国土交通委員会 第21号
- 発言数
- 94 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2005/06/10
会議録
○橘委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、総合的な国土の形成を図るための国土総合開発法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房長峰久幸義君、国土計画局長尾見博武君、河川局長清治真人君、道路局長谷口博昭君、北海道局長山本隆幸君、経済産業省大臣官房地域経済産業審議官薦田康久君及び資源エネルギー庁資源・燃料部長近藤賢二君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○橘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○橘委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。和田隆志君。
○和田委員 おはようございます。民主党の和田隆志でございます。 北側大臣には水曜日に引き続きの法案審議になりますが、ぜひよろしくお願いいたします。私も、水曜日に同僚議員の質疑を、やりとりをお聞きしておりまして、だんだんと論点は収れんしてきているのかなという思いを持ちながらお聞きいたしました。 今回の、国土総合開発法を改正して国土形成計画なるものを国主導でつくってまいりたい、国主導というのではあれですね、大臣のおっしゃり方ではちょっと違うんですが、国と地方との協働でつくってまいりたいということだと思いますが、私自身も、国で、政府の中で作業をさせていただいた人間としまして、やはり国がリーダーシップをとらなきゃいけない部分はあるというふうに思っております。一方で、この十年来、地方分権の波が日本全国を覆ってきている。そんな中で、地方にどれだけのことを業務として財源としてお渡しするか、この数年来ずっと議論してまいっているところでございます。 今回、この国土形成計画をつくっていくという作業を新しく法制化しようとされていらっしゃるわけですが、まず、この質疑に当たって視点を二つほど提示させていただければと思います。 こういった、国土を形成していく際に国と地方が協働しなければならない、それはおっしゃるとおりだと思います。そんな中で、国と地方がどのような役割分担を果たすべきなのか。分かれてはいけないと思うんですが、役割はきちっと明確にして分担しなければいけないだろうというふうに思います。その観点から、今回の法案がどのように適正になされているのかということが一つあろうかと思います。 もう一つなんですが、今度は、その議論の後に国が果たすべき役割というものが何か決まってまいります。その国が果たすべき役割の中で、国土交通大臣が政府を代表して国土形成計画を策定されるということになりますけれども、それがきちんとした体制ときちんとした協議のもとに行えるんだろうかといったことの視点、この二つを提示させていただければと思います。 きょうは、その審議に役立てようと思いまして、お忙しい中ではありますが、岩永農水副大臣にいらっしゃっていただいています。ありがとうございます。そういったこともありまして、本来ならば、今申し上げた観点の順番に私は議論させていただきたいんですが、政府におりました関係で、農水副大臣がお忙しいと思いますので、先に、何か概念的に国がやるべきものが決まったときに、それを国の全機関を挙げてどのように有機的につくっていくかという観点からの質疑を先にさせていただければと思います。 そこで、今回の国土形成計画なるもののうち、私自身は、全国計画と称していらっしゃる部分、これはやはり国がきちっとつくらなきゃいけないんだろうと思っています。広域地方計画については、私は議論があるところだと思っておりますので、その範囲は後で議論させていただこうと思います。 何がしかの範囲が決まって、国が音頭をとって、リードをとって策定していくべき部分について、本当にこれから先きちっと行えるんだろうかということでございます。 自分で、政府で仕事をしていたときを振り返ってみますと、各省さまざまに、今までは自分の所管事項を遂行するために中期計画のようなものをたくさん立ててまいりました。その一方で、全総も立てられてまいりました。私が自分自身で感じましたのは、役人として作業している間に、全総なるものと各省が策定される各省の遂行業務を達成するための計画、これとの整合性をどのように図るのかということが、非常に一人の作業人員としては悩ましいという思いを持ちました。 そこで、今回お出ましいただいているのは、その中でも、いろいろな計画を策定されておりますが、農水省の方との関係を中心にお聞きしてまいりたいと思います。 当然ながら、政府全体で取り組むべき計画、たくさんございます。例えば、今議論され始めましたが、経済財政諮問会議でこれからの計画を示すときに、公共事業がどれぐらいであるべきなのか、また、先般来議論してまいりましたが、「改革と展望」の中では、どのような改革を進めればどれぐらいの財政再建が果たせるのか、そういったこともすべて中期的、長期的な計画を持ってやられるべきことだと思います。そんな中で、国土を形成する観点から、どのような事業が必要でどのような予算が必要でということも当然これらと密接に絡んでまいります。 そこでですが、北側大臣、例えばなんですが、今、国土形成計画を法案が成立した後策定されようとする場合に、省庁再編の法改正の中で政府部内を取りまとめるべき権限も持たれた国土交通大臣でございます。そうなってくると、各省が中期的、長期的に立てられている計画の内容もやはりきちっと把握できてしかるべきだと思いますが、例えば今、今現在は審議中ですから十分でないのかもわかりませんが、農水副大臣にこれからお聞きすることになりますが、農水省が平成十五年十月十日に、皆さん、閣議で決定されておりますので、国土交通省も知らなかったとは言えないはずなんですが、土地改良長期計画というのがございます。 これには、概要を述べられているところでは、一部分だけ読みますと、「食料の安定供給の確保や国土の保全等の多面的機能の発揮などの」云々かんぬんと書いてあって、そのために土地改良長期計画を策定するというふうに書かれております。まさに今回、国土形成計画の中で目的としてうたわれている一つの条項、国土の保全、こういったものも観点に含んだ形で計画が策定されております。 今、国土交通大臣がこの計画について御存じあれば、大体こういったものだということをおっしゃっていただいて、どちらかというと、そのイメージ論として、農水省がこういったことを、要するに今、平成十五年に策定されたわけなんですが、これについて御感想があればお聞きしたいんですが、いかがでしょうか。
○北側国務大臣 そういう事前のお問い合わせはちょっとなかったので、今初めて聞いた話でございますが、私も詳細は知りません。詳細を知っているわけではございません。 ただ、今、農業の多面的機能、これは非常に大切なことでございまして、そういう多面的機能を十分認識した上で農業というものを位置づけていくということは非常に大切なことであると私は思っております。国土全体の形成を考えても、今ある農地、また農業、農家等をどうしていくかというのは非常に大事な課題であるというふうに認識をしております。
○和田委員 少し大臣に申しわけないとは思ったんですが、私自身がきのうまでに事務方の方から質疑の参考のレクを受けた際にお聞きしたのは、省庁再編の法改正が行われたときには、既に国土交通大臣には、今回は国土形成計画というものを立てる法案でございますが、もともと、国土に関する利用なり整備なり保全なり、これらに関する計画を政府全体として把握する責任者としての立場をもう冠せられているわけなんです。国土庁の職務というものが省庁再編の法改正の中で国土交通省の中に一つ機能として組み込まれておって、国土交通大臣はそれを全部把握してしかるべき法制になっておるわけでございます。その上で、今回、それを立派に遂行しようとする意図のもとにこの法案をつくられているんだと私は理解しておるんですが、そういったことを前提に考えれば、今の御質問は特に不自然ではないと考えているんです。 これは、大臣はお忙しいですから、大臣が全部を把握するということが、私も政府の役人として働いておった関係で、それは難しいと思います。ただ、今の同じ質問を局長にお投げしたときにも、多分、恐らく十分なお答えではないんだと思うんです。 局長、もし御存じであればお答えいただきたいですが、農水省の土地改良長期計画というものについてどの程度御存じでしょうか。
○尾見政府参考人 お答えを申し上げます。 私の承知している限り、土地改良事業の長期計画、今先生がお話しになりました。土地改良事業については、要するに土地の形質変更とかあるいは農業基盤整備だとか、そういうものをつくり上げていくという観点から、この間、長い歴史を持って事業が進められてきたと思います。 それで、その中では、受益者負担という形で農家の方の負担をいただきながら進めてきたと思いますけれども、農業が農業としてなかなか、水田耕作でもいろいろと立ち行かなくなっている中で、その軸足をどちらの方に置いていくか。区画形質の変更ということでありますが、当然、価値増が生まれないと投資したお金もきちっと回収できないわけですね。そういう枠組み、構造の中で土地改良事業が行われてきたんだと思います。 そういうことが一定の限界を見る中で、今お話があったように、農業あるいは林業、この場合は林業ではありませんが、農業には、多面的、公益的機能、例えば防災の機能でありますとか環境保全機能でありますとか、そういう本来有すべき公益的な機能がある。そういうところに着目して、そういうものをこれから事業の中でどういうふうに手当てしていくか、そういうような発想で新しい計画はつくられているんではないか、こういうふうに認識しております。
○和田委員 およそ十分とはちょっと正直言って申し上げがたいと思ってお聞きしましたが、ここから先は、当然ながら、所管省庁であります農水省において御説明いただければと思います。 まず最初に、今お話に出しました土地改良長期計画というものを、大体どんなものかということを農水副大臣に御説明いただけますでしょうか。
○岩永副大臣 和田先生、最初に、実はこれは二月ぐらいにこの全国計画のイメージというのが出されました。そのときに、私のところへ国土交通省から来られまして、そして農水省の関係と国土交通省の関係のすり合わせを実はしたわけです。それで、その状況の中で、農山漁村の交流の促進による地域の活性化及び雇用の創出だとか地域の自立的発展、こういう部分はきちっと入れましたし、なおかつ、大事な森林等の国土保全とバイオネットワーク、美しい国土の形成、地球環境の問題も当然でございます。そして、海洋、沿岸、海の関係も実は入れまして、それは私は直接国土交通省から聞きまして、こういう部分については十分考慮してほしいという話をいただいたわけでございます。 次に、今お話しの土地改良長期計画でございますが、これも命、環境、共生の各視点から政策目標を設定して、そして効率的、重点的に事業に取り組む、こういう状況の中で、一つには農用地の総合整備事業、これは意欲と能力のある経営体の育成、それから総合的な食料供給基盤の強化、それから環境型社会の構築に向けた取り組み、そして自然と農業生産が調和した豊かな田園環境、そして個性ある美しい村づくり、こういうようなことで、用水の問題だとか、先ほどお話がございました農業災害の防止の問題、これらの問題についても、この国土形成計画の中にあの土地改良長期計画を踏まえて一つ織り込んでほしい、こういうようなすり合わせをいたしたところでございます。
○和田委員 最低限のすり合わせはしていただいているようでほっとしましたが、私の方から御紹介しますと、きょう議論させていただこうと思っているところに関係する部分として、この長期計画なるものの中に農用地総合整備事業というのがございます。その中で、例えば農業生産基盤の整備地区において、意欲と能力のある経営体への農地の利用集積率を事業実施前より二〇ポイント以上向上させるという目標を掲げて、それを達成するためには農地を約十三万ヘクタール整備しますというふうに書いておられます。 それから、もう一つ例を挙げれば、食料基盤の強化という題目の中でどういったことが書かれているかというと、農地における、ちょっとはしょって読みますが、農地における耕地利用率を一〇五%以上に向上させるという目標を設けていらっしゃって、これについても農地約六・九万ヘクタールを整備されるというふうに書いておられます。 こういうふうに、まさにこれは国土である土地の農地利用をこれだけ確保するということをうたっていらっしゃるわけですよね。そうしますと、これから先、国土交通大臣が、大きな国土形成計画、しかも、私は全国計画のことを中心に議論させていただきますが、全国計画をこの法案が成立した後立てられる際には、すり合わせはしていらっしゃるそうなので、この約二十万ヘクタール農地を確保するということは政府全体としてはもう条件として決められておって、そのほかのところをほかに利用するんだといったふうに整理されていくんだと考えています。 では、ほかにも国土の利用というのはたくさんございますね。例えば、産業団地をどれぐらい確保する、もしくは、ほかに環境保全のためにどれぐらいの森林整備をする。そういったことももろもろ全部国土形成の概念の中に入れていらっしゃるように前回の質疑の際に承りましたけれども、そういったものを国土交通大臣がすべて加味した上で政府の最終責任者としてこの形成計画をつくることの意味の大きさというんでしょうか、それは本当に相当のものがあると思うんです。 そういった意味で今一つを例示させていただきましたが、国土交通省において、この形成計画を策定されるという決意された上での法案整備なので、その人員なり体制なりについて、どのように現状があって、これからそれをどのように変えていかれようとしているのか、そのままでやろうとしているのか、その辺を、局長で結構ですが、お答えいただけますか。
○尾見政府参考人 お答えを申し上げます。 現在の国土計画局の体制についてのお話でございますが、国土庁の方から、省庁再編で国土交通省の国土計画局という形で組織の再編が行われたわけであります。従前は計画・調整局がメーンでありましたが、大都市圏整備局、それから地方振興局、それぞれに大都市圏計画課あるいは地方計画課、そういうものがございまして、そういうものをあわせる形で新しい組織ができておりますが、大体従前の国土庁時代の要員をそのまま維持するという形で今現在仕事を進めているところでございます。
○和田委員 国土庁から移行された人員体制をそのまま国土交通省の中で維持し、その中には、その人材をフル回転させて作業をやっていくという意思が見えた発言というふうにお伺いしました。 しかし大臣、いかがでしょうか。これをお聞きになって、今まで国土庁が全総時代にこういったことがどの程度やれてきているだろうか、また、その体制を、人材をとにかくフル回転させるという条件つきだろうと思いますが、今の体制でそのままそういったことが、この形成計画をつくるということができるんだろうかというふうなところに、私きのう事務方とのお話をさせていただく中で感じた次第でございます。 例えば、各省が中期計画を立てるときに、その各省の立てようとしているところに、国土交通省として情報網をきちっと確保した上で、それをどのように、全体のバランスをとる観点からきちっとした協議が行えるのか。そう考えていった場合には、例えば、各省庁別に担当者が一人はいないといけないんじゃないかとか、そういったことを考えたりしますが、今大臣がお考えになっている、お感じになっている人員体制として、これで十分でしょうか。お答えいただければと思います。
○北側国務大臣 それは多ければ多いほどいいのかもしれませんが、全体の公務員の定員そのものを今抑制していく中で、これもどこも例外なくそういうふうにしているわけでございまして、ただ、先ほど局長から答弁があったように、国土庁時代と人員的にはほぼ同様の人員を確保しておるところでございます。 さらに言わせていただきますと、国土交通省の中で、この国土形成計画については、国土計画局が中心になってやっていくわけでございますが、国土交通省には現場の組織がございます。整備局、運輸局等の現場の組織がございます。日常的にその地域の知事さんやまた市長さんたちと非常によく連携をとらないとまた仕事ができない部署に彼らはいるわけでございまして、そういう意味では、各地域地域のさまざまな課題だとか要請だとか、そういうのもよく知っておりますし、また、実行部隊としても機能をしていけるわけですね。そういうのは国土庁時代に逆になかったわけですね。 そういう意味では、国土交通省は、あくまでこれは国土計画局が中心になって、立案また調整をしていくわけでございますけれども、そういう意味では、国土交通省の中に位置づけられることによって、国土交通省全体としてもこの国土計画局の調整しているさまざまな計画について、それに沿って各局が当然整合性を持つような形でさまざまな政策を立案していくわけでございますし、そういう意味では、国土庁時代に比べると、私は、より実践的な体制といいますか、そういう中に組み込まれた中でできるのではないかというふうに期待をしておるところでございます。
○和田委員 国土交通大臣の御答弁としてはそうだと思います。これを成立した後される限りにおいては、そこをしっかりと担保していただきたいと思います。 ただ私が、実は同級生で国土交通省の地方支分部局に勤めている人間がおりまして、その人間ともこの話を週末に帰ってしたんですけれども、その人間は、この一枚紙だけは送られてきている、そして、その法案の中身については、これから成立した後に勉強させてもらうというふうに言っていたのが正直なところでございます。そして、あれと思ったものですから、私は田舎の出身でございまして、農水省の地方支分部局の方も、同級生ではないんですが、一級下におりました。その人に、こういった話、知っているかということを聞いてみました。そうしたら、それは全く知らぬということなんです。今現在こういった状況ですので、ぜひこういった体制を整備していただきたいということを申し上げたくて、お話に出しました。 そして、これから先、農水副大臣に最後の御質問になります。 農水省としては、この長期計画を十九年までというふうに定められておりますが、次の五カ年計画も立てられるおつもりでいらっしゃいますか。おつもりであれば、どういうふうに策定されようとされているか、お答えいただければと思います。
○岩永副大臣 さっき先生、うちの農水省と国土交通省のすり合わせ、形式的だとおっしゃいましたけれども、私は、政策的な部分まで国土交通省は私のところへ来られて、そして政治家としての判断まで求めてこられるということでございますので、大変頑張って国土交通省は密接な連携を持ってきておるということを一つ申し上げておきたい。 それから二つ目に、これは平成十五年度から十九年度末になっておりまして、それ以後については計画の見直しをやっていきます。そして、長期の見直しを行うことで整合性をとっていきたいというようなことでございますので、まだまだ十九年度以後も見直しながら、過去の反省とそれらの展望をここへ織りまぜて続いていくと御解釈いただいて結構です。
○和田委員 きのう事務方ともお話ししていて、国土交通大臣が国土形成計画を立てる時代になったとしても、各省庁がこういった中期計画を策定する時代はそのまま続くであろうということを国土交通省自身もおっしゃっていましたけれども、それ自体にもまたいろいろ議論がございますが、それを前提とした上でお話しするとしても、今度国土交通大臣が策定されることになる国土形成計画は、それだけ多数の相手となる計画を持った上で、それを見た上で策定していただかざるを得ないという体制になっているというふうに判断しております。 そこで、ここから先、国土交通大臣がこの国の省庁の代表者として力を発揮されるといったときに、各省庁とどのような協議をされようとしているのか、お答えいただければと思います。 これは、ここから先は国土交通大臣、国土交通省と質疑を進めさせていただければと思います。もし委員長のお許しをいただければ、農水副大臣には今の御質問で最後にさせていただければと思いますが、いかがでしょうか。
○橘委員長 どうぞ、お引き取りください。
○和田委員 それでは、国土交通大臣、お答えいただければと思います。
○北側国務大臣 委員がおっしゃったように、国土形成計画というものは、これは全省にわたる計画でございます。したがって、国土交通大臣が関係府省とよく協議の上この国土形成計画を作成していくということになると考えております。 関係府省の方の各施策、事業とよく調整をして、国土形成計画が政府として整合のとれたものとなるようにしていくことは国土交通大臣の役割であるというふうに思っておりまして、しっかりそういう方向で取り組みをさせていただきたいと思っておるところでございますし、また、全国計画の策定に当たりましては、経済財政諮問会議の調査審議を経るということとなっておりまして、その過程におきまして、内閣府ともよく連携をとらせていただきたいと思っております。
○和田委員 私自身公務員として働いておった時代に、その束ね役となる、内閣府でも国土交通省でもよろしいんですが、その力が随分問われながらも十分発揮できていないという実感を持った次第でございます。それが今回の法案に対する我々の態度として、まだまだこの法案を実施するには体制が整われていないのではないかというふうに感じるゆえんでございます。 この議論はおきまして、先ほど申し上げましたように、最初に本来議論すべきであろうと自分で考えております国と地方との役割分担の観点からの質疑に移らせていただきたいと思います。 水曜日にも、いろいろな議員からその関係についての質疑がございました。私なりにそれをお聞きしておって、最終的に意見、判断が異なるとすれば、この地方分権の時代に、基本的なスタンスとしてどこに軸足を置くかということにかかっているのではないかと思いました。 北側大臣並びにほかの方々の御説明を聞いておりますと、できるだけ地方に働いてもらう余地を与えようとするんだけれども、最後は国が決めなければ、国全体の方針として、地方に任せていてはなかなか処理できないということがあるから、全国の計画にせよ広域地方計画にせよ、最後、国土交通大臣が決定権限を持った法制化をなされておられる。 しかし、私ども民主党は、どちらかというと、基本的なスタンスが、今まで国の中央集権体制のもとでいろいろなことをやってきた反省をすべきだということに立っておりまして、そうであれば、今度は、どうなるかわからないけれども、地方に一たん全面的にお任せしてみよう、お任せした中で、本当に問題がある部分は国が調整にかかろうというスタンスを持ってもいいのではないかというふうに考えている次第でございます。 先般来いろいろな議論をしております。三位一体改革の中で補助金をどれぐらい廃止するのか、また交付金をどれぐらいつくるのか、税源をどれぐらい移譲するのか、そういったもろもろの論点はすべてそちらの基本的なスタンスの違いに終着するんだという気がいたして、いろいろなものを見ております。 今回のこの計画について、そういった立場の違いを前提にしつつも、今我々がとろうとしております、地方にこの策定権限を任せたのでは何がうまくいかないと考えておられるのか、大臣、お答えいただけますでしょうか。
○北側国務大臣 広域地方計画のことをおっしゃっておられるのだと思うんですが、この広域地方計画というのは、一つの県のことだけではなくて、当然広域的な、これは、その地域をどう考えるかというのはまた別の問題があるわけでございますが、複数の都府県にまたがる広域的な課題に対応しようとするものでございます。したがって、その計画内容というのは、都府県が個々に行う施策というよりも、国が行う政策が中心となってくるというふうに考えているところでございます。 ただ、これはそれぞれの地域に係ることでございますので、計画策定の最初の段階から、地方と国とが一緒になって、問題意識を共有しながら計画を立てていくということでございます。 最終的には、今申し上げたような性格でございますので、国が責任を持たないといけないというふうに考えております。
○和田委員 今の政府の一員をなされる大臣の御答弁としてはそういうふうになるんだと思うんですが、それには、前提となる議論を決着させなければいけないんじゃないかと考えています。つまり、国がやるべき仕事だというふうにおっしゃられましたが、今地方の方々は本当にそう考えているかということでございます。 三位一体改革の中で、税源をどれぐらいよこせとか、補助金をどれぐらい廃止して、自分たちの事業としてやらせろだとか、いろいろなことを、昨年来、全国知事会でも集まられて、いろいろ検討をされておられます。そんな中で、いまだにまだ国と地方との間で意見が合致しているとはとても考えられませんが、少なくとも、私の目から見る限りは、地方は今現在、このような広域地方計画に組み込まれるべき領域を全面的に国に任せていいというふうに言っているとは思えない次第でございます。 今回この法案をつくられる際に、きのう事務方の方にもお聞きしてまいりましたけれども、幾つかの地方にはお聞きになったようですけれども、私から見れば、どうしてここまで、国と地方との間で大きな役割分担を論じようとしているときに、地方全体にきっちりと国の考え方を投げてみて、その意見としてどのようなものが返ってくるかということを受けとめた上で法制化ができないんだろうかという疑問を持つ次第でございます。 大臣にしても局長にしても、いろいろと地方に働きかけておられるんだろうと思いますが、今地方に、その総意として、この法制で仕組まれようとしています広域地方計画を国でつくってくださいと言えるだけの状況が広がってはいないと思うんですが、いかがでしょうか。
○尾見政府参考人 若干の経緯的なことについてお話をしたいと思いますが、この間私どもは、この制度設計、法改正をするに当たりまして、当然地方に深いかかわりがある問題でございます。それ以前にもいろいろな形で常時意見交換をしておりますが、それで、私自身、昨年七月に就任したわけでありますが、それから、いろいろな機会に地方にお邪魔して、知事の皆さんともお話をさせていただきました。その数は、政令市の市長さんも含めますと十四、五ぐらいになるわけであります。そのほかにも、都道府県の例えば部長クラスの方とかそういう方々との間では非常に定期的な意見交換をしておりますので、当然この問題についてもお話をさせていただいてきたところでございます。 こういう中で、主な御意見としましては、計画はやはり国がきちっと策定してほしい、それをもってきちっと責任を実行してほしい、そういうお声が非常に多い。ある方で調べたところでは、八割ぐらいそういう考えがあるというようなことだと思います。 私自身、この仕事につきます前に、省庁再編に合わせて、国土交通省の中部地方整備局に一年半、さらには関東地方整備局に一年おりました。したがって、ブロックの中での、知事さん方あるいはその以下の方々がどういう問題意識を持っているかということについては、その点においてもいろいろつぶさに意見交換をしてきたわけでありますが、やはり直轄事業というようなものについては、国はきちっとやっておってほしいというようなお声が非常に多いと思いますし、あるいは、従来補助事業とされていたものについても、直轄への編入というようなことでぜひやってほしい、そういうお声が非常に多いのではないかというふうに私は考えております。
○和田委員 きのうも、国土交通省のお立場はそのようなものになるというふうにお聞きしましたので、それを前提に私も幾つか自治体に聞いてまいりました。そうすると、逆に、私がお聞きした方で申し上げれば、八割の方々はこのような計画については反対だというふうにおっしゃられます。 例えば、理由として申し上げますと、全国総合開発計画法から今回の新法になるときに、よくよく見ますと、地方が策定する計画は存在しなくなります。そして、国が地方と一応協議するという枠組みは整えつつも、これは意見の相違かもわかりませんが、最後は国土交通大臣が自分の意思で決められることになっている法案でございます。そうなってくると、地方の意見をきっちりと組み込むことができないという危惧を持たれておられます。 それから、先ほど局長の方から直轄事業云々かんぬんのお話がございました。この事業の分担についても、今現在どのような状況が広がっているかというと、国がやるべき事業として登録されている中のかなりの部分が地方に管理や委託を任されております。その業務を地方がこなしながらも国が計画を立ててそれをやれという関係がさらに広がってくるのであれば、地方としては今の人員体制ではとてもできないというような意見も上がってまいります。 こういったことは、一つ一つ例示でございますけれども、別にそれは一部の方の意見かもわかりません。しかし、私から考えれば、一応これだけ大きな国と地方との役割分担を決めていこうとする法案である以上は、正式に、地方の組織であります例えば知事会でありますとか、そういったところにきっちりと案として投げられた後に国としてのスタンスを決められる方が適切だと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○北側国務大臣 例えば、これは国土交通省所管に係る部分についてお話ししますと、委員も御承知のとおり、例えば直轄の河川の問題というのはやはり国が、もちろん河川はいろいろな県にまたがって流れておりますので、各県また各市のいろいろな意見を当然踏まえた上で、また各協力も求めていかないといけないわけでございますから、しかし、最終的な判断はやはりどこかでしないといけないわけでございまして、もちろん、意見を聞いて意見が合意形成できればそれはそれでいいのですが、やはり、最終的には国がそうしたものについてはきちんと最終判断しますよという責任は明確にしておかないといけないと思うんですね。 それはまた、直轄の道路なんかでも、やはり道路というのはネットワークですから、道路についてもそうだと思いますし、そういう意味では、こういう広域地方計画の策定の中で、もちろん、地元の話であるわけですから、各市長さん、各知事さん等々の意見を聞くのは当然の話でありますし、そこで一緒になってどうしていくのかということを議論し、意見を取りまとめていくということをしようというふうに今回決めたわけですね。そこでは地方の方々に最大限参画をしていただいて、主体的に参画をしていただいて、そして合意形成を図ろうというわけでございまして、これはやはりかつての国土計画の中にはなかった手法だというふうに思います。 そこはきっちりと尊重を、尊重というか大切にしないといけないというふうに思っているところでございます。
○和田委員 私は、現行法制から国が地方にどんどん働きかけ、協働して何かをやろうという姿勢を見せていることそのものは大いに評価させていただきます。しかし、最終的な法制として国が決めるということにすることには、私は異議がございます。 先ほど大臣がおっしゃっていただいたようなところをどうやって解決するかという手法には幾つかあってしかるべきだと思っていて、国が最後に決裁権者として決めるよりも、地方に一たんは投げておいて、広域地方なら複数の県知事が多分協議するんでしょう、その県知事が協議をして決断をするということを法制として義務化するとか、そういった手法も考えられるわけでございます。最後にどうしてもうまくいかないときだけ国が出動していく、そういった仕組みもあってしかるべきじゃないかと考えている次第です。 この点は、多分これから議論をずっと続けてもスタンスの相違に帰着するんだと思いますので、我々の見解として、本来、この地方分権の時代の流れの中では、地方に一たんお渡ししてみて、いわばネガティブチェックを最後に国がやるべきだということを意見として申し上げたいと思います。 大臣、法案審議についてお話しさせていただくのはこの点においてとどめたいと思います。 実は、ここから先は大臣にお話をしとうございます。実は、前回私が委員会で質疑させていただいたときには住宅金融公庫のお話をさせていただきました。それは法案としては済んだお話なので私はあえて質問という形では申し上げませんが、たった一週間ほど前だったのですが、地元をいろいろ回っておりましたら、たまたまその関係のお話を有権者の方からお聞きしまして、有権者の方が大臣にぜひお話しいただきたいというふうにおっしゃられたものですから、御報告という形でさせていただければと思います。ただ、内容としてはこれから大臣にぜひお考えをいただくべき点があろうかと思います。 ちょっと私、メモしてみましたので、読んでまいりますね。その方は十数年前に建て売り住宅を購入されたそうです。そのときに住宅金融公庫のローンと民間金融機関の住宅ローンを両方とも利用されたそうです。この方をAさんとさせていただきます。 そして、その方が私にお話しくださるには、確かに周りにあるんですが、自分以外にも三世帯の方、この方はB、C、Dさんとしましょう、その方々が、自分の家の隣接地域に本当に全く同じタイプの建て売り住宅が建てられておって、それをほぼ同じ時期に購入されたそうです。この方々も、正確な金額は別としまして、大体同じ規模の住宅金額ですから、同じ規模のローンを組まれたそうです。生活状態が大体同じだったということだと思いますね。住宅金融公庫のローンと民間金融機関のローン、どちらも使われたそうです。 そして、それから月日が流れて、数年前のことだったそうですが、ある銀行の担当者から住宅金融公庫のローンについて、これがさんざん議論させていただいたものです、住宅金融公庫のローンについて、任意で一括弁済されるときにはそこから先の金利をお支払いにならなくていいですよ、それをずっと累積計算すると、支払い総額でいうと二、三百万の差が生じますよというお話が借りていた民間金融機関の担当者からあったそうです。そしてまた、この民間金融機関の担当者は、住宅金融公庫にローンを一括弁済するための返済資金、それをその金融機関で借りてくだされば、自分のところの住宅ローンの一括弁済にも応じ、かつその金融機関の将来の金利もいただかなくていいと。大臣がおっしゃっていたとおりです。住宅金融公庫と民間金融機関、ほぼパラレルな運用をしておりました。そういった話をされたそうです。 そして、そのAさんは、これはいい話だなというふうに思われて、そんないい話であれば、自分がそれを一人でやるんじゃなくて、隣の人たちも話を聞いてみたら同じぐらいのローンを組まれておって同じぐらいの返済をされておられるということなので、ぜひみんなでこういった制度を利用させていただきたいというふうに思われたらしいですね。そこから先、そのB、C、Dさんにお話を持ちかけたら、それは当たり前だと思いますが、私もそれを使わせてほしいというふうにおっしゃられました。 その後に、民間金融機関の方にもう一回コンタクトをとって聞いたとき、どのような反応だったか。民間金融機関の方は、いや、それは困るんです、Aさんには、あなたにはその条件を提示しました、ほかの方々にはとても提示できないんですと。なぜか。これは、そのAさんにはこれから先その支払いを続けていただくために十分な担保となる土地があったんですね。ところが、B、C、Dさんはそういった財産を持ち合わせられなかったんです。ですから、民間金融機関の担当者であるその方は、Aさんには提示できても、B、C、Dさんには提示できないんですというふうな御説明だったようです。それを、そのAさんというのは、最終的に自分は返済されたそうですけれども、B、C、Dさんとの間で自分だけが得をしたような気分になって、非常に申しわけないと思ったと。 これをよくよく考えてみますと、確かに大臣はあのときに、全体を見渡したときに、金利が高どまっている中で、低金利のローンが出てき始めたときに、それを何とかしてくれという人たちの声におこたえになったというような政策的判断をなされたというふうにおっしゃっておられましたが、その方もそれはよく御存じの上で、でも、その財産がない、余裕資金がない人はそのまま高い金利を払い続けたんだというふうにおっしゃるわけですね。 今ここに至ってみると、大臣がるる御説明いただいたように、一括返済した人と、今最終的にようやくローンが終わるそうですけれども、ローンを終われる人と、支払い総額の面で三百万近い差が出てしまった。これは自分として政策的に抜けがあったんじゃないかと。このB、C、Dさんを救うような方策を立ててもらえればよかったんじゃないのかと。例えば、その当時にいろいろな御検討をなされたんだと思いますが、金利を一律引き下げてもらえさえすれば、みんなが平等に条件を受け取ることができる。しかし、任意一括弁済では、そういうふうに資金がある人だけがそれを享受できる、こういったことが実態として起こってしまったと。 ここから先、ぜひ、生活者の視点に立つ北側国土交通大臣としては、これから先の政策の参考に生かしてほしいというふうにおっしゃっておられました。しかも、その方がおっしゃるには、実はこの方は公明党を支持されておられるとおっしゃいました。それで、自分が支持している北側大臣だけに、自分の思いを必ず伝えてくれというふうな御発言でした。 以上、御報告しますが、最後に、もしコメントがあればお聞きします。
○北側国務大臣 ありがとうございます。貴重な意見、ちょうだいいたしまして。 議論の繰り返しになってしまうかもしれませんが、住宅金融公庫から住宅ローンをお借りになった利用者の方々が期限到来前に一括返済をするということは、制度発足以来これは認めておったわけですね。それは制度としてこれを認めておったという経過があるわけでございます。そこもぜひ考えないといけないということも御議論いただきたいと思います。 また、住宅金融公庫の融資というのは、なぜそういう政府系で融資をしてやったかといったら、低利でそして長期で固定のそういう商品を利用者の方々に使っていただくことによって、利用者の方々が計画的に住宅を取得しやすいような形にしていこうということで、こうした制度もあるわけでございます。そういう意味では、金利というのは変動するものでございますけれども、そういう金利リスクを負わないで計画的に住宅ローンを借り、そして返済をしていくというふうな仕組みの方がいいだろうという判断で、この住宅金融公庫というのは大きな役割を果たしてきたわけでございます。 バブルが生まれ、そしてバブルが崩壊し、そしてこの間、異常な金利の変動があるという、これ自体が極めて異例な話、そういう中で、今委員のおっしゃったこうした問題も出てきていると思います。恐らくこうした話というのはほかにもいっぱい、これは別に住宅金融公庫を使っていなくても、民間の金融機関から借りている方々にとっても、もうこれはさまざま、こうした事例はいっぱいあるんじゃないかというふうに思うわけでございまして、今委員のおっしゃったそうした事例があることは私もしっかり受けとめないといけないと思いますが、ただ、じゃ、どうするかといったときに、なかなかいい解決策がないなというのが正直な感想でございます。
○和田委員 終わります。頑張ってください。失礼します。
○橘委員長 篠原孝君。
○篠原委員 民主党の篠原孝でございます。 四十五分ほど時間をいただきまして、質問をさせていただきたいと思います。 私は和田さんと同じように役人上がりでございますけれども、あちらは若くて、若手官僚続々民主党から出馬というんでしょうけれども、私の場合は、仙谷政調会長から、おじん官僚の篠原さんみたいな人が民主党から出てくれたといって民主党に仲間入りさせていただいた一人でございます。 なぜ年齢を申し上げるかといいますと、私は団塊の世代でございまして、高度経済成長を支えたのが団塊の世代、それでこの国土総合開発法とともに育ったのが団塊の世代じゃないかと思っております。 私にも記憶がございます。どういう記憶かといいますと、新産業都市、これは中学生のころ新聞に大きく報じられて、社会科の教科書で先生が取り上げたと思います。私はそこそこできのいい小学生でしたので、くっきり覚えております。なぜ覚えているかというと、悔しかったんです。長野には変なライバル意識がございます、長野県内で。島国の山国で、何というんですかね、もう地域根性丸出しなんですが、松本・諏訪地区が指定されて長野が指定されなかったわけです。非常に取り残されたという気がいたしました。 ですから、そういった原体験がありましたので、個人的にもこの国土総合開発法、全総、新全総、その後定住圏構想とずっと続くわけですけれども、学生から役人になったりしましたけれども、ずっと興味を持ち続けてまいりました。 その問題があるわけですが、その問題に入ります前に、一つ、郵政民営化法の関係で大臣に御所見をお伺いしたいと思います。 この法律、内容はともかく、形式的には非常にきちんとした法律ではないかと思います。もちろん若井議員が御指摘になったように、地方分権の精神が余り入っていないとか、そういう問題はあると思いますけれども、どこがきちんとしているかというと、やはり国土総合開発計画、これを引用している法律がいっぱいあるわけです。それから、それを見習ってというか、つくっているもろもろの計画があるわけです。その整合性というのを非常にきちんと精査しております。 資料がございますけれども、例えば農林水産省、先ほど岩永副大臣がおられましたけれども、食料・農業・農村基本計画というのがあります、水産基本計画というのがあります。そこにこの旧法の国土総合開発計画の引用あるいは法律の引用があるわけです。そこに「開発」という言葉が入っている。それをよくないからというので、すべて「整備」に変えたいという、同じ法律間で整合性をなるべくとろうという努力をしているわけです。 そういった中で、ちょっととんちんかんなのは、中央省庁等改革基本法三十三条、この問題はもう御存じだと思います。そこでは民営化はしないと書いてある。それを竹中大臣等が、名答弁のメイの字が違う迷答弁ですが、しておられます。法律というのは、ソクラテス以来、悪法も法で守らなくちゃいけないわけです。それが法治国家です。公社化以降のことまでも規定していないからいいんだと。この言葉を我々の今議論している法律に当てはめますと、国土総合開発法のもとのことしか言っていないんだと、ほかの法律すべて。だから、国土形成法になった後のことまで規定していないんだから修正の必要はないということになるわけです。 この理屈、おわかりになりますでしょうか。法律を勉強された大臣も、この点なんかすっと頭に入られるんだろうと思いますけれども、この点についてどのようにお考えでしょうか。この点だけ一点聞かせていただいて、本題に入りたいと思います。
○北側国務大臣 もう委員も私の答弁が十分わかっていらっしゃって御質問されていらっしゃると思いますが、形式的に言いますと、この郵政民営化法案それから中央省庁等改革基本法、いずれにつきましても私の所管ではございませんが、問題になっております中央省庁等改革基本法の三十三条一項六号というのは、これは政府の統一した見解でございますが、これは公社化までのことを規定しているものであって、民営化問題を含めて、公社化後のあり方を拘束するものではないというふうに考えております。
○篠原委員 政府の公式答弁ということなんでしょうけれども、一般的な、私も役所で法律をつくったりしてまいりましたけれども、そごを来す部分は附則等で改正するのが常識なんですよね。これをしておかないで、こんなところはすぐ謝れば済む話だと思うんですけれども、どうしてこういうことを謝って直そうという姿勢がないのか、ここが問題だろうと私は思います。 ですけれども、これに時間をとっているわけにいきませんので、本題に入りたいと思います。 この国土総合開発法、先ほど申し上げましたように、日本の高度経済成長とともにあった。しかし、その役割は終わったという共通認識がある。事実上廃止だ、これは皆さん同じお考えなんじゃないかと思います。 昭和三十六年にできました農業基本法というのを、実態にそぐわないからというので、新農業基本法、食料・農業・農村基本法というのができました。沿岸漁業等振興法というのは、名前はややこしいですけれども水産基本法だったわけですけれども、それも水産基本法にいたしました。それはすべて新法というスタイルをとっております。 この国土総合開発法というのは、ありとあらゆる何とか計画、先ほどの土地改良長期計画もございます、そういったものの上位にある計画じゃないかと思います。ですから、いろいろな計画をつくれと定めた法律の基本法的性格を持っている、そういった大事な法律。そして、開発というものから保全の時代、そっちの方に移ってきたというなら、一部改正というんじゃなくて、廃止して、新法として装いを新たに制定するのが筋ではないでしょうか。
○北側国務大臣 法律制度全般を見直す場合のやり方としては、委員もよく御承知のとおり幾つかの方法が、今委員がおっしゃった方法も含めてあるんだというふうに思っております。 今回の国土総合開発法の改正は、法律の題名、それから計画の名称を含めたほぼすべての条文の抜本的な見直しをしているところでございます。 国土形成計画法は、おっしゃったように、国土政策に関する根幹的な法律でございます現行の国土総合開発法について、大幅な政策転換を行いまして、今申し上げたように全般的な見直しを行うものでありますけれども、総合的な国土の形成を推進するための計画に関する法律という性格に基本的な変更はないということから、廃止制定方式ではなくて改正方式をとったところでございます。
○篠原委員 法理論的にはそういう道もあるんだろうと思いますけれども、私は、気持ちとして、開発はなしにというふうにしていますけれども、開発に対する懐かしい思い入れがあって、それをやはり残しておきたい、そういう卑しいお考え、卑しいお考えなんて言っちゃ悪いんですけれども、まだ頭の中がすっきりしていないと思うんです。それがこういうぐちゃぐちゃした形式として残っているんじゃないかと思います。 私は、だめなものはだめときっぱり捨てて、そして新しいものに取り組む。持ち上げるわけじゃないですけれども、わかりませんけれども、郵政公社はだめだだめだ、どこが悪いかわからないんですけれども、民営化すると言っているのとちょっと矛盾するわけですよね。すっぱり、きちんと変えるんだという姿勢、それをここに当てはめたら、きちんと新法でするというのじゃないかと思います。 私は、この国総法の果たした役割、この計画の果たした役割は大切なものがあると思います。高度経済成長を支えたんです。しかし、時代にそぐわなくなった。これはもう前回の計画のときだって、もう開発という時代は終わったんじゃないかと言われていたんです。その前もそうなんですね。ですから、思い切って改めるべきじゃないかと思います。 どこが悪かったかというと、最初のころのものは、過密過疎のことがきちんと書いてあって、これをなくすということが大事な命題の一つだったわけです。しかし、結果がどうなったかというと、私の記憶をたどりますと、昭和五十三年、県で初めて秋田県が人口減少県になりました。それ以来、日本海側はずっと人口が減少しております。それで今、合併合併で、総務省が人の悪いようなことを言って、合併というのでお金の方で締め上げてしていますけれども、かつて三千三百市町村ありましたけれども、そのうち二千三百市町村が人口減少市町村です。私は長野県の北部、長野市以外、人口減少がずっとこの十年以上続いております。そういう状況なんですね。 ですから、開発というのは、田舎の方も東京と同じような生活ができるようにと、日本列島の改造計画、田中角栄さんのがありました。ああいったのもそういうのを目指していたわけですけれども、どうもそこのところは目的を達していないんじゃないかと思います。そして、そういった反省のもとにこの法律改正が、そこの一大目的の人口減少、過密過疎を食いとめるというのについては失敗したわけです、この点の失敗をかんがみて、これをどのようにしたら直せるかというふうに考えてこの法律を改正されておるんでしょうか。その点をお伺いしたいと思います。
○尾見政府参考人 先生おっしゃいますように、これまで五次にわたり全国総合開発計画が策定されてまいりました。それぞれの時代に我が国が抱えております課題の解決に向けた政策の基本方向を示して、一つには工場、教育機関の地方分散、地方中枢・中核都市の成長、あるいは地域間所得格差の縮小等について成果を上げてきたというふうに思います。 御指摘のように、一極集中の是正というような問題につきまして見ますと、残念ながら、最近、東京圏への人口再集中が発生するというふうなこと、あるいは諸機能が大都市圏に集まっているということが続いております。他方で、地方における過疎問題が深刻化する、そういう状況であるというふうに認識しております。そういう意味からいいますと、当初の目的は必ずしも十分に達成されたとは言えないという面があることは認めているところでございます。 今後、やはりこれまで、例えば地方の問題、大変難しい問題でございますけれども、例えば、定住促進に加えて、いろいろな新しい形の都市交流でありますとか地域資源の活用でありますとか、従来とは違った政策手段の展開によってこの是正をしていくということがあるのではなかろうかと思っております。 大都市につきましても、例えばひところは工業等制限法というのがございまして、工場でありますとか大学とか、そういうものは都市部分から都市以外のところへ移していくというような、ある意味で強制的な手段というか、そういうものをとってきたわけでありますが、これからはそういうことよりもむしろ地方をどういうふうに、大変難しゅうございますが、地方を活性化して、そちらに行く人の流れというようなものをどう考えていくか、そういうことが大きなこれからの課題ではないかと思っております。
○篠原委員 やはりそういうふうになってしまった原因というのは、計画で地方分散とかと言っていますけれども、衣の下によろいというか、隠れたものがありまして、中央主導ということに執着してやってきた結果が、やはり本気じゃなかったということでこういう結果になったんじゃないかと思います。 どこと比べたらいいかというのはわかりませんけれども、例えば江戸時代を考えてみていただくとわかるんですが、三千万人の静止人口でした。江戸は八百八町で百万です。三十分の一です、東京は。それを今、一億二千七百万人のうち千二百万人、十分の一近くが東京に住み、東京近辺、どうやって入れるかというのはいろいろありますけれども、三千五百万人ぐらい住んでいる。神奈川都民、埼玉都民、千葉都民、今や茨城都民、栃木都民まで生まれている、こういった状況ですね。これは異様なんですね。 これはやはり、皆さんお好きなというか、私は余り好きじゃないんですが、競争原理とかなんとか言っていますと、経済は集中した方がいいんです。メリットが大きいんです。ですから、それを抑えなければいけない。江戸時代は関所を置いて農民が大都市に来ないようにしていたんです、伊勢参りとかそういうの以外は。今、中国は、ほっておくと大都市に仕事にあぶれた農民が移るので、農民は都市に入れないようになっています、農村間は自由ですけれども。 それから今、近代国家、欧米諸国はどうしているかというと、いろいろ工夫して地方に手厚い政策を講じているわけです。ですから、後で触れますけれども、国がこのように全国のことを考えた国土計画をつくるとしたら、どの国も、ヨーロッパ諸国ですけれども、すべて地方を重点的に考える、地方にインフラ整備を重点的にする、それから知的機会のアクセス、そういったものも地方になるべく持っていくということをするということを言っています。 その点で、今、大学のことをおっしゃいましたけれども、三大都市圏の占める割合、人口とかGDPとか工業出荷額とかあるんですけれども、その中の一つに大学の学生数があります。三大都市圏に大学生の六六%が集中しています。一番集中率が高いんです。主要県は三四%。大学にも、大学も出て行ってくれといって、そういうことをやってきたけれどもとおっしゃいましたけれども、学生なんて東京みたいに誘惑が多いところだったら勉強できませんよ。この辺の赤坂とかへ行って皆さんお感じになるでしょうけれども、誘惑に負ける人がほとんどですよ。 大学が大都市にある必要は全くありません。アメリカはみんな、みんなでもないんですが、何とかグランドカレッジ、州立大学はほとんど田舎にあります。それからイギリスでは、全寮制の中高等学校は皆、ど田舎にあります。おわかりになりますでしょうか。工場というのもあるんですが、この大学なんというのは最もそういうふうに考えてしかるべきものじゃないかと思います。そういったことがなかなか入れられていないということ、こんなのが問題になっちゃうんじゃないかと思います。 それで、ちょっとこれはお答えいただかなくてもいいと思いますが、二日前に松崎哲久委員の質問に対して、法律の名前を変えてもいいという大胆な、柔軟な御答弁がありました。悔い改めるのは早い方がいいので、そういうことはどんどんしていただいても僕はいいんだろうと思いますけれども、何か、国土形成法、私は形成なんという言葉はどこで出てきたかなと思ったら、古い、人格形成説という、罪はどうして起こすかという、そういうときに出てきたな、国土も同じようにそんなふうに形成されていくのかなと。 だから、国土をいじくって変なものに、まだいじくり、いじくり、いじくっていくという思想が形成というのにあらわれちゃっているんじゃないか。そうじゃないんじゃないか。我々が今国民から求められている、我々がしようとしていることは、そうじゃなくて、自然のままになるべく戻していった方がいいんじゃないかということを言っているんじゃないかと思います。 ですから、木村尚三郎さん、国土交通省もいろいろな委員会の座長とかをお願いされているだろうと思います。この方に何か知恵を拝借すればいいんじゃないかと思いますけれども、例えば、日本の風格というか、何か日本の風紀が乱れているんです。同じ形成でも、日本国、風土、風情、風格、そういったものを形成するんだというような、そんなような名前が私はいいんじゃないかと思います。なぜかというと、環境破壊とかひどいわけですから。時間が余りなくなりますので、これはお答えいただかなくて結構です。 次の問題ですけれども、ヨーロッパ、資料の中にありましたので見させていただきました。そうしたら、EU、ドイツ、フランス、イギリス、すべてやはり環境保全的なものを前面に押し出しているんですね。もちろん今回の改正法の中にも入っています。これが一つです。 それから、EU全体でもそうですけれども、ドイツ、フランスが、国土の均衡ある発展というのを相変わらず入れている。人口の過密過疎が是正できなかった。人口だけじゃなくて、今や経済的格差も大変ですよ。地方に行ってみるとよくわかります。東京だけが何か調子がいい。 私は、長野の山の中、中山間地で五つぐらいずつ集落があって、ちょっと支持者訪問していると、何かうちの秘書が、済みません、今現在地不明ですとか言って、そういうふうになっちゃうんです。ナビも働かないです。それから、後で触れますけれども、携帯もつながらない。さっぱりわからなくなってしまう。 だから、これを東京の皆さんは忘れちゃっているんですよ。人口比だけで国会議員は選ばれている。ですから、我が民主党なんか、残念ながら都市部の議員ばかりです。田舎のことを考える人は余りいない。いや、そんなこと言っちゃいけません。なかなかそこに思いが行かない、優先順位が低くなっている。済みません、悔い改めるには早い方がいいので、前の言は取り消します。二番目か三番目にしか考えられない。 この点について、基本理念がちょっとゆがんでいるんじゃないか、この点はやはりきちんと入れてもらわなくちゃいけないんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○尾見政府参考人 先生、二点について御指摘があったと思います。 一つは、持続可能性というか、そういう環境保全的なことの位置づけだというふうに思います。 今回の法案は、開発中心からの脱却ということで、環境や景観を含めた国土の質的向上を図るということが大きな主眼点になっております。そうした観点から、基本理念でも、地球環境にも寄与する豊かな環境の基盤となる国土の実現とうたっておりますし、第二条の計画対象事項には、国土における良好な環境の創出その他の環境の保全というものを追加させていただきました。また、第六条、全国計画におきましては、環境基本計画との調和規定を設ける等の規定を設けております。 また、目的のところでは、現在及び将来の国民が安心して豊かな生活を営むことができるようにするということを規定しておりまして、これは、私どもの考え方では将来の世代への責任ということであると思っております。 この二つを総合的に考えてみますと、これは、持続可能な社会、環境、そういうようなものを意図したものだというふうにぜひ御理解をいただきたいと思っております。 それから、国土の均衡ある発展の理念が不明確になっているのではないか、こういう御指摘がございました。 今回の法律の基本理念には国土の均衡ある発展という言葉は確かにございませんが、実は、国土利用計画法がございますが、これが国土形成計画法の上位法として機能するという役割を果たしております。この国土利用計画法の中では国土の均衡ある発展ということがうたわれておりまして、全体として新しい国土形成計画についてもその理念が及ぶものというふうに私どもとしては考えております。
○篠原委員 あちこちに書いてある、どこかに書いてあるから入っているというのはやはりよくないので、基本理念の第一に入っていないといけないんですね。 大事なのは、平等なアクセスの機会ですよ。それは郵政問題でも郵便局というので問題になっているわけですけれども、きょう届きました全国農業新聞、皆さん、目がよくないとごらんいただけないかと思いますけれども、一面が「携帯が使えない 過疎の農村」という。このあたりなんか、携帯は要らないぐらいなんじゃないかと思います。ここでは禁止ですけれども、その辺に行けば電話はいっぱいあったわけですね。ですから、そこへ行けばある。携帯なんかあると、用でもない電話がかかってきてうるさくてしようがないから、我々にとっては今や邪魔者ですよ。 それが、農村でへんぴなところへ行くと、家と連絡をとる、それから、もっと近代的な農業をやるというときにも大事になってきているんです。生産履歴をバーコードですぐ聞ける。だれだれさんがつくって、どういう農薬を使って、どういうふうなつくり方をした、それがわかるようになっています。既に中山間地でもそういうことをやっている人がいる、すぐ聞きたい。あるいは、産直をやっている、聞いたけれども電話に出ないから注文をできない。おわかりになりますか。転送システムができないんです、携帯が通じないから。こういうアクセス、もう都会と田舎はますます格差が拡大しているんです。 ですから、ここのところに情報通信施設の利用、整備、保全に関する事項というのが新しく入っています。これは中途半端なんですね。都会に要らないんですよ。もし書くとしたら、アクセスの機会を平等にじゃなくて、田舎の方が住みやすいようにというふうにしていかなくちゃいけないんじゃないですか。そういう思想が全然入っていないんですね。大臣、この点についていかがでしょうか。
○北側国務大臣 どうなんでしょうか。私は、委員の御意見にむしろ同じ方向を向いているというふうに思っておるんですけれども、今価値観が大分変わってきているんじゃないでしょうか。Uターンする方、Jターンの方、Iターンの方、こういう話もこれはふえてきております。老後は田舎の方でのんびりしたい、こういう人たちもふえていらっしゃいます。 今、各地域地域の方も、地域の再生ということでさまざまな独自の自主的な取り組みがなされております。そうしたことがやはり大切にされる、尊重されるような計画でないといけないと私は思っております。首都圏だけにどんどん集中していくという今のありようというのは、やはり大きな問題であって、地域のさまざまな個性、特性、歴史というものが尊重される、そういうふうな国土計画にしていかないといけないというふうに考えております。
○篠原委員 そういう通り一遍のじゃなくて、地方の自主性を重んじるとかいうのも大事なんですけれども、やはり足りないところをこの計画で補ってバックアップしてやるということ、そうしたら地方なんですね。私は地方についての考え方を改めたことがあります、十数年前ですけれども。私は農林水産省にいながら、こんなど田舎……
○橘委員長 北海道局、経済産業省の人が来ているから。
○篠原委員 あっちに質問しろと。(発言する者あり)はい。 済みません、中断いたしまして。いろいろな北海道の話が出ましたので、石原慎太郎さんは北海道はクマしか通らない道路があるとかいって田舎の道路の整備をやゆされましたけれども、それはやはりそういうのでもないんですね。 僕もちょっと疑問に思っていましたけれども、ヨーロッパに行きますとどうなっているかというと、田舎の方がインフラ整備が進んでいるわけです。そういったことを考えますと、ヨーロッパはだから過密過疎の問題が起こらないんです。田舎の方が暮らしやすいようになっている、こういうことなんです。一緒にするんじゃなくて、田舎の方がいろいろな面で便利になっている、かつ自然環境もいいということでそこに住みつく、そういう状況にしているということなんです。そういったことを考えますと、この次の計画の中にはそういったことをきちんと入れていただきたいと思います。 それからもう一つ、地域格差の是正ということをいろいろ言ってまいりましたけれども、それが過ぎちゃったようでして、全国各地に金太郎あめのような都市ができてしまった。あちこちに銀座通りができました。ところが、今やシャッター通りになってしまっている、郊外型ショッピングセンターができまして。 そういったときに、地域づくりに突然自主自立とかいう、これは考え方はいいんですが、国のビジョンを示さないというので、小泉内閣得意の丸投げになっているんじゃないかという気が僕にはしますので、その点は、地域についてもちゃんと指針を示して、地域の方を重点的に整備するという方針をぜひ打ち出していただきたいと思います。 それから、次は大事な問題なんですが、長期ビジョンというのはいろいろ先を見通すべきなんですね。先を見通して、さっき、人口の格差の是正とかいうのは失敗でしたけれども、何か今までの、これは全国総合開発計画があったからこそ実現できたのだという典型的な例を二、三挙げていただきたいんですけれども。
○尾見政府参考人 それでは、過去の全総計画でこれはというふうに言えるものについて御説明させていただきたいと思います。 まず最初の全総で一全総でございますが、これは拠点開発構想というものを掲げております。このことによりまして、製造業立地の地方分散というのが一定程度進んだ、この点についてはかなり御評価をいただけるんじゃないか。田舎の方でもそういう工場に勤めるというふうな暮らしができ始めたというのは、この成果なんではないかと思います。 大規模プロジェクト構想がそれに続くわけでありますが、この点については、さらにそういうものを拡大すると同時に、交通・通信インフラとかそういうものの整備も進みましたので、全体として地域間所得格差の縮小の面で成果を上げてきたんではないかと思います。 もう一点だけ言わせていただきますと、三全総は定住構想を御承知のように掲げました。そこでは地域の創意工夫を生かした地域づくりの推進ということで、定住をベースに、いわゆる産業基盤、経済基盤としての社会資本整備ということに加えて、あるいは重点を地方における居住環境の向上というようなことに軸足を置きました。そういう成果があるのではないか。 とりあえず、三つの全総までで御説明させていただきました。
○篠原委員 委員長から御指摘がございましたので、ほかの省庁からおいでいただいておりますので、そちらの方の大きな成果についてお伺いしたいと思います。 成果の一つは、日本が輸出立国というか加工貿易立国としてのし上がってきた。問題点はいろいろあるんですけれども、みんな表もあれば裏もあるわけです。先ほど申し上げました新産都市から始まって工業再配置、テクノポリス、頭脳立地、きらびやかな名前が並んで、工場を地方にという、産業でというのがありました。そのうちに、オフィス・アルカディアとかインキュベーターとかハッチェリーとかクラスターとか、片仮名が並びました。この工場の地方立地ということ、成果はどの程度上げられたんでしょうか。
○薦田政府参考人 お答えいたします。 今先生御指摘がございましたように、経済産業省におきましては、これまで工業再配置促進法、テクノポリス法あるいは頭脳立地法、地方拠点法といったような法律によりまして、製造業を初めといたします各種産業を全国に展開し、あるいは集積化するための施策を講じてきたところでございます。 例えば工業再配置促進法で見ますと、同法は、工業が過度に集中しております移転促進地域、これは先ほどお話がございました三大都市圏が中心でございますけれども、ここから集積の度合いの低い誘導地域に工業を再配置するということを目的とするものでございまして、その効果を工業集積度というような指標で見てみますと、同法制定前の昭和四十五年には、移転促進地域と誘導地域の格差は約二十二倍ございました。随分すごい格差があったわけでございますが、平成十二年には、これが五・八倍まで縮小しているということでございます。 また、テクノポリス法で見ますと、これは全国各地に高度技術産業集積を形成するということを目的としたものでございまして、同法が制定されました昭和五十八年から平成十年までの工業出荷額の推移を見ておりますと、これは約十五年間でございますけれども、テクノポリス二十六地域の工業出荷額の伸びは、全国平均が三〇%であるところ約四八%と、非常に高い伸びを示したところでございます。 以上でございます。
○篠原委員 その点はある程度認めるんですが、何にも開発してこなかった典型的な例として苫小牧東、苫東、むつ小川原があるんですけれども、苫東の現状は一体今どうなっておりますでしょうか。
○山本政府参考人 お答えいたします。 苫小牧東部地域の開発でございます。 昭和四十六年の基本計画に基づきまして進めてまいりました。平成七年に、従来の資源型工業中心から、生産機能はもとより研究開発あるいは居住といった複合開発を目指すということで展開を図ってきたところでありますが、平成十一年には、第三セクターであります苫小牧東部株式会社の累積債務を清算し、借入金に依存しない体制を確保した株式会社苫東ということで新たな展開を図ってきたところでございます。 現時点で、分譲の状況ですが、五千五百ヘクタールの分譲対象面積のうち、分譲済みがちょうど千ヘクタール、一八%であります。 企業進出の数は八八件。主な立地は、石油備蓄、火力発電所、自動車のエンジンの製造をしております。この自動車のエンジンというのはヨーロッパに輸出をしております。最近では、家電製品や自動車のリサイクル、さらには廃プラスチックを原料にした発電所などのリサイクル産業の立地もしております。新千歳空港に近い、あるいは港湾の機能が使えるということで、まとまった一団の土地を維持しながら、このメリットを生かしているところでございます。 以上です。
○篠原委員 努力されているのはわかりますけれども、一八%。つまり、東京都二十三区と同じ広さのところの五分の四が小鳥の楽園になっているわけですね。やはりこれは問題だと思います。 ですから、ちょっと発想を変えればいいんですね。おいでください、おいでくださいとやる。しかし、今、田舎が低賃金だからといって行った工場も、東南アジアや中国に出ていっているんです。それを我が日本国政府は、いや、競争原理だからとか、しようがないんだ、人件費が高くなったからと。これは、やはりおかしいんですね。 国策として、ちゃんととどまれ、こっちに行けという誘導をちゃんとしていいんじゃないかと私は思いますけれども、そういった大胆な政策は考えておられないんでしょうか。
○薦田政府参考人 お答えいたします。 先生、今御指摘のように、近年、アジア諸国、特に中国を初めといたしまして、海外への製造業の生産拠点の移転が拡大しているということは事実でございます。他方、最近では、日本にございます高度な部材産業の集積あるいは労働者の技能の高さといった国内事業環境の優位性を再評価いたしまして、国内の生産を一層活用する、こういう動きがございまして、国内に生産拠点を回帰させる動きも見られるところでございます。 日本が今後こういうさまざまな課題を克服しつつその産業活力を維持していくためには、生産性の向上を図って、産業の高度化、高付加価値化を推進していくことが何よりも重要でございます。そして、地域におきましては、世界と戦えるイノベーションやあるいは新事業をつくり出していくことが不可欠と考えているところでございます。 こうした観点に基づきまして、現在、経済産業省におきましては、まさに科学技術駆動型の地域推進ということでございまして、平成十三年度から産業クラスター計画というものを推進しているところでございます。 この計画では、全国を十九のプロジェクトで覆いまして、世界市場を目指します約六千百社の中堅中小企業、そして、ここが大事なところでございますけれども、まさに大学等二百五十が参加しておりまして、こういう産学官の広域的な人的ネットワークの形成の中で各種の支援対策を行っているところでございまして、こういう中でイノベーション創出環境が整っていくものと期待しているところでございます。 今後とも、こういう環境のもとで地域の活性化を維持していきたいと考えているところでございます。
○篠原委員 これでほかの省庁の皆さんにもお聞きしたので、またもとに戻りまして、本題の計画、本体のところに触れさせていただきたいと思います。 私は、この計画のことで松本・諏訪地区の次に印象に残っているのは、大平総理の家庭基盤の充実、田園都市構想です。森田委員の岳父。私は、これに感動した覚えがあります。香川の田舎で生まれて、刻苦勉励して東京に出てこられた。高度経済成長の真っただ中にある、しかし日本は違った方向に行っているんじゃないか、おかしいと疑問を感じられたんじゃないか。それで、どういうことをおっしゃったかというと、日本の繁栄の礎は、安定した家庭、その安定した家庭の集合体である田園都市、これにあるんだ、これをつぶしてはならないということで、定住圏構想とかいうのが出てまいりました。 私は、正直言って、国会答弁で一生懸命答えられたのを見ていましたけれども、よくわからなかったんです。話が余りお上手じゃないんですね。しかし、後から本を読んで、こんなにいいことを言っておられたのかと思って、僕は目からうろこでした。 それから、竹下さんも農業委員から始められたんです。それで、総理になったら突然趣味を出されました。よくこういう人はいるわけです。今、出し過ぎて失敗している人はいますけれども。ふるさと創生論です。だれが何と言ったって田舎をつぶしてはならないと。中曽根さんも最初の所信表明演説で、日本はこういうのが幸せなんだ、夕げを迎えて孫を抱いて、そして外の庭をながめて一生を送っていく、こういうことをおっしゃっているんです。 私は、こういった理念というのが計画をつくるのに大事なんだろうと思います。公明党の大幹部、今もう既に大幹部かもしれません、もうちょっとしたらトップリーダーになられる北側大臣、こういう計画をつくったりされるときに、どういう理念のもとに国づくりをするかというのがやはり非常に大事になってくるわけですよ。総理になられたと想定して、理念をお聞かせいただきたいと思います。
○北側国務大臣 御質問にすべて答えられないと思うんですけれども、今おっしゃった農村、田園風景というものを大切にしないといけない、それは全くそのとおりだと私は思います。農業とか林業の持つ、先ほど農業の話が出ておりましたが、農業や林業の持つ機能というのを単に、非常に短い単位での経済的な機能だけで見ていたら本当によくないというふうに思っておりまして、農業、林業の持つ多面的な機能というものをよく理解した上で、やはり国土の計画というのは立案をしていかないといけないというふうに考えているところでございます。 この国土形成計画につきましては、この法案が通りましたならば、これからその中身について具体的な論議が始まってまいります。そういう中で、ぜひまた委員の御意見を賜りたいというふうに思っております。
○篠原委員 ありがとうございました。 では、北側大臣にお願いですけれども、私は、日本のこの乱れの原因、もちろん形式というのは国土とかいうのもありますけれども、日本人の心が非常にすさんできている。その原因は、社会学者用語で言うと過剰流動性とかややこしいことを言うわけですけれども、それは、隣近所がばらばらになっていること、信頼できる人間関係がなくなっていること、これに非常に不安を感じて、そして新興宗教とかああいうのができ上がっていく。 それで、大平元総理の言葉を引用させていただきたいと思います。東京三代白痴論というのをおっしゃって、失言を滅多にされない大平総理がマスコミからたたかれたことがあります。どうしてかというと、東京で生まれて東京で育った人が、また東京で生まれて育った人の子供と結婚して、東京で生まれた同士の孫が白痴になっていくと。 何を言われているかよくわからなかったんですけれども、この文章を読むとわかるんです。東京で、あっちばらばら、こっちばらばら。食事もばらばら、学校もばらばら。ふるさとという意識がなくなっていく、ぽっかり心の中に空洞ができてしまっている。 私は、そういったことを考えて政党活動をされておられるのが公明党じゃないか。非常に賢いんです。東京にそういう寂しい人たちがいる、そういったのをやはりみんな結びつけて、きちんとした安定した田舎社会をつくらなければいけないと。ですから、そういう点では、農村を地盤にしている自民党と、そういったことを都会で希求する公明党が結びつく自公政権というのは、私は必然の結果だと思います。そういうことを考えられている方はどの程度おられるかわかりませんけれども。ですから、そういうことをこの国土形成計画にもちゃんと織り込んで、寂しい日本人をなくしていくというようなこともぜひやっていただきたいと思います。 それからもう一つだけ、時間が足りないけれどもお願いでございます。 国土の形成、私は名著だと思うんですが、「逝きし世の面影」という本があるんです。これはどういうのかというと、江戸末期から明治初期に日本を訪れた人たちがいっぱい日記を残している。その人たちが日本を絶賛しているわけです。特に日本の景色、ガーデンアイランドと呼んでおります。そういったのをちょっと読ませていただきますと、オルコックとかチェンバレンとかモースとか、いろいろみんな絶賛しているわけです。この美しい国土はこのままであってほしいと。それを、明治はともかく昭和以降、相当捨ててしまったんじゃないかと思います。一文だけ読ませていただきます。 市街から田園へと気づかぬうちに移っていき、道路は次第に花の咲く藤の下影の小道になった、ついさっき天守閣の堀を満たしていた水は曲がりくねった小川となり、ツツジのトンネルの下から流れ出ていた、緑の楽園のただ中のこの蛇行する川ほど愛すべきものはない、ああ、日本の何と美しいのどかさかと。 こういった国土をぜひ復活していただきたいことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○橘委員長 若井康彦君。
○若井委員 民主党の若井康彦です。 前回に続いて、今回の国土総合開発法の改正案が時代にふさわしい国土計画をつくる上で本当に役に立つのかどうか、その辺について引き続き御質問をさせていただきます。 今、篠原委員からるる御説明ありましたけれども、首都圏の議員であります私ですけれども、千葉、利根川沿いのところに地元がございます。大変に広大な美しい田園風景が広がっている地域でありますけれども、実は、この利根川という川は、江戸の初期に、徳川幕府が江戸を開いた際にわざわざつけかえた川である。四百年前ですけれども、これを大事業としてつくることによって江戸時代が開いた。これはまさに国の国土開発そのものだと思うんですが、それによって民はそこで米をつくり、稲をつくり、船を動かしながら生活をしていくことができた。 明治の初めには、汽笛一声ということで鉄道に着手をし、一時は二万五千キロ余りの鉄道があったわけですけれども、百年たって、今三千キロ以上の国鉄の線路が撤去をされる、そういう時代になっている。 いずれにしましても、新しい時代を開く上で国がしなければならない、何かそういうキーになるものがあると思うんですけれども、大臣、先ほど次の総理というお話もありましたが、この時代を開く上で、今回の国土計画のキーになるものは一体何だとお考えになられるでしょうか。
○北側国務大臣 先ほども篠原委員との論議の中でさまざまな御議論があったわけでございますが、一つは、やはり持続可能性ということは非常に大事なキーワードだと私は思います。 これまでは、戦後、我が国は、人口の増加、急速な都市化、都市への人口集中、そして産業の発展等々、そういう流れの中で国土計画があり、それはやはり開発を基本とした流れであったかと思います。そういう意味では、これからは、もちろんこれからも開発をしなければならない分野はありますが、基調となるのはやはり国土の保全ということが非常に大事になってくる、そういう時代になっていると思います。そういうことを国土計画の中で重視していく、そういう計画にしていかないといけないのではないかと思っております。 〔委員長退席、望月委員長代理着席〕
○若井委員 そうした持続型の国土をつくるには何が必要かということが今問われているわけでございますが、それについては今回のこの法の中にはもちろん触れられていない。これから検討するのだというこれまでの御説明がるるあったわけですけれども、これに対して、一定の方向づけを提示した上でこの計画の策定に当たるべきだと私は考えております。 日本の戦後というのが、いわば拠点とネットワークをつくる、そうしたシナリオで始まり、一定の成果を上げてきた。しかし、先ほどの大平元総理の田園都市構想ではありませんけれども、この三全総以来、そうしたトーンはもう大きく変わってきているわけです。三全総は定住構想、四全総は多極分散型、グランドデザインは多軸型と言っている。 しかし、それが、先ほどの篠原委員の質問ではありませんけれども、大変に大きな国土のひずみが結局是正されなかった、拠点とネットワーク以来の流れ、惰性がここまで日本の国を引っ張ってきてしまったのではないか。そうしたものを、今回のこの二十一世紀最初の国土計画でどのようにかじが切れるかということをここに示すべきだというのが基本的な私たちの主張であります。 それがどういうものになるのかということは、今までの説明ではどうもよくはっきりしませんが、国土審議会の調査改革部会が報告をしている「国土の総合的点検」、これは恐らく今回の法案の下敷きになった提言であるというふうに私たちは思っておるわけですけれども、この中に書かれていることも、大変に多面的な、総合的な分析がなされていますけれども、もう一つ一体何がしたいのかということがよくわからないというのが実態だと思います。 例えば、実はこの「総合的点検」では、自立圏連帯型の国土をつくるんだということを言っておりますけれども、これは恐らく、五全総以来の多軸型の国土であるとか、それ以前の多極分散型というものをもうちょっとひねってみたとかいうレベルの話のように私には読めるわけですが、実は、これをやる上でも、結局、新しい時代にふさわしい拠点開発をするのだというようなことが書かれている。二十一世紀では、国が主に民間の労働と資本、さらに情報を誘導しながら知的資本の蓄積とネットワークを図るんだというようなことが書いてありますが、この知的資本は何なのか、そしてネットワークは何なのかというようなことについては、一切具体的な提示がない。恐らく計画の策定が始まっても、この部分についてどの程度の具体的な内容が盛れるのか、私たちには一向に想像がつかないんですけれども、その点、局長、どんな展望を持っておられるのか。
○尾見政府参考人 先生の御指摘にありましたように、私ども、今回法案を出させていただくときに、これまで国土審議会でるる御検討をいただいてきたということをもちろんベースにしていろいろ物を考えてきております。その中で、先生が今おっしゃいましたように、自立圏連帯型の国土の形成、都市圏の形成を図っていくということは、かなり大きなウエートとして語られていると思います。 その一番大きな要因は、やはり東アジアの急速な発展ということの中で、資源のない日本として、常に最も先端的な、例えばITとかモバイルとかバイオだとか、そういう先端的に付加価値を生んでいく産業、そういうようなもので成功していかないことには、やはり日本は生きていけないんじゃないかという問題意識が一つはあると思います。 そのために、先ほど経産省の方で産業クラスター計画という御説明がありました。やはり都市の今までの集積というものは大変これからは大事になってきております。新しい価値創造には、やはり総合的な都市環境というか、魅力ある都市環境、そういうものが大事でありますし、異質文化だとかそういうものが混合していく中で新しいものが生み出されていく、そういうことがあります。違う言葉で言うと、そういう知識集約産業においてのイノベーションというようなものをやはり育てていく。 確かに、先生がおっしゃいますように、圏域の中で拠点というものを設けて、それを域内、圏域内に波及させていく、あるいは日本の産業全体にそういうイノベーションの波を広げていく、そういうことで日本全体の国際競争力、活力、地域の活力、そういうものを形成していくということは、新しい国土計画の中で最も大きな課題の一つなんではないか、こういうふうに認識しているところでございます。
○若井委員 どうももう一つイメージがわかないんですけれども、さきの質問で申し上げましたとおり、今、世界的には、日本がこれまでしてきたような意味での国土計画をつくるという流れは大きく退潮している。 その理由をいろいろ調べてみましたけれども、結局、日本と違って、ヨーロッパではEUという国際的な枠組みができて、ある意味でいうと国境の役割が相対的に後退をしたんだ。例えば、ウィーンと隣のスロバキアのブラチスラバの間、たしか六十キロぐらいしかない。ザルツブルクまで行くと二百何十キロあるそうですけれども、その隣の、もともとでいえば社会主義のかたい壁があったそこを乗り越えて、隣の経済圏とどういうふうに組むかというようなことがより重要になってきた。ですから、国の枠ではそうした議論を余りしなくてもよくなったのではないかということがあるというふうに聞き及んでおります。 翻って日本について考えてみますと、たしか北海道がオーストリアと同じ大きさ、九州はオランダと同じだ、あるいは中国地方はベルギーと同じぐらいの実力がある地域だといいますけれども、そうだとすると、残りのところを合わせると、あとフランスとイタリアぐらいできてしまう。それだけの、外から見れば立派な、大きな国なわけですけれども、どれ一つをとっても、ある意味でいうと、そうしたヨーロッパの国一つに十分対応できるような、そういう地域になっていない、このことが一番問題だということだろうと私は思いますし、また、そうした方向で、今回の、つまり地方ブロック、こうしたものをどういうふうに確立していくかということが最大のテーマになるだろうと思います。 しかし、また、逆に言いますと、この戦後六十年の間、どうして各圏域、ブロックがそうした方向で発展することができなかったのかということについて余りにも認識がないのではないかということを言わざるを得ない。結局のところ、国に依存をし、ある意味でいえば、霞が関の一極集中というシステムをみずから相対化するという努力をしないできたということがここまで来ているんじゃないかというふうに言わざるを得ない。 先ほど来のお話でいいますと、国土の均衡ある発展といいますけれども、結局のところ、例えば、先ほどの河川じゃありませんが、鉄道と高速道路と空港の三点セットをそれぞれのところに供給をすればそれぞれが自発的に発展を始めるというシナリオはもう明らかに限界に来ているということは、この歴史が示しているところだと思うわけです。ですから、ある意味でいいますと、この広域地方ブロック、これが本当に自立的な発展をするような条件をつくるということに焦点を絞って今回の国土計画は作成されるべきではないかと私は思っております。 そういう意味で、大臣、この間の議論でずっと、国土計画は行政計画だということをるるこれまで御説明があったんですけれども、そうではなくて、国のあり方に関する、ある意味での基本法のようなものとして指定をすべきではないかと思いますけれども、お考えいかがですか。そういう可能性はないのかということをお聞きしたい。 〔望月委員長代理退席、委員長着席〕
○北側国務大臣 この国土形成計画、この法律が通り、今後策定をされます国土形成計画というのは、各省庁のさまざまな計画、国土にかかわる計画の指針を示す計画になるわけで、そういう意味では極めて基本法的な性格を持っている法律であると思っております。 ただ、行政計画ではないのかというと、それはやはり行政計画でございまして、この計画というのは、特定の行政分野の施策の遂行に当たっての基本方針を定めるものでございまして、そういう意味では、やはりこれは行政計画というふうに言わざるを得ないと思っております。
○若井委員 私は、今回のこの国土計画が行政計画である限り、いわば五全総、二十一世紀の国土のグランドデザインを超えることは恐らくできないだろうという感想を持っておりますし、また、そうしたものをもう一度つくる意味というものも積極的には感じることができない。 先ほど来、農業補助金のお話がありました。あれについても、結局のところ、お互いの関係はその程度。さらに、これは広域地方計画の内容になるかもしれませんけれども、地方の自立的な発展計画であるとすれば、さらに公共事業や農業補助金のほかに、地方交付税の仕組みの話とか、そうしたものも含んだものでなければ、結局のところ公共事業の配分計画に終わってしまうだろうというふうに思わざるを得ないわけですが、これを行政計画にとどめるのではなくて、一種の法として国会できちんと議論をして、しかも細かい内容については地方にゆだねる、そうした仕組みをつくることこそ今回のこの新しい法律をつくる意義ではないかと思いますけれども、そうじゃないですか、違いますか。
○尾見政府参考人 国がつくります全国計画でございますけれども、一番大きな目的は、やはり国の役割、責任というものを明確に示して施策の方向性というものを骨太に示していこう。そのことによって、公共団体も含めて国民の皆さんに国というものに対して期待をしていただいて、それに従って我々は仕事を進めていく。その際に、方向について国民の皆さんに共有してもらう。そういうことになるんだと思います。 国の役割という点でございますけれども、私、一つの例を申し上げますが、防災の仕事をしておりましたけれども、例えば、災害対策関係の法律は応急対策を中心に整理されておりますが、地方公共団体の事務になっております。ただ、例えば首都直下の大規模地震対策についてどう取り組むのかとか、東海地震、東南海地震、そういったような極めてスケールの大きい、一たんそれが発生しましたときには万を超えるような犠牲者も予想される、それから何十兆というような経済被害が予想される、そういうものについて、一定期間の中に差し迫ってそういう発生が懸念されるということについては、やはり国として大きな柱を立てて施策を遂行していくというのでなければ、それぞれの公共団体で対応するといっても、やはり無理な面があると思います。 広域防災という観点からいけば、例えば、国がコアとなる防災拠点というものをきちっと整備をする。例えば、東京におきますと有明でありますとか扇島とか、そういうところでそういう計画をつくっております。名古屋でも大阪でもそういうことについての検討が進んでおります。そういうことを核にして、やはり公共団体も一緒になって対策を進めていく、そういうことが大事になるんではないかと思います。 そういう意味で、先生は指針とおっしゃいましたが、基本的な指針だけではなくて、具体的な施策の方向だとか、そういうものをいろいろなケースに即して想定をしながら進めていく、こういうことが私は大事なのではないかと思っております。
○若井委員 今初めて、局長のお話の中から国が具体的にやるべき仕事の例が挙がってきました。要するに、防災ということですね。 それから、先ほど申し上げたとおり、日本の中には、オランダもあれば、オーストリアもあれば、ベルギーも、みんなあるという、そうした国として考えるのであるならば、例えば隣の中国とどういう良好な関係をつくるのかとか、国民の資産である三百五十兆円をどういうふうに保全するのかとか、そうしたことが要するに国の仕事であって、地域の中をどうするかということは当然地方の皆さんに、オランダはオランダに、ベルギーはベルギーに任せるべきですよ。EUだってそうやって発展をしていっている。相変わらず一億三千万の一つの固まりでやっていく限りもうこれ以上先に進めないということが三全総以来のプロセスにはっきりあらわれているのに、なぜこの新しい国土計画の中にそうしたものを盛り込もうとしないのか、そこについて私たちは大変に疑問を抱いておるわけであります。 それはともかく、先ほどの総点検の話でいいますと、最後のところに国と地方の役割ということが書いてありますけれども、「土地、水、自然、社会資本、産業集積、文化、人材等の資源についての国としての利用の規模や配置に関する考え方と地方としての考え方との相互調整」、結局、今までと何も変わっていないと言わざるを得ない。そこのところを私たちは大変に残念に思うわけであります。 時間がなくなりましたので、先ほどのベルギーやオランダの話ではありませんが、なぜ広域地方ブロックに計画決定の主権を渡せないのか、そのことをもう一度お聞きしたい。そして、これに対して、国としてはどのような形でそれをカバーしようとしておられるのか、その点を確認させていただきたいと思います。
○尾見政府参考人 広域ブロック計画、広域地方計画をなぜつくらなければならないかということについては、いろいろな観点があるわけです。国民の皆さんの生活範囲、あるいは企業の経済活動、そういうものが県境を越えて大きく広がっているという現実はどなたにも否定できないことだと思います。 他方、先ほど申し上げましたような、東アジアの問題があります。先ほどは拠点となる都市の集積で、知的創造産業と申しますか、そういうイノベーションを進めるというための仕組みのお話をしました。同時に、やはり、その地域をきちっと、例えば中国等と連携協力しながらやっていく場合には、今までベースになりました、例えば空港とか港とか高速道路とか、そういうものの基盤についても新しい観点から見直していかないといけないと思います。 広域地方計画の中心としては、その中でも国が中心となって占めている根幹的なプロジェクトがあるわけでありますが、そういうものを中心に、新しい時代に向けてどう見直しをしていくか、そういうのも大きな視点だと思います。そういう計画の内容のコアの部分は、今申し上げましたように国の施策ということになっておりますので、これを計画の段階、実施の段階できちっと遂行していくためには国が実施する、計画主体になるということが大事だと思います。 ただ、前提として、繰り返し申し上げたいと思っておりますのは、やはり国と地方、さらに、それだけではないんです、民間の皆さん、あるいはいろいろな地域社会の構成員の方々に認識を共有していただく。そのために、国の計画の中では、世界で今どういう変化が起きているのか、そういうこともきちっと書いて、今我が国が何をしなければいけないかということを全国計画できちっと示して、それらを踏まえて、地域の皆さんの中で、国と地方、民間も一緒になって共通のビジョンを持って進めていく。その際、国の仕事についても、地方のお考えを十分取り入れて対等な立場で御議論をさせていただいて、その結果を計画として決めさせていただく。これが基本的なコンセプトでございます。 以上です。
○若井委員 人口減少という時代は初めて経験するわけですから、結局、これまでのように先行的な公共投資を国がすればそれが発展の道につながるという、そうしたシナリオはもうあり得ない、それぞれの地域が今あるものを生かし、今いる人たちが主体性を発揮する以外に活性化の道はあり得ない、その主体性を発揮する道筋を国が主導でつくれるはずはないということを申し上げて、私の最終質問にさせていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○橘委員長 穀田恵二君。
○穀田委員 今回の法案は、国土計画制度全体を変えようとするものであります。これまでの国土総合開発法に基づいて具体的な事業として計画、実施されてきた全国総合開発計画、いわゆる全総、これをどのように評価し、総括してきたのかということは、この問題を論議する際に避けられない問題です。ですから、多くの議員がこの問題について論じてきたわけであります。 本委員会における参考人質疑でも、森地参考人は、総括については、毎回の計画の中でレビューをされ、論議があったと。さらに、五十嵐参考人は、従来の事業や計画について評価をしたとは到底思えない、こういうふうに片や陳述されています。 大臣は、前回の質疑の際に、プラスの面もあるがマイナスの面もあったと評価しています。例示も含めて、全体として大ざっぱな話、議論展開であったので、あえて私は尋ねたい。これまでの全総計画の負の遺産についてどの点がそうなのか、認識を問いたいと思います、大臣。
○北側国務大臣 私、ちょっと話がそれるかもしれませんが、先日、ソウルに行ったんですよ。ソウルでは、韓国の人口の半分近くがソウルに集中しているんです。今ソウルで何が問題になっているかというと、首都圏移転なんです。これが非常に大きなテーマになっております。 私は、確かに不十分であった、不十分であったんですが、これまでのさまざまな取り組みがもしなければ、もっと都市に人口が集中して、さまざまなひずみがもっと生じていただろうというふうに思います。ただ、十分であったかというと、例えば多極分散型国土をつくるといっても、必ずしもそうなっていない、やはり今も首都圏にさまざまな機能が集中しているという問題点が残っているわけでございます。 そういう意味では、きちんと示された成果もあると思います。地方に工場等が分散をされたというふうなこともございます。所得なんかも、所得格差についても、日本はほかの国に比べますと非常に格差が小さいわけでございまして、そういう意味でも果たしてきた役割というのはあると思いますが、一方で、当初想定した目標には十分に至っていないという事実もあるというふうに考えております。
○穀田委員 相変わらずばくっとした話で、もうひとつ私が提起しているような問題にはお答えになっていないというのが率直な私の感想です。 といいますのは、例えば所得格差の問題でも、今日でいえば、もちろん日本におけるそういう事態についてはあるんでしょう、そういうものについて一生懸命言ってはるんでしょうけれども、世界で比べるとまさに二極分化と所得格差の拡大というのは、日本はジニ係数からいっても、およそひどい事態になっているというのが今の現実なんですね。それは御承知のとおりだと思うんです。 その上に、当初の目標といいますけれども、私は、何が問題かということをぜひこの際言っておきたいと思うんです。 全総計画に基づいて、簡単に言えば、国土と国民がどうなったのかということなんだというのが私の考えなんですね。公害が発生し、この間自然破壊がされ、言われるように、私の住んでおりますところも含めて町壊しが進行する、そして、それをむだな大型公共事業が席巻をする、こういう事態が生まれてきた。その上に、政官財の癒着もこれまた出た。この間の参考人質疑でも、そういう中身についても議論されたと私は考えています。ですから、私は、今言ったことを含めまして、全総計画全体を総括する上で三つぐらいやはり必要じゃないかと思っているんですね。 一つはやはり、日本の国土がどうなって、そしてそれが実は利権の場になったということも隠れもない事実だと。そして、五十嵐参考人の陳述をかりれば、むだな公共事業が目につくということだと思うんです。しかも、五次にわたって行われた全総計画は、ずっと調べてみますと、太平洋ベルト地帯構想、日本列島改造、さらに日米構造協議による公共投資基本計画、そしてリゾート開発構想などに具体化されました。 その後、民活、民営化、規制緩和、構造改革路線など、巨大開発の構想を進める根拠とされてきたわけです。その結果、さきに述べましたように、公害問題を発生させ、そして自然や町壊し、むだな公共事業というのを生んで、しかも、その政策的にいいますと、達成できなかったどころか、事実は各地で行き詰まりを生んだ産業立地政策。リゾート開発などは破綻の極端なものです。そういう点をしっかり見る必要があるということが私は第一の問題だと思うんです。 二つ目の問題は、やはり国民の暮らしがどうなったか、当時の法の目的にあった社会福祉の向上はどうなったか、こういうことをしっかり見る必要があると思います。政府の総括では、生活環境の改善など一定の成果を上げた、こう書いています。しかし、私は、今述べた公害問題や自然破壊や町壊し、こういった問題について、住民の運動が非常に盛り上がってそれを押し返したというのが歴史の事実じゃないかと考えています。だから、そういう角度から物を見る必要がある。 それと三つ目に、ゆるがせにできないのは政官財の癒着だと思うんですね。国土の開発に、それがいつも枚挙にいとまがないほど起こっていたということについて、しかも、この間の国交省に絡む談合疑惑でも四十年間も続いていたということの、いわば負の遺産の総決算ともいうべき事態についてもしっかり見る必要があるんじゃないかと私は考えています。そこだけ最初に言っておきたいと思うんです。 そこで、具体的な問題について一、二議論をしたいと思います。 自然環境を守る問題について聞きます。新たな国土計画の中では、持続可能な美しい国土の形成が挙げられています。しかし、自然環境を破壊してきた最も典型的な事例はダム事業です。私は、今国会でも、今後、総額九兆円にも及ぶダム事業建設が進行していることに関して、中止、凍結を含む根本的見直しを主張してきました。 大臣にここで聞きます。本年の一月、淀川水系の河川整備計画の策定に関して、淀川水系流域委員会から近畿整備局に対して、「事業中のダムについての意見書」が提出されました。その中で、「ダムは自然環境に多大な負の影響を与えるため、自然環境の保全・回復という視点からダム建設は基本的に避けなければならない。」として、さらに、自然環境への影響とダム建設との因果関係が実証されなくても、重大な負の影響を及ぼす恐れがあると考えられる場合には、たとえ治水あるいは利水の面からダムが必要と判断されても、ダム建設を極力回避するようにしなければならないと指摘しています。この意見書について、大臣の見解をお聞きします。
○北側国務大臣 委員も、治水対策、利水対策が必要だということまで否定されないと思うんですね、当然。治水対策、利水対策というのは、特に我が国の国土の状況から見れば、これは非常に重要な政策課題であると思います。その治水対策、利水対策を効果的に進めていくために、ダムも有効な対策手法の一つである場合も当然あるわけでございます。 ただ、ダムは、これは当然水没を伴いますので、河川環境を大きく変えていくことも事実であるわけでございますので、治水、利水対策の選択肢として、初めからダムを排除するのではなくて、またダムにこだわることも適切でないというふうに考えておるところでございます。個々の河川や地域の特性を踏まえて、ダムまたその他の治水、利水対策のさまざまな手法を比較して、その中から最もふさわしい手法を選択し組み合わせて実施する、こういうことが大事であるというふうに考えています。 今委員の方からおっしゃいました淀川水系流域委員会から提出されました意見書でございますが、このように書かれているんですね。 「もとより流域委員会はダムを全面的に否定するものではない。提言および意見書で述べたように、「ダムは原則として建設しないものとし、ダム以外に有効な方法がなくかつ社会的合意が得られた場合にかぎり建設する」、事業中の新規の四ダムについては「中止することも選択肢の一つとし、提言の趣旨を尊重した抜本的な見直しをする必要がある」との考えは変わっていない。」とされており、ダムを全面的に否定しているものではないというふうに理解をしております。
○穀田委員 私、全面的に否定したということを提起したつもりはないんですね。今言いましたように、原則的につくらないという意見が多くの国民の支持を得ているということです。 大臣は引用されませんでしたけれども、これはさらにこう言っているんですね。「治水・利水の効果が自然環境に及ぼす負の影響にもまして人間生存に不可欠と認められる場合に、」と言って、人間生存に不可欠な場合はそれはあり得るだろう、こういう原則論を展開しているということもぜひ見ていただければと思うんです。 この背景には、いかにダムが自然を破壊してきたかという事実があります。コンクリートの巨大な建造物をつくるということで、貴重な動植物の生息環境を破壊してきた、さらに生態系に影響を及ぼすということで、日本の自然に大きな悪影響を及ぼしてきたということだと思うんですね。 根本的な問題の二つ目は、財政の問題もあるわけです。一たんつくった巨大なコンクリート建造物であるダムは、その維持修繕費用、耐用年数が過ぎれば更新するための費用もかかります。既設のダムの今後の維持更新費用はどれだけかかると想定しているのか、当局にお聞きします。
○清治政府参考人 ダムの維持管理、それから一部改造とか改善にかかる費用もございますが、現在、国土交通省が直轄で管理しておるダムが八十一ございます。これらのダムを管理していくに当たりまして、平成十七年度に要している維持管理あるいは施設の改良に要する費用でございますが、四百九十一億円でございます。一ダム当たりおおよそ六億強ぐらいの予算が必要になっている現状でございます。
○穀田委員 そうですね、八十一カ所あると。それ以外に、機構と補助ダムが約三百五十カ所あります。 いただいた資料では、もう少し詳しい話をしますと、二〇〇五年度までの維持改良費の合計は五千七十八億円で、総事業費の大体一二%に当たる、これは確かだと思うんです。あわせて、今ありましたように四百九十一億円、これは、既設ダムの総事業費が大体四兆三千六百八十三億円ですから、一・一二%に当たる。そうすると、簡単に言えば、毎年の事業費の一%強の維持改良費がかかるということなんですね。したがって、二〇三〇年度までに一兆四千八百億円、二〇五〇年には二兆二千二百億円になる、こういうことになるわけです。 今ありましたように、一ダム当たり大体六億円強だと。だから、そうすると単純に計算しても、先ほどの数値、八十一カ所と三百五十カ所あるわけですから、毎年三千億円以上の費用がかかるということになるわけですね。だから結局のところ、総計しますと二〇三〇年までに七兆五千億円、さらには二〇五〇年までには倍の十五兆円、これだけの負担が次の世代にのしかかるという、計算上はなるわけですね。これぐらい大きなものなわけです。 日本の国土や自然環境保全を言うんだったら、こうしたダムの事業計画を真っ先に見直しをして検討すべきだ。新たな国土計画の中でダム事業計画は具体的に見直しされるんですか。
○尾見政府参考人 お答えを申し上げます。 先ほど来御説明させていただいておりますように、今度の国土総合開発法改正案では、国土の質的向上を図るという観点から、基本理念に、豊かな環境の基盤となる国土の実現を図るということを明記しております。それから、計画事項には、国土における良好な環境の創出その他の環境の保全及び良好な景観の形成を明記するなど、環境保全を国土計画の極めて重要な課題として位置づけております。 ただ、ダムにつきましては、先ほど大臣の方から御答弁があったとおり、治水、利水対策を進めていく上で有効な対策手法の一つであるというふうに認識をしているところでございます。 具体的にダム建設をどうするかという問題につきましては、ダム建設がそういう意味で具体的な整備手法でございますので、個々の河川や地域の特性を踏まえて地域の理解を得ながら適切に判断されていくべきものでありまして、全国的な国土形成計画の中でダム建設一般の適否について言及するということは適切ではないのではないか、こういうふうに考えております。
○穀田委員 最後の言葉は全く理にかなっていない。検討する、見直しをするということが、やはりそれほど何度も環境問題、自然問題と言っているのであれば、お金の面からいっても環境の面からいっても、そういう点での見直しは当たり前だというふうに私は考えます。 そこで、結局のところ何が根底に据わっているかというと、開発中心からの転換といって、開発を基調としたこれまでの国土計画にかえ、今お話があったし、この間ずっと議論になっているように、利用、保全に力点を置いて、国土に関する施策を一体的、総合的に推進する計画だ、こういうわけですわな。 だけれども、これまでの開発中心の政策は、先ほどありましたように、私が指摘しましたように、負の遺産もある。では、開発中心の転換をするという場合に、何が問題であって、それでどこがいけなかったのか、そういう分析が必要だと思うんですね。そうでないと、これまでの開発計画を変える変えると言ったって、どこに問題があったのかもわからずに一般的な論議では済まないと思っていますね、私は。 したがって、これまでの開発計画のどこに、何が問題だったのかということを改めて問いたいと思います。
○尾見政府参考人 お答え申し上げます。 これまでの計画は、人口が急増するあるいは右肩上がりである、開発を時代背景として昭和二十五年に制定されました国土総合開発法を根拠としておりました。全体として開発基調を旨とした国主導の計画であったということで、いわゆる金太郎あめでありますとかフルセット主義の開発を招いたという御指摘もあるものと承知しているところでございます。また、開発に重点が置かれておりましたので、国土の利用、保全といった質的向上に関する観点は不十分であったと思います。 新たな計画におきましては、地域の自立的な発展を実現すべく、一つには、既存ストックの有効活用や景観、環境の保全、創出など、成熟社会にふさわしい課題に重点を置いた計画にしたい、こういうふうに思っております。
○穀田委員 これは何回も聞いている話で、そういうことを聞いているわけじゃないんですよね。私は、だから、総括の視点を先ほど述べて、こういう点が必要だということを言ったわけじゃありませんか。あなた方のおっしゃっている話は、客観的条件が変わったというだけを一生懸命言っているにすぎないんですね。 例えば、先ほど言いましたように、自然破壊だとかむだな公共事業などが起こされて、各地で産業立地や先ほど述べたリゾート開発なども失敗しているわけですよね。そういう点の反省をしているわけじゃないということが改めて私ははっきりしたと言えると思うんです。 そこで、さらに具体的に聞こうと思うんですが、今の五全総では第二国土軸構想があります。その具体的事業として、いわゆる六大橋という、橋の大きなプロジェクト、東京湾口、伊勢湾口、紀淡連絡道路、関門海峡、豊予、それから島原天草という構想が描かれています。これらの調査費等、費用と現在の進捗状況はどうなっていますか。
○谷口政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘の六つの海峡横断道路プロジェクトにつきましては、二十一世紀の国土のグランドデザインにおきまして、「長大橋等に係る技術開発、地域の交流、連携に向けた取組等を踏まえ調査を進めることとし、その進展に応じ、周辺環境への影響、費用対効果、費用負担のあり方等を検討することにより、構想を進める。」と位置づけられているところでございます。平成十七年度は、その調査に必要な予算として、四億七千八百万円を計上しているところでございます。 調査内容につきましては、大きく技術調査と経済調査というようなことになっておりますが、技術調査につきましては、各地域における海峡部の地震動、風、波などに関する継続的なデータ観測、技術的に建設可能な構造案の検討及び新技術の活用等によるコスト縮減の検討を実施しているところでございます。また、経済調査につきましては、各地域において、この構想が実現した場合の産業振興や観光ルートの形成等の経済的効果及び広域的な救急医療体制の構築等の社会的効果に関する調査を実施しているところでございます。
○穀田委員 今もありましたように、例えば本四架橋の問題を踏まえて、どれほど財政負担になったか、どれほど自然の問題があったかというのは全く議論されていない。それで、技術的調査、経済調査というのも、その中にも入っていないという、およそナンセンスなやり方だと私は思う。まさに従来型の巨大開発構想そのものだと思います。これをやめるのかというと、今の話でいうと、結局これを実行するということになりますわな。 私、そこが大事だと思うんですね。今まで、自然だとか環境だとかということを重視する必要がある、開発中心から考える必要がある、その開発中心のいわば目玉ともいうべき、そういう象徴ともいうべきものがこの六大橋じゃありませんか。だから、集中と選択、さらには重点化と称してやっているやり方のいわば頂点をなすものだと私は考えます。 改めて、開発中心を改めると言うんだったら、これらの内容も含めて見直すべきと違いますか。
○尾見政府参考人 お答えを申し上げます。 新しい国土計画におきましても、高速交通体系の整備等によってモビリティーの向上を図るということは重要な政策の一つであるというふうに考えております。 新しい計画におきましては、先ほど国土の質的向上ということで環境とか景観のお話もさせていただきましたが、もう一つの大きな柱として、国民生活の安全、安心、安定の確保など、新たな国土形成の視点に立ったこれからの社会資本整備の基本的方向について明らかにするというふうに考えております。このような観点から、現在の国土計画の内容について必要な見直し、検討を進め、その結果を新しい計画に反映させてまいりたいと思っております。 なお、全国計画におきましては施策の基本的な考え方を記述するということにしておりまして、具体的なプロジェクトについて言及するということは考えておりません。
○穀田委員 言及することは考えていませんって、やめるのかということを聞いているわけだけれども、やはり国民生活と安全、これはそうならないんですよ。だって、本四架橋で財政的破綻をしたことをさらに巨大な形でやる、みずから言っていた環境と自然ということから大いに矛盾するんだということを言っているわけなので、そういうことも見直しできないようでは先が知れているということだけは言っておきたいと思うんです。 最後に、橋梁工事の入札談合について聞きます。 これはもう国交省の責任は極めて重いということだと思うんです。この間の参議院決算委員会で、橋梁談合の事件の舞台となった関東、東北、北陸以外の五地方整備局が発注したところでも談合組織が動いていたと。さらに、衆議院の経済産業委員会で、国土交通省発注の港湾工事入札でも平均落札率が九八・七%にも上っている、こうなっています。国交省発注の工事で談合が摘発されているのは、鉄鋼製橋梁だけじゃありません。昨年十月には、PC橋梁の談合も公取で審判中です。 確認しますけれども、これら国交省の発注工事に絡んで、これまで談合情報や疑義案件などが寄せられ、公正入札調査委員会で審議されている、これは御承知のとおりだと思う。ここ最近三年間、審議対象となった件数、それを受けて公取に通報した件数、事情聴取など調査した件数、その結果入札を取りやめた件数は何件あったのか。このことについて、さらに調査した中に、今回の鋼鉄製橋梁工事に関するもの、PC橋梁工事に関するものはあったかどうか、お答えください。
○峰久政府参考人 国土交通省で不正行為の防止策として談合情報等の対応マニュアルをつくり、対応しております。これは、外部から談合情報が寄せられた場合に、それをチェックしまして、その調査結果を公正取引委員会に通報するということでございます。 それで、これは十五年から強化しておりまして、外部からの談合情報だけではなくて、工事の内訳書のチェックも、職員が疑義があると考えたものについてはみずから行うこととして、強化しております。さらに、そういうふうな工事の内訳書自体をとるのも、もともと従来は談合情報があった場合に限っておりましたけれども、順次対象を広げまして、最近では一億円以上のものについては工事の内訳書をすべて提出してもらっています。 そういう結果、十三年度におきましては、談合情報等は百一件、事情聴取等の調査、これと公取への通報件数は一致しますけれども、これが八十五件、その結果、十三年度は入札の取りやめ件数はゼロでございました。それが十四年度におきましては、談合情報等の件数百六件、事情聴取等の調査件数及び公取への通報件数九十四件、入札の取りやめ件数は九件。十五年度におきましては、談合情報等の件数が百二十四件、事情聴取等の調査及び公取への通報件数が百十七件、それから入札取りやめの件数が三十二件となっています。こういう意味で、特に取りやめあるいは通報件数等が増加してきているところでございます。 それから、その中に鋼橋上部あるいはPCの工事のものがあったかということでございますが、これは、平成十三年度におきましては、PC工事関係が三件ありまして、うち二件について調査、通報をしております。入札の取りやめは行っておりません。十四年度におきましては、鋼橋上部構造で一件ありまして、当該一件について調査、公取への通報を行い、当該一件について入札を取りやめております。それから十五年度におきましては、鋼橋上部一件、PC工事一件がありまして、二件とも調査、公取への通報を行っております。入札の取りやめは行っておりません。そういう状況でございます。
○穀田委員 これはとても大事でして、要するに、国交省というのは談合の灰色案件をつかんでいたわけですよね、簡単に言えば。そういうことになると思うんですね。だから、大臣はこの間の答弁で、談合の事実を知ったのは事件が報道されてからだと答弁されていましたけれども、やはり国交省自身はその案件を、灰色というものをつかんでいた。しかし、今回の事件をつかむことはできなかった。なぜ、灰色という実態があるにもかかわらず談合を排除できなかったのかということが問われると思うんです。私は、ここに、実は談合を絶対許さないという姿勢が欠如しているということに起因していると考えています。 今回の事件では、日本道路公団発注分の工事についても談合した疑いが強まっていますし、私、昨年二月、予算委員会で、鋼鉄製、PCなどの十億円以上のすべての道路公団発注工事三百六十一件について、五年間の平均落札率が九八・一%だ、そして三百六十一件中三百二十七件が九七%以上になっている、そして九五%以下というのはたった四件しかない、まさに神わざだと指摘しました。こういうことがあることをしっかり見ていく必要が私はあると思うんです。 したがって、当時石原大臣は、この落札率を異常だと思わないかと聞いたら、まあ積み上げ方式でいろいろわかっているからという話をしていましたけれども、こういうところにあると思うんですね。私は、大事なのは、疑わしきは調査する、疑わしきは、やはりこの問題について今後きちんとやってもらうということが必要だ、ここを申し上げて、終わります。
○橘委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○橘委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。阿久津幸彦君。
○阿久津委員 私は、民主党・無所属クラブを代表して、総合的な国土の形成を図るための国土総合開発法等の一部を改正する等の法律案に対して、反対の立場から討論を行います。 以下、反対の理由を述べます。 民主党は、国土計画とは、当面の経済状況等に左右されるべきものではない、国家百年の計として必要であると考えています。よって、人口減少社会に入る等、時代の大転換点である今日、新たな国土計画が必要であるということを否定するつもりはありません。しかし、今回の法改正によって、時代の変化に対応できる計画策定が可能であるとはとても考えられないのであります。今回のように、拙速のうちに、しかも既存法の手直しで済ますのではなく、どうせつくるのなら、これまでの計画を徹底的に検証の上、既に時代的な使命を終えた既存法を一たん廃止し、新たな視点に立って抜本的な新法を定める必要があると考えます。 第一の問題は、国土計画が所期の目標を達成できなかった反省が全く生かされていないということであります。 全国総合計画は、限られた資源の配分を目的とし、地域格差の縮小等、一定の役割は果たしました。しかし、安定成長期に移行してから、計画理念と現実との乖離は著しく、東京一極集中と地方の過疎化の進行を食いとめることができず、自然環境や地域の生活を破壊したのであります。全国レベルの格差は縮小したものの、地域における格差は拡大し、特に中山間地域等の疲弊はますます深刻なものとなっています。本法案は、こうした課題に対する認識を欠いていることは明らかであります。 第二に、無秩序な公共事業の波が国土計画を裏切ってきた経緯に対する反省を欠いています。 理念と秩序のもとに公共事業をコントロールすべき国土計画は、特に一九九〇年以降、景気対策重視の公共事業の増加により裏切られ、政官業癒着のもと、利権誘導合戦となり、全国至るところ乱開発と廃墟化が進みました。今後、公共事業は厳しい選択と集中が求められるところですが、本法案にはそのための具体的な仕組みが提示されていません。 環境や地域生活を破壊してきた大規模プロジェクトについても、全国計画には書かないこととなりましたが、広域地方計画には具体的なプロジェクトを書くことになっています。地方分権が進まないままこのような計画を策定すれば、利権誘導型の陳情合戦となり、無用な時代おくれの巨大プロジェクトのオンパレードになることは明らかであります。 一極集中の是正は、地方における巨大プロジェクトではなく、欧米でも行われているように、都市部におけるダウンゾーニングや事務所規制などの具体的規制です。やるべきことには全く手をつけないこのような計画で一極集中の是正がなされるはずがないことは、過去の全総が証明しているところです。 第三に、計画策定の主体の問題です。 以上のような失敗の責任の所在が明らかでないのは、国土計画が単なる行政計画にとどまっているためであります。しっかりと国会がコントロールできる計画策定が求められているにもかかわらず、今回の改正でも、こうした中央官僚が作文する形態に変わりがありません。 さらに、国土計画は省庁の垣根を超えて策定されなければならず、全国計画については国土交通省ではなく内閣総理大臣がしっかりとリーダーシップを発揮しつつ策定すべきであり、この点では、従来の全総計画よりも後退していると言わざるを得ません。 第四に、今回の国土計画への時代の要請は国土形成における地方分権の実現にあると考えますが、本法では地方分権の視点が欠けています。 広域地方計画を策定することにより、地方分権が進んでいるかのように見えますが、権限も財源も中央に残ったままでは、地方の創意工夫を生かすことができるわけがありません。これでは、本来地方が担うべき領域に地方整備局を通じて国の関与の強化が進むだけであり、これまでどおり国への陳情合戦が繰り返されるばかりか、むしろ激しくなるだけであります。 新たに国土計画を策定する最も基本的な意義は、分権型社会への道筋をはっきりと示すことにあります。しかし、広域地方計画の策定主体はあくまで国土交通大臣であるため、国の地方への関与がさらに強まることは明らかであり、時代に逆行するものと言わざるを得ません。 そもそも、国土計画は何のためにあるのでしょうか。それは、国民生活を豊かにするためです。そのかぎは、日本人の心にあります。地方の文化や伝統を尊重し、特色を生かしながら、地域が地域として自立的に発展し、その豊かさを享受できるようにすることであります。国民生活の豊かさは、単なるハード面の充実のみでは実現できません。伝統、文化、芸術、教育、福祉などのソフト面を顧みなかった結果が現在の日本の社会なのです。 過去の計画に対して謙虚に向き合い、その問題点を明らかにできれば、このような改正案になるはずがありません。国権の最高機関たる国会の民主的コントロールも及ばず、省庁縦割りを温存し、分権型社会への道筋も示されていない、このような国会軽視の法案に賛成することは、国民の代表たる国会議員としてみずからの職責を放棄することになりませんか。多くの皆様がこの法案に反対していただけるものと確信して、私の討論とさせていただきます。(拍手)
○橘委員長 次に、穀田恵二君。
○穀田委員 反対討論を述べます。 これまでの五次にわたる全総計画は、太平洋ベルト地帯構想、日本列島改造、日米構造協議による公共投資基本計画、リゾート開発構想、都市再生などに具体化され、最近では、民間活力導入、規制緩和、構造改革路線など、歴代自民党政府の経済政策と相まって、巨大開発構想を進める根拠とされてきました。その結果、公害発生、自然破壊、町壊し、むだな公共事業の拡大など、住民犠牲と国土の荒廃、さらには政官財癒着構造を助長してきました。これは、全総計画等の開発政策が専ら日本の国土を利権の対象としてきたからにほかなりません。こうした全総計画を批判し、その廃止を我が党は主張してきました。 ところが、政府は、これまでの全総計画について十分な反省と総括も行わず、新たにグローバル化に対応した国土計画を策定、実施しようとしています。これが、法案に反対する第一の理由です。 反対の第二の理由は、従来の開発政策が行き詰まる中、重点化という新たな装いを凝らし、不要不急の大型公共事業を推進するものだからです。 政府は、グローバル化、地方分権、公共投資の財政的制約などを理由に、開発中心から転換することを強調しています。しかし、実際には、集中と選択や重点化と称して、大都市圏の環状道路、関空など国際空港、スーパー中枢港湾、大型ダムなど、不要不急の大型公共事業に重点投資しています。これは、新たな形で開発を進めようとしていることにほかなりません。 最後に、今回の国土計画制度が、従来の計画決定方式と同様に、国会での審議、決定を要件としていないなど、住民参加やチェック体制が不十分なままであることを反対理由として述べ、討論とします。
○橘委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○橘委員長 これより採決に入ります。 総合的な国土の形成を図るための国土総合開発法等の一部を改正する等の法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○橘委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○橘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○橘委員長 次に、先刻付託になりました内閣提出、参議院送付、下水道法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣北側一雄君。 ————————————— 下水道法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○北側国務大臣 ただいま議題となりました下水道法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 下水道の整備等により、公共用水域の水質は総じて改善傾向にあるものの、湾や湖沼などの閉鎖性水域においては改善が進んでおりません。したがって、その原因である窒素及び燐の流入負荷量を一層削減するため、下水の処理水質を向上させる高度処理を推進する必要性が高まっております。 また、近年、集中豪雨による浸水被害や、さらには下水道へのシアン等の有害物質や油の流出事故が多く発生しており、広域的な雨水排除を推進するとともに、事故発生時における措置の充実を図ることが求められております。 この法律案は、こうした状況を踏まえ、公共用水域の水質の保全、都市における浸水被害の防止等のため、下水道がその期待されている役割を最大限発揮できるよう、必要な措置を講ずるものです。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一に、公共下水道により排除される雨水のみを受けて、二以上の市町村の区域における雨水を排除する下水道を、雨水流域下水道として整備することができることとしております。 第二に、流域別下水道整備総合計画に定めるべき事項として、終末処理場から放流される下水の窒素含有量または燐含有量についての削減目標量を追加するとともに、地方公共団体が、その削減目標量を超えて他の地方公共団体の削減目標量の一部に相当する量を削減する場合には、同意を得て、当該他の地方公共団体に費用を負担させることができることとしております。 第三に、特定事業場において一定の物質または油が下水道に流入する事故が発生した場合における応急の措置及び下水道管理者への届け出を義務づけることとしております。 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。 以上が、この法律案を提出する理由でございます。 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
○橘委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、来る十四日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十八分散会