財務金融委員会 第21号
- 発言数
- 200 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2005/04/26
会議録
○金田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、証券取引法の一部を改正する法律案及び原口一博君外四名提出、証券取引委員会設置法案の両案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 両案審査のため、本日、政府参考人として金融庁総務企画局長増井喜一郎君、内閣府産業再生機構担当室長藤岡文七君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○金田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹本直一君。
○竹本委員 お世話さまでございます。 証取法の一部改正案につきまして質問させていただきますが、時間も余りありませんので、日ごろこの問題について私が考えておりますことを述べさせていただきまして、大臣初め関係者の方から答弁をいただきたいと思います。 まず最初に、今回の法律案に盛り込まれましたTOB制度、公開買い付け制度の適用範囲の見直しでございますけれども、ライブドアによるニッポン放送株の買収が世間の注目を浴びまして、多くの問題を提起したところでございます。なるほど、そういう方法もあったのかと改めて勉強させられたところもございます。これに対応いたしまして政府が提案いたしました本法律案の内容は妥当なものと考えておりますけれども、その上で、今回の一連の動きの中で問われた根本問題は、要は会社とは何かということであったのではないかと思うわけであります。 近代の会計制度は、我々が三十年ぐらい前に習いましたところでは、所有と経営の分離ということを商法の講義でよく教わったのをいまだに覚えておりますけれども、株主と経営者、それぞれの役割が適切に果たされる中で株式会社というものが社会において有効な働きをしていく、こういうことを前提にしておるんだと思います。しかしながら、ライブドアの事案の問題を見ておりますと、所有と経営のうち所有の側面のみ、つまり株主の側面が大きく力を発揮したといいますか顔をあらわしている、果たしてそれでみんなが納得するか、こういうことを私は非常に危惧するわけであります。 企業の価値を決めるのは何なのかということでございますけれども、ちょっと昔の話ですけれども、クリントン政権の初代の労働長官をやりましたロバート・ライシュ、彼が、所有と支配の拡散と日本語で翻訳されておるようでございますけれども、そういう本の中で、企業の価値は企業における問題の解決者、問題の発見者、戦略的媒介者が決めると言っております。つまり、そういうところに企業の価値の判断基準が移っていくのだ、こういうことを言っているわけでございます。 今回のライブドアの問題にいたしますと、ライブドアが仮にニッポン放送の株を持ったとしても、その一番の価値の一つでありますポニーキャニオンの出演者が、ホリエモンが来たら我々は出演しないと言っておりましたけれども、一つの考え方として、もし彼ら、演出者、タレント等が団結してフジテレビの制作に移ってしまえば、ポニーキャニオンは完全無価値になるわけです。そうしますと、その株を持っておっても何の働きもしない、価値も生み出さない、こういうことでございますから、つまりキーマンが企業の価値を高めていく部分が非常に多いのではないかというふうに思うわけであります。 そういうことでございますので、株主最優先という考え方だけでは企業価値が向上するわけではないということを私は申し上げたい。企業の価値を高め、真に株主の利益を追求することがやはり必要だろうというふうに思いますので、これからいろいろな、要するに所有者である株主、あるいは経営者である管理者あるいは企業の本当の価値を決める人たち、例えば、関西流でいえば、松竹新喜劇は藤山寛美がおったから松竹新喜劇は価値があったわけです。だから、寛美がいなくなればなかなか価値が生み出せない、こういうことでございますので、そういうわかりやすい話をしまして、企業価値ということに対して、我々は、政治の立場においても行政の立場においても、この問題をどこに置くのが一番正しい、一般の理解を得られる方法であるかということをよく考えていかなきゃいけないというふうに思っておるわけでございます。 次に、昨年秋以降、西武鉄道を初めといたしまして、有価証券報告書の訂正問題が発生いたしました。これもまたいろいろ話題になった件でございますけれども、要は、有価証券報告書は、投資家がその投資判断に当たりまして頼りともすべき重要な書類でございます。その正確性が最も強く要求されるものであります。そこにもし虚偽の記載、うそがあったとなりますと、証券市場に対する大変な挑戦であり、社会全体の信頼の構造が揺らぐわけであります。 そういう意味におきまして、西武、コクドの問題をめぐりましては、非開示会社である、上場会社の親会社に係る情報開示の問題が今回問題になりまして、今回の法律案においてその対応がとられております。その概要について、まず金融庁に伺いたいというふうに思います。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘の、上場会社に親会社が存在する場合、親会社が非上場会社であった場合の情報開示の問題でございます。 親会社の株主、役員、財務の状況などは、当該上場会社のコーポレートガバナンスの状況に大きな影響を及ぼし得るというふうに考えられます。したがいまして、投資家が子会社たる上場会社に関して投資判断を行うに当たって、これらの情報が開示されることが必要であるというふうに考えているわけでございます。現行制度では、子会社の有価証券報告書等において、当該子会社とその親会社との間の人的関係、投資関係等に関する一定程度の情報は開示はされておりますけれども、当該親会社自身に関する情報の開示は限られたものになっております。 こういったことから、今回の改正案では、上場会社の親会社が有価証券報告書提出会社でない場合、親会社自身に関する情報、まず株式の所有者別状況及び大株主の状況、さらに役員の状況、また商法に基づきます貸借対照表、損益計算書、営業報告書及び附属明細書について、開示を親会社に義務づけることといたしたところでございます。
○竹本委員 こういった一連の有価証券報告書等に関する訂正問題というのは、ディスクロージャー規制違反に対するペナルティーをどうするかという問題をも提起いたしております。その中で、継続開示義務違反に対する課徴金制度のあり方について指摘をいたしたいと思っております。 御承知のように、昨年の証取法改正で、株、社債等の新規発行時のいわゆる発行開示義務違反、それからインサイダー取引などの不公正取引に対する課徴金制度が導入されまして、今月から施行されておるわけでございます。しかしながら、有価証券報告書などの継続開示書類に関する虚偽記載については課徴金が導入されておりません。 調べましたところ、海外の主要国、例えばアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、それから韓国におきましても、こういった継続開示義務について、違反があればそれに対して課徴金を科す制度になっております。ところが、我が国においてはそういう制度はとられておりません。 この点について、なぜそうなっておるのか、大臣の所見を聞きたいと思います。
○伊藤国務大臣 お答えをさせていただきます。 今、委員から御指摘がございましたように、ディスクロージャー制度の適正性というものを確保していくためには、違反行為に対する適切な抑止が必要でございます。また、海外の主要国におきましても、発行開示義務違反に対する課徴金が存在しているにもかかわらず継続開示義務違反に対する課徴金が存在していないといった例はないものと承知をいたしているところでございます。 こうしたことから、金融庁といたしましても、これまで継続開示書類の虚偽記載に対する課徴金制度の導入に向けて法制面の詰めの作業を行ってきたところでありますが、しかしながら、現行の証券取引法の体系のもとで、継続開示義務違反に対する課徴金制度を導入するためには、課徴金制度の導入の基礎となる、違反行為により得られる経済的利得の内容及び算定方法、課徴金と刑罰規定との関係など、引き続き慎重に検討すべき課題が少なくないことから、今国会に提出した証券取引法改正案では、継続開示書類の虚偽記載に対する課徴金制度の導入を盛り込むことには至らなかったということでございます。
○竹本委員 今の大臣の御答弁は、要は、行政罰である課徴金と、刑罰である罰金等のいわゆる刑事罰、その相関関係をどうするか。二重処罰の禁止という憲法上の要請もございます。そういったことを考慮して、結論に至らなかった、詰めを最後までする時間がなかったということなのかとは思いますけれども、いずれにいたしましても、こういった穴があるということは、証券市場として大きな欠点だろうというふうに私は思います。 課徴金制度に対する抜本的な検討は、今後政府において責任を持って行っていただく必要があると考えますが、有価証券報告書において西武鉄道等の問題が発生する現時点において、抜本的な検討が終わるまで穴を放置しておくといったことは、政治としては許されることではないというふうに考えております。どうか、早急な検討をしていただきたいというふうに思います。 次に、時間がありませんので急ぎますが、民主党から提案のございました証券取引委員会設置法案について触れたいと思います。 市場監視機能の強化については、さまざまな議論があることは承知いたしております。近年、金融サービスの分野におきまして、貸付債権の証券化など、銀行や証券の垣根を超えた金融商品の一体化という流れが急速に進んでおります。また、海外の動向を見ましても、英国、ドイツ等におきまして、銀行、証券、保険の統合の動きに合わせた制度整備が進展いたしております。これらを踏まえますと、我が国においても、業態横断的な視点に立った行政を確保することが必要であるというふうに考えます。 民主党は、過去二回にわたりまして、十三年と十六年だったと思いますけれども、この関連の法案を提出されまして廃案となっております。証券取引委員会設置法案を再び今国会に提出されましたけれども、金融をめぐる環境の変化等を踏まえますと、証券行政部門を銀行、保険行政部門から切り離すことは、時代の流れに逆行するのではないかと私は考えております。 特に、民主党は、先般本委員会で採決された保険業法等の一部を改正する法律案に反対されましたけれども、その第一の理由は、金融サービス全般にわたる横断的な金融サービス法を整備すべきとの御主張であったと理解いたしております。今般の民主党の法案は、証券分野のみを分離独立させる内容となっておりますが、これと矛盾するのではないかと考えるわけでございます。 いずれにしましても、政府におかれては、今後とも証券市場の信頼性を確保する観点から、ディスクロージャー制度の充実に努力していただきたいと思っておるわけでございます。いわゆる金融商品、いろいろなものがございますけれども、全体に対して対処している法律の動き、そういう中で証券だけを別にやりますと、ほかとのバランスを欠くのではないか、また世界の動きとの関連においてそのように考えておるわけでございます。 いずれにいたしましても、もう時間がありませんので私の質問を終わらせていただきたいと思いますけれども、証券市場の信頼性というのは、他の金融商品等の信頼性の確保、そしてまた、そういった動きとの関連の中で位置づけられなければならないわけでございます。 例えば商品先物取引等においても、昨年法改正が行われましてこの四月から実施されておりますけれども、一つは、クリアリングハウスに預かった資金を、はっきりと皆さんに、これだけ預かっていますということを提示しておりますし、また、取引の相手方は真に信頼できる相手だということを確認してから取引するということになりまして、市場も非常に公明正大といいますか、明るくなってまいりました。 先物取引においてはそういうことでございますけれども、こういった証券あるいはそのほかのものの取引におきましても同じようなものが要求されるのは当然でございます。全般的な、いろいろな金融商品を総合的に対処する対策が必要だというふうに考えるわけでございます。 時間がほぼ参りましたので、これで私の質問は終わらせていただきます。 以上です。
○金田委員長 次に、岩國哲人君。
○岩國委員 民主党を代表して質問をさせていただきます岩國哲人でございます。 ただいま、竹本委員から、民主党提案の証券取引委員会設置法案について御質問がありました。御質問に対する答弁が伊藤大臣の方からありませんでしたから、私がかわってそのことについて答弁しなきゃならない。それが竹本委員の御質問の趣旨であろうと思いますから、私はそれを軽視することなく、無視することなく、まじめにお答えしたいと思います。 我が国において、証券取引等監視委員会は八条委員会、七条委員会でもなく八条委員会で行われてきておるところに問題があるわけです。これを、八条を、七条とか六条ではなくて三条に一挙に持っていくことによって独立性と権限をより多く持たせる、私は、これが今、証券市場に対する不信感の払拭には最も必要なことではないかと思うことがまず一つ。 二番目に、三条委員会に独立性、権限を持たせることによって、行政改革の観点からも、決して規模を新設するということではなくて、そうした証券市場の不正とかあるいは汚職あるいは不信感から出てくる経済の停滞、こういう負の面、証券市場からプラスの活力が出てこなければならないところが、結局は、いろいろな有価証券の虚偽記載とかそういうことに対する不信感から、我が国の株式市場が、総理大臣あるいは竹中大臣がファンダメンタルズは上がっていると言いながら、依然として上がっていかないのは、こういう負の遺産を引きずり続けていることにあると私は思います。したがって、この証券取引委員会を新設するためのコストに比べれば、それをはるかに上回るメリットが返ってくる、それがまた経済の活性化、税収の増加にはね返ってくるということを考えれば、当然こういうことは避けて通れない道であると私は思います。 竹本委員が横断的な考え方も必要と、確かにそれも無視するわけにいきませんけれども、横断的、横断的といって、表面的、上滑りな調査しかなされてこなかったというのが、我が国のこういう証券市場の不正事件の検査の実態であります。私も先ほど申し上げました、前回の委員会でも申し上げましたように、今の証券不正に対する調査、捜査、そういったことについて必要なのは、欠けているのは、深く掘ること、早く掘ること、鋭く、鋭さと深さと早さ、この三つのキーワードは完全に日本の証券取引等監視委員会には欠落している。それを備えることが必要だというのが民主党提案の趣旨であるということを、まず御理解いただきたいと思います。 我が党の質問に入ります。 伊藤大臣、この証券取引法改正について、いろいろな角度から御自分も関心を持たれて検討されたと思います。この証取法改正で、最近のライブドアあるいはフジテレビ、こういったことも含め、こういう内外の経営権あるいは会社の所有権をめぐる争いについては一応体制はできた、そのように自負していらっしゃるかどうか、まずそれをお伺いしたいと思います。
○伊藤国務大臣 お答えをさせていただきます。 私どもといたしましては、今回の証取法の改正案の御審議に当たりまして、今日まで、現行法では立ち会い外取引というものはTOBの規制の対象となっていない、これが原則でありました。しかし、その使われ方いかんによっては相対取引と類似した形態になってしまう。これを放置いたしますと、TOBの本来の趣旨というものが、株主に公平に平等に売却の機会を与える、こうした制度でありますので、その制度の趣旨そのものが形骸化しかねない。したがって、相対と類似した取引につきましてもTOB規制の対象とできるように今回の法案を提出させていただいたところでございます。 また、商法との関係につきましては、今会社法の現代化についても国会で御審議がなされているところでございますが、証取法とその商法、これは両方とも大変それぞれに重要な法律でありますし、それぞれが相互に機能し合って、そしてそれぞれの目的というものが達成されるわけでありますので、私どもとしても、商法を所管する法務省とも十分連携をとりながら、投資家の保護、そして株主の権利の保護に資するように制度設計に努めていきたいというふうに考えているところでございます。 〔委員長退席、遠藤(利)委員長代理着席〕
○岩國委員 ただいま伊藤大臣から御答弁いただきましたけれども、当面考えられるあらゆるケースを想定し、かつ、六十年ぶりの大改正と言われる会社法の改正とも十分にすり合わせを済ませてこの証取法改正案を上程されたということであります。 その一つ一つを検証させていただきたいと思います。 まず、こうした内外の壁がなくなっている状況の中で、今後、日本の会社を標的として、伊藤大臣自身がある会社の支配権をとりたい、経営権を取得したいと思う場合に、どういう方法がありますか。五つの方法を御説明ください。一つでも二つでも結構です。
○伊藤国務大臣 会社の支配権を確保するということでございますと、これは株を取得するということでございますので、そのTOBを行うということが一つであろうというふうに思います。
○岩國委員 それ以外、二番目、三番目、四番目、五番目の方法としてはどういうものが想定されて、この証取法改正というのはつくられておるのか、お答えください。——御答弁、ちょっと難しいようですけれども。 この、取引所の中で株式を取得する、こういう十九世紀から続いているような方法だけが今でも経営権支配、取得の唯一の方法だと考えられてこれはつくられているのか。それ以外に、この方法、この方法、この方法、全部想定し、会社法とのすり合わせも済ましてございますという、その五つのメニューをちゃんと示してください。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。的確にお答えできるかどうかわかりませんですが。 MアンドAといいますか、企業の買収あるいは合併というやり方、いろいろなやり方があると思います、合併あるいは株式を交換するやり方、あるいは今よく言われます三角合併というのもそうかもしれません。さらには、新株の引き受けだとか、あるいは営業譲渡のやり方というのもあるかもしれません。さらに、TOBというのは今大臣がお答えを申し上げましたが、最近では、直接ということではございませんが、いわゆる委任状合戦というやり方で、取締役をある意味でかえるという形で支配をするというやり方もあるというふうに考えられます。
○岩國委員 今おっしゃった、委任状、プロクシーファイトに対する手当てというのは、この証取法改正の中で行われておるのか、それは会社法の中で行われておるのか、それも関連してお答えいただきたいと思います。 しかし、自分が日本の会社を、一カ月以内にこの会社の経営権を支配したいと思うときには、株式を取得する、これはもう十九世紀のころに大体考えられていることです。二十世紀後半から二十一世紀の前半にかけて、ほかにいろいろな方法が次々と考えられているでしょう。考えられる方法というものを、表の玄関だけではなくて、横に玄関ができて裏に玄関ができている、いろいろなところに、家に対して入ってこよう、そういうときに、その経営権を防衛しようと思えば、ほかにどれだけの入り口があるのかということを考えてやらなきゃいかぬ。つまり、その家の支配権をとろうと思えば、表から攻めるか横から攻めるか、どういう方法から攻めるか。 七条副大臣。伊藤大臣と同じように、副大臣としてあなた自身は、この証取法改正に、自分ならばこういう攻め方がある、したがってこういう攻め方はこういうルールをつくらなければならないと、幾つのケースを想定して考えておられるのか、お答えください。
○七条副大臣 今、御答弁ということでございますから。 今回のTOBという取引、一つの形の中で、私は、会社というものを守る側と、あるいは会社に対してそれを敵対的にする側との関係の中で、一つは、守りたいということを必死になって考える側と、あるいは攻撃したいという側の違いというものがあると思うんです。 ただ、私たちが今金融庁の中でできることというのは、証券取引法の中で、投資家を保護する、あるいは株主を保護するという立場のことはできると思いますが、それを今度は、会社を保護するというのは会社法でまたやらなければならないために、ここの中でできる範囲というものがあるのではないか。今できる範囲の中ですべてのことを言えということは、私は素人でございますから余り言えませんが、そういうように考えている一人でございます。
○岩國委員 要するに、会社を守るということは、ある意味では株主を守るという場合もあり得るわけですね。 友好的それから非友好的、我が国の新聞では敵対的という、いかにも戦争用語が使われておりますけれども、もともと外国では友好的または非友好的。友好的な場合にはそれほどのルールというものは必要なく、自由にそういう方法を会社法の中でつくっておけばいいわけです。 ここで問題になるのは、友好的ではない、非友好的な、支配権の支配をねらった場合に、そのときの土俵の中でのルールをどうするかということじゃないかと思います。土俵が一つなのか二つなのか三つなのか四つなのか、それをさっきからお伺いしているわけです。 例えば、株式を取得するということだけではなくて、転換社債を取得するという方法は行われているでしょう。つまり、転換社債を取得している転換社債権者が、無記名の転換社債であった場合に、実質的には、それはAという、株主になる人が持っている、しかし会社に関しては無記名だ。それを二〇%持っている場合に、三分の一ルールはどのようにカウントされるのか。二番目の土俵で相撲をとっているときに、一番目の土俵では勝ち負けをどう判定するのか。二番目の土俵は転換社債。三番目は新株引受権、これのマーケットは三番目にある。四番目にはその先にワラントつき社債。ワラントつき社債を発行しているときに、ワラントは切り離して取引が行われる。このワラントという土俵はどうなっているのか。五番目に、外国で、今夜ニューヨークで、ロンドンで取引されている、その株式はどうなっているのか、どのようにカウントされるのか。 この五つの土俵をそれぞれ見据えた上でこの証取法改正はできているのか。それとも、二十世紀前半までの知識と経験と想像力でもってこれはつくられているのか。それをまず私は検証したいわけです。 大臣も副大臣も、二番目、三番目、四番目、五番目の土俵は全然ノーカウントで、一番目の土俵だけのルールづくりをやっておったのでは、これからの国際的な、あるいはライブドアケース的なこのTOBに対しての十分な手当てというのができていないという懸念を私は持つわけです。 端的にお伺いします。 三菱銀行が、ソニーが、ニューヨークで、ロンドンで上場している。これは、日本の株式を上場しているのか、別の形で上場しているのか。別の形で上場しているのは何と呼ばれているのか。それは記名式なのか無記名式なのか。それをお答えください。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘の、個別の会社が出ておりまして、ソニーと三菱、東京三菱でございますが、ニューヨークでも上場しておりますが、それはADRと言われている、預託証券、預託証書というやり方で上場しているということでございます。(岩國委員「記名式か無記名式か」と呼ぶ) 恐縮でございます。記名式か無記名式かは、ちょっとまだ未確認でございます。
○岩國委員 そうすると、ニューヨークで買い付けたソニーの株式二〇%は、だれの名前として東京取引所ではカウントされるんですか、三分の一ルールでは。 皆さん、そういうことをちゃんとお調べになってつくっておられるのかどうか。二番目は二番目の、これから四つの法案、また出てくるんですか。 ADRとおっしゃいました。そのADRは、原株はどこに保管されて、それに伴う議決権はだれが行使することになっているのか。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 いわゆる株式原株は、日本にある信託銀行に保管をされているということになると思います。それから議決権は、海外の所有者が議決権を行使するということになると思います。
○岩國委員 では、向こうでそれを買い付けた投資家の名前で議決権が行使できるということですね。間違いありませんか。そのアメリカン・デポジタリー・レシート、アメリカ預託証券という預託証書を発行しているアメリカの銀行が議決権を行使するんじゃないんですか。それを買っている実質的な投資家が議決権を行使できることになっているのかどうか。これは三分の一ルールを計算するときに大切なポイントであるはずでしょう。どうぞお答えください。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 今申し上げましたように、議決権の行使は、その当該、アメリカならアメリカで持っている所有者が行使をするということで、今お話がございましたが、その三分の一の中に、有価証券に係る権利を表示する預託証券というのもカウントの中に入っているということでございます。
○岩國委員 預託証券の原株は日本の、アメリカの銀行のサブカストディアンバンクが持っているわけでしょう、副受託銀行が。その副受託銀行は、実際の、アメリカでだれがADRを、何とかさんが何株、何とかさんが何株ということは、それぞれ内訳で行使できるんですか。そういう点はこの証取法改正の中ではちゃんと踏まえた上でそのルール計算ができるようになっていますか。安心できるような答えを確認してください。
○増井政府参考人 恐縮でございます。 実務上どういうふうになっているのかということについては私も今確認はできないわけでございますが、いずれにいたしましても、今回の公開買い付けの三分の一という中にその対象となる有価証券、先ほど申し上げましたように、有価証券に係る権利を表示する預託証券ということになっておりますので、その預託証券を持っている所有者、それが今の三分の一のカウントの中に入るということでございます。
○岩國委員 ADRというのは、一本名義でアメリカの株式の、アメリカ側にある、アメリカの銀行がその預託を受けているわけです。その内訳で議決権が行使できる、そしてそれは三分の一ルールのときにはきちんと計算できるということを確認して今答弁されたわけですね。 その前提が崩れているとすれば、この三分の一ルールを導入する、この証取法改正の一番の根幹が崩れるということになります。よろしいですか。大臣として、それだけの責任を持ってこれから後の質問に入っていいのかどうか。 この外国預託証券、ロンドンの場合には同じルールで考えていいのか。ヨーロッパ預託証券、EDRも、ADR、LDR、EDR、この三つの仕組みは全部、その議決権行使については今の局長の答弁のとおりで、共通して正しいのかどうか。正しいですね、それで。
○増井政府参考人 恐縮でございます。 実際の実務がどういうふうになっているかについては、よく調査をして御報告申し上げたいと思います。
○岩國委員 こうした支配権、経営権をめぐる戦いというのは、一票の差でも経営権がどっちかへ動く、こういう大変大きな問題です。この委員の方も、その程度のということは大変失礼ですけれども、大事さはわかっていただける。選挙のときだって、我々は選挙に出ると一票の差で勝つことも負けることもあるんです。その一票の差の計算の仕方、認定の仕方、だれが本当に議決権を持っているのかということについて、実務はよくわからない、十分な調査をこれからしてみたいと。これからしてみたいんだったら、それをしてからこの証取法改正を我々のところに持ってきていただけませんか。その点がアバウトで、いいかげんで、これから調査で、よく実務はわからないと。 そういう実務をやった人にしっかりと検証してもらって、知恵をいただいて、それから会社の経営権の支配をしようとした投資銀行の実際のハンズオン・インベストメント・バンカーと言われる人たちのやり方、手口が全部その中に網羅されて、それに対する手当てができている証取法改正なのか。抜け穴だらけで調査も十分できておりませんような改正案を、とにかく世間が騒がしいからこの国会で出しておかなきゃいかぬという程度のことで、しかも審議時間も、これから五十時間か百時間かおかけになるんでしょうけれども、審議時間がどれぐらいあるかもわからないで、今から調査しますで、調査した結果がさっきの答弁と違っておったら、この我々の審議時間は何だったということになるんです。法律というのはそんなにいいかげんなものでいいのですか。 五番目の土俵について私は今質問しました。もう一つ、別の土俵について質問しましょう。転換社債。 転換社債の発行というのはこれからもふえていくでしょう。いろいろな形で、変化する経済環境に応じて有利な資金調達の方法として、転換社債はいろいろなメリットを持っています。しかし、このTOBの点においては、有利な資金調達の手段が逆手にとられてその転換社債を買い占められるということも十分あるわけです。そこら辺の投資銀行のスタッフだったらすぐ考えることですよ。株式以外の支配権の取得の方法というのは、アクセスは幾つあるのか。転換社債。 転換社債を買えば無記名で、しかもいつでも転換すれば記名化できる。つまり、議決権がないかのごとく装いながら最後の瞬間まで社債として持ち続けることができる。これに対する手当ては、どこの何条でできているんですか。三分の一ルールの上で、転換社債は買い付けた瞬間から既に株式を持っているものとみなされて計算できるのか、その点をお答えください。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 今回の公開買い付けの対象、どういった有価証券を対象にするかということについては、具体的には証券取引法の施行令において定められておりますけれども、その中では、株券、新株引受権証書、新株予約権証書、新株予約権つき債券等々について、そういったものがみんな範囲に入るというような規定になっております。
○岩國委員 この証取法改正で、現行とそれから改正案のポイント、その中のどこに今のような項目は入っておりますでしょうか。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 今私が申し上げました証券取引法の施行令は現行の規定でございまして、今回の改正でもそこは変えておりません。
○岩國委員 そうすると、簡潔にお答えいただきたいんですけれども、転換社債の所有者は、議決権を既に所有しているものとしてカウントしておられるのか、それは転換という正式な手続がとられるまではカウントの対象の外に入っているのか、どちらですか。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 既に転換しているものとしてカウントする、先生が今おっしゃった初めの方の答えでございます。
○岩國委員 転換が行われなくても、転換社債を発行していれば、記名者、無記名者どちらにかかわらず、それはどうやってカウントできるんですか。転換社債というのは無記名式で発行されているんですから、Aという人が市場の中で既に二五%持っている、そして、これからさらに五%、しかし、実際に転換社債という形で金庫の中に入っている。その金庫の中に入っている、その所有者の名前をどうやって特定できるんですか。 計算の中に入れるとおっしゃった以上は、特定できるという前提に立っている。無記名のものが特定できるというのは、どういう捜査能力を持っていらっしゃるんですか。お答えください。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 公開買い付けの場合には、買い付け者がこういう価格でこういう期間買い付けをいたしますということでございますから、そういった形で、実際に買い付ければ自分のものになるわけですから、そこの時点で判明をするということではないかと思います。
○岩國委員 そうすると、その転換社債をいつ購入したのか、だれの名義になっておったのか。転換社債はほとんどのものは無記名が原則でしょう、私募債以外、公募されたものは。矛盾しておるんじゃないですか。計算に入れるんだったら記名式で特定できなければおかしいし、無記名のものが計算の中に入る、そして、それは申告者にお任せですと。それが三分の一ルールの精神なんですか。 さらにつけ加えて、もう一つ。局長、聞いておられますか。転換社債について。転換価格の修正条項というのがあるでしょう。どんどんどんどん下がっていく。どこの時点で株数を計算するんですか。 いいですか。一年間に三回転換価格が下がっていって、そのたびに株数は逆算してどんどんふえていく。どの段階でやるんですか。発行時点ですか。転換価格の修正が、社債の期間中にいろいろな時点で行われる。それで、株数はその都度、金融庁のどなたがそろばんかコンピューターで計算していらっしゃるんですか。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 前段のお話は、お答えが繰り返しになるかもしれませんけれども、買い付け者が三分の一を超す株券を保有するということでございますので、その計算上、実際に買い付けをいたせばその買い付け者の名義になるわけでございますから、そういう意味で、三分の一であるということがわかる。その前の、もともとの三分の一の母数といいますかのところには、先ほどのお話にあったような、株券だけではなく新株引受権等々が入っているということになろうかと思います。
○岩國委員 ワラント社債も無記名、したがって、そこから分離されて売買されるワラントそのものも無記名だからこそ売買できているんでしょう。そういうワラントについても、株数換算が幾らで、ましてや、転換社債は社債として利子をもらっていきます、私は何も株式に転換する気持ちなんかありませんと思っているかもしれない人のものまでも転換されたかのごとくカウントして、しかも、そのカウントする能力が金融庁にないにもかかわらず、取引所にないにもかかわらず、無記名の、四国か九州の金庫の中に入っている転換社債の株数をどうやって株主ごとに計算できるんですか。 私はそれ一つ考えても、この三分の一ルールの根底そのものがおかしな、捕捉不可能な、摘発不可能、そして、ゲームが終わった後の議論さえもしかねないようなものをつくってみてどうするんですか。それが私が申し上げました二番目の土俵。 五つの土俵ということを申し上げました。実は、もう一つの土俵があるんです。 もう一つの土俵、六番目の土俵は、夜の赤坂。この赤坂で、政治家や銀行の幹部が今まで大きな株式の企業の経営権、支配権の取引を全部行ってきたでしょう。日本のTOB、企業再編のほとんどは取引所の中ではなかったんです。立ち会い外取引、時間外取引、場所も兜町ではなくて赤坂、ここで行われてきたのが日本の企業再編のほとんどですよ。これは証取法の対象になっているのかどうか。株数から値段までしっかりとそういう話し合いの中で決められた、その歴史は皆さんなら知っていらっしゃるはずです。そういう取引、六番目の土俵はどういうふうに対象になっているのか。 〔遠藤(利)委員長代理退席、委員長着席〕
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 今の先生の御指摘は、市場外で取引をする場合に、どういった段階まで行けばその取引と言えるのかと。 基本的に、立ち会い外取引で相対に類似した取引というのは、何かしらの合意はあったという部分が多いと思います。そういった合意ではなくて、完全に売買が成立をしたかどうかという認定の問題だと思います。仮に、全然別のところで完全に売買が成立をしていたということになりますと、それは全くの市場外の取引になるということになるかと思います。
○岩國委員 さあ、それでは、今までの取引は、株数も、それから取引を実行する時間帯も価格も、この三つのポイントはほとんど決められているんです。それは証券会社の法人部に聞いてみてください。値段を決めないで取引しているような証券会社の法人部員は一人もおりませんよ。値段も決めないで、三菱重工はこれこれの株式をそれでは引き渡しましょうというようなことは、絶対にあり得ません。 株数と価格と取引時間、その三つの条件を決めて取引が行われている。これほど立派な取引はないんですね。しかし、それをどうやって特定できるんですか。どうやってそれは検証できるんですか。この辺についても、証取法の改正の中に十分な法律的な手当てができているのかどうか。 大臣、こういった点についてどうお考えになりますか。そうした、政治家あるいは官僚の幹部、それから取引銀行の幹部が絡んだ赤坂取引所での取引は、どのようにこの証取法の改正の中に入っているのか。局長の、三つが決まっていればそれも立派な取引であるという答弁にもかかわらず、それは聖域として対象外になっておりますということを確認してください。
○増井政府参考人 恐縮です。御質問の趣旨をちゃんと理解しているかどうか、あれでございますが。 先生が御指摘のように、全く別の場所で、すべての条件を全部合意して、そこで取引が成立したというふうに認定をされるとすれば、それは市場の外の取引、いわゆる市場外取引だと思います。 今回、立ち会い外の取引というのは市場内取引でございますが、それにつきましては、特に相対類似の取引については、通常、何らかの合意、今おっしゃったような価格といったこともあるのかもしれませんが、そういった合意をした上で、市場内、いわゆる立ち会い時間外の取引を行う、そういうケースであろうかと思います。
○岩國委員 これは、私は先ほど立派な取引だということを申し上げましたけれども、これを世間では談合というんですね。談合によるいろいろな企業再編、その企業再編が日本の経済には貢献したことも私は否定しておりません。しかし、これだけオープンに一般株主の利益を尊重しろということを、この時期にこの環境の中で証取法の改正を、投資家の権利保護、一般株主の権利保護というのであれば、五十年前の日本であってはならないわけですよ。五十年前の日本は、国の利益は自分の利益、そういう思いで、お国のためにいい取引は、赤坂取引所で行われようとどこで行われようと、それが実質的には談合であろうと、日本のためにいい談合だと思った人は多かったと思います。 しかし、今はもうそういう時代ではありません。そういう取引のルールを明確にし、時間外であろうと時間内であろうと、日本の中であろうと日本の外であろうと、そういう新しい世界の中で初めて証取法の改正をやろうというときに、古い残滓はそのまま見て見ないふりをしたままで、この取引法の改正をやっていいのかということなんです、最初から私は申し上げています。 そして、七番目の土俵を申し上げましょう。 それは、会社型投資信託。会社型投資信託というのは、今、アメリカでは既に上場を認められていますけれども、日本では会社型投資信託の上場は認められておりますか、おりませんか。その点を確認してください。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 会社型投資信託は認められております。
○岩國委員 会社型投資信託が認められているとすれば、その会社型投資信託は無記名で取引されておるのか、記名式なのか、その確認を先にしてください。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 記名式でございます。
○岩國委員 会社型投資信託の売買は自由にできる。会社型投資信託が持っておる、例えば東京三菱にしろソニーにしろ、そういう株式を、会社型投資信託というものを買うことによって、実質的には、必要なときにはいつでもその議決権を行使することができる、この方法はありますか、ありませんか。
○増井政府参考人 恐縮でございます。 投資法人が議決権を行使するということになるのではないかと思います。(岩國委員「ちょっと聞こえません。もうちょっと、もう少し自信を持って、大きい声で」と呼ぶ)
○金田委員長 もう一回。聞こえないそうです。
○増井政府参考人 恐縮です。投資法人が議決権を行使するということになると思います。
○岩國委員 つまり、投資法人の過半数を買い占めた人がいるとすれば、その投資法人の名前でもって議決権を行使することはできる、こういうことですね。確認してください。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 投資法人を支配するということになれば、その人の意向に従って議決権を行使するということになると思います。
○岩國委員 要するに、これからは、会社の経営権を支配しようと思う人たちは、伊藤大臣がおっしゃった、十九世紀のような、株式だけを買うという、単純と言っては失礼ですけれども、オーソドックス、普通のやり方以外に、どうしてもという執念を燃やす投資家、企業家というのは、会社型投資信託という、転換社債ではないけれども転換社債に似たような、一皮むけばいつでも議決権になるというものを支配する。それは直前までわからないものでしょう、だれが持っているか。 そして八番目、最後の土俵、それは日本の持ち合いという制度です。 この持ち合いというのは、結果的には、経営者を守るための防衛システムをつくっているわけでしょう。十社ぐらい並べて、あわせて、それが安定株主という名前のもとに、あなたの会社の株を持つから私の株を持ってもらいたい。お互いに株を持ち合うことによって、議決権の行使をお互いに否定し合う。つまり、議決権を行使しない株主がこちらに三割、向こうにも三割、安全保障条約を結んでお互いに守り合う、そういう集団安全保障が今までずっと日本の丸の内では行われてきたんです。 今までも集団安全保障に対して批判が出ていますよ。アメリカからも、持ち合い制度というのはどんどんどんどん外せという要求、そして、日本の政府も一時持ち合い制度は外していったことがあります。 今、今度再びこの丸の内集団安保体制というのを再構築しよう、こういう動きが出ているでしょう。これは、攻める方にとってもあるいは守る方にとっても、日本の証券市場、資本市場の中で特異な現象なんです。アメリカの法律を倣いました、ヨーロッパの法律に見習いましたではうまくいかないのは、この丸の内企業経営者間の集団安全保障体制というものがあるということを認識しながらいろいろな証取法改正をやっていかなきゃ、効果がないでしょう。 そして、この集団安全保障体制というのは、三割の安定株主と思われたところが一夜にして経営者を攻める側に回ることも十分あるわけです。これは、埋められた大きな議決権の巣が経営者のすぐそばに置かれているということでしょう。こういう認識はありますか。伊藤大臣、お答えください。
○伊藤国務大臣 持ち合いをするかどうかというのは経営の判断によるわけでありますけれども、今委員が御指摘をされたように、この持ち合いについてはさまざまな議論があることは承知をいたしております。 委員は、集団安全保障あるいは丸の内安全保障、ガバナンスのあり方そのものに対して問題提起をされているわけでありまして、この点については、ガバナンス上、問題が惹起することがないよう十分留意をするということが極めて重要なことだというふうに認識をいたしております。
○岩國委員 それでは、持ち合い制度について伊藤大臣は肯定される、積極的に、これは日本的な慣習として、経営権を守る意味で有効な手段として認知していこうというお立場ですか。それとも、持ち合いという制度は、株主平等の原則からいっても、あるいは議決権の一票の格差を設けないことからいっても、ないのが望ましいというふうにお考えですか。どちらなんですか。
○伊藤国務大臣 企業がどのような株を取得するかということについては経営の判断だというふうに思いますが、株式の持ち合いについては、今委員が御指摘をされたように、やはりガバナンス上の問題を惹起する、そういうこともあるわけでありまして、その点については十分留意をしていく必要があるだろうというふうに思います。 日本の資本市場の発展のためにも、このガバナンスの充実あるいは向上を行っていくということはとても重要なことでありますので、そうした観点というものを私どもとしても十分考えておかなければいけないというふうに思っているところでございます。
○岩國委員 こうした持ち合いというのは、表現を変えて言えば、議決権の信託がずっと行われているということです。 フジテレビがニッポン放送の株式を貸し株した。貸し株したというのは、さあ、それを持って五年間配当を受け取ってくださいよというのではなくて、議決権を相手に渡そうという、議決権の隠ぺい、あるいは議決権を疎開させることに本当のねらいがあったわけでしょう。とすれば、世間は五年間もそこに貸したということで驚きました。しかし、驚くのは、五年という期限をつけたということに驚かなきゃいかぬのです。日本では期限なしでやっておったんですから、五十年間。 五十年間一遍も議決権を行使しなかった株主がどれだけ多いことか。行使はしているけれども、常に経営者側に賛成の議決権行使しかしないという、これが書かれざるルールですよ。したがって、相手の会社に対しても、議決権を行使するときには必ず賛成しかしないんです。つまり、議決権をこれは行使しない、そういう形の慣習がずっと行われている。 私は、そういう伊藤大臣のようにガバナンスの観点からということだけではなくて、株式とは何かということを考えるためにも、株式というのは、配当を受け取ること、新株を引き受けたいこと、それから値上がりを期待すること、しかし一番大切なことは、会社の所有者としての一票を行使する。株式とは何とやということを考える場合には、私は、この安定株主という、議決権を行使しない、しかも、世間の大企業がほとんど、持っている株式の議決権を行使しないというおかしな国、このおかしな国を変えていくことが本当の世直しじゃないかと思うんです。 資本主義の根幹である株式市場、その株式たるものが、ただ配当だけもらっていればいい、値上がりだけ期待していればいいだけの株式をこれから期待してこの証取法改正をおつくりになっているのか。会社の所有者の一人なんだという意識をしっかり持たせる、それが今世間で問われているんではないんですか。 今まで議決権なんということはほとんど世間で問題になったことはありません。株主の持つ四つの権利の中の三つしか、みんな、投資家でも経営者も問題にしなかった。突如として、この議決権というものが株式にはあるんだということが急にわかった人たちがたくさんいます。 しかし、そういう中になっても、依然として議決権を行使しない、しようとしないあの立派な企業の方々は、それを持ち合い制度という名前のもとにずっと放置し、これからも温存していくような証券市場、資本市場というものを期待していらっしゃるのかどうか、私はその認識をお伺いしたかったんです。 さて、次に質問させていただきます。 この持ち合い、いわゆる議決権を行使しない、ある意味では議決権がないといってもいい、ある意味では、経営者からいえば、経営者が貸し株を受けている、三〇%の安定株主から、株券そのものはそれぞれの金庫の中に入っているけれども、議決権だけはその社長の引き出しの中にいつも入っているような、こういう議決権信託を持ち合い制というわけです。 とするならば、その会社を支配しようとする投資家から見れば、社長の引き出しの中に議決権が何株入っているのか知りたいのは当然でしょう。その持ち合いはすべて取引所に報告されていますか。一般投資家に、すべての投資家にそれは情報公開されていますか。 三十年間議決権を行使しなかった歴然とした安定株主という名前のもとの持ち合い制度が、このA社についてはどれぐらいあるのか、B社についてはどれぐらいあるのか、その持ち合いという壁を乗り越えて日本の会社を買収しなきゃいかぬのです、日本の投資家といい、外国の投資家も。これは、アメリカの企業を買収するときに、私はそういうことをカウントする必要は全くありませんでした。ヨーロッパの会社を買収するときも、相手の会社の社長の手元に、社長が表に出ない形で支配している議決権がどれぐらいあるかということは、知る必要も調べる必要もなかったんです。 しかし、日本の会社を買収するときにそれをどうしても調べなければならないのは、その安定株主が三〇%あれば、安定株主の壁を乗り越えていかなければならないということなんです。これは、取引所でもどこでも情報は公開されておりますか、されておりませんか。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 いわゆる持ち合いの株式として情報が公開されているということはないと思います。 ただ、御承知のように、大株主につきましては、株主の状況ということで有価証券報告書等に出されているということだと思います。
○岩國委員 大株主の情報程度しか提供されておらないわけでしょう。 しかし、本当にこれから大切な情報というのは、大株主の中に三十年間常にイエスとしか投票したことのない株主はどれぐらいいるのか、そういったことが私は本当は必要ではないか、そのように思います。 次に、質問を変えまして、親子で上場している会社、親が上場し、子供が上場し、中には孫まで上場している、これは国会の中にも随分そういう例もあるわけですけれども、親が上場し、子供まで上場させ、こういう会社はどれぐらいあるんですか。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 これは東京証券取引所の例でございますが、東京証券取引所によりますと、いわゆる親子上場をしているものは二百六十二件ございます。 それから、子会社、その親会社及び親会社の親会社が上場している、いわゆる親子三代といいますか、上場しているものは十件あると聞いております。
○岩國委員 この親子の上場、中には親子孫上場、こういうことについて、伊藤大臣、外国のそういう例と比較してどのようにお考えになりますか。
○伊藤国務大臣 そもそもどのような企業に上場を認めるかということにつきましては、上場申請を受けた市場開設者である証券取引所が一義的に判断すべき問題であると考えておりますが、ある投資家にとって親会社の企業グループ全体としては投資魅力に乏しい場合であっても、グループの一部に投資魅力のある企業が存在する可能性はあることから、そのような企業が親会社とは別に上場することは一定の意義があるものと考えております。
○岩國委員 外国の例はどうなっているんですか。
○伊藤国務大臣 外国において親子上場を取引所が禁止をしているというふうには承知いたしておりません。 したがって、例えば、米国で、NTT及びNTTドコモが上場しているというような例があることを承知いたしております。
○岩國委員 それでは、ニューヨーク取引所で親子上場というのはどれぐらいの例があるんですか。米国内でも、そういう例は一流企業の名前も含めてどんどんあるのか、ほとんどないのか。ヨーロッパではどうなのか。そういったところでこの親子上場について批判はありませんか。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 アメリカでの親子上場の数は、申しわけございません、私どもは把握はしておりませんが、今大臣が申し上げましたNTTそれからNTTドコモの例、あるいは、アルトリアグループ、これは旧フィリップ・モリスでございますが、これがクラフトフーズという会社の株を八四%保有しているといった例等、数はそんなに多くはないと思いますが、幾つか見られます。 また、アメリカでは、親会社等の支配株主がほかの株主に対して公正に行動すべき信任義務というのを負っておりまして、そういった関係から、この義務とかあるいは提訴の危険性等を踏まえまして、親子会社の上場事例が少ないと言われております。
○岩國委員 今、例として挙げられた、八四%を別会社に所有されている会社が上場されているんですね、間違いなく。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 今申し上げましたように、アルトリアがクラフトフーズという子会社、これは八四%を保有している子会社を上場しております。 そのほかにも幾つか、親会社、子会社がともに上場されているという会社がございます。ちょっと、具体的なものは英語で書いてありますからうまく御説明できませんけれども、いずれにしても、幾つかの会社が親子で上場しているということでございます。
○岩國委員 先ほどは、伊藤大臣、こういった親子上場については、認めるか認めないかは取引所の担当官が淡々と粛々とやっておる問題だと。しかし、あるべきこれからの取引所、あるべき資本市場の姿として、親子上場は望ましいと考えておられるかどうか、その点を再度御答弁をお願いします。
○伊藤国務大臣 先ほども御答弁をさせていただいたように、やはり、どのような企業に上場を認めるかどうかということにつきましては、一義的には市場開設者である取引所において判断すべき問題だというふうに考えています。 恐らく委員が問題にされておられるのは、その親子間の利益相反の問題でありますとか、独立性の問題でありますとか、あるいは子会社の株の流動性の問題、こうした問題に対して非常に強い問題意識を持たれているのではないかというふうに思いますけれども、こうした点につきましても、取引所におきましては、例えば親子会社間の利益相反の問題については、証券取引所の上場規則に基づいて、上場審査時に親会社等に対する独立性の確保の状況等を審査していると承知をいたしておりますし、また、子会社株の流動性の問題につきましても、証券取引所の上場規則におきまして株式の分布状況に関する上場基準などを設けて、上場審査時に流動性の確保に配慮することとしているものと承知をいたしているところでございます。
○岩國委員 そうした親子関係というのは、必ずしも公平な情報公開あるいは経営の独立性といった点からは、決してほかの株式と同一に扱うことは難しいわけですね。ですから、その点について何らかの方針というのが、しかも今度は取引所そのものが自分の株式を上場しようという、純然たる民間会社にお任せして、官の役目はこれで済んでいると言えるんですか。官には官の役目が私はあろうかと思います。そういう点から、この親子上場について、私は何らかの、会社法あるいは証取法、取引所の上場基準等においても、そういう新たな問題意識を持って取り組む必要があるのではないか、そのように思います。 また、上場されている株式はすべて独立して経営は自由にできるものというのは、一般の投資家の認定であります。しかし、その中に、一般に知られていない約束を、経営上大きな制限を受けている会社があるとすれば、それは私は情報公開をしっかりやらなきゃいかぬと思います。 社債を発行しているときに、財務制限を受けている会社がどれぐらいあるのか、財務制限と言われる中にはどういう種類のものがあるのか、それをまずお答えください。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 いわゆる財務上の特約、財務制限条項というものが設定をされている社債あるいは転換社債でございますが、平成十六年一月から九月までの間に発行された公募の普通社債それから公募の転換社債型新株予約権つき社債、これが合計が約二百五十件ございます。このうち約百八十件程度が、ですから全体として約七割でございますが、そういった財務上の特約がついております。 具体的にどんなものかということでございますが、幾つかの種類があるかと思いますが、一つは、担保提供制限、これは社債発行後に他の既発債や新規債務に担保権を設定する場合には、この当該社債にも同順位の担保を設定するといった特約。あるいは留保物件つき切りかえ、社債発行後に社債管理会社との協議の上で特定の資産を留保するというもの。あるいは留保資産提供制限、社債発行後、他の既発債や新規債務のために特定の資産を留保する場合には、当該社債のためにも適当と認める資産を留保する。さらには、純資産額維持という特約という例もあります。期末残高の貸借対照表における資本の部の金額を一定以上に保つというふうにするもの。それ以外に、利益維持、これも同じく期末現在の損益計算書における経常利益が一定期間内連続損失になった場合に社債の期限の利益を喪失する、そういった特約の例がございます。
○岩國委員 この財務制限、フィナンシャルコベナンツと一般に言われている中に、例えば資産を処分してはならない、それから持っている子会社の株式を売却してはならない、富士電機が富士通の今持っている株式を処分してはならない、そういった子会社の株式所有を義務づけている、そういうものはありますか、ありませんか。
○増井政府参考人 申しわけございません。今先生御指摘のような例を私どもは把握をしておりません。
○岩國委員 そうしたことは、私は、情報公開という観点からも大切なことだ思うんです。これは最初の質問のTOB、支配権取得、経営権を支配する、こういうことにも絡んできて、ある一定の株数は売却できない制限を負った会社があり、自由に買えない、それは一般の投資家にも私は情報公開すべきだと思います。 特に、公募ではなくて私募の転換社債については、その条件が外部の人にはほとんどわからない。私募の転換社債というもの、発行されておるでしょう。その私募転換社債の中に、大体、金額も件数も金融庁で不明というあたりから、私は本当はおかしいと思うんです。 なぜ、公募のマーケットしか、一般投資家を対象にした公募の転換社債しか調査しないで、私募という、本当に、悪いと言うと表現はきついんですけれども、本当に何か意図的なことをやろうという場合には、一般投資家に転換社債を売るなんということはやらないんです。特定のところに埋め込むような転換社債を発行する、これが何かの特定の目的を達成するためには一番いいやり方なんです。その私募転換社債の中にこそいろいろな財務制限が入ってくる。 一つの例を申し上げましょうか。これはもう随分古い話です。日本が外資を必要としたときに、富士電機はジーメンスから資金導入を計画しました。間に入ったのは第一銀行とドイツ銀行。東京オリンピックが迫るその直前のころでした。 そのときに、富士電機はジーメンスからそうした資金を受け入れるための条件として、富士通の株式を持っていました、ジーメンスは、その持っている富士通の株式を一株たりとも減らしてはならないと。つまり、見えざる担保として富士通の株式をとったわけです。将来性から見れば、富士電機ではなくて富士通という計算がジーメンス側にはあったんでしょう。そういう、これは公募ではなくてマルク建ての私募です。その中にはいろいろな制限が入っています。 もちろん、富士というのは古河財閥とジーメンスで明治のときにつくった、それがフ、ジになっているわけですから、それだけお互いに親しい仲ではあります。しかし、それだけ我が国の転換社債の中には、幾つかほかにもあるはずです。あるいは、伊藤忠についてもそれがあります。配当制限がある、借入制限がある、資産処分制限がある。我が国の企業は外国から資金を受け入れるときに、いろいろなそういう財務制限というのを受け入れてきています。 では、外国からだけか。そんなことはないと思います。最近は、国内にも片仮名の名前の何とかファンド何とかファンドが乱立しています。その中には、私募という形でいろいろな財務制限をつけているところがあるはずです。それに対する調査と、それに対する対応というものはこの証取法の中にできておるのかどうかということです。 私がさっき二番目の土俵と言った転換社債の中にも、そういう私募の転換社債の中に制限がついているならば、その制限は情報公開すべきだと思いますが、いかがですか。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 先生の御指摘、大変重要な御指摘ではないかと思います。 ただ一方で、いろいろな情報公開といいますか、ディスクロージャーのコスト等を考えなければいけないと思いますので、その点は、全体としてそういうものが必要かどうかよく慎重に検討しなければならないと思っております。
○岩國委員 コストといっても、その条項を義務づけることで一年間に何億もお金のかかる話ですか。A4の紙一枚そこへつけそろえるだけの話じゃありませんか、そもそも契約の中に書類はできているわけですから。コストコストと大げさにおっしゃる、そういう後ろ向きの姿勢はよくないと私は思います。御自分の頭の中で、これについてコストはどれぐらいかかるんだろうか、五秒間でも考えたことがあるんですか。 現に、転換社債に関する財務制限、あるいは社債一般でも結構です、社債発行、特に転換社債、特に私募の転換社債の場合に、この財務制限というものは取引所と金融庁に報告されていますか、されていませんか。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 いわゆる私募の転換社債型の新株予約権つき社債については、日本証券業協会でも発行状況を把握していないという状況でございまして、私どももそういう意味で把握をしていないということでございます。
○岩國委員 そうした財務制限条項の中で、とりわけ株式の処分について、売買について制限を受けている、受けているその発行会社、また受けているその所有対象の子会社的な存在、このA社またはB社がともに上場されている場合に、さっき私は聞きました、親子上場の例がありますと。両方とも上場されている。一つは売りませんという制約をしている。このB社の場合には、その大事な株式が売られないという契約が第三者との間になされている。当然、これは株式の流通あるいは株式価格に大きな影響を与えるものでしょう、それだけの株式がマーケットに出てこないということであれば。発行済み株数は一億株、しかし、そのうちの四千万株というのはマーケットに出てこないという前提で取引しようとするのか。一億株がいつでも流通するという前提で考えるのか。これは価格形成で一番大きな要因ではありませんか。 そうした価格形成に大きな影響を持つそういう財務制限条項について、なぜ……。これが非上場会社の場合ならまだ程度は軽いんです。上場会社という以上は、一般投資家、一般株主、個人投資家がどうしても引き込まれるわけでしょう。そういう一般投資家、個人株主にも影響のある大事な売却制限がついている上場会社があるとするならば、その上場会社に関する大切な情報公開は徹底しなきゃいかぬじゃないですか。どうぞ、答弁をお願いします。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 先生の御指摘のような、いわゆる市場に出てこない株がどのぐらいあるかということは確かに大事なことだと思います。 ただ、その制度としてどういう制度がいいのかということについてまたよく検討してみたいと思います。
○岩國委員 市場に出てこない、市場には出せない株がどれぐらいあるかという、それは大事な情報だということは局長もお認めになりました。それについては考えてみたいと。証取法の中のどこにそれが入っているんですか。入らないままでここに出てきているんですか。どうぞ、お答えください。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 今の先生の御指摘は、入っているという意味は、そういう形のディスクロージャーなんかの項目の中に入っているかどうかということでございましょうか。そこについて、そういう意味で明示的にこういうものが入っているということではないというふうに思います。こういうものという意味は、先ほどもおっしゃったような形での、市場に出てこない株があるというようなのはこういうところに書かれるはずですというような形での項目はないというふうに考えております。
○岩國委員 有価証券報告書の中に、その他経営に重大な情報というものはそれぞれの発行会社が記載することになっているでしょう。その対象として、こういった株式の売却制限、自分が持っている株式についての売却制限と、大株主によって持たれている自分の会社の株式についての売却制限と両方ありますけれども、そういうものについては有価証券報告書の中に記載すべきとお考えになりますか、お考えになりませんか。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 今のようなそういった形で記載をするかどうかというのは、基本的にはまずその提出会社の判断ではないかと思います。したがいまして、その契約の内容にもよるかもしれませんし、私どもとして、そういった重大な影響があるものについては、それはその開示をするということは大事だと思いますけれども、どういうものについてどういう形で開示をするかということについては、特段、今言った、先生の御指摘になった例についてこうしろというような形での記載事項にはなっていないということでございます。
○岩國委員 私は、こういう点が、まだまだ証取法改正の検討の視野の中から随分抜けているものが多いんじゃないかと思うんです。 私はきょう一時間ちょっと時間をいただいておりますけれども、その中で、私が取り上げた幾つかの私の懸念に対して、ああ、この証取法改正ができてきれいなルールができた、これから安心だ、一般株主、個人投資家の権利も十分守られそうだという実感が全然わいてこないんですね。 これはしっかりと審議時間をかけるどころか、もう一回、私は、実務者を、あるいはいろいろな経験のある人の意見を聞かれて、例えば江戸時代の鬼平と言われた長谷川平蔵は、本所深川で若いころ、悪いこともしておったんです、悪い仲間の片棒を担いで。鬼平ファンなら御存じのとおり。その経験が生きて、悪いことをしそうな人間の心理を彼が読み込めるからこそ、あれだけ小さなグループであれだけ大きな効果を発揮できたんです。 日本のSECも、まさにそういう行動力、早さ、深さ、鋭さを備えた鬼平のような組織ができることと同時に、そういった幹部に、悪い人間の、ルール違反をしそうな人間の心理が読み込めるような、あるいは手だてを封じるような、私はジョセフ・ケネディの例も言いました、そういう配慮がこの証取法の中にどれぐらい入っておるんだろうかと。証取法改正はできたけれども、一年ともたないで、また抜け穴をやられちゃったということではおかしいと思うんです。今の有価証券報告書の中に、それは発行会社の判断にお任せしますと。発行会社の判断に任せられないからコクドの問題が出たんじゃありませんか。そういう痛い経験を踏まえながら、私はその経験が余りにもここには生きておらないと思います。 それから、文書の保存期間は、有価証券報告書の保存期間というのはどれぐらいですか。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 有価証券報告書は、証券取引法の規定によりまして、各財務局において、提出された日から五年間、公衆の縦覧に供することとなっておりまして、この間財務局において保存をされるということになっております。
○岩國委員 五年間というのは、私はおかしいと思います。例えば、転換社債の償還期間が二十年あって、発行されてから五年でもう文書は消えていくんですか。私が幾つか問い合わせしたら、五年の壁、あそこでも五年の壁、あそこでも五年の壁、あそこでも五年の壁、もう五年以上たった、しかもマーケットで生き生きと流通している、流通しているにもかかわらず発行時点の文書がない、こんなことでどうやって投資家の権利を保護することができるんですか。どうやって情報公開を徹底することができるんですか。どうやって財務制限条項の中身を知ることができるんですか。お答えください。 まず、証取法改正の一番大事なことは、文書や記録や情報の保存期間をもっと大幅に延長することじゃありませんか。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 証券取引法上の開示書類の公衆縦覧期間というのは、当該開示情報の性格あるいはその内容、それから公訴時効期間といったものもございまして、そういったいろいろなものを勘案しまして、開示書類ごとに定められております。 したがって、現行の有価証券報告書の公衆縦覧期間について五年というふうになっておりますが、これは私ども、今のところこれが適当というふうに考えております。
○岩國委員 質問時間が終わりましたので、最後に私の意見を申し上げますけれども、私は、余りにも時代感覚が欠落しているということ、投資家保護といいながら、投資家を保護するための情報公開の姿勢が余りにも欠落している、こういうものを今、国会で審議するのも恥ずかしい、そういう思いをお伝えして、私の質問を終わります。
○金田委員長 次に、中塚一宏君。
○中塚委員 民主党の中塚一宏です。 本日の証券取引法の一部改正案、まず、幻の課徴金制度の問題と、それから公開買い付けに対する新たな規制の問題と、そしてまた上場会社の親会社に対する情報開示の義務づけ、そういうポイントがあるんですが、いろいろと今までの質疑を聞いておりましても、また金融庁からの説明を聞いておりましても、要は話題になったところだけをちょっと変えたというだけのことにすぎないわけで、今ほど岩國委員の質疑においてもたびたび指摘のあったとおりなんですが、そういう意味で投資家の保護あるいは権利の擁護という視点に立てば、果たしてこんな程度のことでいいのかということだと思います。そのあたりを、今申し上げた諸点について伺っていきたい、そしてまたただしていきたいと思いますけれども、それに先立ちまして、まず、カネボウの問題をお伺いしたいと思います。 カネボウは今産業再生機構で支援が決定をされているということでありますけれども、カネボウが過年度の決算の訂正の発表をしたということですが、このカネボウの問題にしても、要は有価証券取引報告書及び決算の訂正を発表するということになると、この法案と大きくかかわってくるわけでありますし、また、この委員会でたびたび取り上げておりますが、産業再生機構のあり方ということについても大きくかかわってくる。幻に終わった課徴金制度についても、このケースが一体どういうふうに当てはまることになるのかということも含めてお伺いをしていきたい、このように思います。 まず、カネボウの粉飾決算の事実を確認したいと思います。 カネボウ自体がいつから粉飾決算を行っていたのかということですね。カネボウは債務超過であるはずですが、結果としていつから債務超過になったのかということについてお聞かせをいただきたいと思います。
○藤岡政府参考人 お答え申し上げます。 お尋ねのカネボウ株式会社でございますが、会計処理問題につきまして、昨年、平成十六年の十月二十八日に発表されました経営浄化調査委員会、これはカネボウ社内に設置されたものでございます、この指摘を踏まえまして検討を行いまして、去る四月十三日に、過去五期分、平成十二年三月期から同十六年三月期の決算訂正の概要を公表したと承知いたしてございます。 今般公表されました五期分の決算訂正とそれ以前の決算をあわせて見ますと、連結ベースで平成八年三月期から平成十六年三月期まで九期連続の債務超過となっているという状況でございます。
○中塚委員 九期連続の債務超過ですね。後ほど伺いますけれども、九期連続の債務超過であった。 まず、再生機構がカネボウに対して資産査定、デューデリジェンスをかける。デューデリジェンスは要は支援決定の前にも秘密保持契約を結んで行うこともある、ダイエーなんかのときにもお伺いをいたしましたけれども。その秘密保持契約を結んで支援決定をするに際してのデューデリジェンスというのは、一体何年の何月期についてデューデリジェンスをおかけになられたのか。その時点でなぜ、今お話のあったとおり十二年三月期からこれが赤字になっていた、十三年三月からも債務超過になったということでありますが、どうしてさかのぼってその時点でデューデリジェンスをおやりにならなかったのか、このことについてお聞かせをいただきたい。
○藤岡政府参考人 お答え申し上げます。 産業再生機構でございますが、あくまで事業者の再生可能性を判断するために資産査定を行ってございます。カネボウ株式会社につきましても、当時、実態としての財務状況等を把握いたしまして、しっかり再生可能性を見きわめた上で支援決定を実施したものでございます。 ただし、過去の事業年度におきます決算の具体的な誤りにつきましては、その時点で機構が把握できていたものではございません。カネボウ株式会社によるその後の調査でもって今回の決算訂正に至ったものと承知いたしてございます。
○中塚委員 今、実態としてというお言葉があったのでよくわからないんですけれども、実態として、デューデリジェンスをおかけになったのが、当該年度の資産状況だけについてデューデリジェンスを、資産査定をされたということですか。
○藤岡政府参考人 お答え申し上げます。 当該年度と申しますかその時点ということでございますので、まさに当該年度とお考えいただいてもよろしいかと思います。
○中塚委員 その時点での資産査定を行ったと。その資産査定の結果というのは、要は産業再生機構が支援に足る内容であったという判断をされた。しかし、カネボウの問題というのは、それこそマスコミなんかもかなりにぎわしていたわけでありますし、この債務超過の問題にしたって、私は、それを全くもってわからないで支援決定をしたということではないはずだと思うんですね。 そもそもそういった債務超過の企業を産業再生機構が支援決定するということ自体、あり得ていいのかどうかということについてお伺いをいたします。
○藤岡政府参考人 お答え申し上げます。 産業再生機構法に定められておりますが、委員御承知のとおり、まさに有用な経営資源を有しながら過大な債務を負っている事業者に対していろいろ機構が活動するということでございます。 産業再生機構が個々の事業者を支援するか否かにつきましては、対象事業者の再生可能性というものが重要でございまして、まさに三年以内に事業者が生産性向上基準や財務健全化基準を満たすこと等の支援基準に基づきまして、産業再生委員会、機構内に設けました委員会において厳正に判断されるということとなってございます。再生可能性が高いと判断されれば支援決定を行うこととしてございます。 機構でございますが、まさに支援決定を行う時点で対象となる企業がたとえ債務超過であったといたしましても、こうした手順にのっとって再生可能性が高いと判断されますと、支援決定を行うことといたしてございます。 以上でございます。
○中塚委員 過大な債務と債務超過というのは違うと思うんですね。過大な債務を負っている企業でも再生可能性があればというお話だったし、あと債務超過でもというお話もありましたが、果たして、これが九期連続で債務超過であったということですね、その時点ではわからなかったということでは私は済まないと思います。九期連続の債務超過、そもそもそういう会社は、適正に情報開示をしていれば、粉飾決算をしていなければ倒産していたかもわからないわけですね。 九期連続というと、八年の三月期からずっと債務超過だったということですよね。八年の三月期からずっと債務超過であった企業というのは、果たして、再生機構が支援をして、それで立ち直るのかどうかという問題をまずお伺いをいたします。その上で、債務超過の事実があれば、これはカネボウは倒産をしていたんじゃないでしょうか。いかがですか。
○藤岡政府参考人 お答え申し上げます。 ある企業の過去の会計処理が適切であったかどうかの問題と当該企業が営む事業が再生可能か否かという問題は、まさに別の問題でないかというふうに承知いたしてございます。 機構は、過去の会計処理の適切性で支援の可否を判断するのではなくて、しっかりした、申し上げましたような資産査定を行った上で、機構法にのっとりまして事業の再生可能性を判断し、支援決定を行っておるものと承知いたしてございます。 まさに倒産可能性の話でございますけれども、それは私ども申し上げる立場にはないというふうに承知いたしてございます。
○中塚委員 委員長も苦笑いというかされていますけれども、こんなことで本当にいいんですかね。 債務超過が、たまたま当該年度が債務超過だったということなら、まだそれはひょっとしたら話は別なのかもしれません。たまたま債務超過だったというんだったら話は別かもしれないけれども、そのときは、ちゃんとさかのぼって調査もしないで、九期連続で債務超過だった、でもこの企業は再生できる、再生機構というのは市場原理にのっとっておやりになるということで私は理解をしていたつもりなんですけれども、何で九期連続で債務超過だった会社が再生ができるという御判断になるんでしょうか。それは産業再生機構の決めることだという御答弁でありましたけれども、それじゃちょっと納得することはできないですね。 では、九期連続ということについて、今この時点でどういうふうにお考えになっているんですか。要は産業再生機構はもっとちゃんと適正に資産査定をするべきであったというふうにお考えになっているのか、いやいや、それはこのときだけやっていればそれでいいんです、さかのぼって結果として九期連続で債務超過になってしまったけれども、それはそれでしようがないんですというふうにお考えなんでしょうか。いかがでしょうか。
○藤岡政府参考人 お答え申し上げます。 産業再生機構のデューデリジェンスが正しかったか正しくなかったかという点につきましては明快でございまして、今回の調査結果でも示されておりますように、足元の数字というのはまさに変わってございません。そういうことから、産業再生機構の前提というものは適正であったというふうに承知いたしてございます。 お尋ねは、九期連続の過去の話と将来の話というのはどう関係するかということでございますが、産業再生機構は、今後の事業再生可能性を探るために、まさに現時点の資産の状況と将来の収益状況を見ながらその事業の再生可能性を判断するものというふうに承知いたしてございます。
○中塚委員 これがどこかの物好きな会社がいて、カネボウを助けてやろうということで乗り出してきたんだったら、私だってそんなにとやかく言うつもりはないんだけれども、産業再生機構というのは、国策会社であって、しかも税金まで使われることになるかもしれない、そういう会社であるから、私はお伺いをしているわけなんです。 そもそも、当該年度だけの債務超過であったら話は別ですが、九期連続であったということならば、私はそんな会社はもう存在していないはずだと思うんですね。存在していない会社の直近の分だけをとって、まあ債務超過だけれども何とかなるだろうと。カネボウというブランドもある、あと技術等もあるのかもしれませんが。私は、ブランドがあり技術がある会社が九期連続債務超過になるというふうにも思えないんだけれども、単に看板代だけで、看板代を買い取るということだけで再生ができるというふうには考えられない。 ここで金融庁にもお伺いをしたいと思いますけれども、産業再生機構への支援の申請というのは銀行なんかとも一緒に行うということになっているわけですが、さてここで、メーンバンクであった銀行、これらはカネボウの債務超過の実態ということについては知り得る立場にいたんじゃないか、あるいは知っていたんじゃないのか、いかがでしょうか。
○伊藤国務大臣 メーンバンクでありました三井住友銀行によりますと、その時点において御指摘のようなことがあったとの情報は得ていないとのことであります。 なお、一般論として申し上げますと、金融機関が取引先の不適切な決算処理を承知した上で融資を行うようなことがありましたら、これはコンプライアンス体制や信用リスク体制に問題があると考えられますので、そうした場合には当該金融機関に対し法令に基づき適切な対応を行うことになります。
○中塚委員 そうすると、メーンバンクとしてのSMBCは知らなかったということですかね。しかし、私はそれもにわかには信じがたいことだと思うんですね。 カネボウへの融資が課題になっている、そろそろ銀行としては要はカネボウを再生することができないあるいは支援をすることができない、だから再生機構へ持っていくというときに、カネボウとメーンバンクとの間でちゃんとカネボウの財務内容についての話し合いが持たれなかったということが私はちょっとわからない。 それはちゃんと銀行とカネボウの間でカネボウの財務体質の内容について話し合いをした上で、その上で再生機構に対して支援の申請というものをされるというのがごくごく普通の流れであると思うわけなんです。そういった意味で、メーンバンクがこういった事実を知らなかったということについても、今大臣からの御答弁ではありましたが、やはり私はこれは納得をすることができない。 あと、金融担当大臣に政治家としてお伺いをいたしますけれども、先ほど私が機構室長にお伺いをした件ですが、そもそも八年三月期から九期連続で債務超過であったという会社は倒産をしているんじゃないですかね。それが粉飾だったから倒産しないで済んだということだと思うんですが、倒産をしていた蓋然性が非常に高い。それも粉飾によって覆い隠されていた。そういうものを産業再生機構が支援決定をするということについて、大臣はいかがお考えですか。
○伊藤国務大臣 個別のことについてのコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として、過去の決算というものが正しいものでなかったとするならば、それは極めて遺憾なことだというふうに思っております。 企業再生につきましては、事業再生のプロセスの一環として過去の経営責任というものを明らかにするために調査というものを実施して、その上で適切な企業情報というものを開示していく。それが自主的に行われるというのが事業再生の一つのプロセスではないかというふうには思いますけれども、個別のケースについてのコメントは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○中塚委員 産業再生機構も、要は支援案件はもう新しいのはないということでしょうけれども、こんなことが許されたら、粉飾決算でその場を何とかしのいで、あとはお上に助けてもらおうなんという、そういう会社がどんどんふえると思いますよ。だから、究極のモラルハザードだと私は思います。やはりこの件についてはちゃんと関係者にお越しをいただいてお話を伺わなきゃいかぬと思う。だから、SMBC、メーンバンクであればSMBCにもお越しをいただかなきゃいかぬし、あと産業再生機構ですね、この産業再生機構の責任者の方も一度ここにお招きをして、カネボウの問題をちゃんと国会の立場でただしていかなければいけない、私はそういうふうに思います。 委員長、SMBC等のメーンバンクの責任者、それに加えて産業再生機構の責任者について、当委員会への参考人招致を求めたいと思います。
○金田委員長 中塚一宏君からの申し出については、理事会で協議させていただきます。
○中塚委員 カネボウという看板、ブランド、そして技術力ということに着目をして再生をお決めになるということですが、ブランドが立派で、あと技術力もすぐれている、そういう会社というのは世の中にはいっぱいあって、それでも市場原理の中で倒産をする。それは何が悪いのかわかりませんが、産業再生機構がこれならいけると思ったから支援を決定したということですから、産業再生機構の責任者の方にお越しをいただいて、何でそういうふうに判断ができるのかということについてお伺いをしたいと思うのですが、世の中にはそういう会社はいっぱいあるんですね。ところが、それでもつぶれてしまう。それはハプニングでつぶれることもある。また、こういう粉飾決算をしてずっと残っているものもあるかもしれないけれども、何でカネボウだけなんだ、カネボウはこういう形で残ることになるんだという話にどうしてもなってしまうと私は思います。 勘ぐれば、産業再生機構がカネボウなりなんなりとにかく大口な案件というものを抱え込まないことにはその存在意義を問われるということで、デューデリジェンスもいいかげんだったんじゃないのか、そういうふうな疑念も抱かざるを得ない。そういう案件だと思っておりますので、これはぜひ参考人にお越しをいただいた上で、そういう不明朗な部分についてただしていきたい、このように思います。 先ほどはメーンバンクがこのことを知っていたのかどうなのかということについてお伺いをしたわけでありますけれども、今度は監査法人の責任ということなんですが、これも繰り返し繰り返し申しますが、九期連続で債務超過だった、では一体監査法人というのは何をやっているんだと。今回、証券取引法にしたって、投資家の保護、あるいは我々の言葉で言うと投資家の権利の擁護ということを目的に法改正をされていると思うんですが、そもそも監査法人、公認会計士さんというのは、まさにそのためにいらっしゃるはずですね。まさにそのためにいらっしゃるはずであるにもかかわらず、八年三月期から九期連続で債務超過というものを覆い隠すような粉飾決算について、ずっと適正であるというふうにしていた。この監査法人の責任ということについては一体どういうふうにお考えになっているのかということを金融担当大臣にお伺いをしたい。
○伊藤国務大臣 カネボウの粉飾決算の問題についての監査法人の責任についてお尋ねがあったわけでありますけれども、これは個別事案にかかわることでございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。 一般論として、虚偽のある財務書類を作成した経営者については、刑事、民事、行政上の責任を負うこととされており、これに加え、虚偽のある財務書類を故意または過失により虚偽のないものと証明した監査法人についても、刑事、民事、行政上の責任を負うこととされておりまして、いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、法令上問題があれば厳正に対処してまいりたいと思います。
○中塚委員 厳正なる対処というのは、いつの時点でどのようにされるおつもりなのか。聞くところによると、参考人で近々この委員会にも公認会計士さんにお運びをいただけるというふうに聞いておりますけれども、その適正な対応というのはいつごろどのようにおやりになるつもりなのか、それをお聞かせいただけますか。
○伊藤国務大臣 大変恐縮でございますが、委員のお尋ねはまさに個別具体的なことでございますので、コメントについては差し控えさせていただきたいというふうに思いますが、いずれにいたしましても、私どもといたしましては、法令上問題があれば、これに対して適切に対応をしてまいります。
○中塚委員 私は別にこの監査法人のことを専ら聞きたいわけじゃなくて、要は、カネボウをなぜ支援決定したのかというのは、それは再生機構が決めたというふうに答弁をされたから、再生機構を呼んでこないとわかりませんねという話をしているわけだし、メーンバンクのSMBCの話にしたって、そういう事実はないと聞いているというふうに大臣がおっしゃったから、だったらSMBCを呼んでこなきゃいけませんねという話をしているんだけれども。 監査法人の責任というのは、今おっしゃった民事、刑事等々の処分というのは政府のお立場でできることなわけですね。個別の案件と言われれば、それは確かに個別の案件だけれども、個別の案件だから答えられないということではなくて、個別の案件の何の部分が問題になって答えられないのか。要は、実態をちゃんとまだ把握していないから答えられないということなのか、処分ができないということなのか、もうちょっと具体的にお聞かせをいただけませんかね。
○伊藤国務大臣 大変恐縮でございますけれども、委員のお尋ねは、まさに個別の問題に対して具体的にどのように対応しているかということにかかわる部分のお尋ねでもございます。こうした点についてコメントは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○中塚委員 では、カネボウが粉飾決算をしていたという事実自体は、もう確認をされているわけですよね。まず、そこはいかがなんでしょうか。その上で、この監査法人が監査をしたという事実も確認をされているわけですよね。その二点はいかがなんですか。
○伊藤国務大臣 いわゆる証取法百九十七条に規定する虚偽記載罪に該当するかどうかについては、この点についてはコメントは差し控えさせていただきたいというふうに思います。先ほど機構から御説明がありましたけれども、カネボウが過去五期分の決算短信につき訂正を行ったということについては私どもは承知をいたしておりますけれども、証取法の虚偽記載に該当するかどうかについてのコメントは差し控えさせていただきたいというふうに思います。 いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、証券市場に対する信頼性というものを確保していくことは極めて重要なことでありますし、そのためにも適切なディスクロージャーが行われることが重要であるというふうに考えておりますので、こうした観点から適切に対応をしてまいりたいと思います。
○中塚委員 何かようわからぬ話。 要はカネボウが、会社の本体が粉飾決算をしていましたと言っているわけですね。監査法人はどういうふうに決算書なりなんなりをお読みになっていたのかわからないけれども、それを見抜くことができなかったというか、故意であろうがそうでなかろうが責任を問われる立場にいるということなのに、それがどういう処分になるのか、あるいはそれがいつごろになるのか。というのは、そもそも処分なんてとっくの昔に終わっていたっていいはずの話だと思うんですね。それが何でここまで時間がかかってしまうのか。その事実関係を把握するのに何でこんなに時間がかかるのかということについてお聞かせいただけますか。
○伊藤国務大臣 重ねてで恐縮でございますけれども、個別案件につきましては、証券取引法上の虚偽記載罪に該当するか否かについて従来よりコメントを差し控えさせていただいてきたところでありますし、調査の有無も含めてコメントは差し控えさせていただいてきたところでございます。 一般論として、その重要な事項につき虚偽の記載のある有価証券報告書を提出したと疑われる場合には、証券取引等監視委員会は必要に応じて調査を行うこととなっております。
○中塚委員 調査の有無を含めてなんということまでおっしゃられると話が振り出しに戻ってしまうわけなんですけれども、カネボウ本体が要は粉飾決算していましたと言っているわけでしょう。それについて何で調査の有無を含めて答えられないということなんでしょうか。カネボウ本体が粉飾決算をやっていたというふうに言っているのに、金融庁としてあるいは行政として調査をしないなんという選択肢というのがあり得るんでしょうか。
○伊藤国務大臣 もう大変恐縮でございますけれども、個別の内容についてどのような形でそれに対応しているかということについては、監視委員会も今までコメントは差し控えさせていただいているところでございますし、私どもとしてもコメントは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○中塚委員 例えば、今調べています、近々処分しますというふうに何で言えないのかということなんです、私がお伺いをしているのは。要は調査しないということもあり得るんですか。監査法人の責任というのはあるとかないとかいうよりも、その前に調査自体もしないことだってあり得るということをおっしゃっているんですか。もう一回、御答弁いただけますか。
○伊藤国務大臣 私どもといたしましては、さまざまな情報というものを活用して、そして、総合的に法令上に問題があれば適切に対応しているところでございます。 ただ、委員からのお尋ねにつきましては、具体的な内容にかかわる部分についてでございますので、コメントは差し控えさせていただきたいというふうに思います。(発言する者あり)
○金田委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○金田委員長 速記を起こしてください。 中塚君からの質問に対して、伊藤金融担当大臣からお答えがございます。
○伊藤国務大臣 私ども行政に課された使命というものは、しっかり果たしていかなければいけないわけであります。したがって、法令上に問題があれば、それに対して適切に対応をしてまいります。
○中塚委員 法令上に問題があればということは、それは一般論ですね。 個別の話にお答えになれないということだけれども、カネボウ自身が粉飾決算していました、それなんか経営浄化委員会が発表をし、同じ政府の国策会社である産業再生機構が過年度決算の訂正発表ということまでやっているじゃないですか。ということは、大きくくくって、政府部内でやはりカネボウというのは粉飾決算をやっておったんだということを認めている。そのカネボウの決算なりなんなりに判こをついていた公認会計士あるいは監査法人というものがあって、その監査法人の責任を問わないという選択肢というのはないはずですよね。私がお聞きしているのはそこのことなんですが、答えられないと。それは何もかも答えてほしいけれども、答えないでしょうけれども、でも、今、そういう処分をするに当たって、どういったことを調べていて、どういったことが障害になっているのか、あるいは単にゆっくりやっているだけなのか、その程度の話は答えられないなんということは私はあり得ないと思いますよ。 やはり私は、こうやって処分がなかなか出てこないということだと思いますね。処分が遅過ぎる。何で遅いのかということになってくると、まさにカネボウが上場を廃止するしないなんということにもなっているわけですが、カネボウの上場廃止あるいは廃止されないということについて、この監査法人に対するいろいろな処分が影響をするからではないのか、そういうふうにも勘ぐりたくなるわけですよ。 いずれにしても、あす、この監査法人の方が参考人としてお見えになるわけだから、我が党からも質疑を行うわけですけれども、そのときまでに、答えられないなら答えられないで構わないが、何で答えられないのか、それは個別の案件だから答えられないということじゃなくて、個別の案件にしたって、こういったことが問題だ、こういった事実を調べるのに時間がかかる、だから答えられないということを、あすの理事会までで結構ですから、理事会の方に御提出をいただけませんか。いかがでしょうか。
○伊藤国務大臣 私どもがコメントを差し控えさせていただいておりますのは、証券取引等監視委員会の活動を円滑に進めるためにもこうした対応をとっておるということについて御理解をいただきたいというふうに思いますし、また、個別事案の対応のあり方について言及をすると、その監視委員会の取り組みの状況を明らかにすることになる上、関係者に予断を与えるなど、現に進行している調査の事務運営に支障を来しかねないほか、調査の過程で協力を得た関係者の信頼に反し、その協力が得がたくなるなど、将来の調査にも支障を来しかねない点があることについて御理解をいただきたいというふうに思います。
○中塚委員 今の御答弁は、証券取引監視委員会のやっていることだから私は答えられませんという話なのか、それとも、今金融担当大臣がいろいろなことを言うと、監視委員会からは聞いているけれども、いろいろなことを言うと、それはいろいろな調査の妨げになるから言えないということなのか、どっちなんですか。
○伊藤国務大臣 重ねての答弁で恐縮でございますけれども、証券取引等監視委員会の活動を円滑に進めるためにもコメントは差し控えさせていただきたい、その点について御理解を賜りたいということでございます。
○中塚委員 いや、証券取引監視委員会の機能を円滑に進めるために私は言えませんということですか。これは私じゃなくて証券取引監視委員会がやることだから答えないということですか。そこを聞いている。どっちなんですか、そこは。
○伊藤国務大臣 個別の案件については、私ども、金融庁の対応についてもあるいは監視委員会の対応についてもコメントは差し控えさせていただいているわけでありますが、先ほどもお答えをさせていただいたように、証券取引等監視委員会の活動を円滑に進めるためにコメントは差し控えさせていただきたい、その点について御理解を賜りたいということでございます。
○中塚委員 お答えに全然なっていないんですけれども。 証券取引監視委員会が独立してやっているんでしょう、独立してやっているわけですよね。その件については大臣のところには御報告はあるんですか。あっても言えないのか、ないから言えない、ないからわからないのか、そこはどっちなんですか。
○伊藤国務大臣 これも今まで本委員会でも御答弁をさせていただいているように、監視委員会というのは独立をいたしておりまして、私の通常の指揮権の中には入っていない、独立した機関でございます。
○中塚委員 そういう話をされると、今度は証券取引監視委員会もお越しいただかなきゃいけないですね。しかも、呼んだときには必ずお越しをいただけるということでなければ、もうこの手の話というのはできないわけですね。前、我が党の委員が参考人として招致を要求したときに、それについてなかなかきっちりと応じていただけなかったということもあります。そういった意味で、まずは、呼んだら必ずお越しをいただけるということについて、これは与野党の理事の間できっちりと合意をつくらなければいかぬというふうに私は思います。それが第一点です。 第二点目ですけれども、何でここまで事実が明白になっているのに監視委員会として処分というものがこれだけ遅くなってしまうのかということについてはまだお答えをいただけていないと思うんですね。何で処分が出せないのか。そのことについてまだお答えをいただけていない、これについてはいかがですか。
○伊藤国務大臣 通告がございました場合には、これは委員会の中の御協議だというふうに思いますけれども、今までも事務局長が出席をさせていただいて答弁に立たせていただいているというふうに思います。ただ、個別の問題については、やはり言及は差し控えさせていただいているということだと思います。
○中塚委員 では、次に委員長にお願いしますが、この証券取引監視委員会の委員長ですけれども、参考人で招致を要求した場合には必ず応じていただけるということを、ぜひこれは与野党の理事の間での合意にしていただきたいと思うんですね。今、事務局長というお話はありましたけれども、今私が申し上げたようなことをただしていこうにも、それは私の指揮監督権が及ばないということなら、それはそれで結構ですけれども、行政組織上そうなっているということなら、それはそれで結構ですけれども、だったら、ちゃんと委員長御本人にお越しをいただくということが必要だと私は思います。ぜひ、そのことを理事会でまたお取り計らいをいただきたい、この協議の対象にしていただきたい。委員長にお願いをしたいと思います。
○金田委員長 中塚一宏君のお申し出については、理事会で協議させていただきます。
○中塚委員 大臣、こればかりやっていると時間もなくなってしまうんだけれども、九期連続で債務超過だった、話はもとに戻りますが、九期連続で債務超過だった。それを支援決定を決める方もどうかしていますが、その九期連続の債務超過であった会社にずっと適正という判こを押していた監査法人だって私はどうかしていると思いますよ。それはどうかしているんだから、何でその処分を迅速にできないのかということだと思うんですね。それは法律でこういうことをしたらこうなるというのは、それはもうおっしゃられるとおりでよく理解をいたしますが、ところが、何でそれがここまで時間がかかってしまうのか。 やはりもっとこの証券取引監視委員会というものに独立性があって、強い権限があって、なおかつ、処分権もあってということなら迅速に進んでいくんじゃないのか。結局、処分権もないということになれば、いろいろな役所にお伺いを立てながら物事を進めていく、そこにいろいろな物事に対しての配慮ができてしまうんじゃないのか。極めて不明瞭、国家ぐるみの粉飾になってしまうんじゃないのか。カネボウの粉飾だったものが、これは国家ぐるみの粉飾になってしまうのではないのか、そういう疑念を抱かざるを得ないという点でお伺いをしているわけなんですが。 大臣に要求をしても、自分の関するところではないというふうなお話なので、委員長にお願いしたいんですが、先ほど私があすの理事会までにお願いしたいと申し上げました資料、要は、今この監査法人の処分について調査をしているのかしていないのか、まだ処分が決まっていないようだけれども、何が問題となってここまで遅くなっているのかということについて、この委員会として証券取引監視委員会に資料を提出させるように、これを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
○金田委員長 今、中塚一宏君からの申し出でございますけれども、証券取引監視委員会の今後の活動、これからの将来にわたっての活動を担保するために、今やっていることを公表できないというふうに金融担当大臣からのお答えでございますので、極めて難しい対応だろうというふうに思っております。でも、理事会で協議することについては、本当にそこいら辺はもっと納得いただけるような形での協議というのはやぶさかでないというふうに思います。
○中塚委員 そんなに私は難しいことを頼んでいるつもりは全然ない。要は、その監査法人の責任はあるということですね。カネボウが粉飾決算しているんだから、監査法人の責任はある。では、その責任について行政としてどういう処分をするのかということについて、今調査をしているしていないということをも含めて教えていただきたいということと、いまだにその処分が行われないというのは、どういった問題点があってそれがいまだに行われていないのかということをお伺いしているわけで、そんなにこれが難しいことだというふうには私には思えないんですが。 いずれにしても、今委員長からお話がございましたとおりということで理解をして、あすの朝の理事会までにお願いをしたい。よろしくお願いをいたします。 それでは次に、課徴金制度についてお伺いをしたいと思います。 私は、課徴金制度についてこの改正案に盛り込まれるというふうにずっと聞いておりましたけれども、残念ながら改正案原案には課徴金というのが盛り込まれていない。盛り込まれていない理由というのはいろいろ伺っております。盛り込まれない理由についても伺いたいんですが、もう一つ伺いたいのは、そもそも課徴金制度というものの目的は何かということですね。盛り込まれなかった理由と、課徴金制度が必要な目的は何なのか、この二点についてお伺いをしたいと思います。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 まず、課徴金制度の目的の方でございます。 これは、昨年、当委員会でも御審議をいただきました証券取引法の改正で導入をされたわけでございます。この課徴金制度は、規制の実効性を確保する観点から、違反行為を抑止するための新たな行政上の措置として違反者に金銭的負担を課す制度、そういう目的になっております。また、その水準については、初めて制度を導入するということもありまして、違反行為の抑止のための必要最小限の水準といたしまして、経済的利得相当を基準としたところでございます。 それから、もう一つの御質問でございます継続開示義務違反に対する課徴金がなぜ今回の法改正案に盛り込まれなかったのかということでございます。 金融庁は、これまで有価証券報告書などの継続開示書類の虚偽記載に対する課徴金制度の導入に向けまして法制面での詰めの作業を行ってきたわけでございます。しかしながら、現行の証券取引法の体系のもとで継続開示違反に対する課徴金を導入するためには、この課徴金制度の導入の基礎となります違反行為により得られます経済的利得の内容、それから算定方法、また課徴金と刑罰規定との関係など、引き続き慎重に検討すべき課題が少なくないといったことから、今国会に提出しました証券取引法改正案では、継続開示書類の虚偽記載に対する課徴金制度の導入を盛り込むには至らなかったところでございます。 私どもといたしましては、この継続開示義務違反に関する課徴金導入の検討自体を断念したわけではございませんで、今後、さらに検討を深めていきたいというふうに考えております。
○中塚委員 課徴金制度の目的というのは、今お話は二つあったと思うんですけれども、不当利得の吐き出しのためのものなのか、あるいは違反行為、不法行為の抑止のためのものなのか、要はどちらなんでしょうか。そこを明確にお答えをいただけませんか。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 先ほどちょっと御説明をいたしましたように、現行の課徴金制度でございますが、これは、規制の実効性を確保する観点から、違反行為を抑止するための新たな行政上の措置として導入をいたしました。ただ、その課徴金の水準について、違反行為の抑止のための必要最小限の水準として経済的利得相当を基準としたということでございます。
○中塚委員 要は、主たる目的というのは不法行為の抑止ということでよろしいわけですよね。ところが、不当利得の吐き出しという点で考えていくと、その不当利得の計算方法がいまいち明らかでなかったということをもって、この課徴金というものが改正案からおっこった、そういうことでよろしいんですか。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 基本的に先生の御指摘のとおりだと思います。違反行為の抑止のための必要最小限の水準ということで経済的利得相当額というものを基準とした制度に今現在の課徴金はなっておりまして、今回、継続開示の課徴金につきましても同じような観点からいろいろな検討はいたしましたが、その経済的な利得の内容あるいは算定方法等について課題がまだ多いということで、今回盛り込むことには至らなかったということでございます。
○中塚委員 そういうことでそれが乗っからなかったということなんですけれども、この後、修正案を提出して課徴金を創設したいと考えているわけなんですが、ちなみにお伺いしますけれども、金融庁が金融審議会に提示をした継続開示義務違反により生ずる経済的利得の算定方法によれば、世間で大変に話題になりましたあの西武鉄道グループ、これに対する課徴金というのは一体幾らになるんですか。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 金融審議会で継続開示の課徴金の関係についていろいろな御議論をいただいたわけでございますが、私どもといたしましては、金融審議会の中で継続開示書類の虚偽記載に対する課徴金について一定の考え方をお示しいたしました。それは経済利得の算定方式に関する基本的な考え方でございます。 ただ、今申し上げましたように、これは基本的な考え方の案でございます関係上、具体的な数値の入った形で案を示すという形になっておりませんでした。そういったことに至らなかったものでございますから、金融庁案に基づいて個別企業に関する課徴金額を計算することは難しいということでございます。
○中塚委員 ちょっと信じがたい答弁だと思うんですが、算定方法があって具体的な額が出ないというのは、それはどういうことなんでしょうか。 例えば、私は、法制審査というのがどういうものかわかりませんけれども、確かに方法自体に問題はあるという指摘を法制審査の段階で受けることがあったとしても、究極の目的は不法行為の抑止ということになっているんだったら、実は、算定方式とその算定方式によって導き出される額というのは、これは法案をつくる上で大変に重要なポイントになっていたはずだと思うんですね。 継続開示義務違反により生ずる経済的利得の算定方法というのがあるんだから、もともとの皆さんがおつくりになりたかった課徴金制度で、例の西武鉄道グループに対する課徴金が一体幾らになるのかということ、それが出せないということはあり得ないんじゃないでしょうか。課徴金は幾らになるんでしょうか。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど御説明をいたしましたように、私ども、基本的な考え方については金融審議会でも御説明をいたしましたが、この考え方自体が経済的利得として的確かどうかという段階での御議論でいろいろな詰めがまだ必要だということになっておるものでございますから、そういう意味で、その考え方に基づいて一体具体的な水準が幾らかという議論の前の段階で、いわば詰めの作業がそれ以上できなかったということでございます。したがいまして、水準自体についての議論まで至らなかったものでございますから、個別の企業なりなんなりの課徴金の計算ができないということでございます。
○中塚委員 別にそれは金融審議会であろうが法制局だろうが何でもいいんですけれども、要は、皆さんが案をつくって、こういうことでやりたいというお話をされたときに、私たちの考えでこの課徴金制度をつくれば大体幾らぐらいになりますということを御説明にならないんですか、そういうときには。ちょっとにわかに信じがたいことなんですが。
○増井政府参考人 何回も申し上げますが、今回詰めができなかった部分というのは、基本的な考え方についてまたいろいろな御議論があったからでございます。課徴金の水準自体がどうのこうのという以前の議論でなかなか詰めがまだできていなかったということなものでございますから、そこの数字の議論までは至らなかったということでございます。
○中塚委員 いや、だから、不法行為の抑止ということをねらいに課徴金制度をおつくりになられるということですよね。そうしたら、経済的利得の算定方法は、それはいろいろなものがあると思いますよ、いろいろな考え方があると思う。では、その考え方にのっとってやってみて、西武鉄道グループに対しての継続開示義務違反の課徴金が、例えば極端な話ですが十万円でしたと。それで果たして抑止効果になるんでしょうか。 私が申し上げたいのは、要は、算定方式をつくって、額が大体これぐらいになるんだということがあって初めて抑止の効果ということの説明がつくはずですよね。そうじゃないんですか。だから、それをおやりになっていないということ自体、私には信じがたい。何でおやりにならないんですか。
○増井政府参考人 何度も御説明して恐縮でございます。 この問題というのは、私どもが法律をつくる際は常にそうでございますが、基本的に、基本的な考え方、方針というものを議論いたしまして、さらに、そういったものはこれまでのいろいろな制度との関連でどういう関係があるのかということをいろいろ議論いたすわけでございます。そういった観点からは、おっしゃるようにこれは抑止の観点でございますから、最終的には水準の議論があり、そこで果たして抑止として十分かどうかというところまで、当然、制度を仕組むときはそういう議論をするわけでございますが、先ほど申し上げましたように、その議論の前に、今回、基本的な考え方のところでさらに詰める部分があるということになったものでございますから、そういう意味で具体的な水準がなかなかお示しできなかったということでございます。
○中塚委員 何か今みたいな答弁だと、冒頭、課徴金制度の導入について今後も検討していきたいとおっしゃったけれども、どうやって検討されるのか、さっぱりもってわからない。 伊藤大臣、大臣にお伺いをしますけれども、私は、今の話なんかを聞いておったら、それは官僚主導政治の典型みたいな話だと思いますよ。だって、算定方式とその算定方式によって出てくる課徴金の額というのは、実態的に不法行為、違反行為を抑止すると言っている以上は大変に密接な関係を持つし、重要な課題なんじゃないんでしょうか。私らはそう思っているから、修正案で課徴金制度をやはりつくらなければいかぬと思っているわけですね。であるにもかかわらず、政府側がこんなことでは、本当に課徴金制度をつくってもちゃんと運営していってもらえるのかという、そんな気もいたしますけれども、そもそも政府としてのこの課徴金の問題に対する取り組みというのは、こんなことで本当にいいんですか。
○伊藤国務大臣 先ほど来局長が答弁をさせていただいておりますように、政府の中での調整の項目につきましては、課徴金制度の導入の基礎となる、違反行為により得られる経済的利得の内容及びその算定方法、課徴金と刑罰規定との関係、こうしたことに対して慎重に検討すべき課題が少なくないことから、今回法案として盛り込むには至らなかったということでありますけれども、私どもといたしまして、基本的認識としては、継続開示義務違反に対する課徴金制度というものを導入したい、そして法制面の詰めの作業を行ってきたところでありますけれども、先ほどお話をさせていただいたような観点でまだ慎重に検討していかなければいけないということであったがために、今回の法案に盛り込むことには至らなかったということであります。 しかし、私どもとして、このことを断念したわけではありませんので、今後とも、引き続き検討を深めていきたいというふうに考えております。
○中塚委員 いや、その答弁も何にも答えになっていないんだけれども、引き続き検討されるのは、それはそれで構いませんが、引き続き検討していく上で、算定方法はまたこれから考えるんでしょう、お考えになると。みんなが納得できるような算定方法を考えていこうということなんでしょうけれども、それと課徴金の額の問題というのは関係ないわけないですよね。だから、私は、この後出てくる修正案での課徴金の額と、あともう一つは皆さんがもともとオリジナルで考えていらっしゃった課徴金制度での額、それが大体おのおの幾らぐらいになるのか、おのおの幾らぐらいになった上で、これが果たして本当に不法行為の抑止の目的になるのか、そのことをお伺いしたくて質問をしているんですけれども。 何で算定方法はあって課徴金の額が出ないのか。要は課徴金の額を出さないで、算定方法だけで、遊んでいたと言ってはちょっと語弊があるかもわからないけれども、算定方法をああじゃない、こうじゃないと言っていて、結局、課徴金の額が幾らになるかというところまで思いが至らないということなんでしょうか。そこはどうですか。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 私どもが継続開示の課徴金についてお示しした考え方というのは、先ほどの経済的利得というところでございますけれども、例えば、格付の上昇なんかにより借り入れコストが低下をするとか、あるいはレピュテーションの上昇に伴う取引の拡大とか、そういった観点から経済的利得があるであろうということで、いろいろな考え方をお示ししたつもりでございます。 ただ、こういった考え方自体が経済的利得かどうかあるいはそれとの関連がどうなのかといった御議論がいろいろあったものでございますから、そこの議論が詰まらないとなかなか水準のお話にはならないということで、今回、そういう形でお示しをすることができなかったということでございます。
○中塚委員 いや、だから、算定方法は、確かにそれはいろいろな意見があると思いますよ。算定方法についてはいろいろな意見があると思う。でも、課徴金制度が必要だ、しかも、その課徴金の目的というのが不法行為の抑止だということまで決まっているのなら、額と一切無関係という話にはならないじゃないですか。そのことを私は申し上げているんです。 修正案を出しますけれども、政府に任しておいたら、今の話だったら、いつまでたっても課徴金制度なんてできないじゃないですか。(発言する者あり)おっしゃるとおりじゃなくて、こんなのいつまでやったって政府には課徴金制度なんてつくれないということじゃないですか。伊藤大臣、そこはどうですか。
○伊藤国務大臣 先ほど来答弁をさせていただいているように、私どもとして、継続開示義務違反に対する課徴金制度というものを行政上の新たな措置として導入していきたい、そうした点について法制面の詰めをさせていただいておりますし、また、その基本的な考え方についても政府の中で調整をさせていただいていたわけであります。 先ほど局長がお話をさせていただいたように、その基本的な考え方というのは、財務状況が実際よりよく見えることによる会社の格付の上昇等による借り入れコストの低下、レピュテーションの上昇及びそれに伴う取引拡大、人材確保の容易化、そして上場の維持等を通じた当該会社の有価証券の価格水準や流動性の確保、こうした中のうち一と二につきましては、格付の上昇等による借り入れコストの低下、あるいはレピュテーションの上昇に伴う取引拡大、こうしたことに対する経済的利得の計算のあり方についても議論をしていたところでありますけれども、そもそも論として、委員も御承知のとおり、こうした考え方そのものに対して慎重に検討すべき点がある、刑罰との関係でありますとか、二重処罰の関係でありますとか、そうした関係も含めて慎重に検討すべき点があるということで、今回の法の改正には至らなかったわけであります。 しかし、私どもとして、先ほど来お話をさせていただいているように、この問題に対して非常に強い問題意識を持っておりますので、引き続き検討を続けていきたいというふうに思っております。
○中塚委員 全然わからない。 修正案をいろいろと検討していく中で、私は立法の趣旨といいますか制度創設の目的ということは非常に大事だと思ったので、だから、不法利得を没収するということなのか、違反行為の抑止なのかというのは、まず大変重要なポイントですね。それが、違反行為の抑止、不法行為の抑止だというお話になっている。その不法行為の抑止のための課徴金の算定基準に不法利得を持ってくるということで、それはそれで、それもよくわかる話ではありますが。 それで、修正案の議論をして私が思ったのは、後からここで議題になる修正案で、こんなに安くていいのということなんですね。だって、制度創設の目的が不法行為の抑止だったら、やはり額というのは大変に大きなポイントになると思いますよ。だから、額の議論はしないで算定方法ばかりにこだわっている政府のスタンスというのは、私はちょっと理解できないというか、はっきり言って何をやっているんだという思いですね。 ちなみにお伺いをいたしますけれども、この後出します修正案に関連してですが、西武鉄道とさっき申し上げたカネボウについて、継続開示義務に違反をしていたそのときの時価総額というのはおのおの幾らですか。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 西武鉄道とカネボウについて、訂正された直近の有価証券報告書の提出時の株式時価総額を参考に申し上げますと、西武鉄道の場合、平成十六年六月二十九日現在で五千九百六十六億、それから、カネボウの場合、平成十六年六月三十日現在で五百十八億というふうになると思われます。
○中塚委員 ここでちょっと一つ言っておきたいことがあるんですが、実は、きのう質疑通告をして、与野党共同の修正案による課徴金が幾らになるのかということを聞いたら、いや、修正案はまだ提出されていませんので計算できませんみたいな答えが返ってきて、それは形式的にはそうかもわからないんだけれども、きょうはいろいろと質問して私も頭に血が上っているものだからこの際言いますが、だったら、何で理事会にあれだけうじゃうじゃ役人がいっぱいいるのかということなんですね。理事会にあれだけいろいろな方がいらっしゃって、修正案を出すということがわかっているんだったら、今出した額に十万分の三を掛ければいいだけの話でしょう。何でそういうことをやれないのか、やらないのかということですね。本当に私はそれを強く抗議しておきたいと思う。 お話のあったとおり、五千九百億と五百十八億、これの十万分の三ですね。果たしてその程度の額が課徴金として相当であるとお考えでしょうか、金融担当大臣。そこはいかがですか。
○伊藤国務大臣 今のお尋ねは、これは立法府の判断、議員立法の問題でございますので、私ども行政の立場としてのコメントは差し控えさせていただきたいというふうに思います。 しかし、私どもといたしましては、証券市場の信頼性を確保するためには、適切なディスクロージャーというのは極めて重要でありますので、仮に、立法府の御判断として、政治の御判断として、新たな継続開示義務違反に対する課徴金制度というものが導入されれば、それを適切に運用して、そして制度目的が実現できるように全力を尽くしていきたいというふうに思います。
○中塚委員 いや、それは適切に運用してもらうのは当たり前の話なんだけれども、法の趣旨として不法行為の抑止ということを言っていらっしゃる。皆さん方は、その不法行為の抑止のための、要は不法に得た利益の計算方式さえもできなかったということですね。だから、それをつくってあげるんですが、修正するんですけれども、問題は、その修正をした額が本当に不法行為の抑止に足るものかどうかということですね。 だって、一回これで修正をかけて制度ができ上がれば、後はそれを運用しながら、また様子を見て直していく必要もあるでしょうし、皆さん方は、今回修正が行われなかったとしても、課徴金制度について検討していくということをおっしゃっているわけなんだから、そういった意味で、この額が果たして不法行為の抑止に足る額なのかどうなのかということについて御意見があってもしかるべきなのではないかと思いますが、いかがですか。
○伊藤国務大臣 将来の課徴金制度のあり方についてはさまざまな御議論があるものと考えております。現行の証券取引法について申し上げれば、違反行為の抑止のための必要最小限な水準として、経済的利得相当額を基準とした制度となっているところであります。 金融庁といたしましては、課徴金制度のあり方について引き続き検討を深めてまいりたいというふうに思います。
○中塚委員 ぜひ制度が創設をされたら、後はその制度の運用ということを通じて、本当に抑止効果になるような、そういった額を目指してまた改正をするということをお話をして、私の質疑を終わります。
○金田委員長 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。 私は、証券取引所の問題についてお聞きをしたいと思います。 五年前に証券取引所の株式会社化が認められる法改正が行われまして、東京証券取引所も大阪証券取引所も株式会社となりました。しかし、一般の株式会社と違いまして、株式会社化された証券取引所は、自主規制機関であるがゆえに、上場企業の内部情報に触れる機会が大変多い、あるいは上場を目指す企業の内部情報を上場前につかむことができる。証券取引所というのはそういう特殊な株式会社だと思いますけれども、伊藤大臣、いかがでしょうか。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、証券取引所というのは、投資者の保護や取引の公正を図りながら有価証券の取引の場を提供するという国民経済上極めて重要な役割を果たしているということから、まず、その組織について、公正性、中立性、信頼性が強く求められている。さらに、機能面につきましても、自主規制機関といたしまして、取引参加者に対して取引所の定める自主ルールなどの遵守を求めて、違反した取引参加者に対しては制裁措置を講じなければならないといったような法律上の規定がございます。こういったことから、通常の株式会社とは異なる性格を有しているというふうに考えております。
○佐々木(憲)委員 通常の株式会社と異なるわけだけれども、私が聞いたのは、内部情報をつかむ機会が大変多い、そういう株式会社だということを言っているわけであります。そういう意味では、インサイダー取引の危険性が常につきまとうものであります。 株式会社化以降、例えば大阪証券取引所は、社外取締役として証券会社出身者が就任していますね。そうなると、さまざまな問題が発生するわけであります。例えば、大阪証券取引所のヘラクレス市場のホームページがあります、そのホームページを見ますと、こういうふうに書いてあるわけです。「取締役総数は十七名でうち十四名が社外取締役。取引所運営の意見を求めるため、市場参加者(証券会社)から八名を選任しているが、収益の大きな部分が参加者からの負担金であり、参加者は当所の株主でもあることから、料率の設定、配当金の承認などの点で利益相反が起こる可能性がある。」、こういうふうにヘラクレス市場のIPOレポートに書かれているわけであります。極めて率直な指摘だと思いますが、大臣、いかがですか。大臣、大臣に聞いているんだよ。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 従来より、各証券取引所におきましては、取引参加者としての証券会社の代表、さらには投資家、あるいは発行会社の代表、学者など、そういった方々から社外取締役等を選任してきております。これは、有価証券市場の運営に関して、取引参加者としての証券会社だけではなくて、市場利用者などの意見も反映させることを目的としているものと承知をしております。 今の、各証券取引所におけます取締役などの役員の中にいわゆる証券会社出身の者がいるということでございますが、数は比較的限定されているというふうに考えております。したがいまして、証券会社側の意見だけで手数料が決定される状況にはないというふうには考えておりますが、おっしゃるように、利益相反という意味では非常に重要な視点だというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 大臣にお聞きしますけれども、証券会社出身者が社外取締役に就任するというのは、簡単に言いますと、参加手数料を決める側に払う側がついているということなんですよ。払う側が手数料を決めるということになるわけですね。そうなるんじゃありませんか、大臣。
○伊藤国務大臣 今局長が答弁をさせていただきましたように、有価証券市場の運営に関して、取引参加者としての証券会社だけでなく、市場利用者の意見も反映させることを目的として社外取締役の選任というものがなされているというふうに承知をいたしておりますので、各証券取引所における取締役等役員に占める証券会社出身の社外取締役の数というものは限定されたことになっておりますから、証券会社の意見のみによりその手数料が決定される状況にはないというふうに承知をいたしております。
○佐々木(憲)委員 このヘラクレス市場のホームページでは、取締役総数十七名で、うち十四名が社外取締役、証券会社から八名というふうに書かれているわけです。決して少なくはありません。 株式会社になることが問題だけれども、それだけではなくて、株式市場に証券取引所自身が上場するという問題が出てくるわけですね。そうなりますと、これは一層複雑になるわけです。大体、証券取引所自身が自分の取引所に上場するわけですから、極めて奇妙な現象であります。 まず懸念されますのは、そうなりますと、株式の買い占めのおそれが出てくる。実際に、大阪証券取引所が今上場されております、みずからの市場に上場しているわけです。その結果、今問題になっている村上ファンド、これが一〇%の株式を買い占めているわけです。筆頭株主になった可能性が高い。一月の時点では約六%だったわけですが、三月下旬に時間外取引で一気に取得したと言われております。しかも、それをもとに六月の株主総会で村上氏を社外取締役に迎える案を大証自身が提案するように求めている。大証側はこれを拒否したという報道があります。これに対して村上ファンド側が対抗策を今度は打ち出すんじゃないかという報道もある。村上ファンドは大証の内部留保金の額についても問題にし、株主還元を主張していると言われている。こうなってきますと、取引所自身が特定の投資会社に支配されてしまう、こういう危険性というものが出てくるわけであります。そうなりますと、自主規制機関としての性格が損なわれてしまうと私は思うんですね。 こういう特定の投資会社による証券取引所の株の買い占め問題、こういう点について、伊藤大臣、どのようにお考えか、どのように見ているか、考えを聞かせていただきたいと思います。
○伊藤国務大臣 今御紹介がありました事案については、個別の事案でありますのでコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、証券取引所については、株式会社化することによって意思決定の迅速化が図られるとともに、市場間競争においてシステム投資が極めて重要になってきている状況の中で、多様な方法による資金調達が可能となっているというメリットがございます。さらに、株式会社化した証券取引所が上場することになりますと、資金調達機会というものがさらに多様化いたしますので、株式会社のメリットがさらに拡大することになると考えられます。 他方、証券取引所について、委員が御懸念の投資者の保護あるいは取引の公正を図りつつ有価証券の取引の場を提供するという公共的な機能が求められておりますので、こうしたことに対しましては、株式会社形態をとる証券取引所の過半数の議決権を取得、保有することを原則禁止するとともに、主要株主についても不適格者を排除するための認可制としているところでございまして、こうしたことにより証券取引所の業務の健全な運営は確保されているものと考えております。
○佐々木(憲)委員 例えば、三分の一以上の株式保有をいたしますと、さまざまな特典が出てまいりますね。例えば、その会社の意思決定を拒否するというような権限というのが生まれてくると思うんですが、そういうことに対して歯どめというものは一体どのように設定されているのか、お聞かせいただきたい。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど大臣からも若干一部御答弁をさせていただきましたけれども、証券取引所につきましては、投資家の保護あるいは取引の公正を図りながら有価証券の取引の場を提供するという公共的な機能があります。こういった観点から、主要株主、今先生三〇%とおっしゃいましたが、この規定では原則として二〇%以上の議決権を保有する者につきましては、いわば不適格者を排除するために認可制としております。 私どもといたしましても、そういった認可の観点から、例えば、議決権の行使によって取引所の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないかどうか、あるいは取引所の公共性に関して十分な理解を有しているかどうか、十分な社会的信用を有する者であるかどうか、そういった観点等から審査を行うということになっております。
○佐々木(憲)委員 二〇%以上の議決権については認可制、これは法律に書いてあるとおりであります。 しかし、問題は、証券取引所自身の方針を決定する、例えば手数料ですとかあるいは内部留保金をどうするとか、そういうものを決定する際に、一定の権限といいますか、それが行使できる率は三分の一以上だというふうに思いますが、それはそうですよね。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、今、商法上、いわゆる重要事項についての拒否権といいますが、そういうのは三分の一ということになっております。
○佐々木(憲)委員 二〇%以上の議決権を保有する場合には認可制だと。しかし、例えば一五%あるいは一六%、そういう保有については規制がないわけですね。例えば三つの会社が、一二%、一二%、一〇%、こういうふうに保有した、合わせて三四%になる。これが一定の、同一の意思のもとに行動をする、例えばある経営方針に対して拒否権をそろって発動しようじゃないか、こうなりますと三分の一以上になりますね。そういう場合には拒否権というのが行使できるということになりますね。
○増井政府参考人 お答え申し上げます。 まず、先ほど私、原則として二〇%以上の議決権を保有する者ということを主要株主の規定について申し上げました。原則としてということでございますので、実は一五%以上を持った場合には、財務及び営業の方針の決定に関して重要な影響を与えることが推測される事実がある場合には一五%以上でも同じく認可制をとるということになっております。それが第一点でございます。 それからもう一つは、今先生の御指摘の、共同してというか合意をしながら議決権を行使してしまう場合ということが考え得るわけでございますが、そういう場合には、共同で議決権を行使することを合意している者など特別な関係にある者が共同で株式を取得、保有している場合には、今の計算上、今先生の御指摘の三十数%でございますが、足し算をするとそういうふうになるということになれば、いわば主要株主規制が同じくかかるということになりまして、合算して適用されるということでございます。
○佐々木(憲)委員 これは三社が特別な関係にある、親子の会社ですとかそういう関係にある場合は明確ですけれども、しかし、A、B、Cという会社がそれぞれ独立して全く違う意思決定のもとにある、そういう独立した三社が、それぞれ一五%以下の株を保有して、連合して三分の一以上になる、そういう場合には規制ができないんじゃないですか。 ですから、私は、時間がありませんので最後に大臣にお伺いしますけれども、こういうことを想定して五年前に法案を提案されて株式会社化というものを決められたのか。上場するということになりますと、今言ったようないろいろな問題が起こってくるわけですが、そういうことに対してどういう規制が必要なのか、一定のルールというものをやはり新たに今の段階で検討するということが必要だろうと思うんです。そうしないと、株式会社化された証券取引所が、非常にゆがんだ、不公正な市場に変わってしまう、そういう危険性さえあるというふうに思いますので、最後に大臣の見解を求めたいと思います。
○伊藤国務大臣 今までの法改正におきましても、株式会社形態をとる証券取引所について、公共的機能を維持するために必要な措置というものを講じてきたところであります。具体的には、市場の開設を免許に係らしめ、金融庁による監督が行われる、あるいは証券取引所の業務範囲を市場の開設及びこれに附帯する業務に限定をする、そして過半数の議決権を取得、保有することを原則禁止、さらに、先ほどお話をさせていただいたように、主要株主についても不適格者を排除するための認可制、こうした措置を講じてきているところであります。 このように株式会社形態をとる証券取引所については、その公共的機能というものを維持する上で必要な措置というものは講じられているものと考えておりますが、今後、仮に必要性が生じた場合には、その見直しについても検討をしてまいりたいと考えております。
○佐々木(憲)委員 何も対応策がないということになりますと、これは将来大変なことになると私は思いますので、自主規制機関としての性格をきちっと確保し、公平公正な市場のルールを確立するということが必要だという点を改めて再度申し上げまして、質問を終わります。
○金田委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○金田委員長 速記を起こしてください。 —————————————
○金田委員長 この際、内閣提出、証券取引法の一部を改正する法律案に対し、江崎洋一郎君外六名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の共同提案による修正案が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。江崎洋一郎君。 ————————————— 証券取引法の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○江崎(洋)委員 ただいま議題となりました証券取引法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明いたします。 ディスクロージャーは証券市場を支える最も基本的な制度であり、発行会社が継続開示義務に違反して一般投資家を欺く行為は、証券市場に対する挑戦であるとさえ言えるものであります。悪質重大な継続開示義務違反については刑事罰が発動されますが、さらに広範に継続開示義務違反を抑止し、規制の実効性を確保するためには、刑事罰に加えて、発行開示義務違反等におけると同様、行政上の措置として課徴金制度を導入することが急務となっております。 本修正案は、このような状況にかんがみ、証券市場に対する信頼を確保し、一般投資家を保護するため、継続開示義務違反について次のような課徴金制度を導入することとするものであります。 以下、修正案の概要を申し上げます。 第一に、本修正案は、継続開示義務違反に対する課徴金制度を導入するものでありますが、その課徴金の額は、有価証券報告書等については三百万円を原則とし、虚偽記載時の株式等の時価総額の〇・〇〇三%に相当する額が三百万円を超える場合には、その額とすることとしております。また、半期報告書及び臨時報告書等に係る課徴金の額については、有価証券報告書等に係る課徴金の二分の一に相当する額としております。 第二に、罰金とあわせて課徴金が科される場合には、その課徴金の額から罰金の額の全額を控除することとしております。 第三に、この法律の施行の日から一年を経過する日までの間に継続開示書類を提出した者については、初回の違反であること、当局による調査開始前に自主的な訂正を実施したこと、再発防止策を講じたことという三要件を満たす場合に、課徴金の額を減額することとしております。 第四に、検討規定を置き、「政府は、おおむね二年を目途として、この法律による改正後の課徴金に係る制度の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、課徴金の額の算定方法、その水準及び違反行為の監視のための方策を含め、課徴金に係る制度の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」こととしております。 以上が、本修正案の趣旨であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いいたします。(拍手)
○金田委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○金田委員長 この際、原口一博君外四名提出、証券取引委員会設置法案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣において御意見があればお述べいただきたいと存じます。金融担当大臣伊藤達也君。
○伊藤国務大臣 ただいまの証券取引委員会設置法案については、政府としては反対であります。 —————————————
○金田委員長 これより両案及び修正案を一括して討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。鈴木克昌君。
○鈴木(克)委員 私は、民主党・無所属クラブを代表して、証券取引法の一部を改正する法律案及び修正案に対し、賛成の立場で討論いたします。 近年、有価証券報告書の虚偽記載やMアンドA合戦など、会社法及び証券取引法をめぐる問題が大きくクローズアップされています。証券市場の公正、透明性が失われるような事案が続発し、まさに我が国の資本主義が揺らいでいると言っても過言ではない状況です。こうした中、六十年ぶりの商法の抜本改正となる会社法案と、証券取引法改正案が提出されました。 金融庁は、当初、今回の証券取引法改正案の柱は継続開示義務違反に対する課徴金制度の導入であると説明していましたが、内閣法制局の審査が通らず、急遽公開買い付け、TOB規制の見直しに差しかえたという経緯があります。しかし、TOB規制の見直しには、唐突な印象を受けるのも事実です。課徴金制度については何年も導入を検討しながら今回も断念、一方でニッポン放送株をめぐる問題でTOB規制がクローズアップされるや、電光石火の早わざで法改正という金融庁の対応には、非常に恣意的なものを感じます。 これに対し、自民党、民主党及び公明党提案の修正案は、金融庁が断念した継続開示義務違反に対する課徴金制度の導入を図ろうとするものであり、課徴金の額の水準については不十分であると言わざるを得ないものの、二年後の見直しを前提にまず一歩を踏み出したという点では意義があるものと考えます。しかし、二年後の見直しということでありますが、できる限り早期に改正をされたいということも申し上げておきます。また、修正案の附則には、違反行為の監視のための方策も含めた見直し規定が盛り込まれており、民主党が主張する証券取引委員会、日本版SECをも視野に入れたものと受けとめます。 以上、政府原案及び修正案に賛成する理由を申し述べ、討論を終わります。(拍手)
○金田委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○金田委員長 これより採決に入ります。 まず、原口一博君外四名提出、証券取引委員会設置法案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○金田委員長 起立少数。よって、本案は否決すべきものと決しました。 次に、内閣提出、証券取引法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。 まず、江崎洋一郎君外六名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○金田委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いた原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○金田委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○金田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 証券取引に関する件調査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、明二十七日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十五分散会