法務委員会 第1号
- 発言数
- 88 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2004/10/26
会議録
○委員長(渡辺孝男君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨二十五日までに、今泉昭君、小野清子君、秋元司君、竹中平蔵君、岩井國臣君、中川義雄君及び浜四津敏子君が委員を辞任され、その補欠として簗瀬進君、山東昭子君、関谷勝嗣君、鶴保庸介君、尾辻秀久君、荒井正吾君及び遠山清彦君が選任されました。 ─────────────
○委員長(渡辺孝男君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、法務及び司法行政等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(渡辺孝男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(渡辺孝男君) この際、南野法務大臣、滝法務副大臣及び富田法務大臣政務官から発言を求められておりますので、順次これを許します。南野法務大臣。
○国務大臣(南野知惠子君) あいさつ申し上げます前に、一言お許しいただきたいと思います。 新潟県中越地震で被災された国民の皆様に対し、心からお見舞い申し上げます。 法務省の所管する施設等においても被害が発生いたしておりますが、その回復に万全を期してまいりたいと考えております。 あいさつに入らせていただきます。 このたび、法務大臣に就任いたしました南野知惠子でございます。 近年、多くの凶悪・重大事件が続発していることに心を痛めておりましたが、そのような折に法秩序の維持、国民の権利擁護等を任務とする法務省の長を担当することとなり、その責務の重大さを痛感いたしております。平素から法務行政の運営について格別の御尽力を賜っております委員長を始め委員の皆様方に厚く御礼申し上げるとともに、私の法務行政に対する思いの一端を述べさせていただきたい。 現下の緊急課題は、安全な社会の実現、維持に取り組むこと、つまり治安の回復です。 我が国の刑法犯認知件数は依然として戦後最高水準で推移している上、凶悪殺傷事犯や少年による重大犯罪が続発し、来日外国人による犯罪も多発しております。一方で、刑法犯検挙率は過去最低の水準に落ち込んでおり、我が国の治安は正に危機的とも言うべき状況にあると言わなければなりません。 まず、このような我が国の治安情勢の悪化に対し、国民の不安を解消するためには、早期に犯人を検挙し、厳正な処罰をし、さらに、犯罪者に対し改善更生のための教育を施して、その円滑な社会復帰を図るという刑事司法システムが十全に機能することが不可欠の前提です。このため、各種法令等の整備を図るとともに、検察、矯正、更生保護の刑事司法システムを支える治安関係部門についてはもとより、関係する入国管理、公安調査庁等についても、その組織、職員を充実し、より強固な体制を整備することが急務であります。 法整備につきましては、犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案が継続審議とされているところですが、さらに、凶悪・重大犯罪に対処するため、刑法等の一部を改正する法律案を今国会に提出させていただきました。速やかに成立させていただきますようお願い申し上げます。 これに加え、人身取引等に対する罰則整備及び少年の保護事件に係る調査手続等の整備について法制審議会に諮問を行っているところであります。今後、その答申を受け、法整備を行ってまいります。 次に、治安の再生のためには厳格な出入国管理の実施も必要不可欠です。法務省においては、二十五万人に上る不法滞在者を今後五年間で半減するため、厳格な水際対策や不法滞在者の取締りを強化しているところであり、今後、リエゾンオフィサーの派遣、プレクリアランスの実施、セカンダリー審査の導入、バイオメトリックスを活用した出入国審査の実施等種々の対策を講じるなど、更なる出入国管理体制の充実強化に努めてまいります。 さらに、国際的な反テロの努力にもかかわらず、依然として国際テロの脅威は深刻であり、我が国に対しても、イラクの自衛隊派遣に反発する国際テロ組織等によるテロが行われる可能性を否定できません。加えて、北朝鮮の動向が我が国の安全に与える影響も見過ごせないことから、公安調査庁においては、内外の関係機関との情報協力を深めるなど情報網の整備拡充に努めるとともに、情報収集・分析の充実強化にも一層努力してまいります。 また、オウム真理教については、現在もなお、麻原彰晃こと松本智津夫の強い影響下にあると認められることから、国民の不安を解消するためにも、引き続き団体規制法を適正に執行していく必要があると考えております。 また、刑務所等の行刑施設においては、平成十六年八月末日現在、受刑者数が約六万四千人、収容率一一七%に達するなど、その過剰収容状態は極めて深刻であることに加え、外国人や高齢受刑者の特別の配慮を要する被収容者も増加しております。このため、今後とも、受刑者の円滑な社会復帰のための処遇の充実を図るとともに、所要の要員及び経費の確保に努め、あわせて、PFI手法を活用した刑務所等の新設を含め、更に大規模な収容能力拡充のため施設整備に努めてまいります。 保護観察においても、事件数の増大と相まって、凶悪粗暴事犯者や再犯の可能性が高い薬物乱用者など、特段の配慮を要する困難な事案が多くなっております。再犯を防ぐ最後の支えである更生保護の機能強化を図るため、保護観察官、保護司、更生保護施設等の体制を一層充実させる必要があります。 次に、司法制度改革についてです。 国民にとって身近で頼りがいのある司法制度を構築するため、司法制度改革推進本部を中心に、政府を挙げて改革の実現に取り組んでいるところですが、いよいよ司法制度改革推進本部の設置期限も十一月末日に到来いたします。民事訴訟費用等に関する法律の一部を改正する法律案が継続審議とされているところですが、さらに裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律案及び裁判所法の一部を改正する法律案を今国会に提出させていただきました。速やかに成立させていただきますようお願い申し上げます。 そして、今後は、司法制度改革において成立した法律に基づく制度、特に裁判員制度やいわゆる司法ネットを円滑に導入し、実効的に運用していくという重要な課題が残っております。私は、国民が司法に求める声に耳を傾け、そのニーズにこたえていく姿勢をもって、この課題に全力で取り組む所存です。 そして、行刑改革についてです。 既に御承知のとおり、昨年十二月、民間の有識者から成る行刑改革会議から、国民に理解され、支えられる刑務所を作ることを主眼とする提言をいただきました。監獄法の改正など、行刑改革に向けた課題は山積しておりますが、私は、この提言が行刑行政のあるべき姿、方向性を示したものであるとの認識に立ち、これを真摯に受け止め、森山元大臣、野沢前大臣の作り上げた路線を歩み、不退転の決意を持って改革に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、民事基本法整備についてです。 平成十三年から取り組んできた民事基本法整備は着々と成果を上げております。 今国会におきましては、継続審議とされている民事関係手続の改善のための民事訴訟法等の一部を改正する法律案に加え、個人保証人の保護を図るための法整備と民法の表記を片仮名から平仮名に改めることを内容とする民法の一部を改正する法律案及び動産譲渡を登記によって公示する制度を創設することなどを内容とする債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律の一部を改正する法律案を提出させていただきました。速やかに成立させていただきますようお願い申し上げます。 さらに、最近の市町村の廃置分合等に伴い下級裁判所の管轄区域の表示の整備を行うことなどを内容とする下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案を今国会に提出させていただきました。速やかに成立させていただきますようお願い申し上げます。 この登記所備付地図の全国的な整備、今なおこのほか、登記所備付地図の全国的な整備、今なお後を絶たない人権に関する諸問題への対応、心神喪失者等医療観察法の円滑な施行、さらには、刑事司法に関する国際協力及び民事商事分野におけるアジアの国々に対する法整備支援の推進など、法務行政の抱える課題は少なくありませんが、誠心誠意取り組んでまいる、まいりたいと考えています。 委員長を始め委員の皆様の御理解と御指導の下、法務大臣として、力強い指導力を発揮し、国民のために積極的に諸課題に取り組む決意であります。このたび新たに就任した滝副大臣及び富田大臣政務官とともに全力を尽くしてまいる所存ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
○委員長(渡辺孝男君) 滝法務副大臣。
○副大臣(滝実君) 法務副大臣を仰せ付かっております滝実でございます。 ただいま南野法務大臣から所信をお述べいただきましたけれども、大臣の趣旨にのっとりまして、一生懸命頑張ってまいります。 つきましては、富田法務大臣政務官とともに、南野法務大臣を補佐して、最大限の努力をしてまいりたいと存じております。 委員長を始め委員の皆様方の一層の御指導、御支援を賜りまして重責を果たしてまいりたいと考えておりますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。
○委員長(渡辺孝男君) 富田法務大臣政務官。
○大臣政務官(富田茂之君) 法務大臣政務官の富田茂之でございます。 弁護士の経験を生かしまして、南野法務大臣、滝法務副大臣をしっかり補佐し、国民の安全と権利を守り、国民の声に誠実にこたえる法務行政の確立を目指して、全力を尽くしてまいります。 渡辺委員長を始め、理事、委員の皆様方の御指導、御支援をよろしくお願いいたします。 ─────────────
○委員長(渡辺孝男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に法務大臣官房司法法制部長寺田逸郎君、法務省民事局長房村精一君及び法務省刑事局長大林宏君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(渡辺孝男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(渡辺孝男君) 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。南野法務大臣。
○国務大臣(南野知惠子君) 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の別表について所要の改正を行おうとするもので、以下簡単にその要点を申し上げます。 第一点は、簡易裁判所の管轄区域の表示の変更でございます。 山口県厚狭郡楠町の同県宇部市への編入合併に伴い、厚狭郡楠町に設立されている船木簡易裁判所と宇部市に設立されている宇部簡易裁判所の管轄区域の範囲を従前どおり維持するため、船木簡易裁判所及び宇部簡易裁判所の管轄区域の表示について変更を行おうとするものでございます。 第二点は、簡易裁判所の名称の変更でございます。 裁判所の名称は、その所在地の市町村の名称を冠するのを原則としておりますので、新潟県南魚沼郡六日町及び同郡大和町を廃し、その区域をもって南魚沼市が置かれることに伴い、六日町簡易裁判所の名称を南魚沼簡易裁判所に変更するなど、計十一庁の名称を変更しようとするものでございます。 第三点は、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の別表の整理でございまして、市町村の廃置分合等に伴い、同法別表第四表及び第五表について必要とされる整理を行うものでございます。 以上が下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨でございます。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに可決くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(渡辺孝男君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉田博美君 自由民主党の吉田博美でございます。 質問に先立ちまして、度重なる台風並びに新潟県中越地震の、おきましてのお亡くなりになった方に対しまして、心からお悔やみ申し上げ、また被災者の皆さん方に対し、心からお見舞いを申し上げる次第でございます。 さて、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案についてお尋ねをいたします。 現在、全国四十七の都道府県におきまして合併協議が進められている中で、十月一日には二十三の新たな市や町が誕生いたしました。そして、今月じゅうには五つ、十一月一日には十九の新たな市や町が誕生すると聞いておるわけでございますが、そうした合併ラッシュの中で新しい宇部市が誕生したわけでございますが、この宇部市の誕生に伴いまして、簡易裁判所の名称、所在地、管轄表示を改めるなどの改正案が提出されたわけでございまして、この点についての幾つかの質問をさしていただきたいと思います。 まず、この改正案が成立しないと裁判所の管轄にどのような不都合が生じるのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(寺田逸郎君) この法律の改正案の最も重要なポイントとなりますところは、委員が先ほど御指摘になられましたうちの宇部市に厚狭郡楠町、山口県でございますが、厚狭郡楠町を合併するという部分の簡易裁判所の管轄の表示の変更でございます。 実は、この厚狭郡楠町の宇部市への編入合併というのは今年の十一月一日ということが予定されておりまして、仮にこの十一月一日までに法改正が行われないということにいたしますと、現在の管轄法の第三条の規定によりまして言わばいわばこの厚狭郡の楠町が宇部簡易裁判所の管轄区域に組み込まれてしまうということになるわけでございます。ところが、現在厚狭郡楠町を管轄いたしております船木簡易裁判所というのは正にこの厚狭郡楠町に所在するわけでございますので、この厚狭郡楠町においでになる方々というのは地元のこの裁判所を利用することができないという事態になってしまうわけでございます。 そこで、皆様の御意向等もいろんな形でお伺いいたしまして、従前どおりこの地域の方々が船木簡易裁判所を御利用することができるようにすると、これが最大の眼目でございまして、これを十一月一日までに実現していただきたいと、このような趣旨でございます。
○吉田博美君 住民の利便性を確保するという点だと思うわけでございますが、この改正案において山口県厚狭郡楠町の住民の意向は具体的にどのようにして把握されたのでしょうか。また、船木簡易裁判所の管轄区域である美祢市、小野田市、山陽町の住民の意向はどうだったのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(園尾隆司君) まず、楠町の意向の把握についてでございますが、楠町を船木簡裁の管轄区域にとどめるべきか、あるいは宇部簡裁の管轄区域に移すべきかということにつきまして、山口地方裁判所を通じまして楠町に対して意見照会をいたしました。その結果、楠町から、船木簡裁の管轄区域にとどまるのが相当であるという御意見をいただきました。 また、船木簡裁の管轄区域内にある楠町以外の市及び町、具体的には美祢市、小野田市及び山陽町の三つの市と町でございますが、これらの市及び町に対しましても楠町を船木簡裁の管轄区域にとどめることについての支障の有無を照会いたしました。これは山口地方裁判所を通じて照会いたしましたが、いずれの市あるいは町からも支障がないという回答をいただいております。
○吉田博美君 この改正案では宇部市に二つの簡易裁判所が存在することになりますが、現在行政のスリム化が叫ばれる中で、住民の利便性との関係では非常に難しい問題だと思いますが、そこでお伺いいたしますが、簡易裁判所の設置基準や統廃合の考え方はどうなっているのでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(園尾隆司君) 簡易裁判所の設置基準につきましては、人口動態、事件数の動向、交通事情等の数値化できる要素を検討するということに加えまして、IT技術の向上、統合による事件の迅速処理の可能性、あるいは歴史的ないし沿革的な事情その他の数値化し難い事情も勘案いたしまして、総合的な利便性をより向上させるという見地から検討をすべきものであるというように考えております。 今回、宇部市内に二つの簡易裁判所が存在することとなりましたが、これは従来二つの裁判所が違った市及び町内にあったものが行政区画の変更によりまして同一市内に併存するということになったものでありまして、その事件数、管轄区域の範囲、付近の交通事情等も考慮いたしてもこの体制を維持するのが相当というように考えたものでございます。
○吉田博美君 ところで、簡易裁判所の名称は所在地の市町村名を頭に付けるのが原則だと聞いておりますが、この改正案では名称を変えずに所在地の変更だけのものがありますが、その理由をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(寺田逸郎君) 今御指摘の簡易裁判所の名称でございますが、これは法令等で特にこうすべきであるということが決まっているわけではございません。したがいまして、現在までのところは、その利用者であられる国民の皆様のいろんな御意向、利用の便宜等を考慮いたしまして、大体は所在地の市町村の名称を冠するということが通例でございますので、そのようにいたしているわけでございます。 今回も、基本的に簡易裁判所の名称を変更するとした部分はいずれも地元の住民の御意向を反映いたしまして地元の市町村の名前を付けているわけでございますが、ただ、現在の名称を引き続き使用するという御意向が強い部分、これは例えば丹波の柏原簡裁などがその例でございますけれども、そういったところにおいては現在の名称をそのまま維持するなどの事情で所在地の地名と簡易裁判所の名称が異なっていると、このようなことが生じているわけでございます。
○吉田博美君 丹波もそうでありますが、島根の西郷もそうじゃないかと思うんですけれども。 さて、現在全国で多くの、先ほど来申し上げましたように市町村合併が進んでおるわけでございますが、この管轄法は市町村合併に伴いその都度法改正をする必要があるのかどうかお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(寺田逸郎君) 先ほど委員からも御紹介がありましたように、現在非常に大規模に市町村の合併が進められております。今後も約六百の市町村でそれにかかわる事柄というのがいろいろ協議されているというふうに私どもも承知いたしております。 ただ、この裁判所の管轄に関しましては、基本的に管轄法の第三条という規定がございまして、そこで行政区画の地理的な変更に対応する形での原則的な処理というのは可能になっております。したがいまして、原則としては、今後市町村の合併がありましてもこの簡易裁判所の管轄区域の変更というのは来さないという御理解をいただきたいと思います。もちろん例外は全くないわけではございませんけれども、今のところはそう大規模な形でまたこのような措置が必要になるということは予想いたしておりません。
○吉田博美君 この改正案の内容を見ますと、宇部市のように管轄区域を見直す部分と形式的に表示を改める部分とありますが、そもそも裁判所の管轄区域を法律で定めることとしている理由は何なんでしょうか。
○政府参考人(寺田逸郎君) これは、なるほど簡易裁判所というのは非常にたくさん存在するわけで、またいろいろな市町村をカバーする範囲というのも区々入り組んでいる場合もございますので、この改正というのが必要になってくるというふうに一見してお考えになられると思います。 しかしながら、原則といたしまして、この簡易裁判所というのはそれぞれ独立いたしておりまして、それぞれがそれぞれの区域の国民の方、住民の方と向き合っているわけでございます。そういう国民の権利の擁護に直接タッチする機関ということで、やはりこの管轄というのは法律でお決めいただくというのが適当だろうと今までは考えてきておりまして、誠に、時には煩わしい形になるかもしれませんが改正をお願いいたしているわけでございます。
○吉田博美君 国会が閉会中等で法改正が間に合わず、住民に不便を強いる場合が生じることも考えられます。法改正をしなくてもいいような措置、例えば政令にゆだねるなどの方法を検討する必要があるのではないでしょうか。
○政府参考人(寺田逸郎君) ただいまおっしゃいましたように、これまでも時々このような改正をお願いしている関係上、政令あるいは最高裁規則で行ってはどうかという御疑問もおありになるわけでございます。 ただ、先ほど申しましたように、一つ一つの簡裁を取ってみますと、あくまでそこの地域の住民の方のアクセスをどう、裁判所へのアクセスをどう確保するかという非常に重要な問題でございますので、私どもはできるだけ御不便をお掛けしないような形で今回のような措置をお願いするというのを原則にいたしたいと、このように考えているわけでございます。
○吉田博美君 簡易裁判所の件でございますが、簡易裁判所も取扱対象事件がかなり拡大をされておりまして、今後ますますその機能を果たしていくことがあると思いますが、昨年、簡易裁判所では法務大臣の認定を受けた司法書士による訴訟代理業務、関係業務が可能になったと聞いておりますが、現在、何人くらいの司法書士が法務大臣の認可を受けたのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(寺田逸郎君) 今おっしゃられました、司法書士法第三条第二項第一号という規定に基づきまして法務大臣が指定する研修を修了した司法書士で、その第二号の簡易、簡裁訴訟代理関係業務を行うのに必要な能力を有すると、このように法務大臣が認めました数の総数でございますが、約八千七百名になっております。
○吉田博美君 時間の関係もございますので、大臣に最後にちょっと質問をさせていただきたいと思いますが、これは大臣あいさつの中にもございましたが、国民は今後も司法制度の改革を切に望んでおると考えますが、司法制度改革に取り組む大臣の決意のほどをお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(南野知惠子君) 自由かつ公正な社会の実現のためには、その基盤となる司法制度を、新しい時代にふさわしく、国民にとって身近なものになるようにと改革していくことを欠かすことができません。このような意味で、今行っております司法制度改革は歴史的にも大変に重要な意義を有する改革であると考えております。 私は、司法制度改革推進本部の副本部長として、また司法制度を所管する法務大臣として、司法制度改革の実現のため最大限の努力を尽くしてまいる考えでございます。
○吉田博美君 大臣の決意のほどをお伺いしたわけでございますが、私も参議院議員になりまして三年ちょっとでございますが、大臣と一緒に議員活動をさせていただく中で、大臣の三年ちょっとの議員活動を私なりに、すべてではございませんが、拝察をする中で、本当に家庭のいろいろな問題、DV法を始め、あるいは身近な問題に真摯に取り組んでいる姿勢に私も敬意を表する一人でございます。 今大臣に対する批判もあるわけでございますが、その批判には、大臣ですから謙虚に耳を傾けていただけることと思いますし、なお大臣、大臣が今までやってこられた議員活動、自信と誇りを持ってこれからも法務大臣として職責を全うしていただきたいと思いますので、頑張ってください。 質問を終わります。
○前川清成君 七月の選挙で奈良県選挙区から当選させていただきました前川清成でございます。 本年の三月十六日に民主党の公認をいただくまで政治とは一切かかわっておらず、その意味では政治の素人でありますが、先輩諸賢の御指導を仰ぎながら政治家として大成してまいりたい、かように考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。 まず、冒頭、今年の度重なる台風、豪雨、そして今般の新潟県中越地震の被災者の皆様方に衷心よりお見舞いを申し上げます。 つきましては、大臣、法務省におかれましても、例えば地震に伴う地すべり等境界の紛争が発生する可能性があろうかと存じますが、被災者の方々の立場に立って、法務省におかれても被害回復に向けて万全の努力を、御努力をお願いしたい、かように考えております。 さて、船木簡裁の管轄区域についてですが、利用者の利便性を十分に御考慮いただいた結果だとは思いますが、船木簡裁の位置が管轄区域の東の端に偏っていて利用者に不便はないのでしょうか。例えば、JRの美祢駅からでも直線でおよそ二十キロ離れております。簡裁も本来はその管轄区域の中心に位置するべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(園尾隆司君) この船木簡易裁判所の現在の位置につきましては、沿革上の事情がまずございまして、ここが現在の宇部の簡易裁判所よりも早くから裁判所の所在地となったというような、そういう事情がございます。 そういうことでここに簡易裁判所が置かれたわけですが、後に、宇部の近辺というのが大変人口の増加がしてくるということで宇部の簡易裁判所というのができたというようなことがございまして現在の位置にあるわけでございます。その後、これを改めて場所を移すかどうかという問題につきましては、関係の様々な方々の御意見にもよるというように考えておりまして、現在は、この沿革上の事情を尊重してこの位置で所在をすることにしておるということになります。
○前川清成君 法務大臣にお伺いいたしますが、簡易裁判所というのは市民にとってどのような存在であるべきなのか。私は、市民が簡易な紛争を迅速に手軽に解決できる、そんな存在であるべきだというふうに考えておりますが、大臣はいかがでしょうか。
○国務大臣(南野知惠子君) 議員おっしゃるとおりでございます。簡易裁判所は、国民に最も身近な裁判所として比較的軽微な事件を簡易迅速に解決する、そういうことを目的といたして設立された裁判所であると存じております。
○前川清成君 これに対して、実情なんですけれども、簡易裁判所の主な利用者はだれかということをお伺いしたいと思います。生活者や消費者、いわゆる普通に市民と呼ばれる人たちが簡易裁判所を利用しているのかどうか、この点お伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(高橋利文君) 民事訴訟につきまして、そういういろいろ、業者でありますとか、どのような者が事件を申し立てているかにつきましては、必ずしも、統計を取ることが難しくございまして、具体的な数値は把握できておりません。
○前川清成君 大臣以外の方がお答えいただいてもいいんですけれども、時間の無駄のならないように中身のある議論をしたいと、このように思っています。 最高裁が出している平成十五年の司法統計年表、これでも、簡裁の民事新受件数が三十三万七千二百三十一件、うち三十二万九千六百二十一件が金銭を目的とする訴えに分類されています。実に九七・七%がサラ金やカード会社による取立訴訟として利用されている、この実態をまず指摘したいと思います。 それと、今の答弁はこれまでの最高裁の説明と明らかに矛盾しています。 平成十四年の五月二十八日に司法制度改革推進本部で司法アクセス検討会が行われました。その議事録は官邸のホームページでも見ることができますが、その中で、推進本部の事務局から、簡易裁判所の民事訴訟の実情についてと断った上で、簡易裁判所の民事訴訟における、民事訴訟については、クレジットとかカードローンなどの金融業者の債権回収に係る訴訟については、通常、立替金、求償金、貸金といった事件名になっているというふうに説明しておられます。その際には司法改革推進本部の山崎潮事務局長も同席しておられますが、この方は裁判所の方なはずです。 じゃ、この山崎さんというのはうその説明をしたのですか、お答えいただきたい。
○最高裁判所長官代理者(高橋利文君) お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたように、具体的な統計を原告がだれかという観点からは取っておらないわけでございますが、事件類型、委員御指摘のとおり、事件類型に応じた統計、すなわち貸金請求事件や立替金、求償金請求事件等の新受件数の統計は取ってございます。 それによりますと、平成十五年における簡易裁判所の民事通常訴訟の新受事件全体に占める貸金請求事件の割合は約四五%、立替金、求償金請求事件の割合は約二二%となっております。要するに、事件全体の約七割弱が貸金請求事件、立替金、求償金請求事件でございます。そして、この種事件につきましては、委員御指摘のカード会社等の提起する事件が相当多くの割合を占めているというのが簡易裁判所の実務を担当している者の実感であるというように聞いております。
○前川清成君 もう時間の無駄ですので、これからは専ら大臣と議論させていただきたいと思います。 大臣は、簡易裁判所にあるいは裁判所に傍聴に行かれたことがあるでしょうか。もしなければ、裁判というのはいつでも傍聴することができますので、是非、役所が設定した傍聴の機会じゃなく、御自身で足を運んでいただきたい、こんなふうに思います。もしよろしければ私がお供いたします。 朝十時に簡易裁判所の法廷に行っていただければ、原告の側にはサラ金やカード会社ばかりが並んでいます。そして、被告の側にはその高利の金を返せなくなった消費者の方やその保証人の人々が並んでいます。簡易裁判所というのは専らサラ金やカード会社の取立て機関になっています。このような現状について私は異常だと考えますが、大臣はいかがでしょうか。今の状況は、法と正義が、法と正義を実現する場所としての裁判所にふさわしくない、私は考えておりますが、大臣の見解をお聞かせいただきたいと思います。大臣。
○国務大臣(南野知惠子君) 裁判所は、ついこの前、最高裁判所でございましたが、傍聴させていただきました。──東京地裁です。
○前川清成君 今の点で、簡易裁判所に行かれると、サラ金やカード会社ばっかりが取立てのために使っている。この簡易裁判所の現状について、大臣のお考えがあれば是非お聞かせいただきたいと、こう思います。大臣のお考えを。
○国務大臣(南野知惠子君) これから実態を勉強させていただき、そのことを追求していきたいと思っております。
○前川清成君 簡易裁判所がサラ金など高利貸しの取立てのために使われるのは、実体法の問題として、私は利息制限法や出資法の制限利息が高過ぎるのではないか、こんなふうに考えておりますが、大臣はいかがでしょうか。
○国務大臣(南野知惠子君) 利息制限法の上限利率の在り方につきましては、その定め方いかんによっては経済社会に及ぼす影響が大きいものと考えられます。このため、経済・金融情勢、金融機関や貸金業者による貸付けの実情など十分考慮した上、その見直しの必要性を慎重に検討する必要があると考えております。 なお、平成十五年のいわゆるやみ金融対策法の附則では、出資法の上限利率について施行後も必要な見直しを行うものとされておりますことから、その動向も参考にしつつ、利息制限法の上限利率につきましても今後見直しを検討していきたいと思っております。 さらに、支出法につきましては、出資法ですね、今おっしゃったのは出資法、につきましては、御指摘のような御意見があることは承知いたしておりますが、この上限金利については、法律の附則で「必要な見直しを行うものとする。」とされておりますので、法務省としまして、これに備えて、国会等における種々の御議論を見守りつつ、必要な調査を行ってまいりたいと考えております。
○前川清成君 今大臣が利息制限法の見直しに言及していただいた点には敬意を表したい、このように思います。 それで、今大臣が制限利息に関しては金融情勢も勘案しながら適宜判断していく、こういうふうにおっしゃっていただきましたので、金融情勢についてこれから申し述べたいと思います。 今、私たちがとらの子のお金を定期預金いたしましても、〇・〇二%しか金利が付きません。普通預金であれば〇・〇〇一%であります。ところが、出資法においては、高利貸しは二九・二%まで金利を取ることが認められています。二九・二%というのは、定期預金金利〇・二%のおよそ千五百倍、普通預金金利の三万倍であります。これでは高利貸しをはびこらせることになって、物作りなど勤労に対する尊敬を奪いかねないのではないかと、このように考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(滝実君) 委員御指摘のとおり、現在の利息制限法あるいは出資法等において定められております金利につきましては、大変、一般の預金金利から比べると全く次元を異にするような高さにあることは申すまでもないわけでございます。 そのため、実はこの利息につきましては、かつて四〇・〇〇四%というふうに決められておりましたものを平成十五年に、まあとにかく現在の状況に比べて大変高いということで、現行の二九・二%というものを基準に引き下げたというような経緯があるわけでございまして、基本的にそのときの議論からいたしますと、なぜそういうふうな高い金利で妥協したかと、こういうことになるわけでございますけれども、基本的にこの貸金業者の資金コストというものも考えなければいけない、あるいは貸金業におけるリスクと申しますか、言わば預金保証みたいな、貸倒れ保証みたいな、そういうようなものも当然コストとして掛かってまいりますので、そういうことの中で言わば四〇・〇〇四%から二九・二%というような基準のところに落ち着いたというのが、改正は十一年ですか、それが実態でございます。 そういうようなことで、今大臣から申し上げましたように、そうは申しましても、これから業者から、業者における言わば資金コストがどうなるのか、あるいはリスクコストがどうなるのか、そういうことをフォローしながらこの問題に取り組んでいくというような実情にあるものと承知をいたしているわけでございます。
○前川清成君 今、滝副大臣から丁寧な御説明をいただきましたけれども、誠に恐縮ながら、滝副大臣の調達コストや貸倒れリスクに関する御説明が的外れであることを御指摘申し上げたい、こんなふうに考えます。 と申しますのも、警察庁の発表では、平成十五年、あの阪神大震災の死者を上回る八千八百九十七名もの方が経済苦を理由に自殺をしておられます。その一方で、例えば武富士は一千九百五十五億円、アコムは一千四百六十七億円もの申告所得を得ております。このサラ金二社の申告所得は、例えば東海道新幹線を走らせているJR東海の一千三百六十六億円という申告所得より多いわけであります。 今、調達コストのことをおっしゃいましたけれども、大手サラ金業者は今、長プラ程度で調達することができると聞いております。貸倒れリスクあるかもしれませんが、今現に御指摘申し上げたような莫大な利益を得て、その陰で八千八百九十七名もの方が経済苦を理由に自殺しておられる。やはり、この高金利によってサラ金が莫大な利益を得ている今こそ、出資法そして利息制限法の制限利息、金利を見直さなければならない、こんなふうに考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(南野知惠子君) 高利の金利をめぐりましては、種々のトラブルが発生しております。平成十五年のいわゆるやみ金融対策法の制定など、必要な対策が講じられているのは承知しております。今後とも、問題状況の把握に努める必要があると考えております。 金利の引上げの当否については、引下げ、金利の引下げの当否については、諸般の事情を総合的に考慮して判断していきたいと考えております。
○前川清成君 この高利金利の問題につきましては、私自身も引き続き勉強してまいりたい、このように考えておりますが、今日、大臣がごあいさつの中で、私は、国民が司法に求める声に常に耳を傾け、そのニーズにこたえていく姿勢をもって課題に全力で取り組みますと、このように御表明されました。大臣に投票された有権者の皆さん方が、あるいは市民の皆さん方が、このサラ金やカード会社の高金利を野放しにしていいと考えておられるのかどうか、いま一度御再考いただいて、この問題についても取り組んでいただきたい、このように考えます。 それで、時間もありませんので、最後に簡易裁判所の司法委員制度についてお尋ねしたいと思います。 簡易裁判所には司法委員という方々が働いておられますが、この方々がどういう役割をしておられるのか、時間がありませんので手短にお願いいたします。
○最高裁判所長官代理者(高橋利文君) 司法委員制度は、戦後、国民の司法参加の一つとして、一般国民の健全な良識を簡易裁判所の民事訴訟手続に反映させることなどを目的として導入された制度でございます。 法律上、司法委員に選任される者の資格につきましては、良識のある者その他適当と認められる者の中から選任することとなっておりまして、実際には和解の補助、それから裁判において立会い、裁判に立ち会いまして裁判官に意見を述べるというようなことをやっております。
○前川清成君 先ほど申し上げたように、簡易裁判所においては九七・七%がサラ金やカード会社の取立てのために使われております。そして、司法委員の方々が、その初回弁論が始まる前にいわゆる和解の仲立ちをしておられますけれども、その司法委員の方々が、今役所の方から常識のある方を任用しているんだと、こういうふうな御説明がありましたが、法律について御存じなのかどうか、特に利息制限法等について御存じなのか。 私たちの感覚では、司法委員というのはサラ金の主張をそのままにして、すなわち利息制限法に違反している請求をそのまま認めておいて、ただ分割払の回数だけ決めている、こんなふうな認識があるんですが、司法委員の研修やあるいは利息制限法の遵守等について手短にお答えいただいて、私の質問を終わらせていただきます。
○最高裁判所長官代理者(高橋利文君) 調停委員はどういう方から選ばれているかと申し上げますと……
○前川清成君 司法委員です。
○最高裁判所長官代理者(高橋利文君) あっ、ちょっと、失礼いたしました。司法委員……
○前川清成君 今、もう聞いたから結構です。
○最高裁判所長官代理者(高橋利文君) はい。実際には調停委員としての相当経験豊かな方の中からかなり選ばれております。 ですから、その研修につきましても、まず、なりますと、一回、最初に研修を行う。そこでは、委員御指摘の利息制限法、民法、そういった実体法の知識はもとより、手続法についても研修を年に一回、あるいは行っております。
○木庭健太郎君 まず、新潟中越地震並びに度重なる台風、本当に被災された方々に心からお見舞い申し上げるとともに、法務省は法務省として取り組まなければいけない課題あると思います。それはそれとしてきちんと取り組んでいただきたいことを御要望し、そして大臣、滝副大臣、それぞれ御答弁ありましたから、じゃ、富田政務官に一言答弁の機会を。 是非、国民にとって身近で頼りがいがある司法、また法務行政を実現させるために重要なことというのは、ともかく国民の皆さんがタイムリーにこの司法、こういうものを、情報提供ということが一番大事だと思うんですけれども、分かりやすい司法という観点からどのようにお考えか、お聞きしておきたいと思います。
○大臣政務官(富田茂之君) 御質問ありがとうございます。 委員も御承知のとおり、司法制度改革審議会意見書におきましては、「基本法制の改正の早期実現に期待するとともに、司法の運用もまた国民の視点に立った分かりやすいものとする配慮がなされることが望まれる。」というふうにされております。司法を国民の視点に立った分かりやすいものとすることが必要であると法務省としても考えております。 また、法務省といたしましては、司法を国民の視点に立った分かりやすいものとする観点を踏まえて、基本法制の改正作業を引き続き進めるほか、司法制度に関する情報の分かりやすい伝え方についても、国民からの御意見も真摯に受け止めながら、関係省庁と連携を図り、必要な検討を行ってまいりたいと考えております。 また、司法分野について国民の皆様に御理解をいただき、日常生活においても十分な法意識を持って行動していただくとの観点から、文部科学省とも連携して行っております法教育や法的な紛争解決に関する広報活動の普及にも努めてまいりたいと考えております。
○木庭健太郎君 そういう意味で、今回の一つのこの管轄区域の法案の問題にしてみても、地元住民、地元のいろんな御意向もお聞きしながら要望をしっかり踏まえた措置だということで、これはこれで理解はできるんですけれども、今後も、分かりやすい司法という意味でいけば、そういう、どういうところに受皿があるかという問題、地域とよく協議しながらやるということは大事だと思っているんですが。 実は、東京の地裁、家裁、八王子支部ですか、この立川市の移転について何か八王子市が反対すると、何かちょっとトラブっているようでございますが、この移転にかかわる経緯、移転を必要とする理由、簡単に御説明いただきたいと思うんです。
○最高裁判所長官代理者(園尾隆司君) 東京地家裁八王子支部では、これまで事件数の増加が著しいということで、これに対処するために数度にわたって庁舎の増改築を行ってまいりました。しかしながら、度重なる増改築によりまして建物の配置が大変複雑になって使いにくいということ、また老朽化も進行いたしまして、庁舎の建て替えを検討してまいりましたが、現在地での建て替えは困難であるということが判明したわけでございます。 そこで、平成十年ころ、歴史的な経緯も考慮いたしまして八王子市内で移転先を探すということにいたしました。ところが、八王子市内には適当な国有地がないということが判明いたしましたために、八王子市に対しまして土地取得のあっせんを依頼いたしました。その後、八王子市の御尽力で幾つかの候補地が挙がりましたが、残念ながら条件面で折り合わないという状況が続きました。その後、平成十五年二月になりまして、八王子市から裁判所に対して、市内での最後の候補地の確保について断念したというように伝えられましたために、裁判所では周辺に適当な移転先がないかどうかの検討を始めたわけでございます。 その後、本年五月に裁判員法が成立いたしましたために、これに対処するために、多摩全地区から交通のアクセスが良いまとまった国有地がある立川市を最適地と判断いたしまして、平成十七年度概算要求において土地取得のための予算を要求して現在に至っているものでございます。
○木庭健太郎君 今おっしゃったように、我々、この国会で裁判員制度を成立させ、正にこの司法改革の一つの、一つか一番大きな柱だと思って通したわけですが、それに伴って今度は設備を整えなくちゃいけないという問題で、ある意味では、老朽化の問題とともにこの裁判員制度というのが一つのきっかけになっておると。そういう意味では、この八王子だけじゃなくて、同様の理由によって移転を計画せざるを得ないような裁判所はあるんですかね。
○最高裁判所長官代理者(園尾隆司君) 老朽化が進んだ上、裁判員制度に対応する必要があるという理由で移転を計画しているのはこの八王子支部のみでございまして、同様の事情で移転を計画している裁判所はほかにはございません。
○木庭健太郎君 また、せっかく裁判員の話がありましたんで、先日ですか、裁判員制度の準備ということで裁判官を百人ですか、欧米に派遣して評議や審理の進め方を学ばせる方針を固めたという報道もございましたけれども、今、じゃ、この裁判員制度を、五年後ですよね、きちんとやるためにどういう準備進められているのか。ほかの点、何か幾つかあれば御紹介をお願いしておきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(大野市太郎君) 裁判員制度を実施するために、現在最高裁判所の方ではいろいろな検討をしております。 一つは、最高裁判所規則の制定の問題がございますし、人的・物的体制の整備などといった問題が必要となってまいります。現在、その前提としての制度の具体的な在り方や運用方法等について鋭意検討しているところであります。 また、政府と協力して国民の理解を得るための周知広報活動に着手したところでもあります。 以上です。
○木庭健太郎君 もちろん、そういうソフト面、これからどういうものをきちんとやっていくかという意味で、裁判官の方々がこうやって海外へ行き勉強される、大事なんですけれども、実は本当は心配しておるのは、裁判員やるために随分形が変わるわけですよね、裁判所の。これは本当に、簡単に、さあこういう形にするから翌日からやれと言われたって、それは裁判所対応できないわけであって、ある意味では物的な面の整備というのもきちんと予算を付けて、これはもうちょっと早めにやらなくちゃいけないんじゃないかと心配しておるんですが、大丈夫ですかね、その点は。
○最高裁判所長官代理者(大野市太郎君) おっしゃるとおり、物的施設、施設につきましては、どうしても一定の期間、必要な期間が必要になるというふうに思っております。 裁判員制度を実施するためには、選任手続を経まして必要な数の裁判員を確保した上で連日的開廷に対応する必要があるほか、裁判員とともに真に充実した審理を行うために裁判員と裁判官とが実質的な議論の時間を十分確保する、またそのための相応のスペース、物的なスペースが必要であるというふうに理解しております。 裁判所といたしましては、今申し上げましたように制度の具体的な運用等について検討しているところでありまして、法曹三者を始め、国民の理解と協力の下で裁判官と裁判員とが適切な協働関係を築き上げることが必要であるというふうに思っております。これらの検討を詰めた上で、既存の物的設備を有効に活用しつつ、必要に応じて法廷、評議室を始めとする関係施設の改修、増設等を行うことが必要となるというふうに思っております。計画性を持って物的体制の整備を図って、裁判員制度の導入に遺漏のないように努めたいというふうに考えております。
○木庭健太郎君 また話をちょっと八王子に戻すんですけれども、是非その点、ただ報道を見る限りはなかなかその地元との納得ができていないような話も伝わりますし、是非そこはきちんとした形の協議をしていただきたいし、そしてもう一つ心配しているのは、この家裁、地裁の問題だけじゃなくて、現庁舎に簡裁もありますよね、これをどうするかということも、何か残すかどうかも検討中だという話もあるようでございますが、正に先ほどから話があっているように、簡裁業務というのはこれはまた別途の意味があるものであって、そういう意味では、少なくとも一番身近な裁判所と言える簡裁、窓口を広げるという意味でも、この簡易裁判所はそのまま残された方がいいんじゃないかなと私個人は思うんですけれども、この点いかがでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(園尾隆司君) 委員御指摘のとおり、簡易裁判所は、少額軽微な事件を簡易迅速に解決するということを目的として設置されまして、現に少額訴訟など、国民に身近な事件について対処をしておるということで親しまれておるものでございます。 したがいまして、八王子市民に最も身近な裁判所である八王子簡易裁判所につきましては、八王子市に存置する方向で考えたいというように思っております。
○木庭健太郎君 時間ですので、終わります。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 まず、新潟中越地震、度重なる台風被害の被災者の皆さんに心からお見舞いを申し上げます。 私も二十三日に豊岡の台風被害に調査に行っておりまして、その帰りに地震を聞きまして、翌日、小千谷と長岡に調査に入ってまいりましたけれども、大変な被害でありまして、政府を挙げて救援と復興に力を尽くしていただきたいと思います。 さて、司法制度改革の重要な眼目が使いやすい司法の実現にあると思います。この法案は市町村の合併に伴うものですが、従来どおり身近な裁判所を管轄地域にするなどの配慮もされております。 一方で、使いやすい制度などありますと、これを悪用する例もあると。これに対する対応というものも必要となっております。最近は、巧妙化するおれおれ詐欺とか電子メールや手紙を使った架空請求事件というものが大変発生をしているわけでありますが、その中で、簡易裁判所の少額訴訟を悪用する例というのが幾つか発生をしております。 つまり、架空請求の事業者が利用料の支払を求める少額訴訟を簡易裁判所に起こします。これに基づいて口頭弁論期日の呼出し及び答弁書督促状が送られるわけですけれども、期日までに出頭しませんと自動的に敗訴するために支払義務が発生をすると。今、身に覚えのない架空請求が来ても無視をしなさいということが消費センターなどで言っておりますから、これを逆手に取った大変悪質な手口なわけですね。こういうものの実態をどのように把握をされているでしょうか。
○国務大臣(南野知惠子君) 本当は存在していない債務をあるかのごとく装って請求するいわゆる架空請求は、国民の財産、それや生活を害する悪質な行為であります。特に、頼るところのないお年寄りなどには効果的な手だてを考える必要があると思います。
○井上哲士君 現実に今既に幾つかのところで起きておるわけですね。無視、その請求書は無視しろということがかなり言われているわけでありますから、今後こういうものを、制度を悪用する例というのは増える可能性もあると思うんですね。相談窓口の充実とか周知徹底とか、私は先手先手で対応する必要があると思うんですけれども、もう少し具体的な答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(南野知惠子君) 現在、総合法律支援法に基づいて日本司法支援センターの設立、それを準備しているところでございますけれども、このセンターでは弁護士会の相談窓口などと連携又は協力しつつ裁判などの紛争解決制度に関する情報の提供などをすることとしております。 このようなセンターの業務は、御指摘の少額訴訟や督促手続を利用した架空の請求事案などの対立にも役立つものと考えております。
○井上哲士君 悪質業者はいろんな知恵を回してやってきますので、先手先手の対策を是非お願いをしたいと思います。 その同じような話でもう一つあるんですが、今、商工ローン会社などが保証人の知らないうちに公正証書を作って強制執行をされるという事例が起きております。 例えば、商工ファンドなどは保証契約がカーボンコピーになっておりまして、保証契約に署名すると委任状への署名もされてしまうと。社員が印鑑を借りてこの委任状に判こを押して、保証人や債務者の意思の反映をしない、この執行文言付きの公正証書が作られてしまうと。これに対して、双方代理で無効という公正証書無効訴訟であるとか、公正証書の内容が違法だということでの国賠訴訟も幾つか起きているわけであります。 最近、日弁連の消費者問題の対策委員会が会員に対するアンケートを取っておりますが、こういう本人の知らないうちに作られた公正証書という事例が過去五年間で百十一件報告をされております。貸金業者が債務者から知らないうちに委任状を取って、同じ貸金業者の社員が二人で公正証書を作っていると。こういう実態をどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 公正証書は、国民の権利義務関係を明確にするということで非常に大きな役割を果たしていると思っております。 これを作成する場合の、代理人によって作成する場合、その代理権限につきましては、印鑑証明書等に基づきまして厳格に証明をさせておりますし、また、代理人の依頼に基づいて公正証書を作成した場合には、公証人規則で、公証人の方からその本人に対して作成後三日以内に、三日で通知をするということになっております。このような仕組みで、本人が知らない間に作成されるということを防ぐような仕組みを一応、法律、規則で定めております。 また、ただいま御指摘の、例えば委任状がカーボン紙を利用して知らない間に作成されてしまうと、こういう御指摘を受けて、公証人会の方におきましても、現在はそのカーボン紙の使用による委任状作成を廃止するようにということで対策を取っているという具合に聞いております。 また、そのほか、委任状の見やすいところに赤字でこの公正証書により強制執行を受けることになる旨を特別に記載したり、あるいは強制執行認諾付きの公正証書を作成することのみの委任状を別途作成させたりというような対策も公証人会で取っていると聞いておりますので、私どもとしても、法の趣旨が厳格に守られて、本人の知らない間に、あるいは誤解に基づいてその公正証書作成依頼がないように今後も公証人会を適切に指導していきたいと、こう思っております。
○井上哲士君 幾つか訴訟の中で、債権者である被告が原告に和解金を支払うと、こういう勝利和解も多数に上っておりますし、その中で、国側が適切な公正証書を作成するための指導監督を行う旨の和解をしている例もあります。 今、幾つかお話がありましたけれども、こういう和解に基づいてそうした指導監督が行われているのか、また和解以降、更に強められているのか、その点いかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 多数の公正証書作成案件の中には、時に適切を欠く処理がされていたこともございます。そういうものが事件になったときに、国として今後適切な公正証書の作成をするように指導監督をするという条項を入れた例も御指摘のようにございます。 私どもとしては、そういったことを踏まえまして、先ほども申し上げましたが、例えば公証人規則に基づく通知、これを励行するようにというようなことは私どもから日本公証人連合会にも申入れをしておりますし、また各地の法務局が公証人の役場を検閲する際にもその点を厳重にチェックをして指導していると。そういう意味で、指導監督に十分力を入れているところでございます。
○井上哲士君 是非強めていただきたいんですが、今、年間二十万件程度がこういう中身での公正証書が作られておりますが、代理によるものが相当になりますから、こういう本人が知らないうちに作るという、制度の悪用といいましょうか、ということもまた起ころうと思います。 公証人制度の母国と言われるドイツでは、消費者保護のために様々な改正が行われております。ドイツとかなり制度が違うということは承知はしておるわけですけれども、しかし、例えば原則本人出頭を求めるとか厳格な本人意思の確認とか丁寧な教示義務など、更に踏み込んだ対策も必要かと思うんですが、その点いかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、ドイツの公証制度と日本とではかなり全体の仕組みが違っているということもありますが、私どもとしても、もちろんドイツでのそういった運用の実情については関心を持って見ておりますし、参考になるものは参考にしたいと、こう思っております。 ただ、日本の実情におきまして、例えば本人について出頭を義務付けるというようなことにいたしますと、これはなかなか御本人にとっても負担になるということもございます。そこは慎重に判断しなければならないのではと。そのために、私どもとしては、本人が知らない間に作られてしまうということを可及的に防ぐために、出頭は義務付けておりませんが、権限の証明を印鑑証明というような非常に信頼できる制度の上に作っているということと、先ほど申し上げた事後の通知と、これによって可能な限り防げるのではないかと、こう思っておりますので、この運用に十分注意をしていきたいと、こう思っています。
○井上哲士君 時間ですので、終わります。
○委員長(渡辺孝男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 ─────────────
○委員長(渡辺孝男君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、荒井正吾君及び陣内孝雄君が委員を辞任され、その補欠として野村哲郎君及び小泉昭男君が選任されました。 ─────────────
○委員長(渡辺孝男君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(渡辺孝男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(渡辺孝男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時十五分散会