厚生労働委員会 第31号
- 発言数
- 209 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2005/07/01
会議録
○鴨下委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、障害者自立支援法案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長塩田幸雄君、老健局長中村秀一君、保険局長水田邦雄君、年金局長渡辺芳樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鴨下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○鴨下委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。園田康博君。
○園田(康)委員 おはようございます。民主党の園田康博でございます。 久しぶりにこの障害者自立支援法案の審議ということで、いよいよ会期も延長されたということもありましたし、あるいはまた、この間、郵政民営化関連法案をめぐりましてさまざまな国会内での混乱もあったわけでございますけれども、私といたしましては、この自立支援法案、しっかりとした審議をしていかなければいけない、そういう思いで今日まで参ってきたわけでございます。 そして、皆さんも御承知であろうというふうに考えておりますけれども、私ども民主党といたしまして、この自立支援法案、余りにも障害者の皆様方に対しまして負担が大きいのではないか、あるいは、この自立支援法案がそのまま成立をすることによりましてさまざまな混乱を生んでしまうのではないか、そういう危惧を持っていたわけでございます。したがって、まずはこの法案の中身をしっかりと慎重審議をした上で、改めるべきものが、問題点があれば、これは改めていかなければいけない、そういう考えで臨んできたわけでございます。 そして、私ども民主党といたしましては、六月の九日になりましたけれども、与党の皆様方に対しまして、この自立支援法案の骨格部分にかかわる九項目の修正協議を申し入れさせていただいたところでございます。そして、この間、昨年の十月から、この自立支援法案といいますか障害者政策にかかわりまして、私ども民主党の内部では、それぞれ議員の立場で、あるいは障害者政策ワーキングチームというものと、それから厚生労働部門会議というものの中でしっかりと審議をさせていただき、さらには当事者であります障害当事者の方々、団体の方々の御意見をいただき、さらには議員の皆様方によっては地域で、私もそうでありましたけれども、地域の当事者の方々と何度も何度も繰り返し協議、話をお聞かせをいただきながら、この法案に対する考え方を詰めてきたわけでございます。その結果がこの六月九日に提案をさせていただきました修正要求という形であったわけでございます。 政府から提案をされてきたわけでありますので、大臣からはこれを修正をという話はできないものであるというふうに考えておったわけでありますので、残るは、あとはこの国会、この委員会の中での審議を通じて、与野党の協議を通じてこの法案をいいものにしていかなければいけない、誤った欠陥部分に関しては正していかなければいけない、そういう形で臨ませていただいたわけであります。実質上、この法律そのものは、このまま通すと、先ほど申し上げましたように、障害者の皆さんにとってみれば本当に生活と命がかかわっている法律なわけであります。したがって、これほどの重大な法律でありますので、これまたしっかりと慎重な形で協議をしていかなければいけないわけであります。 ところが、大変残念なことでありました。私自身も大変遺憾に思っているところでありますけれども、この法案が審議に入ったのが四月の二十六日、二十六日に審議開始であったわけでありますけれども、ここから二カ月もたっていたわけであります。そして、さまざまな部分で問題点も明らかになっていたわけであります。 にもかかわらず、与党の皆さんから返ってきた答え、これは皆さんも御承知だと思うんですけれども、私どもは、まず法案の目的、法の目的の部分、これは障害者基本法の目的に明記されております自立及び社会参加、これを加えていくべきではないかというようなことを申し上げたわけでございます。これに関しましては、与党の皆さんからの回答といいますのは、法の目的については、法案を修正する方向でその文言等についてさらに協議することとしたいというお話がございました。法の目的でありますから、骨幹部分にかかわるということではひょっとしたらないのかもわかりません。しかし、この法律の精神、法の趣旨という観点からすれば、これは確かに一歩前進であっただろうなというふうに私は思っていたわけであります。 ところが、ここからが私は大変遺憾に思うところであります。 二番目に私どもが提案をさせていただきましたのは、定率負担のいわゆる凍結というものでありますけれども、今回この法律が提案をされるに至っては、障害者の皆さん方の所得保障と言われるもの、すなわち経済基盤というものがしっかりとなければ、やはりここにおいて、障害者の皆さんにとって、負担を押しつけるといいますか、負担をしていただくというのには余りにも不合理なものではないのかなという感じがしていたわけであります。 したがって、私どもは、新たな障害福祉サービス等にかかわる利用者負担について考えるとき、その大前提として障害者の所得保障の確立等がまず必須条件ではないか、そのことを申し上げてきたわけであります。そこで、利用者に負担を求めるに当たっては、障害当事者のみの収入に着目することとした上で、障害者の所得保障制度の確立及び低所得者の負担軽減策の具体的な拡充が実現する、これがまず大前提にあった上で、その上で、障害者の皆様方に、この制度を維持していくためには、負担を、これは皆さん方にとってみて負担をしていただかなければどうしても制度の維持が困難である、そういうことをお願いするという順番があったはずであります。 しかし、その順番がまるで逆な形で提案をされてきた。そのことに対して、私どもは、まず、この所得保障も含めた形での拡充策、これを求めていかなければいけない、したがって、それが確立するまでの間は、いわばこの法律の骨幹部分であるこの定率負担というものを、まずはしばらくの間凍結すべきではないか、そのようなことを申し上げたわけでございます。 しかし、それに対しての回答といいますのは、定率負担の導入の凍結については応じられない、しかし、実質的に過大な負担とならないよう国会論議を踏まえ低所得者対策を講じることを検討したいという回答でございました。なお、所得保障の確立については、今後の検討課題であり、法案修正が適当か否かについて引き続き協議することとしたいというふうになっていたわけであります。 最初にまず、凍結には応じられないがというふうに回答が返ってきたわけであります。 そして、三番目。これは、今現在、移動の保障と私どもは申し上げておるわけでありますけれども、支援費制度の中で、支援費制度が導入されるに当たって、障害者の方々にいわゆる地域での生活あるいは自立した生活、社会参加というものが一番広がったその根幹にあるのは、やはりこの移動の保障ではなかったのかと私どもは考えておりました。 そして、それにおいては、やはり今回の法律の中では、この移動支援については地域生活支援事業、ここの中に位置づけられているわけでありますけれども、まずこの移動支援事業については据え置き、これは当然のことでありますけれども、法案の中の個別給付であるところの重度訪問介護あるいは行動援護の対象というものを拡大していただきたい、そして、サービス受給者の範囲を実質的に現状水準に維持することによって障害者の社会参加というものを保障していただきたい、そういう思いでこの三番目の提案をさせていただいたわけであります。 それに対する答えが、残念ながら、重度訪問介護、行動援護の対象の拡大に関する法案修正には応じられないが、適切な移動支援サービスが確保されるよう、地域生活支援事業における移動支援事業のあり方についてさらに協議することとしたいというふうになっていたわけであります。これも、いわゆる私どもが求めている回答からすれば、到底受け入れられるものではありませんでした。大変かけ離れた認識があったのではないのかなと考えております。 そして、四番目。これも今、後ほど議論させていただきたいと思っておりますけれども、自立支援医療の凍結という形で、本年の十月施行をもって公費負担医療を自立支援医療とする形で実施がこの法案の中で見込まれていたわけであります。それに対して、改めて、これはまずその中身をきちっとしていかなければいけない、そのために、医療を必要とする者の範囲そして自己負担のあり方というものを、これもやはり先に検討していかなければいけないんだ、その上で、それがきちっと明確になるまではこの十月施行というものは凍結をしていくべきではないか、このように申し上げてきたわけであります。 しかし、それに対する答えも、自立支援医療の実施の凍結には応じられない、このような回答が返ってきたわけであります。そして、自立支援医療の実施時期の変更については引き続き協議することとしたい、これも継続協議という形でありました。 そして、五番目。重度障害者の長時間介護サービスの保障という形で私どもも求めさせていただいたわけでございます。今回は、この中身につきましては、国及び都道府県の障害福祉サービス費にかかわる費用負担については、障害程度区分の基準サービスに該当しない非定型・長時間サービス利用者の場合でも義務的経費の負担対象とする。 すなわち、今生活をしている重度障害者の方々、例えばALSであるとか人工呼吸器をつけた全身性障害者の方々、こういう方々の費用負担については、かかった分に関しては義務的経費という形で国及び県がこの内容をきちっと担保、保障していく必要があるのではないか、そういう観点から、私どもは、この保障というものをきちっとしていくべきである。国がしっかりと保障をしていかなければ、今寝たきりの方々、そういう重度の障害者の方々にとってみれば、これで支援が切られてしまえば命にもかかわる話であったわけであります。 したがって、今回のこれに関しては、私は、一番望んでいかなければいけない、修正なら修正という形で行っていかなければいけない、そのことを強く求めさせていただいたわけであります。 それに対する与党の皆さんの回答は、法案修正には応じられない、やはりこれも、私どもの求めに対しては応じられないという回答でございました。そして、重度障害者に対するサービスにかかわる義務的経費の負担のあり方については、適正なサービス水準が確保されるよう検討したいというだけにとどまっていたわけであります。 そして、六番目。これは、今回の法案で、グループホームにもう一つ、ケアホームというものの位置づけを考えられてきたわけであります。これも障害程度別によって振り分けるというような話もあったわけでありまして、それに対してはちゃんと、グループホームとケアホームへの入居の振り分けは行わない、その上で、またグループホームにおけるホームヘルパーの利用を可能とするなど、重度障害者の入居可能なサービス水準を確保するべきである、そのようなことを申し上げてきたわけであります。 これに対しても、グループホームやケアホームについては、運用面の工夫により対応が可能であり、運用面であります、法案修正の必要はないというような回答が返ってまいりました。 そして、七番目。これもやはり、本人の自立、本人の自己選択という精神からすれば、当然のごとく障害当事者の方々の意見というものがこの法律の中でもしっかりと反映をされるべきであって、そして、その内容、サービスの利用決定に際しては障害者の方々の意見というものがしっかりとこの中で反映されるべきである、そういう観点から、本人の意見聴取という形で、障害程度区分の認定そして支給要否決定等を行うに当たり、障害者等または保護者の求めがある場合には、その意見を聴取することを義務づけるという形で私ども民主党は求めさせていただいたわけであります。 それに対しても、与党の皆さんからの回答は、法案修正には応じられないという形で、これもやはりゼロ回答という形で返ってきたわけであります。 そして、法案そのものではありませんけれども、附則の部分に関して、私どもは、対象の拡大と障害定義の見直し、こういう形をもって求めさせていただいたわけであります。すなわち、今回の法案によって、発達障害やあるいは難病等の皆さん方にとってみれば、いわゆる谷間と言われている人たちがこの障害者自立支援法の中身から外れてしまった部分があったわけであります。そういう方々に対して、やはり私たちは、きちっと対象を拡大していくべきである、そして障害定義というものをもう一度見直していく必要があるのではないか、そのようなことを求めさせていただいたわけであります。 これは、今後の検討課題であり、法案修正が適当か否かについて引き続き協議をしたいということでございました。 そしてさらに、九項目めといたしましては、権利擁護にかかわる制度の確立という形で、障害者の虐待防止、最近またさらに高齢者の虐待等も言われているわけでありますけれども、障害者の方々に対する虐待、こういった防止をしっかりと制度として私たちは位置づけていかなければいけない、そして、障害を理由とする差別禁止にかかわる制度あるいは成年後見制度その他障害者の権利擁護のための制度、こういったものも速やかに検討として加えていかなければいけないわけでありますし、そして、これに対して必要な措置というものを国の責任で行っていかなければいけないんだということを申し上げさせていただいたわけでございます。 これについても、法案修正にはなじまないがというような回答が返ってきたわけであります。 本当に、私たちはこの間、真剣に障害当事者の方々の意見をお伺いし、そして障害当事者の方々の思いをこの法案の中で修正をしていくんだ、先ほど申し上げたように、改めるべきところは改めていかなければいけないんだ、そのようなことを与党の皆さんに私たちから真剣な思いで提案させていただいたわけであります。 そして、残念ながら、それに対する答えが、期間が短いというような一言と、さらには、驚いたことに、そういうゼロ回答があった。これは余りにも、私たち民主党に対してではなくて、私たちは障害当事者の方々の意見を踏まえてこの修正の内容をつくらせていただいたわけであります。にもかかわらず、私たちに対してこの修正協議をゼロ回答ということは、障害当事者の方々に対するゼロ回答であると言われても仕方のない話ではないのかということを、私は強く再度申し上げておきたいと思うわけであります。 そして、二十二日に、私どもは、こういう不誠実な、そして真剣さが足りない、そのような回答があったということに対して、これ以上このような内容を通じて行うことはできないということであるならば、これはもう修正協議などということはできないではないですか、私たちにとってみれば。したがって、そのようなことを、しようがない、苦肉の策といいますか、断腸の思いでここを打ち切らせていただいたわけであります。 それに対する与党の皆さん方の会見があったわけでありますけれども、そこにおいて、私ども民主党が修正協議を断念したことに対して、まことに遺憾である、あるいは、修正協議打ち切りの決定を即刻撤回し、与党との協議を継続すべきであるというようなことを皆さん方がおっしゃっておられるわけであります。 しかし、これは私、ここでも一言言わせていただきたいと思います。 これは本末転倒な話でありまして、本来ならば、与党の責任でこの法案をしっかりとした形として提案をされてきたわけでありますけれども、しかし、これが自信のないものであるならば、あるいは法案修正が必要ということで考えるのであるならば、私たちにもう一度修正協議の継続を行うということではなくて、あなた方自身で、皆さん方で責任を持ってしっかりと修正をしていくべきではないのでしょうか。だからこそ、私たちに修正協議にもう一度戻ってほしいというものは、皆さん方が、民主党が入っていただかなければ困るということの裏返しではないでしょうか。自分たちの法案修正をすることができないという能力のなさを、私たちに対して会見で遺憾という言葉であらわすのは、私は本当に不誠実な対応であると言わざるを得ません。 そして同時に、もっと残念なことがありました。 私は、与党の皆さんと、この法案修正と同時に、政省令の中身、これに関しても明らかになっていない部分がまだたくさんありました。そして、この法案の中身と同時に、政省令の部分、二百を超える不明確な部分をあわせて政治的な協議の中で話し合いをしていかなければいけないんだということを、与党の皆さんと同時に、厚生労働省、政府に対しても私どもは働きかけをさせていただきました。しかし、残念ながらそれも、厚生労働省から、その修正の協議には、あるいは政省令の協議には残念ながら応じられない、そのような通告があったということであります。 これは、私ども野党という話ではありません。議員がこの法律を審議する、各個人が審議をする、そういうことに対して厚生労働省の皆さんあるいは政府の皆さんが打ち切りをしていく、このようなことがあってはならないはずであるというふうに私は思っているわけであります。 これは、間違って、誤ったものであってほしい、あるいは何か誤解があったということであるならば、大臣からもしっかりとその御答弁をいただきたいわけでありますけれども、何かこれについて大臣のお考えはあるでしょうか。
○尾辻国務大臣 これまでの御審議に対して私どもは誠実にお答え申し上げてきたところでございますし、今後ともそうさせていただくというふうにお答えせざるを得ないところでございます。
○園田(康)委員 これまでもとおっしゃいました。確かに、本当に誠実にお答えをさせていただいていた、対応させていただいていたと私も思っております。したがって、それと同じように、今後もきちっと私たちと、私もそうでありますけれども、厚生労働省、政府に求めた場合は、それに対して協議をしていただけるというふうに理解をしていいんでしょうか、大臣。
○尾辻国務大臣 協議とおっしゃる意味がよくわからないのでありますが、私が申し上げることは、今後とも、当然のことでございますけれども、この場での御審議に対して私どもは誠実にお答えをさせていただきます。
○園田(康)委員 この委員会の話の中では当然であります。そして、それと同時に、この委員会の前段で私どもは、厚生労働省の皆さんに来ていただくか、あるいは私どもから出かけていって、わからない部分や、あるいはこの辺を教えていただきたい、そしてそれを明確にしていただきたい、そういったことも求めてきたわけであります。それもきちっと、当然のごとく担保されるものであるというふうに私は受け取ってよろしいんでしょうか。
○尾辻国務大臣 この法案の御審議に限らず、すべての御審議の中で、お呼びいただいての御質問があれば、それに対しても私どもはお答え申し上げてきたところでございますから、その姿勢を変えるものでもございません。
○園田(康)委員 今の大臣のお言葉をしっかりと受けとめさせていただきたいと思います。 本当に、この間、私は、厚生労働省の皆さんと、あるいは政府の皆さんとさまざまな信頼関係を築いてきている、そういうつもりでこの法案にも臨ませていただいておりますし、そして、これからもその関係はきちっと築いていきたい。その上で、改めるべきところは改めていかなければいけない、そして正していくところは正していかなければいけない。そういう形の、私はそれこそが本当の意味での信頼関係であるというふうに考えておりますので、ぜひ大臣、その点をきちっと取り組んでいただきたい、対応していただきたい、そのように思っております。 さて、今回のこの法案、さまざまな部分で、私自身も問題点、問題意識を持たせていただいたわけであります。 先ほど少し申し上げました、この法案の中身、骨幹部分に関して、まず目的といいますか法の精神、これをしっかりととらえていかなければいけないのではないでしょうかということで、私も、もしこの法案の修正をするということであるならば、この部分をまず変えていかなければいけないのではないかという形で問題意識を持たせていただきました。それは、法案の目的の部分で、まず第一番目に上げられるのが、この中身につきまして、「自立した日常生活又は社会生活」という言葉がございます。 この言葉の意味でありますけれども、昨年の障害者基本法の改正の中に、「自立への努力」という言葉が当初あったわけでありますけれども、それは、やはり障害当事者の皆さんにそのようなものを責務といいますか義務という形で求めるような、そういういかがわしい言葉ではないかというような御批判があったというふうに私も聞いておりますけれども、それによってこの言葉が削除されたという部分がございました。そして、それにかわる言葉として、やはり自立と社会参加というものがこの中に入っていかなければいけないのではないかと考えていたわけでありますけれども、今回、政府が提案されてきたこの法律の目的の部分の中に、「自立した日常生活又は社会生活」という言葉で表現をされているわけであります。 この言葉のしっかりとした意図するところは一体何でありましょうか。大臣、明確にお答えをいただきたいと思います。
○尾辻国務大臣 このたび御審議をお願いいたしております障害者自立支援法案の改正案でございますけれども、この中で、障害のある方々の地域生活支援と、障害の有無にかかわらず安心して暮らすことのできる地域社会の実現、このことを目指しておりまして、目的でもそのことを述べておるところでございますが、目的規定におきましては「自立した日常生活又は社会生活」としてございます。 これの意味するところは、障害のある方々が生活全般にわたって自己決定、自己選択をしながら暮らすことを意図したものでございます。日常生活と社会生活は二つあわせて生活全般を意味しておりまして、必ずしも二つがはっきり分かれるわけではございませんけれども、社会生活は、社会経済活動への参画を含め、広く社会とかかわりを持つような場面を含むものとして考えております。
○園田(康)委員 そうしますと、この「日常生活」という言葉とそれから「社会生活」という言葉、この違いというものはない、ないといいますか、そういう形ではないということでありますね。「又は」ということでありますから、その全体を含んでということで理解をしてよろしいわけですね。 そして、自己決定、自己選択という言葉を今大臣からお述べいただいたわけでありますけれども、ここの意味、さらに意図するところということでありますと、やはり、障害者の方々の自立生活、そして、それをもって社会参加というものがきちっと目的としてこの中に入っているというふうに理解をしてよろしいんでしょうか。
○尾辻国務大臣 まず申し上げますけれども、「日常生活又は社会生活」というふうに書いておりますが、これは、申し上げましたように、二つがはっきり分かれるわけではございませんので、先生今お話しになりましたように、二つあわせて大きく社会的な生活というふうにとらえていただいていいと存じます。私どももそういう思いでございます。 今のお話でございますけれども、あるいは法案の目指すところの社会参加というようなことまで含めてお話しになったのかと思いますが、それについてお答えを申し上げてよろしいでしょうか。(園田(康)委員「はい、お願いします」と呼ぶ) この法案は、改めて申し上げますと、障害者基本法の理念のもとにつくられておりまして、就労、創作的活動、地域との交流を初めさまざまな形での社会参加を進めるものであるというふうに考えております。まさに社会参加ということでございます。 法案の目的規定に、先ほど来申し上げておりますように、「自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう」にとしておりますが、これは、何らかの形で社会と積極的にかかわる社会参加の意味も含んでおりまして、生活全般の、より広い観点から規定したものでございます。
○園田(康)委員 そうしますと、社会参加というものがこの念頭にあるということであるわけでありますので、であるならば、いっそのこと、私は、この目的の部分の中に、例えば、「その有する能力及び適性に応じ、」という言葉は大変気にかかるところでありますけれども、「自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付その他の支援を」行うことによって、ここまではこの法律でありますけれども、それを「行うことによって、障害者及び障害児の自立及び社会参加を促進し、」というようなことをこの中に盛り込んで、それを「もって障害者及び障害児の福祉の増進を図るとともに、」という形へ一歩前に進めるということも私は必要ではないのかなというふうに思っているところでございます。 ぜひ、こういったことも念頭に入れながら、今後、この目的をもう一度改めるといいますか、見直しを行っていただきたいなということを強く申し上げておきたいと思います。 そして、今回、この法律の中で一歩進めることができたというふうにおっしゃっておられるわけでありますけれども、それは、今まではいわゆる裁量的経費の中で財源をなかなかとることができなかったというふうな形で、大臣も大変この予算に関しては御苦労をされてきたんだろうなと思うわけでありますけれども、それが義務的経費という形で位置づけることができたというふうになっているわけであります。 その義務的経費という性質でありますけれども、もう一度ここで確認をさせていただきたいわけであります。 この義務的経費のまず性質というものはどういうものであるのかということと同時に、確かに、義務的経費という形で確保しますよ、担保するというふうに言われておりますけれども、これがまず予算化を組んだ上で、それでも不測の事態というのはどうしても往々にして僕は起こり得るんだろうなというふうに考えているわけでありますけれども、この義務的経費にした後に予算化をして予算が不足をしてしまった場合、こういった場合は一体どういう形になるのかということと、それはいわゆる補正予算等の措置で今後しっかりとその不足した分が担保されると理解をしていいのかどうか、この点を大臣、お答えいただきたいと思います。
○尾辻国務大臣 これは、今までしばしば申し上げてまいったところでございますけれども、今回の改正、見直しでの大きなものの一つとして、国が義務的に負担すべき経費というふうに明確にしたところでございます。すなわち、国の責任を明確にしたところでございます。それが義務的経費でございますけれども、では、義務的経費について、今お話しのように、仮に予算が不足するような場合においてどうなるかということになりますと、まさに義務的な経費でございますから、必ず適切な措置が講じられることにより確保が図られるものでございます。すなわち、もっと具体的に言いますと、補正とかそういう方法がとられるということでございます。
○園田(康)委員 今大臣から、必ずというお言葉をいただいたわけでありますので、そのような予算不足という形にならないように、先にきちっとその実態を把握しながら経費というものをしっかりと見積もっていく必要があるのではないのかなというふうに思っておりますので、その点、今後の取り組みというものをしっかりと行っていただきたい。 と同時に、障害者の皆さん、当事者の皆さんにとってみれば、経費が不足した場合に、またさらに削られてしまうんじゃないかというような危惧と不安があるわけでございます。したがって、今大臣から、必ずその経費はしっかりと担保するというお言葉をいただいたわけでありますので、この点は私は評価ができるというふうに考えておりますので、どうか、その点を今後もしっかりと取り組んでいただきたいと思うわけであります。 そして、今回の法案の中身でいろいろな問題が私どもはあるというふうに考えていたわけでありますけれども、まず、障害程度区分、今のサービスの利用にかかわって、この区分が一体どのような形になっていくのであろうか。そして、その障害程度区分によって、ひょっとしたらサービス抑制につながるのではないか。同じくやはりこれも、往々にして当事者の方々からの大きな不安という形で問題視されてきたわけであります。 そして、今、試行事業を行いながらデータを集めて、それによってこの障害程度区分について今後検討していくということをおっしゃっておられるわけでありますけれども、まず、障害程度区分のデータというもの、どのようなデータに基づいてこれから区分が作成されるというふうになるんでしょうか。それによって、やはり障害当事者の方々にとってみれば、自分のサービスがどのぐらい利用できるのかということにも直結する話でありますので、この点をまず明確にしていただきたいわけであります。 同時に、この制度の中身でいきますと、介護給付の部分とそれから訓練等給付の部分で二つに大きく分かれていくわけでありますけれども、この区分の違いを明確にしていただきたいのと同時に、訓練等給付における障害程度区分、これは今のところ、いただいた資料によりますと、AとBといいますか、重度とそうではないというふうに分かれているように見えるんですが、この分け方というのはどういう形で理解をしてよろしいんでしょうか。
○塩田政府参考人 障害程度区分ですけれども、この障害程度区分は、一人一人の障害者の福祉サービスの必要度に関する心身の状態を総合的にあらわすものでありまして、市町村がサービスの種類あるいは提供する量を決定する場合に勘案すべき事項の一つで、大変重要なものであると考えております。 現在、全国六十一の自治体におきまして、障害程度区分認定などの試行事業を実施しているところでございます。この試行事業におきましては、約一千八百名の方々についての心身の状態などに関するデータ、具体的には、介護保険の要介護認定基準あるいは支援費制度の基準の項目などをベースにいたしまして、より障害種別の特性を踏まえた基準とするよう項目を追加いたしまして、百六項目の素案に関するデータを収集することとしております。 収集したデータにつきましては、障害者の障害程度の分布などの分析を行いますとともに、有識者あるいは障害関係者から直接ヒアリングを行うことなどで検討を進めまして、秋ごろには障害程度区分の具体的な基準について結論を得たいと考えております。 障害者自立支援法案におきましては、ホームヘルプサービスなどの介護給付、それと御指摘のありました就労支援などの訓練等給付といった大きく分けて二つのサービスがあるわけでありますけれども、御指摘のように、それぞれ目的、内容が異なることから、それぞれの給付の性格に応じた障害程度区分を開発することが必要であると考えております。 まず、介護給付に関します障害程度区分につきましては、障害者の心身の状態について、介護の必要度に応じまして複数段階に区分することを考えております。それから、自立訓練、就労移行支援などの訓練等給付につきましては、介護給付のように多段階に区分しないで、簡素な区分を設定したらどうかと考えておりまして、アセスメント結果を点数化して使用するなどの工夫を検討したいと思っております。 いずれにしましても、今試行事業でデータを集めておりますので、関係者の意見もよく聞いて、それぞれのサービスに合った障害程度区分になるよう努力、工夫をしてまいりたいと思います。
○園田(康)委員 そうしますと、介護給付の部分に関しては複数段階というお答えをいただいたわけでありますけれども、この複数段階というのがどういう段階に分かれるんだというところが私どもは一番気にかかっているものであります。 そして、これに対して、訓練等給付に関しては簡素なといいますけれども、これは二段階ではないんでしょうか。このいただいた資料でいきますと、重度というふうに線引きがきちっとなっているわけでありまして、それに対する介護給付の部分は、これは幾つに分かれるかわからないという形でちょっとぼやかして書かれているわけでありますけれども、この下の部分を見ると、これは明確に二段階に分かれているように私は受け取ったわけなんですが、これはそうではないということなんですね。
○塩田政府参考人 関係の方々に資料でお示ししておりますように、現時点では、重度とそれ以外という、大まかには二段階で考えていることは事実でありますが、具体的にどうするかについては、これからいろいろな人の意見を聞いて決めていきたいと思っております。 いずれにしても、訓練等給付は暫定的に試行期間とかいろいろな要素がありますので、介護給付とは違った形の、訓練等給付の内容にふさわしいものにすべく引き続き努力をさせていただきたいと思います。
○園田(康)委員 もう一度後で関連して質問をさせていただきたいんですが、その前に、あと法文の二十二条の部分で、支給決定の際の勘案事項というふうに先ほどおっしゃっておられたわけでありますけれども、アセスメント項目で幾つかその試行事業の中にも調査を行っている項目があるわけなんですが、この勘案事項というものがどういうものであるのかということと、それと同時に、もう一つ、本人の意向というものがこの中に入ってくるのかどうかということもあわせて、もし御用意ができていましたらお答えをいただきたいのでございます。
○塩田政府参考人 支給の要否を決定する際の勘案事項については、法案の第二十二条に具体的に規定されております。一つは、障害者などの障害程度区分、二つ目に、障害者などの介護を行う者の状況、三番目に、障害者などの障害福祉サービスの利用に関する意向が規定されておりますので、本人の御意向は法律に明記されているということでございます。 法律に明記されている事項のほかに、介護保険サービスなどの他のサービスの利用状況、就労の状況、生活の場所の環境、障害者福祉サービスの提供体制の状況などもその他の勘案事項として現在想定しているところでございます。
○園田(康)委員 ありがとうございます。 そしてさらに、この重度障害程度区分、先ほど複数段階というふうにおっしゃっておられたわけでありますけれども、国が支弁する際の基準というものがあるわけでありますが、今の支援費制度の中身におきましては、それがいわゆる三段階に分かれているというものでありまして、二十五時間、五十時間、百二十五時間というこの三段階が今基準として設定をされているわけでありますね。そして今回、この自立支援法案の中身で、先ほど複数段階というふうに考えておられるということでありました。 そして、訓練等給付に係る部分に関しましては、重度の部分を設けるという形もおっしゃっておられたわけであります。簡素な区分で分けるということで、そのもう一つは重度ということを明確に部長はおっしゃったわけでありますけれども、ここの部分で、介護給付に関しては重度というカテゴリーがこの中に入ってくるものであるのかというのが私はちょっと念頭に置いているんですね。すなわち、今、最大月百二十五時間までの利用時間という形になっているわけでありますが、それ以上の区分というものが念頭に想定されているのかどうかということ、そしてまた、この障害程度区分の基準サービス利用時間、これを仮に超えた部分についての経費負担についてはどのようにお考えでいらっしゃるんでしょうかということを少しお尋ねしたいわけであります。 すなわち、これもやはり、先ほど一番最初に私が申し上げさせていただきました寝たきりの重度障害者の方々にとってみれば、この利用時間というものは百二十五時間で到底足りるはずがないと私も思っておりますし、恐らくここにいらっしゃる委員の皆さん方も、当然百二十五時間で足りるという話ではないというふうに思っているわけであります。 統計によりますと、重度全身性障害者の方々にとってみれば、四百時間から、多い人では、二人ヘルパーさんを使っている方々もいらっしゃるわけですから、利用時間といたしましては八百時間までの利用というものがあるわけであります。したがって、この上限百二十五時間ということを念頭に置かれたのでは、やはり私は、サービス低下といいますか、この法律が成立をすることによって、寝たきり全身性障害者の方々にとってみれば大変な不安の中で生活をしていかなければいけないというふうになるわけでありますけれども、この点はいかがでしょうか。
○塩田政府参考人 新しい制度におきまして、国と地方自治体の間の国庫負担基準額の考え方について、複数の障害程度区分を設けたいと思っているところでございます。 どういった国庫負担基準の区分あるいは水準にするかについては、現在、サービスの利用実態の把握を行っておりまして、そういう結果を踏まえて、市町村において適切なサービスが確保されるよう検討していくということでございます。現行の支援費では最大月百二十五時間となっておりますが、必ずしもこれを前提とするものではなくて、これから現在行っている実態調査に基づいて考えていきたいと思っております。 いずれにいたしましても、国庫負担基準というのは、地域格差を是正する、あるいは限られた国費を公平に配分するということも必要でありますので、いろいろな観点を総合的に勘案して、最終的な結論を得たいと思っております。
○園田(康)委員 さまざまな観点からということをおっしゃっておられるわけでありますけれども、その際に、部長、ぜひ、全身性障害者の方々については、その生活実態というものもきちっと見ていただきたいわけであります。あるいは、ひとり暮らしをしている、あるいは家族状況などもさまざまやはり違うわけであります。今試行事業を行っているからというふうにおっしゃっておられるわけでありますけれども、そういった実態をきちっと把握した上で、それに対する国としての責任というものをこの中で果たしていただきたいわけであります。部長、よろしいでしょうか。
○塩田政府参考人 障害者の方の置かれたサービスの利用実態については、きちんと把握をした上で対応していきたいと思います。
○園田(康)委員 ぜひお願いをいたします。 そして、五条九項にも、重度障害者等包括支援というカテゴリーといいますか定義がもう一つあるわけであります。ここにおける「常時介護を要する」というふうなものと、それから「その介護の必要の程度が著しく高い」というふうに明記をされているわけでありますけれども、これは具体的にどのようなものを指していらっしゃるのかということと、それがどの程度のサービス量をここで保障がなされるのかということも、この定義の中身とあわせてお聞かせをいただきたいと思うわけであります。
○塩田政府参考人 重度障害者等包括支援の対象者でありますけれども、まず、継続的に密度の濃いサービスが必要な方でありまして、かつホームヘルプサービスに加えショートステイなどの福祉サービスあるいは訪問看護などの医療サービスを複数利用することが多い方を念頭に置いております。例えば、ALSによりまして全身の運動機能の障害があり、かつ人工呼吸器を装着しておられて、たんの吸引を頻繁に行うことが不可欠である障害者の方などを想定しているところでございます。 具体的な対象者でありますとかサービスの量につきましては、現在、厚生労働科学研究あるいは先ほど申し上げました全国のサービス利用の実態把握を行っているところでございまして、今後、在宅の重度障害者の生活実態、サービスの利用の状況などについてきちんと把握しまして、秋ごろを目途にして結論を出すべく検討を進めてまいりたいと考えております。
○園田(康)委員 そうしますと、重度障害者等包括支援のカテゴリーでありますけれども、これは五条に、別のところで、居宅介護あるいは重度訪問介護という定義があるわけでありますが、この内容と費用の違いというものはどういったものなんでしょうか。 また、これによって重度障害者等包括支援を行う事業者というものを指定されるわけでありますけれども、この事業者が仮に、その地域地域によっては、先ほど地域格差をなくすというようなことをおっしゃっておられるわけでありますが、地域格差、サービス利用の実態の中に、きちっとしたサービスを行うことができない事業者があるというところも市町村によっては私はあるというふうに考えているわけであります。 したがって、適切なサービス事業を行うことができない事業者があった場合、そういう場合は、適当な他のサービスをこの法文の中で利用することができる制度として理解をしていいのかどうかということですね。つまり、一度この重度包括支援というカテゴリーを選択してしまったら、この法文の中に書いてあるほかのサービスというものを利用できないのか。あるいは、他の事業者というものをサービスを選択して受けることができるのかどうかということの危惧も一方ではあるわけでありますけれども、部長はその辺どのようにお考えでしょうか。
○塩田政府参考人 重度障害者等包括支援の対象になる方については、先ほど御答弁申し上げましたように、継続的に密度の濃いサービスが必要な方であって、福祉サービスとか医療サービスを複数利用することが必要な方ということを念頭に置いておるわけでございます。 この重度障害者等包括支援につきましては、居宅介護とか重度訪問介護とは異なりまして、複数のサービスを一定の要件を満たす事業者が責任を持って確保する仕組みでございまして、報酬についても包括報酬ということにいたしまして、その範囲内でさまざまなサービスの種類や量を組み合わせて自由に設定できるという種類の事業でございます。 こういった重度障害者等包括支援事業、すべての市町村でできればいいわけですが、仮にそういうことがない市町村におきましては、その地域の実情に応じまして、個別の居宅介護事業とか重度訪問介護事業あるいはその他のサービス利用を選択してそのサービスを受けていただくということになると思います。 重度障害者等包括支援事業の対象になっておられて、同時に重度訪問介護事業のサービスを受けるということはできないと思いますけれども、そういう重度包括支援事業のないところでは当然、重度訪問介護の、個別の、別の事業を選択していただくことになると思いますし、それぞれのサービスを転換、AからBへというふうなことは当然あっていいものだと考えております。
○園田(康)委員 それはまさしく障害者の方の自己選択に基づくサービス利用を受けることができるということで理解をさせていただきます。 そして、本来ならば、重度包括支援にかかわるような医療を必要とされておられる方々の生活実態というものも踏まえれば、ここにおいて予算措置で、ここで上限を決めてしまうということはあってはならないことではないかというふうに私は考えておりますので、どうかこの上限の設定に関しましては、まさしく慎重に慎重と、それから実態をきちっと把握した上で、本当にその人の命にかかわる話でありますので、しっかりと行っていただきたいと思うわけであります。 そして、今までは二十五時間、五十時間、百二十五時間という形で、それぞれに基準設定を国庫負担という形で決めてきたわけでありますけれども、その区分がそれぞれに、A、B、Cと分かれていて、AとBあるいはBとCあるいはAからCという形で、区分間の流用といいますか、余った分をこちらの、Cの重度障害者の方々に回すことができているわけであります。しかし、この法律が成立をいたしましたら、それができないということを明言しておられるわけでありますので、であるならば、先ほど申し上げました程度区分を決定する際には、この法律は区分間の流用ができないという制度でありますので、実態も踏まえてそれぞれの区分内でしっかりとサービス利用が確保できるような、そういう工夫をぜひお願いをしておきたいと思いますので、大臣、よろしくお願いをいたします。 私、きょう、時間が一時間しかいただけなかったものですから、先に進みたいと思います。 審査会の案件でありますけれども、市町村審査会、先ほどからの話で、障害当事者の方々のサービス利用を決定する際に、最終的に、一次判定が行われて、そしてそこから非定型あるいは長時間サービスを利用される方々に対しては、市町村審査会にかかって、そこで二次判定を受けるという形になっているわけであります。 市町村審査会における非定型的な支給決定等の場合の意見照会の内容というものは、どういったものでしょうか。 というのと、これはいわゆる障害当事者の方々の個人情報というものが多く含まれているものではないのかという危惧を私は持っているんですが、その点はいかがでしょうか。
○塩田政府参考人 新制度におきましては、支給決定プロセスの透明化あるいは公平化を図るという観点から、審査会制度を設けることにしております。その際、各市町村があらかじめ定める支給基準を超えて多くのサービスを必要とするような場合には、非定型的な支給決定ということに該当しますので、審査会の意見を聞くということになろうかと思います。 その際に、いろいろな個人の情報、例えば、御本人の意向でありますとか御本人がどういう社会活動をされているとか、介護者がどういう方がおられるとか、居住の環境がどうとか、いろいろな資料を提示していただくことになると思います。そうしたものの中には、御指摘がありました、個人情報に関するものが含まれることが大いにあると考えております。
○園田(康)委員 そうしますと、これは、極めて障害者の方々の個人情報が含まれた、そういう性質のものであると私も理解をいたします。であるならば、個人情報保護という観点からすれば、当然のごとく、みずからの情報はみずからで閲覧する権利を持っているというふうに私は個人情報に関しては理解をしているわけでありますけれども、審査会にかかる前に、まず当事者の方々の閲覧というものが、きちっと、どういったものが書かれて、自分にかかわる情報ですから、これが審査会にどういう形でかかるのかということは、当然当事者の方々が見ることができるというふうに理解をするわけであります。 それと同時に、審査会に対して、自分はこういう形でサービスを受けたいんだ、こういうふうに市町村に対して、サービス事業者に対して求めているんだという意見表明の場があってしかるべきだと思いますし、これは障害当事者の権利だというふうに思うわけでありますけれども、その点はどのように理解をしておられますでしょうか。
○塩田政府参考人 審査会に案件をかける前に、市町村が個別に御本人とか家族にお会いして、状況とか御意向とかいろいろな状況を十分にヒアリングするということが制度の大前提になっております。したがいまして、各市町村が審査会にかける際には、どういう形のものを審査会にかけるかについて事前に御本人や家族に御説明をした上で、審査会にかけるのが当然だろうと思っております。 それから、審査会におきまして、法文上も書いてありますが、必要があれば御本人の意見を聞くことができるという規定になっておりますし、法制度として審査会で御本人の意見を述べることを規定することは必ずしも必要ないと考えているところでございます。
○園田(康)委員 法制度として必要ないということでありますけれども、私は、その観点は、やはり障害当事者の方々、先にいろいろ意見を聴取して、いろいろ相談しながらという形であるわけでありますけれども、しかしながら、それがどういう形でつくられた書類、意見照会という形で審査会に付されるのかということを、最終的にやはり当事者の方々にチェックをしていただく必要があるのではないか。それと同時に、やはりもう一つこういうふうにしてほしいというようなことがあれば、その場で意見表明があっても私はしかるべきであると。 したがって、必要があればということではなくて、それは、必要があるかどうかは障害当事者が判断することであって、審査会の方々が判断することではどうしてもないのではないかというふうに考えるわけであります。 そこでもう一つ、資料といいますか、行政不服審査法の二十五条にかかわります審理の方式という形で、本人の求めに応じて、不服申し立てを行う者に対して意見表明の場というものが保障されているわけであります。したがって、当然これは、審査会の決定が起きてから、最終的に不服申し立てをして、その場における意見表明という形になるわけでありますけれども、この自立支援法案の中に、行政不服審査法の第二十五条、この規定が当然のごとくあるものであるというふうに考えるわけであります。その点をどのようにお考えでしょうか。 と同時に、できれば、本人の申し出があれば、市町村審査会においてもやはり保障されてしかるべきではないのかなというふうに考えるわけでありますけれども、この点はこの法律の少し問題点ではないのかなということも、できれば、あわせて大臣にお答えをいただきたいと思います。
○尾辻国務大臣 この障害者自立支援法案の不服審査に関する規定は、不服審査に関する一般法でございます、今お話しになりました行政不服審査法の特別法に該当いたすわけでございますから、障害者自立支援法案に規定されていない事項については、当然のこととしてこの一般法である法の適用になるわけでございますから、これは、二十五条はそのまま適用されるというふうに御理解いただきたいと存じます。 ただいまの、市町村が支給決定案を作成する際に、面接調査を行って、障害者本人のサービス利用の意向を勘案するという、そこの部分は、私どももそう言っておるわけでございますので、面接調査を行うということと、障害者本人のサービス利用の意向を勘案するというふうに申し上げておるところでございまして、障害者本人の意見を十分踏まえたものになると考えておるところでございます。
○園田(康)委員 当然、一般法でありますから、これもきちっとこの中で担保されるものであるというふうに私も理解をしております。これは障害者の方々の一つの権利であるというふうに私は考えておりますので、ぜひ、どうか、この法の趣旨がこの自立支援法全般にわたって担保、保障されるものというふうにしていただきたいなと思っておるわけであります。 質疑時間が参りましたので、幾つかまださらに用意をさせていただいたわけでありますけれども、当然のごとく、移動介護の部分でありますとか、あるいは定率負担の範囲について生計を一にする者、定率負担の範囲につきましては、先ほど一番最初に私どもが求めている大前提にある、本人の所得に応じたものであるというふうに理解をしなければいけないというのと同時に、さまざまな自立支援医療の部分に関しても、十月施行という形になっているわけでありますけれども、先日、六月の二十二日であったと思うわけでありますが、厚生労働省内で検討会が開かれまして、この中でも、私も聴講をさせていただきましたけれども、各委員の御意見は、その対象疾病名に係る部分に関しては、これは状態像にするべきではないか、このままでは問題ですよという御意見がほとんどだったように私は印象を受けているところでございます。 したがって、このような部分でもまだかなりの問題点をはらんでいるわけでありますので、余り人数も、どこかに行っていらっしゃるようでありますけれども、ぜひとも与党の皆さんも協力して、慎重審議ということが御本人たちの求めであるわけでありますので、もっともっとこれは時間をかけて、ここで、あるいは来週にでもこの採決、ひょっとしたらもう審議時間が来てしまうのではないかというような危惧もあるわけであります。大臣も、まだまだこれは審議をしていかなければ当事者の方々に不安や納得をしていただけないんじゃないかというのは率直に思っていらっしゃるのではないかと私は思うわけであります。したがって、その大臣の思いを、私は、与党の皆さんにもぜひともしっかりとこの法律の審議をしていただきたいということを最後にお願い申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○鴨下委員長 次に、山井和則君。
○山井委員 四十五分間、尾辻大臣に質問をさせていただきたいと思います。 私も、福祉をライフワークとして衆議院議員にならせていただきました。そして、やはり本当に豊かな社会というのは、障害のある方も、もっと言えば重度の障害のある方も地域で暮らすことができる、社会の真ん中で暮らすことができる、そういう社会をつくっていくこと、またそういう方々が命の不安を感ずることなく、希望を持って、多くの人たちと交流したり、また働く喜びを得ながら暮らしていく、これを保障し改善させていくのが政治家の務めであると思っております。 御存じのように、過去、ずっと長い議論の中で、日本の障害者福祉は欧米より十年おくれ、二十年おくれと言われてきたわけですね。そんな中で、支援費制度によって、多くのグループホームができたり、また多くの障害者の方が施設を出たり、あるいは地域で暮らすことができるようになってきたわけです。しかし、その流れに大きくさお差す、障害者福祉の進歩を逆行させるのがこの自立支援法案であります。そういう意味では、まさに自立阻害法案とこの法案が言われるゆえんでありまして、この自立支援法案のままでは自立することができないという悲鳴を障害者の方々は上げておられます。 今、一時間にわたって園田議員から質問そして要望がございましたが、きょう、資料を配らせていただきました。私たち民主党も、九項目の修正要求を与党の方に出させていただきました。しかし、審議が始まって一カ月半がたとうとしているにもかかわらず、こういう重要な、そして根本的な修正の要求、これは民主党の要求というよりはまさに障害者団体の方々の要求であり、そして障害者の方々、現場の方々の切実な要求であります。それに対してもほぼゼロ回答しか返ってこない。結局、単に時間を引き延ばしてずるずると採決しやすい状況をつくっていこうとしている、そういう思いが見え見えの修正協議だからこそ、障害者の方々の切なる思いを踏みにじろうとするそういうやり方は許せないということで、私たちも修正協議を打ち切らせていただきました。 先ほどの園田議員との答弁を聞いておりましても、まだまだ詰まっていない、また障害者の方々の自立が脅かされる内容ばかりなわけですね。そういう意味では、これからの四十五分間は、尾辻大臣と、細かな数字のことはいいですので、根本的なこの法案の性格、考え方というものを議論していきたいというふうに思っております。 では、質問に入らせていただきます。 まず、この資料を見てもらえますでしょうか。二ページ目ですね。「諸外国における障害福祉サービス」…… ちょっと定数が足りていないと思いますので、ちょっと確認して、速記をとめてください。これだけ重要な、障害者の命と生活がかかっている法案なんですから。とめてください。
○鴨下委員長 それでは、山井委員からの指摘で、定足数が足りておりませんので、一時速記をとめてください。 〔速記中止〕
○鴨下委員長 速記を起こしてください。 山井君。
○山井委員 こういう重要な、障害者の方々の命と生活を本当に左右する重要な法案を審議しているときに与党の理事が一人もいない、とんでもないことだと思います。 では、質問に戻ります。 「諸外国における障害福祉サービス」、まず尾辻大臣にお伺いしたいと思います。全世界の中で、障害者のこういうサービス、住宅費やあるいは食費という実費を除いて、サービス利用に対して、応益負担、定率負担、一律で導入している国は世界にありますか。
○尾辻国務大臣 諸外国における障害者サービスの利用者負担のあり方は、国によってまた自治体によっても異なるというふうに承知をいたしておりますけれども、低所得者や重度障害者に配慮しつつ一定の負担が課されている例もあるというふうに承知をいたしております。 なお、障害者自立支援法案の利用者負担も、所得に応じた負担上限の設定やきめ細かな減免措置を行うこととしておりますので、全体としていわゆる応益負担や定率負担には当たらないと考えておりますけれども、申し上げたように、諸外国においても一定の負担が課されている例はあるというふうに承知をいたしております。
○山井委員 そんな質問はしておりません。応益負担、定率負担を障害者のサービスに対して導入している国があるのかないのか、それを聞いているんです。
○尾辻国務大臣 諸外国の例をすべて把握しておるわけではございませんので、今そういう、おっしゃるような定率負担あるいは応益負担というようなことであるかないかは承知をいたしておりません。
○山井委員 承知をしておりませんということは、今知っている限りでは、ないということですね。確認します。
○尾辻国務大臣 申し上げておりますように、現時点では承知をいたしておりません。
○山井委員 つまり、今回のこの自立支援法案での応益負担、一律定率負担の導入というのは、世界初なんです。 尾辻大臣にお伺いします。世界に百六十カ国以上の国があって、なぜどこの国もそういう障害者のサービスに対する応益負担、定率負担というのが導入されていないと思いますか。お答えください。
○尾辻国務大臣 まず、申し上げておりますように、そうした例があるかないかを承知していないということを申し上げておるところでございますけれども、いずれにいたしましても、それぞれの国の制度というのは、それぞれの国の伝統や文化もあり、事情もあって定められるわけでございますから、まさにそれぞれの国によって異なるというふうに存じます。
○山井委員 それぞれの国によって異なっていないんです。障害者のサービスに対して、応益負担、定率負担を導入しないというのは世界の常識なんですよ。今そう答弁しているじゃないですか。日本だけがその常識に反したことをやろうとしているわけですよ。 それは、なぜほかの国がやらないのかというと、福祉の理念に反するからです。障害が重い人ほど苦しんでいて、就労も難しくて、所得が少ないのは決まっているじゃないですか。それに対して多くの自己負担を取るなんというのは、福祉の理念に真っ向から反対しているのではないですか。そしてまた、トイレに行ったりおふろに入ったり、生活のためのサービスを受けるのが益であるはずがないではないですか。そういう意味では、今政府が通そうとしているこの法案は、世界でも本当に例を見ない恥ずかしい法案であるということを認識していただきたいと思います。 そこで、具体的な話に入ります。 先日、尾辻大臣にもお渡しをさせていただきました。例えば、通所の授産の作業所、工賃が全国平均で一万二千円ぐらいです。そういうところでこういう織物をつくったりして、何とか一カ月一万円、一万二千円という工賃を知的障害者の方は稼いでおられます。 そして、またきょうもいろいろ持ってきましたが、私の事務所でも毎年使っておりますけれども、精神障害者の方が作業所でつくられた手すきのカレンダー、あるいはこれも精神障害者の方々がつくられたうちわであります。そして、こういうふきんも売られたり、あるいはこういう陶器、これはフクロウをあしらってありますけれども、苦労がなくなるようにという願いを込めてこういう陶器も作業所や授産施設でつくられているわけですね。 こういう方々の工賃というのが一万二千円ぐらいなわけです、全国平均で。ところが、そこに対して今回の法案では、きょうの資料につけさせてもらっておりますが、七ページを見てもらったらわかりますように、見直し後、約二万円ぐらいの自己負担を導入する。 尾辻大臣、これは普通に考えてみてください。一カ月、月曜日から金曜日まで、作業所に行ったり通所授産施設に行って、一万円ぐらいの工賃をやっともらっている。その一万円の工賃が一カ月の喜びなんです。ある障害者の方がおっしゃっておられましたが、その一カ月の最後の日にもらった封筒に一万円が入っているかどうか、それがもう楽しみだと。そして、そのお金をもらったら、SMAPの写真集を買ったり、あるいは、絵をかくのが好きな障害者の方は絵をかく本を買ったり、あるいは、旅行が好きな方は、なかなか行けないけれどもどこに旅行に行こうかなという夢を持ちながら旅行の本を買ったり、そしてまた、自分が働いた工賃で家族と一緒に食事に行く、これがもう一カ月の楽しみなんだ、それを励みで働いておられるという方々が多いわけですね。 その方々から二万円、つまり工賃を上回る利用料を取る。大臣、こういうことは可能だと思いますか。本当にこんなことをされるんですか。大臣、いかがですか。
○尾辻国務大臣 障害者の皆さんの所得をどう保障するかということにも絡むと思いますので、そうした観点からもお答え申し上げたいと存じます。 障害者の自立支援を図る上で、今お話しの、工賃というお話がございましたが、広く就労の支援が非常に重要だと考えておりますから、私どもは、今回の改革において、新たにそうした場をつくるように制度化もしようと考えておるところでございます。 そうしたことは考えます一方で、どのような活動を行うにせよ、通所事業という事業は障害者に対して事業者が必要なサービスを提供するということでございますから、他の障害福祉サービスの提供を受けた場合と同様に、利用料として原則として一割の自己負担をお願いするということにしておるところでございます。 しかしながら、就労継続支援のうち、事業者と障害者の間で雇用関係が結ばれているものについては、障害者を雇用する企業と類似しておりますことから、就労の現場の実情を尊重いたしまして、事業者の判断で事業者のみの負担により利用料を減免することのできる仕組みを導入することを検討しておるところでございます。 そうしたさまざまな方法を用いながら、ぜひ皆さんの御理解をいただきたいと思いますし、これは繰り返し申し上げておることでございますが、やはり障害者の皆さんもお互いにみんなで出し合ったり、出し合ったりというのはお金という意味でございますが、出し合ったり、また助け合ったりしながらという大きな福祉の制度をつくっていただきたいというふうに思っておるところでございます。
○山井委員 今説明がありましたが、改めて質問をします。 要は、作業所や通所授産施設では工賃が一万円ぐらいなわけですね。その方々に対して、厚生省が出してきた資料にもありますように、二万円ぐらいの利用料や食費を取るというのが今回の法案なんです。自分は働いて給料をもらっているというふうに障害者の方々は生きがいを感じて作業所や通所授産施設に行っているわけです。その方々に対して、この法案は、来年の一月から、作業所や通所授産施設に行ったら、今までは一万円家にお金が入っていたけれども、あなたが行ったら一万円払わないとだめなんですよということにする、ある意味で恐ろしい法案なんですよ。百八十度変わるんですよ。一万円家にお金が入るんじゃなくて、一万円払わないとだめなんですよ。 大臣、ほかの聞き方をしましょう。その障害者本人にどう説明しますか。今まで、私が行ったら、僕が行ったら一万円お金がもらえるんだと思っていた人に対して、行ったらプラスマイナスで一万円家から払わないとだめなんですよ、大臣、そう説明するんですか。
○尾辻国務大臣 先ほど諸外国の例とのお話もございましたけれども、今、私どもは、全体の社会保障を考える中で、それぞれ整合性を持たなきゃいけない、そういうふうに思っております。 そういう中で、やはりこうした利用料についても、今お話しのような利用料についても、一割の御負担だけは基本的にお願いをする。これは、それぞれの減免制度を考えておりますから、必ず一万円に皆さんがなるというわけじゃありませんけれども、まず原則として、基本として、一割の御負担をお願いするということを今申し上げておるところでございます。 ですから、そうした皆さん方にも、やはり一割負担というところの原則だけはまずお願いします、ただ、減免措置その他はちゃんと考えますからということを今申し上げておるところでございます。
○山井委員 改めて申し上げますが、そういうことを考えやっている国は世界にないということを言っているわけですよ。障害者の方々は、働くのも難しいし、所得も少ない。だから、同じ原則ではいけないということは世界の常識なわけですよ。 次のグループホームの質問に移りますが、この間、この自立支援法で、グループホームがケアホームとグループホームに分かれるとか、そしてホームヘルパーが利用できにくくなるとか、また規模も大きくなるのではないかとか、また施設の中にケアホームやグループホームを建てることができるようになるのではないかというようなことで、本当にグループホーム関係者は不安のどん底に陥られております。グループホームに関する自己負担に関しても、ページ八にありますように、五千円から二万円ぐらい、これもアップされるわけですね。 やはり、福祉を願う者として、重度の障害者が地域で暮らせる社会をつくりたい、これはみんなの夢なんですよ。そして、支援費によって、外部からホームヘルパーさんなども利用しながら、うまくグループホームで、地域で暮らせるというめどがついてきた。大臣、にもかかわらず、この自立支援法が出てきたことによって、多くの現場では、これではグループホームやケアホームは生き残っていけないということで、今までされていた今年度、来年度の計画がどんどん打ち切りになっていっているんですよ。自立支援法といいながら、自立の阻害になっているのではないですか。 そこで、お伺いしたいと思います。時間にも限りがありますので、肝心なことしかお伺いしませんが、グループホームはこの自立支援法で利用しやすくなるんですか。そして、今までどおりホームヘルパーの方々も利用できるんですか。大臣、お答えください。
○尾辻国務大臣 私どもは、今回の改正によりまして、今おっしゃったようなグループホームのよさを維持しながら、そしてグループホームという仕組み、制度がずっと続けられていくようにという観点で今回のことをお願いいたしておるわけでございます。 したがいまして、今回の改正の、そういった意味で申し上げますと私どもが一番重要視しているといいますか、これは、今後ともずっとこうした仕組みを続けられるようにということもあるわけでございまして、そうした観点からお願いをしているというふうに御理解いただければと存じます。
○山井委員 どの答弁もそうでありますが、全然答弁にはなっていないわけですね。だから、みんな不安に思っているわけですよ。だから、グループホームの計画がどんどん壊れていっているわけですよ。もうこれは法案審議に入ってから一カ月半以上たっているんですよ。 それで、もっともっとまた引き続き私は質問させてもらいますので、次のテーマに移ります。 ですから、私が申し上げたいのは、先ほどの作業所の例、通所授産の例、またこのグループホームの例を見ても、やはりまず所得保障が先であって、もし定率負担というならばまず所得保障をしないと現実的には無理でしょうということを、私たち民主党は、そして民主党だけじゃなくて多くの障害者の方々は言っているわけです。 そこで、お伺いします。やはりこういう所得保障が確立するまでは定率負担の導入というのは凍結すべきだと考えますが、大臣、いかがですか。
○尾辻国務大臣 障害者の所得保障は、これもまた先ほど来申し上げておりますように、障害者の地域における自立した生活を考える上で極めて重要な問題だと認識をいたしております。 年金制度や各種手当制度につきましては、現在の国の財政状況等を勘案いたしますと、大変難しい面もございまして、大きく改善を図ることは容易でないと率直に言わざるを得ないところでございますけれども、障害者の所得保障としては、障害者の就労支援も含めて総合的に検討する必要があると考えておるところでございます。 そこで、今回のこの障害者自立支援法案における利用者負担につきましては、一定の定率負担と所得に応じた月額の負担上限を組み合わせた利用者負担をお願いすることにしておるわけでございますけれども、その際に、数段階の月額負担上限を設けるに当たりまして、同じ所得の方については他の制度とのバランスを踏まえた負担額となるように設定をしておるところでございます。 障害のある方については、御指摘のように、年金だけで生活されている方や資産の乏しい方がおられることに配慮して、障害者の方が暮らしていく上で支障がないように負担額を減免する各般の仕組みを設けておるところでございます。
○山井委員 結局、所得保障も今後の課題で、全然、今としては何にも確立されていないわけじゃないですか。そんなことで一方的に、所得保障の確立がお金がかかるから難しいと言っておきながら、なぜ、障害者の方々、六万円や八万円の障害者年金しかない方から二万円、三万円お金を取る方はすぐに先にやるんですか。 委員長、またこれ、定足足りていないんじゃないですか。確認してください。時計をまずとめてください。
○鴨下委員長 今確認をします。(山井委員「まずとめてください」と呼ぶ) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○鴨下委員長 はい、速記を起こしてください。 山井君。
○山井委員 大体、これだけ本当に人の命がかかっている法案を審議しながら、定足割れすれすれ、あるいは先ほどのように、与党筆頭理事も、一人もいないなんということで、こんな法案審議するのは失礼ですよ、本当に。 次に、自立支援医療のことに行きます。 これについては、午後、育成医療や更生医療のことについて水島議員も触れてくださると思いますので、私は三十二条の精神科の通院医療のことをやりたいと思います。 四ページを見ていただいてもわかりますように、多くの方々からこの存続を求める署名が出てきております。自殺者を減らすという対策本部を立ち上げておられながら、まさに自殺の歯どめとなっている精神の通院公費負担を削減するというのはとんでもないことです。 限りがありますので、また手紙を読ませていただきたいと思います。五ページにありますが、これも、ぜひとも大臣や厚生労働委員会の議員に読んでほしいということで提出されたものであります。早速読みます。 尾辻厚生労働大臣様 私はうつになり約六年になります。その間、働けなくもなり、生活も大変です。しかし、公費負担の制度がある事で治療やリハビリを受ける事ができて、とても助かっています。 早く仕事を見つけて普通の社会生活をしたいと思っていますし、努力していますが、それまでには主治医の先生のところのデイケアでリハビリを行う必要がありますので、まだ時間がかかりそうです。 ほぼ毎日、通院する事でようやく人と話す事ができるようになり、精神的にも楽になってきました。私達が社会復帰するためには公費負担の制度は欠かせません。多くの人達は少い収入やたくわえを切りくずしながら細々と生活をし、通院しています。是非、三十二条の公費負担制度を存続させて下さい。この制度がないとリハビリや通院もできず社会復帰が遅れます。 早く社会に出て働きたいと思い、日々努力していますので、私達のお願いをお聞き下さいますよう、宜しくお願い申し上げます。 一時は死のうと思った事もあります。身内からも見放され単身で生活しています。でも生きたいと思いますので、どうか助けて下さい。 三十六歳、無職の男性の方。 次のページは下の部分だけ読みますが、この精神科クリニックに通院されている精神障害者の方も、障害年金で生活されていて、十一万円前後、食費は二万円前後です。食費が一日六百五十円ぐらいなわけですね。そういう苦しい苦しい極貧生活をされ、家族にも内緒で、あるいは会社にも内緒で精神科に受診されておられる。そしてまた、死ぬのをとどまりたい、生きたいという思いで、またその現場のスタッフも必死になって頑張っておられる。 尾辻大臣、今回、この自立支援医療という制度をやってしまったら、例えば大都市では五%の自己負担を自治体が負担して、今自己負担ゼロのところも多いんです。そういうところも、国の状況を見て、五%の単独補助を打ち切るかもしれないということも言っているわけですね。そうしたら、これは、サービスの利用抑制がかかって、人の命が失われるかもしれない、まさに、自立支援医療じゃなくて、自殺支援医療、自殺促進医療になるかもしれないんです。 大臣、このことによって、診療があるいはデイケアへの通所が抑制されて、自殺がふえるというふうに思われないんですか。
○尾辻国務大臣 まず、負担の方について申し上げたいと思います。(山井委員「細かい説明は要りません。今の質問に対して、自殺がふえると思わないのかということ」と呼ぶ)もういいですか。今回の改正でぜひ御理解いただきたいと思いますのは、市町村民税非課税の方については、月の負担額を二千五百円または五千円の上限を設けて、その範囲で御負担をいただきたいと考えておりますということをまず申し上げたかったところでございます。 そこで、自殺についてのことでございますが、うつによる自殺の問題など心の健康が重要な問題となっております中で、精神通院医療の役割は引き続き重要であるというふうに考えております。 このため、今回の改革を通じまして、今後とも、限られた財源の中で制度を維持しながら精神障害に係る必要な医療を確保するように努力してまいりたいというふうに考えております。 自殺予防対策につきましては、先日、私どもの省内に自殺対策の推進に関する省内連絡会議を設置したところでございまして、平成十七年から五カ年計画で取り組む自殺関連うつ対策戦略研究の結果も踏まえつつ、その充実に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○山井委員 大臣の答弁あるいは厚生労働省の答弁を聞いていると、事の重大さが全然わかっておられない。これによって、現場では、本当に自殺する人がふえるんじゃないかと思って戦々恐々としている。ある精神科の現場の方は、厚生労働省と刺し違えてでも自立支援医療は凍結させたいということもおっしゃっておられるわけです。命がかかっているわけなんですね。 私のところにも手紙が来ております。統合失調症の方で、精神障害者の作業所のスタッフ、こう書いておられます。 「とても給料より高い一割負担を払って、作業所に働きに来てくれとは、メンバーに説明出来ない。第一、一割負担より多い給料をとろうと思えば、メンバーが必死に働いて、次々に再発していくことは目にみえています。」この方本人も統合失調症の方なんですが、「先行き不安で押しつぶされそうです。」「睡眠薬も沢山飲んで眠りました。それでも調子は落ちたままです。きのうも自殺を考えましたので、採決されたあかつきには自殺をするかもしれません。」「なにもする気がおこりません。うつ気分が続いています。火曜日が診察です。」こういう手紙も届いてきております。 大臣、もう一つお伺いしたいと思います。 これは、やはり自殺を食いとめるためにこの三十二条というのがあるわけですよ。その部分を大幅に削減してしまう。そういうことによって受診抑制がかかって、自殺する人が出てくる可能性は大きくあります。 大臣、そのときには大臣は責任をとるんですね、人の命が奪われた場合には。因果関係もわかりますよ、これは。その自殺した人が精神科クリニックに通っていて、この自立支援医療によってサービスを抑制したと。大臣の覚悟を聞かせてもらいたいと思います。大臣、そういうことが起こったら、大臣は責任とるんですね、人の命が奪われた場合には。 〔委員長退席、宮澤委員長代理着席〕
○尾辻国務大臣 先ほど申し上げましたように、御負担を無理のない範囲でお願いしようとしておることをぜひ御理解いただきたいと存じます。二千五百円、五千円というところでお願いをしようとしておる、そこの私どもの気持ちというのをぜひ御理解いただきたいと存じます。
○山井委員 このことに関しては、午後、水島議員も引き続き質問されると思いますが、大臣の答弁を聞いていると、全然現場のことがおわかりになっていない。 私もこの二カ月、週末を利用して三十カ所以上、知的、身体、精神のいろんな現場を回ってきました。本当に不安でいっぱいです。障害者の方々からも泣かれましたし、お母さん方も泣かれましたし、こういう採決になったら、もう死のうかというお便りや声も聞かされています。それだけこれは大変な法案だということがわかっているのか。先ほども言ったように、人員も足りない中でこうやって審議もやる。許せない気持ちでいっぱいであります。 次に、重度障害者が地域でこれからも暮らしていけるのか、暮らしやすくなる法案なのかということを質問したいと思います。 前回の質問でもお話しさせていただきましたが、この海老原宏美さんという方、このパネルで今お見せさせていただいておりますけれども、脊髄性筋萎縮症、車いすでおひとり暮らし、一日約十六時間介助を受け、月五百時間使っておられます。そして、夜間は人工呼吸をつけておられるわけです。こういう方々にとっては、利用基準の上限が決められてサービスの時間が減ったら、即、命にかかわる問題なんですね。介助の量、予算に制限がついてしまったら、命にかかわる問題、まさに死活問題なんです。 そこで、大臣にお伺いしたいと思います。 海老原さんのような重度障害者にとって、決してサービスが減ることなく今までどおりのサービスが利用できる、そういうことを保障するということを、ぜひこの場でお約束をいただきたいと思います。
○尾辻国務大臣 今回御提案申し上げております新制度におきましては、福祉サービスの支援の必要度を総合的にあらわす障害程度区分を設定いたしますとともに、特に重度の障害者につきましては、重度障害者等包括支援でありますとか、あるいは重度訪問介護といった新たな給付類型を創設いたしておりまして、より多くの自治体において必要なサービスを利用することができる仕組みといたしておるところでございます。
○山井委員 全く答弁になっていないわけですね。そんな状況でこの法案の採決を考えるなんということは、とんでもないわけです。繰り返し言いますが、この法案では多くの障害者の方々の命がかかっているわけです。 そして、ある障害者の方からもメールをいただきました。この方は脳性麻痺ですのでグループホームに入っておられますが、足でメールをいただきました。その方もおっしゃっているのは、ついの住みかと考えているこのグループホームを、この自立支援法案が通ったら出ないとだめになるかもしれない、そういう深刻な不安を持っておられます。 その方のメールによりますと、「いま国会で審議されている「自立支援法案」は、私たちに「死ね!」と言わんばかりの法案だと思います。」このグループホームをついの住みかだと思っているのに、法案が成立すれば、グループホームとケアホームに分けられ、今すぐにではないかと思いますが、こっちのケアホームに行きなさいと言われかねない。そして、この法案の中には、ケアホームの前に地域においてという言葉がないので、施設内や病院内につくられる可能性さえあります。「これは「自立と社会参加」を唱っている障碍者基本法に違反すると思います」ということを書いておられます。そして、「移動介護を使って、いろんなところへ行くことによって、一般の人たちが気軽に声をかけてくれるようになり、困っていたら、自然に助けてくれたりするので、社会全体がノーマライゼーションになってきたところです。」と。この流れを逆行させてしまうのがこの法案であるわけです。 そこで、大臣、移動介護の問題でありますが、私たちのこの修正要求の中でも、重度障害者の長時間サービスの保障ということを要望しております。やはりこういう移動介護の保障についても、今までどおりのサービスが利用できることを保障する、そういうことを、大臣、ぜひお約束をいただきたいと思います。
○尾辻国務大臣 外出時の支援を行う移動支援につきましては、障害者の社会参加を促進し、地域での自立した生活を支える上で意義のあるサービスである、このことは当然のこととして私どもも十分認識をいたしております。 支援費制度におきましては、効果的な、効率的なサービス提供を行うという観点からは、事前に支給決定が必要なため、あらかじめ予期できないニーズに臨機応変に応じられないという面がありますことと、個別給付のために、複数の利用者に対して一人の介護者が対応することができないといったような、柔軟な対応ができないという問題が自治体や関係者からも指摘をされていたところでございます。 これらの問題点を解消するために、今度の制度におきまして、移動支援につきましては、地域の特性や利用者の状況に応じた柔軟な形態での実施が可能になるように、市町村の地域生活支援事業に位置づけることとしておるところでございます。 そして、地域生活支援事業として位置づけるに当たりましては、これまでも支援費制度のもとで居宅サービスとして提供されてきた経緯があること、それから障害者が自立した社会生活を営む上で重要なサービスであるということを踏まえて、市町村が必ず実施しなければならない義務的な事業として位置づけますとともに、その費用につきましても、国、都道府県が補助することができる旨の規定を設けることとしておりまして、今後も必要なサービスが適切に受けられるようになるものと考えておるところでございます。 なお、重度の行動障害を有する方々については、移動の支援や身体の介護等をパッケージで行う個別給付のサービスメニューを新たに設けたところでございます。
○山井委員 今の答弁では、今までのサービス水準が確保されるかどうかというのが全くわからないわけです。 改めて尾辻大臣にお伺いしたいと思います。 先ほども言いましたように、こういう海老原さんのような、月に五百時間、夜間は人工呼吸器をつけて、本当に死活問題として、しかし、社会の真ん中で暮らしておられる方、こういう方々の存在によって、私は本当に社会は明るくなっていっていると思うんですね。こういう方々が地域でこれからも暮らしていけるのかいけないのかということが、この質疑を聞いていてもさっぱりわからない。全国の障害者の方々が、これをインターネットで多分今聞いておられると思いますが、大臣の答弁を聞いてもさっぱりわからない。審議が一カ月半たってもさっぱりわからないというのが現状だと思います。 そこで、大臣にお願いしたいと思います。当事者の方々のせめてもの願いは、とにかく、当事者抜きで当事者の生活と命にかかわるこの法案を決めないでくれということなんです。これからもじっくり時間をかけて、当事者の方々の声を聞いて、この法案を変えていくということを約束していただきたいと思います。
○尾辻国務大臣 まず、今後も必要なサービスが適切に受けられるようになるということは申し上げておるところでございます。 それから、関係の団体の皆様方とはずっと議論をさせていただいてまいりましたし、御意見も伺ってまいりました。このところもまた、いろいろな御意見をちょうだいいたしておるところでございます。そうした経緯を踏まえてこの法案をお願いしておるということは、御理解いただきたいと存じます。
○山井委員 きょうのこの質疑を聞いても、この法案によって自立が促進されるとは全く思えない。逆に、自己負担アップによる自立阻害以外の何物でもないと思います。そして、わからないことも多過ぎる。にもかかわらず、先ほどの理事会では、与党の方から、早ければ来週水曜日にも採決するかもしれないというような、そんな発言まで飛び出している。とんでもないじゃないですか。 大臣、こういうことは障害者の生活と命にかかわる問題ですから、今のような答弁では、これは無理ですよ、法案を通すことはできません。やはりきっちりそういうところが障害者の方々の納得が得られるまで、強行採決はしないということを明言していただきたいと思います。(発言する者あり)
○宮澤委員長代理 山井君に申し上げます。 理事会の話でございまして、大臣に聞く内容ではないような気がいたします。(山井委員「大臣に」と呼ぶ) 尾辻厚生労働大臣。
○尾辻国務大臣 この委員会の御審議のあり方について私が何か申し上げるというのは大変失礼なことでございますから、お許しをいただきたいと存じます。 一点だけ申し上げますと、先ほど来申し上げておりますように、障害者の各団体の皆様方といろいろな御議論をさせていただいてこの法案をお出ししておるということだけは申し上げておきたいと存じます。
○山井委員 今も与党の理事から、できるだけ早く採決したいと言っておりますけれども、とんでもない話であります。 これからまだまだ時間をじっくりかけて、きょうの私の質問に対する答え、これは別に私の個人的な質問ではなく、多くの障害者団体からの疑問であり、要望であるわけです。そういうものがきっちりと方向性が出るまでは当然採決することができない。 過去、日本の障害者福祉が本当におくれにおくれている。ある教授は、障害を負った苦しみとともに、この国に生まれてきた不幸ということを言い、日本の障害者福祉のおくれを嘆いてきたわけですね。それに対して、この法案は、支援費によってトンネルの先の明かりが見え出した、その明かりをまた打ち消してしまう法案であります。何としても慎重審議をして、先ほどの話であったように、もうそろそろ採決だなんということが決してないように、そして、万が一そんなことがあって障害者の方々が自立が阻まれ、あるいは死者さえも出るようなことになれば、そのことはきっちりまた国会で取り上げねばならないと思っております。 慎重審議を心からお願い申し上げて、私の質問を終わります。
○宮澤委員長代理 次に、五島正規君。
○五島委員 大変エキサイトした議論が続いておりますが、この問題につきましては、本当に重要な問題であるだけに、お互いに冷静に議論をしていきたいと思います。 そこで、まず大臣、少し本質的な問題から議論したいと思います。 若年者の障害、特に子供のときから障害を持っておられる障害者と、それから、介護保険等が主として対象にしております高齢者の障害、両方とも障害ということについては同じであるわけですが、障害者福祉という観点から見た場合、これを同じ水準、同じ基準で見ることには無理があるんだろうと私は思っています。 なぜであるか。サービスの内容云々という前に、高齢者になっての障害というのは、その方が若い間にそれぞれ資産を形成するチャンスをお持ちになっていた。しかし、成功した人もおれば、しなかった人もある。したがって、そういう人々に対しては、一定、応能負担的な考え方が導入されることは、私は同意します。 一方、若年時からの障害者というのは、そういう資産を形成するチャンスすら持ち得なかった人です。したがって、その人たちに対するサービスの中身について言えば、介護保険なんかとは違って、それなりに、そういう資産形成のチャンスを持ち得なかったという観点から、おのずから独自の政策がないといけない、当たり前だと思います。 また、若年の障害者は高齢者に比べてより広く社会参加をしてもらう、そのことは社会全体としての義務であるし、障害者からいえば当然の権利だと思います。そうした部分もやはり障害者福祉全体が含んでいる。したがって、高齢者の障害の問題とはおのずから違った施策というものがあるべきなんだというふうに思っておりますが、そのあたり、大臣、どうお考えでしょうか。
○尾辻国務大臣 まず、サービスについて申し上げますと、若年障害者と高齢者に対する福祉サービスについてでございますが、介護が必要な方に対するホームヘルプサービスや施設における介護サービスなどについては、これは基本的に同様のニーズがあるものと考えます。しかし、今先生もお話しになりましたように、若年障害者については、障害のない若者と同様に、一般的に社会経済活動への参画の意欲や必要性がより高いということがございますので、そうした方々には、就労支援のためのサービスでありますとか地域で自立して暮らすための訓練のサービスなど、より多様なサービスが必要だとまず考えます。 それから、次に負担のことについて申し上げますと、幼少期から障害のある方と高齢期になって障害を有するに至った方とでは、これも先生お話しになったように、資産の状況に違いがあるのが通常だ、こういうふうに考えますし、また、障害のある方の中でも所得の状況がさまざまであるというふうに考えております。
○五島委員 所得の状況がさまざまであるということは、それぞれの水準においてそうなのであって、その前に大臣おっしゃったように、やはり若年期から障害をお持ちになった人と、高齢期になって障害をお持ちになった人との、資産の形成過程によって当然負担のありようが違うという大臣の御答弁は確認しておきたいと思います。これは非常に大事な問題だというふうに考えます。 続いて、現在障害者であったとしても、一部、加齢によるところの疾病という問題を除きますと、介護保険の適用年齢になりますと介護保険が受けられる、そしてそれ以前の状態においては、例えばホームヘルプサービスについていえば、支援費制度の中で賄われるということになっています。 そこで、知的障害、身体障害、精神障害、いろいろあるわけですが、非常に、あるわかりやすい数字ということで身体障害者に限って見てみますと、では、十八歳から六十四歳までの一級及び二級の身体障害者、二級の身体障害者といいますと、両足の下腿部分がないとか、あるいは座位の保持ができないとか、かなり重度の障害でございます。そういう一級、二級の身体障害者に対して、現在、支援費がどの程度提供されているか。六十四歳未満です。 十八歳から六十四歳未満の身体障害者について言いますと、一級の身体障害者でわずかに一一・一%、二級の障害者では九・五%しか支援費が提供されておりません。また、トータルに見て、高齢期まで含めたすべての一級、二級の身体障害者は百十八万人おられますが、この中で支援費が提供されているのは七・六万人、六・四%しかありません。言いかえれば、支援費制度はできたんですが、制度としてできたけれども、ニーズに対してこの制度というのは極めて普及されていない。平均で六・四%、一級だけとっても一割そこそこというふうな状態で、現在このホームヘルプサービスをとった場合に、現行のこの制度というのは、一定、きちっとニーズに対応していると言えるんでしょうか。 私はとても、この現状から見るならば、今回支援費制度を自立支援というふうに名称を変えるわけですが、制度的欠点なのか何なのか、いずれにしても、必要なサービスが全く行き届いていない制度である。地方間の格差もあるでしょう、さまざまな要因があるだろう。この要因は何なのか、そこのところを厚生労働省はほとんど分析したデータを議会にお出しになっておりません。 本来で言うならば、名称を変えて負担のありようを変える前に、必要なサービスがこの水準にとどまっている原因こそ検討すべきではないかと思うわけですが、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○塩田政府参考人 支援費のサービスの利用状況については、委員の御指摘のとおりでありまして、身体障害者については、御指摘がありましたが、ほかの知的障害者に比べて、まだ全国的にはある程度のサービスが普及しているということでありますが、知的障害者、さらに精神障害者については、支援費の対象にすらなっていないということでございます。 原因はいろいろあると思いますが、身体障害者の中には内部障害の方とか視覚障害の方とか、支援費のホームヘルプサービスが必要のない方もいらっしゃいますのであれですけれども、基本的には、まだ各市町村にサービスが提供できる社会資本が必ずしも整備されていないということでありますとか、ケアマネジメントがないとか、いろいろな制度的欠陥があると思っております。 そういう意味で、今度の自立支援法案は、支援費制度の持っているいろいろな課題を克服して、全国どこの市町村でも、ニーズのある方には必要なサービスが提供できるような体制をつくるという観点で御提案申し上げているところでございます。いろいろな現行の問題点などについては、御要請があれば整理してお出ししたいと思います。
○尾辻国務大臣 五島先生がおっしゃいました数字は全くそのとおりでございまして、身体障害一、二級の障害者約百十八万八千人ということでございますけれども、その中でホームヘルプサービスの支給決定者が七・六万人であり、受給者の割合というのが六・四%、これはもう全くそのとおりでございます。 その原因をお尋ねでございましたが、今部長よりお答えを申し上げたところが私どもが今分析をしておる原因でございますけれども、こうしたことというのはさらによく検討しながら、私どもも今後に備えてまいりたいと存じます。
○五島委員 常識的に、一級、二級、しかも、今大臣のおっしゃった数字というのは支援費の対象になっていない聴力、視覚障害者を除いた数です。その中においてもその程度しか利用がない。これを反省して今回の法案を出されたということではないんだろう。なぜここまでこの支援費制度が普及していないのか、客観的ニーズに対してこのようにおくれているのか。 その辺については、今、塩田部長、またお出しするとおっしゃいましたけれども、本当にそんなものが、すぐ出せる資料があるんなら、なぜ国会にすぐ出していただけないんでしょうか。私は、これから、そのようなことをおっしゃるというのであれば、この法案の審議を凍結してでも、その審議こそをまず最初にやるべきではないかと思うわけです。 そしてまた、今度は身体障害者の方の介護保険の適用者、すなわち、お年をとって六十五歳以上で身体障害者手帳をお持ちになっている方、一級、二級をお持ちになっている方々、その方々の利用状況はどうなのか。これは、もちろん、支援費の利用の問題というのは後ほど言いますが介護保険優先ですから、介護保険を使ってからでないと利用できないシステムになっています。 そこで、では介護保険をどの程度使っているのかということを見ますと、八三・五%の身体障害者の方が支援費も介護保険も、これは六十五歳以上の年でですよ、六十五歳以上の障害者の八三・五%もが利用されていないんです。介護保険も利用されていないんです。介護保険、そして支援費、両方のホームヘルプを利用している方は、わずかに、お配りした資料に載っております、これは厚生労働省にきのう出していただいた資料ですが、わずかに〇・二%です。 一体これはどういうことなのか。介護保険審議の中において、介護保険の拡大ということも議論の一つでした。現実には、だれが考えても、身障の二級であれば、介護保険の介護認定から見ても要介護にならないわけがない。その人たちが八三・五%も介護保険を使っていない。障害者の生活というのは、こうした公的な扶助、あるいは在宅での自立のための援助というものを、高齢期になっても、介護保険もできておりながら、ほとんど受けられていないという数字が出ているのではないでしょうか。 しかも、私は、この理由が実は制度的につくられているんではないかという疑いを持っています。 例えば、平成十二年に、厚生省の障害福祉部企画課長と障害福祉課長の連名により、各都道府県の部長あるいは政令指定都市等の部長に対して出した通達がございます。これは介護保険と支援費との併用の問題について述べている内容です。 それについて、介護保険で対応できない部分についてこの支援費制度を給付するというのはいいんですが、この支援費のサービスは、訪問通所サービス区分の支給限度基準額まで介護保険サービスのサービスを受ける場合であって、すなわち介護保険の言う訪問通所サービスを全部限度額いっぱいまで受けて、その上でなおかつ、ホームヘルプサービスが基準額のおおむね五割以上を使った場合、介護保険でそれを使った場合、初めて支援費が使用できます、こうなっている。 これは、言いかえると、介護保険というのは、ケアマネジャーによって、さまざまな本人の希望も入れて組み立てられることになっている。ところが、障害者に関してはそういう選択権が全然与えられていない。通所のサービスを限度額いっぱい受けなさい、そしてなおかつ残りはホームヘルプサービスを限度額の五割以上受けなさい、そうでないと与えません、こうなっている。介護保険の本質からいったら随分おかしい話です。 そして、多くの障害者は、例えば入浴のサービスとかあるいは訪問医療とか訪問看護とか、そういうようなサービスも必要です。そういうサービスを使ってくると、この支援費は使えないという理屈になります。なぜこんなばかげた通達を出しているのか。 まず、この通達の内容は介護保険制度の建前からいって容認できるかどうか、老健局長、ちょっと御答弁願います。 〔宮澤委員長代理退席、委員長着席〕
○中村政府参考人 お答え申し上げます。 委員の方から、最初に介護保険制度と障害者制度の適用の問題がございました。 数字でございますように、六十五歳以上の手帳所持者の方の一六・三%が介護保険のホームヘルプの利用実績がある、それから両方併用されている方が〇・二、支援費のみが〇・一で、合わせますと一六・五%の方が介護保険か支援費、あるいは介護保険と支援費両方のサービスを使っている、こういうことでございます。 まず冒頭、手帳を持っておられる方の一六・三%しか介護保険を使っていないという問題はどうかということがあるわけですが、介護保険の方は、御案内のとおり、希望される方は要介護認定を受けられまして介護保険のサービスにつながるわけでございますので、私ども、御希望の方で要介護認定に該当されれば、手帳のあるなしにかかわらずそういう扱いをしていますので、ここのところは、手帳保持者の方の申請の度合い、あるいは介護保険の要介護認定に該当されるかどうかの問題ではないかと思っておりますので、その点についてはそういうお答えをさせていただきます。 次に、介護保険と支援費制度の適用関係でございますが、両者に共通するサービスについては、現行制度において、一般制度である介護保険制度を優先するということでございますので、六十五歳以上の方は、一六・三%の方は介護保険の制度が優先されて適用されているということになります。 介護保険のサービスの水準を超える方、あるいは介護保険にないサービスの必要な方については、いわば一般制度である介護保険が優先した後で支援費の方の上乗せなり横出しが出てくると考えておりますので、私どもといたしましては、まず介護保険が優先するということを介護保険の立場からは言っておるわけでございまして、その先の上乗せ、横出しのあり方については、支援費制度の方の考え方によるものではないかと理解をいたしております。 今委員から御指摘の課長通知の点は、個人的にはいろいろ申し上げたいこともないわけではありませんけれども、そこは所管が違いますので、部長の方に……(五島委員「介護保険の立場から見て」と呼ぶ) 介護保険の立場からは、介護保険の方は介護保険制度として優先しますので、介護保険制度は、優先した介護保険制度として、介護保険の立場から、上乗せ、横出しあるなしにかかわらず、介護保険として必要な、またケアマネジメントとして適切なケアマネジメントのもとでサービスが提供されるという考え方に立っておりますので、その考え方に立った上で上乗せ、横出しを考えていただきたいということでありまして、上乗せ、横出しの有無で介護保険の方の関係が左右されるということはあってはならないと思っております。そういった意味では、介護保険は一般制度として優先制度でございますので、優先制度の上に立って上乗せ、横出しを構築されるべきだと考えております。
○五島委員 珍しく中村局長がまともなことをおっしゃったので、ありがとうございました。 では、塩田さん、この通達は中村局長の話とは食い違った通達になるわけですが、この通達は変えられますか。
○塩田政府参考人 制度上、介護保険を優先するということで、その後で支援費制度のサービスを利用していただくという制度に法律上なっているわけでありまして、ホームヘルプサービスについては、まず制度上、介護保険の中の在宅サービスの限度額をすべて使っていただいて、その中でもホームヘルプサービスを五割は使ってほしいということを述べたのが当時の課長通知だろうと思っております。 当時、それなりのいろいろな関係者の意見も聞いて、総合的に決定したものであろうと思います。現段階でこの通知が直ちに不適切だとは考えておりません。さらにいろいろな関係者の御意見は聞いていく必要があると思いますし、今度お通ししていただければ、新しい法律に基づくサービスも始まりますので、その際にもう一度、いろいろな関係者の意見も聞いて、課長通知のあり方については再検討させていただきたいと思います。 それから、冒頭先生が引用された支援費と介護保険の利用状況の調査、これも、先生の御指摘を踏まえて、急遽、支援費について御協力をしていただいている自治体、四十九の市町村からいただいた数値でとりあえずまとめた数値でありまして、もっともっと分析しないといけない、調査としても不十分なものです。母数は七級まで入っての母数でありますので、先生が言われたよりかは、介護保険を利用されている方、両方併用されている方、若干割合は高くなると思いますが、いずれにしても、今の高齢者の方が、必ずしも介護保険などをフルには活用していない可能性があるということは御指摘のとおりだろうと思います。
○五島委員 この通達をそのまままだ残すという話ですが、現実に老健局と障害福祉部とで考えが違うわけですよ。 これがもし介護保険優先であるからということであれば、ケアマネジャーによって組み立てられ承認されたホームヘルプサービスの限度額を使ったらというのであればわかる。ところが、介護保険で提供されるサービスの限度額の五割以上は、そうでないと支援費は与えませんよ、あるいは、介護施設に対する訪問通所サービスを限度額いっぱいまで受けていないといけませんよと。これは、本当に障害を持った人は介護保険が適用されても全く自由度もないし、本来のケアマネジャーを中心とした形でそのお年寄りにとって何が一番いいかという議論をしていく、そういうことも与えられないんだ。とんでもない話だと思います。 大臣、その辺をどうお考えですか。
○尾辻国務大臣 一番基本的なところで介護保険がまずあって、それに上乗せだとか横出しとかがついてくるというのは、そこのところの仕切りはそのとおりだろうというふうに考えております。 ただ、今部長よりも御答弁申し上げましたように、この後この法律をまたお認めいただいたりした後、検討する中での大きな検討の課題であるというふうに申しておりますから、そのように検討はさせていただきたいと存じます。
○五島委員 検討はさせていただきたいとおっしゃるんで、それは検討は大いにしてもらわないといけないんですが、現実問題として、十八歳から六十四歳の方でも支援費の利用というのは一割そこそこ、そして六十五歳を超えて支援費を利用している人というのは、介護保険があるとはいえ、この数字で見ると〇・何%ですよね。とてつもなくこの支援費の利用というのは普及していない。 そこの原因が何なのかということについて、今塩田さんの方から調査するとおっしゃったんですが、私は、そういう調査、あるいはこの制度を変える以上は、なぜこの制度を変えなければならないか。財政面だけで検討したとおっしゃるんならそうおっしゃればいい、格好つけせずに。しかし、少なくともまだ支援費制度は普遍化していないわけです。そういう結論しかここから出ないじゃないですか。それをここで今になって、指摘されて、これから調査しますということでは、先ほどの他の議員の話ではありませんが、一体何をしているんだという話になるのも当然ではないかというふうに思うわけですね。 なぜこの支援費の制度というのがここまで普遍化していないのか。だから金額は非常に低い、少ない。正直言って公費の負担も小さいです、他の福祉に比べたら。小さいだけに、予算の編成のときにええようにおもちゃにされる。だから義務的経費に持っていきたいということなんでしょうが、基本的に、なぜこの人たちに対して、日本国内だれに対してもきちっとこうしたサービスが提供できる仕組みになっていないのか、そこのところの検討がまず先じゃないですか。もう一度、そこのところについて御意見をお伺いしたいと思います。
○塩田政府参考人 今度の新制度は、支援費制度を否定するというものではなくて、支援費制度が目指した、障害を持つ方が地域で普通に暮らせるために、サービスの質を高め、量をどう確保するかという観点から、支援費制度の抱える問題点を見直すという観点の改革であると思っております。 その中で、一つ、財政論に偏ってはいけないかもしれませんが、裁量的経費によって市町村がサービスを提供しても、国、県からしっかりとした財政支援が担保されていないというのも、支援費制度の目的とするサービスの質、量を確保する上で問題点であります。そこは義務費にするということで解決をしたいということでございます。 それから、支援費制度を施行して二年になりますけれども、順調にサービスが伸びておりまして、そのサービスの伸び自体は、これからニーズがあって、これから市町村で提供体制をつくってもらわなきゃいけないということだと思いますが、そのためにもいろいろな、ハード、ソフトの社会資本整備も国としてきちんとバックアップしていかねばいけない。 それから、支援費の対象になっていない障害を持つ方がいる。そういう意味で、市町村が、限られたマンパワーとか社会支援をして、いろいろな障害を持つ方に対してサービスを提供するためには、高齢者も含めて、年齢を問わないとか障害の別を問わずいろいろなマンパワーとか何かを上手に使えるような制度の仕組みをつくるという意味で、支援費の問題点を解決、克服するという観点でこの制度を提案しているつもりでございます。 あくまでも、支援費制度の問題点をどう克服するかという観点で提案しているつもりでございます。
○五島委員 今の話を聞いても、障害をお持ちの方に対して、こうした自立支援のためのサービスがなぜ普及していないのか、どうすれば普及できるのかという観点から今回の自立支援法ができているのであれば、一体この法案の中のどこにそういうふうな部分は触れているんですか。それは、質問されてそういうふうに答弁するというのは、やはりまやかしですよ。そういうことでなくて、やはりその辺についてきちっとした検討をした上でこうした法案を出してこないと。 少なくても、現行からいえば、この支援費制度になってもなおかつ、過去の措置の制度と同じように障害者の中のごく一部の人にだけ支援費を提供し、なおかつ、その支援費の提供には非常な地域間格差、疾病間格差があり、障害者間における格差もある。言いかえれば、介護保険全般よりももっと同じ障害者の中で格差がある。そこのところには何もメスが入っていない。そして、あげくの果てに、介護保険制度の適用ができたとしても、今度は支援費の方から介護保険の方にまで注文をつけて利用の制限をしていく。それが明らかになったじゃないですか。とんでもない話で、そういうふうな考え方で障害者福祉というのはやっていけるようなものではないだろうというふうに私は思います。 これについてやっていますと、この問題だけでも一時間そこら時間を使います。しかし、この問題については、この委員会の中において、私の質問に対してでなくても結構です、やはり厚生労働省としてきちっとした結論をぜひどこかでお述べいただきたい。そうでない限り、この法案を到底納得するわけにいかないということを申し上げておきたいと思います。 次に、先ほど大臣の方からもお話がございました、障害者の所得保障及び負担軽減の問題です。 障害者に対する所得保障については、極めて大事だというふうにおっしゃいました。私は、今回の制度が強引に導入されるとするならば、この障害者の所得保障の制度について何らかの具体的な見通し、今ここで、金額を言え、何をふやせということで押し問答して時間をつぶすつもりはありません。しかし、少なくてもこれについては、例えば三年以内にどういうふうな形でこの所得保障について手当てをするとか、一年以内にしますとかいうふうな所得保障を導入するということについてのお言葉がないと、単に大臣の良心としての発言だけでは困る。 これは、法案として出される以上、大臣がこの問題は極めて大事だとお考えになる以上、やはりこの所得保障について、具体的にはどのような形で、どのような場で検討していくのか、そのことについてお答えを願いたいと思います。
○尾辻国務大臣 今後、障害者の所得保障のあり方全体を検討する中でこの問題は検討する必要があると考えております。 再三申し上げておりますように、障害者の皆さんの所得保障を今後どうするかというのは、極めて大きな課題でございますので、何回も同じ申し上げ方になるとも存じますけれども、今後、障害者の所得保障のあり方全体を検討する中での検討にさせていただきたいと存じます。
○五島委員 それは省内で検討されるんでしょうか。それともどこかの審議会にかけて議論されるんでしょうか。
○塩田政府参考人 障害者の所得保障というのは障害福祉施策の大きな課題でありまして、前回の委員会での御質疑でも御答弁申し上げましたが、かつて、障害者の所得保障を省内に検討会を設けて検討し、その成果として基礎年金制度が導入され、その中で二十前の障害者に対しても障害基礎年金の対象となり、それから、その基礎年金の上に福祉サービス、特別な介護ニーズ等に対応するための特別障害者手当を創設されたり、そういう経緯があるわけでございます。 今度の自立支援法案でも、利用料の負担をいただきますので、障害者の所得保障、その際には雇用の促進、雇用の確保ということも非常に重要なテーマでありますが、そういった問題も含めて、どういう形で障害者の所得保障を充実するかについては、まず省内でいろいろな形で勉強を始めたいと思います。
○五島委員 省内で原案をおつくりになるのはいい。それは当然でしょう、責任省庁としては。しかしながら、そのことについて省内で検討しても、日の目を見ない検討というのはざらにあるわけで、それでは困る。だから、省内で検討されるにしても、この問題はやはり審議会なりそういうところへきちっとかけて議論するということをぜひお約束いただきたい。どうでしょうか。
○尾辻国務大臣 今部長からもお答えを申し上げておりますけれども、所得保障というふうに言いますときに、私は大きく二つあるのかなというふうに思っております。 一つは、年金のことでありますし、それに手当をどのぐらいつけるかという部分であります。それから、あとは、働いていただくという就労の方における所得という、大きく二つあると思いますので、それぞれにおいてどういうことを考えるかというのは、また性格も違う検討になるというふうには思います。 したがいまして、それぞれの検討をしなきゃならないというふうに思っておりますけれども、その検討の過程で、必要なものはまた審議会にもお諮りしながら検討をさせていただきたいと存じます。
○五島委員 ぜひ、そういう審議会での検討も含めて、早いことスケジュールをお出しいただきたいと思います。 そして、いま一つは低所得者対策でございます。 そもそも、先ほども確認しましたように、例えば、この負担区分を介護保険に合わすということについて何の根拠があるのか。すなわち、資産形成の機会に恵まれなかった人に対する負担の区分を介護保険などに合わさなければいけない根拠は一体どこにあるのかと私は思うわけです。 とりわけこの低所得者対策について、これもまた、介護保険制度の見直しの中で導入されました社会福祉法人減免の問題が議論されているように聞いております。それはそれで、大いにやっていただければ結構。しかし、障害者を取り巻く状況というのは、さまざまなNPOや株式会社やそういうものが参入してきて、今の障害者に対する福祉サービスを支えています。そういうふうなサービスしか提供できないところにお住まいの障害者はどうするのか。非常に格差ができます。 例えば、私の出身地は高知でございますが、高知にも社会福祉法人がいろいろな施設をおつくりになって頑張っておられる。非常に個人的には良心的に、場合によってはみずから奉仕者の代理者を気取っておられます。それはそれで主観的には極めて良心的なんだろうと思います。しかし、では、一体どれだけの社会福祉法人がホームヘルプサービス事業を展開しているかといえば、非常に少ない。 そういうふうな状況を見た場合に、社会福祉法人減免というのは、それも導入していただいて結構なんですが、そういう形でもって低所得者の対策をやるとしてもおのずから限界がある。その辺はどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
○塩田政府参考人 新しく提案している制度では、ほかの社会保障制度とも比較しながら限度額制度を設けたということでございます。しかし、きょうの冒頭の御審議にありますように、高齢者と障害者は、育った環境、置かれた経済環境、いろいろな違いもあることも事実でございます。そういった観点から、ほかの制度にはない個別の減免制度も導入するということで、政府案として御提案をしているところでございます。 いずれにしても、障害者は高齢者とは違った意味でのいろいろな配慮措置が必要であるということは御指摘のとおりでありますので、今後とも、そういった観点の検討は進めたいと思っております。
○五島委員 もう質疑するのが嫌になるような答弁しか返ってこないんですが。 例えば、介護保険の場合に導入されたものを含めて、他の社会保障制度と横並びでないといけないということは全くないわけですよね。そこのところをなぜ執拗にこだわられるのか、私にはわかりません。 こだわられた結果として何が起こるか。例えば、施設入所者で、そしてかなり重度であって、障害年金あるいはそれに対する障害者の障害手当等をもらっておられる、そういうふうな方々で試算しますと、結局、すべての費用を払った後の手持ち金というのは二万円ぐらいしか残りません。施設に入っている障害者すべてがほとんど手持ち金二万円ぐらいしか残らない仕組みをつくっておられるわけです。ところが、生活保護でこれをやっていきますと、手持ち金は間違いなく四万円は残ります。二万円の中で、風邪を引いた、おなかを壊した、そうしたときの医療費、あるいは衣服費を払っていった場合に足りないのは明らか。政府案の水準はそうなんです。そうなれば、間違いなくこうした人たちは生保になっていかざるを得ない。 先ほどのお話で財政的な理由も上げておられました。生保に障害者がどんどん移っていくということになれば財政負担は大きくなるでしょう。そのことを考えた場合に、やはり、多くの障害者、若いときから障害者、資産形成のチャンスも恵まれていない、そういうふうな人たちに対して他の福祉政策と同じような一律の水準でもって負担を求めていくということは、財政の面からいっても、理念の面からいっても、その普及度からいっても問題があるんじゃないでしょうか。どうお考えですか。
○塩田政府参考人 障害者福祉の置かれている環境が他の高齢者福祉とかとは違った面があることは御指摘のとおりであります。そういった観点から、他の制度にはない制度も考えておりますし、障害者の所得の保障の充実も、これまでにいろいろな観点から充実を図ってきたところでありまして、今回提案している制度も、単純にほかの制度を引っ張ってきたのではなくて、必要なものについては配慮したつもりでございます。 いずれにしても、この制度を普及することによって、地域で障害者が暮らせるようなサービスの質の向上、サービスの量の確保を図るという観点から提案しております。いろいろな課題を抱えていることもまた十分承知しておりますので、今後とも、関係者の意見を聞きながら、よりよい制度にするよう努力したいと思います。
○五島委員 午前中の私の質疑の時間は終わりましたので残りは午後やりますが、申し上げておきますが、配慮したつもりだとおっしゃっても、その配慮が足りないと多くの障害者は思っていますし、私どもそう思っています。したがって、その配慮の範囲をどこまでよりまともなものにしていくかという議論は必要だと思います。 残念ながら、修正協議ということができない状況になりましたので、政党間でこの問題をお話しするという機会が失われたことは非常に残念です。しかし、この問題は、政党間の問題ではなく、直接、国と障害者との問題です。したがって、ぜひそこのところについて、より具体的にどのような配慮をより強めるのか、御返事をお願いしたいと思いまして、午前中の質疑を終わります。
○鴨下委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時八分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○鴨下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。五島正規君。
○五島委員 どうも、午前中の私のお願いに対しては余りいい返事を一つももらえていないようですが、午後からはもう少し積極的に答えてもらいたいと思います。 それでは、次の質問に入りますが、重度の全身性障害者に対する施策についてであります。 ALSとか進行性の筋ジストロフィー、筋ジスとか、あるいは頸椎損傷の重度の人たち、そうした全身性の障害をお持ちの方々が、本当に掛け値なくこの支援費制度のもとにおいて生活しておられる、そういう方々がおられます。 私もALSの方々とは長いおつき合いをしておりまして、実態として見てまいっています。ALSも、発症の当初の段階ではそうでもありませんが、やはり最後の段階で今でも、気管切開をすることについて、家族に対する負担とかそういうことを考えてちゅうちょするという話も聞きます。しかし一方で、ALSで気管切開された人であっても、今日、多くのヘルパーさんたちが大変技術を獲得されて、十分コミュニケーションしながら社会生活ができている。そのためには非常に数多くの支えが必要であることは言うまでもありません。 そういう方々が社会に参加し、在宅で多くの人々の手伝いを得ながら幅広く活動されている。こういう社会というのは、本当に、まさに掛け値なくまともな社会、ゆとりを感じられる社会だろうと思います。そういう意味で、この重度の全身性障害者に対する長時間サービスの保障ということは何が何でも必要であるというふうに思います。 この重度の障害者に対するサービスにかかわる義務的経費の負担のあり方及びサービス水準をどういうふうにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○尾辻国務大臣 このたびの障害者自立支援法の改正におきましては、福祉サービスの支援の必要度を総合的にあらわす障害程度区分を設定いたしますとともに、特に重度の障害者につきましては、重度障害者等包括支援あるいは重度訪問介護といった新たな給付類型を創設することといたしております。 一方、現在地域で暮らしておられる重度の障害者のサービス利用の状況は、地域によって、また家族がおられるかどうかなどによって、大きなばらつきがあると認識をいたしておるところでございます。このために、重度障害者等包括支援や重度訪問介護などの国庫負担基準や報酬水準のあり方につきましては、今後、全国のサービスの利用の実態や、障害程度区分の試行事業をいたしますので、その結果等を踏まえまして適切な水準となるように検討してまいります。
○五島委員 それは当然検討をしていただかなければいけないわけですが、例えばALSで重度の方、一千万を超すような支援費を使っているという話が聞こえてくるときがあります。しかし、そういう一千万を超す支援費を使っている人たちも、その人が本当に生きていくためには、この支援費制度で担保されている時間よりより多くのボランティアによって、まさに無償の労働供与によってその方が生活できている、その実態を忘れてはならないと思います。 そして、このことが、今大臣のお話にもありましたように、家族という言葉が出てまいりました。これは障害者施策全般に言えることですが、もう一度介護保険のときの議論に戻って考えていただきたい。家族介護に依存するという高齢期の障害者に対する制度というのは、これはだめなんだ、そこのところはやはり社会化していかないといけないという形で介護保険をつくりました。 ところが、障害者施策については、依然としてそこから脱却できていない。現実に、高齢期になった両親、もう障害者を介護できない、そうした場合はどうするのか。御兄弟にその介護をすべて押しつけるということができるはずもない。御両親のお年が六十五、七十となって、介護保険の適用に御両親がなるときになれば、もう体力もない、そういううめき声がたくさんあります。 まさに、障害者の介護の問題というのは、社会化しなければいけない一番大きな問題。午前中も話しましたが、しかしながら、こうした中で、身障の一級や二級の人たちは、この支援費制度を使ったりあるいは介護保険制度を使ったりする比率が非常に少ない。これはやはり障害者の問題を家族の中に閉じ込めている一つの証拠ではないかというふうに思います。 もう一度お伺いします。せっかく、大臣、そこまでおっしゃっていただきました。少なくてもこの重度の全身性障害者に対する長時間サービスについては、現状水準は維持してもらえるのでしょうか。 この委員会で、この委員会ではありませんが、過去において、まだ厚生省と労働省があったとき、厚生委員会において私はALSの問題を取り上げたことがあります。直接的な経過は、当時、某国立病院において労使交渉の場において、介護に非常に手がかかるということでALSの患者を入所させるなという要求が組合から出され、そして、それを院長が受けた、締め出したというふうな事件がありました。また、ALSの患者さんに気管切開が必要だったときに、医者が家族に対して、気管切開すれば大変なことになりますよという形で気管切開をしないように勧めたという事件もありました。それほど大昔の話ではありません。私自身、この委員会においてその問題を取り上げたことがあります。つい最近のことです。 そういう状況の中で、ようやくALSの患者さんたちが多くの人たちの支えによって社会生活ができるようになってきた、技術の進歩によって。ALSの患者さんが、まだ治療によって治癒していくという医学的な技術は開発されておりませんが、さまざまな技術を使うことによって従来以上にコミュニケーションもとれるという状況も生まれてきています。 そういうふうな中において、ここで重度障害者のサービスを、この現状の水準、半分近くはボランティアに依存せざるを得ないけれども、それでも支援費制度のもとにおいて過去よりはましになったという方々に対するこのサービスの保障、このサービスの水準を維持してもらえますね。もう一度お伺いします。
○尾辻国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたけれども、重度の障害者につきましては、重度障害者等包括支援、重度訪問介護といった新たな給付類型を創設したという私どもの意気込みといいますか、ぜひ御理解いただきたいというふうに存じます。 そして、今後、全国のサービス利用の実態でありますとか、申し上げておりますように、障害程度区分の試行事業もいたしますので、そうした結果を踏まえまして、適切な水準になるようにしてまいります。
○五島委員 そうしたことをおやりになる中において忘れていただいては困るのは、まだ現状において支援費制度を利用されている方が、必要とされる方々からいうと圧倒的に少ない人たちである。 現在の予算の施行額の範囲の中で程度区分を分け、その総額をいかにして抑制するかという形でこの給付水準を決めていくとすれば、当然のことですが、重度の人に対しては大変厳しい結果になっていく。そういうことにならないというふうにぜひお願いをしておきたい。ぜひ、そのようなことを、本当に厚生省が、たとえ財務省と大げんかしようと、そこのところを守っていく、それが厚生労働省の役割であるということをぜひ肝に銘じていただきたいというふうに思います。 もう一問大きな問題がありますので、非常に不本意ですが、次の問題に移っていきたいと思います。 それは、育成医療、更生医療の問題でございます。後ほど、同僚の水島議員が例の三十二条関係の問題についてはおやりになると思います。私は、主として育成医療に限定した形で少し御意見をお伺いしたいと思います。 自立支援医療というふうに名称を変えられたわけですが、この小児の育成医療の対象者に対する自己負担の増加というのは目に余ります。現状からいえば、約十倍ぐらいになってしまう。なぜ、ここまで子供をいじめないといけないのか。しかも、お話としては、これまた制度の一律的実施というお話です。 ところが、医療保険を見てごらんなさい。医療保険の給付ですら、現役世代と高齢者と子供と、自己負担率は違うんです。まして、重度の心臓病を持っている子供たち、一生の間に三回、四回と心臓の手術をしなければいけない、そういうふうな子供たちに対して、なぜ、このような一律の制度の運用、一割の自己負担、そんなばかげたことをやらなければいけないのか、理由が全くわかりません。 後ほどの水島議員の資料の中からも、御意見の中からも出てくると思いますが、育成医療を全部なくしてみたところで、今回の制度に変えてみたところで、公費の負担は何ぼ減るんですか。半期で六億円、丸一年間考えて十二億円です。何ですか、この間の、我々も非常に意見を言いましたが、厚生年金の施設を売り払うための独法、三百億円わけのわからぬ金を出すわけでしょう。 なぜ、厚生労働省は、一律だ一律だといって、子供のものまで、そこまでやっていかないといけないのか。私には、それはどう考えても、百歩も千歩も譲ってもこの点だけは譲れない、理解できません。なぜ、そういう重度の身体障害を持った、内部障害を持った子供の育成医療をそういうふうにしなければいけないのか。 私も、僻地医療を担当していたとき、この育成医療のおかげで二人の子供を助けることができました。それから考えても、なぜこのような制度を入れてくるのか。私は、別に塩田さんが血も涙もない人とは思いません、大臣も、そういう人たちとは思いません。しかし、余りにも行政として横並び意識にとらわれてやっているのではないか。 また、更生医療の中においても、約四十万ぐらいが心臓病、その大半がペースメーカーです。あるいは、大腸がんの術後の人工肛門あるいは人工膀胱、そういうふうなものを持っている人に対しても更生医療の対象になっています。 一方、医療保険制度の側からいいますと、ペースメーカーやそうしたものについては随分変わりました。ペースメーカーも、医療機器として医療保険の適用対象として扱われるようになりました。したがって、高額療養費の範囲の中でそれは既に処理できます。人工肛門あるいは人工膀胱に対する器材、これを医療保険制度の中において医療器材として扱っていけば、大きな問題は解決されてしまう。 しかし、子供の心臓病で手術をしなければいけない人は、年齢で育成医療と更生医療と切っているけれども、二十を超えても引き続き手術をしないといけないような人たちが多いんです。そういう人たちをどうするのか。そういう疾患の特殊性、深刻性、そういうことを何ら配慮していない。おかしいじゃないですか。 その点について、大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
○尾辻国務大臣 育成医療も含めました障害に係る公費負担医療制度につきましては、いずれも障害のある方のための制度でございますけれども、公平の観点から、制度により異なっている負担の仕組みの共通化が必要であります。 そして、それとともに、制度の安定性、持続可能性を確保するというもう一つの観点がございます。この観点から、費用を皆で支え合う仕組みにすることが必要であるとまず基本的に考えておるところでございます。 そうした中で、今御審議いただいております改正案ですけれども、これもこうした考え方に基づきまして、障害に係る公費負担医療制度における利用者負担の仕組み等につきましては、横断的に見直しを行いますとともに、障害に係る福祉から医療にわたる仕組みを可能な限り一元化し、全体としてその充実を図ろうとするものでございまして、そうした中で、今回の育成医療の見直しもお願いしておるものでございます。
○五島委員 なぜ、そういうふうな、私の言っていることについて大臣自身の御意見をおっしゃっていただけないんですか。どう考えたって、何が公平の観点なんですか。 心臓障害を持って生まれてきた子供、重度の心臓の障害を持っている子供に対して、手術をしなければいけない。その御両親、まだ若いです。御夫婦が働いておられるといっても、そういう重度の心疾患や、あるいは重度の水頭症といったような障害を持っている子供たちを抱えて、共働きができるわけではない。資産も余りありません。なぜ、負担を一緒にすることが公平なんですか。 では、それが公平であるならば、なぜ医療保険では自己負担、給付率が違うんですか。全くそれは公平ということの理屈が成り立たない。私は、そこのところは何としても、大臣、たかだか十二億ですよ、国庫の負担。これまでは、医療保険で払う自己負担の、その五%を負担をお願いしてきた。今回はそうではない、医療費総額の一割を負担してもらう。とんでもない大きな負担増なんです。これはどう考えても、大臣、障害を持っている子供のことはもう知らぬと言っているんだと。 私は、余り物事を某同僚議員ほど悪く考えない方なんですよ。しかし、これだけは私は許せない。(発言する者あり)いや、本当にそうですよ。それは、与党の方々も、こんなでたらめなことをやることが平等だというふうなことで、それは障害者政策はできませんよ。 質疑時間は終わりましたけれども、ぜひもう一度、大臣、何とか、ここはおれの責任で何とかしようという一言をお願いして、私の質疑を終わりたいと思います。
○尾辻国務大臣 再三申し上げておりますけれども、障害児にとって必要な医療が確保されるように留意しなければいけない、これは私どもは基本的に考えているところでございます。 したがいまして、そのことは申し上げたいと存じますけれども、先ほど私が答えましたことについて申し上げますと、やはり社会保障制度全体の整合性をぜひ持たせなければならない、そうした中で私どももこうしたお願いをいたしておるわけでございまして、そこのところは御理解いただきたいと存じます。
○五島委員 ではこれで終わりますが、与党の議員の皆さんにもお願いしておきます。 残念ながら、野党の修正協議はできなくなりました。しかし、こうした問題について、これを変えていくというのは議会の責任だと思います。そういう意味において、与党の中においても、ぜひ、よし、この部分は修正するという決意でもってこの法案の審議に当たっていただきたい、そのことをお願いして、私の質疑を終わります。
○鴨下委員長 次に、水島広子君。
○水島委員 民主党の水島広子でございます。 私も、五島委員に引き続きまして、自立支援医療について質問をさせていただきたいと思います。 今、五島委員の質問に対する尾辻大臣の答弁を伺っておりまして、ますます納得できませんし、全く尾辻大臣が御答弁されているとは信じられないような光景でございましたので、ぜひ、ここからは、いつもの尾辻大臣らしい、人情味あふれる、心温まる御答弁をいただけますようにお願いいたします。 このたび、今回の自立支援法によりまして、三つの公費負担医療制度の支給認定手続、利用者負担、指定医療機関制が一本化されます。ただし、実施主体は精神と育成が都道府県で、更生は市町村と現行のままでございまして、一本化、一本化と大げさにおっしゃる割には、結局一本化されるのは利用者負担の仕組みで、育成と更生は応能負担から応益負担、一割定率負担へ、精神は五%の定率負担から同じく一割の定率負担となる、まさに一本化されるのはそこの部分だけだということだと思います。 この三つの公費負担制度は、それぞれに特徴があるものでございますし、また、育成医療は対象が子供であるという特色を持っておりますし、また、例えば精神は通院のみというふうに、カバーする範囲も異なっているものでございます。これらを一本化することが公平とおっしゃるわけですけれども、どうしてもそれが納得できないわけでございます。 まず、育成医療について質問させていただきたいと思いますけれども、そもそも育成医療が児童福祉法に規定された趣旨は何であるかということをぜひ思い出していただきたいと思います。 児童福祉法は、総則におきまして、第一条「すべて国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、且つ、育成されるよう努めなければならない。」第二条「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。」第三条「前二条に規定するところは、児童の福祉を保障するための原理であり、この原理は、すべて児童に関する法令の施行にあたつて、常に尊重されなければならない。」と記しております。その中で育成医療は位置づけられてきたわけです。 この趣旨からいえば、重症化すればするほど負担がふえる応益負担という考え方はとても出てこないのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。今回、自立支援医療にこの育成医療が組み込まれることで、従来、児童福祉法に規定された育成医療の意味は変わるというふうに理解していいんでしょうか。大臣の御答弁をお願いします。
○尾辻国務大臣 障害児の健全な育成を図るという観点から、障害の軽減等に必要な医療を対象に育成医療を実施しておるところでございます。その趣旨につきましては、今回の改正においても当然変わらないものでございます。 ただ、制度の具体的なあり方におきましては、育成医療も含めた障害に係る公費負担医療制度につきましては、いずれも障害のある方のための制度ではございますけれども、申し上げておりますように、諸制度をどうしても合わすといいますか、整合性を持たすという観点がございますので、制度によって異なっておる負担の仕組みの共通化が必要であるというふうに考えておりますし、制度の安定性、持続可能性を確保するということも必要でございます。したがいまして、今、私どもは、費用をみんなで支え合う仕組みにすることが必要ですからとお願いを申し上げているところでございます。 ただ、そうした見直しの中にありましても、所得の低い方などには負担の上限額を設けるなどの配慮をいたしておりますし、障害児にとって必要な医療が確保されるように留意しながら、制度の運営を図ってまいりたいと考えております。
○水島委員 今、大臣の御答弁、後半の部分はもうここのところおなじみの御答弁ですので、そちらは余り聞いておりませんでしたけれども、少なくとも児童福祉法に規定されたこの医療の意味づけが変わるわけではないということは、前半で御答弁くださったわけでございますが、今回、厚生労働省から提出されております資料を見ましても、例えば激変緩和措置、これについても、若い世帯という言葉で親に配慮する言葉はあっても、子供そのものの権利に言及した表現は一つも見つからないわけでございます。 子どもの権利条約からも児童福祉法からも、子供が適切な医療を受けて育つ権利を政府は保障すべきだと思いますし、今、大臣はそのような趣旨でお答えくださったんだと思いますけれども、そもそもこの制度を、若い世帯への配慮というのはもちろん二次的なものです、そこで育つ子供、その子供がどのような環境に置かれるかというような考えから組み立てるべきだと思っておりますけれども、この考えについては大臣は同意してくださいますでしょうか。
○尾辻国務大臣 子供を中心に考えるべきだというのはそのとおりだというふうに私も考えます。 ただ、一方、どうしても負担なさるのは保護者の方々の方でありますから、そのこともまた同時に、負担ということを言いますときには、その方々のことといいますか事情というのも当然考慮しなければならない、こういうふうに考えるところでございます。
○水島委員 子供中心に考えるのが当たり前で、その環境として、育ててくださっている親御さんのことを考える必要がある、その考え方でしたら私も全く同じでございますので、ここからもぜひそういう趣旨で御答弁をいただきたいと思うわけです。 大臣は、例えば先天性の心臓疾患を持ったような子供の医療にどれだけのお金がかかるか御存じでいらっしゃいますでしょうか。現在の育成医療は所得に応じた応能負担になっていますので、所得に応じて四千六百円から二万九千三百四十円の自己負担となっております。平均負担額は御存じだと思いますが、五千六百円ということです。 きょう、お手元に資料を配らせていただいていまして、資料二の方をごらんいただきたいんですけれども、これが自立支援医療ということになるとどうなるかということを、全国心臓病の子どもを守る会の方たちが試算をしてくださっております。これを見ますと、二十四倍から三・八倍の負担増ということが右側に出てくるわけでございます。この紙、多分大臣もごらんになっているか報告を受けられているかとは思いますけれども、この試算、この推計を大臣はまずどのように受けとめていらっしゃるでしょうか。
○尾辻国務大臣 お示しいただいております育成医療に関する医療費用負担モデルというものは、私も見て承知をいたしております。 それぞれ百五十万それから三百万という大変高額な医療でございますので、それに対する負担というのも所得のある方に対しては大きくなるということは認めざるを得ないところでございます。
○水島委員 負担が大きくなるということは認めざるを得ないという御答弁で、まさにそういうことであるわけですけれども、激変緩和措置、経過措置などと幾ら言ってみても、基本的にこれだけの負担増になるということはお認めいただけると思います。 これを、どうしても医療費という話になりますので、ついついこの医療費の額面だけで議論してしまいがちなんですけれども、心臓病のお子さんの医療ということに関しますと、これは医療費だけの問題ではございません。必ずしも手術ができる病院が身近にないという場合も多く、そしてまた日本では、親のための宿泊施設を病院内に持つということが一般的ではございませんので、親は付き添いのために宿泊をしなければいけない、その宿泊代もかかってまいります。子供に付き添うことで、実際上収入を得ることができなくなり、そこにさらに宿泊の費用もかかってくるということで、今でも実に重い負担がかかっているわけです。 今、育成医療の額だけで見ればこの程度かというふうに思われるかもしれませんけれども、お子さんの医療の場合、特に、手術を受けるために一定期間入院しなければいけないというような場合には、プラスアルファの支出が非常に大きくなるわけです。 今でさえ、それだけ重い負担がかかっているところに、それでも今までは育成医療があるから何とかやってきたというぎりぎりの現実のところに、今度はさらに医療費の負担増まで押しつけようとしているという自覚を大臣は本当にお持ちなんでしょうか。本当に率直にお答えいただきたいんですけれども、医療費以外の負担がどのようにその家庭にかかっているかということをお考えになってこの制度を、最終的に結論をお出しになったんでしょうか。
○尾辻国務大臣 単に医療費だけじゃなくて、今おっしゃったようなその他の経費がかかるということは、当然承知をいたしております。 そういうことも配慮しながら、今後のこと、また各制度を私どもは検討しなきゃならぬとは思っておりますけれども、まずお尋ねのことでいいますと、私どももその他の費用がかかることは承知をいたしております。
○水島委員 それでは、例えば、こんな制度を導入するのであれば、すべての病院に親が無料で泊まれるような宿泊施設を整備するとか、いろいろそれ以外の面での配慮が必要になってくると思うんですけれども、そこまで思い切ってなさるおつもりなんでしょうか。
○尾辻国務大臣 今たちどころにそうした制度をつくれと言われましても、これは率直に申し上げて大変難しい面があると存じます。
○水島委員 今大臣がたちどころに言われても難しいとおっしゃったその感情を、今心臓病のお子さんを持つ家族の方たちはお持ちであるわけです。たちどころにこんなことを言われても本当に難しいということを今皆さんお感じになっているわけですから、ぜひそれは大臣、人間として共感をしていただきたいと思うわけでございます。 そして、ぜひ、この医療費の部分だけをいじるような仕組みを唐突に出してくる前に、それ以外の生活がどうなっているかというところを、それ以外の経費がどうかかっているかということを一度きれいにおさらいをしていただいて、そこにどういう手当てができるかということもセットにして持ってきていただかないと、これでは余りにも現実無視と言わざるを得ないと思います。 児童虐待が増加をしている、その中でネグレクトもふえているということは、厚生労働省もよく承知されていると思いますし、それも当然大臣の所管事項であるわけです。こんな制度をつくってしまって、親が、自分自身は望まないとしても、医療費の自己負担に耐えられずに、結果として医療ネグレクトが起こってしまう可能性すらあると私は思いますけれども、大臣はそんなことを全くお考えになりませんでしたでしょうか。 また、虐待というのは、経済的、精神的な安定と大きな関係があることが知られておりまして、経済的に不安定になったり、あるいは精神的に不安定になったりしたところに虐待が起こってくるということは、そろそろコンセンサスになってきていると思いますけれども、こんな形で親を追い詰めることによって、その安定を脅かすことになるのではないかということを私は大変心配しているわけでございます。 既に、現在、育成医療の対象になっている方たちは不安におびえておられます。このように、今一生懸命子育てをしている親たちを不安に陥れるというようなことそのものが私は間違っていると思います。 そもそも厚労省は、虐待につながるような環境をつくらないように全力を挙げてくださっているものと私は思っておりましたけれども、そうではなかったんでしょうか。何でこんなわざわざみずから好んで不安定要因をつくり出そうとされているんでしょうか。ちょっと今の関連で、ぜひ大臣からお答えいただきたいと思います。
○尾辻国務大臣 まず、子供を虐待から守るということは、これは当然重要な課題でございます。 子供が心身ともに健やかに成長できるように私どもも全力を尽くしておるところでございます。そのことでさらに申し上げますと、児童福祉法の改正などもいたしまして、児童虐待の防止、それから早期発見、早期対応などにも取り組んできたところでございます。 その一方でございますけれども、子供の健全育成を目的とした育成医療など障害者に係る公費負担医療制度につきましては、制度を維持し、それから、これは今回の見直しの中で何回も申し上げておることではありますが、限られた財源の中で必要な医療を確保する、極めて限られた財源の中でという、このことをぜひ御理解いただきたいと思うんですけれども、申し上げますと、そうした中で必要な医療を確保するためということで、見直しを行うこととしておるわけでございます。そうした中で、また育成医療につきましては、先ほど来お話出ておりますけれども、若い御両親が多いことに着目をいたしまして、できるだけ御負担にならないようにということで経過措置を設けるなど配慮もいたしてきたところでございます。 今後とも、私どもは、障害児に係る制度を維持しながら、この維持するというのも一番大事なことでございますから、そのことをまず考えて、そして、児童の健全育成の観点から各般の施策に取り組んでまいりたいと考えております。
○水島委員 制度そのものは維持されて生き残っても、それが、本来その制度が恩恵を与えるべき子供たちや御家族がそこまでついていけなくなってしまう、そんなことになったら、そもそも制度としての意味が全くないわけでございますので、先ほど私が、まず子供を中心に、そして子供の環境をつくっている一番の中心である親御さんのことをよく考えてほしいというふうに申し上げたのは、まさにそういう点でございます。 ぜひ、医療費以外の負担のことも含めて、これは、今この場で大臣は、ちょっと今まで配慮が足りなかったので考え直しますとおっしゃれないお立場におられるのかもしれないですけれども、そこの部分は本当に早急に、医療費以外の状況がどうなっているのかということを、ぜひ当事者の方たちからよくヒアリングをしていただいて、今育成医療が仮に存続するとしても、それ以外の負担というのは本当に無視できないことでございますので、ぜひそういう形からまたここできちんと御答弁いただけるような体制をつくっていただきたいというふうにお願いをしたいと思います。 そして、今の大臣の御答弁を伺っておりましても、結局のところは、最初に財政論ありきで、そのしわ寄せを子供に押しつけているということになると思います。 きょう資料の一として配らせていただいておりますが、これは厚生労働省からいただいた資料でございます。先ほど五島委員の方からも御紹介いただきましたけれども、この改正の影響、育成医療の方で見ますと六億円、何か一カ月ずれて医療費の請求があるということですので、これが五カ月分ということになるそうで、これから一年分を計算いたしますと、年間の国庫ベースの財政効果というのはたかだか十四億円というような計算になると思います。 政官業の癒着の中でむだに使われている税金や年金保険料のむだ遣いの額を日ごろ聞いている立場としては、十四億円のためにこれほど非情なことを強行するのではなく、ほかのむだをなくして十四億円くらい捻出すべきだと考えます。税金のむだ遣いのツケを子供たちの医療に回すのが日本ですと、大臣は外国に行って胸を張っておっしゃれるでしょうか。本当に考え直していただきたいと思っています。本当にこれは大人として恥ずかしいことだと思います。 また、今、政府は少子化対策、次世代育成支援ということを声高に叫んで、国を挙げての取り組みをすると表明しているわけですけれども、その一方で子供の医療について事実上負担を大きくするというのは、まさに言行不一致ということになると思います。 例えば心臓病をお持ちのお子さんを持たれた親御さんは本当に頑張っておられます。その頑張りというのはもう頭が下がる思いでございます。また、病気をお持ちのお子さん自身も、遊びたい盛りに、いろいろな楽しみをあきらめて、厳しい治療に耐えて、本当に頑張っておられます。そういう人たちを応援するのが本当の次世代育成支援なんじゃないんでしょうか。 育成医療の現実を知ってもらった上で世論調査をすれば、育成医療の存続を圧倒的多数の方が支持されると私は信じています。今この委員会室にいらっしゃる与党の議員の皆様も、いかがですか、この十四億円を浮かすために育成医療を切るべきだということを自信を持っておっしゃれる方、もしいらっしゃったら、本当に手を挙げていただきたいと思いますけれども、これは人間として私は挙げられないと思うんです。それほど、私は、これは日本の政治の中でのモラルの最後のとりでではないかなと今回思っているところでございます。 民主党はもちろん次世代育成を本気で取り組んでいきたいと考えていますし、私も今その政策責任者として次世代育成支援の政策集をまとめさせていただいておりますけれども、これは民主党だけではなく、与党である自民党の皆さんも公明党の皆さんも、本気で次世代育成支援をしていきたいという気持ちは同じだと思います。そうであるなら、法案を修正して、育成医療をとにかくこの自立支援医療の対象から外すということに同意をしていただけると思いますけれども、大臣も、もちろん、政府の一員の大臣でおありになると同時に与党の政治家でもいらっしゃるわけですが、政治の意思として、この点はきちんと決断をしていただかなければいけないと思いますけれども、いかがでしょうか。
○尾辻国務大臣 今、厚生労働省をお預かりする者としてこの法案をお出ししておるわけでございますので、その立場では、この法案をどうぞ成立させてください、こう申し上げる立場でございます。 ただ、今、与党の立場というお話がございましたが、これはまた国会の御論議でございますし、当然私どもは国会の御意思というのは体さなきゃならない立場でございますから、御論議をいただきますように、そしてまたそれに対しましては私どもも、きょうの冒頭のお答えでも申し上げましたけれども、誠実にお答え申し上げたいと存じます。
○水島委員 まだ大臣はおこたえくださらないわけですけれども、ただ、これは、委員長も含めて、この審議をお聞きになっていた政治家の皆様、国会議員であれば、これは何とかしなければいけないんじゃないかなとそろそろ思われているのではないかと思いますので、私は、そういう皆さんの良心を信じたいと思いますし、ぜひこれはきちんと修正をしていただいて、育成医療もこの自立支援医療の中に一本化することが、それが公平なんだというふうに思う国民はほとんどいないと思います。 私も大変気になりましたので、ここのところお会いする方すべてに、大人と子供の負担率を一緒にするということが公平ですか、そうじゃないと不公平だから納得できませんかと、いろいろな方に、これはいろいろな立場の方に聞いてまいりましたけれども、何をばかなことを聞いている、そんな、子供の医療を特別枠に入れてちゃんと確保していくなんというのは当たり前のことじゃないかと、普通の常識のある方なら皆さんそうお答えになりますので、これは世論調査していただいても私たちは勝つ自信がございますので、ぜひいろいろな方の意見を聞いていただきたい。 そして、わずかと言うとちょっと変ですけれども、十四億円の話でございますので、これは、皆様に少し汗をかいていただいて、何とかむだ遣いの中から確保していただきたいと思う金額でございますので、そこは本当に重ねてお願い申し上げたいと思います。 育成医療については何とかしていただけるだろうという、その期待を持ちながら精神医療について次に質問を続けさせていただきたいと思いますけれども、前回質問をさせていただきまして、その中でかなり答弁が錯綜したようなところもございましたので、きょうは、まずそこの整理から入らせていただきたいと思います。 まず、重度かつ継続ということについてなんですけれども、前回の質問の後に厚生労働省に資料での説明を求めましたところ、重度かつ継続とは、医療上の必要性から、継続的に相当額の医療費負担が発生する方について、一定の負担能力がある場合も月の負担額に上限を設けるものであるということでありましたけれども、まず、これでよろしいでしょうか。 〔委員長退席、大村委員長代理着席〕
○塩田政府参考人 重度かつ継続の意味については御指摘のとおりでありまして、重度かつ継続とは、医療上の必要性から、継続的に相当額の医療費負担が発生する方について、一定の負担能力がある場合にも月の負担額に上限を設ける措置でございます。
○水島委員 そのような位置づけについて、実は私、前回質問をするまでにははっきりとした説明は聞いたことがないような気がしておりますけれども、ですから、重度かつ継続というのが、症状の重さというのを意味する重度という言葉なのかなと私は思って前回の質問をさせていただいたところでございました。 そのように書面でも確認をさせていただきましたので続けさせていただきますが、つまり、疾患そのものの特性や症状がどうなっているのか、治療の必要性等というような医学的な観点というよりは、医療費負担という負担の観点から設けようとしている仕組みであるというふうに理解してよろしいんでしょうか。
○塩田政府参考人 重度かつ継続とは、継続的に相当額の医療費負担が発生する方に関する配慮措置でございます。 御指摘の点につきましては、この重度かつ継続の対象範囲などを御論議していただくために、去る六月二十二日に開催しました自立支援医療制度運営調査検討会におきましても同様の御意見をいただいたところでございます。医療費負担への配慮という制度の趣旨が伝わるような名称等について検討を行うこととしております。
○水島委員 前回の整理ということでもう一つ伺いたいんですけれども、通院医療の認定の有効期間のことでございます。 この認定の有効期間については、現行は二年に一回再認定をするかどうかの手続がございましたけれども、今回の見直しは、この期間を一年に短縮して、公費負担医療が必要かどうかよりきめ細かく確認していくという趣旨であると理解してよろしいんでしょうか。
○塩田政府参考人 有効期間、再認定の趣旨については議員御指摘のとおりでございます。 一年ごとに更新手続を行うことにより、公費負担医療の必要性をよりきめ細かく確認できるとともに、より適切な制度運営に資することなどを目的としているところでございます。
○水島委員 ちまたに流れているうわさの中には、重度かつ継続以外の人はだれでも一年だけで打ち切られると言っているような人もいるようですけれども、それは全くの誤解であって、再認定も、あくまでも症状と医療の必要性に基づき行われるものであり、必ずしも一年で打ち切られるというものではないということでよろしいんでしょうか。
○塩田政府参考人 自立支援医療の対象とするか否かは、症状、状態等に基づき判断するべきものであります。再認定の際も同様と考えており、重度かつ継続に該当しない方が一律に再認定の対象外になるというものではございません。 重度かつ継続の対象範囲を御議論いただくために設置しました検討会におきましては、再認定の対象などについても御議論いただくこととしており、今後、御指摘のような点も含めて、いかなる症状、状態のときに再認定対象としない取り扱いとするのか検討することとしております。
○水島委員 先ほど部長が触れられました自立支援医療制度運営調査検討会、専門家による会議でございますけれども、この第一回の会議が六月二十二日に開かれましたので、私も傍聴に行かせていただきました。 この検討会の中では、重度かつ継続の範囲を考えるということが、部長がおっしゃったように最優先課題とされているわけでございますけれども、この重度かつ継続について、疾患名で限定することへの疑問がこの会議の中でも続々と表明をされておりまして、率直に言ってしまえば、これを疾患名で限定することが正しい、この三疾患で納得しているという方は、私が傍聴した範囲では一人もいらっしゃらなかったというのが現状でございまして、私たちが問題だと思ってきたことが専門家の方たちにも共有されているということがよくわかりました。そして、疾患名で限定することをかたくなに主張しているのは厚生労働省だけだということもよくわかりました。 この日の会議では、重度かつ継続を統合失調症、狭義の躁うつ病、難治性てんかんの三つに絞ったことの理由を問われた厚生労働省は、医療費の高額事例を集めてどういう疾患が含まれているかを見たところ、この三疾患になったというふうに説明をされていました。 これに対して、日本精神科病院協会と日本精神神経科診療所協会から、もっと説得力のある反論データが出されているわけでございます。 統合失調症の医療費を引き上げているのは、主にデイケアでございます。日本精神科病院協会のデータでは、デイケアを利用している統合失調症の方の月額医療費平均は十一万三千五百七十七円、デイケアを利用していない統合失調症の場合には一万八千二百四十三円で、全体の平均よりもむしろ低くなっているということでございます。 統合失調症の方の場合は……(発言する者あり) とめるんですか。一回とまっていますか。はい。では、また今度させてください。
○大村委員長代理 では、速記をとめてください。 〔速記中止〕
○大村委員長代理 では、速記を起こしてください。 それでは、水島広子君。
○水島委員 統合失調症の方の場合はデイケアの利用率が相対的に高いので、厚生労働省のようなデータ抽出を行えば医療費が高いのは統合失調症ということになるのですが、統合失調症の方すべてがデイケアを利用しているわけではありませんし、ほかの疾患の方でもデイケアを利用することはあるわけです。 高額医療費の人を調べたら三疾患が多かったからその三つを重度かつ継続と決めたというやり方は、余りにも非科学的で乱暴で意味がないと思うわけですけれども、精神科臨床の現状を知らないと言われても仕方がない話であって、だからこそ、この検討会でも構成員の専門家たちがこぞって疑念を示されたのだと思います。 そもそも、先ほどの部長の御答弁からいって、重度かつ継続というのが医療費の負担を軽減するため、そういう経済的な動機からつくられた制度であるとするならば、重度かつ継続から漏れた疾患の方が、医療上の必要性からデイケアを利用して月額医療費が高いのに、たまたま厚生労働省が恣意的に決めた病気には入っていないからと、高い自己負担を求められるということについて、これがそもそも、先ほどの答弁の内容にも合わないものですし、こういうことが公平だと言えるんでしょうか。今回盛んに公平公平とおっしゃるようですけれども、まさに、こういうことこそ不公平だというのではないかと私は思います。 また、私も医療者の一人としまして、デイケアがこの患者さんには必要だと考えた場合でも、自己負担が阻害要因となって勧められなくなるということはどのように解決したらよいのでしょうか。前回の質問のときにも大臣に御説明いたしましたけれども、そのようないろいろな事情によって精神科の患者さんに医療を勧めるということは、実は今でも大変苦労しているわけですけれども、これで新たなハードルができてしまうということ、これにはどのように答えてくださるんでしょうか。大臣、お願いいたします。
○尾辻国務大臣 先ほど来お答え申し上げておりますように、重度かつ継続の対象となる疾患につきましては、当面、統合失調症、狭義の躁うつ病及び難治性てんかんを対象とすることにいたしております。 ただ、この三疾患については、先生もきょうお話しいただいておりますし、範囲としていろいろな御意見があります、狭過ぎるという御意見もあれば、広過ぎるという御意見もあるわけでございまして、この重度かつ継続の対象とすべき範囲を明確にするために、これまたお述べいただいておりますように、去る六月二十二日に自立支援医療制度運営調査検討会を発足させて、検討を開始したところでございます。 この検討会の御議論についても、先生は御案内のとおりでございますけれども、精神疾患における診断名が混乱しないような配慮も含めまして、重度かつ継続の範囲についてデータに基づいた御議論をいただくこととしておりますので、そして、その御議論によって結論を得たものから順次対応してまいります。
○水島委員 検討会を続けられるのはもちろん結構なんですが、その中で、重度かつ継続にどの病気を入れるかという議論をしている限り、私は議論は不毛だと思っております。 日本の精神医学では、いまだにエビデンスベーストあるいはエキスパートコンセンサスとして、この疾患に対してはこの治療パッケージが第一選択、それでも無効であれば第二選択はこれというような整理ができているわけではございませんし、それを可能とするような臨床の枠組みがあるわけでもございません。そんな状況下で、それぞれが最大限の工夫をして、患者さんの病状や事情を見ながら何とか医療を行っているというのが日本の精神医療の現実でございます。 とても疾患名で医療費を区分できるような状態ではないと思っておりますので、これを疾患名でどれだけ重度かつ継続で拾っていくかというような、そういう議論をこれからも検討会で続けていかれるとしたら、それは時間のむだだと思いますし、そうではない、どういうあり方が最も公費負担制度の一番適正な運用のあり方なのかということを議論していただく必要があると思っております。 これを疾患名で区分していくということについて、今の日本の精神医療の現状はそんなふうにはなっていないということ、これについては大臣は認識しておられるでしょうか。
○尾辻国務大臣 御指摘のような精神科医療における治療のいわば標準化などだ、こういうふうに理解をいたしてお聞きいたしましたけれども、そうしたものが可能かどうかも含めまして、今後の研究を待たなければならないと考えております。 我が国の精神科医療につきましては、歴史的に入院処遇を中心としてきたという経緯がありますので、近年、精神科医療の質的向上や早期の社会復帰への方向転換が図られてきたところではございますけれども、その成果はいまだに十分ではないと考えております。 このような現状を踏まえまして、今後の精神科医療につきましては、入院医療中心から地域生活中心へという基本的な考え方に基づきまして、精神医療の質的向上を図りつつ、入院患者についてできるだけ早期に退院を実現し、地域生活に移行できる体制を構築することが必要だと考えております。 そうしたことを踏まえまして、今お願いをいたしております御議論、そして重度かつ継続的というところの定義もまたしていただきたい、御議論を待ちたいというふうに思っております。
○水島委員 入院から地域へという場合に、核となるのがこの通院医療ということになるわけですから、そこのハードルを上げておいて、入院から地域に誘導していますと言われても、それはやはり筋が通らない話になるわけです。 先ほど申しました点も含めまして、この精神医療の医療費の問題についてはまだまだ検討しなければいけないことが余りにもたくさんありまして、それが全く整理されていない段階で、上の方から高額のレセプトをつまんでみたら、その中にこの三つの疾患が多かったからこの三つが重度かつ継続ですなんという、そんな乱暴なやり方は本当にあり得ないと思いますので、これは、尾辻大臣の名誉にかけてもこんなことを許さないようにしていただきたいと思うわけでございます。 きょうの私の説明で足りないようでしたら、改めて大臣に御説明に伺いたいとも思いますので、ぜひお声をかけていただければ光栄でございます。 実際には、そうやって詰めなければいけないこともたくさんありますし、その一方では、もちろん私は、現在の三十二条が全く非の打ちどころがないと思っているわけではございません。三十二条の適正な運用というのは確かに必要でございまして、現在も一部に不適切な三十二条の悪用といいますか乱用といいますか、そのようなものがあるということも十分に承知をしております。 そういう意味では、本当は今回、何か改正されるのであれば、そういうむだをこういう形でなくします、善意のない医療についてはこういう形で認められません、それがわかるような仕組みを組み込んでいただかなければ、結局これからも、今回財源がなくなったからといって五%を一割にした、でも結局それがまた膨れ上がっていって、今度はでは一割を二割にするんですか、そういう日が必ず来てしまうと思いますので、そういう有効な仕組みをちゃんと今回組み込むというのが厚生労働省の責任であったはずだと思います。お金がなくなったから自己負担を倍にして受けられる対象疾患を減らしたなどというのは、こんなの厚生労働省じゃなくたって、だれだって考えられます。厚生労働行政の専門家なんですから、もっと気のきいたことをちゃんと頭を使って考えてほしいと思うわけでございます。 十月施行などと何か無理なことをおっしゃっているようですけれども、一度これは現状のように全部を対象にしておいて、そこから明らかにこれはこの制度にはなじまないですねということを説得力のある形で除いていっていただくネガティブリスト方式がこの際一番妥当だと思います。くれぐれもこれは、疾患単位で考えるなどという変なことをしてしまいますと、先ほど言ったデイケアを使っている、使っていないということで公平性ががらりと変わってしまうというようなおかしなことになりますので、こういった問題提起もされていることを踏まえて、この検討会に御議論をいただくのもいいと思いますけれども、ぜひきちんとこれは腰を据えて御議論をいただきたいです。 今まで厚生労働省は、今回聞きましたところ、どういう形で三十二条が乱用されてきたかということをきちんとデータをとっておられない。調査できない仕組みなんですとおっしゃるわけですけれども、まず現状がどういうふうに運用されているのかを見てから制度を考えるというのが当たり前のことではないかと思います。 これは、厚生労働科学研究の形を使っても何でも結構ですけれども、現在三十二条がどのように使われているのか、その中で本来の公費負担制度の趣旨と合わない部分はどこなのかということ、それをきちんとこちらに報告をいただいてから、それを手当てするためにこういう新しい制度をつくりましたと言っていただくのが常識中の常識だと思いますので、今回みたいに、箱の中からレセプトをつまんでみたら高いところにはこれが多かったなどというような非科学的な政策立案をこれからもくれぐれもしないでいただきたいということを改めてお願いを申し上げたいと思います。 また、この前傍聴いたしました会議の中でも、お金にあらわれない大変さをどう酌み取るかというような課題が大きく浮かび上がっておりましたけれども、先ほどの育成医療についてもそうですが、精神医療についても、額面の医療費ということ以外の要素というのがかなりございますので、その辺もトータルに見ていただいて、説得力のある形で出し直していただきたいと思っております。 そして、最後に言わせていただきますと、そして大臣のそれに対しての御意見を伺いたいんですけれども、そもそも、七万二千人の社会的入院を十年間でゼロにしますということを、二年前に坂口前厚生労働大臣がはっきりと国会の場において約束をされたわけでございます。もう既に二年過ぎてきたわけですけれども、私は、この七万二千人の社会的入院の問題を解決するまでは三十二条を今のまま据え置くべきだというふうに思いますし、それが厚生労働省としてのこの二年前にした約束の果たし方ではないかと思います。 先ほど言いましたように、今回ハードルを高くしてそれをみずから阻害しているというようなこと、その構造にぜひお気づきいただきたいと思いますけれども、最後の私の提案に関しまして大臣がどう思われているかということを最後にお伺いしたいと思います。
○尾辻国務大臣 今回の改革におきましては、何回も申し上げておりますように、現在の通院公費負担医療制度を安定的で持続可能なものにするために、低所得の方々には月額の負担に上限を設定するなど配慮を行った上で、原則として一割の定率負担をお願いするものでございます。こうしたものでございますので、実施を凍結するということは極めて困難なことでございます。 いろいろ申し上げておりますけれども、そしてまた御議論もあるようではございますが、今回の改革といいますのは、全体としては、精神障害者の社会復帰、地域生活の支援の拡充を図るため必要不可欠なものだと考えておりますので、ぜひ御理解を賜りたいと存じます。
○水島委員 尾辻大臣は必ず考え直していただけると信じまして、もう一言お願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○大村委員長代理 次に、山口富男君。
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。 この障害者自立支援法は、障害者の社会生活と人権にかかわる非常に重要な法案なわけですけれども、これは質問する側も答弁する側もその真摯さが問われると思います。 きょうは、朝からたびたび当委員会は定足数が足りずにとまっております。委員長にお願いしたいんですけれども、質問しながら定足数を確認するわけにまいりませんので、委員長の方から、欠けた場合は速記をとめて審議を一たんとめてもらうということで、まず運営上、お願いしたいと思います。
○大村委員長代理 はい、お聞きしました。
○山口(富)委員 では、きょうは障害程度区分の問題と利用者負担にかかわる問題を中心にただしてまいりたいと思います。 まず初めに、厚労省の障害者問題に対する認識にかかわる問題をただしたいと思うんです。 私は、五月十一日の質疑の際に、塩田障害保健福祉部長の名前で出されました、これは三月十八日ですけれども、「「支援費支給決定について」の一部改正について」という通知を取り上げました。私は、これを読みまして、この中には障害者をいわば取り締まりの対象に見ているような部分があるということで、その内容を改めるように求めたんですけれども、当時の塩田さんの答弁では、不適切な書きぶりがあるようであればそれを訂正したいという答弁でした。 その後、これはどのようになったのか、まず報告していただきたいと思います。
○塩田政府参考人 五月十一日の委員会で、支援費のホームヘルプサービスに関して、行動援護の内容を記載した部長通知がございましたが、その判断基準の中に適切な表現でないものがあるという御指摘を受けたところでございます。これにつきましては、去る六月二十三日に、いろいろな方の御意見を聞きまして通知の改正を行ったところでございます。 当初の通知は、学識経験者あるいは事業者団体の意見を聞いて出したものでありましたが、御本人とか御家族の立場を考えました場合に適切な言葉でないと私自身も判断いたしまして、通知の改正をさせていただきました。
○山口(富)委員 この行動援護の問題というのは、今度の支援法でも第五条の四項にかかわる問題になっております。 それで、塩田部長にもう一点お尋ねしますが、御本人の立場からいってもこの書きぶりはよくないということなんですが、どこをどのように変えたのか、何点か示していただきたい。それからあわせて、この通知の改正というのは私はなかなか重大な問題だと思うんですけれども、これは変えて当然なんですが、その中からあなた御自身がどういう教訓をつかんでいるのか。この二点、示していただきたい。
○塩田政府参考人 行動援護に対してどういう対応をするかというのは、今度の法案でも出ていますし、大事な問題だと認識しております。 例えば、適切でない例としては、当初の通知では、「頭突き、つかむ等の粗暴行為等」があるかないかとかいうところがありましたが、そこについて、「頭をぶつけたり、腕をつかんだり等通常とは違う行動」があるかないかという表現に改めたり、あるいは、「奇声」を上げるというような言葉を「通常と違う声」を上げるという表現にしたり、他害行為に関しまして、「罵詈雑言をあびせるなどの他害行為」という表現がありましたところを、「他者に向けて大声を出したりする」などという表現に改めたところでございます。
○山口(富)委員 もう一点、そういう書きぶりを直した、この担当の、いわばあなたはこれを発出した責任者なんだから、どういう問題がここにあったのかということを教訓としてつかんでいるのか、示してほしい。
○塩田政府参考人 冒頭申し上げましたように、障害福祉に携わる者として、常に、障害者の御本人とか家族とか、そういう立場に立って物事を考え、その方々に対するサービスはどうあるべきかというのを基本に置いて仕事をすべきだということを改めて感じたところでございます。
○山口(富)委員 私は、この問題は、障害者問題に携わる行政にとって非常に基本の立場が問われたことだと思うんです。 大臣に、今のやりとりをそこからお聞きになってどういうことをこの問題で感じられたのか、示していただきたいと思います。
○尾辻国務大臣 先日の御議論を聞きましたときも、私も、これは大変まずい表現が入っているというふうに思いました。そして、こういうことに携わる私どもがこういう表現にしてしまったということは本当に反省しなきゃならないことだと思っております。 そしてまた、今先生もそういう趣旨で言っておられると思うんですが、こういう表現がたまたま出てきたとかなんとかということではなくて、やはり基本的にそういう配慮のなさというのがあるんじゃないかという御指摘だと思いますし、私もそういうふうに思わざるを得ない面もあるというふうに考えますので、このことは反省したいと存じます。
○山口(富)委員 それでは、障害程度区分の問題に進みたいと思います。 それで、障害程度区分につきましては、自立支援法は四条四項でこれを定めて、区分の審査と判定及び認定につきまして二十条、二十一条と規定をしております。支給決定については二十二条というふうになっているわけですが、障害の特性や変動を的確に反映した障害程度区分の認定、その仕組みをつくるということは、障害者自立支援法の運用にとってどういう位置づけなのか、意味があるのか、これを述べていただきたいと思います。
○尾辻国務大臣 現行の支援費制度におきましては、福祉サービスによる支援の必要度を判定するための統一的なアセスメント項目や客観的な基準がありませんで、このために自治体間や職員間で判定にばらつきが生じたり、障害者のニーズに応じた適切なサービスが提供されないなどの課題があると私ども認識いたしております。 こうした課題に対応いたしますために、今回の法案の改正案におきましては、統一的なアセスメントを行い、全国的に統一の尺度として障害程度区分を設けることなどによりまして、全国的に個々の障害者の支援の必要度に応じて、より公平にサービスの提供が図られるようになると考えておるところでございます。
○山口(富)委員 結局、利用者の状態に応じた格差のないサービスが保障される上での基本なんですね、土台なんですね。 それで、今厚労省の方は、障害程度区分の判定につきまして、実際には現行の介護保険制度の要介護の認定基準を準用しているわけですけれども、これはどうしたわけか、説明していただきたい。
○塩田政府参考人 御指摘のように、介護保険の要介護認定の基準を使って調査しているわけでありますけれども、現在ではそういったものとしては唯一の指標だということでそれを活用しているということでございます。 しかしながら、介護保険の要介護認定調査というのは、加齢による介護サービスの必要度を予測する指標として開発されたものでありますので、障害とは違うことは御指摘のとおりでございます。今後、この調査を活用していろいろなデータを集めた上で、障害者にふさわしいものに改良していくことが当然必要であると考えております。
○山口(富)委員 今、塩田部長が認められたように、現在ある唯一のものなんだけれども、これは障害者の特性に応じたものじゃありませんから、研究して変えていかなきゃいけないということだったんですね。 四月二十六日の社会保障審議会の障害者部会に、「障害者に対する要介護認定基準の有効性について」という報告書が提出されました。これは、「目的」としまして、障害者の介護ニーズを判定するための指標として、現行の要介護認定基準の有効性を評価するため、福祉サービスを利用している障害者二千四百六十八人を対象に認定基準の調査を実施したものだということになっていますが、この調査の結果、明らかになったことは何ですか。 〔大村委員長代理退席、委員長着席〕
○塩田政府参考人 この検討の結果ですけれども、現行の要介護認定基準は、身体介護等の介護サービスに相当するサービスにつきましては障害者においても有効ということでありましたけれども、障害者に対するサービス、介護だけじゃなくて、自立を目的とした機能訓練あるいは生活訓練、就労支援というのがございますけれども、こうした支援の必要度の判定につきましては、「「介護給付」に相当するサービスの判定に用いられるロジックとは別のロジックが必要と考えられた。」という結論が得られたところでございます。
○山口(富)委員 今、最後の部分、結論部分を読まれたわけですけれども、障害者に対する支援においては今別のロジックが必要であるということがこの調査では強調されております。 それで、もともとこの調査は、一つは、介護ニーズ評価に関する調査研究事業という研究と、もう一つ、要介護状態の評価における精神、知的及び多様な身体障害の状況の適切な反映手法の開発に関する研究という二つの研究がありまして、この研究から検討を重ねたということになっているんです。 きょうは理事会の了解を得まして資料を配付しておりますので、まず、二ページ目をごらんいただきたいんですけれども、この中から、介護ニーズ評価に関する調査研究事業というものから私はちょっと何ページか拾ってきたんですが、こちらの調査の場合は、身体、知的、精神障害の各分野それぞれ五十名ずつ、百五十名を審査の対象にして、いわば介護認定がきちんと行われたかどうかというのを調べたわけですね。 それで、やり方としましては、三つの合議体を設けて、これは二ページの中ほどに書いてありますが、それぞれ五十ケースずつ審査を実施した。審査に当たった委員の方は、現に介護認定審査会の委員を務めており、介護保険の要介護認定を熟知している人たちだった。お医者さんですとか医療福祉分野に従事されている方です。 その結果、どういうことがわかったのかといいますと、次の三ページ目をごらんいただきたいんですけれども、一次判定から二次判定というのが行われているわけですが、この変更率の問題で、まず全体はどうだったのかというところを見ますと、身体障害の場合は当初の認定に対して変更されたのが三六%あった。知的障害の場合は当初の認定を変更したものが四八%ある。精神障害では四四%が認定が二次判定で覆っております。 まず、久しぶりに私は中村老健局長に聞くんですけれども、介護保険の場合、一次判定が変更になる率というのはどの程度のものなんですか。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。 平成十六年に認定申請のあったケースにつきまして、市町村の介護認定審査会において一次判定結果から変更のあったものの割合は二八・九%となっております。
○山口(富)委員 今報告がありましたように、介護保険の場合は二八・九%です。 となりますと、今回の厚労省が発表しております調査を見ますと、一次判定の結果が、知的障害の場合は五割近く、精神障害の場合は四四%覆っているんですね。相当数の変更率だと思うんですけれども、ここから見る限り、少なくとも一次判定につきましては今の認定基準では信頼に足らない、そういう結果になるんじゃないんですか。
○塩田政府参考人 御指摘ありましたように、このモデル審査会は介護保険の審査基準を当てはめてみたということでありまして、その結果、精神障害、知的障害についてはなかなか難しい結果が、変更率が大きいという結論が出たということでございます。 介護保険の高齢者の基準をそのまま使ったということで、障害者にふさわしい基準ではないということが大前提でありますので、本格的な施行の際にその介護保険の基準をそのまま使うということではなくて、現在試行事業もやっておりますし、障害者によりふさわしい基準にした上で審査会にかけていただくということだと思いますし、中長期的には障害者独自のしっかりとした基準をつくるべく、これから取り組んでまいりたいと思っております。
○山口(富)委員 私は、それは中長期的な課題じゃないと思うんですね。自立支援法の実施に当たっての前提なんです。しかも、一次判定で見ますと、資料にありますように、第一合議体の場合は、知的障害で八一・二五%覆っているんです。五〇%以上のところが、身体障害、精神障害それぞれ一つずつ出ているわけですね。 それで、今塩田部長の方から幾つか話もあったんですが、国自身が五月から七月にかけてモデル事業をやるというふうに言っているわけです。 それで、私は、大臣にまず答弁願いたいんですが、少なくとも、これは七月に結果が出るんだったら、その結果の分析をした上で、障害者分野での認定の基準というものをしっかりつくり上げた後法案を進めていくというのが、これは当たり前の姿じゃないですか。大臣に。答弁者は一人ですから。
○尾辻国務大臣 今、確認をしてから御答弁申し上げようと思いまして、確認したところでございますが、時期についてはお話しのとおりでございます。 したがいまして、今度のモデル事業などでそうした数字はまた出てくるんだろうと思いますけれども、法案としてお出しするまでにさまざまな検討はいたしたわけでございますから、法案として今お出しした、このことは、そうした検討をもとにしてお出ししたということを改めて申し上げたいと存じます。
○山口(富)委員 先ほど塩田部長は、私が示した幾つかの事例を認めて、やはりこれは現行の介護の認定の基準だから、ここから見ると障害分野でいろいろ問題があるということはお認めになりました。 私は、はっきりさせておきたいんですけれども、今国がモデル事業をやっているということなんですが、ここに障害程度区分判定等試行事業実施要綱というものがあります。この中で、判定に当たっての前提になる、約百項目にわたる基本調査というものがあるわけですね。これは、私が既に紹介いたしました介護ニーズ評価に関する調査研究事業、このときに使われた基本的な調査と、ごく部分的、知的障害者の場合、何項目か加わったところがありますけれども、ほとんど変わらないものなんですよ。 つまり、同じようなことを既にやっておいて、それは障害者の認定区分を見る場合には必ずしもよくないんだと一方では認めておきながら、しかし、そのモデル事業をやって、それで精度のあるものにしていくというのは、私は全く説明がつかないと思いますよ。 少しこの問題を具体的に見ていきたいと思うんですが、例えば、三ページなんですけれども、下の細かい数字の方は件数ですから、パーセンテージではありません。そのことを注意願って見ていただきたいんですが、身体障害の場合、認定の非該当とされた七人が、これは一次判定ですけれども、これは二人になる。そして介護認定は上がっています。知的障害の場合は、非該当が当初六で、それは一になっている。精神障害の場合は、非該当とされた方が当初二十三人いらして、これが二次判定で十二人、ほぼ半分になるということになっているわけですね。 となりますと、今の厚労省の提案している中身というのは、介護給付と訓練等の給付というのは、同じ認定の枠組みでやっていくという考え方です。しかも、訓練等の給付の場合は一次判定しかやらないということになっています。となりますと、非該当となりますと、サービスが本来必要な方でもサービスが受けられなくなるというのが、皆さん方が提案しているこの方向じゃないんですか。
○塩田政府参考人 現在試行事業をやっておりますが、それは、高齢者の介護保険の基準そのままではなくて、知的障害者、精神障害者に関連した項目を加えて、その上で調査をしているということは改めて申し上げたいと思います。 それから、介護給付と訓練等給付については障害認定区分の使い方は違いますので、それぞれのサービスに応じた対応ができるよう、それはきちんと対応してまいりたいと思っております。
○山口(富)委員 まず一つは、私が言いましたように、私は全部比べたんだから。あなた方は新たにつけ加わった、つけ加わったと言うけれども、それはごくわずかなんだよ。しかも、私が聞いているのは、一次判定と二次判定がこれだけ結果が違って、しかも、今度の枠組みの場合、一次判定だけでいくという方たちもいるわけですね。となると、非該当となってしまったら、サービスを必要としている障害者の方々にサービスが受けられなくなるという事態が生まれるじゃないかということを言っているんですよ。どうなんですか。
○塩田政府参考人 障害者の方が必要なサービスを受けられるように適切な障害認定区分をつくるということでありまして、そのために現在試行事業をしているということでありまして、そのデータも集めて、適切な認定基準にしたいということでございます。 その際に、介護サービスと訓練等給付では障害認定区分の活用の仕方が違いますので、介護給付サービス、就労訓練のサービス、それぞれにふさわしい活用の仕方、関係者の意見も聞いて、そういうものにしていきたいと思っております。
○山口(富)委員 塩田部長は、必要なサービスを求める方が外れる可能性があるということは認められました。そういうふうにならないように認定のあり方を考えるんだというんですけれども、だったら、それこそ法案の前提じゃないですか。検討し直して、出し直したらどうですか。
○塩田政府参考人 いろいろな調査結果についても公開で御説明しておりますし、試行事業の内容についても、関係の方に御説明しながら、意見を聞きながら進めているところでございます。 この秋には結論を得たいと思いますし、法律の施行までにはきちんとした対応ができると考えております。
○山口(富)委員 では、もう一つの、皆さん方が使われているこちらの資料で見てみたいんですが、これを見ますと、身体障害者の場合は、ホームヘルプを使っている方で百十九人中百十七人が介護の認定を受けました、この調査では。それから、知的障害者の場合は、ホームヘルプの利用者については、三十人中二十九人が認定を受ける。ところが、精神障害においては、ホームヘルプの利用者について、八人中二人しか認定を受けられなかった。これが実態なんですよ。 しかも、この報告書を見ますと、精神障害者の場合は、今の判定結果でいくと、一次判定で非該当が四八・三%になる。これは、かなりの方々がサービスを求めているのに、少なくとも今の基準のままでは、だって、あなた方まだ開発していないんだから、今の基準のままでは、かなりの方々がサービスが必要なのに認定から外される、そういう事態が起こるんじゃないですか。どうやって防ぐんですか。
○塩田政府参考人 研究の報告のものは、あくまで高齢者の介護の基準を使ったということでありまして、その観点から基準が定められております。知的障害者、精神障害者の介護と高齢者の介護、おのずから内容が違いますので、高齢者の介護保険の基準を使えば、御指摘のような結果になるのもある意味では当然だということだろうと思います。 そういう観点で、試行事業では、高齢者の介護基準だけではなくて、項目を加えて、精神障害者、知的障害者にも配慮した事項を加えてやっているということでございます。その成果も踏まえて、知的障害者、精神障害者の介護にも対応できるような基準にしたいということで事務を進めているということでございます。
○山口(富)委員 資料の一ページを皆さんごらんください。一ページ目に調査項目というのが、医療関連から生活関連まで上がっております。実は、基本調査というのはこれに応じた中身なんですけれども、調べてみますと、新たに加わったというのは生活関連だけなんです。ごく部分に二つほど別の項目がありますけれども。 だから、塩田部長が、あたかもこれまでの介護保険での認定と違う物差しを提示して、このモデル事業をやるかのようなことを言っていますけれども、これは全くの偽りの答弁である。これは撤回していただきたい。
○塩田政府参考人 高齢者の介護保険の要介護認定基準の項目に加えて、日常生活に関する項目、精神障害者などの特有の項目、知的障害者の行動援護に関する項目などを追加して、百六項目の調査項目としておりますので、この試行事業の結果、問題があればまた対応したいと思いますし、知的障害者や精神障害者に対応できる障害程度区分がこういう作業を通じてできると考えております。
○山口(富)委員 資料の四ページ目をごらんいただきたいんですけれども、専門家の方々が介護認定をやりまして、そこから出た幾つかの指摘事項というものがあるんです。 まず、この「基本調査」というのは今度やるいわゆるアセスメントにかかわるわけですけれども、ここでは、例えば中ほどですが、「三障害一緒でよい部分(ベーシック部分)と、各障害の特性を強調する部分の両方が必要と思う。」という意見ですとか、「現在の調査は、できる・できないを聞き取るため、精神障害の方の場合、全くできないのではないため、要介護度としては、低くなる。身体障害者の場合は、解りやすい。現在の調査内容で良いかは、検討が必要。項目が、異なるのではないかと、感じた。」それからまた、「身体に障害のない知的障害者や精神障害者の方々の介護の必要性が、これらの項目でチェックされているとは言い難く、一次判定で相応の判断がなされないと、各審査会によりかなり不均衡が生じてしまう。」という非常に深刻な指摘なんですね。 それから、「特記事項」、これは別の様式がありまして書くわけですけれども、この中ほどを読んでみますと、こういうふうに書いてあります。「調査員特記事項につきましては、辛口で申し上げなければなりません。それぞれの障害を、どこまで認識されて調査にいたったのかという点で大変疑問です。介護が必要な状況や日常生活上の問題点が浮かび上がってくるような特記内容とは言い難く、中には特記事項がほとんど記載されていない事例もあり、判定に苦慮しました。」 これだけ専門家の人たちがやってみて問題を感じているのに、厚労省が提案しているモデル事業というのは、こういう指摘を踏まえた、改定されたものになっていないんですよ。 私は大臣に、この問題は障害認定のここの区分の問題と同時に、その前提としては調査をしたりいろいろな様式があるわけですけれども、いわばその技能そのものも高めなきゃいけないわけですね。大臣、やはりこういうことをきちんと解決した上でないと、この制度というのはとてもじゃないけれども運用できないじゃありませんか。少なくとも七月に終わるわけでしょう。この試行事業の結果を国会に報告して、その後この問題をもう一回議論する、そういう立場に立つことはできませんか。
○尾辻国務大臣 先ほど来部長がお答え申し上げておりますように、要介護認定基準の七十九項目に加えて新たな項目を追加して百六項目にしておるわけでございますから、それなりのまず項目が加わっておるということは事実だと思います。 そうした中で、今、認定基準を、先ほど来申し上げておりますように試行事業を実施しながら作成する、それはちゃんと間に合うようにきっちり作成する、こういうふうに言っておるわけでございますから、法律の施行をお認めいただければ、それに問題はないというふうに存じております。
○山口(富)委員 今の障害認定区分の問題で専門家の方々が、やはりこれは障害者の特性、特に知的障害の場合や精神障害の場合はこの程度を把握するのに難しいということをはっきり述べられているわけですね。 それで、私が数えてみましたら、皆さん方がつけ加えた、つけ加えたと言われますけれども、当初の調査の方では追加の項目もありまして、それが初めから入っていたというふうに仮に考えますと、生活に関する項目ということとコミュニケーションに関する項目が若干つけ加わったというだけにすぎないんです。私はこれは、私自身、項目を読み比べてみまして大変驚いたわけです。 今度の問題というのは、冒頭に申し上げましたように、やはり障害者の社会生活と人権にかかわってくるわけですから、そして、塩田部長は、今ある唯一の基準は介護保険にかかわる認定の基準なんだというわけですね。それで見たら、とてもじゃないけれども特性は把握できないということが明らかになった。だったら、今度の制度で、少なくとも初めから、障害程度の区分というのはこの枠の、まずその認定を受けなきゃいけないわけですから、出発点になるものなわけでしょう。ところが、それさえきちんと示されていないわけです。 お配りした資料の一枚目をごらんいただきたいんですけれども、きょう午前中の質疑でも少し問題になりましたが、ここには「障害程度区分のイメージ」というものがあります。質疑の段階で明らかになっているのはイメージだけなんです。そして、下の表には「重度区分」というものがありますけれども、このイメージだけで、どうしてこれに障害者の生活や人権を託すことができるんでしょうか。私は、これは全くできないと。 少なくとも、大臣、「障害程度区分のイメージ」「複数段階に分類」、この程度で審議を求めるというのは幾ら何でも乱暴だ、その程度の認識は持たれて当然じゃないですか。
○尾辻国務大臣 イメージの案として御提示申し上げて、御議論をいただこうということでお願いをしておるところでございます。したがいまして、御議論の中でさらにこれがまた具体的に形を整えていくということになろうかと存じます。
○山口(富)委員 議論のできないイメージなんですよ。議論しろというんだったら、きちんとどういうことになるのかを示した上で議論してください。 私は、この一点でも今度の自立支援法は強行することは絶対認められない、このことを申し上げまして、本日の質問を終わります。
○鴨下委員長 次に、阿部知子君。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。 私も、まず冒頭、先ほどの山口委員と同じお願いを委員長にいたします。 定足数に欠けること、本日は四回に及んでおります。私も質問中は集中をいたしたいので、委員長の方で定足数が欠けましたらとめていただけますように、よろしくお願い申し上げます。 冒頭、この法案について尾辻大臣にお伺いいたします。 障害者の自立支援法ということでございまして、約二週間ほど前に審議が行われ、一たび中断されて、本日を迎えておりますが、本日のさまざまな御回答というのは、残念ながら誠意が感じられない。そして、たくさんの傍聴の障害のある皆さんも、一体だれのための法案をつくるんだろうということを強く懸念されていると思います。 そこで大臣にお伺いいたします。 大臣がこの法案で対象となさる障害者、この方たちについて、大体、大臣はどのようなイメージ、アイデア、考えをお持ちになっておられますでしょうか。
○尾辻国務大臣 どういうふうにお答え申し上げるべきかと思いながら今ここに立たせていただきましたけれども、一口に障害のある方と言いましても、まず大きく三障害あるわけでございますし、また、それぞれの障害の中でもそれぞれの程度があるわけでございまして、さまざまな障害の方々、お持ちの方々というふうに申し上げざるを得ないところでございます。
○阿部委員 大臣と共通認識に持ち込みたいというか持ちたいのは、一つは、やはり障害のある御本人が決定の主体である、御本人である、自己決定であります。そのことを忘れると、この法案がだれのために、例えば適切なサービス量をだれが判断するのか。本人の希望が第一にあって、その方が、自分が持っている障害ゆえにさまざまな、あるいは、自分に内在する障害ではなくて、例えば、道の段差でもそこにあれば障害になります。それを少しでもなくしていくための法律であるということですから、御当人が何を障害と感じるかということは出発点になります。そこを欠いて法案の審議をいたしますと、いわゆる障害者を殺さぬよう生かさぬようの法案になってまいります。 もう一点、大臣に御確認いただきたいのは、やはりあくまでも今回の自立支援法は、三障害と言われます精神、身体、知的、そういう今までの法体系をただくっつけるということにしかなっていません。さまざまに言われる、世の中で言う谷間の障害、今回も各委員に指摘されました。そして、これがもしグランドデザインに基づいたものであれば、大臣が障害ということをどうお考えか。障害とは自分と環境の間にあるバリアであるというふうにお考えいただきたいのですが、その点は共通認識でよろしいでしょうか。
○尾辻国務大臣 今、たしか、自分と環境との間にあるバリアというふうに表現されたように思います。 私がそこの理解は十分でないかもしれませんが、とにかくは、障害ということは、どういうふうに言えばいいんでしょう、大きな障害の場合はそうでしょうけれども、私どもはいつ何どきまた障害者になるといいますか、そういったようなことにならぬとも限りませんし、また、小さな障害ということでいえばいろいろ障害はみんなも持っておるわけでございますから、そんなにまた障害というのを、障害者と健常者というのをきれいに分けるようなそんなものではない、お互いに社会生活を一緒になってみんなでしていくということが大事なんだというふうに認識をいたしているところでございます。
○阿部委員 何でこんなそもそも論を言わせていただいたかというと、私は、ちょっと午前中の大臣の答弁で非常に懸念される点がありました。障害のある方にも、ほかの方と同じように、やはりサービスを利用したらその利用料をお支払いいただくんだ的な発想を私は答弁の随所に感じました。 しかしながら、この法律の意味するもの、あるいはもう十年以上になります障害者基本法の意味するものは、障害がおありの方と、今かりそめにないとした方が同じスタートラインに立てるよう、同じように生きていけるよう、同等、対等に生きていけるよう、いわば障害のある方にとってバリアとなっているものを取り除いていくわけですから、この方たちのサービス利用は、そのことによって初めて他の方とイコールなスタートに立てるということです。そのイコールなスタートに立つために御負担いただくんだというのでは、障害者の置かれた状況は改善されないのです。この根幹が狂ってしまうと、何のための法案審議かが私は吹っ飛ぶと思います。 大臣のお心の中に、ほかの人だって負担しているじゃないか、だから、障害のある人にも悪いけれども負担してちょうだいというんだったら、それは、現存する障害を負ったゆえの差別やマイナスをそのままその人に何かしらの努力をさせて越えさせようとする、努力の一部がお金だったり、あるいは自立という言葉、これも極めて二極に揺れるものです。 大臣、もう一度確認させてください。これは、障害のある人がない人とイコールに一緒にやっていけるために、障害のある方のバリアを取るために必要なサービスをする法律ですよね。
○尾辻国務大臣 この法律を自立支援法と言っておることがまさにそのとおりでございまして、今のお話でいえば、自立支援という考え方でございますから、そのとおりでありますというふうに申し上げます。 〔委員長退席、北川委員長代理着席〕
○阿部委員 大臣もきょとんとして申しわけないのですが、何でこんな、本当に何を聞いているんだろうと思われるかもしれませんが、何度も何度も恐縮ですが、バリアを取るということです。そのために、それは、御本人がそのバリアが少なくなるように受けたさまざまなサービスは益ではないということです。バリアが取れて初めてイコールに進んでいけるということであります。ここをまず一点、きょうは確認させていただいて、二点目の質問に入ります。 さて、大臣、今回この法案で対象となさっている大臣の描く障害者、数とその方たちの生活状況、所得状況、就労状況についてはどの程度情報をお持ちでありましょうか。
○尾辻国務大臣 大きく申し上げますと、障害者の数は約六百万人というふうに承知をいたしております。 それから、今、障害者の所得の実態につきましてのこともございましたけれども、これについて申し上げますと、例えば、身体障害者の場合には、年収三百万円以上の方が三割いらっしゃる、一方で百万円以下の方が二割強いらっしゃるというふうに存じておりまして、障害者の皆さんの所得状況も多様である、こういうふうに認識をいたしております。
○阿部委員 私は、あともう一つ、就労状況もお伺いしたかったですが、今大臣のお示しくださいました所得状況についても、極めて限られた、これはたしか、身体障害を負われてリハビリの施設を経過された方の所得の分析だったと思います。 もちろん私も、所得の把握が簡単なものとは思っていません。プライバシーもおありでしょう。しかし、障害者の本当にバリアフリーにしていく政策の中には、例えば、今後、我が国が補足的所得の充実策でいくのか、それとも、大臣がいつかおっしゃいましたタックスペイヤーにしたい、これは主には雇用政策でいきます、この二つの流れが、分離するものではありませんが、おのおのの国の障害者の実態を見ながら進められております。 ですから、私が今大臣に伺ったのは、果たしてどの程度大臣の頭の中に、障害を持たれた方たちの生活状況、所得状況、就労状況がおありの上でこの法律が出されたのか。そもそも、障害者のグランドデザインというのはそのようなものだと思います。 もし私の問いが大臣の今の即座のお答えにならないのであれば、塩田さんにお伺いいたします。我が国の障害者の自立政策、これは今厚生労働省としては、どちらをということも言えないかもしれません、大枠、グランドデザイン、どう進めようとしておられますか。
○塩田政府参考人 私も、今のポストについて、大勢の障害者の方にお会いしましたし、いろいろな場で働いている方とかいろいろな施設におられる方、いろいろな方に会いました。障害を持つ方の置かれた状況はいろいろな状況で、一つの言葉でまとめることが難しいぐらい、本当にさまざまなところで頑張っておられるということだと思います。 ですから、全体としてどちらに向かうかということを申し上げるのも大変難しい、一人一人置かれている状況が違うということですが、基本を申し上げれば、働ける意欲とか適性のある方はぜひ福祉就労から一般就労に向かっていただきたいと思います。しかし、それができない方は福祉就労でということだと思います。かつ、それでも稼得、収入を得られない方については、年金制度とか手当制度とか、あるいはセーフティーネットの生活保護もありますし、それぞれのお一人お一人に合った対策をきめ細かく一人一人に対してやっていくというのが障害者福祉の基本であろうと考えております。
○阿部委員 その割にはきめ細かくないということが、先ほどの山口委員との質疑ですね。その方の状態像を把握していないじゃないか、二次判定と差が出るじゃないかという質疑があったばかりですね。 だから、言葉だけの答弁はもう要らないんですよ。この審議の中で、もっとリアルに、本当に障害をお持ちの方にどうしていったらいいか。 大臣に伺います。大臣は、障害者基本法の十三条というのを御存じでしょうか。
○尾辻国務大臣 即座にお答えできませんので、今探してお答えをいたしますが、お待ちいただけますでしょうか。
○阿部委員 では私が、時間のロスですので。 障害者基本法十三条、平成五年だと思いますが、「国及び地方公共団体は、障害者の自立及び生活の安定に資するため、年金、手当等の制度に関し必要な施策を講じなければならない。」が十三条です。私がきょう問題にしている所得保障の問題です。 ちなみに、我が国の障害者の置かれた状況は、極めて不十分な所得保障、極めて低い就労状況、どっちも超低いのです、これは。ここをちゃんと塩田さんに言ってほしかった。よく見れば、ああ、そうじゃないのというのはわかるでしょう。そういうことをきちんと厚生労働省が政府に言ってくれなければ、だれも今必要な施策を本当に決めていくことができないんです。 では、塩田さん、もう一回、所得保障は十分だと思いますか。
○塩田政府参考人 日本の障害者に支払われている所得保障は、昭和六十年だったと思いますが、当時、障害者の所得保障を検討した結果、障害基礎年金という年金制度と福祉サイドからの手当制度の二本立て、それから、セーフティーネットとしての生活保護、そして、働ける方には就労確保、そういう基本的枠組みができておりまして、制度としては体系はでき上がっていると思います。 前国会で提案していただいたように、無年金の方がいるとか、個別にはいろいろな谷間に置かれている方がまだいることは事実だろうと思いますが、政府としては、完璧とは言えないかもしれませんが、累次の改正で充実強化に努めてきている状況にあると思います。
○阿部委員 制度としてはあっても、額が低ければこれが問題なのです。何をもって充実強化に努めていますか、塩田さん。あなたがそうおっしゃる内容を言ってください。 私は、きょう皆さんのお手元に、ずっと障害者年金の平成六年から十五年までの額を書いてございます。これは厚生労働省につくっていただいたもので、現在百三十三万人が受給、上段です。額は七万五千四百二十二円。ちなみに、この額は生活保護の扶助額より低いものです。ずうっと変わらない、障害者基本法ができても十年変わらない。下には、今塩田さんがおっしゃった特別障害者手当、あるいは、お子さんの場合は特別児童扶養手当、これもずうっと変わらない、何にもふえていない。 尾辻大臣に伺います。制度の枠ができて、障害者基本法ができました。十三条には、「国及び地方公共団体は、障害者の自立及び生活の安定に資するため、年金、手当等の制度に関し必要な施策を講じなければならない。」とあります。では、この十年、必要な施策はなかったんでしょうか、何か講じられたでしょうか。 まず、塩田さん、これは年金と手当ですからね、この障害者基本法十三条。答弁をお願いします。
○塩田政府参考人 昨年の年金改革におきまして、障害年金制度の改善が一つ行われておりまして、六十五歳時点で障害基礎年金と老齢厚生年金の組み合わせを選択するということが可能になる、これは一歩前進だろうと思っております。 それから、昨年の秋の臨時国会で、先生方に特別障害者給付金の制度をつくっていただいた。 それから、年金、手当ではありませんが、今般、障害者雇用促進法を改正していただきまして、精神障害者の人の雇用についても一歩前進が見られた、そういった改善があったところでございます。
○阿部委員 まず、三番目のはずるいです。私は今、年金と手当と聞いているんだから。障害者基本法十三条は「年金、手当等」と書いてあるのです。二番目におっしゃった無年金障害者問題は、それこそ超党派でできましたが、厚生省が自分たちの政策的な不備をみずからの手で直したものではありません。なぜ無年金が発生したかということの主体的な総括もありません。一番目について言えば、微々たるものです。それだけをもって、十年間放置してきたことを何ら言いわけできるものではありません。 午前中、大臣は五島委員の質問に対して、これから障害者の所得保障についてもっと前向きに検討するとおっしゃいました。十年間ほったらかしだったんです。そして、ここに来て決めたものは何か。先に金を取る法案です。障害者も、あなたも人並みになるには利用料が要りますよという法案がこれです。金を取って、所得保障の方は置き去り、置きっ放し。今からじゃ困るんです。 この法案を出す前に、大臣には、所得保障に向けたプログラムを出す、この十年間の不作為を補う役割が私はあると思いますが、いかがですか。
○尾辻国務大臣 いろいろお話しになっておりますけれども、私ども、今所得保障というその所得の部分で先生が話題にしておられる部分、すなわち年金、手当という部分について申し上げますと、まず障害基礎年金二級の分が老齢基礎年金と同じ額にしてあるわけでございますから、十分であるかないか、いろいろな御議論はあるでしょうけれども、やはりそこは国として、これを整合性というかどうかは別といたしますけれども、そこのところで合わせてある、それなりのことはさせていただいておるというふうに思うわけであります。 それに対してまた手当を乗せておるわけでございまして、今日の財政事情、ずっと続いております経済事情を考えますと、手当の額がそう上がっていないということについての御議論はまたあろうかと思いますけれども、これも、このところのいろいろな事情を考えますと、精いっぱいやらせていただいておるということは言えるのじゃないかというふうに思います。 そうした中で、今後のことをどうするかということでございますけれども、所得ということをいうと、もう一つ、先ほど部長も答えましたけれども、まず就労ということもあるわけでございまして、そうしたようなことも含めて私どもは今後の施策を考えていかなきゃならない、努力をいたしますということを先ほど来お答え申し上げておるところでございます。
○阿部委員 大臣も数値を見ればおわかりだと思います。努力する、努力するといったって、何にもふえていないのです。これで、ここからお金を取る法律が、今回の障害者自立支援法という名の定率、応益負担を強いる法案です。手順が違うと思いませんか。順番が違うと思いませんか。大臣、せめて所得保障がなされるまで負担を待てというのが野党の意見だったと思います。なぜこの順番が逆転してよいのですか。十年間何もしていない。数値は、びた一文上がっていないどころか、下がっているんです、百三十三万人の平均した年金額は。手当も何もふえていない。 私は、大臣配下の優秀な厚生労働省の前途ある役人の方に、OECD諸国でどんな手当がどんなふうに工夫されているか、あるいは労働能力を失ったための年金がどのように体系立てられているか、調べていただきました。時間もかかりましたが、よくやってくださいました。 日本よりも本当に重層的に考えられています。例えば、重度の方にはそれだけで重度の手当、重度の介護者には介護者手当がきちんと個人単位で払われます。今我が国のやろうとしていることは、全部その決定権を厚生労働省が持って、認定して、あんたにはこれだけ必要だからあげるよと。全く逆転しています。 大臣、もう一度最初の答弁をお願いします。 なぜ、所得保障が据え置かれたままで先に負担をお願いする法案が出るのですか。それは現状を悪化させるじゃないですか。その点についてはどうでしょう。
○尾辻国務大臣 これは、このところ措置制度から支援費制度に変えた。そして、その支援費制度の中でやってきて、急に利用する皆さん方の数もふえまして、支援費制度という制度そのものを維持することが大変財政的にも厳しくなってきておるという状況を踏まえて、私どもとしては、とにかくこうした制度を維持していかなければならない、何とか障害者の皆さんに対する必要な予算を確保しなきゃならない、まずそのことを考えて、今回のお願いも、みんなで支え合ってまいりましょうということを申し上げているところでございます。
○阿部委員 大臣はよくわかって答弁されているんでしょうか。みんなで支え合うといったって、さっき言ったイコールのスタートラインに立つために、そこまで行くのに金を出せと言っている法案なんです。だからこれだけ反対しているんです、みんな。 苦しいことはわからないではありません。でも、大臣がまず第一にやるのは、私がこの法案の一番目の一番先の質問でいたしました、OECD諸国中最も低い障害者施策に対しての政策費、どこにもないくらい低い。だから年金総額も手当も少ない。そうしたら、まずそれを大臣がみずからの見識で谷垣大臣にも小泉さんにも言っていただいて、これじゃ障害者にお願いするにもお願いできません、だからもう少し所得保障を、もう少し手当を、そうあって初めて片方の障害者に負担がお願いできる問題ではないですか。なぜそれをされませんか。お願いします。
○尾辻国務大臣 財政当局とは、随分と私どももいろいろな折衝をいたしております。 そうした中で、今具体的に先生が言っておられることについて、私どもが要求をいたしておるところではございませんが、いろいろなその他のことについて、私どもも、財政当局を何とか説得をしたい、しなきゃならないということで、随分、平たい言葉で言うとやり合っておるところでございまして、私どもが何にもしていないということではないことだけはぜひ御理解いただきたいと存じます。
○阿部委員 しかし、その交渉事の根幹を過てば、結局は負担を全部障害者にツケ回すことになるわけです。やはりきちんとした障害者基本法十三条を実施してください。 私は、大臣に次の回の委員会までにお願いがあります。所得保障に向けたアクションプログラムをお出しいただきたい、年次経過を入れて。そうしましたら、あと三年我慢すればいいんだったら、少しは死なずに済むでしょう、ためたお金も食いつなげましょう。しかし、何にも先が見えないのです、今のままだと。障害者の所得保障、年金、手当、就労。就労は本当にまだまだ低いレベルです。 これと、しかし一方で、十三条の言う年金手当も、必要だからこそ基本法に書かれたんです。何でもこのごろは基本法を無視するのがお好きです、今の政府は。郵政民営化でも、省庁の改革基本法は無視というありさまです。しかし、それじゃ国民との約束事が果たせない、障害者との約束事も果たせない。基本法は紙っぺらになってしまう。 大臣、お願いします。今度の委員会の審議までに、大臣がお考えになる所得保障、年金、手当、もう大臣の部下には諸外国のことを勉強された方がいます、大臣の尾辻プランをお出しいただきたいのが一点。 あと、時間がないので、もう一点、きょうはどうしてもここだけはということをやらせていただきますが、実は、障害者の基礎年金は、先ほど申しました生活保護の生活扶助額より低い額になってございます。年金局長、この理由は何でしょう。
○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。 先生御承知のとおり、我が国の公的年金は拠出制を原則として負担と給付のバランスで成り立っておるわけでございまして、その中核が老齢年金であるということも御承知のとおりだと思います。障害基礎年金を例にとりますと、こうした老齢基礎年金とのバランスに配慮してその水準が設定されているわけでございます。二級の場合に満額の老齢基礎年金と同額で、一級の場合はその二割五分増しということでございます。 そうした中で、こうした障害基礎年金の受給者は、先ほど先生御配付いただいた資料の中でもありますように、約百三十万人いらっしゃいます。 生活保護は、自立した生活に必要な生活基盤、資産を全く有していない者でも最低限度の生活水準を保障できるように設定され、さまざまな調査や資産を活用した上で不足額を差額として支給するものでございます。 確かに、生活扶助基準と障害基礎年金との数字というものは、扶助基準も地域によって違いますけれども、違いがございます。また、基準と実際に支給されている生活扶助額との間でも、約七割というような数字もあるようですが、実態上の違いもあるようでございます。 いずれにいたしましても、制度の趣旨が全く異なりますので、障害基礎年金と生活扶助基準というものを単純には比べるべきものではないというふうに考えております。 なお、御配付いただきました資料の中にも、約十万世帯の被保護障害世帯の数字がございますが、百三十万人の中でそうした数字でございます。また、障害基礎年金の受給世帯というものでいえば、約五万世帯というふうに承知しているところでございます。
○阿部委員 いろいろ多岐にわたって答えてくれましたが、大事なことは答えられなかった。生活扶助ということは、その人が生活していくための最低限の扶助です。では、障害者は最低限生きなくていいのですか。一つ。 それから、子供のうちに障害になった方に対してと、大人になって以降障害者になった方では、国の税の補てんの比率が違うと思います。この点について、私はちょっときょう時間を切らしましたので、大臣が先ほど、子供たちの医療についても同じ負担をお願いすると言いましたが、この障害者の基礎年金においてすら、子供たちのような、小さいころから障害を抱えて生きた子には税の投入額が多いのです。恐縮ですが、この次までに勉強していただいて、なぜそういう仕組みができたのか。 拠出はしていません、子供だから。だけれども、子供のうちから重い障害を負って生きてきた子に対して、基礎年金を給付するときにそれなりの、国は六割を入れています。ほかの障害基礎年金では、国は現状三分の一で、それを二分の一に上げるということだと思います。それだけの配慮がなされてきたわけです。 私は、何も子供だけがよければいいとは思いません。ただ、子供に対しての今回の仕打ちは論外ですし、この社会が子供を要らないのかと思うほど私は立腹しますので、恐縮ですが、大臣にこれを宿題にしますので、よく事務方とお話しいただいて、なぜ障害基礎年金においても子供たちにおいては税補てんが多いのかということで、認識を深めていただきたいと思います、次回に。いいですか。
○尾辻国務大臣 いろいろお話しいただいたようなことは改めてまた調べさせてもいただきますけれども、一点、ぜひ申し上げておきたいことは、財政的な裏づけのない数字を幾らお出ししても、これは絵にかいたもちにしかなりませんので、そのことだけはぜひ御理解をいただいておきたいと存じます。
○阿部委員 しかし、実態としての生活がかかっていますから、それが保障されなければ何の意味もありません。 終わらせていただきます。
○北川委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時二十一分散会