国土交通委員会 第20号
- 発言数
- 256 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2005/06/08
会議録
○橘委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、総合的な国土の形成を図るための国土総合開発法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房長峰久幸義君、総合政策局長丸山博君、国土計画局長尾見博武君、河川局長清治真人君、道路局長谷口博昭君、住宅局長山本繁太郎君、鉄道局長梅田春実君、航空局長岩崎貞二君、政策統括官上野宏君、航空・鉄道事故調査委員会事務局長福本秀爾君、警察庁長官官房長安藤隆春君、警察庁刑事局長岡田薫君、厚生労働省大臣官房技術総括審議官松谷有希雄君、厚生労働省労働基準局安全衛生部長小田清一君、環境省大臣官房審議官桜井康好君及び環境省自然環境局長小野寺浩君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○橘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 引き続き、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、参考人として日本道路公団総裁近藤剛君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○橘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○橘委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中川治君。
○中川(治)委員 おはようございます。 大臣並びに副大臣の皆さん、大変御苦労さまでございます。また、道路公団の近藤総裁、大変御苦労さまでございます。 国土総合開発法の審議ということなんですけれども、ある意味では、今回の橋梁談合の問題というのは、実はこれはもう国土総合開発の計画の期間中ずっとあったのではないか、こういうふうにも言われております。そういう意味では、この審議の冒頭に、今、マスコミ等も含めて大変にぎわせております橋梁談合の問題についてお聞きをしたいというふうに思います。 鋼鉄製橋梁というのは、年間平均、大体、毎年三千四、五百億円という非常に大きな市場でございまして、この業界ぐるみの談合事件ということで、額の上では戦後最大の事件ということでございます。国土交通委員会の中では正式にまだ大臣及び近藤総裁の見解ということをお聞きしていないというふうに思いますので、改めて、それぞれの御見解、これからの方向ということについてまずお聞かせをいただきたいと思います。
○北側国務大臣 入札、契約におきまして談合等の不正行為、これはあってはならないものでありますし、また、決して許してはならないというふうに考えております。 これまでも国土交通省といたしまして不正行為の防止のためにさまざま取り組みをしてまいったわけでございますが、にもかかわらず、今般、国土交通省直轄の鋼橋上部工事につきまして独禁法違反の疑いにより刑事告発が行われたことは、まことに遺憾というふうに言わざるを得ないと思っております。 直轄工事でこうした刑事告発が行われたこと、これは初めてでございますけれども、これが直轄であること、また規模も非常に大きい工事分野であること、さらにはこの業界の業界ぐるみと言われても仕方がないようなそういう事案であること、そうしたことを考えますと、国交省といたしましても、これは厳しく受けとめる必要があるというふうに考えておるところでございます。 先般、この告発されたところ、また逮捕された人を出した企業につきましては、厳格な指名停止を速やかに実施したところでございます。また、今後、捜査が進展してまいりましたならば、建設業法に基づく監督処分も厳正に行ってまいりたいと考えているところでございます。 今回のこの談合事件を受けまして、省内に入札談合再発防止対策検討委員会を設置したところでございます。この委員会におきましては、国土交通省直轄の鋼橋上部工事の発注に係る入札、契約の実態の調査把握と、また、これまでさまざまこうした不正行為防止のための取り組みをしてきたにもかかわらず、結果としてこのような事案が生じたわけでございますので、そうした不正行為防止策の効果の検証をしっかり行ってもらいたい、そして必要な再発防止策を取りまとめたいというふうに考えているところでございます。 いずれにしましても、こうした談合行為、あってはならないことでありまして、こうした談合行為がありますと、必要な、また重要な公共事業まで国民の信頼を失うことになってしまうわけでございまして、こうしたことは断じて許してはならないというふうに思っているところでございます。
○近藤参考人 当公団といたしましても、今般の橋梁談合事件を重く受けとめております。刑事告発されました八社及び担当者が逮捕されました三社に対しましては、速やかに指名停止措置を行ったところでございます。 当面、当局の捜査や公正取引委員会の審査など、今後の推移を見きわめてまいりたいと考えておりますが、先月末、担当部署から構成されます公団内のチームを組織いたしまして、入札状況の整理及び事実の確認把握、不正行為の防止の観点から導入された対策の実行の確認及び点検を行わせております。点検の結果、不備があるということでございましたら、直ちに改善を行うことといたしたいと考えております。 また、今後、公団発注工事に関しまして談合が認定をされるなど、事件が公団発注工事に及んだ場合には、指名停止措置、違約金請求等について厳正に対処いたしたいと考えておりますし、また、国土交通省の入札談合再発防止対策検討委員会における検討状況なども参考にしながら、改めて検討してまいりたいと考えております。
○中川(治)委員 いろいろなことは後でお聞きするとして、きょうの読売新聞にも、元理事の刑事責任を追及、こういうことになっております。 要するに、これは、各企業に天下りといいますか再就職をした職員、これと、場合によったら現職も一部かかわらないと不可能なことではないかというふうに私は思っております。そういう意味で、元理事も含めて、あるいはそういう公団の現職あるいは元職員、これが深くかかわった、ある意味では官製談合の典型的なものだというふうに言われておりますけれども、これについては近藤総裁どうですか。
○近藤参考人 報道の内容は私も承知をしておりますが、当面、捜査当局あるいは公正取引委員会の調査を見守ってまいりたいと考えております。 委員は大変重大な疑惑を御指摘されたわけでございます。我々といたしましても、捜査並びに調査には全面的に協力をできるものはしてまいりたい、そのように考えております。
○中川(治)委員 民主党の国土交通部会として資料請求をいたしました。お手元に配付をさせていただきました資料一、ちょっと字は細かいですけれども、資料一と二というのをひとつ先生方も見ていただきたいと思います。 これが、きのうの晩七時ぐらいにいただきました、国土交通省の退職者がいわゆるK会、A会と言われる四十七社に現在の職員としてどれだけ今在籍をしているかという一覧表でございます。一部役員さんについては名前もあったんですけれども、武士の情けで外しました。ごらんになりたい方は、ホームページで各社の役員名簿に載っておりますので、御自分でお調べをいただいたらいいかと思います。 実際のところ、私も、四十七社で、橋梁部門だけで百九十七人、まだそれぞれの年齢とか全然調べていませんので、退職をしてすぐ行かれたのか、あるいは幾つか回ってから行かれたのか、そういうことについても、きのうもらったところでございますので、都議選後ぐらいにもう一度じっくりと調べた結果を御報告するということをぜひせないかぬなというふうには思っております。そういう意味では、百九十七名がおられるということであります。 もう一つは、公団の場合はどうかということで、これは三十六社。四十三名の方が、OBが今四十七社中三十六社に天下り、皆さん方は天下りと言いませんね、再就職ですね、再就職をされているという状況であります。 きのういただいたばかりで十分分析はできておりませんけれども、大臣、これは率直に見られてどう思われましたか。
○北側国務大臣 私も、昨日この資料を見せていただきました。率直に申し上げて、大変多い数だなというふうに思っております。 今回のこの談合事件に関しまして、国土交通省の退職者、元職員がこうした談合、不正行為に関与したという話は、これまでのところ私のところには上がっておりません。そうしたことは聞いておりません。 また、これまでも、公務員、職員の再就職に関しましてはルールがございまして、人事院の定める基準に基づいたチェックまた承認の的確な実施がなされてきたというふうに聞いておりますし、また、今後もしっかり努めてまいりたいと思っているところでございます。 今回のこの談合事件、今後の捜査また審査の進展状況をよく見守りながら、必要があるならば、先ほど申し上げました入札談合再発防止対策検討委員会の中で、退職者がそれぞれの会社で担っている職責や業務実態等もしっかり分析をしていただきまして、退職者の再就職のあり方につきましても検討をしていきたいというふうに考えております。
○中川(治)委員 近藤総裁はどうですか。
○近藤参考人 当該四十七社への聞き取り調査の結果は、この委員お配りの資料のとおりでございます。三十六社に四十三名の公団OBが在籍をしているということがとりあえず把握できたということでございます。 公団の役職員が再就職するに当たりましては、法的な規制はございませんので、これは当事者である本人と民間企業との私的な問題ということになるわけでございます。公団としては、法律に基づきました強制的な関与を行うことができる立場にないということもございまして、公団OBの再就職状況の把握もままならないというのが実態でございます。 しかしながら、役職員の再就職に当たりましては、従来から、国民の不信や誤解を招くことのないように、役職員の自覚を促してまいってきているわけでございます。今後とも自覚を促してまいりたいと考えておりますが、加えて、これから民営化されるわけでございますので、民間会社としての人事制度のあり方につきまして、例えば定年制度あるいは再雇用制度など継続雇用のあり方等も含めまして、幅広く検討しているところでございます。 また、加えて、倫理規程のあり方についても改めて検討したいと考えております。
○中川(治)委員 総裁言われたように、これは法的規制がない、全くないんですか。
○近藤参考人 公団の役職員の再雇用に関する規定は法律上ございません。
○中川(治)委員 給料は公務員並みということで職員、これは法律で決まっておるんですね。ところが、再雇用等の規制については何もない。 こういうことで、以前私も別のところで、この委員会で質問させてもらいましたけれども、例の平成十五年の道友会の名簿ですね、これで三千六百人、ほぼ現職で働いている方が二千二、三百人、そのうち千百五十九人といいますからほぼ半分ですね、これが公団のファミリー企業に再就職をしていた、こういうことでまともな取引ができるか、こういうことを指摘させていただきました。そのときにも総裁は、職業選択の自由でございますということで、確かにそうなんですよね。問題は、これでいいのかということなんですよ。それと、今でもこれですから、民間企業になったら、はっきり言うて、どないなるやわからぬというのが私の心配でございます。 そういうことについて一定の規制を設ける必要はないのか。これは大臣に御意見をできたらお聞きしたいと思いますけれども、民間企業といえども、やるのは公共事業ですから、これから進めていく事業、民間企業がやっていくのもそういうことになるわけですから、その場合、これで果たしていいのかということも含めて、本当にこれは規制は要らないんでしょうか。これについては、大臣、どうですか。
○北側国務大臣 おっしゃっていますとおり、やる事業は、これは公共性のある事業をやっていただくわけでございます。また、民営化されるといっても、これはしょせん特殊会社でございまして、政府が出資をしている会社でございます。 そういう意味では、私はやはり、こうした今回の事案を受け、また、その今後の推移を見ていく必要があると思います。ぜひこれは道路公団におきまして、先ほど近藤総裁も答弁をしておりましたが、倫理規程のあり方等について、これは再就職も含めた人事制度のあり方、倫理規程のあり方等について、近藤総裁、先ほど検討をするというふうに御答弁があったかと思いますが、ぜひそうした取り組みをしていただきたいというふうに考えております。
○中川(治)委員 これはまた改めて議論をさせていただきたいと思いますけれども、やはり事実上、公共事業を推進する特殊会社、こういうものについては公務員並みの規制を少なくともきちっとやる。 もう一つは、この公務員並みのという、この公務員並みの今の規定、規制が果たしてこれでいいのかどうかということについても、先ほど大臣が触れられました。今は確かに、これは検察庁の調査中ということで、なかなか事件の実態が、本当にどこまでだれが関与してきたのかということについてはなかなかわかりにくいというのが率直なところだと思いますけれども、これが一段落をする中で、ぜひ全面的にあり方を再検討していただきたいというふうに思います。 もう一つは、資料の三をちょっと見ていただきたいと思います。二枚ほどおめくりいただいたら資料の三というのがございます。 この数字は何かといいますと、これは、たまたま去年私のところの事務所で、OBはどこへ行ってはるのか教えてほしいということで、当時は個人情報保護法もございませんでしたので、案外あっさりと出していただきました。その中にK会、A会というのがあるんですね。それから、K会、A会の親会社あるいは子会社、ここへ行かれている方というのも、名簿が全部出ておりました。 きのうは道路公団しかいただいておりませんけれども、首都高速道路、それから阪神高速道路、本四連絡橋公団、ここでも、K会、A会の四十七社の本体に勤めている方が、首都高速で二十三社二十四名、阪神高速で二十二社二十二名、それから本四連絡橋公団は十四社十八名ということで、関連会社も含めていきますと、首都公団なんかは三十六社四十名、阪神公団は三十七社三十八名、本四公団が十六社二十名ということで、公団関係者、四公団で合計五十九社百五十六名、私どもの調べではそういうことでありました。 きのういただいたのが、四十七社にお勤めの方が公団OBで三十六社四十三名ですから、ほぼこの数字は、去年出していただいた数字はかなり率直に出していただいたなというような感想を持っております。ほぼ、やはり同じように百五十数名ぐらいの方が天下って再就職をされておるということでございます。 この首都高、阪高、本四公団についても、きのうと同じような詳しいデータをぜひ出していただきたいと思いますけれども、どうですか。
○谷口政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘の趣旨を踏まえて、他の三公団に対しましても、日本道路公団と同様の資料を報告するよう調整させていただきたいと考えております。
○中川(治)委員 ぜひよろしくお願いをします。 急に言ったものですから、人事の皆さん、大変な御苦労をされたようであります。私は、本当は、ほんまに人事の皆さんがこれをやりますと大変な仕事なんですけれども、まとめてやってはる人がどこかにいてるのと違うかなと思うんですけれども、そんなこと絶対ございませんというふうに言わはりますから、人事の皆さんがやると、各社に全部調べてやらないかぬというふうなことでございます。ぜひ、一週間以内にとかということは申し上げませんけれども、できるだけ早く調査をして御報告をいただきたい。そういうことの中で、どういうふうにお勤めで、どういう役割を果たしているのか、あるいは、どんな仕事をしているのかということも含めて、やはりきちっと分析をしないといけないというふうに私は思っております。 続けて、資料四というものを少し見ていただきたいんですけれども、この資料は、実は私どもに匿名で送られてきた資料であります。民主党の方でしっかりと調べてほしい、ごまかされずに調べてほしいということで送られてきた資料でございます。 何が書いてあるかといいますと、昭和三十九年から平成八年まで三十三年間にわたる鋼鉄製橋梁の各社の、多分これは五カ年計画とかというふうにされてきたんだと思いますけれども、その一定期間ごとの各社の受注実績というものが示されております。ざっとこの表を見ていただきましたら、確かに、何%かのぶれはあるんですけれども、結果的にはほぼ三十三年間にわたって各社が同じぐらいのシェアでずっときているという驚くべき、競争がなかったんかいなというふうにも思いますけれども、そういう資料が出されてまいりました。送られてまいりました。 多分この方は、大手の橋梁会社で受注の仕事に直接携わってこられた方でございます。この表自体は、自治体、公団あるいは国関係、あらゆる鋼鉄製橋梁の仕事がどういうふうに配分をされてきたかというのがこの表でございます。ある意味では非常に勇気のある内部告発ということですけれども、私も、これが実は本当の資料なのかな、数字的に本当の資料なのかなということはやはりきちっと調べないかぬというふうに思いまして、国交省の方にもお聞きをしました。そうしますと、資料保存期間は、要するに、どの会社が受注をしたかということも含めた資料保存期間の義務は六年でございますので、六年間しかわかりませんというふうに言われまして、大変今腹が立っております。 そんなものなんですかね。これは担当の局長さん、どなたかおられたら、もう一遍言うてみてください。
○峰久政府参考人 おっしゃられましたように、資料の保存期間というのは五年間ということになっておりまして、基本的にそれ以上のものについてはないということでございます。
○中川(治)委員 五年間だから、五年間から向こうは議会に言う必要がないということなんですか。
○峰久政府参考人 そういうことではありませんで、資料そのものがないということでございます。そういうことで、全体として整わないということでございます。
○中川(治)委員 では、本当に廃棄したんですね。
○峰久政府参考人 基本的には廃棄しているということでございます。
○中川(治)委員 ないものはないんだ、こういうことなんですけれども、これでいいんですかね。大臣、どのように思いますか。私は捜したら出てきそうな気がするんですけれども。
○峰久政府参考人 各地方整備局ごとにそういう形で、基本的に五年経過したものについては廃棄しているというのが原則だということでございます。
○中川(治)委員 大規模な橋梁工事、どこが受注したか、幾らで受注したか、十年前にどこが落札したか、その資料もないんですか。
○峰久政府参考人 基本的に、組織として五年以上のものについては廃棄されているのがほとんどだというふうに思っております。
○中川(治)委員 二十年後に橋梁が落ちて事故が起こったというときはどないするんですか。ええかげんなことを言うたらあかんよ、あなた。どこかに何かの資料があるでしょう。それなしでどないしてやるの。橋の補修は前に工事をやったところに任せるというふうに大体なれ合いでなっているのと違うんですか。そういう資料はあるでしょう。
○峰久政府参考人 いろいろな基礎的な、先ほど申し上げました発注とかそういうことについての保存期間というのは五年ということで決まっておりまして、先ほどおっしゃられましたような、企業がどれだけのものを受注し、あるいはシェアがどうだということについては、そういう形で廃棄している地方整備局が原則だということです。 おっしゃられたようなことにつきまして、いろいろな、受注企業だとかそういうところでの資料というのはいろいろな形で残っているとは思います。
○中川(治)委員 そうしたら、請求の仕方を変えます。発注の量のデータを出せとは言いません。しかし、そうしたら、三十九年以降できるだけ詳しく、鋼鉄製橋梁の受注の時期、発注の時期、受注高は記録にあるのかどうかわかりませんけれども、完成の時期、一覧表で、何センチになってもいいですから下さい。それはあるんですか。なかったら、修理やとかできまへんわな。
○峰久政府参考人 先ほど申し上げましたように、基本的に保存期間を経過しているものについては処分しているということでございます。 そういう意味で、もちろん残っている部分はあるかもしれませんが、全体的な姿としてお示しできるものはないということだと思います。
○中川(治)委員 局長、ほんまにこういう形で発注が行われて受注が行われていたということであれば、これは大問題なんですよ。これで三十三年間、平成八年以降を合わせたら四十数年間ですよ。その間、ずっと談合していた。この間にどんな形で公的な、元公的な方々が関与したのかわかりません、初めは業界が始めたのかもしれませんし。しかし、そういうふうに言われて、これがほんまかどうか確認してくれと言うたら、一切確認のしようがないと。そういうことでなくて、これは大変なことやからできる限り調べてみようというのが筋と違いますか。思いませんか。 逆に言うたら、調べる気があれば、各社に調べなさいよ。あなたのところから仕事をもろうているところやから、いや、言えませんて。この会社はみんな持っていますよ、何年にどこで発注した、受注したと。調べようと思ったら調べられるでしょう。調べてくださいよ。必要ございませんか。
○峰久政府参考人 お示しの資料自体が我々としてはちょっとフォローのしようがないところがございまして、そこのところについて、先ほど申し上げましたように、五カ年以上のものについては廃棄されているのがほとんどということで、繰り返して恐縮ですが、そういうことでございます。 そういう意味で、もちろん我々のできる範囲で、今回の再発防止策をどうするかということを前提としまして、今までの受注実態はどういうものであるかということ、それから、それを踏まえていろいろな防止策、一般競争入札を初めいろいろなことをやってきたけれども、それについての効果が十分でなかったということ、そういうことを含めまして、入札の実態の問題、調査の問題、それから防止策をどうしたらいいのかというようなこと、これまでの防止策の検証の問題あるいは今後の問題ということで、そこのところについてはやろうということで今委員会を設置しているところでございます。 そういう中で、お示しの五年間のもの等について、できる範囲のことについてはそれはもちろんやるつもりでおります。
○中川(治)委員 ひょっとしたら国交省のOBも公団のOBも実行犯かもわからぬ、主犯かもわからぬというふうに疑られているんですよ。それを、必要な資料も出せるものは出さないで、うちの委員会で防止策を検討しますから黙っておきなはれと言うているのと一緒やで、あなた。 出してもらえませんか。各社に問い合わせたら必ずありますよ。三十八年からでなくてもええよ。四十五年からでもええよ。何年にどこの橋をうちがつくったということを、何ぼでつくったか忘れているような会社はないよ、心配せぬでも。そのぐらいは調べてよと言うてんねん。 いつからこんなことが行われているのかということがやみの中でしょう。二年でしょう、公取は。二年間だけ摘発すると言うてるだけなんでしょう。それでおしまいですか。そういう問題じゃないでしょう。実際どうなんだということをはっきりさせなあかんと言うているんです。だから、そういう資料を、あなたのところやったら、直接お聞きになったらきっと資料が出てくると思います。どうですか、調べる気はないですか。
○峰久政府参考人 これからの防止策とか、そういうような意味で我々もいろいろな検討をしなければいけない、あるいは調査しなければいけないと思っていますが、各社に、どういう形での実態のものが過去相当古くにわたってあっただとか、それを必ず出せということについては、我々はなかなか難しい問題があるというふうに思っております。 そういう意味で、各社にある程度のことは聞ける可能性はあると思いますけれども、基本的に、それを出せとかそういう形での調査権限的なところについてはなかなか難しい問題があるのではないかというふうに思っております。
○中川(治)委員 それなら、一遍言うてみてください。協力要請をしてみてください。それで、どこの会社は出せへんかったと報告してください。そんな会社はないよ。その要請はできますか。 過去何十年間にわたってシェアを決めてやってきたということじゃないか、そうでないという確証が私は欲しいんですよ。あなた、隠しっ放しやもの。ああ、やはりやっているのかなと思ってしまうがな。この疑念を晴らしてください。だから、資料を各社に出してくれ、出していただけませんかという要請をぜひやってください。それはどうですか。
○峰久政府参考人 先ほど申し上げましたような限界はあると思いますけれども、そこについては、どういう形で問い合わせができるかについては検討させていただきたいと思います。
○中川(治)委員 検討するじゃなくて、ちゃんと要請してくださいよ。その結果、またこの委員会できっと別の形でやったり、あるいは我々も部門会議を開いたりしますから、きちっと、要請をする方向については一週間ぐらいで結論出ますね。どうですか。 もうあなたええわ。大臣、どうですか。このぐらいの資料はやはり出さなければと思いますけれどもね。
○北側国務大臣 ちょっと整理して答弁させてもらいますが、まず、先ほどから官房長が答弁しておりますように、資料が保存されている過去五年分、これは当たり前の話でございますが、その過去五年分の各橋梁会社の受注実績のシェア、その変化につきましては、これはきちんと調査をします。調査がまとまったものについて、できるだけ早く公表をさせていただきたいと考えております。 次に、今委員がおっしゃっているそれよりも以前のものにつきましては、今委員るる御指摘ございました。また、このような本当に業界ぐるみの事案と言われても仕方ない事案になっているわけでございまして、それぞれの橋梁会社がどこまで協力してくれるのか、それはわかりませんが、国交省としてもできる範囲で調べさせていただきたい、問い合わせをさせてもらいたいと思います。
○中川(治)委員 今お願いをいたしました資料については、ぜひ委員会でも取り上げていただきましたらありがたいかと思います。委員長、ひとつよろしくこの件もお願いいたします。
○橘委員長 理事会で諮らせていただきます。
○中川(治)委員 次は、きょうは、事件全体、まだまだ全体が解明をされておりません。なかなか難しいところがありますので、いろいろな意味でさわりでお聞きをしたいと思います。 もう一つは、A会、K会というこの橋梁の関係ですね、これ以外に談合につながる会、組織というのは、国交省としては確認をされておりませんか。局長さんでも結構です。大臣はなりたてですから、ほかの方、もっと詳しい方がおられたら。
○丸山政府参考人 どういう談合の組織があるかということは、組織自体が存在することだけでそれが直ちに談合になると言うことはなかなか難しいところがございます。談合というものがあって、それが公正取引委員会に独占禁止法に基づきまして捜査されるということになりますと、私どもとして捜査に協力をしていくということになるわけでございますが、どういう組織があるかというそのことだけをもって談合と言うのはなかなか難しいところがございます。 ただ、私どもとしましては、これまでも談合等の不正行為を防止するということでいろいろな手だてを講じてきたところでございます。先ほど来申し上げておりますように、今回も省内に組織をつくりまして、談合がないように、これまでどういうところが不足であったかというようなことを調査していきたい。また、公正取引委員会には、談合情報対応マニュアルに基づきまして、個々の談合が行われるというようなことがありましたら積極的に情報を通知していくということで対応してまいりたいというふうに思っております。
○中川(治)委員 それでは、ほかの談合事件のことについてお聞きをしますが、コンクリート橋梁ですね。 鋼鉄製橋梁は四十七社で談合しているようだということであります。コンクリート橋梁、いわゆるPC橋梁についても、昨年、公正取引委員会が談合の排除勧告をやると。業界の方は、いや、うちはやっていませんということで、今審判中、こういうふうに聞いております。これの全容、全容というか概要と現在の状況、少し簡単に報告してください。
○峰久政府参考人 国土交通省の関東地方整備局あるいは近畿地方整備局、それから福島県が発注するプレストレストコンクリートの橋梁工事の談合についてでございますけれども、これは一昨年、平成十五年の十二月に公正取引委員会による立入検査がなされました。それで、昨年の十六年の十月に、内容としましては、受注価格の低落防止を図るため、共同して受注予定者を決定し、受注予定者が受注できるようにしたとして、計二十三社に対して公正取引委員会から排除勧告がなされました。 これに関しまして、その後、二十三社全社が応諾を拒否しておりまして、昨年の十一月十八日から、独占禁止法に基づく審判の開始決定がなされまして、本年一月二十四日に始まりましたが、それ以降、今計三回の審判が行われているという状況でございます。 〔委員長退席、望月委員長代理着席〕
○中川(治)委員 これで国交省としてはどういう措置をとられるんですか、とられたんですか。
○峰久政府参考人 一般的に、独占禁止法の課徴金納付命令あるいは排除命令が出まして、それで課徴金等が決まりますと、これについて指名停止をしたり、あるいは場合によっては建設業法に基づく処分という形でつながっていくわけでございますが、これについてはまだ争われているということでございますので、そういう意味での行政処分ということはまだ行っておりません。
○中川(治)委員 とりあえず審判待ちということなんだと思います。 鋼鉄製橋梁が、先ほど言いましたように、一年間の市場が年平均で約三千五百億円ぐらいということで、同じようにコンクリート橋梁、PC橋梁も、三千億円を超えて三千二、三百億円というのが市場でございまして、主力企業は二十数社、まあ似たようなものですね。私なんかもう完全に疑っております。同じようなことをやってはるんと違うかな。そうでないということをやはりちゃんと国民に納得をさせないと、私はこれはいかぬと思うんですね。ちゃんと調べないとだめですよ。 いずれまた、コンクリート橋梁、PC橋梁の落札率が何%やとかいろいろな資料を全部いただきますけれども、そういうことの中で、本当にやはり、結局検察か警察が動かない限り、国交省も道路公団も、こういうことは一切ないものだということで話を進めておられるんです。その姿勢に国民が不信を感じるんです、組んでいるんと違うかと。それはだれだって思いますよ。やはりその疑念をきちっと晴らせるようなリーダーシップを発揮しないとだめだと私は思います。 特に公団はそうでしょう。十月一日から民間企業ですよ。もっとやりやすいようになるんです。やはり、そういうようにならないような体制をどうとるか、真剣にどう検討するかということを私はぜひやっていただきたいというふうに思います。 その点で、また嫌がられるかもわかりませんが、これは捜査とか審判とか全然関係ありませんから、コンクリート橋梁企業への天下りの状況、これについては報告できませんか。
○峰久政府参考人 先ほど申し上げましたように、このPC橋梁につきましては、二十三社全部が公正取引委員会の排除勧告の応諾を拒否して争っているという状況でございます。そういう状況でございますので、争いの対象となっている事案に関する調査について関係各社の協力が得られるかどうか、そういう問題はあります。 そういう問題の中で、今回調査しましたような同様の精度を持った調査ができるかどうかについてはちょっと疑問が残りますけれども、その調査については努力をしていきたいと思っております。
○中川(治)委員 公取委が指導されたのは、お互いが集まって談合したやろ、やめなさいと言うてはるんです。我々が問題にしているのは、国交省のOBやとか公団やとかを含めて、官製談合の疑いがないかという心配をしているんです。調べていることが違うんです。公取委のこの審判と我々が出してくれと言っている資料とは別物ですわ。御心配なく。 ですから、ぜひ現状はどうなっているかということについて、私は、同じようにこれでまたPC橋梁業界に百数十人も行ってはったら、行ってはるん違うかな、大変やなという思いがあります。そういうことも含めて、まず実態を明らかにするということは非常に大事なことですから、ぜひこれも御報告をお願いしたいと思います。 これについても、ぜひ委員長の方で御配慮をいただけましたらありがたいと思います。
○望月委員長代理 追って理事会に諮ります。
○中川(治)委員 ここで、大臣、やはり私はこれは全部調べてみないかぬと思うんですね。橋梁、PC橋梁と鉄鋼製の橋梁だけでこれですわ。これで、一般の道路、ダム、下水、住宅、港湾、ひょっとしたらみんなあるのかなという心配があります。 これは率直なところ、どうしたらええんですかね。非常にぼやっとしたあれですけれども、こういうものをきちっと問題を明らかにするということはどうしたらええでしょう。大臣、何かお考えのことはございませんか。
○北側国務大臣 冒頭申し上げましたように、談合行為等の不正行為、これは断じてあってはならないものでございます。こうしたことがあるから、必要な公共事業、重要な公共事業に対する国民の信頼がますます失われてしまうわけでございまして、ぜひ、こうした談合行為、不正行為というのは許してはならないと私は考えております。 今、委員会を省内に立ち上げさせていただいて、談合等の不正行為の再発防止に向けまして、一つは、今回の事案についての実態調査、これはきっちりやるべしと。さらには、これまでさまざま不正防止のための取り組みをしてきたわけでございますが、それがどう機能したのかきちんと検証する、これをしっかりやってくださいということを指示しておるところでございます。 その中で、今、外部の方々にも、専門家の方々にも入っていただきまして、こうした談合行為をなくすためにどうすればいいのか、今委員のおっしゃったさまざまな議論も踏まえまして、よく検討させていただきたいと思っております。
○中川(治)委員 私たち民主党は、天下り禁止ということを明確にして、そして、やはり一たんきちっとけじめをつけるということをやるべきだ、そうでないと、幾らでも理由をつけて官製談合の根がずっと続いていくということになるんじゃないかということを申し上げております。 ある意味では、退職をした人が、有能な技能を持った人が民間企業に勤めたらいかぬのかという議論はあります。しかし、そういうことも含めて、五年なら五年でも私はええと思うんですね。期限を区切ってきちんと禁止をするということになったら、六年目からだれも入れてくれないかもわからない。そういうことの中できちっとやはり流れを変えないとだめだと私は思っております。そういうことも含めてこれから真剣に議論をしていきたいということだけ、とりあえず私は申し上げておきたいと思います。 もう一つは、道路公団が三分割される。私なんかは非常に単純ですから、先ほどありましたね、首都高やとかあちこちから雇っておられる、三分割したら、ひょっとしたらあと二人ぐらい受け入れる人がふえてくるんと違うかと。こういうふうなことにはならないように、民営化後の特殊会社の天下りのあり方、こういうことについては、私は会社に任すということでははっきり言ってだめだと思います。きちっとこの点についても、先ほど大臣おっしゃいましたけれども、特殊会社についての一定の規制が必要なのかどうかということもこれから真剣に議論をしていきたい、こういうふうに思っております。もう少し詳しい資料等が出てきた段階で改めて議論をさせていただきたい、そういうふうに思います。 もう一つは、大臣、入札の問題、契約のあり方の問題について、私は、この時期で申し上げることではないのかもしれませんけれども、この委員会でも品質確保法という新しい入札のあり方について法案を通しました。 そういうことから考えて、結局、一つの工事で何万トンという鋼材が必要な、そういう工事なんですよね。それを本当にやって、落札をして、そして二カ月、三カ月後から工事を開始するということが本当は可能なんだろうかという疑問が私はあるんです。やはり何年も前から世界市場にオファーをかけて、鋼材を集める、買いつけをするということも多分必要なのではないのかな。そうしますと、この入札、鉄鋼製橋梁なんかの場合の入札というのは、工事の始まりではなくて最後の儀式ではないのかなという思いがしております。 そうしますと、やはり一年ないし数年ぐらい前に一定の数量でどのぐらいの鋼材を各社に割り当てるかということが必要だ、多分この資料はそういうことなんだと私は思っております。ですから、単位は何千トンなんですね。トン数で五カ年ぐらいで契約をしていかなければ、そんなもの、材料も含めて確保できない。そういうことであれば、入札の仕方を全部変えるということを真剣に検討しないと、私は、実施が決まったときから最後の儀式までの間に、OBやとか役人やとか、あるいは悪徳な政治家が暗躍をするんです。ですから、これを全部オープンにしないとだめではないのかな、そんなふうに思っております。 与野党が共同して通した品確法ですけれども、こういうものをもう少ししっかりと活用して、それぞれの公共事業のあり方に応じた入札の仕方ということをぜひ工夫していただきたいな、する時期に来ているなというふうに思うんですけれども、これは大臣どうですか。
○北側国務大臣 大事な御指摘だと思っております。 先ほど申し上げた、国交省内で今検討委員会を立ち上げまして、これまでとってきたさまざまな不正行為防止のための対策、これをきちんと検証しようということになっております。そういう中で、今の委員の御質問の御意見も踏まえまして、しっかり検討させていただきたいと思います。
○中川(治)委員 ちょうど一時間になりましたので、談合の問題はもうこの辺でおいておきたいと思います。私は、府議会で十二年間ずうっと与党をやっていましたので、こういう追及は苦手なんですね。次からだれか勇ましい人がやってくれると思いますので、あとはまたよろしくお願いを申し上げたいと思います。 次は、JRの事故の問題に関連して、私の思ったことを少し申し上げたいというふうに思っております。きょうは事故の問題については、同僚議員がやってくれますので、直接触れるつもりはございません。何といいますか、これにかかわってこういう観点、マスコミでも余り取り上げられていないので、私ずっと日ごろから考えていたことを、こういう観点も含めて一遍検討せないかぬのではないのかなという思いで大臣に申し上げたい、こんなふうに思っております。ですから、大臣にもイメージがわかりやすいように、阪和線やとか南海電車やとかいろいろな例を挙げておりますので、ぜひ、こういうことについても必要ではないのかなというふうに思います。ぜひお願いをしたいと思います。 といいますのは、特定区間運賃という問題についてでございます。私も最近聞きかじりで勉強したところでございますが、プロもいてはりますけれども、簡単にこの特定区間運賃についてまず御説明をいただけますか。 〔望月委員長代理退席、委員長着席〕
○梅田政府参考人 御指摘の点について御説明いたします。 制度の仕組みといたしまして、JRの特定運賃制度というのがございます。これは例えば一定の区間を選びまして、国鉄当時、民鉄と並行する区間におきまして、大幅な運賃格差が顕在して国鉄が競争力を失っておりました。ありていに言いますと、国鉄はそれまでの毎年の運賃改定によりまして非常に高い運賃になっておりまして、民鉄の方が非常に安いというような状況になっておりました。したがいまして、当該運賃格差を是正するということで需要の回復を図るということを目的にいたしまして、昭和五十三年七月に京阪神地区に設定されまして、順次、首都圏あるいは名古屋地区にも適用されているものでございます。 現在、この区間につきましては、時刻表の後ろの方に列挙されておりますが、JR東日本におきましては首都圏地区で百十区間、JR東海、名古屋地区で三十一区間、JR西日本、京阪神地区で百十四区間でございます。 それぞれJRの会社は、これまで消費税等の転嫁のための改定が二度ございまして、それはございましたけれども、基本的に分割・民営の前の運賃水準を維持しております。特に本州三社については一度も改定をしておりません。したがいまして、その間、民鉄の運賃は二回ないし三回の改定が行われました。区間によりましては、並行する民鉄の運賃がJRの特定運賃を上回る区間というのが生じておるところもございます。 したがいまして、一回、その特定運賃が設定されますと、特定運賃よりも近いところは、これは内方調整というんですけれども、少しずつ、十円とか二十円ずつ下げるというようなことをやっておりまして、その固まりが特定区間というようなものでございます。
○中川(治)委員 昭和五十三年に、国鉄の運賃が非常に高い、私鉄との関係で競争にならない、競争にならないというか、これが赤字経営の原因にもなっておる、ですから、一定の路線を指定して、そして常識程度の値下げをしてもよろしい、こういうことから始まったのが特定区間運賃という制度だと私も勉強させていただきました。ところが、これがJRが民間になりまして、平成になって、今はほとんど私鉄との関係では全路線で逆転をしているというのが現状ではないのかなと思っております。 この資料の一番最後をあけていただきたいと思います。資料の八というのは、これは何かといいますと、JRと私鉄三社、これは京阪神、要するに京都、大阪、神戸、私鉄三社は阪急、阪神、山陽電鉄です。この電鉄の輸送量の推移なんですけれども、要するに、平成元年あたりと比べましたら、私鉄三社は十一、二年間で年間のお客さんが一億人減った、そしてJRの方は、ふえたり減ったりはありますけれども、一億人近くふえておるということになっておるんですね。要するに、結果的には、会社のいろいろな産業配置だとかということもあるんだと思いますけれども、JRが勝ってきたということがあります。 もう一つ、一つ手前の資料七というのを見ていただきたいんですが、これはJRと南海電車の乗降客数の比較でございます。おおむねやはりJR有利、大阪、特に泉州地方全体が不景気でございますので、全体に恥ずかしながら下がっているというところはあるんですけれども、そういう現状がやはり各駅に出てきているというのが現状であります。 もう一枚戻っていただきまして、資料五というのがございます。これが大阪、東京における特定区間の運賃表、路線の区間だということであります。 ひとつこの下の方の表を、大臣、ぜひ見ていただきたいんです。これは近鉄電車です。資料六の、丸いのはこれは大阪の環状線でございまして、大臣御存じのように、近鉄難波から近鉄奈良へほぼ一直線に走っております。特急ではなくて、要するに特急料金のかからない列車で走りますと、現在は、距離は三十二・八キロ、運賃五百四十円、それで乗車時間が三十五分ということになっております。 この下の方を見ていただきたいんですが、今評判の大和路線というのがございます。関西本線から奈良の方へ向かう電車ですけれども、これの距離が四十一・〇キロ、要するに、近鉄の奈良線と比べましたら八・二キロまだ距離が長い。しかし、運賃は五百四十円で同じ。そして、乗車時間は八・二キロ長いにもかかわらず一分しか違わない。これがこの状況なんですね。 実は、私、近鉄の問題で、トラックやバスとかの事故やとか過労死の問題で、いろいろあって調べてみました。なぜ近鉄が今しんどくなってきたのか。要するに、こういう形でJRから厳しい競争を迫られてきたということが、ドル箱の奈良—難波間、かなりのお客さんをとられてしまったということも遠因にあるのではないのかなというふうに思っております。要するに、この近鉄も我々にとっては大事な公共交通機関でございますから、これをこれ以上競争させる必要があるのかというふうに私は思っております。 これは定期代を見ていただきたいんですけれども、一カ月、近鉄に乗れば一万九千円、JRに乗れば一万六千円、三千円安くなる。こういうことでありまして、景気のいい会社は別ですけれども、ほとんどの会社は、それならJRに乗れ、JRでないと定期は出さないよ、こういうことにやはりなってくるんだと思います。 こういうことも含めて、結局は、特定区間の工夫だということで野放しにやっているんではないのかなという思いがあるんですけれども、これについてはどうですか。まず局長。
○梅田政府参考人 現在の運賃制度でございますが、平成九年の一月に、事業者の自主性あるいは主体性を尊重する、それで、市場原理のもとで競争を促進いたしまして、事業活動の一層の効率化、活性化を図るということで、それまでの運賃制度を緩和いたしまして、上限価格制による新しい運賃制度を導入したところでございます。JRの運賃につきましても民鉄の運賃につきましても、上限の運賃を国土交通大臣が認可いたしまして、その上限の範囲の中で、例えばもう少し低廉な運賃を設定するというようなことは事業者の自主的な判断で届け出でできるような仕組みにしております。 私ども、こういう現在の運賃制度につきましては、JRあるいは民鉄とも、事業者が利用者のニーズを的確につかまえながら、サービス面を含めまして、運賃、両面にわたりまして多様な運賃設定あるいはサービスの設定ができるというふうに期待しているところでございまして、現在、そういう制度の中で運営されているというのが現状でございます。
○中川(治)委員 今局長が説明されたことは、要するに、上限は決めるけれども下の競争は大いにやりなさいということであります。 私鉄の方はもうぎりぎりのところで、人件費のことも含めて削れることは削ったとしても、やはり削れないところはある、そうすると運賃の改定をして運賃を上げる。JRはずっと上げないできた。そういうことの中で、私は率直なところ、私鉄の経営がこれで大丈夫なのかと。大阪では、水間鉄道というのがこの間傾きました。何とか再建をせないかぬ、市民の足を守らないかぬということで、これは南海電車も入って、今再建のための協議中だというふうに聞いておりますけれども、こういうことについて、どこまでほっておくんですかということを私はお聞きしたいんです。 やはり、この公共交通の、資料九のJRと南海の比較、資料九というものを最後に見ていただきたいんですけれども、これは南海線とJRの各駅の定期の比較、運賃の比較ということをやったものです。こういう状況の中で、本当にいいんだろうかという思いがございます。大臣、ちょっと率直に御意見をお伺いしたいと思います。
○北側国務大臣 特定運賃になっているところも、必ずしもJRの方が安いというわけではございません。関西の例で申し上げますと、例えば大阪—京都、これについてはJRは五百四十円ですが阪急三百九十円とか、それから大阪—宝塚、JR三百二十円が阪急二百七十円。近鉄でいいますと、京都—奈良間がJR六百九十円で近鉄が六百十円ということで、特定運賃を取っている区間においてJRの方が料金がすべて安くなってしまっているという状況にはなっておりません。さまざまな状況であるということだというふうに思っております。 ただ、私の地元のこの南海のを見せていただきましたら、南海の方につきましてはJRの方が安くなっているところが多いなというのは、この資料から私もわかるところでございます。 いずれにしましても、鉄道事業法の中で、運賃設定については、他の鉄道運送事業者との間に不当な競争を引き起こすおそれがある場合には運賃の変更を命ずることができる、こういう規定があるわけでございます。現状のところ、こうした不当な競争を引き起こすおそれがあるものというふうにはまだ考えておらないところでございまして、ただ、今後とも不当な競争を引き起こすことがないように十分に注意をしてまいらなければならないというふうに考えております。
○中川(治)委員 私は、これは単なる競争の問題だけではないと思うんですね。 大臣、これは非常にローカルな話ですけれども、南海に泉大津駅というのがございますね。一・五キロほど離れたらJRの和泉府中駅というのがあります。JR和泉府中からJR難波までは三百八十円、泉大津から南海難波駅までは四百三十円、こういうことなんですね。普通、通勤する方はどうしますかというと、やはり環状線に乗るんですね、多くの方は。環状線に南海から乗りかえると新たに百二十円とか百三十円要る。ところが、和泉府中から三百八十円でどこまで行けるかといいますと、もちろんJR難波までは行けますし、大阪ドームへ行こうと思ったら環状線の大正まで、これは三百八十円。それから鶴橋、玉造まで、これも三百八十円ということになっているんです。いや、笑うたらあきません、調べたんです。こういうことで本当にいいのか。 そういうことで、やはりこの環状線を持っているところがどんどんお客さんをとりにいく武器になっている、これを私鉄の客をとっていく大きな武器にしていく、こういうことについても、自由な競争ということで野放しになるのか。 ちなみに、ちょうど真ん中あたりか泉大津の方に近い方で、私の支持者の方で、どこで乗っていますかと聞いたら、あんた向こう違うんかと。私も最近選挙をやっておりますので、市長選挙で。どう考えても泉大津から乗った方が近い人が和泉府中から乗らはる。結局何やと言うたら、会社が定期を出してくれませんねん、こういうことなんですよね。最寄りの駅から乗るということが結局は会社の、これは労働組合が弱いからかもしれませんけれども、しかし会社にしたら、一区間で月三千円違うんですから、定期にしたら。それはどう考えたって、JRに乗れ、こういうことになってしまう。 そういうことも含めて、これはぜひ、都市部における私鉄とJRの問題、この競争の問題というのは非常に深刻な問題がありまして、先ほどおっしゃいましたように、阪神、阪急は非常にまだたくましいですから、連合軍を組んで、山陽電鉄も入れて、負けぬように頑張ろうと言うてやっているところもありますけれども、御存じのように、南海とか近鉄とかたたかれっ放しみたいなところも、これを言うたら会社が怒りますな、しかし、そういう現状もありますから、時期を見てきちっと調べて、タオルを投げるということをできるのは私は大臣だけだというふうに思います。法律にもそう書いてあるんですから。 この件は、今大変な状況でございますから、これが一件落着してからでもいいですから、公共交通、市民にとっての、本当に国民にとっての非常に大事なそういう公共交通を健全に発展させるということ、そういう観点から、都市のJRと私鉄の運賃のあり方も含めた検討をぜひいずれ近いうちにやっていただきたいなというふうに思いますけれども、最後に一言。
○北側国務大臣 今の御指摘、今後ぜひ検討してまいりたいと思います。 ただ、委員にもぜひひとつ御理解いただきたいなと思いますことは、JRの場合、都市部だけやっているわけじゃございません。当然、田舎の方の、ある意味では赤字路線と言われているような区間もJRはやっているわけでございます。そこは、非常にそこの地域住民にとっては貴重な足になっておって、それが単に民営化になったからということで、ここは全然収益が上がらないんだからやめてしまうというのでは困るわけでございまして、そういう意味では、新幹線だとか、そしてまた都市部における鉄道によって収益を上げて、そして田舎の方のネットワークを確保している、そういうところも一つあるということもぜひ御理解をお願いしたいと思います。 もう一点、単にJRとの競争、もちろんその点もあるかと思いますが、それだけではなくて、やはり長引いた景気の低迷だとか、それからバブル期においてどういう経営をとっておったかという負の部分も結構負っていて、なかなかそれがきちんと処理ができないために経営がうまくいかないというようなこともあるわけでございまして、その辺もよく全体をにらみ合わせた上で、ただ、今委員がおっしゃったように、都市におけるJRと私鉄、これは首都圏においても同様でございます。それぞれ競争しているわけで、それが不当な競争にならないように、そこはきちんと見ていかないといけないというふうに思っておりますので、今後の課題としてよく見ていく必要があると思っております。
○中川(治)委員 今大臣がおっしゃったようなことは私もよくわかっているつもりでございます。そういうことも含めて、要するに私鉄の経営の問題なんですね。私鉄の経営の問題について、どうしていくかということについてもぜひ考えていただきたいということを最後にお願い申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○橘委員長 金田誠一君。
○金田(誠)委員 おはようございます。民主党の金田誠一でございます。 大臣、お礼を申し上げたいと思います。先般、私どもの地元で、北海道新幹線の起工式、長年の悲願達成をいたしまして、挙行できたわけでございます。その起工式に大臣わざわざお出かけをいただきまして、本当にありがとうございました。心からの御礼を申し上げる次第でございます。あとは一日も早い開業、これが期待をされるわけでございまして、今後ともひとつ御尽力賜りますようにお願いを申し上げる次第でございます。本当にありがとうございました。 さて、本題に入る前に、新石垣空港の環境アセスメントについて質問をさせていただきたいと思います。 この件について、国土交通大臣は、環境大臣の意見を受けて、五月二十七日に国土交通大臣としての意見を沖縄県に示したわけでございます。その中では、小型コウモリ類の追加調査を行うことなどが求められているわけでございます。沖縄県は、この意見に先立って、五月十六日にコウモリ検討委員会を開催して、追加調査は五月下旬と六月下旬の二回行うという方針を打ち出し、そのことを六月十三日のコウモリ検討委員会で了承を取りつけ、七月までには評価書の補正を終えたい、こういう意向であると報道されているところでございます。 これに対して、コウモリの研究者及び保護にかかわる専門家など五名の方々が連名で、五月三十日付をもって意見書を提出しております。意見書のコピーはただいまお配りをいただいているところでございますが、県の方針は極めて不十分であるということで、最低一年間の調査などを求めているわけでございます。このことは、専門家の指摘をまつまでもなく、余りにも当然といえば当然、そんなことだと思うわけでございます。 そうであれば、その他の指摘事項ともあわせて、環境省と国土交通省が連携をして沖縄県を適切に指導する必要があるのではないか、こう考えるわけでございますが、まず、この点について両省の御見解を賜りたいと思います。
○岩崎政府参考人 お答えさせていただきます。 新石垣空港の環境アセスメントにつきまして、今先生お話がございましたとおり、環境影響評価法に基づきまして、環境大臣の意見を踏まえまして、五月の二十七日に国土交通大臣から、事業者であります沖縄県知事に意見を送付させていただいたところでございます。 お話がございました小型コウモリの件でございますけれども、日常的に、あの空港建設区域周辺に五つの洞窟がございます。その五つの洞窟につきましては、保全を図る、あるいはできる限り継続して利用できるようということで、環境大臣の意見を勘案して、その趣旨も沖縄県に伝えたところでございます。 また、既に沖縄県が実施しました調査の結果、小型コウモリの日常的な利用が確認されていなかったという幾つかの周辺の洞窟につきましても、再確認の意味で追加的な調査を行ってほしいという意見を、これも環境大臣の意見を勘案して沖縄県に伝えているところでございます。 事業者である沖縄県において、小型コウモリ類の専門家による検討委員会の指導助言を得ながら検討を始められたと聞いております。意見に対して適切に対応していただけるもの、このように考えているところでございます。
○桜井政府参考人 お尋ねの件でございますけれども、本事業につきましては、今国土交通省の方から御答弁ございましたように、事業の許認可権者でございます国土交通省から、環境大臣の意見と同趣旨の意見が事業者である沖縄県に対してなされたものということでございます。 沖縄県におきましては、今後、環境大臣意見及び国土交通大臣意見を踏まえまして、環境影響評価書を適切に補正していただけるものというふうに考えているところでございます。
○金田(誠)委員 両省として、沖縄県が適切に対応してもらえると思う、適切に補正してもらえると思う、こう思うのは、これは当然のことでございますが、しかし、そういう期待とは裏腹な状況に今なっているのではないかということで質問をさせていただいているわけでございます。 沖縄県が行おうとしている調査、五月、六月、こういう形で行うと。七月にはもう評価書の補正を終えるんだ、こういうことが新聞で報道されているわけでございますね。それに対して、最低でも一年間は調査しなければ、全く未調査の、それも滑走路にかかるような、そういう形の洞窟なわけですから、これはきちっとした調査にならぬという指摘が専門家から出ているわけでございます。環境省、期待をする、ちゃんとやっていただけると思うということはわかるんですが、そうなっていないんではないかということについて、やはりきちっと答えていただきたい。 二つに分けて答えていただきたいと思うんですけれども、沖縄県が行おうとしている五月と六月の追加調査という方針は、これで妥当だと思っておられるのか。まさかそんな答えはできないと思うんですけれども、これが一つ。きちっと答えていただきたい。専門家の意見にあるように、最低でも一年間、状況によっては複数年という記載もありますけれども、こういう調査は不可欠だ、こう思いますけれども、これはきちっと答えてください。
○小野寺政府参考人 環境大臣意見として、当該地域の小型コウモリ類に与える影響をできるだけ回避、低減するために、追加調査等必要な環境保全措置を検討していただきたい旨申し上げたところでございます。具体的な調査の手順については、事業者である沖縄県がみずから判断するものであり、追加調査をどの程度の期間で行うかについても、必要に応じて沖縄県が専門家の意見を聞いて適切に設定されるものと考えております。 なお、五月、六月という時期に関しては、コウモリ類の繁殖期でありまして、そういう意味ではコウモリの生態上重要な時期であるという認識をしております。 それから、次の質問でありますが、追加調査については、いろいろな項目についてコウモリの関係の調査を評価書の中で申し上げたところでございますが、調査全体がそれをもって足りるかどうかということについては、これまでの沖縄県を中心とした当該洞窟その他のコウモリの調査、コウモリに関する既存のデータ、専門家の意見等の蓄積があります。加えて、追加調査をお願いした結果がどう出てくるかということをあわせて総合的に判断されるべきだというふうに考えております。
○金田(誠)委員 局長、そんな答弁でいいんですか。今の答弁ですと、五月、六月の沖縄県がやろうとしている調査でいいんだ、そういうことを言っているんじゃないですか。それでいいんですか。
○小野寺政府参考人 コウモリの生息と実態調査については、これは洞窟によりますが、一番飛行場計画との関係の近いところについては、相当程度実施して把握しているという経緯があります。したがって、周辺の十個程度というふうに聞いていますが、そこについては確かにデータが集まっていないということらしいので、そういう全体をどう調査して成果を見るかということが十分か十分でないかということにかかわってくると思います。
○金田(誠)委員 今回は全く未調査の洞窟もあるわけですよ。大体、洞窟がどういう形で広がっているかということも当初の想定と結果は違っていたという中で、未調査の洞窟も出てきた。したがって、追加調査が要請をされているということでしょうが。 そのときに、出産、保育期、これが五月から八月と言われていますわね。冬季に休眠利用、十二月から三月。この休眠利用の状況も極めてデリケートな期間だそうです。この休眠利用に利用できる洞窟も非常に少ない、こういうことも評価書のデータで既に明らかになっているというではないですか。であれば、とりわけ冬季のこの休眠期間の調査というものが不可欠になってくる。 五月、六月でいいんではないですかというような話では全くないでしょう。皆さん、それでも環境省ですか。何のために環境省はあるの。しっかりしてくださいよ。五月、六月でいいかもしれないなんて話ないでしょうが。五月、六月で本当にあなたは環境省と。ほかの省庁でないですよ、環境省ですよ。全く未調査の洞窟を含めて、五月、六月でいいと本当に言いますか。本当に言いますか。何を考えているんですか。はっきりしてくださいよ。
○小野寺政府参考人 先ほどの答弁の五月、六月というのは、繁殖期であるから極めて重要な時期、押さえるべき時期であるというふうに申し上げたわけであります。 意見全体は、出産、保育の場として重要な洞窟の保全に万全を期すこと、冬季の休眠やねぐらとして利用されている洞窟についても可能な限り保全すること、その他の洞窟についても追加調査を行うこと、これらが利用が確認された場合には専門家の指導助言を受けた上で可能な限り保全する、それが意見の、コウモリに係るほぼ考え方の骨格でございます。
○金田(誠)委員 そうであれば、五月と六月で調査をして、七月には結果を出すんだ、こういうことはあり得ないでしょう。そういう新聞報道もなされて、そういう立場で既に中央の役所との調整も今されているんではないですか。そういう状況の中で質問をさせていただいている。 それに当たって、先ほど来の答弁は一体何ですか。五月、六月で調査をして、七月に結果が出ますなんということは考えられない。冬期間も含めて最低でも一年間、全く未調査の洞窟もあるわけですから。それが環境省の立場でしょう。そういう立場で適切に指導するという答弁をしてくださいよ。
○小野寺政府参考人 七月ということについては、私自身は全く聞いておりません。そういう申し出があったということも私自身は確認しておりませんが、調査の中身、コウモリの保全については既に適切な意見を申し上げたところであります。その意見と今回の追加調査その他ということを総合的に判断して、追加の報告というのが何らかの形でなされると思います。判断を、環境省としてそれをどう受けとめるかというのは、その全体が明らかになった段階で適切に判断してまいりたいと思っております。
○金田(誠)委員 新聞報道等においても、五月、六月の調査、七月には結論を出すということが報道されている。そういう状況に危機感を持って、このコウモリの専門家の五名の方々、そもそもコウモリの専門家という方は非常に少ないそうですね。日本でも何人もいらっしゃらない。そのうちの五名の方が名を連ねるというのは大変なことだというふうに聞いておりますが、危機感を持ってこういう意見書も出しているという状況ですよ。そういう緊迫した状況の中で、今の答弁というのはありますか。 もうはっきりしているわけですよ。もし、あなたが聞いていないんなら、確かめて聞けばいいでしょう。電話一本すれば済む話じゃないですか、どうなっているんだと。知らないということはないでしょう。質問すると通告してあるわけですから、当然調べたでしょうが。そういう中で、これで本当にいいんですかと。よくないでしょう。皆さんが指示をした調査と全然違うわけだ。違うことが今まさにやられようとしている。困りますね、きちっとします、これで済む話でしょう。はっきりしてください。
○小野寺政府参考人 評価書を見た段階で、とりわけコウモリ関係の足らざるところについては追加調査、保全の考え方を整理するように伝えたところで、県は前倒しで調査をしているというふうに聞いております。その結果を見て判断をしてまいりたいと思っております。
○金田(誠)委員 だから、五月、六月で調査なんというのはだめなんでしょう。皆さんが指摘している観点からいっても、全く未調査の洞窟がある、洞窟の位置さえも違っていた、そういう中で指摘をした。指摘を受けて、五月、六月なんという話はありますか。 きちっと結果を出してもらうにはこの専門家の方々がおっしゃるような形で対応していただく必要がある、そういうことでよろしいですね。
○小野寺政府参考人 期間についても、追加調査の結果を見て判断したいというふうに思います。
○金田(誠)委員 きょうは法案審議で、国総法の審議をしなきゃならない。しかし、今、こういう日程が決まりそうだということなものですから、急を要する事態ということで、時間をいただいて質問をしている。今のような答弁の繰り返しですと一時間これを続けなきゃならなくなってしまって、私の質問ができなくなってしまいます。ちゃんと答えてくださいよ。聞かれたことに答えてくださいよ。
○小野寺政府参考人 今、調査をして、過去のデータも含めて総合的に整理をしているところであろうと思いますので、今の段階で期間を明示的にということは、私の口から申し上げるべきではないと思っております。
○金田(誠)委員 これは八重山毎日新聞のコピーですけれども、見出しには、「七月までには補正作業完了」、こうなっております。「七月までには補正作業完了」。この新聞記事はどうなんですか。きのうそういうことで質問をしますよというふうにお話を申し上げてあって、どうなんですか、五月、六月で調査を終わって七月に補正作業完了という形に今なっていないんですか、なっているんですか。 これは別に環境省が逃げ隠れする話でも何でもないでしょうが。何なんですか、先ほど来何か奥歯に物の挟まったような、なぜそういう答弁しかしないんですか。やめたくてもやめられないです、これは。
○小野寺政府参考人 新聞報道については存じておりますが、スケジュールについて沖縄県あるいは国土交通省から聞いてはおりません。 したがって、環境省としては、何月、夏の何月ということは把握しておりません。
○金田(誠)委員 私の質問時間は十一時半までなものですから、ちょっと時間をとって沖縄県に電話して聞いてみてもらえますか、どういう方向でやろうとしているのか。五月、六月というふうに、さまざまな情報から私のところには来ております。そして、そのことを心配された専門家の方々も意見書という形で出しておられる。新聞記事もある。どうなのというふうにちょっと聞いてみてもらって、例えば十一時二十分とか、そういう時間にもう一度質問をしたいと思いますが、確認していただいて質問する、それでよろしいですか。
○小野寺政府参考人 ちょっと限られた時間で確認できるかどうかわかりませんが、やってみます。
○金田(誠)委員 本当に、まあまあ。もう皆さんだってわかっているんでしょう、どういう形で進もうとしているか。そんなことも確認もせずに、質問をしますよと言ったときにここに出てくる自体がおかしい。本当はわかっているにもかかわらずこういう答弁を繰り返しておられる、極めて遺憾であるというふうに思います。きちっと確認をしておいてください。その上で質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 それでは、時間が大変むだになりましたけれども、本題に入らせていただきたいと思います。本改正案に関する私自身の思いを申し上げながら、大臣の御所見を伺いたい、このように思います。 まず、私ごとにわたって大変恐縮でございますが、私は一九四七年、昭和二十二年の生まれでございます。北海道函館の隣町の、車で四、五十分、木古内町というところで生まれました。家のすぐ近くを木古内川という二級河川が流れておりまして、物心ついたころには朝から晩までこの川で遊んで育ちました。近所の子供たち、みんな同じでございました。 川は本当に見事な清流でございまして、子供が歩いて渡れるような浅瀬もあれば、背丈の何倍もあるような深い、もう吸い込まれそうな青々としたふちもあり、そうした川のありさまが大水が出るたびに変化をする。今まで瀬であったものがふちになってみたり、子供のころに本当に不思議な思いでこの川を見て育ったものでございます。河原は広くて、小石や砂は白く美しく、そこには河原特有の植物が生え、多くの昆虫がすんでおりました。それをとって遊ぶのもまた楽しみであったわけでございます。 季節に応じてアユやウグイが川をさかのぼり、そういうきちんとした魚は大人たちがとったものでございますが、子供たちはカワカジカ、エビ、カニ、こんなのを網ですくったり、やすで突いたりして遊んでおりました。夏には、小さな子は当時、パンツもはかずに泳いでおりました。少し大きな子は、深みに石を投げて、それをだれが先にとってくるか、拾ってくるかということを競い合ったものでございます。私は、その石の色や形を今でも鮮明に覚えているような気がするわけでございます。 小学校二年生の中ごろ、父の勤務の関係で函館に引っ越しました。田舎育ちの子供にとっては大都会のように思えたわけでございますが、それでも、市街地の中心を流れる亀田川という川があって、フナやドジョウがすんで、どうにか川遊びもすることができたわけでございます。町の中には何本かの小川や幾つかの池があり、ヤゴやゲンゴロウ、オタマジャクシ、メダカといったものがおりました。 ところが、それから十数年がたって昭和四十年代、私は社会人となって、初めて買った車でふるさとに戻ったときに、もう愕然といたしました。あのころの川がなくなっていたわけでございます。川岸はコンクリートブロックの護岸となり、白い小石の河原には背丈の高い雑草が生い茂り、水辺に近づくこともできない。それをかき分けながらたどり着いた流れは、水量が激減した上に、川底の小石までがぬるぬるとしたヘドロのようなものに覆われておりました。もちろん、川遊びをしている子供などただの一人もおりませんでした。そして、函館市内の川も、気がつけばただの水路となり、小川も池もいつの間にかなくなり、子供たちはオタマジャクシもメダカも見ることさえできなくなる。あれほどいたトンボやチョウチョウも今ではほとんど見ることがなくなったわけでございます。 こうした変化は、一九六〇年、昭和三十五年ごろを境にして徐々にあらわれ始め、一九六五年、昭和四十年代に入って一気に加速して今日に至っていると思います。もちろん、こうした変化は私の地元特有のものではないと思います。程度の差はあるにせよ、日本国じゅう共通した現象だと思うわけでございます。 私は今五十七になりましたけれども、あのころを本当に思い起こします。私の今を育ててくれたのは、両親とともにあのふるさとであった。文字どおりの、「兎追いしかの山、小鮒釣りしかの川」であったと思い起こすわけでございます。このふるさとの光景は失われて久しいわけでございますが、記憶の中に今も生き続けております。それが今の私の支えになっている、こう思います。 ところが、今の子供たちの多くはそうしたふるさとを持たない。それどころか、その記憶さえ持つことができない。これは何と悲しいことか、本当につくづくそう思います。そして、その思いは何も私に限ったことではない。恐らく、大臣にも、あるいは御出席の委員各位にもこの思いは共有していただけるのではないかな、こう思うところでございます。 そこで、大臣に質問をいたしますが、大臣は昭和二十八年の生まれ、私よりも大分若いわけでございます。そして、大都会で生まれ育ったという方でございますから、子供のころの体験も私とはかなりまた異なるものがあったと思います。しかし、それにしても、大臣の子供のころには今よりはるかに豊かな自然があった、そう思います。そうした経験を有する大臣として、この間の変化をどのように受けとめておられるか、率直に感想をお聞かせいただければと思うわけでございます。
○北側国務大臣 我が国は戦後急速に都市に人口が集中をする、それまで田んぼ、畑であったところを宅地化する、そうしたことが急速に進む中で、今委員のおっしゃったような、特に河川について非常に汚れてしまった、自然を、環境を破壊してきたということは、これは事実であるというふうに思っております。 ただ、今また大分変わってきたんじゃないでしょうか。都市部におきましても、また地方におきましても、やはり環境の保全ということが非常に大事である、景観が大切であるというふうな意識というのは、市民の方々も、そして地方自治体の方々も、非常に強く持たれるようになってきたのではないかというふうに思うんです。 実際に川でいいますと、かつてに比べますと相当河川はきれいになってまいりました。例えば、この近所でいいましたら多摩川ですか、多摩川は、本当にあれも汚かった川でございましたけれども、今はBODが二以下になっていまして、何と毎年百万匹のアユが遡上するようになったとも聞いております。東京の河川でございます。こうした例はほかにもたくさんございます。 また、下水道の整備も本当に進んでまいりまして、逆に、下水処理された水をいかに再生するかということが議論になるほど下水道処理も進んでまいりました。これもやはり首都圏ですが、例えば目黒川とか、ああいうところはこうした下水処理水を活用して清流を復活したという例もございます。 今、そうした意識といいますか流れというのがだんだん強くなってきていると思うんですね。これをやはり私は、こうした流れ、この方向をさらに強固にしていくことが大事であるというふうに思っているところでございます。
○金田(誠)委員 大臣がおっしゃるように、ひところはもう本当ににおいのするような、そんな川も多かったわけですけれども、それが大分浄化をされたということはおっしゃるとおりだと思います。そういう改善点も、私は否定しようとは思いません。 しかし、にもかかわらず、あのかつての本当の自然の川というものはいまだによみがえっておらない。護岸があり、水量が激減をし、川が子供の遊び場であるという状況の川は、ごくごくもう少ない。かつてはほとんどすべての川が水量も多く、子供の遊び場になっていた。今はもう、ちょっと雨が降ると一気に水があふれ出す。そして上流からは、間伐してそのまま放置された木材、材木などがそのまま流れてくる。ちょっと雨が降らなければもう干上がってしまって、ほとんど水がなくなってしまう。水量が非常に少なくなって、非常に変化しやすい。川に親しむ、川が子供の遊び場になるという状況のところは本当に少なくなってしまった、私はそう感じております。 改善はされているけれども、まだまだ十分とは言えない。その辺がやはり、大臣はお若いですし、大きな町で生まれ育ったということもありますから、多少の受けとめの違いはあるのかなという思いはいたしますけれども、その辺の改善は認めるにしても、十分とは言えないというあたりをぜひ御認識いただければありがたいと思うわけでございます。 その上でさらに大臣に伺いたいと思うわけでございますが、私は、今申し上げたような子供のころの体験を通じて、今考えていることは、世代の責任ということを痛感いたしているところでございます。子供たちから、あのかつてのふるさと、もうメダカもオタマジャクシもいなくなってしまった、そういう形でふるさとを奪ってしまったのは、我々の少し上の世代から始まって少し下の世代までの責任なのではないか。そうであれば、少なくとも、ふるさとの記憶を有している我々の世代がふるさとを再生して子供たちの世代に伝えることが、私は世代の責任なのではないか。五十七という年のせいもあるのかもしれませんが、最近つくづくそういうことを感じるわけでございます。 これは、与党、野党という話じゃない。我々の世代として、子供や孫の世代にあの時代のすばらしいふるさとをよみがえらせて残していく、そんな責任を感じるんですが、大臣、どんなものでしょう。
○北側国務大臣 先ほど申し上げましたように、水環境を守ろう、親しめる河川にしていこう、そうした取り組みというのは全国あちこちで今なされております。そういう意味で、そうした方向、そういう取り組みをされている方々の思いというのは、今委員のおっしゃった思いと恐らく同様だと思うんですね。ぜひ私たちの子供、子供はもう大きくなっているから孫ですね、孫の時代に、次の時代に、子供たちが水遊びが本当に安心してできるようなそうした水環境をつくっていくということは、これは私どもの大きな責任であると私も思っております。
○金田(誠)委員 どうもありがとうございます。 そこで、この世代の責任ということについて、私なりの考え方を申し上げてみたいと思うわけでございます。 今申し上げたように、与党、野党などという枠で考えることではない。その枠を超えて世代としての責任を果たそうということだと思うわけでございます。そして、そういう共同行動ができなければ、私は、かつてのふるさとをよみがえらせることも困難になるのではないかな、そんな思いがしてならないわけでございます。 さらに言えば、この世代の責任ということは、政治とか行政とか、そういう限られた範囲で実現できるものでもない。本気になって実現するというのであれば、それは全国民的な合意形成、そういうことが不可欠ではないかと思うわけでございます。そして、そのためにどうするか。その答えを出すのが今回の国土総合開発法の一部改正案でなければならない、こう思うわけでございます。本改正案には、その視点は全くゼロだと申し上げるつもりはありません。さまざま工夫されているというふうには思いますけれども、極めて不十分と言わざるを得ないわけでございます。 そこで、一つ提案をしたいと思います。 世代の責任としてふるさとを再生するために、国民的な合意を形成する方法論として、国土形成計画を国会の議決事項にすべきではないか、こう思うわけでございます。そのことによって、単に行政ベースで物事を決定するのではなくて、国民的な議論を巻き起こすことができれば、合意形成に大きく資することができる、私はそう考えるわけでございます。 大臣、子供のころメダカをとって遊んだということ、恐らく大臣もあったと思うんですよ。オタマジャクシをとってきて、あのころ、子供のころ、ゴムの短靴を履いていまして、あの靴を脱いで靴の中にオタマジャクシを入れて、うちに持って帰ってきた。秋になれば、見上げる空いっぱいのトンボでしたよ。 今は、メダカなんてどこにもいませんね。絶滅危惧種だそうです。オタマジャクシなんというのも見たことがない。カエルの声もほとんど聞くことがない。秋になってもトンボなんか飛んでいない。これは余りにも寂しいのではないか。自然というのは、しかし、あの時代のあれが自然で、ああいう中で育った子供こそがやはり本当の日本の子供として成長していくのではないかなと私は思えてならないわけでございます。 そういう国土を形成しよう、まさに国土形成計画でございますから、そうであるならば、行政サイドで計画をつくればきれいなものはできますよ、恐らくきちんと整合性のとれた、予算の裏づけもきちんとしたものはできると思います。しかし、それではふるさとはよみがえらない。かつてのふるさとをつくろうじゃないかという本当に国民的な議論、これをやっていく必要がある。そのために、国会の議決事項にすればすべて解決だなんと言うつもりはありませんけれども、せめてそのぐらいやらなければ、こういう思いなんですが、大臣、どうでしょう。
○北側国務大臣 国土形成計画全国計画につきましては、策定に当たりましては、パブリックインボルブメントや地方公共団体からの意見聴取、さらには計画提案もしていただくというふうに、この全国計画を策定するまでに、広く国民の皆様、また地方の団体の方々の御意見を取り入れることを法律上義務づけをしているところでございます。 また、国会の意思をしっかり反映していくというのは、これは当然のことでございまして、そもそも国土審議会の構成員に国会議員の方々も入っていただいているわけでございまして、そこで調査審議を経るということになっているところでございます。もちろん、当委員会を初め国会において計画の内容に関しまして十分に御審議いただく、これも当然のことであると思っているところでございます。 ただ、国土形成計画というのは、これはやはり行政として実施する施策を取りまとめるものでございまして、いわゆる行政計画でございます。最終的には、内閣が国会に対して責任を負いつつ策定をするものであるというふうに考えております。
○金田(誠)委員 なかなか思いが伝わらないようで残念なんでございます。私は、そういう中で育ったものですから、それ以降もずうっとこの思いがございまして、国土交通委員会に初めて所属させていただいたもので、ぜひこのことを申し上げたい、その機会を探しておりましたところ、今回この法案審議、まさにこの場だなと思って申し上げました。しかし、行政計画であるというこの手続論の中から大臣は踏み出していただけない。本当にちょっと残念でございます。 しかし、今回は問題提起ということで申し上げさせていただいて、大臣、機会がございましたら、省あるいは局の幹部の方々ともぜひ議論をしていただきたいものとお願いを申し上げたいと思うわけでございます。 あのメダカのすむ小川、子供たちがゲンゴロウだとかヤゴだとか川魚をとって遊び回る、ああいうところがもうどこにも見えない。確かに、BODはよくなった、下水道もできた、そのとおりです。しかし、あの時代とは全く違う。そこに思いをいたしていただいて、ぜひひとつ今後の課題ということで念頭に置いていただければありがたい、ぜひお願いを申し上げたいと思います。 次に、国土の形成について、私は今自分なりの思いを申し上げてきたところでございますが、少し各論にわたって、今までの反省点等について申し上げてまいりたい、こう思います。 私は、この間の全総、五次にわたるわけでしょうか、すべてマイナスだったなどと申し上げるつもりは全くございません。それどころか、評価すべき点は数多い、こう考えております。一般国道にしても高速道にしても港湾にしても漁港にしても、新幹線、空港など、もう隔世の感があるわけでございまして、こうした面で全総が果たしてきた役割は大きかったなという思いは、率直に言っていたしてございます。 しかし、そういう評価は評価として、今申し上げたような、かつてのふるさとはどこへ行ったという思いが一方ではあるわけでございます。そして、一つ一つの事業の中も踏み込んでいけば、もっとこうすればよかったではないかという思いもそれぞれございます。そうした立場で問題点を指摘させていただきたい、こう思うわけでございます。 まず第一の点でございますけれども、今申し上げました治山治水という問題についてでございます。これこそ国の基礎となるべきものだと思います。しかし、今よく言われているのは、日本じゅうの山は腐っている、もう間伐もされていない、全く手が入っていないということが言われております。河川は死んでいる、それに伴って海域も磯焼けが広がっている、こう言われているわけでございます。 そこで、まず治山について、これは林野庁の所管だと言われるかもしれませんけれども、国土形成計画取りまとめは大臣のところになるわけでございますから、そういう観点からして、内閣がこの取りまとめ役をやるべきだ、総理大臣のもとでやるべきだという立場に私どもは立っております。なかなかそれは受けとめていただけないようでございますけれども。そうであれば、治山治水、これはセットでございますから、この治山についても、国土交通の立場、取りまとめの立場からお考えをいただけるのではないか、こう思ってお尋ねをするわけでございます。 まず、治山について、反省があれば御所見を賜りたい。治水についても、同様に御所見を賜りたい。その上で、今回の法改正により治山治水がどういう方向に向かうことになるのか、これについての御所見をお聞かせいただきたい、こう思うわけでございます。 〔委員長退席、山口(泰)委員長代理着席〕
○北側国務大臣 我が国の地形というのは、河川が山から流れてくるときに非常に急な流れになっているというのが我が国河川の大きな特徴でございます。欧米の大陸の河川とは、その点全く違う特性を持っていることがそもそもあるわけでございます。昨年、さまざまな災害がございました。豪雨災害もたくさんあったわけでございますが、そういう中で、今委員がおっしゃったように、山が荒れているがために土砂災害が非常に多かったということは私自身の実感としても感じているところでございます。 今、国土交通省、林野庁それから水産庁、協力をし合いながら、河川を軸としながら森、山それから海、森、山から河川を通じて海に水が流れていくわけでございますが、土砂や窒素、燐などの物質の循環と生態系の健全さに関する調査検討を協力し合って進めているところでございまして、流域全体と河川を通じて接する海域の良好な生態系の保全に向けて取り組みをさせていただいているところでございます。 また、治水面においても、昨年のさまざまな教訓から、まだまだしなければならないことがございます。しっかり取り組みをさせていただきたいと思っているところでございますし、また一方で、水環境という面では、平成九年に河川法を大改正したわけでございますが、従来の治水、利水という二つの大きな目的に加えまして、河川環境の整備と保全というのが目的として位置づけられた非常に画期的な河川法の改正であったと思うわけでございますが、当然のことながら、生態系に配慮した健全な河川環境の創出に向けて、地域の皆様と協力をしながら積極的に取り組みをさせていただきたいと思っております。
○金田(誠)委員 治山治水、これはもう一体で考えるべきこと、山、川、それが海域につながっている、これまた一体であるというふうに私などは思うわけでございます。しかし、行政的には、林野庁あるいは国土交通省という形での行政の区分が厳然としてあるわけでございます。そうした中で、本当に一体的な計画をぜひつくっていただきたい、国土形成計画というのはそういうものであるべきだ、こう思うわけでございます。 そのときに、本当に国土交通省がその取りまとめ役としてふさわしいんだろうか。林野庁、国土交通省、それを総括的に別な立場から調整をとる。私どもは、例えば、山であれば緑のダム構想というものを打ち出しております。本当のダムは河川行政の中で国土交通省の所管でございます。しかし、林野行政と相まってどういう調和のとれた治山治水が可能なのかという計画は、私は、内閣なら内閣の立場から取りまとめをするのがよりベターではないかということで、修正のお願いなどもいたしているところでございます。ぜひそうした点も御検討いただければありがたい、こう思うわけでございます。 また、この質問の中で、具体的に長良川河口堰、川辺川、八ツ場ダム等々お尋ねをしよう、こう思っておりましたが、もう時間が経過いたしましたものですから、これについては後の方に譲らせていただきたいと思います。 また、大きな項目として、過密過疎が計画でどう扱われるか、あるいは都市問題がどう扱われるか、これについても質問をしたいと思っておりましたが、前段時間をとりまして、ちょっと無理なようでございますので、これも略させていただきたいと思います。 そこで、高速自動車道について質問をさせていただきます。 まず、民主党として、高速道路の無料化ということを今まで提案をしてきたところでございますが、今回の法改正に伴う国土形成計画、これが策定されるわけでございますけれども、この中でぜひそういう観点から実現をしていただきたい、こう思うわけでございますが、その可能性はいかがでございましょうか。 〔山口(泰)委員長代理退席、委員長着席〕
○谷口政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘の、民主党として提案された高速道路無料化論についての見解かと思いますが、提案されている高速道路無料化案につきましては、債務返済に充てる財源や償還年数等が明確になっておらない、債務の返済が極めて困難であると思われます。仮に債務返済に税金を充てることになれば、高速道路を利用しない国民にも負担を求めることになり、不公平を強いることになる等々の課題が多い提案であると考えております。 今後の高速道路整備に当たっては、道路関係公団の民営化を踏まえ、民間会社になるのは十月一日を目標にさせていただいておりますが、有料道路制度を活用し、債務を受益者負担のもとで確実に返済するとともに、真に必要な道路につきまして、不断のコスト削減を行いつつ、できるだけ少ない国民負担のもとで整備してまいる所存でございます。
○金田(誠)委員 私どもの提案に対する従来の国交省の考え方であるということで今伺ったところでございます。今回の法改正に伴う新たな計画の中で検討いただければそれはそれでありがたいなと思っておりましたが、大変残念でございます。また今後引き続いて別な場で議論をさせていただきたい、こう思います。 そこで、少し角度が変わりますけれども、私かねて考えておりました高速道路のあり方、道路の高速化のあり方、こういう観点からちょっと御所見を賜りたいと思うわけでございます。 高速道路についても、他の公共事業と同じく費用対効果が重視される必要がある、可能な限り少ない費用で全国あまねく高速道路網が張りめぐらされる必要がある。しかし、現在のスキームではそれは極めて難しい、こう思うわけでございます。 例えば、比較的交通量の少ない地域では、次のような問題が生ずると思います。一般道は交通量にまだ余裕がある。しかし、高速化を図るためには高速自動車道は必要だという地域の要望は当然ある。その場合、できるならば一般道を改修して高速道路化をすれば少ない費用で効果を発揮することができると私は思うわけでございますが、今のスキームではこれは非常に難しい。結果として、高速道は全く新たに別に建設され、交通量の少ない高速道路だという評価をいただくことにもなるわけでございます。あるいは、交通量が少ないことが予測をされれば、これは建設されない、従来のままということも予想されるわけでございます。これが現在の仕組みだと思うわけでございます。 この際、特に強調して申し上げたいことは、交通量の少ない地域においても道路の高速化は必要だというふうに私は思っております。そして、そのことは必ずしも現在のグレードによる高速道路を新たに別に建設するということにこだわる必要はないのではないか、こう思っております。現在の一般国道を、例えば、郊外においては改修して高速化をする、市街地はバイパスをする、信号は立体交差にする、こういうことによって高速道化が実現できるのではないか。こうした方策がなされれば、地方は高速道から取り残されてしまうこともない、こう思うわけでございます。地方だから高速道は必要ないとは私は思わないわけでございます。 以上が私なりの一つの提案でございますが、そのためには、高速は有料だ、一般道は無料だ、こういう区分、本当にこのままでいいのか、これにも踏み込んで全体的に検討をする必要があるのではないかと思うわけでございます。そのことも含めて、今回の法改正を契機にして、全国あまねく高速道路網を張りめぐらせるということが可能となるような新たな方策、私が今提案したことも一つの方策だと思うわけでございますが、そういうことがぜひ検討できないかということを切に思うわけでございますが、いかがでございましょうか。御検討をいただくわけにまいりませんでしょうか。
○谷口政府参考人 お答えいたします。 高速道路を含みます高速ネットワークは、国際競争力の強化、地域の活性化、また、先ほど議論ございました災害時の信頼性確保等の観点から、非常に重要な社会資本と考えております。 現在の全国総合開発計画に位置づけられております規格の高い高規格幹線道路網につきましては、一万四千キロメートルの計画でございますが、現在六二%に相当する八千七百三十キロメートルが完成しているにすぎないということでございまして、できるだけいろいろな工夫をしながら早くネットワークを完成するということが肝要かと考えております。したがって、未供用区間においても、必要な道路につきましては、コスト縮減とあわせ、路線の整備効果を評価しつつ効率的に整備していく必要があると考えております。 その際、今御指摘のございましたように、既存道路を活用することで高速ネットワークの代替機能が期待できる場合には、当面、そのような道路を活用することで早期にネットワーク効果の確保を図ることも必要であると考えておる次第でございます。 早期の高速ネットワークの整備に当たって、それぞれの地域の実情を十分踏まえつつ、効果的なネットワーク整備のあり方を検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
○金田(誠)委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。 誤解のないように申し上げておけば、今のグレードで今の形で必要なところはもうそれで、必要であるという立場は踏まえているつもりでございますので、ぜひその点は誤解のないようにお願いをしたい、こう思うわけでございます。 時間がないんですが、一点鉄道についてだけ伺って、その後環境省にお尋ねをしたい、こう思います。 鉄道についての最大の問題は、独立採算の原則、それと公共事業関係費の投入が非常に少ない、あるいは非常におくれたということだと思うわけでございます。その一方で、地球温暖化対策が急務となっている中で、自動車や航空機から鉄道へのシフト、これはもう待ったなしの状況だ、こう考えるところでございます。 そこで、二つのことを提案したいと思うわけでございますが、一つは、新幹線について、公共事業関係費の投入を大きくすることによって建設を促進する。今いろいろな工夫をしながら、財源前倒しをしたりやっていただいている。これはこれで評価をしますけれども、それだけではもう限界だ。この際、公共事業関係費の大幅な投入ということが一つ考えられるんではないか、これが一点です。 もう一つは、並行在来線について、JRから経営を分離して地域の第三セクターに移管させているわけでございますが、貨物輸送を考えれば、これは、国として全国の路線網をつくる、国として責任を負うべきだと思うわけでございます。そこで、国とJR貨物を中心にして新たなスキームを検討すべきでないか、こう思うわけでございますが、この二点、いかがでしょう。
○梅田政府参考人 一点目の、公共事業費の投入を大きくすべきではないかということでございます。 先生御承知のとおり、今年度は、なかなか財政が厳しい折、公共事業予算につきましては、全体的に三・六%の削減でございました。整備新幹線につきましては、投資効果あるいは収支改善効果等を厳密に検証して、対前年度三%増ということで財源の確保を図ったところでございます。 昨年十二月の政府・与党申し合わせに基づきまして、新しい路線も着工になりました。今後とも着実に整備新幹線は整備していかなければならないと思っておりまして、厳しい財政状況の中ではございますが、所要の事業費の確保には全力を尽くしていきたいというふうに思っております。 それから二点目に、貨物の問題でございます。 貨物につきましては、御指摘のように、整備新幹線、並行在来線を分離いたします。そういたしますと、貨物鉄道ネットワークとして重要な路線も並行在来線には含まれてまいります。そういうことで、平成十二年十二月に、新幹線の貸付料の一部を活用いたしまして、JR貨物が従来の線路使用料と実質的に同じ負担で並行在来線の上を走行できるようにする、それで貨物のネットワークを維持するというような仕組みをつくったところでございます。 私ども、地球温暖化対策あるいはモーダルシフトの視点、大変大事だと思っております。今後とも、JR貨物あるいは沿線自治体とも協議しながら、こうした貨物の調整措置を活用して、必要な鉄道ネットワークあるいは鉄道輸送の維持に適切に対処してまいりたいと思っております。
○金田(誠)委員 今までもそういう形でいろいろ御尽力をいただいて、それなりに前進はしてきたと受けとめさせていただいております。しかし、今までの状態であっては不十分であるという立場から質問をいたしているつもりでございます。それをさらに飛躍させなければ、今の時代状況にレールが果たすべき役割をきちっと果たしていけなくなるんではないかという立場でございます。ぜひ一段飛躍をさせるということでお考えをいただきたい。 そういう観点からいっても、この国土形成計画の取りまとめ、これはやはり内閣が責任を負って、財務省その他を管轄しながら取りまとめるレールにシフトすべきだという形をきちっと打ち出すことが必要だと私は思っておりまして、そういう観点も含めて今まで修正のお願いをしてきたということをつけ加えさせていただきたい。今後、飛躍に向けてもう一段階ステップアップするということで、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。 用意してきた質問が大変中途半端になりまして不本意でございますけれども、残された時間で環境省に質問をさせていただきたいと思います。 五月、六月で追加調査をするということはどういう結果であったか、まずその辺をお聞かせいただいて、仮に、五月、六月で追加調査をして、七月にその評価書の補正を終えるということはとんでもない話である。全く、こちらから県に要請をしている、お願いをしている、指示をしている内容からすれば、それではもう調査の名に値をしない、私はそう思うわけでございますが、その辺のところをきちっとお答えいただいて、最低でも通年の調査ということが保証されるような、そういう措置をとるという明快な御答弁をいただきたいと思います。
○桜井政府参考人 アセスメント手続全体を私ども担当しておりますので、私の方からお答えをさせていただきたいと思います。 県の方に今この時間に確認をいたしましたところ、新石垣空港整備に係る小型コウモリ類検討委員会というものが、直近では五月の十六日に開かれております。次回は六月十三日に開くということでございます。 五月十六日の委員会の際には、五月と六月の調査ということが示されてはおります。ただ、五月の調査というのは当然、ですからもう既に行ったと思いますが、委員会を六月の十三日に開きまして、調査全体の方針というのはまだこれからさらに議論をするということでございます。 それから、評価書の補正作業を七月中に終えるのかということでございますが、これにつきましても、補正作業全体を終えるということを七月に決めたということはないということでございますが、ただ、事業全体の進捗等々を考えますと、県としてはそういったようなことも希望はしているようなことではございました。 いずれにいたしましても、この専門家の委員会というものが六月の十三日に開かれるということでございまして、そこで御指摘のような調査の時期等もまださらに議論がされるものであろうと考えております。 なお、冒頭に私の方からお答えさせていただきましたけれども、県の方において、環境大臣の意見あるいは国土交通大臣の意見を踏まえて適切に対応していただけるものというふうに私どもでは考えております。 以上でございます。
○金田(誠)委員 そこで、このコウモリ検討委員会にも問題があるわけです。コウモリの専門家というのはもう全国でも少ないということは先ほども申し上げました。その中からごくわずかの方しか専門家は入っておらない。そのうちの一名の方は委託調査を県から請け負っている方である。したがって、NGO団体からは、公正な立場の委員とは言えないのではないか、解任と新委員選任の要求というのが出されている、こういうことは御存じだと思うんですが、そういう状況にコウモリ委員会自体があるわけでございます。そういう中で、五月、六月、あるいは七月での最終というようなことが打ち出されてきている。ですから心配をして申し上げているわけです。 五月、六月ということはもう出ているという話、そのこと自体が問題ではないですか、そのこと自体が。次に委員会が適切に判断されるだろうということで安心をしていられる状態ではないわけですよ。だから申し上げている。既に五月、六月ということが出ていること自体、全く指摘を踏まえていないじゃないですか。だから、適切な、きちんとした調査ができるような対応をしていただきたいと、再三、本来の質問を割愛してまで申し上げているわけですよ。もう一度、その辺はっきりしてください。
○小野寺政府参考人 まず、五月、六月というのは、我々の意見書と同時並行で、調査全体を前倒しでしているという事実があります。また、調査の方法、項目、スケジュールについては、先ほど審議官の方から御説明申し上げたとおり、五月、六月、来週ですか、検討会を開いて準備をする、方向を決めるということになっております。 我々の事業の評価書の中で、自然環境一般、とりわけコウモリについてかなり厳しい意見をつけたというふうに我々は思っておりますし、また、そこを受けて、いつになるかわかりませんが、結果が出たときにもそういう観点で、コウモリその他自然環境の保全の観点でしっかりと見てまいりたいと思っております。
○金田(誠)委員 時間が参りました。どうぞひとつしっかりとした調査をしていただきたい、重ねて御要請を申し上げまして質問を終わります。 ありがとうございました。
○橘委員長 穀田恵二君。
○穀田委員 JR西日本から安全性向上計画が国交省に提出されたことを踏まえて質問します。 JR西日本の安全性向上計画について、私の地元、京都新聞の解説では、「同社が列挙した「反省点」の多くは、過去にも改善の必要性が指摘されていた。安全対策に消極的だった同社の姿勢が、かえって浮かび上がる形となった。」と書いています。私は全く同感であります。 京都駅のインシデント、事故の原因が余裕のない時間設定にあった、こう指摘をした事故調の指摘を生かさずに、新型ATSの設置も福知山線だけ後回しにし、安全投資を削った。大阪支社では、事故件数がふえていたのに、経営方針の第一に「稼ぐ」を掲げた。安全軽視も甚だしいものでした。事故で亡くなられた遺族の方々やけがをされた方々からは、今さら何をしても遅い、なぜ今まで対策を講じなかったのか、本当に実行できるかなどの厳しい感想が出されています。 一つ確認したいんです。JR西日本の査察に入ったとき、大臣は、社会、国民が注目している、言葉を選んで表現してほしいなど、対応した垣内社長にくぎを刺した。そして、安全性向上計画の反省文に対して、心からの反省が感じられないとして書き直しを求めたなどと報道されています。これは事実でしょうか。
○北側国務大臣 そういう報道があったことは知っておりますが、私の方から申し上げたのは、今委員もおっしゃっていただきましたが、これは私どもの方から安全性向上計画を提出してください、五月末までに出すようにということを指示いたしました。 しかしながら、私がJR西日本の方に申し上げましたのは、これは鉄道局を通じて申し上げているわけでございますが、この安全性向上計画というのは、国土交通省に提出する文書というのではなくて、やはり、こうした大惨事が起こったわけでございます、被害者の方々はもちろん、また利用者の方々ももちろん、国民の皆様にあてた文書である、再発防止策である、そういう思いを込めてこの安全性向上計画はぜひ取りまとめていただきたい、こういうお話をしたことは事実でございます。 ただ、具体的に、どこどこの文章はどうだこうだと言ったことはございません。
○穀田委員 大臣が事細かにこれをしろ、あれをしろ、そんなことを言っているとは言っていないんです。問題はその観点でして、今お話あったように、単に反省だけじゃなくて、事故再発防止、私に言わせれば、なぜこの事故は防げなかったのかということとあわせて、しっかりすべきだし、同時に、亡くなられた方々やけがをされた方々、国民に対してこれが社としての考え方ですと出す立場、これは当然だと思います。 そこで、別の報道では、国交省が最も重視したのは責任逃れの企業体質だった、水面下で調整を続け、一度、原稿書き直しを命じている、とても世間に出せるものではなかった、弁解が多く、会社には非がないと言わんばかりの中身だったと幹部が明らかにした、こう報道されています。 実際、その原案というのはどういう中身だったのか、知り得る範囲内、また、ないしは明らかにできる範囲内で言っていただければ幸いですが、いかがですか。
○梅田政府参考人 安全性向上計画の原案というのは当然ございますけれども、今先生がおっしゃったようなコメントは、少なくとも私はしておりません。それから、原案につきましては、当然でございますが、いろいろなレベルで作成してまいっております。したがいまして、練り上げていく過程というのはございますし、向こうからも相談を受けた案もございます。 しかしながら、今回、最終的に会社として、社長として、世間に対して、社会に対して出た文章が会社の意思、社長の意思でございまして、途中区間の文章につきましては、これはいろいろやりとりがあったのは当然でございますけれども、それは十分会社の意思を反映していたかどうかは、私どもはっきりわかりません。原案をつくる過程で会社の中でよく議論がなされたものだと思っております。
○穀田委員 わかりやすく言えば、局長は言っていないが、ほかが言ったかもしれないという部分もあるし、それから、相談を受けてやりとりをしたということは事実だと。 だから、この経過からはっきりしたことは、第一に、JR西日本の安全性向上計画というのは書き直さなければならない、つまり、原案ではだめだったということははっきりしていると。その意味では、もちろん、やりとりがあったわけですから、結果としては最終の会社の方針でありますが、しかし、その点では練り上げるという意味合いがあったわけで、その意味で、みずから考えた、最初に考えたものではなくて、確実に実行するかどうかについては不安が残る、これがみんなの思いだと思います。 それから、第二に、今お話あったように、相談を受け、そして練り上げたということですから、国交省については、当然ですけれども、JR西日本の計画を遂行させる責任があると思うんです。つまり、国交省が、この安全性向上計画を確実に実行するかどうか監視、監督するにとどまらず、実施させる責任というものを深く負っていると考えていいですね。
○梅田政府参考人 安全性向上計画というのは、御承知のように、これはJR西日本が私どもに提出してきた計画でございます。 前文を読んでいただければわかりますけれども、ここの計画の中身につきましては、社長みずからが自署したペーパーでございますが、確実に、これはやります、約束しますという言葉が入っております。 私どもは、そういう計画ではありますが、この計画は着実に実施していただきたいと思っておりまして、今後一年程度、重点的に立ち入りもし、それから監査もしながら、その実施状況につきましてフォローアップしてまいりたいというふうに考えております。
○穀田委員 そこで、この間で言いますと、何度か指導の経過があったわです。今度ばかりはどうしてもきちんと実行させる必要があると。 安全性向上計画、あります。全文読みました。なかなか、でも、これを見ても、自分たちの行動計画なんかも見ますと、例えば一年間で、今お話ありましたように、ずっと見ると言っていましたけれども、例えば、安全が社会的責務である、徹底するために、三カ月間を緊急安全点検期間と定めるとかあるんですよね。こんなもの、三カ月程度じゃ話にならなくて、国民からすれば一年間きちんとやってもらいたいぐらいの話ですよ。だから、言葉だけでなくて、どこをどのように強めるかが重要です。 私は、この間、このJR問題について何度も質問をしてきました。その際に、今回の事故をなぜ未然に防ぐことができなかったのか、それから、国の監視、監督は十分役割を果たしていたのか、そして国の安全基準は明確だったか、そして事業者任せになっていたんじゃないかなど提起してきました。これらを踏まえて、私は、国土交通省みずからが深い反省と分析、検証が必要だと考えているんですね。そういう角度から中心点について質問します。 まず、二〇〇三年十二月のダイヤ改正の届け出に関して聞きます。 JR西日本が、二〇〇三年十二月のダイヤ改正、私これまでも何度も取り上げてきました。福知山線の快速電車の停車駅、中山寺駅をふやした際に、運転曲線図をつけずに、運行計画変更届出書を近畿運輸局に提出、運輸局はそのまま受理していた、このように報道されています。 そこで確認したいんです。鉄道事業法施行規則では、運行計画設定(変更)届出書、いわゆるダイヤ、列車運行図表とともに運転曲線図を添付することになっているが、この運転曲線図を添付させる理由は何か、お答えいただきたい。
○梅田政府参考人 運転曲線図でございます。ランカーブと我々は呼んでおりますが、このランカーブというのは、最終的にそれを出させて何を見るかといいますと、駅と駅との間の基準運転時分というのがどのぐらいになるかというのを見るものでございます。
○穀田委員 駅と駅との基準時分を見るんだということですわな。そうすると、余裕時分があるかどうかというのが、ここが肝心なんですね。 それで、これが、皆さん御承知かと思うんですが、大体、いわゆる編成というダイヤでして、こんなふうに、大臣は御承知だと思うんですが、全然時間的余裕がないということ、これはよくわかるんですね。 それとあわせて問題になっているのは、今図表と言いましたけれども、運転曲線図と言いましたけれども、これは距離に対する速度と時間の関係をグラフ化したものでして、単に時分がわかるだけじゃなくて、列車の走行状態を示したものなんですね。こんなことを私が解説しなくちゃならぬという自体が困る話だけれども。距離と走行時間を横軸にして、速度などを縦軸にして、今お話あったランカーブの曲がりぐあいが決まるわけですね。これは実は速度制限も読み取ることができるという仕掛けになっています。 私、これ、持ってきたんですが、これが快速電車の列車のものなんですね。これが普通列車のものなんですね。それぞれ違うんですよ、当然、当然のごとく。今お話あったように、一般的には、この曲線図がなければダイヤどおりの運行が可能かどうかは検証できないものなんですね。それほど大切なものなんです。つまり非常に大事で不可欠な資料だと。 快速電車の停車駅をふやしたら、今ありましたけれども、駅と駅との関係ですから、当然、駅でとまるダイヤととまらないダイヤでは運転の仕方が違うわけですね、ランカーブ自身が。だから当然提出されたダイヤがチェックできる、そういうものなんです。しかも、停車駅をふやした上に余裕時分を削られていると。だから、注意して見れば、本当に大丈夫かという疑問に思えたはずなんです。 このときJR西日本に規定どおり曲線図を出させてチェックしていれば、余裕時分がないこともわかり、事故を防ぐことができたかもしれない。なぜ曲線図を提出させなかったのか。私は、これはやはり重大なミスだと思うんですね、国交省の。問題は、こういう甘い、そのときのチェックが悪かったというだけじゃなくて、私は、届け出制にしている、そういう意味でいうと事業者側の言いなりになる、認可制にするなどダイヤのチェックを強化すべきじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○梅田政府参考人 まず、先生御指摘のダイヤ、二〇〇三年十二月のダイヤ改正についてでございます。この際に運転曲線図をなぜ添付させなかったのかということでございます。 二〇〇三年十二月のダイヤ改正では、福知山線の快速列車、これが中山寺駅に停車することになりました。宝塚駅、中山寺駅、川西池田駅、この間は快速列車も各駅停車と同じになりました。 このため、改正後の宝塚駅—川西池田駅間の運転曲線図につきましては、この区間ですね、これは一九九七年三月のダイヤ改正に届け出された各駅停車の運転曲線図と同じになりました。 したがいまして、当該駅間の快速列車の基準運転時分も各駅停車と同じになりました。その所要時分が基準運転時分を下回らないということを確認できました。したがいまして、安全性は確保されていると判断いたしまして、新たに快速列車の運転曲線図の届け出は求めなかったものでございます。そういう面で安全性は確保されております。 それから、もう一つの問題、ダイヤについては届け出ではなくて認可にしたらどうかという御指摘でございます。 ダイヤにつきましては、我々が見ておりますのは駅と駅との間の基準運転時分のところでございます。全体のダイヤは客扱いの程度で変わってまいります。駅に着きまして何秒間停車するか、これは列車の構造、ホームの構造、お客さんの乗りおり、それから駅の構造、これによって全部変わってきます。 したがいまして、個々の細かなダイヤにつきましては、事業者の方が、利用者あるいは中の部内での議論を踏まえながら適切に設定できるというふうに思います。したがいまして、私どもとしては届け出制で今後十分であるというふうに考えておりますが、なおこういう点につきましては引き続き検討してまいりたいと思っております。
○穀田委員 その点では相変わらず西日本と同じような感じだというのを思いました。要するに反省がないということですよ。つまり、運転時分の余裕時間がないということが、あれは確かだったんです。そこを見抜けなかったということについて反省がないということは、僕はえらいことやなと思いましたね。つまり、今後ともそういうことについて余裕時分を見ることがないということを宣言したみたいなものだと思って、私はそれは間違っているということを言っておきたいと思います。 しかも、鉄道事業法施行規則ではどう書いているかというと、「既に提出されたものと異なるときに限る。」と書いているんですよ。既に提出されたものと、快速電車のものは快速電車と登録されているんですよ、違うんですよ。だから、それは出すべきなんですよ。そういう点を言っているようじゃ、ちょっと大変やなと私は率直に言って思います。 だから、自分たちがやってきた中で、せめてあのときに点検しておればということがないということが、私は恐ろしいなと思います。だから、そういうことを平気で言ってごらんなさいよ、いろいろなところへ行って。全部、集まった被害者の方々に、我々は間違いなかったと言ってみろというんだよ。私は絶対許せない、そういうことは。 それで、少々の問題について言うならば、あの余裕時分を見抜けなかったということについて、あのことがもたらした責任は単にJRだけにあったんじゃなくて、それを見逃したということについて、しかも最速の時間で行けば十五秒しかとまる時間がないという問題も知っていたと。そういうことをあわせて、全体として反省すべきだと言っているんですよ。けしからぬと私は思いますよ。 では次に、制限速度の問題について聞きます。 北側大臣はこの間、予算委員会などで、制限速度が守られていたら今回の事故は起こらなかった、そして、事故列車は異常な速度超過が行われていたと考えられるので、常態化していないかどうかを調査する、さらに、列車の速度を記録する装置の設置について義務化を検討すると述べています。これは当然だと思います。 そこで、列車の制限速度を守るということは安全運行の最も根幹です。事故列車がなぜ制限速度を守らなかったのか、あるいは守れなかったのかについて検討する必要があると考えます。JRは大体、そういうときは必ず言うんですね、先ほどの梅田局長と同じですね、制限速度を守るように指導してきた、あるいは、回復運転の指示は制限速度の範囲内で行っている、これを繰り返し述べているんです。そうでないことは、運転されている方が次々と証言していますから、そういう点は既に破綻をしているわけですが、それはさておいて、そこで、制限速度を守る、守らせる行政側の対応についてどうだったのか、聞きます。 道路だと、自動車の制限速度は法律で決められています。違反すれば罰金などの処罰の対象です。では、鉄道の場合、制限速度はだれが決めるのか。二つ目に、違反した場合どうなるのか、処罰はあるのか。ここを聞きましょう。
○梅田政府参考人 制限速度につきましては、鉄道に関する技術上の基準を定める省令第百三条におきまして、線路及び電車線路の状態、これは電線でございますが、電線の状態、それから車両の性能、運転方法、信号の条件、列車防護の方法等に応じ、安全な速度で運転しなければならないと規定しております。具体的な制限速度につきましては、この規定を受けまして、鉄道事業者においてこの規定に適合するように定めた上で、実施基準として国に届け出をされるという仕組みでございます。 速度違反によって事故等を引き起こした場合には、その内容によりますが、動力車操縦者運転免許に関する省令第六条の規定に基づきまして、そういう者に対しまして運転免許の取り消し、あるいは停止処分等ができるということになっております。
○穀田委員 簡単に言えば、要するに事業者を中心にやられている、任せにしているということですわな。私は、制限速度は自分で決め、違反をしてもとがめる者はいない、この状態、仕組み自体がおかしいと考えます。事業者が自主的に決める制限速度が本当に適切なのか。 新快速は、百三十キロで走れるように、車両の構造をアルミサッシにして、薄いところは一ミリしかなかったというんですね。だから、車体を軽くしているわけです。大惨事につながった車体構造も、速く走るためということがまかり通っている。今回の事故の教訓を踏まえて、制限速度は、私は、道交法に倣って政令で決めるなど、法令で規定すべきじゃないか、速さだけを競う車体の構造についても根本的に見直す必要があると考えます。今回の事故の二〇七型車両、また信楽鉄道の事故などの教訓から、車両の軽量化が事故後の二次災害となっていることも明らかです。したがって、乗客を保護することを目的とした車両の構造基準を定める必要がある。 この二つの点、つまり、制限速度についての法令化、そして、構造基準についても定める必要があるんじゃないか、この辺はどうですか。
○梅田政府参考人 お答えいたします。 制限速度につきましても、先ほど言いましたように、技術上の基準に従って自主的に決めるというような仕組みでございますが、制限速度、これは、先ほど言いましたように各線区によって、日本は大体二万七千キロぐらいの鉄道があるんですが、この鉄道個々によりまして、全部一律に決めているわけではないんです。先ほど言いましたように、電車の構造だとかその路盤の構造だとか、いろいろなものを勘案しながら、安全な速度で決めるというやり方にしているんです。これは千差万別でございます。したがいまして、走っている車両その他考えますと、道路とはちょっと、線路の場合は若干違うところがあると思います。 したがいまして、この制限速度の問題等、これから技術上の基準につきまして全体的に見直しをしながら勉強していきたいというふうに考えておりますので、いろいろな検討項目を今我々として考えております。そういうものの中で、どういうようなことができるのか、少し議論はしてみたいというふうに思っております。 それから、構造の基準でございますが、構造につきましては日比谷線の事故のときの教訓がございまして、現在、鉄道総研で、実際に車体の強度につきまして実験をし、コンピューターの解析もやっております。 今回の事故を踏まえまして、私どもといたしましては、車体の強度につきましても、これは前後の強度だけではなくて横からの強度、それから、仮にその強度を維持したときに、中に乗っている乗客の方のいわゆるサバイバルファクターというんですが、どうしたら余分な打撃を受けないようになるか、そういうような問題につきましてもさらに研究、それから検討を深めていきたいというふうに考えております。
○穀田委員 それはぜひそうしていただくと。 では、あと二つだけ、事故報告に関して聞きたいと思うんです。 事故の予兆をつかむということは、重大事故を防ぐためにも重要です。JR西日本の事故報告について調べてみますと、省令で定める報告以外に、JRではこれまでも、責任事故、反省事故1、反省事故2、ヒヤリ・ハットなど分類して報告される制度があったと聞いています。国交省はこの内容をつかんでいるのかということであります。そこの一点だけ、簡単に。
○梅田政府参考人 鉄道事故等報告規則では、脱線等の運転事故、それから運休等の、これは運休あるいは三十分以上の遅延でございますが、輸送障害、それから事故が発生するおそれがあると認められる事態、これはインシデント、こういうようなものについての報告を求めているところでございます。 今先生御指摘の責任事故といいますのは、私ども、責任事故、反省事故1、反省事故2、ヒヤリ・ハットという分類、これは社内的な分類でございますが、例えば責任事故の一部、これは三十分以上の遅延というのが書いていますが、これは我々の方に報告がありますけれども、例えば十分未満の遅延とか、あるいはヒヤリ・ハットとか、こういうような部分については私どもの方に報告できるような仕組みになっておりませんので、JR西日本が社内で独自に把握しているこのようなトラブルにつきましては、網羅的には把握していないということでございます。
○穀田委員 なぜこんなことを言っているかというと、実はこの分類というのは、社内における、乗務停止を含む再教育の期間と連動していたんですね。だから、こういう問題が、いわゆる日勤教育ということで指導をしているわけだから、そういうものと連動している内容について、つかみながらやる必要があるということが一つ。 もう一つは、予兆というのは、その意味でいうと大事でして、彼らの分類がどうあるかは別として、いわゆる事故報告規則の内容よりも非常によく分類されていて、もっと細かいわけですよ。それ自身も私は改正する必要があるという角度から聞いているんだということを言ってほしいと思うんです。何かありますか。簡単にして。
○梅田政府参考人 これからの検討でございますが、オーバーランなどのミスが今回いろいろ指摘されました。すべて報告を求めるということにつきましては、現場に必要以上の負担をかけてはいけないという面もございますが、こうしたミスをどこまで国への報告対象にするか、こういう点につきましても、今後慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
○穀田委員 もう一点。やはり現場で起こっている事態についての改善方をよく指導してほしいと思うんです。 これは、一点だけ言っておきます。仕業点検の検査項目の中で、運転士が、発車前、発前というんですか、点検で検査するものについては車両管理係が行う検査の項目から外してしまって、二重にチェックする方式で行っていたものを運転士一人にしたとある、こういうふうに私、この間、現場に行って聞きました。安全運転を強化すべきときに、逆行する事態が起こっている。こういうものはやはり直ちに改善の指導をすべきだ。そういう一つ一つの、やはり出ている現場の意見を重視していただきたいと思っています。 最後に、私は、体制の問題について一言だけ言っておきたいと思うんです。 JRが民営化したのは、既に長い期間たっているわけですけれども、当時、国鉄だった時代について言えば、鉄道の安全にかかわる人員はそれなりにいたことになります。ところが、民営化されて国の機関ではなくなった。そこで、民営化されて以後、鉄道局など鉄道の安全にかかわる国の人員はふえたのかどうか、どうですか。
○梅田政府参考人 国鉄の改革に伴いまして、それまで国の規制につきまして民鉄とは異なっておりました国鉄がJRになりまして、民鉄と同じ扱いになりました。その結果、JR等に対する許認可等が大幅に増加しました。また、JRがみずから担っておりました鉄道の技術基準の策定、技術開発、こういうような面につきましても国が多くの役割を果たすことになりました。 そこで、こういう業務量の大幅増加に対応するため、私どもとしては、体制強化あるいは定員増強を図ったところであります。国鉄改革前の昭和六十一年でございますが、それと比較いたしまして、本省は五十一人でございましたが、国鉄改革後の、三年でございます、これは鉄道局が発足した年でございますが、五十一人が六十人に、地方運輸局は、それまでの九十人から百四十七人に増員いたしました。これは技術系の職員の数でございます。
○穀田委員 ただ、誇れる数字じゃ余りないんですよね、皆さん、わかるんだけれども。 例えば、これは最後にしますけれども、同じ安全をつかさどっていることでいいますと、自動車でいうと、地方でいうと千二百九十九人もいるんですね。本省で七十五人ですよ。そして、空の安全をつかさどっている関係でいいますと、本省で三百五十七人ですよ。地方でいいますと四千五百六十二人ですよ。 ですから、私は何もけなして言っているのではなくて、もっとふやす必要があるということを言っているんですね。応援しているという意味じゃなくて。これはやはり、国交省の中でも、自動車局や航空局には、安全にかかわる部があるんですよ。十分とは言えないけれども、技術系の技官もそれなりにいるんですね。鉄道局には、部もない。だから、こういう点を改善する必要がある。 したがって、私は、実際の安全チェックを行う地方運輸局の鉄道部の人員を補充し、地方運輸局に鉄道監査を主体とする専門官を配置する、増員する、こういったことも含めて体制を強化する必要があるということで、全体の安全をさらに充実していく必要があるということの提案だけ申し上げて、終わります。
○橘委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時五分休憩 ————◇————— 午後一時一分開議
○橘委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。三日月大造君。
○三日月委員 民主党の三日月大造です。 それでは、午前中の時間に引き続きまして、この時間は、国土総合開発法等の改正審議ではありますけれども、与野党の理事会の合意事項に基づきまして、当面する課題について質問をし、確認をし、そして問題提起をさせていただきたいと思います。 JR西日本福知山線列車脱線事故についてです。 甚大かつ悲惨なあの事故から四十四日目を迎えました。四十九日というのが一つの大きな節目ではあるんですけれども、御遺族の方々にしてみれば、御家族を失われた悲しみはなお強く、そして深まるばかりだというふうにお察し申し上げます。改めてお悔やみと哀悼の意を表します。また、直接的、間接的に、この事故でお体そしてお心に傷を受けられた方も大勢いらっしゃいます。お見舞い申し上げながら、一日も早い御回復をお祈り申し上げます。 事故発生直後から、当事者JR西日本の、安全を守るという意味においての企業体質や風土も含めてさまざまな問題点が露呈もしました。安全を最優先に確保すべき鉄道事業者としてあるまじき対応等も見られて、非常に残念で遺憾です。 今回、反省や改善、補強というものも行われながら、まだまだこれから実行段階だと言われておりますけれども、安全性向上計画というものが五月三十一日に出されて、信頼回復に向けた歩みというものが始められ、同時に、昨日から当該線区におきましても、運転再開に向けた準備も列車を走らせた形で行われているところであります。 こういう事故が起こっても鉄道は運行しているんですね。私がある駅に立っていたときに、何らかの形で鉄道や鉄道の安全に対して抗議をしたいけれども、我々は会社に行くときに鉄道は利用せざるを得ない、JR西日本は乗らざるを得ないんだ、どうやってこの怒りをぶつければいいんだ、頼む国会議員、国会においてもしっかりと安全を守るための問題提起をしてくれという強いお怒りの声も多数いただいております。 こうした中、JR西日本、その他のエリアも含めて、置き石だとか置き自転車だとか列車妨害、乗務員に対する誹謗中傷、暴言、暴行などもあって、鉄道の安全を守るという意味において憂慮すべき事態も全国各地に起こっているところであります。一日も早い信頼回復に向けて、多くの方々、国民が利用される交通機関でありますので、国を挙げての取り組みというものが求められております。 これからの時間は、これまで、事故が起こるまで、そして事故発生直後以降行われてきた取り組みを検証しながら、二度とこういう事故を再発させないための対策をいかに講じていくのかという視点で、大きく三点にわたって問題提起、御質問をさせていただきます。 一つ目は、被害者救済支援の現状についてです。 何といいましても、大勢の方々が被害に遭われた大事故です。この間、行政当局も、国交省、厚生労働省、警察も含めて、被害者の方々に対する支援が表明されて実施されているところでありますけれども、事業者JR西日本との役割分担も含めて、この間、行政当局が行ってきた被害者支援というものに対する現状、特に心のケアに対しては相談窓口等々も開設をされているやに聞いております。労災相談、申請等も順次行われているところではありますけれども、その実態、現状についてお伺いをいたします。
○梅田政府参考人 JR福知山線事故の被害に遭われた方に対する補償などの救済措置につきましては、一義的には、事故を起こした当事者でございますJR西日本が実施すべきものでございます。しかし、亡くなられた方の御遺族あるいはけがをされた方の心のケアのように、JR西日本にゆだねていたのでは被害者の救済が図られにくい面がございます。こういう面につきましては、行政といたしましても、関係機関が連携しながら、被害者に対する適切な支援策を講じているところでございます。 先生、今御指摘の心のケアに関しましては、兵庫県あるいは尼崎市などの地元自治体が中心になりまして、こころのケアセンターなどの関係機関における電話相談あるいは対面相談、こういう取り組みがございます。私どもといたしましても、厚労省に対しましていろいろ御支援方をお願いすると同時に、厚労省からも専門家を現地あるいは自治体へ派遣するなど支援体制の強化を図っているところでございます。 また、労災保険上の通勤災害等に関しましては、厚労省の方におきまして迅速な対応のための体制を整備されるなど、被害者の救済のため行政として必要な措置につきましては、関係機関がそれぞれ適切な対応策をとってきているところでございます。
○松谷政府参考人 厚生労働省からお答えを申し上げます。 今回のJR福知山線の脱線事故に係る一つは労災保険給付でございますが、この請求、相談につきましては、六月七日現在で、相談が二百十七件、請求件数は十件となっているところでございます。 また、今先生御指摘の心のケアに関する相談につきましては、事故直後から、兵庫県及び尼崎市を初めとする自治体が中心となりまして対応をしていただいておりまして、六月四日現在で申しますと、兵庫県において二百二十三件、尼崎市、西宮市、神戸市の三市におきまして百八十四件、合計で四百七件の相談を受けているという状況にございます。また、地域の労災病院あるいは産業保健推進センターにおきましても、心のケアに関する相談を受け付けておりまして、現在、総計で二十八件の相談を受けたというところでございます。 今後とも、心のケアの対応を初めといたしまして、地元の地方自治体あるいは関係省庁とも十分連携しながら、必要な支援、対応を講じてまいりたいと考えております。
○安藤政府参考人 お答えいたします。 兵庫県警察では、事故当日、警務課被害者対策室長以下約六十名から成ります被害者対策隊を編成いたしまして、発生地、警察署、病院あるいは遺体安置所に派遣いたしまして、JR側と連携しつつ、被害者家族や来訪者への対応、被害者家族等への情報提供、さらには遺体確認時の遺族連絡や家族への付き添いなどを実施いたしますとともに、被害者からの要望の聴取、民間被害者支援団体等関係機関の紹介等の支援活動を実施してまいったわけでございます。 加えて、御遺族の居住地を管轄します警察署を中心に、遺族宅への訪問活動とか被害者の手引の交付、さらには捜査の進捗状況の説明を実施するなど、引き続き被害者への適宜適切な情報提供と要望の把握に努めているところでございます。
○三日月委員 事故発生直後から、国、地方自治体レベルでもそれぞれの窓口でさまざまな被害者支援の対応がとられているんだと思うんですけれども、大臣、今のそれぞれの部局の答弁を聞いてどのようにお感じになられたでしょうか。 といいますのも、内閣府の犯罪被害者等施策推進室の解釈、見解によれば、今回の事故の被害者というのは、四月一日に施行されました犯罪被害者等基本法の第二条に規定されている「犯罪被害者等」というものに該当するということなんですね。この法律においても、被害者の権利擁護のための国や地方自治体の施策実施の責務というものがうたわれておりますし、国民の責務として、「犯罪被害者等の名誉又は生活の平穏を害することのないよう十分配慮」ということが言われています。 何が言いたいかと申し上げますと、さまざま、ばらばらで、御家族を亡くされた方、一家の大黒柱を失われた方、最愛の息子さんや娘さんを亡くされた方々が、時期を追ってもお心の感情その他は違うと思いますけれども、待ち受け型の窓口に、例えば補償、賠償の窓口が違う、心のケア、相談の窓口は違う、そして手続、労災も含めて手続の窓口はまた別々だ、税の免除といえばまた税務当局に行かなければならない、こういう体制というのはいかがなものかということがまず一点。 そして、特にこの間の報道機関の、御遺族の方々に対して心ない取材をされる、御近所の方々にまで含めて取材をされるという取材攻勢。最近、関係者に聞けば、便乗詐欺、御家族を亡くされた方々に宗教の勧誘だとか、便乗詐欺といったような二次的な被害も報告をされています。まだまだ御遺族の方々もそんな外に向かって言えるような状況ではありませんので、なかなか表には出てこないところではありますけれども、そういう問題も指摘されているところであります。 こういう事故被害者の支援のための一元的な支援窓口というものを、時を追って支援が必要な内容というのも変わってくると思うんですけれども、設置をしていくべきではないかと考えますが、大臣、いかがお考えでしょうか。
○北側国務大臣 被害者の皆様へできるだけ丁寧にまた親切に対応していくのは、当然であるというふうに思います。また、被害者の立場に立って、どこに行ったらいいのかわからないだとかそういうことがないように精いっぱいの、最大限の配慮をしなければならないというのも、またこれも当然のことであるというふうに思っております。ただ、それぞれの機関にそれぞれの部署の役割がありまして、いずれにいたしましても、一つの窓口ですべてが解決できるというわけにはなかなかいかないわけでございます。 事故発生直後から、関係機関がよく連携をしようということは、政府部内でも強く連携をとろうということは言っておりまして、関係省庁局長会議というものを事故発生直後より設置しておるところでございます。今幾つかの省庁から報告があったわけでございますが、関係機関が緊密に連携して適切な対応を図るという体制をとっているところでございまして、そこにさまざまな課題につきましても報告がなされているものというふうに思っておるところでございます。 いずれにしましても、それぞれの機関が被害者への万全の対応をしていくことが大切でございまして、今委員がおっしゃったように、これからまたそうした被害者の皆様の困ったことというのは変化してくるとも思われます。そういうものにもしっかりと対応できるようにしてまいりたいと思っております。
○三日月委員 それぞれの機関がそれぞれの役割があることは認識をしておりますし、この間それぞれ関係者の方々が御尽力いただいていることは存じ上げております。 先ほど局長が、この間の取り組みで適切な支援が行えているという御答弁をいただきましたけれども、しかし、適切な支援が行い得ているかどうかという検証はやはりしていかなければならないと思いますし、いろいろな実態、事例が明らかになってきているわけですから、もちろん、第一義的には、事故との関係の深いJR西日本、当事者としての被害者支援を行っていくべきだと思いますけれども、それだけでは十分に行い切れない部分に行政として一元的に、例えばどこに行けば労災の手続ができる、どこに行けば損害賠償、補償についても相談ができると。必要であれば、弁護士、社会保険労務士等々の陣容もそろえていく必要があるかもしれません。そういう、今後事故が起こったときに、被害者の支援が適切に行える体制をやはりとっていくべきだということも問題提起としてさせていただきたいと思います。 それでは、二つ目の大きな問題として、今の事故調査の現状ですね。どのようになっているのかということです。 この間、事故調査委員会、警察、そして事業者、それぞれの機関がいろいろな形で調査、捜査を行われております。しかし、何が事実なのかなと。今後、何が原因だったのか、そして再発防止のために何が必要なのかということを国会においても、そして事故調査委員会においても議論をするときに、何が事実なのかということが非常に大事だと思うんです。 残念ながら、速度、一体あのカーブを何キロで通過したんだということに対しても、また当該運転士があの区間をどのような運転を行ったのかということについても、またオーバーランの距離も含めて、いろいろな情報が出ているんですね。例えば速度については、百八キロだったとか百二十キロを超えていたんじゃないかとか、非常ブレーキについては、朝起きてから、宝塚に据えつけてから当該の箇所に至るまでに四回非常ブレーキを作動していたのではないかとか、オーバーランについても、八メーター、四十メーター、六十メーターといろいろな情報が報道されているわけでありまして、事故調として、警察として、事実として発表された情報というのは一体何なのかということをここで整理をしていただきたいと思います。
○福本政府参考人 事故調査委員会でございます。お答えをさせていただきます。 事故列車の速度、それから非常ブレーキ、オーバーラン等の事実につきましては、車両に搭載されておりましたモニター装置あるいはATS—Pの記録装置に記録が残されてございましたことから、これらを回収いたしまして、現在分析を進めているところでございます。 現時点で判明いたしております具体的な内容といたしましては、宝塚駅に進入する際に非常ブレーキが二回作動したことを示す記録がございました。その後、伊丹駅と事故現場付近でそれぞれ非常ブレーキが一回作動したことを示す記録が残されておりました。また、オーバーランにつきましては、伊丹駅で事故列車が後退した、後ろに走ったということでございますが、後退したことを示す記録が残されておったということでございます。 今後、来週でございますが、六月の十三日から十六日までの四日間、試験列車によるデータの採取を行いまして、さらにこれらの記録の分析を進めまして、当該事故列車の速度及び位置などの運行の経過に関する分析を詳細に進めてまいりたいと思っております。
○岡田政府参考人 警察における捜査状況等について御説明を申し上げます。 兵庫県警におきましては、事故当日、刑事部長を長とする捜査本部をつくって、現在、事故原因等の解明に向けた捜査を推進いたしております。 今までのところといいますか、特に事故発生直後の初動におきましては人命救助ということが最優先になりますが、そうしたことを前提として、必要に応じて事故車両、レールあるいは関係書類等の領置、差し押さえを実施し、救出作業後は、事故現場、車両等の検証等を実施しております。現在、押収した事故車両等や関係書類の鑑定、分析、あるいはJR西日本関係者や乗客の皆さんからの事情聴取等の捜査を進めております。 それから、お尋ねのありました速度、非常ブレーキ、オーバーラン等につきましての報道については承知をいたしておりますが、それらの内容につきまして、兵庫県警察の方では、事故原因に関する事項については、基本的に捜査上の支障があるということから公表していないと聞いております。
○三日月委員 当然、得られた記録や何かを解析することも必要ですし、科学的な観点からの検証というのも必要なんでしょうけれども、しかし今、警察の方や何かは一切公表していませんとおっしゃっていますけれども、この間、五月九日の朝日新聞ですか、「カーブ直前、百二十キロ超か」ということで、県警の事情聴取内容、会社に対して、そして車掌に対して、関係者に対する事情聴取内容が報道されているわけですね。 特に車掌の方や何かは、運転士の方はお亡くなりになられていますけれども、車掌の方の供述や何かは二転三転しています。今どこにどのような形でいらっしゃるのかということについてもわからない。もちろん捜査の観点がありますから、そんなことをつまびらかにここで教えてくれとは言いませんけれども、しかし、事故の原因を特定したり、これからどういう対策をとらなければならないのかということを判断するための大切なテーマの事実というものが、いろいろなところでぽろぽろ、もちろん報道する側の責任や関係もあるんでしょうけれども、出てきています。 一定の情報公開というものは定期的に必要だとは思いますけれども、しかし、事実だと確認されない情報がいろいろなところからいろいろな形で出るということに、被害者の方々は戸惑っていらっしゃいますし、いら立っていらっしゃいますし、特に事故調査委員会なんかだと、何々新聞にはこんなことが書いてありました、事実なんですかどうですかという問い合わせや何かも殺到していると聞いています。本来であれば、一日も早い原因究明、再発防止の対策を事故調査委員会からの報告を待ってとっていかなければならない、そういう事務当局の事務作業のおくれというものの原因にもなってしまっているんですね。 こういう情報管理の徹底や情報発信というものを、例えば、今は警察と事故調査委員会が捜査、調査ということで二元的に行われていますけれども、それをまとめて定期的に、一週間に一回なら一週間に一回行うとか、こういう情報発信の一元化といったものも必要なのではないか。いたずらに世論や関係者の判断や感情を混乱させないためにも、私は必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○福本政府参考人 お答えいたします。 私ども航空・鉄道事故調査委員会は、事故の原因を究明し、再発防止を目的として調査を行っているところでございますが、調査の過程で明らかになった事実関係については情報開示に努めているところでございます。一方、警察におかれましては、刑事責任を追及するという目的で犯罪捜査が行われておりまして、必要に応じ情報開示が行われているものと私どもは認識をいたしております。 いずれにいたしましても、それぞれ活動を異にしてございまして、それぞれの立場で適切な情報開示が行われているものではないかと認識をいたしております。 私どもの方は、基本的に、事故発生後、ほぼ毎日のように記者会見等を行っておりますので、そういう意味でも、私どもとしては適正な情報開示を進めてまいったのではないかと思っております。
○三日月委員 おのずと立件、責任追及をする警察当局と、そして、科学的に事故原因を分析し、再発防止に向けた対策を提言する事故調査委員会とでは役割が違う、今おっしゃったとおりだと思います。 しかし、適切に情報発信していると言いながら、ぽろぽろといろいろな情報が出ているんですね。これはもちろんマスコミの責任もあるかもしれません。それが事実だと確認されていないまま情報が流れてしまっているんですね。警察は流していないとおっしゃったけれども、実際、報道されているんですね。確かに、だれがどうやって流されたかという検証は必要かもしれません。ぜひその辺の情報管理の徹底をしっかりと行っていただきたいと思います。 特に事故調査委員会、先ほど列車も運行させながら速度を検証するとおっしゃいましたけれども、今後、そういうことも含めた中間報告、今後のスケジュールというものについてはどのような予定になっているんでしょうか。大臣、お答えいただけますか。
○北側国務大臣 事故調査委員会につきましては、今答弁がありましたように、できるだけ判明した事実関係については情報開示をきちんとしていくという姿勢で行われているというふうに思っております。しかしながら、逆に言いますと、確定できない事実関係については、これは予断を与えてはなりませんから、事故調は、それなりの考え方は持っておっても、確認できないものについては当然言っておらないというふうに思います。 事故調の中間報告につきましては、できればことしの七月か八月ごろには、可能な範囲の事実に関する情報について中間的な報告を行ってもらいたいと思っております。やはり全体としてはこれは相当時間がかかることもやむを得ないと思います。そういう意味で、この夏ごろには、その時点で判明した事実関係についてきちんとまとめて御報告をお願いしたいというふうに考えております。
○三日月委員 ぜひ大臣から示されたその時期に向けて、事故調査委員会の方々を含めて御尽力いただきたいと思うんですが、しかし、そもそも事故調査委員会は、全国で頻発する鉄道と航空の事故の原因を調べたり、調査したり、報告をするという体制になり得ているのかどうなのかという問題意識なんですね。 二〇〇一年十月に航空事故調査委員会から改組されて航空・鉄道事故調査委員会になりました。今現在、お伺いをしてみますと、航空と鉄道の専門委員で九名、そして鉄道に関する調査官は九名、プラス五月の中旬に補強をされた二名という形で今行われていまして、かつ、二〇〇一年に設置以降、八十二件鉄道事故調査委員会で調査されているんですね。うち、一定調べ終えたということで公表されているものと、現在まだ調査中というものとがあって、三四%に当たる二十八件は、八十二件のうち二十八件はまだ調査中なんですね。一件だけ経過報告は、新潟のあの地震の後の脱線事故は行われていますけれども、こういう状態で、今、大きな事故が起こりましたので総動員体制で今回のJR福知山線事故の原因調査に当たられているということをお聞きしています。 そもそも、委員九名、しかもこれは航空との兼務です。調査官九名プラス二名、こういう陣容で、今大臣から話のあった七月から八月ごろに中間報告、そして全国各地で起こってなお調査中である二十八件の案件、そしてさまざまな鉄道現場、航空現場で起こるであろう重大インシデントに対する兆候調査、一体調査できる陣容になり得ているんでしょうか。そのあたりの現状も踏まえた御見解をお聞かせください。
○福本政府参考人 お答えいたします。 今先生御指摘いただきましたように、私ども航空・鉄道事故調査委員会は、営団地下鉄の日比谷線の事故を契機に平成十三年の十月に、それまでの航空事故調査委員会の所掌事務に新たに鉄道事故等を加えて発足をいたしましたものでございます。そういう意味では、まだ三年半程度しかたっていないということでございます。 現在、委員が十名、委員長以下十名でございまして、事務局は四十一名、トータル五十一名の体制となってございます。このうち、今御指摘いただきましたように、鉄道事故の調査につきましては、予算上の定員としましては七名という体制でございますが、御指摘ございましたように、昨年十月の上越新幹線の列車脱線事故ということによりまして、国土交通省内の御支援をいただいて、実員的には二名追加をさせていただいておるということでございます。さらに、今般の福知山線の脱線事故によりまして、現時点で二名の追加の支援をいただいておるという現状でございます。 大変苦しい状況ではございますが、事故調打って一丸となりまして、総力を挙げてこれらの事故調査に邁進をしておるという状況でございます。
○三日月委員 本当に限られた人員の中で、苦しい現状の中で頑張っていただいているんだと思いますけれども、しかし、臨時で派遣をされた方二名、またプラス二名、四名でやられているとか、そういうことで、例えばいろいろな事故事例が起こったことの情報を蓄積されたりとか、専門性をより高められたり、そしてさまざまな鉄道会社、全国の交通機関に対する提言だとか勧告だとかというものが行い得ているのかどうなのか。 これまで起こってきたこういう事故調査というものがちゃんと機能していて、しかもそれぞれの事業者に対して徹底がされていれば、私は大きな事故というものは未然に防げるものだというふうに思います。 特に、新潟県の地震による上越新幹線の脱線、そして、土佐くろしお鉄道のあの行きどまり線にぶち当たった事故や何かも調査中。私、聞いて驚いたんですけれども、東武鉄道の伊勢崎線竹ノ塚駅のあの踏切事故、これは事故調査委員会の調査案件になっていないんですね。お二人の方が亡くなられたけれども、五名以上になっていないんだということで調査案件になっていない。これも驚いたんですけれども、その辺の、何をインシデント調査し、そして何を国土交通省の方で保安監査するのかというその線引きも非常にあいまいなものになってしまっている。 特に、今回の事故や何かはヒューマンファクターの部分が非常に強く指摘をされていて、どちらかというとメカニカルな部分、科学的な部分しか調査をされない機能になってしまっているんだと思うんですけれども、人員をふやすこと、そういう専門性を強化すること、こういうことをぜひ早急にやるべきだということを指摘させていただきたいというふうに思いますので、大臣、またこれからの中間報告の作業とあわせて御検討をいただきたいというふうに思います。 三点目は、やはり再発防止に向けた取り組みが、当該JR西日本、しっかりと行えているのか、また、国土交通省として、行政サイドとして検証できているのかという問題についてです。先ほどの委員の中からも指摘がなされておりました安全性向上計画、五月三十一日に提出をされました。この安全性向上計画に対する評価を、まず総括的に、簡単に大臣よりお伺いをしたいと思います。
○北側国務大臣 これも私どもの方で指示をいたしまして、安全性向上計画が五月の三十一日に提出があったわけでございます。項目的には、必要な項目は書かれておるかというふうに思っております。 ただ、これはあくまでJR西日本の、安全性向上に向けた、また再発防止に向けた第一歩でございまして、スタートでございます。これをしっかりと実施をしていただくことが極めて重要なわけでございまして、五月の三十一日に垣内社長が私の方に来られまして、私の方からは、一つは、この内容を社長みずからが先頭に立って、全責任を持って実行をしてもらいたいということは強くお願いをさせていただきました。 また、これはあくまで再発防止に向けての第一歩でございまして、大切なことは、これがしっかりと実施されるかどうか。そういう意味で、私ども国土交通省といたしましては、JR西日本につきまして、支社が十社ございますが、本社だけではなく支社も含めまして、これからおおむね一年間、重点的に立入検査等監査をしっかりとやらせてもらいますということも、その場で垣内社長の方には申し上げたところでございます。 いずれにいたしましても、この計画が実施されることが大切でございまして、しっかりと監督をしてまいりたいと思っております。
○三日月委員 大臣が御表明いただいたように、この計画、第一歩どころか半歩、ほんの少しの前進で、これに魂を入れること、そして具体化すること、現場において実行されることというのが私は極めて重要だと思っていますので、ぜひ指導監督、同時に、他の鉄道会社に対しても、ハード、ソフト両面からの点検というものが必要だと思います。 一つ確認をさせていただきたいんですけれども、当然のことだとは思うんですが、三十一日に安全性向上計画が出されて、その前日の三十日に労働当局の方から指導文書が出されているんですね。JR西日本に対して、労働安全面から、例えば安全衛生委員会というものの機能がどうだったとか、そして安全管理者の安全衛生教育はどうだったとか、こういう安全衛生に関する経営トップの方針策定というものが行われていなかった、現場に徹底されていなかった等々の改善に向けた指導文書が厚生労働大臣から出されています。五月三十日にです。これから、こういう労務管理も含めて、そして安全に対する運行管理も含めて、どのようにやっていこうかということの第一歩を示す三十一日の前日に労働当局から指導文書が出されているんです。三十一日に、このことに対して厚生労働大臣が談話を発表されていらっしゃって、この中には一言も安全性向上計画というのは出てこないんですね。 北側大臣、冒頭、こういう事故が起こったんだから、省庁間の連携を密にしようということをおっしゃいました。もちろん、これだけではなくて、いろいろなところで、見えるところ見えないところで連携の取り組みはされていると思うんですけれども、この三十日に出された、特に労務管理、運転士も含めた労働安全衛生上のこの指摘事項は、当然、安全性向上計画に盛り込まれているんでしょうか。前日に出されたこの指導文書との関係について、お答えをいただきたいと思います。
○梅田政府参考人 JR西日本の提出しました安全性向上計画、これは、今回の事故によって失われました鉄道輸送に対する国民の信頼を回復するための第一歩となるべきものでございます。JR西日本が安全最優先の企業体質をつくり上げるための計画であると認識しております。したがいまして、今先生御指摘の、大阪労働局が行った労働安全衛生法に基づく指導とはちょっと目的が異なっております。後で御説明があるかと思いますが。 しかしながら、大阪労働局の指導においては、例えば、トップみずからが定めた安全衛生方針の周知徹底を図ることというような指導内容もございまして、その考え方は安全性向上計画と共通するものがあるというふうに認識しております。 いずれにいたしましても、私ども、関係省庁間で局長の会議もございますし、その下の幹事会もございますので、実際の実施に当たりましては、よく連携をとりながらやってまいりたいと思っております。
○三日月委員 当然のことながら連携はとられていると思うんですけれども、三十一日に出された前日に指導文書が出されて、今ちらっとお答えになられましたけれども、これは労働局の方が出した文書だから、目的が違いますというようなことがありましたけれども、しかし、今回の事故は、運転職場の運転士を含めた労務管理、そして勤務の状態等々の指摘事項も、これはまだ最終的に出ていませんけれども、指摘されているところでありますので、こういう部分の連携というのは非常に大切だと思うんですね。もちろん、安全性向上計画にその分野のことが載っていないかというとそうではないと思いますけれども、ぜひこの部分の指導監督も当該省庁と連携をしてやっていただきたいと思います。 なぜこの部分にこだわるかというと、事故が起こって、いろいろな労働組合が、恥ずかしげもなく会社内のことを発表されるようなことがありました。JRには国鉄時代からの負の遺産としての複数の労働組合が存在をしまして、それが、私自身も運転職場で経験しましたけれども、安全を守るべき運転職場の建設的な労使関係というものを阻害してしまったり、日ごろの教育訓練、そして、熟練から若手運転士への技術伝承の面にも大きな阻害要因になってしまっているんですね。そういう面もあるんです。 事故を受けた緊急の安全構築、また信頼回復に際しても必要ですし、また、二年後には国鉄改革から二十年という一つの大きな節目を迎えて、総括、検証というものも行われなければならないこういう時期に、私は、この問題は避けて通れない問題だと思うんですね。安全を守る行政の踏み込んだ実態把握であったり、特に、労働当局、警察当局、そして国土交通行政と連携をした取り組みが私は必要だということを、きょうは答弁を求めませんけれども、指摘をさせていただきたい。もう重々御存じいただいていることですし、日ごろから情報交換はさせていただいておりますけれども、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。 次に、日勤教育という言葉がひとり歩きしました。誤って認識をされたり、誤解をされていたり、感情で議論をゆがめられてしまっている感も一部あるんですけれども、大臣にぜひ一言お伺いをしたいんですけれども、事故後再教育というものに対する大臣の御認識、お考えをお聞かせください。
○北側国務大臣 再教育というのは当然必要であると思っております。問題は中身でございまして、その中身が、さまざまなミスやトラブルがあった、場合によっては事故になった、そうしたことについて再発防止に資する再教育のあり方でなければならないというふうに思っております。
○三日月委員 そうなんです。多くの生命を預かる鉄道というものを運行する例えば運転士、車掌も含めて、運転従事者も含めて、大切な大きな使命を持つ仕事をしているわけですから、事故を起こしてしまったときの再教育というのは必要なんです。これが何か日勤教育という言葉でひとり歩きしてしまっているところがあるんですけれども、この点はぜひ誤解を解いていかなければならないと思います。 しかし、問題はその内容であり、やり方なんですね。五月の末に、JR西日本内で八七%を組織するJR西労組という労働組合が、組織内にいる三千百三十二名の運転士に対してアンケート調査をやっています。これは九八・八%の回収率だったんですけれども、さまざまな質問項目があるんですけれども、この事故後再教育の必要性についてどのように考えるのかという問いに対して、必要だという回答が一二・八%、改善は必要だが必要だというのが七五・七%、必要ないというのが一一・五%という形になっています。約八九%の運転士が、一定、内容の改善は必要だけれども、事故後再教育というのは必要だということなんですね。 こういう内容面、そしてやり方面において改善をするために、大臣は、第三者機関というようなものも設けてさまざまな提言を受けていこうじゃないかということもゴールデンウイーク期間中に発表をされていますけれども、その具体的な考え方や現在での進捗状況についてお聞かせください。
○北側国務大臣 今まさしく、運転士の資格のあり方等々につきまして検討をしている最中でございます。運転士の方々の適性だとか健康管理、また教育指導方法、体制等につきまして、外部の専門家の方々の意見も聞きながら、今検討を進めているところでございます。国等の第三者機関の関与の必要性も、その是非も含めまして今検討を進めているところでございまして、これもできるだけ早期に中間的な取りまとめを行いたいというふうに考えております。できましたならば、この夏までにはきちんと御報告ができるようにさせてもらいたいと思っています。
○三日月委員 ぜひ、事故調から出てくる中間報告もあわせて、大臣が今、現時点で御検討いただいている第三者機関の関与のあり方も含めて、同じ時期ぐらいに出てくるものだと思いますので、この委員会等でもしっかりと議論をしてまいりたいと思います。 その際に、ぜひ提案というか、こういう考え方もあるんじゃないかということで述べさせていただきたいと思うんですけれども、運転士、それぞれ一人で運転するわけですね。個人個人、性格も違えば、年齢も違うし、家庭事情も違うし、身体的な状態というのも異なってきます。こういう運転士の個人個人、日々刻々変わる身体的、精神的状況を把握してフォローするということが、鉄道という交通機関の乗務員に対しても必要なんではないかということなんです。 具体的に申し上げれば、定期的にやっております運転適性検査、クレペリン検査という、国鉄時代から長年続いている検査でありますとか、反応検査、そして、私鉄や何かで一部導入されております性格テスト、こういうものを、現在行われているこういうテストや検査のデータというものをもっと職場や現場においても、会社においても個人個人把握をして、それを訓練だとか教育に生かしていく。何も第三者機関から、何にも知らない人に入ってきてもらって、現場実態を知らない方々からいろいろと提言をいただくことだけではなくて。 もう一つ加えて言えば、指令との関係。今回の事故でも、これもまだ正確な事実として発表されているわけではありませんけれども、指令の呼びかけに対して運転士の反応がなかったというようなこともあります。かつ、オーバーランをしたときに、車掌から、行った後で事後的に指令に対して八メーターという報告があったというようなこともあります。 もし、たらればで議論をするのはなるべく控えなければいけませんけれども、もしあのとき運転士が直接指令員とやりとりをしていれば、声の上ずりや、そして動揺、何を言っているかわからないという状態から、運転士のそのときの心理状態や何かも離れている指令員が確認をすることができたかもしれない。こういう指令員とのやりとりというものをもっと厳密に基準として規定するということもこれまた一つでありますので、こういう運転士の個人個人、日々刻々の身体的、精神的状態を把握してフォローするということに対するお考え方なり検討状況を、もしあればお聞かせください。
○梅田政府参考人 運転士の日々の身体的、精神的な状況の把握のために、現行の適性検査等、個人データを訓練等のフォローに生かすべきじゃないかという御指摘でございます。 私ども、この点につきましては、こういう日々の教育訓練に当たりまして、今御指摘のような点は大変大事な点だというふうに思っております。これから、運転士の教育の方法、やり方、再教育も含めまして議論を深めてまいりますけれども、御指摘の点を踏まえながら検討を進めてまいりたいと思います。 それからもう一点、今先生の御提案がございました運転士と車掌とのやりとりとか、こういうのも内部ではいろいろ議論がございます。ボイスレコーダーみたいな話とか、いろいろ出ております。中でまたいろいろ議論をしながら、実際問題としてどこまでハード面でバックアップできるようなものができるのか、少し詳細に検討を進めてまいりたいと思っております。
○三日月委員 それぞれの会社、各現場においても、特にこのJR西日本の中においても、試行錯誤でいろいろな形で検討されていることだと思います。いたずらに現場で働く方々を単に締めつけたり監視したりということだけではいけないと私は思っていますので、大事なことは、より安全なサイドで、まずソフト面で教育がなされること、そして、人間ではカバーできないこと、時に失敗してしまうことに対して、より安全なことを考えてハードで補完をするということが望ましい姿だと思いますので、ぜひその点も含めて今後検討をしていただきたいと思います。 余りこの事故のことばかりやっていてもあれなんですけれども、最後に、行政とのかかわり、運輸行政のあり方についてちょっと点検をしたいと思うんです。 今回の事故で、国土交通行政として、例えば鉄道局として、JR西日本との関係、そして他の鉄道会社との関係、日々の届け出に対する指導や、そして保安監査等々でいろいろなかかわりがあったと思うんですけれども、今回の事故を契機に行政の課題として判明したことというのは何だったんでしょうか。
○北側国務大臣 今回の大惨事を受けまして、国土交通省といたしましても、鉄道会社に対する指導監督等、行政のあり方が適切であったのかどうか、ここはきちんと検証しなければならないと私も思っております。 今、鉄道局内に福知山線事故再発防止対策検討チームというものを設置いたしまして、議論をしております。ここでは、事故調で原因究明を今やっていただいておりますが、この原因究明を待つまでもなくやるべきこと、今幾つか打ち出しをさせていただいております。とともに、さらに、こうした事故が二度とないように、先ほども御指摘がございましたヒューマンファクターの問題、こうした検証もしっかりやっていこうということで検討しておりますし、また、行政システムのあり方につきましても、事業者からの報告の内容が今のままでいいのかどうか、立入検査の方法が今のままでいいのかどうか、監査のフォローアップについて御指摘もいただいております。 こうしたフォローアップのあり方をどうしていくのか、さらには、各鉄道事業者が安全投資を促進していただくためにはどうすればいいのかとか、こうしたことも議論をしなければならないと思っておりまして、こうしたこともきちんとできるだけ早い時期に取りまとめをしたいと思っております。 また、今法令等でさまざま基準を定めておりますが、こうした技術基準につきましても専門的な検討を行っていただこうというふうに思っておりまして、ここには専門家の学識経験者の方々にも入っていただいて技術基準検討委員会というのを設置いたしまして、これまでの技術基準についての評価、総括も、また見直すべきところについてもきちんと検討をしていただきたいと思っているところでございます。この学識経験者等の専門家を委員とする技術基準検討委員会につきましては、今月中に発足をさせていただきたい、そして精力的な議論をお願いしたいと思っているところでございます。
○三日月委員 ぜひ、今回の事故でわかったこういう行政と事業者との関係ということについてもしっかりと検討していかなければならないと思うんですね。 私なりに申し上げれば、今の大臣の御見解や何かと重複するところがあると思うんですけれども、三つあって、一つは、やはり基準がない部分もあった、事業者任せの部分もやはり多々ありましたねということだと思うんです、これはソフト、ハード両面にわたって。例えば運転士のこういう事故後再教育、日々の訓練、資格要件も含めて、もっともっと行政の関与というものが必要だったかもしれませんし、技術上の基準、構造上の基準ですね。事故が起こってから、例えば曲線に入るATS、これだけのカーブにはこれだけ必要だということが出てきましたけれども、これまでだったら赤信号の前でとまることができるためのATSの基準しかなかったわけですね。こういう問題。 二つ目は、そういう基準がなかったことということに加えて、監査も含めてやはり事後チェックというものが余り徹底されていなかった。先ほども大臣おっしゃいましたけれども、JR西日本に対しては保安監査も他の鉄道会社よりは数多く行われていたんですね。その保安監査の結果出された改善事項、勧告、その後、定期的に改善内容を報告されたいという勧告をされていたにもかかわらず、その実施状況が定期的に報告されていなかったとか、また、先ほどの委員の指摘にもありましたけれども、ダイヤ改正時の届け出に対して、その検査、監視、監督というものが不十分であった。 これに対しては、恐らく運輸局や何かも手いっぱいで、細かいダイヤをそれぞれの運転カーブに照らし合わせてチェックすることなんて無理だと思うんです。もっと基準を明確にして、例えば列車の時分が早まったところ、そして停車駅がふえたところ、きちんと点検項目をあらかじめ明確化して、そして審査できる人員体制もふやしていくというような措置も含めて体制をとるべきだと思います。 三つ目は、基準がなかったことと、そして検査、監査がいいかげんであったということと、そして最後は、鉄道に対する、また各事業者が行う安全投資に対して、もっと公的な支援も含めて行うべきではないかということだと思うんです。 今回、ATSの自動列車停止装置をつけなさいと。全国で二千四百カ所ですか、五年間で。これは中小民鉄に対してもあります。また、昨日の新聞でしょうか、EB、緊急停止装置、エマージェンシーブレーキですか、また、各列車に速度記録装置、タコメーターみたいなものも設置しようじゃないかということまで次々と義務化方針みたいなものが発表されてきています。 かねてよりこの委員会でも指摘をさせていただいておりますけれども、国と地方を合わせて総道路投資というのは十兆円を超えているんですね、約十兆円。超えていないときもあります、約十兆円。それに対して鉄道というものに対する国全体の投資額は、事業者が行う投資も含めて、JR、大手民鉄、中小民鉄、そして公的な支援も含めて一兆円余り。輸送分担率は約二五%。鉄道が、行楽にしろ通勤通学にしろ、人々の日本全国の移動に対して約二五%を担っているにもかかわらず、総投資額が十兆円と一兆円というこの不均衡というようなものもぜひ是正をしていくべきではないかというふうに考えているんですけれども、そのあたりを総合的に踏まえて、今後の決意も含めてお聞かせをいただきたいと思います。
○梅田政府参考人 いろいろと御指摘をいただきました。最後の点の、安全投資に対する公的支援の充実についてでございます。 私どもは、安全投資につきましては、これは鉄道事業者として最大の使命であり最大のサービスであるというふうに認識しておりますから、一義的には事業者が取り組むべき課題であるというふうに思っております。したがいまして、安全対策の設備につきましても、みずからの責任において整備することが基本であるというふうに考えております。 しかしながら、事業者のうちには経営が非常に厳しい状況にある事業者もたくさんございます。今回、いろいろと安全対策上の設備、あるいは保安度向上のためのいろいろな設備を義務づけたり、あるいは指導をしたりしていきたいというふうに思っております。従来から、こういう面につきましては近代化補助という制度がございまして、この補助制度でやってきたところでございます。この点につきましても、補助率等のかさ上げなど逐次改善を図ってきたところでございます。 しかしながら、今回こういうことでございますので、私どもとしてはさらに、経営基盤の弱い鉄道事業者に対しまして、安全対策の取り組みにつきまして、その整備が促進されるように支援を強化していきたいというふうに思っております。
○三日月委員 ぜひよろしくお願いいたします。 今御答弁の中にありました近代化補助、平成十六年度は二十七億円、十七年度は二十五億円という形で、額自体も少ないけれどもだんだん減ってきている。今回、新たな取り組みも求められているということですので、ぜひその辺の手厚い支援も含めて要請をしておきたいと思います。これは、別に事業者を富ますということではなくて、国民の移動をつかさどる公共交通の安全を守るという観点からの取り組みだということだと思います。 さて、残された時間があと少しになったんですけれども、本題であります国土総合開発法関連について質問をさせていただきます。 これは本会議でも、私、代表質問をさせていただいて、さまざまな観点から質問をさせていただきました。また、本日は同僚議員もそれぞれ役割分担をしながら質問をさせていただくことになっています。 私の方からは一点、特に、今回の国土計画を見直すに当たって、大臣、さまざまな形で決意も含めて考え方を述べられていますけれども、一番大きな転換点は、これまで五次にわたる全総計画、中央集権的で開発が中心であった、いろいろな総括をされていますけれども、そういう部分があった、否めないと。それを分権型で、しかも自然を含めて保全もきちんと行える、そういう国土計画にしていくんだということが、いろいろな角度ありますけれども、総括的に言えば私はそういうことじゃないかと認識をしています。 では、その分権型であり保全型の国土計画に今回の法改正でなり得るのかということが、この委員会審議の中でも非常に大きな論点になろうかと思うんですね。 今回、分権型の国土計画をつくるに当たって広域地方計画というものをつくるんだ、その広域地方計画というもののエリア、それぞれのグループ分けは政令で定めることになっているんですね。これは本会議でも私は指摘をさせていただきましたけれども、そもそも、こういう広域地方計画、どことどこが組んで計画をつくりなさいみたいなことまで国が考えて政令で定めるということ自体が、私は、分権型の国土計画に果たして合うのかどうなのかということであったり、首都圏と中部圏と近畿圏に対しては従来の整備計画というものも併存した形で、事業計画自体はなくしますけれども、残すことになっているんですね。こういう計画との整合性。一応、広域地方計画と調和を図るということになっていますけれども、この部分も非常に説得力に欠ける。 果たして、分権型、保全型の計画になり得るのか。二つ指摘をさせていただきたいと思うんですけれども、まず一点目、今申し上げたことについての御見解をお伺いしたいと思います。
○尾見政府参考人 お答えを申し上げます。 広域地方計画の区域を国が政令で定めることについての御意見がございました。 広域地方計画については、その内容は、従来、国が全国計画などでかなり具体的に決めていた施策などを、広域地方計画のエリアについてはそちらの方に移行させて書いていこうということでありますので、中身の中心は、国が全国的な観点から行う施策とかあるいは広域的な観点から行う施策ということで、国の施策を中心に構成されるというふうにまず考えております。 そういうこともございますので、区域の設定ということにつきましては国が最終的に責任を持って判断すべきだろう、こういうふうに考えてきたわけでございます。 ただ、実際に計画区域を決めるに当たりましては、法律を制定していただいた後に、おおむね一年ぐらいを目途に国土審議会でありますとか広く関係者の皆様の御意見を聴取しながら検討する作業を進める、こういうふうに考えております。特に都道府県の御意見というのは大変重要だと思いますので、そういう都道府県の御意見を拝聴する場などをきちっと設けるなど、最大限その意見、意向を尊重するということにしたいと考えているところでございます。
○三日月委員 エリア分けに対してもそうなんですけれども、そういう地方計画の実効性、実施という観点からお伺いをしたいと思うんですけれども、私、本会議のときに、地方計画の推進力、エンジンとして、EUや何かが設置をしています構造基金だとか結束基金のような、それぞれの地方が立ててきて、国が定める例えば目標や何かに合致したもの、先進的なものについてインセンティブを付与した形で基金を与えるというようなものに照らし合わせて、今回の国土計画の改正時に導入をしてはどうかということを提案させていただきました。そのとき大臣は、御指摘のような観点から検討も必要だとお答えをいただいておりますし、計画自体に広域地方計画の実効性を確保するための措置を記述していきたいというふうなことについてもお述べいただいています。 改めて、地方計画の実効性を高めるということについて、例えば、特別会計も含めて個別補助金も統合した形でこういう基金を、地方が地方でつくった計画を主体的に実行できるためのこういう基金こそ、私は分権型の国土計画に必要なんではないかということを申し上げたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。踏み込んだ形でお考えをお聞かせいただければ幸いです。
○北側国務大臣 まず基金のお話でございますが、これにつきましては本会議で答弁したとおりでございます。 いずれにしましても、今後ますます財政制約は強まってまいります。そういう中で、やはり民間の自由な経済活動を促進しつつ、民間投資を誘発していくということが非常に重要な課題だと私は思っております。 今回の国土交通省提出の法案の中にも、まちづくりについてそのような提案もさせていただいているところでございますが、そういう意味で、委員のおっしゃった基金の創設というのも一つ検討できることではないかというふうに思っておりますが、これはさらに検討させていただきたいと思っておるところでございます。 また、今回の広域地方計画制度を創設することによりまして、協議会でその地域の国土形成のために何を優先的に取り組むか、すべてやるということじゃなくて、やはりその地域の中で何を優先的にやるのかという優先順位をその協議会の中で明確にしていただけるものだというふうに思っておりますし、また、協議会の構成員は協議が調った事項についてその結果を尊重していただくことになります。決まったことにつきましては、各実施主体において十分にその事業について尊重され、積極的な対応がなされることが求められます。 さらに、国の地方支分部局も協議会の構成員となってまいりますので、事業実施の上でも、協議の結果をしんしゃくして国と地方公共団体が緊密な連携を保ちながら進められるというふうに考えておりますので、私は、そういう意味で、広域地方計画の実効性は、この協議会の議論の中で、取りまとめの中で、当然その実効性をどう図っていくかという議論がなされるわけでございます。そこには国も入っているわけでございまして、実効性が図られていくのではないかというふうに考えております。
○三日月委員 終わります。ありがとうございました。 〔委員長退席、望月委員長代理着席〕
○望月委員長代理 松崎哲久君。
○松崎(哲)委員 民主党の松崎哲久でございます。 国土総合開発法等の一部を改正する法律案でございますが、その第一条に、国土総合開発法の題名を国土形成計画法に改める、こういうのが第一条にあるわけでございますが、私は、この国土形成という用語、非常に違和感を感じます。 国土総合開発法、この改正法の改正後になった第二条に、「「国土形成計画」とは、国土の利用、整備及び保全(以下「国土の形成」という。)」とありますので、法律上は、利用、整備及び保全ということがすなわち形成という意味に論理的にはなるわけですけれども、利用、整備及び保全は形成かというと、少なくとも一般に理解されている形成という言葉の意味とは全く違うわけでございます。 まず最初の質問は大臣に伺いたい。大臣は、この用語、国土形成あるいは国土形成計画という用語に違和感がおありにならなかったのかどうか、疑問を感じられなかったのかどうか、このことを伺いたいと思います。
○北側国務大臣 この国土の形成という言葉、法律用語でございます。中央省庁等改革基本法にも用いられておりまして、そこでもその意味というのは、今委員がおっしゃった国土の利用、整備、保全という意味として使われておりまして、その例をこの法律においても適用したということでございます。
○松崎(哲)委員 以前の法律の中に使われているということはもちろん私も承知しているんですが、むしろ、私の質問の趣旨は、一般的な意味として、国土の形成という言葉がこれこれを意味するということに疑問を感じられなかったかという質問でございます。 私は、国土交通省の方に事前に、大分前ですが、何週間か前に、どうもこの形成というのはよくわからないんだけれどもと言いましたら、広辞苑にこう書いてありますとかいろいろ説明を受けまして、それでは納得はしておりませんけれども、そのときの説明には、日々の営みによって国土をよりよいものにしていくソフト、ハード両面にわたる人間の国土に及ぼす作用であるというふうに説明されたんです。その国土形成計画法の精神というか趣旨に含まれているのはこういうことであろうというのはもちろん想像はできる、法案の中身を見れば。想像はいたしますけれども、やはりそれは形成という言葉の字義、言葉の意味とはかけ離れているんです。 大臣が御理解になる国土の形成とは、具体的にどういうことを意味されているというふうにお思いでしょうか。先ほどの事務当局の私への説明と同じような御理解でございましょうか。
○北側国務大臣 従来は全国総合開発計画、開発という言葉が使われておりまして、現実に開発というものが中心の計画であったというふうに思います。 そういう意味では、どんどん量的に拡大をしていく、こういうイメージがあるわけでございますが、これからはもうそうじゃないだろう。開発をしなければならないことももちろんありますが、それが中心ではないだろう。 むしろ既存のストックをいかに有効に活用するかだとか、または環境の保全とか景観だとか、そういうものがますます重視される社会になっていくわけでございますし、また、これからの高齢社会、また人口減少社会、さらには今、ある意味では日本の経済というのは一定のレベルに達しているわけでございまして、やはり国民の皆様は、物質的な豊かさ、もちろんそれも大事ではございますけれども、心の充足感だとか豊かさ、そういうものを求めていく、そういう時代だろう。ただ、一方で、価値観も非常に多様化している中で、国民の皆様お一人お一人のニーズというのも非常に多様。 そういう中にありまして、開発という量的拡大ではなくて、むしろ質をいかによくしていくかというふうな観点で、開発ではなくて形成という言葉を使ったというふうに私は理解をしております。 ただ、委員からもっとこういう言葉がいいんじゃないのというお話があれば、ぜひ今後検討させていただければと思っております。
○松崎(哲)委員 最初のうち、どうも質疑、答弁、かみ合っていないのかなと思っていたんですが、最後に大臣がいい提案があれば検討させていただきたいとおっしゃいましたが、これは修正していただけるのかなと思って、大変期待を持ちながら質疑を続けてまいりたいと思います。 実は、昭和六十三年の多極分散型国土形成促進法というのがございます。このように、何々型国土をつくる、何々型国土を形成するということならば、この形成の意味というのが正しい、はっきり字義どおりなんですね。平成十年の、これも皆さんよく御承知だと思いますが、二十一世紀の国土のグランドデザインの中にうたわれた多軸型国土構造の形成という言葉があります。このように、何々構造を形成するというのは、これは国語として誤りじゃないというふうに思うわけです。ただ、本当に国土形成ということが国語として成り立つのかということを、これは前振りですから、前振りだと思って受けとめていただいたら結構なんですが。 昨年、本委員会の視察で沖ノ鳥島に行かせていただきました。あの絶海の孤島が、中国から島ではなくてあれは岩なんだといういわれなき非難を受けないように、何らかの方法でより大きな面積を持つものにしていく。それならまさに国土の形成という言葉が私は当てはまるんだと思うんですが、普遍的な、通常の例で国土を形成するというのは、イザナギ、イザナミの時代ならともかく、国生み神話ではないんですから、日本語上無理ではないかなという私の疑問を、今度は局長に伺わせていただきたいと思うんですが。
○尾見政府参考人 それでは、お答えを申し上げます。 この用語をどういうふうにするかというのは、先生が今御指摘ありましたように、私どももかなり長いこと内部で議論をさせていただきました。ここでは一々申し上げませんが、いろいろな言葉が浮かんでは消え、浮かんでは消えということであったのは事実でございます。 ただ、議論の経過を、ちょっと長くなりますけれども御紹介させていただきますと、開発を基調とした量的拡大を志向する計画、こいつをまず否定していこうということで、ここから転換をしていく、こういうふうに発想しました。その次になるのは、国土の利用と保全ということが柱になる。それは、国土の質的な向上であり、景観、環境ということが大事だ、こういうことに相なるだろう。 そうすると、国土総合開発法上ございます国土の利用、開発、保全というもののうち開発というものを、この用語を別のものに置きかえないといけない。それで出てきた言葉が、やはり整備であります。これまである程度のストックが形成されてきたという中で、そのストックを上手に生かしながら、あるいは改善をしながらやっていくということが大きなウエートを占めると思いますので、そういう点からいうと整備という言葉がなじむんじゃないか、こういうことで入れさせていただきました。 この三つの言葉をできるだけトータルにバランスよく表現する言葉は何かということでいろいろ吟味しておりましたところ、先ほどの中央省庁の改革基本法にある言葉などが浮かんでまいりまして、では、それを形成というふうに定義をしたらどうかと。これはちょっとごろ合わせではございませんが、私どもは、新しい国の形、それをつくっていこうということでありますが、国土の形成を音読みじゃなく訓で読んでいただきますと国の形というふうな面にもなり得るんじゃないか、私自身は、そういう気持ちでこれを受けとめたらどうかというふうに思ったことがございます。 トータルに利用、整備、保全という国土に対する作用の総体を意味するものとして、ハード、ソフト、それが非常に大事になっています。それが有機的に関連づけられて総合的に国土に働きかけていくということで、国の形をなすという趣旨で国土の形成という言葉はあり得るんではないか、こういうふうに考えてきたというのが経過でございます。
○松崎(哲)委員 るる御説明いただきましたが、皆さんのお考えの中でそういう概念があって、その概念を、だから、国土の開発ということをどうやって改めていくかということを一つの言葉であらわしたいというお気持ちは、それはもう酌み取れているんですが、そのときに形成という言葉がふさわしいかどうかということを申し上げたのです。 実は、事前の説明をいただいたときに、今の政府参考人がおっしゃった国の形という言葉、司馬遼太郎先生の有名な作品のタイトルでもあるわけですが、題名でもあるわけですが、「国のかたち」ということを意識しているんですよということを言われました。しかし、あの司馬さんの「国のかたち」というのは国のありようという意味の国の形であって、国土という意味の形というのではやはり違うと思います。これは禅問答を繰り返してもしようがないと思いますので、ただ、形成というのはやはり余り適当ではないんではないか、法律の題名として適当ではないんではないかなというふうに思っているということをまず御理解いただきたい。 先ほどせっかく大臣から、いい案があるのか、こういうふうにお問いがありましたので、私は、この内容、国土交通省さんの御提案の中身をいろいろ拝見していって、私の理解するその国土形成ということの意味というのは、結局、総合的な国土、さらには交通体系をどういうふうに形成していくかということなんだと思います。 それは、利用も整備も保全も含まれた意味で総合的なということ。開発に総合開発がついているから総合を嫌ったということはわかるんですが、これからの、次の時代に向かって国土交通省が目指していくのは、むしろ総合的な国土交通体系の形成であるというふうに私は理解してこの法案をとらえているんですが、もし、検討していただけるとさっきおっしゃったので、そういう総合的国土交通体系形成計画法というふうに書いていただければ大変うれしいとは思っておりますが。 法案の題名というのが実は修正できるのかという議論があるわけですが、これには、衆議院の先例集によりますと、法案、議案の題名を修正して議決したケースが、衆議院先例集には、平成十五年版先例集には四つ出ております。その一つが、昭和四十八年の第七十一国会に国土総合開発法改正案とほぼ同時に提出された国土総合開発庁設置法案ですね。ですから、まさに今回のこの改正案と密接な関係があるのが、前回題名が変わったこの国土総合開発庁設置法案なんですが、この結果がどういうふうになったか、政府参考人の方から御説明いただきたいと思います。 〔望月委員長代理退席、委員長着席〕
○尾見政府参考人 それでは、お答えをいたします。 少々長くなりますが……(松崎(哲)委員「いやいや、これはまだ前振りなんです」と呼ぶ)わかりました。今お話がございましたように、昭和四十七年に提出されました国土総合開発法案、それに関連しまして国土総合開発庁設置法案がございました。これが国土庁の設置法案というふうに名称を変えたというのは、議員修正でそういうふうにされたということは承知しております。(松崎(哲)委員「そこまでで」と呼ぶ)はい。
○松崎(哲)委員 その議員修正、これは内閣委員会に実はかかったわけですが、昭和四十九年五月二十四日の内閣委員会の議事録によりますと、今参考人がおっしゃった議員提案の修正ですが、この修正案を提出したのは、今私ども民主党の同僚議員である小宮山泰子代議士の父上の小宮山重四郎先生だったんですね。 それに対して反対討論をされたのが鈴切康雄先生。鈴切委員は、「公明党を代表して、国土総合開発庁設置法案及び修正案に対して反対」というふうに発言されて、その中身は、「昭和二十五年の国土総合開発法及び新全総その他問題のある部分の法律が受け継がれているため、本来の土地利用計画法の土地の規制立法による地価安定という純粋な問題解決のためのものだけでなく、それを拡大運用するおそれも、この内容の中には多分に残されていると考えるものであります。 かねてから政府・自民党による高度経済成長政策のひずみから起こる過密化現象が、社会資本の不足と相まって都市行政のおくれとなり、地価を高騰させている一方、農漁村地帯の過疎化現象となり、その荒廃を招いているのであります。」と述べられています。 この認識、その時点からの過去の評価においておおむね正しく、さらにその後の国土開発行政の問題点をも見事に予測していると私は思います。また、私たち民主党の現在から見た国土総合開発政策に対する認識とも非常に近いものがあると思いますが、大臣はどのようにお考えになるでしょうか。 ちなみに、このときに成立した国土利用計画法、一緒に国土総合開発法の改正案が、その経緯は参考人がさっきお述べになられようとしたところなんですが、国土利用計画法という形に変えて、次の国会で、四十九年の七十二国会で成立したんですが、その審議に建設委員として参加された北側義一先生の御子息ですね、大臣は。いわゆる二世議員なんですね。先代の北側代議士は公明党の国土整備委員長であられましたし、本委員会の前身である衆議院建設常任委員長あるいは国土審議会委員も務められた公明党内の国土行政問題のエキスパートであったというふうに承っておりますが、当時の公明党の認識を、連立与党に加わって国土交通大臣になられた北側大臣はどのようにお考えになるでしょうか。ぜひ承らせていただきたいと思います。
○北側国務大臣 よくお調べになられましたね。その調査に対して心から敬意を申し上げたいと思います。 ただ、私、二世議員というのはちょっとひっかかっておりまして、選挙区も違えば、うちの父親がやめてからもう大分たってから国会に来させていただいておりますので、地盤、看板も何もなく、たまたま議員になったら父親がもう議員だったというのが実態でございます。 それはそれといたしまして、この国土総合開発、全国総合開発計画をどう総括するかというところだと思うんですけれども、これはやはり両方あるんだろうと思うんです。プラスの面とマイナスの面と両方あったんだろう、そういうふうに総括をしなければならないんだろうと思うんです。 確かに、今も大都市圏への人口集中の流れがあるんですが、ただ、委員もよく御承知のとおり、工場等立地制限法ですか、今廃止をしました。廃止をしましたが、ああした法律によって、大都市に、工場だとかそれから大学等の教育機関も含めまして、地方分散ができるようにしようというふうな、こうした規制をやったわけですね。エリアを限定しまして、そこに入れない。そういうことがあって、私は、相当、地方にかなり日本の有力な企業の工場等が分散し、その地域の活性化につながっていったことも事実であるというふうに思っております。 ただ、現在でも大都市圏への人口及び諸機能の集中が、特に首都圏ですけれども、依然として継続している状況等にかんがみると、国土利用の偏在の是正という当初の目的は必ずしも達成されていない、達成されたとは言えない面もあるというふうにも思います。 また、逆の意味で、地方振興のためのさまざまな施策が、ばらまきだとかフルセット主義という批判も招来した事象もあったということで、プラスの面、マイナスの面、双方あるのかなと。 そうしたことをすべて反省しまして、今日、人口減少時代にいよいよ突入しようとしている、本格的な高齢社会に突入しようとしている、そういう大きな転換点だと私は思うわけでございますが、そういう中で、これまでの量的拡大、開発というふうな計画から、むしろ質的な向上を図っていく、利用と保全を重視する、そうした計画に転換を図っていくということで本法案の提出をさせていただいているところでございます。
○松崎(哲)委員 大臣は御記憶だと思いますが、四月二十七日に本委員会の住宅関連二法の審議の際に私は、バブルを起こしたこと自体が政府と自民党の責任であったという発言をしました。そして、民間の金利の方が安くなった平成七年に何らかの措置を政府・自民党がとるべきであったのに何もしないで、今になって国民にツケを回すというふうに申し上げたんですが、そのことに対して大臣は、「バブルをつくったのはだれで、崩壊させたのはだれに責任があったかという問題と、この問題とは余りにも次元が違う」、こうおっしゃいまして、過去の自民党の失政、先ほどのは失政だと思うんですが、失政について不問に付す答弁をされたように記憶いたしております。 そのことを大変残念に思ったんですが、かつては野党であられた公明党出身の大臣として、また、先ほど私が御紹介しましたような、また御尊父も昭和四十九年当時の公明党の重要な政策決定の、公明党の政策を決定する立場におられた、その公明党の国土政策に対する認識というものを踏まえて今連立与党を組まれている大臣だと思いますので、四月二十七日の際の御答弁にはやや、ややというか、大変残念に思ったわけでございますが、今回の御答弁は、プラスとマイナスと両方あるということで、特にこの場ではマイナス面について触れていただいたということですので、だからこそ改正をしなきゃいけないんだということにもちろん結びついているわけですけれども、そういう御認識であるというふうに伺えて、今回は大変よかったというように思っております。 行政というのは、俗に言う、雨が降ってもやりが降っても日夜継続しなければならない、これは当然のことなわけですが、だからこそ、基本政策の転換というのは、本来、政権交代によってしか実現されないものなんですね。もちろん、転換すべき政策もあり、政権がかわっても維持継続するべき政策もあるわけですから、どの政策を転換し、いずれの政策は継続させるべきかというのを政権準備政党である我々はこの政権準備の期間に決めておくというのが課題になっているわけです。 そこで、政権交代が実現した後も政権を担っていただく、私たちの民主党の政権を担っていただくことになる官の方々に伺いたいと思います。 全総計画、それから新全総、三全総、四全総と続いて、平成十年の二十一世紀のグランドデザインも含めて事実上五つの全総計画、全総とは最後は言いませんけれども、事実上五つの全総計画があった。それらの総合評価と、今新しい枠組みをつくって目指していくものはどういう方向性なのかということを、もちろん、開発をやめてというか、開発の部分から、より利用、整備、保全に重点を置くということはわかりますが、グランドデザインというようなイメージは、どういうような国土政策をやっていこうとされているのかということを、端的に、短く言っていただきたい。次に質問があって続きますので、政府参考人から承りたいと思います。
○尾見政府参考人 まず、これまでの全総計画の評価でありますけれども、今、大臣の方からもお話がありました。当然、光と影というか、プラスとマイナスがあったというふうに思っております。 具体的に成果ということでいくと、やはり地方、何といっても、地方に工場とか教育機関、そういうものを分散させるというようなことで、そういうことを通じて、例えば地方の中枢都市とか中心都市が成長してきたというようなことも言えると思いますし、やはり大きな意味での目標でございました所得格差、そういうことが是正されてきたというようなこととか、生活環境が全国で非常に豊かになってきた、地方圏においても豊かになってきた、こういう点が今までの成果として強調できることだと思います。 ただ、それに伴って、これからの時代は、今までのところを総括すると、人口が伸びるというのは需要が生まれる、そういう中で開発志向で物事を進めるというのは、五つの計画を総括しますと、共通に流れる思想だったというふうに私どもは考えております。だから、そこのところを、今先生が言われたように、転換していくということが中心の命題になります。利用、保全といった質的向上を重視するんだと。 それで、目指すのは、国民の価値が、豊かさ、利便性、そういうことがあります。それも豊かさも、物から心へというようなことだと思いますし、利便性が消えることはないかもしれませんが、安全だとか安心だとか安定といった、そういうものを志向するという考えが非常に強くなってきております。そういうものを具体的な国民生活の姿として提示していく。 内容はこれから大いに議論してつくっていきたいと思いますが、そういう問題意識で取り組んでいきたいと思っております。
○松崎(哲)委員 今の最後のお言葉で、内容についてはこれから議論、こうおっしゃられたわけなんですが、本来は、まず、そういう大きな目標といいますか、こういうふうにしていくために何をするんだということがあって、また、その仕組みの、今回の法改正というのはこの仕組みを変える、手続、仕組みを変えていくわけですから、があってしかるべきだ、こういうふうに思うんです。 実は、二十一世紀のグランドデザインは、平成十年に策定されて、そして二〇一〇年から一五年を目標としている、こういう到達目標ですね、しているということなわけですが、まず、その基本認識として、人口の減少ということがある。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口によれば、二〇〇六年、来年、一億二千七百七十四万人で日本の総人口は頂点に達して、再来年、二〇〇七年から減少が始まる、こう予測されているわけですが、この人口減少という、これは大きな、もちろん年金だとかそういう問題では既に御指摘されていますけれども、国土政策にあらわれる人口減少ということが、どういうふうにとらえていらっしゃるのか。 先ほど、豊かさ、価値観が多様化している、豊かさだとか利便だということを主に考えているという、このお言葉は伺いましたが、それはどういう具体的政策に、これはもちろん、決めるのはこれからだということですから決まるのはこれからでも結構なんですが、豊かさだとか利便だとかと言うのは簡単なわけですが、例えば、それは国土政策で言うとこういうことにあらわれる、例えばでいいわけですよね、というようなことを今イメージとしてどういうふうにお持ちなのか。 さらに、新しい二十一世紀のグランドデザインというのが、生きているのか、それから変わるのか、変更すればどういう時点なのか、それから、いつから、本法が改正になったとしてですよ、改正になったとして、いつからどういうふうに手続が進められていくかということ、ちょっと具体論を教えていただきたいと思うんです。
○尾見政府参考人 一番骨太のところで物を考えますと、やはり人口減少社会というものが、私ども国土政策の分野にどういう問題を提起するかということに尽きるんじゃないかと思います。 人口減少社会は、例えば、今後二十五年ぐらいの中で人口そのものの減少の仕方は六百万人強ということで、それほどではございませんけれども、やはり労働力人口とか生産年齢人口の形で大きく影響してきます。生産性の顕著な向上ということがなければ、日本の経済力、活力、国際競争力、そういうものが大きく失われていくということがあるんだろうというふうに思っています。 そうしますと、ただでさえ十分に生きていけなくなるというか、非常に危険な状況になっている。例えば地方の問題はどうなるんだろうかとか、あるいは国土保全の問題はどうなるんだろうか、あるいは都市の中でも、大都市でもやはり高齢化というのはどんどん進んでくるということになって、人口減少社会が隅々にまで行き渡ると、そういうところでいろいろな課題が出てくる。その際に、今までの仕組みなり制度なり、そういうものをそのままにしておいてこれに対応できるのかどうか、そういう問題意識を持ちました。 それから、そういう社会になっても、やはり先人の方々がここまでやってきた成果を何とか上手に生かして、国民の皆さんに安んじて生活をしてもらう、そういうことにするためにはどうしたらいいかということで、また課題を抽出して、それへの対処の方法を考えていくということじゃないかと思います。 なかんずく強調したいことは、やはり日本のプレゼンスも含めて、日本の国際競争力だとか経済力、そういうものを失っていくようなことがあれば、どの分野の課題も十分にこれに対応できなくなるんじゃないか。そういうことで、全体を考えていきたいと思っております。
○松崎(哲)委員 先ほどの質問で私が最後に申しました、二十一世紀グランドデザインとの関係、それから、どういう時期にどういう検討というのが始まっていく、どういう機関をつくってということも含めて、あるいは国土審議会のまま、もちろんそれでもいいんですけれども。
○尾見政府参考人 失礼いたしました。では、あとの二点についてお話を申し上げたいと思います。 グランドデザインとの関係でございますけれども、グランドデザインも確かに人口減少というものを大きな柱としてとらえております。ただ、その計画を作成しました平成十年は、足元の人口は依然として増加しているわけでありまして、まだそれほど、ある意味では深刻な問題意識はなかった。 それから、先ほど国際競争力のお話を申し上げましたが、グランドデザインでも、世界に開かれたというようなことで、国際競争力の問題を大きく位置づけておりますが、例えば中国を初めとした東アジアの今日の驚異的な発展、そういうことについては必ずしも十分にとらえ切れていなかったという点があると思っております。 そういう点については、その問題提起を拡充していくということでやはり対応すべきだと思いますが、新しい国土形成計画法をつくっていただくわけですから、前からの計画の連続性ということで物を考えるのではなくて、基本的には、ゼロベースといいますか、新しい発想に立ってまず計画を構成してみる、その上で従前の計画との整合というものをどう図っていくかということを考える。そういう頭の順序で、頭の整理でやっていきたいと思っています。 それで、法案を首尾よく通していただいた暁には、一、二年かけて全国計画を決め、さらに一年ぐらいかけて広域地方計画を決める、こういう算段で今のところ考えているところでございます。
○松崎(哲)委員 国土と交通に関する総合的な政策体系というのを考えるときに、将来の私たち、日本の国民、市民が、どういうライフスタイルで、あるいはどういう意識や価値観を持って仕事をし、生活をし、子育てをし、教育をし、余暇を楽しむかということについて、やはり想像力を持っていかなければいけないというふうに思うんですね、政策を考える際に。 それは、政策が個々人の生き方を規定したり押しつけるというようなことではなくて、国民がどういう一生を送ろうとしているのか、いかなる暮らしぶりを好むのかということについて的確に想像して、その実現のために政策をつくっていく、こういう必要があると思うんですね。 今、参考人が、平成十年にグランドデザインをつくったときはまだ人口減少問題が切実でなかったとおっしゃったけれども、実際には、もう十分に予測可能な範囲で起こっているわけですし、さらには、これが二〇一〇年から一五年までを想定しているグランドデザインなわけですから、やはりそういう想像力というもの、まさにこれからつくっていく計画についてはぜひ持っていただかなければ仕方がない、話にならないというふうに思うんです。 例えば、これは過去のことを言いますけれども、駅に近い公団住宅に入居するということが庶民の夢であった時代があったわけです、過去には。それから、郊外の一戸建て住宅で家族団らんを楽しみたい、家族団らんを望む、そういう家庭のために国や民間の開発業者がニュータウンをつくった時代もあったわけですよ。ところが、都心回帰の現象が起こると、今やニュータウンというのは、ニュータウン育ちの子供たちがニュータウンには住み続けないで別のところに住む、こういうような切実な問題が起きているわけですね。 そうすると、長期にわたる国土行政というのは、その辺のところを十分に考えて、この読みが外れてしまうと、当初は成功したと思われる政策でも、その政策が完了するころにはもう失敗しているということもあり得るわけですから、今後の課題として、やはり長いスパンで考えていただいて、的確に計画を立案していただきたい、こう思います。 今、東京には超高層マンションが林立しているわけですね。バブルの時代に地上げされた六本木ヒルズや湾岸のベイエリア、あるいはお台場というようなところに代表される職と住近接型のマンションというのは、実は一部の勝ち組のものになっていないか、こういう問題意識を私持っております。 先ほど参考人は、これまでの全総計画は所得格差をなくしてくることに効果があったと、光の部分としてはね。それは確かにそうかもしれないけれども、今まさにその所得格差が生まれようとしているという問題意識が世の中にあるわけですから、そうすると、それは国土政策あるいは住宅政策にはどういうふうに反映させるのかというようなことも当然考えていただきたいわけですね。 今、都心に残る一戸建ての住宅の中には、既に仕事から引退されたお年寄りのひとり住まい、こういうケースもあるわけですよ。そうすると、先ほど言われた国際競争力、二十一世紀の日本が高い国際的競争力を備えるためには、そういう引退された世代が、都心の便利なところ、何のために便利かというと、それは生活に便利かもしれないけれども、何よりも働くために便利なんですね。超高層マンションに入居者が多いというのは、そこが職住近接で働くことに便利だからなんですね。その便利なところを高い所得層だけが利用できるような今の民間主導のディベロッパーの超高層マンションでいいのか。 住宅公団、それが機構に変わりましたけれども、住宅公団は新たに住宅をつくらないわけですが、例外を除いて。そうじゃなくて、まさに都市の超高層マンションのようなところを、期間限定にして、職住近接で本当に働きたい人たちに低廉な価格で提供するということは、まさにこれが国際競争力を高めていくということにもなると私は思うんですよ。こういうようなやり方だってできる。工場や教育機関を地方に分散していった、こういう政策があったわけです。同じように、生産性が低いと言ったらなんなんですけれども、余り生産をされない、あるいは大きな消費に結びつかないというような方々には、都心に住んでいただくよりも環境のいいところに住んでいただく、そういう政策をつくるということもできると思うんですね、同じような仕組みで。ですから、そういうこともぜひ考えていただきたい、こういうふうに考えます。 それに関連してですが、最近国土交通省から届けられた資料に興味深いデータがありました。世帯主年齢別超高層マンションへの永住意向という意向調査があったわけですが、それによると、特に若い世代、超高層マンションに住む人は三十代、四十代が圧倒的に多いんですね、居住している方は。ところが、この方たちの永住意向が非常に低いというおもしろいデータがあるんです。これは、私がいただいた資料によると、出典が明らかでないんですけれども、追加でいただいた資料には書いてあったので、時間がもうなくなりましたのでそのことはいいんですが、若干この調査について御説明を簡略に、ごく簡略にしていただければと思います。
○尾見政府参考人 今先生がおっしゃった調査は、世帯主年齢別超高層マンションへの永住意向に関する調査結果ということだというふうに思います。その中では、永住意向を持っているのは、二十九歳以下で二八・二%、三十歳から三十九歳で三四・〇%と、ほかの世代、全世帯平均の四六・四%に比べて低くなっている、こういう結果が出ております。
○松崎(哲)委員 簡略でありがとうございました。 その超高層マンション、二十階建て以上のマンションを超高層マンションというんだそうですが、既成市街地での超高層マンションの供給戸数が、これは国土交通省にいただいた資料ですが、十五年前の平成二年には三百三十八戸、十年前の平成七年にはゼロ、その後急増しているんですね。五年前の平成十二年には四千八百三戸、二年前ですが、十五年には九千三百六十九戸。恐らく今は一万戸を超えていると思われますが。しかも、この十五年で住宅供給戸数全体の一三・二%という、超高層マンションというものが持っている住宅供給能力といいますか、非常に大きいわけです。 私、先ほど、超高層マンションに関する考え方、これが実は、超高層マンションには超高所得者でないと入れないという、こういう実態。これはデータをいただこうと思ったんですが、ないということなので、これもぜひ調べていただいて、やはり一部の人たちの階層に、大都市、東京圏の利便性というのは限られている。これはやはり国としては考えるべき問題じゃないかというふうに考えているんです。 四全総のころ、東京問題という言葉がございました。東京をどうするかということが政策課題の中心になっていたのが四全総だったわけですが、その後、地価の鎮静もありましたから、やや看過されてきた嫌いがあるのではないかというふうに思いますが、今まさに、また新しい東京問題が起こりつつあるというふうに考えます。 こういうような時代、先ほど、超高層マンションの居住者については三十代、四十代が一番多いんですね。それで、その居住者が実は永住を希望していない。永住を希望していないけれども、何億円で買った超高層マンションを、超高所得者であれば、簡単に売ってまた次のところということはあり得るとは思いますけれども、やはり今度は、買いかえをして住みかえをして、世代世代に合った、働く世代、現役で働く世代に住みやすいところ、働きやすいところ、それから、リタイアした、引退された方々が住みやすいところ、もちろん都市の利便というのも享受した方がいいだろうし、病院が近いとかいろいろなことはあると思うんですが、世代によって違うと思いますので、そういうことを十分に視野に入れた計画の御検討をこれからしていただきたい、こういうふうに考えております。 最後に、大臣にぜひ伺いたいと思うんですが、大臣は、日本の庶民、高所得者層じゃなくて、庶民がどういう意識で仕事をし、生活をし、子育てをしていて、そして余暇を楽しんでいる、楽しむことを望んでいるのか、こういうことについてどういうお考えをお持ちか。そして、そのために、国土交通体系、国土交通政策というのはどういうことができるのか。国土の形成というようなあいまいなお役所言葉ではなくて、生のお言葉で御説明をいただきたいと思います。最後の質問にさせていただきたいと思うので、よろしくお願いいたします。
○北側国務大臣 ちょっと御質問にきちんと答えられるかどうか自信がございませんけれども、本当に目前に迫りました人口減少時代、これは恐らく日本の有史では初めて経験することだと私は思います。この人口減少時代をどうとらえていくかということが極めて大事だと思います。 これは、さまざまな分野においてそうなんだろう。ましてや、国土交通省を中心といたしまして、国土形成という言葉を使ったら怒られるかもしれませんが、国土の形成にも大変大きな影響を与えていくんだろうと思います。これも人口減少時代、人口減少そのものはプラスとまたマイナスがきっとあるんだろうと思うんですが、逆にそのマイナス部分をできるだけ小さくしてプラスの部分をできるだけ大きくしていくことが非常に大事だと思っております。 そういう方向性を出せればいいなと思うんですが、私は今までの、過去の国土の計画というのを見てみますと、やはりどんどんどんどん都市化が進んできて都市に人口が集中をして、そして宅地化が進んできて、これは当時の産業構造等からはやむを得ない面があったと思うんですよ。あったと思うんですが、それが結果として、例えば、非常に急斜面のところに住宅を建てたり、また河川についてもいっぱいいっぱいのところまで住宅を建てたりだとか、そういう側面も相当あったと思うんです。 ところが、人口減少時代になることによって、また、特に今、これは高齢社会になったからかもしれませんが、安全だとか安心だとか、また景観だとか環境保全だとか、そういうことを非常に重視する時代になってきているわけでございまして、そういう意味では、国土の計画、またまちづくりにしても、人口減少時代というのはある意味ではゆとりを持った計画ができるわけでございまして、そういう意味では、そういうニーズに対してもこたえられていく時代になってきたのではないかとも私は思うわけでございまして、ぜひその辺のところをきちんと位置づけることができたらいいなというふうに思っているところでございます。 ちょっと質問に対する答えになっていないかもしれませんが、御勘弁いただきたいと思います。
○松崎(哲)委員 最後の御答弁で、減少時代だからこそできる国土の利用、整備、保全、そういうのが確かにあるということを、今お言葉を伺ったのは大変心強く思いました。 これで質問を終わります。ありがとうございました。
○橘委員長 樽井良和君。
○樽井委員 民主党の樽井良和です。 同僚議員に続きまして、国土形成計画法案の質問をさせていただきます。 それに先立ちまして、けさ中川議員がおっしゃっていましたが、近鉄とJRを例に出しましたように、距離は違うんだけれども時間と料金が同じようにセッティングしてある。これをよく考えますと、普通に、例えば出張に行くとか知らない場所に行くときに、最近パソコンとか携帯なんかで検索すれば出てくるんですよね、どういう経路で行けばいいかということ。そういった中で大体設定されているのは、優先順位でいえば料金と時間である。こんな中で、料金が例えば十円高いとかあるいは一分遅く着くとか、これは商売する上では物すごいハンディになることでありまして、この辺でいろいろな熾烈な競争が出てきているんだと思います。かといって、もう聞き飽きたとも思うんですが、安全をなおざりにするわけにもいきませんので、なお一層取り組んでいただきたいということを強く言っておきます。 そのソフトは、駅すぱあとなんというソフトなんです。そういうことで、例えば、字は違いますけれども、最近は本物のエキスパートあるいはプロ意識を持った若者がちょっと少なくなったなというのが、私自身雇ってみたりして感じるところであります。きちっと白線の前にとめられない。少々お客さんが多かろうが雨が降っていようがきちっととめられる、これがプロであります。いろいろなところでボランティアでありますとかあるいはNPOなんかがたくさん出てきたんですが、お金が要らないかわりにちょっと仕事の方がいいかげんだよというようなタイプの仕事をする若い世代、最近多いと思いますので、こういった教育問題につきましては国土交通省に言っても仕方がないんですが、こういった部分でももうちょっとプロ意識あるいはエキスパートを育てる、こういったことも考え、きちんと、職人気質の方々もやはり日本には必要だなということを強く感じております。 通告しておりました国土形成計画の名前につきましては、先ほど松崎議員が何回も質問しましたので見送りますが、私もこの名前については、ちゃんと調べれば意味は通じるんですが、ちょっと名前自身に違和感を感じます。例えば、国土整備計画であるとか、保全計画であるとか、そういうところなのかなとも考えておりましたが、またもうちょっとぴしっとしっくりくる名前があれば、変えることも考えてもいいのだな、こういうふうに思っております。 通告してある質問内ですが、ちょっと順序変わりますので、順序を変えての質問になりますが、よろしくお願いいたします。 まず、国土総合開発計画、これがずっと今までもたらしてきた副作用というのが、私、たくさんあると思います。一般的に、地方が自立的に振興を進めるような意欲がなくなってぶら下がり体質になっているとか、あるいは環境、こういったものでも、ずっとコンクリート化がどんどん進んでいった、そういった中で多くの環境を壊すことになった、こういった副作用が多々あると思うのですが、その副作用の認識と、その副作用に対して具体的にどういった対処をするおつもりなのか、まずお答えください。
○尾見政府参考人 開発がもたらした副作用というお話でありますが、先生の御質問に直接お答えすることになるかどうかわかりませんが、いろいろなところで影響が出てくるのは確かだと思います。 本日の委員会でも、例えば、昔の自然環境とかそういうものが大きく失われた時代もある、あるいは公害問題が惹起されたというようなこともあると思います。それから、都市の過密と過疎、地方の過密と過疎、大都市と地方の過密と過疎というような形で、それぞれのエリアの中で大きな問題が出てきた、そういうことも当然マイナス点としては挙げられると思います。それと、財政の問題とかいろいろな点が考えられるのではないかと思っております。
○樽井委員 まず、それに対して、具体的にそれをどうやって直していくのかという具体的な案をちょっと今聞きたかったんです。 それと、今までつくり上げてきた道路とか、膨大な距離に及ぶと思うんですが、その補修の値段ですね。今までどんどん開発していったので、それを補修するのにもこれから先ずっと補修費がかかっていく、いろいろなところが壊れてくると思うんです。 あわせて、先ほどの具体的な対処の方法、あれば、今の補修の件も含めてお答え願いたいんですが。
○尾見政府参考人 それでは、補修の方についてお答えをまずしたいと思います。 今御指摘のように、これから国土基盤の維持補修費の増加ということが見込まれるわけであります。我々、耐用年数を経過した国土基盤に対して更新費というものも急増するだろうというふうに思っておりまして、試算をいたしておりますと、二〇二〇年前後からそれらの補修費と更新費が非常に大きくなって、新しい投資余力といいますか、そういうものに対して大きな影響が出てくるのではないか。 数字をちょっと申し上げますと、いろいろなケースがあるんですけれども、例えば、総投資額がこれからも変わらないとしたときに、二〇〇一年度から二〇二五年度までの二十五年間の維持管理費は百八十五兆円というような数字が見込まれております。更新費の方はこれから後で発生してくる関係になりますので、それよりも少なくなりますけれども、一定の金額が出てくる、こういうことでございます。 副作用に対してのどういう対処があるのかということでありますが、環境保全というような観点では今までるる積み上げられてきたと思いますし、先ほど大臣が、河川の関係では河川法の改正で、やはり環境というものを大きな目的にした法改正をやり、多自然型の川づくり、そういうものを進めてきた、そういったこと等々を御説明されたと思いますが、そういうものの例として申し上げたいと思います。
○樽井委員 補修費ですが、よく聞く話が、例えば道路ですと、いいかげんな工事をしておく方がちょっとまた壊れて補修できるので、ぴしっとつくっておったら仕事がなくなるよということを平気で言う業者の方とか、私、聞いたことがあるんですが、同じ道路を掘ったり埋めたり、何回も繰り返して、これで赤字にならぬわけがない。 実際に、例えばパソコンを購入するでしょう。そうしたら、二階から落としたりして壊れたら、それは自分で直さないといけないだろうけれども、通常使っていて壊れた場合は、一年間だったら無料で修理するとかいうのがあるわけです。例えば道路とか建物でも、通常の使用方法で別段、決まった重量のものが走って壊れた場合は、それをつくり上げた業者が無料で修繕に行くぐらいのことをしなければ、むだな経費がこれから先どんどんふえていくというふうに私は思いますので、そういったこともぜひ検討していただきたいということをまず訴えておきます。 それで、七百七十四兆円の長期債務、これは今までの全総の中でもたらされたものがかなり多いと思うんですが、これを考えますと、実際、費用対効果とか経済生産性を考えて施行したのかとか、これは全総自体がパンクしたよというような認識があるのか。 それで、これは、ホリエモンみたいな言い方をしますと、この七百七十四兆円の長期債務というのは国は想定済みなのか、それとも、そんなはずじゃなかったのにこうなったのか、どういう認識なんでしょうか。
○尾見政府参考人 お答え申し上げます。 国と地方の長期債務の七百七十四兆円というのがどういうことに起因して生まれたかということについては、私は、そのことについて、私の立場でこういうことだというふうには申し上げられませんけれども、国土計画という世界でそのことがどう認識されていたのかということについて調べてみました。四全総、その前の三全総、そういう中で、この累積債務に関する記述だとかそういうものがあるかどうか調べてみましたが、それは発見できませんでした。投資規模が決められるときに、こういうものの運用に関して、例えば財政状況を勘案して弾力的に取り扱うとか、そういうことが書かれるケースがあるかなというふうに考えておりましたが、そういうことはございませんでした。 現在の五番目の全総計画のグランドデザインは、やはり財政構造改革という大きな流れの中で経済計画等がなくなっていくということで、そういう投資規模は廃止されたわけでありますが、ここでは、財政の逼迫した状況というものが大きく作用したんだろうと思います。 ちなみに、四全総の策定時点での国と地方の長期債務残高を調べてみますと、二百三十八兆円という数字でありまして、現在の金額からすると三分の一ぐらいであると思いますが、そのことが当時どのように認識されていたのかということについては、申しわけありませんが、つまびらかにできませんでした。 以上でございます。
○樽井委員 これは、例えば確信犯的に、こんなもの、全然はしにも棒にもつかぬような公共工事だけれども、自分のところの利権で注文してやろうかというような、こんなことがあったのかどうかということ自体も大問題だと私は考えておりますし、これだけどんどん借金まみれになりながらも無尽蔵にそういったものを受け付けていた役所自体も問題があると思っております。 実際に、これはだれがこういった、例えば長期債務の責任をとるんだろうかというのを考えたときに、支払うのは将来の国民の税金ということなんでしょうけれども、実際に何度も赤字を出したとか、あるいは担当して失敗した人、これは認識できているんでしょうか。どの工事はだれが責任者であって、どれだけのコスト・ベネフィットがあったとか、こんな失態を犯しただとか、そういったリストを例えば出せと言ったら出るんでしょうか。
○尾見政府参考人 私どもは国土計画を所管している立場でございます。そうしますと、現在の全総計画を含めて、その性格は、やはり国土の利用、開発、保全に関する総合的かつ基本的な計画ということで、国土政策の基本的な方向性を示す、そういうことを任務としております。個別事業の実施計画とは性格を異にすると思っております。個別事業については、その時点時点で、例えばBバイCでありますとか、いろいろな環境への影響とか、そういうことを勘案して、事業者がその適否について判断していく、こういう枠組みだと思っております。 具体的な個別事業の実施に当たりましては、現時点では、実施主体において、むだなものはつくらずに、真に国民のためになるものをという観点から、第三者委員会の御意見をいただきながら、費用対効果分析などの事業評価を客観的かつ厳格に実施しておるところでございます。 また、新しい国土形成計画の中では、計画の政策評価といったことも義務づけていきたいと思っておるところでございます。
○樽井委員 計画の中できちんとした結果責任を問えるようなシステム自体を今度の法案にもきちんと入れていかなければ、また同じように、全く無責任に、だれもが工事を湯水のごとく使ってやって、やはり大した変化がなかった、相変わらず例えば長期債務はどんどんどんどんふえていくよというような流れになると私は思うんですね。 普通、会社でもそうですけれども、人がかわらないと、法律が変わったって余りやることは変わらないだろうという気が私はしております。実際にむだな事業を排除するには、当たり前ですけれども、むだな事業を立案して施行した人を排除するという、そういった必要性があると私は思うんですが、この辺は認識されていないんでしょうか。
○尾見政府参考人 今おっしゃるような点について、公共事業という観点からいけば、やはり事業者自身がきちっと総括、検証して対応策を考えていく。その中で、例えば人的な責任の問い方というようなお話も当然あろうかと思いますし、きちっと情報をいろいろな形で開示していくということによって、多くの国民の目線でいろいろな議論がされるというようなことも有効なのではないかと思っております。
○樽井委員 そうきつく聞こえたらまたあれなんですが、当然、逆もあるんですよね。一生懸命やって、とてもいいプロジェクトを実行した、成果を上げている、そういった方も当然認識して、そういった方は出世させてあげないとやる気が出ないでしょう。失敗した方について今言いましたけれども、逆の称揚的なものも考えて、きちんと、これにはこういう人が携わっています、こういう人が責任者になっていますと。一つ一つの工事に、プロジェクトもそうですけれども、普通の会社だったら責任者なり事務局長や幹事長や、大体、プロジェクトずつ決まっていて、やはり、失敗したら結果責任を問われて出世がおくれたりとか、あるいは、成功したら社内でも評判になったり、そういうことはあるわけです。 当然、私は、何ぼ官僚的な、あるいは役所的な仕事であるからといって、結構な成果を上げた方は、極端な話、カリスマ的な存在になって、どんどんその人が立案して施行できるぐらいのレベルの知名度とかがあってしかるべきだと思うんですね。そういういい評価も与えたいし、信賞、どっちにしろあめとむちになるんでしょうけれども、何をしても同じ評価であるというところに、全く言われたままに動いてくるとか、本気で実行しないというような体質ができるものだと思っておりますので、なるべくその仕事の評価、この工事はすごく国民にとって利益があった、あるいは、これはさっぱりだめやったやないかというのをその責任者の名前のもとできちんと公表できるなり、あるいは認知しているような、そういった状態をつくっていただいた方が、もっと有益な公共工事などが一つずつ実現していくものだと私は思っておりますので、ぜひそういったことも御検討いただけたらと思います。 それで、国の均衡ある発展を目指したということが前の全総だったんですが、今回はそうじゃなくならせるんだということなんですが、その目標とか方針は具体的にはどんなふうに変わっていくんでしょうか。お答えいただきたいのですが。
○尾見政府参考人 今回の法律の中では、国土の均衡ある発展という言葉は使っておりません。これに関連する記述としては、地域の自立的な発展ということを基本理念の大きな柱としております。ただ、国土利用計画法が国土形成計画法の上位法として作用するわけでありますが、その中では国土の均衡ある発展という理念が国土利用計画法にはございますので、全体としてはそれは生きているというふうに考えます。 ただ、国土の均衡ある発展については、従来の国主導の開発ベースということの中でいろいろ御批判があったことも事実でありますが、そういうものを変えていく中で、本来の意味は、国土の利用の偏在を正して地域の個性ある発展を促す、そういうのが本来の趣旨でありますので、そういう原点に戻ってこれを考えていこうという考え方でございます。
○樽井委員 均衡ある発展をやめて、そういった、個性ある町をつくっていくということでよろしいのでしょうか。それを具体的にどういうふうに均衡ある発展をやめて形を変えたのかというところなんですが、今回の法律をつくるに当たってどういうふうに、では、均衡はやめて、どうするのかということを、もうちょっと詳しく具体的にお願いします。
○尾見政府参考人 ちょっと説明が悪かったかもしれませんが、均衡ある発展という理念は今度の新しい計画にも影響を及ぼす理念として存続いたします。ただ、その内容につきましては、本来の趣旨は、実は地域の個性ある発展という内容を包含しておりますので、そういうものとしてやっていくということでございます。 地域が、やはり本来、自分たちのありようとか、行き先については自分たちの考えで進めていくというのはまさに地方分権の思想だと思いますし、今回の大きな制度改革の中では、まず国が決める計画、全国計画とかあるいは広域地方計画とか、そういう分野におきましても、地域の声というものをきちっと反映できるような仕組みにしていくというのが均衡ある発展の考え方を制度面で対応させたものだというふうに認識しております。
○樽井委員 私も、どちらかといえば、地域はやはり個性を主張してやるべきだと思っております。 こんな言い方をしたら酷なのですが、例えば、坪単価七万や三十万円の土地を買っておいてそこが不便だからというのは、それは不便だから安いのであって、それを全く同じように整備しようじゃないかというところには少し無理がある。やはり、そういったところに、同じ道路を引かなくてもまた違うやり方があるんだ、そこは農業であったり、あるいは何かの産地であったりして、別にそういったことで経済を成り立たせていけばいいと思いますので、どんどんどんどんと均衡を目指していくという流れを変える部分については私は方向は間違っていないというふうに思いますので、その具体策だけをきちんと間違えないように今後整備していただきたいというふうに思います。 それと、先ほどもありましたけれども、二〇〇七年で人口減少時代を迎えるという。今回の法案の中に少子化時代をにらんだコンセプトというのがあります。そういった中で、やはり、どうしたいのかというと、やはり子供をもうちょっと産んで育ててほしいという思いが当然あると思うんですね。そんな中での国の施策的な部分で、せんだっての法案で独立行政法人住宅金融支援機構の法案がありましたけれども、そういった中で、例えば、子供をふやしたいんだったら、当然、ファミリー向けのマンション、ファミリーが購入するときにはちょっと金利が安くなったり、優遇があってもいいとか、あるいは、公営住宅においては、全くの独身の方よりも、例えばお子さんを連れられている方、今後産まれる予定の方とかを順序的には優遇して入れるのがそういったことを促進するのにはいいのかなというふうに考えるんですが、その辺の見識の方はいかがでしょうか。
○山本政府参考人 少子化対策という事柄の性格を考えてみますと、政府のあらゆる政策分野におきまして方向を同じくして、力を合わせて総合的に取り組むものでなければ実効的な効果は上がらないというふうに認識しておりまして、もとより住宅政策におきましても、ゆとりのある住宅を確保すること、それから、子育て世帯の負担の軽減を図ることといったようなことは非常に大事な課題であると考えております。 まず、御指摘ありました住宅金融公庫の融資でございますが、これまで長期、固定、低利の住宅ローンを供給することによりまして国民の計画的な住宅取得を支援してきたところでございます。その中で、子育て世帯に対しましては、規模の大きな住宅の取得をする場合に割り増し融資をするといったような施策で対策を講じてきたところでございます。 また、今御指摘がありましたように、今般公庫を廃止して、平成十九年度に新たに独立行政法人を設置するということを実行する法案をお願いしているところでございますが、この新法人の業務の柱となる証券化支援業務につきましても、今年度から、対象となる住宅の床面積の上限を撤廃いたしまして、規模の大きな住宅の取得を支援する措置を講じてまいります。それから、民間金融機関による対応が困難なファミリー世帯向けの賃貸住宅については、住宅金融公庫に引き続きまして、新法人においても引き続き融資を実施することとしております。 それから、公営住宅の入居についてのお尋ねもございました。これは事業主体の判断によりまして、子供を多く抱えた世帯につきましては、そういう子育て世帯については優先入居を行っているところでございます。地域の実情に応じたこのような優先入居につきましても、国としても、今後とも必要な助言や情報提供を行っていく考えでございます。それから、今年度から小学校に上がる前の子供を抱えている世帯、これにつきましては、入居収入基準を地方公共団体の裁量によりまして引き上げることができるように措置したところでございます。
○樽井委員 またそういった対処をいろいろ検討していただきたいと思います。 独身で、独身貴族的に三部屋も四部屋もあるようなところでゴージャスなマンションに住んでいて、お金も一人だから結構あるわけです。それで、ファミリーの方が、子供にお金がかかるから、家賃が余り払えないからといって部屋数の少ないところに押し込められている。その風景というか、イメージ自体が、子育てすることが何か人生の中でおもしろくないようなイメージを植えつけてなかなか一歩踏み出せないでいるようなところが、私なんかの世代で、友達なんかも同じような世帯がいるんですけれども、よく見受けられますので、その辺は対処すべきだなと思います。 一人子供が生まれてみたらかわいいのでよさがわかるんですが、生まれないうちは意外と、生まれたらしんどいんじゃないかとか、そればかりが頭をよぎって第一歩を踏み出さないというタイプの子育てができない方はたくさんいらっしゃると思いますので、こういった今言われたような政策が広がることによってもうちょっとほのぼのとした住まいを提供できたら、今後ふえるように持っていけるんじゃないかと思いますので、今後とも力を入れていただきたいと思います。 それで、大臣に質問したいと思います。 今回の法案では、「国土交通大臣は、全国計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。」とするというので、国土交通大臣が全国計画の案を作成するということになっているんですが、大臣、現在、具体的な案と、あるいはグランドデザインのビジョンというものを持っていらっしゃるでしょうか。それをぜひお聞かせ願いたいのですが。
○北側国務大臣 それはまさしくこれから検討しないといけないテーマでございまして、それも、さまざまな方々の御意見、また国会での御意見、さらには地方団体の御意見等もちょうだいしながら策定をしていくわけでございます。 ただ、問題意識は当然持っております。 一つは、先ほど来申し上げていますとおり、いよいよ本格的な高齢社会が到来する、また人口減少社会が始まるということでございまして、そういう意味では、国土の今後の形成計画をどうしていくかということにつきましては、本当に大きな転換点に来ているというふうに思います。 従来は、やはり開発ということが中心になってきたわけでございますが、これからは、もちろん必要な開発はやっていかないといけないわけでございますが、それよりもむしろ、既存のストックをいかに有効に活用していくかということが非常に重要視されるというふうに思っておりますし、また、今国民の方々も、環境の保全だとか景観の維持、また向上とか、そうしたことに非常に価値観を高くしている時代に、これはこれからもますますそういうふうになっていくのではないかと思うわけでございまして、そういう意味では、開発から、これからは、いかに保全、整備、そして利用をしていくのかというようなことが大事な時代になってくるのではないかという、そういう意味での転換があると思います。 また、人口減少という意味では、一方で、人口減少というのは、そのまま経済が縮小していくというふうにならないようにしないといけないわけでございまして、生産性を高めるような基盤整備、これをやはりしっかりとしていかないといけないと思うわけでございます。 そういう意味では、先ほど来お話がございますが、今、世界経済の中で一番急速に成長しておりますのは東アジアでございます。特に、我が国はその東アジアの一角にあって、我が国の国内の企業も、東アジアにも数多くの拠点を置いて水平分業をしている。こういうふうな時代になってきている中で、例えば、国際空港だとか国際港湾だとか、こうした物流の基盤を、機能を強化していくということは、非常に優先順位が高い施策ではないかと私は考えております。 逆に、そういう基盤が未整備だと、国内の荷主側の、そういう生産メーカーの側が逆に海外に出てしまって、産業の空洞化にさらに拍車をかけていくということになりかねないわけでございまして、そうした基盤整備も、私は非常にこれからの人口減少時代というものを考えますと、ましてや重要ではないかと考えております。 また、昨年、本当に災害が多い年でございましたが、やはりこれからの時代というのは、安全とか安心とかそういうものに対して価値観が高い時代になっていくと思われます。そういう意味では、安全、安心な国民生活を実現していくためのそうした基盤整備についても、優先順位を明確にしながら進めていくことが非常に重要だと思います。 そうした、基盤整備、国土の計画という意味では、非常に大きな転換点に来ているのではないか。 この国土形成計画の策定に当たりましては、一つ大きなこれまでとの違いは、地方の主体的な意見をしっかりと取り入れていく。全国計画についてもそうでございますし、また、広域地方計画という形で地方の皆様にも計画の策定に参画をしていただくという形で、国と地方とが一緒になってビジョンをつくっていこう、こういうことも今回の法案の大きな特色の一つであるというふうに考えております。
○樽井委員 詳しい答弁、ありがとうございます。 ただ、抽象論じゃなくて、具体的な案ですね。例えば、あそこにリニアを引くとか、こういったところに危機管理都市をつくるとか、そういった何か具体的なことをもし仮に大臣が挙げていくとするのであれば、任期は長くても四年はないでしょう、それは選挙が四年に一回あるんですから。それで、その間に大臣が言ったことが実現するまでどうなるんだろうかと。漠然としたことを言って、何かそこに形成されたり実現するものがあるのかどうか。 失礼ですが、私は、もし大臣だったら、あれをしたいこれをしたいといっぱいありますから、なった途端どんどん出すんですが、仮に、これはひょっとしたら、厚生労働大臣になるはずだったのに、ぱっと国土交通大臣になったら、あれっといって、おれ、何も考えていないよというような段階からスタートするのか。それとも、もう官僚がつくっていたものが実はあって、大臣、これをやってくださいよということでそのまま流していくのかとか、いろいろなことが考えられると思うんですけれども、何か具体性というのが、ずうっと今までこの法律を見ておりましても、皆さんの答弁を聞いておりましても、なかなか、最近、あそこにあれをつくるという、ばちっというものを出すというのが少なくなってきたな、また実現性も減ってきたなというふうに思います。 かつての田中角栄さんのころのような、ぱっと新幹線が通ったりすれば、国民もわあっと思うんですが、そういった、収縮傾向もいいんですけれども、もうちょっと盛り上げるようなものも大臣案として出せるようなシステム、あるいは大臣じゃなくても総理が出せるとか、そういったことを当然検討していくべきだと思います。 それと、スピードなんですね、今も再三言っておりましたけれども。プロジェクトを実現するまでのスピードというのは、何か熱がこもっているときに一気にやらないと、いろいろなところで模範的な建設を見ますと、大体五年ぐらいで構想から実現までが実行できているという国が最近多いです。その中で、ちょっと遅いんじゃないかと思うんですね。 私は、全然お金がないときに、会社をつくろうといって、三カ月後にオープンしていましたから、そのスピードというのがえらい大事なんですね。徹夜してでもやるという、そういう意識ですね。それがないと、だらだらだらだらと時間だけ過ぎていって、また、そのうち人事もかわっていったりして、何か締まりがない、当たりさわりのないものがぽんとできて終わってしまうというふうに思っているんですが、プロジェクト実現までのスピードをもっと迅速にしろと私は思うんですが、その辺について大臣はどうお思いでしょうか。
○北側国務大臣 スピード感のある実施ということは非常に大事だと思います。その方が経済効果が高いわけでございます。 昨年末に整備新幹線について政府・与党の間で取り決めをさせていただいたわけでございますが、平成二十六年、二十七年というふうに言っておりますが、これは少しでも早く実現できるようにすることの方がいいに決まっているわけです。その方が早く列車を走らせて、逆に収益を上げることができるわけでございまして、そういう意味では、今一つの例を申し上げましたが、早く、スピード感を持ってプロジェクトを実施していくということは、極めて重要な視点であると思っております。 これまでも、もちろんそうした取り組みをしてきているところでございます。例えば、時間管理の概念を導入した事業方式。例えば、公共事業の出口についてもきちんと宣言をしていくというふうなこともやり始めております。例えば、道路について、いついつまでに完了をしますということを宣言して公共事業に着手をするというふうなこともして、そういう試みもなされているところでございまして、こうした時間管理概念を導入した事業、新しい事業方式、これについても積極的に導入をさせていただきたいと思いますし、また、PFI事業についても、こうしたPFI事業を活用することによって早く事業が達成できるということもあるわけでございまして、こうしたさまざまな新しい事業方式を導入してまいりたいというふうに思っているところでございます。 いずれにしましても、今回のこの国土計画におきましては、広域地方計画というのをつくることになります。広域的な課題への取り組みにつきましては、関係者が合意のもとで計画として決定する、そして推進をするということになっておりまして、よりスピーディーなプロジェクトの実現が図られるものと考えております。
○樽井委員 そうですね。ちょっとスピードを速くしないといけないというのは私も強く思っております。 あるいは、さっきプロフェッショナルの話をしましたけれども、普通プロというのは絶えず、こんなんしたいという、ずっと頭に思っているから、何か言ったときに速いんですよね。こういうデザインでいこう、ああいうのでつくろうというのをずっと考えているんで、何か決断を迫られたときはぱっと前に進めるんですけれども、なかなか常日ごろから考えていないから逆に遅かったりする。だから、じっくり時間をかけてやればいいものができるとか、じっくりやれば正確というようなことでもないというふうに、今までいろいろな仕事をしてきて特に認識しております。 ライブドアなんかと仕事をちょっとやりますと、物すごい速いですね。もう連絡といい、実行スピード、達成した精度、そしてアップするまで、多分役所の二十倍ぐらいだと私は思います。それはあれだけもうかる企業にすぐ成長するなというふうに実感しましたけれども。そういったスピードを上げるということ自体がコストを削減することであり、さらにはいろいろな意味で洗練されてくると思っています。 私なんかナポレオンが物すごく昔好きやったんですが、ナポレオンが実行するときに大事な実行力で言うと、力の結集、それと迅速な対応、それから死をも恐れぬ勇気、これがあれば何でもできるというふうに何か書いていましたね、手紙で、ジョセフィーヌにあてた手紙かなんかで。 それで、実際は、普通の、国のやっている事業を見ますと、力分散ですよね、均衡型で。割と分散で、いろいろ、スタッフも分散、それで対応が遅い。そして、死をも恐れぬどころか、ちょっと保身的な雰囲気すらする。そういう中でやっているので、なかなか仕事力からすれば低いんじゃないか。これをもうちょっと認識を上げてやってほしいというのが一つの観点で私は持っております。 もうたくさん質問を残しておるんですが、あと時間も少なくなりましたので、何個か飛ばして大臣に聞こうと思います。 それでは、まず、初めに予算を組んで総額の消化に動くというような形をよくとっていたと思うんですが、それは私はちょっとおかしいと思うんです。最初に予算を組んで総額の消化をするんじゃなくて、みずから、これがこれだけのすばらしい事業であるというプロジェクトをつくって、その見積もりをして採算がとれるものを実行すべきじゃないか、そういうふうに思うんですが、このやり方についてはどういうふうな認識をお持ちでしょうか。
○北側国務大臣 今は、例えば先ほどの例で言えば、整備新幹線の問題でも、費用対効果、経済効果、採算性等々、事前にそういうことを詳細に検討した結果、それをきちんと事業を評価させていただいております。その評価を実施して、事業効果が高いということをきちんと認定をした上で事業認定するというふうな手法をとっておるわけでございます。 そして、後々それがきちんと検証されるというふうな仕組みになっておりまして、そういう意味では、今はその辺の採算性等もきちんと、採算性さらには費用対効果等をちゃんと事前に提示し、そして事後的にもきちんとそれを評価する、そういうふうな今仕組みになっているというふうに思っております。
○樽井委員 先ほどから何回も出ていますけれども、やはりコスト・ベネフィットとか、あるいは農村地帯でもきちんと、あそこは水ときれいな空気を提供しているんだからそれはそれで価値があるんだというような観点もあるわけですから、それもある種の何かシミュレーションみたいなもので数値化して、どの工事のどれがどれほどの価値を生み出すか、これはどれほどの効果があるかということを、お金だけじゃなく、環境とかいろいろなものをシミュレーションして数値化するぐらいのシステムが当然国にはあってもいいと思いますので、その辺の見積もりなり、あるいは、赤字になろうがあれはすばらしい効果があるんです、環境にはいいんですというようなものをシミュレーションして、先ほど大臣もおっしゃっていましたけれども、優先順位をきちんと決めれるような一つのシステムであるとかプログラム、こういったものも将来的には整備してつくっていくべきだと思います。その辺の方もぜひ御検討ください。 そして、ちょっと時間がないんですが、今回の法案で景観をすごく大事に考えるということになっておりますが、この景観というのは、守ろうとしているのか、それともこっちでつくろうとしているのか、その姿勢をお伺いしたいんですが。
○北側国務大臣 これは両方あるんでしょうね。今ある景観をきちんと守ろうというのもあれば、失われた景観を取り戻すというのもあれば、さらには、今まで当たり前のように思っていた景観をこれをいかに活用するかというような観点もあると思います。さまざまあるんだろうと思います。
○樽井委員 見かけというのは現代ではすごく重視されると思います。きれいな町、すごくおしゃれな感動的な町をつくれば、そこでプロポーズでもしようかというような気になりますし、そういったことにもきちんと配慮していただく、その法律に入れていただいたこと、これは高く評価したいと思います。 ちょっと時間がないので、いろいろ取り消した質問等もありますが、国土審議会の構成メンバーあるいは広域地方計画協議会、このメンバーはどうやって決めているんだろうか、ここちょっと疑問点になりまして、やり方を教えていただきたいんですが。
○尾見政府参考人 まず、国土審議会でございますが、先ほど大臣の御答弁にもありましたように、国会議員の先生方を三十人のうち十人、その他各般の方々をもって構成するというようなことで法律で枠を決めているということでございます。 今度、広域地方計画では、国と都道府県というのがコアメンバーでありますけれども、そこで必要と判断した方については、例えばNPOに参加してもらうとか、経済団体に入ってもらうとか、そういうことができるようになっております。
○樽井委員 時間が来ましたので、ちょっとこちらで提言するだけにとどめますが、こういったメンバーで、自分たちの意に沿う人をうまいこと人選してやるのでなくて、もっと開かれたふうにしていただきたい。それが不正を導かない一つの方法だと思いますので、その辺をまずよろしくお願いします。 それと、ちょっと訴えだけですが、産業をちゃんと守るという視点も持って、産業誘致というのもありますが、誘致だけじゃなくて、今どんどん中国に会社が出ていっているんですね。知っている会社とかでも、向こうでビル借りたら家賃が五万やとか。これやったら、日本で五万円だったらワンルームぐらいしか借りれないですから、当然行ってしまう。 そういう中で、どんどんどんどんと出ていくのはいいんですけれども、普通にいろいろな中小企業が仕事をしている中では、例えばねじ一本に至るまで連携してやっているわけですから、一社ぽこっと抜けたら何かくしの一部分がぽきっと折れたみたいになってなかなか仕事がしづらくなる。 また、この間中国でいろいろ日本企業をたたくのがありましたけれども、ああいった事態がもっとひどくなったときに、日本で一切物をつくっていなくて全部中国に行っていたらえらい怖い話じゃないかと。 食料自給率というのがありますけれども、当然、生産物なりあるいは特化した技術なり、それの自給率というのも考えて、国内製造物自給率みたいなものも将来的には考え、どんどん出ていくのを防ぐような施策なりを打ち出していただきたいと思います。その点について意見がありましたら。では、それで質問を終わりますので。
○尾見政府参考人 食料自給率という形になるかどうかわかりませんが、東アジアの発展だとか産業構造の急激な変化というようなことで、国内産業の空洞化など、我が国の産業は非常に厳しい状況に置かれていると思います。こうした中でも国内の一定の産業分野を維持していくことは非常に大事だというふうに思っております。 これから日本の生きる道ということになりますと、やはり国際競争力、中でも先端分野のイノベーションというものをきちっとやっていくことだと思いますし、それの成果を国内の他の産業分野にどれだけうまく波及させていけるかということになるんじゃないかと思います。 そういう観点で、一つの柱として検討していきたいと思っております。 以上です。
○樽井委員 それでは、時間ですので、質問を終わります。ありがとうございました。
○橘委員長 伴野豊君。
○伴野委員 民主党の伴野豊でございます。 本日は、いわゆる国総法の案件につきまして大臣と創造的なお話をさせていただければ、そんな思いでやってまいりました。 きょうも朝から七時間、大臣、もう少しであと七時間ですけれども、特別委員会もあって大変かと思いますけれども、会期末もあと少しでございますので一緒に頑張りたい、こんなふうに思っております。 さて、では、これはちょっと質問通告はしておりませんけれども、御記憶があればちょっと教えていただければということでお聞きしたいんですが、まず大臣、全総、いわゆる全国総合開発計画というものを最初にお知りになったのはいつごろで、それを知ったときの何か御感想、見たというのか読むというか、これは見る、読むの定義が難しいですから余りこだわりませんが、最初、この全総というものをいつごろお知りになって、一全総からずっとあるわけですけれども、そのとき、それをごらんになって、どんな思いを、イメージでも結構です、私、今急に質問しましたので、思いつくままにお答えいただければ結構です。
○北側国務大臣 やはりそれは議員になってからでございます。 私は初当選、平成二年でございまして、一九九〇年、バブル時代の一番最後からいよいよバブルが崩壊するころに国会の方に来させていただきました。 そのころの時代状況、経済情勢もございますが、正直申し上げますと、多極分散型国土という言葉が当時四全総では使われておったわけでございますが、当時はその本来の意味をよく理解していなかったんだろうと思うんですが、多極分散型国土の形成という言葉自体が理解がなかなかできていなかったなというふうに思っております。 当時からやはり東京一極集中の問題、首都圏一極集中の問題が相当議論がされておりました。これはいまだに、いまだにというか今も御議論をいただいておるわけでございますが、この多極分散型国土の形成というのは、これはなかなか容易ではないなということを感じております。
○伴野委員 急な質問にもかかわらず、そのときの思いを端的にお答えいただきまして、ありがとうございます。 多分そうなんだと思うんですね。多くの方、特に、こういった国土計画とか、あるいは学問的に何かかかわっていらっしゃらなければ、私も別に各同僚議員に聞いたわけではないんですが、私も多分、ほとんどそういう仕事をしていなければ、というか、逆の部門で考えた場合に、そういった計画があるといったときにも、議員になってから見る計画が多うございますので、大臣はそのとおりだと思いますし、それから、今大臣がおっしゃった多極分散型のお話とか一極集中のお話、なかなか聞きなれないと、何なんだろうという思いの中で、一方で、随分前からそういう言葉というのは使われているけれども、実際、じゃ、どうなっているのかという検証があるのかどうかというようなところに行くんだと思うんです。 私ごとで恐縮なんですが、私は全総に最初出会ったのは二十歳のときでございました。たまたま私は都市計画を専攻しておりましたので、大学の先生から、夏休み、ちょっとおまえ読んでおけと言われたのが、当時の三全総の素案みたいなものでございました。そういうものを見たときに、私は正直言いまして、ああ、こういう仕事に将来かかわれたらおもしろいな、すごく国土の何か大きな夢をビジョンとして提示できる、これはおもしろい仕事だなとその当時思ったのを今でも思い出します。 ただ、その自分が思っていたイメージと、今回質問に立たせていただくということで、地元の、はっきり言ってそういった仕事にかかわっていない方に、全総というのは御存じですかと言いましたら、ほとんど御存じなかったですね。それと同時に、こういう内容なんですよと言ったところ、余りいいイメージはお持ちじゃなかった。 これは非常に私、個人的には残念なことで、私は夢とかビジョンとかを提示するものなんですよと言っても、何またこれ、政官業、まあ政官業とは使いませんでしたけれども、もう少し、なかなかここでは言いづらい言葉で、いわゆる変な政治家と変な役人と変な企業がくっついて、またやらなくてもいい仕事をやるんじゃないのとか、そんな声が返ってきて、私はちょっと残念だな、そんなイメージで国土計画というのをとらえられたりすると、これはやはりちょっとつらいななんて思いながらも東京に戻ってきたものでございます。 一言といいますか、今どうしても、何でイメージが悪いのかなということを考えますと、今申し上げたように、政官業癒着の汚職というのが、ある時期に残念ながら出ておりました。二つ目は、やはりむだな投資というのが、いろいろな報道もあるんでしょうけれども、国民の皆さん方の中にはそちらの方が、よかった結果よりもむだな投資というお話の方が強うございます。さらには、これはもともと、ひもといてみると、国土計画のはしりというのは、ナチス・ドイツが道路それから住宅計画をやったところにこの国土計画のはしりがあると言う学者もおります。ですから、いろいろなことでイメージが悪くなっているのかなと思うんです。 そこで、改めて国土計画というものをひもといてみました。多分大臣も御存じだと思いますが、我が国の国土計画のはしりは一九四〇年の近衛文麿内閣のときでございます。国土計画設定要綱というものがあったらしいんですが、これはいわゆる当時の日本の、多少アジアに拡大をしていくというようなときにつくられた形跡があるんですけれども、満州でもつくろうという計画がありました。 それで、御案内のような戦争の結果になった後、我が国は平和憲法のもと、やはりそういったいわゆる軍国的な発想ではなくて、最初、復興計画というものの中から国土計画というのは始まったんだと思うんですね。これは復興国土計画要綱というので始まりました。そこの第一の目標は、緊急の食料、これを何とかしなけりゃいけない。場合によっては、あえいでいる地域とあえいでいない地域の人口移動まで考えたような計画だったと記憶しております。最初はやはり経済計画から始まったんですね。 ここへ来ていろいろな見方をされているわけですけれども、もし経済計画で始まっているならば、例えば経済計画の行き着くところ、計画は手段でございますから、国内総生産を上げていくという目的が最終目的だとするならば、経済計画的な国土計画があっても、それが目的を達成しているならば、それはそれでよしとすべきところがあるんだと思うんですね。 さらには、一全総が始まってから、多少そこに、当時の内閣の、言ってみれば総理大臣の国家意思実現の手段に使われてまいりました。ですから、国家の意思はそこに反映されていくべきだという考えがあったんだと思うんですね。 本来、計画がそういうものであるならば、その実現に向けて目標を達成していればよしとされなきゃいけないんですが、今申し上げたように、国民の皆さん方には非常にイメージが悪くなっているのが、先ほど私の個人的な感想と申し上げましたが、今、残念な状況になっている昨今でございます。場合によっては、酷評する方は、この十年、国土計画的なものがなかったというような酷評をされる方もいらっしゃいます。 まず、今回の法案を審議するに当たり、過去の全総の総括について、いろいろ大臣に質問させていただきたいと思います。 今私が申し上げた全総に対する国民のイメージの悪さとあわせ持って、過去の全総に対して大臣はどういう総括をされておりますか、お聞かせいただきたいと思います。
○北側国務大臣 それぞれの全総によって目的としたところは異なるわけでございますが、ただ、共通しているところも相当ございまして、それは先ほど少し申し上げましたが、人口、産業が大都市に集中している、これをいかにして地方分散をさせていくのかということについては、これは比較的一貫して求められてきた目標ではなかったかというふうに思います。 これについては先ほども少し答弁をさせていただいたわけでございますけれども、工場等立地制限法のような法律をつくったりしまして、東京圏や大阪圏に工場を新たに立地できない、原則ですけれども、また、大学等の教育機関についても新たにつくれない、こういう法律がついこの間まで生きておったわけでございます。これは廃止をしたわけでございますが、そうした法律の効果もこれあり、工場や大学がかなり地方の方に立地をされた、そして、そうされることによって地方の活性化につながってきたという面も、私は相当あると思います。 ただ、一方で、まだ首都圏のさまざまな機能の一極集中という問題は解決ついているかというと、これは全くこれからの問題で、今両院で御議論されている真っ最中でございますし、また、これまでは東京、大阪、五大都市を見ても、大体これは太平洋側ですよね、福岡は違いますけれども。日本海側について、やはりこれまで少し立ちおくれてきたのではないかという気がするんですね。 ところが、今は、先ほどのお話のとおり、東アジアというのが経済が非常に、世界の中でも一番経済の発展が著しい地域でございます。そういう地理的な面から考えると、これから、日本海側の地理的なそういう有利さというものを生かしていくようなこともやはり考えていかないといけないんじゃないか。 そういう意味では、これまでそういう面は少し欠けていたのではないかだとか、それからこの委員会でもよく議論されていますけれども、中心市街地の空洞化の問題。確かに、地方へ行ったら、中心の商店街が非常に閑散としているところが大変多いわけでございます。また、大都市においては密集市街地の問題等、予定した目的には必ずしも十分達していないというところも目につくわけでございます。 プラスの面、マイナスの面、両方あるのかなというふうに思っております。
○伴野委員 今幾つかの物差しを御指摘いただきながら御説明いただきましたけれども、私も、多分ミスター国土計画と言ってもいいんじゃないかと思うんですが、下河辺さんがどういう御発言をされてきたとか、どういう成果を今まで発揮されてきたかというのを、改めて今回整理させてもらいました。大臣も下河辺さんを御案内だと思いますけれども、国土事務次官もやっていらっしゃいます。多分、あの方が追求した理想というのは、私は否定するものではなかったんじゃないかと思いたいんですね。各全総、今回二十一世紀の国土のグランドデザインを五全総と呼ぶのかどうかわかりませんが、五全総。それで、次なるものは私は決して六全総と呼ばれないようにしていただきたいなとは思うんですけれども。そういう計画をやっていく中で、その都度その都度、先ほど申し上げた国家意思を反映しながら、基本目標なり理念なりを整理してやってこられたんだと思うんですね。 しかしながら、先ほど大臣も御指摘になった多極分散というのは、言いかえると、厳密には正確じゃありませんが、もう少しわかりやすい言い方をすると東京一極集中が是正できたかというと、残念ながら、もともとこの国土計画というのが経済計画から発展しているということから考えれば、東京一極集中というのは拍車をかけられてもいたし方ない。また、現実も、東京一極集中は是正されていない現実がある。 それから、裏日本のお話や中心市街地のお話もされましたが、ここはやはり一言で言うと、人口が減少していく、もっと言うならば少子高齢化をもろに受けるようなところ、あるいはなかなかお金の入らないところをどうしていくかというところなんだろうと思うんですけれども、そうした中で、ばくっとした質問の仕方ですから、どういうことをもって総括というのかわかりませんが、私は、三全総のときが一つの分岐点だったと思っております。もっと言うならば、プラザ合意の前ぐらいからきちっと整理をされているならば、下河辺さんの理想というものも追求できたと思いますし、さらには、こんなに国民の皆さん方のイメージというのは悪くなかったんじゃないかなと思うんですね。 ちょうどプラザ合意の前のときというのは、資料的には福田内閣で第三次総合開発計画、私が初めて二十歳のときに目にしたその素案のときに、大きく意識改革なり、責任の所在が明確になり、情報公開と告知がきちっとされているなら、もう少し違ったものになっていなかったのかなという気もしないではないんです。 これは大臣も御案内だと思いますが、大平さんは田園都市構想をその当時言っていらっしゃいました。そして、それを実現する一つの開発方式として、定住構想というものを実現しようということで、計画もされておりましたし、当初そのような計画案になっておりました。残念ながら、それは中央を中心とした、今までと同じような、どの都市がやりますかといって手を挙げさせて、言ってみれば、ちょっと厳しい言い方をすれば金太郎あめ的なポリスをつくっていく、そういったところを回避できなかった。そこに、先ほど申し上げたようないわゆる政官業の癒着がどうしても絡んできた、そんな観点があったんではないかと思っております。 そうした中で、こういった過去の全総の総括をしつつ、多分今回の改正もされていると思いますが、そういった総括の上に立って、今回の改正のポイントはどこにあると大臣はお考えでしょうか。お聞かせいただきたいと思います。
○北側国務大臣 一つは、従来の五つの全総につきましては、やはり開発ということが中心の計画であったというふうに思います。これからは、開発から、むしろ今まで先輩方の努力でつくっていただいたストックをいかに有効に活用していくか、国土の利用、また保全、整備、そうしたところに力点を置いていかないといけないというふうに思います。これが一つ大きなポイントだと思っております。 それから二つ目に、これまで国の方でこうした計画はつくっておったわけでございますが、国と地方とが一緒になってビジョンをつくっていこうということでは、これまた初めての取り組みでございます。全国計画そのものについても、地方の方々の御意見をしっかりとちょうだいしてまいりますし、また広域地方計画という形で地方の主体的な参画で計画もつくらせていただくわけでございまして、計画そのものが国と地方とが一緒になってビジョンをつくっていこうという形にしているところが二つ目のポイントかなというふうに思っているところでございます。 この二つがこれまでと異なる大きな違いのポイントだというふうに考えているところでございますが、そのビジョンの方向については今後議論をされるところでございますが、やはり人口減少時代の到来、本格的な高齢社会の到来ということを踏まえたビジョンづくりが必要になってくると考えております。
○伴野委員 今大臣が御指摘されたように、開発から保全へ、それから地域の声を実質的にくみ上げる計画のあり方として広域計画のことを御説明されましたけれども、ポイントはずれていないんだと思うんですね。 最終的には、もともと国土計画とは何ぞやというところから始まるんですけれども、国と地域、それぞれの意思を空間的に表現する、そういった手段が国土計画であるとするならば、やはり先ほども申し上げたように、今までの反省としてそういう意思決定がどういうふうになされていくかとか、表現されたものがその意思とどうタイアップしているというか、どういう関係にあるのか。さらには、それがうまくいったときは祝福されるんでしょうけれども、だめなときの責任の所在や、さらには今までのように上からだんだん下へ言っていくという仕事のやり方ではなくて、これは例えば陳情行政からの脱却というような表現もされていますけれども、本当に国民の皆さん方も含めた、役所の方も一緒になって、政治家も当然ですが、地域が主体になってやっていくんだという意識改革ができるかどうか。 さらには、残念ながら、きょうこうやって委員会で真剣な議論がされているということは国民の多くの方は余り御存じではないんじゃないかと思うんですが、我が国の国土のこれからを議論している、そういった重要法案がやはりどういった形でできていくんだということは私はできるだけ国民の方に広く周知していただきたいし、そういう時代が来たんだということならば、それは告知していただければ、そんなふうに思うんですね。だから、やはりやり方なんだと思うんですね。 それで、一つお聞きしたいのは、今回のポイントの中で私は特に保全というところに着目したいと思っているんですけれども、やはり今、日本のさまざまな、道路もですし、それから鉄道、それだけではない、社会資本と言われているものは一時期に、同じ時期につくったものがかなり多うございます。そろそろそれを更新するなり、もっと言うならメンテに時間をかけていかなければ、さらにはそのメンテの技術というのは、つくる、コンストラクトの技術よりも数段と言ってもいい高いレベルの技術が要ると私は思っておりますが、そういうことも含めて、開発から保全という解釈でいいのかどうか、その確認をさせていただきたいと思います。
○北側国務大臣 そのとおりでございます。先輩方の努力によって、戦後、本当に日本というのは社会資本が、まだまだ不十分なところはあるとはいうものの非常に整備をされてきたというふうに考えております。 そういう意味では、この既存ストックをどう活用していくか、その活用という意味は、今委員のおっしゃったメンテナンスも含めましてどう管理していくかということにやはり比重が少しずつ移っていくことになるというふうに思っております。
○伴野委員 それを聞いて安心しました。ぜひ本当に、施設の更新時期、トンネルや鉄でつくったいわゆる橋、非常に、やはり国がきちっと管理をするなりチェックをするなりして、お金がない地域のトンネルは危ない、お金のない場所の橋は渡れないというようなことにならないようにぜひ今から手がけていただきたいと思いますし、さらに、生きている線という言い方がいいのかわかりませんが、例えば道路だったら車を通しながら取りかえたり、あるいは鉄道だったら鉄道を走りながら取りかえたりという、この技術もまた大変なものでございます。そういった技術アップも含めて、ぜひしっかりと取り組んでいただければ、そんなふうに思います。 ポイントのところでもう少し本当はお話ししたかったんですが、随分時間が押しているというお話でございましたので、お聞きしたいところをかいつまんで質問させていただきたいと思いますが、通告の順序が前後したらお許しいただきたいと思います。 以前、予算委員会のときに、大臣、覚えていらっしゃるかどうかわかりませんが、私は、国土形成計画のこれからと、それから当時竹中さんが出そうと言われていた日本二十一世紀ビジョンとの関連をお聞きしたことがあると思いますが、御記憶にもうないかもしれませんけれども、これが出てまいりました。 そうしたときに、先ほど申し上げた、もともと我が国の国土計画というのは戦後、経済計画的な主導で残念ながらとらえられた感がございます。ですから、個人的に言えば、そういった経済諮問会議的なことに影響されない国土計画というのがあってもいいとは思いますけれども、ただ、政府として、内閣として出していくときに、すり合わせはいいのかな、あるいはお仕事の違いがあるとすればどんなところにあるのかなというふうに思うわけでございますけれども、多分大臣も二十一世紀ビジョンをごらんになったと思いますけれども、これとの整合性、違いがあれば教えていただきたいんですけれども。
○北側国務大臣 二十一世紀ビジョンの方は、経済財政諮問会議の方で御議論をいただいている中身でございます。こちら、国土形成計画の方は、今後の我が国の国土計画のビジョンをどうつくっていくのか、またそのときの手法をどういう手法でやっていくのかということを定めているわけでございます。 これから御議論をちょうだいするわけでございますが、国会での御議論、また地方でのさまざまな御意見もちょうだいしながら、大きな転換期にある我が国にとりまして、当然、国土形成のあり方、目指すべき基本的方向、そういうのがこれまでとやはり違ってくることは当然でございまして、そういうことをしっかりと御議論をちょうだいして、新たな国土形成計画というものを策定させていただきたいと思っているところでございます。
○伴野委員 新しい全国計画のイメージというのを五月にいただいておりますけれども、もしこれとすり合わすということであれば、多分国土計画の政策理念という、この第二章ですり合わせが必要なんだと思いますし、先ほど申し上げたように、私は、新しい国土計画というのを目指していくんだったら何も経済計画を実現するための国土計画になる必要はない。国の責務の第一義的なものが国民の生命と財産を守るというものであるならば、多分我が国は平和憲法のもと戦争放棄ということで、国防ということを声高らかに上げるといろいろあったのかもしれません、戦後は特に。 しかしながら、今いろいろな状況がある中で、私は、国土計画に一義的に来ていいものは、国防的なこともありますし、今であるならばテロ対策というのも国土計画の中に入れるべきだと思いますし、さらには、防災、大規模地震の観点等々、そういったものも整理しながら、すり合わせるべきところはすり合わせていただければいいのではないかなと思います。ただ、確実な現象として、多分双方回避できないのは人口減少国家、さらにそれは超高齢でやってくるというこの視点だけは踏み外すことがないようにしていただければ、そんなふうに思う次第でございます。 次の質問へ行かせていただきたいんですが、国土計画のそもそも論からすると、私は、理念をきちっと明確にして、そこに、国土計画というものであるならば、国と地方の役割分担を明確にして、国それから地域の意思をどうやって空間的に表現するかという計画にしていただければ、あとは、申し上げたように、責任の所在を明確にして評価をしていただく。さらには、その評価していただくのに数量化して、その数量化とずれてくれば見直しをかけていくとか、さらには意識改革、情報公開と告知、この三点をきちっと踏まえさえすれば、イギリスにもスウェーデンにも国土計画があるように、きちっと役割分担を明確にしておつくりになって、それを、先ほど申し上げたような、国民の皆さん方の誤解をいただくような、いわゆる政官業の癒着の温床になったり、あるいは何かプロジェクトをそこに書かせることによってお墨つきを与えたり、さらにはむだな投資が出てきたりするようなことさえなければ、私は、六全総と呼ばれないような形でやることに対して、ぜひぜひ、先ほど申し上げた責任の所在と意識改革と情報公開と告知を明確にして頑張っていただくというやり方もあるのかなと個人的には思います。 やはり避けて通れないのは、国土交通省だからそこへ踏み込めないというようなことは、私は、逆に乗り越えていただきたいな。例えば、会社でいったら、もし、それは、建設工事部なり施設設備部なりに、会社の方針を仮に社長が御下命を下してやれと言ったときに、会社全体のことを考えずしてそんな計画はできないわけでございまして、普通は、会社ならば、そういった全社的な問題というのは、総合企画本部的なところで社長の特命を受けてやるようなことが多いんじゃないかと思うんです。 ですから、もしこれを国土交通省さんが、内閣の御下命でおやりになるということであるならば、今後もおやりになるということであれば、今総務省が、新聞報道等に見られるように、考えている道州制のあり方とか、さらには首都機能移転の話はどうするんだというのは、これは私は、絶対に書き込まないと、逆に地方が混乱するんじゃないかと思うんですね。 さらには、仕組みだけつくっても、財源もきちっと移譲してあげて、意思が反映させやすい計画にしないことには、幾ら声を聞きますという仕組みをつくったところで、お金を握っていれば、それはお金を握っている方の意思が強くなるというのは物の道理でございます。 そういった中で、今、大臣、時間がなくなって質問を短縮しちゃって申しわけないんですが、道州制のあり方を初めとする国と地方のあり方、それから、今両議院で議論をする協議会的なものが両院に設けられておりますけれども、私もそこの一人としてお話をさせていただいておりますが、もうそろそろ国会の明確な意思を出すときじゃないのかなということも思っております。 今の時点での御回答で結構でございますので、この国土形成計画の中には、そういった道州制あるいは国と地方のあり方、総務省さんが考えていらっしゃる事柄と、あるいは首都機能の移転等々についてはどう書き込んでいかれるのか、ぜひお聞かせいただきたい。
○北側国務大臣 首都機能移転につきましては、委員もメンバーのお一人として、国会の政党間両院協議会で現在検討が行われているというふうに聞いております。今後、防災、とりわけ危機管理の観点からの調査検討も行われるものと認識をしております。国交省といたしましては、国会における論議が円滑に進められるよう、積極的に協力をさせていただきたいというふうに考えております。 ただ、新たな国土形成計画におきましてこの首都機能移転をどう取り扱うのか、非常に大きな課題だと私も思っております。しかしながら、今これは国会で検討されているところでございまして、その検討の方向をよく見きわめた上で判断をしなければならないと考えております。 それから、道州制の問題でございますが、この道州制につきましては、今回の法改正と直接的には関係するところではないと思っております。ただ、一方で、今後増大する広域的課題にどう対応するかという共通の問題点がございます。そういう意味では、同じ、共通する側面を有するものではございますが、道州制そのものの論議と今回の法改正とは直ちに結びつくものではないというふうに考えております。
○伴野委員 いろいろお立場もあるんでしょうが、私は、首都機能移転のお話も、それから国と地方のあり方を初めとする道州制のあり方も、それから財源移譲のあり方、それから意思決定のあり方等々、やはりある時期一括して、用意ドンで始めなきゃいけない時期があるんじゃないかと思いますね。ばらばらに少しずつ様子を見ながらという時期は、もう終わっているような気がします。地方は、それだからちょっと混乱をしているんじゃないかと思います。 さらに、先ほど申し上げたように、やはり今までの全総の中の一番の問題点というのは、責任の所在がどこにあるか。私は、本来、最終的には総理大臣だと思いますけれども、そういった責任の所在の明確化と、それと評価。さらには、その評価していく上でできるだけ数量化をして、その数量化からずれていった場合には、もう過去のことにとらわれず見直しを、大胆に一年目からでも、かけていくぐらいの勇気があっていいんではないかな。さらには、仕事にかかわられる方の意識改革。政官業の癒着、汚職なんというのはとんでもない。意識改革も必要ですし、さらには、情報公開をきちっとしていただいて、国民の皆さん方に少しでもいいイメージを持っていただくような計画になれば、個人的にはいいのかな、そんなふうに思っております。 大臣におつき合いいただきまして、ありがとうございます。以上にて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○橘委員長 若井康彦君。
○若井委員 民主党の若井康彦です。 きょう午後から、我が同僚議員が、この国土総合開発法の改正案につきまして、さまざまな方面から御質問させていただきましたけれども、私も若干、そのさまざまな御回答を聞きながら、私なりにお聞きをしたいことを幾つか、残った時間、質問させていただきます。 端的に言いまして、今の時点で国土計画というものは本当に必要なのか。もし必要というのであれば、どのような計画が必要なのか。そしてさらに、本法の改正でそれが可能なのか。こうした点について、お役所の皆さんとはもういろいろ議論をさせていただきましたので、きょうは大臣に率直な御意見をお聞かせ願いたいと思います。 一九四〇年に弾丸列車という計画があって、東京から大阪まで四時間で結ぶという工事が始まり、結局、戦争で中断をしたけれども、一九六四年、同じ新幹線という名前で、やはり四時間で列車が走った。二十五年かかって新幹線が開通をし、そしてさらに四十年、私たちはその同じ線路の上を、その当時よりは若干スピードアップをしておりますけれども走っているわけで、六十五年前の先達が計画をした国土の骨格の上で生活をしているという現実がございます。 ただ、聞くところによりますと、この列車は実は大阪でとまるのではなく、下関へ九時間で到達をし、朝鮮半島にトンネルで渡って、シンガポールや満州まで行くという計画だったというふうに聞いておりますけれども、現在では、鹿児島でも九七%程度の人は新幹線で東京へ来ていない、あるいは釧路から新幹線で東京まで旅をしようという人は本当に限られた数になるだろうと容易に予想ができるわけですけれども、今回のこの総合計画、国土計画では、その意味で、何が長いこれからの時代に対応できる計画の要諦になるのか。その点について、大臣、端的にお聞かせ願いたいと思います。
○北側国務大臣 何度も答弁させていただいておるんですが、一つは、従来は、人口がどんどん増加をする、そういう中で、やはり開発中心の国土計画でございました。この開発中心の、量的拡大型の国土計画から、むしろ質的に、従来、これまでつくっていただいたストックをいかに有効に活用するかというふうなところに考え方を転換していく、ここがやはり一番の大きいところであると私は思っております。 それともう一つは、やはりやり方として、地方の参画を、地方の意見をできるだけ聞いていく、また、地方が主体となった計画を策定していくということが大きなこれまでとの違いかなというふうに考えております。
○若井委員 その点については、私も本当にそのとおりだというふうに思います。 今回の法改正に当たってそうした趣旨が生かせるかどうかという点について、幾つか質問をさせていただきます。 先ほど松崎議員がお聞きをしましたけれども、そもそも形成計画とは一体何かというお話があったんですが、国土以外の部分ですね。例えば、都市にしても地域にしても同じですけれども、この四十年にこの計画のコンセプトを規定してきた言葉というのは、開発というのは、もうかなりとっくの昔に終わっている。整備になり、そしてバブルの時代には活性化になり、今や再生という話になっている。要するに、今回の国土開発計画は、本来は国土再生計画でなければいけないというのが私の考え方です。先ほど大臣がおっしゃったように、今時代の大きな転換点ですから、思い切った国土計画が必要だと私も思います。しかし、本当に今回の法改正によってそれが可能なのかどうかについて若干疑問が残るというのがまた同じ感想です。 今回、六番目の計画にならないと言いましたけれども、六番目の計画にはならない。伴野委員が先ほどるる御質問をしましたが、かつて、五番目までの計画は国土交通省の外側にある組織がつくってきた計画です。今回は初めて、国土交通省という一番の公共事業をつかさどっている省庁の中で行われる計画である。そして、この法律を読みますと、これは一つの、この計画ですけれども、行政計画として、この計画をつくる枠組みは国会で議論しておりますけれども、計画の内容について国会で議論するというふうにはなっておりません。自民党の議員の皆さんもよくそこは知っておいていただきたいんですけれども、その計画の決め方だけがここで議論されるということになっている。本当にそれでよいのかということを私は訴えたい。 既にもし時代的な使命を終えているのであれば、思い切ってそうした、例えば省庁再編のときに議論をしたのかもしれませんけれども、そこまで思い切った議論をした上でなければ画期的な国土計画をつくることはできないのではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○北側国務大臣 今の質問の御趣旨、ちょっともう一つよく理解していないのかもしれませんが、国会での論議は、これは当然、きょうもこういう形で法案の審議をしていただいておりますが、実際は、その基本的な方向をどうしていくのかという中身の御議論も相当ちょうだいをしておるわけでございまして、今後とも、この国土交通委員会を中心といたしまして、国会での論議をしっかりとやっていただく必要があると思いますし、そういうものをしっかりと反映させていく必要があると思っております。また、国土審議会そのものにも国会議員の方々が十名参加をしていただいているわけでございまして、そういう意味で、国会での議論というのは当然重要であると私は考えております。
○若井委員 実質的にそのような内容になるように大いに期待をしますと同時に、できればこの法文の中にそのことをきちんと書き込んでいただきたいと私は要望したいと思います。 それから、五十年ぶりの法改正ということになりますけれども、さきの二十一世紀の国土のグランドデザイン、これは一九九八年に策定をされた計画ですが、この中で、もう既に自立の促進と誇りの持てる地域の創造というようなことは基本的な課題として書かれておりますし、その国土のイメージとすれば、多軸型の国土構造、多軸型というとすぐに鉄道や高速道路の絵柄を連想される方もいたようではありますけれども、そうした地域が連なっているという、そうしたイメージは既にさきの計画で提示をされておるわけですけれども、十年もたたない中で次の計画のそうした絵柄を考えるときに、どこが一番画期的な絵柄になるのか。その辺についても、大臣にちょっと御感想をいただければと思います。
○北側国務大臣 この二十一世紀の国土のグランドデザインで言っている自立の促進、誇りの持てる地域の創造、やはりそこには地方の方々、地方にもさまざま特性がございます。その特性に応じて、やはり地方の方々の主体的な参画というものがあってそうした実質的な、本当にその特性に応じた計画が策定されてくるものであるというふうに思っております。 そういう意味で、今回の法案につきましては、国と地方とが協働によってビジョンをつくっていこう、広域地方計画という形で地方の主体的な参画も得ようとしているわけでございまして、より実質的に地方の、地域の自立の促進ということが担保できるような仕組みになっておると考えております。
○若井委員 ということであれば、この五全総の、五全総というと怒られるかもしれません、グランドデザインの総括というのは何であったのかということについて、次の計画をつくる場合にはその反省といいますか総括が必要だと思うんですけれども、そのことに対する答えがないのではないかと私は思わざるを得ない。 それからもう一つは、私は、この総合開発計画が果たしてきた役割というのは一定のものがあったということを認める者の一人です。特に初期の総合開発計画は厳しい台所をやりくりしているお母さんみたいなもので、限られた資源というものを最適配分するということで、私自身から見ますと、全国レベルでの格差はそれなりに縮小したのではないかというふうに考えております。 ただ、それぞれの地域に行くと、真ん中にある地方中核都市と中山間地域、そうしたところの格差は本当にもう回復しがたいほどに格差が開き、そして本当にこれが回復できるのかと思うほどに病弊が顕著になっているというふうに思うわけですが、これまでの総合計画の中で、そうした、ある意味でいうと手が届かなかった、あるいは反作用といいますか、先ほど副作用の話もありましたけれども、そうしたものに対してどんな手だてが考えられるのか、その点についてはいかがでしょうか。これは、では局長。
○尾見政府参考人 それでは、お答えを申し上げます。 まず、グランドデザインとの関係においていえば、中山間地域、こういう地域については、多自然居住型というようなことで、近くにある都市とのネットワークなどを考えながら、ある意味でいえば自然が豊かであるという魅力をもう少し多く評価しながら対応策を考えていこうというような発想だったと思います。 ただ、そういうことの中でも、やはり人口がどんどん減少して、地域の産業、そういうものも、建設業も商業も製造業も非常に厳しいということの中で、どんどん人が減り、高齢化が進むということで、例えば集落機能がどんどん失われていく、あるいは森林の保全だとか地域にとって大事な仕事ができなくなっていく、そういうふうな状況になっていると思います。これから人口減少が本格化するということになれば、その程度はますます深刻になるというふうに考えているわけです。 この地域を一体どうしていくのかというのは、我が国の国土の中では私は最も大きな課題の一つだというふうに思います。正直なところ、これに対して、これであれば一〇〇%絶対いけるという妙案があるというようなことではないのではないかという気もいたしておりますけれども、今まで、例えば過疎対策というようなことで相当な整備をしてまいりました。道路整備も進んでおります。 そういうことを活用しながら、これからは、地域にある資源、これは人的資源も含めてですが、それをどうやったらフルに活用できるかというようなことを、まず問題を立てて、例えばそれを活用するためのファンドの問題だとか、そういうこともあろうかと思います。そういうような新しい手だてというものを考えていくとか、あるいは情報通信で光ファイバー、インフラ整備の中ではこういう地域は比較的おくれておりますが、こういうものを活用すれば、遠隔地の医療だとかいろいろなサービスというようなことがもしかしたら今以上に可能になるかもしれない、そういう考え方もあります。 それから、若い人に何とか大切な山仕事などをやってもらうために、入ってもらって定住してもらう。これは和歌山などではそういう取り組みがされて、ある程度成功しているというふうにも聞いています。あるいは都市と農村の交流ということも、今まで観光も含めていろいろやってまいりましたけれども、さらに、都市と農村の二足のわらじといいますか、そういうようなことで二地域居住というふうなことを呼んでおりますが、そういうような今までになかった取り組みをやはり集中してやっていくというようなことで地域の活性化を図っていくということは極めて大事なのではないかというふうに思っております。
○若井委員 人口減少時代というものも経験がないわけですから、ある意味でいうと手探りかもしれないんですが、端的に言えば、人口がふえている時代には、これからふえる人のための、あるいはふえる産業、経済活動のための入れ物をつくっておけば、自然とそこがいっぱいになる。しかし、いっぱいになったところとならないところがあって、なったところは一極集中だが、空のところはお金を使ったけれども相変わらず過疎だ、そういうお話ですよね。入れ物をつくるという意味での国土づくり、地域づくり、都市づくりでしたら、役所があって、優秀な技術者がいて、そこにまず一番にお金をとってこれる有能な政治家がいれば地域づくりも国土づくりもできたんでしょうけれども、これからはそうはいかないということがはっきりしたというのが人口減少の時代。 人口減少になったらどうするかというと、そこにいる人が頑張るしかない。今までつくってきたものを自分たちなりに上手に生かしながら、地域の事情を勘案しながら精いっぱい頑張って、今までより元気にやるしかない。また、今まで以上に元気にやれるということがある意味でいうと国土づくりであり、地域の活性化だと私は思うわけです。 そういう意味でいって、私は、地方分権というのは理念じゃないと思いますよ。それしかない方法なんだと思う。つまり、そこにいる人たちに権限も財源もある程度ゆだねて、自分たちのシナリオを書いてもらう、そういう仕組みをつくる以外にそんなところは活性化しないですよ、絶対に。だから、ある意味でいうと本当の意味で大きな曲がり角なわけで、人口が減ったから困るというような、そういう話じゃないと思います。 人口減少がなぜ起きるかという話も、いろいろ今後国土計画の中では考えてみなきゃいけないと思いますけれども、私が思うのは、平均寿命が延びることに反比例している、それが一つですが、もう一つ、やはり都市化が進むに従って出生率が落ちているんですね。つまり、都市というところは恐らく出生率を低下させることによってのみ成立をし得る。だから、既にヨーロッパなどで都市化が終わり、本当の意味で都市型になった地域はもう一度出生率が上がったりしている。今あるものを上手に生かすという段階に入っているからです。ですから、そういう形の国土計画をこれからつくらなきゃいけない。それにしては、ややというか相当手ぬるいというか、今までのやり方と余り変わっていないんじゃないかというのが私たちの感想なんですが、いかがでしょう。 例えば役所の皆さんに、では主要先進国の国土計画制度はどうなっているんだと言ったら、いや、どこにもありますよとペラ一枚の紙をいただきましたが、よくよく調べてみると、日本のような国土計画をやっているのは後から来る国ばかりです。これから経済成長をしようか、これから国がどんどん投資をしないとどうもならぬという、例えば中国であるとか、中国をけなしているわけではありませんが、そうした開発途上国にふさわしいシステムだったと思うんですね。作戦本部をつくって、しかるべきところに重点的に、集約的に投資をしていく。それも終わった。今人が住んでいるところでみんなが活躍できるような条件をつくるしかないじゃないですか。 だから、ヨーロッパでは、国土計画という、いわゆる日本の、今皆さんが提案しようとしているような国土計画はない。例えばフランスへ行くと総合サービス計画というそうですね。要は、今までのインフラをどうやって上手に使うかということを計画として提示する。それも、国が提示をするんじゃなくて、地元の人たちが提示をしてきたものを、国が全体としてそごがなければ結構ですねというシナリオになっているわけですね。それで、では五年分については契約をして、契約ですよ。先ほど大臣は意見は聞くとおっしゃいましたけれども、地方と契約をしてどんどん新しい仕組みをつくっていくというような、そういう意味での国土計画は、あるといえばあります。日本の総合計画のようなものじゃない。 日本もそういうところまでいよいよ来ている。それが人口減少という象徴的な現象にあらわれているわけで、日本ももうここで思い切ってそういうふうにしたらどうですか。今までの延長上でちょこっと法改正で、お茶を濁すと言ったら言い過ぎかもしれませんけれども、もっと思い切ってやることがあるんじゃないでしょうか。そこら辺はいかがですか、大臣。
○北側国務大臣 この大きな転換期にあって、今後国土計画をどうしていくのか、それはまさしくこれからの議論でございます。ぜひ活発な御議論をちょうだいしたいと思っております。 その中で、私、やはり国の役割というのは非常に大きいと思うわけです。国の役割といいますか、国がきちんとビジョンを示していくということは、今でも大変大きな意味があると思っております。なぜかといいましたら、先ほども委員もおっしゃいました、有史以来初めてこんな人口減少時代をいよいよ迎えるわけですね。そして、少なくとも相当長期にわたって人口減少が続いてまいります。もう転換点であることは明らかでございます。また、これから本格的な高齢社会がやってまいります。世界の国々の中でこんなに急速に高齢化が進む国はありません。我が国が初めてです。また人口減少も、こんなに急速に人口減少を経験していく国も恐らく日本が初めてでしょう。 そういう中で、我が国国土をどういうふうにしていくのか、どこが重要なのか、どういう視点が大事なのか、そういうことをきちんと国が明示をしていくということは、私は非常に大事なことだと考えております。
○尾見政府参考人 先生から、開発途上国はいざ知らず、そういう主要先進国では国が計画をつくるということではないのではないかというようなお話かと思います。 私ども、それなりに調べさせていただいておりますが、例えばイギリスでもフランスでも、ドイツは若干国の成り立ちが違いますけれども、全体としてやはり中央政府がきちっとした方向づけをするという点は、私は変わらないのではないかというふうに思っております。 今フランスの例をお出しになりまして、総合サービス計画と、あと言えば、それに基づいて中央政府と各州が事業計画に基づく費用負担割合についての契約を締結するというようなお話もあったかと思います。これは、事業を進めるについての一種の合理的な費用負担の問題で、その国の成り立ち、そういう中でいろいろ決まってくることではないかなと思います。 そんなことで、ブロックレベルでも、地方レベルでも、きちっとした、ある程度のまとまった方向づけ、あるいは計画というようなものが存在するというふうに私どもとしては認識をしております。
○若井委員 ですから、アメリカやドイツは連邦ですから、最初からないのは当たり前だけれども、イギリスやフランスはどんどんそういうのをやめているんですよね。今お話がありましたけれども、要するに地方と国が契約をしているんですよ。その契約をする内容については、対等で話し合いながら、その時々で決めている。 十年ぐらい前に、実は日本のこういう同じような法律案が出ている。しかし、否決されました。これは要するに、他省庁の協力が得られないというようなこともあれば、余り総花的になり過ぎて、とてもじゃないけれども実現できないというのでやめているんですよ。 もう本当に、日本も戦後の大変なころはこういう一元的な計画で物事を動かすということは大事だったんでしょうけれども、むしろ、そういう多様なものが自由に伸び伸びと活動ができるような条件をつくるということが本来この国土計画になければいけない。大臣が先ほどおっしゃった理念とか戦略がきちんとしたものを国が持っていることは必要だ、私も全く同感です。だけれども、一々細かいことまで国が決めなければいけないという制度だけは、もう早くやめなきゃいけない。 この法律の計画の中に、左に掲げる事項に関するものを決めると書いてあるじゃないですか。今までのものと全然変わらないですよ。変わっているのは、七、八の文化の話と景観の話がつけ加わっただけです。今までの内容と全然変わっていない。それをまず言いたい。これを何とかもう少し丸めたものにする。民でできることは民で、地域でできることは地域でとおっしゃっているんですから、国土計画からまずやったらいいじゃないですか。本当に、これは一番最初にできる、そうした材料の一つなんですよね。だから、私たちは口を酸っぱくしてそのことを申し上げておるわけです。 それから、ちょっと飛びますけれども、先ほどの話にちょっと戻りまして、次に質問する機会があれば農政に詳しい議員にも意見を言ってもらおうと思っておりますけれども、省内のいろいろな部局の話もありますが、他省庁の所掌に及ぶそうした法改正みたいなものをこの中に書かないでおいていいんですか。むしろ五全総までよりも、ある意味でいうと狭苦しい所掌になっているんじゃないかと思うけれども、その辺はいかがでしょう。
○尾見政府参考人 私は、先生、ちょっと誤解があるんじゃないかというふうに考えております。 国土交通省の国土計画局の所掌事務につきましては、省庁再編前の国土庁時代の所掌事務と基本的に全く異なることはございません。それがそのまま国土交通省の所掌事務になっているわけでありまして、この国土計画局を代表するというか、国土交通大臣は、そういう意味では、道路大臣、インフラ大臣でもなく、交通運輸大臣でもございません。今までのように、全体の国土計画を各省の分も含めて所掌する、そういう立場の大臣でございます。そういう仕組みになっているということを前提として、今回も各省との間でいろいろな議論をさせていただいて、こういう法律をまとめて提出をさせていただいているところでございます。 同時に、先ほど計画事項についてのお話があったかと思いますが、計画事項につきましても詳細によくごらんをいただきたいと思いますが、やはり開発の時代の規模と配置というようなものに対して、それを整備、保全というような形で、いろいろ取り上げているものについても観点を当然変えておりますし、景観とか環境とか、そういうような新しい価値、あるいは海域の問題とか科学技術施設だとか、そういう新しい時代をにらんだ計画対象事項を入れております。この計画対象事項の記載の仕方について、従来あったものを加えたから、その一点をもって新しい発想でないというようなことは、私どもはそういうふうに考えていないというところでございます。
○若井委員 私たちは、計画の案を見ているのではなくて、手続法上に書かれていることで判断をしておりますので、そういう意味で、これから中身がそういうものではなくなっていくというお話であれば、それはそのときにまた議論をさせていただくということになろうかと思います。 いずれにしましても、前回のグランドデザイン、ある意味でいうと、私は内容とすればあれ以上精緻な計画をなかなかつくれるものではないと思うんですけれども、それを本当に具現化し、あるいは実際に地域がそれによって再生するような、そうした生かし方をするに当たっては、かなり思い切った取り組みが必要ではないかというふうに思うということを重ねて申し上げたいと思います。 そこで、今回の計画の、先ほど来申し上げております地域が主役だ。今回のこの法改正の広域地方計画、これが入っているということがある意味でいうと仕組み上一番の目玉ということかと思いますけれども、この広域地方計画の策定のあり方と内容について、いささか、まだまだ私たちには理解ができないところがあります。 その点について二、三お聞きをしたいと思うんですが、広域地方計画を策定するに当たって、ちょっと話はそれますけれども、前提として、確かに受け皿となるような道州制のシステムであるとかそうしたものがない段階で想定をしながら広域地方とは一体何なんだという議論をするのは、これも甚だ雲をつかむようなところもあるわけですが、一応そういうものがあるとした上で、広域地方計画協議会、ここの運営についてはどのような方法で進められようと考えているのか。そして、先般から議論しておりますけれども、この広域地方計画の計画決定の主体はだれなのか。この辺について教えていただきたいと思います。
○尾見政府参考人 お答えを申し上げます。 広域地方計画のメンバーでありますが、必須メンバーとしましては、国と都道府県ということになります。国につきましては、国の出先機関ということになります。そのほかに、その御相談のもとに、地域の経済界でありますとか、あるいは環境問題に関する例えばNPOの方々とか、あるいは市町村の方々とか、そういう方を加えることができます。さらに場合によって必要だということであれば、その圏域の外の都府県についても参画できるということになっております。 運営のキーになる言葉は、対等性ということと公開性ということであります。オープンの場で、全く同じ立場で、要するにゼロベースといいますかそういう形で議論をする、そういうことだというふうに思っております。 それから、運営に関して言いますと、その構成メンバーが、それぞれ単独でまたは共同して案をお出しになるというようなことがあるのではないかというふうに思っておりますが、いずれにしても、それは、運営の仕方につきまして、協議会の中でいわば協議会自治というような形でいろいろお決めいただくということになるのではないかと思っております。 それともう一点は、済みません、もう一点……
○若井委員 今のお話はよくわかりました、メンバーはそういう方々であると。しかし、最終的な計画決定権を持っておられるのは国土交通大臣であるというふうにこの法律には書いてある。要は、権限、財源その他を持たない者がいかに同格であるというふうに言われてみても、そこではしょせん、先ほどお話がありましたけれども、意見を言うことができるというところにとどまらざるを得ない、私はそのように考えます。 国土計画を策定するということは、私は、例えば先ほどの道州制の議論もそうですが、ある意味でいうと、そうした地域の主体をつくるという実体化の本当に最も重大なプロセスの一つだと思うわけで、そういう組織ができていてこういうものができるのではなくて、こういう計画策定のプロセスの中でしかそういうものはつくられていかないと思います。 ですから、最初から、あなたたちは意見は言ってもいいよ、しかし、計画決定は私たちの方に任せてくださいねと言った途端に、これは単なる陳情になりかねない。これまでとどこが違うのかということになりかねない。確かに、舞台は広くなります。しかし、それだけ煩わしくなるということもあります。 そこのところについてどのようにお考えなのか、大臣、御感想があればお聞かせいただきたいと思います。
○北側国務大臣 広域地方計画というものは、これは、広域的な課題に対応するところの国が行う政策が中心であるということから、最終的には国が責任を持って策定する必要があるわけでございます。 しかしながら、広域地方計画の策定に当たりましては、当然これは地域整備に密接に関連するものでございますので、都道府県等各地方団体が先ほど申し上げました対等の立場で参画をした広域地方計画協議会制度が設けられます。この広域地方計画協議会制度で協議されたこと、その結果については、当然その結果を尊重するということになると思います。
○尾見政府参考人 一点つけ加えて申し上げたいと思うんですが、広域地方計画の一番基本的なスタート、エッセンスは、やはり、国と地方、さらに民間の経済界を初め、地域の皆さんで、このブロックはこれからどういうことを目標に何を目指していくのかということについての将来のビジョン、認識、そういうものを共有するということが一番大事なことでございます。 例えば、この間、東アジアの発展を前提として、国際競争力の強化というようなお話が出ておりますけれども、それも、国全体としての国際競争力ということもございます。ただ、経済的な面からすれば、これからブロック単位で、例えば、それぞれ中国の中のどこかの都市等と競争していく、あるいは連携していくということも大事になるのではないか。そういうことについてオープンな場で自由濶達に議論をしてビジョンを決めるということになるわけであります。このビジョンを決めるのに国も地方も民間もございません。全くオープンな場で自由に決めていくということになると思います。 そういうことを前提にした上で、計画内容についても、お話がまとまらなければ計画として決めない、決められないということでございますので、それは実態として権限があるところに、最終的にそうなるんだというお話でございますが、そうならないように徹底的に議論をするということであります。 そういうような制度設計で考えているということをつけ加えて申し上げたいと思います。
○若井委員 この第九条のところに国土交通大臣が区域について定めるという定めがございますが、首都圏、近畿圏、中部圏については既に広域計画が存在しているところなわけで、四以下に新たにそうしたブロックが想定をされる可能性があるというふうに、今、局長のお話だと聞けるわけです。 一、二、三については法律の改正もさほどありませんから恐らく今までの計画と同じようなレベルで計画策定が行われるというふうに予想がされますし、四以下についてもこの一、二、三がモデルになるというふうに考えていいのか。もしそうでないというのであれば、これはどういうブロックで、どんなものを想定しておられるのか、その辺について教えていただきたい。特に、今全国に地方整備局という国土交通省の外局がおありになるわけですが、まさかそのブロックごとにこの計画をつくるというお話ではありませんよね。
○尾見政府参考人 ブロック計画の範囲でございますけれども、これにつきましては、法律上は、首都圏と近畿圏と中部圏、それについて例示をしてございます。これは、その中にある既成市街地、それを含むエリアということで、例えば近郊整備地帯とか都市開発区域を含む現在ある大都市圏の計画と同じものだということではございません。つくる以上、既成市街地のコアの部分は一種の必須の要件として位置づけているということでありまして、それ以外は基本的にフリーであります。 これから一年間かけて、国土審議会の中で、本当にいろいろな御議論があると思います、各界の御意見、なかんずく都府県の御意見なども十分お聞きをして、その上で具体的なものを決めていきたいと思っておるところでございます。
○若井委員 ちょっと今よくわからなかったんですけれども、その最後の広域地方ブロックというのは、だれがどのように決めるものなのでしょうか。今、意見をお聞きして国が決めるとおっしゃったんですか。
○尾見政府参考人 区域につきましては政令で決めます。政令で区域を決めるということになりますので、国ということになります。
○若井委員 では、時間が来ましたので、また次の機会にお願いいたします。 どうもありがとうございました。
○橘委員長 次回は、来る十日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時一分散会