財政金融委員会 第9号
- 発言数
- 247 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2004/11/30
会議録
○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、北川イッセイ君、椎名一保君、末松信介君、藤野公孝君が委員を辞任され、その補欠として金田勝年君、南野知惠子君、舛添要一君、溝手顕正君が選任されました。 ─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 金融先物取引法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長増井喜一郎君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 金融先物取引法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○大久保勉君 おはようございます。 まず初めに、今回の法案改正に必要になった背景に関して質問いたします。 金融先物取引は、そもそも専門性が高く、いわゆる機関投資家が金利リスクをヘッジするために発達した取引であります。言わば金融のプロの取引を規制する金融先物法を使い、取って付けたように無理にノンプロの一般投資家を保護しようとしている点、いささか異様な印象を受けます。 具体的には、専門的な金融知識を有しない個人投資家などをも対象に加えている点、取引商品を金利から為替に広げている点、為替取引を入れることにより取引所取引から店頭取引へ比重を移している点などです。 この法案は、外国証拠金取引関連の苦情や相談が国民生活センターに急増している現状を踏まえたら早急に法制化が望ましいと思います。しかしながら、問題が発生したから今ある金融先物取引法を無理やり一部改正して何とか急場をしのぐ、また為替に代わる次の商品で同様な問題が発生してもモグラたたきを繰り返すことにならないか、いささか懸念しております。ノンプロなどの情報弱者を保護したり、また健全な資本市場を育成するといった観点から、包括的な仕組みが是非とも必要であると私は考えております。 そこで、伊藤金融大臣に質問です。今回、このような法案改正を緊急にするようになった背景は、橋本元首相の金融ビッグバン、一九九六年です、によります外為法の改正、自由化とどのような関連があるとお考えですか。また、金融ビッグバンは成功であったのか、それとも失敗であったのか、このことに関してお尋ねします。
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。 委員からは金融ビッグバンとの関連について、あるいはこの金融ビッグバンが成功であったのかどうか、その評価についてもお尋ねがあったところでございますけれども、いわゆる金融ビッグバンにおいては、これは財務省の所管事項でありますけれども、平成十年の外為法の改正によりまして、外為業務の自由化やあるいは資本取引の自由化が行われることによって、そして外国為替業務への自由な参入が可能となったところであります。 そして、この金融ビッグバンというのは、金融そして資本取引のグローバル化というものを背景として各国の金融市場間の競争が激化する、こうした状況の中において、東京の市場というものを国際的にも魅力のある市場にしていこう、そして外為法においても、外国為替業務というものを自由化するとともに、外国為替公認銀行制度などを廃止することになったと、こうしたことを行ってきたわけであります。 こうしたことは、利用者の視点に立って行われた金融システムの改革でありまして、このこと自体は、国際競争力のより一層の向上、あるいは市場への新たな参入者の拡大や市場の厚みの増大による東京市場の活性化を目指したものでありまして、私は必要な改革であったというふうに考えております。 このことによりまして、外国為替証拠金業者が自由に営業を行うことが可能となり、この取引も拡大をしてきたところでありますけれども、残念ながら業者によります電話や訪問による執拗な勧誘、そして説明不足、出金遅延などによるトラブルというものが急増して、そして社会問題化してきてしまったと。こうしたことを踏まえて、今回の法案において投資家保護のための所要の措置を講じたところでございます。
○大久保勉君 ありがとうございます。 私も金融自由化ということには賛成ですが、それから発生する負の側面を十分に予測し、また対策を講じていなかった、この点は問題があるとします。フリー、フェア、グローバルという考え方は、さらには自己責任という考え方には原則賛成です。しかしながら、弱者保護という視点が不十分でなかったかということが私の主張です。 私の金融ビッグバンの解釈は、諸外国に負けないような立派な道路を造り、スーパーカーをどんどん作り、物流や人の流れを活発にし、日本製のスーパーカーを増産する、そのことで産業、この場合は金融産業を育成するということです。この点は成功していると思います。しかしながら、問題は利用者や弱者を保護する観点が今日に至るまで十分ではなかったという点にあります。先ほどの比喩で申し上げますと、この道路には歩道と車道の区別がない、また速度規制、運転免許制などが課されていなかった分、ノンプロ投資家相手に為替先物業者がやりたい放題をしたということです。言わば、速度違反しても無免許運転をしても、最悪の場合、ひき逃げしてもだれも取り締まらないと、このことが問題なのです。 そこで、私はすべての金融サービスに例外なく適合性原則を盛り込んだ包括的日本版金融サービス法の制定が是非とも必要であると訴えます。伊藤金融大臣はどのようにお考えになるか、この点を質問いたします。
○国務大臣(伊藤達也君) 今、委員からは大変示唆に富んだ重要な御指摘を数々いただいたものだというふうに思っております。 利用者のニーズにこたえていくためには、自由な競争というものを促進をして、そして創意工夫の下に利用者が求めるような多様な金融商品あるいはサービスというものを提供できるような規制改革というものをしっかり行っていくということとあわせて、金融サービスというものが真に利用者たる国民の役に立つようにしていくためには、利用者保護というものをしっかり徹底していくということはとても大切なことだというふうに考えております。 金融審議会の答申、「二十一世紀を支える金融の新しい枠組みについて」も、この中で指摘をされているように、二十一世紀を支える金融の新しい枠組みとして、縦割り規制から機能別、横断的なルールに転換をしていく、こうした観点に立って金融サービス全般に関するルールの整備を進めていくことは重要であると私自身も考えているところでございまして、このような考え方に立って金融庁はこれまで既に金融商品の販売に関する法律というものを制定をして、そして金融商品を横断的に対象とする利用者保護のルールを整備するなど、機能別、横断的なルールの法制化に向けた取組を進めてきたところでございます。 また、昨年の金融審議会の第一部会の報告書におきましては、これまで投資家保護策の講じられていない投資サービスやあるいは今後新たに登場するであろう投資サービスについて、証券取引法を中心とした有効な投資家保護の在り方について検討するとともに、証券取引法の投資サービス法への改組の可能性も含めたより幅の広い投資家保護の枠組みについて中期的な課題として検討していく、このような提言をいただいたところでございます。 こうした提言を踏まえて、今回、金融審議会において外国為替証拠金取引に関する規制の在り方について報告書が取りまとめられ、そして、それを踏まえて、現在御審議をいただいている法律を提案をさせていただいたところでございます。 さらに、金融審議会においては引き続き投資サービスにおける投資家保護の在り方について検討が行われているわけでありますが、私どもといたしましては、金融審議会の検討の結果を踏まえて、機能別、横断的ルールの整備を引き続き着実に進めていくとともに、その中で、委員が御指摘をされました適合性原則の適用の範囲の拡大についても検討していくことになると考えているところでございます。
○大久保勉君 中期的に検討するということを是非とも早急にということでお願いいたします。といいますのは、金融ビッグバンが一九九六年です。それから、九八年に外為法の改正、それから六年後、六年たってやっと投資家保護になっています。明らかに遅いと私は考えております。早急に改革をしませんと、新しい商品が出てまたモグラたたきを繰り返すと、こういうことになりますので、是非とも一層の努力、お願いいたします。 次に、今回、為替に関する店頭先物取引を追加することですが、このことは、一般投資家と先物業者の合意があれば法令に反しない限りどのような商品でも取引でき、また取引条件も自由であるという理解でいいのでしょうか。この場合、レバレッジが数十倍もある商品や、百円の掛金が為替レート次第では一万円になると、いわゆる万馬券みたいな商品も自由に作れるんでしょうか。これが質問です。 また、この場合は公序良俗を守る観点から問題はないのでしょうか。また、賭博禁止法との関連で質問があります。 さらには、金融先物を利用できる顧客は、顧客の知識や経験があればだれでもいいのでしょうか。具体的には、学校法人、医療法人、その他公益法人、地方公共団体、宗教法人など、どのような団体でも問題がないのでしょうか。欧米諸国におきましては、オレンジカウンティーの事件等、いろんなデリバティブをめぐった問題が発生しております。こういった観点から金融庁に伺います。 また、賭博罪との関連に関しては、法務省に見解をお伺いいたします。 よろしくお願いします。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。 初めに、先生から、一般顧客と先物業者の合意さえあればその法令に反しない限りどのような商品でも取引ができるか、あるいは取引条件は自由であるという理解でよいのかというような御質問がございました。 外国為替証拠金取引につきましては、少ない証拠金でより大きな金額の取引が行われる、いわゆるレバレッジ効果が高いということ、あるいは取引所での取引がなくて相対での取引として行われていることなどの特徴がありますことから、ロスカットルールの義務付け、あるいは証拠金比率の下限の設定等、商品内容そのものに関する具体的な規制が必要ではないかと、そういった御意見があることは私どもも承知しております。金融審議会の報告にも同様の御意見がある旨が記述されております。 しかしながら、本法律案に定められております適合性の原則や不招請勧誘の禁止の導入等を前提といたしますと、自らの意思によって取引を行う投資家が取引にかかわることになるため、自由な取引を妨げるような規制を行うよりもむしろ業者の説明責任を明確化すべきであるという考え方に基づいて、金融審議会第一部会で報告が取りまとめられたところでございます。 したがって、この法律案では、こうした報告を踏まえまして、商品性や取引条件については基本的には特段の規制は課さないということにいたしておりますが、一方で、業者に対して契約締結前に書面を交付して説明する義務を課すとともに、当該書面において顧客が行う金融先物取引の額が預託すべき証拠金の額よりも大きいことや、通貨等の価格の変動によって顧客の損失が生じ、かつその損失額が預託した証拠金の額を上回ることにつながるおそれがあるといったことなどを記載することといたしているところでございます。 それからもう一つ、先生から御質問で、金融先物取引業ができる顧客は、顧客の知識や経験があればだれでもできるのかと、例えば学校法人、医療法人等々のそういったところに対してはどうなのかというような御質問でございます。 この改正案におきましては、取引についての十分な知識及び経験を有しない者が店頭金融先物取引を行うことによるトラブルの防止を主たる目的といたしまして、こういった者に対して店頭金融先物取引の勧誘等を行う業者に行為規制等を適用するものでございます。法人の資産運用についての法令上の制限がない場合であって、顧客の店頭金融先物取引についての知識、経験等に照らし不適当でないときには、法人の種類にかかわらず金融先物取引を行うことができるということでございます。 先生御指摘のその適合性原則というのは、顧客の知識、経験等に照らして不適当と認められる勧誘を行って顧客の保護に欠けることのないようにその業務を行わなければならないというルールのことでございますが、学校法人、医療法人、その他公益法人、地方公共団体、宗教法人などに対して勧誘が適合性原則違反になるかどうかにつきましては、それぞれの法人の知識、経験等に照らして判断されるということになると思います。 他方、一方で、それはこちらの金融先物取引法の関係でございますが、一方で、これらの法人の設立目的等にかんがみまして投資に適した商品であるか否かについては、やはり各法人の根拠法令や内部規定、あるいは商品のリスクの程度等に即して、顧客の側において御判断をすべきものというふうに考えております。
○政府参考人(河村博君) 刑法の賭博につきましては、偶然の事情に財物などをかけて、これを、その勝敗を争うと申しますか、偶然の勝敗によって財物や財産上の利益の得喪を争う行為のことをいうわけでございますが、このような行為に該当する場合でございましても、例えば正当業務行為等に当たる場合には違法性が阻却されるわけでございます。 お尋ねの点を含めまして、実際どのような場合に賭博に該当するか、あるいは社会生活上の正当な業務と申しますか、正当業務行為に当たるかにつきましては、実際収集されました証拠に基づいて判断されるべき事柄であろうと考えております。
○大久保勉君 金融庁の説明に関しまして、私の意見としましては、いわゆる学校法人の理事長が非常に投資経験もありますと、賭博好きだと、じゃ、百円出して一万円がもうかるような、いわゆる万馬券みたいな商品に手を出すと、このことが教育上どういうものかなと。いわゆる道徳的な問題とか、そういったことを指摘しまして、この質問は終わります。 次に行きますと、価格の透明性の問題です。 いわゆる複雑なオプションの商品の場合は流動性に乏しく、市場価格は不透明です。一般顧客は金融先物業者が出した価格をうのみにするしかありません。また、金融先物業者は、これらの商品をそのまま市場につながないとすれば、果たしてその価格が適正利潤を勘案して妥当なものであるのか、またそのことをだれが検証するのか、こういった疑問があります。例えば、証拠金の金額のうち五%とか一〇%がすぐに金融先物業者の懐に入るような店頭取引は違法でないのでしょうか、金融庁にお伺いします。手短にお願いします。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。 今回の改正案におきましては、不招請勧誘の禁止や適合性の原則などの規制を導入をしているということで、商品の内容について理解が十分でない顧客は、それとの取引に入らないように配慮を、一定の配慮をしてございます。 さらに、金融先物取引業者に手数料あるいはリスク等の表示を広告やその取引前の書面交付によって義務付けておりまして、これにより十分な情報開示が、提供が行われまして、各金融先物取引業者が定めた商品内容の透明性が確保できるものというふうに考えております。 こういったことから、顧客は、業者の提供する手数料も含めたサービス等を勘案して、適切な商品あるいは業者を選択することができるものと考えておりまして、こうした取引関係の中で適正な価格、手数料が決定されるものと認識しております。
○大久保勉君 私は認識が甘いと思います。いろいろ調べましたところ、為替先物業者がいわゆる一〇%以上手数料を取っていると、つまり、一千万円証拠金を出してすぐに百万円が業者の懐に入ると、こういう実態を規制し得ないという問題があるんじゃないかと思います。これを適合性の問題でくくってよろしいのか、このことに関しまして質問です。 今回、誠実公正義務、禁止行為、適合性の原則などがあり、かなり踏み込んだ内容になっていることは評価はできます。しかしながらです、誠実義務違反とか適合性の原則違反など抽象的な規制です。ですから、状況判断や違反するかしないかの審判が必要なのです。商品を売る側、つまり先物業者が自分で判断して、また利益代表である業界団体と業界監督団体である財務局に審判をさせるという構造、つまり全部売手の論理なんです。こういった構造でどうして投資家の利益を守ることができるのでしょうか。 一般投資家側に立ち、一般投資家の権利を守ってくれる官庁はどういった省庁でしょうか。伊藤金融大臣にお尋ねします。
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきます。 今回の法律の改正におきましては、外国為替証拠金取引に基づく被害の拡大を防止をすると、こうした観点から、顧客に対する誠実公正義務、そして不招請勧誘の禁止等、あるいは適合性の原則等の行為規制の拡充を図っているところであります。具体的には、顧客保護の観点から、業者に対して顧客に対する誠実かつ公正に業務を遂行する義務を課すこと、そして、一般顧客が希望しない限り電話や訪問による勧誘を禁止すること、さらに、顧客の知識、経験等に照らして不適当と認められる勧誘というものを禁止すること等の規定の整備を行っているところであります。 これらの行為規制については、業者が自らこれを遵守することが求められるとともに、仮に違反があった場合には金融庁による行政処分の対象になります。こうしたことから、会社や協会にその判断がゆだねられているということではないというふうに思います。 いずれにいたしましても、私ども金融庁といたしましては、投資家保護に支障が生じることがないように、適切な指導監督を通じて投資家の方々からの信頼と、こうしたものがしっかり確保できるように、公正、透明な金融先物市場の確立に向けて引き続き努力をしていきたいと考えております。
○大久保勉君 はい、分かりました。 この点に関して、じゃ、金融庁に関する質問です。 業者の保護、育成と投資家保護、二つの機能を金融庁は持っています。この間に利益相反はないのでしょうか。例えば、検査と監督の部局が分かれているという説明でしたら、人事交流を禁止しないといけないと私は考えます。また、情報遮断、ちゃんとしたファイアウオールが実際にあるんですか。若しくは、そのことに関してだれが検査するんですか。それが非常にあいまいということでしたら、独立した投資家のための官庁を作った方がいいんじゃないかというのが私の意見であり、また質問です。大臣にお尋ねします。
○国務大臣(伊藤達也君) お答えさしていただきます。 外国為替証拠金取引については、その実態というものにかんがみて、まず投資家保護に万全を期していくことが重要であるというふうに考えており、このため、法令にのっとって、検査・監督部局が相互に連携を図りながら厳正な対応に努めてまいりたいと考えているところであります。 金融庁の任務というものは、預金者やあるいは有価証券の投資者、こうした方々の保護を図るものでありまして、業者の育成というものを目的にしているものではありませんが、外国為替証拠金取引に関しては、投資家保護が徹底されることによって公正かつ透明な金融先物市場が形成をされる、この結果として業界及び市場の発展につながっていくものであると認識をいたしているところでございます。 したがって、投資家保護とそして業者又は市場の育成の間での利益相反が問題になるとは考えておりません。
○大久保勉君 はい、分かりました。 金融先物の例で説明したけど、これをじゃ株式市場との例で、実際は利益相反があると私は思っていまして、その観点で質問します。 最近、金融をめぐる不祥事が一杯起こっています。例えば、最近、カネボウの粉飾決算、UFJの突然の業績修正や検査忌避、西武鉄道や日本テレビの有価証券報告書訂正など、資本市場が揺れております。 そこで、西武鉄道の場合を例に取りまして質問いたします。 西武鉄道株をコクドから直接購入した三十七社の企業は、東証の上場廃止決定を受けて買戻し請求をしていることが新聞で報道されています。この取引はいろいろな問題を含んでおりますが、ここでは一般株主の権利を保護する観点から議論したいと思います。 大株主であるコクド、コクドから直接株を取得した株主、同期間に何も知らずに市場から西武株を購入した一般株主、以上三種類の投資家すべてが平等に扱われるべきだと考えますが、そのことは異存ないですね、伊藤金融大臣。
○国務大臣(伊藤達也君) 一般株主保護の観点から御質問があったわけでありますけれども、御指摘は、一般の株主については株式の買戻し等が行われずに、そしてコクドから直接株を取得した株主等に比べ十分に保護されていないのではないかと、そうした趣旨の御質問であったというふうに考えておりますが、私人間の個別の株式の購入や買戻し等の取引については、コメントすることは差し控えさせていただきたいというふうに思います。 一般論として申し上げさせていただければ、いったん売却した株式を買い戻すか否かにつきましては、これは証券取引法上特段の規定はなく、仮に有価証券の売却やあるいは有価証券報告書等の提出が民事規定上の不法行為等を構成することであれば、一般株主についての問題を含めて損害賠償請求等により解決されるべきものと考えております。
○大久保勉君 これに関連して質問します。 西武鉄道の取締役や監査役の責任に関して質問します。 つまり、一般投資家は財務諸表の内容しか情報がありません。政府の方は預金から投資へということを言われておりますから、もし一般庶民がとらの子預金を崩して株式市場に資金を回したと、株式投資をしましたと、こういった投資家が本当に保護されるんでしょうか。 株主自身が損害賠償を請求しようとしましても株主代表訴訟しかありませんし、今回のケースは、千百円で買った株、それが、投資家自身は何の瑕疵もないと、あっという間に三百五十円になりましたと、半分以下になると、こういう状況で国は貯金から投資しなさいと言えるんでしょうか。そもそも株式を投資する環境が整っていない、また経営者、監査役に対して甘いんじゃないかと、こういう意見がありますけれども、この点に関して伊藤大臣の意見を聞きたく思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 貯蓄から投資の流れを作り出していくと、これは、利用者たる国民の方々に対する選択肢というものを広げて、その中の判断として貯蓄から投資の流れが広がっていくものだというふうに考えております。 その場合に大変重要なことは、市場参加者、そして当局と利用者たる方々との情報格差というものをできる限り是正をして、そして、自己責任の下で選択が行われている環境をしっかり作り上げていくことが何よりも大切だということは委員の御指摘のとおりだというふうに考えているところであります。 こうした観点から、証券取引法の罰則については平成九年に引き上げられているわけでありまして、そして、この罰則の水準というものは、違反行為の性質やあるいは他の法令との均衡等総合的に勘案して決められてきたものだというふうに考えております。こうした処罰ということも十分しっかりやりながら、そして市場に対する公正性あるいは透明性というものを確保して、そして国民に対する、市場に対する信頼というものを向上さしていくことが非常に重要である、そうした認識に立って私どもとしてもしっかりとした対応を続けていかなければいけないというふうに考えているところでございます。
○大久保勉君 大臣の説明に関しまして、かなり抽象的ではっきり分かりませんので、もう少し具体的な例を挙げます。 これは、西武鉄道とは言いません、西武鉄道のような金融機関がありましたと。そこで、これは金融庁の管轄である金融機関で、西武鉄道のような不適切なディスクロージャーを行った取締役や監査役は忠実義務違反、そして善管注意義務違反で処罰される可能性はありますか、ありませんか。もし、悪意がなかった、知らなかったということで処罰されないということでしたら、現在の監査役制度そのものに欠陥があると私は考えますけれども、このことに関して大臣の意見を伺いたい。 また、これに関連しまして、株主の権利を守る立場から、商法の委員会設置会社の方がよりふさわしいという声があります。また、ディスクロージャーを促す立場にある東証は株式会社であるので、手数料を払ってくれる企業の経営者ばかり見ています。真に株主の立場を守り得ないという意見がありますが、監督官庁として金融庁の意見を伺いたく思います。伊藤大臣、お願いします。
○国務大臣(伊藤達也君) 二つの点について御質問がございました。 まず、前段の御質問でございますけれども、株式市場やその時価総額というものは経済情勢等様々な要因により影響を受けることから、その原因を説明することは困難であり、一般投資家の保護は証券取引法の目的であり、金融庁といたしましては、証券市場の改革促進プログラムに基づいて証券取引等監視委員会の体制そして機能の強化やディスクロージャーの充実を図るなど、着実に投資家保護のための制度整備を進めてきたところでございます。 また、仮に、先生から、委員から御質問がございましたように、金融機関が西武鉄道のようなディスクロージャーを行った場合に、その取締役や監査役が刑事罰の対象とされるべきか否かについては、これは個々の事案について異なるため、一概には言えないのではないかというふうに考えているところでございます。 さらに、監査役制度については、西武鉄道の有価証券報告書の訂正等をめぐって監査役が十分に機能しなかったのではないか、こうした御指摘があることは承知をいたしております。商法上の監査役制度については、これは所管外であり、その適否についてはコメントを差し控えさしていただきたいというふうに思いますが、金融庁といたしましては、こうした御指摘というものを踏まえて、十一月十六日に発表いたしましたディスクロージャー制度の信頼性確保に向けた対応の一つとして、内部監査の組織そして人員、手続を含むコーポレートガバナンスに係る開示の充実の在り方について金融審議会第一部会ディスクロージャー・ワーキング・グループに検討を要請したところでございまして、速やかな御審議をお願いしたいと考えているところでございます。 また、後段の御質問でございますけれども、現行商法上、株式会社の機関設計について、監査役を設置するか、あるいは委員会等設置会社とするかは、これは各企業の経営判断にゆだねられているところでございます。 また、東証は、平成十五年四月に適時開示規則において上場会社に対してコーポレートガバナンスに関する基本的考え等の開示を義務付けたほか、平成十六年三月には、コーポレートガバナンスの充実というものを目指して、上場会社のみならず、学識経験者、機関投資家等、各分野の方々の意見を踏まえ、幅広い見地から上場会社コーポレートガバナンス原則を取りまとめるなど、投資家保護を図るための努力を行っているものと承知をいたしております。また、証券取引所は、証取法上、投資家保護に資するような市場運営を行うことが求められているわけでありまして、東証においてもこのような目的に沿って適切な業務が遂行されるものと承知をいたしているところでございます。 今回の一連の不適切な事例、こうした事例が生じてしまっているということについては、証券市場に対する国民の信頼が揺らぎかねない、大変私どもとしても重大な問題意識を持っているところでございます。 したがって、この信頼性を向上していくためには、開示企業、そして監査役、そして市場開設者それぞれが努力をして、そして国民の皆様方の信頼というものをしっかり確保していくことが重要ではないか、そうした観点からも、先ほど御説明をさしていただいた対応策において市場開設者に対しても要請を行ったところでございます。
○大久保勉君 そろそろ時間が来ましたので締めに掛かりますけれども、大臣がおっしゃいましたこの部分は商法だから法務省だと、このことが縦割り行政だと思っています。ですから、是非とも伊藤大臣のリーダーシップで、投資家保護の観点から金融庁は頑張る、若しくはそれで不十分だったら独立した行政組織を作っていく。是非とも、庶民のとらの子を解約しまして株式市場に投資して間違いじゃなかったと言われる時代を作ってください。このことをお願いしまして、私の質問とします。
○広田一君 民主党・新緑風会の広田一でございます。どうかよろしくお願いします。 私は、まず金融先物取引における投資家保護についての基本的な考え方についてお伺いをしたいと思います。 まず、外国為替証拠金取引所は急速に拡大を続けております。株式会社矢野経済研究所によりますと、二〇〇〇年八十七億円の市場規模が、わずか四年後の二〇〇四年の見込みで二十三・三倍の二千二百億円に拡大をしております。一方で、直接の因果関係があるかどうかは分かりませんけれども、被害相談件数といったものも激増をいたしております。独立行政法人国民生活センターによりますと、二〇〇〇年わずか四件であったものが二〇〇三年には二百九十九・五倍の千百八十二件にも達しております。外国為替証拠金取引を含めた金融先物取引の活性化と投資家の保護というものはいかに両立させていくのかが問われています。このことについては、先ほど大久保委員との質疑応答でもあったと思います。 私自身、金融先物取引の活性化については、貯蓄から投資へ、また事前規制から事後規制へ、今回の場合は許可から登録制へということだと思いますけれども、賛成でございます。一方で、投資家保護につきましては、伊藤大臣のお言葉をかりますと、金融取引の実態に即した適切なルールの整備というお言葉がございます。これは大変聞こえのいい言葉ではございますけれども、要するに対症療法にとどまっているのではないかなというふうに思わざるを得ません。 これまでの金融行政、特に投資家保護について、先ほど大久保委員の方からも御質問ございますけれども、予防という考え方が非常に欠落していたのではないかというふうに率直に思うわけです。被害者の皆さんのこの切実な声を踏まえて、大臣、どのようにお考えになっているのか、御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 今委員からも大変重要な御指摘がなされたというふうに思っております。市場というものを活性化をさせて、そして利用者の方々が多様な選択肢というものを享受をすることができる、そうした環境を整備していくということも重要でありますし、それに合わせて投資家保護というものをしっかりやって、そして安心して選択ができるような環境を作る、そうしたことがなければ自己責任の下において金融サービスというものを利用していくことができないわけでありますから、そうした視点をしっかり持って行政の任に当たっていかなければいけないというふうに感じているところでございます。 委員からは対症療法が続いているのではないかと、こういう厳しい御指摘がございました。私どもとしても、経済、金融の環境の変化に合わせた形で二十一世紀を抱えるその金融システムというものを構築していくに当たっては、機能別、横断的なルールというものを整備をしていく、このことが大変重要であるというふうに考えておりますし、また金融審議会においても、こうした観点から今精力的に御議論をいただいて、そして投資サービスにかかわる法の整備について今具体的な御議論をいただいているところでございます。 こうした金融審議会の御議論も踏まえて、私どもとして本当に利用者重視、投資家保護に資するようなしっかりとした枠組みというものを作っていくための努力というものをこれからも続けていきたいというふうに考えているところでございます。
○広田一君 先ほど大臣の方から御答弁がございましたように、横断的な取組についても検討しているし、金融審議会においても、投資者、投資家保護について精力的な議論が重ねられているということは、私も是非ともその方向で進めていただきたいというふうに思います。 ただ、私がなぜ予防という言葉を使ったのか。物事には何でもメリット、デメリットといったものがございます。そうしたときには、やはり過去の反省に立つということも非常に大事ではないのかなというふうに思うわけです。平成十年の外為法の改正のときを振り返って、伊藤大臣は、さきの衆議院の財政金融委員会におきまして、今回のようなトラブルについてなんですけれども、今回のトラブルはその当時は起きていなかったし、またこうしたトラブルが起きることは想定していなかったというふうな趣旨の御答弁をされております。 確かに、その当時は今回の外国為替証拠金取引のような被害、トラブルといったものは、先ほど私が紹介したように発生していなかったのかもしれません。しかしながら、トラブルが起きることは想定していなかったというふうに御答弁されているんですけれども、本当にそのとおりなんでしょうか。いま一度、改めてこの点についての御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(伊藤達也君) 外為法の改正の問題については、これは財務省の所管でございますけれども、私が衆議院の委員会で答弁をさせていただいたのは、そのトラブルを想定をしなかったということではございません。現在のようなこうした実態になるということについて十分な予見ができていなかったと、そういう意味で答弁をさせていただいたところがございまして、その外国為替証拠金取引が拡大をしていく、そうした中で消費者保護について一段とした保護の枠組みを考えていかなければいけない、このことは実は金融審議会の報告書の中にも、金融審議会ではございません、その当時の審議会の報告書の中にも記載をされていたところでございます。 したがって、私どもそうした認識に立って、投資家保護をしていくために金融商品の販売に関する法律というものを制定をさせていただいて、そして機能的、横断的なルールの枠組みというものを整備をしていくための努力を続けさせていただいてきたところでございます。しかし、残念ながらその実態において、今日のようなこうしたトラブルというものが拡大をし、そして社会問題化してきていると。 そうした中で、金融庁として何ができるのかということを考えた場合に、金融審議会に御審議をお願いをして、そして金融先物取引法の中にこの問題を解決をする枠組みというものを作らさせていただいて、そのことを今先生方に御審議をいただきながらしっかりとした規制、監督の体制を作ってこうしたトラブルに対して対処をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○広田一君 ここまでの事態になることは想定していなかったということなんですけれども、ただ、今回の例えば不招請勧誘のモデルとなりましたイギリスは、十八年前の一九八六年に既に金融サービス市場法といったものを制定して、今回の改正の柱となった取組をいたしております。そう考えれば、一九九八年当時に、そういった先進国の取組ということについてやはり十分な見方というか、こういう事例があるのでやはり我が国としてもきちっとした対応を取らなければいけなかったのではないかということは、当然想定しなければいけなかった問題ではないかなというふうに思います。 大臣の先ほどの御答弁、今後のことも含めては確かにそのとおりでありますし、是非そういうふうに取り組んでいただきたいというふうに思いますけれども、やはり振り返って、実際被害者が出て大変な状況になっていることを考えたときに、このスタートのときにもっと適切な予見なり先進諸国の取組を見て対応すべきだったのではないかなというふうに振り返ってみれば思うわけなんですけれども、御見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 外国為替の自由化というのは当時の大蔵省、財務省の所管であり、その後、財金分離がされてきたわけでありますけれども、今委員の御指摘は、ある意味では省庁の縦割りの弊害に陥ってはいけないと、金融実態というものをしっかり見て、それに対する適切な対応をより一層努力をしていかなければいけないと、そういう意味も込めた厳しい御指摘であったんではないかというふうに思っております。 私どももそうした御指摘をしっかり踏まえて、そして今回このような法律の改正、そして規制の枠組みというものを御審議をお願いをしているところでございますけれども、これからも、委員が御指摘をされたように、やはり利用者というものをしっかり守っていかなければ市場の活性化というものもありませんし、市場に対する信頼というものも確立することができませんし、また、金融サービスの多様化、あるいはいろいろなサービスというものが提供されることによって、それを自由に選択をして国民の資産形成の選択肢というものが広がっていくということが経済の活性化やあるいは国民生活の向上に非常に重要なことでありますから、その基本的な部分をしっかりやっていくということは私どももこれから十分に認識をして対応していかなければいけないことだというふうに考えているところでございます。
○広田一君 よく分かりました。よろしくお願いいたします。 そういうことを踏まえまして、次に、適合性の原則についてお伺いをしたいと思います。 この点については先ほど大久保委員の方からも御質問がございました。適合性の原則とは、今回、第七十七条におきまして、金融先物取引業者は、顧客の知識、経験等に照らして不適当と認められる勧誘を行い、顧客保護に欠けることなどのないように業務を行わなければならないというふうに規定をいたしております。先ほどの大臣の御答弁のように、やはりこういう市場を活性化させるためには、局長の方からも御答弁があったんですけれども、商品そのものに規制を掛けるというよりかは、業者の方への説明責任といったものを徹底しなければいけない。そうした中でこういった適合性の原則のお話なんかが出てきているんだろうというふうに思います。 この原則は証券や商品先物に対してもあるそうでございまして、私自身、非常に日本語としては分かるんですけれども、外国為替証拠金取引の場合など、似たような類似商品の場合、具体的な内容としてはどういったことを示されているんでしょうか、説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。 先生御指摘のように、この法律の七十七条で適合性原則が書かれております。御指摘のように、顧客の知識、経験等に照らして不適当と認められる勧誘を行って、顧客の保護に欠けることとなること等のないように業務を行わなければならないということでございます。 具体的にこういう場合はこうというのは、かなり個々のケースで異なってくると思います。したがいまして、その一つ一つの具体例について申し上げることはできないと思いますけれども、いずれにいたしましても、こういった原則を掲げることにより、かつ不適切な取引があった場合にはいろいろな形で行政上の処分ができるという形になっておりまして、そういった観点から私どももしっかり検査・監督を行っていくと、そういった形でこの適合性の原則の実効性の確保に取り組んでいきたいというふうに思っております。
○広田一君 そのような御答弁だろうというふうに思いましたんで、実は、具体的に聞いてもよく分からないということで、私の事務所が、秘書の方が実際に、自分は素人ですということで独立系の業者に問い合わせをいたしました。三つほど例があるんですけれども、皆さんのお考えになっている適合性の原則に照らして、個々のケースなんでちょっとお答えをいただきたいんですけれども、例えばA社、資本金六千万円なんですけれども、説明によりますと、ポンドは上下変動が大きいのでやめた方がいいと、豪州のドルが安定しているのでお勧めであるというふうなした中で、リスクについて全く説明がございませんでした。これは適合性の原則に照らしていかがなんでしょうか。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。 個別のお話ですのでなかなかお答えしにくいんですが、一つは、そのやり取りを伺っていた限りでは、どれだけ説明をしたかという、いわゆる説明義務の問題があると思います。リスクに関して正確に説明をしているのかという問題がありまして、そこが議論になるかというふうに思われます。
○広田一君 ちょっと、そのリスクについて説明がなかったんで、多分これは適合性の原則に照らすと違反になるのではないかなというふうに考えます。 次は、資本金三千万円の会社なんですけれども、これは非常に懇切丁寧に商品については説明があったそうです。しかし、具体的にはまた追い証金が必要になるといったマイナス面、リスクについても説明がありました。しかし、最後に、これは大塚先生にお聞きしたいんですけれども、日銀の介入があるんで今がチャンス、必ずもうかるというふうな説明があったそうです。今がお買い得というふうな説明で非常に勧められたそうなんですけれども、これは適合性の原則に照らしてどうなんでしょうか。
○政府参考人(増井喜一郎君) 具体的な御指摘でなかなかお答えしにくいんでございますが、今のやり取り、お伺いをした限りでは、今の最後の方に言わばいわゆるお買い得ですよというか、かなり断定的な表現を使っている可能性があろうかと思います。 いずれにしても、今の例は私ども、その行為規制の中で業者がこういったことをしてはいけないという規制の今回条文が入っておりますけれども、その中に、断定的な判断に基づいて勧誘をするということはしてはいけないという規定がございまして、そちらの方に引っ掛かるという可能性があるということだと思います。
○広田一君 個々にちょっと聞いてみたんですけれども、金融審議会の方においても、ある委員さんがおっしゃるには、この適合性の原則を徹底すれば問題は起こらないというふうにおっしゃっております。 確かに理屈としてはそのとおりなんですけれども、しかしその適合性の原則そのものを現実として徹底することがかなり難しいのではないか。先ほどの個々にちょっと御答弁もらっても、非常にこれを個々にいろいろ判断しながら適合性の原則、つまりそのもの自体が徹底させることというのは非常に難しいんじゃないかなというふうに考えております。 けれども、しかしながら、今回このように条文として盛り込んだわけでございますけれども、先ほど大久保委員の方から質問がありましたが、金融庁としてこの原則の徹底を図るために具体的にどう取り組まれているのか、本音で本当にこれを徹底できるとお考えになっているのか、併せてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、適合性原則というのは、具体的にどういうふうにそれを適用しているかという問題については確かにいろんな点まだ未成熟な部分がございます。 したがって、今回、一つは、そういった観点も含めまして、いわゆる不招請勧誘の禁止というような、そういった規定を設けて、ある意味でとても初めから顧客の知識、経験に照らしてこういった取引が不適当と思われるような方々に対していきなり電話だとか訪問といったことで勧誘をしてはいけないというようなことを、そういった規定を設けているわけでございます。 一方で、それじゃそういったことも含めて具体的にどういうふうにその実効性を確保していくのかということでございますが、これはやはり、先ほどもちょっと申し上げましたが、基本的には私どももこういった規定を設けた上で、それを実効性を確保するためには適切な検査あるいは監督を行っていくということがやはり基本ではないかというふうに思います。 したがいまして、私どももこういった観点から金融庁の機構・定員要求をさせていただいておりますし、さらに、そういった要求が認められれば、そういった体制の下でしっかりとした検査・監督を行っていくというふうに努力をしたいというふうに思っております。
○広田一君 是非、しっかりとした検査、取組をお願いしたいと思います。 次に、先ほどの局長の御答弁の中で不招請勧誘のお話がございましたんで、禁止行為についてお伺いをしたいと思います。 これは、第七十六条に勧誘の要請をしていない一般顧客に対して訪問又は電話による勧誘をすることなどを禁止するというふうにあります。いわゆるこの不招請勧誘の禁止規定が日本において初めて導入されるわけでございます。その意味で、この条文といいますのは今回の改正の目玉でもあります。 まず、この不招請勧誘禁止の規定はイギリスの金融サービス市場法などをモデルとしていると思いますけれども、参考までに、イギリス、アメリカ、香港、類似の規制を行っていると思いますけれども、その抑止効果についてどう分析されているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。 先生御指摘のように、今回の不招請勧誘につきましては、各国で、今先生が御指摘のございましたイギリス等ほかの国でも既に、いろいろ形はちょっと少しずつ違うわけでございますけれども、導入をされてきております。特にイギリスでは、その価格の変動の激しい商品について、顧客の要求に基づかない電話あるいは訪問勧誘を禁止をしているということでございまして、我が国でも今回そういった同様の規制を導入することといたしております。 現実に各国でそれがどういうふうに機能しているかというのは、正直に申し上げまして私どもも正確なことは分かりません。しかしながら、こういった形の規定があるということで不適切な取引が回避されているという部分は当然あると思っておりまして、そういった観点から私ども今回こういう規定を設けたわけでございます。
○広田一君 局長、各国の抑止効果が分からないけれども、あるだろうから今回規定したというのは非常に御説明としてよく分からないし、説得力がないと思うんですけれども、本当にそんな分析に基づいて今回の目玉の規制というものをやってもよろしいんでしょうか。私は、そうではなしに、海外においてもこの規定を導入することによってこれだけの効果があったと、だから今このように被害者が続発している日本においても効果があるんだというふうな御説明でなければ、この条文の意味自体がなくなるんじゃないでしょうか。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。 先生の御指摘もごもっともなところがございますが、なかなかこれ、例えば定量的になかなかこれを示すことが難しいと思いますし、そういう研究があるかというと、私どもちょっとそういったもの、今手元にございません。 ただ、いずれにしても、私どももちろん海外の制度というのは非常に大事だと思っておりますが、やはりなぜこういったその規定を設けたかというと、現在、発生しているこの外国為替証拠金取引に関するトラブルというのが電話だとかあるいは戸別訪問による勧誘に端を発しているという実態がございます。しかも、先ほど申し上げましたが、そういった方々、一般の方々に、知識、経験のない一般の方々にそういうことをしているということで、結局その取引を希望しない消費者がこういったトラブルに巻き込まれるという状況があるわけでございますから、そういった状況をかんがみますと、やはりこういった不招請勧誘の規定というのはどうしても必要であろうと、そういう観点から今回こういう御提案を申し上げているわけでございます。
○広田一君 是非、先進国の取組についても分析されて、より良い、日本に合った制度にしていただくように要請をしていきたいというふうに思います。 この点についてもう一点お伺いしたいんですけれども、先ほど言いましたように、この改正というものは今法律案の目玉の一つであります。そうなりますと、アナウンス効果を含めまして実効性を確保しなければいけないというふうに考えます。そのためには、禁止行為違反に対する処置は厳格にしなければいけないと考えます。 しかしながら、この禁止行為違反に対しては、第八十六条において業務改善命令が、第八十七条一項三号に登録の取消し又は一部停止というようないわゆる行政処分といったものがあるんですけれども、罰則は存在をいたしておりません。これはどうしてなのか、御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(増井喜一郎君) 御指摘のように、この不招請勧誘につきましては罰則規定はございません。しかしながら、今先生御指摘のように、仮にこういった行為があった場合には、私ども行政上の処分ができます。しかも、行政上の処分ができて、それが改善されないという場合、いわゆる業務改善命令を出すわけでございますが、それを改善されてないという場合にはそれなりの罰則が用意されております。 したがいまして、そういう意味では、直接罰則の規定はございませんが、監督上の措置によってそういった禁止行為に対する実効性が確保できるというふうに考えております。
○広田一君 これは考え方なんですけれども、私は是非合わせ技でやっていただきたいなというふうに思います。 考えてみますと、悪徳業者の度重なる執拗な勧誘や電話によって老後の生活設計をめちゃくちゃにされた被害者の方が実際に存在するわけでございます。こういったことを考えますと、やはり政治の責任として、分かりやすくかつ厳しい対応といったものが求められるんじゃないかなというふうに考えます。 この外国為替証拠金取引といったものがこれほど急速に増加したのは、訪問や電話での勧誘ということではなしに、それ自体が非常に拡大をするような力を持っていたと。こういうふうなことからも、やはりここに対して厳しい罰則をしたからといって市場が萎縮したり副作用が出るとは思えませんので、私はここは伊藤大臣に政治家としての所見をお伺いしたいんですけれども、やはり罰則規定を設けて、この点に関して政府としての確固としたメッセージを出すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) 更に規制を強化をして罰則規定も盛り込むべきではないかという委員の御指摘がございました。 これは、様々な金融をめぐる取引あるいは市場があるわけでありまして、その全体のバランスを考えた上で規制、監督体系というものを作り上げていく必要があるんではないかというふうに思います。そうした観点から、今回、罰則規定は設けずに、規制、監督の中でしっかりとした実効性を確保していくということをこの法律の中で明記をさせていただいたところでございます。 いずれにいたしましても、非常に重要なことは、その実効性というものをしっかり確保していく、そのためにそれにふさわしい検査あるいは監督を行っていくということでありますし、また、今回の枠組みの中でいわゆる質の低い業者、こういう方々がトラブルを起こしている現状があるわけでありますから、そういう業者の方々がこうした取引ができないような環境を作り上げていって、そして、先ほど委員からも御指摘がございますように、適合性原則というものを遵守をしていく、そうした環境をしっかり作り上げていくことが非常に重要なことではないかというふうに思っております。 そうした認識の中で、私どももしっかり対応していかなければなりませんので、今後、適切な検査・監督を行っていきたいと考えているところでございます。
○広田一君 時間がちょっとなくなってまいりましたので、次に移らさせていただきたいと思います。 登録制度についてお伺いをしたいと思いますが、私自身は民間企業でサラリーマンやってきたときには許認可の担当部署に在籍をいたしておりました。そのつたない経験からも、やはり日本の行政はもっと規制を緩和すべきだというふうに考えておりますので、今回の許可から登録へという流れについては賛成でございます。 しかしながら、なぜ許可から登録になったのか、国民の皆さんに納得できる説明がまだ十分ないのではないかなというふうには一方でも感じるわけでございます。この点について、衆議院の財政金融委員会の議論を見てみますと、金融審議会第一部会の報告で登録制の方が適当であろうという答申があったという旨の御答弁が登録制に移行する理由の一つとして挙げられているわけでございますけれども、しかし、その基になった審議会の議事録をめくってみましても、この許可から登録へというふうなところについてはほとんどその是非も含めて議論をされている形跡がございません。 また、部会長さんも、登録以上の規制を求める意見に対して、次のように答えております。政府全体として、こういう新しい規制を導入するときのやり方についてのルールみたいなもの、方針がございますので、この時点でこれ以上というのは困難というか、ほとんど不可能と言っていいということで、これは登録ありきで審議がされていたんじゃないかなというふうに考えるわけでございますので、いま一度、なぜ許可から登録へというふうなことと、またあわせて、登録拒否要件について、今回、これは経済的基盤が弱く経営破綻の可能性の高い業者の参入を抑制することが一つの目的だと思うんですけれども、第五十九条二項、三項の規定にある最低資本金と純財産額について、それぞれ一体どれぐらいの金額を予定されているのか、併せてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(増井喜一郎君) 先生御指摘のとおり、今回の外為証拠金業者を含む店頭金融先物取引業者につきましては登録制ということが適当であるということで金融審議会の報告書をいただいております。 これにつきましては、私どもといたしましては、基本的に、例えばこれまで平成九年の金融システム改革において免許制であった証券会社を登録制にした。これは、事後監視型行政への転換への流れということ、そういった流れを踏まえてそういったことを変更いたしたわけでございますが、こういった元々流れがあった。こういった流れと、それから今回の金融先物取引業者とその証券会社との類似性、あるいは現在の金融先物取引法における許可制の実情、あるいは店頭取引と取引所取引のバランスとを踏まえた場合に、今回、金融先物取引業者全体を登録制にするといったことが報告の趣旨に合うというふうに考えて、そうしたわけでございます。 それから、もう一つは財産規制のお話でございますですね。 財産規制のお話でございますが、こちらの方は、先生御指摘のように、最低資本金、資本の額、あるいは純資産額につきまして、それを満たさない法人を登録拒否要件といたしております。これにつきましては、今年の四月に証券会社や投資一任業者の最低資本金が一億円から五千万円に引き下げられているといったこと、さらに、今回の法改正によりまして別途自己資本規制というのが課されるということで、今回は五千万円ということも視野に入れまして、今後十分に検討を行いたいというふうに考えております。
○委員長(浅尾慶一郎君) 広田一君、時間が参っていますので、簡潔にお願いします。
○広田一君 はい。 もう時間が参りました。この後ちょっと登録拒否要件の具体的中身とかカバー取引等について議論したかったんですけれども、冒頭申し上げたように、是非、金融先物市場の活性化と投資家保護、これが両立するように更に邁進していただきますように心からお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。 同僚議員の質問と重なるところも多いかと思いますけれども、二十分の時間内でお伺いしたいと思います。 まず、外国為替証拠金取引を行う専業会社とかあるいは独立系の会社と言われるような業者がおるわけでありますが、必ずしも会社組織であるかどうかもよく分からないわけでありますが、そういう主体が現在どれくらいの数があるのか。年々増えてきていると、こう言われております。また、その中で、刑事事件で摘発された例、これは事件としてどういう類型があるのか、そしてそれぞれの数、具体的な社名、これらを把握されているのかどうか、この点まず伺います。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。 外国為替証拠金取引につきましては、現在、先生御承知のように規制の対象になっておらないという状況もございます。したがいまして、監督官庁もないということで、業界の現状については必ずしも明らかでない部分がございます。ただ、民間のシンクタンクの調査によりますと、証券会社、商品先物会社等を含みます外国為替証拠金取引の業者といたしましては約百五十社、これは二〇〇四年七月現在でございますが、把握されておりまして、このうち八十社が専業の、専業会社とされております。いわゆる独立系の会社ということでございます。しかしながら、これらの数値はあくまでも把握された業者数に基づくものでございまして、実際にはこれを大きく上回る業者が存在するというふうに言われております。 また、刑事事件となった外国為替証拠金取引につきましては、監督官庁もないために摘発された類型あるいは件数等については詳細には把握をしておりませんが、例えば平成十五年の十月に架空の外国為替証拠金取引の投資話で顧客から資金をだまし取ったとして、取引業者でありますファーストクラブが家宅捜索をされまして、容疑者が翌年の六月から八月にかけて逮捕されたということは承知しております。
○山口那津男君 所管する責任がどこの役所にもないということでありますから、実態を把握しろといっても無理な話ではあるわけでありますけれども、しかしまた金融庁がその実態をよく分からずして規制の法律を作るということもおかしな話なんですね。ですから、これはあらゆる手段を尽くしてその実態をまず正確に把握した上で、これからの規制の在り方や実効性の確保ということを図っていかなければならないと、こう思います。 続いて、その民間の名立たる機関が調査をしたという報告があるわけでありますけれども、その中で指摘されているのは、市場規模やその口座の数、これらについて把握されている会社にヒアリングを試みたと。対象の会社の半分程度しか回答を寄せていない、あとの半分は全く回答なしということでありまして、このような民間の調査でさえこのような現状であるということを金融庁としてどのように受け止めていらっしゃるか。 私は、この業界自体に不透明な体質が元々あると、こう言わざるを得ないと思うわけでありますが、その御認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。 今委員から御指摘がございましたように、民間の市場調査、これにおけるそのヒアリングの調査対象者のうち、半分程度しか回答がなかったという御指摘がございました。このことからも、その外国為替証拠金取引の実態については不透明な部分があるという御指摘がございます。国民生活センター等の相談内容を見ると、外国為替証拠金取引をめぐるトラブルの主な原因というのは、業者の執拗な勧誘あるいは断定的判断の提供、説明不足、そして無断売買等の不公正な取引、決済後のトラブル等であるとされているところでございます。 私どもとしましては、こうした実態を踏まえて、そして今回の法改正によりまして、これまでの規制の対象外であった業者に対し、新たな監督官庁への登録を求め規制の対象とすることで、その実態を的確に把握するとともに、行為規制や、あるいは最低資本金規制や自己資本規制比率の導入等、財務規制を整備することといたしたところでございます。 改正法の施行後は、業者に対する適切な指導監督を行い、そして投資家による信頼された公正、透明な金融先物市場の確立に向けて努力をしてまいりたいと考えております。
○山口那津男君 是非、その透明化に努力すると同時に、投資家に対する適切な情報の提供、これを図っていただきたいと思います。 次に、この外国為替証拠金取引のシステム自体がもう観念的には賭博行為であると、こういう指摘があります。 民事事件でありますが、札幌地裁等の判決では、例外的に法律で許容されない限りは違法性も阻却されないと、こういう趣旨の判示もあるわけであります。また、こうした取引は詐欺的な勧誘を誘発する仕掛けを元々内在させていると、こういう指摘もあるわけです。 先ほどの御答弁にもありましたように、現に詐欺罪で摘発されている案件もあるわけでありまして、これらの取引の持つ様々な問題点について、金融庁としてどのように認識をされておりますか。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。 先ほど法務省からも御答弁ございましたが、賭博に当たるかどうかという問題もございます。外国為替証拠金取引というのは、賭博の構成要件に該当し得るが正当業務行為に該当する場合には違法性が阻却されると、そういうふうに考えられてきておるわけでございます。 それで、先生御指摘のように、札幌地裁で、この外国為替取引の実行がない場合における外国為替証拠金取引が賭博であると指摘する裁判例があるということも私どもも承知しております。ただ、これは今も先生が御指摘ございましたように、これは民事裁判のものでございまして、直ちに外国為替証拠金取引が賭博罪に該当するというふうに判断するということはなかなかできない、というか、そういうことはできないというふうに考えております。 いずれにいたしましても、不適切な取引があるということで今回こういった新たな規制を含んだ法律改正をお願いをしておりますので、そういう観点からも、いずれにいたしましても、適切に対応しなければならないというふうに思っております。 ただ、もう一つ今の話の関連で申し上げますと、今回の改正では顧客に相対取引であることを気付かせずに市場への取次ぎを装うといった詐欺的勧誘というのがあり得るわけでございますが、こういったことに対応するために、金融先物取引業者に取引態様の事前明示義務を課しているところでございます。これは具体的には、金融先物取引業者はその委託者等に対して自分が相手方となるのか、又は媒介、取次ぎ若しくは代理となるのかということを明らかにしなければならないというふうな規定になっておりまして、こういったことを義務付けることによってその詐欺的な勧誘の防止にもつながるのではないかというふうに考えております。
○山口那津男君 先ほど法務省の答弁もあったわけでありますけれども、一般論としては、具体的な賭博罪に当たるかどうかというのは個々の案件ごとに判断していかなければなりません。しかし、この行為そのものは賭博行為の類型に当たると、そしてそれが個々の法律で正当業務行為として認知されることによって初めて違法性が阻却されると、やはりこういう構造になっているんだろうと思うんですね。今回の法案も、この外国為替証拠金取引が言わば正当業務行為として要件を満たせば違法性は阻却されるということになるんだろうと思います。 ですから、それ以外の行為は言わば賭博行為の一般的な類型に当たるということは免れないわけでありまして、その点の消費者といいますか一般投資家に対する認知というものをきちんと教育していく必要があるだろうと、こう思います。 さて、次に伺いますけれども、施行日が来年の七月一日からと予定されております。そして、登録については施行後六か月以内ということになりますから、最終の登録締切りまであと一年以上あるということになるわけですね。登録要件をクリアできない、あるいは元々クリアする気のない、そういう業者もいるだろうと思います。そうしますと、この一年以上の期間でこれらの業者はどのような行動を取ると見込んでいらっしゃるでしょうか。現に、もう参入している業者はお客がいるわけですね。それを短期間で登録をしないという決断をすれば清算をしていかなければならない。そうすると、そこに新たな被害が拡大するというおそれだってあろうかと思います。 少なくとも、この期間、法規制が及ばないわけでありますから、言わば野放し状態は一年以上放置されるということになりまして、俗な言葉で言えば、一年間稼ぎどきだと、今のうちだと、こういうことにもなりかねないわけでありまして、その被害の歯止めあるいは救済の方法ということも併せてこれは法施行に伴って配意しなければならないところだと思いますが、大臣はこの点どう見込み、かつどう対応するおつもりでしょうか。
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。 今、委員から御紹介がございましたように、今回の法改正については、平成十七年の七月一日からの施行を予定をいたしておりまして、また施行日から六か月間、六か月の登録猶予期間というものを設けさせていただいているところでございます。 こうした期間の中に稼ぎどきだということで被害が拡大をしていく、そのことを防止をしていかなければいけないということは私どもとしても深く認識をしているところでございまして、そのためにも大切なことは、広く国民の方々に、今回のこの法の枠組みあるいはこの商品の問題について周知をしていくということが非常に重要なことではないかというふうに考えているところでございます。 一方で、その施行日前の業者の行為について、法律に基づき規制をするということは、これは困難なことでありますので、私どもといたしましては、ホームページやあるいは政府広報を活用するほか国民生活センター、こうした政府系機関とも十分連携をして、そして改正法律の内容を広く一般の方々に周知をし、少しでも多くの投資家の方々が被害に遭わないよう、その防止のために努めていきたいと考えております。
○山口那津男君 現状が先行して後追いで法律を整備するというアプローチの一つの問題点が今の御答弁にも表れている。つまり、被害を抑制する、抑えるというのは手段がないわけですよね。だから、情報を提供し自己責任を促すと、こういうことしかないと言っているにすぎないわけでありまして、この点、これからどうあるべきか考え直さなければいけないと思います。 さて、そこで現状でも、取引を装った詐欺的行為がはびこっている現状であります。現に摘発された事件もあるということであります。ですから、こういう業者からすれば、その法律、本法が成立、施行されたからといって、果たして本当にこういうアウトローを抑止できるのかどうかと。この法規制のらち外に置かれる業者といいますか、そういう主体というものは相変わらずいるんではないかと、それをどう抑止できるかと、この点の認識をお尋ねしたいと思います。
○副大臣(七条明君) この点につきまして、私の方からお答えさせていただきますけれども、先ほど先生、取引を装った詐欺行為と、こういうことでございましたから、本法案においては登録を受けずに金融先物取引業を行った者と、こういうふうに考えられると思いますけれども、その場合には罰則規定がございます。そして、これは百四十九条でございますけれども、金融庁としては、仮に無登録で金融先物取引業務を行う事例が出てまいった場合は、これは捜査当局に情報を提供するなどして適切に対応していかなければならないと、こういうふうに考えておるところでございます。
○山口那津男君 消費者からすれば登録しているかどうか一々確かめることができるかどうか、この点も懸念があります。現に、証拠金を取り込んでしまえば後は野となれ山となれということもあるわけですから、依然としてこういう懸念というのは払拭できないと私は思います。 それと、今回、不招請勧誘の禁止という新たな制度が盛り込まれたと、これは外国の制度に倣ったということでありますが、これが日本の社会の現状で本当に実効的に機能するかどうかというのは疑問であります。まず、罰則というのがないわけですね、段階的な規制にとどまるわけですね。仮に罰則があったとしても、この招請があったかなかったかというのは一体だれが立証するんでしょうか。書面や形式的な手続が招請を立証する要件として課されれば別でありますけれども、しかしそういうもののない中で、言葉や電話であったなかったという争いになったときに、一体どう最終的に判断するんでしょうか。 そういうこともはっきりしない中で、こういう制度を入れましたといっても、悪質な業者にとってはほとんど意味がないと、こう言っても過言ではないと思うんでありますが、この点いかがお考えですか。
○副大臣(七条明君) いろいろこれからどういうふうに対処していくかという一つの問題はたくさんあろうと思いますし、先ほど大臣からも御答弁させていただいたところがありますけれども、無登録業者に対する告発をやるのかやらないのかとか、そういうことも含めて考えてみますと、これらを一つの事案の中で悪質性があるかどうか、あるいはもう一つは金融庁として金融行政の目的遂行に対して確保、それができているかどうか、あるいは一般国民及び私的、私的企業の処罰を求めることの重大性をきちっとクリアしているかどうかと、こういうような三つのことをきちっとこれから考えてみまして、個別の具体的な事例に対応してまいらなければならないと、一般論でございますけれども、そういうふうにお答えさせていただきたいと思います。
○山口那津男君 私は、この実施の状況を見た上で、いずれは立証しやすい要件をくっ付けた上で罰則を付けるということも検討すべきだと思いますので、是非念頭に置いていただきたいと思います。 さて、先ほどから後追いで規制するというのは被害を拡大するばかりで犠牲は取り戻せないと、こういう指摘がなされております。特に、この高齢者等に被害の集中しやすいところ、ここを保護、救済できる包括的な法整備というのが私は必要だろうと思うんであります。先ほど、大臣から、審議会等で中期的な展望でそうした横断的な、包括的な規制の仕組みを検討していると、こういうお話でありました。 しかし、この業界、特に悪質な人たちにとっては、これから団塊の世代がリタイアをするに当たって言わば余裕の資金ができると、そこがねらいどころと、こう見ていることもあるだろうと思います。現に、相談の件数というのは六十歳代に集中しておりまして、七十や八十、九十代の人たちにも被害が、相談があるということでありますから、やはりその現役世代よりもそういう資金の余裕があるところがねらわれやすい。そして、これは日本の社会の特徴でもあろうかと思いますけれども、要するに高齢者は寂しいんですね。ですから、為替の取引がどうかなんてことを知らずとも、話し相手が欲しいわけです。そこにやみ金の付け入る余地もあり、おれおれ詐欺の付け入る余地もあり、またこういった金融商品の取引の付け込む余地もあるというところであろうかと思います。 ですから、こういう点で、中期的なというのんびりしたことを言ってないで、やはり早急なこの法整備、新たな法整備を実現さしていただきたいと思いますが、大臣の認識と御決意を伺います。
○国務大臣(伊藤達也君) 委員からも高齢者に被害が集中をしていると、高齢者の方々が一生懸命働かれて作り上げてきた財産が一瞬のうちになくなってしまうと、そういう被害があってはいけないと。それに対して、後追いではないしっかりとした対応をしていかなければいけないと、大変重要な御指摘をいただいたというふうに思っております。 先ほど来、私からもお話をさせていただいておりますように、やはり二十一世紀を支える金融の新しい枠組みとしては、縦割り規制から機能別、横断的なルールに転換をしていくということが非常に重要でありますし、こうした視点に立って金融サービスに関するルールの整備を進めていくということは重要なことだというふうに思っております。 金融審議会においても、今精力的に御議論をいただいているところでございますが、今後の議論に当たっては、投資サービスの範囲、定義方法、そして業規制の横断化、柔軟化、市場監視機能・体制の強化、そして集団投資スキーム、資産運用をめぐる法制の再整理といった論点を柱として検討を進めていかれるというふうに承知をいたしておりますし、また、今後のスケジュールについては、来年の春ごろを目途に基本的な考え方を取りまとめられるというふうに承知をいたしているところでございますので、こうした金融審議会の議論というものを踏まえて、そして高齢者のみならず、すべての投資家の保護に資するような機能別、横断的ルールの整備を着実に進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○山口那津男君 終わります。
○大門実紀史君 大門でございます。我が党もこの法案については賛成でございます。 投資家保護については、もう既に様々な角度から、各委員からかなり的確な御指摘がございましたんで、重複を避けてお聞きします。 一つは、今ございました登録要件の最低資本金についてですけれども、先ほど五千万に引下げも視野に入れてという答弁ありましたけれども、私、このケースの場合ですね、外国為替証拠金取引という店頭取引、相対取引を規制対象にするわけですから、かなりリスクの高い、専門性も要求される取引に対するものでございますんで、資本金の在り方そのものについても言えば、証券会社、通常最低資本金五千万ですけれども、有価証券店頭デリバティブの場合は、最低資本金十億円となっています。つまり、リスクの高いものは、専門性の高いものはやっぱり資本金も高くしているわけですね。こういうときに、わざわざ一億円を五千万に引き下げるべきではないということを、これはもう答弁同じだと思いますんで、強く意見として申し上げた上で、二点お聞きしたいというふうに思います。 一つは、不招請勧誘の関係ですけれども、今実際、いろんな被害が起きていますけれども、商品先物業者の常套手段の一つとして、著名人を呼んで、あるいは元大臣を呼んだりして経済セミナーをやる、あるいは株式投資セミナーをやって集めておいて、そこに集めておいて、終わってから個別にそのセミナーとは関係ない先物の商品を勧めると、これはかなり横行しております。本法案では電話と訪問による勧誘禁止するだけですので、これらの手口は取り締まることができないというふうに思いますけれども、これは今後の課題としてでも結構なんですけれども、今後こういう手口にどう対処していくのか、この点、一点お聞きしたいと思いますが、続けてもう一点もお聞きします。 適合性原則の関係ですけれども、今回これを初めて法定化されるわけですけれども、その際に考慮されるのは、顧客の知識、経験、財産、この三つだというふうにされておりますけれども、金融審議会ではこの三つに加えて投資目的も入れるべきじゃないかと。つまり、お客さんの方の投資目的に合わせて商品をお勧めすると、これも加えるべきではないかという意見がありました。この点は非常にお年寄りなんかの場合重要になると思いますけれども、これも今後どういうふうに考えていくのか。 この二点について大臣の方から簡潔に御答弁いただければと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。 本法案におきましては、第七十六条第四号で不招請勧誘の禁止の規定を盛り込んだところでございますけれども、これは勧誘の要請をしていない一般顧客に対する訪問又は電話による勧誘を禁止しているものでありまして、委員御指摘のセミナー等で株式など、外国為替証拠金取引以外の商品の話を聞くために集まった投資家に対して外国為替証拠金取引の勧誘を行うことが直ちにこの不招請勧誘の禁止の規定に違反する行為とはならないと考えられるところであります。 しかしながら、そのような場合であっても、顧客の知識、経験等に照らして不適当と認められる勧誘を行い顧客保護に欠けること等のないように業務が行わなければならないとする適合性の原則や、あるいは契約を締結しない旨の意思表示等を行った顧客に対し勧誘を継続することを禁止した規定の適用を受けることになるわけでありますので、投資家保護上の必要な処置は本法律案に盛り込まれているものと認識をしているところでございます。 しかし、委員から御指摘がございましたように、その運用でしっかり実効性を確保していかなければいけないわけでありますので、御指摘の点も含めて今後の外国為替証拠金取引業者を厳正に監督をしてまいりたいというふうに考えております。
○大門実紀史君 よろしくお願いいたします。 あとはもう重複するので、次のテーマを取り上げさせていただきたいと思います。 前回取り上げました大手町合同庁舎跡地問題のこの前の続きをやらせていただきます。 問題の本質は、国民の財産である国有地、大手町合同庁舎跡地が、日本経団連、日経新聞社、JAなど一部の団体企業に随意契約で払い下げられる、それを種地にしてこれらの団体が自社ビルの建て替えをどんどんやる、容積率の倍加で大変大きな利益を生む。しかも、それを随契で売却してあげるために都市再生本部が国家プロジェクトのお墨付きを与えるとか、あるいはこんな中身で民間に随契で払い下げたということになると社会的批判を浴びかねないということで、都市再生機構に買わせて、その再生機構をトンネルにして民間の事業会社大手町開発に売却する仕掛けを作ったという点をこの前御指摘をさせていただきました。 国民の国有財産がこんなことで安売りされて、あの手この手でそれを政府が応援すると、こんなこと許されていいのかということと、売却時期が二月延期ということで迫っておりますので、今日どうしても取り上げさせていただきます。 〔委員長退席、理事平野達男君着席〕 この跡地を随意契約で売却することは、今年六月十八日の、お手元に議事録用意いたしましたが、国有財産関東地方審議会で既に承認をされております。この審議会の承認がなければ、事実上随意契約でこれだけの規模のものを売却することができません。私はどうしてこんな案件が六月十八日の審議会ですんなり通ったのか不思議でございます。 いろいろ調べてみました。まず、この審議時間そのものもわずかな時間で行われております。あいさつ、報告除きますと、実質的な質疑というのはたった十五分と。会長がいいですかと言ったら、だれが言ったか分かりませんけれども、異議なしということで、わずかな時間で決定されていると。私は、有識者の委員が、委員の方の名簿も付けてありますけれども、これらの方が十分理解された上で決定されたのか、もう大変、大いに疑問でございます。 重要なのは、問われるべきは、当局の説明が事実に基づいて適正に短い時間でも行われたかどうかということでございますけれども、まず事実関係でいきますと、この開かれた六月十八日の前日、十七日に大手町まちづくり推進会議が開催されています。この大手町まちづくり推進会議というのは、実際に事業を行う大手町開発、これは地元の民間企業や団体が出資している事業を行うところですね、それと都市再生機構、東京都、千代田区が参加している推進会議ですけれども、この四者が合意しなければ事業は進みません。ところが、十七日の会議では千代田区が、これも資料を付けてありますけれども、この事業については、公平性、公正、透明性の確保、あるいはまちづくり事業会社の在り方、事業スキームについて議論が足りないという異論を呈されて、基本合意を拒否されております。前日に拒否されています。 〔理事平野達男君退席、委員長着席〕 この事業というのは、考えてみますと、都市計画を決めるのは千代田区ですから、千代田区が拒否すればこの事業はできません。事業ができなければ都市再生機構は買えません。随契の相手が買えないということが分かっている段階で、先に審議会で売却を決定すると、今までにない異常なことがこの日に決められています。どうしてこの段階で売却を決められるのかと。 あるいはそもそもは、スケジュール的に、プログラム的にいきますと、十七日に合意してもらって十八日の審議会にかけようということだったわけですね。ところが、前日、千代田区が拒否したので番狂わせが起きたと。だったらば、十八日にこの案件をかけるのを延期すべきだったというのが普通だと、そうするべきなんですけれども、この審議会にかけられました。しかも、この千代田区が前日拒否したということを諮問委員の方に一切説明せずに、何も説明せずに案件を承認させています。これはおかしいんではないですか、理財局。
○政府参考人(牧野治郎君) お答えをさせていただきます。 まず、経緯から申し上げますと、平成十六年の三月三十日、大手町まちづくり推進会議で、東京都、これには千代田区も入りまして……
○大門実紀史君 経緯はいいです。
○政府参考人(牧野治郎君) いやいや、千代田区も入りまして、そして夏を目途に本件跡地を公団に売却してほしいという申出がございました。これを受けまして、都市基盤整備公団から十六年の五月三十一日に関東財務局に対して売払い要望書が出されまして、それを受けまして、我々としましては十六年の六月の十八日に関東国有財産地方審議会をセットしたわけでございます。そういう大きな流れがまずあるということを申し上げておきたいと思います。 それから、先生今おっしゃられましたように、十八日の前日、基本合意を結ぶ際に千代田区が参加されなかったことは私ども承知しております。ただ、その大手町まちづくり推進会議の取りまとめ役、座長をしております東京都から、基本合意を、千代田区抜きで基本合意をするに当たって、国有財産の売却の手続を進めることは区長も、千代田区の区長も了解を得たと、そういうふうに理解しているという御発言がございました。それから、都市再生本部の事務局からも私どもに、その事業で一番主導的な役割を果たす東京都が賛同しているんだと、したがって事業の実施の可能性については問題がないということを私どもに伝えてきております。 そういったもろもろの事情を勘案して、私どもはそのとおり手続を進めたということでございます。
○大門実紀史君 おかしいんですよね。東京都が賛同したら事業できません、だけではできませんよ、千代田区が都市計画をやるんですからね。しかも、それだったらば、なぜ諮問委員の方に、今日の時点では千代田区は基本合意拒否しておりますけれども後で了解を取り付けるつもりでございますと、全体の説明をなぜしなかったんですか。なぜ黙っていたんですか。
○政府参考人(牧野治郎君) お答えをいたします。 繰り返しになって恐縮でございますが、我々は、その事業の実施の可能性がやはり一番問題なわけであるのは間違いございませんが、さっき申し上げましたように、東京都が国有財産の手続を進めることについて千代田区長も了解しているんだという発言があったんです。ですから、土地の譲渡について、譲渡について千代田区が反対されているわけではないというように我々は理解したわけでございます。 それから、都市再生本部の事務局からも、東京都が賛同しているということを踏まえれば、事業の実施の可能性に問題はないというように都市再生本部も言っていたわけでございます。したがって、我々は手続を進めたということでございます。
○大門実紀史君 だから、諮問、審議会でしょう、何で諮問委員の方に黙っているんですかと聞いているんですよ。何で黙っていたんですか。それだけ答えてください。
○政府参考人(牧野治郎君) ですから、答えは同じになるんですが、千代田区も土地の譲渡には反対してないということがあるわけですから、あえて説明する必要はなかったと考えた次第です。
○大門実紀史君 時間がないから、同じことだったら立たないでください。 審議会の在り方として大変まずいと申し上げているわけです。あなたが勝手に判断して、諮問委員の方に何も言わないでいることがまずいと言っているんです。こんなやり方やってきたんですか、あの審議会というのは。大事な国民の財産を売る審議会でこんなやり方やっていたんですか。事務局だけが了解していればいい、皆さんだけが了解していれば諮問委員の人は知らなくていい、後で言えばいいんだと、そんなやり方やってきたんですか。 もう一つ、おかしいんです。ここで豊岡課長が、要するにこれは民間会社に対して随契のトンネルとならないように担保しなきゃいけないということをおっしゃっていますね。その中で、こんなことをおっしゃっています。資料の中で強調しておきましたけれども、この認定事業になりますと、直接国がこの事業会社に随意契約で売ることもできますと。つまり、トンネルだという批判を受けないために、都市再生機構入らなくても、そもそも認定業者になると、民間都市再生事業の認定業者になったら直接売れるんだと。だから、トンネルと言われる筋合いはないんだということをおっしゃって、諮問委員の方に説明をされています。 私はこれ、そもそもトンネルだからね、いろんなことをやったってトンネルだと思うんですけれども、皆さんは、そういうことで諮問委員の方に、社会的批判を浴びないですよ、大丈夫ですよということを説得されております。 ところが、これはおかしいんですね。随契については理財局通達、平成十三年十月二十九日の理財局通達で細かく決められています。その中に、民間都市再生事業の計画の認定事業者になったら譲渡してもいいなんてことはどこにも書いておりません。どこにも書いてないです。つまり、その通達以外のこと、もしそうするならば財務大臣と別途協議しなければならない、そして決裁を受けなければならないはずです、この時点で、こうやってはっきりおっしゃっていますけれども、決裁は受けられたんですか。これは、随契の対象になるということははっきりしていたんですか。
○政府参考人(牧野治郎君) この民間都市再生計画の事業者、事業計画の認定事業者というのは、国土交通大臣の監督も受けまして、極めてそういう意味では公共性の強い事業者になります。かつ、この事業者が都市再開発事業も行うわけでございます。 したがいまして、そういったことを考え合わせますと公益的な性格が非常に強いということで、先生おっしゃいました包括的な通達ではございませんが、そもそものその予決令に基づいてこれは随契適格があるというように我々は判断をいたしました。
○大門実紀史君 決裁済んだのかと聞いている。
○政府参考人(牧野治郎君) 決裁は、この審議会というのはあくまで処分する側が、処分するための手続の、処分する前段階といいますか、処分を行うことを了解いただくための審議会ですから、その審議会が終わって審議会の了解が得られた後に国庫大臣である主計局と協議をするということになっているわけでございます。
○大門実紀史君 ですから、この時点では決裁を受けておられなかったということですね、今おっしゃったのは。 ところが、ここではっきりおっしゃっているでしょう、この認定事業者になったら売れるんだと。これは決裁を受けなきゃ言えないことですよ。大臣と協議して決裁を受けなきゃ言えないことをおっしゃっているわけですよ。これから受けるんだったら、これから決裁を受けますけれどもと、その場合には売ることもできますと。ここは違うでしょう、文脈からいって。諮問委員の方々に、これはトンネルだと社会的批判を後から浴びないように、いろいろ説明して、しかも認定業者になったら売れるんだ、トンネルどころか直接売れるんだと、そういう説明をされているわけですよね。だから、決裁を受けてないということは確かですね。そこだけ確認、もう一遍してください。
○政府参考人(牧野治郎君) 先ほど申し上げましたが、この審議会はあくまで処分する側のその正当性といいますか、それを審議会で御審議いただくわけでございますから、我々の処分する側として、この民間都市再生事業計画の認定事業者になれば随意契約の適格対象になるという判断を持っていたということを申し上げただけで、別に主計局の了解を得る必要があるというようには思っておりません。
○大門実紀史君 そうしたら、なぜ諮問委員の方にそういう言い方しないんですか。そういうふうに、後で、みんな後でやることだ、それも了解してくださいと、事前ですけれども、ここは処分する側の委員会ですので了解してくださいとなぜオープンに全部言われないんですか。こういう何か諮問委員の方、短い時間で納得させるために、ざっと事実や背景隠しているじゃないですか。言うべきことを言ってないでしょう。説明責任果たしてないでしょう、諮問委員の方に。そこでわずか十五分で、いいですかと言って異議なしと決められちゃっているんですよ。これ、こんなやり方いつもやっているわけですか、この国有財産審議会。 ですから、さっきの千代田区のことも、千代田区のことでいえば、説明すべき重要なことも説明しないでいる。今回の今申し上げたこの認定事業者のことはあたかももう決まったことであるかのように、私から言わせりゃ、これ、うそをついて安心させているようなことありますけれどもね。事実を、まだ決まってないことを決まったかのように説明をしていると。私は、こんなことで諮問委員会で決議されたのを答申されたということになると、私は、これ諮問委員の方々、そんなこととは知らなかったという話になると思いますよ。もう一度審議会に差し戻すべきじゃないですか、この案件。説明してないでしょう、ちゃんといろんなことを。
○政府参考人(牧野治郎君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、この審議会が管理、処分する側のその立場での審議会であって、主計局の了解を得てからやるような性格のものではないと。ほかの案件もそのようにしておりますし、そういったことは審議会の先生方も当然御存じでございますから、そのことをあえてこの場で申し上げなかったからといって、この手続に瑕疵があったというようには私ども思っておりません。 したがいまして、これをもう一回審議会にかけるということは考えておりません。
○大門実紀史君 私、諮問委員の方にお聞きしてもいいですけれども、今ここで言われてないことを全部御存じだったんですか。諮問委員の方は既に御存じだから省略してしゃべられたんですか。確認してください。
○政府参考人(牧野治郎君) いや、ですから、この審議会は、管理、処分する側の立場で随契適格であるかあるいは売却していいかというのを審議していただく審議会ですから、従来から別に主計局との合意を得て、それからこの審議会に付議しているわけではございません。
○大門実紀史君 だから、聞いたことに、時間ないから聞いたことにちゃんと答えてくれます。あなたは、ここでいろいろ背景とか私が言った事実関係隠しているんじゃないかと言っても、それはもう諮問委員の方は十分御承知だとさっきおっしゃったから、承知なわけですね。全部御承知なわけね、諮問委員の方。千代田区のことも、前日に千代田区が受けたことも、そしてこの民間認定業者もまだなっていないということも、まだなっていないじゃない、まだ大臣の決裁が下りてないということも諮問委員の方は御承知なわけですね、そうしたら。
○政府参考人(牧野治郎君) お答えいたします。 繰り返しになって恐縮でございますが、この審議会が、主計局といいますか、国庫大臣との協議が調った後でやるものではないということは審議会の委員の先生方は御承知だと思います。それから、千代田区が反対したことを御存じかということであれば、さっき申し上げたように、東京都からも、千代田区長は反対していないんだと、土地の譲渡自体についてはというお話がございましたから、あえてその基本計画に千代田区が参画しなかったということは御説明しておりません。
○大門実紀史君 じゃ、千代田区については諮問委員の方は知らないまま決裁させられたと。民間の再生事業の認定業者になることは当然大臣との協議が必要だということは諮問委員の方は御存じだったということですね。それはいいですね。はい。 じゃ、それは私、確認いたします。前回と今回のこの委員会の議事録、諮問委員の方に私の方からお送りします。その上で、私は諮問委員の方の良識を信じますよ。こんなことで何千億もの国有財産が……
○委員長(浅尾慶一郎君) 大門君、時間が参っていますので、簡潔にお願いします。
○大門実紀史君 はい。何千億もの国有財産が売却されていいのかという点を問いたいと思いますし、これは再度審議、諮問委員会に再度審議すべきだと。それで、このまま強行されるならばこれは重大な問題になりますよ。 それと、第三部もあるということを予告して、質問を終わりたいと思います。
○糸数慶子君 無所属の糸数です。お伺いいたします。 金融先物取引法の一部を改正する法律案について、投資家保護の立場から御質問させていただきます。 まず、フォレックスジャパン問題に対する金融庁の認識についてお伺いいたします。 これ、金融庁の資料の中にも出ておりますが、沖縄県の那覇市に本社を置く外国為替証拠金取引仲介業者が約五千人からおよそ二百億円もの証拠金を集めて、そのうち百二十五億円が回収不能となりまして、二〇〇四年、那覇地裁から破産宣告を受けています。この負債総額が百五十二億円、百五十二億九千三百万円。それから、債権者の総数ですが五千百十二名、これ半数が沖縄県民であります。 この事件は国側の主導した規制緩和により被害が拡大した典型例だと思いますが、この事件について、伊藤金融大臣の認識をまずお伺いいたします。
○国務大臣(伊藤達也君) お答えをさせていただきます。 御指摘のフォレックスジャパンは外国為替証拠金取引の仲介業者でありまして、平成十五年十一月に営業を停止し、その結果として顧客資産の一部が回収困難となったと報道されているものと承知をいたしているところでございます。 金融庁といたしましては、このような外国為替証拠金取引をめぐるトラブルの拡大を受けて、当該取引を金融商品販売法の対象となるよう施行令を改正するなど、その対応を行ってきたところでございますが、引き続き、当該取引につきましては新たな規制、監督の枠組みを作るべく、現在法案の審議をお願いをし、早期の成立をお願いをさせていただいているところでございます。 今後、その施行に当たっては、実効性を確保し、そして外国為替証拠金取引業者に対する厳正な指導監督というものを行ってまいりたいと考えております。
○糸数慶子君 今お話ございましたが、実はこのフォレックスジャパン問題の経過といいますか、これを簡単に説明をいたしますと、昨年の十一月に突然フォレックスジャパン社が投資家を集めておっしゃったことが、その投資家に対して、皆様が資産運用を委託している台湾の外国為替取引業者、これユニライン社というふうに言っておりますが、そこが倒産して資産の回収が不可能になったと、で、仲介業者として謝罪をしたわけですね。ところが、この時点でこのフォレックスジャパン側は、投資家の数が約五千人、そして先ほども申しましたが投資された額が約二百億円、このうちの百五十二億円が回収不能ということで説明をいたしております。 投資家にとってはそれは大変な事態に陥ったわけですが、ある意味、これは結果的には事は簡単な経緯をたどりまして、台湾の外国為替取引業ユニライン社の実態がつかめないまま、外国為替証拠金取引仲介業のフォレックスジャパン社が破産を申し立てて破産宣告を受けるわけですが、これが今年の四月のことです。 ですから、この間にユニライン社から約二十一億円が返還されておりますけれども、最終的には、これはフォレックスジャパン社側の破産管財人が債権者数三千百十六人と認定して、大体金額として債権総額が八十億五千万円、このうちの約一億五千万円が返済をされるというふうになっておりますが、これが九月末のこの債権者集会でのことなんですね。 この経過の中で、金融庁として本当にどこに問題があったというふうに考えていらっしゃるのか、伊藤大臣に対してもこの問題の御指摘ですね、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤達也君) 今委員からフォレックスジャパンについての具体的な今日までの経緯について御説明があったわけでありますけれども、今回私どもがこの法案の改正をお願いをさせていただいておりますのも、やはり今委員からお話がございましたように、トラブルが起きる数々の原因の中に、しっかりとした財産的基礎を有していないと、したがって、今委員からも約百五十億円近い回収困難があるという御指摘があったわけでありますけれども、その財産的基礎を有して、そしてしっかりとした説明責任を果たしながら健全な市場というものを育成していけるようにふさわしいような業者というものが参入をして、そして投資者に対するトラブルというものを防止をしていく、そうした枠組み、規制、監督体系というものを作っていかなければいけないと、そういう問題意識の中で今回の法改正というものをお願いをさせていただいている次第でございます。 私どもといたしましては、一刻も早くこの法律というものを成立をさせていただいて、そして法の施行の準備に当たらさしていただいて、その実効性を確保しながら、こうしたトラブルというものを防止をしていくためにしっかりとした規制、監督というものを行っていきたいと考えているところでございます。
○糸数慶子君 今の答弁でも、実はこれ、実態の解明というか、それがとても不透明でありまして、このユニライン社とそれからフォレックスジャパン社の、これが本当に資産の運用がなされたかどうか、それが実態の解明ができないという状況であります。 こういう問題で、今沖縄の方では、実はこのフォレックスジャパン社の問題で投資家救済のための組織ができました。これ、沖縄弁護士会の有志会で被害者対策弁護団が結成されておりまして、この救済の会では、台湾の捜査当局に対して詐欺や横領、それから背任などの捜査でお願いをしているようですが、実際にはこの被害者対策弁護団も、それから、フォレックスジャパン社の役員個人への損害賠償を求めていますが、せいぜいこの程度しか実はこの件に関しては手が打てないという状態です。 ですから、被害者を出さない予防という面で、国民に対して徹底した広報、それから素人が金融の先物取引にもう手を出すなというくらいの広報の強化をお願いしたいわけですが、これは法律を改正しても関係する業者が注意するだけで、国民には本当に知れ渡るかどうか疑問でございます。 これ、先ほどもありましたが、平成十五年の五月の札幌の事件であったり、あるいは平成十五年の十月の福岡の事件であったり、かかわっている投資家、被害を受けた投資家の中には、高齢者であったり主婦であったり、中には障害者もいらっしゃるという現実がございまして、やはり問題点は国民への広報をどうするかということだと思うんですね。それに関して再度、大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(伊藤達也君) 今、委員からも被害の防止に当たっては広報活動が非常に重要である、そのことをしっかりやっていかなければいけないという御指摘をいただき、私どももそういう問題意識を持って今日までも広報活動を行ってきたところであります。 また、今般の法改正を契機として、ホームページを充実をし、そして政府広報、さらには国民生活センター等の関係機関とも連携をして、そして改正法律の内容等を広く一般の方々に周知徹底することによって、少しでも多くの投資者の被害防止に努めていきたいと考えております。
○糸数慶子君 この問題から学ぶべき点というのは多々あるわけですが、今回のこの法案の一部改正に当たってこれらの点が生かされていくかというと、甚だ不満が残ります。つまり、政府は、許可制から登録制にして規制を強めるとか、あるいは勧誘規制を整備するとか、情報を開示するとかおっしゃっておりますけれども、これ抜本的な問題の解決になるのかどうか、本当に疑問が残ります。 そこで、この金融先物取引に関するセーフティーネットについてですが、今回のこの法の改正によって、顧客の資産と金融先物取引業者のその資産について分離管理することが義務付けられることになりますが、しかし、分離管理されている顧客資産の返還までのタイムラグや、それからその不測の事故等により万一、顧客資産が円滑に返還されない場合も考えることができるわけです。これを備えた制度として、例えば証券取引法には投資者保護基金制度が整備されておりますが、すべての証券会社に加入が義務付けられておりますけれども、今回のこの金融先物取引法においてもこうした制度が必要と考えますけれども、今回のこの改正案に盛り込まれなかった理由と今後の整備の見通しについてお伺いいたします。
○政府参考人(増井喜一郎君) お答え申し上げます。 今、先生御指摘のいわゆるセーフティーネットでございますけれども、業者が経営破綻等の事態に至った結果、その顧客資産の分別保管の状況の不備などによって顧客資産を円滑に返還できなくなった場合に、当該業者に代わって顧客資産の返還を行うことを目的とするものでございます。ただ、金融先物取引業者につきましては、まず第一に、今回、先ほど来御説明をいたしておりますように、不招請勧誘の禁止あるいは適合性の原則などの厳格な規制を導入をしているといったことから、一般の顧客がその理解が十分でないような取引に入るということのないような一定のその配慮があると、そういった関係から、顧客がその分別保管の方法などの取引について知識のある者が多い場合が多いと考えております。 したがって、そのニーズに合った分別保管を行っている業者を顧客の方が選択するというふうに考えられること、さらに、証券取引法におきましても、有価証券店頭デリバティブ取引などの専門性の高い取引については投資者保護基金の補償対象にもなっていないといった状況もありますので、今法案におきましては、そういった意味でのセーフティーネットの整備までは必要がないというふうに判断をいたした次第でございます。
○糸数慶子君 今、実際にこのセーフティーネットを講じていただくということは、これまでのこの被害者の数あるいはその金額などからいたしまして、本当に投資家のきちんとした対応策がなされていないという実態が出ているわけでして、それに関しましては、こういうセーフティーネットを講じても投資家が被害を受けるケースは完全に排除できないということがあるわけです。 ですから、被害者のこの救済策、非常に重要であると考えるわけでして、被害者にとって被害額は最小限にとどめて、できるだけ早く解決する必要があると思うわけです。ましてや、この司法の場での訴訟は長期にわたることが多く、実際にこの弁護士費用も負担になるわけで、現在、そういう件に関しては各業界団体は苦情や紛争解決支援のその窓口を設置などしておりますけれども、それは設置が業界別であったり、そもそも業界活動を行う団体であったりして、被害者の立場に立ったものではないというふうに考えます。 こうしたことから、これから先、中立かつ統一的な、そして行政型の第三者仲裁機関を設置して金融被害者の早期救済を図るべきだと考えますが、大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(伊藤達也君) 今委員からその統一的、包括的な裁判外紛争処理制度の創設についてお尋ねがあったわけでありますけれども、この点につきましては、平成十二年、金融審議会第一部会ホールセール・リーテイルに関するワーキンググループの報告におきまして、既存の裁判外紛争処理機関との関係をどのように整理をしていくか、あるいは統一的、包括的制度の設立に際してはその主体や費用というものをどうしていくのか、さらには業態型機関のメリットである専門性というものをいかに確保していくかと、こうした問題が指摘され、導入の是非については意見の一致には至らなかったところがございます。 他方、同ワーキンググループの議論においては、金融分野における統一的、包括的な裁判外紛争処理機関を設置することのメリットは少なくなく、中長期的には一つの理想形として評価すべきとされていた事実もございます。今後、検討されるべき課題であるというふうに考えておりますが、現時点においては、金融分野における各種自主規制機関、業界団体を中心とする金融トラブル連絡協議会を中心として自主的な苦情・紛争解決手続の整備が進められておりまして、また、弁護士仲裁センター等との連携も試みられているところでございます。そして、司法制度改革の観点からは、裁判外紛争処理手段の拡充、活性化が進められていると。こうしたことをかんがみますと、行政が主導する形で統一的、包括的な裁判外紛争処理機関を設置することは慎重に検討されるべきものではないかと考えているところでございます。 なお、金融庁といたしましては、金融サービス利用者からの相談等に一元的に対応していくために、今後、金融サービス利用相談室というものを金融庁の中に設置をしていきたいというふうに考えておりまして、所要の予算要求を十七年度の概算要求に盛り込むなど、機構・定員要求を行っているところでございます。
○糸数慶子君 ありがとうございました。ただいま御答弁にございましたけれども、金融被害者の早期救済を図るべく、きちんとその予算を取って対応していただくということでございました。よろしくお願いいたします。 時間が参りましたので、ほかにも通告ありましたが、以上で終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(浅尾慶一郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 金融先物取引法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、若林君から発言を求められておりますので、これを許します。若林秀樹君。
○若林秀樹君 私は、ただいま可決されました金融先物取引法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び日本共産党並びに各派に属しない議員糸数慶子君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 金融先物取引法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。 一 外国為替証拠金取引の規制に当たっては、業界の健全な育成に十分配意するとともに、悪質な業者に対しては厳格な措置を講ずることにより、被害の発生・拡大の防止に全力を挙げること。 一 金融先物取引業を許可制から登録制に変更するに当たっては、金融先物取引をめぐる新たな被害が発生することのないよう、厳格に対応すること。 一 外国為替証拠金取引の規制に当たっては、同取引の特徴やこれまでの被害の実態にかんがみ、適合性原則の遵守や不招請勧誘の禁止等の行為規制の実効性の確保に努めること。また、新たな投資サービスの登場に伴い、投資家保護の充実の必要性が一段と高まっていることを踏まえ、金融サービス法等の機能別・横断的な考え方に立った投資家保護法制の整備について引き続き検討すること。 一 投資家保護法制の整備に向けた検討に併せて、金融・資本市場における公正な取引を確保する観点から、米国の証券取引委員会(SEC)を含む諸外国の事例等も参考に、引き続き市場監視機能の強化等について検討すること。また、市場監視体制全体としての実効性・効率性を確保するよう、厳正な対応を可能とする体制整備を図るとともに、自主規制機関との役割分担等についての方針等を明確化すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(浅尾慶一郎君) ただいま若林君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 全会一致と認めます。よって、若林君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、伊藤内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。伊藤内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(伊藤達也君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましては御趣旨を踏まえまして十分検討したいと存じます。
○委員長(浅尾慶一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 租税特別措置法の一部を改正する法律案及び貸金業の規制等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 提出者衆議院財務金融委員長金田英行君から趣旨説明を聴取いたします。金田財務金融委員長。
○衆議院議員(金田英行君) ただいま議題となりました両案につきまして、提案の趣旨及びその概要を御説明申し上げます。 まず、租税特別措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案は、去る二十四日、衆議院財務金融委員会において全会一致をもって起草、提出したものでありまして、個人のする政治活動に関する寄附を引き続き促進するため、個人が政治活動に関する寄附を行った場合の寄附金控除の特例又は所得税額の特別控除の期限を平成二十一年十二月三十一日まで延長するものであります。 なお、本案による国税の減収額は、平年度において約四十八億円と見込まれますので、本案の提出を決定するに際しましては、内閣の意見を聴取いたしました。 以上が本案の提案の趣旨とその概要でございます。 次に、貸金業の規制等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案も、去る二十四日、衆議院財務金融委員会において全会一致をもって起草、提出したものでありまして、近年、貸金業を営む者により、債務者等の公的給付を貸付けの契約に基づく債権の弁済に充てるため、当該公的給付が払い込まれる預金又は貯金の口座に係る預金通帳等を保管する等の行為が行われ、多数の公的給付の受給権者が生活に困窮している状況にかんがみ、このような行為についての処罰規定を整備すること等により、公的給付の受給権の保護等を図るため、次の措置を講ずるものであります。 第一に、広告・勧誘に当たって禁止される行為を追加し、貸金業者は、公的な年金、手当等の受給者の借入意欲をそそるような表示又は説明をしてはならないこととしております。 第二に、貸金業を営む者は、貸付けの契約について、債務者等の公的給付を債権の弁済に充てるため、当該公的給付が払い込まれる預金又は貯金の口座に係る預金通帳等の引渡し若しくは提供を求め、又はこれらを保管してはならないこととし、これに違反した者について、一年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科することとしております。 第三に、この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行することとしております。 以上が本案の提案の趣旨とその概要であります。 何とぞ速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(浅尾慶一郎君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより両案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、租税特別措置法の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、貸金業の規制等に関する法律の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、若林君から発言を求められておりますので、これを許します。若林秀樹君。
○若林秀樹君 私は、ただいま可決されました貸金業の規制等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び日本共産党並びに各派に属しない議員糸数慶子君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 貸金業の規制等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。 一 国民生活金融公庫、沖縄振興開発金融公庫及び独立行政法人福祉医療機構の行う年金・恩給等を担保とする貸付事業については、利用者の利便性に配慮するとともに無理のない返済となるよう考慮した運用に努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(浅尾慶一郎君) ただいま若林君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 全会一致と認めます。よって、若林君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、伊藤内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、これを許します。伊藤内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(伊藤達也君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。
○委員長(浅尾慶一郎君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 平成十六年に被災した自動車に係る自動車重量税の還付の特例に関する法律案を議題といたします。 発議者津田弥太郎君から趣旨説明を聴取いたします。津田弥太郎君。
○委員以外の議員(津田弥太郎君) ただいま議題となりました平成十六年に被災した自動車に係る自動車重量税の還付の特例に関する法律案につきまして、民主党・新緑風会の発議者を代表して、提案の理由とその内容を御説明申し上げます。 本年、平成十六年は、風水害、震災等の災害が多発し、新潟、福島を襲った七・一三水害、全国を横断した台風二十三号、そして新潟県中越地震を含め、自然災害による死者・行方不明者は十一月二十六日現在で二百七十二人に達しています。 そのような悲惨な災害では、同時に、住宅、家財道具など多くの財産にも甚大な被害が生じました。自動車もその例外ではありません。試算によりますと、本年に発生した自然災害により、水没あるいは土砂の下敷きなどにより修理不能となって廃車を余儀なくされた自動車は十万台を超えるとされています。 自動車を廃車にする際、自賠責保険料につきましては車検の残存期間に応じて還付が行われますが、自動車重量税につきましては、購入した自動車がディーラーにあり、まだ所有者に引き渡されていない場合を除いては一切還付が行われません。東京など大都市は鉄道網が発達しておりますが、地方に行きますと自動車は通勤や日常生活の足としてなくてはならない存在です。やむなく被災者の多くは新たに自動車を購入することになりますが、その場合にも自動車重量税を満額支払うこととなります。 こうした取扱いは、税の徴収側の視点に立てば別ですが、被災者の視点に立つ場合は、予期せぬ天災により廃車を余儀なくされ、ほかにも生活全般に大きな被害が生じている中で、自動車重量税の言わば二重払いを課せられることは感情面でも納得し難く、また経済的にも過酷な負担です。 しかも、来年、平成十七年一月一日から、いわゆる自動車リサイクル法の施行に伴い、使用済自動車については廃車の理由を問わず車検の残存期間に応じた自動車重量税の還付が行われることとなります。現状では、多くの被災者が、この還付制度の実施を目前に控えながら、その適用を受けることができずに一円の還付もされないということになり、一層大きな不公平が生じてまいります。このような状況にかんがみ、本年に発生した災害により自動車の廃車を余儀なくされた者に自動車重量税の還付を行うことが被災者支援として是非とも必要な施策と信ずるところです。 次に、この法律案の内容について申し上げます。 第一に、被災自動車について、平成十六年一月一日以後に発生した災害による被害を受けたことにより使用の廃止がされた自動車であって、同年十二月三十一日までに使用済自動車としての引渡しがなされ、又は滅失したもののうち、災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律第八条第一項に規定する被災自動車以外のものと定義することとしております。 第二に、自動車検査証に記載された有効期間の満了する日前に使用の廃止がされた被災自動車については、納付された自動車重量税の額に相当する金額のうち、政令で定めるところにより計算した金額を当該被災自動車の所有者に還付することとしております。 ただし、還付金の還付を受けようとする被災自動車の所有者が、当該被災自動車の処理に関し、廃棄物の処理及び清掃に関する法律又は特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律の規定に違反しているときは、この限りでないこととしております。 第三に、この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。 被災者は、現在、必死になって生活の立て直しを図るべく懸命の努力を続けています。政治がそうした被災者の目線に立って機動的に後押しをする。冬の到来を間近に控え、被災者の心にわずかではあるもののともしびをともす。そのことが何よりも大切と確信しています。 今回の新潟県中越地震に関して新潟県がまとめた要望書におきましても、本法律案の内容の、被災した自動車に係る自動車重量税の還付の特例は、速やかな対応をお願いしたい事項に明記をされております。 何とぞ、御審議の上、党派を超えて一日も早く本法律案の成立が図られますことを切にお願い申し上げます。
○委員長(浅尾慶一郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 午後一時まで休憩いたします。 午後零時二十三分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。 財政及び金融等に関する調査のうち、金融、証券市場をめぐる諸問題に関する件を議題といたします。 本日は、本件の調査のため、参考人としてまずシティバンク、エヌ・エイ在日支店チーフ・エグゼクティブ・オフィサー兼東京支店長ダグラス・L・ピーターソン君に御出席をいただいております。なお、通訳は池田薫君及び加藤紀子君のお二人にお願いしております。 この際、参考人にごあいさつを申し上げます。 参考人におかれましては、御多忙のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。 本委員会におきましては、財政及び金融等に関する調査を進めておりますが、本日は特に参考人から金融、証券市場をめぐる諸問題に関する件について御意見を伺うことになっておりますので、よろしくお願いいたします。 これより参考人に対する質疑に入ります。 質疑時間が限られておりますので、簡潔に御答弁いただくようお願い申し上げます。また、発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おき願いたいと存じます。 なお、参考人及び質疑者ともに御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、質疑のある方は順次御発言を願います。
○舛添要一君 自由民主党の舛添要一です。 九月にシティバンク東京支店が金融庁から厳しい処分を受けました。これは重大な法令違反と不適切な取引慣行ということでありますけれども、こういう不正をあなたのところの従業員が法律違反だということを知ってやっていたのか、それとも知っていなかったのか、どうなんですか。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) ありがとうございます。皆様、こんにちは。 まず、冒頭に当たりまして、まず私、自己紹介をさせていただきます。 私、ダグラス・L・ピーターソンと申しまして、シティバンク、エヌ・エイ在日支店チーフ・エグゼクティブ・オフィサー兼東京支店長を務めている者であります。本日、この委員会にて皆様方と御一緒し、フランクにかつオープンに討議できること、とてもうれしく思っております。 さて、シティバンクでございますけれども、日本のプライベートバンク部門の閉鎖を最近命令されました。日本のマーケットというのは、弊行としてもう百年以上にもわたって操業してきたマーケットでございます。 この機会を御利用させていただきまして、まずシティバンクがこの日本において問題を起こしてしまったということ、そして特に日本におけるプライベートバンク部門が問題を起こしてしまったということについて心よりおわび申し上げます。 本件につきましては、私ども、深刻に重く受け止めておりまして、今回のシティバンク在日支店の新しいCEOを任命を受けまして、私の仕事は正にこの問題に対処していくことだと思っております。 FSA、金融庁に対しましても是正計画などを出しており、それに基づいて真摯に今後コミットをし、誠実に実施していくつもりであります。また、業務改善計画についても誠心誠意実施していくつもりでございますし、日本の法令をきっちりと遵守し、またシティ内の、その行内の手続にも十分合致した形でいろいろと活動を起こすことにより、日本の方々の信頼をまた取り戻していきたいと思っております。
○舛添要一君 先ほどの私の質問にお答えください。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) はい、具体的に御質問にお答えをさせていただきます。 多分、私どもの組織の中に、特にプライベートバンク部門につきましては基本的な組織上の欠陥があったんだというふうに我々も思っております。 例えば、カルチャー的に脆弱性が高いものがあったということであり、法令遵守ですとか内部管理の面で弱かった面があるのではないかというふうに思っております。また、部署によりましては問題意識が脆弱であった、若しくはトレーニング、研修自体も十分ではなかったといったような面もあったかと思いますし、行員の一部においてはポジションをつかさどるにおいて間違った情報に基づいて行動してしまったといったようなことがあると思います。また、どうしても営業人といたしまして余りにもアグレッシブに商売をし過ぎたということで、特にこういった行員というのはやはり出来高に応じて給与をもらっているという事情もありますので、たとえしっかりとしたルールが設定されていたとしても、そのルールについて余り注目せずに営業活動に走ってしまったといったような面もあったかと思います。
○舛添要一君 コンプライアンスのマニュアルを全行員に配置してありましたか。そして、そのコンプライアンスのマニュアルどおりに仕事をやるということを監督するコンプライアンス監督部門というのはちゃんと機能していたんですか。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) シティグループ内におきまして、特にシティバンク在日支店内におきましてすべての行員はビジネスマニュアルというものを配付されており、その中に様々な守るべきコンプライアンスポリシーというものがカバーされております。また、それに加えまして、行動規範と称するより一般的な行動を規範するような規律が入っている文書も配付しているところでありまして、具体的にその人がつかさどっている業務に応じてその分野に適用されるルール、どのように守らなくてはいけないかといったようなマニュアルが用意されております。 ですから、各行員はそれぞれシティグループ全体に適用されるこのコード・オブ・コンダクト、プラス自らの業務に直接関係するところのコンプライアンス関連の手続ですとかマニュアルを配付されております。
○舛添要一君 問題は、そのマニュアルを配付されていても守らなければしようがないんで、先ほどおっしゃったように、アグレッシブなビジネスをやることに、つまりプロフィットを上げることに、利益を上げることに全力を集中して、会社全体としてコンプライアンスを守らせる体制がしっかりできていなかったと思いますが、その点反省なさっていますか。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) はい、是非この質問に対してコメントさせていただきます。 これは非常に重要な、文化の面に即した問題でありますので、私どもにとってもとても重要な問題であるというふうに受け止めております。 先ほども申し上げましたように、私たちの当時における業務においてコンプライアンスを守らなかったということで問題が生じてしまったわけであります。そして、コンプライアンス、法令遵守というのは、そもそもはフロントラインの、実際にお客様と接するところから行員が問題意識を持ってスタートされる手続でありまして、コンプライアンスの問題意識を十分持って、最初から実施していかなくてはいけないものであります。そして、お客様を公平に取り扱うということも重要であるということ。それから、それに付随して、独立する形でコンプライアンスがしっかりとできるような構造、ストラクチャーを持つことが必要なわけです。すなわち、その現場、現場でちゃんと法令遵守が行われているのか、独立した立場からそれを評価すると、見ていくといったような構造も必要なことであるというふうに思いまして、非常に重要なことだと思っております。 今回、いろんなその犯した間違いから教訓を学ぶことができましたし、その問題の根幹的な原因を見ることによって、やはりいろいろなことを学ばさせていただきました。業務改善命令ですとかまた是正措置ですとか、これから真摯に実行してまいります。そのために必要な行員の研修ですとか行いますし、問題意識を深く植え付けるということも更に心を入れてやっていき、今後似たような問題が二度と再発しないように努力していくつもりであります。 私ももう個人的にも全面的にこれにコミットしておりまして、シティグループ全体といたしまして、シティグループのみならず、特に日本の場面において適用されるようなコンプライアンスですとか、またその他内部管理手続なども含めてしっかりと今後やっていきたいというふうに思っております。
○舛添要一君 次に、顧客に対するハイリスク商品への十分な説明がなかったという点でありますけれども、デュアルカレンシー債、つまりプレミアムデポジットとかパワーリバース、こういう商品について十分な説明をしないまま勧めていったと、こういう点については改善されたんでしょうか。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) 先生おっしゃるところの、比較的に複雑な、若しくはハイリスク商品と呼んでもいいかもしれませんけれども、そのような商品群の関連についての御質問でありました。 これについては、すべてのその営業、販売の手続について全面的な見直しを行っているところであり、顧客対応のところで適切にその営業活動が実行されているのか見るといったようなことを現在しております。そして、それを踏まえた上で最もふさわしい商品をお客様にお勧めするといったような慣行を現在しいております。 金融庁関連のこの業務改善命令に関連いたしまして、特にプライベートバンク部門におきましては前述のように幾つか違反行為があったものでありますので、それについてしっかりと見直すということで、現在百人以上の人員を投入して、過去における取引を全部さらっているところであります。 そして、過去においてこの営業の面で違反行為が、事後ですけれども、認められるということになれば、それをもちろん特定していくということでありますし、過去の取引案件についてもしっかりと、開示の基準ですとかそれからまたその他営業の慣行ですとか、手続に照らし合わせて一つ一つ現在見ているといったような状況です。
○舛添要一君 ニューヨークの本部は日本でこういう不正が行われたことを知っていたんじゃないですか。知っていて黙認していたのではありませんか。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) 日本において起こった状況についてニューヨークの本部側が知っていたかという御質問でありますけれども、ビジネスのプロセスとして、まずシティバンクのこの在日支店でありますけれども、四年の六月一日から私が在日支店の新しいCEOに任命を受けました。そして、来日、就任以来、もう即、即、即刻日本で起こっている問題の重篤な深刻度についてしっかりと私、意識いたしました。金融庁側が、また行内の調査の結果明るみに出た問題が、提起された問題についての重要性若しくは深刻性ということであります。 十分この日本の事態についてはその深刻度というのを意識いたしまして、そのことを即時、私の方からニューヨークのシニアのマネジメントの方に報告もしており、それを受けてもう本当に全行挙げて強力に見直しをしているところであり、是正アクションプランなどを実行しているところであります。 そして、もう六月以来、日本側の在日支店側も、本当にシニアのマネジメント挙げまして、ハイレベルで非常に意識をして、もう今後二度とこのような問題が起こらないように、再発を防止するということで問題を明るみに出し、その内容をしっかりと理解し、その根となった原因についても究明をし、活動を行っていくということで、体制としてなっております。
○舛添要一君 時間が来ましたので、最後に一言言って終わります。 東京支店、シティバンク東京支店は金融庁の検査に協力的でなかったと聞いております。我々はアメリカの占領国ではありませんので。日本においては何をやってもいい、そういうおごりが見えてなりません。しかし、我々独立国でありますし、私たちのルールはルールであります。ちゃんとルールを守ってきちんとした仕事をやっていただきたい。 私は、シティバンクが日本に来たときに、例えばATMを二十四時間開ける、すばらしいサービスをやる、こんないい銀行が日本にも増えてほしいと、大変な期待を持っていました。しかし、今回の件で大変失望いたしました。一度失落した信用というのは立て直すのは非常に難しゅうございますから、是非ピーターソンさんのお力で私が前抱いていたシティバンクに対するイメージを取り戻していただきたい、それをお願いしまして、終わります。 ありがとうございました。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) まず、いろいろ御質問いただいたことを深く御礼申し上げます。いいやり取りができたというふうに思っております。 シティバンクといたしましては、どのような行員であろうと、いろいろな形で協力を求められたときに協力をしないといったようなことはどんな状況であろうと全く容認できない行為というふうに思っております。シティバンクの行員であるのならば、規制当局、政府又はその他一般の機関、内外の監査法人等が行う調査また評価業務において全面的に協力すべしというふうに思っております、手続、方針及び行動規範にのっとって。ですから、行員として協力をしないといったような態度に出た場合には、もちろんその行為自体全く容認できないことでありまして、シティバンク全体としても全く許容できない行動ということになります。 それから、第二のコメントとして申し上げたいんですけれども、もう本当にシティバンクといたしましても、規制当局の方、一般国民の方、またマーケット、それぞれその信頼を取り戻し安心感を是非回復していきたいというふうに思っております。せっかく長きにわたって操業させていただいておるお国でありますので、また併せてイノベーションに富むような商品等も導入させていただいておりますので、これも十分ベースにした上で、誠心誠意努力をし、信頼感を取り戻していきたいと思っております。 コメント、また御質問いただいてありがとうございました。
○峰崎直樹君 今日は大変ありがとうございます。 私は、民主党の次の内閣で金融担当の大臣をやっております峰崎直樹でございます。 当委員会で参考人として出席いただいたことに感謝をしたいと思いますが、初めて恐らく外国人の方をお迎えした参考人の聴取だと思います。私の質問に対して、是非誠意を持って、そして明確に、またできる限りオープンに答えていただきたいと。もしその点不十分であれば、私はやはりアメリカのチャールズ・プリンスさん、CEOをここにお呼びして、最高責任者の意見も聞かなきゃいけないようになりますので、まずダグラス・ピーターソンさんのこの委員会におけるその答弁の姿勢について、そういう誠意を持って、そして真摯に我々の質問にきちんと答えてくれるかどうか、その点についてお伺いします。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) それでは、具体的に御質問にお答えさせていただきます。 まず、先生がおっしゃいましたように、今回は外国人として初めて参考人としてこちらに伺っているケースということでございますし、是非この機会を利用させていただきまして、すべての御質問に対してオープンに誠実にお答え申し上げ、対話をしていければというふうに願っております。 シティバンク全体といたしましても全面的に御協力申し上げる方針でございますし、いただいた御質問についてはすべてオープンにお答え申し上げていきたいというふうに思っております。また、正直に、オープンに、そして忌憚なき、率直にお答え申し上げるというのは、実は私の個人的な方針でもありますので、是非良き対話ができればというふうに思っております。やり取り、討議、楽しみにしておりますし、必ずいただいた御質問に関しましてはオープンに、またフランクにお答え申し上げることをお約束申し上げます。
○峰崎直樹君 先ほど舛添委員の質問の中にもありましたけれども、行動規範、つまりマニュアル、コンプライアンスのマニュアルとかその行動規範は存在していたというふうにおっしゃいます。しかし、それではなぜそれが守られなかったのかという本当の原因のところはどのようにとらえていらっしゃるのか。その際、実は私は非常に重要だと思うんですが、その最高責任者であるコンプライアンス部門の責任者は、そのときに企業の方針として利潤の拡大と、利潤を追求するというのは企業の精神ですが、コンプライアンスに違反してまで利潤の追求をしては駄目だよということを明確にしているんでしょうか、それともしていないんでしょうか。その点は明確にそのマニュアルやあるいは宣言の中にそのことは記載されているんでしょうか。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) コンプライアンスについてとても重要な御質問をいただきました。特に、今回はシティバンク、特にこのプライベートバンク部門のカルチャーについて問題があったといったようなことについての御質問でありますけれども、もちろん在日支店におけるプライベートバンク部門が基本的な問題を持っていた、また基本的に問題のある分野を持っていた、そしてそういったところがうまく機能していなかったということは十分認識しております。 すなわち、御指摘なさったように、コンプライアンスの管理に脆弱性が高いところがあったと。そして、実際業務にいそしんでいる行員の中でもそれを徹底していく意識が弱かった、またその人たちをつかさどって監督する責任を持っているバンカーも同じようにその辺で弱いところがあったということだったと思います。だからこそ、この法令遵守をしていかなくてはいけない、また行内にあるポリシーも守っていかなくてはいけなかったわけであり、そのようなことがはっきりと決まっていたにもかかわらず十分それが機能を果たしていなかったということでありますので、全体的に組織として脆弱な面があった、またコンプライアンス、特に法令遵守の面で管理をするということについて、特にプライベートバンク部門が脆弱性を露呈してしまったということであります。 さらに、指摘がございましたように、営業陣もかなり売り込みを積極的にやってしまったということであり、結局シティバンクのマネジメント又は在日支店のレベルでも、組織として本来はうまくいくはずであったものが結局うまくいかなかったということであり、その他関連の部門におきましてもコントロール、管理が必ずしもうまくいっていなかったという付随的な面もありまして、結局今回のような、特にプライベートバンク部門にまつわるような問題が出てしまったということであります。 この問題点につきましては、もちろん今回の件を受けて、私どもとしても、とても積極的に是正措置等を打って改善していくつもりであります。 すべての問題に対処をし、日本にて再発が全くないように、この面につきましては、是正行動ですとか、是正措置ですとか、また業務改善計画ですとかを通しまして、私ももう本当に個人的にもコミットさせていただいて、徹底してやっていくつもりであります。
○峰崎直樹君 重要なことだけ答えてください。 もう一回そこのところ確認します。 要するに、最高責任者の方針として、利潤追求よりもコンプライアンスを優先しなきゃ駄目ですよと、このことはその宣言の中に、あなたのマニュアルやあるいは行動規範の中にそのことは明確にしてきたんですか。そこに答えてください、明確に、端的に。
○委員長(浅尾慶一郎君) ピーターソン参考人、もう一度しっかりと質問を踏まえて答えてください。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) それでは、はっきりと申し上げさせていただければと思います。 御質問については、多としております。 世界じゅうどこでもビジネスをするので、コンプライアンスがマストであると、コンプライアンスあって初めてビジネスがあるというふうに、コンプライアンスはビジネスの必要条件であるというふうに思っております。つまり、一般的なコンプライアンス、法令遵守というのはビジネスをやっていく上で基本中の基本の最も重要な点の一つであるということでありますので、先生も御指摘のように、コンプライアンスないのであればビジネスなどやっていけないということでありますので、確かに、ビジネスで最も基本な、重要なものの一つであります。
○峰崎直樹君 とすれば、じゃ、質問続けますが、そうすると、そういうビジネスにおいてコンプライアンスは必ず大前提として守りなさいと言っておきながら、だれがそのところでこれを破っていったのかという、経営側の責任者は、責任はどこにあったのかということを、先ほどから聞いていると、いや、組織が弱かったとか、いろいろ抽象的なことをおっしゃっているんですが、どこに責任があったのか、この責任の所在を明確にしていただきたいんですが。その宣言をしているのを。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) マネジメント、経営陣側の責任について述べさせていただきます。 まず、シティバンク在日支店ということでありますけれども、今回のプライベートバンキング部門における件というのは、前のシティバンク在日支店の経営陣の責任の下で起こったものであります。そして、プライベートバンクをつかさどっている経営陣の構造から、結局、結果としてコンプライアンス違反が起こり、違反行為を犯してしまったということであります。 で、プライベートバンキングをつかさどっていた人たちの責任ということに言えると思いますけれども、先ほども御案内のように、私どもとしては、ちゃんと各地においてコンプライアンス上のニーズを満たすということ、シティバンクとしての行内の方針と、それから、その国における、日本でしたら日本における法令に照らし合わせてちゃんと遵守ができるようにということで、カントリー別のマネジメントストラクチャーを取っているわけであります。 しかしながら、にもかかわらず、今回はプライベートバンキングのビジネスのレベルとカントリーレベルのマネジメント、両方のレベルで結局、結果として複数の法令違反行為が起こってしまったということであり、その内容については金融庁もその報告書の中で提起されているところであり、この問題の提起につきましては、もう本当に深刻な、また重大な意味を持つ事犯であったということを私どもも十分認識しておりますし、至極残念であるということで、遺憾に思っております。
○峰崎直樹君 もっと端的に答えていただきたいんですが、要するに、コンプライアンスは非常に重要だから大前提になっていますよということを経営方針として出していて、それが実現をしなかったのは、経営陣の方に責任があるのか、それとも、つまりそのことをマネジメントで生かせなかった人に責任あるのか、実行行為者に責任あるのか、その点がはっきりしないと、処分の問題とかこれから後の問題に響いてくるんで、その点を明確に、どなたに責任があったのかということを明らかにしていただきたいんですが。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) それでは、このコンプライアンス上の手続、及びその手続についてなぜうまく遵守がされなかったということか、なぜその遵守がされなかったかということについての御質問にお答え申し上げたいと思います。 まず、プライベートバンク部門の経営陣がコンプライアンス上の管理をするという責任を担っておりました。そして、それに加えて、シティバンクの在日支店のマネジメントの方はいわゆる牽制体制を実行するという責任を担っていたわけでありますけれども、その辺のところが両面うまくいかなかったということだというふうに思っております。 ただ、直接御質問にお答えいたしますと、カントリーマネジメントの方がコンプライアンス一般について責任を持っていたという形なんですけれども。
○峰崎直樹君 全くかみ合わない質問をしているんで、ちょっとまた、じゃ質問の角度を変えます。 朝日新聞が発行しているアエラという雑誌がございます。そこでピーターソンさんはインタビューに応じておられます。その中に、このコンプライアンスの問題について、すべての部門で法令遵守の担当者が置かれていたと、その点については配置されていたと。ところが、なぜ機能しないのかということについては今調べていると、こうおっしゃっていました。 そのときに、こういう発言をされているんです。ただ、あなたは日本の銀行のプライベートバンキング部門で法令遵守が機能していると思いますかというふうにあなたは聞いているんです。この意味は何なんですか。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) 御質問が理解できなかったんですけれども。
○峰崎直樹君 あのやり取りをしていますね。あれで、記者の方が質問したことに対して、逆にあなたは、あなたはというのはその質問している記者に対して、日本の銀行のプライベートバンキング部門で法令遵守が機能していると思いますかと、機能していないじゃないですか、日本のプライベート部門のほかの銀行も、私のところだけじゃないじゃないですかと、こう言っているんじゃないんですか。それはどういう意味ですか。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) アエラに載りました私のインタビュー記事について具体的にお答え申し上げます。 私が行ったコメントがどうも正確に日本語に翻訳されていなかったようであります。実際のインタビューは私は英語でしゃべりまして、その後、日本語に翻訳されたという経緯がございますので。 私がそちらの方で言わんとしたことは、すべての銀行、外銀ですとか、まあシティバンクの場合でしたら米銀ということになりますけれども、その他邦銀に至るまで、すべての銀行というのは強力なコンプライアンスのプロセスを持たなくてはいけないということを言ったつもりであります。 先ほども申し上げましたように、正にすべての金融機関にとって基本中の基本を成すのがコンプライアンスであり、それがとても重要なことだというふうに思っておりますので、外国の機関のみならず、日本の金融機関も含めて基本的にコンプライアンスを徹底し、そのコンプライアンスがちゃんと遵守されるような体制を整備しなくてはいけないということを述べたつもりであります。
○峰崎直樹君 それはひどい話じゃないですか。週刊誌はもう翻訳されて出ているんです。出たときに、これが間違いだったら、なぜ間違いだということをこの週刊誌に抗議しなかったんですか、翻訳ミスですよと。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) 今回はシティバンク及びシティバンクのつかさどっているオペレーション業務について限りましてお答え申し上げるということだというふうには理解しておるんですけれども。 私としては是非皆様方に申し上げたいのは、その是正措置を取っている最中であるということと、本当に業務改善命令が出ている、そして、それに対して真摯に応じているということをまず強力に申し上げたいというふうに思っております。 確かに、この数か月にわたってシティバンクについては様々な報道が日本でもされております。そして、多くの報道記事は正確ですし、フェアに書いていただいていると思うんですけれども、場合によっては翻訳が正しくないですとかフェアでない報道があったということも確かであり、それは各チャンスを通じて、そういった間違った報道があった場合にはそれぞれ一つ一つ是正を求めるということをしております。 ですから、今回そのようなことでありましたので、もし、この参考人としての時間をそのために使わせていただくのであれば、やはり記録のためにということで、私の言ったことが正しく伝わっていなかったということで申し上げたいと思います。
○峰崎直樹君 じゃ、これは間違いであったということを言っていらっしゃるんですね。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) 私が申し上げたかったことと申しますのは、アエラのインタビュー記事につきましては、その翻訳された記事を非常に慎重深く読みましたら、私が実際に言ったコメントとは、少し私が言ったその意図ですとか特徴がずれた形で出てしまっていたのかもしれない、そういうことがあり得るかもしれないということで申し上げております。
○峰崎直樹君 ごまかしたら駄目だと思うんですよ。これは大変重要なポイントをついているんですよ。つまり、日本のプライベート部門の、日本の邦銀もどこの銀行も同じようなことをやっているんだと。そうしたときに、あなたはこのプライベートバンキング部門、ああごめんなさい、コンプライアンスも含めて、日本の最高責任者になった以上、こういう事態があるとすれば、もし日本の金融機関がどこでもこういうことを本当に守っているんですかということがあるんだったら、どうしなければいけないんですか、コンプライアンスという観点から。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) 私は、一応通訳の翻訳を介してお答え申し上げているわけでありますけれども、私の立場として、とても邦銀の置かれている状況についてコメントすることなど全くできません。日本の銀行の置かれている立場について私自身は知るところではございませんし、私が持っている情報といえば、新聞から読む報道であったり、若しくは数少ない私が実際に会わさせていただいた日本の銀行の方からの情報しかないからです。 日本の銀行の状況において、例えばコンプライアンスの質がどういうふうになっているのかということについては、私自身はとてもコメントするほど知識を持っておりません。これは邦銀御自身が御自分で判断なさることですし、十分その内容については金融庁の方々がよく御存じのことであると思います。ですから、邦銀の経営の状態ですとか、またコンプライアンスの質の状態ですとか、もちろん私としては責任を持って何もコメントできる立場には置かれておりません。 私自身としてできることは、シティバンクのことについてあらゆる面についてコメント申し上げるということであり、それぞれ一つ一つについて私なりの強い意見は持っているわけでありますけれども、残念ながら、邦銀の状況につきましては、私の情報、意見というのはあくまでも報道されている内容だけをベースにしているわけでありますので、実際に私が見聞きして、強い基盤にのっとって情報を持って申し上げるといったようなことは全くできません、残念ながら。
○峰崎直樹君 余り尾ひれ羽ひれ付けないで端的に答えてください。 それで、もう責任の問題に移りますが、前統括在日代表のホワイトヘッドさんという方がおられたと思います。この方は三年前に他業禁止違反という業務停止命令を受けて、それをある意味では、直しますということを約束をしておきながら、これをそっくりプライベート部門に移して違法行為を続けていたわけです。で、そのときのコメントは、ホワイトヘッドさんのコメントは、金融庁の三年前の処分は真摯に受け止めている、改善策を実行していますと。ところが、全然実行されてなかった。うそをついていたわけです。 この方は、今はどうされているんですか。どういうふうにシティはこの方を処分されたんでしょうか。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) 先ほどにもございましたように、前回の業務改善命令が出ましたのは二〇〇一年のことでありまして、それを契機に、ホワイトヘッドをヘッドにいたしまして、カントリーのコンプライアンス及び監視を日本で行っていくというための新しい日本における監督、監視及び経営体制、ストラクチャーというものを整備いたしました。 しかしながら、先ほど申し上げましたように、構造としては整備したんですけれども、意図したところの機能を上げることができなかった、うまく働くことができなかったということであります。 ということで、現在のホワイトヘッドでありますけれども、もはやシティバンクの行員でもございませんし、シティグループの従業員でもございませんし、シティバンク在日支店とも、もうその他シティバンク関連のところとは全く関係がなくなっております。
○峰崎直樹君 この人の、三年前のあの事件以降、一向に是正をしてこなかった責任は、シティとしてはどのように取ったんですか。端的に答えてください。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) この三年にわたりまして複雑な内容に至ります是正措置計画というものを整備してまいりました。そして、その中に盛り込まれている項目の幾つかは実行いたしましたし、幾つかは実行に移されなかったものも出てきております。 ただ、御指摘のように、とどのつまり、最も重要なことというのは結果であるということで、結局、元々、是正措置ということでいろいろ措置を取るということにはいたしたんですけれども、その措置自体が十分役割を果たすことができなかった、機能を果たすことができなかったという結果が出てしまったわけであります。 ですから、いろいろ是正措置、プランといたしまして整備はされていたわけではありますけれども、それが目途とした、所期に設定した目標を満たすことができなかったということであります。
○峰崎直樹君 できなかった責任はどこにあるんですかと聞いているんです。何の答えにもなっていないですよ。チャールズ・プリンスさん呼びますよ。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) 先ほども申し上げましたように、前回のこの是正措置がうまくいかなかった、失敗してしまったという責任を持っている者は、当時のプライベートバンク部門をつかさどっていた経営陣であり、当時のシティバンクの経営陣であります。
○峰崎直樹君 じゃ、当時の経営者、その責任ある当事者は、こういう形になったことに対してどういう責任を取っているんですかということを聞いているわけです、この三年間で。処分あったんですか。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) 是正措置の内容については、今回の社内処分に関しての情報も含めて公表しているところであります。シティバンク在日支店の者十四人が既に退職をしております。この十四人のうち六名は解雇されておりまして、うち三名はマネージングダイレクターでありました。それから八名が諭旨退職されております。うち五名がマネージングダイレクターでして、このマネージングダイレクターというのは当社内においては最もシニアなポジションにいる役員ということであります。 トータルで今までに十四人が現在、シティバンク在日支店をもう既に辞めているということで、六名が解雇されたということで、八名が諭旨退職ということで退職しております。
○峰崎直樹君 その処分を受けた方々の具体的なこの罪名とその処分の内容というのは後で明らかにしていただけませんか。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) すべての詳しい情報につきましては、適切な当局の方に対して提出済みであります。特に金融庁に対しては提出済みであります。 また、行員の社内処分の状況についてでありますけれども、いろいろな形で処分が今までされております。例えば、顧客との対応が不適切であったということで処分された者もいますし、また、金融庁からの処分ということで、例えば営業販売の面で行内のルール及び日本の規則、法令に対して違反をしたということで処分対象になった行員もおります。コンプライアンス違反、若しくは日本の手続、ポリシー違反ということで処分を問われた者もございますし、それに加えまして、適切に是正のアクションを実施することができなかったといったような一般的なマネジメント上の問題のかどで処分された者もいますので、適切な監視ができなかったですとか、又はビジネス上、適切なマネジメントができなかったといったような形で辞めていった者もおりますので、いろいろ個別のケース、内容は違いますけれども、様々な対応がもう既にされております。
○峰崎直樹君 もう時間もありませんので、次の質問に移ります。 いわゆるマネーロンダリングをやっておられることについて、これは今イラクのアルカイダの問題について国際的にも大変重要な課題になって、我々も協力しているわけでありますが、このマネーロンダリングあるいはいわゆる口座を不正、まあ秘密の口座を開設するとか、そういう問題について、このアエラの記事によりますと、アエラのまた記事になるんですが、大勢の人材をアメリカから呼んで事実関係や原因を調べていると、こうおっしゃっているんです。明らかになりましたですか。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) 残念ながら、プライベートバンク部門におきましては、地元の法令遵守という形でのしっかりとした遵守がされていなかったわけであります。例えば、口座を開設するときに守らなくてはいけないルールですとか手続ですとか、開設された後、事後のモニタリングといったような観点からも不備な点があったということであります。例えば、本人確認義務ルールというのがあるということでありましたし、かつ口座を開設する場合に守らなくてはいけないような手続ですとか、疑いのある取引については当局にしかるべき報告をしなくてはいけないですとかいろいろルールがあったんですけれども、その辺の遵守がしっかりしていなかったということであります。 これを受けまして、今回の業務改善計画の中で、もう既に百人以上の人を、先生もおっしゃいましたけれども、投入いたしまして、過去の案件について取引を今さらっており調査しているところであります。そして、ちゃんとこういった取引が日本の法令のみならず国際的及びアメリカにおける法令及び基準をしっかりと満たしているかどうかチェックしているという状態になっております。 そして、顧客の取扱いですとか取引、案件の内容について非常に克明に今調査をやっている最中ということでありまして、この調査から判明される事実につきましては、例えば違反行為があったですとか、またこういったことが究明されましたといったようなことがございましたら、即時適切な、当局に報告をさせていただく所存であります。 それからまた、この本人確認ですとか顧客の確認ということについて、また疑わしい取引の報告義務などにつきましては、それに関連して必ず金融庁の特定金融情報部署の方にも報告させていただくつもりであります。
○峰崎直樹君 これ、金融庁だけじゃなくて世間的に公開したらどうですか。 そして、時間も余りありませんので更に質問を続けますが、同じように政治家が、例えばそこに秘密口座を持っているとか、あるいは特定の集団、派閥だとかあるいは宗教団体だとか、そういうものがそういう匿名口座を持っていたりマネーロンダリングをしている、そういった事例はありませんでしたか。そこも明らかにしてくれませんか。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) ただいま御質問いただきました政治的なグループ、派閥ですとか組織の話でありますけれども、シティバンクの在日支店の方針といたしまして、特に公的な人物ですとか、また顧客はだれであれ、口座が開設されるということになりましたら、その本人確認も含めて徹底してその人について確認をする、チェックするということをしております。財団ですとか、また公的に知られている人物ですとか、一応その許し等を得て、このデューデリジェンスをしてしっかりとチェックするということをしております。 現時点において、私個人的にも何かこのコントロール違反があった口座があったといったようなことは私が知る限りなかったということでありますし、今後そのような管理を違反したような口座が明るみに出れば、即時適切なアクションも取りますし、かつそういった事態があったということは関連当局に迅速に御報告申し上げるつもりであります。
○峰崎直樹君 時間も余りもうなくなってまいりましたので、私自身の感想も含めて申し上げたいんですが、三年前にも同じような処分を受けている。そして、この間じゃそれをやっていたのかというと、やっていない。あるいはマネーロンダリングや今言った匿名口座を、暴力団に資金洗浄をやってやる。あるいは相場操縦や見せ金融資、抱き合わせ販売、あるいは横浜支店では八億円を超えるお金をだまし取っている。さらに検査に対する妨害も一定程度見られる。こういう事実を、私が今お話ししたような事実が、もう金融庁の報告が上がってきているんですけれども、これはUFJが告発をされたこと以上のことを実はシティはやっているんじゃないんですか。 そういう意味で、私はこのシティは当然これ企業として告発をされるべきだ、アメリカだったらこういう犯罪を起こしてこの程度の処分で済むということは私は考えられないんですが、この点について、ピーターソンさん、どういうふうに考えているかお聞きしたいと思います。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) まず、お答えさせていただく前に、再び皆様方に深くおわび申し上げます。今回起こった事態につきましては、決して誇りになることではございませんし、もちろん本当に深刻な違反事項であり、深刻な事態を招いてしまったと思っております。 アメリカ国内であったらどういう処分になったのかということにつきましては、これは仮想的な御質問でありますので、私としても憶測の域を出ることがなく、その範囲内でお答えするしかできないんですけれども、というのも、私は当局の人間ではございませんし、規制当局の人間でもないからです。ただ、組織として深刻な違反を犯してしまった場合には、その違反事項の深刻度に応じて、すべてを勘案して当局が取り得るその制裁の内容が決まるということだと思っております。 類似のような事態がアメリカ国内で発生した場合にどのような処分若しくは制裁が掛けられるのかということについてではありましたけれども、それは、私としては、是非申し上げたいのは、今回の件については非常に遺憾に思っているということと、必ずこの問題は是正させていただくということであります。是正措置の内容をしっかりと徹底的に実行いたしまして、二度とこのような事態が起こらないようにしようと固く決意しております。
○峰崎直樹君 あと少し時間ございますので細かい点をお聞きしたいんですが、金融庁が指摘をしているんですけれども、違法な収益があったと、こういうふうに言っているわけです。その違法な収益の金額はどのぐらいあったんでしょう。また、それについては、これをある意味では迷惑を掛けた顧客にお返しをするというようなことについては考えていませんか。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) 金融庁に対して出させていただいた業務改善計画の一環といたしまして、先ほどもお話にございましたように、現在、百人以上の人間を投入いたしましてお客様別の個々のトランザクションについてすべて対象にして今見直している最中であります。具体的にそのお客様が置かれていた状況を調べまして、適切な営業行為がされていたのか、不適切性があったのか、また法令違反はあったのかといったようなことに照らし合わせて現在チェックしている最中であります。 そして、何か問題が明るみに出たときには、お客様にコンタクトをし、それを補償するような措置を取っていきたいというふうに思っておりますし、加えて、全お客様、フェアに取扱いさせていただきたいというふうに思っております。リビューをしている最中でございまして、例えば、管理するためのシステムはちゃんと整備されていたんだけれども、整備されただけであって、実際に機能していなかったといったようなことが更に明るみに出ましたら、また更にそれを再検討の対象に加えまして今後どうするか考えていきたいというふうに思っております。事態の深刻度については十分承知しておりますので。 そして、例えば何件、その具体的に対象になる案件があったのかということなどにつきましても、明るみに出ましたら適切な形で当局の方に御報告申し上げたいというふうに思っておりますし、深刻な違反が更に明るみに出た場合にも同じく当局に対して適切な形で御報告申し上げていきたいと思っており、かつ、このような事犯につきましては当局と全面的に御協力させていただきたいというふうに思っております。
○峰崎直樹君 業務改善計画の中で、いわゆるチーフコンプライアンスオフィサーを選任中とあるんです。選任したんですか、まだ選任していないんですか。なぜ、選任していないとしたら、なぜ遅れたんですか。端的に短く答えてください。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) 現在、以前アメリカのシティグループの別の部門で働いておりました人が、フルタイムで、在日支店にて現在このシニアのコンプライアンスオフィサーの役割を務めております。そして、それにプラスして、日本からも直接、行内からなるかもしれませんし日本のマーケットからになるかもしれませんけれども、日本御当地で是非このフルタイムでやはりコンプライアンスオフィサーとして働いていただける方を今探している最中です。
○峰崎直樹君 最後になりますけれども、私は大変、こういう事態を見て、日本のやはり金融庁なめられているんではないかというふうに思えて仕方ないわけです。 最後に、こういう質問でピーターソンさんの見解を聞いて終わりたいと思いますが、前CEOの在日のホワイトヘッドさんは、聞くところによると、コロンビア大学のこのいわゆる講座を担当して、しかもそれは企業とコンプライアンスについての講座を担当するというふうに聞いているんですけれども、悪い冗談じゃないかというふうに私は思ったんですが、ピーターソンさんはどのように思われるかを聞いて、私の質問は終わります。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) まず、お答えさせていただく前に、本日御質問いただいたことを深く御礼申し上げます。 まず、前段についてのことについてでありますけれども、金融庁の件でありますけれども、金融庁はシティバンクに対して徹底した検査をなさいました。そして、その結果、厳しい処分が出ましたけれども、我々の状況にかんがみまして、それは十分正当化される当然の処分であったというふうに思っております。 それから、第二の点、ホワイトヘッドについてでありますけれども、私、彼とコンタクト取ったことございませんし、彼が今何をやっているのか、今後何をしようとしているのか全く知りません。私の持っている唯一の彼についての情報は、新聞報道のみであります。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。 本日は大変にありがとうございます。今まで議論がございましたので、それに追加する形で御質問させていただきたいというふうに思います。 先ほど来からお話ありましたとおり、参考人がおっしゃったとおり、百人以上の人員を投じて過去の営業行為についても調査をしている最中であると。この件に関しまして、特にハイリスク商品等の顧客に与えた被害についてお聞きしますけれども、まず、この調査結果はいつまでにだれが責任を持って公表をされるおつもりなのかという点が一点。 二つ目には、仮に違法行為等があった場合に、顧客に対して損害賠償等に応ずるおつもりがあるのかどうかという点。 そして、三点目には、どうやら社外の人材による独立した経営監視委員会というのを設置されたというふうに聞いておりますけれども、この独立した経営監視委員会がこの公表結果につきましても監査等をされるのかどうか。 この三点にわたってお聞きしたいと思います。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) 御質問ありがとうございます。三つに分けてお答えさせていただきます。 まず、百人以上を投入して現在調査を行っておりまして、調査の結果についてでありますけれども、まずプロセスとして徹底的な見直しが現在続行されております。過去三年分にわたりまして、プライベートバンキング部門のトランザクション及び顧客口座の状況を一つ一つ調べているということであり、金融庁の報告書に列挙されました点すべてにかんがみて、現在、再検討、チェックをしているところであります。結果が出次第、金融庁の方々には御報告申し上げたいというふうに思っております。 いつまでにということなんですけれども、その期限としては、取りあえず私どもが自らに課した期限として、二〇〇五年の九月末までにということをめどにしております。もちろん、その期日というのは、ちょうどプライベートバンキングを実際に閉鎖しなくてはいけない期限ということなんですけれども、できれば調査結果につきましては前倒しし、その期限が来るずっと前に出ればというふうには思っておりますけれども、いずれにいたしましても、もうしばらくお時間ちょうだいできればというふうに思っております。 それから、実際、お客様に影響が出てしまうようなトランザクション上の違反行為があったかどうかということにつきましては、プライベートバンクのお客様はそれぞれ個別のポートフォリオを組んでおられます。お客様によっては、もちろん簡単な銀行預金だけの方もいらっしゃいますし、より複雑なトランザクションも持っておられる方もいらっしゃいますので、それぞれのポートフォリオごとに分析を行い、営業及び販売の慣行が適切なものであったのか現在調べているところであり、顧客別に克明に調べていくということになっております。 それから、三番目の御質問についてでありますけれども、この独立した監視委員会ということにつきましては、私としては、独立したコンプライアンスグループの新しく整備される組織というふうに受け取っていきたいというふうに思っております。 前の経営の構造では、コンプライアンスオフィサーというのは、自分の行っているビジネスのヘッドだけにレポートすればよろしかったということで、独立したコンプライアンス部門にレポートする義務はなかったわけでありますけれども、今後、各部門のコンプライアンスオフィサーというのは中央に位置している、コンプライアンスを牛耳っている者に対して直接報告する義務を持つということになります。 それから、それにプラスして、内部監査のような、行内、内部においてコンプライアンスリビューをするセクションを置くということになっており、そこの部署を通して、是正措置がちゃんと適切に取られているか、また日々の業務を通じて法令遵守がちゃんとされているか、チェックしていくという構造も整備いたします。
○西田実仁君 今の二点目の方は、仮に違法行為があった場合には損害賠償に応じるかどうかという御質問につきましてはどのようにお考えになっているでしょうか。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) 先ほども申し上げましたように、各お客様別、各トランザクション別に現在見直しをしているところでありますので、先ほども申し上げましたように、フェアにお客様に対応させていただいたかどうかということをお客様とともに調べていきたいというふうに思っておりますので、結果として補償措置が取られるという可能性も入ってまいります。ただ、必ず入るというふうに保証はできません。と申しますのも、各顧客の置かれている状況がそれぞれケース・バイ・ケースということで異なるからです。
○西田実仁君 先ほど峰崎委員からも御指摘ありましたけれども、シティバンクは二〇〇一年八月に一度業務改善命令を受けているわけでございますけれども、その後、当局からの検査は今回の件が発覚するまでなかったと聞いております。日本の金融当局からの様々なフォローアップ等が一切なかったのかどうか。あったとすればどういうことがあったのか。それにどう対応したのか。 その中で、一部日本の金融当局の検査がきつ過ぎるということで何かアメリカ本国に泣き付いたというような報道も一部あったりするわけですけれども、こうした事実があったのかどうかお聞きしたいと思います。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) 二つの御質問についてお答えさせていただきます。 まず、二〇〇一年に業務改善命令が出ております。そして、その業務改善命令が出ました後、シティバンクの経営陣はずっと金融庁の方々とは対話を続けさせていただいております。是正措置について計画どおりにちゃんと物事が進んでいるかどうかの証拠ですとか、また問題についてどのような形で追跡調査が行われているか、その進捗状況について金融庁の方々に情報等も提供させていただいております。 当時、私自身はこちらにおりませんでしたので、どういったミーティングが金融庁と直接あったのかということについては申し上げることはできませんけれども、是正措置内容の進捗ぶりについては逐次金融庁の方々に対話を通じて申し上げているはずであります。 今回も、深刻な事態を受けて命令が出まして、その中で、ビジネスのやり方について是正措置等を以前講じたはずであったけれども結局機能していなかった、悪い、余り褒めることのできない慣行につながってしまったということがまた明らかになったわけであります。 ただ、今回の処分の内容についてアメリカ当局に泣き付いたかという御質問でありましたけれども、そんなことはしておりません。
○西田実仁君 すると、ずっと金融庁に報告をしてきたというお話になりますと、今日に至るまで常に情報を金融庁と交換したにもかかわらずこのようなことになってしまったということをおっしゃっているんでしょうか。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) はい。御質問に関連させて御回答させていただきます。 金融庁とは継続的なベースで御報告させていただいているところであります。 プライベートバンキング部門につきましての件につきましては、もう至極残念であり、遺憾に思うというふうに、もう本当に思っております。つまり、マネジメントのカルチャーとして、このコンプライアンスに対しての脆弱性があったということでありますし、コンプライアンスカルチャーに欠ける脆弱さが一方にあり、かつ一方で余りにも積極的に営業活動をしてしまったということがもたらした結果であるというふうに思っております。 また、事実として金融庁に対してはその後報告させていただいておりましたけれども、結果として、結局、例えばまだ足りなかった点があった、甘かった点があったということが後日明るみに出てきたということで、また新たな検査といったようなことにもなったわけでありますけれども、ただ、今後はもう本当に誠心誠意深刻に受け止めまして、この法令遵守をしっかりと徹底していく、かつ是正措置を徹底して取らせていただく所存であります。 また、取った措置につきましてもちゃんと追跡して進捗状況も追っていくつもりでありますし、金融庁の方とは随時コンタクトを取らせていただいて御報告申し上げていきたいと思っております。
○西田実仁君 最後の質問でございますけれども、これから日本での展開についてというテーマでございます。一部報道等ではサービサー事業にも進出をされるというようなことも報じられておりまして、先ほど来から言われている様々な調査の結果というものがやはりまだはっきりしない段階で、果たして日本で新しい事業をやること自体がどうなのかなという素朴な疑問わくわけですけれども、今後の日本での展開について最後にお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) まず、委員の先生に御質問いただいたことを御礼申し上げます。 日本における私どもの今後の計画ということでございましたけれども、現時点で申し上げられることはおわびをするのみであります。最優先事項として、まずは起こってしまった問題の対応に当たり、是正に当たっていきたいというふうに心から思っております。これは日本の国民の方、金融庁の方、お客様の方、また行員のため、また世界じゅうの我々が持っている同僚のために、是非この問題起こってしまったことについて対応していきたいと思っており、是正措置も実効性高く永続し、持続的な内容を持っているものに仕上げるということがまず我々に課せられた任務であるというふうに理解しております。 もう日本マーケットにつきましては、弊行百年以上にもわたって操業させていただいておりますし、世界にとって最も重要なマーケットの一つが日本であられる。シティバンクにとってもそうであるわけでありますので、今後とも是非この世界でビジネスをやっていきたいというふうに思っております。 しかしながら、まずは、まずこの起こってしまった問題を解決するということで、健全な管理体制を組み、マネジメントの体制をしっかりと組んでいきたいというふうに思っております。そして、この辺のところがしっかり整備されましたら、じっくりと今後どうやってこのマーケットでビジネスを伸ばしていきたいか考えていきたいというふうに思っております。 日本マーケットはもう本当に弊行にとって重要なマーケットでありますし、長年にわたって操業させていただいていることを非常に誇りに思っておりますので、我々としても、更に皆様方のためにどのようにすればお役に立てるのか、引き続き考えていきたいと思っております。
○西田実仁君 質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(浅尾慶一郎君) 以上でピーターソン参考人に対する質疑は終了いたしました。 本日は、大変お忙しい中、本委員会に御出席をいただきまして、今後の金融行政、金融監督行政に対して参考となる意見をいただき、誠にありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。
○参考人(ダグラス・L・ピーターソン君)(池田薫君通訳) 本日、この機会を与えてくださいました皆々様方に改めて御礼申し上げたいと思います。もう本当にオープンに私に御対応してくださり、大変ありがとうございました。 お話し申し上げたように、今もって我々にとって最重要なことは、日本で起こってしまった問題について是正をする、対応をしていくということであり、是非、日本の国民の方、規制当局の方、またお客様の方から信認を回復することができればと思っております。(拍手)
○委員長(浅尾慶一郎君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 次に、参考人として株式会社東京証券取引所代表取締役社長鶴島琢夫君に御出席をいただいております。 この際、参考人にごあいさつを申し上げます。 参考人におかれましては、御多忙のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。 本委員会におきましては、財政及び金融等に関する調査を進めておりますが、本日は特に参考人から金融、証券市場をめぐる諸問題に関する件について御意見を伺うことになっておりますので、よろしくお願いいたします。 これより参考人に対する質疑を行います。 質疑時間が限られておりますので、簡潔に御答弁いただくようお願い申し上げます。また、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることになっておりますので、御承知おき願いたいと存じます。 なお、参考人及び質疑者ともに御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
○大塚耕平君 民主党の大塚でございます。 今日はわざわざ御足労をいただきましてありがとうございます。東京証券取引所始まって以来の生え抜きのトップでいらっしゃいますので、是非、官僚答弁はやめていただいて、端的にお答えをいただいて、有意義な質疑にさせていただきたいなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 まず、西武鉄道の上場廃止の理由ですが、これは上場関係規則集、今日私もここに持ってきておりますけれども、これのどこに抵触したために上場廃止になったということでございましょうか。
○参考人(鶴島琢夫君) 具体的には、そこの廃止基準にございます、株券廃止基準第二条第一項第十六号に規定する、「その他」、公益又は投資者保護のため上場廃止を適当と認めた場合、それからその前に、廃止基準第二条第一項第十一号に規定する、虚偽記載を行い、かつその影響が重大であると認める場合、この二項に該当すると判断をいたしまして上場廃止といたしました。
○大塚耕平君 今日は十六日に社長御自身が記者会見をされた要旨を私も持ってきておりますし、お手元にも御用意いただいていると思いますが、確かに、十一号、十六号に抵触した結果だというふうにお話しになっておられるわけですけれども、廃止を決めた理由自体はそういうことなんですが、西武鉄道がこういう事態に至った背景等については証券取引所としては十分な調査をしたと、あるいはもう十分に理解したということでございましょうか。
○参考人(鶴島琢夫君) これにつきましては、私どもも西武鉄道に対しまして、その事実関係の把握につきましては最大限の努力をしたつもりでございます。その結果、ただいまのような結論を出したわけでございますが、正直に申し上げまして、かなり古い時期からこうした株式事務、個人の株主の扱いと、これが実質的にコクドの株式であるにもかかわらず個人の扱いとされていたと。これは四十年ぐらい前から始まっていたということで、当時のことを知る方がほとんどおりません。そんなこともあって、どうしてこういうことになったのかということについては、必ずしも十分な理由が分からないということはございましたが、こうした事実を知り得る状況にありながらこれを隠ぺいをしたと。特に、その間、この私どもの上場廃止基準に該当をいたします少数特定者の持ち株比率、これに該当をするような状況になっておったと。にもかかわらず、これを組織的に隠ぺいをしていたと推認をされるような状況が我々事実認定としてできたと。こういうことがこの私どもが判断をした大きな理由であります。
○大塚耕平君 確かに数十年前についてはそういうことだと思うんですが、直近の動きとして、コクドが株の買取りを取引先に要請したりとか、そういった近々の動きについては十分に調査をし、実態が解明されたということでよろしいでしょうか。
○参考人(鶴島琢夫君) この今御指摘の、言わばインサイダーに該当するのではないかと疑われるような売買があったということが報じられております。 ただ、私どもは、上場会社が西武鉄道なものでございますから、このコクドに直接この事実を確認するというすべを持ちません。西武鉄道を通じてそうしたコクドの動きというものを調査をする、事実の確認をするということにとどまるわけでございます。ただ、この間の、新聞報道にももう随分出ておりますけれども、そうした動きがあったことは事実として私どもも認めております。
○大塚耕平君 例えばこの記者会見の要旨を拝見すると、記者の方から堤義明氏にヒアリングをされたかという御質問に対して、長友常務が個人的な関係になりますのでお答えは差し控えたいと言っているんですが、これは個人的な関係ではなくて、私は、東京証券取引所がいよいよ来年自ら上場をするというそういう局面で、取引所が信頼性を維持するためには、今回、市場関係者があるいは投資家が十分納得するだけの動きをされることが本当に取引所自身にとっても大切なことだと思います。 そこで改めてお伺いしますが、この記者の質問は決して個人的なことではございません。堤義明氏から東京証券取引所は直接ヒアリングをされましたか。
○参考人(鶴島琢夫君) この点につきましては、私ども、証取法上の守秘義務が掛かっておりまして、どういうことを調べ、どこまでが表に出せるかということについては、この問題に限らず、大変いつも神経を使うところでございます。 この前の記者会見のときも、そういう配慮から、個人的にだれから事情を聞いた、あるいはどういう内容のことをだれから聞いたというようなことは私どもとしても差し控えるべきだろうと、こういう判断でございます。
○大塚耕平君 取引所並びに社長としてそういう御判断だということは理解いたしますが、私は投資家の一人として、国会議員として、必ずしもそうではないかもしれないということを申し上げておきます。 その上で、要旨を、是非お手元にございましたら見ながらお答えいただければと思うんですが、四ページには、十二月十六日木曜日をもって西武鉄道の株式売買最終期限として、十七日金曜日に上場廃止とするというふうになっておりますけれども、これ上場廃止になった途端に、ということは市場価値がなくなるわけですから、まあ今でも値下がりしてますけれども、これはもう西武鉄道は債務超過と考えていいということでしょうか。
○参考人(鶴島琢夫君) 私どもは、今度の上場廃止決定に当たって、私どもの上場廃止基準に該当するかどうかということを事実に照らして規定の適用をしたわけでございまして、西武鉄道が債務超過であるかどうかということについて判定をしたわけではございません。
○大塚耕平君 証券取引所は西武鉄道を刑事告発いたしますか。証券取引所として西武鉄道を刑事告発する御予定はございますか。
○参考人(鶴島琢夫君) 現在のところ、それは考えてございません。
○大塚耕平君 有価証券報告書というのは、これは公文書だと思われますか、私文書だと思われますか。
○参考人(鶴島琢夫君) おっしゃるとおり、有価証券報告書は法定の開示資料でございます。ただ、この提出先は私ども東京証券取引所ではなくて、内閣総理大臣あてに提出をされると。その具体的な提出先は金融庁、さらに、そこから事務委任をされている財務局というふうに承知をしております。 したがって、私どもが、法定開示資料ではございますが、その点に関して事実を強制的に確認をするとか、あるいは今おっしゃられたような提訴をするとか、そういう立場にはないのではないかと考えておりますが。
○大塚耕平君 金融庁の官僚答弁の二分の一ぐらいのスピードで御答弁いただいていることを本当に感謝申し上げます。非常にてきぱき御答弁いただいてて、有り難いと思います。 この要旨の九ページになりますが、長友常務は、この有価証券報告書は会計監査人がチェックして提出されたもので、国に対し提示し、公衆の縦覧に供するものだとおっしゃっておられるわけで、今社長がおっしゃったとおり、これは公文書なんです。 公文書偽造であります。そして私は、今日、社長を責めているつもりはございませんで、社長は投資家の代表のはずですから、投資家の立場でお考えになれば、この公文書偽造をして投資家を裏切り、証券取引所の信用を失墜させた西武鉄道を投資家を代表して刑事告発されるのは当然の行為だと思いますが、いかがですか。
○参考人(鶴島琢夫君) その点につきましては、実際に損害を被った投資家、恐らくこの投資家の方々が西武鉄道に対して損害賠償請求をするかどうか、これはお考えになることではないのかなというふうに思います。私ども取引所がそれを代表して告発をするということについては、私の頭の中には今ございません。
○大塚耕平君 それでは、今日あらかじめお伝えをした質問項目、ちょっと順番が変わりますけれども、この西武鉄道の上場廃止に絡んで、この上場関係規則集に基づく判断以外の要素がここに至る過程でいろいろと影響したということはありますか、ありませんか。イエスかノーだけで是非お答えいただきたいんです。
○参考人(鶴島琢夫君) 規定以外に何か大きな影響を与えるものを考慮したかどうかということについては、そういうことはありません。規則に則して判断をしたつもりです。
○大塚耕平君 それでは、社長は西村ときわ法律事務所という法律事務所を御存じですか。
○参考人(鶴島琢夫君) 知ってます。
○大塚耕平君 西武鉄道の顧問弁護士がどなたかということは御存じですか。
○参考人(鶴島琢夫君) 西武鉄道の具体的な顧問弁護士がだれかということは承知しておりません。
○大塚耕平君 私どもが聞き及んでる範囲では、この西村ときわ法律事務所、大変優秀な法律事務所でありますが、そこに長野厖士さんという昔大蔵省におられた方が所属しておられて、長野さんが顧問弁護士だという話があるんですが、事実関係、もし後ろの随行の方にでも今確認できるんでしたら御確認いただいて、御回答いただきたいと思います。
○参考人(鶴島琢夫君) 西村ときわ事務所が法律顧問の事務所であるということは承知しておるようでございますが、個人的な、その長野さんという名前を承知しているわけではないようでございます。
○大塚耕平君 私も確かな情報ではございませんので、是非、投資家の代表として十分な調査をしていただきたいんですが。長野さんが優秀な弁護士だということは私も理解をしておりますが、元々大蔵省におられたということもあって、そもそも今回の問題、もう少し前から分かっていたけれども、いろいろ属人的な配慮もあってなかなか表に出しづらかったと、しかし、何らかの理由で今回、西武鉄道が自ら明らかにしたというように巷間言われておりますが、この巷間言われている部分というのを明らかにしませんと証券取引所自身の信頼に私はかかわると思うんですが、今私が申し上げた部分について調査をして御報告をいただけるでしょうか。その点についてお伺いしたいと思います。
○参考人(鶴島琢夫君) 私どもがこの事実調査の間にいろいろ西武鉄道にお聞きをし、そして可能な限り事実の調査をいたしました。今御指摘のような点について、確かにどういう事情があったのかというところまでは必ずしも私どももつかんではおりません。上場廃止という決定を下した今の段階でございますので、今の御指摘についてはちょっと改めて考えさせていただきたいと思います。
○大塚耕平君 是非、よくお考えいただいて、十分な調査をしていただきたいと思います。 私が御質問申し上げている趣旨は、つまり、これから自ら上場しようとしておられる証券取引所が、個々の銘柄について非常に公正な規則に基づいた判断以外の要素で、ある上場先には目こぼしがあったり、ある上場先には大変厳しく対応したりという、そういったアンフェアなことがあるのかないのかということを注目しているわけであります。 そういう意味では、今申し上げた点についても、私は証券取引所御自身にとって重大な経営問題だと思いますので、是非、今おっしゃられましたように、十分にお考えいただいた上で御対応いただきたいと思います。
○参考人(鶴島琢夫君) 今御指摘になられました点ですが、私どもは銘柄によって何らかの目こぼしをするとか、何らかの影響を与えるとか、そういう姿勢は一切持っておりません。事実、この件に対して、事実が判明した段階で私は事務局に対して、一切の配慮をすることなく純粋に規定に照らしてどうかということを事実に合わせてそれを作業するようにということを後ろにいる担当者にも申し伝えたところでございます。
○大塚耕平君 しからば、銘柄が違いますが、日本テレビについてはこれは上場維持が決まったと伺っておりますが、日本テレビはなぜ上場維持になったんでしょうか。
○参考人(鶴島琢夫君) これは、上場維持を公表をしたときに記者会見で理由を述べておりますので、それを改めてなぞらせていただきたいと思います。 日本テレビ放送網は、十一月の五日、大株主に関する有価証券報告書の訂正を行いました。本来、その他の関係会社とすべき読売新聞グループ本社に関しまして、長期間適正な記載がなされていなかったことが判明をいたしたわけであります。これを受けまして、私どもでは、同日、監理ポストに割り当てまして、上場廃止のおそれのある銘柄として投資者の注意を喚起するとともに、日本テレビからその原因等について報告を求め、株券上場廃止基準に該当するかどうか、この審査を行ってまいりました。 その結果、日本テレビ放送網は、読売新聞グループ本社の代表者等の箔付けというグループ内の都合により、読売新聞グループ本社が会社の財務、営業方針の決定機関に対して重要な影響を与えることができるその他の関係会社であるという状況を認識し得たにもかかわらず、有価証券報告書や決算短信などにおいて実質所有に基づき記載すべきであることの認識が不十分であったため、当該情報に関し適正に記載をしてこなかったということが認められたわけであります。 しかし、同社のこれまでの開示内容によれば、一つ、読売新聞グループ本社が実質所有をしております個人名義株式は、有価証券報告書にも大株主として記載がされているということ、そして読売新聞グループ本社との緊密な関係が推察できる特定個人の所有でありまして、またその数量に照らして、西武鉄道のような浮動株式数の状況等について投資者に大きな誤認を与える記載がなされていたとまでは言えないというふうに判断をしたわけであります。 二つ目として、読売新聞グループ本社が実質的に所有していた株式を加味しても、日本テレビ放送網が少数特定者持ち株数比率や株主数などの上場廃止基準に該当をしていたという事実は特段なかったと認められること。 それから三つ目に、不実記載の原因となった名義株の目的は、代表者の箔付けという適切なものではないにしても、読売新聞グループ本社がその他の関係会社であることを隠ぺいしようとする意思は認められず、投資者保護上、著しい問題があるとまでは言えないことから、日本テレビ放送網株式会社は、株券上場廃止基準第二条第一項第十一号に規定をいたします、虚偽記載を行い、かつ、その影響が重大であると認める場合、及び十六号に規定をしております、「その他」、公益又は投資者保護のための上場廃止を適当と認めた場合、この両規定には該当しないというふうに判断をしたわけであります。
○大塚耕平君 日本テレビも西武鉄道も、どうしてこの時期にこういう事実が分かってきたんでしょうか、あるいは自ら述べたんでしょうか。
○参考人(鶴島琢夫君) 私どもが承知している限りでは、西武鉄道については、総会屋事件でしたかね、それの後、社内にコンプライアンス委員会みたいなものができて、そこでコンプライアンスに対して徹底的にいろいろな調査をした、その結果出てきたというふうに承知をしております。 それから、日本テレビ放送網の方は、そうしたことが契機になったかどうか私どもも必ずしもはっきりしているわけではありませんが、日本テレビ放送網の個人大株主、これが実際には読売新聞グループ本社の所有に実質的には属するものだということが分かって、有価証券報告書の訂正の届出書を行ったというふうに理解をしております。
○大塚耕平君 そこも、先ほどの顧問弁護士の話と同様によく調べていただかないと、なぜこの時期に明らかになったのか。前から同じ状態だったものを見抜けなかった証券取引所自身の審査能力や監視能力が問われているわけですよ。なぜこの時期に急に彼らが公表したのかということについても、証券取引所は重大な利害関係者ですから、投資家の代表として、投資家の代わりに十分に調べないで、社長御自身が今のような伝聞情報で、と聞いておりますというようなことでは、これは私はいかがなものかというふうに思います、私も投資家の一人ですから。 その上で申し上げますが、この間の記者会見の要旨の中で社長あるいは長友さんがよく御発言になっておられるんですが、証券取引所の審査能力や監視能力には限界があるということを言っておられるんです。例えば、長友さんは、公認会計士すらも見抜けなかった事実が存在しているという場合について、我々自身がそれを見抜くような対応を取るということは事実上不可能であるとか、要は証券取引所自身には限界があるんだということを正直に言っておられるわけですね。 だとすれば、例えば先ほどの日本テレビと西武鉄道の対応の差について、日本テレビの判断理由をるる御説明くださいましたけれども、何やらお伺いしていると、裁判所の判決文を聞いているようで、裁判所の判決というのは、実は非常にある意味、恣意的とは申しませんが、条文をどのように解釈するかという解釈論ですので、裁量の余地があるわけであります。しかし、社会の公器であるべき証券取引所は、より機械的に御判断をされるべきではないかと。証券取引所がまるで裁判所のように、こっちは有罪、こっちは無罪という、そういう対応をし始めますと、恐らく証券取引所自身がこれから衰退していくことになると思います。 そこで、お伺いしたいのは、来年秋に上場するという御予定ですが、私は、来年秋に上場されたら審査機能というのはやはり取引所は放棄されるべきではないかと。つまり、取引所というのは売買をする場、インフラでありますので、放棄するべきではないかと。それは第三者機関や公的機関にもうこの際ゆだねて、皆さんは非常に効率的なインフラをする、インフラを提供する上場株式会社として存在していかれるべきではないかと思いますが、端的にお答えいただけると有り難いんですが。
○参考人(鶴島琢夫君) 前段の部分についてもちょっと意見を言わせていただいてよろしゅうございますか。 事実、有価証券報告書あるいはそれを監査をする監査制度、これは法律に基づく制度でございます。このほかにも、我々は自分たち自身の規則や制度を持ってこの証券市場の信頼性の確保ということには全力を尽くしているつもりでございます。ただ、今おっしゃられたように、例えば会計監査人があれだけの人数と時間を掛けて監査をして適正だと言った報告書が出ているものについて、我々がまたそれを全部一からやり直すということは、これは能力的にも物理的にも困難、不可能なことでございます。 したがって、私どもが市場の信頼性を確保するその前提は、法定開示である有価証券報告書あるいはそれをオーソライズする監査制度、そういうものの役割というものの上に立って、私ども自身の制度の信頼性確保のためのいろいろな仕組みを並行的に組み合わせて、私どもの仕事を、役割分担を果たしていきたい、その機能を果たしていきたい、こういうふうに考えているのが基本的な考え方であります。 それから、後段の部分でございますが、私どもは上場を今目指しております。具体的には、来年度の上場ということに向けて今準備を進めております。 今御指摘の、上場したら、言わば現在取引所が持っている自主規制機能、これを放棄すべきではないかという御指摘がございました。私はそう考えておりません。なぜならば、この今持っている自主規制機能、これは公的な規制機能と、法律に基づく公的な規制機能と自主規制、いわゆる市場、マーケットを預かっているところが持つ自主規制機能というのがあって、この自主規制機能というのは言わば私どもの市場の品質管理機能だというふうに考えております。 それは、自主規制機能を持つ取引所が実際に売買を行い、上場の審査を行い、上場の管理を行う、その場にいる者が一番適切にこれは管理機能を発揮できるものだろうと、こう思っておりますし、それから、その自主規制機能を十分に発揮することによって、市場の信頼性の確保、投資家からの厚い信頼というものが得られ、その上に豊かな流動性が確保できる、そして市場としての機能が発揮できると、こういうふうに考えておりますので、そういう意味では、取引所が是非持たなければならない品質管理機能として自主規制機能を十分に発揮し、そして市場の信頼性を高めていきたいと、こう思っております。これは、上場によっても変えるつもりはございません。
○大塚耕平君 御意見としてはよく理解いたしました。一応私の御意見も申し上げて、最後一言お伺いして終わりにさしていただきますが。 しかし、海外ではやはり上場した証券取引所というのは審査機能は第三者機関にゆだねるというケースが大半でございます。そして、皆様方の決算書を拝見すると、収入の大半は上場企業からの審査料等で賄われておりまして、投資家がお客さんではなくて、皆さんにとって収益を上げる対象は上場しておられる企業御自身かもしれませんので、そういう意味では、やはり利益相反というようなことを考えますと、来年の上場に向けてここは、社長の御意見は、お考えはお考えとしてよく理解できましたので、今申し上げましたような点を踏まえ、私たちも金融庁や東証さんと一緒にいろいろ議論をしていきたいというふうに思っております。 そのことを意見として申し上げた上で、再度、今後の取引所の公正性と投資家保護のためにどのようなスタンスで臨まれるのかをお伺いして終わりにしたいと思いますが、非常に端的にお答えいただいたことにあらかじめ感謝を申し上げておきます。
○参考人(鶴島琢夫君) 私どもは、証券市場の信頼性、公正性、これは大きく三つあろうかと思います。 第一点目は、企業が提供する企業の情報、これが正しくかつ公平に適時に公開されること。これは投資家にとっては何より投資判断上の最も大きな要素でございますので、ここが確保されるということ。第二番目には、市場が不公正な取引が行われない、公正な規則どおりの取引が行われる、これに対する信頼性。これは現在、私ども、現場及びバックオフィスである売買審査等々を通じて、かなり過去の経験からこれに対するノウハウを十分に発揮しながらやっております。第二番目の、市場の公正性ということ、不公正取引を排除する、これが第二番目の、市場の信頼性に対する二番目の大きな要素だと思います。三番目は、投資家と市場を結ぶ証券会社、この証券会社が顧客サイドに立った顧客の信頼を得るビヘービアを取るということ。 大きくはこの三点が相まって証券市場の信頼性を高める、あるいは維持をしていくということになろうかと思います。そういう点では、私ども、先ほど委員の御意見とは若干違ったかもしれませんが、大いに自主規制機能を発揮をして、そうした信頼感、信頼を得る、証券市場の信頼確保のために今後とも全力で取り組んでまいりたいと、こう思っております。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。今日はありがとうございます。 今、大塚委員からもるるお話ございましたので、追加的なところだけお伺いしたいと思います。 まず、今社長おっしゃった自主規制機能の発揮という点につきまして、具体的に申し上げますと、九月だったと思いますけれども、この西武鉄道株がやや株価として異様な動きを示していたということが既に指摘されております。こうした、今までの御経験を長年積み重ねてこられたというお話も今していただいたわけでありますけれども、そうした御経験からしてちょっと異様な動きではないかということが多分見られたんだと思いますけれども、こうした際に、何か不公正な取引、あるいは今回はこうしたことが後から発覚したわけでありますけれども、事前に調査するなりということは今の体制では難しいんでしょうか。
○参考人(鶴島琢夫君) ただいまの御質問ですけれども、私ども、売買審査部というところで、株価の動きそれから売買高の状況、これらのことについては毎日かなりのチェック項目を持って見ております。異常な動きがあった場合、これはかなり詳細の調査に移ります。 それからまた、今若干御指摘がありました、大変重要事実、会社にとって投資判断上重要な事実が発生をした場合、これについてはその前後について大変詳細な調査を一般的に行います。その結果、例えばインサイダー取引の疑いがあるというようなことになりますと、その証券会社を通じて、その後ろにいる投資家の属性なりなんなりというところまで可能な限り調査をいたします。そして、その結果、私どもとしてかなりの事実関係が明らかになれば、これを証券取引監視委員会の方に報告をし、更に調査を進めていただくと。 といいますのは、私どもは直接その背後にいるお客さん、委託者に対しては手が届きません。証券市場に参加をしている証券会社のところまでしか手が届かないものですから、そこから先は監視委員会にゆだねざるを得ないということでございます。 したがって、個別の、西武鉄道について今何か具体的に調査を行っているか、あるいはどこまで調査が進んでいるかという個別の状況についてはコメントを差し控えさせていただきますが、そうした重要事実が発生したものについてはすべて調査をしているということでございます。
○西田実仁君 じゃ、今回の場合は九月の時点で調査をしたかどうかということはコメントいただけないということでしょうか。
○参考人(鶴島琢夫君) 私どもは、重要事実が発生をしているというふうに思っておりますので、一般論からいっても調査の対象になっているということは申し上げられると思います。
○西田実仁君 もう一つ、自主規制機能ということで、ちょっと細かい話で恐縮ですが、先ほどの日本テレビ等の話で、上場廃止と上場継続の分かれ目のお話を御説明いただきました。東証の規則では、この有価証券報告書の虚偽記載について、明示的にそれが上場廃止基準になるとは記されていないというふうに認識をしておりまして、規則にあるのは財務諸表等に重大な虚偽記載があった場合と、こういうことになりますが、この等に要するに有価証券報告書というのが入るということと理解すればよろしいんでしょうか。
○参考人(鶴島琢夫君) 有価証券報告書等に財務諸表が載っかっております。したがって、その財務諸表等に虚偽記載があった場合、そしてかつ、その後ろに重大な影響を与えたと認められる場合というのが付いております。これは、先ほど大塚委員からも御指摘がちょっとありましたけれども、この重大な影響の判定のところはいろいろなケースがございますので、機械的にこういう影響が出た場合はということがなかなか前もって書いておくことができないというところで、重大な影響の度合いについて取引所がある程度の裁量権を持たざるを得ないこともこれも事実でございますが、その重大な影響があると認めた場合には廃止をするということでございます。 したがって、先ほども、分岐点になりましたけれども、日本テレビ放送網の場合と西武鉄道の場合に、そこの重大な影響という点で我々の判断に違いがあったということは先ほど申し上げたとおりでございます。
○西田実仁君 次に、失われた投資家の信頼をいかにして取り戻していくのか、先ほど来からお話はこれがメーンテーマなわけですけれども、具体的には「会社情報等に対する信頼向上のための上場制度の見直しについて」というのを既に公表されておりました。ここで「適時適切な情報開示に関する宣誓」ということが言われているわけでございますけれども、この適時適切な情報開示ということは、具体的な中身あるいはそれに反した場合の罰則等についてどのようにお考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。
○参考人(鶴島琢夫君) 今ごらんになっているこの内容でございますが、適時適切な情報に関する宣誓書というのを今おっしゃられたように考えております。この中身については今検討中でございます。どういう項目に、宣誓書の中身にするかということについては現在検討中でございますが、そこのペーパーの中にも書いてございますように、宣誓事項について重大な違反を行った場合には上場契約違反等に係る上場廃止基準の対象としたいというふうに考えております。したがって、この宣誓書というのはかなり重い意味合いを持つ。これによって、上場会社の企業の方々に対して常に市場あるいは投資家というものに視線を当てた経営姿勢、情報開示というものを求めていきたいというふうに考えている次第でございます。
○西田実仁君 そうしますと、西武鉄道がジャスダックに上場するとかしないとかという報道もありまして、こうした厳しい投資家の信頼を回復していくという措置を他の取引所との連携という点ではどうお考えなんでしょうか。また、それが一つと、もう一つは、西武鉄道の、併せて関連した質問として、ジャスダック上場について一言コメントいただけたらと思います。
○参考人(鶴島琢夫君) 実はジャスダック市場というのは私どもが管理をしている市場とは違う別の独立した市場でございますので、ここがこれから西武鉄道に対して、まだ申請が出ているというふうには聞いておりませんが、どういうふうなビヘービアを取るのかということについて私どもがコメントをする立場にはないだろうと、こういうふうに今考えております。
○西田実仁君 今、最初の方で申し上げた他の取引所との規則等に関して、上場廃止基準あるいは投資家の信頼を取り戻すための様々な、この宣誓を含めてなんですけれども、そうした他の取引所とのこうした規則に関する連携、あるいはその本になる何か法律あるいは政令等が必要とお考えになるかどうか、最後にお聞かせ願えますか。
○参考人(鶴島琢夫君) これは物によっていろいろあるんだろうと思います。つまり、今問題になっているような情報開示に対して真摯な姿勢で取り組んでほしいと、これは各取引所あるいは各市場共通の認識であろうかと思います。 ただ、定量的な上場基準、例えば上場株式数であるとか株主数であるとか、あるいは少数特定者持ち株比率であるとか、こういうものは、その市場のサイズ、市場の特色によって変わっていいものだろうというふうに考えます。
○西田実仁君 終わります。 ありがとうございました。
○委員長(浅尾慶一郎君) 以上で鶴島参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人にお礼のごあいさつを申し上げます。 本日は、大変お忙しい中、本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。(拍手) 本日はこれにて散会いたします。 午後三時十八分散会