環境委員会 第1号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2005/02/18
会議録
○小沢委員長 これより会議を開きます。 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 環境保全の基本施策に関する事項 循環型社会の形成に関する事項 公害の防止に関する事項 自然環境の保護及び整備に関する事項 快適環境の創造に関する事項 公害健康被害救済に関する事項 公害紛争の処理に関する事項 以上の各事項につきまして、その実情を調査し、対策を樹立するため、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○小沢委員長 環境保全の基本施策に関する件及び公害紛争の処理に関する件について調査を進めます。 この際、環境大臣から所信を聴取いたします。小池環境大臣。
○小池国務大臣 環境大臣及び地球環境問題担当の小池百合子でございます。第百六十二回国会における衆議院環境委員会の御審議に先立ち、環境行政に対する私の所信を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願いしたいと存じます。 最近、世界の各地で洪水、干ばつ、熱波などの異常気象が発生しています。特に昨年は、日本でも、夏の記録的な猛暑に加えて、数多くの強大な台風が上陸し、多くの人命を奪うなど激甚な被害をもたらしました。このような中で、国民のだれもが、気候の変動や異変を直接肌で感じ取り、関心を高めているのではないかと思います。 これを環境問題との関連で見ると、地球温暖化が進行することによって、異常気象が頻発し、その規模も大きくなることが予測されています。今こそ、関心の高まりを契機として、私たち一人一人が、地球温暖化などの環境問題をみずからの問題として再認識することが重要です。今日の環境問題の多くは、通常の事業活動や家庭における日常生活など、私たちが前提としてきた社会経済のあり方そのものに起因するものであるということを、しっかりと踏まえなければなりません。その上で、これまでの事業活動やライフスタイルのあり方を根本から見直し、環境保全の知恵を結集して積極的に取り組んでいくことが、環境と経済の統合による持続可能な社会の構築につながっていくものと考えます。 以上の基本的な考え方に基づき、社会経済の大転換を実現するため、環境省では、脱温暖化社会の構築と循環型社会の構築を二本柱として施策を推進します。 第一に、脱温暖化社会の構築につきましては、二月十六日に京都議定書が発効し、国際社会は、地球温暖化防止に向けて新たな一歩を踏み出すことになりました。我が国は、地球温暖化防止京都会議の議長国として、議定書の六%削減約束を果たすことはもとより、技術の開発普及などの中長期的な視点に立った施策を推進し、他国に先んじて脱温暖化社会づくりを進めることが重要であると考えます。 このため、議定書の約束を確実に達成するための対策、施策等を盛り込んだ京都議定書目標達成計画を策定いたします。また、地域における再生可能なエネルギーの集中導入の支援や、温暖化対策に関する先端技術の開発と新しいビジネスの創出、自主参加型の国内排出量取引制度の創設、国民運動を大規模に展開するための集中的なキャンペーンの実施などに取り組みます。さらに、事業者からの温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度を導入するため、地球温暖化対策推進法の改正案を今国会に提出いたします。 環境税については、有力な追加的施策であると考え、昨年、環境省から具体案を公表し、これについてさまざまな場で議論していただきました。今後は、与党税制改正大綱と政府税制調査会答申の指摘をしっかりと受けとめ、また、京都議定書目標達成計画に掲げる対策、施策の実効性を確保する観点から、環境税について早急に検討を進めます。 国際的にも、京都議定書以後の将来約束についての交渉が本年から開始されます。すべての国が参加する共通ルールの構築に向け、各国との政策対話を進めるなど、積極的に貢献してまいります。 第二に、循環型社会の構築につきましては、ゴミゼロ社会の実現を目指し、廃棄物等の発生抑制と適正な循環利用を総合的かつ計画的に推進します。このため、有料化や分別収集に関するガイドラインの作成などを通じて一般廃棄物の減量化やリサイクルを推進するほか、容器包装リサイクル法の見直しに向けた検討を進めます。また、三位一体改革の議論も踏まえ、新たに循環型社会形成推進交付金を創設し、廃棄物処理・リサイクル施設や浄化槽の効率的、効果的な整備を推進するほか、PCB廃棄物処理事業の円滑な実施を図ります。さらに、大規模な不法投棄や廃棄物の不適正な輸出等への対応を強化し、より適切な事務処理体制を確立するため、廃棄物処理法等の改正案を今国会に提出いたします。 また、廃棄物の発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再生利用(リサイクル)のいわゆるスリーRの推進は、国際的にも重要な課題となっています。昨年六月のG8シーアイランド・サミットで小泉総理が提唱したスリーRイニシアチブを受けて、本年四月に我が国でスリーRイニシアチブ閣僚会合を開催します。この会合を契機として、アジア地域、そして世界にスリーRの取り組みを広げていきたいと考えております。 以上のような脱温暖化社会の構築と循環型社会の構築を推進するに当たっては、技術革新や国民一人一人の意識改革など、事業活動やライフスタイルの見直しを促すための基盤となる取り組みを進めることにより、社会経済の大転換をさらに加速させていきたいと考えております。 このため、地域、特に家庭や学校に焦点を当てた取り組みを推進していきます。具体的には、環境と経済の好循環を生み出す町づくりに取り組むほか、学校校舎におけるエコ改修事業や燃料電池導入への支援、家庭における環境教育の実施など、身近な暮らしにおける環境保全活動や環境教育を推進します。また、ナノテクノロジーの活用を初めとする環境技術の開発普及を推進するほか、環境ビジネスの育成、振興を図ります。 さらに、我が国の環境技術やライフスタイルの世界への発信や、アジアを中心とする環境協力の取り組みを積極的に展開することにより、環境分野における国際貢献を果たします。 自然と共生する社会の構築も重要な課題です。このため、環境保全、観光振興、地域振興を目指したエコツーリズムを推進するほか、国立公園等の管理体制を抜本的に充実強化するなど、自然と共生する地域づくりを進めます。また、温泉事業者による温泉の適切な表示を進めます。 さらに、昨年の通常国会で成立いたしました外来生物法の着実な実施に加え、外来生物の防除事業の実施、新たな世界自然遺産の登録など重要な生態系の保全、再生の推進、野生生物の保護管理と飼養動物の愛護管理の強化に取り組みます。 環境汚染を防止し、安全で安心できる社会を構築することも重要な課題です。自動車排出ガス対策については、世界最高水準の新車規制や大都市における特別な規制の実施、低公害車の普及促進に加えて、建設機械などのいわゆるオフロード特殊自動車からの排出ガスを規制するための法案を今国会に提出いたします。 また、ヒートアイランド化を防ぐ都市対策を推進するほか、顕著な改善が見られない湖沼の水質の保全を図るため、湖沼水質保全特別措置法の改正案を今国会に提出いたします。 さらに、化学物質による環境リスクの低減とリスクコミュニケーションの充実強化、公害健康被害の補償、予防の着実な推進、被害の未然防止の観点からの毒ガス対策の実施など、各般の施策を講じます。 水俣病については、来年、公式確認から五十年の節目を迎えます。環境省としては、平成七年の与党三党による政治解決や昨年の関西訴訟最高裁判決なども踏まえ、水俣病対策を今後とも一層着実に実施します。 二十一世紀に入り、国内外の社会経済は、ますますスピードを速めて変化を遂げています。こうした変化に対応した新しい環境政策の基本構想を示すため、現行の環境基本計画の見直し作業を進めます。 以上のような各分野における施策の実施に当たっては、国民、民間団体、事業者、地方公共団体など各主体との連携を、より確かなものとしていきます。とりわけ、六月の環境月間を中心とした広報活動の積極的な展開を通じて、あらゆる人々が環境問題に高い関心を抱き、問題意識を共有して環境保全の取り組みをともに進めていくことができるよう、努めてまいります。 また、地域の実情に応じた機動的できめ細かな環境行政を展開するため、現在の自然保護事務所と地方環境対策調査官事務所を統合し、本年十月に地方支分部局である地方環境事務所を設置します。このため、環境省設置法の改正案を今国会に提出いたしております。 二十一世紀が環境の世紀となり、持続可能な社会への変革を実現できるかどうかは、現在の私たちがどのように生きるかにかかっています。その分岐点に立つ私たちは、目先の利益を追うだけでなく、将来の地球のために何をなすべきかを考え、ためらわずに取り組んでいく責任があります。 環境をよくするための取り組みが適切に評価され、私たち一人一人が地球を守る担い手であることを実感できるような環境の国づくりを目指して、私は、これからも全力で取り組んでまいります。 委員各位におかれましては、環境行政の一層の推進のため、今後とも御支援、御協力を賜りますようお願いを申し上げます。(拍手)
○小沢委員長 以上で環境大臣の所信表明は終わりました。 次に、平成十七年度環境省所管予算及び環境保全経費等の概要について説明を聴取いたします。高野環境副大臣。
○高野副大臣 平成十七年度環境省所管一般会計予算及び特別会計予算について御説明申し上げます。 まず、一般会計予算では、総額二千三百五十五億七百万円を計上しております。 以下、その主要施策について御説明申し上げます。 第一に、地球環境保全対策については、二月十六日に発効した京都議定書の温室効果ガス六%削減約束の達成に向けた地球温暖化対策に取り組んでまいります。あわせて、与党税制改正大綱と政府の税制調査会答申を踏まえ、環境税について早急に検討を進めます。また、アジアを中心とする環境協力を含む地球環境保全対策の推進を図ることとし、これらに必要な経費として二百五十一億七千六百万円を計上しております。 第二に、廃棄物・リサイクル対策については、一般廃棄物の排出抑制の推進、廃棄物の適正な越境移動の確保や不法投棄の撲滅に向けた対策の推進などを図ることとし、これらに必要な経費として七十七億二千二百万円を計上しております。 また、新たに創設した循環型社会形成推進交付金などによる廃棄物処理・リサイクル施設や浄化槽の効率的、効果的な整備に必要な経費として一千七十八億四千七百万円を計上しております。 第三に、総合環境政策については、身近な暮らしにおける環境保全活動や環境教育、事業者の自主的、積極的な環境配慮の取り組みの推進などに必要な経費として九十億二千八百万円を計上しております。 第四に、自然環境の保全対策については、自然と共生する地域づくりや重要な生態系の保全、再生の推進、野生生物の保護管理と飼養動物の愛護管理の強化などに必要な経費として百六十三億六千九百万円を計上しております。 第五に、公害による健康被害者の救済等については、公害健康被害補償制度の適正かつ円滑な実施、水俣病対策や国内における旧軍毒ガス対策などの着実な推進に必要な経費として二百四十一億一千四百万円、大気汚染等の防止については、世界最高水準の自動車排出ガス規制の実施やヒートアイランド対策などの推進に必要な経費として二十一億二千四百万円、水質汚濁等の防止については、湖沼環境保全対策、土壌汚染対策などを進めるために必要な経費として二十三億六千二百万円、環境保全に関する調査研究、技術開発については、環境汚染の防止、地球環境の保全、廃棄物の適正な処理に関する調査研究、技術開発の推進に必要な経費として九十九億三千三百万円を計上しております。 第六に、本年十月に設置する地方支分部局におけるさまざまな環境施策の的確な実施に必要な経費として十八億九千九百万円を計上しております。 次に、特別会計予算については、地域における再生可能エネルギーの導入支援、産業、家庭、オフィス、運輸など各部門における対策、国民各界各層への普及啓発などの推進に必要な経費として、石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計に一般会計から二百三十三億円の繰り入れを行い、総額二百三十八億三千六百万円を計上しております。 以上が、平成十七年度環境省所管一般会計予算及び特別会計予算の概要であります。 次に、各府省の平成十七年度環境保全経費等の概要について御説明申し上げます。 まず、環境保全経費につきましては、平成十二年十二月に閣議決定をいたしました環境基本計画に盛り込まれた施策の効果的な実施に資する観点から取りまとめております。 平成十七年度における環境保全経費の総額は二兆三千六百五十四億円であり、前年度の当初予算に比べ二千百十八億円、八・二%の減となっております。 これを事項別に見ますと、地球環境の保全のために五千四百四十億円、大気環境の保全のために三千百四十二億円、水環境、土壌環境、地盤環境の保全のために九千二百三十一億円、廃棄物・リサイクル対策のために一千四百九十五億円、化学物質対策のために百三十一億円、自然環境の保全と自然との触れ合いの推進のために三千三百二十四億円、各種施策の基盤となる施策等のために八百九十二億円が計上されております。 次に、財政投融資計画における環境保全関係経費については、主なものとして、地方公共団体の下水道整備、廃棄物処理施設等の事業を推進するため、地方債計画において一兆八千六百八十八億円を予定しているほか、日本政策投資銀行等において地球環境対策、環境配慮型社会形成促進対策等所要の融資を引き続き行うこととしております。 以上、平成十七年度の各府省の環境保全経費等の概要につきまして御説明申し上げました。
○小沢委員長 以上で説明は終わりました。 次に、平成十六年における公害紛争の処理に関する事務の概要等について説明を聴取いたします。加藤公害等調整委員会委員長。
○加藤政府特別補佐人 公害等調整委員会が平成十六年中に行った公害紛争の処理に関する事務及び公害等調整委員会の平成十七年度歳出予算要求額について御説明申し上げます。 まず、公害紛争の処理に関する事務について申し上げます。 第一に、平成十六年に当委員会に係属した公害紛争事件は、福岡、佐賀、長崎、熊本の四県の漁民及び漁業協同組合連合会から国を相手方として申請のあった有明海における干拓事業漁業被害原因裁定申請事件、富山地方裁判所に係属中の出し平ダム排砂差しとめ等請求事件に関し、同裁判所から嘱託のあった富山県黒部川河口海域における出し平ダム排砂漁業被害原因裁定嘱託事件等合計十五件であり、これらのうち、平成十六年中に終結した事件は、同年四月に調停が成立した越谷市における印刷工場からの悪臭による健康被害責任裁定申請事件等五件であります。 そして、前述の富山県黒部川河口海域における出し平ダム排砂漁業被害原因裁定嘱託事件は、当委員会が裁判所から被害の因果関係の解明について嘱託を受けるという、裁判所が当委員会への信頼関係に基づき原因裁定嘱託制度を利用した初めての事件であって、大きな意義を有するものであります。また、平成十六年は、本事件や有明海における干拓事業漁業被害原因裁定申請事件のように、被害の原因解明に高度の専門的知見を必要とする事件が相当数係属したことに特徴があります。 以上のほか、水俣病損害賠償調停申請事件の調停成立後に申請人の症状に変化が生じたとして慰藉料額等の変更を求める事件が二件あり、現在鋭意手続を進めているところであります。 第二に、平成十六年に都道府県公害審査会に係属した公害紛争事件は九十三件であり、工場、事業所、道路及び廃棄物処理場に係る事件が多くなっております。これらのうち、同年中に終結した事件は五十件であります。 公害紛争処理法においては、当委員会と都道府県公害審査会はそれぞれが独立の機関として職務を遂行することとされておりますが、公害紛争の迅速かつ適正な解決のため、審査会との間に情報の提供や事件の引き継ぎ等において緊密な連携を図っているところであります。 第三に、平成十五年度における全国の地方公共団体の公害苦情相談窓口に寄せられた公害苦情は、調査開始以来初めて十万件を超え、十万三百二十三件に至っております。 これを苦情の種類別に見ますと、いわゆる典型七公害に関する苦情は約六万七千件で、それ以外の苦情は約三万三千件であります。 公害苦情につきましては、都道府県及び市区町村がその処理に当たっておりますが、当委員会としては、この事務を担当する職員の研修、苦情処理に必要な情報の提供等を積極的に行っているところであります。 続きまして、公害等調整委員会の平成十七年度歳出予算要求額について御説明申し上げます。 当委員会の歳出予算要求額は六億八百万円であり、これを前年度の当初予算額六億二千百万円と比較いたしますと、二・二%、千三百万円の減額となっております。 次に、その内訳でありますが、第一に、当委員会に係属する公害紛争事件の審理経費等として五億八千万円を計上し、第二に、公害紛争の処理を担当する都道府県公害審査会委員及び担当職員との連絡協議のための経費等として二千八百万円を計上しております。 以上が、公害等調整委員会の平成十七年度歳出予算要求額の概要であります。 公害等調整委員会といたしましては、今後とも、これらの事務を迅速かつ適正に処理するため、鋭意努力してまいる所存でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。
○小沢委員長 以上で説明は終わりました。 次回は、来る二十三日水曜日午前九時理事会、午前九時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十二分散会