ということではございませんで、諮問会議での議論も、社会保障制度が国民の安全、安心の基礎であり、極めて重要である、その点についての非常に強い認識の一致があるというふうに心得ております。 ただ、同時に、社会保障給付費を考えますと、特に今後、二〇〇〇年代の後半から急激に伸びがふえて、二〇一〇年代の前半ぐらいに非常に高い伸びになるということが懸念される。そうした観点から、やはり安全、安心の基礎としての持続可能性の回復というのが極めて重要であるということに関しても強い合意があるということだと思います。しからば、しかしそれを、どのような形で持続可能性を回復していくのかというその手法については、今後さらにいろいろな御意見がある中で議論を煮詰めなければいけない、そういう状況でございます。 諮問会議での議論の状況は以上でございますが、二点目の、今後、政府の中で全体としてどのように議論をまとめていくのか、諮問会議がどのような役割を果たすのか。 これは、従来からもそうでありましたように、各省庁と非常にしっかりと議論をしながら、そしてその中で当然のことながら与党としっかりと議論をしながら、国会での議論をしっかりと踏まえて、そういう方向で総理に対する審議調査の機関としての役割を果たしていく、その点に尽きるというふうに思っているところでございます。
○長勢委員 終わります。
○甘利委員長 これにて長勢君の質疑は終了いたしました。 次に、根本匠君。
○根本委員 自由民主党の根本匠であります。 ただいま私の同僚の長勢委員から、先輩から、社会保障改革を中心に、極めて本質的な指摘、議論がありました。私は、年金問題を中心に、幾つかの論点に絞ってお話をお伺いしたいと思います。 私も、長勢委員と同様に、昨年の年金改革、本質が議論されずに、十分理解されずに、年金問題をめぐる非常に周辺の議論で大変混乱し、国民の不信を招いた、大変残念であります。その観点から、私は、昨年の二〇〇四年の改革がどういう改革であったか、まずこれをしっかりと議論させていただきたいと思います。 マスコミなどでよく議論されるのは、年金問題については、何もしていない、あるいは明確なビジョンが示されていない、将来、本当にもらえるのか、負担できるのか、こういうことが非常に一般的な話としてなされますが、本当にそうなんだろうかということであります。その意味では、厚生労働大臣から、二〇〇四年改革のポイント、そしてこれを大臣としてどう認識し、評価されているのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
○尾辻国務大臣 このたびの年金改正法でございますけれども、何といっても、年金財政が極めて危機的な状況にございまして、この危機的な状況に対してどうするかという観点で改正を行ったということでございます。 そして、その中身でございますが、いつも申し上げております四つの柱を組み合わせて給付と負担の均衡を図るということにいたしました。その四つの柱というのが、一つが、上限を固定した上での保険料率の引き上げ、二つ目が、国庫負担の引き上げ、三つ目が、保険料水準の範囲内で給付水準を自動的に調整し、給付水準の伸びを抑制する仕組みの導入、よくマクロ経済スライドと言っておる部分でございます。それから、積立金の活用、この四つでございます。 これらの改革は、冒頭申し上げましたように、年金制度を持続可能なものにするための不可欠なものであったというふうに考えております。
○根本委員 二〇〇四年度改革のポイントは、私もそういうことだと思います。国庫負担の引き上げ、年金積立金の活用以外に、本質的にとらえれば、実は今回の二〇〇四年改革のポイントは、負担上限を一八・三%に設定する。要は、これから負担がどこまで上がるのかという不安に対して、際限なく上昇するものではありませんよと上限を設定する、これを明確化する、将来世代の負担を明示する、私はこれは非常に大事なことだと思っております。 それからもう一つは、給付の方で工夫をしたのが、大臣からお話がありましたように、マクロ経済スライドを導入する、給付の自動調整の仕組みであります。平均寿命が予想以上に延びても、それは調整していく。あるいは、将来世代全体の負担能力を加味する。一人当たりの実質賃金ではなくて、全体の実質賃金総額がどうなるかということで負担を自動的に調整する。私は、このマクロ経済スライドと負担の上限設定、これが今回の、年金を持続可能なものとするという観点からは非常に重要であると思っております。 さらに、マクロ的なチェックで言えば、今回の年金改革によって、将来の国民負担率、これをGDP比で二ポイント低下させております。年金給付費のGDPに占める比率、二〇〇四年度では一二・五%でありますが、これは二〇二五年度で一二%、横ばいになっております。社会保障給付費も、改革をしなければ、将来、二〇二五年度でGDP比で三一・五%になるところを二九%まで抑制する、二・五%給付費を抑制する。私は、これは将来の国民経済の観点からも、それを踏まえた改革だと思っております。 さらに、今回の改革は、これまでは五年ごとに財政再計算、給付と負担を見直すということを繰り返してまいりましたが、マクロ経済スライドの導入あるいは負担の上限設定ということで、実はここが従来の改革に比べて制度の安定性、持続性を強化したということですから、これは私は、世代間扶養を前提とする制度としては抜本的な改革だと思います。 それからもう一点、これは年金に必ずつきまとう批判でありますが、言われることは、負担は上がる、給付は下がる、こう言われるんですね。給付が下がるというのはどういうことかというと、現役世代代替率で下がるということであります。年金の制度というのは、ある意味では現役世代と引退世代の所得の分配の問題ですから、このバランスをどうとるかというのも大事なわけでありますが、その点での改革も今回いたしました。 給付が下がるという言葉、これが私は非常に誤解を生んでいると思いますが、一人一人の立場に立てば、これからも年金をもらえる方の年金は上がってまいります。しかも、もらい始めた年金、これは物価が下がらない限り下がりません。ですから、私は、下がるということが非常に国民の皆さんに不安感を与えているわけですが、名目は上がるんですから、これはきちんともう少し丁寧に説明しておく必要があると思います。 今回の制度改革で課題は何か、これは私は二つあると思いますが、一つは少子化率の設定であります。現在一・二九でありますが、これを数十年にわたって一・三程度をキープするという前提であります。これをどう見るか。次世代育成支援、総合的な子育て支援、これは私は全力を挙げて取り組む必要があると思いますが、この点は残るんですね。 それからもう一つは、将来の負担を、一三・五八から一八・三%に五ポイント上げていかなければなりません。この負担水準が高いとすれば、実は、年金の給付をさらに調整してトータルとして下げるか、あるいは、保険料と税のバランスですから、税の投入比率を高める、世代内扶養のウエートを高めるという、これしかないんですね。要は、年金というのは給付と負担とのバランスの一点に尽きますから、私はこれは丁寧に説得して議論をする必要があると思います。 それから、大臣に一点お伺いしたいのは、スウェーデンの仕組みもあります、今回の日本の年金改革もあります。どういう制度をとろうと、スウェーデンの年金制度、日本の今回の年金改革、私はしっかりした改革だと思っておりますが、このいずれの制度でも、例えば少子化がさらに進んだらどうなるか、あるいはスウェーデンの制度でも、平均余命が延びれば現役世代の給付は下がっていくんですね。ですから、この負担と給付の問題は、いろいろな前提条件で、いかなる制度をとろうとそのリスクはあるということを私は思いますが、大臣、その点についてはどうお考えでしょうか。 どんな年金制度をとっても、少子化の問題、マクロ経済スライドで平均余命の延びあるいは将来の実質賃金のトータルの伸び、こういうものは調整できますけれども、やはり少子化がどんどん進む、そういう問題については、いかなる制度をとろうと負担と給付のリスクはあるんですね。これは、リスクを十分に踏まえて、そして国民のコンセンサスを年金制度としてどうとるかということが私は大事だと思いますが、いかなる制度をとろうとやはりリスクはあるんですよと私は思いますが、その点の大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○尾辻国務大臣 一言で申し上げますと、お説のとおりだというふうに思います。 要するに、保険でありますから、給付と負担のバランス、これはもうだれにも手品ができないことでありまして、おのずと、どっちかを定めるとどっちかがまたそれに比例してといいますか、応じて定まってくるという関係でございますから、これはお説のとおりだというふうに思っております。
○根本委員 私は、年金の議論だけは、国民の皆さんに耳ざわりのいい、調子のいいことだけ言うわけにいかないと思うんですね。負担は上がる、給付は下がる、それはどういうことか、それをきちんと説得するのが私は政治の責任だと思います。政治家は評論家ではありません。しっかりと責任を持って、前向きに、正面切って国民の皆さんに説得をしていくのが私は政治の責任だと思います。 次の論点に移りたいと思います。 次の論点は、年金の水準の議論がありますが、実は、私は、年金の水準の議論は、介護、医療の社会保障全体の給付水準がどうなるのか、こういう議論を抜きにして年金の水準だけを議論するのは問題があると思います。国民の生活の安心ということを考えたときに、衣食住に加えて、寝たきりになったときにどうなるか、病気になったときの安心を果たして確保していけるか、これが重要で、実はこの問題は社会保障全体の体系の中で考えるべき問題だと思います。 具体的な質問をさせていただきたいと思います。 国民一人一人の視点に立った観点で将来安心かどうかという観点から、現在の年金水準をどう認識し、どの程度の年金なんだ。つまり、一カ月の生計費から比べてどういう水準であるか。それから、寝たきりになったら介護保険で介護サービスを受けられるわけですが、そのときの自己負担、一割負担ですけれども、具体的にはどういう数字になるのか。それから、病気になって入院すると、例えば月額五百万ぐらいかかっても一部の自己負担という制度に、七十歳以上の高齢者がなっておりますが、大変、大臣に細かい数字で恐縮でありますが、大臣でなくても結構ですが、具体的な数字を挙げて、今の日本の厚生年金、介護保険、医療保険の制度の中で、国民一人一人の視点に立った場合には、どういう負担、あるいは所得のベースでの負担、あるいはサービスになるのか、これを御答弁お願いしたいと思います。
○尾辻国務大臣 まず、私から基本的な考え方をお答えいたします。もし必要であれば、細かな数字であれば、局長が来ておりますから、お尋ねをいただきたいと思います。 まず、年金の水準のことでございます。 年金のうちの全国民に共通いたします基礎年金につきましては、衣食住を初め老後生活の基礎的な部分に対応することで、現役時代に構築した生活基盤や老後の備え、稼得収入等と合わせて、一定の水準の自立した生活を可能にする、この考え方で水準を設定いたしております。 それから、もう一つの厚生年金の方でございますが、一般的に、退職によって収入の道がなくなる被用者につきましては、今申し上げた基礎年金に加えて、現役時代の報酬に応じて一定の割合の所得を保障する厚生年金があり、これらを合わせた年金の水準は、いわゆるモデル年金と言っておりますけれども、そのモデル年金で月額二十三・三万円となっております。これが年金でございます。 それから、今、医療のお話もございましたので、簡単に申し上げますと、医療の場合は、今おっしゃったような自己負担のそれぞれの割合と、それから高額な医療に対しては、上限を決めてそこまでの医療費で支払いをしていただくということにしてございます。 以上、基本的な考え方を述べましたけれども、もし数字が必要でありましたら、局長からお答えいたします。
○根本委員 ちょっと局長に数字をお願いします。
○渡辺政府参考人 お答えいたします。 今大臣から基本的なところの御答弁をさせていただきましたけれども、基礎年金をお二人で十三万、六万六千円のお二人でございますので十三万二千円余り、こういうことになっておるわけでございますが、基礎的な生活水準ということを見ますと、食料、光熱・水道費、家具・家事用品、被服費及び履物などで十二万五百十五円という数字が出ております。また、保健医療を含めても十三万三千四百八十六円という統計数字もございますし、ただいま年金受給者の方々が、外来医療の場合には、外来月額八千円、入院月額二万四千六百円、食事の標準負担額一万九千五百円、こういうような形でできておるわけでございます。 また、介護につきましても、例えば年金受給者の場合、モデル世帯等々でありましても所得税の世帯非課税者等に当たりますものですから、一割負担の上限額が月額二万四千六百円になる、こういうような状態で、さまざまに工夫をしていただいている、こういうところでございます。
○根本委員 国民一人一人の皆さんの視点に立てば、老後の安心は所得保障でこれは現金給付、この年金をベースに、現物給付たる医療そして介護のサービスによって、寝たきりになっても、あるいは病気になったときの安心も担保できる、これが基本だと思うんですね。 ただいまお話がありましたが、例えば厚生年金、これは他の所得を前提としない厚生年金ですが、大体六十五歳夫婦二人で二十四万弱、一カ月の生計費は二十四万弱。普通の一カ月の生計費は厚生年金で賄えるような水準というのが現状の水準で、しかも、仮に病気にかかって一カ月医療費が五百万かかったとしても、一般の方だったらトータルで七万ぐらいで済みますし、年金のみの所得の方は例えば食事代入れても四万円、あるいは一番低所得の方は食事代入れても二万四千円、こう抑えられているわけですね。それから介護保険でも、一割負担ですから、例えば三十七万の給付サービスがかかっても三万七千円で、プラス、施設に入れば食事代、食費。 こうなりますから、実は今の日本の社会保障の水準はそういう水準にあるということで、先ほど長勢委員からも出ましたが、やはり社会保障の問題は、年金、医療、介護、このトータルを考えていくことが私は非常に大事だと思います。それは、いろいろなケースがありますが、日本の今の社会保障の給付のベースはこういうベースであるということを認識した上での議論が必要ではないか。 それから、一方ではマクロ的な視点も大事で、社会保障給付費が将来の国民経済全体として負担できるか、これが実は、GDP比の社会保障給付費をどう見るか、水準をどう見るか。これは、二〇二五年で社会保障給付費は百五十二兆円で、対GDP比二九%になっております。今回の年金改革で、実は三一%だったものを二九%に削減いたしましたが、こういう水準で、これはヨーロッパ、アメリカと比較しても、私は、将来、二〇二五年時点でも、これは負担可能な水準だと思います、ただ、これをどう見るかという話はありますが。 それから、社会保障の場合は、よく負担負担、こう言われますが、国民一人一人の皆様が負担していただきますが、実は、年金という形で将来の、老後の所得保障で戻ってまいりますし、寝たきりあるいは病院に入ったときには、介護サービス、医療サービスを受けられるわけですから、これは、一方的な負担ではなくて、負担をしても安心が享受できるという性格のものですから、この辺の社会保障の政策論を考えながら、全体のマクロ的なチェックもしていくということだと思います。 こういう制度を安心して持続的な制度にしていくためには、当然のことでありますが、年金、医療、介護の各制度の効率化をできるだけ図っていかなければなりません。その意味で、今、医療改革、介護保険改革にも取り組んでいるわけでありますし、それぞれの制度に給付に重複がないか、それぞれ税も入っているわけですから、やはり税の投入の効率性、こういうことも、効率的に使われるという点からのチェックも必要だと思います。その意味で、年金、医療、介護、これについては、やはり社会保障改革の一体改革、国民一人一人の視点それから経済全体のマクロの視点、これから一体改革、整合性を図る、整合性をとった改革が必要だと思います。 次に、三点目に移りますが、スウェーデンの年金改革のプロセスに見る教訓というテーマで、大臣にお伺いしたいと思います。 社会保障改革、これは、マクロ経済の動向や税との関係を初め長期的な結果責任を負う国民の代表が、党利党略にとらわれず真摯に国民に理解を求めていかなければならないものだと思います。スウェーデンの改革は、今回の年金改革でも参考にさせていただきました。内容もそうでありますが、マクロ経済スライド、プロセスにおいても、私は、政党政治のあり方として非常に示唆に富んだプロセスだったと思いますが、厚生労働大臣の尾辻大臣におかれては、このスウェーデンの年金改革のプロセスをどのように認識し、評価されておられるのか、御意見をお伺いしたいと思います。
○尾辻国務大臣 金曜日のこの委員会でも御答弁を申し上げたところでありますけれども、私どもがスウェーデン方式に学ぶべきは、制度もありますけれども、その制度をつくり上げていく、まさに今お話しのプロセスの部分は大変学ぶべきまた大きな点だというふうに思っております。そして、金曜日にも申し上げましたけれども、そうした御論議をぜひ進めていただければ、私どもも大変ありがたい。その中で、私どもはいかようにでも、これは本当に、本当にそう申し上げているのですが、謙虚にならせていただきますということを申し上げたところであります。
○根本委員 スウェーデンのこの意思決定のプロセスに実際に参画したケーンベリィ、タレーン、パーマー、私も直接お話をしてまいりました。 スウェーデンの改革のプロセスで私なりにこれは大切だなと思いますのは、実は長い年月をかけて議論をしております。それから仕組みとして、簡単に言えば、超党派で真摯に協議して、政争の具にしない、これが私はポイントだと思います。各政党から代表が出て、その代表間で徹底的に議論をするんですね。そして、労働組合や経営者団体、年金受給者団体などの利害関係者、これはメンバーから外すんですね、そして意見は聞くんです。 それからもう一つは、数理計算の専門家、これを入れていまして、具体的に議論をしたとき、では、こういう案なら給付と負担の水準はどうなるのかと。年金というのは給付と負担の数字の議論ですから、これを専門家を入れてやる。この専門家が徹底的に議論する、これが私は非常に大事なポイントだろうなと思います。 さらに、政権が途中でかわっているんですが、これは大方針の変更なく、一九九一年十一月からスタートした議論が九八年に案として国会で成立する、こういう経緯があります。 私は、大事なのは、スウェーデンではこういうものをコンセンサスポリティックス、合意の政治と言われていますが、やはり徹底的な調査研究活動を通じて、事実は何か、そして論理を積み重ねながら合意形成を目指す。私は、社会保障、とりわけ年金こそこういう議論、あり方が大事だと思います。年金制度のような専門性の高い分野では……(発言する者あり)厚労省やっていないではないかという話もありましたが、見識ある政治家が詳細な検討を行った上で、政策の方向を示して、それを国民に説明して理解を求める方法をとるべきだと私は思います。スウェーデンでも、大筋を決めた後、合意の実現に向けて政府で作業して国会へ提出したんですね。ですから、私は、このコンセンサスポリティックス、このスウェーデンのプロセスにしっかりと学ぶべきだと思います。 それでは、最後に、年金一元化について御質問させていただきます。 年金一元化議論、年金一元化というのはいろいろな議論がされておりますが、尾辻大臣のこの年金一元化についての御意見、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○尾辻国務大臣 年金一元化については、まさにいろいろな御議論がございます。 まず、社会保障の在り方に関する懇談会においては、昨年十二月八日に取りまとめられた中間的な議論の整理の中で、年金一元化が将来的な選択肢の一つであるという認識が示されておるところであります。このうちの被用者年金の一元化については、たびたび総理も言及をされておるところでありますけれども、年内にも一定の方向性を示すとした与党を初めとする政治的な議論がございます。これが一つ言われております。 そうしたものも私どもとしては注視をしながら、申し上げましたように、総理の答弁などもございますから、私どもなりに全力で取り組んでまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○根本委員 年金一元化というのは、スローガンとしては本当に美しいんですね。耳ざわりもいいんですよ。ただし、具体的な制度論は必ずしも明確ではない。内容が問題。(発言する者あり)ちょっと静かに聞いていただきたいと思います。 将来の選択肢の一つという話もありました。実は、一元化の目的は何だろうか、私も考えました。一元化の目的は、国民の全員が公平な負担と給付を受ける、これが本質なんですね。ですから、究極の一元化といえば、この目的自体は一つの理想だと思います。しかし、一元化といっても、実は幾つかのパターンがあるんですね。今お話がありました、典型は、サラリーマンと自営業者の制度を一つの制度にする完全統合案というのもありますが、サラリーマンと公務員、要は被用者年金のみの統合案、これも一元化論としてあります。 一部で熱狂的に支持されている完全統合案、私はこれもいろいろな問題があると思うんですね。 一つは、自営業の国民年金とサラリーマンの厚生年金、自営業者には厚生年金のような企業負担がありませんから、一元化しても、この部分をどう負担するのか。ごまかす議論は、一元化したら自営業者も厚生年金と同じ給付を受けられるんですよというかのごとき議論がありますが、実は、仮に自営業者が厚生年金と同じ額の給付を受けようとすれば、企業負担はありませんから、保険料は四倍にも五倍にもなるんですね。例えば月収五十万の人であれば、月五十万の人でしたら、自営業者は今、月一万三千三百円ですが、月七万円ぐらいに保険料が上がる、これをどう考えるか。 それからもう一つ、スウェーデンは一元化をしておりますが、しかし、スウェーデンでは、自営業者はサラリーマンに比べて数が少ないんだと私は思うんですね。しかも、サラリーマンは自営業者と同じように所得を申告している、こういう大前提があるんですね。ですから、大前提は所得捕捉、日本なら少なくとも納税者番号制度を導入しなければなりません。 それから、津島委員からもお話がありましたが、女性の年金額が下がるなど、多くの問題があります。 以上のような問題がありますから、この二つの仕組み以外にも、例えばドイツでは、完全に職種別に、縦に分立した制度になっているんですね。職種内で負担と給付の公平を図るという制度を取り込んでおります。 では、日本では一元化されていないのか。一元化されているんですね。基礎年金の部分、国民年金の部分は一元化したんですよ、きちんと財政調整。強いて言えば、制度の運用、運営が一元化されていませんから、例えば厚生年金から公務員に移ったときに、あるいは逆に、そのときは数字がない、資料がないという変な話になる。しかし、基礎年金として、日本はここは一元化しているんですね。そして、自営業者とサラリーマン、公務員の職種の性格が違いますから、定年のあるサラリーマンには二階建てにしている。これが日本の年金制度であります。 先ほど申し上げましたが、スウェーデン型の年金制度をとろうと日本型の年金制度をとろうとドイツ型の年金制度をとろうと、将来のリスクと負担、制度に内在する少子化の進行等々のリスクの負担は全く変わりません。大事なのは、国によって社会的背景が異なるんですね。例えば、年金制度の歴史、これが違います。自営業者が多いかサラリーマンが多いか、所得捕捉の違い、どこまでを年金に頼るかなど国民の意識も違う。一元化を議論にするにしても、日本型の一元化はどのようなものか、スウェーデンのようなタイプの一元化案をこれが絶対の一元化案だと決めつけて、これを前提に議論をスタートしろというのは、私は残念ながら無理があると思います。 年金の議論というのは、頭を柔軟にして、多元的なアプローチが必要なんですね。私は、政治が不作為であってはならないと思います。とにかく、年金は政治の責任ですから、政争の具にすることなく、真摯な議論を早く開始すべきだと思います。 終わります。
○甘利委員長 これにて根本君の質疑は終了いたしました。 次に、石崎岳君。
○石崎委員 おはようございます。自由民主党の石崎岳でございます。長勢委員、根本委員に続きまして御質問をさせていただきます。 先ほど長勢委員が社会保障制度全体にかかわる問題意識を吐露されておられましたけれども、私もかなり共通の問題意識を持っております。 去年は年金、ことしは介護、来年は医療というように、制度制度、パーツパーツで議論をしていくということが、超高齢社会に入ろうとしている、あるいは人口減少期に入ろうとしている今の日本のこの社会情勢の中で、そういう改革でこの社会保障制度を運営していけるかどうか、乗り切っていけるかどうかは私は甚だ疑問であるというふうに考えております。これまではよかったけれども、これからは、負担も含めて、あるいは財源も含めて、もうこれまでのような議論のやり方では立ち行かなくなりつつある、そういう危機意識、現状認識を持っております。 そういった意味で、これから社会保障についての制度と理念、それから議論の仕方、そういうものを変えていかなければならないと私は思います。 しにせの旅館が別館をつくり新館をつくり、そういうことで商売をやりくりしてきたけれども、もうそろそろ全部建てかえなきゃならないね、そういうところに今、日本の社会保障制度は来ている。そういった意味では、根源的な理念の構築、それから制度の再設計というものを今このときにやっていかなければならない、これを与野党全体でやはりやっていかなければならないのではないかという認識を持っております。 そこで、先ほども長勢委員の御質問がございました。社会保障制度全体を総合調整する機能というのが今あるんだろうか、あるいはこれからどうするんだという御質問が先ほどございました。 二〇二五年には社会保障給付が百五十二兆円になるという予測が出されております。そういう状況になるという予測がある中で、もう負担増、給付抑制という手法のみでこれをやっていくというのにはかなり無理があるだろう。そこはやはり、コストをコントロールして、共通の制度をつくっていく、重複を排除していく、そういう変化、改革というものがどうしても必要ではないかというふうに思います。そういった意味で、ばらばらに制度ごとに議論していくとそれぞれの制度が自己増殖していくという災いが出てまいりますから、その全体を調整するコントロール機能というのが必要であるというふうに思います。 先ほど、長勢委員の御質問に対して尾辻大臣は、横断的な部局をつくるように指示したというふうに御答弁されておりますけれども……(発言する者あり)
○甘利委員長 静粛に。
○石崎委員 現状はどうなのか。そして、その横断的に検討する部局をつくって、何をどうこれから議論していくのか、どういうところにメスを入れていくのか、指示をしていくのか、そこをお聞かせいただきたいと思います。
○尾辻国務大臣 これは、ただいま経済財政諮問会議でも議論をされておることに絡むのでありますけれども、かねて経済財政諮問会議あたりの言っておられることは、例えば、これはまさに骨太の方針の中に「例えば」という表現がそのままついているんですが、潜在的国民負担率五〇%を一つの数字にして考えるとか、あるいは、最近ではGDPの伸び率に社会保障費を合わせて考えるべきだとか、いろいろな御議論がございます。 それに対して私どもがどういうふうに言ってきたかといいますと、社会保障費というのは、どうしても積み上げていかなきゃいけない。病気の方がおられればまずは何とかしなきゃいけないという社会保障の、まさに安心、安全、セーフティーネットというところの役割があるので、どうしても積み上げなきゃいけないので、いきなり頭で総額規制というようなところで言われると、なかなかうまくかみ合いませんということを言ってきました。 ただ、今お話しのように、今後少子高齢化がどんどん進むわけでございますから、そして、その中で社会保障費、特に私が気にしておりますのは医療費でありますけれども、こうしたものの増大というのは避けられない。そうすると、私たちが今まで言ってきたその積み上げ方式ということで今後を見ることというのもなかなか、そう我々の主張だけを述べているというわけにもいかないというふうに思っております。 それで申し上げているのは、年金局が年金だけを考えというようなことで積み上げていくとどうしてもそういう傾向になるから、省の中で横断的に、やはり全体を我々が見るべきことは今日必要になってきた、したがってそういうチームをつくろうということを指示を出した、こういうことでございます。
○石崎委員 厚生労働省の方々とお話ししていても、それぞれの局、それぞれのつかさつかさでそれぞれの役割を果たしているという意識が非常に強くて、全体を見ているという方がほとんどいないというのが現状だと思います。 先般、経済財政諮問会議の民間委員から、社会保障費の総額管理といいますか、経済の成長にシンクロさせるような抑制をすべきだというような提言も出されておりますが、それに対して尾辻大臣は、とんでもない話だという反論をされておりましたけれども、反論するならやはりそれなりの、厚生労働省の中にというか、社会保障の行政をつかさどる方々がそれに対応できるだけの仕組みというのを自分たちでも持っていないと、各セクションの積み上げだけで対応できないという現実はもう当然ですから、それを、遅きに失した感はありますけれども、これからしっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。 それで、私が日ごろちょっと疑問に思っている点は、社会保障費の中における社会保険と税の関係というところにあります。 日本の社会保障制度は、年金も医療も介護もすべて、社会保険と税との混合スタイルといいますか、合併方式というか、両方が混在をしているという制度になっておりますが、諸外国ではむしろ、社会保険の役割、それから税の役割、それぞれの機能をはっきりと分離をして性格づけをしているというふうに思います。 そこで、社会保険にはそれぞれの役割、リスクの分散という役割、税には所得再配分という役割のほか、いろいろ政策的な機能、目的、役割があると思いますけれども、それを混在させている日本的な制度、これはこれから少し問題になっていくだろうと私は思います。 そういった意味で、例えば育児休業中の支援についても年金保険料が財源で使われるというか、極めて、本来は税でやるべきものも社会保険で使う。今、介護保険と障害者福祉の統合をしようという議論も先般ございました。障害者福祉、そういうハンディキャップを背負った方々は、本来は国民全体、税で見るべきである、しかしそこを、財政的に大変だから、社会保険制度の介護保険制度と合体をさせようという議論がある。これなんかも、ちょっと私は、税と社会保険の本来の目的を混合した制度にしようという意図がありはしないかというふうに大変危惧をしております。 スウェーデンあたりの年金制度なんかも、やはり保険料と税の役割分担というのは明確にしているというふうに聞いておりますけれども、日本でそのように社会保険と税の混合スタイル、そういったものを、どうしてそういう制度をとっているのか。それで、そのことに大きなメリットがあるのかどうか、あるいは、これを明確に分けていこうというお考えがあるかどうか、尾辻大臣にお聞きしたいと思います。
○尾辻国務大臣 我が国の年金、医療、介護の各制度は、給付と負担の関係が明確な社会保険方式を採用しておる、これは、考え方として社会保険方式だということでございます。その社会保険方式をとるに当たって、では財源をどうするかというと、当然、社会保険方式でありますから、社会保険の保険料、その財源と税財源の組み合わせによって運営をされておる、こういうことでございます。そして、今、外国のお話もございましたけれども、私の承知しておりますところでは、外国も多くの国で大体この両方の組み合わせが多いというふうに思います。 では、社会保険方式でありながら税財源を導入しておる理由が何なんだということになりますけれども、所得が低くて拠出が困難な方も、保険制度、これでカバーしようとしますと、適切な保障をしなきゃいけない、そうすると、完全に負担していただいたものに比例させるということになると、適切な保障が必ずしもできないというようなこともございますので、やはり、そうしたことも考えると、どうしても税財源の投入ということが考えられる、その方がいいというふうに判断をしておるところでございます。
○石崎委員 そこのところは、これからちょっとしっかり議論していかなければならない分野だと思います。 それから、先ほど根本委員、年金の問題の御質問をされておりましたけれども、昨年の年金改革というのは、給付と負担についての調整を大胆に行った。負担とそれから給付、そしてマクロ経済スライドという仕組みをビルトインしたということで、二〇二五年段階では二十兆円給付を削減するというような非常に大胆な制度変更だというふうに思いますが、それでも私は、例えば空洞化の問題ですとか、それから世代間の不公平といいますか、負担・給付比率のギャップというものが依然として残っているというふうに認識をします。 空洞化対策、いろいろ今社会保険庁でも対策を練って頑張っておられる。あるいは、世代間については、やはりどうしても日本の年齢構成上そういう傾斜というのはもう避けられないということかもしれませんけれども、これが拡大をしていきますと制度全体の根幹を揺るがす、あるいは、やはり世代間の格差というものが結局空洞化を誘導している、若い人たちの年金不信、年金離れというものを誘発している、そういうことであろうというふうに思っております。 ですから、負担と給付の調整、マクロ経済スライド、これは、どうしても私は、この年金改革には欠かせない要素であると思いますけれども、しかし、積み残した空洞化の問題、それから、あるいは若い人と今年金をもらっている方々の給付・負担比率の明確な格差、この問題はやはり長期的に正していかなければならない、直していかなければならない。その方向性として一元化ということがあるのかもしれませんけれども、その点について、空洞化の問題、世代間格差の問題について大臣はどうお考えでしょうか。
○尾辻国務大臣 まず、世代間の格差ということで申し上げたいと存じます。 昨年の改正で、有限均衡方式という方式をとりました。すなわち、今後九十五年間で、単純な言い方をしますと収支を合わすという計算をした、こういうことでございます。そして、その中で積立金を活用する、もっと平たく言いますと、取り崩して給付に充てていくということでございますけれども、そうしたことをしながら九十五年の均衡を保とうというふうにいたしておりますので、その間で世代間の格差というのをできるだけ小さくしようという努力をしておるということをまず一点申し上げておきます。 それから、空洞化の話でございます。 空洞化ということになると、これはかかって国民年金の話でございまして、厚生年金は大体九九%ぐらいのところにちゃんと納めていただいておりますから空洞化という話は余り生じない、かかって国民年金の話でございます。 そこで、二つ今私どもは努力をしておるところでございまして、一つは徴収に力を入れる、もう一回徴収に力を入れる、そして何とか八〇%の徴収率まで上げたいという努力をしておる、こういうことでございます。それからもう一つは制度でありまして、多段階免除制度だとか若年者の納付猶予制度というようなことを導入しながらそうした空洞化対策を講じておるということでございます。
○石崎委員 先ほど、社会保険と税の関係という話もさせていただきました。今は、世代間のいろいろな格差の問題という話もさせていただきました。 財務大臣お見えでございますから、社会保険料というのは、例えばサラリーマンでいうと給料からどんどん天引きされる。ですから、賃金税というか、もう直接税と変わらないというふうに私は思います。 直間比率の見直しなんということがずっと何年も言われてきているんですけれども、実態は、例えば、所得税は十四兆円ですけれども、社会保険料を見ますと、国民年金だけで徴収が十九兆円、厚生年金は二十兆円、社会保険料徴収は全体で五十六兆円ということになっております。所得税が十四兆円ですね。そうすると、社会保険料の方がもうはるかに大きい。直接税的な社会保険料というのが実際は懐から出ているというような状態でありまして、そこが家計の可処分所得を圧迫といいますか減らしている現状にあるというふうに思います。そこが、現状でいうと、給付は七割高齢世代に行っている、しかし負担は現役世代と企業に集中をしているというような状況に今あるわけですよね。 そういう意味では、先ほど社会保険と税の問題についてちょっと御質問をさせていただいたのでありますけれども、社会保険だけに着目をしてこれからどんどん上げていく、そういうことが、直間比率の見直しということを言っていた割には、直の方、直接税的な社会保険料がどんどんどんどん上がっていくということで、全体のバランスからするとちょっとおかしいんじゃないか、個人の負担ということからすると。先ほど言った世代間の負担ともこれは密接に関連してくる問題ですけれども。 そういった意味で、現役と企業に社会保険という形で負担が集中していく、そういうことについて、税負担全体からすると非常に苦しいんじゃないか、問題ではないか、そんな印象を私は持ちますけれども、財務大臣はいかがでしょうか。
○谷垣国務大臣 大変大事な御指摘だと思いますが、これは、税の理論だけではなく、社会保障制度をどういうものとして組み立てていくかという、その根幹のところにかかわってくるんじゃないかと思うんですね。 先ほど厚生労働大臣が、我が国の方式はいわゆる社会保険方式でやっていると。その背後には自立自助、それから相互扶助という考え方があるんだと思いますが、そういうものを基本にして制度を立てているとしますと、社会保険料をいたずらに引き上げて税の方に振っていくということを余りやりますと、そういう制度の根幹が崩れてしまうんじゃないか。 したがいまして、社会保険方式でやるんだ、相互扶助、自立自助という考えでやっていくんだということになりますと、余りそこを減らしていくことは私は難しいんじゃないかと思うんですね。 そうはいいましても、消費税を含む今後の税制のあり方というのは当然検討しなければならないわけでありまして、与党のいわゆる税調、税制改正大綱の中でも、平成十七年度、十八年度、必要な行政サービスの水準をよくよく見きわめてということの中には、当然、社会保障の水準どうだというのが極めて大きな議論になるわけですけれども、そういう議論をきちっとやって、消費税も含めて税のあり方、公平な負担のあり方を考えろ、こういうふうになっておりますから、我々も前広に国民的な議論をやっていかなければならないと思っております。 それから、今、直間比率の是正という観点から御議論がございました。 消費税を導入しましてから、それから消費税率を上げる過程で、従来の税制改革の議論は、個人所得課税の大幅な負担軽減とあわせて、消費課税の相対的なウエートを高めていこう、いわゆる直間比率の是正ですが、そういうことを中心に議論が行われてきたことは事実だと思います。 ただ、今後の税制改革に当たってどう考えていくかということになりますと、単に直間比率の是正ということだけではなく、財政構造改革のあり方とか社会保障給付のあり方全体を踏まえながら、所得、消費、資産、いろいろな課税ベースがございますけれども、その間のバランスをどうとっていくかということをもう一回きちっと議論しないといけないのではないかなと考えております。
○石崎委員 その辺は本当に難しい問題。現状は、負担が現役世代にどんどん集中して、それが上がっていくということがあります。それで、間接税という議論も、消費税という議論も、もうちらちら出ております。総理も答弁で、それを含めて考えていかなきゃならないという答弁をしております。 そうすると、社会保険という分野では現役世代の負担が高まっていく、税という分野でも高まっていく、そして給付は高齢世代に傾斜をしているという現状。そういった給付と負担のバランスというものがアンバランスのまま、現役世代の負担というのが増嵩していく。そういう改革がどうなんだろう、問題ではないのか、そんな問題意識を私は持っているわけでありますけれども、そんなことの中で、消費税という議論もちらちら出てきている。 私は、当然もう小泉政権においても、消費税を含めた社会保障改革に向けた税制改革の議論というのをどんどん進めていかなければならない。もちろんその前提には、例えば社会保険庁のむだ遣いみたいなああいうことはもう徹底的に排除していく、やめさせていくという、制度と規律というものを求めていくとか、あるいは制度間の重複を排除できるものをどんどんカットしていく、そして身軽にしていく。そういう議論を同時並行でやりながら、将来的な財源問題をどうするかということをもう議論を開始していかなければならない段階に来ているのではないかなというふうに思っております。 そのときに消費税というのをどう考えるかというと、私はもう厳格に、現状は使い道が四対一で国対地方になっている、あるいは、社会保障に使うんだという法律の定義になっている。しかし実際は、国に入ったり、地方交付税に入ったり、地方税に入ったり、使い道が、行き先がよくわからないという状況になっている。 しかし、やはりこれからの超高齢社会における税というものを考えた場合に、私は、消費税というのは、もしこれから変えるのであれば、それはもう社会保障税ということに特化すべきだ、目的税化すべきだ。そして、その使い道については国民がしっかりと監視できる制度にしていくということがもう大前提ではないか。私は、今の消費税も全部社会保障税にしてもいいというふうに思っておりますけれども、それはもう今、現にいろいろ使われているのでなかなか難しいかもしれませんけれども、もしこれから消費税というのを変える、いじる、税率を変えるのであれば、それは変える部分はもう社会保障税に特化すべきではないかというふうに考えますが、財務大臣、いかがでしょうか。
○谷垣国務大臣 これからどうしてもふえていかざるを得ない社会保障の負担をどう公平に国民に負担していただくかという観点から考えると、もう消費税は欠くべからざる大事な税制だと私は思っております。 そこまでは委員と全く問題意識は同じでございますが、他方、消費税というのは我が国の税制の中における根幹的な税制の一つでございますから、この消費税をどういうものに使っていくかというのは、もちろん社会保障は全体の中でも大きな使途の目的でございますから、社会保障の方からも御議論があるのは当然でございますけれども、他方、いろいろなところから消費税を、こういう表現はいけないかもしれませんが、いわば当てにするという議論があるわけでございますね。 負担と給付の関係という点から見れば、目的税のようなもの、あるいは特別会計のようなもの、あるいは特定財源というようなものが負担と給付の関係は明確にするわけですけれども、これからのいろいろな行政サービスの需要を考えたときに、そこまでしてしまったときに硬直しないかとかいろいろな問題がありますので、私は、これからの社会保障の議論とあわせて、税の議論の中でそこらあたりを十分議論していく必要があると考えております。
○石崎委員 先ほど申し上げました世代間格差の問題というものとも絡めて、やはり間接税というものと社会保険料、税、世代間格差、そういったものをトータルで考えて、そのバランスのよい負担を考えていくということがこれからどうしても必要になってくると思います。 以上申し上げたようないろいろな問題意識、実は私、昨年末に党の中で提言をいたしまして、社会保障制度改革に関する提言というのを出させていただきまして、基本は社会保障一体見直しの必要性、それから、社会保障基本法というものをつくって、今までのパーツパーツの各論の集積、積み重ねではなくて、もう一回、全体を俯瞰したような基本法と、その理念に基づいて制度を再構築するというプロセスがないと、この社会保障改革というのはうまくいかないだろう、そういう基本的な考え方をこの提言の中に述べさせていただいております。 厚労大臣にはこの提言書をお持ちしておりますけれども、ぜひこの提言、省内でも御議論をいただいて、今の延長線上の議論ではもう限界なんだ、これ以上いかない、そういう前提でぜひ御議論をいただきたいと思いますが、尾辻大臣、ちょっと御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○尾辻国務大臣 いただきました社会保障制度改革に関する提言、この御提言、私も大変興味深く読ませていただきました。御提案のような、社会保障基本法を制定するとか、いろいろな大胆な御提案もいただいておりますので、そうしたことをよく読ませていただきまして、私どもも大いに参考にさせていただきたいと存じます。
○石崎委員 終わります。
○甘利委員長 これにて石崎君の質疑は終了いたしました。 次に、福島豊君。
○福島委員 大臣、御苦労さまでございます。 本年は戦後六十年という節目の年でありますけれども、この六十年間に日本の社会保障制度というものは大変大きな成長を遂げ、また充実の道をたどってきた、こういうことが言えるわけであります。世界的に見ても極めて高い水準の社会保障制度というものを我が国は構築し得た。しかしながら、この六十年という節目、来年からは日本の人口の減少が始まると言われておりますように、大変大きな転換点となっている。 私は、最近、社会保障制度が抱える課題ということを説明するときに三重苦の社会保障制度改革ということを言っておりまして、財政悪化だ。これはいまだかつてないほど財政悪化をしている、我が国は。そしてまた二つ目は低成長経済である。かつての社会保障制度の充実を受けとめてきた経済成長というものが安易には期待できない。そして三つ目は少子高齢化である。受け手はふえ、支え手は減る。こういう三重苦の中で社会保障制度の改革というものを行わなければいけない。 私も政治家になりましてから十二年になります。年金制度改革も、昨年の改革は三回目の改革でありました。昨年の国会を振り返りますと、いまだ経験したことのないような大変大きな議論といいますか、国会としても経験をしたわけであります。 昨年の国会を振り返って私が思いましたのは、こうした激しい対立といいますか、社会保障制度の改革をめぐっての鋭い激突というのは、年金制度の改革だけではなく、これからも私どもは直面しなければいけないのではないだろうか。といいますのは、これからの社会保障制度改革、医療制度改革も待っておりますけれども、これも大変大きな改革をしなければならない。そしてまた、全般にわたりまして、少子高齢化がさらに進んだときに、果たしてその制度の持続可能性を考えたときに、さらなる改革が不必要かどうかということも想定されると思います。 大切なことは、私は、こうした改革を着実にやり遂げ、そしてまた財政再建も着実にやり遂げる。この十年間が一つの大きな山であると思いますけれども、それを何としても成功させて、国家の財政の安定と社会保障制度の安定というものをかち取っていかなければいけない、そのように思っております。 その中で、昨年の年金国会を振り返って私が実感しますのは、社会保障制度の改革に当たってそのプロセスをどういうふうに考えていくのか、極めて大切だと、国民の理解をどのようにして促していくのか。戦後六十年間というのは、政府に任しておればだんだんよくなってくる、こういう時代であったわけでありますけれども、これからはそういうわけにはいかない。それぞれの改革というものは痛みを伴うわけであります。どのようにして国民の理解を得るのか。国会の中での議論も、これは私はやはり検討すべき余地があるんじゃないか。 例えば、法案の提出に当たっての与党の事前審査という制度があります。実は、この事前審査という制度があるがゆえに、与党の中で法案をめぐって非常に激しい議論があるにもかかわらず、そのことが国民によく伝わらない。私は、ここのところはやはり見直してもいいんじゃないか、そんなような思いがいたします。ここのプロセスをどういうふうに国民に見えるようにするのか、こういう話がある。 そしてまたもう一点は、先ほども自民党の先生から御指摘がありましたように、厚生労働省の改革、各局の縦割りになるんではないか、こういう問題。そしてまた、行政というものは継続性を重んじますので、なかなか根っこのところからの改革というものを構想するのが難しい、こういったところもあるんじゃないかというふうに思っております。 昨年の国会での民主党の方々の御主張も十分理解できる点もあります。ただ、そうした根っこのところからの改革というものをなし遂げていこうと思えば、むしろこれは立法府と行政府との関係の中で、立法府の中でどのように超党派のコンセンサスというものをつくっていくのか、ここのところが大切なのではないか。 そういう意味では、昨年来の懸案でありますけれども、三党協議、どのような形で行うのかということはいろいろな意見がありますけれども、ぜひとも将来にわたって、この十年間が非常に大きな節目でありますので、国会の中で、立法府の中で責任のある議論というものを推し進めていただきたい、そのように思っております。 こうした三重苦の社会保障制度改革、これに全力で当たっていかなければなりませんのは厚生労働大臣でございます。まず、その御決意をお聞きしたいと思います。
○尾辻国務大臣 今お話しいただきましたように、そしてパネルでもお示しいただきましたように、社会保障が大変厳しい環境にございます。こうした中で、一体的に何とかして見直しをしなきゃいけない、持続可能なものにしなきゃいけない、そのように感じます。 したがいまして、今お話しになりましたけれども、いろいろな問題を先送りすることなく積極的に取り組んで、国民の皆さんの合意、これは本当に御理解がないとどうしようもありませんから、そうしたものに努めてまいりたい、こう考えます。特に省内の取り組みは、これは先ほど来申し上げましたように、全省挙げて取り組む体制をとりたい、こういうふうに考えております。
○福島委員 先頭に立ってぜひ尾辻大臣には頑張っていただきたい、そのように思っております。 次に、先ほど申しましたように、社会保障制度改革を進めていくに当たってどういうフレームワークの中でやっていくのか。そしてまた、どういうプロセス、手続が大事か。私は、いろいろな意見があるんですけれども、四つ挙げてみました。 給付と負担の関係の明確化、透明化、これが今後の改革においては必要不可欠である。まだまだ国民の皆様、この給付と負担の関係、みずからの負担、どのような給付につながっているのか、十分な理解をいただいているわけではない。現場で私は話をしまして、痛切にそれを感じます。ここのところをどのように説得していくのか。 そしてまた社会保障制度の一体的改革。それぞれの制度に分かれている。こうしたことは、制度としては分かれておりましても、財政的には一つの枠の中に位置づけられるものであります。その一体性というものを確保し、どのように効率性を確保するか。 そして三点目は税制の問題であります。社会保障制度と税制の一体的改革、これも進めなければいけない。 そして、私は四番目に、あえて地方分権という言葉を挙げさせていただきました。社会保障制度の分権改革というものを進めていく必要がある。なぜか。それは、給付と負担の関係を明確にしていく、国民の皆様お一人お一人によくわかっていただく、そういう目的のためにも地方分権化を進めていく必要がある。例えば、介護保険制度は市町村単位で運営されている、広域連合もありますけれども、そこで負担と給付の関係が明確になるという仕組みをビルトインされているわけであります。このことは今後の改革においても大変大切である、そのように思っております。 こうした四つの座標軸といいますか、そういうものにしっかりと目くばせしながら改革を進める必要がある、そのように考えておりますが、厚生労働大臣の御所見をお聞きしたいと思います。
○尾辻国務大臣 ただいま四点御指摘をいただきました。改めて申し上げるまでもないわけでありますけれども、社会保障制度は、国民の安心と生活の安定を支えるセーフティーネットとしての重要な役割を果たすものでございます。したがいまして、今御指摘いただきましたようなことを十分踏まえながらやっていかなきゃならない、これはもう改めて申し上げるまでもございません。 特に、先ほど来社会保障制度という言葉がたびたび出てまいりますけれども、今我が国の考え方は、自立、自助努力、そうしたことでまずやっていこうという考え方でございますから、私は、自立支援と予防というキーワードで一層頑張っていく必要があるというふうに考えておるところでございます。 それで、最初の三点は大体よく話題になる話でありますけれども、あえてと言って地方分権をお出しになりました。これはまさに三位一体の改革で、昨年の暮れといいますか秋ぐらいから随分議論があったところでございます。 私はこの議論の中でずっと言ってきたんですが、社会保障に関して言うと、もちろん、地方分権を進めなきゃいかぬということはそのとおりでありまして、それを否定するものでは全くありませんけれども、ただ、社会保障というものの特質上、国と地方が手を携えてやっていかないとどうにもならない。国は制度はつくれますけれども、大体、実際にそれをやっていただいているのは市町村であるとか、そういうことでございますから、一体でやっていかなきゃいけない。ここのところをどう考えるかというのが非常に大事な問題だということを繰り返し申し上げてまいりましたけれども、改めて、地方分権という言葉が出てまいりましたので、そうしたことも大事だなということを申し上げたいと存じます。
○福島委員 続きまして、一体的な改革という話、もう少しお聞きしたいんですが、先ほども長勢委員の方からいろいろと御指摘がありました。 一体的改革という言葉は非常に広く使われているのでありますが、具体的なイメージ、そしてまた何をなすべきかという具体的な事項、こういうものについては必ずしもコンセンサスがあるわけではないのではないか、そしてまた、そうしたイメージが不透明なままに語られているのではないかというような思いも私はいたしております。 幾つかあるんだろうと私は思います。例えば、先ほどの被用者年金の統合一元化の問題、そしてまた制度間の調整ということで、現金給付と現物給付の併給の調整の問題、もっと根っこのことを申し上げますと制度間の空洞化、これは国民年金の問題もありますけれども、国民健康保険の問題もあります。医療や年金、介護を通じて、私は、一元化された社会保障番号というようなものをぜひ導入すべきではないか、その中で負担と給付を一本にくくり上げる、そういうような改革も必要ではないか、そんな思いがいたしております。さらに現物給付ということで言えば、医療と介護の給付の調整ということもこれは大変大切な課題でありますし、これからどうしていくのか、来年に向けて、より議論を深めていかなければなりません。 一体的な改革ということの中で、厚生労働大臣としてどのような取り組みを具体的にお進めになるおつもりか、お考えをお示しいただきたいと思います。
○尾辻国務大臣 急速な少子高齢化が進みます中で、先ほど来申し上げておりますように、社会保障制度を持続可能なものとし、国民の将来に対する不安を解消していくためには、今お話しのとおりに、年金、医療、介護、生活保護など社会保障全般について一体的に見直すことが必要である、これは申し上げるまでもございません。 その一体的な見直しの具体的な内容につきましては、これも再三申し上げておりますけれども、今現在、社会保障の在り方に関する懇談会において幅広く御議論をいただいておるところであります。これまで、例えば、今回も介護保険の改革の中などで私どももそのことをお願いすることになりますけれども、年金と機能が重複する介護施設のホテルコストの調整だとか高齢者の社会的入院の解消に向けた医療と介護の役割分担といったことだとか、そうした制度相互間の調整などを議論させていただきたいと考えております。
○福島委員 先ほども石崎委員の方から御指摘がありましたが、今後の社会保障の給付が一体どの程度の水準になるのか。 先般、政府で示されたものでありますが、二〇二五年には全体で百五十二兆。これは年金改革を行わなければ百七十六兆円でありましたから、大変大きな改革を行った。このことは間違いございません。しかしながら、現在の八十六兆円から百五十二兆円までこれが伸びていく、これをどう考えるのか。これは負担の問題と裏腹になるわけであります。全体としての給付をどう確保し、そして全体としての負担をどうしていくのか。下の方には、現在の公費また保険料、この負担の割合がありますけれども、現在の公費の負担二十六兆円のものが二〇二五年度には五十九兆円になる、三十三兆円ふえるということであります。 大切なことは、給付はこれだけ伸びていく、そして、その給付を、本当に、支えよう、維持しようと思うのであれば、応分の御負担、これは保険料なのか税なのか。それは先ほども谷垣大臣の方からお話もございましたように、いろいろな役割というものは当然あるんだろうというふうに思いますけれども、トータルとしてこれだけの負担を国民の皆様にお願いしなければいけない。このことはもっと明確に政府として国民に訴えかける必要がある。 そして、そうした御負担がなければ、これを仮に赤字国債で賄うというようなことになれば、将来にさらに負担を先送りするということになってしまう。一方では、それだけの負担がふえるのであればもっと給付は下げてくれ、こういうことも出てくるだろうと思います。しかしながら、どこまで下げることができるのか、どこまで効率化することができるのか、これも国民の合意が必要でありますし、いろいろな意見があるということだと思います。 しかしながら、これだけの中期の展望を踏まえながら、国民に対して説明をしていく、このことが必要だ、そして、給付には負担が必ずついて回る、私はこのことの説明が必要だ、そう思いますけれども、厚生労働大臣として、こうした中期の展望について御所見をお聞きしたいと思います。
○尾辻国務大臣 御指摘のとおりでございます。 先ほど来申し上げておりますけれども、少子高齢化が進みますとどうしても社会保障費がふえる、これはもう避けて通れません。そうした中で、まず、年金はマクロ経済スライドを導入しましたから、マクロ経済スライドを導入しますとどうしても、どうしてもという言い方はよくないかもしれませんが、自動的に近いぐらいの感じでやはりGDPの伸びに合ってくる。したがって、年金の伸びはその辺のところで何とか抑えられる仕組みにできた。 ただ、先ほど来お示しいただいておるような数字の中で、先ほども申し上げましたけれども、一番の問題はやはり医療費だろうというふうに思います。ここをどうするかということに大きな議論を割かなきゃいけない。まさに先ほど来、国民の皆さんによく見えるところで議論をしなきゃいけないということでございまして、私もそう思いますから、大きな議論をそこで、よく国民の皆さんに見える形でしていただいて、そして私どももその中で答えを出していきたい、こういうふうに考えます。
○福島委員 こうした将来の社会保障の給付の水準を考えますと、そこでどうしても出てきますのは、経済成長の伸び率の範囲に社会保障の給付を抑えるべきであると。 確かに、数字的にはそうなれば安定した制度となることは間違いがありません。しかしながら、高齢化が進んでいく。特に、現物給付であるところの医療であります。技術も進んでいく。そういう中で、経済成長を超えて給付が伸びる。これは全く自然な、避けられない事態である。そして、その避けられない事態に対して、GDPの成長率の範囲にその伸びを抑える。これは、私は相当無理のある考え方だろうというふうに思うわけであります。 そして、そのことについて国民の御負担を求めることができるのか。ここのところは、説明し、そして、もう少しこれはカットした方がいいんじゃないかという意見が強ければ、それは当然何らかの見直しも必要だ。しかしながら、まず財政先にあるということでそこで押し込めるということは私は相当無理がある、そんな思いがいたしております。 厚生労働大臣として、こうした伸び率管理ということについての考え方をお示しいただきたいと思います。
○尾辻国務大臣 これは経済財政諮問会議でもたびたび申し上げておることでありますけれども、社会保障ということを考えるときに、ただ数字だけで伸び率管理ということは極めて無理がある。社会保障というのは、どうしても必要なものは、まさに義務的経費でもありますし、予算として組まなきゃいけない、国民の皆さんにサービスを提供しなきゃいけない。ただ伸び率管理という考え方では無理がありますということは申し上げております。 ただ、一方から、社会保障の抑制に努めなきゃいけないということも事実でありますから、そのことは私どもも努力をします、こういうふうに申し上げておるところであります。
○福島委員 次に、支え手の拡大の問題であります。 これは、少子化対策を総合的に進めなければいけない、こういう大きな枠組みの話もありますが、もう少し現行の制度の中で、例えば、正規雇用の者に対して非正規雇用の方々が急速に増大している。この十年の間、企業の構造転換の中で、非正規労働者が急速にふえております。こうした方々を社会保障制度の中にどう位置づけるのか。さらに、フリーターでありますとかニートでありますとか、これは決して若い世代の方が悪いということではなくて、そうした安定した就労の場がなかなか確保できない、そういう社会全体の問題である、こういう指摘もあります。こうした、女性そしてまた若年者、青年、こういう視点から社会保障制度の土台のところに揺らぎが生じている、この事態に対してどのように対応していくのか、これも同時に大切な話であります。 少子化対策と同時に、こうした目の前にある現実の解決、これについて厚生労働省としてどのように取り組んでいくつもりか、大臣の御所見をお聞きしたいと思います。
○衛藤副大臣 高齢者や女性、若年者などに対しまして、みんなで社会の支え手となり、全員参加型でやらなきゃいけない、まさにそのときが来たというように思っております。ただ、社会の情勢の変更の中で、そういうものをいかに全員で支えていけるかということについて、そのシステムをつくらなきゃいけない。 まずは、高齢者の方々にも頑張っていただくということで、六十五歳までの方々の雇用確保等についてこれは積極的に進めてまいりたいというように思っておりますし、育児休業制度につきましても、これも、仕事、子育ての両立支援という意味で女性の方にも頑張っていただきたいというように思っております。また、若年者雇用対策につきましても、若者の自立そして挑戦のためのアクションプラン等に基づくこのような若年者の雇用対策について推進をしてまいりたいと思っております。 このような形で、高齢者そして女性また若年者等々に対して、これから、働き方に対応できる制度となるように改革を進めてまいりたいと思っております。 さらには、先ほどお話もございましたように、短時間労働者への厚生年金の適用拡大等についても議論があるところでありまして、一昨年、これも皆で議論したところでございますけれども、私は、中立的な仕組みとすることをちゃんと考えながら、このような被用者についての拡大についてやらなきゃいけない、意義のあることだということで、いろいろな、状況としての難しさはございますけれども、引き続き総合的に研究をしてまいって、何とか短時間労働者についてもこれに入っていただかなきゃいけない、社会保障の輪の中に入っていただかなきゃいけないというぐあいに考えている次第でございます。
○福島委員 今、副大臣から前向きの御発言をいただきまして、感謝いたしたいと思います。一体的な改革の検討の中で、この問題は決して忘れ去られてはいけない、そのように私は思っております。 次に、先日、世代間の会計がどうなるのか、これは経済財政諮問会議で示された資料でありますけれども、六十歳以上の方は、生涯を通じた受益と負担では五千六百四十七万円受益が多い。そして、私は四十代でありますが、七百八十万円にこれが減少する。三十歳代になりますと負担の方が多くなって、七百四十三万円のマイナス。将来世代については三千九百五十二万のマイナスということで、こういう数字を示されますと、将来世代といいますか若い世代は、やはり国は頼りにならぬな、こういう話になってしまうわけであります。 いずれにしましても、経済成長、大きな変化がこの六十年間に起こった。そしてまた人口構造にも大きな変化が起こった。一定の世代間の格差というものは、これはやむを得ないといいますか、避けて通れない。現に、現在の若い世代の方は、社会基盤も整備されておりますし、いろいろなものを享受しておられる、こういうことも事実であります。 しかしながら、こうした世代間の公平ということについては、今後の社会保障制度改革を進めるのに当たって、国民に対して御納得いただく一つの座標軸なんではないか。世代間の公平性を確保していくためにもこうした改革は必要だ、こういう説明の仕方も必要なのではないかというふうに私は思っております。 例えば、これは正しいかどうかは私もよくわからぬのでありますけれども、年金制度においてマクロ経済スライドを導入した、このことは世代間の格差の是正ということには非常に大きな役割を果たしている、これは紛れもない事実だと思います。 そして二つ目、医療保険制度について言えば、これはこれからどう仕込むかということでありますけれども、現役世代の方々が老人保健拠出金ということによって、ある意味で高齢者の医療費というものを、強制的にと言ってはなんでありますけれども、大きな御負担をいただいておる、みずからの利用する医療給付よりもはるかに多くの負担をいただいている、ここの是正をどうするか。 介護保険制度改革について言えば、被保険者また受給者の範囲の見直しを行う。これは長い目で見ると、私は是正につながるんではないか、そんなような思いもいたします。ここのところはちょっとよくわかりませんが。 税制に関して言えば、やはり直間比率の見直しということが世代間格差の是正ということにつながっていくんだろう、そんな思いがいたしております。 こうした社会保障制度改革を進めるに当たって世代間の格差をどう是正していくのか、こういう視点をぜひとも一つは前に打ち出していただきたい。 最近は、これは一橋大学の国枝先生が、世代間公平確保基本法のようなものをつくってはどうか、こんなようなことを言っておられます。予算編成や税制改正その他の施策において将来世代に過重な負わせることのないよう、世代間の公平が確保される必要がある、こういうことを政府として明確にすべきだ。そして、国の責務として、予算編成や税制改正その他の分野において世代間の公平を確保していくため、世代間の受益と負担の著しい不公平が予想される場合には速やかに是正を図る責務があるということを明確にする。そしてまた、世代間公平確保委員会というものを設置して、政府の税制の見直しでありますとか、そういうことに対して勧告をしていく。世代会計についても作成して、若い世代に理解していただく、こういうようなことを提案いたしております。 直ちにこうした制度ができるかというと甚だ自信もないわけでありますけれども、しかしながら、今後の改革に当たって世代間の公平がどう変わっていくのか、世代会計というものはどう変化していくのか、そういうことは国民に対して一つの説明として、より積極的に訴えられるべきではないか、そのような思いがいたしますけれども、厚生労働大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○尾辻国務大臣 世代間のことでございますけれども、これは改めて、何が格差なのか、どんなところが不公平なのかという議論をしておかなきゃならぬ問題だというふうに思います。 ただ、いずれにいたしましても、今お話しのように世代間の格差が生じることは事実でございますから、このことに対して国民の皆さんに御理解いただくためには、やはり、長期的にこうなりますよということをお示しすることが必要なんだというふうに私は思っております。まず、長期的にこうなりますということをきっちりお示しして、納得していただくことが必要だろうというふうに思います。 そうした意味で、これも再三申し上げておりますけれども、今度、有限均衡方式で九十五年間の収支を合わすようにお示しをしておりますから、そして積立金の活用ということもその中で言っておりまして、特に負担が重くなりそうなところの世代の皆さんというか年代のところで、その分、積立金を活用するという長期の計画でお示ししておりますから、ぜひそうしたもので御納得をいただけるように私どもが努力しなきゃいかぬ、こういうふうに考えておるところでございます。
○福島委員 続きまして、先ほど申し上げました、社会保障制度における地方分権ということであります。 基本的な構造としては、私は、年金は国だ、医療は都道府県、介護は市町村、広域連合も入りますけれども、こういう階層化をすることによって給付と負担の関係の明確化を図るべきではないか、そのように思っております。 昨年の三位一体改革におきまして、医療保険制度において都道府県の役割、これをお願いするという道が開けたというふうに思っております。 医療がなぜ都道府県か。個々は市町村単位に分かれておりますけれども、個々の市町村の格差というものは大変大きなものがあります。これはやはり個々の市町村ということで運営していくには少し無理があるのではないか、これが一つ。 そして二つ目は、医療に関して言えば、その提供体制、これをどのように構築していくのか。これはまさに都道府県の役割となっているわけであります。そしてまた、さまざまな予防事業、こういったことについても都道府県が積極的に関与していく。いわば提供体制そして保険運営、こういうものを一体として推し進めていく。 給付と負担の関係の明確化を図り、先ほども予防医療という話もありましたけれども、そういったことも含めて全体として経営していく、そのためには都道府県の権限はさらに強化されるべきである。こういう階層化をなすことによって改革を進めていく必要があるのではないか、そのように認識いたしておりますけれども、厚生労働大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○西副大臣 お答えを申し上げます。 先ほど社会保障の地方分権化というお話がございましたけれども、まさしくそのとおりだと思っております。 特に医療の今回の改正につきましては、委員おっしゃるとおりの理由でもって都道府県の方にも応分の責任をお願いしたい、こういうところで、三位一体の改革の中で実現をさせていただいたというふうに理解しております。 社会保障の分野は、全体としましては、国と地方の役割分担につきましては、先ほど大臣もおっしゃいましたように、オール・オア・ナッシングという関係ではない。お互いが重層的に連携をしながら行政を遂行していくということが基本だというふうに考えております。 しかし、急速な少子高齢化の時代に入りまして、国民の不安を解消するために今後さらに国と地方の連携を深めていくということが不可欠でありまして、今、御存じのように、地方の関係者、これは熊本県知事でございますが、社会保障の在り方に関する懇談会にもお入りいただいて、そして国と地方の役割分担をいかにするかということについて御議論いただいているところでございます。 我々も国民の皆さんの合意の形成のために最大限努力をしていきたい、こう思っているところでございます。
○福島委員 そしてまた、社会保障制度改革に当たりましては、個々の制度、年金また医療、介護、年金については昨年改革をいたしましたが、それぞれの給付の効率化ということがやはり避けては通れない課題である。 例えば医療におきましては、委員からも御指摘があるような予防医学をしっかりしなければいけない、こういう話もございますし、標準化やIT化も必要だ、そしてまた提供体制についてもより構造化を進める、こういった考え方もあります。また、年金は、昨年の改革に引き続いて、企業年金の役割をいかに大きくしていくのか、こういう視点もある。介護保険におきましては、今般の改正においてその給付範囲の見直しということが行われる。こうした効率化は、やはり全体としての、先ほどの給付の拡大、こうしたことを考えるときに避けては通れない、そのように思います。 しかしながら、公明党としては、効率化を行うことによって、真に必要な人が必要なサービスを利用することができない、こういう事態に立ち至ることは避けるべきである。それは社会保障制度のセーフティーネットとしての機能を損ねてしまう。効率化を進めながら社会保障制度のセーフティーネットとしての機能というものをきちっと維持していく、この両者のバランスが極めて大切だというふうに思っております。そういう意味では、昨年の暮れには混合診療の話もありましたけれども、公的医療保険の給付範囲というものをこれはきちっと確保することが大事だということを私どもも主張させていただきました。 今後の検討の中で二つだけきょうはお聞きをしたいと思います。 一つは年金の問題なんでありますけれども、マクロ経済スライドが導入された。そして、今後、中期的に国民年金の水準がどうなっていくのかということが一つは懸念をされるということがあります。 現在でも、そうした国民年金、基礎年金の水準、生活保護の水準と比較してどうなんだ、ここのところは一致すべきだ、こういうことが、私は、実は国民の大方のコンセンサスに近いのではないか。もちろん、これは、厚生労働省の説明のように社会保険の原理でやっておりますから、おのずとその役割には異なったところがある、こういう御指摘もあります。ただ、セーフティーネットとしての機能を考えた場合に、マクロ経済スライドでこうした給付水準というものは調整をされていく。中期的には、私は、必要な時点で必要な見直しを行うべきではないか、そのような思いがいたしております。 そしてまたもう一点、あわせてお聞きをいたしますけれども、今回の介護保険制度におきましては、第二段階ということで、市町村民税非課税世帯の区分に対して、その年金の給付水準というものに着目して、新たな段階を創設することにいたしました。これは、介護保険制度がスタートして以来、低所得者対策として、年金の水準ということに着目して、既存の市町村民税非課税ということだけではくくれない低所得の世帯というものがある、そこのところを明確にすべきだということから盛り込まれたものだと思っております。 こうした低所得者対策というのはセーフティーネットとして非常に大切な役割を果たしている。そういう意味では、この低所得者対策というものは、介護保険制度のみならず、医療保険制度においてもやはり同様の展開がなされるべきである、そんなような思いがいたしております。 セーフティーネット機能の維持として、公的保険の適切な給付範囲の確保、そしてまた、公的保険の適切な給付水準、これは年金のことであります、そしてまた低所得者対策、こういうものについては、制度改革を進めるに当たって今まで以上に十分な配慮が必要である、私はそのように考えております。この点について厚生労働省の御見解をお聞きいたしたいと思います。
○西副大臣 お答え申し上げます。 何点かにわたってお話がございました。 マクロ経済スライドのことについても若干お触れになったと思いますが、昨年の年金改正、これはマクロ経済スライドを導入いたしましたが、将来世代の皆さん方の負担が過重なものにならないようという配慮もございまして、社会全体の年金を支える力に応じて給付水準を調整して年金制度の持続可能性を図るという趣旨からマクロ経済スライドが導入されたというふうに理解しております。 ただ、そのことによって、先生御指摘のように生活に困窮する皆さんがいらっしゃるということになりますと、本当の意味での社会保障全体としてのあり方というのが問われてくるという関係もございますので、このことにつきましては、今まさしく議論のある社会保障制度全般にわたって、医療の負担水準がどうなのか、年金の負担水準がどうなのか、それに対して社会保障制度全体としてどうあるべきなのかということをこれは今後とも十分に議論していかなければならない、このように考えているところでございます。 同様に、生活保護の基準と、それから基礎年金の水準との課題につきましても、それぞれの前提となる法律体系が異なっておりますし、一方では世帯、一方では個人というようなこともございまして、このことにつきましても今後の議論は非常に大事なことであると私自身も認識をしているところでございます。 さらに、介護保険の今回の改正におきまして、所得負担の区分が新たに二つに分割されました。それは、今までの市町村民税の非課税世帯のうち、収入が八十万円、それから医療費は実は七十歳以上というところでは六十五万という具体的な数字が挙がっておりますが、このことにつきましても、私は、制度の一体性、必ずしも二つの制度が一体なものではございませんけれども、やはり大きな議論として今後検討する必要があるものではないかというふうに思っております。 いずれにいたしましても、低所得者の皆さんに対して社会保障制度がどのようにして支えていけるかということにつきましては厚生労働省として全力で取り組んでいきたい、こう思っております。
○福島委員 副大臣から、七十歳からのというお話がありましたけれども、結構、七十前が実は大切であったりしまして、ぜひまたよく御検討をしていただければというふうに私は思っております。 最後に、若干残された時間で一点申し上げますと、こうした社会保障制度改革に当たって、財政的な側面が議論の中心になりがちでありますけれども、一方で大切なことは、例えば医療でありますと、患者の立場での権利をどのように守っていくのか、そしてまた医療の質をどう守っていくのか。これは介護においても同じでありまして、介護サービスを受ける要介護者の方々の権利をどう守り、さまざまな事件が起きております、そしてまた質をどのように守っていくのか。障害者においても同じであると思います。 こうした社会保障制度の中における利用者の権利、その擁護のための仕組みをどうしていくのか、さらには現物給付のサービスの質の確保、そしてまた第三者評価をどのようにしていくのか。これは、限られた財源の中でより質の高いものを確保していく、こういうことも進んでいるんだということで国民の皆様に社会保障制度改革の御理解をいただくためにも大切な要素ではないか、同時に、強力にこれを進めていく必要がある、私はそのように考えておりますけれども、厚生労働省のお考えをお聞きいたしたいと思います。
○甘利委員長 簡潔に答弁をお願いします。
○尾辻国務大臣 きょう、いろいろなことを御指摘いただきました。最後の御指摘についても、私ども全力で取り組んでいくべきことだと考えておりますので、そのようにさせていただきます。
○福島委員 どうもありがとうございました。
○甘利委員長 これにて福島君の質疑は終了いたしました。 次に、田中慶秋君。
○田中(慶)委員 私は、民主党の立場で年金問題の集中審議をこれから行うわけでありますけれども、今回の集中審議は、我が党の岡田代表及び川端幹事長が本会議あるいは当予算委員会でも年金のあるべき姿を提言し、そしてまたわかりやすい年金、あるいはまたより公平な、将来にわたって安心な年金制度が構築できるようにという、こんな提言もさせていただきました。 小泉総理も、年金の問題等については前向きな発言をされ、そしてなおかつ集中審議を行うように言われたわけでありますが、このような集中審議を行うに当たっても、総理そのものは、まさしく決められた中での、例えばクエスチョンタイムがあるからとかなんとかという形の中で限られた、こういう本来国民のそれぞれの生活に関係する大変重要な集中審議にも出てこないというのは、やはり総理そのものの政治姿勢ではないかな、こんなふうに思っているところであります。 また一方、私は、国民にこの国会の委員会の審議等についても知らせることは、我々は少なくとも委員会としてそういう努力をしなければいけないわけでありますが、しかし、NHKの放送をとっても、残念ながら放映をされていないというのも、これもまた放送自体の、別に圧力ではありませんけれども、年金というものは国民に対して大変重要なことでありますから、私は、こういうことについてやはりしっかりと放映もしていただきたいな、こんなことを思っているところであります。 さて、私たちも世界一の長寿国家日本になったわけであります。しかし、残念なことに、日本の福祉はどうだろう、このように考えてまいりますと、私は世界に冠たる福祉とは言いがたい、こういうことであります。なぜそうなっているんだろうということをよく考えてみますと、長いこと、どちらかというと財政中心主義でありますから、お金が何とかなるあるいは財源が確保できるというときには福祉にお金が回り、しかし、財政が厳しくなると、一番最初に福祉にどちらかというとしわ寄せが来る、これが今の日本の現状ではないかな。 すなわち、財政中心主義の福祉国家、社会保障であっていいかどうか、私は疑問であります。そのことについて、担当大臣、あるいはまた財政を担当されております財務担当の大臣としてのお考えを聞かせていただきたいと思います。 本来は、総理がこのことについてしっかりと、国家政策でありますから、述べていただきたかったわけでありますけれども、総理が来ないのでありますから、担当大臣として、ぜひその件についての見解をお伺いしたいと思います。
○尾辻国務大臣 まず、私からお答えを申し上げます。 今お話しのように、財政が厳しくなると、どうしても福祉もそのしわ寄せを受ける。そのことは、私どもとしては、社会保障をお預かりする省、立場としては心配をすることでございます。 特に今、これは先ほど来申し上げておりますけれども、経済財政諮問会議あたりでそうした視点からの御議論がある、それに対して、これも先ほど来私申し上げておりますけれども、社会保障ということを考える立場からは積み上げざるを得ない、その社会保障の特質というのをぜひ理解してもらわなきゃ困るということを言っておるところでございまして、その辺の議論が今後随分議論になってくる部分だと思いますから、ぜひ、国民の皆さんの御議論もお願いしたいと思いますし、改めて私どもの言っていることへの御理解もいただければありがたい、こういうふうに思います。
○谷垣国務大臣 我が国の社会保障制度は財源を中心に組み立てられている、それが社会保障制度、いろいろしわ寄せを食わしているんじゃないかという御趣旨だったと思います。 確かに、今急速に少子高齢化が進んでおりますから、どうしても社会保障経費というのは増大せざるを得ない状況にございまして、いろいろコスト縮減の努力をいたしましても、平成十七年度の予算案をとりましても、初めて社会保障関係費が二十兆を超えまして、一般歳出経費のうち四三%を超えるというところになってきているわけでございまして、全体は圧縮しているんですが、社会保障経費はどうしても自然増がありますから、圧縮してもどうしても伸びていくという趨勢にございます。 そして、ほっておきますと、もちろん財政だけを考えているわけではありませんけれども、ある程度の改革を進めていきませんと、結局、財政が持続可能でなくなってしまうと社会保障も持続可能でなくなる。それでは国民の安心につながっていかないということだろうと思いますから、私、長い時間かけて申すつもりはありませんが、私ども財政を預かる観点からいいましても、これから社会保障を御議論いただく上では、三点、やはり必要なんじゃないかというふうに思っております。 一つは、やはり日本の身の丈に合ったものでありませんと、余りつんつるてんであっても、余りだぶだぶであってもいけませんけれども、とにかく身の丈に合ったものでないと長続きしないということがあろうかと思います。その観点は、財政を預かる私どもとしてはしっかり主張しなきゃならないんではないかと思っております。 それから二番目は、これも先ほど来の御議論でありますけれども、公助と自助、自分でやるべきこと、あるいは公がバックアップすべきこと、その線引きをもう一回きちっとやって、重複しているようなものは省いて、むだを省いていくというようなことはこれからもきちっとやらなければいけないんじゃないかと思います。 それから三つ目は、これはやはり制度を支えたり社会保障を支える意識改革もなければなかなか進んでいかない。一つは、高齢者は全部弱者というような考え方でいけるのかという問題もございます。それから、年金の議論で、出生率が低くなっているのは非常にいろいろな難点の一つでございますから、みんなで子育てを支えながら、子供を産んで子育てをしていくことに充実感を感じるというような仕組みに持っていき、そういう意識に持っていかないとうまくいかない。 こういう意識改革までわたりますから、大変息の長いものでありますが、私は、財政をお預かりする立場からいえば、以上三点をやはり今度の社会保障制度改革でも生かしていただきたいと思っております。 〔委員長退席、渡海委員長代理着席〕
○田中(慶)委員 財政の問題一つとっても、個人の個々の努力ではどうにもならないんですよ。いいですか、大臣。例えば経済成長一つとっても、国の経済政策の失敗から今日のような状態をつくっていると私は思います。 二つ目は、この社会保障を前提とした段階のときに、当初は金利五・五%、しかしゼロ金利でしょう。ゼロ金利はどこが行ったんですか。そういうことでしょう。あるいはまた、今、少子化の問題が出ました。世帯当たり二人の計算でしたよ。しかし、現実には一・二九じゃないですか。 こういうことを含めて、長い間、データが警告をしているにもかかわらず、そのことに対応していなかったこと自体が私は政治的責任だと思っております。今はできないかもわかりませんよ。しかし、それを放置したんじゃないですか。こういうことを含めて、やはり長い間の蓄積がこういう状態をつくっている、こういうことじゃないんでしょうか。 私は、今回改めて、この年金問題について、ずっと過去から自分の議事録を追ってみました。国会で自分が行った年金問題についての最初の発言は平成元年のことでありました。基礎年金の国庫負担二分の一への引き上げの問題、公的年金制度の一元化を求めたわけであります。当時は、総理大臣は海部総理でありました。あるいはまた、担当大臣は戸井田さんでございました。また、ここにおられる多くの議員の仲間もそれに参加をしておりました。 しかし、そのときは、海部さんも、社会労働委員会の質問に対し明快な回答をなかったわけでありますが、大臣として戸井田さんは、大変重要なことでありますと、少子高齢化がこれから続くことを心配しながら、これは国を挙げてしっかりとした対応を検討しなければいけない、こういう向きの発言がありました。 そして、それから十年たったわけであります。平成十一年、百四十六臨時国会において、この問題が厚生労働委員会で検討され、年金問題がこのときもまた強行されたことを覚えているわけでありますが、そのとき法改正もされたわけであります。 そのときは、当面平成十六年までの間、安定した財源を確保し、国庫負担の割合を二分の一に引き上げることを図るものとするということを明確に附則で決めたんです。その附則は、「年金の在り方」、二条に明確に示されております。法律で決めたんです。法律で決めたことが、今実行に移されていない。これはどういうことでしょう。お伺いします。
○尾辻国務大臣 まずは、この三分の一から二分の一への国庫負担の引き上げを御主張なさった先生の先見の明に対しては、敬意を表させていただきたいと存じます。 そこで、今、先生も随分いろいろな話をされましたが、私がこの年金の議論に加わったときに、既にこの話はいわば悲願に近いものでございました。そして、何とかしたいということで、絶えずその動きがあるわけでございますが、確かに、先生が今お話しになりましたように、平成十二年の附則の中には、「基礎年金については、給付水準及び財政方式を含めてその在り方を幅広く検討し、当面平成十六年までの間に、安定した財源を確保し、国庫負担の割合の二分の一への引上げを図るものとする。」というふうに明記されております。 このときの議論の中で、この「安定した財源を確保し、」というのがどうなるのかな、ここが一つのポイントだなということを議論したことも記憶にありますけれども、そうしたこともございまして、結局、このたびの平成十六年の附則で、今度は平成二十一年までの間にきっちり上げるということを決めたところでございます。 そういう意味で、先生のお話の、この平成十二年の附則をどう読むかというようなこともありますし、附則が守られていないんじゃないかという御主張もあることは、そういうふうに図るとすると書いてあるということだけは否定をしないところでございまして、今度の十六年の改正できっちり書いたことでそのことを実現させたと御理解いただきたいと存じます。
○田中(慶)委員 外交も、これは国と国との約束事だと思います。法律で決めたということは、国民に対する約束事だと思います。総理がかわっても、政治は継続される、行政も継続されることでありますから、これは守らなければいけない。それが守れないということ自体は、やはり国民に対してその責任を明確にしなければいけないんだろう。そのことをどう思いますか。
○尾辻国務大臣 政治が国民に対して責任をとるべき、あるということは、そのとおりだというふうに思います。 ただ、余り細かな理屈はこの場で申し上げませんけれども、十二年の法律が、先ほど申し上げましたように、「安定した財源を確保し、」というここの部分がある、それから「図るものとする。」という表現になっておるということはあろうかというふうに考えます。
○田中(慶)委員 このときも強行採決をされ、そしてなおかつ、この強行採決を何とか正常に戻すために先輩の皆さん方が知恵を出したことでありますけれども、そのときは十六年度までにやるということを前提としていたんです。財政もそこまで確立をする。確立しなかった財政のあり方は、少なくとも政府にあるんじゃないですか。そのことを、この文言の解釈で責任を回避しちゃいけないと思いますよ。どう思いますか。
○尾辻国務大臣 申し上げておりますように、この表現が「図るものとする。」というふうに書いてありますから、あとはこの解釈の部分はあろうかということを申し上げておるところでございます。
○田中(慶)委員 それでは、小泉総理が赤字国債を三十兆円公約をした、しかし、それを破るのは大したことない、そうこの場で発言をされたと同じような形に、また同じことを繰り返しておるんじゃないですか。こういうことをこれから、総理が言っているように、年金問題を与野党なり三党間で将来にわたって話し合おうじゃないかと。去年、どうだったんですか。あの年金を議論したときに、これから百年のことを考えてやる、そう言ったんじゃないんですか。 現実に、年金そのものがもう既におかしくなっているでしょう。例えばここに、きょうおいでいただいていると思いますけれども、会計検査院が示されている数字、もはや国民年金の未納者、これは五〇%に至っていると思いますが、その辺どうですか。
○森下会計検査院長 お答えをいたします。 平成十五年度の決算検査報告におきまして、「国民年金事業の実施状況について」という掲記事項を取り上げております。その中で、一カ月分以上の保険料が未納となっている被保険者数を記述しております。その数は、十五年度で千百二十九万余人となっております。そして、同年度の第一号被保険者数は二千二百三十九万余人であるという数字を掲記しておるところでございます。
○田中(慶)委員 これを逆算して割りますと、もう五〇・四%を超えているんです。これは一カ月から半年、これは半年ごとのあれですから、もう半年以上未納者がこうだ、こういうことであります。 ところが、社会保険庁が出しているのを見てください。社会保険庁は、自分たちをかばうために、この十五年度の納付実績ということで六三・四%。ということは、五〇%の未納ということではありませんね。逆に言うならば、約三七%弱の未納、こういうことであります。確かに、一年間のトータルかもわかりませんけれども、これは一年間トータルしてもこの数値にならないんです。資料を全部集めてまいりましたけれども、未納はもはや、年間トータルすると四五%近いんです。 こういう数字のテクニックによってあなたが今言っているような問題をしたんでは、この年金の問題というのはおかしくなってしまう。まともに数字を全部出してお互いに議論をして、将来どうあるべきかというこの議論がされていない。社会保険庁は、データを出せ出せと言っているのにもかかわらず、今まで全然出さなかった。それは、自分たちがこのような改ざんをしながら、会計検査院はまともに出して、社会保険庁は数字のテクニックを使ってこのような表現をされているように思われる。どうですか。
○尾辻国務大臣 まず、数字のことについてお答え申し上げます。 社会保険庁が公表いたしております平成十五年度の国民年金保険料の納付率は六三・四%でございます。したがいまして、一〇〇%から引けば三六・六%が未納率になる、こういうことでございます。 この六三・四%、どういう計算をしているかといいますと、十五年度の国民年金に加入しておられる方で、年金を納めるべき月、年度でありますから十二、これを掛けます。加入しておられる方に十二カ月を掛けますと二億千二百七十六万月になります。実際に今度は、納めていただいた月数を計算しますと一億三千四百九十二万月になるものですから、この二億一千二百七十六万月を分母にして一億三千四百九十二万月を割りますと、これが六三・四%になる。通常、社会保険庁が出します納付率という数字はこの数字で出しておるものですから、今申し上げたような数字になる、こういうことでございます。
○田中(慶)委員 これは、社会保険庁を管轄されているあなたの方が都合のいい数字を出しているんです。では、会計検査院の数字はどうなんですか、間違っているんですか。私はうそをついていると思えないですよ。五〇%を切る状態になってきている。あなたはそういう数字をいろいろなことを言われても、このことはもはや数字の上で明らかになっているわけでありますから、こういうこと自体がこの年金のまさしく制度上の欠陥であろうと思います。でなければ社会保険庁がサボっているか、どちらかですよ。 ですから、この今の国民年金の問題一つとっても、こういう問題が現実に数字上出てきている。こういうことでありますから、皆さんが幾ら違うと言っていても、あくまでもトータル人数、あなたは時間的ないろいろなことを言っておりますけれども、対象人数というのは決まっているわけでありますし、そういうことを含めて、もはやこの数字だけを見ても国民年金は破綻状態になっている。そうでしょう、回収が五〇%できないんですから。こんな制度がどこにありますか。このことが一番問題であります。(発言する者あり)別に、私は政府高官を呼んでいませんから。そういう問題を含めて、この問題はおかしい問題であるということ。 それから、大臣に申し上げたように、あなたにも責任があるというのは、金利五・五%でスタートされたものがゼロ%、そして、それがさも財政に関係なさそうなことを先ほど来言われておりますけれども、これは政治の責任ですよ、ゼロ%なんていうのは。 昔から、一生懸命働いて、今日の日本を支えてきた人たちは、ゼロ%の金利などというようなことは考えていませんよ。老後、退職金を含めて、何とか蓄えをしながら、現実問題として頑張ってこられた。その人たちは、今、夢も希望も、そして、なおかつ年金までがこういう形になっているならば、老後の暮らしは安心どころか不安状態が募る一方じゃないですか。これが今の実態なんですよ。 このことをはっきりと、これからいろいろな議論をするに当たって、それぞれの責任を明確にしていかないと、この年金問題について、私は、これからの百年先の年金などと幾ら言ってもだめだと思います。 ですから、大臣、総理おりませんけれども、官房長官もいないんですけれども、私は、もはやこの議論は、少なくとも役所に任せていたんじゃだめだと思うんです。はっきりと政治主導でやっていかないと、将来のあり方として、国家ビジョンとして、社会保障として、これは政治主導でやらないと、あらゆることを含めておかしくなってきているんだろう、このように思いますけれども、どうですか。 〔渡海委員長代理退席、委員長着席〕
○谷垣国務大臣 今、金利のことをおっしゃいました。 金利は独立している日銀の専管事項でございますから、私言いにくいところもございますけれども、ただ、今、日銀がデフレを脱却するために金利のああいう政策をおとりになって一生懸命やっておられる、私はその方向性は間違っていないと思います。 ただ、今みたいなときに金利がちょっとでも上がれば、全体、デフレが続いていくとき実質金利はもっと高いものになりますから、これはやはり日本経済は耐えられないだろうというふうに思いますね。 したがって、金利はこういう今の状況は現状においてはやむを得ないものと思いますけれども、そのことが、今委員が御指摘になったように、高齢者層の、貯蓄をしておられても金利収入が入ってこないとかいうようなことも出てきておりますし、いろいろな面で難しい問題を生んでいることは事実だろうというふうに思っております。 ただ、これは、全部それで悪いことばかりがあるかというと必ずしもそうでないので、こういう金利を安くして、そして資金を潤沢に供給していくということが全体の経済を下支えしている部分もあるだろうと思いますし、また、全体、デフレ状況下でありますから、プラスのときとはちょっと違う面もあると思うんですね。 だけれども、やはりこれは、いつまでもこのようなゼロ金利状態というのが、もう少しデフレを脱却してきちっとした方向に持っていけるということは、我々が共通に求めなければならない政策課題だろうと思っております。
○田中(慶)委員 確かに、ゼロ金利政策は日銀がやられていることでありますけれども、少なくとも、あなたは今潤沢に資金がと。しかし、潤沢に回っていませんよ。中小企業は、この前申し上げたように、貸し渋り、貸しはがし、そして、なおかつ現実には倒産に追い込まれているんじゃないですか。 そればかりじゃありませんよ。経済成長を三%にずっと持続させる、その仕事を怠っていたんじゃないですか。私は、経済成長をずっと継続させることが一番大切だったと思う。しかし、そのことが現実問題として、マイナス成長であったり、あるいはコンマ成長であったり、あらゆるところの仕組みがおかしくなってきているわけですから、こういうことを含めて、私は、少なくとも、この年金問題も全部連動されているわけですから、このことを私たちは肝に銘じなければいけないと思っています。 そこで、その議論ばかりやっていてもしようがないわけでありまして、年金の一元化ということを私はかねてから主張しているわけであります。 年金の一元化ということは、一つは、わかりやすい年金をつくっていくということであります。国民年金も厚生年金も共済年金も、あらゆる年金が、わかりやすい、そして簡素でということが一番大切であろうと思います。しかし、今はどうでしょう。年金が一〇〇%わかる人が本当におるかというと、そうではないと思います。わかりにくい年金がたくさんあるということです。 それから二つ目には、年金財政がおかしくなってきて、かつてJRが、皆さんも御承知のように満鉄時代からいろいろなことがありました。確かに民営化の問題もありましたけれども、そういう中で、共済から厚生年金に加わる。あるいはJTも、あるいは農林、各共済年金がある面では破綻をし、そして厚生年金へと加入あるいは移行されたわけであります。やがて私学共済もその道をたどるんではないかな、今のような少子化であっては、私は同じことを考えざるを得ないわけであります。 そういう中で、皆さんも御承知のように、大変厳しい経済の中で、従来まで厚生年金に加入していたものが、少なくともみずからの企業の存亡をかけて、厚生年金から国民年金へと移行されている。昨年だけでも約十四万社と言われているわけであります。これだけ見ても、今、私は、年金の一元化をしなければいけない一つの原因だ、このように思っているわけです。 もう一つは、企業の雇用実態が大きく変わっております。大手企業であっても、正規労働が約五〇%、派遣労働が二〇%、契約労働が二〇%、アルバイトが一〇%。これ一つとっても、厚生年金と、あるいは移行、それ以外の問題における国民年金との問題がここにも出てくるわけであります。 こんなことから考えてまいりますと、この年金そのものが、国民年金も、先ほど申し上げたように今のような状態、五〇%を切る状態になっている、厚生年金もこのような状態になってきている、こういうことでありますから、やはりこれは、将来の年金を社会保障の一環とするためには一元化をしていかなければいけない、このように考えておりますけれども、大臣の答弁を求めます。
○尾辻国務大臣 年金一元化の御議論というのは、きょうこれまでの御議論の中でもいろいろな御意見がございました。今また先生の御意見も承りました。まさに、さまざまな御意見がございますので、そうした御意見、ぜひこうした場で御議論いただいて、私どもの御指導をいただきたい。一言で申し上げますと、そういうふうに思っております。 ただ、その一元化に向けてやらなきゃならぬこと、さまざまあると思います。 今先生がお触れになった中で一つだけ申し上げましても、産業構造とか就業構造の違いがありますから、パートタイマーの皆さんの厚生年金加入問題をどうするかというようなことも、これはまた附則の中で述べておるとおりでありまして、一つずつ一元化に向けて解決していかなきゃならぬことはいっぱいあると思いますけれども、申し上げましたように、今お話しいただいたようなさまざまな御議論をいただいて、ぜひ私どもを御指導いただきたいということを改めてお願い申し上げたいと存じます。
○田中(慶)委員 また、なぜ一元化と言うのか、私が申し上げたいのは、例えば国民年金、これはあめ玉年金と言われましたよね。今幾らですか、大臣。
○尾辻国務大臣 基礎年金の額でございましょうか。六万六千円でございます。
○田中(慶)委員 それでは、生活保護は幾らですか。
○尾辻国務大臣 今数字を出させますが、これは地域によって相当ばらつきがございますので……(田中(慶)委員「東京は幾らですか」と呼ぶ)東京で、先日、いろいろな皆さんの御意見を聞こうと思いまして、民生委員の方々と話をしておりました。そのときに言っておられた数字は、大体皆さんが言っておられた数字を率直に申し上げますと、二十万を超えるぐらいの数字を言っておられました。
○田中(慶)委員 生活保護ですよ。二十万にいっていませんよ。
○尾辻国務大臣 今申し上げたのは、御案内のとおりに、生活費は住宅の扶助だとか医療扶助だとかいろいろついておるものですから、民生委員の皆さんの感覚ではそういう数字を言っておられた、それが頭にありましたのでまずは申し上げたのですが、改めて数字を申し上げますと、ここにあります数字では、標準三人世帯、一級地の一で十六万二千百七十円、これは三人世帯全部で計算してでございます。そして、三級地の二というのが十二万五千六百九十円という数字でございます。
○田中(慶)委員 四十年間一生懸命掛けた国民年金六万六千円、そして一方における社会保障、一概に比較はできないと思いますけれども、率直に考え方をお聞かせください。
○尾辻国務大臣 この考え方はいろいろあろうと思いますけれども、厚生年金は、退職をなさるとその後収入がなくなるということを前提にした年金。それに対して、これは先日も、私どもがすぐそういう言い方をすると、最近必ずしもそうではないだろうとおっしゃるし、また、確かに国民年金に加入しておられる皆さんの多様化というのはあるわけでありますが、自営業の皆さんだと最初の前提で申し上げますと、ずっとその後も仕事をお続けになるということもありますから、その基礎年金としての六万六千円というのはそれなりの意味があるんだろうというふうに思っております。
○田中(慶)委員 四十年かけて、たとえ基礎年金であろうとも、六万六千二百八円ですか。片方は、それぞれいろいろな理由はあるでしょう、でも生活保護では十二万円。不公平に思いませんか。せめても、社会保障であるならば、生活最低保障として十二万なら十二万、そのぐらいに上げる努力をしなければいけない。それが政治だと思うんですよ。そういうことが一向に議論をされていない。これが一つであります。 もう一つは、皆さんも御承知のように、学生、無収入ですよ。今、学生からも国民年金の加入、徴収をされていますね、こういう問題。あるいは、家庭の中における年金も、家庭を守っておる奥さん方、ばらばらですよ。だからわかりにくい。だから一本化、一元化というものが望まれるんです。理屈も何もないんです。簡素でわかりやすいというのが行政改革の形であり、あるいは、社会保険庁がいろいろなことを、自分たちの存在意義をキープするために余計複雑にしている、こんなふうに思われてならない、こういうことが指摘をされていたんです。私は、なるほどな、こう思っておりました。 そればかりじゃありません。やはり、一元化をするには財源の問題があると思います。 私は、この財源は、広く浅くという形で、税方式が一番。そうすると、先ほどの未加入なり未納の問題というのは、税方式ですからなくなるわけです。税方式で、未加入、未納の問題はないんですから、今のような不公平感もなくなるわけであります。そのことを含めて、私たちは、これを税方式でやる。 今の税方式は、はっきりと……(発言する者あり)余計なこと言いなさんな、こっちが言っているんだよ。直接税ではまずいから、私たちは、はっきりと言えないことを、今のような消費税で賄う、消費税は目的税化をする、このようにして私たちは考えているわけであります。大体、消費税をどうのこうのと言うと、皆さん避けて通る。そうではない。私たちは、やはり将来の福祉国家なり社会保障という前提でこのことを申し上げてきているわけであります。 ですから、私たちは、税方式、そしてなおかつ消費税で賄う、こういう考え方を求めているわけでありますけれども、これは私どもの考え方であり、あなたはどうこれを評価しますか。
○尾辻国務大臣 まず、社会保障の立場からいいますと、これは総理も申し上げておりますけれども、消費税をいよいよ議論すべき時期に来ておる、これは確かだと思います。したがって、消費税の議論はすべきだ、こういうふうにまず思います。 それから、あと、これが年金の社会保険方式か税方式かということになりますと、これは極めて根幹の議論でございます。特に、自助、共助、公助というこの辺の国のあり方、まさにそこに触れる話でありますから、十分な御議論をいただいて結論を出していただければというふうに私どもからは申し上げざるを得ません。いろいろお話しになったようなこと、ぜひ御議論をいただきたいと思います。 それから、先ほどの数字で、こういう場で申し上げたので、誤解を招くといけないと思いまして、改めて申し上げさせてください。 基礎年金の六万六千円という言い方をしましたけれども、先ほどの生活保護の場合も標準三人世帯での数字を申し上げましたので……(田中(慶)委員「わかっております」と呼ぶ)もうおわかりだろうと思いますから、先ほどの数字は単身の、一人の数字であるという、ちょっと数字が違うということだけ改めて申し上げておきたいと思います。
○田中(慶)委員 問題は、この国の社会保障はどうあるべきかということで、財源問題は避けて通れないわけですから、財源問題も具体的に申し上げているわけであります。 さらに、いろいろな中で一番問題になっているのは、せっかくつくった制度であっても、先ほどの国民年金の問題についても、法律でつくっているわけでありますが、五〇%を超えるような未納者が出てくるということであってはならないわけでありますから、そこに納税者番号も明確にすべきだろう、ここまで具体的な考えを持って民主党は考えているわけであります。そして、将来の福祉国家なりあるいは社会保障としての具体的なビジョンを打ち出しているわけであります。政府も、私は、少なくとも、場当たり的なことではなくして、国家ビジョンを明確に打ち出す必要があるだろう。 だから、私は、申し上げているのは、もう政府に任せていてもしようがないから、これは政治主導で行わなければいけない。そのことが与野党間の合意であり、三党合意であり、あるいはまた政党間の協議である。そして、決めたことを守る、このことをしなければいけませんよ。小泉さんのように、公約を言って、それを守らないということであってはいけない、こういうことであります。 ですから、しっかりとした機関をつくってやらなければいけない。自分たちの意が通らなければ、委員会において強行採決をするようなことであってはいけない。まして国民の将来、暮らしに関係するような問題でありますから、そういうことを十分議論する。かつて、例えば年金問題であっても、一年の一委員会で通ったことないんです。大体二回から三回かけて、そして成熟をされて、なおかついろいろな議論をしてきたわけであります。ところが去年は、通すことを前提として、十分な議論をしていない。そうして強行採決に出た。 入ってこいとか入ってこないとか、土俵を同じようにつくって、しっかりと、十分かけて、出口だけを考えるのではなくして、日本の将来の福祉、これからの年金、社会保障という、そんな形で議論をしなければいけない。今回、私たちは、与野党協議も含めながら、三党合意も含めながら、改めてこういう一つの政治的決断を持って取り組んでいかなければいけない時期に来ていると思います。 数字がちゃんと明確に示している少子化なり高齢化の問題、ゼロ金利の問題、あらゆることを含めて、それぞれ私たちは、その環境があるわけであります。社会保険庁も、データを全部オープンにすべき、データを出しなさいと言っても全然出さない。これでは協議に応ずることもできないでしょう。協議に応ずる資料もちゃんと出し、その中でお互いに十分議論をする、これが本来の民主主義の原則だと思いますが、どう思いますか。
○尾辻国務大臣 今お話しいただいた部分は、私も全くそのとおりだというふうに思います。国会に身を置く一人として、政治主導で決めるべきだ、全くそのとおりに思っております。そして、その間において、役所が持っている数字は、これは全部出すべきだと思っておりまして、今後、必要があれば、私は出す努力をいたしますことだけはきちんとお約束をさせていただきたいと思います。
○田中(慶)委員 まさしく、この議論を通じながら、今まで社会保険庁は、未納者の数一つとっても全部オープンにしなかった、あらゆることを含めて。ですから、会計検査院の数値と社会保険庁のこの数値の違いというのはこういうところに出てくるんだろうと私は思っているわけです。 ましてや、この社会保険庁が、ある面では今日まで、例えば自分たちの権限という形の中でいろいろなことを、世の中の常識外のことを次々と年金の資金を使って運用されてきましたね、はっきり。我々は想像つかないですよ。 例えば、公用車の問題も、低公害車だと言われて一年にかえること百台近い車をかえる、こんなばかなことあり得ない。まして、そのお金は皆さん方の年金の基金から出ている。あるいは、見てください。一等地に職員住宅をつくる。職員住宅が悪いと言っているわけじゃないですけれども、一等地につくらなくたっていいじゃないですか。あるいは、それぞれの保養施設の問題やら研修施設、あらゆることが議論されたでしょう。それはみんな国の一般会計のお金じゃないでしょう。少なくとも年金のそれぞれの基金から出ているわけです。こういう運用の仕方はあなた、いいと思っているんですか。
○衛藤副大臣 先ほどの会計検査院の未納の問題でございますけれども、会計検査院の調査は一カ月ということでございまして、その後納めた分というのが入っておりませんので、五〇%というのと、それは会計検査院の調査でいえばそのとおりでございます。 ただ、この厚生労働省の調査によりますと、社会保険庁の中での調査は、私ども、今の未納率は三六・六%でございますので、そのことの違い、数字のベースの違いがございますので、全部五〇%だということになるわけじゃございませんので、ここのところはまずよろしくお願いしたいと思います。 それから、もう一点でございますけれども、先ほどの施設等の問題についていろいろ誤解がありました。その中で、これはやはり国全体としての、財革法との関係等について仕切り等の問題もあったことも事実でございますので、そのことについてちゃんと、どうするかということについてやりかえているところでございます。 それから、不用な施設につきましては、仰せのとおり、これを全部できるだけいい値段で売って年金会計にバックするということで、この法案を今準備しているところでございますので、よろしくお願いいたします。
○田中(慶)委員 私は大臣に責任ある立場で求めているわけでありますし、先ほど来、何が数字的に、会計検査院は一カ月じゃないですよ、一カ月以上半年間ですからね。そういう方式になっておりますし、もう一つは、この数値の問題も含めて、いろいろな今までの社会保険庁がやってきたこと、弁解しちゃいけないです、率直に反省をしないと。まして、自分たちが数値も出さないで、こちらから示されたらそれはおかしいと言うこと自体、反省してくださいよ。 あなたが言っている、数値を全部オープンにしてやりましょうと言っていることと、今まで違っていたでしょう。全部数値は、こちらから要求しても、まだ出ませんまだ出ませんと、結果的にいろいろなことを調査して出されたんじゃないですか。やはり、そういうことをフェアにオープンにして議論しないと、今のような違いが出てくるわけです。 ですから、もはや今、風評では、社会保険庁は要らない、もう解体していい、こういうことを言われているんですよ。社会保険庁の今までやってきた乱脈経営やあるいはむだ遣いを反省しないで、そして弁解をしていたんでは、何にもならない。謙虚に反省をすれば、私たちはこれからの社会保険庁のあり方をみんなで話し合えばいいことであって、解体をしろと言われるぐらいおかしくなってきていることは事実。そしてなおかつ、いろいろな問題を含めて、この今の状態が明らかにされないまま来ていることは事実なんですから、そのことを大臣、どう思いますか。
○尾辻国務大臣 細かな数字のことにこだわってもいかがかと思っておりましたから、あえて私からは申し上げませんでしたけれども、先ほどの会計検査院の未納の数字の話は、これはもう先生も言っておられますように一カ月以上ということでありますから、そのときたまたま一カ月未納のものも数には入っております。その後またそれを納めればということでありますので、細かな数字のことを申し上げればということで申し上げたところであります。 ただ、数字の話について改めて申し上げますと……(発言する者あり)いや、細かな話じゃありません、基本的な考え方について申し上げますと、これまでも、ある数字というのは出してきたつもりでありますけれども、今後とも、こういう御議論の中で必要な数字、お求めがあれば、これは私どもは、ある数字は出すつもりですということを改めて申し上げたところでありまして、その考え方にいささかも変わりはございません。 それから、社会保険庁のあり方についてのお話がございました。きょうも有識者の会議の皆さんにお集まりいただいて、どうするかという議論をさせていただきますけれども、これはいつも申し上げておりますように、徹底して抜本改革をして出直すというつもりでおります。
○田中(慶)委員 有識者の会も必要であろうと思いますが、有識者を選ぶその前提が、皆さん方のひもつきで選んだって、これはしようがないですからね。だから政治主導でやりなさいということを言っているわけですよ。この国の将来がかかっているわけですから。 例えば皆さん、雇用形態、どうですか。当時、年金は五十五歳ですよ。しかし、六十歳定年で六十五歳支給になって、この五年間をどう埋めるんですか。そんなことも大いに議論しなきゃいけないことでしょう。ですから、私たちは、部分年金、部分就労ということも含めてまいりました。 こういう一連のことを含めながら、全体的にこういう一連の取り組みを含めて、今私たちの置かれている状態もしっかりと取り組んで、この問題についてしっかり大臣は全体的な考え方をまとめていかないと、今の社会保険庁が自分たちを守ろう、こういう形でおりますと、今のようなことをずっと継続されるわけであります。ゼロから始まる、このぐらいで、社会保険庁不要論、こう出ているわけですから、例えば継続するにしてもゼロから始まる、こんな状態を考えていかなければいけないと思いますよ。 それから、今、日本の雇用状態を見てください。少なくとも日本の経済は、日本は中国に頼るとか、こういう形になって外国に頼っておりますけれども、しかし、今の日本はまさしく外国人労働者に依存のところが非常に多くなってきている。もう百万人が、外国の労働者に依存されているというふうに言われているわけであります。しかし、この外国の労働者に対する年金もあるいは医療も、明確な形で保障されていない。 やがて、今のGDPなり、あるいは今のいろいろな生活環境も含めて考えてまいりますと、この雇用形態というものは明らかに変わってくるわけでありますから、例えば定年制を全部排除して、終身雇用というような問題、生涯現役の問題も考えなければいけないでしょうし、あるいはまた、今のような外国人労働者、今のままでは不法労働が多くなり、そしてまたこの人たちが、極端なことを言って、病気にかかっても医者にかかれない、あるいはまた年金問題、社会保険の問題を説明すると現実に雇用関係がそこで締結をされないとか、いろいろな状態が、現場は現場なりに悩みを持っているわけであります。 国として外国人労働者に対する取り組みというものをしっかりと位置づけをしない限り、この問題は解決しないし、これからの日本の雇用というものは大きく守れない、こういうことにもなるだろうと思いますが、大臣の考え方をお聞かせください。
○尾辻国務大臣 まず、定年の話もございました。この定年の話につきましては、六十五歳に定年を延ばすということと、それからまたその後の今先生がお触れになったようなことは、私どもはそれに向けて努力をいたしておるところであるということだけを、お触れになりましたので申し上げておきたいと思います。 それから、外国人労働者についての話でありますけれども、外国人に対しては自国民と同じように社会保障制度を適用し必要な保障を行うことは、これは国際的にも要請されておるところでございます。ILO条約にもございます。したがいまして、私どもとしては、そのことについては鋭意取り組んでまいらなきゃいけない、こういうふうに考えております。
○田中(慶)委員 今、この社会保障の問題が、ILOの問題も述べられましたけれども、少なくとも、形ではなくして実効の上がるようなことをしなければいけないんだろうと思っておりますよ。それは、言うことはきれいごとを言っておりますけれども、現実に違うんですから、現場は。私はやはり、こういう問題を率直に話し合う場が必要だと思っておりますし、議論されたことを守っていかなければいけないと思っております。 現実に、外国人労働者というのは、はっきり申し上げて、社会保険料を払ってくださいというような雇用関係になりますと、現実には雇用関係は締結できない、ほかに行ってしまう、これが実態なんです。こういう状態が、制度としてしっかりとすべてが徹底されれば、こういう問題は出てこないわけですよ。A社に行ったときは今言ったように社会保険料を払え、B社に行ったときは保険料を払わなくてもいい、こんな状態でまちまちな雇用関係ができているわけでありますから、こういうことのないようにしていかなければいけないと思います。 特に、私は、官房長官が今ここに来ておりますけれども、やはり約束事は守るということでいかなければいけないだろう。最後に答弁を願いたいわけでありますが、こういう形で議論をする、そして法律で決める。先ほどの年金の二分の一にの問題も、解釈でどうにもなるんじゃなくして、議論しているときには、十六年度中に実施をする、そのための財源確保のために汗をかく、こういうことであったと私は理解しているんです。ところが、そういう努力もせずに、また去年の年金改正の段階で出口だけをしっかりと押さえてやってしまう。これが実態なんですから、やはり約束を守る政治、官房長官、最後にあなたの責任、総理になったつもりで答弁を願いたいと思います。
○細田国務大臣 まさに、決めたことをきちっと守るということは、政治の世界あるいは行政においても一番大事なことでございます。 幸い、田中議員がおっしゃいましたように、先般、昨年の年金の議論に端を発しまして、国会においても与野党ともに議論を深めていただく。これは、政府側だけで、学識経験者を集めてこれがよかろう、あれがよかろうということだけを議論して済むわけではございません。一元化の問題や税制の問題や、ありとあらゆることが絡んでくるわけですから、私どもも、ぜひ与野党間で緊密な議論をしていただき、政府はいろいろな知恵を出して、その合作でいい制度をつくっていく。これは魔法じゃございませんので、負担と給付は数値的に出てくる問題ですから、そういった観点でしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○田中(慶)委員 時間が参りましたので、以上で終わります。ありがとうございました。
○甘利委員長 これにて田中君の質疑は終了いたしました。 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二分休憩 ————◇————— 午後一時一分開議
○甘利委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 午前に引き続き、社会保障について集中審議を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中根康浩君。
○中根委員 お疲れさまでございます。民主党の中根康浩でございます。 幾つかの項目にわたりますので、前置き的なことは省かせていただきまして、早速本題に入らせていただきますけれども、年金の審議に入る前に一言だけ、大臣に政治姿勢をお伺いしたいと思います。 福岡のカリタスの家という自閉症の専門の施設において虐待事件が発生したということは、既に御案内のことであろうと思います。一例を挙げますと、これ、おいしいよと言ってトウガラシを食べさせ、コーヒーだよと言って木酢液を飲ませた、あるいは入所者の食事が遅いという理由でおかずの一部を犬に与えた、施設長は男性入所者に沸騰した湯で入れたコーヒーを無理やり三杯も飲ませ、口やのど、食道のやけどで約一カ月の重傷を負わせた、女性の預金口座から九百万円を勝手に引き出し、カリタスの家の建設資金に流用、二十代の女性入所者がパニック状態になるたびに寝具用の袋に詰め込まれ、別室に数時間から一晩放置されていた、数え上げればまだまだほかにいろいろあるんですけれども、こういった虐待事例、カリタスだけではなくて、今、もしかしたらこの瞬間にでも施設における虐待事件が発生していないとも限らないわけであります。 ぜひとも、そういったことの予防あるいは抑止のために、さらには国民に対して虐待は絶対にいけないんだということを啓発するためにも、大臣にこのカリタスの家に視察をしていただきたいし、あるいは、高齢者虐待防止法がこの国会で議論されていくわけですけれども、その前提として、高齢者虐待の全国調査が行われました。この障害者虐待についても、施設、家庭あるいは教育施設、こういったところにおける障害者虐待の実態の全国調査をぜひ行っていただきたい。そういったことにつきまして、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○尾辻国務大臣 人間として尊厳を持って生活していく上で、虐待というのはあってはなりません。このところ児童虐待だとか、またお年寄りに対する虐待もございますけれども、障害者虐待もあってはなりませんし、未然防止をしなければならない、お話しのとおりだというふうに考えております。このことのためには、実は十八日に有識者から成る検討の場も立ち上げたところでございまして、私どもも真剣に取り組んでまいりたいと考えております。 そこで、まず調査のことでございますけれども、プライバシーの問題だとか調査対象の選定、実施主体をどうするかなど、難しい面がないわけではありませんけれども、これは前向きに検討してまいります。 それから、私に、出かけたらどうかというお話がございましたけれども、これは機会を見つけて出かけてまいります。
○中根委員 ただいま大臣から御答弁をいただきました、前向きにという言葉以上に、その言外に含まれた中に、それ以上の前向きで積極的なこれからの対応があるものと信じさせていただいて、ぜひ大臣のこれからの御善処を御期待申し上げたいと思います。 年金の問題なんです。 まず初めに、昨年の七月に、民間の発想、感覚を生かして、社会保険庁の根本的改革、あるいは公的年金制度に対する国民の信頼を図るという意味合いで、損保ジャパンの副社長であった村瀬長官が誕生いたしました。 この長官就任当時の社会保険庁をめぐる状況を思い起こしてみますと、例えば政府七閣僚の保険料未納発覚、福田官房長官の引責辞任、保険料を事務費に一千億円も流用していた、これに対する厳しい批判、あるいは業者との癒着、こういったことが指摘されていたさなかであって、国民からは、むだ遣いをやめてから出直せというふうに言われていたわけであります。(発言する者あり)
○甘利委員長 静粛にしてください。
○中根委員 にもかかわらず、与党の方々は、この年金議論を十分に尽くすことなく、強行採決で、保険料の引き上げ、給付の削減あるいはマクロ経済スライド、こういったものを導入したわけであります。 村瀬長官は、公用車使用を自粛し、電車通勤を宣言されておられますけれども、電車通勤をすれば社会保険庁がよくなるというわけではありません。しかし、村瀬長官の一つの姿勢としてそのときには評価をさせていただいていたわけでありますけれども、長官は今でも電車通勤をして、社会保険庁の改革に対するその志は変わらないというふうに思っていいのでしょうか。長官はおられませんけれども、大臣あるいは次長にお伺いしたいと思います。
○小林政府参考人 長官は今もって電車通勤を実施して、励行をしております。長官が先頭になりまして、社会保険庁改革に向けて今全力で取り組んでいるところでございます。
○中根委員 問題は、長官だけが張り切って全力投球していても、そこについてくる方々の意識がどうなっているか、ここが最も大切なところで、長官が一人、民間から来て浮いてしまっていてはこれは何にもならない話であるわけでございます。 村瀬長官が就任してから、十二人の民間スタッフが登用されたわけであります。これについては、お手元に資料として配付をさせていただいておりますので御参照をいただきたいと思いますけれども、このうちの八人は報酬を得ている非常勤職員というふうに説明を受けております。 それでは、報酬を受けている額は幾らですかというふうに今までの段階で社会保険庁にお尋ねをしたところ、報酬は個人のプライバシーに関する情報のため回答できないという御返事をいただいておる。ただし、民間での経験に準じて課長クラス級が支払われているという説明もあわせて行われているわけでございますけれども、税金で支払われているものが、ましてや、国民から批判の高い社会保険庁の改革のために登用されている人たちに対して私たちの税金が幾らそこに使われているということが、どうしてプライバシーだという理由で公表できないのか。 改めてお尋ねをしたいと思いますが、幾ら支払われているんですか、本当に公表できないんでしょうか。
○小林政府参考人 今御指摘の民間からおいでいただいている方々につきましては、非常勤の国家公務員という形で作業をお願いしているところでございます。こういう方々の給与につきましては、一般職の職員の給与に関する法律におきまして、常勤の職員の給与との均衡を考慮するということで規定をされておりますけれども、派遣元の企業での経験年数なども踏まえて、具体的な額は決定をさせていただいております。 具体的なその金額につきましては、先生御指摘があったところでありますが、個人のプライバシーにかかわる情報ということもありまして、公表は差し控えさせていただきたいと思っております。
○中根委員 いろいろと御説明いただいたんですけれども、やはり公表できないということ、税金で支払われているものが公表できない。その一方で、課長クラスあるいは民間での経験に準じてということ、いろいろと理由をつけておられるわけですので、決してやましいものではないというわけでありますので、やましいものでなければ、ここでぜひとも公表していただかなくては、社会保険庁改革に対する皆さんの本当の熱意、意欲というものが本当のものかどうかというものがはかり知れない、推測することができない、そのように言わざるを得ないと思います。 ぜひ、この質疑の間、今すぐでなくてもいい、もしかしたら公表しないつもりでこの討論に臨んでおられるのであれば、資料をすぐに用意できないかもしれませんが、今から約四十分後まで私の持ち時間はありますので、この時間内に公表していただく、そのことをお願いできないでしょうか。重ねて申し上げます。
○小林政府参考人 個別の給与の実際の金額につきましては、まことに恐縮でございますが、個人情報ということもございますので、公表は控えさせていただきたいというふうに思っております。
○中根委員 午前中の審議の中で、我が党の田中議員からも、社会保険庁の資料の出し方が悪い、すべての数値を明らかにして、オープンにして、その上でみんなで同じ土俵に立って議論しましょうというふうに指摘をさせていただいておることと相通じることであるわけであります。 少なくとも、プライバシーということであれば、一人一人のものはあえてお願いしないにしても、この八人の方、報酬を得ている非常勤職員として民間から登用された方々に対して総額幾ら支払われているか、これだけでもお教えをいただきたい。ぜひ提出をいただきたい。 委員長、いかがでしょうか。委員長に請求いたします、委員会として。
○小林政府参考人 まことに恐縮なのでございますけれども、本当に、個別の給与につきましては、基本的に個人情報ということで公表は従来からさせていただいておりませんので、この点を何とか御理解いただければと思っております。
○中根委員 総額幾らになるか、これだけでも、理事会で協議してこの予算委員会に提出していただけるように、調査をお願いしておきたいと思います。
○甘利委員長 理事会で協議します。
○中根委員 それから、このスタッフの中に、ごらんのとおり、NTTデータからお一人、それから株式会社日立製作所から二人登用されているわけであります。 既に今までのさまざまな議論の中で明らかになっておりますけれども、NTTデータについては常務取締役の谷口さんという方が、元社会保険庁次長の谷口さんが常務としてNTTデータに天下りをしている。それから、元九州地方医務局長の中山和之さんという方がNTTデータシステムの常務取締役として御就任をしている。そして、もう既に退職をされましたけれども、元社会保険庁の総務部地方課首席社会保険監察官の中村さんという方がNTTデータに天下りをしている。こういった事実も明らかになっているわけであります。 社会保険庁とNTTデータの間には、平成十五年度に、保険料財源で、随意契約で約八百二十四億八千六百十六万円の取引があります。平成十六年度の上期にも、約五十億七千三百二十一万円の保険料財源、随意契約での取引があります。NTTデータシステムサービスとは、やはり保険料財源、随意契約で、平成十五年度約八億五千五百五十万円、NTTデータについては五年間さかのぼると五十億円近くの取引がなされているわけであります。 それから、東京社会保険事務局事務センターという役所があるわけなんですけれども、ここは三田のNTTデータのビルを、一年間で約二億七千二百万円で賃貸料を払って借りているわけであります。 日立製作所。日立製作所とは、平成十五年度、保険料財源、随意契約で約百四十三億五千百六十万円の取引。平成十六年度の上半期で、保険料財源、随意契約で約十二億四千七百六十六万円の取引が行われています。 このように濃密な関係にある人たち、その関係者を、本当にこの改革の推進のためのスタッフとして登用することがふさわしいかどうか。いわば天下りとは逆の天上がりのような、そういう人事を行っていて、しかも、プライバシーを理由に明らかにできない報酬を支払っている。全く国民には理解されにくい、私どもも納得できない、そんな思いがするこの人選だと言わざるを得ないと思います。 成生さんというNTTデータの出身の方、この方は、NTTデータと社会保険庁の百六億円の契約外業務、これが疑問視された、そういう報道もなされたわけなんですけれども、その契約外業務が疑問視をされたまさに当事者であったというふうに聞いております。 こういった不適切あるいは不透明、さらには大きな疑問を抱かざるを得ない、特定の企業との、社会保険庁と直接の巨額の取引関係にあるところからの出向といいますか、そういった人たちを民間スタッフとして、社会保険庁が改革推進のための人として人選をしている。大きな疑問を感じますが、いかがでしょうか、大臣。
○小林政府参考人 今御指摘の点でございますけれども、NTTデータから来ていただいている方、これはシステム改革担当の専門スタッフという形で作業をしていただいております。 このシステム改革担当の専門スタッフの方につきましては、当然ながら、現在の社会保険オンラインシステムについてのプログラムに精通しているということがある程度必要ということになっておりますので、そういう一方の人選の理由というものと、もう一つ、改革推進本部規程におきまして、プロジェクトリーダーの指示のもとに、これらの方々につきましては、現在のオンラインシステムのプログラムに係る分析等の業務を行っていただいております。ただ、こういうオンラインシステムに係ります今後の最適化計画の策定でございますとか仕様書の策定、そういうようなものには関与をしないということを規程上明確に、業務的なことについての分離、区分をさせていただいているところでございます。
○中根委員 確かに、質問主意書でもたださせていただきましたけれども、契約、調達関係には関与をしないという線引きをされておられるわけでありますけれども、しかし、そこにNTTの関係者の方がいるというだけで、その推進に対してちゅうちょせざるを得ないような場面があるかもしれない、改革を。あるいは、何かを指摘するのに気持ちの上でちゅうちょせざるを得ない場面が生ずるかもしれない、そこにいるということだけで大きな改革の二の足を踏むような場面が生ずるかもしれない。それだけで国民に対する背徳だというふうに思うわけなんです。 刷新可能性調査、きょうの午後一時半から行われるようでありますけれども、ここにはやはりそういったことに詳しい方がたくさん参画をされておられるわけだし、例えばIBMの方もそういったところに、刷新可能性調査ということでいろいろと今までの段階でも指摘をされておられる。成生さんとかあるいは日立から出てくる人たち、こういった、今まで本当にいろいろな疑惑が疑問視されている、そういう取引関係の中にある人たちをあえて選ばなくても、この世の中にはそういったことの仕事ができる人が、ごまんといると言っては言い過ぎかもしれませんけれども、探せばいないわけはないわけであります。 この人選に対して、やはりどんな説明を受けても納得できないという気持ちをぬぐい切れないわけなんですけれども、今度は大臣、ぜひ御見解をお聞かせいただけないでしょうか。
○尾辻国務大臣 今お答えしたとおりではございますけれども、世の中、李下に冠を正さずということもありますし、ちょっとでもそういう疑惑の目で見られるということはよくないと思いますから、改めて実態を調べてみて、誤りないようにはしたいと思っております。
○中根委員 引き続きまして、社会保険庁の謝金職員という方がいらっしゃるわけなんですけれども、これは全国に四千八百三十五人ほどいらっしゃるということなんですね。この謝金職員という方、いわゆるアルバイト職員ということなんですけれども、謝金職員の方のランクが三段階に分かれております。一番高い方で一日一万二千六百円の方、二番目のランクの方が一日七千七百円の方、三番目のランクの方が一日七千百円という決まりといいますか、そういうランク別になっております。 謝金職員の人数がそもそも何となく、これは全国の話ですから、社会保険事務所ごとに何人かずついればこういった数字になるのかもしれませんけれども、このほかにも国民年金推進員、あるいは、町内会長とか婦人会長とか、そういった方々をそこに充てている特別国民年金推進員という方々もまた何千人といらっしゃるわけなんですね。 そういったことを思うときに、この謝金職員という方々が本当に効率よく、むだなく仕事をしてくれているかどうか、きちんとこれからもチェックしていかなければならないわけなんですけれども、この謝金職員の中に社会保険庁のOBの方が、一万二千六百円の一番高いランクの方々の中に四百五十七人いらっしゃるということです。それから、七千百円のランクの中に七十八人いらっしゃると言われています。 もちろん、現役時代に培ったさまざまなノウハウ、こういったものを社会保険行政に生かしていただくのはいいわけなんですけれども、しかし今、天下りとか、あるいは社会保険庁と特定の業者との癒着、随意契約の不適切さ、こういったものが指摘をされている中で、OBの方々を余りにもたくさんこういったところに登用するということは、今のスタッフの人選のあり方と同じように、やはり国民から疑問視をされるのではないかというふうに指摘をさせていただきたいと思います。 これはうわさなんですけれども、この謝金職員の中に、NTTデータあるいはNTTデータシステム、こういったNTT関係の会社からの特別な枠があって、多くの方がこの謝金職員としてアルバイト料を受け取っているというふうにも言われていますけれども、こういったことについて事実関係をお調べいただけないでしょうか。
○小林政府参考人 今御指摘をいただきましたが、そういう関係の企業の出身者がこの中に、謝金職員の中にまじっているかどうかにつきましては、正直、今手元に資料がございません。ちょっとお時間をちょうだいさせていただければ、これは具体的に、どういう人間がそういう謝金職員として発令されているかは、基本的に全部地方庁、社会保険事務所なりの単位でお願いをしておるということもありますので、ちょっとお時間をちょうだいできれば、その調べをすることは可能でございます。
○中根委員 これも、では、ぜひ理事会の方にお願いをしておきたいと思います。この謝金職員の中に、NTTデータ、NTTデータシステム、日立製作所、この関係者、退職者がいるかいないか。いるとすれば何人いるか。これを予算委員会としてぜひ明らかにしていただくように、予算委員会の理事会の方にお願いをしておきたいと思います。
○甘利委員長 理事会協議します。
○中根委員 ありがとうございます。 引き続きまして、社会保険庁の解体がまさに言われているわけなんですけれども、社会保険庁の解体ということがだんだんと自民党の皆さん方からも大きな声として上がってまいったわけなんですけれども、改めて冷静になって考えてみますときに、解体ということで、すべての今までの社会保険行政の失政、失態、あるいは昨年決まった保険料の引き上げ、給付の削減、マクロ経済スライド、国民の七割から八割が反対をしていたにもかかわらず、強行採決をして決めつけられてしまった国民負担増、こういったものが、すべて社会保険庁の解体という議論の中で、まるで社会保険庁がスケープゴートのように使われる、そんな中でごまかされていってはいけないというふうに思っております。 今まで悪かったのは、改めて考えてみますと、この巨額の積立金、あるいは社会保険庁を取り巻くさまざまな、例えば財革法とか厚生年金保険法七十九条あるいは国民年金法の七十四条、こういった保険料を流用することを許された法律を悪用して、寄ってたかって甘い汁を吸ってきた、年金を食い物にしてきた政治家あるいは官僚、さらには、そういった法律をつくってしまった国会にもその責任の一端があるというふうに冷静に考えていかなければならないのかもしれません。 一九四二年、厚生年金法ができたときに厚生年金課長だった花澤さんという方が、回顧録の中で、これは図書館で借りてきたんですけれども、こういうふうに述べております。もう皆さん、御精通の方ばかりですので、よく御存じだと思いますけれども。 この法律ができるということになったとき、すぐ考えたのは、この膨大な資金の運用で、これをどうするか。これを一番考えましたね。この資金があれば一流の銀行だってかなわない。今でもそうでしょう。何十兆円もあるから、一流の銀行だってかなわない。これを厚生年金保険基金とか財団とかいうものをつくって、その理事長というのは、日銀の総裁ぐらいの力がある。そうすると、厚生省の連中がOBになったときの勤め口に困らない。何千人だって大丈夫だ。金融業界を牛耳るぐらいの力があるから、これは必ず厚生大臣が握るようにしなくてはいけない。この資金を握ること、それから、その次に、年金を支給するには二十年もかかるのだから、その間、何もしないで待っているというばかばかしいことを言っていたら間に合わない。戦争中でも何でもすぐに福祉施設でも何でもやらなければならない。 この先長々と続くわけなんですけれども、最後は、「二十年先まで大事に持っていても貨幣価値が下がってしまう。だからどんどん運用して活用したほうがいい。何しろ集まる金が雪ダルマみたいにどんどん大きくなって、将来みんなに支払う時に金が払えなくなったら賦課式にしてしまえばいいのだから、それまでの間にせっせと使ってしまえ。」というふうに、回顧録の中で、当時の厚生年金課長花澤さんという方が語っておられるわけであります。 こういった理念のもと、こういった根本的に間違った、誤った考え方のもとに、戦中あるいは戦後、ずっと年金行政、社会保険行政が進められてきたとしたら、本当に国民にとって大きな不幸が続いていたということになってしまうわけであります。やはり、給付以外には保険料は使わない、これを原則にしなければ、将来の国民の老後の安心はあり得ないということを、国会として、あるいは政府としてきちんと認識を新たにすべきだというふうに考えさせていただいております。 その意味で、これは国会がやっていく作業にもなりますけれども、厚生年金保険法七十九条、国民年金法七十四条、そして、今また改めて延長が議論されようとしている、されている財革法、一千億円以上の年金資金を年金事務費として流用する、それを許す法律、こういったものを改めて考え直していく、廃止に向けて考え直していくお考えが少しでもあるかないか、大臣にお伺いしたいと思います。
○尾辻国務大臣 まず、年金事務費でございますけれども、これは年金法の本則において国庫負担が原則とされております。 ただ、今お話しいただきましたように、国の厳しい財政状況にかんがみまして、平成十年度から十五年度まで特例措置が講ぜられて、さらに十六年度においても継続されていたわけでございますが、十七年度も今、さらに、財政が厳しい状況でございますので、特例措置の継続をお願いいたしておるところでございます。 ただ、冒頭申し上げましたように、これは年金法本則において国庫負担が原則とされておるわけでございますから、それが原則だ、こういうふうに考えます。
○中根委員 原則だという御認識をいただいておるなら、その原則どおりやはり保険料は給付以外には使わないという姿勢で、初めから来年度予算は一千億円の流用を認めた上で編成されているような甘いやり方では、いつまでたっても年金財政は安定をしていかない。 ことしになって積立金は五兆円も減ることになっている。そういったことの中に、幾ばくかでもそういった年金流用のむだ遣い、今までの間でも五兆円とも六兆円とも言われている、五兆、六兆といえば、もしかしたら少ないと思っておられるかもしれませんけれども、莫大な額だということを改めて認識し直していただいて、国民が納めた保険料だから社会保険庁の方々が勝手に使っちゃいけないわけなんですよ、これは。やはりいけないんですよ、どう考えても。だから、これはしっかりとこの国会でもう一回議論を深めていただきたいというふうに思っております。 感情的な解体論をしてはいけないということを先ほど申し上げたんですけれども、やはり、社会保険庁が行っている業務、政管健保はこれからどうするか、あるいは船員保険はどうするのか、そして年金業務はどうするかということを、きちんと、オープンな議論の中で、先ほど田中議員がおっしゃったように、検証できる数字、確かな数字を前提として、与野党を超えてフェアな協議の中で進めていってほしいと思います。 二〇〇〇年の地方分権一括法で、社会保険庁の地方事務官が国家公務員となりました。二〇〇二年に国民年金保険料の徴収が市町村から社会保険事務所になった。なった途端とは言いませんけれども、そうしましたら未納率が四〇%近くにもなってしまいました。 民主党は、歳入庁構想を御提唱申し上げ、国税業務とあわせて国民年金保険料を徴収する、集めさせていただくということを提案させていただいておるわけなんですけれども、昭和五十四年の三月十三日付の社会保険庁長官と全日本自治団体労働組合いわゆる自治労の中央執行委員長と国費評議会の議長との間で交わされた覚書というものがあります。この覚書の中に、幾つか覚書の内容があるんですけれども、その第十の項目といたしまして、「オンライン化を納税者番号、国民総背番号などの問題に結びつけることはしない。また、社会保険庁としては、歳入庁構想、徴収の一元化等については同調する考えはない。」というふうに明記をされているわけであります。 昭和五十四年といえば二十六年ほども前になるわけなんですけれども、もう既にこの段階で歳入庁あるいは納番制、徴収の一元化、こういったことが言葉として挙がっていること自体に私のような新米議員は驚いたわけなんです。この昭和五十四年の段階からある意味で議論が始まっている歳入庁構想、徴収の一元化、納番制、こういったものが、もう二十六年も議論されているにもかかわらず、依然としてそれが否定され続けてきて、この国会においても前国会においても前向きな御答弁はなかなか政府の方から承ることができない。承ることができないことの裏腹に、実はこの社会保険庁と自治労さんとの間の覚書が社会保険行政を、年金行政を大きく拘束してきた。 そうだとするならば、この覚書、昨年の十一月十八日に九十七件が破棄をされました。ことしの一月の二十七日になって最後の一件、今御指摘をさせていただきました昭和五十四年三月十三日付の覚書が破棄をされた。破棄をされたらそれでいいというわけではありません。今まで二十六年にわたって年金行政を本来あるべき姿の方向の議論に導くことができずに、納番制やあるいは歳入庁構想に対する議論を封殺してきたのがもしかしたらこの覚書にあったとしたならば、大きな罪つくりであると言わざるを得ないと思っています。 厚生労働大臣、この覚書の中で、歳入庁構想やあるいは納番制、徴収の一元化が否定されて、社会保険庁としてはこの歳入庁構想等に同調する考えはないというこの覚書の一文に今まで二十六年間縛られ続けてきたのか、拘束されてきたから今まで歳入庁構想が実現されなかったのか、いかがでしょうか。
○尾辻国務大臣 御指摘の覚書は昭和五十四年に社会保険業務の全国オンライン化計画の実施に伴って交わされたものでございまして、御指摘のような内容を確認していたことは事実でございます。 ただ、今お話にありましたように、この覚書に私どもの議論が何か影響を受けたということは、少なくとも私についてはございません、ないものと思っております。
○中根委員 尾辻大臣が今御答弁されたように、このことが大臣を拘束することがなかったとしたら、では、この覚書というものは一体何だったのでしょうか。全く有効なものではないものとして、二十六年間存続をし続けてきたということでしょうか。そうではなくて、有効なものとして、お互いに合意をし合って存続をし続けてきたということであれば、今の納番制、歳入庁構想、それ以外のこともいろいろ盛り込まれておりますけれども、この覚書の存在する意味といいますか、覚書というものは一体何なんでしょうか。 もう一度、この覚書の存在そのものが一体どういうものであるかということを、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○尾辻国務大臣 それは、いわば労使の間の確認事項、こういうことでございますから、そういうふうに理解はいたします。ただ、それが私どもの議論までを何か影響を与えたものではないということを申し上げたところでございます。
○中根委員 労使の間の議論ということであれば、当然、弱い立場の、働く側の立場の方々が経営者側、使う側、使の方の側にいろいろ要求することは、ある意味で自然のことであろうと思います。それを受け入れている政府の側、あるいはそれをマネジメントする側にあった政府あるいは与党の皆さん、この皆さんの、今まで、二十六年間なら二十六年間の管理責任といいますか、マネジメントの責任ということもやはり問われなくてはならないというふうに思っておるところでございます。 厚生労働省の下請として、二、三年、キャリアが社会保険庁に出向して、また二、三年で帰ってくる。そのことによって、地方で採用された方、中央で採用されたキャリアでない方、そしてわずか二十五人ぐらいの厚労省からの出向組のキャリアの方、いわゆるこの三層構造、こういったものが大きな壁になって、社会保険庁の組織の中で風通しの悪い体質をつくっていて、そしてまた、こういう覚書、こういったものが実はきちんと議論されない中で、ほとんど内容を十分吟味しない中で、本当に、二十五人程度の厚労省から社会保険庁へ出向しているいわゆるキャリアと言われている方々が、きちんとこの間、管理責任を果たしてきたかどうか、そのことがこの覚書の存在の中で問われてくるものだというふうに思わせていただいています。 いずれにしても、破棄をされたから、それですべて過去のことは清算ということではない。二十六年間、昭和五十四年からついこの間に至るまで有効なものとして存在をしてきた覚書とかあるいは確認事項とか、こういったものが、その中に歳入庁構想、徴収の一元化、納番制を明らかに否定をする、議論さえ許さない、そういった約束事が交わされていたということに大きな問題意識を持たせていただくわけであります。 二〇〇〇年の地方分権一括法では、実はもう一つ大きな変化がありました。このときに四十七都道府県で引っ越しが行われました。県の保険課が社会保険事務局に生まれ変わったわけであります。 結果的に、平成十六年度における四十七都道府県の家賃の総額は二十一億四千九百万円、厚生保険特別会計から約十五億円、国民年金特別会計から約六億六千万円。あわせて併設をされております、それぞれの地方社会保険事務局には社会保険事務局事務センターというものがくっついているわけなんですけれども、ここに総額十五億円。それからもう一つ、社会保険事務局レセプト点検センターというものがあります。その家賃に保険料財源から約十五億円。こういった、ここでもまた、国民が支払った、納めた保険料財源を使って、実は、それぞれの都道府県庁所在地の一等地に必要以上に豪華なビルを借りて社会保険事務局が設置をされているわけであります。 昨年の十一月二十四日付の日本経済新聞の調査、オフィスビルの賃貸料調査によりますと、神奈川県の社会保険事務局がある横浜の関内地区では、一平米当たり大体千八百円から、高くても六千円という数字が出ておりました。これは四十七社会保険事務局にほぼ当てはまることなんですけれども、それぞれ、今申し上げましたように、その土地土地の一等地を借りていますので、非常にむだだと言えるような保険料がそこに費やされているわけであります。 ここにかけているお金を、本当に、これから社会保険庁を改革していく、年金保険料は給付以外には使わない、もうむだ遣いをしないという決意があるならば、社会保険事務局というのは被保険者が直接そこに行くことは少ないわけなんです。被保険者が行くとすれば、船員保険の被保険者がそこに行くことはあるんですけれども、主には政管健保の関係者、あるいは国民年金の関係者はそれぞれの三百十二の社会保険事務所に出向くわけなんです。だから、社会保険事務所は国民にとって便利なところに存在をしていなければなりませんけれども、社会保険事務局というのは、あえて都道府県庁の、県庁所在地の一番いいところの高いビル、豪華な施設に存在している必要は全くないと言わざるを得ません。 そして、都道府県ごとに一つ一つなくてもいいというふうに私は考えさせていただいています。例えば、東海地方で一ブロック、関東地方で、東京で一つ、関東で一つとか、そういうふうにブロックごとに社会保険庁を整理統合していくことも一つの方法であるし、そのことが保険料のむだ遣いの削減にもつながると考えさせていただいておりますけれども、いかがでしょうか。
○尾辻国務大臣 今の社会保険事務局のあり方等につきましては、ただいま検討いたしております社会保険庁の抜本的な改革の中で議論をさせていただいておるところでございまして、その中での答えを出したいと思います。 それから、家賃の話でありますけれども、かねてむだ遣いではないかという御指摘もございますので、これは今徹底して見直しをいたしておるところでございます。
○中根委員 社会保険事務局あるいは事務局事務センター等が賃貸料を払って借りているビルの中には、年金積立金の運用先でもある日生、日本生命の関係のビルが数多く存在しているわけであります。 日本生命あるいはニッセイアセットマネジメントでしたか、年金積立金の運用をしているそういった機関に対して天下りがあるかどうか調べていただきましたが、今までの段階で天下りは確認されていないということでございますけれども、先ほど、民間から登用したNTTデータの関係で、濃密な関係にあるところからの人選では改革に支障があるのではないかというふうに申し上げたのと同じように、保険料を使って賃貸料を払う、その先が、積立金の運用をしている、そしてその積立金の運用先として何千億円も手数料を払っている日本生命を初めとするこういった関係のところである。 もうさまざまな形で同じような名前、同じような関係がダブって出てくるこの社会保険庁行政の周辺のいろいろな事例、こういった関係を一つ一つ丁寧に精査して、そして、国民から疑問を持たれかねない、そういったものはきちんと清算をしていくという丁寧な作業が行われなければ、幾ら審議会をたくさんつくって有識者を集めて会議を行っても、国民から納得できる改革が推進をされていくとは到底思えない、そのことを指摘させていただきたいと思います。 それから、もう時間がなくなりましたので幾つかはしょって申し上げますけれども、あとのことは次の長妻議員にお任せをいたしますけれども、一つだけ、ここを明らかにしておきたいということがあります。 厚生保険特別会計積立金、平成十七年度、百三十二兆円ほど。これが前年に比べて、積立金が平成十七年度においては五兆二千八百億円も、ついに減っていくということになるわけなんですけれども、幾つか指摘したいことがあるんですけれども、この積立金の表の中で、繰りかえ使用中ということがあります。繰りかえ使用中、九兆二千四百九十六億円という数字が載っております。 国民から集めた積立金は、一円でも運用益を獲得するために有効に活用していかなければなりません。九兆二千四百億円も手元資金として繰りかえ使用中という名目で置いておくということが本当に妥当なのかどうか、そのあたりの御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○青柳政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘いただきました年金積立金の繰りかえ使用とは、年金の支払いのために費用が一時的に不足するような場合を想定いたしまして、その不足分について、積立金を支払いの財源として一時的に繰りかえして使用する、こういうものでございます。この繰りかえ使用した額につきましては、その年度が終了するまでにお返しをする、返還をするということになっております。 どういうケースを想定するかということで、やや具体的に申し上げますと、年度の前半、例えば、年金の支払いは二カ月ごとでございますので、四月、六月、八月といったような前半の年金の支払いの時期におきまして、給付費に充てるための保険料収入がその時点ではまだ十分に確保できていない、したがいまして、その給付費に充てるためのお金としてこの繰りかえ使用の仕組みを利用する必要があるというものでございます。
○中根委員 もう時間が来ましたので、一言だけ申し上げて終わりたいと思いますけれども、改めて、冒頭申し上げました改革のスタッフについては、ぜひとも検討し直していただきたい。 本当に国民にとって透明な形での改革を推進していただきたいし、プライバシーにかかわることというような理由でなかなか公表できないということがこのほかにもたくさん今までも指摘をされておるわけなんですけれども、フェアな、まさに透明な議論を進めていく上で、午前中の田中議員の御指摘にもありましたように、なるべく明らかに、データを私たちの前にオープンにしていただく中で、本当の意味での、国民にとって正しい、あるべき姿の年金行政を確立していくために、私どもも歳入庁構想などを前面に掲げてしっかりと取り組んでまいりたいと思いますので、ぜひとも尾辻大臣のリーダーシップ、村瀬長官の指導力を期待申し上げさせていただき、本日の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○甘利委員長 これにて中根君の質疑は終了いたしました。 次に、長妻昭君。
○長妻委員 民主党の長妻昭でございます。簡潔な御答弁をいただければ幸いでございます。 尾辻大臣に端的にお尋ねしますけれども、今、無年金の方というのはどのぐらいいらっしゃいますか。
○尾辻国務大臣 社会保険庁が平成十三年に実施しました調査によりますと、公的年金の受給権がない六十五歳以上の方の数というのは六十万人と推計をされております。 一方、社会保険庁で把握しております記録を用いて、一定の条件のもとに、二十五年の受給資格を満たさない可能性がある六十歳未満の方と六十五歳以上の方、単純合計しますと八十万となるところでございます。 まず、数字をそこまで申し上げます。
○長妻委員 百万人になろうとするような方が、今現在、社会保険庁の推計値といえども無年金。日本はアメリカなどと違って皆年金の国でありますけれども、その中でもそれほど多くの方が今現在可能性があるということです。 大臣、六十から六十四歳までは何人ですか。
○尾辻国務大臣 先ほど申し上げたように、私どもが推計できます数字は六十歳未満の方の数でございまして、六十歳から六十四歳というところの方の数は私どもの数字の中にございません。
○長妻委員 これは大問題だと私は思うんですけれども。 いろいろな数字を出してきておりますけれども、一番重要な数字というのは無年金者の予想ですよ。この一番重要な数字を、今まで、私の質問主意書とか、あるいは会計検査院の検査とか、言われたら継ぎはぎ的に出す、六十五以上。六十歳以下は、聞かれたら出してくる。六十から六十四は今までだれにも聞かれていないから出していないんですけれども、これはきちっと調査されますか。ぜひしてください。
○尾辻国務大臣 可能な限りのところで調査をいたします。
○長妻委員 そして、この一ページ目を見ていただくと、今まで社会保険庁は、平成十三年度未納者、これは、二年間、一カ月も保険料を払わない方が三百二十七万人いらっしゃるということで、そこまでの数字しか出しておりませんけれども、会計検査院に対しては、先日に平成十五年度の数字も出したやに聞いておりまして、これは尾辻大臣、平成十五年度、未納者というのは大体何人ですか。
○尾辻国務大臣 平成十五年度末におきまして二年間の保険料を納付していない者の数は約四百四十万人でございます。同様の数字を十三年度末から比較いたしますと百二十万人増加をしておるということでございます。
○長妻委員 これも、去年の年金審議のときに一度もこの数字が出てこなかったわけでございまして、平成十五年度というのは平成十六年の三月期ですから、四百四十万人も未納者がいらっしゃるということは多分昨年の四月とか五月にこれはわかっているはずなんですけれども、全然言わない。百万人以上未納者がふえている。公式な数字は平成十三年度しか今出ていないんですよ。 それで、今無年金の方が大変ふえて、六十五以上で先ほど六十万人と言われましたけれども、このトレンドでいくと百万人を超えて、もう何百万人にもなってしまうんじゃないかというふうにも大変な危惧をしているわけですけれども、例えば、大臣、二十五年後の無年金者の数というのは予想値幾らですか。
○尾辻国務大臣 二十五年後の数字というのは私どもも推計をいたしておりません。
○長妻委員 皆年金の中で、それでは、六十万人、これよりふえると思いますけれども、そのぐらいの無年金者がいらっしゃるということは、皆年金制度の日本で、尾辻大臣、これは大きい数字だと思いませんか。
○尾辻国務大臣 これは先生よく御案内のとおりでございますけれども、六十万人といいましても、実際には、奥さんであって御主人が年金があるとか、そういったような方の数を計算しますと、本当の無年金者というのは四十万人ぐらいだろうというふうに見ております。これはかねて御説明申し上げておるとおりでございます。 ただ、いずれにいたしましても、そうした数の無年金の方がおられるというのは、私どもは大変問題であるという認識は持っております。
○長妻委員 これ、無年金が例えば百万人、何百万人になった場合、本当に年金制度というのは必要なのか。これほど多くの方が無年金になって、そして生活保護がふえているということでございまして、一つは二十五年ルールというのがございまして、これが周知徹底されていないんじゃないか。 ちょっと、たまたま谷垣大臣おられますので聞きますけれども、年金の二十五年ルールというのを御存じですか。
○谷垣国務大臣 二十五年ルールというのは、一応耳にはしております。
○長妻委員 どんなルールでございますか。
○谷垣国務大臣 今お答えするほどはっきり認識はしておりません。
○長妻委員 いや、どんなことで耳にされていますか、どういう意味で。
○谷垣国務大臣 いろいろな議論の中でそういう言葉は聞いたことがございますが、にわかにお問いかけのとき、国会で責任を持って御答弁するほどはっきり認識はしておりません。
○長妻委員 これ、国民の皆さんの多くが二十五年ルールを知らない、御存じない。社会保険庁の調査ですら四割の方が御存じないということで、私の感覚ではもっと多くの方が御存じないと思いますよ。 二十五年ルールというのは、公的年金、二十五年延べで払っていないと年金は一円ももらえないし、掛金もそのまま没収される、こういう制度なんですね。多くの私の周りの方も知らない。いろいろなパンフレットはごまんと出していますけれども、肝心な二十五年ルールの説明というのを全然されていないんですね。多分、谷垣大臣もきちっと御存じないと思いますよ。いや、それは責めているわけじゃなくて、ほとんど多くの皆さんが、この一番重要な核心の、制度の肝を知らない。これが無年金のふえている一つの原因だと思います。 そして、生活保護を見ていただきますと、五ページでございますが、生活保護を受けられている方のうち六十五歳以上の方というのが半分弱おられまして、そのうち半分の方が年金をもらっているということでありまして、年金をもらっていてもやはり生活保護を受けざるを得ない、こういうようなことになっております。 それも、当然その年金も国民年金で、基礎年金でいうと満額をもらっておられないわけでございまして、そういう意味では、最低保障年金のような制度をきちっとつくってこの生活保護、無年金者問題を解決するということで、我々、党としてはそういう案を出しているんですが、最低保障年金という考え方はいかがですか、尾辻大臣。
○尾辻国務大臣 まず二十五年ルールのお話がございました。このことにつきましては、先生にお答えいたしましたように、このことを知っていた者約六〇%となっておるというお答えは申し上げたところでありますから、その逆で、四割の皆様は御存じなかった、こういうことでございます。 そして、私どもはこのことをやはり問題だと思っておりますから、六十過ぎても二十五年ルールで年金がもらえない方は納めてください、それは六十五まで。そしてまた、それでも年数が足らない方には七十まで納めていただいて結構ですというようなことをやっているということは申し上げたいと思います。 最低保障年金についてのお尋ねがございますが、まさにお触れになりましたように、生活保護との関係をどうするか、この辺がこの問題を議論するときの一番基本の議論になります。そうした中で、こうした議論を、私が今これについていいとか悪いとかというのを申し上げることはできませんので、ぜひ御議論をいただければというふうに思います。
○長妻委員 それと、また私もびっくりしたんですけれども、八ページに表があります。これは会計検査院が社会保険庁からヒアリングしてつくった表ですけれども、会計検査院には、要望されると数字を出してくるんですね、我々には出さないですけれども。 これを見るとびっくりしますのは、これは基礎年金部分、国民年金部分ですけれども、本来取るべき保険料収入がどのくらいかということですけれども、平成十五年度は入ってくる保険料収入が、実際現金が二兆円入ってきた。ところが、本当はあと二・三兆円取ろうと思えば取れた。未納で入ってこなかった。本来取りっぱぐれたのが二・三兆円あるということで、平成十四年度には逆転しちゃったわけですね。本来入ってくる現金と取りっぱぐれた現金を比べると、平成十四年度は取りっぱぐれた方が多くなっているということで、さっきの田中議員の未納論議ともつながるんですけれども、こういう大変なことになっているんですよ。 それと九ページを見ていただきますと、これは予算です、国民年金を毎年幾ら徴収していこうかと予算を立てるわけですね。これは私びっくりしたのは、二十年間取り寄せましたら、二十年間すべての年が未達、予算を達成していない。つまり、政府が立てた収入見込みから取りっぱぐれ。これだけマイナスがずっと出ている。平成十六年度も、聞きましたらマイナス二千六百億円取りっぱぐれ。予算の数字が甘過ぎるんですね。こんな、企業、甘い、二十年間外れた予算を立てていたら首ですよ、担当者は。 その次の十ページを見ていただきますと、これは厚生年金です。厚生年金は、辛うじて平成二年、三年だけは予算を達成しました。二十年の間二年間だけは。あと全部赤字、予算を達成していない。平成十六年度も五千から六千億円の未達、達成しないということでありますけれども、これはどういう立て方をしているんですか、毎回達成しないというのは。 こういう甘い計算をなぜしているのか、そして担当者は責任をどうとるのか、お答えいただきます。
○尾辻国務大臣 保険料収入の予算の積算でございますけれども、まずやり方を申し上げますと、直近の保険料収入実績をベースにいたしまして、被保険者数や標準報酬月額等について、過去数年間の実績の平均伸び率等を用いて算出しておるものでございます。また、この際、予想される法律改正等の影響も考慮して積算をしておるところでございます。 そこで、予算額と決算額に乖離が生じておりますのは、予算を作成する時点では、二年度以前の実績値をもとに積算せざるを得ないところでございまして、直近の経済状況や低迷の影響等による離職者の増加だとか、就業形態の多様化等により被保険者数や標準報酬月額が変動しておりますこと、それからまた、年金保険の事業規模は、被保険者数を見ましても、厚生年金が三千二百万人でございますし、国民年金は二千二百万人でございます。 申し上げておりますのは、取り扱う計数の規模が大きいために計数値の変動の影響が大きく出る等のことがございます。
○長妻委員 いや、これは恥ずかしいですよ。与党の方もぜひ聞いていただきたいのは、直近の収入をベースにして平均伸び率をはかってこういう予算を立てました、全部外れている。どれだけ計算が甘いか。二十年間、毎回毎回外れ続けて、今その説明をされて、これは恥ですよ、恥です。 こういうことをして、担当者、何にも処分しない、責任をとらせない。また来年度、平成十七年度の予算も達成しないと思いますよ。これ、腹切るぐらいの覚悟で予算を立てないとだめですよ。大臣、決意をお願いします。
○尾辻国務大臣 確かに、これだけ外れ続けておるということは恥ずかしいことだと私も思います。 したがいまして、十七年度予算、これはしっかり見ていきたい、こういうふうに考えます。
○長妻委員 そしてもう一つ、十一ページを見ていただきますと、これも私も驚いたわけでございますけれども、年金が、保険料がどんどんなくなっちゃっている、福祉施設などで。ところが、天下り団体に金がふんだんにたまっていた、こういうことがわかりまして、これはどういうことなのかということでございます。 五つの天下り団体をピックアップして資料をつくっていただきましたけれども、例えば利益剰余金というのがございます。これは簡単に言うと、利益がずっとたまっていった合計でございますけれども、一番上の厚生年金事業振興団。公益事業ですよ、公益事業はもうけちゃいけないんですよ。公益事業だけで三百三十億円も利益がたまっている。その次の社団法人全国社会保険協会連合会に至っては、公益事業ですよ、公益事業だけに限って八百九十億円も利益がたまっている。こういう巨額の利益がたまっている。 それで、次の十二ページを見ていただきますと、これは流動資産と流動負債の表でございますが、流動比率というのがあります。流動資産の何分の一が流動負債なのかということでございますが、厚生年金事業振興団二・二倍、全国社会保険協会連合会三・二倍ということで、これは一流企業よりも流動比率が高い。トヨタ自動車よりはるかに高いわけですね、無借金経営の。こういう、金をふんだんにため込んでいますけれども、この委託費というのはこんなにもうけていいんですか、公益事業。 今年度もまた、今ここで審議している予算、委託費いっぱい入りますよ。委託費カットした方がいいんじゃないですか。もうけ過ぎですよ。
○尾辻国務大臣 御指摘の公益法人につきましては、今お話しいただきましたけれども、平成十五年度末時点での利益剰余金は、厚生年金事業振興団が約三百三十五億円、全国社会保険協会連合会が約八百九十六億円となっております。数字はそのとおりでございます。 まず厚生年金事業振興団、略して厚生団と言っておりますが、この厚生団につきましては、七カ所の厚生年金病院、二十一カ所の厚生年金会館のほか、数十カ所の施設経営を行っております。また、全社連につきましては、四十九カ所の社会保険病院、三カ所の厚生年金病院のほか、十数カ所の施設経営を行っているなど、事業規模自体が相当大規模なものになっております。したがいまして、数字が、病院でありますからということを申し上げたいところでございます。 そこで、これをどうするかということでございますが、解散を含めて各法人の経営委託契約が解除された場合には、各特別会計を精算して、剰余があります場合は国の特別会計に引き渡すことになっております。
○長妻委員 そうすると、今まで、この団体には、五つの天下り団体には、入ったお金はすべて委託費です。全部健康保険や年金の保険料が財源になっています、全額。ですから、解散する場合は、この金は一文も残らず年金勘定に戻す、こういうことで、大臣、いいんですね、今の答弁は。
○尾辻国務大臣 特別会計に戻りますから、確認いたしますが、年金勘定に戻るというふうに理解をいたしております。
○長妻委員 それともう一つ、平成十七年度予算、今議論しておりますけれども、六法全書、昨年度、平成十六年度は社会保険庁の職員の数以上に六法全書を買っちゃっている。なぜか。監修料をもらっているからいっぱい買っちゃっていると言われても仕方のないような買い方をしていたわけです。ところが、平成十七年度予算でもこれをいっぱい買う。 不可解なのは、これを福祉で買う、福祉の増進。ここの十六ページに法律がございます。先ほど中根委員も触れましたけれども、「福祉を増進するため、必要な施設をすることができる。」この条文が根拠で、この本を年金の保険料で買っちゃう、平成十七年度も。 これ、項とか目がありますけれども、項でいうと福祉ですね。どういう費目で買うんですか。
○尾辻国務大臣 平成十七年度予算におきまして、年金保険料で購入する社会保険六法は、厚生保険特別会計業務勘定が項でございます。ここに計上をしておるということでございます。(長妻委員「福祉は。福祉施設」と呼ぶ)福祉施設とおっしゃいますと……。
○長妻委員 ちょっと、これ、また虚偽的な答弁なんですが、厚生保険特別会計、国民年金特別会計の福祉施設費で買うんですよ、平成十七年度、福祉施設費で。それは違うように思います。
○尾辻国務大臣 失礼しました。 国民年金特別会計業務勘定、項、福祉施設費、目、庁費に計上しておるところでございます。
○長妻委員 与党の皆さん、聞かれましたか。福祉施設事業費でこれを買うんですよ、福祉施設費で。これ自身は三百三十万円分買うんですが、三百三十万円分、何冊も買うんですけれども、これ、穴があるんですよ。与党の皆さんもだまされちゃいけないのは、福祉施設の建物だけじゃなくて、平成十七年度、年金の保険料が、福祉の増進、福祉施設費ということで、こういうものも含めて、コンピューターも含めて一千五百六十億円も年金の保険料が福祉の増進ということで使われちゃうんですよ。一千五百六十億円。まだ穴があいているんですよ、建物じゃなくて。 ですから、こういうような抜け道をもう削除する。これは見直しませんか。
○尾辻国務大臣 先ほど来お話しになっておりますところで申し上げますと、福祉をすることができるという条文になっております。私も当初、この書き方、日本語としてどうなのかなと奇異に感じました。そこで、よく調べてみましたというか聞いてみましたら、これは古いといいますか、そもそものこういう書き方でありまして、事業をすることができると読むんだそうでございます。したがって、事業をすることができる。そこの、事業をすることができるというところを根拠にして相談業務をいたしておりますから、ですから、相談業務をすることができる、できるといいますか、相談業務をいたしております。その相談業務に携わる皆さんが持っておられる分だけが別個にしてあるわけでございまして、したがってそういう仕分けにしてある、こういうことでございます。
○長妻委員 本が福祉施設事業費というのは、これはどう考えても抜け道だと思います。 それで、一番最後のページを見ていただきますと、監修料の調査の問題がございましたけれども、社会保険庁は、監修料に関しては法的には問題ないんだ、みんな税務の申告もきちっとしている、こういうようなお話がありましたが、実は、この左側の五百七十六人というのは、十八ページです、監修料を上げた、監修料を上げるもとの出版社とか天下り団体に聞き取り調査をしたら、出版社側としては五百七十六人の職員に上げましたよと言ったわけですね。ところが、右側の数字、社会保険庁は三百十四人しかもらった人の名前を特定できていない。半分は名前がわからないんですよ。名前がわからないのに、何で税務がちゃんとやっているという発表をされるんですか。これは全部、名前、徹底的に調査しませんか。
○尾辻国務大臣 二点申し上げたいと思います。 一点は、まず、出版社に対して、その名前を出してくれということを再三再四にわたって申しております。ごく最近も言いました。引き続き、出してもらおうと思って努力をいたしております。 それから、もう一点言わせてください。数字の差でありますけれども、私の今の記憶の数字でありますから正確でないかもしれませんが、例えば一番直近のところでは、出版社が言った数字が七十七、私どもが確認した数字も七十七、最近のところではそこが合うんですが、非常に古い話になりますと記憶があいまいになって差が生じるということを申し上げておるところであります。
○長妻委員 これは委員長、理事会で御検討いただきたいのですが、国政調査権を発動して、そういうもらった方の名前を明らかにして、社会保険庁に本当に税務、きちっとなっているかどうか調べる。この名前の五百七十六人の要求を理事会で御検討いただければ。
○甘利委員長 理事会で協議いたします。
○長妻委員 そして最後の質問ですけれども、これもまたびっくりするわけですが、今度、ことしの十月一日に独立行政法人をつくるということなんですよ。これは与党の皆さん、ことしの十月一日に年金・健康保険福祉施設整理機構、こういう独立行政法人をつくると。これはまだ法律は出てきていません。三月ごろ出すという御予定らしいんですが、予算措置も全くされていない。どうするかというと、これは三百億円人件費がかかる、あるいは物件費を入れて三百億円。この一部を銀行から融資を受けて、そしてことしの十月にそういう独立行政法人が開始、スタートする。 何をするところかといいますと、今まで年金の福祉施設とか健康保険の福祉施設、三百八十ぐらいの施設を売るために独立行政法人を五年間限定でつくるということなんです。それで三百億の経費がかかる。売るのであれば、一般競争入札ですから、これは別に、役所、こういう組織をつくらないで、今でも社会保険庁の中にそういう組織があるわけですから、そこでやればいいんですよ。 それで、簿価でいうと八千九百億円分を売るということなんですね。八千九百億円分の簿価で建物を売る。グリーンピアの事例でいうと、売却価格三%というのが多いんですよ。そうすると、八千九百億円の三%といったら二百七十億円ぐらいなんですよ、もし三%で売れたら。そうしたら、この三百億で利益が飛んじゃうじゃないですか。売った売却益を全部食うだけの団体じゃないんですか。 これはちょっと一回見直してください、法律を出す前に。つくらないでいいですよ、一般競争入札で高く売ればいいですよ。病院とか老人ホームとか、それは特別に措置をした上で、あとは売ればいいですよ、こういう組織をつくらないで。
○尾辻国務大臣 今、簿価八千九百億というふうにお話しになりました。大体そんなものでございます。極めてボリュームが多いわけであります。 それから、先ほどもちょっと申し上げましたように、病院だとか、そういうものが多いものですから、どうしても、一つの組織をつくってそこで専門家に売ってもらわないと、これは専門家にきっちり売ってもらう必要があるというふうに考えております。
○長妻委員 では、最後に一点だけ聞きますけれども、予算措置をしないで銀行から借り入れをして独法をつくる、これは何でそんな手法をとるんですか。
○衛藤副大臣 これは、とにかくむだ遣いをしたということでございまして、当時としてはいろいろな趣旨があってこういう施設をつくられたんだと思います。しかし、今までのいろいろな議論の中で、少しでも被害を最小にして、そしてこれを全部年金の方の特別会計にお返しする、年金の方にお返しをするということで、できるだけ高く売らせていただくということを趣旨としてこの独法をつくるものであります。 それで、この中での議論になりましたところは、もうこれ以上この施設に関しては年金の資金を打ち込むことはしないということをはっきりするためにしたわけでございまして……(長妻委員「返済は年金にしてくれなきゃ」と呼ぶ)これは、返済は売ったお金の中からちゃんとしましょうということで、はっきりわかるような形としてこういうものをやろうというぐあいに今しているところであります。
○長妻委員 これは、売った利益は年金保険料に返してもらわなきゃ困るんですよ、そんな三百億でとっては。これは日本の国の危機だと思います。社会保障の問題、きちっとしてください。 以上です。
○甘利委員長 これにて長妻君の質疑は終了いたしました。 次に、内山晃君。
○内山委員 民主党の内山晃でございます。 私は、これまで社会保険労務士として多くの中小零細企業事業主や年金受給者に接してまいりました。現場を詳しく知る者の一人として、本日は、事業主や勤労者に成りかわりまして、事務的な質問を淡々といたしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。 昨年、多くの国民の反対意見のある中で、強行採決までした年金改正法、今でも国民は納得をしておりません。年金保険料を十四年間にわたり毎年〇・三五四%引き上げ、一八・三〇%を上限とする。国民年金保険料も、一万三千三百円を段階的に一万六千九百円に引き上げる。年金給付水準を現役世代の手取り賃金の五九・三%から五〇・二%に引き下げる。さらに、物価スライドにかえ、マクロ経済スライドを導入し、物価が上昇しても二十年間にわたり、毎年〇・九%、年金給付額を据え置く措置を取り入れました。 改正法の基本的な仕組みは、保険料を固定し、年金給付を五〇%確保する。年金積立金を百年かけて取り崩し、保険料の上昇を抑えるという内容です。賃金上昇率、物価上昇率、運用利回り、出生率等の数値を使い制度設計されていると説明されております。 それでは、二〇〇四年の子供が生まれた数というのは、百十万七千人でございました。二〇〇三年よりも一万七千人減少しました。二〇〇三年は史上最低の出生率で、二〇〇四年はさらにそれを減少しそう、こういう数値が出ております。ことしも、合計特殊出生率が一・二九を下回りそうです。 中位推計で予想した一・三二を二年も続けて下回りそうですけれども、大臣、二〇〇九年の財政検証時には、このままだと、保険料固定を見直し、保険料を引き上げ、さらには年金給付の所得代替率を見直さなきゃならないと思いますが、御意見はいかがですか。
○尾辻国務大臣 今お話ございましたように、有限均衡方式で九十五年の計算をいたしております。その中での数字でございます。 そうしますと、今お触れになりましたのは出生率の数字でございますが、確かに私どもは、中位推計で計算しますと一・三二で計算をしております。それが二年連続で一・二九かそれに近い数字ということになりますと、確かにそこは下がるわけであります。 しかし、計算は、非常に長い計算をしておりますし、それからまた、その他の数字もありますし、もっと申し上げますと、中位推計が一・三二ですが、下位推計は一・一〇で計算しておりまして、その数字もお示しをしております。 そうしたいろいろなことを申し上げますと、五年後で、今の一・三二と一・二九の違いによって計算をし直す必要というのはまずないだろうと私は思っております。
○内山委員 でも、昨年は、保険料を固定し、年金給付を固定したわけですね。五〇%を堅持するということを国民に約束したわけですね。それをほごにするんですか。 所得代替率五〇・二%を確保する、これは、低位推計ですと四六・四%になるという数字が出ていますけれども、でも、昨年は、五〇%を確保するということを国民に約束したんじゃないですか。
○尾辻国務大臣 申し上げておりますように、非常に長い計算でございますので、五〇・二%というのは、かなり先の数字でお示しをしておるものでございます。したがいまして、その辺の数字でありましたら局長に答えさせますので、よろしゅうございましょうか。
○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。 所得代替率という概念でございますが、標準的な世帯の平均的な標準報酬に比べて年金が幾らかということでございますが、これを、二〇二三年時に五〇・二%、こういうふうになるのが中位推計の見通しである、こういうふうに説明をしております。また、それを前提といたしまして、改正法附則におきましては、そうした二〇二三年が近づいた時点の直近の財政検証において、これが五〇・二%を下回りかねない、こういう見通しになったときには、財源面も含めて給付と負担の見直しを改めて行おうということが規定されております。 もとより本則におきましては、中位推計だけではなく、幅を持って動くようにマクロ経済スライドは設計されておりますが、さはさりながら、今後二十年近くの少子化対策等々の努力も踏まえて、二〇二三年の直近と申しますと、恐らく、正確ではないかもしれませんが、二〇一九年ないし二〇二〇年の段階で、その五〇・二%の見通しははっきりつくであろう。それまでの間について、果たして、〇・一、〇・二という合計特殊出生率の引き上げが可能か可能でないかというのは、今後の少子化対策、次世代育成支援対策、経済対策の関係によるのではないかというふうに考えております。
○内山委員 昨年の法律改正では、所得代替率は五〇%を守るということを私は記憶しておりまして、国民の多くの皆さんもそれで理解をしているはずなんです。データが悪かったから低位推計を使って四六%にするというのは、これは詐欺じゃないですか。厚生年金保険料は一八・三〇%に固定する、そして所得代替率は五〇%を堅持する、多くの国民はそう思っていますよ。都合が悪くなったから低位推計の数字を使って、一・一一の数字を使うと所得代替率が四六・四%だというのは、これは詭弁だと思うんですね。皆さん、四六・四だったらもっともっと反対の声が上がったんじゃないですか。 さらに、出生率の低下は短期的には年金財政に影響を与えないのはよくわかっています。しかし、要するに、二十年後に年金を支える人になるわけですよ。今が出生率が悪かったら、二十年後の保険料を支える人たちが少なくなるわけでありますよ。そして、当然、マクロ経済スライドの年金調整する期間というのも先に延ばさなければならない、こういうことになるわけですね。 では、二十年ということで設定したその根拠、大臣、ちょっとお話しください。
○渡辺政府参考人 マクロ経済スライドを二〇二三年まで続けるということは、法律の上ではどういう表現になっているかと申しますと、九十五年の有限均衡の範囲における給付と負担のそれぞれの総和が均衡し得る地点、こういうことで計算上出しておるものでございます。 したがいまして、この二〇二三年というものは、そういう観点から、マクロ経済スライドを続けていった際に出てくるものでありますが、その際の前提は、一・三九というところぐらいにコーホート出生率が下がりどまるというようなところで均衡することができるのではないか、こういう見方でございます。
○内山委員 ちょっと整理しますけれども、保険料水準固定方式で一八・三〇を固定したわけですね。そして、所得代替率を五〇・二%を守る、マクロ経済スライドを二十年で終える、こういうことだったんですね。でも、数値が違ったら所得代替率も低くなります、さらに調整期間も延びますでは、去年提出した改正年金法というのは、一時しのぎで、やはり欠陥商品ということを言っているんじゃないんですか。
○渡辺政府参考人 お言葉ではございますが、先ほど来申し上げておりますように、五〇%を守ることができるのではないかということを中位推計で、試算でお示ししております。法律上は、その五〇%を割らないように努めるということが明記されております。その上で、現実に二〇二三年が近づいた時点の財政検証で、これはやはりさまざまな努力をしてきたけれども無理だなとなったときに、その場合でも、二〇二三年の時点では五〇・二%、中位推計ベースであろうが低位推計ベースであろうが、二〇二三年の時点では五〇・二%でしかないんです。 今先生がおっしゃったように、その後五〇%を守らないという国としての決断をし、国会の議決があるとすれば、それは、その先にマクロ経済スライドは延びていって、五〇・二が四九・九になりというふうに動いていくかもしれない。 しかし、法律が定めるところは、その五〇・二というものを大事にして、それを守るように法律外の施策も含めて頑張ろう、さらに、だめだった場合には、改めて給付と負担の見直しを行い、その財源を持ってきてでも五〇%を守るということを含めて検討して、その先の給付と負担の図柄を明らかにしていこう、こういうものでございますので、これから十五年、二十年の間に何とかこの五〇%というものを守りたいという精神は、しっかり法律にも、それから、これからの努力にもあらわしていかなきゃいけない、こういうものでございます。
○内山委員 所得代替率というのは、物価上昇率、一人当たりの名目賃金上昇率、積立金の名目利回り、出生率、年金受給者の死亡率等のはっきり言って不確実要素で成り立っているわけでありまして、希望的な数字で割り振っている年金改正法にすぎない、こう私は言い切りたいと思うんです。 では、次の問題に移ります。 先ほども未納、未加入の問題が出ておりましたけれども、国民年金の未納、未加入対策、今どのようにやっていらっしゃいますか。
○青柳政府参考人 お答え申し上げます。 国民年金につきましては、未納、未加入の基本的な考え方は、まず未納の場合については、その方々がどのような態様にあるかに応じて施策を講じるということでございます。 具体的に申し上げますと、例えば、所得はあるのに納付をしていただけない方については、督促を繰り返した後に、最終的には滞納処分を含む強制徴収を行わせていただく。一方、所得がない方につきましては、免除制度。これについては、基本的に申請をしていただいて免除をいたしますが、昨年の法改正で市町村の所得情報を私ども使わせていただくようになりましたので、この所得情報を丁寧に見させていただいて、その上で、例えば、あなたは申請免除の対象になりますよというようなことを働きかけて免除にしていただく。あるいは、従来からある学生納付特例、さらには、ことしの四月から実施をさせていただきますところの二十歳代の若年者の方に対する納付特例、こういったものを組み合わせていく。 さらに、若い方々で、就労が不安定であったり働き方が多様化しているような方々については、コンビニ等で保険料を納めていただくというような、きめ細かな収納の環境の整備、こういったものを総合的に講じていくということが基本的な考え方でございます。
○内山委員 高額所得者で第一号被保険者が保険料を滞納した場合に財産の差し押さえを行う、こうありますけれども、高額所得者で第一号というふうな認定はすごく難しいのじゃないかと思うんです。例えば、病院を経営されている先生。医療法人であるとする。国民年金も厚生年金も入っていない、そういった方はどうやって処理をされますか。具体的にお答えください。
○青柳政府参考人 ただいまのお尋ねは、病院の院長さんという一つの具体的な例でございましたが、その例におきましても、その方々が所得をどのような形で申告をされているかというようなことにも、個別具体にかかわってくる部分があろうかと存じますが、基本的には、先ほども申し上げましたように、昨年の十月から市町村からの所得情報をいただくことが可能になりましたので、基本的にどのような職業についておられる方であっても、この所得情報という形で一律同じ条件でそれぞれの所得を把握いたしまして、最終的には滞納処分を含む強制徴収をさせていただくというやり方をさせていただいております。
○内山委員 厚生年金の未適事業所の促進は今どういうふうにやっていますでしょうか。
○青柳政府参考人 お答えいたします。 厚生年金につきましては、ただいまお話がございましたように、未適という形で、本来厚生年金に加入すべきであるにもかかわらず、その加入届をきちんとしていただけない方々が残念ながらございます。この方々につきましては、私ども、基本的には、まず雇用保険の情報あるいは法人の登記簿の情報、これを精査することによって事業所の洗い出しをいたしまして、届け出がその中で出てこない方につきましては、その情報をもとに、こちらの方で出向いて巡回をする場合、あるいは呼び出しをして来ていただく場合などによりまして、その未適事業所の適用拡大を進めさせていただいております。
○内山委員 今厚生年金の未適をどうするかというのを聞きまして、国民年金の未納者と絡んでくるわけでありますけれども、法人であれば、病院の院長というのは厚生年金の適用かと思うんですよ。そうですね。厚生年金の未適で処理するのか、それとも国民年金の一号として滞納として処理するのか、非常に難しいのじゃないですか。
○青柳政府参考人 まず、先生も御存じのように、厚生年金につきましては、法人立の事業所につきましては、事業規模のいかんにかかわらず一人以上従業員がいる場合には厚生年金を適用する、ただし、個人立については、五人未満のものについては厚生年金を適用せずに国民年金を適用するということになっております。 したがいまして、病院の院長さん、その病院が法人であるかどうかによっても、ただいま申し上げたように、扱いに違いが出てまいりますので、その法律に応じて私ども判断をさせていただいております。
○内山委員 厚生年金の適用事業所は、一九九七年をピークに減少傾向にあると思いますけれども、直近の数字で結構ですが、脱退している事業所数を教えていただきたいんです。
○青柳政府参考人 脱退している事業所数ということで今、お尋ねがございました。 私ども、制度的に把握しておるものという意味で、いわゆる全喪事業所、すなわち廃業等によって厚生年金の適用となる被保険者がいなくなった、こういう事業所の数ということで把握をしておりますが、平成十五年度におきますこの全喪事業所の数は七万四千三百四十九件というふうになっております。
○内山委員 これは前年度に比べてどうなんですか。
○青柳政府参考人 平成十四年度が九万七百三十八件でございますので、差し引きいたしますと、一万五、六千件、これが減少しておるということになろうかと存じます。
○内山委員 それでは、資格喪失者の推移をちょっと教えていただきたいんです。
○青柳政府参考人 ただいまの議員のお尋ねが厚生年金保険の資格喪失届の件数ということでございましたならば、平成十五年度におきまして、六百十六万二千百六十七件となっております。 ただ、一言ちょっと補足をさせていただきたいと存じますが、この数の中には、非常にわかりやすい例で申し上げれば、転勤等によりまして事業所がかわった場合に、これは引き続き厚生年金保険の被保険者であるわけでありますが、法律の手続上は資格喪失を一たんして、改めて資格を取得するというようなことがございますので、この申し上げました六百十六万件がすべて厚生年金から例えば国民年金にかわったということではないということだけ、御注意いただきたいと思います。
○内山委員 厚生年金をやめる事業所の数は数字にはあらわれませんけれども、増加傾向にあるのはもちろんだろうと思います。また、被保険者資格喪失をしている数もふえてくるのはこれからの流れだろうと思います。 先ほど、雇用保険の適用事業所数二百万事業所、そして、厚生年金の適用事業所数が百六十二万事業所で、三十八万社の乖離が生じているわけであります。国民年金の空洞化が叫ばれておりますけれども、厚生年金も実は空洞化が始まっているのはもう間違いないわけであります。重い社会保険料負担に耐え切れず、正社員からパート、アルバイトへ雇用形態を変更したり、最近は特に、業務請負契約に変更して社会保険料負担を回避している動きが見られます。 社会保険料というのは、健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料や介護保険料、こういった数字がまとまるわけでありますけれども、合計で約二四%、労使折半でそれぞれ賃金の一二%ずつを負担するという大変重い状況になっているわけです。 大臣、どうですか、こういう動きが今あるわけです。保険料の引き上げによって雇用形態を変えてしまっている現状があります。どう思われますか。
○尾辻国務大臣 その傾向があることはそのとおりでございます。したがいまして、それにどう対応するかというのが今後の私どもの課題である、こういうふうに考えております。
○内山委員 こういう雇用形態が変わりますと、具体的にちょっと確認をしておかなければいけないことがあります。 業務請負契約というものを結びまして、社会保険の適用を外し保険料負担を回避している。しかし、実態は事業主の管理下で、雇用契約で就労しているときと同じ仕事をしているような場合、このケースのときにはやはり保険料逃れと判断をするのか。 また、労災の方にちょっと聞きたいのですけれども、業務上災害が起きたときに労働者として労災保険の適用を受けることができるのかどうか。 その二点、担当者の方、お願いいたします。
○青柳政府参考人 最初に、私の方から社会保険の適用についてお答えを申し上げます。 先生、今具体の例を挙げられました業務委託あるいは請負という関係が会社との間である場合でありますが、そういう関係がある場合には、本来は、その業務委託や請負を受けているその者自体が事業主となりまして、その事業所において常時従業員を使用している場合に当たれば、その者を事業主として厚生年金保険が適用されるというのが原則になろうかと存じます。しかしながら、一人というような場合で請負あるいは業務委託を受けるケースもあろうかと思います。この場合には、形式的には会社との間で業務委託あるいは請負という契約を交わしている者であっても、実質的にはその会社との間に常用的使用関係があるというような場合もあろうかと思いますので、そのような場合については、会社を事業主として厚生年金保険あるいは政管健保が適用されるべきでありまして、こういった者が取得届を出さないとすれば、これは違法ということになろうかと存じます。
○青木政府参考人 労災保険でありますけれども、労災保険は適用事業場に使用されるすべての労働者に適用されるということになっておりまして、そこで言う労働者というのは、「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。」ということでございます。 御質問のように、業務委託とか請負とか、契約形態の名前がそういうことになっていたとしても、そういう名称にとらわれず、労働者であるか否かはその実態によって判断するということにいたしております。 その実態ということでありますけれども、ちょっとお話がありましたような仕事、作業の内容が同じかどうかだけではありませんで、使用従属性があるかどうかとかいうことで判断をしたり、あるいは労働者性の判断として仕事の内容の専属性だとか、そういったことを総合的に、いわゆる実態的に労働者と言えるかどうか、そういう判断をいたしているところであります。
○内山委員 雇用契約をしていたときと全く何ら変わらない勤務体制、ただ単に社会保険料を外すために請負契約にしたという契約をしただけなんです。ですから、こういう人たちがもし作業中にけがをして、労災保険の適用が受けられない。本人の過失じゃないわけですよ。事業主の命によって社会保険を外してくれ、または、事業主がそのまま違法な脱退をしてしまったために社会保険が外れてしまった、こういうケースにおいて、被害をこうむるのは現場で働いている勤労者なんですね。ですから、きちっとこの辺は、業務請負契約や委託契約をしたときに、何ら前の雇用契約と変わらない勤務で行っているという人たちには、明確にやはり労災保険が適用できるようにしていただきたい、こう思います。 次に移ります。 今回の年金制度改革、厚生年金の保険料引き上げ案には、日本経団連、日本商工会議所、経済同友会、関経連といった経済界から提示された改革プランや保険料率は一八・三〇%よりかなり低いレベルになっていたわけであります。例えば、日本経団連は一五%、日本商工会議所は現行の一三・五八%、関経連は、基礎年金を税方式化し、一三・五八%から基礎年金の保険料負担分を差し引いたレベルに据え置き、経済同友会に至っては、基礎年金を税方式にした上で厚生年金を廃止する、保険料をゼロとする改革案を提案したわけであります。 共通する根拠としては、保険料率だけに頼っていれば、いずれ大幅な引き上げが避けられず、国際競争力の低下にもつながる懸念から、特に問題になっているのは事業主の保険料負担だ。その負担が増加すれば企業の国際競争力が低下してしまう、そして、総人口の三五%台に達する高齢者の生活安定度に大きく影響を及ぼすものであり、明確な根拠に基づいて行うべきというふうな提案があったと思います。 保険料を段階的に上げるに当たり、一五%に達する前に制度の抜本的な道筋をつける必要があると思いますけれども、大臣、お願いいたします。
○尾辻国務大臣 このことにつきましては、今お話しのように、いろいろな御議論がございます。 私どもの思いますことは、まず、保険料率一八・三%がどうであるのかというようなことでございますが、諸外国との比較において、必ずしも一八・三という数字が高いのではないんじゃないかというふうにも思っております。そうしたことが一つあります。 それからもう一つは、年金の保険料率だけではなくて、今社会保障一体の見直しをしていますから、いろいろなものの事業主負担分がありますから、そうしたものを一体的に見てどうするかという御議論があるだろうというふうにも思っております。 それから、さらに言いますと、今の保険料率が一五%を超えるのが私の記憶で二〇〇七年の八月と九月の間だったと思いますから、言っておられることは、二〇〇七年の八月までにみんなで議論をしよう、こういうことであろうとも思っておりますので、そうした御議論を十分していただいて、私どももそれに対応していきたい、こういうふうに考えております。
○内山委員 今後の参考としてデータをちょっと確認したいんですが、通告をしておりますけれども、基礎年金を全額消費税で賄うとした場合、消費税が一%二・四兆円とした場合、何%の消費税が必要ですか、お答えをお願いします。
○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。 先生御承知のとおり、基礎年金の国庫負担割合は十五年度まで三分の一とされており、十七年度は法改正により三分の一プラス千分の十一、こういうふうになっておりまして、また、今回また法案を出しておるというところでございますが、そうした現存の国庫負担というものを加味して計算しますと非常に複雑になりますので、お許しをいただければ、平成十五年度までの三分の一の根っこのところの国庫負担分も全部含めて、基礎年金給付費総額というものを消費税収で賄うとした場合ということで、簡略化してお答えさせていただきたいと思います。 第一に、平成十五年度の確定した基礎年金給付費は十六・〇兆円でございます。消費税一%当たりの税収、この点でも前提を置かせていただきますが、地方分に抜けない、全部こちらで使うことができるものとしての仮定の消費税収の幅でございますが、一%当たり二・四兆円というふうに承知しております。 それで、今の十六兆円と二・四兆円を単純に税率換算いたしますと、もう過去のことでございますが、平成十五年時点で六・六%。しかし、この基礎年金給付費はどんどん伸びている最中でございますので、二〇二五年には基礎年金給付費は二十七・二兆円、消費税率換算七・八%、二〇五〇年には基礎年金給付費四十九・一兆円、消費税率換算一〇・七%、こういうふうに変動していくものと見ております。
○内山委員 ありがとうございました。 続いて、もう一問。厚生年金保険料の現行一三・九三四%のうち、六十五歳から老齢基礎年金に分かれます。その老齢基礎年金拠出分というのは料率の中に何%入っているか、お答えをいただきたいと思います。
○渡辺政府参考人 お答えいたします。 これも先生よく御承知のとおり、さて、厚生年金被保険者は基礎年金のために何%保険料を納めているかということは、制度的にも実務的にも明示されておりません。それは、そういう財政方式になっていないからでございますが。そういう意味で、基礎年金に要する費用と二階建ての分を全部合わせた全体の支出を保険料、国庫負担、運用収入等で賄うということを前提にした保険料率が設定されております。 したがって、お尋ねにお答えしたいと思いますが、かなり粗っぽく申し上げるという前提で言います。基礎年金の給付に充てられる保険料率という概念がない上でのことではございますが、あえて、十五年度における国庫負担分を除く基礎年金拠出金、これが十五年度では六・九兆円でございます。これを総報酬総額で割り算いたしますと、四・七%という数字が出てまいります。お尋ねのものにずばり当たっているかどうかわかりませんが、そのあたりということではないかと思います。
○内山委員 ありがとうございました。 時間がなくなってきますので、飛ばしてまいりたいと思います。 バランスシートが去年出ていると思うんですけれども、直近における厚生年金財政について、過去勤務の状況について、資産と負債のバランスシートについて御説明をいただきたいと思います。 今、資料を配付しておりますけれども、これを今説明いただきますと時間がなくなってしまいますので、私が説明を少しいたします。非常に見にくくて、よくわからない方もいらっしゃると思うんですが、要約しまして、過去期間に係る分としての債務が四百三十兆円ある。給付債務として残っているのが七百四十兆円、そのうち百五十兆円が国庫負担で、百六十兆円が積立金、こんなふうなところがこの資料に書いてあるわけです。そして、資産と負債の関係が債務超過額の四百三十兆円になりますよ、こうこのバランスシートには書いてあるわけであります。 これと同じようなものが、国民年金のバランスシートがあります。合わせると五百五十兆円にも過去勤務債務というものが出るわけでありますけれども、なぜこのような五百五十兆円にも多額になっているのか、これを御説明いただきたいんです。
○渡辺政府参考人 お答えいたします。 これも先生よく御存じのことでございますが、現在の年金の財政方式は賦課方式、世代間扶養でございますので、その時々の給付はその時々の現役世代の保険料収入で賄うことを基本としております。したがって、過去債務という概念を持っていないというのが現行制度の特徴でございます。 今資料でお示しいただいていたのは、仮に現行制度が積立方式であったと仮定した場合に、過去期間に係る給付債務というものは幾らであるか、こういうような計算でございます。 そういう点でいきますと、御指摘のように、厚生年金では、運用利回りベースによる換算でございますが、七百四十兆円の過去期間に係る給付現価があり、過去期間に係る国庫負担百五十兆円を控除し、さらに現在保有する積立金を控除いたしますと、先ほど四百三十というふうにおっしゃられましたけれども、私ども、計算しますと四百二十になるかなとは思っております。 国民年金は、過去期間に係る給付現価全体が百二十兆円でございまして、過去期間に係る国庫負担六十兆円を控除し、現在保有する積立金を控除いたしますと、いわゆる過去債務の額、五十兆円。いずれにせよ、足し算いたしますとほぼ四百七十兆円、そういう幅にはなるのでございますが、これは、賦課方式においては、将来のその時点における現役の保険料拠出をもって充てるということになっておるものでございます。
○内山委員 いや、さらっと言っていただけますけれども、将来だれが払うのかということですよ。企業や若い世代の人が払うわけです。その払った分というのは自分の給付には持ってこない。要するに、過去の、今年金をもらおうとする、またもらっている人たちの分を、若い人から重い保険料を取っていかなきゃいけない。 この厚生省の資料には、世代間扶養の賦課方式を基本とする年金制度は、過去の期間に相当する給付についても将来の加入期間に相当する給付と合わせて、今後の保険料収入で賄うことが基本となっている。これは、言いかえれば、過去の分も、若い世代の皆さん、払ってくださいよ、こういうことを言っているわけじゃないですか。今、少子高齢化ですよ。保険料を払う現役世代が少なくなっているのに、年金をもらう人が多くなる。賦課方式というのは、少子高齢化じゃ対応できないじゃないですか。 しかも、この資料を見ると、保険料を引き上げて、年金保険料資産を千二百兆円に増加させ、過去拠出対応分の債務超過を帳消しするという考えじゃないですか。だれがこの保険料を払うのかということですよ。 こういう過去の分をだれがつくってきたのか。適正に見合う保険料を上げてこなかった、そういう落ち度があるじゃないですか。賦課方式だから過去債務がないんだというのは、これは詭弁ですよ。スウェーデンでも米国でも、賦課方式でもバランスシートをつくって健全性を毎年示しているじゃないですか。 こういう状況では、若い人の年金離れというのはますます増加しますよ。少子高齢化で人口が減っていく時代では、賦課方式はもう成り立たないと悟るべきです。大臣、お願いします。
○尾辻国務大臣 賦課方式か積立方式かという議論に集約されるんだろうと思いますけれども、今私どもは、修正という言葉はつけておりますが、修正賦課方式でやっておる、こういうことでございます。したがって、賦課方式を基本にして考えておりますから、余り積立方式みたいな過去債務という考え方は基本的にない。 ただ、一方から、積立金も持っておりますから、そこの部分を修正賦課方式というふうに呼んでおるわけでありますけれども、今回の改正は、そうしたものを全部ひっくるめて修正賦課方式で九十五年やっていきたい、そこで九十五年間の有限均衡方式でバランスをとった、こういうふうにお考えいただければと思います。 そして、各外国との比較もありますけれども、今日本が持っております積立金の額、これは、ヨーロッパあたりの積立金の額から比べてそんなに少ないものではないというふうに思います。
○内山委員 要は、若い人から保険料を納めてください、でも、あなたの納めた保険料は、給付は下回りますよということを約束しているバランスシートにほかならないと思います。でなければ、なぜ、去年強行採決までして保険料を引き上げ、年金給付を引き下げるようなことをしなければならないのか。やはり、現に過去債務というのはあるわけじゃないですか。これを払っていくには、これから若い人の世代に過去債務を帳消ししていくための保険料負担をさせるということにほかならないと思います。 最後に、実はこういう本があります。「年金をとりもどす法」、社会保険庁の有志の方が書いたんですけれども、これは非常におもしろいんですね。一気に読んでしまいました。この中に、いろいろ、中根議員や長妻議員が今お話をしたようなことも、社会保険庁はなぜだめなのかなんということを書いてありまして、大臣、御存じですか。
○尾辻国務大臣 手にしたことはあります。それから、ぱらっとめくったことはあるんですが、詳しくは読んでおりません。
○内山委員 これは恐らく、自分で書いているから監修料はないかもしれませんけれども。 この中で、ちょっと確認をしなければならないところが一つあります。「インチキ行革の申し子「局内事務所」」、これは社会保険事務所のことを言っているんだろうと思うんですが、○○社会保険事務局○○事務所、こういうふうに電話をすると答える。それはなぜかといったら、「平成十二年四月に施行された地方分権一括法により、都道府県ごとに地方社会保険事務局が四十七カ所新設された。だが、これでは国の行政組織がふえたことになって行革に逆行するため具合が悪い。そこで、それぞれの都道府県内で一番小さい社会保険事務所を、新設する社会保険事務局内の事務所ということ」で、組織数の帳じりを合わせることにした。結局、行革に逆らう形になるから、何々社会保険事務局何々事務所と。お客も驚いている。 そして、「「効率化」という名の非効率化」、これもそうなのかとつくづく思うわけでありますけれども、各社会保険事務所の窓口で受理された関係書類は、共同事務センターというところで処理されている。本来、社会保険事務所で処理すればお金がかからないのに、共同事務センターというところでわざわざ処理をするため、派遣職員やキーパンチャー、事務室、そういうむだな仕事や手間をかけている、こういう実態があるようです。ぜひ、大臣、お買いになって検討していただきたいと思います。後でまたこのことはお尋ねをしたいと思います。 時間になりましたので、以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
○甘利委員長 これにて内山君の質疑は終了いたしました。 次に、古川元久君。
○古川(元)委員 民主党の古川元久でございます。 昨年の年金審議を思い浮かべますと、一番議論を混乱させた原因をつくったのが小泉総理のいろいろな発言じゃないかと思いますが、その総理がここにいらっしゃらない。昔、クリープを入れないコーヒーなんてというコマーシャルがありましたけれども、総理のいないこの年金集中、本当にどういう意味で総理は年金問題を考えておられるのか。多分、これが郵政の問題だったら、別に国会に呼ばれなくても、おれは出てくると言って出ていらっしゃったんじゃないかと思いますが、これだけ年金問題が国民の一番の関心事であるにもかかわらず、総理が自分で出てくると言われないということ、この一つをとっても、年金問題に対する総理を初めとする意気込みといいますか、どうもそれは疑わざるを得ないんじゃないかなというふうに思ったりいたします。 また、きょうの議論を聞いておりましても、やはり昨年の年金改革法、政府が強行採決をされた、それにあくまでもこだわろうとする姿勢が見てとれる。私ども民主党は、昨年の年金改革で、我が党案を出すその大前提として、現行の年金制度はどういう形で調整しても、もう根本的にこれは持続可能じゃない、新しい年金制度を今こそ構築するときだ、そういう大前提に立って、我々、いろいろな問題ももちろんありますけれども、そういう問題を乗り越えることを、与野党を超えてやっていくべきであって、まずは、持続可能ではない、新しい制度をつくろう、そういう最低限のコンセンサスを持たなきゃいけないというふうに思っていたわけなんです。どうも、きょうの議論を聞いていますと、そこがまだ持てないんじゃないかなというふうに思わざるを得ないところがあります。 そこで、まず最初に、現行制度がそもそも持続可能なのかどうかについて、これは実は政府の中でも、昨年の年金改革の政府案が固まる前の段階では、竹中大臣の主宰されております経済財政諮問会議でもかなり議論されたというふうに伺っておりますので、その辺のところから少し、まずは聞いてみたいと思います。 まず、きょうは中川経済産業大臣においでいただいておりますけれども、経済産業省の方は、保険料率が二〇%まで上がるということを前提にして、年金制度、このまま保険料がどんどんと上がっていくと大変に経済産業にマイナスの影響を与える、企業負担も上がるし、また失業率も上昇するんじゃないかと。試算だと百万人の雇用が減るとか、そういうような試算もあったというふうに思いますけれども、かなりこの保険料引き上げに対して危惧を持っておられたというふうなわけなんです。 その中で、経済産業省が経済財政諮問会議の方に提出をした資料の中では、「公平感・納得感のある給付水準のあり方、支給開始年齢、国庫負担の財源、関連する税制、医療保険料や介護保険料も含めたトータルな個人と企業の公的負担のあり方などを総合的に検討することにより、持続可能な公的年金制度を実現すべき。」というふうに言われておるわけなんですが、昨年の、あの政府が出された年金改革案で、経済産業省として出されたこの「持続可能な公的年金制度」というものは実現されたというふうにお考えですか。
○中川国務大臣 負担と給付というバランスが必要だということが大前提でございますので、そういう意味で、負担をする側からいいますと、負担のことも十分考えていただきたいということを申し上げております。
○古川(元)委員 それでもう、これから百年間大丈夫だという認識ですか。
○中川国務大臣 お互いに、一〇〇%はないわけですから、負担も給付もお互いに譲り合ってといいましょうか、議論を尽くして、そして、ぎりぎりのところで話し合いの、ぎりぎりのところでやるのが民主主義の最後のポイントだと思っております。
○古川(元)委員 話し合いで、民主主義でと言われるわけですが、かなりこれは危惧を提示されていらっしゃるわけですよね。今まで法人税減税したその効果さえもなくなるというふうに言っていらっしゃるわけですよね。それを上回る企業負担増だと言っているんですね。 二〇%まではいかないということになりましたけれども、一八・三までいくことになったと。今の一三・五八から見れば、かなりこれは、経済産業省的にいえば相当譲歩されたということですか、そうしたら。
○中川国務大臣 一八・三というのは、経済産業省というか、産業政策的にいうとぎりぎりの許容できる範囲だと思っております。
○古川(元)委員 では、どういう形で許容できるのか。これだけ、二〇%も上がるということであれば問題だというふうに指摘されたわけですから、一八・三であれば許容範囲だということをきちんと指し示すその責任が経済産業省にあると思いますが、いかがですか。
○中川国務大臣 これは、古川先生もよく御承知のとおり、経済というのは生き物ですから、どういう状況のときに、体力があるとき、あるいはまた体質があるとき、状況によっていろいろある。その状況の中で、できる、できないということがありますけれども、今の状況の中では、一八・三というのはぎりぎりの状況だと思っております。
○古川(元)委員 状況の中でと言われましたけれども、昨年の法案は、経済の状況にかかわらず、十四年間、毎年保険料が上がり続けるんですよ。今大臣の言われるような、状況によるということであれば、そんな、状況にかかわらず保険料が十四年間も上がり続けて、経済は大丈夫なんですか、大臣。
○中川国務大臣 ですから、経済だけでいけば、それは、負担する側としてはできるだけ負担を軽くしてもらいたいというのは我々の論理でありますけれども、我々も国家を考えておりますから、そういう中で、ぎりぎりのところを財政当局あるいは負担当局と考えて、きちっとした、ぎりぎりのラインが一八・三ということに判断をしたということであります。
○古川(元)委員 それであれば、一八・三、そのときの経済産業に与える影響というもの、これもちゃんと試算して、こういうことだから、今大臣が言われたように許容範囲だとちゃんと指し示すことが必要じゃないですか。そうじゃないと、これだけ読むと、何か言うだけ言っておいて、後はもう知らないよと、非常に無責任に思えるんですね。ここはきちんと指し示す、その準備はありますか。
○中川国務大臣 経済産業省というつかさとしては、日本経済を活性化するという観点がポイントでございますので、そういう観点から、日本経済活性化のために、一八・三という数字というのは、日本経済をこれから活性化するという観点から非常に大事なポイントであるというところから、一八・三というところが一つのポイントであるというふうに判断をしたわけであります。
○古川(元)委員 我々、よく昨年も与党の皆さんから批判されたのは、制度がだめだだめだと、おまえたちがそう言うから余計国民の不安が募るんだ、不信感が募るんだというふうに皆さん言われました。 経済産業省はみずからの手で、二〇%まで上がったら、こんなに負担が上がってどうするんだ、百万人も雇用が失われるぞと言ったわけですよね。それが、二〇%まではいかないけれども、一八・三まで上がることになったわけです。それで大丈夫だというんだったら、いや、この前、こう言ったけれども、一八・三になったから、経済は十分、これは吸収できて大丈夫ですよと、ちゃんと試算すべきじゃないですか。そうじゃないですか。
○中川国務大臣 ですから、経済産業省としては、経済活性化あるいはまた日本の経済の活性化という観点も、私どもの所管でございますから、そういう意味で、経済活性化の観点から、こういう一つのポイント、私どものポイントとして、これが重要な判断材料として、その中でこういう判断をしたということでございます。
○古川(元)委員 ちゃんともう一度試算をするのかしないのか。数値でこれだけの影響があると言われたんですから、この一八・三であれば影響がない、大丈夫だということを数値で示すべきだ。示すかどうかという、その点を聞いているんです。
○中川国務大臣 ですから、私どもといたしましては、経済産業活性化あるいはまた新産業創造戦略その他、一般論ではなくて、日本の大事な産業創造戦略をこれから打ち出していきたいという中でこういう判断をする。もちろん、国家機関としてこういう問題にも配慮をしなければいけないということでございますから、もちろん頭には入っておりますけれども、私どもの頭の中では、主にこういう経済戦略を頭に入れてやっていく上で、主に負担というものをどういうふうにしていったらいいかというときに、ぎりぎりのラインとして、日本として経済が思い切ってやっていけるぎりぎりのラインはこの部分であろうというふうに判断をして、頑張っていけるところがこのラインであるというふうに判断をしたわけであります。
○古川(元)委員 これだけはっきりと数字で出したのが、今度、一八・三だったら大丈夫だと数字で出せないというところに、そもそも経済産業省自身が、これを出したら相当な影響があるというふうに考えているからそう言わざるを得ないんだろうというふうに推測をさせていただきますけれども。そうじゃないんだったら、きちんともう一回試算をし直して、大丈夫だということを示すことが年金制度に対する今国民の間にある不信感を解消するために必要なことだと思いますから、その点、きちんと、やはりそこはやることはやっていただきたいということをお願いして、ちょっと財務省の方にお伺いしたいと思います。 財務省の方も、「年金改革についての基本的な考え方(七つのポイント)」というのを示されましたよね。財務省は、「現行のままでは、維持できない」「頻繁に見直しを繰り返す必要のない恒久的な制度を構築しなければならない。」というふうに書いているんですね。「恒久的な制度を構築しなければならない。」というこの言葉の裏に見えてくるのは、これは、やはり現行制度にかわる制度をつくろうと。一番のところにも「将来世代が支えられる年金制度とし、将来にわたり持続可能な制度を構築する」と。 私も役人をやっていましたから、そういう感覚でいいますと、持続可能な制度に修正をしていくとかいうのならわかるんですけれども、構築をするというのは、かなりこれは新しいものをイメージしているというふうに思うわけなんです。 このほかにもちょっとお伺いしていきたいと思いますが、まずは基本的な認識として、財務省としては、あの昨年の年金改革、これで今ここに提案されたような、頻繁に見直しを繰り返す必要のない恒久的な制度になった、そういう制度が構築された、そういう認識でいらっしゃるんですか。 〔委員長退席、渡海委員長代理着席〕
○谷垣国務大臣 今、古川委員がおっしゃいましたように、あの年金改正の議論の過程で、七つのポイント、これは当時の塩川大臣がそれまでお述べになったことを整理して財政審に示されたものですけれども、今委員がお読みになったように、現行のままでは公的年金制度が維持できない、したがって改革は待ったなしで、頻繁に見直す必要のない制度にしなきゃいかぬ、こういう問題意識で出されたわけですね。 それで、年金制度の議論の中で、先ほども中川大臣から御答弁がありましたけれども、いろいろなやはり主張があって、調整があった。その結果、最終的な保険料水準というものを設定して、その範囲内で給付を賄っていこうということと、もう一つは、経済の前提等の変化に対して、いわゆるマクロ経済スライドを入れようということで、これで塩川大臣の基本的な問題意識を踏まえたものになっているのではないか、経済状況の変化等にも一定程度対応できる長期的な給付と負担の均衡を図る重要な改革になったのではないか、私は一応そのように評価しております。
○古川(元)委員 保険料率の固定とマクロ経済スライドの話をされましたけれども、昨年我々が問題に挙げたのは、保険料を固定しておきながら、給付の方も現役世代の五〇%を確保する、今もここでも議論になりましたけれども、そういうことが入っているわけですね、附則に。 七つのポイントの三番目のところには、年金が果たすべき役割についても見直すという中で、「現役世代の所得の一定割合の保障という基準はとらない。」というふうに書いているんですが、五〇%給付水準を確保するということと、財務省が言われたこの「現役世代の所得の一定割合の保障という基準はとらない。」というのは矛盾するんじゃないですか。いかがですか。
○谷垣国務大臣 今お述べになったことは、年金制度には長寿に対するセーフティーネットという意味合いがある、だけれども、五〇%というこのマクロスライドの目標ですね、下回る事態になった場合には給付と負担を見直すと。先ほど渡辺局長からも御答弁があったわけですが、現役世代の所得の一定割合という考え方は、私どものこの三番目のポイントと全く同じではないですけれども、マクロ経済スライドというものを入れて身の丈に合わせるという考えの中で出てきたものだと考えております。
○古川(元)委員 そうなると、保険料も固定し、五〇%も保障する、そういう言い方は、要するに五〇%の方は保険料によって変わってくる、そういうことだというふうに認識しておられるということなんですね。
○谷垣国務大臣 当初の財務省の考え方は、必ずしも一定程度を保障するという考え方ではなくて、むしろセーフティーネットというような位置づけだったわけでございますから、若干、当初のこの七つの主張とは違いがあるわけでございます。
○古川(元)委員 違いがあってもいいと思ったのはどうしてなんですか。
○谷垣国務大臣 それは基本的に、マクロ経済スライドということで、経済の全体の動向と合わせて身の丈に合ったものができる、こういうことだからです。
○古川(元)委員 要するに、五〇%は保障されないというふうに認識しておられるということですね。
○谷垣国務大臣 そうは申しておりません。私どもの当初の考え方とは違うけれども、マクロ経済スライドということで身の丈に合ったものにしていこうということになったことは評価できると思っております。 それで、それがどういうことになるかは、先ほど厚生労働省の渡辺局長からも御答弁がありましたけれども、今後の経済のパフォーマンスによってもちろん変わってくると思いますし、今後、何年後かごとの見直しのときにまたいろいろ考えなければならないことはあると思っておりますが、こういう形である程度の期間の安定が得られることができたと思っております。
○古川(元)委員 この辺も、やはり昨年の議論をわかりにくくさせたところなんですよね。それだったら、法律の中にそんな、五〇%を保障するなんというものを入れるべきじゃないんですよね。保険料固定だけならわかりますよ、先ほどの議論は。できるだけ給付は五〇%を目指してやっていきますというのはわかりますけれども、法律の附則の中に入れたんですから、附則の中に入れたことの意味というものは極めて大きいというふうに我々は認識していますし、国民もそう思っているわけですよ。 今のお話、きょうのお話を聞いていると、どうも何か、附則の部分だし、何かまあ本則さえ守れば附則の方は変わってもいいのかな、そういう非常に無責任な、私はこの一連の流れの答弁を聞いていると、そんなふうに思います。 そういう中では、そもそもそういう形で国民に、保険料も固定されます、給付もちゃんとこれだけは保障されますというような幻想を与えたことが、年金に対する不信をますます拡大させてしまったんじゃないか、そう申し上げたいと思います。 次に、これはまた財務省が言っているお話で、「世代間の給付と負担の格差を縮小させる。」ということを、現役世代の納得が必要だからということで言っているわけなんですけれども、つい先日、経済財政諮問会議の方に、また後、竹中大臣に伺いますが、生涯を通じた受益と負担というので、六十歳以上と将来世代、一九八三年以降生まれの人と一九四二年以前生まれの人と比べると一億円近い受益と負担の格差があるというのが出たんです。確かに前に比べれば縮小されたと思いますが、それでもまだ一億円も差があるんですね。これは、この格差は仕方がないというふうに財務大臣、思っていらっしゃいますか。
○谷垣国務大臣 さっき言われたのは五番目のところですよね。五番目のところですが、これは、委員も多分そのことをお触れになったんだと思いますが、余りPRはされていないかもしれませんが、既裁定者もスライド調整の対象にするといったような、過去の期間に対応した年金の抑制も行われているわけで、世代間の給付と負担の格差も一定程度縮小したことは事実でございます。 ただ、今後さらに考えなければならないことはあるかもしれないと思っております。
○古川(元)委員 またこの財務省の方の七つのポイントをもうちょっと聞いてみますと、「どの世代においても負担した金額が年金として給付される制度」、それに今回、本当になったと思いますか。どうですか。
○谷垣国務大臣 六番目ですね。これは、「例えば、「概念上の拠出建て」」というような書き方になっているわけですけれども、確かに、この概念上の拠出建てという私どもの提案した考え方自体はとられていないのは事実でございます。 ただ、厚生労働省の試算によれば、どの世代においても負担した保険料を上回る年金給付が確保されているというところでありますので、私どもの主張そのものではないけれども、ある程度、思想は取り入れていただいているのじゃないかと思っております。
○古川(元)委員 でも、大臣、それは別に今回の改正でそうなったんじゃなくて、前からそうなんですよ。だったら、わざわざこんなのを入れる必要ないじゃないですか。何で財務省、これをわざわざ入れるんですか。それは、今とは違う形で保障しようという話だったんじゃないんですか。違いますか。
○谷垣国務大臣 これはさっきの中川大臣の答弁と同じでありますけれども、それぞれ、我々はよりよきものにしようといろいろな主張を出しました。いろいろな最後の調整の結果、こういうことになったということであります。
○古川(元)委員 最後の調整という話であれば、七番目の「税金で賄う国庫負担」の部分についてもお伺いしますが、「投入すべき対象、その役割、意義を明確にする。」というようなことが書いてあるんですけれども、今回の改正で明確になりましたか。
○谷垣国務大臣 この七番目の、高収入者に対して国庫負担を見直すようなことも考えたらどうだという提案を私どもはしたわけでありますが、これについては、率直に申して実現しておりません。 それで、基礎年金国庫負担割合の二分の一への引き上げ問題については、税制上の措置を講じていくという前提で作業をしているわけであります。
○古川(元)委員 さっきの経済産業大臣のお話もそうですし、また今の谷垣大臣のお話、聞いている人が聞けばわかると思いますが、これだけ指摘されたことが本当にちゃんと、昨年の年金改革の議論の中で、そしてあの通った改正法の中で実現されていない。まあ、それは議論の結果ですからというふうに言われるかもしれませんけれども、多くの視点が実現されないままに残っているというふうに、私、これは言わざるを得ないんじゃないかと思うんですね。それでいて、経済産業省も、そして財務省も、これで持続可能な制度になったというふうに考えているのかどうか。 特に、私は、年金制度の抜本改革を実現しようと思えば、税制の抜本改革、これは表裏一体の話で、両方一緒にやること以外に、年金だけで抜本改革なんかあり得ないと思うんですね。 私は、昨年の政府の提案が、財務省と共管じゃなくて厚労省が出した、要するに厚生労働省の枠内でやった瞬間に、これは抜本改革断念をしたというふうに判断をしましたけれども、税の話がついてこないような抜本改革というのはあり得ない話ですから、そういうふうに考えましたけれども、これは本当に中川大臣も、そして谷垣大臣、もう一回お伺いしますが、それぞれの所管するところで、自分たちのところでこうだというふうに考えていた年金改革、本来あるべき年金制度の姿からして、今度ので本当に、あとは要は負担と給付のあり方だけ、量的なものだけ。制度そのものは隣に置いておいて、あとは負担を多くするのか給付を減らすのか、そういう負担と給付の見直しだけで済む、そういうふうにお考えですか。両大臣、一言ずつコメントください。
○中川国務大臣 私は経済を活性化するという仕事をやっておりますけれども、そういう中で、しかし、公的な負担、社会的な負担、これもやっていかなければいけないよねということは、これはやはり日本の企業、日本の国民である以上は、皆さんそういうふうに思っているわけですから。でも、例えば、自分の国の中で余りにも負担が重いとか、あるいは諸外国に比べて重いとか、そういうことになりますと、これは競争力の問題とかそういう問題で、何とかしてもらいたいという声も強いわけでありますので、その辺のバランスといいましょうかあんばいというものを、私の立場からは、例えば谷垣大臣に、あるいはまたいろいろな政府の立場の方々に申し上げる立場に私はあるというふうに思っておりますけれども、基本的には、何もなければいいという単純なものではない。 国民の皆さん、企業の皆さん、働いている皆さんも、一生懸命働いて、そしてそれによって利益が得られて、それに対しての負担というものは応分に払っていただくということのコンセンサスは、私は一般論としてはそういうふうに得られているというふうに考えております。
○谷垣国務大臣 古川さんもさっきから指摘されましたように、私どもの主張が一〇〇%通っているわけではありません。ただ、マクロ経済スライドというものを入れて、これからの日本経済と年金制度を身の丈に合ったものとしていこうという仕組みが入ったというのは、私は極めて大きいものだと思っております。 それから、古川さんがさっき、財務省と一緒に出さなかったから抜本改革はあきらめたとなで切りにされましたけれども、やはり、基礎年金を三分の一から二分の一国庫負担に持っていこうということは既に着手をしているわけでありますし、それから、社会保障全般とこれは見ていかなきゃいけませんけれども、一体、公的サービスの水準はどうかということで、消費税等も入れながら考えていくような作業はこれから当然やらなければならないものだと思っております。 それで、制度自体、給付と負担の関係だけで大丈夫かとおっしゃるけれども、制度そのものについても、それはこれからいろいろまだ考えなければならないことはあるんだろうと思っておりますが、大きな整理は、やはりマクロ経済スライドみたいなもので相当前へ進んだと思っております。 〔渡海委員長代理退席、委員長着席〕
○古川(元)委員 竹中大臣にお伺いしたいと思いますが、先ほどちょっと挙げました生涯を通じた受益と負担、これは今度の年金改革の改正を含んだ上での数字ですよね。それでも一億円のアンバランスがある。これは将来世代が本当に甘受し得るものというふうに考えていらっしゃるんですか。
○竹中国務大臣 古川委員御紹介の数字は、内閣府が出しました日本経済二〇〇四の中に出てくる、いわゆる世代会計の計算の事例だというふうに承知をしております。 今回、年金の制度改革を踏まえまして、経済財政諮問会議では今、社会保障の一体的な改革というのを議論しているわけでございますけれども、その中で、今回の評価も踏まえた議論の方向性というのが次第に今深まっていっている段階であるというふうに私は承知をしております。 委員がいろいろ御指摘の点で、まず年金について言いますと、制度の持続可能性については、これは財務大臣もお答えになりましたように、今回改正のマクロ経済スライドの導入等により、年金財政の安定性が向上して、それなりの回答が示されたというふうに思っております。 しかしさらに、問題が皆無になったかというと、それはもちろんそんなふうには考えておりませんで、これは、昨年の八月二十六日の経済財政諮問会議に出されました民間議員のペーパーの中にさらなる視点がいろいろ示されておりますが、職業や世帯類型による不公平感の問題については、制度の一元化等々を含めたいろいろな議論をしていかなきゃいけないでしょう、将来の社会保障負担の重さ等々については、潜在的国民負担率をある程度抑えるということを議論していかなければいけないでしょう、さらには、未納、未加入の多さについては、これは社会保険庁改革の中等々で議論していかなければいけない。そのような議論を今しているところでございますので、その残された問題、社会保障の一体的改革の中でさらにしっかりと議論をしていくということになると思います。
○古川(元)委員 今、竹中大臣がいみじくも、財政の安定性はマクロ経済スライドとかそういうものによって一定程度確保されたんじゃないかというふうに言われたんですが、先ほどの中川大臣あるいは谷垣大臣のお話を聞いても、基本的に、要は、財政的に何とか、あの昨年の改革でそのままやっていけば将来的にももつだろう、そういう視点なんですね。あるいは前の国会なんかで尾辻大臣が答えていらっしゃるのを聞いても、財政的な面では、確かにこれは九十五年間にわたって計算をしたというのでもつだろうという発想。 しかし、我々の発想は、財政、それは言ってみれば、箱の形が決まってからその箱の中にどれくらいの水準で水を入れるかみたいな、そういう話だと思うんですね。今やらなきゃいけないことは、国民がその入れ物の器の形そのものについて不信感を持って心配しているわけなんです。 我々民主党は、まずこの器の形をどうするかということを決めましょう、その議論をしましょうと言っているわけですね。今のいびつに分かれた、そして三つも四つもコップがあるようなわかりにくい年金制度じゃなくて、一つのコップをつくって、そのコップのつくり方、それについては我々も案を出しましたけれども、別に我々、この案だけに固執するわけじゃなくて、皆さんの意見もあれば皆さんの案も出してくださいと。一つのコップをつくる、その形をつくるというところで議論をしましょうという提案をずっとさせていただいているんです。 ところが、今のお話も、そしてずっと政府のやってきていることも、形を変えるのは大変だからその水の分量をどうしようか、そういう水の分量、量の話になっていると思うんですね。量的に言えば、確かに、負担を引き上げたり、また給付を下げるということで、それなりに持続可能な形になったかもしれません。だからこそ財政の安定性。だからこそ財務省は、そこさえ確保されれば、別に国民皆年金じゃなくてどんどん空洞化が進もうと、それは財政的にはそこの部分は、その部分だけ考えれば負担にならないわけでありますから受け入れられるかもしれないですが、要は、我々は、ここの形の姿、量の前に枠組み、仕組みそのものの議論ができないのであれば、その仕組みは、これは総理の答弁でもそうですし、尾辻大臣の答弁でもそうなんですが、基本的に仕組みの話は片がついた、あとは負担と給付、そのあり方だと。そういう議論だと、とても我々は議論に乗れないと思うんですが、そこのところはいかがですか、尾辻大臣。
○尾辻国務大臣 私がかねて申し上げておりますのは、よく、持続可能であるのかないのか、どうなんだという御質問になるものですから、私どもが考えた持続可能な方法でありますということを申し上げておるところであります。 そこで、今お話しのように、そこまで根本的な議論をするということになると、今、箱の形という表現をされましたが、具体的には、例えば社会保険方式にするのかあるいは税方式でいくのかというような基本的な議論、あるいは賦課方式でいくのか積立方式でいくのかといったような議論、そうした極めて基本的な議論になるんだろうというふうに思います。 それはまた改めて御議論いただければと思っておりまして、私どもは、かねて社会保険方式がいいと思っておりますし、それから賦課方式がいいと思っていますから、社会保険方式と賦課方式の中で持続可能なものを去年提案させていただいた、こういうことでございます。
○古川(元)委員 我々民主党は、最初にも申し上げましたけれども、現行の制度はもう持続可能じゃない、だから新しい制度をつくりましょう、そういう発想のもとに新しい制度をつくり、それで議論をしたいと思っているんですね。 そういう中では、これは我々の頭の中の考え方として、ここでもずっと議論になっています、現行制度のもとで今発生している、また将来発生するであろう年金給付の債務、それをどう処理するのか。場合によっては給付をカットすることもあるだろうし、場合によってはほかの形で財源を手当てするということもあるでしょうけれども、現行制度上で発生する、あるいは発生したこの債務をどう処理するのかということと、これから将来にわたってどういう制度に対して我々若い世代、保険料を払っていくのか、あるいは税を払うのか、そのこれからの制度というのは、別に、分離をした形で頭の中で考えて議論をすべきじゃないかと思っているんですね。 我々民主党案の考えは、基本的にそういう形で、現行制度上の給付債務と、そして将来にわたってとは頭の中で別枠で考えています。ですから会計も、現行制度上で生じた債務についてどう処理するかという会計と、将来世代の、これから将来にわたって給付をしなきゃいけない、新しい制度の中で払われた保険料に対してどう給付するか、会計上も分けようというふうに考えています。 そういう制度設計、過去からの延長線じゃなくて、一元化というものですから、どうもそこのところがちょっと認識が違うなと思うのは、皆さんの方は、現行の制度を順々に何か一緒にしていこうというようなイメージがあるんですが、我々は、現行制度はどこかで店じまいをして、そして、ある時点から新しい制度をやるという形で、分離をしていく、そういう考え方で我々はやっていくということを考えているわけなんですね。 実は、そういう考え方は、政府の方からもかつて提案されたことがあるんです。 ちょうど一九七七年ですけれども、社会保障制度審議会の基本年金構想というのがあって、年齢要件のみを基準にして六十五歳以上の全国民に全額国庫負担による一定額を一律に支給する基本年金を創設するということが提案をされたことがあった。まさにこれは、現行制度にかわって新しい制度を創設する、そういう提案だったんですね。それを政府の中でされたわけですよ。 ただ、それは二年後に、年金制度基本構想懇談会というところで、当時の厚生省は、この基本年金という構想は否定をされた。その中で決まったのがまさに今に続いているわけでありますけれども、現行の個別制度の分立を前提として、制度間で財政調整を行おう、それが今の財政調整方式で、基礎年金とか出てきた、そういう流れになっているわけなんですね。 なぜそれを否定したのかということの理由の中で、これも六十一年の年金改革のときの解説資料の中で述べられているんですけれども、この基本年金構想というのは、これまでの我が国の年金制度の仕組みを全く変えてしまうものであり、これまでの制度とどうつながるか不明確で、新しい制度に移行が困難と思われる、それが主な理由として挙げられているんです。 こういう基本年金を否定したかつての厚生省の考え方、それはやはり今も同じですか。
○尾辻国務大臣 今のお話、どこの部分でお答えすればいいのかということがございますけれども、改めて申し上げますと、先ほど申し上げたように、私どもは、今社会保険方式でやっている、そしてこれを持続させようと思っていますし、それから賦課方式でいこうと思っている。ここをどうしても基本に考えますから、おっしゃっておられるように、税方式に変えようというお考えの方からすると、まるで違うなというのは当然あるんだろうと思います。 そこで、白地に絵をかくという表現をされますけれども、そういうことと、我々が現行制度を修正しながらと思うこととは違うのかなというふうには思いながらお聞きをしておりました。ただ、そうしたところまで含めて御議論をいただければ私どもはありがたいと率直に申し上げておるところでございます。したがって、制度についていろいろな御議論をいただきたいというふうに思います。 ただ、一点、今のお話について申し上げますと、いずれにしましても、制度を新しく変えたとしても、古い方の制度の皆さんにどうしても給付をしなきゃいけません。ここのところをどうするかというのが、もし年金の制度をいじったら大変大きな問題になるんだろうなというふうには思います。 今のアメリカで、ブッシュ政権が新しく積立方式を一部取り入れようと言っています。そうするとどういうことになるかというのを聞いていますと、そのために、一部積立方式に変えると、その部分を前の制度の皆さんの給付に持っていけない、そこの穴があく、ではその穴をどうやって埋めるかというと、国債で埋める、その国債の額が一兆ドルとも二兆ドルとも言われているという巨大なものになる。 例えて申し上げますと、やはり年金の制度をいじるということになりますと、そうした非常に大きな問題が生じるということはあるというふうに思っておりまして、今のお話のようなことについても、結局慎重にならざるを得ないということだけは申し上げておきたいと思います。
○古川(元)委員 実は私、そこが非常に大事なことだと思うんですね。 非常に大きな問題です、二重負担の問題、分離するときには。しかし、そこのところを分離しないで、これからの負担で過去の債務のところをうまく何とか回していこうと考えるから、余計将来世代は不安に思っているんじゃないですか。本当に、今まで約束した給付、どこまでなら、それこそ我々若い世代、そしてもっと若い将来世代も含めて、過去の世代の人たち、この日本社会を築き上げてきた人たちに対して約束した年金給付、そこの部分のどこまでをこういう形で保障しようという議論というものを実は分けてちゃんとやらなきゃいけないんじゃないでしょうか。 それを分けてやらないで、何かこれからの保険料の引き上げ、そこの中だけで、そしてまた一方で、約束したのに、わけのわからないうちに何かマクロ経済スライドといって給付がカットされていくみたいな、目に見えないところで、よく説明もされない中で負担は上がり給付は下がっていく、そのことが年金制度に対する不信感をむしろ高めているんじゃないでしょうか。 むしろ、それよりも、これまでの制度でこれは約束してしまった、将来もっと人口もふえるだろう、あるいは経済も成長するだろう、そういう思いで約束してしまったけれども、こういう状況が来ている。目の前に、人口も減少するような、そして高齢者の割合がどんどんとふえてくるような、そういう状況も来ている。そういう中で、現行制度で約束したもの、これについてはどうしようかということを考えて、あとこれから先は、人口減少の社会の中でも持続可能なような、どういう形の公的年金制度があるか、そういう議論をしよう。その方がよほど国民だって、負担を強いられる、それでもわかりやすいと思いますけれども、いかがですか。
○尾辻国務大臣 私どもも、そう思いました。そう思いましたというのは、社会保障制度そのもの、年金についてはとにかく長期にわたって持続可能なものにしなきゃいけない、安定的なものにしなきゃいけない、皆さんのセーフティーネットでなきゃいけない、こういうふうに思いました。したがって、私どもは、ですから有限均衡方式の九十五年という計算をしたわけでございまして、そういうふうに、そう思ったからやりましたというのが私の申し上げたいことでございます。
○古川(元)委員 多分、それではだれも国民はわからないと思うんですよね。なぜそこのところで負担が生じるのか、あるいは給付が減るのか、やはりそこのところをきちんと切り分けて議論するということが必要なんじゃないかと思います。 私たちは、やはりそういう発想に立った上での議論でないと、現行制度をそのままちょっと何とかごまかして、うまくその制度の枠組みの中でやっていこうというのでは、なかなか、これは私は国民が納得するような、そういう制度改革の議論には進まないということを申し上げて、次の論点に行きたいと思います。 さて、よく与党の皆さん、政府の皆さんから、社会保障制度の一体的見直しをしようということを言われるわけなんですけれども、この社会保障の一体的見直しというところに、一体どこまで社会保障の見直しの範囲が含まれるのか。 実は、そのところが確認できないと、我々からすると、ただ単にふろしきだけ広げて、あれもあります、これもあります、この問題をやっていれば、いや、こっちもありますからといって、先ほど官房長官もいみじくも、個々の議論をしないと全体に議論を進めるのは難しいからというので、順番に論点を議論するみたいなことをおっしゃっていましたが、結局、社会保障全体の見直しをするにしても、それぞれのところを一つ一つやはりやっていく、一つ一つの論点を、一つ一つの制度から議論をしていかなきゃいけないところがあると思うんです。 だからこそ、我々は、まずは年金をきちんと議論する中でいろいろな問題点が見えてくるだろう、そういうふうに思っているんですけれども、この社会保障全体の一体的見直しというところには一体どこまで含まれるのか、ここのところが非常にあいまいだ。社会保障というのは、別に年金と医療と介護だけじゃありません。これだけですべてがまとまるなんて思ったら大間違いでありまして、一体どこまで含まれるのか、これをきちんとしていただけますか。
○尾辻国務大臣 社会保障のまさに一体的な見直しでございますから、通常言う社会保障は全部入っておる、その中での見直し、そうしたもの全部ひっくるめての見直し、こういうふうに考えております。
○古川(元)委員 などとか通常含まれるというのは、非常にこれはあいまいなんですよね。 どうも生活保護は含まれているというのは、先ほどのお話で言われましたけれども、これは生活保護の問題をきちんと整理するのであれば、よく財務省が、かつて基礎年金全額税方式の議論をしているときに、全額税方式は生活保護との論理的整合性がとれない限りは絶対だめだと言っていました。しかし、生活保護についても一体的に見直すのであれば、基礎年金全額税方式というのも、十分それは考えるに値するという話になってくるんじゃないかと思うんですね。 実は、生活保護まで入れれば、そこもちゃんと含めてやるということであれば、当然そこは、生活保護と、そして基礎年金レベル、あるいは我々が言っている最低保障年金レベル、そういうものも一体的に見直されてくる。 そしてまた、皆さんが我々に対して、民主党案に対して批判する所得把握の問題。社会保障制度を見直そうというんだったら、一体、今どういう人たちに、どういう所得状況の人にどういう社会保障給付が行われているか、きちんと精査をしなくてどうやって見直すんですか。 大体、今の社会保障制度は、本当に必要な人にきちんとした給付がなされなくて、一方で、こんな人に本当に給付が必要かというような人に給付がなされている。そのためには、やはり所得把握の、所得の分布状況というものを、これをきちんとデータを調べる必要があるんじゃないですか。この辺を聞くと、いや、データはとっていません、わかりませんと。 これは、社会保障の一体的見直しというのであれば、この所得把握の状況も含めて、きちんとそれも含めてやるということですか、いかがです。
○尾辻国務大臣 まず、所得把握のことでございますけれども、国民年金を含めた年金制度の一元化を議論するに当たっては、いつもこれは議論されますけれども、自営業者の公平な保険料徴収のための正確な所得の把握など諸条件をどうするかといった問題について検討していく必要がありますから、この所得の把握というのは大事な問題だというふうに思っております。 それから、生活保護のお話がございましたけれども、これはもう当然、社会保障の一体的見直しの中で生活保護は入っておるわけでございます。そうなりますと、今お話しになりましたけれども、年金と生活保護の額をどう考えるかとか、まさにそういったような議論が次々出てくるんだというふうに考えております。
○古川(元)委員 それで、所得把握の状況もきちんと整備するのであれば、それがなきゃ社会保障の一体的見直しもできない。あるいは、そこの中に入るということであれば、それこそ、そういう形だったら、皆さんが今まで我々に批判してきた、そんな所得把握なんてできないじゃないか、そういう批判は当てはまらないということになると思いますが、いかがですか。
○尾辻国務大臣 所得の捕捉ができるかできないかということで、格別私どもが申し上げたことはないんではないかと思います。格別申し上げたことはないということを申し上げます。
○古川(元)委員 だから聞いているんですけれどもね。 とにかく、社会保障制度の一体的見直しと、そうやって非常に何か広げているんですけれども、一体どこまでやるのか。本当にそういう社会保障を見直すのであれば、当然、財務大臣、腕組みして聞いていらっしゃいますけれども、本当に必要な人にちゃんと給付がなされて、必要じゃないところはカットする、そういうことが必要ですよね。それであれば、やはり所得把握、所得の分布状況をちゃんと把握しないとできないと思いますけれども、いかがですか、大臣。
○谷垣国務大臣 委員のおっしゃるように、やはり社会保障を適切な方のところに、必要としている方のところにきちっと届くようにしなきゃならないのは当然のことだろうと思います。その前提として所得把握が必要じゃないかという御意見も私はそのとおりだと思いますし、私どもも、税を扱う立場から、所得把握ということについては、大変今まで苦労もしてまいりましたし、これからも努力をしなければいけないと思っております。 ただ、実は、自営業者の所得把握というのはなかなか難しい面がある、これはもう古川委員もよく御存じのとおりでございますけれども、そういったあたりについても、今後、議論を積み重ねなければいけないと思います。
○古川(元)委員 では、自営業者ができないというんだったら、社会保障全体の一体的見直しというのは本当にできるんですか。それこそ、自営業者の人に対する社会保障給付が本当にきちんと、ちゃんとした中で行われているのかどうか、そのことがチェックできないんじゃないですか。いかがですか。
○谷垣国務大臣 できないというより、なかなか難しい問題がありますし、特に年金の計算の基礎になるような形でやるとしますと、今までもトーゴーサンピンとかクロヨンとかいろいろなことを言われておりましたけれども、なかなかそこが、公平感を持ってぴしっとできるようにやるのは技術的にも至難なことであるとは思っております。
○古川(元)委員 年金の基礎になると言われますけれども、例えば、児童手当だって所得制限がありますよね。あるいは学校の給食費、これだって住民税の非課税かどうかというところが判断基準になるわけですよね。ほとんどの社会保障の給付は所得ベースにしているんですよ。そこの所得のところがいいかげんな状況の中で、本当に社会保障制度の根本的な見直しというのはできるんですか。
○谷垣国務大臣 いや、それはさらに所得把握の精度を上げていくようないろいろな努力、工夫は必要だと思います。しかし、私どものところもそういう苦労を重ねてまいりましたけれども、できるんですかとお問いかけにあって、一〇〇%できます、やってみせますなんというお答えをすることはできないと思っております。
○古川(元)委員 だからどこまで、だからこそ私たちが聞いているのは、社会保障制度の一体的見直しと大変に大ぶろしきを広げたわけですよ。我々は、まず年金のところからきちんと議論をしていきましょうと言っているのにもかかわらず、皆さんは、社会保障全体の見直しをしましょうと言うからですよ。そこまでやらないんだったら、本当に一体的見直しにならないんですよね。非常に、そういう意味では広げて、今大臣がいみじくも言われたように、やるんですかと言われても、そこまでやるとは言えないと。 それだったら、一体的見直しといいながら皆さん方の都合のいいところだけ見直して、あとはそのままという形になってしまうんだったら、これは我々が考えている本当の抜本改革とは違う形になってしまう。それこそ、先ほどからずっと私が言っているように、民主党案に対して、そんな所得把握もできないのに、そんなおまえらの言う所得比例年金なんかだめだろう、そういう議論を常にやらなけりゃいけないわけですよね。 我々は、だからこそ、どこまで皆さんが腹を固めて覚悟があるのか、そこのところが確認できなければ、とてもそんな社会保障全体というわざわざ問題を拡大して、問題先送り、抜本改革先送りの口実になるとしか思えないような形としか私はとれないと思うんですね。どこまで本当に腹を決めて、ここまでのところの社会保障制度についてはやるのか。年金、医療、介護など、などと言わないで、ちゃんと、などは何か、きちんと列記してください。
○尾辻国務大臣 今私どもが言っております社会保障の一体的見直しというのは、やはり社会保障給付費の一番大きなところをまずどうするか、これが今後の日本の財政を考える上でも一番大事なことでありますから、そこのところをまずどうするかという議論をしたいと考えております。そうなりますと、年金はありますけれども、今まさにおっしゃったように、医療、介護といったこういう社会保障給付費の一番額の大きなところをまずどうするかという議論をしたい、こういうふうに考えておるところでございます。 したがって、今、私どもの社会保障の一体的見直しというのは、まずそういう視点でやっておるということを申し上げるところであります。
○古川(元)委員 そうなると、結局またさっきの話の繰り返しになるんですが、まずはやはり量、ボリュームをどうするかという、制度の枠組みよりもそちらの、財務省が一番そこをやりたいんでしょうけれども、そういう話になってしまうんじゃないかと思うんですよね。 財務省からすれば、それは財政的なところからいえば、例えば、国民皆年金が崩壊して一部の人だけ年金があろうが、あるいは国民皆保険が崩壊して一部の人だけが保険がある形であろうが、財政的に維持ができれば、それは財政的に見れば安定するかもしれない。しかし、国民皆年金、国民皆保険、そういう制度を維持しようとするのであれば、我々が考えておるのは、やはりその制度そのもののところの見直しというのが必要じゃないか。 そういう中の枠組みのところまでちゃんと含めているかどうかというところが、今の大臣の話を聞くと、また何となく、さっきは含まれているように思えたんですけれども、また今の話を聞くとボリュームが何か優先みたいなそういう話になるんですけれども、そこをもう一回確認させていただけますか。
○尾辻国務大臣 今申し上げておりますように、社会保障の一体的見直しを言っていますのは、まず一番基本のところにあるのは、社会保障給付費の大きなところの、これを将来どうするかということをまず考えなきゃいけない、これはあります。そのことを否定はしません。まず、そのことを考えております。 ただ、先ほど、社会保障の一体的見直しの範囲はどうだというふうにお尋ねになりましたから、そのときの質問の御趣旨というのが余りよくわかりませんでしたので、とにかく、社会保障の一体的見直しの中では、全体は考えます。というのは、いろいろなことは社会保障同士でありますから整合性を持たなきゃいけない。そうした整合性を持たせるために、一体的にそれぞれのこと、生活保護の話も出ましたけれども、生活保護といったようなものももちろん見ていきますというふうに申し上げたわけでありまして、今私どもが考えている社会保障の一体的見直しというのは、そういったようなものでございます。
○古川(元)委員 では、ちょっとこういう形でお伺いします。 今、万が一、与野党で何らかの協議する機関ができたら、今政府の中で来年医療制度改革の法案を出すために準備を進めていますよね。その議論はそこに移るということで、そういうふうに認識してよろしいですか。
○尾辻国務大臣 今、その議論の場というのは、どこの議論の場でございましょうか。
○古川(元)委員 いや、だから、社会保障を全体に見直す与野党の協議の場がもし出るんだったら、そこに医療の話も全部来ますかと。 もう一回申し上げますよ。もし万が一、仮に今、社会保障の与党が言われるような形の一体的見直しの議論をする与野党の協議の場が出るというのであれば、政府が勝手にその中で、医療制度だとか、今介護保険も出ていますけれども、進めていくというのはおかしいですよね。それであれば、その医療の話も、今の政府でやっている議論も、その与野党の協議の場、その場に持ってくるのか。あるいは、これはさっきも言いましたけれども、税制の問題だって、当然、社会保障を見直すということであれば裏返しとしてあるわけですから、税の話も政府の中だけでやるんじゃなくてその場に持ってくるのか。ちゃんとそういう覚悟はあるんですかということです。
○尾辻国務大臣 国会の御議論の場をおつくりになるということだと理解をしましたけれども、それであれば、その御議論の場でどういう整理をなさるかということだと考えます。
○古川(元)委員 財務大臣、どうですか。
○谷垣国務大臣 万が一とおっしゃったのが気になりますが、そういう場ができれば、当然、誠心誠意議論をさせていただくということじゃないかと思います。
○古川(元)委員 この議論の中でも、スウェーデンのを見習いたいというお話が、与党の方からのお話でありました。 スウェーデンのを本当に見習う気が与党や政府にあったならば、前の総選挙が終わった後に、あの年金改革法案を自分たちだけでまとめるんじゃなくて、我々にもちゃんと呼びかけてやる。小泉総理は、抜本改革を二〇〇四年にやるというんだったら、あの時点でやるべきであった。それを、我々に呼びかけもしないで勝手につくっておいて、イエスかノーかだけ判断しろと言って、自分たちのを通した後から、では我々も含めて一緒に議論しましょうかというのでは、よほどの誠意が与党の側、そして政府の側から見えない限り、また我々だまされるんじゃないか、そう思わざるを得ないわけでありまして、そこのところは、私どもはきちんとまだこれからの議論の中でも精査をさせていただきたいということを最後に申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○甘利委員長 これにて古川君の質疑は終了いたしました。 次に、穀田恵二君。
○穀田委員 日本共産党の穀田恵二です。 きょうは、尾辻厚生労働大臣に介護保険についてお聞きしたいと思います。 五年目の見直しの年で、昨年末に介護保険制度の改革の全体像が出され、先日、法案も出されました。読売新聞が、厚生労働省が全体像を提出した後にアンケートを行っています。それによると、国民の六割が介護保険の保険料やサービスの自己負担の増加を懸念している、そして制度に何らかの心配や懸念を表明するなど、九割が制度に心配や不満を持っていることが明らかとなっています。 このようなアンケート調査の結果を労働大臣はどのようにお考えでしょうか。
○尾辻国務大臣 御心配の向きは当然だ、いろいろなことを、当然我が事でありますから皆さんが御心配になる、そういう意味で当然だとは思います。 ただ、介護保険制度、正確に言うと四年半前と言っていいのだろうと思いますが、施行をいたしました。その施行状況を見ますと、創設時に百四十九万人だったサービス利用者が、現在三百十七万人、スタート時の約二倍を超えております。それからまた、在宅サービスを中心に大きく利用が伸びてもおります。世論調査を見ても、介護保険制度を評価する声が年々高まっておりますので、基本的に介護保険制度というのは国民生活の中に定着をした、こういうふうに考えております。
○穀田委員 私は、不安や懸念が当然だとすると、やはり、利用者、また今後利用したいと思っている方々の意見をよく聞いて改善するというところに基礎を置いてやらなくちゃならぬということを初めに申しておきたいと思うんです。 やはり、依然として、介護が必要だが利用料や保険料が高くて十分な介護から遠ざかっている、さらには施設の入所も必要なときになかなか入れないという状態があるわけですから、これの改善が求められていると思っています。 大臣は、結論として言えばおおむね評価できる、そういう考えでしたけれども、私は、このアンケートによる重大な問題は、将来、保険料や使用料が高くなる、これに対する不安というのが五九・八%あるんですね。さらに、特養など施設に入れない、今現実そうですから、そういう問題についての意見が三六・一%。そこにこそ十分耳を傾けるべきではないかと思うんですが、それはいかがですか。
○尾辻国務大臣 利用者が、先ほど申し上げましたように急増いたしまして、したがって介護給付費も急速に増大しておる、これはやむを得ないところでございます。 そこで、現在、全国平均で約三千三百円、これは市町村別でございますから平均をとらざるを得ないわけでありますが、全国平均をとると約三千三百円の高齢者の方々の保険料でございますけれども、これが、私どもの試算では平成十八年度には千円程度上昇し、さらに十年後の平成二十六年度には六千円に達すると見込まれております。 そこで、そこまで保険料が上がったのでは、今お話しになりましたようにこれは大変でありますから、こうしたことを避けるために、今回の給付の効率化、重点化を図って給付費の縮減を図りながら、今の御心配のようなことについておこたえしようと考えておるところであります。
○穀田委員 その心配をなくそうという、それはわかるんですが、それは、保険料が上がっていく、それだけじゃないんですね。今大臣おっしゃったけれども、では、今度の見直しで何がやられるか。その特徴を言いますと、やはり施設利用者から住居費並びに食費を全額負担させるということなんですよ。これが新しい問題なんですね。 標準的な負担額は、個室の場合、居住費用は月額六万円、そして食費負担は四万八千円。多床室、いわゆる相部屋といいますか大部屋といいますか、その場合の居住費用は一万円となる。 だから、厚労省のモデルで、要介護五で個室利用の場合には、一割の利用料を含むと月額で十三万四千円になり、現行より三万七千円の負担増となります。相部屋の場合でも、月額八万七千円で三万一千円の負担増となる。これは皆さんに今お配りした資料の一で、これ自身は厚生省がつくっている表です。 一体、この負担増で、総額どの程度になるというふうに判断しておられるんですか。
○尾辻国務大臣 施設がどうなさるかということにもよりますから、必ずしも単純に数字が出るわけではございませんけれども、ざっと今の御提案申し上げておるようなやり方でどうなるかということを申し上げますと、平成十七年度で約一千三百億円、これを平年度ベースにしますと約三千億円の総額の増にはなるというふうに考えております。
○穀田委員 つまり、平年度ベースでいけば三千億円の新しい負担がかかるということなんですね。 そうしますと、今、施設の入所者、療養者は四月現在で七十四万五千人。ということになると、単純に言えば、一人当たりでいくと四十万円の負担の増になるということになりますね。そうですね。
○尾辻国務大臣 確認したことありませんが、単純に割り算すると、今、そうなるのかなと思って聞いておりました。
○穀田委員 それは割り算ですから、そうなるんですよ。それはいろいろと格差はあります。だけれども、問題は、平均して言えばそういうことになるということなんです。 だから、低い収入の層の人なんかはどうなるかというと、年金と一部負担の合計が逆転するという事態が生まれるわけですね。つまり、このような負担、平均して言えば一人当たり四十万円ということができるのか、やっていけるか、負担できると考えているのかということについてお聞きしたいと思います。
○尾辻国務大臣 今お話しのような御心配がありますから、とにかく私どもは低所得者の皆さんがお困りにならないようにということで、最大限の配慮をいたしたところでございます。居住費、食費を給付対象外とすることにより低所得者のサービス利用が困難となることがないように所得に応じた負担の上限を設けますとともに、介護保険制度内に補足給付を創設することなどにより低所得者の負担軽減を図ることといたしております。 多分、お手元に、御説明に参ったと思いますけれども、私どもが言います第一段階、生活保護の皆さんでありますと、現行も食費を一万円いただいておりますけれども、見直し後もやはり同じ一万円でございますし、第二段階、年金八十万円以下の方で見ますと、現行は食費を一万五千円いただいておりますものを一万二千円に抑える。いろいろな努力をいたしておるということでございます。
○穀田委員 それについて否定しているんじゃないんです。だけれども、皆さんの資料にもあるように、今ありましたように、収入が年間八十万円、月額でいいますと六・七万円程度以下の場合でも、相部屋からも居住費用を取る。国民年金だけしか収入のない年金生活者は平均四万六千円程度しかないわけですよ。この人たちは、逆に言うと、個室への入所ができなくなるということも起こるわけです。 ただ、個室というのは、医療との関係でいいますと何か非常にいいように聞こえますけれども、今厚生省も含めて進めているのは、プライバシーの問題もあり、生活拠点という考え方もあり、今後つくるものについては個室にしようという考え方ですよね。こうなりますと、個室を推進する厚生労働省の施策とも相矛盾する結果が生まれるじゃありませんか。その辺はいかがお考えですか。
○尾辻国務大臣 御負担をお願いすることでありますから、いろいろなことが出てくることは事実でございます。 ただ、今お話しのように、居住費ということも私どもは御負担をいただきたいというお願いはいたしております。それは、施設におられる方と居宅の方、この両方に不公平が生じないようにという考えでやっておるわけでございます。そして、今お話しのように、それは個室の方が好ましいとおっしゃる。そのとおりでもありますからできるだけそういうことを進めておりますが、ただ、今回の、御負担いただくということで、個室におられる方については減価償却費をいただくとか、複数の方が一緒の部屋におられる方からはいただかないとか、そういったようなことも考えておりますので、若干の差がつくことは、個室と複数の方がお入りになっている部屋の方との間に負担していただく額が違うというようなことは生じるところであります。
○穀田委員 でも、結局それは二重取りになるんじゃないかということを私は言いたいんですよ。大臣、大臣が仮に、あなたのお連れ合い、奥さんが施設に入って居住費を払う、片や大臣は自分のおうちについての居住費を払うとなるじゃありませんか。だから、そういう意味でいいますと、そういう理屈は成り立たぬということを言っているんですよ。 あわせて、では食費の問題について少しお聞きしますと、食費の場合、例えばデイサービスの食費を取ることに今度なりますよね。デイサービスというのは、在宅サービスの中では訪問介護に次いで大きい利用ですよね。全体の半分以上が要支援それから要介護一などの軽度の要介護者です。だから、極めて一般的な在宅サービスなんですよ。 ところが、食費などを徴収する理由として、先ほど言いましたように、厚生省は、在宅と施設の費用の公平化、均衡化、そういう公平感ということだと。しかし、デイサービスは在宅サービスじゃありませんか。全く矛盾するのではありませんか。それはいかがお考えですか。
○尾辻国務大臣 基本的に施設と居宅の不公平がないようにということで今回の制度の改正を考えておりますということは申し上げたとおりであります。 ただ、デイサービスで、お昼にお行きになって食費を取られる、それは自宅においても当然食事をとられるわけでありますから、その分をデイサービスの方でお払いいただくというのは、まさに公平感で判断しても正しいのではないかというふうに考えております。
○穀田委員 よくそういうことを言えますね。大体、在宅サービスを受けておいて、それで食費を取るというのはおかしな話じゃないですか、両方から。しかも、レストランに行くわけじゃなくて、通所をして、介護しに行ってもらうという、話をしに行くわけですから、全くそれは成り立たないと思うんですね。 食費の負担について言いますと、私、関係者からちょっと状況を聞いてきたんですが、例えば定員百人程度の特養施設の場合どうなるか。食費の問題ですね、今あわせて言いますと。 これまで利用者の食費負担というのは、一日、大体、京都なんですけれども、七百八十円程度だった。これが、厚生労働省が、大体千六百円程度になるだろうと言われている。そうすると年間一人当たりどうなるかというと、当然、千六百円引く七百八十円掛ける三百六十五ですから、一人当たり、単純に計算して、きちんとそこは合っていますから、二十九万九千三百円の負担増ということになるわけですね。そういう負担になるんだということなんです。そして、施設の方も保険負担を外される。どのぐらいマイナスなのかと聞くと、大体二千万近くのマイナスになると。つまり、利用者も、それから施設も、なかなかやるのが困難になるということになるわけですね。 そこで、先ほど大臣がおっしゃった、低所得者に対して云々かんぬんとありましたけれども、ここでグラフをちょっとついでに見ておきたいわけです。保険料負担区分で新たにできる第四段階、これ以上については、居住費や食費の負担について、その水準ですが、利用者と施設の契約により設定するとして、標準的なケースを示しているだけなんですね。この標準的なケース、これは資料一の右の下の方ですが、いかなる意味合いを持っているのかについてお聞きします。
○尾辻国務大臣 まず、施設の方の食費の部分のお話もございましたけれども、これは補足給付するということを先ほど申し上げました。ということは、例えば、先ほど言いましたけれども、第一段階、生活保護の方は食費は一万円お払いになる。しかし、今の標準的な食費の計算は四・八万円にしておりますから、御本人が一万円お払いになるとすると、その差額を、三万八千円になりますけれども、補足給付するということでございまして、施設の方への配慮はそういうことでいたしておるわけでございます。 今、居住費の標準的なケース、額の算定基準はというふうにお尋ねでありますけれども、これは、先ほど申し上げましたように、減価償却費と、それからあと……(穀田委員「いや、食費も居住費もちゃんと両方入っていますよね」と呼ぶ)両方入っているというのは居住費と食費が入っているということでございましょうか。食費の方の計算は、今申し上げましたように四万八千円というのを標準で考えております。 あと居住費の方は、先ほど申し上げました、個室であれば減価償却費プラス電気、水道、ガスといったようなものを入れた数字になりますし、それから、個室でない方の場合には電気、水道、ガスの実費ということになりますので、大体全国的にこういう数字になるだろう、標準の数字がこんなものだろうということでお示しをしておる、こういうことでございます。
○穀田委員 そこで大事なのは、やはりこれは、標準的なケースとわざわざ書いているというのは、上限ではないということなんですね。当然、上限ではないということですよね。そうしますと、厚労省の説明によると、これは利用者と施設との契約にゆだねるということだと言われたんです。 そうした場合、標準的なケースでも、大部屋、相部屋では現在の二万六千円から五万八千円と二倍以上に負担がふえるのに、例えば当事者同士に任せると、契約だということで任せるとなりますと、今施設が不足しているわけだから、入所したい者は高くても入らざるを得ないという事態になるわけです、当然。そして、選択の余地は生まれない。だから、そういう天井知らずの高い負担を強いられてもいいのかということになるということをしっかり見ておかなくちゃならぬということですね。私はそこを指摘したいわけです。おわかりいただけますか。 そこで次に、今言った問題で、利用料だけじゃないんです。先ほど大臣は、全国平均の月額というのは三千三百円だ、二〇一二年には大体六千円になるということもおっしゃっていました。 そこで資料二なんですが、これも厚労省が出した数字で、六千円になると。それを効率化、重点化した場合、ケース1の場合は四千九百円になる、こう言っているわけです。だけれども、これは、今るるお話ししたように、実際には負担が保険外という形でかぶさってくる。そして保険も、これで事実上、利用料と保険料が上がっていくということになって、ダブルパンチになって十年間続くということでしかないということを私は言わなくちゃならぬと思うんです。 だから、結局のところ十年後には四千九百円になるというわけだけれども、そこで、資料の三のところにあるわけですが、給付費というのは十兆六千億円から八兆七千億円になる。私、今言いましたように、保険料は上がる、そして居住費や食費で負担増になる。それから、予防給付といういろいろな問題がありまして、それについても減の懸念も広がって、結局のところ、利用料と保険料については十年間上げ続けるということには変わりないということだと思うんです。それはそうですね。
○尾辻国務大臣 総体の数字で申し上げておるのはそのとおりでございますけれども、ぜひ御理解いただいておきたいと思いますことは、その中に、今度の私どもの改正の中で大きな主眼でございます、予防による給付の減というものがある、こういうふうに考えております。 特に、まず、私どもが予防ということを二つ考えておりますけれども、一つは、全然介護を必要としない方々、その介護を必要としない方々が介護が必要とならないようにという、そこでの予防が一つあります。それから、軽度の方が重度にならないようにという予防がもう一つあると思っています。その二つの予防を重視して今度の制度を考えておりますから、そうした予防による効果というのが今言っていただいた数字の中にはかなり入っておりますから、そのことは申し上げておきたいと思います。
○穀田委員 では、それは最後にもう一度聞きます。 今私が言っているのは、保険料もちゃんと上がっていくよと。それは計算済みなんですよ。事実、三千三百円から六千円まで上がるけれども、それを四千九百円だというだけの話なんですよ。 あわせて、私、今度とても大事だなと思ったのは、今政府がやっている施策との関係で物を見る必要があるんじゃないか、全体を。それは、例えば所得税の高齢者控除の廃止、それから公的年金控除の縮小、これらによって収入の減少が進み始めています。それに加えて、〇六年度から住民税の非課税措置の廃止が予定されている。実行されれば、税負担はふえるわ、それから国民健康保険、介護保険に連動して雪だるま式に負担がふえていく。そういう影響についてちゃんとお考えですか。そこをお聞きしたい。
○尾辻国務大臣 そこで肝心なことは、低所得者に対する配慮だ、こういうふうに思いますので、先ほど来申し上げておるような配慮をした、こういうことでございます。
○穀田委員 では、低所得者について聞きたいと思うんです。 うんと低所得者といいましても、私、京都でちょっと調べてもらいまして、今のお話でどんなふうになるかということで資料四を見ていただきたいわけですけれども、グラフです。これは、心配になって京都市役所で調べてもらったわけです。既に決定している配偶者特別控除の廃止に伴う負担増の例なんです。 このケースの場合は、所得でいえば百六十三万円。そんなに高いわけじゃありません。夫の給与のみで生活し、年金はなし、妻は専業主婦ということで今どんなふうに取られているかといいますと、所得税が今までかかっていなかったものがかけられる。数字でいいますと三万三千円。京都市がつくってくれたものですから市府民税となっていますけれども、市府民税がかかる。次に、介護保険が四段階の区分に上がってしまう。国保料は所得に掛ける制度になり、上がる。合計でいいますと、今徴収されている額でいいますと、十六万四千七百八十八円が三十九万二百三円になる。倍以上の負担になってしまうわけです。こういうケースがあることを否定できませんよね。
○尾辻国務大臣 今初めて見ますので、市町村の計算によっては、こういう計算をお示しになったわけでありますから、あり得るのかなと思いながら見せていただいております。
○穀田委員 こういう数字なんです。これは京都市に出していただいてやったわけです。これは、配偶者特別控除が廃止されてこういう実態になる。 もちろん、京都市の場合、国保料という問題が少し、特別に所得に掛けるという新しい制度になっているという実態は確かにございます。しかし、所得税、市府民税、介護保険料そして国保料と、今まででいうと十六万円台のものが三十九万円というとてつもない数字に上がる。こういう負担になるんだということはよく見てほしいんですよ。これでもそんなに所得が多い人じゃないんですね。そう言いますと、先ほど言ったように低所得者対策、こう言うわけですけれども。 そこで、先ほど言いましたように、さまざまな制度改正が準備されている。それが行われれば雪だるま式に負担がふえる実態が一層、単にこれは配偶者特別控除が廃止された例なんですね。ところが、住民税の非課税を少しおろしますと、そこの層というのは物すごく京都の場合でも多いわけです。だから、広範囲に広がるという事態になると私は思うんです。 だから、尾辻厚生労働大臣が低所得者に配慮した配慮したと言うけれども、現実はこういうふうになりますよ。一番ボーダーラインでもこういう被害を受け、低所得者はもっとさらに被害を受ける。こういう事実をしっかりと見てもらう必要がある。こういう事態を見過ごして、何が社会保障かということを私は言わざるを得ないというふうに思っています。 だから、本当の意味で、こういう事実をしっかり見詰めながら全体的な対策をとる必要があるんじゃないかということをお聞きしておきたいと思います。
○尾辻国務大臣 先ほど来の御議論にありますとおりに、社会保障全体を持続可能なものにせざるを得ない。その中で、私たちが精いっぱいどうやったら持続可能にできるかということで努力をいたしておるところでございます。そうした中でそれぞれに御負担をお願いしたりということでございます。 負担能力に応じた負担をしてくださいということでお願いをしておるつもりでありますけれども、今お話しのようないろいろなケースもあると思いますので、私どもとしては、そうしたことに配慮しながら、特に、もう繰り返し申し上げておりますように、低所得者に対する配慮というのはいろいろな配慮をさせていただいておるつもりでありますから、さらにそうしたことに努力をしていきたいというふうに考えます。
○穀田委員 制度を持続的なものにする。しかし、先ほど来いろいろなお話がありましたけれども、年金の問題でもそうです、医療の問題でもそうです。制度があって、何のために制度があるのか。それは、国民がそれを受ける、そしてそれを社会保障で支えるというためにあるわけです。受け手の人たちが、払うこともできない、実際に受けることもできない、それで制度が維持される。そんなあほな話がありますか。ここが大事なんです。 だから、そこを見ないと、低所得者対策についても制度についても、どうしたら本当に維持できるかということについて、今の問題について、現実にこんなケースもある、こういうケースもある。つまり、介護保険だけ単純にとって見た場合、単純という言い方はちょっと失礼ですが、見た場合に、これは負担がそんなにふえていないかもしれないけれども、今行っている施策全般を通じて見ればこういう被害が及ぶんだということをよく見てやっていただかねばならない、私は、そういう点をあえて指摘しておきたいと思うんです。 もう一つ、負担増の問題とあわせて聞いておきたいと思うんです。 今まで利用していたサービスを受けることができるのかという不安がもう一つ多いわけなんです。介護保険の見直しで、来年の四月から、今まで在宅でヘルパーやデイサービスを利用していた人たちがこれらのサービスが受けられなくなるとなれば大きな問題なんですね。 そこで、制限なく今までと同じサービスは受けられるのか、根本問題について聞いておきたいと思います。
○尾辻国務大臣 その御心配はよくあるところであります。私どもも、お尋ねになる話として一番多い話の一つでございます。 なぜそういう御心配になるのかなというのは、私どもも今言っていますことは、さっきの、軽度の方が重度にならないようにというような、予防というふうに考えておりますので、例えば家事援助というようなことでいいますと、今までのやり方ですと、単にお手伝いさんのかわりになるというような家事援助ということがある。そうすると、逆に、介護を受ける方は、もう自分はそのまま何もせずに見ていればいいものですから、体を動かさないことになる。それが逆に、体を動かさないから介護の状態が悪くなるというようなこともあるので、そういうことにならないようにということで見直しをしようと言っておるわけであります。 私どもが言っていますのはそういうことでありますので、決して、今までのサービスが受けられなくなるとかなんとかということを言っているつもりはないということを申し上げておきたいと思います。
○穀田委員 そこで、先ほどの給付の問題とも関係するんですが、家事サービスをやっている実態について、そう単純ではないんですね。そういう例を出されますけれども、例えば高齢者の場合、私が言っている場合でも、家事をしてもらっている、洗濯していただいている、だけれども最後の干すときに高いところは届かない。これだけはやってくださいという人もいるんですよ。そういう多くの方々が行っているヘルパーの実態について、そう単純化してはならぬということだけ私は言っておきたいと思うんです。そういう努力が自立を逆に促しているんだということもよく見ないと、単純に、家事、介護がそういうことになってお手伝いさんがやっているんだなんという話は間違っているということだけ言っておきたい。 そこで、私、もう一つだけ。対象は要支援、要介護一を原則対象とするが、現在サービスを受けている人のうち、どのくらいが対象になるのか、その想定をしているのか。最後にこの点だけは介護の問題についてお聞きしておきたいと思います。
○尾辻国務大臣 先ほどの家事援助のことについてだけは申し上げておきたいと思いますが、すべてを否定しておるわけじゃありませんから、本当に必要な家事援助の方は、当然それはサービスとして今後も受けていただく。すべてを否定しているものではないということを申し上げたいと思います。 それから、今の数字については直ちに出ませんけれども、要支援の方と要介護一の方を二つに今度は分けます。ですから、要介護一の方の七割ぐらいの方と要支援の方と足した数、大ざっぱに言うとそういうことになろうかと思います。 数字は、また後ほどお答えをさせていただきたいと思います。
○穀田委員 何でこんなことを言っているかといいますと、介護サービスが制限されれば軽度者の在宅生活は成り立たないという調査結果が出ているんです。 それは、全日本民主医療機関連合会が行ったケアマネジャーの意見聴取。担当している、要支援、要介護一の六千件以上について調べてみると、介護サービスの制限で懸念があるという意見が九四%出ているというわけです。 だから、私、こういうふうな問題が起こり得る、しかも、どういう問題かということで問うているということを言いたいと思うんです。 最後に、時間も来ましたので、障害者の問題について言うことはできませんでしたけれども、一言だけ言っておきたいと思うんです。 私は、今度出されている障害者自立支援給付法というのは、重い負担と苦しみを課すものだけだという実態になりはしないか。応能負担から応益一割負担が導入される。さらに、成人と子供の障害者の医療や精神障害者の通院医療の負担増が押しつけられる。それから、子供の難病についても自己負担。社会保障が最も重視しなくちゃならぬ障害者に対して、容赦のない負担をこんな形で負わせるだとか、そして、当事者からまともな意見も聞かないだとか、数カ月でやってしまうなどというやり方は私は許しがたい、決して許せないということを言って、質問を終わります。
○甘利委員長 これにて穀田君の質疑は終了いたしました。 次に、阿部知子君。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。 先週に引き続いて今週も週明けから、各委員の皆さん、大変に熱心な御論議で、御苦労さまでございます。 それにしても、国民的関心事の年金、医療、介護等を論ずる場になぜ小泉首相がおいでじゃないのか、私はとても残念に思いますし、細田官房長官がいらしたら、きょうは何を総理はやっておられるのか、お伺いしたいところです。しかし、ここにおいでじゃありませんので、この一つをとっても、やはり国民が最も望むものを時の首相は一番心に受けとめて行っていくべきだということを、私は、冒頭申し上げさせていただきます。 引き続いて、二十五分の時間ですので、質問に移らせていただきます。 まず、年金問題です。 きょう、各委員から御指摘もございましたが、昨年の年金論議、特に出生率の問題は、論議の最終盤になりまして新たな事実が発覚し、いろいろな意味でまた物議も醸し、一体この年金制度、本当に大丈夫なんだろうかとみんなが思った一大出来事でもありました。私は、それ以外にも、きょうの委員の指摘にもありましたが、国民年金の空洞化、例えば社会保険庁のお調べと会計検査院のチェックが違うということ一つとっても、これもまた国民の年金不信につながる、本当に問題が多いことだと思います。 そして、私は、きょうこの場で既に取り上げられました少子化問題あるいは国民年金の空洞化問題以上に、実は最も深刻な、そして年金問題の根幹を支えている厚生年金についても、国の見通しの甘さ、そしてなぜそのような甘い見通しになるかということについて、きょうは、尾辻厚生労働大臣にきちんとした対策も含めて伺いたいと思います。 皆さんのお手元に配らせていただいた資料の一枚目がございます。ここには「労働力人口に占める被用者年金被保険者の割合」というタイトルがございますが、いわゆる厚生年金に加入されている方が今後どのように推移するかということについて、年金数理課が用いておられるデータでございます。 国民年金の保険料収入のみならず、厚生年金の保険料収入も毎年毎年予測が外れて、一兆、二兆どころか、ひどいと、五年ごとの再計算と比べれば五兆、六兆のずれが実は出ておるのでありますが、尾辻厚生労働大臣に、一点目、伺います。 例えば、この男子のカーブでございます。これは、現在厚生年金に加入しておられる方が、例えば三十歳代で全体の働く方の〇・七六加入しておられるとしたら、五十歳代は現在〇・七〇ですが、年金再計算の折には、〇・七六まで、三十歳代の人がずっと五十歳代になればアップするという想定でございます。あるいは、下の女子に至りましては、現在、例えば四十歳代の女性が働いて厚生年金に加入している率、〇・四四といたしましたら、五十歳になったら逆にこれが〇・五近くに上がるという仮定でございます。どう考えても労働実態からは遠い。例えば、五十歳代の女性は大半がパートになっておりますし、厚生年金に加入したくてもできない状態が現実でございます。 私は、大臣がこういう想定に基づいて厚生年金のいわゆる保険料収入が算定されているということをまず御存じかどうか、一点目、伺います。
○尾辻国務大臣 私も、この説明はごく最近受けました。 まず、労働力人口の将来推計をどうするかということでありますけれども、これは、将来の推計人口があります。それに対して労働力率の将来推計というのを掛けてまず出す。それから今度は、その労働力人口の将来推計に労働力人口に占める被用者年金被保険者割合というのを掛ける。その掛ける数字がこの七六という数字だ。七六%を掛ける、〇・七六と言ってもいいんでしょうが、掛ける。そういう計算をするんだということは、正直に言いまして、ごく最近説明を受けました。 そこで、この〇・七六という数字がどうなんだということについてのお話があるのかもしれませんが、まずは、知っているか知っていないかという御質問でございましたから、そこまでお答えいたします。
○阿部委員 私もこの算定方法を、数理課にどのように現実にやっているのかということをお伺いして初めて知ったわけです。これは余りにも実態とかけ離れております。 私はいつも指摘させていただきますが、皆さんのお手元に配られました二枚目をあけていただきますと、「国民年金第一号被保険者の就業状況の変化」というグラフがございます。実はこれは、昨年の厚生労働委員会でも五回くらい使わせていただいて、何とか事実に基づいた論議をしたいと思って配った資料でございますが、ここには、平成七年から平成十三年にかけて、果たして国民年金第一号被保険者は自営業者等という頭振りがつく実態かどうか。これは先回も質問させていただきましたが、さらに私は強調したいと思いますが、平成十三年度で見ていただきますと、自営業主はわずか一七・八%でございます。二千二百四十万、現在、概略申しませばそれだけの数の一七・八%。そして、その御家族を含めても二七・八%。かわりまして、一番多いのがいわゆる無職、そして臨時・パートでもう六割以上でございます。 私は、特に、無職の方にはもちろん雇用のチャンス、そしてパートや臨時という方の厚生年金加入問題がやはり今最も優先してまず取り組まれるべき課題であり、それは、さきの年金論議の決議の中にもございました点です。 そして、三枚目の資料を見ていただきたいと思います。ここには、「第一号被保険者の年齢構成の推移」というのがございます。一体何歳の人が第一号被保険者になっておるのかということを見ていただきますと、おわかりのように、もちろん、ニートやフリーターとよく言われる二十歳代の方以上に、現在は、三十歳代の方の比率も一九・九%とふえております。 となりますと、先ほど私が大臣にお示しした、現在三十歳代の方が五十になったら〇・七六常用雇用ないし厚生年金適用を受けておるというこの仮定、これ自身が実態と乖離している。厚生労働省がお出しになったデータだけを突き合わせても、私は乖離があると思います。 雇用、働き方の多様化という名で、やはり今現実にパート、アルバイト、派遣等々進んでおります。果たして、大臣、この試算で大丈夫でしょうか。ここには、パートやアルバイトになった三十歳代の方を、将来、五十になったら全部常用雇用ないし厚生年金適用で保険料を納めている対象としておられます。 そうしたら、私は、この五年の保険料収入だって、本当に大丈夫か。せんだって聞きましたら、百年先を見越しているので近々のことは何ともというお答えでした。しかし、これでは国民が、毎年毎年保険料収入の予測値と現実が、幅が余りにずれが大きくて、年金について私は信頼を失う大きなきっかけとなると思いますが、大臣のお考えをお聞かせください。
○尾辻国務大臣 まず、一号被保険者の皆さんが極めて多様化しておるということは、先日もお答えいたしましたけれども、事実でございます。その中で、したがってということがありますが、まず、空洞化にならないようにということを私どもは心配しなきゃいけませんから、多段階免除方式だとか、そういったようなことで対応しようというふうにも考えております。 それから、パートが多いという今のお話について言いますと、これもお触れになったわけでありますけれども、今回の年金法の改正の中で、附則の中に、今後、パート労働者の厚生年金加入という問題をどうするかということが大事な問題であるということが書いてあるわけでございます。 それから最後の、七六%で大丈夫かというお話でございますけれども、産業構造の変化といったようなことを考えますと、今のところ、この七六%という数字は見込めるというふうに判断をいたしておるところでございます。
○阿部委員 その産業構造の変化とは何ですかと私も担当部局に聞きましたら、今まで自営業であった方がサラリーマンになられるからという答えでした。しかし、そんなことはもう、とうの三十年前から起こっていることであります。 私は、社会の実相をよく見ていただきたい。今は、そうではなくて、普通に働き、厚生年金やあるいは組合の健康保険やあるいは雇用保険を持っている方が余りにも少なくなっちゃったというのが現状の社会です。私は、どうあっても、この安易な予測、そして現実離れした予測に基づいて年金論議が行われれば貴重な時間がむだになります。 何度も申します。今、三十歳代の女性が五十歳になって本当に半数以上厚生年金適用か、あるいは三十歳代の若者が七、八割適用か。このことは、この仮説、これに基づいた試算が数理課から出てくれば、そのデータがすべてになってしまいます。まず、このことはもう何度申しましても、恐縮ですが、今の尾辻大臣の答弁は、私は、自営業者がサラリーマンになるという構造は、先ほど申しました一号被保険者は十三年度の段階で一七・八%で少のうございます。これから先そういうことはほとんど起こらない。逆に言うと、ここはもう自営業者の皆さんはそれで成り立つように頑張っていただくのが国の政策、施策と思っております。 今大臣として、このパートあるいは非正規雇用と言われる方の厚生年金加入問題、どのように現在お取り組みであるか。火急に私は、まず均等待遇、同一賃金、これを制定し、そして加入ということを現実化すること以外にこれを乗り切る策はないと思いますが、大臣の御答弁をお願いします。
○渡辺政府参考人 済みません、若干数字につきまして御報告させていただきたいと思います。 その前に、もとより、厚生年金の被保険者がパート、派遣がふえるというようなことで非正規労働に流れていって国民年金に入る、こういうことが社会保障の根幹に非常に大きくかかわるという危機意識は私ども共有しておるものと思っております。 それから、パートといいましても、厚生年金を適用されて働いておられる方々もたくさんいらっしゃる。そこで、今、たってお話し申し上げたいと申し上げたのは、推計の仕方が、先生御承知のとおり、直近の雇用動向で非正規か正規かというものの数値を調べて、その先に延長させたということなのでございます。これは、労働力人口のいろいろな統計の中でも正規雇用と非正規雇用の将来推計というものはないものでございますから、直近のデータを延長するということでやっております。 先ほどのこの図でございますけれども、決して五十代の方々が急にサラリーマン化するというわけではなく、私も田舎の育ちでございまして、高校ではクラスの中から農家になった人がたくさんおりますが、今どきはいないというようなことでございまして、ジェネレーションギャップが移る中でこういうことが少し発生するだろう、その力と非正規化という流れの力との拮抗の問題だと思っております。 それで、お答えでございますが、直近どういうことになっているかということでございますけれども、御指摘のように、例えば、実績では、平成十年の厚生年金被保険者数は三千三百万人もあったのに、平成十四年では三千二百十万人に減っているじゃないか。ではこのトレンドで、減った方向で推計をすればいいのかという問題がございます。 しかしながら、先ほど申し上げましたような推計方法をとりまして、今回の改正の財政試算では、十五年度は三千二百二十万人、十六年度は三千二百三十万人、十七年度も三千二百三十万人と見通しております。 実績はどうかと申しますと、実は十四年から十五年にかけて、十五年から十六年にかけて数字が底を打ち、今上がってきております。例えば、十四年の十一月、三千二百六十三万人というところからさらに減ってきたのでございますが、十五年三月には三千二百十四万人ですが、最近では三千二百六十万人台をキープしているということで、むしろ、三千三百万人が三千二百万人に減ってしまったトレンドで推計するよりも、この三千二百万人台というところで推計している方が現時点では実態に沿っているというようなこともございます。 ただ、こういうところの推計につきましては、よりよい知恵がないものかという点は、私ども常に考えているところでございます。
○阿部委員 出生率だって、少ない場合、中間の場合、多い場合とやるわけですから、ぜひきっちりと実態を踏まえてやっていただきたいと思います。 続いて、麻生大臣に、御出席いただいておりますので、三位一体改革について。とりわけ、この間、各地方の首長と国の方で、三位一体改革の中身、地方に税源移譲する中身を何にするのかということで、一つは義務教育の問題、そしてもう一つ大きかったのは、いわゆる国民健康保険の財源の一部を調整交付金として地方に移譲するというお話であったと思います。 では、果たして全体で六千八百五十億円のこの調整交付金を地方に移譲する場合に、地方ごと、県ごとの算定基準はどのようになっておりますでしょうか。
○麻生国務大臣 この資料をお渡ししてよろしいでしょうか。(阿部委員「いえ、持っています」と呼ぶ)ああ、そうですか。その資料を御参考にしていただくとよろしいんだと存じますけれども、下に書いてありますように、国と地方の分担金は従来どおり五〇、五〇。こっちの紙の方がわかりやすいと思います。(阿部委員「はい」と呼ぶ)私でもわかるように書き直してありますので、そちらの資料を参考にしていただいた方がよろしいんだと存じます。 基本的には、真ん中に二つずつ、左右等分にしてありますけれども、現行のものも、新しく改正したもの、国と地方の負担金は五割五割、山分けというか、半分に割ってあるというのがまず基本になっておると御理解をいただけるとよろしいんだと思います。 その上で、従来、国の調整交付金というのが一〇%、国の決めておりました国庫の負担というのが四〇%、それで五〇%になっておりました分を、国の分の一〇%のところを減らしてもらう。調整交付金の部分は、その分は県に渡してもらうということで、国が約半分を持っておりましたうちの一〇%、正確には四〇対一〇になりますので、比率からいったら一〇ということになるんですが、その一〇%のところの部分のさらに一%を減らしてもらって、それを県に渡してもらう、そして県が調整することになります。 ここは御理解いただいているんだと思いますが、その県が調整する部分のところは、人口比でやります所得譲与税等々いろいろありますが、先ほど六千八百五十億と言われましたけれども、これは平成十八年度以降でありまして、初年度は五千四百四十九億、約五千四百五十億ということになろうと思います、平成十七年度の予測ですけれども。 それでいきますと、当然のこととして、県が割り振りますと、税金の方は人口比でいきますので格差ができる、よく言われるところでございます。その差の分につきましては、県が調整するところで、いわゆるフラット税になった分で、ふえた分の、より多く入ってきたところは減らしてもらって、従来払っております交付税を減らして、そしてさらに交付税の部分で、従来よりその形によってさらに減らされるところについては、ふえたところのものをこっちに回してもらうということになります。 総額は確保してありますので、ふえたところは減ったところを埋めるという形になって、まず財源を確保、総額確保、その上で、今言われましたとおりに、各県が配ります場合には県内の人口比によって差額が出てくることが御心配になっておられる御指摘の点、そのとおりなんだと思いますが、それは、それこそ地方交付税というものでその差額を調整するという形になろうと思いますので、県に権限を持たせるという地方分権の線の趣旨には沿っている形で決着をいたしたんだと理解をいたしております。
○阿部委員 私は、厚生労働省の方から、今後の医療改革について、特に県単位で、県が地方分権でみずから決めていくという流れが出ておる中で、一つ大きく案じておりますのは、やはり県ごとに、例えば失業率も違い、疾病構造も違い、独居老人の数も違います。ちなみに麻生大臣のよく御存じの福岡は老人医療費が一番高く、長野県に比べて対極、一九八三年からずっと一位を保持しておりますが、しかし、現実になぜ福岡県がそうなるかというと、歴史がございます。 これは時間があれば大臣におっしゃっていただきたいのですが、戦後は結核、それから一九六〇年代は炭鉱の閉山、そしてそれがずっと尾を引く形で、やはり独居の御老人が多く、入院をされている方も多く、失業率もまだ高い。こうした県の抱える歴史、そして疾病構造の差がどのような形できちんと目配りされるか。そこがないと、やっぱりその地域で生きる人にとって現実に生きていけなくなる。 特に、医療費の三つの上は、この福岡、それから、ちょっと二番目を忘れました、ごめんなさい、三番目が大阪でございます。大阪も今失業率が高くて大変である。こういう地方間の産業構造の差、疾病の差、歴史の差は、どのように今後国はユニバーサルサービスとして保障されるのか、その一点をお願いします。
○麻生国務大臣 全くごもっともな御質問なんですが、今言われましたように、一番が多分福岡、二番が北海道だったと記憶しますが、三番目が大阪なんだと思いますが、大阪は急激にこのところ伸びてきておるという形になっておると記憶をします、ちょっと数字は違うかもしれませんけれども。北海道の場合は空知という炭鉱地域があったのがやっぱり大きな理由の一つだと存じます。 その中で、いわゆる地域間格差が極めて大きいところにつきましては、これは二つあるんだと思いますが、その中で、保険の方でいきますと、生活保護なんか見てみましても、その内容の五三%ぐらいが、医療費が占める率が極めて高いんだと思っております。そういう医療費の問題をどうするかというところに関しましては、少なくとも、何となく投げやりになっているような人たちに対してきちんと指導をしていって、いやちょっと待ってください、そんな投げやりにならないでこうとかああとかいう指導員、専任指導員を置いてありますところは、政令都市でいけば十三のうち四つぐらいしかなかったと記憶しますが、そういったところは確実に、終わった、その専任指導員とかいうのを置いてきちんとやった場合については、その分の医療費が減っております。 それからもう一つ、逆に、長野県を例に引かれましたけれども、長野県の場合は、高齢者、六十五歳以上の方々の就職率が日本で一番高い県なんです。そういう高齢者の就職率の最も高い長野県というところが老人医療費が一番低く、逆に、高齢者就職率の一番低い福岡県が最も高い高齢者医療を払っておるという現実がありますので、そういう点から考えましても、やはり高齢者の就職等々を含めまして、ジリツ、自分が立つ方の自立の部分というのと、自分を律する自律の部分と両方あろうと存じますが、そういった点は、きちんと専任の指導員を置いていかないと、何となく社会から疎外されたような形になっていって、妙に投げやりになっていった形になられておられるというのは、これはかつて最も高かった北九州市が専任指導員を置いたらずっと下がってきておるという点も実例がありますので、そういったところを踏まえながら、今後詰めていかねばならぬ大事なところだと思っております。
○阿部委員 人間にも歴史があり、単に、今のように、高齢化して医療費が上がるから削減すればいいのだということではなくて、その地域の産業、そして暮らし方にしっかり目配りした地方分権であってほしいと私は思います。 ありがとうございます。
○甘利委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。 次回は、明二十二日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時一分散会