農林水産委員会 第3号
- 発言数
- 138 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2004/11/18
会議録
○委員長(中川義雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に財務大臣官房審議官加藤治彦君、文部科学大臣官房審議官山中伸一君、厚生労働省医薬食品局食品安全部長外口崇君、農林水産省総合食料局長村上秀徳君、農林水産省消費・安全局長中川坦君、農林水産省生産局長白須敏朗君、農林水産省経営局長須賀田菊仁君、農林水産省農村振興局長川村秀三郎君、農林水産技術会議事務局長西川孝一君、林野庁長官前田直登君、水産庁長官田原文夫君及び環境大臣官房審議官福井雅輝君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中川義雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(中川義雄君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○岸信夫君 おはようございます。自由民主党の岸信夫でございます。七月に議席をいただきまして、今日が初めての質問になります。どうぞよろしくお願いいたします。 まず、災害関連の御質問をさせていただきます。 今年は、梅雨前線による豪雨とか、あるいは地震や火山活動、また度重なる台風が上陸いたしました。大変な異常気象になったわけでございます。台風や豪雨では全国で約二百五十名の方が亡くなられました。また、地震、新潟中越地震では四十名の方がお亡くなりになられたと伺っております。台風、山口県、私の地元の山口県でも大変大きな被害をもたらしましたけれども、二十五名の方が亡くなられました。また、この人的な被害だけでなく、家屋や道路、また港湾施設とかあるいは地場産業にも甚大な被害をもたらしたわけでございます。 まず、この場をおかりいたしまして、この一連の災害で亡くなられた方々に対しまして御冥福をお祈りいたします。また、被災された方々に対しまして心よりお見舞い申し上げますとともに、一刻も早く平生の生活を取り戻されますようお祈りいたしまして、また私どもも全力を挙げて御支援していきたいと、このように考えておる次第でございます。 農林水産業関係におきましても、やはり農作物に対する直接の被害のみならず、また農地や山林、漁港やあるいは農林水産関係の施設などにも大きな被害を発生いたしました。関係者の皆様の今後の経営に大変不安を抱いておるということだと思います。 大臣も、昨日、新潟に御視察に行かれたというふうに伺っております。まず、このような一連の事態に対しまして、農水省挙げて対策に取り組んでいただけることと確信しておりますけれども、今回の災害のまず規模とそれから今後の災害復旧の具体的な取組方針、そして復旧に要する期間など、明らかにしていただいて、また大臣の御決意をお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(島村宜伸君) 岸議員の御質問にお答えをいたします。 本年は、梅雨前線豪雨や台風、さらには新潟中越地震など、正に災害年ともいうべき災害の相次ぐ襲来で日本全土が揺さぶりを受けたわけでございますが、御質問のこの被害に関しましては、農林水産業関係の被害で現在約八千七百億円と把握されているところであります。まだ調査中の部分もございますので、これに多少加わってくるものがあることは予測できますけれども、そういう状況下にありまして、私たちは台風被害に対しては、これまでに台風十五号を一括する形で天災融資法を発動するとともに、次年度の作付けに向けて言わば支障のないように災害復旧事業の早期実施、また共済金の早期支払、低利資金の融資等に取り組んでいるところであります。 また、新潟県中越地震に対しましては、地震の発生後直ちに農林水産省内に対策本部を設置いたしまして、緊急食料支援対策を始めとする各種の応急対策に取り組んでいるところでございます。 私自身も、地震に限りませんが、いろんな台風の被害が異常に大きかったことから、いつでもどこへでも飛んでいくという姿勢を方々にその旨、趣旨を伝えまして待機をいたしたところでございますが、地震に関しましては新潟県の知事とも綿密に連絡を取っておりました経緯もあり、今回の地震の被害等の調査を今懸命に進めているので、これらについてある程度把握ができた段階で大臣においでをいただきたいと、こんなお話がございました。また、知事からも訪問を受けまして、再度この話をする機会もありましたので、私は昨日になって伺ったわけでありますが、まあ予想どおりといいましょうか、全く言語を絶する言わば甚大な被害、驚くなかれ、道路に埋まっていたマンホールがその基礎ごと全部浮き上がって飛び出すと、こんなようなことでございますから、通常の私たちの地震に対する被害とは全く違った状況、そんなことを目の当たりにしまして、改めて被害の大きさと、それを受けられた方々の言わば恐怖とかあるいはその被害に対する先行きへの不安等について再認識をさせられたところであります。 そういう意味で、復興に向けて皆さん実に誠実に取り組んで、一番大きな震度を記録したという川口町などは、自分たちの町だけでみんなで立ち上がろうというので、町長が先頭になって非常に見事な立ち上がりを見せておりまして、家が紙細工のようにべしゃっとつぶれているような実態も見ましたし、山崩れが本当、山が一つ消えてしまうような実態も見ましたし、高速道路と言えない、道路が割れて持ち上がっていると、いろんな状況を見てまいりましたが、こういうことごとに屈しないで頑張っているというその姿勢には本当に感銘を受けたところでありまして、我々はどんなことをしても、正に総力を挙げてこれらを支援し、皆さんが勇気と希望を失わないように、言わばこれからの行政を進めて皆さんの意思を支えたいと、こんなふうに思ったところであります。 そういう意味で、一連の災害による被害を受けた被災地の早期復興と農林水産業の再生を図るという意図で我々これから頑張りますが、御高承のとおり、日本一おいしいと言われるお米を作る産地でもございますので、実態を見てみると、大変厳しい自然環境を克服してあのお米はできているということも見てまいりましたので、是非皆さんにも御納得いただける我々の対策を進めたいと、こう考えているところであります。
○岸信夫君 どうもありがとうございます。 本当に現地の方々、余震が続く中で、また不安を抱える中で一生懸命頑張っておられる、そういうお話を今伺いました。今後とも全力で対処していただきたいというふうに思っております。 また、今年、台風で水産業にもいろいろ大きな被害を与えたと思います。十八号では、私の地元の山口県でも、あるいは北海道や広島、長崎でも、各地の漁港あるいは漁協の施設にも大きな被害がございました。我が国は四方を海に囲まれております。大変豊富な豊かな海からの恵みで生活を営んできた我が国でありますけれども、近年ではその水産資源がだんだん少なくなってきたりしておりますので、水産業を取り巻く諸環境というのも大変厳しい状況になっています。その中でこのような大きな災害がもたらされておるわけでございますけれども、この水産業に支障のないように、そういうことは全く緊急の課題であるとも考えておる次第です。 そこで、国としても漁港などの施設の災害復旧、これに対して早急に可能な限りの対策を取っていただくべきと思いますけれども、副大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(常田享詳君) 本年は多くの台風により、全国の漁港またその共同利用施設等、水産関係の施設も大変多くの被害を受けております。これらの台風による被害額は十一月十五日現在で約五百五十億円になっております。このうち特に台風十八号による施設被害額が、本年の台風による被害額の約四割に当たる二百十億円に達しております。本年の台風の中で最も甚大な被害を発生させております。委員の御地元の山口県でもこの十八号で約三十億円の、多くの被害が発生しております。 今、委員も御指摘のとおり、漁港、海岸保全施設、また共同利用施設等に対する早期の対策というのは極めて重要だというふうに考えております。関係法令に基づく災害復旧事業の対象となることから、事業主体と連携を取りながら速やかに災害査定を実施したいと思っております。先ほど大臣からお話ありました対策本部でも、大臣から、とにかく査定を早くしろと、そしてできることは早く着手しろという御下命をいただいておりますので、我々も一丸となってそのような方向で取り組んでいきたいというふうに思っております。 以上でございます。
○岸信夫君 ありがとうございます。 本当に早急な対応というのが大変重要なんだというふうに思います。 私の地元のことにもちょっと触れたいと思うんですけれども、山口県は瀬戸内性の気候で本来非常に温暖な地域、暮らしやすい地域ということで国の中でも上位に入る地域なんですけれども、今年は台風が数多く襲来しました。十六号、十八号、一週間置きに来まして、私の家も十八号でちょっと壊れたんですけれども。 農業に対する被害、山口県でも水稲あるいはハウス栽培、こういったところに大きな被害が出ました。農業、農家の経営というのも非常に厳しい状況になっておるようでございます。米の作況ですけれども、台風の襲来までは一〇〇を超えておって、本来なら実りの秋を迎えているはずだったんですけれども、台風が相次ぎまして一気に大減産となりました。また、山口県にもリンゴやナシとかあるいはブドウなど果樹園も結構あるんですけれども、また、岩国の名物でありますが、レンコンですね、岩国レンコンというのがあるんですけれども、こういった栽培、ちょうど一番収穫前の大切な時期に台風が参りました。そうしたことで農家の収入も大幅に減ってしまうんじゃないかと、こういう状況です。 また、強風で倒壊したハウスもかなりございまして、中には、今年サラリーマンを辞めて、早く早期退職して、その退職金をつぎ込んでハウス農業に入ってきたというような非常に積極的な意欲のある新規の就農者の方もおられたんですけれども、そういった方々、いきなり大きな被害を受けて、これからどうしようかと、本当に先行き途方に暮れておられるというような話も伺ったわけです。これ本当に、今、農業の基盤がしっかりしてくれなきゃいけない時期に大変残念なことだと思います。 そしてさらに、農家は、農協などから購入した資材費など、年内に返済しなければならないというふうに聞いています。こういうことから、先ほども大臣からもお話ございましたけれども、農業共済金、これの支払を一日でも早く、遅くとも年内には被災農家に支払っていただきたい。これについてはまた国の方でも積極的に農業共済団体に指導していただきたいというふうに思っております。 また、水稲について、倒伏やあるいは海風による塩害によって品質が大幅に低下している。そして、ですから一等比率もかなり下がっておると思いますし、それからくず米が大量に発生するんじゃないかというふうに懸念されておる次第です。 そうした中で、共済金の算定に当たりまして、こうした被害状況も考慮して支払をしていただきたいという声が大変多く上がっておるわけです。是非とも農業共済に関しますその農家の声を反映していただきますよう強く要望したいところでございます。経営局長に御意見をいただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 山口県、台風十六号、十八号を中心といたしまして、私どもが伺っておりますところによりますと、農林水産業全体で約百三十億円の被害、そのうち農作物で約五十億円の被害が生じているというふうに伺っております。 現在、私ども、大臣の指示を受けまして、共済の早期支払をすべく、損害評価取りまとめを鋭意努力をしておりまして、先生言われました年内に支払が可能になるように農業共済団体に対して徹底的な指導を行っていきたいというふうに思っております。 それから、くず米、規格外米の扱いでございます。本来、水稲共済は収量が減じた部分を補てんするというものでございますけれども、広範囲に塩の害等が起きて規格外米が発生するといったような場合には、地元の申請に基づきまして、そういう被害を受けたお米を減収量カウントするという特例ができます。山口県からも要望が上がってきておりますので、私ども、この損害評価の特例ということで規格外米を被害米として扱いたいというふうに考えているところでございます。
○岸信夫君 どうもありがとうございます。 今年の相次ぐ災害でいわゆる農作物以外にも、農地や農道あるいは施設、農業用の水路などにもいろいろ被害がございまして、農家も本当に、来年以降このまま農業が続けていけるのかと、こういうことを大変不安にも思っておると思います。また、高齢化が進んでおります。営農を続けていける、続ける意欲をしっかりエンカレッジしていかなければいけない、こういうふうに思うわけです。 こうした方々に対してやはり、先ほどから御答弁いただいていますけれども、スピードを持って復旧方針を提示するということがまず農家の方々にとっても精神的な非常に支えになっていくと思います。こういう不安を払拭して支援していかなければいけないと、こういうふうに思います。 これから希望を持って農業を続けていけるようにできるだけ早期に、被災した農地や農業用施設、これを復旧、元どおりに復旧していくこと、こういう災害復旧の現状と、そして今後の方針について農村振興局長にお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(川村秀三郎君) お尋ねのとおり、農地、農業用施設というのは正に農産物を作る場合の基盤となる施設でございます。その早期復旧ということが肝心でございます。 特に、緊急を要する復旧につきましては査定前の着工ということも認められておりまして、先般、この積極的活用を図られるよう通知もいたしたところでございます。また、査定につきましても、県、地元と緊密に連携を取りまして、この災害復旧事業計画書が出されますれば直ちに査定をするということで、技術的な助言、指導も含めまして、できる限りこの早期復旧がなされるように万全の対応をしてまいりたいと、こういうふうに思っておるところでございます。
○岸信夫君 ありがとうございます。 どうぞ引き続き万全の体制で御支援いただきたいというふうに思っております。 そして、災害から少し話が離れますけれども、私は大学卒業と同時に商社に入りまして、農産物貿易をずっと担当してまいりました。それで、いろいろ世界各地を飛び回ってまいったわけですけれども、先進国回りましても、どこも農業を非常に大切にしているということを感じたわけでございます。 そうした一方で、我が国の農業を見ますと、中山間地域中心に耕作放棄地がだんだん増加傾向にありましたり、あるいは食料自給率も先進国中最低のレベルに今なっていると。国民の多くが将来の食料供給の状況について不安を抱えた状態でおるということだと思います。 こうした中で、現在、政府で検討を進められています食料・農業・農村基本計画の見直しについて、品目横断的施策の対象を担い手に限定して集中的、重点的に実施していくという方針を伺っております。しかしながら、その中山間地域や零細企業が多くを占める我が国の農業の特殊性、実態にかんがみますと、我が国の農業の維持、発展のためには、担い手ばかりでなくて、もっと幅広く、あるいは中山間地域で頑張っているようなところにも含めてこの対象を広げていった方がいいんじゃないかと、適切なんではないかというふうにも思っております。 この点につきまして、大臣の御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 基本的には、農業を営むことで他産業並みの収入が得られるという一つの基本が考えられれば、農業に皆さんがかなり打ち込んでいただく方も新たにまた増えることも期待できるのではないかと、こんなふうに思うところであります。 しかしながら、現状においてはそうもいかない面が多いし、非常に不安定な部分も多いものですから、むしろ農業を副業として行っている方が結構多いわけであります。そういう農家が多数存在しているのを、このままこういう状況を放置しておきますとやっぱり食料の安定供給という面についてもいろいろ不安が伴うわけでございますし、また、効率的な、安定的な農業に我々はこれからも更に切り替えていかなきゃいけないときに、やはり本気でと言ったらおかしいですが、全力をそこに傾注するといった姿勢も求められるところでありまして、私は、今の状況をこのまま放置しておいてはいけないんだと、実はそう考えているところであります。 そういう意味で、このような状況にかんがみまして、他産業並みの所得を上げ得る経営を広範に育成すると、こういう基本に立ちまして、今、我が省挙げてこれらの経営安定対策、いわゆる経営を目指して取り組んでいるところでございますが、少なくも一定の基準を満たす者を対象として経営安定対策を講じ、構造改革を加速することが重要ということで、我々は考えを一つにして今取り組んでいるところであります。 もとより、担い手は個別又は法人の経営だけではありませんで、経営体の実体を備えた集落農業、集落営農といいますか、集落営農も対象として考えているところでありまして、我が国の農業の生き残りを懸けたこれは非常に重要な問題でありますので、是非御理解と御協力を得たい。 特に、岸議員はアメリカの第一線で穀物の供給のために一翼を担っていた経験をお持ちでございますから、国際的な状況等もよく勘案の上、お力添えをいただければとむしろ願う次第であります。
○岸信夫君 どうも大臣、ありがとうございます。 私の地元の山口県も非常に中山間地域が多い地域で、こうしたところでの農業というのはやっぱりその地域を支えてきておるわけです。そういったところも大切にしていかなければいけないというふうにも思っておりまして、その中での中山間への直接支払の制度でございますけれども、これはやはり農業の持つ多面的機能の維持とかあるいは地域の活性化、こうしたことに大きな役割を果たしてきました。実際、農家の方々からも大変喜ばれて、また必要とされておられる、この制度の継続について大変強い要望が出ております。 さらに、この辺の大臣のお考えをいただきたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 正に私がお答えすべきことをもうお話しいただいたと同じでございまして、同じ考えに立ってこれから一生懸命頑張ることをお約束したいと思います。
○岸信夫君 どうぞよろしくお願いします。 最後に、漁業関係についてお尋ねしたいと思います。日韓の漁業交渉でございます。 この日韓協定がスタートする前、日本の近海には多くの韓国漁船が出没して、乱獲を繰り返すという状況でありました。日本側はなかなか取り締まることができなくて、言わば野放しの状態だったと思います。 一九九九年にこの日韓の漁業協定がスタートしまして、状況はかなり改善してまいりました。漁業の、韓国漁船の操業に規制を掛けることができるようになって、韓国漁船の数もかなり減って、日本の漁船も安心して操業できるようになってきているという状況であると思いますけれども、まず、この辺の状況について、日本水域で操業する韓国漁船の操業をどのように規制してきたのか、その辺りの交渉の経緯等を水産庁長官にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(田原文夫君) お答えいたします。 日韓漁業協定は、ただいま先生御指摘のように、一九九九年に発効しているわけでございますけれども、このときは、日韓、隻数にいたしましても漁獲割当て量にいたしましても平等ではございませんで、韓国が十五万トン、これに対して日本は九万トン、隻数は韓国が千七百二十四隻に対しまして日本が千六百五隻だったと。これを交渉によりまして順次狭めてまいりまして、二〇〇二年以降は、日韓両国のそれぞれの漁獲割当て量あるいは操業する隻数、これを同じにしたわけでございまして、今年平成十六年は、漁獲割当て量は七万トン、それから操業許可の隻数はそれぞれ一千九十八隻ということで、等量、等隻にするということにしたわけでございます。 このほか、我が国の排他的経済水域内の資源状況でございますとか、さらには、我が国漁船との操業トラブル、こういったことがいろいろございますので、毎年、韓国漁船に対します操業規制、この強化を提案しておりまして、例えば、韓国漁船のうちのバイかごですとか刺し網漁業、あるいはアナゴ筒漁業、こういったものの禁止ですとか、はえ縄漁業の禁止区域の設定、さらには同時に操業できる隻数の最高限度の設定、こういったことによりましてできる限り我が国漁業とのトラブルが少なくなるようにということで努力をしてまいっている次第でございます。
○岸信夫君 是非、非常に強い立場で対応していただきたいと思うわけでございます。 ただいまおっしゃられた違反操業、まだ一部で続いておるのが実情だと思います。違反といいますか、マナーの問題なのかもしれません。我が国の貴重な水産資源、これを保護するためにもこれを徹底的に今後とも取り締まっていくことが必要だというふうに思っておる次第です。 私の地元の山口県、山陰側ですけれども、これもやはり入漁してくる韓国漁船が沖合の良い漁場を占拠してしまっているという状況です。韓国漁船の場合は何日も掛けてそこにとどまっておる。日本側はやはり日帰りでやっていますのでなかなか、どうしても同じ漁場を奪い合いになる。魚種は違うんだと思うんですけれども、漁法が違ったり、あるいはそういったことでなかなか後から入っていけない、こういう事態になってトラブルになっておると。民間同士での決着というのも努力したようですけれども、なかなかこれもうまくいっていない、こういうふうに思います。韓国側がこれをトラブルとして認識していなかったということもあるかもしれませんけれども、これは非常に地元の人たちにも大きな問題になっていたと思います。 これからまた交渉を始めていただくことになるわけですけれども、こういった問題が一歩でも前進するようにしていただきたいと思います。 島村大臣に、また日韓交渉にどういう姿勢で臨んでいただけるか、決意表明をお願いしたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) お答え申し上げます。 私自身も大変鮮明に記憶しているんですが、実は私は一九九七年、平成九年に農林水産大臣を一度拝命いたしまして、取り組んだ早々にあったのはこの日韓漁業問題でありました。 当時は、言わば韓国の大きな船が、元は日本の船ですが、言わば底引き漁船が日本の近海といいますか鼻先へざっと来まして、日本海沿岸の漁場を率直に言えば荒らしているような状況にありました。例えばカニの産卵期等、日本の漁師は皆おかへ上がって次に備えるわけですが、その間にもうごそっと来て根こそぎ取っていくと。こんなことをしたんでは水産資源がなくなってしまうという漁民の悲鳴が聞こえました。また同時に、操業においても全く手段を選ばないような取り方で、大体把握できる範囲で少なくも七、八倍、恐らく十倍を超えているんじゃないかというぐらい漁獲量の差も生まれてきたところです。 与党間では、これは何としても日韓漁業協定を破棄すべきである、そしてもう一度再締結し直さないとこれは制御できないということだったんですが、その決議にもかかわらず、正直言って外務省大変当時は弱腰であって、何か事が起きたら大変だということが先に走ってらちが明かないと。それで、私は再三外務省とも話し合いましたけれども、これではずるずるいってしまって任期終えてしまうので、私の任期中にきちんとこれはまず決まりを付けなきゃいけないと。 漁民の方々はどうだったかというと、もう政府がいい加減なことをやっているんなら鉄砲撃っちまおうと、事を起こせば本気で取り組んでくれるんじゃないか、このぐらい険悪でありまして、これが一件、二件ではありませんでした。 そこで、私を信頼してほしいとお訴えをしまして、私は韓国の大使館その他を通じてもう善処方を申し入れたんですけれども、全く誠意が見られなかったので、平成十年の一月、一九九八年の一月と思いますが、これを破棄いたしまして、それで再締結への言わば経過がずっと生まれて、少なくも三年間で言わばお互いに同量にする、そして漁業の秩序というものをお互い尊重し合うと、こんなような約束ができたようでございますから、今にして思えば正しい判断であったと自負しておるところであります。 今後もこの姿勢をきちんと貫いて、お互いがお互いを常に尊重し合うという漁業が日本海でも実現できるように努力をしていきたいと、こう思います。
○岸信夫君 終わります。ありがとうございました。
○小泉昭男君 私は、神奈川を選挙区として、このたび御推薦をいただきましてこの場に参加をさせていただいております小泉昭男でございます。 早速御質問申し上げたいと思いますが、今、国民が一番関心をお持ちのことといいますと、治安、景気、雇用、福祉、年金、これはもう報道のとおりでありますけれども、さらに一番大事なことは、食の安全、そして安全な食品を食べて健康でだれよりも長く生きたい、いつまでも楽しい生活をしたい、これが一番の願望かなと、こういうふうに思います。 こういう中で、今、岸委員が海外の方にまで行って活躍されたお話聞きました。私も一時、農業をスタートとして農産物の加工を手掛けたことございました。ワシントン州、オレゴン州、カリフォルニア州に至るまで農産物の、自分で使う材料を仕入れたこともございました。そのときにも感じたんですが、日本の気候風土、また日本の農産物の状況というのは外国の方の方がもっと詳しくデータをお持ちだということを痛感いたしました。 こういう中で、最近、農産物が、日本の優秀品種が海外に出て、そして栽培されて、それが日本に輸入されているという現状を仄聞いたしておるわけでありますけれども、特に大手スーパーの中では、タマネギの「もみじ」というおいしい品種でありますけれども、これを海外で栽培されて日本で販売されている、こういう現状も伺っております。これから種苗法それからまた食物品種等の知的財産権、こういうものに対するガードがどうなっているものか、こういう部分について伺っていきたいと、こういうふうに思います。 それと、自給率のアップでございますけれども、二十二年には四五%を目指すということでありますけれども、この根拠をお示しいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(白須敏朗君) 委員の御指摘のうち、海外からの農産物の輸入に対して日本で育成された品種の保護はどうなっておるのかというふうなお尋ねに対しましてお答えをさせていただきたいと思います。 委員の御指摘のとおり、我が国でやはり育成されました新品種が不法に海外に持ち出されまして、その品種を用いて生産された農産物が、中国でございますとかあるいは韓国と、そういったところから逆に我が国に輸入されておるという事態も生じているわけでございます。例えば、北海道で育成されましたインゲンマメでありますとかあるいは小豆、あるいは栃木のイチゴ、あるいはまたイグサですね、畳表なんかの事例が出ているわけでございます。 そんなところで、私ども、こういった事態に対処いたしますために、昨年、種苗法を改正をいたしまして育成者権の侵害に対する罰則を強化をいたしたところでございます。また、併せまして関税定率法も昨年改正をされまして、税関におけますいわゆる水際の取締りといいますか、この侵害物品の輸入の取締りが可能となりまして、現在、イグサにつきましては、熊本県からのこの輸入差止めの申立てに対応いたしまして、畳表、輸入の畳表の検査が実施をされているところでございます。 私どもとしましても、今後とも、ただいま委員からも御指摘ございましたが、育成者権のその権者ですね、育成者権者に適切な情報提供も行っていく、あるいは助言も行いながら、一方では、税関に対しましてDNAなどを活用いたしました品種の識別技術と、そういったことも行いまして新品種の適切な保護に努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○小泉昭男君 大分いろいろな危機感お持ちで、しっかりと方向付けを考えておられるということを聞きました。しかし、バイオの関係はもう世界を制するわけでありますから、これから一層の強化、そしてまたガードもしっかりとやっていただきたい、こういうふうに思います。国の責任でありますので、どうかよろしくお願いいたします。 それと、先ほどやはり台風被害等についての質問もございましたけれども、野菜価格、高いときにはレタスが一個五百円から場合によれば七百円近いときもあったという話を聞いております。しかし、この野菜価格の安定策、これについてお伺いしたいと思いますが、野菜農家からしますと、野菜の価格が高いということは、品物が取れないわけでありますから、高ければ単収が上がるというものじゃありません。そういう意味で、野菜価格が高くなったときには農家の所得が低くなっているということが現実であります。 こういうものに対して、消費者側とそしてまた生産者側との立場の相違がございますが、こういうことについての対策、お考え、伺いたいと思います。お願いいたします。
○委員長(中川義雄君) 先ほどの質問に対して村上総合食料局長から答弁願います。
○政府参考人(村上秀徳君) 自給率についてのお尋ねでございます。 食料・農業・農村基本法に基づきます基本計画に定めております食料自給率目標でございますが、これは計画期間内における食料消費及び農業生産の取組の指針ということになりますので、ただいたずらに高い目標を設定して単にその積算基礎を示せばよいというものではございませんので、消費者や生産者などの関係者の努力によって実現可能な水準となるように設定するという考え方で行っているところでございます。 この基本計画では、平成二十二年度までを食料自給率の着実な向上を図るための計画期間として位置付け、その期間内に消費者や生産者、食品産業の事業者などの関係者が消費と生産の面で取り組まなければならない課題を明らかにしまして、これらの課題が解決した場合の姿として望ましい食料消費の姿及び農業生産の努力目標を掲げまして、達成できた場合の実現可能な水準としてカロリーベースで四五%というふうにしたところでございます。
○副大臣(常田享詳君) 野菜価格のことについてお答えを申し上げたいと思います。 野菜価格の高騰を受けまして、現在、緊急野菜供給対策を実施いたしております。これまで取りまとめましたところによりますと、十一月上旬から中旬にかけて、キャベツなど三品目で約三千百トンの出荷の前倒しが行われたと。また、ホウレンソウなどの生育期間の短い野菜の生産促進により、十一月中に約一千トンの出荷増を見たと。そして、御案内のとおり、曲がったキュウリ等、通常では出荷されない野菜の出荷を進めました結果、十一月中に約六千九百トンの出荷の増が見込まれるというところであります。 現状におきましては、天候の回復に加えましてこうした対策の実施が効果を出しておりまして、主要な野菜の卸売市場での平均価格は台風二十三号通過後の約二・五倍から十一月十六日現在で平均約一・三倍まで低下をしてきております。ただし、キャベツやレタスなど葉物野菜は、一時の高値はありませんけれども、依然として平年比で二倍程度の高値の水準にあります。 これから年末を迎えるわけでありますので、生産者の方々等の御協力も得ながら野菜の安定供給、また価格の早期安定に努めてまいりたいというふうに思っております。 以上でございます。
○小泉昭男君 食料の自給率については目標を達成するように鋭意努力いただきたいと思います。 それと、野菜価格の安定につきましては、今御答弁いただきまして、大変な状況でございますけれども、生産者側と消費者側の両方、両者が必ずマイナスをしょわないように努力をいただきたい、こういうふうに思います。一部には冷凍食品を使い始めたところもあるようでございますが、できれば生鮮野菜で乗り切っていただきたい、こういうふうに思います。 次に、税制でございますけれども、私、神奈川県の現状をずうっと見てきまして、農業、いろんな方々のお話聞きまして、一番やはり困っているのは、農業は続けたいんだけれども相続が発生するともう農業を断念せざるを得ない、こういうことが現実でありまして、もちろん農地の猶予制度等もございますので、頑張っていかれる方は当然それを活用していくということでございますが、ただそれだけでは乗り切れない現状もございます。そういう意味で、税制に対する、農地税制に対する考え方、伺っておきたいと思います。お願いいたします。
○政府参考人(加藤治彦君) お答えいたします。 今御指摘の相続税の問題でございますが、正に今、先生から御発言がございましたように、農地につきましては相続税の納税猶予制度という、これは他の財産と比較しますと、もう特段の配慮を現在制度的に行われております。これは御案内ように、農業経営と農地所有の一体化という大きな国家の方針の下で他の財産と区別して特別に扱っておるわけでございます。 これにつきましては、例えば平成十四年、一番新しいデータによりますと、年間の適用件数が四千七百件を上回っております。猶予税額も千五百億円を上回ると。相続税、昨今の税収一兆円をやや上回る程度まで落ちておりますので、そういう意味ではこの農地の納税猶予というのは相当広範に、かつ有効に利用されているということでございますので、私どもとしてはこういう制度を、の本当にその農業を継続される方は有効に御活用いただく、それによりまして結果的には相続税負担というのはもう大幅に軽減されておるという私ども認識でおります。
○小泉昭男君 都市農業の抱える課題というのは、やはり様々な環境等もございますけれども、やはり一番大きな部分は消費地の中にあって地産地消の一番最先端にあるわけでありますけれども、税制、これからまた農地の猶予制度のほかにも何かこう一つアイデアが必要じゃないかな、こういうふうに思いますので、これから大臣始め御関係の皆さん方に御尽力をいただきたい、こういうふうに思います。 それと、今、農業高校の在り方、これ大分問題だと思うんです。と申しますのは、農業高校に通う生徒が減少傾向にあるというのが全国的な傾向だと思います。しかし、農業を営む予定がなくても、農業に少し学んでみたいと、こういう方もいるはずでありますし、大臣が時折お話しされます、これから将来、農家でなくても農業が経営できる、リース方式のそういう農業経営ができる時代が到来することを私は希望しているわけでありますが、それに備えて農業高校というものをもう一回しっかりと底上げして形を作っていかなくちゃいけないんじゃないかな、こういうふうに思います。 私は、父が他界してからすぐに農業に入りましたので、中学一年から農業に入りました。それから、高校は夜学の農業高校へ行きました。これは都立園芸高校であります。都立園芸高校に行って私はつくづく感じたのが、本当に一生懸命学びたい人がいるんだということを当時感じました。私の同級生で、アルゼンチンに農業移住して、今養蜂で、日本の抱える群数よりも持っている大きな養蜂農家を営んでおる友達がいます。日本に輸出したいと言っています。こういう友達ができたのも、やはり私の励みであり、現在に至ったものだと思います。 そういう意味で、農業は日本の源でありますから、どうかこれから学校に対する御配慮いただきたい。この点について、そのお考えをいただきたいと思います。
○委員長(中川義雄君) 文部科学大臣官房山中審議官。次に大臣からもお願いします。
○政府参考人(山中伸一君) 文部科学省でございます。 先生御指摘のとおり、現在農業高校、平成十五年度でございますが、学校が三百六十七校、生徒が十万五千人ということでございます。ここ十年ぐらい大体横ばいの二・八%の割合でございますけれども、高校数の中で、ここは大体横ばいでございます。ただ、例えば三十年前の昭和五十年に比べますと、このときは十九万六千人で四・五%ということでございましたので、これを考えますと減少しておりますけれども、ここ十年は大体割合は横ばいというふうな状況になっています。 これ、一つには、農業高校も一生懸命努力しております。例えば、バイオテクノロジーに関連する分野でございますとか有機野菜とか観葉植物といった産業の変化に対応する分野、あるいは廃棄物を活用したバイオマス技術などの環境問題に対応した分野など、教育内容の改善を図ってきておりまして、これについて文部科学省も支援をしてきているというところでございます。 また、農業高校などの専門高校の一層の活性化をしていただきたいということで、平成十五年度から目指せスペシャリストということを、かつて職業高校と言っておりましたが、この専門高校について行っておりまして、そういう中で、先日も熊本の農業高校に参りましたけれども、バイオ工学科ということで非常に元気を出してやっているという学校も増えてきているところでございます。 食の安全などの食に対する関心の高まり、あるいは環境問題への関心の高まり、ガーデニングとかなどの生活の豊かさを求める動き、こういう社会の変化にも対応いたしまして、地域の産業界あるいは企業とも連携いたしまして、将来の地域の産業あるいは農業の担い手となります専門的な職業人を養成するという意味で、今後とも農業高校、しっかりと支援してまいりたいというふうに考えております。
○国務大臣(島村宜伸君) 文教的な見地から、今、文部科学省の御返事がありましたので、私はその後の御質問の際に私の考えを申し上げたいと思います。
○小泉昭男君 大臣に改めて御質問申し上げたいと思いますが、私、都市農業の位置付けというのはこれから大事だと思います。これは先ほど申し上げた地産地消の部分もそうでありますし、秦野市の周辺に行きますと「じばさんず」という名前の直売店があります。これはもう年間億単位で売上げを上げておりまして、ここは生鮮三品がそろっていないという不満があるようでありますけれども、農家の人がみんな持ち込んで、自分の品物の責任持つんです。そして、売れ残ったら自分の責任なんです。 それで、「じばさんず」というのは地場産が複数になったということでありまして、こういうふうな努力をされているということも現実でありまして、私、今回、神奈川県の農業を少し皆さんに御理解いただきたい、こういうふうに思いまして少しデータをお話したいと思いますが、耕地面積でいきますと全国の四十七都道府県の四十五番目であります。農家戸数は四十四番目、農家人口は四十四番目、しかし十アール当たりの土地の生産性は六番目であります。そして、品目別でいきますと、大根が出荷量が全国で五番目です。キャベツが五番目、カボチャが五番目、そしてバラ、花のバラでありますが、これは四番目であります。またさらに、落花生は三番目でありますから、こういう意味で、神奈川県、物すごく元気な農業をやっているんです。 こういう神奈川県が元気な農業をやっている中で、やはり都市農業に対する理解が、ややもすると、農業というと大規模にやっている農業、トラクターが広大な面積を耕しているイメージが強いんですけれども、改めてこういう都市農業に対するお考えをしっかりと皆さん方に御認識いただきたい、こういうふうに思います。 そして、最近は、大臣よくお話しになられる株式会社の問題がありますけれども、これは十月の十三日の記事でありましたが、これにこういう記事がございます。これは、「オリックスが「農業会社」」、「カゴメと組む」、「八日付で和歌山市に共同出資会社を設立、総額四十七億円を投じてコンピューターで室温などを管理する大型のハイテク温室を建設する。」という、こういう内容がございました。今、主な進出企業は、カゴメ、メルシャン、JFEスチール、ワタミフードサービス、キユーピー、キリンビール、伊藤園、セコムと、これが重立った株式会社の参入だということを記事に載っておりました。 これから株式会社参入については、私は異論は全くございません。これから大臣がお話しになられるリース方式のシステムができ上がれば、農業を真剣にやりたい、こういう方々に門戸が開けていくんじゃないかなと、こういうふうに思います。 そういう意味で、大臣に先ほどの農業高校のことも含めて御答弁いただきたい、こういうふうに思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 先ほど来、小泉議員の御説明を伺って目を開かれる思いがいたしますが、神奈川県がそこまで農業の内容的に優れた言わば前進をしているということは私も実は知りませんでした。 しかし、私も実は東京でも屈指の言わば農業生産区で江戸川区というところでございますが、正直言いますと、セロリの日本一の生産者が生まれたり、あるいはコマツナは全国の約一〇%を生産するなど、土地の名前でもありますが、やはりみんな頑張って非常にまじめな、朝早くから夜遅くまで、こんなにまでやらなきゃいけないのかと思うくらい一生懸命やって、しかも農業をやることに誇りを持っておられる。 こういう意味で私はすばらしいなといつも思わせていただくわけでありますが、実態はどんな状況なのかと聞きますと、都市的地域におきまして都市農業は、まず面積で全体の約二三%、それから農業産出額で全体の二九%を占めておりまして、新鮮な野菜などを都市住民の方々に安定供給するという役割を担っておりますが、実は、この国会で御活躍の先生方も、つゆの滴るあの新鮮な野菜というのは意外に都市農業に負っていることに気が付いておられないと、こう思うわけであります。 そういう意味で、かつては農業というと極めて保守的な産業の分野と誤解を受けましたけれども、最近はすっかり様変わりして、新しい時代に向けての都市農業が育っていることは誠にすばらしいことですし、まじめに営農をし、言わば父祖代々のその仕事を継いでいこうという人たちを守るのは政治として当然のことなんでありまして、私は、前の大臣在任中にたまたま農業・農村・食料基本計画が組まれましたので、その際に特にお願いして都市農業を位置付けていただいたという人間でありますので、これからも理解のある先生方と力を合わせて都市農業が安心して仕事に取り組んでいけるように頑張っていきたいと思います。 また、あわせまして、都市農業の存在というのは、目に見えないところで、正にオープンスペースを確保し、災害時の避難場所その他にも有効ですし、また、安らぎの面でもいいですし、また、将来に向かって農業を営むということの楽しいもの、道を教えるという意味でも、最近は市民農園が非常に盛んになってきているところに国民のニーズの動きを感じるわけでありまして、そういう理解者とともにこれからもしっかり位置付けていきたいと、こう考えております。 実は、農業高校のことはもう山中さんがきちっとお話しになったので、私もかつて文部大臣でしたから、同じ考えに立っておりますので、あえて省略させていただきました。
○小泉昭男君 大変、御答弁ありがとうございました。 よくことわざに昔から言われていることでございますが、子供は母親のぬくもりで育つ、作物は人の足音で育つといいます。これからその気持ちで大臣始め農林水産の御関係の皆さん方には地域に足を運んでいただいて農業の実態を把握いただき、そして道しるべをしっかりと立てていただきたい、こう要望申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○野村哲郎君 自由民主党、鹿児島選挙区の野村哲郎でございます。初めての質問でございますので、どうかよろしくお願いいたします。 先ほど私どもの同僚の岸議員からも台風災害等々につきます質問があったわけでありますが、先日、台風十五号、十六号、十八号による被害につきましては激甚災害指定がなされたとおりであります。復興作業に一生懸命取り組んでおられる皆さん方に大変大きな力になったと思っております。是非、二十三号それから新潟中越地震につきましても迅速な対応をお願いいたします。 また、先般、島村大臣より、今年の災害による被害地域全域におきまして、救農土木について関係閣僚に協力を要請されたというふうに伺っております。本当に有り難いことだと思っております。このような皆様方の迅速な対応に深甚の敬意を表する次第でございます。今後ともどうかよろしくお願いいたします。 それでは、まず初めに、私はBSEの問題について御質問をさせていただきたいと思います。 国内におけますBSE対策につきましては、去る九月九日に食品安全委員会が中間取りまとめを行い、これに基づいて厚労省それから農林水産省におきましてBSE対策の見直し案が検討され、現在、食品安全委員会に諮問されている状況にあります。特に、BSE検査対象月齢を二十一か月齢とすることに対しまして、さきの農林水産委員会でもいろいろ御質問があったとおりであります。 ただ、地方公共団体が今後も全頭検査を行う場合は三年間国庫補助を実施する、こういうことになりましたので、実質的には三年間継続、こういうふうに受け止めております。このことによりまして、生産者も、そして消費者も、牛肉の安心、安全の点につきましては安堵しているのではないかと、こういうふうに思います。こういう決断に、これにつきましても敬意を表する次第であります。 ただ、地元に帰りまして私が生産者や消費者の皆さんと話をしますと、今申し上げました三年間の全頭検査の継続につきましては大変な評価をいただいております。ただ、一つだけどうしても私の方でも説明ができない点がございます。 そのことについて御質問申し上げたいと思うわけでありますが、それは、国内のBSE対策の見直しについて十月十五日に食品安全委員会に諮問しているわけですが、と同時に、十月の二十一日から二十三日にかけまして牛肉の貿易再開に向けての日米協議が行われたことであります。生産者、消費者の素朴な気持ちとして、なぜ食品安全委員会の答申を待ってから日米協議を、待ってからでも遅くはないじゃないのかと、まだ答申が出ないうちなぜそんなに急ぐのかと、こういった非常に素朴な疑問が実は出されておるわけであります。これはうがった見方をいたしますと、アメリカの圧力に屈して日米協議を急いだという印象は免れないのではないのかと、こういうふうに思うわけであります。 したがいまして、なぜ食品安全委員会の諮問と日米協議が同時並行的に進められたのか、中川局長から明快な答弁をお願い申し上げたいと思います。そのことが私は生産者や消費者の疑問あるいは不安にこたえることだというふうに思います。どうかよろしくお願いいたします。
○政府参考人(中川坦君) お答え申し上げます。 厚生労働省、農林水産省が合同で食品安全委員会に国内措置の、BSEの国内対策の見直しについて十月十五日に諮問した経緯につきましては、今、先生の御質問の中にも触れられておりました。そういう食品安全委員会におきます科学的な知見に基づく検証の結果が中間取りまとめという形で出されたと。これを踏まえて、リスク管理官庁であります厚生労働省、農林水産省が見直しの方向について諮問したということでございます。 一方で、アメリカとの貿易、牛肉貿易の再開についての協議でありますけれども、これまでもアメリカに対しましては日本の国内と同等の措置を要求してきたところでございます。 そこで、今般、そのBSEの国内対策について厚生労働省と農林水産省が食品安全委員会に諮問をしたというその行為が、言わば国内において、私どもリスク管理官庁がBSE対策を今後どういうふうにしていこうかという、そのことが明らかになったわけでございます。言葉を換えますと、アメリカと協議をする際の日本側のポジションがきちっとはっきりしたということであります。 このことを踏まえまして、十月の二十一日から二十三日に協議を、アメリカとの間で協議を行ったということでございます。つまり、協議のベースが国内の、日本側の方で整ったということでアメリカ側と協議を行ったということでございます。
○野村哲郎君 今現在、各地でリスクコミュニケーションが開かれておりますが、今、中川局長からお答えいただきました。そのことで本当に生産者なりあるいは消費者が十分納得できるのか、もう少し分かりやすく、やはり私はこのリスクコミュニケーションでは説明責任を果たしていただきたいと、そのことをお願いをいたします。 次に、大臣にお伺い申し上げます。 十月二十八日に開催されました当委員会で島村大臣は、日米牛肉貿易再開問題については、米国に対して従来から我が国と同等の措置を求めているところであり、今後もこの方針に変わりはないと発言されております。このことについて、再度大臣の決意のほどをお伺いいたします。
○国務大臣(島村宜伸君) 私、実は九月二十七日に就任をいたしまして、記者会見その他で私の考えをいろいろ申しましたけれども、やはり人間というのは、我田引水という言葉もあるように、あちらの側の都合のいいように取る面もあったらしくて、すぐにでも何か私が前向きのゴーサインを出すんではないか、それと選挙のことも絡んで先方はいろんな期待を持ってきたようであります。 しかし、私たちが担うこの食の供給ということの一番肝心なことは何か。それは何といったって安全、安心な食料の供給と。将来に向かって、人間として可能な言わば力を集めてそういう責任を果たさなきゃいけないということでありますから、私、向こうからいろいろ、公式、非公式でいろんなお話があった際にも、そういう点については、あくまで日本の国内の事情はこういうことで、国内はこういうルールで言わば食の供給を行っているところなんで、まあ郷に入っては郷に従えという日本には格言があるけれども、そういう姿勢をきちんと認識してほしいと、まあ追い返すようなことも実はあったわけであります。 そういうことの中で、向こうも大分いい方向に向いてくれたように思いますが、その現実に大きく進捗を見つつあるのは、ここにおります中川局長を始め、譲れるものはいいけれども、譲っていけないものはもう断固突っぱねて、決裂も結構と。私の責任においてもうどのようにもやってくれ、やってほしいということを言ってありましたし、その趣旨を見事に今回いろんな話合いの中に生かしてくれたと、私は評価しているところであります。 そういう意味で、言わばあくまでこちらの主張した日本の国内措置に従ってもらいたい、それから、科学的知見に基づく食の安全、安心の確保というものを前提に考える以上、日本に入れる牛肉についてはその方法に従ってほしいと、こういうことを言ってきたところでありまして、その意味では、よく突っ張り切ってもらったなと感謝しているぐらい、いい結果に私は結ばれてきたと思っております。 ただ同時に、こう並行してはいかがなものかということですけれども、我々はあくまで、先ほど来申しているその基本はあくまで守りながら交渉すべきはするということですから、御承知のように、十月二十一、二十二に予定されたことも二日間で結論が出ないで一日延長したと。これらの中にも、いかに真摯な言わば協議が行われたかということが御理解いただけると、こう思うわけであります。
○野村哲郎君 大変心強い決意のほどを大臣からお伺いしまして、安堵いたしました。 そこで、具体的なちょっと御質問も申し上げたいと思いますが、食品安全委員会より諮問どおりの答申が得られたことを前提に御質問をさせていただきます。 〔委員長退席、理事岩永浩美君着席〕 今回の諮問で最も関心の高いのが屠畜場におけるBSE検査対象月齢の見直しであります。諮問では、食品安全委員会の科学的知見に基づく中間取りまとめを踏まえまして、検査対象月齢が二十一か月以上とされております。 御承知のように、我が国におきましては昨年六月、牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特措法が公布されまして、十二月一日より公布されております。このように特措法に基づきまして、我が国の牛はすべて年月日、出生した年月日あるいは牛の種類、あるいはまた雌雄の別等々、個体識別台帳を作成するとともに農林大臣に届ける義務が課せられております。もしこれを怠った場合は罰則もあると。こういった厳格な法律に基づきまして、月齢をはっきりと判別できるようになっているわけであります。 そこで、一方、その米国では、今お話をお伺いいたしております内容では、肉質なり骨格から月齢を判別する方法を検討しているようですが、この方法で月齢の認識が本当に確認できるのか、科学者でないので分かりませんけれども、甚だ問題、疑問を持つ一人でもあります。 アメリカと同様にBSE汚染国で牛肉の輸入禁止しておりますカナダにおきましては、現在、ケベック州で実施している牛の個体識別制度がありますけれども、カナダはこれを来年には全土に広げると、こういう話も実は伺っておるところでございます。 したがいまして、今後の日米協議では日本としてどのような主張をなさるつもりか、あるいは、月齢がきちっと担保できる措置をどう求めていくのか、中川局長に基本的なスタンスをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(中川坦君) 先般の日米の局長級会合におきまして、アメリカ側から牛肉輸出証明プログラムを設けまして、その中で、特定危険部位の除去ですとか、あるいは二十か月齢以下の牛からの牛肉であることを証明をすると、そういう提案ございました。その基本的な方向については、両国の間で認識が一致をしたわけでありますけれども、具体的な条件なり枠組みの詳細につきましては、今後、両国の専門家なり実務者によりまして検討を進めることといたしているところでございます。 先生もおっしゃいましたけれども、我が国においてはきちっとした月齢確認をしているということでありますので、アメリカから入ってくる牛肉につきましても、同様に月齢についてきちっとした確認ができる、つまり、換言をいたしますと、アメリカにおいて二十一か月齢以上の牛を確実に排除できるという仕組みであることを私どもとして確認をしなければいけないというふうに思っております。 これは、今後、現地の調査なども含めまして、先生の御質問の趣旨に沿ってそういったことが確認できるように私どもとして努力をしていきたいというふうに思っております。
○野村哲郎君 月齢の確認につきましては、科学的な知見に基づくとかそういう分析学的な話でもありませんし、いつ生まれたかというのは、これは子供でも分かる話でありますので、これからの日米協議におきましては毅然と、しかもかつ慎重に進めていただきたいことをお願い申し上げておきます。 以上でBSE問題につきましての質問を終わりまして、次に食料・農業・農村基本計画の見直しについてお伺いをいたしたいと思います。 現在、三月に向けての見直しの検討が進められておるわけでありますが、先般、中間論点整理が行われております。このことについて質問をさせていただきたいと思います。 まず、須賀田局長にお尋ねいたしますが、担い手に関しては認定農業者や特定農業団体等に絞り込んだ整理と議論がなされておりますが、このことについて基本的な考え方をお聞かせいただきたいと存じます。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先ほど大臣からも御答弁申し上げました。現在、例えば水稲でございます。水稲では、農業を主業としている農家が占めております生産シェアは三七%にすぎません。多くの農業を副業とする農家によって生産シェアが占められておりまして、このままの状態が続きますと、非常に脆弱な構造でございますので、将来にわたって効率的、安定的に農業を持続していくことについて懸念があるわけでございます。 そこで、私どもは、農業で他産業並みの所得を上げ得るような経営が広範に育成されれば、それは農業が魅力ある産業として持続できるものになるだろうと、こういうことで他産業並みの所得を上げ得るような経営を目指す経営を担い手として明確化をいたしまして、そこに各般の施策を重点化することによって構造改革を加速化しようと、これが中間整理における基本的な考え方でございます。
○野村哲郎君 御答弁いただきましたように、生産基盤が脆弱化する中で担い手を育成していかなきゃならない、これは我が国農政の最大の課題である、こういう認識は私も十分いたしております。しかし、現在の検討ではその担い手を認定農業者あるいはまた特定農業団体等に絞り込んで、その上で農地制度なり経営所得安定対策を集中させるという内容で、そのことによりまして一定の担い手は育成できる、私はもうそう思います。しかし、本当に食料自給率を引き上げることにつながるのか、実は疑問を持っておるところであります。 ここで私は、その担い手問題を考えるに当たりまして、十六年度から始まりました各市町村による地域水田農業ビジョンが策定されております。この中で、地域の皆さんが担い手を明確するようになっておりますが、これが最も私はヒントになってくるのではないかというふうに思います。 そこで、地域がリストアップした担い手の数とその中で検討されている認定農業者や特定農業団体がどの程度の比率になっているか、お答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 現在、地域水田農業ビジョン、作成をしていただいております。これは、水田農業が非常に大事であるという、また共同で考えないといけないということにかんがみまして、その地域で何をどれだけ作るか、どこへ出荷をするか、そしてだれによって担われるのがいいのかと、こういうことを地域で考えてほしいということで作っていただいているものでございます。 今年の四月現在、その中でリストアップされましたいわゆるビジョンの中の担い手は二十七万経営体ございます。そして、そのうちの半分以上が認定農家ではございません。認定農家は四割ちょっとという状況でございます。
○野村哲郎君 私も、この担い手を明確にして施策を集中化あるいは重点化することについては、その必要性に異を唱えるものではありません。ただ、担い手を認定農業者や特定農業団体、更に面積要件まで加えるという画一的な物差しで地域の実態に即さないのではないのか、こういうふうに思うわけであります。 特に、中山間地であります我が鹿児島におきましては、リストアップしました担い手は一万三千八百五十八人であります。そのうち、認定農業者はわずか三千六百二十七、二六・二%、先ほど局長お答えになりました全国の四三%から比べますと相当低いわけでありますが、結局残りの鹿児島におきましては七割の農家が対象から外れていくという、こういうことになってくるわけでありまして、地域が作った担い手と国が示す担い手、こんなにギャップがあるわけであります。したがいまして、余りにもこのギャップが大き過ぎます。 したがいまして、この地域水田農業ビジョンでリストアップした担い手のように、地域の実態に沿った担い手の整理をしないと、かえって集落や農村社会が破壊する、壊されてしまう、あるいはまた自給率の向上に結び付かない、そういう大変な危惧をいたしておるわけであります。 もう一遍局長にお伺いしますが、地域ビジョンでリストアップした担い手ではいけないのか、再度御見解をお伺いいたします。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 私どもが目指しております目標、経営体としての目標は、やはり所得として他産業並みの所得を上げ得るような経営体、これを広範に育成するということを最終目標にしているわけでございます。残念ながら、現在、地域水田農業ビジョン、主として営農をどのような形にしていくかという観点から作っていただいておりまして、必ずしも他産業並みの所得を目指すような経営体を育成するという観点からだけではなくてリストアップがされている。それはそれで私ども大変御努力は多とするわけでございますけれども、ただ、我々が目指しますのは、やはり一定の所得を上げ得るような経営体ということでございまして、この現在の国の仕組みとしては認定農家制度があるわけでございます。 ただ、それだけではなかなかそのほかの方々の営農意欲というか、努力を吸収できないということで、この認定農家制度のほかにも経営体の実体を有するような集落営農、これも担い手として位置付けたいということでございますので、私、小さな農家の方々につきましては村で話し合っていただきまして、そういう集落営農という形で一つの経営体を目指す方向で努力をしていただければというふうに考えている次第でございます。
○野村哲郎君 時間が余りありませんので、手短な答弁をお願いしたいと思いますが。 次の質問でございますけれども、今お答えいただきました担い手なりあるいは経営所得安定対策、この産業政策と併せまして地域振興政策を打ち出すこととなっておりますが、このもう一つの柱であります地域振興政策が見えてこないとこれからの農業政策全体としてのイメージがなかなかわいてきません。議論がまた偏ってしまうおそれがあるというふうに思います。 そこで、二つほど御質問申し上げます。 まず、川村局長にお尋ねします。 農村地域の持つ自然環境等の保全や集落機能の維持について、計画見直しの中でどうお考えなのか、また検討がどの程度まで進んでいるか、お答えいただきたいと存じます。
○政府参考人(川村秀三郎君) 政策審議会の企画部会において、実は昨日もこの農村振興に関しまして御議論をいただいたところでございます。その中で、これまで農村の振興といいますと、やはり都市との格差是正でありますとか、それからハードを中心にした整備ということが中心であったわけでございますけれども、これからは地域の資源でありますとか、それから、内外の人材を活用したその地域の自主性、独自性を生かした振興が必要であるという基本的な考え方の下に進めるべきであるということで提示をいたしましたけれども、基本的にその考え方についての、何といいますか、御異論はなかったわけでございます。それをまた今後裏付ける政策、そういうものを具体化していくということを進めてまいりたいと、こういうふうに思っております。
○野村哲郎君 二つ目は須賀田局長にお尋ねしますが、担い手につきましては産業政策の中できちっと位置付けられておりますが、先ほど申し上げましたその他の農家がたくさんおるわけでありまして、特に小規模農家や兼業農家の経営安定対策につきまして何らかの支援措置が必要だと思いますが、どのように考えておられるのか、お伺い申し上げたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) これらの方々については、私ども三つの方向、一つは、先ほど申しました集落営農に参加していただく、担い手を目指していただく方向、もう一つは、認定農家等の方々に農地を出していただきまして、地代収入といいますか、小作料収入を得る方向、三つ目は、自給的、生きがい的な農業をそのまま継続をしていただく方向、私どもとしてはその三つの方向で考えさせていただきたいと思っております。
○野村哲郎君 時間がありませんので、もうまたの機会に御質問する機会を与えていただきたいと思いますが、ただ、水田地帯におきましては集落営農という概念はありますけれども、畑作におきましては集落営農という概念ございませんので、そのことはしっかり踏まえていただきたいというふうに思います。 それから、最後になりますが、EPA・FTA交渉につきまして、現在、フィリピン、タイとの交渉が進んでおりますけれども、相手国からのオファーのある農畜産物は、特に砂糖あるいはでん粉それから鶏肉、こういうのがあるわけでありますが、中川委員長のところ、私ども鹿児島、そして沖縄、こういうところはどれ一つ取っても欠かせない重要な品目であります。 したがいまして、そのことにつきまして、今日は、私どもの郷里の先輩でございますし、また最もそういう畑作農業を熟知しておられる加治屋政務官がおられますので、決意のほどをお願い申し上げたいと思います。
○理事(岩永浩美君) 加治屋政務官、時間が来ております。簡潔に御答弁願います。
○大臣政務官(加治屋義人君) 野村委員とは同じ鹿児島でございまして、話のアクセントが正しかろうが、少しアクセントが曲がっていようが、よく理解ができるわけであります。 FTA交渉についての御質問でございました。 EPAはWTOを補完するという大変大切な役割を担っておりまして、今現在、タイ、フィリピン、マレーシア、韓国、政府間交渉を行っているところでございます。それぞれの交渉に当たりましては、我が国の基幹品目、地域の農林水産業の重要品目などに、従来言ってまいりました守るべきは守り譲るべきは譲る、こういう基本的なスタンスで今後臨んでまいりたいというふうに思っております。 また、先般、アジア各国とのEPA交渉に積極的に取り組む観点から、御承知のとおり、重要な六つのポイントを整理をさせていただいております。みどりのアジアEPA推進戦略を策定したところでございまして、これらを踏まえて、輸出拡大等を図るなど積極的に取り組んでまいりたいと思っています。 また、甘味資源の北海道、鹿児島、沖縄について、しっかりやれよ、決意はどうか、こういうお話でありましたけれども、やはり北海道、鹿児島、沖縄の地域社会を守る、そして地域の経済を支える、これはもう基幹作物だけにしっかりやらなければいけない。北海道、鹿児島、沖縄、それぞれの議員の皆さんと命を懸ける精神を持って決意をさせていただきたいと思っております。 終わります。
○野村哲郎君 大変心強い決意をいただきました。 以上をもって質問を終わらさせていただきます。ありがとうございました。
○和田ひろ子君 民主党の和田ひろ子でございます。貴重な時間を二十分いただいておりますので、どうぞ簡潔なお答えでお願いをいたします。 大臣は、昨日、新潟においでになったそうでございますが、御苦労さまでした。私たち民主党も、五日の日に調査、視察をさせていただきました。大変悲惨な状況を見てまいりました。 大臣、新潟、私は福島なんですが、地方は川下の皆さんのために山を守って、空気、水を作っています。そして、新潟、福島県なんかは電気を供給、原子力発電所を造りまして電気を供給しています。そして、大切な食料の基地であります。そして、私たちは、自分たちの子供や孫を大変なもう苦労をしながら教育をして、東京に人材を全部出しています。なぜなら、地方はもう何にもする、工場もない、働く場所がないんです。そういう状況がああいうふうに、一瞬のうちにあんな状況になってしまいます。 どうぞ、大臣はもう総力を挙げて支援をしていくというふうにさっきおっしゃいましたが、どうぞ総力を挙げて復興のために御努力をいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 視察をさせていただいた中で、皆さん、共済金早く払ってほしいと。新潟は特に本当にもう雪が、北海道はもうスキーのニュースが出ていましたが、新潟もすぐに雪が降ります。もう雪が降ったら、来年四月、五月まで雪が消えないとすれば、来年、本当に田んぼに稲が植えられるかどうか分からない状況であります。そんな状況を皆さん大変懸念をしておられますので、どうぞ早期な共済の支払。 そして、それをお願いするんですが、早期な支払というのは、財源はあるんでしょうかね、財源。大変な状況、日本の国の財源なんですが、財源はあるのか、そしてあの状況の中で査定とかそういうことできるのかというふうに思いますが、いかがなんですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生のお話、損害評価、迅速にやります。水稲共済については年内支払、これを目標にやっております。 財源、心配していただきました。私ども、国が再保険をしております。私ども、今勘定しているところでは、例えば水稲とか麦が入っております農業勘定、これ再保険の見込みが二百八十億要請が来ています。こちらの準備が収入と予備費で二百五十四億ですのでちょっと足りませんが、別途再保険支払基金勘定を持っておりまして、これ百十六億ございますので、これから繰り入れれば今のところ必要額の支払は可能というふうに踏んでいるところでございます。
○和田ひろ子君 補正予算は来年の通常国会の冒頭ということでございますが、大臣、本当は補正予算をもうすぐにやっていただかなければいけなかったんじゃないかというふうに思いますが。 そして、あとは共済に関してですが、地域の特産物には、共済入れないんですよね。もう地域では基幹作目になっているにもかかわらず、その地域にしかないから共済の制度ははまらないというのが現状であります。でも、農林省は、地域特産物を作りなさい、地域に特色のあることをしなさいとずうっと奨励してきていて、今度は災害になると、これは地域特産物だから共済のあれはないなんということであるとすれば、これは本当におかしい話で、もうユニット、いろんなところの地域特産物のユニットを組んで共済の仕組みを作るとかいかがなんですかと言うと、いや入る人がいないかもしれないからなんという答えじゃなくて、入る人がいるように、こんなことがあったら困らないような、そういうメニューを作って出すべきじゃないんですか。お願いします。
○政府参考人(須賀田菊仁君) お話はよく分かるわけでございますけれども、やはり農業共済というのは保険でございますので、やはり一つは農家のニーズが要ると、それから保険ですのである程度の母集団が要ると、それから収穫量をきちっと把握できるような技術問題が要ると、それから掛金の算定に必要な基礎資料、過去五年間ぐらいの変動が要る、こういう要件がどうしても要るわけでございます。 私ども、地域特産だから駄目だとかそういうことは言っておりませんで、やはり農家の間からニーズが出てきて、こういう私が今言いましたような保険設計上の技術問題の課題がクリアできれば対応ができるわけでございますので、よく実態を聞かしていただきたいというふうに思っております。
○和田ひろ子君 地域だから駄目だなんと言っていないというふうなあれなんですが、本当はその地域にとってはもう基幹作目、本当にマイタケとか、これは林野庁だなんというふうな昨日話もいただいたんですが、マイタケとかエノキとか、大変な被害遭っているんですよ。物すごい大きな、本当は林産だからキノコは山にあるのかと思えば工場にありました。だから、そういうことを、いろんなところのいろんな基幹作目があるんだから、農林省、ちょっと考えてそんな努力をしていただきたいと思います。これはお答え要りません。 それで、農林省がこの災害に対してどういうことができるのかという、いただいたら、その中に査定前着工というのがありましたね。これは大変、皆さんにいろんなところで言ったら、本当にこんないいことあるのかというふうに新潟の方が喜んでいらっしゃいました。でも、査定前着工という、幾ら査定前だろうと何かの査定がなければできないわけでしょう。うちの町、道路が壊れているから、査定前着工やってもらうために、やり始めてはしようがないんでしょう。査定前着工の何か原則はどういうことで始まるのか教えてください。 〔理事岩永浩美君退席、委員長着席〕
○国務大臣(島村宜伸君) 査定前着工は、早期に復旧すれば次の作付けに間に合うというような場合がこの対象になります。また、緊急を要する復旧につきまして、言わば災害査定をずっと待っていたんではタイミングを失してしまうという場合があります。例えば今度の場合なんかですと、これに加えて、降雪地帯ですからあと十日もすると雪が降ってくる。その前に可能な限りいろいろ急ぎたいというような面もあります。 したがいまして、言わば私は、空からでもいいから写真を撮ってそれで推計をしろと、そこまで督促をしているところでございますので、今回はそのことが大分具体的に動いているように認識をいたしているところであります。
○和田ひろ子君 是非、本当に早急な対応でお願いをしたいと思います。 災害はこれにいたしまして、ちょっと林野庁のニュースを見てみたら、松くい虫の被害対策に関する有識者との意見交換会というのがあって、議事は、松くい虫の被害の現状について報告を行うほか、環境保全に配慮した防除手法として無人ヘリコプターの使用及び松くい虫被害対策の政策評価についての意見交換を行いますというふうに書いてありました。これが昨日あったんですね。それで、五番として、傍聴はできませんけれども、冒頭のカメラだけはいいですというふうに書いてありました。 これは、どういうお話合いがされたかちょっと分からないんですが、今日見てみたら、後日掲載しますというふうなことなんでございますけれども、必ずこれは掲載をしていただけるんですよね。
○政府参考人(前田直登君) この松くい虫に関します検討会、意見交換会なんですが、必要な都度行っているわけでございますけれども、昨日行いました。 それで、これは主として松くい虫被害につきまして、一つ、リモコンによります無人ヘリ、これで実証実験やってきたんですが、こういったものを今後取り入れていくというに当たりまして、どういった留意をすればいいのか、あるいはそういうときにどういうやり方をしていくのがいいのだろうかということで専門家の先生方の助言をいただきたいというのが一つ。 それとあと、マイクロカプセル、いわゆる薬剤そのまままくんではなくて、マイクロカプセルに入れたものを松くい虫防除でやりますと、どちらかといいますと環境保全上もいい効果になりますし、効果も持続するだろうということで、それにつきましてやっぱりいろいろ助言をいただきたいということで専門家の先生方の意見交換といいますか、意見をいただくために開いたわけでございまして、確かにこれ自体は公開いたしておりませんけれども、その使われました資料、それからその議事の概要等々につきましては、まとまり次第公表したいというふうに考えている次第でございます。
○和田ひろ子君 公開はしないけれども、全部開示をしていただけるということですよね。 松くい虫に関して申し上げますと、私の福島県なんかは松くい虫はないというふうに言っていたんですが、ところがもう本当に、もうすごい勢いで北上してまいりまして、今は松くい虫に汚染されていないところは青森県と北海道だけになってしまいましたね。 その松くい虫の防除というのは、今までずっと空中散布だった。これが何十年もしていて、例えば、有効でないというふうな思いはされないんですか。そして、これに関しては、農薬とかそういうものに敏感に反応する人とかそういう方たちがいらっしゃって、去年の国会でもいろいろ問題になりましたけれども、農業の農薬というのは大変規制をされましたけれども、例えば街路樹の消毒とか家庭の菜園でバラにあれなんというのは全然こう、やらない努力義務は付けられていますけれども、こういうことがされていない現状を見て、そして松くい虫のこの空中防除、例えば無人ヘリというのは大変いいんですよね。大きなヘリだと上からうわっとまくから物すごい飛散するんだけれども、無人ヘリだと物すごい近くでやることができてとってもいいというんだけれども、山の上を無人で行くヘリコプターを、リモコンの操作する人は山の下にいるわけでしょう。そんな見えるのかな。見えないところで、そんなピンポイントで私できるのかなという思いがしますから、これはもう本当にこういう会議があるとすればよく考えていただいて、松を私は守る努力をしていただいているのに感謝をするし、私も守っていかなければいけないというふうに思いますが、もっと有効的な何かないのかな。 それに、ナラとか、例えばうちの西会津というところから陳情が来て、先回質問をするところだったのをできなかったんですが、何というんだっけ、(「カシノナガキクイムシ」と呼ぶ者あり)その虫が例えば山に入ったら、もうその山一つ赤くなってしまって、とっても心配していらっしゃるんですね。そのナガキクイムシというのも見せていただきましたし、その資料は西会津町には送りましたけれども、本当に山の防除、こんな、災害も大変ですけれども、防除をして守っていくことが大変だと思いますので、もっと有効な方法で守っていただくようにお願いをしたいと思います。 私、四十四分までしかないので、ちょっとBSEに関してお尋ねします。 先ほど野村さんが諮問をしたことを言っていただいたんで、あのことは避けますけれども、厚生省は食品安全委員会に何でどういう諮問をしたんだか、ちょっと教えてください。
○政府参考人(外口崇君) 食品安全委員会になぜどのような諮問をしたかという御質問でございますけれども、BSE対策につきましては、ほかの食品安全対策と同様、科学的合理性を基本として判断すべき問題であると考えております。 BSEの全頭検査につきましては、平成十三年十月当時、牛の月齢が必ずしも確認できなかったこと、国内でBSE感染牛が初めて発見され、国民の間に強い不安があったこと等の状況を踏まえて開始したものであります。 先般、食品安全委員会におきまして、今までのBSE国内対策に関する評価、検証を最新の科学的知見に基づいて取りまとめたところであります。その中で、検出限界以下の牛を検査対象から除外するとしても、SRM除去措置を変更しなければvCJDリスクが増加することはないこと、また、二十一か月齢以上の牛については、BSEプリオンの存在が確認される可能性があること等の結論が示されたことから、二十か月齢以下の牛を検査対象から除外してもリスクが増加することはないと考えて食品安全委員会に諮問したものであります。 今後、食品安全委員会の科学的な審議の結果に基づいて適切に対応してまいりたいと考えております。
○和田ひろ子君 日本の国の、何というか、肉の輸入に関しては、日本の国と同等ということを言っていますので、これは大変な問題でありまして、農林省と厚生省が一緒に諮問をしたということなんですが、これは厚生省の今おっしゃったことが大きな諮問の要因だというふうに思いますが、農林省は、ただ守らなければいけないことは、平成十三年の十月十八日、農林水産大臣は、食肉の処理を行うすべての牛について、BSE迅速検査を実施し、確定診断でというふうに言って、全頭検査を農林省はきちんと大臣が言っておられるわけですが、これ武部さんのときだと思うんですが、その次、亀井さんもきちんと全頭検査というふうにおっしゃっていて、大臣も今安全でないのは絶対駄目だというふうにおっしゃいましたから、もう農林省はずっと全頭検査というものをきちんと念頭に置いていらっしゃるというふうに思いますが、農林省の昨日のレクのときは、あれは厚生省が言ったことだからなんということで逃げているとすれば、農林大臣はその前の大臣からのきちんとした継続というものを念頭に置かれておられるかどうか、お願いします。
○国務大臣(島村宜伸君) 私は、再三申し上げているように、食の安全、安心を基本に我々は供給の責任を全うすると。そういう意味で、なるほど全頭検査が武部大臣のときに実施されたことは事実でありますが、あのときには国民は正に恐怖の中に落ち込んで、もう肉を食べたら狂牛病に襲われるようないわゆる恐怖感がありました。そこで全頭検査という緊急避難的な手法を取ったわけでありますが、三百五十万頭の徹底したその検査を行った結果、少なくも二十か月未満のものについては心配ないのではないかという大体専門的な確信が得られたので、取りあえず二十一か月以上のものを検査の対象とするということにしたわけです。 ちなみに、EU辺りは三十か月でございます。フランスなどはついこの間までは二十四か月で来たわけですが……
○和田ひろ子君 分かりました。
○国務大臣(島村宜伸君) いいですか。
○和田ひろ子君 はい、分かりました。 ただ、日本の国は、二十一か月が、二十か月が出たから、二十、ああ、二十一か月だっけ、八頭目の牛は、あの牛が出たからよその国の三十か月とは別なんだというふうに思います。 そして、例えば今、日本はメキシコから肉を輸入していますが、平成十五年ぐらいまでは〇・二トンだったのが六百一・五トンになっています。これは、アメリカ、オーストラリアから比べれば大変ちっちゃいので、こんなこと数字で言うつもりはありませんけれども、この六百一トンの肉のほかに、大変ゆゆしきことは、臓物がすごい、五百二十一トンも来ているんですね、臓物だけ。これは、農林省からいただいたのは肉の数だけなんですが、内臓が五百二十一トンも来ています。このことも大変ゆゆしき問題だと思います。メキシコなんかで本当に危険部位をどんなふうに殺しているか、日本は見に行っていないんじゃないかなというふうに思いますので、大変なことだというふうに思います。 EUのステータス評価だと、メキシコ、アメリカ、カナダというのはレベル3で同じあれなんですね。そして、カナダもアメリカもメキシコももう生体の移動がすごいあって、本当はもう北海道と本州よりももっと緊密に陸続きで動いているわけですから、もう今大学生さんたちとか若い方が、本当に食べ放題なんという肉食べている皆さんが十年後にどんなことが起こるかということを農林省の皆さんはもっともっと、国民の命に関することなんですから、真剣に考えていただきたいなというふうに思いますので、ステータス評価をきちんと、リスクの評価をきちんとしていただきたいなという思いで今日は質問をいたしましたが、時間で終わりますので、後でまた質問をさせていただきますけれども、どうぞ本当に、農林省は国民の命を守っている、そういう思いでこの肉に関しては評価をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○小川勝也君 民主党・新緑風会の小川勝也です。 今年は台風がたくさん上陸をいたしまして、私のふるさと北海道にも数個上陸をいたしました。一言で言えば、台風がめったに上陸しない地域でありますので備えが薄いという点も一つあるでしょう。それと、私がやっぱり感ずることは、日本全体あるいは地球規模で気象が大きく変わってしまったのではないかという点であります。予算委員会のときには、島村大臣も御同席の中で小池環境大臣にも質問をさせていただきましたが、地球温暖化と呼ばれる現象が、もっと言うと我々人類が便利で豊かな生活を希求をし続けてきたその成果として異常気象をも我々はかぶってしまうのではないか、そういった思いもあるわけであります。 農林水産大臣ということにとどまらず、島村大臣の御感想や御意見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 地球温暖化問題は、私かつてエネルギーを少しく専門にいたしておりました。その当時からこの問題は課題でありまして、本当にこの地球上に生きとし生けるもの、人類に限らず、すべてのものが自然のうちに侵されてしまったり、あるいは地球の気象条件によって、例えば穀倉地帯が大きく地域を変えてしまうというようなことごとも、これは食料の供給その他にも影響が出ることでございますから、すべての面でこれらは軽視できない重要な環境問題だと認識をいたしておりまして、これからも、この間の御質問も伺っておりましたけれども、私も心は同じでありますから、真剣に取り組んでいきたいと思っております。
○小川勝也君 実は、この質問を島村大臣にお尋ねしたいというふうにレクに来てくれました農林水産省のスタッフの方にお伺いしたら、地球温暖化問題は環境省ですね、こう言われました。これはふざけるなという話です。農林水産業とこの我々の気象、気候、どのぐらい密接に関係しているか。まず、その地域に合った作物ががらっと変わってまいりますし、もっと困るのは森林であります。それぞれその地域、気候、風土に合った木が生えているわけであります。その土台がずれてしまうわけでありますので、この森林には著しい環境の変化が起きてしまうわけでありますので、農林水産省全体としてこの地球温暖化問題、あるいは環境をしっかり守っていかなきゃならないという点、大きな関心事として心に留めておくべきだと私は考えます。 たまたま私は、この台風十八号のときに北海道で正に台風の目玉の中におりました。その経験や、その後、被害を受けた農家の方々の現場に視察に伺いましたので、まずその辺のことからお伺いをしたいと思います。 まず、ショックだった私が体験した光景であります。台風が近づいているぞというときに、日本海側の増毛町というところに私はお邪魔をしておりました。ここは最近リンゴが、あるいはブドウが、果樹の適地に大変大きくなってまいりました。そこの経営者の方々がビニールハウスのいわゆるビニール部分をはがしているんです。間もなく収穫を迎えるリンゴあるいはブドウを犠牲にしているんです。それは、後でいろんなお話をさせていただきますけれども、ハウスを守るか中身を守るかの二者択一を迫られているわけです。お話を後でさせていただきますけれども、やっぱりあと数日間で金に換わる作物が入っているふたをはがすというのはこれは大変なことでありますけれども、はがせなかった人は、これはハウスもろともやられました。結局、中身とハウス、どっちを守るかという話になったわけであります。 後日伺いました花の農家の方々、これは中身の花を出荷しないと年を越せない。本当につらい思いをし、花を残しました。奥さんがはさみを持って、カッターナイフを持って、お父さん、これハウスもたないよと、切っちゃおうよ、いや駄目だと。この花がないとうちは大変だということで、こつこつ、一戸一戸、一棟一棟増やしてきたハウスはほぼ全滅になりました。 共済の話、先ほど和田先生からも質問がありました。何とか、この難しい制度であることは承知しておりますけれども、工夫をしていただきたいというふうに思います。 そんな中で、もう一つ、共済制度のらち外にある作物、ソバがあります。ソバという作物の特殊性は、委員の先生方は皆さん御存じだと思います。ほかの農業が活発に、あるいは思う農業ができない地域の救世主であります。北海道においては幌加内、江丹別などというブランド地名が登場してまいりました。そこのソバの実も見ている前で風に落とされてしまいました。 先ほど果樹など地域特産品という質問もありましたけれども、ソバについてはどんな工夫ができるでしょうか。現時点での御回答をいただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 御質問の趣旨は、共済の対象にできるかということだろうと思います。 実は、ソバは昭和の五十三年ごろから平成二年ごろにかけまして、北海道、栃木、長野から要望が一部ございまして、調査をしたことがございます。結局、結論的に申しますと、一つはニーズが十分なかったということ、そして二つ目に、技術的問題なんですけれども、収穫期の近くで倒伏とか自然脱粒とかがございまして、損害評価が技術的に難しいという問題があったということで制度化には至らなかったわけでございます。 現在、北海道の方々からも一部要望もございますんで、保険需要の把握と、かつてやりました保険設計上の技術的な問題、これが解決できるかどうか、更に検討したいというふうに思っています。
○小川勝也君 輸入そば粉が非常に多い中で、北海道地域、長野県もありますけれども、も頑張っています。 そんな中で、都内など、そば屋さんに行ってうれしいなと思うのは、幌加内産そば粉使用あるいは北海道産そば粉使用、こういうポスターを見ますとうれしくなるわけでありますけれども、私が見聞きした範囲で考えますと、今年取れたソバの量は大変少なくなっている、収穫を終えたソバの量が非常に少ないわけであります。そうしますと、考えてみると、今まで北海道産のそば粉を利用していただいていたそば屋さんのうち、手に入らないそば屋さんもたくさんあるだろうというふうに考えるわけであります。 旭川空港に行きましたら、いわゆる江丹別そばのショップがありまして、今年はソバが取れませんでしたのでメニューを変えて更科そばで提供しています、来年の新そばが登場するまでお待ちくださいと、こう書いてある。当然のことといえば当然ですけれども、非常に正直だなというふうに思いました。でも、残念ながら、面倒くさいからその紙張っておいたままにしようということが起こり得るんじゃないかと思うんですね。これは産地の表示、あるいは偽表示の問題であります。 この問題、きちっと監視していただきたいというふうに思いますのでお願いをしたいというふうに思うわけでありますけれども、同じことが、大臣が御視察されました今回の新潟地震の被災地のお米ブランドも同じだと思うんですね。 魚沼あるいは南魚沼というのは超ブランドであります。限られた田んぼで作られたおいしいお米だということで、高い評価を受けて売れているわけであります。やっぱり、精魂込めて長年掛けて築き上げたブランドですので、このブランドを守るということは非常に大事なことでありますので、その点、偽表示あるいはにせ表示は許さないというそのお取り組みについて答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 被災地において、生産者の皆さんが大変御苦労されて大変すばらしい作物をお作りいただいたと。そういう方たちの努力やあるいは多年の研さんの成果に対して、こういう言わば原産地表示を偽装して実物とは違うものを売ると、これは全く許されない行為でありまして、私はかねてからこういうことについては非常にシビアな対応をしてきた人間であります。 そういう意味で、農林水産省といたしましても、当然のことに、食品表示の適正化に向けて全国に約二千名の職員を今配置しておるところでございますが、この上ともに監視、指導を強化して、今おっしゃることについては私も同じ考えでありますから、更に徹底を図りたいと、こう思うところであります。 また、不正表示を発見した場合には、御承知のように、JAS法でこれがきちんと指示、公表等の厳正な措置が取られますので、これは業者にとっては大変な痛手にもなります。当然のことではございますが、これらについて更に徹底を図っていきたいと、こう思っております。
○小川勝也君 先ほどの北海道の中で見聞きした話に戻りますが、ビニールハウスがほとんど飛ばされておりました。ということは、ハウスもいろんなタイプがあるんですが、骨にビニールが掛かってビニールをはがせなかったそのハウスは、その躯体がぐにゃぐにゃに曲がってしまって使い物にならなくなるわけであります。 北海道も雪が早いわけでありますので、次年度の営農を考えたときに新たなハウスの設置がその次年度の営農に非常に重要な役割を果たすわけでありますが、そのときに聞いたのが、一つは、屋根がはがされてトタン屋さんが来てくれない。そちこちでトタンがはがされたんで、トタン屋さんが忙しくて板金屋さんが来てくれないという話と、もう一つは、注文してもハウスが来ないという話であります。これだけ物が潤沢にあふれる社会になって、時代になって、このハウスが足りないというのはどういうことかなというふうに思ったわけでありますが、中国の建設ラッシュの影響なんだそうであります。 何とかそういうことが、これ災害ですので、備蓄をたくさんしておけというふうには言えませんけれども、その後どういうふうに状況が改善されたのか、御報告を聞いておきたいと思います。
○政府参考人(白須敏朗君) ハウスの関係でございます。 ただいま委員からの御指摘のとおり、一連の台風の襲来によりまして、全国的にビニールハウスの被害が発生をいたしております。そこで、現在、修復あるいは建て直しということで大変多くの資材が必要になっている状況にございまして、お話しのとおり、北海道を始めといたしまして全国的に資材は不足ぎみということでございます。修復が今なお続けられる、次年度の生産のためにも、やはりお話しのとおり、大変必要でございます。当面はしかしこの状況が続くんではないかというふうに、そういう見込みがあるわけでございます。 ただ、私ども、北海道におけますこの骨材の供給状況につきまして道からの聞き取りを行いましたところ、現在農家から要望を受けております骨材につきましては、年内を目途に供給することができる見込みであるというふうなことを聞き取っているところでございます。 私ども、実は、これまで台風十六号、八月末でございますが、通過直後を始めといたしまして、三たびにわたりまして都道府県に対して、修復に用いる資材の必要量の把握でございますとか、あるいは確保に努めるよう要請をいたすとともに、十八号の通過後の九月の二十一日には、ただいまお話しの資材の製造あるいは流通団体に対しましても資材の円滑な供給が図られますように協力要請も行っているところでございます。 今後とも、ただいまの被害の更なる把握に努めますとともに、連携を図りまして、資材の円滑な供給が図られますように努めてまいりたいというふうに考えております。
○小川勝也君 北海道においては委員長が一番御存じなんですけれども、豪雪もありましてハウスが押しつぶされてしまったという、その被害の後にこの災害も起きました。 一般的にこの共済制度も様々な作物、品種ごとにあります。そのほかに、次年度の営農のために融資を有利な条件でできるという様々な制度融資があります。そんな中で、農家の方にお伺いをしたときに、これは様々な災害あるいは様々な気象変化の被害を受けたときによく言われるのは、いや、所得が下がって大変で、また新しいお金を借りるのもいいんだけれども、今ある借金をこれ返すのが大変だと。ですので、新しい制度融資を受けるのもこれ大切ですけれども、既存の様々な資金の融資、これの猶予とか減免とか利子補給とか、これ様々な工夫がないと、せっかくの制度融資が生きてこないんじゃないかと思うんです。 ですから、どのいわゆるメニューということには限りませんけれども、これは大きな課題としてとらえていただきたいと思うわけであります。その方面についての考え方についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 天災等ございましたときに、私ども、金融機関に対しまして償還猶予等の措置を講ぜよという指導をするわけでございます。 先生おっしゃいましたように、様々な対応があろうかと思います。まず、単純には償還期間を延長する、中間据置きを作る、それから支払を猶予する、遅延金を減免する、約定の金利を減免する、このような様々な対応があろうかと思いますけれども、例えば、これ昨年の例でございます。昨年も日照不足、低温があったわけでございますが、農林漁業金融公庫資金で四千二百三件、全国でございますけれども、百五十四億円の金額についてこういう措置を取ったところでございますので、今回もこのような対応が取られるものというふうに思っております。
○小川勝也君 一定程度のルールは当然必要でありますけれども、できればそのときの状況にフレキシブルに対応できるシステム作りが必要なのではないかなというふうに思います。モラルがハザードしてしまえばこれは困るわけでありますけれども、なるべくかゆいところに手が届く、そういった農政になっていくことを望みたいと思います。 その部分でちょっとお伺いをしたいわけでありますが、こういう台風とか被害があったときに必ず激甚災の指定が云々という話になります。これは我々の世界でいうと当然のことでありますけれども、いろんなその状況状況というのが、台風にしろ地震にしろあるいは水害にしろ、いろいろ違ってくるわけであります。メニューというのも、あるいは指定の要件なんかも決まっているわけでありまして、これは個別の状況を一つ一つ、あるいはデータを一つ一つ積み重ねて、より使いやすい方向に、みんなのためになる方向に改良を加えていくのがこれ正しい姿だろうというふうに思います。 私もいろんな話を受けて、ちょっとこの要件が足りないんで駄目だとか、これはちょっと残念だとかいう話もあるわけでありますので、例えばこれ、この委員会で議論するのも当然いいわけでありますけれども、最もその状況を知悉しているのは都道府県だろうというふうに思いますので、今までの制度の中でこういう改良を加えたらもっと便利になる、あるいは公平さを保てるというノウハウを集めて、当然のことながら農林業部分、農林水産省が把握する部分、関係する部分でこういった改良を加えていきたいというような検討をしていただきたいと思うわけであります。その辺についての御答弁をお願いしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 激甚災害の指定、内閣府の中央防災会議が定める基準がございます。 私どもがよく使います農地、農業用施設、林道の激甚災の指定は二種類ございまして、一つが、その被害の広がり具合、全国的な広がり具合で全国農業所得推定額の〇・五%以上を被る被害、局地的なものであっても、その深さ、そこまでいかなくても十億円を超えるような被害が一都道府県以上あった場合とか、そういうふうな基準でやっておるわけでございます。 けれども、これ過去、結構指定されておりますので今の基準でも適切に対応できるんじゃないかというふうに思っております。
○小川勝也君 都道府県の担当者にちょっと聞いていただければというふうに思います。 今も話に出ました林業系、林、森林も今回大変な被害を受けました。私は当然のことながら素人でありますけれども、施業がしっかり進んでいない部分で倒木が多く出るんじゃないかというふうに思います。私が通った国道沿いでも木が倒れて通行止めになったりしておるところがありました。ある町の、元の鉄道林、国鉄の管理していた林を町が払下げで受けて管理していたというところがめためたにやられています。これはちょっと施業が足りないのかなというふうに思っているわけでありますけれども、それと同時に、倒れた木をそのままにしているということが非常に悪影響を及ぼすんだろうというふうに思うんです。次の災害を誘発しやすいとか、あるいは鉄砲水が出やすいとか、様々な技術的な側面も踏まえまして、財務省の主計官に聞こえるように林野庁長官からその辺のことを御説明をいただければと思いますが。
○政府参考人(前田直登君) 確かに、森林、今回の台風で相当全国的にも多くの被害が生じております。 先生御案内のように、森林、確かに国土保全ですとかあるいは環境保全、いろんな機能を有しているわけで、やはりそういった機能を十全に果たしていくということになりますと、適切な管理、あるいは保育、間伐、こういったものをやっていくことが非常に重要であるということは論をまたないところであります。 ただ、今回の被害につきましては、そのほとんどは、そういった森林の持っております土壌緊縛力ですとか保水能力、それを超えるある意味では異常な気象の下で起こっているというふうに考えているわけでありますけれども、いずれにいたしましても、こういった台風でやられました倒木、そのままにしておきますと二次災害の問題もありますし、またさらには環境問題、そういった等々いろいろあるわけでございますんで、早期にこの被害木、これを伐採、搬出いたしまして、跡地に造林を進めるということが極めて重要というふうに考えております。 このため、私どもも、この被災森林、これに対しましては、一つには森林整備事業、いうところの造林関係の補助事業でありますが、そういったものによります風倒木の処理、あるいは跡地造林、こういったことを通じて復旧を行いますほか、早急に防災機能、こういった回復が必要な保安林等、そういったものの森林につきましては治山事業によります復旧、こういったものも含めて図ってまいりたいというふうに考えている次第でございます。 さらに、今般、台風十八号、北海道が大きな被害を受けたわけでありますが、これにつきましては激甚災害の指定受けたところでございまして、これにつきましては高率の助成を行うという森林災害復旧事業によります森林の復旧を図るということで考えているところでございます。 なお、台風二十三号の被害、こちらの方につきましてもその激甚災指定に向けて現在被害の調査を急いでおるということでございます。 いずれにいたしましても、速やかなる復旧、こういったものに全力を挙げて取り組んでいきたい、よろしくお願い申し上げたいと思います。
○小川勝也君 全国の森林被害の面積と額をいただきました。面積は広大なんですけれども、金額はそれほどでもないと。これは、それほどでもないというのは、巨大な数字でありますけれども、材価が安いということになっているんだろうというふうに思います。そうしますと、国有林はしっかりと長官に施業してもらうわけでありますが、民間の山お持ちの方が、どうせ山を管理しても金を生まねえんだから倒木の処理も後に回しておけと、インセンティブが働かない世の中だろうというふうに思います。この辺もしっかり様々な施策をお願いしたいわけでありますが。 まず第一に、治山という言葉があります。山を治めるのは当然のことながらコンクリートじゃないんです、これ。私どもの民主党は緑のダム構想という政策をも発表しておりますけれども、木がしっかりと山を守ってくれる姿が理想なわけで、今の状況はかなりその理想から懸け離れていると私は思います。 島村大臣に対する最後の質問として、やはり山をしっかり守るのは木なんだと、災害があるなしにかかわらず理想の山づくりをすることが様々な施策の原点だということをお述べいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 正に、御指摘のとおり、山はあらゆることを守ってくれているわけで、今回も大変な被害はありましたものの、やはり山がある程度健全であったからあの程度で済んだという面もないではない。また反面、多少十分でなかったためにあれだけの災害になったという面も指摘できるんだろうと思います。 私たちは、山の管理というのは、これは田や畑にも及びますと同時に、これが意外に、これは水産物にまで影響を及ぼすということが最近とみに指摘されるようになりまして、最近は漁師が山に登って言わば山の手入れをする。それは失業対策でも何でもなくて、山が健全になり、日が差し、そして風通しが良くなるということで、言わば下草が生え、そこに豊かな栄養分が蓄えられて雨とともに川や海に流れ込む。その流れ込んだ今度は栄養素がプランクトンを育て、豊かな魚礁になる。 こういう自然の関連というものが最近は指摘されているところでありますから、私も治山についてはもう就任以来うるさく言わば要求をし、前田長官なんておしりが痛くなるくらい年じゅうしりたたきをしていると、そういう感覚でありますから、是非御協力も得たいと思うところであります。
○ツルネンマルテイ君 民主党のツルネンマルテイです。この農林水産委員会で私も初めて質問させていただきます。当選してから最初の二年半は環境委員会に入っていましたから、そっちの方で頑張りました。しかし、今年の夏からは、自分からの希望でこの委員会に入らせていただきました。なぜならば、私にとっては、国政で一番取り組みたいテーマは環境と農林水産です。さっきの話にもありましたように、これも本当に関係の深い、互いに互いを必要とする分野でもありますから、これからはこの委員会で頑張りたいと思っています。 今日は、私は有機農業について質問させていただきます。 私は何回かこの委員会に参加していますけれども、まだだれもこの有機農業について質問をしていないと思うんです。もちろん、今は台風の被害とか地震の被害の対策とかBSE対策とかは非常に重要なものですから、そういう意味でも有機農業まで余裕がなかったかもしれません。しかし、後でも分かるように、私たちにとってもこの有機農業も極めて重要な課題の一つでありますから、あえてそれを今回の質問でさせていただきます。 私は農業の分野では決してプロではありません。素人です。しかし、母国フィンランドでは、私は酪農農家で生まれ育ちました。これは五十年前の話ですから、そのころは日本と同じようにフィンランドでも農薬とか化学肥料は頻繁に使われました。これはないと絶対できないという時代でした。 しかし、今は、湯河原には家がありますけれども、もう既に十二年間、湯河原で、自分の家のそばには四十坪くらいの家庭菜園が、土地があります。そこでもう十二年間、全く化学肥料と農薬を使わないで、いわゆる有用微生物で、うちから出る生ごみとかほかのものを醗酵させて、それで農産物を、野菜を育てています。その野菜を今も、この宿舎でも、麹町の宿舎でも食べています。宅急便で、あるいは家内が取りに行って、そこから取って、そしてそれを、それが足らなかったら店からも有機野菜を買って、それで宿舎でも妻が料理をして、私は昼食の弁当までも家内が作ってくれて、それを自分の事務所で食べていますから、こういうのは愛妻弁当とよく言いますけれども、私はまさしくそのとおりだと思っています。そして、ちなみに、私は米、白米はなるべく食べないことにしています。これも有機農家で育てられた一〇〇%の玄米を私たちは料理にしています。こういう意味では、私には農業にも、特にこの有機農業には縁があると言えるんじゃないかなと思います。 では、そこから私は質問の方に入らせていただきます。 二〇〇三年度の農林水産省調査によると、国民の八割が農畜水産物の生産過程での安全性が不安であるとしています。あるいは、生産者に望むことの五割が安全、安心で、続いて二割が有機栽培、無農薬あるいは減農薬となっています。 私は、今日は、さっきも言いましたように、三十分しか時間がありませんから、この純粋な有機農業に絞って質問させていただきます。つまり、化学肥料と農薬を一切使わないで農産物を育てるということですね。 御存じのように、いわゆる慣行栽培と有機栽培の間にもいろんな方法が最近あります。例えば、エコファーマーと呼ばれるところとか、農薬と化学肥料の使用を減らした特別栽培とかもあります。環境保全型農業とも言われています。もちろんこういうのも、その農薬と化学肥料の使用は世界一である日本の状況を考えると、こういうのももちろんある意味では評価できます。問題もたくさんありますけれども、評価できます。 しかし、私は、今日は日本で最も後れているこの有機農業の実態とその展望について質問させていただきます。 御存じのように、二〇〇一年JAS法には有機農産物等の検査・認証制度が導入されました。これも一歩前進と言えます。これにも問題がたくさんありますが、ある意味ではある程度は評価できます。しかし、有機農業をめぐる現状は厳しく、依然として取組が進展していないことは事実です。二〇〇二年度における有機農産物の生産は国内生産量の一%に満たない水準にあります。一%にも満たない。あるいは、二〇〇三年におけるJAS有機認証農家の販売農家に占める割合は日本では〇・二%にすぎないところです。 そこから最初の質問をさせていただきます。 有機農産物の自給率、つまり、日本で作られる有機農産物の自給率も非常に低いということは私も知っています。というと、私たちは海外からもたくさん有機農産物を輸入しています。簡単で、簡単でもいいですから、国内と海外からのその有機農産物のパーセンテージだけでも結構ですから、中川局長の方からそういうデータを、最近のデータを是非お願いします。
○政府参考人(中川坦君) お答えを申し上げます。 有機のJAS制度に基づきまして平成十五年度におきまして格付をされました有機農産物の数量、これは、加工原材料も含めまして、国産では約四万七千トン、それから海外から輸入をされました数量が約二十九万四千トン、合わせますと約三十四万トンでございますので、有機農産物に占めます国産の割合としては約一四%でございます。これを主な個別品目ごとに見ますと、野菜では五一%、果樹が一二%、それからお米が八一%、大豆では二%というふうな数字になっております。
○ツルネンマルテイ君 つまり、このデータでも分かるように、日本ではほかの農産物と同じように、この有機農産物でも私たちは全く外国には頼っているという状態ですね。十何%かしか日本では今は作られていないということです。 そこに、更にもう一つのデータを是非教えていただきたいんですね。諸外国における、日本も含めて、有機栽培面積の農地全体における割合がどのようになっていますか。これも幾つかの外国のもので結構です。そして、それに比較して日本の状況はどうなっていますか。これは白須局長にお願いしたいんです。
○政府参考人(白須敏朗君) ただいまのお尋ねでございます。有機農業の栽培面積の比較ということでございますが、そういった有機農業に係る農地につきまして明確な定義があるわけではないんでございますが、ただいまお話にありましたように、各国で制度化をされております有機農産物の認証制度の基準に適合した管理が行われていると、そういう農地の面積につきまして比較をいたしてみたわけでございます。 そういたしますと、我が国で見ますと、ただいまのお話の有機JAS制度に係ります農地の面積は全国で七千五百ヘクタールということでございまして、平成十五年の日本の耕地面積に占めます割合は〇・二%ということでございます。これに対しまして、諸外国で見てみますと、EUの、二〇〇〇年のEU十五か国におけます有機農業の面積は全体で三百八十万ヘクタールということで、EUの全耕地面積の約三%というふうになっております。 その中で、イギリスで見てみますと、イギリスでは全耕地面積に占める割合は四%、それからドイツでは全耕地面積に占める有機農業の面積の割合は四・三%ということで、確かに、我が国に比べますと欧州諸国の有機農業に係る農地面積の比率は確かに高くなっておるわけでございますが、ただ、ここでは実は一点申し上げておきたいのは、この欧州諸国の数字の中には牧草地が含まれておりますので、そういった意味では、私どものあれには牧草地というのは入っておりませんので、そういった意味では我が国と単純に比較しにくい面があるのではないかというふうに考えているわけでございます。 ちなみに米国について見てみますと、米国では有機農業の面積の割合は〇・三%ということでございますので、そういう意味では我が国に近い水準ではないかというふうに考えておる次第でございます。
○ツルネンマルテイ君 それにしても日本の、特にヨーロッパの方の状況に比べると極めて低いということは言えるかと思います。〇・二%あるいは、比べることはちょっと違うとしても、私が手元に持っている資料の中では、母国フィンランドでは六・三%になっています。そうすると、日本のもう何十倍も多いということです。そして、フィンランドで作られる農産物の有機農産物は大体今七%になっているんですね。日本のこれに比べると、フィンランドも非常にこれは増えています。さらに、これも私のデータにもありますけれども、ヨーロッパの特に北欧とかドイツとかイギリスとかでは、この十余年間でこの面積が国によってはもう十倍以上も増えている。非常に早く発達しているということも一つ言えると思います。 ここでは、農林水産大臣に是非、こういう今までの話を背景にして、明らかに言えることは、日本ではなかなか有機農業が普及しないということは明らかですね。これの主な原因はいろいろあると思いますけれども、大臣の方ではどういうふうに考えているんでしょうか。お願いします。
○国務大臣(島村宜伸君) スーパーなどへ行きましても、有機農産物というのはわざわざうたってあって、これを好んで買い求める方がおられることはよく承知をいたしております。しからば、なぜ有機農業もっと盛んにならないのか、私も実は疑問に思っておりましたんですが、いろいろ勉強してみますと、まず一つには、我が国は言わば三十度以上を記録する、言わば真夏日と日本では言いますが、これが非常に多い。今年の場合は七十日を超えたわけでございますが、こういう非常に夏場には極端な高温の言わば状態に入る。しかも、その前後には降雨が集中するという気象条件の中での特徴がございます。そういうことから、逆に病害虫は発生しやすいとか、あるいは雑草の生育も極めて旺盛で、言わば有機農業をやるためには今度は別の意味で費用やあるいは手間の負担が掛かるということが大きな原因のようでございます。 一方、欧州では、御承知のように、夏が涼しく、また気温が上がる時期の降雨が少ないという気象上の特徴がありますので、雑草は生育しにくく、かつ有機農業には比較的取り組みやすいという面があるようでございます。 また、我が国の有機農業で、今、有機農業を行うためには、農薬を使わない代わりに手作業や防虫ネットなどの資材の言わば購入が必要となる、また土作りのために堆肥が必要になるというように、多くの労力やコストを要するということがどうも有機農業が普及しないという大きな理由のようでございます。 さはさりながら、有機農業に対して大きな期待が国民の中にあることも事実でありますから、これからもこれらに対応し、かつ有機農業が盛んにできるような環境作りには努めていきたい、こう考えております。
○ツルネンマルテイ君 島村大臣の意見、今言っていることには私ももちろん賛成です。そういう面も確かにあります。 日本は、例えば母国フィンランドに比べると気候の面では、高温多湿という面ではもちろん問題があります。ただし、さっきはデータは出ませんでしたけれども、日本でも有機農産物を販売している農家の数が、それでもパーセンテージは少ないんですけれども、数は私のデータでは四千戸以上あるんですね。ここでは完全に有機栽培だけをしているんですね。だから、成功している、こういう厳しい状況の中で日本でも成功している農家ももちろんあります。 私も三か所ぐらいの米を全く有機栽培で育てているところを視察しました。もう平均的な規模のところですから、問題がない。最初は苦労あっても、日本でも米も農薬を使わないで作れるということもあります。しかし、もちろん状況はヨーロッパにとってはこれは厳しいということは言えると思います。しかし、そういう専業農家の中でも成功しているところもあるんです。 ここから少しずつ、次の質問では、じゃこういう状況を進展するためにどうしたらいいかということに入りたいと思っています。 一つの理由は、私の四番目の質問の答弁でも出るんじゃないかなと私は期待しています。ヨーロッパでは、フィンランドも含めて、有機栽培の技術を研究するための公的有機農業研究所あるいは試験場がいろんな国にはたくさんあります。フィンランドにも二つあります。そのデータを、日本も含めて、どのくらい、幾つかのヨーロッパの国を例に出してもいいんですけれども、つまり国の予算で公的に研究を行っている試験場とか研究所のことをちょっと教えていただきたい。西川局長、お願いします。
○政府参考人(西川孝一君) お答えします。 ヨーロッパにおいて有機農業に係る試験研究を実施している機関、これは公式なデータはちょっとないと思いますけれども、試験研究機関のほかに、普及機関ですね、あるいは教育機関というものを含んで見てまいりますと、十七か国で八十の機関が有機農業に関係している研究をしているという報告がございます。 我が国においては、有機農業のみを研究する公立研究機関というものはないわけでございますけれども、有機農業を含みます環境保全型農業の研究は、独立行政法人でございます農業・生物系特定産業技術研究機構を始め、多くの研究機関で取り組まれているということでございます。
○ツルネンマルテイ君 私の手元にあるデータでも、関係している、関係しているというのはもちろん関係しておりますけれども、それだけを、有機栽培を専門としての研究所がかなりたくさんあると思います。そして、日本ではそれだけの研究所が公的なものはない。民間には、私もよく知っていますよ、民間にもいろいろありますけれども、やはりこれは一つ、日本では国の予算で、国のあるいは地方自治体ではそこまで、技術をあきらめているというか、そこまで予算がないというか、予算付けないということは、進展しないということの一つにはなっているんじゃないかなと思います。 私も昨年、フィンランドには、九名ほどのそういう民間の有機農業の栽培に関係している、あるいは研究所の人を連れて視察に行きました。それで、フィンランドでは一つのヘルシンキ大学と国が経営しているかなり大きな試験場、全く有機農業だけですね、そこでもやっぱり今までの各農家で使われている技術と、どんどん科学的にも新しい技術を、どうやって農薬を使わないで農産物を育てるか、それで本当に立派なものが、慣行農業で育てているものともう全然劣らないというほどの立派なものは、いろんな野菜もそこで育つことができるということは言えますね。 それでもう一つは、これもほかの国のデータは余り分からないんですから、母国フィンランド、決して一番優れているという意味ではないんですけれども、データが分かっていますから。で、フィンランドでは日本のJAS法と同じように有機農産物の認証を受ける一つの条件としてはいろいろありますけれども、大体三年間その農地で農薬とか化学肥料を使わないということ。そうすると、その切替えの時期は非常に難しいんですね。そのためには、国の予算というか補助金があるんですね。その三年間の間に切り替えるためにはいろんな問題が、費用が掛かりますから、こういうのがもちろん日本ではないんですね。そのJAS認証を受けるのにはどっちかというと費用が掛かりますから、だから、そういう意味でも国の研究機関だけではなくて、そういう有機農業に対する支援というのは、残念ながら私の知っている範囲では、日本ではないんですね。 それで、私はいろんな、日本では一つの、日本有機農業学会がたくさんいろんな本を出しているんですね。その本の中では、このことに関してかなり画期的な提案がありますから、ちょっと簡単に、一分ぐらいで読むものですから、これを読ませていただきます。 日本には農業試験場、農業研究センターなどの名前の付く公的な農業に関する試験研究機関が百五十以上あります。そこでは九千人を超える研究者、技術者が研究して、そしてこの技術開発を行っています。仮に、ここでは提案の方ですけれども、日本の有機栽培の面積を一%を目標にしたら、一%今満たしていないんですから、そういう目標を掲げたら、公的試験場の機関の研究者の中でも九千人の一%を考えると百名近い研究者をそっちの方に回すことができるんですね、同じ率で考えていても。まあこれはたかが一%であってても、そのくらいの百名近い研究者が取り組めば日本でももっともっと技術の面でも進歩するんじゃないかな、これだけでも画期的なことになると思いますから、だから余りにも日本ではそういうこともないがしろにしているということは言えると思います。 もう一つ、私は非常に疑問に思っていることは、今私たちはここで研究しているこの新基本計画、食料・農業・農村基本計画の中では、新たな基本計画における有機農業の位置付けがどうなっているか。私が読んでいる限りでは有機農業という言葉は少なくともどこにも出ていないんですね。無理に探せば、例えば環境保全を重視した体系という言葉があるんですけれども、この中には、裏には有機農業も入っているんでしょうか。これはできれば大臣の方からお願いしたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 有機農業、私どもはあきらめているわけじゃありませんで、むしろやはり私も推進をしたいと考える一人であります。そういう意味で、本年八月に取りまとめられました食料・農業・農村審議会企画部会の中間論点整理におきましても、我が国農業全体について環境保全をもっと重視したものに転換することが不可欠であると指摘されているところであります。 そういう意味で、環境保全を重視した農業生産の推進が重要な課題ということになれば、じゃ、どうするのか。それはやっぱり有機農業、本来、土作りを基本にいたしますから言わば環境との調和を目指しつつ、言わばこれから伸ばすべき農業形態の一つとして我々は更に研究をし、日本のような特殊な気象条件の中にも育ち得る有機農業、これを育てていかなければいけないと、こんなふうに考えるところであります。 具体的には、これまでも病害虫に強い品種の育成とか、あるいは天敵やフェロモン剤の利用技術の開発などを進めてきたところでありまして、これからも更にこれらに精力的に取り組まなきゃいけない、そう考えます。
○ツルネンマルテイ君 大臣の方でも、あるいは行政の方でもこの有機農業の必要性をこういうふうに認めているということは、これは非常に有り難いことです。 そしてさらに、私は一つ、皆さんがもう既に知っていると思いますけれども、さらにうれしいことを御報告させていただきます。非常に有り難いことには、超党派で今月の九日には有機農業推進議員連盟が設立されました。これの会長には谷津義男議員、そして私は事務局長に選任されました。ここではその設立総会の時点までは七十名ほどの超党派の議員が入会しました。これも議員の皆様の方でも党派を超えてこの必要性を、私が感じていると、行政よりも認めている、期待しているということは言えるんじゃないかな。 で、私は、手元にある情報では、自民党には以前自民党だけの同じような議連があってて、そこには何と百七十名の議員がメンバーに入っていたんですね。だから、それぞれの党の中でもこれを非常に重視していますから、恐らくこれからこの委員会でも私たちもこういうことを行政と力を合わせて発展することになるんじゃないかなと、それを期待しています。 ちなみに、ここでこの有機農業推進に関しては、この農業の分野は恐らくこういうふうに超党派で取り組むことができます。しかし、前からのいろんな答弁あるいは質問の中ではほかの分野で、例えば農政改革に対して私たち民主党と与党の考え方は大きく違う、対立しているんですね。そういうところの議連は無理かもしれませんけれども、有機農業の、私、発起人を、いろんなところの先生たち、議員たちのところに回ってお願いしたときは、よく言われたことは、これにだれも反対しません。自民党も民主党もほかの党も反対していません。だからこれは非常にうれしいことです。私もそこの議連の事務局長としてはこれからも頑張りたいと思っています。 私の時間があと五、六分しかありませんね。 六番目の質問というのは、少しどこかで出ましたけれども、日本では御存じのように耕作放棄地というのが大変増えています。 どのくらい、ヘクタールの数とそのパーセンテージ、割合というのをデータだけ簡単に川村局長の方からお願いします。
○政府参考人(川村秀三郎君) お尋ねの耕作放棄地の面積でございますが、平成十二年のセンサスで二十一万ヘクタールでございます。率といたしましては五・一%ということになっております。
○ツルネンマルテイ君 済みません、そうしてそれに、その耕作放棄地の使い方、これから何か、どういうふうにこれをこれから使おうとする、そういうこともちょっとあったら教えてください、簡単でいいですから。
○政府参考人(川村秀三郎君) 数値的なデータは今申し上げたとおりでございますが、この耕作放棄地を再活用するということは非常に大事なことだと思っておりますので、農業経営基盤強化促進法に基づきます農地所有者への指導、それから中山間の直接支払の活用、また市民農園の整備等を通じましてその利用を推進していきたいということでございます。 特に、この市民農園につきましては、特区の中でこれまで地方公共団体と農協に限られておりました開設主体をいろんな方にも開放するといった形での特区もやっておりますので、そういったものを通じて強力に推進していきたいと思っております。
○ツルネンマルテイ君 このことについてももっと聞きたかったんですけれども、時間がなくなりますから、あと一つ非常に大きな問題がありますから。 私は、なぜこれを聞いたかというと、やはりこういうところでも空いてるところですから、ここにも、例えば市民農園を積極的に地方自治体の方では造っていて、そこで有機農業を、有機栽培をやっていってもいいんじゃないかと、これはどっちかというと地方自治体も取り組めばできるということです。 もう一つの可能性が日本にあります。それを最後にしたいと思います。皆さんも御存じのように、諫早湾干拓事業のことです。ここでもちょっと問題がいろいろあります。私、今までの経緯については、私たち民主党もいろんなこと、ぶつかりました。そういうことを私は今は問題にしません。当然そこで農地が造られるんですから、その使い方について、まずそれは今の予定では何ヘクタールになっているんでしょうか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 諫早湾で造成される農地の面積は六百四十七ヘクタールとなっております。
○ツルネンマルテイ君 そこで、島村大臣に聞きます。 もちろん、これは国が全部決めること、県のかかわりもありますけれども。この中にも、今は日本で一つもない公的な有機農業の試験場を造ったらどうですか。ここで一つのメリットというのは、そこで今までは化学肥料と農薬は一切使われていない、すぐそのまま使えるということ、三年待たなくても使えるということですから、こういうアイデアをどう思いますか。 これは私の最後の、それで質問終わりますけれども、是非前向きな答弁をお願いします。
○国務大臣(島村宜伸君) 一昨日も長崎県の知事の訪問を受けまして、いろいろ干拓工事その他についての話合いをしたところでございますが、ただいまの御指摘、大変興味はありますので、高温多湿の地域ではございますが、その可能性は探ってみたいと、こう思います。
○ツルネンマルテイ君 質問終わります。
○谷合正明君 公明党の谷合正明でございます。前回に引き続きまして、よろしくお願いいたします。 まず初めにお伺いしますのは、今回の一連の台風によります漁業被害についてであります。特に、十六号、十八号のときは瀬戸内海、広島県のカキの養殖、また岡山県の方でもカキ、またノリの養殖がかなり被害を受けておりました。私も十六号の直後に岡山県の沿岸部行きまして、そのノリの養殖又はカキの養殖のこの被害というのも、これ本当にひどいなということを痛感をいたしました。漁業従事者の方に聞きますと、もうこれで養殖やめてしまおうかと思うぐらいに被害が大きかったと聞きました。 まずその第一点目に、その広島、岡山を中心にしました養殖被害について、実態とその対応策についてお伺いいたします。
○政府参考人(田原文夫君) お答えいたします。 台風十六号あるいは十八号等の一連の台風によります広島県あるいは岡山県のカキ、ノリ等の養殖の被害の現時点におきます数字でございますけれども、まず広島県のカキの方でございますが、養殖施設関係で約十三億円、それからカキ本体といいますか、水産物関係では五十四億円、合計六十七億円。それから、岡山県のノリ養殖につきましては、加工施設で約二億円の被害が発生しているというふうに聞いております。 こうした被害に対しましては、私ども天災融資法ということで、低利な資金の円滑な融通を行うという方途を取っておりますほか、災害復旧事業の早期実施でございますとか、漁業共済金の早期支払、こういったことに取り組んで漁業者の方々の早期復興に支援を行っているところでございます。
○谷合正明君 是非よろしくお願いいたします。 そして、続いて林業の、前回も風倒木の被害について質問させていただきましたが、それ以来、やはり岡山、兵庫県の林業従事者の方からたくさんの声を聞きました。例えば、伐採しても実際使い道がないので困っていると、また今回、風倒木ですね、倒れた木、外見では使えそうだけれども、中を見ると、いったん切ってみると、やはり材木としては使えないというようなことも聞きました。また、兵庫県の方では、宍粟郡というところでは、昨年は雪の重みで木が倒れるというような被害もあったというふうに聞いております。 今回の風倒木の処理におきまして、実際に作業中、その林業従事者が、プロの方が亡くなってしまったということも直接私伺いました。いろいろな話を伺っているわけでございますけれども、来年の梅雨どきまではできるだけ処理したいという声があります。今回、樹齢五十年を超えるような人工林が倒れている中で、やはり熟練の伐採技術者の方によらないとできないわけでありますが、今回の被災地域は広大にわたっておりますし、またその時間も掛かるということで、処理に相当な時間が掛かります。 前回の委員会では、早期に伐採、搬出、跡地の造成を進めると言われておりますが、まず何よりも、その今回の二十三号を中心としまして激甚災害の指定を要望するものでございますが、現場からは再三、二次災害のおそれもあるので、現場写真などを残すことによって、査定が、是非査定が終わる前に事前のその処理、着工を認めてほしいという声が上がりましたが、政府の見解はいかがでしょうか。
○政府参考人(前田直登君) 確かに先生御指摘のように、風倒木被害につきましては、二次災害の防止、それからさらに、被害を受けた森林の有しますいろいろな公益的な機能を発揮しているわけでありますんで、そういった公益的機能の確保を図るために、早期に被害木を伐採、搬出し、跡地造林を進めること、大変重要だというふうに考えております。 激甚災害の関係では、指定を受けました場合には、高率の助成を受けられる森林災害復旧事業、これを活用することができるところでございます。台風二十三号につきましては、現在、その指定に向けた被害額の調査を急いでいるところでございます。 御指摘の査定前の話でございますが、この森林災害復旧事業につきましては、人家ですとか道路に被害を及ぼすおそれがあるといった場合など、被災森林の復旧上、緊急にやむを得ないというような場合には事前着工ができることとされておりまして、早期に復旧が図られるよう適切に対処してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○谷合正明君 もう一つ要請が上がっているのが林業用の大型機械の話なんですが、今回、大きな面積を処理するために、どうしても人手、マンパワーだけでは対応できないと。例えば、激甚災害では、伐採、搬出、造林、倒木の引起し、また作業路の開設に補助対象となっておりますが、この中に林業用の機械の補助を入れるという措置はできるのかどうか、この件につきましても見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(前田直登君) 林業用機械につきましては、林業・木材産業構造改善事業等によりまして国庫補助の対象とされているわけでありますけれども、激甚災害法に基づきまして補助率をかさ上げするということができるということにつきましては、直接被害を受けたものに限ると。すなわち、林業機械でも、その機械自体が被害を受けた場合、そういう場合には補助率のかさ上げをして対応することができるわけでありますけれども、復旧を行うための機械というのは補助率のかさ上げの対象にはなっていないということでございます。 風倒木処理のための林業用機械につきましては、補助事業の活用のほかに、各地域の方で林業機械化センター等、こういったところでリース用として林業機械保有しておりますので、こういったものの活用が図られるように対処してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○谷合正明君 先ほど小川議員の方からもありましたが、こういったものがより良く使いやすい方向に改良していただけるように激甚以外の枠組みでも充実していただきたいと思います。是非とも、その現地の林業従事者の方が涙をのむようなことは避けていきたいと私も思っております。 引き続きまして、現在の日本のこの山林、森林について、ちょっと大きなところで質問をさせていただきたいと思います。 大きなところといいましても、今年に入りましての一番国民の関心というのは、クマがたくさん出没しているということでございます。クマとクマの周囲の環境に何が起きているのかということにつきまして、新聞を見ましても連日、専門家の意見がたくさん載っているわけであります。 環境省によりますと、今年の四月から十月二十日までにツキノワグマに襲われた死傷事故が八十一件と昨年度の五十一件を大きく上回っております。このツキノワグマが、東北地方から中部地方の比較的高標高のブナ・ミズナラ林に生息するとされておりますが、そこにえさがなくなったので人里に下りてきているのではないかと言われております。 なぜ急に相次いで人里近くまで下りてくるようになったのか。相次ぐ台風の影響も取りざたされておりますが、具体的に環境の変化があったのか、あるいはこれまでの林業、植林の在り方について、森林開発等に問題があったのかどうか、クマがすめる森が減ったことなど人災的な面はないのか、様々な説はありますが、現在のところ、国民に関心のある分野でございますので、是非ともこの件につきまして環境省の方からお伺いしたいと思います。
○政府参考人(福井雅輝君) 本年夏以降、北陸地方を中心にしましてツキノワグマの出没が例年になく増加をして、人に対する被害も発生しているところでございます。 出没増加の原因としましては、本年に特徴的なことといたしましては、台風や猛暑の影響、それからブナやミズナラ等の広葉樹の木の実の不作の年に当たることなどによりえさが少なくなっているということ、また人間社会における近年の変化、具体的には、山村の過疎化、高齢化による人の活動の減少、まきや炭などを使わなくなったことによる里山の自然林化、また収穫残渣の放置や生ごみの不適切な処理により、クマが人里へ接近しやすくなっていることなどが専門家からは指摘されているところでございます。 環境省では、今回の出没増加の原因の解明に向けて現在調査を行っているところでもおります。また、先月二十九日には、都道府県の担当者に対して専門家から助言を行う会議なども開催したところでございます。
○谷合正明君 是非、早急に調査をしっかりしていただいて、環境省のみならず、農林水産省とともに今後の森林造成に当たっての在り方について検討していただきたいと思います。 そこで、今後の森林造成に当たりまして、公明党の方では次のように主張しているわけでございます。 我が国の森林の約四割が人工林で、その大部分がスギ、ヒノキ、カラマツなど少数の針葉樹によって占められております。しかしながら、広葉樹は、資源が乏しくなる一方で構造材、内装材、工芸材等としての利用も進み、早晩需給が逼迫して経済的価値を高めるばかりか、生物多様性の保全、美しい景観や保健休養の場の提供など多面的機能を発揮します。今後の森林造成にあっては、例えば長期育成複層林施業の在り方を一層改善するなど、伐期の長期化、また広葉樹の導入、複層林化等の積極的な推進を通じて、多種多様な森林を整備する必要があると思われます。 そこで、質問でございますが、そもそも、全国の森林をきちんと、先ほどもありましたが、理想の形に整備するためにはどのくらいの予算が必要であると見込まれているのか、大きな話であると思いますが、お伺いいたします。
○政府参考人(前田直登君) 先生からもお話ございましたけれども、災害の防止ですとか、あるいは水源涵養といった森林の持っています多面的な機能、こういったものを持続的に発揮させていくというためには、やはり私ども、重視すべき森林の機能に応じて、立地条件に応じて、多様な森林の整備、保全、これを図っていくことが必要であるというように考えている次第でございます。 このため、平成十三年、三十七年ぶりに林業基本法を改定いたしまして、森林・林業基本法、新たな森林・林業基本法を制定したわけでございますが、そういった中で、森林につきましていろいろ機能区分を行う、それに基づいて様々な施業をやっていくということで、例えば具体的には、水土保全林、ここにありましては下層植生の発達等を図るための複層林施業の導入、こういったものを積極的に推進しますとともに、森と人との共生林、こういったところにおきましては生物多様性の確保、こういったことにも配慮しながら、広葉樹の整備あるいは針広混交林化、こういったことを進めているというような状況にあるわけでございます。 そういった中で、私ども、平成十六年度予算におきましては、森林整備に必要なということで、予算額千八百二十五億円、さらに治山事業も含めました林野公共事業全体で三千百七十二億円計上しているところでございまして、今後とも、地域のニーズに合った多様な健全な森林、こういったものの整備が図られるように必要な予算の確保に努めてまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○谷合正明君 広葉樹の整備というお話が出ましたが、今回の台風被災地の現場、岡山県県北なんですが、スギ、ヒノキだけでなく、今後、広葉樹林ももう少し広めたいという要望がございまして、その広葉樹林植栽に関しまして、例えば高率助成などの措置、ほかの枠組みでも結構でございますが、どういったことが可能なのか、ものがあるのか、お伺いをいたします。
○政府参考人(前田直登君) 広葉樹林につきましては、先ほどからも出ておりますけれども、生物多様性の保全あるいは美しい景観あるいは保健休養の場の提供というようなことで大変優れた面を有しておりまして、森林の持っております多面的な機能、これを一層発揮させていくためには、針葉樹だけでなくて、広葉樹あるいは針広混交林、こういった整備を推進していくということが重要であるというふうに考えている次第でございます。 このため、針葉樹のみならず、広葉樹の植栽あるいは保育、針広混交林化のための抜き切り、こういったことに対して助成を行っているところでございまして、特に、例えば造林未済地、こういったところにおいて地方公共団体が広葉樹を含む郷土樹種の植栽を行う場合、国と県で実質補助率を七二%出すとか、あるいは森林施業計画に基づきまして広葉樹の植栽を行うといった場合には実質補助率で六八%といった高率の助成水準を適用いたしておりまして、その推進を図っているところでございます。 また、今般の台風によります風倒木被害、激甚災害の指定を受けた場合につきましては、高率の助成、これは三分の二以上でありますが、これを行います森林災害復旧事業による森林の復旧、この場合にも広葉樹を植栽することが当然可能ということで対応しているところでございます。
○谷合正明君 その森林整備のためには、何といいましても、林業の活性化対策が重要でございます。長年、国産材が外材に押されまして需要が伸びないというのが実情でございました。食料自給率が四〇%といいましても、林業に関していえばもっと、木材自給率はもっと低いと。しかし、我が国の林業の不振の原因というのは、安価な外材輸入によるものでなくて、国産材が品質また安定供給の側面で劣っていたということが大分明らかになってまいりました。 今こそ国産材時代の確立を是非とも築いていきたいと公明党としても考えているわけでございますが、その中で、木材の地産地消ということにもつながるのでありますが、地域材の利用について一つ提案をさせていただきたいと思います。 地域材の利用が地域の森林整備を助けるということでは、ある意味、災害対策ともつながってくるのではないかと私は思っております。もしそうであるならば、例えば被災地における住宅再建、今、新潟県が話題になっておりますけれども、災害対策の一環として地域材を活用してもらうためにメニューを作成するなどの支援策を講じることも考えていいのではないかと思っております。 我が国では、全国で約一千四百万戸の住宅で耐震性が不足しているという推測もございます。今後、東海地震ですとか南関東直下型地震などのおそれもある中で、住宅の耐震化は災害による犠牲者を減らす上でも最も重要な対策でございます。そこに地域材、地域材を利用してもらえる仕組みを作っていけば、森と町の防災機能がともに強化されていくことにつながるのではないかと思います。 そういった総合的な防災対策の一環として地域材を防災に役立てていく支援の在り方を検討していただきたいと思いますが、いかがお考えでしょうか。農林水産大臣に是非ともよろしくお願いいたします。
○国務大臣(島村宜伸君) 御趣旨、全く賛成なんですけれども、私、専門でございませんので、よくこれを検討いたしまして進めたいと思います。 ただ、私は従前から、この森林の整備といいましょうか、あるいはこれからの植樹の推進といいましょうか、このことには極めて熱心な男でございますから、前回農林水産大臣を務めておったころからこのことについてはあなたと同じ趣旨のことを言い続けてきておりますので、これから是非取り組ましていただきたいと、こう思います。 特に、今回の台風等で大分やられましたので、もう一回、言わば健全な森林づくりということを基本に取り組みたいと思っておりますので、またいろいろお知恵も拝借したいと思います。
○谷合正明君 前向きな御答弁、本当にありがとうございます。 そして、その森林の需要を掘り起こしていくと、その次にやはり重要なのは、次に、次にと申しましょうか、同時に重要なのはそれに携わる人材を育成するということであると思います。これは要望でございますが、緑の雇用、しっかりとこれ推進していただきたいと思います。私も先日聞きましたけれども、ある森林組合で欠員一人募集したところ、五百人の人が集まったという例もございます。そういった関心がすごく高まっております。 また、今、高校生の中で、林野庁が主催されていると思いますが、森の聞き書き甲子園、ああいう取組を通じまして、高校生が実際山林に入って、そのプロの林業従事者の方にいろんな話を聞いたりして、日本の山、森林についてすごく意識を高めるいい機会になっているというふうにお伺いしております。是非とも、長期間にわたるビジョンで、日本の山を守る、育てていく人材を増やしていっていただきたいと要望をさせていただきます。 次に、話は変わりまして、担い手の在り方について、先ほども質問は出ましたので、私はその担い手の中で、今回、いわゆる効率的かつ安定的な農業経営を四十万にするという目標を立てて政府がおられておりますけれども、その中で懸念材料として懸念しているのが、例えば新規参入の農業者について、じゃ、どうしっかり取り込んでいくか、支援していくかというところを私も気にしております。 農水省の方では毎年十一月を新規就農啓発強化月間に定めております。私も農林水産省のメールマガジンを取っておりますので、それによりまして今週からこのキャンペーンが始まったということを知りましたけれども、まず、なかなか私にしてもそのメルマガを通じてようやくそういった強化月間があるということを知ったぐらいでございますので、まず広報活動をもっとこの新規就農についてやっていただきたいと思います。 その中で、公明党の方も、昨年の衆議院マニフェストで五万人の新規就農青年の確保を掲げておりまして、今後とも一層力を入れていく決意であります。 離農する数も増えておりますけれども、就農する数もやはり増えております。その数は離農する数よりも少ないわけでございますが、そういった希望もございます。 また、私には、例えば高校生で、将来農業に従事したいという希望を持っている高校生がおりまして、どうやったら農業に従事できるのか、そういった質問も直接伺ったりします。また、岡山県の方でも、先ほど行ったときに、元々大阪で公務員をやっていたんだけれども、それでいわゆる農業に従事した、新規就農の青年の方もいらっしゃいました。そういった方の目の輝きを見ますと、私も、まあなかなか農業は厳しいという中で、これは本当に先行きが不透明な中でも一寸の光明を見る思いがいたしました。 そこで、まず、その新規就農者に対する政府の支援策について伺います。 政府の支援策としまして各種の就農相談窓口の充実や利便性の向上、さらには、本年の通常国会での法改正によりまして就農支援基金の拡充が図られるなど、大変心強く感じております。 ところで、新規就農後に離農した人に対する調査によりますと、新規就農者に望まれる支援ニーズは、機械や施設設備に対する補助金が最も高く、次いで制度融資の拡充が挙がっておりました。この結果は、農業所得で生計が成り立つまでの間はやはり融資制度よりも補助金を手厚くしてほしいというニーズの表れだと思います。こうした議論が、当委員会でも度々同じ趣旨の指摘がされていたようであります。 そこで、現在、基本計画の見直し作業におきまして農業施策を大規模農家に重点化する方向が打ち出されておりますが、今後の新規就農者に対する支援策はどうなのか、中でもニーズの高い補助事業は拡充されていくのかにつきましてお伺いさせていただきます。
○大臣政務官(加治屋義人君) 谷合先生御指摘のとおりだと思っておりまして、我が国の農林水産業の発展というのはやはりこの就農問題なんだろうなと、そういうふうに思っております。 そういう意味からしまして、やはりこの農業内外から本当にやる気のある人、チャレンジ精神をしっかり持った人、そういう者をしっかり受け入れる、そして、ただ受け入れるだけということじゃなくして、その人たちをしっかり育てていく、やはりこういう施策というのが最も大切なことなんだろうと思っております。そのためにも、就農相談体制の構築とか技術とか経営研修とか就農支援資金の貸付けなど、就農形態や経営がそれぞれ発展段階に応じてきめ細かな施策を取らしていただいているところでございます。 なお、新規就農者が経営を開始する際に必要な機械、設備の整備に対する支援策として、無利子の就農支援資金を設置をさせていただいております。御承知のとおり、農業も基本的には営利を目的に行われることを踏まえるとすれば、最大限の支援策を取っている、こういうことを御理解もいただきたいと思っております。
○谷合正明君 次に、新規就農のもう一つの質問に移らせていただきますが、先ほど農業高校の話が出ましたが、農業者大学校の廃止問題について最後に確認をさせていただきたいと思います。 農業者大学校は、御承知のとおり、地域農業のリーダーとして活躍できる青年農業者を育成することを目的としまして、三十六年前に農水省の機関として設立されました。これまで千百人を超える卒業生も輩出しております。卒業生の九六・六%が就農しているという意味では、農業分野における人材の育成確保の点で非常に意義があったんだと思います。 私は、大学の農学部を出ておりますけれども、大学の農学部を出て就農するという数字は、パーセントは二・六%でございます。道府県の農業大学校におきましても三〇・一%でございますので、やはりそういう意味では農業者大学校のこの存在意義というものはあるんだと私は思います。 ところで、先月の報道によりますと、独立行政法人の業務の見直しということの中で、農水省の方で二〇〇八年度をもって農業者大学校を廃止し、研修機能をほかの独立行政法人に移転するとの提案をしたということがありましたが、最後の質問でございますが、そこで、今回の廃止の提案に至った経緯をお聞かせいただくとともに、移転される研修機能の具体的内容と移転先での定員数の見通し、そして廃止に必要な法改正の時期について御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 農業者大学校、今は独立行政法人でございまして、先生おっしゃるように、地域でのリーダーたる農業者を育成するということで、現実に卒業生が地域でリーダーとして種々御活躍でございます。 私ども、農業教育の面にとってはこれ重要な役割を果たしてきたというふうに認識をしてきておりますけれども、一方で、独立行政法人の評価という面から見ますと、相当長期にわたりまして定員五十人に対して二十人とか三十人の入学生で、定員割れが相当長期に続いておると、こういうこともございまして、学生一人当たりの費用が年間五百万円以上ということで、非常に高コストになっていると。 さらには、専門の教授陣持っていない、外部から教授を招いておりますので、指導スタッフを整えていないではないか、あるいは類似の民間あるいは公営の学校ができているではないか等々の厳しい評価を受けまして、今の農業者大学校は廃止やむなしという判断をしたわけでございます。 ただ、このことが、地域リーダーとして活躍をされている卒業生から、誇りを傷付けられた、やる気をなくしたとか、あるいは農林水産省は一体農業教育をどのように考えているのかというきついおしかりもいただいているわけでございます。私どもは、これを国が関与するのにふさわしい教育内容に発展をさせていきたいということで、高度な技術を身に付けて、これを生かすことのできるような農業者の育成という観点から現在検討をしております。 具体的には、農業・生物系特定産業技術研究機構、いわゆる生研機構でございますけれども、ここの先端的な技術開発を行っておりますので、その技術教育を中心に、新たな研修教育を農業者に実施できないかということで検討を始めたわけでございます。いろんな方から御意見を伺いながら内容を固めていきたいと思っております。 法律の時期につきましては、独立行政法人全体の見直しの時期がいつになるか、これに合わせまして考えていきたいというふうに思っております。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 食料・農業・農村基本計画の見直しの作業が大詰めを迎えているわけですけれども、農水省が出している政策の対象とする担い手について、多くの農家あるいは関係者の皆さんから非常に不安が出されています。これでいくと圧倒的な農家が切捨ての対象になるんじゃないのかということなんですね。 そこでお聞きするんですが、農水省は今度の政策で、担い手は認定農業者、特定農業団体であるとともに、担い手というからには、他産業並みの五百三十万円の年間所得が得られることが必要だと、ということで数字も出して、そのために必要な経営規模も示しているわけですが、五百三十万円の所得を確保できる経営規模の農家というのは、現在、都府県でいいますと三%程度しかないわけですね。基本計画がこの政策対象として位置付けている担い手について、これらの数字が要件となるのか。それから、経営面積等による一律の要件を設けるんでしょうか。いかがでしょう。
○政府参考人(須賀田菊仁君) まず、五百三十万円という試算をしたわけでございます。これは、現時点で、他産業並みの生涯所得を上げ得るような農業経営が年間どのぐらい所得が必要かということで、一応試算として五百三十万円を試算をしたわけでございます。 先生おっしゃるように、現在これを満たすのは三・数%でございます。私どもは、そういう他産業並みの所得を上げ得る経営を目指す経営、これを担い手として位置付けていきたいということでございます。 公的資金を使って施策を集中をしていくということでございますので、認定農業者を基本にいたしまして、経営規模や経営改善の取組等を要件化しろというのがさきの中間整理の内容でございますので、ある程度の経営規模、経営改善の取組というのを要件化をしていきたいというふうに考えております。
○紙智子君 一律の要件というのを設けるんですかという質問です。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 一律というのが、難しいんですけれども、例えば、内地だって二毛作地帯もあれば二年三作地帯もございますし、裏作ができないところもございます。そういう営農類型別の、それから作ります作物も多様でございますので、できる限りの多様性を吸収できるような仕組みにしたいというふうに思っておりますけれども、骨格になるところは何らかのガイドラインとしての要件を設けていきたいというふうに考えております。
○紙智子君 そういうお答えなんですけれども、現在すべての生産者が対象となっているこの価格対策、経営安定対策というのは廃止をすると。新たに、一定規模以上の担い手を対象とした経営安定対策、品目横断的対策を作ることになるわけですね。 それで、須賀田経営局長は十月の十五日のこの企画部会で、米政策から二歩も三歩も改革を進める必要があるんだというふうに言われていますよね。企画部会の資料で言いますと、経営安定対策の対象となる担い手について、他産業並みの年間所得五百三十万円を確保できる経営規模を要件として一定の幅を設けるということも書かれているわけです。 となりますと、新たな経営安定対策の対象となるには、認定農業者と特定農業団体である上にどのような面積要件を付けていくのか。米改革から二歩も三歩も進めるということは、今、北海道で十ヘクタール、それから都府県で四ヘクタールという基準なんですけれども、これどの程度の引上げを考えておられるんでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 私ども、この経営安定対策となる担い手の経営規模等の要件でございます。今、先生おっしゃいましたように、現在の米政策で担い手経営安定対策が北海道十ヘクタール、都府県四ヘクタールを基準にしております。これは、構造展望で言います他産業並みの所得を上げ得る経営の約二分の一の規模でございます。 十六年度からこの担い手経営安定対策を含みます米政策改革を進めておりまして、この品目横断経営安定対策は十九年から今のところ開始を予定をしております。したがいまして、この十ヘクタール、四ヘクタールで進んでおります米政策改革がどのような進展を見せるか、こういうことも踏まえながら要件をこれから決めていきたいと考えております。 考え方としては、現在、米政策改革がございますので、これが進展するということを見込みまして、私は一歩でも二歩でもということを企画部会でお答えをしたわけでございます。
○紙智子君 そうすると、米改革の水準よりは後退するものじゃないということですよね。 じゃ、続けて。 経営面積で線引きをして農家を選別するということによって一体どれだけの農家が経営安定対策の対象となって生き残れるのかどうかと、これは非常に重大な問題だと思うんです。 農水省は、米改革よりも構造改革を後退させることはあり得ないというふうに今おっしゃったわけですけれども、現在、米の担い手経営安定対策に、じゃどれだけの農家や経営体が加入できているんでしょうか。水稲の作付面積ではどの程度になるんでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 十六年から取り組んでおります米の担い手経営安定対策の加入状況、現在、加入者数が三万人、加入面積が十六万ヘクタールでございます。単純に割りますれば、五ヘクタールちょっとということになろうかと思います。
○紙智子君 今、三万人というふうにおっしゃったわけですね。北海道十ヘクタール、都道府県四ヘクタールという現在の基準でさえも約三万軒の米農家しかないわけですよ。これは稲作農家の二%にしかすぎないということですね。そして、稲作、水稲面積、作付面積の一割程度しかないわけです。今後、加入者が増えるということなんですけれども、今のこの基準、北海道十ヘクタール、都道府県四ヘクタール以上の販売農家をすべて合わせても、二〇〇〇年のセンサスで見ても十万戸にしかならないわけですね。新たな経営安定対策の対象というのはこの基準を数段引き上げようというふうに言っているわけですから、そうすると対象農家というのは十万戸からは更にもっと絞り込まれることになるんじゃないでしょうか。いかがでしょう。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 私ども、この考え方として、品目横断の経営安定対策の対象となります担い手を、認定農業者制度を基本にして一定の要件を有する個別経営、法人経営と、もう一つは経営主体としての実体等を有する集落営農、二つを考えておるわけでございます。 確かに、先生おっしゃいますように、現時点、センサスで言いますと、北海道十ヘクタール、都府県四ヘクタールは十万戸程度でございますけれども、認定農家は十九万戸ございますし、卒業生も三万戸ある。さらに、その認定農家の予備軍も十九万ぐらいあるということでございますんで、一段の努力をしていただいて、さらに集落営農ということで、集落単位で合意を形成をしてこの集落経営体に取り組むという努力をしていただければ多くの方がこの担い手の対象になるんではないかというふうに期待もし、御支援もしていきたいというふうに考えているところでございます。
○紙智子君 期待をしているという、これからですね、増えていくという期待もしているということなんですけれども、本当に確信持ってそういう方向になるのかというふうに思うんですよね。 例えば、土地の流動化ということもあるわけですけれども、農地を例えば今まで続けるということでは大変だということで手放して、その担い手に集中しようと、そういうことで手放す農家が増えたとしても、今、農産物の価格の下落というのは続いているわけですよ。先日、FTAの協定のこともあって、その意味ではこれからさらに価格にも大きな影響も出てくるだろうと。現時点で農地を拡大できる余力を持っている農家というのが実際どうなのかと。余力持ってないんじゃないかというふうに思うわけです。 現に、農地の集積の増え方のテンポってどうなっているかというと、農水省のこの資料で見ても、九八年までの農地のその集積の増え方というのは八万ヘクタール、八万ヘクタールぐらいの増え方で増えていっているわけですけれども、二〇〇一年以降で言いますと、それがぐっと減りまして三万ヘクタールぐらいにぐっと縮まってきているというような状況に落ち込んでいるわけですよね。ですから、そういうことから考えますと、現実的に見て、どう考えてもこれ本当にできるんだろうかというふうに思わざるを得ないわけです。 それで、約一万あると言われている集落営農の組織のうちで、担い手と認定する特定農業団体になった組織というのは百二十にすぎませんよね。で、水田作、畑作農家で約二百万戸のうち、そのほとんどの農家というのは、現在の大豆とか麦とかてん菜等の助成金、これは廃止されたままで、新たな経営安定対策というのは受けられないということになってしまうと思うんですよ。麦とか大豆販売価格だけでは今、肥料や農薬なんかも含めて物財費というのはとても担えない状況になっているわけです。 実際に、私も北海道で畑作の地域、麦とか作っているところを歩いてきているわけですけれども、今までもこの交付金ね、大豆ですね、大豆の交付金で言うと八千円、それから麦作の安定資金というのは六千円、これだけ受け取って、それでやりくりしてきたという今の現状なわけですから、何とかこれで維持してきたわけですから、いわゆるこの担い手以外の農家というのはこれからこの作物で言えば作れば作るほど赤字になるということになるわけで、圧倒的多数の農家がそうなるとこの麦や大豆等の生産を続けることが困難になると。そうすると、国産の生産の大幅な後退ももたらすんじゃないかというふうに思うわけですけれども、この点いかがでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 幾つかの御質問がございました。 まずは、経営安定対策といいますのは、先生おっしゃったように、経営の大きな受け手になるような経営が価格が下落するんで将来展望が持てないんじゃないかという御質問がございました。 正にそういうことでございますので、担い手の経営の安定を図るべく、価格が下落したときには一応一定の補てんをする、あるいは担い手に集中をして直接的な支払をする、こういうことによって経営のセーフティーネットを作って、担い手については経営が安定するようにして、ほかの経営資源がそこへ集中するようにしようというのが今度の経営安定対策のねらいでございますので、正に担い手の経営の安定を図る仕組みでございます。 それから、担い手以外の人はつらいじゃないかというお話でございました。正に、その担い手以外のままでおられますと、それはそういうことになるわけでございますけれども、私どもは、今担い手の要件を満たしてない方も、いろいろな器を用意してございますので、担い手になるべく努力をしていただきたいということを第一義に考えております。 ただ、兼業所得で例えば家計費を賄えるような人はこの担い手の方へ土地を出すことによって担い手の育成に協力をしてほしいと、このようなことも考えているわけでございます。 そして、麦、大豆のお話がございました。麦、大豆、現在そのほとんど加工用に仕向けられているわけでございまして、国産の麦、大豆の大きな問題点といたしまして、品質とか価格の面で実需者のニーズに合わない、ミスマッチが生じているという問題がございます。麦については売れ残り、大豆については価格が下がるという問題がございます。 こういう問題を解決をしてその生産の振興を図るには、どうしても大きな生産単位で高品質で安定的な価格で供給することが必要になるわけでございますんで、そのためには、担い手によって広範に生産が担われるというような強靱な生産構造の下にそういう振興が図られるのではないかというふうに考えておりまして、この点について先生方の御理解も得たいというふうに考えているわけでございます。
○紙智子君 今のお話を聞いていましても、いわゆる担い手と言われるところから外れる人たちに対しては、結局、いろいろな枠と言うんですけれども、本当にじゃそこが成り立つようなことというのは考えられているのかといえば、とても今の話からはそういうふうに思えないわけですよね。 それから、麦、大豆、ミスマッチという話もありましたけれども、結局、麦、大豆だけに済まない問題になってくると思うんです。麦、大豆で合わないということになると、これ作らないと。それで、それはやめて米作りに流れるということだってあり得るわけですよね。そうすると、今度は米の生産調整が崩れて、米が暴落して、この米の生産にまで影響を及ぼすことになるんじゃないかと。で、もう農業は続けられないという人たちが農業から撤退すれば、これは地域を荒れさせるし、地域が崩壊することにつながるんじゃないかというふうに思うんですよ。 そこで、ちょっと大臣にもお聞きしたいんです。 今、例えば島根県議会などは基本計画に小さな農家の明確な位置付けを求める意見書を採択をしています。 それから、農業新聞、今日のこの農業新聞にも載っていますけれども、今日じゃない、昨日かな、もう少し前ですけれども、農業新聞の中にも載っているんですけれども、農家に対する意識調査をやっているんですね。 そうしたら、その中では、担い手に農業施策を集中することが適切だとする回答というのは一五%しかないんですよ。小規模や兼業にも配慮すべきだというのが五四%、それから集落営農も広く位置付けて積極的に支援すべきだというのが二六・七%、専業農家でも担い手への政策集中を支持したのは二一%なんですね。 これは、やっぱり地域農業も、農地も農村の地域の機能もやっぱり一部の大規模農家だけでは到底維持できないんだと、それはもう農民、農村ではもう常識なんですね。だからこういうふうな結果にもなっていると思うんです。 そこで、大臣、これらの声をどのように受け止められるのかということを是非お願いします。
○国務大臣(島村宜伸君) 改めて申し上げるまでもなく、日本の農業の置かれている状況というのは、極めて劣悪な条件の中でこれは立ち行かなきゃいけない、我々はそれを守らなきゃいけない、かつ将来の展望も切り開かなきゃいけない。その背景には、やはり消費者の理解と協力もまたこれ無視できないと。そういうことごとの中で我々もいろいろ苦悶することも多いわけですし、当然のことにいろんな角度から試行錯誤を繰り返しつつ、将来の展望を開こうと努力をしているところであります。 そういう意味では、言わば品目横断的な経営安定策はいかにあるべきか、いろいろ我々なりにやっているところですが、結論的にはやはり農業生産の相当部分を占める強靱な農業構造を構築するということに尽きるのであろうと、そんなふうに思います。 その意味で、現状を率直に申し上げると、国産の麦、大豆は品質や価格の面で実需者のニーズに必ずしも合致しているとは申せないわけでありますし、いわゆるミスマッチが指摘されているところでありまして、これらについての内容の改善もさることながら、担い手により広範に生産が担われるようになれば、大きなロットで均一、高品質かつ安定価格での供給が可能となる、こんなことから現在は一つの方法として考えられているのが我々の認識であります。 さはさりながら、これでよいというものは必ずしもあるわけでないわけですから、常に謙虚に、言わば現実を踏まえ、将来に向かって、農業者が確信を持って農業を営めるような環境を維持することを大前提にこれからも努力をしていきたい、そう考えてございます。
○委員長(中川義雄君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時三十二分散会