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161回国会参議院2004/11/02

文教科学委員会 第3号

発言数
126
登壇者
21
会派数
4
開催日
2004/11/02

会議録

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。  この際、御報告いたします。  去る平成十五年七月八日の国立大学法人法案等六法案に対する附帯決議に基づく国立大学法人への移行の進捗状況等に関する本委員会への報告につきましては、理事会協議により、報告書を各委員に配付することにいたしました。     ─────────────

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として総務省自治財政局長瀧野欣彌君外十三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

有村治子自由民主党

○有村治子君 おはようございます。自由民主党の有村治子でございます。  今回は、中山大臣を始め皆様、各二人の副大臣、それから政務官の皆様、御就任おめでとうございます。御活躍を心から祈念申し上げます。  私自身も、どうしても文教がやりたいということで、ほかの委員会におりましたけれども、また文教委員会に戻ってまいりました。そして自民党の理事を拝命いたしました。精一杯頑張っていく所存でございますので、今日はどうぞよろしくお願いいたします。  まずもって、学校における災害対応時の在り方、どうあるべきかということについてお伺いをしたいと思います。  新潟中越地震、相次ぐ大型台風の上陸、集中豪雨など、自然災害によって掛け替えのない肉親を失われたり、家財を飛ばされたり、著しく損害を受けられた方々のお悲しみを思い、まず心よりのお見舞いを申し上げたいと存じます。  今日は、このような自然災害や人的な問題を踏まえて、子供たちの安全、安心な環境をどう守り、作っていけるのかという視点で質問を始めさせていただきます。  今回の新潟中越地震では、体育館や校舎など避難所として活用されている学校も含めて、報道されている限り、先週末現在、新潟県内の二百三十八校が現在休校の措置を取られていると報じられています。昨日の夜の現在でも、約六万人の方々がプライバシーのない集団避難生活を続けていらっしゃるということを聞いて本当に私も心が痛むんですが、その中で、各避難所を回って離れ離れになった園児や児童たちを励ましていらっしゃる保育士や教諭の先生方の使命感を持った姿には、国民の一人としても、この参議院文教委員の一人としても感謝と信頼感を増しています。  しかし、そのような善意に頼るのも様々な制約があって、これに甘んじるばかりでは本質的な問題解決にならないのも事実です。校舎や授業の復興など、学習環境に関しても今後の見通しを具体的にしていくことが文部行政の信頼感を高め、先生方、保護者、幼児、児童生徒、新潟県民、国民の安心につながると私は考えます。  そこで伺います。中越地方の新潟地震の現状を踏まえて、今後の復旧作業、児童生徒たちのケア、学業に戻れるための支援とは具体的にどんなものがあるのか。文部行政から見た被害状況の最新報告、把握、今後の展望も含めてお話しいただきたいと存じます。

小島敏男自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(小島敏男君) お答えをいたします。  まず初めに、今回の中越地震の関係につきましては、まだ余震が続いておられるということ、それから今、有村委員がおっしゃいましたように、まだ六万人の人がそういう状態の中で避難所暮らしを強いられていることということでありますが、心から私の方からもお見舞いを申し上げたいと思います。  今御質問があった件でありますけれども、今回の地震による文教施設等の被害状況につきましては、現在のところ、新潟県、そして群馬県を始めとした六県で、合計三百二十八校の学校施設において校舎のひび割れ、その他体育館の屋根の一部落下などの被害が出ておりますけれども、社会教育施設等では八十件、そして文化財等では十四件の被害報告を受けているところであります。  また、新潟県の教育委員会からの報告によりますと、各種復旧に伴い、十一月一日時点で休校している学校は、小学校が百二校、中学校四十四校、高等学校二十校など、合計二百七校となっております。  文部科学省では、今回の災害に対し、直ちに文部科学省非常災害対策本部を設置いたしまして、学校施設の復旧や学校再開の支援など、当面の対策について全力を挙げているところであります。  具体的には、被災地の学校施設等の安全点検を支援するため、文部科学省の技術者を七名現地に派遣をし、現在調査をしております。それから、各都道府県委員会に対し、被災した児童生徒の就学機会の確保の観点から、公立学校への受入れや教科書の給付など、配慮について依頼をしているところであります。全国の国公立大学に対し、被災者等への授業料等の免除に対する配慮を依頼しております。  ちなみに、あの阪神・淡路大震災のときもこのことを適用したわけでありますけれども、現在、平成七年度で六千五十人で十二億円、そして平成八年度千六百二十二人で三億三千万円、平成九年度四百三十七人で九千万円、平成十年は三十四人で七百万円、これは御参考までに阪神・淡路大震災の授業料免除についてお話をしておきたいと思います。  それから、学校の再開に当たっては、児童生徒の心のケアを含めた健康管理体制が円滑に行われるよう通知を発するとともに、日本臨床心理士会や近隣の県に対してカウンセラーの確保について検討を依頼しているところであります。  最後に、文部科学省といたしましては、今後更に的確な情報把握に努めまして、被災地の関係機関との密接な連携を図りつつ、学校の早期正常化に向かい、必要な協力、支援に万全を期してまいる所存であります。  以上でございます。

有村治子自由民主党

○有村治子君 非常事態だから致し方ありませんけれども、今異常な数の学校が休校しているということを教えていただきました。  昨夜テレビを見ていても、体育館の中で、布団一枚の生活空間の、布団の上で受験生が体育館の中で勉強をしている、夜中に明かりをつけて勉強しているということを知って、本当に私も心が痛んでおります。小島副大臣は今まで安全、防衛、まあ安全保障というところがエキスパートの議員でいらっしゃいますから、御専門の危機管理ということの見地、実績も踏まえて具体的なアクションのリーダーシップを取っていただきたいと存じます。御期待を申し上げます。  今回、文部科学省に確認を取りましたところ、文部科学省では臨時休校にする場合の基準やマニュアルを定めておらず、休校の判断基準については、実際のところ、それぞれの地域の教育委員会や学校長に任されているというのが現状であることが分かってきました。本当にそれでいいのかどうか、私たちに問い掛けてくるような災害事例がこの夏続発しております。  例えば、各校において具体的な基準を定めていた広島市では、九月の大型台風十八号、台風十八号上陸の際に、臨時休校としなかった複数の小学校においてガラス窓が割れて、授業を受けていた児童がガラスの破片でけがをするという事故があり、早い段階で休校にすべきだった、認識が甘かったと校長先生は語っておられます。  この事故を受け、広島市は防災マニュアルを改定して、校長や園長の判断にゆだねていた基準を統一しましたけれども、ほどなくやってきた台風二十一号上陸の際にも、改めて広島市内の学校の臨時休校の対応にばらつきが生じています。各校長が自主判断としていたため、始業時から休校とした二十校を除いて大半の学校が休校とせずに登校させ、警報が出た午前十一時で授業を打ち切りました。台風の中、児童を下校するわけにはいかない。統一基準としては、マニュアルの中身が中途半端で甘いという校長の声も報じられる中で、休校判断の難しさが指摘されます。  また、七月の新潟・福島集中豪雨においては、例えば新潟県見附市の小学校で、市内の周囲が水没してしまって、学校に児童百三十三人が取り残されて、孤立した暗闇の中で百三十三人が教員と保護者と含めて一夜を体育館で過ごした様子が報告されています。  もし登下校中に子供たちが自然災害に巻き込まれてしまって水にのまれてしまったら、突風にあおられて飛んでいってしまったら、これは仮説のシナリオではなくて、今年の夏の自然災害ではあり得た現実の課題だと私は把握しています。  この登下校の判断を意思決定が割れる個々の校長先生や教育委員会に任せておくのではなく、やはり今回の事態を踏まえて、全国どこの地域でも起こり得る問題として、文部科学省としては改めて各自治体に効果的な改善の検討を求める必要があると私は考えます。中にはマニュアルを作っていない学校も存在しておりますし、マニュアル作っておきながらも、いざ災害時、緊急時に本当に機能するのかどうか自信が持てないという地域もあります。  そこでお伺いいたします。今回の一連の天災、自然災害を教訓にして、文部科学省では全国的に具体的にどんな手を打とうとお考えでしょうか。また、少々技術論、テクニカル論になりますけれども、人命にかかわることですのでお伺いします。緊急時に本当に生きてくる、使えるマニュアル、体制作りをするためにはどんな情報があらかじめ確認され、マニュアルに明示、当事者に共有されなければならないとお考えでしょうか、お示しください。

萩原久和文部科学大臣官房文教施設企画部長

○政府参考人(萩原久和君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、今回の一連の災害におきまして、一部の学校で児童生徒が多数学校に待機するというようなこともございましたし、また地域住民の方々が学校を応急避難場所として利用されているということでございまして、学校施設の災害時におきます安全性、耐震性、これは非常に重要なことだと改めて認識しているところでございます。  政府におきましては、今回の災害の実態を検証しつつ、豪雨災害等に対する災害対策を検討するために関係省庁局長会議が設置されました。文部科学省もそこに参加いたしまして、関係省庁と連絡、連携しつつ、学校施設の安全の確保等のために学校の設置者が点検、実施すべき措置をまとめて注意喚起を図っていくということにしております。  災害につきましては、場所によって大きく被害が異なります。海岸部、山間部、これらについて大きく変わります。そのことから、学校の防災マニュアルの作成に当たりましては、例えば洪水のハザードマップやあるいは地震動予測地図、こういったものを参考にして、児童生徒を含めた当事者が各地域の特殊性を十分に考慮して、それらに対応したものにすることが実効性を高める上で不可欠であると思っております。  文部科学省としましては、各地域の学校において有効な防災計画の作成が進められるよう、今後積極的に取り組んでいきたいと考えております。

有村治子自由民主党

○有村治子君 御丁寧に説明をいただきましたけれども、私の趣旨が通じていないのか、もう一度私は確認させていただきたいと存じます。  効果的なマニュアルを作るためにはどういう情報を本当に入れなきゃいけないのかと、そういうことは全国でノウハウがたまるのは文部科学省だと私は思っています。だからこそリーダーシップを取っていただきたいというのが私の趣旨でございます。  耐震性の重要性あるいは前向きに検討していただきますというコメントも大事ですけれども、今回の質問の準備で私も幾つかのホームページ、自治体のホームページを調べさせていただきました。その中で、要望として聞いていただきたいと思います。  例えば、暴風下での登下校のタイミングを見誤らないようにするにはどうするのかといった視点で、休校や始業時間の変更等については、全国の公立学校です、朝七時ごろまでには意思決定を必ずしておくという情報を入れてくださいというリーダーシップも取っていただきたい。そして、その最終決定をする主体はだれなのか、どこがするのか、当事者だれもが、だれがするということに自覚、共有情報として把握している状態を作っておいていただきたい。その意思決定をする基準は、地方気象台が出す警報なのか注意報なのか、意思決定の判断基準となるガイドラインを明確にしていただきたいとおっしゃっていただきたい。意思決定をより多くの園児、生徒それから児童の保護者に伝える連絡手段は何なのか、しっかりとコミュニケーションルートまで明確にしておいていただきたい。そして、何らかの連絡が取れない場合の緊急連絡先、問い合わせ先は一体どこなのか、どこに電話を掛ければ、どこにコンタクトを取れれば最新の正確な意思決定の判断を聞けるのかということを少なくともマニュアルには入れていただきたい。  本当にテクニカル論で恐縮ですけれども、こういうものが入っていないマニュアルが、作って、マニュアルはありますよということで、そのマニュアルを作るということが目的化していないかどうか、もう一度精査していただきたいと存じます。  また、これは大臣にお伺いします。  災難に遭ったときのみならず、登下校時に、現在多いです、不審者に遭ったときなどにどのように自分の身を守ればいいのか、日ごろから子供たちに対して教えていくべきだと私は考えます。先日の大臣の所信的ごあいさつの中にもありましたけれども、人間力の向上ということを考えれば、こういう災害時の緊急対応策や登下校中に事件や事故に巻き込まれない、殺されない殺さない、自分自身で身を守ろうとするサバイバルのための原理原則や心構え、技術的な、実践的な技術ということこそ人間力であり、総合学習の時間などで教え伝えられるべき教育内容だと私は考えます。大臣のお考えをお聞かせください。

萩原久和文部科学大臣官房文教施設企画部長

○政府参考人(萩原久和君) ただいま委員詳細に御指摘ありましたけれども、それらを踏まえまして、より具体的な、実用的なマニュアル作りにできるように文部科学省としても努力してまいりたいと思います。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) まず最初に、有村委員、日本の教育科学行政のためにこの委員会選んだと言われましたけれども、委員の皆さん方、皆さんそういうお気持ちだろうと思います。日本の文部科学行政のために今後ともどうか御支援いただきますように、まずお願い申し上げたいと思います。  そこで、先ほどから災害に遭ったときとかあるいは不審者対応ということで、子供たちにそうしたこともちゃんと教えるべきじゃないかと、正にそのとおりだと、こう思っておるわけでございまして、先ほど来政府委員の方から答えてくれていますけれども、学校において防災に関する計画を作成して、これに基づいて避難訓練を行うよう指導するというようなこともやっていますし、また学校に不審者が侵入して児童生徒の安全を脅かす事件とか、あるいは通学路で子供に被害が加えられる事件等が発生していまして、先ほど来から話がありますように、各学校において防犯に関するマニュアルを作成するとか、あるいは警察職員等が講師となって犯罪被害から自分を守るための実践的な指導を行う防犯教室とか、あるいは防犯訓練を各学校が行うように指導しておるということでございますが、今委員が御指摘のように、正に人間力向上といいますか、強い人間にならないかぬと、まず危険を察知する能力といいますか、そういったことも磨かなきゃいかぬと、こう思っておるわけでございます。  私、文部科学大臣になりましてすぐに事務方に聞きましたのが、武道が必須になっているはずだけれども、今どういう状況になっているのかということを聞いたわけでございますが、聞きましたら、武道とダンスと選択になっているというふうなことでございましたが、私自身は、実は若いころ合気道と空手をやっておりました。空手といいましても、これは専守防衛ですから決して攻撃だけじゃない、攻められたときいかに逃げるか、自分の身を守るかということで正に日本の軍隊と一緒だと思いますけれども、やはり日本の子供たち、これは大人もそうですけれども、これから世界に羽ばたいていろんなところで活躍しなきゃいけませんが、日本人というのは何か武道を身に付けているよ、何か悪いことをすると危ないぞというふうな、そういったことを感じさせるような、そういったことも大事じゃないかなと、こう思っておるわけでございまして、是非学校におきましてもそういったいろんな防犯教室も開くと同時に、護身術みたいなものも何かこう教えるような、そういう場もこれからは必要じゃないかなと、そんなことも考えております。

有村治子自由民主党

○有村治子君 貴重なコメントありがとうございます。  次に、学校で配付される副読本、副読本のチェック体制についてお伺いしたいと存じます。  子供たちは教科書を見ながら授業を進める、授業で内容を習うわけですけれども、教科書に準じて学校の授業で使用される図書として副読本が位置付けられています。何を副読本にするのか、この選定については校長や教員の先生が行って、教育委員会がその使用について届出又は承認を受けさせることになっています。副読本の管理は第一義的にその校長先生や教育委員会の見識に任されて、その見識が問われているところですが、どんな教材を副読本として届出、承認にするのか、その届出と承認の区別は内容によっても必ずしも一様ではなくて、都道府県によってもその取扱いに相違があるようです。  近年、政府の補助金等による支援を受けた財団法人が作成したパンフレットが学校現場に流布され、保護者からの相次ぐ批判を受けてこの問題が衆議院でも取り上げられました。記憶に新しいと思います、具体的には、私今日持ってまいりましたけれども。  二年前、過激な性描写が続く性教育冊子と、全国紙でも、中学生にピルの勧めあるいはピルの奨励じゃないかと各紙にやゆされて議論を呼んで、その結果、いったん学校現場で学生生徒に配られたものの、結果的に回収、廃版となった「思春期のためのラブ&ボディBOOK」、これについては国会でも質問が続きました、が挙げられますけれども、当時、県の教育委員会に何の相談もなく保健所が勝手にこの冊子を生徒に配っていたという九州の報道もなされています。  教育委員会の自主的な判断で収集、生徒に配付したパンフレットであればその教育委員会に是非を問えばいいのでしょうが、平成十四年度当時、厚生労働省からの助成金が年間一億五千万以上入っていた財団法人が作成したパンフレットが、当の厚生労働省やまた当の文部科学省のあずかり知らないところで教育委員会や学校現場に送り付けられ生徒に配付されていたとすれば、これは受け取った側の教育委員会、学校側のみならず政府側、文部科学省も監督責任を問われなければならないと思います。  というのは、これが厚生労働省管轄の財団であれ文部科学省であれ、生徒にはそこが、どこが作ったのかというのが分からずに、そして学校の先生が配るものは恐らくそれはいいと学校の先生たちが思って配っているのだろうというふうに想像が付きます。本当にこの内容を吟味することなく、精査することなく、直接全国の学校現場に、生徒に、私たちの知らないものが送られてしまう現状をどうとらえていらっしゃいますでしょうか。確認のためお伺いします。  この「思春期のためのラブ&ボディBOOK」、すごく議論を呼びましたけれども、全国の中学校に一体何部配付され、結局そのうち、回収作業の指示が出ましたけれども、何部ぐらいが回収でき絶版となったんでしょうか。その回収コストは幾ら掛かり、最終的にその回収コスト、どこが負担したんでしょうか、お示しいただきたいと思います。

素川富司文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。  御指摘の「思春期のためのラブ&ボディBOOK」、これは平成十三年と十四年に財団法人母子衛生研究会が作成し、先生今御指摘のように、都道府県の厚生担当部局若しくは教育委員会を通じて学校に配られたという実態があったわけでございますけれども、毎年の配付実績、これは十四年度の配付実績だけを聞いておりますが、百二十七万部、これは中学校三年生に配付するということで考えたということでございます。十三年度も、数字を持っておりませんけれども、ほぼ同じようなものではなかったかというふうに承知しております。  回収でございますけれども、これにつきましては、厚生労働省を通じて当該財団法人に確認したところ、回収を希望する教育委員会については当該財団法人が冊子を回収するという方針を決定し、各学校、教育委員会に伝えたということでございまして、回収した冊子は三万五千部ということでございまして、この回収コストは約三十五万円、この費用は当該財団法人が負担したということでございます。

有村治子自由民主党

○有村治子君 私も感覚的に回収されて良かったなというふうに思っていたんですが、今回、文部科学省、厚生労働省それから財団に問い合わせていただいたところ、回収率は、百二十七万五千部近く配られていて、そのうちの三・五万部しか回収されていない、実質は約三・六%ぐらいの部数しか回収できていない。後で自発的に焼却処分をした教育委員会もあるやに聞いていますけれども、これぐらいが実態だということを私改めて唖然としました。  記述内容、もちろん、今子供たちの中で性病がはやっている、あるいは十代の望まない妊娠を受けて人工中絶が本当に多くなってきている、この危機感は私も共有します。しかし、この内容を見ると、私も本当にはばかられるぐらい、性器が小さいどうしようとか、初体験を早く済ませたいとか、マスターベーションに夢中とか、本当にこれが教材かなと思えるようなものが次から次へと出されています。  記述内容に対する評価や、配付、回収のどたばたをめぐって当時意見が対立したと種々の報道に報じられる厚生労働省とは、全国的な教育現場の混乱を受けてどのようなやり取りがなされたのでしょうか。その経過と結果を教えていただきたいと思います。この事例を受けて何が文部科学省の教訓になっているのでしょうか。どうしていればあのような混乱が避けられたと現在総括していらっしゃるのでしょうか、お聞かせください。

素川富司文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。  この「思春期のためのラブ&ボディBOOK」につきましては、先生今御指摘のように、児童生徒の発達段階を踏まえて指導するという性教育の観点からいたしますと、中学生に一律に指導する内容としては行き過ぎた内容を含んでいるというふうに考えていたところでございまして、このため文部科学省といたしましては、各学校において生徒の実態と教育上の必要性を勘案して慎重に取り扱うように各都道府県教育委員会に指導するとともに、厚生労働省に対しまして、このような大量の冊子を配付する場合に事前に文部科学省に相談すべきであるという考えを申し入れたところでございます。その際、今後このようなことがないよう、併せて厚生労働省に申入れを行ったというところでございます。  それから、総括ということでございますけれども、やはりこのような冊子の作成配付について事前に当該財団法人や厚生労働省から相談はなかったわけでございますけれども、仮に相談をいただいていれば私どもの考え方を申し上げることができたというふうに考えておりまして、このような問題につきましては、今後厚生労働省との連携を一層密にして対応してまいりたいと考えているところでございます。

有村治子自由民主党

○有村治子君 コメントありがとうございます。  文科省のスタッフの方々、厚生労働省のスタッフの方々、またこの財団の方々も本当に真摯な気持ちで教材を作られ、また送られたんだと思います。そして、その後の処理を対応されたんだと思いますが、厚生労働省さん、次からこういうことがあったら言ってくださいねという、おっしゃっていただくのは大事なんですが、今回調べると、厚生労働省さんさえこの事実を知らなくて、財団が勝手に送っていたということが分かります。やはり、各省庁の連携だけではなくて、政府の資金が助成金なり補助金という形で行っている財団が配られる、全国の学校に配られるものに関しても、まずは私たち教育現場の責任を問われる文部科学省を通してよねということをいま一度、相談がなかったとおっしゃるだけではなくて、能動的にそういう発信をしていただきたいと存じます。  配付、回収、釈明、そして焼却処分と、本来ならば不必要な作業を重ねてしまった今回の混乱を受けて、文部科学省においては、児童生徒の前で情報を錯綜させたり、いったん配った後にまた回収する、その釈明が何とか釈然としないというようなダブルメッセージを送って教育現場を混乱させることのないよう、学校現場に配付する副読本あるいはサブ教材というものについては各省庁間の最低限の管理調整機能を発揮していただきたい、そしてこのようなどたばたが二度と起こらないようにしていただきたいと存じますが、この是非と具体的な方策についてお考えをお示しいただきたいと思います。

塩谷立自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(塩谷立君) ただいまの有村委員の御指摘の問題の本については誠に残念なことで、いろんな省庁の対応がなされなかったわけでございますが、基本的に公的な機関とか民間団体いかんを問わず、様々な機関から学校で活用してほしいという学習資料があるわけでございまして、これを基本的には学校や教育委員会で判断するということになっておりますが、すべてまた文科省でこれを確認することはなかなか困難な現状にあります。  しかしながら、そういう中で、各教育委員会あるいは学校が適切に判断していただくよう、私どもとしては各種会議や研修会を通じて都道府県教育委員会等に指導をしているところでございますが、先生御指摘の最低限の何かチェックをというのは、私自身も何かこの今の制度を見ますと必要だなと考えているところでございます。  特に、各省庁が関係する資料については、連絡を密にすると同時に、やはり何らかのチェックも必要ではないかと考えておりますので、またその点は検討していきたいと思っております。適切な対応が図られますように、今後努力をしてまいりたいと思っているところでございます。  以上です。

有村治子自由民主党

○有村治子君 塩谷副大臣、ありがとうございます。おっしゃってくださるように、私もすべてを閲覧してくださいと言っているわけではありませんで、このような時代の変化に伴って様々な分野の教育をタイムリーに関係方面から情報を集めて、時代に即して適切な副読本を子供たち、教育現場に配付することって私自身も意味があることだと思っています。その際、やはり大きなボリュームを全国的に配るときは、やはり文部科学省、当然その内容を少なくとも、検閲するというわけではないんですから、どういう情報が書かれているのかを把握しているという状況になっていただきたい。  私が警鐘を鳴らすのは、実は現在でもそういうことができないで全国に送れるような状況になっているという現在の状況に私は危機感を感じています。いま一度御確認を賜りたいと思います。  次、ちょっと前後しますけれども、大臣の使命、中山大臣、中山大臣のミッションについて御見解を承りたいと思います。  あの文部科学省はこれをやり遂げた、大変な障害を乗り越えてあのプロジェクトを提唱したのは○○大臣のときだと、大臣御自身が意識されずとも、結果的に遠山プランとか河村プランなど、具体的に代表業績に大臣の名前、具体的に姓名が、姓が冠された大型プロジェクトが近年続いています。プロジェクトを実現する早道は目標をできるだけ明確に、ビジョンをより具体的に描くことだと言われる中で、中山新大臣のミッション、現在の日本の教育界を代表する文部科学大臣としての使命的課題をお示しいただきたいと思います。  ちょっと逆説的なんですけれども、大臣室にお入りになったばかりの就任時だからこそ、私が大臣室を後にするまでには少なくともこれだけは必ず達成したいというお考えを明確にお伝えいただくことに意義があると私は考えます。中山大臣が在任期間中、一番熱を取り組み、やり遂げようと考えていらっしゃるのは何でしょうか。ともすると総花的と言われかねない一般的な就任の抱負ではなく、優先順位を吟味された上で具体的な領域の方向性が求められるいわゆる中山プランとは一体どんなものになり得るとお考えでしょうか、大臣、お聞かせください。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 遠山プランとか河村プランとか、いろいろありましたけれども、私はもう中山プランと言われるほど、それほど大げさなことができるかどうか分かりませんが、これまで国会議員になりましてからいろんな仕事をやってまいりました。特にこの十数年、日本再生ということで、これは小泉改革もその一つなんですけれども、もう一度日本をよみがえらせたいと、よみがえれ日本ということでいろんな仕事をしてきたんですが、やはり人だなと、人材だなと、その人材を育てる教育だなと思っているときに文部科学大臣を拝命したわけでございまして、誠にそういう意味ではやりがいがあると、頑張らにゃいかぬなと、こう思っているところでございます。  そういった目で見てまいりまして、私は、このままでは日本というのは、少子化と相まって、何といいますか、東洋の老小国に落ちてしまうんじゃないかという感じがするわけでございます。日本が今のこの生活に安住しているうちにどんどんほかの国が追い付いていく、追い越されていくわけですから、日本人ももっと頑張らにゃいかぬということで私はないかと思っていまして、今までも、確かな学力と、そして豊かな心と健やかな体と、こう言われてきていますけれども、私はそれにプラスしまして、やっぱり挑戦する精神といいますか、そういったものが必要じゃないかなと、こう考えておりまして、学校におきましても頑張ることを応援する、そういう教育といいますか、それが必要じゃないかと。頑張れ頑張れと、そして、頑張ったらよくやったなと褒めて、褒めたたえて、更にまた頑張る、そういう力を与えてやるような、そういったことを、これはもう学校現場だけじゃなくて、家庭でもそうですし、社会もそうでございますが、一体となって、子供たちはもう自分の子供も人の子供もみんなこれは国の宝だと、社会の宝だという、そういった全体として教育に取り組むような、そういった私は環境を整えてまいりたいと、こう思っております。  有村議員が具体的にと言われましたけれども、子供のことに関して私がずっと日ごろから感じておりますのは、私の生まれ育ったところが旧薩摩藩でございますが、小さいころから言われていましたのは、負けるな、うそをつくな、弱い者いじめをするな、この三つでございまして、たったこれだけのことで小さいころから厳しく、実は両親だけじゃなくて周りの大人からもこのことを私たちは徹底して言われてきたわけでございます。  ですから、子供たちには負けるな、うそをつくな、弱い者いじめをするなと、この単純ですけれども簡単な言葉を教えたいし、また大人は褒めよう、しかろう、励まそうと。褒めよう、しかろう、励まそうと。簡単な言葉ですけれども、この子供に対して三つの言葉、そして大人に対しては三つの言葉で具体的にこれからの教育といいますか、子供を取り巻く環境、いろいろ厳しいものがありますけれども、社会全体としてこれからの子供たちを育てていくような、そういう風潮といいますか、土壌を築いていきたいなと、そんな感じがしております。

有村治子自由民主党

○有村治子君 本当に情熱が感じられる中山大臣のコメント、ありがとうございました。特にチャレンジする心を応援して、またしっかりとそれを、頑張った子は褒めていこうという姿勢は、私は、心温まる、性善説で、悪いものを罰するというんじゃなくて、どんどん応援していくという、そういう姿で見ていただける、リーダーシップを取っていただけるということ、本当に共感しますし、心強く思います。御期待申し上げます。  これ、次の質問は、質問を通告をしていない、今朝の新聞に出ていたものです。この趣旨の質問を少しでもしますよというようなシグナルも出しておりませんでしたので、これは大臣又は副大臣のコメントをお聞かせいただきたいという形で質問をさせていただきます。  今朝の産経新聞の朝刊一面のトップ記事にこのような記事が報じられています。山梨県教職員組合が、今年七月の参議院選挙に向けて、校長、教頭を含む小中学校教職員から組織的に選挙資金を集めていたことが昨日明らかになった。組織的に参議院選挙資金集め、「民主議員に献金か」ということで、この「か」というところがポイントになるんだとは思いますけれども。  こうした教職員組合による選挙資金集めが教育基本法や教育公務員特例法に違反する疑いのほか、献金については、かなり具体的にノルマがこのぐらいでこのぐらいの金額でということも書いてあるんですけれども、この献金には領収書が発行されておらず、政治資金規正法、不記載、虚偽記載に抵触する可能性も指摘されるということで、具体的には、この委員会にもいらした輿石東議員の入会カードの記載者記入もノルマ、それから一人当たり幾らずつ、何万円、何千円ずつ毎年寄附してくださいというようなことが実態として出てきている。  そして、二面にわたっての記事なんですけれども、その金額やノルマを果たさないと後が怖いということで、お金だけではなくて、指示で選挙ポスターや電話による支持支援まである。仲間内ではこんなのはおかしいと言い合うが、周囲の教員二十数人のうち、カンパしなかったのは一人だけ。出さないと後が怖いという、具体的な郡の名前も出て、その教員のコメントも出ています。ある教員は、子供たちにルールや約束を守れと教える教員が、ばれなきゃいいと組織ぐるみで公選法違反の疑いがある行為をやっていると嘆いた。このノルマを達成しないとかなり人事に響く。  私も山梨県にいると、山梨県は組合が強いんだよといろんな方に指摘されるんですが、組合活動は適切にやっていただきたい。そして、何よりも組合に、山梨県はほぼ一〇〇%に近い組織率だそうですけれども、やはり組合に入っていらっしゃらない先生方に対しても、だから先生はなんていう一般的なレッテルは、張られるのは、それはフェアではないと思いますし、やはり適切な組合活動をしていただいて、何よりも日本の子供たちにより多くの情熱や愛情が注がれる、技能伝達が注がれるような環境に責任を持つというのは私たち国民に共通する願いであり、課題だと思っています。  そういう意味で、この報道、一面に出てしまった産経新聞も、恐らく名誉毀損が訴えられる、間違ってやれば名誉毀損が訴えられる、そんなリスクの中でかなり具体的な調査をして報道されているようですので、文部科学省としてはこの報道内容を逐次確認をされ、本当にそうなのかどうかという是非も含めて確認をされて、より早くに安心できる、ちゃんと、こんなことありませんよ、こういうふうに是正していますよというような安心できる情報を出していただきたいというのが私の、国民の一人として、また参議院の文教委員の一員として、母親としての意見でございます。是非コメントをお聞かせいただきたいと思います。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 私も今朝、産経新聞を見まして、実は驚いたわけでございます。  とにかく事実関係をしっかり把握することが大事だと思っていますし、御指摘のように、組織的に強制的に行われたとすればあるいは問題があり得るのかなと、こう考えているところでございます。  これまでも、公立学校の教職員につきましては、総選挙あるいは通常選挙のたびごとに、教職員の選挙運動の禁止等について文部科学省としては通知を発出いたしまして服務の確保には努めてきているところでございまして、今後とも公立学校の教職員について一層の服務規律の徹底に努めると。  今、有村委員がおっしゃいましたように、公立学校教育に対する国民の信頼をしっかり確保していかにゃいかぬと、このように考えておるところでございます。

有村治子自由民主党

○有村治子君 はい、ありがとうございます。是非リーダーシップを発揮していただきたいと思います。  時間が押しているんですけれども、同僚の後藤博子先生の御許可を得て、少しどうしても聞きたいというようなことがありますので、最後のテーマとさせていただきます。  マスメディアと子供たちの付き合い方、テレビが子供たちに与える影響について伺います。  昨日で、長崎において中学校一年生の男の子が四歳の駿君をビルの屋上から突き落としてその命を殺害した事件から昨日でちょうど一年と四か月、また、長崎の佐世保で小学校六年生の女の子が親友の女の子の首にカッターナイフを置いて命をあやめてしまった衝撃の事件からちょうど五か月が過ぎました。  子供が加害者や被害者となる悲惨な事件が相次いでいます。私のところにも、こんなところで私の大事な子供や孫を被害者にも加害者にもさせたくない、でも、そうならないという確証が持てないということにすごく不安を感じていますというふうにおっしゃる若いお父さん、お母さん、あるいはおじいさん、おばあさんのコメントが本当に少なくありません。  そんな中で、いろいろなものがありますけれども、やはり少年の凶悪犯罪が起こるたびに、テレビゲームやインターネットの有害情報の影響を指摘する声がそのたびに出てきます。少年犯罪の背景にいろんなものが関係しているのは私も理解しています。しかし、テレビドラマの影響で爆発的に売れたバタフライナイフを使って中学生による殺傷事件も実際に起きてしまっています。どぎつい暴力や犯罪、性的衝撃の強い映像や情報が青少年の人格形成や心理状況に与える影響について中山文部科学大臣の前で改めて懸念を表明させていただきたいと存じます。  実際、日本PTA全国協議会が今年まとめた調査によると、小中学生の保護者約五千人に、なぜテレビを見せたくないか、自分の子供にテレビを見せたくない理由を聞いたところ、六割以上の人が内容がばかばかしいからと答え、言葉が乱暴であるからテレビを見せたくない、常識やモラルを極端に逸脱している、いじめを助長する場面が多い、残酷な場面がテレビ画面に多い、エッチな場面が多い、生命や物を軽んじる場面が多い等の代表的な苦情理由、テレビを見せたくない理由が挙がってきます。ここにいらっしゃる委員の方々でも、そういう保護者の意見は確かに理解できる側面があるなと賛同していただける項目があったのではないかと思います。  放送業界や番組制作に携わっていらっしゃる方の名誉のため、こういった状況の一方で、子供たちの夢や希望をかき立てるような優れた番組も多数制作されており、子供たちに見せたい、見てもらいたい番組といった肯定的、主体的な番組作りとその奨励が民間の放送局自体で行われていることも私は把握しています。  今回、この調査のために日本民間放送連盟放送基準の解説を読んで、児童、青少年への配慮、暴力、犯罪、性表現に取り組み、自粛、改善がかなりなされていることに私も少しほっとし、勇気付けられました。しかし、依然として、私自身もそうですが、脱力感を繰り返し覚えるようなくだらない番組、過激な暴力シーンや性的描写、いじめを助長するようなそんなシーンがまだまだ多く見られるというような実感を私自身持っています。  こういう状況を受けて、私のところに具体的な要望があります。こういう俗悪な番組を何とかやめさせてほしいという強い主張がなされて展開されている方もいらっしゃいます。しかし、これでは表現の自由を主張される放送業界の反発も考えられます。そこで、私なりに考えたのが、有害情報となり得る強い刺激がある番組に対しては、番組が始まる前にその趣旨の予告をテロップで流していただきたいというものです。  例えば、この番組には一部刺激の強い内容が含まれています、保護者の配慮をお勧めします。保護者の皆様へ、この番組には児童及び青少年の視聴には配慮が必要と思われる場面が出てきます、御注意くださいというテロップを流していただいて、それでもあえて見たいという方は続行すればいい。だけれども、見たくないとか、見たくない人、家庭によっては子供たちとそのテレビを見ることの是非を話し合ったり、そのうちの教育方針を確認し合ったりして、テレビを見る見ない、そのシーンを見ない選択をできる機会を与えていただきたいというものです。  御経験がおありになると思いますけれども、家族で楽しく団らんでテレビを見ていたときに、いきなり親子共々にばつの悪いシーンが突然出てきて、ううん気まずいなとか、ううん嫌だなとか後味悪いなという御経験は多くの方々が共有されていると思います。こういう各それぞれの家庭の教育方針や価値観、子育ての価値観、それから親子での約束事、取決めといった家庭内のルールを乱すことがないようあらかじめ注意を促していただきたいというのが私の趣旨です。  この点については、町村元文部大臣、遠山元文部科学大臣なども具体的なアクションを起こしてはくださってきたようですが、まだまだ手ぬるい。親子が安心して居間で、リビングで一緒にテレビを見られる環境、親が安心して子供に、子供たちに勝手にテレビを見せられる環境づくりというにはまだまだ改善できる余地があるという認識を持っています。  そこで、最後の質問をさせていただきます。  番組前に保護者の注意を喚起する注意書きをテロップで適切に入れてほしいという要望、どう受け止めていただけますか。また、もしこの趣旨に賛同していただけるとするならば、テロップの適切な運用に向けてどのように動いていただけますでしょうか。  テレビなどを通しての有害情報から子供たちを守るための具体的な取組について、利害関係の異なる業界、それぞれの分野の方々と連携して目に見える効果を出していくため、文部科学省ではどんな戦略を描き、アクションを起こされますか、教えていただきたいと思います。

素川富司文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。  先生御指摘のように、テレビ番組には有益なものも非常に多いわけでございますけれども、他面、有害情報を含むものがあるということで青少年に対する悪影響が懸念されるということから、業界団体の自主規制が適切に行われるということが重要であるということでございます。  今、具体的に御指摘のございました有害番組に関する事前のテロップを流すといった注意書きにつきましては、民放連に、日本民間放送連盟におきまして放送基準を定めておりますが、その中で、「放送時間帯に応じ、児童および青少年の視聴に十分配慮する。」というくだりの中で、午後九時以降の劇場用映画やドラマなどにおいて、保護者による児童・青少年への配慮が必要であると放送事業者が判断した場合、番組の冒頭での事前表示やその他有効な方法によって事前表示を行うこととするという自主規制というものを定めているわけでございます。  これにつきましては具体的に取り組まれたという事例もあるというふうに聞いておるわけでございますけれども、私どもといたしましては、このようなことに対しまして、青少年への配慮が必要な暴力、性などの表現に関する情報の提供に一層努めることにつきまして、今年、内閣府取りまとめの下に基本的な指針を出しまして、それを受けまして関係団体に今要請を行っているところでございますし、また先月もテレビ等の関係団体に対して有害情報についてのより一層の自主規制を要請したところでございます。  今後とも、このような有害情報に関する事前表示等の自主規制が徹底されますように、関係業界団体への要請を行ってまいりたいと存じております。

有村治子自由民主党

○有村治子君 私の質問を結びに代えて、最後の発言をさせていただきたいと思います。  この自主規制とか取組、前には進んできています。民放連の、私も放送基準、関係するところはすべて読ませていただきましたけれども、現状はまだまだ甘いな、残念だな、何とかテロップ流していただきたいなという思いを強くしています。  例えば、私も元文部大臣に教えていただいたんですが、過激なシーンがある放送について、その番組名及びスポンサー名を公表して、そのスポンサーが作っている製品をもう不買運動も辞さないという姿勢で取り組んだ結果、PTA全国協議会を始めそのリーダーシップの下に自粛を促すという取組が一定の効果を上げたという実績も聞いています。  放送する側と放送を受信する視聴者と対立概念でとらえるのではなくて、子供たちが安心してテレビと付き合える環境を作っていくのは私たちに共通する大事な責務だ、責任だと。学校、教育現場、PTA、家庭などの団体とともに、放送側、そして民間放送の番組に資金を提供するスポンサーの企業にも倫理やあるいは理念を共有してもらうべく、文部科学省、是非働き掛けていただきたいというのが私の思いです。  このためには、当然ですが、私たち一人一人が持っている良心に訴え続けることが大事ですが、同時に、メディア側から表現の自由の侵害じゃないかというような懸念を示される強制的な法規制ではなくて、有害とみなされる番組を資金的に援助しない、スポンサーにならない、そういう子供たちに対する配慮を遵守しないと番組を支援してくれるスポンサーが付かないからなといった通念を広げて、市場原理をも利用して公民意識の向上を訴えていくような、子供たちを取り巻く有害環境を低減していくための社会的な戦略性も重要だと考えています。  最後、本当に文部科学省さん、何をしたらより多くの人が気持ちよく子供たちを守る、その趣旨に賛同して協力してもらえるのかという視点で応援団を増やす戦略を打ち立てていただきたいと思います。  今日はいらっしゃいませんが、私たちの同期の委員の橋本聖子先生が昨日男の子を元気に無事に出産されたという報に本当に勇気付けられました。少子化対策の第一線を取り組んでいただく橋本聖子先生の無事の御誕生、御出産に心からのお祝いの意を表して、私、自由民主党の有村治子の質問を完了させていただきます。  ありがとうございました。

後藤博子自由民主党

○後藤博子君 おはようございます。  新しくママになられた有村治子先生の力強い御質問、感じ入っております。私も本日は質問させていただきます。  中山大臣始め皆様、御就任本当におめでとうございます。今後とも御指導をよろしくお願い申し上げます。  私は、今日は文教科学委員会の質問なんですけれども、農林水産省、環境省あるいは厚生労働省等お越しいただきまして、横断的な質問になるかと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  まず、このたびの台風二十三号あるいは新潟の地震等で被害の遭われた皆様方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。  さて、本日私の質問は、食育について、農業体験の重要性、あるいは農業小学校のこと、農業高校のこと、そういうことを含めまして、また環境教育のこと、最後には留学生支援のことについて時間のある限り質問させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。  中山大臣はこれまで自民党の食育調査会の副会長でおられましたですよね。私も大変お世話になりました。また、就任直後の新聞社のインタビューでは、幼少期からの食習慣の体得の重要性を述べておられます。そういう意味では、もう中山大臣、先ほどコメントもいただきましたけれども、この食育を推進していくための文部科学省の役割とか、あるいは小中学校においての農業体験の重要性ということも御存じというかお考えになっていると思いますので、まずそちらの方を先に質問させていただきます。よろしくお願いいたします。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 食育を推進していくということは、これは家庭や学校で子供たちに食に関する正しい知識と望ましい食習慣も身に付けさせるということで極めて重要なことであるということで、教育を所管する文部科学省の重要な職務であると、こう考えております。  また、私自身も、今、後藤委員から御指摘ありましたように、食育の重要性ということに早くから実は気が付いておりまして、何とかしなきゃいかぬなとずっと思っておりました。  よく言われるように、学校給食だけがちゃんとした食事らしい食事で、朝は食べない、夕方帰ってくると菓子パンと清涼飲料水をかき込んで塾に走っていくというような、そんな話も聞くわけでございまして、本当に何とかしなきゃいけないと、こう考えております。  そういうことで、この食育教育というのは文部科学省の責務であると思いますけれども、私はあえて申し上げれば、朝ちゃんと子供たちに御飯を食べさせて学校に送り出すのは親としての本当に務めじゃないかなと、このように考えておるところでございます。

後藤博子自由民主党

○後藤博子君 ありがとうございます。  いろんな視点といいますか、食育というのは結構幅が広くて、今おっしゃっていただいたようなことも含めましていろんなところから全体的な食育の取組をしていかなければならないと思っております。  私も、食育ということでどんなことを質問しようかということで考えたんですけれども、やはり今の子供たちが食育の大事さというものを分かるためには、頭だけで教えてはもう駄目だと。やっぱり現場に行って、現実を見て、現物を触れるという、現場、現実、現物というその三原則があるのではないかと、勝手に付けたんですけれども、そういうふうに思っております。そして、現場に行くこと、現実を見ること、現物に触れることによって心と体が育ち、それが五感から体の中に入ってきて、食べ物の大切さや農家で働く方々の大変な苦労、そういうことを見ながら思いやりの心が育っていくと。そしてまた、そこで収穫したお米や野菜を食べることによって、今まで、あ、ピーマン嫌いだったと思っていた子供たちも、あ、ネギが嫌いだったと思っていた子供たちも、自分が収穫することによって食べていけるという、正に食事が、今大臣おっしゃられたように、朝起きてきて、お母さんのトントントントンというみそ汁の中に自分が摘んだネギが入ってくると、そういうことになると、子供たちは、おいしい食事をまたいただくこと、そして家族で食べることの大切さも学んでいけるのではないかと思います。  そういう点で、私は自然体験とか農業体験が不足している子供たちが多いのではなかろうかと思います。これは都市だけの子供たちではないようですね。田舎の子供たちもそういう体験が少ないと聞きます。自分の家が農家であれば結構お手伝いしたりいうことで田んぼに入ることもあるんですけれども、自分の家が、幾ら田舎に住んでいても、農家でなければなかなかその体験をしていけないという現実があります。このように、自然や農業とのつながりを持たない中で暮らす子供たちの成長に対して危機感を持った方々が農業小学校を設立しているわけですね。  今日私が農業小学校の質問をちょっとしますということで、その農業小学校作っている方々にお話ししましたら、これは岐阜県の加子母村でやっている、村の有志によって平成八年におじゃった村農業小学校というのが開校され、「おじゃった」というのは、そちらの方言で、ようこそいらっしゃいましたとかいうようなのが「おじゃった」という言葉だそうですが、おじゃった村農業小学校が開設されまして、食と文化の原点であります米作りに子供たちが挑戦していますと。九年目の今年で約五百人の子供たちが参加し、延べ二百人の大人や農協、普及センターの皆さんが一緒になって汗を流し、触れ合い、互いに成長し、新たな地域コミュニティーが醸成されているようですということで、今日は私にわざわざこういうふうに写真を送ってくれまして、本当にすばらしい取組をしていただいております。  ここで見る子供たちの顔は生き生きとしていまして、校舎とか教室で見る子供たちと打って変わって、もう本当に声が出て、きゃあとかわあとか言いながら、大人の手をかりながら初めての田んぼの中に入っていくという。気持ち悪いと言いながら入っていく、いったら、あ、何だここは気持ちがいいな、いいんだというような体験をしていて、すばらしいことを取り込んでいただいております。  片方では山村留学ということもありますよね。私も屋久島に行って永田小学校が山村留学していることで体験させていただきましたけれども、そこはちょっと時間の関係上はしょりますが。自分が農業経営の、片方で子供たちも非常に農業を経験するという意味では初体験をするんですけれども、そこで農業に携わっている方々も、日ごろは農業経営のことが頭が一杯で、収穫の喜びを忘れていることに気が付いたと、純粋に土に向かうことの楽しさを思い出すことができるという、また農業に携わっている方々、大人の方々にも非常にメリットがあるということですね。  田んぼを授業の場所とした食育は生きる力を教えてくれます。土が人の心を開かせているとおじゃった村の指導者の方々が表現されています。このように食育は、ただ机に座って何か食べればいいという勉強だけではなくて、本当に五感をフルに活用して体験することによって心が突き動かされるような感動を伴うものであると。食育というのは本当にそうでなければならないと思っております。  そこで、ここで文部科学大臣ではなくて、ここで農林水産省に対して、このような取組を含めまして、いかがでしょうかということでコメントお願いいたします。

宮坂亘農林水産大臣官房審議官

○政府参考人(宮坂亘君) お答え申し上げます。  食育の話でございますが、先生御指摘のとおり、例えば食べ物の重要性の認識という面で申し上げますと、自然に対する感謝とか畏敬とか、それから御指摘のように驚きとか、そういったものが基本になるんではないかというふうに考えております。その意味で、児童、特に農業経験のない都会の児童が直接農作業に従事をいたしまして、自然の営みに触れるということは極めて効果的なことではないかというふうに考えております。  御指摘の農業小学校でございます。各地でいろんな取組がなされていることにつきましては承知をいたしておりますが、農業者とか農村に暮らす地域住民の方々、この方々が自ら圃場を開放いたしまして、都会で暮らす子供たちに農業体験を提供するという草の根的な活動というふうに理解をしておりますが、農林水産省といたしましても、指導者に対する研修とか、それから経費の一部助成というような形を取りまして、種々の支援を行っているところであります。  いずれにいたしましても、このような活動、非常に重要な活動というふうに考えておりまして、今後とも、文部科学省、またJAなどの関係機関とよく連携を取りながら推進してまいりたいというふうに思っております。

後藤博子自由民主党

○後藤博子君 ありがとうございます。  この農業小学校のような地域における自主的な食育の取組に対して、本当に国としても後押しをしていただきたいと思います。田んぼや畑で取れるものだけではなく、人もそこで育つわけですから、是非期待を申し上げますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。  そして、おじゃった村を先ほど紹介しましたけれども、おじゃった村小学校の開校に尽力していただきまして積極的に活動している方、今、有志の方と私申し上げました。名前を言うとよくないということなので名前を申し上げられませんで非常に残念なんですけれども、このおじゃった村有志の方の奥様がまた農業の女性農業者として活躍されておられます。平成五年に経営の安定を目指してシクラメンを作り、平成十二年には有限会社「花のくまさん」、ここまで言うともうどなたか分かるかと思いますが、「花のくまさん」を設立し、その代表取締役として名実ともに夫婦別経営を実践されておられます。  こういうふうに子供たちも農業で学びながら、農業小学校あるいは山村留学をしながら農業の大切さを学んでいく。そして家庭では女性の方々が農家を支えてくださっている。朝から晩まで非常に女性の方々は汗水たらして自分のことを顧みずに仕事をしていただいております。農家に対する、嫁という立場ではなくて、やはり自分もこの農家の、農家に嫁いだ以上は自分も人生の中でこの農業経営に携わっていって生き生きと光る自分でありたいという、そういう思いをしておられまして、農業を経営しておられる方々がたくさんいらっしゃいます。  また、農林水産省は家族経営協定の締結を推進しておられますが、残念ながら、平成十六年調査によりますと、介護や育児の役割分担について取り決めた協定は、それぞれが一五%、六%しかないようです。担い手として一人前で働く者が一人前の地位を与えられないという現状は農業の職業としての魅力を損なっているのではないかと思います。いろんな方々が、年を取った方々も男の方も女性の方々も、意欲を持って活動できる環境が整備されるように国の方からも積極的に働き掛けていく必要があると思います。  ちょっと時間の関係ではしょりますけれども、このような女性の農業者の地位向上に向けまして、私も、いろいろ農業に携わる女性の方々から、もっともっと農業の中の女性、男女共同参画社会を推進してもらいたいというそういう声も、私、大分県からも上がっておりますので、このような報告を踏まえまして、今後の農林水産省といたしましては、女性農業者の地位向上に向けてどのような施策を講じる方針なのかをお伺いしたいと思います。  よろしくお願いいたします。

宮坂亘農林水産大臣官房審議官

○政府参考人(宮坂亘君) お答え申し上げます。  女性は、農業就業人口、農業に従事なさる方々の人口の約六割を占めるということで、農林水産業、また農山漁村地域の重要な担い手といたしまして、その貢献するところ誠に大きいわけでございまして、農業とか地域の活性化の重要な役割を担っておられるわけでございます。さらに、近年ますます重要になっております食の安全、安心ということから見ましても、生産者であると同時に消費者という感覚に非常に優れた女性の農業者の役割というのがますます期待をされるところでございます。  こういうことも踏まえまして、農林水産省といたしましては、食料・農業・農村基本計画、また男女共同参画基本計画踏まえまして、まず第一に、女性の社会参画の促進という観点から、農協とか農業委員という、その地域の方針決定の場に参画をしていただくと。そのための目標の設定とか、その達成に向けた普及啓発と。第二番目といたしましては、女性の経営参画、今御指摘もございましたが、女性の認定農業者の拡大なり研修、それから制度資金の融通を通じました起業、業起こしでございますが、その活動支援と。それから第三番目といたしまして、女性が住みやすく活動しやすい環境づくりということから農業経営と育児の両立支援等々、総合的に今取り組んでいるところでございます。  今後とも、農業、農村を支えます女性農業者の役割、非常に大きくなるわけでございますので、各般の施策の積極的な展開に努めてまいりたいというふうに考えております。

後藤博子自由民主党

○後藤博子君 ありがとうございました。  本当に大切なことです。前亀井農林大臣のときですか、やはり女性農業経営者の皆さんを呼んでいろいろと会議をされたということで、その中に今日私が写真をいただいた方がいらっしゃいまして、本当に皆さん頑張っていただいております。現場で現実に本当に現物というさっきの三現を言いましたけれども、正にそれを担っている女性の方々ですので、今おっしゃったようなこと、御支援をよろしくお願いいたします。  もう少し、農林水産省にちょっと御質問をいたしますけれども、今私が、おじゃった村農業小学校ということで指導者の方々のお話をしましたが、その中の一人に農業者大学校の卒業生がいらっしゃるわけです。その農業者大学校を廃止するなど、農林水産省の農業教育に対しての姿勢にちょっと引きぎみの印象を感じております。  今のことは非常に大切で、農業小学校も大切ですし、後で質問します農業高校も大切ですし、農業大学も大切です。子供たちが育っていって、本当に農業で一生を送ろうかとか、自分は農家に入って米作りをするんだという方々のためには農業大学というものは非常に大切になってくると思いますので、引きぎみの印象を感じているのですが、その辺はいかがでしょうか。

宮坂亘農林水産大臣官房審議官

○政府参考人(宮坂亘君) お答え申し上げます。  引きぎみというようなお話ございましたが、独立行政法人農業者大学校につきましては、農業での人づくりのために昭和四十三年に設立をされまして、設立以来千人を超えます卒業生を生み出してきておりまして、今御指摘もございましたように、地域のリーダーとしていろいろ御活躍をなさっているわけでございます。そういう意味で、農業者大学校の果たしてきている役割、非常に大きいものがあるのではないかというふうに考えております。  ただ一方、独立法人の効率的な運営という観点から見ますると、相当長期にわたりまして残念ながら定員割れの状態が続いております。さらに、そのためでありますが、学生一人当たりの教育コストというのも年間五百万円を超えるということでかなりのコスト高になっていると。さらに、専門の教授陣など指導スタッフを有していないという点等、いろいろと厳しい御指摘を承っているところでございます。  ただ、農業者教育というのは非常に大事な話でございまして、このような指摘も一方であるわけでございますが、農業者大学校につきまして、現体制を改めまして、より効率的に高度な技術を身に付けて、お話ございましたような地域のリーダーたり、また農業者としても立派な御活躍をなさるような農業者をどうやって育成をしていくかということが非常に重要な課題になっているというふうに認識をしておりまして、新たな農業者育成のための教育をどのような形で行っていくかにつきまして鋭意検討を行っているところでございます。  具体的には、農業者大学校につきまして、先端的な技術開発を行っております、同じ独立行政法人でありますが、農業・生物系特定産業技術研究機構、この一部門といたしまして、その研究部門の成果をより迅速にかつニーズにこたえて農業者に伝えていくというような研修教育を実施する方向で現在見直しを行っているところでございます。

後藤博子自由民主党

○後藤博子君 本当にありがとうございます。  農業大学校も大事ですし、これから質問させていただく農業高校、常につながっていっているわけです。そういう点で、私は今日、農林水産省と文部科学省ということで来ていただいたんですが、もうこれからますます文部科学省のまた農業高校に関する取組ということも非常に重要になってくるかと思います。  今、農業大学のこともそうですが、農業高校の現状を見ますと、やはり少子化や普通科高校に通うという志向的な部分もありまして、農業高校に通う、通いたいという学生たちが減っておるそうです。また、地方自治体の財政事情などが原因で統廃合が進んでいるということです。統計を取り始めました一九七〇年には全国で約六百八十校あったそうなんですけれども、昨年度は三百四十七校と、ここ三十年間で半減をいたしております。生徒数も、ピークである昭和四十年の二十六万人から今約十万人まで減少しているということでございます。  そこで、片方では農業の現場における、また農業での自給率のアップとか農業の大切さを言いながら、育てることに対しての数の減少とか衰退ということが見られまして、どうバランスを取っていいんだろうかというふうに私も思っております。  農林水産省の新たな環境政策の導入の検討と併せまして、農業高校に関して文部科学省の取組の強化を是非検討いただきたいと思っておりますが、今、農林水産省はこうやって一生懸命取り組んでいただいております。また、文部科学省も是非前向きな御答弁をお願いしたいと思います。

塩谷立自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(塩谷立君) 後藤委員御指摘のとおり、特に若手の人材育成が重要な課題と思って受け止めておるわけでございますが、農業高校につきましては、今先生おっしゃった数字、大変今減少しているところであり、大体全高校生の二・八%ということで約十万人という生徒の数であり、これは十年ほど横ばいの比率となっているわけでございますが、教育内容等の改善あるいは魅力ある農業高校づくりに進めてきたところでございます。  特に近年、平成十五年度からは、目指せスペシャリストということで専門的な知識あるいは実践を踏まえた高校を作っていこうということで、特に農業高校についても、全国まだ四校で、来年度もこの拡大をしてまいりたいと思っておりますが、農業のスペシャリストを育成しようということで今取組を進めているところでございます。  同時に、平成十六年六月、文科大臣等五大臣で若者自立・挑戦プランの強化基本的方向として、専門高校において地域産業界と連携して将来の地域社会の担い手となる専門的知識人を育成するということで、この点についても専門高校の育成に努めてまいりたいと思っております。  いずれにしましても、これから農業について、しっかりと人材を育成していく中で農業全体の振興を図ってまいることも文部科学省としても努力してまいりたいと思います。

後藤博子自由民主党

○後藤博子君 ありがとうございます。力強いお言葉をいただきました。  特にお願いしたいのは、やはりもう文部科学省だけではなくて農林水産省とも強固な連携を取っていただきたいと思います。また、大臣はたしか宮崎出身だったと思いますので、是非、九州男児としてこれからも期待を申し上げます。よろしくお願いいたします。  質問、時間の関係上ちょっと飛ばさせていただきます。  環境教育についてお尋ねをしたかったんですが、少し時間が迫りましたので先に、環境の教育が大事だということでお聞きしたいと思っておりますが、今日はせっかく写真を持ってきましたので、先に緑のカーテンの質問をさせていただきます。  これは、緑のカーテンということで、東京都板橋区にあります区立板橋第七小学校、板七小と通称言うんですけれども、同校では二階のバルコニーから屋上にかけて、つる性のヘチマなどの植物を育てることで教室は涼しくなっていますと。これは、同校の六年生が総合的な学習の時間の中で取り組んでいる活動によるものですと。もう少し説明いたしますと、校庭側に面した二階のバルコニーから屋上にかけてヘチマをはわせて、日差しを和らげてくれるだけではなく、校庭からの熱を防ぎ、ヘチマの葉から水分の蒸発によって室温の上昇が抑えられています。緑のカーテン作りと呼ばれているこの活動は、子供たちが植物に親しみながら緑のもたらす涼しさを体感することができることから、実践的な環境学習の場としても注目されていますと今年の環境白書でも紹介されています。  そういうふうに、私の大分県でもこの緑のカーテン作りをするということで、九月に九州自然環境ボランティア会議というのが大分県で開かれましたときに、環境省から来ていただいたんですけれども、渋谷室長だったかね、来ていただいて、知っていますよということを教えていただきました。  こういうふうに板七小学校ではすばらしい緑のカーテンの取組をしておられます。地球にやさしい作文・活動報告コンテストでは、この学校から総理大臣賞を受賞した六年生の小学生がいるということで、すばらしい取組だと私も思っております。  このように、環境省と文部科学省がやはり共同で取り組むことがここでも必要になってくると思うんですね。先ほどは農林水産省と文部科学省の連携が大切と申し上げました。ここでは環境省と文部科学省の連携がやはり大切になってきます。  そうした中で、学校における環境教育、環境保全活動の推進についての取組の予定がありましたら教えてください。そしてまた、文部科学大臣のこれに関する決意がありましたら述べていただきたいと思います。ちょっと端の人分かりますかね。

下村博文自由民主党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(下村博文君) 最初に私の方からお答えをさせていただきたいと思います。  私の選挙区が板橋区でございまして……

後藤博子自由民主党

○後藤博子君 そうでしたね。

下村博文自由民主党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(下村博文君) はい。板橋の第七小学校を取り上げていただきましてありがとうございます。  御質問は、環境保全のための意欲の増進と環境教育に関する法律に基づいた基本方針が出されたけれども文科省としてどう取り組むかということでございますけれども、国民一人一人が環境保全についての意欲を高め、責任ある行動が取れるようにするため、環境教育、環境学習を推進していくことが極めて大切でございまして、今回のこの基本方針においては、具体的な今後の施策、また取組の方向性が出されているところでございまして、文部科学省としても、平成十四年度から、学習指導要領において順次社会科あるいは理科等において環境教育について更なる内容の一層の充実を図っているところでもございます。  今回作成された基本方針においても学校教育や社会教育における具体的な施策を盛り込んでいるところでありまして、これから具体的に、教職員と地域の環境学習リーダーが一緒に受講する研修の実施であるとか、また、子供たちが体験を通じて環境等について学ぶ豊かな体験活動推進事業、それから、御指摘のように、省庁連携子ども体験型環境学習推進事業、これを更に実施、徹底をしながら、新たに環境教育推進のためのプログラム開発、これを検討しているところでございまして、今後とも更なる環境教育の一層の充実に努めてまいりたいと思います。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 今、後藤委員からいろいろお話がありましたが、岐阜県の学校の、小学校の話、あるいは板橋の話ですね、農業とかあるいは環境とか、それからまた経済関係もいろいろ、子供たち、いろんな意味で文部省も、文部省だけに閉じこもっていないで広く各省庁とつながりを持ちながらこれからの子供たちを養成していきたいと、こう思っていますし、また、ちょっと言い忘れましたが、食育の大切さというのは、今朝の新聞で、産経新聞見ましたら、松井選手が何か孫に優しいということで言っているんですよ。私、松井選手はどういう食事しているのかな、向こうでと思って心配していましたが、孫に優しいというのを日本にいるときに教えられた、それを実践しているんだというんですね。何かというと、孫に優しい、豆、ゴマ、肉、野菜、それから、何ですか、魚、シイタケ、芋だそうでございまして、やっぱりそういったことを松井選手考えながらアメリカで活躍しているのかと、やっぱり食育は大事だなということをつくづく感じたということをお話し申し上げたいと思います。

後藤博子自由民主党

○後藤博子君 ありがとうございます。  もう時間がなくなりましたので残念なんですけれども、国内の子供たちにも目を向けていただきたいと同時に、海外の子供たちにも目を向けていただきたい。日本で学ぶ留学生の方々が日本から学んだことを海外に持ち帰り、自分たちで勉強して世界に活躍する若者になっていっております。  私は、昨年、ブラジル戦後移住五十周年記念に行きまして、サンパウロを訪ねました。そのときに、県費留学制度の最後の学生たちがこれから自分たちの後輩につなぐためには是非この制度を守ってもらいたいということで、それが一般財源化してしまいましたので、なかなかその担保ができなかったんですが、その子供たちから二千五百三十八通の署名運動、署名活動をして預かりまして、またその後に八百十三通送ってきまして、谷川外務副大臣と川口前外務大臣、今補佐官になられておりますが、手渡しをいたしまして、また総理もこのたび中南米に行っておられます。  そういうことで、日本は国内にかかわらず国外にも非常な人材を育成しているということは私は自信を持っていいと思うんですね。国内では、そうやって各省庁とも、もう今、これからの時代は一省だけではもう太刀打ちできない時代が来ておりますから、各省庁にも強いきずなで結んでいただいて、また海外とも強いきずなで結んでいただいて、世界の中の子供たちという宝をどう育てていくかという大きな視線も必要になってくるかと思います。  もっともっと細かい質問もあったし、今日おいでいただいた皆様にコメントもいただく時間がなくなりましたことをおわび申し上げまして、これからの文部科学の取組を期待しております。是非、皆様、よろしくお願いいたします。  本日はありがとうございました。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 民主党・新緑風会の鈴木寛でございます。  私ども民主党も、冒頭に、このたびの新潟中越地震、それから今年は十回以上も本土に台風が上陸をいたしまして、それぞれが大変に大規模な大型の台風によりまして全国各地で大きな災害が起こっております。そして、多くの方がお亡くなりになり、そして被災をされました。お亡くなりになられた方に心より御冥福を申し上げるとともに、被災をされた皆様方に心よりお見舞いを申し上げたいというふうに思います。  先ほどの質疑にもございましたけれども、先ほど地震によります文教施設等の被災状況については少しお触れになりましたが、台風も含め、この夏以降我が国を襲いました台風及び地震による文教施設の被災状況、そしてそれに対するこれまでの対応、さらには今後の対応についてお聞かせをいただきたいと思います。

萩原久和文部科学大臣官房文教施設企画部長

○政府参考人(萩原久和君) 一連の台風及び新潟県中越地震について御説明いたします。  まず、被害の状況でございますが、今年度の一連の台風及び新潟県中越地震による文部科学省関係の被害状況でございますが、現在のところ、新潟県、兵庫県など一都一道二府四十一県におきまして、国公私立の学校施設、合計で五千三十五校において被害があります。豪雨による床上浸水や地震による壁のひび割れ等の被害が報告されているところでございます。また、社会教育施設、文化施設におきましては千九件、それから文化財等では五百四十九件の被害が報告が寄せられているところでございます。  対応策でございますが、文部科学省といたしましては、関係教育委員会等に対しまして、今回の災害による被害を受けた学校施設の復旧事業の迅速な実施について通知するとともに、地方公共団体等の設置者から国庫補助申請に基づき順次所要の調査を実施しているところでございまして、災害復旧事業の円滑な実施に努めているところでございます。  今後とも、引き続き文教施設の被害状況の把握に努めまして、被災しました施設の早急復旧に向けまして、関係機関と連携して被災地への協力、支援に万全を期していきたいと考えております。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 今、全国で五千三十五校、これ学校だけでですね、という御報告がございました。これ、大臣始め文部科学省に是非お願いをしたいんですが、是非こうした情報は文部科学省が積極的にもっともっと発表、公表していただきたいと思います。  報道を見ていますと、もちろんこれ、地震大変なことでございます。地震の報道もどんどんしていただきたいと思いますし、先ほども我々がなかなかテレビや新聞では知り得ない情報を文部省からこの委員会で初めて御報告をいただいております。  ただ、地震の地区、新潟県、だけで三百二十八校でありますが、全国でいうと、これ五千三十五校なんですね。五千三十五校と、これ大変な数ですよ、これ。これだけの被害が全国各地で起こっている。例えば、兵庫県の豊岡というのはまだ水につかっているわけですね。こうした情報というのがどうしても今のメディアの報道からでは我々うかがい知り得ません。    〔委員長退席、理事北岡秀二君着席〕  こうしたときこそ、文部科学省始め政府が、国民の皆様に是非知っていただかなければいけないこうした基本的な情報をもっともっと積極的に自発的に、今日の場で有村さんも含め我々がお伺いをして出てきたわけでありますが、今までニュース見ましたけれども、こうした数字については我々は十分に告知されているというふうには言えないと申し上げていいと思いますので、この辺は是非小まめに積極的に情報を出していただいて、この問題の深刻さというものを多くの皆様方に共有をし、そしてこの問題に対する対応を政府を挙げて、そして国会を挙げて、そして国民を挙げて実施をしていくということに是非率先をしていただきたいということをお願いを申し上げたいと思います。  それで、現にこの五千三十五の学校、更に社会施設、社会教育施設、あるいは文化財を含めますともっと多くの数になるわけでありますが、特に休校などの教育活動に相当な影響が出ているというふうに思います。これは、これまた災害から一定の時間が経過されてしまいますと、またこれもニュースの中で埋もれてしまう。しかし、なかなか十分な学習環境の下で十分な教育が受けられないという実態はこれ続くと。しかし、世の中の関心はまたほかのことに移ってしまうということになりがちでありますが。  しかし、この問題は絶対にそうさせてはいけない問題でありますので、子供の教育活動というものにどの程度の支障があって、それがどういうふうに正常な状態に復帰をしていくのか。それに、中にはかなり時間を要すものもあると思います。時間を要すものがあれば時間を要して、この問題は本当にこれから中長期的にきちっと取り組んでいかなければいけない問題でありますということを常に発し続けていただきたいということも込めて、この教育活動の被害といいますか、支障がどのように起こっているか、その回復がどのように行われているかという点についてお答えをいただきたいと思います。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) まず、今回の中越地震の被災地域にございます学校での休校措置の状況でございますが、現在十一月の一日時点で公立学校百六十五校、私立学校二十五校が休校をいたしております。また、授業を再開をした学校におきましても、体育館やランチルームが避難所として使われているという状況もございます。  こういった中で、県の教育委員会や関係市町村教育委員会では、子供たちの状況、施設の安全度、通学路の確保等を勘案しながら、できるだけ早期に学校の教育活動を正常に戻せるよう今取り組んでいるところでございます。県の教育委員会からのお話では、ほとんどの市町村では来週の初めぐらいまでには学校を再開できるということを目指して今取り組んでいるというふうに報告を受けております。  文部科学省としても、できるだけ早期に学校の教育活動を正常に戻せるように、県や市町村の要望を踏まえながら、施設の安全点検、教科書の確保、こういったことにつきまして必要な協力、支援に万全を期してまいりたいと思っております。  それから、先ほど来お話のございました最近の台風による休校措置でございますが、これは十一月一日現在すべて解消されております。  以上でございます。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 是非、最後の一校まできちっと十分な目配りをしていただきたいというふうに思います。  それで、このたびの地震あるいは災害におきましても、改めて学校を始めとする文教施設というものが地域住民の避難所として本当に重要な役割を果たす施設なんだということを我々は再認識をいたしたわけでございます。しかしながら、なかなか、学校には来たけれども、結局、校舎あるいは体育館には入れずに、校庭で車の中に泊まるとか、あるいはそこにテントを張って難をしのぐといった光景が毎日のように今報道をされております。その中で、エコノミー症候群によって、防げた、免れることができた命が失われている、亡くなられているということはもう本当に痛ましいことだというふうに思います。  そういう中で、以前から私ども民主党が主張をいたしておりましたが、文教施設の耐震基準、これを満たしてない文教施設がこのところ急速にその割合が増えていると。この問題については早急に手を打てということを我が党も再三にわたって指摘をしてまいりましたけれども、改めてこの災害の最重要な避難場所であります文教施設の耐震構造あるいは耐震対策というものについてきちっと取り組んでいただきたいというふうに思いますが、その現状とこの取組についてどうなっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。

萩原久和文部科学大臣官房文教施設企画部長

○政府参考人(萩原久和君) 学校施設の耐震性についてお答えいたします。  先生御指摘のように、公立学校施設が非常災害時におきまして周囲の地域住民の方々の避難場所になる役割を持っておりまして、その安全性、特に耐震性については極めて大事なことだと認識しております。  それで、今年の四月に文部科学省が調査した結果でございますが、公立小中学校において耐震性が確認されていない校舎、屋内体育館でございますが、これは六万七千棟ございます。これは、全体棟数約十三万棟に対しまして五〇・九%ということで、半分強その安全性が確認されていない、耐震性が確認されていないという状況でございます。  このために、文部科学省といたしましては、平成十六年度予算におきましても、耐震化予算を最優先にいたしまして、一千百五十五億円を措置して耐震化に努めているところでございます。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 今、五〇・九%の学校が、校舎が、施設が耐震基準をクリアしていることが確認できてないと、これは大変な数字だと思うんですね。これも、是非文部科学省、国民の皆さんにもっともっときちっと開示をして、そしてこの問題の重要さというものを本当に、今頑張りますというお答えはこういう席でありますからされるわけでありますが、いざこれ災害が起こって、そして頼りにしている学校に行ってみたら、その半分は避難所として使い物にならなかったと、こういうことであります。このことは本当に長年の文教施策のある意味での失政だと申し上げて過言でないというふうに思いますが、この点については本当に早急に抜本的な取組を御検討いただきたいというふうに思います。  そういう中で、今回の三位一体の御議論の中で、校舎の施設整備費については交付金化をしてもいいということを文部科学省はおっしゃっているようでございますが、こうした中で今の耐震対策大丈夫なのかどうなのか、お答えをいただきたいと思います。

塩谷立自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(塩谷立君) 耐震の現状についてはまだまだ推進をしなければならないと受け止めておるわけでございますが、今回、三位一体の改革の中で、文科省としては新たに公立文教施設整備交付金ということで今提案を検討しているところでございます。  これは、特に三位一体の改革という一つの地方財政の改革に当たって、文部科学省としてはなかなか難しい議論の中で一つの案として検討しているわけでございますが、耐震につきましては、地方の裁量によって、また地方の実情に応じて、より適切な、そして耐震化にふさわしい事業ができることを期待をしているところでございます。  いずれにしましても、全体的な今回の状況を踏まえて今後この問題も検討してまいりたいと思いますし、やはり何といっても安全で安心な学校づくりは私どもの責任だと考えておりますので、この耐震化の推進についても今後とも努力をしてまいりたいと思っているところであります。  以上です。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 大臣、国にはいろんな重要な政策があります。もちろん限られた財源であります。その中でのやっぱり政策の優先順位というものをこれきちっと精査をし決めていくというのが、これは正に政治の仕事だというふうに思います。  歴代の文部科学大臣あるいは文部省の関係者の皆様方、教育が大事だとおっしゃる。我々もみんな同じ気持ちであります。しかし、問題は、きちっと政府部内でのプライオリティーというものをどのように位置付け、直していただくかと。過去の自民党長期政権の中での例えば文教施設の耐震基準、この極めて重要な問題が五〇%を超えるまで、その耐震基準を満たしていない校舎が、まで放置をしてきたというのはこれ厳然たる事実でございますし、それから、その中で私も、日々文部科学大臣及び文部科学省の方々が三位一体の議論の中で大変に御苦労をしていることは私も十分承知しておりますし、恐らく今の政府全体の動きに対しては、文教科学委員会すべての委員がこの動きに対してはおかしいと。その意味では、恐らく今日ここに集まっている方々の間で大きな議論の違いはないんだと思います。  しかし、是非ここでの意見を、あるいは気持ちを、これは皆様方、本当に全国の津々浦々の教育に携わる、あるいはお子さん、お孫さんを育てておられる御家庭の声がここに集まっているわけでありまして、その意見を体してきちっと政府内でその声を反映をし、そして実現をしていただくということが大臣のお仕事だと思いますので、是非この点は、大変な一週間だと思いますが、頑張っていただきたいというふうに思います。  この三位一体の議論については私ども同僚の那谷屋議員が後でじっくりとやらしていただきますので、私は今その点のところを申し上げるにとどめておきたいと思いますが、もう一つ、ちょっとこの文教施設の耐震の問題でありますが、まず今回、震災あるいは台風で被災をされた地域における文教施設、これはどの公共事業よりも、どの公共施設よりも高い優先順位で私は整備あるいは修繕、復旧というものをこれしていただきたいと。正にここ、小泉内閣が何に重点を置いているのかという順番が問われるという議論でありますから、この点は是非やっていただきたい。    〔理事北岡秀二君退席、委員長着席〕  しかも、民主党は、この国会で補正予算案というものを文部科学省からきちっと財務省にお出しになって、少なくとも文教施設についてはこれだけの額を確保し、そしてこの点、この点、この点については被災地の文教施設について速やかな復旧が必要であるという要求を今国会中に財務省にしていただきたいということを強く民主党としてはお願いを申し上げますが、この補正予算に伴う文教施設の復旧、改修について御意見を、というよりも御決意をお伺いをしたいと思います。

塩谷立自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(塩谷立君) 委員おっしゃるとおり、大変な甚大な被災を受けているわけでございまして、いち早くこの文教施設の回復を私どもも願っているところでございます。  公立学校の施設については、災害復旧事業等について地方の公共団体から、あるいは設置者から申請に基づいて、法律の規定による国庫補助を行うわけでございます。公立学校施設は特に地震や被災時には応急避難所として活躍をしているところでありますし、また耐震性確保については、先ほどもお話ありましたように、耐震化関連予算として一千百五十五億を措置しているところであります。  特に、今回の自然災害等によるこの復旧事業に対してはできるだけ速やかに必要な予算を確保すべく努力をしてまいりたいと思っておりますので、補正予算、必要が明らかになったときには、私どもの方としても努力をしてまいりたいと思っているところであります。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 今国会中におやりになるのかどうか明確な答えいただけなかったんで残念なんですが、文部科学省にお願いしたいのは、是非、受け身ではなくて、情報の提供も率先してやる、それから必要な予算の要求も率先してやる。今回の三位一体も、どうも攻め込まれているという感じなんですね。必死に防戦していると。これはなかなかいい突破口につながらないと思いますね。先手必勝でございますから、正に災害に伴う文教施設の復旧、そして子供たちの教育環境の速やかな正常化ということについては、是非、新大臣のリーダーシップを心より期待を申し上げる次第でございます。是非お願いいたします。  それでは、教育の基本的な問題について少しお話をさせていただきたいと思います。  今、義務教育国庫負担制度をめぐって大議論がなされております。文部省がいろいろなところで反論をされています。国庫負担制度があったから今では大都市といわゆる地方の市町村の間で学力の格差はなくなったとおっしゃっていますが、果たしてなくなったんでしょうか。私の実感では、引き続き地域格差はあるのではないかと。もちろん、国庫負担制度なかりせば、これはもっと大きかったかもしれませんけれども、現状において都市といわゆる地方の格差がないという判断自体、私は疑問を呈さざるを得ないわけでありますが、具体的な全自治体のデータに基づいて御答弁をいただきたいと思います。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 平成十三年度に全国の小中学校の教育課程実施状況調査というものを実施をしたわけでございます。  このうち、公立学校につきましては全国を三つの層に分けまして、一つが政令市及び東京二十三区の大都市、二つ目が政令市以外の都市、三つ目が町村部というこの三つの層に分けまして、それぞれの地域における児童生徒の平均正答率を比較をするということをいたしました。その結果、ほとんど差がないという結果が出ております。  三つの層の平均正答率の差は、まあ教科によっても若干異なりますけれども、〇%台から最大四%以内の幅に収まっております。これに対しまして、昭和三十年代の学力調査を見ますと、比較をする層がちょっと違うわけでございますけれども、例えば昭和三十七年度調査の中学校二年生の数学、これについて見ますと、住宅市街地の子供の平均と農村、山村の子供の平均で一〇%以上の差があるという結果が出ておりました。これらとの対照におきまして、現在は学力の地域間格差はないということを申し上げているわけでございます。  なお、平成十三年度調査におきましては、児童生徒の学力の全国的な状況を把握をするということが主目的でございましたので、先ほど申し上げましたように、子供たちを政令市及び東京二十三区の大都市、政令市以外の都市、町村の各層に分け標本を取ったわけでございますが、その結果、各自治体別の標本数には大きなばらつきがございまして、例えば都道府県ごとの学力状況の比較をするということは、これは統計的に余り意味がないということで、現在のところ、文部科学省の調査では各都道府県別の、自治体別の学力の比較という点に関しては最近のデータはないという状況にございます。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 是非、いろんな角度から、それからいろんな段階の児童生徒の学力についてもう少し詳細なやっぱり現状把握必要だと思います。  学力の格差はないとおっしゃられますけれども、やはり我々一般の感覚からしますと、例えば高等教育機会にどれだけの子供たちがそのチャンスを物にしているかということを見れば、これはやはり今局長おっしゃったように、いや格差はないと、ないんだとこれ断言するだけの根拠があるのかどうかなと。そこは相当やっぱり我々一般の皆様方が感じておられる認識とギャップがあると思います。  この点は、後段、局長おっしゃったように、是非、更により綿密な調査というものをこれは行っていただきたいと。そして、そうした事実に、もっと多くの多角的な事実に基づいて更に議論を深めていただきたいと。本来は、こういうことになる前に、そうした政策の基礎的な材料については、もっと広範にこれは集める体制、しかもそれを定点観測的にやっておく体制というものは私は必要だというふうに思いますが、是非改善をしていただきたいというふうに思います。  それから、河村前大臣が任期の終わりのころに義務教育の改革案がまとめられました。大臣がお辞めになることを御存じだったのかどうか分かりませんが、やや唐突にといいますか、急いで取りまとめがなされたなという感じが否めないわけでありますけれども。  ただ、文部科学省さんも、義務教育というものが重要な課題であると、それに対して文部省の方からいろいろな、世の中に対して問題提起をしていかなければいけないという、そういう姿勢が少し変わりつつあるなということは、先ほど、褒めてというのが重要な教育だということを大臣おっしゃいましたので、まずその点は褒めさせていただきたいと思いますが。  しかし、今まではとにかく文部省というのは慎重、慎重でやってきたんですけれども、しかしそこへ出てきた中身が、教員養成の改革だと、あるいは免許制だと、こういうことなんでありますけれども、それももちろん重要な検討課題であることは私は否定いたしません。しかし、それをやればあしたから、あるいは正に教育現場が直面している問題点が解決されるかというと、ややそこには、ちょっと、急がば回れという言葉もあるかもしれませんけれども。もちろん同時にそういうことは必要でありますけれども、これが義務教育改革の、何といいますか、本丸でございますと言われると、果たしてそうかなということを首をかしげざるを得ない。あるいは、あの改革案を手に取ったお父さん、お母さんたちは、ああこれで安心したと言えるかというと、これもかなりのギャップがあるということは──言えない、言えないと思います。  そういう中で、例えば前国会で、地域に開かれた学校づくりということで、地域運営学校の制度を盛り込んだ地方教育行政法の改正が行われました。私が慶応大学時代から提唱をいたしてまいりましたいわゆるコミュニティースクールとは、まだ私から申し上げると六十点台かなということであります。恐らく、下村政務官も恐らくそういう御認識では共有をされております。下村政務官がそちら側にお入りになったということで、大変に私期待をいたしておるわけでございますけれども。  やはり、この地域に開かれた学校、結局、保護者が自分の子供が通っている学校の運営について直接にもうきちっと物を言える。あるいはその前提として、その現場にもう毎日でも見に行って、何が起こっているかというのをこの目で見る。やっぱりすべてのヒントあるいは改革の萌芽というのは現場にあるんです。その現場で起こっていることを直視し、そしてそこに潜む知恵、あるいはそこに潜んでいる問題点を、机上の空論ではなくて本当にみんなが実感をする。そして、関係者すべてが正に議論を尽くし、そしてやれることからやっていくと。このことを不断に積み重ねるということが、私は今日の教育現場を改善をしていく王道だというふうに思っております。  そのことに対して、そうした努力に対して、ここが良くなった、ここはまだだといったように、きちっと、的確な努力に対してその成果がどうなっているのかということを確認をしていく、評価をしていく。くさすための評価ではなくて、頑張ったことが実っていることを評価する、あるいはまだ反省すべきを評価する、そういうふうな建設的な評価というもの、これは私大変重要だというふうに思っておりますが、こうした点について、義務教育の正に改革、どのような方針で臨まれていかれるのか、お答えをいただきたいと思います。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 若干お褒めをいただいたわけでございますが、義務教育の改革案は四本の柱から成っております。それぞれの内容につきましては、既に中央教育審議会などで審議を進めているもの、それから、これから諮問をして審議をするもの、先般、基本要請については諮問したところでございますが、そういうものと、三つ目には既に制度化をされて実施に移すべきものと、こういったものが混在をしているわけでございます。  私ども、この義務教育の改革案について、スケジュールをきちんと考えて、スピーディーに、スピード感を持ってその実現あるいは具体化に努力をしていきたいと、まずこう思っているわけでございます。  そこで、お尋ねの地域運営学校、いわゆるコミュニティースクールでございますけれども、これも平成十二年の教育改革国民会議の提言以降いろいろ検討が進められて、さきの通常国会におきまして所要の法改正が行われ、今年の九月から施行されたわけでございます。  私どもといたしましては、まずこの制度の活用促進に向けて、教育委員会等を対象とした各種会議の場における説明、あるいはもう既にパンフレットを作ってございますが、そのパンフレットの作成配布、それの説明と、さらには積極的な広報活動、そして実践研究校における研究成果の普及などを通じましてコミュニティースクールの実現を促していきたいと、まずこう思っております。  加えて、来年度概算要求におきまして、四十七都道府県にコミュニティースクールの活用についてのモデル事業を委嘱をすることといたしております。その事業の中でコミュニティースクールの成果について評価も行っていただきますし、その成果も広く全国に発信していくような事業を計画をいたしております。フォーラム等の開催も考えております。  いずれにいたしましても、この制度が全国的な展開が図られて、保護者や地域住民の参画による開かれた学校づくりが進められるように、私ども一生懸命努力をしてまいりたいと思っております。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 是非、この地域運営学校、正に教育現場に根差した普及、展開、そして更なる制度の見直しということについて取り組んでいただきたいというふうに思います。  私、医学の中にエビデンス・ベースド・メディシンという言葉がございます、EBM。教育でも私はこの正にエビデンス・ベースドということは非常に重要だと思っているんですね。ともすると教育というのは哲学論争にすぐ陥るようになります。それぞれの議論をされている方は、それぞれの御自分の教育体験に基づいていろいろなことを語り合う。そうすると、当然それぞれの方々の教育体験というのは違いますから、話がかみ合っているんだかかみ合わないんだかよく分からない。どんどんどんどん哲学論争に陥ってしまうという傾向を返すためにも、正に今のエビデンスに基づいて皆さんが議論をするということはとっても重要なことだと思います。  その観点で、二〇〇二年から完全週休二日制になりました。その導入をめぐって、正に週休二日、これをもう一回六日に戻せとか、あるいはさらに学力低下論争というものがこの文教科学委員会でも大いに、盛んに議論されたわけでありますが、むしろ私たちは、完全週休二日制、要するに学校五日制になったことによって空いてきた土曜日というものを、本当に子供の学ぶ意欲とか、あるいは体験型の学習機会とか、そういう生きた土曜日にするということがより建設的な議論なんだろうということで、私自身も、土曜学校運動と称しまして、従来のいわゆる月曜日から金曜日までの学校でもない、あるいは塾でもない、正に第三の類型の教育のチャンス、これを土曜日に積極的に、地域あるいはNPO、あるいは若者、そうした人たちを巻き込んで新しい学びの共同体というものを各地域に子供を中心として作るべきだということで提唱いたしておりまして、私も、主宰しておりますNPOでそうした大学生の皆さんと、そして保護者の皆さんと土曜学校、学び場というものも私もやってきております。  昨日、土曜学校ということでインターネットを検索しますと、もう七万件に当たりました。これは、例えば武蔵野市なんかでも土曜学校ということで始めておりますし、いろんなところで、それから私立の中学校、高等学校でも率先して自発的にこういう土曜学校というものを開設をし、そして現場で働く皆様方の生の声を聞くというような活用の仕方など、非常にいいことだと思います。  文部省も是非、土曜日を地域の力あるいはNPOの力、あるいは若者の力で、充実した、今までの従来にない、正に第三の学びの機会というものを子供に提供するということで今までも御提案をし、それについては十分に御検討いただきながらいろんな施策の展開をしていただいているというふうに思いますが、次期予算編成に向けて、具体的にどのような事業を今お考えになって、そして財政当局と御折衝されているのか。さらに、それを是非とも私は実現をしていただきたいと思いますが、これについての文部省のお取組、御決意についてお伺いをしたいと思います。

塩谷立自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(塩谷立君) 学校五日制に伴って、週末の子供たちのいわゆる活動については非常に関心があるところであり、文部科学省としても、特に地域や家庭の教育力、この問題を重視して、子供たちに様々な体験活動や交流活動を行うことによって子供の居場所づくりを支援しようということで、地域子ども教室推進事業に取り組んでいるところであります。  具体的には、学校の校庭やあるいは余裕教室、あるいは地域のいろんな場を使って、特に地域社会の中で大人の皆さんの協力を得て、指導を得て子供たちに多様な活動をしていただくということで、今年度につきましては四十七都道府県で五千百五十二か所、今実施をしているところでございます。  そして、来年度、十七年度においては、特に週末においてより高度なといいますか、専門的知識や技能を有する方々を指導者として招いて魅力的な学習活動や体験活動を行おうということで、特に週末チャレンジ教室というような名前を付けて、必要な予算として約十八億円を要求しているところでございます。これについても努力して、しっかりと獲得に向けて頑張ってまいりたいと思いますので、またよろしく御支援お願い申し上げます。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 次に、教育基本法の問題についてお伺いをしたいと思います。  私は、民主党の教育基本問題調査会の事務局長をいたしております。漏れ聞くところによりますと、次期の通常国会に向けて、与党内部ではこの法案をどうするのか、扱いについて連日議論が行われているというふうに伺っております。大臣も先日のごあいさつの中で、「国民的な議論を深めつつ」というごあいさつがございました。  私、是非、基本法、その法に基づいて具体的な施策が行われたのかどうかも含めて、この法をめぐって議論を深めること、民主党も賛成でございます。  もちろん、その国民的な議論の深め方の中身なんでございますが、私も、公聴会などを中央教育審議会がおやりになっているということは承知をいたしておりますが、国民的な議論を深める最も最大のものは、国会で、国民から代表をしろと議席をお預かりをしている我々国会議員が正に国会の場で国民の皆様の代弁者、有権者の代弁者として議論を深めることこそが国民的な議論を深めるということに一番資するのではないかというふうに思っております。  加えまして、教育基本法は憲法附属法であります。幾つもある法律の中で、憲法との関連性を明確に法律の中でうたい込んだ法律は、これほど明確にうたい込んだ法律はほかにございません。そういう意味でも、憲法を議論するのは我々国会議員の仕事でありまして、残念ながら行政府の方々のお仕事ではございません。そういう意味で、是非、憲法附属法であります教育基本法については、その在り方、あるいは今までの教育基本法に基づく教育政策が行われたかどうかの検証も含めて、国会内に教育基本問題調査会、仮称でございますが、のようなものを設置をし、正に与野党の議員がきちっと国会で議論をすべきだということを御提案を申し上げます。  是非、大臣、前向きに与党の方とも御相談をしていただいて御対応をお願いを申し上げたいと思いますので、この点についての大臣の御見解を伺いたいと思います。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 教育基本法につきましては、昨年、中央教育審議会の方から答申もいただきまして、また今、与党の方でも本当に連日のように熱心な議論が戦わされているところでございまして、それと並行いたしまして、私どもといたしましても各地で教育問題に関するタウンミーティング等を開きまして、広く国民の皆様方も巻き込んで、今度どういう基本法がいいのかということについて今議論を深めておるところでございます。  今、鈴木委員からお話がありましたように、正に大事な法律だという御認識いただいているというのは非常に有り難いことでございまして、そういう意味では、これ与野党を通じて、本当に基本的な法律でございますから議論していただきたい、いくことになると、こう思うわけでございますけれども、国会にどのような調査会を設置するかということにつきましては、これは国会法等の規定に基づきまして、各議院の判断といいますか、判断によって決められることでございますから、私としては国会の方でお決めいただきたいということしか言えませんが、先ほど申し上げましたように、是非これは与野党を通じた議論の場、深める議論の場というものを設置するということは大事なことじゃないかなと、こう考えております。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 是非、これは今日お集まりのすべての委員の皆様方に私どもから御提案を申し上げたいと思いますので、是非委員長もよろしくお取り計らいのほどお願いを申し上げたいと思います。  それで、与党の皆様方も教育基本法改正に関する協議会というものをお作りになって「教育基本法に盛り込むべき項目と内容について」という中間報告を六月にお出しになっているようでございます。中教審の御報告も私ども精査をさせていただきました。  で、その基本法の議論の前提として、今日の我が国の教育現場が抱える基本的な問題点というものについてどうもやっぱり検証、検討が甘いのではないかというか、もう少し重要なポイントが、率直に申し上げて重要なポイントが抜け落ちている部分が幾つかあるんではないかということを私は指摘させていただきたいと思います。  今日、それぞれについて御議論させていただこうと思いましたが、ざっと我々民主党教育基本問題調査会の方で認識をしていることだけ申し上げますが、例えば教育の基本問題に関しまして、私は教育財政の問題というのは極めて重要な問題だというふうに思っております。  ちなみに、一九九七年にお隣の韓国で教育基本法というものが制定をされました。韓国の教育基本法では第七条で教育財政という問題がきちっと明記をされておりますし、それから、中国の教育基本法では公財政支出教育費が国民総生産に占める比率をきちっとその教育基本法の中で明記しているんですね。そして、その教育財政の要するに教育支出の伸びが財政の経常収入の伸びを上回るようにしなきゃいけないというところまで中国の教育基本法は書いてあるんです。ですから、教育財政の議論というのは教育の基本問題の基本中の基本だということを私たちは重大な課題として認識をしております。  それで、これはもう文部省が発表になっておられる数字ですが、日本は、例えば初中等教育を見ても高等教育を見ても、公教育支出の公財政支出、対GDP比、先進国中最低ですね。この事態はずっと変わっていない。この点について教育の基本問題として議論がなされてないというのは、私は不十分な議論だというふうに思っております。  それから、例えば、先ほど大臣から、大臣の考える教育論、非常に御卓見を伺ったというふうに思いました。しかし、正にいわゆる期待される人間像問題でありますが、今、西岡先生もいらっしゃいますが、これ、昭和三十八年のころからもう十年に一回起こっている。六十二年の臨教審答申でもそうでありますし、それから教育改革国民会議でも正にこの人間像の議論というのは行われたと。  そして一方で、大臣、先ほどのお話はそれはそれで非常に結構なんですが、一方、国際的な動き、特に国連、特にユネスコでは世界全体の教育の在り方というものについていろいろな提言がなされております。例えば、一九八五年のユネスコの第四回の国際成人教育会議宣言では学習権宣言というのがなされまして、子供の学習権というものを、市民の学習権というものをきちっと明記すべきだということがこのユネスコの宣言でなされております。学習権は人が生き延びるために不可欠なものであるという位置付けがなされていまして、これが経済的な生活、そして平和創造のすべての基本だということを宣言をいたしております。  さらに、一九九六年には、ユネスコ二十一世紀教育国際委員会が学習の四つの柱、先ほど中山三原則が示されましたけれども、ユネスコは、知ることを学ぶ、なすことを学ぶ、ともに生きることを学ぶ、人間として生きることを学ぶというようなことも議論が行われています。  それから、これは九六年でありますが、二〇〇五年、来年からは、ユネスコは持続可能な開発のための教育の十年、ディケードがスタートをするということになっていますし、二〇〇五年はスポーツと体育の国際年でありますし、国際物理年でもあります、ちなみに。こうした国際的な議論の積み上げがあるわけであります。そうしたことにやはりきちっと日本のこの基本問題を議論する我々は十分認識をしなきゃいけない、あるいは勉強しなきゃいけないというふうに思います。  例えば、日本国内でも、来年、愛・地球博、愛知県で万博が行われます。そこで、例えばこのユネスコの持続可能な開発のための教育の十年と連動いたしまして、グローバル・スポーツ・アライアンスというNPOが、日本国際博覧会協会とかUNEPとかと一緒にそうしたフォーラムを持たれる、サミットを、スポーツサミットを行われるといったように、いろいろ国内でも様々なNPO団体、教育関係者が議論しています。それから、子どもの権利条約についてもそうしたNPOが大変な活動と実績を上げておられます。  やはりこうしたことをきちっと教育の基本問題をする前提として我々は勉強をし、そしてその中で取り入れるもの、あるいは日本の基本的、例えば学習権の問題などは私は教育の基本的な法律の中でやっぱり明記すべきだと思う。さらには、憲法の中で、憲法改正の中で学習権というのを明記すべきだというふうに思います。そういった問題。  それから、例えば先ほども有村委員から出ておりましたけれども、私たちはもちろん、自然な形で子供たちが健全に、自分たちが育った、あるいは自分たちを育ててくれた、はぐくんでくれた郷土やふるさと、場合によれば母校なんというのもその中に入ると思いますが、そういうものを愛して、その延長線で日本社会という共同体を愛するようになってほしいと私は思っています。  もちろんそのこと、とっても重要でありますし、そのことの議論の深めも大事だというふうに思っておりますが、今、私も東京を中心とする多くのお母さん方とお話をしていて一番心配しているのは、学校をとにかく安全な場所にしてくださいですよ、一番最初にお母さん、お父さんから出てくる第一声は。正に外部の侵入者からの安全、それから、先ほどもお話がありましたけれども、児童同士が正に友達をあやめてしまうという悲惨な、こうした学校をとにかく一刻も早く安全な場所にしてほしいと。子供の身体と生命の安全の問題というのは喫緊の課題です。このことについて教育の基本問題の中で扱わずしてどこで扱うんでしょうか。  それから、せっかく今、特別支援教育、これは大臣のあいさつでも触れられました。このことは、これも評価したいと思います。しかし、いろいろな議論の積み重ねがあって、今までの特殊教育から特別支援教育だと。これ、概念もきちっと整理し直して、特にLDとかADHDとか高機能自閉症と、これが現状として全児童の六%いると。そのことが、いるという前提で学級運営とか、そうしたそれぞれの子供に対して、そのLDとかADHDというのは別にカテゴライズできませんから、その子供子供のそれぞれの状態に応じて個別の学習支援計画を作らなきゃいけないという事態が分かってきた。それに対して取り組まなきゃいけない。これも私は教育基本問題上極めて重要な課題だというふうに思いますし、お隣の韓国ではきちっと教育基本法の中でこの特殊教育という条項を設けて認識をしています。  ほかにもいろいろ申し上げたい話がありますが、例えば就学前教育の問題、これは幼保一元化で厚生省と文部科学省の間に始まった、もう二十年来の課題であります。これを解決するのは、正に政治主導で、そして教育基本法という極めて教育の根本、あるいは人づくりの根本を議論する際に、政治主導で、国会主導でやらなかったら、この長年の文部省、厚生労働省の、もう大臣よく御存じだと思いますが、問題は解決されません。中教審でやっている限り、この幼保一元化を、さらに就学前児童の、私たちは無償化ということまで踏まえて検討すべきだと思いますが、これも解決できない。  それから、例えば建学の自由の問題。憲法八十九条が非常に訳の分からない形で、分かりにくい形で存在している。韓国は、きちっと私学の育成ということを教育基本法二十五条に設けて、そして私学の学校設立についても、法人と私人はきちっと学校を設立、経営できると建学の自由を明記しているんです。もちろん財源の限界というのはありますが、私学助成法の話と私立学校法の話とは、これはきちっと分けて議論をしなければいけないという長年の課題に決着を付けるのも、この際、政治主導で、国会主導で教育の基本問題について議論をするというチャンスなんです。このことも行われていない。  それから、私がもう何度も申し上げておりますが、この国会で、大学教育について、大学という、あるいは高等教育という文言は今回の与党の御議論の中では出てきません。しかし、今日の教育基本問題の中で大学教育、高等教育を抜きに議論することはできない。この点も欠けている論点だということを我々は指摘させていただきます。  それで、これは参議院の附帯決議も過去にございましたが、日本は、国際人権規約十三条の二の(c)、「高等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること。」と、この条項、批准していません。留保しています。留保している国は、百四十六か国中、日本、ルワンダ、マダガスカルです。この問題についてどうするのかと。もう何十年も前に国会で附帯決議がありながら、この問題を放置しています。これも決着するのは今しかありません。  というように、極めて教育の問題、大変な課題、しかもここで解決しなければ解決できない長年の懸案があるにもかかわらず、与党案、中教審案は不十分だということを民主党としては申し上げておきたいというふうに思います。その意味でも、先ほど申し上げました、是非この国会に、教育の基本問題について、今のような議論を参考人も来ていただいて、そして委員間の自由討議も含めてできる場を作っていただきたいというのが我々のお願いだということを大臣に申し上げておきたいと思います。  それで、時間がありませんので、次の質問に移りたいと思いますが、国立大学法人化の問題です。  これは、参議院の附帯決議を受けまして、先週、文部科学省から参議院に対して報告がございました。正直申し上げまして、極めて不十分な御報告だということを申し上げざるを得ないと思います。  それで、二点についてまとめてお伺いをいたしたいと思いますが、昨日、そして本日も、この国会内で国立大学の教員の方々がポスターセッションをやっておられて、大学の現場が大変な財政的な危機にあるという惨状を訴えられていらっしゃいます。  それぞれについて時間がありませんから御紹介申し上げませんが、附帯決議では、国立大学の法人化と独法化は違うんだと。すなわち、独法化はスリム化ということが目的に入っていましたが、国立大学法人はスリム化ということは入っていません。いわゆる大学の自主的な経営というものを、自律性、自主性を確保するためのガバナンスの変更だと。このためだけに国立大学をやるということで、当然予算もカットしないと。十分な予算、これから教育・文化立国で、科学技術創造立国で極めて重要な拠点が大学であるということを我々ここで確認をしたはずであります。しかしながら、現場から聞こえてくる声はそれと違う声がある。これに対してきちっと報告で答えていただくべきだというふうに思います。  それから二つ目。我々が懸念したことでありますが、大学のガバナンス、アドミニストレーションの中核を担う人事の問題。  我々が心配したことがやはり的中をしていると思わざるを得ない報告が現場からいろいろ聞こえてきます。この件についてはこれからも、特に一年間終わったところできちっと精査をするということを申し上げておきますが、一言だけ申し上げますと、例えば四月一日に五百十四人、それからこの十月一日に三十七人の国立大学法人の課長級以上の人事異動が事実上文部省の人事で行われているんです。  これは、大変に立ち上がりの極めて重要な時期に課長さんとか部長さんとか事務局長さんとかが突然いなくなっちゃうわけですね。中には、中にはというか、多くは非常に頼りにされていて、正に新しい大学を作るその中心的な役割を担っている課長さんであり部長さんであり、そして例えば産学連携の話なんかでも、企業に行って何度も何度も、その御本人は本当に努力をされて、企業との関係も十分にできて信頼関係も出して、そしてこれから産学連携で頑張るぞと。それが突然一週間前になって、いや私このたび人事異動でいなくなることになりましたと。一緒にやっていた大学の教員もびっくり、それから産学連携の相手先である企業もびっくりと。  正に国立大学法人化の意味は何かというと、これは大臣も役所にいらっしゃったからお分かりだと思いますが、役所の人事異動のルールはそうなんですね、これは特別権力関係ですから。しかし、もう国立大学法人はそういう意味では役所じゃないんです。正に地域の方、正に現場の教員、正に現場の学生、そして正にその連携先の企業あるいは団体、組織、そうした市民社会の一員としてより良い知の学府を作っていくと、こういうことでありますから、是非この点は、この人事制度、予算制度、大いにまだまだ直す点があります。  それから、法人化に伴って一番聞こえてくる声は、ペーパーワークが物すごく多くなったということですよ。大学の教員には本来業務である研究と教育に専念をさせてあげるというのがこの国立大学法人化の意味だったんですよ。それに全く逆行している。これもさっきのアドミニストレーションスタッフの問題とかかわります。アドミニストレーションスタッフが突然いなくなる、そんな人にはペーパーワーク任せられません。しかし、この人がきちっとそうしたアドミニストレーションのペーパーワークを始めとするそういうふうな事務的なマネジメント的な仕事を担えるということになれば、教員も専念できるというふうな、いろんな課題に対して大いなる疑念ございますので、この国立大学法人の問題、我々引き続き見ていきますが、国立大学法人について、予算、人事、事務体制の問題について一言、更に改善の余地があると思いますが、お答えをいただきたいと思います。

下村博文自由民主党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(下村博文君) 私の方から予算についてお答えを申し上げたいと思います。  委員御指摘のように、国会の附帯決議がございまして、これに十分に留意して、平成十六年度の運営費交付金予算全体では実際のところ前年度、平成十五年度と実質的に同程度の額を措置したところでございます。また、平成十七年度以降についても、六年間の中期目標、中期計画期間を通じて着実な研究開発が行われるように運営費交付金を措置することが必要であるというふうに文部科学省においても考えておりまして、十七年度予算については、国立大学法人全体として対前年度比二百五十億円増の一兆二千六百六十六億円の概算要求をしているところでございます。  ただ、御指摘のように、この国立大学の法人化に伴いまして、各大学の自主性また自律性、これを尊重し、拡大し、その中で予算についての各大学の効率化を図って、大学の活性化、更なる活性化、そして教育研究の高度化を図るということから御指摘があったのではないかというふうに思いますけれども、文部科学省としては、今後とも総額の予算を増額をさせて、この運営費交付金など必要なことについては更なる所要額の確保に努めてまいりたいと思います。

玉井日出夫文部科学大臣官房総括審議官

○政府参考人(玉井日出夫君) 国立大学法人の人事についてでございますが、これはもう御案内のとおり、国立大学法人の職員の任命権は幹部職員も含めましてすべて当大大学の学長にあるわけでございます。したがって、職員の人事につきましては、任命権者である学長が各大学の人事戦略に基づいて適材適所の観点から行うと、これが基本でございまして、文部科学省といたしましても、国立大学法人からの人事交流について要請があった場合に、適材適所の観点から各国立大学法人の意向を基本に必要な対応を図っていく、こういう姿勢で臨んでいるわけでございまして、今年の四月の人事でございますけれども、これはまだ法人化前ではございましたけれども、やはり法人化になるということを前提に各大学において法人化に伴う組織の見直し等も行われているわけでございますので、したがって、法人化前ではございましたけれども、例年より早く昨年の十月ごろからいろんな協議に着手をいたしました。  また、今年の十月、既に今、国立大学法人とされているわけでございますが、そのときに、適材適所の観点からの人事交流の必要性があった場合、そのときには、大学運営に支障が出ないように早めに協議を進めるということで基本的には考えてまいりました。  個々具体のいろんな御指摘あろうかと思いますけれども、私どもといたしましては、国立大学法人等の人事交流につきましては、これは各国立大学法人の意向を基本として、時間的に余裕を持った上できちんとした協議を進めるよう、そういうふうに努力をしてまいりたいと、かように考えております。

石川明文部科学省高等教育局長

○政府参考人(石川明君) ただいま先生の方からペーパーワークが多くなっているのではないかというお話ございました。  国立大学の法人化に伴いまして、例えば労基法が適用になるなど労務関係で新しい手続が必要になる、あるいは評価に関する事務が増える、こういったような面もございます。  しかし、その一方で、国の財務会計制度や公務員制度の制約から外れるということに伴いまして事務負担が大幅に軽減されているというような側面もあるわけでございます。例えば、文部科学省への人事等の諸手続が廃止される、あるいは国の会計規程に基づく諸手続等の廃止、あるいはその関連する提出書類の負担が大幅に減ると、こういった面もあります。そしてまた、大学によりましては、旅費業務を旅行代理店にアウトソーシングをするといったようなことを考え、また実施しているところもあるということでございます。  文部科学省といたしましては、引き続き各大学等から教育研究等の実情等もお伺いしながら、できるだけ各大学の事務負担が重くならないよう、これの軽減に向けまして御相談、協議をしていきたいと思いますし、教員の方々が魅力ある研究活動に思い切って取り組めるような、そういった体制の確立に向けて努力をしてまいりたいと、このように考えております。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 終わります。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 民主党・新緑風会の那谷屋正義でございます。  中山大臣の所信及び義務教育費国庫負担制度にかかわる関係省庁に対してお尋ねをいたします。  ただ、質疑等における慣例に習熟しない新人ということで、非礼がありました場合には御容赦いただきますことをお願いし、私にとっても記念すべき初質問を行わせていただきます。我が国の未来を背負う子供たちにとってもかかわりが大きい分野でございますので、何とぞ分かりやすい簡潔な答弁をお願いいたします。時間の方も押しておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  初めに、イラクで人質になっていた香田さんが殺害されたことが確認されました。最悪の結末となり、非常に痛ましく、心痛に堪えません。香田さんの御冥福をお祈りするとともに、御遺族に対し心よりお悔やみを申し上げます。  イラクの治安が悪化する中、さきの人質事件の反省が生かされずに不幸な結果となったことは極めて残念であります。当初から大義なきイラク戦争及び憲法上疑義のあるイラク特別措置法による自衛隊の派遣に反対してきた我が会派は、十二月十四日に期限を迎えるこの自衛隊の撤退を強く求めていくことを改めて申し上げます。  国内では、ここ十五、六年来では最大の被害をもたらした台風二十三号に代表されるこの間の連続的な台風や集中豪雨における、さらには今般の新潟中越地震に際して犠牲になられた方々に対して御冥福をお祈りするとともに、被災者の皆様方に心よりお見舞い申し上げます。特に震度六強を三回も記録するなど過去に例がないとも言われる新潟中越地震の甚大な被害に遭われた方々に対しては、一刻も早く安全、安心が確認され、生活再建が可能となる施策と財政を総動員した取組を可及的速やかに進める必要があると考えます。  この間、先ほども鈴木委員の方からお話がありましたけれども、学校施設等が避難所として大きな役割を果たしているわけでございますが、今後もこの機能を最善の形として求めるには、それに十分に見合う財政支援は不可欠でございます。先ほども触れられましたが、十月二十八日に文部科学省が内閣官房に提出された補助金削減案では、回答ゼロとまでは非常に評価できた答えであったんですが、その括弧書きのような形で、具体額は示さなかったものの、公立学校施設整備費の一部交付金化の検討を表明されたと新聞報道等もされています。  ここで文科大臣として、いわゆる国の責任を明確にした不退転の決意を、先ほど鈴木委員の方からは願いも申し述べられましたけれども、もう一度不退転の決意をお願いしたいというふうに思います。また、我が身、我が家庭のことも顧みずに、現場で精根尽き果てるまでとばかりに様々な状況に苦闘する教職員に対する措置等はどのようにお考えか、併せて確固たる答弁を求めます。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 那谷屋議員の今後の御活躍、心から期待をいたしております。  公立学校の関係、特に地震等もございまして、耐震強化とかいろんなことで本当に大変だなあと、お金も掛かるなあと、こう思っているわけでございますが。先ほど御指摘がありましたように、三位一体改革に対して文部科学省の答え、ほとんど零点に近いという御指摘もいただいたんですけれども、その中でこの公立学校施設整備費について交付金にしたらどうかというふうな提案をいたしたことはこれは事実でございますが、これもいろいろ部内で検討いたしましたが、こうすることが地方にとって使い勝手のいい予算になるのかなと、こんなこともあったということも御理解をいただきたいと、こう思っています。  そういったこともひとつ含めまして、この義務教育関係全体の予算確保ということにつきましては、正に今委員が御指摘ありましたように不退転の決意で頑張っていかにゃいかぬと、こう思っておりますので、御支援をよろしくお願い申し上げたいと思っております。  なお、地震の現地におきまして、先生方が本当に自らの被害も顧みないで救援活動に当たられるとともに、早期の授業再開に向けて御尽力されている。心から敬意を表し、感謝を申し上げたいと思います。  こういった活動というのは学校の管理業務の一環を担うものとして服務上も職務として取り扱うことができるというふうに考えられるわけでございまして、今後、具体的にどのような措置をいろんな意味で取っていくかということにつきまして、教育委員会等からいろんな御要望が出てまいりますから、必要な協力、支援について検討して万全を期して支援していきたいと、このように考えております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 是非、現場で奮闘される教職員の方々が勇気と、そして更なる頑張りが出るような措置をよろしくお願いしたいというふうに思います。  次に、発達障害者支援法案提出の動きに関連して文科大臣にお尋ねをいたします。  議員立法としての発達障害者支援法の国会提出に向けた取組が進行中でありますけれども、同法案と密接に関連せざるを得ないと思われる小中学校におけるLD、ADHD、高機能自閉症の児童生徒への教育支援体制の整備のためのガイドラインが今年一月に文科省から発表されています。これはあくまでも試案であるというふうに認識していますが、この試案に対しては、新たな障害を作り出し、特化しようとする危険な一面があるとの懸念は依然払拭し切れていないところでございます。  教育現場においては、さきの通常国会で成立した障害者基本法の附帯決議に盛り込まれた、ともに生き、ともに学ぶという理念こそが基本となるべきことは論をまつところではございません。特別支援教育の創意に満ちた進展を図るためにも、ガイドラインが、あたかも法的拘束力を持つかのような強制、強圧的なものであってはなりません。このことをまず大臣にしっかり確認したいというふうに思います。  同時に、発達障害者支援法案があるべき特別支援教育構築の阻害要因にならないように、どのような共鳴効果、いわゆるシナジー効果を発揮させていくおつもりか、併せて端的な答弁をお願いいたします。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 発達障害者支援法案につきましては、議員立法によりまして今次国会で法案提出、成立を目指す予定であるというふうに承知しておりまして、文部科学省といたしましても、その法案の動向を注視してまいりたいと、このように考えております。  なお、小中学校の通常の学級に在籍します学習障害、注意欠陥多動性障害、高機能自閉症の児童生徒に対する教育的対応につきましては、ただいま御指摘もありましたように極めて重要な課題であると、このように認識しておりまして、これにつきましては、平成十五年三月の今後の特別支援教育の在り方についてという最終報告をいただいておりますけれども、これを踏まえまして、平成十六年一月に小中学校におけるLD、ADHD等の児童生徒への支援体制の整備のためのガイドラインを作成し、各教育委員会や小中学校等に配布したところでございます。  この本ガイドラインは、小中学校におきますLD、ADHD等の児童生徒への支援体制の整備に当たり参考として活用されることを目的としたものでございまして、今後、このようなガイドライン等を参考にしながら、地域や学校等の実情を十分踏まえた上で適宜工夫を加えて活用することが前提でございまして、各教育委員会や小中学校に強制しようという性格のものではないと。今後、その活用の成果や課題等を踏まえましてより良いものに改善してまいりたいと、このように考えております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 先ほど鈴木議員の方の教育基本法の部分でも今の障害者教育の部分についてお話がございましたが、是非よろしくお願いしたいというふうに思います。  さて、三位一体改革にかかわって義教費の見直しというものが今出てきているわけでありますけれども、どなたが裏で糸を引いたのか、何の脈絡もなしに総理が三位一体改革における税源移譲額として三兆円をぶち上げたことが、望まれる教育改革の姿そっちのけで財政的見地のみが先行するという、教育現場で汗を流してまいりました私からすれば容認し難い混乱を生む火種になっています。諸悪の根源は、国民の真の声に背を向け続ける小泉総理自身の見識に帰するべきでありますけれども、財政論の立場から検証しても、当事者たる財務省、総務省の間においてさえ越え難い溝がございます。  ともあれ、あるべき教育改革を断行するためには、縦割り行政の弊害を乗り越えて、関係省庁、地方六団体の英知を集めることが必要で、すべてが仲間、応援者であるという確信を抱いての質疑であることを受け止めていただければ幸いであります。  三位一体改革が目指そうとする全体像が全く見えてこないところに、場当たり的な小泉改革の正体は明らかでございます。小泉総理は、就任に当たって米百俵の精神を持ち出し、国家百年の大計は教育にありとの決意を表明されたはずです。つまり、小泉内閣のよって立つ基盤そのものである大命題、米百俵の精神の具体化と、今進もうとしている三位一体改革の整合はどこで図られているというのでしょうか。透けて見えるのは、財政の帳じり合わせのために、やりやすいものから、取りやすいものからといった安易な発想でしかないのです。米百俵の精神を投げ捨てるならいざ知らず、路線変更がないとするなら、国民的な議論を徹底的に尽くした上で合意形成を図ることこそが小泉内閣としての最低限の責任の果たし方ではないでしょうか。この要諦をしっかり腹に据えた見識等を示していただくことを強く求め、質問に移りたいというふうに思います。  まず、財務省にお尋ねします。  建設国債、つまり借金で賄われた公共投資関連補助金は税源移譲の対象とすることはできないとの論理は、国の歳入歳出構造の実態からしても説得力が全くありません。財務省はこれまで、歳出確定後においては金に色目は付けられないと説明してきました。義教費二・五兆円、つまり給与費等に関していえば、国税で充当されたのか赤字国債で賄われたのかは区別し切れないとの立場を取ってきたわけで、それがなぜ今回に限り赤字国債では税源移譲ができて建設国債では移譲できないという立論につながるのか、全く理解できません。  現在、赤字国債も、何の根拠もなく借換え借換えで、結局返し終わるのは、建設国債と同じ六十年も掛かっているのは多くの国民が知っているところでございます。建設国債でファイナンスされた事業費において人件費に一切回されるお金がないということを実証できるなら、国民が理解できる形で示す必要があるわけで、それができないのならば、公共投資関係の補助金は税源移譲の対象外とするような意味のない仕切りは御破算にするべきではないでしょうか。これについての見解をお願いいたします。

勝栄二郎財務省主計局次長

○政府参考人(勝栄二郎君) お答えいたします。  まず、建設国債について申し上げます。  建設国債を財源とする公共投資関係の補助金につきましては、まず第一に、公共投資は、「改革と展望」の方針に基づき、引き続きその縮減、スリム化が求められている分野であること。第二におきまして、財源が建設国債であり、移譲すべき税源がないこと。また第三に、公共投資は、形成されます資産からその便益が長期にわたるものでありまして、したがって、将来世代も費用負担するのが適当であるという考え方の下で、財政法第四条ただし書で建設国債の発行だけは例外的に容認されていること、また、例えば地方においても公共投資につきましては建設地方債でその財源調達を行っておることなどから、税源移譲することは不適当だと考えております。また、昨年度、十五年度の予算編成におきましても、公共投資の補助金改革によります削減につきましてはその税源移譲は行われておりません。  次に、じゃ、赤字国債でございますけれども、建設国債対象以外の経常的経費につきましては、本来は現世世代の税収のみで賄うことが原則でありまして、ただし、現在はおっしゃいましたようにおおむね半分は赤字国債が財源となっております。したがいまして、こうした経常的経費につきましても、赤字国債が見合い財源となっている部分は移譲すべきでないということは考えられますけれども、本来は現役世代の税収のみで賄うべき経費であることにかんがみまして、赤字国債が見合い財源となっておる部分を含めて、地方において引き続き継続して行う事業である場合には、十分精査の上、税源移譲の対象としておるところでございます。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 依然として、赤字国債そして建設国債との違いといいますか、そこの税源移譲ができるできないの違いがまだはっきりしないというのが残念でありますけれども、もう一つ財務省にお尋ねいたします。  今回の税源移譲額をめぐる論議に際して、財務省の独り相撲ぶりは大変際立っているというふうに言わざるを得ません。建設国債による公共投資関係の補助金は税源移譲の対象外とするかのごとき財務省方針が、あたかも政府見解的なものとしていつ公的な場で確認をされたというのでしょうか、財務省の見解をお尋ねいたします。

勝栄二郎財務省主計局次長

○政府参考人(勝栄二郎君) お答えをいたします。  建設国債を財源とする公共投資関係の補助金につきましては税源移譲は不適当であるとの考えにつきましては、谷垣財務大臣が国会の場始めいろんな場で繰り返し申し上げております。具体的には、例えば今年の二月十日の衆議院予算委員会における国会答弁とか、経済財政諮問会議に提出しました資料とか説明等、様々な公式の場におきまして財務省としての考え方を対外的に表明いたしております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 国の方でどうにもならなくなったということの中で地方六団体の方に預けたこの懸案について、そのような形が明らかになってない。多くの国民はそのことが分かってないというふうに思うわけでありますから、そういう部分について非常に残念だなというふうに思うところでございます。  次に、総務省にお尋ねします。  三位一体改革の本丸はいわゆる既得権益化した公共投資関係の補助金を見直すことにこそあったはずでございますが、財務省が強弁する建設国債で担保される公共投資関係の補助金を税源移譲の対象とすることはできないという今のお話をなぜ打ち破る気概を見せないのか、あるべき地方分権推進の同志を任ずる私としては残念でなりません。削減すべき補助金とは何か、まずその議論から始めるべきではないでしょうか。数字合わせが先行した結果が今の混乱を招いたと言わざるを得ません。  中学校教職員予算八千五百億円の代替について即刻地方六団体と協議を行い、三位一体改革の本旨にかなう削減すべき公共投資関連の補助金を見付け出すべきだと考えますが、その用意はおありか否か、決意をお聞かせください。

松本純自由民主党総務大臣政務官

○大臣政務官(松本純君) 那谷屋委員にお答えをいたします。  公共投資につきましては、御指摘のように、その在り方を見直すべきとの議論もあるところでございますが、地方六団体は、公共投資関連も含めた地方向け補助金全体を精査をし、改革案を取りまとめたところでございます。その結果、設備整備事業を始め公共投資関連の補助金一・二兆円程度、そして義務教育費国庫負担金のうち中学校教職員の八千五百億円程度などを税源移譲対象補助金として選定をしたところでございます。  総務省といたしましては、こうした地方の改革案の実現に向けて最大限の努力を傾けてまいる所存でございます。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 地方六団体の方も、本当に無理難題を強いられる中で、本当に苦労されているということはよく理解をしているところでございます。しかし、もっとこの八千五百億円を代替し得るものを捻出していただくための努力を是非お願いしたいというふうに思うところでございます。  次に、今回の義教費見直し論議で総務省の大義名分は、学級編制及び教職員定数にかかわる義務標準法が存在する限り、財源手当ては、義務教育費国庫負担金に頼らなくても地財計画で責任持って賄えるということだと受け止めておりますが、その信憑性についての議論、検証の前に、最も大事な前提が忘れ去られていないか危惧を覚えざるを得ません。  憲法第二十六条が子供たちに全国のどこでもひとしく無償で小中学校の九年間の教育を受ける権利を保障する仕組みとして義務教育制度の整備を要請していることは既に知られているところでありますが、この具体化に向け、制度の効率性等を最大限発揮させるためには、国と地方がそれぞれにふさわしい役割分担を文字どおり大胆に行う必要があると考えております。  ここで言う大胆の意味とは、例えば教職員の給与費等にかかわる財源は国が責任を持つ一方で、子供や保護者の要請にこたえるための教職員の活用方策については地方に任せることなどを指すわけであります。  もう少し踏み込むならば、国が財源的な関与しない義務教育制度は成り立つ余地がないということでもありますが、これについての見解をお願いいたします。

松本純自由民主党総務大臣政務官

○大臣政務官(松本純君) この憲法第二十六条でございますが、国民は法律の定めるところにより教育を受ける権利を有すると想定しております。  これに対しまして国は、法律の定めるところにより、その権利を確保するのに必要な措置を講ずることが要請されているものと考えられるところでありまして、国が全額又は一部を負担するのか、あるいは全額地方が持つのかといった費用の負担の態様も法律の定めるところによりまして決定すべきものと考えております。その際重要なのは必要な財源を確実に保障することでありまして、財源の種類までは問われるものではないのではないかと考えております。  またなお、現行憲法下におきましては、昭和二十五年から二十七年にわたりまして全額地方負担、平均交付金化で教育サービスの提供が行われましたが、憲法違反との議論はなかったと承知をしているところでございます。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 総務省の方で常々力説する、その定数法がある限り地財計画上の措置で全く心配ない、必要なお金の出どころについては国庫かあるいは地方財源なのかを違いを述べ立てることにどれほどの意味もないというような論理があるわけだと思うんですが、実は虚構に基づくものではないかとの疑念が生じてまいりました。  そこで、以下、問題点を端的に示しますので、具体的にお答えをいただきたいというふうに思います。  まず、三位一体改革のまないたのコイになっている地方交付税そのものが財源保障機能を発揮できるのかという本質論についてであります。  国の所得税から住民税に三兆円を移譲させた場合、所得税の減少による、つまりは交付税原資の目減りによる影響が波及し、結果的に交付税総額は一兆円程度減ることになります。その保障機能は、国税の一定割合を財源とする交付税の仕組み上、景気動向に大きく左右され、財源不足となる可能性も否定できません。財務省も納得させた上での穴埋め方策は、さらには、この不安定さをどのように克服するおつもりなのか、見解をお聞かせください。

松本純自由民主党総務大臣政務官

○大臣政務官(松本純君) 所得税、酒税、法人税、消費税、たばこ税など、この国税五税の一定割合は、地方交付税法の規定によりまして、当然に地方交付税となることとされております。この交付税の対象税目の中には消費課税などの景気変動に対しまして比較的影響の少ないものも含まれております。所得税から住民税への三兆円の税源移譲を行えば、御指摘のとおり、その約一兆円の地方交付税が減少することになり、財源不足が拡大することは承知をしているところでございます。この補てん措置を含め、所要の交付税総額を確保するため、今後とも地方交付税法の趣旨にのっとり、地方財政対策全体として万全の措置を講じてまいる所存でございます。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 万全の措置をということなんで、是非そこのところは大事ではないかというふうに思うわけでありますが。  次に、配付をお許しいただいた資料について御参照ください。ございますでしょうか、この二枚つづりのものでございます。(資料提示)  十月十二日、国と地方の協議の場で地方六団体から提出されたものの一部でございます。一枚目の方にその協議の場ということで表紙がありまして、その中の米印の五番であります。九ページとなっている五番のところの資料でございます。  これまでの総務省の説明ぶりからしても、いわゆる、その波線が引いてあります「従来のしくみ」の方の、「文部科学省」の方の上から二つ目に「学級編成・教員定数基準」というのがございますけれども、この部分がその右側の「あるべき国と地方の役割分担」の中に、そのゾーン、枠組み内に一切見当たらないということは奇異に思わざるを得ません。教員定数にかかわる最低基準あっての学級編制でありますから、このことは義務教育の大本でもございます。  先ほどから御指摘申し上げているように、定数法に基づく教職員定数基準の存在を前提としない義教費改革はあり得ないことは総務省が力説するところでもございます。改めて端的な答弁をお願いします。

松本純自由民主党総務大臣政務官

○大臣政務官(松本純君) お答えいたします。  国民が全国どこでも一定水準の教育環境を保障されるためには、この学級編制や教職員数等に係る大枠を法律により担保するということとともに、その所要財源を確実に保障するということで地方の取組を制度的に保障していくということが不可欠と考えております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 先ほどから御答弁をいただいておるわけでありますけれども、結論付ければ、私なりの結論を付ければ、義教費制廃止後の税源移譲あるいは財源保障機能の制度設計が全くできていない状況下において制度廃止のみを先行して決定することは、義務教育を将来にわたって維持することが求められる国、地方自治体双方にとって重大な責任放棄につながるということでございます。  繰り返しになりますが、国、都道府県、市町村の役割分担、権限分担について国民的な合意形成が十分に図られないままで、義教費制度の背骨である中学校分を虫食い的に前倒しすることは到底許されることではありません。総務省の見解をお伺いします。

松本純自由民主党総務大臣政務官

○大臣政務官(松本純君) 総務省といたしましては、あくまでも義務教育費国庫負担金の全額の一般財源化が検討されるべきものと考えております。この点は基本方針二〇〇三においても政府の方針として明らかにされているところでございます。  なお、地方六団体の改革案におきましては、小中学校を含む全額の一般財源化を段階的に進めることとし、第一期ではまず中学校分を一般財源化することとしております。この理由として、我々が聞き及んでいるところでは、中学校の形態により近い高等学校の教職員人件費の財源が一般財源であること、また中高一貫教育に向けた取組の状況などがあるものと承知しており、一つの考え方ではないかと受け止めております。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 今のお答えいただいた部分についても一つ一つはあるんですが、時間の関係で……。  幾ら地方分権の大義があろうとも忘れてはいけないことですけれども、子供をその実験台に供すべきではないという永遠の真理を是非肝に銘じていただくことをお願いいたします。一般財源化がうまくいかなくても、その段階で元に戻せばよいとの理屈は、その被害を受けた子供たちには絶対通用しません。私の心情からすれば、慎重の上にも慎重を期す立場から、石橋をたたきにたたいたため、結局は石橋をたたき壊して渡れなかったというてんまつこそが望ましいのではないかというふうに思われるところであります。  ともあれ、想定されるデメリット、メリット等に関し万全の情報公開を進め、国民的な議論にまつとの姿勢が子供たちに示し得る総務省のせめてもの誠実さではないでしょうか。矜持、誇りを貫き通すことを強く求め、かつ心より切望するところでございます。  さて、時間の方が大分押してしまいました。文科省、文科大臣にお尋ねしたいと思います。  教育現場で実際に教育に携わる中で、文科行政の様々な施策を注視してきた立場からしても、今回の義教費見直しと文科省の押し付け行政の弊害がセットで論じられていることの不幸は大変嘆かわしいところでございます。文科行政は、六三制などの学制整備、学年における各教科の授業時数やその目標にかかわる一定の大綱としての学習指導要領の作成などにより、国としては基準を作り、条件整備に徹するべきだとの意見が教育の現状を真剣に憂える皆さんの大勢となっていることを承知していらっしゃるのか、首をかしげざるを得ません。確たる展望もないまま、泥縄式に、やれ六三制の弾力化だ、教員免許の更新制導入などと打ち上げたところで、地方の問題意識に何らこたえるものになっていないということにどうして気付こうとされないのか。  再度お伺いしますが、地方分権に寄与し得る文科行政を創成する立場から、大胆にゆだねるべき分野は何かにつき明確にお答えをお聞かせください。とりわけ歯がゆく感じるのは、総務省が定数法の存在を重視する姿勢を示しているのに、前向きな手を打とうとしないことであります。  子供たちの人格形成に有効な少人数学級編制の推進は国民の総意と言っても過言ではありません。売られたけんかに定性論や情緒論のレベルで応じるのではむなし過ぎるのではないでしょうか。国民の願いにこたえる骨太な提起、学級編制の基準単位は三十人以下とするという取組にこそ文科省の総力を結集すべきだと考えますが、決意のほどを併せてお聞かせください。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 教育の現場でいろいろ経験され、苦労された先生の御指摘でございますから、本当にしっかりと受け止めにゃいかぬと、このように考えているところでございまして、今正に政府内においても議論をしておるところでございますけれども、私がいつも申し上げているのは、国と地方の役割分担どうするんだということでございます。  今先生が御指摘されたような、要するに文部科学行政が押し付けじゃないかというようなことについては文部科学省も気が付いているようでございまして、御承知のような総額裁量制ということで、一応の基準は示すけれども、その中で柔軟にやってもいいよというようなことを打ち出しただけでもこれは大変なことだと、こう思うわけでございまして、今後も国としては、一応基準を示しながら、その基準の下でそれぞれの地方が創意工夫を凝らしながら、本当にその地元に合った、学校に合った、そういった学校運営をやってもらいたいと、それが基本だろうと、このように考えております。  そこで、定数の問題でございますけれども、文部科学省といたしましては、一律に学校規模を小さくするということではなくて、児童生徒の興味、関心などに応じまして少人数によるきめ細かな学習指導を行うことが効果的であると考えておりまして、教科の特性に応じまして二十人程度の少人数指導や習熟度別指導などを実施するための定数加配を中心とする教職員定数改善計画を平成十三年度から実施しておるところでございます。  一方、学級編制につきましても、平成十三年度以降、都道府県の判断で少人数学級を実施することができるよう運用の弾力化を図ってきたところでございまして、現在、四十二道府県において四十人を下回る学級編制が行われております。  文部科学省といたしましては、まずは現行の改善計画の着実な推進に努めることが当面の最も重要な課題であると、このように認識しておるところでございます。

那谷屋正義民主党・新緑風会

○那谷屋正義君 お時間でございますので、意見の方をまとめさせていただきたいと思いますけれども、とにかくこの三位一体改革の中で義教費を守るためには、やはり守っていては駄目だという先ほど鈴木委員からの御指摘もございましたけれども、是非教育論ということの中で、先手先手を打ち出していただきたいというふうに思うわけでございます。  今の学校において教師が子供たちと一緒に過ごせる時間は極端に減っています。例えば、教育委員会からの詳細な調査依頼や会議、研修会への出席なども増え、その対応に多くの時間が割かれてしまうなどによってであります。家に持ち帰っての仕事も増えるばかりでございます。このような勤務実態等から、心身の健康等を害する教職員も少なくございません。労基法にうたわれた休息、休憩時間が設定されているものの、日本全国ほとんどの学校では、子供たちが学校にいる間は実質休息、休憩は取れない状況になっている。このような過密長時間労働が子供たちから学ぶ喜びや夢を奪いかねないことを大臣には是非御理解いただきたいというふうに思っているところでございます。  来る通常国会では、与野党の垣根を越え、真の教育改革、要は子供本位の教育改革について論議しなければならないと認識しています。その中心課題の一つに、学校現場を覆い尽くす過密長時間労働の改善方策が据えられる必要があります。このことを強くお訴えをし、また私の初めての質疑に対して最後まで文科大臣が自らお答えをいただくという、そうした姿に感謝を申し上げながら、私の質疑を締めくくりたいと思います。

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。    午後一時十二分休憩      ─────・─────    午後二時開会

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 公明党の浮島とも子でございます。よろしくお願いいたします。  質問に先立ちまして、イラクで殺害されました香田証生さんの御冥福を心よりお祈り申し上げます。また、このたびの新潟県中越地震により亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、御遺族、被害を受けられた方々に謹んでお見舞い申し上げます。また今年、相次ぎ上陸している台風の被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。  さて、本論に入りたいと思いますが、本日は私の初質問であります。私の初質問の答弁にどうか当局の温かい御配慮がいただけるものと確信しております。よろしくお願いいたします。  間もなく、国公立の大学又は私立の推薦入学などに入る時期とも聞いております。また、もうすぐ年を越しますが、来年早々には、大学等の一般入試、そして高校などの推薦入学そして一般入試と、進学のための試験がメジロ押しとなります。  台風や地震の被害に遭われた方々の中には受験生もたくさんおられます。願書をなくされたり、期日までに準備の書類ができなかったり、取り寄せられない状況に置かれている受験生もたくさんいると思います。また、今の状況の中で受験を取りやめようとしている受験生も中にはおられるのではないかと思います。  このたび数々の被害に遭われた受験生、また親御さんたちにおかれましても、将来のことを考えると不安でしようがないと思います。災害時には、緊急採用奨学金制度というのがあり、申請時期は随時とお伺いしました。でも、余り知られていないように思いますので、もっと広く伝えていただいた方が保護者の方々への安心はより一層増すのではないかと思います。  そこで、現在、新潟や他府県で災害に遭われた方々、又は現地で被災をしていなくても、保護者が被災し、仕送りなどをしてもらっている学生に対し、今後授業料又は流失や使えなくなった教育材料などの配慮はあるのでしょうか、中山大臣にお伺いいたします。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 浮島委員にお答えいたします。  今回の台風二十三号や新潟県中越地震により、本人又はその学資を負担する者が被災された場合において、学生生徒の修学の機会を確保していくことは極めて重要であると認識しております。  このため、文部科学省におきましては、災害等により家計が急変し学業継続が困難になった学生生徒に対応するために、年間を通じて随時受付、無利子で貸与を行う日本学生支援機構の緊急採用奨学金制度、今御指摘あったところでございますが、により支援を行うこととし、同機構においては改めて各学校に対して文書を発出するとともにホームページに掲載するなど当該制度の周知を図っているところでございますが、今日の質問もそういう意味では非常に良かったんではないかと、このように考えております。  また、各大学、高校等の設置者に対し、それぞれが設けている授業料等の減免制度の周知徹底を図るなど、適切に対処するよう依頼しているところでございます。  さらに、被災により流失したり使えなくなった小中学生の教科書については無償で給与することとし、高校生の教科書についても、社団法人教科書協会及び社団法人全国教科書供給協会に対し無償で迅速に配付されるよう要請したところでございます。  文部科学省におきましては、今後とも、今回の災害により修学が困難となった学生生徒についてその機会を確保するために適切に対処してまいりたいと考えております。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 ありがとうございます。格段の御配慮をすべきです。しっかりとお願いいたします。  また、先日、十月二十八日、大臣のごあいさつ、所信にございましたけれども、「我が国が真に豊かで教養のある国家として更に発展し、子供たちが夢と希望を抱ける明るい未来を切り開くためには、国家百年の計に立ち、教育・文化立国と科学技術創造立国の実現を目指した改革を積極的に進めていくことが重要であります。」とおっしゃってくださいましたが、私は、これまでプリマバレリーナとして香港そしてアメリカで舞台に立ちました。そして、阪神・淡路大震災のとき何かお役に立ちたいとの思いで日本に帰り、被災した子供たちとともにミュージカルの劇団を立ち上げました。この活動の中で、この文化芸術の力が子供たちに夢を与え希望を与え、また一人一人に勇気を与えるということを実感してまいりました。そこで文化芸術の力が教育に果たす役割は大きいと思います。しかし、教育現場での文化芸術に対する時間が少ないとも考えます。  そこで、中山大臣にお伺いいたします。  文化芸術の力で生きた教育、生かせる教育の実現のためにどのようなことをお考えでしょうか。また、子供たちに伝統文化を継承していくためにこれからの学校教育の中でどのような取組をされていかれるか。  そしてもう一つの、大臣の所信の中に、「我が国の顔となる文化芸術を創造し、世界に発信していくため、文化芸術創造プランや「日本文化の魅力」発見・発信プランを推進」、「子供の文化芸術体験活動の充実、地域の文化芸術の振興」とありましたが、まさしく私が常々思い描いていることを大臣がおっしゃっていただきました。この文化芸術体験活動に対して、家庭の負担をなしに本物の文化芸術に触れさせていただきたい。感動の心を植えさせていただきたい。  そこで、この文化芸術体験活動、また地域の文化芸術の振興とはどのようなものなのか、中山大臣のお考えをお聞かせください。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 著名なバレリーナとして活躍されました浮島委員がこうして国会に出てこられたということ自体が我々にとっては大変な力になると、このように考えておるところでございますが、今お話がありましたように、文化芸術というのは、人々に感動や生きる喜びをもたらし、豊かな人生を送る上での大きな力になるものと、このように考えております。特に、子供たちにとりましては、感性を豊かにするとともに、豊かな情操を養う上でも大変重要であると考えております。  このような観点から、文化芸術振興基本法や同法に基づき作成されております文化芸術の振興に関する基本的な方針においても、学校内外における文化芸術活動の充実について特に規定がなされているところでございます。  具体的には、子供たちが各地域において多種多様な文化芸術に直接に触れ、体験できる機会の充実を図るとともに、学校教育におきましても、総合的な学習の時間などを活用しまして、積極的に文化芸術に関する体験活動など文化芸術に関する教育の充実を図るとともに、優れた文化芸術の鑑賞の機会、本物に直接接触する、そういう機会の充実を図ることとされております。  文部科学省といたしましては、今後とも子供たちが学校の内外において本物の文化芸術に触れる機会を充実していきたいと、このように考えております。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 前向きな御答弁ありがとうございました。伝統文化は本当にとても大切です。是非しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  また、地域における活動として、小中高等学校などで、体育館などで年に一回はすべての学校で舞台鑑賞ができるように取り組んでいただきたい。また、地域の人々との交流として、地域の方々をもっと授業などに参加していただくなど、地域の方々とのコミュニケーションをもっと図っていただきたいと思います。現場での更なる充実をよろしくお願いいたします。  また、日本には立派な国立劇場が幾つかあり、日本国立近代美術館や京都国立博物館など、国立の美術館、博物館があります。大切な税金で建てられた正に国民のための機関、施設であります。そこで、子供たちに本物の文化芸術に小さいときから触れる機会を増やす、また親しむという観点から、文化芸術振興基本法の新世紀アーツプランにおける子供の文化芸術体験活動の推進に連動して国立の美術館、博物館の常設展における小中高は既に鑑賞料無料ですが、お伺いしたところによりますと、子供たちが見やすいようにと国立劇場では夏休み子供用料金約二千百円とお伺いしましたが、より多くの子供たちに視野を広げるためにも、また施設の子供たちの配慮を含め、国立劇場や新国立劇場で是非とも無料にしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  例えば、曜日を決めたとしても、あるいは学校のカリキュラムに時間を工夫して、最低年に一回、一年で一回でも本物の舞台芸術を見れる、そして触れる機会を作っていただければと思いますけれども、いかがでしょうか。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 委員御指摘のように、この伝統文化、これは地元に根付いたものでございますから、やっぱり地域の方々、それぞれの専門家も一杯いらっしゃいますから、是非そういった方々も巻き込んで、様々な伝統文化が適切に継承されていくような、そういった努力を重ねていかなきゃいけないと、このように考えております。  また、子供たちに対してもっと安い料金でそういった芸術文化に触れる機会を提供してもらいたいと、こういう話でございますけれども、現在、独立行政法人日本芸術文化振興会では、国立劇場、国立文楽劇場、国立能楽堂、新国立劇場におきまして、子供たちを対象に低廉な料金で歌舞伎、伝統音楽、文楽、能楽、オペラの鑑賞教室を実施しているところでございまして、平成十六年度におきましては、歌舞伎鑑賞教室を八十六回、文楽鑑賞教室を五十六回、伝統音楽鑑賞教室を三回、能楽の鑑賞教室を十回、オペラ鑑賞教室を五回、子供のためのオペラ劇場を六回、それぞれ実施することとしております。  これらの入場料金につきましては、できる限り低廉な料金設定で提供できるように努めているところでございまして、現状では、伝統音楽が五百円、歌舞伎、文楽、能楽が千三百円、オペラが二千百円となっておりまして、まだ高いと言われるかもしれませんが、これらはそれぞれの劇場での通常料金と比較しますと十分の一から三分の一程度に相当するものでございます。  日本芸術文化振興会は、独立行政法人としての経営の効率化や自己収入の増加を求められておりまして、また、文化芸術の価値を正しく理解するためには一定の料金負担をすることが教育上の配慮としても求められているという意見もあることでございまして、子供たちの鑑賞機会の充実と可能な限りの料金の低廉化、適正化が図られるように努力してまいりたいと、このように考えております。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 ありがとうございました。  確かに通常料金と比べかなり低くなっておるんですけれども、これには夏休みとか限りがあり、期間限定ということになっております。例えば期限を外すとか、あるいはもうちょっと安くするとか、またお考えいただければと思います。  私は、より多くの、本当に子供たちの視野を広げるため、そして施設の子供たちを含め日本の宝の全子供たちにチャンスを与えてほしいと考えております。その観点からも是非とも無料にしていただきたい、これを前向きに考えていただきたいと思います。  確かに歌舞伎などはまだまだ入場料が高いかもしれません。海外と取引や仕事のある、やり取りのある社会人の方は経験がおありの方もいらっしゃると思いますけれども、日本人の方が日本の文化、伝統を知らない人が意外と多く見受けられます。それこそ、学生のうちに体験学習をたくさんさせた方がよいのではないかと思います。  また、地方には国立劇場などの施設のないところばかりです。地方からの修学旅行やあるいは社会科見学にタイアップし、見学コースに組み込むとか、もっと自治体の教育関係者に広く広報活動をして拡大をしていった方がよいのではないでしょうか。  また、一般の入場料についてですが、文化庁の御努力で、子供の育成のために親子で、期限限定ではなく、常により安い鑑賞料にしていただければと思いますけれども、御答弁願います。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 私も個人的にはそうあってほしいと思いますけれども、いろいろと先立つものやらいろんな配慮もあるんだろうと、こう思うわけでございますが、御指摘、御意見いただいたことを重く受け止めて考えていきたいと考えます。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 ありがとうございます。真の心の豊かさをはぐくむために、是非とも子供たちに文化の投資をお願いいたします。  次に、コミュニケーションの大切さ、大臣の所信にもございましたけれども、「英語が使える日本人の育成」とありました。私も今から約二十年前に日本を出て香港に参りましたが、その当時、香港の皆さんの英会話に正直驚くばかりでした。私はもちろん話すことはできなかったのですが、話せる英語がどれだけ必要かを実感いたしました。二十年前で感じたのですから、今の子供たちが大人になって社会で活躍するとき、国際化の進展は我々の想像をはるかに超えているものになっていることでしょう。英語を話すことが当たり前、そんな時代も遠い将来の話ではありません。  そこで、小学校における英語教育の必修化は急速な国際化の中では必要かつ不可欠だと思います。二〇〇四年四月十三日、中教審教育課程部会に外国語専門部会が設置され、検討を開始されたとお伺いしておりますが、これまでの取組又はこれからの取組についてお聞かせください。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 私もアメリカ・ワシントンに三年勤務しましたけれども、残念ながら、三十歳を過ぎておりまして、もう本当に物にならなかったなと。自分の体験からいたしましても、本当に小さいころに英語、使える英語といいますか、しゃべれる英語を学ばせることの重要性はもう人一倍理解しているつもりでございます。  そういうことで、今、文部省におきましていろんなことを検討しているわけでございますが、小学校における英語教育につきましては、平成十四年度から新たに設けられました総合的な学習の時間で、例えば国際理解に関する学習を行う場合にはその一環として英語活動を行うことができるようにされているわけでございまして、文部科学省におきましては、各学校における英語活動の取組を支援するために、実践的な手引の作成、配布、指導的な立場となる教員の研修、外国語指導助手の小学校への配置などを行っているところでございます。  また、これらを踏まえまして、今御指摘ありましたけれども、現在、中央教育審議会教育課程部会の外国語専門部会におきまして、総合的な学習の時間における取組の成果の検証、諸外国の事例の検証など、小学校における英語教育の在り方や課題等を含め、初等中等教育における外国語教育の充実改善について検討を行っていただいているところでございます。引き続き幅広い観点から総合的な検討をしていただきまして、平成十六年度中をめどに基本的な方向性について取りまとめていただきたいと、このように考えております。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 ありがとうございました。英語を取り入れている学校でも年に数時間しか確保できないのが今の現状です。更なる時間確保が必要だと思います。また、文化芸術に国境がないのと同じように、これからますます日本の文化芸術が発展すればするほど英語力も必要となる。その上からも、是非とも全力で前向きで取り組んでいただきたいと思います。  次に、父親又は母親の会社を小学生や子供たちが見学することを推進するような施策についてお伺いいたします。  私も長年にわたり海外に住んでおり、アメリカで、父親又は母親がある一定の期間に会社へ連れていき、一日、ありのままの仕事をしている姿を子供に見せる取組がありました。日本ではまだまだそのような取組が多いとは言えませんが、子供たちが父又は母親が一生懸命働いている姿を見ることで親子のきずな又は感謝の気持ちを学ぶすばらしい取組だと思いました。  昨年七月に成立した次世代育成支援対策推進法に基づき、平成十七年度からその取組を計画的に実施することをされていますが、企業内における子供参観日の実施についてどのような御計画か、お聞かせください。

田中壮一郎文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(田中壮一郎君) 子供の職場参観についてのお尋ねでございますけれども、議員御指摘のとおり、子供たちに親の働く姿を見せることは、親子のきずなを深め、親への感謝の気持ちを持たせる上で大変大切なことであろうと考えておるところでございまして、文部科学省におきましては平成十四年の七月に、今後の家庭教育支援の充実についての懇談会の報告で、企業等職場関係者に対して子供の職場参観日を実施することなど、父親、母親でもある社員がもっと子育てにかかわれるような環境を作るよう努めることという提言がなされたところでございまして、この報告書を商工会議所を始めといたします経済団体等へ広く配布し、その趣旨の周知を図っているところでございます。  また、御指摘のように、次世代育成支援対策推進法におきまして、各事業主におきましては行動計画を策定することとされておるわけでございますけれども、昨年八月に文部省等関係省庁によりましてその指針を作ったところでございますけれども、その中におきましても企業内における子供参観日の実施を掲げておるところでございまして、各事業主等におきましてはこれらの指針を踏まえてその計画の策定並びに取組の実施がなされるものと考えておるところでございます。  また、文部科学省といたしましても、子供たちが職場見学などを行うことによりまして、その親子の触れ合いを深めることを目的といたしまして、平成八年度から子ども見学デーを設けておるところでございまして、平成十二年度からはこれを全省庁と連携いたしまして、子ども霞が関見学デーということで実施させていただいておるところでございます。  本年も八月二十六日、二十七日の二日間実施させていただいたところでございまして、今後とも文部科学省といたしましても子供たちが親の働く姿を見ることのできる機会の充実に努めてまいりたいと考えておるところでございます。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 ありがとうございました。  この企業内における子供参観日ですけれども、費用も掛からないし知恵やアイデアでできるものだと思いますので、どうかスピーディーな実施をお願いしたいと思います。  次に、喫煙と健康についてお伺いいたします。  当委員会では既に早い段階から各会派の申合せで全面禁煙とお伺いしておりますけれども、喫煙による死亡リスクは、一九九五年で見ると、約九万五千人の方々が喫煙と密接に関連した疾患死、疾患で死亡したと推定されており、これは同年の交通事故死亡者の一万五千人を大きく上回っていると厚生労働省の喫煙と健康問題に関する検討会報告書で発表されております。  このような事態を受けて、がんや糖尿病など生活習慣病を防ぎ、健康長寿を目指す国の健康づくり運動、健康日本21の法的な基盤として、健康増進法が二〇〇二年に制定、翌二〇〇三年五月から施行されました。この中の第二十五条において、公共の場所の管理者に対し、受動喫煙の防止措置を取るよう努力義務を定めております。  中山大臣の地元、宮崎県では葉たばこ生産の日本一を誇っておりますけれども、この宮崎県でも、日南市などでは今年から市庁舎の全面禁煙に乗り出したとお伺いしております。  中山大臣にこの受動喫煙規制の重要性についてお考えをお伺いしたいと思います。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 浮島委員、よく調べていただいておりまして、ちょっとびっくりすると同時に、私がどういう立場かもお分かりいただけたんではないかと思いますけれども。  他人のたばこの煙を吸わされる、いわゆる受動喫煙につきましては、肺がんや気管支ぜんそくなどの原因になることが厚生労働省の検討会等でも報告されておりまして、現に私ども、国会議員になりましたのはもう二十年ぐらい前ですけれども、本当に皆さんたばこを吸っておられましたが、最近はもう吸う方が本当に少なくなったなということを実感しているところでございます。  平成十五年五月に施行されました健康増進法におきましては、国民の健康増進の観点から、受動喫煙防止の取組を積極的に推進するために、学校を始めとする多数の者が利用する施設を管理する者に対しまして、利用者の受動喫煙防止に係る努力義務が規定されているところでございます。  文部科学省におきましては、既に平成七年の五月に、学校等の公共の場におきまして利用者に対する教育上の格段の配慮が必要とされることから、禁煙原則に立脚した対策を確立すべきであるという、そういう通知を発出いたしましてこれまでも指導を進めてきておるところでございます。  学校のような多数の者が利用する場で受動喫煙を防止することは重要であると、このように認識しておりまして、健康増進法第二十五条の規定やこれまでの通知等を踏まえながら、学校における受動喫煙防止対策及び喫煙防止教育の一層の推進について指導を進めてまいりたいと、このように考えております。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 喫煙は大人の健康に悪い影響があることは当然ですが、まして子供たちにとっては更に大変な健康への悪影響が予想されます。  そこで、文部科学省におかれましては、小中高等学校への積極的な禁煙への取組が求められておりますけれども、どのような現状でしょうか。具体的に御説明ください。

素川富司文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。  学校教育におきましては、未成年の段階から喫煙をしないという態度を育てるということを目的といたしまして、学校教育全体を通じて喫煙防止に関する指導を行っているわけでございます。  この喫煙防止教育と関連いたしまして、平成七年度及び平成十五年度の二度にわたりまして通知を発出いたしまして、先ほど大臣が御答弁いたしましたように、学校等の公共の場において利用者に対する教育上の特段の配慮が必要とされているということで、禁煙原則に立脚した対策を確立すべきということで、都道府県教育委員会等に対して指導をいたしているというところでございます。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 私が認識をしておるところによりますと、二〇〇三年、日本小児保健協会が教育委員会に実施した都道府県、政令指定都市のアンケート調査によると、小学校では二六%、中学校で二〇%、高校で一〇%の禁煙が進んでいるということでございました。でも、これでは低過ぎると考えております。先ほど述べたように、子供たちへの悪影響を考えた場合、一〇〇%学校での禁煙が徹底されて当然だと思います。今の御答弁ではまだまだ不安が残ります。健康増進法第二十五条、受動喫煙の防止の趣旨からいっても、また子供の喫煙防止の教育のためにも、身近な大人である教職員、そして学校を訪ねてくる来客者が率先して喫煙をやめて、子供、生徒たちがたばこを吸わない環境を作る必要から、校内はもとより学校敷地内は全面禁煙にすべきではないかと考えます。  また、最後に中山大臣にお伺いをいたします。  この健康増進法第二十五条は努力義務でありますが、様々な難しい問題もありましょうが、それらを乗り越えて、学校内においては全面的に強制的な禁煙策を打ち出すべきではないでしょうか。御答弁願います。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 学校や地域の実情に応じまして学校敷地内の禁煙化を行うということは、児童生徒や教職員の健康増進の観点からも、また児童生徒の喫煙防止教育を進めるに当たっても効果的な方法であると考えております。  公立学校の敷地内の禁煙化の取組につきましては、平成十四年度から和歌山県教育委員会がすべての公立学校敷地内の全面禁煙を実施したことをきっかけといたしまして、全国各地の都道府県や市町村の教育委員会で取組が進められているところでございます。  文部科学省といたしましては、全国の学校について強制的に全面禁煙とすることは困難と考えますけれども、今御指摘ありました健康増進法におきまして受動喫煙防止に係る努力義務が規定されていること等も踏まえ、今後とも、学校敷地内の禁煙化に向けた取組を紹介しながら、教育委員会等に対して一層の取組を促してまいりたいと、このように考えております。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 ありがとうございました。  文部科学省が先頭を切って教育現場から一〇〇%禁煙にしてほしい、というより真っ先にすべきだと思います。子供たちの目に映る教育現場です。範を示していただきたい。是非とも日本の将来を背負って立つ日本の大切な宝物である子供たちを大切に、そして今からの無償の投資をお願いいたします。  これで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 日本共産党の小林美恵子でございます。  私はまず初めに、相次ぐ台風、そしてこの新潟中越地震による被災者の皆さんに心からお見舞いを申し上げると同時に、今、復旧・救援活動で御尽力されている方々に心から敬意を申し上げたいというふうに思います。  先日、小千谷中学校の校長先生のお話をお伺いしました。その学校では今もなお避難登録者が五百人、そして二百五十人の方が体育館や校庭のテントで寝泊まりをされているそうでございます。電気と水道は復旧したものの、まだガスが引かれてなく、医療スタッフもまだ配置をされていないという状況だそうです。寒さも本当に厳しくなります。小千谷を始めとして被災地の皆さんへの早い支援を質問の初めに要望したいというふうに思います。  それで、質問に入っていきますけれども、この小千谷の中学校の校長先生が学校を再開するに当たって是非ともということで御要望をお聞きしました。その一つが、やっぱり子供たちの心のケアということで、スクールカウンセラーをしっかり配置をしてほしい。もう一つは、文科省のお調べによりますと、被災された教職員の方が四百人に上っているというふうにお聞きをしました。そういう被災した教職員の方々の実情をお聞きして、代替措置を早急に取るべきだというふうに思いますけれども、この点いかがでしょうか。

銭谷眞美文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(銭谷眞美君) 地震などの災害の際の子供たちのいわゆる外傷後ストレス障害、PTSDに対しまして適切に対応するということは大変重要なことだと思っております。  御質問の件につきましては、現在、新潟県教育委員会におきまして、子供たちの心のケアを目的として、状況に応じたスクールカウンセラーの追加配置を計画をしていると承知をいたしております。  文部科学省としては、児童生徒の心のケアを含めた健康管理体制が円滑に行われるように通知を発出するとともに、新潟県のスクールカウンセラーの追加配置のために必要な人材の確保という観点から、新潟県教育委員会と連携を図りながら、専門家の派遣について日本臨床心理士会等の協力を求め、また近隣の県の御協力も求めて、必要な対策について速やかに対応してまいりたいと思っております。  それから、教職員の方で被災して出勤することができない教職員の方が四百人、現在の時点で四百人いるというふうに承知をいたしております。こういった状況において、例えば被害が比較的少なかった地域の教職員を応援として派遣をしたり他県からの援助を受け入れるなど、県や関係市町村の教育委員会においてその支援体制について適切な配慮を行う必要があるわけでございます。特に、学校が避難所となっている場合に、教職員の負担を軽減して教育活動の早期再開のための準備を行うということができるよう配慮する必要があると思います。  私どもといたしましては、具体的にどのような措置ができるかにつきましては、教育委員会等からの要望を踏まえ、必要な協力、支援について検討し、万全を期してまいりたいと思っております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 小千谷の方ではもう代替をお願いする方がいないというふうなお話もお聞きしてきました。受け身の姿勢ではなく、機敏に対応されることを御指摘申し上げたいと思います。  もう一つは、被災地の一部の私立高校では、とにかく授業日数を確保するんだと、そういうことで、校舎の床が今も波打っていても、危険な状態にあったとしても、授業を既に再開したというところがあるというふうにお聞きをしました。やっぱり子供たちの安全が何よりも大事ですから、授業日数の確保というよりも、やっぱり校舎の安全を点検してからまず再開というのが原則だと思いますけれども、この点も文科省の対応をきちっとしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

金森越哉文部科学省高等教育局私学部長

○政府参考人(金森越哉君) お答え申し上げます。  被災地における学校の再開に当たりましては、二次災害を避けるため、各学校の設置者において学校施設に関する適切な安全確認がなされることが重要と考えております。  今回の新潟県中越地震に際しましても、私立学校につきましては、新潟県の私学担当課から、被害に遭った私立学校に対しまして、応急危険度判定士による施設の判定を受けるよう依頼いたしますとともに、学校再開に当たりましては建築業者などの専門家と相談して安全確認を行った上で再開するよう指導したところでございます。現在までに、被害に遭ったすべての高等学校において安全確認がなされたと聞いております。  今後とも、被災地の学校において、生徒などの安全確保に万全を期されるよう適切に対応してまいりたいと考えております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 それでは次に、学校施設の耐震について質問いたします。  今回の地震で被災した学校は、先ほどの御答弁でも三百二十八校というふうに御報告ございました。実際、体育館の壁が崩れて外が見えているとか、はりが曲がっていて本当に危険だとか、廊下が陥没している、床が波打っているという現場からの報告がございます。学校というのは、当然、子供たちが一日の大半を過ごすところであり、避難所ともなるところですから、何よりもやっぱり安全にしなくてはならないというふうに思うんですね。  そこで、私は大臣にお聞きしたいと思います。  こうしてやっぱりこういう大きな地震が起こったときに学校までもがこうなるというのは、今までやっぱり学校の耐震問題について政府がどういう対応を取ってきたかということが問われるというふうに思うんですね。  文部科学省の防災業務計画では、新しい施設の耐震、既存の施設の耐震度を測って改善、補強をするというふうにしっかりと書かれています。  そういう意味では、そこを進めるという点で、私はやっぱり国のその補助率が本当に低いからだというふうに思うんですね。ここを引き上げなくては抜本的に解決はしないというふうに思うんです。同時に、そういう点にいたしまして、今回の大震災を機にしまして、全国のすべての小中学校での耐震診断を早急に実行するように補助率を引き上げて、そしてその予算を補正予算にしっかりと盛り込むべきだというふうに思いますけれども、この点、大臣、いかがでしょうか。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 御指摘のように、学校というのが、子供たちがもう一日の大半を過ごすところであるし、また、こういった震災等があったとき本当に避難場所として極めて大事でございます。ここの安全確保というのはもう重要であると、このように考えているところでございます。  そういうこともありまして、文部科学省といたしまして、非常に厳しい財政状況でありますけれども、この耐震化関連予算ということで、平成十六年度予算におきましても千百五十五億円と、対前年度六億円増と、来年は千七百七十一億円と、大変な増を実は要求をしているわけでございまして、その重要性は極めて大事と認識しておるところでございます。  そこで、この耐震性につきまして補助金のそのかさ上げ措置を行っているわけでございます。これはもう御承知のように三分の一を二分の一ということで上げているわけでございますが、これにつきましては、学校施設に係ります国と地方の適切な役割の分担の観点や現下の厳しい財政状況等を見ますと、なかなかこれは困難であると、こう考えておりますけれども、しかし、全体といたしまして、安全、安心な学校づくりと、また緊急避難場所づくりという観点から、耐震化の推進には努めてまいりたいと、このように考えております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 耐震化の推進に努めていくというふうには御答弁いただきましたけれども、その耐震診断の早期に実行するその予算の措置ですけれども、やっぱり増やしておられると言いましたけれども、今やっぱり必要なものだというふうに思います。  ですから、やっぱり補正予算に盛り込むように文部科学大臣としてしっかり御要求していただきたいというふうに思いますが、もう一度確認させていただきたいと思います。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) この耐震化関連予算につきましては、正に今御指摘のとおり、極めて重要な予算であると考えておりまして、今後ともあらゆる機会を通じて最大限確保するべく検討してまいりたいと、このように考えております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 それでは次に、国立大学附属病院の問題についてお聞きをします。  今回の新潟中越地震に際して、文部科学省は初動で新潟大学病院から被災地に医師四十四人を含む延べ六十六人の派遣を要請されました。これは、こういう対策の文書になっております。さらに、信州や群馬を始めとして全国の国立大学附属病院に医療支援の要請も出されました。今、それに神戸大学、東京大学等がこたえられ、十大学が待機中というお話もお聞きしました。  私は、ここでお聞きしたいんですけれども、こういう要請に、いわゆるこういういざというときに文部科学省が頼みの綱とするのが国立大学附属病院だというふうになっていると思います。そういう役割を附属病院が担っているということを大臣も御認識されているかどうか、確認をさせていただきたいと思います。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 今回の震災発生直後から、御指摘ありましたように、この新潟大学附属病院は直ちに被災地の救護所や病院における医療支援を実施しておりまして、また現在、医師八十八人を含む延べ百三十七人を派遣しておると。また、信州、群馬、神戸、東京の各大学附属病院からも医療支援チーム、延べ六十九人が派遣されまして、被災者の救援に当たっておられるということでございまして、本当に心から感謝しているところでございますが、こういったことの様子を見ましても、正に御指摘のように、この国立大学附属病院の体制整備ということは極めて大事だと、このように考えております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 先ほども御答弁ありました、国立大学附属病院の体制整備は大事だというふうにおっしゃいましたけれども、私はここで国立大学が法人化されてから附属病院がどうなっているのかということも併せて質問をさせていただきたいと思います。  元々国立大学の附属病院といいますのは、ほかの病院とは比べて看護職員の配置が患者二・五人に対して一人ということで、配置が低いですね。病院の増収計画も随分なされてきました。ですが、患者さんは増えるけれども職員が追い付かないという状態で、それで看護師の皆さんはとにかく残務量が多過ぎてもうパニックになると回答されている方がもう六割いらっしゃるんですね。それが法人化前です。  法人化されてから、ここに九州大学のアンケートがあります。このアンケート調査を見ますと、法人化によってゆとりができたという方はゼロです、回答は。忙しくなったという方が三四%ですね。つまり、法人化前でも大変だったけれども、法人化になったらもっと忙しくなったと。  ここで私は大臣にお聞きしたいと思います。  こういう看護師さんの皆さん、職員の皆さんの状態の下で、本当に高度で安心した医療を附属病院が施すことができる環境であるかどうかということを、どう思っておられるかお聞きしたいと思います。

石川明文部科学省高等教育局長

○政府参考人(石川明君) 国立大学の附属病院の勤務状況等についてのお話でございます。  国立大学附属病院は、ただいまもお話ございましたように、研究教育機関であると同時に地域の中核的な医療機関としても重要な役割担っております。そして、この役割は法人化後においても変わるものではないと私どもも認識しております。  このたびの法人化に伴いまして、職員の身分が非公務員型となったことから、労働基準法等が適用になりまして、医師等の勤務体制につきましても、当直業務の見直しや、あるいは一部の診療科等に交代制勤務を導入するなど、新たな診療体制の構築というものが必要となったところでございます。  このような状況下におきまして、各大学病院におきましては、法人化の利点を生かしながら、自主的な判断に基づきまして、柔軟かつ機動的な人員配置や、あるいは多様な勤務形態の導入など、運営の効率化とそれから労働負担の軽減等に積極的に取り組んでいるところでございます。  文部科学省といたしましても、引き続き勤務体制の見直し等も視野に置きながら、必要な運営費交付金を措置しているところでございますので、こういった医療の質の確保、病院運営の安定化の観点から、各国立大学附属病院におきまして適切な医療供給体制が確保されますように、国立大学の法人に要請をしてまいりたいと、このように考えております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 私は、先ほど答弁をしていただきたかったのは、そういう長々とした御説明ではなくて、こういう今の国立大学附属病院が本当に高度で安心した医療を施せる状況ですかということをお聞きしたかったわけです。まあ、でもその答弁はもういいです。  次の質問に移りますけれども、こうした事態というのは、結局はこれまで看護師、慢性的な看護師不足をやっぱり放置してきて病院の増収を求めてきた私は国に要因があると思うんですよね。さらにこれが法人化で、今度病院の経営改善係数二%として交付金を算定する、これは本当に病院に対しては大変な負担になります。  私、ここに東京大学の広報を持ってまいりました。ここで院長はこういうふうに述べています。  年間の一般診療三百三十億円、そのうち病院の独自収入は二百五十億円、その差額が運営交付金、しかも経費改善係数二%となると五億円です。五億円ですね。この五億円が増収しなければ、結局交付金は削減されていくわけですよね。これは本当に大変になると。五億円といったら、皆さん、本当に大変だと思うんですよね。そういう一方で厳しい増収をしなければならないと。そうすると、患者さんにも入院日数の短縮につながってしまうというふうに告発をされています。  私はここで大臣にお聞きをしたいと思います。  国民の命を助ける病院、文部科学省が緊急時に支援を要請するようなそういう附属病院に対して、やっぱり安心して医療が続けられるように、こういう経営の改善係数とかいうのを取り下げて、交付金をやっぱり思い切って増額すべきではないでしょうか。いかがでしょうか。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 大学病院の運営交付金の算定に当たりましては、御指摘ありましたけれども、教育研究と一般的な診療に係る経費を区分しているわけでございまして、教育研究に関しては運営交付金による積極的な財政措置を行い、病院収入の増減に影響されることのない仕組みとしております。一方、一般的な診療に係る経費につきましては、その性格上、原則として病院収入で対応することとしておりますが、病院収入では対応できない場合には運営交付金を措置いたしまして、診療や教育研究に支障を来たさないように配慮しているところでございます。  しかし、このような病院に対しましては、やはり目に見える形での経営の改善努力を求めることが必要であるということから、二%の経営改善目標を課すことによりまして、病院収入の増加、あるいは経費執行の効率化によりまして、結果として運営費交付金を縮減することを求めているということでございます。  大学病院につきましては、法人化後も引き続き適切な病院運営を行う必要があることから、文部科学省といたしましては、大学病院の経営の改善に向けた取組例の紹介とか、あるいは財務分析に関する情報の提供など、健全な大学病院経営のための最大限の支援を行ってまいりたいと、このように考えております。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 今日は、昨日、今日と大学の関係者の皆さんが、民主党の方もおっしゃっていましたけれども、法人化で本当に大変になるんだということで、ポスターセッションということをなさっておられます。そういう意味で、私はこの委員会としても、改めて、この問題は重大な問題ですので、集中審議をされるように委員長に求めておきたいというふうに思います。  そう求めて次の質問を、余り、全く時間がないんですけれども、次の質問にちょっと入らせていただきます。  義務教育国庫負担金の問題ですけれども、今、地方自治体が少人数学級ということで四十二道府県で本当に取り組まれています。そのことにつきましては、民主党の議員の方の質問による答弁で、大臣も少人数学級は子供たちのために役割を発揮しているというふうに御答弁されました。  私は大阪富田林にもお話を聞きに行きましたけれども、ここは今年度から実施をしていますけれども、やっぱり効能あるというふうに言われています。  そこの地方自治体が、今そういう少人数学級を実施するに当たって、本当に財政的にも工面をしています。学級数が増えるわけですから、教員を確保しなければなりません。富田林では、常勤講師を十人分、四千万円の予算を確保したと言いました。これでも少な過ぎます。でも四千万円。すべての小学校の学年に入れようと思うと八千万円掛かると。施設は、教室も増やさないといけないので、整備するだけで六百万、きちっと整備しよう、一つ確保しようと思うと二千万も掛かると。  やっぱり地方自治体は、お金も出しながら、父母や教職員のニーズに私はこたえていると思うんですね。本来はこれは国がこたえるべきだと私は思います。教育基本法第十条は教育、教育行政の、文部行政はその条件整備に力を注ぐとなります。そういう意味では、国が私は三十人学級にすれば地方自治体がこんなに苦労しなくてもいいんだというふうに思うんですね。  そこで、私は御指摘したいと思うんですけれども、こうして国がやらないことを地方自治体が一生懸命頑張っている中で、一方で国が義務教育国庫負担金を廃止をする、また公立学校の施設整備の予算を、その補助金も別のものに変えていく、そういうふうになりますと、国が地方自治体の努力を抑えることになるというふうに思うんですね。そういう意味では、もうここで大臣に、必ずこの義務教育国庫負担金の廃止は反対だということを、断固死守をするように明言していただきたいと思いますが、それをちょっと確認したいと思います。

中山成彬自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(中山成彬君) 正にそのとおりでございまして、私どもとしては何とかこの義務教育国庫負担法を確保したいと、堅持したいと思っているんですけれども、地方の方から、自分たちでやるから、うちの方に任せろと、こう言われているものですから非常に困っていますので、是非地方の方々にその旨をひとつお願いしていただきたいと思います。

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) 時間になりましたので。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 じゃ、終わります。

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) 済みません、どうも。いいですか。

小林美恵子日本共産党

○小林美恵子君 はい。

亀井郁夫自由民主党

○委員長(亀井郁夫君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後二時五十二分散会

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