厚生労働委員会 第6号
- 発言数
- 339 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2004/11/25
会議録
○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 児童福祉法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長伍藤忠春君外十二名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(岸宏一君) 児童福祉法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○清水嘉与子君 おはようございます。 今年の通常国会に上程されながら今日まで先延ばしになっておりましたこの児童福祉法の改正案、本日こうして委員会で審議入りできますこと、そしてまた、私もここの厚生労働委員会に所属することができまして、この審議に参加することができますことを大変うれしく思っております。 尾辻厚生労働部会長の下で私も児童虐待防止の小委員会を立ち上げさせていただき、党の中でのその改正案の取りまとめをさしていただいたことがもうついこの前のことのように思い出しますけれども、児童虐待防止法だけは先に通していただきましたけれども、やはりこの今の児童福祉法の改正と相まってこの政策が進むということでございまして、一日も早い成立を私も待っていたわけでございます。 まあ、これまで家庭内での暴力というのは余り表に出さないという日本のやり方ではございましたけれども、配偶者間の、また子供の、そしてまたこれから恐らく高齢者の問題も出てくると思いますけれども、そういった虐待の問題というのをこうした法律を作って対策を立てなきゃいけなくなったということを大変残念にも思います。特に、この子供の場合には、保護されるべき親が虐待をする、それが多いわけでございますし、それに対して何も意思も表示できない子供が虐待されるということに対しては大変もう、これはもう犯罪行為ではないかと私は思っているわけでございます。 是非、今度の改正される児童福祉法の改正によりまして、虐待の発生からアフターケアに至るもう一連の対策ということが充実されるということで私は評価をしているわけでございますけれども、改めて厚生労働大臣、この児童虐待の深刻さ、そしてそれをどう解決していこうとされているのか、その御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 児童虐待の対応につきましては、今お話しいただきましたように、平成十二年に児童虐待防止法が施行をされ、それ以来様々な施策の推進が図られてきたところでございますけれども、依然として社会全体として早急に取り組むべき重要な課題であると認識をいたしておるところでございます。こうした児童虐待は、発生予防から虐待を受けた子供の自立に至るまでの切れ目のない支援体制の確保が急務であると考えております。 このために、先般成立いたしました児童虐待防止法の改正の趣旨を踏まえまして適切に対応をいたしますとともに、政府といたしましても、一つには平成十六年度予算における児童虐待防止対策の大幅な拡充をいたしました。前年度比約三・五倍という大幅な拡充をいたしました。さらに、今般お願いをいたしております児童福祉法の改正など、こうした施策の充実を図ることといたしております。 こうした取組を通じまして、虐待という重大な権利侵害から子供を守り、子供が心身ともに健全に成長できるよう最大限力を尽くしてまいりたいと考えております。
○清水嘉与子君 ありがとうございます。 この改正案の中では、特に市町村の役割に非常に大きなものが出てきていると思います。虐待防止法で通告もしやすく、しやすくといいましょうか、なりましたし、そういう意味ではたくさんの通告を受けなきゃいけない。そしてまた、それに相談業務もありましょうし、ネットワーク作りといったようなことで、住民を巻き込んだこの市町村の役割というのが大きくなっているわけでございますけれども、具体的にどの程度の業務量が多くなるんでしょうか。それに対して、この拡大する業務に国としてはどのような支援をしていくんでしょうか。その辺についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(伍藤忠春君) 今回の改正で、今まで県の児童相談所で担っておりました事務を、基本的、軽微なものについては市町村に御担当いただくと、こういう改正を提案しておるわけでありますが、これによって総体として事務が増えるかどうかということにつきましては、虐待の増加という一般的な傾向の中で判断するしかないことというふうに思いますし、現状のその事務量を、県の相談所が言わばパンク状態であると、こういう現実にかんがみまして、今回その一部を市町村に担っていただこうと、こういう事務の再配分というようなとらえ方をしておりますが、そういった観点から、どの程度の事務配分になるかというのはこれは具体的なこれからの実施にかかってくるわけでありまして、なかなか定量的に推測することは難しいところでありますが、いずれにしても、そういう前線基地といいますか、最初の前さばき、軽度な、軽微なものは市町村に担当していただくということで、今回初めてでございますから、こういう市町村の体制に対するそれなりの支援ということが必要だろうと思っております。 市町村におけるこういう児童相談体制の整備が円滑に進みますように、児童相談所が市町村を支援するモデル事業を実施をいたしておりますし、それから市町村の保健師につきましては、これまでも随分増員を図ってまいりましたが、更に今年度以降もこういう児童相談に対応するという観点からも保健師の増員ということについて交付税の要望を行っているところでございまして、それからさらに、その市町村のどういった形で相談に対応するかということにつきましては、ガイドラインといったものを早急に策定をしてお示しをしたいと。 こういうようないろんな人員の問題、それから具体的な事務の実施方法、いろんな各般にわたって市町村の体制の整備に努めていきたいというふうに思っております。
○清水嘉与子君 地方交付税の中で人をというふうなこともございましたけれども、今まで県での仕事としてあった問題、いろんな事業が、次々に事業が行われるたびに市町村に移行されます。そこで、技術者としてはやはり保健師というのが一番先端にいるんだろうと思いますけれども、母子の問題、老人の問題、あるいは介護保険の問題、あるいは精神障害者、そしてまたこの児童虐待、どんどんどんどん事業がやってくるわけでございまして、その割に人は増えていかない、まあこれ確かだと思いますけれども、それに対応できるような研修だとかその辺の調整も是非よろしくお願いしたいというふうに思っております。 それからもう一つ大きな問題として、地域のネットワーク作りということがあるわけですよね。今、地域協議会を設置するんだということでございますけれども、既にいろいろな意味で市町村で動いているネットワークもありましょうし、それからこれから新たに作るということもあると思うんですけれども、その辺についてはこの法律の中でも規定しているわけですが、どんなふうにしてこれを充実させていくのか、その辺についてもお伺いしたいと思います。
○政府参考人(伍藤忠春君) 御指摘のありましたこの虐待防止ネットワーク、既に先駆的に市町村の四割程度においては取組が、何らかの形で取組が行われておると。今回、それを法定化をして更に充実を図っていこうという考えでございます。 今回、そういう法的に位置付けるということとともに、運営の中核となる調整機関を定めていただくと、こういうことを法律の中にお願いをしているわけでありまして、それからもう一つは協議会の構成員に守秘義務を課すというようなことで、今までなかなか、微妙な問題でありますから、虐待問題、そういう問題についてなかなか地域の医療機関とかそのほかの関係機関から情報がなかなか提供していただけないという限界もございましたので、今回、こういう法定化ということによってそういう情報の共有化を図っていくと、こういうことをねらいにしているわけであります。 具体的に今既にやっております先進事例などもございますので、そういったことを私ども児童相談所の運営指針に盛り込むというようなこともやりたいと思っておりますし、それから新たに市町村のこういう児童相談指針といったものも策定する必要があるんではないかなというようなことも考えておりまして、そういった様々な対応を取りながら、関係機関の連携がうまく進むように、そういった配慮に努めてまいりたいというふうに思っております。
○清水嘉与子君 一般に地域といった場合には、学校ですとか事業所だとかというのがどうしても抜けてしまうのですけれども、この虐待の問題では、やっぱりこの学校の問題というのは欠くことができない問題だというふうに思います。 特に学校は、事例の発見する機会も非常に多うございますし、また子供の人権を守る点から、この虐待の問題、そして自分が自ら身を守るというようなことを教育するという点でも非常に大きな役割を占めているところだというふうに思っております。 しかし、これまで出てきております事例を見ますと、学校では気が付いていたんだけれどもなかなかそれが防げなかったとか、あるいは学校の中だけでどうしても処理したいというような気持ちもあってなかなか出てこない、あるいは関係機関との調整が悪いといったようなことで見過ごしてしまって死に至るというような事例も出てきているわけでございます。 いろんな事例が重なった後で、文部科学省におかれましても、学校の中でのこの虐待の問題、しっかり取り組んでくだすっていると思うんですけれども、まずその学校での虐待問題の対策、あわせて、これが文部省の施策を見ますと、学校の中だけでなくて、やっぱり地域の中に出ていってネットワークを作るということにもかなり努力していらっしゃるようですので、この辺についても併せて御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(山中伸一君) まず、学校の対策についてお答えさせていただきたいと思います。 先生御指摘のとおり、学校は日々子供と接する場でございますので、日常の教育あるいは生活の場面の中で、児童虐待の発見あるいは初期対応という役割が非常に大きいものと考えているところでございます。 さきの通常国会におきまして、児童虐待防止法の一部改正に伴いまして、教職員のみならず、学校が団体として早期発見努力義務というものが課せられるなど、学校の果たす役割は大きくなるというふうに考えております。文部科学省でも、この解説についての通知を出す、あるいは各種の会議、研修会を通じまして児童虐待防止に向けた具体的な取組への留意点も周知徹底を図っているところでございます。 また、各都道府県あるいは市町村におきましても、福祉部局とも連携しながら、例えばこのような虐待防止マニュアルというようなものを作りまして、これを各学校あるいは先生方に配布するということを行い、学校での虐待の気付きのポイントやチェックリスト、あるいは虐待の疑いがある場合の具体的な関係機関との連携や初期対応といったことについても、より具体的な対応についての周知を図るという例も増えております。文部科学省といたしましても、来年度の予算要求の中で、各地方公共団体での具体的実践例を集めまして、学校での具体的な取組のための支援というものも図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。 御指摘のとおり、今後とも、厚生労働省を始めといたします関係省庁とも文部科学省連携しながら、また地域ではそれぞれ学校と関係機関連携しながら、児童虐待防止に向けた具体的な取組というものを推進してまいりたいと考えております。
○政府参考人(藤田明博君) 先生の方から地域での文部科学省の取組について御質問ございましたので、お答えをさせていただきます。 先生御指摘のとおり、児童虐待への対応につきましては、学校だけではなくて、家庭はもとより、地域社会、関係機関が密接に連携をしながら、地域全体でもって取り組んでいくということが重要でございます。文部科学省におきましては、従前から、都道府県等を通じまして、学校教育関係者だけではなくて社会教育の関係者に対しても、児童虐待に関します児童相談所への通告義務など周知を図ってきているところでございます。 また、それに加えまして、厚生労働省とも連携協力をしながら、児童虐待に関します記述でございますとか、それから児童相談所など相談連絡先などを盛り込みました家庭教育手帳というのを作成をいたしまして、母子健康手帳の交付時に市町村の保健センターなどを通じて配布をいたしましたり、また乳幼児健診の機会を活用しまして子育て講座を全国的に開設をいたしますとか、さらには、子育て等に関して悩みを持つ親に対しまして、気軽に相談に乗るための子育てサポーターの配置、相談体制の整備などに取り組んでいるところでございます。 また、来年度に向けましては、厚生労働省と相談をしながら、子育てサポーターなどによります家庭訪問型の相談事業を行う方向で現在検討を行っているところでございますし、また、孤立しがちな親が気軽に学習をしたり相談できるように、携帯電話などを活用いたしました家庭教育支援の取組にも予算要求をさせていただいているところでございます。 今後とも、厚生労働省とも緊密な連絡調整を図りながら、地域におきます児童虐待の防止のための取組を進めていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○清水嘉与子君 今、しばしば、厚生労働省と調整を取りながら、連絡しながらというお話もございましたけれども、いろいろお話伺っていると、従来厚生労働省がやってきた施策のように非常に重なるものが多くなっていると思います。幾つもやるのはそれは大変結構だと思いますけれども、住民サイドから見て、どこからお金が出ようと、その仕事が本当に使いやすいような、サービスを受けやすいような形で是非きちんと調整していただきたいというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 それから、学校には養護教諭という心身ともに子供の養護をつかさどる職種がいるわけでございますけれども、養護教諭のレポートをこの前拝見いたしましたら、やっぱり児童虐待に、やはり保健室登校だとかいろんな意味で、あるいは健診のときだとかいろんな意味で児童虐待の事実を、事例をつかむチャンスが多い職種だと思うんですね。そういう人たちが、やはり研修を受けた養護教諭、そうでない養護教諭、かなりやっぱり差があるというんでしょうかね、受けた人たちの意識がやっぱり高くて適切な対応をしているというような事例報告がございましたし、またいろんな意味で、研修をするにいたしましても、養護教諭だけでなくて地域の市町村の保健師さんたちと一緒に学ぶ、あるいはそのことによって新しい発見があって、もう非常に連携よく進むというようなことも報告がございました。 そういう意味で、それぞれの縦割りの予算かもしれませんけれども、是非このことに掛けては地域の中で特にうまく調整していただきたいと思いますし、私はもう少し、文部省の児童虐待の施策を見ていてもちっとも養護教諭という名前一つも出てこないんですけれども、もう少し活用してもいいんじゃないかというふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(尾山眞之助君) 学校におきまして養護教諭は、健康診断や日常の健康相談活動等通じまして、児童生徒の表情、態度や不自然なけがなどの身体的なサインにいち早く気付くことができる立場にございまして、その果たす役割は極めて重要であると認識しておるところでございます。また、専門的知識を持ちまして児童生徒の健康管理等行うものでございますので、養護教諭自ら児童生徒の相談に乗りますとともに、必要があれば心の専門家であるカウンセラーや精神科医が行う専門的なケアへの橋渡しを行う必要があるものでもございます。 こういうことから、文部科学省では、一つは、虐待を受けた子供への対応の問題も含めて、養護教諭が行う健康相談活動の進め方等についてまとめた参考資料を作成しておりますし、また、養護教諭の資質の向上等のための各種研修会におきまして児童虐待防止法等について周知を行ったり、あるいは、養護教諭のカウンセリングに係る能力向上のための各種研修会の実施など、研修会についてもその充実に努めておるところでございます。 今後とも、養護教諭の資質の向上とその活用を図りながら、厚生労働省を始めとした関係省庁とも連携をいたしまして、児童虐待防止に向けた施策の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。
○清水嘉与子君 それでは次に、児童相談所の問題。先日も、私たち東京都の児童相談所を拝見いたしましたけれども、大変皆さん過重、オーバーな仕事をしておられるというふうに拝見してまいりました。 そこでまず、児童福祉司の問題なんですけれども、総務省、松本大臣政務官、ありがとうございます。地方交付税上の算定基礎に、今、割り返していくと六万八千人に一人くらいの児童福祉司が置かれているというふうになっているわけでございますけれども、実際には六割の自治体が積算基礎以下の数しか置かれていないということを言っているわけですね。実際には、この児童福祉法の施行令では、児童福祉司の配置基準というのは人口十万から十三万と、こうなっているわけでございまして、それを積算根拠でどんどん高くしていっている。 それはどうしてそう、その根拠といいましょうかね、六万八千の根拠、そしてこれ一体どこまで、どのくらいの数が適当だと思っていらっしゃるのか、総務省の立場で、お伺いしたいと思います。
○大臣政務官(松本純君) お答えします。 地方交付税の算定におきましては、人口百七十万人の標準団体における児童福祉司を平成十六年度は二名増員して二十五名としております。これは、児童虐待の相談件数の増加によりまして業務量が増加していることなど、また実態としても都道府県において児童福祉司の増員を図ってきていることなどを踏まえて増員措置を講じてきたものでございます。 今後とも、業務量や各都道府県の配置状況等を踏まえて適切に交付税で措置してまいりたいと存じております。
○清水嘉与子君 今のお話ですと、やっぱり実態を踏まえて、実態に応じてこの算定基礎を変えてきたというお話でございます。 そういたしますと、その実態というのはどうなるのかということが問題だと思うんですけれども、まず厚生労働省にお伺いしたいのは、施行令で十万から十三万と書いてある、このことがもう実態に合わなくなっちゃっているわけでして、まずこれを変える気はないのかどうかということでございます。全国の児童相談所の所長さんたちからも人口五万に一人くらい置いてほしいというような要求が出ているように伺っておりますけれども、そのことについて、いかがでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今のお話でございますけれども、政令上の基準についてでございますが、引上げを検討すべきものだと考えておりまして、関係省庁との相談の上に対応させていただきたい、こういうふうに考えております。
○清水嘉与子君 実際、こうして拝見しますと、必ずしも事例が多いところに適正に置いてあるというよりも、必ずしもそういう関係ではないというふうに見るんですね。ですから、それ一律のでいいのかどうかということも一つ疑問もあるんですけれども、しかし余りにもこれは差があり過ぎますよね。非常にたくさん置いてある、例えば青森なんかですとやっぱり事例はだんだんこう減ってきている。一番少ない、例えば岐阜ですね、逆に事例も多くなっているというようなこともありますので、そうなったときに、やはり少ないところにちゃんと置きなさいよというような指導というのはできないものなんでしょうか。それどういうふうにしていらっしゃるんですか。
○政府参考人(伍藤忠春君) これ、自治体の職員の配置の問題でありますから、直接私どもが命令権とかそういったものはないわけでありますが、いろんな機会に、こういう社会的な課題に対応できる体制を是非作っていただきたいと。そういう観点から、私ども全国のいろんな課長会議、部長会議、その他たくさん都道府県の方々と意見交換をする場がありますが、そういう機会を通じていろんな限り、できるだけしかも各都道府県の、今御紹介のありました都道府県別に見るとこれだけ格差があるというようなことを公開しながら、まだ体制が整っていないところにそういう問題意識を持っていただきたいと。 特に、これ私どもの会議なんかに集まるのは福祉部局の方々でありますが、やはりこういう問題に知事部局といいますか、知事自ら、首長自らが認識を持っていただきたいということを繰り返し私どもも申し上げておりまして、やっぱり国、自治体挙げて取り組むという意識がトップからないと私はこれはなかなか進まないということで、そういうことをお願いを繰り返し申し上げているところでございます。
○清水嘉与子君 私も、参議院でも、共生社会調査会でも、その児童虐待の問題を取り上げて全国児童相談所だとか一時保護所の施設などを拝見することがありましたけれども、やはりどこもどこも本当に貧しい状況の中で、本当に忙しい中で行われているから、こういうところに子供を保護しておいていいんだろうかというような思いが本当にいたします。是非温かい、血の通った対策ができますように、恐らく、幾ら地方交付税で措置しても、もう今はこんなに定員そのものを削減しようという時期でございますから、どっから連れてこなきゃいけないと。中でやりくりしなきゃいけないという状況だと思うんですね。だけれども、本当に大事なところには、特に将来背負う子供たちの育成のために、大事だと思ったら是非そのことを思い切ってやっていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 では次に、少し少子化対策の問題についてお話を伺いたいんですけれども、当然のことながら、この新しい新新、何と言うんでしょうか、エンゼルプランが今作られているということで、児童虐待の問題もこの中に含まれて対策が進んでいくんだというふうに伺っています。それでよろしいですよね。 そこで、これまでのというか、新エンゼルプラン、十二年から十六年度までの新エンゼルプランというものに対して総務省が先般政策評価をされたと伺っていますけれども、この政策評価の評価をどんなふうに考えていらっしゃいますか、教えていただきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 政府におきましては、平成十一年に、今お話しいただきました十二年度からの五か年計画として、今新エンゼルプランと言っております、これを策定をいたしました。この中で、保育関係事業を中心にして具体的な目標を掲げて取組を進めてまいりました。事業によっては当初の目標値を上回る実績も上げておりまして、この点は今回の政策評価でも一定の評価はいただいたところでございます。 しかしながら、この新エンゼルプランに基づきまして、子育て支援サービスの拡大等に努めてはまいりましたけれども、一番肝心の出生率が低下傾向にございます。このことは、一番私は、この歯止めが掛からないことは、国民が子供を産み育てやすい環境整備が進んだという実感を持つことができない、正にこの環境整備がどうしても足らないんだというふうに考えておりまして、そのために、残念ながら少子化の流れを変えるに至っていないものだと、こういうふうに思っております。 このために、本年中に、この新エンゼルプランの後のプランでありますから新新と言うのか、名前はまた考えてみますけれども、いずれにいたしましても新たなプランを作ります。 御指摘の政策評価の結果や地域のニーズを調査して策定されております地方公共団体の行動計画もございますから、そうしたものも踏まえまして総合的な、これは本当にもう総合的に取り組まなきゃいかぬと思っていますから、その総合的な取組をして、申し上げたその環境整備が着実に進められているという実感を持っていただけるような計画を作りたいと考えております。
○清水嘉与子君 私もこの評価を拝見させていただいたんですけれども、このアンケート調査をしているわけですよね。それに基づいていろんな意見をこれからの政策に役立てなさいということだと思いますけれども、しかし、このアンケート調査を拝見しますと、選挙人名簿から抽出された二十から四十までの男女六千人、回答が三四%、二千人足らずです。結婚している人が半分。子供のいる人は四四%。エンゼルプランが役に立たないと言っているのが一六%、余り役に立たなかったが五一%。ほとんどエンゼルプラン知らない人たちにこういうことを聞いても余り役に立たないんじゃないかというふうに思いますし、それから、このエンゼルプランそのものがやはりどちらかというと、主体は働くお母さん、どうやったら仕事と両立できますかみたいなことのアンケートが多いわけですので、何か本当にこれでいいのかなという思いをしたことを一言付け加えておきます。 そこで、平成十五年、新しく生まれた赤ちゃんが百十二万三千六百十人、合計特殊出生率が一・二九。これも、いずれも最低になりました。 ところで、その出生数が減る中で、生まれてくる新生児の平均体重が減ってきている。そして、低体重、いわゆる未熟児がどんどん増えているというこの原因、これは何でしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 低出生体重児の問題でありますが、幾つかいろんな研究がなされておりますが、大きく四つぐらいの要因が指摘されておるというふうに考えております。 一つは、出産年齢の上昇ということが一つの要因ではないかと。それから二つ目には、周産期医療の向上によりまして死産が大幅に減少しておると、こういうことの裏返しの結果ではないかと。それから三点目としては、不妊治療などの普及による多胎妊娠の増加と、こういうことがあるんではないかと。それから四つ目として、妊娠中の過度の体重制限、これは若いお母さん方にこういう傾向があるというふうに聞いておりますが、こういった要因があるんではないかということが専門家から指摘されておるところでございます。
○清水嘉与子君 未熟児というのは体重二千五百グラム以下のことを言っているんですけれども、新生児の約九%に達しています。特に、極小未熟児というのが非常に増えているわけですよね。 私たち、先日、成育医療センターに伺いましたけれども、そのとき、そこでも四百三十グラムの赤ちゃんが生まれたと言っていました。記録を見ますと、三百グラム台でも成長して、生まれているんですよね。今おっしゃったような理由だと思いますけれども、医療機関でずっと調べているのを拝見しますと、やはりいろんなNICU、新生児の集中治療設備なんかどんどんできてくると、それによって、そういうところに入った子供たちはやっぱり育つ率が高くなっているわけですね。 いろいろあると思いますけれども、こういう出生児のこれはやっぱりハンディだと思いますけれども、この子供たちがその後心身ともに健全な発育をしているのかどうか、これ何か調査がございますか。
○政府参考人(伍藤忠春君) こういった子供たちのその後の状況がどうなっているかということについての特別の調査は特に承知はしておりません。
○清水嘉与子君 恐らく子供たちも非常な負担が掛かっているでしょうし、家族にも負担が掛かっているでしょうし、あるいは社会的に見てもやっぱり大きな負担になる。この少なく生まれている子供たちが健全に育成できないということがやっぱりこれから大きな問題ではないかと私は思っているわけでございます。 児童虐待にかかわっておりましても、やはり障害を持ったり、あるいは小さな子供、育ちにくい子供が虐待を受けているというような事例もあるわけでございまして、私たちもう少し、この生まれてくる子供たちを健全に育てるということにもう少し目を向けなきゃいけないんじゃないかというふうな思いがしているわけでございます。 日本ではその研究はないということでございますけれども、カナダで、八百グラム以下で生まれた新生児集中治療を受けた人で知覚だとか運動障害のないおおむね正常な知能のある百十四名の子供、八歳から九歳になったときに調査いたしましたら、正常な体重で生まれた子と比較して、字を書く、計算、あるいは読む、字を読む、そういった能力に有意の差があったというようなデータもございます。 やはりこの辺をきちんと調査のフォローをして、そういうことが、もう小さく生まれた子を育てるということよりも、そういうことにならないで、小さな子供じゃなくてもちゃんとした子供を産めるような、もう少しそういったところに力を注ぐべきじゃないかと思いますが、これいかがでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) そういう観点から、先ほど要因を四つほど指摘いたしましたが、それぞれについて対応策が考えられると思いますので、出産年齢の上昇については、出産年齢が高まるほどこういう低出生体重児の可能性が高くなると、こういった妊娠に関する正しい情報の普及が必要かなというふうに考えておりますし、それから、周産期医療の向上に伴う未熟児の発生、これについては医療提供体制の整備ということに尽きると思いますので、こういうことを是非整備していきたいというふうに考えております。それから、不妊治療の普及による多胎妊娠でありますが、これは日本産科婦人科学会が、移植する胚の数を原則として三個以内とするという自主規制を今行っておりまして、こういった現場での一定の努力が行われているというふうに考えております。それから、妊娠中の体重管理につきましては、どういうふうにこれ考えていくべきか、今、平成十六年度の厚生労働科学研究でいろいろ研究していただいておりますので、こういった知識の普及ということに努めていきたいと思っております。
○清水嘉与子君 例えば、私はたばこ禁止の議連の方に入っているんですけれども、たばこの吸い過ぎは未熟児を産みますよなんという注意もあるんですね。たばこの吸い過ぎ、あるいはアルコール、どうでしょうか、あるいは薬物依存症、あるいは若い子供たちが人工妊娠中絶を繰り返したり、あるいは性感染症になったり、いろんな要因がまだまだあるんじゃないかというふうに思います。 やはり子供を産む、まあ適齢期の問題もあるかもしれませんけれども、健全な赤ちゃんを産めるような母体作り、母体作り。もう少し情報を発信して、今、健康作りというと、いろんな情報をもらいながらいろんなことをやろうとする人たちが多くなっていますけれども、本当に健康な母体作りについて、もう少しどんどん情報を発信していただきたいなというふうに思うわけでございます。 それからさらに、今の置かれている子供たちの問題でございます。 今の少子化対策、さっきのエンゼルプランもそうですけれども、やっぱり主体は、働くお母さんをいかに仕事と家庭と両立させるかというところに重点行き過ぎているような気もいたします。やはり子供が今どんな状況になっているのか、今、体力も落ちて、気力もなくし、自己中心的ですぐに切れる、そしていじめの多発、本当に思いやりに欠けるような子供たち、本当に目に余るような状況になっていると思います。 何といいましても、子供の自己形成は、その乳幼児期におきますお母さんと子供との関係、非常に大きくかかわっていると思います。育児だけでなくて、介護、医療、そういった家庭の機能を奪って施設隔離するような社会サービスの充実というのはちょっとやはり行き過ぎているかなという感じもしないでもないわけでございまして、是非、主役である子供が心身ともに健康で家庭のぬくもりの中で生活できるような、そして母と子の関係、父と子の関係、こういったことを少し少子化対策の中でも見直していただけたらというふうに思っております。 育児休業制度を今度また延長するというようなことで、そういう面でいい、評価できるものもあるわけですけれども、実際にその長期の育児休暇が取れないような今職場環境ですよね。そういうことから直していかなければこれ進まないんじゃないかというふうに思いますので、是非お願いをしたいというふうに思っております。 もう時間もなくなってまいりましたけれども、先日、保育士さんたちが、長時間保育が子供たちの成長に悪い影響がないだろうかといって調査したものがございました。一歳児が五年後の発達にどんな、長時間保育でどんな影響があるだろうかということを調べたものです。認可保育所できちんと保育士さんたちが努力した結果、何も異常はない、特に社会適応にもちろん問題はないという結果なんですけれども、この認可保育所でなく預かっている、あるいはもっと長期保育だとか駅前保育だとか夜間保育だとか、いろんな働くお母さんのニードに合わせたような、ちょっと極端過ぎるような要求がどんどん出てきて、それをすることによって子供は一体どういう状況に置かれるのかと。 やはりそういうことも十分この新しいエンゼルプランの中には含めていくべきじゃないかと考えるんですけれども、いかがでしょうか。大臣、これ最後の質問にしてもいいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
○国務大臣(尾辻秀久君) いろいろ御指摘いただきました。 最初に申し上げましたように、少子化に歯止めが掛からない、これはもう掛かって一言で言うと環境整備だと、こういうふうに思っております。 そして、この新エンゼルプラン、その前のエンゼルプランもありますが、こうしたものに対する自分たちの評価はどう考えているかというお尋ねもありました。私は、正にこの少子化に対して、そしてまた子育てに対してもっと大きく社会全体で取り組むべきだと、こういうことをいつも言ってきたつもりでもございますし、今日、今委員の御指摘もそうした趣旨で言っていただいたものと理解をいたします。 そうした幅広い取組に全力を挙げて努めてまいりたいと、このように考えます。
○清水嘉与子君 終わります。ありがとうございました。
○坂本由紀子君 自由民主党、坂本由紀子です。 児童虐待につきましては、その虐待を行う者につきまして実母の割合が平成十五年度で六割を超えておりまして、年を追うごとに増えている。虐待をされる児童でとらえますと、三歳未満の子供の数というのは平成十年度からの五年間で四・三三倍という、極めて激増をしているわけであります。 このような児童虐待を早期に発見して子供たちの命を救うということはもちろん大事なことでありますが、それと併せて、児童虐待が生じないような予防を幅広く講じていくということが大事なことであろうと思います。特に核家族化が進んでいるということ、そして少子化で大人になるまでに赤ちゃんに接したことがないというような女性も増えております。そういう意味では、親になろうとする人たちに対してきめ細かな情報提供であるとかあるいはサービスを行うということが大事だろうと思います。 例えば、母子手帳をもらうときに、そういう子育てについて不安を感じてないだろうか、もしそういうことであれば不安を解消するような相談に乗ってあげると。あるいは、お産のときには大体今は入院をいたしますので、そういう一週間なり産婦人科にいる中でお母さんたちの子育てに対しての不安を早期にキャッチをして対策を講じるというようなきめ細かな、早い時期のきめ細かな対応が大事であろうというふうに思うのであります。 ハイリスクの、児童虐待についてハイリスクの可能性のある人を早めに見付けるとか、あるいは子育てに不安を感じているような人たちの不安を取り除くというような情報提供、対応についての対策と、併せて、児童相談所などで困ったときの相談に乗ってあげているわけですが、困った人たち、当事者というのは、そういうものがあることも知らない、どこに行っていいか分からないというのが現実だろうと思います。 例えば、市役所ですとか県がいろいろな広報紙を出していて、その中には隅の方に書いてあります。相談はこういうところにどうぞというようなことが書いてありますが、なかなか子育てで忙しいお母さんですとか、そういうものを見るというのは現実には無理だろうと思うんです。例えば、スーパーマーケットの入口のところに、子育てで困ったらこういうところがありますというようなことで電話番号が張ってあるとか、そういう案内があるとか、だれでも行くようなところにそういう情報が提供されているということが、これまた予防策としては大事だろうと思います。 そういう意味で、児童虐待を言ってみれば社会全体で深刻な問題としてとらえて、みんなが協力し合ってこの問題を予防することについて取組をしていくことが大事ではないかと思います。 こういう国を挙げて、社会を挙げて児童虐待の予防について大きなネットワークを作っていくことについて、大臣どのようにお考えか、お聞かせいただきたいと存じます。
○国務大臣(尾辻秀久君) まずお答えいたしますけれども、衆議院の御質疑の中でもそのようなお話もございまして、正に児童虐待防止の予防のためにコンビニなど積極的に利用できないかというお話がございまして、早速に全国の業界団体のところには、そうしたお願いできませんかという問い合わせもいたしておるところでございます。まずそのことを申し上げた上で、更にお答えを申し上げます。 児童虐待は、その発見や対応が遅れるほど改善に向けた取組が困難になりますので、議員御指摘のとおりに、早期発見、早期対応だけでなくて発生予防からの取組が重要であると認識をいたしておるところでございます。特に、保健所や市町村保健センター等の保健師が虐待の発生予防や早期対応に果たす役割が重要であると、こう考えております。 このため、これまでもこれ御指摘ございましたように、乳幼児健康診査や保健指導などを通じまして、子育て家庭の孤立化や子育てに伴う負担感や不安感の増加等に対応するために、健診時における心理的対応の充実だとか妊産婦や親子への支援にも努めてまいりました。さらに、これもお話ございましたけれども、リスクの高い家庭を積極的に訪問して養育支援を行う育児支援家庭訪問事業も創設はいたしたところでございます。 こうしたいろいろな取組をいたしておりますから、こうしたものの中で今後の対応を私どもも精一杯努めていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。そして、その中でまた要保護児童対策地域協議会を法的に位置付けまして、正におっしゃるそのネットワークということを考えておりますので、こうしたネットワークの設置につきましても一層の推進を図ってまいりたいと、こういうふうに考えております。
○坂本由紀子君 ありがとうございます。制度を作って、それが実際に皆さんの役に立つようにすることが大事だろうと思いますので、是非よろしくお願いをいたします。 次に、児童虐待の防止を考えるときに、なぜ虐待につながったのかという、そういう原因をしっかりと分析して、そうならないような対応策を講じることが大事だろうと思います。そういう意味で、児童虐待につながった事例についての原因の分析、的確な対応についてどのような取組を行っているか、お答えください。
○政府参考人(伍藤忠春君) 私ども、この虐待、特に虐待によって死亡した事例、これが一番深刻な事例でございますので、こういったものがどういう要因といいますか、どういう状況の下で発生をしたかということを、今年の二月に虐待防止法施行以来の死亡事例を初めて総体的に取りまとめて検証をいたしました。 その要素としては、三つ大きく分かれると思いますが、一つは、経済不安とか家族構成等の養育環境ということが浮かび上がっておりますし、それから二つ目には、養育者の性格とか精神状態、あるいは養育者に疾病の有無、こういった養育者の状況、こういった要因も一つあるんではないかと。それから三点目に、虐待を受けた子供の方でありますが、子供の方が未熟児であるとか障害児であるとかいう子供の属性といいますか、子供の状況と、こういうことに大きく分かれるんではないかというような結果が出たところでございます。 こういったことを参考にしながら、これから保健所や市町村の母子保健事業を通じて、そういった関係者にいろんな、早目に発見し取り組んでいただく、そういう手掛かりにしていただくと。それから、医療機関におきましても、出産とかそういうところに立ち会う機会が多いわけでありますから、こういった家庭状況というものを早期に把握していただくと、そういう努力もしていただきたいというふうに考えております。 こういったことを一応今年の二月に行いましたが、更にその後もいろいろ深刻な事例が発生をしておりますので、本年の十月には本格的な児童部会、審議会の中に専門委員会というのを立ち上げて、その後の死亡事例も含めてより一層の解析といいますか解明、そういった要因分析というのも更に精度を高めていきたいというふうに考えております。
○坂本由紀子君 現状を的確に分析して、それに即した対応を取ることが何より大事だと思いますので、今後ともしっかりと取り組んでいただくようお願いいたします。 そういうものを踏まえて、今般、相談体制を充実するということで、市町村の体制も整備をされるということになっております。市町村に、住民に近いところにそういう業務をしっかりと根付かせて取り組んでいくというのは、成果を上げるためには大変大事なことだと思いますし、児童相談所だけではなくて、身近な各市町村が第一次的に対応できるということは大変結構なことだと思います。ただ、そういう法律を整備しただけでは実効は上がらないわけでありまして、いかにそれが有効に機能するかということが大事であろうと思います。 現在、私は静岡が地元ですが、地元の児童相談所でも、市町村に窓口を広げることによって第一次的には児童相談所の負担がかえって増えるだろうと。つまり、市町村ではそういうことに手慣れた職員が十分にいるわけではありませんし、体制も整っていない。そうすると、そういうことをしっかりとフォローしながら、足りないところは相変わらず児童相談所にいろいろな相談も来るだろうと。だから、市町村の体制がきっちり整うまではそういう全体として業務量が増えるという状況で考えているようであります。 それを考えますと、とにかく一刻も早く市町村がきっちりした対応が整えられるようにしていかなきゃいけない。先ほどガイドラインを作ってやっていくつもりだというふうにおっしゃいましたが、具体的にその市町村に対して、例えば専門職をどのくらい配置するとか窓口をどうしたらいいとかいうようなことについて、基準を示して取組を促していくということが大事だろうと思います。 それは、先ほど、都道府県の児童福祉司の格差について知事さんに認識をしてもらって、格差解消でちゃんとした取組をしてもらいたいという局長の答弁がありましたが、これは、窓口は確かにおっしゃるとおりやりたいと思っても、財政が厳しいので財政当局がなかなかうんと言ってくれないということがあります。財政当局をクリアするためには、国が示している基準がちゃんとあることによって、福祉部門としてはそういうことを庁内で説得する材料にもなりますし、また一方で、そういうものを作ってやっているということを、知事なり市町村長さん、あるいは副知事なり、そういうトップにちゃんと国が伝わるようにしていくということも大事だろうと思います。そういう市町村、都道府県のレベルが実効を持ってやっていくような取組をしっかりしていただきたい。 そして、そういう基準を作ってやってくださいといった場合には、じゃ、ここの県、ここの市がどのくらいのことをやっているかということをしっかりと評価をして、それを公開するということが大事だろうと思います。 そういう、自分のところの町がどういう取組をしているか、国が要請しているものに比べて不十分で余り熱意がないというようなことを住民が知って、それをその首長さんの仕事の判断材料にするということが、首長さんがそういうことを取り組む上での積極的な要因にもなることだと思いますので、是非基準を作って、その取組がどうかということを評価をして、そしてそれを公開をするということを行政として進めていただきたいと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 今御指摘のありましたような体制整備、それから仕事のやり方、窓口をどうするかと、こういったことをできるだけ、標準といいますか、基準を示すということについては、限界はあろうかと思いますが、私ども、これから考えておりますガイドラインの中でできるだけきめ細かく取り上げていきたいと。その参考になる事例は既に先進的な事例も幾つかがありますから、そういうものを紹介する、あるいはそういうもののエキスをこのガイドラインの中に取り込むというようないろんな形があろうかと思いますが、できるだけ工夫をしてみたいというふうに思っております。 それから、そういった各市町村においてどういうふうな取組がなされて、あるいはどういう実績を上げておるかということを、これを評価をし公開をするという、この分野だけを評価し公開するというようなシステムがどういった形でできるか、ちょっと今すぐには思い浮かびませんが、できるだけ、先ほど言いましたように、都道府県の体制とかいったことについては私どもできるだけ全面的に公開をしてお願いをする材料にしておるところでありますので、こういった今度は市町村のいろんな取組といったものについてもできる限り、新しい事務がどういうふうに定着をしておるのか、それから、どういうところでどういう自治体が積極的に取り組んでいるのか、これもできるだけ全国ベースの資料を集めて、できるだけそういった御指摘のような趣旨で取り組んでいきたいというふうに考えております。
○坂本由紀子君 三位一体に関連いたしまして、現場では、児童関係の補助金がなくなることによって市町村等の取組が後退するのではないかという心配の声も聞かれます。やはりそういうものがあるからやるというところがまだかなり多いというのが現状でございます。 ただ、市町村が使いやすい、地方自治体が使いやすいような補助金であるということは大事であろうと思いますので、何をやらなきゃいけないかというところはしっかりとらえて、どういうやり方をするかということについてはある程度地方自治体の裁量が利くような政策メニュー化をした助成措置というのをお考えいただいて、積極的な後押しをするということが大事だろうと思います。 是非そういう方向で進めていただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。
○政府参考人(伍藤忠春君) 三位一体との改革でこういった虐待問題とか児童の関係をどうとらえるかということは、今回の、いろいろ今折衝の最終局面を迎えておりますが、大きな焦点の一つになっておりまして、この児童問題については是非、是非というか、国を挙げてやっぱり取り組んでいく必要があると、こういう認識を持っていただくように私ども努力をしていただいておるわけでありまして、特にこの虐待、あるいはDVとか、こういった新しい立ち後れておる分野については、まだまだ国が大いに関与していく必要があるというふうに思っておりますので、補助制度、誘導的な措置というものは積極的にこれからも維持をしていきたいと思っておりますが、御指摘のように、それをどういうふうに料理をして消化をして使うかというのは自治体がある程度工夫できるようにという、その余地がまだまだあると思いますので、そういった面については大いに工夫をしていきたいと。今回の改革を機に、そういった面について是非努力をしたいと思っております。
○坂本由紀子君 時間がなくなってきましたので、最後、要請だけにさせていただきますが、児童虐待を考えたときには、虐待を受けた子供たちの心のケアというのが大変大事であると考えます。親が虐待を受けた、子供のころ虐待を受けたことがあるという、そういうその虐待の連鎖が二代目、最近では三代目まで出ているという大変つらい話も聞くところでありまして、是非虐待を受けた子供たちの心の傷をいやして、子供たちが大人からたくさんの愛情を受けて育つ、そして自分が大人になったときに自分の子供に対して豊かな愛情を与える親になれるような、そういうことにも十分留意をしてこの虐待問題に取り組んでいただきたいと考えます。 どうぞ、子供は親を選べませんので、すべての子供たちにとって心豊かな養育がなされるよう、今後ともしっかりとしたお取り組みをいただくことをお願いをいたしまして、私の質問を終わりたいと存じます。
○朝日俊弘君 おはようございます。民主党・新緑風会の朝日でございます。 今日は、児童福祉法の改正について、今回、主として児童虐待に対応するためにという改正であるというふうに理解をしておりますが、児童虐待にかかわる質問の前に、もう一つの柱として小児慢性特定疾患の対策に係る項目があります。今回、初めてこの児童福祉法の中に小児慢性特定疾患対策に係る根拠を定めると、こういうことであります。 この点に関してちょっと基礎的な質問をさせていただきたいと思うんですが、私は、今回、児童福祉法にこういう法的根拠を求めることについて、そのこと自体に異議があるわけではないんですけれども、じゃ、なぜ児童福祉法に根拠を求めたのかというのがどうも気になるんですね。確かに、小児慢性特定疾患対策だから、だから児童福祉法ということになるのかもしれませんけれども、この後でも質問しますけれども、子供の期間に限らない場合も出てくるわけですね。児童福祉法に定めると、どうしても年齢で切らざるを得なくなっちゃう。しかし、実態は二十歳を超えて続く事例も出てくる。何で児童福祉法に小児慢性特定疾患対策の法的根拠を求めたのか、その理由を説明してください。
○政府参考人(伍藤忠春君) これは、従来から小児を対象に小児慢性特定疾患治療研究事業として予算事業によって行ってきたものでありますが、奨励的補助事業といいますか、そういう不安定な形で続けていくということについてのいろいろ見直しの機運がございましたし、患者団体からも法制化という要望がかねてございました。 次世代育成支援ということを今強く打ち出して取り組んでおりますが、そういった総合的な見地から、今回、こういう医療という側面で、小児慢性特定疾患治療研究事業というものをより安定的な制度に位置付けて児童の健全育成というようなことをより強固に推進していこうということで、今般、対象が児童でございますから、一番児童の福祉を図るという観点から児童福祉法に位置付けることにしたわけでございます。
○朝日俊弘君 公式にはそういう答弁になるんでしょうが、私がお聞きしたのは、法的根拠を求めることについては異議はないと、しかし児童福祉法に求めたことによって逆に使いにくさが出てくるという問題が出てこないかということで、その理由をお尋ねしたんですけれども、もう一遍後で問いますから、次の質問を先にします。 小児慢性特定疾患対策と似通った対策として、特定疾患対策、いわゆる難病対策というのがあります。お聞きをすると、これは特に年齢を限定したものではなくて、子供も含めて特定疾患に対する、難病に対する対策を講じていると、こういうことでありますが、さて、今の小児慢性特定疾患対策にかかわる説明ぶりと対比して、特定疾患対策、いわゆる難病対策については、何を法的根拠として、どのような疾病を対象として、どのような事業を実施しているのか。 お聞きすると、こちらの方は法的根拠を求めていないと。小児の方では求めて、こちらでは求めないという理由がどうもよく分かりません。ちょっと御説明ください。
○政府参考人(田中慶司君) 御説明申し上げます。 いわゆる難病対策というのは、厚生労働省の設置法におきまして、当省の所管事項としまして、治療方法が確立していない疾病その他特殊の疾病の予防及び治療に関することというのが定められておりまして、これに基づいて実施しているというふうに私ども理解しているところでございます。 なお、具体的な施策の内容につきましては、昭和四十七年に難病対策要綱というのを策定しております。それに基づいて進めているというところでございます。 難病対策の対象としている疾患でございますけれども、これはまず年齢にかかわらずという条件がございますけれども、原因が不明で、効果的な治療法が未確立で、患者数が少なくて、生活面で長期にわたる支障を来すと、こういう四条件を満たしていることか、満たしているかどうかにつきまして、専門家で構成されます特定疾患対策懇談会の意見を聞きまして選定をしているところでございます。現在、百二十一疾患を対象としております。なお、医療費の自己負担軽減措置を行います特定疾患治療研究事業につきましては、さらに治療の困難性等を総合的に勘案しまして、四十五疾患を選定しているところでございます。 また、事業の内容としましては、調査研究の推進あるいは医療費の自己負担の軽減措置に加えまして、医療施設の整備に関しまして重症難病患者拠点・協力病院設備整備事業等、あるいは地域におきます保健医療福祉の充実、連携に関しまして難病相談支援センター事業等、さらに、福祉施策の推進に関しまして難病患者さんの居宅生活支援事業等を実施しているところでございます。
○朝日俊弘君 そうすると、幾つか具体的なことをお尋ねしていきたいと思いますが、小児慢性疾患の対象であった子供が成人して、二十歳を過ぎて、なお同じ疾患で苦労されているという事例があると思うんですね。例えば、ある種の糖尿病のタイプなども含めてそういう事例があるというふうに思います。 先日、視察に行かせていただいた国立成育医療センターの院長さんもそのような事例があると、キャリーオーバーとかいう表現をされていましたけれども、そういう事例があるということで、小児慢性疾患の対象となる疾患を持った方が児童期を超えて引き続き同じ疾患に悩むという状態があるという話を聞きましたが、この実態についてはどの程度把握していますか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 現状でございますが、原則として今十八歳までの児童を対象として小児慢性特定疾患治療研究事業を行っておりまして、成人後の実態については私ども詳細には把握をしていないというのが実情でございます。
○朝日俊弘君 それが問題なんですよ。後でまた聞きますけれども、小児慢性の特定疾患対策と年齢を限定しない特定疾患対策とがあって、たまたま小児慢性については児童に限定しているから二十歳になったら後は知らないと、これでいいのかと。だから、多分、厚生労働省の中でも所管としては、子供の方は児童家庭局で、難病の方は健政局ですか、ということになるんでしょうね。局が違うと何かどうも文化が違うみたいで、全然連携がないように見えるんですね。だから、そういうことがないように法律を仕組まなければいけないんじゃないか、そのためにどういう法律を作ったらいいのかということを調べるために、まず実態をちゃんと把握すべきじゃないかと思うんですが、どうですか。どちらからでも結構です。
○委員長(岸宏一君) どちらがお答えしますか。どなた。
○政府参考人(伍藤忠春君) 小児を脱した児童の後の問題について、これは把握をしていないということが実情でございますが、これをどういう形で把握をするのかということにつきましては、今まで二つの、何といいますか、難病対策、大人の難病対策、子供の難病対策、それぞれ余り問題意識がなかったところでありますので、両局併せて少し相談をしてみたいというふうに思っております。
○朝日俊弘君 是非相談してほしいんですがね。 例えば、それじゃ次の質問に行きますよ。じゃ、現実にそういう事例があるということは、詳細に把握していないということは今お答えになったけれども、現実にそういう事例があるということは承知していますか。そういう事例があった場合には、じゃ、二十歳になったらそれまで受けていた小児慢性特定疾患対策に係る助成の制度が切れますから、切れますよね、そうすると、その後はどうなるんですか。何らかの手だてが講じられ得るんですか。また、講じられているんですか。どうなっていますか。二十歳でその後は知らないよということになっていますか。現状はどうですか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 制度論としては、その後、公費による医療費の助成という制度はそこで途切れるということが現実だと思います。 今回、何といいますか、この今回の改正を機に、私ども、福祉事業として、成人以後の自立を支援する観点から、患者を、子供を養育していた親などによる助言・相談事業といいますか、そういうものを発足をさせたいと思っておりますし、そういう他の生活支援というような観点からの事業には取り組んでいきたいと思っておりますが、公費でその医療費を無料化していく必要があるかどうかというのは、小児の健全育成と、それから小児を長期にわたって育成する親の、その家庭の負担を軽減すると、こういう趣旨で小児慢性疾患の特定事業というのが始められて、ずっと継続してきたわけでありますから、大人になって自立をする社会人としてのものをどういう範囲で支援をしていくか、難病としてとらえていくのか、障害者としてとらえていくのか、これはまた別途の観点があろうかと思いますが、少なくとも今までのこの制度の趣旨は、小児の医療費、小児の健全育成という観点からこの制度が発足をし、取り組んできたものと、こういうふうに考えております。
○朝日俊弘君 この後大臣に聞きますから、よく今のやり取りを聞いていてください。 それで、結局、私は、児童福祉法に根拠を求めると、どうしてもそこで切れるというふうな仕組みにならざるを得ないと。だからこそ、この法的根拠を求めるのを、もう少し違った法律あるいは仕組みを考えて、そこに位置付けるべきではなかったのかと思えてならないんです。 そこで、大臣の答弁をいただく前に、もう一つ質問しておきます。 私の誤解があるといけないので、小児慢性特定疾患の対象となる疾患と、それから、年齢を問わず、いわゆる難病対策特定疾患、特に治療研究事業の対象となる疾患との関係についてちょっと御説明いただけますか。 私なりにちょっと調べてみたんですけれども、多分、検討していただく先生も違うものですから、診断のレベルもいささか違っているような感じはしますが、しかし共通する疾患もあるんですよね。そうすると、子供で、共通する疾患に罹患している場合に、特定疾患治療研究事業の方を受けるのか、小児慢性特定疾患の方を受けるのかということも含めてよく分からないんです。もしかすると、私、両局の方で緻密に検討したことがないのではないかと思っているんですが、ちょっとその両者の関係、とりわけ共通している部分についてどういうふうに認識しているか、どう考えているか、説明してください。
○政府参考人(伍藤忠春君) 御指摘のとおり、小児慢性特定疾患事業と特定疾患の治療研究事業、大人の難病との間に疾病名で共通するものがあることは事実でございまして、現状の取扱いは、現在どちらの制度を利用するかということは、患者の意思を尊重するという観点から、患者自身の選択によってどちらかを選択して申請をしていただいてこの事業の対象になっていただくと、こういう形になっております。
○朝日俊弘君 大臣、今ちょっとやり取りをお聞きになっていて、何かこう、やっぱり両方を見据えた実態の把握と、それにしかるべく対応する法体系の作り方というのは改めて見直す必要があるんじゃないかという気がするんです。何か、従来から小児慢性事業はずっと児童家庭局でやってきたから、何かこう、何らかの法的根拠を求めたいからまあ児童福祉法でというふうに従来の延長線上だけで考えている。一方、難病対策は難病対策で従来どおりやられている。その両方が並行してきていて、何か制度としては違うんですと。それは分かるけれども、しかし重なる部分もあるじゃないか、あるいは法律の作り方によっては年齢で切れちゃうというのはおかしいじゃないかということが指摘されているわけですよね。 だから、ここは今すぐに見直すというのは大変かもしれませんけれども、今後の方向としてどう考えるかということと、当面、何らかの形で対応が、経過的に対応ができないか、この二点について大臣のお考えをお聞きします。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今の委員の御指摘を聞いておりまして、私なりにまず今の形を整理して申し上げるとこういうことだろうなと思います。 それは、まず難病対策があります。これは先ほど来のお話のように、年齢に全く関係がありません。したがって、これは全年齢を含んで難病対策というのが一つある。それに対して、子供の小児慢性特定疾患というのがあって、これはもっとその難病対策で難病と指定しておるよりも幅を広げて、児童の健全育成という視点からそういう施策を取ろうということで、今度の児童福祉法の中に位置付けて対策を取ろうとした、こういうことだろうと思います。 したがって、それぞれ性格が違うといえば違うわけでありますけれども、その中で私が今私なりに問題意識を持っておりますのは、まずこの難病対策の方の難病の指定とかなんとかということが今のやり方でいいのかと。ここに一つ、今日の御論議とは全然別個ですけれども、一つの問題点があるんじゃないかというのを実は思っております。したがって、その一つの整理もしなきゃいかぬなと思っております。 それからまた同時に、この二つを合わすというのは、今申し上げたように性格が違うんで、どういうことが考えられるかいろいろ検討しなきゃいかぬと思いますが、一つの問題点は、こちらのやり方でいくと二十歳過ぎたときにどうするのということが出てくるわけでありますから、そこのところに問題点が生じる。この大きく二つの問題をどういう形で答えが出せるのか、きっちり検討をしてみる必要があるというふうに考えております。
○朝日俊弘君 だから、最初の質問にはお答えいただいた。きっちり検討してみる必要がある。是非検討してほしいんですが、それまでに経過的には何らか考える余地はないんですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) そこの部分、御答弁申し上げずに失礼をばいたしました。 これについては、今私も急にお答えできませんので、よく帰って勉強してみたいと、こういうふうに思います。
○朝日俊弘君 前もってちゃんと文書で質問を出しておりますから理解していただけてないのは残念ですが、本来であればここで止めてもいいんですけれども、そういう話ではないからやめますが。 実は、これはお金の問題だけじゃなくて、疾患に、疾病にかかわる情報とか、その後の経過あるいは予後含めて、是非これは、局が違うからどうの、制度が違うからどうのと言っている段階ではないんですよ。だから現場では、先ほども御紹介したように、成育医療センターの院長は、現にキャリーオーバーという事例があって、それもフォローしているんだというふうにおっしゃっているわけですよ。だから現場ではそういうふうに動いているんですよ。ところが、中央官庁の厚生労働省が全然そういうことに対応できていないんですよ。 だから、まずは実務的に両者の連携、とりわけ情報を共有することも含めて、これはちょっと簡単に共有していいかどうかという問題もあると思いますけれども、検討をしていただいて、せっかく現場でそういう努力をされている、そういう人たちが集めたデータを研究成果に生かす、同時に、そういう人たちにも不公平なく助成ができるという仕組みに作り替えないといけないんじゃないかと思う。 是非ここはそういう宿題があるということを確認していただけますか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 宿題をいただきましたことはしっかりと確認をさせていただきます。
○朝日俊弘君 それじゃ、ある時点でまたお答えをいただきますので、よろしく。 次に、児童虐待にかかわって、児童相談所のことについて絞ってお尋ねします。 資料をできれば配付してください。 〔資料配付〕
○朝日俊弘君 実は私、数年間、児童相談所の嘱託をしておりまして、そういう意味では、改めて児童相談所の現状などについて思い起こしながらこれからの対応について考えていきたいということで、児童相談所問題に絞ってお尋ねします。 今、資料を配付させていただいておりますが、児童相談所というのは随分といろんな仕事をやるようになっているんですね。ちょっと思い出してみますと、かつては子供の登校拒否、不登校の問題とか、あるいは子供の親に対する家庭内暴力の問題だとか、最近、家庭内暴力というと配偶者同士の暴力ということになるんだそうですが、かつてはそういう時期もあった。つまり、そのときそのときの時代背景の中で生ずる様々な子供の問題について相談支援するという大変幅広い任務を持った機関だというふうに理解をしています。 そこで、まず実態を皆さんによく知っていただきたいという思いもあって資料を二部、二枚用意しましたから、その資料に基づいて、児童相談所がどういう相談を受けて活動をしているのか、その年次的な推移がどうなっているのか、少し時間を取っても構いませんから、きちんと説明をしてください。
○政府参考人(伍藤忠春君) 児童相談所の業務でございますが、今回の改正におきまして、児童福祉に関する事項について主として次のような業務を行うこととしております。一つは……
○朝日俊弘君 そんなこと聞いてない。今回の改正に伴ってなんて聞いてないじゃない。
○政府参考人(伍藤忠春君) いや、改正も含めて、その児童相談所の業務を今四点ばかり御説明申し上げようとしておるところでございますが。 一つは、児童に関する家庭その他からの相談のうち、専門的な知識及び技術を必要とするものに応ずると。それから二点目といたしまして、児童及びその家族につき、必要な調査並びに医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を行うこと。それから三点目といたしまして、児童及びその保護者につき、調査又は判定に基づいて必要な指導を行うこと。それから四点目といたしまして、児童の一時保護を行うことということでございます。 また、今回、市町村の業務が入りましたので、市町村の業務の実施に関し、市町村相互間の連絡調整、市町村に対する情報の提供、その他必要な援助を行うこと、これが包括的に申し上げますと児童相談所の定性的な業務でございます。 それを性格別に申し上げますと、ここに、表にもありますように、相談の種類でいいますと、養護、保健、障害、非行、育成といった広範多岐にわたる相談を行っております。 相談件数でありますが、全体の相談件数の中では、この御配付いただいた資料でもお分かりのとおり、障害相談というものが従来から最も多いわけでありますが、増加率においてもこれが最も高い割合になっておると。それから、そのほかの特徴といたしましては養護相談、養護相談が非常に増えておると。この主たる要因は、虐待の相談件数が増えている、こういう要因ではないかというふうに考えております。
○朝日俊弘君 今の説明にちょっと追加して説明をしてください。 障害相談がグラフで見ると平成十四年、十五年でがくっと下がっていますが、これはどういうふうに読んだらいいんですか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 平成十五年の四月から障害者支援費制度というものが施行されまして、障害児に関する在宅の事業、こういった事業が、事務が都道府県から市町村に移譲されたわけでございまして、一定の相談業務について市町村が対応すると、こういうことになりましたので、そういう影響ではないかなというふうに考えております。
○朝日俊弘君 そうすると、市町村が対応した件数は把握していますか。
○政府参考人(伍藤忠春君) ちょっと、障害保健福祉部、他の部局で把握しているかどうかも含めて、ちょっと手元に資料がありませんので、ちょっと後ほど調査してみたいと思います。
○朝日俊弘君 児童相談所における受付件数のグラフですからこうなるわけですけれども、今の御説明でいくと、市町村で相談に応じた件数が本来であればここにオンされないといけないということになりますね、件数の実態把握とすれば。だから、そこはちょっと資料作ってください。あるいは調べてください。お願いしておきます。 この受付相談の種類及びその種類別の件数の推移を見ながら、是非皆さんにもお考えいただきたいんですけれども、実は、相談所が果たすべき役割というのはすごく多くて、さっきも申し上げたように、随分とその時代ごとにその要請が変わってきていて、それに決して十分ではない職員で一生懸命対応してきたというのが私の実感であります。 特に私は、この近年、養護相談の中に含まれるであろう児童虐待の件数が増えてきて、その問題だけが、だけがというか、だけがというのはオーバーですね、その問題に特にスポットライトが当たって、そこで児童相談所が十分働いたのか働いてないのかというような議論になりがちですけれども、そのこと自体を頭から否定するつもりはありませんけれども、それはそれとして課題なんだけれども、従来からその担ってきた業務、とりわけ私は障害相談というのは非常に大きな仕事だったと思うし、特に子供の場合はその時々の状態あるいは発達の段階が変わるわけですから、かなり経過を追ってフォローアップしないといけないという意味では、一回相談を受けたから終わりということではなくて、何度も継続的にフォローしなければいけない。来ていただいたり、あるいは家庭訪問したり、こういう作業が必要だというふうに思うんですね。 それで、まずちょっと、細かい問題に入る前に大臣にお尋ねしたいと思うんですが、近年の児童虐待等の急増に対応が求められているけれども、その一方で、従来から担ってきた仕事、業務、相談に対する対応がおろそかになってはいけないよと私は思うんですね。そういうことについて、大臣はどのように認識をされていて、今後どのように対応されようとしているのか、ここはちょっと大臣の御意見をいただきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) これはもう御指摘のとおりでございまして、従来から担ってきた虐待相談以外の業務への対応をおろそかにしてはなりません。 そこで、児童相談について、市町村の後方支援を含め、児童相談所が中核的な役割を果たすことに変わりもございませんし、市町村を始め関係諸機関との適切な連携と役割分担を図りながら、おっしゃるように全般についての児童の相談体制の充実が図られるように努めてまいりたいと考えます。
○朝日俊弘君 そこで、これはお願いですけれども、是非これからは、児童相談所における受付件数の実数把握と推移と同時に、市町村での実数把握もできるようにしてほしいと思うんですけれども、それはできるような仕組みになりますか。ちょっと念のため確認をしておきますが、件数は厚生労働省の方に集中できるようになっていますか。なっていないとすれば、どうやったら把握できるのか、それちょっと念のため局長に伺います。
○政府参考人(伍藤忠春君) 現在は法的にも市町村の位置付けがはっきりしておりませんので、特にそういう全国的な統計ございませんが、今後、市町村レベルでの数字、まあ都道府県段階では把握するというふうに考えますので、それを何らかの形で全国集計できるように研究してみたいというふうに考えております。
○朝日俊弘君 是非、従来は専ら児童相談所が一手に引き受けていたんですよね。それが今度、市町村と共同してやるということですと、実数というか、実態は両方からデータを集計しないとつかめませんから、これは検討していただきたいと思います。 さて、それでは次に、先日、東京都の児童相談センターを視察させていただきました。現場を久しぶりに見て、二十年前と余り変わっていないなという印象でありました。その前に見た病院、成育医療センターが余りにも立派であったものですから、何か午後から回った児童相談センターが余りにも貧相に見えてショックでした。 さてそこで、お尋ねしたいことが山ほどあるんですが、幾つか絞ってお尋ねします。 東京都の方から示していただいた資料に、職員配置状況というのがありました。それを見ましたら、幾つかほうっと、ある意味では驚くような数字がありました。その中で注目したのは、非常勤の弁護士が各相談所に配置されている、一名ずつという記載がありました。これは全国的にもそうなんだろうかと思って、ちょっと気になりましたというか、逆に言うと、東京都だからできていて、ほかはどうなんだろうかという点が心配になりました。児童相談所における職員配置の中で、東京もさすがにあれ常勤ではなくて非常勤という格好になっているという話でしたけれども、弁護士さんの配置については全国的にはどうなっているかということと、今後どのように指導されるおつもりか、この点についてお聞かせください。
○政府参考人(伍藤忠春君) 各児童相談所におきまして嘱託とか非常勤というような形でその地域の弁護士に協力してもらっておると。この東京都もその一例でございますが、全国的なデータと統計というのは今はございませんが、現在、各地の児童相談所を直接、実態把握ということを始めておりますので、その中でこの弁護士との具体的な協力関係というものについても調査を至急してみたいと思っております。その中で把握できるんではないかと考えております。 それから、御参考までですが、平成十六年度におきまして、こういう司法的な観点からいろいろな相談とか対応が必要となるという事例が増えてきておりますので、今、十の都道府県と市を選んでモデル事業を実施をして、弁護士との協力関係の下に児童相談所がいろんな対応に当たると。こういうようなことについても今、何というか、緒に就いたばかりというところでございます。
○朝日俊弘君 是非、今後は、児童虐待の事例にかかわって、例えば家庭裁判所との関係なども出てくるわけですから、やはり今までのスタッフに加えて、法律の専門家である弁護士、しかも、弁護士さんとすれば、一方で子供の権利といいますかね、も考えながら、一方で親の権利ということもどう兼ね合わせるかという大変難しい判断をしなければいけない事例が出てくると思いますから、是非積極的な対応をお願いしたいと思います。 さて、その次にびっくりしましたのは、東京都のこれはセンターだからなのかもしれません、中央の児童相談センターということなんだと思いますが、医師が六名常勤で配置されているという数字にびっくりしました。しかし、これまた全国的に見ると、常勤の医師が数名というか、配置されているというふうな事例はあんまり聞いたことがないんですが、全国的に医師の配置状況、それから、できれば、これは難しいかもしれませんけれども、その専門が内科とか小児科とか精神科とかあると思うんですが、どんな状況になっていますか、概況をちょっと教えてください。
○政府参考人(伍藤忠春君) 本年の五月一日現在での報告でございますが、児童相談所における医師、総数で五百十五名ということでございまして、そのうち常勤が二十八人ということでございます。診療科別の数でありますが、精神科医が三百四人、それから児童精神科が四十四人、それから小児科医が百二十三人、その他の科が四十四人と、こういった状況になっております。
○朝日俊弘君 参考までに、今後の医師の配置についてはどんなふうに厚生労働省としては指導していくつもりですか。
○政府参考人(伍藤忠春君) この医師との関係ということも非常に、先ほどの弁護士と併せて非常に重要なテーマだと考えておりますので、今並行して、先ほどの司法的な取組のモデル事業と併せて本年度から、これも十の都道府県と市を選んでやっておりますが、治療面から地域の医療機関が困難事例にどう対応して児童相談所と連携をしていくかというようなことを、そういう医療機能、児童相談所の医療機能の強化を図ると、こういった観点からのモデル事業を開始をしておりますので、より積極的にこれから医療との連携というのを強めてまいりたいというふうに考えております。
○朝日俊弘君 それじゃ次に、歯科のことについて伺います。 皆さんのお手元に三枚目の資料、色刷りの資料を配付させていただきました。これは東京都が平成十五年度に児童虐待に関する調査の一環として歯科の診察状況等について調査をした調査報告書からの抜粋なんですが、ちょっと表の一を見ていただくと、被虐待児の比率が、齲歯、つまり虫歯ですね、非常に高く出てきているということと、もう一つはっきりしているのは、表の二、齲歯を処置しているかどうか、処置していないという事例が非常に多く出ていると。 多分、まあいろんな虐待の形があって、そういう意味ではネグレクトという部類に属するのかなと思いますが、こういうところにも表れるということで、そういう観点からすると、いろんな職種をそろえるというので大変だとは思うんですけれども、歯科医師の協力体制について、私はこのデータを見ながらなるほどなと思っているんですけれども、この点については厚生労働省はどんなふうにお考えですか。
○政府参考人(伍藤忠春君) こういった状況があることは確かでありますし、御指摘のありましたように、虐待の中でも特にネグレクトと呼ばれる子供にこういうことが多いということでありますので、歯科医を活用する、連携を図るということがこの虐待問題に取り組む一つの有効な手段であるということはそのとおりだと思います。 ただ、児童相談所の職員としてこれを配置するというのにはなかなか限界があると思いますので、私ども考えておりますのは、市町村や保健所で行います歯科健診、これ、医療機関に委託をして行うケースも多いわけでありますが、こういう歯科健診の場、そういう場を通じて十分歯科医の方と連携を図っていくということが一つの有効な方策かなというふうに考えております。 それからまた、より積極的には、今回この法律に基づいて法制化をいたします要保護児童対策地域協議会、いわゆる地域のネットワークに直接その地元の歯科医の方に参加をしていただくと、これも一つの大きな有効な手掛かりになるんではないかなというようなことで考えております。
○朝日俊弘君 是非、それぞれの地域によって事情があるでしょうから一律にとはいかないかもしれませんけれども、こういうせっかくの調査結果もあるわけですから、こういう結果を活用できるような体制作りに向けて、いろいろ例えば予算面での配慮も必要になってくると思いますので、検討をお願いしたいと思います。 そこで、最後に大臣にちょっとお伺いして終わりたいと思うんですが、私は、この児童虐待問題は、ただ単に表面に現れた児童虐待という問題だけではなくて、その原因というか、遠因というか、誘因というか、そのバックグラウンドをずっと探っていきますと、結構、例えば夫婦間の問題があって、しばしばそのことがDV、ドメスティック・バイオレンスという形で現れて、実は婦人相談所に相談に行っていたとか、あるいは両親の方に何らかの精神科的な支援が必要な状態があって、例えばしばしば聞く話は、お父ちゃんがアルコール依存でというような話もしばしばある。そうすると、実はその事例は保健所の保健師さんがかかわっていたりという事例もある。つまり、たまたま児童虐待という形に出てきているけれども、実はそういう様々な援助から見えてくるというか、という事例がかなりあるんじゃないか。また逆に、そういうところとの連携協力体制がないと、児童虐待問題の本質的なといいますか、解決にはつながっていかないんじゃないかというふうに思うんです。 そういう意味では、常にそういう問題意識を持ちながら、例えば保健所あるいは市町村保健センター、場合によったら病院の先生方、そして婦人相談所などとも十分に情報の交換や連携協力をして、それぞれの専門家同士が協力できる仕組み、あるいは支援できる仕組みというのを是非作っていく必要がある。何か個別の問題に個別に対応と、ワン・ツー・ワンの対応に何かこうなっちゃっているんじゃないか。それで結局ばらばらになっていて、後で気が付いたら、ああそうだったなという、かなりあるんじゃないかと思うんですね。 こういう点について是非、さっきの局が違えばというお話もあるけれども、もう少しこう、それぞれ機関が違っても、地域の中では家庭の基盤というか家族の力というか、落ちてきているわけですから、そこは十分連携協力しながらやっていく必要があるというふうに思うし、そういう問題意識をそれぞれの機関の皆さんにも持っていただかなきゃいけないと思うんですが、この点について大臣のお考えをお聞きして、私の質問を終わります。
○国務大臣(尾辻秀久君) 児童虐待に至ります背景というのは、これは複雑多岐でございます。したがいまして、これは、御指摘のように、関係機関の連携だとか専門家同士の協力体制が重要でございます。このことは私どもも認識をいたしておるところでございます。 そこで、まず、国と地方で今どういうことをやっているかということだけ少し先に申し上げるところでありますが、まず国におきましては、児童虐待防止対策協議会の開催などを通じまして児童虐待問題に関する関係府省庁や関係団体の認識の共有や意見の交換を行い、横断的な連携を図っているところでございます。国でやっておることをまず申し上げました。 また、それから地方レベルでございますけれども、今般の児童福祉法の改正案におきまして、市町村や警察署、学校等の関係機関により構成されるネットワークの法定化等をお願いしておるところでございます。 こうした措置を講じることにいたしておりますが、最後にお答え申し上げますと、御指摘のように、こうした専門家同士だとか、あるいは関係機関の協力体制が重要であるわけでございますから、今申し上げたネットワークなどがまずはしっかり正にワークするかどうか見ていきたいと、こういうふうに考えております。
○委員長(岸宏一君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。 午前十一時四十七分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(岸宏一君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、児童福祉法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○蓮舫君 民主党・新緑風会の蓮舫でございます。大臣、どうぞよろしくお願いいたします。 まず、大臣にお伺いいたしますが、来春から虐待を疑われる児童の新たな通告先として市町村が加えられます。市町村と児童相談所の役割分担を国としてどのようにしていこうとお考えでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 衆議院でその御質問をいただきましたときに、まあ私が、ついと言ったらいけないのかもしれませんが、そのとき思い付く言葉でお答えしましたのは、一次医療と二次医療に例えてお答えをいたしました。
○蓮舫君 済みません。一次はどっちで、二次はどちらでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 市町村が一次医療で、相談所を二次医療に例えたところであります。
○蓮舫君 伍藤局長にお伺いいたしますが、虐待対策というのは、これまで市町村が行ってきた育児支援のような相談や支援ではなくて、虐待の通告を受けて虐待を疑われる児童の安全の確認をするよう努めると、介入型の取組になってくるわけですが、新たな介入型の業務を担うために、どうやって市町村に専門性、組織体系を維持させようとお考えでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) これは先ほど来いろいろ議論がありますが、今回、いろんな各種の児童相談の中でまず第一線の窓口業務を担っていただくということで、その中で軽微なものについては市町村で処理をしていただくということでありますので、振り分けの能力とかあるいは軽度なものであってもそれなりに対応していく力というのが求められますので、こういった体制整備というのが市町村のこれからの課題だというふうに受け止めております。そういった専門職の採用なり、これから研修というものについて、私どももいろいろ知恵を絞りながら考えていきたいと考えております。
○蓮舫君 初動判断を誤ると子供の命にこれかかわってくる大変大きな判断を市町村の窓口に担当させることになってくるんですが、この軽度の虐待と重度の虐待、市町村がどうやって今の体制で行うことができるんでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 具体的な実施の在り方については、既にかなりの市町村で自主的には取り組んでいただいておるところもありますし、児童相談所との連携といったことについて随分うまくいっているところもかなりありますので、そういった事例も参考にしながら、具体的には、事業の実施方法等についてはこれから私ども、ガイドラインをできるだけきめ細かなものを作成をして市町村にお示しをしたいというふうに考えております。
○蓮舫君 これまで百二十五件、百二十七人の子供の命が虐待によって失われております。その中で、児童相談所を始め関係している機関が何らかの形でかかわっていて、虐待の認識があれば救えたかもしれない命が七割という、厚生労働省が検証結果で明らかにしておりますが、そのガイドラインも当然大切になってくるんですけれども、専門的技術や知識を有している児童福祉司の配置を市町村に義務付けるべきだと、それが国の責務だと私は考えているんですが、大臣、いかがでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) できるだけ専門性のある人が配置されることは望ましいわけでありますが、今言いましたように、現実を踏まえて、これまで都道府県が専ら担ってきたものの一部を市町村に担当していただこうと、こういうことでございますから、現実の体制とかその市町村の実情に応じてこれから整備をしていく、あるいは専門性を高めていただくということしかないわけでありまして、そういった現実的なアプローチを私どもやりたいと、取ってまいりたいというふうに思っております。 その中でも、できるだけ、今児童相談所の持つノウハウを市町村に伝達をする事業でありますとか、あるいは市町村の中で比較的専門性の高いといいますか、技術力を持っております保健師の増員、こういったことを通じてできるだけ市町村の体制の整備ということに努めていきたいというふうに考えております。
○蓮舫君 保健師と児童福祉司のケースワークというのはもうまるっきり違うところがあると思うんですけれども、二万七千件もの児童虐待相談を今、千八百人の児童福祉司がすべて対応しているというこの非常に人材不足の実態。そんな中、子供の命に直結する判断を、人材の確保を市町村に任せることで十分に対応していけるとお考えなんでしょうか、局長。
○政府参考人(伍藤忠春君) 国の責務として、いろんな研修なりいろんなノウハウ、業務の指導、そういったものについては是非私どもも精一杯取り組んでまいりたいと思いますが、基本的に、市町村の体制、人材をどう確保するかというのはこれは市町村にお願いをするしかないわけでありまして、そういう中で現実的な対応を私ども考えていくしかないということで、児童福祉司という任用資格、ここまでを、今、市町村の能力といいますか、規模も非常に様々でありますから、一律にいきなりこれを、何といいますか、義務付けるといったことは非現実的なことではないかなというふうなことから、現状を踏まえた、研修その他の対応を私どもは一生懸命やっていきたいと、こういうふうに考えているところでございます。
○蓮舫君 大臣にお伺いいたします。 児童虐待の予防とか早期発見、防止に関しては、地方公共団体だけではなくて国も当然これ責務を負っている。そうすると、市町村が相談型ではなくて介入型の虐待に対応する業務を新たに担うということであれば、知識、技術の伴った児童福祉司を置くという、国のナショナルミニマムがとっても私は大切になってくると考えているんですが、今回、改正でそこが条文化されなかったのは非常に残念です。 国会の本会議で大臣に質問させていただいたとき、市町村には人材の確保に努めていただきたいと御答弁をされましたが、努めていただきたい、努めないところをどうやって努めさせるというのが国の責任になってくる、ナショナルミニマムになってくると思います。将来的に児童福祉司を市町村の窓口に置くということは望ましいとお考えになっていますか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 基本的に、市町村の人材の配置というのは市町村が決めるべきことでありますから、今で申し上げると。そのことについて今私が申し上げられるのは、先日も答弁させていただきましたように、是非確保に、人材の確保に努めていただきたい、こういうことになります。 ただ、将来あるべき姿としてということであれば、それはそれが望ましいとは考えております。
○蓮舫君 続いて、児童相談所についてお伺いをしてまいります。 児童相談所の仕事というのは、通告を受けて、児童の安全確認、あるいはその必要があれば一時保護とか親子分離、あるいは最終的には親子の再統合と非常に幅広うございます。そのすべてを児童相談所すべてが担っている。普通のお子さんなどよりも心理面などに非常に配慮していかなければいけない被虐待児の対応を今、全国に千八百人いる児童福祉司が担っているわけなんですが、私は、この人数では今後増えていくであろう虐待すべてに対応していくことは非常に無理があると、現実的ではないと考えているんですが、大臣、厚生労働省として、児童福祉司は今のままの政令基準で十分に対応できるとお考えでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 児童虐待に関する相談件数が急増する中で、国におきましては、近年、地方交付税における児童福祉司の積算基準、基礎人員の増員を行っているところでございます。この数については既に申し上げておりますので改めては申し上げません。ただ、増員も行っておるということでございます。この結果、平成十六年における地方交付税の積算基礎上は人口六万八千人に一人の配置という基準になっておるわけでございますが、この基準を満たしておる自治体は四〇%にとどまっております。 先ほども申し上げましたように、どのような体制で児童相談に対応するかは各自治体の御判断でありますけれども、深刻な児童虐待に迅速かつ的確に対応することができるよう、地方交付税の積算基礎人員に達していない地方自治体については、少なくともこの水準まで配置していただきたいと考えております。 さらに、厚生労働省といたしましても、政令上の基準についても引上げを検討すべきものと考えておりまして、関係省庁との相談の上、対応させていただきたいと考えております。すなわち、私どももこの人数の引上げということは検討をすべきだと考えております。
○蓮舫君 総務省にお伺いいたします。 児童福祉法施行令では人口おおむね十万から十三万人が標準を定めているんですが、この十年間で虐待相談の処理件数は十六倍、この間、児童福祉司の数というのはわずか一・五倍になっただけです。 総務省は、十四年度予算でこの地方交付税の積算基礎人員は六万八千人に一人と決めている。これ、施行令の配置基準よりは少しは現実的な人数なんですけれども、何をもって六万八千人と決めておられるんでしょうか。
○政府参考人(瀧野欣彌君) 地方交付税の算定の考え方についてのお尋ねでございます。 ただいま御指摘がございましたとおり、十六年度の地方交付税におきましては、全体として六万八千人に一人というような算定になっておるわけでございます。これは、十五年度の児童福祉司の全国人員数が千八百五十八人でございまして、これを、交付税におきましては県の標準的な団体の規模を百七十万人に設定しておりますので、この全国の数を標準団体百七十万人に置き換えるという操作をいたしまして、六万八千人に一人というような積算になっているところでございます。 我々といたしましては、厚生省の方のいろんな御要望もございますし、各都道府県におきます増員を図ってきているという状況というようなものを踏まえながらこういう積算をしているということでございます。
○蓮舫君 児童福祉司が子供の命にかかわる非常に有意義な意味のある仕事をしていることを考えると、その数というのはとっても大きな問題になってくると思うんですね。五万人に一人に欲しいという要請もあると聞いておりますけれども、この六万八千人というのは総務省としては妥当だと考えての措置と理解していいんですか。それとも、管轄人口、これぐらいが妥当だという数字はおありでしょうか。
○政府参考人(瀧野欣彌君) 私どもの方としてどういう水準が児童福祉司の水準として妥当かということを判断する立場にはないわけでございまして、我々といたしましては、あくまでも全体の業務量あるいは各都道府県の配置状況というそういう実態を踏まえながら、さらに厚生省からのいろいろな御要望を踏まえて、こういう現在の数字にしておるということでございます。
○蓮舫君 ちょっと余りにも機械的な答弁なので、ちょっと理解できないんですが、児童福祉司が子供の命を救うという、最後のとりでであるという仕事をしている御理解はおありでしょうか。あわせて、虐待対策は総務省としても前向きに取り組んでいかなければ子供の命は救えないという御認識はおありでしょうか。
○政府参考人(瀧野欣彌君) 児童福祉司の業務は非常に重要なものであり、現在の社会においても非常に大きな課題であるということは我々も認識しておりますし、今後とも、地方公共団体それぞれの実情を踏まえながら児童福祉司の配置に意を用いていくべきだということは我々も認識しておりますので、地方公共団体の実態を十分把握いたしまして、その状況を交付税にも反映していきたいというふうに考えております。
○蓮舫君 ならば、今の交付税の措置というのは、すなわち子供の命を守るということにつながっていくわけなんですが、先ほど大臣の方からもお話がありましたけれども、交付税措置、その基準を守っていない自治体が六割ある。つまり、交付税では、目的としているような虐待から子供の命を守るということを、それを守らせることが自治体にさせることができないという数字だと思うんですね、六割の自治体が守っていないということは。 地域間格差をなくすということは、子供の命がどこの地域にあっても同じように守られるということが意味があると思うんですが、ならば、交付税ではなくて、政令の基準を見直していく方が地域間格差もなくなってより現実的ではないかと私は考えますが、瀧野局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(瀧野欣彌君) 政令でどういうような標準を定められるかというのは厚生省の方のお考えによるものというふうに考えております。 我々といたしましては、基本的にそれぞれの団体で児童福祉司、どういう数が必要なのかということは、正にその地方自治の中で決めるべきものであろうと、その重要性の度合いに応じてそれぞれの地域で決めるべきものであろうというふうに考えておりますが、少なくとも標準的な児童福祉司の設置ができますように、実態を踏まえながら交付税ではきちんと算定はしていきたいという立場でございます。
○蓮舫君 先ほど、総務省としては児童虐待に対して非常な深いやはり危機感とか御理解を持っているという発言がありましたが、その上で、福祉司の配置というのは、これは厚生省によるものだという御答弁、何か縦割りっぽいのが余りにも私には気になってしようがないんですが、その省壁があるから、なかなか自治体に徹底するときにも格差が生じるんではないかということを私は強く感じているんですけれども、先ほど大臣の方からも、各省庁に相談をして、政令見直しのための検討を行って、その上で対応していきたい、つまり、厚生労働省としては政令基準の見直しをしたいというふうに私は受け止めるんですが、その相談は行かれていますか。
○政府参考人(瀧野欣彌君) そういう動きがあるということは私どもも聞いておりますので、厚生省の方がそういう改正ということであれば、私どもの方もそれについて十分検討したいというふうに考えております。
○蓮舫君 十分に検討するというのは、前向きに検討でしょうか、ちょっとはっきり答えていただきたいんですね。つまり、こことっても大事なんです。 お笑いになっていますけれども、この瞬間にも虐待で声を出せなくて亡くなるかもしれない子供がいるということを十分に理解していただきたい。現場を余りにも知らない、そういう御認識の不足というのは、私はこの審議の内容ではいかがなものかというふうに思いますが、前向きな検討なのか。つまり、もう交付税では地域間格差が生じるから、だから、それだったら政令で基準をきっちり国のナショナルミニマムとして決めてしまって、そして子供の安全を地域間の格差のないように守っていこうと。厚労省はその方向でいく、相談が総務省に流れる、総務省はそこで前向きに検討するんですか、それともこれは分権の流れに反するからと反対なんですか、どちらでしょうか。はっきり教えてください。
○政府参考人(瀧野欣彌君) これは全体の地方自治制度をどういうふうに構えるかという問題ともかかわってくるわけでございますが、地方分権委員会以来の必置規制については地方自治の立場からいかがかという流れの中で、現在の政令でも標準として児童福祉司の数が定められているということでございますので、そういった流れの中で検討をさせていただきたいというふうに申し上げているわけです。
○蓮舫君 現在の政令基準、十万から十三万人が、それが現実的ではないから、午前中に松本衆議院議員がお答えになっておりましたけれども、相談件数とか業務量の増加に、実態として総務省では交付税で増員を図っていると。つまり、政令基準が現実的じゃない実態だから交付税を図っていると。だったら、政令を変える方がより現実的ではないですかとお伺いしているんです。
○政府参考人(瀧野欣彌君) 私、お答えいたしましたのは、ですから、現在の政令について、十万—十三万人というような基準を現在の政令の中で改正されるということであれば、それは先ほどの先生のお話であれば、前向きに検討するということでございます。
○蓮舫君 大臣、総務省は前向きに検討するということでございます。是非、すぐさまにも検討していただいて、政令の見直しを行っていただきたい、それはいかがでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほどもお答えいたしましたように、私どもは引上げの検討をすべき、こういうふうに考えておりますから、早速に御相談を申し上げたいと、こう思います。
○蓮舫君 一つ思うんですけれども、民間団体が行った全国の児童相談所、知事、市長へのアンケート調査があります。もう既にその結果というのは関係省庁の皆様方はお読みになられていると思うんですが、児童福祉司の配置の格差で、七割が国基準を必要としている。あるいは、交付税基準の認識では、交付税基準が不十分とする児童相談所は七五%、知事、市長の間でも三三%が不十分だと。政令基準も、知事、市長の二割が低いと思っている。児童相談所では、そのほかで政令基準を見直すべきと答えた分を含めると、九六%がこの政令基準を不適当だと答えている。 是非、総務省におかれましては、瀧野局長、こういう現場の声というのを十二分に御認識をされた上で、分権をする前にまず国として最低限のセーフティーネット、ナショナルミニマムというのを作らなければいけないということを考えて、この十から十三万、一九五七年に作られたような非現実的な数字の見直しには前向きに検討していただきたいと思います。いかがでしょう。
○政府参考人(瀧野欣彌君) 厚生省の方から御相談があれば、十分に検討をさせていただきたいと思っております。
○蓮舫君 次に、先ほど来、研修という言葉が何度か、伍藤局長あるいは大臣の方からも出ておりますが、研修についてお伺いしてまいります。 児童福祉司の質を上げるために、その水準を上げてスキルをアップさせるために、国は平成十四年度に子どもの虹情報センターという国立研修センターを十億円を掛けて設置をいたしました。それから毎年、厚生保険特別会計から二億円を事業費として全額補助でこのセンターを動かしてきています。 大臣にお伺いしますが、今の子どもの虹情報センターの研修で児童福祉司の質というのは上がっていると、上がっていくとお考えでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 子どもの虹情報研修センターは、児童虐待などの問題に対応するために、ナショナルセンター機能を持つ高度専門情報の集約、発信拠点として平成十四年度に設立されたところでございまして、第一線で指導的役割を果たす援助者の養成を図ることを目的に各種の研修を実施するほか、専門情報の収集・提供、研究、援助機関に対する専門相談、支援技術の開発等の研究活動を行っているところでございます。 市町村職員を対象とする研修といたしましては、これまで市町村において子供の虐待防止等に携わる保健福祉関係の指導的立場にある職員を対象とするセミナーを全国二か所で開催、あるいは市町村保健センター、児童家庭支援センター等において指導的立場にある職員を対象とする保健・福祉合同研修の開催などを行ってきたところでございます。 議員御指摘のとおりに、今般の改正によりまして、児童相談を担うことになる市町村の職員の専門性の確保は重要なことでありますので、市町村窓口を中心とした児童相談の在り方や効果的な支援方法についての研修の充実、児童虐待や思春期問題に関する専門的情報の提供、様々な研修プログラムの開発や地域における先進的な取組に関する調査研究の実施など、児童虐待に対応する人材の向上を図るための取組を進めておるところでございまして、それなりの成果を上げておると、こういうふうに考えております。
○蓮舫君 ナショナルセンターとしての機能を担うと。虹センターを立ち上げて、国として核となるセンターを作って、虐待対策に毅然と取り組んでいくんだという姿勢は大変すばらしいものだと思います。是非、これは精力的にやっていただきたいんですが。 伍藤局長、ナショナルセンターとしての機能を担うこの虹センターは目的として、虐待問題など対応機関職員の研修、インターネットなどを利用した情報の収集・提供などを通じて、関係機関の専門性の向上を図りますと書いてあるんですが、虹の役割、ここのセンターの役割は、まずお伺いしたい、大切でしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 今、大臣からも御説明申し上げましたが、国の虐待対策の研修それからいろんな研究、こういったものの基幹センターとして国が率先してこれをリードして立ち上げたものでありますから、これが一番、今の現時点では、最大、研修、研究の拠点として重要な役割を発揮しておるというふうに認識をしております。
○蓮舫君 インターネットなどを利用した情報の収集・提供とあるんですが、是非委員の方々も暇があったらパソコンでアクセスしていただきたいんですが、この虹センターのホームページで提供されている情報は、虐待とはというような簡単なタイトルの項目が六つ、それぞれこれぐらいの紙で一枚ずつ、少しでも虐待を勉強したことがある人には全く意味のない、最低限の基礎知識だけが載っているだけです。それ以外はリンク先が細かく述べられているだけ。こんなものだれが立ち上げても一週間ぐらいでできるような内容です。 ほかに言いますと、まともな、じゃ研究結果の情報はどういうふうに出されているのかというと、こういう子どもの虹情報研修センターの「紀要」という雑誌があるんですね。平成十四年度に設立されてから、この雑誌一冊だけが一般に配られる研究報告書です、関係機関とかに配られる。内容は大変すばらしいものなんですが、間もなく二号が出るというんですが、余りにもその作業が迅速ではないという感じがしております。 また、先ほど来、重要、大切だという研修作業なんですが、この虹センターが行っている研修、一年間どれぐらい行われて、これまでどれぐらい行われてきたのか。平成十四年度、一年間に三十九日、平成十五年度、年間三十八日、平成十六年度は一年間に四十一日。三百六十五日ある中で、毎年毎年行われているのはわずか一か月強の日数でございます。その間、それ以外の十一か月、センター、あの立派な建物視察に行きましたけれども、立派な建物、立派な会議室、すべての相談の部屋、がらんとしてだれもいなくて、ただきれいに掃除だけがされているという状態。 国のコアとしてのセンターとして有効な利用をしなければいけない、もう子供の問題というのは予算も限られている、あとはもう知恵を絞って何とかしていかなければいけないんだというときに、この研修の開き方というのは余りにもお寒い状態だと私は思います。もっと何でできないのか。ここが何なりの事業費負担を担うわけではなく、国が全部事業費を補助をしている、そういうことを考えると、この研修の在り方というのは、先ほど伍藤局長が言った、拠点となるにはまだまだやらなければいけないことが一杯あるように思えるんですが、大臣いかがでしょう。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今、日にちをお聞きいたしましたので、どういう事情があるか分からないんですが、今お聞きしましたその日にちでは確かに一年の三百六十五日の中で余りにも少ないと、こういうふうに思います。よく調べてみまして、せっかくある施設、使わないと何の役にも立ちませんから、きっちり使えるべく努力をしたいと、こういうふうに考えます。
○蓮舫君 このセンターがあるのは横浜なんですが、局長にお伺いします。 日本全国から児童福祉司の方に集まっていただいて、そこで、この中央センターで研修を通じて児童福祉司としてのスキルをアップさせる、そういうことのためにセミナーを開くということなんですが、横浜までの交通費とか宿泊費は全部実費で参加をしなさいと。あるいは、参加した福祉司は、一泊二日なのか二泊三日なのか、その貴重な時間帯、現場にいないことから、自分が今抱えている児童虐待の案件を動かすことができないという、こういう危機も伴ってくると、なかなか皆さんが前向きに参加をできるような交通の便にあるとは思えないんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 国に一か所こういうところを作るということから、これが交通の便といいますか、全国から集まっていただくということにおいては、今御指摘のあったような、自分が持っている仕事との調和をどう、調整をどう図るかと、これは前から言われていることでありますが、そういったことから研修期間もおのずから短くならざるを得ないという現実的な側面もございますし、交通の便が悪いということについては、横浜に、ここに情緒障害短期施設というのがあって、そういう唯一の機関を持っているというところを選んで民間を活用して作ったと、こういう経緯もございますので、これはある程度工夫をしながら運営をしていくしかないと思っておりますが、できるだけ活用を図れるようにいろいろ工夫していきたいと思っております。
○蓮舫君 来年の四月から市町村の取組がとっても大事になってきて、市町村の専門性の確保のために、効果的な支援方法としてこの研修があると先ほど伍藤局長は御答弁されましたけれども、そうすると、市町村の専門性はこの研修で虹センターの研修が中心になっていくんでしょうか、今後のロードマップとしては。いかがでしょう。
○政府参考人(伍藤忠春君) 国に一か所あるセンターでありますから、これをどういうふうに活用するかということで、現在は主として都道府県の児童相談所の中堅幹部以上、こういったところを中心に研修を実施しておりますし、それに合わせて市町村の職員の指導に当たるような立場の市町村職員のセミナーも開催をしておりますが、これ、市町村すべての者を対象にここで一か所でやるというのはなかなか非現実的なところも、面もあろうかと思いますので、今の路線をもう少し拡大して、市町村職員についてはできるだけ幹部職員を中心に養成をしていくと、それから、主としてここでは都道府県の児相の専門性の高い人をやっていく、研修をしていくと、こういう二本立て、これを両方ともある程度充実をしていくということが現実的ではないかなと思っておりますし、市町村の職員全体についてどうするかというのはこれからまたいろいろ工夫すべきところもあるかと思いますが、できれば都道府県段階で何らかの研修とか、そういうこともまた考えてみる必要があるのかなというような気がいたしております。
○蓮舫君 これから工夫していくので、来年四月一日から市町村が通告先の窓口となるので間に合うのかどうなのか。つまり、厚生労働省として市町村の専門性を高めることがとっても大切であると御認識をされておりながら、一か所しかしない、国のナショナルセンターをどう使うかというのはこれから検討していくというのは、余りにも私は、虐待に対する姿勢にどういうふうに臨んでいこうとお考えなのか、ちょっと不思議でならないんですけれども。 中央センターは、この十六年度、市町村への研修、行ってはいるんですけれども、東日本、西日本、それぞれ一回だけ。地方にじゃ出向いて関係職員に研修を行うのが今年度は石川県と鹿児島県の二県、四日間だけ。この四日間というのは、どうなんでしょう、厚労省の虐待の中で研修の意義を代弁する少ない日数なんでしょうか、局長。
○政府参考人(伍藤忠春君) 市町村の職員をどういう形でやるかというのは、なかなかこれ全国にわたる広範囲な、しかも多数の市町村を相手にした事業でありますから、一か所の国の機関、国の機関といいますか、こういう一か所の研修センターがどういう機能を果たすかというのは、いろいろ考慮というか工夫をしていかないとなかなか実現が難しい面もあろうかと思いますので、今はそれぞれ年に二回、東西で一か所ずつというような現状ではありますが、できるだけこういったものも、市町村職員を直接対象とするものもこれからこのセンターを活用して充実を図っていく必要があるんではないかなと、そういうことは感じておりますので、全体の年間スケジュールの中で、都道府県の職員と市町村職員をどのような形で研修して、人的、物的な限界の中でどう対応できるかということは十分早急に検討したいというふうに思っております。
○蓮舫君 これから工夫するとか早急に検討するというのは、これは十億掛けて虹センターを造ったときに当然作っておくべきロードマップだと私は理解をするんですが、何かハードを造るときには、このハードの目的はこれだから、この目的を達するためにはこういうロードマップを作って、このロードマップに合わせて進めていくというのが極めて現実的なロスのないやり方だと思うんですが、平成十四年度に虹センターを立ち上げた目的は先ほど来何度も言っておりますが、じゃロードマップはどうなっているのか、お聞かせください。
○政府参考人(伍藤忠春君) ロードマップという、今このセンターでいろいろ研修を企画できる能力、それから研修のスタッフ、そういうものをにらみながら、現実的な対応として今まで各種の研修を実施をしてきたということだと思いますので、これをできるだけ活用すると、何回も繰り返し答弁しておりますが、そういうことで、これをできるだけ充実を図っていきたいというふうに思っております。
○蓮舫君 できるだけ充実させていきたいとか、できるだけ頑張っていくとか、できるだけ検討していくって、その間に児童虐待のこういうことというのは止められるものじゃないということを是非頭にいつも置いておいていただきたい。お答えのときに、今後とか検討とかできるだけというのは違うんだということを、つまり虐待対策というのは、通常の行政サービスとは違って、非常に福祉的な保健的な、そして未然に防ぐということが何よりも大事になっていく。私なんかに言われなくても、当然局長は御理解をした上で行動しているんであれば、答弁にも是非前向きな、そういう今からというようなニュアンスではない言葉を聞かせていただきたいと思います。 続いて、養護施設についてお伺いいたします。 大臣、児童養護施設、今回の改正で入所児童に関する年齢要件の見直しを行おうとしているんですが、つまり乳児院に幼児を、あるいは児童養護施設に乳児を入所させることができるようにしようじゃないかという、こういう改正なんですが、これだけの改正では私は追い付かないぐらい児童養護施設というのは今大変な状態になっているということを指摘させていただきたいと思います。 平成十四年度十月現在で、児童養護施設の定員充足率は八九・三%、もうぱんぱんです。あるいは、平成十三年度の新規入所児童の中で五三%が、養護施設に入った子供の二人に一人は虐待を受けている、こういう数字がもう明らかになってきている。そうすると、この児童養護施設そのものの在り方、年齢要件をどうするとか、小さなことじゃなくて、大きく変えていかなければ、私は子供たちの健やかな成長の大きな障害になると思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) まず、今お話しになりましたように、一時保護施設だとか児童養護施設は、地域によっては充足率が一〇〇%に近い、このことは私どもも認識をいたしております。したがいまして、入所児童の健やかな成長を図るためには、施設においてまず十分なスペースや人的配置が確保されることが必要だ、こういうふうにも考えておりまして、そういう努力もしたいと思っております。 しかし、基本的にまず、施設そのものの整備状況、こういうことでございますから、今その御指摘でございますし、私どももまたそういう認識は持っておりますので、今後そうしたことにも必要な改善措置が図られるよう支援してまいりたい、このように考えます。
○蓮舫君 群馬県なんかは、もう入所率は一〇〇%を超えているんですね。救いを必要としている子供さんが定員充足率一〇〇を超えたところで生活しているという現実を是非お考えいただきたいんですが。 伍藤局長、施設が満杯状態だから、虐待が重度化した者から入所になるということになってまいります。そうすると、重度化した者が入所すると、治療とかあるいは家族の再統合というのはこれなかなか困難になる。そうすると、その児童の入所は長期化せざるを得なくなってくる。この子供は本来だったら施設に措置を、入所措置を行った方がいいんじゃないかといっても、でも施設が一杯だから、そうすると在宅指導になる。在宅指導でその子供さんがだんだん重度化してしまったら、やっぱり重度化してから施設に入ることになる。そうすると、これまた治療とか家族再統合が困難になる。入所が長期化する。悪循環なんですね。 とにかくこの充足率というのを何としてでも緩和していかなきゃいけない。今の、今回の見直しの年齢要件の見直しだけでは現実的な需要に合致しないと私は思っておりますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 児童養護施設の充足状況、これは地域によってもいろいろ様々でありまして、かなり都市部を中心にそういった定員一杯というようなところがあることも現実だというふうに思っております。こういったところをどうするかということについて必ずしも、そこにすぐに入れないとなかなかその状態が悪化すると、こういう悪循環をたどるというような御指摘も、そういうことも現実だろうというふうな気がいたしております。 できるだけ施設整備を図っていく、そういうところにおいては施設整備を図る。それから、古い施設については、これをまた改善をしていくということが私どもの努めではないかと思っておりますので、現実をよく踏まえて、それから都道府県からのそういう施設の整備要請というようなものをよく踏まえて対応していきたいというふうに考えております。
○蓮舫君 続いて、ハードじゃなくてソフトについてお伺いしたいんですけれども、職員の配置基準です。 伍藤局長、昭和五十一年から変わっていないんですね、職員一人に対して子供六人。虐待を受けた子供が人間関係の形成に非常に大きな壁というものを抱えている中で、また愛情を特に必要とする中で、大人一人に対して六人で子供を見る、六人の子供と一緒で、一人の大人しかいない、この人員基準というのは妥当なんでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) これも基準は六対一と、一般児童に対し、六人に一人というような基準でございますが、この近年、こういった非常に虐待児童の増加ということに対応して、そういった虐待児の多い施設に重点的に職員を配置するというようなことでありますとか、あるいはすべての施設に虐待児の対応職員を配置をすると、そういういわゆる最低基準にプラスアルファの加算措置をこの数年相次いで改善を図ってきたところでありまして、そういったことから、単純に数字に置き換えますと、六対一というのが現在では三・五対一ぐらいの水準には改善をしておるというふうに考えておりますので、そういった水準がまだ適当かどうかということについてはいろいろ御議論があろうかと思いますが、そういった具体的な個別のニーズに対応できるようにこれからも努力をしていきたいというふうに考えております。
○蓮舫君 平均で三・五、一というのは全く意味がないと思うんですね。全国の平均なんか取っても仕方がなくて、実際に一か所に一人に三人いる、それが全部だというんだったらいいんです。じゃ、ここには一人に対して三人いるけれども、ここには一人に対して六人しかいない。これは、子供がひとしく受ける当たり前の愛情とか自分たちの治療とか指導に対して格差が生まれるということですから、子供の問題というのは子供の目線に立って、そういう数字的に平均値でとらえるのは是非やめていただきたいと心からお願いを申し上げますが。 次に、虐待のお子さんが心に受けたトラウマ、それは非常に大きなものがあります。虐待の子供というのは、この間施設に行っても聞いたんですけれども、夜眠れないんですね。何で眠れないか。寝ているときに何をされるか分からない、その恐怖が物すごい大きい。休むことができない。精神的にも成長的にも物すごい苦しみを抱えている。その心の傷を治していくということが実に大変。これはやっぱり特別な能力を持った人がよりきめ細かく対応していくべきだと思いますが、心理療法を必要とする子供が十人以上いる施設に限り一人の心理療法士が配置、しかも非常勤なんです。この配置はどうですか。平均値は要りませんから、お答えください。
○政府参考人(伍藤忠春君) この心理療法担当職員の配置と、こういうことも新たに取り入れてきたものでございますので、これが実態面からどのように評価されるかということも含めて、これから現実の現場におけるどういう役割を果たしているかということを私どもつぶさによく研究、見てまいりたいというふうに思っております。
○蓮舫君 済みません、はっきり聞かしてください。これ、変えるんですか、基準、変えないんですか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 今まで新たにこういう心理療法の担当職員の導入ということを図ったばかりでありますので、今すぐこれを変えるというようなことは今ここでは考えておりませんが、いずれにしても、こういう職員の配置がどうであるかということは、それぞれ実態をよく見極めながら判断をしていかなければいけないというふうに思っております。
○蓮舫君 大臣にお伺いしたいんですが、虐待というのは本当に多岐にわたって、様々な角度からきめ細かく子供の目線に立って見ていかなければ、なかなかその命を保護する、守る、あるいはその子供が健康に暮らしていくための指導とか、家族が再統合、一緒になって、また新しい家族になって幸せに暮らしていくことができない、大切なことだと思うんですね。 虐待というのは、その中でもまた新たに言われている世代間伝達でしょうか、結局、虐待を受けて成長した子供の三分の一は拒否的あるいは虐待的な育児をする親になるという報告もあるんですが、養護施設にいる間にどうやって虐待再生産の手だてを止めることができるのか。もう二度と虐待というものを自分もしない、受けないというふうに、そういう子供に、親に指導していくのが問われるんですけれども。 今回の改正案では安定した生活環境というのが児童養護施設ではうたわれているんですけれども、今養護施設には、非行とか不登校児とかいろいろ問題のある子供と、それと被虐待児が一緒になって生活をしています。つまり、虐待の子供が常に、あるとき急に、自分でも意図しないでも、自分が虐待されていたときのことをフラッシュバックで思い出すような子供であるというその隣で、非常に暴力的な児童が一緒に生活をしている。これは子供にとって私はとってもよろしくないと思う。狭いところで一〇〇%近い子供たちが一杯いて、そこには様々な問題を抱えた子が混合して入っている。そう考えると、この改正案でうたった安定した生活環境、これが非常に大切になってくると思うんですね。 安定した生活環境とは、何をもって安定したと言えるんでしょうか。もう今、人もいない、自分一人のスペースも少ない、専門的に見てくれる心理療法士もほとんどいない。午前中、議員が尋ねましたけれども、弁護士も常勤じゃいない、医者もいない。どこが安定しているのか。どこから安定するために改善していくのか。これは私は、大臣がやっぱり強いリーダー力を発揮して、検討していくとか宿題とか、そういうことじゃなくて、実際に動くべき、指示を出すべき、そして予算を取るべき、予算の中からこういうふうに配置していくんだという、これはリーダー力がなかったら、いつまでたっても検討します、検討します、でも何か月かたって聞くと、検討した後、やはり必要性、緊急性がないからやらなかったということにつながりかねない。虐待の問題だけはそういうことがあっては絶対いけないんだということ。 それと、将来、地方分権というのが私は行われるべきだと実は考えているんですが、そのときに、地方に虐待とか子供の問題を任せるときが来たときに、最低基準として、国がナショナルミニマムとしてセーフティーネットを築くべき必要が非常に私はあると思う。 これからの改正議論、様々な部分で私は取り組んでいきますけれども、そのために常に現場を見て大臣に現実的な質問をさしていただきたいと思っておりますが、最後に、この安定した生活環境を大臣は、厚生労働大臣として子供を守る所轄担当大臣として、どのように考えてどうしていくのか、お考えをお聞かせいただいて、私の質問を終わらしていただきます。
○国務大臣(尾辻秀久君) 先日、私も新宿の相談センター見に行きました。委員会もお行きになったとお聞きしましたが、私も行ってまいりました。そこで感じましたことは、今の委員御指摘の問題意識と同じような問題意識を持ちました。したがって、とにかくこれ、この後、正に今お話しのとおりに、大臣として私が何ができるのか、何をやるべきなのか、本当に真摯に考えてみなきゃいかぬというふうに思って帰ってまいりました。 さあ、今それじゃどこまで約束できるのかと言われますと、もうとにかくやってみますというお答えしかできないわけでありまして、しかし、それはただ言葉で言うつもりではありません。しっかり問題意識を持って取り組んでまいりたいと思います。
○蓮舫君 ありがとうございました。
○家西悟君 民主党の新緑風会、家西悟でございます。 限られた時間ですので、今回の私の質問は、小児慢性特定疾患の法制化に伴う基本的な考え方について政府の御認識と考え方、また今後の小児慢性特定疾患対策の一層の推進を願い、質問をさせていただきます。 まず初めに、率直に申しまして、せっかく法制化するのであれば、患者と家族を支える安定的な制度を考えて、きちっとした一つの基本法案を作るのが筋ではないかと考えます。患者団体からは当然、より良い医療、安定した生活が送れ、子供たちが積極的に社会に参加ができる、そのための福祉制度に乗せた法律を作るべきだという声が私の事務所にも届いています。当然、患者や家族は、将来にわたる治療研究の推進や医療環境の向上、教育の問題、就労の問題、まだまだたくさん抱えています。 大臣、なぜ小児慢性特定疾患対策の法を、法的根拠、今回、法に入れられるのを児童福祉法に求められたのか、お考えを是非ともお聞かせ願えればと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 恐らく委員の御質問というのは、先ほど朝日委員からも御質問ございました難病対策との関連も含めての御質問だろうと思います。 ただ、今、小児慢性特定疾患対策についての面からの御質問でございましたからこれにお答えいたしますと、先ほどもお答えいたしましたけれども、難病対策は、これは大人から子供まで年齢に関係ない。ただ、その中で子供に特定して、難病指定だけではなくて、もっと大きく対象を広げて対策をしたいという思いがあってこの小児慢性特定疾患対策というものを作った。そうなると、これは子供に特定をしたわけでございますから児童福祉法の中で考えた、こういうことでございます。
○家西悟君 私も大変難しい問題があるということは承知しております。小児慢性特定疾患の患者は大人になっても同じ疾患を持ち続けるということがあります。例で言いますと、私なんかがそうです。血友病です。血友病は小児慢性特定疾患の対象になります。二十歳になって血友病は治りません。しかし、難病、特定疾患という事業には当てられてないわけです。こういった矛盾が生じているんではないかということを日ごろから私は非常におかしいことだなというふうに思えてなりませんでした。 是非とも、大臣言われるように、特定疾患と併せて今後の、今後、例えば難病対策基本法をお作りになるとか、そのようなお考えはあるのか否やお尋ね申し上げます。
○国務大臣(尾辻秀久君) 申し上げましたように、私自身はその辺に大きな問題意識を持っております。 ただ、難病対策の法制化ということでございますと、関係審議会等において今御議論はずっと続いておりますけれども、賛否両論がございます。私の手元にもその一つがあるんですが、何と書いてあるかというと、「法制化については、事業の根拠が明確となる長所や柔軟な制度の運営が阻害される短所等から賛否両論があり、今後も検討が必要。」と、こういう御意見もありますので、こうした議論を見ながら私どもも対処してまいりたいと、こういうふうに考えます。
○家西悟君 では、具体的に血友病の医療費公費負担の歴史の現状について質問をいたします。 戦後、血友病の患者は遺伝性疾患ということで差別と偏見にさらされ、高額医療費を支払う時代が長く続きました。そして、昭和四十四年、血友病への医療費負担軽減措置が講ぜられ、そして昭和四十九年、小児慢性特定疾患治療研究事業にも統合されていきます。そして、昭和六十九年、いわゆるエイズ予防法と言われるやつですけれども、が施行された折、当時の国会決議により、血液製剤を使用して日常の治療行為を通じてエイズウイルスに感染した血友病患者の置かれてきた極めて不安定な状況を考え、血友病患者の医療費保険の自己負担分を全額公費負担するなどとする決議がなされました。 そしてまた、平成八年、HIV訴訟和解時に、先天性血液凝固因子障害等治療研究事業など、一層の恒久対策として、感染患者、非感染患者を問わず、すべての血友病患者に医療費の全額公費負担を行うことが決められました。そして、今日まで国と患者団体の定期協議が行われてきたわけです。そして、現在の血友病対策は、先天性血液凝固因子障害治療研究事業実施要綱並びに「先天性血液凝固因子障害等治療研究事業の実施について」という平成十四年十二月十九日付けの保健医療局疾病対策課課長の通知によって行われてきました。そして、今月二十二日ですけれども、血友病各患者団体の代表と厚生労働省との話合いがございましたが、その席でも、患者団体から経過と現状について詳しく話がありました。 血友病患者の医療費公費負担の歴史と現状について、このような経過で事業を推進していると考えていますが、これでよろしいんでしょうか。いま一度、大臣の方から御答弁いただければと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今お話しのように、国会決議によりまして、血友病患者の医療費につきましては医療保険の自己負担分が全額公費負担とされております。今回の患者負担の導入に当たっても同様な扱いをしたいと、こういうふうに考えております。 なお、またさらにお話ございました先天性血液凝固因子欠乏症、それから血液凝固因子製剤に起因するHIV感染者を対象といたします先天性血液凝固因子障害等治療研究事業につきましても、引き続き全額公費負担とすることといたしております。
○家西悟君 それは血友病だけではなくて、血友病類縁疾患及び二次感染、三次感染というものも含まれるんですよね、水平感染、垂直感染と言われるやつですけれども、それは含まれるというふうに厚労の方からもお伺いはしているわけですけれども、間違いないでしょうか。いま一度確認させてください。
○国務大臣(尾辻秀久君) そのとおりでございます。
○家西悟君 ありがとうございます。そのようにしていただきますようお願い申し上げます。 それから、大臣、血友病の公費負担の歴史の現状について私と同じお考えだと、今の認識ですね、をお持ちということで非常に安心をいたしました。今回、この法制化によって変わるというふうなお考えがないということで非常に私自身は安心をしておりますけれども、そうした中、今回の小児慢性特定疾患の法制化に伴う血友病並び類縁疾患の医療費について従来どおり公費負担を堅持していただくということで大臣は御発言いただいたわけですけれども、この事務手続等々の問題についても少しお話をお伺いしたいと思います。 非常に事務手続というものは複雑怪奇です、はっきり申し上げると。私自身、経験をしてきました。毎年、制度の、どういうんですか、毎年、今時分から始まるわけですけれども、申請の手続が始まり、そして三月、四月ぐらいまでにはすべてを出さなきゃならない。医療機関との交渉の方も出していただかなきゃならない。都道府県にも出さなきゃいけないという非常に複雑な手続が行われるわけです。そしてまた、それ以外に、転居、住所を変えた場合、非常にこれも複雑です。通知、通達の問題があるわけですけれども、意外に現場の職員の人たちが知らない場合が多々見られます。多く見られています。正直言って、私も非常に苦労しました。関西から関東の方へ住所変更したりとかしたわけですけれども、その折に窓口へカードを持っていき申請をするわけです。そうすると、いやこれは違いますよとかいうふうに言われて、最初は市役所の福祉事務の方から次は保健所へ行ってくださいとかいろんなことでたらい回し状態になってしまう。こんなことをどうしていつまでもいつまでもしなきゃならないのか、そして診断書を出してくださいとかいろんな複雑怪奇なことを言われて、いやそれは通達が出ているはずですよというふうに申し上げると、いや、そんなことはないと最初は突っぱねられました。私の言うことは全然お聞き留めいただかずに、そして、いやそんなことないですよ、こういう通達が出ているはずなんですけどもね、というのを何度か言いましてその場は引き取りました、私の方が。そして、後に電話が掛かってきて、大変御無礼いたしましたと、私どもが間違っておりました、家西さんの言われるとおり、そういう診断書は必要ありませんとかいろんなことを言われて手続を行ったというのがこの間の経緯でございます。 こういった事務作業的な分野においてもう少し簡素化をするようなことを含めて通知をお出しいただけませんでしょうかということをお尋ね申し上げます。
○政府参考人(伍藤忠春君) お尋ねがどちら、大人の特定疾患なのかあれですが、小児慢性特定疾患の事業についても同様のことがあろうかと思いますので、特に今御指摘のあった血友病のようにずっとこの対象になるというような場合に、一々毎年こう同じような書類を出していただく必要があるのかどうかと、こういったことだろうと、そういう御趣旨の質問ではないかと思いますので、どのような配慮が現状の制度の中で可能かどうか。都道府県が実際には事業主体になって事務を実施しておりますが、今御指摘のあったような趣旨の配慮がどこまでできるか、私どももよく研究してみたいというふうに思っております。
○政府参考人(田中慶司君) 先天性血液凝固因子障害治療研究事業、これにお答え申し上げますと、この平成十四年の十二月に通知が出ております。なかなか周知徹底がされていないという御指摘でございました。今後、関係課長会議等を通じまして、この周知徹底図ってまいります。
○家西悟君 具体的に申し上げると、まあ大人の方の問題でいいますと、特定疾患の問題なんかを、これは小児の話ですけれども、特定疾患の例を挙げますと、スモンなんかは書かれてるんですよね、はっきりと。表と、その後、通知の中に除外するというようなことを書かれてたり、費用分担の問題とかは、国が十分の十負担するというようなことが括弧書きで書かれてたりするわけです。血友病はそういうこと書いてないんです。この辺にも通知、通達の問題があったんではないか、そういうようなものを出されるときにはしっかりとそのように記載をしていただきたい。そして病院、医療関係者の方々にも、これやられているドクターなんかはよく分かると思いますけれども、非常に手間な書類を書かなきゃいけない、毎年毎年同じようなことを、手続をしないとその制度に乗っからないということを、継続医療だということでありながらもそういうことをやっていくということがまず一点。 そして、小児慢性特定疾患で申し上げると、新規でやる場合も、また継続でやる場合も、そういうハンディを持った、病気を持った子供たち、子供さんを抱えながら何度も医療機関やそういう役所、市役所を始め保健所へ行ったりとかいろんなところへ尋ね歩いていかなきゃならない。看病しながらやるというのは非常に手間もある、子供をどこへ預けたらいいのかという問題もありながら、そういうものを抱えながらやっていかなきゃならないというのは非常に大変苦労をなされているというのが現状ではないでしょうか。 私の両親もそうでした。非常に苦労しながらやったということを言われています、当時、昔の話ですけれども。現状は大分改善はされてきてはいるわけですけれども、もう少し簡素化をしていただきたい。でなければ一日仕事、半日仕事、書類一枚取るのに半日、一日仕事になるというようなことで、そういう難病を抱えた子供さんを抱えながら、看病しながら事務手続にこんなに時間を掛けていいのか。 治る問題なら別ですよ。翌年には良くなっていくんだ、二十歳までに、二十歳以降は治るんだということが分かっているんなら、私は親として労苦は惜しまないだろうと思います。しかし、それが継続的にずっと続くような疾病でありながら、毎年毎年その作業を、仕事を休み、そしてその手続に一日ないし二日を掛けて走り歩かなきゃならないというのは、これはもう少し考えていただきたい、そういう余地を考えていただけないかということをお願い申し上げたいと思います。その辺はいかがでしょうか。もう少し簡素化するということを。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今その話お聞きをいたしましたから、私自身で、どういう手続が必要なのか、自分で見てみます。そして、省けるものがあれば当然省かなきゃいけませんし、そうしたいと思います。
○家西悟君 大変大臣から私にとっては心強い御発言いただきましたことを感謝申し上げたいと思います。 そこで、一つ提案があります。これが物すごく簡単じゃないのかなというのは、血友病手帳なり、難病手帳という形で交付されている部分があると思います。小慢手帳というか、疾病児手帳みたいな形で出されているわけですけれども、こういうものをお出しに、御検討、まあ出すというよりも検討いただけないかなというのがあります。簡単に申し上げると、障害者手帳のようなもの。その一つを見ればすべてが分かる、まあ細かく書く必要はないんですけれども、担当者が見れば分かるとかいうようなことも含めてお考えいただけないかなということを併せて申し上げたいと思います。 そして、それはなぜかというと、いろんな利点がある部分もあります。これも任意で結構です。強制する必要はないと思います。嫌だという人もおられると思いますので、任意で結構ですので、そういうようなものの発行ということもお考えいただけないかなと。 一つは、例えば交通事故なんかを起こした場合に、物がしゃべれない状況になった、しかしこういう疾病がある、緊急性を要する、どこに連絡していい、免許証と併せてそれを見れば、ここの病院へ連絡を取ればこの人は依頼転送できるということをするとか、そういう連係プレーでその人の命を守るということも一つ手はあるんではないかなと。そして、役所の方にそのカード、手帳なりカードなりを提示すれば、それですべてが分かるというような形のやり方もあるんではないかということをお考えいただけないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 手続につきましても、患者の皆さんの負担は可能な範囲で軽減すべきものであります。そのように考えております。どのような配慮が可能なのか、これ実施主体が都道府県、地方自治体でございますから、そうした皆さんとも相談をしながら、できる限りの患者の皆さんが負担にならないような方策を考えてまいりたいと思います。
○家西悟君 ありがとうございます。是非とも御検討いただければ幸いです。 それから、次の質問へ移っていきたいと思いますけれども、難病を抱えた家族で、本当にこういった問題が多くのし掛かっています、問題が、諸問題。それの改善ということは是非ともまずはしていただきたいということ。そして、それを踏まえて、大臣、私は自分の経験から申し上げているわけです。冒頭申し上げたように、就労の問題や進学の問題、これは児童福祉法や厚生労働省だけでは済まない問題が間々見られます、正直言って。 私自身、学歴は中卒です。進学できませんでした。血友病ということもありました。そういった理由でなかなか受けていただけない。当時、中学校時代に何度も入退院を繰り返したということもありましたけれども、非常にその部分で、進学の問題、そして就職をする場合ですね、今度は、障害者じゃない、障害を持っていない、まだ手帳を持っていないということになれば、あなたは障害者じゃありません、障害者基本法には載っておりませんと、難病というか血友病は、ということで除外されちゃうんです。そこまで具合が悪いんならどうぞ障害者手帳を取ってくださいと最初言われました。体調が悪いとか、そういうハンディをお持ちなら。だけれども、手帳を下さいて、くれませんと。四肢関節やそういう内部障害等々がない限りには手帳は交付できないというのがあるんですよということを担当者に申し上げたときに、だけどこれ、あなたは障害者じゃないんだからねということで一方的に終わっちゃう、話が。それを宙ぶらりんの状態というか、が続いた。 今は改善されているのかどうかは、現状は私は分かりません。しかし、そういうようなところをもう少し配慮する、各、連携して、省庁と。関係する省庁との連帯、連携というものを併せてお考えいただければ非常に有り難いし、私自身、そうなっていかない限り、難病、また特定疾患、小児慢性特定疾患と言われる患者たち、家族含めて、大いなる不安を抱えながら生きていかざるを得ないと思えてならないということを申し上げたいと思います。 大臣、いかがでしょうか。そういった関係省庁の協議等々を持っていくということもお考えいただけないでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) そうした必要なことがあれば当然我々やるべきでありますから、関係省庁と協議すべきことがあれば協議もいたしますし、何がやれるのかやれないのか整理して我々は答えを出さなきゃいかぬと思っておりますから、もう少し全体を整理させていただきたい、こういうふうに思います。
○家西悟君 私自身、本当に苦労した部分をいま一度御理解いただきたいと思います。自分は実体験で物を言っているわけです。何もこういう文書を見てどうこうではなくて、自分自身がこの生きてきた中で苦労をしました、正直言って。一つ一つ、進学をするときにも嫌な思いをさせられ、そして病院や役所にいろんな手続をしながら、どうしてこういうふうになっているんだろうか、不思議で仕方がない、疑問だなという思える点、そして今度はそれが地方の行政に移るということになれば、なおのこと地方でばらばらな状況になってしまう可能性がある。例えば、ある地域では非常に簡素化されたやり方を取られる地域もあるのかもしれない、ある地域ではいろんな書類を出さないといけないということ。 そして、今回の法案を見させていただいても、二つぐらいしかないわけですね。医療費を取れるとか、自己負担を取ることができるとかいうようなものが書かれているわけですけれども、実際のところはすべて省令や通達、そういったものでこれからやっていくんだというふうに言われているわけですけれども、非常に不安です、私自身は。 児童福祉法に関しては、私自身はこれは、虐待とかそういった問題については当然やるべきだという思いがあります。しかしながら、小慢をどうして今回こういうふうな児童福祉法の中に入れていったのかも疑問が残る点です。もう少しお考えをいただいた方がよかったんではないかというのが今更ながら思えてならないということを御指摘を申し上げたいと思いますけれども、先ほど血友病に関してはそのようにするということも御発言いただいたというところでは心強く思っておりますけれども、これをその都度その都度で変わるようなことのないようにしていただきたい。 今までの経緯を、これも最初役所と、厚労省の方々と話をしたときに、これひょっとして負担掛かるんじゃないのかということをお尋ねをしたときに、横並びですと、払ってもらいますというようなことも患者団体聞きました、電話で問い合わせたときに。そして、それはおかしいんじゃないか、こういう通達や通知、それから今までの歴史から考えて、そういう和解協議や確認事項、そういったものがあるのにかかわらず、それはどうなんでしょうかねというのをお尋ねをしたということも御理解いただきたい。 やはりしっかりと、通知や通達だけではなくてそういう文書にして、今後こういう政策をつかさどる方々が一目瞭然という形で分かるようなものを残していただきたい。でなければ、いつまでたっても同じことの繰り返し、繰り返し、言わざるを得ない。不安を抱えながらいかなきゃならない。 そして、今回このようなことがないようにしていただきたいということを、不安を抱えないようにしてほしいということをさきの大臣であります坂口さんに原告団が申し上げたときに、そのような不安が一切生ずることのないようにしますから御安心くださいという確約をされていました。にもかかわらず、今回法改正ではそのような一瞬不安が走りました、正直言って。非常に不安です。そういったことのないような施策、対策を是非とも取っていただきたい。 ここにちょうど出てきました、疾病対策の問題では、これ資料があります。厚生労働省からいただいた資料です。難病対策概要、ものがあるわけですけれども、これの中に四十四ページ、「国の補助」というところが出てきます。そして、その中には括弧書きで「(ただし、スモンの治療研究事業分については、十分の十)を補助する」というようなことが、こういう括弧書きで文書が出されているわけです。そして、表を見ますと、疾病対策の研究事業の疾病はこれだけですよというふうに書かれている表の中の五番目にスモンという形で書かれているわけです。これ、表だけを見ると、これは全部対象だというふうに一瞬思いますけれども、この前の通達を読んでいくと、一番最後に括弧書きでそういうふうに書いている。 こういうことを血友病にも是非ともしていただきたいということをお願い申し上げておきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。この部分戻りましたけれども、ちょうど文書出てきましたので、お尋ねしておきたいと思います。通達の部分でいま一度確認だけ取らしてください。
○政府参考人(田中慶司君) 先天性血液凝固因子の障害等の治療研究事業のことでございますけれども、必ずしも十分に自治体に御理解いただけてないというようなことも当然あると思いますんで、関係課長会議等を通じまして周知徹底を図っていきたいというふうに思っております。
○家西悟君 いや、だから、書いてくれるのか否かを是非ともお尋ねしているんです。周知徹底ということは、そういうことを書くということと理解していいんですか。
○政府参考人(田中慶司君) 実施要綱を読めばそういうふうに書いてはあるということなんですが、分かりにくいということで御指摘でございますので、もっと分かりやすいような工夫をさせていただきたいと思います。
○家西悟君 大変申し訳ありません、時間余ってますので、最後にということで質問をさせていただきます。これは質問通告はしていない部分で失礼かと思いますけれども、再三にわたってお尋ねしている話ですので、是非とも確認したい部分があります。 これ、昨日厚労の方からいただいた資料ですけれども、所得にかかわる自己負担の表です。ゼロから一万円、入院とそして通院度の大体これぐらいになるだろうという表が書かれているわけですけれども、これを見ますと、せんだっての本会議での御質問で高額は、入院、通院においては、一万円程度、入院においては。そして、通院においては五千円程度というふうに言われていましたけれども、これを見ますと、もう一万円を超えている、入院は。最高でですね。そして、通院においては五千円程度と言われているんですけれども、これも超えているんじゃないかということが思えてならないんですけれども、あの本会議での御発言の趣旨からすると、これは程度ということで、超える自治体があってもそれはやぶさかではない、仕方がないというとらえ方でいいのでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) これはこれから具体的に実施要綱等で定めることでありますが、私ども今八段階ぐらいの所得に応じて費用負担をいただくということを考えておりまして、一番、何というか、低所得の生活保護世帯あるいは市町村民税非課税世帯はここにありますように費用は徴収しないということで、それから入院、外来に応じて少し、入院は外来の大体約倍ぐらいをいただくというようなことで考えておりますが、最高が、所得の一番高い層で、現在考えている案では入院が一万一千五百円、外来が五千七百五十円ぐらいで、これを、一番高いところでそういう程度ということで、五千円、一万円程度をいただくというような丸めた表現で説明をしてきたものでございます。
○家西悟君 時間が来ていますけれども、最後に一点だけどうしても聞きたいと思います。 入院と通院、一月にやった場合は、入院と通院の費用は両方合わせて支払うというふうに御説明いただいていますけれども、これは間違いないですか。特定疾患の患者たちは、同じ月に通院、入院の繰り返しをしたりします。どちらか一方ではなくて両方取っていくということととらえていいんですか、どうなるんですか。
○政府参考人(伍藤忠春君) この点についてもいろいろ御議論があるところでございますが、今、事務的な対応といったような限界もございますのでほかの公費負担医療でも同様の取扱いとなっておりますが、今回の小児慢性疾患についても、外来と入院、それぞれ同じ月に掛かる場合には、それぞれ徴収金を徴収さしていただくというようなことで考えておりまして、そういう説明をしてきたところでございます。
○家西悟君 時間が来ていますので終わります。 しかし、私は、この法案、特定疾患、小児慢性特定疾患の部分については不安を感じざる得ないというところを御指摘申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。
○足立信也君 民主党・新緑風会の足立信也でございます。 本日は、児童福祉法改正案の審議でございますが、初めに、現在衆議院で継続審議中の臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律の一部を改正する法律案について、一部で委員長提案にするという声が聞かれますので、若干の注意を喚起する意味で申し述べたいと思います。 主な改正点は、「医師の指導監督の下に、」「政令で定める生理学的検査を行なう」、これを、医師又は歯科医師の指示の下に厚生労働省令で定める生理学的検査を行うとなるわけです。後半部分の政令か省令かの違いはあっても、行われる生理学的検査の内容は恐らく余り変わらないと思います。 生理学的検査といいますのは、皆さん一番なじみの深いものが心電図検査あるいは脳波検査などですが、頻度の非常に高い検査に超音波検査があります。腹部超音波検査や乳腺、甲状腺の超音波検査です。これを、医師又は歯科医師の指示があれば、つまりオーダーがあれば、口頭でも、文書でもですね、オーダーがあれば臨床検査技師が単独で行ってよいとするものです。委員の皆さんも超音波検査を受けた方は多いと思いますけれども、すべて医師による検査のはずです。 私は、日本でも有数の超音波検査の専門家と言える臨床検査技師さんと長年一緒に超音波検査を行ってきました。確かに、一部の方は非常に優れた検査技術と情熱を持っておられます。しかしそれは、医師と一緒に検討、追求を重ねてきた結果です。超音波検査の特徴は何といってもリアルタイムだということです。検査の場で意見を交わしながら切磋琢磨しなければ上達しません。 この改正案が成立すれば、医師は超音波検査のオーダーがしやすくなり、臨床検査技師の地位は向上するかもしれません。しかし、単独で行うようになれば臨床検査技師さんの技術、診断能力は低下し、無意味、無駄な検査が増加するでしょう。何より患者さんのためになるとは思えません。専門的に技術を高めた技師さんの資格認定が先にあるべきだと私は考えます。委員の皆さんに是非その認識を持っていただきたいと思います。 さて、本題の児童福祉法改正案ですが、児童の保護者に対する児童相談所による指導措置について家庭裁判所が関与する仕組みが盛り込まれ、衆議院の厚生労働委員会では、「児童福祉に関する家庭裁判所の機能の強化に向けての取り組みを進める」、このことが附帯決議されました。 家庭裁判所の承認が必要な児童福祉施設への入所措置件数は、この十年間で約十倍に増えております。 さて、家庭裁判所の機能強化とは何が求められているのでしょうか。家庭裁判所の扱う家庭内の紛争である家事事件、非行を犯した少年の事件、ともに児童虐待の問題が関係することが多く、増加しております。 家庭裁判所の事件は、医学、心理学、教育学、社会学等の専門的知識を活用し、科学的調査に基づいて取り扱うことが基本方針とされています。これを家庭裁判所の科学主義というのだそうですが、重要なことだと思います。中でも医学的見地からの診断は特に重要で、少年事件においては、その診断や発達障害などに対する薬物指導、家事事件においては、その調査、処遇選択、調停に必要な医学的診断、各種障害の判断、立会いのサポート、精神科にこれらのことは依頼しております。家庭裁判所の機能強化を考えるときに重要な点として、精神科医、特に青少年の心の問題を専門とする精神科医の必要性があると思います。 そこで、質問いたします。 まず、家庭裁判所において精神科の医師を置くことの法令上の規定はどうなっているでしょうか。
○政府参考人(寺田逸郎君) 裁判所法の六十一条の第一項に、各裁判所に裁判所の技官を置くという規定がございます。この規定に基づきまして、それぞれの裁判所に裁判所技官として精神科の医師が置かれております。
○足立信也君 それでは、現在の精神科医師の配置につきまして、その実数を教えてください。
○政府参考人(寺田逸郎君) 裁判所からお聞きしたところでは、家庭裁判所には現在、家庭裁判所のすべての本庁、五十庁でございますが、これと十の支部に家庭裁判所の医務室が設置されておりまして、そのすべてに精神科の医師が配置されております。 具体的には、今年の十月一日現在で七十三人の精神科医師がおりまして、常勤が十六名、非常勤が五十七名となっております。
○足立信也君 平成九年三月に、できる限り、これ、医務室のことですけれども、できる限り一人は精神科を専門とする医師で、非常勤の家庭裁判所医師はできる限り大学又は大学病院の医師から任用するという最高裁判所からの通達が出ております。全国の五十の本庁、二百三の支部、合わせて二百五十三ですが、に常勤の精神科医師は合計十六名ということです。非常勤は五十七名で、主力は非常勤医師なんです。しかし、この家庭裁判所の非常勤精神科医師がいなくなるという事態に陥っております。 前回、十一月四日の質問で私は、最後に、卒後臨床研修の必修化、これによって、研修医を指導する医師の確保という観点から、また国立大学の独立行政法人化によって、医師の派遣先の選定により採算性の高い施設を優先するようになったと、その結果、地域の中核病院で小児科医、産婦人科医、麻酔医が不足した、あるいはいなくなった、そのような事態になっている、このことの注意の喚起を促しました。 これは精神科についても言えることなんです。今、地方の家庭裁判所から非常勤の、大学の職員です、非常勤の精神科の医師が撤退しようとしております。 ちょっと説明させていただきますと、国立大学の法人化で、本来、大学の収入が法人化前とほぼ同じはずでした。ところが、法人化によって新たに発生した経費は三百五十億円。大きなものは、雇用や労災の保険料、役員人件費。さらに、非常勤職員の均等待遇化で三百二十億。サービス残業一掃に二百七十四億。合わせて九百億円以上です。教員一人当たりの研究費が軒並み五〇%近くに減っております。平均すると年間二十万円というデータがあります。私が大学の教官であったころは四十万弱でした。ですから、ちょうど半分くらいです。特に地方の大学にこのしわ寄せが大きいんです。 ですから、報酬の低い非常勤はやれない状況に大学は陥っているんです。家庭裁判所の精神科の医師は、児童福祉の面からあるいは社会の要請の面から是非必要だと思います。 そこで、質問いたします。 以上のように、家庭裁判所において精神科医は重要な役割を担っており、今後その必要性は今まで以上に高まっていくものと考えます。ところが、実際には現状維持も困難な状況に直面しています。家庭裁判所の機能を強化し、児童福祉に資するための対応を至急実施すべきと考えます。いかがでしょうか。
○政府参考人(寺田逸郎君) この医師をどのように配置するかということにつきましては、これは司法権をつかさどっておられます裁判所の独立した司法行政権にかかわる問題でございますので、行政府の方から御意見を申し上げるのは差し控えるべきだろうというふうに思いますが、ただ、裁判所からお聞きいたしていますところでは、それぞれの家庭裁判所においてその地域の医学系の大学や医療関係機関、医師会等に働き掛けをされまして、裁判所の事件の審理手続における精神科医師の必要性を十分に御説明され、これまでも、精神科医の確保、あるいは関与の必要な事件の審理に支障を来すことのないようにいろいろと努力されているということでございまして、この努力は今後も続けていかれるというふうにお聞きしております。
○足立信也君 それ以上のお答えはちょっと無理かと思います。 それでは、厚生労働省として、家庭裁判所における精神保健を専門とする医師、先ほどからのお話で必要性は十分理解していただけたと思うんですが、厚生労働省のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(尾辻秀久君) 改めて申し上げます。 児童福祉分野に関する家庭裁判所の関与につきましては、委員御指摘の保護者に対する指導措置に関する勧告のほか、保護者の意に反して児童を施設に入所させる場合の承認、あるいは児童相談所等からの親権喪失請求への対応、こうしたものが想定されるところでございますけれども、児童福祉を保障する観点からこれらの業務に適切に対応していただくことが必要と考えております。 家庭裁判所にどのような職員を配置し、これらの業務に当たるかは、今もお話ございましたけれども、裁判所の御判断ではありますけれども、厚生労働省としては、委員御指摘の精神科医を始め、青少年の心の問題に適切に対応できる体制が確保されることが望ましいと考えております。
○足立信也君 ありがとうございます。 続きまして、小児慢性特定疾患について伺います。法務省の方、どうもありがとうございました。 昭和四十九年に小児慢性特定疾患治療研究事業が始まって以来三十年です。児童福祉法の中で法制化される、親の会からは歓迎する意見が出されております。私は、三十九疾患の追加、それから十五疾患の除外、トータルで五百十二疾患になると思いますが、それをすべて見ましたけれども、私個人としては納得できます。 この法制化によって、自治体独自で行っている単独事業、例を挙げれば、北海道の骨疾患、群馬県の進行性筋ジストロフィー、神奈川県の急性腎炎、山口県の心臓カテーテル検査、長崎県の難治性てんかんなど、このような自治体独自の単独事業にどのような影響を及ぼすと考えておりますか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 今回の法制化でございますが、現在予算措置でやっている事業を法律に基づく安定した事業にしようと、こういうことでありますので、疾病の入り繰りはありますが、基本的な、国がやる事業という性格は変わらないものでございまして、それにプラスして各自治体がどのような疾患を対象にしてこういう公費負担医療事業を行うかということは、それぞれ各地方公共団体がその観点から地域の実情に応じて判断をすべきということでありまして、この事情は今回の法制化によっても変わらないというふうに思っておりますので、地方自治体で適切に判断をしていただきたいというふうに考えております。
○足立信也君 では、法制化によって何が変わるんでしょう。新制度でやっぱり心配なのは、先ほど家西さんお話ししておりましたけれども、やはり自己負担の導入と重症度基準、この二つにどうしても懸念が残る。重症者に限定すれば、悪くなり切るまで受診を控える、そういう可能性もあります。自己負担については恐らく、特定疾患治療研究事業、難病対策です、これに準じて生計中心者の所得によって、先ほど八段階とおっしゃいましたが、七、八段階の設定がされると思います。 残る重症度基準についてなんですが、疾患としては重症ではないけれども、現在、日常生活に非常に不都合がある場合、あるいは進行性の疾患で近い将来に必ず重症化する危険がある場合、また、ほかの疾患の合併により急変したり重症化した場合、治療を必要とする期間の見通しが非常に長い場合、このような場合はその重症度基準に考慮されているんでしょうか。また、重症度基準の中で、自己負担のないそういう場合も想定されているんでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 今回の対象疾患については、そのそれぞれの対象疾患ごとにこの重症度基準というものを設けて今回の事業の対象になるかどうかということを判断をしていくと、こういう仕組みになっておりますが、この重症度基準というものの考え方でございますが、私ども今いろんな専門家の方々の意見も聞きながら考えておる、何といいますか、メルクマールでありますが、一つは症状の重さということでありますし、二点目に治癒の見通しとそれから治療に掛かる費用、こういった点などを含めてこの疾病の特性を総合的に考慮して設定をしていただきたいということで、具体的な基準については、専門家の御意見も伺いながら具体的に設定をして大臣告示で定めるという手続になるわけでございます。 それからもう一点の、その中でも特に最重度の重症患者というものについての扱いでございますが、例えば寝たきりの状態にあるといったような、こういう非常に最重度の患者さんについては自己負担を徴収しない、そういうカテゴリーとして扱うというふうなことを考えております。
○足立信也君 それでは、私の理解では、疾患だけで、疾患名だけでは認定されない、その疾患名の診断が付いているけれども認定されない方が、患児がいる。それから、自己負担を強いられるといいますか、自己負担が必要な患児がいる。そして、最重症は自己負担が必要ない、自己負担をしない患児がいる。この三段階に重症度の面では分かれているということで理解しました。 その場合に、特に今回一斉に見直すわけですから、今まで認定されていたのに今回は重症度の基準から、認定から外れてしまう、必ずそういう方が生じると思いますけれども、その場合の不服ですね、不服の場合に不服審査が可能だと当然私は思います。 それともう一つ。認定後に例えば自己負担が必要だという範疇のものに認定された場合に、例えば風邪をこじらせて、心疾患の場合に風邪こじらすと本当に重症化してしまいますが、場合によっては亡くなる場合もある。その場合に、いつでも再申請が可能なんでしょうか。 その二点を。
○政府参考人(伍藤忠春君) 今回のこの小児慢性特定疾患事業とそれから行政不服審査法に基づく不服審査と、こういう関係についてのお尋ねでございますが、この行政不服審査法に基づく不服申立ての対象となる、これ、行政庁の処分というものが前提になるわけでありますが、今までの判例では、これ、公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち、その行為によって直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものと、こういう解釈で、ちょっと堅いあれですが、そういう解釈でございます。 小児慢性特定疾患治療事業、これは法律に根拠を置いて、都道府県はこういう事業を実施できるという規定があるだけでございまして、予算の範囲内でといいますか、この実施が都道府県に義務付けられている、あるいは国に義務付けられているというものでもありません。 それから、予算の範囲内で、患者の健全育成、児童の健全育成という観点からこういうことを積極的にやっていこうということで今回法定化をしたものでありますが、あくまで事業の実施主体がそういう観点から行うものでございますので、申請に対して不承認ということになったといたしましても、先ほど言ったようなこの要件に該当する、行政庁の処分というようなものには該当しないというふうなことだと思いますので、同法による不服申立てを行うということは、これは不可能ではないかというふうに考えております。 ただし、今御指摘のありましたような、その後いろんな形で重症化をして、その時点で申請をできるかということでありますが、それは、医学的な今度示します重症度基準ということに該当すればそれは再申請することは十分可能でありますので、その時点でのそれぞれの状態を的確に判断をして、対象にできるかどうかということを判断していくというふうに考えております。
○足立信也君 不服の審査はできないということだと解釈いたしました。 ところで、今回の事業の性格ということになるわけです。これが多分処分という解釈に僕は結び付くんだと思いますが、それは尾辻大臣が本会議の質問に対する答弁で、小児慢性特定疾患治療研究事業は、その治療が長期にわたり、医療費の負担も高額となる小児慢性特定疾患について、その研究を推進し、その医療の確立と普及を図る、患者家族の医療費の負担を軽減すると答えられました。 しかし、これは改正前の今までの事業の実施要綱に書かれてある目的であって、今回の事業は性格が大分異なる。今までの事業であれば、研究の推進にその目的があったわけです。この場合は、研究の対象にならない程度の軽い患児は除外されてもある意味仕方ないかもしれません。しかし、今回の新事業の目的は、第二十一条の九の二に、医療の給付が目的であって、研究にも役に立つと書かれております。であるとすれば、医療の給付が目的であるならば、自治体から医療の給付が受けられないと認定されたときに、その不服を訴える場があって当然だと私は思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 個々の患者が事業の対象となるか否かについては、新たに設定されます医学的基準を踏まえまして、実施主体である地方公共団体において、専門家によって構成される協議会の意見を聞いた上で適正に判断されると考えております。したがいまして、今不服を受け止めるような具体的な仕組みを設けることは困難であると考えております。 いずれにいたしましても、見直し後の対象疾患及び医学的基準につきましては厚生労働大臣告示で定めることとしておりまして、その周知徹底を図るなど、適切な事業の運用に努めてまいりたいと考えます。
○足立信也君 具体的にこうしたら不服申請できるようになるんじゃないかという提案はできない部分もございますが、大臣の認識の中で、今までは研究事業であった、これが医療の給付を図る、それが目的に変わったと。百億円の予算で治療を行う、そして研究に対しては三千万ですね、大人の特定疾患治療の研究は二十一億、これは明らかに医療の給付が目的である事業だと。それを今まで受けていた、受けられていた患児がそこから除外されてしまう事態になる。これは不服を申し述べる機会があって当然だというのが私の考えです。その点は是非お含みおきください。 小児の入院治療には両親を始めとする家族の支えが欠かせませんし、五百十二疾患すべてに専門の医師がいる病院もあり得ません。新制度の中で、入院中の患児の家族のための宿泊施設や宿泊費の補助についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) この小児慢性特定疾患の患者及びその家族につきましては、自宅と入院先との二重生活、こういったことで経済的な負担、あるいは家族が離れて過ごすということの精神的な苦痛、こういうのがあるわけでございまして、こういった観点から、宿泊施設につきましては、平成十年度補正予算それから平成十三年度もこれは補正予算でございましたが、慢性疾患児家族宿泊施設国庫補助ということで、十年度は三十二か所、十三年度は七か所の施設整備を図ってきたところでございます。
○足立信也君 国立小児医療センターのすぐ近くにある一泊千円の施設とか、小児慢性特定疾患を扱う病院、小児科医には地域差が非常に大きいと、この点を是非考慮をしていただきたいと思います。 大変申し訳ないんですが、三つ質問を飛ばさせていただきます。文部省の方にも来ていただいたんですけれども、申し訳ありません。 最後に、医療類似行為、前回質問をいたしました医療類似行為について一言申し上げます。 厚生労働省は、今年三月十五日の全国課長会議で、あはき法第一条のあんま、マッサージ又は指圧が行われていない施設においてマッサージなどと広告することについては、同施設においてあんま、マッサージ、指圧が行われていると一般人が誤認するおそれがあり、公衆衛生上も看過できないものであるので、各都道府県におかれてもこのような広告を行わないよう指導方お願いすると説明しました。三月十五日です。 私は、前回の十一月四日の委員会でこの課長会議で示された規制を有効にするための方策を提案したつもりです。ところが、西副大臣の回答は、「マッサージという既に普及した、言わば一般名詞の使用を特定の資格だけに許すということについての逆に影響があるのではないか。」というものでした。これは、取りようによっては三月の課長会議で示した内容を真っ向から否定したばかりではなくて、自ら所管するあはき師資格制度そのものを否定しかねないものです。当然のごとく、この発言はあはき業の団体の方から猛反発を受けております。あはき師資格制度を所管し、今日までその発展に努めてきた厚生労働省の副大臣として、この発言は撤回すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○副大臣(西博義君) 足立先生にお答え申し上げます。 貴重な質問時間、再答弁のために取っていただきましたことを心より感謝申し上げたいと思います。 私も実は、前回の答弁につきまして、その後、自身が申し上げました内容について若干気になりましたもので、議事録等を読ませていただきました。この間の私の答弁が、今までの厚生労働省の指導、先ほど先生が挙げられました平成十六年三月の全国医政関係の主管課長会議においての指導でございますが、否定するかのように聞こえる答弁であったなということは、正直、自分自身も感じておりまして、そのことについては、私自身は決して否定して逆の方向性を出そうという意思で申し上げたつもりは毛頭ないということをはっきりと申し上げておきたいと思います。
○足立信也君 この問題につきましては、私は、有資格者の保護と、何より国民の安全確保について今後十分に議論をしていきたいと、そのように考えております。 以上で私の質問を終わります。
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。 本日は、児童福祉法改正案が主題でございまして、後ほど、今日はたくさん時間ございますので、児童虐待防止について中心にいろいろと質疑をさせていただきたいと思っておりますが、まずその前に、冒頭、尾辻大臣に御質問をさせていただきたいんですが、今月十六日の当委員会における質疑の中で、尾辻大臣が民主党の山本孝史理事と年金問題について議論されておりました。その議論に関連して、一部の報道機関が尾辻大臣の答弁が坂口前大臣の答弁と異なるんではないかというものがございました。 具体的に申し上げますと、尾辻大臣が保険料上限一八・三%の維持をモデル世帯の給付水準五〇%よりも優先させる考えを示されたということでございまして、これは坂口前大臣の五〇%給付水準維持を全力でやっていくんだというお考えと異なるんではないかということが報道されておるわけでございます。 これについて改めて尾辻大臣の見解を求めたいと思いますし、この報道が誤りであればそれを明確に否定をしていただきたいと思うわけでございます。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今御指摘になりましたように、ただいまの件は先日の山本委員の御質問にお答えしたものでございます。改めてどういうふうにお答えしたかということを申し上げたいと存じます。 まず、負担を基軸にして考えた今度の法律改正だと、こういうことを申し上げました。これは本則に書いてありますからそのとおりでございます。その上で、保険料一八・三%というふうにしました、上限を定めました。その一八・三%というのはややすっきりしない数字でありますけれども、なぜそういう数字にしたかというと、私どものあくまで試算でありますけれども、この一八・三%であれば給付水準の五〇%が維持できる、こういうふうに試算をしたからでございます。そういう意味で、給付水準を、五〇%を維持したいという強い思いがありました、思いがありましたということを更に申し上げました。そういう思いということであれば坂口大臣の思いと同じだと考えます。 ただ、山本委員も御指摘になっておられるんですが、じゃ、そのことが法律に書いてあるかと言われるならば、法律には書いてございません。ただ、繰り返し申し上げますが、私が申し上げたのも、法律を作るときの議論を整理した一人としてそういう強い思いがありましたということだけを申し上げたところであります。 じゃ、法律にどういうふうに書いているかというと、附則におきまして、附則におきまして、給付水準が五〇%を下回ることが見込まれる場合には、「給付及び費用負担の在り方について検討を行い、所要の措置を講ずる」、こういうふうに書いてあります。 そこで、五〇%を割るような事態に、正にその事態になったらどうなるんだという御質問でございましたから、私は、そのときはいろんなところで議論をしていただくことになります、当然国会でも御議論があり、御議論いただくことになります、こういうふうにお答えし、さらに、これは本当に個人的な意見でありますけれどもというふうにお答えを、個人的な意見でありますがということを申し上げた上で、もしその議論に私が参加することがあれば、私の思いとしては保険料の上限は極力守っていくべきだと主張をいたしますというふうに申し上げたところでございます。 以上が先日御答弁申し上げたことを繰り返し申し上げたところであります。 そこで、申し上げましたように、私の思いとしても、その法律を改正するときの思いが、申し上げておりますように、給付水準の五〇%を何とか維持しようということが強い思いとしてありましたから、今後とも、これは坂口大臣が言っておられることでありますけれども、五〇%の給付水準を維持できるように総合的な政策によって努力していきたい、私もそうしたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○遠山清彦君 長い丁寧な御説明、ありがとうございました。 うなずいていただくだけで結構ですが、要は、先日の議論でいろいろありましたけれども、尾辻大臣が御答弁された趣旨は、前坂口大臣が御答弁された趣旨と大臣としては同じであると。それは、個人的な御意見としてこだわりのある部分というのはあるとしても、厚生労働省を所管する大臣としてはこの給付水準の五〇%の維持に全力を挙げていくというふうに理解をしてよろしいでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 再三申し上げておりますように、法律には書いてありませんけれども、法律に書いていないということはこれはもう申し上げざるを得ないわけでありますけれども、気持ちとしてそういう強い気持ちを込めて附則も書いたつもりでありますから、そのことについて当然努力をしていくということにおいてはそのとおりでございます。
○遠山清彦君 分かりました、これ以上これやりますと児童虐待まで至りませんので。 私が申し上げた趣旨は、法律の条文解釈の問題というよりも大臣としての方針ですね。その部分でやはり、私は、保険料の上限、固定上限の制度を初めて導入したわけですから、これを守るということと、やはりこの給付水準、新規裁定者について五〇・二%ということを明示して国会で議論した以上、それを両立して実現することに向けて努力することが当然であるという立場で先ほど申し上げさせていただいたということでございます。 小児慢性、この法案の小児慢性特定疾患研究事業についてまず一つ要望、それから一つ御質問させていただきたいというふうに思いますけれども、まず要望の方なんですけれども、今回の改正で、先ほども出ておりましたが、対象年齢が十八歳から二十歳まで引き上げられるということでございます。 実は私、厚生労働省から詳しい資料をいただきましたところ、現行法の下でも幾つかの疾患群については既に二十歳未満まで延長をしておるわけでございます。今回の改正によって、延長の対象になっていなかった、例えばぜんそくでいいますと、入院部分は二十歳未満まで延長されておったんですが、通院部分はなかったわけでございます。これが適用になるということでございまして、十一疾患群すべての入院、通院について二十歳未満まで対象にするという改正になるわけでございます。 ただ、大臣、これ要望なのでじっくり聞いていただきたいと思うんですが、問題は、この改正法が国会を通過して施行されるのが来年の四月一日なんですね。そうすると、法律のすき間に落ちてしまう方々が患者さんの中で、何人か具体的に知りませんけれども、おるわけであります、一部の特定の疾患に関しては。 それどういうことかというと、例えば今日十八歳の誕生日を迎えた方は、この現行法下で適用対象になっていない人は十八歳になりましたから外れるんですね、対象から。来年の四月一日から二十歳未満までいいですよとなったときに、病院に行って、これ、私まだ二十歳になっていないから適用してくれ、駄目だ、駄目になるんですね。これは法律の技術上そういうことになるわけでありますが、私は、これは今日誕生日の人だけじゃなくて、来年の三月、誕生日、十八になる方もそうなんですね。だから、三月に除外されて、四月に行ったら、まだ十八だけれども、ほかの人は二十歳までどうぞと、だけどあなたは先月誕生日でしたから駄目ですよと、こうなってしまうわけです。 そこで、これは私は、ほかの法律でも当然、施行日の前と後で適用される人されない人という問題常にあるんですが、ただ私は、具体的な数は知りませんけれども、それほど大きい人数ではないんではないかということもございますし、それから、一年か二年の経過措置でこの方々救済すればいいことでもございますので、これは答弁要りません。要望として、この法律のすき間に落ちて対象外になってしまう方々を救済することを是非御検討いただきたいということを申し上げておきたいと思います。 質問の方でございますが、これは先ほども同僚の委員から出ておりました。いわゆるこの小児慢性疾患事業と成人の難病対策の制度というのはそれぞれ独立をしておって、制度の趣旨に違いがあるということは私も理解をしております。 ただ、前者の、つまり小児慢性の方の対象の疾病のうち、ほとんどの疾病が成人の難病では入っておらない。聞くところによりますと七つぐらいが重なっておるということでございまして、先ほども出ておりましたけれども、二十歳を超えてもこの慢性の病気が続く患者さんを抱えている家族の財政負担というのは非常に重いものがあるわけでございまして、是非この患者本位の立場から、尾辻大臣としても、この小児慢性の病気で苦しんでいる方々が成人になった後にどういうふうに支援をしていくことができるか考えていただきたいと思うんですが、一言御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 先ほど来答弁いたしておりますように、そこのところが今後の課題だと思っております。よく難病対策まで含めて整理して考え方を示さなきゃいかぬと思っておりますから、検討させていただきたい、こういうふうに思います。
○遠山清彦君 是非よろしくお願いいたします。 続きまして、児童虐待に関する質問をさせていただきたいというふうに思いますけれども、近年、子供に対する虐待のニュースが連日絶えないわけでございまして、大半は乳幼児に対するものというふうに言われておりますし、大臣も御承知のとおり、小学生、中学生に対する虐待も行われておるわけでございます。その実態というのは非常に愕然とするものがあるわけでございまして、警察庁の調査によりますと、昨年一年間で虐待によって死亡した子供は四十一人に上っているわけでございます。 まず最初に、局長に伺いますけれども、昨年度の全国の児童相談所に寄せられた児童虐待相談の件数をお示しいただいて、さらに十年前、すなわち平成五年度にはそれが何件だったのか、どれぐらいの格差があるのか、お示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(伍藤忠春君) 児童相談所における虐待相談の件数でございますが、平成五年度は千六百十一でございましたが、昨年度、平成十五年度は二万六千五百六十九件というふうになっておりまして、約十六・五倍という件数でございます。特に平成十二年度以降、児童虐待防止法が成立された以降、急増しておるという状況でございます。
○遠山清彦君 それで、今御答弁いただいたように、児童虐待の相談件数は十年間で十六・五倍になっているわけでございます。 ここで一つ基本的な御質問をさせていただきたいんですが、なぜこの虐待の相談の件数がこれほど増えたのかということでございます。 考え方二つあると思うんですが、一つは、元々虐待は十年前もたくさんあったんだけれども、相談に来られる親御さんが少なかったと、表に出ることが少なかったというふうに考えられるのか、それとも虐待行為そのものが家庭の中においてどんどん増加してきたというふうにとらえておられるのか、この辺について厚生労働省、どのような御見解を持っておられるでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) これは今委員が御指摘のありました二つどちらもそういうあれが背景としてあるというふうに考えております。 どちらがどの程度寄与しているかということは、なかなかこれは定量的には分かりませんが、平成十二年度の虐待防止法の成立以来急増しているというようなことを見ましても、国民のこういう虐待というものに対する認識が格段に高まってきたという側面は一つあろうかと思います。 しかしながら、その根本的な原因といいますか、さらにその背景として、少子化とか核家族化とか都市化とかいろんな要因で、それから社会とか、その在り方、いろいろ国民の意識も変わってきておりますので、そういった中で家族そのものの養育力というのが格段に低下をしてきているんじゃなかろうかなと、この二つの側面どちらもあるんだろうというふうに考えております。
○遠山清彦君 それで、この虐待相談ですけれども、児童相談所で受けていると思うんですけれども、通常どのような、相談に親御さんが来たときに具体的にどのような手続で相談に乗って虐待行為の防止あるいは改善に向けて指導されているのか、ちょっとお聞きをしたいと思います。 私が関心ございますのは、例えば何人の児童福祉司がどのような回数対応していかれるのか、それとも、相談のあった時点で家庭訪問などを行いまして、特に児童の安全確保等をどのように図っておられるのか、個々のケースで当然いろいろと対応の在り方というのは違うと思いますけれども、一般的にどういうマニュアルで児童相談所が対応されているのか、お示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(伍藤忠春君) この虐待の通告があった後の事務処理の流れでございますが、非常に典型的なことで申し上げますと、まずは職員が単独で行動しないと、こういうことを徹底するようにいたしまして、まずは責任者に、通常の場合、児童相談所であれば所長でありますが、所長、責任者に報告をして緊急受理会議を開催するということで、そこでまず緊急保護が必要かどうかなどの初期対応を検討すると。そこで、特にすぐ家庭に駆け付けていく必要があるとか、警察に助けを求める必要があるとか、あるいは本人を呼んで聞く必要があるとか、そういったケース別に判断をするわけでありまして、必要に応じて一時保護を行うとか、それからそういう関係者からの聞き取りを行うというふうな総合的な判断を行って、それで具体的な処遇を決定するということでございます。 その結果、必要であれば在宅のまま指導するということにもなりますし、緊急的な対応が必要であればすぐ家庭に出掛けて事情を聞くと、その結果によっていろんな様々な対応措置が取られますが、要は、私ども徹底をしておりますのは複数で、組織として判断をすると、こういうことをお願いをしておるところでございます。
○遠山清彦君 それで、相談の結果この虐待行為がなくなる等、改善したその件数というか、その割合というのは把握されているでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) たくさんの件数の中のこれをどういう経過をたどったものを改善というふうにとらえるかなかなか難しい面がございますので、かっちりしたことをお答えするのはなかなか難しいんでありますが、虐待相談については、そのうちの約八割程度が在宅での面接指導など、在宅での支援というものに結び付けておるというのが実情でございまして、そのほかの二割については、そのまま施設に措置をするとか、いろんな一時保護をするとか、そういった対応を取っておるところでございます。
○遠山清彦君 分かりました。 大体八割程度が改善をしているのではないかという認識だというふうに思いますが、そこで、先ほど来出ております児童福祉司の問題なんですが、大臣にも後ほど幾つか質問いたしますので聞いていただきたいと思いますけれども、もう既に当委員会の議論出ておりますけれども、児童福祉司の資質と量の問題については専門家や関係者からいろいろな指摘がございます。今回の法改正でも一部こういった指摘に対応しているというふうに理解をしておりますけれども、大臣、先週当委員会で視察をした成育医療センターにおいても、その医療センターで虐待問題担当している方から、やっぱりこの医療機関で虐待の疑いのある児童を見付けたときに、いろんな患者さんの住んでいる地域とか病院のある地域とかいろんなケースがあるみたいですけれども、児童相談所に連携を取って児童福祉司の方に対応していただくそうなんですが、この資質に大変ばらつきがあるということが直接私どもに指摘がございました。 そこで、まず伍藤局長、聞きたいんですが、児童福祉司の任用基準、資格について現行法上どうなっているか、法改正をした後にどう変わるのか、これ簡潔にお示しください。
○政府参考人(伍藤忠春君) 児童福祉司に任用されるルートでありますが、現行法制度上で申し上げますと四つの類型に分かれるというふうに思います。 一つは、児童福祉司の養成校を卒業した方々がそのまま児童福祉司になるケース、それから二つ目は、医師とか社会福祉士という専門資格を持っている方、これもそのまま児童福祉司になると、こういうコースがございます。それから、大学で心理学等を学んだ方についても、これが児童福祉司になると、こういうことになっております。それから、その他でありますが、大学で心理学等は特に学んでいませんが、そのほかの一般の科目を学んだ、法学とかそういうのを学んだ方は、社会福祉事務所などで社会福祉主事という制度がありますが、そういう事務に、そういう社会福祉主事の資格で一定期間事務に従事して、その後児童福祉司という任用を、資格を得るようなケース、こういう四つのケースがございます。 今回、お尋ねのありました、さらに改正後はどうなるかということでございますが、これに加えて、私どもさらに、保健師とか助産師、看護師、保育士、こういった個別のある種専門性を持った方々を今回新たにこの児童福祉司になれる道を開こうということで、言わば、今の四パターンありますが、それにもう一つ、一つの類型を加えようと、こういうふうに考えております。
○遠山清彦君 今の御答弁ですと、この児童福祉司として児童虐待問題に現場で対応する方というのは、現行法でも様々なバックグラウンドを持っているわけでありますが、今回の改正で更にそのバックグラウンドの幅を言わば広げる、多様化するということになるわけですね。 そこで、ただ、この広げることが果たして今回の法改正の一つの目的でもあります児童福祉司の専門性の確保に本当に寄与するのかどうかという点について、正直申し上げて若干不安があることは事実でございます。 大臣御存じのとおり、今は都道府県が主体になって児童相談所運営しておりますから、実態上何が起こっているかといいますと、この児童相談所の職員も、既に現行法でも、例えば大学で心理学を一年間、ああ、一年間と書いてないですね、心理学等を専修する学科等を修めた者も配置ができますので、実際には各都道府県の役所に一般行政職で入った人を人事異動で、定期人事異動で配置をしていることもあるわけでございます。これが、今度の法改正で市町村に更にレベルが落ちていきますと、こういう傾向はより強まってしまうんではないかと。 難しいのは、そういう傾向がより強まるであろうから、児童福祉司になれる人のバックグラウンドを広げるということを併せてやったんだというふうに私は理解をしておりますが、局長、ちょっと大臣に聞く前に一点確認したいんですけれども、現在、今の時点で、児童相談所の職員全員を専門職としている自治体はどれぐらいあるのか、お答えいただけますか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 現在、児童福祉司の全員が言わば福祉の専門職ということで採用されておりますのは、都道府県と指定都市、六十自治体ございますが、そのうち十三の自治体でございます。
○遠山清彦君 大臣、今、六十のうち十三ということでございますので、約二割の自治体が現在専門職として児童相談所に置いている。残り八割はいろんな人たちが入っているという状況なわけでございます。 そこで、大臣にまずお聞きをしたいのは、私は、この児童福祉司の専門性を向上させる方策としては、やはりこの専門職を国家資格化することを検討してもいいんではないかというふうに思っておるわけでございます。 これから市町村が児童虐待に関する中核的な調整機関にもなるわけでございまして、需要は高まるわけでありますから、例えば、社会福祉士というものがしっかりと試験もやられてあるわけでございますけれども、児童福祉司もそれに準じた形で資格化することが必要ではないかと思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) これはもう委員の方が再三述べていただいておるところでございますけれども、児童福祉司は児童相談所において相談援助の業務を行う都道府県の職員でありますから、これ自体を国家資格にすることはやはりなじまないと考えております。 しかし、これまた再三御指摘いただいておりますように、児童福祉司の専門性を確保することは、これはもう極めて必要なことと考えております。そこで、従来より、医師だとか、お話しの社会福祉士といった国家資格を有する者をその任用要件の一つにしてまいりましたし、そのほか、今回の改正におきましては、現行制度の下で任用が認められている心理学等を専修する学科等を修めて大学を卒業した者について、新たに福祉に関する相談業務に従事した一定の経験を必要としたところでございます。 これら児童福祉司の資質の向上を図るためには、子どもの虹情報研修センターにおいて専門的な研修を実施しているところでもございまして、これらの取組を通じて児童福祉司の専門性の確保に努めてまいりたいと、このように考えております。
○遠山清彦君 大臣も東京都の児童相談センター行かれたと、直接行かれたということなんですけれども、私、この専門性の問題ともう一つ要素があるなと思うのは、やはりこの児童虐待に対応している職員のやる気、熱意があるかどうかというところが非常に重要だと実は思っております。 そういう意味で、先日訪れた児童相談センターでは、東京都庁の職員の中で、是非この児童虐待関係の仕事をやりたいという人を役所の中で公募をするということをやっておるということを私は聞きました。 それから、大臣もこれ聞いたかもしれませんけれども、たしか今年度から三名の民間の方を公募して、期限付で、たしか三年だったと思いますけれども、やはり児童相談センターで採用するということをやっておるということでございまして、説明をしてくださった方によりますと、特にこの三名の民間の方が公募で児童相談所に入ってきたことによって、現場的には非常にいい影響があるということでありました。 私は、この話を聞きまして、今回の法改正で、市町村を中核としながらも、虐待防止ネットワークというものの形成を全国的に促していくということであるわけでありますが、大臣、厚生労働省としても、やはりこの東京都が試みたように、このネットワークの中に当然NGO団体やNPOやボランティア団体も位置付けられているわけでありますけれども、そういう民間のグループの中で本当に熱意とまた経験と見識を持った方を実際に公的な虐待防止対応事業の中に参加してもらうと。これはちょっと私がさっき申し上げた、児童福祉司のバックグラウンドを余りにも広げ過ぎると専門性は落ちますよという話と矛盾しちゃうんですが、ただ、東京都の視察でこういったことが出てきたことを考えますと、それはバランス感覚を持ちながらそういったことを工夫していってもいいんではないか、場合によっては全国で厚労省が後押しして推進してもいいんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 私も、東京都、大変いいことをやっていただいているというふうにその話を聞いて思いました。そして、各自治体の判断でこうした民間人の採用などによる相談体制の整備というのは可能でありますから、是非その各市町村が実情に応じてそうしたそれぞれの対応を積極的に取り組んでいただきたいと考えますし、また、そうした事例は各市町村に私どもとしてもお知らせをして、取り入れていただくようにお願いをしたいと考えます。
○遠山清彦君 ありがとうございます。 次の質問、ちょっともう既にさんざん議論しちゃいましたので飛ばさせていただいて、済みません、副大臣。 今度、市町村への人材確保の問題で、先ほど蓮舫委員からも何度か質問があった同じ件なんですけれども、私も、この児童福祉司の数、今度は量の問題です。児童福祉司の数は、欧米諸国と比較して非常にやっぱり少ないと言わざるを得ないわけでございます。 具体的に申し上げますと、今全国の、日本の場合ですね、児童相談所百八十二か所に千八百十三人、これは今年の五月の時点でありますけれども、児童福祉司がいると。日本では、一人の児童福祉司が扱う件数、一年間の件数は百九十件なんですね。ちなみに、私が調べたら、イギリスは二十件、一人当たり二十件、アメリカのニューヨーク市は何と十二件、それからカナダのオンタリオ州は二十二件ということでございます。 実は私、イギリスに六年間留学をしておりましたときに、友人に、ソーシャルワーカーと言われておりましたけれども、仕事をしている人が三、四名おりました。お話を聞きましたら、実にきめの細かい対応をしておりまして、私が覚えておりますのは、ある中年の女性のソーシャルワーカーの方から当時お話を伺う機会があったわけでありますけれども、本当に小さな乳幼児のころに児童虐待を受けていた子供を担当して、その子が十五歳、十六歳になるまで交流を続けていって、本当に立派な青年になるのを見届けて一つのケースを閉じたということを聞いたわけでございます。大臣、こういうやっぱりきめ細かいことをやるには、一人で一年間に百九十件も担当しておるとまあ無理なわけでございます。 先ほどもあったんですが、日本では人口六万八千人に一人の配置基準になっているわけでありますけれども、現場では人手不足が深刻化している。特に私、これ問題になるだろうなと思うのは、人口六万八千人に一人児童福祉司を配置しなさいよということで交付税が交付されているわけでありますが、交付税を受け取っておきながらこの配置基準を満たしていない自治体が都道府県と政令市で今年度でも六割もあるということなわけですね。ということは、交付税もらっていて、それを当初の目的どおり使っていないということになりますと、大臣が昔おりました財務省辺りは、これはいかぬと、要らないんじゃないかというような話にもなりかねないなと。三位一体の改革が今後進んでいきますと、よりそういう傾向が強まるのではないかと。そうするとだれが苦しむかというと、児童虐待の被害者であり、またそれに対応している現場の皆さんということにもなるわけでございます。 そこで、平成十五年度に全国児童相談所長会が提言をしておりますけれども、人口六万八千人に一人ではなくて、人口五万人に一人の児童福祉司の配置は最低やるべきではないかと。私もそう思いますので、検討していただきたいということが一つ。 それからもう一つは、それと併せて、実際にその配置基準で交付税を交付したときに、それを受け取った地方自治体がちゃんとこの配置基準を満たすように、もうちょっと厚労省として強く指導監督しないと、これは総務省、財務省から見たら、どうなっておるんだとなるというふうに私思うんですね。 ですから、この二点、併せてどういうふうに対応されるか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) これまでも、御指摘いただいておるような事態に対しまして、交付税のまず要望もいたしてまいりました。そして、だんだんに基準が上がってまいりまして、今お話しいただいておりますように、六万八千人に一人というところまではまいりました。ただ、実際に、交付税は出されておるわけでありますけれども、じゃ、それにきっちり対応してもらっているかというと、そうでないところが非常に多い、これは問題だと思っております。ただ、交付税は自主財源でありますから、私どもとしては好ましくないというふうに申し上げるだけでございます。それまでしかできないということを言っておるわけであります。 ただ、今度は政令の基準がありますから、これ今度私どももっと基準を上げようと思っておりまして、この差も埋めようと思っておりますので、そうした中で是非対応をしてもらいたい、こういうふうに思っておるところでございます。 何か二つ併せたお答えのようなことを申し上げたんですが、以上でよろしゅうございましょうか。とにかく努力してまいりたいと、こういうふうに思います。
○遠山清彦君 とにかく大臣、覚えておいていただきたいのは、やはり、私もたまたま個人的に欧米に長く住んだ経験があるから言えるのかもしれませんけれども、やはり欧米社会と比べると、日本社会というのは、家族とそれから学校、そして最近都市部では希薄になった地域社会から、警察に扱われてしまう事件に一足飛びに行っちゃうんですね。ヨーロッパは、やっぱりソーシャルワーカーの皆さんが母子家庭であるとか虐待の疑いがある家庭であるとか毎週家庭訪問をしまして、学校の先生じゃないんです。日本は何か、今でもやっぱり、子供さん問題あるというと、まず行くのは学校の先生で、学校の先生がちゃんとやらなかったり地域がもう面倒見なかったら、犯罪が惹起するまでほったらかしでしたというのが多いんですね。最近我々がニュースで見聞きする事件というのはそんなの多いですよね。 やっぱりそれを予防するシステムというのは、ソーシャルワーカーあるいは児童福祉司みたいな人たちをやっぱり社会全体で増やしていって、警察の段階に行く手前で事件にならないように防止していく努力が必要ですので、その点だけ頭に入れていただいていろんな改革をしていただきたいと思います。 次に、一時保護施設の問題を取り上げたいと思うんですが、ちょっとデータ古いんですけれども、私が持っている、一時保護は平成十四年度は八千三百六十九件で、二年前と比べても二倍になっていると。ここ数年、大変満杯の状態が続いておりまして、施設不足が深刻化するんではないかと。虐待相談の件数が十年前から十六倍になっておるわけですから、当然、一時保護される児童の数も当然同じような、まあちょっと低いかもしれませんが、比率で伸びている可能性がございまして、現状では対応難しいんではないかと思いますが、この点についてはどのように対応されるでしょうか。どうぞ。
○政府参考人(伍藤忠春君) 一時保護所における収容の状況でございますが、十五年、昨年の三月一日現在、定員が二千二百四十六人に対しまして千六十八人の現員ということになっておりまして、全国的に見れば全体としてはまだまだ余裕のある配置というふうに言えますが、私どもも、今御紹介のありましたような状況といいますか、都市部で特に入所児童の多いところについては非常にもう一杯だというようなことも実情も聞いておりまして、かなり地域差があるんじゃないかというふうに思っております。 〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕 そういった、特に都市部対策といいますか、そういうことついてはやはり早急に改善をしていく必要があるだろうというふうに思っておりますので、国庫補助、施設整備について国庫補助の制度がございますが、都道府県からの実情をよく聞いて、こういうものにも迅速に取り組めるように努力していきたいというふうに考えております。
○遠山清彦君 まあ確かに、数字、パーセント見ますと、まだ一〇〇%とか一二〇%とかになっておりませんけれども、実は大臣、私、先週の金曜日に単独で新宿区にあります二葉乳児院というところを視察をしてまいりました。もし大臣が乳児院を見学されたことがなければ、是非、国会から車で五分でございますので、見ていただきたいなと思うんですけれども。 この乳児院は、明治三十三年に創立された幼稚園を母体とした社会福祉法人によって運営をされております。私も実は恥ずかしながら乳児院、今回初めて行かせていただきましたので、乳児院というと、昔ですと、捨てられたお子さんを、身寄りのないお子さんを、養育を二歳、三歳未満までするという場所としかイメージがなかったものですから分からなかったんですけれども、行きますと、予想以上に、ここは特に施設もすばらしく、運営もすばらしく、職員の、スタッフの資質もすばらしく、大変に感銘を深くいたしました。また、やはり現場に行くことで知らないことがたくさんあるということもよく分かりましたし、また、鈴木院長先生からいろいろお話を聞いて、乳児院で保護されている幼児というか、乳児ですね、その名のとおり、二歳、三歳未満の子供さんたちに対するいろんなきめ細かい政策の必要性というものをひしひしと感じたわけでございます。 ちなみに、院長先生は、この施設の。ここは三十三名現在お子さんいるわけでありますけれども、それ以外にもたくさんの入所申込みが来るんだけれども、かなり断っているということをおっしゃっておりまして、この例からすると、東京辺りではやはりこの一時保護施設が、特に、いい一時保護施設が少ないのかなという印象を受けました。 また、この乳児院に入所しているお子さん方の理由でありますけれども、いろいろ書いてあるんですけれども、虐待が理由で入っているというのは昨年度でいいますと一応六名となっておるんです。 〔理事武見敬三君退席、委員長着席〕 ところが、院長先生に聞きますと、大体ここに入所してくる子供の六割から七割は虐待の経験が、被虐待のですね、被害を受けた可能性が高いということを言っておりまして、また、私が驚いた話は、ゼロ歳とか一歳児の方が二歳三歳児の子よりも家庭で虐待があった場合に敏感にそれに反応してしまって、ゼロ歳でまだしゃべることもできないわけですけれども、もう肌がかさかさになってしまって、食事も取れない、全く泣かない、無表情な赤ちゃんになってしまうというようなことも伺ったわけでございます。 それで、入所当初はお子さん方大変だというふうに聞きまして、私がちょっとびっくりしたのは、職員の皆さんの多くが、担当しているお子さん方を勤務時間外も面倒を見る、休日にも一緒に公園に連れて行ってかわいがるというようなことまで、それは本人たちが自主的にやっていることだというふうに私は理解をしておりますけれども、そういったこともやっているということでございます。いろいろとほかにも言いたいことあるんですけれども、乳児院というところがいろんな要素を持ってやっているということなんですね。 今日は、大臣の手元にも資料、委員会でも配らせていただきましたけれども、この乳児院の同じ建物で実はこの地域の子育て支援センター二葉というものを運営をしておるわけでございます。ちょっと小さい字の資料で恐縮でありますけれども、ここ、乳児院と同じ建物の一部を使って、こども家庭相談事業とかあるいは子育てサークルの育成支援とか、それから四番目の、親と子のひろばみたいなものを作って、日常的に地域の若いお母さん方に集まっていただいて、虐待の問題で悩んでいるわけではないけれども、育児で例えば養育の意欲がわかないとか、そういったいろんな人たちをそこに集まっていただいて交流することによって、まあ子育て支援もしておりますけれども、院長先生によれば、そういう交流の中で、虐待の疑いとか虐待に至るようなケースというものをかなり早い段階で発見をして未然に防ぐ措置が取れるということがあるわけでございます。 こういうことを実は乳児院がやっているということを私全く知らなかったわけでございまして、是非大臣にもこういった実情を御理解いただいた上で虐待防止ネットワークの設置というものを全国的に推進していただきたいと思うんですが、ちょっと一言、御感想、御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今二つのお話をお聞きしたと思っております。 一つは乳児院についてでございます。今のお話伺って、これ、私も一遍是非見せていただかなきゃいかぬと思っておりますし、見せていただきたいと思います。そしてまた、そういう児童虐待に対して大変すばらしい働きしていただいているそのさまを見ながら、また私のいろんな参考にさせていただこうと思います。 それから、乳児院が地域子育て支援センターを一緒にやっているというのは、実は私も今初めて聞きました。どちらかというと保育所がやっておりますので、大体保育所にお願いしているという感覚でしたが、ああ、乳児院もやっていただいているのかなと思いました。そして、実は衆議院でこの御議論ありましたときに、私はこういうことを全然知らずに、地域子育て支援センターにも是非児童虐待の中でその防止のために一役買ってもらえると有り難いんですがということを答弁をいたしております。 それで、そのときにイメージしたとおりのことがここに出ておりまして、もう本当に感激をいたして今日の資料を見せていただいております。是非こういうことをやっていただいて、虐待防止にも一役も二役も買っていただければ有り難いと思いますということをお答えにさせていただきたいと思います。
○遠山清彦君 是非お願いします。視察をしていただいて、私もまだ一か所なので今度機会を見付けて、公立の乳児院も何か所か全国にあると聞いておりますし、いろいろ乳児院の間でも差があるんだろうなと。 それから、ここの特定の場所は保育園も隣にございまして、非常に多角的に社会福祉法人としてやっているところだというのは付言をさせていただきたいというふうに思います。 時間も迫ってまいりましたので、次に里親制度の改善の問題についてちょっと伺いたいと思うんです。 東京都の例でいいますと里親制度は二種類ございまして、これ東京都ですよ、これは東京都ですが、養子縁組里親制度と養育家庭里親制度でございます。この養子縁組里親制度は、これは養子縁組をするということを前提に子供さんを家庭に引き取る制度であります。それから後者の養育家庭というのは、その前提なしで、養子縁組の前提なしで一定期間子供を預かって養育する制度なんですね。この二葉乳児院の院長先生も幾つもこの養子縁組もやっておりますし、養育家庭にも里親にも出しておりますから、大臣もお会いになればいろんな具体的なお話を聞けて勉強になるわけでありますが。 実は、養子縁組里親というのは結構多いらしいんですね。例えばかわいい一歳二歳の女の子なんかになりますと、大抵十組ぐらいのお子さんのない夫婦が養子縁組里親になりたいと来るということで、引く手あまたの状況になるそうでございます。しかしながら逆に、お母さんがどこかで今病気でいるとか家庭の事情で育てられないという形で、将来家庭に復帰することを前提に、しかし今乳児院にずっと置けないので養育をしてくださいと、この里親はなかなか見付からない。例えば見付かっても、じゃ三か月以内の短期だったらいいですよという里親さんも結構いらっしゃる。これは短期里親というふうに厚労省ではカテゴリーがあるみたいですけれども。また逆に、里親の方が大変高齢な場合も多いというふうに聞いておりまして、つまり自分のお子さんを育て上げた人がということになるわけでありますけれども。それでなかなか、ですから養育里親の方がうまくいっていないということなんですね、分かりやすく言いますと。 私、その後、じゃ国全体でどうやっているのかなってちょっと調べてみたんですが、厚生労働省の区分けでは、大きく分けて三種類。養育里親、短期里親というのが一種類。それから親族里親、これは三親等以内の親族が自分の親族でそういう子供さんが出たときに預かって一定期間育てるという親族里親。それからあと、私余り今回勉強するまでよく分かってなかったんですが、専門里親という方もいらっしゃるということなんですね。 ところが、大臣、いつも長くて済みませんが、質問は、要は、この里親で登録している数は七千二百八十六なんです。中身調べてみたら、養育里親が六千八百一、それから、かぶっていますけれども短期里親が千八百四、専門里親が百四十六しか全国でいらっしゃらない。親族里親は九十一と。これは親族ですのであれなんですが。さらに私、じゃ、専門里親百四十六登録していて子供を実際預かっている里親は現時点何人いるかというと、二十だけでございます。預けられている子供は二十ということでありまして、また、七千二百八十六の里親登録しているんですが、現在、子供を実際に預かっている里親の数は二千行っておりません、千八百七十三でございます。ほかの里親のをちょっと引きますと、大体千八百前後の里親が子供さん預かっていて、預けられている子供の数は二千五百十七ということになっているわけでありまして、要は、何が言いたいかと申しますと、日本で、さっき一時保護の施設が足りないという話があるんですが、それをやっぱり補完していく道というのは、里親の制度をどう日本で社会の中で根付かせていって、そして、実際に登録していても、全然子供を預かっていない人多いんですね。 厚労省が私できるなと思うのは、一つは、専門里親をもうちょっと増やしていただいて、乳児院とか虐待防止ネットワークと連携しながら、家庭的な環境の中で子供さんを養育してもらえる方を社会全体として増やしていく、こういうことが大事ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 里親制度につきましては、今るる御説明がありましたとおり、この数年、幾つかのカテゴリーに分けて、できるだけ実態に応じた運用がなされるようにということで、制度の類型化といいますか、そういうことに取り組んできたところでございます。 全体のこの状況については、今御指摘のあったとおりでありますが、委託児童数、ここ数年、若干でありますがずっと一貫して低下をし続けておりましたが、少し増加に転じたところでありますので、これを是非推進していきたいというふうに私どもも考えておりますが、特に専門里親、これは虐待を受けた子供を預かるということで非常に難易度の高い里親制度ということに、まあ報酬もそれなりに支給をさしていただくということでありますが、なかなか増えないと。この辺りにどういったところが難点があるのかということを私どももこれからもう少し研究をして、せっかくの制度でありますから、できるだけ幅広く活用されるようにと、精一杯努力していきたいというふうに思っております。
○遠山清彦君 次に、同じように児童虐待防止をする努力の一環として、これは今後の課題として厚労省も認識をしておると思いますけれども、やはり医療機関における児童虐待防止努力というものをもうちょっと強化をしていかなければいけないんではないかということでございます。 本年三月に厚生労働省児童家庭局が発表した虐待による児童の死亡事例の調査報告によりますと、この死亡した被虐待児の年齢構成というのは、ゼロ歳児が三八%、約四割でございます。一歳児が一六%と。当然、これだけでもう五割超えているわけでありますけれども、就学前の六歳児未満で約九割になっているわけでございます。さらに、この虐待をする行為者は実の父母が約八割、八割以上いるわけでございますから、正に家庭の中で実の母や父から虐待をされて死亡する子供が多い、その子供の五割以上がゼロ歳児、一歳児であると、これが事実なわけでございます。 当然、乳幼児は自分でこの虐待を外に通報することはできませんので、どうするかということになるわけでありますが、先日行きました成育医療センターでも、妊娠の段階やあるいは出産直後の状況等から、この虐待の問題について早期に、問題があれば発見をして予防する作業ができるんではないかと、実はそこの医療センターの先生方がそういうことを我々に言ってきているわけなんですね。ただ、じゃ今現在何かやっていますかというと、まあその考え中ですと、検討中ですということなわけでありますが。 やはり、出産のために当然母親は医療機関に複数回来るわけでございまして、そこでいろいろなカウンセリングとか情報収集ができれば未然に防げる虐待なんかもあると思いますけれども、この医療機関における虐待予防、努力について、厚労省としてどういうふうに取り組まれていかれるのか、お答えください。
○副大臣(衛藤晟一君) 正に、実の父母がこれだけの児童虐待を起こしているということは非常にもう残念なことでございますけれども、今委員仰せのように、まずは、子供の養育支援を念頭に置いた情報提供を行った場合には診療報酬が支払われるということを明確にしていきたいと思っております。少しでもそういうところを入口としながら、情報を受け取る窓口を地域の医療機関に周知していきたいという具合に思っているところでございます。市町村に対して、市町村の窓口に対して医療機関からの情報提供を是非お願いしたいと思っておりますので、まずは診療報酬でもこれを見ていくということにしておるところでございます。 もっと連携を強めていくということは必要であると思います。とりわけ、御指摘のとおりゼロ歳、一歳児で五割以上を占めるわけですから、そのときにはほとんど何らかの形で医療機関にも掛かっておりますので、その提供は非常に大事であるというように思っている次第でございます。
○遠山清彦君 まあ成育センターみたいな大きな病院ではいろんなスタッフがおりまして対応できると思うんですが、今後、市町村レベルの小さな産婦人科とか総合病院の中でもこの虐待に関する知識とかそういったものをしっかり周知をしていただいて、万全の対応できるようにしていただきたいと思います。 最後の質問になりますけれども、児童虐待防止法では、虐待を知った者は直ちに通告をしなければならないと定められているわけでございますが、実際に過去に起こった例で、虐待の疑いのある家庭が転居してしまって、転居先が分からなかったがために結果的にはその家庭のお子さんが虐待死で亡くなってしまうというケースもあったわけでございまして、私は是非、難しいプライバシーの問題も当然含んでいるということを前提で申し上げますけれども、この全国のいろいろなネットワークを生かして、転居等の変化があった場合でもしっかりと対応できるシステムにしていただきたいと。 この間、「厚生労働」という業界誌を読んでおりましたら、滋賀県がそういう取組を先駆的に始めたということも書かれてありましたけれども、これについての見解を伺いたいと思います。
○副大臣(衛藤晟一君) 虐待の通告について義務付けられているわけでございますけれども、本年二月に公表いたしました児童虐待の死亡事例の検証と今後につきましても、この転居のケースが非常に多うございますので、滋賀県でも先鋭的に取り組んでいただいているわけでございますけれども、そういう例を基としながら、改めて私どもこの連携の強化についてやりたいということで、これが法律上明記されているわけでございますので、法律上明記されたものをちゃんと関係機関に周知徹底しながら、自治体相互間の連携も含めて強化をしてまいりたいという具合に考えている次第でございます。 これらの周知徹底を図ってまいりたいというように思っております。
○遠山清彦君 一分あるので、大臣、最後に一言だけ。 市町村をこの児童虐待防止ネットワークの中核の調整機関にすることに私、異論はございません。しかしながら、村とか町のレベルでこの児童虐待の防止をする作業というのは、この国会で議論している以上に難しい面はあるというふうに思っております。 それは、人材確保の面だけではなくて、例えば私が個人的に知っております沖縄県とか山梨県の山奥の村等を想像した場合でも、児童虐待の疑いを掛けられたというだけでこのコミュニティーの中で孤立してしまうケースというのは当然ございますし、児童相談所、中央の児童相談所から人が訪れたということを近所の人に見られただけでも大きな問題とか精神的なストレスになるところがたくさんございます。 そういう意味では、非常に各地域の実情に合わせてきめの細かいことをやっていただきたいし、個人的には、この法案が成立した後は、児童相談所はそういう難しい地域に後方支援をめり張りを付けて重点化をしていった方がいいということを要望として申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 児童福祉法の審議なんですが、その前に一問だけ、ちょっと急ぐ問題なので、新潟中越地震の復興の問題について聞きたいと思うんです。 震災という事態の下で雇用状況が悪化していて、新潟労働局によると、解雇された労働者が五十社四百二十人ということなんですね。先日、私、問題にしました緊急地域雇用特別交付金、これが中小企業枠というのが実はありまして、これが非常に使いにくい制度だということで前から問題があったと。ところが、聞いてみると、これは新潟県では二億円以上使っていない分が残っているというわけなんですよ。 そもそも最初から、非常に要件が厳しくて制約があるということについては意見も出ていた制度だと思うんですが、私はこういう災害時こそこういうのは大いに活用すべきではないかというふうに思っていまして、やはり緊急にこの中小企業枠というのを取り払って、残っている分はこれは広くやはり復興支援に使うということをやるべきじゃないかと考えるんですが、職安局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(青木功君) 新潟県における緊急地域雇用創出特別交付金の活用についてのお話でございますけれども、御案内のように、今回の震災に絡みまして、新潟県あるいは関係市町村におきまして既にこの交付金を最大限に活用するということで、今先生お触れになった部分以外の通常の交付金につきまして、既に執行予定の部分を見直すなどして被災者の方々の仕事、そして被災地域の復興ということで活用をしようとされているということを伺っております。 また、いわゆる中小企業枠の関係でございますが、こういったもの、現地からの要望、要請があった場合に変更するという仕組みになっておりまして、実を申しますと、今のところ正式な御要望はいただいておりません。御要望をいただきますれば、具体的な状況等もお伺いして対応を検討してまいりたいというふうに考えております。
○小池晃君 まあ新潟県の方ではそういう希望もあるやに聞いていますので、やはりこれはやっていただきたいのと、災害は新潟だけじゃないので、かなり全国的にもこれは残っているわけですから、やはり、これを使い切るようなやはり知恵を出すことを是非大臣にも私は求めておきたいというふうに思います。 職安局長、これで結構です。ありがとうございました。 児童福祉法の問題ですが、厚生労働省が今年二月に発表した調査でも、この死亡事例七割は関係機関が救済する機会があったというふうに述べているわけで、対策の強化は国の責任だと思うんです。 ところが、児童相談所で虐待問題担当している児童福祉司の人数がこれ自治体によってかなりばらつきがあって、国の配置基準に満たない自治体が六割占めていると。午前中も御議論ありましたけれども、こういう状況の下で児童虐待関連の補助金を廃止して一般財源化するということになりますと地方間の格差はかなり広がってしまうということを私は懸念するんですが、大臣の見解をお聞かせいただきたい。
○国務大臣(尾辻秀久君) 児童虐待を含めまして少子化対策というのは、これはもう国の基本政策でございます。強力に推進していかなければならない、そう考えております。ですから、これも再三申し上げておりますけれども、新エンゼルプランに代わる新しいエンゼルプランを作って、こうしたものも、こうした少子化対策を更に進めていこうと、こう考えておるところでございます。 そういうときに、こうしたものを地方にゆだねてしまいますと、これは今国が国を挙げて進めようとしておる少子化対策の推進に支障が生ずる、これは大いに懸念されるところでございます。更に申し上げますと、児童虐待防止対策などというのは、これも委員各位お述べいただいておりますように、子供の命の安全にかかわる問題でありまして、地方公共団体の差による対策の不足などが決して許されない分野でございます。今委員もお述べいただきましたけれども、自治体間の取組の格差も大きいところでございまして、こうした問題があるというふうに考えております。 そこで、十月の二十八日でございましたけれども、私どもは地方六団体の提案に対する厚生労働省意見を内閣官房に提出をいたしました。その中では、引き続き国が積極的に関与しながら、国、地方挙げて施策を推進していく必要があるものとして、こうした少子化でありますとか、その中に含まれます児童虐待対策など、これらの関係補助金は維持すべきものとして意見を提出したところでございます。
○小池晃君 私もその点では全く意見を同じにしますので、廃止すべき補助金というのは、ひも付きの大型公共事業など、そういったものはあると思うんですが、こういうものはやはり廃止すべきじゃないというふうに考えております。 さらに、改正案で市町村が担う役割が明記されて、身近な機関で相談に乗れるということは、これは良いことだと思うんです。ただ、実態はどうなのかと。 これ、既に市が窓口を設置している横須賀市の話聞いたんですが、ここは〇二年度から子ども虐待予防相談センター事業というのをやっているんですね。常勤三人、非常勤二人で、合わせて五人で日常的に相談に乗っているそうなんです。窓口開いたらば、〇二年度は七百十一件、〇三年度は千三百十九件、物すごい数の相談が寄せられていて、これ本当大変だと思うんですね。いろんな相談が寄せられていて、母親やあるいは保育園関係者からのものが多いらしいんですが、子供がかわいいと思えないとか、ついいらいらして罵倒してしまうんだという悩みが寄せられたり、あるいは結構深刻な、たばこを押し付けられた跡があるとか、ネグレクトで食事を与えられていないようだというような通報まで来ていると。窓口広がったために日常的に声は拾えるようになったんですが、一方で、かなり深刻な虐待問題となると、やはりこの相談センターで対応するのは困難だということで結局児童相談所に回しているということなんです。 局長にお伺いしたいんですが、窓口増えるのは重要なことなんですが、やはりこの専門性を持った職員を増やすということが非常に大事で、財政的支援もしっかりする必要があると。その点、どのような対策を考えていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 各市町村における体制整備ということで、これも再三御質問いただいておりますが、児童相談所が各市町村を支援するモデル事業というものを今年度から始めておりますし、こういった中で、こういった事業を通じていろいろノウハウを蓄積していきたいというふうに思っておりますし、それから保健師、これはずっとここ数年随分増員を図ってきておりますが、こういったものも含めて、さらに来年度から市町村がこの事務を担当するということも含めて、今いろいろな交付税の要望を総務省に行っておるところであります。 それから、具体的な児童相談所との連携の在り方とかそういう市町村の事務の処理の在り方、こういう問題についても大変難しいところでありますが、これはできるだけ、ガイドラインといいますか、そういう中で詳細なものをできるだけ明示をしていきたいというふうなことを考えております。
○小池晃君 やはりその必要な人員がしっかり確保されるようにしないと絵にかいたもちになってしまいますので、保健師というだけにとどまらず、やはり専門家の配置ということを検討していくべきだと私は思います。 それから、今年度から養育困難な家庭に対して育児支援家庭訪問事業、育児や家事の援助とか技術指導を図るということで始まって、二十億円付けて九百五十七市町村対象という計画だったんですが、まず実績をお伺いします。
○政府参考人(伍藤忠春君) 本年の六月時点で各自治体の取組を調査いたしたところでは、当初予算で本年度から事業を開始するというところが百二十五市町村ということになっておりまして、私どもが予算に計上した九百五十七市町村に比べますと、約一三%ということで、非常にまだ低調なところでございます。今後の補正予算等で対応するところもありますので、そこはまだ把握できておりませんが、当初予算の状況はそんな状況になっております。
○小池晃君 大臣、私、これなかなかいい事業だと思っているんですよ。ただ、一三%しか進んでいないという事態なんですね。これ進まない背景には、やはり訪問して虐待防止ということだと、かなりやっぱりノウハウも必要になってくるという、そういったノウハウが市町村にはない、そういう問題も指摘されておりますし、最大の問題としてはやっぱり財政の裏付けが不十分で、国が二分の一補助で半額自治体費用負担と。今の自治体の財政状態の下でなかなか進まないというのがネックになっていると聞いているんですね。 私は、この点、補助金の増額なんかも含めていろんな形あり得ると思うんですが、やっぱり市町村の事業が、これ一三%ですから、何とかちょっと後押しするような工夫がないものかと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(尾辻秀久君) 地方自治体の取組が当初の計上より伸び悩んでおりますことは今お答えしたとおりでございます。 そして、その理由を大きく二つお挙げになったと思います。一つは、お話しのように、自治体が財政難の中で本事業の意義に対する理解が必ずしも十分に理解されていないというようなこともありましょうし、人材の確保に時間を要しておるというようなこともある。これらの、一方からの大きく一つ挙げられたような理由があると思います。 もう一つは、国庫補助率のことを御指摘なさいました。ただ、本事業の国庫補助率は二分の一でございまして、他の市町村向け補助事業に比べても決して低くございません。したがいまして、国と地方の役割分担を踏まえますと、今直ちにこの二分の一を引き上げるというのは困難でありますとお答えせざるを得ません。
○小池晃君 その仕組みとして困難であるというのは、それは難しいことだろうということは分かるんですが、やっぱり一三%ですから、何かちょっとここは考えないといけないんじゃないかということとして是非受け止めていただきたいと思います。 さらに、児童福祉施設の年齢要件の見直しにかかわって、児童福祉施設と乳児院はそれぞれ別個の配置基準持っていて、児童養護施設は三歳未満児の児童二人に対して職員一人、一方で乳児院は二歳未満児一・七人に対して職員一人。今回の改正で児童養護施設に一歳未満児が入ってくる。若干相互乗り入れがある場合、それに見合った職員の配置が必要となってくると思うんですが、その点どのような措置を取られるのか、局長にお伺いします。
○政府参考人(伍藤忠春君) 今回の改正は、いろんな施設の類型があるわけでありますが、これを施設ごとに、乳児院に入ってそれからまた児童養護施設に途中で移るということが必ずしも適当でない場合がありますので、乳児院に滞在できる時間も長くすると同時に、児童養護施設に最初から、乳児の時期から入るということも可能なようにしようというものでございまして、ケアの連続性ということからこういう改正を提案しているものでございます。 したがいまして、児童養護施設、乳児がたくさん入ってくるということは余り想定しておりませんので、あくまで例外的な対応ということになろうかと思いますので、このためだけの特別の人員配置とか、そういうことまでは考えておりません。
○小池晃君 ただ、格差が生まれるとこれはまずいことですから、やはりそういう場合、一定のやはり加配というのが必要になってくるというふうに思うんですが、その点いかがですか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 加配をする、人員を一人余計に配置をするところまでの手間暇が掛かるほど、たくさんの子供、乳児を一つの児童養護施設が預かるということも当面現実的にはなかろうかと思いますし、むしろ児童養護施設の今の現員の中でこういう乳児を預かれるようなノウハウ、授乳とかおむつの交換とか、それからそういった適切な養育が行われるような、そういったもののケアの確保ということから、できるだけ適切な指導とかそういうものに努めていきたいというふうに思っております。
○小池晃君 それではちょっと不十分ではないかと思いますが、そのことを指摘して次に行きますが。 設置基準自体が、職員配置基準は一九七六年ですよね。神奈川県の話聞きますと、児童養護施設の入所児童が虐待を受けているケースが六割から七割だというんですね。かなりやっぱり状況は変化してきていると。ところが、その職員の配置基準は就学児六人に対して職員一人と、そういう仕組みのままになって、個別処遇が必要で一対一で接すれば落ち着くような子供が問題行動を起こしてしまうという例もあるそうです。私はやはり、児童虐待増加して処遇困難な児童が増えているわけですから、旧来の設置基準だけでは対応できないというふうに思うんですね。この点、今後、大きな方向性で結構ですけれども、やはり見直していくということ、必要性あると思うんですが、大臣に御見解をお聞きします。
○国務大臣(尾辻秀久君) これはもう先ほど来御指摘をいただいておるところでございます。 改めて申し上げますけれども、虐待を受けて入所する児童が増加をしておりますので、十六年度予算におきましても、最低基準に上乗せする形で、全施設について家庭支援専門相談員、ファミリーソーシャルワーカーでございますが、の配置だとか、あるいは被虐待児個別対応職員の配置、さらにまた心理療法担当職員等を確保するための被虐待児受入れ加算の創設、こういったようなことを行いまして実質的な改善は図ったところでございます。しかし、当然十分だと考えておるわけじゃございませんので、引き続き入所児童のケアの充実には努めてまいりたいと考えます。
○小池晃君 まあ施設自体が六〇年代から七〇年代に建てられたもので、大部屋中心で、定員に空きがあっても男の子の部屋には女の子入れないとかいろんな問題がある。あるいは個別処遇が必要なのに大部屋では対処できないとかという問題もある。私はやはり、時代に見合った施設の小規模化、あるいは職員配置の基準の見直しということをこれはやっていく必要があると思いますので、是非進めていただきたいと思います。 引き続いて、小慢事業の見直しについてお聞きしたいんですが、これは本当に病気に苦しむ子供と家族を支える大事な制度でした。充実改善が強く求められてまいりました。 今回、法制化によって、対象疾患の追加、あるいはすべての疾患について通院へ対象を拡大すること、二十歳までの年齢延長などの前進が盛り込まれているし、新たに日常生活用具支給などの福祉サービスも実現していると。私、今後もこれは一層発展させていく、次世代育成支援の一環ですから発展させていく必要性あると思うんですが、まず最初に大臣の基本的な認識をお伺いします。
○国務大臣(尾辻秀久君) この制度は創設以来四半世紀がたちまして事業を取り巻く状況も大きく変化をいたしておりますので、各方面の御論議をいただいて、今回の改正におきまして児童福祉法に位置付けるということをいたしたわけでございます。今お話しのとおりでございますから、今後また更に制度の改善、重点化は努めてまいらなきゃならないと考えております。
○小池晃君 そこでお聞きしたいんですが、今年度予算では三十一億七千万円増額になっているんですね。自己負担増とか除外疾患がありますのでマイナスの部分もあるはずです。一方で対象拡大でプラスの部分もあるはずなんで、マイナスの部分は一体どれだけなのか、プラスの部分どれだけなのか、金額や人数について示していただきたいと思うんですが。
○政府参考人(伍藤忠春君) 今回の制度の見直しのうち、まず急性の疾患を除外するということと、それから症状が軽度のものにつきましてはこれを除外するということで、対象を重症者に重点化するということを取り入れておりますが、これによる影響額が七億四千万円の減少というふうに考えております。 それから、逆に、新しい医学的知見に基づく疾患の追加、それから通院に対する給付について、疾患にかかわらず十八歳到達後二十歳までの給付を可能にすると、こういうプラスの部分がございますが、これらによる影響額として二十九億八千万円、こういった増加を見込んでおります。 それからさらに、自己負担を導入するということも考えておりますが、これによる影響額として十二億五千万円程度の減少というふうに考えておりまして、このほか、現行制度分の自然増といいますか、いろんな形での増加というものが二十一億円程度あろうというふうに想定しておりまして、全体で前年度予算に比べて三十億九千万円、約三十一億円の増加というふうなことを考えております。それに、先ほど委員御指摘のありました福祉サービスを新たに始めると。これに約一億円程度要することになろうかというような、大体そんな概況でございます。
○小池晃君 対象除外で七億四千万というのは非常に何か大きい印象を受けるんですが、ちょっとどれほどのものが除外されるのかということについて、これ七億四千万というとかなりの部分除外されるんじゃないかというような印象も受けるんですけれども、今対象になっている人がどうなるのか辺りも含めてちょっとイメージをお話しいただければと思うんですが。
○政府参考人(伍藤忠春君) これ、最終的にまだすっかり固まった段階ではございませんが、大体七億四千万円の対象除外分ということで申し上げましたが、人数にして大体約三万人程度が対象除外ということではないかと。逆に、対象拡大分として三万数千人程度の拡大になるんではなかろうかと、こう大体あらあらそんなことを想定しております。
○小池晃君 これはどういう人が対象になってしまうんでしょうか。ごく限られた重症患者、何というか、症状について言えば、やはりある程度の症状の人というのも除かれてしまうのか、それとも、その辺の程度というのはどのようにお考えなのかを教えていただきたい。
○政府参考人(伍藤忠春君) 今回の基本的な考えでございますこの対象疾患の追加、除外ということで、基本的に、急性の経過をたどるものあるいは症状が軽微な疾患、こういったものについては今回は除外をさせていただくということでございまして、定性的な表現で言えば、急性疾患、急性の経過をたどる、それから、全体としてその症状が軽微なもの、こういうものを除外するというふうに考えております。
○小池晃君 ごく限られた重症患者というだけじゃなくて、やはり継続的に経過観察とか通院検査が必要な患者というのは、これはやっぱり当然対象になっていくと思うんですが、その点はいかがですか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 経過観察というものをどこまで取り入れるかあれですが、そのそれぞれの疾患ごとに、先ほど言いました重症度、重症の患者にある程度この事業を特化していくと、こういうことで制度の安定的な運営を図ろうということでありまして、そこは専門家の先生方の意見を聞きながら個別疾病ごとに重症度基準というものを定めようと考えておりますので、経過を見る必要があるということだけでは必ずしも対象にならないんではないかと。ちょっと、そこは専門家の先生方に意見を聞きながら、具体的な基準を定める中で議論をしていただきたいというふうに思っております。
○小池晃君 三万人、七億円というのは非常に大きいと思うので、やはり必要な人が除外されるようなことは決してないように、そこは大変懸念をいたしますが、望みたいと思います。 例えば、ぜんそくなんかは今まで入院だけだったんですが、今回通院まで対象になっている。ところが、検討されている基準聞くと、今専門家の意見という話だったんですが、一か月に大発作三回以上とかそんな基準も出されているようですけれども、ここまで重度にならなければ対象にならないのでは私は制度の存立の意義が問われると思うんですが、その点、やはりここまで重症にならないように安心して治療が受けられる制度として維持、発展させていくべきではないかと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 対象疾患ごとに、症状の重さ、それから治癒の見通し、治療に掛かる費用、こういう要素を総合的に勘案して重症度基準というものを定めようということにしておりますので、横並びといいますか、ほかの疾病との関係でどういった基準が適当であるか、それぞれのその疾患の特性を見ながら、なかなか判定が難しい、その認定が、基準というもの、なかなかその個別疾病ごとに特徴が違いますので難しい面もございますが、そういった要素を加味しながら、専門家の先生方の意見を最大限尊重して基準を作りたいと、こういうふうに考えております。
○小池晃君 大臣は趣旨説明で、次世代育成支援を推進するために、次世代を担う子供が心身ともに健やかに育つための環境を整備するとおっしゃっているわけで、やっぱり今回の趣旨からいっても、今後はやはり定期的にこの基準とか対象疾患の見直しというのをやって、やっぱりその事業の一層の拡充を今後もやっていくべきだと思うんですが、その点はいかがでしょう。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今後の見直しについてでございますが、まず、今度の本事業の見直し後の実施状況や、まずこれを見たいと思いますし、それからまた最新の医学的知見なども踏まえなければなりません。そうしたことを踏まえつつ、さらに、実施主体となる自治体、医療にかかわる専門家や患者団体などの皆さんの関係者の御意見などを十分に伺いながら適切に対応してまいりたい、こういうふうに考えます。
○小池晃君 予算の確保について続いてお聞きしたいんですが、これ、国二分の一、地方二分の一の事業なんですが、実際には国の予算が足りずに地方の超過負担出ているんですね。〇〇年度は交付率が九八・六%、〇一年度は九四・九%、〇二年度は九一・四%とだんだんだんだん下がって、〇二年度は九億円も不足して、これ地方負担になっているんです。 大臣に私お聞きしたいんですが、これ、予算不足を生じさせないように十分に当初予算確保するということが必要だと思うんですが、その点での大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) この必要な予算確保というのは一番大事なことでございます。最善尽くして所要の予算額の確保に努めてまいりたいと考えます。
○小池晃君 それから、これはもう同僚議員からもいろんな角度で指摘があった問題なんですが、大臣には事前に患者会の方の訴えが届いているはずで、昨日もお渡ししましたけれども、これは一型糖尿病といって、インシュリンがなければもう生きていけない患者さんたちの団体からの訴えなんですね。二十歳までは今回制度の対象になるが、二十歳超えるともう全く医療費補助がないと。二十歳超えたら病気が変わるわけじゃなくて、二十歳過ぎても全く同じ病気なわけですから、やはり二十歳以上の患者に対しても医療費の補助をしてほしいという願いなんです。もう本当に切実な訴えだし、当然のことで、二十歳超えても病気は変わらない、同じように続くわけですから、やはりこういったものをしっかり継続してほしいというのは私、当然の声だというふうに思うんですね。 その点、患者会の訴えも行っていると思うんですが、どうおこたえになるか、大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(尾辻秀久君) これも先ほど来御指摘をいただいております。そのたびにお答えを申し上げておりますけれども、よく整理をして検討させていただきたい。大変お気の毒な状態にあることはこれは間違いのないところでありますから、いろんな制度をこの際ですから整理してみたいというふうに考えております。
○小池晃君 実際は、二十歳過ぎると、新たな問題として、病気があることで就職できないとか、そういう新たな問題実はあるわけですね。厚生省の委託研究でも、患者家族の行政に対する要望の一位は小慢事業の継続で、二番目は十八歳以降も対応してほしいという要望ですから、やはりしっかりこたえて検討すべきだと思います。 それから、私どもはこの点についてはこの法案全体の中で異論を持っているところでありますけれども、自己負担の導入です。 無理のない範囲といいながら、入院で月一万円、通院で月五千円程度。先ほども指摘ありましたけれども、実は表を見ると一万円超えているんですね。大体一万一千円ぐらいのところに最高の線があるような図が出されていて、月五千円といっても毎月毎月この通院必要なわけで、これで本当に無理のない範囲と言えるのかと。 少子化対策基本法では、国、地方自治体が経済的負担の軽減を図るため必要な措置を講ずるというふうに定めておりますし、国連の子どもの権利条約では、到達可能な最高水準の健康を享受する権利があるんだと、いかなる児童もこのような保健サービスを利用する権利が奪われないことを確保するために努力するということがうたわれているんですね。 私は、今回の見直しの中で、やはりこの自己負担の導入というのは、この少子化対策基本法あるいは国連の子どもの権利条約、この精神に反するものではないかという異論を持っているんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) このたび医療費の自己負担をお願いをいたしております。これは、私どもとしてはできるだけ全体的に無理のない範囲の負担を求めたつもりでございます。ただ、これについてはいろいろ御議論はあろうかと思います。 ただ、一つだけ率直に申し上げさせていただきますと、この負担をお願いしたことが直ちに健康に関する児童の権利を規定した児童の権利条約の精神に反するということではないと私どもは考えております。
○小池晃君 いや、私は、この精神にと私申し上げましたけれども、反するものだと思います。 財源の問題でいいますと、これは実は三月の当委員会で私、坂口大臣と議論させていただいたんですが、配付した資料にありますように、これは実は事業費の四割は内分泌疾患が占めておりまして、その大半は実は成長ホルモン製剤の値段なんですね。 これ、厚労省の資料そのものを私持ってきた、中医協の資料なんですが、実際には諸外国の値段と比べて約二倍で、この薬価を外国並みに引き下げれば二十億円の医療費が大体節減できると、これ前回、議論でそういう答弁があったんですよ。今回の自己負担の引上げ、さっきの議論にあったように二十億円ちょっとですから、まあ単純な話でいえば、これをやれば自己負担導入の必要性なくなるという、こういうふうにも言えるわけです。 坂口大臣は、その議論の中で私に対して、倍というのは高過ぎると、もう少し努力しなきゃいけないと、格差是正に努めたいと答弁されたんですが、保険局長、その後どのような検討をされていますか。
○政府参考人(水田邦雄君) お尋ねの成長ホルモン製剤の内外価格差の問題についてでございますけれども、中医協におきましては平成十六年の薬価改定の中で議論が行われたところでございます。そこでの議論としましては、まず、これは御存じのことかと思いますけれども、この製剤につきまして平成八年度の薬価改定で一三・二%の薬価の引下げが行われたということ、それからこの製剤の日本における市場規模が縮小しているということ、こういった議論が行われた結果といたしまして、結論として、特別の新たな再算定ルールを設けることなく、他の医薬品と同様に市場実勢価格に基づく改定を行うこととされたところでございます。具体的に申し上げますと、この本年四月の薬価改定におきまして、銘柄ごとでございますけれども、一%から最大で二八%の引下げが行われたところでございます。 いずれにしましても、薬価算定ルールにつきましては二年に一度の薬価改定時に見直しを行っているところでございまして、御指摘の内外価格差の問題も含めて、今後、中医協において更に検討を行うということでございます。
○小池晃君 ここで指摘した成長ホルモン製剤についての引下げはやっていないわけですよね。行われたわけですか、この該当製剤が。
○政府参考人(水田邦雄君) この資料で掲げられましたものにつきましても引下げを行っております。
○小池晃君 二割程度ということであれば、まだまだ価格差というのは残っているわけで、私はやはりこの自己負担の導入ということに行く前にもっともっと検討すべきことがあると。やはりこの小児慢性、小慢事業の中でこの薬の占めている割合というのは物すごく大きいんですよね。だから、私はここのところにもっともっとメスを入れる必要があるというふうに考えるんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 確かに二倍というのは差が大き過ぎると思いますし、当然また次の改定の際に議論されることになると思いますが、私どもとしては薬価の適正化というのは求めていきたいと、こういうふうに考えます。
○小池晃君 最後に、この乳幼児全体の医療費をじゃどうするのかということについてお伺いをしたいんですが、乳幼児、六歳未満の医療費助成を国が実施した場合に必要な予算、これは今幾らということになるんでしょうか。局長、お願いします。
○政府参考人(伍藤忠春君) 仮に現在のこの乳幼児の医療保険の自己負担額を国が二分の一を負担すると、こういうふうな仮定で計算をいたしますと、三歳未満までで六百億円、六歳未満までで約千百五十億円と、こういうオーダーの数字になります。
○小池晃君 それから、更にお聞きしたいんですが、すべての自治体で医療費助成制度をやられているんですけれども、独自にその助成、特に現物給付やった場合は自治体に対するペナルティーがやられています。この金額について最近の状況を明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(水田邦雄君) 先生御指摘のとおり、地方単独事業におきまして医療費の窓口における自己負担の減免を行っているという場合には、一般的に医療費の増大が見られるということから、法定割合どおり徴収している市町村との間の不公平が生ずるということになるわけでございます。そのために、国庫負担金の公平な配分という観点から、法令に基づき国庫負担の調整を行っているところでございますが、その調整額は平成十四年度で約六十六億円でございます。
○小池晃君 これは二〇〇〇年度は四十九億円という答弁だったんですけれども、それが六十六億円ですから、まあ三割も増えているわけなんですね。まあ小児慢性の対策ももちろん必要なんですが、やはり子供全体の医療費を無料化してほしいという願いは、すべての自治体でこれ助成事業をやっているというところから、そこではっきり分かるように、やはり国の制度として実現するということが求められていると思うんですね。ところが、実際にやっていることは逆に、努力して現物給付やっているような自治体にはペナルティー六十六億円というのが実態なんですよね。 やはり大臣に私はお伺いしたいんですが、小児難病も含めてですが、やはり子育て支援、少子化対策というのであれば、やはり国の事業として乳幼児医療費無料化ということを本当に検討すべき時期に来ているんではないかと。それと同時に、こういうペナルティーというのはやはりやめるべきだというふうに思うんです。坂口大臣も、これは検討の一つだというようなこともおっしゃっているんで、是非、今後国としての検討課題の一つだという立場を示していただければと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 是非御理解もいただきたいと思いますことは、本当に厳しい保険財政の中で、平成十四年の十月から三歳未満の乳幼児に対する医療費の一部負担を三割から二割に引き下げた、まあ引き上げたと言う方が正しいのかどうか分かりませんが、とにかく三割負担から二割負担にしたという、私どももいろいろ努力をしておるということは御理解いただきたいと思います。 しかし、そうした中で、更に私どもが努力は続けていかなきゃならないわけでございますし、坂口大臣の答弁が、また検討の一つだというふうに言われたことはそのとおりでありますので、その答弁から後退しないように私も努力をしてまいりたいと、こういうふうに考えます。
○小池晃君 難病を抱える患者さん、子供たちも親御さんも特別な本当に苦難を背負っているだけじゃなくて、やはり乳幼児医療費全体について、本当に少子化対策ということであれば、そこに踏み込む検討を本格的にしていく時期に来ているというふうに思いますので、是非引き続き前向きの努力を求めたいというふうに思っています。 以上で終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 まず、子供への予算について御質問をいたします。 我が国の社会保障給付は、高齢者関係給付の比重が比較的高く、児童・家族関係給付の比重が低いのですが、高齢者関係給付費は五十八兆四千三百七十九億円、六九・九%、約七〇%、社会保障給付費の七割が高齢者関係、もちろんこれは必要なわけですけれども、占めております。 ところが、児童・家族関係給付費はわずか三・八%、三兆千五百十三億円です。少子化、子供が大事と言いながら極めて低い、あるいは家族が大事だと言いながらとても子供予算が少ないのですが、この点について、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今御指摘のことは、このところ社会保障を考える上で各方面から指摘をされておることでございます。 本年六月に閣議決定いたしました少子化社会対策大綱におきましては、社会保障給付について、大きな比重を占める高齢者関係給付を見直し、これを支える若い世代及び将来世代の負担増を抑えるとともに、社会保障の枠にとらわれることなく次世代育成支援の推進を図ることとしたところでございます。 またさらに、先月発表されました世論調査結果におきましても、国民の八割が少子化の進行について危機感を感じておりまして、多くの国民が少子化の進行が年金等の社会保障制度に及ぼす影響を懸念しているところでございます。 こうした各方面からの御指摘もございますから、社会保障制度全般についての一体的な検討を今進めておるところでございますから、そうした中で、次世代育成支援対策をその中での重要な課題の一つとして位置付けて検討を進めていきたいと考えております。
○福島みずほ君 OECD基準による社会支出のうち家族分野への支出割合の国際比較二〇〇一年も、スウェーデンは九・八八%、フランスは九・八六%、イギリスは九・九七%、ドイツは六・九〇%ですが、日本はわずか三・四三%でしかありません。 私が思うには、高齢者関係給付費を削るというよりも、全般的に、今回、三位ばらばら改悪でも痛感をしているのですが、弱い部分の切捨てを行っている。子供は有権者でないから切り捨てるというわけではないでしょうけれども、余りに家族分野への支出、子供に対する支出が極端に少ないのですが、厚生労働省、これについてもう一言、この分野の支出についてお願いします。
○国務大臣(尾辻秀久君) 申し上げましたように、お答えいたしましたように、その辺のバランスをどうするか、バランスと申し上げたのは、お年寄りに対する部分と子供たちに対する部分の、その社会保障費のバランスという意味でありますけれども、ここは大変大きな課題だと。今、社会保障を見直す中で、全体を見直す中で、極めて大きな課題だというふうに認識をいたしております。
○福島みずほ君 先日からも、また今日も出ましたけれども、先日、児童相談所を視察をいたしました。建物が古くなっておりますし、子供たちが、虐待を受けた子も、いわゆる非行の子も、迷子の子も、親のいない子供も、みんな一緒のところにごった煮で入れられていると。そして、個室ではないわけですね。 ドイツの世界最古の高齢者施設というのをたまたま見たことがあるんですが、中世に建てられているけれども、これ、個室なんですね。日本は本当に個室になかなかならない。施設も含めて、子供が安心できる場所を作ることにもっと予算を掛けるべきではないでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 児童相談所あるいは一時保護所、これは都道府県の行政機関ではありますが、私ども社会福祉施設等施設整備費という国庫負担制度の対象にしておりますので、こういうものを利用してできるだけ改善を図っていく必要があるかと思っております。 それから、児童が直接入ります児童養護施設その他の施設そのものでありますが、こういったものについても、近年はできるだけ、国庫補助制度の中で、個室化でありますとか一人当たりの面積を引き上げると、こういった改善措置には努力をしているつもりでございます。
○福島みずほ君 高校生などになりましたらやはり個室がある方が絶対にいいわけで、是非、単に面積というだけではなく、プライバシーを守るとか、そういう心身の安定ということから、個室をする、あるいはもっと細かなケアをしていくというようなことをお願いをいたします。 ところで、ずっと三位一体改革について質問をしてきました。まあ、三位一体改革ならぬ三位ばらばら改悪、最近は三位ぐじゃぐじゃ改悪、あるいは福祉弱い者切捨て改革になっているのではないかというふうに思います。 あした、二十六日には何か結論が出るやに聞いて、もうぎりぎりになっているところですが、この児童虐待についての一般財源化、DV、婦人保護事業などについての一般財源化について大変危機感を持っているので、改めて質問いたします。 税源移譲に関して、首長さんと現場の児童相談所長の意識の間に大きなずれがあります。知事、市長は圧倒的に賛成をしておりますが、児童相談所長の賛成は一六・六%にとどまり、五八・三%が反対をしています。児童福祉施設措置費に関しても、児童相談所長の半数は措置費について国基準が必要と回答をしています。児童福祉配置格差についても、児童相談所長の七割以上が国基準が必要と回答をしております。この点について私は、首長さん、市長さんの間と現場との間でもずれがありますし、国とまた首長、市長さんとの間にも大きくずれがあるように思っております。 現在でも、自治体間の取組については、児童虐待は大きな大きな格差が存在をしております。例えば、一例を挙げますと、施設関係、地域小規模児童養護施設は、実施自治体数は三十四、実施割合は五六・七%にしかすぎません。被虐待児個別対応職員は、実施自治体数は四十二にしかすぎません。そういう意味でも非常に格差が存在をしている。 そうしますと、自治体によっては十分予算がない、取組がなされないために子供の命が奪われるということが起こり得るわけですが、命を捨てる、切り捨てる三位一体改革になるのではないかと本当に危惧を持っております。 現在でも既に存在する自治体間の取組格差をなくすためにどのような措置が必要なのか、具体的にお願いをします。
○国務大臣(尾辻秀久君) 今お話しいただいておりますように、児童虐待防止対策につきましても大きな地域間格差がございます。その地域間格差を埋めるためにも国の支援が不可欠であると考えておるところでございます。 そうした中での三位一体改革でございますけれども、私どもは、したがいまして、国が積極的に関与しながら国と地方を挙げて施策を推進していく必要がある、したがって、これら関係補助金は維持すべきだということを提案をいたしておるところでございます。 私も何回か地方団体の長の皆さん方とも話合いもしましたし、議論もいたしましたけれども、なかなかその考え方の溝が埋まらずに今日になっております。大変残念なんですが、私どもの考え方は最後まで申し上げながら、こうした児童虐待防止だけに限らず、社会保障全般、国と地方が役割分担をしながら実施していかなきゃならない、そのことを御理解いただけるように最後まで努力をしたいと考えます。
○福島みずほ君 DVの方は、十二月二日に内閣府が指針を出し、各都道府県が基本計画を作ることになっています。予算の面はさることながら、それがささやかながら担保になればと思っているんですが、児童虐待の方は具体的にどんな担保があり得るのでしょうか。栃木県で子供が亡くなりましたが、明らかに児童福祉司が足りなかったとも言われております。 その意味で、今後、この三位ばらばら改悪ならぬ三位ぐじゃぐじゃ改悪で、具体的に児童福祉司が足りなくて子供が亡くなるような事態が生じた場合に、一体だれが責任を取るのかというふうにも思います。厚生労働省はその点どうお考えでしょうか。具体的に子供が亡くなったときにこの政治の責任はだれが取るんでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) そういう事態のだれが責任を取るのかというふうにお聞きいただきますと、どうお答えすればいいかなと思いつつ今立ったところでありますが、それは、もう国も市町村も都道府県も、とにかくみんなで責任取らざるを得ないなというふうには思うところでございます。 しかし、今申し上げたいことは、そういう事態にならないように、この三位一体の改革、何とか私どもが提案しているような方向で答えが出るように努力をいたしますというお答えにさせていただきたいと存じます。
○福島みずほ君 厚生労働委員会で厚生大臣にぎゃあぎゃあ言うのも変で、本当は別のところで言うべきかもしれませんが、是非あした結論が出る三位一体改革の議論の中でこのことがきちっと議論になるようにと思っています。 ただ、厚生労働省に提案をしたいのは、何らかの形で地方分権になったり、現在でも更に格差が存在しているときに、厚生労働省がどのようなイニシアチブを取ってナショナルミニマムを保障していくのか。例えば、格差是正のためにある種の指針を出す、あるいは都道府県を何かの形で縛れないかとか、その点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) これは基本的な、何といいますか、一般的なことでございますが、国の役割ということから、ある程度のその業務の在り方についての指針を示すというようなこと、今回のこの問題につきましても、私ども市町村のガイドラインを早期に策定しなきゃいかぬと思っておりますが、例えば、そういう役割でありますとか、あるいは児童の福祉の関係で申しますと、いろんな各種施設の最低基準を策定して、この基準は守っていただくと、こういう指針を、ものを示すと。それから、今議論になっておりますような児童福祉司の配置、これは都道府県の職員でございますからなかなか難しいんでありますが、一つの目安として、交付税の措置できちんと財政措置をするからこれは守っていただきたいと。さらには、児童福祉司に関しましては政令というものに、今ちょっと実態と懸け離れておりますから、この改善が言われておりますが、こういったことで基準を示していると。 いろいろ国の役割というのは、そういういろんな形での業務の指針、基準を示すと、そういうところに一つの役割があるんではないかなというふうに考えております。
○福島みずほ君 ガイドラインということが出ましたけれど、今後早急にやって、凸凹の凹の自治体をなくしてもらうためにそれは頑張っていただきたいと思います。 ただ、自治体側は、指針があったり命令をされてもないそでは振れないと、予算がなければやれないという声も聞こえるんですが、その点は大臣いかがですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) そういうことにならないように私どもとしては対応していかなきゃならない、こういうふうに考えます。
○福島みずほ君 じゃ、これはこの厚生労働委員会挙げて、子供に対する命の問題についての予算や自治体の取組について意見を何らかの形で示していくことが必要だと考えます。 質問通告をしていないんですが、この三位一体の最後の瀬戸際になって、生活保護とともに児童扶養手当の国庫負担を四分の三から三分の二に減らされるという決定がなされるやにも聞いています。児童扶養手当についての国庫負担については今どういう状況でしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 申し上げましたように、先日、私どもが代替案として出しました案の中に、今お触れになりました児童扶養手当の国庫補助率の引下げというものは提案をいたしたところでございます。
○福島みずほ君 児童扶養手当に頼っているシングルマザーの人たちもたくさんいるわけですけれども、四分の三が三分の二に国庫負担になれば、財政状況が極めて悪いほとんどの自治体は児童扶養手当のカットに、削減になってしまうのではないかと。 結局、少子化社会対策とか次世代育成支援と言いながら、子育てがしにくいということが起こり得ると思いますが、これはいかがでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 三位一体の改革といいますのは、もう申し上げるまでもありませんけれども、税源移譲、財源移譲が伴うものでございますから、その分は税源移譲されるものであります。したがって、地方自治体の方での対応は変わらないものと考えております。
○福島みずほ君 国庫負担が四分の三、三分の二に減らされる決定がなされそうだということで、現場の児童扶養手当をもらっているシングルマザーの人たちから非常に不安の声が現在上がっております。ですから、これが現状と変わらない支給がなされるよう、厚生労働省としてもチェックを、私たちもしますが、是非よろしくお願いします。 三位ばらばら改悪のもう一つ、三弾目といたしまして、婦人保護事業費補助金の移譲ということについても一つ質問をさせていただきます。済みません、これはちょっと通告をしていないんで、三位ばらばらの一環で聞いてください。 手紙をいただきまして、婦人保護事業のことなんですが、婦人相談所にたどり着く女性、婦人保護施設を利用する女性たちは、その生育歴に不十分な養育環境、経済的貧困、性的暴力、身体的、精神的な暴力など、悲惨な実態がうかがわれると。また、知的障害等がある女性たちが売春で身を立てざるを得ない実情は現在でもありますと。DV被害により施設に保護されてくる女性たちのほとんどが児童同伴ですと。現在は、母親が養育能力不十分と判断された子供たちは乳児院、児童養護施設に預けられています。日本には養育能力不十分な母子が生活する施設がないのです。障害などによって養育能力不十分な母子がともに生活できる権利が国の責務によって守られる必要があると考えますと。 余り議論になっていませんが、この婦人保護事業費補助金も移譲対象になっているんですね。この点についていかがでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 地方六団体の御提案の中には、地方に移すべきものとして挙げられております。ただ、私どもが代替案としてお出しした中には、それは引き続き国がやるべきものとして代替案を出しておると、こういうことでございます。
○福島みずほ君 この三位一体改革は、奇妙なことに、私たちは地方分権に大賛成なんですが、ナショナルミニマムとして国が頑張れと、首長さんは何を考えているというふうに言わなくていけないところが非常にねじれているところですが、全国の中でこの婦人保護事業に本当に凸凹ができ、格差が起き、婦人保護事業がやれない自治体が出てくることを大変懸念を持っております。 大臣、もうあと一日になってしまったんですが、三位一体改革が二十六日、ある程度、このなかなか日の当たらない、声が余り出されていない、首長さんも実は余り重要視していない分野が一括して国から移譲されると。ここはナショナルミニマムを保障するために厚生労働省は頑張っていただきたいと思いますが、これからまあ、これからも頑張っていただくという意味で決意をお願いします。
○国務大臣(尾辻秀久君) 昨日も随分議論をいたしました。四大臣に呼ばれまして、私ども厚生労働省の主張を私なりに述べたところでありますが、更に、今晩一晩でありますから、しっかりと我々の意見は述べていきたいと、こういうふうに考えております。
○福島みずほ君 総務省が大規模公共事業にメスを入れずに、福祉と教育、特に子供、女性のところにしわ寄せとそれをやっていることには本当に反対で、こういう光の当たらない部分を切り捨てる三位ぐじゃぐじゃ切捨て改革はやっぱり許さないということで、一緒に頑張っていきたいと思います。 次に、児童虐待、この児童福祉法の話にまた戻ります。 里親、今回五十年ぶりに児童福祉法改正の中に里親条項が入ります。里親の人たちに意見を聞いてみました。里親に教育、監護、懲戒権という重要な権限を与えていただくことは大変有り難いという声もありました。ただ、ちょっと懸念を感ずるのは、里親の懲戒権の規定についてです。民法の懲戒権の規定については、懲戒権の規定を削除すべきではないかという議論も今強まっていると思いますが、法務省、いかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 子供の懲戒に関しましては、民法は、親権を行う者は必要な範囲内で自らその子を懲戒することができるということで懲戒権を定めているところでございます。これは、親権者が、子供の監護上、子供の非行や過誤を矯正し、それを指導するために必要かつ相当な範囲内の措置を取ることを認めたものでありまして、この懲戒としてどの程度のことが許されるのかということは、その子供の性格であるとか年齢、それと矯正しようとする子供の非行の種類、性質、程度、こういうようなものによって定まると考えられておりますけれども、いずれにいたしましても、この懲戒権は子のために行使をするということが期待をされているわけでありまして、そういう観点からいたしますと、民法においてはそもそも権利全般についてその濫用が許されないということを明確に規定しているところでありまして、民法上、子を適正に監護するというために必要な懲戒権の規定につきましては、今後もそれを存続する必要があるものと考えております。
○福島みずほ君 しかし、民法の中には懲戒場に入れることができるという条文があり、現在は懲戒場はありませんから、全く実は死文化した規定です。今、学者の中などから、家族法やいろんな学者の中から懲戒権は削除すべきだという意見も強いと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) これは、先ほどの同じ条文の中に、子供を自ら懲戒するということと並びまして懲戒場に入れるということが規定をされております。この懲戒場については、御指摘のように実際上用いられていないわけでありますが、しかしながら、子供を適正に監護する上で親が一定の場合に懲戒をするということが必要であるということは、これは事の性質上ある意味では当然のことではないかと。その当然の事理をこの民法は規定しているわけでございますので、いろいろ御議論があることは承知しておりますが、少なくとも私どもとして現在の段階でこの懲戒権の規定について削除をする必要があるとは考えておりません。
○福島みずほ君 ただ、親権、親の権利については、権利、懲戒権というよりも、親の監護の義務あるいは子供を養育する義務というふうにも、最近は大きく、親の方も、包括的な権利というよりも子供のための権利というふうに概念が転換をしているというふうに思います。その点はいかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) それはもう御指摘のとおりでありまして、親権というのは子供を適正に監護するために親に認められているわけであります。ですから、先ほども申し上げましたように、この民法の懲戒の規定にいたしましても、親のためにあるわけではなくて、子を適正に監護する上で必要な場合に限って初めて正に子のために行使をすると、そういうことが期待されている権利だろうと思っております。
○福島みずほ君 児童虐待防止法ができるときに、体罰、懲戒権とこの児童虐待防止をどうするかという議論がありました。何人も児童を虐待してはならないという条文が入っています。それは、虐待する親がしつけだというふうに思い、かつ言い、やるわけで、それが実は体罰、虐待だからこそ、児童虐待防止法の中に何人も児童を虐待してはならないと入ったはずです。 懲戒権は、親はみんな子供のために懲戒をしているというふうに思うと思うんですが、この懲戒権については是非、学説の中にも非常に議論がありますので、懲戒権、特に懲戒場がなくなっている現在、もう正当の理由がないというふうにも言われていますので、これについては是非見直しを強く要望します。 それとの関係で、改めて、懲戒権そのものについて議論がある中で、里親の懲戒権について条項が入るということについて、里親の人にしてみれば権利があると書かれることの安心感というのがあると思うんですが、里親の人がいろんなストレスから子供を殺してしまったというケースも現にありますので、この懲戒権については実は微妙なところもあるというふうに考えますが、厚生労働省いかがでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 今回の改正におきましては、里親制度がなかなか普及しないその一因として、監護等に関する里親の権限が不明確ではないかと。したがって、安心して養育に携われないと、こういう御指摘が従来からあったわけでありまして、こういう背景を受けまして、その里親についても、児童福祉施設長には今認められておりますので、施設長と同様に監護、教育、懲戒に関して児童福祉のため必要な措置を取ることができることを明確化すると、こういう趣旨で導入したもので、もちろん、この懲戒に関する権限が濫用されてはならないことは言うまでもないことでございます。 したがいまして、厚生労働省令の中で、施設長に対すると同様に、里親に対してもこの懲戒に関する権限の濫用禁止について明確に規定をし、これを普及して啓発してまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 政令で懲戒権の中身について規定すると聞きましたが、具体的にどのような政令を作られるつもりでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 政令ではなくて厚生労働省令を考えておりますが、この中で懲戒に係る権限の濫用禁止というようなことで具体的に明記をしたいということで今案を考えているところでございます。
○福島みずほ君 懲戒権については議論があるところであり、里親の人たちには、監護、教育、いろんな権利が親権というような中身を書けばいいのであって、この懲戒権が省令の中でどのように書かれるのか大変危惧を持っております。衆議院の段階では懲戒権を削除すべきだという修正案も出たやにも聞いておりますので、私は、必要ないのではないか、今後どういうものになるかについてきちっと見守っていきたいと思います。 専門里親制度に関して厚生労働省は頑張っておられるのは分かりますが、残念ながら、親が育てられない子供を養育する場合、子供の家庭で育つ権利は七・四%の子供にしか保障されていない。九二・六%の子供が施設で育ちます。これは諸外国に比べて極めて高いわけですけれども、里親制度がなぜこんなに普及しないのかということについてはいかがでしょうか。委託がなぜ少ないのかについての厚生労働省の分析はどういうものでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) これはなかなかいろんな背景が、あるいは国民意識とかそういうものがありますのでなかなか明確に断定することは難しいのでありますが、我が国の福祉制度全体がどちらかといえば施設に、今までの他の制度も含めて施設に収容するというような形で進んできたこととも関係があろうかなというふうに思っておりますが、児童の分野でもそういったことで、どちらかというと、いろんな養護を要する要保護児童についても施設に収容すると、施設で対応するというようなことを基本にしてきたところが一つの要因かなと思いますし、それから、国民の側の意識としてもなかなか、子供を預かって育てるということに対する意識がなかなか進まなかった。行政の側の啓発の不足というようなこともあるのかもしれませんが、それぞれのいろんな事情が相まって今のような状況になっているんだというふうに考えております。
○福島みずほ君 里親を取り消す人もいるようですが、厚生労働省としては、施設よりも家庭の方がいいわけですから、どういうふうに考えていらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 里親になっていただいて、この現在の状況ではなかなか、子供の方の状況も、虐待を受けた子供といったような形で処遇の難しい子供がだんだん増えておりますので、里親になることもなかなか大変な状況になっておりますので、こういう里親に対する支援体制を充実していくということが、こういう里親をこれから伸ばしていく一つの方向ではないかなということで、この数年来、いろんな里親に対する研修制度でありますとか、あるいは里親が一時期休息をできるようなレスパイトケアといったような制度でありますとか、今年度から里親のところに、ヘルパーといいますか、一時的に援助をするような、そういう家事の援助をするような方を派遣すると。それから、里親同士がいろんな悩みを相談し合う場を設定するとか、そういう様々な里親に対する支援対策、これをできるだけ充実をして、それから、併せて里親制度について、いま一度全国的にこう、普及、啓発といいますか、できるだけ知っていただくということを地道にやっていく、そういう両面を併せてやっていくことかなというふうに考えております。
○福島みずほ君 専門里親制度について充実をお願いします。 ところで、今度の法案の中で、保護者が指導措置を受けない場合に、家庭裁判所が都道府県に勧告をすることができるというふうになっています。 しかし、都道府県としては、勧告を受けたとしても非常に間接的なわけですね。親にこの指導措置、指導を受けろということを言うのは非常に間接的で、これはうまく機能をするのでしょうか。あるいは、衆議院の議事録を見ますと、この指導措置を受けない親には子供を返さないようにすべきではないかという議論も出ておりますが、どうなんでしょうか。家庭裁判所がもっと直接に保護者に対して指導措置を受けろということを勧告する、そのようなことはできないのでしょうか。法務省お願いします。
○政府参考人(房村精一君) 今回の児童福祉法改正法案を拝見いたしますと、御指摘のように、家庭裁判所が、児童福祉法二十八条一項の入所措置の承認審判に付随して都道府県又は都道府県知事の委任を受けた児童相談所長に保護者に対する指導措置を取るよう勧告することができるという制度が新しく設けられております。 ただいまのお尋ねは、この勧告の制度を更に進めて、裁判所が直接保護者自身に対して指導を受けるよう命ずることができないかと、こういうお尋ねでございます。 この児童福祉法上の保護者に対する指導措置、これは児童の健全な育成という行政目的を達成するための行政処分であります。したがいまして、この行政処分を裁判所が受けるように保護者に命ずるということになりますと、ある意味では裁判所自らが行政処分を行うのと同じような評価がされるということになるのではないか。 現在の日本の法体系で大きく行政と司法の役割を考えますと、一般的には司法は行政権の行使をチェックすると、こういう役割を基本としているわけでありまして、御指摘のような、裁判所が直接保護者自身に対して指導を受けることを命ずるというような仕組みにしますことは、現在、申し上げた基本的な司法と行政の役割分担というものに照らして問題があるのではないかと、こういう具合に考えております。
○福島みずほ君 勧告を受けた自治体がどのような勧告を本当に実際やり、やったかどうか、それからその勧告がどのように機能したのかという検証が絶対に必要だと考えています。 厚生労働省は、勧告の検証ですね、その後の、それについてきちっと行われるのでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 今回のこの法改正によりまして導入いたしました保護者への、家庭裁判所による保護者への勧告、これが実際にどのように機能したかということは、今回の法改正の一つのポイントでもございますので、今後の法改正の施行状況、よく把握をして評価をしたいと考えておりまして、そういった面も含めて保護者指導の効果的な実施に努めていきたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 虐待をする親への治療プログラム、家族再統合プログラムについて、現状はどのように行われているのか、プログラムを受けるための費用は保護者自身の負担なのか、ひどい親に限ってなかなかその治療プログラムを受けようとはしないのではないか、こういうことなどについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 保護者に対する治療プログラム、これはなかなか、対人サービスといいますか、実際に受けてもらえないケースもあってなかなか難しいわけでありますが、粘り強く働き掛けると。そのためにも今回、家庭裁判所による、司法による勧告というような措置も導入をして一定の権威付けを行うということでやっておるところでございます。 具体的なそのプログラムにつきましては、東京都、そのほか各自治体で先駆的に開発をしてきたプログラムもありますので、そういったものと併せて、私ども厚生労働省でも国による研究費でいろんな研究も行っておりますが、まだこれが唯一効果的だというようなものではありませんので、そういったいろいろ様々開発されているものを総合的にこれからもう少しブラッシュアップして、保護者指導というものに実のあるものを開発をしていきたいというふうに考えております。 保護者の費用負担ということでありますが、これは基本的には行政が行う行政サービスでありますので、例えば実費程度のものを何か取るというような自治体は場合によってはあるのかもしれませんが、基本的には特段の保護者負担は要しないものだというふうに考えております。
○福島みずほ君 ドメスティック・バイオレンスにおいて加害者の研修、治療、教育をどうするかというのが大問題で、外国でもうまくいっているという説とうまくいってないという説とあるんですが、日本で行われている家族再統合プログラムは、一緒に料理を作るとか、だからどういうレベルなのか。今日はもう時間が余りありませんので、是非そのプログラムの中身などについて教えていただきたいと、子供を戻していいのかどうかということも含めて、是非お願いします。 NPOの援助についてですが、DV防止法は、国はNGOに対して協力をすることができるというふうに、援助をすることができる、失礼しました、援助をすることができるという条文があります。児童虐待に取り組むNGOあるいは子供の家、カリヨンの家みたいなものできていますけれど、NPOへの援助について厚生労働省自身はどうお考えでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 虐待防止に向けて地域で活動する民間の方々の協力というのは、これ非常に大事なことでありますので、今回、法律に基づいて推進をしようとしております虐待防止ネットワーク、こういったところに積極的にNPO等の団体が参加をしていただくということは必要なことではないかというふうに思っております。 それから、さきに成立をいたしました児童虐待防止法におきましても、関係機関及び民間団体の連携の強化、あるいは民間団体の支援というものが盛り込まれたところでありますので、今後ともこういった趣旨を尊重しながらできるだけ連携強化に努めていきたいというふうに思っております。
○福島みずほ君 児童相談所に相談した後死亡するケースをなくすために、どのような措置が取られているでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君) 虐待による児童が死亡という大変痛ましい事例、こういったものをなくすためにということでございますが、私どもとしては、まず、先ほど来答弁しておりますように、いろんな背景、要因の分析というものを取りあえず今年の二月に実施をいたしましたが、さらに、専門的な観点からこれを掘り下げて更にこれを精度の高いものにしていくということをねらいにいたしまして、今年の十月に社会保障審議会の中に児童虐待の検証に関する専門委員会というものを設置をいたしましたので、こういうところで児童虐待の死亡事例などの重大案件の検証を行っていただき、その統一的な、何といいますか、対応策につなげていきたいというふうに考えております。 それから、全国の児童相談所の実情、実態がどうなっているかということをもう一度つぶさに点検をしたいということで、職員あるいは専門家がチームで直接出掛けて、これから四、五か月掛けて全部、全国の児童相談所の実情を把握すると、こういう取組も始めたばかりでありますので、そういうことを総合的にやりながら、虐待あるいは虐待による死亡、こういったものの防止に最大限の努力をしていきたいというふうに思っております。
○福島みずほ君 職員数が少なく、かつ精神的な負担の多い職員の人たちに対して、カウンセリングを始め精神的なケアが必要ではないか。あるいは、DVとまたちょっと違って、児童相談所には加害の親も被害の子供も両方来てしまう。両方のカウンセリングが必要であるという点でなかなか大変だと思いますが、職員の身体的な安全の確保についてはどう努力をされているか、教えてください。
○委員長(岸宏一君) 伍藤局長、時間ですから簡潔に御答弁願います。
○政府参考人(伍藤忠春君) 児童相談所職員のメンタルヘルスというものについても、大変この重要性は増しておりますので、先ほども申し上げました全国の児童相談所の実情調査、こういった中でも、業務の実態と併せてこういうメンタルヘルスの面についても私ども事情を聴取していきたいというふうに思っております。
○福島みずほ君 最後に一言。 三位ばらばら改革が明日大詰めを迎えますので、是非、福祉を切り捨てないように、子供の命がこれで奪われたら三位ばらばら改悪のせいだと言ってやるぞと思っておりますが、是非厚生労働省頑張ってくださるようお願いして、私の質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) ほかには御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 児童福祉法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岸宏一君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、山本君から発言を求められておりますので、これを許します。山本孝史君。
○山本孝史君 私は、ただいま可決されました児童福祉法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 児童福祉法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。 一、児童福祉司等専門職員の資質の向上を図るとともに、その配置基準を見直す等、児童相談所の体制の拡充に努めること。また、全市町村における要保護児童対策地域協議会の速やかな設置を目指すとともに、新たに窓口となる市町村においても専門性を確保できるよう必要な技術的支援を行うこと。 二、子どもたちが良好な家庭的環境の下で生活できるよう、職員の拡充、施設の小規模ホーム化等児童養護施設の改善に取り組むこと。また、施設を退所した児童に対する生活拠点を確保し、就労支援が適切に行われるよう自立援助ホームの設置の促進及び機能の充実強化を図ること。 三、里親制度の普及を図るため、一層の啓発に努めるとともに、里親への支援体制を強化すること。 四、児童福祉に関する家庭裁判所の機能の強化に向けての取組を進めること。 五、保護者に指導措置を受けさせるための勧告が実際にどのように機能したのかを検証すること。また、指導措置の内容について専門的・学術的観点からの研究を更に進めること。 六、国及び地方自治体における関係機関の連携強化を図るとともに、民間団体、NPOとの一層の連携を図ること。 七、保護者への指導・支援の在り方、虐待事件の検証結果などが有効に活用されるよう地方自治体への周知徹底に努めること。 八、乳幼児健診等あらゆる機会を通じて虐待を早期に把握するよう努めるとともに、過重な育児負担のある養育者が確実に支援を受けられるよう体制整備を行うこと。 九、小児慢性特定疾患治療研究の一層の推進を図るとともに、児童虐待の予防、虐待された児童に対するケア、養育者へのカウンセリング等に資する医学的・社会学的研究についてもその充実を図るため、予算面・人員面で十分な配慮を行うこと。 十、小児慢性特定疾患対策については、法制化に伴い制度の周知徹底及び事務手続の簡素化を図るとともに、自己負担の導入が保護者に過重な負担とならないよう十分配慮すること。また、必要に応じて継続した治療が受けられるよう成人の難病対策との連携を可能な限り図るとともに、福祉サービスの充実についても取り組むこと。 十一、小児慢性特定疾患治療研究事業の在り方について引き続き検討を続けるとともに、患者団体、医療機関関係者及び専門家、自治体等の関係者の意見を十分踏まえ、必要に応じ制度の見直しを行うこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(岸宏一君) ただいま山本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岸宏一君) 全会一致と認めます。よって、山本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、尾辻厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。尾辻厚生労働大臣。
○国務大臣(尾辻秀久君) ただいま御決議のありました本法案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存でございます。
○委員長(岸宏一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。尾辻厚生労働大臣。
○国務大臣(尾辻秀久君) ただいま議題となりました育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 急速な少子化の進行等を踏まえ、総合的な次世代育成支援対策を推進する等の観点から、労働者が仕事と家庭を容易に両立できるようにするための支援を一層推進することが求められています。 このため、育児休業の対象者や期間の見直し、子の看護休暇制度の創設等労働者が育児や介護をしつつ働き続けることができる環境の整備を図ることとし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部改正であります。 雇用形態の多様化が進んでいる状況を踏まえて、期間を定めて雇用される労働者のうち一定の要件を満たすものについて、育児休業及び介護休業ができる労働者の範囲に加えることとしております。 また、育児休業について、雇用の継続のために特に必要と認められる場合には、子が一歳六か月に達するまで育児休業ができることとするとともに、介護休業について、対象家族一人につき、要介護状態ごとに介護休業ができるものとし、その日数は通算して九十三日までとしております。 さらに、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者が、負傷し、又は疾病にかかったその子の世話を行うための休暇制度を創設することとしております。 第二は、雇用保険法の一部改正であります。 育児休業の期間の延長及び介護休業の取得回数の制限の緩和に合わせて、育児休業給付の給付期間の延長及び介護休業給付の支給回数の制限の緩和を行うこととしております。 第三は、船員保険法の一部改正であり、育児休業給付及び介護休業給付について、雇用保険法と同様の改正を行うこととしております。 最後に、この法律の施行期日については、平成十七年四月一日としております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要でありますが、この法律案につきましては、衆議院において修正が行われたところであります。 何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(岸宏一君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員大村秀章君から説明を聴取いたします。大村秀章君。
○衆議院議員(大村秀章君) 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律等の一部を改正する法律案に対する衆議院における修正部分につきまして、御説明申し上げます。 その内容は、附則に「政府は、この法律の施行後適当な時期において、第一条の規定による改正後の育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の施行状況を勘案し、期間を定めて雇用される者に係る育児休業等の制度等について総合的に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」との規定を加えるものであります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(岸宏一君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十七分散会