財政金融委員会 第6号
- 発言数
- 126 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2004/11/16
会議録
○委員長(浅尾慶一郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 関税暫定措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣参事官塩田誠君外八名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(浅尾慶一郎君) 関税暫定措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○若林秀樹君 民主党・新緑風会の若林と申します。 今日はメキシコとのEPAについてということでございまして、まず私の基本認識を述べたいというふうに思います。 EPA、経済連携協定というのは日本の新しい経済戦略として推進すべきであるということでございまして、そのコンセンサスは我が国においても徐々に深まりつつあるんではないかなというふうに思います。それはあくまでガット、WTO等の政策規律に反しないということがもちろん前提ではありますけれども、二国間である程度やっぱり自由度が高く協定できるという意味ではやりやすさがあるんですが、一方、そのコストとしての代償をやっぱりきちっと見極めておく必要があるんではないかなというふうに思います。 今回はやや守りとしてのメキシコのFTAでございますが、本丸はやはり東アジア共同体でありますので、確かに、メキシコとの協定において、メキシコとの中で協定はしますが、一方、その協定がやっぱり東アジアにも波及する、あるいは最終的にはアジアの経済統合の一つクリアすべき標準的な基準になりかねない、そのくらいの私は自覚と責任を我が国が持ってこのメキシコにおいても協定を結ぶべきではないかなというふうに思いますので、確かにもう衆議院では民主党も賛成はしておりますけれども、私は個人的に少し問題もある協定ではないかなというふうに思っていますので、基本的には賛成の立場ですが、そういうことできちっと是々非々でこの場で議論をさしていただきたいなというふうに思っているところであります。 その意味で、まず、谷垣大臣に私初めて質問することになりますけれども、このEPA推進に当たって、閣僚の一人でございますので、関係閣僚会議、推進会議ですか、そういうのにも参加されているメンバーとして、今日も議題となります農業問題、あるいはこれから東アジアとの、人の移動の問題も含めまして、基本的な認識について伺いたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 若林委員がおっしゃいましたように、FTAを含む経済連携の強化というのは日本にとりまして今や死活の課題となっているのではないかと私は考えております。もちろん、中心にあるのはと申しますか、多角的な貿易体制、WTOを中心とする多角的貿易体制、これは、やはりあくまで我々が目指すべき方向としてこれを中心に据えなきゃなりませんが、やはりそれを補完するものとして貿易自由化あるいは経済活性化を迅速に進めていくという観点からも、私はこれはもう政府を挙げて取り組まなければならない課題ではないかと思っております。 そして、今おっしゃいましたように、単に物、財の移動というだけではなくて、人の移動の推進、円滑化、含めまして、それからさらに、ちょっと視野を広げますと、私どもは租税協定というようなことで投資を促進するということもこれと一緒に重要なことではないかと思っておりますが、そういう形で物、金、人というようなものができるだけ、何というんでしょうか、活発に交流できる仕組みを作っていくということが大事なことではないかというふうに思っているわけです。 もちろん、今回のメキシコとの協定でも問題になりましたように、農林水産物に関する関税交渉におきましては、まあ農林水産業の多面的機能とよく申しますが、そういったもの、あるいは食料安全保障、それから農業の分野でも構造改革が必要でございますが、そういう構造改革の努力に水を差すものであってはならないというような、いろんな観点を十分に勘案しながら進めていく必要があるのではないかなと、このように考えております。
○若林秀樹君 ありがとうございます。 そういう高い視点での経済連携をやっぱり進めていくことが必要ではないかなというふうに思いますので、目の前のメキシコももちろん重要ですが、これからのやっぱり東アジア、ASEANプラス3とよく言われますけれども、その地域のやっぱり経済安全保障と申しましょうか、そういう中で地域の安定をこの面からも図っていくことができるんではないかなというふうに思いますので、是非、閣僚の一人としても積極的な推進の立場でまた御参加いただければ有り難いなというふうに思っております。 その上で、まず総論的なところでございますが、メキシコは、EUあるいはアメリカとの経済協定の中で、どちらかといえば我が国の輸出等の機会がこの数年間相対的に下がってきたということであります。今回のEPAによって我が国の貿易量も含めまして伸びるんだと思いますけれども、双方向が同時に考えられるんですが、まず、メキシコ政府はこれにより毎年一〇・六%輸出が増えるんではないかという発言を大統領自らもされているわけですが、メキシコ政府が期待している輸出品目の、品目とその量はどういうふうに考えているのか、外務副大臣にお答えいただきたいと思います。
○副大臣(谷川秀善君) 若林議員の御質問にお答えをいたします。 ただいま先生からお話がございましたように、本年の三月にメキシコの経済相は、日本とメキシコ経済連携協定によりまして、メキシコから日本への輸出が今後十年間で平均一〇・六%増加し得ると、今先生のおっしゃったとおりでございます。 この数値は、一九九〇年から二〇〇〇年の十年間に最も対米輸出が活発であった機械と設備分野の伸び率、これは大体年間平均九・一%でございますが、これが日本・メキシコ経済連携協定により回復されると仮定をした上で、これに本協定の締結によりまして期待される食品、飲料分野等の輸出の伸びを勘案し、試算をしたと、そのように我々は承知をいたしております。
○若林秀樹君 ありがとうございます。 まあ食品、飲料というお話もありましたけれども、その中に様々な品目が含まれるんですが、そこまではやっぱり把握されてないということではないかなと思います。 併せて、二問併せてお伺いしたいと思いますが、NAFTAの発効によるメキシコへの日本の輸出機会の喪失四千億円の根拠、そしてまた二〇〇〇年のEUとの自由貿易協定発効から昨年までの間、メキシコへの日本の輸出の機会の喪失は幾らか、併せてお答えいただきたいと思います。経産省、お願いします。
○政府参考人(小川恒弘君) お答え申し上げます。 まず第一点目でございますけれども、正式の政府間の、日本とメキシコのFTA交渉に先立ちまして産官学の日墨共同研究会が開催をされたわけでございますけれども、その研究会のプロセスにおきまして、先生御質問のNAFTA発効による我が国のメキシコへの輸出機会の喪失に関する試算が行われているところでございます。 具体的に申し上げますと、北米自由貿易協定締結直前の一九九四年におきますメキシコの世界全体からの輸入総額に占める日本からの輸入額のシェア、これは約六・一%程度であったわけでございますけれども、このシェアが、仮に、一九九九年現在、これは研究会の開催時点で活用可能であったデータということでございますけれども、一九九九年現在でも維持されていると仮定した場合の日本からメキシコへの輸出額、これは仮想の金額でございますけれども、それから一九九九年の輸出実績を差引きした金額を逸失いたしました輸出機会といたしまして約四千億円と試算しているところでございます。 それから、二点目でございます二〇〇〇年以降の話でございますけれども、メキシコの世界全体からの輸入額に占めます日本からの輸入額で見た場合のシェアでございますが、EUとメキシコの自由貿易協定が発効いたしました二〇〇〇年の三・七%から、二〇〇三年には四・四%と若干の改善傾向は見られましたが、九四年当時、これはNAFTA発効時でございますけれども、当時のシェア水準でございます六・一%には及ばない状況が続いているところでございます。 以上でございます。
○若林秀樹君 ありがとうございました。 そういう意味では、この数年間にメキシコへの輸出機会が大分喪失したんではないかと。ある意味じゃ失地回復につながるこのEPAではないかなというふうに思いますが、その上で改めて、日本からのメキシコへの輸出はこのEPAの協定によってどのぐらい伸びると試算しているのか、併せて、併せてというか、この点についてお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(小川恒弘君) お答え申し上げます。 アメリカ、EUなど先進各国からメキシコと自由貿易協定を締結する一方、我が国につきましてはメキシコ市場におきましてこれまで平均約一六%の関税負担を支払ってきたわけでございますけれども、このたびメキシコと協定が締結されることによりましてこのような弊害が解消されまして、日本企業が欧米企業と対等に競争ができる土台ができたというふうに考えております。 協定締結によります具体的な輸出増加額を試算したものはございませんが、今回の協定の成果といたしまして、鉱工業品につきましては、ほぼすべての品目についてこれから十年以内に関税が撤廃することになったことから、幅広く輸出が拡大する可能性があると私ども考えております。 特に、ほぼすべての鉄鋼製品につきまして十年以内に関税が撤廃され、さらにそのうち電子、それから家庭用電気製品、それから資本財、自動車の四分野に使われます鉄鋼製品につきましては関税が即時撤廃されることになっております。 また、自動車につきましても、前年の、前の年のメキシコ国内販売台数の約五%に当たります新たな無税枠が設けられまして、また七年目には関税が撤廃されることになりますので、これら品目につきましても輸出の伸びが期待されるとされているところでございます。 以上でございます。
○若林秀樹君 ありがとうございます。もう少し具体的な数値も経産省で試算しているのかなと思いましたから、そうでもないような感じがしておるところであります。 谷垣財務大臣には余り質問項目が今日はありませんが、ところどころで閣僚の一人として御認識なり御感想を聞きますので、緊張を持って聞いておいていただければ有り難いなというふうに思います。 次に、関税率についてお伺いしたいと思います。 今回のEPAにつきましても全体で九六%ですか、関税撤廃ということになりますので、私はこの数値というのはある程度意識しなきゃいけないものではないかなというふうに思います。その意味で、あえて、ガットの二十四条及びその解釈に関する了解というのはどういうものになっているのか。あわせて、EUの文書に従えば具体的な無税の率というのはどのぐらいを目指すべきなのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(北島信一君) お答え申し上げたいと思います。 ガットの二十四条及びその解釈に関する了解でございますけれども、これはいわゆるFTAのWTO整合性について種々規定しているということでございます。 例えば、実質上のすべての貿易について関税その他の制限的通商規則を廃止する、自由貿易地域を設定するための中間的な協定の場合には原則として十年以内にこれを完成させるものでなくてはならない、さらに、自由貿易地域の設定前よりも域外国に対して関税その他の通商規則が高度又は制限的なものであってはならないこと、そういったことを決めております。 同時に、その実質上のすべての貿易、これを満たすための具体的な基準でございますね、具体的な基準、これは確立していないということでございますけれども、日本としては、実質上のすべての関税その他の制限的通商規則が廃止されなければならないとの量的基準と、主要分野が自由貿易地域内の自由化の対象から外されてはならないとの質的基準、この両方を満たす必要があると考えています。 委員が御指摘になったEUの文書でございますけれども、EUは自らの結ぶ個別のFTAにつきまして、ガット二十四条八項で言うところの実質上のすべての貿易との整合性、これとの関係で、貿易量ベースで九〇%以上、九〇%以上について関税撤廃を行うということについて種々の形で表明してきているということがございます。
○若林秀樹君 それはEUの文書ではなく、いろんな場面で発言されていることが担保されて、九〇というのは実質上無税の目指すべき水準になっているという理解でしょうか。もうちょっと書かれたものがしっかりあるのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(北島信一君) 個別のFTA交渉に臨む際のEU側の考え方として、いろいろな文書で九〇%という数字に言及しております。 他方、FTA一般における関税撤廃の基準に関して定めたEUの公開文書は存在しないということのようでございます。
○若林秀樹君 ないようでございますというか、何かちょっと頼りないんですけれども、私が読んだ本によれば、EUの文書によってそういうものが規定されているということがあったものですから、改めてそういう意味で確認をさせていただいたところであります。 そういう意味でいうと、やはり少なくとも九〇%は最低でも十年以内に撤廃を求めるということが一つのターゲットになると思うんですけれども、あえて今回の協定でいえば、全体では九六%でありますけれども、メキシコからの輸入額は約八七%という試算が出ているわけですが、余りにもその差が大き過ぎるというんでしょうかね、こちら側は九八、向こうが八七というのは、やっぱり双方向に九〇%を目指すというのがガットあるいはそういう協定の精神ではないかなというふうに思いますが、それについて、基本的な認識について副大臣にお伺いしたいと思います。
○副大臣(谷川秀善君) ただいま先生がおっしゃいましたそのいわゆるEUの問題でございますが、十六日に在EUの代表部に照会をいたしました。そういたしますと、先方から、FTA一般における関税撤廃の基準に関して定めた、いわゆる九〇%と定めた定かな文書はないと、こういうふうに言うておるんですが、その都度、九〇%以上ということを言っておりますので、大体その辺が目標になるのではないかなというふうに私は考えておりますし、それとまた、今、ただいまおっしゃいましたメキシコとの比率でございますが、これはやっぱり具体的には、実施する場合にはできるだけ対等に近い形に持っていくべきではないかというふうに考えております。
○若林秀樹君 そういう意味では、明示的にはおっしゃられませんでしたけれども、望ましくはやっぱり九〇%を超えることがメキシコなどの輸入においても必要だという認識で私もとらえたいと思います。 そういう意味で、八七はやや低いんではないかなという感じはしております。これはやっぱり農産品の問題がありますので、その問題認識については理解できないわけではありません。しかし、今回の協定で見て少し私が問題だと思うのは、先方の関心事項である農産品の五品目、例えば、鶏肉については一年目に関税率を協議、牛肉については二年目、さらに、この間にいろいろもめておりましたオレンジ生果についてはさらに二年目に協議ということで、肝心なことをやっぱり決めていないんですよね。これまでのやり方は、どちらかといえば、五年目に撤廃、七年目に撤廃、徐々にすることを全部段階的に決めて協定で結んでいるんですけれども、今回は、二年掛かってもめたにもかかわらず、肝心なことを決めてないんではないかなというふうに思うわけで、確かに、この協定のやり方というのはほかのケースでもないわけじゃないんですけれども、やっぱり我が国が協定する内容として、何も決めずにまた先送りしているような私は印象があるんですが、この辺について、財務大臣、いわゆる関税という意味において、こういう協定の中身を決めないで大枠を決めちゃうというのは、万が一これで一年目、二年目に協定するときに整わない、じゃこの協定破棄だということにつながりかねないんではないかなというふうに思いますが、その辺の問題認識はどうでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今おっしゃった三品目については随分交渉の経過でもいろいろあったわけですが、要するに向こう側の関心と、それから我が国のそういった産品に対する影響というものをどう調和するかというのが一番の問題点であったというふうに思います。 それで、先ほども御答弁申し上げたように、農林水産業に関連する物品の場合には、やはりそれぞれの国の風土や何か違いますから、要するにいろんな多面的機能であるとか食料安全保障、それから構造改革の努力、こういうものに水を差さないようにするということが必要だと思いますので、そういう調整の結果こういう形になったということだろうと思っております。 したがいまして、一年後ないし二年後にもう一回再協議しなければならないわけですが、その再協議をどういう条件でやるかということも、大きな枠組みはできておりますけれども、今委員がおっしゃったような御懸念がないように、我々また一致して取り組まなければいけないと思っております。
○若林秀樹君 谷川副大臣、済みません。副大臣にもちゃんとお伺いしなきゃいけなかったんですが、今と認識が同じであれば結構でございますが、もし違うんであれば逆にお答えいただければ有り難いです。
○副大臣(谷川秀善君) 今おっしゃったとおりでございます。認識は私と委員と同じベースに立っておると思っております。
○若林秀樹君 それは一緒じゃないと困ってしまうわけでございますけれども、あえて聞いたわけであります。 その上で、ちょっと意地悪い質問かもしれませんけれども、二年目、一年目、それぞれ協議するということで、整わない、協議してまとまらない場合には、この枠がこれだけの輸入量で入ってきますと、いわゆる無税の額というのは今八七%ですが、また相当落ちるんではないかなという感じはしていますけれども、もしそういう試算があったら教えていただきたいと思います。
○政府参考人(内藤邦男君) ただいまの御質問につきましてお答え申し上げます。 日本とメキシコEPAにおけます無税譲許率は、二〇〇二年、平成十四年でございますが、のメキシコからの輸入額を基に計算いたしますと、御指摘のとおり約八七%となります。 これを仮に協定発効五年後におきまして、輸入の大宗を占める鉱工業品を含めまして農産物五品目以外の品目の輸入に何の変化も起きず、当該五品目の輸入のみが特恵の輸入枠一杯まで増加するという、こういうある特殊な前提の下で試算をいたしますと、無税の譲許率は約七六%ということになります。 以上でございます。
○若林秀樹君 ありがとうございます。 やや無理な推論、試算もお願いはしているんですけれども、仮に協議が整わないと更にこれが七六%まで下がっちゃうんですね、無税の総量が。そういう問題認識を持っていただくということがやっぱり必要ではないかとも思いますし、やはりできる限り協議して決めて、大枠を協定するというのが基本ではないかなというふうに思いますが、そういう基本であるという認識は、谷川副大臣、お持ちであるということでよろしいでしょうか。
○副大臣(谷川秀善君) それで結構です。 やっぱりこの税率は、一割又はそれ以上低い税率とすることが約束をされておりますので、それはやっぱり実行していく必要があるのではないかというふうに考えております。
○若林秀樹君 約束はされていなくて、これまた協議ということですから、それによって下がる可能性が非常にあるという認識は是非持っていただきたいなというふうに思います。 その上で、私は単純に分からないことをお伺いしたいと思うんですが、関税率ではだれがどのように決めているのかということであります。ただ交渉の結果で決まるというのはもちろん当たり前ですが、やっぱり役所の中でだれかがこの関税は幾らだということを案として示して、交渉の結果まとまっていくわけですよね。これについてはいいと思うんですけれども、なぜアスパラガス、カボチャが関税即時撤廃で、なぜサクランボ、ナシが七年で、なぜ米、リンゴ、サバが除外されるのかという、単純にこの基準が分からないんです。 やっぱりこういうものもきちっと客観化していただかないと、今回の協定書を見ても、七百数十ページですか、もう全部にわたって税率が書いてあって、英文の協定ですと一千三百ページとか、もうすごい莫大な量でありますけれども、この辺についてのお考えをちょっとお伺いしたいと思います。
○副大臣(常田享詳君) メキシコとのEPA交渉につきましては先ほど大臣の方からお話がございましたけれども、農林水産業の持つ多面的機能とか食料の安全保障とか、もちろんそういったことに十分配慮して交渉を行っているわけでありますが、それぞれ今御指摘の個別のものの扱いにつきましては、当該品目に対する先方ですね、メキシコ側の関心の度合い等を考慮しつつ、いわゆる我が国の関税水準、また出回り時期の競合の度合いですね、同じ品目でも出回り時期の競合の度合い、また相手国の輸出余力があるかどうか、それだけの余力があるかどうか、それから我が国の輸出可能性等を踏まえて、それらのことを総合して交渉を行って、いわゆるぎりぎりの判断を行っているということでありまして、そういったことを踏まえて、政府として品目ごとに決定をしているということでございます。
○若林秀樹君 総括的に言われるとそういうことになるんだろうと思いますけれども、なかなかこれがやっぱり理解できないんですよね。例えばバナナ、バナナというのは日本に、日本産のバナナというのは余り聞いたことがないんですけれども、それでも十年掛かって撤廃ということがいろんな基準の中でそういうふうに決まっている。なぜそうなんだということが分からない。 あるいは、お米にしても、最初からお米はもう除外なんだといいますが、本当にメキシコのお米が入ってくるかということは、私は可能性というのは非常に少ないとは思うんですけれども、最初からもう除外なんだということで、これはこれからのタイとかに関連するんですけれども、やっぱりカードというものがあるんであれば、もう最初からお米は除外なんだということで頭から割り切ることが交渉に与える影響も私は非常にあるんではないかなというふうに思いますが、もう少しやっぱり客観的な状況のパターンという、基準を作ることも必要ではないかなというふうに思います。 そうしないと、ここに、変な話、いろんなやっぱり政治家からの圧力があって、この関税率は云々ということになりかねない。それをはねるためのきちっとしたやっぱり基準というものが私は必要ではないかなというふうに思いますので、あえてその点について指摘させていただきたいというふうに思います。 その上で、今回の農産品の五品目の中の牛肉についてお伺いしたいと思います。四年の、今年のこれまでの輸入実績についてお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(木村幸俊君) お答え申し上げます。 牛肉の関税割当て対象品目の本年一月から九月までの輸入数量は一千七十三トンとなっております。
○若林秀樹君 既に九月までに一千七十三トンの牛肉が輸入実績としてあるということであります。今回の取扱いの中で、牛肉、当初二年間は市場開拓枠十トンで無税である。九月に私の事務所に来て説明された方は、いや、まだ実績がないんです、だから無税枠として十トン設けましたという話にありまして、実はもう九月で一千トンを超えているんです。 これは、言い分としては、二年前からの交渉の過程で今日には来ているとはいえども、協定を結んでいるのは、これはこの九月でしたっけ、その署名をしたということでありますので、もう余りにもこの市場の実態と交渉の当事者がそれに全く敏感に調査して、反応しないで交渉している、締結していると思われても私は仕方ないんではないかなというふうに思います。ある意味では当事者としての姿勢が問われるものでありますので、この辺についての問題認識についてお伺いしたいと思います。
○副大臣(常田享詳君) ただいま御指摘のとおり、牛肉についてはメキシコからの輸入量が二〇〇三年には〇・二トンであると、そういう実績を踏まえて、協定発効当初二年間は十トンの無税枠を設けるということであります。ところが、今、実際には輸入量一千七十三トンあるじゃないかということですね。このことにつきましては、昨年十二月に、御案内のとおり、アメリカでBSEが発生したことを受けて米国産牛肉の輸入を停止した、そのことに伴って、その代替として一時的にメキシコ産の需要が高まっているという背景があるというふうに承知しております。
○若林秀樹君 〇・二トンしかない実績が九月までで一千トンを超えるということについて、私はちょっと異常な数字だというふうに思うのが普通ではないかなというふうに思います。 申し上げたいのは、先ほど申し上げたとおり、その交渉の当事者が、別に九月に突然出てくるわけじゃないんで、これまでずっと輸入が続いているにもかかわらず、九月の時点でまだ市場開拓枠で、実績がないからということでこれを協定しているということ自体が、私は本当にこれは問題ではないかなというふうには思いますので、実績の問題じゃなくて、今はまずは交渉の問題として言っているので、それについての問題認識はないかということをお伺いしているんです。これは外務省の問題になるのかもしれませんけれども、その辺はいかがでしょうか。
○副大臣(谷川秀善君) そうですね、その実績については今後どうするかということだろうと思いますが、この点については、私どもとしては今のところどうするかということについては現在考えておりません。
○若林秀樹君 実績について考えていないって、実績なんですよ、それはもう。ちょっと答弁になっていないですので。 要は、やっぱりおかしいですよ、こんなの。その交渉当事者がやっぱり市場を見て敏感に反応して協定しなきゃいけないんですよ。二年も掛かっているからというのは理由にならないので、その当時の市場がどう動いているかということをぎりぎりまで踏まえてやっぱり協定するというのは、これは当然の話でありまして、それを知らないで政府間が交渉しちゃうということ自体はやっぱり問題だということでありますので、もし、谷垣財務大臣も閣僚の一人として問題認識でお答えいただければ有り難いと思いますし、副大臣も私の質問に対しての答えにはなっておりませんのでお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 牛肉のマーケットについては必ずしもきちっとした知見を今私持っているわけではございませんけれども、交渉に当たっては現状をよく把握しながらやるというのは当然のことだろうと思います。
○副大臣(谷川秀善君) 牛肉については農水省に答えてもらいたいと思いますが。
○政府参考人(内藤邦男君) お答え申し上げます。 繰り返しになりますけれども、牛肉につきまして、交渉を行っていた時点におきましては輸入実績はほとんどございませんでした。したがいまして、そういった合意をしたわけでございます。 この合意につきましては、その一部だけを取り上げておるのではございませんで、農林水産物全体のパッケージの一部として合意したものでございます。交渉後、輸入が行われるようになったからといいまして、我が方から自発的にメキシコ側に有利となるような見直しを行うような性格のものではないというふうに考えておりますし、またメキシコ側からも見直しの要請もございません。 以上でございます。
○若林秀樹君 あのね、そういう言い訳しちゃ駄目ですよ。やっぱり交渉の当事者として、一月からずっと輸入実績があるわけですよ、やっぱりそういうのをチェックしながらやらないと、やっぱり市場と遊離して政府間が協定して、その協定自体が意味がなくなるということを申し上げているんであって、そういう言い訳を聞きたいがために質問しているんじゃないんですよ。現実に一千トン超えているじゃないですか。それを、質問、私の部屋に来て、ああ、もう輸入実績ありませんからということを平気でしゃあしゃあ言って説明してくること自体が交渉当事者としての姿勢が問われるわけですよ。 だから、そういうやっぱり緊張感を持って市場を見ながらこれをやらないと、やっぱりスピードから出遅れますよ。そういう立場でやっていて、二年前から交渉していたからこれがパッケージだなんて言っている場合じゃないでしょう。だから、そういうやっぱり反省を持っていただきたいなというふうに思いますので、私の言っている趣旨は分かると思いますが、やっぱりそういう言い訳はしないで、今後しっかり協定をしていただきたいと思います。
○副大臣(常田享詳君) 委員の御指摘はよく理解できますので、今後、FTA、メキシコだけじゃなくて次々続くわけですので、しっかり引き締めてやっていきたいと思っております。
○若林秀樹君 是非、副大臣、よろしくお願いしたいと思いますし、外務省も、その交渉の先頭に立ってやる、役割としてしっかりそういう緊張感を持って市場見て頑張っていただきたいというふうに思います。 時間がないんで少し飛ばさせていただきますが、セーフガードの問題でありまして、二国間セーフガードの発動が今回の協定でも可能となるわけで、国内産業における重大な損害等に関して具体的にどの程度の損害ならセーフガードって発令すべきと認定するのか、その客観的な数字についての考え方について伺いたいと思います。 あえて具体的に明示的に言えば、例えば豚肉なんですが、五年間で八万トン輸入されると。輸入されれば、当然、全体の消費量が伸びなければ国内の生産量に影響するわけですね、国内のシェアが落ちるということでありますので。これが重大な損害になるのかどうかということも含めまして、どういう基準でセーフガードを発令するのかということについてお伺いしたいと思います。財務大臣、できれば財務大臣に。
○副大臣(上田勇君) 今セーフガードの発動すべき基準についての質問だったというふうに思いますけれども、国内産業の重大な損害という定義については、協定上は「国内産業の状態の著しい全般的な悪化をいう。」とされているわけでありまして、定量的な基準というのは定められてはおりません。ケース・バイ・ケースでそれぞれ調査をし、そしてその調査において客観的かつ数値化された各種指標を基に判断をしていくということになります。 いずれにしても、そうした数値を基に客観的に、また適切に認定していくということになっているというふうに考えております。
○若林秀樹君 そういうことでいえば、協定する範囲内において例えば豚肉が八万トン入ってきましたと、それに伴って国内の生産量のシェアがその分ぼんと落ちましたと、それは重大な損害にならないと、それでは。あくまで協定しているんですから、その範囲内において国内シェアが落ちても重大な損害にならないという理解でよろしいでしょうか。
○副大臣(上田勇君) 今、豚肉の事例を出されましたけれども、これはセーフガードの対象とはなっていないものではありますけれども、一般的にこのセーフガードのことについて言えば、先ほど申し上げましたように、いろんな数値化された各種指標、これは例えば輸入の増加率であるとか、あるいは国内におけますマーケットシェアというか国内産業の販売、生産、価格など、そうした指標を基に、それを、そうした客観的な指標を基にケース・バイ・ケースで判断をしていくということになります。
○若林秀樹君 対象になっていないと言いますが、対象になる可能性はあるわけで、ですから、協定の中身が輸入されて、すなわちそれで国内生産シェアも落ちるんで、それをもって損害ではないというのは考え方によっては当然のことでありますので、そういうことでは損害には当たらないという理解で答弁されたということで理解したいというふうに思います。 その上で、もう時間がなくなりつつありますので、最後、谷垣財務大臣にこれからのEPA推進に当たっての決意として質問させていただきたいというふうに思います。 私は、今回このメキシコの協定でも二年間掛かっておりまして、二年間たったら輸出の実績があるぐらいの市場の変化は激しいわけですね。これからのやっぱり東アジア共同体でのEPAというのが非常に日本にとっての死活問題になります。そういう意味では、やはりスピーディーな司令塔的な日本国政府の推進組織が私は必要ではないかというふうに思っております。これについて、今経済連携促進関係閣僚会議というのがあるんですが、これはあくまで私は恐らく調整会議ではないかなというふうに思います。 今日の日経新聞ですが、FTAの基本戦略を諮問会議で検討すると。今ごろ基本戦略をこれから検討するというのはどういうことかなというふうに思いますが、要はやっぱり戦略性に欠けているというふうに私は思うんですけれども、もうスピード感持って、戦略性持って、どこから協定していくのか、どういう形で最終的な姿をやっていくのかというこのステップが基本的にないんで、やはり総理の下に強力に推進する外交戦略本部のような司令塔的な役割があった方がいいんじゃないかなと思いますが、その認識と御決意を聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今委員がおっしゃったEPA推進の組織として経済外交戦略本部のようなものを求めろと、作れと、こういうことでございますが、既に閣僚レベルで経済連携促進関係閣僚会議というのがございます。さらに、事務レベルのものもございます。 それで、むしろこのメキシコとの協定を結びますときには、随時、官房長官の下で、外務大臣それから経済産業大臣、農林水産大臣、私、四人集まって、そのときそのとき議論をするような機会がしばしばございました。そういう形で機動的にやった方がうまく動く場合があるのではないかなと、この間のメキシコの場合を見てそう感じております。もう一方、このごろやはり政治主導だということで官邸にいろんな会議ができまして、まあ毎日毎日ありまして、必ずしも組織を作れば現実がうまく動くというものでもないような気がいたします。ですから、一番、当事者がそのときそのとき機動的に集まって、ぱっと議論して、決断をして、更に先へ進めるというようなことをもっとやるべきじゃないかというふうに私は思っております。 それで、一番最近こういう関係で集まりましたときは、委員が先ほどおっしゃいましたように、シンガポールやったと、それからメキシコもこれで動いていくと、あと、何というんでしょうか、モメンタムを失わないように、次のASEANあるいは韓国、いろいろ交渉しておりますけれども、モメンタムを失わないように次のものを打ち出していくのが大事だから、それをお互い心してやろうと、こういう議論になっております。こういう方向で更に努力をしたいと思っております。
○若林秀樹君 終わります。
○広田一君 よろしくお願いします。民主党・新緑風会の広田一でございます。 まず、日・メキシコ経済連携協定締結に至る政府関係の皆さんのこれまでの御努力、御尽力に心から敬意を表したいと思います。この協定につきましては我が会派の方も賛成をいたしました。その意味で、今日は確認の意味で幾つか御質問をさせていただきたいと思いますし、また、時間に余裕があれば委員長始め委員の皆さんのお許しをいただいて財政問題について質問をしたいと思います。 まず、平成十四年七月に報告されました日・メキシコ共同研究会報告書の概要では、メキシコがNAFTA、EUとのFTA締結により日本からの輸出や現地進出企業に深刻な影響があったとしまして、その影響例と被害推計を挙げられていると聞いております。これについては、先ほど若林委員の方からの御質問に対して四千億円等の被害が出ておるというふうに報告がございました。それに関連して、例えば雇用喪失が一体幾らで、これによって日本のGDP並びに失業率にどのような影響があったと試算しているのか、教えていただきたいと思います。
○副大臣(谷川秀善君) 広田委員にお答えをいたします。 ただいま御質問ございました二〇〇二年七月に発表されました経済関係強化のための日本・メキシコ共同研究会報告書によりますと、電気製品や電力プラント関連の輸出への打撃や、自動車、電気、電子関連部品に関する問題点等を指摘をされております。 例えば、NAFTA発効以降、メキシコの輸入におきます我が国産品のシェアは低下をいたしておりまして、NAFTA発効時のシェアが現在も維持されていたとした場合に比べまして約四千億円相当の輸出が喪失したと推計をされております。また、自由貿易協定がないための関税負担等により、例えば日系企業はメキシコにおける発電プラントプロジェクトの受注が実質上困難となったとしており、その結果、約千二百億円が喪失すると計算をされております。
○広田一君 何点か答えていただいたんですが、雇用喪失であるとか、これが国内失業率にどのような影響があるのか、この点については報告になかったと思いますので、よろしくお願いします。
○副大臣(谷川秀善君) まあ雇用喪失につきましても相当影響があったと言われておりますが、具体的な数値につきましては今手元にございませんので、後ほど御報告さしていただきます。
○広田一君 済みませんが、よろしくお願いします。 特にこういった不利益についてはメキシコのNAFTA締結の影響が大きいというふうに推測をされますけれども、当時、この協定締結の日本経済に与えるマイナスの影響について当然検討されたと思いますけれども、教えていただきたいと思います。
○委員長(浅尾慶一郎君) 御答弁お願いいたします。
○政府参考人(坂場三男君) お答え申し上げます。 先ほど谷川副大臣より御説明申し上げましたとおり、一九九四年、NAFTAが発効しましたときに、メキシコの輸入に占める日本の貿易分というのが六・一%ございました。これが、この報告書が提出されましたときに、ちょうど二〇〇〇年の、西暦二〇〇〇年のデータをベースにしたわけですけれども、そのとき日本のシェアが三・七%に低下しております。ほとんど、半額とは言いませんけれども、六割ほどに日本のシェアが低下しまして、特にプラント関係のいろんな部品が大幅に輸出できないという状態になりまして、その分雇用面での影響等が大きく日本側に出たというのが当時の研究の結果出された内容でございます。
○広田一君 確認ですけれども、当時からかなり日本経済に影響が出るというふうに予測をしていたという理解でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(坂場三男君) 北米自由貿易協定、このNAFTAにつきましては、一九九〇年当時から既に交渉が始まりましたときに日本についても当然影響が出るということがいろいろと議論をされまして、その後の研究の結果、やはり当初懸念されていたような実害が出てきたというふうに理解をいたしております。
○広田一君 次に、一方で日本とメキシコとの貿易量をイメージするために、メキシコがNAFTA締結前の一九九三年と例えば二〇〇〇年と比較いたしまして金額並びにパーセントにして幾らの増減になっているのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(木村幸俊君) お答え申し上げます。 我が国の対メキシコ貿易についてでございますが、輸出額は九三年に四千四百十一億円、二〇〇〇年は五千六百十六億円となっておりまして、伸び率で二七%強の伸びとなっております。
○広田一君 かなり不利益を被った割には高い伸びを示しているわけでございますけれども、それでは一九九三年に比べて貿易量が減少した年はございますでしょうか。
○政府参考人(木村幸俊君) 御質問は、我が国のメキシコに対する輸出額が減少した年という……
○広田一君 双方向で。
○政府参考人(木村幸俊君) 双方向でございますか。ちょっと合計の数字、今ちょっと手元に持っておりませんが、輸出額で見ますと、例えば一九九四年から六年ぐらいにかけては九三年の数値を下回っております。それから、輸入額、じゃ見てみますと、これにつきましては、連年メキシコの輸入は大体今は順調に伸びておりますけれども、例えば一九九六年ぐらいに一つ大きな数字が、伸びがありまして、そのうち九七、九八と例えばマイナスになっているとかいうことで、年ごとにもちろん出入りはしております。
○広田一君 どうもありがとうございます。 そう考えますと、確かに不利益な状況にかかわらず、個々の企業や業種によって確かに異なると思います。いただいた資料を見ますと、A電気会社は二〇〇一年にメヒカリにあったキーボードなどの工場閉鎖とか、C社も二〇〇二年にプリンター工場閉鎖とか、個々の企業では非常に異なると思いますけれども、全体的には日本の企業といったものは、こういった不利益な状況、条件にかかわらず、かなり健闘しているのではないかなというふうに私なんかは思うんですけれども、どのようにとらえられているでしょうか。
○大臣政務官(平田耕一君) もう既に様々に御指摘でございますけれども、やはりメキシコがNAFTAやEUとの協定締結した後、我が国は、我が国の企業は平均約一六%の関税負担を被っておるわけでございますので、大変競争上不利であったと。したがいまして、先ほどから話が出ておりますが、NAFTA締結直前の対日輸入シェア六・一%が維持されていると想定しますと、九九年実績三・七%差し引きますと約四千億という額が減少しておるわけでございまして、それの回復期待と、これが我が国の影響として被っておる分、期待が持てるというふうに感じておるわけでございます。
○広田一君 確かにそのとおりなんですが、そういった状況にもかかわらず、先ほどの二〇〇〇年の伸び率等を見た場合に、日本の企業というものはそれでもかなり健闘しているのではないかなというふうに私は認識しているんですけれども、いかがでしょうか。
○大臣政務官(平田耕一君) 現実には、お尋ねのポイントのところでございますが、協定の締結による具体的な影響を試算したものはございませんのでこの数字を申し上げてあるわけでございますけれども、その四千億も、国内で生産関連指数等で生産高を推測いたしますと約六千二百億円の減少で、一人当たり生産額で割りますと約三万人強の雇用減少というようなことになっておるわけでございます。
○広田一君 そのような数字を繰り返し述べられるとやはり疑問に思ってくるんですけれども、そう考えますと、メキシコの輸出に占める日本のシェアが御指摘のとおり九四年六・一%あったものが二〇〇〇年に三・七%まで落ち込んだ主な原因というものは、メキシコのNAFTA締結から今日まで十年以上、結果として不利益な状況を放置してきた政府の経済外交に起因するのではないかなというふうに素朴に思ってしまうんですけれども、いかがでしょうか。
○大臣政務官(平田耕一君) 先ほどから関税局でも申されておりますけれども、これは結果として、NAFTAあるいはメキシコとの、EUとの協定というものが先行しておってこういう状況になったわけでございますので、我々も産業全般でもって何とかそれが回復するように協定もし、本日も議案をお願いを申し上げまして努力をしてまいりたいと、かように思っておるところでございます。
○広田一君 先ほど若林委員の方からも、アジアとのこれからEPA交渉等がある中で、やはり経済外交上の戦略を持って取り組んでいただきたいという御指摘がございましたし、先ほどの私の質問に対しても、当初NAFTA締結による被害が出るだろうということが予測していたにもかかわらず、結果として御指摘のような結果になってしまったという御答弁もございましたので、今後、他国との交渉におきましては、やはり被害等々の予想というものを十分勘案した上で取り組んでいただきたいというふうに思います。 そうしたら、ちょっと次のそれでは質問に移らさせていただきたいと思いますが、次にEPA・FTA交渉における農林水産物の取扱いについての基本方針の各論部分に、国民の食の安全、安心確保、国内農林水産業に悪影響が生じることがないように注意するという項目がございます。そこで、消費者の立場から、日本に輸入される食肉の安全性についてお伺いをしたいと思います。 まず、過去十年ないしは十五年以内にメキシコにおいて日本国民が不安を抱くような食肉に関する事件は発生しているんでしょうか。教えていただきたいと思います。
○政府参考人(高橋直人君) お答え申し上げます。 過去十五年ということで今お話しいただきましたが、BSEに関しましては、メキシコは現在のところ国内でサーベイランス調査などやっておりますけれども、これまでに確認はされておりません。それから、高病原性鳥インフルエンザ、あるいは広くは低病原性もございますが、この鳥のインフルエンザにつきましては、九四年の暮れに高病原性のこのインフルエンザが確認されているということでございます。それから、低病原性のものについても、州ごと、州によっては若干現在も見られるということでございます。高病原性インフルエンザにつきましては現在は既に見られていないという状況でございます。それから、豚のコレラにつきましては、まだ若干、州によっては多少の発生が見られるというのが現状でございます。
○広田一君 そうしたら、鶏肉についてちょっとお伺いをしたいんですけれども、これにつきましてはこれまでの輸入実績も少なく、関係委員会の質疑でも余り取り上げてきませんでした。しかし、鳥インフルエンザが発生しているということで、メキシコ産のこれは農産品五品目の一つとして特別に交渉されたものだろうというふうに認識をいたしております。 その中で、鳥インフルエンザ対策について、先ほど指摘しました基本方針を踏まえて注意して協議されたと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(高橋直人君) お答え申し上げます。 貿易の交渉でございますので、個別の疾病についてその貿易交渉の中で対策がどうかというお話は、これは特に行っておりませんけれども、これは当然今回の経済的なこういった連携協定前に、以前から既にこういった畜産物のお互いの貿易がございます。 これは当然二つ観点がございますが、一つは厚生労働省所管の食品衛生法、もう一つは私ども所管の家畜伝染病予防法、この二つの観点からやっておりますけれども、私どもの方の農林水産省の立場といたしましては、この動物の検査に伴います水際の措置として、相手国政府に対して衛生的問題がない旨のその証明を求めると、それから現物のその検査を水際で行うと、こういったことをやっておりまして、それから、場合によっては現地に出向きまして衛生条件が保たれているかどうか、こういったチェックをしているところでございまして、これはこういった経済協定にかかわらず、通常のこういった畜産物の貿易がある国との間ではこういった衛生的なその措置についての確認を行っているということでございます。
○広田一君 御指摘のとおり、確かにそれはやっていただかないと困るんですけれども、先ほど私が言いましたEPA・FTA交渉における農林水産物の取扱いについての基本的方針では、これについても、食の安全についても注意をして取り扱うというふうなことが各論の八番で書いてあるはずです。ということは、今回のメキシコについてはそのようなことがなされなかったという理解でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(高橋直人君) 個別の動物の疾病につきましてはそういった、あと植物やなんかに、害虫なんかもございますが、個別のそういった問題につきましては、それは個々の中でもちろん解決するというのが第一でございます。 今回の協定の中では、あと一般的にその動植物の検疫問題につきましては、動植物検疫委員会、これSPS委員会と言っておりますけれども、そういった委員会を設けて、二つの国の間でもし問題あれば議論していくということになっております。
○広田一君 もう一、二問ちょっと聞きたいと思うんですけれども、先ほど低病原性の鳥インフルエンザがまだ見られるということでございましたけれども、私は素人なんで教えていただきたいんですが、この低病原性の鳥インフルエンザが致死率がほぼ一〇〇%になると言われている高病原性に変異するというふうに、したというふうに聞いておりますけれども、それはメキシコにおいて事実なんでしょうか。
○政府参考人(高橋直人君) メキシコにおきまして、私どもが知る限りにおきましては、その低病原性のインフルエンザのウイルスが高病原性のものにメキシコでは変異したということは聞いておりません。
○広田一君 これはアメリカの農務省の発表なんですけれども、アメリカ農務省の家禽研究所の調査結果によれば、メキシコは、一九九五年、家禽類へのワクチン投与によって鳥インフルエンザの流行を食い止めたが、ウイルスは今では残存し、変形型ウイルスが増えているというふうに報告をしておりますけれども、この調査結果については御存じでしょうか。もし知っているのならば、これを踏まえて、どのような見解をお持ちでしょうか。
○政府参考人(高橋直人君) ちょっと手元にアメリカの報告、持っておりません。ちょっとその点については存じておりません。 ただ、メキシコの、先ほど私の方から申し上げました、メキシコにおきましては現在低病原性の鳥インフルエンザウイルスがまだ多少残っているということでございまして、今現在、私どもが取っている措置は、その発生が見られる州、そこから、低病原性の鳥インフルエンザウイルスが見られる州からの家禽肉の輸入については、これは停止をしていると。きれいな州、私どもは清浄州と言っておりますが、清浄性が確認されている州からの家禽肉のみ輸入を認めているというのが現状でございます。
○広田一君 先ほどの低病原性から高病原性への変異についての私の質問の根拠は、実は「畜産の研究」、農林水産省「海外農業情報」からの抜粋、要約ということで指摘をさせていただいたんですけれども、先ほどはそういう変異はないというふうな趣旨の御答弁をされたというふうに思うんですが、それで本当によろしいかどうかということと、清浄州の方からの輸入をしているということなんですが、それを担保するような取決めなりというものをそれであるならばしていると思いますけれども、この点についてお示しができるんでしょうか。
○政府参考人(高橋直人君) 今二つお尋ねがございましたが、低病原性の鳥インフルエンザウイルスが高病原性のものに変異する可能性、一般論としてはございます。私、先ほど申し上げましたのは、メキシコにおいてそういうものが発生したというのはちょっと私の知る限りないということであります。 それからもう一つは、じゃ高病原性鳥インフルエンザがもしメキシコで発生した場合どうなるかということでございますが、それは、メキシコの場合ですとこれは地域が広うございますので、一遍で全部メキシコ全州の、全州からの鳥肉の輸入を止めるというような話になるかどうか、ちょっと別物でございますが、少なくともその発生地域が属するような州につきましては輸入停止に至るであろうということであろうかと思います。それは発生の度合いと、それから広がり、それから程度、そういったものを勘案してそのときにどういう措置を取るかを決めることになろうかと思います。
○広田一君 これ以上やりますと別の委員会の質疑応答になりますので、ここでとどめたいと思いますけれども。 私事で恐縮ですけれども、私、実は鳥肉が大好きでございまして、昨日の夜もこの委員会に挑むために鳥とニンニクをいためて気合いを入れてやってまいりましたので、是非メキシコの鳥肉も食べてみたいなというふうに思いますので、やはり法律に基づいて国民の皆さんが安心できるような、そのような体制を取っていただきたいというふうに思いますし、またこういったお話については普通の一般の国民の皆さん、消費者というのは余り知らないと思います。 ですから、こういった情報提供というか、周知につきましてもできる限りの努力をしていただきたいというふうに要請をしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(高橋直人君) 鳥インフルエンザ、我が国におきましても今年に入りまして発生しております。こういった発生があれば、もちろん国内のみならず外国のものについても私どもは直ちに対応いたしますし、またそういった情報提供については国民向けに十分やっていきたいというふうに考えております。
○広田一君 それでは、次の二国間セーフガードについてお伺いをしたいと思います。 この質問については先ほど若林委員の方から質問がございましたので、重複はなるべく避けたいというふうに思いますけれども、要は、国内産業に重大な損害を与え又は与えるおそれがある場合で国民経済上緊急に必要がある場合には発動すると、しかしながらそれは、先ほど御答弁がありましたように、ケース・バイ・ケースであるというふうなお話でした。 私も逆の立場になればそういうふうにお答えするんだろうとは思うんですけれども、やはり国内産業に重大な損害を与え又は与えるおそれというのは、日本語としてはだれしもがよく分かるんですが、ただそれが何を意味するのかというふうになりますと、やっぱり本日こういうふうに出席している委員の皆さんの中でもとらえ方は千差万別になってくるんじゃないかなというふうに思います。 そういった中で、やはり国内産業に重大な損害を与えるとする判断基準といったものはもう一度問いたいと思いますし、また重大な損害を与えるおそれがあるという、おそれという非常に極めて主観的な判断を一体何に基づいて行おうとされているのか。この点についての御見解を併せてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど上田副大臣から若林委員にも御答弁したところですが、広田委員おっしゃるように、ケース・バイ・ケースで判断するということになっております。ただ、その判断に当たっては、客観的かつ数値化された各種指標についての水準の変化を評価することとされておりまして、特に輸入の増加率であるとか輸入の増加量、輸入原産品の国内市場占拠率、販売、生産、生産性、操業度、損益、雇用、価格、結局またこれで総合的と申し上げざるを得ないんですけれども、なかなかこの判断は定量的にやるのは難しいものですから、総合的な判断ということになっているわけです。 それで、これを適用するときには、いずれにせよ、この関税暫定措置法を所管しているのは私ども財務省ですが、物資を所管している経済産業省であるとかあるいは農林水産省とよく御相談をしなければいけないと思っておりますし、そういう相談をしながら必要な場合には発動していくと、今お答えできるのはそういうことではないかと思います。
○広田一君 谷垣大臣、関係委員会の質疑でもそういった御趣旨の御答弁をされていると思いますが、私、期待している答弁は、要は自分たちに任せておきなさいと、しっかりやりますと、そして何かあったらきちっと責任取るのでどんと政府に任せなさいと、そういった気概、心構えで是非取り組んでいただきたいというふうに思います。 それで、あとちょっと時間もなくなってまいりましたけれども、セーフガードについて、例えば二〇〇一年にネギ、シイタケなどについて一般セーフガードを発動するか否かという問題が生じましたときに、適時適切に発動するためには日ごろからの備えが大事であると、特にモニタリングの重要性が改めて認識をされたと聞いております。 そこで、対メキシコについて各品目のモニタリングなど、適時適切な発動を担保するための対策並びに体制整備は十分なのか、御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) この点は今後政省令で定めていかなきゃならないことが多いわけでございますけれども、これは適切な管理運用ができるようにきちっとさせていただきたいと思っております。
○広田一君 最後に、二国間セーフガードにいたしましても、また関税割当て制度にしても、適切な運用を図るために大切なことの一つは、日本、メキシコともに同じ統計資料を共有することだと思います。しかるに、メキシコ側の統計によりますと、例えば二〇〇三年、対日本に対する輸出は約六億十万ドルです。一方、日本の統計によりますと、対メキシコからの輸入は約十七億七千八百万ドルと、両者の統計に約三倍もの開きがあります。 いろいろこれから緊張感のある交渉等が続くかもしれませんし、出てくるかもしれません。こういったときにでも、やはり統計資料の共有化、同じことを共有することの大切さというものはますます重要になってくると思いますけれども、この課題についてどう取り組み、是正されるのか、お伺いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○政府参考人(木村幸俊君) 御指摘の点は、これまでも随時そういったFTA交渉等におきましてそれぞれの統計が違っていると。これはある意味で、輸出と輸入につきましてはそれぞれ計上の仕方が違うとか、いろんな意味でいろんな要因はあるわけでございますが、それにしても極めて大きなケースも間々見受けられるようでございます。 正に、おっしゃることも正にそのとおりでございまして、まず共通の議論ができる土俵を作るようにできるだけ努力していきたいと思いますが、ただ、どうしても恐らく統計上何らかのギャップは残るという問題もあるような気がいたしますけれども、いずれにいたしましても適切に対応してまいりたいと考えております。
○広田一君 ありがとうございます。終わります。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。 先ほど若林委員からも御指摘がありました点から、まず御質問をさせていただきたいと思います。 昨日、竹中大臣の方から、このFTAに関しまして、今後経済財政諮問会議におきまして基本戦略を練っていくと、こういう報道がございまして、その結論を来年夏の骨太の方針二〇〇五、二〇〇五に盛り込んでいくと、こういった趣旨の御発言がございました。 経済財政諮問会議のメンバーのお一人として谷垣大臣にお聞きしたいと思いますけれども、先ほど来御説明ありましたとおり、今までも、決して行政の縦割りといった交渉ではなく、関係閣僚が連携を取り、会議を開いてきたと、こういうお話があったわけでございますけれども、そうしますと、今までの関係閣僚会議、また今度経済財政諮問会議で基本戦略を出し、閣議決定たる二〇〇五に盛り込んでいくと、この両者の関係ですね、どっちが上なのかとか下だとか、その辺の基本的なまず御認識を大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 経済財政諮問会議の役割は、マクロ経済政策全体の観点から、個々の政策を具体的に決めるというよりも、マクロ政策全体の観点からどのような方向をたどるべきかというのが、私、担当閣僚そのものではございませんけれども、基本的な関心であろうと思います。 そういう観点からしまして、竹中大臣の御関心、恐らくこれから議論になっていくであろうことは、日本の経済を拡大し、足取りを更に堅実なものにしていくために、そういう国際経済の中でそういう足取りをたどっていくためにはFTAというものが重要であり、その基本的な方向性を定めなければならないという辺りの御議論がこれから進むんだろうと思います。 それで、これはある意味では、今日の議論にもありましたように、ここに出させていただいたような役所にとりましては言わばある意味での共通の理解というのはでき上がっているだろうと思います。それを更にどう具体的に展開していくかということは、また恐らく、経済財政諮問会議の中でも今後どの辺を、まあ言葉は悪いかもしれませんが、ターゲットにしてやっていこうかというような議論はあると思いますが、具体的には、やはりこれは交渉事でありますから、各実際に農業や貿易を担当しているところ、あるいは関税を担当しているところ、外務省も含めて、具体的にやはり向こうの当たりを確かめてやっていかないとできないと、大きく言うとこういう関係ではないかというふうに思っております。
○西田実仁君 そうしますと、どこの国との交渉からやっていくかという、いわゆる戦略的にですね、あるいは日本の農産品、センシティブ品目、どれを取りどれを守るかという、こうした基本戦略が経済財政諮問会議において最終的に決定されるということでもないということでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) いや、私もまだこの点竹中大臣とよく議論をしておりませんので、竹中大臣の御発言の趣旨に私の考えが沿っているかどうか分かりませんけれども、基本的な方向はやはり議論して出そうというお考えじゃないかと思います。私も、あの会議の性格からして、基本的な方向を議論し、出していくということはふさわしいところではないかと思っております。
○西田実仁君 その経済財政諮問会議の役割というのは大変に大きな意義があると私も認識はしておりますけれども、事このFTAに関しましては、農業とも絡みまして、大変に総合的な判断というのが必要になってまいりますので、必要なときに農業関連の人を呼んでそこでやるというような報道もありましたけれども、やはり重層的にきちっと慎重にまた議論も積み重ねなければならないというふうな思いで御質問をさせていただきました。 続きまして、日本・メキシコ経済連携協定につきましてでございますけれども、昨年十月にいったんその交渉が決裂をいたしました。その決裂した原因、そしてこれが今後対アジア経済連携協定を進めていくに当たりましてどのような教訓を日本に残してきたのかという点につきまして、外務省でしょうか、御質問いたします。
○政府参考人(北島信一君) 昨年十月のメキシコのフォックス大統領訪日の際でございますけれども、当時、閣僚級の折衝を含めまして精力的に交渉を重ね、議論が深まったわけですけれども、双方の納得のいく合意には至らなかったという経緯がございます。 当時の背景として、メキシコ側に日本の市場に対する大きな期待があり、日本側に大きな譲歩を求めていた一方で、日本側としても、メキシコ以降のEPA交渉を控えて、農産品等の分野を含め慎重に対応したいということがあったと思います。その後、柔軟に対応すべきとの両国首脳の意向を踏まえまして、政府間協議を重ね、両国間の相互理解が深まった結果、日本、メキシコ双方が納得のいく合意に向けて交渉が着実に進展したということだと思います。 こうしたメキシコとの経験を通じまして、経済連携協定交渉においては、互いに相手国の事情を理解した上で、質の高い、かつ双方の利益となる包括的な合意を作っていく努力、これが重要であるという点を再認識したわけでございます。こうした経験を今後の東アジア諸国との交渉においても生かしていきたいというふうに考えております。
○西田実仁君 このメキシコとのFTA交渉におきましては、既に、この日本の農産物の平均関税は一二%ぐらいと認識しておりますけれども、関税が既に低くてもう競争にさらされている品目につきましては、これはもうどんどん関税撤廃に応じていく、それ以外の米等を始めとしたセンシティブな産品につきましては守っていく、こういう基本的な戦略というんでしょうか、交渉の態度というんでしょうか、これ自体はアジアとの交渉でも引き続き取っていくと、このように認識してよろしいんでしょうか。
○政府参考人(北島信一君) そのように考えております。
○西田実仁君 これはちょっと大きな話で恐縮でございますけれども、せっかくですので大臣にお聞きしたいと思いますけれども、よく言われるのは、日本は農産物に関しまして輸入自由化ということになかなか取り組めないと、であるがゆえに、メキシコとの経済連携協定におきましても、あるいはアジアとの経済連携協定においても、アメリカや中国の後塵を拝しているのではないかと、こういった指摘をする人もいるわけでございますけれども、これにつきまして、まず、非常に大きな話で恐縮ですけれども、大臣の御見解、承れればと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 農業政策について必ずしも責任ある立場から御答弁できるわけではございませんけれども、農業はやはりその風土性とか地域性というものがございますから、国によって性格の違うというところがあるんだろうと思います。その上で、先ほどから御答弁申し上げているように、農業にはいろんな機能がございます。環境を維持するという、保持するという機能もあるでしょうし、いろんな機能がございますが、そういう農業の多面性、それを取り除いてしまったときに、やはりどういう問題が起こってくるかということもよく注意しなければならないと思いますし、それからこれも伝統的な議論でございますけれども食料安全保障、いざというときにある程度の基礎的な食料は自給できないと問題が生ずるんでないかという意識も、問題点もあろうかと思います。 それから、やはり今おっしゃった中で、農業の体力が弱ければこういうFTAだなんだといってもなかなか対応できないということがあるわけでございますけれども、やはりそのために対応できるように農業自体も構造改革を進めて足腰の強いものにしていこうというような努力をあっちこっちで行ってきたわけでありますから、そういった方向は私どもは尊重しながらやらなければいけないという面がやっぱりあると思います。 その上で、そういったことを前提としながら、やはり各地でこのFTAというようなものが進んでまいりますと、そのネットワークの中から日本がこぼれ落ちているときにどうなるのかということを考えますと、やっぱりそれは日本全体にとって大きな不利益であるということになると思いますので、今FTAというものは大事なものだと。特に、先ほどから御議論がありましたように、アジアとの関係で今後日本にとっては死活なものであるだろうというこの共通の理解というのはほぼできてきたんじゃないかというふうに私は思います。 そういう全体の中で、先ほど申したような農業の持っている性格を位置付けながらやっていくと。なかなか難しいことでございますけれども、みんなで協議を詰めていく必要があるんじゃないかと思っております。
○西田実仁君 そこで、アジアとの経済連携協定の交渉につきまして、もっとスピードアップをというような中で、農水省さんの方でみどりのアジアEPA推進戦略と称したものが今回発表されまして、六項目にわたりましてポイント等も挙げられているわけでございますけれども、言っていることはみんないいことばっかり言っているわけですけれども。 基本的にまず農水省の関係各位の方にお聞きしたいんですけれども、これはアジア各国とのEPA交渉に積極的に臨む省としての方針としてこのみどりのアジアEPA推進戦略というふうに言われているわけですけれども、これ、従来からの方針とどこがどう違うのか。つまり、先ほどメキシコとの連携協定で御指摘をさせていただきましたけれども、既に関税が低い産品に関しましては徹底して関税撤廃、しかしセンシティブな品目につきましては一切応じられないと、あるいは非常に限定的にしかできないと、こういう立て分け方という従来からの方針から何か転換をしたものなのか、そうではないのかということについてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(内藤邦男君) 答弁申し上げます。 このたび公表いたしましたみどりのアジアEPA推進戦略でございますが、これは先般の内閣改造に際しまして内閣の基本方針としてアジア各国との経済連携交渉の締結に積極的に取り組むということが掲げられたことも踏まえまして、島村大臣の指示の下、アジア各国とのEPA交渉に積極的に取り組む農林水産省の方針として取りまとめたものでございます。 これにつきましては、この基本方針では、EPA・FTA交渉に当たりまして、国民の食の安全、安心の確保、それから農林水産業の多面的機能への配慮、我が国の食料安全保障の確保、それから農林水産業における構造改革の努力に悪影響を与えないように十分留意するということを基本にして今まで基本的方針を定めてきたわけでございます。これは主としまして物の貿易に関する交渉で留意すべき諸点というものを今までの基本方針では掲げてきたわけでございます。 これに対しまして、今回定めました推進戦略におきましては、特にアジア諸国とのEPA交渉に取り組む目的といたしまして、アジアにおける食料安全保障、それから食の安全、安心の確保、それから農林漁業、食品産業の共存共栄の実現、それから農山漁村の発展といった事項を取りまとめまして、その実現のための交渉に積極的に取り組むということを決めているものでございます。そういう意味で六つのポイントを明らかにしたということでございます。 農林水産省といたしまして、今後、このみどりのアジアEPA推進戦略に沿いまして、交渉の推進に一層努力してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○西田実仁君 この中で、日本から農産物の輸出に力を入れるということも指摘されておりまして、日本の農業にとって新たな市場を開拓していくんだという、そういう意気込みも記されているわけでありますけれども、具体的に日本から農産物輸出、対アジア向けということで今どんな取組をされておられるのか、またこれ今後どうされていくのか、今検討されている項目、幾つか挙げていただければと思います。
○政府参考人(内藤邦男君) お答え申し上げます。 この推進戦略の中におきましても、農林水産物、食品の輸出促進ということをうたっているわけでございますけれども、アジア諸国では、まず、元々嗜好が非常に似ているということがございます。それから、経済発展による所得水準の向上によりまして、我が国の高品質な農林水産物、食品の輸出可能性が高まってきております。このため、このEPAを通じまして相手国に関税撤廃、削減を積極的に求めていくということ、そういったことを通じまして、我が国の農林水産物の、それから食品の輸出を後押ししたいというふうに考えております。 また、アジアの各国におきましては一般的に知的財産権の保護が十分でないという問題がございます。植物の育成者権の保護につきましても、国際条約でございますUPOVへの加盟あるいはその国内法制度の整備というものを求めまして、我が国で育成された品種が不当に相手国で栽培されたり、それが輸入されることのないようにしていきたいと思っております。 本年度から、私ども輸出促進室というものも設けてございます。予算措置についても大幅に拡充いたしまして、その後押しをしていきたいというふうに考えております。 以上でございます。
○西田実仁君 もう時間がございません。最後の質問でございますけれども、これはセーフガードの、特に一般セーフガードではなくていわゆる緊急措置、牛肉と豚肉のみに適用される緊急措置について御質問を財務省、財務大臣にお聞きしたいと思います。 これはもう御存じのとおり、昨年八月に冷蔵の輸入牛肉に対しまして緊急措置が発動されました。それは平成十三年に発生したBSE、これに起因して自動的に、数量が前年の輸入実績の一一七%を超えてきたと、こういうことでセーフガードが発動されたわけでございまして、先ほどのあの議論といえば、そういう意味では今度は数字がはっきりしていて、これはいわゆる総合的に判断ではなくて自動的に、数量に自動的にセーフガードかっと掛かってしまうと。 こういうことに対しまして、かなり特殊な要因でもあり、もうちょっとならして、あるいは特殊な年を外して、過去三年なり二年なり、ならした上で、それを上回った数量、その数量を上回ったときにセーフガードを掛けていくという、緊急措置を掛けるということが必要ではないかというような御指摘もかつてこの国会でも議論されていることはよく認識しておりますけれども、改めて、この輸入牛肉の緊急措置につきまして、こうした特殊要因を取り除いた、ならした上でのセーフガード発動の基準見直しということを検討した方がいいんではないかと、このように思うわけでございますけれども、大臣の御所見を、最後、お伺いできればと思います。
○副大臣(上田勇君) お答えいたします。 今委員御指摘にあったように、今のその状況というのが通常でない状況下にあるということはもう御指摘のとおりで、十七年度においてそういうふうな御懸念があるということは十分理解するところでございます。 ただ、これから輸入再開とか輸入量がどういうふうに進んでいくのかというふうなことについてもまだほとんど決まってない状況でございますので、十七年度、どういうふうに改正をしていくかというのは、今、関税・外国為替等審議会にも諮問して議論をしていただいているところでございますし、そうした議論も踏まえた上で、またいろいろと情勢の変化等も踏まえた上で判断していかなければいけないことでありますので、現時点では確たることというのは申し上げられない点は御理解いただきたいというふうに思います。 ただ、この緊急措置というのは、ウルグアイ・ラウンド交渉の中でいろんなパッケージ、関係各国、たくさんの関係各国とも交渉した、そしてその上でのパッケージとして合意されたものでありますので、特にこの牛肉の緊急措置については、合意をされました関税の水準五〇%というものから我が国が自主的に引き下げるものの代償措置として導入したものでありますので、またこの発動の基準となる数量についても、これは議論の過程、いろんなものがありまして、そうした様々な協議の結果合意をされた数値でありますので、これ変更するということになれば、これはWTOでの農業交渉の中でも議論をしなければならないことだろうというふうに思っております。
○西田実仁君 だと思いますけれども、WTOの条約による規定ではないはず、サイドレターだと思いますので、特に主要国であるアメリカとの交渉等によってまた前向きに検討いただけるようお願いして、最後、質問を終わりたいと思います。
○大門実紀史君 大門でございます。 我が党は今回のメキシコとのEPAに残念ながら反対でございます。したがって、本法案にも残念ながら反対でございます。ただ、EPAやFTAについて一般に反対という立場は取っておりません。二国間交渉によるEPA、FTAは、お互いの条件をよく考慮して進めるならば相互に経済関係深めることできますし、発展も促せるという点で一般に反対はしているわけではございません。 ただ、今回のメキシコとのEPAは、農協の宮田会長がおっしゃっていますけれども、その言葉をかりるならば、工業サイドの要求の実現のために農業にしわ寄せが来ると、そういう構図になっていると。今日も議論ありましたが、セーフガードの問題、いろいろ歯止めは掛けているという話ですが、我が党もいろいろ詰めてみましたけれども、やっぱり穴がぽっかり空いているということを指摘せざるを得ない。したがって、しわ寄せは来るという判断をして反対をしているわけでございます。 それそのものの問題点は既に今までの衆参の委員会で触れておりますので、今日はもうその議論の重複は避けます。このEPA、FTAの在り方そのものについて、谷垣大臣の見識を伺うという質問にしたいというふうに思います。 まず、こういう二国間協定というのは、当然、譲り合いとか痛み分けになるのは現実の姿として当然のことだと思いますね。日本がこれから結ぼうとするEPAにしろFTAにしろ、韓国を除けば東アジアの途上国が主な相手になりますから、当然日本の方は工業製品を輸出する、拡大したいと、相手の方は農産物を輸入してくれと、こういう関係にならざるを得ないというのが今後のFTA、EPAだというふうに思います。問題は、日本がこれ以上の農業の、農産物の輸入を拡大することをどう考えるかということに私は一つこの問題尽きるんではないかと思っています。 既に日本は世界一の農産物の純輸入国になっています。先進国の中で食料自給率も最低ということになっていますし、関税率も、OECDの資料によりますと、全品目の平均で日本は五%と、これはアメリカに次いで世界で二番目に低いんですね。農産物の平均も、日本は一二%ですけれども、これは世界で五番目に低いんです。ですから、何も今関税が高くて、総理が一度どっかで言われましたけれども、農業鎖国をやっている場合じゃないと言われましたけれども、もう全く認識が違う、もう十分に市場開放はされていると、これは関係者の方も指摘されているところでございます。 そういう中で、今農家の皆さんがいろんなこの輸入の拡大で苦境に陥っているというのは、私たちが選挙で農村回れば、どの党の議員もそういう話を伺うというのが現実ではないかというふうに思います。 ただ、先ほど申し上げましたとおり、今後の東アジアのEPA、FTA考えますと、どうしても工業製品を輸出して農業を輸入してほしいと、この関係にならざるを得ないということに具体的になります。そういう、ですから農産物の輸入促進はEPA、FTAをやっていこうと思うと避けられない、減ることはない、促進することになってしまうと。この辺のことを谷垣大臣は基本的な考え方としてどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、大門委員からお話がありましたように、このところの日本の国際関係見ておりますと、アジアとの関係というのは、これはもう非常に深くなってきておりまして、要するに日本自身の判断としてアジアとの共生というのを進める必要があると。もちろん、この理由述べますと長くなりますから、結論だけ申しますと、大方そういう理解になってきているんではないかなと私は思っているんです。 このアジアとの共生を進めるということになってきますと、先ほど申しましたように、やはり人、物、金の移動をできるだけ自由にしていくということを考えざるを得ない。そうなりましたときに、結局、先ほど大門さんが指摘されましたように、日本は世界に冠たる工業国家でありますから、日本から輸出するものは勢い工業製品である、アジア各国から入ってくるものはやはり、農業だけとは言いませんが、農業が多いだろうということは、これもやむを得ないことだろうというふうに私は思います。 また、FTAを結ぶ上からもWTO等の協定を遵守しなきゃなりませんけれども、WTOも実質上すべての貿易について関税その他の制限的通商規則を廃止されると、どこかの分野を除くというようなことはWTO協定上も認められていないということだろうと思います。そうなりますと、今も委員が、いろいろ日本もかなり農産物に関してはもうぎりぎりのことを今までやってきたはずだという御趣旨だったと思います。 先ほどから、私、三つ言っておりますけれども、農業の多面的機能、これは農村のいろんな役割というものもあると思います。それから、食料安全保障ということも、余りきゅっきゅっ締めていくわけにもいかないところがございます。それから、これも先ほど来の御議論でございますけれども、日本の農業自体もそうやっていく中で足腰を強くしなきゃならないと、これは当たり前のことだろうと思いますが、そのための構造改革の流れというものも必要だろうと思います。 こういったものをすべて勘案しながらやはり考えていかなきゃならないんで、なかなか解は簡単ではないと私も思いますけれども、先ほどからの御議論のように、例外品目であるとか関税割当てであるとか、あるいは二国間セーフガード、こういうものを適切にビルトインして、私はアジアとの共生と先ほど申しましたような日本の農業の持っている役割というものの両立を何とか果たしていかなきゃいけないんじゃないかと思っております。
○大門実紀史君 私は、今言われた農業構造改革とか等々、今日ここは農水委員会ではありませんので触れませんが、要するにそのまま今の政府の農政だとそういうことに耐えられる日本の農業を作れないんではないかというふうに懸念をしています。むしろ、今頑張っている農家の方々を、日本の農業のいいところもあるわけですから、直接支援するようなことが求められているという点だけ、その点では指摘しておきたいと思います。 もう一つ、私は思うんですけれども、アジアの方で輸出するアジアのそれぞれの農業、途上国の農業が今どうなっているかということなんですけれども、本当にその国にとって今いい農業生産をやっているんだろうかと。この点もよくやっぱり考えておく必要があると思います。 例えば、大体途上国の農産物輸出には、今いわゆるアグリビジネス、多国籍のアグリビジネス、例えば日本の商社が行って物を作らせるとかメーカーが作らせるというアグリビジネスがかなり入り込んでおります。例えばメキシコからの豚肉の輸入の問題でも、メキシコではもう豚肉の生産というのはアグリビジネスが大体やっていまして、大規模な。やっぱり大規模ですからいろんな安全衛生管理に心配が生まれています。感染症を防ぐためにワクチンの技術を日本から技術援助しているとか、いろいろアグリビジネスそのものがメキシコの豚肉でも問題になっているんです。 中国の輸入野菜について言えば、去年、残留農薬が問題になりましたけれども、あれも、中国人が今作っている日本向けの野菜というのは中国の人が食べない、ホウレンソウだとかゴボウなんというのは中国の人、食べません。日本向けにアグリビジネスでやっているわけですね。あるいはタイなんかでもエビとかブロイラーの問題が、これが問題になってきましたけれども、環境破壊を起こしてマングローブの林を絶やしてしまったとか、あるいはえさの沈殿で海水汚染が拡大するとか、そういういろんな問題をアグリビジネスが環境破壊あるいは食品の安全の問題で引き起こしています。それが実際には今途上国の農業生産の実態なんですね。 もう一つは、その途上国自身も自分たちの国の国民を養うために農業生産するよりも、そういう輸出向けの農業生産に力を今入れていって、自分たちの食料よりも外貨を稼ぐ農業に今傾斜しているという問題点があります。 ですから、例えば中国なんかで言えば、自分たちの人口を賄う食料生産をしなければいけないのに、輸出の方の農業生産をやっていると。穀物は輸入するようになってきていると。東アジアでは今穀物の輸入が物すごく増えているんですね。本来自分の国で生産できるものまで、そういうものは輸入して、日本とかそういうところにさっき言ったアグリビジネスが輸出をしていると、こういう問題が生じています。 したがって、今の東アジア、途上国の農業生産というのは、決して東アジアの農家の方、国民の人にとって必ずしもいい生産をしているとは私はなかなか言えないのが実態だと。そういうところとFTA、EPA結んでいって、どうぞどうぞ輸出してくれというのも、もう一ついろいろ考えなきゃいけないことが私はあるんではないかというふうに思います。 そういう点でいきますと、単に農産物を輸入してほしいと言われて、そのレベルだけではなくて、もっと日本の農民と、今始まっていますけれども、向こうの農家の方と、それは地場の農家の方ですけれども、アグリじゃなくて地場の農家の方ですが、そういうところの交流を深めて、本当にお互いの農家がちゃんとやっていけるような、譲り合うところは譲り合ってやっていけるような、本当の農業の輸出入の交流というものが今重要になっているというふうに思います。 今、おかしなことが進んでいるんです。工業製品を輸出するのも多国籍企業、途上国から農産物を輸入するのも多国籍のアグリビジネスと。国民不在といいますか、それぞれの農家の不在というような形で進んでいます。そういう点では、WTOと違いまして、二国間のことですから、いろんなことを相談して、それぞれの当面の利益だけではなくて、将来のお互いの食料主権あるいは自給率の問題、こういうものをお互いでよく話し合って、その上で譲り合うところは譲り合うとか、そういうふうなことが、本当の農業でいえば、二国間の協定であるべきだというふうに私は思います。 そういうふうにしていかない中で、とにかく工業製品で、向こうが、アグリビジネスが言っている、輸出したいと。これに乗っているようなことを繰り返していては、本当に今のグローバリゼーションというのはもっともっと問われておりますので、そういう中身のよく見たグローバリゼーションに対応していくことは必要だと。その中で、二国間協定も考えていくべきだというふうに私は思っているんですが、大臣の御見識を伺えればと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、大門委員の御質問は、私、当局としてなかなかお答えする知見がないわけでございますけれども、要するにこのFTAをやりますときに政府の中でも連携を取らなければいけないわけですが、今の御質問で申し上げますと、主として農林水産省が、先ほどもどなたかがおっしゃったみどりの、何と申しましたっけ、みどりのアジアEPA推進戦略というものを農水省が中心になってお作りになっておりますが、その中に、EPAを通じてアジアの農山村、農村あるいは山村、漁村、こういったところの貧困等の解消にどう結び付けていくか、あるいは地球環境の保全や資源の持続可能な利用というものをどうこのEPAの中に織り込んでいくかという視点を出しておられますので、やはり今後そういうようなことも十分意識しながらEPAの交渉を続けていく、EPAの交渉をやっていくことが必要かなと思います。
○大門実紀史君 私も農水省のを読みましたけれども、もう言葉だけでほとんど何も考えてないと思うんですね。それで、谷垣大臣にそういう観点を持っていただきたいと思って申し上げたわけです。 とにかく、今グローバリゼーションが、グローバルの時代ですし、二国間協定、EPAもFTAも結ばれていく方向というのは何も否定はいたしませんけれども、もう少し、もう一歩考えて、アジアとの共同、東アジアの国々との共同ということを考えたときに、単に今までやってきたアメリカ型といいますか、アメリカ型のグローバリゼーションといいますか、企業中心といいますか、企業がもうけていくことを一つの基軸としたグローバリゼーションじゃなくて、今いろんなグローバリゼーションの動きが世界で広がっていますけれども、そういう点を踏まえて、何といいますか、グローバルスタンダードの、日本がせっかくイニシア取れる二国間協定ですから、アジア・スタンダードといいますか、そういうものを一緒に模索していくという方向に今後切り替えていくことを求めて、質問を終わりたいと思います。
○糸数慶子君 糸数です。通告をいたしました順序とは多少入れ替えて御質問したいと思いますが、よろしくお願いいたします。 まず、FTA、自由貿易は、結局多国籍企業、そして輸出業者のためであるという批判もあります。相手国の国民や農民や地場企業は本当に日本との自由貿易を望んでいるのか、あるいは環境への影響はどうか、若しくは貧困や環境、そして食料安全保障との関係など、幅広い観点からのその検討が必要であると思います。また、これらの問題に対する国内体制の整備も必要となってくると思いますが、そこでまず税関の体制についてお尋ねしたいと思います。 これ、二国間協定の増加で今後税関の仕事の量が増えると予想されます。税率も多様になり、迂回輸入の防止のためのチェック体制の強化も必要となり、そのための人員確保の見通しがどうなっているのか気になっておりますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(木村幸俊君) お答え申し上げます。 FTAの締結が増加してまいりますと、正にお話ございましたが、原産地に応じてそれぞれFTAに基づく税率の適用を受ける申告と、それに伴う原産地証明書の提出が増加するということが予想されるわけでございます。FTAに基づく税率の適用に際しましては、原産地証明書の原本の提出を求めまして、原産地等が適正か否かを確認することによりまして適正な通関を確保していくということになるわけであります。また、FTAが締結されますと、正に税率の適用が非常に複雑になるといった面もございます。このため、日・シンガポール協定におきましては、通関情報処理システム、いわゆるNACCSと言っておりますけれども、におきまして、原産地、それから税番、これは品目別のコード番号でございますが、税番等を入力いたしますとそれに該当する税率が自動的に選択される仕組みがもう導入しているところでございます。日・メキシコ協定を始めといたしまして、今後のFTA協定の締結につきましても、同様の仕組みを導入することによりまして、輸入者等の利便性を図るとともに、税関の審査事務の効率化に努めてまいりたいと考えております。
○糸数慶子君 それで、沖縄の税関では、今水際での取締り強化のために、石垣島に新たに監視艇一隻が要求されていますけれども、それに対しては財務省としてどう対応されるのでしょうか。
○政府参考人(木村幸俊君) 要求当局、税関として御答弁させていただきますけれども、税関では、御承知のとおり、社会悪物品の水際での密輸取締りに併せまして、近年増加傾向にあります洋上での取引や取締りの手薄な地方港をねらった悪質、巧妙化する事犯に対応するために、その機動力として監視艇を配備し、海上巡回など取締りを実施しているところでございます。 今お話ありましたその石垣税関支署への大型監視艇の配備要求でございますけれども、これ、一艇を配備しようとしているものでございますが、洋上取引等による密輸事犯が多発している沖縄先島諸島における監視、取締りの強化を図ろうとするものでございます。 大型監視艇の建造につきましては通常二年の建造期間が必要なことから、その必要な経費といたしまして、総額十一億七千六百万円のうち、来年度におきましてはその半分の五億八千八百万円を要求していると、そういうところでございます。
○糸数慶子君 これは昨年度行われました衆参院での財務、財政金融委員会において、関税定率法等の一部改正の審議に際して、税関職員の機構、定員確保とそれから処遇改善など配備することを内容といたしまして、これに附帯決議が付けられていますね。ですから、そういうこの実態に即した御理解をいただいたということで、是非とも来年度の予算編成に当たって特段の配慮をいただきたいということで御質問させていただきました。 それから、豚肉問題に関してお伺いしたいと思います。 農林水産五品目の中で今回特に問題になるのは豚肉でありまして、農林中金総合研究所によれば、豚肉の貿易については、口蹄疫それから豚コレラの伝染防止のために輸出できる国それから地域が限られており、メキシコの場合も米国国境沿いのソノラ州それから南部のユカタン州などの一部の州に限られ、対日輸出を行っている養豚経営は十一社で、そのうちの三社で九〇%のシェアを占めていると言われています。しかも、その一社は米国資本によるもので、日本に輸出する際は、一度米国のロサンゼルスまで運び、日本に船積みされているというふうに言われます。 このように、豚肉輸出に関する要求はメキシコ養豚業のごく一部の利害を反映したものではないかという指摘もありますが、今回の協定では、この豚肉は初年度が三万八千トン、五年目で八万トンの従価税率、その半減の特恵輸入枠が設定されています。 現在、我が国の国別の豚肉の輸入量では、米国が二十四・七万トン、デンマークが二十二・一万トン、カナダが十六・八万トンとなっていますが、メキシコとの協定によってこれらの国々が税率半減の要求をしてくるのか、もしそうなるとしますと、現在の豚肉の差額関税制度の機能がしなくなりはしないか、豚肉価格が低落して日本の養豚農家の経営を悪化させることはないのかどうか、お尋ねいたします。
○政府参考人(皆川芳嗣君) 豚肉に関する御質問でございますけれども、まず日・メキシコの結果について申しますと、まずメキシコの対日農産物輸出額の半分が現行豚肉でございます。その中で豚肉市場のアクセス改善についてメキシコ側から強い要求があったということでございますが、日本側といたしましては、国内生産への影響を極力回避するという観点からぎりぎりの交渉を行って、結果としては、現行、国内の安定生産を確保しております差額関税制度の根幹を守りながら、従価税率を四・三%を二・二%にする枠を設定をいたしまして、それを初年度三・八万トンから五年度八万トンまで倍すると、二倍、約二倍にするということで合意を見たわけでございます。 それで、懸念を、今委員からの御懸念があったわけでございますけれども、米国それからデンマーク等の豚肉の輸出国ございます。これにつきましてFTAを締結したいという意向があるとは承知しておりませんけれども、いずれにせよ、FTA自体はそれぞれの相手国との間で個別に関税撤廃なり関税の削減等の条件を交渉するものでございますから、この今回の交渉結果がそのまま他国に適用されるということはないというふうに承知しておりますし、私どもとしても、今後ともこの協定の結果起こってくる事態というものを注視しながら、的確に豚肉の競争力強化に向けての国内施策をしっかりと打っていくと、引き続き打っていくということで対応したいというふうに考えてございます。
○糸数慶子君 次に、二国間セーフガードの問題についてお伺いいたします。 今回の協定は農産物分野での関税の撤廃、削減を含む初めての経済提携協定であり、今後のタイやフィリピンなどアジア諸国との協定の先例となるわけですが、しかし、仮にパイナップルや砂糖が今後の再協議で関税の引下げの対象となれば、生産者保護の観点から、二国間セーフガードとの、この在り方がより重要になってまいります。 そこでお伺いいたしますが、特定地域とか特産品に重大な影響が生じる場合にセーフガード措置として輸入数量の制限ができるとの特別条項を入れるべきではないかというふうに思いますが、なぜそれが入らなかったのか、お伺いいたします。
○政府参考人(木村幸俊君) 御質問は、今回の日・メキシコ協定におきまして、二国間セーフガードにつきまして輸入数量制限を採用しなかったという御質問だと思いますが、これは日・メキシコ協定におきましては、日・シンガポール協定も同様でございますけれども、二国間セーフガード措置は関税上の措置とされておりまして、輸入数量制限を採用されておりません。 その理由でございますけれども、二国間セーフガードとして仮に輸入数量制限を採用し一定数量を超えた場合、その場合何ができるかというと、FTA税率の輸入を停止する。ただし、それは最恵国税率まで戻すだけでございますから、最恵国税率による輸入は制限できないというふうになるわけでございます。したがって、結果として正に最恵国税率までの関税引上げ措置と同じ効果しか得られないということで、輸入数量制限措置は採用していないということでございます。
○糸数慶子君 それでは、次に参ります。 パインとそれから砂糖、そして砂糖製品についてなんですが、これ、協定の中では、協定発効時に関税即時撤廃から再協議、除外まで、カテゴリーAからXまでが列挙されています。 今回のメキシコ協定において、パイナップルそれから砂糖、砂糖製品はこれ三年後の再協議の対象になっていますが、パイナップルやそれから砂糖、そして砂糖製品は沖縄と大きく関係いたしております。我が国の中でも、いずれも生産者、そして製糖業者への支援のシステムが歴史的に確立されている産品でありますが、今回これが適用除外とされずに再協議となった理由は何でしょうか。
○政府参考人(皆川芳嗣君) 今回、メキシコ側は、今委員の申された品目につきましては、やはり幅広い関税撤廃を求めたいという立場から、関税の撤廃というものを求められております。その意味で、私どもとしてぎりぎりの交渉をいたしまして、国内農林水産業に悪影響を与えないようにという立場から再協議ということで、最終的にはこれは二国間のお話合いでございますから、ぎりぎりの交渉の結果、こういった結果になったということでございます。 ただ、パイナップル、砂糖、砂糖製品というのはもう沖縄等におきます非常に地域経済上も重要な品目ということでございまして、地域経済への影響を緩和するという立場で私ども臨んでおるわけでございますし、今後ともそういった地域経済上重要な品目についての取扱いというものについては私どもとして慎重な対処をしていきたいというふうに思っております。
○糸数慶子君 今お答えありましたけれども、やはりこういう協定の中で、それこそ地域経済ということを考えましたときに、やはり沖縄にとりましてパイナップル、そして砂糖、それから砂糖製品に関しましては、先ほども申し上げましたが、とても大きな政府の支援が歴史的にも確立をされておりますけれど、今回のこういう協定の中で、それこそ地域でのこういう、少数ではありますけれども、実際にその生産農家というのがおりますし、今後のことも考えましたら大変懸念がされます。 政府の今後の取扱いに対して、例えば現在は再協議ということになっておりますけれども、適用除外というふうなことは今後の取組の中で政府の立場としてなされるかどうか、最後にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(皆川芳嗣君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、地域経済上重要な農産物に関して引き続き慎重な取扱いをさしていただきたいというふうに思っております。
○糸数慶子君 以上で終わります。
○委員長(浅尾慶一郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 関税暫定措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浅尾慶一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十分散会