財務金融委員会 第23号
- 発言数
- 251 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2005/05/17
会議録
○金田委員長 これより会議を開きます。 金融に関する件について調査を進めます。 去る平成十六年十二月三日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づき、国会に提出されました破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告につきまして、概要の説明を求めます。金融担当大臣伊藤達也君。
○伊藤国務大臣 昨年十二月三日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、平成十六年四月一日以降九月三十日までを報告対象期間として、その間における破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出申し上げました。 本日、本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、簡単ではございますが、本報告の概要について御説明申し上げます。 初めに、特別危機管理銀行である足利銀行について申し上げます。 足利銀行については、平成十五年十一月二十九日、金融危機対応会議の議を経て、預金保険法第百二条第一項第三号に定める措置を講ずる必要がある旨の認定及び特別危機管理開始決定がなされて以来、同法に基づき所要の措置が講じられてきたところでございますが、報告対象期間中には、昨年六月十一日、平成十六年三月期決算を踏まえた経営に関する計画が提出されております。 また、同年七月二十八日には、預金保険法第百二十九条第三項に基づき、預金保険機構により五十一億円の資産買い取りを行う旨の決定が行われ、同年八月二十三日、預金保険機構の委託に基づき整理回収機構により当該資産の買い取りが実行されております。 次に、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容について申し上げます。 金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は、報告対象期間中には行われておりません。 続いて、新生銀行及びあおぞら銀行からの預金保険機構による瑕疵担保条項に基づく債権買い取りの状況について申し上げます。 報告対象期間中に預金保険機構が引き取った案件は、新生銀行についてはなく、あおぞら銀行については二十一件で、債権額四百三十七億円、支払い額三百五十九億円となっております。 続いて、預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び公的資金の使用状況について申し上げます。 破綻金融機関の救済金融機関への営業譲渡等に際し、預金保険機構から救済金融機関に交付される金銭の贈与に係る資金援助は、報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十八兆六千百六十億円となっております。 また、預金保険機構による破綻金融機関からの資産買い取りは、報告対象期間中には足利銀行からの五十一億円、これまでの累計で六兆三千七百十四億円となっております。 これらの預金保険機構による資金援助等について、昨年九月三十日現在における公的資金の使用状況について申し上げます。 一般勘定、金融再生勘定、金融機能早期健全化勘定、危機対応勘定及び金融機関等経営基盤強化勘定における政府保証つき借入等の残高は、各勘定合計で十八兆二千八百六十五億円となっております。 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところであります。金融庁といたしましては、今後とも、我が国の金融システムの一層の安定の確保に向けて万全を期してまいる所存でございます。 御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○金田委員長 これにて概要の説明は終わりました。 —————————————
○金田委員長 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として金融庁監督局長佐藤隆文君、内閣官房内閣審議官中城吉郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○金田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。永岡洋治君。
○永岡委員 自由民主党の永岡洋治でございます。初めて当財務金融委員会で質問をさせていただきますが、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。 今般のFRC報告に対しまして、私は、破綻処理のあり方をめぐる現代的課題というものを中心に質問をいたしたいと考えております。 昨年末に発表されました金融改革プログラムが、金融コングロマリット化に対応した金融法制の整備の検討を行うこととしていること、あるいは、三井住友フィナンシャルグループと大和証券グループの経営統合の報道を契機といたしまして、現在、金融コングロマリット、こういうものが我が国の金融業にとって果たして望ましい発展形態と言えるのかという議論がクローズアップされてきていると考えております。私は、金融コングロマリット化の動向というものは、我が国金融の破綻処理のあり方にも新たな問題を提起するものであると考えております。この問題は、FRC報告とも密接な関係のある問題でありますので、議論を十分深める必要があると考えております。 そこでまず、最近の金融コングロマリット化の背景というものでありますけれども、金融コングロマリット化のねらいとしては、四つほど考えられるのではないかと私は考えております。第一に、ワンストップショッピングの実現による顧客の利便性向上と、それを反映いたしました顧客開拓コストの低減や顧客情報の共有などの、いわゆるシナジー効果への期待というもの、それから第二番目には、業務多様化による収益の安定化ということ、第三には、経済のグローバル化への対応、そして四番目には、ブランド戦略の展開によります競争優位性の確保などがあると言われているところであります。これらは、いずれも金融コングロマリット化のメリットと言えるものであると思います。 しかし、私は、金融コングロマリット化のもう一つの面、ネガティブな面として、リスクのコンタジオン問題、それからツービッグ・ツーフェール、こういう問題を指摘したいと考えるわけであります。すなわち、金融コングロマリットにおきましては、グループ内の一つの会社で顕在化したリスクが、資本関係のほか、外部のレピュテーションあるいはグループ内取引を通じてグループの全体に波及する可能性というものがあるわけでございまして、これがリスクのいわゆるコンタジオンであります。 そして、金融コングロマリット内部で発生したリスクのコンタジオンによりましてグループ内の金融機関の健全性に深刻な影響が及んだとき、次に直面するのがツービッグ・ツーフェールの問題であります。 金融コングロマリットという大規模な金融機関の破綻は、いわば世界経済全体という規模でシステミックリスクを顕在化させるおそれが極めて高いわけでありまして、その結果、ツービッグ・ツーフェールとなりまして、金融監督当局は金融コングロマリットに対して救済手段を講じることを余儀なくされることになるのではないか、こういうふうに考えられるわけであります。 金融コングロマリット化が進展した金融システムにおいては、潜在的なシステミックリスクというものが増大することを十分認識する必要があるというべきであります。したがいまして、金融監督当局としては、金融コングロマリットにおけるコンタジオンリスクの制御につきまして、慎重かつ適切な対応が求められるものと私は考えております。 そこで、金融担当大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、金融監督当局は、金融コングロマリットにおけるコンタジオンリスクにつきましてどのような基本認識を持っておられるのか、まずこれを明らかにしていただきたいというふうに思います。その上で、金融コングロマリットが進展した金融システムにおきましてシステミックリスクが顕在化することを未然に防止するために、どのように対処しようとされているのか、金融コングロマリットにおけるリスク管理体制の整備に向けました監督方針の基本的考え方というものをまず御説明をお願いしたいと思います。
○伊藤国務大臣 永岡委員にお答えをさせていただきたいと思います。 金融コングロマリットについてのメリット、デメリットについて詳細に今御指摘があったわけであります。委員の御指摘について、多くの部分について私どもは問題意識を共有させていただいているところでございますが、委員から今二点について御質問がございました。 まず、金融コングロマリットにおけるリスクの伝播に関しましては、グループ内におけるある会社で顕在化したリスクが、資本関係やあるいは外部の評判またはグループ内取引等を通じて他の会社に波及をし、グループ内の金融機関またはグループ全体に損害が生じる可能性があると認識をいたしているところでございます。 このような観点から、現在パブリックコメントに付しております金融コングロマリット監督指針案においては、グループ全体の経営を管理する経営管理会社が、こうしたリスクの伝播とそれがグループ内の金融機関に与える影響について十分理解をし、そして的確なリスク管理体制を整備しているかどうかといった点について、監督上の着眼点として掲げさせていただいているところであります。 また、同監督指針案におきましては、このようなリスク伝播への対応も含めたグループとしてのリスク管理体制の整備について、経営管理会社がリスク管理の方針を明確に定めているか、そしてその方針がグループ内会社に周知されているか、こうしたことを同様に監督上の着眼点といたしているところでございます。 いずれにいたしましても、金融コングロマリット監督指針案の内容につきましては、現在パブリックコメントとして付させていただいておりますので、そこに寄せられるさまざまな意見を参考にさせていただきながら検討を進めていきたいと考えております。
○永岡委員 ありがとうございます。 金融コングロマリット化のネガティブな面、そのほかにもいろいろあるわけでございますが、ネガティブな面として、コンタジオンリスクの問題のほかに、金融コングロマリットによる企業支配力の過度の集中の問題、あるいは顧客に対する優越した地位を利用した不公正取引の問題というものもあると考えております。 不公正取引の代表例としてはタイイングアレンジメントというものがありまして、現に昨年九月、シティバンク在日支店が、証券取引法の禁止の対象となります、信用の供与の条件として私募の取り扱いをする行為を行ったとして、金融庁から現実に行政処分を受けているところであります。 また、金融コングロマリットは複数の業態から構成をされているために、グループ全体の集権的管理が困難になるという経営管理上の問題も生じさせるおそれがあります。この問題は、ディスパージョン・オブ・マネジメントコントロールの問題と呼ばれておりますけれども、傘下の組織における過度のリスクテークや不公正な内部取引を発生させる懸念があると指摘されているところであります。 そして、規模の拡大はさらに、エージェンシーコストというものを増大させるとともに、経営管理効率を低下させるということにもなりかねません。この経営管理の効率性の低下、これは今度はツービッグ・ツーマネージという問題と呼ばれておりまして、シティバンク在日支店に対する行政処分におきましても、アメリカの銀行本部が、収益偏重、コンプライアンス軽視、こういった営業を推進いたしまして、在日支店の業務運営に係る監督責任を適正に果たしてこなかった、こういうことなどが処分理由となったということが思い起こされるわけであります。 さらに、コングロマリットそれ自体には、経営の効率性低下によりまして、総体としての企業価値が傘下の組織の企業価値の総和に満たない状態、本来は総和に満つるようになるわけでありますが総和に満たない状態、すなわちコングロマリットディスカウントというものを発生させるおそれがあることがかねてから指摘されているところであります。現にアメリカでは、シティグループあるいはJPモルガン・チェースのように、金融コングロマリットに対する株式市場の評価は必ずしも高くはありません。コングロマリット化はむしろマイナス要因だというふうにも言われているわけであります。このように、金融コングロマリット化には、確かに先ほど申し上げましたようなメリットはあるものの、解決しなければならないさまざまな課題があると私は考えております。 そこで、金融担当大臣にお伺いいたします。 金融コングロマリット化は政策的に推進すべきものなのか、それとも抑制していくべきものなのか。この点につきまして、金融監督当局の基本的考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○伊藤国務大臣 今委員からは、金融コングロマリットを国の政策として推進していくべきか、あるいは抑制をしていくべきか、基本的な考え方についてのお尋ねがあったわけでありますが、私どもといたしましては、各金融機関がその業務を展開していく上でどのような経営形態をとるかは、これは各金融機関の経営判断による問題でありますので、金融庁の基本スタンスとしては、こうした経営判断というものを尊重していくということであります。 したがいまして、当庁といたしましては、コングロマリット化を推進することも、また抑制することもなく、この点については、現在パブリックコメントに付している金融コングロマリット監督指針案にも明確に記述をいたしているところでございます。 いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、各金融機関が、リスク管理の高度化を進めつつ、利用者の多様なニーズに応じた、利用者の満足度の高い金融サービスを提供するための経営努力を進めることが重要であると考えておりまして、そのために、各金融機関がその特性に応じて最適な経営形態、組織を選択し、そして質の高い経営を実現していくことが重要であると認識をいたしております。
○永岡委員 大臣のお答えは、コングロマリット化を進めるか否かというのは、いわば金融機関の自主性といいますか判断に任せるということであると思うんですけれども、私は、金融監督当局は、我が国の金融の望ましい将来像というものについてやはり明確なビジョンを示すべきではないかというふうに考えております。 金融改革プログラムの目標は、金融サービス立国を官の主導ではなく民の活力で実現することである、そのようになっております。そして、金融サービス立国への挑戦を通じまして我が国の金融市場が国際的に見て魅力の高いものとなり、間接金融に偏ってきた我が国金融の流れが、直接金融やあるいは市場型間接金融を活用した、いわば多様で良質な金融商品あるいはサービス、そういった選択肢を国民に提供できるものに変化していくということになれば、一つは、資産運用手段が多様化、効率化をいたしまして、貯蓄から投資への流れというものが加速されるものと考えられるわけであります。それから第二番目に、銀行にリスクが過度に集中する構造が是正されるということになるのではないか。それから第三には、リスクに柔軟に対応できる経済構造の構築というものにもつながるものではないかといったことで、いわば我が国経済の持続的成長に資するのではないかというふうに考えるところであります。 そこで、金融コングロマリット化は、先ほども申し上げましたように、ワンストップショッピングの構築を通じて銀行取引と商品取引を連結する役割を担うことができるわけですから、貯蓄から投資へというその流れを加速させることができるという面を持っているわけであります。 再度さらにお尋ねしますけれども、金融監督当局としては、金融サービス立国あるいは貯蓄から投資への流れという視点から、金融コングロマリット化のあり方につきましてどのようなビジョンを持っておられるのか。金融担当大臣の御所見を改めてお伺いしたいと思います。
○伊藤国務大臣 今委員からはマネーフローの構造改革の重要性についても御指摘があったわけでありますが、御紹介がございましたように、昨年の末、私どもといたしましては、将来の望ましい金融システムというものを官の主導ではなくて民の力によって実現していきたい、そうした認識から金融改革プログラムを策定し、公表させていただいたところでございます。 近年の金融をめぐる環境を見てみますと、製販分離やあるいは販売チャネルの多様化というものが進行し、そして業態の枠を超えた組織形態や取引が急速に拡大しつつあります。そして、業態別会社の設立や金融持ち株会社の解禁等、規制緩和が進む中で、いわゆる金融コングロマリット化の進展も我が国において見られるところでございます。 金融コングロマリット化については、シナジー効果等が生じる可能性がある一方で、利益相反の発生や内部取引によるリスクの拡大のおそれがある等の指摘が委員からもなされたところでございますけれども、こうした問題提起を受けて、現在、各業態別に設立をされている国際機関を母体として設立をされたジョイントフォーラムにおいても、金融コングロマリットの監督上の諸問題について、国際的な議論が行われているところでございます。 こうした状況のもと、金融庁といたしましては、金融改革プログラムやあるいは工程表に沿って金融コングロマリット監督指針案を策定、公表し、現在、先ほど御説明をさせていただいたように、パブリックコメントに付させていただいているところでございますが、このほかにも、金融機関の企業グループ形態の複雑化に対応した法的な枠組みのあり方についても、国際的な議論を踏まえつつ、リスクの遮断やあるいは健全性の確保も踏まえて、幅広い観点から検討を行う必要があると考えているところでございます。 金融改革プログラムは、多様な金融商品・サービスを国民が身近に利用できる金融サービス立国の実現に向けたロードマップとして示したものであり、本プログラムで示された施策を通じて、貯蓄から投資の流れが加速をされ、そして国民の皆様方が多様で良質な金融商品・サービスというものを選択することができる、こうした選択肢が提供されることを期待いたしております。
○永岡委員 ぜひともそのような方向で、政府として頑張っていただきたいというふうに思う次第でございます。 次に、きょう御報告ありましたFRC報告の内容に含まれております足利銀行の問題についてお伺いをしたいと思います。 足利銀行の経営破綻は、本拠地は栃木県でございますけれども、実は私の選挙区は茨城県でございますが近隣でございまして、茨城県あるいは群馬県といった近隣の県にも大きなつめ跡を残しておるわけでございます。一時国有化から約一年半というものが経過をいたしました現在、状況は比較的落ちついているのではないかと見ております。 しかし最近、ある新聞社が、栃木県全域と茨城、群馬両県の一部地域を含む地域の商工会議所あるいは商工会の代表者などに調査を行ったところ、七〇%の方々が地域経済に悪影響があったという答えをしておるところであります。内容的には、具体的には、好調な企業と不調な企業の間の格差が拡大をしたとか、あるいは合理化、経費節減を行わざるを得なかったとか、あるいは廃業、倒産の増加といったものが挙げられております。さらにまた、一時国有化の出口となります受け皿金融機関への譲渡につきましても、一方で早期の譲渡を望む声があります。そしてまた一方では、経営破綻の影響を受けた企業からしますと、一時国有化されている間に再生の足がかりをつかみたい、こういう考え方で、受け皿金融機関への譲渡は急ぐ必要はないといった意見もあるわけであります。 そこで、足利銀行の一時国有化以降の地元経済に対する影響につきまして、これまでの推移と現状を、わかる範囲で結構でございますので、御説明をいただきたいと思いますとともに、受け皿金融機関への譲渡の進捗状況と譲渡の望ましいあり方というものにつきまして、金融担当大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○伊藤国務大臣 お答えをさせていただきます。 足利銀行につきましては、地域において同行が果たしている金融機能の維持が必要不可欠であるということなどを総合的に勘案をいたしまして、預金保険法第百二条に基づく第三号措置を講ずることとし、これにより、地域への影響を最小限にとどめることとしたところであります。 また、金融庁といたしましては、一時国有化直後、直ちに、善意かつ健全な借り手に対して円滑な資金供給が図られるよう配意すること等を同行に命ずるとともに、関係省庁と連携の上、関係省庁連絡会議を設置して、中小企業等に対する融資の円滑化や各種雇用対策の活用等の施策を講じてきたところでございます。 一方、足利銀行自身においては、昨年六月に策定をされた経営に関する計画において、地域金融の円滑化、中小企業等の再生の取り組みを経営方針の一つとして掲げ、積極的に取り組んでいるところであります。特に、中小企業の再生への取り組みにつきましては、同計画において、当行の再建にとって、企業再生に向けたビジネスモデルを積極的に展開をし正常化を図ることは収益基盤の確保と表裏一体であり、ひいては地域経済の活性化にもつながるという認識が示されており、技術力や営業基盤、経営者の再生への意欲など定性的な側面を十分評価し、そして再生可能性を最大限に検討することとしているところでございます。 足利銀行においては、引き続き地域金融の円滑化そして中小企業等の再生に積極的に取り組んでいただくことが重要であると考えており、当庁としては同行の取り組みというものをしっかりフォローアップをしてまいりたいと考えております。 また、受け皿についてもお尋ねがございました。 足利銀行においては、現在、企業価値の向上を目指して、抜本的な経営改革、そして今お話をさせていただいた中小企業再生に向けての取り組みなど、さまざまな施策を進めているところであり、こうした取り組みが具体的な成果として結実するにはなおしばらく時間を要するのではないか、その必要性を感じているところでございます。 したがって、当庁といたしましては、足利銀行の取り組みをしっかりとフォローアップしていくことが重要であると考えており、現時点において受け皿の選定について具体的な検討を行う段階にはなく、受け皿の選定の時期や方法等について確たることを申し上げることは困難であることについては御理解を賜りたいと思います。
○永岡委員 ありがとうございました。 それでは、時間が参りましたので、これで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○金田委員長 次に、田島一成君。
○田島(一)委員 民主党の田島一成でございます。 きょうは、両大臣おそろいをいただきまして、FRC報告について、またその報告に基づいた形で、金融のユニバーサルサービスという観点から質問をさせていただきたいというふうに思います。 これまで、今回のこの報告については、数次、出されるたびに質疑も行われてまいりましたし、今回のこの足銀の破綻処理に対するいろいろな論説等々も拝見をする中では、非常に厳しい状況また賛否いろいろと分かれている中、地域経済を何とかして立て直していきたい、その強い思いにお答えをいただいているところとは存じますが、残念ながら、今回のこの金融危機法制の中で、ひもといてみますと、この金融再生法また改正預金保険法等、何となく場当たり的なイメージを市場に与えているのではないか、そんなことを懸念する一人であります。 とりわけ、産業界の方では、ペイオフ解禁のもとで、金融庁はもう自己検査に基づく早期是正措置や改善命令に徹するべきではないか、そういうような発想もやはり声として上がってきていること、おそらく大臣も聞いていらっしゃるというふうに思いますし、また、とりわけ今回の足銀の破綻についても、地域経済また自治体に及ぼす影響というのも非常に大きいというふうに思います。 一時的な混乱というものがあるとは思いますけれども、この先もまた注意深く自治体それぞれの金融事情というものを観察していけば、同じ営業基盤の他行の自己資本比率も非常に十分に高いケースというものがあり、個別の銀行経営の失敗というものが過少資本につながってきている、こういう現状を考えていくと、やはりまだまだ非常に課題が多いというふうに思うわけです。 こうした破綻処理に対する法制度のあり方も含め、本当にこの先、政府として、金融庁として、こうしたやり方、ある方の言葉をいただくならば、抜かないはずの真剣だけを与えておくというような、枠組み配置に戻るべきではないかというお考えがあるわけですけれども、大臣はそのあたりどのようにお考えか、お聞かせいただけますでしょうか。
○伊藤国務大臣 金融システムを安定化していく、それを確保していくための金融行政の基本的な考え方について、委員からはお尋ねをいただいたというふうに思っております。 ペイオフ解禁拡大後の金融システムにおいては、金融機関及び預金者の自己責任と、そして市場による規律づけが中心となり、行政における規律づけは補完的な役割に移行することになると私どもとして認識をいたしているところでございます。昨年末に公表いたしました金融改革プログラムの中でも、今後の金融行政当局の基本的な姿勢として、金融行政は市場規律を補完する役割に徹すると明記をしたところでございます。 金融庁としては、今後、金融機関が預金者の選択と信頼を競い合う新たな時代となったことを踏まえ、そうした選択と信頼を基盤とする金融システムが円滑かつ安定的にその機能というものを発揮していくことができるよう、適切に行政としての役割を果たしていきたいと考えております。
○田島(一)委員 選択と信頼、言葉じりは非常にきれいなんですけれども、なかなかその実態は市場に、また国民には伝わり切れていない、本当に不安だけがまだまだ残っている、そんな現実ではないかというふうに思います。 さて、今回この報告書にもあります、金融機関に対する公的資金の注入についての質問とさせていただきたいんですけれども、公的資金の注入というのをよくよく考えさせていただく中で、本当に今、政府の手で実質上の競争者というものを育てていくことが大きな課題であろうかというふうに思います。 私は、やはり、公的資金の注入というのは、いわゆる構造不況業種と言われている金融機関を市場から退出を妨げた上で、実質的な競争者というのを政府の手で育て上げていくということになるのかと思います。社会的に必要という認識、認定があるにもかかわらず市場メカニズムでは非常に供給されにくいサービス・財、これの提供に今後は限定をされていくべきだというふうに考えるんです。 今回のこの金融機能強化法においては、ペイオフ処理をしてもシステミックリスクにつながらない小規模の銀行まですくい上げていく、そんなことになりかねないのではないか、また、そのしわ寄せについては、結局、健全に経営をしている銀行にしわ寄せがつながっていくのではないかというふうに考えるんですけれども、こうした公的資金のあり方も含めて、これからどのように機能をさせていくべきなのか、御答弁をいただきたいと思います。
○七条副大臣 これらにつきましては私の方からお答えをさせていただきます。 金融強化法というのは三年間の時限立法であることはもう先生も御存じのとおりだと思いますが、この公的資金制度は、合併等を初めとする経営改革を行い、地域における金融の円滑化等、健全な金融機能を発揮し得る金融機関を対象として、健全な金融機能の発揮に向けた金融機関自身の自主的な取り組みを公的にサポートするものではないかと思っているところでございます。 したがいまして、金融庁といたしましては、地域における健全な金融機関の間での効率的な競争が促進され、金融仲介機能が活性化することにより、利用者利便の向上につながることと期待をしているところでございます。
○田島(一)委員 今し方も、公的サポートであるという表現をなさいました。公的資金の注入ということを改めて考えますと、健全な銀行をつくっていくことである、そのことが何より重要だというふうに公的資金注入論者はおっしゃっているわけなんですけれども、これまでの公的資金注入の合計額、どれぐらいの額を税金から、また国民が負担をしてきたのか。この数字についてはもう既にいろいろな場面でも明らかになっているところでありますけれども、例えば足銀が国有化されて一年半経過いたしまして、このような姿勢で果たして本当にいいのかどうかというところが今問われようかとしていると思います。 これまで大臣の方も、経営計画の着実な実行を重視して、足銀の具体的な譲渡先については決して急ぐべきではないというような発言をされ、またその姿勢を貫いてこられたところだというふうに思いますけれども、果たして、この一年半という、一時国有化がこのように長期化してきたこと、これは決して異常なことだというふうには思っていらっしゃらないのか、それとも、やはり、できるだけ早くという言葉を何度も何度も使っていらっしゃるんだけれども、この期間をきちっと振り返ったとき、もう仕方がないことだというふうにお考えなのか、そのあたりのお考え、思いをちょっとお聞かせいただけませんでしょうか。
○伊藤国務大臣 健全な競争環境をつくり上げていく、健全な金融機関による競争が行われていく、そのことが日本の金融システムの安定性というものを持続的にし、そして利用者の方々のさまざまなニーズにこたえていけるような金融機能というものを、選択と信頼というものを基盤とした中で十全に発揮できるというふうに思っております。 足利銀行の場合には、これは危機対応として、預金保険法第百二条の規定に基づいて、そして地域経済への影響ということを勘案して第三号措置というものをとらせていただいてきたところでございます。 そうした中で、足利銀行においては、これはいつまでも一時国有化を続けていいということではなくて、まず足利銀行を再生していくために企業価値を向上させていくことが極めて重要でありますから、そうした観点から経営の抜本的な改革に取り組み、そして中小企業の再生等、さまざまな施策に今取り組んでいるところでございます。こうした取り組みというものが十分に成果を出していくためにはまだ時間が必要であるというふうに、私どもとして認識をいたしているところでございます。 したがって、先ほども他の委員の御質問に対して答弁をさせていただいたように、まだ受け皿についての具体的なあり方についてお話をさせていただくには困難であるというふうに考えているところでございますが、足利銀行の取り組みというものをしっかりフォローアップして、そして受け皿について議論ができるような状況になるように、私どもとしても足利銀行の努力を促し、フォローアップをしっかりしていきたいというふうに思っております。
○田島(一)委員 地元に与える影響ということももちろん懸念もされますし、課題は本当に山積みの中、この一時国有化の一時というのが一体いつまで続くんだろうか、この辺は本当に地元民ならずとも大変不安視をしているところであります。一刻も早くというその気持ちをお持ちいただくのは当然のことだと思いますけれども、視点を変えれば、銀行の中における、例えば経営者であるとかまた従業員のモラールの低下、やはりこの点も大きく心配をされる観点ではないかというふうに思います。 足銀のこの出口をめぐって、もう既に地元の県議会等でもいろいろな取り組みをされて模索もされているようでもありますし、地元自治体とそれから政府、金融庁との間で何やら綱引きが行われていくことも懸念をされている、そんな局面も予想されているというふうに思うんですけれども、この先、こうした経営者や従業員のモラール低下を含め、また地元との綱引き等々についてどのように対応されていくおつもりなのか、お答えをいただけませんでしょうか。
○伊藤国務大臣 足利銀行においては、経営に関する計画の着実な達成を実現していくためには、行員のモラールの維持が重要であるとの認識のもと、平成十七年度中をめどに、インセンティブスキームを含めた新たな人事制度を導入すべく検討を進めているところと承知をいたしているところでございます。 また、足利銀行の頭取からは、若手職員を積極的に登用するとともに、部店長会議の開催頻度を高め、そして、頭取みずからが営業店に出向いて行員の方々とのコミュニケーションを深めるなどの取り組みを行っている、私も直接そうした取り組みについて聞いているところでございます。 当庁といたしましても、行員のモラルを維持していくことは重要な課題であると認識をいたしておりますので、同行の取り組みというものをしっかりフォローアップしていきたいと考えております。また、足利銀行のこうした取り組みが同行の経営者やあるいは従業員の意識を高め、栃木県を中心とする地域における金融仲介機能の十全な発揮といった成果につながることを期待いたしております。
○田島(一)委員 モラルではなく、モラールをぜひ高めていく、維持していくという観点からいえば、やはり現場で御苦労いただいている行員の皆さんの気持ちを一定以上させていかないことには、優良な企業としての立ち直り、これはもう本当に難しいことであろうかと思います。こうした配慮も引き続き強力に進めていただくように、ぜひお願いをしていきたいと思います。 さて、このFRC報告全体を通して見ても思うわけですけれども、今回の足銀を初め、これまで多くの民間の金融機関の経営が破綻をしてまいりました。そして、そのたびに、経営の悪化、破綻した金融機関に対し公的資金が投入をされてきたわけであります。いろいろな局面でこの数字、お示しをいただいているんですけれども、この先の議論の前提としてお示しをいただきたいんですけれども、これまで民有の金融機関に投入をされた公的資金は総額幾らであり、そのうち既に国民負担となることが確定した金額をもう一度この場でお示しをいただけませんでしょうか。
○佐藤政府参考人 公的資金の投入額及び国民負担額の確定額についてのお尋ねでございます。平成十六年三月末までに預金保険機構による資金援助として実施いたしました金額でございますが、四つほどのジャンルに分けて申し上げたいと思います。 一つ目は、金融機関の破綻処理に際しまして預金者等の保護のために実施した金銭の贈与、これが十八兆六千百六十二億円でございます。二つ目に、破綻金融機関などからの資産の買い取り、これが九兆六千四百八十三億円でございます。三つ目に、金融システムの安定化等のために行われました金融機関への資本注入、資本増強、これが十二兆三千八百六十九億円でございました。四つ目に、その他の資金援助等が六兆一千五百三十九億円、こういう数字になってございます。 それから、このうち、一つ目に申し上げました金銭贈与十八兆六千百六十二億円のうち、預金の全額保護のためにペイオフコストを超えた部分の金銭贈与に充てられた交付国債の償還、交付国債の使用でございますけれども、これが十兆四千三百二十六億円ございまして、この部分は現時点において国民負担として確定しているということでございます。
○田島(一)委員 ありがとうございます。 合計すると約四十六兆円、これを大体国民一人当たりに換算すると約八万一千円に上るという数字が新聞等にも発表されています。この数字は間違いありませんね。
○佐藤政府参考人 四十六兆円という数字につきましては、先ほど申しました四つのジャンルはそれぞれ性格が異なりますので、単純に合計することがどうかという議論はございますけれども、あえて合計すれば四十六兆八千五十三億円ということでございます。これを我が国の人口で割った数字については、先ほど計算の結果として委員の方からお示しいただいたということかと思います。
○田島(一)委員 済みません、電卓を持ってくればよかったんですけれども。 実際に、民営化という議論が今非常ににぎやかになってまいりました。民間の金融機関の実態を見ると、このようなものだと切り捨ててしまうには余りに大き過ぎる国民負担、四十六兆円、国民の一人当たりが八万円負担をしているという数字を今お示しいただいたわけでありますが、果たしてこれで、民営化が本当にいいんだと。経営が悪化をしてきた民間の金融機関というのは、国民の利便性に関係なく、今独自の努力を重ねていただいて、採算のとれない店舗は廃止をしていくといった、そういう独自の取り組みも随分貫いていただいているところであります。国民一人当たり八万円からの負担をしている今回のこの公的資金注入、果たして本当に、民営化すれば大丈夫だ、国民の負担は減るんだという裏づけになるのかと思うと、非常に厳しいのではないかというふうに私は思うわけであります。 さて、この国民の利便性にもう一度目を転じて、民間の金融機関のあり方を考えていきたいんですけれども、現在、店舗の数というのは、全国見渡しても、統合また廃止等で随分数は減ってきているやに思います。例えば金融機関、銀行等また農協や漁協などの店舗数の動向、例えば最近五年間でも結構なんですけれども、どのような変化になってきているのか、五年前と現在とどのような数字の移り変わりがあったのか、承知していらっしゃると思いますので、お示しいただけませんでしょうか。
○佐藤政府参考人 銀行と信金信組、農協、漁協等の協同組織金融機関の店舗数の推移でございますけれども、合計いたしましたところで、平成十一年の三月末の約四万四千六百店舗から十六年三月末には約三万八千五百店舗ということで、五年間で約六千百店舗の減少というふうになっていると承知いたしております。 〔委員長退席、遠藤(利)委員長代理着席〕
○田島(一)委員 今、これは郵政民営化で大きく問題になっている過疎地域であるとか郡部、つまりは農山村地域で郵便局に随分依存されているところで、金融機関がこの先どのように変わっていくのかという点に随分議論が集中しているところであります。 例えば、銀行や農協、漁協等の金融機関、この地域別での推移といったものはお持ちでいらっしゃいますでしょうか、あったらお示しをいただきたいんですけれども。
○佐藤政府参考人 御指摘のような形で直接比較したデータというのは持ち合わせてございません。 ただ、例えば、主に都市部を中心に業務を展開している主要行と先ほど申し上げた預金取扱金融機関全体、この店舗数の上では、協同組織金融機関が相当な数を占めているということであろうかと思います。 ということで見てみますと、主要行につきましては、平成十一年三月末から十六年三月末までの五年間で約二五%店舗が減少いたしております。それに対しまして、先ほど申し上げました数字でございますけれども、すべての預金取扱金融機関の合計というのを減少率で見ますと、同様の期間内に約一四%の店舗の減少ということになっておるかと思います。
○田島(一)委員 やはり今回の民営化の議論が進んでまいりますと、こうした市部、郡部、また、とりわけ過疎地域自立促進特別措置法で指定されている過疎地域、こうした地域における具体的な金融機関の店舗数の推移というものも当然、議論の大きな資料として出てくるだろうというふうに思います。 もう既に金融庁の方ではお持ちかというふうに思うんですけれども、この過疎地域における銀行と農協、漁協の店舗数という数字はお持ちかどうか、教えていただけませんか。
○佐藤政府参考人 現在、そのようなデータは把握いたしておりません。
○田島(一)委員 実は私の手元に、これは平成九年度末から十五年度末にかけて、郵便局そして銀行と農漁協、それぞれの店舗数の推移をまとめていただいた表があります。これは、総務省さんであるとか、また労働組合さん等が独自にデータをお調べになってつくっていただいている資料なんです。ちょっとこの数字をお配りしていないんですけれども、例えば銀行等の数、平成九年と平成十五年のそれぞれ年度末で見ますと、約一四%減少している。それから、農協や漁協の店舗数は同じく二一・九%減少している。こんな数字が出てきています。過疎地域がとりわけ減少率は高く、農漁協の店舗数も九年から十五年にかけて過疎地域では約二九・八%減少している、こんな数字があります。 今回、郵政民営化がいよいよ法案化され民営化をされれば、もちろん監督庁としては金融庁に大きくかかわりが出てくるわけですから、私は、当然こういうような数字というのは金融庁でもう把握をされているものだというふうに思っていたわけでありますが、把握はしていない、御存じないということで、少しどころか、かなり残念に思ったわけなんですけれども。 果たして、このままで郵政民営化がもし粛々と進められていった場合、民間の金融機関としてこの先同じように、銀行等と同じ経営論理に基づいて郵便局をどのように掌握していくのか。この議論の前提に立つべきところで、全く我々は関係ないんだというような、何か第三者的なお立場のようにも見えてしまうんですけれども、一体これはどのように掌握すればいいんでしょうか。 例えば、郵便局自体も、それこそ民営化されていけば銀行等と同じように採算のとれないところは廃止をしていく、そんなことが懸念をされているわけであります。果たして、こうした意味において、これから地域における民間の金融機関として例えば郵便局を位置づけていくのであるならば、金融分野で果たしていく役割というものは非常に大きく意味を持っていくというふうに考えるわけですけれども、郵便局が、郵貯がこれから民営化されていくと、銀行等と同じ経営論理になるため、採算のとれない郵便局を廃止していくのではないか、そんな心配を持たれるところであります。 金融庁、このような中で、郵貯の民営化をどのように掌握されているのか。また、銀行等や農漁協の店舗数の推移等々も考えると、郵便局、郵貯の民営化によって採算のとれない郵便局というのは廃止という方向にやはり来るのではないかというふうに思うんですけれども、御見解をちょっとお聞かせいただけませんでしょうか。
○伊藤国務大臣 一般論として申し上げますと、どの地域に店舗を設置するか、このことについては、自己責任に基づき判断されるものと認識をしておりますので、基本的にはおのおのの経営判断にゆだねられている問題でありますので、私どもとして全体の数を正確に把握していないということであります。 委員は、郵貯との関係の中で、過疎地が切り捨てられてしまうのではないか、そのことを大変御懸念されているんではないかというふうに思います。郵政民営化後の郵便局の設置につきましては、基本的に総務省及び日本郵政公社において適切な対応がなされるものと考えておりますので、総務省あるいは郵政民営化準備室から御答弁をさせていただくのが一番適切ではないかというふうに思いますが、政府の一員として私が承知している中でお話をさせていただきますと、今般、国会に提出をされた郵政民営化法案におきましては、郵便局があまねく全国で利用されていることを旨として郵便局を配置することを法律上義務づけるとともに、具体的な設置基準は省令で定めるものの、特に過疎地については法施行の際に現に存する郵便局ネットワークの水準を維持することを旨とすることと規定をされていると承知をいたしております。 私どもとして、今後の対応につきましては、民間金融機関とのイコールフッティング、あるいは金融資本市場の影響、こうした金融行政の観点から今回政府として閣議決定をさせていただき、そして今後国会で御審議をいただくわけでありますけれども、そうした御審議を踏まえて適切に対応していきたいというふうに考えております。
○田島(一)委員 今、郵便局の設置義務であるとか委託契約義務について若干お触れをいただいたんですけれども、当然、民営化をされれば金融庁は大きなかかわりを持たなければならない、金融分野で果たしてきた役割という観点からすると、郵便局のあり方というものは今からでも十分に考えておかれるべきことではないかなというふうに私は思うんですね。ましてや、今おっしゃってくださったような郵便局の設置義務等々、そういったことを結局民営化された会社に課していかないと、おっしゃるような、例えば郵便局のネットワークであるとか金融のユニバーサルサービスといったものが維持できないんだ、そういうことになります。これはつまり、民間会社ではこうした金融のユニバーサルサービスを維持できないんだというような話に私は受けとめられるわけであります。 今のお話でも明らかになったように、私、かなり、民営化にはまだまだ問題は多いんだと思います。御承知のとおりだと思います。残念ながら、今の公社という視点で見れば、税金を一銭たりとも使っていない、言いかえれば公的資金を一円も使っていないという中で、今回の報告にもありましたが、国民一人当たり八万円から負担をしている、公的資金注入をしている、民営化を既にされている民間の金融機関をこれだけ国で面倒を見ている。にもかかわらず、郵便局をさらに民営化して国民の負担を余計に大きくしていこうというような、そんな傾向にあるやに思うんです。 果たして、こうした郵便局のネットワークであるとか金融のユニバーサルサービスというものを維持するために、公社ではどうしてだめなのか。こうした議論も何もないままにいきなり法案という形で今進んできているんですね。この場で言うべきではないというふうにおっしゃるかもしれないですけれども、でも、どう考えても腑に落ちない。国民の多くも、皆さんやはりそのような声をおっしゃっています。果たして、このような公社形態のままで必要な改革というものを行っていけないのか。私は十分にできるというふうに思うんですけれども、財務大臣、いきなり振ってなんですが、いかがお考えでしょうか。
○谷垣国務大臣 私も直接当局者としてお答えする立場にはございませんけれども、小泉内閣のもとでは、官と民の役割分担を見直して民間の知恵ないし活力をできるだけ活用していくようにしようという基本姿勢でいろいろな問題に取り組んできているわけですね。 それで、郵政問題に関しましては、私の立場からいたしますと、この改革を進めていくことによって私は三つ期待していることがございます。 一つは、膨大な国民の貯蓄をできるだけ有効に活用していく道が開けていくんではないか、そのための大事な改革になり得るのではないかということです。 それから二番目は、民営化することによって、今までも、委員がおっしゃるように過疎地等で非常によいサービスをやってきていただいていますけれども、民営化することによってサービスの質をより向上させなきゃいかぬと思いますし、その期待があるわけです。 それから三つ目は、これは特に私の立場から申し上げることでございますが、民営化することによって税を支払っていただき、あるいは売却収入等々がいわば国庫の改善、財政の改善に資するのではないか。私の立場からしますと、この三つぐらい、期待が率直に言ってございます。できるだけ今度の改革はこういう期待に合うような形で議論をまとめていかなきゃならないと私は考えてまいりました。 今委員がおっしゃるように、私、個人的なことを申し上げて恐縮ですが、山村を回るのが好きでございまして、自転車で回るのですが、県境の峠を越えて、山の中を集落におりていきますと、最初に出てくるいわば公共機関と言っていいと思いますが、それは簡易局であったり特定局であったりいたしまして、周りに何もないところで大変重要な役割を果たしている、私も痛感をいたしております。 ただ、その点に関しては、住民のアクセスをどう確保していくかとか、ユニバーサルサービスをどう持続していくかということについては、相当議論も重ねまして、それなりの工夫を盛り込んだ案になっているのではないかと思っております。まだ国会では御議論が始まっておりませんけれども、その辺の制度設計も含めて十分国会で御審議をいただいて御判断をいただくべきことではないかと私個人は考えております。 〔遠藤(利)委員長代理退席、委員長着席〕
○田島(一)委員 今、三つの期待ということを大臣におっしゃっていただきました。どれをとっても今公社であっても十分にやっていけるような改革であり期待値であろうかと私は思います。果たしてサービスと質の向上が民営化でないと本当にできないのか。今公社として評価も十分になされないまま本当にできるのだろうか。ましてや、それだけではない、今地域にある他の金融機関に及ぼす影響等々もきちっと計算をされているのか、店舗数すら十分にわからないというそんな状況の中で、政府の一員としてその責任を十分に感じていらっしゃるのだと思いますけれども、財務省も金融庁も、やはりこのあたりは、いずれ天につばをするようなことになりはしないかと私は非常に懸念をしております。 公的資金を一円たりとも使っていない今の郵政公社と、そしてこれだけの巨額の公的資金を投入してきた今回の破綻金融処理、これをしっかりと国民に示して、これからの郵政民営化の議論にこれから当たっていきたいというふうにも思います。 これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○佐藤政府参考人 恐れ入ります。 先ほど委員の方からお示しいただきました国民一人当たり約八万円の負担ということにつきまして、私の方でやや誤解を与える受け答えをしてしまいましたので訂正をさせていただきます。恐らく先ほどの数字は、国民負担として確定いたしております十兆四千億円、これを国民の数で割ったという数字であろうかと思います。 失礼いたしました。
○田島(一)委員 はい。ありがとうございました。
○金田委員長 次に、津村啓介君。
○津村委員 民主党・無所属クラブの津村啓介でございます。 本日はFRC報告に関する質問ということで、まずは足利銀行の受け皿問題について御質問をさせていただきたいと思います。 先ほどもお二人の委員からそれぞれの観点で御質問があったと思いますけれども、足利銀行の受け皿問題に対する関心といいますのは、地元の経済界からの関心が大変高いこともさることながら、一時国有化ということですので、公的資金で経営再建が図られているということを考えますと、現在の足利銀行の経営再建そのものに対して、受け皿選定というプロセスが持つ意味というか効果というものもやはり考えなければいけないと思います。 何を言いたいかといいますと、今まさしく将来の出口戦略がはっきりしていない状態ですから、例えば取引先の企業であるとかあるいは預金を預けている顧客、預金者というのは、自分が取引をしている銀行が将来どうなってしまうのか、大変大きな不安の中で取引をせざる得ない、ともすれば萎縮してしまいかねない環境にあるわけだと思います。そうした中で、金融も生き物ですから、必ずしも現段階で、将来のある時点、この時点に受け皿選定を行うということが仮に大臣のお立場として確約できないとしても、定性的な条件ということは幾つか整理をすることは現時点でもできるのではないかと思います。受け皿選定に入るためにどういった前提条件が整えばその選定の時期が訪れるというふうにお考えか、大臣の所見を伺いたいと思います。
○伊藤国務大臣 今、津村委員からは大変重要な御指摘をいただきました。受け皿の選定に当たって、また出口戦略を考えるに当たって、金融庁としての基本的な考え方を示していく、そのことは極めて重要であろうかというふうに思いますし、企業再生の取り組みが今足利銀行において進められ、企業価値の向上に向けてさまざまな取り組みがなされている中で、そうした考え方を示していく時期になってきているというふうに思います。 そうした認識の中で、私どもは足利銀行の受け皿について検討を行うに当たって三つの点が重要であると考えております。 第一点目につきましては、金融機関としての持続可能性であります。適切なガバナンスを確立して、財務の健全性とそれを維持できる収益性を確保することによって金融仲介機能を持続可能な形で発揮できることが重要であると考えております。 第二点目は、地域における金融仲介機能の発揮であります。栃木県を中心とする地域において、利用者の信頼を確立して、そして中小企業金融の円滑化に積極的に取り組むとともに、それを通じて地域の再生、活性化に貢献できることが重要であると考えております。 第三点目は、公的負担の極小化であります。足利銀行は十六年九月期で六千億円を越える大幅な債務超過となっており、受け皿に引き継がれる際に多額の公的資金が必要となる見込みでございます。同行が特別危機管理のもとで企業価値を高めて、国民負担をできるだけ少なくできることが重要であると考えております。 足利銀行につきましては、ただいま申し上げました三つの点を達成できる確たる見通しが立った段階で受け皿に引き継がれることが重要であると私どもとして考えているところでございます。 先ほどもお話をさせていただいたように、足利銀行においては、現在、企業価値の向上を目指し、抜本的な経営改革、中小企業等の再生に向けた取り組みなど、さまざまな施策を進めているところであります。こうした取り組みが具体的な成果として結実するにはなおしばらくの時間が必要であると考えておりますが、したがって、金融庁といたしましては、足利銀行の取り組みをしっかりフォローアップしていくことが重要であると考えており、現時点において、先ほども御説明をさせていただいたように、受け皿の選定の時期や方法について確たることを申し上げることは困難である、そのことについては御理解を賜りたいと思います。
○津村委員 大臣から三つの条件として、金融機関としての持続可能性、地域における金融仲介機能の発揮、公的負担の極小化という三つの前提条件が整理されたことは大変わかりやすかったわけですけれども、私といたしましては、三番目の公的負担の極小化という点については、受け皿選定を進めるプロセス自体が影響を及ぼす条件ですので、そこは相互に作用する条件だということをぜひ心にとめて、受け皿選定のタイミングについて適切な市場との対話を進めていただきたい。突如として市場を驚かすような、サプライズのような形で発表がなされるのではなくて、事前の地ならしといいますか、適切な情報開示が行われることを強く希望いたします。 それでは二点目、次の質問に移りますけれども、カネボウの上場廃止についてでございます。 東証は、先週の木曜日、十二日だと思いますが、カネボウ株の上場廃止を発表いたしました。その件については、これもさまざまな論評が週末にかけて各界からなされておりますけれども、金融庁としては東証の判断を見守るという形で、基本的には静観する立場をここまで貫かれてきたものと私は理解しておりますけれども、しかしながら、今回の東証の判断が現にもう出てしまった以上、幾つかの問題提起について、金融庁としてしっかりとした立場といいますか姿勢をお示しいただきたいという気もいたします。 例えば過去の清算、今回のことは新経営陣が旧経営陣の不正経理について表に出したわけですけれども、過去の清算をどう考えるか、こうした過去の負の遺産を新経営陣が清算していくときに、それをどう当局としてサポートするかあるいはインセンティブをつけていくかということは重要な論点だと思うのです。例えば今回のような、今回のケースに限らずですけれども、例えばMアンドA等で新しい経営陣が外から入ってきた場合ということも考えられます。そういったときに、必ずしも、情報開示をしていく、不正について発表していく、そういうインセンティブが働くのかどうか、こういったことも当局としては次回以降の再発防止の観点からもぜひ考えなければいけないと思いますが、大臣としての所見をお伺いしたいと思います。
○伊藤国務大臣 今、委員から御指摘がございましたように、五月十二日、東証は、監理ポストに割り当てていたカネボウ株式について上場廃止基準に該当すると判断をし、同社株式の整理ポストへの割り当てを決定したものと承知をいたしております。これにより、同社株式は、整理ポスト割り当て決定の翌日から一カ月後の六月十三日に上場廃止になると聞いております。 個別の上場株式の取り扱いにつきましては、これは自主規制機関であります取引所がみずからの自主規制規則に基づき判断するものでございますので、同社の株式の取り扱いについては、東証が、これまでの聴取等調査結果を踏まえて、上場廃止基準に基づいてみずからの責任で判断されたものと承知をいたしております。 そして、委員からは、企業再生の観点、あるいはMアンドAの観点、市場をめぐる環境が変化する中でどう考えていくのかという御指摘をいただいたというふうに思います。したがって、この個別の問題から離れて一般論としてお答えをさせていただきますと、委員が御指摘のとおり、その新しい経営者が過去の経営者の不正というものを正していく、そのことによって上場廃止になるということでありますと、これは不正を正していこうという、そうした思いというものが低下をしてしまう、そういうおそれがあるという御指摘がございます。一方で、経営者がかわればすべて過去の責任というものが不問に付されるのか、こうした指摘もあるところでございます。 今、企業再生については、さまざまな企業再生の形というものが誕生しているわけでありますので、そうした中で上場廃止基準というものがそうしたものに十分こたえていくことができているのかどうか、そのことを深く議論していく必要があるというふうに思っております。こうした観点から、私どもとして、東証に対して、こうしたことに対する認識でありますとか、あるいは今後の取り組みについて報告をしていただきたいということをお願いをさせていただいたところでございます。
○津村委員 今、上場廃止基準の妥当性といいますか現在のあり方についてしっかりと検討を重ねていきたいという趣旨のお話があったと思いますので、通告の質問の順番を一つ前後させますけれども、上場廃止基準の妥当性、あるいは、この基準、たしか一九七〇年代ごろにできた基準だったと思いますけれども、今後見直していく可能性について金融庁の立場からお答えいただきたいと思います。
○伊藤国務大臣 今お話をさせていただきましたように、上場の廃止基準、委員からも御指摘がございましたように、昭和四十年代半ばにこの基準というものが設定をされたわけであります。今日に至るまで市場をめぐる環境というものも変わってまいりましたし、また企業再生をめぐる状況というものも変わってきているわけであります。こうした中で、上場廃止基準というものが一般投資家あるいは企業の信認というものを十分確保するものになっているのかどうか、そのことを検証し、議論を深めていくということはとても重要なことだというふうに思っておりますし、まさに今その議論を深めていかなければいけないというふうに私どもとして認識をしているところでございます。 こうした認識から、私どもとして、東証に対して報告徴求をさせていただいて、東証としての考え方についてお伺いをさせていただいて、この点についての議論を深めていきたいというふうに思っております。
○津村委員 東証に対して、今回の個別事案について、例えばカネボウの上場廃止をするのかしないのかという、まさしく個別事案についてその判断が出るまで金融庁がその自主性を尊重する、少し静観するという構えをとられたことは、それ自体としては私は妥当な措置だったのかと思いますけれども、しかしながら、金融庁の役割はそれで終わるわけではなくて、一つには再発防止の観点から、事後の対応策は金融庁もやはり主導的な立場をとらなければいけないと思いますし、そうしたことを考えると、私は今のお答えは若干不十分だと思うんです。 上場廃止基準を今後どうしていくのかということについては、東証自身が、今後、東京証券取引所自体が上場していこうという意向もあるようですし、さまざまな場面で金融庁が監督官庁として東証の上場廃止基準そのもののあり方や、あるいは、今回、これは鶴島社長のコメントであったと思いますけれども、東証は今回のカネボウの事案についてどうして見抜けなかったんだ、五年間もさまざまな報道がなされていたにもかかわらずそれを看過していたのは何だというような質問に対して、物理的にすべてをチェックすることは能力的に不可能であるというような、いわば責任放棄ともとられかねない、それができないと当事者能力を否定したようなコメントもしているわけですけれども、これは今回のカネボウの事案についてにとどまらず、再発防止という観点から金融庁として見過ごしてはいけないテーマだと思います。 金融庁として、東証の責任、あるいは監査法人の役割も、今中途半端な状況にあると思いますが、監査法人の責任、あるいは金融庁自身の再発防止策、こういったことについて所見を伺いたいと思います。
○伊藤国務大臣 今、何点か重要な御指摘があったというふうに思っております。 まず、東証の社長の会見について今御指摘がございました。 会見においては、公認会計士がかなりの労力を割いて監査したものを我々がすべてチェックして虚偽の記載を見抜くということは能力的にも無理と発言をしたことは承知をいたしておりますが、ただし、東証社長は、この発言に続けて、そうしたことも踏まえて、西武鉄道の事件後、公認会計士協会との間で実務者のプロジェクトを立ち上げて、双方で協力できるもの、あるいはこれまでのケーススタディーから今後に生かせるものを洗い出しながら、双方協力しつつ、できる努力は全力でしていく旨の発言がなされたものと承知をいたしております。 この共同プロジェクトの結果、公認会計士協会からは会員に対して有価証券報告書等の記載事項の適正性の確保について留意すべき事項に関する注意喚起などが行われたほか、東証においては、監査人交代に伴う情報開示の充実策の検討や、あるいは適時開示に関する宣誓書の分析、検討、そして公認会計士協会においては、独立性に関する倫理規定に関し会員を支援するための倫理ヘルプラインの創設などの検討を進めることを承知いたしており、これらの方策が十分機能をし、ディスクロージャー制度の信頼性確保につながることを期待しているところでございます。 また、監査法人の問題についても御指摘がございました。 個別事案に関するコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げれば、虚偽のある財務諸表を作成した経営者は民事、刑事、そして行政上の責任を負うこととされており、これに加えて、虚偽のある財務書類を故意または過失により虚偽のないものとして証明した監査人も、証券取引法やあるいは公認会計士法等に基づいて刑事、民事、行政上の責任を負うこととされているところでございます。いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、法令上問題があれば適切に対応していきたいというふうに思っております。 そして、行政の対応についてでありますが、これも先ほどお話をさせていただいたように、私ども金融庁として、五月十三日に、証券取引法第百五十一条の規定に基づいて東証に対して報告書の徴求を行ったところであります。この徴求の中では、三点報告を求めさせていただいております。 まず第一点は、情報管理体制についてでございます。この情報管理体制に対する認識について報告を求めておるところでございます。 また、現行の上場廃止基準、これも先ほど御説明をさせていただきましたが、企業再生のあり方の多様化など企業をめぐる環境の変化に十分対応していくものになっていくために、今後どのような取り組みを行っていくのか、どのような認識を持っているのか、そのことについても東証に対して説明を求めさせていただいているところでございます。 そしてさらに、市場をめぐる内外の環境が大きく変化する中、より広い観点から、上場審査、そして管理を含む規制機能というものを的確に果たしていく上で適切な組織体制というものを確立していくことが必要でありますけれども、そうしたことに対する認識についても、東証から考え方について報告を求めているところでございます。
○津村委員 今、十三日に東証に対して報告を求めたというお話がありましたが、その期限はいつまでになっているんでしょうか。
○伊藤国務大臣 期限を一カ月と定めさせていただいて、その間に報告をしていただきたいとお願いをさせていただいているところでございます。
○津村委員 先ほどの御答弁で一つ私は不十分だと思うので、もう一回伺います。 監査法人の責任について現行の法制度がどうなっているかを御紹介いただきましたが、私は今回の監査法人の責任のあり方が不十分だと考えたものですから、今後これを見直されないのか、現在の体制で十分と考えていらっしゃるのか、そこをお聞きしたかったんです。もう一回お願いします。
○伊藤国務大臣 ちょっと、委員の御質問を正確に、私、十分受け取れているかどうかわかりませんけれども、個別の監査法人のあり方についてはコメントは差し控えさせていただきたいというふうに思います。 ただし、一般論として申し上げれば、法令上問題があれば、これは監視委員会として法令に基づいて適切な対応が求められているわけでありますし、金融庁においても、公認会計士法等に基づいて、法令上問題があれば適切に対応していかなければいけないと考えております。
○津村委員 そうすると、現在の監査法人に対する責任追及のあり方が十分だと認識されているということですか。
○伊藤国務大臣 個別のことについての答弁は差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論とすれば、監査法人が法令に違反した場合の責任の追及についての枠組みというものは法律において決定されているわけでありますので、そうした私どもに与えられている権限、あるいは監視委員会に与えられている権限の中で、法令に基づいて適切に対応していくことが必要だと考えております。
○津村委員 重ねて質問いたしますけれども、私は、今回の個別事案の反省会をしているわけではなくて、今後の再発防止策について伺っているんですが、今後の再発防止という観点から幾つかの論点があり得る中の一つだと思っているんですね。つまり、私は課題があると思いますからこういう取り上げ方をしているんですが、再発防止策、これからいろいろ検討されるべきだと思いますけれども、その中で監査法人の責任追及のスキームについて検討されるお考えはありますか、ありませんかという御質問です。
○伊藤国務大臣 スキームについては、私どもとしてそれなりの体制というものができているというふうに思います。個別のことについては、先ほど来お話をさせていただいているように、言及は差し控えさせていただきたいというふうに思いますが、その法律の枠組みの中で、監視委員会においても金融庁においてもそれぞれその使命を果たしていかなければいけないわけでありますから、一般論として申し上げれば、法令上問題があれば、その法的な枠組みに従って適切に対応していかなければいけないというふうに思っております。
○津村委員 もう一回端的に伺いますけれども、個別のことについては聞いておりません、一般論で結構ですが、現在の枠組みは十分機能しているとお考えですかという質問です。それは運用面も含めてです。
○伊藤国務大臣 問題があれば、それはその枠組みというものに対してどのように効果的な対応ができるかということは見直していかなければいけない、常にそうした心構えというものを行政が持っておかなければいけないというふうに思っております。 ただし、今まで、公認会計士法を改正して、そして、公認会計士に対する、あるいは監査法人に対する信頼性を向上していくための枠組みというものは、今日まで国会で御議論をいただいて整備をしてきているところでございますので、そうした中で行政としての適切な対応をしていかなければいけないというふうに思っております。
○津村委員 監査法人のあり方あるいは金融庁のチェックのあり方については、今回の事案を通してやはり信頼性が大きく揺らいだということだと私は思っております。現時点での大臣の御認識が今の御答弁であれば、仕方がないといいますか、大臣はそうお考えだということですから、今後また、どのように改善されていくのかいかれないのか、丹念にフォローさせていただきたいと思っております。 続きまして、ペイオフ解禁について、解禁から一カ月余りがたった現時点での対応状況について伺いたいと思います。 金融一般にペイオフ解禁が混乱を与えたか与えていないかといえば、これは大きな混乱は見られていないということで先週の御答弁もあるようでありますけれども、事前に決済用預金の導入のあり方とか名寄せの状況とか、かなり数字的なところでチェックを丹念にされてきたものと思っておりますけれども、事後的に、四月一日以降、その導入がしっかりとなされたかどうか、そういったことを引き続きモニタリングされているのかどうかを確認したいという趣旨で次の点について伺おうと思います。 決済用預金の導入実績及び導入しなかった金融機関の業態別の割合あるいは数といったものを把握されていますでしょうか。把握されていたらお答えください。副大臣で結構です。
○七条副大臣 御答弁させていただきますけれども、金融庁といたしましては、一般的に、預金業務を行っている六百十八の金融機関に対しましてヒアリングを行った結果によれば、本年四月一日時点で、当座預金以外の決済用預金を提供している金融機関は六百三金融機関で、ヒアリング対象の九七・六%になる。当然のことながら、この六百十八の中には、銀行と信用金庫、あるいは信用組合、労金も入っているところでございます。導入をしていない金融機関の割合についていきますと、中身は銀行が六、信用組合が九、全体で二・四%が導入していないということになろうと思っておるところでございます。
○津村委員 続きまして、名寄せについて伺おうと思います。 同一顧客からさまざまな預金がなされているものを名寄せするということがペイオフにおいて重要な事務的な課題であったと認識しておりますが、これはどの金融機関もそうですけれども、どの程度作業は完了しているんでしょうか。
○七条副大臣 名寄せについての進捗状況でございますけれども、金融庁としては預金保険法に基づき同法の名寄せデータ整備のための体制整備を求めたところでありまして、その結果、全金融機関が基本的な整備を終えており、金融庁としては金融機関の名寄せ体制整備はできているものと承知をいたしているところでございます。 名寄せのための個人の預金者データについては、随時変動等が生じるため、預金保険機構と連携をしながら検査等を通じて名寄せの状況を厳正に確認していきたいところでございます。金融庁としては、名寄せのためのデータ精度の維持向上に万全を期していきたいと存じているところでございます。
○津村委員 今、進捗状況についての割合という私の質問にお答えいただきましたでしょうか。
○七条副大臣 すべての金融機関に対して体制整備はできている、こういうことでございます。
○津村委員 これはちょっとにわかに信じられないんですけれども、三月の二十二日の日本経済新聞によれば、名寄せの作業が完了しているのは地銀の半数だというふうに報道がありまして、その後一週間であと半数がすべてできるとはとても思えないんですけれども、それはきちんとモニタリングをされているんですか。何らかのアンケートなり調査なりをされているんでしょうか。定性的なお答えではなくて、数字で伺いたいんですけれども。
○七条副大臣 十七年三月三十一日現在でございますけれども、銀行、信金、信組、労金、先ほど言いましたけれども、すべて検査が終わっているところでございます。(発言する者あり)
○津村委員 今声が出ていますけれども、名寄せが終わっていることの検査が終わっているとはとても思えないんですが。名寄せが終わっていることは、もう既に、三月三十一日現在、全金融機関確認されたということですね。そういうことですか。
○七条副大臣 さっきも申し上げたように、体制整備は全部できているんですけれども、名寄せのための個人の預金者データについては随時変動する。ですから、それが生じてくるために、いわゆる金融関係の検査等も含めて名寄せの状況を厳格に把握しているんですけれども、変動しているということも含めて今申し上げたところでございます。
○津村委員 それは、新しい顧客が来て、毎日対応しなきゃいけない作業だとはもちろん思うんですが、私の想像では、三月三十一日までに行われた一連の検査の中で、名寄せの作業を進めていますか、進めていく意思がありますかという、その取り組みをしているかどうかについては恐らく確認をされたのかもしれません。その中で、いや、作業はしていますよという返事は確認されたのかもしれませんが、取り組んでいるということと作業が完了したということは全く別の問題で、私は、作業が完了したかどうかを伺っているんです。
○金田委員長 佐藤金融庁監督局長。
○津村委員 いや、登録されていないと思うので、申しわけないですが。
○七条副大臣 先ほどから申し上げているように、随時変動するということでございますから、完全にすべて終わってしまうということでなくて、今現在も動いているということも含めますと、状況につきまして、名寄せデータの整備については、既に対象となるすべての金融機関に対する項目検査を完了しているわけであります。 そういうことから考えると、検査を通じて名寄せの際に支障を生じるおそれがあると認められた点について是正策等の報告徴収等についてのフォローアップに努めるなど、ペイオフ解禁後も環境整備に万全を期している、そういうことでございます。
○津村委員 恐らく、実態として、現時点で名寄せは終わっていないと思います。そこを、むしろ今の御答弁というのは、問題把握をされているのかどうかというところまで疑わしくなってくるので大変心配な御答弁なんですけれども。(発言する者あり) ほかにも用意している質問があるので、ちょっととめてください。
○金田委員長 では、ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○金田委員長 速記を起こして。 七条内閣府副大臣。
○七条副大臣 今もちょっと聞いてみましたけれども、システム面とデータ面については、これは別問題だ。システムということについての預金保険機構による確認を受けるとともに、データ面についても、個人における生年月日や、あるいは法人における設立年月日の確認などの基本的な整備は終えている、金融庁としてはそう把握しているところでございます。
○津村委員 ちょっとごめんなさい、よくわからないんです。 一つ、新聞報道ですから、それは金融庁さんとはまた違うかもしれませんけれども、これを紹介すると、これは地銀と第二地銀のみについて聞いているんだと思いますが、五十三行が三月末までに完了する、五十六行は既に完了している、四月以降にずれ込むと答えた銀行も一行と書いているんですね。地銀がそうですから、ましてや信金とか信用組合ではさらに取り組みがおくれている可能性もあるわけで、そういったところが終わっているとはちょっと信じられないんですけれども、もう一度だけ御答弁ください。
○七条副大臣 今申し上げたように、三月末までに全部検査を終えているわけでありますし、これからも動いていくものについては検査をしていくということでございます。
○津村委員 ちょっと副大臣の御答弁はやはり不十分だと思いますが、ほかの質問をどうしてもしたいので、また後日にいたします。きちんと……(発言する者あり)そうしてください。よく勉強していただきたいと思います。 公金預金の保全策について総務副大臣に伺いたいと思います。 私は、実はこちらの方がより問題だと思っているものですから、どうしても聞きたいんですが、都道府県が預けている公金預金を決済用預金に振りかえて、全額保護の対象にしている都道府県が八七%ほどあるというふうに総務省さんが三月に発表されたアンケートでは示されていますが、残りの十数%がその後どういう取り組みをしているのか。 これは、地方自治法でも、公金については安全かつ確実な運用が義務づけられているはずで、総務省さんとしてはしっかりとモニタリングをしていかなければいけない部分だと思うんですが、私が仄聞するところでは、そういったモニタリングを行っていないというふうにも聞いておるんですけれども、その辺はどうなっているんでしょうか。
○今井副大臣 津村委員さんにお答えを申し上げますが、たしか八七%が決済用預金で保全を図っている、こういうことでございますが、専門家の津村さんですから御案内かと思いますが、それ以外にも、借入金等の債務との相殺で保全を図る、それからもう一つは指定金融機関からの担保を充実することによって保全対策をする、あるいは債券による運用、それと御質問の決済用預金の活用、こういうことがあるわけですが、それぞれ各自治体によって保全策が、一部でありますけれども、多少の違いがあるというのは事実であります。
○津村委員 どういう保全策があるかを伺っているのではなくて、四月以降にしっかりとモニタリングをされているんですかということを伺っています。モニタリングをされていれば、今、公金預金が決済用預金にどれだけ振りかえられたかということが数字として把握できているはずで、お答えいただけるはずなんですが。お答えください。
○今井副大臣 お答え申し上げます。 ペイオフ解禁後の金融情勢等も踏まえまして、必要に応じて適切な公共団体の対応状況をきちんと把握しなければならないと思っておりますので、その必要性を認めておりますので、速やかに調査を図っていきたい、かように思っている次第であります。
○津村委員 やはりやっていないわけですよね。 これは本当に、民間金融機関の経営状態をモニタリングするという金融庁さんがされている取り組みよりも、ある意味では国民の税金そのものの、民間の預金ではなくて公金の預金ですから、モニタリングの重要性というのは、どちらも重要ですけれども、場合によってはより重要なはずのモニタリング対象が、これは金融庁さんと総務省さんと縦割りになっているからこういうことが起きてしまうのかもしれませんが、だとすれば大問題で、地方自治法にも明確に書かれている安全かつ確実に運用されているかどうかというのは、どういう形でその安全性、確実性が担保されているかは、それはいろいろなバリエーションがあって結構ですけれども、モニタリングされていないということは大変問題だと思います。今後の取り組みの方針についてお答えください。
○今井副大臣 数々の対策あるいは通知その他注意を促してきているところでございまして、今御質問の新年度に入ってからのモニタリングですが、先ほど御答弁申し上げましたように、速やかに調査をさせていただきたい、こういうふうに思っているところであります。
○津村委員 少し質問を飛ばしていきます。投資サービス法についての議論。ちょっと飛びますけれども、金融庁に伺います。 六月に向けて今議論が急ピッチで進められて、四月の二十八日に、直近に行われた金融審議会で、投資サービス法の対象を、従来は金融庁さんとしては証券業界のみを主に対象にするという議論をずっとされてきたわけですが、私ども民主党としては、これをより広い金融商品一般、あるいは場合によっては省庁の垣根も越えて商品先物その他を対象にしていかなければ、これは投資家の立場に立っていないんじゃないかという議論もしてきたわけでありますけれども、新聞報道によれば、四月の二十八日の審議会では、金融庁さんの方から、銀行や保険もリスク商品の販売時については規制の対象にするというような議論が、これは事務方の議論だと思いますけれども、方向性が示されたという報道もございます。大臣としてどのように投資サービス法の対象についてお考えか、お聞かせください。
○伊藤国務大臣 お答えをさせていただきます。 金融庁といたしましては、二十一世紀の金融を支える新しい枠組みとしては、縦割り規制から機能別、横断的なルールに転換をしていく、こうした観点に立って金融サービスに関するルールの整備を進めていくことが重要である、これが基本的な認識であります。 金融審議会の第一部会における投資サービス法の制定に向けた審議においては、対象とする投資商品の範囲について、できるだけ幅広い金融商品とすべきであるといった意見が多く出されてきたところであります。こうした審議の中では、商品先物取引等、投資家保護のための既存の法律が存在する商品の位置づけ等についても議論が行われているものと承知をいたしております。 金融審議会第一部会の今後のスケジュールといたしましては、本年六月をめどに基本的な考え方を取りまとめ、そしてその後、より具体的な措置をすべき内容について検討をしていく方針であるというふうに承知をいたしているところでございますが、金融庁といたしましては、金融審議会における議論を踏まえつつ、投資サービス法の法制化に向けた作業を鋭意進めていきたいというふうに思っております。
○津村委員 名寄せのことで時間を大分とってしまったので、もう時間がなくなってしまいましたけれども、投資サービス法、私たちは金融サービス法という言い方もしておりますが、今まさしく六月に向けて非常に議論が重要な局面に差しかかっていまして、そうした中で投資サービス法の極めて重要な論点の一つがこの対象範囲ということです。そういう中で、新聞報道されていますし、これは議事録も公開されるわけですから事実と思いますが、金融庁から銀行、保険も規制の対象にするというふうな判断というか方針が示されたことは私は大変歓迎すべきことだと思っておりますけれども、この局面、大臣のリーダーシップが大変重要な場面と思いますので、先ほどの御答弁の趣旨とも沿うと思いますが、しっかりとリーダーシップをとってよりよい投資サービス法をつくっていただくようお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
○金田委員長 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭です。 私は、公的資金注入行の中小企業向け貸し出しについてお聞きをしたいと思います。 まず、伊藤大臣に基本的な立場をお伺いしますが、銀行が金融庁に出した中小企業向け貸し出し計画、これは達成するのは当然だと思うんですね、金融庁はそれを促すように指導するというのは当たり前だと思いますが、まず基本見地をお伺いしたいと思います。
○伊藤国務大臣 資本増強行のうち、十六年三月期末の中小企業向け貸出残高が前年度末に比べて減少となった主要行は一先、そして地銀が三つに対して、銀行法二十四条に基づき、中小企業向け貸し出しが減少した理由及び今後の取り組みの状況について報告を求め、その内容についてヒアリングや精査を行っております。 各行からは、中小企業向け貸し出しの減少理由について、貸出先企業における財務リストラによる借入金の圧縮、そして大企業グループ全体における財務リストラに伴う傘下中小企業の資金返済などの要因が大きいものと説明を受けているところでございます。また、今後の取り組みについては、各行とも営業店別の残高目標の設定、その達成度合い等の業績評価への反映、そして進捗の芳しくない営業店への臨店指導、無担保貸し出し等の新商品の投入など、計画達成に向けた取り組み努力が認められているところであります。 金融庁といたしましては、こうした事情を踏まえて、また中小企業向け貸し出し減少等も勘案して、今後の履行状況を引き続きフォローアップしていくこととしたいと考えております。
○佐々木(憲)委員 私は具体的な事実関係をお聞きしたのではなくて、基本的な姿勢をお聞きしたので、まあ結構です。 それで、配付した資料で明らかなように、昨年三月に前年を下回ったのは四グループで、未達は五グループでありました。当然、業務改善命令を出して中小企業向け融資を改善させることが必要であり、それをやったと思いますけれども、その点はいかがですか。中小企業向け貸し出しに関する業務改善命令、これは〇二年十月にUFJとあさひ、〇三年一月にみずほ、〇四年六月にはUFJに対して出されていると思いますが、これは事実ですね。
○伊藤国務大臣 過去の業務改善命令の発出については、今委員御指摘のとおりでございます。貸し出し増強への取り組み等から見て、みずから的確に履行しようとしていないと認められた場合には業務改善命令の発動を検討することとしている、これは平成十一年九月三十日、金融再生委員会が公表した基準でございますが。 先ほどもお話をさせていただいたように、各行の報告を精査した結果、計画達成に向けた取り組み努力が認められていることから、計画をみずから的確に履行しようとしていないと認められた場合には当たらないと判断をし、今後の履行状況を引き続きフォローアップしていくこととしたものでございます。
○佐々木(憲)委員 表のように、二〇〇四年九月の実績、今公表されているのがその数字ですけれども、これまで業務改善命令を出されてきた三グループがまたマイナスになっているんですね。しかも、UFJは二回の業務改善命令を受け、昨年も指摘されていたのにもかかわらず、約二千億円足りない、未達であります。みずほは〇三年に業務改善命令を出されたことで、昨年三月までには計画も二千億円、実績も超過達成、頑張ったようだけれども、今回はまだ約六千億円も足りない。りそなも、〇三年三月と〇四年三月は達成したけれども、今回は二千三百億足りない。もちろん、九月ですから、三月までにさらに上乗せということなんでしょうけれども、しかし、この三つのグループを合わせて、ことし三月までに一兆円以上ふやさないと目標を達成できないわけであります。そろそろことし三月の集計が出るはずですが、本当にこれは可能なんでしょうか。この点をお聞きしたいと思います。
○佐藤政府参考人 ただいま御指摘いただきましたように、この中小企業向け貸し出しは通期でとらえるという原則になっておりまして、十七年三月期を見るわけでございますけれども、この三月期の実績値、決算の計数を前提としてまとめますので、またさらに決算の数字から具体的な確定作業を経て当局で取りまとめるということでございますので、現時点では確たることを申し上げることは困難であるというふうに思います。 先ほど、基本的に三月期で判断するけれども、十六年九月期について減少の傾向を示しているという御指摘もございました。この点につきましては、私どもちょっと情勢をヒアリングいたしましたところ、減少理由につきましては、貸出先企業における財務リストラによる借入金の圧縮であるとか、あるいは大企業グループ全体における財務リストラに伴って傘下中小企業の資金返済があったといった要因が大きいという報告を受けておるところでございます。 ただ、今後の取り組みが重要でございますので、その点についてもヒアリングをしておるわけでございますけれども、今後の取り組みにつきましては、例えば営業店別の残高目標の設定、その達成度合いを業績評価に反映させるといったこと、あるいは進捗の芳しくない営業店への臨店指導、さらには中小企業向け貸し出しの専担チームあるいは推進拠点の増強、無担保貸し出し等の新商品投入、こういった努力が認められるということでございまして、三月期に向けてこの成果が具体的にあらわれてくるということを期待いたしておるところでございます。
○佐々木(憲)委員 三月期に向けてと言うけれども、もう三月期は終わっているんですからね。 みずほやUFJの履行状況に関する報告、去年の九月を見ますと、こう書いてあるんです。金融再生プログラムの最終年度で不良債権処理の完了に向けた取り組みを行っていて、低格付先の残高が減少したから中小企業向け貸し出しが減少したという趣旨。つまり、不良債権処理の時期がことしの三月で終了する、したがってそれに向けて目標を達成するためにやる、したがって格付の低いところは貸し出しが減るんだということで、いわば開き直りのような対応をしているわけであります。 ですから、これは中小企業向け貸し出しが計画どおり達成できない理由に不良債権処理を挙げている、こういうことであります。どちらを優先するんですか。中小企業向け計画を優先的に達成するようにというのが当然だと思いますが、大臣、いかがですか。
○伊藤国務大臣 私どもとして、問題があれば報告を徴求し、ヒアリングをし、その中身を検証していくわけでありますけれども、その中で、計画をみずから的確に履行しようとしているかどうか、この点を検証していくわけであります。 そうした中で、今まで各行から聞いている中で、先ほど私も答弁をさせていただき、あるいは監督局長からも答弁をさせていただきましたが、営業店別の残高目標というものを設定する、そしてその達成度合い等の業績評価への反映、進捗の芳しくない営業店への臨店指導、無担保貸し出し等の新商品の投入、こうした取り組みを行っているということが認められているところでございますし、また、十七年三月期につきましても同じようにこうした取り組みというものがしっかりなされているかどうか、その履行状況というものを引き続きフォローアップしていきたいというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 不良債権処理が足を引っ張っているのではないかということを私は聞いているわけです。大臣の答弁は、今二回同じ答弁があり、また局長の答弁も同じ答弁なので、三度同じことを繰り返されても質問に答えたことにならないですよ。 地銀、第二地銀についても、業務改善命令で収益が問題だということを出されていますけれども、しかし、中小企業向け貸し出しの業務改善命令は出ていないわけですね。目標より二けた違うようなマイナスがある、しかも連続して未達状況にある。こういうところには当然業務改善命令などの措置をすべきだと思いますけれども、特に地域密着型の金融機関として、地銀、第二地銀というのはそういう役割が大きいと思いますけれども、いかがでしょうか、大臣。
○伊藤国務大臣 基本的には、中小企業向け貸し出しの増加計画が未達となって、中小企業向け貸し出しが減少している資本増強行に対しては、報告を徴求した上で必要に応じ業務改善命令を発出するなど、これまでも厳正に対処しているところであります。今後とも、中小企業向け貸し出し目標の未達については、こうした措置を適切に講じて、そして目標達成に向けた取り組みというものを促してまいりたいというふうに思います。
○佐々木(憲)委員 数字が出た段階でもう一度ただしたいと思います。 次に、偽造キャッシュカード問題について簡単に質問をしたいと思います。 スタディグループの中間取りまとめというものが最近出されました。副題が「盗難キャッシュカード被害に対する補償を中心として」となっておって、偽造だけではなくて対象を広げるということは当然であったと思います。そういうことは必要だと思います。この報告は、諸外国では「原則として、偽造・盗難の区別なく補償を行っている場合がほとんどである」というふうに書いております。私は、日本でも当然そうあるべきだと思っております。 具体的にお聞きしますけれども、改正案として出されている偽造、盗難キャッシュカード被害に関する損失負担ルールというものがあります。これによると、三つのケースに分かれていまして、銀行に全額負担を求めるケースの場合は、預金者の過失がないということを預金者が疎明する、疎明というのは、自分で過失がなかったことを証明するということらしいんですけれども、その上で銀行がそれを認めて初めて全額銀行負担になる、そういう仕組みだというのですけれども、これはそういう考えでいいかどうか。 それから、こうなりますと、疎明できるかどうかというのが一つ、それから、銀行がそれを認めるかどうか、二つの問題をクリアしなければいけないわけですね。そういうことになるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○佐藤政府参考人 今回、スタディグループで第二次中間取りまとめが行われました、盗難カードに関する補償のあり方のルールにつきまして、預金者に過失がない場合に金融機関が全額負担するというケースについての御指摘は、今御指摘いただいたようなことで整理をされております。 それで、これの考え方でございますけれども、金融機関への速やかな届け出であるとか、あるいは警察への被害届であるとか、金融機関による調査への全面的協力、こういったことを条件として、届け出の一定期間前以降に発生した被害について、仮に金融機関に過失がない場合であっても、一つは原則として預金者と金融機関が五〇%ずつ負担する。ただし、預金者が無過失の場合、今の場合でございますけれども、金融機関が全額を負担する。他方で、預金者が重過失の場合、この場合には預金者が全額負担することが望ましいのではないか、こういう整理にいたしております。 ということで、預金者の無過失が認定された場合には金融機関が全額を負担する、こういう部分が入ってございますけれども、一般的に、キャッシュカードが盗難されて現金が引き出されるに至った事情につきましては、無過失を立証するということは預金者にとって非常に難しいことであろうかと思います。こういったことにかんがみまして、第二次中間取りまとめにおきましては、預金者は自己の盗難の状況等について可能な限り合理的な説明を金融機関に対して行い、金融機関において一応確からしいとの心証を得た場合、いわゆる疎明の状態でございますけれども、この場合には預金者の無過失を認定することを基本とすべきではないか、こういうふうに整理をいたしております。立証責任ということではなくて疎明を求めるというところで区別をしているという点が、一つポイントであろうかと思います。 それから、預金者に過失がある場合の標準的なケースで、預金者は損害の五〇%を負担することというふうにしておるわけでございますけれども、これの考え方といたしましては、一方で預金者にはカードが盗難されたことについて何らかの過失があると推認されるケースが多いということがあろうかと思いますが、一方で金融機関にはシステム提供者として預金の安全性への信頼にこたえる責務があるということで、双方に損害発生の責任がそれなりにあるということで、原則双方が損失を負担すべきではないか、これが標準的なケースではないかというふうに整理をしたわけでございます。 これは実務上の実行可能性ということについても着目をいたしたものでございまして、これらの標準的なケースも含めてすべての盗難被害について個々のケースごとに立証作業を行うということになりました場合には、預金者、金融機関双方にとって実務上の負担が極めて大きくなるということで、争いの長期化ということで、結果的に預金者保護に資することにならない可能性があるのではないかという問題意識でございます。 それから、もう一点御指摘のございました、海外においては原則として偽造と盗難の区別なく補償を行っているという点でございますけれども、そういうケースがほとんどであるという御指摘でございますけれども、諸外国におきましては、例えばEU諸国のように国境を越えた移動が容易であるといった事情から国外で引き出されるケースが非常に多いということで、具体的な調査が容易でないといったことがあるといった事情、あるいはATMの引き出し限度額が低く設定されているということで一件ごとの損害額が低くなっている、こんな事情があろうかと思います。我が国の場合にはちょっと状況が異なるということで、単純な比較はできないのではないかというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 もう時間が参りましたので終わりますが、非常に中途半端だと思うんですね。銀行というのはもともと預金者の預金を保護する、守るというのが第一義的な仕事であって、その角度からいいますと、どうも銀行負担を逃れようという傾向が銀行自身の発言の中に非常に強い。それから、それを反映しているのかどうか知りませんけれども、五〇対五〇というようなところですね、この仕組みを適用しますと、疎明が十分ではないと銀行が判断すれば五〇対五〇で半分は預金者の負担だ、こういうふうになってしまうんですね。ほとんどそういうことで、銀行の負担逃れという傾向に拍車をかけかねないという点がありますので、私は、この問題は、原則的にやはりしっかりと預金者を守るという立場に立った対応が必要だ、詳しくは言いませんけれども、この点を主張したいと思います。 盗難はカードだけではありません、盗難は預金通帳も盗難ですし、あるいは偽造といえば印鑑の偽造というのが非常に自由にできるような状況に今なっている。そういう問題も含めて預金者を守るということをしないと、一体金融庁はだれの味方なのか、銀行の味方じゃないはずだということで非常に批判が強まる可能性がありますので、この点、きょうは時間がありませんので、引き続き議論を続けていきたいと思っております。 以上で終わります。
○金田委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時一分休憩 ————◇————— 午後二時四十五分開議
○金田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 財政及び金融に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 両件調査のため、本日、参考人として日本銀行副総裁武藤敏郎君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として国税庁次長村上喜堂君、金融庁総務企画局長増井喜一郎君、金融庁監督局長佐藤隆文君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○金田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石井啓一君。
○石井(啓)委員 公明党の石井啓一でございます。 まず、日銀の金融政策についてお伺いいたします。 きょうは、武藤副総裁、大変御苦労さまでございます。 ことしに入りましてから、日銀の資金供給に応じないいわゆる札割れが頻発しているということから、当座預金残高目標の引き下げが焦点になっております。そのように報じられております。この当預残高目標の引き下げは、私は技術的な側面が強いと。 今、民間金融機関は、金融不安が相当後退して、手元に置きたい資金需要も少なくなっている、こういうことから日銀の資金供給オペに応じないということですから、日銀も当預残高を確保するのになかなか御苦労されているということでありますから、民間の資金需要に応じた自然体の当預残高ということは当然あるだろう。 そういう意味で、日銀の資金供給オペの技術的な側面、こういう面があろうかと思いますし、引き下げたからといって、日銀の量的緩和政策継続のコミットメント、すなわち安定的にCPIがゼロ以上になるまで継続する、この約束が変わることはないというわけではありますけれども、しかし一方で、この残高目標の減額が、内外の市場に対して、日銀が量的緩和解除に向けて動き出した、こういう誤ったメッセージを与えることになりますと、思わぬ金利上昇を招くおそれもある。今、踊り場の景気で、これからまた回復軌道に再び乗っていこうかという景気に悪影響を及ぼすようなことがあったらこれは大変困るわけでございます。したがって、私は、日銀には、対外的に誤解を与えることのないように細心の注意を払っていただいて、慎重に御検討をいただきたいというふうに思っております。 御見解を伺いたいと思います。
○武藤参考人 御指摘のとおり、いわゆる札割れ現象というのが頻発しております。この背景には、金融システム不安というものが次第になくなりまして、金融機関の流動性需要というものが減少しているということがあるわけでございます。そういう意味では、札割れが起こっているというその事情、それ自体は前向きに評価できる現象だというふうに言える面があるわけでございますけれども、同時に、御指摘のとおり、日本銀行としての量的緩和政策の継続という観点からは資金供給が難しくなっているという状況があるわけでございます。そういう状況で、現在のような、三十兆円から三十五兆円程度の流動性を供給する、当座預金残高目標を維持する、そういう政策の是非をめぐって若干議論が行われているということであります。 一つ申し上げておかなければなりませんことは、こうした議論は、あくまでも量的緩和の枠組みを維持、堅持していくために量的緩和政策を円滑に遂行するためにどうしたらいいかという観点からでございます。委員御指摘の技術的な側面というのはそういうことであろうというふうに思います。したがいまして、日本銀行としては、この消費者物価指数に基づく明確な約束に沿って、所要準備を大きく上回る潤沢な資金供給を続ける、こういう金融緩和政策を堅持するという基本的スタンスにはいささかの揺るぎもないということは申し上げることができると思います。いろいろな場合に日本銀行の方から、総裁あるいは政策委員の方から、その点については繰り返し御説明を申し上げておるところでございます。 いずれにいたしましても、今後、このような状況にどのように対応するかということにつきましては、今後の金融政策決定会合におきまして、その時々の状況を踏まえて議論し決定していくわけでございますが、当面は、今週の木曜日、金曜日に政策決定会合が予定されております。その場で十分議論をし、検討して決定してまいりたいというふうに考えております。
○石井(啓)委員 武藤副総裁、大変ありがとうございました。 私の質問は以上でございますので、退席していただいて結構でございます。ありがとうございました。 それでは、引き続きまして、郵政民営化に伴う国債の問題について質問を申し上げたいと思います。 予算委員会でも何回か取り上げられましたが、郵政民営化に伴う課題の一つとして、現在、郵政公社が大量に引き受けておる国債の問題がございます。 ちょっと数字を挙げて申し上げますと、昨年の十二月末の日銀の資金循環統計では、これは財投債も含んで、国債の合計約六百二十兆円ですね、これに対して、郵便貯金が九十六兆八千億、簡易生命保険が五十二兆六千億、合計百四十九兆四千億ということで、国債の発行している額のうち二四・一%を保有している、こういうことでございます。 また、今度、郵政公社の方に確認をいたしますと、これはちょっと時点が違いますので今申し上げた数字と若干異なってきておりますが、平成十七年二月末で、郵貯資金の運用状況は、資産残高の合計が二百十七兆四千億円に対しまして国債が百六兆五千億ということで、四九%保有をしております。また、簡保の方が、資産残高合計百二十兆一千億に対しまして国債が五十六兆七千億、四七・三%。トータルいたしますと、郵貯、簡保で三百三十七兆五千億に対して国債が百六十三兆二千億保有をしている、こういう状況でございます。なおかつ、郵貯の方は預託金がまだ八十兆八千億もありますから、この預託金が国債の方に相当変わってくるとなると、さらにふえてくる、こういうことになるわけでございます。 それで、二〇〇七年から二〇一七年の間の完全民営化移行期については、いわゆる旧勘定、これは郵貯のうち定期性の貯金の分それから簡易保険ですね、この旧勘定分の資産については安全運用を義務づけられておりますから、引き続き国債を中心とした資産運用ということになろうかと思います。 また、旧勘定が少しずつ少なくなって新勘定がふえてくるわけでありますけれども、毎年度、安全資産の見通しの報告を義務づけられておりますので、市場に対して、この民営化された郵政会社がどれぐらい国債、地方債等を引き受けるか、こういう見通しはきちんとはっきりされているということでありますので、民営化移行期についてはさほど心配する必要はなかろうかと。 一方で、二〇一七年度以降、完全民営化いたしますと、資産運用は民間銀行、民間保険会社ということになりますので、原則自由ということになりまして、このことをもって、完全民営化した後に郵便貯金会社、簡易保険会社が国債を大量に保有してもらえるんだろうか、そういう懸念が指摘をされております。この点について御見解を伺いたいと存じます。
○谷垣国務大臣 今、石井委員がおっしゃいましたように、今大量に国債を発行しておりまして、今後ともそういう情勢が続くということが見込まれます。そして、現在、郵政事業がこの国債を引き受ける大きな器の役割を果たしてもらっておりますので、郵政民営化の議論とともに、国債管理政策というものを私どもはますます重要な政策課題としてとらえていかなければならないんだろうと思います。 今御指摘のように、移行期についてはいろいろな手当てが講じられておりますので、国債マーケットに不測の影響を与えるということは防げる仕組みになっているのかと存じますが、完全民営化した後どうなるのかということでございます。 完全民営化後、郵便貯金銀行それから郵便保険会社、これはいわば民間会社として自由に資産運用するということでございますけれども、その資産規模の大きさを踏まえますと、みずからの運用が市場あるいはみずからの経営に与える影響というのも相当大きなものがあるわけでございまして、そういったことを考慮の上で、適切な資産運用を自由に判断してやっていただくということではないかと思っております。 そこで、その時点での国債管理政策ということになりますと、まず第一には、財政構造改革を推進していって、国債に対するマーケットの信認というのをゆるがせにしないように持っていくということがイロハのイということではないかと考えております。それに加えまして、やはりマーケットとの対話を十分やっていく。市場のニーズとか市場の動向がどこにあるのかということを私どもも十分に把握するように努めて、そしてその市場のニーズに合った形で国債の発行あるいは商品性の設計等々をやっていくということが大事ではないかと思います。 現在、既にそういうことを想定しながらいろいろな形で物事を進めているわけでございますけれども、今後とも、きちっと議論を積み重ねて、遺漏のないようにやっていきたいと考えているところでございまして、郵政民営化というものが進行していきましても十分消化は可能であるというふうに考えております。
○石井(啓)委員 実は私もそんなに心配はしておりませんで、といいますのは、先ほどの日銀の資金循環統計を見ましても、民間の金融機関でも二百三兆三千億という大量の国債を保有しているわけでございますね。ですから、現在の超低金利の金融環境、すなわち、民間セクターの方は余り資金需要がない。民間銀行の方も、運用としてやはり国債が有利な商品だという状況のもとでは、完全民営化しても国債というのが相当運用の中心になっていくということは当然考えるわけであります。 しかし、今後、本格的な景気回復軌道に乗りまして、民間の資金需要の方が強まってくる、普通の銀行でも国債で保有しているよりは貸し出しの方に回す、こういうふうになってきますと、金利も上がって、発行の条件も大変厳しくなってくる。こういう中で、国債の発行残高が減らせれば構いませんけれども、当面しばらくの間はふやさざるを得ない。そういう状況下で、国債引き受けを確保するためにはやはり相当真剣な努力が必要になってくるだろうというふうに思います。 したがって、私は、郵政民営化云々ではなくて、郵政公社が民営化するから国債引き受けが大変になるということではなくて、そもそも中長期で考えるとこれは相当大変なことであると。郵政民営化というのは中長期的な国債管理の重要性を浮かび上がらせた、こういうふうに私は受けとめているわけでございますが、その点いかがでございましょうか。
○谷垣国務大臣 私も委員のおっしゃるとおりだと思います。 確かに今まで郵政というのが、これだけ大量の国債を消化するのに、ずっと長い間そういうふうにしていただいておりましたし、安定的な器を提供していただいたのは事実でございますけれども、中長期的に考えてまいりますと、これからの景気、経済というものがどういうふうになっていくのか、そういう中で金利の動向というものがどうなっていくのかというのは、私ども、日々財政運営をしながらも頭を去らない問題でございまして、それはなかなか、今の段階で一体どうなるということをすべて予測するのは困難でございますけれども、つまり、困難が余分に困難にならないように今のうちに手を打ち進めていくということはそう簡単なことではございません。 したがいまして、郵政民営化という議論があろうとあるまいと、国債管理政策というものには力を入れていかなければいけないということではないかというふうに私は考えているところでございます。
○石井(啓)委員 そこで、郵政民営化にかかわらずやはり財政健全化をしっかりとやっていくということが、先ほど第一番目というふうに大臣はおっしゃいましたけれども、私も全くそのとおりだと思うわけであります。 そこで、プライマリーバランスの均衡化について、次に質問をさせていただきたいと思います。 昨日の財政審におきまして、十年後及び二十年後におきます一般会計それから社会保障給付等に係る長期試算が示されたと聞いております。私も資料を入手いたしました。 この試算では、十年後の二〇一五年度に国の一般会計の基礎的財政収支を均衡化させるためには、仮にこれを歳出削減のみで均衡化させようといたしますと、十年後の国債費を除く歳出規模を約三割圧縮させる必要がある。八十三・一兆から五十八・二兆へと三割圧縮させなければならない。一方で、この均衡化を増収のみで行おうとすると、今度は十年後の歳入を四割、五十八・二兆の歳入を八十三・一兆、四割増にしなければいけない。 これは、いずれかという議論ではなくて、これを組み合わせてということになろうかと思いますけれども、組み合わせたとしてもこれは相当大変な厳しい道のりなわけでございます。 しかし、政府の今の中期的な財政運営の基本方針は、二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスを均衡化させる、こういう目標でありますけれども、この目標自体はよく語られるわけでありますけれども、この目標を達成させるための厳しい道のりといいますか、プロセス、手法については、まだ十分に認識されていないのではないか、したがって、私どもも含めて、十分な覚悟もまだできていないのではないかという思いがございます。 私は、財務省は、このプライマリーバランス均衡化に向けては本当に大変なプロセスを経なければいけないんだということをより積極的に啓発すべきだ、こういうふうに思いますが、御見解を伺いたいと思います。
○谷垣国務大臣 当委員会でもるる申し上げたところでございますけれども、我が国財政は債務残高が加速度的に累増する、財務大臣としてこういう言葉を口にするのも本当に気が重いわけでございますが、そういうのが現実でございまして、平成十七年度末、公債残高が五百三十八兆円に達するという見込みでございます。九〇年代以降、歳出歳入両面から欧米諸国は財政健全化に取り組んできたわけですけれども、そういう中で、我が国はむしろ財政が悪化するということで、欧米諸国と比較した場合も突出した財政状況の悪さというものがあるのが現実の姿でございます。 そこでどうしていくかということになって、これもるる申し上げているところでございますが、中長期的な財政運営の指針として、二〇一〇年代初頭、そのころには団塊の世代が皆年金受給者になるということでありますが、そこまでに国、地方のいわゆる基礎的財政収支を黒字化させようという目標で、今いろいろな手段を講じているわけでございますが、歳出歳入両面からの相当の改革をしなければ達成できないのではないか、私どももそういう認識でございますし、経済財政諮問会議でもそのような議論が行われ、あるいは民間の経済団体でも同じような危機意識からいろいろな御議論が積み重ねられているところでございます。 そういう中で、財政審で試算を出していただきまして、概要については今委員がお引きいただいたとおりの内容でございまして、幾つかのケースをつくって議論をしているわけでございますが、要するに、歳出歳入両面からの改革について、抽象的に議論していても仕方がない、具体的な数字をもとに議論を行う必要があるというような御議論が財政審でもございまして、議論の材料を提供するために、十年後それから二十年後の国の一般会計の姿あるいは社会保障給付費等の姿を、一定の前提を置いて、やや機械的でございますが算出したのがこの数字でございます。 それで、財政審では、この試算を参考にして、今後二回にわたって各歳出分野における具体的な改革の内容について議論をしていただく予定と承っておりますが、私どもとしては今後、この試算も材料の一つとしながら、歳出歳入両面からの財政構造改革に向けた議論を提起してまいりたいと思っておりますし、当委員会でも与野党の委員の方々とそのような議論を通じて認識を深め、また手段も探求してまいりたい、このように考えているところでございます。
○石井(啓)委員 時間が参りましたので、以上で終わります。ありがとうございました。
○金田委員長 次に、鈴木克昌君。
○鈴木(克)委員 民主党の鈴木でございます。許された時間、御質問をさせていただきたいというふうに思います。 今、国政と地方政治を問わず、国民の政治不信は非常に高まっておるわけでありますが、かねてから政治倫理の確立が叫ばれております。しかし、政治家の不祥事が後を絶たないわけでありますけれども、まさにこれは民主政治にとってゆゆしい問題だ、このように思っています。政治倫理の確立はまさに緊急の課題だと言っても過言ではないというふうに思うんです。 実は私、きょう、五月二日の新聞を持ってまいったわけでありますけれども、政治団体清和会、清和政策研究会、自民党森派でございますけれども、実際は党の政策活動費に派閥独自の資金を上乗せして配っておった、こういうことが明らかになったわけであります。政策活動費が四、派閥資金六の割合で支給されておった。そこで、森派の幹部で、収支報告書の訂正をするか、訂正せずにすべて記載義務のない党の政策活動費だったと押し通すかというような議論があったやに記載されておるわけでありますが、きょう、私は、そういう視点で、冒頭、金融担当の大臣政務官であります西銘政務官にお越しをいただいておるわけでございまして、このことについてお伺いをしてまいりたいというふうに思います。 一九九八年から二〇〇三年までの間、西銘大臣政務官はその所属する派閥からいわゆるもち代、氷代等名称のいかんを問わず資金の供給を受けたことがあるかどうか、まずお尋ねをしたいと思います。 〔委員長退席、遠藤(利)委員長代理着席〕
○西銘大臣政務官 お答えをいたします。 いわゆるもち代、氷代についてのお尋ねがございましたけれども、私はいただいたことはございません。
○鈴木(克)委員 そうしますと、角度を変えてお尋ねをするんですが、政務官は派閥に属されておるということについてはお認めになるのか。また、その派閥とはどんな関係にあるのか。あえてもう一つお伺いすると、何のために森派に属されておるのか。この際、後輩に対して、ひとつ勉強のためにお聞かせをいただきたいというふうに思います。
○西銘大臣政務官 先生御指摘のとおり、私は森派に属しております。なぜ森派に入ったかというようなお尋ねがございましたけれども、これは、いわゆる私の政治信条、信念に基づきまして行動させていただいているということを御理解いただきたいと思います。
○鈴木(克)委員 いずれにいたしましても、平民宰相と言われた原敬さんは、座右の銘が宝積というふうに言われたそうでありまして、宝積とはすなわち人に尽くして報酬を求めないということのようでございます。 まさに我々は、冒頭申し上げましたように、政治倫理の確立というのは、国民が最も求めておるというか、当然といえば当然なんですけれども、このことは本当にきちっとしていく。そして、それが結果的には政治、政治家への信頼をかち取っていく、国民からいただいていくということになるわけでありまして、先ほどの御答弁に間違いはもちろんないと私も思っておりますけれども、そういう思いの中でこの質問をさせていただいたという真意だけはぜひひとつお酌み取りをいただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。 いずれにしましても、政治倫理の問題について、我々は、今後、本当に政治の場にある限りまさに身命を賭してこのことと対峙をしていかなければならない。私はもう一度そのことを申し上げて、次の質問に入らせていただきたいと思います。政務官におかれましては、以上で御退席をいただいて結構でございます。御苦労さまでございました。 さて、それでは続いて質問をさせていただきます。 小泉総理のもとでの改革は、聖域なき構造改革、構造改革なくして景気回復なしという言葉だけで、真の改革は進んでいない、私はこのように思っております。国民は古い政治システムを根底から一変させる日本再生の戦略としての構造改革を求めているわけでありまして、言いかえれば、今日の危機的状況を招いた我が国の仕組みは何かということを明らかにする、そしてそれをもう一つの仕組みに取ってかえるための大構想と戦略を果敢に実行することを小泉総理に期待したんだというふうに思うんですが、現在のところ全くそうではない、私はそのように思っております。 道路特定財源がむだ遣いされているから見直すんだ、郵政民営化に伴い特定財源を見直すんだと言ってはおるわけでありますけれども、まさに森全体が枯れそうなときに一本の枝を語るようなものでありまして、枝を治すには、森を知り、森を治さなくてはならないというふうに私は思うわけであります。 そこで、森である国の財政は、一般会計、特別会計、政府関係機関という、大きく言えば三つの会計に分かれておるわけであります。その中でも、特別会計は三十一もあり、その歳出総額は一般会計の五年分の四百兆円を超えておるわけですよね。重複分を差し引いても二百兆円以上あるということであります。この巨額な会計にメスを入れずして財政構造改革と言えるのかどうか。私は、この特別会計の整理こそ構造改革ではないか、こういう視点で、以下具体的に財政を所管されておる谷垣大臣に御質問をさせていただきたい、このように思っております。 それでは、まず最初に、産業投資特別会計の存在意義についてお尋ねをしてまいりたいと思います。 産業投資特別会計では、毎年度巨額の剰余金が計上されておるのは御案内のとおりであります。例えば、平成十七年度の予算における前年度剰余金の受入額は二千四百八十一億円にも上っております。その歳出に占める割合は三〇五・八%にもなるわけであります。これまでも毎年度多額の剰余金が計上され、その余りの多さに財政審から指摘を受けておりました。この剰余金は、これまで一般会計に戻されず、内部で処理され、その会計処理は極めて非効率であったわけであります。この巨額の剰余金体質は、電源開発促進対策特別会計、農業経営基盤強化措置特別会計でもまさに顕著に見られるところであります。 さて、産業投資特別会計の産業投資勘定を見ますると、平成十七年度に千七百八十八億円が一般会計に繰り入れられており、これは歳出総額の六二%になるわけであります。この一般会計への繰り入れは、財政制度審議会から剰余金について、平成十五年十一月でありますけれども、指摘を受けて行った、このように私は理解をいたしておるわけであります。 さらに、産業投資勘定の投資計画表を見てみますると、出資金として、平成十七年度は、既に廃止が決まっておる住宅金融公庫ほか十二法人に出資金を出しております。これら出資されておる法人のうち、中小企業金融公庫出資金と独立行政法人である鉄道建設・運輸施設整備支援機構出資金の二法人については一般会計でも予算がつけられており、前者については一般会計からの出資金が三百八十億、後者については四十億となっております。このように特別会計からも出資されており、かつ、一般会計からも予算が計上をされておる。加えて、産業投資勘定の事業規模というのは、この二十年間の間、特殊要因を除いては小さくなってきておるのは御案内のとおりであります。 この例からもわかるように、非常に非効率的な資金の流れが存在する中で、産業投資特別会計の存在意義はいかなるものとお考えになっておるんでしょうか。産業投資特別会計の役割は既に終了しておるのではないでしょうか。このことについて、まず大臣の御見解を伺ってまいりたいと思います。
○谷垣国務大臣 産業投資特別会計の特に産業投資勘定ですね、これにつきましては産業投資特別会計法の第一条に設置の目的が書いてあるわけでございまして、条文は一々読み上げませんが、要は、リターンが期待できるんだけれども民間だけではなかなかリスクがしょい切れない、そういう政策分野に対して投資を行っていくということを目的としておりまして、産業の開発とか貿易の振興を図る、そして国民経済の発展と国民生活の向上に資する、こういうことでやられているわけでございますが、確かに私はこういう領域はこれからも存在するんだろうと思います。リターンは期待できるが、民間ではリスクをとり得ない、こういう分野は確かに私は存在すると思っておりますので、今委員が御指摘になりましたような財政審等々のいろいろな御指摘は受けて、改むべきものは当然改めなければならないと思いますが、今後とも必要な分野は残るというふうに考えているわけでございます。 そういう中で、研究開発法人、リターンは期待できるけれどもなかなかリスクを民間では負い切れない、こういう研究開発法人への出資というものはそういう色彩がかなりあるわけでございますが、これも財政審の指摘を踏まえまして、引き続き出資先等を厳しく精査しながら、投資対象事業の公益性等々にも考慮をめぐらせて、その収益性の向上に努めていくということをやらなければいけないと考えております。
○鈴木(克)委員 当然そういうお答えかというふうに思うんですが、しかし、順次お伺いをしていきますけれども、例えば、数年前に、産業基盤技術研究促進センターですか、これは出資金が三千億だったですよね、結局、それがつぶれて、この膨大な出資金のほとんどが毀損された。つまり、パアになったということでありますよね。そういうことを考えていくと、今の大臣のおっしゃっておることは、私は額面どおり受け取れないなというふうに思うんですが、もう少し議論をさせていただきたいというふうに思います。 この特別会計が戦後果たしてきた役割は、確かにいっときはあったわけでありますけれども、しかし、昭和五十八年度、五十九年度の事業規模を見てみますと、四十八億円、そしてまた五十九年は四十億円ということで、五十年代初めの、当初この制度ができたときの十分の一ぐらいに実は縮小してきたという事実があるんですね。これは、数値をお調べいただければそのとおりだというふうに私は思っております。 しかし、そこで政府がどういう措置をとったか、これが実は問題なんですが、例のNTT及びJTの政府保有株式をこの産業投資特別勘定に持たせた、こういうことなんですね。私は、この措置が結果として現在まで私に言わせると大きな禍根を残しておるというふうに考えるわけでありますが、いずれにいたしましても、その結果、それによってこの特別会計には毎年度NTT及びJTの配当金収入が数百億円入ってくることになったわけでございます。 もともとNTT及びJTの政府の保有株式は一般会計のものであります。それを法律で、無償でこの産業投資特別会計に所属がえ、いわゆる無償譲渡をされたものであるわけであります。これだけ財政が悪化し、国債残高が他の先進諸国に類例を見ないほど累積をしておる、そして今後の金利動向次第ではその利払い費が膨大なものになりかねない、そういう状況であるということを考えれば、この産業投資特別会計に所属がえ、いわゆる無償譲渡になっているNTT及びJTの政府保有株を一般会計に戻して、その配当金は国債の償還財源あるいは利払い費に充てるべきではないか、私はこのように思うわけですけれども、大臣、いかがですか。
○谷垣国務大臣 今、この産投会計、NTT株式の売却益の所属等について経緯をお話しになりましたけれども、NTTそれからJTの株式につきましては、基本的に考えますと、確かにこれは国民共有の貴重な資産だということだろうと思います。したがいまして、その売却収入は国民共有の負債である国債の償還財源に充てるんだ、こういう考えが基本にございまして、昭和六十年に、NTT株式の三分の二、それからJT株式の二分の一、これは国債整理基金特別会計に入れて国債の償還に充てていくということで整理をしました。 問題は、今委員の御指摘は、残りの三分の一、JTにとっては二分の一でございますが、これは当時、NTTあるいはJT、どちらも我が国の産業発展あるいは各般の技術研究の成果の恩恵を受けて成長した公営企業である、こういうことがございまして、そういう側面を有しますから、産投会計に残りの株式を帰属させて、その配当金収入の一部を産業開発やあるいは我が国の経済力の基礎となる技術研究の促進のために還元していったらどうか、そして国民経済の発展、国民生活の向上につなげていこう、こういう考えで産投会計に入っていたというふうに認識しておりまして、先ほど申しましたように、リターンは期待できるけれども民間ではリスクがとりにくいというようなものがこの分野にはございますので、私は現在でもその価値は保っているというふうに思っておりますし、引き続きこの分野に投資を行っていくということになれば、一般会計とは区分経理をしてやっていくということが必要な部分は残るのではないか。ここは、私は委員とまたちょっと考え方を残念ながら異にすると申し上げざるを得ないわけでございます。
○鈴木(克)委員 少し基本的な考え方が違うというのはそのとおりなんですが、もう一度、くどくなりますけれども、現在の仕組みでは、NTT及びJTの政府保有株式の配当金がこの産業投資特別会計の産業投資勘定に自動的に入ってきて、その歳入は特殊法人等の資本金等として支出をされてしまう、こういう状況なわけですよね。したがって、先ほど私が申し上げました産業基盤技術研究促進センター、これに三千億の出資金がこの会計から出されながら、結局これはつぶれて、この三千億のほとんどが毀損されてしまったわけですね。 私は、こういうむだ遣いがある背景には、この制度の甘さというか、確かに技術力ということであるのかもしれませんけれども、後でまた順番に申し上げていきますが、従来の流れの延長線で物事を判断されておるのではないのかな。ここは、将来、日本の国をしょって立っていかなきゃいけない谷垣大臣が、やはりこれは見直すべきだと一言声を出していただきたいというふうに私は思うわけであります。 先ほどおっしゃいました、まさにこれは国民共有の財産ですよね。したがって、これは、根拠は五十九年の十二月二十二日の臨時閣議で、この使途は国債償還に充てるということが臨時閣議で決定されておるというふうに私は思っておるわけですけれども、したがって、くどくなりますけれども、国民共有の負債である国債の処理のために使うという、これが初心であったわけですから、そのように戻すべきだ、私はこういうふうに考えるわけでありますが、大臣、いかがですか。ぜひそういうふうに決断をしてもらいたいというふうに私は思っておるわけであります。
○谷垣国務大臣 ちょっと先ほど申し忘れたことでございますけれども、例えばNTTの場合は三分の一が政府の保有義務、株式の政府保有義務がかかっております。売却できるもの、売却したもの、そのものについては皆国債整理の方に充てたわけでございますけれども、結局、その三分の一に当たる部分が今議論をされている特別会計に入ってきている。 確かに、性格の違いというものがあると私は考えておりますので、その性格の違いがまた利用の違いに出てきているという面はあろうかと思います。
○鈴木(克)委員 ここも若干議論の食い違いがあるわけでありますが、現在の制度そのままがいいなら何も変える必要はないわけですよね。だけれども、それがやはりだめなんだ、それはむだ遣いに結局結びついておるんだという中で、今までの慣例にこだわっていく必要は全くない、私は、申し上げたように、今こそ初心に返るべきだということを申し上げていきたいというふうに思います。 もうちょっと議論を進めさせていただきます。 同じ産業投資特別会計の中に社会資本整備勘定というのがありますよね、これについてお伺いをしていきたいんですが、くどくなりますけれども、六十一年、六十二年、六十三年度に売り出されたNTTの株式売り払い収入が、今なお無利子貸付制度によって公共事業に使われておる。例えば、平成十年、十一年、十二年度は千五百九十五億円、それから平成十三年度が千五百三十七億円、平成十四年度が千四百五十五億円、平成十五年度が千六百三十六億円、十六年度は九百八十八億円となっており、十七年度は七百十億円が使われる予定となっておるわけですよね。先ほどから言っておるように、一体このことをいつまでお続けになるつもりなのか。私は、いつまでこれはやっていくんだということについてぜひ御答弁をいただきたいというふうに思います。
○谷垣国務大臣 これにつきましては、委員の御見解と我々の見解はずっと近寄ってまいりまして、実は、去年十一月の財政審で、NTT株式売却収入を活用した無利子融資制度は現在計画されている案件が終了した時点で廃止せよ、それから、既往貸し付けの償還終了時に社会資本整備勘定も廃止するべきである、あわせて、経過措置期間中も事業規模を縮減すべきである、こういう提言をいただきました。 そこで、この提言を受けまして、平成十七年度においては新規融資は既に計画されている案件に限ることといたしまして、それから事業規模、一般会計繰り入れでございますが、これは平成十六年度九百八十八億円でありましたけれども、平成十七年度は七百十億円に、二八・一%縮減したところでございます。今後とも、こういう提言に沿って、改革を適切に進めていく、適切に対応していきたいと思っております。 それで、いつやめるのかというお問いかけでございましたけれども、計画の進捗状況等によって融資の実行年度が変動する可能性はございますけれども、現在計画されている案件の融資の最終年度、これは平成十九年度の予定となっております。
○鈴木(克)委員 十九年度ということなんですけれども、私は、それを待たずにやめていかなきゃ、改革というのはそういうものだというふうに思うわけであります。 六十一年度、六十二年度、六十三年度に売り払ったNTTの株式売り払い収入が十・一兆円というふうに言われておるわけですね。その十・一兆円を、一体全体、十七年度までに幾ら使い、そして、あと幾ら残っているのか、残っている部分を使い切るまでこの無利子貸付制度を続けていかれるつもりなのか。十九年ということをおっしゃっておるわけですけれども、今までに一体全体幾ら使って、そして、あと幾ら残っておるのかということをお示しをいただきたいと思います。 〔遠藤(利)委員長代理退席、委員長着席〕
○田野瀬副大臣 それでは、私の方からお問いの件につきましてお答え申し上げたいと思うんですが、昭和六十二年度決算から平成十五年度決算までのNTT無利子融資の実績を合計いたしますと九兆七千四百五十四億円となっております。これに、平成十六年度の予算額九百八十八億円、そして平成十七年度の予算額七百十億円を合計いたしますと、九兆九千百五十三億円となっておるところでございます。平成十五年度末のNTT無利子融資残高は四兆百四十一億円となっておりまして、貸し倒れ等は生じておりません。 なお、償還金は国債の償還財源に充てられておるところでございます。 以上でございます。
○鈴木(克)委員 私は、やはり十九年度を待たずにやめるという決断をすべきだというふうに思うわけであります。 先ほど大臣がこの部分は共有というところでおっしゃったのがこれのことかと思うんですが、来年は公共事業を三%削減するというような報道がこの前なされておったわけでありますけれども、私は、公共事業を削減するということもさることながら、むしろ真っ先にこの無利子貸付制度をむしろやめるべきなんだというふうに主張をしたいわけでございます。その点いかがですか。
○谷垣国務大臣 今十八年度も三%公共事業を縮減するという報道があるということをお述べになりましたが、まだ、来年度どうするかはこれからの議論でございますけれども、「改革と展望」等によって引き続き抑制化をしていくという道筋が示されておりますし、平成十八年度についても、公共事業については重点化、効率化というものを図らなければならないと考えております。 そこで、ことしは三・六%縮減したわけでございますけれども、実はこの三・六%縮減の中には、今委員の御指摘になりましたNTTの無利子貸し付けによって行われる公共事業も含まれておりまして、要するに縮減したカウントの中に、実はここの圧縮分も入ってきているわけでございます。先ほど申しましたように、事業規模は二八・一%減らしました。その前年度は三九・六%、平成十六年度ですね、圧縮している。そういうことがこの公共事業圧縮の中にカウントされてきているということでございます。 そこで、NTT融資を直ちにやめろという御主張でございますが、既に計画されている案件の貸し付けを停止いたしますと、融資先に、ということは、第三セクターであったりそれぞれの地方の道路公社であったりするわけでありますが、あるいは地方公共団体であったりもいたしますが、そういったところの事業計画に重大な影響も与えかねないわけでございますので、今申し上げたような圧縮等々、それから平成十九年度までというような予定でこの特会の言うなれば見直しを進めているわけでございます。
○鈴木(克)委員 確かに、これをやめることによって地方公共団体が困るよというような話になってくるわけでありますが、結局、それを言っておれば、まさに制度改革なんというのはできないわけですよね。私は、やはりそこに踏み込んでいくことが今内閣が最もやらなければならないことだというふうに思っておりまして、このことを何遍も、くどくも申し上げておるということでございます。 では、ちょっと視点を変えるんですけれども、先ほど副大臣から九兆九千百五十三億の無利子貸し付けが行われてきたということで、十兆円近く行われてきたわけですけれども、くどい話になりますが、この資金はもともと国債整理基金特別会計のものであるわけですよね。そして、無利子であったために、本来なら国債整理基金が仮に証券等で運用すれば運用益を稼ぐこともできたわけですよね。この得べかりし利益というのは、例えば一体どれぐらいに試算をされるのか。つまり、国債整理基金特別会計が無利子貸し付けで稼ぎ損ねた金利部分というのは一体幾らぐらいあるのかということをぜひお伺いをしておきたいというふうに思います。
○田野瀬副大臣 これにつきましても私の方からお答えしたいと思います。 NTTの無利子貸し付けは、国民のニーズに対応した社会資本の整備の促進を図るため、国債整理基金の円滑な運営に支障を生じない範囲で実施することとされてきた事業でありまして、当該事業を仮に実施しなかったとして、その分を運用した場合に得られる運用収入、たしか、委員今逸失利益とおっしゃいましたでしょうか……(鈴木(克)委員「得べかりし」と呼ぶ)得べかりしとおっしゃいましたでしょうか、その運用を得べかりし利益というふうに位置づけることにつきましては、適当かどうか、ちょっとそういう得べかりし利益という見方を我々はしておらないところでございます。 その上で、あえて、NTTの株式売却収入を無利子貸付事業に充てることなく国債整理基金特会が運用したとした際に、先生がおっしゃるように運用したとした際に、得られるであろう運用収入を試算いたしましたならば、無利子貸付事業開始、昭和六十二年でございますけれども、以降、その原資として国債整理基金特会から一般会計に繰り入れている金額の各年度の平均残高を、国債整理基金の主たる運用手段の一つであります政府の短期証券、FBの各年度の平均金利で運用する、こういった一定の仮定を置いた上で機械的な試算をいたしましたところ、その結果得られる各年度の運用収入を単純に合計いたしますと、おおむね九千億円弱程度になります。六十二年以降十七年間でございますけれども、これはあくまで一定の仮定に基づく機械的な試算であることに御留意をいただきたい、このように思うわけでございます。 以上でございます。
○鈴木(克)委員 もちろん、この仮定の数字を挙げてどうのこうの言うつもりはありませんけれども、やはりそういう目線といいますか、そういう視点も皆さん方に持っていただいて、この事業について考えていただく必要があるんじゃないかな、私はこのように思います。いずれにしても、大臣、私は、やはり十九年というふうに言わずに、本当に早急にやめるべきだということをもう一度申し上げて、次の質問に入らせていただきたいと思います。 さて、続いての質問でありますけれども、政府が出資して設立されている法人は、平成十七年二月一日現在、特殊法人が三十八法人、認可法人が八法人、独立行政法人が百六法人、合計百五十二法人であり、これら法人への出資金は、平成十五年度では四十七兆円を超えております。 これらの財務諸表を見ますと、法人の抱える累積欠損金は十三兆円に達しており、出資金のおよそ半分が毀損をしておると言っても過言ではないかなというふうに思うんです。すなわち、一般会計では建設国債を発行して出資金に充ててきた金が法人によって食いつぶされておるということで、つまり、出資金の空洞化が起きておるということでございます。 例えば、日本原子力研究所は、政府の出資金は一兆九千四百億円であるわけでありますが、資産は二千七百九十億円しかありません。つまり、出資金一兆七千億円が、言い方は悪いですけれども食いつぶされておるという現状があるわけであります。もちろん、私は、原子力研究の重要性を認めないというわけではありませんけれども、財政的な観点から見れば、これは明らかに問題だというふうに思うんですね。 それからもう一つ、核燃料サイクル開発機構でありますけれども、政府の出資金が二兆九千二百億円であります。結局、それを見ていきますと、資産は五千四百三十億ということなんですね、こちらも二兆六千億出資金がいわゆる食いつぶされておるということです。 こうした出資金が食いつぶされておる状況、出資金の空洞化における政府の見解というものをぜひお伺いしたいと思います。
○谷垣国務大臣 今、特殊法人等の出資金、総計約四十七兆というふうにおっしゃいました。どの範囲の計数をどのように集計されているのか、ちょっと私の手元ではよくわからないんですが、特殊法人等の財務の健全性、これは、まず各特殊法人の根拠法令にのっとって所管官庁がきちっと監督をしていただかなきゃならぬ、これは言うまでもないことだろうと思います。それで、財政支出を予算計上する私の立場としても、例えば特定の事業の遂行によってその法人の業務に支障を来すことのないように財務の健全性を十分に配慮しながら査定を行っていく、これは今後ともやらなきゃならぬと思っております。 欠損金が計上されている法人、今お挙げになったのは核燃料サイクル開発機構、それから日本原子力研究所ですね、ここの欠損金が多額になっている現状をどう見るかということでございますが、ここにつきましては、出資金が財務諸表の形式上は欠損金が累積しているという形で処理されているわけでございますが、実際には、出資に伴って研究開発をしていって、その成果が将来にわたって国民の有形無形の資産として残る、我が国の経済社会の発展に寄与するという形でその利益が国民に還元されてきているわけでありまして、出資金としての役割は十分に果たしてきたのではないかなと私は考えております。 ただし、実はこれは、私もかつて科学技術庁長官をやらせていただきましたときから、こういうものが出資金であるのかどうかというのは国会でも随分御議論がございまして、実際、難しい研究開発、極めてリスクの高い基礎研究のようなものを出資金でやってどうなのかという議論はずっと昔からあったところでございます。 そこで、今の例で言いますと、国民全体の資産として残るといいましても、こういった法人について特に民間企業会計と同じ考え方をとりますと、具体的な資産がこれらの法人の中に特に形成されているわけではございません。わかりにくいじゃないかという指摘が出てくるゆえんだったというふうに思いますので、十四年度の予算措置以降は、こういう法人が行う研究開発に対してはもう出資金という形をやめて補助金にしよう、それの方がわかりやすくなる、こういうことで整理をさせていただいたところでございます。 それから、十三年度以前に出資金として措置した額については、先ほど申しましたように、財務諸表上は欠損金が累積していくという形になっている点でございますが、平成十七年の十月の独法化を機に、独立行政法人日本原子力研究開発機構法の規定に基づきまして、民間企業会計に準拠した形で整理していくことにいたしております。
○鈴木(克)委員 それでは、観点を変えてお伺いします。 今大臣のおっしゃったところに非常に重要な問題がありまして、十四年度に方針を変えて整理をしていったんだというお話でしたよね。今、一つ表を配らせていただいておるわけでありますが、これは「国有財産の年度末における現在高」ということで、これは私の事務所が十一年から十五年までごらんになっていただきやすいように一つの表につくりかえておるわけでありますけれども、数字は間違っておらないと思います。これが十一年度に百五兆円、十二年度が百七兆円、十三年度が百九兆円、十四年度が百十兆円、そして十五年度が百二兆円ということで一番下の数字ですね、一番下の数字。これは財政法第二十八条による予算参考書類から抜粋といいますか、つくった書類なんですね。 そこで、平成十四年度に百十一兆円であったものが、平成十五年度には百二兆円となっておるわけですよ。これは、例えば十億とか百億とか一千億というのならともかく、九兆円なんですよ、九兆円。先ほど大臣は整理して見直したと言うんだけれども、幾ら何でも、九兆円の金がなくなったわけですよ、これは一体全体どういうことなのかということを私はぜひ一遍お伺いをしたいんですね。私が申し上げていることはおわかりいただけると思うんですけれども、いかがでしょうか。
○田野瀬副大臣 私の方から数字に関することをちょっと御説明申し上げたいと思うんですが、平成十五年度末における国有財産の総額は、先生がおっしゃったように百二兆二千二百十五億円、平成十四年度末に比べて約九兆円、厳密に言いますと八兆七千二十三億円減少しておるところでございます。 これをちょっと区分別に見てみたいと思うんですが、政府出資等が五兆三百九十四億円、そして、土地が二兆二千六百四十六億円、建物が一兆七千百八億円等となっております。このうち、政府出資等については、日本郵政公社等に対する新たな出資等により八兆四千二百四十五億円増加しておるんですが、特殊法人改革によりまして、旧法人の業務承継法人に再出資を行う際の出資額の回収等によりまして十三兆四千六百四十億円減少いたしまして、差し引き五兆三百九十四億円の減少となっておるところでございます。 また、土地建物等につきましては、特殊法人改革に伴い、法人の組織形態が見直されたことに伴う財産の帰属や相続税の物納等により十五兆四千三百五十三億円増加したものの、郵政事業庁の公社化及び造幣局、印刷局の独立行政法人化等により国が所有していた土地建物等を現物出資いたしまして、そのことにより十九兆九百八十二億円減少したことから、差し引き三兆六千六百二十九億円の減少となっておるところでございます。 以上でございます。
○鈴木(克)委員 いずれにしても、一度、ぜひそれは表でちょうだいできないかなというふうに私は思っておりますので、ぜひ理事会にお諮りをいただきたいというふうに思います。 そこで、今副大臣いろいろとずっと御説明をされました、それは、そのことはそうかもしれません。しかし、いずれにしても、先ほどちょっとありましたよね、特殊法人から独立行政法人にしたときにという説明にもありました。ちょっと、詳しい数字は私聞き漏らしたんですが、何が言いたいかといいますと、要はそこなんですよ。要するに、特殊法人から独法に、独立行政法人にするときに、ごしゃごしゃごしゃっといって、結局、今までの不良債権と言うとあれですけれども、負の遺産をここで一遍、俗に言うチャラにしたわけですよ。それは、何十億、何百億——何百億でもえらいことですよ。だけれども、九兆円に近いお金が説明もきちっとされないままチャラにされていくということ、これを見過ごすわけにはいかないと私は本当に思うんですよ。 そこで、一つぜひ私がお聞きをいただきたいのは、ちょっと古くなるんですけれども、独立行政法人宇宙航空研究開発機構法というのが、平成十四年十二月十三日に法律ができた。これは皆さんのところへ資料は出ていないんですが、実はこれを見たんです。なぜそれを見たかというと、この十五年の九月三十日にあった資産と十六年の三月三十一日の資産とを比べると、ここで二兆六千億がちりと消えておるわけですよね。そういう言い方をするとしかられるかもしれませんけれども、要するに三兆円あったのが六千億しか残っていない。一体全体何でこんなことが起きたんだということで、ずっと法律を調べていくと、確かに十四年の十二月十三日にそういう法律ができておるわけです。ところが、これを見ても全くわかりません、そんな操作をしていいなんということは、よっぽどの専門家でないとわからないんです。 これは一度ぜひごらんになっていただくとわかるんですが、第六条にちょっとそれに関したことがありまして、時間がありませんので詳しくは読みませんけれども。そして、第十一条にどういうことが書いてあるかというと、ここだけ言います、「前条第一項の規定により機構が事業団の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、国及び機構が承継する事業団に属する資産の価額の合計額から機構が承継する負債の金額を差し引いた額に、事業団に対する政府以外の者の出資額の割合を乗じて得た額は、当該政府以外の者から機構に出資されたものとする。」こういう言い方なんですよ。それでさっき言った二兆六千億がちゃらっと消えちゃうんですよ。こういうことで本当にいいんですか。その結果が、さっき私が言っておるように、九兆円なんですよ。 だから、本当に、もっときちっと管理してもらわないとだめだ。もちろん、法に基づいてやっています、手続はきちっと踏んでいますと。そうかもしれないけれども、余りにもこういう持っていき方、これはぜひ一遍ごらんになっていただくとわかるんですよね、これは私見なきゃ全然わからなかったんですよ、何で二兆六千億もなくなっちゃったのかなと。それでいろいろ調べていくと、確かに法律があることはあるんですよ。しかし、こんな法律は、恐らく何人かの方は読んでいないんじゃないかな。私は、こういうふうに持っていこうとした人が恣意的にちょちょっと書いた法律だというふうにしか思えない。国会で議論しているよ、何言っているんだと言われればそれまでのことですけれどもね。こういうことは、もっときちっとしたオープンの議論をするようにしないと、本当にむだ遣いは絶対とまりません。 時間があれですが、私も小さな貧乏会社をやっていまして、あえて申し上げますと、支店があったんです。そこがどうしても業績が上がらないものだから、もう分離だということで税理士や税務署と相談をして、向こうにあった不良債権、債権といいますか資産を全部本店が買い取って分離会社にしたわけですよ。だけれども、私はそれはちゃんと責任をとって、税理士さんにも相談をし、税務署にもきちっと報告をしてやったことですが、これは、例えばこのやり方は、だれも責任をとった者はおらぬわけですよ。二兆六千億はどうなったか。 本当にこれは、時間が参っておりますのであれですけれども、こういう制度をもう一遍見直すべきだ。だから、さっきから言っておるように、十九年度を待たずに改革というのはやらなきゃ、事は変わっていかないですよ。今までこれで来たから今までどおりですということなら、改革じゃないわけですよ。したがって、私は冒頭申し上げました、要するに、森が傷んでいるんだから、枝を見てあれではだめなんだ、森全体を治していかなければだめだ。それが私が先ほどから申し上げておるようなことである、このように御理解をいただきたいと思います。
○谷垣国務大臣 今委員がるるおっしゃったことは、実は、こういう言い方をするとおしかりを受けるかもしれませんが、従前の取り扱いをもっとわかりやすいものに改めようとした結果だというふうに私はとらえております。 と申しますのは、きょうは事務方がつくった紙もありませんので、私記憶に基づいて申しますのであるいは違っているかもしれませんが、先ほど申しました宇宙開発の問題に関しましては、当時の科学技術委員会で延々議論がございまして、要するに、出資金という形で宇宙開発に出していた、ところが、実際は基礎的な研究開発に使いますと有形なものが何も残らずに補助金と同じように使われていく、しかし、それが全部バランスシート上は残るわけですね。なぜそういう形にしているかといいますと、出資金という形にしていた方が研究開発の成果に対して国の発言権が残る。補助金だけにしてしまいますと、国の権利が非常に薄くなってしまうという考慮から、昔、そういう出資金という制度でやろうというので立てられたわけでございます。 ところが、わかりにくいじゃないか、それはバランスシートの上に何も残らなくなってしまうじゃないか、民間準拠のことでやったら全くおかしいぞという議論が延々ございました。確かに、できるだけ公会計にも一般の会計の原則を取り入れてわかりやすくしていこうという中で、やはりそれは改めた方がいいんじゃないかという議論がずっとあったわけでございまして、そして、むしろ表で見た形をきちっとわかりやすいものにして補助金に改めていこうという姿がこの形になって、何かむだに使われたものが雲散霧消したという姿とは私はちょっと違うと思っているところでございます。 むしろ、従前の制度が少しわかりにくい制度であったのをわかりやすい制度に改めていこうという、私、委員がおっしゃったものに全部精通しているわけではありませんので、委員のおっしゃった中にむだがあるかないか、全貌を今すぐクリアに答弁する、これはもう少し勉強させていただきますが、今おっしゃった点についてはそういう要素がある。 記憶だけで申しましたので、役所に帰ったら全然大臣の言っていることは違うとしかられるかもしれませんが、私の記憶ではそういうことでございます。
○鈴木(克)委員 時間が参りましたので、以上で終わります。またこの議論は続けさせていただきます。
○金田委員長 次に、野田佳彦君。
○野田(佳)委員 限られた時間ですけれども、財務大臣に質問をさせていただきたいと思います。 今週は、例の郵政改革の議論が始まるのか始まらないのか、どこを舞台にするのか等々、いろいろ山場があると思いますけれども、いずれにしてもこの会期では無理だろうというふうに私は思っていまして、仮にそれで政局になるならば、年金、社会保障の舞台がせっかくつくられたのにそれを壊すのかという話になるだけであろうというふうに思っています。 いずれにしても、郵政改革の一つの位置づけというのは、財投の入り口部分の改革であります。一方で、財投の出口の部分の改革は、二〇〇一年、二年にかけての特殊法人改革など、多少議論が進んだところはありましたけれども、大事な部分の先送りがずっと行われてまいりました。きょうは、そこに位置づけられる政府系金融機関についてお話をさせていただきたいというふうに思っております。 二〇〇一年から二年にかけての特殊法人改革の中で、公営ギャンブルの関係とこの政府系金融機関の部分が、議論はあったけれども先送りだったんですよね。政府系金融機関というのは民業圧迫の一つの象徴であって、それは財政の意味からの改革も必要だし、金融の意味からも改革が必要であって、そこがすぽっと抜け落ちてしまったというのは、特殊法人改革が事実上空洞化をしたんだろうというふうに私は思っています。ただ、当時の状況、景気状況、金融システムの不安などを考えれば、突っ込んでいけなかったという時代背景があったことも事実であって、ある意味ではやむを得ないところがあったんですが、しかし、それをほうったまま郵政改革だけが進んでいくということは、これはやはりバランスを失しているというふうに思っております。 その中で、経済財政諮問会議がこの政府系金融機関を今年度の重点課題として議論をするということで、一応不良債権処理もめどがついた、ペイオフも解禁をしたという状況の中で、ことしじゅうに基本方針を固めて、来年ぐらいには法案を出してというような動きに今なりつつあるようでありますが、それを見通しながら、政府系金融機関の改革についての財務大臣の御所見をお伺いしていきたいというふうに思っております。 ちなみに、政府系金融機関、二〇〇一年度からことしの二〇〇五年度までの間にどうなっているかというと、住宅金融公庫は一応改革をされたという前提で、残された八つの機関でありますけれども、これは貸し出しなどの事業規模で見ると、今年度ベースで十二兆三千億円、二〇〇一年度予算に比べると一四%減と、毎年数%ずつ下がってきていますけれども、その下がり方は余り大幅ではありません。加えて、貸出残高もこれはなかなか減っていない状況で、二〇〇三年度末貸出残高は約七十二兆円で、二〇〇一年度末からは三兆円減っただけであって、民間の減り方に比べると、やはりそれは少ないというふうに思っております。財投に占める割合も、全体の財投計画規模は大幅に下がったんですが、でも政府系金融機関のその割合というのはむしろふえているという状況で、財投改革を完結するには絶対この政府系金融機関は手をつけていかなければならないと私は思っているんですが。 問題は、政治家である大臣や副大臣がどういうお考えを持つかは別として、多分、ここにいらっしゃる政府の関係の方は激しく抵抗をするテーマだろうと思っていますので、ぜひこれは政治家としての御発言を私は求めたいと思うんです。谷垣大臣、政府系金融機関の改革の必要性、これをどのように基本的に認識をされているのか、まずはお尋ねしたいと思います。
○谷垣国務大臣 政府系金融機関の改革につきましては、今も野田委員がおっしゃいましたように、ことしの三月までは、いろいろな金融情勢、経済情勢があるので、むしろ政府系金融機関の機能を活用していこうということで、以前ありました議論が、表現が適切かどうかわかりませんが、やや先送りされたといいますか、そういう状況でございました。 したがいまして、今委員がおっしゃいましたように、これから経済財政諮問会議で、残された問題、残された政府系金融機関の問題を議論していくわけでございますけれども、私どもも、今までの活用していく機関がございましたので、これからその機関の総括も含めて、政府系金融機関をどう考えていくかという論点をきちっと整理していかなければならないだろうと思っております。 その際に一番必要な視点は、今も民業圧迫だという論点を提示されましたけれども、あくまで、政府系金融機関は必要だとしても、民業の補完に徹するべきだというのが基本的な視点ではないかと思っております。その上で、今まで活用するということにされていたわけですけれども、そういうそれぞれの機能、どういう機能が今後必要であり、また不必要であるのかというのをきちっと仕分けしていく、そういう中で政府系金融機関の問題を解決していくという考え方ではないかというふうに私は整理しております。
○野田(佳)委員 政府が二〇〇一年から二年にかけて特殊法人の整理合理化計画をまとめられたときに、民主党の中で私も担当していて、ちょうどお隣の原口さんとコンビを組んですべての改革案を、中間報告まででありましたけれども、つくったことがありました。そのときに、政府系金融機関の改革のポイント、考え方、具体の話はまたこれからやっていきたいと思いますけれども、四点ほど提示をしました。 一つは、いかなる国においても政策金融は存在するし、我が国においても政策金融の必要性はもちろんあるだろう。特に中小企業へのセーフティーネットとか、本当に厳しいときの駆け込み寺になるということはあるわけですから、そういうことを踏まえて、全く政策金融が不必要だという立場はとれないというふうに思います。だから、むやみやたらに廃止、民営化という議論ではないと思うんですが、真に必要なものに絞り込みと、先ほどの大臣の御回答にあったように、民業圧迫ではなくて、民業補完に徹するというやり方というのは一つの考え方だと思っております。 それからもう一つは、さはさりながら、政策金融は必要なんですけれども、我が国の場合にはちょっと多過ぎるという認識を持ちまして、しかも直接金融中心なんですね。そうではなくて、やはりその機能のあり方というのは、整理統合をしながら考えていくべきだという考え方をとりました。 加えて、少なくとも、政府から自立度の高い機関とか実質的に民間と同様の業務を主に実施している機関については、これはやはり民営化をすべきである。そして、直接金融は将来的にはやはり基本的には民間に任せていって、政策金融というのは民間融資債権の買い取り、証券化、保証の付与というような方向に特化していくべきではないかというような考え方を整理して、民主党の考え方というのをまとめたことがあるんです。 その意味では、今民業補完というお立場は明らかにしていただきましたけれども、その辺の直接金融とか間接金融の問題も含めてまた今後御議論をしていただければと思いますが。 個別の政府系金融機関の議論に入る前に、またこれからの政府系金融機関の改革を考える際に、まず起こらなければいけないのは、平成十一年、一九九九年のときの政府系金融機関の改革をどう総括をするのか、どう評価するのかというところから始まるだろうと思います。思い返すと、開銀と北東公庫を束ねて今の日本政策投資銀行をつくりました。あるいは、日本輸出入銀行と海外経済協力基金を合併して国際協力銀行をつくりました。これが六年前なんですが、このときの政府系金融機関の改革というのを大臣はどのように評価をされていますか。
○谷垣国務大臣 平成十一年十月でしたか、今委員がおっしゃいましたように、いわゆる開銀とそれから北東公庫、それを廃止して政策投資銀行に持っていった。それから、それと同じときだったでしたかね、JBICができましたのも同じときでしたね。 そういう形で政策機関の統合を行ったわけでありますが、その際、セクションとか拠点の整理、それから法定役員の削減といった合理化が図られたというふうに思っております。こういう措置を通じて、金融面から従来よりも効果的な政策支援ができることになったのではないかなと思っております。その辺の評価も、実はことしの三月までの経緯を含めて私どもももう少し洗い直していかなければならないと思っておりますが、現在は前向きの評価で一応いけるのではないかと思っております。
○野田(佳)委員 そうしますとなかなか厳しいお話でして、六年前の評価というのを前向きにとらえて、今、法定役員を減らしたとかというお話がありました。私は、あれは基本的には非常にマイナス評価なんですね。 例えば、日本政策投資銀行ができた経緯ですけれども、旧開銀というのは、政府系金融機関がいろいろあった中でも最も経営が順調で、単体だったらすぐにでも民営化できるような、そういう組織だったと思うんです。そこに旧北東公庫をくっつけたわけで、旧北東公庫というのは、例の苫小牧の東部開発会社とかむつ小川原開発会社とか不良債権を多額に抱えているところを合併させて、本来だったら旧開銀から国庫に入るはずだった準備金を使って旧北東公庫の抱えていた不良債権を処理するという、ある種、政策の失敗を覆い隠す合併という感じを私は持ちました。 加えて、旧北東公庫のトップだった人は、めでたく何の責任もとらず、多分あのときは副総裁なんですかね、政策銀行は副総裁か何かで入って、何のペナルティーもないままに、要は数合わせの中で、いろいろなものが紛れ込んでしまったというのが私の基本的な考え方です。 同じように、JBICはどうだったかというと、旧輸銀、これも単体だったらすぐ民営化できるようなものだと私は思います。もう一つくっついたのが海外経済協力基金ですよね。これはなかなか強引な結びつけ方で、円借款を担うところと政策金融とを無理して合体した、水と油みたいなものをくっつけてしまったという経緯があって、これも果たして合併というのが意味があったのかどうかというのは、私は大きな疑問があるんです。 何を言いたいかというと、二つのものを一つにするというやり方で、一瞬、何か統合されて物が減っているように見えますけれども、確かに法定役員は減りました、だけれども職員の数はほとんど減っていませんし事業はずっとそのまま同じ人たちがやっているというようなやり方で、量的にも質的にも、一九九九年のあの改革と言われているものは残念ながら評価に値しないのではないか、単なる数合わせだったし、いろいろなものを覆い隠してしまったというような動きだと私は総括をしているわけです。 同じことをまたこれからの議論の中で、財投の出口のところでやったのならば、これは全く意味がないというふうに私は思いますけれども、改めて大臣の御見解をお伺いします。
○谷垣国務大臣 まず、政策投資銀行ですね。長い間、北東公庫の焦げついたり何かしているのをどうしていくかというのはやはり大きな課題でございましたから、私は、あのとき一応整理がついたというのは一歩前進ではないかと思っております。 それから、貸付規模の縮減であるとか融資対象の縮減であるとか融資条件の適正化、金融手法の革新というようなものは、やはり従前に比べてかなりできてきたのではないかなというふうに私は考えておりますので、委員のように、ばっさり切ってしまうような見解は私はとっていないところでございます。 それから、国際協力銀行については水と油とおっしゃいまして、確かに、かなり違うものを一緒にやっているというところはあろうかと、私も率直に言って思っております。思っておりますが、やはり今申しましたような、貸付規模を合理化していく、縮減していく、それから輸出入金融等の業務を整理して廃止していったとか、融資条件を適正化する、保証機能を活用するというような見直しもできているのじゃないかなと思っております。 〔委員長退席、遠藤(利)委員長代理着席〕
○野田(佳)委員 余りばっさり言っているつもりではなくて、そんな激しく言っているつもりはないんですが。ただ、私が言ったような心配とか反省を持っている人というのは、実は内側の人だって外側の人だっていっぱいいるわけでありますから、そういう懸念を持っている人がいっぱいいる中で、もう一回また同じような心配材料をつくるような政府系金融機関の改革はすべきでないということはぜひ御留意をいただきたいというふうに思います。 その上で、財務省は、政府系金融機関八つのうち、すべて主管をしたり共管をしているわけですから、個別の、今現時点におけるそれぞれの政府系金融機関についての評価とその改革の方向性を、財務大臣がどうお考えになっているかを一つずつお聞きして、この議論を皮切りとしてこれからも随時取り上げていきたいと思っているんですが。 まずは横綱級の、さっきも議論になりました日本政策投資銀行であります。これについて現時点で大臣はどのような評価と、そして改革をする必要があるとするならばどういう方向性が妥当だと考えているのか、これをお尋ねしたいというふうに思います。
○谷垣国務大臣 委員のお問いかけなんですが、ちょっと私は、ことしの三月まで、先ほど申し上げましたような、むしろ活用していくという方向をとっておりましたので、実は、これからの議論、まだ頭のウオーミングアップが十分できていないというのが、ちょっと、委員がお問いかけになってこういう答えをするのは恥ずかしいんですが、率直に申し上げて、これからもう少し勉強して鋭意議論を詰めていかなければならないんだと思っておりますので、もう少しお時間をいただきましてそのあたりの議論もさせていただきたいと思っておりますが、率直に言って、業務の見直し等を進めていかなければならないところがあるというふうに私は思っております。 他方、この間に、やはり例えば震災等の対策とかそういうようなものにもかなり能力といいますか意義を発揮してきた面もありますので、その功罪ともに含めて、もう一回きちっと私も政策投資銀行の評価をしてみたいと思っております。
○野田(佳)委員 もともと開銀のころから、基幹産業への融資であるとか、非常にいいところに融資を長期的にしてくる。また、社債も発行できるような企業が多いということで、短期、中期、長期かは別として、民間と類似した仕事を基本的にやってきている。いろいろと技術開発はされていることは承知していますし、またファイナンスの部分に人材が要ることも承知をしていますけれども、ただ、民業を補完する、そういう立場なのかというと、これは私は、廃止をしたり民営化したりしても全然構わないのではないかという立場をとります。 先ほど大臣は、ちょっと控え目に、まだ頭の中の整理をしていてこれからだというお話をされましたが、一方で、これは最後の方に触れたいと思いますが、経済財政諮問会議の中では、例えば何を残すんだとかどこを束ねるんだとか、何は廃止、民営化するという議論はもう既に出てきているじゃないですか。その中で財務大臣がまだちょっとやや後の先にいらっしゃるというのはよくわからないんですが、改めて、さっき私は日本政策投資銀行の評価を申し上げました。大臣はどういうふうに思いますか。
○谷垣国務大臣 まだ経済財政諮問会議の議論も、いろいろ新聞等にも出ておりますが、どちらかというと観測気球みたいな記事が多いんじゃないかと私は思っております。 それで、今委員はどちらかといえば全部民営化していいんじゃないかというお考えだったと思いますが、私は、ごく長期のものや何か、まだ活用できる余地があるのではないかなという感じも持っておりまして、そこらは、これから十分頭の中も整理させていただきたいと思っております。
○野田(佳)委員 やはり、戦後から立ち上がるころの必要性に比べるとその存在意義は明らかに薄れていて、先ほど鈴木議員が産投特会を扱っていました、もう時代の役割は終えた、歴史的な役割は終えたんじゃないかという認識を示していましたけれども、大臣はそうじゃなくて、まだリターンが期待をされるけれども民間はリスクを負わないところがあるんだという表現をされて、まだ存在価値があるように言いましたけれども、全く同じであって、かつて何をもって存在意義があったかというような組織は延命をまた新しい理由によってどんどんつけていく、そういう議論になってしまいかねないという理屈に私は聞こえていますので、私は、余りそういう擁護的な立場に立たないでいただきたいなというふうに思います。 これ一つだけできょう質問が終わっちゃいますので、ではJBICについてはどういう評価と方向性をお考えですか。
○谷垣国務大臣 JBICについては、例えばさっきおっしゃったODA、円借款のようなものをどうやっていくかというのは、なかなか民間ではできない分野があるのではないかなというふうに思っております。これは結局、ODAの中で円借款のようなものをどう見ていくか、どう考えていくかという大きな政策論にもつながっていく分野だろうと思っておりますが、今、日本以外の国は大体、ODAはむしろグラントでやるべきだという立場をとっておられるところが大きい。借款のようなもので、いわばクレジットカルチャーといいますか、そういう規律のある融資というようなものによって持続可能な経済体制をつくっていくお手伝いをできないかという姿勢をとっているのは、多分日本だけではないかと思います。 こういう分野もだんだん減ってきているという議論もありますが、まだ私は、そのような手法によって、アジアがここまで来たのには多分そういう意味合いが相当あったんではないかと思っておりまして、そこらの機能も十分もう一回根本から議論をしていかなければいけないところじゃないかと思っております。
○野田(佳)委員 今、円借款の意義を中心にその存在意義をお話しされましたけれども、私は、JBICの改革の切り口というのは、さっきの九九年の評価、総括に戻る話であって、旧輸銀のやってきている業務と、そうじゃなくてOECFがやってきた円借款の仕事と、やはり区別して整理すべきであって、水と油という表現は大臣は気に入らなかったかもしれませんけれども、余りかみ合っていないことを一つの組織でやっているわけで。 旧輸銀のやってきた政策金融は、私は民営化可能だと。場合によっては、日本政策投資銀行を民営化するんだったら同じ形でくっつけてもいいかもしれませんが、円借款の部分は、これは民間でというんじゃなくて国策として位置づけるから、それは何らかの独立行政法人なりにして残すべきで、場合によってはJICAと組み合わせてもいいでしょうけれども、そういう何か機能の整理というのが必要ではないかと私は思いますが、いかがですか。
○谷垣国務大臣 先ほど申し上げたところに戻りますが、やはり野田委員のおっしゃったこと、私は、基本的にやはり機能をきちっと見て議論していかなきゃいかぬということをおっしゃっているんだろうと思います。JBICにもいろいろな機能、役割がございますから、その機能を十把一からげで議論するというのではやはりどうかということで、一つ一つ機能ごとに論点を整理していくべきではないかと思います。
○野田(佳)委員 だから、論点を整理して自分のアイデアを言ったんですけれども。まあ、わかりました。ほかにもまだいっぱいありますので、では、次に行きます。 それでは、これもまた同じ時期につくられた国民生活金融公庫ですね。国民金融公庫と環境衛生金融公庫が合併して一九九九年に今の国民生活金融公庫ができたわけです。これは、民間が貸してくれないようなところにも貸す、融資をするとか、小規模な、二十人以下の零細企業に貸し出しをするとか、無担保であるとかという意味において、本当に苦しいときの駆け込み寺的な存在になることはあるわけです。 ただ、これはもう個別に聞いていきません、あとはまとめて聞いちゃいますけれども、商工組合中央金庫、中小企業金融公庫等々、いわゆる中小企業向けの政策金融というのが複数並んでいるわけですよね。私はこんなばらばらにやることはないのではないかというふうに思っていまして、これを束ねていく方向でいいのではないかというふうに思いますけれども、これはいかがですか、大臣。
○谷垣国務大臣 そこも、私はまだ自分なりの結論を持っているわけではありません。 ただ、今おっしゃったような国民生活金融公庫というところは、極めて零細なところ、無担保融資というようないろいろ工夫をしている。こういった分野はどういう形かでやはり私は存在意義があるのではないかなという気がいたしております。 それから、中小企業関係も幾つかあるわけでございますが、このあたりをどうしていくかというのはまた一つの議論なんだろうと思いますが、しかし、それぞれ対象としているところは若干違っているというところもございます。そこらをどう見て整理していくかということはこれから少しよく考えてみたいと思っております。
○野田(佳)委員 例えば前回の特殊法人改革の中で、この中小企業関係で一番議論が進んだのが商工中金だろうと思うんですね。商工中金は政府出資が八割で残り二割が組合、団体が出しているということでありますけれども、この見直し論というのが結構途中までは進んでいたようで、最終的には民間法人化の方向というのを当時の行革推進事務局が出しました。 だけれども、これはかなりいろいろな方が反対をして、特に経済産業省なんかも反対をして、橋本元総理大臣のお名前なんかも随分ここでは出てきましたけれども、いろいろな方が抵抗された中で、最終的には民営化先送りをされたという経緯があるんですね。 でも、これは、例えばこの三つの中小企業関係の政策金融の中では、民間法人化ではありますけれども、設立根拠法は残しながらというものですが、民営化に一番近づける組織だと私は思うんですが、これについてはいかがですか。
○谷垣国務大臣 野田委員へのお答えに、さっきからまだ結論がないということばかり申し上げるのは大変心苦しいわけですが、確かにおっしゃるように、過去それなりの改革をしたところだというふうに思っております。 しかし、このあたりも経済産業大臣ともよく御相談をしてまいりたいと思っております。
○野田(佳)委員 では、これから全部聞いていくと多分同じ答えになりそうだと思います。これから聞こうと思ったのは、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫、公営企業金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、これを個別に聞いていこうと思ったんです。もちろん、たしか共管だから、ほかの大臣といろいろ意見をすり合わせるということもわかります。大変言いにくいんだろうなとは思います。思いますが、だからそこは個別にはもう聞きません、やめます、やめました。 やめたんですが、では改めてお聞きしたいんですけれども、そもそも総理大臣は、就任当初から、政府系金融機関は一つぐらいでいいと言っていたと思うんですよ、私は。その思いがあると思うんです。でも、今のずっと谷垣大臣の御答弁では、一つに収れんされるとか、総理が考えているような政府系金融機関の改革なんということは絶対あり得ないんだなというように思わざるを得ないんですけれども、この点についてはいかがお考えですか。
○谷垣国務大臣 私の考え方は、これはあくまでそれぞれの機能をきちっと押さえた上でどういうふうにしていくか議論すべきものだと思います。 仮に一つに統合した場合だって、えらく機能の違うものをやるのであれば、その中で、内部組織でかなりきちっと分けないと、そしてそれに見合った人間を養成していかなければなかなかできないわけでありますから、私は、機能を踏まえた上で組織をどうするかという、最初に組織が一つだとかいう議論ではなくて、あくまで機能を踏まえた上で結論が出てくるというふうに思っております。 その上で申し上げますと、確かにさっき申し上げたようなODAというようなものはかなり特殊な機能で、特殊というといけませんけれども、ほかの金融とはまたかなり違った面があろうかと思いますし、国民金融公庫のようなものは極めて零細である。あるいは公営公庫とか何かになりますと、またこれも全然性格の違ったものでございますし、沖縄はまた沖縄の特殊事情というものがあろうかと思います。そこらあたりをどう整理していくかというのは、実はまだ、きょう委員がお立ちになって私大変心苦しいんですけれども、きちっと整理してお答えをできるだけの、まだ自分の中でできていないものですから、大変申しわけない御答弁になりましたことをおわび申し上げたいと思います。
○野田(佳)委員 おわびをされても困っちゃうんですが。 私も、個人的な意見を言うと、党内にも多分違う御意見の方がいますので結構大変なんです。特殊法人改革のときも、やはりいろいろ提言を出すと、確かにいろいろな意見があって、ぼこぼこにされることもありました。 だけれども、機能をちゃんと分けて云々と言いますけれども、政府系金融機関の議論というのはもう長い蓄積、歴史があるんです。そのために、まあ評価は違いますけれども、例えば二つのものが一つになったりとか、いろいろありました。さっきの日本政策投資銀行だって、環境事業団とか地域公団の融資業務だって引き受けたりとか、いろいろなことがあるんです。それは機能を見ながらやってきているわけです。今、もう一回機能の話で立ちどまった議論をしている段階なのかなという気が私はしています。 私は、個人的に言いますと政策金融は必要だという立場を冒頭申し上げました。その中で、今、数は多過ぎるけれどもそれは絞っていくべきで、絞った中で、さらに、間接金融の部分と、もう少し機能を強化していくような生き残りというのはあるだろうということを申し上げました。そうすると、総理が言うような乱暴な議論までに私はいかないんですね。総理が言うような、一個だけ残して、ほか、いろいろなものを束ねてとか。 僕はもちろん、地方共同で何かやるかとか、大臣が言ったように、沖縄とか農水のものはこれは民間だって厳しいだろうなとか思うんですよ。だから、総理が言うような乱暴論に私は立つつもりはないんですが、むしろ、機能をいろいろとじっと見てきながら、もう少し、やはり私は、大臣、全体像としての腹案があるのに隠しているんじゃないのかなと思うんですが、その辺はいかがですか。(発言する者あり)
○谷垣国務大臣 原口さんからやじが飛んで大変答えにくいんですが。率直に申し上げて、これから練っていかなければならないと思っております。 そして、総理の御発言を、内閣の一員として総理の御意思を体して申し上げれば、やはりそれぐらいの意気込みがないとなかなか進まないということではないかと思っております。
○野田(佳)委員 最後の言葉が何だか……。そうですか。わかりました。いや、わかっていないんですが、わかっちゃいけないんですけれども、では、もうきょうはやむを得ませんが。 何か言葉を選ぶ背景に、私は、いろいろお考えがありながら言いにくい部分も多分あるのかもしれないと思うのは、恐らく、さっき冒頭に申し上げたように、大体財務省の方は慎重な方が大変多いわけですから、トップが余り踏み込んで言うことについてはみんなすごく聞き耳を立てていらっしゃる、ロバの耳のように大きくなる傾向があるということもあるのかもしれません。なぜそんなに財務省がいつもいろいろと影響力を水面下で発揮し、経済財政諮問会議で議論することにも愉快ではないという多分お立場だろうと思うんですが、そうなっているのは、やはりこれは政府系金融機関の統廃合があると天下る先が減っていくということが最終的にあるからだろうと私は思っています。 これについても、前回、特殊法人改革の中で政府系金融機関が先送りになったときに、総理は、事務次官OBは政府系金融機関のトップにさせないと言明をしたことがあったと思います。でも、トップにさせないと言ったにもかかわらず、総務省の今回の人事は随分乱暴なことをやったんですが、しかし、この各政府系金融機関のトップを見ると、旧大蔵省、現財務省のトップの方が結構いらっしゃるわけです。 国際協力銀行は篠沢総裁、六〇年大蔵省入省。日本政策投資銀行は小村総裁、六三年大蔵省入省。国民生活金融公庫は薄井総裁、六五年大蔵省入省。沖縄振興開発金融公庫は、最終的なキャリアは環境事務次官ですけれども、八木橋さんは大蔵省OBで、六一年でしたか。そのほかにも、旧大蔵省以外でも、農林漁業金融公庫は農水事務次官だったし、これは今回特に議論しませんが、住宅金融公庫は建設事務次官等、役所の事務次官が結構見事にトップにいらっしゃるし、特に財務省の場合は、トップはとっていませんけれども、副総裁、理事等にはかなりの方がこれらの機関に行っているだろうというふうに思います。 総理は事務次官OBは政府系金融機関のトップに就任させないと言ったにもかかわらず、なぜこういう状況になっているのか、なぜ実現できないのか、お尋ねをしたいと思います。
○谷垣国務大臣 総理がそういう御発言をされたのは、たしか予算委員会で御発言をされたと思いますが、私も横で聞いておりました。 そこで、総理の御発言の要旨は、要するに、確かに今まで、このポストは何々省のOBが自動的に来るんだという機関が現実にたくさんあったわけでございまして、もうそういうような時代じゃないじゃないか、自動的にそうなるようなことはやめた方がいい、適材適所だということをおっしゃったというふうに私は理解しておりまして、私どももその方針でやらなきゃいけないと思っております。 ただ、何でこんなにたくさん財務省OBが天下っているんだとおっしゃいますと、ちょっと今全部記憶は定かでありませんが、それからトップの人事が変わった、任期が来たということはなかったんだと思っております。
○野田(佳)委員 さっき言ったJBICも日本政策投資銀行も国民生活金融公庫も、任期は総理の任期より長くて、二〇〇七年の九月までですから、多分総理が言ったとおりにはもうならないんですよね、ずっと。見事にそういう状況になっていると思うんです。 では、ほかに、トップだけではなくて、一つ一つ議論をしたかった八つの政府系金融機関に、それぞれ、財務省のOBの方、役員あるいは職員、どれぐらいで入っているのか、明らかにしていただきたいと思います。
○谷垣国務大臣 財務省で退職した公務員の数、これは十六年十月一日現在ですが、国民生活金融公庫、常勤役員八人中二人です。それから政策投資銀行は常勤役員十三人中二人。それから国際協力銀行、常勤役員十人中三人。ですから、財務省OB、財務省で退職した者は合計七人となっております。なお、職員については把握しておりません。 それから、共管の金融機関で申しますと、沖縄振興開発金融公庫は五人の常勤役員のうちゼロでございます。それから公営企業金融公庫、五人中一人。それから農林漁業金融公庫、八人中一人。中小企業金融公庫、十一人中二人。商工組合中央金庫、十二人中ゼロ。住宅金融公庫、九人中一人、こういう数でございます。
○野田(佳)委員 恐らくこれはキャリアの方中心の役員のシェアだと思いますけれども、職員まで広げるともっと多くの方がいらっしゃるんだろうと思います。そういうことも、それだけじゃないのかもしれませんけれども、政府系金融機関改革、特に統廃合については、財務大臣担当の周辺の方というのは非常に抵抗感があるんだろうと私は推察をしていますが、これについては、これからも大臣のお考えが固まる過程をにらみながら随時議論をさせていただきたいと思います。 若干時間がありますので、特殊法人改革について、これはちょっと大くくりな話ばかりになりますけれども、申し上げたいと思います。 まず第一に、細かな議論はやめて、もうとにかく特会は規模が大き過ぎだと思います。三十一特会の歳出純計が二百五兆円ですよね。これは一般会計の規模に比べるともうはるかに大きい。一般より特別が大きい。メーンよりサブが大きい。普通一番しっかりした財布、パースよりも、小銭入れがいっぱいあってそっちの方が大きいというのは、この規模はやはり異常だと認識するのがまず前提じゃないか。いろいろ改革を言う前に、メーンよりサブが大き過ぎるというのはやはり異常な姿ではないのか。 それは、やはり三十一も分かれるとガバナンスもうまくいかない、したがって歳出の効率化は図られていないということのこれはもう証左だと思うんですが、これについて大臣の基本認識をまず問いたいと思います。
○谷垣国務大臣 役割を終えたものはどんどん廃止すべきと私も考えておりますが、ただ、委員がおっしゃったように、一般会計の規模の方が総体の特会よりも小さいから異常だというふうには、必ずしもそう考えておりません。それぞれの特別会計は、やはり、例えば年金の特会にせよ、それぞれ理由があって大きくなってきているわけでありますので、それはそれで制度の立て方としてそこに区分経理をする必要があるならば、私は何も否定すべきものではないと考えております。
○野田(佳)委員 ちゃんと精査をされた上で、国民が納得のできる使われ方をしながら大きいんだというんだったら、胸を張って今のような御答弁をされても私はそうだと思うんですが、ただ、衆参のさまざまな委員会で今明らかになりつつあるのは、個別の特別会計の信じられない使い方じゃないですか。それが一事万事とは言いませんが、これだけいろいろなことが出てくるというのは、メーンよりサブが大きくなっている大きな原因としか私は思えない。 例えば、電源開発促進対策特別会計で、広報のマニュアルが一冊四十万円だったですか、四十万円ですよね、三百ページぐらいのマニュアルで、中身は余り大したことないというお話です。それから核燃料サイクルのためのパンフレット、十数ページのものが一万三千円だとか、随分いろいろなことが出てきました。それは、剰余金が絶えずあらわれる会計とそうじゃない会計とか、いろいろ個別事情はあるかもしれませんが、ああいうものを見ると、サブに対してちゃんと精査をしてメスを入れていないからこんなに大きくなってしまうという印象を国民として持たざるを得ないと思います。 どう思われますか、最近のいろいろな委員会の審議をお聞きになっていて。
○谷垣国務大臣 それぞれの特別会計でガバナンスをもっときかせていかなきゃならない、私は、このところのいろいろな起こってきた事象、それから国会での御議論、そういうことではないかと思っております。 確かに、私どもも、従来、ややもすると議論をしていきますときに一般会計だけに目が向かいがちでございました。それに対して、もう少し視野を広げていこうという御議論は、何度も私引いておりますが、塩川大臣の、要するに、母屋でおかゆをすすっているときに離れですき焼きを食うのはけしからぬという発言から始まりまして、随分見直しの作業も進んできたのではないかと思っております。 それで、その点でやはり申し上げたいのは、いろいろ企業会計の手法なんかも取り入れまして各省庁別の財務諸表をつくる。それは各役所ごとに、一般会計、特別会計、それからその関係の独法というようなものも結びつけて連結にして、できるだけそういった面にまで目が光るようにやっていこうと。まだ、確かに、この間そういうようなものも発表したばかりでございますが、今後そういうものを活用してガバナンスをきかせていく。それで、私たちも、もう少し国会の御議論をしていただくときの参考になりますように、少しでもそういった説明責任を果たせる工夫をしていかなければ。 相当今まで目が届かなかったところがあるなと思っているのは率直なところでございます。 〔遠藤(利)委員長代理退席、委員長着席〕
○野田(佳)委員 そういう率直なお考えに基づいて本当にこれはガバナンスをきかせていただきませんと、すき焼き食べ放題どころではなくなってきている状況だと私は思いますので、これはもうすべての特別会計に目を光らせて精査をするということをぜひやっていただきたいと思います。 私は、個別精査というところ以上に、三十一あるものをもう一回、一般会計と特別会計の関係において、あるいは特別会計同士の関係において、これまた大くくりの整理をする段階にもう来ているんじゃないかなと。個別精査と言っているような余裕はもうなくなってきている、それぐらいのシステムの変換ぐらいなことをやらないと効率性というのは生まれてこないんじゃないかというふうに私は思いますので、きょうはちょっとあえて大胆に荒っぽい考え方を申し上げたいと思います。 まず、すべての公共事業関係の特別会計、道路整備、港湾整備、空港整備、治水、国有林野、国営土地改良、こういうものの特別会計というのは、今後の公共事業縮小、地方分権、こういう流れも踏まえて一回廃止をして、必要なものは、例えば維持管理を含めて一般会計で行う。このように、それぞれに例えば個別の特定財源なんかを持っていて、財布を持っていると、結局、高規格化とかいろいろ言いながら延命を図って膨らませるだけだと思いますから、そうすると、あれもこれも残ってしまって、あれかこれかという選択をしていかないという原因だと思います。 きょう、衆議院の本会議で我が党の三日月議員が、国土総合開発法をまず一たん廃止して、補助金、特別会計、それに付随する特殊法人、すべてこれをリセットするようなお話をされていましたけれども、私は基本的にこの特別会計も同じように考えるべきではないかと思いますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○田野瀬副大臣 公共事業の特会につきまして私の方から御答弁申し上げたいと思うんです。 御案内のように、特別会計は、事業の内容や性格によっては、受益と負担の関係や事業ごとの収支をより明確にし、それによって適正な受益者負担や歳出削減努力を促すことができるといった意義があると考えておるところでございます。 先生おっしゃるように、公共事業の縮小、地方分権等が進んでおるところでございますが、現在のところ、公共事業については、道路、港湾、空港整備等、国みずからが多数の直轄工事を長期間にわたり実施し、また個々の事業について、財源を国以外の多数のもの、すなわち地方公共団体だとかあるいは事業に関連する事業者等が負担する制度となっております。 このため、国が行う特定の事業の経理を明らかにし、長期的な受益と負担を明確化する目的で財政法の規定に基づき特別会計が設けられているところであり、同種の公共事業の全体像を明らかにするという意味で一般会計と区分して経理する必要性は意義あるもの、このように考えておる次第でございます。 と申しましても、公共事業については、社会資本の整備状況等を踏まえ、今後とも重点化、効率化を行っていく必要があると考えておりまして、まずは、公共事業関係の特別会計についても、中身としての事務事業の見直しを不断に継続して行っていくことが必要と考えております。今後も努力してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○野田(佳)委員 私は、事務事業の見直しの地道な路線以上の、やはりなたを入れる段階という認識で。 ほかにもいろいろ聞きたかったんですが、もう役割は終わったんじゃないかという特会とか、いろいろ聞きたかったんですが、もう時間がありませんから、最後に、財務省の財布の三つの会計について聞きたいと思うんです。 財政融資資金特別会計、これは財投債を発行できるところですね。そして国債整理基金特別会計、これは借換債を発行するところです。そして外国為替資金特別会計、簡単に言うと内国債を発行したり外為証券が発行できるところです。 こういうものを発行できるところは、これは財政の一覧性の見地から、これこそ統合をするという考え方は不可能ですか、いかがですか。
○田野瀬副大臣 これにつきましても私の方から御答弁申し上げたいと思います。 先生もう御案内のとおり、財政法十三条においては「国が特定の事業を行う場合、特定の資金を保有してその運用を行う場合その他特定の歳入を以て特定の歳出に充て一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合に限り、法律を以て、特別会計を設置するもの」としておるところでございます。 先生ただいま御指摘いただきました三つの特別会計についてでございますが、財政融資資金特別会計については、財政融資資金の運用に関する歳入歳出を一般会計と区分して経理すること。外国為替資金特別会計については、政府の行う外国為替等の売買及びこれに伴う取引を円滑にするために外国為替資金を置き、その運営に関する経理を一般会計と区分すること。それから、国債整理基金特別会計については、国債の償還や発行に関する費途に使用するため国債整理基金を置き、その歳入歳出は一般会計と区分することといった目的で設置されておるところ、もう御案内のとおりでございます。 このように、財政融資資金、外国為替資金及び国債整理基金については、各特別会計に区分して経理を行ってきており、これら三つの特別会計を統合した場合、各資金の運用実績等が不明確となって適切な管理に支障が生ずる結果ともなりかねない、こういうことから、それぞれ区分して経理することが適当と今もって考えておるところでございます。
○野田(佳)委員 もう時間がなくなりましたから申し上げませんが、そういう区分経理の意味とかは、まさに丁寧に御説明いただきましたが、御案内のとおりでありまして、財政制度審議会等で小骨を抜くような段階ではないので、多少荒っぽいかもしれませんけれども、一種の構想をお話ししたものですから、ぜひこれについてもいつかまた大臣にじっくり議論させていただきたいと思っています。 終わります。
○金田委員長 次に、馬淵澄夫君。
○馬淵委員 民主党の馬淵でございます。 きょうは、財務金融委員会一般質疑の機会をいただきました。金融並びに財政に関しての一般質疑ということで、私も伊藤大臣にぜひまた金融の件でお聞きをしていきたいなと思っておりましたやさきに、一つ、どうしてもこれは当委員会でも確認をしていかねばならないことが私の目に入ってまいりました。昨日の朝刊でございます。産経新聞の朝刊に載った記事でございますが、在日の韓国人系信用組合、近畿産業信用組合、こちらの青木定雄会長ら幹部が本店の部長や支店長に指示し、自民党の国対委員長である中川秀直衆議院議員の政治資金パーティー券を販売させていたという報道がなされました。そして、このパーティー券を販売させたという事実について、るるこの記事の中には載ってきているわけであります。 さて、近畿産業信用組合というこの金融機関の概要でございますが、これは昭和二十八年に、かつて東映太秦職域の日本芸術家信用組合として設立された。そして、平成元年には京都シティ信組に名称変更され、その後、大阪商銀より事業譲渡。そして、その段階で近畿産業信用組合に名称変更し、京都商銀並びに関西興銀から事業譲渡を受けております。いわゆる協同組合型の金融機関。 この金融機関が、今日までに公的資金と言われるものの支援というのはどういうものがあったのかということをまず冒頭にお尋ねをして、この件についてるるお伺いをさせていただきたいと思います。 まず、公的支援について御回答いただけますでしょうか。
○佐藤政府参考人 近畿産業信用組合でございますが、御指摘のとおり、これまでに三つの破綻信用組合の受け皿金融機関となっておりまして、事業譲渡を受けているわけでございますけれども、その際、預金保険機構から資金援助といたしまして合わせて八千六百六十九億円の金銭贈与が行われております。 これらの金銭贈与でございますけれども、三つの破綻信用組合に係る預金等の全額保護を実施するために、破綻金融機関の債務超過の部分の補てんに充てられたということでございます。
○馬淵委員 これはいわゆる公的資金の注入スキームとは違いますが、その預金保険機構、これらの仕組みによって金銭贈与という形で債務超過の補てんに実施された。すなわち、これは公金が注入されたという言葉が正しいのか、公的資金によって支援されたという言い方が正しいのかわかりませんが、私がもう一度ここで確認をさせていただきたいのは、公的資金によって支援された金融機関であるということでしょうか。お答えいただけますか。
○佐藤政府参考人 この金融機関に対します資金援助でございますけれども、これはあくまでも破綻信用組合の受け皿となったことに対応して資金を受けた。金銭贈与、資金援助を受けたということでございますので、そこは呼び方の問題という面もあろうかと思いますけれども、そういう特別の位置づけでございます。
○馬淵委員 受け皿ということですから、公的資金を受けた機関であるということの御回答をいただいたと今私は理解いたしました。 さて、この近畿産業信用組合でございますが、これはいわゆる中小企業協同組合法によって定められた信用組合、これが金融業を営んでいるという形になるかと思われますが、この中小企業等協同組合法に定められているさまざまな規定の中で、行ってはならないという規定が、一つこういうのがございます。これは、第五条の3に「組合は、特定の政党のために利用してはならない。」という規定がございますが、これはどのような意味を持つのか、これについて御回答いただけますでしょうか。
○佐藤政府参考人 御指摘のとおり、中小企業等協同組合法、これは信用組合を含みます中小企業等協同組合全般についての組織や業務を規定する法律でございますが、その第五条三項において、「組合は、特定の政党のために利用してはならない。」こう規定されているということでございます。 この趣旨でございますけれども、中小企業者等の相互扶助組織である組合が、例えば特定の政党による介入を受けたり、あるいは特定の政党への傾斜を強めたりすることによって、当該組合の自主的な経済活動が阻害される事態であるとか、あるいは組合員が政治的見解の相違によって相互に排斥し合ってその人的基盤が弱体化するといった、こういう事態を防止するということを目的として組合が特定の政党のために利用されてはならないということを規定したものである、そういう趣旨のものというふうに承知をいたしております。
○馬淵委員 その「特定の政党のために利用してはならない。」ということに関して言いますと、つまり、この信組が、信用組合が、政治家の政治献金等々を強く求められ、そして、それを実施する主体となることというのは、これに該当するんでしょうか。お答えいただけますでしょうか。
○佐藤政府参考人 何らかの形で組合の職員等が政治資金パーティー券のあっせんを行うといったようなことは、一般論で申し上げれば、特定の政党のために利用されることにつながるおそれもあり得るので好ましくないということだろうとは思いますけれども、個別のケースが直ちにこの第五条三項に違反するものかどうか、これは断言できるわけではございませんで、個別具体的なケースに応じて判断すべきものだろうというふうに思います。
○馬淵委員 今、私は中小企業協同組合法の運用についてお伺いしたわけですから、今のお話で、まず、そういった可能性があるという御見解をいただいたというふうに理解します。 そこで、中小企業協同組合法の中にこうした規定があるこの信組に対して、中川秀直国対委員長が、衆議院議員がパーティー券を販売することを要請したという記事なわけでありますが、この近畿産業信用組合についてもう一点お伺いをしたいと思うんですが、この近産信組と呼ばれるところに対して、かつて金融庁は直近の中でどのような処分あるいは指導というものを行われておりますでしょうか。もしそれがおわかりになれば教えていただけますでしょうか。
○佐藤政府参考人 直近の処分ということで、平成十六年の六月十八日に行政処分を行っております。 その内容でございますけれども、法令等遵守体制を確立し健全な業務運営を確保するため、以下の観点から経営管理体制及び内部管理体制を見直し、組織的な業務運営体制の確立を図ることということで、一つ目といたしまして役員の法令等遵守意識の徹底及び法令等遵守に係る経営姿勢の明確化、責任の所在の明確化を含む、二つ目に理事会の機能強化による全組合的な法令等遵守体制の確立及び内部牽制機能の充実強化、三つ目に監事機能の充実強化でございます。この点に関する改善計画を平成十六年七月二十日までに提出し、以後、改善計画の実施完了までの間、その実施状況を三カ月ごとに報告すること、こういう内容の命令を出しております。
○馬淵委員 今、本当に驚きますよね。今のお話ですと、昨年の六月の十八日に近畿財務局から行政処分が出されている。そして、その行政処分の主たる意味合いは、法令遵守体制が確立されていないんだ、だから健全な業務運営が確保できないとして、素早くこの観点で業務運営体制の確立を図ることという命令が出ているわけです。 そして、この法令遵守、例えばそれはどういうものが当たるのか。今申し上げたように、先ほど来お聞きをしているように、中小企業協同組合法等々にある「特定の政党のために利用してはならない。」ということも、これも当然ながら法令なんです。この法令に果たして準拠した行動がなされているか甚だ疑問に思われるようなところと、そして、中川国対委員長、与党の重責にある方が、これにパーティー券、政治資金の供与をお願いされているということが報道されているわけであります。 さてそこで、事の事実はこの場で明らかになりません。それは仕方がないと思っています。しかし、先ほどの話にもありましたように、実に八千七百億ものお金が注入されたその信組に、そしてその信組は昨年の六月に行政処分が下されている、そして、こうした信組の中でパーティー券の販売などが指示されたなどということは、まさに特定の政党のために利用されているという事実にほかならないのではないかという状況の中で、この信組に対して金融庁として今どのような御対応をされているんでしょうか。それについて、大臣、お答えいただけませんでしょうか。
○伊藤国務大臣 まず、今監督局長が業務改善命令についてお話をさせていただいたわけであります。この業務改善命令に基づいて業務が改善されているかどうか、そのことを私どもは適切にフォローアップをしているところでございます。 そして、委員からは新聞報道について御指摘があったわけでありますけれども、この点につきましては、個別金融機関にかかわる事柄でございますのでコメントは差し控えさせていただきたいというふうに思いますが、一般論として申し上げれば、金融機関において業務運営の適切性あるいは健全性に疑義が生じた場合には、必要に応じて報告徴求を求め、また、業務改善を求めることになります。
○馬淵委員 これは非常に重要なことなんですよね。監督する立場として、こうしたことがもう既に一年前に起きているこの近産信組に対して、近畿財務局が、当局がどのように動いているのか。特に新聞報道がなされています。こうした法令遵守の問題のある機関に対して、当然ながら即座に動くのが金融庁の務めであり役割であるはずです。 そして、今個別のことはお答えができないというふうにおっしゃいましたが、個別のこととは中身のことを言っているのではありません。その当局が監督局としての本来の役割を果たしているのかどうか。これは逆に、我々国会議員が、国会のこの立法府の場で立法を行うことと同時に、もう一つ大事な役割としては行政の監督ということがあります。そのことをなされているのかどうか。 今お答えはできないというふうにおっしゃいましたが、近畿財務局がこの近産信組に対してどのような形で今確認をとっているのか、あるいは報告徴求をしているのか、報告徴求を行ったのか、これについてはお答えいただかなければならない義務があると私は思っております。 大臣、この報道の中には、「近畿財務局がこうした行為を把握、詳しい説明を求めた」、このように載っています。近畿財務局は報告徴求を行ったんですか、お答えください。
○伊藤国務大臣 今委員から御指摘がございましたが、私どもとすれば、法令上問題がある場合には、私どもに与えられている権限の中で適切に対応していくことが求められているわけでありますし、私どもとして、法律の枠組みの中でしっかりとした対応を行っているところでございます。 ただ、委員の今の御質問はまさに個別の中身でありますので、そのことについてはコメントを差し控えさせていただきたいというふうに思います。一般論として申し上げても、銀行法第二十四条に基づく報告を求めたか否かについて明らかにすることは、金融機関の権利、競争上の地位、その他正当な利益を害するおそれがあることから、従来よりコメントを差し控えさせていただいているところでございます。
○馬淵委員 それは違うでしょう。金融機関というのは一般の方々からお金を預かる大事な機関であるから、監督行政がしっかり監督していくわけですよ。そして、その金融機関が少なくとも法令遵守違反を行うような、そういう心配があって、行政処分をしてきた。そして、この報道がある中で、当然ながら監督行政としては、金融機関に対して報告徴求なり初動していますよということを国民に知らしめるのがあなた方の責任じゃないんですか。大臣は御自身の地元でそういうことを問われて、仮にこの近産信に預金をしている方々から問われて、お恥ずかしくないですか。こうした状況を看過していることの方が問題であると私は強く思います。 ちょっと違う観点でお尋ねします。 この政治資金の問題は本当に重要な問題だと思っていますが、特に監督当局の大臣からすれば、これに対しては毅然とした態度を示していただかねばなりません。 さて、こうした政治資金に対してさまざまな規制がございます。私がお尋ねしておきたいと思いますのは、いわゆるこうした政治資金、寄附の質的な制限についてなんですが、この質的な制限、これは政治資金規正法の中では、基本的には、三年以上の赤字会社は、欠損を生じている会社は、その欠損が埋められるまでの間、政治活動に関する寄附はしてはならない、このように定められています。これは第二十二条の四で定められています。これはいわゆる赤字会社の寄附の禁止というものです。 その中で、この立法趣旨がどういうものかというと、いわゆる過去の例から見ても、そうした企業から寄附を受けるというような行為、この政治献金というのは常に疑惑がつきまとっていたということがあって、こうした法令が整備されてきたんですよ。 さて、こうした立法趣旨がある寄附の制限、質的な制限が行われているわけでありますが、大臣が所属される自民党、あるいはまさに与党の重責を担っている中川国対委員長のいらっしゃる自民党の中では、内規で、法律では三年である、三年以上赤字欠損、これはだめだということになっていますが、内規では二期連続赤字の会社からの寄附を受けてはいけない、このようになっている。自民党の中の内規はそうじゃないですか。これは国民政治協会からもそのような話を確認しています。 さて、その中でもう一つ、御自身たちはそういった問題が非常に大きくなっていくという懸念を持たれて、法律では三年だけれども二年という内規にされている。一方で、それだけでは飽き足らないということで、公的資金が直接渡された企業からの寄附も禁じていらっしゃる。先ほど私はお尋ねしました、この近産信組というのはまさに公的資金が入っている会社じゃないですか、金融機関じゃないですか。 これについて、大臣は所属する同じ政党の政治家としてどのようにお考えですか。大臣の政治家としての所見をお伺いいたします。政治家としてお答えいただけるお話だと思います。特にこの金融機関の監督をする立場でいらっしゃるわけですから、大臣、今私が申し上げた自民党の中にある内規についても、今申し上げたようなことがあると聞いております、どのように御所見をお持ちでしょうか。お答えいただけますか。
○伊藤国務大臣 政治資金の問題につきましては、政治資金規正法に基づいて適切に対応していくことが求められているわけでありますし、各政党において、政治とお金の関係を正し、国民の信頼というものを確保していくためにそれぞれの取り組みがなされているわけであります。したがって、個々の政治家が、政治に対する信頼というものを確保していくために、そうした趣旨というものを踏まえて適切に対応していくということが基本ではないかというふうに思います。
○馬淵委員 つまり、内規を乱してそのような行為というのは適切な行為ではないと。大臣の御所見も、そうお感じだということでしょうか。大臣、もう一度確認させてください。
○伊藤国務大臣 今お話をさせていただいたように、政治とお金の関係、この中で国民の疑念というものを生まないように政治資金規正法に基づき適切に対応していくことが必要でありますし、また、各政党においてそれぞれの取り組みというものがなされているわけでありますから、そうした趣旨というものを踏まえてそれぞれの議員が適切に対応していくことが大切なことだというふうに思います。
○馬淵委員 この報道は、だから私から見れば、御党の中においても不適切な可能性が極めて高いということなんですよ。そして、先ほど来お話を聞いております中で、近畿財務局がどのような行動を行っているか、すなわち、報告徴求についてもお答えいただけない。一方で、この記事の中には、近産信の秘書室長が、近畿財務局からはそのような指摘などを受けた事実はない、このように正反対のことをおっしゃっているわけですね。 これは、こういう状況の中で、監督する立場として、近畿産業信用組合の責任者である青木会長並びに中川国対委員長、ぜひこの場ではっきりとさせていただくべきじゃないですか。私は、今回の件で監督する立場にある者がその行動すら表明できないような怪しげな状況の中で、こうしたことが表に出てくることは、繰り返されていることは、まさに御自身の中でやろうとしている改革が、皆さん方の中でできていないという証左にならないですか。 大臣、ぜひこの場でこのことについて公明正大に確認をしていくということを、この場ではっきりと国民の皆さんに向かっておっしゃっていただけませんでしょうか。
○伊藤国務大臣 委員からの御指摘でございますけれども、個別の金融機関に対してどのような対応をしているのか、このことについてのコメントは差し控えさせていただきたいというふうに思います。これは、今委員が御質問された案件に限らず、今までも同じような対応をさせていただいてきているところでございますし、その理由についても先ほど答弁をさせていただいたところであります。 しかし、一般論として申し上げれば、私どもとして、金融機関において業務運営の適切性あるいは健全性に疑義が生じた場合には、法令に基づいて適切に対応していくことが求められているわけでありますから、そうした私どもの使命というものを十分に踏まえた適切な対応を行っていきます。
○馬淵委員 いや、本当に、私も先ほどから聞いていても、大臣はどちらを向いているんですか。監督する立場として金融改革プログラムを出されて、そして市場の公正さということをつくっていくと宣言されている大臣が、このことについて、そんな前向きでない、消極的な対応をされていたら、これはだれも国民は信用しませんよ。私たちも、同世代の大臣が誕生して、どういう手腕を見せていただけるか期待しているわけです。しかし、今のお話では、全くもって国民の理解を求められません。 この近畿産業信用組合青木会長の参考人招致、これをぜひ、委員長、理事会で協議してください。
○金田委員長 馬淵君のただいまの提案については、理事会で協議させていただきます。
○馬淵委員 これは、本当に、昨年も行政処分をされていて、そしてさまざまなことが言われている中でこうした報道が出てくる。私は、この委員会の中で必ずこの近畿産業信用組合については議論していただきたいと思います。理事会協議ということでありますが、いつも協議協議と言ってもその場しのぎで、結局は実現することはないんですよ。協議ではなく、実現にぜひ、各党の理事会の皆さん、努めていただきたいとお願いを申し上げたいと思います。 それでは、この件に関しては、私としては大臣から十分なお答えをいただけませんですが、恐らく御党の中でもこうしたものに対して襟を正していこうという御自身の姿勢というものが必ず出てくるのではないかということを期待しておりますので、ぜひ見直しを図っていただきたい、徹底的な真相追及を図っていただきたいということにして、次の質問に移らせていただきます。 さて、次ですが、午前中に同僚の津村議員の質問に上がっておりましたカネボウの上場廃止の件について、私の方からは一般質疑として上げさせていただきます。 同僚議員からも指摘をさせていただきましたカネボウの上場廃止、これについて少し、私はもう一度なぞるということになるかもしれませんが、経緯を述べさせていただいて、そしてそれぞれの御見解を伺わせていただきたいというふうに思います。 カネボウの今回の上場廃止に至る経緯というものは、平成十六年の三月十日に機構の支援決定がなされた、そして四月の十九日、カネボウは経営の刷新と浄化を目的とする経営浄化調査委員会を設置し、そして五月三十一日に改めて支援決定ということがなされている。昨年の十月の二十八日には、この経営浄化調査委員会、いわゆる新経営陣が新たにみずからの会社のうみを出そうということで調査を行った結果、三点の問題が発生した。その一つが、今回言われております上場廃止の大もととなった会計処理の問題でありました。そして、ことしに入りまして、二月の二十二日にカネボウが過年度決算の訂正を行う臨時株主総会を四月下旬に開催する旨を発表し、そして四月の十三日にカネボウが過年度決算を訂正発表と。これを受けまして、東証が上場廃止という決定をつい直近に行ったわけであります。 これも同僚議員の質問の中でお答えをされておりましたが、私の違った観点の部分もございますので改めてお尋ねをさせていただきますが、まず、東証から金融庁にこうした経緯に対してどのような形での御説明がありましたでしょうか。これについてお答えいただけますでしょうか。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 個別事案でございますので基本的にはコメントを差し控えるべきものだと思いますが、一般論としまして、金融庁は証券取引所との間でその業務等に関して日常的に意見交換を行っております。この案件につきましては、上場廃止ということで、五月の十二日に東京証券取引所が廃止を決定されたというふうに聞いておりますし、法令に従って、今後、上場廃止日の七日前までに事後的な届け出が行われる、そういうことになっているということでございます。
○馬淵委員 日常的な対話の中でというお話がありましたが、私はそうは思いませんが、当然このことに関しては特別に説明もあり、あるいはいろいろな意見交換があったのではないかと思うわけでありますが、そんな中でこうした上場廃止というものが金融庁の方にも知らされた。そして、これに対してのコメントも、先ほどもお話を伺っておりますが、これに対しての金融庁の見解というものを大臣の方からお願いいたします。
○伊藤国務大臣 お答えをさせていただきます。 五月十二日、東証は、監理ポストに割り当てていたカネボウ株式について、上場廃止基準に該当すると判断をし、整理ポストへの割り当てを決定し、これにより一カ月後の六月十三日に上場廃止になると承知をいたしているところでございます。 個別の上場株式の取り扱いにつきましては取引所が自主規制規則に基づき判断するものでありますので、東証が今まで聴取等の調査を踏まえて、上場廃止基準に照らして、自主規制機関としてのみずからの責任で判断されたものと承知をいたしております。
○馬淵委員 日常的に対話をしながら、東証がみずからの判断で行ったというのが金融庁の見解だというお答えだというふうに私には聞こえますが、この廃止に至った、それは東証の判断なんだということでありますが、今回は特別な事情がありましたね。すなわち、産業再生機構によって産業再生計画が立った会社であった。当然そこには特例措置も盛り込まれてあったり、公的な資金を持つ企業が債権者となっているという意味では、これはある意味公的な意味合いが強い会社でもあります。そうした会社が上場廃止になるという中で、これはある程度、今までになかったという部分もあったかと思うわけですが、それもある意味東証が判断することだというお答えであった。 となりますと、もう一点、別に株主も、十一万人という多大な株主がいらっしゃる、こうした十一万人に上る株主もいらっしゃって、かつ、公的な意味合いの強い会社が再生支援を行っているという企業に対しての上場廃止決定、単に東証が行っているからだということで済まされない、金融庁としてのある一定の方向感なり見解というものがそこには求められるべきではないかと私は思っているんですが、これについて、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○伊藤国務大臣 お答えをさせていただきます。 委員からは一般株主への影響についてもお尋ねがあったわけでありますけれども、東証からは内外の投資者の信頼を維持、回復していくためにはやむを得ない今回の対応であったと聞いているところでございます。 私ども金融庁と証券取引所の関係からいたしますと、自主規制機関であります取引所がみずからの責任において、上場廃止基準に照らして、調査結果に基づいて判断をしていく、そのことを尊重していくというのが原則であります。そうした判断の中で、上場廃止基準等に照らして著しく問題があるとするならば、これは証取法の規定に基づいて私ども監督者として適切な対応が求められているわけでありますけれども、そうでない場合については東証の判断というものが尊重されるということでございます。 今回の個別の問題から離れて一般論として申し上げれば、一般株主に対する影響、売買の機会に及ぼす影響というものがあるのではないか、善意の株主に対する影響というものを考えるべきではないか、こういう議論があることは承知いたしております。また、産業再生の観点からしますと、事業再生のプロセスの中で新しい経営陣が旧経営陣の不正というものを正す、その結果、上場廃止ということになるとするならば、不正というものを隠ぺいする、そういう誘因になるんではないか、こうした指摘がなされている一方で、しかし、経営者がかわれば過去の不正というものが許されることになるのか、市場規律の観点からその点については問題があるんではないか、こういう議論もなされているところでございます。 東証の上場廃止基準というのは、一九七〇年代、昭和四十年中盤に規定されたものでございますので、こうした現在の企業をめぐる環境、あるいは企業再生をめぐる多様な取り組み、そうした環境の変化に十分対応したものであるかどうか、私どもとしても、東証からそのことに対する認識あるいは今後の取り組みについての考え方をお伺いしたいということで報告の徴求をさせていただいているところでございますし、その報告を受けて、東証を初めとした市場開設者とこうした点について議論を深めていきたいというふうに思っております。
○馬淵委員 それが、先ほどもお答えにありました、一カ月後の報告を待つということだということでありますが、実は、今大臣から一般的な議論ということでの御見解をいただきましたが、今回の東証の判断というのは極めて重要な判断であった、市場の公正さあるいは活性化というためには適切な判断ではなかったかというふうに私自身は個人的には思っております。 それはなぜかといいますと、やはりこれからの企業の形というのは、それこそ市場に対して出入りが非常に自由な、いわゆる公正でかつ開かれた市場であるべきである。企業が必ずしも上場というものにこだわらなくても、それこそゴーイングプライベートという方法もあります。上場が廃止になればなったで、今度はそれを再上場させるという道も開かれている。その意味では、市場の整備というものが非常に重要であるとは思っていますが、むしろ上場廃止がかつてのいわゆる死刑宣告のように伝えられていた時代とは違って、企業のあり方そのものの多様性が今まさに広がりつつある状況ではないかというふうに感じています。 そして、お出しいただきました現在の証券取引所等の概要等を見ますと、現在、東京、大阪、名古屋、福岡、札幌、そしてジャスダック、こうした上場のいわゆる証券取引所があり、それ以外には未上場のグリーンシートといった、これは取扱有価証券ですか、未上場の株であるけれどもこうしたものが自由に取引できるような形にしていこうという整備が行われている。そのグリーンシートの中には、これも上場廃止となった企業、これがフェニックスという分類で設けられており、そこにはかつて株主数が足りなくなったりして上場廃止になった企業が再上場ということを目指して、また、未上場となった株の取引というような形で、そうした市場が今日それなりに動き出したという状況であると私も理解をしています。 さて、ゴーイングプライベートも十分にあり得る、そして上場廃止そのものが死刑宣告でも何でもない、そうした市場環境をつくっていくんだということにおいて、ならば金融庁自身が、先ほどのお話では東証が市場設置者としてそれぞれ自主規制でやっているんだといいながらも、私は、ある一定のルール、ある一定の方向感で金融行政当局が市場はどういう形でつくっていこうかというものが、いわゆるグランドデザイン、あるべき姿というものが求められていくのではないかと思うんですが、それに対して、伊藤大臣、どういったお考えをお持ちなんでしょうか。そして、先ほど私が申し上げた、本当に市場に出入り自由な、ルールは厳格にしていく、しかし出入りは自由にしてそのハードルを低くしていくといった、欧米、アメリカ型といいますか、そうした市場の整備という方向についてはどのようにお考えでしょうか。大臣の御見解をお聞かせください。
○伊藤国務大臣 お答えをさせていただきたいと思います。 今委員からはさまざまな御指摘がございましたし、その中でやはり大変重要なことは、市場に対する信頼というものを確保しつつ、市場に対する魅力というものを向上させていくことが大変重要なことだというふうに考えております。 その中で、自主規制機関であります取引所につきましては国際的にもさまざまな議論がなされているところであります。取引所が株式組織というものを選択していく、あるいは上場していく、これが国際的な大きな流れになっているわけでありますけれども、そうした中で公共性というものを追求していくことが極めて重要でありますし、一方で市場の魅力というものを向上させていくためにも経営の効率ということを高めていくことも重要なことであります。 こうした中で、今、金融審議会におきましても、投資サービス法の議論に関係をして自主規制機関のあり方についてさまざまな観点から御議論をいただいているところでございますので、グランドデザインという御指摘がございましたが、こうした金融審議会の議論、そして国会の議論というものを注視しながら今後の自主規制機関のあり方について検討を進めていきたい、そして、金融改革プログラムに示されている諸施策というものを展開しながら日本の金融資本市場の魅力というものを向上させていきたいというふうに思っております。
○馬淵委員 ぜひ、私は、市場が本当に自由濶達な、出入り自由な、公正な市場というものを整備していくべきだと強く念じております。 そこで、今そういう強い決意を御披瀝いただいたわけでありますが、一方、翻りますと、カネボウの上場廃止に対しては、東証はそういった判断をしたわけでありますが、再生機構側は、上場廃止に対して支援の前提に影響を与えるものでない、その足元の数値、債務超過の数値は変わったわけではない、新経営陣が旧経営陣の粉飾を明らかにして、過年度分が赤字だったということを明らかにしただけであって、これは今の状況を悪化した話じゃないんだと。そして、適切な情報を開示すること、こういったことが再建の歯どめというか決してとどめるようなことにならないように、こうしたことを行ったとしても上場は維持されるべきであるといった見解を、意見書を、四月の十三日、決算の訂正発表と同時に発出されています。 こうした再生機構の意見に対して、これはある意味で公的な資金も流れ込んでいる側でありますから、今大臣は、これは東証は東証の判断だったんだと、一方、政府とは言いませんが、その意向を受けた再生機構側のこうした意見に対して大臣はどのようにお考えでしょうか。と申しますのは、こうした形で一方で特例というものを考えていけばいいのではないか、既に再生機構によって支援されるものについては幾つかの特例が設けられていますが、特例という形でルールがまた変えられていくということは極めて問題があるのではないか。すべてルールをつくっていっても、何か事があれば特例特例といって変えてしまうことの方が問題があるのではないかというふうに私自身は考えておりますが、大臣、再生機構のこうした意見、見解について、個別だから答えにくいのであれば、一般的な見解として、これについて御所見をお伺いできますでしょうか。
○伊藤国務大臣 一般的な見解としてお答えをさせていただきたいというふうに思いますが、産業再生機構は、事業再生、産業再生を行うことを目的といたしているところでございますので、法令に基づいて今回の意見表明がなされたものだというふうに思っております。 私どもは取引所に対する監督者として、今回の判断が取引所の定める自主規制規則に基づいて適切になされているかどうか、それが法令上著しく問題があるとするならば、これは監督上の対応をしていかなければいけないわけでありますけれども、取引所がみずからの聴取等の調査に基づいて、そして上場廃止基準に照らして判断がなされてきた、そのことを私どもとして基本的に尊重していくということが原則であるというふうに考えております。
○馬淵委員 今は非常に重要な御所見を述べていただけたというふうに思います。 先ほど、繰り返しになりますが、特例というものが設けられていくということは、結局はいびつな市場になってしまう、いびつな形になってしまうことになります。やはりルールというものは、ある一定の根本規範に基づいて、根本理念に基づいて形づくられ、その中で自己責任、自主的な責任によって企業が出退場を行う。そして、企業のあり方は上場がすべてではない、ゴーイングプライベート、さまざまな形態があるということ、こういったことを市場の中で関係者が、皆さんが御理解いただけるような市場の公正な育成というものにぜひ邁進をしていただきたいということを最後に申し上げて、私の質問とさせていただきます。 どうもありがとうございました。
○金田委員長 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。 まず、財務大臣に基本的な姿勢を確認しておきたいと思います。 さきの財務金融委員会で、私の質問に対して大臣が、税の徴収に当たっては納税者の実情に応じて、よくお話を聞いて分割納税など親切に対応することが必要だ、そういう趣旨の御答弁がありました。この点は私は大変重要だというふうに思っております。 二〇〇一年の六月一日に、滞納整理における留意事項という国税庁の通知というものが出されておりまして、その中で、その権限の行使は滞納者の生活、事業等に重大な影響を及ぼすものであるから、滞納処分に当たっては、納税者の事情等を考慮し応接中の言動や行動には十分配慮をするというようなことが出されております。 この点について、大臣の基本的な認識、もう一度確認をしておきたいと思います。
○谷垣国務大臣 今、佐々木委員がおっしゃいましたように、具体的な徴税に当たっては、納税者の実情等よく話をしながら進めていくということは、当然そうあるべきことだ。恐らく、指示と申しますか通達といいますか、そういうものが出ていると思いますが、そうあるべきことだと思っております。
○佐々木(憲)委員 きょうの質疑の前提として、先日付小切手というものについて確認をしておきたいと思います。 先日付小切手というのは、実際に小切手を振り出した日よりも先の日を振出日として記載した小切手であります。振り出しのときには支払い金額がないけれども、将来のある時点以降には入金の見込みがある、そういう場合に、その日以降を振出日として記載しておいて、記載した払い出し日に支払い呈示させることをねらったものだというふうに言えると思うんです。 しかし、小切手というものは現金の支払いにかわる機能を果たすものであって、必ず一覧払いのものとされている。これは小切手法で決められております。小切手法では、先日付であっても直ちに支払いのための呈示をすることができ、呈示の日に支払うべきものと定められております。これが先日付小切手の基本的な仕組みだと思いますが、それを確認しておきたいと思います。
○村上政府参考人 今、先日付小切手の定義についてお尋ねでございましたが、これは小切手法第二十八条第二項に記載がございます。お読みいたしますが、「振出ノ日附トシテ記載シタル日ヨリ前ニ支払ノ為呈示シタル小切手ハ呈示ノ日ニ於テ之ヲ支払フベキモノトス」、こう記載されております。
○佐々木(憲)委員 したがって、この小切手は約束手形とは違うものであります。先日付というのは、あってなきものでありますね、実際上は。 だから、トラブルが続出しておりまして、ある人は、十日先に資金繰りがつきますということで、そういう理由で十日先の日付の小切手を渡した。ところが、相手が約束に反して、渡した次の日にこの小切手を銀行へ取り立てに回した。そのため、残高不足で不渡りになった。これが致命傷になって会社が倒産したという事例は、枚挙にいとまがないわけであります。 したがって、専門家に言わせると、先日付小切手は危険なものです、不渡りの可能性があるので振り出してはだめですということを言っております。どうしても振り出さざるを得ない場合には、約束を文書で残しなさいと。なぜそうするかというと、損害賠償の請求をする際にそれが大事だから、こういうふうに言われているんです。 わかりやすく言うとそういう性格のものだということでありますが、そういうものだということを再度確認していただけますか。
○村上政府参考人 銀行に呈示した日に現金化されるわけでありますから、そのときに銀行預金がなければ不渡りになる、そういう危険があるということは事実だと思います。
○佐々木(憲)委員 ところが、問題なのは、こういう危険な先日付小切手を税務署が納税者に強制的に提出させているという事例があります。 これは八王子税務署の事例ですけれども、ある中小業者が国税の分割納税について税務署に相談に行った際、徴税担当の職員から、売掛金を差し押さえるか、さもなくば当座預金があるなら先日付小切手を差し出すようにと言われた。この人は、もうその小切手を切らなければあすにでも売掛金を差し押さえられると思って、小切手を渡し、この半年の間にいろいろ対策を考えたいと思いましたということで、先日付小切手を渡した。税務署に言われれば断れないわけですよ、売掛金を差し押さえられたら倒産しますから。ですから、仕方なく六枚の先日付小切手を切って委託した。しかし、額面どおりの返済は難しいということで返済を求めまして、何度か交渉した結果、ようやく徴収官の上司に当たる統括官が出てきて、謝罪し、先日付小切手を本人に返した、そして改めて返済計画について相談に応ずるということになったというわけです。 そこでお聞きしますが、八王子税務署が謝罪したというその理由は何でしょうか。
○村上政府参考人 ちょっと時間をおかりして、なぜ先日付小切手をとるかということについて御説明したいと思いますが、通常、滞納があった場合には、督促状を発付して十日以内に納付がないときは滞納整理に移行することができます。しかし、先ほど大臣からも御答弁いただきましたように、やはり納税者の実情に即した事務運営を行っておりますので、一挙に滞納整理に移行するのではなくて、いろいろ納付相談に応じているのが実情であります。分割納付とか。その場合に、納付の委託というのが国税通則法にございます。その場合の要件が、そういうので受け取れる証券が最近において確実に取り立てるべきことができ得るものと認められるときに限りその委託を受けることができるという国税通則法の規定がございます。そういうのを満たすものとして、約束手形とか先日付小切手で、かつそれが十分に支払い可能な有価証券であるということで運用させていただいておるわけです。 なお、国税の場合は、先日付小切手でありますが、実際に支払い期日は振出日と同じにいたしております。したがって、事前に何か資金繰りが苦しくなった場合には、銀行からその小切手を取り戻しまして、納税者にお返しして、再度納付計画を立て直す、そういう形でやらせていただいているところでございます。 なお、今、八王子税務署のお話がございましたが、本件につきましては個別の事案でございますので御説明することはちょっと困難でありますが、そういうものでございますから、少なくとも強制してそういう小切手を振り出させることはございません。
○佐々木(憲)委員 強制的にそういうものを提出させることはないと言いますが、売掛金を差し押さえるかそれとも先日付小切手を出すかということになれば、それは選択の余地はないじゃないですか。強制になるのじゃないですか。
○村上政府参考人 お答えいたします。 今御説明したのは、売掛金の差し押さえというのはあくまで差し押さえでございますから、今の先日付小切手というのは差し押さえの前段階、差し押さえまでに至らない前段階として、いわゆる納付相談の一環として行っているものでございます。したがいまして、若干、時系列的にも実際に行う行為としては違ってくるのが通常であろうと思います。
○佐々木(憲)委員 現実に行われているのは、売掛金の差し押さえをするかそれとも先日付小切手を提出するか、どちらかを選択しなさいと言っているわけです。順番の問題はいろいろ言われましたけれども、それは通常の順番と違うんですよ。要するに事実上の強制じゃないのですか。
○村上政府参考人 お答えをいたします。 滞納者の実情に即した滞納整理を行うということでありますが、滞納者によってもちろんいろいろ状況は違ってまいります。例えば現実に差し押さえしようにも差し押さえすべき財産がないといったケースももちろんございます。したがって、確かにおっしゃるとおり、必ずしも時系列的に、先にこれをやって次にこれをやるということはないかもしれませんが、いずれにしても、そういうオール・オア・ナッシングのような、今のお話のようなことではなくて、いろいろ納税者の実情を見て処理しているということであります。
○佐々木(憲)委員 実情を見て処理していないのですよ。これは事実上強制しているわけですよ。 では、八王子税務署は何で謝罪したのですか。謝罪したわけですから、何で謝罪したのですか。
○村上政府参考人 守秘義務がございますので、個別のことについてなかなかお答えできないのでありますが、必ずしも事務運営がまずくて謝罪したのではないと聞いておりますが。
○佐々木(憲)委員 では、何のために謝罪したのですか。
○村上政府参考人 その場に私がいるわけではありませんし、私が受けている報告では、そういう事務運営のミスがあったとは聞いておりません。
○佐々木(憲)委員 何のミスがあったので謝罪したのですか。
○村上政府参考人 どういう会話がなされたかというのはよくわかりませんが、少なくとも事務運営上のミスがないということで、その場合の言葉遣いが若干ということもあるかもしれませんが、そういうところまではちょっと報告を受けておりませんので、正直のところわかりません。
○佐々木(憲)委員 そんな答えはだめだよ。 現実に謝罪をした、その理由というのは、危険なそういう小切手を事実上強要した、だから謝罪したのじゃないのですか。事実上強要しているのですよ。しかも説明なしに。こういうものはこういう性格のものですから危険ですよ、そういう説明なしに、出せと、事実上そういうことをやったから謝罪したのじゃないのですか。
○村上政府参考人 大変申しわけないのですけれども、一般論でお答えせざるを得ないのですが、小切手を出していただいたときには、支払い繰りがつく、そういうお話であればその小切手を受けております。しかし、その後に資金繰りが悪化して、到底それはもう納付ができないということであれば、その小切手を銀行から取り戻して納税者にお返しをいたしております。
○佐々木(憲)委員 八王子税務署ではほかにそういう事例はありませんか。では、ほかの税務署ではありませんか。
○村上政府参考人 お答えいたします。 今申しましたように、先日付小切手をお預かりして、その後、やはり資金繰りが悪化して取り立てができないということで、銀行から取り戻してお返ししているケースはございます。ちょっと件数までは把握しておりませんが。
○佐々木(憲)委員 先日付小切手を強要して提出させた事例はないかと聞いているのです。
○村上政府参考人 先ほども申し上げましたように、先日付小切手は納税者が自発的に出していただくものだと思いますので、そういう事例は特に報告を受けておりません。
○佐々木(憲)委員 それはでたらめだよ。八王子税務署に担保や先日付小切手を委託するということを強要された例、私は五件ほど知っております。それだけではない。岐阜北税務署、神奈川県の緑税務署、全国でこういうことが発生している。国税庁が全国の税務署に、こういう先日付小切手を出すようにということを強制するように指示しているとしか思えない。そういう指示はしていないのですか。
○村上政府参考人 先ほども御説明申し上げましたように、国税通則法五十五条、納付の委託として受け取るべき有価証券としてそういう先日付小切手があるということは事実でありますので、そういうのも選択肢の一つとして受け取ることについては、事務運営上いたしておるところでございます。
○佐々木(憲)委員 私が聞いているのはそういうことじゃないんです。納税者が自発的に先日付小切手を出しますよというのを受け取るのは、それはあり得るでしょう。しかし、選択の余地なく、売掛金を差し押さえるか、あるいはほかの理由を持ってきて、先日付小切手を出さざるを得ないようにさせている。強要してはならないと。実際に強要しているわけです。そういう事例を聞いているわけです。 それでは、強要してはならないということは確認できますか。強要している事実があったとしたら、それは間違った事実である、そういうやり方は間違っている、それは確認できますか。
○村上政府参考人 お答えいたします。 基本的に我々、滞納整理を進めていかなきゃならないという使命を負っているものですから、その職務について懈怠するわけにいきませんが、しかし、その過程において、納税者の実情に十分配慮した事務運営をやれという指示はいたしております。 したがって、納税者と十分相談して、一体何が一番いいのか、強権的に何でもかんでも滞納整理するということではなくてやらせていただいているつもりでありますし、今後ともその方針には変わりないところであります。
○佐々木(憲)委員 私の質問に対して答えていないんですよね。強要しないということをおっしゃいました。強要している事実があれば、それは間違ったやり方ですということでよろしいですね。
○村上政府参考人 強要という言葉の定義がよくわからないのでありますが、いろいろ納税者と相談して納付計画を出していただくわけでありますが、やはり全く何にも裏づけがないということでも困りますので、それはそれに応じて出していただけるかと。しかし、小切手を出していただくというのは、強要できるかどうかは、そもそもその方が小切手を扱っておられるかということもあるわけです、零細な事業者の場合は。したがって、強要するということについてちょっと意味がわかりませんが、そういうことを行っているつもりはございませんし、今後ともそのつもりはありません。
○佐々木(憲)委員 実際に当座預金を持っていなければ、それはできないですよ。当座預金を持っている、そういう相手に対して、先日付小切手を出しなさいと、ほぼ選択の余地なく迫っているわけです。そういう事例を聞いているんです。もしそういう事例があったら、強要してはならないと言っているわけですから、それは国税庁の方針に反したことをやっているということになる。 それならば、国税庁は、先日付小切手を提出するように強制しないということを徹底する、それから、本人が返済に非常に困難な事態になっている、したがって一度出したけれども返してもらいたいと言ったら返す、少なくともこのことはやるべきだと思いますが、いかがですか。
○村上政府参考人 お答えいたします。 先ほども申し上げましたが、先日付小切手をいただいたときには、国税庁は受託証書を出しております。受託証書、紙ですが。その中に、振出日を引きかえ期日とする、そう明確に記載しております。ということは、事前には取り立てをしないということであります。法律上はできるわけですけれども、そういう事務運営をやっております。 さらに、実際、一カ月後とか二カ月後になるわけでございましょうから、その間に滞納者の方の資金繰りが悪化して、要するに支払いができない場合には、ちゃんとその銀行から取り戻して納税者に再度お返しして、新たな納付計画に組みかえすべくやっているところでございます。
○佐々木(憲)委員 これは、支払い期日を先日付以降でなければ執行しないというふうにおっしゃいましたけれども、受託証書というのを出すでしょう。受託証書に何が書いてあるんですか。「直ちに徴収しなければならない事情が生じたときは、この納付の受託を取り消すことがあります。」と。だから、これは預かったって、その日以降というふうにはならないんですよ。いわば税務署の裁量で直ちにこれを徴収するんだということになれば、これは強行することになるじゃないですか。 したがって、こういう先日付小切手というようなものを提出させること自体が問題だと私は思う。約束手形ならまた別だ。しかし、こういうものを提出させるという方針自体を私は撤回すべきだと。全国に、納税の裏づけとして先日付小切手の提供を求めるということを事実上指示しているんじゃないですか。 お配りした資料を見ていただければわかりますけれども、例えば名古屋国税局が、十四年八月二日に全管税務署長会議というものを開いた。そのときに配付した資料の中に、「先日付小切手の提供を求める。」と書いてあるんです。 ですから、求めると書いていることは、事実上、強要するということなんだ。強要ではない自発的だと言っていながら、実際にはあちこちで強要している。絶対に強要しないということを約束してください。
○村上政府参考人 お答えいたします。 先ほども申し上げましたが、国税通則法五十五条の納付の委託というのは、その前段階に、「国税の納付に使用することができる証券」とございます。それは現金と同等のもの、銀行の普通の小切手、その金額は三百万以下なんですが、それ以上の場合は銀行の支払い保証のあるものと書かれております。それ以外であって、確実に取り立てられる証券という記載で、その証券の中身までは法律は書いていないのでありますが、それに相当するものとして、約束手形なり先日付小切手があるわけでございますから、そういうものがある以上、そういうことを使用してもいいということを禁止することはいけないと……(佐々木(憲)委員「強要するかどうかを聞いているんです」と呼ぶ)だから、強要するような事務運営はいたしておりません。
○佐々木(憲)委員 いたしていないと言ったって、実際に被害を受けている人がたくさんいるんだから。しないと言うのなら、それを徹底すると約束してください。
○村上政府参考人 最初に大臣が御答弁されましたように、我々は、もちろん滞納整理を行わせるのは国税庁の使命でございますが、その過程において、納税者の実情に十分配慮した事務運営を行うと申し上げているとおりでありまして、今後ともその方針には変わりございません。
○佐々木(憲)委員 以上で終わります。
○金田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時五十七分散会