総務委員会 第3号
- 発言数
- 113 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2004/11/09
会議録
○委員長(木村仁君) ただいまから総務委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官中城吉郎君、内閣官房内閣審議官細見真君、内閣官房内閣審議官竹内洋君、内閣官房内閣審議官篠田政利君、金融庁総務企画局審議官鈴木勝康君、総務省情報通信政策局長堀江正弘君、総務省郵政行政局長清水英雄君、財務省理財局次長浜田恵造君、厚生労働大臣官房審議官高橋満君及び国土交通大臣官房審議官和泉洋人君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木村仁君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(木村仁君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、本日の委員会に日本郵政公社総裁生田正治君、日本郵政公社理事本保芳明君及び日本郵政公社理事高橋守和君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木村仁君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(木村仁君) 行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査のうち、日本郵政公社平成十五年度財務諸表の承認に関する報告に関する件を議題といたします。 まず、政府から説明を聴取いたします。麻生総務大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) 日本郵政公社平成十五年度財務諸表につきまして、その概略を御説明申し上げます。 本件は、日本郵政公社が提出した財務諸表につきまして、日本郵政公社法第六十四条第二項の規定により、総務大臣が承認したことを国会に報告するものであります。 今回の財務諸表は、日本郵政公社の平成十八年度までの四年間の中期経営目標期間の初年度の財務諸表であり、日本郵政公社成立後初めての作成されたものであります。 まず、郵政公社全体でありますが、貸借対照表につきましては、平成十六年三月三十一日現在、資産合計四百四兆一千九百十六億円、負債合計三百九十九兆五千八百四十一億円、資本合計四兆六千七十五億円と相なっております。損益計算書につきましては、経常収益二十四兆六千二十三億円、経常費用二十二兆五百三十四億円、経常利益二兆五千四百八十八億円、当期利益二兆三千十八億円となっております。 次に、郵便業務ですが、貸借対照表につきましては、資産合計二兆二千八百四十二億円、負債合計二兆八千三百六十一億円、資本合計マイナス五千五百十八億円となっております。損益計算書につきましては、営業利益六百五億円、経常利益四百五十五億円、当期利益二百六十三億円と相なっております。 次に、郵便貯金業務ですが、貸借対照表につきましては、資産合計二百八十兆五千五百三十億円、負債合計二百七十六兆八千八百六十六億円、資本合計三兆六千六百六十三億円と相なっております。損益計算書につきましては、経常利益二兆二千七百七億円、当期利益二兆二千七百五十五億円と相なっております。 最後に、簡易生命保険業務ですが、貸借対照表につきましては、資産合計百二十一兆九千百十九億円、負債合計百二十兆四千百八十八億円、資本合計一兆四千九百三十一億円と相なっております。損益計算書につきましては、経常利益二千三百二十五億円、契約者配当準備金繰入れ額は一千六百五十七億円となっております。 なお、監事及び会計監査人の意見を記載した書類においても、いずれも監査の結果、財務諸表等は平成十五年度の日本郵政公社の財産等の状況を正しく示しているものと認められております。 何とぞよろしく御審議のほどお願いを申し上げます。
○委員長(木村仁君) 次に、日本郵政公社から説明を聴取いたします。生田日本郵政公社総裁。
○参考人(生田正治君) 日本郵政公社の生田でございます。 ただいま議題となっております日本郵政公社の平成十五年度の財務諸表並びに監事及び会計監査人の意見の概要につきまして御説明申し上げます。 まず、公社全体の貸借対照表について申し上げます。 平成十五年度末の資産合計は四百四兆千九百十六億九千八百万円でございます。一方、これに対する負債合計は三百九十九兆五千八百四十一億五千二百万円でございます。その結果、資産合計と負債合計の差額である資本合計は四兆六千七十五億四千六百万円となっております。 次に、公社全体の損益計算書について申し上げます。 まず、経常収益は二十四兆六千二十三億三千二百万円でございます。次に、経常費用は二十二兆五百三十四億九千七百万円でございます。以上の結果、経常利益は二兆五千四百八十八億三千五百万円となりました。これに特別損益を加え、更に簡易生命保険業務の契約者配当準備金繰入れ額を差し引いた結果、当期利益は二兆三千十八億四千百万円となりました。 この当期利益二兆三千十八億四千百万円は全額を利益剰余金として資本に積み立てました。このほか、資本にその他有価証券の評価差額金として一兆三百六十八億九千六百万円を計上したため、資本合計は四兆六千七十五億四千六百万円となっております。これにより、自己資本比率は公社設立時の〇・三%から一・一%となっております。 続いて、郵便業務、郵便貯金業務及び簡易生命保険業務のそれぞれの業務区分ごとに貸借対照表及び損益計算書について申し上げます。この業務区分ごとの貸借対照表及び損益計算書は、公社全体の貸借対照表及び損益計算書の内訳という位置付けとなっております。 まず、郵便業務について申し上げます。 当年度末の郵便業務の区分に係る資産合計は二兆二千八百四十二億八千四百万円でございます。一方、これに対する負債合計は二兆八千三百六十一億七千七百万円でございます。その結果、資産合計と負債合計の差額である資本合計はマイナス五千五百十八億九千三百万円となっております。 次に、郵便業務の区分に係る損益計算書について申し上げます。 まず、営業収益は一兆九千六百六十六億九千三百万円でございます。次に、営業原価は一兆八千百三十六億六千二百万円、販売費及び一般管理費は九百二十五億二千四百万円でございます。以上の結果、営業利益は六百五億六百万円となりました。これに営業外収益五十五億六千万円を加え、営業外費用二百五億五千七百万円を差し引いた結果、経常利益は四百五十五億九百万円となりました。更に、特別損益を加えた結果、当期利益は二百六十三億二千六百万円となりました。 この当期利益二百六十三億二千六百万円は全額を利益剰余金として資本に積み立てましたが、資本は依然として五千五百十八億九千三百万円の債務超過となっております。 引き続いて、郵便貯金業務について申し上げます。 まず、当年度末の郵便貯金業務の区分に係る資産合計は二百八十兆五千五百三十億七百万円でございます。これに対する負債合計は二百七十六兆八千八百六十六億九千五百万円でございます。その結果、資産合計と負債合計の差額である資本合計は三兆六千六百六十三億千百万円となっております。 次に、郵便貯金業務の区分に係る損益計算書について申し上げます。 まず、経常収益は五兆八千七百十四億五千万円でございます。次に、経常費用は三兆六千六億六千五百万円でございます。以上の結果、経常利益は二兆二千七百七億八千四百万円となりました。これに特別損益を加えた結果、当期利益は二兆二千七百五十五億千五百万円となりました。 この当期利益二兆二千七百五十五億千五百万円は、全額を利益剰余金として資本に積み立てました。このほか、資本にその他有価証券の評価差額金として、マイナス四千百三十六億千九百万円を計上しました。その結果、資本合計は三兆六千六百六十三億千百万円となっております。 引き続いて、簡易生命保険業務について申し上げます。 まず、当年度末の簡易生命保険業務の区分に係る資産合計は百二十一兆九千百十九億九千六百万円でございます。これに対する負債合計は百二十兆四千百八十八億六千八百万円でございます。その結果、資産合計と負債合計の差額である資本合計は一兆四千九百三十一億二千八百万円となっております。 次に、簡易生命保険業務の区分に係る損益計算書について申し上げます。 まず、経常収益は十六兆八千五百七十七億八千九百万円でございます。次に、経常費用は十六兆六千二百五十二億四千九百万円でございます。以上の結果、経常利益は二千三百二十五億四千万円となり、この中から、内部留保として価格変動準備金に四十一億二千二百万円を積み増ししました。これを含む特別損益を加えた結果は千六百五十七億八千五百万円となり、全額を契約者配当準備金に繰り入れました。 資本合計については、設立時資産・負債差額四百二十六億千二百万円に加え、その他有価証券の評価差額金として一兆四千五百五億千五百万円を計上したことから、一兆四千九百三十一億二千八百万円となっております。 なお、監事及び会計監査人の意見書では、監査の結果、財務諸表は、公社の財産、損益等の状況を正しく示しているものと認められております。 これをもちまして、概略説明を終わらせていただきます。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(木村仁君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○長谷川憲正君 自由民主党の長谷川憲正でございます。 今日は、日本郵政公社の平成十五年度の決算に関連をいたしましていろいろとお尋ねをさせていただきたいというふうに思っているわけでございますけれども、肝心の決算に入ります前に一つ是非お聞きをしたいことがございます。 それは、昨日の夕刊から今朝の朝刊に、いわゆる郵政の民営化準備室で行われておりますその情報システム、公社の情報システムが、この民営化の発足として予定をされております二〇〇七年四月、これは政府の方でそういう方針で今やっておられるわけでありますけれども、この時期に分社化をすると、この分社化に合わせて情報システムも分けると、こういう方針で検討がなされておるようでございますけれども、私は郵政の民営化そのものに反対でありますし、分社化はまして反対という立場でございますけれども、このシステムの議論を見てみますと、昨日の夕刊を見ますと、〇七年の四分社化可能、公社側暫定システムで対応というような記事が出ておりまして、おやおや、これはまあ随分むちゃをするなという感じを持ったわけでありますが、今朝の新聞を見ますと、これに対して公社慎重姿勢崩さずと、システム変更に不安残るというような書き方になっておりましたり、あるいは準備室の解釈とずれと、こういうことが書いてあるわけでありまして、中身を見ましたらば、検討会議の中では間に合わない部分は手作業でやればいいなどという意見が出たと。 これは、コンピューターを御存じの人ならそんなばかなことを言うわけがないわけでありまして、かつて大銀行の合併のときにもシステムがうまく稼働しなくて大変な混乱を招いたということがあったわけでありますけれども、これを、二の舞をまたやろうとするのかという感じがいたします。 しかし、この準備室の方の高橋洋一参事官という人はこの公社の見解について、レベルの問題はあるが分社化はできるという意味だというふうにブリーフしたという記事になっておりますので、実態のところはどうなのかというのを最初に生田総裁にお聞きをさせていただければ有り難いと思います。
○参考人(生田正治君) 率直に言いまして、昨日の夕刊を見まして、私自身、大変驚きですね、国会の言葉では適切でないのかも分かりませんけれども、大変怒っていると、状態であります。もちろん、民営化するかしないか、これは政府及び政治でお決めになることですから、私どもはそれは政治にお任せするということなんですが。 七年四月に何となく暫定システムで分社が可能であると公社が言ったという、全く事実に反する記者会見が昨日行われたというふうに認識しておりまして、ちょっと信じられなかったので音声による記録を取り寄せて聞いてみたら、確かに二、三回そう言っているんですね。公社が暫定システムで分社化はできるというふうに言ったというのが二、三回加えてありまして、さらに、先生のおっしゃったように、要はシステムというのは手段だから、何なら全部手でもできるはずだという、これは御本人の御意見でしょうけれども、というふうなこともあるということで、正に驚いているということでございまして、ただいま渡辺室長に、どういう背景でそういう全く事実と違うことが記者会見で言われたのか、その後の、今後のやっぱり信頼関係も重要ですから、その後の措置をどうされるのかとともに、厳重に申し入れているというところであります。 若干、背景説明いたしますと、九月七日のあの諮問会議で最終案が決まって、十日の閣議決定になったと記憶していますけれども、その七日の諮問会議の数時間前の午後一時に総理から招集掛かりまして、どうしても間に合わないかという御下問ありました。これは、私はやっぱり分社化の話が出た瞬間に、最後の決め手といいますか、どうしてもチェックしておかなきゃならないのはシステム対応ができるかどうかだというふうに考えました、これはもう経営者として当然のことなんですが。 そこで、IBM、野村総研、NTTデータ、アクセンチュアと、私どものシステムを知っている連中に非公式に意見を求めたわけです、大体どのぐらい掛かるかと。そうしたら、要件が整ってから、一番短くおっしゃったところで三年、一番長いところは五年というような話がありましたので、総理にもそれをお話しして、専門家が一応非公式とはいえそう言っているので、私としては七年四月に間に合うとはどうしても申し上げかねるというお話ししましたら、総理も非常に公正に聞いてくださいまして、それはお互いに素人だから、じゃ今度は公式に専門家の意見を聞こうということで、今のシステム、検討委員会ができていると理解しております。 そこでも同じように、公社としてのスタンスといいますか、考え方は一貫しているわけですが、その中のメンバーから、それじゃ七年四月までには何ができるのか、そこでできるものだけでも説明してほしいという御要請がありまして、たくさんある要件の中でこれとこれは七年でも間に合いますでしょうと、ただし、それはほとんど今やっているシステムをそのまま使うやつになりますよという報告を昨日しまして、難しい点としていろんなこと掲げたわけであります。 例えば、余りパッチ当てやっていると、いろんな法令とか当局の規制のクリアできない可能性もあるんじゃないかなというふうなこととか、市場競争をしていくのに経営をサポートするような機能が全くまだ間に合わないというふうなこととか、新しいビジネスモデルに対するシステムというのはほぼはなから間に合わないというようなことがありますし、四つ目の、今度新しいアイデア出てくる窓口会社、ネットワーク会社、これのシステムというのは、これも間に合わないから言わば手でやらなきゃならないというふうなことがあります。 それが、リスク遮断というのをキーワードでやっている分社化に、それでいいのかなというふうないろんな問題点がありまして、さらにコストも非常に掛かりますし、そういった問題点も昨日きちんと御報告いたしまして、それを踏まえた上で、専門家としてそれでも分社化をするように努力をしていくのかどうか検討をお願いすると、こういう段階になっているわけでございます。それ以上のことは全く言っていない、これからの検討ということでありまして、現在、準備室の方にそのように申し入れているということであります。 いずれにしましても、公正で透明な手続で事が運ぶことを強く希望しているところであります。
○長谷川憲正君 ただいまの総裁のお話を伺いまして安心をいたしました。実際これだけの大きなシステムを変更するというのは大変なことでありまして、結局のところ、うまくいかなかったときに被害を受けるのは利用者の皆さんということになるわけでありまして、これはやはり慎重に自信の持てるものを作っていただきたいというふうに思っておりますし、またこの議論の中身も、その手作業でやればいいなどと言うような人たちがもし集まっているとすると、この検討会議のメンバー自体がやはり問題なんじゃないだろうかという気がするわけであります。必要なら、これは国会の方でも専門家を集めて意見を聞くというようなことをやってもいいなというふうに思う次第でございまして、慎重な議論をお願いをしたいと思う次第であります。同時に、この事務局をやっておられる、またこのブリーフに立ち会われるような方々、特にその郵政民営化準備室の皆さん、事実を正確にブリーフをしていただくようにくぎを刺しておきます。 こういうようなことが度重なるようなことになりますと、ますます国民の皆さんの不信を招く。今回のこの問題でも分かるんですけれども、要するに、総理が七年四月の郵政民営化と言っている目標の時期にこの分社化も合わせる、何もかも全部合わせるということを言われたがために、そのために、もう理屈も何もほったらかして、とにかくそれに合ったような形の印象を作ろうとしているんじゃないだろうかと。 一番大事なのは、私は民営化は反対だというふうに申し上げておりますけれども、仮に民営化をするにしても、本当に事業が成功をし、そして国民の皆さんも喜んでいただける、国家のためになる、そういう民営化をやらなければいけないわけでありまして、そのために一分一秒を争うということはないと思うんです。いいものを作って、そして自信を持って送り出すという、やはりその温かみがないと物事はうまくいかない。小さく産んで大きく育てよという言葉がありますけれども、やはり温かく送り出してもらうという配慮が一番大事なんじゃないかというふうに思っておりまして、関係者の皆さんには特に御配慮をいただくようにお願いを申し上げたいと思います。 今日は余り時間もございませんので、この問題はこれだけにさせていただきまして、決算についてお尋ねをさせていただきたいと思います。 平成十五年の四月に日本郵政公社が発足をいたしまして、私もかつて郵政省の職員として郵政事業に携わった経験を持つ者でございますけれども、この大変大きくて難しい事業を経営をしていかれる、これはもう公社という形になりましてもいろいろ不安はあったろうと思うわけであります。 私たちも、そういう意味では大変な期待と不安を持って今回の決算というものを見させていただいておるわけでございますけれども、この初めての決算、大変立派な成果をお上げになりまして、郵便事業では二百六十三億円の黒字を上げておられますし、公社全体でも約二兆三千億に上る黒字を出されて、本当に良かったなと思うわけでございます。これは正に全体を指揮しておられる公社の生田総裁のお力でありましょうし、また総裁と一緒にチームを組んで頑張ってこられた幹部の皆さん、そして現場の職員の皆さんの努力の成果だと思うわけであります。そして、同時にこの公社化という制度がとにかく成果を生むものであるということが立証できたという意味でも大変私たち喜んでいるところでございます。 そこで、まずは総裁にお聞きをしたいわけでございますが、この決算を出され、さらにまた半年を経て今一年半たっているわけでございますけれども、最高経営責任者としてこの郵政公社のかじ取りをされた一年半の感想と申しましても、今は例の四年間の中期経営計画の途中でございますので、一年目でなかなか感想を言っていただくというのは酷なことかと思いますけれども、できれば感想を伺いたいと思います。
○参考人(生田正治君) 郵政省から事業庁に変わり、瞬く間にまた公社になりで、職員は非常に苦しかったと思います。だけれども、そういう大きな変革の中で、公社、民間的手法で経営するということで、我々のやっている仕事は実はサービス業なんだという認識をきっちり持ってくれて、みんな非常に呼吸を合わせながら本当によく頑張ってくれたと思います。その成果が初年度の内容に出ている。これは、だから、過去と比較すればまあまあましになったのかなと思いますが、絶対値として見れば私は決して褒めていただけるような額ではないと思っています。 総額として二兆三千億ですけれども、そのうち一兆二千億は運用益ですから、指定単の、これは株価が上がったので自然に出てきたわけで、それを除いて考えれば一兆一、二千億ということで、それほど持っている資金量からいいますと誇れる内容ではないと、問題はこれからだと、こういう認識をしております。アクションプラン及び中期経営計画では、初年度の利益は大体一兆円あるいは一兆円強と見ていましたから、それはそのままちょっと上乗せしてできて、更に株価が有利に回りましてそれに一兆二千億が乗っかったと、こういう内容だと思いますね。 郵便は、ここ数年ずっと赤字構造で来ていたのがやっと、二百六十三億ですが、少し水面に黒を出したと。これはこれで私はよくみんな頑張ってくれたと思っていますけれども、これで黒字構造に転じたわけではないので、これからが黒字構造転換へのチャレンジだと思っております。 それから、郵貯も利益大きいように見えますけれども、持っている資金量からいえば決して良くないわけで、対預貯金利益率からいくと〇・四九%で、民間は大体一%以上でしょうから、決して良くない。それは国債持っているから当たり前ですけれども、余り良くない。簡保も激減してきたのがやっと今フラットライン、水平なレベルになってきたということなんですが、三利源でいきますと、基礎利益でいきますと赤字ですから全く楽観を許さないということで、すべてこの二年、それから残る二年間、どれだけ体質を強化できるかに懸かっているなということで、力を合わせて努力していきたいと考えております。
○長谷川憲正君 総裁としての感想をお聞かせをいただいたわけでありますけれども、一方、これを監督する立場にあります総務大臣のお立場から、この一年目の郵政公社の業績について、麻生大臣、どのように評価しておられるのか、一言お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、生田総裁からお話があっておりましたように、確かに二兆三千億というては素人目にはえらくいい数字ですけれども、内容は株価の値上がりというのがその半分ということになると、それは逆に株価が下がればゼロということになりますので、その意味での分析をきちんとしておられるところは正しいと思っております。 郵便事業のマイナスがプラスに転じたところは、これは率直に評価をされてしかるべきところだと思っておりますので、その他を含めて、これは組合やら何やら、経験者もいらっしゃいますけれども、なかなか難しい問題一杯抱えた四十万からの団体ですから、これはどでかい会社でありますので、そういった意味では、あそこに石川から菰田に替わり、いろいろ組合やら何やら名前も鬼の全逓からJPに変わっておりますので、何となくイメージもごろっと一新されて、最近は仏のJPとか、いろいろ表現ありましょうけれども、やっぱり両方で危機感があるんだと思うんですね。私は、この危機感は大きかったと思っております。 そういった意味で、生田総裁の下、大きなので二つ組合、その他にも組合幾つかありますけれども、少なくとも一丸となって、とにかくここは頑張らにゃいかぬという気にさせた、若しくはなったという状況は、私どもから見て、この郵政公社というのは事業としては少なくとも当たったと、私どもはそう思っておりますので、まあこれ、二年、三年やっていくとどうなるかというところはこれからのところだとは思いますけれども、初年度としてしかるべき評価をされてしかるべきだと存じております。
○長谷川憲正君 大臣も総裁も大変慎重な御発言だったと思いますけれども、いいスタートが切れたという点では意見は一致しておられると思うわけであります。 引き続き今後も、大いなる経営の改善も、そして努力も必要だろうと思うわけでございますけれども、そこで、総裁にもう一度お尋ねをしますが、現在の公社制度という枠組みの中で、とにかく一年半、今日まで経営をしてこられて、何か特に大きな改善が必要だなというふうに思っておられるところがございますでしょうか。
○参考人(生田正治君) 普通のそれは、民間会社と比較すれば公社法の枠組みが一杯ありますしね、隣に大臣座っていらっしゃって、総務省の温かく厳しい監督も受けておりますし、それは何か不自由なことがあるかといえば、それはやっぱり民間と比較するとあると思いますが、だけど公社という立場を考えれば、応分の経営の自由度をいただきながら今のところはそれを目一杯使っていくということで、キャッチアップしようと。 我々公社の幹部のキーワードは、経営ビジョンである三つの達成ということで、全国のお客様という表現はしていますが、要するに国民ですね。全国のお客様により一層喜んでいただけるサービスを提供していこうと、利便性の向上ですね。それから、赤字の郵便も黒字に何とか転換して健全化を図ろうと、それがお国の財政に通ずると。それから職員の将来展望と働きがいをと。この三つのビジョンの追求で今全員で一生懸命走っているということとともに、もし政治の方で民営化ということになられるんであれば、お決めになるんであれば、それに対しての助走という感じのね、何といいますか、感じの仕事の仕方もしとかにゃなんないというふうなことも考えております。 そういったことで、何か制度として考えなきゃなんないことがあるのかと言われれば、真っ先にまずこれ半分もうお礼を申し上げていいのかどうかちょっと分かんないんですが、投資信託をやらしていただくという方向で御審議いただいていると思います。これなども大変有り難いことですし、できればそれに投資信託だけじゃなくて、もう少し助走に役立つような金融商品その他のものも売れるような自由度をいただければ有り難いなと。これは四つに会社を切り分けるという政府の方針のようですから、窓口ネットワーク会社というのはそういうことで食っていかなきゃなんないんで、そういう面のディレギュレーションも必要かと思いますし、今国際問題もうほとんど出ていなかったんですね、諸外国はどんどんやっているのに。だから、今一生懸命その勉強を開始したところなんですけどね、一歩日本の外出ると投資ができないとかですね、どっかとジョイベンを組むなんていうのも難しいと思いますし、そういった制約があります。 そういった意味じゃ、郵便事業などももう少しその周辺で、外国も含めましてね、助走に役立つような投資の自由化、ひいてはそれは郵便のみならず、郵貯、簡保、金融絡みも少し余裕をいただけるような御配慮がいただきたいという気がします。 金融関係で総じて言いますと、私どもは金融も郵便も含めて津々浦々の郵便局を地域社会に役立つ生活インフラのセーフティーネットとしてのワンストップのコンビニエンスオフィスになろうという掛け声で努力をしております。その中において、金融関係はファミリーバンクとして御家族や個人に本当に身近に役立つ機能を果たしていこうということをやっております。こういった二つの構想に役立つような施策、あるいは法律のバックアップをいただければ有り難いと、かように考えております。
○長谷川憲正君 大変ありがとうございました。 そもそも郵政省を、郵政事業庁を経て新しい形の国営の公社に移行をさせようという議論になりましたときに、かつての国鉄や電電や専売のような縛りのきつい公社ではなくて、心は公を大事にするけれども、実際の経営活動は自由濶達に軽快に柔軟にできるような、そういう新しい公社を作ろうということを目指したはずでございますので、今総裁のおっしゃったようなことも公社の制度の中で当然認められてしかるべきものだというふうに思いますし、またできるはずでございます。 ところが一方、現在、郵政の民営化ということが声高に叫ばれているわけでありますけれども、十一月初めに新聞に載っておりましたけれども、時事通信社の世論調査の結果が発表されておりますけれども、これを見ますと、政府の作りました民営化基本方針に対しての政府の説明が十分なのかという質問に対して、国民の八〇%以上の方が不十分だというふうに言っていらっしゃる。そして、民営化した後の郵便局の姿というのはどういうものだか分かりますかという質問に対しては、六割の人がよく分からないというふうに言っているわけであります。 私たちも党の勉強会その他でいろいろと、この民営化なぜ必要なんですか、公社はこんなにいいスタートを切って今一生懸命努力をしている、温かい目で公社の成果を見守るというのが本来の政府の姿であるべきなのに民営化民営化ということが言われている、一体その民営化のメリットって一体何なんですか、どこに必要性があるんですかということを再三質問をするわけでありますけれども、どうも納得のいくようなきちんと分かる説明というのは今日に至るまで私たちも聞いたことがない。 ですから、国民の皆さんがこういうアンケートで分からないとおっしゃるのは当たり前だと思うわけでありまして、今日は民営化準備室の方にもおいでをいただいておりますので、ひとつこの民営化の必要性ということについて、もう一度恐縮ですが、よく分かるように、かつ簡潔に御説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(中城吉郎君) お答え申し上げます。 郵政民営化は、官から民へという方針の下で、郵政事業の四つの機能というものを市場原理の中で、下でそれぞれ新たな四つの会社として自立した存在とするということによりまして、一つは、全国津々浦々の郵便局のネットワークというものを生かしてより便利なサービスが提供されること、二つとしまして、郵貯、簡保、三百五十兆円の資金が民間で効果的、効率的に使われるように、そういう道が開かれること、それから三番目といたしまして、約四十万人の公社職員が民間人となり、小さな政府の実現に資すること、こうした三つのメリットを引き出すとともに、郵政公社に対する見えない国民負担という一つのコストを解消して、構造改革を一層前進させ、国民に大きな利益をもたらすものでありまして、その実現は重要な政策課題と考えているところでございます。
○長谷川憲正君 いかがでございましょうか、皆さん方、お分かりになりましたでしょうか。いつも言っていることの繰り返しにしかすぎないわけでありますが、ネットワークを生かして郵便局を使ってより便利にする、それはもうすごく結構なことでありますが、それは今の公社制度でもできるわけであります。何ができないのかということをはっきり言ってもらわないと納得はいかない。 それから、三百五十兆円の資金を民間で使えるようにということでありますけれども、これはよく分からないんですが、それでは今公社が保有をしておる国債などはもう買うなと、全部売り払えということでしょうか。あるいは、今もう公社になったときに、その財投の制度とは切り離されて、郵便貯金のお金も簡易保険のお金も実質的に運用ができるという制度になっておりますが、まあ、財務大臣と総務大臣のお約束で当分の間は財投機関債に協力をしようという形になっていると承っておりますが、そういうものも一切買うなということでしょうか。準備室に、これは事実関係ですから、そういうことですかということでお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(竹内洋君) 今お話のございました民営化により資金の流れを官から民へということについてのお話でございますが、もう先生御承知のように、資金の流れの出口につきましては、お話がございました財投改革や特殊法人改革によりまして、郵貯資金等への財投への預託金はもう廃止されておりまして、政策的資金は市場から調達することになっているところでございます。 また、今お話のございました郵政民営化の資金の流れは入口での改革でございまして、御承知のように、もう政府保証が付されている郵貯、簡保は家計の金融資産の四分の一を占め、その大部分が公的部門に還流されているわけでございますけれども、今回の郵政民営化によりまして、国営であった郵貯・簡保事業は民間企業になりますわけでございますから、民間と同じようなルールの下でその業務を営まれることになるわけでございます。また、今までの政府保証付きの旧契約は公社承継法人に分離いたしますので、民営化後の新契約、すなわち新郵便貯金及び新保険につきましては政府保証がなくなるわけでございますから、民間と同じセーフティーネットの下で市場における自由度の拡大と対等な競争を通じまして、郵貯、簡保の資金が民間経済の活動を支える民営化、民間資金に転化するということでございます。 もちろん、郵貯、簡保を金融システムの中に円滑に吸収、統合していく過程におきましては、イコールフッティングの度合いや国の関与の在り方等を勘案いたしまして、業務内容、経営権に対する制限を緩和していくことが重要でございます。民有民営化の進展に対応いたしまして、厳密な資産・負債総合管理の下で貸付け等も段階的に拡大していくことを検討していくという形で、出口、入口とともに改革を進めまして、官から民への資金の流れを実現してまいりたいと考えているところでございます。
○長谷川憲正君 全く分かりませんですね。後で議事録を発言された御本人一度読んでいただいて、答えになっているかどうか見ていただいたらいいと思うんですよ。頭のいい皆さんのことですから、私の質問の趣旨が分からないということではなくて、要するに答えられないということなんだろうというふうに理解をさせていただきます。 今日はまじめに御答弁をいただいたらいろいろ討論をするつもりで準備をしてきたんですが、時間もなくなりましたし、この後同僚の議員の皆さんからいろいろ御質疑も出ると思いますので、私もここは省略をさせていただこうと思います。 ただ、一つ申し上げたいのは、郵政事業というのは税金を一銭も使わないで運営をされてきているわけです。小さな政府ということをおっしゃいましたけれども、四十万人とおっしゃいますが、常勤職員二十七万人、非常勤等を含めて、それは確かにアルバイトの人たちを入れれば四十万人ほどの人たちがいるでしょうが、この人たちの賃金も一切税金ではなくて、郵便局の職員が窓口で一生懸命手紙の切手を売ったりはがきを売ったり、あるいは貯金や保険の運用益の中から一切合財出しているわけですね。そして、全国津々浦々、もう今や小学校もなくなったり、あるいは警察の駐在所もなくなって、地域に住んでいらっしゃる人たちがますます不安を強めている中で郵便局だけが頑張っているという地域、あっちにもこっちにもあるわけです。そういうものを改革と称してつぶしてしまうような、そんなものが本当に改革なんでしょうかということを申し上げたいわけでありまして、もしそれでもそういう改革をやらなければならないとすれば、国民の皆さんが納得のいくような国家的な大きなメリットというものをきちんと説明しないと、これは郵政の民営化だけの話じゃないと思うんです。年金の話でも何でもそうですけれども、国民の方々から厳しい批判を浴びているのは、やはり国民が納得のいくような説明をきちんとする、そういう設計をするということが大前提でありまして、それがないからなんですよ。それは、この際、私どもこれから先、党の中でも国会の中でもこの問題は大いに議論をしなければならないということだけまず申し上げておきたいと思う次第でございます。 時間がなくなってまいりましたので、最後に総裁に一言、残された四年間のうちの、あと二年半あるわけでございますけれども、これからの経営の見通し、先ほどちょっとお触れになりましたけれども、公社の体制の中で大いに私たち成果を上げていただきたい、頑張っていただきたい、国民の期待にもこたえていただきたいと思っている次第でございまして、公社の総裁としての決意、意気込みのようなものを聞かせていただければ有り難いと思います。
○参考人(生田正治君) 健全な事業体制を公社の間に作っていくという観点からしますと、公社がまた二期でそのまま公社でいこうが民営化しようが、実は私、大ざっぱに言えば変わらないと思うんです。健全化は健全化。 それに向けて我々は邁進しているわけですけれども、そのキーワードは、さっき申し上げたように、三つのビジョン。一つは国民の利便性、より一層喜んでいただく。事業の健全性。それから再三御指摘があるように、三十八万人近くの、八万から九万の人たちが働いていると。これは日本の雇用にも大きく響く問題だと思いますから、そういった人たちが意気高く、生きがい、働きがいを感じながら働いてもらう。生産性が高いか低いかというのは、大変これは大きく富の生産に係っていくことですから、士気高くやると、この三つのビジョンの達成に向かって邁進していくということでありますし、三事業に一言ずつ触れますと、郵便はこの十五年度に黒字が出ました、二百六十三億。ただし、これは水面に鼻が出ただけです。構造としては駄目なんです。Eメールとの闘いで売上げは年々三・五%ぐらい減るわけですから。それをのみ込みながらも黒字になるような構造改革にどれだけ我々がチャレンジしていくかというのが郵便の問題になるでしょうし、まあもう郵貯と簡保を併せて言えば、どうやって国民の皆様方に身近な金融機関、ファミリーバンクとして利便性を高めながら愛用していただくか。そして、お金の運用などもより一層生産性高いような方向に、少しでも少しでも運用の効率を高めていくという努力をしなきゃならないし、金融といえどもまだまだ生産性を高める余地はあると思います。生産性を高める。総じて、郵政三事業、まとめて、公社の健全性を高めていくということに全員で努力していこうと、こう考えております。
○長谷川憲正君 質問を終わります。
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充でございます。(発言する者あり)はい、分かりました。 予定していた質問の前に、今の議論をお伺いしていてちょっとおかしいと思う点がありますのでお話しさせていただきますが、郵貯のお金が民間に回っていないわけでは決してございません。要するに、住宅金融公庫なら住宅金融公庫を通して民間の方々にこれはお金がきちんと流れておりまして、問題になるのは、その住宅金融公庫がきちんと経営をやっている、運営をやっているのかどうかということが問題なのであって、郵貯マネーが現在の中で民間に流れていないという、これは間違っていると私は思っています。 それからもう一つ、小さな政府の実現だというふうにおっしゃいますが、今でも国家公務員の数はたしか日本は世界でも少ない方であって、小さな政府はもう既に実現しているわけです。問題になりますのは、公益法人とかそれから財投機関とか様々な政府の執行機関がもうてんでにあって、その規模が大きいからこそ問題なのであって、それと同じようなものをまた作ろうとされているということは、これ根本的に今の答弁、僕は違うと思っているんですよ。 その上でもう一つお話ししておきたいのは、今の私は郵政公社の抱えている問題点は三つあると思っておりまして、一つは親方日の丸的体質です。つまり、透明性が担保されていない。それから、従業員の方々も努力されているとはいいながらも、民間企業ほどの効率化が今までのところ実現されてこなかったんではないか。まずこれが第一点です。 それからもう一点は、今までどおり指摘されているように、郵貯や簡保のお金の流れがおかしいと。つまり、このお金の流れがおかしいのは郵貯や簡保の問題そのものではなくて、本来は財投機関の在り方であって、これを郵貯と簡保の問題にとらえているところに、これは根本的な間違いはございます。 それからもう一つは、民業圧迫です。この点は解決していかなければいけないと思っていますが、その答えが果たして民営化なのか。民営化でそれが解決できるとお考えなのか。 まず麻生大臣に、私の問題点に対してどうお考えか、そしてこれが民営化で解決できるのか、その点について御答弁いただきたい、そう思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 民営化で解決できるところもありましょうし、民営化だけで解決できないところもあると思っております。 例えば、今現金が流れるかというお話でしたけれども、今、年間、御存じかと思いますけれども、いわゆる企業というものは年間二十五兆六千億円返済超であります。御存じと思いますが、この六年間の返済超。かつて五十兆円の資金を借り入れた企業が年間二十五・六兆円の銀行に対する返済超ということは、プラスマイナス七十五・六兆円ということになりまして、それイコールデフレ圧力ということになっておる限界において、銀行は企業に金を貸さないんじゃなくて、借りたい企業は借りに来ないんです。貸したくないやつは借りに来るんです。そこが一番難しいところでありますから、したがって、民営化になったからといっていきなりそのまま自然に流れるかといえば、なかなかそんな簡単な話ではないと思っております。 少なくとも民間に資金が流れる努力というものは、特に、中央で集めた金を中央だけで使うというのはいかがなものかという御批判は正しいと思いますので、そのお金が地方で使えるようにするためには、いろいろな、これはよほど努力が要るのであって、簡単に民営化されたからすぐなるというようなものではないことははっきりしておると存じます。
○櫻井充君 大臣、今の答弁の中で、企業が返済をしているというようなお話がございました。 なぜそういうことをしているのかといいますと、結局、企業からしてみると、この国がどういう方向に進んでいくのか全く見えないから設備投資ができないという、まずその問題が一つございます。 それからもう一点は、バブルのころに設備投資をしろといって銀行から随分借りました。今の時点になって返せ返せと言われて、とてもじゃないけれども金融機関が信用できなくなっているから。これがもう一つ大きな原因でございます。 もう一点挙げるとすると、銀行側は回収せざるを得ないような状況にございます。それは何かというと、自己資本規制があるからです。この自己資本規制が全く現状に合っていない。日本の金融機関にとってこれが極めて重荷になっています。 リスク、要するに、自己資本比率というのはリスクアセット分の自己資本になります。リスクアセットの部分、分母の部分をいかに小さくするかということがすごく大事なことでして、民間企業にプロパーで貸し出すとリスクウエートは一〇〇%、国債を保有するとゼロですから、結果的には、銀行は今どういう行動を取っているかといいますと、民間企業への貸付けをやめて全部国債に替えているというような、そういう流れになっております。 このことをやり続けているのが実は竹中平蔵さんでして、あの方が大臣になられてから貸し渋りや貸しはがしがますますひどくなっている。そういったことが本当に分かった上で今御議論されているのか、これは、ここの議論だけではなくて国全体で議論されているのかというと、私は甚だ疑問でなりません。今、日本の民間金融機関がもし国債を全部手放してこれをプロパーで企業に貸し出すとしたら、自己資本比率が八%なり四%を維持している金融機関は一つも存在しないのではないだろうか。今とにかくペイオフを控えて、その自己資本比率が維持できないとどうしようもなくてきゅうきゅうとしているのが現状なんではないのかなと、そう思います。済みません、ちょっと余談になりました。 もう一点、じゃ、こういう観点からお伺いしたいんですが、民営化というのは本当に効率的なんでしょうか。つまり、民営化するとすべてが効率的に運営されるんでしょうか。 アメリカの医療業界のことについてちょっとお話しさせていただきたいと思いますが、アメリカは民間保険会社が主流です。アメリカの民間保険会社は保険金を集めてきて給付する、これをメディカルロスと呼んでいます。このロスが八五%以下でないとウォールストリートで評価されません。一五%の利益を上げろということです。ところが、アメリカにも公的保険がございます。低所得者やそれから高齢者の方々が加入しているメディケア、メディケードですけれども、この公的保険の部分のメディカルロスは実は九八%です。つまり、公的部門の方が保険金を集めて給付するという点でいったときにははるかに効率的なんですね。 つまり、私が申し上げたいのは、民営化、民営化ということがすべて万能のように小泉総理はお考えのようですが、決してそうではなくて、民営化した方がむしろ非効率的な部分というのも私はあるんだろうと思っております。その意味においてです、その意味において、郵便事業というものを含めて郵政公社は民営化すべきなんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 質問の、いわゆるちょうだいした質問にはありませんから、一方的に言われているのに答弁する必要もいかがなものかと思いつつ、お答え申し上げます。(発言する者あり)挑戦的なのは質問者でしょう。言葉をよう選んでください。 今のお話の中で、民営化というものが万能ではないというのは正しいと思います。競争入札が万能でないのと同じようなことだと存じますが。 基本的にそういったところもあるとは存じますけれども、今民営化するということの背景の中に、やはり郵貯、簡保を合わせて三百四十数兆円の金が少なくとも公的機関と言われる、国にとって一千四百兆のうちの約三百兆というのは約二五%ぐらいになりますので、そういった意味では、かなり偏った形になっておるのではないかという指摘は正しいと思うんですね。それが何らかの形で民営化という形を取ろうという流れは、私、これは正しいんだと思う。そういったのを背景に置いてこの民営化の話が出てきたと、私自身はそう理解をしておるのがまず第一点です。 それから二つ目に、今言われたいろいろな中で、企業の金を借りる背景の中で、今わざと言われなかったんだと思いますが、企業が金を借りなくなって返すようになった最大の理由は、資産バブルと言われた資産価格の暴落であります。これが一番の肝心なところであって、企業は、少なくとも担保資産の価格が一九九二年以後暴落をしております。約八割ぐらい下がったことだと思いますが、それによって企業はいずれも債務超過に陥らざるを得なかった、それが、今やっとこのところ資産価格が少し下げ止まるところまで来た、特に東京都内等々においては資産価格がほぼ下げ止まったというのと一緒なんであって、不良資産がなくなったから景気が良くなったんじゃなくて、景気が良くなってきたから不良資産が逆に減ってきたというのが正しい理解だと思って、多分、櫻井先生と同じ見解をしておると思いますので、残りの部分については、質問をされる相手は私ではなくて竹中平蔵にお聞きになるべきだと存じます。
○櫻井充君 失礼いたしました。 今大臣おっしゃるとおりでして、そこのところが実は自己資本比率のところに大きく影響してきているところである、つまりは破綻懸念先などに分類されてしまいますから。 問題になるのは、今の中で、じゃ、もう一点だけ申し上げておきますと、中小企業の場合は、企業会計は簿価会計なんですよ。ところが、竹中さんは全部時価会計、時価会計と言っていますから、中小企業は銀行に行くと資産査定を全部変えられてしまいまして、そのために不良債権になっているというそういう実態もございます。ですから、簿価会計にして企業会計どおりにしてあげるとそれほどひどい状況にはなっていないはずなんですが、現状を分かっていらっしゃらない大臣がそこを担当してきたというのがこの国の僕は最大の不幸だったんじゃないのかなと、そう思っております。 そこの中で、じゃ、これは財務省にまずお伺いしたいんですが、資金の流れを変えなきゃいけない、つまり郵貯のお金の流れを変えれば財投機関が整理できるのかということ、ここがまず私は一点大きな問題だと思っております。そこの中で、平成十三年に財投改革が行われました。財投改革の流れの中でどうなったのかというと、財投機関そのものが、財投機関そのものが財投機関債を発行できることになりました。そして、財投機関債を発行できないところは自然淘汰されるんだというのがあの当時の財務省の説明でございます。しかし、財投機関というのは、考えてみますと、元々は国の政策の執行機関ですから、この国の政策の執行機関が市場原理に、市場原理の中で淘汰されることに私はそぐわないと思っておりまして、そういう方針を作ってきた財務省そのものが僕は問題なんだと、そう思っております。 そこで、財務省にお伺いしたいんですが、お金の流れを変えたことによって、この財投改革をやったことによって財投機関というものがどれだけ改革されたのか、その点について御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(浜田恵造君) 財政投融資につきましては、御指摘のとおり、平成十三年度以降、郵貯、年金の預託義務を廃止しまして、真に必要な資金だけを債券の発行により市場で調達する仕組みといたしますとともに、政策コスト分析、あるいは貸出し先の特殊法人等におきます民間準拠の会計制度の導入を含みますディスクロージャーの推進といったいわゆる財投改革を進め、民業補完性あるいは償還確実性についての厳格な審査を行いまして事業の見直しを行ってきたところでございます。 具体的には、平成十六年度の財投計画におきましても、住宅金融公庫の直接融資戸数をさらに縮減し、三十七万戸から二十二万戸にいたしまして、財投計画額は二兆円から千億円余に大幅に縮減いたしますほか、道路関係四公団につきましても、民営化に向けて財投貸付けから民間市場での資金調達への切替えを進める等の個別事業の見直しを進めてきております。この結果、平成十六年度の財投計画全体の規模は、ピーク時の四十・五兆円の二分の一の二十・五兆円、二十兆五千億円となっており、既に相当程度の縮減を図ってきております。 このように、財投計画実施後、着実な改革の進展が図られてきたところであり、今後とも、住宅金融公庫の廃止、道路公団の民営化など、特殊法人改革に的確に対応して、引き続き対象事業の重点化、効率化を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
○櫻井充君 もう一度繰り返し質問させていただきますが、そのような政府の政策執行機関は市場原理にそぐわないと私は考えているんですけれども、その点についてはいかがですか。つまり、財投機関債を発行して、もしそれが資金調達できなくなりましたと、そうだとすれば、政府の執行機関は、政策執行機関はつぶすということですか。
○政府参考人(浜田恵造君) 財投機関債についてでございますが、この点につきましては法案の審議の際に先生からも度重なる御質問をいただいておりますけれども、この財投機関債は、財投改革に伴いまして財投機関に市場から直接資金調達を行わせ、市場の評価を受けさせることでディスクロージャーあるいはその業務効率化のインセンティブを与えるものとして導入したものと考えております。 この導入から三年が経過しておりますけれども、発行機関数、発行額ともに増加傾向にある中で、このディスクロージャーあるいは業務効率化の進展といった効果が着実に現れていると考えております。 こうした財投機関債による市場の規律と併せまして、先ほど申し上げました民業補完性、償還確実性などを精査しながら、閣議決定されております特殊法人等整理合理化計画にも的確に対応していくことが重要と考えておりますので、これらによって対象の事業の重点化、効率化を図ってまいりたいと考えております。
○櫻井充君 答弁になっていませんよ。答弁になっていないから駄目です、こんなの。私の質問に答えていない。 じゃ、もう一回だけ聞いておきます。 市場原理に、市場原理にこの機関はそぐうんですか、そぐわないんですか。政府の執行機関は市場原理で淘汰されて構わないんですか。私はその点について聞いているんですよ。きちんと答えてくださいよ。
○政府参考人(浜田恵造君) 財投改革の際に、御案内のとおり、様々な議論がございました。資金運用審議会……
○櫻井充君 一言で。時間の無駄だよ。
○政府参考人(浜田恵造君) 御指摘ではございますけれども……
○委員長(木村仁君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(木村仁君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(浜田恵造君) 大変失礼いたしました。 現在の財投機関がその市場原理、いわゆる市場メカニズムに沿うものかどうかということでございますけれども、私どもとしては、そのいろんな議論がございましたけれども、完全に市場メカニズムによって成り立つ、いわゆる民業として成り立っていくものではないと考えております。
○櫻井充君 おっしゃるとおりだと思います。要するに、政府の政策執行機関ですから、そういった市場原理の中だけで変えていけるものではないと思っています。もう一つ大事な点は、これを本当にお金の流れだけを、入口論だけ考えていけばそれができ得るのかどうかということなんだろうと私は思います。 そこで、総務大臣にお伺いいたしますが、今回の、私は、小泉さんの発想がそもそも間違っているのは、まずきちんと財投機関そのものの、政策的にですね、どのぐらいの規模なのか、必要なのか不必要なのかということの議論をきちんとした上で、財投債はどのぐらい発行しなきゃいけないんだと、そしてその上で郵貯なら郵貯のお金をどの程度融資していかなきゃいけないのか、そこに立っていかなければいけないと思っていますが、今の議論は本末転倒ではないのかなと思いますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 御質問をされる相手が間違っておられると思いますけれどもね、度々申し上げますが、これは財投制度全体に関する話ですから答える立場にないと思うんですが、基本的には。分かっていて質問されて、何か、何か間違いでも引き出そうと思っておられるんだったら、ちょっとそれはなかなかそんなほど甘くないので、済みません。
○櫻井充君 私は、内閣の一員を構成されているわけであって、内閣の基本的な考え方として、内閣の基本的な考え方として、最初にお金の流れを変えましょうから始まってくる発想は違っているんではないんだろうか。その財投、財投機関というものは、何回も申し上げますが、政府の政策執行機関ですから、そのものから本当に必要なのかどうか、この規模で適正なのかどうか、そういうことを考えた上で、その上から、じゃ郵貯は本当に民営化した方がいいのかとか、そういう議論に入るべきではないのかなと、そう感じているものですから、その点についていかがお考えかということです。
○国務大臣(麻生太郎君) 郵貯、郵政事業を所管する立場から申し上げさせていただければ、財投の改革というのが今回行われた結果、いわゆる郵貯の義務的な仕事というものがこれは廃止されて、早い話が全額自主運用ができるようになった、少なくとも強制的に買えと言うことはできなくなったという点は、私どもに見れば大きな変化だったと考えられると思っております。 しかし、じゃ直ちにそれが民営化されたからといってうまくいくのかと言われれば先ほど申し上げたとおりで、借りたいという人の絶対量が、今、少なくともこの五、六年間で見ればずっと銀行の貸出し先は結果として減っておりますから、これは、銀行は貸さないというんじゃなくて、企業は借りに来ていませんから、したがってずっと貸出しは減っておる。傍ら、設備投資も機械の受注も増えておる。常識的には、間違いなく機械受注が増えたり設備投資が増えてくれば銀行貸出しが増えるはずですけれども、それが増えない。イコール、企業は全部自分のキャッシュフローの範囲の中でやっておられるという事情は、これは戦後この六十年間こんなことは一回もありませんから、そういった事情では今までとは全く違う事情が起きているという状況下での判断をしなきゃいかぬものだと思うんですが。 少なくても七年間の間、経過措置としてこういった形の財投のあれをやっていくことになるんですが、平成十三年度以降ずっと七年間ということで、二十年間するんですが、その以後、直ちにどうだというようなことまでを一応考えて申し上げさせていただければ、その七年後、まあ七年後といえばそんな変わりません。四年後ぐらいのところで、直ちにそれが全部自由になった結果がどうなるかということを考えてみた場合に、公社として、済みません、郵便会社として三百兆のものはかなりのものに減っているとは思います。政府保証がなくなりますので、減っているであろうとは想像しますが、それで全部が民間でそれで賄えるかといえば、それはなかなかそれほどの貸出し先が増えているとも思えませんので、私どもとしては、かなりのものがいわゆる国債という形で貸出し先が残る可能性は高いと思っております。
○櫻井充君 民間企業に国債を買ってくださいと押し付けるのは、これは無理な話だろうと思います。そうすると、今のもうこれは本当は、郵便、郵政、郵便事業の民営化と、郵政公社の民営化と、本当は財投なり国債の引受けというのは、本来は別な議論をしなきゃいけないと思っています。本来はです。 ところが、あれだけ赤字国債を発行してしまいますと、だれがそのものを引き受けるのかということの議論も、もう当然のことながら欠かせなくなってしまっている。その現状の中で、今度はもう一度、じゃ郵政、今のままのタイムスケジュールでいきますと平成十八年から民営化ということになりますが、その民間企業が果たしてどのぐらい国債なり財投債を抱えてスタートするのか。そういった資産の内容が分からないまま私は民営化というのはスタートできないんじゃないだろうかと、もう一点そう考えているんですが、おおよそどのぐらい国債を抱えてスタートすることになるのか、御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(清水英雄君) 現在の時点、十六年三月末の時点で、例えば郵便貯金では八十六兆円の国債、それから簡易保険の方では五十一兆円の国債でございます。 これにつきまして、この後の運用につきましては、仮に民間企業に至るまでの間での十六年、十七年度の数字になりますが、まだ、それぞれの国債の発行計画、それぞれ、それから、それに伴って簡易保険、それから郵便貯金の方の財投額の保有額については、十六年度の予定額までは決まりますが、その先については実は数字がございません。 十六年度は、郵便貯金の方で十九兆七千億、簡易保険の方は十六年度に二兆四千億という形でやる予定で、十九年度まで協力するという形になりますが、各年度ごと、それぞれのその財投債の額は決まってまいりますので、現時点では正確な数字は申し上げられかねるところでございます。
○櫻井充君 自分たちが抱えている資産の運用先が分からないまま企業としてやれと言われて、果たして本当にやれるんでしょうか。いかがですか。総裁にお伺いしましょう。
○参考人(生田正治君) 大変、ただいま財投のあるいは特別会計の在り方についての政治的な御論議が行われているので、この問題は政治のレベルでまずお考えいただくべきことだろうと思います。 私は、取りあえず公社、一期四年、この間の健全経営に専念させていただきたいと思います。
○櫻井充君 それでは、所管大臣にお伺いいたしますが、そういう形でその公社が、公社が民営化されたときに健全経営できると、そういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 健全経営ができるような枠組みをこの二年間で作らなければならぬというところで、今準備室やら何やらで作業していただいておりますので、少なくとも民営化された結果、前より経営内容が悪くなったんじゃ、何のために民営化したか、話が本末転倒も甚だしいと多分、櫻井先生も思っておられるだろうし、私どももそう思っておりますので、少なくとも民営化されたら、少なくとも、利便性が急に落ちたとか、税金を更に突っ込まにゃいかぬことになったというようなことになるのはいかがなものかという感じは、これは皆思っておるところなので、きちんとして民営化された後の会社が黒字経営ができるように、それはいい加減な形で企業経営をされるという必要を求めるつもりはありませんけれども、少なくとも経営努力に報われるだけの、少なくとも黒字ができるよう、出るような構造、枠組みというのはきちんと作り上げておくという努力が必要だと、私どもは基本的にそう思っております。
○櫻井充君 黒字が確保できるような枠組みを作って民営化されるというふうにおっしゃいました。確かにこれは経営者として僕は当然のことだと思いますが、しかし一方で、そのまま残してしまいますと、逆に言うと民業圧迫ということを指摘される可能性はないんでしょうか。 つまり、ここは問題なところがありまして、私は元々郵政事業の民営化に対して基本的に反対な立場でございます。ですから、その公的セクターのお金は公的セクターのお金で持っておかなきゃいけない部分があるわけであって、今度はそれは民間ですと。民間の事業体に変わったときに、ちゃんと利益が出るようにしてあるから、さあ民営化しなさい。でも、今は一方で民間の金融機関はどうなっているかというと、公的資金をじゃかじゃか入れて国有化かという話をしているわけですね。民間の金融機関は国有化でして、そして国の事業体は民営化というのはもう極めて、これ支離滅裂といいますかね、どうもおかしいんじゃないのかなと、私はそう思っています。 ですから、今大臣がおっしゃったことは経営者として僕は当たり前のことだと思いますが、逆に言うと、そのままで民営化業務がスタートするということは、民間事業体の圧迫につながっていってしまうんじゃないか、既存のですね。 郵貯なら郵貯のお金にしてみても四大メガバンクとほぼ同じだけの預金量がございます。それから、簡保なら簡保、簡保でいけば民間の保険会社の総資産の約八割ぐらいだったかと思いますけれども、そのぐらいの資産を持ち合わせているわけですから、そういうところがいきなり民営化されたときに民業圧迫にこれはつながっていくんじゃないか。かえって、まさしくそれを促進するような形になるんじゃないのかなと、そう思いますが、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) 重ねて申し上げますが、私は所管しておりますのは郵便会社を所管しておりますので、その民間の話がどうなるかというのは、それは金融担当大臣にでもお聞きになるのが正しいのであって、ちょっと所属される委員会をもうちょっとこう、財政金融委員会とかいうので聞かれた方が正しいんだと思っておりますので。 民業圧迫と言いますが、これは少なくとも二年たちましたら民業になるわけですから。ですから、民民圧迫というのは分かりますよ。民民圧迫なら分かりますが、これは少なくとも民間会社になったら官の民に対する圧力という言葉はなじまないと思いますが。
○櫻井充君 それでは、お手元に配付しました資料の二枚目を見ていただきたいんですが、郵政公社が民間事業体と比べたときにどれだけ優遇されているかということについてです。 例えば、所得課税などに関して言うと、住民税も含めて非課税ですし、それから資産課税なんかに関してみても非課税の部分が随分あるという実態がございます。こういったものも全部、そうすると、その、それだけで一体どのぐらい非課税で恩典を受けているのかというと、郵政公社自体が大体約九千億円に上るのではないだろうか。これは、それからもう一つは、郵政公社自体が預金保険料を払っておりませんから、これ三千億円とこれは仮に計算しますと、約一兆二千億円の優遇措置を受けていることになります。 このことを踏まえて、こういったものも全部民間事業体と同じにされて果たして今の経営状態でやっていけるのかと。今日示していただいた決算で果たしてこれだけの利益が出てくるのかどうか、その点について、これは総裁にお伺いした方がいいんでしょうか、御答弁いただきたいと思います。
○参考人(生田正治君) ただいまの御指摘の点でございますけれども、法人税や預金保険料、もし払っていたらどうかということでございますが、それの影響度というのは前提をどう置くかで数字がかなり大きく動きます。だけれども、そこは大胆に前提を置きましてあらあらに試算をいたしますと、十五年度決算にそれを反映させますと、郵便事業というのは二百六十三億の利益を出しておりますが、多分これは五十億から六十億ぐらいの利益にとどまったであろうと、税金を払っていればですね。それから郵便貯金は、これを引きますと、税金その他費用をもし引いていたとしますと一兆二千六百六十億ぐらいになったであろうと。それから簡易保険の方は、これは特殊な会計を取りますから利益という格好で出しておりませんで、内部留保で処理しておりまして、言わばゼロサムゲームのPLになるものですから、それでいきますと影響度は六百五十億ぐらいであったであろうということで、税金その他の費用を払っていたとしても、郵便は五、六十億ということでほんのかすかでありますが、健全な格好は一応維持できたのかなと、すれすれのところでね、というふうに思います。 ただ、よく、税金を払っていない、預金保険料を払っていないというところだけが大きく取り上げられるわけでありますけれども、これは私はいつもコインの一面論であるというふうに申し上げております。 確かに、そこのところは平たく言えばまけていただいているわけでありますけれども、逆に非常に極端なビジネスモデルの制約を受けております。本当に市場性のある商品、商品というものは市場の流れでどんどん変わっていくんですけれども、そういうものを追っ掛けるような商品は金融関係でももうほとんど作れないと、民業圧迫ということで作れない。それから、運用も主として、さっきの御議論の逆になりますけれども、国債を主として持たなきゃならないから、あるいは財投債を、預貯金利益率は〇・四九%と極端に低いというふうな制約を受けておると、受けていることに加えて、ユニバーサルサービスの費用は自分で持っています。 というふうなことで、そういった意味では、コイン、それをコインの片側としますと、税金費用、ビジネスモデル、ユニバーサルサービスの両面を見ると一定のバランスはしている格好にあるので不当に優遇措置を受けているということにはならないんじゃないかなということと、よく、見えない国民負担という表現が取られるわけでありますけれども、それは出てきた利益、本来なら税金払っていたろうから、それを払っていないんだから国民負担だということで、人数で割って一人何万円と、こういう試算を単純にされる方があるんですが、これは非常に間違った議論であると私は思います。 まず、今言いましたコインの両面論に加えましてね、加えまして、公社スタートのときの資本金、新聞その他経済誌等では十兆円ぐらいかなと、こう言われていたときに一兆三千億でスタートしているんですよね。一兆三千億でスタートしたんだけれども、言わば持参金ほとんどなしで、手金だけで出すけれども、自分で七兆までは、税金それから預金保険機構の費用をまけてやるから、それで行った先で自分で稼いで自分で資本金を作りなさいと、こういう公社法になっているわけですね。それで今そのプロセスにあるわけです。自分で積んでいるわけです。で、今回も、さっきもお話ししましたように、三兆、四兆と増えてきているわけですね。 それで、自分で積んで、それで七兆まで来たらどうなるかといいますと、本当は十兆ぐらいまで欲しいところですが、七兆まで来たら、今度は利益の五割を国庫納付するわけです。事業会社は四割ですね、大体。だから、事業会社よりも一〇%高く、あとは国庫納付するわけなんで、実効税率はより高いわけですね。だから、そんなに不公正なというそしりを受ける立場にはない。 おまけに、出てきた利益が、それは見えない国民負担の逆で、よく国民に見える格好で公社のバランスシートに積んでいるわけですから、見える国民の資産が増えてくるわけで、論理的に極めておかしいのは、増益にもしなったとしたら税金が増えるわけですから、見えない国民負担という論を張られる方は、みんなが努力して利益が上がれば上がるほど、あらまた国民の負担が増えたという論理になるわけで、非常に自己矛盾した考え方だと思うので、余分ですけれども、一言付け加えさしていただきました。
○櫻井充君 はい、よく分かりました。私も一方的にそのことを申し上げたかったんではなくて、言葉足らずですが、要するに民営化された際にこういった負担を強いられることになったときに、本当に健全経営ができるのかどうかという視点でお伺いしたかっただけです。 僕は、逆に言うと、今の総裁の話をお伺いしていると、これだけビジネスモデルとしてうまくいっていて、なおかつ民業を圧迫していないということであるとすれば、なぜこの形態を変えなきゃいけないのか、そこの理解ができないんですね。私はそう思います。 今の総裁の御説明をお伺いして、麻生大臣、どうお考えでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) それも先ほどだれ、どなたかが聞かれた内閣府の担当に聞かれた方が正しいんだと思いますが、繰り返しの答弁だと先ほど言われました、言われましたので、私も同じようなところしか申し上げようがないんです、申し上げようがないんですが。 今、資金の流れというものからいきましたら、先ほど言われましたように三百兆というのは少々偏り過ぎておるのではないかというところからそもそものスタートをしておるのが第一点なんです。これは、基本的に金が、幾ら出口は、財投を閉めたわけです、出口は。しかし、入口があるから。入口があればどうしようもないじゃないかという話からそもそもこの話はスタートしていると。私は当時、郵政担当でもなければ総務担当なんというものでもありませんでしたので、その内容を詳しく知っているわけではありませんが、事の多分スタートは、財投の出口はきちんとしたけれども入口の方が緩いからという話から多分スタートしたんだろうなと思っております。
○櫻井充君 いや、僕は、要するに今の総裁のお話をお伺いしていると、僕は民営化なんかしなくていいと思っていますから、所管省庁の大臣としてどうお考えなのかなということをお伺いしたかっただけです。 それから、今大臣、財投債のことについてお話しされていましたが、実を言うと財投債として発行されているわけじゃないんですよ。これは国債として発行されているんですよ。国債として発行しておいて、財務省がずるいのは、ある部分は一般会計の方に繰り入れたり、ある部分は特別会計に入れたりとかしていって勝手に、本当はその返済の原資が違っているにもかかわらず、それから使い道が大きく違っているにもかかわらず、財務省は財投債と国債と別々に発行していないんですよ。これは極めて問題点、問題があると思っていて、まあこれは、あと聞くと、またほかの省、ほかの委員会に行けと言われるので。 もう一点……
○国務大臣(麻生太郎君) 大蔵省に、今いるから聞いた方がいいよ。
○櫻井充君 いや、まあさっきの答弁で大体分かりましたから。 そこで、例えば業態を、今の郵便局なんかに関していうと、国民の皆さんは全然不満を持っていないわけですよ。そうすると、これを民営化するなんという議論をするよりも、ちょっと今日は議論が外れるかもしれませんが、NHKを民営化した方がよっぽどいいんじゃないだろうか、そういう議論があってもいいんじゃないかと。 要するに、受信料を徴収するというその徴収の手間やら人件費を考えたときに、もしどうしても国営でやるんだったら、それは税金で負担するなりなんなりのやり方をすればいいのであって、広くあまねく何とかということをよく言われますが、もう私が子供のときとは違って、民放各社、随分一杯ありますし、それから今度は、テレビがデジタル化されれば、地上波が、一チャンネルで三チャンネル分の放送が見られるわけですよ。そうなってくると、NHKこそ本当だったらもう民営化してしまった方がいいんじゃないのかなと、私はそう思うんですが、大臣のちょっと感想だけお伺いできますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 話が急に変わって、幅広くやっている総務省でもかなりあれなんですが、基本的にはこれは、櫻井先生、広告に頼るテレビ業界の番組の質の低下という話は、これは結構アメリカでも話題になりましてね、アメリカで結果的にどうなったかというと、パブリック・ブロードキャスティング・サービスという、通称PBSという公共の広報会社、いわゆる放送会社を作ったというのが実態、もう御存じのとおりなんですよ。 だから、何となく、お笑い、バラエティーばっかりになっていく中にあって、何となくきちんとしたものを持っていないと、例えば今国民保護法制なんというものをやっても、自分のところでは放送するかしないか、いざというときにするかしないかは、国民の一大事ということをやっても、過日の国民保護法制のときにはこれは民放会社で乗ってこなかったという経緯を考えますときに、やっぱりきちんとしたものを持っておくという必要というのはやっぱりあるんじゃないかなというのと、これまで見ていますと、少なくともNHKという中で、年間、今予算どれぐらいだ、八千億ぐらいですかね、八千億ぐらいのところでテレビを一、二、BSを一、二、CSはなし、短波持ってラジオ持って、六つ、七つやっていると思いますけれども、そういった中にあって、少なくともそれだけの金でやっておる。 かつ、先端技術としては、少なくともハイビジョンを始め断然優れておるというものを作り出している先端技術も、このNHKで開発している部分というのは結構大きいなと思っておりますので、そういった意味では、いわゆる放送料に頼っていて広告に頼らないというところによって、ある程度従来のほかの民放とはかなり違った質のものを作り出しているという背景もあるのではないかという感じが率直なところで、直ちに民営化しろと言われて、ちょっとその話には簡単には乗れぬのかなというのが率直な感想です。
○櫻井充君 まあ暴力的な話かもしれませんが、今のはですね。ただ、要するに構造改革が必要だから民営化ということには全然ならないし、今大臣おっしゃっていたとおり、公共放送として持っておかなきゃいけない部分があるんだ、まさしくそのとおりだと思うんです。 私は、お金もやはり、一部は国が持っておく部分というのがやはり必要なんではないだろうかと。郵便事業にしても、調べてみると、ドイツは民営化されているとはいいますが、六五%はこれは国が株式を持っているんですよ。様々な制限を掛けられているわけですよ。そうすると、郵便事業そのものが今民営化されて、国が持っていないという国はないわけですよ、逆に言いますとね。ですから、その点から考えてみても、果たして民営化しなきゃいけないのかどうか、極めて難しいんじゃないだろうか。 そしてもう一つ、最初に申し上げた問題点の中で、今まで営業部分での非効率的な部分があったかもしれない、営業部分というか、職員の方々と言ったら怒られるのかもしれませんけれども、しかしそこの部分は確かに今年二百五十億ぐらいの黒字に転換しております。前年、何年か調べてみるとほとんど赤字ですから、公社になって、公社になって間違いなく黒字転換したことを考えてくると、その問題というものは、その問題というのはきちんと解決されてきているんだろうと、そういうふうに考えます。 民営化業務というのは、民営化という言葉の中にもう一つ危険性をはらんでいるのは、これは市場経済の中で運営されていって利益を上げてくるということになりますから、そうなると今度は非採算部門を切り捨てるという作業になってくることになります。ですが、その非採算部門はどこなのかというと、結果的にはどことかの島であるとか、それからどことかの過疎地であるとか、コンビニもできないようなそういう地域に問題が出てくることになりますから、今度は、もう一つ申し上げれば、ユニバーサルサービスを実施するところが民間企業でやれるのか、市場原理でそのままやれる企業が担えるのかというと、決してそこはそうなっていかないんだろうと、そういうふうに思っています。 ですから、もう一度小泉改革の中で是非これは議論していただきたいのは、今のように問題点を変える努力をしている公社が四年間どういう形をやって、行って、そのときまた問題があるのであればその時点から改革をどうするのかという議論を始めてもいいはずであって、そういうことをやらずして、今拙速にやる必要性は全くないんじゃないのかなと、そう思います。 もう一点、民業圧迫のことについてちょっとお話しさしていただきたいと思いますが、この資料の三枚目を見ていただきたいと思います。問題になるのは、郵便局とそれから銀行と、例えば財投機関の中の住宅金融公庫などがそれに当たってくるんだろうと思っています。 どういうことかと申しますと、郵便貯金と銀行との場合には、預金金利のところでかなりの問題点が私はあると思っています。それは、郵便局というのは、郵便局というのは、これは国の保証が付いています。銀行は来年の四月からペイオフ解禁になりますから、リスクマネーとなります。リスクマネーと国の保証が付いているところで金利がほぼ同等、今〇・九五ぐらいでしょうか、そのぐらいのところの金利差であったとすると、やはり民間からすると不公平感が出てくるというのは否めないんではないのかなと、そう思います。 もう一方、住宅金融公庫と銀行は一体どうかというと、例えば住宅ローンなら住宅ローンのところで、低利で長期で、そして固定を維持するためにお金がつぎ込まれたりとか、今回のようにデフォルト率が高くなったがために住宅金融公庫に税金を投入しなきゃいけないんじゃないだろうかと、そういう議論が出てくるだけではありませんで、実を言いますと、銀行と住宅金融公庫の、もう一つの住宅金融公庫は有利な点は、その破綻した際の担保に関して、第一抵当権はすべて公的金融機関にあるということです。 ですから、そういうことを考えてくると、この絵にかいてありますとおり、銀行と住宅金融公庫、郵便貯金というのは極めてライバル関係にあって、民業圧迫ということを指摘されても私は仕方がないんではないかと、そういうふうに考えています。 そこの中で、そこの中で、一枚めくっていただいて、決して野党だから批判するだけではなくて、今日はちょっと提案さしていただきたいと思っていますが、例えば住宅金融公庫法の改正になりまして、住宅金融公庫は証券化業務ができるようになりました。アメリカでは、今、住宅ローンの約五〇%がモーゲージローンと言われるローンでございます。そこの中で、銀行が住宅ローンを発行すると、その債権を住宅金融公庫が買い取って証券化する。まあ住宅金融公庫が保証を付けて、どこかがほかに買い取っても構いません。そのものを束ねて、一万件ぐらい束ねたときに新たなるその証券ができ上がりまして、その例えば優先順位六〇%なら六〇%のところにトリプルAの格付のものができ上がると思いますが、今度はそれの引受手が今残念ながら社会の中でございません。なぜならば、今極めて低金利状態でして、住宅金融公庫が証券化できる、保証が付ける債権は二十年から三十五年ローンというふうに決まっておりますから、私たちがそういったものを買えるかというとなかなか難しい。これから先、金利は上がることはあっても下がることはありませんから、途中で売り払えば元本割れということになってきてしまいます。 その意味において、私は、これを郵便貯金が買ってくださるとどうなるかというと、今までのように住宅金融公庫に一度貸し付けて、その上でその非効率的な営業をやられて、その上で、いろんな問題があった財投機関ではなくて、これが直接銀行に流れていくようなシステムになりますから、郵便貯金のお金が、郵便貯金のお金が実を言うと、こういう形でも市場に直接流れる方法はあるわけです。 このときに、もう一度改めて考えていただければ分かりますが、住宅金融公庫のその優良部分の債権だけを郵便貯金がポートフォリオとして買い取ることになりますから、そうすると、郵便貯金の金利は低くなります。郵便貯金の金利が低くなりますから、銀行との対立の構図がなくなります。それから、住宅金融公庫と銀行との関係というようなライバル関係もなくなっていく。そこの中でもう一点いい点は先ほど申しました自己資本比率のところでして、自己資本比率は住宅融資になりますとリスクウエートが五〇%です。これが証券化になりますと全部売り飛ばすことができますから、実はリスクアセットの部分を小さくすることができて銀行は手数料収入を得ることができるようになるんです。日本の金融機関とアメリカの金融機関の差はまさしくそこにございまして、そこの手数料収入を得ることができることと、証券化する、証券化という市場が向こうは極めて大きいですから、そうすると、そこのところに債権を飛ばすことができるので自己資本比率を維持しやすくなるんですね。自己資本比率を維持しやすくなるということは、その先融資がまた増えていくということにつながっていきます。 そこで、考えていただきたいのは、もしこれが、郵貯が民間マネーであったとすると、極めて低利な利息しか得られないことになりますから、それを民間に買ってくれというのは無理な話です。これを郵便貯金が公的資金であるがゆえに、そしてもう一つ、この国がまだこれから持家政策を実現していくのであるとすれば、低利で長期で固定のローンをどう実現するのかということを考えていかなければいけないことになります。その意味で、私はこのような流れをひとつ考えたらいかがなのかなと。ここの、例えば住宅金融公庫の部分が商工中金に変わりまして、そして住宅ローンではなくて中小企業向け貸出しということになれば、郵便貯金のお金は直接中小企業に流れていくということになってまいります。 そのことを考えてくると、私はなぜ先ほど民営化が反対なのかと申し上げているのは、こういったお金の流れ方を作るためにはどうしても公的セクターでないとできないと私は考えているからです。私、小泉総理に予算委員会で質問したときに、郵貯、郵便貯金が民営化されたらどうお金を使うんですかと聞いたら、これから考えるとおっしゃっていたんですよ。つまり、本来であれば、どういうふうにお金を使うから民営化した方がいいんだとか、どうであるから公的資金として残さなきゃいけないのかとか、そういうふうな議論をきちんとすべきことなんだろうと、私はそう思っております。 この話をしても、所管はこれは多分、金融庁だろう、何とかだろうというふうにおっしゃられるかもしれませんが、一応ですね、一応こういうようなことも是非提案の中で受けていただきたいと思っております。
○国務大臣(麻生太郎君) 一部、総務省は関係しますんで、一部ね。 これは、基本的には櫻井先生、一つの考え方だと思うんですね。証券化、証券化したいわゆる住宅、何というの、金融公庫の証券化商品というものについて、これは金利とか期間とかいろいろ条件が合いさえすれば郵便貯金の運用対象としては決して、一つの選択肢としてあると思いますよ。もちろん、郵便局がじかにやることだってあるからね、これから先は民間なんだから。じかにやることもあるけれども、これは一つの確立されたシステムがあるから、利幅が薄くてもある程度こういったものはできるという可能性は一つの選択肢としてあると思います。
○櫻井充君 とにかく議論を、最初に民営化ありきの議論ではなくて、どういう形でお金を使っていったらいいのかとか、ユニバーサルサービスが実現できるのかどうか、そういったことも含めて是非議論していただきたいなと、そう思っています。 それからもう一つ、私、簡易保険に関してはちょっと、どちらがいいのかというよりも、むしろこれは民間でももうやれるんではないのかなというふうに、そう考えておりまして、今回の財務諸表を見てみると、実は簡保は、いわゆる三利源というのがございます。死差益、費差益、利差益ですけれども、そのうちの中の利差益が大幅な赤字になっておりまして、結果的には三利源で見たときに赤字を計上しているということになります。 これは民間の生命保険会社も同じような問題をはらんでいますが、要するに、生命保険会社というものが、言わば損保的なというか掛け捨てとかそういうもので、何かの不慮の事故があったときにそれを引き受けるということの商品を出すことは私は問題ではないと思いますが、しかしそういう貯蓄性の高い金融商品を開発してしまったがゆえに、民間の生命保険会社もそれから簡保も同じようなこと、同じような、今、何というんでしょうか、財務的に苦しい立場に追いやられてきていることになります。 この三公社の場合、貯蓄性の商品であるとすれば、郵貯が存在するわけですから郵貯で貯蓄性の商品を売ればいいわけであって、簡易保険会社でそこのところまでやること自体は私は必要ないんじゃないかと思いますし、それが実は今の大きな問題につながってきている。 そして、なおかつ申し上げると、先ほど申しましたが、簡保、簡保も実はどんどんどんどん巨大化している、肥大化しております。ほぼ民間の生命保険会社の総額と同じぐらいの保険量、これは資産と言った方がいいんでしょうか、総資産を抱えているような状況になってきておりまして、これこそまさしく民業圧迫につながっているんではないのかな。そしてもう一つ、何回も申し上げますが、利差益などの問題点を抱えてくるとすると、簡易保険というのはそういう貯蓄性商品を売るべきではないんじゃないかと、そう考えますが、総裁の御意見をお伺いしたいと思います。
○参考人(生田正治君) 私、着任する前から約この過去二年間ぐらい地方にぐるぐると何回も回っておりまして、三、四回回ったと思います、支社のある管内。 それで、地域の住民の方たちとできるだけ話合いの場を持つようにしておりますが、私の感じている実感といいますか体感からいいますと、お客様といいますか国民、地方へ行けば行くほどそうなんですけれども、保険会社、今の民間の保険会社に期待している保険という概念と、それから郵便局の簡保に依存している保険の概念というのは、似てかなり違う面があるんじゃないのかなというのが私の実感でして、それは平均の保険額なんかにも表れているわけですけれども、民間の場合ですと通常数千万円お掛けになると、少なくとも三、四千万はお掛けになると。ところが、簡保の場合で見ますと、せいぜい二、三百万ということで、もうけたも違う。なぜかなと思って見ると、地方へ行けば行くほど、なかんずく過疎地に参りますと、保険会社、人がいて対話しながら契約できる事務所はどのぐらいあるのか。一〇〇とすると大体数%、間違っているかも分かりませんけれども、民間束にして一〇ぐらいで郵便局が九〇ぐらいなんですね。だから、田舎へ行けば行くほど、やっぱりおじいちゃん、おばあちゃん始め、本当に田舎に住んでいらっしゃる方がITか何か駆使したり携帯電話を駆使するんじゃなくて、あるいは車を三十分、一時間飛ばして町行くんじゃなくて、身軽に身近に、今一人二人で住んでいらっしゃる方非常に多いと思うんですけれども、自分が万一の場合にまあ二、三百万掛けておこうかという便宜はやはり郵便局なんだなというのが私の実は実感でございます。 そういった意味で、かなり民間のいわゆる保険というものとは異質な面があるので、そういった意味で簡保につきましても、ユニバーサルサービスという言葉は私は余り好きじゃないんですが、日本国じゅうで御利用になれる施設、ファシリティーというものはきちんと残しておくべきであろうと思います。 確かに、三利源でいきますと、利差で二兆円ぐらい損して、あと費差と死差で一兆五千億ぐらい利益を出して、残り五千億は赤という感じなんですが、これは公社化のときに一挙に含み益をもってそのときの損を消したいきさつからそういういびつな格好になっておりまして、あと数年でそれは平準化してくると思います。それと、もし民営化するんであれば、非常にお客様からもう少し商品性高めろという御要望は強いと思います。だから、多少の商品改革をすれば事業として成り立つと考えております。
○櫻井充君 済いません、うるさくて聞こえないので静かにしていただきたいと思います。 今のお話の中で正しい部分もあると思いますし、違っている部分も私はあると思います。 まず一つ、数千万円というお話がございましたが、じゃ数千万円の規模のそういう生命保険に入っている方々がどのぐらいいらっしゃるのかというと、全体の二五%でしかないと。あと残り七五%が一千万円以下であるということです。 それからもう一つは、民間の方々がじゃそこに支店を出せていないから本当に行けないのかというと、決してそんなことはございません。いろんな商品はいろんな形でそこで売買されていることを考えてくれば、そういうことにはならなくて、そこはもうはっきり言えば簡保がシェアを独占しているからそこに入り込む余地がないと言った方が私は適切ではないのかなと、そういうふうに思います。 郵便事業とそこが決定的に違う、私は郵便事業と決定的に違うところがあると思っていて、郵便事業というのは物を集めてきて配るという作業になります。配る作業は恐らくだれでも、だれでもできると言うのはちょっと語弊がありますが、それがあった際に持っていけばいいだけの話です。ところが、そこに一軒、例えば島なら島に郵便なら郵便をどこかに預けて、それから例えば沖縄なら沖縄の島から北海道の方に送ってくださいといったときに、その島にその郵便を集めるところがなければ、これは郵便事業というのは成り立たないわけですよ。 ところが、保険というのは決してそうではなくて、そこに事業体がなくても、例えば私は保険に入りたいという人がいるとか、例えば営業の方が、営業努力ですから、これこそ民間の営業努力ですから、そうなってくると、そこのところに、そこのところにお客さんがいるとなれば、これは喜んでみんな飛んでいきます。ですから、その意味でいうと、簡保と、要するにこういうことだろうと思うんですが、国の保証の付いているものと、そうでないものに対しての不安視、やはりそういうところもありますし、何回も申し上げますが、その最初に簡保が、簡易保険がそこのシェアを独占してしまっているとなかなかそこに入り込むことができないのではないのかなと、そういうふうに感じております。ですから、その点でいうと、郵便事業のユニバーサルサービスと簡易保険のユニバーサルサービスというのは私は違っているのではないかと思いますけれども、その点について、大臣としてどうお考えでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 少し違うと思うんですが、今の話の中で、簡易保険の場合はやっぱりあまねくということで、例えば無審査とか、どんな職業でも簡単に入れるとかいうようなものはほかのあれと少し、大分違いますでしょうか、だから、そういったようなものと、それから島とか山間の部分でいうと、やっぱりそこに長く何代も住み着いている郵便局長とか郵便局の職員の信用というのは生保のおばさんとはけたが違って信用が高い。はっきりしているじゃないですか、これ、認めないと話になりませんよ、こういった現実を。ちょこちょこ替わる民間のあれと、元々どこかの小学校の校長先生の奥さんが簡易保険だと来られたら、それはそちらの方がはるかに説得力がありますよ。 だから、そういった現実を考えてみた場合に、私どもは、この簡易保険というのは、千万円で頭打ちになっているんだと思いますけれども、それでも平均は三百万弱ぐらいのところだと思いますが、いわゆる簡単に入れるとか近所だとか、そういったところであって、民間が入ってこない大きな理由というのは多分採算が合わないというのであって、そこのシェアがほかの生命保険会社に取られているならともかく、もう簡易保険だけだったら売っている商品もかなり違うから、随分違うんじゃないかなという感じがする。 ちょっとこれは自分で商売したこと、その部分の商売したことがないんで、想像でしか物が言えぬところで恐縮ですけれども、私どもの感じからすると、今申し上げたようなところからいきますと、簡易保険の存在する理由というのは、民間の保険会社があっても簡易保険の売っている商品構成等と基準が違いますので、必要なんじゃないのかなと、私自身はそんな感じがしております。
○櫻井充君 大臣が先ほどおっしゃいました、売り手、売っている人間が違うんだ、だから信用力が違う、これはまさしくそのとおりだと思います。 しかし、本来であると、それは商品の価値に対して、商品に対して信頼するか信頼しないか、若しくは、商品ではなくて、その商品を売っている企業が信頼できるか信頼できないかということに掛かってくるわけであって、その点でいうと、やはり国が売っている商品と民間企業が売っている商品と、これは違ってくる。これは感覚として違うのは僕は至極当然のことなんだろうと思うんですね。民間企業の、民間の保険会社、何社か破綻していますから、そういう実態を見てくれば、やはり安全な簡保に行こうとするというところは、これは至極当然のことなんじゃないのかなと、そういうふうに思います。 ですから、果たして、何というんでしょうか、採算が合わないからということよりも、本当に何回も言いますが、そこになかなか踏み込んでいけるもう土地ではなくなってきてしまっているのではないのかなと。これはちょっとあと水掛け論になりますので、その点についてはやめますが、ただ、少なくとも簡易保険会社自体の利率が民間の利率より高い時期もあった。そして、民間の利率よりも高い時期があって、そのために固定の利益を生むような商品を発行してしまったがために、実を言うと、生保のあの予定利率の引下げの法案を作らざるを得なくなったその一因にもなっているということですから、そこの点だけは御認識いただきたいと、そういうふうに思っています。 最後になりますけれども、郵政公社の確かに決算、例えば郵貯にしても簡保にしても、これは黒字です、黒字になるんだろうと思います。しかし、その先の運用先はどうなっているのかというと、これは基本的には政府の政策執行機関ですから赤字になっています。もしこれが黒字であったとすれば、これはそれこそ民営化すればいいはずです。 お手元の資料に、お配りしました一枚目のところになりますけれども、結果的にそういった財投機関に一体どのぐらい税金の類が入っているのかといいますと、平成十二年が一兆五千億円、そして十六年度が八千億円程度ですから、このぐらいの、政策投資だというふうなお話はありますが、果たして全部が全部政策投資と言えない部分もあるわけです。 それから、財投機関の中で、これは財投機関というのは政府の政策執行機関ですから、これは赤字だというのはうそで、あの、赤字というのに当たりませんよと書いてありますが、本四架橋公団を見るまでもなく、赤字のところは一杯あるわけですし、それからバランスシートは極めていい加減な部分もございます。道路公団の資産などは建設した道路すべてが資産の部に繰り入れられていて、壊れたものも何も関係なし、減価償却もなく、除却もないようなバランスシートを作ってきておいて黒字だというふうな発表をしているような財投機関がほとんどでございます。まだそれでも道路公団のようにそういうバランスシートが出ているだけまだまともでして、阪神やそれから首都高などはそういうバランスシートすら存在しませんでした。 つまり、そういうようなどんぶり勘定のところに郵貯の金が実はやはり多額に流れていって、そして今度はそれが、今までは国の政策機関だから仕方がないと思っているところがありましたが、民間の金融機関としてそういうところの債券を買い続けるということについては私は問題があるんじゃないのかなと。 ちょっと今日は時間がなくなって、住宅金融公庫のことについて質問できませんでしたが、住宅金融公庫もゆとりローンで実はデフォルト率が急激に上がって、どうも税金を投入しなければいけないというような、そういうことがあります。 繰り返しになりますが、財投機関そのものの見直しを政府としてきちんとしていただいた上で、郵便貯金のお金をどういうふうに使うのかとか、それからユニバーサルサービスが本当に実現できるのかどうか、そのことを勘案した上で、是非、民営化するのかしないのか、改めて議論していただきたいと、そういうふうに思います。 質問を終わります。
○弘友和夫君 公明党の弘友和夫でございます。 先ほど来の議論をお聞きしておりましたら、長谷川先生の御意見というか、非常に説得力がある。なるほど、そうかなという気もだんだんしたんですけれども、また、櫻井先生は非常に流暢過ぎて、いいか悪いかはよく分からなかったという。いつも議運の理事会でああいうふうにやられますので、大変あれなんですけれども。 私は、今、決算、郵政公社の初年度決算ということで、ここで今調査をしているわけでございますけれども、元々この委員会の調査はどういう性格を持っているのかなと。国の決算でありましたら、最終的に本会議に上程してこれ是認するか否かということになるし、また、先ほど出ておりましたNHK決算についても同様の扱いなわけですよね。 今回、公社の決算というのは、先ほどの議論の中で、公社が非常に動きやすいように設計をしたのでというお話もございましたけれども、だから、ただ単に総務大臣が承認をしたことに対して国会に報告して、国会がそれをただ調査をするということなわけでございまして、私たちのここで対する調査というか発言等が果たしてどういう反映をされ方をするのかという素朴な疑問を持っておりますので、生田総裁にちょっとお尋ねしたいと思います。
○参考人(生田正治君) 公社スタート以来一年半、なかんずく平成十五年度、公社としての正に初回でございますから、役職員一同よく議論を重ねながら考えられる努力を結集して、決算、やっと出まして、まあまあというところで、先ほど御報告申し上げたとおりであります。 今日、こうやって国民を代表する議員の皆様方の席に出させていただきまして、大変貴重な御意見、たくさんいただいております。その中には参考にさせていただくべきものも多々あると思います。よく、ここでも考えていますけれども、帰りましてまた役員連中と相談いたしまして、生かし得るものは生かしていくということで対応していきたいと、かように考えております。
○弘友和夫君 それで、総裁は従来より、これは任期四年間を全うすると。また、仮に公社が民営化されたとしても、民営化後のどの会社の役職にも就かないというお考えとも伺っておるわけですけれども、この一年半、今回の決算も拝見させていただいて、非常に生田総裁は何か全力を挙げて任務に取り組んでおられることに対して、非常に私自身も敬意を表しているわけでございますけれども。先ほどから麻生大臣が、組合は何か恐ろしいような話が出ておりましたけれども、その恐ろしい組合の方も、生田総裁、名経営者だと、こういうふうに言われているぐらい、今回、二兆三千億の黒字というのを出されたわけですね。ところが、じゃ前年に比べて、また今までに比べて果たしてどうなのかなというふうに思いました。この数字が全然分からないんですよ、もうこの決算の仕方が全然、仕組みが違うから。だから、非常によくやっておられるんで、また二兆三千億出された。で、いろいろすばらしいなと思うんだけれども、じゃ、今までに比べて感覚的にはすごく良くなったんじゃないかなと思うんですけれども、じゃ数字としてどれがどうなったんだということが非常に分かりにくいというのがあるので、これに対して一つお伺いしたいということと、それから先ほどもお話がございました今回のこの決算自体が総裁として満足できるというか、そういう数字なのか、全く問題はない数字なのか、決算なのか。また、こういうこともやっておきたかった、やっていきたい、今後もやっていきたいとか、そういうものがあるのかどうかということですよ。そういう点に大臣じゃなくて総裁の、この決算についての考え方、御所見をお伺いしたいと思います。
○参考人(生田正治君) まず、前段に大変有り難いリマークをいただいたわけでございますけれども、これは一生懸命はやらせていただいておりますが、それをどう評価していただくかは皆様にお願いしたいと思っております。 それから二番目に、何がどう良くなってきているのかという点ですが、まず数字の前に、どういうのがモチベートといいますかね、インフラになっていくのか、インフラになってきているのかといいますと、まず一つには、やはり意識として役所という意識、役所は役所なんですけれどもね、役所でもあるにかかわらず実は本当のサービス業をやっているじゃないかという現実認識だったと思います。だからみんなに、我々はサービス業をしているんだよと、一番重要なのはお客様だよと、その視点でみんなで考えようよという呼び掛けに、ああそうなんだということでみんなが力を合わせて、それで、組織とか仕事の仕方とか権限規定とかいろんなものを役所型から事業型に変えてきたというのが一番大きい点かなと、こんな感じがしております。 それで、前年度と比較するというのは事業庁の最終年度になるので、公社化に向けて相当数字をいろいろとその制度改革に合うように触っていると私は思いますので、余りもろに比較するのは余り意味がないのかなというまず気がいたしますが、例えば一番問題になっている郵便事業でいきますと、たしか平成十一年かな、か何かに五百四、五十億の赤字に転落以来ずっと赤字で来ていて、平成十三年度に会計基準の変更か何かがあって、そのときにちょっと数十億水面に黒を出したのもつかの間、また平成十四年度にマイナス二百二十五億と。というのが今回、まあ幸い二百六十三億になったという御報告をいたしました。ただし、これは言わばみんなでせえのと、初年度だからやれること一杯ありました。だから出たのであって、これで黒字構造になったとは思わないでいただきたいということを行く先々で申しています。なぜならば、売上げがまた三・五%ぐらい減るわけですから、構造改革はこれからであります。 あと、郵貯の数字は今ちょっと手元にもらったばかりなんですが、郵便貯金の方は当期利益で一兆七千三百三億ということで、今年の二兆三千億から見ますと少し低かったのかなとは思いますけれども、さっき申しましたように、今年の中には一兆二千億の信託したお金の運用益が入っていますから、それを入れると評価も多少変わってくるのかなという気がいたします。 簡保については、毎年ゼロサムゲームでやっていてPL的なものは出ていないので内部留保で見ていかなきゃならないんですが、やや計算が複雑になるので、ちょっとこの場で私が直ちにコメント申し上げるのは控えさせていただきたいと思います。 それで、三番目の満足しているのかという御質問に対しては、冒頭の、冒頭じゃございません、長谷川先生のときにお答えしているとおり、私は決して満足していないわけで、出てきている数字だけにらんでいただくと結構大きい気がされるかも分かんないけれども、郵便事業でも、約二兆円の売上げで二百六十三億の利益なんというのは、実は恥ずべき数字だと思っていますし、郵貯の、貯金の二兆三千億も、対預貯金利益率は〇・四九%ですから、本来あるべき水準の半分ぐらいと言っても過言じゃないという気がいたしますし、簡保は三基礎利源が赤字ですから深刻な問題ととらえておりまして、総じてすべてを健全化、公社一期の残るあと二年ちょっとに全力を挙げたいと、こう思っております。
○弘友和夫君 総裁があと二年少しの間その任務を全うしたいということなんですけれども、先ほどの議論の中でも、じゃ民間会社に比べるとどういうこの不自由さというのがあるのかと。民営化、民間会社に比べてという中で、まあいろいろお話がございました、その縛られている部分のですね。で、それと同時に、民営化となった場合、これは政治が決めることだけれども、民営化となるのであればその助走に役立つようなその任務を全うしたいと、このように言われたわけですよ。だから、非常に民営化がいいとか民営化が悪いとかいうことじゃなくて、今ずっとやっておられて、その不自由さも、今公社の中で不自由さもある。しかしまた、じゃ民営化すればいいのかといったらそうではないと思っておられる部分もあると思うんですけれども、そういう総裁の立場で私は二年間、四年間の任期を全うするんだと。それで、それを全うする、その後、例えば民営化されても一切の会社の役員とかそういうものには就かないということを言われましたけれども、総裁の今のこの姿勢でいいますと、まさしく民営化した後に何かそこら辺の新しい、国民のためにせっかくここまで公社をやって一年半でこれだけの成果を上げられた。そういう中で、その後もやらないとかやるとかいうんじゃなくて、そういう可能性も残しておいた方がいいんじゃないかなと思うんですけれども、いかがでございますか。
○参考人(生田正治君) 大変御質問が難しくなってきたわけでありますけれども、率直な考え方は何か所かで申し上げたんですが、ある非常に尊敬する友人から、こういう非常に微妙で重要な時期に一身上のことは問われても言うべきではないという強い忠告を受けまして、考えてみたらそのように振る舞うべきかなというふうに考えております。 いずれにしましても、御縁があって郵政事業をやりまして、今誠心誠意やらせていただいて非常に愛しております。したがって、どういう格好になろうとも、郵政事業の将来が良くなるようにという思いは一貫して持つことになると思います。
○弘友和夫君 麻生総務大臣、今回この決算を見られての、どういうふうに考えられているのか。それと、今の、総裁はまあよくやっておられると思いますけれども、今後、その期待といいますか、そういうのをどういうふうに考えられておるか、感想をお答えしてください。
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほど長谷川先生の御質問にも一部お答えを申し上げましたんで重複するところもあろうかと思いますが、弘友先生、経営者なんというのはこれでいいなんて思うことは絶対ない人たちなんですよ。そんなことを思うようなやつは経営者じゃないんです。もっと利益を出そう、もっとうまくやろうと思わなきゃおかしいんであって、思わなくなったら、もうそれは大体経営者としてはもうちょっとかなり疲れておるかなと思って、ちょっと辞められた方がええということになるんだと思うんですね。 そういった意味では、私、だから外から見ていますと、企業会計法を持ち込んでいろんな形で初めての決算を出されて、まあ確かに株価が上がった等々で運用利益が余計に一兆一千億ぐらい入ったとか、いろんな条件はプラスに風が吹いたことも確かだとは思いますが、少なくとも、いろんなところで中期経営目標を前倒しで先に達成した、していった、特に郵便事業においてなどというのは、やはりこれはかなりな努力をされたんだと思いますし、御指摘のありましたように、組合ともいろいろ話をされて、私どもも組合と何回か個別に話したこともありますけれども、間違いなく生田という社長というか総裁に対する信頼は組合員から見てもかなり厚いというのは、全く異質のところにいきなり、船員組合からいきなり、船会社の組合からこちらに来られたわけですから、もう全く違うところだったと思いますけれども、少なくともそういったものをやられて、みんなの気持ちを集めて、ここで頑張らぬともういよいよ終わりやというんで頑張られるという姿勢が、やっぱり組合員をしてその気にさせるものがあったのもまた否めない事実なんであって、これなかなか役人上がりなんかにできる業じゃないと、基本的にはそう思っておりますので、私ども、民間からこの業界に来た方なものですから、何となく組合対策等々のものというのの難しさも分かりますし、経営のこの種の、どでかいマンモス企業ですから、その企業の運営をいきなり来てというのはかなりな神経使う仕事だったとは思いますけれども、一年でよくこれまでやられたなと率直に思っておりますけれども、ただ、御本人としてはもどもどと思われるというのが、そこのところが私は一番いいかなと思っております。
○弘友和夫君 それで、この九月十日の民営化の基本方針で今からのずっと日程的なものも出たんですけれども、四つに分けましょうと、ネットワーク会社、郵便事業会社、郵便貯金会社、郵便保険会社。 私、郵便事業会社というのは、今回は黒字は出ていますけれども、本質的になかなかこれは難しいんじゃないかなという気がしているわけです。で、その今あるものを郵便事業会社するときに全部消したにしても、その後はなかなか運営が非常に難しくなるんじゃないかなという気がしているんですけれども。総裁、いろいろと今回、後で法案も出るようなんですけれども、そういういろいろなことに手を尽くしていって、これが、この郵便事業会社で果たしてこれが、ここだけはなかなか難しいなという気がするんですけれども、率直に総裁はどういうふうに思われておりますか。
○参考人(生田正治君) 率直に感想を言わせていただきますけれども、難しいと思います。 何度か申しましたけれども、平成十五年度黒字にしましたけれども構造は変わっていないと申しました。ということは、毎年、やっぱりこれは先進国共通で、信書、一種、二種のところが三・五%から四%減るわけですよ。六百億から七百億減るわけ、毎年。これのアゲンストの中でどうやって元々の赤字構造を黒字にするかというのは、これは本当言いますと半端じゃないわけです。去年は行きましたけれども、今年また売上げ減りますから。四、五年先に先回りして、そこで例えば数千億減るという前提に立ってめどを付けたときに構造改革ができるわけで、それにこれから取り組んでまいります。 ただし、それは信書のところで頑張っても限度があるんです、幾らEメールと頑張ってみても、ITと。したがって、成長分野でやっていかなきゃならない。成長分野で、毎年売上げが下がる企業で成功する企業というのはないわけですから、売上げ減少に歯止めを掛ける努力をしなきゃならない。それは、例えばゆうパックの分野であったりメール便の分野であったり新しい分野の開拓の国際便ということで、これはほっとくとそこも減るんです。現にゆうパック、五・七%まで減っちゃったわけですから。国際も二五%まで減ってきているわけですよ。それにまず歯止めを掛けて、多少そこに上積みができないかなというのが今のチャレンジの途中でありまして、ちょっとそういう本気になるとすぐ民業圧迫という大合唱になるんですが、一部の人の合唱ですね、大合唱じゃない、一部の人の、独唱になるわけですけれども。 言っていることは、実は競争排除なんですね、競争排除なんです。だからそれに、まあそれはそれで真摯に受け止めますけれども、やはり減少に任せっ放しにはできない。競争分野、成長分野も全部連戦連敗、毎年負けるというパターンには歯止めを掛けて、多少踏みとどまって、多少は上積みするという努力をすると。それから、新しい分野の海外には、これはほとんど手が付いていませんでしたから、勉強を今猛然と始めているところという段階であります。 ちなみに、海外の郵便事業会社で伸びているところは、国内の独占がまずきちっとしていることです。それはドイチェ・ポストを中心とするドイツ、EU諸国の多く、百グラムまでは郵便物は全部独占です。手紙というのは三、四十グラムですから、百グラムまで独占と決まれば、もうウエートで分かるわけですから、きっちり守られて、日本におけるメール便競争みたいのは起こらない。あるいは料金の三倍まで、全部数字なんですね。アメリカはそれよりもっときついですよ。もうよほどの高付加価値郵便物以外は全部独占ですから。本といえども二十四ページまでは独占。そういう国内独占をきちっと持って、それを背景にユニバーサルサービスをしながら、その余力で海外で成功すると。で、海外で成功するというのがみんなキーワードになっているわけです。 ところが、日本は国内独占が信書という概念ですから、ふわふわっとしたようなものですから、これも信書じゃない、あれも信書じゃないといったら、もうメール便論争はおろか、いろんな市場の侵食が行われるということになっておりまして、非常に基盤において国際的に見ると日本だけが特異な存在にあるというところでございます。
○弘友和夫君 そういうことじゃないかなというふうに思っておりますし、ちょっと先ほど気になったんですけれども、準備室の審議官ですか、が民営化をする理由を四つぐらい述べられて、その中で見えざる国民負担があるというようなことを何か言ったんじゃないかと思うんですよ。見えない国民負担がある、それを解消するんだみたいな。私、政府がそういう民営化の中の理屈の中でそういうことを言われるというのは、今、公社とヤマト運輸は訴訟、提訴されているわけでしょう。そして、その向こうの理由の一つが見えない国民負担があるんだと、こんなふうに言っているわけ。それを政府がそういうふうに言うというのはおかしいなと。いなくなったからあれなんですけれどもね。大臣、どうですか、そこら辺は、調整は。
○国務大臣(麻生太郎君) 見えない国民負担という言葉が独り歩きしているところもあると思いますが、見える公社負担も忘れないようにしてもらわぬと、言い方が公平さを欠いていると思うんですね。 今話題になります例えば年金、あれは企業が三分の一、国が三分の一、社員が三分の一ということになっていますが、郵政公社の場合は公社であるがゆえに公社が三分の二持っているという部分は、国の部分を公社が払っておるという見える公社負担の話をされた方はおられないというのは、知らないで言わないのか、言いたくないから言わないのかじゃかなり公平さを欠くと思うんですね。そういった意味では、見えざる国民負担の話は、同時に見える公社負担の話も両方しないと、担当をされる方としては公平さを欠くというそしりを免れないと思っております。 それから、いろいろ三種郵便等々の、これはどう言ったらいいですかね、例えば今、長野県辺り、新潟はちょっと正式な数字を知りませんが、長野県辺りでいきましたら、新聞配達を郵便に頼っている世帯は二千世帯を下らないと思うんですね。新潟も多分冬になったら多分似たようなもので、富山も雪深いなんと言うとぶったたかれるかもしれませんけれども、ああいう雪深いところではとにかく郵便配達によって新聞配達が補われておるという現実というものは、その分の負担は全部公社が安くやっておるわけです、年間、第三種郵便と称するものを。 そういったものを含めて、これは見えざる国民負担の話ばっかりじゃなくて、是非その点もしていただかないかぬところなんだと思いますが、少なくとも先ほど櫻井先生から出ておられたあの八千九百億の話というのは、多分今二兆円の黒字を前提で言っておられるんだと思うんですが、あれでいきますと、あれ納付金が出てきますんで、納付金で五〇%をこれ続けて取られることになりますので、二兆円がずっと続くとはとても思えませんけれども、続いたとすれば、間違いなくいわゆる実効税率四〇・何%より高いものを払うという部分も出てまいりますので、いろんなことを言わないとちょっと公平さを欠くことになるんだなという感じはしていますので、この話はいろいろな点をきちんとしないと、論評するにしても何にするにしても、かなり偏ったことになりかねぬなというところが一番の問題点だと思いますので、情報などなど広く公開されて議論というのをされていかれねばならぬものだと思っております。
○弘友和夫君 時間になりましたので終わりますけれども、今から本格的な民営化の論議、常会で特別委員会を作るのかどうかあれですけれども、なってくると思いますので、そういう中で、先ほどのお話がございましたように、やっぱりあくまでも国民の皆さんの利便性、それから先ほど言われた事業の健全性、しっかり四十万人の職員の方の雇用だとか生きがいだとか働きがいだとか、そういうこともお考えになってどういう設計をするかということで是非、大変でございましょうけれども、頑張っていただきたいというふうに思います。 終わります。
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。 まず、公社の総裁に、郵政公社の総裁にお伺いいたしますが、郵政公社の初年度の決算で、時間も限られていますので端的に伺います。郵便事業は二百六十三億円の黒字となっていますが、郵便物が減少し、収入が減少しているのにもかかわらず黒字になった、その要因は何でしょうか。
○参考人(生田正治君) 真っ先に申し上げたいのは、職員がサービス業、真っ向サービス、お客様に喜んでいただけるサービスをしようということで営業的に非常に努力したというのがまず一番目だと思います。それから二番目に、それを受けて商品メニューなども、例えばプリクラ切手を売るというようなことで商品メニューも多少多様化をいたしましたし、商品価値を高めました。例えば、郵便、郵便の翌日配達のエリアを五百キロまで延ばすとか、夜の八時まで小包郵便でも配達もするとか、今度それは九時になりますけれども、そういったサービスのクオリティーを大変高めたというふうなことで、総じて言えば営業力のアップと。 それから二番目に、一つの例を申し上げますと、JPS、ジャパン・ポスト・システムということで集配から区分に至る作業というものの効率を高めて、労働強化を伴わない格好で仕事の仕方のシステムを組み替えることによって結果として生産性を高めるというのがJPS、ジャパン・ポスト・システムなんですが、そういうものに全員、全員といいますか、かかわった連中が極めて熱心にやりましてその効率を高めた、モデル局では去年二〇%生産性を高めました。 そういった営業力と生産性の向上等を通じて利益がにじみ出てきたということがあると思います。もちろん、計画に従いまして要員が多少スリム化したということもそれにプラスになっているということを付言しておきたいと思います。
○吉川春子君 毎年、郵便事業部門で膨大な職員の削減が行われてきました。二〇〇三年度の削減数は六千七百二十人で、過去五年間で最大になっています。 コスト削減、人減らしの一環として、深夜の勤務体制に夜勤からニュー夜勤、今回の深夜勤を導入してきました。そこで、数字を端的に伺いたいと思います。数字だけで結構ですが、ニュー夜勤導入のとき、深夜勤導入のとき、それぞれ何人の常勤職員を削減したのか、お伺いします。
○参考人(生田正治君) ちょっと私、手元に数字がないんで、今後ろで見ておりますから、その間多少しゃべらせていただきますと、要員の削減が行っている、行っていることはもちろん事実なんですけれども、これは本当に必要な要員数というものをよく考えて割り出して、このぐらいでできるであろうということで組合とも十分打ち合わせながら、合意を取りながら取り進めているということでありまして、例えば常勤が減ってゆうメイトが増えるというふうなところもあるわけなんですが、それは作業の性質からいいまして常勤じゃなくてゆうメイトの方がぴたっと時間帯に合うというふうな要因もあったということでございます。 それから、ちょっと今の御質問にお答えします。ニュー夜勤のときの削減が千五百人、それから深夜勤のときが本務者で六百三十人、非常勤で四千九百八十人、合計千百二十八人ということになっております。
○吉川春子君 そういう数字をあらかじめそちらからいただきました。 私は、九月に東京豊島郵便局の深夜勤の実態を調査いたしました。そこに従事している労働者のお話を伺うと、夜勤の拘束時間が長くて、仮眠も時間もないし、ストレスと過重な負担を掛けるということで、非常に驚いたわけです。一週間四日連続の深夜勤も行われているわけですけれども、ちょっと時間がないので端的に要点だけお答えいただきたいのですが、その深夜勤とは一体何なんでしょうか。定義をお聞かせください。
○参考人(生田正治君) さっきちょっと数字を読み間違えたみたいで、深夜勤のときの非常勤の削減を、四百九十八人のところ、四千九百と読んだかも分からないんで、御訂正ください。四百九十八人です。 深夜勤は、当然、労働基準法、それから日本郵政公社職員勤務時間、休憩、休日及び休暇規程、これに基づきまして、組合とも十分打ち合わせながら取り進めておりますので、適正な勤務と理解、認識しております。 導入の目的は何だったんだということでございますが、それは郵便事業の深夜帯におけるその長時間労働というものをむしろ少し緩和していこうと、やりやすい格好にしていこうという配慮がまずありました。 二番目に、その結果として、深夜帯における効率的な業務処理を実現していこうということでございますし、やっぱりこれはサービス業でございますから、ほかの人たちがやっていれば我々もそれに準じた仕事はすべきだという認識で、そういった意味での競争力を高めていく、追い付いていくというような配慮もありましたし、まずお客様に最高水準のサービスを提供申し上げると、こういうふうな目的で考えられたものでございます。
○吉川春子君 皆様のところには、ちょっとこれ見えにくいので、このパネルと同じ資料をお配りしています。(資料提示) 大臣、ちょっとこれ、ごらんになれるでしょうか。深夜勤なんですけれども、この一行が一週間なんですね。そして、深夜勤というのは、そこにも書いてありますけれども、まあいろんな時間帯があるんですが、とにかく十時から翌日の九時、朝の九時まで、拘束十一時間の労働を週四回続けて繰り返すという、こういう時間帯なわけです。そして、最初の日に深夜勤で朝九時に勤務明けになりまして、そしてその後、その日、一時間ぐらい掛けて自宅に帰って、そしてまたその夜の十時に勤務に就くために九時には再び出勤をすると、家を出るという形で、この空いている十三時間の間に三食を食べて睡眠も取ると、こういう、これが深夜勤の実態なんですけれども、非常にこれでは人間らしい生活ができないという悲鳴が聞こえているんですが、総裁、この深夜勤がこう続いているときに、朝飯はどの時間帯で食べたらよろしいんでしょうか。
○参考人(生田正治君) 何の時間帯ですか。
○吉川春子君 深夜勤が前の日の夜の十時から翌朝の九時まで勤務時間なんですね。その間に休憩とか休息はあるんですけれども、朝の九時に勤務が放たれて、そしてその日のうち、十時にまた夜、勤務に就かなきゃならないんですが、朝飯はいつも皆さんどの時間帯で、どこで召し上がっているんでしょうか、教えてください。
○参考人(生田正治君) 我々の業態、企業の在り方から見まして、そういう勤務体系を取るということは、やはり市場及びお客様の満足をいただくためには必要ということからやっているわけでありまして、その辺は御理解いただきたいと思います。 十時間の深夜勤の連続指定を採用することによりまして、これまで一勤務指定期間、これ四週間ですね、に四回だった非番の日、勤務を割り振らない日と、こういったものも二日増加するというようなことで、全般的には眺めまして条件を緩和してきているということと、常に定期的に健康管理に努力をしておりますし……
○吉川春子君 ちょっと、時間ないので質問に答えてください。
○参考人(生田正治君) 直接御質問になった朝食の問題になりますと、個人個人の休憩の取り方等で、言葉が適切かどうかは分かりませんが、一番取りやすい時間帯で食べてくれているんだろうというふうに考えます。
○吉川春子君 朝九時に勤務が終わりますね。そして家に帰ると十時になりますね。そしてそこから朝飯を召し上がれば、まあ一時間で帰れたとして十時。そしてもうお昼になるでしょう、するとお昼食べなきゃなりませんね。それから、また夕飯も少なくとも七時とか八時に食べて十時には勤務に就かなきゃならない。そうすると、朝飯を食べる時間がないんですよ。だから、働く人たちは、昼飯もどきという言葉があるんですけれども、朝と昼とを一緒にしたようなお食事を取ると。しかも、この時間帯に寝なきゃならないんですよね、夜じゅう働いていますから、どこかで寝なきゃならない。どう思いますか、総裁。ちょっと時間がないんで、こういう過酷なことが週四日続くわけですよ、週四日続くわけです。 労働省に伺いますけれども、こういう働き方というのは、非常に人間らしい生活ができないのではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。お配りした資料にもありますけれども、深夜勤を週四日連続して繰り返すと朝飯を食べ損ねる日が週四日あるわけなんですよ。そして、じゃ次の週はどうかというと、夜勤、日勤、非番、中勤、夜勤。もう全くこういうことでは子供の保育所への送り迎えもできない、家族との会話もできない。そういうような勤務を深夜勤と称して、お客様へのサービスと称して人員削減をするためにやっていると。労働省、こういう働かせ方というのをどうお考えですか。
○副大臣(衛藤晟一君) 御指摘の勤務形態につきましては、変形労働時間制が適切に運用されている限りは直ちに労基違反という具合にはならないとは考えております。 この場合、労働時間の賃金の二割五分以上の割増賃金を払わなければいけませんし、また健康について十分な配慮をしなければならない。半年に一度の健康診断を義務的に課せられているところでもございます。そういうことがちゃんと行われているのかどうか、また当然のこととして、もう週四十時間という枠を決めておりますので、そのことがちゃんと守られているのかどうかというところが大きな問題になってくると、こようかという具合に考えているところでございます。
○吉川春子君 九〇年代の最初までは、こういう働かせ方できなかったんですよね。ところが、その変形労働時間制をちょうど湾岸戦争のころでしたけれども導入いたしまして、一日八時間でなくてもよくなった。これは一日九時間、そしてあと二時間、十一時間働かせているんですよ。残業じゃないですよ、正規の労働時間として、一日十一時間も働かせて残業料も付かない、朝飯も食べられない。しかも週四十時間だから、十時間四日連続、週やっても四十時間の枠に入るわけですよ。そうすると、人間というのは一日単位で生活しているじゃないですか。週単位でお食事を取ったり睡眠を取ったりしているんじゃないじゃないですか。 私、時間なくなりました。非常に賢明なる総務大臣に最後にお伺いいたしますけれども、こういう働かせ方をして、職員の削減をして、そして黒字を上げたとしても、私は、これは経済大国日本のありようとして世界に対して本当に恥ずかしい、ILOからもまた何か言ってくるかもしれませんけれども、総務大臣、何とかこういう、労働者が監獄の中にいるようだというような悲鳴も上げているんですけれども、こういう働かせ方については、政治家として、それから一人の人間として検討していただきたい、そのことを最後に質問いたします。
○国務大臣(麻生太郎君) 質問ですか、お願いですか。
○委員長(木村仁君) 質問です。
○吉川春子君 いや、質問です。検討していただきたい……
○国務大臣(麻生太郎君) いや、お願い、お願い──質問ですね。
○吉川春子君 そうです、質問です。
○国務大臣(麻生太郎君) 最後にお願いしますと言われました。お願いだけかと思っておりました。 まず、聡明とお褒めいただきまして大変恐縮ですけれども、これ、組合等の団体交渉をおやりになったことがおありになるんだと思いますですね、教員やっておられたんであれでしょうけれども、これは、基本的には勤務条件というのは日本郵政公社と、今で言うJPとか全郵政とかそういった組合との間の交渉で決まるということになっているんだと思うんですね。組合もそれのまれて、それで二五%の割増賃金もらってそれで話をしておられるんでしょう。
○吉川春子君 のんだ組合とのまない組合がいるんです。
○国務大臣(麻生太郎君) いや、それは何%いられるんだか知りませんけれども、それが大勢だとはとても、全郵政もJPもこの種の話で正面切って私どもに言われたことがありませんので、何ともお答えしようがないんですが、今四十時間という話で、厚生労働省からお話があっておりましたように、基本的には労働組合とそこの公社との話で決められるのが基本だと思いますので、そういった意味では、まずその点で何とも言いようがありませんよという点が一つと、サービス業をやっていく以上、いろんな意味で他の競争するところが出てくれば、そこと同じようなことをやらなきゃならぬという立場で競争するということを考えますと、多分、組合も厳しいとはいえ競争で生き残っていくにはこれということをのんだんだと、私どもはさように理解をいたしております。
○吉川春子君 納得しませんが、委員長、時間ですので、これは引き続き委員会で質問します。
○又市征治君 社民党の又市です。 公社発足から一年半、その成果や評価もないままに民営化、民営化で大合唱と、独り言というのはありますけれども、そういう中にあって、生田総裁を始め大変な御苦労をいただいていることについては敬意を表したいと思います。 そこで、まあ民営化の大合唱の下で……(発言する者あり)何とか、何とか利益を上げようということに努力をされて、郵便事業も今お話がございましたが、二百六十三億円の黒字決算を出されたということはいいんですが、ただ、この利益を上げるということを一生懸命労使ともに大変な努力なさっているのは私も評価をするんですが、現場労働者に過酷なノルマを課すような格好でこの当座の利益を上げるということだけであるとすると、これは問題があるということをちょっと言っておかなきゃならぬと思うんです。 総裁自身が郵政現場の隠語として自爆というお言葉を御承知なのかどうか、これは後でお答えいただきたいと思いますが、例えば現場段階でゆうパックの売上げノルマを厳しく課した結果、民間のいわゆる保険代理店と同じように親類縁者への押売を結果的に余儀なくされる、それが四季折々の商品売り込みとなると、親戚の側からもいろいろと付き合いづらくなると、こう言われている。今ならば、年賀はがきを一人当たり八千枚ぐらい何とか売ってこいよと、こういうノルマ制にされる結果、うちへ帰っても結局は時間外も売りに回らにゃいかぬ。そして、いや、それもさばき切れない、いろんなところからありますから、そこで結局、必要もないのに自分で買わざるを得ない。切手もそうだ。いや、切手、今度の切手は随分と良かったらしくてたくさん売れたなんていう、上の方は評価されておったら、実態はこんなことがあったなんというのは出てきたりしている。これを自爆と言っているらしいんですね、現場では。 こういう実態を承知をなさっておるのかどうか。もし承知をされていられるとすると私は大変問題だと、こう言わざるを得ないので、その点について、総裁の現在までの御認識はいかがなものか、お聞きをしたいと思います。
○参考人(生田正治君) 今委員のおっしゃった前段のお考え、私、一〇〇%賛成、同じ考えを持っています。 公社入ってきて幾つかびっくりしたことの一つに、ノルマ制がきつくて、それで自爆という言葉が内部的に使われていると。もちろんそのときに、もう事業庁でもそれやめようとしていたんですけれども、だけれども要因として残っているというのを知って、これはもうとんでもないことだとまず思いました。びっくりしました。 だから、これは公社化スタートと同時に、ノルマなんという言葉はもう今全く死語になって、使っていません。だれも使っていません。アクションプランによるターゲットという、みんなでこのぐらい目標にしようという、これはやっぱり経営するのに数値目標が必要ですから、それはありますけれども、ノルマという言葉は今公社の中では死語です。それで、強制的な格好、あるいは上位者の指示によって必ずこれだけ達成せよというのは禁じています、これについて努力せよというのはやりますけれども。 したがって、かなり具体的に、全軍に、それも半期に一遍ぐらい、自爆的行為は絶対に禁ずると、やっちゃいけない、なぜならば、それは個人一人一人に対する大変な重荷であるのみならず、やっぱり働く意欲をそぎますよね。ということは、営業を上げていこうという本来の目的に真っ向から反するんです。だから絶対やっちゃいけないと、という趣旨を徹底しておりまして、やるのは、実需をどうやって掘り起こして実需で営業を高めていくかと、ということで今のところ一致しております。 ただし、人数多いですからね。一生懸命やっている勢いで、あるいはひょっとしたら、先生がどこでお聞きになったのか、それに近いような檄を飛ばしている例えば地方の管理者がいるのかなと思って今聞いたんですけれども、私はいないことを祈っているんですけれども、帰りましたら、もう一遍総点検をして、それは絶対にやめさせたいと、こう思っております。
○又市征治君 本当に総裁、力強い指導指針、今表明をされたわけですから、私も立場上、全国あちこち飛び歩きまして、いろんなところで幾つか聞くわけ、どっかの特殊なところというわけでもないんです。したがって、今総裁、帰ってそんなことをしっかり調べて、そんなことないようにということで御指示いただくということでありますから、今おっしゃったことでもう尽きていると思いますね。 この民営化の幻影におびえて現場段階でこういうことがやられているとすると、総裁自らおっしゃったように、何のことは、長い目で見ると、士気も上がらない、本当の意味で個人も、公社まで自爆してしまう、こんなことになりかねない、こう思うわけでありますから、総裁がおっしゃっているように、三つの目標挙げて、働きがいのある職場を作ろうと、こうおっしゃっているのに、これじゃそんなことにならないわけですから、是非ここのところはよく調べていただいて、そのような事態があるとすれば徹底的に是正をしていただく、このことを強く求めておきたいと思います。 さて、決算三事業のうち一番利益が低い郵便事業も辛うじて黒字で締められた。しかし、資本の債務超過が五千五百十八億円ある。その主な理由というのは、公社になって退職給付引当金一兆五千五百二十七億、これ新設したためですよね、これは。これは、公社化、企業会計方式の導入によって突然生じたものでありますから、解消するまでには時間が掛かるんだろうと思うんです。郵便部門が公的サービスの面から、さっきから麻生大臣がおっしゃっているように、隠れたこうした公的サービスの面から人手も大変掛かると、こういう面もあって、資産も少ないといって帳簿上はこうなるわけですけれども、三事業一体の公社として続けていく限りは、むしろ差し迫った問題でも何でもないということなんだろうと思うんです。 一部には、どうも新聞なんかで伝えられていますが、急いで国から手当てをしろと、こういう声も出ておりますけれども、何も民営化を加速するために無理に帳じりを合わせる必要もないんじゃないかと私は思うんですが、この点、大臣、どういうふうにこの問題はお受け止めになっていますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、今まではこれは企業会計原則とはまた違いますので、いわゆる退職給与引当金などというものは帳簿上に計上しておく必要のなかった種類の勘定科目なんだと思います。それが今回、公社法ということになって、いわゆる比較貸借対照表、財産目録、資産、財産目録や損益計算書やら全部企業会計原則にのっとりますと、これはルールと、会計原則上、これだけのものを載せにゃいかぬということになった。それが、おまえ分社化したらどうなのかと、ちょっとその計算までは、ちょっととてもそこまでいっておらぬというのが現状なんだと思っておりますが、これ今の公社として、今は四事業じゃない、三事業ですけれども、三事業でやれば多分こういうことになるんであろうと思って、これは原則上、こういうことにならざるを得ぬだろうと思っております。 結果として、五千億出ていりゃ五千五百億赤じゃないかといえば、これがなけりゃ黒じゃないかといえば、それはもうおっしゃるとおりその会計ルールの変更に伴って一兆の分が違った形になったというのは事実だと存じます。
○又市征治君 是非、今おっしゃったように、引当金の問題は当面の経営とは切り離して健全な職場環境で公社の事業を進めていただくように求めておきたいと、こう思います。 そこで、随分と問題になっておるこの民営化の問題ですが、大変多く、与党側からも厳しい指摘が今日出されておりますけれども、ただ郵便事業についてはこれまでの関係者の反対あるいは批判、様々な国民の声を聞いて、一定の歯止めは掛かって、ユニバーサルサービスは守ろうじゃないかということで歯止めは掛かったと思うんですね。 今、もっと問題があるのは、この郵貯、保険事業を民営化、実質的には廃止、縮小ということになっていくんだろうと思うんですが、この国民生活への影響が非常に大きい。この点について少しお聞きをしたいと思いますが、これは内閣府の民営化準備室にお聞きをしますが、仮称窓口ネットワーク会社、これはどこまで郵貯あるいは保険事務の受託を義務付けられる考えであるのか、これを伺いたいんですが、どうも聞いていますと自由化論が強いようで、この自由化論でいきますと、第一に、窓口会社はどこの店、つまり局で貯金や保険を扱うか扱わないか自由に決めてよい、二つ目には、郵貯、簡保を受託するか否かは窓口会社側と郵貯、簡保側との契約次第である。つまり、この二つのハードルを設けるというふうにお聞きをするわけですが、となると過疎地域などもうかりそうもない地域では、これは新会社の窓口はあっても郵貯、簡保については受託しないことも自由になるということになりますね。これはもう企業としてはやりたい放題ということになってしまうわけで、利用者側の契約の自由というのはどこにも保障されない、こんなことになるんじゃないか。 今、既によく言われておりますけれども、全国で既に五百四十を超える過疎の町村では郵便局しか金融を扱うところがない、こういう実態が起こっておる。銀行はどんどんどんどん撤退していっている、こういう状況にあるわけですけれども、一体全体そういう中で、この準備室としてはどの程度こうした、減るというふうに予測をされているのか、扱いをしなくなる局の数、あるいはこの郵貯や簡保の口数なりというものはどの程度減っていくというふうに試算をされているのか、お出しをいただきたいと思います。
○政府参考人(篠田政利君) 先生がただいま御指摘になりました郵便貯金会社と郵便保険会社と、さらに窓口ネットワーク会社との関係をどうしていくのかと、その決め方によりましては郵便局の数にも影響が出てくるのではないかという御指摘につきましては、大切な論点の一つだと思います。 現在、民営化準備室におきましては、有識者会議の議論も踏まえまして、詳細な制度設計をしている段階にございます。そういう意味では、十分的確な御説明ができないかと思いますけれども、そもそも郵政民営化は全国津々浦々に置かれております郵便局ネットワークを生かしまして、より便利なサービスが提供されるようにしていこうというものでございます。 このような観点から、九月十日に閣議決定されました基本方針におきましては、郵便貯金会社及び郵便保険会社にはユニバーサルサービス義務を義務付けることは盛り込まれておりませんが、両事業の窓口業務は住民のアクセス確保が努力義務とされております窓口ネットワーク会社に委託することとされておりまして、また窓口の配置につきましては、過疎地の拠点維持にも配慮することとされております。このこうした基本方針に忠実に制度設計や法案化を行いまして、郵便局ネットワークを生かした、より便利なサービスが提供されるようにするとの民営化の趣旨を踏まえて検討を続けているところでございます。
○又市征治君 結局、あれでしょう。配慮、つまり努力目標であって、義務付けるわけでも何でもないわけですよね。したがって、私が指摘したようなそうした、言ってみれば、本当に年金なり仕送りなりの公共料金などの決済機能、こういったものがそこに残るのかどうか、それはあくまでも委託契約が成立するかどうかだ、そういう格好になっていくわけで、ここはさっき申し上げたように、過疎地などのこうした住民にとってみては正に生活手段を奪うことになりかねない、こういう問題を持っているわけですね。 このことについて、さっき有識者会議から今求めるとかそっちに出すというお話ですが、ここの委員会も重要なそのことを本当の意味で国策としていいかどうかということを論議する大変大事な委員会ですから、それ同時にやっぱり出してください。そのことはよろしいですね、出していただくことについては。
○政府参考人(篠田政利君) 先ほど御説明申し上げましたように、現時点で様々な御議論を踏まえながら制度設計につきまして検討をしております段階でございます。そういう検討をしている中でも、将来のそれぞれの会社がどのような経営状況になるのかというシミュレーションをする必要があるのではないかというような御議論もございます。 民営化後の経営に関する試算につきましては、担当大臣への助言機関であります有識者会議におきまして人、物、金の切り分け方や四つの事業会社が自立的経営できるのかなどの論点を議論するために作業を進めていただいておりまして、今後その有識者会議でも議論をしていくということにしております。試算はできる限り客観性の高いものにしていかなければならないと考えておりますが、御指摘の局数とか貯金残高の推移等につきまして経営者の自由な判断が尊重されることを基本として制度設計を進めてまいりたいと、こう思っております。
○又市征治君 確認しておきたいのは、有識者会議にお出しになるというふうにおっしゃっているから、そのことを当然シミュレーションをなさって、減っていくという前提になっているわけですよね。そのことについてしっかりと有識者会議にも出す、この総務委員会にもお出しをいただく、こういう努力を是非してもらいたいと思うんです。 で、私は、申し上げておきたいのは、今日はまだ、金融庁や、お呼びしていたんですが、そこまで行かなくなって時間が足りなくなりましたからまた改めてやりたいと思いますが、本当にこの十年間でそれぞれ、銀行などというのはこの十年間で一万七千百五十九店舗全国であったものが一万四千六十店舗、つまり三千百店舗この十年間で過疎地中心に全部減ってきているわけですね。約二〇%近い減りようですよ。そういう格好でせっかく続けてきた郵政三事業を切り分けて、そのことによって今度は、事実上そこは過疎地だから、そこに、言ってみりゃもうけ中心主義に、民営化というのはそういうことなんですから、それでやっていけば、それは言ってみれば郵貯も簡保も取り扱えない、あるいは今申し上げたようなそういう点での年金のせっかくそこでもらうこと、あるいは仕送りやるという機能さえもその過疎地から奪われていく、こういう可能性を高く持っている。こういう問題を具体的なシミュレーションを出してもらってここで論議しなければ何にも議論ならないわけですよ。我々判断できないわけです、政策選択というのは。 そういう点で是非ともこの点について有識者会議に出されると同時にここにも出していただくことを、これは委員長からも是非要請をいただきたいと思いますが、そのことをお願いして、今日の部は終わりたいと思います。
○委員長(木村仁君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時四十四分散会